過去ログ - 一方通行「半額弁当だァ?」
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12:第一話 『新鮮緑豆もやし200g 前編』[sage saga]
2011/12/04(日) 03:30:49.65 ID:AzEYozbn0




 お前、一番やっちゃいけねー事をしたなぁぁぁぁ!!!! と、怒りをぶつけようとした瞬間、著莪の顔がずいっとこちらに寄ってきた。
 悪戯っぽい笑みでから揚げを咥えながら、猫のように四つん這いの状態で右手を差し出してくる。
 ああ、なんて既視感……。




「……食えと?」

 なんとこれを食えと申すか。

「はっはほふへっへ」

「もう何言ってんのかわかんねーよ」



 お前は僕をどうしたいんだよ。
 以前はビーフジャーキー。今日はから揚げ、若干ランクアップしているように見えるが、結局お手とおかわりさせてる時点で扱いが一緒だ。
 だが、コレを食べなければこの空腹感を鎮める事はできないだろう。

 屈辱と空腹――天秤に掛けるまでもない。僕は迷わず空腹を満たす方を選んだ。
 お約束どおり、著莪が差し出している右手にタッチをし、戦利品を受け取った……口で。
 


 カリッという衣がはじける音共に、ジワリと肉汁が染み出る――これは、衣の外にガーリックチップが振ってあるだけじゃない。
 肉の方にもニンニクの味がしっかりと染み込んでいる。
 もちろん、ニンニクだけではなく、旨みの凝縮された鶏肉も肉厚でサクサク、あれだけ肉汁が出ていたと言うのに、
 噛めばまた中から肉汁が染み出てくる……その肉汁ですら鶏とニンニクの旨みを同時に閉じ込められていて、最高にうまい。
 

 たった一つのから揚げだというのに、空腹感は満たされ……そしてまた渇いた。
 くそっ。ご飯も食べたくなってしまったぞ。ニンニクの食欲促進効果が半端無いじゃないか!


 そんな葛藤を遮る様に、唇にぺろり。と生温かい感触が……どうやら、口の周りについていた衣を著莪が舐め取ったらしい。
 本人は満足そうに笑みを浮かべながら、まだ容器に残っているから揚げを口に運んでいる。




 行動に移す前に口で言え口で。お前は口より先に舌が出るタイプか。というか、そんなにから揚げが惜しかったのだろうか……。




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