16: ◆Oe72InN3/k
2012/09/06(木) 21:44:22.00 ID:mVZBQuHy0
奉太郎「はあ、まあいい」
奉太郎「用件ってのは、なんだったんだ」
える「そうでした、えっと」
おもむろに、バッグに手を入れ、物を取り出した。
える「これです!」
これは……
奉太郎「お守り?」
える「はい!」
奉太郎「これを届けに、わざわざきたのか」
える「ええ、今日の内に渡したかったんです」
える「遠くに出かけるので、是非!」
遠くと言うほどの遠くではないだろう。
いや、こいつにとっては遠くなのかもしれないか。
というか、だ。
これなら別に明日でも構わなかったんじゃないだろうか。
その疑問を、言葉にする。
奉太郎「明日でも良かったんじゃないか? これなら」
える「いえ、その」
える「福部さんと摩耶花さんには、秘密で……内緒で渡したかったんです」
千反田は少し恥ずかしそうにそう告げると、口を閉じた。
ああ、こいつはそんな事の為にわざわざ家まで来たというのか、歩いて、一時間半も。
顔が少し熱くなるのを俺は感じた。
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