過去ログ - はるちはトイレでまいっちんぐ
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1:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/02(月) 19:49:10.92 ID:W1yMv6UE0

「お疲れ様でした」

その声を皮切りに、現場に居たスタッフ達が振り向き、同じように「お疲れ様でしたー」と返してくれる。
それを耳で確認すると、下げていた頭を上げ、現場を後にする。


「…………ふぅ」

緊張の糸が切れたのか、意図せず口から空気がもれる。
仕方あるまい。 今日は野外の撮影だった。
野次馬根性と言ったところか、野外での撮影はどうしても部外者が集まる。
それ故、通常より視線の数が増え、神経が過敏になり緊張につながったのだ。


「あ……プロデューサーの所に戻らないと……」

近くで、春香との打ち合わせがあるらしく、残念ながら現場に居合わす事が出来なかったプロデューサーに、
今回の撮影の報告をしなければ。 滞りなく成功に終わったと。
…………因みに、今の「残念ながら」と言うのは別に私が残念だと思った訳では無い。 決して。

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2:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:50:18.03 ID:W1yMv6UE0
※アイマスSS、はるちはです
※地の文あり


3:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:50:50.72 ID:W1yMv6UE0

「…………っと」ブルルッ

「その前に……」

以下略



4:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:51:52.05 ID:W1yMv6UE0
中は個室が三つ。 至って普通の公衆トイレだ、手入れも行き届いている。
全ての扉が開いているのを見るに、誰か先客が居るわけでは無いようだ。
……などと悠長に見ている場合ではなかった、いそいそと一番手前の個室へと入り鍵をかける。


以下略



5:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:52:40.46 ID:W1yMv6UE0
「…………ふぅうぅ…………」

段々とそれの勢いが無くなっていく。
便鉢に掛かっていたのが封水に落ちようになり、ピチャピチャと音を立てる。
それが少し恥ずかしくて、思わず服の裾を握り締めてしまう。
以下略



6:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:53:23.05 ID:W1yMv6UE0
「ふあぁ、やばいやばいやばい……!」

明らかに余裕の無さそうな声色で隣の個室へと入っていくのが聞こえる。
……とても聞き覚えのある声なのは気のせいだろうか。

以下略



7:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:54:17.14 ID:W1yMv6UE0
(……!!! 紙が…………無い…………!?)

このような事があり得るのだろうか。 あって良いのだろうか。
確かに、公衆トイレなどではこうした事例が良くあるとスタッフとの世間話で聞いたことがある。
だがしかし、よもや自分自身にその災難が起こるとは思っても見なかった。
以下略



8:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:55:44.98 ID:W1yMv6UE0
(…………よし、ここは、声を変えていきましょう……!)

色々と考えた結果、この結論に至ったのである。
自分で言うのもなんだが、声には自信がある。 mid1CからhihiEまで出せるこの喉ならば、声を変えるなど容易い。
因みに、mid1Bと言ったが、ある程度低い音域に慣れればmid1Aまで出せるのが密かな自慢だ。
以下略



9:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:56:18.18 ID:W1yMv6UE0
コンディションは概ね良好。
完璧ではないが、私なら行けるはずだ。 出す声も決まった、低い声で行く。
低めの声ならともかく、極限まで低くした私の声を春香は聞き慣れていない筈だから――。

「あ、あの、すいません…………」
以下略



10:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:56:56.85 ID:W1yMv6UE0
「……あれ? 千早ちゃーん?」

おかしい、絶対におかしい。 何故バレてしまったのか解らない。
それほどまでに自信のある出来だった。 にも関わらずバレでしまったのだ。
実は天井に隠しカメラが仕込んであって、春香はそれを確認したのではないかと疑うレベルだ。
以下略



11:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:58:10.36 ID:W1yMv6UE0





以下略



12:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:58:40.47 ID:W1yMv6UE0
「どうですか、私は千早という方ではないでしょう?」

「72センチ」

「くっ」
以下略



13:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:59:16.21 ID:W1yMv6UE0
相手が春香じゃなかったら張り倒していたところだ。
もしこれを言うのがプロデューサーだったらプロデューサーの首を180度回すレベルである。

「ごめんってば〜。 ……あ、なんで声低かったの?」

以下略



14:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:59:50.23 ID:W1yMv6UE0
「……っ!!」

恥ずかしさからか、顔が赤らむ。 聞かれたくない事を聞かれてしまった。
面白半分、純粋な求知心半分といったような声色で再び質問が投げられてくる。
だがしかし観念する他あるまい。 今頼れるのは春香だけだ、逆らう事は出来ない。
以下略



15:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 20:00:33.74 ID:W1yMv6UE0
顔から火を噴きそうなほど顔が赤くなる、血が昇り過ぎて頭がクラクラしてくる程に。
あんな作戦やめれば良かった、今になって後悔が波となって押し寄せてくる。

「えへへ、ごめんつい。 えっと、トイレットペーパーだよね? 今渡すか……ら……」

以下略



16:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 20:01:08.18 ID:W1yMv6UE0
「…………What?」

「私のトコにも紙が無い…………!!」

「……………………………………」
以下略



17:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 20:02:55.71 ID:W1yMv6UE0
その後、春香がプロデューサーに連絡を取り、トイレットペーパーを買ってきてもらいました。
プロデューサーは最後まで女子トイレに入るのを躊躇っていましたが、春香の「はーぁあ、私のアイドルの道もこれまでかぁ」
と呟いた瞬間泣きそうな声で叫びながら私たちにトイレットペーパーを渡してくれたのを鮮明に覚えています。

それから少し経って、春香が事務所内でこの事を言いふらしたのか、765プロの間で、
以下略



18:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 20:03:58.26 ID:W1yMv6UE0
ヤマ無し落ち無し申し訳無し。
いったいなんなんだこれは……。

お疲れ様でした、ここまで読んでくださりどうもありがとうございました。


19:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/02(月) 20:16:35.36 ID:hiYtf6h9o

なさっている描写がリアルすぎるよう


20:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/02(月) 20:55:36.25 ID:523Z68wAO
乙です
無くともいいじゃないか
日常っぽくて


21:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/02(月) 22:13:03.06 ID:cofwHDm3o
アンタバカだろ(誉め言葉)


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