過去ログ - DIO「WRYYYYYYY!」 アーカード「こんなに楽しいのは久しぶりだ!!」
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4: ◆0Qglq3B3Ok[saga]
2013/11/14(木) 01:21:30.03 ID:+T+xRYs0o
 私の瞳がようやく焦点を結んだとき、私の周囲は霧に包まれていた。先も見通せないような濃密な霧だった。霧は街の影を作り、そこには暗い人影もちらちらと見えた。彼らは時々私の元を訪れ、動けぬ身である私の世話をした。その時に私は気付いた。彼らが霧によって操られた死者であることに。いつも傍に控える老婆もまた、その実体は霧であった。まさにここは霧の幻でできた夜の王国だったのである。
 そしてある時私は自覚する。私の体の一部もまた、霧の幻で賄われていることに。

 死者たちは時々、外の世界から生きた女を攫ってきた。私は本能のままに彼女たちの生き血を啜り、そのたびに、一部霧でできていた私の体は若々しい肉体を取り戻していった。傍らの老婆はその様子を満足げな笑みを浮かべながら見つめていた。
 何十、何百という女の血を吸うごとに、私の頭も徐々に澄んでいった。

 イギリスの貧民街で過ごした子供のころの記憶。母と、糞のような父のこと。
 ある貴族の養子になった経緯。奇妙な仮面との遭遇。貴族の実子との激闘。
 棺の中で眠り続けた月日。
 眠りからの目覚めと、特別な能力の獲得。
 エジプトでの生活。


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