11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 21:57:15.27 ID:2bCQac2f0
「プロデューサー!」
「うおっ!?」
突然、秋月に胸倉を掴まれる僕。
いきなりの展開に身体が反応できなかったようだ。
「本当に、本当に何もしていないんですよね!?」
「してない、してないって……!」
「そんな……でもあの千早の様子は」
「ぐ、ぐるしい……あき、秋……月……いき、が――」
「いや、でもあの子の事だからプロデューサーを庇って、という線も……でもそれだとお弁当が」
秋月の僕に対する信頼がゼロに等しかった事は悲しいが、それ以上に悲しい事に僕のライフポイントはもうゼロに近かった。
「律子ちゃん! プロデューサーさんが泡吹いてる!」
「えっ……ああっ!?」
「ぼ、僕の骨は……ギアナ高原に埋めてくれ……」
「無茶言わないでください!」
薄れゆく意識の中、走馬灯のようにここ最近の状況が思い出される。
走馬灯とは、死の直前になり如何にして死を回避するかを過去の映像から探す為に起こる現象らしい。死を目の前にして、記憶力が一気に本気を出す訳だ。
僕の記憶が蘇る。
初めは忍との出会いから、忍野との邂逅、羽川との友情、三人との決闘、猫との対決、ひたぎとの出会い、八九寺、神原、千石、貝木、斧乃木ちゃん、影縫さん、臥煙さん、老倉、扇ちゃん――。
ああ、振り返ってみてもろくな人生じゃないな。
けれど、決して最悪ではない。いくら酷い過去でも、笑って思い出せるのならそれは現在、少しでも幸せな証拠なのだから。
僕の名前は阿良々木暦。
職業、アイドルのプロデューサー。
71Res/46.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。