過去ログ - あずさ父「娘はアイドル」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:30:14.18 ID:rwKse1D30

「お父さん、ちょっと話があるの」
「何だ」
「私、アイドルに、なろうと思うの」

 短大を卒業できるのか不安だった娘。
 どうにか卒業するという段になって家に帰ってくるなり、とんでもないことを言いだした。

「……は?」
「だから、私、アイドルになろうと」
「……あずさ、お前今年でいくつになる?」
「……20です」
「……そうだな」

 深くため息をついた私は、正面に座っているあずさを見つめる。
 まだまだ大人になりきれていない幼さが残る表情を見ながら、私は深くため息を吐いた

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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/08(月) 22:32:05.39 ID:GdDZKUkC0
見覚えがある


3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:32:42.82 ID:rwKse1D30

「あずさ。20歳だ、20歳だぞ?」

 ソファに深く座り直して、あずさの顔を真っ直ぐに見据える。
 少し気まずそうに目線を逸らした娘に、私は続けて言う。
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:34:25.61 ID:rwKse1D30

「あずさ、まだ遅くない。考え直せ」
「……いいえ、もう、決めた事です」
「あずさ!」
「私、アイドルになって運命の人を見つけるんです!」
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:36:59.60 ID:rwKse1D30

「母さん、今日は、あずさから電話は」
「ないですよ」
「じゃあ、ほら、メールは」
「あなた、そんなに毎日送ってきませんよ。あずさだって忙しいでしょうから」
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:39:12.03 ID:rwKse1D30

「何か言いました?」
「いや、別に」

 にっこり笑った妻の目線を受け流しつつ、私は食卓の上の新聞紙に目を移した。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:42:13.76 ID:rwKse1D30
 出されたお茶を勢いよく飲んで、冷ましもしなかった事を後悔しながら新聞に目を落とす。
 芸能欄を見ていると、そこだけ赤マーカーで囲まれている部分がある。妻の仕業だ。

「……765プロ。三浦あずさと星井美希」

以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:45:41.96 ID:rwKse1D30

 それから、また暫く経った頃だった。昼食を食べに出かけた定食屋のテレビに、私は思わず手にしていたご飯茶碗を取り落していた。

『知らぬが仏放っとけない♪』
『唇ポーカーフェーイス♪』
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:46:37.15 ID:rwKse1D30

、なぜ私は、こんなにも動揺しているのか。なぜ、後ろめたい気持ちを抱かなければいけないのか。
 そんな、複雑な気持ちを抱きながらも、あずさ……いや、765プロの活動は更に大きなものになっていく。
 竜宮小町の一員として、あずさも色々なメディアへと露出が増えていた。
 他のアイドルよりも歳が上だからか、雑誌の巻頭グラビアをあずさが飾る事もあって、親としては複雑な心境だった。
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:48:07.32 ID:rwKse1D30

「福井?何でまたそんなところに……へぇ、合宿。大変ねぇ……」

 家に帰るなり、長電話を終えたばかりといった感じの妻と目が合った。

以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:49:20.53 ID:rwKse1D30
「じゃあ決まりね、宿の手配とかもしておかないとね」
「おい、まだ」
「行くわよね?」

 妻がこう言い出したら、私の負けだった。
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:50:57.63 ID:rwKse1D30
 ライブまでの日々はあっという間に過ぎて、季節は秋に移り変わる。
 庭の木の葉が色付いて、少しずつ落ち始めたころに、私は765プロダクションのライブ会場に居た。


「……凄い人だな」
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:53:09.79 ID:rwKse1D30

 妻が声を掛けると、その女性が驚いたように振り返る。

「あ、あら三浦さん。お久しぶりです、何だか驚かせてしまって」
「いいえそんな事は……旦那さん、アリーナに?」
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:54:58.62 ID:rwKse1D30

 いよいよ、アリーナの中へ入る。一瞬薄暗くなったので目がそれに慣れるまではとにかく暗いアリーナの中も、徐々に明るく見えるようになってくる。
 
「おお……これは」

以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:57:57.56 ID:rwKse1D30
 どういう意味だ。
 妻も最初は反対していたはずだ。其れがいつの間にかライブに行くようになり、CDも買い揃えるようになっていた。
 いや、それは私も同じことだった。
 新聞の芸能欄は必ずチェックするし、歌番組だって妻が録画したのを後で見ていることもある。
 つまり、いつの間にかアレだけ反対していた娘のアイドル活動に対して、いつの間にか私は好意的な感情を抱いていたのではないだろうか。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 23:01:14.40 ID:rwKse1D30
 一際歓声が大きくなり、妻の顔を見つめていたのをステージに戻す。
 幕の向こう側には、小さな人影が並んでいる。その幕が上がり始めるのを見ながら、会場内の熱気が上がっていくのを感じた。
 
(娘は……アイドル、か)
 
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/09/08(月) 23:03:12.35 ID:l0vi/jCGO
おつ
面白かった


18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/08(月) 23:05:31.70 ID:QtZaKvpko

次は娘はやらんを言う事になるのだろうか


19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/09(火) 00:12:33.29 ID:GSb4ScRCo
良かった
20歳からアイドルに挑戦するとか言ったら、そら親は反対するわなあ
まあ、中澤裕子みたいな場合もあるけど


20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/09(火) 00:44:54.64 ID:ecnJksBXO
題名はどっかで見た感じだったからパクリかと思ったけどそんなことなかった



乙です


21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/09(火) 03:03:01.85 ID:L+nzK1Omo
シリーズだしそれをみたおぼえがあったのかもね
おつ


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