過去ログ - 阿良々木暦「ひなウルフ」
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12: ◆8HmEy52dzA[saga]
2014/12/11(木) 23:20:46.60 ID:ey41gLLW0



004



「では、少々お待ち下さいませ」

注文を口頭で伝えると、適当な席に座る。
場所は近所の牛丼屋さんっスね。
余談だけどアタシは牛丼屋が好きっス。
二十四時間空いてるし、お財布にも優しいところがお気に入りだったり。

やっぱり人間、何かに縛られる生活は健康に良くないっスよね。
常識に囚われない生活の何と素晴らしいことか。

「あれ?」

注文が出来る間、手持ち無沙汰にしていると、ふと見遣った席に見知った顔がいた。

牛丼に七味唐辛子をかけていた彼も、アタシの顔を見て目を丸くしている。

「あ、この間のお兄さん」

「荒木……?」

先日、路地裏で片桐早苗と一緒にいたお兄さんだ。

あれ?
アタシ名前教えましたっけ?

「荒木、なんだな」

「いやあ、凄い偶然っスねえ。こんな短期間にまた会うなんて」

この人間が過剰とも言える程に増えている時代において、特定の人間同士が偶然再開する確率はかなり低い。
そういう意味では結構な奇跡と言えなくもないが、正直なところ、どうでもいいというのがアタシの本音だ。

「いいよとぼけなくても。お前……灰芥、だな」

「……昼間のアタシに会ったんスね。それともそっちの専門家の人っスか?」

そうでなければ説明もつかない。

アタシの名前を知っていることも。

アタシが何なのかも知っていることも。

「専門家じゃあない。片足突っ込んだ程度だ」

そんな会話をしている間に注文が出来たらしく、商品が運ばれる。
トレイを持ってお兄さんの対面に座った。
注文内容は牛丼大盛り卵つき。
いやあ、これで五百円行かないのは嬉しいっスよね。ジャンクフード最高っス。



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