過去ログ - 女勇者「帰還後王子と結婚できると思っていたら」
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◆WnJdwN8j0.
[saga]
2014/12/23(火) 13:30:14.74 ID:VrH1tSDD0
勇者「ん…」
目が覚めたのはベッドの上だった。
少しの間ぼけっとしてたが、徐々に頭が働き出す。
私は起き上がって周囲を見渡した。
ベッドと机だけがある簡素な部屋だ。この場所に見覚えはない。
気絶している間に川の水を吸った服は脱がされたのか、質素な夜間着に着替えさせられていた。傷の治療もしてくれている。
一体誰が…?そう考えていると、足元でにゃあと聞こえた。猫だ。
猫は私と目が合うと、ダッと部屋の外に駆けていった。
勇者「…?」
ベッドから出ようとしたが、まだ頭が痛む。
国王を殺したのは誰で、魔法使いは一体何のつもりで――嫌なことばかり思いだし、自然と表情が歪む。
?「ようやく目が覚めたか」
勇者「!」
声と同時にドアが大きく開き、男が入ってきた。先ほど、兵士達を倒した男だ。
勇者「…助けてくれたんですか」
?「あぁ」
結構長身の、逞しい美男子ではある。どこかで会ったことがあるような気はするが、思い出せない。
勇者「ありがとうございます。貴方は…」
?「あぁ、お前は俺の素顔を知らなかったな」
勇者「え?」
そして男は、いたずらっぽく笑いを浮かべた。
?「勇者よ――愛しているぞ」
勇者「―――!!」
勇者「暗黒騎士!?」
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