8: ◆DFyQ72NN8s[saga]
2015/04/01(水) 10:51:25.23 ID:w+Y5NOKn0
「憂……! ずっと一緒にいてよぉっ……! 私、憂のこと、本当に本当に愛してるから……!
だから! 死ぬまで、私と一緒に生きていってほしいの……!」
やっと、言えた。泣きながら、だけど。
憂の両手を包む私の手のひらまで震えて、やっぱり憂の涙をうまく止めてあげられない。
もどかしくて、苦しくて、その体温が温かくて愛おしくてまた泣けてくる。
憂は私の言葉に一瞬息を飲んだ後、泣きながら、顔を一層ぐしゃぐしゃに
歪ませながら、私の両手にそれまで私を抱きしめていた両手を重ねる。
二人揃って深呼吸さえもうまくできないくらい涙を流しながら、
憂は今夜初めて、今までの静けさを打ち破るようにはっきりと、返事を返してくれた。
「……はい……私も……梓ちゃんのこと愛してる……! こんな、こんな私だけど愛してる……!
死ぬまで……死ぬまで……! 梓ちゃんとずっと一緒にいる……!」
「ありがとう……! ありが、とう……! 憂ぃぃ……!」
こうして、私たちは、恋人になりました。
それが、今のふたりの精一杯で。
そして、これからのふたりの始まりで。
それから、しばらくしてようやく涙の波が引いた後、憂も私も照れくさそうにお互いの涙を拭き合う。
ふたりとも目も頬も真っ赤で、鼻声だ。
私たちはベッドに座って向き合うと何故だか笑ってしまって、
今度こそ、この部屋の静けさは、笑顔で打ち破られた。
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