過去ログ - 安部菜々「その先も、ずっとずーっとウサミン星
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10:名無しNIPPER[saga]
2016/02/14(日) 18:31:58.08 ID:mnHvmUBA0
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 それからは、休むまもなく駆け抜けていく日々でした。
 仕事先への挨拶とレッスン。先輩のアイドルたちのサポート。
 そうして小さな仕事をこなしていくうちに、少しずつ増えていく安部菜々のアイドルとしても仕事。
 
「やったぞ菜々! ついにCDデビューだ」

 そう言って、メルヘンデビューを持って来てくれた時は、二人で事務所の中で大はしゃぎして、ちひろさんから怒られました。
 
 止まっていた時計が一気に動き出したかのような、目まぐるしい毎日。
 それは、年齢的にナナには少しだけ辛かったけど、とても輝いていた日々。

 でもちょっと情けないことなんですけど。ナナはあの時、油断したんだと思います。

 仕事も軌道に乗ってきた。素敵な歌に沢山のファンも手に入れた。
 じゃあ、その次はどうしたらいいんだろう。
 何がしたいかと聞かれても、ナナはアイドルを続けられればそれで幸せです、と答えていました。
 もちろん、ファンが増えてくれて、その人たちを幸せにしたい。

 よく言えば現状を維持。その先には、何も考えられませんでした。

 それは、間違っても不幸ではないです。ナナの身には余るほどの幸運な日々でした。
 だけど、これが終わったあと、ナナはどうなるんだろう。
 アイドルでなくなったナナは、ウサミン星人でも17歳でもないただの女の子……でもない、ただの女性です。

 ウサミンコールを受けてステージの立つ、みんなの憧れのアイドルじゃなくなった時。
 その時、安部菜々に何が残るんでしょうか。

 漠然とした不安は日に日に大きくなっていったけれど、ナナはアイドルを続けていました。
 川島さんの髪の毛に白髪が混ざり、早苗さんが痛風で倒れたり、みんな少しずつ年齢を重ねていきました。

 ナナも体が少しずつ言う事をきかなくなって、思ったように踊れなくなって……情けなくなって……でも、そんなナナを、プロデューサーはいつだって気遣ってくれましたね。



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