過去ログ - 「死屍累々、全てを呑み込むこの街で」
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8: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2016/11/03(木) 21:26:19.03 ID:LfWmyaZi0
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此処は廃遊園地。フードを被った子供達が集まって話し込んでいる。

中央には一人の男。年齢は四十代と言った所で、顔には大きな切り傷の痕が斜めに付いている。

「いいか、後少しだ。もうじき俺達の復讐が始まる」

「なあミゼル。結局「あれ」って何体出来たんだ?」

一人がミゼルと呼ばれる男に質問をした。男は無精ひげが生えた顎をさすると、火傷のように変色した指で確かめていく。

「十一、十二……十四体って所か。」

「でも、この前の奴ほどの性能じゃないんだろ? 大丈夫かな?」

「確かに前のよりも呪いが弱いか。まぁキメラも二十体出来てる。とりあえず最低限の数は確保出来た」

具合はどうだ、と聞く男に対し、前髪で目が隠れた少女が問題ないと返す。

ただしキメラの方のオリジナルは、まだ不安定。少女はそう付け加えた。

「まぁ戦えるなら何とかなる。何せ俺達は‘勝つ必要は無い’からな」

さて、配置する地区だが――男が話を進めようとしたその時だった。

大地が轟音を立てながら、凄まじい揺れを見せたのである。

「……何だ……う、うおおおぉおぉおっ!」

観覧車はがくがくと勢いよく揺れ、鉄製のごみ箱が音を立てて倒れる。

振動に耐えきれず、誰もがバランスを崩す。視界がブレて何も見えないようだ。

その場の全員がただ黙って耐える、永遠にも思える地獄の時間は、突然ぴたりと止まった。

「……今のは……」

――



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