過去ログ - 「死屍累々、全てを呑み込むこの街で」
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7: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2016/11/03(木) 20:46:54.92 ID:LfWmyaZi0
「あー、そういやそいつらがおったか。せやねん。呪い喰う奴おんねん」

「この街にも居るのか?」

「せやけど、そういう治癒系の種族って……ほら、アレやん。簡単にはいかんで?」

猿は口を濁します。治癒系の種族は、いつの時代でも人の欲に汚される運命です。

それらのほとんどが他人嫌いな性格で、そう簡単に事が運ぶとは思えませんね。

「まぁ良い。場所を教えてくれ」

「追加料金」

「……ッチ。ほらよ」

「おおきに。ほな複製するからちょっと待って」

猿はそう言うと、一枚の紙に地図を‘写し’ました。

軽快な鼻歌を歌いながら、もう一枚の紙にその地図をペンで複製します。

「西の地区に集落があんねんか。そこや。なんや妙なステルス結界張っとんで。二度目の時は入られへんかった」

「ひっひっひ」

「結界の解き方は?」

「いや、なんかわしが行った時はたまたま無かった。まぁ蠅王サンおるならいけるやろ」

「……念のためお前も来い」

「ウキッ!? なんでや面倒臭い! もうわしは動かずにだらだら生きるって決めとんねん!」

猿は飛び上がり、首をぶんぶんと振り続けます。

男は苦々しい顔で、金貨をジャラジャラと机に落としました。

これには猿も驚きのあまり、目を見開きます。

「こいつでどうだ?」

「……ホホッ!! ええね! 宵越しの金持たん奴は好きや! わしがきっちり案内したるわ!」

「ひっひっひ、そいつは楽しみじゃのぉ〜」

強烈な手のひら返し。猿はうきうきな様子でドンと胸を叩きました。

「よし、行くぞ」

「今から!? 準備するから待ちーな!」


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