1: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/11/30(水) 18:37:56.68 ID:7FZgc2Oz0
ぼくは彼女の笑顔が好きだった。
タタンタタンと、彼女は時々嬉しそうにステップを踏んだ。まるで世界が自分のものだと言うように、細く長い腕を精一杯広げて、彼女はくるっと回って笑うのだ。
紅茶が美味しかったから。ケーキが甘かったから。晴れていたから。月が見えたから。とか。理由なんてなんでも良くて、あるいはどんなことでも理由になって、彼女は嬉しそうに笑いながら踊って見せた。
フレデリカが目の前で笑ってくれれば、中途半端な日々も悪くないと思えるぐらい、ぼくは彼女の笑顔が好きだった。
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