過去ログ - 最初のファンから、駆け出すキミへ(小日向美穂If小説)
1- 20
7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/03(月) 00:19:44.84 ID:3RRQd8Ra0
そして、その時は突然訪れた。
三学期の期末試験も終わり、高校は採点の為の家庭学習期間に入っていた。
「1、2、3、ステップ!レッスン、楽しいなぁ……。これで私もアイドル気分!なんて。」
美穂はメニューが終わり、他の生徒が帰ったレッスンルームで一人で自主練をしていた。そう言えば先程から先生の姿が見えない。
「すみません、小日向美穂さんですか?」
「えっ、はっ、はい!?」
突然声をかけられて驚き、美穂は尻餅をついてしまった。話し掛けてきた男性は優しく微笑むと手を差し出してくる。
「お手をどうぞ。……驚かせてしまって申し訳ありません。自分は美城プロダクション所属のアイドル部門でプロデューサーをしている鈴木慎吾(すずき しんご)と申します。」
鈴木と名乗る男は美穂を起こすと名刺を渡してきた。二か月前、美穂がダメ元で、はるばる熊本市まで行ってオーディションを受けてきた、誰もがその名を知る東京の老舗芸能プロダクションだ。多くの有名俳優や歌手が所属しており、半年ほど前からアイドル業界への進出を発表した事で世間を騒がせている。
「えぇっ!?み、みし、みしろっ、ぷぷぷろだく……あっ!はじめますて!じゃなくて……!」
鈴木は慌てふためく美穂が落ち着くのを優しく待っていた。
「……お見苦しい姿を見せてしまってすみません、それで今日は私に何の御用でしょうか……?」
「いいえ、お気になさらず。本日は小日向さんが先日受けて頂いたオーディションの結果をお伝えに参りました。」
「ちょ、直接ですか……?」
「はい。たまたま熊本市の方に出張で来ていまして、せっかくなので。それで、結果のほうですが、合格です。是非とも我がプロダクションの新進気鋭のアイドルプロジェクト、『シンデレラガールズ』の候補生になって頂けないかとご相談に伺った次第です。」
「へ……候補生?」
「はい。形式上まだ候補生ですが、上京後レッスン等を受けて頂き、基本的にはそのまま候補生全員に正式にシンデレラガールズのメンバーとなって頂く予定です。」
放心状態に陥っていた美穂はしばらくして返事を返す。
「あ……ありがとうございますっ、私やります!熊本の女は、我慢強くて強気なんですっ。見捨てられないよう頑張ります!」
「ありがとうございます、これからどうぞよろしくお願いします。それでは、また後日詳しい日程の説明や各種書類のお渡し、記入などをお願いしたいのでまたお伺いしたいのですが――」




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
18Res/18.56 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice