19: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/04/13(木) 14:05:19.31 ID:cyho9vRu0
探索組に起こった異変は比較的すぐだった。警察署での制圧作業が終わり各班に分かれて、細かな処理と物資収集に移行してから攻撃が起こった。
襲われたのは一ノ瀬、西切、藍の3人。周囲にゾンビがいないことを確認してから探索に入った建物は、すでに包囲されている状況。予想できるのは、パラノイアの攻撃が始まった。元々覚悟していたこともあり、3人が冷静にいることが、この状況下での救いだろう。
3人は素早くバリケードを張り、立て籠もる。他のメンバーに連絡は幸い取れていて、自分達に出来るのは可能な限り生き延び続けることだけだった。
西切は建物内から、バリケード破壊が可能なマッスルゾンビや、侵入してこれるマッスルゾンビやモンキーゾンビを優先して弓矢で射る役目、一ノ瀬と藍はバリケードの隙間から破壊しようとするゾンビを処理することになった。
「…なーんか、妙ですねー」
統率がとれているところを考えると、コマンダーゾンビ、つまりパラノイアだと思える状況なのに、彼女のいる矢によって、マッスルゾンビなどの変異体は処理されてしまっている。だからこそおかしい。警察署での籠城の際、彼女の弓矢は当たりはすれど急所を外れ、思った結果を発揮することが出来なかった。
こうも当たると、この包囲自体が自分達を使った罠なのではないか。そんな疑問すら湧いてくる。
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