ヒーローとその姉(オリジナル百合)
1- 20
12: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/12/13(火) 22:19:32.56 ID:JZ42mPM/O
中学の時、担任もバレー部の部活の顧問も男性だった。
副担任とか副顧問とかは女性だったけど、ほとんど関わることはなかった。
それに、なんとなく怖いなあと感じるくらいで、そこまで確かな拒否反応があるけではなかったのだ。
けれど、高1になり同級生も別々の学校へ行くようになって、環境が大きく変わった。
私を守る見慣れた人間達がいなくなった。
上級生や先生に、特別何か圧力をかけられたり、苛めを受けたりしたわけではない。
それでも、私の言動を指摘されて否定されるのではないかと怖いのだ。
だから、ネズミみたいにこそこそこそこそして。
上を見ないように、這いつくばってる。

だからそっとしておいて。
という風にはいかない。
現実は厳しい。

「絵ちゃん」

放課後。
校門に小学生らしき人影がいて、私の名前を呼んだ。
桜田ちゃんを盾にして、私は答えた。

「なにさ、ちあきちゃん」

「こらこら、絵ちゃん」

桜田ちゃんが、私の首根っこを掴んで後ろから引きずり出す。
やだやだやだ。

「ひろ君、あれから家に帰ってないの」

「え、ホント?」

漸く顔を上げて、ちあきちゃんを盗み見た。
眉根を寄せて、不安そうにも怒っているようにも見えた。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
130Res/69.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice