【悪魔のリドル】兎角「一線を越える、ということ」
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12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 21:57:30.43 ID:u1xI7N2CO
二回目は『あの日』から四日後の朝で場所は同じくシャワー室であった。
ただし二回目は千足が兎角の個室に押し入る形であった。
その日明らかに兎角は不満げであった。
兎角の機嫌が悪いのは珍しいことではないがその理由まで明らかなことはあまりない。
それでも千足が兎角の不機嫌の原因に気付いたのは、ランニングの最中千足の姿を見つけた兎角が一瞬ながら明らかに動揺したからだ。
確かに『あの日』から顔を会わせれば気まずい空気になっていた二人だがそれとは明らかに違う動揺、まるでなにかを期待するかのような、目の奥に燃える何かを隠そうとした動揺だった。
二人はランニングの最中一言も口を利かなかった。
無言のまま一時間ほど汗を流し、シャワー室まで来てもそれは変わらず、兎角は一見普段通りに服を脱ぎ個室に向かった。
千足は少し悩んだがシャワー室に他に人がいないことを確認するとこの前の兎角と同じ行動を、つまり閉められようとしている扉を押し留め個室の中に入った。
一糸纏わぬ兎角は一瞬体を強張らせる、が抵抗はしなかった。
千足は個室の扉を閉めた。
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