16: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2018/03/15(木) 00:13:51.90 ID:LHPiSqGv0
それから時刻は過ぎ、昼前に事務所の倉庫に三人の姿があった。
相葉夕美と一ノ瀬志希、そして千川ちひろである。
「本当にすいませんでした!」
部屋に入るなりちひろは深々と頭を下げた。
「まさかこんなことになるとは思ってもいなくて……」
倉庫の少しだけ埃の被った机に小さいうえきちゃんが二体置かれている。今のところ例の触手は出てきていない。
「いやー、しきちゃん的には別に良いんだけどさ、あれって仕組まれてたものじゃないの?」
志希がそう問うと物凄い勢いでちひろは首を振った。
「そ、そんなわけありませんよ!正直何でこんな現象が起こるのかさっぱりなんです。材料に変な物も使ってませんし、志希ちゃんに用意してもらった香りづけ用の薬品も変な物ではないですし。ないですよね?」
たぶん変な薬品は使ってないよー、という志希の答えにちひろは益々頭を抱えた。
「とにかく、害はない……というわけではないことは先程聞いたのですが」
変な言い方の意味をわかっている夕美は少しだけ顔を赤くする。意外にも夕美よりも早く事務所を訪れた志希はちひろに昨晩のことを話していたらしい。
「その私も昨日、同じような感じでちょっと色々ありまして……」
話しぶりと顔が赤いことからちひろも同じ目にあっていることを夕美は理解した。志希はそれを聞いて今まで思っていたことを口にする。
「まあ全員仲良く酷い目にあったのはわかったんだけど、ちひろさんのうえきちゃんはどこ?」
そういえばと、机上に視線を向けるとそこにあるのは夕美と志希のうえきちゃんだけである。
ちひろはそれを聞いて困ったように苦笑して答えた。
「じ、実は今朝起きたら昨日持ち帰ったパソコンでの仕事をやってくれてまして……それで続きをたぶん家でやってるんじゃないかと……」
「ほうほう」
「えぇ……」
志希と夕美はそれぞれ関心と困惑の返事をする。聞くところによるとちひろが触手に襲われたのは持ち帰った仕事を取りかかろうとしていた時だったらしい。そのまま散々に責められた彼女は何度も果てた後、気を失うように寝てしまったらしいが、朝起きたらやるはずだった作業を器用に触手がこなしていた。ということらしい。
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