[モバマス]夕美「うえきちゃん」[R-18]
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17: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2018/03/15(木) 00:15:05.55 ID:LHPiSqGv0
(そういえば私のうえきちゃんも)

 起きた時に朝食を作っていたり日課の水やりもやっていたことを夕美は思い出していた。

 その思考に被せるように志希も自身の散らかっていた薬品部屋が整理されていたことを話す。

「もしかしたら襲った人間の情報をコピーしてるとか?だとしたら凄いよねー。色々と」

「そう考えるなら便利は便利かもしれないけど……」

 夕美は苦言を呈する。仮に言葉が通じ、人間と同じような知性があると仮定しても一度襲われて気を失う程昇りつめさせられているのだ。いつ再び襲われるかもわからない状態で身近に置いておくにはリスクが大きすぎる。

 ちひろは夕美のその発言に賛同はしたが、苦渋の表情で申し訳なさそうに口を開く。

「ただ、こうなってしまった以上隔離してどこかに保管っていうのが難しくて……」

「そりゃそうだろうねぇ」

 仮に倉庫の片隅に置いても他の誰かが来た時に襲われてしまっては被害が益々広がるだけである。

「それで何とか解決策を見つけるのでそれまで本当に申し訳ないんですが……それぞれの自宅で上手く管理して頂けませんか?」

 力ないお願いだった。それもそのはずで、本人にその気がなかったとはいえ犯人に近い存在ではある。

 夕美はどうしたものかと思考を巡らせていたが志希は存外乗り気であった。

「いいんじゃない?ある程度意志の疎通も出来るし、けっこう興味深いし?それに〜」

 志希はそういうと隣に立っていた夕美の脇腹を突然擽るように揉んだ。

「ひゃ、ん!?し、志希ちゃん!?」

「けっこうよかったんじゃな〜い?思い出すたびに顔赤くしてるみたいだしさ」

「な、なっ……!?」

 にやにやとからかうように見つめてくる志希に、夕美は自身の意思に反して顔が熱くなるのを感じる。

「絶対に何とかしますから、当分だけでいいのでどうかお願いします……!」

 結局レッスンの時間も近づいてきたため、完全に納得はしなかったが押される形で夕美は承諾した。ちなみに志希はやっぱりノリノリである。

「はぁ……」

 志希と並んで歩きながら夕美はため息をつくばかりであった。

「どしたの?さっきからため息ばっかだね?」

「そりゃそうだよ……」

 手に持った紙袋は妙に重い。物理的な重さではなく精神的な意味合いもプラスされているようだった。

「志希ちゃんはこれからの予定は?」

「今日は何もないよ、あたし今日はこのために来ただけー」

「あ、そうなんだ。じゃあもう帰るの?」

 夕美がそう言うと志希はさっき夕美をからかった時と同じようににやりと笑う。

「そうだよー、昨日あれだけ気持ちよくしてもらったけど夜だけだったから、今日はこれから一日中嬲ってもらおうと思ってー♪」

「えっ」

「夕美ちゃんも今日の夜はまたお楽しみかにゃ?」

「も、もーっ!!」

 夕美は顔を真っ赤にして怒るが志希はやはりからかうように笑いながら、アデューと言いながらあっという間に駆けて行ってしまった。

「もう……」

 手に持った紙袋が少しだけガサリと動いたような感触に、夕美はハッと目をやるが何も変わった様子はなく、やはり大きなため息をついてレッスンルームまで重い足を向けた。


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