4: ◆JfOiQcbfj2
2018/03/14(水) 23:57:37.62 ID:IScO5bqg0
「ただいまー」
暗い部屋の扉が開き、夜の明かりと共に夕美は自身の住むマンションの一室に帰ってきた。
神奈川県の実家から大学や事務所に通うことは不可能ではないが、仕事が増えてきたことや学業にも専念するために両親に少々無理を言って借りた部屋だ。
「さて、と」
部屋の明かりをつけて紙袋をテーブルの上に置いた彼女は、その中からうえきちゃんを取り出し、とりあえずど真ん中にドンと置いてみた。
「まあ、小さいしそんなに変な感じでもないかな」
色々な角度から見てみるが、特に変な感じもない。ただ近づくとやはり甘ったるい匂いが鼻を擽る。
「一応写真撮っとこ」
携帯を取り出して何枚か写真を撮る。明日ちひろに見せるためである。
「よしっ」
それに満足したのか携帯をテーブルの上に置いた彼女はそのまま浴室に足を運んだ。
(ちょっと遅いからシャワーでいっか)
余裕があればお湯を張ってゆっくり湯船に浸かりたい気持ちもあったが、今日は少し忙しかったせいで(主に志希の失踪)少し帰りが遅くなったのもあった為シャワーにすることに決めた。
「〜〜♪」
軽快に鼻歌を歌いながら衣服を脱いであっという間に一糸まとわぬ姿になる。
その後すぐにシャワーの流れる音と、さっきの鼻歌の続きが浴室から聞こえだした。
『…………』
テーブルの上に置いてある小さなうえきちゃんがモゾモゾとそれに反応するように少しだけ動いたのを、当然彼女が知る由はない。
22Res/36.27 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20