【創作】「彼女はとても手が早い」
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3:名無しNIPPER
2018/03/25(日) 15:24:32.74 ID:2/v3E0jz0
4月10日。朝6時。
ぼくはいつも通りの時間に起床した。
カレンダーを見ると、今日の日付の部分にでかでかと「入学式」と書いていた。

「……あぁ、そうだ。今日は高校の入学式だったか……」

布団から起き上がり、カレンダーの10日の部分に×を付ける。
部屋を出てすぐ隣の部屋をこんこん、とノックする。

「……パパ?」

「いや、お兄ちゃんだ」

がちゃり、と扉が少しだけ開き、隙間からじっと僕の顔を見つめてくる。
相変わらず小さい妹だ。
ぼくの顔を舐めるようにじーっと見つめた後、

「……パパ?」

見た上で呼び方を間違えられた。

「見た目をじっくり確認した上で間違えるな。お前のお兄ちゃんだ」

「……にぃ」

妹は小さくうなずいて、扉を開ける。
ぼくよりも20cmほど小さい妹はとてとてとそばに近づき見上げてくる。

「……どうしたの?にぃが私に直接話すことがあるなんて、めずらしい……」

妹とぼくはあまり会話することはない。
というか、こいつはいつも部屋の中でパソコンの前から動かないから話す機会がない。
というのも強烈な人見知りでもあるこの妹は家族とも好んで話そうとはしないのだ。
そのため、入学式前の長期休みは部屋の入り口に僕が毎日ご飯を作って運んでいた。


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