【創作】「彼女はとても手が早い」
1- 20
5:名無しNIPPER
2018/03/25(日) 15:33:10.37 ID:2/v3E0jz0
ぼくは中学三年生の頃、とある事件をきっかけに転校をし、この町、天栄町へと来た。
思い出したくない過去を振り返りたくなく、
かつて住んでいた町にこれ以上関わっていたくはなかったためだ。
ぼくは久々の外出ですっかり重くなった足を無理やり前へと進めていった。

今日は晴天、入学式にはぴったりの日だ。
遅咲きなのか桜はまだ咲いていなかったものの、
ほんのりと涼しい風がぼくの体に触れるたびに春をしっかりと感じることができた。

そのままぼんやりと歩いていたら、やがてぼくが通う予定の学校が見えてきた。

「……ぼくが通う高校。ここで合ってるよな」

友達がいない状況にももう慣れてしまっている。
待つ相手も特にいるわけではないので、ぼくはまだ人気の感じられないこの学校の校門をくぐった。
着いた時間は7時10分。家を出た時間が6時50分だから、家から20分ほど歩いたようだった。
学校の中に入ると、案内の先生らしき、眼鏡をかけた男性が立っていた。

「おや、新入生かな?一年生は左の階段をのぼって、事前に知らされた教室に入ってね」

「はい、ありがとうございます」

ぼくは先生に向かって小さく一礼をし、階段をのぼっていく。
久々の学校だが、他クラスはおろかこの学校に知り合いなど当然一人もいないため
大人しく自分の教室へと一直線で向かう。
ぼくは一年三組なので、その張り紙が貼られた教室へと向かった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
16Res/17.03 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice