鷺沢文香「特別な一日にこそ、何でもないひとときを」
↓
1-
覧
板
20
6
:
◆TOYOUsnVr.
[saga]
2018/10/27(土) 12:02:05.85 ID:kQQBGx/C0
○
取り留めのない話を一つ、二つと交わし、ゆるやかに流れ出す景色。
そのさまを、ぼうっと眺めていたところ、プロデューサーさんが口を開きました。
「それにしても、ごめんな。今日は」
「いえ、先ほども申し上げたように、プロデューサーさんのせいではありませんから」
「んんん。それはそうなんだけど、やっぱりほら、気持ちの問題で」
「……おそらく、の話になる上に、そうでなければ、勝手な思い上がりで少しお恥ずかしいのですが」
私のそんな前置きに、プロデューサーさんは「ん?」という気の抜けた声と表情で返してくださいます。
「今日という日がお仕事であっても、そうでなくても、プロデューサーさんは……その、お祝いしてくださいましたよね」
「そりゃもちろん」
「であれば、あまり変わりはないように思うのです」
「どういう?」
言わなければわかりませんか、と聞きたくなりましたが、言わなければわからないようであれば、言う他ありません。
心の準備のために一息吸い込み、ふぅと漏らします。
「こうして、プロデューサーさんにお祝いしていただける、というのはそれだけでこの上ないほど嬉しく思いますので」
顔を直視するのが気恥ずかしく、車のダッシュボードに向けて、そんな言葉を吐きました。
するとプロデューサーさんは、こちらを向いて「文香……!」と泣きそうな顔で言うのでした。
「あの……大変嬉しいのですが……その、前を向いて運転していただけると」
「ごめん」
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
9Res/9.14 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
書[5]
板[3]
1-[1]
l20
鷺沢文香「特別な一日にこそ、何でもないひとときを」-SS速報R http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1540566003/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice