13: ◆3jMo9iZPSE[sage saga]
2019/09/19(木) 22:46:46.85 ID:RSNyvt7K0
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ベッドの上で、夕美ちゃんがそっぽを向いて寝転んでいる。
「あたしが悪かったよ」
その背中に向けてあたしは言った。返事はない。
「いくら志希ちゃんでもね、体のなにからなにまで作り変えることはできないと思うんだ。だからたぶん、生殖能力はないんじゃないかって……」
「そんなのわからないでしょ」
夕美ちゃんにしては珍しく、その声は少し刺々しかった。ご立腹の理由は、あたしが盛大に中に出したからなのだけど。
「考えなかったわけじゃないよ」あたしは言った。「その、あたし、そこそこ稼ぎもあるしさ、本当にいざとなったらあたしが養おうってぐらいには、考えてた」
「……してる最中に、そんなこと考えられるもの?」
「考えてたよ。本当に」
数秒の沈黙のあと、夕美ちゃんがころんと転がってこちらを向く。それからあたしの肩にちょこんと頭を乗せた。
「じゃあ……許してあげる」
あたしは、まだ少しむすっとしている夕美ちゃんを抱き寄せて、そのひたいにキスをした。
「ありがと」
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