【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【6頁目】
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987: ◆QhFDI08WfRWv[saga]
2022/03/13(日) 22:05:37.75 ID:kYN1Or9Bo

陽乃「貴女がそこまで私にする理由があるのは知ってる。貴女にとって私は命の恩人で、失われていたはずの命だから、懸けたところで悔いはないし、むしろそのためにあるのだとさえ思っているんでしょう?」

歌野「そうよ。久遠さんは私達を救ってくれた。ただ滅びるのを待つだけだった諏訪に踏み込み、引っ張り出してくれたわ。その恩を返したい。何より、そこまでしてくれた人が、周囲に受け入れられることなく1人傷つき続けているだけなのを黙って見ていることなんて出来るわけがないわ」

陽乃「だけど、そんなこと私はこれっぽっちも望んでいないのよ」

本来なら失われていたから、

何かに命を懸けることを厭うことはなく、

それが恩人の為ならばなおさら。という考え方は、陽乃も決して理解できないわけではない。

実践するかは別にしても、それは起こり得る一つの思考だ。

しかし、それをされる側が望んでいるかは別の話である。

もしかしたら「ありがとう。共に戦おう」だなんて手を取り合う美談に昇華しようとすることがあるかもしれないし、

あるいは、「いいや、命までは要らない」と、冗談めかした返しをしながら背中を預けることもあるだろう。

陽乃はどちらにもならない。

陽乃「使えるものは使うと言ったし、貴女は使えると判断したから取りに行った道具のようなものではあるけれどそれは勇者の戦力としてであって、無意味やたらと命を懸けて貰う為ではないのよ」

何より。と、陽乃は息を吐く。

陽乃「簡単に命を捨てられたら私が面倒な荷物を背負ってまで連れてきた意味がなくなるじゃない。ただ寿命を縮めただけの無駄足にしたいくらい私を恨んでいるのなら、そう言って頂戴」

歌野「そんなわけないわ。恨んでない……恨む理由なんてあるわけがない」

投げかけられる言葉がどれほど酷いものであっても、

その内側を感じられてしまう歌野は「どうしてそんなに酷いことが言えるのか」などと激高する理由もない。


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