このスレッドは製作速報VIP(クリエイター)の過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みできません。。
もし、このスレッドをネット上以外の媒体で転載や引用をされる場合は管理人までご一報ください。
またネット上での引用掲載、またはまとめサイトなどでの紹介をされる際はこのページへのリンクを必ず掲載してください。

唯「tanasinn!」 - 製作速報VIP(クリエイター) 過去ログ倉庫

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 07:21:02.08 ID:yuJnNCw0
時刻は午後4時をまわった頃

初夏の音楽室は柔らかい光で包まれていた

放課後になり、いよいよこの部屋に活気が満ちる……

そこからこの話は始まる
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、この製作速報VIP(クリエイター)板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 07:32:24.93 ID:yuJnNCw0
ドア「ガチャ」

澪「おーす、ってまだムギだけか」

紬「あら、澪ちゃんこんにちは」

ドア「バタン」

澪はソファに鞄をおきテーブルに着いた

澪「他の皆は?」

紬「掃除当番で遅くなるみたいなの、先にお茶にしましょ、今澪ちゃんの分も淹れるから」

そう言うと紬は席を立ちティーポットに向かう

澪「ああ、ありがとムギ」

なんだかんだ言いながらも、澪は結構この時間が好きだった




3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 07:50:06.54 ID:yuJnNCw0
澪「……」

澪には最近ささいな悩みがあった

本当は誰かに相談したかったのだが、

澪は皆の前で言うのは恥ずかしく、なかなか言いだせずにいたのだった

しかし、今音楽室には自分とムギだけ

紬「〜♪」カチャカチャ

ムギはこういう時頼りになりそうだし、口も硬そうだ

今ならきけるかもしれない

澪「な、なあムギ、いきなり変な事言って悪いんだけどさ……その、相談にのって欲しい事があるんだ」

紬「?私なんかで良ければなんでも相談にのるわ、はい、とりあえずお茶しながら話しましょ」ニコニコ


澪「うん、ありがと、」

澪「それで相談なんだけど、
最近、さ、なんかやる気起きなくて…歌詞も上手く浮かばないんだ……」
4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 08:17:20.15 ID:yuJnNCw0
紬「そうねぇ……やっぱりそういう時は気分転換が1番良いんじゃないかしら、澪ちゃんもたまにはゆっくり羽を伸ばした方が良いと思うの!」


澪「気分転換か〜、そうだな、今週末はどっかに遊びにいこうかな、他の皆も誘って、ムギも一緒に行くよね?」

紬「うふふ、律ちゃんに

「澪が遊びに誘うなんて、明日は槍が降るな!」

なんて言われそうね」

そう言われ顔を赤くする澪

澪「ムギ!」

紬「あらあらうふふ」ニコニコ

澪(よし、今なら言える!)

澪「それで、もう一つ相談があって、新曲の歌詞を書いてみたんd……

ドア「ガチャバタン!」

律&唯「おっまたせー!!」シャキーン

梓「こんにちはです」ペコリ

紬「あらあら」ウフフ

澪「む、ムギこの話はまた後で!」

律「澪ちゃ〜ん、私が居なくて寂しかっただろ〜?」

そう言って律は後ろから澪の首に手をまわす

唯「おっ、熱いねお二人さん!」ヒューヒュー

澪「やめろ!ばか!」ゾワゾワ

ゴンッ!

紬「あらあらあらあらあらあらあらあら」ウフフフフフフフフフフフフフ

梓「唯先輩!ムギ先輩が壊れました!」

律「痛っー、強く殴りすぎだろ〜」

澪「お前が入ってきていきなりあんな事するからだろ!」
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 08:18:28.15 ID:yuJnNCw0
いつもの日常

楽しくて、退屈な

そんな日常がそこにはあった

これからもずっとあるはずだった
6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 09:16:26.42 ID:yuJnNCw0
唯「そういえば、私たちが来る前に二人で何話してたのー?」

澪(うっ、唯はいつも変な所で鋭いな)

澪「い、いや、今日は良い天気だな〜とか」アセアセ

律「怪しいな〜」ニヤニヤ

紬「今週末にどこかに遊びに行きましょうって話してたのよ、ね?澪ちゃん?」チラ

澪「そ、そうそう!たまにはゆっくり遊ぼうかなと思って!」

律が唖然とした顔をしている

なんでだ?

唯「ほえっ、2人だけで行くの!?ずるい〜!」


唯の言葉で気づく

澪「ち、違う違う!みんなを誘おうと思ってたんだ!!」

身体中の血が上って行くのがわかる
今、私の顔は真っ赤だろう

澪(ムギっ)チラ

紬(あらあら)ウフフ

梓「アイコンタクトとはやりますね、いつの間にそんなに仲になってたんですか?」

律「この浮気ものー!!」

澪「だから、違うって!ムギも紛らわしい言い方するな!」

7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 09:24:35.22 ID:yuJnNCw0
ワイワイキャッキャ
---------------
-----------
------
---

律「で、冗談はともかく久しぶりに皆で出かけるのは面白そうだな!」

律「皆、今週末は予定あいてるよな?」

唯「うん、大丈夫だよ!」

梓「私も大丈夫です」

律「それで、どこに行くんだ?」

澪「まだ決まってないよ」

紬が三つのティーカップを持ってくる

紬「はいぞうぞ、これから決めるとこだったの」カチャカチャ

律「お、サンキュ、ムギ、」

唯「じゃあ、今日の部活は今週末の予定を決めようよ!」ワーイ

梓「練習してください!」
8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 09:39:35.39 ID:yuJnNCw0
澪「みんなはどっか行きたい所ある?」

律「デパート!」

唯「アイス屋さん!」

梓「楽器屋です!」

澪「それじゃいつもと変わんないだろ……
たまにはちょっと違う所が好いよ」

律「って言ってもな〜」

律は腕を組んで考えているが、なかなか良い考えは浮かばないようだった

パッ

唯「じゃあ、いつもより美味しいアイス屋さん行こうよ!」キラキラ

梓「唯先輩、マジメに考えて下さい」
9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/01(土) 11:25:49.76 ID:9o3eSYDO
支援すっから最後まで書けよ
10 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 12:08:08.57 ID:yuJnNCw0
紬「ねえ、みんなはTVゲームとか興味あるかしら?」

澪「え?」

律「いきなりどうしたんだ、ムギ?」

唯「私は憂とよくヤるよー」

澪「アクションゲームとかなら少しはやったことあるけど」

梓「なんでいきなりTVゲームなんですか?」

紬「実は今、琴吹グループで新しくTVゲームを開発してるんだけど、そのゲームのテストプレイヤーを探しているの」

唯「ほ〜、すごーい」キラキラ

梓「琴吹グループってなんでもありなんですね……」

紬「それで皆にテストプレイヤーをお願いしたいなって思って、ついでに私の家にも遊びにきて欲しいし」

律「どんなゲームなんだ?」

紬「いわゆるRPGって言われるゲームなんだけど……
う〜ん、ここで説明するのは難しいわ、実際見てもらえれば早いんだけど」

唯「良くわかんないけどおもしろそう!」ワクワク

梓「全員でできるんですか?」

紬「大丈夫よ、オンラインゲームだから、最大10億人までプレイ可能よ」

澪(絶対オーバーテクノロジーだろ)

唯「じゃあさ、週末はムギちゃんちでお泊り会にしようよ!」

律「いいなそれ!ムギんち行ってみたかったし」

唯「じゃあ、決まりだね!ムギちゃんちにお泊り♪お泊り♪」ワーイ

律「よし、じゃあ週末の予定も決まったし、今日はこれで解散だな!」


澪&梓「練習しろ(して下さい)!!」
11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 13:01:58.24 ID:yuJnNCw0
かくして、時間は一気に進み週末に
----------
------
---

唯「みんなおはよー!」

紬「唯ちゃん、おはよう」

梓「おはようございます、唯先輩」

律「よし!これで全員揃ったな!」

唯「出発だー!」オー!

澪「ちょっと待て、なんで憂ちゃんと和がいるんだ?」

唯「なんでって一緒にお泊りするからだよ〜」

澪「きいてないぞ」

紬「ごめんなさい、昨日唯ちゃんからメールもらって、たくさんの方が楽しいかなって」

和「あら、澪は私たちが一緒じゃ嫌なの?」

澪「い、いや別にそういうつもりで言ったわけじゃないよ、和と憂ちゃんなら大歓迎だよ」

憂「あはは、皆さんよろしくおねがいします」ペコリ



12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 13:16:11.82 ID:yuJnNCw0
------------
---------
------
---
琴吹邸

紬「着いたわ、ここが私のうちよ」

唯「ほえ〜……おっきい〜!凄いね、ムギちゃん!ほら!憂!みてみて!」ワクワク

憂「見えてるよぉ〜お姉ちゃん」

梓「凄い……」

和「これは…想像以上ね」

律「これ全部家なのか!?」

澪「門から玄関までが遠い」


玄関前

斎藤「皆様、お待ちしておりました」

紬「斎藤、みんなの荷物をお部屋まで運んでちょうだい」

斎藤「かしこまりました」

紬「さあ、みんな行きましょ?」

唯「憂!憂!凄いよ!本物の執事さんだよ!」

憂「そうだね、お姉ちゃん!」(興奮するお姉ちゃん可愛い!)ハアハア

梓(憂の様子がおかしい気がする)
13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 13:32:00.64 ID:yuJnNCw0
応接室的な部屋

紬「とりあえず、くつろいでてね、今お茶を持ってくるから」

ドア「ガチャバタン」

律「ふ〜、なんかここまで来るので疲れたな」

澪「こんな豪華な家見たことないもんな」

ふっとそよ風がなびいて来た

窓の方に顔を向けると、どうやら唯が窓を開けたらしい

唯「凄いきれいなお庭だねぇ〜、あ、こっちの棚の上にあるのはなんだろ?」

憂「ダメだよ、お姉ちゃん!あんまりいろんな物に触ったりしちゃ!」

唯「大丈夫だよ〜、まったく憂はまた私を子供扱いして!」プンプン

和「唯は昔から変わらないわね」

梓「あはは、唯先輩らしいですね」
14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 13:41:22.45 ID:yuJnNCw0
窓からは初夏の強すぎない陽光が差し込み、柔らかい風が庭の緑の上を吹き渡ってくる

唯「あー、いい気持ち!ほら、こうやって窓から下を眺めると気持ちいいよー」

憂「お姉ちゃん危ないよ!」アセアセ

和「でも、唯じゃないけど、この景色は素晴らしいわね、本当に」

ドア「ガチャバタン」

紬「みんなお待たせ〜」

律「お!待ってました」

紬が全員にお茶を配り終えると、澪が口を開いた

澪「この後は、どうするんだ?」

紬「そうねぇ、とりあえず、ゲームの説明したいから、後で地下室に行きましょ?」

律「そういえば、和と憂ちゃんはゲームの話はきいてるのか?」

和「ええ、なんだか面白そうじゃない、ここだけの話、私けっこうゲーマーなのよ」

唯「和ちゃんすっごくゲーム上手いんだよ!」

律「へぇー、意外だな」

憂「私はあんまりゲームって得意じゃないけど、お姉ちゃんが心配だから…」

梓「憂……過保護過ぎるよ……」
15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 13:52:08.50 ID:yuJnNCw0
-----------
-------
----

地下室
階段を降りるとそこは、少し天井が低めの広間の様な場所だった

ワイワイガヤガヤ

唯「ここが地下室?なんだか科学っぽいね!」

梓「科学っぽいってなんですか…」


斎藤「皆さんこちらでございます」

唯「はーい!」

一同は隣の小部屋に通された

そこには、シルバーを基調とした大型の椅子が八席あった

澪「このマッサージチェアみたいのはなんなんですか?」

斎藤「それが、このゲームのコントローラでございます」
16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 13:58:19.70 ID:yuJnNCw0
梓「?座ってプレイするんですか?モニターは?」

斎藤「いえ、このゲームは完全なバーチャルリアリティを追求した結果、そういった旧来のプレイスタイルは取りません」

斎藤「このゲームでは、プレイヤーの方にこのヘッドセットを装着していただき、椅子に座っていただきます、するとヘッドセットからの特殊な信号によりプレイヤーは完全なるバーチャル世界へと入ることができます、バーチャル世界では、手触りまで完全に現実を再現していて、現実世界と遜色ないもう一つの世界を体験していただけます」


一同
ΩΩΩ<な、なんだってー!
17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/01(土) 13:59:48.12 ID:v5Orr.DO
期待
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 14:05:45.45 ID:yuJnNCw0
唯「良くわかんないけど凄そう!」

律「かがくのちからってすげー!」

梓「琴吹グループってなんなんですか!?」

澪「絶対にオーバーテクノロジーだろ!」

和「確かに面白そうね、ねえ、さっそくやりましょうよ」

紬「わかったわ、話で聞くよりやってみた方が良くわかると思うし、みんな席に着いて」
19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 14:19:07.28 ID:yuJnNCw0
唯「上手くベルトが閉められないよ〜」アセアセ

憂「お姉ちゃん、ちょっとかして……
ほら、これでOKだよ」

唯「ありがとう、うい〜」エヘヘ

律「澪〜、ベルトが〜」

澪「お前は自分で出来るだろ!」

紬「全員席についたみたいね、斎藤、初めてちょうだい」

斎藤「かしこまりました」
20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 14:25:41.59 ID:yuJnNCw0
斎藤「よし、始めてくれ」

職員A「システム異常ありません!充電開始します!」

職員B「ヘッドセットシステム正常!作動させます!」

職員B「ヘッドセットに信号送ります」

職員B「全員、脳波安定!半覚醒状態です」

斎藤「よし、充電は?」

職員A「間も無く完了します!」


21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 15:00:27.81 ID:yuJnNCw0
職員A「充電完了しました。起動させます!」ピッ

ウィーンウィーン

職員Aがボタンを押すと巨大な機械から作動音が聞こえて来た

ゴォー

ピッピッピッピッピッピッピッ

職員B「脳波、異常ありません」

職員A「残り30秒でバーチャルネットワーク構築されます」カタカタカタカタ

斎藤「よし、順調だな」

職員A「秒読み開始します、10、9、8、7、ろk職員B「ちょ、ちょっとまって下さい!」

斎藤「どうした!?」

職員B「の、脳波に異常が発生しています」

慌てた様子の職員Bが叫ぶ

「このままでは、危険です!システムを停止して下さい!」

斎藤は努めて冷静に指示を出した

「システムを停止させろ!今すぐだ!」

「わ、わかりました」
22 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 15:02:06.25 ID:yuJnNCw0

職員Aがキーボードに手を伸ばす



バチバチバチバチ

「うわぁっ」

キーボードには紫電が走り触れる事ができない

斎藤「こ、これは一体…!」

斎藤(ともかく、一刻も早くシステムを停止させなければ!)

ビー ビービー ビー

職員A「大変です!電力の制御が効きません!」

斎藤「なんだと!」
(まずい、このままではお嬢様達が!)

斎藤「こうなったら、電力供給ケーブルを抜くしかない!」

職員A「し、しかし、それは危険過ぎます!」

斎藤「バカもの!お嬢様達の命がかかっているのだぞ!」
職員A「斎藤さん!」

そういって、斎藤は電力ケーブルを抜こうとしている

職員A「おい!職員B!俺たちも手伝うぞ!」

職員B「おう!」

斎藤「よし、一斉に引き抜くぞ!」

職員A「斎藤さん!ちょっとまって下さい!気休め程度にしかならないと思いますが、この絶縁手袋を!」

23 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 15:02:52.99 ID:yuJnNCw0
斎藤「よし、いくぞ!今だ!」

グイッ

斎藤たちが一斉にケーブルを引くと、部屋中に電気が溢れ出し真昼のの様な閃光に包まれた

バチバチバチバチ

斎藤「うおおお!ぐっ!」

バチバチバチバチ

グイッ

斎藤「よ、よし!あと少しだ!」
24 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 15:10:42.40 ID:yuJnNCw0
と、その時

斎藤の体を襲っていた電気の痛みが突然やんだ

斎藤「うおおおお!……ん?電気が流れてこない?」

職員A「チャンスです!今のうちに全部抜いちゃいましょう!」

斎藤「うむ!」

とそこで斎藤は気づく

電気が無くなったのでは無い事に

ただこちらに流れてこなくなっただけだったのだ

斎藤「これは…」

斎藤が流れの先をたどると、どうやら電気は地面に流れ込んでいるらしい
25 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 15:14:08.71 ID:yuJnNCw0
斎藤(床がアースになってるのか?いや、だったらなぜ初めからそうならなかったんだ?)

斎藤が考え込んでいる間に職員たちは次々とケーブルを抜いていく

突然、なにかとてつも無く嫌な空気を感じた気がした

目の前の光景に違和感を感じる
26 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/01(土) 15:14:25.65 ID:62JkS2AO
しえん!
27 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 15:20:27.89 ID:yuJnNCw0
職員が最後のケーブルを抜こうとした時、思わず斎藤は叫んでいた

「そのケーブルを抜くな!」

「えっ?」


しかし、警告も虚しくケーブルは抜かれてしまった

職員A「なにいってるんですか斎藤さん」

斎藤「いや、なにか嫌なことが起こりそうでな…」

職員A「これ以上そんな事が起こったら、驚きですよ」

職員B「ともあれ、これで一安心ですね」

と職員たちが笑いあっていると、
28 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 15:21:15.85 ID:yuJnNCw0
なにこの幼稚な文章
29 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 15:24:26.34 ID:yuJnNCw0
t a


n
a



s


i


n



n
30 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 15:27:45.51 ID:yuJnNCw0
職員A「いまなにかきこえなかったか?」


職員B「いや、べつになにも、」


斎藤「早くお嬢様達を助け出すぞ、手伝ってくれ」
31 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 15:28:12.46 ID:yuJnNCw0

  ∴∵∴∵∵∴∵
 ∵∴    ∴∵:(・)∴∵∴∵
           ミ ,○、:(・)
            / ミ
         ∵ ̄\
        ∴
      ∵∴
     ∵∴
   ∴∵∴        ∴∵∴∵
     ∴∵∴∵tanasinn∴∵
32 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 15:30:54.24 ID:yuJnNCw0
خةةصيزز
ييذذذ
يلجضنبخ


بتخقخ
τ


α

ν

αδ

ιν
ν
33 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 15:33:49.58 ID:yuJnNCw0
職員A「やっぱりなにか聞こえるぞ!なんていってるんだこれ?」

職員B「これはな、اسخوησλ´nhhслфっていってるんだよ

職員A「え?なんだって?良く聞き取れなかったから、もう一度言ってくれ」

職員B「だから、
34 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 15:34:43.96 ID:yuJnNCw0
           ∴∵∴∵∴
              ∴∵∴∵∴∵
           ∴∵∴∵∴∵∵∴∵∴∵
       .∵∴∵:(・)∴∵∴∵∴∵
         ∴∵rミ ,○、:(・)∴∵∴∵
        ∴∵/  / ミ 〉∴∵∵
     ∴∵∴∵|  ̄\ /∴∵∴∵
      ∴∴∵∴.、`  /∴∵∴∵∴∵
    ri  ∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴
 __,! ヽ,∴∵∴∴tanasinn∵∴
三三  _{{∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵
  ̄ ~~∴∵∵∴∵∴∵∴==ュ
      ∴∵∴∵∴∵/,  !
       ∴∵∴∵  `^|.|.|jj
     ∴∵        .l.|.|

        「tanasinn」

「Don't think. Feel and you'll be tanasinn」
35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 15:35:14.76 ID:yuJnNCw0
っていってるんだよ」
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 15:42:18.73 ID:yuJnNCw0
バチバチバチバチ


突然、電気が走り出すと、なにも無い部屋の中央の床から黒い球体のような物が突き出ているのが見えた

斎藤「なんだこれは…」

よく目を凝らして見ると、その黒い物体に電気が吸い込まれているようだ

斎藤(さっきの電気を吸い取っていたのはこれか?しかし、これは一体なんなんだ?)

職員たちは気がついていないようだ

斎藤は黒い物体に近づいていく
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 15:46:39.94 ID:yuJnNCw0
職員A「斎藤さん!」

突然呼びかけられた


ふりかえると職員達がにやにやしながらこちらを見ている


斎藤「なんd……

といってそのまま言葉は続かなかった

なぜなら、職員達の後ろにはさっきの黒い物体が浮かんでいたからだ

振り返り部屋の中央を見てみるがそこには黒い物体はもうなかった

38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 15:50:06.92 ID:yuJnNCw0
斎藤「お前たち、その後ろの物にきづかないのか!?」

職員達『ああ、これはتشححًξσπjskbжйですよ』

斎藤「??なにをいってるんだ?」

だからこれは
39 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 15:50:59.03 ID:yuJnNCw0
               ., -‐-、
               { <●>}
    ____     ヽ、 ._ノ
    |___|.., -‐-、 i | ., -‐-、
    ┌─-┐{ <●>} i | { <●>}
    └┐-┘ヽ、__.ノ. i | ヽ、__.ノ
      l |.        i |
      { |.        ! |
     ゙、ヽ、     .ノ.,'
        \ヽ、_ _,..イン
         `'‐--‐'´

ید ویندوز
موتور جاوا اسکریپت را هنگام باز
شما در حین خواندن و مرور ایمیلهاتان
حل تست خود را می گذراند و فقط در اختیار
عده خاصی
از کاربران یاهو به
صور
40 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 15:55:24.97 ID:yuJnNCw0
斎藤は焦っていた


かつて、琴吹家の暗部も務めていた自分が焦るなどということは、本来あり得ない事だった

どんな窮地でも冷静に判断をくだすことができたからこそ、これまで生き残ってきた

そんな斎藤が焦っている

いや、焦りとは少し違う

本当は

恐怖しているのだ

41 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 16:11:08.27 ID:3QMX02DO
下手な地の文は無理につけなくていい
「判りやすく伝える」って意味で書いてるんだろうけど余計ごたついて見える
SS書きで地の文上手く使えてる奴は少ない
42 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 16:15:22.04 ID:yuJnNCw0
斎藤が動けずにいると、電気のほとばしる音とともに目の前の黒い物体が大きくなってゆく

バチバチバチバチ
コォー

???「tanasinn......」

斎藤は視界が歪んでいることに気がついた

斎藤「これは…!」

目の前の風景が大きく渦を巻いている

バリバリバリバリ

ボフ
プシュー


ドゴォン

大きな音と共に機械が煙を上げている

キュイィィィィン

???「tanasinn......」

ガガガガガガ

ゴォーーーーー

室内なのに突風が吹き荒れる
ものすごい音と光の奔流に斎藤は気を失いそうになる

斎藤「っく!お嬢様ー!」
シュイイイイイイイン

斎藤「ぬわーーー!!」


ピカッ!!

閃光は迸り、風は止んだ

そして、

それと同時に斎藤も気を失ったのだった
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 16:18:12.71 ID:yuJnNCw0
>>41
すまん、ここはこんなにごたつかせるつもりは無かったんだが、書いてるうちにこんなんなってしまった。


反省はしている
44 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 16:19:32.29 ID:yuJnNCw0
斎藤「はっ、お嬢様は!」

気がついた斎藤が、台風が通過したような室内で見たのは、壊れた機械と倒れている2人の職員

そして、一つの椅子だけだった

7席の椅子はそのなかに人を乗せたまま忽然と消え失せていた
45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 16:22:32.96 ID:yuJnNCw0
ここまででプロローグは終わりです

我ながら途中なに書いてんだか良くわかんなかったので、変なところは御容赦下さい

ほんと、なんでこんなに長くなったんだろ

無計画はまずいですね、やっぱり
46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 18:33:47.97 ID:yuJnNCw0
ちなみにここからは、tanasinnの話は殆どでてきません
ファンタジー路線の話になるので、嫌いな人は注意して下さい
47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 18:37:52.51 ID:yuJnNCw0
唯は混濁する意識のなかで、なにかを聞いた気がした

(なんて言ってるのかな?ta.....na....?)


( ダメだ良く聞こえないや)


唯の意識は黒く塗りつぶされてにいった
48 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 18:49:30.96 ID:4desswAO
>>41
こいつ誰?SS評論家?
49 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/01(土) 18:57:33.62 ID:k0DiEdc0
期待
50 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 19:00:50.68 ID:yuJnNCw0
チュンチュン

「........い......!........ゆ........い........!」

誰かの声がきこえる


唯「ん.....う...うん、今日は日曜日だよ〜」

律「唯!唯!いつまで寝てるんだよ!」

聞き憶えのある声に私は飛び起きる

唯「ハッ、りっちゃん!みんなは?」

そう尋ねて、周りを見渡すと自分が大木の根元に寝そべっていたことがわかった

唯「あら?」


うえには抜けるような青空


そして他には、見渡す限りの草原と森しかなかった

太陽の光が触れそうなほど澄んだ空気だ


唯「いい天気〜!…って、一体ここはどこなの?」

律「これがゲームの中らしいぞ」

唯「えっ!これがゲーム?うっそだ〜、いくらなんでもリアルすぎるよ!」ケラケラ

律「嘘じゃないさ、その証拠にまず自分の服をみてみろよ」

そう言われて唯は自らの体に目を向ける

唯「なにこの服可愛い〜!」
51 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 19:01:36.41 ID:yuJnNCw0
唯が身にまとっていたのは、麻と綿を主とした肌着に胸から腹部を覆う革製の鎧だった

律「可愛いのか、それ?」

唯「それより、りっちゃんこそ、その服面白いねぇ〜」

律「ああ、これな」

律は比較的面積の広い赤くカラーリングされた金属製の鎧を身につけている

律「まあ、この服のことも含めてムギが説明してくれるだろ」

唯「あ!そうだよ!みんなは?」

律「唯がなかなか起きなかったから、みんなで水をくみに行ってるんだ」
52 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 19:14:17.91 ID:yuJnNCw0
とその時、

澪「おーい律ー!」フリフリ

澪が遠くで手をふっている
近くに梓とムギもいる
どうやら水汲みが終わったらしい

律「澪ー!」フリフリ
------------
--------
----
合流


梓「あ!唯先輩!目が覚めたんですね」

両手に革袋を持った梓が近づいてくる

唯「うん!うわぁ!あずにゃんの服も可愛いね〜」ダキッ

梓「先輩!やめてください!水がこぼれちゃいます!」

梓の服は薄い黄色を主体とした"ツナギ"のような服だったが、上半身ははだけていて、その下には革製のブラのような物がしかつけていなかった

紬「あらあらあらあら」ウフフ

律「ムギ!壊れてないで、水はどうだったんだ?」

紬「ええ、綺麗な水だったわ、これでしばらくは持ちそうね」

そういって、両手に下げた6つの革袋を上げてみせる




53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 19:22:52.05 ID:yuJnNCw0
そういう紬の服装はと言うと、

全体的にはゆったりとしたローブのような服だが、上着の裾が長いためスカートをはいているように見えるが、下半身はスカートではなくズボンになっている

律「おー、お疲れさん、ところで、澪ちゃんは革袋一つだけですか〜」ヤレヤレ

澪「しょうがないだろ!私は非力なんだ」

澪は薄い紫のローブにつばの広い帽子をかぶっている

唯「あはは、澪ちゃんとんがり帽子だ!」ケラケラ

澪「わーらーうーなー!」マッカ

54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 19:29:16.62 ID:yuJnNCw0
紬、澪、梓が木の根元に革袋を置いていく

唯「ねえねえ、そのたくさん置いてある物は何なの?」

みると、地面に大小様々な道具が転がっている

紬「ああ、今からそのことについて説明するわ、少し長くなるけど我慢してね?」

唯「うん!」
55 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 20:02:16.52 ID:yuJnNCw0
紬「それじゃあ、まずこの世界の事なんだけど、

この世界はいわゆる仮想現実空間で、本当の世界では無いわ、だから私達の身体は実際ここには無くて、私の家にあるのよ、今ここにいる私達は精神だけの存在なの

続けて、このゲームについて説明するわね、

まずこのゲームは剣と魔法の世界の物語なの、それで、この世界には、大きくわけて2種類の生き物が存在するわ、

一つは魔導生物と呼ばれるもの、
ほとんどの生き物はこの魔導生物なの、人間もそうよ、魔導生物は体外と体内の魔翌力を使役する事ができるの、もちろん、種族ごとに能力差はあるけど
あ、もちろん、モンスターも魔導生物よ

そして、もう一つが固有種と呼ばれるもの
これは本当にごく一部の限られたモンスターや精霊にしかいないわ
固有種は魔導生物とは比べ物にならない魔翌力を持ち神に匹敵する力を持つと言われているの

実際この世界には、古に存在した固有種を崇める宗教がたくさんあるわ」
56 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 20:16:59.95 ID:yuJnNCw0
唯「よくわかんないけど、とにかく凄いんだね!」

律「凄い設定だな、このゲーム…とゆうか、ムギは良くそんな長ったらしい設定覚えてるな」

紬「ご都合主義よ、りっちゃん♪」

澪「は、はは、繁殖……」プルプル

梓「どこに反応してるんですか」

紬「じゃあ、続けるわね?」


57 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 20:18:15.25 ID:yuJnNCw0
紬「魔導生物と固有種の違いだけど、最も大きな違いは、
固有種は繁殖する事ができないの、だから数も余り増えない、けれど、固有種には寿命がなくて長く生きれば生きるほど、魔翌力を蓄え強力になっていくそうよ

逆に魔導生物には寿命があって、繁殖する事ができるんだけど、種族ごとにけっこう差があるわ

例えば、エルフなんかは何百年も生きるけど、人間は生きても百年くらいっていう風に

ほかにも、魔導生物は固有種になる事も出来るわ
例えば、仙人と呼ばれる人達がいるけど、彼らは厳しい修行の果てに"人間"という魔導生物から"仙人"という固有種になった

という設定よ♪」

58 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 20:24:15.43 ID:yuJnNCw0
すまん
56と57逆だった

吊ってくる
59 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 20:44:45.72 ID:4desswAO
>>58
そんな卑屈にならずに
書きたいように書いて下さい
60 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 21:07:19.23 ID:yuJnNCw0
もの珍しさに目を輝かせて話をきいていた唯だったが、

急に深刻そうな顔になると口を開いた

唯「ねえねえ、ずっっっと気になってたんだけど、憂と和ちゃんはどこ?」

梓「そういえば、そうですね、澪先輩は1番最初に目が覚めてましたよね」

澪「う〜ん、私が目覚めた時からいなかったぞ」

律「あの慌てようじゃ居ても気づいたかどうか怪しいもんだぜ、だって澪ってば

『りつぅ〜、早く起きてくれ〜死んじゃやだ〜』グスグス

とかいってたんだから」ヤレヤレ

澪「だ、だってみんな死んでるみたいに眠ってたんだもん!揺すっても目覚めないし、本当に心配したんだぞ!」プクー

澪はそういって、頬をふくらませた

可愛い
61 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 21:16:49.85 ID:yuJnNCw0
紬「憂ちゃん達ならきっと大丈夫よ、多分機械の座標指定が誤作動しただけよ、まだテスト段階だからこうゆうこともあるわ」

梓「誤作動って、そんな軽く……このゲームってモンスターとか出るんですよね?危険じゃ無いんですか?」

紬「大丈夫よ、斎藤たちがプログラムを作動させるまでモンスターは出現しないわ、それにあくまで誤作動だから近くにいるはずよ」

梓「そうですか、それをきいて安心しました、唯先輩!大丈夫っぽいですよ」

唯「う......うん、そうだよね!ゲームだもんね、これ」
62 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 21:26:36.97 ID:yuJnNCw0
ガシャガシャ

一同が音のするほうに目を向けると律が荷物を漁っている

律「なあ、ムギ、この剣とかが私たちの武器なのか?」ヒョイ

そういって、地面に落ちていた剣を拾い上げる

律「って、軽っ!これ本当に金属なのか?」

そういって、ひゅんひゅんと剣を振りまわす律、確かに刃渡りが自分の腕ほどもある剣なのに全く重さを感じさせない動きだ

澪「おい、律!危ないぞ!やめろ!」


梓「本当ですか?」

そういって、梓は足下のハンマーを拾おうとした

梓「って重!めちゃくちゃ重いですよ!」

梓はハンマーを両手で抱えよろよろしている

可愛い
63 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 21:36:10.79 ID:yuJnNCw0
紬「そうよ、ここにあるのが私達の装備、
武器も防具もあるわ」

紬「ここにある、武器は"職業"によって使えるものが限られているわ」

唯「職業って私たち全員学生だよ〜」ケラケラ

紬「そうゆう職業じゃなくて、このゲーム内で能力を決めるものの事よ、例えば、私の場合はこれ」

そうゆうと紬は梓に近づいて、梓の抱えているハンマーを軽々と持ち上げる

梓「えっ、そんなに重いものよく持てますね」

唯「ムギちゃん力持ち!」

紬「私はプリースト、武器はこのハンマーよ♪」

澪「プリーストなのに、ハンマーって…」
64 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 21:52:12.77 ID:yuJnNCw0
紬「このゲームには、プリーストにもいくつか流派があるの、
その中の一つに"戦の女神"を信仰する流派があるわ、そこに所属する私たちは、プリーストでありながら、剣や鎚なんかの武器を持って戦うのよ、素敵でしょ?」

澪「素敵でしょって……」

唯「ねえ澪ちゃん!私澪ちゃんの職業わかるよ!魔法使いでしょ!武器はきっとこれだよ!」

そういって唯が手渡してきたのは、一本の杖だった、木製の飾り気の無いシンプルな作りだが先端に金属の輪がついていて、そこに赤みがかった透明の石が埋め込まれている

澪「確かにしっくりくるけど、なんだか恥ずかしいな」
65 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 22:05:13.74 ID:yuJnNCw0
ガチャガチャ

唯「あと残ってるのは、剣と斧と短剣だよ」

律「斧っ!?斧があるのか!」

唯「う、うん、これだよ、はい」

律「うわぁ!本物の斧だかっこ良い!

この曲線!、重厚感!かっこよすぎる!

決めた!私の武器はこれな!」

律は目をキラキラさせている

梓「かっこいいですかね……?」

澪「よくわからん……」

梓(なんか羨ましくなってきた、剣と短剣私のはどっちなんでしょうか)

ガチャガチャ

剣と短剣を見比べる梓


その時、梓は確かに短剣と目があった気がした

梓と短剣の間にだけあるなにかがみえた気がした

梓「私のはこれですね」

梓はそういって、短剣を手に取る

果たしてそれは手に吸い付くようにピッタリと馴染んだのだった

66 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 22:17:43.72 ID:yuJnNCw0
唯「私のは剣か〜、よーしがんばるぞ!」フンス

紬「さっきもいったけど、職業によって装備できるものはちがうの、装備できない道具はさっきの梓ちゃんみたいに、重くて使えなかったりするわ」

紬「あと職業によって身体能力もいろいろ変わっているから、試してみると面白いわよ、
おそらく皆の職業は唯ちゃんが騎士、澪ちゃんが魔法使い、りっちゃんが戦士
梓ちゃんは盗賊ね」

ドォン バリバリバリ
律「お〜本当だ、パンチで木の幹が手形にへこんだ!」

唯「すごーいりっちゃん!って、あずにゃん、いつのまに木の上に!?」

梓「見てください!ジャンプで木に飛び乗れました!凄いですよ!」


ワイワイキャッキャ


67 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 08:14:18.04 ID:rvwdHWU0
はしゃいでいる三人を横目に澪は紬に問いかける

澪「なあ、格好は魔法使いでも私は魔法なんて使えないぞ」

紬「ああ、それならこれよ、はい」

紬が手渡してきたのは一冊の本だ

澪「見た事も無い言葉……あ、読める」

記号の羅列にしかみえないが、不思議と内容が頭に入ってくる

澪「うーん、えっと、タイトルは"サルでもわかる黒魔術"!」

澪「……」

紬「……」



紬「あっ、そ、そうそう私の本もあるのよ」

そういって紬が本を見せてきた

澪「どんな本なんだ?」

紬「タイトルは"殴りと癒し"よ♪」


澪「……」

紬「と、ともかく、その本に呪文が書いてあると思うわ」
68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 08:23:57.70 ID:rvwdHWU0
紬「澪ちゃんちょっと読んでみて」

澪「ああ」ペラ

澪「えーと、なになに、はしがき?」

〜サルでもわかる黒魔術〜
本編の前に言っておきたい事がある!
この本を読んでいる君は、サル並にバカでどうしょうもない社会の底辺だ!魔術の才能なんて皆無に違いない!
君は落ちこぼれで、クズで使いものになr…

パタン

澪は本を閉じた
69 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 08:41:08.07 ID:rvwdHWU0
澪「……」

紬「そ、そこは飛ばしていいから、続きを読んでみて」

澪「ああ、えーと」ペラ

本には読める部分と読めない部分があった

澪(同じ文字で書かれているのになんで
だ?)

澪「なになに、"炎の呪文"?」

〜初級火炎呪文〜
小さな火の玉を発生させ、操る

澪「やってみよ、えーと"初級火炎呪文"!」

右手を前にだし、唱える

ボウ

澪「うわ!」

メラメラ

澪の手のひらに小さな火の玉が浮かんでいる

澪「本当にでた…!熱くないし、不思議なもんだな」

澪はその後、3つの魔法を習得した
70 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 08:49:22.91 ID:rvwdHWU0
ふと地面をみると、本がまだ3冊残っている

澪「本も全員分あるのか?」

紬「そうみたいね、りっちゃん達に渡してくるわ」

紬は律達の方へ本を渡しに行ってしまった




サァァァァ

時折ふく風が、草の匂いを運んでくる
澪にはそれが作り物の空気だとはとても思えなかった

澪(ここは本当にゲームの中なんだろうか)

71 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 08:55:52.26 ID:rvwdHWU0
-------------
---------
------
---

太陽がちょうど真上にきた頃

律「なあ、ムギ、ずっとここにいてもしょうがないし、そろそろ出発しないか?」

紬「ええ、そのつもりなんだけど、斎藤からの連絡が無いのよ、本当はついてすぐに連絡がくるはずだったんだけど……」

梓「また、システムのバグじゃないですか?」

唯「そだよ〜、早く憂と和ちゃんに会いたいし出発しようよ!」

紬はしばらく考え込んでいたが、顔をあげて答えた



紬「そうね……行きましょうか」


72 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 09:02:58.24 ID:rvwdHWU0
テクテクテクテク

一同は草原のなかにある整備された道を歩いていた

紬「この道を北に行けば街に着くはずよ」

律「街道ってやつだな!」

梓「ムギ先輩はずいぶんと詳しいですね」

澪「確かにいくら開発元だとしても詳しいよな」

紬「実は私、このゲーム何回かプレイしてるのよ、これから行く街も何回か訪れた事があるわ」

73 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 09:22:27.15 ID:rvwdHWU0
梓「そうだったんですか、どうりでk」

梓の声を律が遮る

律「なあ、ムギ、このゲームでは斎藤さんが許可するまでモンスターはでないんだよな?」

紬「?ええ、そうよ?」

律「じゃあ、あれは一体なんなんだ?」

律の指差す先には青くて半透明のクラゲのような物体が3つ蠢いていた


74 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 09:29:27.02 ID:oVxi9Ig0
見た事も無い物体だったが、澪の頭に一つの言葉が浮かび上がってきた

それは目の前の物体を形容するのにぴったりで思わず呟く


澪「スライム…?」





スライムたちがあらわれた!▼


75 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 09:45:45.57 ID:oVxi9Ig0


紬「?おかしいわね、モンスターが出るなんて」

唯「あ、あれ可愛いかも〜」トテテ

唯がスライム達の方へ近づいていく

梓「ちょっと危ないですよ!唯先輩!」

紬「大丈夫よ梓ちゃん、ここでは傷を負っても痛みは感じないし、現実にも影響しないわ」

唯「そうだよ〜、これはゲームなんd」
律「唯危ない!」

ドン!

ザクッ!

唯「うわぁ!」

いきなり突き飛ばされた唯は地面に転がった

唯「もーりっちゃん、いきなりなにするの!」

76 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 09:50:43.74 ID:oVxi9Ig0
唯は起き上がって律のほうに目を向ける



鮮やかな赤が目に飛び込んできた


唯「え?え?りっちゃんなにそれ?え?」

律の膝から足首にかけて細長い傷が走り、血と肉がみえている

唯は頭が真っ白になった

澪「り、りつ……ち、血が……」フラ

バタン

澪は気を失った

梓「澪先輩!ム、ムギ先輩!これは一体どうゆうことですか!な、なんで、律先輩が!」

紬「わ、私にもわからないわ!これはどういう…!」

梓と紬は気が動転している
77 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 10:08:41.36 ID:oVxi9Ig0
紬(おかしいわ!どうしてりっちゃんが傷をっ!?そうよ!ここはゲームのなかなんだから!)

紬「大丈夫よ!たいしたことじゃないわ!き、きっと大丈夫!」

梓「なに言ってるんですか!どう考えても大丈夫じゃないですよ!!」

78 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 10:15:09.41 ID:oVxi9Ig0



律「お、おい!澪!」

律は自分でも意外なほど冷静だった

傷を負うとすぐにどの程度の傷なのかを頭が勝手に分析し始める

律(傷は大きいけど、浅いし、痛みも出血もほとんど無い!よし!これならいける!)

こんな大怪我をしたのは生涯初めてだが、不思議と体が動く

横をみると、一匹のスライムの体が刃状に変化している

どうやらあれで斬りつけられたらしい

律(ここにいたらまずいな)

ササッ

律は素早くスライムたちから距離を取った
79 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 10:33:09.99 ID:oVxi9Ig0
律「ムギ!梓!しっかりしろ!私は大丈夫だ!」

その声で紬と梓は律のほうへ駆け寄る

梓「律先輩!大丈夫なんですか!?」

律「梓、少し落ち着け!」

紬「り、りっちゃん!とりあえず回復を!」

紬が律の傷に手を添える

紬「光の力よ!"癒しの手"!」

パァァ

紬の手が光輝き律の傷がみるみるふさがっていく

紬「応急処置だけど、我慢して!」

動くようになった足を確認しつつ、律が答える

律「十分だ!ムギ!梓!私たちであれをなんとかするぞ!」
80 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 11:00:44.74 ID:oVxi9Ig0
律「見たところ動きは鈍そうだ、一人一体ずついけるな?」

梓「は、はい!やってやるです!」

紬「大丈夫、いけるわ」

二人は青ざめているが、しっかりとうなずいた

律「よし!あいつらの斬撃には気をつけろよ!」
ダッ

言うやいなや律はスライム達の方へ駆け出していく

紬「梓ちゃん!私たちも!」

梓「はい!」

紬と梓も律の後に続く


81 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 11:08:18.01 ID:oVxi9Ig0
律(一発で決める!)

律「やぁぁぁ!」

ブン

素早くスライムの前に回り込んだ律が勢いをつけて斧を振り下ろす

ダァン!ビチャビチャ!


斧の直撃を受けたスライムは一撃で四散し動かなくなった

律(よし!)



梓は一体のスライムの頭上を飛び越え、後ろに回り込むと短剣で斬りつけた


ザシュ

梓(くっ!柔らかくて刃が!でも!)

ザシュザシュザシュ

手応えは余り感じられなかったが、何度も斬りつけているとスライムは細かくなり、地面に吸い込まれてしまった

梓「やりました!」



82 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 11:18:15.27 ID:oVxi9Ig0
紬(動きが鈍いから当てられるはず!)

ブゥン

ドン!

ハンマーを上から振り下ろす、

が、スライムはその一撃をかわした

紬(避けられた!?)

スライムが対峙している紬に向かって飛びかかってくる

シュッ

紬(っく!)

ブォン

紬は飛びかかってくるスライムに合わせて、横なぎにハンマーをふり抜いた

バァン
ビチャビチャ

軽い手応えと共にスライムは空中で飛び散り、落下していく
83 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 18:26:19.18 ID:wkkY8e.0
紬「ハァハァ」

律「大丈夫だったか、ムギ!」

梓「なんだかあっけなかったですね」

紬「私達の運動能力が上がっているからよ……」

律「それよりも早くここを離れよう、日が暮れたら移動できなくなるし、ムギ、この先に街があるんだよな?」

紬は律の質問に確信をもってイエスと言えなかった
なぜなら、ここは本当は自分の知る場所では無いかもしれない、自分は今まで大きな勘違いをしていたのかもしれない、と思い始めていたからだ

しかし、今はこれ以上にみんなを不安にさせる事はできない、紬は暗い憶測を胸にしまった

紬「ええ、ここからならすぐよ」

律「わかった、梓、唯を頼む、私は澪を運ぶから」

律は未だ気を失ったままの澪の方へ足を向ける

84 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 18:26:45.20 ID:wkkY8e.0
梓「わかりました」

タタッ

梓「唯先輩、大丈夫ですか?」

唯は青い顔で震えている、ずっと放心状態だったようだ

唯「あ、あずにゃん、あずにゃん!」ガシッ

ギュッ

よっぷど怖かったのか梓にしがみつく様に抱きつく唯

プルプル

梓も震える唯をみながら、今回ばかりは嫌がるそぶりはみせなかった

85 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 18:27:12.98 ID:wkkY8e.0
梓「唯先輩、行きましょう、ここは危険です」

唯「う、うん」


86 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 18:27:43.45 ID:wkkY8e.0
それから5人は無事に街までたどり着き、所持金で宿を取った


初めての戦闘に疲れきっていた一同はそのまま倒れこむ様に眠ったのだった


お互い不安を抱えて、疑問も尽きなかったが、これからの話は明日にまわす事になったのだ
87 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 18:31:51.83 ID:wkkY8e.0
ここまでで第一章完となります

この様な超展開オナニーSSをみてくれている方がいるかどうかはわかりませんが、いらっしゃいましたら、感想でも書きこんでいって下さるとありがたいです

88 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 18:34:12.97 ID:wkkY8e.0
と思ったら>>86ミスった〜


そのまま倒れこむ様に眠ったのだった



"のだった"の部分は削除でお願いします
89 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 19:32:38.14 ID:1q3gnfUo
乙〜
次回の投下楽しみにしてるZE
90 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 07:37:17.80 ID:Rx8MRf.0
----------
------
---

チュンチュン

眩しい


パチッ

目を開けると、剥き出しの木の梁と白い漆喰で塗り固められた天井がみえる

どう考えても、自分の家ではない


唯「う、う〜ん」ガバッ

唯は身を起こし、大きく伸びをした

窓から射し込んだ朝日が顔の上に光の帯をつくっている

ここはどこ?という安直な台詞が頭に浮かんだが、すぐにそれを自分で打ち消す



唯(憶えてるよ、全部、昨日の事も)

唯「はぁ〜」

爽やかで申し分ない朝だったが、昨日の事を思い出すとどうしても気が滅入る


91 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 07:48:23.59 ID:Rx8MRf.0
唯(全部、夢だったらよかったのに)

律「う、う〜ん…くっ」ガタガタ

隣をみると、律がうなされている
汗も酷くかいているようだ

唯「り、りっちゃん!」

タタッ
駆け寄って様子をみる

唯(すごい熱だよ!どうしよう……)

なにか無いかと周りを見渡すと、5つのベッドが目に入る

そのうち1つは自分が寝ていたもの

その他に3つには使用した形跡があった

唯(そうだ!澪ちゃんたちは!?)
92 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 08:05:34.56 ID:Rx8MRf.0
唯がそんな事を考えていると、突然ドアが開いた

ドア「ガチャ」

澪「お、唯、目がさめたのか」

唯「澪ちゃん、ムギちゃん、あずにゃん!大変だよ!、りっちゃんが凄い熱で!」

澪「ああ、だから、薬をわけて貰ってきたんだ」

そう言って澪は小さな巾着袋をかかげて見せた

唯「でも、なんでりっちゃんは熱がでちゃったの?」

紬「昨日の傷のせいよ、昨日は応急処置しかできなかったから、熱がでちゃったのよ」

三人は、それぞれ自分のベッドに腰掛けた

梓「唯先輩、先に顔を洗って、髪を整えてきてください、爆発してますよ、タオルは貸しますから」

そう言われ、髪に手を伸ばす唯

唯「うわ!本当だ、私行ってくるよ!」

ドア「ガチャバタン」

梓「あ!洗面所は部屋でて左のつきあたりです!」

唯「ありがと〜あずにゃ〜ん」

声がだんだん遠ざかっていく

澪「よし、じゃあ私は律に薬を飲ませなくちゃ」
93 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 08:08:23.82 ID:TPvrTVYo
けいおんSSではドアが喋るのはデフォなのかwww
94 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 08:42:21.35 ID:Rx8MRf.0
-----------
-------
----

ドア「ガチャ」

唯「ふい〜、さっぱりすっきりだよ〜」ホクホク

唯が部屋に戻ると紬が律の足に手を当て、なにやらブツブツと呟いている

澪と梓もその周りを真剣そうな面持ちで囲んでいる

紬「ブツブツブツブツ」

唯「ムギちゃん、何やってるの?」

澪「しっ!今、律の傷の手当てをしてるんだ」

唯「手当てってもう傷は塞がってるよ?」

唯が怪訝そうな顔をしていると紬の手元が光を帯びてきた

パァァァァ

シュゥゥゥゥン

5秒ほどで光は収束し、元に戻った

紬「ふぅ、これで一安心ね」

紬は額の汗を拭いながら、嘆息した

唯「ねえ、傷が塞がってるのに手当てってどういうこと?」


95 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 08:48:09.52 ID:Rx8MRf.0
紬「昨日のはただ傷を塞いだだけの応急手当てにすぎないわ、今やったのは切れた筋肉の繊維と血管を繋ぎ合わせる術よ、これをしないと、後で足が動かせなくなってしまうの」

唯「ほえ〜、ムギちゃんすごぉい」カンシン

律「すぅ…すぅ…」

寝息が先ほどよりも穏やかになっている
確かに律の容態は安定してきているようだ

澪「律のほうはこれでいいな」
96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 08:58:47.24 ID:Rx8MRf.0
澪は紬に向き直る

澪「さあ、ムギ、昨日のことも含めて説明してもらうぞ!」

紬「ええ、わかってるわ……」


そうだ

唯も梓もずっと気になっていた
でも、聞くのは何となくはばかられて、遠回しにしていた事


皆自然とベッドに腰を降ろす

澪「それで、ここは一体どこでこのゲームはどうやって終わらせられるんだ?」
97 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 09:06:13.80 ID:Rx8MRf.0
紬は少し俯きながらぽつりと呟いた

紬「それは…わから…ないわ」


一瞬の静寂


梓「わからないってどういう事ですか!ムギ先輩が私達をここへ連れてきたんですよ!」

その言葉にますます下を向いてしまう紬

澪「律をあんな危険な目にあわせておいてよくそんな事を!」

梓「いいから、早く私達をここから返してください!」

98 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 09:20:02.63 ID:Rx8MRf.0
紬「私だって!私にだってわからない事ぐらいあるわよ!!」


紬の叫び声に思わず言葉を失う澪と梓

紬は顔を真っ赤にしている

紬「私だってここに来てからわからない事だらけなの!前は危険な事なんて無かったのに!」


澪「……」

梓「……」

紬「これを見て……」

そう言って紬が取り出したのは小さい無線機のようなものだ

紬「ここに着いたらすぐに斉藤から連絡が入るはずだったわ」

紬「でも未だに連絡は無いし、今、現実世界がどうなっているのかもわからない……どうしようもないのよ」

99 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 09:25:51.23 ID:Rx8MRf.0
澪「……」

梓「……」

唯「……」

紬「ほ、本当に……ごめんなさい」

頭を下げる紬

紬「私はただ、皆と楽しく過ごしたくて、ただそれだけだったのに…み、みんなを…グスッ…こ、こんな目に…あ、あわせてしまう…な、なんて」ポロポロ


紬は泣き出してしまった


100 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 09:33:49.76 ID:Rx8MRf.0
スッ

ギュッ

紬に抱きつく唯

唯「大丈夫だよ、ムギちゃんはなにも悪くないよ」

紬「ゆ、唯ちゃん……」

唯「誰もムギちゃんを責めたりしないよ、だから、安心して」

紬「ゆ、ゆいちゃ……」ウワァーン


その後は言葉にならなかった



紬は唯の胸に顔を埋め、泣いた



しばらくの間、誰も口を開かなかった



部屋には紬の泣き声だけが響いていた
101 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 09:43:56.98 ID:Rx8MRf.0
------------
---------
-----
--

紬「グスッグスッ」

唯「ムギちゃん落ち着いた?」

紬「え、ええ、もう大丈夫よ」

澪と梓が申し訳なさそうに口を開く

澪「ムギ、ごめんな、さっきは言いすぎた、ムギの気持ちも考えないで」

梓「ムギ先輩ごめんなさい」


紬「いいのよ、私も取り乱したりしてごめんなさい」



唯「これで仲直りだね!」

102 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 09:53:29.93 ID:Rx8MRf.0


澪「とはいっても、問題はなにも解決できてないぞ」

紬「……これはあくまで仮説なんだけど、もしかしたら……ここはゲームの中じゃないかもしれないわ」

梓「現実だってことですか?」


重苦しい沈黙が漂う
薄々みんなが感づいていたことだ
だが、誰も口に出さなかった事でもある



澪「で、でも、現実だとしたら、私やムギが魔法が使えるのをどう説明するんだ?」

紬「そうなのよ、ゲームにしてはリアルすぎるし、現実にしては非現実的過ぎるのよ」

103 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 10:12:06.99 ID:Rx8MRf.0


律「でも、あの傷は間違いなく本物だったぜ」

突然の声に驚く一同


澪「律!起きてたのか!」

律「あれだけでかい声で話してたら、誰でも目が覚めるよ」

唯「りっちゃん!もう大丈夫なの?」

律「ああ、もうすっかり治ったぜ!」

そう言って力こぶを作って見せる律
その言葉通り元気になったようだ

律「それで、結局ここから脱出する方法はあるのか?」

紬「本来ならログアウト用のシステムが起動するはずなんだけど、動かないし、斉藤達への連絡手段もないから、お手上げよ」

104 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 10:22:25.00 ID:Rx8MRf.0
律「そうか、それじゃあ、とr

その時、通信機が突然反応しだした

通信機「ピガ…ピー…ザザ…お……ザザ…ま」

澪「ムギ!通信機が!」

紬「ええ、斉藤!斉藤なの!?」

通信機「お…ザザ…じょ…、いま…から…ザ…ちらに、ガガ…わこさまが…むかいます……ザザ」

律「聞き取り辛いな」

梓「なにかが来るって言ってるみたいです!」

105 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 10:41:25.58 ID:Rx8MRf.0
通信機「ザザ…危険です…ザザ…います…ザザはな…てください!いま…ぐザザ…離れてください!」

紬「離れろってどういう事なの!?斉藤!斉藤!」

唯「ムギちゃん!なんか光ってるよ!」

唯の指差すほうには、光の渦の様なものがみえる

シュイイイイン

みるみる渦が広がっていく

律「まずい!みんな伏せろ!」

律がそう言い終わるか終わらないかのうちに、光が唯たちを飲み込んだ

シュイイイイン

澪「うわああああ!」

梓「きゃあああああ!」

ドゴォン!

シーン

唯「あれ?何ともない?」ペタペタ

106 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 10:54:41.71 ID:Rx8MRf.0
律「みんな、大丈夫か!?」

澪「ああ」

梓「大丈夫です」

紬「一体何だったの?」



???「あ痛った〜、腰打ったわ……ん ?」


驚きで声も出せない一同


律「さ、ささっ、さ!」


唯の顔に笑顔が広がる



唯「さわちゃん!!」

ダキッ

さわこ「きゃあっ!」

ドタッ
107 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 12:54:56.65 ID:Mrb89LQ0
展開考えるの難しすぎワロエナイwww

お待たせして申し訳ないですが、もうちょっと内容練ってから投稿します
108 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 13:23:31.30 ID:Mrb89LQ0
唯「さわちゃ〜ん!会いたかったよ〜!」グリグリ

さわこ「ゆ、唯ちゃん!?と、とりあえず落ち着いてちょうだい!」ジタバタ

律「唯!一回離れろ!」

唯達が揉み合っていると大きな足音が聞こえてきた

ドタドタドタドタ

ドア「バンッ!」

宿屋の主人「おい!今の音は一体なんだ!?何かあったのか!」

梓「い、いえ!何でもないです!異常ありません!!」

109 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 13:47:03.01 ID:Mrb89LQ0

------------
---------
-----
--

宿屋の主人「まったく、物を壊さなきゃ何してもいいが、他の客もいるんだ、あんまり迷惑になる様な事は控えてくれよ!」

澪「すいません!すいません!」ペコペコ

ドア「ガチャバタン」



一同「……」フゥー


110 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 13:48:09.08 ID:Mrb89LQ0
--------
-----
--

澪「それで、どうしてさわこ先生がここに?」

さわこ「ムギちゃんちの執事さん?の斉藤さんって人に頼まれたのよ、
『さわこ様、一生のお願いでございます!お嬢様たちを助けてください!』

ってね、こうまで言われたら、黙ってられないでしょ?」

さわこ「それにあんた達、元の世界では行方不明よ?教師として見て見ぬ振りはできないわ」

律「さ、さわちゃん!」ウルウル


111 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 13:48:50.66 ID:Mrb89LQ0

さわこ「それにこの世界なんだか面白そうじゃない!」キラキラ

梓「そっちが本音ですね……」

律「感動して損した」

澪「そ、それより行方不明って!」

紬「先生!今、元の世界って言いましたよね?てことはやっぱりここは……」

さわこ「そうよ、ここは私達の世界とは別世界、あなた達は体ごと飛ばされたのよ、だから、あなた達は行方不明、わかった?澪ちゃん?」


澪「ゆ、行方不明……」ガーン


112 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 14:15:53.60 ID:6nzzkSAo
今後の展開に期待
113 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 14:17:01.59 ID:Mrb89LQ0
梓「一体、だれがそんな事を!?だいたいどうやればそんな事ができるんですか!」

さわこ「それが解れば苦労はないのよ、梓ちゃん?」

さわこはベッドに腰を降ろす

さわこ「そう、それで私はあなた達に2つ伝えなきゃいけない事があるの、多分どっちも悪い知らせよ」

さわこは全員の顔を見回して続ける

114 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 14:17:34.87 ID:Mrb89LQ0

さわこ「1つ目はさっきも言った通り、ここは私達のいた世界とは別世界、年代、場所、時代、詳しい事はなにもわかってないけれど、地球ですら無い可能性が高いわ」


紬「地球じゃ…ない…」

澪「」

さわこ「もう1つ、今のところ元の世界に帰る方法は無いわ」

紬「でも、それじゃあ先生はどうやってここへ?」

さわこ「それよ」

115 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 14:28:01.52 ID:Mrb89LQ0
そういって、さわこは紬の傍らの通信機を指差す

さわこ「それから送られてくる微弱な電波を探知して、斉藤さんたちに転送して貰ったの」

梓「じゃあ、斉藤さんたちに頼んで助けてもらえば……」

さわこ「無理よ、見てわかるでしょ?その通信機はもう壊れてる、それに、琴吹グループの人達が一ヶ月かけてやっと完成させた転送システムでこの程度、莫大な電力も必要だし、向こうからではこの世界の座標すら特定できないわ」

116 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 14:28:35.43 ID:Mrb89LQ0
律「い、一ヶ月って……ウソだろ、さわちゃん?私達、ここにきてからまだ二日目だぞ?」

さわこ「あら、そうなの?じゃあますます異世界確定ね、時間の流れまで違うなんて」


澪「行方不明……別世界……帰れない……」ブクブク

梓「先生!澪先輩が息してません!」

さわこ「ほっときなさい、ちょっとショックをうけてるだけよ」
117 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 14:49:24.42 ID:Mrb89LQ0
ちょっとどころのショックではない

今聞かされた話は、あまりにも現実離れしすぎていて、理解が追いつかない

今時3流ファンタジーだってこんな展開はないだろう

しかし、未知の世界に放り出された事実はかわることはない

紬「なんで……私達だったんでしょうか……」

118 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 14:53:00.09 ID:Mrb89LQ0
さわこ「これは推論…いいえ、ここにきて確信に変わったわ、あなた達が飛ばされたのは、恐らく似すぎていたせいよ」

さわこの言葉に律は首をかしげる

律「似すぎていた?つまりどうゆうことなんだ?」

さわこ「琴吹グループのつくったゲームはリアルさを追求するあまり、1つの世界とも呼べる電脳空間創り出してしまったのよ、
その電脳空間はこの世界と偶然にも酷似したもので、恐らくそのせいでお互いの世界を引っ張り合うことになってしまった、
この世界がどこに存在するものなのかは知らないけど、ここには今二つの世界が重なりあっている……こんなところかしらね」

紬「だから、私達は魔法が使えるのね……ゲームの中の設定を現実に引っ張ってこれるから……」

律「でも、ムギの知ってるゲームとは違う部分も多いんだろ?」

さわこ「そりゃそうよ、創られた電脳空間よりも現実世界の比重が重いのは当たり前じゃない、あくまでベースはこちらの世界よ、ゲームの世界はあなた達みたいに一部分だけにしか現れないでしょうね」
119 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 15:15:22.76 ID:Mrb89LQ0
さわこ「でも、その力があって良かったわね、あなた達は帰る方法がわかるまでここで暮らさなくちゃならないんだから、まあ、私もだけど」

重苦しい沈黙が漂う

この世界で暮らす

そう、なにも知らない世界で暮らすのだ

帰るあてもないまま





120 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 15:21:15.49 ID:Mrb89LQ0
ここまでで第二章完です

説明パートが続いてしまいましたが、ここからはきっと楽しくなる、はずです

入れきれてない設定や回収しきれてない伏線がたくさんあるので、グダグダな部分もあると思いますが、御支援よろしくお願いします
121 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 15:24:22.59 ID:xtRiLUwo
乙〜
122 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 21:10:49.61 ID:Mrb89LQ0
さわちゃんって和のことなんて呼んでたっけ?
123 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/05(水) 06:15:08.94 ID:xC02GCUo
和ちゃんて呼ぶんじゃないかね
教師という立場で言うの場合、苗字に「さん」付けかと
124 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 19:04:48.20 ID:CZ8smos0
さわこ「そういえば、こちらに来たのは7人って聞いてたんだけど、憂ちゃんと和ちゃんはどこにいるの?」

律「和と憂ちゃんとはここに来た時から、会ってない」

紬「はぐれちゃったみたいで……」

さわこ「そう……」



全員の視線はそれとなく唯に向いている

今この状態で精神的に1番きついのは唯に違いない、誰もがそう思ってるからだ


125 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 19:13:18.02 ID:CZ8smos0
しばらくは誰も喋らなかった

元の世界に帰る術も無ければ、これから生活する術もない

おまけに、仲間のうち2人はこちらの世界でも行方がわからないのだ


126 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 19:16:57.25 ID:CZ8smos0



ガバッ

唯が突然顔を上げた



唯「ねえ!私決めたよ!」

全員が唯に注目する


唯「私、やるよ!

この世界で生き抜いてみせる!

それで絶対に憂と和ちゃんも見つける!

そしたら、みんなで絶対に元の世界に戻るんだ!」


唯の眼差しは強い決意で輝いている
127 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 19:24:31.78 ID:CZ8smos0
紬「唯ちゃん……」

澪「唯……」

梓「唯先輩……」



律「そうだな……唯の言う通りだ!

絶対みんなで元の世界に戻ってみせる!

私たちにやってやれないことはないぜ!」


唯「そうだよりっちゃん!」

律「よし!唯!絶対に元の世界に帰るぞ!」

律&唯「おー!!」シャキーン

128 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 19:43:27.75 ID:CZ8smos0
グゥゥゥ〜

唯「あっ///」

律「よ、よ〜し!そうと決まれば、早速腹ごしらえだな!」アセアセ


澪「締まらないな〜」クスクス

梓「あはは、まったくです」ニコニコ

紬「そうね、起きてからまだ何も食べてないものね」ウフフ

129 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 20:06:04.12 ID:CZ8smos0
-----------
-------
---

律「それじゃ行くぜー」

一同が廊下にでて、階段を降りるとそこは円形のテーブルが並ぶ部屋だった

テーブルのところどころには、談笑する人や、朝食をとっている人が見受けられる

部屋の隅にはカウンターがあり、先ほどの宿屋の主人とその奥さんと思しき人が忙しそうに働いている

どうやらカウンターの後ろは厨房になっている様だ

律達は、カウンターに近づいて行った

130 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 20:06:28.53 ID:CZ8smos0
律「すいませ〜ん、あの〜朝食をもらいたいんですけど」

宿屋の主人「おっ、お嬢ちゃん達か!いいぜ!ちょっと待ちな、今持って来るからな!」

そう言うと威勢のいい主人は奥の厨房へと消えて行った

唯「どんなものが出るんだろうね!楽しみだね!あずにゃん!」

梓「少し怖い気もしますが……」


131 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 20:10:01.66 ID:CZ8smos0
主人はものの1分程度で戻って来た

宿屋の主人「待たせたな!これが今日の朝食6人分だ、飯のおかわりは自由だから、たんと食べてくれよ!うちの飯はここらじゃ1番って評判だからな!」

紬「あ、それじゃお代を……」

宿屋の主人「いやいや!お代をいらねえぜ、宿泊代にはいってるからな!夕食もつくから安心しとけよ!」

唯「夕食も!?嬉しいなぁ〜」ニコニコ
132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 20:17:52.05 ID:CZ8smos0
6人は食事を受け取り適当なテーブルに着いた

唯「おいしそ〜!」キラキラ

律「確かに美味そうだな!」


〜今日の朝食〜

鳥の味噌香味焼き
白身魚の干物
生野菜サラダ
瓜の漬物
白飯
ハーブ茶

さわこ「ずいぶんと豪勢ね」

律「食うぜー!」

一同「いただきま〜す」

133 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 20:28:18.48 ID:CZ8smos0
パクパクムシャムシャ

梓「!!この鳥凄く美味しいですよ!」

唯「どれどれ…パク……本当だ〜!すっごくご飯に合うよ!」キラキラ

澪「異世界っていうから、パンとワインみたいなのを、想像してたんだけど、ずいぶんと日本人好みのメニューだな」

紬「そうね、想像してたのとちょっと違うわね、私達、いろいろと知らない事だらけみたい」
134 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 20:33:37.31 ID:CZ8smos0
さわこ「あ、このお茶おいしっ」


律「ふっふっふ」キラン


律「隙ありっ!」ササッ

パクッ

唯「あー!りっちゃんが私の鳥とったー!」ウワァァァ


律「はっはっはっ!食事は戦場なのだよ、弱肉強食の厳しい世界なのさ」フッ

唯「もう〜!おかえしっ」パパッ

律「あ〜!私の魚〜!」

唯「へへ〜ん!弱肉強食だよ〜!」

律「この〜!」

135 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 20:34:43.86 ID:CZ8smos0
ワイワイキャッキャ


澪「お前ら……」ワナワナ


澪「お前ら小学生かー!!」


ゴンッ☆

澪「おとなしく食べろー!」

律「痛い〜」メソメソ

唯「ごめんなさい〜」シクシク

梓「先輩……嘘泣きしてもダメですよ」
136 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 20:54:44.42 ID:CZ8smos0
--------
----
梓「それにしても良かったですよね」

唯「何が〜?」パクパク

梓「この宿です、ずいぶん綺麗だし、ご主人も良い人そうですし」

澪「そうだな、みたところ科学技術はあんまり発達してないみたいだけど」

紬「そうね、中世の世界みたい」

律「中世か……ふーむ、全然わからん!」

澪「なんだそりゃ」
137 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 21:03:14.92 ID:CZ8smos0
タベオワリ
-----------
-------
---

律「ふぅ、くったくった♪」

唯「おいしかったねぇ」フゥー

全員食べ終わり一息ついていると澪が口を開く

澪「よし、早速だけど、この後どうしようか?」

紬「私達、この世界の事を知らなすぎるからやっぱり、情報収集したほうがいいと思うの」


138 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 21:11:37.91 ID:CZ8smos0
律「そうだな、せめてこの街の場所くらい知らないとな」


さわこ「そういえば言い忘れてたけど、あんた達この世界で暮らすんだから、仕事見つけないとだめよ、仕事」

一同は、思いがけない話に驚くが、考えてみれば当然、手持ちの金だけではいつかは底をついてしまう


梓「仕事ですか……」

唯「私たちにできる仕事あるかな…」

先行きは不安だらけである



139 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 21:21:29.46 ID:CZ8smos0
律「まあ、とりあえず現状を確認してみようぜ」

唯「というと?」

律「とりあえず、今の手持ちの金額とか、道具とか能力のこと知らなかったら、これからの予定もたてようがないだろ?」

唯「お〜!そうだね、りっちゃん!」

梓「確かに良い考えです……律先輩にしては冴えてますね」

律「ほぉ〜、梓ちゃんは喧嘩を売ってるのかな?」ピキピキ(#^ω^)

梓「ち、違いますよ!」

140 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 21:21:58.55 ID:CZ8smos0
律「問答無用!生意気な後輩にはこうだ!」ギュム

グイー

梓「いふぁいです!はなふぃてくだふぁい〜!」ナミダメ

律「ほれほれ〜」グニグニ


ゴンッ☆


澪「真面目にやれ」

律「はい……」
141 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/06(木) 21:44:53.46 ID:CZ8smos0
---------
-----
--

律「じゃあ、現状の確認するぞ」

唯「するぞー!」オー!

律「まず、お金だけど、ムギ?」

紬「ええ」

ジャラジャラ

紬「これで全部よ」

紬がテーブルの上に出したのは金貨、銀貨、銅貨である

全て中央に穴が空いている
金貨、銅貨は10枚つづり、銀貨は12枚つづりで紐に通されている

澪「金貨が20枚に銀貨が36枚、銅貨が125枚か……」
142 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 21:45:21.70 ID:CZ8smos0

律「結構あるけど、通貨の価値がわからないからどうしようもないな、これは後で誰かに聞こう」

律「次だ、次は……道具類だな、各自カバンの中身を出してくれ」

ガチャガチャ

それぞれがカバンの中身をテーブルの上に開けた

梓「薬草が10個、これは……聖水ですかね?RPG的に考えて」

紬「そうね、たぶん間違いないわ」

梓「聖水が5本、あと……これは携帯食みたいですね、携帯食が20個、あと皮袋の水筒が5本ですね」


143 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/06(木) 21:56:12.92 ID:CZ8smos0
律「後はこの本か」

それぞれが自分の持っている本に目を落とす

律「これは一体何のためにあるんだ?」

紬「これはスキルブックよ、各自に職業にあったスキルが記されているの」

梓「便利ですね」

紬「でも残念なことに習得したものしか読めないのよ」

律「まあ、とりあえずお互いの能力は詳しく知っておいた方がいいだろ」

144 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/06(木) 21:58:03.21 ID:CZ8smos0
紬「そうね、それぞれ読んでいきましょうか」

澪「えっ、読むのか?」

紬「ええ、この本は持ち主にしか読めないから」

澪「嫌だ〜!」

梓「何でですか??」
145 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/06(木) 22:13:27.49 ID:CZ8smos0
呪文やスキルは全てオリジナルでいこうと思ってましたが、作者の都合上変更します

各種RPGゲームなどから拝借しつつオリジナルを混ぜていく形式にしたいと思います

ご了承ください
146 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 22:14:45.68 ID:bGAlyMUo
別に構わんぜよ
147 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 23:10:51.93 ID:CZ8smos0
紬「じゃあ、私から読むわね」

タイトル
〜殴りと癒し〜

スキル
・ハンマーマスタリー Lv1
・ソードマスタリー Lv1
・身体強化 Lv1
・キュア Lv1
・リカヴァ Lv1
148 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/06(木) 23:11:47.28 ID:CZ8smos0
梓「凄いタイトルですね……」

律「なあ、マスタリーてなんだ?」

紬「マスタリーっていうのは、その武器をどれだけうまく扱えるかを表しているの、今まで使ったことのない物でも、マスタリーを覚えていれば、体が勝手に動いてくれるわ」

澪「便利だな」

紬「あと、キュアは怪我の治療、リカヴァは簡単な毒の治療ができるみたい」
149 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 23:17:59.79 ID:CZ8smos0
律「私のはっと……」

タイトル
〜ビバ☆筋肉〜

スキル
・アクスマスタリー Lv2
・ソードマスタリー Lv2
・体術 Lv1
・身体強化 Lv1
150 :スキル一個書き忘れたorz [sage]:2010/05/06(木) 23:27:30.88 ID:CZ8smos0
・痛覚無効 Lv1


梓「痛覚無効ってなんですか?」

紬「戦闘中に受けた傷の痛みを無くすスキルよ」

律「あーなるほどな、だからあの時は傷を負っても痛みを感じなかったんだな」

初戦闘を思い出すと
確かにあの傷は結構大きかったが、痛みをまったく感じなかったことに思い当たる

紬「これは便利だけど危険なスキルよ、痛みを感じないだけで傷自体が治る訳じゃないから」


151 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 23:31:01.64 ID:CZ8smos0
梓「私の番ですね」

タイトル
〜お金大好き〜

スキル
・盗みマスタリー Lv2
・短剣マスタリー Lv1
・身体強化 Lv1
・感覚強化 Lv1
・連続攻撃 Lv1

152 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 23:38:31.95 ID:CZ8smos0
梓「盗みマスタリーって、なんなんですか、これは!ひどすぎです!私、泥棒なんてしないです!」

紬「まあ、盗賊だからしょうがないわよ」

律「感覚強化ってなんだ?」

紬「運動能力を強化する身体強化に対して、五感を強化するのが感覚強化よ、例えば、夜目が聞くようになったり、音や匂いに敏感になるわ」

澪「タイトルが酷いのはデフォルトなのか……」
153 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 23:44:21.48 ID:CZ8smos0
唯「あれ〜?ねぇねぇ、私の本、タイトルが読めないよ?」オロオロ

紬「おかしいわね……他に読めるところはない?」

唯「あ、中は読める〜」ヤッタネ!

タイトル
〜???〜

スキル
・ソードマスタリー Lv1
・身体強化 Lv1

154 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 23:46:56.24 ID:CZ8smos0
唯「え〜これだけ〜?」ガッカリ

梓「少ないですね」


律「もしかして、無職なんじゃないのか〜?」プクク


唯「スキルが少ないだけで無職!?」ガーン
155 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 23:55:51.22 ID:CZ8smos0
律「さあ、澪の番だぞ」

澪「はぁ、嫌だなぁ」

タイトル
〜猿でもわかる黒魔術〜

スキル
・フレイム Lv1
・フリーズ Lv1
・ライトニング Lv1
・マナバレット Lv1
・テレキネシス Lv1


156 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/07(金) 00:00:08.36 ID:dcKVjiU0
律「確かに酷いタイトルだ……」

唯「あはは、猿だって!澪ちゃん!」アハハ

梓「スキルがいかにも魔術師って感じですね」

157 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/07(金) 00:05:30.09 ID:dcKVjiU0
さわこ「じゃあ、私のも教えとくわ」

唯「あ、さわちゃん」

律「居たんだ」

さわこ「いたわよ!ずっと!まったく失礼ね」
158 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/07(金) 00:15:19.68 ID:dcKVjiU0
タイトル
〜目指せ!天下一武◯会〜

スキル
・体術 Lv1
・拳術 Lv3
・身体強化 Lv1
・痛覚無効 Lv1

梓「タイトルからすでに武闘家臭がしますね」

律「さすがさわちゃん!力が凄そうだな!」

さわこ「なんだと〜」ピキピキ

律「い、いや〜、冗談だよ、冗談」アセアセ

さわこ「あなただって戦士でしょ〜!人のこと言えないじゃない!」グイグイ

律「さわちゃんやめて〜!目がまわる〜」ガクガク
159 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/07(金) 18:04:29.22 ID:p71Qekso
ムギとさわちゃんと唯以外の本のタイトルwww
160 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/07(金) 19:08:26.51 ID:dcKVjiU0
澪「まあ、これで全員分の本の中身が確認できたわけだ」

梓「それにしても不思議な本ですよね〜」ペラッ

律「後はこの街のこと聴けたら良いんだけどな〜」ダラー

紬「……とりあえず、宿のご主人に聞いてみましょうか?」

律「そうだな〜」

ガタガタ

一同は立ち上がり食べ終えた食器をカウンターまでさげにいった

161 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/07(金) 19:35:58.87 ID:dcKVjiU0

宿屋の主人はこちらに背を向けて何やら作業をしているようだ

律「ごちそーさまでしたー」


宿屋の主人「おお、そこに置いといてくれればいいぞ」

宿屋の主人は顔だけ振り返らせて言った

唯「ご飯すごくおいしかったです!」キラキラ

宿屋の主人「そりゃあよかった、嬉しい限りだぜ」


紬「それで、あの、実は少しお伺いしたい事があるんですが……」

紬がそう切り出すと、宿屋の主人は作業の手を止め、こちらに向き直った

宿屋の主人「ああ、ちょっと待ってくれ……よし、いいぞ、お嬢ちゃん達?」

紬「実は私たちは旅をしている者で、遠い国から来ました、この辺りにことが全くわからないので、教えて欲しいのですが?」
162 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/07(金) 19:36:36.50 ID:dcKVjiU0

宿屋の主人「ああ、あんた達旅人かい、今時珍しいね、で、この街の何を聞きたいんだい?」

紬「すみません、私達、この街の名前も知らないんです」

宿屋の主人「そこからか……そうだな、何から話すか……おお、立ち話もなんだから、ここに座ってくれ」

一同は進められるままにカウンター前の席につく

ガタガタ

宿屋の主人「そうだな、まずこの街の名前は"ポルテリオ"だ、ガルレオ大陸最東端、そして世界のほぼ中央に位置する港町だ」
163 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/07(金) 20:19:59.85 ID:dcKVjiU0
宿屋の主人「この街は海洋諸国との交易と温かい気候を生かした稲作が盛んでな、トラスネッド帝国で3番目にでかい街なんだ」

律「トラスネッド帝国?」

宿屋の主人「ああ、トラスネッド帝国っていうのは、この街も含めてガルレオ大陸の1/3を治める世界で1番の大国だよ」

唯たちが話を聞いていると宿屋の入り口から突然声が響いた

164 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/07(金) 20:20:29.09 ID:dcKVjiU0
少年「おーい、おっちゃん!届け物だよ!」

宿屋の主人「おお!お嬢ちゃん達すまないが、ちょっと待っててくれ」

そういうと、宿屋の主人は少年のもとへ向かって行った

その様子を見つめていた梓が不意に声をあげる

165 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/07(金) 20:20:59.02 ID:dcKVjiU0
梓「にゃあっ、先輩!あの人!見てください!」

律「なんだよ梓〜」

梓「見てくださいよ!あの人の頭!」

梓が指差しているのは、先ほど少年だ

澪「あの人がどうかしたのか?」
166 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/07(金) 20:21:32.15 ID:dcKVjiU0

普通の少年だが、よく見てみると何か違和感がある


唯「!!!なにあれ!?猫耳?」


そう、彼の頭には猫科動物の耳がついていたのである

ピコピコ

猫耳は時折動いては自己主張をしている

律「本当だ!なにあれ、本物か!?」

澪「コスプレ?」


167 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/07(金) 20:24:12.31 ID:dcKVjiU0
そんな会話をしていると、用をすませた主人が戻ってきた

宿屋の主人「すまんな、届け物が届いてな」

梓「そんなことより、今に人はなんなんですか!?頭に耳がついてました!」

宿屋の主人「ああ、あの子は亜人だよ、見るのは初めてかい?」

168 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/07(金) 20:24:40.14 ID:dcKVjiU0
唯「亜人ってなあに?」ハテナ

宿屋の主人「亜人ってのはな、まあ、見ての通り人に近い生き物だ、近いつっても実はほとんど俺らと変わらないんだがな」

紬「みんな、猫耳なんですか?」

宿屋の主人「いや、今の子は"ミシャ族"っていってな、他にも沢山の種族があるのさ」

169 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/07(金) 20:25:06.67 ID:dcKVjiU0
律「他にも沢山というと?」

宿屋の主人「そうだな〜……例えばこの国は実は亜人の王族が治めてるんだが、彼等の種族はドラゴニュート族って言うんだ、トカゲみたいな顔つきでな、全身鱗に覆われてる」

律「ほぉ、トカゲね〜、そんなのもいるんだ」

宿屋の主人「おっと、彼等の前でトカゲは禁句だぞ?」

梓「どうしてですか?」

170 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/07(金) 20:31:29.29 ID:dcKVjiU0
宿屋の主人「彼等にとって1番の侮辱だからだ、それを言ったらただじゃすまないぞ」

梓「そうなんですか……こわいですね」

紬「そういえば、この街には亜人が多いですよね?他の街もこんな風なんですか?」

宿屋の主人「この街……いや、この国は特別なんだ、大抵の国では亜人は数も少ないし差別されてるんだが、この国は亜人の王族が治める国だ、だから当然、亜人に寛容なんだよ」

171 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/07(金) 20:32:42.71 ID:dcKVjiU0
律「住みやすいってわけか」

唯「良かったね〜、あずにゃん!」

梓「??なにがですか?」

唯「猫耳だよぉ〜、ここなら猫耳つけたままでも恥ずかしくないから何時でもつけてられるよ〜」ニコニコ

梓「なっ 、いやですよ!そういう問題じゃないです!絶対つけませんからね!」

172 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/07(金) 20:33:32.44 ID:dcKVjiU0
唯「え〜!なんで〜!あずにゃんのケチ!」プンプン

澪「こらこら、唯、落ち着け、だいたいここに猫耳はないだろ」

紬「あら?あるわよ?ここに」スチャ

唯「おお〜!素晴らしい!」キラキラ

澪&梓「なんであるんだ(ですか)!!」
173 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/09(日) 09:50:49.91 ID:rnP1oi60
紬「カバンのしたの方に入ってたのよ♪」

宿屋の主人「おお、それは"ミシャの耳飾り"か!珍しいもん持ってるな」

唯「なにそれ?」

宿屋の主人「それをつけるとな、ミシャ族みたいに聴覚が鋭くなるんだ」

澪「意味があるものだったのか……」

律「じゃあ、捨てるわけにもいかないな、梓!」ニヤニヤ

梓「くっ……」

174 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/09(日) 10:05:47.38 ID:rnP1oi60
宿屋の主人「あとなにか聴きたいことはあるかい?」

紬「この街のお金とかってどうやって使うんですか?」

宿屋の主人「ああ、えーと、この国では基本的には金貨、銀貨、銅貨の三種類が使われてるんだ、銅貨100枚で銀貨一枚、銀貨12枚で金貨一枚分だ」

澪「だから銀貨は12枚綴りだったのか」

宿屋の主人「それにしてもあんた等、金の使い方も知らないなんて、一体どんなど田舎からきたんだ?」

律「えーと、それは、なんといいますか……」

宿屋の主人「いやいや!答えなくてもいい、少し気になっただけだ、すまなかったな、客の身の上は詮索しないことにしてるんだ」

紬「そうですか」ホッ
175 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/10(月) 23:52:28.22 ID:bYvU9ogo
期待してるんだ
支援
176 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 19:22:41.11 ID:3wgOk4o0
宿屋の主人「それじゃ、すまんが俺はこれからちょっと出なきゃならんからな、まだ聞きたいことがあったら夕方にしてくれ」

紬「あ、いえ、こちらこそ色々教えて頂いてありがとうございました」ペコリ

宿屋の主人「はっはっは、いいってことよ」

ガタガタ

椅子を立った宿屋の主人は店の出口にむかう

ドア「ガチャリ…ギィ」

宿屋の主人「お、そうだ、あんた達、旅してるんだよな?だったら、冒険者ギルドにも行ってみな、もっと色々な情報が聞けると思うぜ」

澪「冒険者ギルド……」

宿屋の主人「おう、荒っぽい奴が多いから気をつけろよ!」

ドア「バタン!」

そうゆうと宿屋の主人は外へ出かけてしまった
177 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 19:36:32.48 ID:3wgOk4o0
宿屋の主人を見送った一同は顔を見合わせて再度相談をはじめる

律「んで、どーすんだー?」

紬「そうねえ、街の様子も知りたいし、観光がてらその冒険者ギルドって所にもよってみましょうよ、ね?」

梓「そうですね、街の人の話も聞いてみましょう」

唯「観光♪観光♪」ウンタン♪ウンタン♪

さわこ「あー、わたしパスね」

律「なんでだよ、さわちゃん?」

さわこ「なんだかこっち来たばっかで調子のらないのよ、部屋で休んでるわ」

ガタガタ

タンタンタンタン

さわこは席を立ち部屋へ戻ってしまった

唯「さわちゃんお大事に〜」

178 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 19:47:39.08 ID:3wgOk4o0
律「それじゃ、いっちょ出かけるか!」

唯「おー♪」

---------
-----
--

ワイワイガヤガヤ

街へ繰り出した一同は市街地中央の大通りにいた

石畳の大通りには多くの露店が並び、買い物に興じる人々でごった返している

行き交う多くの馬車や荷車は、この街が交易で栄えていることをその異国情緒溢れる色とりどりの荷で証明していた

律「それにしても賑やかな街だなー」

紬「そうねえ、お店も沢山あるし結構栄えてる所なのね」

澪「人ごみ怖い」ガクブル
179 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 20:10:34.14 ID:3wgOk4o0
一行は大きなテントがはりだされている一角へやって来た

あちらでは肉魚こちらでは工芸品と、品物が所狭しと並べられている

唯「クンクン……ねえねえ!なんかいい匂いするよ!」

梓「クンクン……いろんな匂いが混ざっててよくわかりませんが」

唯「甘い匂いだよぉ〜、どこからかな?」

梓「甘い匂い……クンクン……こっちからしますね」

そう言って梓は左を指差す

澪「梓、よくわかるな、こんな色んな匂いの混ざってる場所で」

180 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 20:11:09.92 ID:3wgOk4o0
梓「ええと、確かに色んな匂いがするんですが…なんていうか……一つの匂いに集中するとその匂いのありかがわかるんです」

律「盗賊って便利だな〜」カンシン

唯「じゃあ、こっちに行ってみよう!」

タタッ

唯は先に行ってしまった

梓「あ!先輩!待ってください!」

紬「私たちも行きましょうか」

梓達が唯を追って行くと、唯は一つの露店の前で立ち止まっていた

181 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 20:11:50.52 ID:3wgOk4o0
律「唯、どうしたんだ?」

唯「みてみて〜、りっちゃん、これだよ、甘い匂い!おいしそうだよぉ〜」キラキラ

澪「これはなんだ?」

その露店では竹串の先になにやら琥珀色の塊のついたものが売られていた

露天商「おう、お嬢ちゃん方!これはこの辺では珍しい麦から作った麦芽飴だよ、美味しいから買ってきな!」

182 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 20:12:50.07 ID:3wgOk4o0
唯「美味しそうだねっ!」キラキラ

澪(超欲しそうだな……)

梓「ちょっと唯先輩!無駄遣いはできないんですよ!」

唯「」ガーン

唯「そうだよね……わかってるよ、あずにゃん……」ウルウル

紬「まあまあ、梓ちゃん、いいじゃない、飴くらい」

唯「本当っ!?」キラキラ

紬「本当よ♪……それで、おいくらかしら?」

露天商「ああ、一つ銅貨一枚だ」

律「安っ!」
183 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 20:22:11.13 ID:3wgOk4o0
----------
------
---
一行は冒険者ギルドへ向けて歩いている

テクテク

律「なあ、もしかして今の私達って結構お金持ち状態?」ペロペロ

澪「そうみたいだな、さっきみたら腕くらい大きな魚が銅貨4枚だったし」ペロペロ

紬「そうはいっても、早くお金稼がなきゃ」ペロペロ

184 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 20:22:38.26 ID:3wgOk4o0
梓「まったく!ムギ先輩は唯先輩を甘やかしすぎです!」ペロペロ

唯「むっ、あずにゃんだって食べてるでしょー」ペロペロ

梓「これはっ……ムギ先輩が買っちゃったからしかたなく……」アタフタ

律「本当は食べたかったくせに〜」ニヤニヤ

梓「うっ」(否定できない……)

一行は結局あの後、飴を五本購入したのだった
185 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 20:48:04.67 ID:3wgOk4o0
律「そうこうしてるうちに着いたな」

一行はこの辺りでもひときわ大きな建物の前にいた

唯「ここ〜?」

澪「これだけ大きな看板出してるんだから間違いないだろ」

梓「入りましょう!」

ドア「ガチャ」

梓がドアを開けると、薄暗い室内に光が射し込んだ

186 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 20:48:33.93 ID:3wgOk4o0
ガヤガヤ ガヤガヤ

律「なんかガヤガヤしてるなー」

室内には多くのテーブルがおかれ、人々が酒を呑んだり、煙草をくゆらせながら雑談に興じていた

また多くの人が各々武器を持っており、鎧姿の者や傷のある者、その外見から危険な冒険を生業としているのがみて取れる

ギルド受付嬢「あら?あなた達お客さん?」

187 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 20:49:07.36 ID:3wgOk4o0
みんな「っっ!?」

突然に背後から声をかけられ驚く一同

澪「びっくりした〜」ドキドキ

ギルド受付嬢「あら、ごめんなさい、あなた達ここに用事かしら?」

紬「はい、あのー少しお話を伺いたくて……」

ギルド受付嬢「お話?いいわよ、まあとりあえず、中に入って?」

188 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 21:16:54.61 ID:3wgOk4o0
受付嬢に促され一行は室内に通された

ギルド受付嬢「カウンターでいいわよね?」

一行がカウンター席に座ると受付嬢は口を開いた

ギルド受付嬢「それで、話ってなんの話かしら?」

澪「ええと、少しギルドの事とか聞きたくて、冒険者ギルドってことはここにいるのはみんな冒険者なんですか?」

ギルド受付嬢「ええそうよ、人は多いけど、なにしろ冒険者ギルドは世界中にあるから、いろんな地域の冒険者が旅の拠点にしてるのよ」

189 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 21:17:23.99 ID:3wgOk4o0
紬「拠点てどういうことですか?」

ギルド受付嬢「冒険者ギルドは宿泊施設も兼ねてるのよ、ギルド所属者は格安で泊まれるの」

律「世界中から人が来てるって事は、沢山情報が集まるってことだよな?」

ギルド受付嬢「ええ、まあそうよ」

紬「じゃあ、あの、ギルドに魔術に詳しいかたっていらっしゃるでしょうか?」

ギルド受付嬢「う〜ん、それならここより王都の魔術ギルドのほうがいいわよ?」

190 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 21:18:02.23 ID:3wgOk4o0
澪「魔術ギルド?」

ギルド受付嬢「そうよ、この国の王都にある魔術学校併設の国立魔術ギルド」

律「へぇ〜、そんなのもあるんだな」

ギルド受付嬢「というか、あなた、魔術師みたいな格好してるのに魔術ギルド知らないの?」

澪「いや、えっと、異国から来たものですからっ」アタフタ

191 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 21:18:28.50 ID:3wgOk4o0
受付嬢「ふーん、そうなの」

梓「あの、冒険者ギルドって世界中にあるんですよね?」

ギルド受付嬢「ええ、この大陸だけでも30箇所以上あるわよ、だからギルド所属者なら世界中旅できるわ、西の3国は戦争中だから危険だけど」

客「おーい、ねえちゃん!酒のおかわり持って来てくれーい!」

192 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 21:19:14.33 ID:3wgOk4o0
ギルド受付嬢「あ、かしこまりました!ごめんなさい、あなた達、今日はちょっと忙しいから仕事に戻らなくちゃいけないわ」

紬「いえ、こちらこそありがとうございました」ペコリ

ギルド受付嬢「それじゃ、今度はお客さんで来てね」ニコ
193 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 21:57:20.79 ID:3wgOk4o0
---------
------
---
冒険者ギルドを後にした一行はまた大通りを歩いていた

テクテク

律「あんまり話聞けなかったな」

澪「そうだな」

梓「しょうがないですよ、向こうも忙しいみたいですから」

律「やっぱり世界中回ったほうが元の世界に帰る方法も、憂ちゃんと和の行方も早く見つかるよなあ」

澪「魔術ギルドって所も気になるしな」

194 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 21:58:11.49 ID:3wgOk4o0
テクテク

ピタッ


紬「ねえ、みんな……」


律「んー?どしたんだ?」


195 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 21:58:48.17 ID:3wgOk4o0



紬「私達……冒険者になりましょうよ」


突然の発言に全員が思わず立ち止まる

196 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 22:00:35.48 ID:3wgOk4o0
真っ先に反応したのは澪だった



澪「で、でも冒険者って危険なんだぞ!私たちにできるわけないよ!」


唯「できるよ〜、大丈夫だよ〜」ニヘラ

澪「そんな無責任な!」


197 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 22:01:09.52 ID:3wgOk4o0
梓「澪先輩!……やりましょうよ、冒険者、きっと大丈夫ですよ」

紬「そうよ、澪ちゃん大丈夫よ」


澪「梓まで……ガーン


律は全員を見回していった


律「決まり、かな?」

198 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 22:02:12.15 ID:3wgOk4o0


律「そうと決まればもう一回ギルドに行こうぜ」

紬「まって、りっちゃん、一回宿に戻ってさわこ先生に報告しに行きましょ?」

唯「冒険♪冒険♪」ウンタン♪ウンタン♪


梓「それにしても唯先輩の自信はいったいどこからくるんですか」

唯「世界中の旅なんて素敵だね〜」キラキラ

澪「冒険……怖い……」ブルブル
199 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 22:31:52.04 ID:3wgOk4o0
律「澪〜いつまで怖がってるんだよ」

澪「怖い……死んじゃう……」ガクガク

律「しょうがないな……」

テクテク

ギュ

200 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 22:32:46.04 ID:3wgOk4o0
澪「!?律!」

律は澪に歩み寄るとそっと抱きしめた

紬「!?」ムギュゥゥゥゥゥ!

律「澪、お前の事は私が絶対守ってやるから安心しろ、澪を危険な目にはあわせない」イケメン

澪「り、律……ありがとう、私も頑張る」ウルウル

ギュッ

更にきつく抱き合う二人

201 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 22:39:56.58 ID:3wgOk4o0
律「澪……」

澪「律……」

紬「っ!っ!!」ガクガク プシャー


梓「はいはーい、そこまでにしてください、二人とも、はい離れて離れて」ハイハイ

紬「チッ」

梓「白昼堂々と往来でなにしてるんですか!やめてください!」

律「なんだよー邪魔するなよー」

澪「はっ!わ、私はなんて事を……は、恥ずかしい!」マッカ
202 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/12(水) 08:42:13.30 ID:XqYlBnko
203 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/12(水) 17:23:18.60 ID:WX5kVGgo
ムギ自重しろwww
204 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/12(水) 19:29:32.27 ID:WB2trso0
澪「と、とにかくさっさと宿まで戻るぞ!」

紬「澪ちゃん、ちょっとまって!」

唯「ムギちゃんどうしたの?」キョトン

紬「宿に戻る前にもう一カ所寄りたい所があるんだけど……良いかしら?」

律「そりゃあ、構わないけど?」

205 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/12(水) 19:43:13.09 ID:WB2trso0
紬「じゃあ、悪いけどちょっとつきあって?」

----------
------
---

その数刻あと、一行は大通りからは少し離れた住宅街を歩いていた

紬「へんねぇ、この辺りのはずなんだけど……」

キョロキョロ

唯「さっきのおじさんの道案内、わかりにく過ぎだよぉ〜」

梓「しょうがないですよ、もうちょっと探しましょう」

206 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/12(水) 19:43:45.06 ID:WB2trso0
テクテク

律「あ!あの建物じゃ無いのか!?」

律が指差す方角に全員が注目する

唯「どれどれー!?」

律「ほら!あれだよ、あそこ!」
207 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/12(水) 19:56:03.55 ID:WB2trso0
そこには、周りの住宅とは異なる造りの建物があった

縦に長い石造りの建物で脇には尖塔も建てられており、律達に向かって正面の窓には、大きなステンドグラスがはめ込まれている

紬「ここでいいみたいね」

澪「これが……教会……」

208 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/12(水) 19:59:49.63 ID:WB2trso0
梓「大きい建物ですねー」

唯「ねえねえ、なんで二つも同じ建物が並んでるの?」

紬「んー、なんでかしら?わからないわ」

律「とにかくはいってみよーぜー!」

澪「そうだな……でもどっちに入ればいいんだ?」
209 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/12(水) 20:03:05.40 ID:WB2trso0
ミスったorz

梓「大きい建物ですねー」

唯「んー?ねえねえ、なんで二つも同じ建物が並んでるの?」

確かに唯の言う通り、そこには全く同じ建物が二つ並んでいた

紬「んー、なんでかしら?わからないわ」

梓「尖塔の位置から窓の位置まで全く同じですね」

律「まあ、とにかくはいってみよーぜー!」

澪「そうだな……でもどっちに入ればいいんだ?」
210 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/12(水) 20:12:44.88 ID:WB2trso0
紬「そうねえ……あ!きっと右の教会よ!」

律「ムギ、なんでわかるんだ?」

紬「見て!右の教会の入口のところ!」

右の教会の入口にはドアのうえに大きな金属製の紋章がおかれている

律「なんだ、あのマーク?ハンマーと草?」

211 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/12(水) 20:13:12.74 ID:WB2trso0
紬「そうよ!このキーチェーンと同じ紋章!」

ジャラ

紬は自分のハンマーを手に取り、柄につけられているキーチェーンを示す

澪「本当だ……じゃあ、右側に入ろうか」
212 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/12(水) 20:30:52.38 ID:WB2trso0
---------
------
---

ドア「ガチャ」

律「ごめんくださーい」

唯「うわぁ、きれい〜」キラキラ

教会内部ではステンドグラスから取り入れられた光が柔らかい帯となって部屋中に降り注いでいる


紬「すごい……さながら聖歌が聞こえてきそうね」

澪「なんだか落ち着くな……」

また室内には、多くの長椅子が並び入口正面には鎧姿で鎚と剣を構える女神像があった

梓「なんていうか……勇ましいですね」

一行がその光景に見惚れていると奥の扉が突然開いた

ドア「ギィ」

ガタガタ

シスター「どなたかいらっしゃったんですか?」

律「うわっ、びっくりした!」

紬「あ、すいませんお邪魔しています」

シスターは優しい笑顔を浮かべている

シスター「いえいえ、かまわないわ、皆さんお祈りして行かれたらいいですわ」ニコ

唯「綺麗な人だねぇ〜」コショコショ

梓「あの人が女神みたいですね」コショコショ
213 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/12(水) 20:42:11.82 ID:WB2trso0
紬「いえ、あのー実は少しお話をうかがいたくて……この教会の事とか」

シスター「もちろん構いませんが……見たところ貴女もこの教会のシスターでしょう?神学校で習った事ばかりですが、構いませんか?」

紬「あ、あの私、異国の出身であまりこの辺りのことよく知らなくて!」

シスター「まあ!異国で神学を!?それは素晴らしいことですわ!貴女のその熱心な信仰を女神様もきっと見ていてくださる事でしょう、"貴女に戦いの加護がありますように"」

唯「戦いの加護?」

シスター「私達、"戦の女神の教会"の祈りの言葉です、私達は人々が人生という戦いに負けないように日々祈っているのです」

梓(い、勇ましい……)

214 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/12(水) 20:54:04.67 ID:WB2trso0
シスター「それで、この教会の事でしたよね?なにをお話したら良いのでしょう」

澪「えーととりあえず、この教会の隣の建物はなんなんですか?」

シスター「ああ、それでしたら隣は"歌の女神の教会"ですわ」

律「隣も教会なのか!?」

シスター「はい、教会では病や怪我の治療も行っているのですが、実は私達"戦の女神"は怪我の治療は得意なのですが、病の治療は不得手なのです、ですから病の治療が得意な"歌の女神"方達と協力して治療を行っているのですよ」

215 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/12(水) 20:54:35.11 ID:WB2trso0
唯「??どういうことなの?」コショコショ

律「現代で言う、外科と内科みたいなもんだろ」コショコショ

澪「へぇ〜、違う宗派なのに仲が良いんですね?」

シスター「それはもともと私たちの信仰している戦の女神と歌の女神は姉妹同士であったという伝説があるからです、仲の良い姉妹であった二人はやはり互いに分担して怪我人や病人を癒していたと文献にありますから」
216 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/12(水) 21:03:21.02 ID:WB2trso0
紬「あの、神学校ではなにを学んでいるのですか?」

シスター「まず私達はシスター見習いとして神学校に入り、教会武術と治癒の魔法、それから聖書の勉強をするの」

澪「武術!?」

シスター「ええ、そうよ、私たちは戦争時や魔物の襲撃時には前線で戦うのよ」

唯「シスターさんもなにかできるんですか?」

シスター「私は剣術を学びましたわ、この教会では鎚を扱う人が多いのだけれどね」

梓(虫も殺さないような顔してるのに……)

217 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/12(水) 21:15:55.98 ID:WB2trso0
キョロキョロ

唯「あの〜?」

シスター「なんですか?」ニコ

唯「それで、"冒険の書"はどこにあるんですか?」

澪&律「!!」

シスター「?冒険?の……」

唯「えっとね〜、"冒険の書"っていうのは〜ギュム……」

218 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/12(水) 21:16:21.19 ID:WB2trso0
律「あー!いえなんでもありません!」アタフタ

澪「そうそう!なんでもないです!気にしないでください!」アタフタ

律「あっ!もうこんな時間だ!そろそろ宿に戻らないと!」

澪「そうだな!すいません、お邪魔しました!」

シスター「あら?もうお帰りに?もっとゆっくりしていっても……」

219 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/12(水) 21:17:13.37 ID:WB2trso0
律「いえいえ!これ以上お邪魔させてもらうわけには行きませんから!」

澪「よし!それじゃみんな行こうか!」

シスター「それでは、気をつけてお帰りになってくださいね……」

律「はい!お邪魔しましたー!」

ドア「ガチャバタン!」
220 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/12(水) 21:24:39.59 ID:WB2trso0
---------
-----
---

律「はあ〜焦った〜」グッタリ

澪「勘弁してくれよ、唯〜」グッタリ

唯「?なんで〜?」

律「なんでって、ここはゲームじゃ無いんだから、"冒険の書"なんかあるわけないだろ」

唯「あ、そうだった〜」テヘヘ

澪「おいおい、忘れてたのか……」

221 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/12(水) 21:25:09.28 ID:WB2trso0
梓「でも別にそんなに慌てなくてもいいんじゃないですか?」

律「あのシスターになんて説明するんだよ?私たちが違う世界からきたことばらす気か?」

澪「あの人が興味持ったら、つじつまのあう言い訳考えるの難しいだろ」

梓「あ、そう言うことですか」

紬「なんだか疲れちゃったわね」
222 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/15(土) 22:35:48.82 ID:ESWINuEo
続き期待
223 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 10:10:41.22 ID:K/uX6ZY0
律「とにかく一回宿に戻ろうぜ」

澪「そうだな」

------------
-------
----
一行は宿に帰り、自室へと戻った

タンタンタンタン

ドア「ガチャ」

唯「ふぃ〜、疲れたよ〜」

律「ただいまー」

さわこ「あら、おかえりなさい」

224 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 10:11:11.83 ID:K/uX6ZY0
さわこは唯達が部屋に入ると、なにやら読んでいた冊子から顔をあげ、唯達を見る

さわこ「意外と早かったわね、まだお昼よ?もっと遊んで来るかと思ったわ」

紬「実は先生にお知らせしたいことがあって戻ってきたんです」

さわこ「あら、ちょうどよかったわ、私もあなた達に知らせることがあるのよ」
225 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 10:11:57.00 ID:K/uX6ZY0

唯「え〜なになに〜?」

グゥゥゥゥゥ

梓「唯先輩……」

唯「いや〜///」テレテレ

律「お腹に正直な奴だな〜」ニヤニヤ

澪「まあ、もうお昼だからな」クスクス

さわこ「ふふ、お昼ご飯食べながらにしましょうか」
226 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 10:12:27.91 ID:K/uX6ZY0

----------
------
---
ガヤガヤガヤガヤ

ところ変わってここは宿屋近くの大衆食堂
昼時ということもあり多くの人と亜人で賑わっている

ひっきりなしに続く注文に店員と思しき人達がくるくると立ち回っている様は、なかなか見ごたえのあるものである

唯「すご〜い!」

梓「結構混んでますね」
227 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 10:12:59.39 ID:K/uX6ZY0
一行が店内に入るとすぐさま声がかけられる

おばちゃん「いらっしゃい!あら、かわいいお客さんだね」

紬「あの、六人分の席空いてますか?」

おばちゃん「運がよかったね、ちょうど一番奥の席が空いてるよ!さあさあ座っておくれ」

律「お、ラッキー!」

228 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 10:13:45.11 ID:K/uX6ZY0
ガタガタ

全員が席につくとさっそくさわこが話し始めた

さわこ「さっそくだけど、話って言うのはこれのことなのよ」ピラピラ

そう言うとさわこは、先ほど宿で読んでいた冊子を振って見せる

律「さっきから気になってたけど、それ、なんの本なんだ?」

さわこ「ふっふっふ、聞いて驚け!」

梓「もったいつけないでいいです」


さわこ「私……」

229 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 10:14:22.59 ID:K/uX6ZY0


さわこ「新聞記者になることにしたわ!」ドーン!


一同「ええぇぇぇーーーー!!!」ガーン!



唯「でもそれってどういうことなの?」ハテナ
230 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 10:14:56.75 ID:K/uX6ZY0

----------
------
---

澪「で、どういう経緯で新聞記者なんですか?」

律「というか、なんで?」

さわこ「あなた達が出かけた後に私なりに考えたのよ、どうやってこの世界から帰るのか、とか、どうやって和ちゃんと憂ちゃんを見つけるのか、とかね」

「それで、最終的にやっぱり、情報を集めることが大事だと思ったのよ」

「でもそのためにはいろんな所に言ったり、いろんな人の話を聞いたりしなくちゃいけないでしょ?」

「それに、生活するためにお金も稼がなきゃならないし、」
231 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 10:17:10.61 ID:K/uX6ZY0

澪「そっか、それで新聞記者……」

さわこ「そうよ、情報を集めるためには世界中飛び回るのが一番の近道だけど、一所で仕事してたらそんなこと絶対できないわ」

「だから思ったのよ、世界中飛び回れて、お金も稼げて、情報も集められるような仕事無いかしらってね」

「それで、あんまり暇になって……じゃなくて、なにかできること無いかしらと外に出てみたら、新聞社の建物が目にはいったわけ」
232 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 10:17:42.47 ID:K/uX6ZY0

パシパシ

さわこは持っていた冊子で机を叩いてみせる

「それでこれは新聞記者の規則とか、施設案内とかが書いてある、まあいわゆる心得帳みたいなものよ」

律「はぁ〜さわちゃんもいろいろ考えてるんだな」カンシン

さわこ「私だって一応教師なんだから当然よ」
233 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 15:24:26.49 ID:K/uX6ZY0
そんな話をしていると、先ほどの店員が料理を持ってきた

カチャカチャ

おばちゃん「はいよ、おまたせ!ご飯はおかわり自由だから好きなだけ食べてっておくれ」

律「うまそー!」ガタガタ

律が椅子から身をのりだす

234 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 15:25:04.48 ID:K/uX6ZY0
梓「あっ、律先輩危ないです!」

律「おっと」グラグラ

澪「恥ずかしいなぁ、もう」

唯「いい匂い〜おいしそ〜」スンスン

さわこ「で、あなた達の話ってなんなのよ?」

紬「あ、実はわt……」

235 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 15:25:37.19 ID:K/uX6ZY0
ガシッ

唯が突然さわこの肩を鷲掴みにした

唯「まってぇ〜その前にご飯食べさせて下さいぃ〜お腹空いて死んじゃうよぉ〜」ウルウル

さわこ「え、ええ、かまわないわよ」

紬「そうですね、せっかくの料理も冷めちゃいますし」
236 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 15:26:25.66 ID:K/uX6ZY0
--------------
-------
---
一同「いただきまーす!」

パクパクムシャムシャ

律「おっ!この串焼きうまいぞ!澪も食べてみろよ!」ガツガツ

澪「そんなにがっつくほど美味いのか?」クスクス

そう言いつつ、澪も手を伸ばす

パク

237 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 15:26:59.18 ID:K/uX6ZY0
澪「あ、本当だ」

梓「美味しいですね、この甘辛いタレがまた……」ムグムグ

唯「はぁ〜幸せ……」モキュモキュ

紬「確かに美味しいけど、これってなんのお肉なのかしら?」

澪「えっ!?」


律「」ピーン!……ニヤニヤ


238 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 15:30:22.50 ID:K/uX6ZY0
律「確かに不思議だよな〜、牛とか豚の味じゃないし〜」ニヤニヤ

梓「そういえば、気になりますね、鳥っぽい気もしますが」

律「いやいや、もっといろいろあるだろ肉は?」ニヤニヤ

唯「例えば〜?」モグモグ

律「うーん例えば……猫……とか?」ニヤニヤ

239 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 15:31:21.59 ID:K/uX6ZY0
梓「猫!?」ガーン

澪「ひぃぃぃぃ!!!」ガタガタ

唯「あははーそんなわけないじゃん」ケラケラ

さわこ「……」ジー

さわこは自分の手元の串焼きをじっと見ていたかと思ったら、おもむろに店員に話しかけた

240 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 15:31:53.94 ID:K/uX6ZY0
さわこ「すいませーん!この串焼きってなんのお肉なんですか?」

梓(不安になったんだ)

おばちゃん「ああ、それはブグターの肉だよ」

唯「ぶぐたー?」ハテナ

おばちゃん「おや、あんた達ブグターを知らないのかね!」

241 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 15:32:33.96 ID:K/uX6ZY0
紬「ええ、私たち異国から来たもので」

おばちゃん「そうかい、若いのに大変だねぇ」

律「それで、どんな動物なんですか?」

おばちゃん「ああ、ちょっとまってておくれ」

242 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 15:33:07.88 ID:K/uX6ZY0
パタパタ

おばちゃんは店の奥へと姿を消し、すぐに戻って来た

その手には一冊の本を抱えている

おばちゃん「えーと、確かここらのページに……あったあった」ペラペラ

おばちゃん「これがブグターだよ」

おばちゃんはその本の中ほどの挿絵を指差す

243 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 15:33:50.85 ID:K/uX6ZY0
梓「これは……牛、ですかね?」

紬「でもくちばしがあるわ」

律「バッファローみたいだな」

おばちゃん「この辺りでは家畜としてたくさん飼われているよ、こっちが主に毛と食肉、こっちがお乳をとるのさ」

唯「ふーん、美味しいからなんでもいいや」パクパク

梓「よかったですね!澪先輩!まともなお肉でしたよ、って……」

律「聞こえてないみたいだな」

澪「キコエナイキコエナイ」ブツブツ
244 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 16:30:13.47 ID:K/uX6ZY0
-------------
-------
---

唯「お腹いっぱい〜」グダー

律「ふー、くったくった」シーシー

梓「親父ですか、まったく」

さわこ「この国って本当にご飯美味しいわね」

澪「」グスグス

律「みーおー?まだ気にしてるのか?」

245 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 16:30:59.90 ID:K/uX6ZY0
澪「だって、律がぁ〜!」ウルウル

律「あーはいはい、悪かったよ」ヨシヨシ

紬「あらあら」ウフフ

--------
----

さわこ「さて、お腹も落ち着いたし、そろそろ話してちょうだい」

コトン

さわこは飲みかけのカップをテーブルに置きながら言った

246 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 16:31:26.24 ID:K/uX6ZY0
律「ああ」

紬「実は、私たちb……」

唯「とりあえず冒険者になる事にしました!!」フンス!

さわこ「えっ」

さわこ「え、えぇー!ぼ、冒険者って超危険じゃない!あなた達、意味わかってるの?!」


247 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 16:32:34.55 ID:K/uX6ZY0
澪「ええ、わかってます、でも私たちも先生と同じ様に考えたんです、どうしたらもとの世界に戻れるのか、和と憂ちゃんを見つけるにはどうしたらいいのか」

梓「冒険者になれば世界中まわれますし、普通の人では知る事の出来ない情報も手に入ると思うんです」

紬「そのなかにはきっと、なにか手がかりがある、そう思うんです」

さわこは渋い顔をしている

一同「……」

248 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 16:33:21.78 ID:K/uX6ZY0
さわこ「……私はやめた方がいいと思うわ」


律「……でも」

律「それでもやりたいんだ!それに今の私たちの力なら出来ないはずはないぜ!」

唯「そうだよ!絶対に憂と和ちゃんをみつけて、もとの世界に帰るんだから!」フンス!

さわこ「……」

249 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 16:34:32.46 ID:K/uX6ZY0



さわこ「そうね」

さわこ「……そこまで言うならやってみなさい」フフ

律「じゃあ……」

唯「いいの!?」

さわこ「ええ、まあ元々、私にあなた達の行動を制限する事はできないんだけど」

さわこ「それに確かにあなた達の力なら出来そうだし、ね」

250 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 16:35:10.38 ID:K/uX6ZY0
律「よし!じゃあ早速ギルドに登録しに行こうぜー!」

さわこ「あら、まだギルド登録済ませてなかったの?」

紬「はい、先にさわこ先生に相談したほうがいいと思って」

さわこ「そうなの……」


251 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 16:35:45.11 ID:K/uX6ZY0
さわこ「よし、じゃあ早くいって来なさい!」

澪「でも、ここのお金まだ……」

さわこ「いいわ、私が払っとくから」

唯「おおーさわちゃん太っ腹!」

さわこ「冒険者さん達に前祝いよ、あと太っ腹は余計」

252 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 16:36:17.14 ID:K/uX6ZY0
律「よし、行くぜ!さわちゃん、また後で!」ダッ

澪「あっ、ま、まてよ、律ー!」ガタッ

唯「行くよー!あずにゃん!」バタバタ

梓「慌てなくてもギルドは逃げませんよ」

紬「それじゃあ、先生、ごちそうさまでした」ペコリ
253 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 16:36:47.14 ID:K/uX6ZY0

さわこ「はいはい、気をつけて」ヒラヒラ

バタバタバタ

さわこ「ふぅ……」


律達が慌ただしくいってしまった後、一人残されたさわこは軽く店内を見回す

昼時も後半にさしかかった今、店内は人もまばらになり幾分落ち着きを取り戻した様だった

254 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 16:37:15.75 ID:K/uX6ZY0
さわこ(あの子達もいろいろ考えてるのねぇ)

さわこ「……」


スリスリ

さわこ「失礼ね、こんなにスリムなのに……」
255 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 17:17:22.06 ID:gK9gEooo
>太っ腹
そんな気にする言葉なんかねwww
256 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 18:02:45.76 ID:K/uX6ZY0
>>255
さわちゃんは微妙なお年頃なんです
257 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 18:14:20.72 ID:G1IzfFIo
さわちゃん・・・
ドンマイ・・・
258 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/20(木) 19:45:49.35 ID:K/uX6ZY0
-----------
-------
---
数分の後、律達は冒険者ギルドの受付にいた

ガヤガヤ

律「おい!どーいう事なんだよ!」
259 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 19:46:40.63 ID:K/uX6ZY0

受付嬢2「ですから、先ほどから申し上げている様に期間外の登録申し込みはできません、大変申し訳ございませんが、ギルド試験の期間内に再度お申し込み下さい」

澪「律、ここでごねてもしょうがないだろ、またの機会にしよう」

律「だって次の試験て半月後だって言うじゃんか、待ってらんねー!」

紬「あのー、他にギルドに登録する方法って無いんですか?」

260 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 19:47:46.46 ID:K/uX6ZY0
受付嬢2「ギルドに登録するためには、ギルド登録試験を受けて頂くか、他のギルドメンバーからの推薦が必要です、それ以外の方法での登録は認められていません」

紬「試験は半月後だし、推薦って言っても知り合いなんていないし……」

唯「りっちゃん、しょうがないよまた来よう?」

律「はぁ、諦めるか〜」ガックシ

紬「当座のお金はあるし、試験までこの街でゆっくりしてましょう?」
261 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 19:48:46.74 ID:K/uX6ZY0

律達は受付に例を言い、立ち並ぶテーブルの間を出口に向かい歩き出した

ガヤガヤ

梓「残念でしたね」

澪「まあ、またくれb……」

ガタン!

なんと!澪はテーブルの足につまずいてしまった!

澪「あ、す、すみません!」アセアセ
262 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 19:49:43.41 ID:K/uX6ZY0
間違い:受付に例を

訂正:受付に礼を
263 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 19:50:44.97 ID:K/uX6ZY0

兄ちゃん「あ〜?てめぇどこに目ぇつけとんじゃあ?」

澪「ひぃぃぃぃ!」スミマセンスミマセン

律「うわー、なんてベタな展開なんだ、これ」

子分1「あ、兄貴!兄貴の上着にビールが!」

兄ちゃん「ちっ、ビショビショじゃねーか、お前これ高かったんだぞ、弁償しやがれ!」

澪「」ガタガタ

264 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 19:51:24.87 ID:K/uX6ZY0
律「おい!そこらへんにしとけよ!ぶつかったのはこっちが悪かったけど、大体、上着にビールがかかっただけだろ、拭けばいいだけじゃん」

子分2「てめぇ!兄貴の上着汚しておきながらふてぇ態度だな!」

子分1「やっちまうか!」

子分2「おう!」

265 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 19:52:40.33 ID:K/uX6ZY0
兄ちゃん「……まあ、まて、焦るこたぁねぇ」

そう言うと、兄ちゃんは澪達をひと睨みする

兄ちゃん「おい、お前らみたいなガキがここになんの用があって来たんだ?」

梓「ギルドに登録しにきたんです、みればわかるでしょう?」

266 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 19:53:09.55 ID:K/uX6ZY0
ブワハッハハハ

子分1「お前らがギルドに?こりゃあ笑い話だぜ」ギャハハハハ

兄ちゃん「ふん!どうせ、期間外で登録できなかったんだろーが?」

律「くっ、しょうがないだろ!」

子分2「うわ、ダセー!どうせお前らなんかは試験受けても受かんねーよ!ギルド舐めてんのか?」ギャハハハハ


267 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 19:54:23.07 ID:K/uX6ZY0
唯「なんか、感じの悪いひと達だね?」

紬「そうね、怖いわね」

梓「全然怖がってないですよね」


兄ちゃん「おい、お前ら……俺がギルドに推薦してやってもいいぜ?」

思わぬ言葉に律は耳を疑う

律「えっ?本当か?」

兄ちゃん「ああ、本当だ」
268 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 19:55:47.94 ID:K/uX6ZY0
子分1「あ、兄貴!な、なにいってるんですか、こんな奴ら……」

梓(絶対条件付きだよ、これ……)

兄ちゃん「ただし!俺に決闘で勝てたらの話だ、負けたら……そうだな、俺の言う事になんでも従ってもらうぜ?」

子分2(兄貴、あんな奴ら、一体どうしようってんですか?)ヒソヒソ

兄ちゃん(ふん!あいつらまだガキだが上玉じゃねぇか、それにああいうガキが趣味のやつも世の中にはいるんだよ)

子分1(さすが兄貴!あいつらを売り飛ばすんですね!くぅぅ!最高にワルだぜ!そこにしびれる、あこがれるぅ!)


269 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 19:56:24.24 ID:K/uX6ZY0
澪「律〜やめようよ〜怖いよ〜」ガタガタ

律「……その勝負、受けた!」

澪「りーづーうわぁぁぁん」ガタガタ

兄ちゃん「ふん!それじゃあ、こっちにきな!」

---------
-----

ザワザワガヤガヤ

ギルドの中心部の椅子とテーブルがどけられ、真ん中にひとくみの机と椅子が置かれている

律と兄ちゃんがその前に立ち、さらにその周りを大勢のやじ馬が取り囲んでいる

270 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 19:56:51.61 ID:K/uX6ZY0
オイオイ ナンダナンダ ナニガハジマルンデス

ケットウラシイゼ オイオイコドモジャネエカ カワイソウニ

梓「なんだか大事になっちゃいましたね……」

澪「律ごめん律ごめん律ごめん」ガタガタ

律「それで決闘ってなにするんだ、殴り合うのか?」

兄ちゃん「ふん!なかなか腹のすわったガキだな」

271 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 19:57:31.75 ID:K/uX6ZY0
ドッカ

兄ちゃんは机の前の椅子に腰をおろす

兄ちゃん「おい、お前も早く座れ!」

律「は?」

兄ちゃん「あのなぁ、いくら俺でも丸腰のガキに剣は振らねぇ、決闘の方法は"腕相撲"だ」

ガタ

律「わかったからさっさと始めようぜ」

兄ちゃん「ふん!一本勝負だ、用意はいいな?」

272 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 19:58:21.47 ID:K/uX6ZY0
客1「おいおいさすがにあれは可哀想だぜ」

客2「あの男、なかなかの腕らしいぜ」

客3「あの女の子勝てっこねぇよ」


子分1「じゃあ、始めますぜ」

兄ちゃん「おう」


子分1「レディ……ゴー!」

兄ちゃん「ふん!!」グワッ

律「くっ」グググ

273 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 19:59:03.33 ID:K/uX6ZY0
ギシギシ

客4「おい、動かねぇぞ!」

客5「あの子やるなぁ」

ザワザワ

律(こいつ、凄い力だ!でもまだまだ……)

律「だあああ!」グググ

唯「りっちゃん頑張れー!」

紬「ファイトファイト!」

兄ちゃん(くそっ、こいつ本当に女か!?凄い力だ)

274 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 19:59:32.49 ID:K/uX6ZY0
律(!!)

律「お前」グググ

兄ちゃん(なん……だと……)

律「今」グググ

律「凄く失礼なこと考えてただろおおおおおおお!」グワッ

兄ちゃん「くっそおおお!」

バアン!

オォォォォォ!

275 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 20:00:03.36 ID:K/uX6ZY0
アノコカッタゾ スゲー ヤルナァ オイオイ!カッチマッタヨ

ガヤガヤ

子分1「あ、兄貴が負けた……」

子分2「そんなバカな……」

梓「み、澪先輩!勝ちましたよ!」

澪「うぇぇぇん、りーづー」メソメソ

テクテク

律「おい、澪!」ハァハァ

276 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 20:02:52.49 ID:K/uX6ZY0
澪「りつ?」グスグス

律「勝ったぜ!」グッ

澪「りづー!うわぁぁぁん」ガバッ

ダキッ

律「ほら、もう泣くなよ?勝ったんだから」ヨシヨシ

澪「だっで、りづの事、が、心配で!」ウワァァァァン

律「負けないよ、だって、私が澪を守るんだからな!」

澪「律!」ギュウゥゥゥ

277 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 20:03:46.42 ID:K/uX6ZY0
唯「感動だねぇ」シミジミ

紬「そうね」ハァハァハァハァハァハァハァハァ

梓「ムギ先輩、落ち着いて下さい……というか律先輩、怖くなかったんですか?」

律「ああ、なんか最近勝負ごとになると不思議と冷静になるんだ、これもこの世界にきたせいかもな」

梓「?そういうもんなんですか」
278 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 20:04:08.62 ID:J3cu/jMo
しえn

ところでtanasinn関係なくなってきたなwwwwww
279 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 20:08:49.92 ID:nIyD5iAo
>>278

>>46
280 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 21:52:54.74 ID:r/.G51Q0
兄ちゃん「……おい、お前ら」

澪「ひっ!」

梓「いたんですか」

律「お、約束どおり私たちを推薦してもらうぜ!」ビシッ

子分1「あ、兄貴!こいつ等との約束なんて守る必要ねぇですよ!」

子分2「そうですぜ、兄貴!」

兄ちゃん「ふん!俺も男だ、約束は守る、決闘で負けたんだしなぁ」

梓「意外と潔い……」

兄ちゃん「ふん!カウンター行くぞ」

スタスタ

281 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 21:53:30.64 ID:r/.G51Q0
律「行くぜーみんな!」

紬「行きましょう、澪ちゃん?」

澪「う、うん」

--------
----
受付嬢2「先ほどの決闘はみていました」

兄ちゃん「見てたんなら話が早えぇ、こいつらを新しくギルドに登録してやってくれ、推薦人は俺だ」

受付嬢2「わかりました、推薦を受理します、少しお待ち下さい」

282 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 21:54:00.09 ID:r/.G51Q0
スタスタ

受付嬢はカウンターの奥へと入っていった



兄ちゃん「……お前、よく見るとただ者じゃない身のこなしだな」

唯「え、そう?」フリフリ

兄ちゃん「お前じゃねぇ!さっき腕相撲したお前だ」

唯「」ガーン

律「そうか?」キョロキョロ

283 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 21:56:26.74 ID:bVDMNdY0
兄ちゃん「ふん!俺もドジを踏んだぜ、お前かなり腕も立つんだろ?」

律「そうかな?」ドウカナ?

兄ちゃん「……まあいい、お前、名前は?」

律「田井中律だ」フンス!

兄ちゃん「リツか、面白い名前だな……俺の名前はダスターだ」

律「ふーん」

梓(うわぁ、興味なさそう)

受付嬢2「お待たせしました、こちらにお名前を書いて下さい、あ、偽名でも構いませんよ」ピラッ

受付嬢は一枚の紙をみせる

律「よし!」カキカキ

284 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 21:57:53.87 ID:bVDMNdY0
カキカキカキカキ

受付嬢2「これで全員分ですね、それではクラン名を決めて下さい」

澪「クラン?」

ダスター「クランってぇのはな、一緒に組む奴との名前だよ」

紬「ああ、そういう事、パーティ名みたいなものね」

律「だったら、決まりだな!」

唯「"放課後ティータイム"で!」

受付嬢2「わかりました、"放課後ティータイム"ですね、クランリーダーは"タイナカ・リツ"様」カキカキ

285 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 21:58:22.64 ID:bVDMNdY0
受付嬢2「それではこちらを向いて下さい」

受付嬢は両手の人差し指と親指を組み合わせ四角形を作ると、律の顔に向ける

律「なんだ?」

パシャッ!ピカッ!

律「うわっ、眩しっ!」

梓「なんなんですか、これ……」

受付嬢2「全員やってもらいます」
286 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 21:58:51.16 ID:bVDMNdY0

--------
----

受付嬢2「これで手続きは全て終わりました」

唯「やったね!りっちゃん」

律「おう!」

受付嬢2「最後にこれをお渡しします」

ジャラジャラ

紬「メダルのついたキーチェーン?」

受付嬢2「これが、あなた方のギルド所属の証明証となりますので、なくさないでください」

287 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 21:59:18.93 ID:bVDMNdY0
律「ずいぶん頑丈に作ってあるな」ジャラ

唯「あ!見て見て!裏側に私たちの顔がほってあるよ!」

澪「本当だ!あっ!さっきのはそれで!」

受付嬢2「ええ、念写させてもらいました、偽造防止です」

梓「すごいもんですね」

受付嬢2「本日はクエストをうけていかれますか?」

唯「クエスト?」

288 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 21:59:47.60 ID:bVDMNdY0
ダスター「いろんな奴からの依頼の事だ、クエストをこなして報酬を貰うのが俺たちの仕事だ」

紬「どうするの?」

律「うーん……今日はやめておこうぜ」

澪「そうだな、いろいろあって疲れたし」

律「澪は泣いてただけだけどな!」ニヤニヤ

澪「う、うるさい!」///

289 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 22:01:12.34 ID:bVDMNdY0
受付嬢2「それでは、詳しい施設の紹介は次回行わせていただきます」

紬「それじゃあ、帰りましょうか?」

唯「おー!」

-----------
------
一行は冒険者ギルドの扉へ向かう

ドア「ガチャ……キィ」


ダスター「おい、タイナカ・リツ!」

律「?」

ダスター「縁があったらまた会うかもな」

律「……どうだかね」
290 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 22:01:38.42 ID:bVDMNdY0

--------
-----

外に出るとすでに日は傾き、街にもちらほらと明かりが灯り始めていた

テクテク

唯「ふぃー疲れたー」

梓「唯先輩はなにもしてないですよね」

澪「私たちずいぶん長い間あそこにいたみたいだ……」

紬「今日はしっかり休みましょう」

律「そうだな、無事に冒険者になれたことだし!」

291 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 22:02:24.62 ID:bVDMNdY0
夕日に照らされ、五本の長い影が石畳に張り付いている

穏やかな日常とは程遠い、そんな日常の幕は、とても暖かいオレンジ色の光で開かれたのだった
292 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 22:09:38.96 ID:nIyD5iAo


このスレと同様に長い付き合いになりそうだなぁw
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1272427377/
293 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 22:14:01.47 ID:bVDMNdY0
ここまでで第三章完となります
不定期更新ですが、ご容赦ください

あと、りっちゃんが予想以上に男前になってしまってすいません

なるべくキャラ崩壊は防ぐ方向で頑張るので、こちらもご容赦ください
294 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 23:10:18.51 ID:J3cu/jMo
すすんで嬉しいぜ
がんばってくれ
295 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 23:23:03.13 ID:ypOwcUo0
>>278
ヒント:マジカルバケーション
296 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 01:27:58.09 ID:1tgYW.DO
きてた
297 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 13:06:36.43 ID:/OBGUnA0
その後、宿に戻った一行は手早く夕食を済ませると早々に自室に戻り日が落ちきる前に眠りに落ちた

本人達は気づいていないが、見知らぬ世界での出来事は彼女達を予想以上に疲弊させていた

そんな真夜中

ガタッ

298 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 13:07:04.23 ID:/OBGUnA0
ギシ……ギシ……

梓は床の軋む音で目が覚めた

ゆっくりと目を開くと白い天井が目に入る

梓(まだ夜中……だよね)

室内に灯りはないが、夜目のきくようになった梓にとっては窓から射し込む月明かりだけでも視界を確保するに十分な照明だった

299 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 13:07:51.34 ID:/OBGUnA0
ギシ……ギシ……

先ほどからの物音に入口の扉に目を向けると、部屋をでて行く人物のうしろ姿が目に入る

ドア「ギィ……パタン」

梓(今のは……唯先輩?)

モゾモゾ

ギシ……ギシ……

梓(気になる!)

梓はベットから這い出ると、唯の後をおって部屋をでる

300 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 13:08:22.48 ID:/OBGUnA0
ギシ……ギシ……

唯は廊下に出ると、東の突き当たりの方へ歩き出した

梓(こんな夜中になにをするんだろう、トイレは反対だけど……)

梓は物陰に身を隠し唯の様子をうかがう

ガチャ……キィ

唯は突き当たりに来ると正面の大きなガラス戸をあけバルコニーにでてしまった

梓(夜風にでもあたりにきたのかな?)

梓が見ていると唯はバルコニーでしゃがみこんでしまった

301 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 13:09:10.45 ID:/OBGUnA0
唯「……〜〜〜!」ブルブル

梓(震えてる?なにかいってるみたいだけど、ここからじゃ聞こえないや……もうちょっと近づいてみようかな)コソコソ

梓が近づいてゆくと戸の隙間から唯の声が漏れ聞こえてきた

唯「ふぐうぅぅぅぅ、和ちゃん…ヒグッ…憂ぃ…グスッ…ごめんね、わ、私が誘ったりしたから……!」ポロポロ

梓(唯先輩、泣いてる……)

302 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 13:11:22.05 ID:/OBGUnA0
唯「ぜ、全部、わ、わた、しが悪かったんだよぉ!」ウェェェン

唯は細い小さい体を丸めて声を殺して泣いている

梓(……ここに来て一番辛いのは唯先輩かもしれないな、当然だよね、幼馴染と妹が行方不明なんだから……)

梓(……私はバカだなぁ、唯先輩はここでもいつも通りだなんて思ってた、気丈に振舞ってただけなんだ……本当、私が一番お気楽だよ)

303 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 13:11:50.86 ID:/OBGUnA0
ガタッ

梓は近づこうとするあまり、バルコニーの段差につまずいてしまった

梓(やばっ!?)

突然の物音に立ち上がり振り向く唯

唯「だれ?……誰かいるの?」グスグス

梓(……しょうがない)

梓は隠れていた物陰から姿をみせる

304 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 13:12:21.75 ID:/OBGUnA0
梓「唯先輩……」

唯「あ、あずにゃん!」ゴシゴシ

唯は梓だとわかると涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔を必死で拭おうとする

唯「あずにゃん、どうしたの?」ニコ

梓「〜!」

ダキッ

唯「あ、あずにゃん!?」オロオロ

305 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 13:12:48.72 ID:/OBGUnA0
唯は突然梓に抱きつかれ狼狽する

梓「唯先輩!笑わなくてもいいんです!好きなだけ泣いてくださいよ!」

唯「あずにゃん、見てたんだね……」

梓「私は憂にはなれませんけど、唯先輩が泣きたい時は私が肩をかします!だから、もう無理して笑わないでください……そんなの辛すぎます!」

306 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 13:13:21.11 ID:/OBGUnA0
唯「あずにゃん……うぅぅぅぅ」ポロポロ

堪えきれなくなったのか、唯の目からは涙がこぼれ落ちる

唯「わ、わたしが悪かったんだよぉ!な、なんで憂と和ちゃんなの!私がいなくなればよかったんだ!」ポロポロ

唯「憂と和ちゃんを返してよ!憂に会いたい!和ちゃんに会いたいよぉ!」ポロポロ

307 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 13:14:04.46 ID:/OBGUnA0
ギュ

梓「唯先輩が悪いわけじゃありません!そんなに自分を責めないで下さい」ナデナデ

梓「私たちだってしっかりやれてるじゃないですか、この世界で、……憂と和さんはきっと大丈夫です、あの二人はしっかり者ですから」ナデナデ

唯「うぅぅぅぅ、帰りたいよぉ!怖いよぉ!」ポロポロ

308 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 13:14:33.09 ID:/OBGUnA0
ギュ

梓「大丈夫です、きっと、大丈夫ですよ」ナデナデ

梓(しばらくこのままでいよう、今くらい唯先輩に泣かせてあげたい)

月明かりの下で、梓は声を殺して泣き続ける唯の頭を撫で続けた
309 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 13:15:09.39 ID:/OBGUnA0
-------------
--------
---

どれだけ時間が経ったのだろうか

寄り添う二つの影は随分と短くなっている

唯は泣き止み、今は頭を撫で続ける梓に静かに身を任せている

唯「あずにゃん、ありがと」

唯がポツリとつぶやく

梓「ふふ、これも後輩のつとめです」ナデナデ

310 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 13:15:40.03 ID:/OBGUnA0
唯「ねぇ、あずにゃん……」

梓「なんですか?」

チュッ

梓「!!!」

唯「えへへ、ちゅーしちゃった!」

梓「な、な、な、なにするんですか!」カーッ

唯「あはは、あずにゃん真っ赤だね!」

311 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 13:16:07.51 ID:/OBGUnA0
梓「もう!や、やめて下さいよ!まったく!元気になったんだったら部屋に戻りますよ!」///

唯「いーじゃん、ほっぺたにちゅーくらい」プンプン

梓「ほら、戻りましょう!」

梓は唯の手を握り引っ張って行く

唯「うん!……ねぇ、あずにゃん?」

梓「……なんですか?」

312 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 13:17:38.93 ID:/OBGUnA0
唯「ふふ、……大好きだよ」

梓「な!また!」///

唯「ふふ、はやく行こー?」

そう言うと、唯は梓より先にいってしまった

梓「あ、待って下さいよ!」

梓は唯を追いかけながらそっとつぶやく


梓「……私も唯先輩が大好きです」


こうしてこの世界の夜はふけていくのだった
313 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 13:44:35.67 ID:Q9ImKnI0
俺「……俺は>>1が大好きです」
314 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/21(金) 17:22:08.96 ID:/zwqXoo0
俺「俺も・・・>>1が好きです」
315 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/21(金) 17:28:41.48 ID:K5Oe1cAO
俺「俺だって…>>1が大好きです」
316 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 19:32:27.70 ID:sU7V0/g0
俺「は、恥ずかしいです……」///

俺は潤んだ瞳で>>313>>314>>315を上目遣いにみつめている
317 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 19:54:01.81 ID:sU7V0/g0
----------
------
---
夜が明けた

窓からは朝陽が射し込んできている

タンタンタンタン

ドア「ガチャ」

澪「梓!朝だぞ!起きろ!」

318 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 19:54:30.30 ID:sU7V0/g0
梓「うぅん……そんなとこ……やっ……」モゾモゾ

澪「起きない……」

梓「うぅ……ん、ふへへ」ニヤニヤ

澪「うっ、梓はどんな夢をみているんだ……」

ドア「ガチャ」

テコテコ

唯「澪ちゃん、あずにゃん起きた?」

319 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 19:54:57.86 ID:sU7V0/g0
澪「いや、起こしてるんだけど、全然」

唯「そう……私に任せて☆」フンス!

唯は梓のベットに近づき耳元に口を寄せる

唯「あずにゃん、起きて?朝だよ」フッ

パチッ

梓「う〜ん……あ、唯先輩おはようございますぅ」ポヤポヤ

澪「起きた……」

唯「さすが私!」フンス!

320 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 19:55:27.50 ID:sU7V0/g0
梓「??どうしたんですか〜?」ボケボケ

澪「どうしたもこうしたも梓が全然起きないから起こしにきたんだ」

梓「えっ?他の皆さんは?」キョロキョロ

唯「もうみんな起きて、食堂いってるよ」

梓「ええっ!?唯先輩や律先輩より寝坊するなんて……」ガーン

唯「むぅ!失礼な!」

321 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 19:55:57.75 ID:sU7V0/g0
澪「まあ、梓も身じたくしたら下に降りてきなよ、みんな待ってるから」

梓「あ、はい!わかりました!」

バッ

パタパタパタ

ドア「ガチャ」

澪「さあ、私たちも行こう」

唯「うん!」
322 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 20:10:14.76 ID:sU7V0/g0
---------
-----
--
タンタンタンタン

律「お!梓遅いぞ〜!」

梓「すいません、お待たせしちゃって」パタパタ

紬「いいのよ、梓ちゃん、私達もそんなにはやく起きたわけじゃないもの」

323 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 20:10:51.23 ID:sU7V0/g0
律「よし!早速めしだー!」

唯「めしだー!」

ダダダ!

澪「朝から元気だなー」

律「澪もはやくこいよ〜!」

澪「はいはい」

--------
----

朝食を食べ終わった一行はくつろいでいる

律「ふぅ、今日も美味かったな、やっぱり日本人は白米だよな!」

324 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 20:11:23.13 ID:sU7V0/g0
梓「ここ日本じゃないですけどね」

唯「まあまあ、硬いこと言わないで〜」エヘヘ

澪「硬いとか、そういう問題じゃないだろ」

梓「そういえば、さわこ先生はどうしたんですか?」キョロキョロ

律「梓が起きる前にでかけちゃったぜ、なんか、新聞社に呼ばれてるらしい」

梓「へぇ、忙しいんですね」
325 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/22(土) 02:52:45.41 ID:MhagovI0
食事シーンで

澪「うめー」モグモグ

が出てきた俺はもはや手遅れ
326 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/22(土) 08:42:39.79 ID:F4g338o0
紬「りっちゃん、今日はどうするの?」

紬はお茶入ったマグカップを傾けながら律に尋ねる

律「ああ、今日もギルドにいってみようと思うんだ」

梓「クエストっていうのうけるんですか?」

律「うん、それもあるけど、受付の人が"次回詳しい説明します"って言ってただろ?それを聞いとかないとな」

327 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/22(土) 08:43:07.17 ID:F4g338o0
梓「あ、なるほど」

梓(律先輩ってやっぱりこういう時に頼りになるなぁ、普段からは想像できないけど)

唯「ねえねえ、街はもう見ていかないの?」

律「いや、観光もしよう、街のことには詳しい方がいいだろ」

澪「そうだな、この街広すぎて一日じゃまわれないし」

328 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/22(土) 08:43:36.64 ID:F4g338o0
紬「それじゃあ、いったんお部屋に戻ってそれからでかけましょうか?」

唯「そうしよー」

ガタガタ

全員が席を立ち部屋へ向かおうとすると律が突然声をあげた

律「ああ、そうだ!言い忘れてたけど、各自の武器はこれからは携帯するようにしようぜ」

梓「なんでですか?」

329 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/22(土) 08:44:05.04 ID:F4g338o0
律「なんだかんだ言ってこの街治安悪いし、昨日みたいなこともあるかも知れないしな」

澪「そうだな、部屋に置いとくのも怖いし」

梓「」マジマジ

律「なんだよ、梓?人のことジロジロみて」

梓「いや、本当に良く頭が回るなーと思って」

律「……なんか癪にくる言い方だなそれ」

梓「褒めてるんですよ」
330 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/22(土) 10:38:12.37 ID:F4g338o0
----------
-------
---
ガヤガヤガヤガヤ

一行は街に繰り出し、昨日とは違う大通りを歩いている

律「いやー、それにしても本当に賑やかな街だな」

左右には石造りの堅牢な建物が整然と並んでおり、通りは呼び込みの声や音楽で騒がしい

331 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/22(土) 10:38:40.39 ID:F4g338o0
紬「ここは商店街かしら?」

梓「きっとそうですよ、ほら、ショーウィンドウとか、看板だしてるお店ばかりです!」

澪(梓もはしゃいでるな)

彼女達も女子高生のごたぶんに漏れず、買い物は大好きなのであった

唯「みてみて!あれ、もしかして楽器屋さんじゃない?」キラキラ

唯が指差す店には、確かにショーウィンドウ内にギターらしきものや太鼓らしきものが飾られている

332 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/22(土) 10:41:51.09 ID:F4g338o0
律「おお!本当だ!みてみようぜー!」

ダダダ

澪「お前らは異世界まできても楽器屋か!」ガー!

紬「まあまあ、澪ちゃん落ち着いて?」マアマア

律「おーい!澪ー!この店レフティーフェアやってるみたいだぞ!」


澪「ほ、本当か!?」ガバッ!

ザザザッ!

澪はショーウィンドウを鼻をつけんばかりに覗き込んでいる

澪「おおー!」キラキラ

紬「あらあら澪ちゃんたら」ウフフ

梓「ムギ先輩も行きましょうよ?この世界の楽器、みてみたいです!」ワクワク

333 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/22(土) 17:34:23.48 ID:/08T0Iw0
澪www
334 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/24(月) 06:32:38.26 ID:UUdXPsAO
まだー?
335 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 10:48:37.42 ID:iZRnW7Q0
ドア「ガチャ」

カランカラン

律「こんにちわ〜」

店主「いらっしゃい……おや、可愛いお客さんだね」

紬「すいません、ちょっとみさせて貰ってもいいですか?」

店主「ああ、かまわないよ、好きなだけ見てってくれ、ついでに買ってってくれてもいいんだが、わはは!」

気のよさそうな店主の言葉にさっそく商品を物色しはじめる律と唯

336 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 10:49:16.09 ID:iZRnW7Q0
唯「いくよ!りっちゃん隊員!」

律「アイアイサー!」

律達を皮切りにして他の三人も思い思いに店内をみてまわる

唯「みてみて!これギターそっくりだよ!」

律「ほんとだ!でも、少し違うな」

唯が手にしているのはギー太よりも少し厚めでアコースティックギターの様な楽器である

シュタ!

梓「本当にギターっぽいですね!」キラキラ

律「うおっ!いつの間に!」

337 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 10:49:48.84 ID:iZRnW7Q0
梓「ふふ、ギターときたら黙ってられません!……ちょっと唯先輩、それみせてくれませんか?」

唯「うん!いいよ、はい」

梓は唯から楽器を受け取り、じっくりと品定めし始めた

梓「う〜ん、これはアコギっぽいですね……でもサウンドホールがみあたらないし、どうやって音を増幅させるんでしょうか……?」ブツブツ

コンコン!

梓は楽器のボディを軽く叩いた

梓「これは音からして中は空洞じゃない!?……うーん?」ブツブツ

338 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 10:50:24.50 ID:iZRnW7Q0
律「梓ー、もどってこーい」

梓は楽器に夢中で気がつかない!

梓「弦はちゃんと六本あるし……」

ビィィィィン……

梓「音もギターと変わらない……」ブツブツ

唯「あ、あずにゃん?」

梓「はっ!唯先輩?」

唯「よかった、戻ってきたんだね!」

梓「あ、すみません!つい夢中になってしまって……」

339 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 10:50:55.11 ID:iZRnW7Q0
唯「いいよ〜、夢中になるあずにゃんも可愛かったよ!」

梓「ちょっ、唯先輩!」///

律「それで、その楽器はどうやって演奏するんだ?やっぱそれギターなのか?」

梓「たぶんギターと同じものです、けどこれじゃエレキギターみたいにアンプか何かで音を大きくしないと楽器として成立しませんよ」

梓達が話していると近くで作業していた店主が声をかけた

店主「あはは、君たちそれの弾き方がわからないのかい?」

梓「あ、はい、私達の所にあったものと少し違うので……」

店主「よし、それじゃあ僕が教えてあげよう!」

唯「わーい!」

340 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 10:51:42.15 ID:iZRnW7Q0
店主は椅子から立ち上がりこちらにやってきた

店主「ちょっとかしてごらん?」

梓「あ、はい、どうぞ!」

店主は楽器を梓から受け取ると、椅子に座り直す

店主「この楽器は正式には"ギターラ"って言うんだ、みんな略してギターって呼ぶけどね」

梓「やっぱりギターだったんだ……」

律「どこの世界でも一緒だな」

店主「それで、弾き方だけど、このままじゃ音が出ないから……底に付いてるこのツマミを回す」クイッ


パァァァァ!

店主がツマミを回転させるとギターのヘッド部分とボディの下部に虹色の薄い羽の様な光輪が広がる

341 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 10:52:15.41 ID:iZRnW7Q0
律「うわっ!」

唯「すごい!天使みたい!」キャッキャ

梓(天使……エンジェルギター……タカ◯ザワ?)

店主「この光輪が音を大きく増幅させるんだ、光輪が大きくなれば音も大きく、小さくなれば音も小さくなる」

梓「ああ、なるほど、魔法ですね」

店主「そういうこと、これは最新式の魔導楽器さ」

店主「それで、さらにこいつは持ち主の意思を音色に反映できる、例えば……」

ポロンポロン……

梓「なんだか、寂しげな音ですね」

店主「いま僕は寂しげな景色を思い出しながら弾いたんだ」

律「スゴイ高性能だな」
342 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 10:52:42.05 ID:iZRnW7Q0

店主「うん、でもこのギターの真価を発揮するのは誰でもできるわけじゃない」

唯「?どうして?」

店主「意思で音色を変化させることができると言うことは、それ相応の人生経験が要求されるんだ、知らない事は思えないからね」

梓「……」

梓「ちょっと貸してください」

店主「いいけど、君、ギター弾けるのかい?」

梓「ええ、少しは」

梓は店主からギターを受け取る

ピンポロピンポロ……

梓(このままじゃクラシックギターの音しか出ない)

343 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 10:53:13.58 ID:iZRnW7Q0
梓(ムスタングの音を思い出せ……)

梓の脳内に文化祭のライブが鮮やかに浮かび上がる

梓(ムスタングの音ムスタングの音)ムーン

ギターの周りの光輪が赤く変化していく

律「なんだこれ!?」

店主(音色を変化させているのか?しかしこの色は……)

梓(よし!)

梓はおもむろに弾きはじめる

344 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 10:53:49.59 ID:iZRnW7Q0
ギュイーン!ジャカジャカジャカジャカ

店主「な、なんだこの音は!今まで聴いたことないぞ!」

律「あ、これふわふわタイムか」

唯「君をみてると、いつもハートドキドキ〜♪」

---------
-----
ジャーン!

梓(おもわず一曲弾いちゃいました……)

唯「おもわず一曲歌っちゃいました〜」エヘヘ

345 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 10:54:16.03 ID:iZRnW7Q0
店主「す、凄いよ!今までギターでこんな音きいたことないよ!いったい君はどうやってこんな音を……」

梓「どうやってと言われましても……」

律「私達にはこれが普通だからな〜」

店主「これは凄い才能だよ!」

唯「えへへ〜褒められちゃった〜」テレテレ

律「なんでお前が照れてるんだ」

梓「唯先輩!これ慣れればアンプでゲイン調節するより楽ですよ」

店主「君達はみんな楽器が弾けるのかい?」

唯「はいはーい!私もギター弾けるよ!」

346 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 10:55:19.41 ID:iZRnW7Q0
律「私はドラム叩けるぜ」

店主「ドラム?ってなんだい?」

律「ああ、えーと、太鼓!太鼓のこと」

店主「太鼓か〜……えーとじゃあこれかな」ゴソゴソ

店主が取り出してきたのは薄い金属の円盤である

店主「ここを押して……」

ブィィィィン

店主が中央の突起を押すと、円盤は空中に浮かび薄い光の円盤が何枚も現れる

唯「おおー綺麗だねー」

店主は金属の円盤から二本の棒を抜き取る

店主「これで円盤を叩くんだ、やってごらん」
347 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 10:55:49.41 ID:iZRnW7Q0

律は店主からスティックを受け取る

律「あ、はいっ、えっと椅子かりてもいいですか?」

店主「ああ、どうぞどうぞ」

律が椅子にすわると円盤もその高さまで降りてきた

店主(椅子に座って叩くのか、みたことないな……)

律(さてと……)

ダンダン!デンデン!

律(音が好みじゃないな、てかこれじゃティンパニじゃん)

348 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 10:57:04.03 ID:iZRnW7Q0
律(私のドラムの音〜!)ムーン

律が念じると三枚だった光の円盤が7枚に増え、黄色に変わる

そのうち一枚は大きく広がり律の足下に降りてくる

店主(何をする気だ?)

ダダダン!ズッダンズズダンドコドコドコ!

律「おお!これ確かにいい感じだな!」

店主(あ、足で演奏!一度に三枚の円盤を叩くのか……一流の楽隊でもこんな事は思いつかないぞ)

店主「……」

店主「やっぱり君たちは面白いな、他の仲間の演奏も聴かせて貰えないか?」

唯「うん、いいよ!」
349 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 11:36:16.19 ID:iZRnW7Q0

--------
----

一方、澪は相変わらずだった
この店に入ってからレフティーコーナーの前から一歩も動いていない

澪「」キラキラ

律「おい!澪!」

澪「」キラキラ

律「澪ってば!」ガシッ

澪「はっ!律!」

律「やっと、気づいたか……」

350 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 11:36:43.54 ID:iZRnW7Q0
澪「う、うん、ごめん……あれその人は?」

律「この店の店主さんだよ、澪の演奏が聴きたいらしい」

澪「ええ〜!は、恥ずかしいよ!」///

律「なに言ってんだよ、私達みんなやったんだぞ?」

澪「で、でも私、そんなに上手じゃないし……」ボソボソ

唯「そんなことないよ〜澪ちゃんは上手だよ〜」

澪「そ、そうかな?」

店主「無理にとは言わないけど、ぜひ君の演奏を聴かせてもらいたいな」

澪「えっと、じゃあ、ちょっとだけなら」///
351 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 11:37:12.47 ID:iZRnW7Q0

--------
----

店主「君はどの楽器を弾くんだい?」

澪「えっと、ベースなんですけど……」

店主「ベース?うーん?」

澪「あ、あの、低い音の出るやつ……」

店主「ああ!バスね!オーケー、あるよ」

ガサゴソ

店主「これこれ!」

店主が持ってきたのは肩くらいまである長い板に弦が四本張ってあるものだ

梓「これがベース?」

352 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 11:37:44.72 ID:iZRnW7Q0
店主「ここをこうして……」

ブィィィィン

店主が板の下部のスイッチをいれると、板の周りに光の帯が形成される

店主は弓を取り出して弾き始めた

ブォォォォン

澪(アップライト……いや、コントラバスか?)

店主「これで弾けるようになった、はい、どうぞ」

澪「どうぞって言われても、このままじゃ弾きにくい……」

梓「澪先輩!念じるんですよ!そうすれば思った通りの形になってくれますから!」

澪「念じる……?」

澪はベースを手にして集中する

353 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 11:38:17.22 ID:iZRnW7Q0
澪(エリザベスのあのくびれたセクシーなシェイプを思い出すんだ!)ムーン

シュイィィン

律「お!なんだか見なれた形になってきたな!」

店主(見たことない形だ、一体どんな音が)

店主「あ、弓は使わないのかい?」

澪「え、ええと、使いません」

形が変わるにつれて光の色もお馴染みのサンバーストカラーになっていく

澪(でも肩から掛けないと弾きにくいまま……ストラップも念じれば出るかな?)ムーン

354 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 11:38:47.91 ID:iZRnW7Q0
澪が念じると、光の上部から細い紐上の帯が伸び、下部に接続される

梓「あ、なるほど、そうすればよかったんですね」

澪(よし、これで弾きやすくなった)

ベンベンベーンブンブンブンブン

バッキバキバキ!

律(スラップかよ)

澪「意外と弾きやすいですね、これ」

店主「き、君は指で弾くのかい!?」

澪「えっ?普通そうじゃないんですか?」

律「澪、いろいろ違うんだよ」
355 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 12:36:14.76 ID:iZRnW7Q0
他スレで誤爆してしまった……

死にたい

マジごめんなさい

もうSS書きながら他スレ覗くのやめるわorz
356 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 12:56:13.50 ID:iZRnW7Q0
向こうの>>1がいい人すぎて惚れた
357 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 13:20:16.39 ID:iZRnW7Q0
--------
----

紬は一人離れて店内を物色していた

ブラブラ

紬(やっぱり鍵盤楽器はないわ……これくらいの文化圏だとしょうがないのかしら)

唯「あ、ムギちゃーん!」

向こうから唯がかけよってくる

紬「あら、唯ちゃん、どうしたの?あ、みんなも……」

唯「えっと、店主さんがムギちゃんの演奏聴かせて欲しいんだって!」

紬はそこで初めて唯たちの後ろにいる人物に気づく

店主「すまないが、君の演奏をぜひ聴かせて欲しい!」

紬「ええと、あの……」

358 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 13:21:08.11 ID:iZRnW7Q0
律「ムギ、きかせてあげなよ!」

律に促されるが紬は残念そうな顔で微笑むしかない

紬「……そうしたいのは山々なんだけど、ここにはキーボード置いてないみたいなの」

紬は店主に向き直り言う

紬「すいません、ここには私のできる楽器はないみたいなので、演奏はおみせできません」

その言葉に店主はつかの間考え込む

店主「ふーむ……」

359 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 13:21:37.36 ID:iZRnW7Q0
店主「……君はキーボードとか言うのを弾くのだろう?それは、どんな楽器なんだい?話だけでもきかせてくれないか?」

紬「ええと、キーボードっていうのは、鍵盤がたくさんついてて……」

唯「音がいっぱい出るんだよ!」

紬「鍵盤を指で押して弾くんです」

店主「音がいっぱい出る……」

店主「ん!」ピーン!

店主「ちょ、ちょっと待っててくれ!確か倉庫のなかにそんな楽器があったような気が……探してくるから!」アタフタ!

店主は早口でまくしたてると店の奥へと飛んでいってしまった

360 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 13:22:09.44 ID:iZRnW7Q0
------
---
店主はすぐに戻ってきた

店主「これだよ、これ、君の言う"キーボード"ってやつに近いんじゃないか?」

店主がもってきたのは手のひらほど幅で片腕ほどの長さの板である

店主がそれを床に降ろすとそれがかぶっていたホコリが舞い上がる

律「うわっ!凄いホコリだな!」

店主「はは、すまんすまん、これはな、だいぶ前に鳴り物入りで開発された楽器なんだが、あまりの音の多さに使える者が少なすぎてすぐに販売中止になったんだ」

361 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 13:22:48.87 ID:iZRnW7Q0
梓「これはどうするんですか?」

店主「まず足を出してたてる」

店主は板の裏面から細い足をだし固定する
板は腰の高さまで持ち上がった

店主「そしてこのボタンをおすと……」

フォン

音とともに板に垂直な短い光の帯が無数に現れる

紬「鍵盤……」

確かにそれは鍵盤楽器を彷彿とさせる見た目をしている

店主「たくさんの音を出せる楽器はうちにはこれしかないんだが……君、これが使えるかい?」

紬「……やってみます」

362 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 13:23:18.15 ID:iZRnW7Q0
紬(まずはシンセサイザーの音……)ムーン

チュイーン フォーン ピコピコ

律「おお!シンセの音だ!」

紬(次はオルガン……)

パーパーパパー ティラリラリー

紬(ピアノ!)

ポーンポーン

唯「ムギちゃん凄い凄い!」

店主「いやー、本当に凄いな!こんな音聴いたこともないぞ!」

紬(綺麗なピアノの音ね)

♪〜♪〜〜〜

紬は自然と曲を弾き出した

澪「これは……バッハのメヌエット……」

梓「綺麗な音色です……」ホゥ

♪〜〜

澪「華麗なる大円舞曲……」

律「ムギのやつノリノリだな」
363 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 13:59:04.14 ID:iZRnW7Q0

--------
----
♪〜……ターン……

紬「ふぅ」

店主「……」プルプル

梓「ど、どうしたんですか?」

店主「感動した!!素晴らしい!心が洗われるようだ!!こんな所に大演奏家がいたなんて!」

紬「うふふ、持ち上げすぎですよ」///

店主「いや、本当に素晴らしい演奏だった」
---------
------
---

店主「いや〜、いいものを聴かせてもらったよ」

364 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 14:18:25.42 ID:iZRnW7Q0
唯「えへへ、それほどでも」///

梓「だから、唯先輩はなにもしてないでしょう!」

唯「あ、あずにゃん、あれ見て!」

梓「無視しないでください!」

唯「まあまあ、とにかくあれ見てよ」

唯の指差した方には謎の球体に包まれた横笛が飾られている

澪「これは……すごいな」

梓「フルート……ですか?」

全員が横笛に見とれていると店主が声をかけてきた

365 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 14:18:52.52 ID:iZRnW7Q0
店主「おっと、悪いけどそれは売れないよ」

梓「売り物じゃないんですか?」

店主「それはね、王宮への献上品さ、三番目の王女様が横笛の名手なんだ」

紬「まあ、それで……凄い装飾ですね」

横笛には海を泳ぐ美しい人魚が彫刻されていて、素人が見てもその優美な装飾が、演奏を妨げないように計算されて彫られているのがよくわかる

店主「いや、照れるね、でも僕の自信作なんだ」

唯「ええ!これ、おじさんが作ったの!?」

店主「おいおい、僕はまだおじさんじゃないよ」タハハ

澪「凄い腕前ですね!」

366 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 14:20:00.68 ID:iZRnW7Q0
店主「ありがとう、これは今度の王女様の誕生日に献上するんだが、その前に店に飾って置きたくてね」

律「でも、そんなもの店に置いといたら危ないんじゃねーの?ほら、こうやって……」ヒョイッ

律が横笛に手を伸ばす

店主「あ、危ない!」

バチッ!

律「うわっつ!」

澪「おい!律!」

店主「だ、大丈夫かい?」

367 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 14:20:50.70 ID:iZRnW7Q0
律「つー……なんだ今の!バチっときた!」ヒリヒリ

店主「はは、大丈夫そうでよかった、これはバリアーになっててね、並の人間じゃ中の物に触れることはできないんだ、まあ、魔術師でもいればべつだけどね」

梓「確かにこれならそうそう盗まれませんね」

--------
-----
ゴォーンゴォーン

律「あ!もうこんな時間か、みんな、そろそろ行かないか?」

紬「そうね、他の場所もみたいし」

店主「もう行くのかい?」

澪「すいません、いろいろ行く所があるので……」

368 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 14:21:22.72 ID:iZRnW7Q0
店主「それじゃあ、楽器は買っていかないのかい?」

店主の言葉に顔を見合わせる一行

律「欲しいのは山々なんだけど、お金が、ね」

唯「ここにある楽器って、きっとお高いんでしょう?」

店主「そのギターは金貨二枚だ」

律「き、金貨二枚!?高すぎだろ!」

梓「ダメですダメです!金貨なんて使っちゃもったいないです!お金は貯めておかないと!」

紬「も、もうひとこえ〜」

店主「う〜ん、うちの楽器はどれもかなり手をかけて作ってるからかなり厳しいが……素晴らしい演奏も聴かせてもらったし、できるだけ安くするけど」

369 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 14:22:04.93 ID:iZRnW7Q0
澪「でも私達、これから旅にでるんだぞ!お金は無駄にできないだろう!」

梓「そうです!そのとおりです!」

店主「うーん、旅か……そりゃあお金は無駄にはできないな」

律「しょうがないな、今回は諦めよう、またお金に余裕ができたら考えようぜ」

店主「うん、君たちなら何時でも大歓迎だから、またこの街によった時はいつでも遊びにきてくれ、そして旅に余裕ができたらでもいいからまた買いに来てくれよ」

唯「うん!絶対くるよ!」

一行は楽器屋を後にした
370 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 15:21:48.94 ID:iZRnW7Q0
---------
------
---

澪「次はどこ行くんだ〜?」

律「次はな〜、お!あったあった」

律はある店の前で立ち止まる
その店のショーウィンドウには鎧や剣が飾られている

梓「ここって、もしかして……」
371 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 15:22:19.04 ID:iZRnW7Q0

--------
-----

店主「やあ、いらっしゃい、ここは武器と防具の店だ」

梓「やっぱり」

澪「おい!律!なんでこの店なんだ?」

律「いや、だって、私たち冒険者だぞ?モンスターと戦ったりするんだぞ?」

紬「そうね、装備はととのえないと、命に関わるし」

律「それでムギ、実は手甲と足甲が欲しいんだ、こないだのスライムに襲われた時みたいにならないように」

紬「うん、必要そうなものはこの機会にまとめて買っちゃいましょうか」

372 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 15:22:46.74 ID:iZRnW7Q0
一行は商品を物色し始めた

--------
----

律「よし、私はこの手甲と足甲にしようっと」ガチャン

律がもっているのは、かなり広範囲を覆うことのできる武骨なものだ

律「これならそうそう壊れないだろ!」

唯「私はこれにしたよ!」

そういって唯がみせてきたのは標準的な大きさの盾だった

紬「唯ちゃんらしいわね」

律「じゃあ、お先に買ってくるぜ、唯、いくぞ」

唯「うん!」

律と唯は会計のためにカウンターに向かった

373 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 15:23:14.08 ID:iZRnW7Q0
店主「これならあわせて銀貨三枚と銅貨四十枚だ」

律「はい、ちょうど」ジャラジャラ

店主「まいど!ここで装備していくかい?」

唯「してくしてく!」

---------
------
一方、律と唯が会計をしている頃

梓「あ、あのムギ先輩!私もこのガントレットが欲しいんですけど……」

梓がもっているのは、かなり華奢な作りのもので肘の内側に猫の彫り物がしてある

374 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 15:23:40.94 ID:iZRnW7Q0
紬「もちろんいいわよ?でもこれ梓ちゃんには少し大きいんじゃないかしら?」

梓「あ、そうですね、他のサイズがないか店の人に聞いてきます!」

タタッ

梓「あのすみません!」

店主「なんだい?お嬢ちゃん」

梓「これって、もっと小さなサイズのありませんか?」

カチャン

梓はもっていたガントレットをカウンターに乗せる

375 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 15:24:12.05 ID:iZRnW7Q0
店主「おお!これか、なかなかいい物を選んだな、しかし、これは工房の新作でな、悪いが他のはまだ置いてないんだ」

梓「そうですか……」ガックシ

店主「まあまあ、そうがっくりしなさんな、君はみた所まだ子供じゃないか、こんなものが必要なのかい?」

ムッ!

梓「これから旅に出るんです!ちっちゃいからってバカにしないでください!」

店主「おお、こりゃすまん!なにか理由がありそうだね、若いのに大変な事だ……」

店主は梓に目を向けたまま考え込んでいる

376 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 15:24:44.01 ID:iZRnW7Q0
店主「そうだね……どうしてもそれが欲しいならちょくせつ工房に行ったらどうだい?」

梓「工房……ですか?」

店主「ああ、きっといま他のサイズを作っている最中だろう、普通は売ってくれないが、私が紹介状をかいてやろう」

梓「え、わざわざそこまで……」

店主「なあに、気にするな、儂が売らなかった所為で若い者が死ぬのは嫌なものでな、これぐらいで君の命が助かるなら軽いものだ」カキカキ

店主は素早く手紙を書き終えると梓に手渡した

店主「これでいい、工房の名前は"猫の目"工房だ、そのガントレットと同じマークの看板がでてるからすぐにわかる」

梓「あの、ありがとうございます」

店主「礼ならまたうちで何か買ってってくんな!はっはっは!」

一行は店をでて工房へと向かう
377 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 16:49:34.23 ID:iZRnW7Q0
---------
-----
一行は"猫の目"工房へと向かっている

テクテク

梓「あ!ここじゃないですか?看板に猫のマークがあります!」

梓の声で一行は立ち止まる

紬「さっそくはいりましょう」

ドア「ガチャ」

ブワッ!

律「って暑!なんだここ!」

ドアを開けると中から熱風がふいてくる

トンテンカントン!ガチャガチャ!
オーイ!ソッチモッテロ!
カマガアガルゾー!オイ!キヲツケロ!

澪「うるさっ!」

炉の熱気と働く人々の凄まじい喧騒で工房の中は凄まじく不快な空間となっている

378 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 16:50:26.15 ID:iZRnW7Q0
一行が入口で立ち尽くしていると向こうから覆面をした人物が近づいてきた

律「うわ、あれ誰だよ!」

澪「知るか!」

近くにいても相当大声を出さないと会話ができない

覆面をした人物が一行に話しかけているようだ

???「……!!……〜!!」

律「は!?なにいってるか全然聞こえねーよ!」

???「……!!」クイクイ

覆面をした人物は外を指差している
どうやら外へでようと言う事らしい

379 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 16:53:08.18 ID:iZRnW7Q0
ドア「ガチャ」

律「ぷはー、なんだここは」

梓「うるさかったですね」

唯「暑いよ〜」ハァハァ

覆面をした人物は外にでると覆面をとり話しかけてきた

???「いやーすいません、工房の中ではうるさくて話もできないもんですから……ん?私の顔になにかついてますか?」

唯たちの目は彼の頭に釘付けになっている

唯「そ、それは!」ガーン!

梓「ね、猫耳!!」ニャー!

???「ああ、これですか、ええ、私はミシャ族の出身ですが」

彼の頭部には立派な猫耳があった

澪「ミシャ族の人ってこういう所で働いてるんですか?」
380 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 16:53:37.35 ID:iZRnW7Q0

???「う〜ん、というより、ここで働いてるものは全員がミシャ族ですよ、ここはミシャの工房、"猫の目"です」

律「ああ、そういうことか」

???「あ、申し遅れましたが私、リゼルともうします」

唯「あ、これはこれはご丁寧に」ペコリ

リゼル「それで、この工房になんのご用でございましょうか?」

梓「あの、これ!」

梓は先ほど貰った紹介状を渡す

リゼルはその場で読み始めた

ガサガサ

リゼル「ふむ、わかりました、本来は直接お売りする事はありませんが、この場合は商品を取り揃えなかったこちらにも落ち度がありますし……少し寸法を測らせてもらえますか?」

梓「あ、はい」

381 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 16:54:14.63 ID:iZRnW7Q0
リゼル「では腕を出してください」

シュルシュル

リゼルは梓の腕の様々な部分をメジャーで測っていく

リゼル「はい、わかりました、すぐにお持ちしますので、少し待っていてください」

ドア「ガチャ」

リゼルは工房の中に戻って行った

律「うわー、私はもうあの中には入りたくない」

唯「私もだよ、りっちゃん!」

----------
-----

ドア「ガチャ」

しばらくすると、リゼルが戻ってきた

382 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 16:54:44.11 ID:iZRnW7Q0
リゼル「お待たせしました、このサイズでどうですか?」

カチャン

梓「あ、ありがとうございます」

リゼル「おつけしましょう」

そういってリゼルは梓の両腕にガントレットを装着していく

カチャカチャ

リゼル「これでよし!」

梓「ピッタリです!」テーレッテレー!

唯「良かったね、あずにゃん!」

リゼル「それでは、お代は銀貨一枚と銅貨50枚になります」

紬「はい、どうぞ」ジャラジャラ

リゼル「……はい、たしかに」

383 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 16:55:19.59 ID:iZRnW7Q0
律「良かったな梓!」

梓「はい!実はこの猫のマークが気にいってるんですよ!」キラキラ

リゼル「うんうん、君はいい物を選んだよ、なにしろそれはウチの最新作でね、実は金属の配合に凄くこだわってるんだ、みた目の華奢な感じとは裏腹に強烈な大剣の一撃も受け流す事ができるように作られていてね、それでそうそう、やっぱり一番苦労したのは重さと強度の両立なんだけど……」ペラペラペラペラ

384 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 16:56:14.45 ID:iZRnW7Q0
律「ちょーっと!ストップ!ストーップ!」

紬「あ、あの私達、実は先を急いでて……」

リゼル「ああ、そうなのかい?そりゃあ引き止めてしまって申しわけない」

梓「あの、ありがとうございました」ペコリ

リゼル「いやいや、わざわざ工房に来るまで欲しがって貰えるんなら作り手として本望だよ、また、ウチの商品をよろしくね!それじゃ!」

ドア「バタン」

梓「しゃべるだけしゃべって行っちゃいましたね」

律「あいつがここで働けるわけがわかった気がする」

澪「私も」

一行は工房を後にした
385 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/26(水) 20:00:48.61 ID:OmtEBRM0
----------
------
一行はギルドに到着した

ドア「ガチャ」

ガヤガヤ

澪「たしかカウンターで説明受けられるんだよな?」

律「たぶんな〜」

梓「カウンターに人が見当たりませんが……」

紬「まあ、いってみましょうよ」

テクテク

律「あの〜……」

386 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/26(水) 20:01:14.63 ID:OmtEBRM0
律がカウンターごしに話しかけると奥から受付嬢が姿を現した

ガタガタ

受付嬢1「はい!なにかごようですか?」

そういって顔をあげかけた受付嬢は動きを止める

受付嬢1「あら?あなた達また話を聞きに来たの?」

唯「あ、昨日のお姉さん!」

梓「違います、クエストを受けに来ました」

受付嬢1「ああ、あなた達の事だったのね、きのう決闘して冒険者になった女の子達って」

387 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/26(水) 20:01:49.07 ID:OmtEBRM0
澪「な、なんで知ってるんですか」

受付嬢1「ふふ、同僚に聞いたのよ」

ガサゴソ

受付嬢はカウンターの下から紙の束を取り出す

受付嬢1「さあ、それじゃ、新米冒険者さんに説明しましょう」

律は紙の束を目にして嫌そうにぼやく

律「え〜、そんなに聞く事あるのかよ〜」

受付嬢1「ふふ、これは一応、全ての規則がのってるマニュアル、重要な部分は私がかいつまんで説明するから心配ないわ」

澪「お、お願いします」

ペラ

受付嬢はマニュアルをめくる

受付嬢1「えーと、まずあなた達はギルドに依頼されたクエストを受ける事ができます」

受付嬢は壁際の掲示板を指差す

受付嬢1「あちらの掲示板に貼ってある依頼ならどれでも受けられるわ、早いもの勝ちだから気をつけてね」

唯「ふんふん」

受付嬢1「あ、でも、赤い用紙のクエストはまだ受けない方がいいと思うわ」

律「普通のとどう違うんだ?」

受付嬢1「赤いのは難易度が極端に高いものなのよ、大体が討伐依頼なんだけど、固有種クラスのモンスターを相手にする事になるわ」

梓「固有種……」

388 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/26(水) 20:02:18.60 ID:OmtEBRM0
受付嬢1「そうそうそれから、クエストを完了したらカウンターまで報告に来てちょうだい、成功報酬を支払うわ」

澪「あの、クエストに失敗した場合ってどうなるんですか?」

受付嬢1「その場合は、罰金とかはないけど、あまり失敗続きだと評判が落ちるわよ?」

受付嬢1「それに失敗っていっても討伐依頼なんかだと命に関わる事もあるの、無理せず実力に応じたクエストを受けるといいわ」

紬「よくわかりました♪」

受付嬢1「えーと、次は施設関係ね」

ペラペラ

受付嬢1「この前も言ったけど、ギルドは宿泊施設も兼ねてるの、ギルドメンバーは格安で宿泊と食事ができるわ」

梓「どこのギルドでもですか?」

受付嬢1「世界中どこのギルドでもオッケーよ、冒険者ギルドは大きめの町なら大体あるからそんなに心配しなくても大丈夫、田舎はちょっとカバーしきれないけどね」

澪「便利だな」

受付嬢1「まあ他にもあるけど、後は自分達で読んだほうが早いわ、重要なのはこれくらいだから」

389 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/26(水) 20:33:58.62 ID:OmtEBRM0
律「よし、じゃあ早速なにかクエストを受けてくか!」

唯「おー!」

紬「おー♪」

受付嬢1「あ、ちょっと待って!」

ピタッ

掲示板に向けて走り出そうとしていた律達の動きが止まる

澪「?なんですか?」

受付嬢1「あなた達のためにできそうなクエストを選んでおいたんだけど、どうかしら?受けてみる?」

390 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/26(水) 20:34:30.31 ID:OmtEBRM0
唯「えー、自分達で選びたいなー」ブーブー

紬「まあまあ、唯ちゃん」

梓「どんなクエストなんですか?」

受付嬢1「探索クエストよ、考古学者さんからの」

澪「考古学者ですか……」

受付嬢1「ええ、この街の近くにキリカミ遺跡って古い遺跡があるんだけど、そこの魔物の生息密度や種類を調べて来て欲しいっいう依頼よ」

唯「そんなの調べてどうするの?」

澪「たぶん、自分が調査に入る前にどれだけ危険か知りたいんだろ?」

受付嬢1「そ、最近は魔物が凶暴化してるらしいからみんな警戒してるのよ」

391 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/26(水) 20:35:04.57 ID:OmtEBRM0
澪「きょ、凶暴化って……」ガタガタ

受付嬢1「ふふ、そんなに怖がらなくてもこの遺跡は街から近いし、そんなに強力なモンスターは出ないわ」

梓「でも、それって結構大変なんじゃないですか?」

受付嬢1「そんなことないわよ、規模の小さい遺跡で二階層までしかないし、後はその周辺を調べるだけだから」

梓「そうですか」ホッ

受付嬢1「どう?受けてみる?」

澪「律、どうする?」

392 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/26(水) 20:35:35.99 ID:OmtEBRM0
律「……」

律「……受けよう」

唯「おお!」

受付嬢1「わかったわ、契約完了ね」

ポンッ

受付嬢はクエスト用紙にハンコを押す

受付嬢1「期限は一週間後までよ、それを過ぎたら無効になるわ」

律「一週間なんてかからないぜ!」

受付嬢1「ふふ、たのもしいわ」

梓「律先輩、遺跡にはいつ出発するんですか?」

律「明日にしよう、今からだと夜になっちゃうからな」

紬「そうね、今日はゆっくりしましょう」
393 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/26(水) 21:30:36.86 ID:/fxF6Fso
wktkwktk
394 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/26(水) 21:49:07.39 ID:OmtEBRM0
その後、一行は街を散策し早めに宿へと帰った

一日中歩き回った一行は早々に就寝することにする



そして夜が明けた
395 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 19:25:27.88 ID:PwRkKy20
まだ朝もやの消えきらない早朝に一行は街の門へと向かっていた

テクテク

唯「ふわぁ〜、眠い……ねえ、こんなに早く出発する必要あるの?」

律「ふわぁ、私も眠いよ、でも暗くなる前に帰ってきたいだろ?」

梓「そうですね、向こうでどれくらいの時間がかかるのかもわかりませんし」

テクテク

そうこうしてるうちに一行は街の門までたどり着いた

一行が閉じられたままの門に近づくと、詰所から衛兵がでてきた

396 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 19:25:57.85 ID:PwRkKy20
衛兵「おはようございます、街の外へ行くんですか?」

紬「はい、ギルドのクエストで」

衛兵「あ、冒険者さんでしたか、若いのに大変ですね〜、今、門を開けますんで」

ギュリギュリギュリギュリ

衛兵は愛想良く笑いながら門をあけてくれる

衛兵「はい、どうぞ通って下さい」

澪「あ、ありがとうございます」

衛兵「いえいえ、お気をつけて!」

律「よし!出発だ!」
397 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 19:34:54.29 ID:PwRkKy20
街の外へでた一行はまだ誰の姿も見えない街道を進んで行く

テクテク

律「いやー、それにしてもよかったな!」

梓「何がですか?」

律「これだよこれ!」パシパシ

律は腰につけてある小包を叩く

澪「ああ、弁当な、確かによかったよ」

梓「宿の御主人がわざわざ早起きして作ってくれるなんて思いませんでしたよね」

唯「えへへ、なんだかピクニックみたいだね!」

紬「うふふ、そうね♪」

澪「こらこら、これは仕事だぞ、し・ご・と!」

398 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 19:39:17.90 ID:c1bH7EY0
やっと追いついた
399 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 19:49:51.66 ID:PwRkKy20
-------
----
テクテク

一行が歩き始めてだいぶ時間が経過した
太陽はのぼりきり、生き物のざわめきが聞こえ始めた

澪「なあ、もうけっこう歩いたよな?あとどれくらいで到着するんだ?」ハァハァ

律「話によると、この先に分かれ道があるらしい、そこから1時間くらいだってさ」

澪「うう、まだけっこうある……」

律「なんだ〜、だらしないぞ、澪!」

400 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 19:50:35.86 ID:PwRkKy20
澪「私はお前らと違って、身体能力は変わらないんだぞ、もっといたわってくれ」

梓「確かにこの中で身体能力ボーナスがないの澪先輩だけですよね」

紬「大丈夫よ、澪ちゃん!いざとなったら私がおぶってあげるから!」フンス!

澪「ああ、ムギありがとう」

唯「〜♪」フンフフーン♪

401 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 19:51:01.73 ID:PwRkKy20
ピタッ

みんなより少し先行していた唯が立ち止まる

クルリ

唯「ねえ、りっちゃん!分かれ道だよ、どっちに行くの?」

律「ああ、分かれ道は右に行くんだぞ!」

紬「もう一息ね!」
402 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 19:56:43.87 ID:PwRkKy20
一行は分かれ道よりさらに進んだ

梓「なんだか、岩の多いところにきましたね」キョロキョロ

梓がつぶやいたように、道のまわりには背丈ほどもある岩がゴロゴロしている

唯「なんだか、不思議な草原だね」

ガサガサガサガサ

茂みから突然ものおとがする

澪「な、なんだ!?」

一行は驚いて動きを止める

律「気をつけろ、みんな!」






403 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 20:05:24.47 ID:PwRkKy20
律がそう叫ぶのと、茂みから何かが飛び出してくるのは同時だった

ババッ!


スライム達があらわれた!


梓「あ、こいつらは!」

律「へっ、肩ならしにちょうどいいぜ!澪!ムギ!後ろにさがれ!」

澪「う、うん」タタ

紬「わかったわ!」タタ

律「いくぞ、梓!唯!相手は二匹だ、一撃で仕留めるぞ!」

ブゥン!

律は背中の斧を取り、正面で構えた
404 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/27(木) 20:13:03.21 ID:9lBUfSU0
わくてか
405 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 20:25:55.35 ID:PwRkKy20
梓「わかりました!行きますよ、唯先輩!」

シュッ!

梓は短剣を抜き放ち、スライムに向けて駆け出す

タタタ タンッ!

梓はスライムの直前で跳躍し素早く背後に回り込み、一気に迫る

梓「やっ!」ザシュッ!ザシュッ!

梓が素早く二回斬りつける

唯「よーし、あとは任せて!」シャリン

406 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 20:26:32.72 ID:PwRkKy20
唯は勢いよく剣を抜くと梓が斬りつけたスライムに切りかかる

唯「えーい!」ブン!

ザシュッ!ビチャビチャ!


唯の剣の直撃を受けたスライムは動かなくなった

-----
---

律はスライムと向き合うと斧で素早く横に切りつける

ブゥン!

ビチャビチャ

407 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 20:28:24.44 ID:PwRkKy20
斧の一撃を受けたスライムはしかし、こちらに向かってこようとしている

律(少し浅かったか)

ザザッ

律(でもこれで決める!)

ブゥン!

律は振り向きざまにスライムの頭上より斧を振り下ろした

律「ふっ!」

ダァン!

ビチャビチャ!

強力な一撃を受けスライムは跡形もなく飛び散った
408 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 20:36:34.47 ID:c1bH7EY0
 `‐-‐'      r'⌒',     !、_丿               r‐'´,-、,..-ヘ \―`、
  ◯      ヽ-‐'  ___               /レ'´ ´/ ̄`ー--、_ i-、
      r'⌒',   ,,r-‐'     `''ヽ、  ○       / r'イ /´      、   l | ` 、
      `‐-'  /─ 、 ─ 、 ヽ     \       .//j /       /i    H、  〉
      , 、 ,,/ |  ・|・  |─      '─--、,,  i K´i   L_  、,。' ノ , `、iハj
  ,,r-─(_)   ` - c`─ ′      i⌒)   `, .〉 〉;;;|  `、_゚ ̄ノ●`< ,ィi ,〉 i;i
 (         (______        ̄  ,r‐  `、;;;;;;;i ト, r-=三 rェr'´rノ /レ' ,;イ
   ̄つ    '⌒'           ,r─‐‐''       \;;;、;;;`、\ _ri_riノ/;,'-';;;j
   (´              ,r──'             `;;゙-;;;;`ー-、,―z_彡∠j;;ノ
    ̄ ゙̄'───--------‐'                 l━━(t)━━━━┥
409 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 20:36:40.69 ID:PwRkKy20
律「ふぅ」

カチャ

律は斧を背負い直し汗を拭う

唯「楽勝だったね!」カチンッ

梓「唯先輩、ナイスコンビネーションでした」カチ

唯「えへへ」

唯と梓も武器をおさめる



410 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 20:37:09.97 ID:PwRkKy20
紬「みんな!」タタッ

紬と澪がかけよってきた

律「おう!終わったぞ」

紬「怪我はない?」

律「ふっふっふ、これくらい楽勝!」

唯「もう全然怖くないね!」

澪「三人ともすごいな!」

梓「スライムごときに負けてらんないです!」
411 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 20:37:45.53 ID:PwRkKy20
>>408
汎用性がうんぬんかんぬん
412 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 20:52:56.67 ID:PwRkKy20
律「よし、気を取り直して進むぞ」

澪「そうだな」

一行は早々にその場を後にした

-------
----
テクテク

一行がさらに街道を行くとついに前方に大きな建造物が見えてきた


唯「あ、遺跡ってあれだよね!」

真っ先に遺跡を発見した唯がふりかえる

律「うん、間違いないだろ」

澪「はぁ、やっとついた……」グッタリ

梓「早速、探索を開始しましょう!」

梓は張り切っている

紬「あら、梓ちゃんノリノリね」

413 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 20:57:05.30 ID:PwRkKy20
律「まあ、でも梓の言う通りだな、さっさと終わらせよう!」

紬「確か、遺跡の二階層まで調査すればいいのよね?」

律「そうそう、あんまり時間はかからなそうだな」


414 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 21:11:06.93 ID:PwRkKy20
--------
-----
一行は遺跡の一階層入り口にいた
苔むした壁面が年代を感じさせる

唯「さあ、遺跡調査かいしだよ〜!」

梓「行きましょう!」フンフン

スタスタ

澪「あ、ちょっと!梓!」

一行は先に進み出した梓を慌てて追いかける

律「私たちも行くぞ」

紬「おー♪」

415 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 21:13:08.74 ID:PwRkKy20
--------
----
コツコツコツコツ

一行は石造りの遺跡内の通路を歩いている

澪「意外と広い通路だな」

紬「それに明るいし」

紬の言う通り、移籍内部はあちこちに窓の様なものが設けられ内部に光を取り込むことのできる造りになっている


梓「」カサカサ

梓「」カサカサ

梓はあちこちに素早く動き回っている


416 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 21:25:42.59 ID:jyJzdqg0
>>415
ミスった

移籍じゃなくて遺跡ね
417 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 21:54:54.69 ID:sTMOiCko
Gが出たぞー
418 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 22:12:45.94 ID:jyJzdqg0
律「……なあ、梓」

律の問いかけに先を歩いていた梓がふりかえる

クルリ

梓「なんですか、律先輩?」フンフン

律「さっきから気になってたんだが、なんでそんなに積極的なんだ?」

澪「そういえば、梓はなんだかさっきから楽しそうだな」

梓「そ、そんなのおたかr……じゃなくて!」ブンブン!

梓は首を大きくふって言い直す

梓「はやく調査を終わらせるためです!」キリッ

律「いや、もうそれほとんど言っちゃってるじゃん……」
419 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 22:34:50.59 ID:jyJzdqg0
紬「でもこの遺跡って何回も調査されてるのよね?いまさらお宝は見つからないと思うけど……」

梓「な!そんなことないです!絶対なにかありそうです!」フンフン

澪「なんなの、その自信は……」

-------
---

一行は通路を抜け途中で三箇所の小部屋に入ったが、いずれの部屋にもモンスターは生息しておらず異常も見当たらなかった

420 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 22:36:17.05 ID:jyJzdqg0
コツコツコツコツ

一行が奥へと進んで行くと目の前に大きな階段があらわれた

律「ここから二階層へいくんだな」

紬「そうね」

唯「なんにも出ないねー、ちょっとつまんないかも」

澪「おいおい、油断は禁物だぞ?」

梓「お宝……」フンフン

カツカツカツカツ

一行は二階層へと足を運ぶ

421 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 22:59:39.97 ID:c1bH7EY0







                             tanasinn...!
422 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/27(木) 23:35:32.20 ID:xpH3SLA0
423 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 23:46:15.33 ID:jyJzdqg0
階段をのぼりきり更に奥へと向かった一行は小部屋へと入る

律「また小部屋か」

カツカツ

律はぼやきながら歩を進める

澪「……それにしても、この遺跡ってなんの目的でつくられたんだろう」

澪が小部屋の壁面に指を這わせながら呟いた

梓「確かに不思議ですよね、壁には文字とか絵とかの彫刻が凄いですし」

紬「たぶん、ここって神殿だったんじゃないかしら、ほら見て、この先の部屋」

紬が小部屋の先を指差す

紬「この先が大きな広間なってるでしょう?」

424 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 23:47:05.41 ID:jyJzdqg0
唯「本当だ、凄い広いし、天井も高いね!」

唯は小部屋の出口から広間を覗き込んでいる

紬「それに、中央に一段高い場所があるじゃない?」

澪「祭壇……ってことか」

425 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 23:47:31.92 ID:jyJzdqg0
紬「たぶんそうじゃないかしら?」

梓「よし、どんどん行きましょう!」

梓はずんずん進んで行く

--------
----
一行は大広間に入った

大広間には四方に出入口があり一行が入ってきたのはそのうちの一つである

律「ほぇ〜、本当に広いな」

唯「ここをみればほとんどおわりだね!」


426 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 23:48:28.84 ID:jyJzdqg0
グルルルルルル……


一行が話していると左の小部屋からうなり声が聞こえてきた

梓「なにかいます!」ピーン!

律「ああ、気をつけろ!」ザッ

カチャ

全員が武器を出し構える

そのまましばらくすると、唸り声の主が姿をあらわした

グルルルルルル……

ザッザッ

427 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 23:51:07.97 ID:jyJzdqg0
澪「オ、オオカミ!?」



コボルトがあらわれた!▼


ザッザッザ

コボルトは一行の三メートル程手前で動きを止め、唸り声をあげている

律達はゆっくりと近づいていく

律「危険そうだけど、相手は一匹だ、落ち着いていこう……」

唯「うん!」

428 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 23:51:41.40 ID:jyJzdqg0
梓「行きます!」

タタタッ

ザザッ!

梓「えい!」

ザシュ!

ブシッ

梓はコボルトに側面から斬りつけ、素早く走り抜ける

コボルト「キャウン!」ザッ

429 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 23:52:44.31 ID:jyJzdqg0
斬りつけられたコボルトは大きく後退するも倒れない

梓(浅かったか)

グルルルルルル

コボルトは体勢を立て直し素早く梓に飛びかかる

コボルト「グアァァァ!」ガバッ!

気を抜いていた梓は反応が遅れてしまった

梓(まずい!)

律「梓!危ない!」

ガキィィィン!

梓「!!唯先輩!」

唯が梓をかばい盾で攻撃を受け止めている

唯「あ、あずにゃん、はやくさがって!」ハァハァ

紬「唯ちゃん!」

430 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 23:53:45.68 ID:jyJzdqg0
コボルト「ガウゥゥゥ!」ガチガチ

コボルトに盾を激しく噛み付かれ唯が苦しそうに顔を歪めている

ダダダッ!

律「うぉぉぉ!」ブゥン!

ダァン!

コボルト「ギャインギャイン!」

ダン!ボスッ!

律がコボルトの背後から一撃を加えた

コボルトは大きく吹っ飛び地面に倒れ伏す

律「やったか!?」
431 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 23:56:43.65 ID:jyJzdqg0

……ムクリ


コボルトが起き上がり鳴き声をあげはじめた

コボルト「ウォーンウォーン」

ウォーン……ウォーン……

遺跡内にコボルトの鳴き声が反響する

澪「なにをしているんだ……?」

律は肌がピリピリと緊張していくの感じていた、感覚が危険を告げている

律「ま、まずいぞ」

432 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 23:57:15.49 ID:jyJzdqg0
梓「な、なにかきます……」

梓も顔が青ざめている


コボルトは仲 間 を 呼 ん だ!▼


四方の小部屋から幾重もの唸り声が響いてきた

グルルルルルル

ガフガフガフガフ

グルルルルルル

コボルトBがあらわれた!▼
コボルトCがあらわれた!▼



コボルトJがあらわれた!▼

律「や、やば……」

433 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 23:57:53.70 ID:jyJzdqg0
澪「に、逃げよう!数が多すぎる!」ガタガタ

梓「無理です!後ろからもきてます!」

梓の言葉通りいつのまにか背後にもコボルトたちがいる


律達は回り込まれてしまった!▼


434 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 23:58:21.07 ID:jyJzdqg0
唯「やるしかないよ」チャキ

梓「そうですね」シュッ

律「みんな!澪とムギを囲んで円になるんだ!」

紬「りっちゃん、私も戦うわ!」

澪「わ、私も!」

ザザザッ

澪と紬を中心として陣形を組み上げる律達

それに対しコボルトの群れは徐々にその包囲を狭めてきていた


435 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 23:58:49.17 ID:jyJzdqg0



律「……」


律「絶対に誰も死なせない……」チャキ
436 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 00:43:01.33 ID:uNaGLAAO
律「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」ダッ

決意を胸に包囲網の一角に斧を構え走り出す


唯「りっちゃん!?」

梓「無茶です!この人数相手に特攻なんて!!」

紬「ッ!援護にまわr−−澪ちゃん?」

走り出そうとした紬の肩を澪が掴む

澪「ダメだ……律はもう手遅れだ」

皆「えっ!?」



澪「律は……>>435で死亡フラグをたてたんだ」
437 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 00:48:08.61 ID:fGB1GMDO
澪の魔法でやっとくれ

おつ 期待してるよ
438 :436にかわりましてただのバカがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 01:05:02.17 ID:uNaGLAAO
>>436
ごめん>>1じゃないお
紛らわしい時間に紛らわしいレスしてスマン


>>1支援
439 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 01:51:43.04 ID:fGB1GMDO
>>438
IDみればすぐわかる

2レス以上はNG

バカなまねすんな
440 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 12:23:24.76 ID:VGXOIiQ0
ジリ……


ガゥゥゥゥ!

睨み合っていると一匹のコボルトが律に向かって飛びかかってくる

律「くっ!」

ガキン!

律は足をふんばり斧で攻撃を受け止めた

梓「律先輩!」

ザシュッ!

すかさず梓が律の横から斬りつける


コボルト「ガフゥ……」

ドサッ!

梓の一撃でコボルトは後ろへ下がる

ガルルルルル……


441 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 12:38:48.83 ID:VGXOIiQ0
仲間が傷つけられたのをみて、コボルトたちが一斉に襲い掛かってきた


律「くるぞ!」

ガァァァァ!

唯「えいっ!」ブン!

ザシュッ!

唯が一匹のコボルトに斬りかかると別の一匹が襲い掛かる

ガキィィィン!

唯「きゃっ!」

コボルトの攻撃を唯は必死に盾で受け止める

律「はっ!」

ブゥン!ダン!

スカッ

律「かわされた!?」

唯に襲い掛かった一匹に律が斬りかかるが、避けられてしまう

442 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 12:39:20.68 ID:VGXOIiQ0
唯「りっちゃん!」

律「唯!」

タタタッ!

律と唯の横を梓が駆け抜けていく

梓「やあ!」

ザシュザシュザシュ!

梓が連続で斬りつけるも、コボルトになかなか深手を負わせられない

梓「はあはあ、倒れない……」

律「梓、危ない!」

梓「え?……きゃあ!」

コボルト「グァァ!」

ザシッ

梓は律の言葉に素早く反応し身をかわしたが、避けきれずコボルトの鋭い爪で傷を負う

443 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 12:39:48.66 ID:VGXOIiQ0
梓「うぅぅぅ!」

ボタボタ

切り裂かれた足から血が流れる

紬「梓ちゃん!大丈夫?」

すかさず紬が駆け寄り、呪文を唱える

紬はキュアを唱えた!▼

パァァァ!

梓の傷がみるみるふさがっていく

梓「はあはあ、ムギ先輩、ありがとうございます」

紬「さあ、立って!梓ちゃん前にですぎよ」

444 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 12:40:18.16 ID:VGXOIiQ0
律達は陣形を崩さぬようにうまく立ち回っていたがコボルトの数に、徐々に押し負けていく

ザシッザシッ!

律「くそっ!数が多すぎる!」

唯「わっ!」

ブシッ!

唯はコボルトの攻撃をうけ、腕から血を流す

梓「唯先輩!」タタタッ

ガキン!ガキン!

梓は傷を負った唯の元に駆け寄り、コボルトの攻撃を受け止めた

445 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 12:41:16.76 ID:VGXOIiQ0
唯「いてて……」

梓「大丈夫ですか!」

唯「うん、そんなに深くないみたい」

ガルルルルル……

律達は懸命に応戦するもののコボルトの数を余り減らすことができない

律「くそ!これじゃ、埒があかない!」

ダダ!

梓「あ、律先輩!」

唯「りっちゃんだめ!」

446 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 12:41:57.87 ID:VGXOIiQ0

--------
-----

律達がコボルトとの斬り合いを繰り広げている間

ザシュ!ガキン!ザザッ!

ガルルルルル!

澪(こ、怖い)ガタガタ

澪は足がすくんで動けない

ザシュ!

梓「きゃあ!」

梓が傷を負い、しゃがみ込む

447 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 12:42:30.37 ID:VGXOIiQ0
澪(あ、梓!)

澪(わ、私も戦わなきゃ……!)

澪は群れるコボルトに杖を構えるが、それ以上動くことができない

澪(うぅぅ!やっぱり怖いぃぃ)ガタガタ

唯「わっ!」

澪が震えている間に唯も傷を負う

澪(だ、だめだ!殺されちゃうよ……)ガタガタ

律達の応戦も虚しく徐々に押され始める

澪(で、できないよ!怖い怖い怖い!)ガタガタ

448 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 12:42:58.61 ID:VGXOIiQ0
律「くそ!これじゃ、埒があかない!」

ダダ!

律が群れの中へと突っ込んでいき、斧を振り回す

律「うぉぉぉ!」

ブゥン!ダン!ブゥン!ダン!

コボルト「ギャイン!」

コボルト「ギャンッ!」

律は数匹を斬り伏せたが、周りから一斉に襲いかかられる

449 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 12:44:33.77 ID:VGXOIiQ0
グァァァァァ!

ブシッ!ブシッ!

律「あぁぁぁぁぁ!がっ!」

律は何匹ものコボルトの攻撃をうけ、傷だらけになった

紬「りっちゃん!」

律「く……そ……」

バタン

律はその場に崩れ落ち、血を流して動かなくなった

澪「律……?」ガタガタ

ガルルルルル!

唯「りっちゃん!起きてぇぇぇ!」

梓「だ、駄目です」

倒れた律に追い討ちをかけるようにコボルト達が襲いかかる

450 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 17:26:59.96 ID:ZeNDRmk0
澪ェ…
451 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 21:19:41.22 ID:VGXOIiQ0
澪「うわあああああ!やめろおおおお!」

カッ!

澪の叫び声に呼応するように杖の柄頭の宝石が輝く

澪「うわあああああ!」

澪はライトニングを唱えた!▼

バチバチバチ……

倒れた律に襲いかかろうとする魔物達の上に三つの光の球体があらわれる

梓「み、澪先輩?」

澪「律に!触るなあああああ!」

452 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 21:20:31.19 ID:VGXOIiQ0
澪が杖を振り上げると、光の球体からいく筋もの電流が魔物へ向けて迸る

バシーン!バリバリバリバリ!

ギャンッ!ギャインギャイン!

ドサッ ドサッ

電撃の直撃を受けたコボルトは次々に倒れていく

唯「す、凄い……」

澪「ムギ!今だ!」ハァハァ

紬「わかってるわ!」

ダダッ!

453 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 21:21:07.21 ID:VGXOIiQ0
梓「ムギ先輩!援護します!」

タッ!

紬と梓が律の方へと走り出す

紬「はあ!」

ブン!

バキバキバキ!

ギャンッ!

紬はハンマーを振り回しまだ残っていたコボルトをまとめて横凪にする

梓「やっ!」

ザシュザシュザシュ!

梓「ムギ先輩早く、律先輩を!」

紬「ええ!」

454 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 21:21:44.05 ID:VGXOIiQ0
梓が敵の気をひきつけている間に紬が律を後方へ運ぶ

それに気づいたコボルトたちが紬に襲いかかろうとする

ガゥゥゥゥ!

ガキィィィン!

唯「そうはさせないよ!」

唯が飛び出し盾で攻撃をガッチリと受け止める

唯「やあ!」

ザシュ!

紬「唯ちゃん!」

唯「敵は私に任せて!早く治療を!」

紬「うん!」

タタタッ

紬が律を床に寝かすと澪がかけよってくる

455 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 21:24:44.97 ID:VGXOIiQ0
澪「り、律!大丈夫か!目を開けろ!」

涙目の澪がぐったりと横たわる律に必死に声をかける

紬(酷い怪我……身体中傷だらけ……)

紬は律の体に手をかざすと精神を集中させる

紬はキュアを唱えた!▼
紬はキュアを唱えた!▼
紬はキュアを唱えた!▼

パァァァァ!

律の体が光に包まれると傷口がふさがっていく

456 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 21:28:24.39 ID:VGXOIiQ0
紬「澪ちゃん、りっちゃんは大丈夫よ!」

澪「ほ、本当に?」ウルウル

紬「ええ、それよりも唯ちゃん達の加勢にいきましょう!」

澪「うん!」

タタッ!
------
---

梓「ふっ!」

ザシュ!

ギャイン! ドサッ

梓「唯先輩!敵の数はだいぶ減ってきました、もう一息です!」

唯「うん!頑張ろう!」

ガキッ!ザシュ!

唯と梓は澪の呪文により弱ったコボルト達を斬り伏せていく
457 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 21:29:55.80 ID:VGXOIiQ0
澪「唯!梓!」タタッ

唯&梓「澪ちゃん!(先輩!)」

澪「はぁ!」

澪はフリーズを唱えた!▼

キィィィィン!ガキン!ガキン!

ギャイン!

ドサッ ドサッ

地面からはえた何本もの氷の槍がコボルト達の体を貫く

梓「すごいです!」

唯「で、でもまだ生きてるよ!」

氷に貫かれたコボルトたちは抜け出そうともがいている

458 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 21:30:25.68 ID:VGXOIiQ0
紬「私に任せて!」

ブゥン!

ガァァァァン!バキバキバキ!

紬がハンマーで氷ごとコボルトを殴りつける

紬「もう一声ー!」

ブゥン!

バガァァァァン!

吹っ飛ばされたコボルト達は動かなくなった

梓「ム、ムギ先輩……」

紬「やったわ♪」ニコッ

澪(魔物よりムギの方が怖い……)

459 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 21:44:50.74 ID:ZeNDRmk0
もう一声wwwwww
460 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 21:47:13.63 ID:VGXOIiQ0
戦闘シーンがショボくて申し訳ありません

次回からはもう少しうまく書けるようにしたいと思います
461 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 23:44:02.89 ID:fGB1GMDO
何度も闘えば唯たちも>>1もレベルUPだ

ぼちぼちでいいから頑張っていこう
462 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 00:13:36.50 ID:h90ECGIo
しえーん!!
463 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/29(土) 06:35:51.03 ID:GFalPAAO
やっぱ面白いな
464 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/30(日) 08:56:46.95 ID:6j1HAcDO
おもろい
465 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 12:56:36.98 ID:BFb528M0
広間には一行の他に動くものはいなくなった

唯「はあはあ……」

梓「勝った……」

466 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 12:57:34.87 ID:BFb528M0
澪「り、律!」ダダッ

澪はすぐさま倒れている律に駆け寄る

澪「おい!律!目を開けろ!」

パシパシ

律「……」

澪が律の頬を叩くが、律はぐったりとして目を覚まさない

ポタ……ポタ……


一滴、二滴と律の顔に水滴が落ちる


澪「りつぅぅぅ……うぅ……目をさましてよぉぉぉ……」ポロポロ


467 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 12:58:04.56 ID:BFb528M0
梓「澪先輩……」

唯「澪ちゃん……」

ポンッ

澪は肩に手を置かれてふりかえる

澪「うっ……ぐすっ……ム、ムギ?」

紬「澪ちゃん、大丈夫よ、りっちゃんはすぐに目を覚ますわ」

澪「ほ、本当?」グスグス

紬「ええ、本当よ」ニコッ

梓「みなさん、ともかくここを離れましょう」

唯「そうだね、ここはあんまり気分の良くなる光景じゃないし……」チラッ

辺りには切り裂かれ、あるいは呪文で焼け焦げた魔物の死体と臓物が散乱している

梓「それじゃあ、脱出しますのでついてきてください!」

紬「りっちゃんは私がおぶってくわ」

唯「じゃあ、私が最後になるよ」

梓が先行し、唯が殿をつとめ、一行は遺跡を脱出した
468 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 10:55:52.64 ID:LXUyAAAO
追い付いた
しえん
469 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 15:12:14.00 ID:gH2Rqhw0
-------
----
サラサラサラサラ……

静かに流れる小川の水面が太陽を反射し、キラキラと輝いている

チャプ

紬は小川に手を浸しタオルを洗う

紬「……」ゴシゴシ
470 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 15:35:51.84 ID:gH2Rqhw0
一行は遺跡を脱出したあと近くの林の中で小川を発見し、そこで休憩をとることにしただった

律は未だ目を覚まさない

唯「……」

梓「……」

澪「……」

テクテクテク

紬が小川から唯達のもとへと戻ってきた

ソッ

紬が洗い終わったタオルを律の額に乗せた

471 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 15:36:19.90 ID:gH2Rqhw0
澪「……」

澪「なあ、ムギ……律は本当に目をさますのか?」

澪は唇をひき結び答えを待っている

紬「澪ちゃん、そんなに心配そうな顔しなくても大丈夫よ」

対して紬は軽い口調で答えた

澪「で、でも……!」

紬「いきなり沢山の傷を呪文で治したから体力を使っただけよ」

唯「りっちゃん、寝てるみたいだもんね」

472 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 15:36:46.62 ID:gH2Rqhw0
紬「それよりもみんな、川で服と体を洗ってきた方がいいわ、りっちゃんは私がみてるから」

そう言われて三人が自分の思わず体をみまわすと、確かに唯達は魔物の血や埃でどろどろになっていた

梓「そうですね、行きましょう、澪先輩、唯先輩」

唯「うん!行こう、澪ちゃん!」

唯が澪の手をひっぱる

澪「う、うん」
473 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 15:54:15.50 ID:gH2Rqhw0
---------
-----
サラサラサラサラ

唯達は川べりで防具と上着を脱ぎ、肌着のみになった

唯「よし、まずは体を洗おう!さあ、あずにゃんも澪ちゃんも入った、入った!」

澪「わ、わかったから押すなって!」ワタワタ

チャプ……

梓「ひゃ!冷たい!」

梓が片脚を水につける

474 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 17:59:55.09 ID:cwkZkIgo
http://ranobe.sakura.ne.jp/src/up55841.png
475 : [sage]:2010/05/31(月) 21:18:02.56 ID:???
>>1さんからの伝言です

>>1です
規制に巻き込まれてしまいましたので
解除まで更新できません
申し訳ないです
476 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 21:46:35.30 ID:W9ZozuIo
なんてこったい………

再開できる日を心待ちにしております
477 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 22:46:53.64 ID:gEBez6g0
478 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/01(火) 00:22:11.42 ID:ZFU62bco
ここって規制対象なんだ
479 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/01(火) 00:52:22.87 ID:Y8FYKjc0



               tanasinn...


    tanasinn...



                                                           tanasinn...
480 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/01(火) 19:20:15.74 ID:FCZIscU0
>>478
公開プロキシ
481 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/02(水) 20:56:09.00 ID:/hWKxEAO
未来で待ってる
482 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/06(日) 20:00:26.35 ID:yriREBI0
規制解除きたー?
483 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:02:02.74 ID:yriREBI0
おお!かける!!

大変お待たせしました
ここから続きです↓
484 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:04:02.24 ID:yriREBI0

梓が片脚を水につけると、

ジャブジャブ!

唯「うわー、あずにゃん、気持ちいいよ!」

唯が手で水をはね飛ばしながら向かってきた

梓「ちょ、唯先輩!」

唯「きゃー!」バシャバシャ!

梓「ちょっと!こっちに水かけないで下さい!」

梓は口ではきつく言いながらも顔は笑っている

梓「もー!お返しです!」バシャバシャ!

唯「うわっ、やったなー!あずにゃん!」バシャバシャ

川の中で逃げ回る唯を梓が追いかける

485 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:04:37.28 ID:yriREBI0
キャッキャ!バシャバシャ!

澪「……」

澪「ふふっ」

唯&梓「」ピタッ

澪が小さく笑うと唯と梓が動きを止めた

唯「あー!澪ちゃんが笑った!」

梓「む〜!なんで笑うんですか」

澪「だって、二人があんまり楽しそうだから……」クスクス

唯「えーい!」

バシャバシャ!

澪「うわ!冷たっ!」

梓「やってやるです!やってやるです!」

バシャバシャ!

澪は二人に水をかけられる

486 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:05:26.30 ID:yriREBI0
澪「二人ともやめろー!」アハハ

バシャバシャ!

唯「うわー!澪ちゃんが怒ったー!」キャッキャ

梓「逃げるです!」キャッキャ

---------
------

紬は木陰で律の頭を膝にのせ、ぼんやりと視線を彷徨わせていた

キャッキャ!バシャバシャ!アハハハハハ

川では三人が歓声をあげて遊んでいる
水滴がキラキラ光り三人の笑顔まで輝いて見える

サァァァァァ……

風が吹き紬の長い髪が律の顔にかかる

487 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:06:30.43 ID:yriREBI0
紬「……」

紬は無言で髪をかきあげたーー

----------
------

気がつくと鼻がむずがゆいような気がして意識が急速に覚醒へと近づいていく

それが煩わしくなって律は目を開けた

パチッ

視線の先には髪をかきあげる紬の姿があり、
そしてどうやら自分は寝かされているらしかった

律「……ムギ?」

律が声をかけると紬は弾かれたように律を見た

488 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:07:45.25 ID:yriREBI0
紬「りっちゃん!目がさめたのね、よかった……」

紬は心底ほっとした様に言った

律「ああ、それでここはどこなんだ?私が倒れてからいったいどうなったんだ?」

律の質問に紬は、皆で魔物を倒したこと、その後遺跡近くの小川に移動したという事を説明した

律「そうだったのか……ムギ助けてくれてありがとう」

紬「……」

紬は真剣な表情で黙っている

律「どうしたんだ?」

紬「りっちゃん……お願いだから、二度とあんな事はしないで」

律「……うん、わかってる、私のせいで皆を危険な目にあわせちゃったんだしな」

489 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:08:40.94 ID:yriREBI0
紬「違うわ!」

律は紬の強い言葉に目を丸くする

紬「そうじゃないの……私、りっちゃんが倒れた時、凄く怖かった、回復の呪文も間に合わないでりっちゃんが死んじゃうんじゃないかって」

律「……」

紬「もうあんな思いはしたくないの、仲間が傷つくのなんてみたくないの……だから、もっと自分を大切にして?」

律「うん……ごめん」

紬「さ、この話はもうおしまいにして、私達も水浴びしにいきましょ♪りっちゃんどろどろだし」

そう言われ、律も自分の体が酷く汚れているのに気がつき思わず苦笑する

律「ああ、そうしよう」

律が身を起こす

490 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:09:29.94 ID:yriREBI0
紬「もう体は痛くない?」

律「ああ、もう痛くない、大丈夫だ……でも凄く体がだるい」ダルーン

紬「ふふ、治癒するのに体力を使ったからよ」

---------
------

チャプ……

澪「冷たい……」

澪は川の水に身を浸し仰向けになって空を見上げている

先ほどまで遊んでいた唯と梓も今は自分の防具と自身を洗っている

川の流れに浸っていると体についた汗や血が洗い流されていくのがわかるようだった

サラサラサラサラ……

澪(空、綺麗だな……)

澪がぼんやりしていると水音に混じって聞きなれた声が聞こえてきた

491 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:10:02.98 ID:yriREBI0
律「おーい、澪ー」

澪「律!」バシャン!

澪は急いで川からあがり、律のもとへと駆けより抱きついた

ダキッ!

澪「律ぅぅぅぅ!よかった!目がさめて!」ギュウゥゥゥゥ

律「ちょ!澪、苦しいって」

紬「あらあら、うふふ」フヒヒ

律の姿をみて唯と梓もやってきた

唯「りっちゃん、目がさめたんだね!」

梓「よかったです!もう体は大丈夫なんですか?」

律「ああ、もう大丈夫だぜ!」

澪「まったく、心配したんだぞ!」

492 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:11:07.85 ID:yriREBI0
律が澪の頬に手を触れる

ソッ

律「澪、ありがとな……ムギからきいたよ、澪が私を助けてくれたんだろ?」

その言葉を聞くと澪は律から身を離す

紬「どうしたの?」

紬の問いかけに澪は答えない

澪「私は……助けてなんかない……!」

澪は俯いて声を震わせている

澪「律が怪我したのは私のせいなんだ……!」

梓「そ、そんな事……!」

493 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:11:35.65 ID:yriREBI0
澪「私は戦おうとしないでただ怖がってただけだ!皆に任せて自分一人、戦いから逃げ出して……!」

唯「澪ちゃん……」

律「澪は悪くない!私は澪が怖がりで戦いなんてできないって知ってる、だから澪のことを守れなかった私が悪いんだ!」

澪は唐突に顔をあげる

澪「ううん、違うんだ……それじゃ駄目なんだ」

澪が律の目を見つめて話す

澪「律が私を守ってくれるのは嬉しいよ……でもそれだけじゃ、守られてるだけじゃ駄目だってわかったんだ」

494 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:12:12.31 ID:yriREBI0
意を決したように澪はいう

澪「私も律の傷つく姿なんてみたくないんだ!私も強くなって、私も律を守りたい!」

律「澪……」

二人の距離が縮まっていく

律「ありがとう」

澪「ううん、これからは私のことももっと頼ってくれよ?」

495 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:12:39.72 ID:yriREBI0
紬「」ムギュゥゥゥゥゥ!

梓「ムギ先輩……」

唯「これで仲直りだね!……それじゃあ、そろそろお弁当にしようよ!私、お腹空いて死にそうだよ!」グー

澪「ぷっ、あははははは」

律「まったく、唯らしいな」クスクス

気がつけば太陽はてっぺんより少し西に傾いている

梓「まあ、時間もちょうど良いですしね」

紬「じゃあ、私とりっちゃんはまだ水浴びしてないから、済ませてからにするわ」

澪「それじゃあ、私達は木陰で待ってるから」
496 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:15:56.46 ID:yriREBI0

--------
----

サワサワサワ……

木漏れ日が降る木陰で五人は昼食をとっている

唯「おいしーね!」ガツガツ

梓「唯先輩、もっと落ち着いてくださいよ」

一同はしばし無言で箸を進め、一息ついたところで澪が口を開いた

澪「なあ律、これでクエストは終わりなんだよな」

律「そうだな、後はギルドで完了報告して、調査書を提出すればいいはずだ」

澪「……そういえば、誰か調査書なんて書いてたっけ?」

唯「……」

紬「……」

律「……あれ?」
497 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:24:49.07 ID:kmyuy2DO
おかえり支援
498 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:26:28.45 ID:yriREBI0
梓「はぁー、やれやれです……」ヤレヤレ

律「!なんだよ、梓、お前も忘れてたんだろ!」

梓「ふっふっふ、私を甘くみてもらってはこまります」

梓はわざとらしく声を作り、もったいつけた動作でバックから紙の巻物を取り出した

澪「梓、もしかしてそれって……」

梓「そうです!今回の遺跡の調査書です!」フフン!

紬「すごいわ、梓ちゃん!いつ書き上げたの?」

499 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:27:10.39 ID:yriREBI0
梓「皆で探索してる時です、先行して内部の構造まで書き写しました!」

律「それであんなにそわそわしてたのか、てっきりお宝目当てなんだとばっかり思ってたぜ」

唯「凄いね〜あずにゃん、偉いよ〜」ナデナデ

梓「ふにゃ〜、もっと褒めてください……」フヘヘ

澪「ともかくこれで一安心だな」

500 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:36:14.52 ID:yriREBI0
律「よし、それじゃあさっさと街まで戻ろうぜ!」

紬「そうね、今から戻れば日暮れまでには余裕で間に合うわ」

一行は荷物を片付け帰路を急ぐことにした

-------
----

太陽がオレンジの光を帯び始める頃、一行は街の入口に到着した

澪「律、このままギルドに向かうのか?」

501 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:37:28.50 ID:yriREBI0
律「う〜ん、期限もまだあるし、明日にしようぜ?」

唯「そうだね、今日はなんだか疲れちゃった……」

紬「初めてクエストだったものね」

澪「それにしても、今日は梓が大活躍だったな」

梓「探索クエストなら任せてください!トラップ解除だってやってやるです!」

律「おー、頼もしいな!」

一行はそんな会話をしながら宿に戻り夜を明かした
502 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:42:36.94 ID:yriREBI0
一応言っておきますが、わたくしiphoneで投稿しております
なおかつ、現在パソコンが使えない状態です

そのため、iphone規制中にはこれからも恐らく投稿できなくなります

しばらく投稿が途切れたら"規制に引っかかったんだな"と思ってください

ご迷惑をおかけします
503 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:43:54.03 ID:yriREBI0
あとついでに、わかりづらい部分や疑問に感じた部分があったらどんどん質問してください

できる限り答えていきたいと思います
504 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:52:23.37 ID:E76IHH60
わかった
505 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 21:03:19.16 ID:VX5vM8Mo
おお!来てたのか
早い復帰で何よりだ

次回の投下を楽しみにしておりますぜ
506 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/07(月) 02:51:26.19 ID:caL3s6o0
Pandaテスト
507 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/07(月) 09:29:43.91 ID:9sMdnXY0
一行は夜が開けるとすぐにギルドへ向かった

ガチャ……キィ

律「おはようございま〜す」

律達が扉を開け中へ入る

ギルドは早朝ということもあり、まだ人もまばらでいつもの騒がしさは感じられなかった

受付嬢1「あら、おはよう、早いわね」

唯「クエスト完了したんだよ!」

受付嬢1「報告ね、それならこっちよ」

一行はカウンター付近まで移動する

508 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/07(月) 09:30:18.45 ID:9sMdnXY0
受付嬢1「それじゃあ、調査書をだしてちょうだい?」

梓「はい、これです」

受付嬢は梓が取り出した調査書を広げ、目を通す

受付嬢1「……」

ペラッ……

受付嬢1「!この四足歩行のモンスターって……」

紬「遺跡の二階層に群れで生息してたんです」

唯「そうだよ、たくさんいてたいへんだったんだから!」

律「でも全部やっつけたぜ!」フンス

509 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/07(月) 09:30:50.34 ID:9sMdnXY0
受付嬢1「ねえ、このモンスター……犬型だったでしょ?体色は?」

澪「はい、そうです、体色は茶色でしたけど?それがなにか……?」

受付嬢1(間違いないわ、コボルトね……な
んでこんなところに?最近の魔物の狂暴化に関係してるのかしら……?)

受付嬢1「……」

梓「どうしたんですか?」

受付嬢1「あ、いいえなんでもないわ、そうそう、このモンスターはコボルトっていうのよ」

澪「コボルト……」

受付嬢1「それにしてもあなた達なかなかやるわね」

唯「?なんで?」

受付嬢1「コボルトは一体だと大したこと無いんだけど、群れだとけっこう強敵なのよ、それを全部討伐するなんて……」

律「さすが、私達!」フンス

受付嬢1「そうね、あなた達、新人にしてはかなりいい線いってるわ」

唯「褒められた〜」ニヘラ
510 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/07(月) 09:45:25.03 ID:9sMdnXY0
ペラペラ……

受付嬢1「よし、問題ないわ、完璧よ」

律「やった!」

澪「梓のおかげだな」

梓「えへへ、もっと褒めてください〜」ニヘラ

受付嬢1「それじゃあ、あとは報酬を……」

ダンッ!

一同「!?」ビクッ

511 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/07(月) 09:47:28.95 ID:9sMdnXY0
突然の物音に驚く一同

???「一体どうなっているんだ!!もう依頼をだしてから二日もたってるんだぞ!!」

受付嬢2「そう言われましても、最近の魔物の狂暴化で有能なクランはほとんど出払っていますので……」

律達がいるのとは別のカウンターから男の怒号が聞こえてきた
男は受付嬢と言い争っているようだ

512 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/08(火) 04:20:52.29 ID:ICQx9BY0
まだかな〜
513 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/08(火) 10:28:16.86 ID:eh0o2FE0
律「なんだなんだ?」

その騒ぎに一行も思わず注目する

澪「……なあ、あれ、楽器屋のおじさんじゃないか?」

唯「あ、本当だ!」

紬「どうしたのかしら?」

梓「ちょっと話をきいてみましょうよ」

律「そうだな、困ってるみたいだし」

楽器屋「はあ、困った……あれが無いと、あああ……」

楽器屋は怒る気力もなくしたのかカウンターでうなだれている

律達は近づいて話を聞いてみることにした

514 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 10:28:50.53 ID:eh0o2FE0
紬「あの〜、どうかされたんですか?」

楽器屋は問いかけられると驚いたように顔をあげた

楽器屋「えっ?……ああ、君たちか」

澪「なにかあったんですか、こんなところに朝から?」

楽器屋「ああ、まあね……でも君たちこそなんでこんな所に?ここは女の子のくる所じゃ無いぞ」

梓「私達、実は冒険者やってるんです」

515 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 10:30:10.50 ID:eh0o2FE0
楽器屋「ええ!?君たち冒険者だったのか!」

澪「まあ、成りたてですけど」

楽器屋「……」

楽器屋は黙ってなにか考え込んでいる

楽器屋「ねえ、君たち、僕の依頼を受けてくれないかな?」

紬「依頼、ですか?」

楽器屋「ああ、ギルドにクエストを依頼してたんだけどね、受け手がいなくてさ……」

梓「それでここに……」

楽器屋「ああ、急ぎのクエストなんだ、受けてもらえないかい?」

516 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 10:30:45.49 ID:eh0o2FE0
律「よし!引き受けた!困っている人は見捨てられないぜ!」ドン!

律が胸をはって答える

澪「おい律!内容も聞かずに……」

受付嬢2「その方のクエストを受けるのは推奨できません」

一同「えっ!?」

今まで黙って話を聞いていた受付嬢が突然声をあげた

唯「な、なんで?」

受付嬢2「その方の依頼したクエストの内容は、最近この辺りを荒らし回っている盗賊団から盗まれた品物を取り返して欲しいと言うものです」

律「なんだよ、盗賊団くらい楽にやっつけてやるぜ!」

517 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 10:31:14.59 ID:eh0o2FE0
受付嬢2「……この盗賊団は数は少ないですが、かなりの手練で構成されています、情報では魔術師も一人含まれているようです」

澪「魔術師……って、もしかして!」

梓「盗まれたんですね……あの横笛」

楽器屋「いやはや、お恥ずかしい……」タハハ

律「タハハじゃねー!」

紬「魔術師って手強そうね」

受付嬢2「それに加えて、この街の警察機構とギルドが完全に独立していることがこのクエストの危険度をさらにあげています」

518 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 10:32:00.88 ID:eh0o2FE0
唯「独立?なにそれ?さっぱりピーマンだよ」

受付嬢2「わかりやすく言うと、ギルドのクエスト中であってもこの街の法を守らなくてはならないと言うことです」

唯「えっ!わけわかめ!」

澪「つまり、いくら盗まれた物を取り返すためで相手が盗賊でも、家捜ししたら不法侵入、殴ったら暴行ってことだろ」

受付嬢2「さらに問題なのはこの方の用意したクエスト報酬が少なすぎることです」

519 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 10:32:27.43 ID:eh0o2FE0
梓「いくら用意したんですか?」

楽器屋「金貨5枚だけど……」

受付嬢2「このクエストの危険度から考えて、妥当な金額は金貨10枚です」

楽器屋「はあ、さすがにそんなには用意できないよ」

受付嬢2「この盗賊団にはギルドも警察も前々から手を焼いています、新米のあなた方には荷が重すぎます」

楽器屋「頼む!あの笛を取り返してくれ!もう時間がないんだ!」ガバッ

一同「……」

楽器屋は平伏して頼みこんでいる

520 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 10:33:07.40 ID:eh0o2FE0
律「なあ、みんな、やっぱりこのクエスト受けようぜ」

楽器屋「ほ、本当に!?」ガバッ

澪「……そうだな、こんなに頼まれたんじゃ断れないよ」

唯「困ってる人を見捨てるなんてできないよね!」

受付嬢2「本気なんですか!?無謀すぎます!第一……」

ポン

受付嬢2の肩に手がおかれる

521 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 10:33:38.81 ID:eh0o2FE0
受付嬢1「まあまあ、いいじゃない、やらせてあげなさいよ」

受付嬢2「で、でも……」

受付嬢1は一行に視線を合わせる

受付嬢1「でもあなた達、心してかかりなさいよ!」

梓「は、はい!」

受付嬢1「笛を取り返せばいいんだから、全員と戦う必要はないの、無理だと思ったら迷わず逃げなさい!」

律「ああ、わかってるぜ!」

唯「私達、絶対に笛を取り返してくるよ!」

楽器屋「君たち、本当にありがとう……!」

紬「ふふ、お礼は取り返してからにしてくださいよ」

522 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 10:35:03.42 ID:eh0o2FE0
楽器屋「そ、そうだ!君たち楽器、欲しがってたよね!?」

梓「ええまあ、欲しいですけど」

楽器屋「報酬に上乗せして一人ずつ楽器をつけよう!これで妥当な金額だろ?」

梓「ほんとですか!?」フンフン!

律「こりゃー、ますます成功させなきゃな!」

唯「よーし!ぜったい成功させるぞー!」

紬「おー♪」
523 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 10:48:00.48 ID:OV3Y7kDO
この楽器は欲しい
頑張ってな支援
524 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/08(火) 18:10:50.12 ID:y0ECnvs0
受付嬢1「あ、そうそう、こないだ警察機構が大規模な摘発やって盗賊団のアジトは壊滅させたらしいわ」

澪「え、じゃあ、一体どこにいるんですか?」

受付嬢2「おそらく、盗賊ギルド直営の宿舎に潜伏していると思われます」

律「そんなもんまであるのかよ、ていうかそれ、ただの犯罪組織だろ?」

525 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 18:11:20.70 ID:y0ECnvs0
受付嬢2「はい、もちろん国に認められていない非公式ギルドです」

受付嬢1「彼ら、捕まらないように場所を不定期に変えて特定し辛いから盗賊ギルドは自分たちで探してちょうだいね」

律「うわ、めんどくさ」エー

澪「おいおい、引き受けるって言ったそばからそれか」

律「冗談だよ、まあ、地道に探すか!」

紬「それしかないわね」
526 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/10(木) 01:13:45.79 ID:jMB5JGs0
しえーん
527 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/10(木) 11:47:19.12 ID:3eoMQnE0
唯「それじゃ早速捜査開始だよ!」

一同「おー!」

ドア「ガチャバタン!」


受付嬢2「……本当に大丈夫なんでしょうか」

受付嬢1「ふふ、きっとうまくいくわ」

受付嬢2「なにを根拠に……」

受付嬢1「カンよ!カン!」

528 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/10(木) 11:59:29.22 ID:3eoMQnE0
--------
----
一行がギルドからでるとすっかり街は活気づいており、騒がしい

ガヤガヤ

唯「よーし!情報収集だよ!」

律「とは言ったものの、一体なにから探していいんだか……」

紬「まさか、堂々と聞いて回る訳にもいかないし」

澪「周りに人の会話をそれとなく盗み聞きするっていうのはどうだ?」

梓「それも難しそうですが……」

529 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/10(木) 12:06:18.75 ID:3eoMQnE0
紬「でもそれならできそうかも……」

律「まあ、やってみようぜ!」

唯「じゃあ、まずそこの露店でやってみようよ!」

----------
-----
一行は気づかれないように露店横のスペースまで移動した

唯「ここまで近づけば聞こえるかな?」コソコソ

律「しっ!客が来たぞ!」コソコソ

530 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/11(金) 00:23:34.45 ID:xwRJ4MQ0
531 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 00:31:54.24 ID:JneAzYAO
つづきマダァ♪(・∀・)ノ⌒☆
532 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 13:08:55.17 ID:HhEWfGY0
しえ
533 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/12(土) 22:50:18.53 ID:/i4urnQo
楽しみにしてるよ!
534 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/14(月) 11:55:05.44 ID:XEc1.Eko
C
535 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 00:28:19.44 ID:Ifee7Y.o
まだかな
536 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 22:21:49.09 ID:7FII/7Q0
規制か?
537 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/19(土) 18:48:42.25 ID:hOatmeo0
露天商「〜!」

客「〜、〜〜?」

梓「……だめですね」

聞き耳を立てていた梓が首を横にふる

律「全然聞こえないな」ハァ

澪「うん、周りがうるさすぎて聞き取れないな」

一同「……」

一同は思わず顔を見合わせる

唯「えー、それじゃあどうしたらいいの?」

澪「いい作戦だと思ったんだけど……」

律「考えなおしかー」
538 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 18:53:16.54 ID:hOatmeo0
一同「」ウーン

紬「そ、そうよ!」

一同は不意に声をあげた紬の方を一斉にみた

梓「突然どうしたんですか?」

紬「私、良いこと思いついちゃったわ〜」ウフフ

澪「本当か!?」

紬「ええ♪」

律「それで、どういう方法なんだ?」
539 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 19:03:57.04 ID:hOatmeo0
紬「ふっふっふ、これを使うのよ!」シャキーン!

律「こ、これは!」

唯「猫耳だぁ!」

紬は鞄の中から猫耳を取り出す

紬「ミシャの耳飾りよ、これを梓ちゃんの頭に装着すれば!」

澪「そ、そうか!」
540 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 19:04:40.66 ID:hOatmeo0

律「でもそんな猫耳、役にたつのか?」

澪「ばか!宿屋の主人が説明してくれただろ、それには聴力アップの効果があるって!」

律「あー……聞いたような、聞いてないような?」

唯「ダメだよりっちゃん、人の話はちゃんと聞かなきゃ」ヤレヤレ

律「おい、唯だってすっかり忘れてただろ!」

唯「〜♪」ソラシ←

律「ごまかすなよ」


541 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 19:09:17.19 ID:hOatmeo0
梓「あのー……盛り上がってるところ悪いんですけど、私の拒否権は……」

律「ナシ!」

唯「ないよ〜」

紬「ないわ♪」

梓「うぅ、澪先輩……」ウルウル

澪「……ないな」

梓「」ガクー

542 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 19:18:09.56 ID:hOatmeo0
律「まあまあ、気を落とすなよ」

ポンッ

律は意気消沈している梓の肩に手を置いた

唯「そうだよ!私達の中ではあずにゃんが一番猫耳が似合うんだから!」

紬「そうよ!梓ちゃんが一番猫っぽいわ♪」

梓「みなさん……」

梓(どうしよう、ちっとも嬉しくない……)

543 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 19:33:24.70 ID:hOatmeo0
律「まあ、とにかくつけてみろって!」ヒョイッ

律が梓の頭に猫耳つけようとする

梓「あ、ちょっと!律先輩!」ワタワタ!

カポッ

梓「あっ!」

律「へへ、装着完了!」

澪「梓、どうだ?聞こえるか?」

梓「はあ、ちょっと待って下さい……」ムーン

544 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 19:36:10.28 ID:hOatmeo0
梓は目をつぶって耳をすましている

……キィィィィン!

梓「うわっ!」ガバッ!

勢いよく梓が頭から猫耳をはずした

梓「」ハァハァ

唯「ど、どうしたの、あずにゃん!?」

梓「な、なにか急に音が沢山頭の中に響いて……」ハァハァ

紬「梓ちゃん!大丈夫!?」

梓「は、はい、大丈夫です、ただ……」

律「ただ?」

梓「これ、物凄くうるさいです!」
545 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 19:43:35.39 ID:hOatmeo0
紬「やっぱりダメかしら……」

澪「梓にも無理はさせられないしな」

梓「あ、いえ、私やります!さっき一瞬会話が聞き取れたんです、もう一回やってみればできそうです!」

澪「梓……」

唯「あずにゃん、がんばって!」

梓「はい!」

カポッ

梓(全部の音を聞こうとしちゃダメなんだろうな……)

546 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 19:46:32.23 ID:hOatmeo0
梓はまた目を閉じて周囲の音に集中しはじめる

梓(一つの音に絞れば……)

キィィィィン

梓「!」

律「どうだ?なにか聞こえたか?」

梓「はい!聞こえます!」

唯「どんな話が聞こえるの?」

梓「あ、えっと、あそこの露店商さん、昨日奥さんとケンカしたらしいです!」

律「いや、その情報は……」

澪「ま、まあ、テストはOKだな」
547 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 20:17:44.14 ID:FsG9Ipg0
試演
548 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 21:20:53.74 ID:hOatmeo0
律「この調子で人の集まるところに行ってみようぜ!」

紬「そうね、通りを歩いてみましょうか」

--------
----

一行はそのまま大通りへと足を運んだ

ガヤガヤガヤガヤ

律「相変わらずの人通りだな」テクテク

梓「」ムーン

澪「梓、なにか手がかりになるような話は聞こえるか?」テクテク

梓「う〜ん、あんまり有用な情報は聞けませんね、小麦が値上りしたとか、税金が高いとか、そんな話ばっかりです」

549 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/19(土) 22:22:58.93 ID:hOatmeo0
紬「それにしても梓ちゃんは本当に猫耳が似合うわね、とっても可愛いわ♪」

梓「ちょ、ムギ先輩!?なに言い出すんですか、いきなり!」///

律「おい梓、顔真っ赤だぞ」ニシシ

梓「そ、そんなことないです」///

紬「照れてる梓ちゃんも可愛い♪」

梓「〜!うわー!もう!」///

550 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 22:24:20.69 ID:tIb.db6o
梓、不憫な子www
551 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 22:25:04.44 ID:zKPmoZ6o
C
552 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 22:38:59.89 ID:hOatmeo0
顔を真っ赤にした梓は手で顔を覆ったままうつむいてしまった

唯(あれ?私の時と反応が違う……)ガーン

-------
----

その後一行は情報を集めるために幾つかの通りを歩き周った

梓「ダメです、あんまり役立ちそうな話は聞こえてきませんね」

律「う〜ん、このまま歩いていてもなー」ハァ

律は後頭部で腕を組んでつぶやいた

553 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 22:39:40.39 ID:hOatmeo0
澪「確かに、いくら梓が情報集められてもこれじゃ効率が悪すぎるな」

唯「それじゃあ、ご飯にしようよ!」ニッコリ

澪「なんでそうなる!」

梓「まったく、唯先輩は……」ハァー

紬「私も唯ちゃんの意見に賛成かな」

梓「ム、ムギ先輩!?」

554 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 22:40:11.34 ID:hOatmeo0
紬「歩き回ってたらなんだかお腹空いちゃって……」テヘ♪

梓(か、可愛い……)

澪(可愛い……)

唯(あれ?私の時と反応が違う……)ガーン

律「よし、それじゃあご飯食べにいくぞー!」

唯「おー!」

澪「結局こうなるのか……」
555 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/20(日) 00:11:20.92 ID:HNXdhuA0
---------
------
ガヤガヤガヤガヤ

適当な飲食店を見繕い中に入り、一行が席に腰を降ろすとすぐに料理が運ばれてきた

一同「いただきまーす!」

律「うめー!」ガツガツ

唯「やっぱり食べてる時が一番幸せだよ〜」モグモグ

律と唯はすぐに目の前の料理に取りかかっている

梓「」モクモク

556 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 00:11:52.13 ID:HNXdhuA0
澪「はぁ……」モグモグ

澪は炒め物に箸でつついてため息をこぼした

紬「澪ちゃん、どうしたの?あんまり箸が進んで無いようだけど」

澪「いや、この後の事を考えるとね、なんの手がかりもないし……」

紬「ふふ、心配なのはわかるけど、無い物ねだりしてもしょうが無いわ、食べれる時は食べて英気を養うのよ」

澪「……そうだな」フッ

557 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 00:14:58.49 ID:HNXdhuA0
紬「ほら、このお肉もとっても美味しいわよ?」

澪「ああ、ありがとう」

梓「」モクモク

律「なあ、梓」

梓「」モクモク

律「さっきからずっと黙って食べてるけど、そんなにお腹が空いてたのか?」ニシシ

梓「」モクモク

558 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 00:15:59.68 ID:HNXdhuA0
律「いやいや、無視はひどいと思うなー」

梓「ちょっと黙っててください」

律「」ガーン!

澪「梓もついに律に愛想がつきたか……」

唯「あずにゃんがグレた!?」ガーン!

律「ヒドイ……こんな扱い!私はこんな子に育てた憶えはありません!」シクシク

紬「梓ちゃん、どうしたの?」

梓「……」キィィィィン
559 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 01:05:39.07 ID:I3Rk842o
C
560 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/20(日) 23:01:00.01 ID:UX.mqcc0
梓「……あそこの壁際の二人、なんだか妙な会話をしてます」

澪「壁際?」

そう言われ澪達は壁際に目を向ける
そこには商人風の男が二人、食べながら談笑している

紬「普通の商人さんに見えるけど……」

梓「いえ、あんな目つきの人間が商人なわけないです」

律「いくらなんでも、目つきだけで怪しいなんて早合点じゃないか?」

澪「そうだぞ、第一その妙な会話っていうのを教えてくれなくちゃ判断できないだろ」

梓「それもそうですね、あの人達、新しいアジトは住みにくいって話してます」


561 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 23:18:30.97 ID:UX.mqcc0
律「アジトって、もしかして……」

梓「はい、おそらくあの人達は変装した盗賊……」

澪「じゃあ、後をつけて行けば!」

紬「盗賊ギルドの場所がわかるのね!」

澪「でもあの人達全然怪しそうには見えないのにな」

律「まあ、盗賊なんだし身を隠すのは得意なんじゃねーの?」

562 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 23:19:02.25 ID:UX.mqcc0
紬「梓ちゃん、よくみつけたわね」

梓「なんとなく感じたんです、普通じゃ無いような……」

律「なるほどね、同業者のカンってやつか?」

梓「なっ、失礼ですね!あんな奴らと一緒にしないでください!」

律「あ、いや、ごめんごめん……」

梓の思わぬ剣幕に押され律は素直に謝った

澪「でも同じ盗賊なんだろ?」

梓「そりゃあ、そうですけど……」
563 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 23:28:27.35 ID:UX.mqcc0
唯「ねえ、さっきから皆でなんの話してるの?」モグモグ

唯の間のぬけた声に他のメンバーは顔を見合わせる

澪「話に加わってこないと思ったら……」ハァ

梓「も、もしかして、今までの話全部聞いてなかったんですか?」

唯「いや〜、食べるのに夢中で……」

律「どんだけ、食意地張ってるんだよ!」アハハ

紬「唯ちゃんらしいわね」ウフフ

564 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 23:33:10.66 ID:UX.mqcc0
なにもわかっていないらしい唯に律と梓がかいつまんで説明する

唯「お〜、わかりました!りっちゃん隊員!」ビシッ!

梓「はあ……本当ですか?」

唯「うん、この後あの人達を追いかけるんだよね?」

律「よしよし、本当にわかってるみたいだな」ヤレヤレ

唯「も〜!馬鹿にしないでよね、それぐらいわかるんだから!」プンプン!
565 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 00:07:56.21 ID:xxkgz/wo
C
566 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/21(月) 01:17:17.13 ID:qRn8rgDO
支援
567 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/21(月) 09:17:10.86 ID:afN8SG60
梓「しっ、あいつら動き出すみたいです」

確かに男達の食事も終わりそろそろ店を出そうに見える

律「よし、それじゃあたし等も……」

梓「ちょっと待ってください!」

梓の制止に立ち上がりかけていた律達は動きを止めた

澪「なんだ?梓、早くしないと見失っちゃうぞ?」

568 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 09:18:14.82 ID:afN8SG60
梓「尾行は私一人でやります、先輩方は先に宿まで戻っていてください」

律「なっ、後輩一人にそんな事させるわけには……」

梓「いえ、こういうのは多人数よりも一人の方が動きやすいんです」

澪「そうは言っても……」

梓「それに、もし見つかっても同業者だから怪しまれにくいはずです」

唯「あずにゃん……」

569 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 09:19:06.50 ID:afN8SG60
梓「心配しないでください!ばっちりアジトを突き止めてみせます!」

そう言い切った梓の小さな瞳は使命感に強く輝いているようだった

紬「……わかったわ、ねえ、みんな、ここは梓ちゃんに任せましょうよ?」

澪「ムギ!だけど……」

律「そうだな!ここは梓に任せよう!」

澪「律……」


梓「はい!わかりました」
570 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 09:20:24.24 ID:afN8SG60
訂正
>>569の最後の行削除


唯「あずにゃん、気をつけてね……」

梓「これくらい軽くやってやるです!」フンス

律「でもな、危なそうだったら無理はしないで戻ってこいよ?」

梓「はい!わかりました」
571 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/21(月) 21:52:05.06 ID:JxoYvsM0
律「ん、あいつ等動き出したぞ」

男達は席を立ち店の入り口へと歩を進めはじめたようだ

澪「とりあえず、あいつ等より先に外にでよう」

律「そうだな」

一行は男達よりも先に店の外へ出て、物陰に入った

ガヤガヤガヤガヤ

紬「じゃあ、私達は先に宿に戻るわ」

梓「はい、遅くとも夜中までには戻ります」

572 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/21(月) 21:52:43.60 ID:JxoYvsM0
唯「あずにゃん、本当に気をつけてね?」

唯は唇を弾き結び梓の顔を見つめている

梓「はい!」

律「じゃあ、また後でな!」

雑踏の中を進む律達の背中が段々と小さくなっていき、すぐに人波に隠れ見えなくなった

ドア「ギィ……バタン」

梓の耳にドアの軋む音と、雑談に興じる声が聞こえてくる
573 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 21:53:52.61 ID:JxoYvsM0
どうやら、先ほどの男達が店を出たようだ

梓「ふぅ……」

梓は小さく息を吐くと小さな手のひらの汗を服で拭った

男達は梓のいる物陰とは反対方向に通りを並んで進みはじめた

梓「やってやるです……」
574 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/22(火) 00:42:06.52 ID:9w0wJ52o
C
575 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/22(火) 01:03:53.83 ID:Pe5SPEg0
この調子で続けr…てください
576 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 13:19:54.35 ID:eLiVgBAo
C
577 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/24(木) 18:12:26.65 ID:nuzy9.E0
梓(見つからないように慎重に……)

梓は通りをゆく男たちの後ろを見つからない程度の距離を空けて尾行して行った

男達は買出しに来ていたようで、いくつかの店を周り品物を買い集めている

梓(うぅ〜、中々アジトに戻らない……これは時間かかるかも)

578 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 18:18:44.74 ID:nuzy9.E0
---------
------

梓(い、いったいいつまで歩き続ける気なの……)ハァハァ

すでに一日で一番気温の高くなる時間をすぎ、長時間の不慣れな尾行を続けた梓にも疲労の色が見えはじめていた

見つからないように常に気を張りつめていなければならないという状況が、確実に梓から集中力をうばっていく

579 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 18:33:14.67 ID:nuzy9.E0
男1「」キョロキョロ…… コクリ

男2「」ササッ

梓(あ、見失っちゃう!)

男達は周りに素早く注意を巡らすと、突然人気のない細い路地に入りこんだ

梓(追わなきゃ!)ハァハァ

梓もすぐさま男達が消えた路地に飛び込んんだ

梓「!!」ガシッ!

580 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 18:33:45.44 ID:nuzy9.E0
物陰に入ると横から腕が伸びてきて梓は自由を奪われて仕舞う

梓(待ち伏せ!?)ハッ

ババッ!

梓は素早く身を捻り、腕を封じている相手に足払いをかける

男1「おっとお嬢ちゃん、諦めな!」ググッ

男2「やれやれ、ずっとつけてくるからどんな奴かと思ったら……」カツカツ

梓(前からも……!)ググッ!

男1「だから抵抗はよしなさいって、手荒な真似はあんまりしたくないんだ、俺たち紳士だからさ」

男2「さてお嬢ちゃん、一体なんの用かな?」ニヤリ

梓(ああ、しくじった……)ガクリ
581 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/24(木) 18:41:01.38 ID:nuzy9.E0
唯「あずにゃん遅いねー」バフンッ

唯はそう言うと同時に仰向けにベットへと倒れる

律「そうだなー、結構時間たった?」

唯達は梓と別れたあと直ぐに宿へと戻り梓の帰りを待っていた

澪「律、なんでそんなに他人事みたいな態度なんだよ!」

紬「まあまあ澪ちゃん、りっちゃんだって心配してるわ」
582 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 18:46:00.29 ID:OrzhJ5Uo
なんてこったい・・・
583 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/25(金) 16:01:41.03 ID:lsTrxZco
C
584 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/25(金) 23:38:52.07 ID:XnMhQNk0
律「だけど、梓が任せて欲しいなんてなー」ガサガサ

律も唯と同様にベットに横になっている

澪「梓にも思うところがあったんだろ……」

律「それにしても凄く運が良かったよな、こうも簡単に手がかりがゲットできるなんて」

紬「そうね、まさか適当に入ったお店が当たるとはおもってなかったわ」

585 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/25(金) 23:39:20.82 ID:XnMhQNk0
澪「あそこで昼食にしなかったら、こうはいかなかっただろうな」

唯「はっ!という事はこれはお店を選んだ私の手柄!?」フンス!

律「なんだそりゃ」ガサガサ

律はゆっくりと寝返りを打つと自分の鞄から小さな冊子を取り出し、読みはじめた

唯「ねえ、りっちゃんなに読んでるの?」

律「ああこれなー……」ガサガサ

澪「そうそう、私も気になってたんだ」

律「新聞だよ、新聞、さっき宿の入口で売ってたから買ってみたんだよ」

586 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/25(金) 23:39:50.39 ID:XnMhQNk0
唯「ふ〜ん、新聞って言う割には冊子みたいだね、ちゃんと綴じてあるし」

律「こっちで新聞って言ったらこんなもんらしいぞ」

紬「でもりっちゃん、何かいてあるかわかるの?」

律「うん、なんか読める、見た事もない字なんだけどなー」

澪「で、なにが書いてあるんだ?」

律「え〜、説明すんのめんどくさいから自分で読めよ〜」ポイッ

587 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/25(金) 23:40:22.60 ID:XnMhQNk0
律は冊子を澪の所に放り投げた

バサッ

澪「投げなくたっていいだろ、まったく」ブツブツ

澪は床に落ちた冊子を拾い上げ、目を通す

澪「本当に読めるな、なんか不思議な感じだ」

紬「澪ちゃん、私にも読ませて」

紬が後ろから澪の肩に顎を乗せ、冊子を覗き込む

澪「ああ、うん、いいけどさ……ムギ、顔近い」

588 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/25(金) 23:41:16.73 ID:XnMhQNk0
紬「そうかしら?」フンフン!

澪(ムギのほっぺが、ぷにぷにしてる……)///

澪は思わず紬から目をそらし、新聞へと視線を向けた

澪「へ、へぇ、けっこういろんな事書いてあるんだな」

紬「そうね、遠くの国の事も書いてあるなんて凄いわ」

澪(うわぁムギの息が首筋に……!)

589 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/25(金) 23:47:30.50 ID:XnMhQNk0
紬「これってけっこうな情報源になるわね」

律「だろ?分野別に書いてあって読みやすいし」

澪「り、律にしては上出来だな」///

澪(息が〜!)///

律「なんだよそれ」

唯「なんで新聞なんて買おうと思ったのー?」ゴロゴロ

律「ん〜、さわちゃんが新聞社で働くって言うから買ってみただけ」

澪「ああ、そういえばそんな事言ってたな」
590 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/25(金) 23:53:27.57 ID:XnMhQNk0
---------
-----

一行が宿へと戻ってきてからかなりの時間が経過した

唯「あずにゃん遅いねー……」

澪「確かに少し心配だな」

一向に戻ってくる気配のない梓の事が流石に不安になったのか少し深刻そうな面持ちになって話す

紬「でも、詳しくないけど、尾行とかって時間がかかるものなんじゃないのかしら?」

591 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 00:04:28.69 ID:QPH8Op20
律「まあ、梓も夜までにはって言ってたしな」

唯「でも心配だよ」

紬「梓ちゃんならきっと大丈夫よ、ね?」

唯「うん……」

澪「暗くなるまでに戻ってこなかったら探しに行こう」

律「そうだな、暗くなるまでに……」

ポツリ……ポツリ……

窓に小さな水滴がついた

澪「ん?」

592 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/26(土) 00:04:47.24 ID:fzerKvwo
C
593 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/26(土) 00:04:54.49 ID:QPH8Op20
唯「あ、雨、降ってきた」

パタパタパタパタ……ザァァァァァ

降りだしたと思ったのもつかの間に雨足は急速に勢いを増していく

律「うわ、突然だな」

紬「スコールみたいね」

唯「窓、閉めるね」

テクテクテク……ギィ、ガチャ

唯は少しだけ空いていた窓を閉め、そのまま外を見る

先ほどまで快晴だった空が灰色の雲に覆われて、道の所々に大きな水溜りができている

唯(凄い雨……あずにゃんどうしてるかな)
594 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 00:38:29.40 ID:QPH8Op20
今更だけどなんで純を出さなかったんだろうか……
595 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 02:20:39.19 ID:QPH8Op20
-----------
------

男2「さてさて、どうしてくれちゃおうかな〜、可愛いミシャのお嬢ちゃん?」

男はそういって梓の顎に手をかける

梓(こ、怖い!)ビクッ!

男1「おい、あんまりからかうな、本気で嫌がってるじゃないか」

男2「おっと、そりゃ悪かった」

ポツリ……ポツリ……

水滴が男の頬に落ちる

596 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 02:21:44.16 ID:QPH8Op20
男2「あー雨か、めんどくせぇな」

男1「そこらの茶店にでも入ろう、お嬢ちゃんもそれでいいよな?」

梓「……」

男2「あーあ、こりゃあ相当怖がらせちゃったみたいだな」

男1「お前が悪ノリしたせいだろ!」

男2「悪かったって、まあ、行こうぜ?このままここにいたらずぶ濡れになっちまう」
597 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 02:33:18.44 ID:QPH8Op20
--------
----

男達は梓を連れて人の少ない奥まった茶店に入った

外はすでに大雨になっており、先程男が行ったようにあのまま外にいたらずぶ濡れになっていただろう

男1「さてと、いきなり本題に入らせて貰うが、君、同業者だよね?」

梓「」ピクッ

男2「いやー、初々しい反応だねぇ、耳がバッチリ動いちゃってるよ」

梓「っ!」バッ!

梓は男2を睨みつけ、両手で頭の上の猫耳を押さえる

598 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 02:44:27.16 ID:QPH8Op20
男2「いやいや、そんな警戒しないでよ、ほら、お嬢様先ほどの非礼はお詫び致します」

男2は大仰な身振りで謝罪の意を現した

男1「まあ、好きな物頼んでよ、俺らの奢りでいいからさ」

男2「店員さーん、この子にジュース持ってきてー!」

---------
-----

梓「」チュー

梓は運ばれてきた果汁ジュースを葦のストローで飲んでいる

梓(うまい……)チュー

599 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 02:46:49.16 ID:QPH8Op20
男1「さて、言うまでも無いと思うけど、俺達は盗賊だ、名前はまあ……俺がネイクでこいつがロッグとでもしておこうか」

ロッグ「よろしくー」

ネイク「で、結論から言おう、お嬢ちゃんは試験には見事合格だ」

梓「は?」

ネイク「試験受けてたんだよね?盗賊ギルドの」

梓「はぁ、まあ盗賊ギルドは探してましたけど……試験ってなんの事ですか?」

ネイク「えっ?」

梓「えっ?」

ロッグ「えっ?」
600 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 03:13:41.00 ID:QPH8Op20
ロッグ「だから、盗賊ギルド加入のために行う、街中にいるギルドメンバーから盗賊ギルドの場所を探り出す試験のことだよ!」

梓「あの、まったくわからないです……」

ネイク「でも君、盗賊なんだよね?」

梓「はい、一応」

梓の答えにネイクとロッグはお互い顔を見合わせる

ロッグ「この場合どうすりゃ良いんだ?」

ネイク「まあ、いいんじゃねぇの?この子盗賊だし、ギルド探してたみたいだし」

梓「あの、試験ってなんなんですか?」

ネイク「ああ、えっと、この街の盗賊ギルドでは一人前になった証に自力でギルドの場所を探し出すんだ、それができて初めて盗賊として認められる」

601 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 03:15:48.91 ID:QPH8Op20
ロッグ「そうそう、お嬢ちゃんみたいに尾行したりしてね」

梓「でも私、ギルドにたどり着く前に見つかっちゃいましたけど」

ネイク「ああ、うん、実はこの試験って必ずしもギルドを見つけなくてもいいんだ、ていうか、ギルド探しは名目だけだな」

ロッグ「ギルドメンバーが実力があると判断したらその時点で合格にしちゃっていいんだよ」

ネイク「正直、俺らに気づかれずにギルドまでたどり着けるような新人はほとんどいないからね」

ロッグ「そんなのがごろごろいたら、俺らの仕事潰されちゃうから」クスクス
602 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 03:38:10.48 ID:QPH8Op20
ネイク「でも君の尾行も中々のもんだったよ」

ロッグ「僕たちも途中まで気づかなかったからね」

梓「そうですか?」///

ロッグ「うん、たいしたもんだよ」

ネイク「これだけできればギルドでも十分やってける」

梓「あ、あの!それじゃあ、盗賊ギルドまで案内してくれるんですか!?」

ネイク「ああ、もちろん」

ロッグ「ただし、正式に盗賊ギルドに登録してもらうよ?必ずね」ニヤリ

梓「」ゾクッ

603 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 03:38:37.20 ID:QPH8Op20
ネイク「だから、やめろって!」

ロッグ「いや、ついね……ああところで、お嬢ちゃん名前は?まだ聞いてなかったよね?」

梓「あ、梓です」

ロッグ「ふ〜ん、アズサちゃんね、ミシャには珍しい響きだね」

梓「あ、あの、私ミシャじゃなくて普通の人間です」

梓は頭の猫耳を外してみせる

ロッグ「うそぉ!?あんまり似合ってるから本物だと思ってたよ!」

ネイク「珍しいもん持ってるなぁ」

ロッグ「すっかり騙されたぜ」

ネイク「一本とられたな」
604 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 04:27:56.92 ID:QPH8Op20
毎度のご支援ありがとうございます

最近なぜかリアルが多忙になってしまい思うように更新できませんでした

この土日は少し多めに更新していきたいと思います

些細なことでも書き込んで頂けるととても有難いです

これからもご支援よろしくお願いしまう
605 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/26(土) 08:39:41.44 ID:IJSzP7s0

楽しみに待ってる
606 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/26(土) 14:19:43.21 ID:NHGpNW.o
乙乙
超期待してる頑張って
607 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/26(土) 15:54:57.02 ID:TVDoNGI0

待ってるぜ
608 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 17:25:01.40 ID:DYjRS6U0
-------
----

梓は男たちに連れられて人気のない路地を進んでいく

テクテクテク

ロッグ「アズサちゃんは一人で盗賊やってるの?師匠は?」

梓「あの私、冒険者やってるんです、師匠はいません……」

ロッグ「じゃあ独学でここまできたのか、けっこう凄いことだよ、それは」

梓「凄いんですか?」

ネイク「普通は師匠について教わるもんだ、なにしろ盗賊なんて誰でも名乗れるからな」

梓「?」

609 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 17:25:40.83 ID:DYjRS6U0
ロッグ「盗賊やるのも楽じゃないってことさ」

--------
-----

一行はさらに細い路地を進んでいく

梓(だいぶ遠くまで歩いてきたなあ……)

テクテクテク

梓「あ、あの、盗賊ギルドっていうからには相当人目につきにくい所にあるんですか?」

ネイク「まあな、大っぴらにできない事も沢山やってるからな」

ロッグ「俺達も悪さばっかりしてるわけじゃ無いんだけどね〜」

梓「それってどういう……っと」ポフッ

610 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 17:32:17.22 ID:DYjRS6U0
梓は突然二人が立ち止まったためネイクの背中にぶつかってしまった

ネイク「おっとごめんごめん」

ロッグ「さあついた、ここが我らのアジトだよ」

梓「ここが……」

梓の目の前には路地の間の隙間に細長く建てられている建物があった

とても大人数の盗賊の根城となっているギルドのようには見えない

ネイク「どうだい?」

梓「あ、あの、言いにくいんですけど……しょぼい、ですね」

611 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 20:04:17.40 ID:DYjRS6U0
梓の素直な感想に男二人は思わず笑みをこぼす

ロッグ「はっはっは、見た目はな、でも中を見てから判断したほうがいいぜ」

ネイク「さあ、はいろう」

梓(いよいよ潜入開始だ……)ドキドキ

--------
----

梓は明かりのの灯った通路を男二人の先導に従って歩いている

テクテクテク

梓「はあ、なるほど、こういうことだったんですね」キョロキョロ

612 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 20:04:51.61 ID:DYjRS6U0
梓は周りを忙しなく見回している

ロッグ「そ、盗賊ギルドはなんと地下に造られているんだぜ」

ギルドの地上部分はほんの入口に過ぎず、施設のほとんどは地下に造られているということらしい

梓達の歩いている太い通路からはいくつもの小道が枝分かれしており、小部屋やどことも知れない別の通路へと繋がっているようだ

梓「地下っていう割には天井も広いですし、通路も綺麗ですね」

梓はそういいながら、壁に手を滑らす

梓「この壁を覆っているのはタイルですか?」

613 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 20:05:20.70 ID:DYjRS6U0
ロッグ「それは金属片を壁に埋め込んであるらしいよ?」

梓「へぇ、凄いですね……でもらしいってどういう事ですか?皆さんで造ったんですよね?」

ネイク「いや、ここは俺たちが造ったんじゃない」

ロッグ「この街に元々あった地下通路を理由させて貰っただけだ」

梓「元々あった?こんなもの一体誰が造ったんですか?」

ロッグ「ドワーフ達さ」

梓「ドワーフ?」

ネイク「この街があった場所は、古くはドワーフ達の住みかだったらしい、この地下通路はその名残なんだと」

614 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 21:29:19.79 ID:DYjRS6U0
ロッグ「でも今ではそんな事知ってる人は滅多に居ないからね、俺らが使わせて貰ってるってわけさ」

梓「凄い技術を持ってたんですね」

ネイク「まあ、もう居なくなっちまったけどな」

梓「居なくなったってどこに?」

ロッグ「さあね〜、彼らは人嫌いでも有名な種族だからね」

そんな話をしているとまた二人が足を止めた

615 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 23:45:45.89 ID:DYjRS6U0
ネイク「さあ、まずはリーダーに挨拶に行ってもらおうか」

梓「挨拶ですか……」

梓(盗賊ギルドのリーダーなんだからきっと、怖そうな人なのかな……)ドキドキ

ギィ……

ネイクが両開きの扉を開け、さらに下へと続く階段が姿を現す

ネイク「足下に気をつけろよ」

カツカツカツカツ

階段を降りきると、ちょっとした前室の様な所にでた

616 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 23:46:18.36 ID:DYjRS6U0
そこにはあまり大きくない扉があり、眼つきの悪い男二人が梓達を睨む様に見つめている

ロッグ「あ、どーも、お務めご苦労さんです」

ロッグが軽い調子で話しかけるが、男二人は黙ったままである

ネイクが梓の方に顔をひねる

ネイク「この先にリーダーがいる、くれぐれも失礼のない様にしろよ」

梓「は、はい」ドキドキ

ドア「ギィ……」

617 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 00:59:01.24 ID:TPThdzAo
C
618 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 11:30:39.79 ID:rMEciWko
見てるよ・・・・・・待ってるよ・・・・・
619 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 00:07:32.44 ID:HA0BroAO
超期待
620 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 18:29:16.09 ID:UlCFaZAo
C
621 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 12:50:29.82 ID:VRJCU9Eo
wwktk
622 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 20:03:24.30 ID:nPbmrqE0
ちょろっとしか実戦してないのに
梓は能力高そうだあね
623 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/01(木) 20:57:15.00 ID:fopkbeQ0
梓達がドアをくぐるとそこには、顔に傷のある男と妙齢の女性がいた

リーダー「ふふふ、随分と時間がかかったのねぇ」

ネイク「ちょっと、手間取りましてね」

ロッグ「リーダー、遅くなってすいません」ペコペコ

ロッグの腰を低い口ぶりからして、どうやら女性の方がリーダーのようだ

梓「あ、あの初めまして、私、中野あz……」

リーダー「知ってるわ、ナカノ・アズサちゃんでしょう?それよりもっとこっちに来たらどう?」

624 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/01(木) 20:57:57.83 ID:fopkbeQ0
梓「あ、はい、わかりました」

梓はリーダーのすぐそばまで近寄った

梓(うわー、綺麗な人だな……)ドキドキ

リーダー「ふふ、そんなに緊張しなくても良いのよ?」

梓「あ、はい!すいません……」モジモジ

梓(凄い肌も白くて、睫毛も長くて綺麗……)ボー

リーダー「ふふ、あなた可愛いわねぇ」

梓「い、いえ、全然そんな事ないです!リーダーさんの方がよっぽど……」ドキドキ

リーダー「本当に可愛いわぁ!食べちゃいたいくらい……」

梓「え?」

625 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/01(木) 20:58:53.49 ID:fopkbeQ0
リーダーは梓の頬に手を触れ、顔を近づける

リーダー「」ペロッ

梓「うひゃあっ!?」///

梓は突然の事に驚いて飛びのいた

梓(な、なな舐められた!?)ドキドキ

梓「な、なにするんですか、いきなり!」///

リーダー「良い反応ね♪もっとペロペロしたくなっちゃうわぁ」

リーダーが梓の方へとにじりよる

梓「や、やめてください!」

626 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/01(木) 21:00:03.32 ID:fopkbeQ0
リーダー「ふふ、やめないわぁ」

ガシッ!

リーダー「ごめんなさい、私、可愛い女の子みるとついペロペロしたくなっちゃうの」

梓「え?いや!ちょっと、離して!」ジタバタ

リーダー「暴れても無駄よ♪」

リーダーは梓を捕まえて覆いかぶさってしまった

リーダー「」ペロペロペロペロペロペロペロペロ

梓「あ!ちょっと、そんなとこ……ひゃん!……にゃぁぁぁぁぁぁぁ!」

ロッグ「あーあ……」

ネイク「……」
627 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/01(木) 21:01:37.31 ID:fopkbeQ0
------------
------

ロッグ「リーダーやり過ぎですよ……」

梓「」プシュー

リーダー「やっぱり初物はいいわねぇ」テカテカ

ネイク「何を言ってるんだあんたは」

ロッグ「はぁ、さっさと本題に入りましょうよ……」

リーダー「アズサちゃんも十分堪能できたし、そうねぇ、そろそろ本題に入ってもいいかしら?」

628 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/01(木) 21:02:50.73 ID:fopkbeQ0
梓「」ブツブツブツブツ

梓は焦点の合わない目でうわ言を呟いている

ネイク「おい、ロッグ」

ロッグ「へいへい、わかってますよ」

ロッグは床に座り込んでいる梓の肩に手をかけた

梓「モウオヨメニイケナイモウオヨメニイケナイ……」ブツブツ

ロッグ「おい、しっかりしろ!」ガクガク

梓「……はっ、私は一体?」

ロッグ「よし、気が付いたな、まずはこれで顔をふけ」

ロッグは湿った手拭いを差し出した

梓「……はい」ゴシゴシ

629 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/01(木) 21:04:26.16 ID:fopkbeQ0
--------
-----

リーダー「それじゃあアズサちゃんのギルド入りの話だけど……ってなんか距離が遠くないかしら?」

梓「いえ、あの、お気になさらずに……」ビクビク

ロッグ「あーあリーダーが虐めたから怖がっちゃって」ニヤニヤ

リーダー「あらぁ、虐めてなんかないわよ?」ゴゴゴゴゴゴゴ

ロッグ「ハイスイマセンデシタ……」

630 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/01(木) 21:05:02.31 ID:fopkbeQ0
ネイク「ああめんどくせぇ、リーダー、遊んでないで早くしてください」

リーダー「あらごめんなさい……はい、アズサちゃんにこれをあげるわぁ」

梓はリーダーから一枚のコインを受け取った

梓「これは……?」

リーダー「身分証みたいな物よぉ、ギルドメンバーの証、なくしちゃダメよ」

梓「あ、ありがとうございます!」

ロッグ「さあ、これでアズサちゃんも我々の仲間だ、好きな所に行くといい、俺たちの案内もここまでだ」

631 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/01(木) 21:06:03.43 ID:fopkbeQ0
ネイク「ああ、ただしこのギルド内の立ち入り禁止区域には入らないほうがいいぞ」

梓「はぁ、まあ入りませんけど……」

ネイク「この地下施設は広すぎて俺たちも全部把握できてないからな、迷ったら死ぬよ」

ロッグ「去年の大掃除には結構な量の白骨死体が見つかったっけな」

梓「うわぁ……」

ロッグ「ま、そういう事だから気をつけなよ」

632 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/01(木) 21:07:09.70 ID:fopkbeQ0
梓「はい!あの、お世話になりました」ペコリ

ロッグ「いいっていいって、こっちも助かるし」

リーダー「」ピクッ

梓「?それじゃあ、私はそろそろ……」

リーダー「ふふ、いつでも遊びにきて良いわよぉ」ニコリ

梓「あはは……それじゃ……」ソソクサ

梓はリーダー達のいる部屋を後にした
633 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/01(木) 21:11:28.50 ID:fopkbeQ0
>>622
梓が、というより、能力は全員かなり強めで設定してあります

そうしないと普通の女子高生が異世界で生き抜く事は無理なような気がしたので

けいおんメンバーがこの世界の一般人〜新米冒険者くらいの強さだとたぶん魔物に瞬殺されてますね
634 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 23:14:32.66 ID:dqEaXcAO
C
635 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/01(木) 23:50:59.80 ID:MvzIQqk0
--------
----

梓がさってしばらく後のこと

ネイク「おいロッグ、お前なあ……」

ロッグ「いや、ごめんごめん、つい口が滑っちゃってさ」テヘ☆

ネイク「やめろ、気色悪い」

リーダー「はあ、まったく……勘弁して欲しいわぁ」

ロッグ「まあばれなかったからいいじゃないですか、ねえ、リーダー?」

リーダー「……」ゴゴゴゴゴゴゴ

ロッグ「うわっ、すんませんいやマジでごめんなさい!」

636 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/01(木) 23:51:25.76 ID:MvzIQqk0
リーダー「はぁ……まあいいわぁ、どうせ私が出るんだから」

ロッグ「おー、リーダー話がわかる!」

傷のある男「……バカめ」ボソッ

ロッグ「あ、てめー今なんつった?!」

傷のある男「……」

ロッグ「おい!無視すんなよ!」

ギャーギャー

ネイク「うるせえ」

637 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/02(金) 00:00:16.65 ID:/rBhfPY0
しえん
638 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 18:13:13.08 ID:rpagxZ2o
>>633
RPGの主人公PTクラスの潜在能力はあるってことか…
しかし憂と和の行方気になるぜ
639 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/02(金) 19:04:12.79 ID:MZ7l7xk0
----------
------

梓「……」ニヤニヤ

テクテクテク

梓はギルド内の通路を歩いている

梓(やった〜!まさかここまで上手く行くなんて!自分の有能さが怖い)ニヤニヤ

テクテクテク

通路に灯された明かりが薄暗がりでうごめく人々の姿を梓の目に映す
ある者は杯を交わし、またある者は雑談に興じている

人々の喧騒と匂いでギルド内は満たされていた

梓「さてと……」

梓(まずは情報収集かな、怪しまれないように慎重に行こう)

梓は大広間へと足を向けた
640 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/02(金) 19:28:16.28 ID:MZ7l7xk0
--------
----

律「だーー!もう待ってらんねー!梓の奴なにやってんだよ!」ジタバタ

澪「律、少し落ち着け」

律「落ち着いてられるかよ!もう外も暗くなってきてるって言うのに!」

紬「確かにそろそろ戻ってこなきゃおかしいわね」

律「はっ、まさか盗賊団に捕まってしまったんじゃ!?」

唯「えっ!?そんな……あずにゃん……」ズーン

澪「おい!冗談になってないぞ」

律「あ、ごめんごめん……」

紬「もう少し待っていてみましょう?」

律「そうだな、梓のことだし、大丈夫だよな……」

会話はそれで終わり、全員特にすることもなくなって部屋は重苦しい沈黙で包まれた

641 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/02(金) 19:36:05.34 ID:MZ7l7xk0


ドア「ガチャ」

静まり返った室内にドアの開く音が響く

律「梓か!?」ガバッ

唯「あずにゃん!?」

律と唯が声をあげる

わさこ「みんなただいまー!」バーン!

シーン……

律「なんださわちゃんか……」ガッカリ

唯「はぁ……」ガッカリ

さわこ「えっ?なんなのこの空気は?私、悪いことした!?」

642 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/02(金) 20:16:06.55 ID:MZ7l7xk0
-------
---

さわこ「なるほど、そういうことだったの……」

律「うん、だからさっきは梓が帰ってきたのかと思ってさ」

唯「あ〜あずにゃん心配だよ〜」

さわこ「ふふ、そんなに心配しないで大人しく待ってる方が良いと思うわよ?」

律「そんな事言われてもなぁ……」

さわこ「でも、仲間を信頼することも大事なことよ?梓ちゃんが任せて欲しいって言ったんだからきっと大丈夫よ、ね?」

唯「おーさわちゃん良い事言うねぇ」

澪(珍しく先生らしい事を言ってる……)

643 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/02(金) 20:16:45.89 ID:MZ7l7xk0
さわこ「ねえ!そんなことよりお土産買ってきたのよ、皆で頂きましょ!」

澪(やっぱり……)

律「え!なになに?なに買ってきたんだ!?」

澪(切り替え早!!)

さわこ「じゃーん!これよ!」

さわこはテーブルの上に大きな葉で包まれた包みを置いた

律「なんだこれ?」

唯「なんか良い匂いがするよ!」スンスン

さわこ「この辺でよく食べられてる木の実とお米で作ったお餅なんだって、美味しいわよ?」

644 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/02(金) 20:18:30.96 ID:MZ7l7xk0
唯「なにそれ!美味しそう!」ワクワク

律「よーし、ムギ!お茶の用意だ!」ビシッ

紬「わかったわ、りっちゃん!」フンス!

唯「ねえねえ!開けてもいい?」

さわこ「いいわよ、幾つか種類があるから喧嘩しないで決めなさいよ?」

唯「喧嘩なんてしないよ、子供じゃないし!」プンプン

唯はそう言いながら包みをほどいていく

ガサガサ

ほどき終わると中からは食欲を誘う匂いと共にまだ暖かいお餅が姿を現した

唯「お〜、美味しそう!」

645 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/02(金) 20:19:32.92 ID:MZ7l7xk0
律「あたしこれにしよっ!」

唯「あ、ずるいよりっちゃん!私もそれがいい〜!」

ワイワイキャッキャ

澪(はぁ……)

律「みーおー!澪はどれにするんだ?」

澪「え?あ、私はほら、夕ご飯の後だし……」

律「いらないのか〜?だったら全部食べちゃうけど?」

澪「いらないって言うか…その……」ソワソワ

律「美味しそうだな〜、ほら、これなんて特に……」

澪「……」ソワソワ

律「う〜ん香ばしい匂いがまた…澪、早くしないと……」

澪「や、やっぱり私も食べる!!」
646 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/02(金) 20:39:01.61 ID:MZ7l7xk0
紬「澪ちゃん、ちょっときて欲しいんだけど…」

澪「え?ああ、うん」

澪は紬に呼ばれて備え付けの小さな暖炉の前まで移動した

紬「お湯を沸かそうと思ったんだけど、上手く火がつけられなくて…悪いんだけど、魔法でお願いできないかしら?」

澪「あ、うんいいよ、やってみる」

澪は目を閉じて手に持った杖に意識を集中させ始めた

澪「……」

647 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/02(金) 20:39:40.70 ID:MZ7l7xk0
紬「あ、澪ちゃん弱めでいいの!」

澪「うん…わかってる」

シュゥゥゥゥン…

杖の柄頭の宝石が微かに光る

澪「…!」ヒュッ

ボォ!

澪が杖を振ると暖炉の薪が燃え上がった

紬「澪ちゃん凄〜い!」

澪「ふぅ」

パチパチ…メラメラ…

暖炉の火は消える様子もなく勢いよく燃え続けている

紬「これでお茶が淹れられるわ♪」

648 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 00:59:28.92 ID:cHWcb3Io
C
649 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/05(月) 11:43:05.05 ID:iCVCGTso
C
650 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/05(月) 17:07:13.02 ID:DWsyhD60
律「へぇー、便利なもんだなー」

唯「すごいね!澪ちゃん魔法使いみたい!」

澪は杖を収め、唯に向かって呟いた

澪「いや、みたいじゃなくてそうなんだけど」ボソッ

さわこ「それじゃみんなで頂きましょ、澪ちゃんも琴吹さんも座って」

------------
-------

唯「うーん、美味しいね」モッチャモッチャ

律「うめー!」モッチャモッチャ

651 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/05(月) 17:07:54.15 ID:DWsyhD60
澪「唯、律、食べながらしゃべるなよ」

唯「あ、ごめーん」モッチャモッチャ

律「あ、ごめーん」モッチャモッチャ

澪「……」

澪「…先生はこれどうやって知ったんですか?」

さわこ「新聞社の上司が教えてくれたのよ、なかなかイケメンだったわ」

律「イケメンとかはどうでもいいけどさ、さわちゃんは新聞社で一体なにをやってるんだよ?」

唯「あーそれ気になる!」

652 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/05(月) 17:08:50.88 ID:DWsyhD60
紬「確かに気になります!最近朝早くでかけてますよね!?」フンス!

紬がなぜかさわこにつめよる

さわこ「そ、そうねぇ…具体的にはなにもしてないわ〜」

律「なにもしてないんかい!」

さわこ「本当は危険地帯にいって取材するのが仕事らしいんだけどね」

澪「え、なにそれ怖い」

さわこ「まあ、今は準備期間っていうのかしら、本来は出勤しなくても良いみたいだけど一日中ここにいても暇だしね」

さわこが喋り終え一息つくと、紬が暖炉からポットを持ってきた

紬「お茶がはいりました〜♪」シャランラ

653 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/05(月) 17:10:20.95 ID:DWsyhD60
律「いつの間に!?」

澪「あ、ありがと」

唯「ムギちゃんありがとー」

紬「熱いから気をつけてね」

全員につぎ終わると紬も椅子に座りお茶に口をつける

唯「あったまる〜」

律「ムギのいれるお茶はどこでも美味しいな!」

紬「ありがとう、りっちゃん♪」

澪「……あちっ」ズズッ

さわこ「ふぅ…あ、そういえば私旅に出るわ、明日から」

唯「ふーん」

律「そうなんだ」

紬「えーと……」

澪「え?」

唯律「え?」


654 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/05(月) 17:10:54.71 ID:DWsyhD60
律唯「「えーー!!!」」

さわこ「なによ、大げさね」

律「いや驚くに決まってるだろ!!」

唯「ひ、一人で行くの!?」

さわこ「まあ一人で行くわよ、あなた達はまだここにいるんでしょう?」

唯「そうだけど……さわちゃんも私たちと一緒に行けばいいじゃん!」

さわこ「私も唯ちゃん達と一緒にいたいけど無理なのよ」

唯「なんで!?さわちゃんは私たちが嫌いなの!?」

さわこ「ふふ、そうじゃないわよ、旅って言ったけど本当は仕事で行かなきゃならないの」

655 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/05(月) 17:11:29.03 ID:DWsyhD60
紬「新聞社のですか?」

さわこ「そうよ、なんか本社で研修を受けなきゃならないんですって」

澪「その本社ってどこにあるんですか?」

さわこ「この国の首都だって、ここからだと結構遠いし予定は遅らせられないの」

唯「そっか……」

律「ここでいったん別行動か…」

さわこ「でもちゃんと元の世界に戻る方法も探してくるわ、もちろん憂ちゃんと和ちゃんの行方もね」

唯「本当!?」

さわこ「ふふ、本当よ、連絡は冒険者ギルドに手紙を預けておくわ」

澪「あ、私達のクランは…」

さわこ「放課後ティータイム、でしょ?」
656 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/05(月) 17:13:36.28 ID:DWsyhD60
土日は更新できなくてすいませんでした
私用で少し忙しかったもので

引き続きご支援よろしくおねがいします
657 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/05(月) 18:12:18.96 ID:u81ClsEo
キニスンナー
続きまってるよ
658 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/05(月) 18:15:49.94 ID:fObxOJQo
面白いし焦らずじっくり書いて欲しい
659 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/05(月) 18:29:40.79 ID:jUCLgA6o
支援致します!!
660 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/05(月) 22:40:31.48 ID:5gd2G/Q0
琴吹さんに違和感を感じる
661 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/05(月) 23:21:48.58 ID:.m2VYkk0
---------
-----

カツカツカツ

外はすっかり夜になり月が空の頂点にさしかかる頃、宿の階段を小さな足音が登ってきた

梓「はぁ〜、すっかり遅くなっちゃった、先輩達きっと心配してるだろうな…」

ドア「ギィ……」

梓は静かな廊下を通り、ドアを開けた

梓「ただいま帰りました〜…」

声をひそめて呼びかけてみるが返事はない

居間にも人気はなく、暖炉に熾火が小さく赤く灯っているだけである

梓「あれ?…こっちかな?」

662 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/05(月) 23:22:47.99 ID:.m2VYkk0
梓はベッドのおいてある部屋を覗き込んだ

梓「……」

唯「う〜ん…もう食べれにゃい…」ムニャムニャ

律「みーおー…うふふ……」スリスリ

澪「……」スゥ…スゥ…

梓(寝 て る)

梓「はぁ」

ストン

梓は居間に戻り、椅子に荷物を置いて服を着替えはじめた

梓「……」カチャカチャ

663 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/05(月) 23:23:41.79 ID:.m2VYkk0
ガタッ

梓「…!」クルリ

紬「梓ちゃん…」

梓「ムギ先輩!」

梓が物音に振りかえるとそこにはネグリジェ姿の紬がいた

紬「ずいぶん遅くまで頑張ってたのね」

梓「はい結構手間取っちゃって…」

紬「ごめんね、みんな寝ちゃってて」

梓「あ、いいんです、時間も遅いですし…ムギ先輩こそなんでこんな時間に?」

紬「梓ちゃんを待ってたの」ニコ

梓「べ、別に私のことなんて気にしなないでも…」///
664 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/05(月) 23:24:50.74 ID:.m2VYkk0

紬「ふふ、でも空いてるでしょ、お腹?」

紬はさわこの買ってきたお餅を広げて見せる

冷たくなってはいるがその香ばしい香りを梓の敏感な嗅覚がとらえた

梓「」ゴクリ…

グゥ〜……

梓「あっ」///

紬「ね、遠慮しないで?ほら座って、今お茶を淹れるから」

梓「あ、はい」

665 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/05(月) 23:25:39.98 ID:.m2VYkk0
-------
---

梓は紬に促されるまま椅子に座り暖炉で温められたお餅を食べ、紬が淹れてくれたお茶を飲んだ

梓「ふぅ…ふぅ…」ズズッ

紬「おちついたかしら?」ニコニコ

梓「あ、はい、やっと一息つけました」

紬「ふふ、良かったわ梓のぶんとって置いて」ニコニコ

梓「……」カチャ

梓はティーカップをおき、急に俯いてしまった

666 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/05(月) 23:27:39.86 ID:.m2VYkk0
紬「どうしたの、梓ちゃん?具合悪い?」オロオロ

梓「いえ…グスッ…ちょっと…なんでもないです」

紬「梓

紬「どうしたの、梓ちゃん?具合悪い?」オロオロ

梓「いえ…グスッ…ちょっと…なんでもないです」

紬「梓ちゃん?」

梓「グスッ…ふふ、変ですね、なんにも悲しくないのに…」

ポタ…ポタ…

梓のティーカップに涙の雫が落ちる

ギュッ

紬は梓の頭を包み込むように抱きしめた

梓「ムギ先輩…」

ギュウッ

梓も紬の背中に手を回し抱きしめ返す

667 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/05(月) 23:28:22.12 ID:.m2VYkk0
紬「なんにも変なことじゃないわ…」

梓(ムギ先輩温かいな…凄く)

紬「いろいろあったのね…今日はもう休んだほうがいいわ」

梓「……」

紬「梓ちゃん?」

梓「……」スゥ…スゥ…

紬「あらあら、眠っちゃったのね♪」

ヒョイッ

紬は眠ってしまった梓を軽々と抱きかかえてベッドへ運ぶ

紬(これがお姫様抱っこね!一度やってみたかったの♪)

トサッ

梓「ん……」

紬「おやすみなさい、梓ちゃん」
668 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/05(月) 23:29:35.92 ID:.m2VYkk0
>>660
私も違和感を感じます

さわちゃんってムギのことなんて呼んでましたっけ?
669 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/06(火) 00:03:26.62 ID:.VJLPqYo
>>668
たしかムギちゃんって呼んでたような
670 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 00:08:01.44 ID:tV4z/fc0
>>668
ムギちゃん
671 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/07(水) 17:22:06.97 ID:redDe.60
-------
----

紬「……」ギッギッギッ…

朝日が射し込む宿の中庭で、紬は井戸の水を汲み上げている

バシャバシャバシャ

紬「ふぅ…」ゴシゴシ

ドア「ガチャ」

梓「あ、ムギ先輩、おはようございます」

ドアが開き姿を現した梓が紬に呼びかける




672 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/07(水) 17:22:46.13 ID:redDe.60
紬「おはよう梓ちゃん、昨日はよく眠れた?」

紬は顔をあげ、梓に視線を合わせるとにっこりと微笑んだ

紬の長い金髪が朝日を反射して柔らかく光っている

梓「…」ボー

紬「梓ちゃん?」

梓「あっ、はいぃ!おかげさまで!」ビクッ

梓の慌てぶりに紬は口元を押さえて笑った

紬「どうしたの、梓ちゃんたら」クスクス

梓「な、なんでもないです」アセアセ

梓(言えない…ムギ先輩に見惚れてたなんて!)

673 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/07(水) 17:27:21.43 ID:redDe.60
ギッギッギッ…バシャア

梓も紬の様に釣瓶を使い井戸から水を汲み上げる

紬「そう…あ、唯ちゃん達は起きた?」

梓「あ、はい、来る前に起こして来ました」バシャバシャバシャ

紬「梓ちゃん、はい!タオル」

梓「あ、ありがとうございます」ゴシゴシ

梓は紬が差し出したタオルを受け取り顔を拭いた

紬「それじゃ行きましょ、昨日の話も聞きたいし」

梓「そうですね、でもその前に律先輩と唯先輩をもう一度起こさないと…」

紬「?梓ちゃんが起こしたんじゃないの?」

梓「あの二人が一度起こしたくらいで目が覚めると思いますか?」

紬「ふふ、それもそうね、もう一度起こさないと」クスクス
674 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/07(水) 20:12:14.10 ID:redDe.60
--------
----

空になった食器とマグカップを前にしてけいおん部の一同は食堂に会している

律「あーまだ頭がクラクラするー…」

テーブルに突っ伏したまま律がつぶやく

唯「私もだよぉ…もうー、あずにゃん酷いよ〜」プンプン!

梓「だって先輩達がいくら起こしても起きないんですもん」

律「それにしたって、耳元でフライパン叩いて起こすことないだろー」

澪「自業自得だ」

律「酷すぎる〜」グデー…

675 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/07(水) 20:13:02.37 ID:redDe.60
唯「でも、あのフライパンどこから持ってきたの?」

紬「私が厨房から借りてきたの〜♪」

律「ムギかよ〜」

唯「もう!本当にびっくりしたんだからね!」プンプン

梓「まあ、確かに少しやり過ぎでしたか…」

紬「うふふ、ごめんなさい♪」

律「全然反省してないだろ…」

澪「はぁ…そんなことより梓、昨日の話をしてくれよ」

梓「あ、そうですね」

唯「うんうん、私も早く聴きたいよ!」

律「そうだぞ、どうだったんだ?上手くいったのか?」

梓「まあ、色々あったんですけど……」

梓(ペロペロされた話はしないでおこう…)

梓は昨日の事を適度に省いて律たちに伝えた
676 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/07(水) 20:13:52.48 ID:redDe.60

---------
-----

唯「へ〜、地下にそんなものがあるなんて凄いね!」キラキラ

律「なるほどな、探し回っても見つからないわけだ」

紬「それで、盗賊団の手がかりはなにか見つかった?」

梓「はい、最近ギルドに入った人達が使ってる部屋で常に見張りがついてる部屋がありました」

澪「そこが怪しいってわけか……」

梓「はい、その人達は他の盗賊にはあまりよく思われていないらしくて、楽に情報を聞き出せました」

677 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/07(水) 20:15:59.02 ID:redDe.60
律「見張りがいるって話だけど、そいつらは何人くらい仲間がいるんだ?」

梓「正確な人数はちょっとわかりませんでしたが、やっぱり魔術師らしき仲間がいるようです」

唯「他の魔術師の人ってどんな魔法使ってくるんだろうね?」

律「う〜ん、わからないけど、油断は禁物だな」

紬「そうね、あんまり強くないといいんだけど…」

律「そうだな、澪くらいヘタレだと楽なんだけど…」ニヤニヤ

澪「う、うるさい!」///

ゴチンッ!

律「痛ったー…くない、あ、そっか!痛くないぞ!」

澪「くっ……!」

律「残念だったな〜、もう澪の拳骨なんて怖くないぜ!イェーイ!」ニヤニヤ

678 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/07(水) 20:17:39.68 ID:redDe.60
澪「……」ピキピキ…

澪はライトニングを唱えた!▼

バチッ!

律「はわぁあっ!!」ビクッ

澪「」プー!クスクス

唯「りっちゃん、"はわぁあっ!"だって!変な声!」ケラケラ

律「澪!卑怯だぞ!」

澪「〜♪」←ドヤガオ

梓「うわ〜、なんて大人げない人達なんだろう……」

紬「うふふ、梓ちゃん口に出てるわよ♪」

梓「え?ああ!?」アタフタ

679 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/07(水) 20:18:55.75 ID:redDe.60
律「あ〜ず〜さ〜…」

何時の間にか律が梓に迫っている

梓「ちょ!?待ってくださいよ!」

律「問答無用だ!」

キャーキャー…ダダダッ…

カツカツカツ

ダンッ

突如テーブルに大きな荷物が置かれた

さわこ「……なによもう、朝から騒がしいわね」

唯「あ、さわちゃんおはよう」

律「おーさわちゃん!どこ行ってたんだよ、こんな朝から」

律が梓に掴みかかった体勢のままさわこに話しかける

梓「ちょ!律先輩、離してください!」ジタバタ

さわこ「離してあげなさいよ…」

律「ああ、悪り」パッ

トサッ

梓「ハァハァ…死ぬかと思った…」
680 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 20:36:03.18 ID:kOkjPTwo

               ___
            /7====ヘ: \
            |: :/"⌒⌒゙∨ ハ
            |: :|_´ `_,|: :||
            |: :| U  U |: :||
.             ム八''  、 ''イ: 八
           ∧/⌒)(⌒ ∨゙ヽ
.            ' // ̄ ̄ ̄`く>、{
          ノ〃二][二0二入 ヾ
          (_厶斗:、┬┬,‐-、_\_}
          ∨::::|TT|::/TT::::|::|イ
           |::l八'┘ └'|:::j)|ii{
           |/V个ーR.<|_ノヽiii〉、
           i |.人二二人{  !ヘ )
           | |二{><ト圦 | V
681 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 00:19:16.90 ID:ate77ng0
澪「それでどうしたんですか、この荷物?」

さわこ「ああ、旅用の色々よ、すぐに出発するから」

紬「先生もう行っちゃうんですか?」

さわこ「ええ、出発の前にみんなに挨拶に来たのよ」

唯「さわちゃーん、行かないでー!」ヒシッ

さわこ「ふふ、心配しなくてもまたすぐに会えるわよ」ナデナデ

梓「え?なんなんですか、これ?」

澪「そっか、梓は昨日いなかったもんな」

律「実はカクカクシカジカ…ってわけなんだ」

梓「そうだったんですか…」

682 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 00:20:02.54 ID:ate77ng0
紬「くれぐれも気をつけてくださいね」

さわこ「ええ、あなた達もね、無理はしちゃだめよ」

律「本当に行っちゃうんだな…」

さわこ「なによ、しんみりした顔しちゃって」

律「だって…」

さわこ「はぁ…」ナデナデ

律「ちょ!さわちゃん恥ずかしいよ!」

さわこ「まあまあ、たまには大人しく撫でられなさい」ナデナデ

澪「借りてきた猫みたいだな」

律「うるさい!」///
683 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 00:22:45.38 ID:ate77ng0

さわこ「さて、それじゃあそろそろ行くわね」

さわこは立ち上がり荷物を担ぐ

ドア「ギィ…」

唯「さわちゃん!」

さわこ「ふふ、みんなまたね」ヒラヒラ

ドア「バタン」


梓「行っちゃいましたね…」

澪「先生も色々考えてるんだな…」

律「よし、私達もいまできることを頑張ろうぜ!」

唯「そうだね!絶対クエスト成功させようね!」

紬「おー♪」

律澪梓唯「「おー!」」
684 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 20:11:22.44 ID:hR4VgxsP
C
685 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 21:44:14.31 ID:rv/pvnA0
紬!つむぎ!つむぎゅう!むぎゅうぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!むぎゅうむぎゅうむぎゅうぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!琴吹紬ちゃんのブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!!
第2期14話のムギちゃんかわいかったよぅ!!しゃぁぁああ…あああ…あっ…しゃらんらしゃらんら!!たたいてほしいのぉおおおおおおおおんんんん!!!!!!!
この前誕生日だったし、沢山の人が祝ってくれて良かったねむぎちゃん!あぁあああああ!かわいい!ムギちゃん!かわいい!あっああぁああ!
京アニフィギュア化もされて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!フィギュアなんて現実じゃない!!!!アニメもよく考えたら…
ム ギ ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!桜高軽音部ぅうううううう!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?ライブイベントDVDの表紙のムギちゃんが僕に笑いかけてる?
表紙絵のムギちゃんが僕に笑いかけてるぞ!ムギちゃんが僕に笑いかけてるぞ!挿絵のムギちゃんが僕に笑いかけてるぞ!!
アニメのムギちゃんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはムギちゃんがいる!!やったよ斉藤!!お船もいらないぃいいぃぃいぃ!!!
あ、コミックのムギちゃああああああああああああああん!!むぎゅううううううううううううううううううううううううう!!!!
みっつぅぅぅぅぅぅこおぉぉぉぉ!!かっ、嘉穂!!セラぁああああああ!!!団地妻ぁああああっん!!!
ううっうぅうう!!俺の想いよ我らが天使へ届け!!私立桜が丘高校の天使、ムギちゃんへ届け!
686 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 23:03:47.79 ID:2O3BC020
>>685
団地妻言うなwwww
687 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 23:36:04.39 ID:rv/pvnA0
---------
----

テクテクテク

暗い夜道を五人影が静かに移動して行く

クルリ

梓「というわけで夜になった今、私達は盗賊ギルドへ向かって歩いています」

律「梓〜?、誰と喋ってんだ?」

梓「あ、いえ大したことじゃないです」

澪「う〜、この辺りは人通り少ないし街灯もないから真っ暗だな…」キョロキョロ

律「なんだ、澪ちゃん怖いのか〜?」ニヤニヤ

澪「ぜ、全然怖くなんかないぞ!」

紬「」ソロリ…ソロリ…

紬がそっと澪の背後に回りこみタイミングをはかっている

688 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 23:37:17.93 ID:rv/pvnA0
紬「わっ!!」

澪「わぁあああああああ!!!」バッ

静かな路地に澪の叫び声が響き渡った

律「おいおい、あたしの後ろに隠れるなよ…」

澪は震えて律の背中にしがみついている

澪「ひぃぃぃぃぃぃ!!」ガクガク

紬「み、澪ちゃんごめんなさい!こんなに怖がるなんて思わなくて…」

律「あームギ、大丈夫大丈夫、すぐもとに戻るから」

澪「り、律!なんにもいない?お化けとかいない?」ガクガク

律「あー全然いないよー、ばっちり」

澪「ほ、本当か…?」

澪が周りの様子を伺いながら律の背後から顔をだす

澪「よ、よし!さあ!みんな行くぞ!」

689 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 23:38:19.76 ID:rv/pvnA0
律「な?」

紬「澪ちゃん…」

---------
-----

唯「ねえねえあずにゃん、どうしてわざわざ夜になってからにしたの?」

唯が一行を先導する梓に問いかけた

梓「だって逃げる時に楽じゃないですか、それに今ギルド内は人でいっぱいですからね、潜入してもばれにくいんです」

梓は立ち止まらずに返事を返す

唯「なんかかっこいいね!あずにゃん!」

梓「えへへ、そうですか?」///

律「へへ、なんかルパン三世みたいだな!闇に紛れてお宝をいただくなんて」

690 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 23:40:16.65 ID:rv/pvnA0
紬「あ、私それ知ってるわ!……待て〜!ルパ〜ン!」

唯「あはは、ムギちゃん似てる似てる!」キャッキャ

ふざけあっている二人を横目に不安そうな面持ちの澪が梓に話しかける

澪「な、なあ梓、本当に大丈夫なのか?」

梓「?なにがですか?」

澪「本当に私たちみたいなのが勝手に入り込めるものなのか?警備とか厳しいんじゃ…」

梓「ああ、それなら心配ないですよ、
入り口には見張り一人いませんでしたから」

澪「ほ、本当か?」

梓「はい、本当ですよ、どうかしたんですか?」

澪「あ、いや、なんでもない……」

澪(おかしくないか…?仮にも非公認ギルドなのに警備すらしないなんて……)

691 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 23:41:38.26 ID:rv/pvnA0
梓「さあ、つきましたよ、ここからは慎重に行きましょう」

一行は梓を筆頭に物陰からギルドの入り口の様子を伺う

唯「あれかー」ワクワク

律「よーし!このりっちゃんがパパッと解決してやるぜ!」

紬「よっ!大統領〜!」

澪「なんて緊張感のない…」ハァ

梓「静かにって言ってるのに…」ハァ

---------
-----

ワイワイガヤガヤ

一行は地下へと降り、梓を先頭にギルド内を進みはじめた

通路の所々に設けられた机や小部屋などでは多くの盗賊たちが酒を片手に騒ぎ、男達は粗野な歓声を、女達は黄色い嬌声をあげている

692 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 23:43:09.42 ID:rv/pvnA0
唯「うわ〜、結構たくさん人がいるね」

梓「はい、ここって夜になると一気に人が増えるみたいなんです、昼間はガラガラなんですけど」

一行は時折きこえる怒号や罵声、媚びた誘いをかいくぐるようにして進んで行く

澪「な、なんか恐そうな人ばっかだな…」ビクビク

梓「澪先輩、堂々としててくださいよ、そうすれば誰も怪しみませんから」

澪「ああ、わかったよ…」

律「しっかし複雑な造りだな〜、迷路みたいだぜ」

紬「本当、迷っちゃいそうね」

梓「迷わないでくださいよ、迷ったら死ぬらしいですから」

693 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 23:44:15.07 ID:rv/pvnA0
澪「死…」ガタガタ

律「はぁ…」

ギュッ

澪「律!?」

律「ほら、これで怖くないだろ」

澪「あ、うん……ありがと」

梓「多分もうすぐですから気をつけてくださいね」

一行はそれからさらに幾つかの角を曲がり通路を抜けて行った

そうして次の曲がり角に差し掛かると梓が足を止めた

694 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 23:45:02.55 ID:rv/pvnA0
梓「この先です、ちょっと私が様子を見てきます」

唯「あずにゃん気を付けて」

ソ〜…

梓が曲がり角から様子を伺うと

一行のいる場所からは十メートルほど前方に扉があり、その前では無精髭を生やした男が詰まらなそうに一人で杯をあおっている

律「梓、どうだった?」

梓「やっぱり見張りがいます、剣で武装してますね」

澪「だ、大丈夫なのか?」

梓「相手は一人ですしやる気なさそうなのでいけると思います」

律「よし、それじゃあ早速…」

梓「あ、ちょっと待ってください、ここは澪先輩に…」

澪「え?私!?」
695 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 23:45:51.82 ID:rv/pvnA0
--------
-----

カツカツカツ

無精髭「あ?誰だぁ?…ったくここには誰も入れるなって言われてんだ……」

足音を聞きつけてうなだれていた男が顔をあげる

澪「ア、アノー、私、道ニ迷ッチャッタミタイデ……」カクカク

--------
----

律「なんだあの棒読みは……」

紬「み、澪ちゃん頑張って…!」

梓「一応、いつでも助けに入れるようにしといてください」

唯「うん、何時でも大丈夫だよ」
696 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 23:48:14.28 ID:rv/pvnA0
---------
-----

澪「わ、その、私ちょっと、道に迷っちゃって…良かったらここで休ませてもらえたらなぁなんて…」アセアセ

無精髭「あ〜、残念だがここには誰もいれらんねぇんだ、とっととどっか行きな」

澪「そ、そんなこと言わないでくださいよ…」ウルウル

無精髭(…ん?おお!こいつよく見るとなかなか可愛いじゃねぇか…)ニヤリ

無精髭「へっへっへ、お嬢ちゃんそれより俺と一杯どうだ?」

澪「あの、すいません、お酒はちょっと……」

無精髭「へっへっへ、つれないこと言うなよ」

男は馴れ馴れしく澪の肩に手をまわしてきた

澪(ひぃぃぃぃぃ!!!)ゾワゾワ

697 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 23:49:06.99 ID:rv/pvnA0
澪「そ、それよりちょっとここ熱くないですか?」

プチプチ

そう言うと澪はローブのボタンを上から幾つかの外し、少し前屈みになった

無精髭「おう…こりゃあ…へっへ」ジロジロ

澪(ジロジロ見るなあああ!!)

無精髭「しょうがねぇな、へっへ…中で休ませてやるよ」ニヤニヤ

ガチャガチャ

男は扉の鍵を開用と澪から離れ背中を見せた

澪(今だ!)

澪は隠し持っていた杖を振り上げ男に向ける

698 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 23:50:09.16 ID:rv/pvnA0
澪はライトニングを唱えた!▼

バチバチッ!

杖から電気が迸り男に直撃した

無精髭「ぎゃっ!」ビクン!

ドサッ

男は短く悲鳴をあげるとその場に倒れて動かなくなった

澪「ふぅ…」

タタタッ

梓「澪先輩!やりましたね!」

律「澪!大丈夫だったか!」

澪「うぅ、りつ〜怖かったよ〜気持ち悪かったよ〜」

律「おーよしよし、頑張った頑張った」ナデナデ

唯(うわぁ、この男の人大丈夫かな…煙出てるよ…)

699 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 23:53:47.56 ID:rv/pvnA0
梓「早速入りましょう!」

紬「今鍵を開けるわ」

ガチャガチャ

紬は男の落とした鍵束を拾い扉を開けようとしている

澪「なあ梓、この作戦、本当にやる必要あったのか?」

梓「なに言ってるんですか、大成功だったんですよ!澪先輩のおかげです!」

澪「……」

澪(喜んでいいのか…?)

カチッ

紬「開いたわ!」

ドア「ギィ…」

700 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 23:57:55.49 ID:rv/pvnA0
>>686
すいません

眠気が凄まじいので今日はここまでしときます
中々進みませんね我ながら
701 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/09(金) 00:15:04.05 ID:.zCzAqgo
乙でした!おやすみなさい!
702 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 00:15:54.21 ID:iYw.i.sP
>>700
乙です
いつも楽しみにしてます
703 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 00:48:28.96 ID:1zVjcCU0
乙!!!!
この気持ちだけでも届け〜☆
704 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 08:16:49.91 ID:MAr.Y3go
ただのコピペだと思ったら>>685>>1が貼ったのかよwwwwww
705 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/11(日) 00:23:25.16 ID:EXv4Ajc0
一行はドアが開くとすばやく部屋の中へと身を滑りこませた

唯「なんか物置みたいだね〜」

雑多な荷物が部屋中に溢れている

律「けほっ、埃っぽいな…」

部屋は元々客室だったようで、ベッドやタンスなどが置かれているが現在は使われていないようだ

梓「律先輩、早く入り口を閉めてください」

律「おお、わかったっ」

ドア「ガチャン」

律がドアを閉めると部屋は闇に包まれた

唯「うわ、真っ暗だ!」

律「梓なんか溢れている灯り持ってるか?」

梓「いえ、すっかり忘れてました…」

唯「これじゃあ探せないよ〜」

紬「どこかに灯りがないかしら?」

706 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/11(日) 00:26:18.91 ID:EXv4Ajc0
澪「あ、なら私が…」

澪「…!」ボゥッ

澪が念じると小さな火の玉が杖の上に現れた

唯「おお!凄い!」

律「こんな事もできるのか、すげー」

火の玉により一行の顔が明るく照らされる

梓「この位明るければ大丈夫ですね!早速探しましょう」

律「澪は部屋の真ん中で立って満遍なく照らしてくれ」

澪「ああ、わかった」

澪が部屋の中心へと移動すると、壁際に置かれたテーブルが照らし出される

唯「あ!みんな見て!あのテーブルの上!」

唯が初めに気づいて声をあげた

707 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/11(日) 00:27:22.20 ID:EXv4Ajc0
律「笛だ!」

テーブルの上には楽器屋で見た笛が格子のついた籠に入れて置かれている

紬「良かったわ!意外と早く見つかって」

律「この籠のまま持ってけばいいよな?」

律が籠を持ち上げて見せる

澪「そうだな、まだバリアが生きてるみたいだし、直接触らないほうがいいだろ」

梓「それじゃ、さっさと脱出しちゃいましょう」

律「そうだな、長居は無用だ!」

一行は脱出のため入り口に向かいドアを開けた

ドア「ガチャン」

708 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/11(日) 00:28:38.80 ID:EXv4Ajc0
律「うわっと……」

唯「ありゃあ…」

盗賊魔術師「おいおい、お嬢さん達がこんなところでなにやってんだ〜」ニヤニヤ

梓「これはまずいですね…」

ドアの外には武装した男達が十数人待ち受けていた

紬「あらあら困ったわ〜」

無精髭「おいこらてめぇ!さっきはよくも騙してくれたな!ぶっ殺してやる!」

澪「ひぃぃぃ!」ガタガタ

唯「あ、あの男の人生きてたんだ〜」

律「そんなこと気にしてる場合か!?」

709 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/11(日) 00:37:52.98 ID:EXv4Ajc0
盗賊魔術師「そう怖がるなよ、何も問答無用で戦おうなんてこっちも思ってない」

無精髭「でもお頭…!」

盗賊魔術師「まあ落ち着けよ……俺はお前らの持ってる籠さえ返してくれたら何も危害を加えるつもりはねぇんだ」

律「ふざけんな!渡すわけないだろ!」

盗賊A「おいおい、こっちはこんなにいるんだぜ?悪い事は言わねぇからさっさとそいつを渡しな!」

梓「お前らなんて楽勝ですよ、それよりさっさと道を開けてください」

盗賊B「てめぇ…!舐めやがって!」

梓(澪先輩…合図したら…)チラッ

澪(わかった…)コク

710 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/11(日) 00:58:59.77 ID:EXv4Ajc0
盗賊魔術師「はぁ…まったく馬鹿な奴らだぜ、おいお前ら、さっさt…」

梓「今です!」

澪「はぁぁあああ!」

澪が杖を振り上げると電撃が盗賊達を襲う

バリバリバリバリッ!

盗賊s「ぐわぁああ!」

律「すげー…強力になってる…」

盗賊魔術師「ちっ、魔術師か!ふざけやがって!」

澪「まだぁ!」

ガキン!

澪が杖を地面につきたてるとそこから二列の氷の柱が盗賊達へと向かう

711 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/11(日) 01:00:17.64 ID:EXv4Ajc0
キィィィン!ビシビシビシ!

盗賊s「うわぁぁ!」

澪の放った氷の柱によって盗賊達の包囲網は分断されてしまった

唯「やったあ!」

澪「はぁはぁ…」

梓「今のうちです!ついて来てください!」

唯「うん!」

梓の一声で律達は一斉に走り出す

ダダダッ!

澪「はぁ…はぁ…」フラッ

律「澪!」

澪「はぁはぁ…ちょっと魔法使い過ぎたみたいだ…」ガクッ

梓「澪先輩!律先輩!」

712 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/11(日) 01:01:35.76 ID:EXv4Ajc0
律「梓、パスだ!」

ヒョイッ

律は持っていた籠を梓に放り投げた

梓「えっ、おっと!」パシッ

律は澪の前にしゃがみこんだ

澪「律?」

律「澪!おぶされ!」

澪「で、でも…」

律「いいから早くしろ!」

澪「う、うん!」

澪が律の背中にしがみつく様におぶさった

律「よーし!行くぜー!」

ダダダッ!

バキンバキン!

盗賊魔術師「くそっ!おい!お前らさっさと追え!」

713 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/11(日) 01:02:43.69 ID:EXv4Ajc0
ダダダッ!

氷の下からはいだしてきた盗賊達が次々と一行を追いかけはじめる

律「げっ、追ってきやがった!」

梓「みなさんこっちです!」

ダダダッ!

一行は狭い通路や小部屋を人を押しのけ物を壊しながら逃走していく

ガシャーン!バリーン!

ダダダッ

紬「ちょっと、失礼しまーす!」

ダダダッ

キャーキャー!

男「ふざけんなこのやろー!」

唯「うわわ!ごめんなさーい!」

キャー!ワー!バリーン!ドカーン!

梓「次はこっちです!」

714 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/11(日) 01:04:33.30 ID:EXv4Ajc0
盗賊B「待ちやがれ!」ブン!

盗賊の投げたナイフが唯の髪をかすめる

唯「っ危なかった…!」ハァハァ

律「くそ!追っ手が増えてきたな」ハァハァ

シュッ

律「なんだ!?」

突然前方からナイフが飛んできた

盗賊F「へへ!ここまでだぜ、観念しな!」

律「ちくしょう!回り込まれたのか!」

梓「任せてください!」

梓が前に飛び出し盗賊に斬りかかる

梓「はぁ!」

シュッ!

盗賊は梓の一撃を後ろに下がってかわす

715 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/11(日) 01:05:23.89 ID:EXv4Ajc0
盗賊F「ちっ、この!」

シュシュッ

盗賊が続けざまに二本のナイフを投げる

梓「当たりません!」

梓はナイフを投げた隙を狙って素早く踏み込み盗賊の懐に飛び込んだ

盗賊F「しまった!」

梓「や!」ザシッ

盗賊「くっそ…」バタッ

梓「はぁはぁ…さあ行きましょう!」

バタバタバタバタ!

オイ!コッチニイルゾ!

律「やばい!近づいてきた…」

梓「早く行きましょう!」

716 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/11(日) 01:06:05.85 ID:EXv4Ajc0
クルリ

唯「ムギちゃん?」

紬「みんな先に行って!ここ私が足止めして行くから!」

梓「でも、ムギ先輩!」

唯「ダメだよ!ムギちゃん!」

律「……唯、梓、行こう」

唯「え?りっちゃん!?」

梓「な、なに言ってるんですか…!」

律「このままじゃすぐに追いつかれる、地の利は向こうにあるんだ…」

律「それに澪もこんな状態だ…逃げ続けられない」

梓「だからって…!」

唯「ふざけないでよ!!」

717 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/11(日) 01:07:34.58 ID:EXv4Ajc0
梓「唯先輩…」

唯「ムギちゃん一人置いてけるわけないでしょ!!」

律「……」

唯「ねえ!なんとか…」

紬「いいの!唯ちゃん!」

唯「ムギちゃん…」

紬「私なら大丈夫だから!早く行って!」

梓「そんな…」

紬「大丈夫!大丈夫だから……!」

梓「〜っ!……行きましょう唯先輩」

唯「……うん」

紬「さあ、早く!」

718 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/11(日) 01:08:42.76 ID:EXv4Ajc0
梓「絶対に!……死なないでください!」

紬「うん!ありがとう梓ちゃん」ニコ

紬は微笑んで一人小部屋に残った

ダダダッ!

盗賊s「こっちか!?」

追っ手が小部屋の前までやってきた

紬「はぁ!」ブンッ

ボゴッ!

盗賊B「ぐはぁ!」ダァン!…ドサ

盗賊C「くそっ!こいつ!」

盗賊D「気にするな!こいつは囮だ!籠を持ってねぇ!」

719 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/11(日) 01:09:28.43 ID:EXv4Ajc0
盗賊E「構わず追いかけ……」

ボグッ!

盗賊E「ぐはっ!」ドサ

紬「させないわ!」

ブンッ…

紬「あなた達の相手は私よ!」ダン!
720 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/11(日) 01:10:15.72 ID:EXv4Ajc0
今夜はこの辺で…
それではまた次回!
721 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/11(日) 02:02:05.34 ID:BfCE8QQo

というかムギに死亡フラグ立ってるぞ大丈夫かマジで
722 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/11(日) 20:18:36.40 ID:PXZllOgo
C
723 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/12(月) 18:22:43.13 ID:B0kcoH.0
--------
----

バキバキバキ…ガラガラガラ

盗賊魔術師「いてー…ちくしょう!あいつら絶対に許さねぇぞ!」

氷の塊の下から這い出してきた盗賊魔術師に男が手をさしのべる

無精髭「お頭大丈夫ですか?」

盗賊魔術師「ああ、クソっ!胸糞悪い!…おい!俺たちもあいつらを追うぞ!」

無精髭「は、はい、わかりやした!」

カツカツカツ…

盗賊魔術師「ん?誰だ!?」

闇の中から一人の女が姿を現す

盗賊魔術師「てめぇは…」

724 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/12(月) 18:24:32.19 ID:B0kcoH.0
リーダー「あらあら、こりゃあ派手にやったわねぇ〜」

盗賊魔術師「けっ、リーダーさんが何か用ですかい?」

リーダー「ええ、ちょっと片付けをね…」

無精髭「いやいや、片付けは俺らでしときますんで気に…」

ザシュ!

無精髭「ごふっ…!な、なんで……」バタッ

無精髭の男は突然胸から血を吹いてそのまま倒れた

リーダー「ふふ、残念だけどその片付けじゃないの…」

リーダーの突然の凶行に青ざめた顔のまま盗賊魔術師が叫ぶ

盗賊魔術師「な、なにしやがる!あんた俺達の仲間じゃねえのか!?」

725 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/12(月) 18:25:43.73 ID:B0kcoH.0
リーダー「ま、詳しい事は言えないけどあなたも片付けないといけないのよ〜」ジリ

リーダーは顔に笑みを浮かべたままゆっくりと近づいてくる

盗賊魔術師「な、なんなんだよ、あんた!」ガタガタ

リーダー「ふふ、残念だけどおしゃべりしてる暇はないの♪」

リーダー腕で空間を横になぐ

ヒュッ!

ブシッ!

盗賊魔術師「なっ…!」

空を切り裂く音と同時に盗賊魔術師の脚から鮮血が噴き出した

726 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/12(月) 18:27:36.68 ID:B0kcoH.0
盗賊魔術師「ぐっ…てめぇ、今なにしやがった!」ポタポタ

盗賊魔術師の血が足下の地面を赤く染めていく

リーダー「さあ?何かしらねぇ」ニコ

盗賊魔術師「くそぉぉぉ!舐めやがってぇぇぇ!」バッ!

盗賊魔術師が突き出した掌が輝きを帯びる

盗賊魔術師「これでもくらえ!」

ポワァ…

ヒュンヒュンヒュン!

リーダー「ふぅん、無属性魔法ねぇ…」

盗賊魔術師の掌に生まれた光弾がリーダーに向かって一直線に向かっていく

タンッ…タンッ…

リーダーは素早い動きで全ての光弾を躱した

ダァンダァン!!

727 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/12(月) 18:28:24.98 ID:B0kcoH.0
幾つもの光弾が着弾し大きな音をたて、砂煙を巻き上げる

リーダー「こんな物でどうにかなると思ってるのぉ?」シュタ!

盗賊魔術師「おらぁ!余裕ぶっこいてんじゃねぇぇぇ!」ボウ!

着弾の砂煙に紛れて左側から姿を現した盗賊魔術師が巨大な火球を放つ

ゴォォォォ!

盗賊魔術師「へっ!これなら避けきれねぇだろ!」

リーダー「あらあら…」

タッ!

タッタッタ!

盗賊魔術師「なっ!天井を走ってやがる…」

スタッ

ドゴォン!

リーダー「中々やるわねぇ…」

盗賊魔術師「へっ!そりゃどうも!」

728 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/12(月) 18:29:31.02 ID:B0kcoH.0
盗賊魔術師(くそっ、強すぎる…どうすりゃいいんだ)

リーダー「さて、残念だけどもう終わりにしましょ」

リーダーが両腕を頭上に持ち上げる

盗賊魔術師(またあの攻撃がくる…ここは一か八か…!)

盗賊魔術師「まだ終わりじゃねぇぞ!」

バッ!

盗賊魔術師は懐から小さな袋を取り出し空中に放った

盗賊魔術師「弾けろ!!」

パンッ!

パラパラ…

リーダー「これは、粉?……はっ!」

729 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/12(月) 18:30:41.58 ID:B0kcoH.0
盗賊魔術師「もう遅いぜ!吹っ飛べ!」

バチッ!

カッ!…ドガァァァァァン!

ブワァァァ!……パラパラ

リーダー「くっ…!」

爆発が収まりリーダーが周囲を確認するが、盗賊魔術師の姿はそこにはなかった

リーダー「……」

カツ…

リーダー「遅かったじゃないの」

ネイク「すいませんね…」

リーダー「どうせ、ずっと見てたんでしょぉ?」

ネイク「俺の出る幕じゃなさそうだったんで」

730 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/12(月) 18:32:09.69 ID:B0kcoH.0
リーダー「はぁ…逃げられちゃったわぁ」

リーダーは地面に残るおそらくは盗賊魔術師のものであろう血痕を見つめながら言う

血痕は点々と続き一つの横穴へと向かっている

ネイク「追いましょうか?」

リーダー「いいわ、どうせ死んでしまうでしょうから」

ネイク「……それにしても派手にぶち壊しましたね」

731 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/12(月) 18:32:40.42 ID:B0kcoH.0
辺りには瓦礫が散らばり、爆発により通路の壁までもが破壊されている

リーダー「まさか最後にあんな事してくるなんて思ってなかったわぁ」

ネイク「その割には無傷だな」

リーダー「ま、ね、私も伊達にリーダーやってるんじゃないわぁ」

ネイク「ここ、どうします?」

リーダー「あとで考えるわぁ…なんだか疲ちゃったし」

ネイク「そうですね…」
732 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/12(月) 18:33:19.94 ID:B0kcoH.0
---------
------
---

紬「はっ…はっ…」ゼェゼェ

紬が息を荒くして立っているその周りには、紬によって倒された盗賊達が身を横たえている

しかし、倒しても倒しても盗賊達は次から次へと現れてくる

盗賊H「くそっ!こいつしぶといな!」

シュッ

ブシッ!

紬「うっ!」

盗賊の投げたナイフが紬の腕を切り裂く

733 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/12(月) 18:34:20.11 ID:B0kcoH.0
紬「はっ…はっ…」

ポワァ…シュゥゥ…

紬が自らの腕に手をかざすと傷が光を帯び、みるみるふさがっていく

つまるところ紬が回復呪文を使える事を知った盗賊達は周囲を囲み、ナイフによる遠距離攻撃で紬の攻撃範囲外から徐々に体力を削る作戦をとったのだった

盗賊I「ちっ!まだ呪文が使えるのか!」

盗賊J「まあ、そろそろこいつのスタミナも限界のハズだ、一気に決めれば回復も追いつかねぇぜ」

紬「はぁ!」ブンッ!

734 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/12(月) 18:35:10.22 ID:B0kcoH.0
盗賊I「へっ、どうした動きにキレがなくなってるぜ」サッ

ダァン!

紬がハンマーで攻撃を仕掛けるが難なく避けられてしまう

盗賊J「これでどうだ!」

シュッ

ドス

紬「ぐっ…!」

紬の腿にナイフが突き刺さる

紬「あぁぁぁ!」

紬が自分の腿に刺さったナイフを引き抜く

ブシッ!

ポワァ…シュゥゥ

紬「はぁ…はぁ…」ガクッ

紬(だめ…もうこれ以上は…)
735 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/12(月) 18:43:10.40 ID:ymco3qco
oh・・・
736 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/13(火) 06:49:43.41 ID:202czgDO
私怨
737 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 19:28:47.77 ID:vzfiMus0
盗賊K「とどめだぁぁぁ!」ヒュン!

膝をついた紬に盗賊がナイフを振り下ろした
目を閉じ、うつむいている紬に刃がせまる

紬(ごめんなさい…梓ちゃん、みんな…)ギュッ

ガキィィィン!

紬「えっ…」

盗賊K「なっ!てめぇ…!」

唯「ムギちゃん大丈夫!?」

紬に振り下ろされるはずのナイフは唯の盾でがっちりと受け止められている

紬「ゆ、唯ちゃん!どうして!」

唯「やっぱりムギちゃん一人をおいてくなんてできないよ!」

紬「でも唯ちゃん一人じゃ…!」

738 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 19:29:41.16 ID:vzfiMus0
タタッ!

梓「私たちもいますよ!」

律「ムギ、またせてごめんな!」

紬「み、みんな…」グスッ

梓「ムギ先輩、立てますか?」

紬「ええ、大丈夫…」ヨロヨロ

梓「あっ、無理しないで下さい!」ガシッ

紬「ごめんなさい…私…」

梓「ムギ先輩は休んで下さい、後は私達でどうにかします」

律「唯、梓!ムギを囲んで戦うぞ!」

ザザッ!

律の指示で紬を中心に陣形をとる

律「よし!いくぞ!」

梓「はい!」

唯「みんなで戦えば怖くないよ!」

739 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 19:30:27.21 ID:vzfiMus0
盗賊K「ちっ、またぞろぞろと集まりやがって…」

盗賊L「構わねぇから全員殺っちまおうぜ!」

律「へっ、どっからでもかかってこいよ!」

盗賊達は一行を囲む輪を徐々に狭めていきお互いに睨み合う

ジリジリ…


「「そこまでだ!」」

突然、何者かの声が響き全員が動きを止めた

律「な、何だ!?」

盗賊K「誰だ!」

声の主はすぐに姿を現した

スタッ!

740 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 19:31:05.84 ID:vzfiMus0
ロッグ「はっはっは、俺だよ!俺!」キラーン!

梓「ロッグさん!」

律「梓、知ってるのか?」

梓「この前ここに案内してくれた人です、ほら、私が尾行した…」

律「ああ!あの時の!」

ロッグ「アズサちゃん久しぶり〜」ニコッ

梓「あ、どうも…」ペコリ

盗賊M「ちっ、てめぇが一体なんの用だ!お前らには関係ないはずだぞ!」

ロッグ「それが関係あるんだよね、具体的には君達の敵として」

盗賊L「な!どういうことだ!」

741 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 19:32:00.51 ID:vzfiMus0
ロッグ「だから俺は君達を始末しにきたんだよね」

盗賊K「う、裏切るのか!?」

ロッグ「裏切る?人聞きが悪いなぁ、裏切り者は俺らじゃなくて君達」

盗賊J「なにを馬鹿なことw……」

シュタッ

ロッグ「お喋りは終わりだぜ?」

ザクッ

盗賊J「ぐふっ…!」ドサ

盗賊K「な!?いつの間に…」

盗賊L「くそっ!構わねぇからあいつも殺っちまえ!」

盗賊s「「おう!」」

シュシュシュ!

742 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 19:32:45.88 ID:vzfiMus0
ロッグ「当たらないね〜」サッサッ

盗賊達が一斉にナイフを投げつけるが、ロッグは素早く身をかわす

律「すげぇ、全部躱してる…」

ロッグ「ナイフ投げっていうのはこうやるんだ…ぜ!」

シュシュ!

盗賊K「ぐわっ…!」

盗賊J「ぐっ…」

ドサッドサッ

梓「凄い…どっちも喉に一撃…」

ロッグ「さてさて…さっさと残りも片付けちゃうか」
743 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/14(水) 20:46:51.53 ID:ecD6PIMo
C
744 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/14(水) 20:59:51.59 ID:X7wrtEUo
ロック△
745 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/14(水) 21:05:51.93 ID:pIgckEU0
>>744
なんだ思想家か
746 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 21:08:40.21 ID:vzfiMus0
--------
-----

梓「あの、助けて頂いてありがとうございました」ペコリ

ロッグ「いいっていいって、これぐらい」

戦闘はロッグの一方的な攻撃で終わり、辺りには盗賊達の亡骸が横たわっている

律「でも、良かったのか?あんたこいつらの仲間なんだろ?」

ロッグ「う〜ん、まあ、こっちにも色々あるんだよ」

律「そういうもんなのか…」

ロッグ「ま、それはもう置いといて君達はさっさとここを脱出した方が良いと思うぜ?」

747 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 21:13:02.70 ID:vzfiMus0
梓「そうですね、澪先輩の事も心配ですし…」

紬「澪ちゃんはどうしたの?」

律「外で隠れて貰ってるよ、籠と一緒に」

唯「私達一度脱出してからきたんだ〜」

紬「そうだったの…」

梓「それじゃ、また私が案内しますから…ムギ先輩立てますか?」

紬「ええ…」グッ

ヨロ…

ロッグ「おっと!大丈夫かい?」ガシッ

立ち上がり、よろけた紬を正面にいたロッグが思わず抱きとめた

紬「すいません、上手く体が動かなくて…」

ちょうど上を見上げた紬と見下ろしているロッグの目が合う形となった

ロッグ「…!」

748 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 21:13:49.40 ID:vzfiMus0
ロッグ(か、可愛い!儚く可憐で美しくしかも上品で…)ボー

紬「どうかしたんですか?」

固まったままのロッグに対して紬が小首を傾げて尋ねる

ロッグ(っ!…完璧だ!完璧な女神だ!)

ロッグ「いやっ、なんでもないよ…さっ、お嬢様方、私も出口までエスコートいたしましょう」

ロッグは大仰な仕草でお辞儀してみせる

紬「まあ!それではお願いいたしますね」ニコッ

ロッグ(ぐっはぁぁぁぁぁ!かわうぃぃ!)

ロッグ「そ、それじゃいこうか」
749 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 22:24:20.44 ID:vzfiMus0
--------
----

一行は盗賊ギルドの出口まで戻り地上へと出た

ロッグ「さあ、ここでお別れだ」

律「なんだか世話になっちゃったな」

ロッグ「だから気にすんなって」

唯「ロッグさんって良い人だね!」

ロッグ「だろ〜?俺は紳士だからな」

紬「まあ!そうなんですか!」クスクス

ロッグ「いや、まあね、はは…」///

------
---

律「さて、行きますか!」

紬「そうね」

750 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 22:25:13.85 ID:vzfiMus0
梓「今回は本当にありがとうございました」ペコリ

ロッグ「いえいえこちらこそ、お嬢様方、またいつかお会いしましょう」ペコリ

律「じゃあなー!」

唯「ばいばーい!」

一行は盗賊ギルドの建物より歩き出した

テクテクテク

梓「ふぅ、これで一件落着ですか…」

律「そうだな〜、でも今回は大変だった」

梓「そうですね…」

澪「おーい!みんなー」タッタッタ

751 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 22:26:47.37 ID:vzfiMus0
唯「あ!澪ちゃん!」

前方から走ってきた澪はそのまま一行と合流した

澪「はぁはぁ…ムギ!大丈夫だったか!?」

紬「ふふ、心配しなくても大丈夫よ」ニコッ

澪「よかった……ごめんな、何もできなくて」

紬「ううん、そんな事ない!澪ちゃん、とっても頑張ってた!」

梓「そうですよ、澪先輩の魔法がなかったら危なかったです」

澪「うん、でもごめんな?私、これからもっと頑張るから」

紬「ええ、澪ちゃんありがとう」ニコ

752 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 22:27:45.32 ID:vzfiMus0
律「ところで澪、お前もう歩けるか?」

澪「ああ、おかげ様ですっかり大丈夫だ」

律「そっか、んじゃ、帰りはムギをおぶってくから…」

紬「えっ?そんなの悪いわ」

律「悪いわけないよ、まだ歩くの大変なんだろ?」

紬「うん…少し…」

律「そんじゃ決まりな!」

律が紬を背負う為に紬の前にしゃがみ込んだ

律「じゃ、そのまま乗っかっていいぞ」

753 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 22:28:59.08 ID:vzfiMus0
梓「ちょっと待って下さい!」

唯「どうしたの、あずにゃん?」

梓「帰りは私がムギ先輩をおぶってきます!」

紬「ええ!?」

律「いや、まあいいけどさ…」

紬「梓ちゃん、無理しなくていいのよ?」

紬が少し困った風に梓に聞き返す

梓「いえ!ムギ先輩の一人や二人楽勝です!」

紬「そ、そう?それじゃあお願いするわ」

梓が紬の前にしゃがみ込む

梓「さあ、どんときて下さい!」

紬「う、うんわかった」

梓「よい、しょ…」グッ

紬を背負った梓が立ち上がる

754 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 22:29:57.63 ID:vzfiMus0
紬「大丈夫?重く無いかしら?」

梓「だ、大丈夫です!軽いもんですよ」

律「本当か〜?」

梓「本当です!」

一行は再び進みだした

テクテクテク

宿までもう少しというところで梓は背中の重みが増したことに気が付く

梓「…あれ?」ズシ…

澪「どうした、梓?」

どうやら紬が梓の背中で寝てしまった様だ

梓「ふふ、ムギ先輩寝ちゃってる」

紬「すぅ…すぅ…」

755 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 22:31:05.22 ID:vzfiMus0
律「もう少しだし、起こさない様に帰ろうぜ」

唯「そうだね、あずにゃんそうっとだよ、そうっと」

梓「もちろんですよ」

紬「すぅ…すぅ…」

眠っている紬の顔が梓の首横顔に触れる

梓「ふふ、ムギ先輩…」

この後疲れ切っていた五人は宿につくとそのまま沈む様に深い眠りについたのだった

756 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 22:59:08.90 ID:vzfiMus0
--------
-----

ロッグ「……」フゥー

ロッグは一人、ギルド前で煙草をふかしている

カツカツカツカツ

ドア「ギィ」

リーダー「なんだ、こんなところにいたの」

ロッグ「だってリーダー煙草嫌いじゃないですか」フゥー

ドア「ギィ」

ネイク「俺も煙草は嫌いだ」

ロッグ「なんだお前も来たのか、リーダーと俺の二人っきりを邪魔するなよ」

ネイク「ふん」

757 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 23:00:37.60 ID:vzfiMus0
夜も半ばを過ぎていたが辺りは月明かりで明るく照らされている

リーダー「今日はいい天気ねぇ」

ロッグ「月夜に煙草ふかすのも中々オツなもんでしょう」

ネイク「…お前の方は上手くいったのか?」

ロッグ「そりゃあもうばっちり、それに今回は勝利の女神様がついてたしな」

ネイク「なんだそりゃあ」

ロッグ「こっちの話さ、可愛い女神様がいたんだ」

ネイク「そうか」

しばし三人は無言で月を見上げていた

758 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 23:01:25.63 ID:vzfiMus0
ロッグ「……」フゥー

リーダー「……いつになっても慣れないわねぇ、短い間とはいえ仲間だった者を[ピーーー]のは」

ロッグ「そりゃあ、人間ですからね、そう言うもんでしょう」

リーダー「こんなんじゃリーダー失格かしら?」

ネイク「俺達はあんたについてくだけだ」

ロッグ「はっは、違いない」ニヤリ

リーダー「ふふ、嫌な部下ねぇ」

ドア「ギィ」

見張り1「あ、リーダーご苦労様です」ペコリ

リーダー「あら、もう見張り交代の時間?」

759 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 23:12:30.11 ID:vzfiMus0
ロッグ「そうみたいっすね」グシグシ

ロッグは地面に煙草を押し付け火を消した

見張り1「あの、リーダー、本当に良かったんですか?今日の見張り今からって…」

リーダー「良いのよぉ、休みも必要でしょ」

見張り1「はぁ、まあ…」

リーダー「さあ、戻るわよぉ」

ネイク「ロッグ、後始末だ」

ロッグ「はぁ嫌だ……ところで、リーダーの方は上手くいったんですよね?」

リーダー「……」

ネイク「…逃げられた」

ロッグ「…え?」

ネイク「逃げられた」

760 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 23:13:11.40 ID:vzfiMus0
ロッグ「あはははははは!」ゲラゲラ

リーダー「……」

ロッグ「リーダーかっこつけといて今回誰も殺してないじゃないですか」プークスクス

リーダー「ロッグ、あんた後始末、私の分
もやっといて頂戴」

ロッグ「えぇー!なんだよそれ!」

ネイク「ちなみに、通路の壁ごと全部ぶっ壊してあるからな」

ロッグ「はぁー!?ふざけんなよ!寝れねぇじゃん、今夜!」

リーダー「そんなの知らないわぁ」

761 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 23:14:00.19 ID:vzfiMus0
ロッグ「うわぁ……」ガックリ

ポン

ネイク「まあ、手伝ってやるよ」

ロッグ「サンキュー……」

三人は扉をくぐりまた地下へと戻っていった
762 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/14(水) 23:22:40.86 ID:vzfiMus0
ミスった、saga入れ忘れです
>>758"ピー"のとこは"殺す"です
763 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/14(水) 23:27:06.56 ID:pIgckEU0
>>762
それくらい補完できるから気にすんなb
764 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 23:31:00.49 ID:vzfiMus0
定休日あけと言うことで少し多めに更新できたでしょうか
今回で第四章完となります

物語も少しずつ進んで来ましたのでそろそろ短編や設定、世界観などの小話もはさんで行きたいと思います
質問などもいつでも受け付けております

あと、どうにかしてこの話に純ちゃんを潜りこませようと考えています
このSS書き始めた頃は純ちゃんが二期でこんなに活躍するなんて思ってもみませんでしたので、ちょっと無理やりでも勘弁してください

えー、みなさま毎度のご支援ありがとうございます

それではまた次回!

765 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/14(水) 23:59:52.68 ID:es0O1qso
純ちゃんも来るのか
本格的に期待
766 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/15(木) 18:38:47.94 ID:OS.Xeeko
C
767 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/15(木) 18:40:23.58 ID:OS.Xeeko
Windowsなのに…
768 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 02:58:17.00 ID:9AT8EjEo
C
769 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/18(日) 00:14:24.65 ID:ecEwjEc0
昨夜の潜入作戦から一夜が明け、一行はクエスト完了の報告のためギルドへと向かった

律「いやぁ、昨日は大変だったよなー」

澪「本当だよ、一時はどうなるかと思った」

梓「ムギ先輩、どこか痛んだりしませんか?」

紬「もうすっかり元気よ、心配してくれてありがとう梓ちゃん」ニコ

梓「」///

唯「あ、ついたよ!」

律「よし、それじゃさっさと済ませるか!」

770 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/18(日) 00:15:29.95 ID:ecEwjEc0
一行はギルドへと入った

嬢1「あら、あなた達…」

一行がカウンターに近づくと受付嬢に声かけられた

唯「おはようございまーす!」

受付嬢1「おはよう、クエストの調子はどう?」

律「へへ、ばっちりだぜ!」

唯「実は私達、今日は完了の報告に来たんだよ!」

受付嬢1「へ?もう!?」

律「ほら、このとーり!」

律が依頼品である笛の入った籠を取り出して見せた
771 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/18(日) 00:16:37.25 ID:ecEwjEc0
----------
-------
----

受付嬢1「それじゃあ、ここにサインして頂戴」

受付嬢が依頼の書かれた用紙とペンを差し出た

律「おっけー」カキカキ

受付嬢1「それにしても早かったわね、少し驚いちゃった」

律「ま、あたし等にかかればこんなクエストよゆーよゆー」

澪「調子に乗るなよ」

紬「まあまあ」

772 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/18(日) 00:17:23.54 ID:ecEwjEc0
律「んー、これでいいか?」ピラ

受付嬢1「ええ大丈夫よ、今報酬を持ってくるからちょっと待ってね」

律から用紙を渡された受付嬢は一度カウンターの奥へと戻り、小さな袋を持って戻ってきた

受付嬢1「はい、これが今回のクエストの報酬よ」

唯「わーい!」

梓「うふふ、お金…」ニヤニヤ

澪「梓…」

律「あ、そういや楽器は?」

受付嬢1「楽器なら直接楽器屋さんに取りにいって頂戴ね」

773 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/18(日) 00:18:31.83 ID:ecEwjEc0
律「んじゃ、早速行ってみよーぜ!」

澪「そうだな!」ワクワク

紬「楽しみね!」

律「早く行こーぜー!」

唯「あ!待ってよりっちゃん!」

梓「そんなに慌てなくても…」

澪「…しょうがない、梓、ムギ、行こう」

梓「はあ…まったく…」

紬「あらあら…それでは失礼します」ペコリ

バタバタバタバタ!

ドア「バタン!」

774 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/18(日) 00:20:39.41 ID:ecEwjEc0
受付嬢1「またね〜…ってもう行っちゃったか」

出発を律と唯に急かされ一行は慌ただしくギルドを出発した

受付嬢1「まさか本当にやっちゃうなんてねー…」

受付嬢が先ほど律が記入した用紙を見つめながらつぶやく

受付嬢2「信じてなかったんですか?」

受付嬢1「うわ、あんたいつからいたの!?」

受付嬢2「普通にずっといました、それに今朝挨拶を交わしたはずですが?」

775 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/18(日) 00:22:04.27 ID:ecEwjEc0
受付嬢1「もう、冗談よ、まともに返さないでよ」

受付嬢2「わかりました」

受付嬢1「はぁ…もういいわ…」

受付嬢2「…彼女達は一体なんなんでしょうか?」

受付嬢1「んー…私にもわからないわ」

受付嬢2「いいんですか、それで?」

受付嬢1「まあねー、あの子達には期待できそうだし」
776 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/18(日) 02:00:17.66 ID:ecEwjEc0
-------
----

ドア「ガチャ」

チリンチリン…

唯「こんにちは〜」

一行が店内に入ると店主が気付き顔を上げた

楽器屋「いらっしゃい…ってああ、君たちか」

紬「お早うございます」

楽器屋「お早う、どうだい、クエストの調子は?」

律「それなら…じゃじゃーん!」

律がバックの中から依頼品の笛を取り出した

777 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/18(日) 02:01:05.29 ID:ecEwjEc0
楽器屋「おお!!それは!!」ガタッ

律「へへーん!」

ギュウゥゥゥ!

楽器屋「こんなに早くやってくれるとは!」

律「いやーこれくらいなんて事ないですよ」

楽器屋「ありがとう!本当にありがとう!!」ポロポロ

澪「泣くほど嬉しいのか…」

律「いや、嬉しいのはわかったからさ、あはは…」
778 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/18(日) 02:03:04.27 ID:ecEwjEc0
--------
----

楽器屋「いやー、本当に君達には感謝しきれないよ」

唯「いえいえ、それほどでも〜」///

楽器屋「よし、笛も戻って来た事だし、約束通り君達に好きな楽器を一つずつあげよう」

梓「本当にどれでも選んでいいんですか!?」フンフン

楽器屋「ああ、どれでも好きなのを持って行くといいよ」

唯「やったー!」

唯達はそれぞれ楽器を手に入れた

779 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/18(日) 02:03:43.07 ID:ecEwjEc0
唯「あずにゃんどれにしたの?」

梓「これは以前ここで弾かせてもらった奴です、やっぱり便利そうだったので」

唯「それじゃあ、私もあずにゃんと同じ奴にしよ!」

律「結局、みんなこの前使った奴を選んだんだな」

澪「まあ、ムギとか選びようないしな」

紬「でも、このキーボード凄く沢山の音が出せるわ」

律「そうだな、上手く使えば普通の楽器より色々できそうだな」

780 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/18(日) 02:04:20.23 ID:ecEwjEc0
楽器屋「みんな選んだみたいだね」

梓「はい!ありがとうございます!こんなにいい物…」

楽器屋「あはは、いいって、こっちのお礼なんだから」

楽器屋「……それより、早速君達の演奏を聴かせてもらえないかい?」

唯「もちろんいいよ!」

澪「久しぶりだな…」

律「よーし!いっちょ行くぜ!」

梓「律先輩!走らないでくださいよ!」」

紬「なんだかドキドキするわ〜」

781 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/18(日) 02:04:56.71 ID:ecEwjEc0
唯達が楽器に念をこめると、それぞれの楽器が光の帯を出して演奏するための形に変わっていく

唯「うん!ギー太にそっくり!」

梓「ギー太二号ですか?」

澪「なんだよその単純なネーミング」クスクス

律「準備いいかー?」

紬「ばっちりよ♪」

梓「あ!ちょっと待ってください!」

律「どうしたんだ、梓?」

梓「歌どうするんですか!?これじゃあ聴こえませんよ!」

782 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/18(日) 02:05:36.05 ID:ecEwjEc0
唯「あ……」

澪「そうだった…」

楽器屋「うん?歌もやるのかい?」

紬「そうなんですけど…このままだと楽器の音に消されちゃいますよね」

楽器屋「それなら良い物があるよ」

ゴソゴソゴソゴソ

楽器屋「はいこれ!首にかけてみて」

唯「うん!」

澪「ネックレス?チョーカー?」

783 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/18(日) 02:06:20.92 ID:ecEwjEc0
楽器屋「そのまましゃべってごらん」

唯「あーあー」

唯の声が拡声されて店内に響き渡った

梓「すごい!」

紬「これで大丈夫ね♪」

律「よーし!唯、たのむぞ!」





唯「うん!それでは…放課後ティータイムで"私の恋はホッチキス"!」
784 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 10:27:08.31 ID:7vEqIaUo
wwktk支援
785 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/19(月) 03:06:50.25 ID:UpEeigAO
今読んでるSSの中で一番面白いな…
期待支援
786 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 00:05:39.60 ID:WIcp.yM0
-------
----

ジャジャーン!

パチパチ

楽器屋「いやー、素晴らしい演奏だったよ!」

唯「えへへ、そうですかぁ?」///

澪「久しぶりにしては皆上出来だったな」

律「ふぃー、やっぱドラム叩いてる時が最高に楽しいな!」

梓「律先輩!この調子でもう一曲やりませんか?」

律「んー、そうだな……よし!もう一曲いってみるか!」

唯「よーし、じゃあ次は……」

787 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 00:06:51.81 ID:WIcp.yM0
楽器屋「ちょっと待った!」

梓「?、どうしたんですか?」

楽器屋「いや、一つ言い忘れてた事があってね」

紬「言い忘れた事、ですか?」

楽器屋「ああ、えっと、君達その楽器が音を出す仕組みを憶えてるかい?」

梓「確か…この光の羽みたいので音を大きくしてるんですよね?」

788 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 00:07:28.41 ID:WIcp.yM0
楽器屋「そうそう、じゃあその光の羽はどうやって出てると思う?」

梓「えっと、それは…」

楽器屋「その光の羽はね、君達の魔翌力によって具現化されているんだ」

澪「……それってつまり魔翌力を吸い取られてるって事ですか?」

楽器屋「あー…まあそうだね」

梓「じゃあもうやめたほうが良いんですか?」

楽器屋「いやいや一曲や二曲ぐらいはどうって事ないんだ、ただ練習する時なんかは気をつけたほうがいいよ」

梓「なるほど…」

澪「まあ、メリットだけじゃないって事か」

楽器屋「さて、腰を折っちゃったけどもう一曲やってくれるんだろ?」

梓「はい!勿論です!」



唯「よーし!次は"ふわふわ時間"!」
789 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 00:08:45.26 ID:WIcp.yM0
------
---

ドア「ガチャ」

楽器屋「なんだか、長居させて悪かったね」

律「そんな事ないって、こっちも演奏できて楽しかったし」

楽器屋「はは、それなら楽器も君達に貰われて本望だと思うよ」

澪「じゃあ、そろそろ行こうか」

紬「そうね、ギルドにも行きたいし…」

梓「今日はありがとございました」

楽器屋「こちらこそ、またメンテナンスでもしによってくれよ」

律「ああ、そうするよ」

唯「ばいばーい!」フリフリ

唯が手を振ると、店主も手を振り返して一行を見送った

790 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 00:09:35.03 ID:WIcp.yM0
一行は楽器屋を後にした

テクテクテクテク

唯「今度はどこに行くの?」

律「取り敢えず……ギルドかな〜」

澪「また、新しいクエスト探すのか?」

律「んー、まあそうだな」

梓「でもお金も十分にあるし、無理にクエスト受けなくても良いんじゃないですか?」

紬「お金が欲しいんじゃ無いのよ、梓ちゃん」

梓「へ?それじゃなんでわざわざ…」

律「まあ簡単に言えば、慣れるためかな〜」

梓「慣れるため…?」

791 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 00:10:15.74 ID:WIcp.yM0
律「そ、あたし達今まで冒険なんてした事無いだろ?」

梓「そりゃあそうですけど…」

律「だから色んなクエストを受けて戦いとか旅に慣れておかないとダメだろ?」

澪「そうそう、いきなり長旅に出ても上手く行く訳ないしな」

梓「は〜、そういう事だったんですか」

紬「それに元の世界に帰る方法も、和ちゃんと憂ちゃんの行方についても何もわかってないじゃない」

梓「あ、そうでした…」

律「そう言うこと、まだこの街で情報収集も続けなきゃならないしな」

梓「律先輩ってちゃんとこれからの事考えてたんですね、少し見直しました」

792 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 00:11:44.96 ID:WIcp.yM0
律「まあな〜…ってそれ馬鹿にしてるだろ!」

梓「いえ、律先輩にしては、と感心してるんですが」

律「なんだと〜!」

紬「うふふ、実は梓ちゃんが盗賊ギルドに潜入してる間に皆で話し合ったの」

梓「ああ、そうだったんですか」

唯「そうだよ〜、私も頑張ったんだからね!」フンス!

澪「そうそう、まあ皆真剣に考えてるって事だな」
793 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 00:12:23.61 ID:WIcp.yM0
一行は大通りの十字路に差し掛かった

律「おっと、ここは…」

澪「ギルドは左だろ?」

律「ああ、そうだったな」

紬「あ、りっちゃん、実は私、ちょっと寄りたい所があって…」

律「ん、ああ、じゃあ先にそっちに行って…」

紬「あ、いいの!大した事じゃないから皆は先にギルドに行って、すぐに追いつくから」

律「そうか?…でも一人は危ないからな〜」

794 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 00:13:24.53 ID:WIcp.yM0
梓「じ、じゃあ私がムギ先輩と行きます!」

律「お、そうか?」

梓「はい!任せて下さい!」

紬「いいの、梓ちゃん?」

梓「もちろんです!」

律「よし!じゃあ、ギルドの食堂で待ち合わせな」

澪「時間的にちょうどお昼だしな」

795 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 00:14:21.55 ID:WIcp.yM0
紬「わかったわ、受けるクエストは先に決めちゃって置いて構わないから」

律「ああ、わかった」

澪「それじゃ行くか」

唯「ムギちゃん、あずにゃんまたあとでね!」フリフリ

紬「うふふ、唯ちゃんもね」フリフリ

律、澪、唯の三人は二人を残して先にギルドへと向かった

紬「それじゃ私たちも行きましょう?」

梓「はい!」
796 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 01:03:58.34 ID:aOzkMY60
紬梓か

全裸フル勃起正座待機支援
797 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 22:22:23.39 ID:JI9d8nQo
C
798 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 23:45:17.71 ID:WIcp.yM0
テクテクテクテク

梓「それでムギ先輩、これからどこに行くんですか?」

紬「うふふ、内緒〜♪」

梓「えー…なんなんですか、もう」

紬「うふふ〜♪……あ、これ可愛い!」

紬は通りに並ぶある露店の前で立ち止まった

梓「アクセサリー屋さんですか?」

紬「ほらほら!どう?」チャラ

紬はネックレスを首にあてポーズをとって見せる

梓(か、可愛い…!)

紬「あ!これなんか梓ちゃんにぴったりじゃない!」

799 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 23:46:33.61 ID:WIcp.yM0
紬は置いてあったアクセサリーを一つ手に取り梓に当てた

紬「ほら!とっても可愛い!」

梓(ムギ先輩が近い!)///

梓「そ、そんな事やってないで早く目的地へ行きましょうよ!」///

梓がそう言うと紬は急に押し黙り下を向いてしまった

紬「……」

梓「ムギ先輩?」

紬「そうよね……私と一緒に居ても楽しく無いものね」

梓「ちょ、そう言うわけじゃ…!」

800 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 23:47:19.77 ID:WIcp.yM0
紬「いいのよ、梓ちゃん…ごめんね、一人ではしゃいじゃって……」

梓「もう、違いますよ!……ったです!」

紬「え、なに?」

梓「ムギ先輩、凄く似合ってました!とっても可愛かったです!」///

紬「本当?」パァ

梓「もう!なに言わせるんですか!恥ずかしい!」///

紬「うふふ、恥ずかしいがってる梓ちゃんも可愛いわ〜♪」

梓「ほ、本当に行きますよ!」///

紬「あ、待って梓ちゃん!あそこのお店も可愛いもの沢山!」キラキラ

梓「」

801 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 23:48:27.14 ID:WIcp.yM0
--------
-----

梓(結局、あれからウインドウショッピングをはしごする羽目に…)グッタリ…

紬「梓ちゃん」

梓「はいー…なんですか?」

紬「私ね、梓ちゃんと二人でこうやって歩くのが夢だったの」

梓「え…?」

紬「今までそういう機会が無かったでしょう?」

梓「まあ、そうかもしれません…」

802 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 23:49:18.91 ID:WIcp.yM0
紬「本当はもっと梓ちゃんと仲良くなりたかった、こうやってお喋りしたり、お店を見て回ったり…」

梓「ムギ先輩…」

紬「だからね…今こうやって梓ちゃんと一緒にいられて私、とっても嬉しい!」ニコ

梓(うぅ…その笑顔は反則です…!)

梓「ムギ先輩はずるいです…」ボソッ

紬「ん?梓ちゃんなにか言った?」

梓「なんでもないです!私もムギ先輩と仲良くなれて嬉しいんです!」///

シーン…

梓「あれ?ムギ先輩?」

803 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 23:51:00.80 ID:WIcp.yM0
梓が目を開けると紬は少し先の店の前で立ち止まっている

紬「うふふ、さあ、ここが目的地よ〜♪」

梓「あ、いつの間に!待って下さいよー!」

先に歩き出してしまった紬の後を梓は追った

--------
-----

ドア「カランカラン…」

梓と紬が店の扉を開くと乾燥した埃っぽい匂いが鼻をついた

804 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 23:53:35.46 ID:WIcp.yM0
梓「ここは……本屋さんですか?」キョロキョロ

紬「そうよ、私も来るのは初めてだけど…」

梓「ムギ先輩は本が欲しかったんですか?」

紬「そうよ、でも本と言っても小説じゃないわよ」

梓が辺りを見回しながら呟いたように二人の周囲には背の高い本棚が並んでおり、どの本棚にもぎっしりと書物が押し込められれている

梓「なんだか懐かしい匂いがしますね…」スンスン

紬「私こういう匂いって結構好きなの」

梓「私もです、図書館とかいいですよね」

805 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 23:55:18.05 ID:WIcp.yM0
二人は話しながらカウンターまで歩いて行った

梓「誰も居ませんね…」

紬「そうね…奥にいるのかしら?」

梓「呼んでみましょう……すみませーん!」

梓が声をかけると奥からくぐもった声で返事が聞こえてきた

梓「あ、誰かいるみたいですね」

紬「よかったわ〜」

パタパタパタパタ

本屋「やあ、いらっしゃい」

店の奥から店主と思しき老人が姿を現した

紬「こんにちは」ニコ

806 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 23:56:04.40 ID:WIcp.yM0
本屋「すまんのう…滅多にお客が来ないもんだから」

梓「そうなんですか?こんなに沢山揃ってるのに…」

本屋「ほっほっほ、街の連中は本なんぞ滅多に読まんからの」

梓「…なんか勿体無いですね」

本屋「ほっほ、さて、娘さん方は何の本をお探しかな?」

紬「はい、あの、この辺りの魔物が挿絵付きで載ってる本と薬草の本とこの辺りの地図を貰いたいんです」

本屋「地図に魔物図鑑、薬草図鑑か…なんじゃ、お前さん達旅にでも出るつもりか?」

梓「いえ、あの…!」

本屋「ほっほ、まあちょっと待っとれ」

807 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 23:56:37.84 ID:WIcp.yM0
店主はそう言うと立ち並ぶ本棚から数冊の本を抜きっとっていった

ドサ!

本屋「さて、こんなもんかの」

紬「結構ありますね」

本屋「ああ、何種類かもってきてみたんじゃ、ほれ、薬草図鑑はこれなんてどうじゃ?」ペラ

店主は持ってきた本のうち一冊を広げて見せた

紬「う〜ん出来れば薬草図鑑も挿絵つきでお願いしたいんです…」

本屋「ほっほ、挿絵つきは値がはるぞい……それならこっちはどうじゃ?」

紬が何冊かの本をパラパラをめくっていく

808 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 23:57:21.41 ID:WIcp.yM0
紬「そうですね……それではこれとこっちのを頂きます」

本屋「そうかい、それじゃあお代は銀貨五枚じゃ」

梓「え?高すぎじゃないですか!?」

本屋「ほっほ、言ったじゃろ、本は値がはると」

紬「それでは銀貨五枚…あと地図を…」

本屋「地図ならおまけじゃ、気前のいい客にはサービスせんとな」

紬「まあ!ありがとうございます」

本屋「ほっほ、またよろしく頼むよ」

809 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 23:57:58.97 ID:WIcp.yM0
--------
-----

テクテクテクテク

本屋を後にした紬と梓は律達の待つギルドへ向けて歩いていた

梓「むぅ…まさか本があんなに高いなんて」

紬「うふふ、印刷技術が無いからしょうが無いのよ」

梓「そうは言っても高すぎですよ……ああ、あの銀貨でどれだけの事ができたか…」

紬「でも、この本の知識は今の私達には欠かせない物よ」

梓「それはわかってるんですけどね…」

紬「さあ早くギルドにいきましょ♪」

810 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 23:58:34.07 ID:WIcp.yM0
梓「そうですね、だいぶ時間かかっちゃいましたし……ってムギ先輩?」

紬「梓ちゃん!あそこのお店ちょっとみて見ない?」キラキラ

梓「はぁ…」

紬「早く早く!」キラキラ

梓「…もう、しょうが無いですね、少しだけですよ」

紬「うふふ♪」
811 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/21(水) 02:51:41.69 ID:m4MAPts0
むぎちゃんかわええ

何章まである予定?
812 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/21(水) 07:50:26.69 ID:oMLZdNY0











                                   tanasinn
813 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/21(水) 23:25:02.53 ID:et3uQN.0
--------
----

ドア「ガチャ」

ガヤガヤガヤガヤ

律「ふ〜、着いた着いた」

澪「掲示板は向こうか…」

ギルドに入った律達はクエスト依頼が貼ってある掲示板へと向かった

唯「へ〜、結構沢山貼ってあるんだね〜」

澪「さて、どれにしようか…」

律達はクエストを物色し始めた

814 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/21(水) 23:28:02.20 ID:et3uQN.0
律「おい、澪!これとかどうだ?」

律が貼ってあった一枚の用紙を手に取り澪に見せる

澪「ん〜?……ってお前それ赤い紙のクエストじゃないか!」

律「地竜の討伐だって!」

澪「で、できるわけないだろ!戻せ!」

律「へへ、冗談だよ」

唯「ねえねえ!じゃあこれなんかどう?」

澪「ん?どれどれ…」

唯が差し出したクエスト用紙を律と澪が覗き込む

815 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/21(水) 23:28:35.26 ID:et3uQN.0
澪「炭鉱の調査依頼か…」

唯「どうかな?これなら私たちにもできそうだよ」

澪「ふむ、危険は少なそうだな…律はどう思う?」

律「んー、良いんじゃないか?」

唯「じゃあこれで決まりだね!」

律「それじゃあカウンターで手続きしてこよう」

澪「詳しい話も聞きたいしな」

律達はクエスト用紙を持ってカウンターへと近づいた

816 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/21(水) 23:29:08.79 ID:et3uQN.0
受付嬢2「こんにちは、何の御用でしょうか?」

律「このクエスト受けたいんだけど」

律が用紙を差し出す

受付嬢2「承りました、それでは依頼内容を説明します」

受付嬢は分厚い台帳の様なものを取り出し、パラパラとページをめくっていく

受付嬢2「依頼された内容はニギリ村にある炭鉱内の調査です、依頼主はこの村の村長」

唯「ニギリ村?それって何処にあるの?」

受付嬢2「この街から北西に三日ほど行った所にあります」

817 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/21(水) 23:29:54.37 ID:et3uQN.0
律「それで調査っていうのはなんの調査なんだ?」

受付嬢2「はい、二週間ほど前から坑道で怪しい物音がするので心配だから調査して欲しい、とのことです」

澪「それってもしかして…魔物が住み着いたって事ですか?」

受付嬢2「おそらくはそうでしょう、しかし断言はできません、詳しい話は村で直接伺って下さい」

澪「そうなんですか…」

受付嬢2「それでは、契約完了印を押させていただきます」

律「ああ、頼む」

ポン

818 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/21(水) 23:30:52.86 ID:et3uQN.0
受付嬢2「今回はこの用紙もお持ち下さい」

受付嬢はハンコの押された用紙を律に渡す

律「ん?なんでだ?」

受付嬢2「今回は報酬を直接依頼主から受け取って下さい、その時にこの用紙にサインして頂くのも忘れずに」

唯「サインが必要なの?」

受付嬢2「はい、戻ってきたらその用紙を再び提出してもらいます」

律「なるほどね、よし、取り合えずクエストはこれでオッケーか」

受付嬢2「クエストの期限は二週間ですのでお忘れなく」

唯「うん!大丈夫だよ!」

律「ひと段落したし、ご飯食べてよーぜ」

澪「そうだな、もうそろそろムギ達もこっちに来るだろうし」
819 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/21(水) 23:35:05.86 ID:et3uQN.0
>>811
一応、前半と後半で大きく二部構成にしようとは考えていますがそれぞれ何章になるのかは未定です

今は取り合えず風呂敷を広げまくってる段階ですかね、上手くたためるかわかりませんが
820 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 00:23:53.71 ID:rpPpOP.o
長くなっても構わないのでこのまま続けてくだしあ
821 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/22(木) 22:56:17.58 ID:ISLf67k0
--------
-----

ドア「ガチャ」

ガヤガヤガヤガヤ

梓「やっと着いた…」

紬「りっちゃん達はどこかしら?」キョロキョロ

唯「あ、ムギちゃんとあずにゃんだ!おーい!」フリフリ

-------
---

紬「みんなお待たせ〜」

律「ずいぶん遅かったな、二人とも」

唯「そうだよ、もう私達ご飯とっくに食べ終わっちゃった」

822 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/22(木) 22:58:03.43 ID:ISLf67k0
梓「いろいろあったんですよ…」

紬「うふふ♪」

梓「それはそうと、クエストの方は決まったんですか?」

澪「ああ、それならばっちりだ」

澪は二人にクエストの内容について説明した

梓「炭鉱の調査ですか…」

紬「今度は違う街にいくのね」

澪「まあ、そんなに大規模な集落じゃないみたいだけどな」

律「出発は…早速、明日には出ようと思ってる」

梓「そうですか、まあ早めのほうがいいですよね」

823 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/22(木) 22:59:20.38 ID:ISLf67k0
澪「それでムギ達の方はどうだったんだ?」

唯「そうだよ、買い物ってなんだったの?」

紬「これを買ったの」

ドサ

紬は自分のカバンの中から買ってきた物を取り出しテーブルに置いた

唯「本?」

律「これってなんの本なんだ?随分しっかりしてるけど…」

梓「図鑑です、あとこの辺りの地図も」

紬「ほら、旅に出るなら魔物とか薬草の知識もあったほうが良いと思って…」

澪「確かに、地図も必要だったな!」

律「なるほど、さすがムギ!」

824 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 23:02:56.90 ID:Kkg6Gyw0
ktkr
825 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/22(木) 23:04:28.29 ID:ISLf67k0
唯「じゃあ早速見てみようよ!」

バサ

唯がテーブルに地図を広げる

澪「ここが今私達のいるポルテリオの街だ」

澪が地図上を指差しながら言う

澪「それでここから北西だから…」

ススス…

澪「ニギリ村はここだな」

唯「う〜ん、そんなに離れてるようには見えないね」

梓「でも徒歩で三日かかるんですよね…?」

律「ああ、そう言ってたな」

梓「……夜はやっぱり野宿ですか?」

律「そりゃあそうだろ」

826 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/22(木) 23:05:50.23 ID:ISLf67k0
紬「まあ!私、野宿するのが夢だったの!」キラキラ

梓「いや、さすがにその夢はおかしいと思いますよ…」

唯「なんかキャンプっぽいね!」

梓「それでも野宿はいやですよ…」

澪「まあまあ、この辺は気温も過ごしやすいからそんなに大変じゃないと思うぞ」

梓「でも、お風呂に入れないのはちょっと…」

澪「う…それは私も嫌だ…」

唯「私も〜…」

律「風呂はなー…しょうがないさ、村についたら入れてもらおうぜ」

827 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/22(木) 23:07:13.29 ID:ISLf67k0
--------
-----

梓「ふう、もうお腹一杯で食べられません…」

唯「ふふ、あずにゃん沢山食べたねー」

梓「そ、育ち盛りなんです!」///

紬「うふふ……それでりっちゃん、今日はこれからどうするの?」

律「そうだな…この後は取り合えず食料と旅用の装備とか着替えを買っておこうと思う」

澪「そういえば私達のカバンにはそういう物って全然入ってなかったな」

律「初めからなんでも至れり尽くせりって訳じゃないさ」

梓「でもお金は有るんだし、しっかりとした装備を揃えましょうね」

紬「そうね、慣れない事だし何があるかわからないものね」
828 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/22(木) 23:51:17.12 ID:ISLf67k0
澪「と、いう訳で買い出しにきてみた訳だが…」

唯「旅の装備ってなに買えば良いの〜?」

澪「まあそうなるよな…普通の女子高生がわかる訳ないし」

律「取り合えずキャンプ的な物を揃えれば良いんじゃないか?」

澪「う〜ん、まあそうかなぁ…」

梓「取り合えず行ってみましょうよ、色々見てるうちにわかるかも知れませんよ」

律「じゃあまずは、服から見て行こうぜ」

紬「そうね、それならわかりそうだし」

829 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/22(木) 23:51:58.52 ID:ISLf67k0
------
---

一行はとある服屋へと入った

服屋「いらっしゃい!」

律「へー、結構沢山置いてあるな」

唯「みてみて!この服可愛い!」

澪「こら、唯!可愛い服探しにきたんじゃ無いんだぞ!」

梓「そうですよ、唯先輩!」

唯「でもほら!これも可愛いよ!」

梓澪「「う…」」

梓「くっ…ダメです、そんなもの見せても…」

澪「うぅ…そんなんじゃ釣られないぞ…!」

律(う〜ん、女子高生の悲しき性なり…)

830 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/22(木) 23:52:28.85 ID:ISLf67k0
紬「えーと、旅装はこの辺ね…」

律「ムギ、何着ぐらい買うのがいいかな?」

紬「う〜ん…取り合えず上に着るのは今皆が着てるの一枚で良いと思うわ」

律「そうだな、これじゃ無いと戦闘できないし」

紬「うん、だから取り合えず下着を三組ずつ買って後は部屋着みたいな物を一枚買いましょう」

律「それだけで足りるか?」

紬「ギリギリだと思うけど、あんまり買ってもかさばっちゃうし…」

律「そうだな、後は……お!これなんかどうだ?」

紬「それはマントかしら?」

831 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/22(木) 23:53:09.14 ID:ISLf67k0
律「うん、まあマントっていうよりローブみたいな物だけど、これなら厚めだし風除けにも雨除けにもなるんじゃないか?」

紬「良いと思うわ、夜はどうする?」

律「これかけて寝れば良いだろ」

紬「じゃあ服はこれ位で良いわね、私、お会計してくるわ」

律「あたし達も行くよ、おい、澪ー!……って何やってんだ?」

澪「あはは、律ーこの服似合うかなー?」クルクル

梓「あはは、澪先輩とっても似合ってますよ〜」クルクル

唯「あずにゃんも可愛いよ〜!ほら、こっちも着てみて〜」

梓「あはは、もちろんです〜」

律「お前ら…」
832 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 18:34:22.18 ID:7ljLEyoo
C
833 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/23(金) 22:43:59.28 ID:evG2r2M0
>>819
ありがとう
久しぶりに良いssに出会えて、ずっと続けてほしい気持ちと早く完結を見たい気持ちでつらいww
ともかく応援してます
834 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 22:50:15.52 ID:zPiyTrM0
-------
---

ガヤガヤガヤガヤ

服屋での買い物を終えた一行はまた大通りに繰り出した

律「頼むぜ〜二人とも」

澪「悪い、律……」

梓「すいません、思わず唯先輩のペースに乗せられちゃいました…」

澪「でも、あの服可愛かったな…」

梓「そうですね…」

紬「ふふ、しょうがないわ、こっちに来てからお洒落する余裕なんてなかったもの」

835 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/24(土) 22:50:50.49 ID:zPiyTrM0
唯「あーあ、残念だったな〜、二人ともよく似合ってたのに…」

律「まあ、お洒落は帰ってからゆっくり楽しもうぜ!」

澪「ああ、そうだな、律の言う通りだ」

梓「そうですね…それじゃあ次は何処に行きますか?」

律「そうだな〜…」

紬「とりあえず食糧を揃えない?」

澪「そうだな…今私達の持ってる食べ物ってこの携帯食糧だけだよな?」

梓「そうです、でもこれだけじゃ足りませんよ」

836 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 22:51:35.98 ID:zPiyTrM0
唯「食べ物屋さんは反対側の通りじゃなかったっけ?」

澪「ああ、ここからだと結構歩くな…」

律「……よし、んじゃここからは手分けして買い物しよう」

梓「良いと思います、集合は宿屋ですか?」

律「それで良いだろ」

紬「それじゃあ私は食糧を買いにいくわ」

梓「私もムギ先輩と行きます!」

律「じゃあ、あたし等は他に必要そうな物を買ってくるよ」

澪「そんな漠然と…」

律「まあ、まかせとけって、澪」

梓「暗くなる前には戻りましょうね」

律「ああ、わかってる…そうと決まれば早速行動開始だ」
837 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/26(月) 20:24:11.90 ID:tSUq4Pw0
-------
----

それから一行は街中を回り旅に必要そうな物を買い集めていった

そしてその日の夕暮れ時には買い物を終え全員が宿へと戻った

律「はぁ〜疲れた〜」グデー

澪「流石に一日中動き回ってたから体が重い」

紬「りっちゃん達は何を買って来たの?」

唯「じゃーん!こちらでーす!」

ドサドサ

唯が買ってきた物をテーブルの上にばらまいた

838 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/26(月) 20:45:52.57 ID:tSUq4Pw0
梓「へー、結構色々かってきたんですね」

律「ああ、取り合えず日常生活に必要そうなもの一式と、後はこれだ」バサッ

紬「これって、リュック?」

律「そうそう、たぶん今日買った物を全部今のカバンに入れるのは無理だからな」

唯「ムギちゃんちも沢山買ってきたもんね」

梓「五人分ですからね、結構ありますよ」

澪「どんな物を買ってきたんだ?」

紬「ええと、お米とかドライフルーツなんかの乾物を中心に日持ちの良さそうな物を選んできたわ」

839 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/26(月) 20:46:35.75 ID:tSUq4Pw0
唯「いろいろあるね〜」

紬「この街って賑わってるだけあって色んな食べ物があったの、やっぱり交易の街なだけあるわ」

律「よし、んじゃこのでっかいリュックは私とあと……」

紬「私が持つわ」

律「大丈夫か?」

紬「ええ、この中で一番力があるのは私とりっちゃんでしょ?」

律「…そうだな!じゃあムギにお願いするよ」

その後一行は手分けして荷造りしていった

澪「ふぅ、これでもう準備は万端だな」

律「今日はもうやることないな」

840 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/26(月) 20:47:23.73 ID:tSUq4Pw0
唯「あずにゃ〜ん、一緒にギター弾こうよ〜」

梓「珍しいですね、唯先輩から…」

唯「だってなんだかそんな気分なんだもん」

梓「まあ良いですよ、気分転換にもなりますし」

唯「さすがあずにゃん!」

紬「唯ちゃん!」

唯「ほぇ?」

紬「私も入っていい?」

唯「うん、もちろんいいよー」

紬「うふふ、ありがとう」

841 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/26(月) 20:48:49.35 ID:tSUq4Pw0
梓「澪先輩もどうですか?」

澪「私は疲れたからいいや…」

唯「りっちゃんは〜?」

律「あたしもパス〜、下でお茶飲んでくる」

澪「あ、律、私も行く」

律「ん、わかった」

ドア「ガチャ」

澪「あ、三人ともご飯の時間には降りてくるんだぞ?」

梓「はい、それは大丈夫です、唯先輩がご飯の時間を忘れる訳無いですから」

唯「む、あずにゃん、それはどういう意味〜?」

842 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 20:50:32.57 ID:D1tnsIE0
ふと思ったんだが、もうtanasinnとかどうでもよくなってるよな
843 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/26(月) 20:50:41.78 ID:tSUq4Pw0
梓「そのままの意味です」フンス!

唯「むむむ〜!」

紬「うふふ♪」

律「まあ、明日も早いし程々にしとけよ」

唯「はーい!」

律と澪の二人は連れ立って部屋を出ていった

唯「それじゃやろっか!」

シュィィィィン…

唯達が楽器を取り出すと、周りに小さめの光の輪ができる

梓「音量は小さめですよ!」

紬「ええ、わかってるわ♪」

唯「いくよ!せーの!」


ジャジャ ジャジャ ジャジャジャーン
844 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/26(月) 20:55:30.94 ID:tSUq4Pw0
>>833
ありがとうございます
そういって貰えるととても嬉しいです

>>842
我ながらよくわかりません
勢いでスレ立てした悪い例ですね

まあおそらく物語に中盤くらいにはtanasinnが出てくると思います、たぶん
845 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 23:00:06.31 ID:tSUq4Pw0
------
---

テクテクテクテク

一行はまだ朝靄のかかる平原を歩いている

唯「ふむぅ…眠いよ〜」

梓「唯先輩しっかりして下さい!」

澪「唯、大丈夫か?」

唯「うん、大丈夫だよ」

律「昨日あんなにはしゃぐからだぞ!」

唯「うぅ〜…ごめんなさい〜」

紬「まあまあ」

梓「ムギ先輩、荷物は重くないですか?」

紬「大丈夫よ、心配してくれてありがと、梓ちゃん♪」
846 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 00:57:53.78 ID:p9VvC5Uo
こういうじっくりやっていく展開は面白いなあ
今後の展開が楽しみだ
847 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 04:17:09.63 ID:4076BsAO
更新が楽しみで仕方ない
848 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/27(火) 22:16:55.65 ID:.PSD6r20
-------
----

テクテクテクテク

律「澪、疲れてないか?」

澪「うん大丈夫、ありがとう、律」

一行が暫く歩き続けると、先に分かれ道が見えてきた

梓「分かれ道ですね」

唯「ここって最初のクエストの時も通ったよね?」

紬「遺跡の調査の時ね」

律「ああ、この前は右に行ったけど、今日は左だぞ」

一行は分かれ道を左へ進む

849 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/27(火) 22:17:36.56 ID:.PSD6r20
テクテクテクテク

太陽も昇り朝の市に間に合わせるためであろうか、綺麗に整備された街道を荷馬車や商人風の旅人が時折一行とすれちがっていく

今も一行の横を一台の荷馬車が通り過ぎていいった

ガラガラガラガラ

澪「この辺りって結構平和なんだな」

梓「澪先輩はどうしてそんな事がわかるんですか?」

澪「だって普通、魔物が沢山いるような所を護衛もつけずに一人旅する人なんていないだろ」

唯「そういえば、さっきすれ違った人達は皆一人だったね」

850 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/27(火) 22:18:27.89 ID:.PSD6r20
梓「なるほど…でも護衛なんて物を付けるなんて、商売するだけでも大変なんですね」

紬「そうねえ、でも私達の世界でも中世位までは陸路で行商する時は護衛がつきものだったのよ」

梓「え?そうだったんですか?」

紬「ええ、普通はキャラバンっていうものを組んで旅をしていたのよ」

澪「日本語で言うと隊商だな」

梓「へー、そうだったんですか」

律「全くこの二人といると勉強になるな〜」

唯「澪ちゃんもムギちゃんも物知りだね!」

澪「そ、そんな事ないよ…」///

851 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 22:19:10.27 ID:.PSD6r20
律「またまた〜、謙遜しちゃって!本当は嬉しい癖に」ニシシ

澪「う、うるさい!」

紬「あらあら澪ちゃんたら赤くなっちゃってかわいい♪」

澪「」///

-------
----

梓「ところで律先輩、今日は何処まで進むのか決めてあるんですか?」

律「あー、それなら…取り敢えずこの先で街道が川に近づく所があるからそこまでは行きたいと思ってる」

澪「うぅ…まだ結構あるな…」

律「へへ、疲れたらあたしがおぶってやるよ」

澪「うん、ありがとう、律」

紬(やっぱり律澪は至高ね…!)グッ

梓(ムギ先輩がなにか良からぬ事を考えている気がする…)
852 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 00:12:43.78 ID:obx81oA0
--------
-----

律「ふぅー、今日の所はここまでだな!」

澪「やっとついた…」

一行は今日の目標である距離を歩ききり、街道を少し離れた川べりまで来ていた

傾きかけた太陽が川面をオレンジ色に染めている

唯「綺麗だね!」

紬「そうね〜」

しばしその光景に見とれる一行

梓「……さあ、それでは野営の準備をしましょうか」」

律「ああ、そうしよう」

853 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 00:13:43.92 ID:obx81oA0
梓「あ、私ちょっと川で顔を洗って来ますね」

唯「あ、私も〜」

唯と梓が川へと近づく

パシャパシャ…

梓「ふぅ…さっぱりしますね」

唯「そうだね〜、一日中歩いたから顔が砂埃だらけだよ」

パシャパシャ

唯と梓は水際にしゃがみこみ顔を洗っている

律「唯!梓!川から離れろ!」

突然律が叫んだ

854 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 00:14:27.69 ID:obx81oA0
唯「え?どうしたの?」

梓「いきなりなんなん……きゃ!」

ザバァァァ!

???「グルルルル…」

川の中から大きな獣が姿を現した

唯「あわわわ!」

梓「唯先輩!早く下がってください!」

唯「う、うん!」

タタッ

紬「唯ちゃん、梓ちゃん、大丈夫?」

梓「はい、律先輩のおかげで…」

855 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 00:15:44.57 ID:obx81oA0
グルルルル

ザバ…ザバ…

獣は唸り声をあげながら近づいてくる

唯「こっちにくるよ!」

澪「なんなんだあいつは…熊か?」

紬「あれはアーヴァンクよ!」

梓「アーヴァンク?それってどんな魔物なんです!?」

紬「でっかいビーバーよ、力が強いから腕の攻撃に気をつけて!」

澪「でっかいビーバーって言われたって…」

アーヴァンクは川からあがり、律達と睨みあっている

856 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 00:16:49.37 ID:obx81oA0
梓「やるしかないみたいですね…」

律「唯、梓、先制するぞ!」

唯「うん!」

梓「はい!」

ダッ!

三人がアーヴァンクへと向かって駆け出す

グアァァァ!

アーヴァンクは律を迎え撃つように両足で立っている

律「で、でけえ…!」

アーヴァンク「グアァァァ!」ブン!

ヒュッ!

律「危ねえ!」

律はすれすれでアーヴァンクが振り下ろした腕の一撃をかわした

857 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 00:17:34.50 ID:obx81oA0
梓「律先輩!」

律「大丈夫だ!」

唯「やあああ!」

梓「はぁ!」

律に気を取られていたアーヴァンクに唯と梓が斬りかかる

ザシッ!ザシュザシュザシュ!

アーヴァンク「ギャアァァァ!」

唯と梓の攻撃はアーヴァンクの腹部に当たったが、厚く覆われた毛皮のせいで致命傷にはならない

梓「効いてないの!?」

唯「か、硬くて深く斬れないよ!」

アーヴァンク「グアァァァ!」ブン!

ガキィィン!

唯「うわぁ!」ドサ

858 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 00:18:14.57 ID:obx81oA0
紬「唯ちゃん!」

梓「唯先輩!」

唯はアーヴァンクの攻撃を盾で受け止めたがそのまま吹き飛ばされてしまった

律「この!馬鹿力め!」ブン!

ブシッ!

アーヴァンク「ガァァァァ!」

梓「やった!効いてます!」

律「よし!この調子でいくぞ!」

澪「律!梓!離れろ!」ボゥ!

ババッ!

澪の声で律と梓は魔物から距離をとった

859 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 00:19:35.25 ID:obx81oA0
澪「はぁぁ!」ボゥ!

澪は自分の前に発生させた大きな火球をアーヴァンクへと飛ばす

ゴオオォォォ!

アーヴァンク「グギャァァァ!」

澪の放った火球はアーヴァンクの頭部に命中し、魔物は身体をくの字におり曲げ頭を振って炎を振り払おうとしている

澪「ムギ!頼む!」

紬「ええ!」

タタッ…バッ!

紬「は!」ブゥン!

ダァン!バキバキバキ!

紬は飛び上がり勢いをつけて魔物にハンマーを叩きつけた

860 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 00:21:31.91 ID:obx81oA0
律「今だ!」

唯「やぁ!」ブン!

梓「えい!」ヒュバ!

ザシュザシュザシュ!ダァン!

アーヴァンク「グァ…ァァ…」ドサ

三人の一斉攻撃を受けたアーヴァンクはその場に倒れて動かなくなった

唯「は〜、やった〜…」

澪「大変だったな…」

律「みんな怪我は無いか?」

紬「唯ちゃん、大丈夫だった?」

唯「うん、大丈夫だよ!」

861 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 00:22:09.48 ID:obx81oA0
律「う〜ん、さすがに疲れたな…」

梓「そうですね、さっさと野営準備をしちゃいましょう」

律「そうだな」

紬「じゃあ、私は焚き火を熾してくるわ」

澪「あ、私も手伝うよ」

梓「それじゃあ、私達は食事の準備をしましょうか」

唯「そうだね!」

律「んじゃあ、あたしは魚でもとってくるか」

862 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 00:22:59.97 ID:obx81oA0
梓「律先輩、魚なんて取れるんですか!?」

律「おう!まあな!」

唯「それじゃあ今夜は豪勢になるね!」ジュル

律「という訳で澪、先にこっちを手伝ってくれ」

澪「なんでだ…」

律「そりゃあ、魔法でちょっと魚を痺れさせちゃったりなんか…」

澪「はぁ、わかったわかった…」

梓「…そうゆう事ですか」

律「まあまあ、それじゃあ行動開始だ!」
863 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/28(水) 01:28:41.90 ID:obx81oA0
〜おまけ〜

唯「唯と!」

律「律の!」

唯律「らじおん!!in異世界!」

唯「この番組は豊崎愛生さん達によるらじおん!とは一切関係ありません!ご了承ください!」



唯「こういうのが嫌いな人は読み飛ばしてね!!」


864 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 01:29:50.37 ID:obx81oA0
律「ここでは舞台となっている世界の事や読者の皆さんから質問を解説していきます」

唯「はい、それじゃあ記念すべき第一回目の今日はどうしましょうか、りっちゃん隊員!」

律「えーと…今回は、まずこの世界の概略だな」

唯「と言いますと?」

律「手始めにこの世界にある国について…唯はいくつ国があるか知ってるか?」

唯「えーと、確か十五ヶ国あるんだよね!」

律「そうそう、この世界には人間や亜人のすむ国家が十五も存在するんだ」

律「ちなみに、大陸は六個あってそれ以外にも沢山の島がある」

唯「私達がいるのはトラスネッド帝国って言う国だね!」

865 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 01:31:52.71 ID:obx81oA0
律「ああ、この国はこの世界最大の領土を持っていて、ガルレオ大陸の1/3を占めてるんだ」

唯「亜人の王様が治めてるんだよね?」

律「ドラゴニュート族だな、まあ、ドラゴンと人間が合わさったみたいなもんだ」

唯「他の大陸はどうなってるの?」

律「大体の大陸には人間がすんでるけど、この世界最大の大陸は暗黒大陸と呼ばれていて、魔物しか住んで無いんだ」

唯「ま、魔物しか住んで無い大陸とか怖すぎるよ〜」

律「実は他にも魔物の領地はあって、それぞれ魔王が治めていると言われてるんだ」

唯「ま、魔王?」

律「魔物の王様だな、まあ、直にみた奴なんて殆どいないだろうけどな」

唯「ふーん、そうなんだ…」

律「さてと、今回はこんなもんかな」

唯「そうだね、あんまり長くなってもしょうがないしね!」

律「それじゃあ、また次回!」

唯「ばいばーい!」
866 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 19:58:04.99 ID:obx81oA0
-------
----

パチパチ…

焚き火がそれを囲む五人を明るく照らしている

辺りはすっかり暗くなり、音をたてるものは川のせせらぎと虫の声しかない

梓「はぁ、やっと落ち着きましたね…」

唯「お魚美味しかったね!」

梓「まあ、昼ご飯は携帯食料と水だけでしたからね」

唯「携帯食料って美味しくないよね…」

紬「ふふ、でもりっちゃんがお魚取ってきてくれたから良かったわ」

律「澪のおかげだよ、まさかあんなに簡単に取れるなんてな〜」

澪「私も驚いたよ」

867 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 19:59:12.79 ID:obx81oA0
梓「…驚いたといえばあの魔物、アーヴァンク、とか言いましたか?」

律「ああ、びっくりしたな〜、まさかあんなのがいるなんて!」

唯「そう言えば、ムギちゃんはなんであの魔物の名前がわかったの?」

紬「この前買った図鑑に載ってたの、川に潜んで旅人を襲うんだって」

澪「そうだったのか…私もこんど図鑑は良く読んでおこうかな…」

律「その方が良いかもな、出てきた魔物がなんだか分からないんじゃ戦い様も無いし…」

紬「でもおかしいのよね…」

梓「?、なにがですか?」

紬「こんなところにアーヴァンクが生息してるなんて、変じゃ無い?」

澪「言われてみれば…この辺りって魔物は少ないはずだよな」

律「……」


868 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 19:59:56.79 ID:obx81oA0
唯「でもやっつけられて本当に良かったよ〜!」

紬「そうね、誰も怪我しなかったし」

律「まあ、あたし等にかかればこれくらい楽勝だよな!」

唯「そうだね!」

澪「調子に、のるな!」ボカッ

律「あはは、冗談だよ」

梓「はぁ、全くもう…」

869 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 20:00:38.13 ID:obx81oA0
パチパチ…

唯「ふぁ〜、なんだか眠くなってきちゃった…」ムニャムニャ

澪「私もだ…今日は歩き通しだったし」

律「それじゃあ、明日も早いしそろそろ寝るか…」

梓「そうですね…ところで見張りとかした方が良いですよね?」

澪「さすがに全員寝ちゃうのはまずいよな…さっきみたいに突然魔物が現れるかもしれないし…」

律「そうだな…五人で交代しながらやれば良いだろ」

梓「でも時間とかどうするんですか?」

律「へへ、こんな時の為に…じゃーん!」

870 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 20:01:52.65 ID:obx81oA0
梓「あ、それ…砂時計ですか?」

律「その通り、これは一回で約三十分の砂時計だ」

梓「ずいぶん準備がいいですね」

澪「買い出しの時に買ったんだ、時間のわかるものがあった方が良いと思って」

紬「さすがりっちゃんね!」

律「えへへ、照れるぜ」

梓「それじゃあ、最初は誰にしますか?」

律「澪だな」

澪「ええ!?」

梓「そうですね、それが良いとおもいます」

澪「梓まで!?」

871 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 20:02:33.30 ID:obx81oA0
梓「澪先輩、こう言うのは最初が一番楽なんですよ」

律「そうそう、澪が一番体力が無いんだからこの方がいいんだよ」

澪「そ、そうなのか?」

律「そうなんだよ」

梓「それじゃあ、順番はどうします?」

律「そうだな…澪ムギあたし梓唯、でいいだろ?」

紬「わかったわ、りっちゃん」

律「大体一人当たりその砂時計で三回が目安だからな」

澪「わかった、三回だな」

紬「澪ちゃん、時間になったら起こしてね」

澪「うん、それじゃあみんなお休み」

律「おう、お休み〜、火は絶やすなよ〜」

872 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/28(水) 20:03:47.96 ID:obx81oA0
梓「さてと……唯先輩!今までの話聞いてましたか!?」

ビクッ!

唯「ふぁ?聞いてたよ〜…」ショボショボ

紬「あらあら、うふふ」

澪「はは、唯らしいな」

梓「本当に大丈夫かな〜…」

律「まあ、たぶん大丈夫だろ」

澪「よし、それじゃああとは任せてみんな寝てくれ」

梓「わかりました、お休みなさい」

紬「お休みなさい」

律「お休み〜」

バサッ

四人は外套を被ってそのまま横になった

澪「……」

パチパチ…

澪が木の枝で焚き火をかきまわすと火の粉が少し舞い飛んだ

澪「……静かだな」
873 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/28(水) 21:09:27.49 ID:cvMSqsQo
一人で火の番とか中々にきついもんがあるだろうなwwwwww
874 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/28(水) 22:37:04.00 ID:RQuyFQAO
わくてかが止まらん
875 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/28(水) 23:39:06.67 ID:obx81oA0
-----
---

チュンチュン

律「ふぁ〜あ、眠い〜」

澪「川で顔洗ってこいよ、さっぱりするぞ」

律「ああそうする〜」テクテク

梓「はぁ〜、やっぱり疲れが取れませんね…」

唯「背中が痛いよ〜」

澪「地面に直に寝たからしょうがないさ」

紬「それじゃ、りっちゃんが戻ってきたら朝ご飯にしましょ」

唯「わーい!ムギちゃん、朝ご飯はなに?」

876 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 23:42:01.21 ID:obx81oA0
紬「携帯食料とドライフルーツよ」

唯「また〜…」

梓「まあ、ここは我慢しましょうよ」

唯「うん……村についたら絶対に沢山ご飯食べる!」

律「はは、あたしもそうしよう」ザッザッ

梓「あ、律先輩」

川から戻ってきた律に紬が朝食をわたす

紬「はい、これりっちゃんのぶんよ」

律「サンキュ」

五人は朝食をとり手早く片付けを済ませると目的地へと向けて出発した
877 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/29(木) 00:12:50.76 ID:aroaQE20
〜おまけ〜

唯「皆さんこんにちは〜」

唯「今日のらじおん!!は異世界に蔓延る魔物について、です」

律「おい、あたしら魔物の事なんて全然わからないぞ」

唯「そう思って今回は特別ゲストを呼んであります!」

律「お!誰だ?」

唯「はい、今日のゲストはこちら!」

紬「どうも〜」

律「ってムギかよ!」

唯「今回は魔物に詳しいムギちゃんにきてもらいました」

紬「はい、よろしくおねがいします」ペコリ

律「ムギ、ラジオだからお辞儀はしなくていいんだぞ」

紬「あら、私ったら」///

唯「ムギちゃん、今日は何の魔物の話なの?」

紬「今日はスライムについて、です!」

律「あー、あたし等が初めて戦ったのもスライムだったな」

紬「スライムといえば、国産RPGでは雑魚モンスターの代名詞的存在です」

唯「そうだね!このお話でも雑魚モンスターとして登場してるし」

878 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/29(木) 00:13:28.90 ID:aroaQE20
紬「でも、実は本当はスライムってかなり強いモンスターなの」

紬「古い洋モノRPGや神話、物語の中ではいつも強敵として登場するわ」

律「本当か?じゃあなんで国産RPGでは雑魚なんだよ?」

紬「それはね、ドルアーガの塔って言うゲームがあるんだけど、このゲームの中で初めてスライムが雑魚モンスターとしたの」

紬「この時スライムを雑魚モンスターに起用した理由は、ドットが少なくて動かし易かったからと言われているわ」

律「へー、そんな理由で決まったのか」

紬「そうよ、そして後にスライムが雑魚として一番名を馳せる事になるゲームが登場したの」

唯「あ、わかった!ドラゴンクエストだね!」

紬「ええ、このドラゴンクエストの大ヒットによりスライムのイメージは定着する事になるわ」

紬「ここで鳥山明の描いたスライムがそれまでのおぞましい怪物としてのスライムじゃなくて、奇抜で愛らしいデザインだった事も大きい理由だと言われてるの」

律「大体の人はスライムって言うとあいつを思い浮かべるよな」

879 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/29(木) 00:15:02.79 ID:aroaQE20
紬「さて、それではこのお話の中のスライムについて述べてみるわ、特徴としては以下の通り」

・アメーバの様な軟体動物・肉食
・自己の形や硬さをある程度変化させる事ができる
・知能は低い・動きが遅い

紬「こんなところね」

律「あたしに攻撃してきた時は体の一部をナイフみたいにしてたな」

唯「ああやって体を変形させて攻撃するんだね」

紬「雑魚とはいえど、魔物の端くれである以上油断してると痛い目に遭うわ」

紬「実際にこのお話の中ではスライムが村の家畜を襲ったりする事件もあるの」

唯「意外と凶暴なんだね」

紬「けどスライムは動きも遅いし、防御力も低いから普通の村人でも倒せちゃうわ」

律「なるほどー、勉強になるな」

紬「だいたいこんなところね」

唯「ムギちゃん今日はありがと」

紬「いえいえ、また呼んでね♪」

律「それじゃあ今日はここまでだ」

唯「またね〜」
880 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 03:09:37.86 ID:Fm8VmEAO
少しずつでいいからこうやって更新されるのがなにより嬉しい
881 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 21:29:29.69 ID:gZVblJU0
-------
----

ザッザッザッザッ

唯「う〜…暑いよ〜…」

梓「まさか少し街道をそれただけでこんなに天気がかわるなんて…」

旅を始めてから三日目、五人は街道をはなれあまり整備されていないニギリ村へと続く道を進んでいた

太陽が真上から照りつけ、じりじりと地面を焼いている

今五人が歩いているのは緑豊かな草原から下草もあまり生えない乾いた平原となっていた

律「全くどうなってるんだ?」ブチブチ

澪「でも、この外套のおかげで砂埃とか日光は遮られてるし、そんなに大変じゃないだろ」

紬「それに昨日から魔物もでてないし」

882 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/30(金) 21:31:37.15 ID:gZVblJU0
律「そうだな、一日目に戦ってからは遭遇してないからな」

澪「それにもう少しで村に着くんだろ?」

律「ああ、うん、そろそろ着くはずだ…っと」

唯「あずにゃん、どうしたの?」

先を歩いていた梓が立ち止まって前方に目を凝らしている

梓「先輩、向こうに家みたいな建物がみえます」

律「お!本当か!?」

梓「はい、おそらくニギリ村だと思います」

澪「はぁ〜、やっと着いた〜…」

唯「やったー!ご飯♪ご飯♪」

紬「よかった、早くお風呂に入りたいわ♪」

律「よっしゃ、それじゃ気合入れて歩くぞっ!」

唯紬「おー!」

883 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/30(金) 21:32:08.93 ID:gZVblJU0
五人が更に歩を進めると、木でできた門の様な物とそれに連なって柵が張り巡らされているのが見えてきた

律「あれが村の入り口か」

その門の先には開墾された畑が並んでおり、農作業に従事するおそらくは村人だろう人間がちらほらと見える

唯「ふぇ〜、畑がいっぱいだ」

紬「こんな乾燥していても、ちゃんと作物が育つのね」

梓「一体なにを育てているんでしょうか?」

律「さあな〜、でも取れたての野菜は美味いと思うぞ」

グゥー…

梓「あうぅ…」///

律「あはは、早く行こうぜ!」


884 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/30(金) 21:32:53.49 ID:gZVblJU0
テクテクテクテク

五人が畑の中央の道を進んで行くと農作業をしていた青年が気づき話しかけてきた

青年「やあ、この村にくる人なんて珍しいね、なんの用だい?」

律「ああ、私達は…」

バサバサバサ!

突如羽音が聞こえ村の畑の向こうの空に幾つかの黒い影が見える

農夫「おーい!またあいつらが来たぞー!!逃げろー!」

ウワー!キャーキャー!ワー!

農夫の一人が叫ぶと辺りで農作業をしていた村人たちが一斉に逃げ出して行く

885 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/30(金) 21:33:28.42 ID:gZVblJU0
律「な、なんだぁ?」

青年「まずい!君たちも早く逃げるんだ!」

梓「い、一体これはなんなんですか!?」

青年「魔物だよ!山からこうやって畑を荒らしにくるんだ!」

澪「魔物!?」

青年「ああそうさ!さあ、早く君たちもこっちへくるんだ!」

律「なあ、あんたらこの魔物に迷惑してるんだろ?」

青年「はぁ?そりゃそうだが、今はそんな事話してる場合じゃない!さあ、早く!」

律「まあ、待てよ…この魔物、あたしらが退治してやってもいいぜ!」

886 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/30(金) 21:34:03.84 ID:gZVblJU0
澪「おい、律!」

梓「また勝手な…」

律「だって困ってる人達を見捨てられないだろ?」

青年「退治って…おいおい、君たち女の子だろ?」

律「へ!まあ、そこで見てな!」

唯「よーし!りっちゃん!私もやるよ!」フンス!

紬「私も頑張るわ!」

律「その意気だぜ!澪、梓!」

澪「はぁ、わかったよ」

梓「しかた無いですね」

律「よし!行くぞみんな!」
887 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 17:51:07.71 ID:5uLUPtA0
おもしろい
支援
888 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 15:45:16.67 ID:52tGf7Io
これほど完結してから見つければよかったと思うスレも久しぶりだ(続きが気になる的な意味で
いやもちろん投下を急かすつもりは無いよ
889 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 18:23:07.42 ID:m3Ua5s.0
そうこうしているうちに、魔物の群れは畑のど真ん中に立つ五人の上空まで迫っていた

バサバサッ

ギャーギャーグェーグェー

鳥の姿をした魔物達は旋回しながら、警戒しているのかしきりに鳴き声をあげている

唯「なんだか黒くてカラスみたいな魔物だね」

律「ムギ!あの魔物のことわかるか!?」

紬「わ、わからないわ、図鑑にはこんなの載ってなかったの!」

梓「図鑑に載ってない魔物…新種ですかね?」シャリン

梓が短剣を抜き放ちながら呟いた

890 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 18:24:04.79 ID:m3Ua5s.0
唯「あずにゃん余裕だね〜」

梓「だって相手はただでっかいだけの鳥じゃないですか」

澪「そうだけど…」

律「そうだな!鳥如きに負けるはずがなーい!」

紬「でも、相手が飛んでいたら攻撃できないわ」

「ギェー!」シュッ

暫く空を飛び回っていた魔物達だが、五人が逃げ出す様子がないのを察知したのかそのうち一匹が梓めがけて急降下してきた

891 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 18:25:14.43 ID:m3Ua5s.0
律「梓!」

梓「大丈夫です!」

サッ

梓は素早く魔物の攻撃を避け、すれ違い様に短剣を振り抜いた

シュバ!

「ギェー!」ドサッ

梓の攻撃を受けた魔物はそのまま地面に落下し動かなくなった

青年「お、お見事…」

今まで上空で飛び回っているだけだった魔物達が梓が仲間を斬り伏せるのをみて一斉に襲いかかってきた

ギェーグェーグェー!

バサッバサッ

892 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 18:25:52.53 ID:m3Ua5s.0
律「澪は下がってろ!」

澪「う、うん!」

梓「こいつらあんまり硬くないみたいです!攻撃さえもらわなきゃ大丈夫です!」

唯「よーし!」シュ

「グェー!」

ガキッ!

バタバタ!

ザシュッ!

唯は向かってきた一匹の攻撃を盾で防ぎその隙にきり伏せた

893 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 18:27:52.80 ID:m3Ua5s.0
梓「ふっ!」

タンッ!

ザシッザシッ

梓は低空にいる魔物に向けて跳躍し攻撃を与える

紬「やっ!」ブン!

ベキベキ!

ドサッ

律「はっ!」ブン!

ザクッ!ザクッ!

バサッ!バサッ!

四人は次々と向かってくる魔物達を斬り伏せていく

894 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 18:28:58.06 ID:m3Ua5s.0
澪「み、みんな!ふせて!」

澪が振り上げた杖から電撃が迸る

バチバチバチバチ!

電撃が当たった魔物たちは次々と撃ち落とされていく

ギェーギェー!

バタバタバタバタ

律「よし!今だ!」

ザシュッザシュッザシュッザシュッ

律達は地面に落ちた魔物達に次々ととどめをさして行った

895 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 18:29:28.93 ID:m3Ua5s.0
律「片付いたかな…」

唯「これでもう安全だね!」

澪「本当に疲れた…」グッタリ

紬「大丈夫、澪ちゃん?」

澪「あ、ああ…」

タタッ

青年「君達!」

先程の青年が駆け寄ってきた

唯「あ、さっきのお兄さんだ!」

青年「いやあ!助かったよ!君達一体何者なんだ?」

896 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 18:32:52.73 ID:m3Ua5s.0
梓「私達はクエストを受けてきた冒険者で…」

青年「ああ…冒険者だったのか!通りで強いわけだ!」

唯律「「いやあ、それほどでも」」///

澪「そんなところでハモるな!」

青年「はは、それより君達、村長のところにいくんだろ?」

律「ああ、そのつもりだけど…」

青年「それじゃ僕が村長のところに案内するよ!さっきのお礼もしたいしね!」

紬「まあ、ありがとうございます」ニコ

青年「いえいえ…」///

五人は青年に連れられて村の村長の家へと向かった
897 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 19:44:56.08 ID:m3Ua5s.0
>>887
ありがとうございます
>>888
嬉しいですが、完結は一体いつになるのかよくわかりません
よければこれからもお付き合いください
898 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 23:32:02.10 ID:miFK7oY0
------
----

村でもっとも大きい家に通された五人は、今その家の広間で村長と向かい合って座っている

村長「いやー、よくきてくれましたな!歓迎いたします」ペコリ

村長はかなり年を取っている様だがそのしっかりした体躯から、昔は頑健な若者だったろう事がよくわかる

澪「あ、いえいえこちらこそ」ペコリ

村長「先ほども村の者を助けて頂いたそうで、本当にありがとうございました」

律「いやー、当然の事をしたまでっすよ!」タハハ

村長「いやいや、本当に助かりました、あの魔物達にはほとほと困らされておりましてな」

899 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 23:33:07.85 ID:miFK7oY0
梓「あの魔物達はよく来るんですか?」

村長「そうじゃのう…あいつらが出る様になったのはここ数ヶ月の事ですのう」

律「あいつら人を襲うのか?」

村長「いや、幸いな事に村人で怪我をしたものはおらんのですが、畑を荒らされるので参っておったのです」

澪「そうだったんですか…」

村長「…さあさあ、魔物とも戦ってさぞかし疲れたじゃろう、依頼の事は明日にして今日はもう休んでくだされ」

梓「え、でも…」

村長「なにも無い村ですが食べ物と寝床ぐらいはあります、せめてものお礼にゆっくり疲れを癒してくだされ」

900 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 23:34:27.90 ID:miFK7oY0
律「まあ、そう言う事ならお言葉に甘えさせてもらうか」

澪「うん…」

唯「そうだね、さすがに疲れたよ…」

村長「それでは、誰か案内の者を…」

青年「案内なら僕がやりますよ!」

村長「おお、そうか!それでは頼んだぞ」

青年「はい!…じゃあ、皆さん行きましょうか」

挨拶をすませた五人は青年に従って村長の家をでた

901 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 23:35:05.33 ID:miFK7oY0
-----
---

テクテクテク

一行は村の中心部を通る舗装されていない道を進んでいく

周りには木で造られた簡素な家が立ち並びときおり村人達が出入りしている

律「なあ、そう言えばこの村の畑は何を作ってるんだ?」

青年「この村では主に大根を作ってるんだ」

紬「」ピクッ

澪「大根?こんな乾燥していて育つんですか?」

青年「ああ、この辺りのは乾燥に強い種類でね、痩せた土地でもよく育つんだ」

唯「へー、大根か〜」ジュルリ

梓「唯先輩…」
902 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 01:18:35.06 ID:sJwDo06o
大根足ワロタwwww
903 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 13:23:27.09 ID:l2DUymE0
たくあんの事じゃなかったのか…
904 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 14:48:01.25 ID:vko4z9g0
ビクッに見えてなにか感じたのかと
905 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 08:38:30.22 ID:VzG1EUI0
たくあんやろ
906 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 17:05:12.76 ID:skZa/qE0
いやー続きが楽しみだ
907 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 20:54:40.90 ID:kWIzGvU0
一行は村の外れにある一軒の家の前で立ち止まった

青年「さあ、着きました、この村にいる間はここを使ってください」

律「へ〜、結構立派な家だな〜」

梓「良いんですか、こんなところ使わせてもらって?」

青年「はは、構わないさ、君達は僕らの恩人だからね、それにこの村のために働いてもらうんだからこれくらい当然だよ」

唯「わーい!ありがとうございまーす!」

青年「僕は行くけど、何か必要な物があったらいつでも言ってくれ」

紬「何から何までありがとうございます」

青年「ああ、それじゃ」

唯「ばいばーい!」

908 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 20:55:35.22 ID:kWIzGvU0
青年は身をひるがえしたが、ふと立ち止まると振り向いて口を開いた

青年「あ、そうそう、言い忘れてたけど、夕食は村長が歓迎の宴を開きたいから家まで来てほしいってさ」

律「マジで!?」

澪「歓迎の宴ってそこまで…」

青年「はは、ぜひとも来てくれよ!」

青年は来た道を戻っていった

律「んじゃ、一休みしますか!」

ドア「ガチャ」

律「おじゃましまーす!」

唯「おお!広い!」

909 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 20:56:23.88 ID:kWIzGvU0
木でできた家の内部は綺麗に掃除されており、室内は三つの大きな部屋に別れている

そのうち一つは寝室らしく、簡素な木製のベッドが置かれていた

澪「へー、綺麗なもんだな」

ドア「ガチャ」

梓「澪先輩!こっちにはお風呂もありますよ!」

紬「まあ!」キラキラ

澪「本当か!」

律「よーし!みんなで入るか!」

唯「わーい!」

梓「えー…いやですよ、一人ずつ入りましょうよ」

910 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 20:57:02.18 ID:kWIzGvU0
律「おいおい、そんなことやってたらどんだけ時間がかかると思ってるんだ?」

唯「そうだよ、あずにゃん!わがままは良くないよ!」

梓「わがままって…」

紬「梓ちゃん、みんな一刻も早くお風呂に入りたいのは一緒なのよ?ね?」ハァハァハァハァ

梓「まあ、そうですけど…なんか…」

律「お風呂も広いし問題無いだろ」

梓「そうなんですけど…」チラ

紬「」ハァハァ

梓「……」

澪「梓」ポン

梓「澪先輩…」

澪「諦めろ」

梓「…はい」

紬「それじゃあ私は外の井戸でお水を汲んでくるわ」

唯「あ、私もいく!」

律「風呂焚きはあたしにまかせろー!」

911 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 20:57:51.67 ID:kWIzGvU0
-------
----

カポーン…

唯「ゔい〜…」

ザバー!

澪「ぷっ、なんだよそれ」ケラケラ

梓「親父じゃないんですから…」

唯「でへへ、ついやっちゃうんだよね」

梓「でもやっぱりお風呂は気持ちいいですすね〜」

澪「そうだな久しぶりだし」

紬「…」

梓「あれ?ムギ先輩入らないんですか?」

紬「あ、うん」

912 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 20:58:27.41 ID:kWIzGvU0
チャプ…ザバー

紬「う、ゔい〜?」

澪「」

唯「あははは!ムギちゃんなにそれ!」

紬「えへへ…やってみたかったの」///

梓「ぷっ…あははははは!ムギ先輩ってば!」

澪「くく…あははは!」

紬「えへへ」///

アハハハハハハハ!

ドア「ガチャ」

律「おー!なんだか楽しそうだな!」

澪「律!」

梓「律先輩!火の方は大丈夫なんですか?」

913 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 20:59:08.85 ID:kWIzGvU0
律「おう!なんか、ここで使ってる燃料ってどうやら石炭らしいんだ」

チャプ…ザバー

律は手桶で湯船のお湯を汲み体にかけていく

澪「石炭?」

律「ああ、だからあたしらが入る間くらい何もしなくても持つだろ」

チャプ…ザバー

梓「そうだったんですか」

律「さーてと…あたしも仲間にいれろー!」

ジャバーン!

澪「うわ!」

梓「ちょっと、やめてください!」

914 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 20:59:48.02 ID:kWIzGvU0
ジャバジャバ!

律「うぇっへっへ…お姉ちゃんいい乳してまんなー!」

モミモミモミモミ

澪「ひぃ!」

唯「あ!私も!」

モミモミ

澪「やめろー!」

ゴチッ!

律「なんであたしだけ…」

澪「」ハァハァ

紬「うふふふふひ」ハァハァ

915 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 21:01:22.91 ID:kWIzGvU0
律「さて次は…梓ちゃーん!」ガバッ

梓「うわっ!」

律「あ、こら!逃げるな!唯!」

ザバザバ

唯「了解だよ、りっちゃん隊員!」

ガシッ!

梓「ちょっと!唯先輩!離してください!」バシャバシャ!

唯「ふっふっふ、暴れても無駄だよあずにゃん!」

律「観念しろー!」

モミモミモミモミ

916 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 21:02:20.95 ID:kWIzGvU0
梓「にゃ!ちょ…ん…やめっ…!」

唯「おお!なんかエロいよあずにゃん!」

紬「」ムギュウウウウウウウ!

律「う〜ん…揉みごこちがいまいちだな…やっぱり澪の方が…」モミモミ

梓「」ピキピキ

律「ん?どしたんだ、梓?」

梓「律先輩…世の中には言って良いことと悪いことがあるんですよ!」

バシャ!

律「うわっぷ!」

917 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 21:03:55.22 ID:kWIzGvU0
唯「わっ!あずにゃんが逃げた!」

律「なに!?」

梓「ふっふっふ、二人とも覚悟してくださいよ…」

律「まずい!退却だ!」

唯「うわー!あずにゃんが怒ったー!」キャッキャ

梓「逃がしませんよ!」

バシャバシャ!キャッキャ!

澪「はぁ…なんで静かに入れないんだ…」

チャプ…

紬「うふふ♪でもとっても楽しいわ」

澪「ふふ、まあそうだな…」
918 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 22:18:46.11 ID:dZbdPBQo
律が梓に揉まれる展開はまだですか?
919 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 13:38:04.43 ID:MoMebfs0
そして百合√にGOですね
920 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 13:38:49.75 ID:MoMebfs0
IDが揉めだったwww
921 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 15:50:29.53 ID:Z2jLwqso
けいおんの最新話で唯ちゃんが結構巨乳だということが判明したわけだが…
922 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 15:53:47.95 ID:feqyElQ0
巨乳ではないだろ。貧乳から普通になった感じ。
923 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 17:45:08.65 ID:Kuaa2EQ0

VIP規制食らったぞwakwakは駄目だな
C
924 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/05(木) 21:40:28.85 ID:ZGyoj8o0
-------
----

紬「ふぅ、いいお湯だったわ♪」ホカホカ

澪「そうだな」ホカホカ

律「あー…のぼせた〜」グテッ

唯「私もだよ〜…」グテッ

澪「お前らはしゃぎすぎなんだよ…」

梓「そうです!自業自得です!」

唯「あずにゃんがあんなに激しくわたしの胸を揉んだから…」

梓「そ、それは唯先輩達が…」

925 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/05(木) 21:41:13.49 ID:ZGyoj8o0
律「あ〜、梓に揉まれたせいで巨乳になっちゃったらどうしよ〜」

梓「絶対になりません!」

唯「巨乳になったらあずにゃんにも揉ませてあげるね!」

梓「別にいいです!」

澪「はぁ……私は疲れたから夜まで寝るぞ」

律「え〜つまんね〜」

唯「そうだよ〜探検とかしようよ〜」

澪「あいにくお前らみたいに頑丈にできてないんだ…ふぁ、お休み〜」

ドア「ガチャバタン」

澪は寝室に入ってしまった

926 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/05(木) 21:42:07.95 ID:ZGyoj8o0
律「ちぇー」

唯「あ、そう言えば私も眠いかも〜…」

律「なんだよ、唯まで」

唯「やっぱり私も寝よーっと…」

フラフラ…

ドア「ガチャバタン」

澪に続き唯も寝室に入っていった

律「あーあ、あたしも寝よっかな〜」

紬「え!?探検は行かないの?」

梓「ムギ先輩、行きたいんですか…」

927 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/05(木) 21:45:33.59 ID:ZGyoj8o0
律「お!行くか、ムギ!」

紬「うん!面白そう!」

律「よっしゃあ!ムギ、あたしに着いてこい!」シャキーン!

紬「了解であります!」ビシッ!

梓(元気だなー…)

律「おい、梓はどーするんだ?」

梓「あ、えっと、私は…」

ズイ

紬が一歩梓につめよる

紬「一緒に行きましょ!」

梓「え、でも…」

ズズイ

紬「行きましょ!」キラキラ

梓「はい…」
928 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/05(木) 23:33:25.84 ID:ZGyoj8o0
-----
---

テクテクテクテク

律「うーん!良い天気だなー」ググッ

梓「それでどこ行くんですか?」

律「さぁ?」

梓「さぁって…」

律「いやまあ、じっとしてるのがやだから出てきただけだしな」

紬「あ、それじゃ青年さんのところにいってみない?」

929 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/05(木) 23:34:02.97 ID:ZGyoj8o0
梓「そうですね、でもどこにいるんでしょうか?」

律「まだ畑にいるんじゃないか?」

紬「まずは畑に行ってみよーう!」

律「ノリノリだな…」

------
---

ザクッザクッ

青年「ふぅ…」グイッ

畑でクワを振るっていた青年は体をのばし、手で額の汗を拭った

律「おーい!」

930 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/05(木) 23:34:43.13 ID:ZGyoj8o0
青年「やあ、みなさん…どうかしたんですか?」

律「いやー、ちょっと色々この村でもみてまわろうかなぁ、なんて…」

青年「そうですか……もしよかったら僕が案内しますよ?」

梓「いいんですか?」

青年「ああ、畑仕事もひと段落したしね」

紬「ありがとうございます」ニコ

青年「すまないけど、一回僕の家によらせてもらっていいかい?」

梓「?、全然構いませんけど?」

青年「よかった、畑仕事で汗だくなんだ」
931 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 00:18:01.31 ID:2im2Uww0
〜オマケ〜

律「はいはーい、らじおん!!の時間でーす」


唯「例によって嫌いな人は飛ばしてくださいねー!」


唯「今日はなんの話かな?」

律「はい、今日はあたしたちの能力比べです!」

唯「私たちの能力って?」

律「まあ、戦闘関連だな〜」

唯「なるほど、それじゃまずは何から行くの?」

律「はい、まずはこちら!"パワー"です」

唯「なになに、強い順に並べると…」

さわこ>律≧紬>梓≧唯>>>澪

932 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/06(金) 00:18:42.31 ID:2im2Uww0
律「こうなってる、と」

唯「さわちゃんが一番力が強いんだ、恐ろしいね〜」

律「そうだな、絶対に怒らせないようにしよう…」

唯「パワーっていうのは単純に筋力って事でいいのかな?」

律「ああ、そうだ」

唯「じゃあ、戦ったらさわちゃんが一番強いの?」

律「うーん、腕相撲みたいなパワー勝負ならともかく、実際の戦闘じゃそう単純に決められるもんじゃないだろ」

唯「そうだね、さわちゃんは素手だし」

律「その素手が強いんだけどな…」

唯「そして驚きなのはムギちゃんだよ!」

律「ムギはプリーストじゃなかったのか?戦の女神怖すぎる…」

唯「武器もハンマーだしね!」

933 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/06(金) 00:19:11.64 ID:2im2Uww0
律「さて、それじゃ次は"スピード"だな」

唯「はい、こちら!」

梓>さわこ>>唯=律>紬>>澪

唯「やっぱり一番はあずにゃんだね」

律「盗賊だしな、そしてここでも二番に入るさわちゃん…」

唯「それに比べて澪ちゃんは不憫だね」

律「だから次は澪の名誉挽回の"火力"ランキングだ」

唯「こちらです!」

澪>>>>>律≧紬>さわこ>>唯=梓

唯「すごい!圧倒的だよ!」

律「魔法は反則的だからな〜」

唯「一撃でたくさん倒せるしね」

律「まあ、その分燃費も悪いんだけどな」

唯「いつも戦う時は澪ちゃんは後ろにいるわけがよくわかったよ」

律「んじゃ今日のところはここまでかな」

唯「そうだね…そういえば、>>1がこのスレで五章まで終わらせたかったらしいけど、全然終わらねぇってぼやいてたよ!」

律「うわぁ…最悪だな、これだから計画性のない奴は…ろくに更新しないし」

唯「まあまあ落ち着いて、りっちゃん」

律「はぁ……んじゃ皆さんまた次回お会いしましょー」

唯「ばいばーい!」
934 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/06(金) 00:25:26.55 ID:K/wd58M0
おつかれ、次も待ってます
935 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 01:07:11.15 ID:lV7ClQ2o

間違えても途中で失踪しないでくれよwwww
936 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 19:57:14.32 ID:MhRELAk0
楽しみにしてるよ。
少しずつの更新でもいいから
支援
937 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 19:51:59.59 ID:6WbkYQIo
ゆっくりでもいい
完結さえしてくれるなら何年でも待つ
938 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/09(月) 13:41:44.21 ID:PKR1.Wc0
支援
939 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/09(月) 20:02:09.27 ID:PKR1.Wc0
しえーん
940 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 11:16:43.88 ID:RkfgjgA0
------
----

四人は青年の家に到着した

青年「すぐに着替えてくるからここで少し待ってて」

梓「あ、はい」

ドア「ガチャ」

三人がドアの前でしばらく待っていると家の中から服を着替えた青年が出てきた

青年「お待たせ…あの申し訳ないんだけど…」

律「?、どうしたんだ?」

941 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 11:17:35.91 ID:RkfgjgA0
青年「いや、うちの母がさ、どうしても君たちに寄ってって欲しいって言うんだけど…」

律「え、ああ…うん、構わないぞ」

青年「よかった、悪いけどしばらく付き合って欲しい」

------
---

青年母「さあさあ、皆さんお茶が入りましたよ」

梓「あ、ありがとうございます」

青年の家に招かれた三人は部屋の中央に据えられたテーブルについてお茶をご馳走になっていた

コトッ

青年母「この度は息子を助けて頂いたそうで、本当にありがとうございました」

942 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 11:18:24.39 ID:RkfgjgA0
そういって青年母は深々と頭を下げた

紬「あ、あの頭を上げてください!」

律「そうですよ!当然の事をしたまでです」

青年「お、おい、母さん、皆さんが困ってるじゃないか」

青年母「いえいえ、そうは言っても助けて頂いた事には変わりはありません」

青年「やれやれ…」

青年母「見ての通り私たちは貧しい農民です、畑の作物がやられたら冬を越すこともできませんでした」

紬「そうだったんですか…」

943 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 11:19:28.94 ID:RkfgjgA0
青年「すいませんね、どうしても母が皆さんに礼をしなきゃ気がすまないって言うもんだから…」

青年母「はい、なにもできませんがせめて感謝の言葉ぐらいは…ごほっごほっ!」

青年「母さん!無理して話すから!」

背を曲げて咳き込む母に青年が湯のみを渡す

青年「ほら、薬を飲んで」

青年母「ああ、すまないね…ありがとう」

---------
------

青年の家を出た四人は簡素な家が立ち並ぶ間を歩いている

四人はしばし無言で歩いていたが、程なく青年が口を開いた

944 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 11:20:22.14 ID:RkfgjgA0
青年「なんかすいませんでしたね…」

梓「いえ、そんな事ないです!」

律「ああ、感謝されて悪い気はしないしな!」

青年「…君達にそう言って貰えると気が休まるよ」

紬「あの、失礼ですけど、お母様は…」

青年「ああ…うちは早いうちに父を無くしてね…この村に鉱山があるのは知ってるだろ?」

律「ああ」

青年「母は女手一つで僕を育てるためにずっとそこで働いてたんだけど…その時に喉をやられてしまったんだ」

梓「そんな事が…」

945 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 11:21:08.54 ID:RkfgjgA0
青年「僕も本当は鉱山で働いた方が生活は楽になるんだ、けど母がそれを許してくれない」

律「そりゃあなー…」

青年「ああ、だから僕も母と同じぐらい君達に感謝してるんだ」

律「へ!またあいつ等が来たらすぐに退治してやるぜ!」

青年「ははっ、君達は本当に頼もしいな!」
946 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 11:22:18.72 ID:RkfgjgA0
------
---

青年「ここがこの村の鉱山さ、主に取れるのは石炭だけどね」

四人の前には炭鉱の入り口が大きく口を開けている

律「へぇー、結構大きいな」

梓「それにしても全然人が見当たりませんね」キョロキョロ

青年「まあ、今は魔物騒ぎがあってから村の人間は殆ど立ち入ってないからね」

紬「でもそれだと仕事の方は…」

青年「ああ、全くお手上げ状態さ、本当に畑も炭鉱もこのままダメになってしまったらこの村はお終いだよ」

947 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 11:23:20.14 ID:RkfgjgA0
タタタッ!

キャッキャ!

律「お、おい、中から声が聞こえるぞ!?」

梓「本当です!これが魔物ですか!?」

青年「い、いや、こんな音じゃないと思うんだけど…第一こんな入り口近くに…」

四人が警戒して様子を伺っていると音はどんどんと近づいてきた

紬「くるわ!気を付けて!」

三人がそれぞれ武器を構えて前方を見据える

948 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 11:24:13.91 ID:RkfgjgA0
キャッキャ!

バタバタ!

青年「お、お前ら!」

律「こ、子供!?」

炭鉱の入り口から姿を現したのは、幼い子供達だった

男の子1「あ、青年兄ちゃんだ!」

女の子「あ、ほんとうだ!」

青年「こんな所で何やってるんだ!?ここは今立ち入り禁止なのは知っているだろ!?」

男の子1「うわ、しまった!そうだった!」

949 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 11:24:52.71 ID:RkfgjgA0
青年「しまったじゃないぞ!さあ、早く村まで戻れ!」

男の子2「ほら、やっぱり…怒られるからやめた方が良いって言ったのに…」

男の子1「なんだよー!お前だって楽しんでただろ!」

ギャーギャー!

梓「なんと言うか…」

律「はぁ、ほっとしたよ…」

青年「ほら、喧嘩はやめろ」

青年が騒いでいる子供達の間に仲裁に入る

紬「うふふ、元気ね……ん?」クイックイッ

950 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 11:25:35.48 ID:RkfgjgA0
紬の服の裾を女の子が引っ張っている

女の子「ねーねー、お姉ちゃんはぼうけんしゃさんなの?」

紬「そうよ、違う街からきたの」

女の子「じゃあ、このまえのまものをやっつけてくれたのもお姉ちゃんたちなんだね!」

紬「ええ、そうだけど…」

梓「よく知ってるんだね?」

女の子「うん!お父さんとお母さんがはなしてたの!」

男の子1「あー!それ俺も聞いたぜ!なんかすっげー強くて魔物をあっという間の倒しちゃったんだろ!?」

951 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 11:26:33.75 ID:RkfgjgA0
律「へへ!その通りだ!あたし等にかかれば魔物なんてへでも無いぜ!」シャキーン!

女の子「おおー!」

男の子1「すげー!」

梓「また調子にのって…」

女の子「ねーねー、じゃあお姉ちゃんたちはまおうもやっつけられるの?」

梓「魔王?」

女の子「うん!うみのむこうのくににはまおうがいて、わるいことばっかりしてるんだって!」

律「へー?魔王ねえ…」

男の子2「そんなの作り話だろ!魔王なんているわけ無いよ!」

952 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 11:27:22.67 ID:RkfgjgA0
女の子「むっ、そんなことないよ!おばあちゃんがいるってゆってたもん!」

ギャーギャー!

青年「ほらほら!落ち着けよ、全く…」

男の子1「なあ、お前どのくらい強いんだ?」

梓「お、お前…!?」

青年「おい!そんな口を聞くもんじゃ無いぞ!」

男の子1「だってこの人ちっちゃくて弱そうなんだもん」

梓「な、な、な……!」ワナワナ


953 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 11:28:11.37 ID:RkfgjgA0
律「あ、梓!?子供の言うことだぞ!」アタフタ

紬「そ、そうよ!梓ちゃん?気にする事じゃ無いわ!」アタフタ

男の子1「なあなあ、どうなんだよー?」

青年「この人たちはお前の百倍は強いよ」

男の子1「百倍ってどれくらいだ?凄く強いのか?」

青年「ほら!いつまでもくだらない事言ってないでお前らは早く村に帰るんだ!」

男の子1「ちぇー…」

954 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 11:28:46.97 ID:RkfgjgA0
女の子「ばいばーい!」

紬「うふふ♪」フリフリ

青年に促され渋々と言った様子で子供達は村へと引き返して行った

梓「…やっぱり、小さいのがダメなんですか?」ドヨドヨ

律「そ、そんな事ないぞ!なあ、ムギ?」

紬「そ、そうよ?梓ちゃんは…その、とっても可愛いし!」

律「そうそう、可愛いよな!」

梓「はぁ……」ドヨドヨ

青年「そ、それじゃそろそろ戻ろうか?」
955 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 11:29:31.53 ID:RkfgjgA0
------
----

村に戻り青年と別れた三人は唯と澪の待つ家まで戻ってきた

ドア「ガチャ」

律「ただいまー…っと、まだ二人とも寝てるのか?」

梓「でもそろそろ起こしたほうが良いんじゃないですか?」

紬「私、様子をみてくるわ」

律「おう、頼んだ〜」

ドア「ガチャ」

956 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 11:30:03.87 ID:RkfgjgA0
律「んじゃ、あたし等は荷物の整理でもしときますか」

梓「そうですね、色々使いましたし」

律と梓はカバンをあけ、中から次々と荷物を取り出して行く

梓「律先輩、これは洗って干したほうが良いですよね?」

梓が外套を手に持って律に問いかけた

律「そうだな〜、明日下着と一緒に洗っちゃうか」

梓「はい、そうしましょう」

二人は取り出した荷物で整備や補充が必要の無いものを再度カバンに詰めなおしていく

957 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 11:30:47.51 ID:RkfgjgA0
律「これでよしっと…ついでに澪達のもやっちゃうか」

梓「え、勝手にやっちゃって良いんですか?」

律「ん?大丈夫だろ?あいつ等そんな事気にしないって」

梓「はぁ、そうですか」

ドア「ガチャ」

唯「ふぁ〜、おはよう〜」

梓「あ、唯先輩!やっと起きたんですか」

唯「うん〜、よく寝たよ」

寝室からは唯に続き澪と紬も出てきた

958 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 11:31:35.34 ID:RkfgjgA0
澪「……」ボケボケ…

律「お、澪もおはよう」

澪「…」ボケボケ…

律「澪?」

梓「どうしたんですか?澪先輩」

紬「なんか澪ちゃんまだ寝ぼけてるみたいなの」

律「はは、なんだそりゃ、まあ良いや、あたしは荷物の整備を…」

バッ!

律「あっ!」

澪「いい…自分でやる…」

959 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 11:32:07.47 ID:RkfgjgA0
律「ああ…そうか…」

梓「こ、これはどう言う事なんでしょうか?」

紬「さ、さあ?私にもわからないわ…」

座ってごそごそとカバンをあさり出した澪だが、時々頭がゆらゆらと船を漕いでいる

律「本当に大丈夫かよ…」

梓「あー!唯先輩!私の荷物の上で寝ないでください!」

唯「ふぇ…?」

梓「うわ、こんなによだれが…うぅ…」

紬「あらあら」

律「こいつら寝起き悪すぎだろ…」
960 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 11:41:20.50 ID:RkfgjgA0
どうも>>1です

暫く間が空いてしまい申し訳ありませんでした
私、ただいま絶賛規制巻き込まれ中で思う様に書き込みできませんでした

まあ、いんろー規制は長くても10日程だと思うのでそんなに問題ではないのです
じきに解除されます

が、

規制解除がきても暫く書き込みできそうもありません

と言うのも、実家が税務署の立ち入り調査をうけまして私の携帯の回線も差し押さえ?の様な状態になり一時的に使えなくなってしまうらしいからです

と言うわけで事態が落ち着くまで不定期更新が超不定期更新になってしまいますが、どうかご了承ください

最後に読者の皆様、いつもご支援ありがとうございます

961 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 12:19:01.04 ID:cYwmstAo
なにごと!?

じゃあ続きは次スレとかになるのか、書ける状態になったら改めて立て直したりする?
962 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 14:36:25.03 ID:m5rRIQAO
税務署wwwwww
ほとぼりが収まるまで気長に待っとくわwwwwww
963 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/11(水) 20:25:31.73 ID:GcdB/lMo
えええ何事だよww
気長に待ってるよー
964 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 09:21:47.01 ID:Goex1wDO
7月末分から追い付いた
私怨
965 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 22:46:15.01 ID:F47pTLco
---------
------
---

辺りが薄暗くなる頃、村長の家には明かりが灯され村人全員が集まっての大宴会が開かれていた

家に入り切らない村人達は外に幕を張り、各々で楽しんでいるようだ

ワイワイガヤガヤ

村長「さあさあ皆さんもっと召し上がって下され」

澪「あ、はい、頂いてます」

澪のセリフとは裏腹に目の前に置かれた皿の料理はあまり減っていない

966 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/22(日) 22:47:14.72 ID:F47pTLco
律「どうしたんだ?…あ!まさかここまで来てダイエットか〜?」ニヤニヤ

澪「違う!!」///

律「あはは、ごめんごめん」

紬「じゃあ、どうしたの?あまり箸が進んで無いみたいだけど…」

澪「いや、本当にお腹いっぱいなんだ、さっきから食べても食べても皿に次の料理が盛られて…」

律「まあ、確かにやたらとサービスいいよな」

おじさん1「やあやあ、やっとるかね!はっはっは!」

梓「あ、はい、どうもです」ペコリ

おじさん2「君達が魔物を追い払ってくれたお陰で酒も飲めるし、良い事尽くめだよ!」

967 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/22(日) 22:48:02.69 ID:F47pTLco
おばさん「畑も無事だったし、あんた達には感謝しきれないよ、明日も頑張っておくれ!」

紬「ええ、勿論です」ニコ

律「へへ、明日も頑張んなきゃ!」

梓「そうですね!」

澪「ああ、この村に人達のためにもな」

唯「このパイ?みたいな奴美味しいね!」バクバク!

梓「あ、ほら、唯先輩!ボロボロ食べこぼさないで下さい!」

唯「えへへ、悪いねあずにゃん」

律「よくそんなに食べられるな〜」

唯「まあね!私、食べても太らないし!」フンス!

澪「いや、そんな事は聞いてないし言ってない」

968 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/22(日) 22:48:46.39 ID:F47pTLco
青年「やあ、みんな楽しんでくれてるかい?」

梓「あ!えーと…」

紬「そう言えばお名前をまだ…」

青年「ああ!!そう言えばまだ名乗ってなかったね」

律「そういやーそうだな、なんか今更って感じもするけど」アハハ

青年「はは、それでは改めまして、僕はアッシュ、アッシュ・クリアだ」

その後HTTの面々も簡単な自己紹介を済ませた

アッシュ「あ、そうそうこれ、ウチの畑で取れた大根で作ったんだ、良かったら君達に食べて貰おうと思って」

紬「まあ!ありがとうございます」

唯「食べる食べる!」

969 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/22(日) 22:49:30.37 ID:F47pTLco
------
---

宴も終盤に差し掛かり、集まっていた村人達が次第に座を後にしていく中、五人は人も疎らになった村長の家で食後のお茶を頂いていた

唯「ふ〜、美味しかったね〜」

梓「唯先輩は本当に良く食べてましたね…」

律「てか、唯ってそんなに食べる方だっけ?」

唯「う〜ん…わかんないけど、なんかお腹が減るんだよね」

澪「そんなもんなのか…?」

律「それにしても今日だけで色んな人からすげー感謝されたな」

紬「そうね、こんなに盛大な会も開いてもらっちゃったし」

970 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/22(日) 22:51:14.18 ID:F47pTLco
村長「ほっほっほ、それだけ皆がお前さん達に感謝しておるという事じゃよ」

梓「村長さん!」

五人が話していると村長がお茶の入ったやかんを持ってやって来た

村長「この村には滅多に旅人も来ないからの、わざわざ街から来て頂いて本当に感謝しておるんじゃ」

律「へへ、まあ感謝されるのは悪く無いよな!」

村長「なにしろ貧しい村ですからのう、この季節にしっかり収穫ができないと死活問題なんじゃ」

971 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 22:52:21.38 ID:F47pTLco
紬「村長さん!その事で少しお話があるんです!」

村長「?、なんですかな?」

紬「少し耳を貸してもらえますか?」

ゴニョゴニョ

村長「ほうほう…なんと!そんな事が!」

ゴニョゴニョ

村長「なるほど…それは良いですな!」

紬「どうですか?お役にたてると思うのですけど」

村長「ふむ、それでは早速明日にでも…」

唯「ムギちゃん、なんの話だったの?」

紬「ううん、大した事じゃないの」

律「なんだよ〜いきなり内緒噺なんて」ニヤニヤ

紬「うふふ♪」

澪&梓(怪しい…)
972 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/22(日) 22:54:49.29 ID:F47pTLco
どうもお久しぶりです
どうにか事態も落ち着いた様なので今日より再開いたします

間が空いてしまいましたが、引き続き読んでくださると嬉しいです
973 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 22:55:24.23 ID:sTG.Gh2o
支援!
974 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/22(日) 23:10:07.51 ID:eo77vpoo
おかえりなさい支援!
975 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 10:58:25.57 ID:XtlEKgAO
おかえりー!!
そろそろ新スレの事も考えないとな
976 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 11:16:41.85 ID:z7QLWPUo
意外と早かったお疲れ!
977 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 11:45:40.61 ID:aXCGoEDO
楽しみにしてるよ
978 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 16:25:10.72 ID:KxP2Mtso
おかえりおつかれー
979 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 21:05:39.39 ID:6Z3yyoQ0
おつとめご苦労様でした <○> 









すみませんでした
980 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/25(水) 18:01:38.40 ID:EVKJrAA0
やれやれ 次スレの心配でもしましょうか
981 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/26(木) 22:43:42.65 ID:OLUcQjso
--------
-----
---

チュンチュン…

まだ朝日が昇ったばかりでもやの立ち込める村の道を紬は一人歩いている

紬「……」テクテクテク…

ドア「ガチャ」

自分達が泊まっている家の扉を開け中へと入った紬はそのまま寝室へと続く扉を開ける

ドア「ガチャ」

六つあるベッドのうち一つは布団がはだけており、四つにはそれぞれHTTのメンバーが収まっている

982 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/26(木) 22:44:17.58 ID:OLUcQjso
まだ朝も早いせいか全員が熟睡しているようだ

紬「うふふ♪」

微かに息遣いの聞こえる室内で紬は皆の寝顔を見ながら軽く微笑む

テクテク…

紬は一つのベッドに近づくとおもむろに声をかけた

紬「澪ちゃん、起きて」ユサユサ

澪「うむぅ…ん…」

紬「澪ちゃん、もう朝よ」ユサユサ

澪「んぁ…」パチッ

983 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/26(木) 22:45:07.64 ID:OLUcQjso
紬「澪ちゃんおはよう」ニコ

澪「ああ…ムギ、おはよう…」

澪は目を覚ますと体を起こし、大きく伸びをした

バサッ

澪「ふわぁ…ムギ起きるの早いな…」

紬「うふふ、なんだか早く目が覚めちゃって♪」

澪「そっか…私、外で顔洗ってくるよ」

紬「じゃあ…はい!これ、タオル」

澪「ありがと…」

テクテク…

ドア「ガチャ」
984 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/26(木) 22:45:40.23 ID:OLUcQjso
------
---

ドア「ガチャ」

澪「ふぅ…」

唯「あ、澪ちゃんおかえり〜」

澪「唯、起きたのか」

ドア「ガチャ」

律「ふわぁ〜あ…おはよう、澪」

梓「おはようございます、澪先輩」

澪「おはよう」

紬「さあ皆、朝ごはんにしましょう」

985 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/26(木) 22:46:09.66 ID:OLUcQjso
-----
---

唯「は〜お腹いっぱいだよ〜」グダー

律「そりゃそうだろ」

梓「見ていて気持ち良いくらい食べてましたもんね」

澪「ところで、今日は炭鉱に行くんだろ?」

律「ああ、もう少ししたら出発しようと思うんだけど、それでいいよな?」

唯「うん、全然おっけーだよ〜」

梓「一応村長さんのとこにも報告してから行ったほうが良いですよね?」

律「そうだな」

紬「それじゃ、片付け終わったら出発しましょうか」

986 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/26(木) 22:46:36.61 ID:OLUcQjso
-----
---

五人は必要な荷物を持つと村長の家へと向かった

コンコン

律「すいませーん」

ドア「ガチャ」

村長「これはこれは皆さん、おはようございます」

梓「おはようございます」

澪「今から炭鉱の調査に向かおうと思います」

987 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/26(木) 22:47:19.50 ID:OLUcQjso
村長「そうですか…おお、ちょっと待って下され」

律「?、なんだ?」

ゴソゴソ

村長「ほっほ、昨日渡そうと思ってたんじゃがすっかり忘れてしまってのう」

村長が手に持っていたのは古くなった巻物と布が巻きつけてある木の棒だった

唯「これなんですか?」

村長「炭鉱の地図と松明じゃ」

紬「わあ、ありがとうございます」

村長「見方はわかるかの、坑道にある目印とこの地図の印が一致しておる」

村長が地図上に記された記号を指で指し示す

澪「なるほど…」

988 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 22:49:13.18 ID:OLUcQjso
村長「気をつけて下されよ、何があるかわかりませんからの」

律「へへ、ちゃちゃっと解決してくるぜ!」

唯「そうそう、心配無用だよ!」フンス

村長「ほっほ、頼もしいのう」

紬「戻ったらまた報告に参ります」

村長「うむ、そうしてもらえるとありがたいのう」

澪「それでは行ってきます」

唯「行ってきまーす!」フリフリ

村長「ほっほっほ」フリフリ

五人は村長の家を出て炭鉱へと向かった
989 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 22:39:32.89 ID:Zmb.riQo
-----
---

五人の前には炭鉱の入り口がぽっかりと口を開けている

律「よーっし!突入だー!」

ガシッ

澪「ちょっとまて!」

進み出そうとする律の襟首を澪が掴んで引き留める

律「うぐっ…なんだよ、早く入ろうぜ〜」

澪「入る前にちゃんとルートを確認して置かないとまずいだろ」

律「おお!そうか!」

990 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 22:40:27.73 ID:Zmb.riQo
唯「澪ちゃんは頭が良いね〜」

梓「常識ですよ!」

澪「はぁ…」

バサッ

澪はため息をつきながら持っていた地図を広げると、五人が一様にそれを覗き込む

梓「結構広いですね…」

律「そうだな〜、こりゃあ迷わないようにしないと」

紬「でもほら、色んな所に印があるからこまめに確認しながら行けば大丈夫よ」

澪「うん、それは大丈夫そうだ、問題はどうやって回るかだけど…」


991 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 22:41:41.68 ID:Zmb.riQo
律「ん〜、ここをこうして回るってのはどうだ?」

律が地図に指を滑らせながら話す

梓「そうするとここが通れますから…」

唯「あ、ここも通れるみたいだよ!」

澪「そうだな…それで行こう」

紬「ルートは決まったわね」

律「そんじゃ今度こそ突入だ!」

唯「おー!」

992 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 22:49:15.11 ID:Zmb.riQo
じすれ!!

唯「tanasinn!」★2
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1282916911/
993 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 22:50:41.20 ID:Zmb.riQo
------
---

カツカツカツ…

暗い坑道の中に五人分の足音が響く

先頭を行く律が持つ松明の炎が周囲をぼんやりと照らしている

唯「なんだか探検隊みたいだね!」ワクワク

梓「なんですかそれ…」

律「謎の洞窟に挑む探検隊!この先に待ち受けているものは…!!」

唯「りっちゃん隊員の運命はいかに…!!」

唯と律がわざとらしい動きと芝居がかった口調で演じて見せる

梓「ぷっ…」クスクス

紬「…ふふっ…あはは!」

澪「ふふ、全くお前らはいつも通りだな」

994 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 22:51:39.70 ID:Zmb.riQo
------
---

カツカツカツ…ピタッ

T字路に差し掛かった五人は足を止めた

律「澪、ここはどっちに行けば良いんだ?」

澪「たぶんこの辺に目印があるはずだからちょっと壁の印を照らしてみてくれないか?」

律「おっけー」

律が松明を掲げて壁にある目印を探し始める

松明のゆらゆらと揺れる炎の動きに合わせて五人の影も揺らいだ

995 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 22:52:08.53 ID:Zmb.riQo
律「お、あったあった、澪、ここだぜ」

澪が目印と地図を照らし合わせるために壁に近づく

澪「えーと、今いるのはここだから……右だ、右に行けばいい」

律「よっし、右だな」

-------
---

カツカツカツ…

梓「だいぶ奥まで来ましたね」

紬「そうね、何回か行き止まりもあったし」

996 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 22:53:02.19 ID:Zmb.riQo
唯「澪ちゃん、あとどのくらい残ってるの?」

澪「うーん、たぶんそろそろ大きな空洞に出ると思うからそこまでで折り返しだな」

唯「そっか、もうひと頑張りだね!」

律「なあ、大きな空洞ってなんなんだ?」

澪「私もよくわからないけど、地図上ではそういう風に描かれてるんだ」

律「ふーん…」

梓「それにしてもここまで異常なしなんてなんだか拍子抜けしちゃいますね」

律「そうだよな〜、本当に魔物騒ぎなんてあったのかよって感じだしな」

997 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 22:53:34.57 ID:Zmb.riQo
澪「なにも無いに越したことはないだろ」

律「そりゃあそうだけどさ〜」

梓「まあ元々、魔物が出たって訳じゃないですしね」

紬「…考えてみれば変な話しよね、この炭鉱で実際に魔物がでたわけじゃないのに依頼を出すなんて」

唯「そう言えばそうだね」

律「でも気持ちも解らなくもないな、誰だってこんな暗闇の中で何かあったら不安になるに決まってる」

梓「実際ここはあんまり長居はしたく無いですよね」

998 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 22:54:08.36 ID:Zmb.riQo
唯「…あずにゃんの後ろに、人影が!!」バッ!

梓「うひゃあ!…ってちょっと唯先輩!」

唯「えへへ、つい…」

梓「全く…こういう事すると私よりも澪先輩が…」

澪「」

律「おーい、澪ー」

梓「ほら…」

唯「固まってるねー!」ツンツン

澪「」

紬「澪ちゃん…」
999 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 23:09:20.61 ID:Zmb.riQo
------
----

カツカツカツ…

さらに五人が進んで行くと、突然周囲の壁が途切れ何もない空間にでた

律「うお…!これか空洞ってのは…」

そういった律の声が周りに反響して何重にも重なって聞こえる

唯「うわ、すごいね!」

澪「見えないけどな」

梓「相当広いですね、天井も高いみたいですし」

律「ああ、天井まで光が届かないからよくわからないけど」

1000 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 23:10:08.25 ID:Zmb.riQo
紬「これは人間技じゃ無いわね…」

澪「うん、これは自然にできたものだと思うな」

梓「でもこのままじゃ身動きが取れないですね」

律「そうだな…澪、魔法でどうにかできないか?」

澪「ああ、やってみるよ」

澪は杖を取り出し頭上に掲げた

澪「……」

澪が無言で念じると杖の先が段々と光を帯びていく

1001 :1001 :Over 1000 Thread
    ´⌒(⌒(⌒`⌒,⌒ヽ
   (()@(ヽノ(@)ノ(ノヽ)
   (o)ゝノ`ー'ゝーヽ-' /8)
   ゝー '_ W   (9)ノ(@)
   「 ̄ ・| 「 ̄ ̄|─-r ヽ
   `、_ノol・__ノ    ノ   【呪いのトンファーパーマン】
   ノ          /     このスレッドは1000を超えました。
   ヽ⌒ー⌒ー⌒ー ノ      このレスを見たら期限内に完成させないと死にます。
    `ー─┬─ l´-、      完成させても死にます。
        /:::::::::::::::::l   /77
       /::::::::::i:i:::::::i,../ / |
       l:::/::::::::i:i:::、:::/ / |
       l;;ノ:::::::::::::::l l;.,.,.!  |
        /::::::::::::::::l/ /  冂
       /:::::::;へ:::::::l~   |ヌ|
      /:::::/´  ヽ:::l   .|ヌ|               製作速報VIP@VipService
      .〔:::::l     l:::l   凵                  http://ex14.vip2ch.com/news4gep/
      ヽ;;;>     \;;>

1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
ドS( =ω=.)23 < むにゃむにゃ むにゃー にゃっふんだ! @ 2010/08/27(金) 22:51:16.82 ID:tmXoMRMo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1282917076/

唯「tanasinn!」★2 @ 2010/08/27(金) 22:48:31.28 ID:Zmb.riQo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1282916911/

[今こそ行くんだ]イジメられてるっぽい娘を好きになった part8[奇遇ですね] @ 2010/08/27(金) 22:08:57.37 ID:yVLDrpU0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1282914537/

今日もうんこ出ない………… @ 2010/08/27(金) 21:33:30.00 ID:6WWPaYSO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1282912409/

泣きたくなるようなのクソゲー作ろうぜ @ 2010/08/27(金) 21:21:20.77 ID:aIF.QYco
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1282911680/


Powered By VIPService http://vip2ch.com/

402.82 KB   

スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)