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勇者「惚れた」魔王「え」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:05:11.98 ID:Mu1bmGiZ0
ス、スレ立て初めてなんで何か粗相したらすいません……。
一応最後まで書き溜めてあるので、途中で止めることはないかと。……多分。
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ポケモンSS 安価とコンマで目指せポケモンマスター part13 @ 2024/05/09(木) 23:08:00.49 ID:0uP1dlMh0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1715263679/

今際の際際で踊りましょう @ 2024/05/09(木) 22:47:24.61 ID:wmUrmXhL0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1715262444/

誰かの体温と同じになりたかったんです @ 2024/05/09(木) 21:39:23.50 ID:3e68qZdU0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715258363/

A Day in the Life of Mika 1 @ 2024/05/09(木) 00:00:13.38 ID:/ef1g8CWO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715180413/

真神煉獄刹 @ 2024/05/08(水) 10:15:05.75 ID:3H4k6c/jo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715130904/

愛が一層メロウ @ 2024/05/08(水) 03:54:20.22 ID:g+5icL7To
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715108060/

ハルヒ「最近わたしのss見かけなくなったわね」 @ 2024/05/07(火) 15:04:17.64 ID:FJQjQ6ct0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1715061856/

孤独のエレナ Season3 @ 2024/05/06(月) 23:06:58.73 ID:mOA71iC60
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1715004418/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:05:48.87 ID:Mu1bmGiZ0
<魔王城最深部・魔王の間>

魔王「ぶつぶつ……ところでどうじゃ?わしと手を組むなら……えーと、何するんだったっけ」

側近「ちょっと、そんな調子で大丈夫なの?もうすぐ勇者パーティが到着するみたいよ」

魔王「予定より早くない!?まだマニュアルの『勇者がやって来た時の台詞の例』すら覚えてないってのに!」

側近「んなもんアドリブでどうにかしなさい!魔王でしょ!」

魔王「魔王だからってそうホイホイと壮大な台詞が吐けるわけじゃないんだって!だからこうマニュアルを読んで先人達の知恵をだなぁ」

側近「あ、勇者達が来るわ!ほらしゃんとして!」

魔王「なっちょっまっ、ええいしょうがない!こうなったら覚悟を決めて、後は野となれ山となれだ!」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]:2011/03/22(火) 10:06:56.17 ID:Mu1bmGiZ0
ズガァァン!!

魔王「扉が!?」

側近「こっちに破片が!」

魔王「っ、防御魔法!」

キィィィン!ガガガガガッ

魔王「あ、危なかった……。それにしてもいったいなんだったんだ?今のは」

側近「ま、魔王!あれ!」

?「うわぁ、これはまた派手にやりましたねぇ。粉塵が舞って奥が見えませんよ」

?「確かに煙たっ、しっかし本当にいいのかねぇこんな開け方で。勇者的に」

?「……戦争はルール無用。だから問題ない」

?「そうだ、そもそもそんな細かい事を気にするくらいならこれからの心配をしろ」

魔王(さっき扉を吹き飛ばした技、それにこの気配……姿は見えないけど間違いない)

?「何せ私達の敵は……」ヒュンッ

ゴウッ
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:07:50.85 ID:Mu1bmGiZ0
側近(粉塵が吹き飛んでくっ……)

魔王(遂に来たか……)

勇者「魔王なのだからな……っ!?」ピクッ

魔王(勇者!……ん?)

勇者「―」ポケー…

魔王「何か様子が少しおかしい気が……」ヒソヒソ

側近「魔王を目の前にして怖気付いてるんじゃないの?見た感じまだ女の子って感じだしね」ヒソヒソ

側近「そんなことよりほら早くっ」ヒソヒソ

魔王「あ、ああ……」ヒソヒソ

魔王「ん、コホンっ。……よく来たな、勇者y」

勇者「惚れた」

魔王「え」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:08:49.41 ID:Mu1bmGiZ0
勇者「……」

魔王「……」

勇者「……」

魔王「あー……うん。……よく来たな、勇者y」

勇者「好きだ」

魔王「……そうだねスキーって面白いよね」

勇者「結婚しよう」

魔王「どうしよう側近この人の言ってる事意味分からない!」

勇者「む、魔族には結婚という習慣がないのか?なら教えてやろう、結婚というのは」

魔王「それはわかるから!魔族にもあるから!」

勇者「そうか、それならば問題ないな」

魔王「お願いだからちゃんと会話してよ!」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:09:43.34 ID:Mu1bmGiZ0
側近「ハッ、おおお落ち着きなさい魔王、これは相手の精神攻撃よ。私達を動揺させるための罠よ!」

魔王「な、なるほど……」

勇者「む、失礼な。私は生まれてこの方一度も嘘をついた事は無いぞ」

魔王「って言ってますが」

側近「いやいや実はそれ自体が嘘なんだって、ああ見えて実はとっても腹黒なのよ」

戦士「おいおい勇者に向かって何様だよてめぇら、ていうか……勇者と結婚ってどういう事だよ畜生ぉぉぉぉ!!!!」

魔法「『この戦いが終わったら、お前に大事な話があるんだ』とか言ってたのに……プッ」

戦士「笑うなぁ!」

僧侶「そうですよ魔法使いさん。彼だって頑張ってたのですから」

戦士「僧侶お前……」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:11:12.82 ID:Mu1bmGiZ0
僧侶「例え彼が給料三ヶ月分の指輪を用意しており、結婚式場も事前に予約済みで、既に子供の名前や今後の人生設計まで事細かにノートに書き溜めてあったりその他etc・・・の全てが無駄になったとしても、けっして笑ってはいけませんよ?」

魔法「わかった」

戦士「僧侶お前ぇぇぇぇ!!!!」

魔王「これはひどい」

側近「腹黒だったのはどうやらあの僧侶だったようね、神に仕えている身とは思えないわ」

僧侶「いえいえ僕なんてそんな大した事ありませんって」

側近「聞こえてるんかい。てか褒めてないし!」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:11:59.54 ID:Mu1bmGiZ0
勇者「戦士、お前好きな奴がいるのか?」

戦士「っ、それは……」

勇者「まぁ相手が誰だが知らんがお互いに頑張ろうじゃないか、応援してるぞ!」グッ

戦士「死んでやるぅぅぅ!」

ザシュッ!

魔法「あ、自殺した」

僧侶「はいはい蘇生魔法蘇生魔法」

パァァ

戦士「俺は死ぬ事すら許されないのかよぉ……」ウウッ…

側近「なんか……酷いパーティね、勇者様御一行のくせに」

魔王「ていうかさ、話逸れてきてない?」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:12:50.57 ID:Mu1bmGiZ0
魔王「ていうかさ、話逸れてきてない?」

勇者「む、言われてみれば」

側近「元はと言えばあんたのせいでしょうが!」

魔王「まぁまぁ、それじゃあ話を戻そうか」

勇者「そうだな。それじゃあ挙式はどこで挙げようか」

魔王「戻るどころか斜め上に飛んでった!?」

僧侶「勇者さんは天然ですからねぇ」

魔法「天然ならしょうがない」

魔王「そっか天然かぁ、それならしょうがないね」

側近「そこはつっこむところでしょうが!つか勇者と魔王が結婚とか有り得ないから!」

勇者「何故だ?」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:13:29.54 ID:Mu1bmGiZ0
側近「そんなもん敵同士だからに決まってんでしょ!」

勇者「しかし恋愛を題材にした物語には、対立する立場や身分の違う者同士の恋愛を取り扱った物も結構多いぞ?」

側近「いやまぁ確かにそうなんだけどさ、でもそもそも種族から違うし」

魔法「大丈夫、その気になれば何だって超えられる。種族の差も……性別の差も」ニヤリ

魔王・僧侶(一瞬寒気が……)

勇者「なるほど、つまり愛の前では全てが平等という事だな」

魔法「正解」

側近「んなわけあるか!そんなん成立するのは空想の中だけよ、not現実!」

勇者「私はハードルが高いほど燃えるタイプだからな、非現実的なくらいの方がやりがいがある」

勇者「それに、御伽噺の様なドラマチックな恋愛は乙女の憧れだ。うむ……いけるな!」

側近「いけるかぁ!兎に角駄目なもんは駄目!無理!不可能なの!」

勇者「たとえ駄目でも無理でも不可能でも……それを成し遂げるのが勇者というものだろう?」

側近「知るかぁぁぁぁ!」

魔法「名言入りましたー」

ギャーギャーワーワー
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:14:15.11 ID:Mu1bmGiZ0
僧侶「……いやぁ、僕らすっかり蚊帳の外ですねぇ。ね、魔王さん?」

魔王「そうだねぇ僧侶さん。ってか僕ら普通に話しちゃっていいの?一応敵同士なのに」

僧侶「でもほら、見ての通り何かグダグダでそういう雰囲気じゃないですし。それにあなたってほら、こう言ってはなんですがあんま強そうじゃないじゃないですか」

魔王「うわぁ魔王に向かってなんて事を。まぁよく言われるし否定はしないけどね」

僧侶「それにしても噂って案外当てにならないんですね、実際に会ってよく分かりました」

魔王「噂?」

僧侶「ええ、魔王についての噂です。例えば魔王は――」

カクカクシカジカ
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:14:50.43 ID:Mu1bmGiZ0
魔王「うんうん……ああ成る程。……実はあってるといえばあってるんだよぁ、それ。正確には『あってた』だけど」

僧侶「過去形ですか」

魔王「多分その噂、全部父さんの事だよ。『前』魔王のね」

僧侶「ふむ……まさか魔王が世代交代をしていたとは。それで、前魔王はどうなったのですか?」

魔王「家出した」

僧侶「……家出、ですか」

魔王「Yes家出。一週間前に突然『父はもう隠居する。探さないでくれ、後は頼む』って書置きだけ残して消息不明、ついでに金とか貴金属の類も殆ど消失してた」

僧侶「うわぁ酷い。しかし一体何故……」

魔王「さぁねぇ、心当たりも殆ど無いし。強いて挙げるなら、あの人が浮気癖持ちで最近も夜な夜な女性を家に連れ込んでたとか、仕事とか人間関係の事で愚痴ってたくらいしかないけど、それらは違うだろうしなぁ」

僧侶「はいアウトー、十中八九駆け落ちじゃないですかそれ。ていうか不倫?不倫ですよねそれ」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:15:46.79 ID:Mu1bmGiZ0
魔王「やっぱそう思う?そりゃそうかぁ。……でもあんなんだって一応魔王なんだし、職務ほっぽりだして駆け落ちなんてしないってなぁ、思いたいんだけどなぁ……やっぱ駆け落ちなのかなぁ……。あ、ちなみに母さんは随分前に父さんの浮気癖に嫌気が差して別れたから、不倫とかそういう問題はなかったり」

僧侶「ま、魔王なのにバツイチって……」

魔王「まぁ今は僕が魔王なんだけどね」

僧侶「そうでしたねー……」

勇者「ふむ、成る程。つまり魔王はまだ成り立てなのだな」

僧侶「あ、勇者さん。もう話は済んだのですか?」

勇者「ああ。交渉の結果、やはりこういう大事な事は本人の意思を尊重するべきだろう、という結論に達した」

僧侶「やっぱりというか当然というか、まぁそれが妥当ですよね」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:17:12.66 ID:Mu1bmGiZ0
魔王「ええっと……要するに、僕が勇者さんの告白を受けるかどうか選べ……と?」

魔法「……受けりゃ結婚断りゃ決闘」

側近「つうわけだからビシっと断ってやんなさい!」

勇者「さぁ来い魔王!私はお前の事を信じt」

魔王「えっと……すいませんが、お断りさせていただきます」

勇者「なん……だと……」

側近「よっしゃあ!だから言ったでしょ、魔王と勇者が結婚なんて出来ないって!」

魔王「いや、そういう問題じゃなくてさ」

勇者「そんな……なら私に何か至らないところでもあったのか……?」

魔王「それ以前に……僕は君の事を全然知らないんだよね。まだ知り合ったばかりだし」

僧侶「まぁ当然といえば当然ですよね、知り合ったばかりですし」

魔王「それに……」

魔法「それに?」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:18:00.29 ID:Mu1bmGiZ0
魔王「今うち貧乏だから他人養う余裕ないし……」

魔法「魔王なのに?」

僧侶「そういえば言ってましたねー、金品全部取られたって」

魔王「そうそう。しかもさ、それが原因で、魔王城に居た父さんの部下も全員辞めていってさ……」

僧侶「そういえばここに来るまで魔物一匹見かけなかったので、何か変だと思ってたんですが、そんな理由が……」

側近「そう、だから結婚とかそういうのしてる暇ないの!わかったらさっさと帰れ!」

勇者「……つまり、金があればいいんだな?」

魔王「へ?」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:19:29.21 ID:Mu1bmGiZ0
勇者「いいか魔王、私はこの魔王討伐の際に必要経費としてチョメ万G(ゴールド)を国から貰っている」

魔王「なっ…!」

側近「チョメ万Gって……いつもの魔王城の年間予算より多いじゃない!」

勇者「これだけの金があれば城一つはともかく、魔王個人なら一人や二人、数十年は余裕で養えるだろうな」

魔王「た……確かに……」

勇者「ふふっ、ここ以上は言わなくても分かるな?さぁ魔王、観念して私と籍を入れるがいい!」

魔王「くっ……僕は一体どうすればっ」

側近「どうするも何も無いでしょ、さっさと断りなさいよ!」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:21:10.22 ID:Mu1bmGiZ0
勇者「側近、と言ったね。安心するがいい、私達が結婚した暁には君の面倒も纏めて見てあげよう」

側近「んなもん結構よ!ていうか魔王、あんたもし勇者と結婚したら魔王から『ヒモ』にランクダウンするのよ!それでもいいの?」

魔王「う……そ、それはよろしくないかも」

勇者「ヒモ?そいつは違うな。魔王はな……『ヒモ』ではなく、『主夫』になるのだ!」

側近「いやそれあんま変わらないから」

僧侶「物は言い様ですねー」

魔王「……でもそれならアリかも」

側近「なんで!?」

魔王「ほらだってさ、『ヒモ』って言われたらいかにも何にもしてなさそうな感じだけどさ、『主夫』ならこう、家事のエキスパートって感じが……しない?」

側近「知るかっ。てか言い方の問題じゃなくて、魔王なのに勇者の稼ぎに頼って暮らすってのがおかしいって言ってんの!」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:22:44.60 ID:Mu1bmGiZ0
魔王「それはそうだけどさ……でも僕元々魔王なんてやりたくなかったし、家で大人しく家事してる方がいいなーってさ……」

魔法「……じゃあもう、魔王辞めちゃえばいいんじゃない?」


一同「……」シーン…


魔王「……その発想はなかったわ」

勇者「そこに気づくとは…やはり天才か」

側近「……ハッ、あまりにも有り得ない発想で思考が停止してたわ。つうか魔王って辞める辞めないとかそういうのじゃないでしょ!」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:23:27.78 ID:Mu1bmGiZ0
側近「……ハッ、あまりにも有り得ない発想で思考が停止してたわ。つうか魔王って辞める辞めないとかそういうのじゃないでしょ!」

僧侶「でも魔王さんの父君は辞めましたよね、夜逃げみたいな形ですが」

側近「あれは辞めたんじゃなくて逃げたの!ていうか魔王が魔王辞めたらだれが魔族達を纏めるのよ!」

魔王「って言われてもなぁ、元々父さんはあちこちを侵略するだけして、その土地の政治は完全に部下任せにしてたし。んでもってその部下達はもう辞めて、ついでに父さんから預かってた土地を自分達の領地にしてるけど、前と全く変わらずにちゃんと魔族を纏めてるって話だからなぁ。今更魔王だからって首突っ込むのはちょっと気が引けるかも」

側近「くそうあのエロ親父がしっかりしないせいで……ってあいつら何勝手に領地奪ってるのよ!?元部下だからってやっていい事と悪い事がっ」

魔王「いや、土地は僕があげたんだけどね。退職金払えないからその代わりに」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:24:21.47 ID:Mu1bmGiZ0
側近「そっ、そんなの聞いてないわよ!」

魔王「だってこれ言うと側近怒ると思ったから……怒った側近怖いし」

側近「魔王の癖に情けない事言うんじゃないわよ!大体側近を怖がる魔王なんて……」

魔王「でも側近の方が強いし」

側近「ふふん、まぁねっ」

僧侶「まぁあっさりと衝撃的な事実を」

勇者「……ん?それならば側近が魔王やればいいんじゃないのか?」

側近・魔王「……え?」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:25:43.96 ID:Mu1bmGiZ0
勇者「いや、昔本か何かで『魔族の世は力が全て』みたいな事を見た記憶があったことを思い出してな。本来魔王というものは魔族の中で最も強い者なのだろう?魔族の王なのだから」

側近「そ、そりゃあそうだけど……」

勇者「つまりだな、その魔族最強である魔王より強い側近にこそ本当の『魔王』たる資格があるのではないかと、私はそう思うのだが」

魔王「な……成る程!確かにその通りだ」

魔法「ナイスアイデア」

僧侶「ふむ、筋は通ってますね」

側近「ちょっ、なにこの展開おかしくない?」

勇者「いや、おかしくはない。なぁ魔王」

魔王「そうだね勇者さん。と言う訳で側近、後は頼んだ!」

側近「えっ、ちょっちょっと魔王!?」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:27:00.28 ID:Mu1bmGiZ0
側近「えっ、ちょっちょっと魔王!?」

魔王「いや、もう僕は魔王じゃない、これからは君が『魔王』だ……。あ、皆。僕の本名は『男』って言うので、これからはそっちで呼んでくれませんか?」

勇者「ああ、わかったよ男。それじゃあ話も済んだ所だし……帰るか!」

僧侶「そうですね……僕達の国へ!」

魔法「こんな事もあろうかと、帰還用アイテムは準備してある」

男「それじゃあこれからよろしくお願いしますね、勇者さん」

魔王「な…な…」

魔法「それでは……帰還用アイテム発動」

キイィィィィン

男「じゃあな側近、いや……魔王!」

ピカッ!
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:27:37.76 ID:Mu1bmGiZ0
魔王「……」





シーン…





魔王「……」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:28:58.92 ID:Mu1bmGiZ0








魔王「……な……」







25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:29:31.71 ID:Mu1bmGiZ0








魔王「……何よこのオチはあぁぁぁぁぁ!?」

魔王「認めない、認めないわこんなの!リテイクリテイクリテイクウゥゥゥゥゥ!」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:30:14.24 ID:Mu1bmGiZ0
<とある王国の王城・中庭>

ピカッ

魔法「……とうちゃーく」

僧侶「久々の故郷ですねぇ」

男「おお、同じ城でも魔王城とは全然違うなぁ」

勇者「さて魔王、さっそく籍を…」

僧侶「籍を入れるのは一向に構いませんが、今回の事の顛末を王へ報告してからにしてくださいね」

男「あ、そういえば皆の目的って魔王退治だったよね。結局僕もそっき…魔王も退治されてないんだけど、大丈夫なの?」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/22(火) 10:30:55.72 ID:mfxWBXeLo
おもしろいけど今一性別が分からなくなってきた^p^
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:31:52.42 ID:Mu1bmGiZ0
勇者「私達が退治すべきだったのは『悪逆非道の限りを尽くしたと噂される凶悪な魔王』だ。で、その魔王……君の父親は既に魔王を辞めており、行方知れずで尚且つご隠居の身なんだろう?だったら退治のしようが無いし、する必要も無いさ。もう見つからないし見つける必要もないからな。というわけで籍を」

僧侶「報告が先ですからねー」

勇者「お前が適当に済ませればいいだろう、見ての通り私は忙しいのだ」

僧侶「いやいやそういうわけには行きませんて。というか魔王…じゃなくて男さんはいいんですか?勇者さん籍入れる気満々ですが」

男「うーん。良いか悪いかは別にして、こっち選んじゃったからなぁ。しょうがないよ」

僧侶「『魔王を取るか、結婚を取るか』でしたっけ。まぁそういう事なら仕方ないですが……ではそれを抜きにした場合、個人的にはどうなんですか?勇者さんとの結婚」

男「いやぁ、いきなり結婚って言われても実感沸かないからよく分からないけど、勇者さんは良い人そうだから……まぁ多分大丈夫だと思うよ?お互いの仲はこれから深めていけばいいさ」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:32:26.66 ID:Mu1bmGiZ0
勇者「さすが私の夫だな、器の深さが垣間見えるぞ!」

男「て、照れるなぁ。……そういえば勢いで魔王押し付けちゃったけど、側近大丈夫かなぁ」

僧侶「もう他の女性の心配ですか、勇者さんが嫉妬しますよ?」

勇者「む、私はそこまでわがままではないぞ」

魔法「……ノーコメントで」

男「そういう事でなくて。……ま、あいつなら大丈夫か。色んな意味で強いし」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:32:56.89 ID:Mu1bmGiZ0
勇者「信頼してるんだな」

男「ま、幼馴染だし。それに強いのは本当だから」

勇者「幼馴染、か。……そうだ、男の昔の話を聞かせてくれないか?」

男「僕の?あんま面白くないと思うけど、それでもよければいくらでも。そうだなぁ…」



THE END.
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:33:56.30 ID:Mu1bmGiZ0
キャッキャウフフ

僧侶「楽しそうですねぇ向こうの二人。こっちの二人はすっかり蚊帳の外ですか」

魔法「二人……あ」

僧侶「どうしたんですか僧侶さん」

魔法「……戦士は?」

僧侶「……あ」

僧侶「……まぁ、ほっといてもその内帰ってくるでしょう。戦士さんなら」

魔法「……それも信頼?」

僧侶「さぁ?どーなんでしょうねー」

魔法「……素直じゃない」


……END?
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:34:52.81 ID:Mu1bmGiZ0
<魔王城最深部・魔王の間>

シーン…

魔王「……はぁ、いくら一人で騒いだって無意味だし、虚しいだけよね」

魔王「……」

グッ

魔王「よし!過ぎ去った事にくよくよ言ってる暇は無いわ!取られたら取り返す、そうと決まれば行動開始よ!」

魔王「ってあれ?あいつは確か……」

戦士「ブツブツ……ぇかなぁ……早く世界滅びねぇかなぁ……」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:35:28.69 ID:Mu1bmGiZ0
魔王「お、置いてかれたのかしら?……アンタそんな隅っこでなに体育座りしてブツブツ呟いてるのよ。もう皆帰ったわよ」

戦士「世界滅b……何だって!?」

魔王「いや、だから皆帰ったって」

戦士「あっ、あいつら仲間を置き去りにしやがって……てか勇者は、結婚はどうなった!?」

魔王「アンタ今まで何も聞いてなかったのね、実は……」

カクカクシカジカ
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:36:05.41 ID:Mu1bmGiZ0
戦士「そうか……、噂の魔王が魔王の父親でそいつは既に逃げ出していて魔王が魔王を辞めてお前が魔王になって辞めた魔王は勇者達と帰った……」

戦士「……やはり死ぬしかないな」チャキッ

魔王「止めなさい!」ガッ

戦士「離してくれぇ!俺にはもう生きる理由が無いんだ、お前になら分かるだろ!お前も同じ痛みを感じているんだろ!?」

魔王「だからこそよ!同じ痛みを抱える者同士だからこそ、私はアンタを止めるのよ!」

戦士「な……」

魔王「……アンタ、私と組まない?」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:36:38.91 ID:Mu1bmGiZ0
戦士「何を言って……はっ、まさかお前…」

魔王「そう、そのまさかよ」

戦士「……NTRか」

魔王「ふっ、取られたら取り返す。ただそれだけの事よ」

戦士「……いいぜ、乗った!」

魔王「あんたならそう言ってくれると思ったわ。今から私達は敵同士ではなく、共に理想の未来を目指す仲間。そう……」

魔王「『NTR同盟』の、仲間よ!」

戦士「NTR同盟……良い名前じゃねぇか。実を言うと俺はNTRも結構いける口だから……フハハハハ、滾って来たぜぇ!」

魔王「さぁ待ってなさい魔王、いや男!最後に笑うのは私だって事を、思い知らせてやるわ!」

……to be continue?
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:37:12.03 ID:Mu1bmGiZ0
おまけ。

戦士「ところでNTRってさぁ、能動形じゃなくて受動形だよな。使い方間違ってね?」

魔王「最初に言ったのはあんたでしょうが。それに、こういうのは見栄えさえ良ければ細かい事はいいのよ」

戦士「それもそうだな!ようし、待ってろよ勇者!」

魔王「さぁ、私達の戦いはこれからよ!」

ご愛読、有難う御座いました!
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 10:40:54.35 ID:Mu1bmGiZ0
というわけで、一応終わり!
……終わりなんだけど、需要があったらまた続き書くかも。
無かったら、まぁひっそりとフェードアウト。
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/22(火) 10:44:23.50 ID:TWKn9dDh0
乙 俺は見てるぜ!!
ただメンバーの性別がわかりずらいから
一度説明してくれると助かる
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [sage]:2011/03/22(火) 10:45:25.78 ID:uo3M6kkZo

需要あるある
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/22(火) 10:46:27.40 ID:OyVoiaCSO
続けてくれください
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/22(火) 11:02:20.21 ID:o5wqrC2DO
続きマダー
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/03/22(火) 11:21:19.10 ID:RZdE7HdAO
側近カワイソス
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]:2011/03/22(火) 12:14:15.49 ID:Mu1bmGiZ0
なん……だと?
ようし、やってやるぜ!(CV:八尾一樹)


性別が分かりにくいという事なので、ここでついでにキャラ紹介。

性別は勿論男。そして元魔王で今は勇者の夫。何ていうか、地味な人。
一週間だけだったが、魔王だっただけあって結構強い。しかし本人は争い事が好きでなく、魔王も仕方なくやっていたが、今回の件で側近に無理やり魔王を押し付ける事に成功。
現在は、本名である『男』として、勇者と同棲中。

勇者
性別は女。
魔王(現在は男)に一目惚れし、紆余曲折の末、色々とすっ飛ばして結婚まで漕ぎ付けた。性格は至極真面目で仲間思い、派手を好まず欲もあまり無い(一目惚れの件は例外として)と、正に勇者オブ勇者。勿論勇者らしく能力も滅法強い、そんでもって美人。でも天然入ってるから、時々TPOに一切配慮しない行動をとりだす事もあったり。今回みたいに。しかし天然だからしょうがない。
現在は男と同棲中。

僧侶
性別は男。でも一目見ただけじゃどっちだか分からないとの評判。
笑顔で毒を吐けるようなタイプ。でも一応は僧侶で神に仕える身分なので、嘘はつかない。本当の事を話さない場合もあるけど、嘘はついてないからセーフ。
現在は教会で雑務の日々だとか。でも絶対に裏で何かやってる、とは同僚の魔法使いの談。

魔法使い
性別は女。ちっさくてちっぱい、でもそこが魅力な勇者パーティのマスコット。
口も体もあまり自己主張をしないが、時たま妙なオーラを放つ。例えるならば納豆とか。
趣味は魔法の製作と絵を書く事。絵、といってもお察しの通り芸術的な意味じゃありません。そしてその手の界隈では結構知られているんです、彼女。
現在は家に篭って趣味に勤しんでる。なんとも期限が近いのだとか、何とは言わないけれども。
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]:2011/03/22(火) 12:20:48.25 ID:Mu1bmGiZ0
魔王
性別は女。元は魔王の側近だったのだが、魔王より強かった為に半ば強引に新たな魔王に任命される。
男とは幼馴染同士であり片思いの相手。今までそれとなくアプローチをかけてきたが、男が鈍感だったのとか女が男勝りの性格と強さだったのとかが災いして、今の今まで一切進展が無い。そういえば幼馴染って実際は恋愛感情が起こりにくい物なんですって。
現在は戦士と手を組み、男を取り返す為に色々頑張ってる模様。

戦士
性別は男。腕っ節が売りで、熱血を地で行く典型的な主人公タイプ。脇役だけどな。
初めて出会った時から勇者に一目惚れをし、以後ずっと思いを馳せていたが、最終的に告白すら出来ずに玉砕。死亡フラグは回避したが、彼の恋はアッサリと終わりを迎えた。その後自殺を試みるも僧侶の計らいにより復活、魔王に気づかれるまで魔王の間の隅でのこの世を呪いながらうずくまっていた。
現在は魔王と手を組み、勇者を取り返す為に色々頑張っている模様。ちなみにNTRもいける口。

以上ですよっと。
この先の展開は書き溜めが全く無い上に、あまり考えてないので、書くスピードがだいぶ遅くなります。
でもまぁ頑張れるとこまで頑張ってみるんで、時々にでも覗いてもらえるとありがたいです。
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]:2011/03/22(火) 12:23:28.85 ID:Mu1bmGiZ0
あ、そういえば皆の年齢は大体18とかそこらなイメージです。
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/03/22(火) 12:27:17.06 ID:RZdE7HdAO
それでも俺は側近派
幼なじみはロマン
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/22(火) 12:29:01.27 ID:wR++oBmC0
なかなか面白いな
無理はしないでほしいが続きやるなら期待
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/22(火) 12:57:41.90 ID:sBWLbc0C0
魔法使いの設定が俺得すぎる
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]:2011/03/22(火) 12:59:30.89 ID:Mu1bmGiZ0
僧侶「そういえばお二人はもう籍を入れて、一緒に住んでいるんですよね?」

男「ええ、まぁおかげさまで」

勇者「郊外にある一軒家でラブラブ新婚生活の真っ最中だ」

僧侶「ほうほうそれはそれは。で、どこまでいったんですか?」

男「ぶっ」

勇者「?」

男「ちょっと僧侶さん、向こうで話そうか。ああ勇者さんはそこで待ってて、すぐ済ませるから」

勇者「男同士の内緒話か、そういう事なら了解した」


さっき気づいたんですが『同棲』ってまだ結婚してない男女に使う言葉なんですね、勇者達は既に結婚だけはしてるので……やっちまったぜ。
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 13:28:44.17 ID:Mu1bmGiZ0
僧侶「で、どうなんですか?実際」

男「どうもこうも、まだキスすらしてませんて」

僧侶「ああ、期待はずれですが予想通りですね」

男「ぐぬぬ」

僧侶「でもどうしてですか?勇者さんならいつでもどこでもバッチコイだと思いますが……あ、もう既に別の」

男「違います」

僧侶「それじゃあ女はいないけど、勇者さんのことは好きじゃないとか」

男「そんな事もない。最初はそういうのわからなかったけど、一緒に暮らして彼女の事をしって、今ではまぁ、うん」

僧侶「ほら言葉濁さないで、続き言ってくださいよ続き」

男「いや勘弁してください、はずかしいんで」

僧侶「……ま、別にいいですけど。そんな事よりも、何故それではまだしちゃってないんですか?」

男「いやだってさぁ、勇者さんってさぁ……その……」

僧侶「その……」


51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 13:30:43.42 ID:Mu1bmGiZ0
僧侶の台詞訂正「その……」→「その……?」


男「……疎いみたいなんだよね、そういう事に」

僧侶「確かにそうですね、今まで色恋沙汰の一つもありませんでしたし」

男「まぁそれはいいんだけども……あの人要求してこないんだよ、キスとか一切」

僧侶「はぁ」

男「でも一緒にいる時はいつも幸せそうでさぁ」

僧侶「……はぁ」

男「そんな勇者さん見てるとさぁ」

僧侶「見てると?」

男「……こう、ふしだらな事をしちゃいけない気になるっていうかさぁ……」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 13:44:39.88 ID:Mu1bmGiZ0
僧侶「……ハァ」

男「何でそこでため息つくんですか」

僧侶「いや、まさか他人の惚気を直で聞かされる事が、ここまで鬱陶しい物だとは……と」

男「ちょっ惚気って」

僧侶「だって要は『俺の勇者さんがかわいすぎてエロい事できないどうしよう』って事でしょうそれ」

男「まぁかいつまんで言えばそうなりますね」

僧侶「認めるんですか。まぁ持つ者は持たざる者の気持ちを分からない、というのは世の道理ですが、私はともかく戦士が聞いたら発狂すると思いますよ?今の」

男「戦士さんが……ってあれ?そういえば戦士さんって…」

僧侶「ああ、彼なら心配しなくても大丈夫ですよ。体力だけは人一倍ありますから」

男「は、はぁ……」

僧侶「で、話を戻しますが。……もういっそ押し倒してしまえば早いと思いますよ?」

男「いやそのりくつはおかしい」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 14:13:42.77 ID:H0ZmQvRS0
僧侶「いやいや割と真面目な話、一線さえ越えてしまえばもう吹っ切れますって。実際」

男「何でそんな実体験したみたいに語るのさ、まさか…」

僧侶「まぁ細かい事はいいじゃないですか。そんな事よりも、どうですか?これ」

男「うわぁ気になる流し方したね、てかしませんよ!お、押し倒すなんてそんなっ……」

僧侶「夫婦なのに」

男「夫婦でもですよ、そんな無理やりは駄目です」

僧侶「勇者さんなら言ったらやらせてくれそうですがねぇ」

男「それは反論しませんが、でもやっぱ駄目だって。そういうのは、もっときちんとした経過を経てからじゃないと」

僧侶「真面目ですねぇ」

男「あなたこそ僧侶の癖にそんな軽くていいんですか?」

僧侶「しってますか?神って案外ドロドロの色恋沙汰を繰り広げているんですよ?」

男「へ、へぇ……」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/22(火) 14:17:22.63 ID:H0ZmQvRS0
僧侶「……ま、押し倒すのは無しとしても、接吻くらいはしてもいい頃だと思いますがねぇ」

男「接吻て。……でも今の状態でもお互い不満はないし、そういう事は追々考えていけばいいと思うんだ。時間はいっぱいある事だし」

僧侶「時間……ねぇ、果たして本当にそうでしょうかね」

男「え、何その伏線を張るかの如き物言いは」

僧侶「いえいえ、気にしないでください。こちらの話ですから」

男「……怪しいなぁ、僧侶さんだから余計に」

僧侶「ははは、そんなことないですって。それでは話も済んだことですし、戻りましょうか」

男「……そうだね、勇者さんを待たせちゃ悪いし」



勇者「おお遅かったなぁ二人とも」

男「ごめんなさい勇者さん、待たせちゃって」

僧侶「本当ですよ、男さんがヘタレなせいで」

男「黙れ腹黒僧侶」

勇者「なんだか知らんが……男はやるときはやる奴だぞ?」

僧侶「と言ってますが」

男「……ノーコメントで」

55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/03/22(火) 15:21:11.01 ID:gAPZn1WAO
個人的には新魔王と戦士が結婚して欲しいな
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/22(火) 20:34:48.19 ID:tTQQrPp4o
新魔王はそれなりに頑張って欲しい
戦士は…うんどうでもいいや
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/22(火) 21:31:06.30 ID:Dv2x2KQco
うん、まぁ、勇者がかわいい
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/22(火) 22:50:19.07 ID:nc/VNevDO
魔法使いがもっと脚光を浴びるべき
59 :名無しGEPPER :2011/03/22(火) 23:00:20.60 ID:VbunsJvAO
魔法使いちゃんに頑張ってもらいたい
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/03/23(水) 00:15:59.35 ID:r3TFJQcAO
勇者→女
魔王→男
戦士→男
魔法使い→女
僧侶→男

な予感
間違ってたら正してくれ
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/23(水) 00:17:26.65 ID:r3TFJQcAO
あ、すまん、クソ携帯だから1レス1レス見てて>>27にレスしちまった。
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/23(水) 00:22:20.16 ID:h2hgHdhX0
<魔王城・会議室>

魔王「えー、コホン。……それでは今から第一回NTR同盟作戦会議を始める!」

戦士「なー、それはいいんだけどさぁ」

魔王「そこ、質問は挙手してから!」

戦士「はい!」バッ

魔王「はい戦士!開始早々どうしたの?」

戦士「正直二人だけじゃこの会議室は広すぎて落ち着きません、はい!」

魔王「こういうのは雰囲気が大事なの、というわけで慣れなさい!以上!」

戦士「わかりました!」

魔王「わかればよろしい。それじゃあ今日の議題を発表するわ!」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/23(水) 11:28:44.40 ID:h2hgHdhX0
魔王「今日の議題はー…」



魔王「『軍資金の調達』についてよ!」

戦士「おおぅ、なんかテンションが下がる議題だな……」

魔王「空元気でもいいから上げなさい、じゃなきゃやってらんないわ」

戦士「お、おう!で、一体どうするんだ?」

魔王「だからそれを今から考えるんでしょうがこの馬鹿チンが!それと質問は挙手してから!」

戦士「すいませんでした!」

魔王「それじゃあ何か意見のある奴ー」

戦士「ってもお前以外じゃ俺しかいないけどなー」

ヒュン

魔王「黄金の右ぃ!」

戦士「ぶほぁ!?」

ズガァァン!

戦士「ぐ……つ、机を挟んで真正面にいたはずなのに、一瞬で真横に回りこんでから右ストレートを顔面に当ててきただと……?」

魔王「解説ご苦労。てかアンタしぶといわねぇ、私の右ストレートを食らってもピンピンしてるやつ魔王以外じゃ初めて見たわ」

戦士「まぁパーティでは切り込み隊長や壁役的ポジションはってたからな、堅さには自身あるんだ!」

64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/23(水) 12:12:20.86 ID:h2hgHdhX0
魔王「確かにデコイとしては優秀そうね、騒がしいし。で、話を戻すけど…」

戦士「はい、質問!」

魔王「アンタさっきからタイミング悪いわよ!今回は許してやるけど次やったらまた黄金の右だかんね!」

戦士「イエス・サー!」

魔王「女の場合はイエス・マム!」 

戦士「イエス・マム!」

魔王「よろしい。で、今回はどうしたってのよ」

戦士「はい!何かさっきそこはかとなく馬鹿にされた気がするんですが」

魔王「気のせい、以上!」

戦士「き、気のせいですか!?でもデコイって」

魔王「デコイっていうのは『デストロイ・コンバット・インキュベーター』の略よ。意味は『何かすっごい強い感じがする奴』。つまりこれは褒めてるってことなのよ!理解した?」

戦士「お、おお!確かに何かすっごい強そうな字面だ!……悪かったな、疑って。俺達は仲間なのにな……」

魔王「大丈夫よ、私は気にしてないから。それに私達は人だもの、間違いの一つや二つはあるわよ」

戦士「魔王お前……いいやつだな!」

魔王「それほどでもないけど、そういってもらえるなら嬉しいわ。……さぁ、議題の続きよ!」

戦士「応!」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/23(水) 12:22:24.49 ID:h2hgHdhX0
『デストロイ・コンバット・インキュベーター』もとい『destroy combat Incubator』をエキサイト翻訳してみたら『戦闘Incubatorを破壊してください。』って出た。わけがわからないよ。

ちなみに『デコイ』は英語で『decoy』です。あれ、『y』?

Incubator「なん……だと?」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/23(水) 12:43:56.86 ID:h2hgHdhX0
魔王「で、何か意見ない?あ、余計な事やくだらない事言ったら私の右が光って唸るからそこんとこよろしく」

戦士「イエス・マム!そしてはい!」ビッ

魔王「はい戦士」

戦士「ギャンブルで一発」

魔王「私の拳が血を欲しているようね……」

戦士「やっぱ真面目に働いて稼ぐのが一番だと思います!はい!」

魔王「うーん……。確かに堅実的だし現実的だけど、時間がかかるし一気に稼げないってのが難点よね。ま、とりあえずは保留という事で」

戦士「だったらやっぱギャンブr」

魔王「それは元手がないのを分かってて言ってんの?それとも空を舞いたくていってんの?」

戦士「いえなんでもありませんです、はい」

魔王「はぁ……。もうちょっとこう、安くて早くて簡単に、んでもって一気に金が入る確実な方法ってないかしらね……」

戦士「そんなんあったら誰も苦労しないだろ」

魔王「くそう、やっぱ働くしかないのか……」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2011/03/23(水) 12:51:29.91 ID:i7EkZw5/o
なんだか読んでて楽しいので期待。
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/23(水) 13:03:51.80 ID:h2hgHdhX0
戦士「はい、質問」

魔王「何かいい方法思いついた!?」

戦士「いや、それは無いけど。何でそんな手っ取り早く大金を欲しがるのかと」

魔王「金なんていくらあっても困る物じゃないし、早く手に入って悪い事もないでしょ?それに……」

戦士「それに?」

魔王「……早くしないと勇者と男の仲が深まってくでしょうがぁぁぁぁぁ!」

戦士「そうだったぁぁぁ!」

魔王「そう、そしてそれを止める為に私はある作戦を考えたんだけど……まぁこれについては追々説明するわ。で、それを実行に移す為には……兎に角金が必要なのよ、それも結構な額がね」

戦士「成る程……」

魔王「ま、それともうすぐ魔王城に貯めてあった食料が尽きそうだから、一刻も早く生活費を確保しないとって言うのもあるけどね」

戦士「それはそれで死活問題だった!?」

魔王「というわけで、何か方法を考えるわよ!私達の目的の為にも、そして生活の為にも!」

戦士「イエス・マム!」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/23(水) 14:08:05.23 ID:h2hgHdhX0
戦士「はい!」

魔王「はい戦士、期待はしないけどもくだらない事言ったらぶっ飛ばす」

戦士「多分大丈夫だからとりあえず拳を下げてください!」

魔王「下げさせて欲しかったらそれ相応の意見をいいなさいな」

戦士「くっ……まあいいさ。で、俺の意見なんだがな、魔王城にある使わない物を売るっていうのはどうだろう。魔王城だって王様が住んでるんだから美術品とかいかにもな骨董品とか多分あるだろ?貴金属は取られたって言ってたけど、そういうのはさすがに持ってかれないんじゃないか?かさばりそうだし。だからそういうのを売れば結構な…」

魔王「ふっ」

戦士「鼻で笑われた!?結構まともな案だと思ってたのに……」

魔王「いや、悪くは無かったわ。しかし……遅かったわね」

戦士「どういうことだ?」

魔王「魔王城に居た元魔王、ああ男の父親の方ね。そいつの部下達が給料貰えないからって全部辞めて、ついでに退職金代わりに土地を貰ってった。って話はもうしたわね?」

戦士「そういえばそんな話もあったな」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/23(水) 14:44:00.41 ID:h2hgHdhX0
魔王「でも元魔王の部下ってのは結構な数がいてね、そいつら全員が領地での政治を任されていた訳じゃないの。外国への侵略用の兵だっていたし魔王城で働く奴もいた」

戦士「まぁ、そりゃあそうだろうな。……ん?それじゃあ政治してた奴らはともかく、他の奴らの退職金はどうなったんだ?金とかは元魔王が……てまさかっ」

魔王「そう、持っていきやがったのよあいつら……うちに金が無いからって、そういうの全部、退職金代わりにって……!」

戦士「それじゃあ本当に何も無いのか、ここ」

魔王「ええ、残念ながらね……。つかあいつら、私が怖いからって男に退職金せびりやがって……ほいほいあげちゃう男も男よ!大体美術品とかだけだって聞いてたからぎりぎり許せたけど、まさか土地まで渡してたなんて……だー!もうなんか腹立ってきた!」バッ

戦士「とりあえず落ち着け、そしてその振り上げた拳を下げてくれ!」

魔王「……ふぅ、今のはちょっと危なかったわ」

戦士「俺の命がな。……でもこの手も使えないとなると、後は…」

魔王「略奪ね」

戦士「やったッ!!さすが魔王!おれたちにできない事平然とやってのけるッ!そこにシビれる!あこがれるゥ!」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/23(水) 15:43:25.26 ID:h2hgHdhX0
戦士「……じゃなくて、それは一番アウトな手だろ!」

魔王「んじゃあ侵略」

戦士「言い方変えたって駄目な物は駄目だ!」

魔王「でもー、元魔王だってバンバン侵略してたしー、今は私が魔王だからー、侵略しちゃってもいいかなーってぇ、思うんですよぉ」

戦士「誰だお前。てか元魔王がそういうのしまくってたから、俺達はここに来たんだけどな」

魔王「でもそれは人間の土地に踏み込んだからでしょ?こっちだけなら問題ないって」

戦士「え、なに魔族ってそういうのありなの?」

魔王「勇者だって言ってたけど、魔族は基本的に力が全てなのよ。それこそ、力が無きゃ侵略されたってしょうがないってくらいにはね」

戦士「何その世紀末状態。……でも貧困には勝てないのな」

魔王「『力』ってのは何も腕っ節だけじゃないのよ。頭が切れれば非力だろうと、相手を罠にかけるとかすれば勝てるだろうし、人徳や人脈があれば、いざって時に多くの人を頼れる。それだって元は自分の能力によるものでしょ?金だって同じよ。あればあるだけ色々出来る『力』なの」

戦士「ふぅん、何か大変なんだなぁ魔族も」

魔王「っても元魔王が色々と暴れすぎて何処も疲弊してるし、争い事はもう嫌だって空気にもなってるからか、そういう風潮は大分廃れてきてるけどね。そういうのを先導してた元魔王自身もとんずらしちゃったし」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/23(水) 17:17:57.10 ID:h2hgHdhX0
魔王「で、まぁ元魔王の時代はどちらかというと『暴力至上主義』みたいな感じで、それこそそのまんまの意味で力が強い奴が勝つって感じだったんだけど……そいつがいなくなった今じゃ、そういうのはもう時代遅れになっちゃったのよ」

戦士「やっぱ皆痛いのは嫌だったんだろうなぁ」

魔王「まぁそういう事よね。で、『暴力』の代わりに台頭してきたのが『財力』って事。痛みを伴わない上に、分かりやすくて影響力も大きいからね。どう、わかった?」

戦士「……まぁわかったけどさ、結局略奪とかそういうのが良くないって事には変わりないんじゃないか?今の魔界的にも」

魔王「まぁそうね……でもね?私の言いたい事はそんな事じゃあないのよ」

戦士「じゃあどういう事だよ」

魔王「要はね……」




魔王「何処も戦力が薄い今がチャンスだって事なのよ!」


戦士「……ええぇぇぇぇ!?こ、こいつ外道だ!ここにマジモンの外道野郎がいるぞ!」
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/03/23(水) 18:49:41.82 ID:jy2DapoAO
何か止まってるけど、どうしたの?
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/03/23(水) 18:57:45.08 ID:i7EkZw5/o
書きながらなんじゃないのかな?
無理しないとじっくり書き溜めて投下でもいいんだぜ
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/23(水) 19:06:14.72 ID:h2hgHdhX0
魔王「外道とは心外ね。私はただ魔族として自分の持てる力を、最大限に生かそうとしてるだけよ!それに魔族的には『暴力』も『財力』も同じ『力』よ、兵が無ければ増やせばいいじゃない!武器が無ければ作ればいいじゃない!『財力』は『暴力』に変えられるんだから、ハンディは無いも当然よ。それでこっちが勝っても文句を言われる筋合いはないわ」

戦士「いや、まぁ言われてみればその通りなんだけどさぁ……」

魔王「そうそう、たとえ相手が戦力を用意する前に私が大将首を取ったとしても、それはそれでしょうがないわよねぇ」

戦士「それフライングー!やっぱお前外道だったわ!」

魔王「外道だろうと何だろうと、勝った方が正義なのよ!それに私は男を取り戻すためならば、何と言われようと構わないわ!たとえどんな道であろうと、私は絶対に諦めない!」

戦士「!」

魔王「アンタはどうなのよ、戦士!」

戦士「お、俺は……」

魔王「……多分、私達がこれから進む道は血で血を洗う様な物になるかもしれない。悪と呼ばれ、外道とも非道とも言える様な道を歩く事になると思うわ」

戦士「……」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/23(水) 19:20:25.10 ID:h2hgHdhX0
36より後は、全部書きながらの投下です。
でも今回の(第一回NTR同盟会議)終わったら、>>77の好意に甘えて、またいくつか書き溜めて投下の形に戻そうかな。
>>73、自分の筆の遅さのせいで心配をかけて申し訳ないです。大丈夫です、まだ無事です。
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/23(水) 19:30:55.73 ID:uqTbj64t0
ゆっくり投下してくれ

とりあえず服着たほうがよさそうだな
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/23(水) 19:37:02.47 ID:h2hgHdhX0
魔王「だから、無理について来いとは言わない。アンタも一応勇者の仲間だもんね、置いてかれたけど」

戦士「うぐっ」

魔王「でも、それでもアンタにその道を往く覚悟があるっていうのなら……私はアンタを歓迎するわ、戦士」

戦士「そうだ、俺は……諦めたくない!俺はアイツが……勇者が好きなんだ!」

魔王「戦士……」

戦士「……俺も一緒に往くよ、魔王」

魔王「いいの?もう後戻りは出来ないわよ?」

戦士「ああ、俺は覚悟を決めた。……どんな手を使ってでも、俺が夢見た未来へと往く……覚悟を、な」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/23(水) 19:44:08.46 ID:h2hgHdhX0
あ、>>76の書き込みで>>77になってたところ。正しくは>>74です、やっちまったぜ。

ひゃっはぁ今から風呂だぁ!という事でもうちょっとだけ時間掛かるんじゃよ。

>>77
今のところこの小説でそんな展開は考えてないんだぜ。風邪引かないうちに早く服を着るんだ
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/23(水) 20:01:09.97 ID:h2hgHdhX0
ただいま帰還!
筆遅いんで時間掛かるかもだけど、NTR同盟編は今日中に終わらせるぜぃ
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/23(水) 20:30:18.43 ID:h2hgHdhX0
魔王「……アンタの覚悟、私が確かに聞き届けたわ!」

戦士「これで俺達は本当に一蓮托生ってわけだな」

魔王「ふふっ、そうね。言っとくけど、今更降りようとしても遅いからね?」

戦士「降りるわけないさ、聞いただろ?俺の覚悟」

魔王「分かってるわ、言っただけ。……さて!それじゃあ気を取り直してっと、とりあえず資金はどっかから奪うって方法で、問題ないかしら?」

戦士「ああいいぜ、それが前に進む為だってんなら……やってやるさ!」

魔王「よし、決定ね!それじゃあ攻め込む場所は後で決めるとして……とりあえず、『NTR同盟』の結成祝いをするわよ!」

戦士「おお!でもいいのか?食料はもうあまり…」

魔王「細かい事は気にしない!それに、ちょっとピンチなくらいの方が……燃えるでしょ?」

戦士「いわゆる背水の陣ってやつだな!そういう事ならいっちょ派手にやるか!」

魔王「そうと決まれば準備よ戦士!NTR同盟の旗揚げだー!」

戦士「おおー!」
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/03/23(水) 20:37:29.55 ID:3nr330TAO
なんか魔王と戦士くっついちゃいそうだな……ショボーン
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/23(水) 20:38:11.95 ID:h2hgHdhX0
というわけでNTR同盟編終了。

次からは書き溜めてから上げるから、しばらく時間が掛かるんだぜー。
それではさらばっ!
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/03/23(水) 20:39:29.38 ID:jy2DapoAO
>>73だけど
今確認した!
ガンバって!!
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/25(金) 13:29:36.15 ID:Ls0jinV60
<何か一昔前の怪しげなホテルにありそうな回るベットの上>

男「ふぁ……そ、僧侶さんっ、や、止めてっ。僕には勇者さんと言う人が、ああっ」ビク

ンッ

僧侶「おやおや、ここまで来て何を言ってるんですか。それに、言葉と違って体は正直み

たいですよ?」スッ

男「そ、それはあなたが無理やり…あっ、そ、そこはっ…」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/25(金) 13:30:34.46 ID:Ls0jinV60
男「はぁ、はぁ、はぁ……そんな……なんでこんなに…」

僧侶「悦んでいただけたようで何よりですよ、男さん。ふふっ、快楽によがる貴方があま

りに魅力的だったので……ほら、私のここもこんなに…」モロンッ

男「……」ゴクッ

僧侶「さぁ、あなたは十分に楽しんだでしょう?次は私の番です。そうですね……せっかくですから、あなたの中に直接入れさせていただく、というのはどうでしょうか」

男「な……!?そ、それはさすがに…」

僧侶「おや、拒むというのですか?これはあなたにとっても得な提案だと思ったのですがねぇ……」

男「え……?それってどういう…」

僧侶「さっきのアレ、中々だったでしょう?」

男「……」

僧侶「その無言は、肯定として受け取っときましょう。それで……もし、アレ以上の物があるとしたら、あなたはどうしますか?」

男「な、まさか…」

僧侶「味わってみたくはありませんか?先ほどとは比べ物にならない程の……快感を」

男「あ、ああ……そんな、僕は…」

僧侶「あなたはただ受け入れるだけでいいんです。そう、たったそれだけでいい……」

男「僕は……僕は…」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/25(金) 13:31:07.22 ID:Ls0jinV60
男「……」スゥ…スゥ…

僧侶「……ふふっ、可愛らしい寝顔ですね。事に及んでいる間の淫らに歪んだ表情も実意

に素敵でしたが、こちらはこちらで良い物ですね。そんな物を見せられたら、まだ起きた

ばかりだっていうのについ反応してしまうではありませんか。いや、起きたばかりだから

こそ、かもしれませんが…」

男「……ん……」

僧侶「まぁどちらでもいいでしょう、そんなことより…」

男「ふあぁ……あ、おはよう、僧侶さん」

僧侶「おはようございます、男さん。そして……いただきます!」

男「そ、僧侶さん!?そんな朝からいきなりっ…」
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/25(金) 13:31:35.68 ID:Ls0jinV60
<魔法使いの家・研究室>

男「……」

僧侶「……」

魔法「……どう?」

僧侶「……ええ、まぁ相も変わらず良い出来なんじゃないでしょうか」

男「……何ていうかもう色んな負の感情が心を渦巻いてああもう言葉に出来ないってこう

いう事を言うんだろうねってか僧侶さんはどうしてそんな平然といられるの!?まさかそ

ういう方だったとか!?だったらあなたとの付き合い方を一から考え直さなきゃならいよ

僕!」

僧侶「ははは、男さんは大げさですねぇ。これはあくまでフィクションなんですから、そ

う、フィクションなんですよ。……だから決して僕にあんな趣味があるとかそういう事は

断じてないんです……断じてないんですよ!?本当ですよ!?」ガッ

男「わ、分かった!分かったから首揺するのはやめっ」ガクガクッ

僧侶「はっ、私としたことがつい……」パッ

男「う、うおぅ……」
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/25(金) 13:33:10.66 ID:Ls0jinV60
げっ、メモ帳からコピペした後に改行直すの忘れてたぜ……
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/25(金) 13:35:31.48 ID:Ls0jinV60
僧侶「すいません勇者さん、大丈夫ですか?」

男「あ、うんまぁ揺すられただけだしね。でもどうしたの?僧侶さんらしくない」

僧侶「いえ、気にしないでください……ちょっと過去のトラウマを思い出してしまっただけですから……」

男「へ、へぇ……。(あの僧侶さんを錯乱させる程のトラウマって一体……)」

魔法「……そんなことより、感想」

僧侶「元凶が何を……というか、さっき言いませんでしたっけ?」

魔法「さっきは本の、今は魔法の」

僧侶「ああ、そういう事ですか。……そうですね、結構良いんじゃないでしょうか。珍しいタイプの魔法ですし、色々使えそうでもありますし」

男「……まぁ、本の内容はともかく、魔法自体は面白かったよね。えっと、確か……『絵を動かしながら、それを空間に投影する魔法』だっけ」

魔法「そう。特殊な魔翌力を込めたインクで絵を描いて、それを媒体にして使う魔法」
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/25(金) 13:38:29.49 ID:Ls0jinV60
>>90訂正 誤 すいません勇者さん 正 すいません男さん


僧侶「それにしても、中々臨場感がありましたね。その上音声付きとは芸が細かい」

男「そのせいで精神的ダメージが半端内ないんだけどね……」

僧侶「ま、まぁ兎に角、さっきも似たような事言いましたが、少なくとも私が見た感じでは結構良い線行くのではないかと。出来は十分いいですし、インパクトもあるので、受けはいいと思いますよ?多分」

魔法「でも問題点もある。一つは、あまり長くは動かせないし、激しい動作もそんなに出来ない事。もう一つは、インクに色々使ってるから材料費が非常に高い事。そして最後に、一度魔法使ったらインクの効力が切れるから、使いまわしが出来ない事」

僧侶「コストの問題は、今回は特に気にする必要ないでしょう。そういった指定は受けて無いわけですし。インクだって今回は一度しか使わないんですから、まぁ問題無いでしょうね」

魔法「ん、分かった。それじゃあ今回はこれでいってみる」

男「……あのー、何か途中から話が見えなくなってきたんだけど。良い線とかコストとかって、一体なんのこと?」
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/25(金) 13:40:07.64 ID:Ls0jinV60
男「……あのー、何か途中から話が見えなくなってきたんだけど。良い線とかコストとかって一体なんのこと?」

僧侶「え?僕は魔法使いさんが、てっきり話してるものかと思ってましたが」

魔法「?……既に僧侶が話してると思ってた……」

男「……あー、まぁたまにはあるよね、そういうのも。で、結局二人は何話してたの?」 
魔法「コンテスト」

男「コンテスト?」

僧侶「ええ、うちの国では魔法技術の発達を促すという目的で、時々国が費用を払って魔法のコンテストを行うんですよ。これには毎回いろんな題目があって、それにそって個人や団体で新しい魔法の製作やら何やらを行うんですが…」

魔法「今回のお題目は、『戦闘には使えない魔法』」
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/25(金) 13:41:17.61 ID:Ls0jinV60
男「ああ、だからあの魔法を」

僧侶「この国のコンテストは、どちらかというと実用的なものよりも、個性的だったり娯楽性に富んでいる方が優遇される傾向にありますからね。この国にはお祭り好きな人が多いんですよ」

男「ああ、確かに盛り上がりそうだもんね、あの魔法。……内容によるけど」

僧侶「……そこについては同意ですね」

魔法「む、まるでさっきの本にケチをつけるような言い方」

男「いや、むしろ文句を言わないほうがおかしいですって!だって、僧侶さんと僕が、あっ、あんなっ」

魔法「……キュンと来た?」

男「来るかぁ!」
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/25(金) 13:42:05.63 ID:Ls0jinV60
僧侶「ははは男さんは真面目ですねぇ。でも今の魔法使いさんとは、まともに会話しようとは思わない方が吉ですよ。僕は今までの経験からそれを悟りました」

魔法「……僧侶は最近つまらない。男は結構いいリアクションしてくれる」

男「か、確信犯かアンタ!」

魔法「大丈夫、それだけじゃない。……純粋に二人の愛を描きたい、という気持ちが、大体8割ぐらいあるから」

男「そ、それはそれで何か嫌だぁ!……はぁ、人の趣味にとやかく言う気はないけど、出来れば実在する人物を使うのは、ちょっと遠慮して欲しいかなって思うんだけど……」

魔法「大丈夫、実在はしてない」

男「いや、でもどう見ても…」

魔法「あくまでも、名前から身体的特徴から趣味趣向から何から何まで殆ど同じなだけの、『別人』だから。大丈夫」
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/25(金) 13:42:49.62 ID:Ls0jinV60
男「大丈夫じゃないから!それ見てる側からしたら同一人物だから!……ああ、漸く僧侶さんの言った言葉の意味が分かって来たよ……。今のこの人と話してると、何故か物凄く疲れる……」

僧侶「だから言ったじゃありませんか。こういう時は適当に流すのが一番なんですよ」

男「あー、本当にね。何なんだこの生気を吸われたような感じ……」

魔法「むぅ、僧侶のせいでつまらなくなってきた。……しょうがない、実は懐に忍ばせておいた私の処女作を…」スッ

僧侶「そ、それはっ…」

魔法「男、これ読んで」

男「……もう何が来ても動じませんからね」ペラッ
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/25(金) 13:43:25.13 ID:Ls0jinV60
僧侶「火炎魔法括弧極大ぃぃぃぃ!!」ゴォォォ!

男「僧侶なのに攻撃魔法!?ってか危なぁ!」ジュッ

魔法「あ、本が……」

僧侶「はあっ、はあっ、はあ……」

男「あ、危うく手まで燃えるとこだった……って僧侶さんいきなり何するの!?」

僧侶「あ、あれ、あれだけは……あの本だけはぁぁ!」

男「落ち着いて僧侶さん!ほら適当に流せって貴方言ってたじゃないか!だからその今にも撃たんとしてる魔法を収めて!」

僧侶「……はっ、私は一体何を……」

男「記憶が飛んでる!?」
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/25(金) 13:44:39.34 ID:Ls0jinV60
僧侶「魔法使いさんが懐から何かを出したところまでは覚えて……あっ…ああっ」

男「こ、この人また魔法を!?……しょうがない、ごめん!」トンッ

僧侶「あ……」バタッ

男「ふぅ……しかし腹黒さに定評のある僧侶さんを、ここまでさせるあの本って何なんだろう、ちょっと気になるなぁ。あ、でも中身見る前に燃やされたんだった……」

魔法「大丈夫、在庫はまだあるから。……見る?」

男「み……いや、やっぱ止めとく。何か怖いから」

魔法「そ。……だったらお茶でも飲む?もう十分楽しんだし」

男「……何を楽しんだってのは、聞かない方がいいんだろうなぁ。うん、そうだねお茶にしようか、もう僕も休みたいし……」
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/25(金) 13:46:12.91 ID:Ls0jinV60
<勇者&男の家・居間>

男「ただいま〜……ってあれ?勇者さんもう帰ってきてたんだ」

勇者「おかえり、随分と疲れてる感じだな。魔法使いの家で何かあったのか?」

男「まぁ、色々とね。勇者さんはどうだった?騎士団の稽古を頼まれてたんだよね、それにしては早く終わったみたいだけど」

勇者「どうだったと言われても、ひたすら騎士団の奴らと組み手をしてただけだからな。特に何もなかったぞ、勿論怪我もしてないしな」

男「それは稽古っていうのか……?ちなみにハンデはどの程度で」

勇者「こっちは素手で騎士団は武器あり、さらに騎士団の方は何人纏めてかかって来ても良い、というルールで行った。それなのにあいつら思いのあっさり全滅してな、予定ではもう少し粘るかと思ったんだが……全く、最近の騎士は軟弱者ばかりだな」

男「いや、勇者さんが強すぎるからだと思うけど……てか大丈夫かな、騎士団の人達」

勇者「煽て上手だな、男は。そう言われたら、思わず張り切ってしまうではないか。次の稽古で」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/25(金) 13:47:07.02 ID:Ls0jinV60
男「張り切るのはいいけど、騎士団の人達の命の為にも、次はもう少し自重して戦うように」

勇者「ふむ、私は手加減が苦手なのだが男に言われたら仕方ないな。次は片手のみとかで行ってみるか。ところで男、本当に何があったんだ?尋常じゃない疲労っぷりだぞ」

男「あー、ちょっと魔法使いさんの新作の魔法に付き合ってたらね……」

勇者「新作か……私も都合が取れれば是非見たかったのだがな」

男「いや……勇者さんは来なくて良かったと思うよ」

勇者「む、私が来ては何か不都合があるというのか」

男「ふ、不都合というか何と言うか……(僕と僧侶さんのチョメチョメなんて、この人には絶対に見せられないからなぁ。いや、誰にでも見せたい物じゃないけど……)」
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/25(金) 13:48:48.44 ID:Ls0jinV60
勇者「……まぁ、男が隠し事をするのは珍しいからな、たまには大目に見てやろう。それに、やましい事ではなさそうだしな」

男「勇者さん……」

勇者「さてと、今日は男が疲れてるし、私が腕によりをかけて料理を作ってやるとするか!」

男「そ、そんなの悪いよ。勇者さんだって稽古あったんだし僕も手伝うって」

勇者「……本当ならば、座って待ってろと言いたいが……でも、二人で強力して料理するというシチュエーションも正直捨てがたい……うむむ」

男「じゃあ僕は、二人で料理するに一票かな。勇者さんは?」

勇者「お、男がそういうのなら仕方ないな。亭主を支えるのも妻の役目と聞くし」

男「ははは、それじゃあさっそく始めようか」

勇者「そうだな、もうすぐ夕飯時だし、手早く済ませるとするか!」
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/25(金) 13:49:49.25 ID:Ls0jinV60
<魔法使いの家・寝室>

僧侶「う……うーん、ここは……?」

魔法「あ、起きた」

僧侶「魔法使いさん?……あれ、僕は確か貴方の新作を見に来てたはずじゃ…」

魔法「……ちょっと魔法が暴発して、そのせいで貴方は気絶した。それを男がここまで運んできた。ちなみに男はもう帰った」

僧侶「そ、そうでしたっけ……そもそも、この家に来てからの記憶が一切ないんですが……」

魔法「(最初より悪化してる……)……多分魔法が暴発して、変な力が働いたせいだと思う。命に別状はないから安心して。それと魔法についてはごめんなさい」ペコッ

僧侶「……何か腑に落ちませんが、もう気にしない事にします。何故か本能が『思い出すな』と警告を発してる気もしますし」

魔法「……それが懸命」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/25(金) 13:50:15.20 ID:Ls0jinV60
僧侶「懸命て。……それでは私もこの辺で、おいとまさせていただきますか」

魔法「……ご飯」

僧侶「え?」

魔法「食べていかない?そろそろ夜ご飯の時間、それに気絶させた侘びもある」

僧侶「は、はぁ。……そういう事ならお言葉に甘えるとしましょうか」

魔法「それと、新作……見てく?」

僧侶「それってさっき暴発したって言ってた奴ですよね、もう大丈夫なんですか?」

魔法「ううん、そっちじゃなくて。本当は明日から売るんだけど……特別に今日見せてあ

げる、今ならなんとお値段タダ」

僧侶「ああそういう……。まぁそっちは遠慮、ということで」

魔法「……相変わらず、ノリが悪い」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/25(金) 14:09:59.28 ID:Ls0jinV60
今回は魔法使いのお話です。
今までちょっと影薄かった分、今回でキャラを立たせようと頑張ってみた結果、腹黒僧侶に妙なトラウマが付いてしまったが後悔はしてない。でも冒頭の僧侶×男はちょっと後悔してるかもしれない。反省はしないけどな!

多分これからしばらくは、勇者組の話は今日みたいな日常を書いた物ばかりになります。
そしてメインシナリオは魔王組もといNTR同盟の担当です、こいつらが頑張らんと話が進まんのよ。

んで次回はNTR同盟の話になる予定。なるべく早く上げられるように頑張りマッスル、まだ一文も書いてないけどな!


104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/03/25(金) 14:24:03.19 ID:AZx9/7mAO
乙!
ガンバって!!
待ってます。
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/25(金) 18:57:43.21 ID:DK9HhvNOo
勇者が可愛いんだぜ!
最初は男性だと思ってたけど
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage ]:2011/03/26(土) 14:11:46.15 ID:YHz0KalV0
乙です。
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/28(月) 13:31:29.46 ID:BT+TnLez0
NTR同盟はまだかーまだなのかー
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/28(月) 19:36:22.61 ID:xwBrAuNZ0
<魔王城・会議室>

魔王「よーし、それじゃあ第二回NTR同盟作戦会議を始めるわよ!」

戦士「おおー!」

魔王「って言っても今回はあらかじめアタシが立ててた略奪作戦、もとい『俺の物は俺の

物、お前の物も俺の物』作戦、略してOO(ダブルオー)作戦の説明だけだから、会議っ

て程の話合いはしないんだけどね」

戦士「今脳内で『音痴』とか『粒子』とかって言葉が浮かんだんだが」

魔王「気にしたら負けよ」

戦士「……ま、負けなのか」

魔王「ええ、負けよ」

戦士「……それならしょうがないな、もう気にしないぜ!」

魔王「それじゃ、気を取り直して作戦の説明に入るわね」

戦士「いつでもこい!」
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/28(月) 19:37:12.19 ID:xwBrAuNZ0
魔王「まずは金を持ってそうな標的を決める。もうこれは目星が付いてるわ、詳しくは後

でね」

戦士「ふんふん」

魔王「で、そいつの根城に乗り込む」

戦士「ほう」

魔王「んでもって敵を全部ぶっ飛ばす」

戦士「……うん?」

魔王「後は根城を占拠して金目の物を全部頂く」

戦士「……」

魔王「……」

戦士「……え?もしかして、今ので終了?」

魔王「?…ああ、勿論食料もちゃんと頂いてくわよ?根城は要らないし、あっても邪魔だ

から放置するけど」


110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/28(月) 19:38:04.12 ID:xwBrAuNZ0
戦士「ちげぇよそういう事じゃねぇよ!お前ちょっと作戦の意味辞書で調べて来いよ!」

魔王「ああ?アタシの作戦にケチをつける気なのアンタ。大体ねぇ、こっちの戦力が二人しかいなくて切れる札が少ないのに、作戦も糞もないっての」

戦士「……作戦じゃないって自覚はあるのな。つかいくら人数が少ないからって、もう少しやりようがあるだろ。むしろ人数が少ないからこそ、作戦が重要になるんじゃないのか?無闇やたらに突っ込んでも、大勢で囲まれたりしたらきついだろうに」

魔王「全然?むしろ纏めて倒せて好都合じゃない。てかあんたの職業戦士でしょ?脳筋でしょ?戦闘馬鹿なんでしょ?だったらむしろ喜ぶべきでしょ?冒険でしょでしょ?」

戦士「さっきからでしょでしょうるせぇよ!それとお前、戦士が皆殴るしか脳が無いと思うなよ!」

魔王「それじゃあアンタは何が出来るのよ、殴る以外で」

戦士「……き」

魔王「切るとか蹴るとか言ったら、アンタを同じ目に遭わせるわ」

戦士「俺こう見えて実は料理得意なんだぜ!?」
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/28(月) 19:38:49.36 ID:xwBrAuNZ0
魔王「……まぁさっきの結成祝いの準備で、アンタが作ったの見れば確かにわかるけどさぁ」

戦士「だろ?」

魔王「戦士の癖に特技が料理って……」

戦士「おいおい最近は戦士だって、炊事洗濯掃除のスキルが求められる時代なんだぜ?」

魔王「どんな時代よそれ」

戦士「って先月の『月刊戦士』に載ってた。ま、俺はその前から得意だったけどな!ちなみに洗濯と掃除も、料理程じゃないが、そこらの戦士には負けない自信があるぜ」

魔王「何その頭の悪そうなタイトル。てか戦士が家事スキルで張り合おうとするんじゃない!」

戦士「お、お前そういうけどこれ結構旅の最中では役に立ったんだからな!どれくらいかって言うと『正直な話あなた戦力としては微妙ですが、旅のお供としては優秀ですよね、あまり認めたくはありませんでしたが』あの僧侶に言われたくらいに。どうだ凄いだろ!」
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/28(月) 19:39:26.42 ID:xwBrAuNZ0
魔王「……うん、まぁ本人がそれでいいってんなら、アタシから言う事は無いけどさ……。何かもう、どうでも良くなってきたし」

戦士「えー、お前が話せって言ったから話したのに、そんなぞんざいな扱いされるとか無いわー」

魔王「さて、作戦の段取りについては大方話したし……さっそく実行するわよ!」

戦士「スルーするとか無いわー……。ってまだ場所も標的も聞いてないんですけど!?」

魔王「ついてきゃ分かるわよ、アタシ達には時間が無いの。というわけで…」ガッ

戦士「え?何でいきなり俺の首を掴んで…」

魔王「かっ飛ばして行くわよ!」ダッ!

戦士「えっちょっ俺の体が浮いて速い速いマジで速いぃぃぃ!!」
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/28(月) 19:40:15.55 ID:xwBrAuNZ0
<魔族Aの館付近・岩場の影>

魔王「よっ」ストンッ

戦士「だっ」ダンッ

魔王「ふぅ、到着したわよ……って」

戦士「……死ぬ……これ…マジで…死ぬ……」グデッ…

魔王「生きてるわよ、だらしないわねこのくらいで。そもそも実際に走ったのはアタシだってのに」

戦士「おっ、お前には、いきなり首根っこ掴まれたと思ったら馬も真っ青な速さで引っ張られてった俺の気持ちが分からないのか!せめて心の準備ぐらいむぐっ」

魔王「だから時間が無いんだって。それと大声出さない、警備に見つかる…」

トゥルン!

警備員「む、誰だ!」

戦士「げ、気づかれた!?」

魔王「アンタが大声出すから……。でもまだ大丈夫なはずよ、多分ね」

戦士「そ、そうか……?」
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/28(月) 19:41:13.66 ID:xwBrAuNZ0
警備員「……」キョロキョロ

警備員「……」フゥ

警備員「……気のせいか……」

戦士「いやもう少し怪しめよ」

魔王「まぁこっちには好都合なんだからいいじゃない細かいことは。それよりも……」グワシ

戦士「……魔王さんや」

魔王「うふふ、何かしら?」ザッ

戦士「……何で、俺は腕を両手で掴まれているのでしょうか」

魔王「それはね……お前を背負うためよ?」グイッ

戦士「……それでは、何故今俺は背負われているのでしょうか」

魔王「それはね……お前を、投げるためよぉぉ!」グィィィッ

戦士「なんでえぇぇぇぇぇ!?」ビュゥン!

ズドォォォン!

警備員「な、何だ!?」

ナニガアッタ!
ウウ…アイツマタイキナリナニヲ…
ムムッアヤシイヤツ,モノドモデアエデアエー!
エッチョッナニアギャー!

魔王「……よし、おとり作戦は成功っと。正面突破でもいいけど、やっぱ面倒事は避けられるだけ避けたいわよね。と言う訳で、今のうちにっ」コソコソー
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/28(月) 19:55:36.11 ID:xwBrAuNZ0
後半へ、続く!


……3日もかかってこんだけかよ!と思ったそこのアナタ……全く持ってその通りです、申し訳ない……。

一応言い訳フェイズに入らせていただきますと、ちょっと色々用事があったんですよ。
で、それ+自分の遅筆が重なった結果こうなった訳です。

……こ……後半はっ、後半はもうちょっと早く上げるから、見捨てないでくださぃぃ!


116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/28(月) 19:58:45.00 ID:xwBrAuNZ0
追伸:4月からは投下頻度がさらに下がる予定ですが、多分失踪はしません。なのでもししばらく現れなくても、心配しなくていいですよー。……って心配する人……いるのか?
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/28(月) 20:12:00.57 ID:onA+J20IO
い、いるわけないでしょ///
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/03/28(月) 20:45:57.35 ID:6+rdGElAO
心配する役は任せろー!
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) :2011/03/28(月) 21:01:38.26 ID:Qj3okLSAO
べ、べつにあんたのために待っててあげるんじゃ、ないんだからね!!
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/28(月) 22:13:37.29 ID:Zbw+2jN9o
>>118
ブツブツ
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [sage]:2011/03/28(月) 22:18:56.54 ID:YW/2h6Vyo
>>120
やめて!
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage ]:2011/03/29(火) 21:26:45.87 ID:XHvcX7Fk0
乙です。
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 14:57:50.88 ID:Eb7RBQyr0
心配するなと言われたがやっぱり、な
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/04/01(金) 20:47:47.20 ID:pypgZCdu0
前回で、『後半は早く書く』とか言ってたのに、気づいたら四日も経っちまったぜ!
マジごめんなさい、反省。それと皆が優しすぎてマジ天使。

そんな天使な皆なら、前後編と銘打ちながら後編が前編の2倍以上の長さになるという暴挙に出た自分でも、笑って許してくれると信じてるんだぜ!

ごめんマジごめん。

言う事も言い終わったし、それじゃあ投下だ!

P.S
どうでもいいけど、『投下』と『上げる』ってほぼ真反対の意味を持ってるはずなのに、両方同じ意味で通じるって何か面白いよね。
……うん、本当にどうでもよかったわこれ。
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 20:49:05.87 ID:pypgZCdu0
<魔族Aの館・1階廊下>

警備員「何だ貴様h」ドサッ

警備員「な、何がおk」ドサッ

魔王「ふぅ、いっちょあがりっ。いくら表が騒がしくても、裏口から見張りを退かす程間抜けじゃなかったのは褒めたげるけど……相手が悪かったわねっ」

魔王「さーって、とりあえず本丸を潰しにいきますか!」

??「ふふふ、そう簡単に行くと思ったら大間違いだぞ?謎の侵入シャア!?」ゴッ

魔王「ったく大人しくしとけば痛い目見ずに済んだってのに……ま、これも若さゆえの過ちってやつか」

??(さっきのとは違うでー)「ほう、あの傭兵Aを倒すとは……中々やりますね、貴方」
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 20:49:42.93 ID:pypgZCdu0
魔王「ん?ああこいつそんな名前だったの」

傭兵B「ふっ、しかし彼は我ら傭兵四天王の中でも最弱。しかしこの私、傭兵Bは彼の様にはイカァ!?」バキッ

魔王「……イカってよりはタコっぽいわよね、コイツ。もしかしてタコ型の魔族の親戚とか?……ま、どうでもいイカ、なんてねっ」

魔王「ってあんなのが四人もいるのか……予想以上に楽そうね、今回。あいつら以外は、戦士がしっかり引き付けてくれてるみたいだし」

魔王「……別に、あいつの為って訳じゃあないけど、アタシが手間取ったせいでやられたーなんて言うのはアタシの沽券に関わるし……さっさと済ませるとしますかっ」
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 20:50:31.44 ID:pypgZCdu0
<魔族Aの館・正門前>

警備員「待てっこの侵入者!」

警備員達「待てー!」

ダダダダダッ

戦士「それはこっちの科白だー!ってかさっきより人数増えてる?増えてるよな!っていつの間にか目の前崖なんですけど!?」

警備員「追い詰めたぞ侵入者!あ、隊長こちらです!」

タン,タン,タン

戦士「え、この状況でまだ増えんの!?オーバーキルにも程があるって!」

ザッ

警備隊長「観念するがいい、侵入者よ!この私が来たからには、もう貴様はここから逃げられんぞ!」
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 20:51:07.60 ID:pypgZCdu0
戦士「言われ無くても、既に袋の鼠だったけどな!それよりもお前らさぁ、とりあえず落ち着け、な?そうだ、話し合おう!何でも暴力で解決しようとするのは、良くないと思うぞ!うん!」

警備員「いきなり空から突撃してきた奴が何を言うか!」

戦士「ご、誤解だ!アレは俺のせいじゃ…」

警備隊長「賊の言葉なんぞ聞く耳持たん!全員、突撃ー!」バッ! 

警備員達「ウォォォォ!」

戦士「うわぁぁぁぁ!」

キンガキンドゴッズガッバギ!
キィンビュンドガンズドンバゴン!!

戦士「ちょっ、痛い痛い物理は兎も角魔法はイカンて!俺戦士だから!防御はあるけど魔防はそんな高くないんだって!あっ駄目そこはマジd」

警備隊長「よし、どうやらあの侵入者には魔法が効くらしいぞ!皆、ありったけの魔法を奴に撃ち込め!」
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 20:51:49.67 ID:pypgZCdu0
戦士「おっお前らそんな人の弱みにつけこむ様な事して恥ずかしくないのかってあだだだだだだ!!」

警備隊長「くっ、見た感じでは確かに効いているはずなのだが……ええい、もっとだ!もっと撃ちまくれー!」

ズガンバガンドガンベガンゴバァ!!

戦士「待って、その量は本当に洒落にならなぃギャァァァ!」

カッ…ドカーン!

警備員達「はぁ……はぁ……」

警備隊長「……やっ、やったか?」

ゴゴゴゴ…

戦士「……お前らみたいな……」

警備隊長「なっ……」
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 20:52:42.90 ID:pypgZCdu0
戦士「お前らみたいな奴がいるから……」ザッ

警備員「あれだけの魔法を受けて……」

戦士「人が争いを続けるんだよコンチクショー!」ブゥン!

ゴバァ!

警備員達「ぐわぁぁぁ!!」

ヒュウゥゥゥ…

警備隊長「ぐっ……い、今のは…」

戦士「俺は魔法なんて、器用な真似は出来ないからな。圧縮した魔翌力を剣に乗せて、そいつを斬撃の時に思いっきりぶっ放した。……その名も『必殺・圧縮魔法剣(仮)』!」

警備隊長「何故……括弧……仮……」ガクッ
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 20:53:18.30 ID:pypgZCdu0
戦士「そりゃあ今のままじゃ、捻りが無さ過ぎるからな。やっぱ必殺技なんだから、カッコイイ技名付けたいだろ!」

戦士「……ってこいつ気絶してたのか、他の奴らも皆伸びてるみたいだし……」

戦士「や、やっと終わったー…」

警備員「あ、あいつだっあいつが隊長達を!」

警備員「何だって!?おのれ侵入者め……隊長の仇だ!総員、かかれー!」

警備員「ウオォォォォ!」

戦士「と思ったけどそんな事も無かったぜチクショー!」
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 20:53:56.50 ID:pypgZCdu0
<魔族Aの館・2階廊下>
傭兵C「まさか傭兵Aと傭兵Bがこんな小娘にやられるなんてね。しかし!この傭兵四天王紅一点であるワタクシは二人の様にぬるぽっ!」ドサッ

魔王「誰がこんな小娘か、このオバハンっ。あんたこそ、いい年こいてそんな露出度の高いボンテージなんて着ちゃって、何が紅一点よ。むしろ目に毒だわ、全く……」

魔王「それにしても、もう3人目か。確か四天王って言ってたわね、だったら本丸も近いのか……」

シュタッ

??「…そう、その通り!いやはや、まさかここまで来るとは思いませんでしたよ。傭兵四天王を立て続けに退けた実力、敵ながら天晴れ…」

魔王「邪魔よっ」ダッ

シュッ
バシィ!

??「…成る程。これは確かに、彼らでは荷が重過ぎましたね」ググッ

魔王「……中々やるじゃない、アタシの『左』を止めるなんて」タッ,ザッ
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 20:54:54.80 ID:pypgZCdu0
傭兵D「お褒めに預かり光栄です。私の名は傭兵D、以後お見知りおきを」

魔王「断るわ、アンタの事なんて興味ないし」

傭兵D「即答ですか……まぁ、どちらでも良いでしょう。どうせあなたとは…」キィィン,キィンキィンキィンキィン

傭兵D「もう二度と…」ヴォォォン…

カッ!

傭兵D「会う事もないでしょうからねぇ!」バシュゥ!

魔王「……」

傭兵D「はははははは!アナタがどんな力を持っていようと、4重もの強化魔法陣で破壊力を極限まで強化したこの魔法の前では…」
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 20:55:33.81 ID:pypgZCdu0
魔王「黄金の『右』……」スッ…

傭兵D「ん?今更何を…」

魔王「でこピン!」ピッ

ドバァ!

傭兵D「……な……」ポカーン

魔王「うわー、案外もろいわねぇ。拍子抜けしちゃった」

傭兵D「わた、わた、わたしの最強最大の魔法が、ただのでこピンで……」

魔王「あー、違う違う。これはただのでこピンじゃなくて、『このアタシの右手』で打ったでこピンだから」

傭兵D「な……何を訳の分からない事を…」
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 20:56:06.92 ID:pypgZCdu0
魔王「そうそう、言い忘れてたけど……私、右利きなのよね」

傭兵D「は……?」

魔王「アンタ、さっきアタシの『左』を止めて得意げになってたけど……」ダッ

傭兵D「ッ!」バッ

魔王「『右』なら、どうかしら?」ギュオ!

傭兵D「はやっガッ!」メコッ!

ドサァ!

傭兵D「……」ピクッ…ピクッ…

魔王「……ま、さすがに右は無理か。『二割』出した左を止められた時は、ちょっとだけ驚いたし、もしかしたらって思ったんだけど」
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 20:56:48.90 ID:pypgZCdu0
魔王「さーって、四天王とやらも全員倒した事だし、残るはボスだけね。確かこの階の奥だったはずだけど…」

??「甘い……」

魔王「あ?」

??「甘すぎるぞ小娘ぇ!」

魔王「……こんどは何?」

??「四天王を倒した程度でいい気になっておる様だが、我ら八大傭兵にとってみれば奴らなど小物に過ぎぬ!」

魔王「八大……さっきみたいなのが更に倍って事?……はぁ」

傭兵E「ええいだから四天王などとは格が違うと言っておろうが!人の話を聞かぬ小娘め!貴様の様な奴はこの我、傭兵Eだけで十分だ!」
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 20:57:24.32 ID:pypgZCdu0
魔王「あー、もういっそのこと一人とか言わず、纏めてかかって来なさいよ。そっちの方が早く済むからさ」

傭兵E「断る!貴様の指図なんぞ受けんわ!それに、先ほども言ったはず。貴様など、我一人で十分!」

魔王「……あー、もういいや。屋敷とか物とかはあんま巻き込むつもり無かったんだけど……何かもう、どーでもよくなってきちゃった」

傭兵E「む?何だ、この気配は……」

魔王「そもそもそんな細かい事気にするのは、アタシの性に合わないし……」ザッ

傭兵E「構えたか、何をするつもりかは知らんが……」ザッ

魔王「アンタらの茶番に付き合う必要も、無い訳だし……」ググッ…

傭兵E「……先手必勝!」ダッ

魔王「こっから撃てば半分は残るだろうし…ねっ!」ブンッ!

ゴバァッッッ!!!
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 20:57:50.95 ID:pypgZCdu0
<魔族Aの館・門前>

警備員達「待てー!」

戦士「あーもう、お前ら一体何人いるんだよー!」

ゴバァッッッ!!!

全員「!?」バッ

シュウゥゥゥ…

警備員「な……何だあれは……」

警備員「や、屋敷が……」





警備員「屋敷が半分吹き飛んでる……だと?」
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 20:58:20.54 ID:pypgZCdu0
戦士「何あれ超怖いんですけどー!?まさか魔王か!あれアイツがやったのか!?」

警備員「魔王だって……?」

マオウ?デモマオウハモウユクエフメイッテ…
イヤシカシマオウナラアレクライデキテモ…
マサカホントウニマオウナノカ?

ザワッ…

魔王「呼んだー?」シュタッ

戦士「出たぁ!」

警備員達「出たぁぁぁぁ!」ズササササー

魔王「……何よあいつらのリアクション、まるで人を化け物か何かみたいに…」クルッ
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 20:58:53.98 ID:pypgZCdu0
警備員達「ヒィィィィ!」ガクガクブルブル

魔王「……アタシあいつらに何かしたっけ?」

戦士「まぁ……直接はしてないな」

…ヨクミテミルトケッコウカワイクナイカ?
オマエナニイッテルンダ!アレハマオウカモシレナインダゾ!
デモオレニハアンナオンナノコガマオウダナンテ,ショウジキシンジラレナイケドナァ
イ、イワレテミレバタシカニ…

魔王「………………そぉいっ」ドスンッ

バコッ!

戦士「片足だけで地面にクレーター!?ってかお前いきなり何…」
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 20:59:22.20 ID:pypgZCdu0
警備員「あ、あの威力……やっぱり本物の魔王だぁぁぁ!」

警備員達「うわぁぁぁぁぁ逃げろぉぉぉぉ!」

ウワーキャーコロサレルー!
オタスケーシニタクナイヨーオチョーチャンオカーチャーン!

ドダダダダダダダダ



シーン……



戦士「……ああいうのを、蜘蛛の子を散らすようにって言うんだろうなぁ……」
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 21:00:03.24 ID:pypgZCdu0
魔王「さて、これで五月蝿いのはいなくなったわね」

戦士「さっきまで追いかけられていたけど、今はあいつらに同情するわ……」

魔王「んなこたいいのよ。アンタ、魔族A見かけなかった?」

戦士「誰?」

魔王「右ぃ!」ゴッ

戦士「べふぅ!?」バキッ

魔王「誰ってんなもん決まってるでしょ!あの屋敷の持ち主よ!説明しなかった!?」

戦士「一切されてませんが何か!?」
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 21:00:58.18 ID:pypgZCdu0
魔王「……え、マジで?」

戦士「マジで」

魔王「……」

戦士「……」

魔王「……………………てへっ☆」

戦士「言いたい事はそれだけか」

魔王「ごめんなさい」

戦士「わかればよろしい……いややっぱよろしくねぇよ!思いっきり殴られたんだぞ俺!」

魔王「だっ、だから謝ってるじゃないのよ!いいじゃない男なんだから少しぐらい!」

戦士「少しってレベルじゃねーぞ!そもそも男女関係ねーしこの暴力女!」
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/01(金) 21:02:05.67 ID:pypgZCdu0
魔王「あら……誰が暴力女ですって?」ピキッ

戦士「お前の事に決まってんだろ!ていうかお前アレじゃね?実は美少女の皮を被ったボ

ストロールなんじゃね!?」

魔王「よし[ピーーー]。魂ごと塵も残さずに、[ピーーー]」

戦士「すいませんでした」ドゲザッ

魔王「えー何聞こえなーい☆」ニコッ

戦士「いや、その調子に乗ってたっていうか、あの、ほんとマジで御免なさい」

魔王「断る!」グォッ

戦士「な、何でも言う事聞きますから!命だけは、命だけは勘弁をぉ!」

ピタッ
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage saga]:2011/04/01(金) 21:02:49.88 ID:pypgZCdu0
sagaるの忘れてたー!

146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage saga]:2011/04/01(金) 21:03:18.41 ID:pypgZCdu0
魔王「……何でも?」

戦士「イエス、ユアマジェスティ!」

魔王「ほんとに?」

戦士「男に二言はありませんです、はい!」

魔王「……そこまで言うなら、しょうがないわね。今回だけは勘弁してやるわ」

戦士「ハハー、ありがたき幸せー!」

魔王「ただし……」

戦士「へ?」

魔王「さっき言った事は……ちゃあんと、守りなさいよねっ」
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage saga]:2011/04/01(金) 21:04:32.57 ID:pypgZCdu0
戦士「さっき……はっ!?いやあれは何ていうかその、身を守る為に咄嗟に出てしまった

と言うか何と言うか…」

魔王「だれがボストロールだって?」

戦士「誠心誠意貴女に尽くさせていただく所存で御座います!」

魔王「よろしい。それじゃあ話を戻すけど、魔族A見かけなかった?何かこう、小太りの

いかにも小物っぽい奴なんだけど」

戦士「多分見てないぞ。もし見てたとしても、逃げるのに必死で気づかないと思うし」

魔王「ちっ、やくたたねぇ……」

戦士「誰のせいでそうなったと思ってんだ!?」

魔王「あ?」

戦士「どう見ても俺のせいでした心の底からゴメンナサイ」
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage saga]:2011/04/01(金) 21:05:27.80 ID:pypgZCdu0
魔王「ま、元々期待はしてなかったから、別にいいけどね。どうせ裏口とかから逃げたんだろうし」

戦士「だったら最初から…いや何でもない。実はお前の攻撃に巻き込まれて消し飛んでたとかってのは?あの屋敷を半壊させたやつ」

魔王「それはないわ。だってあれは威力こそ高いけど、性質はただの物理攻撃と大差ないからね。潰れこそすれ消えさる事は無いわよ。あ、そういえばあれで出来た瓦礫の中も探してみたけど、雑魚が何人か伸びてるだけだったわ」

戦士「名も知らぬ雑魚達よ、南無……。それじゃあ結局その魔族Aとやらは見つからなかった訳か」

魔王「だからアンタに聞いたんでしょうに。まぁ逃げたなら逃げたで、別に構わないんだけどね。屋敷は空き家になったから、一応目的は果たせるわけだし」

戦士「それもそうか。でもそれじゃあ何でそいつを探してたんだ?」


149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage saga]:2011/04/01(金) 21:06:34.33 ID:pypgZCdu0
魔王「あ?んなもん落とし前付けさせる為に決まってるでしょ」

戦士「お、落とし前?」

魔王「そうよ……あの野郎、碌に働きもしなかった癖に、色々パチって行きやがって……」

戦士「は……はぁ……」

魔王「今回で多分殆ど取り返せたけど、それとこれとは話が別だわ。次会ったらこの借りは、きっちり返させてもらうんだから……」

戦士「まぁ、何だ。とりあえず……帰ろうぜ?もうわしゃ疲れたよ……」

魔王「そりゃいいけど、ちゃんと持つもん持ってからにしなさいよ?」

戦士「え?……って、えぇー?もう後でもいいだろー……」

魔王「黙りゃ!魔界でこんな宝の山放置してたら一日たりとも持たないわよ!そうと決まれば即回収!」
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage saga]:2011/04/01(金) 21:07:09.24 ID:pypgZCdu0
戦士「その宝の山は、お前の手で半壊してるけどな……」

魔王「半壊してるって事は半分は残ってるって事よ!分かったらさっさとしなさい!半分っていっても、何回か往復するくらいはあるわよ!」

戦士「マジでかよ……。確かここってお前にあの速さで引っ張られて、数分掛かったくらいの距離なんだよな……」

魔王「うだうだ言わないでキリキリ働きなさい、男に二言はないんでしょ?」

戦士「うぐっ……。や、やればいいんだろやれば!」

魔王「そうそう、アンタは死ぬまで私に尽くす運命なのよ。そう……アンタは私の奴隷なのよ!」ビシィ!

戦士「どれっ……く…くそぅ!いつか……いつか、下克上してやるからなぁー!うわーん!」タタタタッ

魔王「はいはい。いつか、ねー」

戦士「チクショォォォォ!」
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage saga]:2011/04/01(金) 21:13:09.00 ID:pypgZCdu0
今回長くなったのは、大方傭兵さん’Sのせい。
彼らには魔王ちゃんの引き立て役として犠牲になって頂きました。南無。

この後は勇者達……に入る前にちょっとだけ、今回の話の補足的な感じの番外編がある予定。
明日明後日には投下できる……はず……はず!
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/01(金) 22:04:29.66 ID:8dV5vSnTo
待ってる
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 22:06:45.17 ID:0PpoNYoH0
楽しみに待ってるぞー
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/02(土) 02:00:23.37 ID:eAB7gw2fo

待ってるぜ
ちなみに時間的にエイプリルフールは無効だからな
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage ]:2011/04/02(土) 08:35:32.92 ID:4oeeMhTQ0
乙です。
156 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/04/03(日) 14:29:22.73 ID:NC0+Q75i0
ヒャッハー予告通りに番外編投下だぜヒャッハー
それと酉を付けてみたんだぜヒャッハー、でもちゃんと出来てるか不安なんだぜヒャッハー
157 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/03(日) 14:30:33.87 ID:NC0+Q75i0
無事に酉ついたんで投下。


<魔王城・倉庫>

戦士「お……終わったぁー!」バタッ

魔王「んー、こいつらの換金と引き取りは業者に任せればいいから……よし、今日はもう休んでもいいわよ」

戦士「い……言われなくてももう一歩も動けないけどな……」

魔王「やーいへたれー、アタシの半分も運んでないくせにー」

戦士「もうへたれでもいいや……大体、魔族最強と比べられても困るんですけどー」

魔王「まぁたかが一戦士如きとは格が違うものね、格が」フフンッ

戦士「ぐぬぬ。あ、話は変わるけどさ、魔族Aだっけ。今回お前がそいつを狙ったのって

さ、そいつがここの物持ってきすぎたからだって理由だったよな?」

魔王「その通りだけど、それがどうかした?」
158 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/03(日) 14:32:01.57 ID:NC0+Q75i0
戦士「いや、何でお前がそんな事分かってたんだろうなーって。財産の管理は全部魔王任

せだったんだろ?」

魔王「ふ、愚問ね。そんなもの決まってるでしょ……『乙女の勘』よ!」ババーンッ

戦士(乙女……?)

魔王「何か言いたそうな顔ね」

戦士「いえいえ滅相も無い!で、それだけ?」

魔王「は?何言ってんのよアンタ」

戦士「だ、だよねー。それだけじゃさすがにねー…」

魔王「どんなセンサーにも勝る感知能力を持っている『乙女の勘』を『それだけ』なんて……これだから馬鹿は困るわ」

戦士「お前が何言ってるんだ。ってか乙女の勘一つで屋敷半壊させられるとか……魔族A不憫すぎるだろ」

魔王「でも実際にブツがあったでしょ?現実を見なさいよ現実を」

戦士「くっ……勘ばかりに頼ってるといつか後悔するぞ、主にカジノで」

魔王「と、経験者は語るのであった」

戦士「ぐぬぬ」
159 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/03(日) 14:33:37.98 ID:NC0+Q75i0
魔王「……でもカジノか……ありかも知れないわね!」

戦士「この前ギャンブルとか提案しかけた俺が言うのもなんだけど、止めろよ!絶対に止めろよ!賭博ってのは基本的に主催者側が儲けるように出来てるんだからな!」

魔王「それでも勝ち組は存在するんでしょ?」

戦士「天賦の運に恵まれた奴とか腕の良いサマ師とか、そういった能力を持った一部の奴だけだけどな」

魔王「アタシにも乙女の勘があるわ」

戦士「さっきから思ってたけど、乙女の勘に対する信頼度高すぎるだろお前。……まぁどうしてもやると言うなら、無理には止めないけどな。一度現実を見てくるがいいさ」

魔王「敗者の戯言は聞くに堪えないわね、ププッ」

戦士「今はそうやって笑っているがいいさ、そのうち出来なくなるんだからな……」

魔王「はいはい、わかったわかった。あ、そういえばさっきの魔族Aの話だけど、勘は勿論だけど、その他にも少しは根拠あったのよ?まぁ些細な事だけど」
160 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/03(日) 14:35:45.44 ID:NC0+Q75i0
戦士「一応そういうのはあったのか……」

魔王「アイツって昔から守銭奴な陰険野郎って有名だったのよ。その上引き篭もりで、基本的にはいつも、貯めた金とかと一緒に屋敷に篭もってたわ。自分の身と金を守る為に、その金で雇った大量の警備員や傭兵を屋敷のあちこちに置いてね」

戦士「だからあんなに警備員がいたのか……。それでも、屋敷の規模に比べると過剰だった気もしたけどな」

魔王「色々と汚い手段で荒稼ぎしてたらしいしねぇ、恨まれる事も相当してきたんでしょ。だからこそ前魔王にその手腕を買われて、部下になれたらしいんだけどね」

戦士「成る程。これだから金持ちは……」

魔王「この世の金持ちが全員汚い金しか持ってない、って訳じゃないと思うけどね。兎に角、そんな奴が今回みたいなボーナスチャンスを逃す訳がないだろうって踏んだ訳よ。で、ちょっと調べてみたらつい数日前にあの屋敷に何か運んでたって情報が入ってね?これはもう黒だって、乙女の勘が告げたわけよ。そして今に至る、と」

戦士「いや乙女の勘発動すんのおせぇだろ!てかそれもうただの推理だから!」

魔王「…………い、いや乙女の勘だって」
161 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/03(日) 14:36:49.98 ID:NC0+Q75i0
戦士「今ちょっと悩んだだろ」

魔王「悩んでないって」

戦士「いや絶対に悩んだだろ」

魔王「ええい奴隷の癖に生意気よ!兎に角、乙女の勘ったら乙女の勘なの!」

戦士「……もうこの際乙女でもなんでもいいけどさ……とりあえず、賭博は止めようぜ?

な?」

魔王「生意気な奴には右ぃ!」シュッ

戦士「暴力はんtべふぅ!」バキッ

ドサッ

魔王「……じ……」

魔王「……次回から、『賭博黙示録魔王』、始まるわよ!」ビシィッ
162 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/03(日) 14:55:54.20 ID:NC0+Q75i0
嘘です、二日遅れの4月馬鹿です。勿論次回からも平常運転でお送りします。

これはアレです。当日はこの行事の存在を完璧に忘れ去っており、翌日にその事を思い出して激しく後悔した作者の悪あがきです。

本当の次回は勇者編です。相変わらずまだ何も書いてない上、以前言ったように書ける時間も3月より短いので、投下までは時間が掛かりますが。

でもエタりはしないよ!
163 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/03(日) 16:07:21.35 ID:NC0+Q75i0
番外編の番外編

戦士「そういえばお前どうやって屋敷ぶっ壊したの?」

魔王「あれ?何てこと無いわよ、ただ魔力を拳に集めてそれをぶっ放しただけ」

戦士「……それだけ?」

魔王「それだけ」

戦士「……なぁ」

魔王「なによ」

戦士「人を十数人吹き飛ばすのと、豪邸を半分吹き飛ばすのとじゃあ、どれぐらい力の差があるんだろうなぁ……」

魔王「は?いや知らないけど……まぁ、天と地ぐらいの差はあるんじゃない?」

戦士「だよなぁ……」ズーン…

魔王「ど、どうしたのよそんな落ち込んで」

戦士「気にしないでくれ……所詮俺の必殺技なんてスライム一匹殺せないんだ……」

魔王「……?」
164 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/03(日) 16:09:51.92 ID:NC0+Q75i0
そういえばこっちの説明もしてなかったなーって事で即興の短編投下。
特にヤマは無し。それにオチも無し。更に意味……は少しだけあり。
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 16:27:34.87 ID:wC/0E/b4o

スライム倒せないとか
ひのきの棒で勝てるのに…
166 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/03(日) 16:40:06.20 ID:NC0+Q75i0
>>165
スライム1匹〜ってのは戦士さんの行き過ぎた自虐なんだぜ。所謂『俺なんて何をやっても〜』みたいな。
実際の威力は本編で推して知るべし。
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 20:07:48.71 ID:jy+CExyno
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage ]:2011/04/03(日) 20:55:41.40 ID:lQ2DrIv30
乙です。
169 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/04/09(土) 01:48:18.13 ID:zYUj0AjU0
<王城・玉座の間>

僧侶「勇者一行任務を終了し、ただいま帰還いたしました」

国王「……いつの間に『勇者一行』は、お前だけのワンマンパーティになったんだ?」

僧侶「いや、ぶらり僧侶一人旅とか難易度高すぎるでしょう。そんな無理ゲー私にはやれませんって」

国王「んじゃあ何か?お前以外全滅したとでも言うのか?」

僧侶「いやいや皆さん無傷で帰還しましたよ?それこそ魔王城に乗り込んだとは思えないくらいに」

国王「……それじゃあまさか、国王への報告をお前一人に任せたとか言うんじゃないだろうな」

僧侶「そのまさかですね」
170 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/04/09(土) 01:48:58.28 ID:zYUj0AjU0
国王「……いや、うんまぁ無事に帰ってきたって事が分かったからいいっちゃいいんだけどさぁ。……でも俺仮にも国王だよ?もうちょっと敬意とか、そういうのがあっても良いと思わない?」

僧侶「ほら、結構前に国中で宣伝してたじゃないですか。『親近感溢れる庶民派国王を目指す』って、アレの効果が出てるんですって。きっと」

国王「そういうもんか?何か違う気がするんだが……」

僧侶「細かい事気にしてると禿げますよ」

国王「不敬罪でしょっ引くぞお前」

僧侶「不敬罪は以前廃止したじゃないですか、あの宣伝の一環で」

国王「ちっ、そうだった……。まぁいい、とりあえず今回のあらましを手短に報告してくれ」
171 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/04/09(土) 01:49:30.03 ID:zYUj0AjU0
国王「詳しい事は後で紙にでも纏めてもらおうと思っただけなんだけど。何お前俺に恨みでもあるの?」

僧侶「いえ決してそのような事はないのですが、ついつい癖で」

国王「癖で毒吐く僧侶とか聞いたこと無いんだけど」

僧侶「ここにいるじゃないですか」

国王「マジうぜぇこの僧侶……もういい、さっさとしてくれ」

僧侶「それでは貴方の言った通り手短に報告します。勇者が魔王を娶りました、以上」

国王「……さすがに短すぎてちょっと意味が分からなかったから、もう一度報告してくれないか?次はもう少しだけ長めにして」

僧侶「えー、また同じ事言うの面倒なんですけど。しかもこれ以上長くとか、口下手な私になんて非人道な要求してるんですか」
172 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 01:51:10.43 ID:zYUj0AjU0
国王「お前が口下手だったらこの世は無口ばかりになるわ!いいからとっとと報告しろ!」

僧侶「しょうがないですね……。勇者が魔王を娶りました。本来『娶る』と言うのは夫が妻に対して使う言葉なので、この場合は性別的に間違ってますが、最も短い言葉でニュアンスを正確に伝える事が出来ると思ったので、今回はあえてこの言葉を…」

国王「誰が『娶る』について詳しく伝えろといったんだぁぁぁ!」

僧侶「誰も言ってませんよ?何を伝えろとも言われてませんでしたが」

国王「この捻くれ僧侶!人の揚げ足ばっか取って楽しいか!」

僧侶「はっきり言って物凄く楽しいですね」

国王「今俺は国王とか関係なく、一人の人間としてお前を殴りたい」

僧侶「国王の癖に国民を殴るとかどうかしてると思いませんか?」

国王「国民の癖に国王をおちょくるのもどうかと思うがな」

173 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 01:51:37.79 ID:zYUj0AjU0
僧侶「ははは、ただ国民の血税を貪ってるだけのニートが何を言ってるんですか」

国王「その発言はいくら幼馴染だからって看過できねぇぞ!歯ぁ食いしばれ、その性格を修正してやる!」

僧侶「冗談ですよ冗談、貴方が頑張ってるのは私も良く分かってますよ。幼馴染なんですから」

国王「僧侶、お前……」

僧侶「でも大臣とか周りの人が優秀過ぎて、所詮平均的な能力しか持ってない貴方はぶっちゃけた話、あまり頼りにされていないというのも分かっています。幼馴染ですから」

国王「僧侶お前ぇぇぇぇ!!!!」

僧侶「あ、何か今デジャブした」

国王「ああもう話を戻すぞ!いいか、俺が言いたいのは何で『勇者が魔王を娶った』かって事だ。一体何をどうしたら、そんな意味の分からない事態に陥るって言うんだ?」
174 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 01:52:11.15 ID:zYUj0AjU0
僧侶「実はカクカクシカジカで」

国王「そうか、カクカクシカジカで……って分かるか!実際にカクカクシカジカとか言われても分かるわけねぇだろ!」

僧侶「むしろ分かったら怖いですよね」

国王「……もういい、今回の事は一部始終を後で報告書に纏めて提出しろ」

僧侶「あれ?流しました?もしかして流しました?」

国王「もしかしなくてもだ。俺はな、一応国王なの。本当はお前とこんな所で漫才してる暇なんて無いわけ、分かる?」

僧侶「仕事溜まってるのに漫才とはいいご身分ですね」

国王「全部お前のせいだよ!ほら分かったらとっとと報告書書いてこい」
175 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 01:53:00.04 ID:zYUj0AjU0
僧侶「はいはい。まぁこんな事もあろうかと、実は用意してあるんですがね」ピラッ

国王「うわー、こういう所で普通に有能なのがまた腹立つわー。……ってついさっき帰って来たばっかだよな、どんだけ速筆なんだお前」

僧侶「それはですね、魔法使いさんから拝借したこの『念写の魔法紙』でささっと。何とこの紙は思った事をそのまま紙に言葉として転写させる優れもの、今なら破格のチョメチョメ円でご提供」

国王「借り物を売ろうとするな。まぁ何であれ早いに越した事はないか、とりあえず見せてみろ」ピッ

僧侶「あっ」

国王「……」ジッ

僧侶「人の了承も得ずに勝手に取るとは、教育がなってませんね」

国王「……報告書に人の悪口を織り交ぜるような奴に、教育がどうとか言われたくないんだが?」
176 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 01:54:05.31 ID:zYUj0AjU0
僧侶「ほらその紙ってさっきも説明した通り、思った事がそのまま書かれちゃうじゃないですか。だからつい」

国王「本当にお前性格悪いよなー、昔から思ってたけど」

僧侶「ははは、仮にも国民的ヒーロー兼アイドルである勇者さんの仲間であるこの私が、そんな性悪なわけないじゃないですか。職業も僧侶ですし」

国王「本当に何でお前なんかが、そんな立場にいられるんだろうなぁ……。でもまぁ、いくらそんな事言っても、お前その性格は既に国中に知られてるんだがな。『アレ』のせいで」

僧侶「はははそれ以上その話続けるなら、ぶち殺しますよー」

国王「さすが『鬼畜攻め』は言う事が違うねぇ、おお怖い怖いって落ち着け極大級はマジ不味いから!」

僧侶「だから殺すって言ったじゃないですか」ヴォンヴォンヴォン
177 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 01:55:23.85 ID:zYUj0AjU0
国王「分かったスマンもうこの話は止める!だからその魔法を早く消してくれ!」

僧侶「……ははは、冗談に決まってるじゃないですか。貴方は本当に臆病なんですから」

国王「物凄い勢いで殺気を放ってた奴が極大級を構えてたら、殆ど誰でもビビると思うんだが……」

僧侶「勇者さんなら動じませんが。あと戦士も最近は慣れてきたみたいで、最初はそれはもう酷いぐらいのチキンっぷりでしたが」

国王「戦士か、あいつも色々苦労してるんだろうなぁ……。って戦士!」

僧侶「はて、勇者さんに告白する前から振られた挙句、向こうに置いてけぼりになった戦士がどうかしましたか?」

国王「そうだよその戦士だよ!何でお前ら仲間を置き去りにしてきてんの!?」

僧侶「え?いやだって何か隅でいじけててうざかったし。ていうか読むの早いですね
178 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 01:56:05.04 ID:zYUj0AjU0
国王「まぁ流し読みだからな。ってそうじゃなくて、お前ら仲間なら慰めてやれよー!戦士失恋してたんだろ!?その上仲間に置いてかれるとか悲しすぎるだろ!今頃ショックで何してるか…」

僧侶「大丈夫ですって、とりあえずは立ち直ってるみたいですし」

国王「何だそのどこからか聞いてきたみたいな言い方は」

僧侶「まぁまぁ細かい事は気にしない」

国王「……あー、うんまぁ元気でやってるならいいや。また今度菓子折りか何か渡すから、それ持って様子見に行ってやってくれ。つうか連れ戻して来い」

僧侶「そんなに彼が恋しいんですか?」

国王「魔法使いみたいな事を言うんじゃない。あいつとは苦労人同士気が合うからな、良く一緒に飲みに行ったりするんだよ、主に愚痴をこぼしあいに」
179 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 01:59:12.58 ID:zYUj0AjU0
僧侶「二人ともヒエラルギー的には、下の方に位置してますからね。日頃の鬱憤が溜まっているというのも、頷けます」

国王「ちなみに愚痴の半分はお前の事だからなこのエセ僧侶」

僧侶「話の半分を占めるだなんて、私大人気じゃないですか」

国王「……とりあえず報告書は貰ったし、言う事ももう無いから、下がっていいぞー」

僧侶「あれ?もしかしてもうギブアップですか?」

国王「もしかしなくてもだ。さっきも言ったけど、俺はお前と違って暇じゃないの。ほら用は済んだんだ、さっさと出てけ」

僧侶「そっちから呼んでおいて何て言い草。まぁ私も長居する気は無かったですし、ここは素直に出て行きますが……男さんの事は良かったのですか?」
180 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 01:59:43.50 ID:zYUj0AjU0
国王「確か魔王の息子だったっけか……別に構わんさ。だって、あの勇者が見初めた奴なんだろ?それだけで保証としては十分過ぎると思うがな、俺は」

僧侶「……全く持ってその通りでしたね、貴方の言を認めるのは癪ですが」

国王「お前は何でそう、いつも一言多いんだ……」

僧侶「そういう性分なんですよ、それではそろそろ失礼します」

国王「おお本当に失礼だったぞお前、だからさっさと帰れー」

僧侶「……貴方も結構、人の事言えませんよねー」

181 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 02:00:21.44 ID:zYUj0AjU0
<勇者&男の家・居間>

僧侶「と、言う訳で皆さん、ちょっと魔王城行きませんか?」

男「と、言う訳でって……その話ってこっち来た直後のだよね。もう既に一ヶ月経ってるんだけど……」

僧侶「いや実はですね、菓子折り自体は次の日に貰ったんですけどほらめんど…じゃなくて私もそれなりに忙しい身だったんで、この事を言う暇が無かったんですよ」

勇者「成る程、それなら仕方ないな」

男「いや今絶対に面倒とか言いかけたよね、実はそっちが本音だよね」

魔法「でも、気持ちは分かる」

男「前から思ってたんだけど、皆戦士さんの扱い酷くない?」

勇者「わ、私は心配してたぞ!……でも、今の生活が幸せ過ぎてつい…」

男「大丈夫、勇者さんは例外だから」
182 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 02:01:10.05 ID:zYUj0AjU0
僧侶「嫁びいきかこの優男。ていうか貴方だってこっち来てから、一度も向こう行ってないじゃないですか」

男「……だって、側近もとい魔王が怖いんだもん」

僧侶「男が『だもん』とか言わないでください。まぁでも気持ちは分かります、ほぼ形骸化したとは言え有無も言わさず魔王を押し付けて、逃げるようにこっち来ましたからね。そりゃあ相手の反応が怖いというのも頷ける物です」

男「うわあ今更ながら罪悪感が刺さる刺さる」

僧侶「だったらこの機会に魔王城に行って、謝ってくればいいじゃないですか。いざとなったら勇者さんもいますし」

勇者「ああ、お前には私がついている。それに、男はやる時はやる奴だからな。だから、ケジメだってしっかりつけて来れるだろう?」
183 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 02:01:35.51 ID:zYUj0AjU0
男「ありがとう勇者さん……僕、頑張るよ!」

僧侶「発案者は私なんですがね」

男「どうせ僧侶さんの事だから、裏があっての発案でしょうに」

僧侶「あまり人を疑うのは良くないと思いますよ?確かに考えあっての事ですが」

男「うわーやっぱり。でもこの機会を逃すと、次にこのメンバーで魔王城に行くのはいつになるか分からないから、行くのには変わりないんだけどね」

勇者「私は来てほしいと言うならば、いつでも着いていくぞ?」

男「ありがと。でも……戦力は少しでも多い方がいいから」

僧侶「人を巻き込む気満々ですか」

男「……違うって、ただ皆で行けば怖くない的なノリなだけであって、決してイザという時僧侶さんを盾にしようとかそういう事は思ってないって」

僧侶「貴方も言うようになって来ましたよね、ていうかさりげなく私限定にしませんでしたか?いやしましたよね」
184 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 02:02:57.49 ID:zYUj0AjU0
男「そりゃあ魔法使いさんと勇者さんはか弱い女性ですし?」

勇者「さすが男、紳士だな」

魔法「その心意気やよし」

僧侶「紳士は人を盾にしようとは考えません、それと私だって男ですがHPは結構低いんですよ?か弱い体なんですよ?」

男「いや、正直に告白すると、弱いかどうかの問題じゃなくて、ただ単に僧侶さんだったら別に構わないかなって思っただけなんだけどね」

僧侶「貴方本当に言うようになりましたよねー。でもイザとなったら勿論逃げますから」

男「いやぁおかげさまで。絶対に逃がさないから」


僧侶「はははははは」

男「あははははは」
185 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 02:03:59.91 ID:zYUj0AjU0
勇者「ふむ、二人とも話は纏まったみたいだな」

魔法「どうみても決裂してる……どうでもいいけど」ボソッ

勇者「それじゃあ全員行くと言う事で、とりあえず旅支度をしなければな」

僧侶「あ、それについては心配後無用。ですよね、魔法使いさん?」

魔法「ん、この前魔王城前に転移魔法用のマーキングをしてきた」

男「マーキング……つまり、魔王城までは転移魔法で行ける様になったって事?」

僧侶「城にある専用の装置を使う必要がありますがね」

勇者「さすがだな、偉いぞ魔法使い」ナデナデ
186 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/04/09(土) 02:04:29.79 ID:zYUj0AjU0
魔法「ん……」

男「本当だよねー、どこかの職務怠慢僧侶と違って」

僧侶「全くですねー、どこかの紐野郎と違って」

男「あははははは」

僧侶「はははははは」

勇者「それにしても、一ヶ月前と比べて二人は随分仲良くなったな。良い事だ」

魔法「……」コクリ

男・僧侶「誰がこんな人と!」

魔法「……ナイスコンビネーションッ」グッ
187 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 02:07:42.17 ID:zYUj0AjU0
この後すぐ……は無理だけどNTR同盟編を始める前に、ちょっとだけ番外編があるんじゃよ?
今日か明日辺りには投下出来るかと。
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 09:02:33.02 ID:dEPSNwKDO
乙です
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 11:26:11.49 ID:fK7eWzGDO
乙です!面白かった
一気に読んできてしまった
毒舌腹黒僧侶がトラウマになるほど凄まじい本…
内容が気になって夜も眠れますん
190 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 22:20:16.33 ID:zYUj0AjU0
>>189
面白かった?マジで?うへへへへへ
本の内容については今までもそうでしたが、話の中とかでネタとして少しずつ出していくつもりです。
だから今は気にせずゆっくりとお休み……。

番外編は話の都合上出すタイミングを変更する事となりました。楽しみにしてた方がいたら、申し訳ない!
代わりと言っては何ですが、新キャラ達の紹介を投下するんでそれでご勘弁を。
191 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/04/09(土) 22:21:41.79 ID:zYUj0AjU0
国王
性別は男。
勇者達が住んでいる国の国王で、数年前に前国王が突然死した為に、16という若さで急遽即位する羽目になった国王の息子。昔も今もまだまだ勉強中の身。
まだ諸教育が済んでいないうちに国王へと担ぎ上げられた為、そして本人の王としての資質が平凡な物だった為に国王としてはまだまだ未熟で、現在は周りの手を借りながら国の運営に四苦八苦する日々を送っている。でも周りの重役の方々が皆優秀だから、今の所大きな問題は起きていない。そこが彼にとっての救いではあるが、同時に彼が自分の能力に対して劣等感を感じる原因にもなっている。
僧侶とは幼少時からの幼馴染。前国王が、国王の情操教育の為に目付け役兼友人として、『誠実で聡い、同世代の少年』という条件の下選別されたのが僧侶であった。誠……実……?
それから十数年、前国王の思惑通りかは別として、僧侶の毒舌を長年浴びせられてきた国王は精神的に逞しく成長したので、結果としてこの試みは成功したのかもしれない。
192 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 22:22:27.03 ID:zYUj0AjU0
魔族A
性別は男。そして魔王(元側近)曰く『小太りのいかにも小物っぽい奴』。
性格は根暗で姑息、尚且つ金に汚く猜疑心が強い。用が無いときはいつも大量の警備員や傭兵達と共に、大量の金や財宝等が置いてある屋敷に引き篭もってる。
金を得る為ならどんな非道な手段でも気にせず行う為、各所から恨みを買っており、常に過剰とも言える警備を敷く大きな要因となっている。しかしそれが原因で元魔王(男の父)の御目かねに適うのだから、人生は分からない。元魔王が幅を利かせていた時代は、その名前も利用して色々やってた様である。
現在は魔王の襲撃によって壊滅した屋敷の代わりに、緊急避難用の別荘に移り住んでいる。
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 22:22:27.36 ID:ZOC+wyKx0
新キャラ!楽しみで夜もぐっすり…あ、いえ眠れません!
194 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 22:24:01.81 ID:zYUj0AjU0
傭兵四天王
赤い角付き傭兵A、どこと無くタコっぽい傭兵B、40過ぎの紅一点傭兵C、そして二枚目リーダー傭兵Dの四人で構成された傭兵パーティ。全員魔王に瞬殺された。

八大傭兵
鍛えぬかれた鋼の肉体と、両手に装備した鋼鉄製のメリケンサックが特徴的な傭兵Eを始め、多くの実力者が集まった傭兵パーティ。……だったのだが、魔王の一撃の下に皆仲良く屋敷の瓦礫に埋まってしまった。

警備員
魔族Aに雇われた有象無象の警備員達。とにかく数が多い。
いつも屋敷内外の警備をしているか、屋敷近くにある詰所で待機してる。

警備隊長
魔族Aの屋敷に勤めている警備員達を纏めている人。
情に厚く面倒見も良い、皆に慕われる上司。ただし調子に乗りやすいのが偶に傷。
195 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 23:00:14.50 ID:zYUj0AjU0
僧侶と魔法使いの紹介分を加筆修正したんでついでに投下ー。

>>193
寝ていいんだ!君は寝てもいいんだよ!
196 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/04/09(土) 23:01:14.63 ID:zYUj0AjU0
僧侶
性別は男。でも一目見ただけじゃどっちだか分からないとの評判。
笑顔で毒を吐けるようなタイプ。でも一応は僧侶で神に仕える身分なので、嘘はつかない。本当の事を話さない場合もあるけど、嘘はついてないからセーフ。
現在は教会で雑務の日々だとか。でも絶対に裏で何かやってる、とは同僚の魔法使いの談。魔法使いさんその予想ドンピシャです。

国王の幼馴染であり友人兼お目付け役でもあった。国王が王になった今ではお目付け役の任こそ解かれたが、友人としての付き合いは昔から相変わらずで、その上教会の仕事とは別に、あまり表沙汰には出来ない任務を国王から直接、秘密裏に依頼される事も出てきた。ちなみに今回の魔王討伐では国への定期報告と勇者その他メンバーの監視の任を受けていた。

普段は冷静沈着だが、『ある本』の事になると周りが見えなくなり、所構わず極大級の攻撃魔法を撃とうとする。僧侶なのに攻撃魔法とはこれ如何に。
197 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 23:02:09.56 ID:zYUj0AjU0
魔法使い
性別は女。ちっさくてちっぱい、でもそこが魅力な勇者パーティのマスコット。
口も体もあまり自己主張をしないが、時たま妙なオーラを放つ。例えるならば納豆とか。
趣味は魔法の製作と絵を書く事。絵、といってもお察しの通り芸術的な意味じゃありません。そしてその手の界隈では結構知られているんです、彼女。
普段はあっち方面のことばかり取り沙汰されるが、彼女の魔法は勇者パーティの主砲を張れる程の性能を持ち、また国で開かれる大会等で表彰者の常連になってもいるので、実は魔法を専門的に扱う者達の間でもかなりの知名度があったりする。
現在は家に篭って趣味に勤しんでる。なんとも期限が近いのだとか、何とは言わないけれども。
追記:無事に間に合ったらしいです。良かった良かった。

彼女の処女本である『僧侶×国王』は、その内容の濃さと初めてとは思えない質の高さを誇り、彼女の名を世(勿論その手の)に大きく広める原因となった。
ちなみにこれが国中の乙女達へ出回った事で、一時期同じ様なカップリングがあちこちに氾濫したり、この本の噂が一人歩きして、何も知らない一般人に婉曲して広まったりした結果、題材にされた本人達に深い傷跡を残したが、それはまた別の話……。
198 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 23:29:57.33 ID:zYUj0AjU0
今日はこれでしゅーりょー
今度はNTR編ですよっと。勇者編の最新よりも時間がいくらか巻き戻ります。
そういえばこのSSって殆ど時系列的な物を書いて無かった気がするので、せっかくなのでここで書いておきます。
基準は勇者達帰還&NTR同盟仮結成後です。それと細かくは決めてないので、どれもこれも時間が曖昧だったり。


勇者編

僧侶と国王の話(数時間後)

男同士の内緒話(一週間後ぐらい)

魔法使いの家にて(二、三週間後ぐらい)

魔王城に行かないか(一ヵ月後ぐらい)


NTR同盟編

第一回同盟会議(数分後)
↓結成祝い・睡眠を挟む
第二回同盟会議(1日後)

魔族Aの館、接触(第二回同盟会議数分後)

魔族Aの館、終結(接触から数十分後)

魔王城帰還(数時間後)
199 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/09(土) 23:47:17.86 ID:zYUj0AjU0
気づいたら両編の時間のずれが凄い事になってた。
そういえば勇者編が一応最後(魔王城への転移)まで行ったので、これからしばらくはNTR編ばかりやるかも。それか勇者編の話と話の間に新しい話を挟むか。
もしくは、次の投下が魔王編最後になるかも……。

まぁそれはまた、次回に決めるとして。ではさいなら〜。
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 21:03:49.59 ID:EwAqlxuDO
乙!本の内容そんなに濃いのかwwww楽しみに待ってる
魔王&戦士ペアがどう巻き返していくのか楽しみだな

あ、前にどっかで見たけど取られる方はNTRで取る方はNTらしいよ
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 23:16:41.21 ID:+janZahUo
う、WindowsNT…
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage ]:2011/04/13(水) 19:30:59.98 ID:95dePqJI0
乙です。
203 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/13(水) 22:42:22.01 ID:BmnKZqwz0
小ネタをこっそりsage

>>200を見たNTR同盟の反応

魔王「『どう巻き返していくのか楽しみ』、だってさ」

戦士「応援ありがとな!……じゃなくて、レスに返答とかネタが凄くメタいんだけど」

魔王「所詮小ネタなんだから、それぐらい構わないわよ。それよりほら、折角楽しみにされてるんだから……何か芸しなさいよ」

戦士「何で!?」

魔王「これからの展開において、幸先の良いスタートを切る為よ」

戦士「小ネタ内か!小ネタ内でそんな大事な口火を切るのか!?……もしつまらなかったら?」

魔王「次回からこのSSのジャンルが『ラブコメ?』から『ハートフルボッコストーリー』に変わるわ」

戦士「お、重い!掛かってる物が重過ぎる!てか『?』ってなんだ『?』って!」

魔王「んな事どうでもいいからさっさとしなさい、はいさーん、にーぃ…」

戦士「えっ!?ちょっとそれは短すぎ…」

魔王「いーち…」

戦士「ギャー!タンマタンマ!」

魔王「ゼロー!時間切れー、それじゃあ始め!」

戦士「だー!こうなったらやけっぱちだ!戦士、行きます!」

ここで明日に引き伸ばす!
と言ってもくだらないオチになる予定なんで、wktkするのは無しの方向で。
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 23:14:29.26 ID:pEz/e6YSo
wktk
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 02:43:28.64 ID:ZESQ+dySo
wktk
206 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/14(木) 22:43:43.49 ID:5+/7g7970
魔王「……」

戦士「えー、それではせっかくなので>>200が言ってた『取る方』の略称に掛けまして……」






戦士「……時が見える」





戦士「……」

魔王「……え、まさか今ので終わり!?」

戦士「え、いや、その……はい」

魔王「……あーあ、白けたわー。誰かさんのせいでマジ白けたわー」

戦士「い、いや今のは>>203の最後の台詞とも掛けた、実は高度な…」

魔王「はい皆かいさーん、帰ろ帰ろー」

戦士「俺知ってるぞこういうイジメ!イジメいくない!」

魔王「今のイジメ違う芸人に対して正当な評価しただけ」

戦士「俺芸人違う!」

魔王「え、違うの?今までてっきり『ヨゴレ系』だと思ってたんだけど……」

戦士「誰がヨゴレ系か!」

魔王「だってよく体張ってるし弄られキャラだし」

戦士「狙ってやってるわけじゃないからなそれ!」

今日はここで終了、まさか小ネタなのに三日目突入するとは思わなかったぜ……。
今は一日一レスのペースだけど、金曜なら時間もたっぷりあるし、予想以上にレス数が伸びる羽目になっても……イケる!明日にはこのネタ終わる!……はず!多分!
それとwktkしてくれた方、今回の引き伸ばしは決してオチを面白くするとかそういうのじゃなくて、タダ単に掛け合いが想定外に長くなってしまったというだけなんだ。だから今からでも遅くない!そのwktkを取り消すんだ!おいたんちょっとプレッシャー感じちゃうから!
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 22:53:03.44 ID:75mHa1sK0
wtkr
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 22:55:13.02 ID:KFA5nTcRo
>>207だったら>>204-205>>1の記憶に永遠に残る

言い訳は見苦しいぞ
いや、きっとこれはわざと面白くなくしたのかもしれない
それを出来るだけの力が>>1にはあるはずだ
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 22:56:04.17 ID:KFA5nTcRo
うわああああ
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 00:41:19.05 ID:0tvKCLLAo
南無…
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 11:30:25.54 ID:qcBsHxyDO
一瞬何の事かと思ったけど納得
ガンダムネタかwwwwww





戦士ェ…
212 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/15(金) 19:29:00.74 ID:AE3YBLkp0
金曜なら時間があるとほざいてたけど、そんな事も無かったでござるw
ござる……。
明日には本当に終わらせるんで勘弁くだしあ

ていうかこっそりsageて投下したから皆気づかないと思ったけど、割とそんな事も無かったみたいね。
その上小ネタなのにいつもよりレスが多くて、何ていうかうれしはずかし的な感じだったり。

>>208
やめろ





やめろ
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 19:36:41.35 ID:QRU1WTOOo
専ブラ使うとsage関係ないしな
214 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/16(土) 16:48:56.64 ID:x2t5WSVm0
>>213
なん……だと?
自分専ブラ使ってないからその発想は無かったぜ……。

魔王「まぁ兎に角、アンタがなんて言おうと次回からこのSSは、『(戦士の)ハートフルボッコストーリー』になる事は確定したわけで」

戦士「済まない皆……俺のせいでこれからは某マギカも真っ青な……ってちょっと待て、今なんて言った」

魔王「は?だから次回からこのSSは『(戦士の)ハートフルボッコストーリー』になるんだって…」

戦士「何だその(戦士の)って!?さっきはそんなの無かったよな!」

魔王「え?何のこと?」

戦士「お前ちょっと>>203見て来いよ」

魔王「アタシは決めたんだ。もう、過去は振り返らないって……」

戦士「シリアス風に言っても誤魔化されないからな!?」

215 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/16(土) 17:35:35.51 ID:x2t5WSVm0
魔王「ああもうゴチャゴチャと煩いわね!いいじゃないそんな細かい事はどうでも」

戦士「いや(戦士の)があるのと無いのとでは、大分意味合いが変わると思うんだけど!?俺の被害的な意味で!」

魔王「逆に考えて見なさい?(戦士の)があるだけで、この世界は救われるのよ?」

戦士「俺は?」

魔王「……命と引き換えに世界を救った英雄って、伝説に残りそうよね」

戦士「い、嫌だぁ!死ぬのも嫌だけど、それよりもギャグで滑った結果伝説に残るのはもっと嫌だぁ!」

魔王「まぁせいぜい足掻くことね。特別にこのアタシも協力してあげるから」

戦士「え、マジで?」

魔王「ええ、安心しなさい。……ちゃんと伝説にしてあげるから」

戦士「えええそっち!?ところで今俺は仲間に裏切られて激しく心が痛んでるんですけど、何だこれ実はもう路線変更済みなんですかー!?」

216 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/16(土) 20:10:04.34 ID:x2t5WSVm0
魔王「ふふふまだこんなのは序の口、アンタはこれからもっと恐ろしい目に遭うんだから」

戦士「これ以上……?一体何が起こるって言うんだ……」

魔王「そうねぇ……例えば好きな女に告白すら出来ずに振られたり」

魔王「仲間に突然殴られたり」

魔王「無限沸きする敵の集団に追いかけられ回されたり」

魔王「挙句の果てには奴隷として扱われたり……ってくらいは覚悟しといた方がいいわね」

戦士「そうか、そんな恐ろしい……ってよく考えたらそれ、全部経験済みな気がするんだけど」

魔王「まぁぶっちゃけた話、たかがアンタのギャグ一つでこのSSの方向性が変わると思ったら大間違いだって事よ。というわけで今回の小ネタ終了!はい今度こそ本当にかいさーんっ」

戦士「……オチなの?もしかして今のがこの話のオチなの?え、ていうかつまりこの話のジャンルって最初かr」





217 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/04/16(土) 20:26:34.39 ID:x2t5WSVm0
さて終わった終わった、そしてオチも宣言通りになった。
だからwktkするなとあれほど……。

次回からは平常運転に戻ります。


P.S
作中ではああ言いましたがあくまでも、このSSのジャンルは『(戦士の)ハートフルボッコストーリー』ではなく『ラブコメ?』です。戦士の不遇っぷりは決してジャンルのせいじゃあない。
え?戦士なんかより、何故『?』がついてるかが気になるって?だってこれ最初の話以降全然『ラブ』で『コメ』する要素が無いんですもの。
あ、いやあったか。男×僧侶が…え?違う?
話が進めばきっと『?』は取れる……のかなぁ。だといいなぁ……。

218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 21:48:07.24 ID:1TrvK4JDO
フルボッコな時点でボコられるのが戦士なのは分かっry
ラブの部分がんばれ
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 23:38:33.27 ID:4DAOHPNoo
>>219だったら>>204-205>>1の記憶に永遠に残る

徐々に>>1の言い訳が長くなってきた希ガス
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/16(土) 23:41:31.34 ID:3h2LDkg00
キモチワルイやつだなお前
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/22(金) 12:29:03.13 ID:VWbtKLpDO
まだか
222 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/04/23(土) 12:49:25.51 ID:fhWihfcP0
二週間ぶりの本編投下だー
これからしばらくはNTR編が連続で入る予定です、何話続くかは不明ですががが。
223 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/04/23(土) 12:50:01.25 ID:fhWihfcP0
<魔王城・大浴場>

魔王「戦士ー、掃除まだ終わらないのー?早く入りたいんだけど」

戦士「うおおもうちょっとおおお!」

<魔王城・厨房>

魔王「戦士ー、ご飯まだー?」

戦士「もうすぐううう!」

<魔王城・中庭>

魔王「戦士ー、雨降ってきたから洗濯物取り込みなさい」

戦士「おう、洗濯物は俺にまかせろー」





戦士「土砂降り……だと?」
224 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/04/23(土) 12:50:48.85 ID:fhWihfcP0
<魔王城・玄関>

魔王「戦士ー、また荷物届いたから倉庫にー…いや、これは宝物庫に置いときなさい」

戦士「金銀財宝の山もとい疲労の山が俺の目の前に……。これ見てテンション上がってた頃が懐かしいぜ……」

<魔王城・宝物庫>

戦士「……もう動けない……」グテー…

ピーンポーン

魔王「あ、また荷物。ほらとっとと行ってきなさい」

戦士「マジでか……」

※魔王城にはインターホンがついてます。このSSはファンタジー的世界ですが、魔王城にはインターホンがついてます。誰が何と言おうと、魔王城にはインターホンがついてます。
225 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/04/23(土) 12:51:20.97 ID:fhWihfcP0
<魔王城・食堂>

魔王「やっぱ肉って言ったら牛よね、牛」パクッ

戦士「……」モグモグ

魔王「戦士もそう思うでしょ?いや思いなさい」

戦士「……」モグモグ

魔王「……ほう?このアタシを無視するとはいい度胸ね。いいわ、その報い、アンタの体に叩き込んで…」

戦士「そうだ、人を増やせばいいんだ!」

魔王「……は?」

戦士「いやだから、人手が足りないなら増やせばいいじゃないって言う貴婦人的発想ね。あれ?俺って実は天才!?」

魔王「知るかあー!」
226 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/04/23(土) 12:51:46.98 ID:fhWihfcP0







戦士「あの、何で俺はボコボコにされた挙句、地べたで正座させられているのでしょうか……」

魔王「アタシを無視した上に、いきなり意味不明な事を言い出したからよ。文句ある?」

戦士「お仕置きの度合いが理不尽な気がしないでも無いと思ったけどそんな事もありませんでした、はい」

魔王「アンタも漸く分かって来たじゃないの。で、一体全体どうしたってのよ?」

戦士「ほらさ、最近働きすぎじゃん?俺」

魔王「いや知らんけど」
227 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/04/23(土) 12:52:23.45 ID:fhWihfcP0
戦士「いやいやそこは知っとけよ!この城で家事してんの誰だと思ってるんだお前は!」

魔王「……妖精か小人、どっちの方がメルヘンチックな答えだと思う?」

戦士「別にメルヘンだろうとなんだろうと間違いには変わらないからどうでもいいです。ていうかそこまで俺の功績を認めたくないのかお前は」

魔王「え、功績?奴隷が主人の為に働くのは当然でしょう?」

戦士「まぁその理論は間違ってはいないんだが、何だこの胸に感じる理不尽さは……。まぁ兎に角俺が言いたいのはだな、さすがに俺一人で城一つの家事を全部賄うのはきついから、人を雇おうぜって事だよ」

魔王「……まぁ別にアンタが誰を雇おうが、アタシの邪魔をしないならどうでもいいけど」

戦士「いよっしゃ家主の許可ゲット!というわけでさっそく募集を掛けて…」

魔王「あ、そういえば勿論給料はアンタが自腹切るのよね?」

戦士「大変恐縮ですが俺一文無しなのでお願いします魔王様」ドゲザッ
228 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/04/23(土) 12:53:04.61 ID:fhWihfcP0
魔王「大変潔い土下座ね、だが断る!」

戦士「まぁそう言うとは思ってたけどさぁ……」

魔王「……と、いつもなら言うところだったけど」

戦士「へ?」

魔王「いいわよ別に、当然いくらでもーなんて大盤ぶるまいするつもりはないけどね」

戦士「……マジっすか?」

魔王「だって今、全然金に困ってないし。むしろ余ってるくらい。アンタだって知ってるでしょ?魔族Aの一件でアタシが魔王の座についた事が噂になったせいで、他の魔族達が保身の為に魔王城に金やら物やら送ってる事を」

戦士「まぁそのせいで俺の疲労度がマッハだからなぁ……」

魔王「最初は、後何箇所か乗り込む予定だったんだけどね。でも予想以上に色々送られてくるもんだから、『作戦』に必要な分の費用をあっさり超えちゃったのよ。んで今はその分を使ってもなお、アタシ達の当面の生活費程度なら余裕で賄える額にまで膨れ上がってるの。しかも現在進行形で増え続けているし」

戦士「そいつはナイスな展開じゃないか!……ん?そういえば、なんで金が集まったのに『作戦』を実行に移さないんだ?早くしないと俺の勇者が!」
229 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/04/23(土) 12:54:01.43 ID:fhWihfcP0
魔王「『俺の』って所には、つっこまないわよ?ま、こっちだってさっさと出来るんならしたいんだけどね。でも準備に一ヶ月掛かるらしいのよ、だからそれまではどうしてもね」

戦士「一ヶ月か、随分長いな……でも、お前がそれだけ待つって事は、それだけ成功率が高い作戦だって事でも……そういえば前から思ってたんだけど、お前が言ってる作戦って一体何なんだ。もうそろそろ話してくれてもいいんじゃないか?」

魔王「別に、もったいぶるつもりは無かったんだけどね。……『媚薬』、よ」

戦士「……ワン、モア、プリーズ」

魔王「び、や、く。俗に言う『惚れ薬』ってやつね」

戦士「おいおいそれって…」

魔王「もう事態は、手段を選べる段階をとうに越えてるの。そこん所弁えてから物言いなさい」

戦士「……ふっ」

魔王「殴る」

戦士「ごめんなさいちょっと調子乗ってました!」ドゲザッ

魔王「土下座って二度目以降は加速度的に価値が下がるのよね。もう次は無いわよー?で、一体なんだってのよ」
230 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/04/23(土) 12:55:49.71 ID:fhWihfcP0

戦士「いや、お前が何か勘違いをしていたようだったからな……実は俺、媚薬でも全然問題ないんだ。いやむしろ大いに結構!」

魔王「……アタシが言うのもなんだけどさ、その発言は正直引くわ。実はNTR属性があるって聞いた時もそう思ってたんだけど」

戦士「本当に『お前が言うな』って感じだな。え?ていうかもしかしてお前NTR属性無かったの?」

魔王「いや、そりゃあ一度取られるよりはストレートでゴールインしたいに決まってるでしょ。思い人取られて快感感じるとかマジ理解に苦しむわー」

戦士「そんな使い古された批判に今更動じる俺では無いわー。うんまぁアレだよ、皆違って皆良いんだよ。もっとポジティブに行こうぜ!」

魔王「いつぞや世界の滅亡願ってた男が言う科白じゃあないわね。そういえば今思ったんだけど、NTRが好きなら別に取る必要無くない?取ったらNTRじゃなくなるでしょうに」

戦士「だからさっき言っただろ?『皆違って皆良い』って。俺は、NTも、大好きです!そして今だから言える。……NTRは好きだけど、NTは、もっと、好きです」

魔王「正直今言って欲しく無かったわ、そして今アタシの中でアンタの株が最安値更新中なんだけど」

戦士「ははは何とでも言うがいい!既に『奴隷』扱いされてる俺に、もう下がる所なんぞ無いわ!あ、ちょっと自分で言ってて悲しくなった……」
231 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/04/23(土) 12:56:42.15 ID:fhWihfcP0
魔王「え?まだあるけど、『下』」

戦士「え?」

魔王「だから最安値更新中だって言ってるじゃない。奴隷の下だって結構あるのよ?ほら、例えば『玩具(おもちゃ)』とか」

戦士「生き物ですら無い!?あ、でも『玩具』って何かエロイかも!おおちょっと興奮してき痛い痛い痛い!ゴメンナサイ自重しますからアイアンクローはやめてぇ!」

魔王「……これ以上アホな話したら、本当に『玩具』として扱うわよー?勿論そのままの意味で」

戦士「つまり子供が玩具を扱う時のように、大事に扱ってくれると言う訳だな!いいぜかかってこい!」

魔王「つまり子供が玩具を扱う時のように、適当に扱って最後には捨てるか無くすかすると言う訳よ。いい度胸ね、存分にやってあげるわ」

戦士「落ち着けこいつは見解の相違から引き起こされた不幸な事故だつまりごめんなさい俺が悪かったですからせめて人間として扱ってくださいぃ!」ドゲザッ

魔王「三度目以降は無いって言ったわよねー?……って言いたいんだけどさぁ……はぁ……」

戦士「やったあ俺生きてるよ!何故かため息吐かれたけど!」
232 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/04/23(土) 12:57:39.92 ID:fhWihfcP0
魔王「アンタ見てるとこっちまで情けなくなってくるから、もう話戻すわ……」

戦士「あれ?もしかして俺馬鹿にされてる?でもいいや!生きてるし!」

魔王「……はぁ。で、何処まで話したっけ?」

戦士「媚薬!」

魔王「テンション上げるな鬱陶しい!……で、その媚薬の製作を、アタシの知り合いでそういうのに詳しい奴がいたから、そいつに頼んだんだけど……」
233 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/04/23(土) 12:58:07.75 ID:fhWihfcP0
<回想・魔族Aの館襲撃後、知り合いの家にて>

知り合い『え、媚薬?余裕余裕!効果によって上から松、竹、梅の三段階に分かれているから…』

知り合い『松の効果はこんな感じで……え?これでもまだ足らないって?でもこれ以上ってなると色んな意味で難しく…』

知り合い『わぁ!こりゃ凄い大金だねぇ、これだけあれば何とかなるかなー。あれ?でも君んとこって今色々大変なんじゃ無かったっけ?』

知り合い『へぇ、魔王になったのかー。…ふんふん、それでこんなにお金が…』

知り合い『よーしっ、この依頼、任された!でも効果が効果だから製作には一ヶ月くらい掛かるけど、まぁそこら辺は勘弁してね?』

<回想終了>
234 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/04/23(土) 12:58:41.84 ID:fhWihfcP0
魔王「……ってな具合で。だからしばらく暇なのよ、理解出来た?」

戦士「つまり一ヵ月後にマジパナイ媚薬って事だな!」

魔王「あー、うん。間違ってはない、間違っては無いんだけど……何かしら、この釈然としない感じ……」

戦士「細けぇこたぁいいんだよ!それより問題も疑問も解決したんだから、さっそく募集掛けようぜ!ほら、何て言うんだっけ?メイドとか執事とか纏めた奴」

魔王「使用人、ね。他にもいくつか呼び名はあるけど、例えば『下僕』とか」

戦士「いや、『下僕募集中!』みたいな謳い文句で来る奴はさすがの俺でもノーサンキューだわ……。まぁ兎に角、ちょっくら行って来るぜ!」ダッ

魔王「はいはい。でもアンタが出てくとうちの家事が溜まってくから、とっとと帰って来なさいよー」

魔王「……って聞いてんのかしら、アイツ。……ん?そういえば…」

魔王「あいつ……『斡旋所』の場所、知ってたっけ?」
235 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/04/23(土) 13:00:12.58 ID:fhWihfcP0
今回はこれだけー
次回、新キャラ登場!
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/04/23(土) 14:17:45.69 ID:HhepFRLAO
乙ー
頑張って!!
237 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/04/23(土) 18:46:48.32 ID:fhWihfcP0
>>235
『次回、新キャラ登場!』とか抜かしておりましたが、急遽予定を変更して今から番外編をお送り致します。てへぺろー☆
238 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/04/23(土) 18:47:37.66 ID:fhWihfcP0
戦士「ただいまー」

魔王「あ、帰ってきた。そうそう、アンタちゃんと斡旋所行けたの?」

戦士「おうさ、ぶっちゃけ最初はその存在すら知らんかったけどな。でも親切な人がいてさぁ、斡旋所まで案内してくれただけじゃなくて、斡旋の手順とか漬物の作り方とか色々教えてくれたんだよ。な?すっげぇいい人だろ?」

魔王「いい人なのはいいけど、何故に漬物」

戦士「話の流れで。そういえばさ、魔界って今まで見たり聞いたりした限りじゃ、結構バイオレンスなとこだと思ってたけど、街中は案外人間界と変わらないんだな」

※この世界では、魔族と人間の住む地域が二分されており、魔族側を『魔界』、人間側を『人間界』といいます。ていうかそういう事に今決めた。


魔王「そりゃいくら力が支配する世界とは言え、誰も彼もが好戦的なわけじゃないし、今はこんな世の中だからね。大半の魔族は、力を持つ魔族の庇護下に入って生活してるのよ。それこそ人間界で言う王国や帝国みたいな機構を持ってね」

戦士「へぇ、魔界なんて今回みたいな事が無きゃ、行こうとすら思わなかったからなぁ。そういうのは知らなかったぜ」
239 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/04/23(土) 18:48:26.76 ID:fhWihfcP0
魔王「それもそうよね。……百五十年前に魔族と人間の双方に大打撃を与えた大戦争以来、互いに軋轢を生まないように、境界線に壁作ったりとかして交流を避けて来たわけだし。まぁ壁は前魔王がぶっ壊したせいで、完全におじゃんになったけどね。……あれ、どうするのかしら。本当に」

戦士「さぁなー。でも俺的にはわざわざ作り直す必要は無いと思うけどな。正直な話、こっち来るまでは魔族に偏見持ってたけど、実際は思ってたような奴らじゃ無かったし。お互い弁える所は弁えとけば、問題ないんじゃないか?むしろもっと交流しようぜ!」

魔王「んー、でも皆が皆、アンタみたいに能天気な考えが出来るわけじゃないと思うわよ?人間側としては、前魔王の件で結構被害受けてるだろうし。それに、直接的な被害が無くても、風評被害ってのもあるからね。多分今回ので、魔族への敵対心や偏見ってのは更に助長されたはずよ。アンタの持ってたのと似た様な物がね。それに魔族としても、自分が加担してようがしまいが、報復は怖いし。それに魔族にだって人間に対する偏見やら何やらがあるわけだしね」

戦士「まだ和睦への道は遠い、か……」

魔王「いやそもそも目指してすらないんだけど、何したり顔で言ってんのよアンタは。っていうかなんで斡旋所の話から、魔族と人間の和睦についての話になったのよ……」
240 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/04/23(土) 18:48:58.27 ID:fhWihfcP0
戦士「これも話の流れって事で。……ところでふと思ったんだが、魔族が嫌われている現在の人間界にいるただ一人の魔族である、魔王もとい男ははたして無事なのだろうか……」

魔王「ああ、それなら大丈夫だってさ。確か向こうでは、公には魔王が退治された物として扱われていて、男は勇者のはからいで一住民として戸籍作って平和に暮らして……って気づいたら男がすっかり向こうの住民に!?これはこれで不味いわよ!」

戦士「ノリツッコミ出来るとか実は割と余裕あるだろお前。ってか何でそんな詳しい情報持ってるんだお前は」

魔王「え?ああさっきアタシに知り合いがいるって事は話したでしょ?そいつは人間界に対して『独自の情報網』を持ってるから、仕事を依頼するついでに男達の近況報告も依頼してるのよ。あーそれにしてもむかつくー!準備出来るまでは指を咥えて見てるしかないとかもー!」ブォン!

戦士「うわぉ!俺に当たるのは止めろー!」

戦士(それにしても、『独自の情報網』だからって戸籍の事とか、そう簡単に分かる物なのか?それに、前魔王による侵略は魔王再来によるパニックを防ぐため、世間的には『一部の魔族が自発的に行った事』とされているって話だったはず。だから、俺達の魔王退治も秘匿された任務として行ってたわけで、それじゃあさっきアイツが言ってた『公』ってのは…)

戦士「ぶふぅ!」メキョッ

魔王「あ」

戦士「なれない長考は……するべきじゃ……なかっ……た」ガクッ
241 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/04/23(土) 19:48:02.19 ID:fhWihfcP0
番外編終了。伏線みたいな何かがある気がしないでもないが何、気にすることはない。
てか魔王様も戦士も台詞なげーよー、このSSは十割ギャグで出来てるはずなのに、何か無駄にシリアスっぽくなっちゃったじゃんかよー。
まぁあくまで『っぽく』なるだけなんだけどね。


今回は突然ネタの神が降臨なされたけど……次回こそ、新キャラ登場します。
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/04/25(月) 07:48:52.75 ID:TeJKWFWdo
戦士には幸せになってほしいね
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/25(月) 10:02:24.03 ID:3/9wInxDO
乙でした!
魔王の理不尽暴力こわいです
でも戦士も自業自得な所もあるよね!
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage ]:2011/04/26(火) 22:14:01.28 ID:yHMhbRI60
乙です。
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/29(金) 08:00:45.31 ID:MOmgy+sa0
まだ…なのか…
246 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/05/02(月) 16:36:40.01 ID:fgVD1FPH0
先週は駄目駄目だったけど、今週はGWのお陰で結構投下できそうだぞーわーい。

でも遅筆で時間が掛かるのには変わりなく、気づいたら一週間以上間が空いてたので……
まだ途中までしか書いてませんが、そこまでをとりあえず、投下!
247 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/02(月) 16:37:23.63 ID:fgVD1FPH0
<魔王城・食堂>

戦士「えー、斡旋所に使用人の募集をかけてから、早一週間が経ちましたが……」

戦士「一切連絡が来ません!何で!?」

魔王「知らんがな。まぁ別に必要だった訳でもないし、いいんじゃない?それよりも手羽先なんて久々に食べたんだけど、うん、見直したわ鳥。相変わらず食べにくいけど」

戦士「いや俺にとっては最重要事項なんですが、ガチで。あ、それとその手羽先実は鳥じゃなくてキマイラのなんだ。廃棄処分セールってので安くなってたから買って来たんだけどボハァ!?」バキッ

魔王「何でそんな怪しい物買って来たのよアンタは!毒とか入ってたら危ないじゃない!」

戦士「す、少なくともお前のパンチよりかは安全だと思う……。それと正直な話、お前が毒死する程度のタマだとは思えないんだけど」

魔王「ほぅ?このか弱い乙女代表であるアタシに向かってそんな事言うなんて、良い度胸ね……」
248 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/02(月) 16:38:00.89 ID:fgVD1FPH0
戦士「俺の知ってるか弱い乙女は、そんな片手でもう片方の拳をボキボキ鳴らす様な事しない」

魔王「それは偏見ね、この世には……拳を鳴らす乙女だって腐るほどいるわ!」

戦士「いやいねぇから!ていうかそもそもそんな奴に『か弱い』とか『乙女』とかって単語は当てはまらねぇし!」

魔王「……こんのぉ――」ググッ

戦士「へ?」

魔王「わからず屋ぁぁぁぁ!」ヒュッ!

戦士「なんどぅは!?」ガッ!
249 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/02(月) 16:39:11.94 ID:fgVD1FPH0
魔王「全く……仕方ないから、アンタみたいなのでも理解できるアタシのか弱い乙女エピソードを聞かせてあげるわ。有難く思いなさい」

戦士「言っておくが例えどんな話をしようが、今お前がそれを反故にする様な事をした事実は消えないからな?」

魔王「か弱い乙女エピソードそのいちー!」

戦士「俺の言葉はお前に届かないって言うのか……」

魔王「『ヒュドラ』の血をコップ一杯飲んだだけでお腹壊しちゃった!」

戦士「正直どこから突っ込むべきか非常に困る話なんだが……とりあえずお前それ、か弱い乙女どころか明らかに生物の枠すら超えてるから!」
250 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/02(月) 16:39:40.63 ID:fgVD1FPH0
『これで君もインテリ小僧だ!シリーズ 魔物大図鑑<湿地編>』より抜粋

ヒュドラ
 魔界の辺境にある『極楽沼』に生息している、九つの首を持つ蛇の魔物。
 その血液には毒性があり、普通の人間や魔族がそれに触ると死ぬ。即座に死ぬ。一滴触れただけで死ぬ。普通じゃなくても、基本的には死ぬ。
 他にも、一本首を切ったら何故か二つに増えたり、みじん切りにしても一部が沼に沈んだらそこから復活したり、塵にしても沼にしずんだら(ry と、再生能力も尋常では無いくらいに高い。
 しかし上記の説明で気づいた方もいると思うが、その再生能力の高さには生息地である『極楽沼』が関係している。そのせいかヒュドラは基本的に沼から出ない。そう考えるとこの毒蛇、実は意外とチキンなのかもしれない。蛇だけど。

※『極楽沼』とは、ヒュドラほどでは無いが凄まじい毒性を持つ水が溜まって出来た沼である。
名前の由来は、『沼の水を浴びると、一瞬で極楽浄土に逝ける』と言われる程の毒性から。勿論命的な意味である。
 『でも地獄に逝く可能性もあるよね。何で地獄沼じゃないの?』と言う方もいるかも知れないがその方には、そもそもこの沼の水を浴びると言う行為自体が、それこそ地獄の様な物であり、この名前には『せめて死後には極楽浄土に逝かせてやりたい』と言う名づけ親の思いが込められている、という事を胸に留めて頂きたい。まぁでも実はそれ、筆者の妄そ(自主規制)
251 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/02(月) 16:40:22.56 ID:fgVD1FPH0
魔王「たかが蛇の毒程度で大げさねぇ……これだからチキン野郎は」

戦士「……もう俺、チキンでもいいやぉぅ!?」ビクンッ

魔王「夜王?」

戦士「そ……そんなホストの王的なのじゃなくて……ヤ、ヤバイ!ちょっとトイレ!」

タタタッ

魔王「あ、行っちゃった。てか何よいきなり……」



<魔王城・トイレ>

戦士「は、腹の痛みが増してゆく……!はっ、まさかあの手羽先が……はぅぁ!?」
252 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/02(月) 16:42:01.99 ID:fgVD1FPH0
今回はここまで。
続きはまた今日になるかもしれないしー明日になるかもしれないしー。
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage ]:2011/05/02(月) 16:58:02.86 ID:sHtSUvkU0
乙です。
254 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/02(月) 18:57:03.65 ID:fgVD1FPH0
ヒャア、我慢できねぇ!ゼロだ!
というわけで『オリジナルSS総合スレ』
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294926157/
でやってる、オリSS同士のクロスオーバー的な企画に晒してきたで御座るの巻。
そして晒してるだけの身だけど、ちょっと色々ドキドキしてるで御座るの巻。
255 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/05(木) 00:24:21.78 ID:aSaXshoZ0
前の続きです。
前後編で例えるなら、『中』編です。
……どうしてこうなった。
256 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/05/05(木) 00:25:58.54 ID:aSaXshoZ0
<魔王城・食堂>

戦士「やっぱさ、安さと物珍しさだけにつられて物を買っちゃあ駄目だよな……」

魔王「ほら見なさい、アタシの言う通りだったじゃない」

戦士「……そういうお前こそ、俺の言った通り毒程度じゃびくともしないのな」

魔王「……あー、アタシか弱いから気分が悪くなってきたわー」

戦士「なんて見事な棒読みなんだ。……あ、そうだ。ちょっと俺後で町、つうか斡旋所辺りに行ってくるわ」

魔王「ん?なんで?」

戦士「ほら、最初に話しただろ。使用人募集したけど誰も来ないってやつ。……気づいたら手羽先だとか乙女だとかの話になってたけど」

魔王「ああ、そういえばそんなのもあった様な無かったような」

戦士「いやあったから。で、まぁその原因を調べるためにな」

魔王「ふーん。……ま、やる事やってんなら別にいいけど。つか嘆いてる割にそういう事する時間はあるのね」
257 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/05(木) 00:26:33.27 ID:aSaXshoZ0
戦士「いや、今日は久しぶりに俺のリミッターを解除したからな。何と当社比二倍の速度と力!」

魔王「……リミッター解除して家事に臨む戦士とか、ちょっと度し難いんだけど」

戦士「細かい事は気にするな、そして行って来るぜ」

魔王「あー、はいはい勝手にしなさいな。あ、ちょっとその前に」

戦士「え?」

魔王「……手羽先、残すなら食べちゃうわよ?」

戦士「……今更だけど、乙女はどこ行ったんだお前。まぁいいけども……」
258 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/05(木) 00:27:17.14 ID:aSaXshoZ0
<魔王城・玄関>

魔王「あーもー、タイミング悪いわねー。ちょうどアイツが出てった直後に荷物が届くなんて……」

魔王「しかもなんか……」

ガタッ…ガタガタッ

魔王「この荷物、動いてるし」
259 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/05(木) 00:28:05.07 ID:aSaXshoZ0
<魔王城・会議室>

魔王「それじゃ戦士が帰って来た事たし、第三回NTR同盟作戦会議、始めるわよー」

戦士「うわー突発的、てか久しぶりだなこれ。あ、そうそう会議の前にちょっと言いたい事があるんだけどぶっ」ゴッ

魔王「発言は挙手してから!」

戦士「い、イエスマム……二週間ぶりだったからすっかり忘れてたぜ。というわけで挙手」ノ

魔王「はい戦士。あ、本当に久しぶりだわこの感じ」

戦士「とりあえずさっきの調査結果の報告をしたいのですが」

魔王「ああ使用人の件?でもそれって今回の会議に関係あるの?無かったら却下ね」

戦士「……会議には関係ないけど、お前には大有りなんだよな。これが」

魔王「……いいわ、話してみなさい」

ゴゴゴゴゴ…
260 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/05(木) 00:28:57.00 ID:aSaXshoZ0
戦士「……」

魔王「……」

戦士「……なんでこんな緊迫した空気になってるのか知らないけど、別にそこまで重い内容じゃあないからな?うん」

魔王「いいからさっさと話しなさい」

戦士「はい。……とりあえず結論から言わせてもらうと」

戦士「……絶対に魔王城だけでは働きたくない」

魔王「いやアンタは強制労働だから」

戦士「その扱いに、何の疑問も抱かなくなってきている自分がいるぜ……。でもまぁ、そういう事じゃなくてだな」

魔王「んじゃあどういう事よ」
261 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/05(木) 00:29:29.26 ID:aSaXshoZ0
戦士「今のは町の人らの意見だよ。……魔族Aの一件が魔界中に広まってる事は知ってるだろ?」

魔王「そりゃね。でもそれがどうしたってのよ」

戦士「……どこで背鰭と尾鰭がくっついたのか、今度は新しい魔王が人間界を侵略するつもりだって。そんな噂が町で広まってた」

魔王「……いつの間にやらえらい事になってるわねぇ」

戦士「まぁ正直、略奪やら資金集めやら、そう思われてもしょうがない節があった事は確かだからなぁ。少なくとも、『媚薬』が目的だとは誰も思うまい」

魔王「あー、それもそうだわ。……んー、でも前魔王が人間界を侵略しようとした時は、そんな事無かったんだけどなぁ。逆に高待遇だとか将来性があるとかで、使用人は勿論家来や兵士の倍率も凄く高かった覚えがあるし。まぁ蓋を開けてみれば、適当にやるだけやって最後は自分だけとんずらって様だったけど。……あ、まさかアンタ給料ケチったりしてないでしょうね?」
262 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/05(木) 00:30:00.52 ID:aSaXshoZ0
戦士「いや、むしろこっちも必死だから、そこらのよりも大分高めにしたつもり。それに今回の原因はそっちじゃなくて、噂自体にあるんだよ」

魔王「……ああ、大体分かった気がするわ」

戦士「だろ?……要はだな、今の魔王は魔族達の間で畏怖の対象になってるらしい。噂のせいで前魔王の再来だと思われてるんだろうな、お前は」

魔王「昔は景気が良かったから皆乗ったけど、今じゃ何処も落ち込んでるからねぇ。危ない橋は渡りたくないって事かしら……完全な勘違いだけど」

戦士「本当だよな……。あー、どうしよう。誤解解けば早いんだけど、本当の理由がアレすぎて解くに解けないしなー……」

魔王「……ま、それについてはまた追々考えるとして、そろそろ本題に戻りましょ。というわけで、改めて第三回NTR同盟作戦会議を開始するわよー」

戦士「おー」
263 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/05(木) 00:36:41.03 ID:aSaXshoZ0
続きはまた今度だー
それと>>254で言ってた企画でスレが立ちました。
オリジナルSSクロススレ【書き手連絡用】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1304490718/
せっかくなので宣伝代わりにリンクをペタっと。
自分も継続して晒してますよー。
264 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/05(木) 01:05:03.20 ID:aSaXshoZ0
そういえば前から思ってたんですが、このSSって一応キャラ設定的なのは投下されてましたが、容姿についてはあまり触れて無かったですよね。
でも容姿の設定も大体出来てるので、もしも希望者が何人かいるならそこら辺の設定も投下しようと思うのですが、どうでしょうかー?
もうイメージが固まってるから必要無いんだぜー、と言う方が多かったらその設定は俺の心にそっとしまっときます。
『お前の勝手なイメージを押し付けるな!』って事になりそうなので。ヴァンガァァー。
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/05(木) 09:25:17.41 ID:snldBkgE0
投下するに1票
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/05/05(木) 11:12:00.98 ID:P/l93bpq0
投下して欲しいな
267 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/05(木) 19:45:35.78 ID:aSaXshoZ0
>>264のやつですが、今回の話が終わったら投下する事にします。
そして気がついたら容姿の他に、個々人の戦闘スタイルまで書いてたぜ。

後編は今日か明日に投下予定。
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/06(金) 01:11:09.76 ID:EVLnhI0ho
イメージしろ
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage ]:2011/05/06(金) 08:11:21.40 ID:QTOHUu5z0
乙です。
270 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/05/06(金) 16:39:29.80 ID:G5+Ryj5S0
後編投下だぁ!
・・・…前中編と比べてやたら長くなってしもうたで御座る。
271 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/05/06(金) 16:40:24.19 ID:G5+Ryj5S0
戦士(そういえば、何か魔王の背後に人一人ぐらいなら余裕で入りそうな木箱があるんだけど……これは突っ込むべきなんだろうか……)

魔王「今回の議題はー……こちら!」バンッ

木箱『ガタガタッ』

戦士「!?」

木箱『ガタッ…』

戦士「……」

魔王「……えいっ」コンッ

木箱『ガタッ』
272 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 16:41:08.06 ID:G5+Ryj5S0
戦士「……え?何それ中に何か入ってるの?」

魔王「そりゃあ中に何かなきゃこんな音は鳴らないでしょ」コンッ

木箱『ガタッ』

戦士「……ていうかそれどう見てもお前が叩くのに『反応』してるよな、え?生物?生物なの?」

魔王「まぁ無機物ならこの程度じゃ揺れないだろうしねー。十中八九生きてるでしょ、これの中身は」コンッ

木箱『ガタッ』

戦士「えー……」

魔王「というわけで、今回の議題は『この箱の中身について』よ!」

戦士「うわぁー、実は俺そういうの苦手なんだよなー……」
273 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 16:41:48.88 ID:G5+Ryj5S0
魔王「えー?アタシはむしろ楽しみだけどなー、こういうの。鬼が出るか蛇が出るかーみたいな」

戦士「正直どっちもご勘弁願いたいんだけど。あ、そういえばこんな怪しい物何処で手に入れたんだ?」

魔王「ん?アンタが出てってすぐに配達されて来た。ああそうそう、手紙も付いてきたんだったわ。内容が無駄に長ったらしかったけど、要は『今のアタシが欲しがってる物』がこの箱に入ってるって事らしいのよ」

戦士「今のお前に?……益々分からん、もしかして媚薬とか」

魔王「さぁねー。……ま、開けてみれば分かるでしょ。と言う訳で、御開帳ー!」ヒュンッ

ズバッ
ズズズズズズ…
ドォーン…

戦士「手刀で斜めに掻っ捌いた!?ていうか中身大丈夫か!?」

魔王「うふふそれじゃあごたいめーん――」
274 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 16:42:27.18 ID:G5+Ryj5S0
??「ひやあぁぁぁぁぁぁ!!!」

魔王「うぉっ」

??「いやぁぁぁぁぁ!!」

戦士「な、何事!?」

魔王「……よっと」ヒョイッ

??「きゃああぁぁぁぁぁ!!」

戦士「あ、持ち上げられた……って、あ」

??「にゃああぁぁぁぁぁ……あ?」

魔王「あ、止まった」
275 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 16:43:22.34 ID:G5+Ryj5S0
戦士「……君は――」

??「あっ、貴方は――」

戦士「漬物の人!?」

??「恩人さん!」



魔王「…………へ?」
276 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 16:43:49.38 ID:G5+Ryj5S0
戦士「なぁ、君っていつぞや斡旋所や漬物の事を教えてくれた人だよな!」

??「は、はい!その節はどうも有難う御座いました!」

戦士「いやいやお礼を言うのはこっちの方だって」

??「いえそんな私は礼を言われる程の事なんて全然……」

魔王「……ちょっと、アタシを置いて勝手に話進めないでくれる?」

??「へ?」

魔王「……」ジー…

??「……」ジー…

??「……ひ」

魔王「ひ?」
277 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 16:44:26.97 ID:G5+Ryj5S0
??「……ひやぁぁぁぁぁぁ!!」

魔王「だぁぁもう五月蝿い黙れ戦士パス!」

バッ

??「ふひゃぁ!?」

戦士「ちょっ、いきなりおうわっ!」ガシッ

??「きゃぅっ」

戦士「ふぅ……大丈夫か?」

??「は、はい。重ね重ね有難う御座います……」
278 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 16:44:59.36 ID:G5+Ryj5S0
??「……ってわわわわたっわたっわたっ!」

戦士「綿?」

??(私今、男の人に抱かれてっ……!?)

魔王「……だからアタシ抜きで話進めんなって――」

??「!?きゃ――」

ゴパァッ!

魔王「言ってんでしょうが……それと、少し黙れ」

??「ひゃ……ひゃい……」

戦士「き、木箱が片手で粉々に……」

279 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 16:45:26.41 ID:G5+Ryj5S0


??「……あの」

戦士「ああ、別に好きな椅子使ってもらって構わないから」

??「は、はい。それでは……」
280 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 16:46:33.67 ID:G5+Ryj5S0


魔王「よし、全員席に着いたわね。それじゃあ……そこの、自己紹介!」

メイ「は、はい!私の名前は『メイド女』です!魔族B様の屋敷でメイドとして働いていました!」

『メイド女』はこれから『メイ』という表記になります。

魔王「成る程……『今のアタシが欲しがってる物』、ね。これで合点がいったわ」

メイ「??……ま、まさか食べ――」

魔王「アンタ人をなんだと思ってんのよ」

戦士「魔王だろ」

メイ「ままま魔王なんですか!?やっぱり私食べられるんですか!?」

魔王「アンタ魔王をなんだと思ってんのよ……。まぁそれよか、とりあえず戦士。今回の原因は、全部アンタにある事が判明したわ」

戦士「ええ!?何故に!?」
281 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 16:47:12.38 ID:G5+Ryj5S0
魔王「察しが悪い奴ね……。アンタが使用人の募集なんてしたからよ」

戦士「?あれがどうかしたのか?」

魔王「どうかしたも何も、アレは『魔王城に使用人を募集する』って物なんだから、普通に考えれば魔王城の主であるアタシがしたと思われるに決まってるじゃないの」

戦士「ああ……つまりまた勘違いって事か」

魔王「まぁそうなるわね……でもまぁいいんじゃないの?アンタにとっては。とりあえず一人人員を確保できた事だし」

メイ「……」

戦士「あー、それはそうなんだけど……いややっぱ駄目だろ。本人は無理やり連れて来られたみたいだし……」

メイ「あ、あのっ」

戦士「ん?ああそうだ、御免な俺のせいでこんな事になっちゃって。とりあえずうちまで送ってくから――」
282 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 16:47:39.96 ID:G5+Ryj5S0
メイ「わ、私……働きます!……いいえ、働かせてください!」

魔王・戦士「…………え?」

メイ「……やっぱ駄目ですよね私なんかじゃ」

戦士「い、いやいやそんな事は全然無いしむしろ全然大歓迎だけど……何故?」

メイ「ええっと……私、元居た屋敷のメイドの中では出来が悪い方で……ここに来たのも多分それが原因なんです……。それに……」

戦士「それに?」

メイ「……戦士様、でよろしかったですか?」

戦士「え、俺?だったらあってるけど……それと、別に『様』なんて付けなくても――」

魔王「そうよ、こんな奴『糞野郎』とか『屑野郎』とかで十分よ」

戦士「おいぃぃぃ!?それはさすがに酷くない!?」
283 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 16:48:09.28 ID:G5+Ryj5S0
メイ「あ、あはははは……。あの、それでですね……私は戦士様……貴方に、御恩がありますから」

戦士「いやぁだからアレはそこまでの事じゃないって。あくまで当然の事をしただけだし」

魔王「……さっきから気になってたけど、その『恩』って何なの?」

戦士「いやぁさ、この前彼女がナンパ男達に絡まれてたから、そいつらを追っ払ったんだよ。でもその時の礼は道案内とかでもう済んでるし、そもそもこんなの礼なんてされる程の事でもないだろ?」

メイ「そんな事ありません!戦士様がいなかったら私はどうなってた事か……」

魔王「へー……案外やるじゃんアンタ」

戦士「……ね、熱でもあるのかお前?」

魔王「はい後で屋上ねー」
284 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 16:48:51.19 ID:G5+Ryj5S0
戦士「あれ、もしかして俺選択間違った?……ま、まぁいいや。兎に角俺は恩を売るつもりでやったわけじゃないから、そんな責任とか感じてもらう必要は無いし。むしろそんなので責任背負わせたら申し訳ないっていうかさ」

メイ「……ふふっ、お優しいんですね。でも大丈夫です。御恩と言うのも勿論ありますが、それを抜きにしても、私はここで働きたいのですから」

戦士「え?……こんな明らかに城の広さと人数比が比例してない上に主は横暴だし福利厚生の保証も無くて休みだって存在しない職場に、一体何の魅力があるって言うんだ!」

魔王「おいこら戦士、簀巻きにしてやろうか」

メイ「え、えっと、その……あの……」

魔王(あー、成る程そういう。……でもまさかこうくるとは、ねぇ)

戦士「……やっぱ無理してないか?嫌だったら嫌って言っても――」

魔王「ま、本人が良いって言ってるんだから、いいんじゃない?別に」
285 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 16:49:26.39 ID:G5+Ryj5S0
メイ「い、いいんですか!?」

戦士「うーん、でもなー……」

メイ「……もしかして私、戦士様に嫌われて……」

戦士「いやいやそんな事は断じてない!むしろ違うからこそ心配で――」

魔王(……ったく)

魔王「はいはい本日の会議終了ー、全員さっさと仕事に戻りなさい」

戦士「ええっ、ちょっとまだ話は――」

魔王「終了ったら終了よ。本人が納得しててこっちも別に不都合はない、だったらもう問題無いじゃない。というわけで、ちょっとアンタ外出なさい。私は彼女と話があるから」
286 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 16:50:15.75 ID:G5+Ryj5S0
戦士「ま、まさか本当に食べ――」

ガッ!

戦士「ダイナミック退場!」

バンッ!

魔王「……」ギィ…

バタンッ…

魔王「さて、邪魔者も出てった事だし……」

メイ「たっ、食べ」

魔王「ないから。……遠まわしにするのは苦手だから、単刀直入に言うわ」




魔王「……アンタ、戦士に惚れてるでしょ」
287 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 16:50:53.54 ID:G5+Ryj5S0
メイ「な……なななななななぁ!?」

魔王「……はぁ、ドンピシャだったか」

メイ「……何でそんな事、分かったんですか?まさか魔王だから……」

魔王「いやだからアンタ魔王をなんだと思ってんのよ。つか魔王とか関係なく、アンタの反応見てたら普通誰にだって分かるわよ」

メイ「えええ!?も、もしかして戦士様にも……」

魔王「……まぁ、何事にも例外ってのはあるから。例えば戦士とか」

メイ「良かったぁ、それじゃあ気づかれてないんですね?」

魔王「多分ね。……でも本当に良かったわね、気づかれて無くて」

メイ「へ?」
288 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 16:51:27.85 ID:G5+Ryj5S0
魔王「……アンタにはショックな話になると思うけど、こういう事は早く伝えておかなきゃいけないから。心して聞きなさい」

メイ「は、はぁ……」

カクカクシカジカ
コレコレウマウマ

メイ「……そうですか、戦士様には既に思い人が……」

魔王「まぁ、ね。だから残念だけど、アンタの気持ちは多分届かないわ」

メイ「そ、それに、戦士様にあんな性癖があったなんて……」

魔王「あー……そうよねー、そもそも気持ちなんてとうに失せてるわよねー」

メイ「い、いえそんな事は!むしろ戦士様が一途で一生懸命な人だって分かったので……それはそれで良かったと、私は思います」
289 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 16:53:16.64 ID:G5+Ryj5S0
メイ「いいんです」

魔王「え?」

メイ「元々、戦士様に私の思いを伝える気はありませんでしたから。正確には、伝えられる勇気自体が無いんですが……」

魔王「メイド女……」

メイ「だから、私はあの人の助けになれるだけで十分なんです。例えあの人の目が私に向かなかったとしても、あの人が幸せなら」



メイ「私はそれだけで……頑張れますから」
290 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 16:53:44.06 ID:G5+Ryj5S0
魔王(……め……)

メイ「……あの、どうかしましたか?」

魔王(めっちゃ健気だこの子ー!やばい!マジやばいくらいいい子だわ!あーもう、なのになんでよりによって戦士なんかに惚れちゃうのよー!アイツなんて媚薬やらNTRやら……ああそういえばアタシも同じ穴の狢だったわ……。はっ!そうか、これが本物の乙女って奴なのね……)

魔王「完敗だわ……」

メイ「え?ええ!?わ、私なんか粗相しちゃいましたか!?す、すみません!」

魔王「いや、違うの。ちょっと自分の汚さに嫌気が差しただけだから、気にしないで……」

メイ「あ、あの……よく分かりませんが、魔王様はいい人だと思いますよ?最初は怖かったけど……」

魔王「もう止めてぇ!アタシが更に惨めになっていくから!」

メイ「は、はいぃっ!」
291 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 16:54:32.48 ID:G5+Ryj5S0
魔王「……オーケー、もう立ち直ったわ。そう、誰が何と言おうと、アタシは自分の道を進んでいくっ……!」

メイ「よく分からないですが、元気になったなら良かったです」

魔王「どこまでもいい子ねアンタ……。で、それじゃあまぁ、これからよろしくって事でいいのかしら?」

メイ「は、はい!ご指導の程よろしくお願いします魔王様!」

魔王「いやいやそんな気合入れんでいいって。それと、実質的な雇い主は戦士だから、指導とかはアイツに受けるように。あ、後それと……」

メイ「何でしょうか?」

魔王「新しい恋を見つけたなら、いつでも相談に乗るから!頑張ってね!」ガシッ

メイ「あ、有難う御座います……」
292 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 16:56:06.06 ID:G5+Ryj5S0
後編終了、新キャラ登場。
今からは宣言通り、主要キャラの容姿やら戦闘スタイルやらを投下してくぜ!
それとメイド女の設定も。
293 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 17:00:48.54 ID:G5+Ryj5S0
性別は女。
元々は魔族Bの屋敷でメイドとして働いていたが、ある日気づいたら箱詰めにされて魔王城に配送されていた。
家事のスキルは非常に高く、そこら辺のメイドには勝るとも劣らない程の腕を持っている。
しかし彼女が言うには『魔族Bの屋敷にいるメイドの中では出来が悪い方』であるらしく、それのせいか彼女はいつも自信が無さげ。でも実際の彼女を見てたら、どちらかと言うと魔族Bの屋敷がハードル上げすぎな気がする。
そして健気でいい子。しかも品行方正だし空気は読むし頑張りやだし。……ほんと、なんでよりによって戦士に惚れるんだか。

背は低めだけど、その割には胸が大きめ。それと癒し系の顔してます。守るより守られるタイプ。
髪は茶色でショートボブ。瞳は黒色。
仕事時の服装は勿論メイド服。だが実は、仕事が無い時でもメイド服を着てる事が多い。本人曰く『こっちの方が落ち着くから』だとか。生粋のメイドである。
294 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 17:02:13.81 ID:G5+Ryj5S0
>>293は『メイド女』の設定です。

追加設定『男』
中肉中背。
顔はそこそこ整っているが、でもイマイチぱっとしない。強いて言うなら穏やかそうな。どっちにしろ魔王っぽくはない。
紅い瞳に黒い髪。ここだけ聞くと魔王っぽい。髪はショート。
魔王の時は何とかして威圧感を出そうと、やたら禍々しい服装をしていたが、正直着られてる感が強かった。
魔王と言う肩書きが無くなった現在は、いたって普通の服を着てる。特徴的なのは腰のベルトに装着されてる伸縮式の柄を持つ杖ぐらい。柄は十数cmから人一人分ぐらいまで伸びる。
ちなみに戦闘スタイルが魔法に偏ってるので、鎧の類は殆ど着る事はない。
上記の通り戦闘スタイルは魔法偏重型。それも普通の攻撃魔法では無く、設置型や状態異常等の魔法を主に用いて少しずつ敵を追い詰めていく嫌らしいタイプ。どうしてコイツが魔王だったんだよ、本当に。
まるで中ボスみたいな戦い方だがそれでも魔王。毒は毒でも即死級の猛毒魔法だったり、極大級の攻撃魔法と同等の威力とステルス機能を持った地雷魔法等、スケールはやたらと出鱈目である。
295 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 17:02:51.75 ID:G5+Ryj5S0
『勇者』追加設定
物凄い別嬪で、体型はボンキュッボン。正にパーフェクトという奴である。
髪は黒のロングヘアーで気分によって時々ポニテ。そして瞳も同色。
服装は常に帯剣している以外は結構普通。そしてどちらかと言うと男物を好み、スカート等の類は基本的に着ない。戦闘時は軽鎧を着ける。
剣も魔法も一流のオールラウンダーで、常に携帯している魔法剣『神雷』による雷の魔法と速さを重視した我流の剣術を組み合わせた、独自の戦法を用いて戦う。
強い。滅法強い。多分人間の中では一番強い。
296 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 17:03:30.94 ID:G5+Ryj5S0
『僧侶』追加設定
背は低めで華奢な体型をしている。年の割には顔も幼めで、身なりによっては『性別が迷子』状態になりかねない。
髪は茶色のショートヘアーで瞳も同色。少し垂れ目がちで、顔つきや職種も相まって温和な印象を与えられる。でも中身はアレなんだよなぁ……。
僧侶のくせに軽装を好む為、半袖半ズボンが基本スタイル。しかし公の場や任務の時等は、神職である事を示す為に背に十字が描かれたローブを着ける。ちなみにこのローブ、魔除けと呪い払いの効果があり意外と実用的だったり。
僧侶は魔法使いと違って、杖を使わず素手で魔法を行使する。何とも杖を持ち歩くのが面倒だからだとか。
回復魔法は勿論、攻撃魔法や補助魔法も使えます。最早賢者だよねとか正直思わなくも無い。
ちなみに杖の有る無しによる魔法の主な違いは、魔法の発動までの時間と魔力の消費量。勿論杖が有る方が両者共に少なくなる。
297 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 17:04:18.30 ID:G5+Ryj5S0
『魔法使い』追加設定
童顔で背が低い、体は上からキュッキュッキュッ。つまりは幼児体系。
髪は茶色のロングヘアー。瞳も同じく茶色。髪と瞳の色が僧侶と一緒なのは、実は二人が同じ地域出身だからという設定のせいだったり。
いつも頂点が尖った黒い帽子を被り、黒いローブを身に纏っている。所謂典型的な魔女っ子スタイル。……このイメージ、ちょっと古い気もするが。
ちなみにローブの左右側に一つずつついてるポケットは、魔法により中の空間が拡張されており杖やらアイテムやら食料やら、まるで某ポケットの如く色々入っている。
戦闘時にはそのポケットから特別製の杖を二本取り出して戦う。二本の杖から無詠唱で上級以上の魔法を乱射する様は、圧巻の一言。
そういえば、二丁流や二刀流とかはよく聞くけど、杖を二本ってのは全然無いなぁと思う今日この頃。
298 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 17:05:20.20 ID:G5+Ryj5S0
『魔王』追加設定
胸が小さめの勝気系女子。スレンダーと呼べぃ。背はそこそこ高め。
ブロンドの髪をツインテールにしている。瞳も同じく金色。それとツリ目。……あれ?見た目だけなら何か凄いツンデレっぽい気がする。実際はそうでも無いのに。
服は動きやすさ重視なので大分ラフに。スカート?時々履くけど勿論下にはスパッツ完備です。常識だよねー。
それとよく拳を使うので、手にはいつもグローブをはめている。返り血防止。
ガチでバトる時には、膝と肘にプロテクターを着けたりメリケンサックを持ち込んだりもする。
上記の事柄で大体分かるだろうが、戦闘は肉弾戦のみの完全なるインファイター。
魔法は使わずひたすら殴る。強い。滅法強い。多分魔族の中では一番強い。
299 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 17:05:57.48 ID:G5+Ryj5S0
『戦士』追加設定
精悍な顔つきと程よく鍛え上げられた体。正に戦士。
髪は黒に近い灰色ぐらい。瞳は黒色。
常に軽鎧を装着してる。そしてインナーには、普通の服よりも丈夫な生地で作られた物を着用。それと常時帯剣。
ちなみに日常でも戦闘時でも常に鎧を着けてるのは、単に脱ぐのが面倒だからだとか。でも蒸れそうだよね、それ。
パーティの切り込み隊長及び壁役。丈夫さが取り柄なので、とりあえず敵に突っ込んでとりあえず暴れる。またの名をデコイと言う。
300 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 17:08:50.08 ID:G5+Ryj5S0
服装はともかくとして、戦闘うんぬんの設定が生かされる日は来るのだろうか……。
それと>>300ゲットだぜ!
それではまた次回。
……もしかしたら日曜までに投下出来るかも、でもあまり期待はしない方がいいです。
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/06(金) 17:29:32.37 ID:lcAxxj3DO
乙でした!魔王のイメージが意外だな。もっとミニスカセクシーなイケイケ系を想像してた
それ以外は大体想像通りだったな〜

取り敢えず…魔王ヒュドラの血平気とか全然か弱くねぇー!!!!
メイド女可愛いよメイド女

勇者(人間最強)と魔王(魔族最強)がガチバトルしたらどうなるのっと
302 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/06(金) 17:40:56.06 ID:G5+Ryj5S0
>>301
あまりイメージを崩す結果にならなかったようで一安心です。

二人がガチバトルしたら……まぁそれは、今後のお楽しみという事で。
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/06(金) 17:57:43.83 ID:q7H7LX+Eo
乙。
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/05/06(金) 21:49:10.09 ID:0wP1VXITo
面白くて実は最初から読んでたけど、初乙。
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/06(金) 22:42:15.81 ID:1kenbY7+0
勇者かっけぇマジかっけぇ
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage ]:2011/05/07(土) 08:04:13.02 ID:JveCHJOJ0
乙です。
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) :2011/05/07(土) 18:39:51.16 ID:qgzHnjQAO
男が強いと思うのは俺だけだろうか…
308 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/07(土) 20:47:44.45 ID:5XoHZ2Z20
ひゃっはぁ番外編投下だぁ!
メイド女についての小話です。

>>307
一応ヘタレてても魔王ですから、まぁそれなりには強いんです。でも正直強すぎた感は否めなゲフンゲフン。


309 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/05/07(土) 20:48:33.02 ID:5XoHZ2Z20
<魔王城・食堂>

カチャッ

メイ「お茶入りましたよー。それと、今日は私手作りのクッキーも持ってきましたー」

魔王「さんきゅ、おお相変わらず美味しそう」

戦士「ホントだなー。……それにしても、こうやって時間とってゆっくりティータイムだなんて、一週間前じゃ考える事すら出来なかったのになー」

メイ「一週間前って言うと……私がここに来たばかりの頃ですよね?」

戦士「そうそう。それまではここの家事、全部俺一人でやってたからなー……。本当に、メイド女様様だよ」

メイ「いえそんな。私なんて、戦士さんに比べれば全然ですよ」

戦士「いやぁそんな事無いって、メイド女も十分出来てるって。ホント何で前の所で評価低かったのかが不思議なぐらいだよ」
310 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/07(土) 20:50:43.76 ID:5XoHZ2Z20
メイ「そ、そうでしょうか……でも、今までそんな事言われた事無いのですが……」

戦士「ホントだって、俺が保証するから」

メイ「戦士さん……」

魔王「すっごい今更だけど、本職より家事が出来る戦士ってどうなのよ……。ん?ていうか戦士『さん』?」

戦士「ああ、やっぱ様付けってのはどうにも落ち着かないからさ。変えてもらったんだよ」

メイ「私は『様』でも一向に構いませんでしたが、他ならぬ戦士さんのお言葉ですから」

魔王「ふーん。ホント、相変わらず律儀というか何というか」

戦士「それが彼女のいい所なんだよ、お前もちょっとは見習え」

魔王「だが断るー」
311 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/07(土) 20:52:22.73 ID:5XoHZ2Z20
THE ちょっとばかし時間が経ったの表現



―――――――――





312 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/07(土) 20:53:03.63 ID:5XoHZ2Z20
戦士「そういえば」

メイ「はい?」

戦士「メイド女って家事は出来るし礼儀正しいしお淑やかだし、正にメイドの鏡の様な人じゃん?」

メイ「ふぇぇ!?そ、そそそそんな全然私なんてとても恐れ多い!」

魔王「ちょっと落ち着きなさい。で、それがどうかしたの?」

戦士「前から気になってたんだよ。何で前の屋敷ではメイド女の評価が低かったんだろうって」

魔王「あー、そういえば。……確かに厳しすぎるわね、うん」
313 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/07(土) 20:53:34.90 ID:5XoHZ2Z20
メイ「そ、そんな事ありませんよ!だって私、家事くらいしか取り柄がありませんし!」

戦士「別にそれでも十分だって」

魔王「むしろ他にメイドに必要な技能なんてあったっけ?」

メイ「……え?」

戦士「え?」

魔王「え?」
314 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/07(土) 20:54:04.15 ID:5XoHZ2Z20
メイ「……え、あの、えっと……戦闘技能、とか……」

戦士「いやいやいやいや!それメイドと関係ねぇから!」

メイ「え、ええ!?そ、それじゃあ野戦技術とか暗殺術とかCQCとかは!?」

魔王「どこの戦場に行くつもりだアンタは」

戦士「……ちょっと『メイド』、つうか『使用人』の定義について、確認をしてみようか。というわけで、メイド女。君にとって『使用人』とは?」

メイ「は、はい!『使用人』とは、主の生活を支える為に、炊事洗濯掃除といった家事は勿論の事、主の命に従い主を狙う敵の排除や潜入任務等――」

戦士「後半いらねぇぇー!!おかしいだろそれ明らかに使用人の範疇越えてんだろ!」

メイ「ええ!?そうなんですか!で、でも先輩達は皆強かったですよ!特にメイド長なんて『修羅』って呼ばれる程でしたし!」

戦士「修羅!?メイド長のあだ名に修羅!?」
315 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/07(土) 20:55:07.44 ID:5XoHZ2Z20
魔王「……ああ、そうだ。思い出した。何か昔どっかで聞いたなー、『メイド服を着た女性しかいない敏腕の特殊部隊』が存在するっていう噂。今まで眉唾物だったんだけど……まさか本当にあったなんてねー」

戦士「何それ色んな意味で怖い。……まぁ兎に角、使用人とかメイドとかってのはあくまで『家事手伝い』でしかなく、普通は戦闘なんて物騒な事は行わないから」

メイ「しょ……衝撃の新事実です、私の常識が音を立てて壊れた気がします……」

戦士「逆に俺達の常識にひびが入りそうだったけどな……」
316 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/07(土) 20:55:34.21 ID:5XoHZ2Z20
メイ「あ、でもこれで合点がいきました!何で今まで戦闘訓練とかを一切しないか、ずっと不思議だったんですけど、漸くその謎が解けました!」

戦士「ははは……。で、でもこれで分かったろ?君がメイドとしては本当は優秀なんだって」

メイ「……でも私、本職でない戦士様より家事出来ませんし……あ、いえこれは戦士様を非難してる訳ではなくて!」

魔王「別にコイツの事だから、そんなん気にしなくても大丈夫だって。後それと、戦士は確かに滅茶苦茶家事が出来るけど、本職である戦士職としての能力は大した事ないから、そこはお互い様って事で、ね?」

メイ「そ、そういう物なんでしょうか……」

戦士「そうそうそういう物だって。だから自信持ちなよ」
317 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/07(土) 20:56:07.18 ID:5XoHZ2Z20
メイ「……自信……が、頑張ります!」

戦士「……まぁ元気になってくれたなら良かった良かった。ところで魔王、さっきのお前の言葉なんだけどアレは俺を褒めてるのか貶してるのか、一体どっちなんだ」

魔王「え?分からない?」

戦士「ああ貶してるの――」

魔王「上げてから落としてるのよ」

戦士「予想以上に酷かった!?」
318 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/07(土) 21:03:26.28 ID:5XoHZ2Z20
番外編終了。
前々から思ってたけどこのSS、どうも全体的にオチが弱い気がしてならない。
こういう時は先人の知恵を頼りにして……次は爆発オチでもやってみるかな。戦士で。
……嘘です。次はやりません。でもいつかはやるかもしれない、しかしやらないかもしれない。
……多分、こんな行き当たりばったりだからオチがしょぼいんだろうなぁと思ったりもしたけど即興でも上手い人がいるから、やっぱ自分の腕のせいだよなと思ったり思ったり。
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/07(土) 23:58:46.68 ID:a4P7ClUco
320 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/08(日) 20:54:29.88 ID:p9sceXT00
GWが終わってしもうたから、更新速度はまた滅茶苦茶遅くなるっさー……。
でも頑張るよオイラ。うん。
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2011/05/08(日) 21:12:29.67 ID:4nOlEoBjo
>>320
あたし、まってるから
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/09(月) 10:26:21.75 ID:rHPeQR3DO
乙でした!メイド可愛いよメイド
でもメイドより出来る戦士ェ…

話綺麗に纏めるのって難しいけど頑張って!楽しみに待ってるよ
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/05/09(月) 19:44:00.12 ID:YwW0P7rjo
おつー。
メイって訓練受けてただけで全力での運動音痴なのかな?
それとも劣ってるだけなのかな。
324 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/09(月) 21:30:46.43 ID:1nfXeeFa0
>>323
戦闘系の訓練は一応一通り受けてるけど、まぁ何だろう、下の中ぐらいなのかな。全体的に。

でもまぁ、家事は出来るし完全なる運動音痴って訳でも無いっていう、そんな曖昧な俺のイメージ。
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/05/09(月) 21:34:20.87 ID:YwW0P7rjo
ちょっと嫁にもらっていきますね。
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage ]:2011/05/10(火) 19:52:02.08 ID:3ieE/Ezp0
乙です。
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/11(水) 01:44:43.02 ID:RlhaZ1dJo
戦士より強かったら大変なことになりそうだ
328 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/14(土) 23:49:01.50 ID:gI732tAK0
何かメイド女人気だなぁおい。そして宣伝と言うか何というか。

幼女「そこのおとこ!ちょっとやらせなさい!」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1297/12977/1297775355.html
の人がうちの奴らを使ってくださったクロス作品

幼女「メイドひろった」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1305294466/

が始まりました。
元スレと共に、ぜひとも見てください。面白いです。
実は自分も稀に書いたり書かなかったりするかも。
それと、自分が上記の幼女スレのキャラ達を使わせていただく方のクロス作品。
こちらは現在誠意作成中です。ここの更新がやけに滞ったと思ったら、ほぼ確実にこちらの方に時間を割いてます。
だからと言って、そっちを書いている間はここを放置する、というのもアレなので、ちょっと本編はきついですが、まぁ小ネタぐらいはいくらか書ければいいなぁと思ったり思ったり。


329 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/15(日) 00:46:02.07 ID:fqWMxXE70
ああそうだ、せっかくだから初めての安価でもしてみましょか。

とりあえず試しに、
>>333
のお題に沿って、ネタを一つ書いてみようかと思います。

……ところでこれ、安価来なかったら血涙とか余裕で流せそうだよね、とか思ってしもうた。
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/15(日) 00:53:08.52 ID:n6oIrtZFo
kskst
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/15(日) 01:25:56.78 ID:n6oIrtZFo
もう一回、安価下
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2011/05/15(日) 02:15:27.41 ID:GVzlm4NUo
魔王が性格反転薬をのんで夢見る乙女になる
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/15(日) 02:16:20.86 ID:+/Wi7WPKo
幼女の人またコラボ?やってるのか
安価した
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/15(日) 07:02:42.70 ID:4uIPDrdDO
じゃあ、何故かナチュラルに魔王城に閻魔たちがいる。
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/05/15(日) 14:22:38.50 ID:4XDk1JGKo
べ、別にアタシから「やろう」って言った訳じゃないんだからね!
別スレで忙しいのに、>>1がやろうって言うから仕方なくノっただけなんだから…。

楽しく毎日書いてて、筆が進みまくって書きためがいっぱいできたとか無いんだからね!

あと334は自重しよう。
336 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/15(日) 17:30:54.40 ID:fqWMxXE70
>>333が安価下との事なので、>>334でちょっと頑張ってきます。
近 日 公 開 予 定 。
337 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/17(火) 22:39:17.90 ID:4t8SGxav0
とりあえず一つだけ投下。こんな物でっしゃろうか?

ネタその1『胸と勝利と敗北と』

幼女「男!いんこうを」

男「断る!」

ソレカラドウシタ

幼女「なぜ、男はわたしによくじょうしないのだろうか……」

閻魔「実はソッチの人だとか!」

幼女「なんだと!?それはしょうげきのしんじじつ……!」

魔王「いや、普通に考えたらアンタの成長度合いが足りないだけでしょ」

閻魔「ほうほう、例えば?」

魔王「え?まぁそりゃあ、背とか胸とか……」

閻魔「背ですか……」

幼女「それに、むね……」

ジー…

幼女・閻魔「成る程……」

魔王「アタシの胸を見ながら言うなぁ!てか違う!アタシの場合は違うんだからね!?……あの、うん……多分」


338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/17(火) 23:04:25.74 ID:DJvokguZo
乙!
こう見ると奴らがいてもなんら不思議じゃないな、戦士より強いだろうし
ただ、無理矢理にでもそこにいる理由が欲しかったりしなかったり
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/17(火) 23:06:52.21 ID:s5dwJdyNo
ここでクロスやるの…?
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/05/17(火) 23:14:54.37 ID:bhocDsE7o
いや、誰!?みたいな流れかと思ったら本当にナチュラルに住んでたでござるの巻。
安価だからって無茶しちゃ駄目だと思うな…。
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/05/17(火) 23:17:23.38 ID:bhocDsE7o
こいつら誰!?みたいな流れかと思ったら本当にナチュラルに住んでたでござるの巻。

安価だからって無茶しちゃ駄目ですよ…。
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/05/17(火) 23:26:00.22 ID:bhocDsE7o
ごめん。なんか変な事になった。
343 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/18(水) 21:32:00.57 ID:CX36sdrK0
やぁ、俺だよ。
他スレのキャラをここで使いまくるのも何なので、後1,2レスぐらいで今回のネタは終了予定。
そのうち投下予定。
以下レス返信。
>>338
あきらめろん。俺には無理だっためろん。

>>339
勿論クロスは別スレでやりますよー。でもほら、安価ですから。

>>340
心配してくれてありがとうで御座るの巻。大丈夫、まだ俺はやれる。
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/18(水) 21:34:28.62 ID:Wo5LDHRZo
めろんろん
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/19(木) 15:42:37.70 ID:KGfEBR9DO
楽しみに待ってるでござる
346 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/19(木) 21:13:22.12 ID:FhcsTrD20
前の続きとなっております。

幼女「いや、そういえばそのりろん。正しいとはかぎらないぞ」

閻魔「どうしてですか?」

魔王「あー、まぁそりゃあ人には好みって物があるからねぇ」

幼女「ちなみに男の好みは『ロリ巨乳』だ」

魔王「おおぅ……」

閻魔「それはまた無益な情報ですね……」

幼女「それでだな、この前ちょっとまほうを使って、きょにゅうになってみたんだが」

魔王「その魔法について詳しく」

幼女「まおうには……むりだな、りろんてきに」

魔王「くそぅ……」

もうちょっとだけ続くんじゃよ?
347 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/19(木) 21:23:17.86 ID:FhcsTrD20
閻魔「で、それで結局どうなったんですか?」

幼女「だめだった……」

魔王「あら残念」

閻魔「でもロリが巨乳になったら、男さんの好みにドンピシャだと思うんですが。……幼女ちゃん、ちょっとそれ、やってみてもらってもいいですか?」

幼女「わかった。ちょっとだけまっていてくれ」

シバラクオマチクダサイ…

幼女「できたぞ!どうだ!」

魔王「バランスわるっ!」

閻魔「これは何というか……」

幼女「男にも『不気味』だっていわれた……」

魔王「背に対して胸がでか過ぎるのよね……って、だったら背も伸ばせばいいんじゃない?」

幼女「ざんねんだが、それもりろんてきにむりなんだ」

魔王「さっきのもそうだけど、アンタのその理論がアタシにはさっぱりわからないわ……」
348 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/19(木) 21:40:20.46 ID:FhcsTrD20
閻魔「あ、でもでも、胸のサイズをもう少し加減すると言うのは――」

幼女「それもむりだ、りろんてきに」

魔王「極端だなアンタの魔法!」

幼女「というかそもそも、なかみがわたしのじてんでだめだって」

魔王「あー……うんまぁ何ていうか……頑張れ」



以上で今回の安価を終了させていただきます。
あれ?気づいたら女性陣しか出てない上に胸の話しかしてねぇ……まぁいいか。

今回のネタの元ネタは、幼女スレの>>864>>878辺りが元となっております。
でも胸のサイズの加減については勝手に捏造してしまいました。ゴメンナサイです。

それと今回、何か珍しく魔王様が受身に回ってた気が。

次回は……また小ネタかなぁ、とりあえず安価は止めとくけど。時間取れるかわからんし。
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/20(金) 00:24:32.37 ID:PBvj5KQ/o
350 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/05/29(日) 14:54:11.57 ID:WOfHyhb/0
長らくお待たせしてすみませんぬ、だがもうしばらくお待たせしますんぬ。本当に申し訳ない。

で、まぁその代わりと言ってはなんですが、

【幼女と閻魔と男と】勇者「惚れた」魔王「え」番外編【クロス】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306502164/

実はこれ、まだ完成してないわけですがまぁ有り体に言えば、我慢できなくなってですね。
しばらくはこっちをゆっくりと更新してく予定です。
ストックある間は殆ど毎日更新。

まぁそんなわけで、これからはこちらもよろしくお願いします。
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/29(日) 22:17:16.78 ID:OqvdeMTQP
クロスとか誰が得するのか
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/02(木) 18:53:41.22 ID:dLFrhx0X0
俺が得する
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/02(木) 21:07:57.21 ID:6Jrjn92IO
誰かしら得をするのかもしれんが
書きかけの本編を放置してまでやるものではないと思う
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/06/02(木) 21:33:16.95 ID:3xA05/Emo
>>353
本編好きなのも分かるけど、書きたいもの書いてほしいじゃない。


おいらは望んでる。本編もクロスも頑張って。
355 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/06/02(木) 21:38:46.87 ID:qx+5EH2q0
ご無沙汰な人もそうでない人もいるかと思いますが、とりあえずここでは御久しぶりです。
うわぁ気づいたら前レスしたの一週間前だったよ……。

で、今日ここに来た理由なんですが、まぁお詫びやらお知らせやら色々みたいな感じで。

それじゃあまず一つ。
本編の更新を滞らせてしまい、申し訳ありませんでした。
>>353はごもっともです。ええもう、返す言葉もないくらいに。

というわけで、も一つ。
今までは殆ど全精力を番外編に注いでいた訳ですが、これからはこっちも平行して進めてこうかな、と。番外編は一応終わり見えてきたし。
なんで、本編も近々再開予定。

そして最後。
最近私生活にちょっと余裕が無いので、更新は普通に遅くなります。番外編うんぬん抜きでも。



とりあえずこんな感じでこれからやっていくんで、宜しければこれからもよろしくお願いします。
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/02(木) 22:14:22.64 ID:s1dLLaaFo
もういらないわ
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/06/04(土) 00:28:54.76 ID:VwRfqkk/0
舞ってるぜ
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 08:25:53.66 ID:SpI6XPxw0
俺も舞ってるぜ!
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/06/05(日) 08:32:00.99 ID:pBtiaB3Uo
じゃあ、俺も舞うか。
360 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/06/19(日) 22:50:44.15 ID:kXqUj7Cj0
お前ら舞うの大好きだなぁオイ。
だったら俺の舞いも見せてやるぜ!

すみません、調子乗りました。
お知らせです。
幼女スレとのクロスが完結しました。
本編も書くよーとか言ってたのに、本編が全然思い浮かばず、逆に番外編の筆が進むという状況になってしまいました。マンマミーヤ。

向こうでも書きましたが、本編は今スランプ中というか倦怠期というかちょっとむむむむみたいな感じです。
でも絶対エタらせはしないんで、よろしければこれからも時々でいいんで覗いてやってください。

ではではまた今度。次は本編で会えるといいなぁ……。
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 23:04:09.74 ID:0EbPDiuXo
まだかね
362 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/07/12(火) 02:19:39.30 ID:vHA46XFoo
長らくお待たせしてすみませんでした。
……待ってた人いるのかなぁ……。
まぁそれは置いといて、ちょっとずつですが一応筆が乗ってきました。

それで、いつもなら一話ないしキリのいい所まで書き終えてから投下するわけですが、
今回は前回から時間が空きまくっていて、さすがにこれ以上音沙汰無しってのはいかんだろうという感じなので、
今回は小出しにして進めてきます。

というわけで、『合流編』投下開始です。
363 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/07/12(火) 02:20:37.85 ID:vHA46XFoo
<魔王城・食堂>

魔王「来るわね!」

戦士「来るな!」

メイ「何が来るんですか?」

魔王・戦士「媚薬」

メイ「……こういう時ってどんな顔すればいいのでしょうか」

戦士「笑えばいいと思うよ」

魔王「ははっ」

戦士「そういうのじゃねぇよ!ていうかお前も共犯だろうが!」

364 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/07/12(火) 02:21:14.91 ID:vHA46XFoo
メイ「え、ええと……とりあえず、お体に気を付けてください?」

戦士「どちらかというと相手に対して言う科白だなぁ、それは」

魔王「ふふふ待ってなさいよ男。もうすぐアタシの物にしてやるから……!」

ピーンポーン

魔王・戦士「来た!」

メイ「あ、なら私が」

戦士「いやいや俺が」

魔王「いやいやアタシが」

戦士・魔王「……」

戦士・魔王「最っ初っはグー!」

メイ「一緒に行くという選択肢は無いのでしょうか……?」
365 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/07/12(火) 02:21:45.57 ID:vHA46XFoo
<魔王城・正面通路>

戦士「何かジャンケンに勝ったのって久しぶりだなぁ。ていうか勝負事に勝ったこと自体が久しぶりな気がする」

戦士「……はっ、もしやこいつは俺に運が向いてきたって事じゃないのか!?」

戦士「下り坂と上り坂は表裏一体、それすなわち俺の苦労は報われるという素敵理論!」

戦士「そうと決まれば善は急げだ!」

<魔王城・正面玄関前>

戦士「へいよう待っていたぜ勝利への鍵を――」ガチャッ

勇者「お、久しぶりだなせn」

バタンッ

戦士「…………」

ピーンポーン

戦士「…………」

ピーンポーン

戦士「…………」

ピーンポーン
366 : ◆rHuwTJzOS6 [sage]:2011/07/12(火) 02:22:58.91 ID:vHA46XFoo
今日はここまで。
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/12(火) 21:55:04.38 ID:PBBB95PPo
368 : ◆rHuwTJzOS6 [sage]:2011/07/12(火) 22:12:01.16 ID:vHA46XFoo
今日も投下に来ましたよっと。
それでは開始します。
369 : ◆rHuwTJzOS6 [saga]:2011/07/12(火) 22:13:11.11 ID:vHA46XFoo
<魔王城・食堂>

魔王「緊急だし会議室でも無いけど第、えーっと……もう何回目でもいいや!『NTR同盟作戦会議』、始めるわよ!」

戦士「うぉぉぉぉぉ!」

メイ「あの、お二人とも一体どうしたんですか?」

魔王「ええっと、今日の議題は『勇者一行の処理について』よ!時間が無いから挙手は省略して、はい戦士!何か意見は!?」

戦士「もう詰んだんじゃね?」

魔王「ああもうくっそほんと役立たないわねアンタは!いつもなら一発入れとくところだけどでも今回は時間無いし省略!ようしそれじゃあメイド女!」

メイ「え?あ、はい!」

魔王「今この状況を打開するアイデアを一つ!」

メイ(む、無茶振り来たぁー!?)

※ちなみにメイド女は二人の目的を一切知りません。二人も教えてません。いやまぁだって割と疚しい事だし。
370 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/07/12(火) 22:13:54.31 ID:vHA46XFoo
メイ(でもメイドとしては主人の命令に逆らうわけにも行かないし、ここで答えなければメイドの名折れ!……なんだけど……)

メイ(……よく考えたら私って今すごい置いてけぼりで全然状況が分からなかったんだ……)

メイ(ど、どうしよう……)

メイ(……えーっと、確かさっき魔王様は『勇者一行の処理』って言ってた様な……)

メイ(むー……はっ、『魔王』と『勇者』といえば永遠の宿敵同士!)

メイ(……だからどうしたというわけですが……)

メイ(……あ、そういえばさっき……!)

371 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/07/12(火) 22:14:46.35 ID:vHA46XFoo
―――――――

魔王「来るわね!」

戦士「来るな!」

メイ「何が来るんですか?」

魔王・戦士「媚薬」

―――――――

メイ(余計に分からなくなったー!?)

メイ(……いやまぁでも、普通に考えたら今回の事と関係あるわけないですよね、媚薬なんて。勇者と魔王ですし)

メイ(……はて、これは結局振り出しに戻っただけでは無いでしょうか?)

魔王「ほらメイド女!固まってないでハリーハリー!」

戦士(あれ?そういえばメイド女って俺達の目的知ってたっけ……?)

メイ(あーあーあー!?ええっとええっとこうなったらもう適当に――)
372 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/07/12(火) 22:15:34.03 ID:vHA46XFoo



その時メイド女に、電流走る――!


373 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/07/12(火) 22:16:14.06 ID:vHA46XFoo
メイドさんの脳内無意識連想ゲーム☆(その間0コンマ2秒!)

勇者と魔王
 ↓
永遠の宿敵
 ↓
宿敵と書いて『とも』と呼ぶ
 ↓
川原で殴りあい
 ↓
夕日に向かって



メイ「走り出したらいいのではないかと思います!」

男「え!?今何がどうしてそうなったの!?」
374 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/07/12(火) 22:16:40.98 ID:vHA46XFoo
戦士「え?」

男「え?」

魔王「え?」

僧侶「あ、どうもお邪魔してます」

勇者「これは挨拶代わりだ。粗末な物ですまないが」

戦士「これはどうも」

魔王「あら、気が利くじゃない」

魔王「……」

勇者「……?」

戦士「……」

魔王「……」
375 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/07/12(火) 22:17:12.20 ID:vHA46XFoo






戦士・魔王「……って、えええええええええ!?」
376 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/07/12(火) 22:18:42.29 ID:vHA46XFoo
はい終わり!今日の分終了!

……今思ったけど、この方式ってアレだよね。後戻り出来ないのが怖いよね。
いつもこんな感じでやってる人ってすげぇなぁとかふと思ったり。
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/13(水) 00:03:15.36 ID:Bz+sUHaio
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/07/15(金) 00:19:15.61 ID:5RTXDawlo
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国四国) [sage]:2011/07/16(土) 00:34:43.08 ID:ihPkdn4Co
いいとこで終わってたぁぁぁぁぁぁぁぁ
380 : ◆rHuwTJzOS6 :2011/07/20(水) 09:39:04.27 ID:85j0irrKo
やぁ皆!一週間ぶりだね!
……どうしてこうなった。

今日もちょっとだけ投下。DESU。
381 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/07/20(水) 09:40:11.29 ID:85j0irrKo
男「驚くの遅っ!」

メイ「?あの、そちらの方々は一体……」

僧侶「ああ、そういえば貴方と会うのは初めてですね。別に怪しいものではありませんよ、私達は――」

戦士「俺の恋路を邪魔するENEMYどもだっ!」

勇者「恋路?そういえば……」

僧侶「うわぁ暫く見ないうちに随分とまぁ言う様になっちゃって」

魔法「……?」チャキッ

戦士「そ、そんな『殺る?』みたいな感じで軽くで杖構えられたって怖くなんか無いんだからな!」

男「あーちょっとほら魔法使いさんストップ!戦士さんも!今日は別に争いに来たとかそういうのじゃないから!」

魔法「……でも」

魔王「ふ、ふふふふふふ……」
382 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/07/20(水) 09:40:47.83 ID:85j0irrKo
―魔王様の脳内選択肢―

 『平和的に話し合う』
 『全員纏めて死ねぇ!』
 『拉 致 監 禁』
383 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/07/20(水) 09:41:20.21 ID:85j0irrKo
男「なにあれこわい」

魔王「そうよ……どうせ元から力づくでいくって事には変わりなかったんだから……」

男「……あの、そっ…魔王さん?ちょっと冷静に――」
384 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/07/20(水) 09:41:51.38 ID:85j0irrKo
―魔王様の脳内選択肢―

 『平和的に話し合う』
 『全員纏めて死ねぇ!』
ニア『拉 致 監 禁』ピッ
385 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/07/20(水) 09:42:51.07 ID:85j0irrKo
王「両手両足折ってでもここから逃がさない……!」

男「あ、これはまずい。長年の付き合いだから分かる。これはまずい」

戦士「いやまぁ一ヶ月程度の付き合いでも割と分かるけどな。だがよく言った魔王、勿論俺も協力するぜ!」

僧侶「もしかしてそれは彼女の両手両足を折ったりとかそういう事で?」

戦士「ばっかお前俺がそんな事するわけないだろ!もう少し紳士的にだなぁ、こう、首の付け根を颯爽と叩いて気絶させたりとか」

僧侶「その心がけは結構ですが、正直貴方じゃ無理ですよ、絶対に(笑)」

戦士「おいおいそれは俺がここ一ヶ月何をしてたのか知っての――」

勇者「なぁ戦士」

戦士「え、あ、はい!?」

勇者「前ここに来た時から気になっていたのだが、お前の好きな奴とは一体誰なんだ?」
386 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/07/20(水) 09:43:55.34 ID:85j0irrKo
戦士「ぶっ」

男「ぶっ」

魔王「はぁ……」

魔法「わぉ」

僧侶「ああ、さっきから黙ってたのはその事で……」

勇者「あ、いや別に教えたくないというなら勿論いいのだが、もし私達に協力できる事が何かあればと思って、な」

戦士「……」

僧侶「皆様ご覧ください、この光景を」

魔王「……あまりに惨すぎて思わず素面に戻っちゃったわ」

男「ようし分かったとりあえず勇者さんは少し静かにしようか」

勇者「え、いやでも」
387 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/07/20(水) 09:44:27.43 ID:85j0irrKo
戦士「ふ……」

魔王「ちょ……戦士?」












戦士「フヌゥァーハハハハァー!!」

全員「!?」
388 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/07/20(水) 09:45:09.83 ID:85j0irrKo
ふ っ き れ た 。

今日はここで終了。
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 11:30:15.32 ID:DwE2UU0+o
390 : ◆rHuwTJzOS6 :2011/07/24(日) 22:04:38.13 ID:h2jIbMqfo
今日も少しだけ。
391 : ◆rHuwTJzOS6 [sage]:2011/07/24(日) 22:05:07.00 ID:h2jIbMqfo
戦士「ハァーッハッハッハァー!」

勇者「戦士?」

魔王「ああ、度重なるストレスのせいでついに脳をやられたようね……」

僧侶「もうどう見ても切れてますよね。色々と」

戦士「いいだろう、それが世界の選択だと言うのならば――」

僧侶「何か受信し始めましたよこの人」





戦士「――俺は、世界すらも凌駕してみせよう……!」

392 : ◆rHuwTJzOS6 [sage]:2011/07/24(日) 22:05:32.26 ID:h2jIbMqfo
魔王「こいつ、自分で何言ってるのか分かってんのかしら」

僧侶「十中八九ノリだけで進んでますね」

男「あああ、どんどん流れがおかしくなっていく……」

戦士「さぁ刮目しろ!この『こんな事もあろうかと』、魔王城の宝物庫からこっそりちょっぱっておいた『送り主不明の怪しいポーション』の力を!」

魔王「何人の物勝手に盗ってんのよ!」

男「突っ込むとこそこ!?」

勇者「人の物を勝手に盗るのは確かにいかんな」

男「いやまぁ確かにそうですけど今はそういう――」

キュポンッ

戦士「んぐっんぐっ」

男「飲んだー!?」
393 : ◆rHuwTJzOS6 [sage]:2011/07/24(日) 22:06:03.47 ID:h2jIbMqfo
ここで終わり。
394 : ◆rHuwTJzOS6 [sage]:2011/07/24(日) 22:06:32.25 ID:h2jIbMqfo
勿論『今日』はですからねっと。
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/07/24(日) 22:50:05.26 ID:Nf+ovKWUo
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/25(月) 15:00:10.32 ID:uji8oOCIO
乙、やっと話か進んでだか
397 : ◆rHuwTJzOS6 :2011/07/30(土) 14:13:13.83 ID:6cYbAdZao
投下開始ですよっと。
398 : ◆rHuwTJzOS6 [sage]:2011/07/30(土) 14:14:03.99 ID:6cYbAdZao
プハッ

戦士「……」

皆「……」

戦士「……ッゴバァ!」

男「吐血したー!?」

ドサッ

全員「……」

男「……あの、戦士さん?」

戦士「……」チーン…
399 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/07/30(土) 14:14:37.72 ID:6cYbAdZao
魔法「……へんじがない、ただのしかばねのようだ」

男「戦士さーん!?」

僧侶「思えば惜しい人を亡くしたものですね……捨て駒としては実に有能でした……」

魔王「ええ、サンドバッグとしては悔しいけど一級品だったわ……」

男「わ、わざとらしい!そして酷い!ちょっと勇者さんも何か言ってやってくださいよ!」

勇者「まぁ落ち着け男。そんな心配しなくても大丈夫だから」

男「いや、でも思い切り血を吐いて――」

戦士「いやぁ死ぬかと思ったぜ」

勇者「ほらな」

男「あれぇ!?」
400 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/07/30(土) 14:15:26.04 ID:6cYbAdZao
魔王「まぁ予想通りよね」

僧侶「ですよねー」

戦士「くっそ人が三途の川まで逝ってたってのにお前らは本当に薄情だな!」

僧侶「で、三途の川はどうでしたか?」

戦士「渡し舟が改装中で向こう岸まで行けなかったから引き返して来た」

男「なにそれこわい」

魔王「で、結局の所薬の効果はそれだけだったの?だったら吐血損よねそれ」

戦士「ふっ、よくぞ聞いてくれた!実はさっきまで俺もただ血を無駄に消費しただけなんじゃないかと思ってひやひやしていたがついさっき気づいた俺が死の淵から這い上がって来た事により得たパゥワァを見るがいい!はぁぁぁぁぁぁ……!」

勇者「これは……!」

戦士「どうだこの服用前と比べて当社比二倍の湧き上がるパゥワァ!そして抑え切れぬオゥラ!見てるか皆ー!俺は今、最高に輝いているぞぉぉぉ!!」

男「……まぁ確かに何かそれっぽい物は出てる気がしないでもないけど……」
401 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/07/30(土) 14:15:57.66 ID:6cYbAdZao
魔王「ま、兎に角強くなったって認識でいいのね。だったらやる事は一つよ!」

戦士「いいぜ、今の俺ならもう誰にも負ける気がしねぇ……!」

僧侶「ま、こうなる事は予測済みでしたけどね」

魔法「ん……」

男「いや、皆なんでそんな好戦的なの!?もうちょっと平和的に――」

勇者「いいか、男」

男「へ?」

勇者「我が家にはいくつか家訓がある。その一つにこのような状況にうってつけのやつがあってな、それは――」




勇者「――『口が駄目なら体で語れ』。つまりそういう事だ」

男「ただの肉体言語だそれー!」
402 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/07/30(土) 14:16:27.78 ID:6cYbAdZao
??「んんっ……とぉ。出来たー!」

??「後はこれを容器に移して……」

??「よし、準備完了!それじゃ、側近…っと、今は魔王だったっけ。まぁどっちでもいいや、兎に角しゅっぱーつ!」
403 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/07/30(土) 14:21:27.80 ID:6cYbAdZao
多分いつもだったらここで前編終了とか言っちゃってる感じ。後編へ、つづく。

そういえばこれ、もしかしたら最終回が近いかもしんないです。
いやまぁまだ今後の予定とか殆ど未定なんで断定は出来ませんが。
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/02(火) 18:39:55.05 ID:YRCTntjKo
まだかね
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/08/08(月) 09:13:14.98 ID:bqAnE1TSO
追い付いちゃったてへ☆彡
続きまだー?チソチソ
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/08/09(火) 13:27:02.41 ID:RzFBex9Io
今追いついた、なあ魔王っていうか元側近の性格変わりすぎだろ
407 : ◆rHuwTJzOS6 [sage]:2011/08/12(金) 00:23:14.34 ID:QcslNTfBo
>>406

魔王「マジで?」

多分あれです。作者の体調とか気分次第で変わってるんですこいつら。
でも魔王そんな変わってるかなー……男とか勇者辺りは割とブレが激しい気がしますが。

あ、もうお盆休みに突入するので多分その内更新出来ます。
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/14(日) 22:01:49.76 ID:C/9A55wIO
俺「惚れた」
409 : ◆rHuwTJzOS6 [sage]:2011/08/18(木) 09:39:01.01 ID:/qSakkO6o
今日は無理!でも多分明日か明後日には投下出来る!
410 : ◆rHuwTJzOS6 [sage]:2011/08/18(木) 09:39:38.92 ID:/qSakkO6o
あ、それと最終回なんてなかった。まだまだ続くわコレ。
411 : ◆rHuwTJzOS6 [sage]:2011/08/18(木) 09:40:22.75 ID:/qSakkO6o
あ、それと最終回なんてなかった。多分まだまだ続くわコレ。
412 : ◆rHuwTJzOS6 [sage]:2011/08/18(木) 09:40:59.27 ID:/qSakkO6o
連投してたー!すみません。
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/18(木) 22:10:13.70 ID:jTmAp0jgo
楽しみにしてるぜ!
待ってたんだぜ!
414 : ◆rHuwTJzOS6 :2011/08/19(金) 08:01:49.59 ID:Pww0bRkpo
ひぃはぁ投下開始だぜぇ!
415 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/08/19(金) 08:07:56.14 ID:Pww0bRkpo
戦士「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――……」

男「せ、戦士さんが前回から1スレも経たないうちに業火の中に消えていく……ていうか二人とも元仲間に対してマジで容赦なさすぎて正直引いたんだけど……あ、ちなみに戦士さんのそばに居たメイドみたいな人は、さっき戦士さんが避難させてました」

僧侶「いやいや、仲間だったからこそ手加減してはいけないんですよ。ねぇ魔法使いさん」

魔法「そう」

男「……かつてここまで説得力のない『だからこそ』があっただろうか。しかしまぁ戦士さんも戦士さんであっさりやられすぎな気もするけど……さっき覚醒イベントあったはずのに」

僧侶「まぁ当然といえば当然なんですがね。例え一が二倍になろうが十に勝てる道理はありませんから」

男「今、勇者パーティのヒエラルギーに恐ろしい偏りを感じたんだけど……」

僧侶「まぁまぁ。そんな些細な事はどうだっていいじゃないですか、それよりも――」
416 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/08/19(金) 08:08:27.72 ID:Pww0bRkpo
ガィンガィンガギギギガンガンガンッ

勇者「やるな魔王!だがこれなら――どうだ!」

魔王「はっ!んな甘っちょろい攻撃なんか、その減らず口と一緒に叩き潰してやるわよ!」



僧侶「――ちょっとあっちをどうにかしてもらえませんか?そろそろ洒落にならない勢いになってきましたので」

男「ははっ。……出来ると思う?」

僧侶「……【0%と表示されているがこのゲームでは小数点以下を切り捨てているため以下略】ぐらいの確立でなら」

男「分かってくれて助かるよ」
417 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/08/19(金) 08:09:04.79 ID:Pww0bRkpo
僧侶「しかしまぁ、二人を止めないといけない事は確かなんですよねぇ」

男「だよねぇ、魔王の方はどう見てもだけど勇者さんもアレで意外とバトルマニアの気があるし……」

僧侶「……」

男「……」

僧侶「ま、まぁ、二人がかりなら何とか――」

魔法「……」←床に落ちてた瓦礫を拾って

ヒュッ

バカンッ

男「……」

僧侶「……皆様ご覧になられたでしょうか。魔法使いさんが投擲した瓦礫が彼女ら二人の半径約十メートル程に入った瞬間、粉々に砕け散りました」
418 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/08/19(金) 08:09:30.75 ID:Pww0bRkpo
男「正直予想は出来てたけどね。二人の周りの床や壁が衝撃波やら何やらで傷ついてくところをリアルタイムで見てたら」

僧侶「しかも広がってきてるんですよね、それ。リアルタイムで」

男「戦闘が白熱してきたからか二人の行動範囲自体も広くなってきてるし、そろそろ潮時かなぁ……」

僧侶「そうですね、では――」
419 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/08/19(金) 08:09:56.43 ID:Pww0bRkpo
<魔王城・上空>

??「この前『箒で空を飛ぶ魔女なんて古臭い』って言われたけど、それでも箒は私のアイデンティティなのよー。とか独り言言ってたらいつの間にか魔王城の上にとうちゃーく」

ドカンッ!

??「――したと思ったら魔王城の一部が突然爆発した。何を言ってるのか分からないと思うけど、私も何を言ってるのかよく分からないのよ……」

??「……まぁ面白そうだし用もあるから当然行くけどね!」


420 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/08/19(金) 08:10:27.14 ID:Pww0bRkpo
<魔王城・食堂跡>

男「ああ、食堂が瓦礫の山に……」

僧侶「死ぬよかマシですよ死ぬよか」

魔法「……」ツンツン

戦士「 」ピクッピクッ

男「……ああ、そういえば戦士さんは思い切り巻き込まれてたね……生きてるの?」

僧侶「彼は殺しても死なない様な人ですから。死んでも蘇生魔法があります」

男「意外と軽いよなぁ、生命って……まぁ兎に角ここまでやったんだからあの二人も――」
421 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/08/19(金) 08:11:05.90 ID:Pww0bRkpo
勇者「……割と本気を出したつもりだったのだがな、まさか無傷とは」

魔王「え?今のが本気?アタシは50パーぐらいだったんだけど、案外勇者ってのも大した事無いのねー」

勇者「……まぁそれは冗談で、今の一撃は私の本気の4割程度だったのだがな」

魔王「あっ、ごめーんさっきは50パーって言ったけどあれ実は30パーだったわ」

勇者「……」

魔王「……」

勇者「勝負!」魔王「殺す!」

ガィンガィンガギギギガンガンガンッ

僧侶「もう帰りません?ここガチで命の危険感じるんですが」
422 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/08/19(金) 08:12:10.44 ID:Pww0bRkpo
男「言いだしっぺが何言ってんだと言いたい所なんだけどその意見には大いに賛成だよ」

魔法「右に同じ」

僧侶「それじゃあ帰還アイテムの準備を――」

??「あー、あー、テステスー。よし、拡声器の調子はオーケーっと。それじゃあ今からちょっと『落とす』から、死にたくなければ離れる事をオススメするよー」

僧侶「は?」

男「へ?」

魔法「?」

戦士「 」チーン

??「はいさーん、にー……」

男(この声どこかで……はっ!これは本当にまずいかも!)「防御魔法!」

僧侶(あ、男さんが必死な形相で駆け出しましたね。今ひとつ状況が飲み込めませんが、だったら私も……)「防御魔法」

魔法(嫌な予感がする……)「……防御魔法」

戦士「 」チーン
423 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/08/19(金) 08:12:42.07 ID:Pww0bRkpo
??「イーチ……」

男「うぉぉぉ間に合えぇぇぇ!!」

??「ゼロー!」

――カッ
424 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/08/19(金) 08:13:10.52 ID:Pww0bRkpo
ゴゴゴゴゴゴゴ…

勇者「っつう……なんだ今のは?」

魔王「あいたたた……ちょっと誰よ人の喧嘩に水を差す馬鹿は!?」

??「んもー、久しぶりに会った親友に対してつれないのよー」

魔王「あ、アンタは……!」

??「ハロハローそしておひさなのよー、側近ちゃんもとい魔王ちゃんっ」

魔王「おひさじゃないわよー!アンタがくんのが遅いせいで面倒な事になっちゃったじゃないのよもー!」

勇者「……誰だ?」

425 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/08/19(金) 08:13:57.63 ID:Pww0bRkpo
??「ん?そこのお嬢さんや、今私の事を呼んだのかい?」

勇者「え、あ、ああ……」

??「ふっふーん、そこまで気になるというのならば名乗らないわけには行くまい!箒にまたがり天から颯爽と舞い降りたこの私こそ!ま――」

男「ちょっと!いきなり何するんですか、『魔女』さん!」

魔女「……んもー、久しぶりなのに容赦が無いのは魔王ちゃんだけで十分なのよー」

男「いきなりあんな威力の爆弾落としてくる人に容赦無いとか言われたくないんですが」

魔女「えー?周りに配慮して結構範囲は狭めたよー?」

男「そういう問題じゃないですよ!」

僧侶「まぁ確かにこちらには余波しか来なかったですがね」

魔法「それでも正直危うかった」
426 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/08/19(金) 08:14:24.59 ID:Pww0bRkpo
男「との事ですが」

魔女「てへっ☆」

男「駄目だこの人全然反省してない……」

魔王「つかアンタ、久しぶりに会った相手にあんなもん直撃させるとかどういう神経してんのよ!ちょっと焦ったじゃん!」

魔女「いいじゃん全然ピンピンしてるんだからー。でもアレでかすり傷程度で済むとはねー。しかも魔王ちゃんは兎も角そっちのお嬢さんもピンピンしてるし、正直私のプライドにザクっと来たのよー……」

勇者「ふっ、まぁそれなりに鍛えてるからな。あれくらいでやられはせんよ」

魔王「ま、アタシなめんじゃないわよという事で。でもまぁそれはそれとして……アンタ、さっきの口ぶりからして結構ガチでアタシら仕留めようとしてたわよね……」ゴゴゴゴゴ…

魔女「てへっ☆」

魔王「殺す」
427 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/08/19(金) 08:14:52.72 ID:Pww0bRkpo
魔女「ふはははは魔王ちゃんってば自分の立場を理解してるのかな!?君なら私の手にある物が何か分かるはずなのよー!」

魔王「なぁっ!それ取り出すのは卑怯でしょ、つかさっさと寄越しなさいよ!」

魔女「うはははは何か楽しくなってきたのよこの圧倒的なアドバンテージ!さぁ魔王ちゃんよこれが欲しければ私の言う事を何でも聞くがいいのよー!」

魔王「とりあえずアンタが死にたいという事だけは分かったわ。渡さないってんなら力づくで奪い取ってやるまでよ……!」

魔女「おっとこっちには人質ならぬ物質があるんだぜ?下手に手を出そうとすればって速ぁ!そんな速さで接近されちゃあ瓶割る暇も無いのよ!」

魔王「アンタがそれを砕くのとアタシがアンタの命を砕くの、どっちが速いか勝負よ……!」


428 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/08/19(金) 08:15:23.95 ID:Pww0bRkpo
男「……相変わらずだなぁ、あの人は」

勇者「む、そういえば男は彼女とどういう関係なんだ?割と深い知り合いの様だが……」

男「まぁ何というか、昔からの馴染みというか保護者的存在だったというか……まぁそんな感じです。ちなみにあの人、僕らと似た様なもしくは少し下の歳に見えますが、実際は2倍ぐらいの年齢差あります、多分。勿論向こうが上」

魔法「なん……だと?」

勇者「……世の中まだまだ謎だらけだという事だな」

僧侶「まぁ私個人としては年齢よりもあの魔王さんに対してあの様な態度を取れる人が居たという事が割と衝撃的だったんですがね」

男「その気持ちは分からないでもない。……しかしまぁ、どうしたもんかなぁ。この状況」

勇者「まさか第三者の乱入があるとはな……」

僧侶「しかもその第三者が――」

429 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/08/19(金) 08:15:55.08 ID:Pww0bRkpo
魔女「ほーれほーれ取ってみろーい!」

魔王「あああああちょこまかちょこまかと鬱陶しい!」

僧侶「魔王さんと何かを巡って争っている、と」

勇者「これでは話が進まないな……」

僧侶「ま、今のところはこちらに被害はなさそうですし――」

魔王「だおらっしゃああああああ!!」

僧侶「大人しく見物して――」

グワシ!

魔王「手首取ったどー!」
430 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/08/19(金) 08:17:08.72 ID:Pww0bRkpo
魔女「あっ、ちょっ、マジそんな力強く握ったらやばいやばい手首やばいだがしかしまだ片手が残ってたのさ緊急回避スロオオオ!」ビュンッ

魔王「はっ、ちょっ何処に投げてんだてめぇぇぇ!!!」

魔法「あ」

パリンッ!

魔法「う」

ピシャ

魔法「……」ポタッ…ポタッ…

全員「……」




魔女「…………てへっ☆」

魔王「うわぁあああああなにしてくれてんのよこの大馬鹿ぁぁぁぁ!!!」

431 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/08/19(金) 08:17:40.78 ID:Pww0bRkpo
僧侶「おっとこれは面白い事n大丈夫ですか?」

男「いやこれ洒落にならない!この人の薬品は割と洒落にならないから!」

魔女「大丈夫だよー、それただの『媚薬』だから」

男「び……やく?」

魔法「……」ジー…

僧侶「あの、ちょっと、なんかこの人こっちガン見してきてるんですが」

魔女「ん?ああだってそれ――――薬飲んでから最初見た人に惚れるっていう所謂『惚れ薬』に近い効果も」

432 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/08/19(金) 08:19:25.84 ID:Pww0bRkpo
シュンッ

男「あ、僧侶さんがどっか転移した」

魔法「……逃がさない」

シュンッ

勇者「魔法使いもどこかへ飛んでったな」

全員「……」

勇者「……僧侶も魔法使いもどこかへ行ってしまったことだし、私達もとりあえず帰るか」

男「……そうだね。僧侶さんが丁寧にも帰還用アイテムを一つ置いて行ってくれたし」

勇者「ん。それでは邪魔したな、魔王」

男「お、お邪魔しましたー……」

シュンッ
433 : ◆rHuwTJzOS6 [sage saga]:2011/08/19(金) 08:20:00.77 ID:Pww0bRkpo
魔王「……」

魔女「……いやー、皆帰っちゃったねぇ」

魔王「そおねぇ……」






魔女「じゃないわよ馬鹿ぁ!つうかこれ結局振り出しに戻っただけじゃないのよおぉぉぉ!」

魔女「まぁまぁ、人生に失敗は付き物だって」キラッ☆

魔王「アンタちょっと表でろやぁぁぁぁ!」







戦士「  」チーン…
434 : ◆rHuwTJzOS6 :2011/08/19(金) 08:21:41.17 ID:Pww0bRkpo
今回の話はこれにて終了!このスレはまだまだ続くよ!
魔女の詳しいスペックについてはまた後日投下。
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/08/22(月) 00:23:56.12 ID:iL9cba6ro
やっと追いついた乙!
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/24(水) 10:04:18.87 ID:ieYiJRiIO
続きを待ってるぜ
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/26(金) 12:09:18.65 ID:Dwu1DxxVo
百合は…百合は無いんですかッッ!!!
438 : ◆rHuwTJzOS6 :2011/09/11(日) 05:09:58.02 ID:7MHhDz0uo
約三週間ぶりの投下開始ー、の前に魔女の紹介を。

性別は女。実年齢が30代に突入してそれなりに経ってるはずだが見た目は10代半ばから後半ぐらいの若さに見える。
魔界のとある森の中に建てられた小屋に住んでおり、そこで日夜怪しげな薬や魔道具等を製作している。
魔王や男とは彼らが子供の頃からの知り合いで、二人の面倒をよく見てたもとい面倒事に巻き込んでた。
いつもテンションが高くなおかつ能天気。あまり後先考えずに行動するので魔王等は随分と苦労させられたらしい。それでいいのか年長者。

瞳は濃い赤。髪はロングだけど所々ハネてる程度の軽いくせっ毛。色は黒。容姿は平均的な10代半ば程度。可も無く不可も無く。
服装はベタでベターな魔女っ子スタイル……って書こうとしたけどそれだと魔法使いと被ってしまう罠。
だから丈の長いだぼっとしたローブに眼鏡って事にした。手が丈から出てなかったりするんだよ、多分。
439 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/09/11(日) 05:11:02.35 ID:7MHhDz0uo
それでは随分と遅くなって申し訳ありませんでしたが、本編投下開始です。
440 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/09/11(日) 05:11:30.59 ID:7MHhDz0uo
<魔王城・会議室>

魔王「………………あー……」

戦士「おいおいいつものテンションは何処いったんだよ。早く会議始めようぜ!」

魔王「……あー、いっそアタシもアンタみたいに…あ、やっぱ今の無しで」

戦士「え?俺みたいな良識ある人間になりたいって?魔王も随分と成長したもんだ痛い痛い痛い止めてアイアンクローは止めて!」

魔王「……はぁ、んじゃぁま、とりあえずアレ始めるわよアレ。第何回目か忘れたけど」

戦士「第何回目かはともかく『アレ』て」

魔王「だぁって何かもう疲れちゃったんだもーん……」

戦士「おいおいたかが一度の失敗ぐらいでへこたれんなよ!大丈夫だって人生先は長いからどうにかなるって!」

魔王「アンタはもー本当に何ていうか……まぁそうよね、一度くらいの失敗で諦めるなんてらしくないわよね!」
441 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/09/11(日) 05:12:00.63 ID:7MHhDz0uo
戦士「そう!俺達の戦いはまだまだこれからだ!」

魔王「で、何か策はあるの?」

戦士「ないなぁ」

魔王・??「ないのかよ!」

??「あ」サッ

魔王「……え?」

戦士「ん?どうかしたのか?」

魔王「え、いや何か今変な声が聞こえた様な……」

戦士「気のせいだろ、メイは今『仮設厨房』で飯作ってるし」

※前回の騒動で食堂は瓦礫の山にジョブチェンジしました。食堂内にあった厨房も勿論瓦礫と一つになりました。なのでメイは現在は戦士が即興で建てた『よくキャンプとか野外でやるの自炊よりももうちょっとマシな物が作れそうな程度の性能を持つ厨房』、通称『仮設厨房』で料理を行ってます。
 ちなみに魔女はあの騒動の直後、転移で速攻エスケープしました。ちゃんと引き際は弁える人なんです、彼女。
442 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/09/11(日) 05:12:30.27 ID:7MHhDz0uo
魔王「……ま、いいわ。どうせ期待なんてしてなかったし、いつも通りアイデア出すとこから始めましょ」

戦士「はいはいはい!」

魔王「アイデア無かったんじゃなかったの……?」

戦士「今思いついた!」

魔王「……まぁいいわ、言ってみ」

戦士「応。……俺はだな、前回の作戦の失敗は『回りくどさ』に原因があったと思っているんだ」

魔王「いや普通に考えてあれは魔女のせいじゃ」

戦士「まぁ聞け。そもそも俺達みたいな直情系があれだこれだと仕込んだりなんだりするのが間違いだったんだ」

魔王「直情系って……で、要は何が言いたいわけ?」
443 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/09/11(日) 05:12:56.42 ID:7MHhDz0uo
戦士「つまりだな……回りくどい事は止めて、正面からぶつかってこうぜって事だよ!」

魔王「むー……悔しいけど確かに一理あるわね。正直アタシも前のは何かしっくり来ないと思ってたし、それに凄く暇だったし」

戦士「だろ!だから今回は、俺が考えた作戦で正面からぶつかろうと思うんだ!」

魔王「作戦ねぇ……くだらなかったら肩パンね」

戦士「大丈夫!今回は自信あるから!」

魔王「へぇ、言うじゃない」

戦士「ああ。それじゃあ言うぞ……今回の作戦は――」

戦士「『どこからともなく謎の矢文でドキッ!?作戦』だ!」

ガタッ
444 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/09/11(日) 05:13:22.65 ID:7MHhDz0uo
魔王「?」

戦士「どした?」

魔王「いや……今度は物音が……」

戦士「だから気のせいだって気のせい。こまけぇこたぁいいんだよ!」

魔王「ま、それもそうか。実はいつの間にか部屋の隅にあった見覚えの無い木箱も少し気になってたんだけど、まぁこれも些細な事だから別にいいわよね」

戦士「そうそう、部屋の隅に木箱なんてよくあることだって!幽霊だってよくいるんだし!」

魔王「あー、いるいる。この前もさー、食堂の隅っこに――ってそんなあるあるネタはどうでもいいから早くその何とか作戦の説明しなさいよ!」

戦士「話し広げだしたのお前じゃねぇか!……まぁいいや、作戦内容を説明するぞ?」

戦士「まぁ内容って言っても割と名前のまんまなんだがな」

魔王「ていうと、やっぱ矢文を使ってどうにかするって事よね。てか矢文ってあれよね。矢に果たし状とか挑戦状とか括りつけて相手の額に放つって奴よね」
445 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/09/11(日) 05:13:48.28 ID:7MHhDz0uo
戦士「額!?つか何でそんな喧嘩腰な物限定?こういう場合は勿論恋文に決まってるだろ!It's a love letter !」

魔王「ラブレター……だと?でも正直な話、もう遅くない?タイミング的に」

戦士「普通なら、な。だがしかぁし!今の現状ならば逆転サヨナラホームランも可能なはず!」

魔王「……言うじゃない」

戦士「おうとも、今の俺は冴えに冴えてるからな!それじゃあ改めて、作戦の説明に入るぜ!」

戦士「今回の作戦では、名前から分かるように『矢文』を使う。括る手紙の内容は、もちろんラヴレター!」

魔王「で、まさかただそれを矢に括って飛ばすってだけじゃあないわよね?」

戦士「おいおい俺を誰だと思ってるんだ?」

魔王「え……肉壁?」

戦士「泣いていい?」

魔王「アタシの見てない所でなら」
446 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/09/11(日) 05:14:19.03 ID:7MHhDz0uo
戦士「分かった後で泣く。とりあえずそれは置いといてだな……普通は手紙を書く時、『相手の名前』『本分』『自分の名前』辺りは絶対に書くだろ?」

魔王「まぁそりゃ脅迫状とかじゃない限りはねぇ、でもそれがどうしたってのよ」

戦士「ここが重要なんだよここが。何と今回はだな……手紙に『自分の名前』を書かないんだ!」

魔王「いやそれただの怪文章じゃないのよ」

戦士「はぁ……そんなんだからお前は男を取られるんだよ」

魔王「アンタも同じでしょうがー!」

(しばらくお待ちください……)

戦士「アッパーカットで城の天井突き抜けた時はさすがに危なかったわ。でも俺は挫けないぞ☆」キラッ☆

魔王「何アンタ、天井にも一つ穴開けたいって言うの?随分大胆なビフォーアフターね」

戦士「御免」
447 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/09/11(日) 05:14:46.29 ID:7MHhDz0uo
魔王「分かればいいのよ分かれば。で、あんな喧嘩売る様な事言ったんだから……勿論アタシを納得させられる様な理由があるんでしょうねぇ……!」ゴゴゴゴゴ…

戦士「ももも勿論ジャナイデスカ!……いいか?今あの二人は付き合ってから一ヶ月程度、そろそろ倦怠期に突入してもおかしくない、と思う」

魔王「そういうもんかしらね。……で?それと怪文章になんの関係があるってのよ」

戦士「怪文章?チッチッチッ、そいつは違うなぁ。俺が書こうってのは『怪文章』何かじゃあない」

戦士「そう!それは『夢』と!『ロマン』と!『ときめき』溢れる実にドラマティックなレターなんだよ!」

魔王・??「なっ、なんだってー!?」

戦士・魔王「…………」

戦士・魔王「ま、気のせいか」

魔王「……で、何処をどうしたら何で名無しの手紙がドラマティックなレターって事になるのよ?」
448 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/09/11(日) 05:15:12.34 ID:7MHhDz0uo
戦士「いいか?倦怠期を迎えた男女は少なからずその関係に『飽き』が生じる」

魔王「まぁそりゃ倦怠してるわけだからねぇ」

戦士「そうだな。で、そこにさっき俺が言った名無しの矢文をこっそりと、あいつらの近くに放つわけだ」

魔王「するとどうなる……はっ、ま……まさか……」

戦士「……漸く理解したか。そう!倦怠期とはすなわち刺激が欲しくなる時期でもある!勿論ラヴとかロマンス的な意味で!そんな時にあんまぁい恋の詩が綴られた文が送られたらどうなる!?しかも差出人は不明なんだ!」

戦士「そして、そんな恋文を何通も送り、相手がこっちの事を気になりすぎてもうヤバイみたいな状況になった時に、颯爽と正体をあらわすのさ!ここまで言ったら……もう後は分かるな?」

魔王「な……」




魔王「なんて非の打ち所の無い作戦なの……!?」
449 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/09/11(日) 05:16:03.95 ID:7MHhDz0uo
??「なんでそうなるんですかぁー!!」ガバッ

戦士・魔王「……え?」

??「はっ!?僕とした事が、つい我慢できずにツッコミを入れてしまうなんて……」

魔王「あっ……アンタは……」

戦士「僧侶!?何で木箱の中から!?てか何でここに!?」

僧侶「いやですね?ちょっと身を隠す場所を探しててですね。で、その途中に興味本位でここに入ってこっそりとあなた達の様子を観察してたんですが――」

僧侶「なんですかあの脳みそ溶けそうな会話は!何度突っ込みたくなったか分かりませんよ!」

戦士「おいおい何を言うんだこの腹黒僧侶は。俺の作戦の何処に穴があるって?」

魔王「今回ばかりは悔しいけど、恐ろしいくらいに完璧だったわよ。アタシが保証するくらいには」

僧侶「いやどう考えても穴だらけでしょう、ていうか穴がでかすぎて最早何も残りませんよもうブラックホールですよ貴方の作戦」
450 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/09/11(日) 05:16:38.14 ID:7MHhDz0uo
戦士「おっ、お前なぁ!そこまで言うんだったら何か案があるんだろうなぁ!」

僧侶「なぁ!と言われても、僕は作戦に関係ないから特に案とか出す必要性はないでしょうに。ま、作戦の穴を答えろと言われたら答えますが」

魔王「へぇ……だったら答えてもらおうじゃないの」

戦士「この作戦の穴という奴を!」

僧侶「それじゃあさっそく一つ目を言わせて貰いますが、あの二人は現在倦怠期とかそういうのでは全然ないですよ?少なくとも僕が向こうに居た数日前までは」

戦士・魔王「なん……だと?」

僧侶「という事で結局矢文はタダの怪文章に成り下がりましたね。ていうかもしも倦怠期だからってフィクションでもない限りもしくは頭が相当メルヘンでもない限り怪文章は怪文章ですよリアルなめんな!それにこちら側が一方的に送り過ぎですよ場合によっては通報余裕ですよ!?しかもきもい最後の本人登場の所が生理的に気持ち悪いですマジで」
451 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/09/11(日) 05:17:04.31 ID:7MHhDz0uo
戦士・魔王「…………」

魔王「……所詮戦士の立てた作戦なんてこんなもんよね」

戦士「この裏切り者ぉぉぉぉ!!!何だよ!お前だってさっきまで乗り気だったじゃんか!」

魔王「は?何言ってんの?そんな訳ないじゃない。証拠はあるの証拠は!?」

戦士「せっ、せこい!この魔王すげぇせこ痛い死んじゃう止めて!」

僧侶「何と言うか貴方達って……あ、もう一つ大事な事を言い忘れてました」

戦士「もう止めて!俺の心のライフはゼロだ!」

僧侶「だが断る。……そもそも戦士さん、貴方は最初『正面から』とかどうとか言ってましたよね?」

戦士「うん、言ったな」
452 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/09/11(日) 05:17:30.44 ID:7MHhDz0uo
僧侶「……こっそり矢文打つ事のどこが、『正面から』なんですか」

戦士「……え?」

魔王「え?」

僧侶「あれ?そこの阿呆はともかくまさか魔王さんまでその反応だとは思わなかったのですが……え?いやだって、矢文ですよ?しかも名無しで。正面の要素が何一つ無いじゃないですか。むしろわき道に逸れっぱなしじゃないですか。正面からだなんて抜かすくらいなら告白の一つや二つ……」

戦士「お前は俺達に死ねというのか?」

僧侶「その返しは予想外でした」

魔王「こっ、こここ告白なんて出来るわけないじゃにゃい!」

僧侶「キャラ崩れてますよー。つか媚薬よりも数千倍まともですし楽じゃないですか」
453 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/09/11(日) 05:18:06.74 ID:7MHhDz0uo
戦士「教えてやろう、俺達は」

魔王「勝てない戦いには挑まない」

僧侶「Oh……」

戦士「ていうかさっきも言ったけど告白とかそんなもん出来るわけないだろ!恥ずか死ぬわ!」

僧侶「えー……んじゃあ無理やりアレしてコレして既成事実作るってのは……戦士さんなら兎も角魔王さんぐらいの力があれば可能なんじゃないですか?」

魔王「……それは、愛が無いからやだ」

戦士「俺ワリと色々いけるって言ったけどここはリアルだから最終的には愛が欲しい。それにやっぱそういうのは!フィクションだけにしとくべきかと思います!」

僧侶「……び、媚薬は無理やりに入らないんでしょうか?」

戦士「大いにアリですとも」

魔王「大事なのは過程じゃなくて結果だと思うの」

僧侶「めんどくせぇこいつら……あ、そうだ。貴方達――」
454 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/09/11(日) 05:18:58.07 ID:7MHhDz0uo
僧侶「うちの国に移住してみませんか?あ、戦士さんには帰ってきてというほうが正しいですね」

戦士・魔王「…………は?」
455 : ◆rHuwTJzOS6 [saga sage]:2011/09/11(日) 05:30:55.38 ID:7MHhDz0uo
今回はこれで〆。

>>437
無いよ!ただし今の予定では。
基本行き当たりばったりのスレなので万に一つの可能性が……?
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2011/09/11(日) 10:20:46.17 ID:XHRp0AQDo
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/09/11(日) 10:21:20.47 ID:XHRp0AQDo
さげわすれた
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国四国) [sage]:2011/09/12(月) 02:53:49.21 ID:2cEKeCnHo
キテター
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/09/13(火) 22:54:33.28 ID:nl4Q6wFs0
やっと追いついた
続き気になるお
おつ
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/09/24(土) 21:51:42.59 ID:F17LXSyn0
続きは〜?
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) :2011/09/29(木) 13:33:00.84 ID:Im94o9fd0
追いつきました&私怨
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/09/29(木) 20:50:46.98 ID:WSF8kxMi0
私怨怖いわwww
紫艶(`・ω・´)
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/10/01(土) 01:12:32.91 ID:WAl7u0eD0
魔法と僧侶の関係はどうなったのかな?
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国四国) [sage]:2011/10/08(土) 01:11:39.80 ID:ZPSRE2aMo
さて
465 : ◆rHuwTJzOS6 [sage]:2011/10/10(月) 19:51:54.47 ID:JoL48f4Vo
生存報告ー。
エタらないよ!エタらないよー!
しかし本当に申し訳ありませんが、更新はまだできそうにないです……。
というわけで、今日はこの辺で。
466 : ◆WylszINZ.Y [sage]:2011/10/10(月) 19:57:46.55 ID:JoL48f4Vo
あ、それと酉変えます。自分のでググッたら出て来てしまったので。
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2011/10/11(火) 01:02:31.20 ID:WRqExtBHo
お、生きてるか。
468 : ◆WylszINZ.Y [sage]:2011/11/02(水) 17:12:00.78 ID:1jpRB4hro
おはようございますこんにちはこんばんは、まだ生きております>>1です。
今日から少しずつ不定期投下してきます。
469 : ◆WylszINZ.Y [sage]:2011/11/02(水) 17:12:46.85 ID:1jpRB4hro
前回までのあらすじ

僧侶「うちに来い」

魔王・戦士「えっ」

そんなわけで約2ヶ月ぶりに、はじまりはじまり。

僧侶「というわけでさっそく準備しましょうそうしましょう」

魔王「待って待って待って待って」

僧侶「何かご不満でも?」

魔王「不満どころじゃないわよ!何をどうしたら移住なんて結論が出るのよ!」

戦士「そうだそうだ!お前俺達を[ピーーー]気か!」
470 : ◆WylszINZ.Y [saga sage]:2011/11/02(水) 17:13:19.61 ID:1jpRB4hro
僧侶「まさか移住=殺人にまで発展するとは夢にも思ってませんでしたが、まぁ納得いかないと言うのならば説明してさしあげましょう」

僧侶「まぁこの際ですから遠慮なくぶっちゃけますけど、貴方達のヘタれた性根じゃあの二人をそれぞれ寝取るのは夢のまた夢ですね」

魔王「なっ、なんですって!?」

戦士「俺達のどこがヘタれてるって言うんだこの野郎!」

僧侶「とりあえずは面と向かって告白出来ないところ」

魔王「ごはっ!」

戦士「かはっ!」
471 : ◆WylszINZ.Y [saga sage]:2011/11/02(水) 17:13:45.18 ID:1jpRB4hro
僧侶「まぁそんなわけである種ショック療法の様な物ではありますが、多少強引な手段に出た方がいいのでは無いかと思いまして今回の件に繋がるわけですね」

魔王「くぅぅ……」

戦士「くそっ、よくも言ってくれたお前!いくら本当の事だからって痛い痛い魔王頭が痛いていうか最近痛い鷲掴み多い痛い!」

僧侶「というかですねぇ、貴方達ちょっと前まで一緒に住んでたり旅してたりしてたじゃないですか。何で今更同じ国に住むってだけでそんなテンパってるんですか?まずは魔王さんからどうぞ」

魔王「いやだってさぁ……その時まではほら、ずーっと一緒に住んでたわけじゃん?」

魔王「そん時はさぁ、いつも近くに居るのが普通だったから。そりゃそん時から好いた惚れただのっていう感情はあったけども……」

魔王「でもほらさ?いざこうやって離れてみるとさ?こう、何ていうか色々恥ずかしくなってさぁ……」

僧侶「それでどーして拉致監禁やら媚薬やらに思考が流れるんですか……」
472 : ◆WylszINZ.Y [sage]:2011/11/03(木) 01:07:22.77 ID:21stzyHko
魔王「だって恥ずかしいし……」

僧侶「その科白と羞恥でほんのり桜色に染まる頬という今の現状だけを切り取ったら普通に可愛らしいんですが、その結果がアレやらコレやらだと思うと中々に泣けてきますねぇ……」

魔王「あ゛あ゛?」

僧侶「まぁまぁそう怒らない。手癖の悪い人はモテませんよ?」

魔王「くぅぅ……さっきから人を小馬鹿にしてぇ……!」

戦士「なぁ俺前からずっと思ってたんだけどさぁ、何で魔王って僧侶には手を出さないんだ?勿論物理的な意味で」
473 : ◆WylszINZ.Y [sage]:2011/11/03(木) 01:11:52.73 ID:21stzyHko
魔王「むしろ物理以外の何があるってのよ。……だってどうせこいつ、何か防御策とかありそうだし。ただでさえむかつくのに手出しして流されたらもっとむかつくじゃない」

僧侶「そりゃまぁ私も命は惜しいですし。緊急脱出的なアレとかコレとかは当然仕込んでありますとも」

魔王「ほらぁー!!」

戦士「あ、ずっりぃなお前!やーい僧侶のチキーン!俺なんかいつだって生身なんだぜこん畜生!」

僧侶「馬鹿にしたいのか嘆きたいのかどっちなんですか。というかアレですよね、貴方は耐久力だけならマッハでインフレ起こしてるじゃないですか。それはそれでちょっと反則だと思いますよ?」

魔王「ああうん、それはアタシも時々思ってたわ。何ていうの?正直ちょっとキモいみたいな」

戦士「何だよお前らいいじゃねぇかよ健やかで何が悪いんだよ!人間健康が一番なんだぞ!?」
474 : ◆WylszINZ.Y [sage]:2011/11/04(金) 21:42:22.73 ID:EoVe6JmIo
僧侶「悪いとは言いませんが一般的な健やかとは大きくかけ離れてますよね。例えるなら一匹見かけたら三十匹は居ると言われるアレの様な……あ、これは一応褒めてますからね?ワリと珍しく正直に」

戦士「褒めるならもうちょっと表現考えろよ!」

魔王「てか戦士がゴキとかブリとかそういう話は別にどうでもいいのよ。それよりも――」

戦士「なっ、流した上に結構オブラート剥がしやがったなお前!」

魔王「今重要なのはアタシ達が勇者らのとこに行くかどうかってのよ。戦士はどうしたいの?」

戦士「え、俺?えーっと……お前は?」

魔王「え゛。えーっと……しっ、質問したのはアタシなんだからアンタから先答えなさいよ!」

戦士「うわ何か逆ギレされた!つかどうせお前も決めてないんだろ!?」

魔王「だっ、だってしょうがないじゃない!さっき突然言われたばかりなんだから!」

僧侶「何してるんですか全く。喧嘩ばかりしてないで早く腹括ってくださいよ」

戦士・魔王「全部お前の(アンタの)せいだろ(じゃない)!!」
475 : ◆WylszINZ.Y [sage]:2011/11/05(土) 21:34:39.61 ID:4dijYcAlo
僧侶「で、どうするんですか?来るんですか、来ないんですか?」

戦士「つってもなぁ……」

コンッコンッ

魔王「ん、ノック?……でも――」

戦士「……今この城って俺達以外に誰か居たっけ?」

バンッ!

メイ「うわぁぁぁんお二人とも私の事忘れないでくださいよおぉ!」

戦士「あーうん、御免。あれおっかしぃなぁ、今朝も普通に会ってたはずなんだけどなぁ……」

魔王「何かこう、数ヶ月ぶりな気がしてならないのよねぇ……」


実は幼女の人のスレ見るまですっかり存在を忘れさってん゛ん゛っん゛ん゛ん゛なんでもない!なんでもないよ!?
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(中国四国) [sage]:2011/11/06(日) 02:18:02.46 ID:XV2RON1Ho
477 : ◆WylszINZ.Y [sage]:2011/11/10(木) 03:33:02.43 ID:I9iQ8VXao
メイ「ううー……」

僧侶「まぁまぁ皆様方落ち着いて。大丈夫ですよメイド女さん、僕は忘れてませんでしたから」

メイ「有難う御座いますー……って、あれ?済みませんが、貴方様とお会いした事ってありましたっけ?」

僧侶「……」

戦士「……」

魔王「……」

僧侶「……HAHAHA、まぁそんな細かい事は宜しいではありませんか」

戦士「いや良くねぇから」
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(中国四国) [sage]:2011/11/13(日) 01:33:36.52 ID:5ekiigd4o
キテター
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(中国四国) [sage]:2011/11/24(木) 01:09:39.56 ID:fga/7wgNo
俺しかいない予感
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/24(木) 02:35:44.06 ID:wvi9ofqYo
大丈夫
ROMは1人見つけたら30人はいるから
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/24(木) 05:22:29.89 ID:luPbkVHIO
じゃプラスもう30してくれ
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(中国地方) [sage]:2011/11/24(木) 07:20:56.07 ID:SKMz9clHo
専ブラとかでログだけ残して変化があったら見るけど普段は触らないって人が殆どだろ
483 : ◆WylszINZ.Y [sage saga]:2011/11/27(日) 21:11:41.53 ID:QXaKYe9co
幼女さんとこがエライ熱い展開になってた。パネェ。しかしまぁこちらは相変わらずな感じで久々に更新。

僧侶「私は僧侶。戦士さんの元同僚、みたいな感じですかね」

メイ「はぁ……」

戦士「んでもって性格が捻くれてて」

魔王「何かいつも胡散臭い」

僧侶「うわ中々に失礼ですね貴方達。『一応』彼女とは初対面なんですからもうちょっとまともな紹介してくださいよ、第一印象って大事ですよ?」

魔王「嘘はついてないわ。てか『一応』て。……真面目な話、アンタいつからこいつの事しってたのよ?」

僧侶「A-ha-?」

魔王「よし殺すわ」

戦士「よしいいぞ俺が許可する!」

魔王「誰に向かって許可とか言ってんのよ!」

バキッ

戦士「いてぇ!落ち着け魔王、怒りを向けるべき相手は俺じゃない!」
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(中国四国) [sage]:2011/11/28(月) 01:05:34.86 ID:7jqLqpGMo
485 : ◆WylszINZ.Y [sage]:2011/12/09(金) 21:14:21.65 ID:WClY3P09o
僧侶「で、結局どうするんですか?」

魔王・戦士「保留で」

僧侶「うわぁ超息ぴったり。というかここまで引っ張っといて結局それですか。戦士さんはともかく魔王さんも存外奥手なんですね」

魔王「なっ」

戦士「やーい言われてやんのー」

僧侶「いや貴方もですからね?」

戦士「ちちちチキンちゃうわ!ただ純真なだけやわ!」

僧侶「はいダウトー」
486 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 00:13:38.06 ID:tiJ9ZJ3qo
>>485
来てたのか
487 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 01:26:37.91 ID:fsPakwZvo
488 : ◆WylszINZ.Y [sage]:2011/12/15(木) 03:28:48.30 ID:H7xCdoeto
魔王「だぁー!!もういいからアンタもう帰りなさいよ!ていうか何で来たのよ!」

僧侶「いやだから結構やんごと無き事情で身を隠しに来たんですってば。というわけでちょっと匿わせてもらえませんか?」

魔王「何が『というわけ』よ!絶対に嫌だからね!」

戦士「そうだそうだバーカバーカ!」

メイ「えっと、私はどちらでも……」

僧侶「ふむ……すぅ―――戦士さんは三年前にじぶ」

戦士「むぉぉぉぉぉちろんいいに決まってるだろう俺達親友だもんなぁ!?」

僧侶「そうですねー親友ですもんねー」

魔王「ちょっ、戦士アンタ何いってんのよ!?唸るわよ!?黄金の右が久しぶりに唸るわよ!?」
489 : ◆WylszINZ.Y [sage]:2011/12/15(木) 03:29:19.55 ID:H7xCdoeto
戦士「ジョジョジョジョークに決まってるじゃないか!?誰がお前なんぞ――」

僧侶「自分の部屋で」

戦士「ジョォォォォォォォォッック!!軽いウォーリアージョークだからこれ!」

魔王「へぇー、ジョークなんだぁ、へぇー……」

戦士「オウシット!前門の外道に後門の阿修羅!どうして俺ばっかこんな目にあうんだ!?助けてマイゴッデスー!」

メイ「……あのー……」

魔王「ん?なにメイド女。アタシら今ちょっと忙しいから――」

メイ「ひっ!あ、あの、さしでがましいようで申しわけないのですが、私も僧侶さんを泊めてさしあげたいと……思うのですが……その……あの人何か大変そうですし、戦士さんもああ言ってますから……」

魔王「メイド女……」
490 : ◆WylszINZ.Y [sage]:2011/12/15(木) 03:30:01.68 ID:H7xCdoeto
戦士「よぉーしこれで2対1だ!はい決定多数決で決定だから僧侶お願いだから黙って――」

魔王「アンタが黙ってろ」

ゴッ

戦士「べふぅ!?」

魔王「ったく、しょうがないわねぇ。まぁ戦士は兎も角メイド女には世話になってるし……ただし、ここは今ん所アタシのうちなんだからね!何か余計な事したら承知しないわよ!」

僧侶「ふむ……これはつまり、許可が下りたわけですね?……いやぁ良かった。結構本気で助かりましたよ、ええ。大丈夫です安心してください。今の私に家主に歯向かう理由もメリットもありませんから。……逆に色々と危ないですからね、ええ本当に」

戦士「よぉーし守られたぁ、俺の秘密は守られたぁ」

メイ「お二人とも良かったですね」

僧侶「ええ、貴方も有難うございます。このお礼はまたいずれ」
491 : ◆WylszINZ.Y [sage]:2011/12/15(木) 03:30:32.31 ID:H7xCdoeto
メイ「いっ、いえいえお礼なんてそんな!」

戦士「そーいう時は素直に受け取っておくべきだぜ。特にそいつがそういう事言うのは珍しいからなぁ。あ、俺からも礼言っとくぜ。ありがとな!」

メイ「えっ、あ、いえ、そんな……」テレッ

魔王「……まぁ、とりあえずは参謀ポジが出来たって事にしとくか。……そうよね、何事も前向きに行かないとね!さぁ、明日からもじゃんじゃん会議するわよ!」

戦士「お!何かさっきと違って前向きになったなお前!よぉしその意気だ!」

僧侶「え?ていうか参謀ポジって事は、もしかしなくても私も協力するんですか?」

魔王「当たり前じゃない!家主には逆らわないんでしょ?」

僧侶「……まぁ、隠遁生活の暇つぶしには丁度いいですかね?でもそれだったらさっき言った押しかけ女房作戦を――」

戦士・魔王「それは却下」

僧侶「即答ですか……」
492 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/15(木) 03:36:26.35 ID:H7xCdoeto
よぉーし漸く……第何話だこれ……っと、
メモには合流編4って書かれてたので、多分合流編4話終了です。
それではまた次回。

今幼女スレさんのところ見たらレス数がここの1.5倍あった……。
はぇぇ、つうかうちが遅いんだなぁ。うあー、ラジオも全然だしうあー。

まぁとりあえずは自分のペースでぼちぼちいきます。
次回はもうちょいこう、ガーっと行きたい、ガーっと。
493 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 23:28:28.60 ID:+VaqypjAo
おつおつ!!
494 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 12:09:53.97 ID:Pkqh0d8IO
相変わらず書きかけの本編を放置してまでなんかやってんな
495 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 14:28:45.45 ID:9liUs3sao
別に好きなペースでやってくれたらええわ
496 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 00:40:11.49 ID:qbFQm7k0o
497 :ぐらやex :2012/01/16(月) 05:11:32.87 ID:mTyR8x+6o
今日で丁度前の更新から一ヶ月かと思いきや一日過ぎてた。

最近月一な感じになってきましたがまぁそれはそれとして更新開始します。
498 : ◆WylszINZ.Y [sage]:2012/01/16(月) 05:12:55.77 ID:mTyR8x+6o
ああっと#付け忘れていた!?酉は次から一旦前のに戻して進行開始です。oh…
499 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/01/16(月) 05:16:00.37 ID:mTyR8x+6o
と思ったけど前の酉忘れたのでやっぱ新しく別酉で。なんてこったい……

<魔王城・会議室>

魔王「第、えーっと……イェーイ!NTR同盟会議始めるわよイエーイ!」

戦士「今なんかテンションでごまかした感あるような気がしたけどそんな事はどうでもいいんだぜイェーイ!」

メイ「えっ、えっと、イェー……イ?」

僧侶「あのすいません、何かのっけからテンション高くないですか?」

魔王「心機一転空気一変よイェーイ!」

戦士「イェーイ!」

メイ「イ、イェーイ……」テレッ
500 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/01/16(月) 05:16:34.42 ID:mTyR8x+6o
僧侶「あのすいません、何かのっけからテンション高くないですか?」

魔王「心機一転空気一変よイェーイ!」

戦士「イェーイ!」

メイ「イ、イェーイ……」テレッ

僧侶「いや、うん、まぁ別に構いませんけども……」

戦士「よぉーし今日の議題は何だイェーイ!」

魔王「イェーイ今日の議題はー!?」
501 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/01/16(月) 05:17:01.12 ID:mTyR8x+6o
魔王「これだ!」

『        』ドンッ!

戦士「……どれだよイェーイ!」

魔王「特に考えてなかったから今から決めようぜって事だよ言わせんな恥ずかしイェーイ!」

メイ「イ……イェーイ!」

僧侶「は、はぁ……(少し前から思ってたけどここって結構アットホームな感じですよね……仮にも魔王城なのに)」

戦士「ハイハイハイハイェーイ!」

魔王「ハイ戦士イェー……正直しんどいからもう止めるわこれ。と言う訳ではい戦士」

僧侶(だったらやらなきゃいいと思うのは私だけでしょうか)

戦士「イェェ!?俺結構楽しかったのに!」

メイ「わ、私はちょっと恥ずかしかったです……」
502 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/01/16(月) 05:17:28.60 ID:mTyR8x+6o
魔王「それでもやる辺りいい子よねぇメイド女は。どこかの誰かも見習って欲しいくらいよねぇ、例えばそこら辺の神の使途とか腹の黒いのとかね!」

僧侶「ははは誰でしょうねそれ。まぁ私はほら、自分大好きで自分にしか従いませんし今だってそんな事口に出しちゃうぐらい正直者ですから関係ありませんがね」

魔王「それはそれでどうなのよ……。まぁそれよりもそろそろ話しを戻してはい戦士!」

戦士「イェーイ!」

魔王「早く言え」

戦士「御免。でだな、今日の議題を思いついたんだけど、言っていい?さっきのお前みたいにドン!って感じで」

魔王「別に言いたいんならいいけど、何か今日のアンタのテンションうざいわねぇ……」

戦士「きっかけはお前だぜイェーイ!」
503 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/01/16(月) 05:17:57.16 ID:mTyR8x+6o
魔王「SSS」

戦士「え?」

魔王「S(さっさと)S(しないと)S(そぎおとす)」

戦士「御免なさい。……それじゃいくぞ、今日の議題はー!?」

戦士「これだ!」

『もうちょっと度胸をつけようぜ!』ドンッ!

全員「…………」

戦士「……あれ?」

魔王「……何ていうか……」

僧侶「もうタイトルの時点で度胸の無さがうかがえますよね」

メイ「こっ、向上心があって良いと思いますっ!」

戦士「はい一票入ったー!」
504 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/01/16(月) 05:18:26.66 ID:mTyR8x+6o
魔王「人間小さいわねぇ……知ってたけど」

僧侶「まぁ貴方も大概人の事言えませんがね」

魔王「アッ、アタシはそんな小さくないわよ!?」

戦士「いや標準サイズと比べたらじゅーぶん小さいだろー。勇者なんてこう、もっと」

魔王「何の話してんだアンタはぁぁぁ!!」

戦士「あぶっ!」ガッ

ヒュウゥゥゥゥ…………キラッ☆

僧侶「これはまた盛大に天井突き破って逝きましたね……」

メイ「あはは……でも大丈夫ですよ?いつもの『じゃれあい』ですし」
505 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/01/16(月) 05:18:56.09 ID:mTyR8x+6o
僧侶「貴方も大概なじんでますよねぇ……。しかし魔王さん、私が言ったのはそっちの事じゃなくて議題のほうですよ?」

魔王「え?あ、そうなの?ってどっどどど度胸が無いなんてそんな事あるわけないじゃないのよ!だってほらアタシ魔王だし!?いや違う!やっぱ今の無し!アタシはあくまでも暫定的に魔王なだけだから!」

僧侶「それじゃあ度胸が無い事を認めると」

魔王「え!?いやそんな事ないわよ!あるわけ無いじゃない!」

僧侶「え?それじゃあ魔王さんはやっぱガチで魔王なんですか?」

魔王「え゛っ。いっ、いやでも魔王の座は本来アイツの物であってアタシはあくまでも代理だし」

僧侶「え?それじゃあやっぱ度胸が」

魔王「だからそんな事ないっていやでもアタシは魔王であって魔王で無い訳だしえっと…」

僧侶(この人も中々頭緩いですねぇ……)
506 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/01/16(月) 05:19:25.98 ID:mTyR8x+6o
ヒュー……ドカァン!

メイ「あ、戻ってきました!」

僧侶「ああお帰りなさい。空の旅はどうでしたか?」

戦士「まるで天国にでも昇った気分だったぜ」

僧侶「ええまぁ普通は昇ってるはずなんですがね。貴方もしかして前よりも丈夫になりましたか?」

戦士「俺は日々進化してるからな!」

僧侶「さいですか……」

魔王「あー!!」

戦士「おうわびっくりした!」

僧侶「どうかしましたか?」
507 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/01/16(月) 05:19:58.20 ID:mTyR8x+6o
魔王「どうしたもこうしたも無いわよ!よくよく考えたら魔王と度胸には何の関係も無いじゃない!」

僧侶「当たり前じゃないですか(笑)」

魔王「死ぬ覚悟は出来てるようね」

僧侶「まぁまぁ落ち着いて……おっと」

ヒラッ…

魔王「ん?何よこれ、写真……?」




魔王「  」ブッ
508 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/01/16(月) 05:20:27.93 ID:mTyR8x+6o
戦士「何だ今の噴射音。つかどうしたんだよ魔王、鼻押さえて」

魔王「こっ、こっ、こっ、これっ」

メイ「って魔王さん鼻押さえた手指の間から血が垂れてますよ!?大丈夫ですか!?」

僧侶「HAHAHA」

戦士「うお。何だ?もしかしてこの写真がどうかしたのか?」ピッ

戦士「…………これって」




戦士「『男の湯上り@全裸』な写真……ってなんでお前こんな物持ってんの!?きめぇ!普通にきめぇ!」
509 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/01/16(月) 05:20:53.56 ID:mTyR8x+6o
僧侶「おい妙な誤解してんじゃねぇぶっ[ピーーー]zん゛ん゛っん゛ん゛っん゛いやいや別に『そういうアレ』とかそんな事は絶対にありませんからもちろんこういう時の為に取っておいただけですからマジで!!だってほら現に今も実に効果的じゃないですか!」

戦士「言い訳くさいのが実に怪しいな、どう思うよメイド女」

メイ「ひっ、人の趣味はそれぞれなので問題ないと思います!」

戦士「だってさ。良かったな僧侶!だけど俺の半径10メートル以内には近づくんじゃねぇぞ!」

僧侶「大丈夫ですよ、近づくも何も今から塵一つ残さずこの世から抹消してあげますから」

戦士「ジョッ、ジョークだってジョーク!これぐらいで本気になるなよなぁ魔王……」

魔王「……」ピクッ,ピク…

戦士「まっ、魔王ー!?」

メイ「魔王さんが血溜まりの中に沈んでるー!?」

僧侶「……まさか写真だけでこうなるとは……これは本当に度胸をつける必要がありそうですねぇ……」
510 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/01/16(月) 05:25:12.94 ID:mTyR8x+6o
今日の投下終わり!何か気付いたら魔王が鼻血キャラになってた。
しかしまぁこう始まりも終わりもどうもイマイチ区切りが分かりにくいというかよろしくない感じがあるので
来週からサブタイとかTo Be Continued…的な何かとかを付けていくかも知れません。ではまたさいならー
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/01/16(月) 12:38:07.93 ID:MNS1prnlo
おおっ
きてたのか
乙ですぞ
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/01/16(月) 20:41:48.96 ID:P6koXsCgo
そろそろ男と勇者の方も見たい
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国四国) [sage]:2012/01/23(月) 03:36:09.81 ID:l2bMcx83o
いえーい
514 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/01/26(木) 20:05:38.37 ID:DKhx6ijWo
第5話1レスだけな番外編 その頃の彼ら

<勇者&男宅、リビング>

男「そういえば」

魔法「?」

男「最近僧侶さんの姿が見あたらない気がするんですが」

勇者「確かにここ三日程……魔王城から帰ってきた辺りから姿を見てないな」

魔法「大丈夫……そのうち連れもど……戻ってくる」

男「は、はぁ……」

魔法「フフフフフ……」
515 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/01/26(木) 20:08:46.11 ID:DKhx6ijWo
1レスだけこっそり投下。サブタイつけてみた。
『第5話』なのはこのSS書き溜めてるエディタにそう書いてあったからです。多分あってるはず。
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国四国) [sage]:2012/01/28(土) 17:19:54.60 ID:CLOrMGHwo
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/29(日) 17:16:49.99 ID:jF9X+51jo
やっと追いついたでござる
518 : ◆Eyf5PC5DRk :2012/02/13(月) 07:17:10.25 ID:NV3dxmH/o
徹夜なテンションで進めてたら何かおかしな方向に進んだ気がするけど気にせず投下です、はい。

第6話『純情系で拳系な彼女』
519 : ◆Eyf5PC5DRk [sage]:2012/02/13(月) 07:20:31.83 ID:NV3dxmH/o
あ、タイトル訂正。
合流編第6話『純情系で拳系な彼女』

ちなみに合流編というのはアレです。
随分前にあった媚薬回というか魔王と勇者の久々の邂逅回だったか
まぁそこら辺から数えて6話目……という事っぽいです、書き溜めにそう書いてあったから多分そう!自分を信じる!
520 : ◆UBeS5X9a/Q [sage]:2012/02/13(月) 07:21:37.18 ID:NV3dxmH/o
あれ?酉がおかしかった。これであってるかなー。

<魔王城・会議室>

魔王「それじゃあ『第、えーっと……イェーイ!NTR同盟会議始めるわよイエーイ!』改め『もう第何回か忘れたからもういっその事カウントリセットして第一回から始める真・NTR同盟会議』の開始よ!」※鼻にティッシュ詰めているので今回は鼻声でお送りしております

僧侶「どうでもいいですけど初めて会った時と比べて確実にノリ良くなってるっていうか色々軽くなってますよね貴方」

魔王「へ?いやいやんな事ないわよ。だってアタシこっちじゃ多分一番強いしそれに魔王より魔王らしいって恐れられてたし!」

僧侶「過去形じゃないですかそれ。今の評判はどうなんですか?」

戦士「そういや、最初色々やってた頃は兎も角もう殆どお前の噂とか聞かなくなったなぁ。どこでそんな事知ったかって?暇つぶしとか買い物で時々街に下りるんだよ。そこで奥方と仲良くなってだなぁ……」

僧侶(いつの間にか凄く馴染んでるなぁこの人)
521 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/13(月) 07:22:59.67 ID:NV3dxmH/o
メイ「魔王さん優しいですからねー。私も最初ここ来た時は噂のせいで『私は一体どうなるんだろう』とびくびくしてましたが、噂って、結構当てにならない物ですよねー」

僧侶「という事ですが」

魔王「あ、あれー?こんなはずじゃあ……」
お、こっちだこっち。これであってるはずー。

戦士「まぁお前最近じゃタダの金持ちニートだしな!そりゃしょうがn」

ガッ!キラーン☆

メイ「戦士さんがアッパーカット一発で天井突き抜けていったー!?」

僧侶「まぁどうせ無事に戻ってくるんですし気にせず続けましょうか」

魔王「最近アタシのイメージがこう、何かダダ下がりになってる気がする……一体どこで間違えたのかしら……」
522 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/13(月) 07:24:03.78 ID:NV3dxmH/o
酉あってたー!
んでもってさっきのレス訂正。

メイ「魔王さん優しいですからねー。私も最初ここ来た時は噂のせいで『私は一体どうなるんだろう』とびくびくしてましたが、噂って、結構当てにならない物ですよねー」

僧侶「という事ですが」

魔王「あ、あれー?こんなはずじゃあ……」

戦士「まぁお前最近じゃタダの金持ちニートだしな!そりゃしょうがn」

ガッ!キラーン☆

メイ「戦士さんがアッパーカット一発で天井突き抜けていったー!?」

僧侶「まぁどうせ無事に戻ってくるんですし気にせず続けましょうか」

魔王「最近アタシのイメージがこう、何かダダ下がりになってる気がする……一体どこで間違えたのかしら……」
523 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/13(月) 07:24:33.30 ID:NV3dxmH/o
僧侶「私達が来るまでに貴方が男さんを確保出来なかった事でしょうかね」

ヒューン…

メイ「あ、戦士さんが落ちて――」

ガシッ

メイ「魔王さんが片手でキャッチした!?」

魔王「食らえ戦士アタック!」

戦士「えっちょ何これ――」

メイ「投げたー!?」

僧侶「こんな事もあろうかと魔法盾準備しておきました」ヴンッ
524 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/13(月) 07:25:01.60 ID:NV3dxmH/o
戦士「べっ!!」ベンッ!

魔王「ちっ」

メイ「……大丈夫ですか?」

戦士「おっ、お前らなぁ!人を障害物かなんかと勘違いしてねぇか!?」

メイ「大丈夫でしたか、良かったぁ……」

魔王「いやぁ、そこら辺の物なら……」

僧侶「今までの扱いから見て確実に壊れますからね。この扱いは戦士さんだからこそですよ、良かったですね」

戦士「良くないに決まってんだろー!!待遇改善を要求するぞ!」
525 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/13(月) 07:25:45.62 ID:NV3dxmH/o
魔王「いいわよ別に」

戦士「へ?マジで!?」

魔王「ただし腕っ節でアタシに勝てりゃだけど」

戦士「くっそこの世は弱肉強食だなぁ!今日のところは止めといてやるがいつか覚えてろよ!?」

僧侶「はいじゃあいつものコントも終わったところでさっさと本題入りましょうか」

魔王「ねぇアイツを確実に仕留めるいい方法って無い?アンタ一応仲間だったんでしょう?」

戦士「そんな事出来るならとっくにやってる。まぁでも魔法使い辺りに頼めばどうにかなるかもな。アイツ魔法使いには手ぇ出さねぇし」

僧侶「ハイそこ不穏な会話しなーい。後戦士さんそれ気のせいですから。もう一度言いますけど気 の せ いですから」

魔王「よし、今度会ったら話してみるわ!」

僧侶「……いや、あの人はそうそうこっち来るわけでも無しこの人がそうそうあっち行けるわけでも無しでまだ時間はあるわけでそうだまだ大丈夫……」
526 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/13(月) 07:26:17.91 ID:NV3dxmH/o
【閑話休題】

戦士「で、前の会議は魔王の鼻血オチで終わったわけなんだが……」

魔王「……悲しい、事件だったわね」

僧侶「他人事のように言って流そうとしても無駄ですからね?」

魔王「ええい!アレは不意打ちだから!こっちの分が悪かっただけだから!!」

僧侶「言いましたね?言いましたね?それじゃあ今からあの写真見せちゃいますよ?」

魔王「おっ、おっしゃバッチコーイ!」
527 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/13(月) 07:26:39.53 ID:NV3dxmH/o
僧侶「はいさーんにーいーちぜろー」

ピッ

魔王「……ほら大丈夫!全然余裕!」

戦士「おい鼻に詰めたブツの血が許容量越えて垂れてるんだけど」

魔王「…………ちょっとティッシュ変えてくる」
528 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/13(月) 07:27:05.49 ID:NV3dxmH/o
【んでんでんでー】

僧侶「それじゃあ結局相も変わらず残念だった魔王さんの為に今日の議題は『魔王さんの度胸をつける』という事で」

戦士「イェーイ!」

魔王「って何アンタが勝手に仕切ってんのよ!」

僧侶「……」サッ(写真を見せる)

魔王「もうその手には乗らないわよ、なんたって――」

戦士「おお……?」

魔王「――既にティッシュは準備してあるもの!しかも箱で!」

戦士「えー……」

僧侶「はいじゃあ巻いていきましょー、それじゃ戦士さんから適当に」
529 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/13(月) 07:27:31.50 ID:NV3dxmH/o
魔王「って無視すんじゃないわよー!」

戦士「いやぁ何か最近のお前ってほら、覇気みたいなのが全く感じられないからなぁ。何ていうか……全然怖くないっていうか。まぁ殴られるの自体もアレだけど馴れて来たっちゃあ馴れて来たし」

魔王「戦士に舐められてる……だと?なんか凄い屈辱的ー!」

僧侶「それでは過去の栄光を取り戻して戦士さんに舐められない様になる為にもちゃっちゃと始めましょうか」

魔王「くぅ〜……でも、しょうがないわね!こうなったら昔の自分を取り戻す……いや、越える勢いでやってやるわよ!そう、過去を乗り越えてこそアタシは前に進めるのよ!」

戦士「ようしその意気だ!俺も協力するぜ!」

僧侶「協力したら貴方が危ないと思うのですが……まぁいいか。ところで、魔王さんの事で一つ気になってたのですが」
530 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/13(月) 07:27:57.63 ID:NV3dxmH/o
魔王「へ?」

僧侶「……ぶっちゃけた話写真一枚で鼻血だなんて、どんだけ耐性無いんですか貴方。仮にも幼馴染なんですし同居してたんですから裸の一つや二つぐらい見た事ないって事はそうそう無いでしょう?というか有っても無くても漫画とかじゃ有るまいし普通全裸で鼻血吹くって事は無いと思いますがね……」

魔王「……ぃわよ……」

僧侶「?」

魔王「無いわよそんなの!!そういうハプニングも!イベントも!だってつい1年ぐらい前までそっ、そういうの全然分からなかったし!?趣味は戦闘特技は格闘座右の銘は問答無用みたいな女の子だったし!?」

戦士「それは果たして女の子と言えるのか」

魔王「だからそんなの全然無かったんだもん!耐性とかも全然無いんだもん!悪い?悪い!?」

僧侶「いや、まぁそういう事ならしょうがない?ですけども……これはこれで困りましたね……」
531 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/13(月) 07:28:25.45 ID:NV3dxmH/o
戦士「うーん……」

メイ「あっ、あの……それならばもう少し軽めの物から馴れていけばいいのでは……」

戦士「その線も一応考えてるんだけどなぁ……写真でもアレだぜ?」

魔王「ぐっ……」

僧侶「……あっ」

戦士「お?」

僧侶「……女性にこういう事を聞くのも失礼かもしれませんが、魔王さんは一応『そういう知識』については大体持ってるんですよね?」

魔王「ま、まぁそりゃあ……多分だけど」
532 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/13(月) 07:28:55.63 ID:NV3dxmH/o
戦士「なぁ、これってセクハラじゃね?訴えれば勝てねぇ?」

メイ「うっ、うーん……でもセクハラの基準って被害者側の意識による物らしいですし、魔王さんが特に嫌がって無ければいいのでは無いかと……」

戦士「よし魔王訴えろ。そうすれば奴は法で裁ける」

僧侶「はい今真剣な話してるんだからちょっと黙っててくださいねー?」

魔王「そっかこの状況なら……」

僧侶「ほら昔の自分を越えるんでしょう!?別にこちらにはそういう意図とかありませんから外野の事は気にせず答えてください!ええ外野の事は気にせずに」

魔王「そっ、そうだったわ!アタシは昔の自分を越えなきゃいけないのよ!」
533 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/13(月) 07:29:24.21 ID:NV3dxmH/o
僧侶「その意気ですよ!」

戦士「……チッ、惜しかったぜ」

僧侶「はいそこ舌打ちしなーい。……後で不慮の事故に巻き込まれても知りませんよ?」

戦士「サーセェーンwwwwww」

僧侶「HAHAHA勿論許しますよ私心広いですから。ええ貴方に不慮の事故が起こっても率先して埋葬してあげるくらいには。で、どうなんですか魔王さん?」

魔王「……まぁ、何度か見てみた事もあるわね、それこそ『そういうの』に馴れる為に。あ、そん時は鼻血なんて出さなかったんだからね!?」

僧侶「やはり……ですか」

戦士「いやお前、したり顔になってるのはいいんだけど、やってる事はセクハラ一歩手前だからな?」
534 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/13(月) 07:30:05.80 ID:NV3dxmH/o
僧侶「一歩手前なら全て白ですよ何も問題はありません。そして、先ほどの魔王さんとの問答から、一つの答えが導き出されました。その答えとは……」




僧侶「彼女は『「男さん」以外の裸とかナニとかそういった写真までならセーフ』という事です!」

戦士・魔王「なっ、なんだってー!?」

戦士「……って別にそんな大した事でもないよなぁ」

魔王「ていうかさぁ、だからどうしたって感じなんだけど」

僧侶「えーっと、要はですね?」
535 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/13(月) 07:30:43.86 ID:NV3dxmH/o
   そこら辺のアレやコレ<???<男さんのアレやコレ
    ↑          ↑       ↑
魔王さんのセーフティゾーン セーフ?orアウト? アウトー!完全にアウトー!

僧侶「こうなるわけですよ」

戦士「その理屈はまぁ分かった。……でも結局???の中身が分からないんだったら意味無くね?」

僧侶「大丈夫ですよ。今の説明はあくまでも皆さんの為に順序立ててしたものですから。既に私の中では???に対する答えも出ています、そしてその答えとは――」

僧侶「――そう、『男さん以外の生全裸』です!」

戦士・魔王「なっ、なんだってー!?」
536 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/13(月) 07:33:47.17 ID:NV3dxmH/o
上部3行の↑がずれてたのでそこだけ訂正

   そこら辺のアレやコレ<???<男さんのアレやコレ
    ↑              ↑       ↑
魔王さんのセーフティゾーン セーフ?orアウト? アウトー!完全にアウトー!
537 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/13(月) 07:34:12.67 ID:NV3dxmH/o
戦士「ってお前さぁ、さっきからそんな単語ばっか言ってて虚しくならないか?」

僧侶「私だってこんなのキャラじゃないですし素でもあんま言いたかありませんよ。でも協力すると言った限りは一応、ねぇ……」

戦士「さすが腐っても勇者パーティ。そこら辺は義理堅いな」

僧侶「ま、そんな感じですね。それで、なんでこんな結論に至ったかと言うと、早い話が魔王さんは『男さんの』物に耐性が無いだけでアレコレ自体はそこそこいけると思うんですよ」

魔王「うーん……確かに、そうかも」

僧侶「しかしそれでも彼女はリアルの全裸を見た事が無い為、宛がうならここが一番ちょうどいいと踏んだわけです」
538 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/13(月) 07:34:49.54 ID:NV3dxmH/o
魔王「なるほど……つまり、誰かのリアル全裸で動揺しなけりゃ『男』の写真にも耐性が出来るってわけね!」

僧侶「ま、同じ男性ですからね。どうにかなるでしょう、多分。案外」

僧侶(ぶっちゃけ結構適当に言ってたんですが……)

戦士「っしゃあい方針は決まったな!で……誰が脱ぐんだ?」

僧侶「え?そりゃあこういう時のヨゴレ役は……」

魔王「決まってるわよね……」

メイ「そうなのですか?」
539 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/13(月) 07:35:19.48 ID:NV3dxmH/o
戦士「おいおい何だよ二人とも俺のことそんなに見つめちゃって……」

魔王「……もう分かってるんでしょ?大人しく観念しなさい。そして……アタシの為に犠牲になれぇ!」

戦士「いっ、嫌だぁ!俺は勇者以外の女に見せる気はねぇからな!?」

メイ「え……えええええっ!?」カァァ

魔王「いいから脱げー!」

戦士「イーヤーアァー!!」

第7話に続く!
540 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/13(月) 07:36:33.92 ID:NV3dxmH/o
というわけで合流編6話終了。
あっれどうしてこうなったんだっけか?うん、まぁ別にいいか!
と言う訳でまた次回。
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国四国) [sage]:2012/02/19(日) 12:09:26.48 ID:h1AkUJxOo
542 : ◆UvWvU8FBew :2012/02/27(月) 06:26:21.40 ID:vA2Fk4L3o
ちょっと短めですけど投下開始です。



合流編第7話「僕達私達の保健体育」
543 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/27(月) 06:26:52.30 ID:vA2Fk4L3o
<魔王城・会議室>

僧侶「…………で、」

戦士「うっ……うう……」

僧侶「どうでしたか?始めての全裸は」

戦士「汚された……汚されたよぉ……」

※メイド女は現在外に出てます。戦士がひん剥かれたからね!

魔王「うぅーん……何ていうか…………普通というか期待はずれというか……」

戦士「むっ、無理やり人ひん剥いといてなんて言い草だぁ!!こっちは心に深い傷を負ったってのに……」
544 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/27(月) 06:27:39.35 ID:vA2Fk4L3o
魔王「あーまぁでも……写真と実物は違うっていうのはよくある事だけど、存外差が無いって事もあるっていう教訓は得たと思うわ。うん」

戦士「俺の全裸はテンプレ通りって事かそれ。悲しむべきか喜ぶべきかすげぇ迷うんだけど……」

僧侶「まぁ何かしらの本に載るような写真って、種類によらず大抵は平均以上には見栄えのいい物が選ばれるわけですし喜んでもいいんじゃないでしょうか」

戦士「え?マジ?やっほう!平均以上!俺少なくとも負け組じゃないぜ!」

僧侶「ちょろいなぁこの人……。しかし……ちょっと魔王さん、これ見てください」

魔王「へ?……」




戦士「おい詰め物に対する鼻血の侵食率がまた臨界点こえてんだけど」
545 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/27(月) 06:28:46.65 ID:vA2Fk4L3o
僧侶「思った通り、全くと言っていいほど成果がありませんでしたね」

魔王「あ、あれぇ〜?」

戦士「あれ?じゃあ俺脱がされ損じゃねぇか!?」

僧侶「そうとも言いますね」

魔王「経験値0とか……スライム以下じゃないのよ。情けないわね!」

戦士「知らねぇよ!全裸の経験値ってなんなんだよ!」

魔王「い……色気?……いや、男はそんなのあんまりだし……うーん……」

僧侶「ああ分かりました、これ単純に好みの問題ですよね。貴方のベクトルが駄目だったとかそんな感じかと」

戦士「方向性からアウトとか本当に脱がされ損だな俺!ってかそんなの最初から気付いとけよ!」
546 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/27(月) 06:29:18.00 ID:vA2Fk4L3o
魔王「だっ、だってしょうがないじゃない!初めてだったんだもの!」

戦士「うっ、嬉しくねぇ!相手が勇者だったら色々妄想出来る科白だったはずなのに……畜生なんで目の前に居るのがお前なんだー!」

魔王「それはこっちの科白よ!今頃男は勇者といちゃついてるかも知れないってのに、何でアタシはアンタなんかとこんな不毛な事しなきゃいけないのよ!」

戦士・魔王「…………」

戦士「何でなんだろうなぁ……」

魔王「何でなのよぉ……」

僧侶「め、面倒な人たちだなぁ……。やっぱもういっそ直接乗りこんだほうが色々早いですって絶対」
547 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/27(月) 06:29:44.16 ID:vA2Fk4L3o
戦士・魔王「それはっ!無理っ!」

魔女「だったら無理じゃなくせばいいじゃない!」

戦士・魔王・僧侶「!?」

魔女「というわけで本日紹介するのはこちら!『一口でいつでもハイになれる薬』〜」

魔王「色々突っ込みたい所はあるけどとりあえずどっから来たのよ!!」

魔女「え?そりゃあリリカルマジカル……」








魔女「普通にドア開けて入ってきたけど」
548 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/27(月) 06:30:22.03 ID:vA2Fk4L3o
戦士「魔法じゃねぇのかよ!最初の『リリカルマジカル』は一体なんだったんだ!?」

魔女「そりゃあ……ノリに決まってるのよー!」

魔王「もう帰りなさいよアンタ……」

魔女「えー?魔王ちゃん親友に対して酷い扱いなのよー」

魔王「2倍ぐらい年齢差あるくせに何抜かしてんのよ!」

魔女「友達に年齢は関係のよー!というか、女の子に年齢の話は禁句だぞ☆」

魔王「だぞ☆じゃねぇー!!」
549 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/27(月) 06:31:29.73 ID:vA2Fk4L3o
僧侶「……あの人って、アレですよね?媚薬持ってきた人」

戦士「おう、そんで割った張本人でもある」

魔王「……で、アンタは何しにきたのよ」

魔女「そりゃあ勿論、貴方達の手助けに決まっているのよー!」

魔王「えぇー……」

魔女「まっ、失礼な!これでも前は悪い事したなって反省してるんだから!プンスカプン!」

魔王「プンスカプンて」

魔女「それに多分魔王ちゃんと、それにそこのいかにもタンカー(盾役)っぽい割と頭が緩そうで多分ドM気質で寝取り寝取られにも耐性がありそうで尚且つ魔王ちゃん並のヘタレっぽくてで、あの黒髪の凛々しくも可愛らしいあの勇者っぽい子に惚れてるであろう少年の事だからどうせ今頃全裸で鼻血だったり無為に過ごした時間に絶望したぁ!ってなってるだろうって思ったのよ!」
550 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/27(月) 06:33:37.39 ID:vA2Fk4L3o
戦士「なっ、何と言う洞察力!正直前が前だから今回も終わったなと思ってたけど、今結構期待度上がったぜ!」

魔女「おうさ!じゃんじゃん期待してていいのよー?」

僧侶「……大丈夫なんですか?あの人」

魔王「……まぁ、実力だけなら一級品なんだけどねぇ。何というか……ムラッ気が酷いというか……」

戦士「おっしゃー!やるぞー!」

魔女「ファイトー!おーなのよー!」

魔王「つか何故か意気投合してきてるんだけどあいつら……」
551 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/02/27(月) 06:35:06.91 ID:vA2Fk4L3o
8話につづくー。
でも気持ち的は7話前編終了で後編に続くみたいな感じだったり。
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/27(月) 11:14:23.64 ID:9IegC/nSO


そういえばあと一ヶ月ぐらいで一周年だな
最初から見てるわ
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国四国) [sage]:2012/03/04(日) 03:37:52.72 ID:NfOi95C8o
554 : ◆UvWvU8FBew :2012/03/12(月) 00:13:23.16 ID:fH7TNUM8o
そういえばこのスレ建てたの一年前でしたか。
……って、一年前!?なんやかんやでぐだぐだっと続いてる気はしてたがもうそんなに経ってたのか……。
しかし一年も経ったのにまるで成長していない気がする今日この頃。

まぁそれはそれとして、今日も今日とて投下開始です。
555 : ◆UvWvU8FBew :2012/03/12(月) 00:15:42.33 ID:fH7TNUM8o
合流編第8話「何だか一周した感じっ」

いつの間にやらこのスレももうじき一歳。
特に何があるわけではありませんが、今まで見てくれた方にも途中から見てくれた方にも感謝感謝な感じで始まり始まりー。
556 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/03/12(月) 00:16:06.73 ID:fH7TNUM8o
<魔王城・会議室>

魔女「ゲートオープン!」

僧侶「それ何か違いません?」

魔女「じゃあイセカイk」

僧侶「それもアウト!」

魔女「ほんじゃま普通に開きましょっ」

ゴォッ

戦士「……これってあれか?所謂旅の扉とかワープゲートとかそういうのか?」

魔王「ま、見ての通りよね。でもどこに通じてんのこれ」

魔女「ん?男君の家……かもねっ☆」
557 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/03/12(月) 00:16:36.44 ID:fH7TNUM8o
戦士「なん……だと?」

魔王「マジでどこに開いてんのよ!つか『かもね』!?」

魔女「いやね、出口を彼の近くで適当に開くようにしたからさぁ。外出中かもしれないし?」

僧侶「しかしそういう開き方してると出口の先が『いしのなか』とかそんな展開になる可能性がありそうなんですがそこのところは大丈夫なんですか?」

戦士「今心配すんのそこか!?」

魔女「大丈夫なのよー、だって私天才だし?」

僧侶「ええー……」

魔王「まぁそいつの言ってる通りそこら辺は問題ないでしょ、多分」
558 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/03/12(月) 00:17:09.14 ID:fH7TNUM8o
戦士「意外だなぁ、お前がそういう事言うなんて」

魔王「一応そこそこ付き合い長いし。……でもその分、認めんのもかなり癪なんだけどね」

戦士「ああ……」

魔女「?」

戦士「お前も大変だったんだなぁ……」

魔女「もー、そこ何湿っぽくなってんのよー。これから敵地に乗り込むって言うのにそんなテンションでどうするのよー!」

魔王「誰のせいだと思ってんのよ!てか敵地?は?アンタ何処に行くつもりなのよ。いややっぱいい。何処へ行ってもいいから二度と帰ってくんな」

魔女「えー、そういう事言うならマジでこのゲートの向こうに行ってある事無い事吹きまくってから姿晦ましちゃうのよー?」

魔王「敵地ってそこ!?てか、え!?マジで乗り込むの!?」
559 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/03/12(月) 00:17:35.79 ID:fH7TNUM8o
魔女「そりゃあ勿論。戦わずして何が女か!」

戦士「そうだぞ魔王、頑張ってこい!俺は男だからここで待ってるが」

魔女「そんな軟弱な考えでいいと思ってるのか!貴方男でしょ!」

戦士「どっちにしろ逃げ場無かった!?」

魔王「つか今乗り込んでどうすんのよ!さっきまで鼻血出してたり全裸してたりしてたのよ!?」

戦士「そうだそうだ!こいつ結局進歩無かったんだぞ!」

魔王「五月蝿い役立たず!大体アンタだって人の事言える立場じゃないでしょこのスットコドッコイ!」
560 : ◆UvWvU8FBew [sage saga]:2012/03/12(月) 00:18:23.17 ID:fH7TNUM8o
僧侶「『スットコドッコイ』だなんて言い回し久しぶりに聞きましたねー……」

戦士「何だとこの貧乳!俺はホントの事言っただけじゃねぇかバーカバーカ!」

魔王「貧っ……言ったわよ!今アンタ言っちゃいけない事言ったわよ!?」

戦士「うるせぇバーカ!この際だから言わせて貰うけどなぁ、お前ぜんっぜん色気ねぇんだよ!仮にも女性、それも家族以外の女と少なくとも1ヶ月ぐらいは二人きりで住んでて何のエロイベントも起きないどころかフラグすら立たないとか何なんだよお前!いくら俺が勇者の事愛してるって言ってもなぁ……男としちゃあ結構悲しいんだぞ!?」

魔王「何でアンタ相手にんなイベント起こさなきゃいけないのよバーカ!つか今それ関係ないでしょ!?」

ワーワーギャーギャー

僧侶「……争いは同レベルの者同士でしか起こらないとは言いますが、本当にその通りですね……」

魔女「……」スゥ…

魔女「――いい加減にしなさい二人とも!!なのよ!」
561 : ◆UvWvU8FBew [sage saga]:2012/03/12(月) 00:18:49.13 ID:fH7TNUM8o
戦士「うぇっ!?」

魔王「はえっ!?」

僧侶「おお……」

魔女「全く貴方達はそうやっていつもいつも最終的には漫才に走るんだから……そんなんだからいつまで経っても進展がないのよ!」

魔王「うっ……」

戦士「かはっ……!いやまぁ確かにちょっとは微粒子レベルでほんの少し心当たりみたいな物が無い事も無かったような気がしないでも無いような気もしてたが……何故まるで今まで見てた様に……」

魔女「私の目は全てを見抜くのよ!」

僧侶「というか今までのやり取り見てたら結構想像できそうなんですがね」
562 : ◆UvWvU8FBew [sage saga]:2012/03/12(月) 00:19:18.78 ID:fH7TNUM8o
魔女「そういう空気壊す事言うの止めるのよー、そんなんだから攻め枠に収まっちゃうのよー?」

僧侶「止めてくれませんかねぇそういう事言うの!ていうか何処で知ったんですか!?」

魔女「だから言ったのよー、『私の目は全てを見抜く』って!」フンスッ

僧侶「ああうん、それでいいですよもう……」

魔女「という事で!ここらで一発決めないと後悔するのは貴方達なのよ!?だから強制的にでもイベント起こしまーす!」

魔王「ちょっ、ちょっ、ちょちょちょ待ちなさいよ!そりゃそうかも……万が一、そうだとしても元はアンタが失敗したから――」

魔女「そうやってすぐ人の責任にする!」

魔王「えっ、それ理不尽じゃない!?」

戦士「お前も割とそういう事言うけどな」
563 : ◆UvWvU8FBew [sage saga]:2012/03/12(月) 00:19:45.62 ID:fH7TNUM8o
魔女「大体元の元の元はといえば魔王ちゃんがへたれだった事が全ての元凶なのよ!はいと言うわけでワンツーサンシッ!」

ゴオォォォォォ

魔王「すっ、吸い込まれる!?」

戦士「いやだー!逝きたくないー死にたくないー!あれ?そういや俺今全裸じゃね!?」

魔王「きゃー!無理無理無理無理やめてとめてやめてぇー!」

僧侶「そういえばこれって図らずとも前に私が言ってた『押しかけ女房作戦』が実現したという事なんですかね。というかこれ私も吸い込まれていませんか?あのすいませんちょっと待ってくださいあのちょっとちょっとちょっと!?」

魔女「はい三名様ご案内ー!」



564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/03/12(月) 00:20:21.42 ID:fH7TNUM8o
<魔王城・会議室前廊下>

キャーワーガタンドタンバタンッ!

シーン…

メイ「……あれ?部屋の中が急に静かに。さっきまであんなに騒がしかったのに……」

メイ「すみませーん、大丈夫ですかー?」コンコンッ

シーン…

メイ「……よし」

ギィー…

<魔王城・会議室>

メイ「失礼しまーす……(戦士さんが服着てますように……)」

メイ「……あれ?誰も……いない?」
565 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/03/12(月) 00:22:30.32 ID:fH7TNUM8o
短めだけど今日はここでしゅーりょーですどっとはらい。

あ゛っ最後の1つ酉消えてた。まぁいいか。
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/12(月) 15:27:49.72 ID:0KY9zcxDO
キター

567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国四国) [sage]:2012/03/15(木) 03:18:29.07 ID:C8TLYCdGo
乙ー
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/16(金) 13:57:14.36 ID:qhz0T/9Uo
569 : ◆UvWvU8FBew :2012/03/25(日) 23:53:19.85 ID:4w3vX8y+o
おはこんばんちわー。
今から投下開始です。
570 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/03/25(日) 23:54:08.98 ID:4w3vX8y+o
合流編第9話「サービスなんて、あるわけない」
571 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/03/25(日) 23:54:34.92 ID:4w3vX8y+o
<とある孤島の海岸>

男「おー、僕海って子供の頃以来久々にきたんですがなんか記憶よりも綺麗だねー」

勇者「ま、ここは所謂『秘境』みたいな所だからな。他所よりも状態がいいのは当然といえば当然だろう、人の出入りが少ないわけだしな」

魔法「――現在私達3人は、国の所有するとある無人島の海岸に居る。しかしここに来たのは決して遊びのためなどでは無く、あくまでも仕事の一環であり勿論水着やサービスシーンなんてものは存在しない。現に今も戦闘用の装備で来てる。以上説明終わり」

男「……誰に話してるの?」

魔法「ん。気にしなくていい」

男「は、はぁ……。というかあれだなー、『海に住み着いた怪物退治』って話でしたからもっと荒れてる物かと思ってましたけど全然そんな事無かったなー。……あれ?それじゃあ怪物とやらは一体何処に……」
572 : ◆UvWvU8FBew [sage saga]:2012/03/25(日) 23:55:09.81 ID:4w3vX8y+o
魔法「それなら問題ない。事前に聞いた話によると怪物は普段海底で眠っていて、2週間に一度……空腹の際にのみ目覚めるらしい」

勇者「怪物だなんて言われてる割には結構大人しいんだな」

魔法「……寝てる間は。目が覚めたらここら一面の魚を食い尽くすまで活動を止めないって。それでも満腹にならなかったら他の海域まで遠征してまた食い尽くすと言う話。ちなみにこの前目覚めたのは4日前。だから今は休眠の真っ最中で、ついでに言えば海中にも殆ど生物が居ない」

男「また傍迷惑な……あれ?ていうか今怪物は寝てるんだよね、海底で」

魔法「ん」

男「……それじゃあ僕ら手出し出来なくない?」

勇者「……海底まで届く一閃か。まぁ頑張ればやれない事は無いんじゃないか?」
573 : ◆UvWvU8FBew [sage saga]:2012/03/25(日) 23:55:41.30 ID:4w3vX8y+o
男「海ごと切ると!?その発想は無かったな……っていやいや、もし出来たとしてもそれはそれで周りへの被害が半端ないから……」

魔法「大丈夫。怪物は大きな音に敏感だから……こいつで起こす」

勇者「それは……爆弾か」

魔法「そう。中に詰まってるのは火薬じゃなくて音と衝撃波を飛ばす魔法だけど。それでこれを海に放り投げて叩き起こす。で、倒す」

男「言うだけなら単純なんだけどなぁ……そう上手く行くかな?」

勇者「ま、とりあえずやれるだけやってみるか。魔法使い、爆弾を貸してくれ」

魔法「ん」
574 : ◆UvWvU8FBew [sage saga]:2012/03/25(日) 23:56:11.99 ID:4w3vX8y+o
勇者「それでは……えぃ!」

ヒュゥー…ポチャンッ

シーン…………

全員「……」

男「……しませんね、爆発」

勇者「故障か?」

魔法「……かも。でも、多分外部から衝撃を加えれば――」
575 : ◆UvWvU8FBew [sage saga]:2012/03/25(日) 23:56:33.72 ID:4w3vX8y+o
<とある孤島の海岸……の近くの沖合い上空>

グォッ

魔王「きゃあああああ!!」

戦士「だああああああ!!」

僧侶「わああああああ!!」

魔女「きゃあああああ♪」


576 : ◆UvWvU8FBew [sage saga]:2012/03/25(日) 23:57:01.03 ID:4w3vX8y+o
<とある孤島の海岸>

勇者「ん?……なんだ、あれは?」

魔法「……魔力っぽいのが。時空間ゲートの一種みたい」

男「……なんか出てきて……人?……人!?」

魔法「あ、落ちた」

勇者「……というか、確かあそこには――」

カッ!

ゴッ――ッガァァァァン!!

男「ばっ……爆発したー!?」
577 : ◆UvWvU8FBew [sage saga]:2012/03/25(日) 23:57:31.67 ID:4w3vX8y+o
ヒュゥゥゥゥ…

ドサッ

魔王「だっ」

僧侶「ばっ」

魔女「おわっ」

戦士「べふっ」

男「爆発の衝撃で運良くこっちに吹き飛ばされてきた!?……って――」

勇者「ん?誰かと思ったら魔王達じゃないか、奇遇だな」
578 : ◆UvWvU8FBew [sage saga]:2012/03/25(日) 23:57:57.27 ID:4w3vX8y+o
魔王「奇遇も何も――ってきゃああああああ!!」

男「ええええそれ久しぶりに会った幼馴染に対するリアクションとしてはおかしくない!?」

戦士「痛たたた……ってぎゃああああああ!!」

勇者「なんだ人の顔見るなりいきなり叫び声挙げて。おかしな奴だな」

僧侶「……あー、とっさに防御魔法かけてなければ危なかった……ってうわあああああ!!」

魔法「………………おひさー。うふふふふふ…………」

魔女「いやぁー、爆弾でぶっ飛ばされるなんて初めての経験だったのよー。ま、無事に着いたしよしとするのよ」

男「あのー、というか何でここに――って皆、後ろ!後ろ!」
579 : ◆UvWvU8FBew [sage saga]:2012/03/25(日) 23:58:28.86 ID:4w3vX8y+o
全員「?」

ザァァァァァ

怪物「ブォォォォォ……」

魔王「は?何アレ、蛸?てかデカッ!」

魔女「あれって食べれるのかなー?」

魔法「……そういえば、あっちが目的だった。忘れてたけど」

勇者「なるほど、アレが件の怪物か……目測20メートル、と言った所か?」

戦士「触手……だと?くそっ、俺は一体どうすればいいんだ!」

僧侶「いや、どうするも何も……」

怪物「オオオオオオオ!!」

戦士「げぇ、触手が伸びてきた!抵抗すべきか、甘んじて触手の洗礼を受けるべきか……皆で、皆で!」
580 : ◆UvWvU8FBew [sage saga]:2012/03/25(日) 23:58:56.63 ID:4w3vX8y+o
僧侶「というかですね……」

勇者「……海上に出てるなら、切れない道理は無いだろう」

魔王「何だか知らないけどね、こっちは色々とピンチなのよ……蛸如きが――」

勇者「――でぇぇぇい!」

魔王「邪魔すんなぁ!」

【十秒後】

怪物「オォォォォ……」

勇者「……ふぅ」

魔王「ま、ざっとこんなもんよね」
581 : ◆UvWvU8FBew [sage saga]:2012/03/25(日) 23:59:54.07 ID:4w3vX8y+o
僧侶「ですよねー……」

男「……まぁこうなる事は大体予想できてたけど、相変わらず規格外というか何と言うか」

魔女「いやぁー、魔王ちゃんも大概だけど勇者様もさすがなのよー。あ、知らない人のために自己紹介しとくけど、私は魔女って言うのよ。何ていうか、魔王ちゃんの保護者役?」

勇者「ふむ……私は勇者だ、よろしく頼む。だが、何故その保護者がこんな所に?」

魔女「へ?それは――」

魔王「うわあぁぁぁちょぉっと全員集合!」
582 : ◆UvWvU8FBew [sage saga]:2012/03/26(月) 00:00:20.76 ID:B+sJOpiTo
戦士「おう!とりあえずアレだ!この場からどうやって逃げるか考えようぜ!?」

僧侶「私も賛成です。一刻も早く避難しましょう!でなければ……!」

魔女「そんな事私がさせないのよ?だってあなた達に告白させる為にここに来たんだからね!」

僧侶「じゃあ私無関係ですよね!?私だけは無関係ですよねぇ!?」

魔王「はぁ!?何抜け駆けしようとしてんのよ!アンタもここまで来たんだから一連托生なんだからおとなしく巻き添えくらいなさい!」

僧侶「くっ、こんな危険なところにいられますか!私は一人でも帰りますよ!?」

魔女「だかそんな事もあろうかと、こっち来た時適当に結界張っといたからこの空間からじゃ十分くらいはワープとか出来ない仕様になってるのよ!さすが私、大天才!」

魔王・戦士・僧侶「なん……だと?」
583 : ◆UvWvU8FBew [sage saga]:2012/03/26(月) 00:00:55.03 ID:B+sJOpiTo
魔法「……確かに、これは中々」

勇者「ん?私には空間の変化自体よく分からんのだが……さすが専門家といったところだな」

魔法「……このくらい、馴れれば余裕」

男「で、結局魔王達は何の為に来たの?さっき告白がどうとかって言ってたけど……」

魔王「別にアタシだって来たくて来たわけじゃないわよ!!ただアタシが男の事好きなのに全然進展ないからって勝手に魔女が――」

男「……………………え?」
584 : ◆UvWvU8FBew [sage saga]:2012/03/26(月) 00:01:53.77 ID:B+sJOpiTo
勇者「……ほう」

魔法「おお……」

僧侶「Oh……」

戦士「あちゃー……」

魔女「キター!」

魔王「………………………………」
585 : ◆UvWvU8FBew [sage saga]:2012/03/26(月) 00:02:20.34 ID:B+sJOpiTo
魔王「………………………………あ」

魔王「…………ああああああああ!!??」






魔王(な――流れでつい口滑らせちゃったぁぁぁぁ!!)
586 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/03/26(月) 00:04:36.59 ID:B+sJOpiTo
第9話終了。
とんだ急展開だぜ!まぁそんな感じで、突然ですが多分次回で最終回ではないかと。
でも自分、基本的に無計画なんでもし普通に続いたらなんかごめんなさい。
ではではまた次回ー。
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/26(月) 01:23:17.36 ID:Kl4rAlodo

最終回・・・だと・・・?
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/26(月) 02:02:47.75 ID:ngOZbXovo

あれだろ第一部の最終回なんだろ?
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/26(月) 11:54:04.49 ID:vYow3oCio
第一部最終回期待
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/28(水) 05:37:03.24 ID:vQcj9naDO
乙ー
第一部は10話で終わりか…
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国四国) [sage]:2012/04/01(日) 01:31:33.86 ID:sfK2BT69o

第一部も終わりか…
592 : ◆UvWvU8FBew [sage]:2012/04/24(火) 09:25:08.41 ID:RQSPJ6Ugo
だ、第一部じゃないよ!マジもんの最終回だよ!?
第二部とか死ぬわ!自分の脳内ネタ帳的な意味で!
まぁ一部の途中からも死にかけてたけどね!毎回毎回ひねり出すのに苦労したけどね!

というわけで遅くなった上に中途半端な時間になってもうしわけありませんが、最終回の投下開始です。
593 : ◆UvWvU8FBew [saga]:2012/04/24(火) 09:26:34.00 ID:RQSPJ6Ugo
第10話「最後の最後までこんな調子で、これからもそんな感じで」
594 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:27:01.16 ID:RQSPJ6Ugo
魔王「あ、ああああああああああ……」

男「え、あ、あの、まお」

魔王「あ゛あ゛ー!!」

ブンッ!

男「うわぁっぶなぁ!!」

魔王「っちぃ!」

戦士「全く、あいつはどうして毎度毎度言葉と言う知性的であり文化的な手段をとらずに、暴力と言う野蛮で粗野な物に頼るんだろうな……」
595 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:27:28.31 ID:RQSPJ6Ugo
僧侶「ああそうだ勇者さん」

勇者「ん?なんだ僧侶、と言うか今までお前どこに――」

僧侶「そんな事よりも貴方、戦士さんに好かれてますよ?ラブ的な意味で」

勇者「は?」

戦士「う゛お゛あ゛ぁー!!」

ブンッ!

僧侶「おっと、危ないじゃないですか。一体知性と文化は何処に行ったのですか?」

戦士「うるせぇー!人間だって時には痛みを伴わなきゃ解決できない事だってあるんだよ!ていうか何で言っちゃったんだよてめぇー!!」
596 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:27:54.67 ID:RQSPJ6Ugo
僧侶「はぁ!?そんなの決まってるじゃないですか!只単純に私一人が碌でもない目にあうのが癪だっただけですよ!」

戦士「相変わらずきたねぇ性格してやがるぜテメェ!てかお前碌でもない目とかあってねぇじゃねぇか!」

僧侶「今からあうんですよ!ほら私の直後ろに……」

魔法「……その潔さ…………悪くない」

僧侶「はははもうここまで来たら諦めあーちょっと待ってやっぱ待って引きずらないd――」

ズッズッズッ…




魔女「あらら首根っこ捕まれてどっかに引きずられてったのよー。ていうかもしかして、今私空気?」
597 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:28:22.20 ID:RQSPJ6Ugo
男「お、落ち着いて魔王!」

魔王「うるさぁぁい!!もうどいつもこいつも死ねぇぇ!!」


戦士「……あ、あ、あ、あの、ゆうしゃ、あの、だな、これは……」

勇者「えっと……とりあえずだな、済まんが私の事は諦めてくれ」

戦士「おぶごっぱぁ……!」
※吐血音です。


魔王「死ねぇぇぇぇぇ!!」

男「わぁぁぁストップ!止まってくれぇ――『側近』!」
598 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:28:48.51 ID:RQSPJ6Ugo
魔王「――」ピタッ

男「……あれ?」

魔王「…………」

男「あ……あのー……」

魔王「……………………うぇ」

男「うぇ?」

魔王「ぅえええええぇぇぇんん……」ポロポロ

男「え゛っ、ちょっ、ちょっとどうしたの!?」
599 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:29:18.33 ID:RQSPJ6Ugo
魔王「だっでぇぇ、久しぃ、ぶりに呼ばれでぇ……」

男「へ、久しぶり?何が……」

魔王「『側近』ってぇ……久しぶりでぇ……」

男「あぁ、そういえばさっきつい……」

魔王「だってぇ……数ヶ月ぶりでぇ……」

男「分かった、分かったからとりあえず泣きやも?」

魔王「…………ぃ」

男「?ごめん、今の聞き取れ――」
600 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:29:46.59 ID:RQSPJ6Ugo
魔王「全!然!分かってないわよこの馬鹿ぁ!!」

男「ひぃ!すいません!」

魔王「アタシが『魔王』を押し付けられて、アンタが勇者のとこ行っちゃってからどれだけ待ったと思ってるのよぉ……ずっとアンタの声で『側近』って呼んで貰いたかったんだからぁ……アンタが『魔王』の座に戻るのも待ってたんだからぁ……!」

男「まおっ……側近……」

魔王改め側近「大体何であんなあっさり魔王止めちゃうのよ!そりゃアタシの方が物理的には強いけどもうちょっとプライドとかそういうのは無いわけ!?」

男「そ、側近?何か話がずれて――」

側近「しっかも勇者が美人だからってデレデレしちゃってさぁ!ほんっとそういうとこは先代にそっくりなんだから!そりゃアタシはあんまり女の子らしくないかもしれないけどだからって……」

ポン

側近「へ?」
601 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:30:12.94 ID:RQSPJ6Ugo
ナデナデ

側近「!?え、あ、あの、男!?」

男「あー、いや、そういえば昔は側近が怒ってたりした時よくこういう事やってなだめてたなーって思って……」

側近「…………」

男「えっと……まずは、その……御免。僕は、君の気持ちを知っても君を『そういう気持ち』では見る事は、出来ない」

側近「っ……」

男「今でも君は僕にとって『幼馴染』で『頼れる親友』で……それに、あー、そのー、今の僕には、その、勇者さんがいるから……だから、御免」
602 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:30:39.83 ID:RQSPJ6Ugo
側近「……」

男「でも」

側近「……?」

男「出来る事なら魔王の仕事は、またしばらくやらせて欲しい」

側近「!?」

男「一度放り出した身でこんな事言うのはおごがましいかも知れないけど、何ていうか、このまま半端に投げ出したままじゃ目覚めが悪いし……それに……」

側近「それに……?」

男「側近と今のまま仲違いするのは……僕も嫌だから、ちゃんと色々、お互いとその周りが納得して、憂いなく辞められる様になるまでは、またやりたいんだけど…………駄目かな?」
603 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:31:15.58 ID:RQSPJ6Ugo
側近「……だ……駄目じゃない!全然駄目じゃない!でも……いいの?」

男「え?」

側近「だって……」

勇者「その心配ならいらん」

側近「勇者!?」

勇者「私の事なら気にしなくていい。それよりも……男の事、よろしく頼んだぞ」

側近「勇者……」

勇者「……一応勘違いしない様に言っておくが、頼むのは魔王としての職務のフォローだけだからな?」

側近「……分かってるわよ」

男「……そういうわけだから、また宜しく。側近」

側近「…………ええ!こっちこそよろしくね――『魔王』!」
604 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:31:58.07 ID:RQSPJ6Ugo
【数日後】

〈魔王城・食堂〉

側近「――で」

魔法「……はい、あーん」

僧侶「……何故かご飯から魔力の反応が出てるんですが、それって拒否権ありますかね」

魔法「…………あーん」

僧侶(これは終わった)
605 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:32:30.32 ID:RQSPJ6Ugo
側近「なんで……」

魔女「あ、これおいしいのよ!どうやって作ってるのよ?」

メイ「ありがとうございます。実はそれ、結構簡単なんですよ?まずはですね――」

側近「なんで……!」

戦士「なぁなぁ勇者!俺達もアレやろうぜ!ほらアーンって!」

勇者「ほら魔王。口を開けろ、食べさせてあげるから」

戦士「くっそ完全にスルーかよ!でも俺は絶対に諦めないからな!」

魔王「い、いやぁ、人前でそういうのは結構恥ずかしいから勘弁して欲しいかなーって……」
606 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:32:52.33 ID:RQSPJ6Ugo
側近「……アンタら全員ここに居座ってんのよぉぉぉ!!」

勇者「なんだ側近、いきなり大声なんか上げて」

側近「勇者ぁぁぁぁ!!アンタこの前言ったわよねぇ!?」

『私の事なら気にしなくていい。それよりも……男の事、頼んだぞ』

側近「って!」

勇者「言ったが……それが?」

側近「何であの科白でアンタがついてくんのよ!気にするなってなんだったのよぉぉぉ!」
607 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:33:26.65 ID:RQSPJ6Ugo
勇者「成る程、どうやら互いの理解に少々齟齬がある様だな。側近よ、確かに私は『気にしなくていい』とは言ったが、あれは『私は男と離れても大丈夫だから』という事ではなく『私もそっちに行くから』と言う意味で言ったのだ。そもそも考えてもみろ、私は一目惚れしたら相手が魔王の座についてようがほいほい連れてく様な女だぞ?――――そう長く離れていられるわけ無かろうに」

側近「んあああああああ!!言われてみたらその通りっちゃその通りなんだけど全然納得出来ないぃぃ!!」

戦士「いいじゃねぇかよ勇者が来た事の何が不満だってんだよ!」

僧侶「まぁ賑やかなのは悪い事では無いですよね」

魔法「さりげなく話の流れに加わって回避だなんてそうはいかない」

僧侶「くっ……」
608 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:33:51.76 ID:RQSPJ6Ugo
メイ「私は料理を食べてもらえる方が増えて嬉しいです!」

魔女「んぐんぐぐんぐぐ」モグモグ

側近「アンタらも何でまだ居ついたり居付き始めたりしてんのよ!メイ以外はとっとと帰りなさいよ!」

戦士「ああ!?勇者が居るのに帰れるわけねぇだろ!」

側近「知るか!つうかまだ諦めて無いの!?」

戦士「ばっか俺はもう開き直ったんだよ!もう一度振られたら怖いもんなんか無いんだよ!」

側近「無理よ無理モー無理無理絶対無理だからとっとと荷物纏めて帰れぇー!!」

戦士「いーじゃねぇかけちけちすんなよ昔は一緒に頑張った仲だろ!?NTR同盟の誓いを忘れたってのか!」

側近「止めてよその名前出すの!あれはもうアタシの中では黒歴史なんだから!」

ワーワーギャーギャー
609 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:34:20.66 ID:RQSPJ6Ugo
魔女「んぐんぐ……ゴックン。ところでマジな話君ら二人は何でまだここ居るのよ?別にあそこの子らと違って居座る理由は無いんじゃないのよー?」

僧侶「まぁ確かにそうなんですが……ほら、あの人達って見てて飽きないじゃないですか。自分に忠実に生きるってのが我が家の家訓なので、ここは家訓に沿って楽しもうかと」

魔女「まるで今とってつけた様な感じの家訓なのよー。ま、でもその意見には全面的に同意なのよ。私がここに居座りだしたのも同じ理由だしねー」

魔法「……私は僧侶が居る所に居る」

僧侶「何それ怖い」

610 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:34:47.21 ID:RQSPJ6Ugo
側近「星になれ!」ガッ

戦士「ぐほぁ!」

キラーン☆

側近「あ、ねぇねぇ魔王?」

魔王「ん?何、側近?」

側近「あ、あのね?その……えっと……この前メイド女に作り方教えてもらって、クッキー作って来たの。こ、これ……」

魔王「へぇ、それじゃ遠慮なく一つ……」

勇者「……ちょっと待った」

ワシッ

側近「あっ、ちょっ何すんのよ勇者!アンタにあげるなんて一言も――」
611 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:35:14.88 ID:RQSPJ6Ugo
勇者「魔法使い、口を開けろ」

ポイッ

パクッ

魔法「んぐ、んぐ……味と触感自体は通常のクッキーと言える。しかし、1割程媚薬と思わしき成分を検出。効能は十分に発揮可能だと思われる」

僧侶「なんで食べただけでそこまで分かるんですか……」

勇者「――だそうだが」

側近「…………ちっ」

魔王「『ちっ』ってえぇ!?側近は諦めてくれたんじゃ無かったの!?」

側近「ああ!?こちとら十数年間ずっと思い続けてたのよ!?んな簡単に諦められる訳無いでしょうが!一度振られたアタシにはもう何も怖い物なんて無いのよ!」
612 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:35:43.12 ID:RQSPJ6Ugo
戦士「お前人には散々言っといて結局はそれかよ!相変わらず横暴な奴だなオイ!」

魔女「うわ戻ってくるのはやっ!」

僧侶「最近またタフネスだけ無意味に上がってますね……」

勇者「……成る程、お前がそういうつもりなら――」

ヒョイッ

魔王「うわっ、ちょっと勇者さん!?これ所謂お姫様抱っこ、ていうか男女の立場逆じゃないですか!?何で僕が――」

勇者「魔王は頂いていく、悔しかったら追いかけてくるんだな!」

側近「なっ、んな事させるかぁ!つか『よろしく頼んだ』って言ったくせに勝手に連れてくなぁ!」
613 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:36:14.64 ID:RQSPJ6Ugo
勇者「私が言ったのは『仕事のフォロー』だけだ!それ以上は許さん!何故なら私は結構嫉妬深いからな!というわけで、仕事に差しさわりが無い程度にイチャイチャして来るぞ!ではまたな!」

シュタッ

側近「あ、こら待てぇぇ!!」

戦士「あああ待ってくれ勇者ぁ!俺を置いてかないでくれぇー!」

シーン…

僧侶「いやぁ、ホントに行っちゃいましたねぇ……」

メイ「ご夕飯までには戻ってくるでしょうか……」

魔女「大丈夫じゃない?根拠は無いけど」

魔法「僧侶、私達も」

僧侶「断固拒否します」
614 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:36:47.99 ID:RQSPJ6Ugo
魔女「……にしても、ありゃ手ごわそうだねぇ、側近ちゃん?」


側近「………………ぜ……」

魔女「およ?側近ちゃん?」

側近「絶対……」




側近「絶対に――」






側近「諦めないんだからぁぁぁぁ!!!」
615 : ◆UvWvU8FBew [saga sage]:2012/04/24(火) 09:53:43.47 ID:RQSPJ6Ugo
以上で最終回投下終了!

なんというか、最終回のくせに前と結局何が変わったって皆魔王城に居ついた事だけだったりするわけですが、
まぁギャグ物ですしね!こういうドタドタでバタバタな感じの〆も有りですよね!ね!←言い訳

という事で、ここまで読んでくださった読者の皆さん。有難う御座いました!
それと第二部を期待していた方はスミマセン、アレです。全てはネタをひねり出せない自分のポンコッツ脳が悪いんです。
まぁほら、それにアレですしね!これ以上続くと今以上にgdgdになりかねないですからね!←言い訳←俗に言う天丼

まぁしょーもない戯言はここまでにして、今まで乙してくれた読者の皆様もROMっていた読者の皆様に(……いるよね……いるのかな?)
再度の感謝を。有難う御座いました!。
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/24(火) 10:09:02.38 ID:RzED/7fIO
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/04/24(火) 11:30:44.93 ID:vff1w9JSo
第一部最終回期待
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/24(火) 14:19:28.06 ID:12JWEM5DO
乙!
面白かった!

別に続くんならいくらgdgdしたっていいんだぜ…?
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/04/24(火) 20:02:10.53 ID:7Th5tY76o
乙〜
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/24(火) 20:07:35.43 ID:sRtq+WTgo

別に第二部はネタを貯めて一月後とかでも良いんだぜ?
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/04/24(火) 21:36:54.31 ID:ZLq+pfjVo

第2部って次スレでもいいよ?
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/04/24(火) 22:17:22.75 ID:HwEg7VxRo

第二部が楽しみです(^q^)
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/24(火) 22:56:31.84 ID:H47Y0UzIO
乙!
とても楽しかったです。終わるのが惜しいですが…

媚薬作戦が成功して、少しいい夢見させてあげたかったなぁ、側近には。
(もちろん完全なセイコウには至らない)ドヤァ
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/04/25(水) 02:25:38.49 ID:CPnbWdulo

次回作も期待
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/04/25(水) 18:41:48.63 ID:aaVNca9Ro


二部も期待
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/04/25(水) 19:16:10.19 ID:xAQoAvz1o

第二部が楽しみ
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