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魔王「武器を下ろせ。お前と戦う気はない」その3 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/05/29(日) 09:37:29.27 ID:J9WjgtgHo
3つめのスレはこちらとなります。
当初の予想より長くなってしまい、私が一番驚いています。それもこれも全て読んでくださってる皆様のお陰です。本当にありがとうございます。(五体投地)

投下は6月上旬から再開できると思われますので、今しばらくお待ちくださいませ。
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/05/29(日) 09:44:17.87 ID:yRR9Y4lAO
おつへたれ
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/05/29(日) 10:28:36.73 ID:yUgq3YRBo
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/29(日) 23:36:50.03 ID:cVGl1fuco
もう
なんなんだよ
こんちくしょー

記念書き込み
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/05/30(月) 00:48:27.52 ID:na7gcTpAO
>>1
乙!
6 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/05/30(月) 04:27:32.34 ID:Sjtwkpkto
おわらないまま新スレだなあ。
つらいな。
おいおいへたれしっかりしろ!
つまらない新スレ立ててすぐ終わるのは。
かってな想像だが、
連作になるのだろうと期待。
今回は期待に応えたら許してやる。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/30(月) 11:39:53.04 ID:YrV2/RnDO
こういうのって
前スレ前々スレみたいなその1その2のリンク貼らないの?
8 :ニコラ ◆yLqVmM/bbY [sage]:2011/05/30(月) 11:50:25.14 ID:hpADGz+IO
>>7
前スレ
魔王「武器を下ろせ。お前と戦う気はない」その2
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294925865/

前々スレ
魔王「武器を下ろせ。お前と戦う気はない」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1290494799/
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/30(月) 12:10:15.69 ID:KE9sBqlSO
>>7
こいつヘタレだから仕方ない
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/05/30(月) 19:07:35.91 ID:ewApeOZEo
>>7
ヘタレが貼ると思ってんのか?
貼るわけないだろ
ヘタレなんだから
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/30(月) 22:55:21.26 ID:s6h43/tAO
スイカ
レタス
立つ
テリー
乙カレー
ヘリウム
タラおいしい
レンコンウマー
12 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/05/30(月) 22:58:16.14 ID:+qNSKwWNo
>>7
申し訳ございません。完全に忘れておりました。

>>8
ありがとうございます。参加者様に手伝っていただけるとは嬉しい限りです。

>>9-10
おっしゃる通りです。本当に申し訳ございませんでした。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/31(火) 01:46:51.74 ID:bBRVHE7AO
>>12
>>11だけどスルー?!ねぇ!
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/31(火) 07:48:03.06 ID:YMYCAXddo
自己主張カコワルイ
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/31(火) 23:31:19.79 ID:Mg6gMaoIO
6月上旬まで30分を切ったとか胸圧
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/04(土) 05:18:45.82 ID:sKRgKDtDO
まだかな
17 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/06/09(木) 01:39:34.32 ID:JKte4x/jo
投下再開いたします。ただ、異常なまでの短さです。色々諸事情があり、ネット接続どころか日常生活に少しばかり支障がでており、皆様にはご迷惑をお掛けしております。本当に申し訳ございません。(土下座) 本気で今年は厄年なんじゃないかと疑っております。
本来ならばもっと続けるべきなのですが、上記理由に加えてスレをまたいだ事もあり、従来の読者様参加形式に戻す事にいたしました。

修正等をしてみますと、ちょうど行動選択部分が目の前に来ておりましたので、そこまでの投下となります。レス数にして5レスあるかないかという阿呆みたいな短さでございますが、お納めください。

プロット上では本来既に終わってるお話だったのですが、何がどう作用したのか続いております。
期間が開きすぎておりますので、前スレの>>968から>>971を再投下した上でその続きを投下いたします。
18 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/06/09(木) 01:40:53.82 ID:JKte4x/jo

― 魔王城 大食堂 ―


魔王「では、ささやかではあるが愉しんでくれると嬉しい」

巽「ささやか……だと?」

鏑「豪華とかいうレベルじゃないですね」

侍「うむ……」

ニコラ「うっわー、美味しそうじゃない! いっただっきまーす♪」

ガルドス「モガモガ……うめぇ! さすがは魔王城!」

鏑「あの、お二人さん。マナーというものを……」

ニコラ「美味しいものは美味しく食べるのがマナーよ!」ギンッ

巽「目ぇ据わってやがる。鏑よ、深く考えずに俺達も食おうぜ」

メイド「侍様、皇国酒はいかがですか?」

侍「ふむ、いただこうか」

魔王「南の国から届いたワインなどもあるぞ。皆の者、今宵は無礼講だ。大いに呑み、食べるといい」

ニコラ「魔王サマありがと〜♪」モキュモキュ

ガルドス「うめー! うめー!」ガフガフ

鏑「私はこのような高級な食事をしたことはありませんでしたが、やはり美味しいですね」

巽「オレは学生時代に魔族大賢者様に連れられて一度高級レストランってのに行った事はあるが肩凝ってしょうがなかったな。侍さんは皇王付きの武士だったんだろ? こういうのは日常だったんじゃないのか?」

侍「拙者は旗本とはいえ末席だったからな。年に数度の大宴会の席では何度かいただいた事はあったがここまで豪勢なものは初めてだ」

魔王「皇国の食事も美味いな。ほら、何といったか……カウセキだったか?」

メイド「カンセキでしたような」

女神官「カイセキ、ですね」

魔王「それだな。懐石料理というのは見た目は質素であったが食器や盛りに工夫がされていて非常に美しかったし美味かったぞ」

侍「お褒めの言葉、感謝する。おっしゃる通り、懐石料理は素材の味を生かす調理法もさることながら、目で楽しめるという事にも重きを置いている」

メイド「また食べに行きたいですわね」

魔王「メイドはいつでも行けるだろう。侍殿が夫になるのだから」

巽「おいおい、魔王様公認かよ……」

鏑「それはそうでしょう。侍様が射とめたお相手は魔王様第一の側近と謳われるメイドさんなんですから」

メイド「あらあら」ニコニコ

ニコラ「それはいいけどメイドさん、侍さんから離れないわよね」モグモグ

ガルドス「夫婦ってのはあんなモンじゃないのか?」ガツガツ

巽「お前達わんぱくすぎ」

女神官「それで魔王様、ただの酔狂でこのような宴席を設けたのではないのではないですか?」

鏑「そうですね。それは私も引っかかっていました。何かお話があるのではないでしょうか?」

魔王「うむ、少々お主達に頼みごとがあるのだが、後で良い。今は食事と酒を楽しもうではないか」

侍「例の、件でござるか?」コソ

メイド「そうだと思いますわ」コソ

ニコラ「まぁまぁガルドスさんご覧になって! いちゃいちゃしてますわよ!」アラアラ

ガルドス「おやおや仲睦まじいですわねニコラさん」マァマァ

巽「お前達はどこに向かおうとしてるんだ」
19 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/06/09(木) 01:41:45.09 ID:JKte4x/jo

鏑「ニコラさんは既にワイン1本空けてますね。ガルドスさんも竜酒一本飲んでますからテンションあがってるんでしょう。巽さんはどうですか?」

巽「ブランデーでも飲むかな。鏑さんもほれ」

鏑「ありがとうございます」

侍「メイド殿は食べないのか?」

メイド「私はあくまでもメイドですのでこの場でご一緒するわけには参りませんわ」

侍「ふむ、仕事であれば已む無しか」

魔王「メイドも食べろと言っておるだろうが。お前のメイドとしての任はとうの昔に解いたはずだぞ」

メイド「ですが、私はやはり魔王様のメイドですので」

女神官「職業意識が高いわね。侍様は良い伴侶を見付けられたようですね」

侍「う、うむ……」テレ

ニコラ「甘いわぁ、甘すぎるわぁ。ガルドス、もっと呑みましょう」

ガルドス「おう。いくらでも呑むぜー!」


魔王「さて、食事も酒もたらふく堪能した、かな」

鏑「ごちそうさまでした。本当にありがとうございます」

巽「美味かったです」

侍「御馳走様でござった」ナムナム

ニコラ「ごっそさーん♪」

ガルドス「うっぷ……呑みすぎた……」

女神官「ニコラ様に合わせてぽんぽん呑むからですよ。解毒呪」フォンッ

ガルドス「……おぉ、酒が一気に」

巽「アレンジしてんのか?」

女神官「はい。二日酔いにも効果がありますよ」

巽「ほほー。便利だな」

鏑「魔法というのは基本さえ理解しておけばある程度のアレンジは効くんですね」

魔王「そうだな。火球の呪文でもアレンジ次第では炸裂させる事もできるぞ」

鏑「ということは、私が学院から賜った試験弓でも……」

魔王「ふむ、面白そうな案だな。明日にでも学院に言ってみよう。鏑殿のところまでフィードバックされるには時間がかかるだろうから、しばらくは今の弓を使ってみてくれ」

鏑「承知いたしました」
20 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/06/09(木) 01:43:02.14 ID:JKte4x/jo

鏑「ニコラさんは既にワイン1本空けてますね。ガルドスさんも竜酒一本飲んでますからテンションあがってるんでしょう。巽さんはどうですか?」

巽「ブランデーでも飲むかな。鏑さんもほれ」

鏑「ありがとうございます」

侍「メイド殿は食べないのか?」

メイド「私はあくまでもメイドですのでこの場でご一緒するわけには参りませんわ」

侍「ふむ、仕事であれば已む無しか」

魔王「メイドも食べろと言っておるだろうが。お前のメイドとしての任はとうの昔に解いたはずだぞ」

メイド「ですが、私はやはり魔王様のメイドですので」

女神官「職業意識が高いわね。侍様は良い伴侶を見付けられたようですね」

侍「う、うむ……」テレ

ニコラ「甘いわぁ、甘すぎるわぁ。ガルドス、もっと呑みましょう」

ガルドス「おう。いくらでも呑むぜー!」


魔王「さて、食事も酒もたらふく堪能した、かな」

鏑「ごちそうさまでした。本当にありがとうございます」

巽「美味かったです」

侍「御馳走様でござった」ナムナム

ニコラ「ごっそさーん♪」

ガルドス「うっぷ……呑みすぎた……」

女神官「ニコラ様に合わせてぽんぽん呑むからですよ。解毒呪」フォンッ

ガルドス「……おぉ、酒が一気に」

巽「アレンジしてんのか?」

女神官「はい。二日酔いにも効果がありますよ」

巽「ほほー。便利だな」

鏑「魔法というのは基本さえ理解しておけばある程度のアレンジは効くんですね」

魔王「そうだな。火球の呪文でもアレンジ次第では炸裂させる事もできるぞ」

鏑「ということは、私が学院から賜った試験弓でも……」

魔王「ふむ、面白そうな案だな。明日にでも学院に言ってみよう。鏑殿のところまでフィードバックされるには時間がかかるだろうから、しばらくは今の弓を使ってみてくれ」

鏑「承知いたしました」
21 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/06/09(木) 01:43:53.00 ID:JKte4x/jo
重複投稿になってた……サーバー混んでるみたいですね。失礼いたしました。
22 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/06/09(木) 01:44:34.98 ID:JKte4x/jo

侍「魔王殿、メイド殿が……」

メイド「くぅくぅ……」ムニャムニャ

魔王「寝てしまったのか。しょうのない奴だな。今までこのような事はなかったのだが、侍殿が傍に居るから安心したのかもしれぬな」

侍「拙者はそんなに大層なものではござらぬ」

魔王「そこのソファに寝かせてやってくれ。何か掛けるものは……」

侍「拙者の羽織を掛けておこう」ファサ

メイド「♪」ニコニコムニャムニャ

魔王「何か色々言いたいことがなくはないのだがまぁいいか。さて、皆の者。話があるが、良いか?」

鏑「もちろんです」

巽「はいよ」

ニコラ「ほいきた♪」

ガルドス「なんなりと」

侍「伺わせていただく」

魔王「北の遺跡についてだが、巽殿、そなたの意見を改めて聞かせてもらえるか?」

巽「あくまで推論の域を出ませんが?」

魔王「構わぬ」

巽「んじゃ……これは魔族大賢者様、賢者息子、そしてオレが今まで集めたデータや現地で見た事を全て統合して導き出した結論なんだが、あの遺跡はやはり竜の継承地と考えるのが妥当だと思う。理由はいくつか挙げられるが、似たような神殿全てを含めてこの形式の遺跡は竜の生息地に近い事や、それを護ってるであろう巨像の存在が挙げられる。この前は調べる事ができなかった奥の通路の先にあるものを研究すればこの推論は完璧になると思う。ただ、竜の秘密の深淵に近付く事はオレは危険だと考えている」

魔王「勇者に釘を刺されたか?」

巽「魔族大賢者様もですよ。全ての生物の命を掛けるなら調べてみろって話です」

魔王「あいつらしい」ニッ

ニコラ「おっかないわねぇ」

魔王「巽殿の推論は概ね間違えてはおらん。よくぞそこまで調べ上げたものだと感心すらしている」

巽「ありがとうございます。それと、侍さんから話も聞きました。魔王様は風竜になるおつもりだと」

魔王「なんだ、話してしまったのか。メイドめ」

侍「あいや、拙者が聞き出してしまったのだ。メイド殿に責はない」

魔王「まぁよかろう。その通りだ。私は以前から竜になる為の道を模索していた。その過程で遺跡の存在に着目し、調べ始めたのだが」

巽「ビンゴだった、というわけですね」

魔王「うむ」

侍「勇者殿を追うために、勇者殿への愛の為に、という事でござるな」

魔王「その通りだ。お主達が仲間の絆や家族への愛情を持っているように私と勇者ともう一人は切っても切れぬ絆で結ばれているのだ」チラ

女神官「……」ニコ
23 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/06/09(木) 01:46:11.85 ID:JKte4x/jo

魔王「頼みというのはこの事なのだが、お主達に協力を仰ぎたい」

ニコラ「協力? あたし達に?」

魔王「そうだ。どうやらこの件、お主達の協力なくては成就せぬようなのだ」

ガルドス「魔王様の為でしたら何なりと」

鏑「私達の任務は遺跡を守る事ですが、ここまで深入りしてしまったのです。こうなったら最後までお付き合いさせていただきます」

巽「よく言ったじゃねえか。俺も同じ意見だ。毒を食らわば皿までっていう言葉もあるしな」

侍「どれだけの力になれるかはわからぬが、拙者も助太刀させていただこう。メイド殿の頼みでもあるからな」

ニコラ「あたしはまぁどっちでもいいんだけど、面白そうだから賛成」

魔王「すまないな。心から感謝する」

鏑「魔王様、私からもお耳に入れておきたい事があります」

魔王「何かあったのか?」

鏑「大統領閣下より私達パーティに勅命が下っております。『遺跡を聖王国管轄下に置け』との事です」

魔王「やはりそう考えるか。大統領殿の考えも決して間違いではない。間違いではないのだが……」

巽「俺達もその件でちと揉めたんですよ」

鏑「お恥ずかしい」

魔王「何を言う。私と勇者と女など四六時中言い合いをしていたぞ」

女神官「……」アハハ

鏑「ですが、私達は魔王様と同じ意見を持つに至りました。騎士団には調査を続行すると伝えております」

魔王「ふむ、少しばかり急がねばならぬかもしれんな」

ニコラ「どういうこと?」

女神官「そういうことになりますね」

巽「……鏑、急いで戻ったほうがよさそうだぞ」

鏑「どういうことですか?」

女神官「私達だけであの遺跡を管理下に置く事は難しいと思いませんか?」

ガルドス「そんなにでかくはないけど、俺達だけだったらちっと手に余るとは思うが」

ニコラ「っていうことは……」

侍「……」コクリ

巽「騎士団本隊が動く」

鏑「今すぐ遺跡に向かいましょう。ニコラさん、魔族大賢者様に連絡をお願いします」

ニコラ「りょーかい。先に行くって伝えれば良いのね」

魔王「私も行こう。引継ぎは終わっているし、あとの細かい事務仕事は碧に任せればどうとでもなろう」

メイド「すぐにご用意をいたします」ムクリ シュッ

ニコラ「起きてたの? それとも起きたの?」

ガルドス「追求するな」

バタン!

メイド部下「魔王様、大統領閣下がおいでです!」

魔王「なんだと? 一体何の用で……」
24 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/06/09(木) 01:46:54.54 ID:JKte4x/jo

巽「北の遺跡の事……ですかね」

鏑「タイミングから考えるとそれが妥当かもしれませんが、動きが早すぎないですか?」

ニコラ「鏑の報告が信用ならないって事? でもそんなのありえないわよね?」

ガルドス「魔王様、いかがしましょう?」

魔王「わざわざ来ているのだ。会わないわけにはいくまい。お前達は先に北の遺跡……いや、風竜の神殿に向かってくれ」

巽「確かにその言い方のほうがしっくりくるな」

鏑「了解しました。大統領閣下の動きを考えれば騎士団の本隊が既に到着している可能性もありますが、その場合はいかがしましょう?」

魔王「とりあえず時間を稼げ。私もすぐにそっちに向かう」

ニコラ「時間を……ってねぇ」ドウシヨウ

ガルドス「やるしかあんめぇよ。オレは魔王様の為ならお尋ね者になろうが何だろうが一向に構わねぇよ」

侍「拙者にとっても魔王殿はメイド殿の上官。ひいては拙者の上官でもある。その命、我が命に代えてでも達成しよう」

メイド「侍様、くれぐれもお気をつけて」

魔王「命までかけなくてもよい。なんとか時間を稼ぐ方法を考え出せ。わかったな!?」

巽「了解です。行こうぜ」

鏑「はい。ニコラさん、転移杖をお願いします」

ニコラ「りょーかい。んじゃ、いくよー。転移呪っ!」ヒュォッ
25 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/06/09(木) 01:52:29.49 ID:JKte4x/jo

― 魔王城 謁見の間 ―


魔王「待たせて申し訳ない、大統領殿」

大統領「いえ、こちらこそ急に面会を申し出てしまって申し訳ない」

魔王「して、用とは?」

大統領「既にお耳に入っているかとは思いますが、北の遺跡の巨像についてです」

魔王「耳にしている。大統領殿はあれを聖王国の物としたい、と?」

大統領「その通りです。もちろん、あれを使って他国を侵略などとは考えておりません。誤解なさらないよう」

魔王「しかしだな、あの巨像を支配するのは不可能に近いと思うぞ」

大統領「何らかの方法があるはずです。既に賢者の学院にも協力要請を出しました。魔王殿にもご協力願いたい」

魔王「う、うむ……だがな」

大統領「そして、この目的達成の暁には貴女に正式にプロポーズをさせていただきたいのです」

魔王「大統領殿、その件については先日丁重にお断りしたと思うのだが」

大統領「私は諦めません。貴女のような聡明で美しい女性を今まで見た事もない。私の心は貴女に奪われたままなのです。どうか私の申し出を受けていただきたい」ジッ

魔王「も、申し訳ないが私には心に決めた者がいるのだ」

大統領「勇者殿、ですか」

魔王「その通りだ。大統領殿のお言葉を借りるならば、私の心はあやつの物なのだ」

大統領「ですが、勇者殿は既に……」

魔王「そ、それはそうなのだが……」

大統領「勇者殿を貶めるつもりはありませんが、彼はすでに亡き者。今を生きる魔王殿にとっては過去の人物ではありませんか?」

魔王「そんなことはない! 現に……」

大統領「現に……?」

魔王「……なんでもない。だがな、私は勇者以外の男性と親密になる気はないのだ。どうかわかっていただきたい」

大統領「……そう、ですか」シュン

魔王「申し訳ない。北の遺跡の件については私もこの後直接出向いて調査を続行する。巨像を支配下に置くというのは不可能に近い事だとは思うが、調査結果は伝えよう」

?「閣下、お気を落としませんように」ソッ

魔王「何者か?」

大統領「申し遅れました。この者の紹介もあってこちらに来たのです」
26 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/06/09(木) 01:57:04.24 ID:JKte4x/jo

?「お初にお目にかかります、魔王様。大統領閣下より宰相の任を命ぜられました、宰相と申します」フカブカ

魔王「ふむ、大統領殿お一人ではやはり多忙極まりないか」

大統領「お恥ずかしい限りですが、身体が2つ欲しいくらいだったのですよ。この者は賢者の学院出身で、卒院後は東の国で政治学と経済学を修め、昨年聖王国に戻って議会の補佐として働いておりましたが、その能力の高さから昇進を続け、本日付で宰相に抜擢いたしました」

魔王「ふむ、色々と苦労をかけると思うがよろしく頼む」

宰相「こちらこそよろしくお願いいたします、お美しい魔王様」ニコ

大統領「では、本日のところはこれにて失礼しよう。北の遺跡以外の事でもいくつか魔族側と協議が必要な事柄がありますので、また明日改めて訪問させていただくとしましょう」

魔王「承知した」


メイド「お疲れ様でございます」

魔王「大統領殿の押しの強さはどうにかならんものかな」ツカレタ

メイド「ですが、男性としては魅力的な方ではあるのかもしれませんね」

魔王「なんだ、侍殿より大統領殿のほうが良いのか?」

メイド「いえ全く」キッパリ

魔王「ふふふ。お前も変わったな」

メイド「そうでしょうか?」

魔王「伴侶を持つという事は大切な事だぞ」

メイド「確かに素晴らしい事だとわかりましたが、私は魔王様の忠実なる下僕である事は二度と忘れません」

魔王「まだ皇国での事を気に病んでるのか。もう100年も前の事だぞ」

メイド「まだ100年でございます」

魔王「お前はよくやってくれている」ナデナデ

メイド「ありがたきお言葉」ニコニコ

魔王「しかし、足止めされてしまったな」

メイド「政策協議となれば魔王様が出ないわけには参りませんものね」

魔王「やむをえん。風竜の神殿に関してはあやつ達に任せるしかあるまい。時期が来れば嫌でもわかるそうだからな」

メイド「承知いたしました」
27 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/06/09(木) 01:59:09.22 ID:JKte4x/jo

― 風竜の神殿 (旧称 北の遺跡) ―


学院生徒「みなさん、大変です! 先程騎士団の方がこんなものを」

鏑「やはり本隊が動いていますね。賢者の学院関係者を含む遺跡に関わる者は一時作業を中断して明後日の朝に到着する本隊受け入れの準備をすすめろ、という内容です」

ニコラ「旧賢者の町に本隊が来てるってこと?」

巽「本隊つっても100人くらいだろ。全部が来てるわけもないだろうし、末端に近いと思うぞ」

鏑「どうでしょうね、巨像の事を考えると精鋭部隊が入っていると思ってもおかしくはありません」

女神官「タイムリミットは2日もないと思います。急いで調べ上げなければいけませんね」

ニコラ「んじゃ早速だけどこの前のトコまで入る?」

鏑「そうしましょう。時間が惜しいです」

ガルドス「でかい荷物は俺が引き受ける。急ごうぜ」

学院生徒「その件なのですが、問題が起こっています」

巽「問題?」

鏑「既に小隊が中に入っているのですか?」

学院生徒「いえ、そうではなく……」
28 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/06/09(木) 01:59:48.80 ID:JKte4x/jo
― 巨像の間 ―


侍「これは……」

巽「問題ってのはこのことか」

ガルドス「おいおい、一斉にガン飛ばされてるぜ、オレ達」コエー

ニコラ「うわー、おっかない」コッチミンナ

鏑「巨像4体が動き始めている、ですか。にわかに信じ難かったですが、目の当たりにすると余計に信じ難い出来事ではありますね」

巽「3メートル級だけでも厄介なのに、まだ動いてない中央の5メートルは尚更だな」

ニコラ「魔王様の到着を待って上級魔法で吹き飛ばしてもらう?」

女神官「それは無理かと思います。こんな所で上級魔法を使ったら遺跡ごと崩れ落ちる可能性がありますね」

鏑「戦いを回避しつつあの通路に飛び込む事ができれば良いのですが」

ガルドス「ちょっと無理臭くねぇか? 通路を塞ぐように立ってる奴もいるぜ」

ニコラ「見たところ、剣で斬りつけたとしても大してダメージを与える事はできないんじゃない? 何つったって石造りだし」

ガルドス「そういや聞いた事があるけど、皇国のブシってのは岩すら切れるんじゃなかったか?」

女神官「侍様の刀と技量であれば可能だと思いますけど」

侍「できたとして3回が限度だな。それ以上は刀身がもたぬ」

鏑「報告では部屋の中に入った時から巨像が襲い掛かってくるようです」

ガルドス「オレが飛んで囮に……っても無理だな。3体もいりゃどれかが気づいちまう」

ニコラ「フルボッコにされちゃうわね」

鏑「これも試練の一部、ということでしょうか?」

巽「魔王様のか? とはいえこれは無理すぎんだろ」

ニコラ「どうする? 気合入れて全力ダッシュ?」

女神官「それは少し危険だと思います。巨像のどれかに踏み潰されてしまうのがオチじゃないでしょうか」

巽「そうだ。ニコラ、爆弾って作れないか?」

ガルドス「吹き飛ばすのかよ。豪快だな」

ニコラ「残念だけど専門外ね。簡単な花火程度なら作れなくはないけど、本格的に火薬を使った爆弾になるとからっきし。調合割合とかもわかんないし、何より材料もないわ」オテアゲ

鏑「どうしましょうか……」

ガルドス「動きを止める事ができりゃ良いんだがな、どっかにスイッチみたいなのないか?」

ニコラ「そんなのあったらもう見つけてるんじゃない?」

巽「仮にあるとしたらやっぱり未調査のあそこしかないだろうな」

鏑「通路の先、ですか」

ニコラ「とりあえず、一旦入り口まで戻ろうよ。いつこっちに襲い掛かってくるか心配で頭も回らないわ」

鏑「そうですね。一度引き上げましょう。魔王様も来られるはずですからお知恵を拝借してみましょうか」

巽「大統領さんと話し合いだろ? 時間かかるんじゃねぇか?」

ニコラ「そうかもしれないわね。やっぱりあたし達で考えるしかないんじゃない?」

鏑「わかりました。ひとまず戻りましょう」
29 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/06/09(木) 02:06:36.50 ID:JKte4x/jo

ここまでとなります。短すぎます。死ねば良いですね。


本題。
参加者様の皆様にはいかにして巨像群を抜けるか、という方法を考えていただきます。道具等は大抵の物はありますが、あくまでファンタジーの世界に存在する物のみでお考えください。銃器や大型火器などは当然存在しませんので、あしからず。
騎士団が到着するより前に魔王が現地入りする事はないと考えていただいて結構です。
今回もパーティの統一意見としてリーダー役の鏑様が最終回答をご提示くださいますよう、お願いいたします。


回答期日に関してですが、1週間〜2週間程度を目安にしようと考えております。最終回答がそれより早ければその時点から書き溜めを再開し、極力早い時期に投下再開できるように努力いたします。


質問等ございましたら出来る限り早い回答をいたしますので、お気軽に書き込みください。

それでは、皆様にほんの少しでも楽しんでいただければ心より嬉しく思いつつ、本日のところは失礼いたします。(土下座)
30 :ニコラ ◆yLqVmM/bbY [sage]:2011/06/09(木) 08:39:05.51 ID:t9vkBNlIO
わーい、久々!
乙々です

ニコラ「転移杖は一度行った場所にしか使えないのよね……」ドウシヨウ

ニコラ「そのまま通り過ぎるのは無理そうだし」

ニコラ「何とかして像を無力化する必要があるわね」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/09(木) 10:36:03.84 ID:fRsO4XXDO
>>29
>[ピーーー]ば良いですね。

ヘタレのSS好きだし完結まで待ち続けるけど
ネタでも平気でこういう発言するヘタレは嫌いだ

偽善者でも何でも俺叩いて良いけど
そういう発言は今後やめろよ

後もうひとつとても大事な事がある
魔王は勇者、メイドは侍、残す女は勿論、俺だよな
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/09(木) 11:06:05.17 ID:fRsO4XXDO
書き忘れたが
sagaはあえて入れないでピーにしてあるから良く考えて
33 :侍@カイクロ [sage]:2011/06/09(木) 11:15:31.68 ID:kNxzUsZIO
ヘタレ殿の日常生活を大事にすべし。
別に投下を待ち望んでないぞ///

また、>>31殿の前半部分には同意。

さて、侍の立場や立ち位置を無視して、
まず私が最初に思ったのは騎士団に突入させて、巨像との弱ったところを無力化して心配を排除…
これは、騎士団への対処である上、鏑殿にに反対されるだろうし、巨像への対処法でも無い。
以上戯言でした(謝罪)

さて、どうしたものか இ
34 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/06/09(木) 11:16:42.89 ID:kNxzUsZIO
また酉に@マーク使いました。
平にすみません。
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/09(木) 11:30:29.58 ID:3miwvGcSO
ヘタレがヘタレなのはもう仕方ないだろ

それ込みで楽しみにしてる奴だっているだろうし
つまり俺のこと
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/06/09(木) 18:11:30.30 ID:1wlBSZmlo
おいへたれ!
これをやろう

つ「針山座布団」
つ「石のひざ掛け」
つ「石焼絨毯」
つ「△木馬」

これでさっさと[ピーーー]俺もこのSS完結したら後を追うから
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/06/09(木) 21:38:21.89 ID:IpKd2gB9o
ニコラ「様は石像があたしたちに害を及ばせない様にすれば良いのだけれど」

壊す→要考慮。3回まで侍さんが壊せるけど、以降侍さんの戦力が落ちる
どこかに杭とかで固定→無理。石像凄いパワーありそう
こっそりばれ無い様に行く→難しい
陽動→上に同じ
石像のカラクリを止める→石像のカラクリが謎だから出来てたら苦労しない

ニコラ「だから、『一時的にでも石像があたしたちの事を感じ取れなくなる様にする』のが最善手だと思う」

ニコラ「仮に石像が私たちの事を『視て』感じてるなら煙幕とかが有効そうだしね」


38 :ニコラ ◆yLqVmM/bbY [sage]:2011/06/09(木) 21:41:32.57 ID:IpKd2gB9o
おっとトリップつけ忘れた
>>37は俺だ


天井崩して石像を動けなくさせるなんて妄想したけど
崩れた道を掘り返してる内にタイムリミットが来そうなのでボツ
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/06/09(木) 22:41:31.70 ID:JZZPRuFOo
石像に違うものを見せるってのは?
石像の一体に人の気配みたいなのをかぶせるとか
40 :タツミ ◆Ddyke7B1QA [sage何のために俺がいるか判ってるかニコラ]:2011/06/10(金) 02:23:34.64 ID:0yuET2/do
…侵入者の気配がどのようなものであれ確実に察知されるのならば「“練習用式神”による陽動」が一番手っ取り早くないか?

今回の作戦において必要なのは“如何にこちら側の被害をなくすか”
ここに過剰なスピードやパワーは不要。俺の半径20Kmが「練習用式神の最大行動範囲」だから遠隔地から様子を探ったりする事が可能だろ?
式神につられてホイホイ出てきた所で全く関係ない所へ誘導してしまえばおk。だろ?

あとはもう一つ…「出来ればいいなぁ」程度だから策と言う訳ではない。

【陽動で引っ張り出した石像を“故意に騎士団にぶつける”】

石像の存在理由は「侵入者の排除」だろ?
騎士団は今回の件で考えれば確実に(悪意の有無を抜きにして)侵入者以外の何者でもない訳だ
石像と騎士団がかち合えばどうなるか…考えるまでも無いんじゃないか?

↑これに関しては本当に「可能ならやった方がいい」程度。出来ないなら出来ないで構わない
出来てしまえばタイムリミットの期間が2日を余裕で超えてくれるんだが…まぁ多くは望むまい

…鏑に反対されるだろうしな…


ただ、この件(陽動作戦)に関して問題点ががが

「遺跡内部で転移呪や縮地ってつかえる?」

使えない場合は天神様の細道よろしく「行きは良い良い帰りは怖い」なんだが…
だって「式神の出発点は(このパーティに限っていえば)常に俺」なんだ
外へ注意を引き付けたいのに内部から出発ってそれなんて無理ゲー
41 :ニコラ ◆yLqVmM/bbY [sage]:2011/06/10(金) 12:28:09.43 ID:lf84MIzIO
>>39>>40を組み合わせて
練習用式神を一つの石像にまとわせて、同士討ちを狙う
最後に余ったのは侍さんに切って貰う
というのはどうか……?


……まとわりつく前にぷちゅって潰されそうな気がして来た
42 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/06/10(金) 17:34:52.87 ID:M1k8jtsio
皆様こんにちは。
先日の私の書き込みで一部不適切な表現があり、ご覧になられた方のご気分を害してしまいましたことをまずはお詫びいたします。
本当に申し訳ございませんでした。以後、気をつけます。(土下座)

>>40
>「遺跡内部で転移呪や縮地ってつかえる?」
使用可能です。某ドラ○エのル○ラのように、使ったら天井に頭をぶつけるという事はありません。
使用不可能地域は結界が張り巡らされている場所となりますが、転移呪(勇者のみ使用可能)、縮地(陰陽術)と、両方とも正直なところ聖王国ではマイナーな魔法(術)となっておりますので、対転移・縮地結界を展開できる技術がほとんどありません。
前魔王の結界や魔王が作り出す結界(未登場)、龍が作り出す結界なら可能にはなりますが、遺跡内部では今のところ使用可能となっております。


侍様の刀で巨像を斬る、という件ですが、侍 ◆Nx3L9vlr様の設定によると、無銘の大太刀と小太刀と書いておられましたので、刀身が保たないのではないかと私は勝手に考えて3回が限度とさせていただいております。
必然的に限度を超過してしまうと、刀身が折れる、ないしは刃こぼれしてしまい、その後の侍様の戦闘力が格段に落ちてしまうというデメリットにご注意いただければ、と思います。
43 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/06/10(金) 19:02:48.82 ID:HblJ1voIO
>>42
侍です。
侍は、失意のうちに(無意な投げやりな気持ちで)皇国を去ったため、家宝や下賜された銘刀は皇国に置いてきてしまっています。
ですから、無銘の大太刀と小太刀はそれなりの性能でしかなく、刀身が保たないとのヘタレ殿の想像通りです。
44 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/06/10(金) 21:52:39.19 ID:HblJ1voIO
縮地が可能なら、騎士団の到着に合わせて遺跡内部に縮地や転移呪で侵入して、騎士団を挑発してから、すぐに奥へ向かう

偵察用の式神が使い捨てできるなら、騎士団の動きを把握するために挑発後はそれだけ残してもいい

追いかけようとした騎士団を巨像が阻むと言う寸法ではいかがだろうか?


後は、騎士団を囮にするのに鏑殿はいかが思うのか聞きたい。
45 :タツミ ◆Ddyke7B1QA [sage]:2011/06/11(土) 09:48:26.11 ID:QdkGvzVKo
>>41
練習用式神を呪符以外の何かに降ろした事はまだ無い。つまり「何が起こるか全くの未知数」
石の巨像に呪符としての刻印があれば意図した行動を起こせるんだろうがそこまで調べ上げる余裕は無かった
今から調べる?呪符の刻印に関しての資料(広辞苑1冊分程度ある)プレゼントするからやってくれば?ぷちゅって潰されたいならどうぞ


>>44
縮地にしろ転移呪にしろ俺の場合「ピンポイントで此処に行く」ための精度は“その場所に対する印象の強さ”と“訪問回数”の平均値に比例する

印象の強さで言えば「遺跡の最奥到達部<巨像群のあった部屋」だから下手すれば「転移呪等で移動した先が巨像の真正面」と言う事がありえる

現時点では「脱出用に縮地や転移呪を使う」と言う方法に限定したい


偵察用の式神を使い捨て…常に5・6枚の呪符のストックはあるから出来なくは無いな…
呪符1枚あたり聖王国銀貨3枚ほどのコストが掛かってるから出来れば回収したいが…
46 : ◆MlrGn9DGd2 [sage]:2011/06/11(土) 23:03:06.28 ID:tYSx0wQIO
みなさまお疲れ様でございます。


手前まで言っても話し合える程度には
膠着状態が続いている、ということであれば
なんらかの条件によって迎撃をしてくる、と考えることが出来るかと思われます。
もちろんどんなに長く見積もっても
2日間、と時間はありませんし
スイッチ的なものを探す班と
巨像に関してトライアンドエラーで
調査をする班、なんて別れて見るのも
ひとつ、手かなと思います。

加えて、スイッチを見つけることが出来たなら
騎士団本隊が到着してからでも
足留め、時間稼ぎになり得るかとも期待できます。
ま、今後の暮らしは魔王様に頼ればなんとかなるでしょうし、その辺りも柔軟にかんがえてみようかな、と思います。

長々と書きましたが
以降もみなさまにご意見頂きながら
行動決定していけたらとおもいます。

47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/06/14(火) 02:53:49.36 ID:bXguclpr0
ちょっと噂を小耳にはさんだ学園生徒ですが、
パーティーの皆さまの行動とは別に、騎士団本隊の末端兵士の方から
「あの遺跡は四竜、ひいては黄金龍に関わる物で、下手に手を出すと世界の存在すら危うい」
なんて噂を流したら少しは時間稼ぎというか、牽制になりませんかね?
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/14(火) 08:04:48.56 ID:VC7ylUXDO
俺さ
まだ侍さんのせいで電車内で声出して爆笑して恥ずかしい思いした件で
魔王にも女にもメイドにも慰めてもらってないんだ
参加者の行動待ちの間に期待してるんだがいっこうに気配がない
所詮ヘタレだもんな
ヘタレには無理だよな
なんたってヘタレだもんな


俺「ジー・・・・・・」トオクヲミツメル
49 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/06/14(火) 10:05:53.57 ID:66iFzmZvo

魔王「>>48殿、気に病むでない。>>1などは電車内でVipのまとめブログを読んでは笑いをかみ殺すのに日々必死だ」

女「電車内で爆笑してる人って時たまいるわよね」

メイド「笑えるという事は良い事ですわよ」

卯「どんまいです!」ガッツ
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/14(火) 11:50:41.63 ID:VC7ylUXDO
やっぱり流石ヘタレだ!
卯まで慰めてくれるとは俺歓喜!

今移動中に見てニヤニヤしてハッと周りを見回したのは内緒な
51 :ニコラ ◆yLqVmM/bbY [sage]:2011/06/20(月) 14:03:29.54 ID:unHIfiSIO
>>40
有力そうなので推しておきます
52 :カムラ ◆MlrGn9DGd2 [sage]:2011/06/21(火) 21:52:58.01 ID:NkTmfpKho
>>51
了解でふ
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/28(火) 02:33:32.65 ID:5VW6Y4q40
おいヘタレなにやってんだ
いつもノロマ更新しやがって
つい忘れちゃうじゃねぇか
いったいどういうつもりだ?
たかがSSだろうが

ガキじゃない
んだからさっさと書け
バカ野郎が!
れんこん
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/01(金) 22:11:15.64 ID:dpq8oeoDO
回答の目安期間とっくに過ぎてない?
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/07/02(土) 01:29:37.81 ID:C1ZUl/DVo
仕事忙しいんじゃね?
リアル優先は仕方ねーよな。でも早く書いてくれよ

ガルドスさんも早く帰ってきてくれよな
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/02(土) 21:23:58.56 ID:ocwUCHoIO
もう書かなぃみたぃだから乗っ取らせてもらぅね(^-^)/近ぃぅちにみなさんが満足できるような続きぉ書ぃてきちゃぃます♩ぉたのしみにー*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
まぉぅはだぃとぅりょぅにNTRがよぃかな♪───O(≧∇≦)O────♪
あとでトリつけちゃぅょ(^-^)/
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/02(土) 22:37:02.40 ID:LH8GrNnho
>>56
              \   ∩─ー、
                \/ ● 、_ `ヽ
                / \( ●  ● |つ
                |   X_入__ノ   ミ 俺は釣られないクマ ・・・
                 、 (_/   ノ
                 \___ノ゙
                 / 丶' ⌒ヽ:::
                / ヽ    / /:::
               / /へ ヘ/ /:::
               / \ ヾミ  /|:::
              (__/| \___ノ/:::
58 :ゅぅゅ ◆p1chem/6sc :2011/07/03(日) 00:22:54.97 ID:ZFR9WiKIO
ゃほ*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
トリつけたょ〜
辛相ってなんてょむの?ょむの?だいぢなことだからにかぃぃったょ⊂((・x・))⊃
へたれしゃんが書かないからゅぅゅがぃっしゅぅかんごから書くにょ〜@(・●・)@
ぉったのしみにゃ〜♩
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/07/03(日) 07:02:43.18 ID:fd2lOxOm0
>>58
No thank you
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/07/03(日) 10:28:14.46 ID:Fa1tZ+4+o
クソコテはNGですっきり
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/07/03(日) 15:16:02.94 ID:/XFcwoiAO
久しぶりに来たら変なのが湧いてた

ヘタレ早く帰ってこい!
62 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/07/03(日) 15:42:09.83 ID:BQIDiLvIO
同意
63 :ゅぅゅ ◆p1chem/6sc :2011/07/03(日) 22:58:00.20 ID:d2ups4XIO
みんなはろ〜@(・●・)@
へたれしゃんこにゃいにゃ〜ん。・°°・(>_<)・°°・。
もぅ書いちゃぅ?ちゃぅ?
デモまだぉぁっけだよ〜ん(=´∀`)人(´∀`=)
まぉぅがだぃとぅりょぅにNTRしぃんかんがぇてるんだぉ\(//∇//)\はっかすぃ〜\(//∇//)\\(//∇//)\\(//∇//)\\(//∇//)\
へたれしゃんおちゅかりぇしゃまでちた(^-^)/ぁたしがんばるにょ(=^x^=)
64 :ゅぅゅ ◆p1chem/6sc [sage]:2011/07/03(日) 23:01:22.50 ID:d2ups4XIO
ねぇねぇ辛相ってにゃんてょむのかぉしぇてょぉ
ょみかたわかんにゃいにょ。・°°・(>_<)・°°・。
むっかすぃ漢字はダメダメだょー!((((;゚Д゚)))))))
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/03(日) 23:35:38.98 ID:fcLbUUyF0
ヘタレさっさとこいよ まじで

楽しみにまってるんだ 俺は
66 :ニコラ ◆yLqVmM/bbY [sage]:2011/07/04(月) 00:55:12.69 ID:QfSEsykdo
むしろ参加陣が早めに結論出すべき
自分は>>51同様>>40に賛成です

ニコラ「バレなければ悪事も犯罪じゃないのよ」エヘン
67 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/07/04(月) 01:34:34.58 ID:oKbzQ6+Bo
>>66
ニコラ殿失礼した。ご指摘感謝。
同じく>>40に賛成で御座る。
68 : ◆MlrGn9DGd2 [sage]:2011/07/04(月) 16:11:06.00 ID:Qr6NzMpuo
じゃそれで決まりと言うことで

…ガルドスさんを待ちたい自分がいたのですが、そんな勝手は許されませんよね。
69 : ◆JbHnh76luM [sage]:2011/07/04(月) 19:06:23.86 ID:yAi9l1cIO
行動決定なさったみたいですね

皆様お久しぶりです。もう土下座とかいうレベルを超越していますので素直に謝罪いたします。申し訳ございません。

進捗状況:既に書き溜めは開始しております。四月から何かの奇跡かはたまた悪夢か、役職がついてしまい、ネットどころか書き溜めすらままなっておりません。
短い暇を見付けてはネタをメモ帳に書き留めたりしておりますが、なかなかまとめて書く時間が取れないのが現状です。

可能な限り早く皆様のお手元に届けることができるよう、努力を重ねてまいります。

>>ゆうゆ様
宰相は「さいしょう」と読みます。意味はググってください。
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/07/04(月) 19:08:39.56 ID:/GwUaGiAO
ヘタレおつかれ

変な奴の相手なんてわざわざしなくてもいいぞ
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/04(月) 19:23:48.07 ID:LR8J7BOIO
役職がついたってことは昇進したのか
おめでとうございます
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/04(月) 19:42:58.06 ID:fhUO6GMjo
お前がヘタレだからしょう……しん……だと!?
だがお前がヘタレなのに変わりは無い!!
両立頑張れよ、それごほうびだ
つ「△木馬」
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/04(月) 20:08:07.23 ID:u521BLDno
ヘタレ昇進おめー!
部下は上が率先してビクンビクン仕事すると、その背中見てハァハァしながら育つお
串刺しするように筋を通して、多くは語らないのが高級社畜の指標さ
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 08:18:46.79 ID:DG4RD+DSO
ヘタレが……昇進だと……?
75 :ゅぅゅ ◆p1chem/6sc [sage]:2011/07/05(火) 11:32:36.64 ID:FuSTPwZIO
大「キミの瞳が美しすぎる!」
魔「そんな\(//∇//)\」
大「やっぱり好きなんだっっっっ!キミが欲しいんだっっ!♪───O(≧∇≦)O────♪」
魔「ややめてっっっ!わたしには勇者が!!!⁈」
大「オレサマが忘れさせてあげるよ……っ!」
魔「あー!」




どぅかな?どうかな?へたれしゃんょりぅまくなぃ?ゅぅゅてんしゃぃ!♪───O(≧∇≦)O────♪
続けちゃうね??\(//∇//)\
まぉぅはNTRがいいよね?\(//∇//)\\(//∇//)\
へたれしゃんもう書かなぃょね??
ゅぅゅが書ぃてもぃーょね?*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
ガッコぉわったりゃ書くからぉたのしみに(=´∀`)人(´∀`=)(=´∀`)人(´∀`=)
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 13:01:31.69 ID:gc/gTo/Qo
>>75
どうぞ、このスレでなく自分でスレ立ててから、そっちで勝手にやって下さい
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 13:53:39.58 ID:DG4RD+DSO
>>75
いい加減にしろ
勝手にスレ立てて別でやれ
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 14:09:01.97 ID:6/ciuigIO
スルーしようぜ
文才以前に漢字読めないヤツがスレ汚すだけだw
79 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/07/06(水) 00:33:15.75 ID:6NP/YpF0o
皆様こんばんは。久しぶりにPCからの書き込みです。先に謝罪しておきますが、投下はまだできる状態ではありません。申し訳ございません。(土下座)

>>71-74
お祝いのお言葉と罵りのお言葉ありがとうございます。
昇進はしたものの、立場がややこしくなっただけで睡眠時間と書き溜めの時間が削られたというデメリットしか出てきておりません。昇進したくなかったというのが本音です。

>>75
1.感嘆詞(!や?)のあとには半角スペースを入れたほうがいいです。
2.文中で顔文字を使うと読みづらくなるのでお勧めしません。
3.『大』『魔』などの省略は新規の方にとってわかりづらくなってしまうため、やめておいたほうがいいと思います。
4.数行しか書いておられませんでしたが、たぶん熱血ギャグ系統なら面白いものを書けるんじゃないかと勝手に想像しました。どんな出来にせよ、「書ける」というのは一種の才能ではあると思いますので、語彙を増やして、色々な本を読んでからもう一度チャレンジしてみてください。
遅い上に下手な私が言っても説得力がありませんね申し訳ございません。スレが荒れてしまう原因となってしまいますので、今後ゅぅゅ ◆p1chem/6sc様へのレスはしない方向にさせていただきます。私の不甲斐なさが原因でございますので、どうぞご溜飲をおさげくださいますよう、お願いいたします。


改めまして、このスレを見守ってくださっておられます皆様に私のせいで不快な思いをさせてしまった事を心よりお詫び申し上げます。
今後は投下ができない場合でも定期的に生存報告だけはさせていただきますので、何卒「この糞ヘタレが。ぐだぐだ言ってる暇があったら早く書けよ△木馬じゃ足りないのか? あぁん?」という罵詈雑言と共にお待ちいただければ、と思います。
皆様には本当に感謝の言葉がございません。ありがとうございます。
先日も書きましたが、可能な限り早い段階で再開できるようにいたします。(針山土下座)
80 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/07/06(水) 00:42:27.30 ID:7W4P2Wlpo
この糞ヘタレ殿が。
云々申しているいとまがあったなら、
早々に筆をお持ちなされ。
△木馬や吊るし鎖は野蛮で嫌いでござるが、待ち切れなく候。
81 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/07/06(水) 00:43:18.23 ID:7W4P2Wlpo
こっ、こうですか?
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/06(水) 01:16:18.15 ID:f2UTBw5Yo
侍殿、それでは手ぬるいでござる。
ここに、糖蜜と蟻壷を追加で用意したでござる。
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/06(水) 20:02:37.50 ID:VvmRGGrGo
侍殿、せっかくだから蝋燭も用意したでござる
扇風機を改良した旋風鞭(扇風機の羽を鞭にしただけww)も用意したでござる
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 00:30:34.58 ID:hInpTgnBo
これは扱いが少し難しいでござるが、車輪、足枷、猿轡でござる。
あっ、奥方様にはくれぐれも使わぬように
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 08:19:04.19 ID:B3OaUAkSO
山田く〜ん
あの鉄板温めといて
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 21:30:57.31 ID:lkzg26bEo
HTLM化依頼出てるけど、本人なのか成りすましなのか、わからん
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/07/10(日) 22:22:52.94 ID:bpReQUuAO
生存報告するって言ってるし>>1じゃないだろ
このヘタレの事だから何も言わずに落とすような事はしないはず
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/11(月) 13:30:29.53 ID:SF+TSYsqo
どう見ても宰相が読めないヤツが勝手に出しただけだろ
89 : ◆JbHnh76luM [sage]:2011/07/11(月) 22:19:54.13 ID:QwjEyvhIO
皆様こんばんは。
先日の雨の日にすっ転んで腰を強打してしまい、週末を呻いて過ごした>>1です。
今年は下半身の怪我とか病気多過ぎです。

削除依頼の件ですが、身に覚えが微塵もございませんので、帰宅次第HTML化スレに訂正と謝罪をしに行きます。

進捗状況:行動ターンを入れるかどうかで思案中です。遅筆が重なり申し訳ございません。(土下座)
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/11(月) 22:59:24.62 ID:l3gKKCYTo
なんだと大丈夫かよ
何か最近嘘依頼が多いようだな。困ったものだ
お大事に
91 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/07/12(火) 00:35:45.09 ID:20zxdipVo
HTML化スレのほうに訂正をお願いしておきました。
私以前にお二人(ID:bpReQUuAO様とID:/Nh+eDDIO様)が訂正して下さっていました。ありがとうございます。(土下座)

この度は皆様にご迷惑をお掛けしてしまい、申し訳ございませんでした。
一向に話が進みませんが、今後ともお付き合いくださいますよう、よろしくお願いいたします。(焼き鏝)
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/12(火) 01:03:57.68 ID:PBBB95PPo
把握
93 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/07/12(火) 07:43:47.06 ID:9ncKk8XIO
偽HTML依頼とはなんとも姑息な。
気が付いたお二方かたじけない。
ヘタレ殿の不調にガルドス殿の不在等多々の困難があり申すが、完結まで拙者も見守って参る所存。

追伸 個人的には行動ターンは充分いただいた故、只完結を心待ちにしております。なお、遅れましたが昇進喜ばしく。
94 :タツミ ◆Ddyke7B1QA [sage]:2011/07/12(火) 23:30:02.69 ID:XO6Hi76Po
気付けの一杯をくれてやるから早く書きやがれくださいこのヘタレ

つ【マティーニ・スプレースタイル】
95 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/07/17(日) 02:15:22.16 ID:a+yRKJOHo

― 魔王城 魔王の執務室 ―


魔王「これでこの調停は良し、と……ふぅ」コキコキ

魔王「しばらく実務から離れてたから勘が戻らぬな。メイド、いるか?」

メイド「お茶のご用意ができております」カチャ

魔王「ご苦労。しかし書類というものはいつまで経ってもなくならぬな」ゲンナリ

メイド「それも魔王様のお仕事ですからね」

魔王「大統領殿が来るのは何時だったかな?」

メイド「11時との事でしたので、あと2時間程ですね。湯浴みをしておかれてはいかがでしょうか? 昨晩も書類整理でお入りになっておられないのでは?」

魔王「む、言われてみればそうだな。ひと風呂浴びて来るとしようか」

メイド「出迎えるのが勇者様でしたら良いですのにね」

魔王「全くだ。勇者であればこの肌により一層磨きをかけて出迎えるのだがな」

メイド「勇者様がここに来る前日の事を思い出しますわね」クスクス

魔王「言ってくれるな。あの時は舞い上がっていたのだ。長い時間待ち望んでいた勇者との対面なのだぞ。舞い上がらぬわけがあるまい」
96 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/07/17(日) 02:16:35.74 ID:a+yRKJOHo

― 100年と少し前 勇者が魔王城に辿り着く前日 ―


魔王「おいメイド、この服はどうだ!? いや、こっちのほうが良いか!? いやいや、その前にもう一度風呂に入っておくべきか!?」

メイド「魔王様落ち着いてください。お風呂はもう4回目ですわよ。これ以上入ってしまいますと必要な油分まで洗い落としてしまって逆にお肌に悪いです」

魔王「む、そうか……では、服の選択をもう一度……」

メイド「それも終わっております。魔王様の魅力を最大限以上に引き出すような衣装をメイド隊総出で準備しております」

魔王「そうなのか? 信じているぞ?」

メイド「御心配なさらずに。魔王様はちゃんとお休みになって、万全の態勢で勇者を出迎えてくださいませ」

魔王「むむ……しかし落ち着かぬのだ。蒼、蒼はいるか!」

四天王蒼(先代)「お呼びでしょうか魔王様」シュタッ

魔王「勇者は今どこだ?」

四天王蒼(先代)「あ奴は現在魔族領黄将軍管轄領地の端で野宿の準備をしているようです。奇襲をかけますか?」

魔王「いや、捨ておけ。ここまで来た男だ。下手な奇襲を掛けたところでこちらの損害が増すだけだ」

四天王蒼(先代)「ははっ。それでは私は所定の場所であ奴を迎え撃つ準備に入ります。他の四天王も準備を開始しております」

魔王「ご苦労。決して負けぬようにな」

四天王蒼(先代)「全ては魔王様の御為に!」スッ

メイド「……よろしいのですか? 四天王の誰かが勇者を殺めてしまう可能性も捨てきれないのですよ?」

魔王「その時は勇者に実力がなかったということだ。私は魔族を統べる魔王なのだぞ。力なき者に用はない」

メイド「ですが、一人の女性でもあります」

魔王「ぐ……た、確かに心配ではあるが……」

メイド「蒼将軍でも掴んでいない情報が一つありますが、いかがなさいますか?」
97 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/07/17(日) 02:17:41.24 ID:a+yRKJOHo

魔王「勇者に関する事か?」

メイド「もちろんでございます」

魔王「当然だ。聞かせてくれ」

メイド「勇者が持っている食糧が尽きてます」

魔王「なんだと!? 南の街からまだ1週間程度ではないか。尽きるのが早すぎるぞ」

メイド「数日前ですが、人間の商人が魔族領に侵入し、行商をしておりました」

魔王「商人というのは人間も魔族も逞しいな」アキレタ

メイド「ですが、碧将軍配下の獣人兵部隊と遭遇し、命からがら逃走したようです。その際その行商人は金銭以外の荷物の全てを捨てて逃げてしまい……」

魔王「食糧すらなく、さまよい歩いてるところを勇者と出会い、勇者がお人よしスキルを全開にして食糧を渡し、道を教えたということか」

メイド「はい。そのお陰で勇者は現在ウルトラ腹ペコタイムです。明日、こちらに到着する際には飢餓状態で魔王様のお話など耳に入らないのではないでしょうか」

魔王「今すぐ食事を届けに行くぞ! 調理師をたたき起せ!」

メイド「魔王様が行くのですか?」

魔王「当たり前だ! 勇者に会いに行くぞ!」ダッ

メイド「お、お待ちください! 魔王様は明日という日を心待ちになさっておられたのではないのですか?」

魔王「当然だ」

メイド「でしたら、明日まで我慢するべきですわ。一日早く会ってしまい、しかも明日も会うとなればそのお気持ちもしぼんでしまう可能性があります」

魔王「む……それはそうやも知れぬが」

メイド「今日のところは私の配下の者に変化の術を掛けて届けさせます。魔王様はお待ちくださいませ」

魔王「話を聞いたら余計やきもきしてきたぞ!」ムキー

メイド「あらあら」

魔王「えぇい、我慢できん! 風呂に入って来る! メイド、来い」

メイド「承知いたしました♪」
98 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/07/17(日) 02:18:08.65 ID:a+yRKJOHo

― 魔王城(現在) 湯殿 ―


魔王「今思い出しても恥ずかしい……」マッカ

メイド「あの舞い上がりっぷりは前代未聞でしたものね」ニコニコ

魔王「まぁ、それも良い思い出だ。それに、もうすぐ勇者と再び会える」

メイド「そう、ですわね」

魔王「……メイド、お前には済まないと思っている。私が魔王となって以来、お前は私の陰日向となり、絶えず私に尽くしてくれた。どれだけ感謝しても足りないくらいだ」

メイド「そのようなお言葉、勿体ないくらいですわ。私こそしんみりしてしまって申し訳ございません」

魔王「私が竜になった後はどうするか決めたのか?」

メイド「碧将軍……次期魔王様に仕え、城内の管理等を引き続き行うつもりにしております。ですが、その前に少し行きたい処がありますので、半年程お暇をいただこうかと」

魔王「侍殿と皇国に行くのだな」

メイド「はい。侍様の奥方様の墓前でご報告をしなければなりませんので」

魔王「新婚旅行というやつだな。それにしても良かった。お前が人並みの幸せを掴んでくれたことは我が事のように嬉しいぞ」ナデナデ

メイド「ありがとうございます」ニコニコ

魔王「鏑殿達はうまくやっているかな」

メイド「きっと大丈夫ですわ。まだ成長途中の若い方達ですが、しっかりしておられますから。それに……」

魔王「侍殿が居る、か?」

メイド「い、いえ、女様もいらっしゃいますから」

魔王「そうだな。女が同行していれば心配することもないか」

メイド部下「失礼いたします。大統領閣下の御一行がお見えです」

魔王「もうそんな時間か。ついつい話し込んでしまったな」

メイド「すぐにお髪(ぐし)を整えますわ。メイド部下達は大統領閣下をおもてなしするように」

メイド部下「承知いたしました」シズシズ
99 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/07/17(日) 02:21:59.25 ID:a+yRKJOHo
投下方法を変更し、書き溜めより投下を優先してまいります。
幸いにも三十うん才の誕生日当日に半生に近い期間付き合った女性と別れたので、プライベートで時間が取れるようになりました。
今後は今までの分をいっきに巻き返せるよう、努力してまいります。(土下座)

明日(厳密には本日)中にもう少しまとめて投下できると思いますので、お暇な方がおられましたらお付き合いくださいませ。
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [!status sage]:2011/07/17(日) 02:44:31.39 ID:2UzZPRiuo
>>99 乙!
話が進むのは嬉しいが……

現在のサーバのご機嫌:普通ですー(LA:0.89599609375)
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/17(日) 03:25:40.45 ID:rk2b2ujOo
ヘタレさん……
102 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/07/17(日) 10:01:01.73 ID:a+yRKJOHo

― 風竜の神殿 調査団キャンプ ―


鏑「さて、あの石像をどのようにするか、というお話ですね。皆さんなにかアイディアはありますか?」

ニコラ「んー、要は石像があたし達に害を及ばせないゆにすれば良いのよね」ウデグミ

ガルドス「そういうことだな」

鏑「調査を続けていた学院生徒さん達のお話を総括すると、誰かがあの部屋に入った瞬間から石像は侵入者めがけて襲い掛かってくる、ということでした」

侍「拙者達が部屋の外から見ていただけでもこちらに注意を払っていたということは、人間や魔族の気配を察する事ができている、ということでござるな」

巽「うん、それは間違っちゃいないだろうな。どこまで反応するのか試してみなきゃいけないが、『練習用式神』を使って陽動させることは可能かもしれん」

鏑「練習用、ですか?」

巽「あぁ、死鬼神や至喜神とは違ってこいつにゃ何の能力もないが、その分行動半径は広いぞ。俺を中心とした半径20キロ内なら自由に動かせるし、その場の情報も入ってくる」

ニコラ「すっごい便利じゃない。ってあれ、それって覗きにも使えるってことよね?」ジトメ

巽「使うかそんなもん! お前は俺を何だと思ってんだよ!?」

ニコラ「んー、しっかりモノのお・に・い・さ・ん・?」ニコニコ

巽「誰かこいつをどうにかしてくれ……」

ニコラ「冗談はさておき、その練習用式神だっけ? それを使えば巨像をおびき出して別のトコに連れて行けるのよね?」

ガルドス「反応してくれれば、ってところだけどな」

巽「そればっかりは試してみるしかないな。でも巧くいきゃ安全に入る事はできるだろうよ。それに、もっと巧くやりゃ騎士団の本隊にぶつけてあわよくば、ってな。まぁ、これはちっとやりすぎか。鏑が怒りそうだな」ハッハッハ

鏑「ここまで来たんです。再就職先は魔王様に斡旋していただくとしましょう」ニコ

侍「ふむ、腹を決めたようだな、鏑殿」

鏑「ええ。私は今まで騎士団の事しか知りませんでした。みなさんとお会いして広がったこの世界、手放すのが少し惜しいんですよ」テレ

巽「わかるさ、その気持ち」ポン

ニコラ「んじゃ、まずは小手調べから、かな?」

学院生徒「あの、少しよろしいでしょうか?」

鏑「なんでしょう?」

学院生徒「我々も考えたのですが、旧賢者の町に来ている騎士団の末端の人達と交流がある者が居ますので、それとなく偽情報を流すというのはいかがでしょう?」

巽「どれだけ効果があるか読めないな」

鏑「末端となると、一般兵ですね。口コミというのは意外と良いアイディアかもしれませんが、問題はどういう情報を流すか、といったところでしょうか」

女神官「もう正直に「風竜、ひいては黄金龍と繋がる場所」って言っちゃっても良いんじゃないでしょうか?」

ニコラ「わぉ、大胆。でも賛成かな。何てったって黄金龍の伝説はそれこそ子供からお年寄りまで知ってるんだから効果はあると思うよ」

巽「仮に今すぐ流したとして、騎士団全体を止める事はできるか?」

鏑「正直なところ無理だと思いますよ。ですが、我々には時間も人手も足りません。この際出来る事は全てやってしまいましょう。ニコラさんと私で騎士団に流す噂をいかにも本物っぽく作り上げます。その間に皆さんは巽さんの練習用式神がどこまで通用するのか調べてきていただけますか?」

巽「それが今できる最善だな」

ガルドス「おっしゃ。行くか」

ニコラ「がんばってねー」ヒラヒラ

侍「いざという時はガルドス殿か拙者が女神官殿を抱えて走るとするか」

女神官「あはは……お手柔らかにお願いします」
103 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/07/17(日) 10:02:51.31 ID:a+yRKJOHo

― 風竜の神殿 巨像の間 ―


ガルドス「おーおー、すげぇ睨んでるよ」コワイコワイ

侍「感知範囲はこの入り口までといったところでござろうか」

巽「ってーより、生物に対して反応してるのかもしれないな。下手すりゃ式神には反応してくれねぇかもしれん」

女神官「体温に反応する場合もありますね」

ガルドス「体温って……あぁ、そうか。生きてるからには体温があるから、って事か」

女神官「はい。動く者に反応しているのか、それとも体温などに反応してるのかで計画の変更が必要になりそうですね」

巽「物は試しだ。やってみるか」ゴソゴソ

巽「行け、式神っ」ヒュンッ

侍「入り口に近い巨像で試してみるといたすか?」

巽「そうだな。侍さんとガルドスは女神官さんを抱えて逃げれるようにしといてくれ」

女神官「加速呪はいつでも使えます」

式神「……」ヒュンッヒュンッ

ガルドス「反応した!」

巨像「……」ズズンズズン

巽「っと、もうちょっと天井に近くまで上昇させるか」

女神官「反応してくれてますね。あとは奥の通路の入り口までのルートを確保できればいいんですけど」

侍「大型の巨像意外は式神に反応しているが……」

ガルドス「いっちゃんでけぇのが無反応だな」

巽「動かないのか、動けないのか、どっちか見極めたいところだな。とはいえ、調べるにしても……」

侍「拙者が参ろう。奥まで行かずとも10メートル程入ってみれば反応もあるでござろう」

ガルドス「俺が飛ぶにはちと狭いもんなぁ。侍さん、すまねぇ」

侍「何を言う。女神官殿はガルドス殿にお任せするぞ。とはいえ、必要ないかもしれぬが、な」チラ

女神官「頼りにしてますね」ニコ

巽「一番でかいの以外はこっちから遠ざけるから侍さん、その隙に頼む」

侍「承知つかまった」

女神官「加速呪! 光盾!」フォンッ

侍「かたじけない。参る!」ダッ

ガルドス「加速呪がかかってるとはいえはぇぇ」

大巨像「……」ゴゴゴゴゴ

巽「動いた! 侍さん、十分だ。戻れ!」
104 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/07/17(日) 10:03:20.94 ID:a+yRKJOHo

侍「承知」クルッ

巽「一旦逃げるぞ。どこまで追ってくるのかも調べる」

女神官「全体加速呪!」フォォンッ

ガルドス「ちょっくら失礼するぜ」ヒョイ

女神官「きゃっ」

巽「セクハラすんなよ」ニッ

侍「戻るとしよう」ダッ

大巨像「……」ズズンズズンズズン

ガルドス「他の巨像はどーなってんだ?」ドドドド

巽「まだ式神と追いかけっこしてるよ。頭は悪そうだな。っつか単純な命令しか込められてないんだろ」ダダダダ

侍「まだ追ってきてるでござる」

女神官「歩幅の差が大きいからいつかは追いつかれます!」

巽「走れぇぇぇぇぇぇぇ!!」ダダダダダダ

ガルドス「うぉぉぉぉぉぉ!!!」ドドドドドドド

侍「階段で転ばぬように!」シュタタタタタ

女神官「あっ、動きが止まりました!」

巽「っと、階段の下でとまったってことは、階段は上がって来れないって事か」

ガルドス「階段ぶっ壊れそうだもんな」ツカレタ

巽「お、戻っていくぞ」

大巨像「……」ズズン

女神官「階段まで追い払ったら戻っていくみたいですね」ヨクデキテル

ガルドス「式神のほうはどうなってんだ?」

巽「巨像の方は式神でどうにかコントロールできそうだな。お、でかいのも戻ってきたみたいだ。とりあえずはこんなモンだろ」シュォン

侍「では戻って鏑殿達ともう一度協議するとしよう」

巽「残りの符が10枚程度か。まぁ、なんとかなるだろ」
105 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/07/19(火) 00:46:49.09 ID:uiUnU72Co
皆様こんばんは。色々としなくてはいけない事があって投下ができませんでした。申し訳ございません。

謝りついでにもう一つ。
行動選択があと1回は確実に起こります。今回は指定期間をごくごく短く(1週間以内)するつもりにしておりますので、参加者の皆様は定期的に更新状況をご覧くださいますよう、お願いいたします。

突発的選択肢を読者の方に押し付けるコーナー
>>106
貴方の好きなプレイスタイルは?
@ハードモード
Aイージーモード

どうぞ、お答えください。
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/07/19(火) 00:59:57.06 ID:O0272lLAO
2かな
107 : ◆MlrGn9DGd2 [sage]:2011/07/19(火) 01:01:28.46 ID:FEKd558IO
ドMな>>106がいると聞いて
108 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/07/19(火) 01:20:47.96 ID:uiUnU72Co
>>106
ストーリー選択ありがとうございました。
当SSは今後イージーモードで展開してまいります。
どういう風にイージーかというと、>>1がイージー(楽)になる展開です。ハードって言われたらどうしようかと軽く心配しておりました。
仮にハードが選択された場合でもきちんと書くつもりでいましたので、ご心配なく。

>>93で侍様もおっしゃっておられるように、冗長が過ぎますので、色々と『巻き』気味で書いていきます。何せ暇はいくらでもありますから!
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/20(水) 00:12:32.88 ID:XDL/9Emho
男は黙ってハードモード
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 07:57:21.33 ID:ZdpgwcaSO
男は黙ってハードモード
111 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/07/20(水) 22:18:09.91 ID:DyZjuy4Mo

― 風竜の神殿 調査団のキャンプ ―


鏑「ご無事で何よりです」

巽「あらかた予想通りだ。でかいのさえどうにかできりゃ奥に行けそうだぜ」

ニコラ「おっつかれー。ってガルドス、なんでずっと女神官さん抱えてるの?」

女神官「運んで下さったのは嬉しいんですが、そろそろ離していただけると嬉しいんですけど……」アハハ

ガルドス「うぉ、すまねぇ」

鏑「うまくいったみたいですね」

侍「うむ。大型の巨像以外は巽殿の式神でなんとかなった。問題は大型だけのようだ」

巽「普通の巨像は動くモノに反応して、大型は多分だが体温とかの生物的な特徴に反応するみたいだ」

ニコラ「よくできてるわね。今の魔法技術じゃ作れそうにないかな」

女神官「そう、ですね。古代魔法が使われてるんだと思います。風竜がこの神殿を作った際に巨像に魔法を込めたんでしょうね」

巽「原理が分かったとはいえ、ここからが本題だな」

鏑「体温に反応、となると式神を囮にすることはできませんね」

ガルドス「やっぱ誰かが囮になってひきつけるしかないか?」

ニコラ「でもそれって危ないわよね。下手したらぷちっていっちゃわない?」

鏑「嫌な擬音ですね……でも確かに誰かを囮にして、ってのはいただけないですね」

侍「とはいえ、他に方法があるかと言われると」

ニコラ「ぜーんぜんないわね」

ガルドス「オレが囮になるのが一番良いんじゃないか?」

鏑「ガルドスさんは飛べますから逃げる事ができる可能性はあります。ですが、それも屋外での話になりませんか?」

ガルドス「言われてみりゃそうだな。いくら天井が高いっつっても限界あるもんなぁ」

ニコラ「飛べるけど、図体も大きいもんね」

巽「屋外なら偵察とか運搬に向いてる飛竜族だが、屋内はどうしても弱点だよな」

侍「拙者が走って誘導するとしようか」

鏑「いえ、侍さんは視力が弱いですから走りながら周囲の状況を確認、というのはやはり厳しいのではないですか?」

侍「う、うむ……だがしかし、誰かがせねばならん事だ。この中では拙者が最も脚が早いのだから、拙者がやるのが適任ではないか?」

巽「侍さんは俺達の中では一番戦闘力が高い。あの通路の奥に何が居るかわからない以上侍さんを外すのは危険だと思うぞ」

ニコラ「通路の先に魔物とかがひしめきあってたら終わるわね」

ガルドス「ひしめきあってたらどうやっても終わると思うけどな」

鏑「となると私が次点で脚が早い事になりますね」

女神官「誰かが囮に、という方法以外の事も少し考えてみませんか? 例えば熱を発する何かを飛ばすとか」

巽「熱っつったって動物はどこに行くか予測つけづらいから却下だろ。火炎魔法も魔王様だったらともかくとしても、長時間飛ばし続けるなんて困難どころか不可能に近いんじゃないか?」

ガルドス「松明ブン投げるのも大した距離じゃねぇしなぁ」

ニコラ「式神に火を点けて飛ばすのは?」

巽「符が損傷しちまったら術が解けちまうよ。仮にできたとしても精々10秒程度だ」

鏑「あの通路にさえ行ければ……」プラプラ

ニコラ「鏑って手首の運動よくしてるよね。いつでも弓を使えるように、だっけ?」

鏑「あぁ、目障りでしたか? すみません、癖になってしまっていて」
112 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/07/20(水) 22:19:14.41 ID:DyZjuy4Mo

侍「新しい弓の練習をしているのを拝見したが、もう慣れているようでござったな」

鏑「いえいえ、まだまだですよ。飛距離はかなり出せるようになりましたけど、精密射撃となるとさらに訓練が必要ですね」

巽「……あれ?」

ニコラ「どったの?」

巽「いや、何か引っかかったんだけどな。何だったんだ?」

ガルドス「聞かれてもわかんねぇよ」

巽「精密射撃? いや、違うな」ウーン

女神官「……」ニコリ

巽「んー? わっかんね。考えとくから鏑とニコラのほうはどうなってるか教えてくれ」

鏑「そうでしたね。騎士団に流すのは真実を織り込んだ嘘という事にしてみました。風竜の神殿ではなく、黄金龍の神殿にさせていただきましたけどね」

ニコラ「勇者様にはあとで許してもらうってコトで。これくらいは大丈夫でしょ」

巽「そんな事で怒るような人……人なのか? まぁいいや、怒るような人じゃないだろ」ハッハッハ

ガルドス「もし怒ったらドラゴンブレスが飛んできそうだけどな」

侍「そのくらいは許されよう。して、そちらの行動はいつに?」

鏑「もう手配も済んで今頃学院生徒さん達が北の街にある酒場を中心に噂を回す為に出発してますよ。明日には騎士団の末端には広がるでしょう。みんな噂好きですからね。それこそ野焼きみたいな勢いで広がりますよ」

巽「野焼き……?」

鏑「おや、野焼きをご存じないですか?」

巽「いや、知ってる。草を焼き払って次の新芽が生えるのを促進させるアレだろ。前に南の街の郊外で見たことある。火矢で藁に火ぃ点けて……!」ガタッ

女神官「思いつきましたね」ボソ

巽「火矢だ!」

ニコラ「いきなりどしたの?」

ガルドス「火矢がどうしたんだ?」

侍「ふむ、得心いった」ナルホド

鏑「あ、そういうことですか」ポン

ニコラ「何なのよー」オシエロ

巽「火矢を使えば大型の巨像を誘導できる可能性が高いんじゃないか、って事だよ」

鏑「さらに言えば、幸運にも私の手元には魔法付与が可能な弓と、専用のガラス繊維でできた矢があります。練習も重ねていますので、射程距離も今まで通りとはいかないまでもそれなりに出せるかと」ニコ

ニコラ「あ、なーるほど」

ガルドス「そういうことか」

鏑「さすがは巽さんです」

巽「いや、俺だけの発想じゃねえよ。皆で出したアイディア、だろ?」ニッ

侍「では、巽殿の式神で巨像を誘導しつつ、大型巨像は鏑殿の火矢で階段方向に向かわせ、その間に全員で奥の通路に向けて走る、という事で良いのでござるな?」

鏑「そうですね。大型巨像の誘導方法は少し考えなくてはいけませんが、概ねその方法で良いと思います」

ガルドス「人間より高い温度に対して反応してくれるようだったらめっけもんだな」

ニコラ「んじゃ、鏑さん以外のメンバーは巨像の間の入り口で待機して、巽さんが巨像を誘導、そのあとに鏑さんが火矢を打ち込んで大型の注意を引いた後、階段方向に向けて2本目火矢を撃つのね?」

巽「入り口で反応されたら終わるが、そこはもうやってみるしかないからな。魔族大賢者様にこの事を知らせてくる。決行は明日の朝、って事でいいな?」

鏑「それが良いでしょうね。今からといっても、もう21時ですから」

ニコラ「夜更かしは美容の大敵だからね」

ガルドス「気にしてたのかよ」

ニコラ「あんたの命運は今夜限りと思いなさい……」ギロ
113 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/07/20(水) 22:25:52.85 ID:DyZjuy4Mo

― 魔王城 謁見の間に向かう廊下 ―


魔王「神殿の件、どうにか穏便に済ませる方法を編み出さなくてはならぬが……」

メイド「騎士団が撤退する理由が難しいですわね」

魔王「うむ。大統領殿の考えは決して間違ってはおらぬからな。そこを説得するには骨が折れよう」

メイド「大統領閣下からの求愛も頭が痛い、ですか?」

魔王「その件はどうとでもなろう。私には勇者が居るのだ。他の男からの求愛など気に掛けるに値せん」

?「愛、ですか。そこまで想えるのであれば素晴らしいですね」

メイド「何者です!?」ブォン

魔王「宰相殿、か?」

宰相「驚かせてしまい、申し訳ございません」ペコリ

メイド「気配すらなかったのに……貴方は一体何者なんですか」

宰相「魔王様、閣下との対談の前にいくつか確認したいことがございます」

魔王「ふむ、聞こうか」

メイド「……」ブォン

宰相「決して魔王様に危害を加える事はございません。メイド様、どうかその魔力剣をお収めください」

魔王「メイド」

メイド「……承知いたしました」

宰相「さて、質問というのはいたってシンプルなものです。魔王様、貴女はなぜそこまでして勇者様を想い続けるのですか?」

魔王「惚れた者を想い続ける事に理由など必要か? 私は勇者の事を心から愛している。それが理由だ」

宰相「なるほど。では、勇者様が居なくなった場合は、どうですか?」

魔王「既にあの者は……」

宰相「黄金龍となっている、という事は既に把握しております。あぁ、ご心配なく。閣下を含め誰にもこの事は他言しておりません」

魔王「キレ者、というのは伊達ではなさそうだな」

宰相「お褒めのお言葉と受け取っておきましょう。どうですか? もし仮に、黄金龍が打ち倒されるような事があった場合は、どうでしょうか?」
114 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/07/20(水) 22:27:19.44 ID:DyZjuy4Mo

魔王「そのような事、あるわけなかろう。黄金龍は絶対の存在だ。それを傷つける事ができる者など……」

メイド「まさか……」

宰相「はて、何を思い浮かべられたのでしょうか。私にはとんとわかりませんが」ニコ

魔王「貴様、ただの人間ではないな」スゥッ

宰相「過大評価ですよ。あくまで例え話ですから」ニコニコ

宰相「古来より、人間も魔族も、いえ、生ける者全ては強者に対して憧れや畏怖を持ち、その頂点に黄金龍が存在してきました。ですが、歴史を紐解けばその黄金龍が打ち倒された事が一度だけあります」

魔王「宰相の立場を使って調べ上げたか?」

宰相「少し違いますが、そのようなところです。もしそうなった場合、そして、その指揮を閣下が執ったとなれば、魔王様は我らが大統領閣下のお気持ちにお応え下さるのでしょうか?」

魔王「お主の戯言に乗ってやろう。だがな、万が一そうなったところで私が大統領殿に心を奪われるということはまずないと断言しておこう」

宰相「何故です? 強者に心惹かれるのではないですか?」

魔王「その前提が間違っておる。私が勇者を愛しているのは、あ奴が強いだからというわけではない。全てが愛おしいからだ。大統領殿は確かに魅力的な男性なのであろう。だが、私のタイプではない。こう言えばわかるかな?」

宰相「なるほどなるほど。理解いたしました」

宰相「残念ながら、風竜への昇華、そして黄金龍との接触は阻ませていただきますよ」パチン

魔王「その事までも!?」ビシッ

メイド「魔王様っ! くっ、動けない……っ」ギリギリギリ

魔王「貴様、何奴!?」

宰相「そうですね……『審判を下す者』とでも思っていただきましょうか」ニヤリ



― 魔王城 謁見の間 ―


大統領「魔王殿の準備はまだかかりそうなのかな?」ハヤクアイタイ

メイド部下「間もなくお見えになるかと思われます。お待たせしてしまい、申し訳ございません」フカブカ

大統領「いやいや、女性というのは身だしなみに時間がかかるのは当然。いくらでも待とう」ハッハッハ

大統領補佐官「宰相の姿が見えませんが?」

大統領「手洗いとか言っていたが、言われてみると遅いな」
115 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/07/20(水) 22:30:16.09 ID:DyZjuy4Mo

すみません。予想外に時間が取れてません。時間は腐る程あるはずなのにおかしい……
可能な限りペースを上げてまいります。

今後の予定ですが、あと1回だけ参加者の皆様には行動選択をしていただく事になると思います。「いい加減めんどくせぇんだよ! さっさと書きやがれ!」という罵りのお言葉はごもっともでございますが、ここまで(本来ならとっくの昔に終わってるはずなのに遅筆すぎるせいで)続いたこのお話ですので、お付き合いくださいませ。
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/21(木) 13:09:07.63 ID:Hd9YpX+SO
ほう、もう一山くるか
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/07/21(木) 16:25:36.45 ID:9KWnFyrAO
宰相が本性を表したか
118 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/07/22(金) 19:35:20.79 ID:MgcRtH3IO
>>93の追伸で記したものの、行動選択は喜ばしい上、
諸事情でプライベートタイムが増えたヘタレ殿にて、今後の流れも心踊り候
>>116殿に同意で胸熱でござる
119 : ◆JbHnh76luM [sage]:2011/07/27(水) 20:40:33.32 ID:HDtOateIO
皆様こんばんは。
投下ができずにおります。毎回申し訳ございません。平身低頭で進捗状況報告いたします。
プロットを整理してみたら思っていたより文章量が増えた上、プレイヤーの皆様に行動選択していだだくシーンが実にあと四回ある事になってしまいそうです。
いくらなんでもこれはまずいので(遅筆過ぎてご迷惑しかかけてない理由から)、エピソードを削ることにします。
話の辻褄をあわせつつ、セルフ鞭たたきしながら投下準備を行っております。
2、3日中には投下再開するようにいたします。
長期間私のような愚か者に付き合わせてしまい、本当に申し訳ございません。(土下座)
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/27(水) 23:41:34.77 ID:NwPWjgBHo
無理に辻褄合わせたり、話を削ったりせずに
書きたいものを書きたいだけ書けばいいと思う
練ったプロットを弄ると全体が崩壊する事もあるし、選択が4回なら4回でいいと思うんだ
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/28(木) 07:22:07.81 ID:cQhZYscIO
>>120
同意同意
122 :タツミ ◆Ddyke7B1QA [sage]:2011/07/29(金) 00:16:46.17 ID:B0pMuwtAo
拒食症の人間のダイエットを見ているようだ…


削るな むしろ増やせ 以上
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/29(金) 20:06:53.26 ID:axEb5/rSO
今こそ言おう

このヘタレが!
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/08/02(火) 00:59:01.69 ID:jMm2Lesl0
ヘタレさんどうしたのかな・・・・・・・・・?
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/03(水) 20:44:35.10 ID:Jl6IsqKl0
ヘタレ!早くきてくれ…

待つのはもういやじゃ!
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/08/03(水) 21:30:35.60 ID:Jl6IsqKl0
ヘタレ!早くきてくれ…

待つのはもういやじゃ!
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/03(水) 21:32:08.15 ID:x7AZKh69o
ヘタレ!早くきてくれ…

待つのはもういやじゃ!
128 :>>1代理 :2011/08/04(木) 10:20:19.48 ID:xLsEntGIO
馬鹿がまた入院した
ソースは姉
129 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/08/04(木) 11:29:11.44 ID:WnTVx7OIO
失恋による傷心で入院で御座ろうか。
何にしても快方を祈り候。
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/04(木) 15:27:15.15 ID:J4xjH+6SO
あwwwwwwwwwwwwねwwwwwwwwwwww
マジヘタレだなおい……


お前なんか暑すぎず寒すぎない部屋で油が少なくて減塩に気を使った食事を食べながら常に監視されて、寝る時間とか管理されてろ
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/04(木) 20:56:47.76 ID:Ct4UF62no
>>128
もうバカなんてほっといて俺と遊ぼうぜお姉さん!
ヘタレの姉だなんてもったいないぜ
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/08/16(火) 02:14:29.72 ID:5j4fMZzAO
おおいどうしたヘタレ!
早く帰ってこないとまたゅぅゅとかいうのにスレを乗っ取られるぞー
133 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/08/19(金) 08:36:04.23 ID:fppp3b7so
ヘタレ殿の快癒をお待ち申し上げ候
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/25(木) 02:39:38.43 ID:FOxyAQrIO
報告から3週間か
ヘタレさん大丈夫かい?
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/11(日) 01:24:50.92 ID:9SmCzMRIO
九月だぞ…!?
136 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/14(水) 21:07:52.79 ID:VSlUQr3to

これまでのあらすじ(期間が開きすぎたため)

鏑・巽・侍・ガルドス・ニコラの5人はひょんな事から聖王国からの依頼を受け、聖王国北部にある謎の遺跡調査隊を護衛する仕事を受ける。
盗賊団を撃退し、調査を手伝いつつ各々の将来が見え始めた時、遺跡の正体が徐々に明らかになりはじめる。

一行は遺跡最奥部に到達するため、巨大石像を回避する方法を探っていく。

一方魔王の下に突如聖王国大統領が訪問。宰相を紹介されるが……?


前スレ
魔王「武器を下ろせ。お前と戦う気はない」その2
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294925865/

前々スレ
魔王「武器を下ろせ。お前と戦う気はない」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1290494799/

7x様にてまとめていただきました。ありがとうございます。(土下座)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/maou_bukiwoorose_omaeto_tatakaukihanai.html

ネットのお話様にもまとめていただきました。ありがとうございます。(平伏)
http://net.2chblog.jp/archives/1485370.html

他にもまとめてくださっているところがあるそうですが、追い切れません。まとめてくださりました皆様には心よりの感謝を。
137 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/14(水) 21:08:20.13 ID:VSlUQr3to

― ? ―


?「まさか!? ありえん……っ」

??「いや、ミスだな。そう簡単に『創れる』ものじゃないんだよ」

?「見て、おられたのですか」

??「そりゃ、な。どういう風にするのか気になってたし」

?「すぐに中断します」

??「何か思惑があってやらせているのかと思ってたけど、そうでもないみたいだな」

?「ここまでするようには『創って』おりませんでした。私の責です」

??「今はそんな事言ってる場合じゃないな。多分、『創った』後にどっかで変な影響受けたんだと思う。あるいは、『混ぜもの』で変なのがあったか、だけど……」ジー

?「……申し訳、ありません」

??「やっぱりかぁ。うん、わかるよ。その考えはよーっくわかる。でもさ、やりすぎだ」

?「すぐに対処を!」バサッ

??「あ、おいっ! って行っちまったか。どうすっかなぁ……」ポリポリ

黄金龍(勇者)「予定変更になっちまうけど、あいつらに頼むしかないか。このままだとこの世界そのものがヤバい、かな」
138 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/14(水) 21:09:02.11 ID:VSlUQr3to

― 風竜の神殿 奥の通路 ―


ガルドス「ま、間に合った……」ゼェゼェ

ニコラ「あっぶなー」ドキドキ

巽「まさか俺達全員が部屋に入った途端引き換えしてくるとはな」ゼェゼェ

鏑「途中までは順調でしたけど、でもまぁ結果オーライということでしょうか」

侍「うむ」

女神官「怪我とかはないですか?」

鏑「幸いにも怪我はないようですね。息を整えたら奥に向かいましょう」

巽「この奥に竜になる為の儀式を行う場所があるはずだ。あとはその起動方法を調べれば……」

ガルドス「仕事完了、ってワケだな」

鏑「私の失業も確定しそうですけどね」ハァ

ニコラ「みんなで魔王軍に入るのもいいじゃない。それより行きましょう。わくわくが止まらないわ」wktk!

侍「うむ」

鏑「では、参りましょうか。先頭は私と侍さんで。その次に女性お二人、しんがりを巽さんとガルドスさんにお願いします」

ガルドス「任せろ」

巽「わかった」
139 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/14(水) 21:09:35.46 ID:VSlUQr3to

― 風竜の神殿 ―


鏑「通路の出口です」

ニコラ「まぶしっ」

巽「外の光が直接入ってるんだな。目が慣れるまで少し……」

侍「!!」ザッ

女神官「!?」ザッ

ガルドス「どうしたんだ?」ミエネェ

女神官「嘘……なんで?」

侍「何という禍々しい気配なのだ……」

鏑「やっと目が慣れて……」

ニコラ「え?」

ガルドス「なんだ……こりゃ」
140 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/14(水) 21:13:09.93 ID:VSlUQr3to

― 風竜の神殿 儀式の間 テラス ―


巽「動く気配はないみたいだな。しかしなんだこりゃ」

ニコラ「部屋の大きさが半径50メートルくらい?」

ガルドス「そんなモンかな。天井は元々なかったみたいだな、文字通り吹き抜けってやつか」

鏑「部屋一面に……大型の人型をした何か、ですね」

侍「……女神官殿」

女神官「なんで、なんでこいつらがここに居るのよ。しかもこの数って……」ギリッ

ニコラ「大丈夫?」

巽「どうした? 何か知ってるのか?」

鏑「落ち着いてください。水を飲んで」スッ

女神官「……ありがとうございます」コクン

女神官「でも、落ち着いてる場合じゃありません。先に言っておきます。緊急事態を飛び越えた異常事態です」

鏑「どういうことでしょうか?」

巽「……おい、文献でしか見たことねぇけど、まさかこれって」

ニコラ「へ?」

?「グ……」

女神官「逃げて! 全体神速呪! 全体防御呪!!」フォォンッ

ガルドス「何だ何だ!?」

侍「気が膨れ上がって……!?」

女神官「大型人造兵です!! すぐに逃げて!!!」

鏑「ってあの!?」

巽「まじかよ!?」

侍「逃げるぞ! ガルドス殿、ニコラ殿を!」

ガルドス「お、おう!」ヒョイ

ニコラ「なによあれ……」ガクガク

巽「先の大戦で先代の黄金龍を殺したトンデモ兵器だよ! あんだけの数、信じられねぇ! 一国なら簡単に滅びるぞ!」

女神官「私はいいです。皆さん、先に行ってください」

巽「んな事できるか! ガルドス、女神官さんも頼む!」

ガルドス「すまねぇ……痛てっ」ピシッ

女神官「すみません、私はここに留まります。こいつらを外に出すわけにはいきません」
141 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/14(水) 21:13:53.38 ID:VSlUQr3to

巽「一人で何ができんだよ!? 文献見た限りだと俺達全員でかかっても1体倒せるかどうかだぞ!?」

侍「女神官殿、お主……」

女神官「大丈夫。きっと何かの間違いだわ。すぐに『あいつ』が来てくれるから、私は時間を稼げばいいだけだから」ニコ

巽「あいつって……?」

女神官「皆さん、ご一緒できるのはここまでです。先に謝っておきますね。私は皆さんを騙していました」

鏑「どういうことですか?」

侍「……」

女神官「私ね、みんながここに辿り着けるようにサポートを黄金龍から命じられてたの」

巽「魔王様を竜にするための、って事か?」

鏑「ってことは、もしかして貴女も……?」

女神官「ま、ね。勇者の尻拭いばっかりしてきたけど、これは無茶すぎるかな」ニコ

ニコラ「じゃ、じゃあ、メイドさんが言ってた女さんって」

侍「勇者殿、魔王殿、メイド殿と共に旅をした最後の一人、銀将軍の異名を持つ人間唯一の魔王軍四天王、だ。そして……」

巽「南の遺跡に詳しかったって事は!?」

女「褒めすぎよ。侍さん、あとはお願いね。こいつらは、私が止める!!」

女「竜変化っ!!」フォォォンッ

巽「水竜!!」

鏑「りゅ、竜!?」

ガルドス「すげぇ……」

ニコラ「女神官さんっ!!」

侍「……皆の者、退くぞ!」

鏑「で、ですが!」

侍「足手纏いだと言われているのだ! この場に留まれば水竜殿、いや、女殿は我々を守りながら戦わなければならん!」

巽「侍さんは訳知りだったのかよ。よし、退こう。鏑、しっかりしろ」バンッ

鏑「し、失礼しました。では、ガルドスさんはニコラさんを抱え飛んでここの上から脱出してください。そして、キャンプに居る魔族大賢者様達にこのことを!」

ガルドス「わ、わかった。絶対に戻って来いよ! 待ってるからな!」バサッ

ニコラ「みんなっ!」

巽「心配すんな。竜の加護があるよ」

鏑「そうですよ。すぐに合流できます」

侍「うむ」

水竜(女)「行ってください!」

鏑「女さんもどうぞご無事で!」ダッ

巽「またあとでな!」ダッ

侍「必ず、必ずまた!」ダッ

ガルドス「銀将軍様にご武運を!」バサッバサッ
142 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/14(水) 21:14:19.44 ID:VSlUQr3to


水竜(女)「っとはいえ、この数は軽く5回くらいは死ねそうよね。はぁ、短い人生だったわ。っていうか竜生? どっちでもいっか」

大型人造兵「グルルル……」

水竜(女)「はいはい、相手してあげるわよ。あの人達を逃がしてくれてありがとね。ついでにあんた達を造った奴が誰か教えて欲しいくらいだけど、その知能はもうないのよね……んじゃ、はっ倒す!!」ゴォッ

大型人造兵「ゴォォォォォォォ!!!」ジュウジュウ

水竜(女)「まだ未熟とはいえ、ドラゴンブレスよ? こんな程度しか倒れないの……? あぁもう、片っ端からやってあげるわよ!」

?「水竜、退け!」ゴァッ!!

大型人造兵「ギャォッ!!」ザンッ ボトボト

水竜(女)「鎌鼬……風竜さん!?」

風竜「私の失態だ。ここは私が片付ける。お主は戻れ!」

水竜(女)「でも、風竜さん一人じゃとても……」

風竜「こうなってしまった原因は私にある! 行け! ここだけではないのだ!」

水竜(女)「なんですって!?」

黄金龍(勇者)『女、聞こえるか!?』

水竜(女)「勇者! 一体どういうこと!?」

黄金龍(勇者)『風竜が試練の為に作り上げた『人形』が暴走した』

水竜(女)「暴走!?」

風竜「大統領の側近に誂えた宰相を造った際、智慧と魔力を持たせる為に敢えて邪念を混ぜ込んだのが仇となった」

水竜(女)「魔王は!?」

黄金龍(勇者)『とっ捕まった。魔王城に立て籠もられてる。しい場所まではわからん。先に向かってくれ!』

風竜「水竜と黄金龍様は魔王を! ここは私が責任を持って片付ける!」

水竜(女)「……わかりました。魔王城に飛びます!」バサッ

黄金龍(勇者)『俺もすぐに向かう! 残留魔力があるはずだ。詳しく探してくれ!』

水竜(女)「了解! 風竜さん、魔王を探し出してすぐに戻ります。絶対に……」

風竜「行け!」
143 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/14(水) 21:20:44.81 ID:VSlUQr3to

― 風竜の神殿 入り口 調査団キャンプ―


ガルドス「魔族大賢者様は!?」バサッ

ニコラ「ガルドス、あれ!!」

魔族大賢者「どうなさったんですか? ……あれは!?」

ガルドス「水竜……女さん、か?」

ニコラ「どうなってんのよ……」

魔族大賢者「何があったんですか?」

ガルドス「そ、それが……」

ズガァァァァァァァアンッ!! ビリビリビリビリ

魔族大賢者「っ!? 空気振動!?」

巽「うぉぉぉ!?」ズザァァァ

鏑「うわぁぁぁっ!?」ドサッ

侍「なんとっ!?」スタッ

ニコラ「みんな、無事だった!?」

巽「あ、あぁ……走ってたらいきなり風圧みたいなのに押されて……何があったんだ!?」

魔族大賢者「それはこっちの台詞です。巽、何があったのか教えてください!」

巽「実は……」

魔族大賢者「なんという事だ……それで、女様は単身お残りになったということか?」

鏑「はい。水竜に変化なさって」

ガルドス「でも、さっき飛んで行ったのって間違いなく水竜さんだよな」

ニコラ「うん。あの色と模様はそうだと思う」

鏑「あっさりと片付けたのでしょうか?」

ズズゥゥゥン……

巽「いや、戦いはまだ続いてるみたいだ。となると、別の誰かが残って戦ってるって事か?」

魔族大賢者「全員この場から退避! 北の街に駐留している騎士団と合流します! 荷物は捨てて構わないから逃げなさい!」

鏑「魔族大賢者様!?」

魔族大賢者「相手が大型人造兵となれば危険すぎます。騎士団と合流し、大至急迎撃なり何なりの方針を立てるべきです。みなさんは先に北の街に行って騎士団にこの事を。鏑さん、任せますよ」

鏑「は、はい!」ケイレイ

魔族大賢者「巽、転移呪は使えるな?」

巽「もちろんです。北の街でお待ちしてます」

魔族大賢者「頼むぞ」
144 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/14(水) 21:22:03.98 ID:VSlUQr3to

― 魔王城 前魔王の執務室 ―


魔王「双炎呪!」ゴォッ

メイド「無理のようです。扉に対魔法防御が幾重にもかけられているようですね」

魔王「くっ、こんな所に閉じ込められるとは!」ダンッ

メイド「他の者は大丈夫なのでしょうか?」

魔王「わからん。ここは魔王城の最深部とも言える場所だ。外の気配が全く伝わってこん」

メイド「あの宰相とかいう者、ただの人間ではないように見えました」

魔王「うむ。人の皮を被った別物のようなおぞましさだ。あのような邪気、前魔王以来だ」

魔王「やむをえん、ここは待つしかなさそうだな」

メイド「ですが……」

魔王「逸る気持ちは私とて同じだ。だが、今我々に出来る事はほとんどない。碧や蒼、勇者や女が来るのを待つしかあるまい」

メイド「……承知いたしました」

魔王「あまりにも暗いな。光よ」ポワッ

メイド「荒れ放題、ですわね」

魔王「立ち入り禁止にしていたからな。私の代になってからもこの部屋は前魔王の残留魔力でトラブルもあったのは覚えているだろう」

メイド「はい。ですが、今となってはその残留魔力も残っていないようですわね」

魔王「あれから永い時間が経ったからな。どれ、少し座るとするか。椅子はこれか?」パンパン

メイド「埃が酷いですわね。私がいたします。魔王様はそちらに」

魔王「それにしても改めて見てみると見た事のない文献が多いな」

メイド「前魔王なりに色々と研究していたようでした。どのような研究かは誰も知りませんでしたが」

魔王「研究、か。ただ暴力で支配していただけではない、ということか?」ゴソゴソ

メイド「当時の側近の話を聞いた事がありますが、強大な魔力と永遠の寿命を得る為の研究だったとの事でしたが」

魔王「黄金龍の事なのかも知れぬな。おっと」バサバサバサ

メイド「かなり古い本ですわね」

魔王「かなり、どころかとんでもなく古い物だな。見ろ、表紙はもう擦り切れてしまって読めぬ」パラパラ

魔王「む、開き癖が?」ピタ

メイド「これは、掃除道具が欲しいところですわね。魔王様、どうかなさいましたか?」

魔王「……」

メイド「?」
145 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/14(水) 21:24:20.51 ID:VSlUQr3to

― 最北の街(旧賢者の街) ―


鏑「報告いたします!」ビシッ

西征将軍「鏑、といったか」

鏑「はっ!」

西征将軍「遺跡に関する事、そして今現在騎士団内に飛び交っている出所不明の噂、さらに、さっき遺跡の方角から飛び去った竜らしき飛行体、全て説明できるのか?」

鏑「全て説明可能です!」

西征将軍「話の内容如何では私が直々に貴様をたたっ斬る事になる。包み隠さず話せ!」

巽「それどころじゃねぇんだよ!」

ニコラ「一刻を争うの!」

西征将軍「貴様らは黙っていろ! これは騎士団の話だ」

ガルドス「この頭でっかちが! こんな事してる場合じゃねぇんだよ!」

鏑「話はニコラさんがおっしゃるように一刻を争います。魔族大賢者様からのお言葉です。遺跡内で大量の大型人造兵が発見され、何者かが遺跡内にて戦闘中。騎士団は至急防衛体制を採るように、とのことです!」

西征将軍「わけがわからん。大型人造兵というと、100年前のアレか?」

巽「それ以外ねぇだろ! あの遺跡は正式名称を風竜の神殿。その名の通り、風竜の力を継承する為の神殿だ!」

西征将軍「なんだと!? ということは、騎士団内を駆け巡っている噂は……」

鏑「私たちが賢者の学院生徒と協力して流しました。わけあって私をはじめとするパーティは大統領命に背いてあの神殿を聖王国の管轄下に置けないようにする為に策を講じました。それについては謝罪いたします。申し訳ございません」ペコリ

西征将軍「……では、お前が今話した内容も嘘という可能性がある、ということか」

鏑「これは事実です! 大至急防衛隊を!」

西征将軍「ふざけるな。あらかた報奨金を吊り上げようと作り話を流したのだろう!」

ニコラ「だったらさっきの竜はどう説明するのよ! 疑り深いのも大概にしなさいよ!」

西征将軍「あんなもの、幻影で作り上げる事ができよう」

巽「おっさん、魔法の事ほとんど知らねぇな?」

西征将軍「な、なんだと!?」

巽「あのなぁ、あんだけでかい幻影術なんざ作り上げる事できねぇんだよ。どれだけの魔力と体力が必要だと思う? あんなの作り出せる奴なんざ魔王様くらいだぜ」

西征将軍「魔王殿が噛んでいる、ということか」

ガルドス「魔王様がんなくだらねぇことするわけねぇだろ!」ガーッ

西征将軍「あの遺跡に眠る巨像の力を魔王殿が手に入れようとしている、ということか」

ニコラ「ダメだこれ。こっちの話聞いてくんないわ」

西征将軍「王都に確認の上、お前達の処分は後程言い渡す! こいつらを牢に入れておけ!」

騎士団兵「ははっ!」

鏑「お待ちください! 本当の事なんです! すぐに魔族大賢者様もいらっしゃいます!」

西征将軍「魔族が一丸となって我々をたばかっている、と考える事もできるのだぞ?」

巽「おっさん、今時人種差別主義者か」

ニコラ「あ、聞いた事ある。新しい将軍って魔族大っ嫌いなのよね。そっか、この人が……」フルクサ

西征将軍「何を言うか! 俺はただ、聖王国の繁栄を願っているだけだ!」

侍「人間だけ、のか?」

西征将軍「黙れ! 異国人の分際で!!」
146 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/14(水) 21:24:46.30 ID:VSlUQr3to

侍「拙者はこの国に骨を埋める覚悟だ! 話を聞けい!」ビリビリビリ

西征将軍「っ」

ニコラ「キレた」

ガルドス「キレた」

侍「貴様を謀ったところで何の益にもならぬ! それよりも今は火急の問題が目の前にあるのだ! 一国の将であるならなぜそこに目を向けぬ!?」

巽「すっげぇ迫力だな、おい」

鏑「元旗本ですからね。この国で言うなら将軍かそれに近い階級ですよ」

侍「こうしている間にも風竜の遺跡では何が起こっておるのかわからぬのだ! 至急兵を差し向け、魔族大賢者殿達の安否確認、偵察を行うのが筋というものであろう!!」

西征将軍「黙れ黙れ黙れ! それ以上刃向うのであれば、たたっ斬る!」

侍「やってみるがいい! そして後悔するがいい! 今ここで拙者達の言葉に耳を傾けなかった結果、聖王国が滅んだ場合、お主の責となろうぞ!」

西征将軍「ぐっ……そ、そのような事あるはずが!」

騎士団兵「緊急! 遺跡方向に正体不明の一軍!」

巽「出てきやがった!」

ニコラ「魔族大賢者様達は!?」

魔族大賢者「西征将軍殿!」バッ

西征将軍「魔族大賢者殿かっ」チッ

魔族大賢者「彼らから話は聞きましたね!? 対策は既にできていますか?」

巽「無理無理。このおっさん、俺達の話何一つとして信じちゃいねぇ」

鏑「申し訳ございません……私の力不足です」

西征将軍「貴様ら魔族が何か企んでいるのだろうが!」

魔族大賢者「まだそのような世迷言を。人間と魔族が共に暮らすようになってもう100年が経過してるというのに……あぁもういいです。貴方は黙っていてください。私が指揮を執ります」

西征将軍「何の権限があってそのような事を!」チャキッ

魔族大賢者「聖王国総司令部参謀長の役職、お忘れになってはおりませんかな?」スゥ

西征将軍「ぐっ!」

魔族大賢者「有事の際は私の指揮権のほうが貴方の指揮権より優勢なのですよ。大統領閣下と魔王様の許可を頂けば罷免権すら持つ事が可能です。それでも文句がありますか?」

西征将軍「……勝手にしろ! 俺は知らんからな!」バッ

鏑「よろしいのですか?」

魔族大賢者「頭の固い人はこれだから……気にする事はありません。彼なりに聖王国の事は考えてくださっていますよ」ニコ

巽「これからどうします?」

魔族大賢者「指揮権を掌握します。鏑さん、指揮系統を全て私に集めるように指示をお願いします。巽は通信筒の強制割り込み周波数を設定してください」

鏑「はっ!」

巽「人使い荒ぇなぁ。わかりました」

魔族大賢者「騎士団各部隊に告げます。私は魔族大賢者です。西征将軍から指揮権を一時的に委譲されました。現在、北の遺跡から大型人造兵が多数この街に向かって進行中です。各部隊は装備を整え、大至急迎撃準備! これは訓練ではありません。聖王国の存亡に関わります! 繰り返します。これは訓練ではありません!」

ニコラ「何かすっごい事になってるわね」

ガルドス「やる事ねぇけどな」

侍「……今は座して待とう」
147 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/14(水) 21:27:17.04 ID:VSlUQr3to

― 最北の街 騎士団司令部 ―


騎士団兵「報告いたします! 飛竜部隊からの報告によると、大型人造兵の一群は現在遺跡入口周辺に展開中。その数、約10体との事です!」

魔族大賢者「ご苦労様です。予想通りですね」

巽「10体ってとんでもねぇ量じゃないですか」

鏑「1体を倒すのに1小隊が必要と聞いたことがありますから、一個中隊規模の兵が必要になりますね」

巽「でもよ、今の騎士団に実践経験者なんてほとんどいないだろ? そっから考えたらもっと必要だと思うぜ」

鏑「そう、ですね。ですが、ここに居るのは騎士団本隊の中隊です。多少の実践不足はどうにでもなるでしょう」

ガルドス「さっきちらっと見たんだが、魔族の部隊も混ざってたみたいだぞ」

ニコラ「でもさぁ、あの大型人造兵でしょ? やっぱりヤバくない?」

魔族大賢者「なに、先の大戦ではもっとたくさんの大型人造兵とも戦った事がありますよ」ニコ

鏑「さすがは歴戦の勇士」

魔族大賢者「とはいえ、勇者様も魔王様もいない今、どれだけ対抗できるかわかりませんけどね」アハハ

ニコラ「だめじゃん」

巽「そういや、俺達が神殿から出てくる前に女神官さんが飛んで行ったって聞いたけど、だとしたら今あそこに残ってるのって誰なんだ?」

魔族大賢者「可能性が高いのは風竜でしょうね。あの空気振動といい、強力な風圧といい、大気を自由に操ると言われている風竜が放った魔法か何かだと思われます」

ガルドス「んじゃ何ですか、風竜がたった一匹であの大軍の相手をしてるって事ですか?」

侍「いくら竜とはいえ、無茶だとしか思えぬ」

巽「先代の黄金龍でさえ殺しちまうようなやつらだからな。どれだけ戦えるか……」

魔族大賢者「とはいえ、我々にできる事はこぼれ出てきている大型人造兵をどうにかして止める事くらいですよ」

鏑「お話を聞いている限りですと、やはり正面から戦う以外に方法がないように思えますが」

魔族大賢者「それしかないでしょうね。知能は低いですが、戦闘力は魔族よりも遥かに高いです。変な小細工をしたところで数と力で突破されてしまうでしょう」

侍「我々も騎士団の諸方と共に戦えばよろしいのか?」

巽「うぇ、めんどくせ」パスパス

鏑「巽さん、そうも言ってられないですよ」

魔族大賢者「貴方達の戦場はここではありませんよ」

ニコラ「違うの?」

ガルドス「んじゃ、俺達はどうすりゃいいんですか?」

魔族大賢者「貴方達を雇っている側、つまり騎士団ですね。現在のこの地区の責任者は私になっています。その権限を利用して、貴方達には別の仕事をしてもらいます」

巽「すんません、嫌な予感しかしません」

魔族大賢者「なに、大型人造兵と戦うよりは遥かに簡単ですよ。魔王城に幽閉されている魔王様を救出してきてください」ニコリ

ニコラ「どこが簡単なの!?」

鏑「魔王城ですか……」

魔族大賢者「そんなに心配する事はありませんよ。きちんと同行者が居ますから」

巽「同行者ですか? 女さんみたいな?」

ガチャ

勇者「お、ここだったか。んじゃ、行くか」
148 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/14(水) 21:27:43.08 ID:VSlUQr3to

鏑「勇者様……」

侍「なんと……」

魔族大賢者「そういうわけですよ。先程勇者様から念話を受けて会話をしていました。貴方達を借りたいとの事だったのでね。勇者様、女様が先に魔王城へと向かわれたそうです」

勇者「うん、知ってる。女に指示出したのは俺だからな。俺達もすぐに魔王城に潜入する」

ガルドス「でもよ、風竜の神殿で戦ってる風竜さんをほっといていいんですかい?」

勇者「あれは風竜の責任でもあるからな。風竜が自分で始末をつけたいそうだよ」

侍「とはいえ、無茶としか思えぬが……」

勇者「だろうな。お前達だって子供じゃないんだ。責任を取るっていう意味はわかるだろ」

鏑「……」

侍「己が命を以って、というわけでござるか」

ニコラ「それってちょっと酷くない? 勇者さんって要は風竜さんの上司でしょ? 部下を見捨てるの?」

勇者「監督責任ってやつか? 言いたい事はわかるけど、竜には竜の責任ってのがあるんだよ。今回の件は風竜が自分で作った問題だ。これを処理するのは風竜だよ」ギロ

ニコラ「で、でもさ!」

鏑「ニコラさん、勇者様を良く見てください」ヒソヒソ

ニコラ「……?」

巽「拳握ってるだろ。相当な力だぞ、あれ。勇者様なりに耐えてるんだよ」ヒソヒソ

ニコラ「……わかったわよ。どっちにしろ私達があの人造兵と戦えるワケないもんね」フン

勇者「ありがとうよ」ニコ

ガルドス「どうやって魔王城に行くんですか? 転移杖は女さんが持っていっちまいやしたぜ」

巽「ガルドス、お前の目の前に居る人は誰かわかるよな?」

ガルドス「誰ってそりゃ、勇者様だろうよ……あぁ、そうか。転移呪か」

勇者「そういうことだ。魔族大賢者さん、ここは任せるぞ」

魔族大賢者「大船に乗ったつもりで……とはお約束できませんが、できる限りの努力はいたします」ペコリ

勇者「んじゃ、行くぞ。転移呪っ!」ヒュオッ
149 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/14(水) 21:30:19.86 ID:VSlUQr3to

ひとまずこれまで。

長期間放置してしまい、読んでくださっておられた皆様には心よりお詫び申し上げます。すみませんでした。
色々と環境が変わり、その結果体調を崩すという羽目になっておりました。

既に見限られた方が多いとは思いますが、どうにかして最後まで書いてしまいたいので、勝手に細々と継続してまいります。
もし読んで下さる方がおられましたら罵詈雑言等遠慮容赦なく浴びせて下さいませ。(土下座)
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/14(水) 21:33:13.18 ID:FCSK/63Wo
土下座で許すと思ってるのか!!
おっせぇんだよ!このヘタレ!!
体調崩した?心配させやがって!!
ささ、今日はもう布団を敷いたから、添い寝してやる
さっさと寝るぞ!!ついでにケツ貸してやるから、好きなようにしろ!!
でも・・・やさしくしてね(はぁと
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/14(水) 22:19:42.87 ID:mkcDSmiSO
遅いぞヘタレ

遅いぞ……落ちるかと思ったぞ
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/15(木) 00:26:06.36 ID:yeZkQoyIO
乙乙
おかえりヘタレさん

自治スレでローカルルール変更の話し合いがあったのは知ってるのかな?
153 : ◆JbHnh76luM [sage]:2011/09/15(木) 00:46:51.56 ID:A4P29zuuo
>>152
ローカルルールの変更確認いたしました。
知らせて下さりありがとうございます。
地味に危なかったのを知りました……

今後は可能な限りコンスタントに投下できるようにいたします。
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/15(木) 00:51:06.55 ID:CXHg+CZXo
はいはい、
変態150は部屋の外に追い出したから、安心して寝なさい
155 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/09/15(木) 07:57:03.74 ID:7Cr23ttIO
御帰還お喜び申上げ候。
ヘタレ殿には今作品も次作品も精力的に執筆頂きます故、引き続き応援仕る。
156 : ◆JbHnh76luM [sage]:2011/09/15(木) 09:58:09.12 ID:A4P29zuuo
>>155
ありがとうございます。
ところで、次作品とは何なのでしょうか……
157 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/09/15(木) 11:01:53.19 ID:7Cr23ttIO
>>156
未来安価ならぬ未来予想です。
要は今後とも執筆頑張って頂きたく。
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/15(木) 12:02:04.32 ID:BSV6exm3o
要約すると、侍氏がちゃんと看病するからヘタレ氏は血反吐吐きながら執筆してねってことか!!

ヘタレ氏更新乙です

159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/09/15(木) 13:23:48.05 ID:dY+u8JCAO
お久しぶり

体調の変化に気をつけてな
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/09/15(木) 16:10:30.95 ID:FsPFeRk3o
ヘタレ…生きていたのね…!
続きはやくwwww
161 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/15(木) 22:46:26.21 ID:A4P29zuuo

― 魔王城 前魔王の執務室 ―


メイド「閉じ込められてから20時間といったところでしょうか。魔王様、お身体は大丈夫ですか?」

魔王「何の問題もない」モクモク

メイド「ずっと書物をお読みになっておられますが……」

魔王「あぁ、すまない。前魔王が研究していたものが何かやっと掴みかけているんだ。もうしばらく集中させてくれ」

メイド「承知いたしました。ですが、食べ物くらいはお口になさってくださいませ。毒見もしております」

魔王「毒見などせんでも良いものを。いつもお前には心配をかけてしまうな」ナデナデ

メイド「ありがたきお言葉でございます」ニコニコ

メイド「それで、掴みかけておられる『何か』とは?」

魔王「まだはっきりとは言えぬが……メイド、お前は考えた事はないか?」

メイド「何をでございましょうか?」

魔王「全ての生物の頂点に輝くのは黄金龍だ」

メイド「勇者様ですわね」

魔王「うむ、まぁ勇者というのはこの話では比較的どうでも良い。黄金龍という存在についてだ」

メイド「さらりと酷いご発言ですが、聞き流しておきますね。黄金龍は唯一無二の絶対的存在、神に最も近い生物とされていると聞いております」

魔王「概ねあっている。では、勇者と魔王という存在についてはどうだ?」

メイド「人間と魔族、対極に位置する種族の頂点……でしょうか?」

魔王「そうだな。私が居て、勇者がいる。本来ならば争うべき関係の二人だ。少々ややこしい話になるが、全ての物や人には対になるものが存在するという考え方がある」

メイド「対に、でしょうか。それは男女の関係や種族間の敵対関係という事ですか?」

魔王「その通りだ。簡単なところで言うと、火と水なども対の関係だな」

魔王「では、黄金龍の対になるべき存在は?」

メイド「あるのですか……? 絶対無二の黄金龍に関してはその考え方は適用されないように思えますが」

魔王「この文献を見ろ」バサリ

メイド「古代文字ですね。私は古代文字はそんなに得意ではないのですが……邪……邪龍?」

魔王「そうだ、邪龍だ。表の舞台には決して出てくることはない暗黒の龍。黄金龍に唯一敵対することができると言われている、伝説にすらなっておらぬ禁断の龍だ」

メイド「魔王様は邪龍をご存知だったのですか?」

魔王「いや全く。この部屋にある文献を漁りまくってようやくここに辿り着いたところだ」

メイド「前魔王は邪龍について調べていた、ということでしょうか? しかし、側近の話でも邪龍なんていう言葉は出てきた記憶はございません」

魔王「誰にも言っておらなかったのであろうな。言っておったら誰かがその研究を引き継いでる筈だ。そうなればここにこれらの文献が残っているわけがない。前魔王が単身で調べていたのであろう。それを証明するように、こっちの紙束は全て前魔王が書きとめた物のようだ」

メイド「……確かに前魔王の筆跡ですわ。こんな研究をするような性格ではないと思っていたので意外です」
162 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/15(木) 22:46:52.98 ID:A4P29zuuo

魔王「私も驚いた。暴力と恐怖を与える事しか考えてなかったと思っていたからな。ちまちまとした研究をしているとは新発見だ」

メイド「ですが、これらの文献はどこから持ってきたのでしょうか?」

魔王「それはわからぬ。魔王城の書庫にあったのやも知れぬし、人間から奪ってきた物なのかもしれん。文献の出自は全くわからぬが、前魔王の興味を惹いたのは事実であろうな」

メイド「邪龍、ですか。仮に黄金龍の対となる存在であれば、その力はとんでもないという事になると思われます」

魔王「まさに想像を絶するであろうな。勇者の力とて私達はロクに知らん。それどころか四竜の力や魔力すらわかっていないのだ」

メイド「全てが謎に包まれていますものね。勇者様も魔法や力を使う際は人間のお姿で、勇者の力と魔法をお使いになりますし」

魔王「その全ての力が数段どころか数倍に強化されておるがな」

メイド「黄金龍としてのお力を使ったところは魔王様でも見た事が?」

魔王「ない。頼んだ事すらなかったがな」

メイド「何故ですか?」

魔王「知るのが恐ろしかった、と言ってしまってもよかろう。愛しい勇者が私の手の届かない場所に行ってしまったと感じてしまうのが怖かったのだ。情けないが、な」

メイド「魔王様のお気持ちお察しいたします」

魔王「魔族大賢者は聞いたらしいがな」

メイド「あの愚弟は……」ハァ

魔王「そしたら言われたらしいぞ。「全ての生物の命と引き換えにできるなら調べてみろ」だとさ」

メイド「あらあら。それは恐ろしいですわね」

魔王「表に出せない事情というものもあるのであろう。何せ天地を創造した生物とまで言われているのだからな」

メイド「ですわね。……それにしても、何の動きもありませんね」

魔王「宰相か?」

メイド「ええ。それに、勇者様も救出に来てくださってもおかしくないと思うのですが」

魔王「これも『試練』の一部なのかもしれんがな」

メイド「自力で脱出しろ、ということですか?」

魔王「わからぬ。だがしかし、今ここから出るわけにもいかんな。まだ読んでいない文献や資料がたくさんある」

メイド「どんな時でも魔王様は魔王様ですね」ニコニコ

魔王「褒められたとは思えんぞ」ムー
163 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/15(木) 22:48:35.37 ID:A4P29zuuo

― 魔王城 城下町 ―


通行人「魔王城に変化? 別に何もなかったと思うぞ?」

ガルドス「そっか。ありがとよ」

鏑「どうですか?」

侍「変化があったように感じている者はおらぬようだな」

ニコラ「賢者の学院の分校にも行ってみたけど、誰も異変はなかったって言ってたわ」

勇者「表立って何かをするタイミングじゃないと考えているんだろ」

巽「魔王城から邪気が溢れ出てるとかそういうベタなオチじゃなさそうだな」

鏑「どうしましょう、魔王城に潜入しますか?」

勇者「何も仕掛けてこないってんだからこっちから行くしかないだろうなぁ」

巽「魔王城の中を透視したりなんてできないのか?」

勇者「万能ってワケじゃないよ。できない事のほうが多いさ」

?「ガルドスだにゃーーーーーっ!!!!」ガシッ

ガルドス「痛い痛い痛い痛い! 爪立てんなっつってんだろ! おいアグ、聞いてんのか!?」ブンブン

アグラーヤ「にゃっはははははー。って勇者様だにゃ! うにゃー、はじめましてだにゃん」ニコニコ

勇者「メイドさんの部下だったよな。何回か魔王城で見た覚えあるよ」ナデナデ

アグラーヤ「本当かにゃん? だったら嬉しいにゃー」
164 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/15(木) 22:49:03.22 ID:A4P29zuuo

ガルドス「ちょうど良かった。おい、魔王城に何かおかしな事起こってないか?」

アグラーヤ「にゃん? おかしな事っていうと、人間の代表団が魔王様に謁見しに来てたにゃん。でも魔王様とメイド様のお姿が見当たらないらしくて探してたところだにゃん」

勇者「他に何か変わったところはなかったか?」

アグラーヤ「んにゃー、そいえば人間の代表団の中に嗅いだコトない匂いの奴がいたにゃ」

侍「嗅いだ事のない匂い?」

ガルドス「あぁ、こいつは匂いで人を判別するんだよ。大雑把に言うと、人間と魔族を嗅ぎ分けたりとかだな」

アグラーヤ「ふっふーん。犬にも負けないにゃ」ドヤッ

鏑「嗅いだ事のない匂いというと、初対面の人間ということですか?」

アグラーヤ「初対面だったけど、あいつは人間の匂いもしてなかったにゃん。何か薄気味悪かったにゃん」

勇者「宰相か?」

アグラーヤ「そうだにゃん。そんな名前だったと思うにゃー。さすがは勇者様だにゃん」ゴロゴロ

ガルドス「なんでお前は口でそう言っておきながら俺にくっつくんだ」

アグラーヤ「気にするにゃ。ハゲるにゃん」

ガルドス「俺、ハゲんの!?」ガーン

ニコラ「つっこまないわよ、めんどくさいから。勇者様、やっぱりこれは宰相ってヤツが魔王様とメイドさんを?」

勇者「そこは間違いないだろうな。問題はどこに閉じ込められてるか、だ」

アグラーヤ「宰相が魔王様達をどっかに連れてったのかにゃ? だったら締め上げるにゃ!」

勇者「待て待て待て! 締め上げれる相手じゃない」

アグラーヤ「匂いがおかしいとはいえ人間にゃ。人間ごときに後れは取らないにゃ」

鏑「それが、人間じゃないらしいんですよ」

アグラーヤ「どういうことにゃん?」
165 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/15(木) 22:52:03.16 ID:A4P29zuuo
― 魔王城 前魔王の執務室 ―


魔王「メイド」

メイド「なんでございましょう?」

魔王「魔族領の端の端、誰も近寄らない呪われた地というのがあるのを知ってるか?」

メイド「聞いた事はあります。聞いた話ですが、その地に足を踏み入れるだけで四天王クラスの魔族でも一瞬にして命を奪われてしまうとか」

魔王「行った事がある者の記録などはないか?」

メイド「見た事がございません。何百年も前から立ち入った者などいないかと」

魔王「ふむ……」

メイド「そこに邪龍が居るのですか?」

魔王「厳密には違う。ここにある資料を読んで推測しただけに過ぎないが、そこに邪龍の神殿があるのではないかと思う」

メイド「黄金龍や他の四竜と同じように継承性が?」

魔王「そう考えるのが妥当であろうな。前魔王は邪龍を継ぎ、その力を我が物にしようとしていたようだ」

メイド「黄金龍の対となる存在、ですか」

パチパチパチパチ

メイド「何者です!?」

?「そこまで辿り着くまでのスピード、理解力、全てにおいてさすがと言わざるをえませんね」パチパチパチ

魔王「宰相か」

宰相「ご名答です」ニコニコ

メイド「ここから出しなさい。さもなくば」ブォン

宰相「怖い怖い。女性はもっとおしとやかでないといけませんよ」パチン

メイド「魔力が……っ!?」

魔王「メイドの魔力を封じたか。なかなかやるな」

メイド「くっ……」ギリッ

宰相「痛いのは苦手なんですよ」ニコニコ

魔王「大統領殿も今回の一件に関わっていると考えて良いのだな? だとすれば人間との共存については考え直す必要が出てくるぞ」ギロリ

宰相「閣下は何一つ関わっていませんよ。全て私の一存です」

魔王「目的は何だ?」

宰相「目的ですか、目的ねぇ……何なんでしょうか?」ニコニコ

メイド「ふざけるな! 魔王様をこのような場所に監禁しておいて何を企んでいるのです!?」

宰相「やだなぁ、私は魔王様のお手伝いをしただけですよ」

魔王「手伝いだと?」

宰相「もうおわかりでしょう? 邪龍ですよ」ニッ

魔王「っ」ゾワッ

メイド「何て禍々しい……」

宰相「興味ありますよね? 黄金龍の対となる存在です。魔王様が愛して愛して止まない勇者様の対極に位置する存在ですよ。部下の四竜なんて目じゃありません」

魔王「私を邪龍にさせる気か?」

宰相「ですから私は魔王様のお力になりたいだけですよ。素晴らしいと思いませんか? 黄金龍に匹敵する力を持つ事ができるのですよ。力の差のない、まさに対等な関係です」

魔王「ふざけるな。邪龍とは全てを破壊し、蹂躙する存在ではないか! 言わば黄金龍の敵だぞ!」

宰相「魔王と勇者の関係だって元来はそうなっていたはずです。魔王様と勇者様は、言わばイレギュラーすぎるのではないですか?」

魔王「だから何だというのだ。私も勇者も本来は対立すべき立場だったのは確かだ。歴代魔王の中にも勇者に討ち取られた者、逆に勇者を討ち取った者も数多く存在しているのは知っている。だからこそ、私は人間と魔族との共存という今まで誰も選択しなかった道を選んだのだ。無益な争いなどせず、互いに支え合い、共に生きていく道だ」
166 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/15(木) 22:52:31.06 ID:A4P29zuuo

宰相「それがマズいんですよね。『ルール』に反すると思いませんか?」

魔王「ルールだと?」

宰相「この世界のルールです。失礼を承知で先ほどのお二人の会話を拝聴させていただきました」

メイド「下衆な……」

宰相「マナーを欠いているのは謝ります。ついでにこのような場所に監禁していることも。ですが、知っていただきたかったのですよ。邪龍という至高の存在を。そして魔王様もご存知のはずだ。この世界には明と暗、光と闇、言い方はどうでもいいですね。ある一つの存在に対して必ず対極するモノがあるということを」

魔王「……」

宰相「黄金龍の絶対敵たる邪龍こそ、魔王様には相応しいのではないですか?」

メイド「そのような戯言!」

宰相「貴女には聞いていませんよ。少し邪魔ですので……」フォンッ

魔王「やめろ!」

メイド「っ!?」クタッ

魔王「メイドを眠らせたか。一瞬の間に上級睡眠魔法を10回は使ったな」

宰相「正確には12回ですよ。さすがは『狂戦士』の異名をお持ちだ。そう簡単に魔法が効きませんね」

魔王「人間ではないな。しかし、魔族でもないように見えるが」

宰相「それは、秘密です」クス

魔王「貴様の正体は気にはなるが今はどうでもいい」

宰相「それはそれで寂しいものですね。まぁいいでしょう。いかがですか? 私なら魔王様を間違いなく邪龍へと昇華する事ができますよ」

魔王「断る。勇者と敵対するつもりなど全くないからな」キッパリ

宰相「おやおや振られてしまいましたか」ガッカリ

宰相「おっと、今日のところはここまでにしておきましょうか。お客様がおいでのようですからね」

魔王「客だと? まさか、勇者か!?」

宰相「勇者様ご一行、ですね。勇者様に水竜こと女様、それに若者達のパーティです」

魔王「貴様がいくら強かろうと、勇者には勝てぬぞ」

宰相「さてさて、どうでしょうか」ニヤ

魔王「あいつが負けるものか」キッ

宰相「信じておいでですね。愛ですか。素晴らしいですね。実に素晴らしい」スゥッ

魔王「……行ったか」

メイド「ん……はっ!?」ガバッ

メイド「魔王様、お怪我は!?」

魔王「怪我などしておらん。話し合いをしていただけだ。メイドこそ異常はないか?」

メイド「少し気分が悪いですが、大丈夫です」

魔王「上級睡眠魔法を連続でかけられたんだ。気分も悪くなろう。少し休んでおけ。勇者達が来たようだ」

メイド「お役に立てずに申し訳ございません」

魔王「気にするな。宰相とやらは人でも魔族でもないようだ。あんな化け物を相手にできるのは勇者くらいだろう」

メイド「……」

魔王「今はただ待つしかあるま……っ!?」ドクンッ

メイド「魔王様?」

魔王「……?」キョロキョロ

メイド「いかがなさったんですか?」

魔王「いや、何でも……?」キョロキョロ
167 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/15(木) 22:55:03.50 ID:A4P29zuuo

― 魔王城 ―


勇者「別に入り口が閉ざされてるってワケでもないんだな」

女「私が着いた時から開けっ放しだったわよ」

鏑「衛兵の姿が見えませんね」

巽「そういやそうだな。つか、静まり返ってないか?」

ニコラ「嫌な予感しかしないわね」

ガルドス「衛兵がこっちで倒れてるぞ。おい、大丈夫か?」ユサユサ

魔族衛兵「む……」

勇者「何が起こったかわかるか?」

魔族衛兵「勇者様ではないですか! お、俺は一体……?」

女「魔法反応があるわ。気づかない内に睡眠魔法で眠らされたみたいね」

魔族衛兵「そういや、いつも通りに見張りをしてたら突然意識が……」

勇者「怪我してないならそれでいいよ。大統領さん達はどこに居るかわかるか?」

魔族衛兵「謁見室におられるかと」

鏑「先に閣下を?」

ガルドス「魔王様の安否が心配ですぜ」

勇者「魔王はそう簡単には死なないからな。大統領さんは人間だ。何かあったら守りきれるかどうかわからない」

巽「そりゃそうだな。んじゃ、俺達が大統領さんを救出するって事で?」

女「さすがに危ないわ。一緒に行動したほうがいいと思う」

勇者「そうだな。一緒に動くとしよう。ぱぱっと大統領さんを救出して魔王も助けちまおうぜ」

魔族衛兵「一体何が……」ドサッ

ニコラ「!?」

女「睡眠魔法よ」

宰相「さすがは水竜様。一瞬で見抜かれましたか」アハハ

勇者「お前が宰相か」

宰相「お初にお目にかかります、黄金龍様。そのお姿の時は勇者様とお呼びしたほうがよろしいでしょうか?」

勇者「どっちでもいいよ。悪いんだけど魔王とか大統領さんとか返してほしいんだわ」

ガルドス「なんつー軽い会話だ」

ニコラ「貸したペン返して、みたいなノリね」
168 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/15(木) 22:56:42.64 ID:A4P29zuuo

巽「そんな軽いモンじゃないぜ……」

侍「気のぶつかり合いだけで押しつぶされそうでござるよ」

鏑「お二人程ではありませんが、プレッシャーのようなものを感じますね」

ガルドス「すまん、わからん」

ニコラ「ぜんぜん」

宰相「おやおや、そちらが若手のホープといったところですか?」

女「なかなか見所があるわよ」

宰相「ほうほう、貴方達、私の手伝いをしていただけませんか? 報酬は望みの通り与えますよ?」ニコ

鏑「申し訳ございませんが、今は勇者様に雇われている身ですので、お断りさせていただきますよ」ニコリ

宰相「それは残念です。せっかく貴方達にも素晴らしい力を与えようと思ったのに」

ニコラ「ち、力って人造兵じゃないでしょうね?」

宰相「あぁ、もう見ていましたね。どうでしたか? 素晴らしかったでしょう?」

巽「あれのどこが素晴らしいのか理解に苦しむな」

宰相「美というものを解さない人ですね。美意識は人それぞれとはいいますけど。おっと、終わったみたいですね」ニコ

勇者「っ……」

女「そ、そんなっ!?」

ガルドス「何があったんだ?」

巽「風竜がやられたんだ……あの3人にしかわからない事だと、それ以外考えられねぇよ」

鏑「まさか……竜が殺されるなんて」

巽「甘い事言ってんな。先の大戦じゃ黄金龍でさえ殺されたんだぞ」

宰相「そういうことです。とはいえ、用意した大型人造兵全部道連れにされたみたいですがね。これは予想外でした。さすがは風竜です」

勇者「貴様っ!!」ジャキン

宰相「斬りますか? 構いませんよ。『スペア』はいくらでも用意してありますからね」ニコニコ

勇者「んだよ、賢者Dの方法かよ」チャキン

宰相「先人に学べ、といいますからね」

女「でも、魂まで焼いちゃえばそうはいかないわよね」

宰相「うわ、おっかないですね」

勇者「無駄だよ。こいつにゃ魂なんてハナっからねぇよ」

宰相「あははは、一瞬でそこまでわかっちゃうんですか。黄金龍っていうのは本当にすごいですね」

宰相「邪龍の誕生が楽しみです」ニヤリ
169 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/15(木) 22:57:27.75 ID:A4P29zuuo

勇者「お前、今なんて!?」

女「邪龍?」

鏑「宰相が……」

巽「消えた?」

宰相『まだ準備に少し手間取りそうなので、今回のところはこれにて失礼いたしますよ。準備が出来次第、魔王様をお迎えにあがります』

勇者「お前、一体何考えてんだ!」

女「……完全に消えたみたい。さっきまであった気配も魔力も感じないわ」

勇者「転移したみたいだな。どこ行ったかまでは辿れねぇや」

ガルドス「あいつぁ一体何なんです?」

巽「とんでもねぇ魔力を感じたな」

侍「うむ、あのような気を持つ者など今まで見たことがござらん」

勇者「あれも人造兵の一種だよ」

ニコラ「あれが?」

鏑「私達が知っている人造兵とは根本から違うように思えましたが」

勇者「そりゃそうだろ。造ったのが風竜だからな」

女「風竜さん……」

?「おや、君達は……」

鏑「か、閣下!」

勇者「大統領さんか」

大統領「騎士殿か。ちょうど良かった。魔王殿はどこに行かれたか知らないか? ずっと待っておったのだが。それと宰相を見かけなかったか?」

メイド部下「勇者様!」

魔族衛兵「勇者様、こちらに居られましたか!」

勇者「あー」

女「タイミング悪かったわね」

大統領「勇者?」

大統領補佐官「閣下、文献で見た顔と同じです。まさか、生きているなんて……」

ガルドス「そっか。知らないのか」

巽「そりゃそうだろ」

大統領「どういうことか、説明してもらえるか?」ギラリ

勇者「説明すんのはあとにさせてくれ。今は魔王を探すのが先だ」

女「勇者、こっち。魔王の魔力よ!」

勇者「わかった。みんなここで待っててくれ。説明は全部あとでする!」ダッ

鏑「我々も行きます!」

大統領「どういうことなんだ?」
170 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/15(木) 22:58:34.22 ID:A4P29zuuo

― 魔王城 前魔王の執務室 ―


魔王「来たか」

メイド「?」

ガチャガチャガチャ!

勇者『あかねぇぞ! おい、魔王、無事か!?』ガチャガチャガチャ

女『魔法鍵がかかってるのよ。ちょっとは落ち着きなさい!』

魔王「相変わらず落ち着きのない奴だな」クス

メイド「勇者様らしいですわね」ニコニコ

勇者『魔法鍵だぁ? めんどくせぇな。おい魔王、聞こえてるな!? 扉ぶち破るから離れてろ!』

魔王「メイド、部屋の奥に行くぞ」

勇者『せぇのぉ!』ドガーン!

パラパラ

勇者「魔王、無事か!?」

魔王「馬鹿者! 扉どころか周囲の壁ごと打ち抜くな!」スパァン!

勇者「よかった、無事だったんだな」ギュッ

魔王「あ、お、おい、そんないきなり抱きしめる奴がいるか!」マッカ

女「はいはい、どうぞ仲良く」ケッ

ニコラ「すっごい威力……」

鏑「壁の破片すら残ってませんね」

侍「メイド殿!」

メイド「侍様!」ヒシッ

侍「ご無事で何よりだ。お怪我は?」

メイド「ご心配ありがとうございます。少しフラつきますが、大丈夫ですわ」

魔王「侍殿、メイドを医務室に頼む。宰相から上級睡眠魔法を12連続でかけられているからな。できれば担架を……」

侍「すぐにお連れいたす!」ヒョイ ダダダダ

メイド「あらあらあら」

ガルドス「お姫様抱っこかよ」

ニコラ「らぶらぶー」ヒューヒュー

勇者「魔王は大丈夫なのか?」ギュー

魔王「何もされておらぬ。たが」

勇者「邪龍の事、聞いたんだな?」

魔王「まぁ、そんなところだ。聞いたというより、資料を見たといったほうが正しいがな」

女「これ、全部前魔王が集めたり作った資料?」パラパラパラ

魔王「そのようだ。邪龍についてかなり調べていたようだな。それで、だ。勇者」

勇者「なんだ?」

魔王「とりあえず離してくれ。抱きしめられてるのは極上の嬉しさなのだが、いかんせん話しづらい」
171 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/15(木) 23:01:14.41 ID:A4P29zuuo

― 魔王城 会議室 ―


大統領「まさか、宰相がそのような……」

魔王「気に病まないようにしてくれ。あ奴の正体を一発で見抜けるのは勇者くらいだ。私とて人間だと思い込んでいた」

大統領「黄金龍……」

勇者「勇者でいいよ。そんなに偉いワケじゃないからな」

大統領補佐官「あの名高い勇者様が伝説中の伝説たる黄金龍様になっているとは……」

大統領「魔王殿が私の求婚をことごとく撥ね付けた理由がよくわかりましたよ。相手が悪すぎたな」ザンネン

魔王「すまないな。無闇に勇者の事を話すわけにはいかなかったのだ」

女「んで、邪龍って何なの? 私もよくわかってないんだけど」

勇者「簡単に言っちまうと、黄金龍の対極に位置する龍だな。破壊と混沌、暗黒をもたらす最悪の龍だ」

巽「だがよ、黄金龍に関しては文献にもちょくちょく見かけるけど、邪龍なんてのは今まで見たことすらないぞ」

勇者「ないだろうな。何つったって歴代黄金龍の中でも邪龍と対峙したのはほとんどいないんだよ」

魔王「邪龍について書かれている文献は前魔王が蒐集した物もごくごくわずかしかなかったようだな。ただ、大きな災厄や疫病、戦争などの文献も集めていたということは、歴史の表舞台には出てこずに、裏で糸を引いていたということか」

勇者「大体合ってるけど、ちょっと違う。邪龍ってのは存在してるかどうかすらわかんねぇんだよ」

大統領「待ってくれ。だとすると先程の勇者の発言と矛盾するではないか」

勇者「対峙した事は確かにある。だが、その回数が本当に少ないんだ。存在を察知する事すらできないと言っていいな」

ニコラ「黄金龍でも察知できないの?」

勇者「できない。だから存在してるかどうか怪しいって言ったんだよ。俺は邪龍ってのは概念みたいなモンだと考えてる。黄金龍は歴代で継承していくが、邪龍ってのは滅多に実体を持たないんじゃないかってな」

魔王「実体を持った時、大いなる破壊が起きる、ということか」

女「前魔王が残した記述と歴史を照らし合わせてみるとわかるわね。この時とこの時と……」

巽「歴史に残る大震災や災害、大規模な戦争があった時だな」フムフム

勇者「そういうことだ」

大統領「では、もし魔王殿が邪龍となってしまったら」

魔王「この国どころか大陸が破滅するような何かが起こる可能性が高いな。とはいえ、邪龍などになろうとは全く思わぬが」

女「なられたら困るどころじゃないわよ」

鏑「宰相が最後に、まだ準備ができていないと言っていましたが」

勇者「竜の神殿みたいに邪龍にも神殿があるはずなんだ。でも、その場所がわかんねぇ。そこで準備してるんだとは思うんだけどな」

魔王「魔族領の果ての果て。登る事ができぬ山々の奥に呪われた地という場所がある。前魔王が推測していた場所だが、たぶん間違いはないだろう」

勇者「ンなとこあったのかよ」

女「場所がわかるならすぐにでも」

勇者「魔王、大雑把でもいいから地図に場所書いてみてくれ」バサリ
172 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/15(木) 23:01:56.37 ID:A4P29zuuo


魔王「私とてほとんど知らぬのだがな……っと、この辺りだと思うぞ」マル

女「……ここって」

勇者「なるほどなぁ。こんなところか。こりゃすぐには無理だな」

大統領「どうしたのだ?」

巽「何かあんのか?」

鏑「険しい山脈が集まっているところですね。人間や魔族では到達できないように思えますが」

ガルドス「飛んで行くにしてもこの辺の山は高すぎて飛べねぇんだよな」

勇者「この大地の核につながってる場所なんだよ」

巽「核? なんだそりゃ」

ガルドス「ニコラ、わかるか?」

ニコラ「ぜんぜん。地質学系なのかな」

勇者「簡単に言っちまうと、ここが崩れたらこの大陸そのものが崩れちまうって場所だ。地脈の中心地と言ってもいいかもな」

鏑「ちょっとわかりづらいですが、重大な場所なのですね?」

女「そうね。とんでもなく重要な場所よ。まさかこんな処に邪龍とかいうのが居ただなんて思ってもみなかったわ」

勇者「四竜でもおいそれと行ける場所じゃないからな。星の力がダイレクトに伝わるから負荷も大きいんだよ」

魔王「呪われた地の真相はそれか?」

勇者「人間や魔族なら即死しちまうだろうからな。そうかもしれない」

魔王「ふむ、なんとなくは理解できたが、宰相とやらはそこで準備をしている、という事で間違いはないのだな?」

勇者「たぶんな。あいつのことだからスペアの身体もあそこに大量に揃えて使い捨てながら準備してるんだろ」

大統領「このような場所では兵を出すにも不可能だな」

勇者「それ以前に星の力に抵抗できなきゃどうしようもない。俺の力で保護できるのはせいぜい7、8人ってとこだな」

女「竜ならなんとか耐えれるんでしょ? 私は絶対行くからね」

魔王「私も行くぞ」

勇者「魔王はここで待っててくれ。危険すぎる」

魔王「何を言っておる。私を誰だと思っているのだ。宰相に怯えて魔王城に引きこもるなど、私のプライドが許さん」

勇者「魔王、わかってくれよ」

魔王「勇者、私はお前と同じ道を歩くと決めたのだ。いや、ずっと前からそう決めていたのだ。それはお前だってわかってくれていたのではないか?」

勇者「……」

魔王「頼む。待つのは私の性に合わん」ジッ

勇者「……わかった。そうだな、魔王は俺の傍に居てくれ」ナデナデ

魔王「うむ」ニコニコ

女「私の事忘れてない?」ムー

勇者「女だって傍に居てほしいよ」ナデナデ

ニコラ「二股よ二股!」アラアラ

ガルドス「いやすまん、勇者様相手にその冷やかしはちょっと……」

ニコラ「ノリ悪いの」ムー
173 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/15(木) 23:02:41.93 ID:A4P29zuuo

鏑「それでは私達はいかがいたしましょう?」

巽「一応仕事は完了ってトコなのかね」

勇者「そうだな。色々と助かったよ、ありがとう」

魔王「ご苦労だった。褒章は意のままに取らせよう」

ガルドス「ありがたきお言葉」

魔族大賢者「勇者様、こちらでしたか」バタン

勇者「魔族大賢者さん。無事でよかった」

魔族大賢者「戦いすらしませんでしたよ。風竜様が全て片付けてしまわれました。ですが……」

勇者「気にするな。風竜は自分のしでかした責任を取ったんだ。あとは俺達が片付ければいいんだよ」

魔族大賢者「力不足で申し訳ございません……」

魔王「ん、碧と蒼が来るな」

勇者「わかるのか?」

ドドドドドドドド

四天王碧「魔王様!」

四天王蒼「ご無事ですか!?」

魔王「どうした?」

四天王碧「どうしたもこうしたも、北の遺跡で大型人造兵が出たって話を聞いて魔王様のご無事を確かめに来たに決まってるじゃないですか!」

四天王蒼「ご無事で何よりです」

魔王「ほらな」ニコ

勇者「……」

女「あれ?」

鏑「どうかなさいましたか?」

女「ん、んー? なんでも、ない、かな?」ハテナ?

四天王碧「お前達よくやった!」

巽「俺達か?」

鏑「そのようですね」

四天王蒼「ガルドス、やはり私が見込んだだけのことはあったな」ハッハッハ

ガルドス「何もしてませんとか口が裂けても言えねぇ」

ニコラ「ほとんど見てただけだもんね」

勇者「そうでもないぞ。ちゃんと役に立ってくれたよ。ありがとうな」

四天王碧「魔王様、無事に風竜に?」

魔王「まだだ。だが、風竜殿は討ち死になさったらしいがな」

四天王蒼「では、魔王様が後継に?」

勇者「とりあえずその問題はちょっと棚上げだ。それよりでかい問題が起こってる」

四天王碧「でかい問題?」
174 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/15(木) 23:04:21.06 ID:A4P29zuuo

― 魔王城 城下町 ―


巽「あーあっと、これでお役御免か」

鏑「正式に魔王様と魔族大賢者様から任務終了と言われましたからね」

ニコラ「鏑はどーなんの? やっぱり騎士団はクビっぽい?」

鏑「どうでしょうね。追って沙汰が出ると思いますから、ひとまずは聖王都に戻るつもりです」

ガルドス「そっか。んじゃ、お別れになっちまうな」

巽「侍さんはあのままメイドさんに付きっきりなのか?」

侍「すまぬ、今戻った」

鏑「メイド様はよろしいのですか?」

侍「もう大丈夫のようだ。心配をかけてしまってすまぬ」ペコリ

ニコラ「ほんとにラブラブよねー」ヒューヒュー

侍「そ、そのような……」

巽「ひとまずは仕事も終わった事だし今夜くらいはぱーっとやるか。鏑、今日くらいはまだいいだろ?」

鏑「そうですね。この街にも騎士団の詰め所がありますから連絡だけ入れておきますよ」

ニコラ「じゃあ打ち上げだね。ガルドス、どっかお勧めのお店ないの?」

ガルドス「ずっと旅に出てたからまだあるかどうかわからんけど、人間も入れる店なら何軒か知ってるぞ」

巽「よし、じゃあハシゴだハシゴ!」

侍「あぁそうだ、魔王殿から今夜の飲食と宿代は魔王軍に回すようにとの事だ。これが魔王殿の書状になるそうだ」

ガルドス「すげぇ、フリーパスみたいなモンだぞこれ」

ニコラ「うわー、じゃあ豪遊しよ、豪遊!」キャッホー

鏑「いいのでしょうか?」

巽「いいんじゃねぇか? 何だかんだで命も結構掛けたからな。これくらいは、な」

侍「報酬や褒章は後日正式に渡すとの事でござった。各々に渡している通信筒はそのまま持っておくように、とのことだ」

ニコラ「これ便利でいいわよね」

ガルドス「何か至れり尽くせりって感じだな」

鏑「逆を言えば、またご指名を受ける可能性もあるって事ですよね」

巽「例の邪龍の神殿か? いくらなんでもそれはないだろ。俺達が行っても何の役にもたたねぇよ」

ニコラ「そうそう。あたし達が行くより四天王さんとかが居るでしょ」

ガルドス「よーし、まずは大通りの店から行こうぜ。片っ端から?んで?んで?みまくってやらぁ!」

ニコラ「おーっ!」
175 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/15(木) 23:06:24.17 ID:A4P29zuuo
>>174
下から2行目
>ガルドス「よーし、まずは大通りの店から行こうぜ。片っ端から?んで?んで?みまくってやらぁ!」
文字が「?」になっておりました。

ガルドス「よーし、まずは大通りの店から行こうぜ。片っ端から飲んで飲んで飲みまくってやらぁ!」

となります。書き込みエラーが出ておりましたので、その関係かもしれません。失礼いたしました。
176 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/15(木) 23:22:42.48 ID:A4P29zuuo

改めましてこんばんは。石抱き状態でお送りしております。Live on air
期間が空きまくったにも関わらず、暖かいお言葉を頂戴し、本当に感謝しております。ありがとうございます。
このような稚拙でどうしようもない作品にご感想をいただき、心から嬉しく思っております。

閑話休題

ここで参加者の皆様の自由行動です。
何しても、どこ行っても自由です。街から街への移動手段としては巽様の転移呪、ガルドス様の飛行以外では大きな街から大きな街(例:聖王都→西の街など)へは騎士団あるいは魔族軍の居留地経由で転移杖での移送を受ける事ができます。小さな町や村(参加者様が考えてくださって結構です)へは大きな街から徒歩や馬車等での移動となります。
行動内容によっては勇者(黄金龍Ver.)の背に乗るというイベントを起こす事ができる可能性もあったりなかったり。

参加者様以外の読者の方でも何らかのアクションを起こす事を可能といたします。採用不採用はございますが、「街人Aとしてこんな事しちゃうかも」や「学院生徒になってニコラ様に罵ってほしい!」等のご要望がございましたらお気軽にどうぞ。
それ以前にどれだけの方が見て下さってるかというお話もありますが。

皆様からのご回答を待つ間にもお話を進めていくつもりにしております。どこまで出来るかはわからないところではありますが、可能な限り魔王や勇者、女、メイド達が何か適当に動いたりしますので、それに絡んでくださっても結構です。
自由行動期間中は書き溜め無しの即興モードにてお送りいたしますので、奇跡的にタイミングが合った場合はご参加くださいませ。
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/16(金) 04:12:06.47 ID:FysjXgwDo
人・魔族のハーフA「あっちでこそこそこっちでこそこそ、今日も魔王様を見守る魔王様のための魔王様ファンクラブ」
魔王の幸せを記録するハーフAがお送りします
気配を隠していたハーフAはとうとう魔王に見つかってしまい、黄金竜と水竜に捕縛されてしまったようです
どうやらハーフAには魔王のきっつぅいお仕置きが待っているようです
178 :タツミ ◆Ddyke7B1QA [sage]:2011/09/16(金) 23:48:00.73 ID:EITNKRKQo
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『仕事から帰ってきたと思ったら
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        いつのまにかヘタレが復帰して次の自由行動になってた』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも何をされたのかわからなかった
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    超スピードだとか催眠術だとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…



>>176
転移呪だけじゃなくて縮地も使えるから
一度行った場所ならどんな辺鄙な場所でも一瞬で行けるから

リアルで彼岸が近いから墓参りとか良いかもしれん…なぁ、侍さん…



>>177
人魔混血ってだけで出自的にかなり目立つから コソコソ出来ないから むしろコソコソしてる方が怪しまれるから


とりあえず自由行動に関しては日曜ぐらいまでに考えてみる
179 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/17(土) 11:55:51.70 ID:7V+Ru9kOo

― 魔王城 城下町 ―


ハーフA「あっちでこそこそこっちでこそこそ、今日も魔王様を見守る魔王様のための魔王様ファンクラブ。会員ナンバー0000が目立たない物陰からお送りしています」コソコソ

ハーフA「嗚呼魔王様、本日もお美しいです。そのボン・キュ・ボンな魅惑のボディラインといい、眉目秀麗なお顔立ちといい、もう色々タマリマセン」コソコソ

ハーフA「今日は恋仲である伝説に名高い勇者様とのデヱト現場を見守っております。腕なんて組んじゃっていちゃらぶですね! ひゅーひゅー!」コソコソ

ハーフA「いやぁ、素晴らしい笑顔ですね。おっと、露店でおやつをご購入なされたようです。クレープですね。おやおや、店主が恐縮しきりで失敗してしまいました。しょうがないですよね、魔王様と勇者様が来店するなんて思ってもみないですから」コソコソ

子供「ママー、あの人何してるのー?」ビシッ

母親「めっ、指さしちゃいけません!」ソソクサ


勇者「なぁ魔王、気づいてるか?」

魔王「気づかないわけなかろう。ハーフだからモロに目立っておるではないか。私が執政に戻った初日からだ」

勇者「あれか。ストーカーってやつか?」

魔王「そういう雰囲気ではないな。どっちかというと追っかけみたいな感じだと思うぞ」ギュムー

勇者「くっつくのはいいけど歩きづらい……」

魔王「ふふーん♪ 勇者とデートは楽しいなっ」ニコニコ

勇者「あぁ、そういや魔族大賢者が大型の魔導機関が完成したって言ってたけど、聞いたか?」

魔王「試作機だな。3日後には公式にお披露目するらしい。卯殿と二人で作り始めた物だ。感慨もひとしおであろう」

勇者「卯さんかぁ、懐かしいな」

魔王「うむ。また皇国にも行きたいな」

勇者「メイドさんが侍さんと結婚する時には皇国に一度行くんだろ? その時についていくってのはどうだ?」

魔王「はぁ……」タメイキ

勇者「な、何か変な事言ったか?」

魔王「あのな勇者、新婚旅行だぞ。ハネムーンだぞ。わかるか? 皇国では蜜月というらしいんだぞ」

勇者「あー、うん、わかった。デリカシーなかったな」

魔王「そういうことだ。さっきから気になっていたのだが、女はどうした?」

勇者「ちょっと用事があってな。今は東の国の向こう側に行ってもらってる」

魔王「例の絡みで、か?」

勇者「ああ。色々と準備もしなきゃいけないからな。本当なら俺が行くつもりだったんだけど、「私が行く」ってさ」

魔王「ふむ。お言葉に甘えるとするか」ギュー

勇者「おいこら、仮にもお前魔王だろ。お膝下でいいのかよ?」

魔王「魔族はストレートなのだ。愛情表現もな」ゴロゴロ
180 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/17(土) 11:57:00.70 ID:7V+Ru9kOo
ハーフA「ギギギギギギ」コソコソ

ハーフA「いちゃいちゃしてますよ! もうすごいことになる寸前じゃないですかあれ!?」コソコソ

ハーフA「魔王様幸せそうですね。しっかりと記録せねば!」コソコソメモメモ

ハーフA「リア充爆発しろっと……」

魔王「爆発は困るぞ」

勇者「面白そうではあるよな」

ハーフA「なんとぉ!?」

魔王「ハーフAよ、そろそろ……って逃げた!」

ハーフA「50m走6.8秒をなめてもらっては困ります!」シュタタタタタ

勇者「それ、一般的だろ」タタタタ

ハーフA「おぎゃあああああ!? ゆゆゆゆゆゆ勇者様!?」シュタタタタタ

勇者「まぁ、そうだけど、そろそろやめといてやれよ。魔王恥ずかしいって言ってるぞ」タタタタ

ハーフA「ですが、ですが、魔王様ファンクラブといたしましては!!」シュタタタタタタ

勇者「会員総数は?」タタタタ

ハーフA「い、1名……です」シュタタタタ

勇者「……」タタタタ

魔王「い・い・か・げ・ん・に・止まらんか!!」チュドーン

魔王「追いかける私の身にもなってみろ! 身体強化を使ったとしても疲れるんだぞ!」プンスカ

ハーフA「きゅー」

勇者「で、どうするよ? 無害だぞ、こいつ。どっちかっていうとちょっと面白い」

魔王「面白いからってなぁ……」ハァ

魔王「メイド、いるか?」

メイド「こちらに」シュタッ

勇者「侍さんとデート中じゃなかったのかよ」

メイド「魔王様のお呼び出しとあれば」キリッ

勇者「侍さん、かわいそうに……」ホロホロ

魔王「すまないな。ちょっとばかり頼まれてくれ。こいつを……」

メイド「……承知いたしました。えっと、今すぐのほうがよろしいでしょうか?」

魔王「いや、侍殿とたっぷり楽しんだ後でいいぞ」

メイド「そんな、楽しむだなんて」ポッ

勇者「おい、侍さんは人間なんだからな。その辺考慮してやれよ」

メイド「わかっております。それでは、この者はお任せください。失礼いたします」シュッ

勇者「連れて行っちまったぞ、いいのか?」

魔王「魔王城であの者を下ろしたらすぐに侍殿のところに戻るであろう」

勇者「それはそうと、どうするんだ?」

魔王「魔王軍は絶えず人手不足なのでな、人材を見つけたらすぐに起用するのだ」ニコ


― 後日 魔王城 ―

ハーフA「魔王様ふぁんくら……失礼、魔王軍報道官のハーフAです。本日の魔王様の予定を発表いたします」

ハーフA(どうしてこうなった)

終わる
181 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/17(土) 14:44:19.95 ID:7V+Ru9kOo

― 魔王城 屋上 ―


黄金龍(勇者)「っしょっと」バサッバサッ

魔王「ご苦労だったな。用はもういいのか?」

黄金龍(勇者)「大した問題じゃなかったからいいさ。わざわざ出迎えありがとうな」

魔王「一つばかり聞きたい事もあったからな」

黄金龍(勇者)「聞きたいこと?」

魔王「うむ。人間の姿への変化魔法について聞いてみたかったのだ」

黄金龍(勇者)「あぁ、これは龍族にしか使えない魔法なんだよ。人間や魔族では無理だぞ」

魔王「やはりそうなのか。姿はどのようにでもなれるのか?」

黄金龍(勇者)「いや、元の姿だけだな。誰にでもなれるってワケじゃないよ」

魔王「ふむ。万能というわけでもないのだな」

黄金龍(勇者)「まぁ、な。不便なものだよ」

魔王「邪魔してすまなかった。そのままの姿でいるのか?」

黄金龍(勇者)「いや、このままだと目立つからな。よっっと」シュォォォンッ

魔王「……む?」

勇者(?)「お?」

魔王「おい勇者、その姿は……」

勇者(小)「しまった、ミスった!」チンチクリン

魔王「ほうほう、少年時代の姿か。かわいいではないか」ニヤニヤ

勇者(小)「かわいい言うな! もう一度……もがっ!?」モゴモゴ

メイド「あらあらまぁまぁ、かわいいですわ」ニコニコニコニコ

魔王「いつの間に……」

メイド「あらあらあらあら勇者くん、お腹空いたんですかー?」ナデナデ

勇者(小)「め、メイドさん! 頼むから呪文の邪魔をしないで……もがーっ」

メイド「させませんわよぉ」ギュムー

魔王「おっぱいサンドとか高等テクニックだな」

勇者(小)「魔王、止めろよ!」

魔王「いや、無理。覚えているだろう? 皇国に行った時に当時の皇太子殿と会ったメイドを」

メイド「お若い頃の皇太子殿下を思い出しますわ」ニコニコ

勇者(小)「わ、わかったからそろそろ離してくれるかな?」アセアセ

メイド「お断りしますわね」キッパリ

勇者(小)「まじで!?」

魔王「おいメイド、適当にしておけよ。あと、勇者の貞操をおびやかすような事はするなよ」

メイド「もちろん承知しております。それでは少しばかり勇者様を『お借り』いたしますわね」

勇者(小)「たぁぁぁぁぁぁぁぁすけぇぇぇぇてぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/17(土) 16:38:24.61 ID:sNaVnEuSO
平和だなこいつら……
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/17(土) 18:12:27.72 ID:u67KO0Y10
おかえりへたれ
待っててよかった
なんか燃える展開になってきたし、これからも楽しみにしてます
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/18(日) 00:46:04.30 ID:pFct5Q6ao
>>178
タツミ殿はエスパーであるか?
亡き妻の墓参りにメイド殿と行こうかと思っていたところぞ。

せっかく後押しもある故、行動。
メイド殿をお誘いして皇国に墓参りに行く。同行希望者がいたら皇国まではご一緒するが墓参りは二人で行い、亡き妻に事の顛末報告とメイド殿の紹介を致したく候。
185 : ◆MlrGn9DGd2 [sage]:2011/09/18(日) 01:24:08.73 ID:c4f8lvSQo
おつかれさまです
お体はもうよろしいんですか?
186 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/18(日) 21:01:29.66 ID:pOJL0c0oo

― 魔王城 城下街にある酒場 ―


巽「おう、酒だ酒!」

ガルドス「こっちに龍酒くれ!」

ニコラ「あたしにもおさけーっ!」

鏑「飲みすぎじゃないですか?」

侍「よかろうよ。仕事が一段落ついたのだ。盛り上がるのも悪くないであろう」

鏑「まぁ、それはそうですけど……」

巽「おいおい鏑サンよぉ、全然飲んでねぇじゃねえか! ほれ、飲め!」

鏑「いえいえ、私はもうこれくらいで」

巽「あ゛あん? 俺の酒が飲めねぇってコトか?」アァン?

ニコラ「はいはい巽は絡んでないで飲みなさい」

巽「話がわかるじゃねぇか。おっとっと」

ニコラ「鏑も将来の不安とかあるのかもしれないけど、今はそんなの忘れて飲も? 暗いまんまだと良い話も来なくなっちゃうよ」

鏑「ありがとうございます」

侍「このスモークサーモンとやらは美味いな。刺身とはまた少し違った風味がある」

ガルドス「うははははは! 仕事が終わった後の竜酒はカクベツってなもんだなぁ!」

巽「んでよ、これからどうするよ?」

ニコラ「んー、あたしは学院戻るわよ。途中でほったらかしてる実験とかもまだあるしねぇ」ヒック

ガルドス「オレはまた旅にでも出るかなぁ。魔王軍に入るのも良いのかもしれねぇけど、まだもうしばらくはフラフラしてたいってとこかな」ウィック

鏑「私は騎士団の裁定待ちですね。ですが、魔王軍に入るというのも一つの手だとは思っていますよ」

ニコラ「侍さんはアレよね。メイドさんと結婚だもんね〜? いいわねぇ、いちゃらぶだよねぇ」ニコニコ

侍「う、うむ……だが、その前に皇国に一度戻って亡き妻への報告をせねばなるまいな」

ガルドス「ハネムーンを兼ねるって事か?」

侍「いや、そのような浮ついた気持ちではなく、きちんと妻を弔い、メイド殿を紹介するつもりだ。メイド殿の準備が整い次第皇国に向かおうと思っている」

巽「片道3か月だっけか? 長旅になるな」

侍「なに、独り身ではないからな。寂しくもなかろう」

巽「つってもよ、メイドさんはまだ仕事あるんだろ?」

侍「うむ。魔王殿の竜への昇華を見届けてからになるであろうな」

ニコラ「待ちきれないよねぇ。何とかさくっとできちゃえばいいのにさ」

侍「そうも言っておれぬだろう。転移杖では到底届かぬ距離でござるよ」
187 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/18(日) 21:01:56.16 ID:pOJL0c0oo

巽「よっしゃ、んじゃ結婚祝いって事で俺が連れてってやるよ! なぁに、縮地で飛びゃあっという間だ!」

侍「……その方法があったか。いやしかし、巽殿にそこまで頼んでしまうのは」

巽「何言ってんだ。仲間だろ、俺達はよ」ガシッ

鏑「そうですよ侍さん。私たちは仲間なんですから、頼っても良いのではないですか?」

ガルドス「そーだそーだ」ウヘヘヘヘ

ニコラ「ガルドス酔いすぎ」

侍「……では、頼めるか?」

巽「当たり前だろ。いつでも連れてってやるよ」

メイド「あらあら、では明日から参りましょうか?」

侍「メイド殿!」

魔王「盛り上がってるようだな」

ガルドス「魔王様!?」ガタッ

勇者「日本酒か、懐かしいな」

鏑「勇者様まで……どうなさったんですか?」

勇者「ん? 別にこれといった用じゃなかったんだよ。2,3日暇になるから巽さんの縮地でメイドさんと侍さんを皇国に送ってやってくれないかなーっと頼みにきたんだけど、もう話ついてるみたいだな」

巽「おうよ! 仲間の為なら100万里って!」

魔王「話がまとまっているのならばそれに越した事はない。巽殿、私からも頼む」

巽「なぁに、仲間の為ですからね。魔王様に頼まれるまでもないですよ」

侍「かたじけない」

メイド「ありがとうございます」ペコリ

魔王「よし、前祝いだ。店主よ、とびきり上等な酒を出してくれ。前途ある若者達の祝福だ」

ガルドス「さすがは魔王様!」

ニコラ「ふとっぱらー!」
188 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/18(日) 21:02:48.53 ID:pOJL0c0oo

― 魔王城 中庭 ―


巽「んじゃ、準備は良いか?」

侍「うむ。問題ない」

メイド「お待たせいたしました。準備万端です」ピシッ

魔王「やけに気合いが入っているな」

メイド「侍様の奥方様へのご挨拶ですからね」

侍「緊張せずとも良いでござるよ」

勇者「ん、っと。メイドさん、侍さん、ちょっとだけいいか?」

侍「何でござろう?」

メイド「はい」

勇者「すぐ戻るから巽さんは準備始めておいてくれ」

巽「りょーかい」

勇者「俺からの結婚祝い……っていう程のモンでもないけど、持って行ってくれ」コロン

メイド「魔石……ですか?」

侍「魔力を封じた物でござるな? これは一体?」

勇者「まぁ、じきにわかるよ。ただし、一回こっきりだけどな」ニヤリ

メイド「はぁ……ありがとうございます」

侍「ありがたく頂戴いたす」

巽「こっちは準備オーケーだ。あとは侍さんの想いが俺達を皇国まで運んでくれるよ」
189 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/18(日) 21:03:14.56 ID:pOJL0c0oo

ガルドス「気ぃつけてな」

ニコラ「お土産お願いねー♪」

侍「皆、本当にかたじけない。すぐに戻ってくる」

メイド「皆様、ありがとうございます。魔王様、数日で戻ります」

魔王「ゆっくりしてこい」

巽「んじゃ、行くぜ。侍さんとメイドさんは皇国の事をしっかりと念じてくれ。特に侍さん、具体的な場所の情景を強く想ってくれ」スゥッ

魔王「一瞬であそこまで集中を上げられるか」

勇者「さすが」

巽「天鳥船之神に願い奉る! 我、陰陽の師。偉大なるその力を貸し与え賜え!」フォォンッ

巽「急急如律令!! 縮地!!」シュォッ

ガルドス「消えた……?」

魔王「陰陽術の呪法というのは初めて見たな」

勇者「卯さんは詠唱なしで使ってたもんなぁ。そっから考えたらやっぱりすごかったんだな」

ニコラ「わけわかんない言葉だったね」

魔王「皇国語だな。こっちの言葉でもできなくはないのであろうが、やはり向こうの術だから向こうの言葉でやったほうが良いのであろう」

鏑「もう着いてるのでしょうか?」

勇者「着いてるはずだ。縮地は本当に一瞬でとんでもない距離を跳ぶからな」

ガルドス「便利なモンですね」

魔王「その分、呪文の難しさは群を抜いているそうだがな」

勇者「さて、と。残ったお前達には先に話しておくか。魔王、いいよな?」

魔王「うむ」

ガルドス「果てしなく嫌な予感」

ニコラ「同感」

鏑「あはは……」
190 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/18(日) 21:03:40.63 ID:pOJL0c0oo

― 皇国 江阪の街郊外 ―


巽「着いたぜ」

侍「……おぉ」

メイド「あらあら」

巽「俺は皇国には来た事ねぇからよくわからないんだが、間違ってないか?」

侍「うむ。相違ない。この空気の匂い、この街並み、間違いなく江阪の街だ」

メイド「私が居た頃と比べると街が大きくなっていますわね」

侍「そうだな。なにもかもが懐かしい。二度とこの土を踏む事はないと思っていたのだが……」

巽「ここは聖王国の言葉ってあんまり通じないんだっけか?」

侍「大きな宿や商店などでは通じるが、一般人にはあまり通じないでござるな」

巽「ふーむ。ま、いっか。俺は適当にしてるからそっちはそっちでやってくれ。全部終わったら通信筒で連絡くれりゃいいよ……ってこれ、ここでも使えるのか?」

メイド「どうでしょうか、試しに使ってみましょう」

巽『あーあー、どうだ?』

侍『良好でござるよ。使えるようでござるな』

巽「んじゃ一安心だ。宿とかは各自でやっちまおう。俺も色々見て回りたいし、行きたい所もあるからな。じゃ、またな」ヒラヒラ

侍「万事承知いたした。また後日」

メイド「ありがとうございます」ペコリ
191 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/18(日) 21:04:13.04 ID:pOJL0c0oo

― 江阪の街 ―


侍「皇国語を見ると帰ってきた、と思うな」

メイド「私にとっても馴染み深い言葉です。あ、そこの角にある茶店、まだあったんですね」ニコ

侍「私の妻もこの店を気に入っていたな」

メイド「私は奥方様から教えていただいたのですよ」

侍「なんと……それは初耳でござった。メイド殿と妻の間に親交があったとは」

メイド「数回お話をさせていただいただけですけどね。慎み深い大和撫子でしたわ」

侍「……入ってみようか」

メイド「ええ、是非」

店子「いらっしゃいませー。お二人様ですね? あちらの窓際のお席にどうぞ」

侍「内装もほとんど変わっておらぬな」

メイド「そうですわね。あ、私は緑茶で美味しいのがあったらそれをお願いします」

店子「でしたら新茶が入っていますので、それはいかがですか?」

メイド「ではそれでお願いします」

店子「皇国語がお上手ですね」ニコニコ

メイド「ありがとうございます。侍様はいかがなさいますか?」

侍「うむ……かぶせ茶を貰おうか」

店子「はい。承知いたしました。すぐにお持ちいたしますね」ペコリ

メイド「皇国語が訛っていなくてよかったですわ」

侍「メイド殿が使う皇国語は非常に美しいでござるよ。方言などが全く混ざっていないのもあると思う」

メイド「ありがとうございます」

?「すまない、茶葉をたの……侍、侍ではないか!?」

侍「!?」

?「やっぱりそうだ。一体どこで何をしていたんだ!?」

侍「侍大将殿……」

侍大将「久しいな! 突然姿を消したから何があったのかと心配していたのだぞ!」
192 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/18(日) 21:04:38.87 ID:pOJL0c0oo

侍「か、かたじけのうございます」

メイド「旗本衆の頂点、軍事統括責任者の侍大将様ですわね。お久しゅうございます」

侍大将「メイド殿……聖王国に戻ったと聞いていたが」

侍「訳あって共に生きる事となり、亡き妻の墓参りに」

侍大将「……あの時は何の力にもなれずにすまなかった。この通りだ」ペコリ

侍「そんな、頭を上げてくだされ! 侍大将殿が頭を下げる謂れなど!」

侍大将「いや、私の責任だ。謀反の兆候を見抜く事ができなかった。お主とお主の奥方の犠牲でやっとそれを掴んだという体たらくだ。しかも謝罪しようにもお主はすぐに皇国を出て行ってしまったと聞いて本当に申し訳ないと思っていたのだ」

侍「もう過ぎた事でござる。妻の件に関しては侍大将殿には何の責を負わせるつもりはないでござる」

メイド「私こそ、謀われたとはいえ、毒薬を作ってしまった責任は重々感じております」

侍大将「共に生きる、と言ったが、お主達まさか……」

メイド「はい。侍様の妻となる為にこちらに」

侍「メイド殿を妻に迎えるにあたり、亡き妻に報告に」

侍大将「……はっはっは! そうかそうか! いや、めでたい。めでたいぞ! 泊まる所は決めているのか? 決まっていないのなら俺のところに来るといい! いや、その前に皇王陛下にご挨拶だ! 来い!」

侍「いや、そのような大事にするつもりは……」

侍大将「何を言っておるのだ! 救国の雄とはお主の事なのだぞ! 前皇王陛下とてお主の事には心を痛めておられたのだ」

メイド「今は殿下が?」

侍大将「うむ。前皇王陛下と皇妃陛下のご子息だ。メイド殿も剣の修練をつけた覚えがあるだろう?」

メイド「ええ。よく覚えておりますわ。臣娘様に生き写しのような面立ちでした」

侍大将「はっはっは。今は精悍な青年になっているぞ。さぁさぁ、行くぞ!」

侍「い、いや、その、茶がまだ……」

侍大将「何を言っておる! 茶より陛下だ! おい店子、金はここに置いておく。すまないがその茶はそっちで飲んでくれ」

店子「ありがとうございましたー」
193 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/18(日) 21:05:06.68 ID:pOJL0c0oo

― 皇国 皇居 正殿 ―


皇王「よくぞ戻ってくれた。しかも婚礼と聞く。これほどめでたい事があるであろうか」

侍「皇王陛下におかれましては変わらぬご健在の事をお喜び申し上げます」

メイド「お久しぶりですわ、殿下」

皇王「殿下はもうよしてくれ。メイド殿に剣を習っていたのが懐かしい」

侍「拙者のような故国を棄てた者にも寛大なる処遇、心より痛み入ります」

皇王「侍よ、いや、侍殿。お主が皇国を棄ててしまった原因、理由は痛い程わかっておる。父上もその事をずっと気にしておられた。どうだ、この機会に今度は私の下で働いてもらえないだろうか?」

侍「そ、そのような恐れ多い事を! 拙者は既にこの国を棄てた者。お申し出は嬉しく思いますが……」

侍大将「お前は律儀すぎるんだよ。陛下がこうおっしゃってるんだからお言葉に甘えればいいものを」

侍「これは拙者のけじめでござるので」

皇王「いや、無理を強いるつもりはなかった。すまん」

侍「いえ、そのような……陛下のお申し出だけで我が無念、晴れたようなものでございます」

皇王「して、婚礼の儀はいつ?」

侍「亡き妻の墓前で今までの礼とメイド殿を紹介し、聖王国に戻ってからいたすつもりでございます」

皇王「それはちと寂しいな」

侍大将「お前の故郷はここなんだぞ。棄てたとはいえ、皇国で生まれ、育ったのは変わらんのだぞ」

侍「そのお言葉だけで、本当に浮かばれるような思いでございます」

メイド「ありがとうございます」

皇王「よし。ではささやかながら宴を開かせてもらえるか? 我とて侍殿とは縁がある。それくらいはよかろう」

侍「陛下の海のような広い懐に感謝いたします」

皇王「よし、決まった。墓参りが終わったら明節殿(みょうせつでん・宴などを開く館)に来てくれ。準備をさせておこう」

侍大将「奥方の墓は私の妻がこまめに掃除をさせてもらっている。行く前に会ってやってくれ」

侍「なんと……何か何まで本当にかたじけない」
194 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/18(日) 21:05:49.84 ID:pOJL0c0oo

― 江阪 墓苑 ―


侍「傾斜が厳しいが、大丈夫か?」

メイド「大丈夫ですわ。伊達に鍛えておりませんよ。お花はこれでよろしかったんですか?」

侍「うむ。仏花よりも鈴蘭のほうが喜ぶだろう」

メイド「おしとやかだった奥方様にお似合いの花ですわね」

侍「そうだな。いつも季節になると買ってきていた」

メイド「ちょうど季節でよかったですね」

侍「良い頃合いだったのだろうな。ここだ」

メイド「侍大将様の奥方様がお手入れをなさっていただけあって綺麗ですわね」

侍「感謝せねばな。線香をここに。花は……」

メイド「こちらですわね」

侍「では、報告だ」

メイド「はい」

侍「妻よ、長い間何もせずにすまなかった。拙者は武人を棄て、皇国を棄て、遥か遠くの国まで当てもなく彷徨い歩く日を過ごしていた」

メイド「……」

侍「だが、聖王国でメイド殿と再会し、今、こうしてお前に報告できるようになった」

メイド「奥方様、覚えておいででしょうか? 貴女のようにおしとやかでも清楚でもありませんが、侍様は私がこれから支えていってもよろしいでしょうか?」

侍「妻よ、お前には苦労ばかりかけていたな。今になってお前に夫らしい事を何一つとしてしていなかったのが悔やまれる」

?「そんな事はありませんよ」

フワ……

メイド「……これは」

侍「勇者殿から頂いた魔石?」
195 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/18(日) 21:06:15.51 ID:pOJL0c0oo

フワリ……フワリ……

?「あなた……お元気そうで何よりです」

侍「お……お前、なのか?」

メイド「奥方様……」

侍妻「メイド様、夫がご迷惑をお掛けしております。私は力不足で夫を支えきれませんでしたが、どうぞ、夫を末永くよろしくお願いいたします」

メイド「はい。確かに」

侍妻「あなた……私はあなたの妻で十分に幸せでしたわよ。むしろ幸せ過ぎたくらいですわ」

侍「……すまない」

侍妻「いやですわ、何故謝るのです。貴方がフラフラしていた時は私までハラハラしていたのですよ? それがまた、立派な武士の瞳を取り戻しておいでです。メイド様のお力添えあっての事ですわね」

侍「……情けないところをみせていたのだな」

侍妻「本当に情けなかったです。貴方という人は……」ニコリ

侍妻「でも、これでもう何の心配もいりませんね。メイド様、この人の事をお願いします」ペコリ

メイド「命に代えてでも」ペコリ

侍妻「あなた、メイド様を大事になさってくださいね。私は本当にもう十分です。幸せに、なってくださいね」

侍「うむ……うむ……」

侍妻「ほらほら、男子たる者、涙など流してはいけませんわ」

侍「こ、これは違う。目にゴミが入っただけだ!」

侍妻「ふふふ、それでいいです。お二人とも、是非ともお幸せに。彼岸の地でお待ちしておりますわ。その時は色々とお土産話を聞かせてくださいね」スゥッ カラン

メイド「勇者様ってば……」

侍「いや、嬉しい事だ。二度と妻とは話す事はできなかったはずだからな」

メイド「奥方様はずっと侍様のお傍で見ておられたのですね」

侍「そのよう、だな。情けない姿ばかり見られていたようだが」

メイド「これからはしっかりとしたお姿をお見せいたしましょうね」

侍「うむ」
196 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/18(日) 21:06:44.20 ID:pOJL0c0oo

― 同じ頃 江阪墓苑 侍妻の墓から離れた場所 ―


巽「っと、ここか。乾って書いてるから間違えてないな」

巽「親父よ、来てやったぜ。めんどくせぇんだけどな、ちっと『仲間』がこっちに用があってさ」

巽「ったくよ、親父の墓参りなんざする気はなかったんだけどよ、まぁ、なんつーか、気が向いただけだよ」

巽「母さんとはしばらく会ってないけど、たぶん元気だろ。艮も元気らしいぜ。俺とは会わなかったけど、仲間が会ったらしいわ」

巽「……不思議なモンだよな。この歳になるまで一人でやってきたんだけどよ、仲間ってのが出来て何つーかその……アレだ。いいもんだな」

巽「勇者の力ってのを自覚してから捻くれちまったけどよ、ちっとはマトモになったのかね」

巽「全部めんどくせーと思ってたけど、案外めんどくせぇのも良いモンだな。親父が言ってた事がなんとなくだけどわかってきたよ」

巽「今度、学院に戻る。親父が作ったネットワーク、もっとマシにしてやるよ。だから、見てろよ」

サァッ

巽「風が出てきたな。戻るか。バカらし」ザッ

?「見せてもらおうか。息子よ……」

巽「……おうよ」
197 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/18(日) 21:07:10.00 ID:pOJL0c0oo

― 数日後 皇居 中庭 ―


巽「なんでこうなった」

皇王「侍殿の未来にばんざーい!」

侍大将「メイド殿の未来にばんざーい!」

侍「どうしても見送ると言って……」

巽「こっ恥ずかしいぞこれ」

皇王「巽殿といったな。もし仕事にあぶれたらいつでも来てくれ。陰陽術師は数が少ないからな」

巽「考えておきますよ。とはいえ、可能性はちと低めですけどね」

皇王「待っているぞ」

巽「んじゃ、戻りましょうか。仲間のところに」

侍「うむ」

メイド「魔王様、今から戻りますわね」

巽「縮地!」フォンッ シュッ



侍妻『あなた、がんばってくださいね』

乾『息子よ、見ておるぞ』
198 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/18(日) 21:09:58.68 ID:pOJL0c0oo

>>184様のリクエストにお応えしつつ、余計なお世話も加えてみました。
冒険者達の休日 侍・巽編となります。今勝手に命名しました。この後、鏑様、ニコラ様、ガルドス様それぞれの行動予定が出次第順次書いてまいります。
そのあと、最終幕が開きますので、今しばらくお待ちくださいませ。

侍様、巽様に今回のお話を納めさせていただきます。ほんの少しでも気に入っていただければ幸いでございます。(土下座)
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/18(日) 21:54:12.98 ID:vekxP/KSO
侍って確か目が見えなかった……よな?
200 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/18(日) 21:56:32.37 ID:pOJL0c0oo
>>199
すみません、失念してました。割腹してお詫びします(土下座)
201 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/18(日) 21:57:13.58 ID:pOJL0c0oo
>>199
様付忘れるとか二重に申し訳ございません。セルフ介錯で果てます。
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/18(日) 22:04:41.55 ID:vekxP/KSO
ま、まあでもそれを考慮しても内容に違和感はないと思われ

俺は五体投地で許そう
203 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/09/18(日) 22:37:28.73 ID:Xd3v06CIO
正解には視力低下でござる。
どこで、見えていたのか鈍い私には判別できませんが、もし侍妻の姿なら、見えたのではなく心の眼で感じたのです。

>設定
>服毒の後遺症から視力が低下しており、動きを捉える事はできるが、文字は読めない。平素から心眼を鍛えていたため生活から戦闘まで全く支障ないが、そため常にどこか遠くを眺めているようにみえる。
204 :タツミ ◆Ddyke7B1QA [sage]:2011/09/18(日) 23:35:44.75 ID:ZG/S80Tao
やりたい事がちょっと別にあったがこれの方がいい感じだったさすがヘタレ


>>199-203
弱視なら一応風景の雰囲気なんかは感じ取れるらしい

リアルで白杖突いてんのにありえない位のスピードでショッピングモールなんかを歩いてる人を見かけたらそうだと思って差し支えない

全盲だとそうはいかない…らしい
205 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/09/18(日) 23:43:19.89 ID:pOJL0c0oo
>>203
風景描写の部分(>>190冒頭と>>191冒頭)で侍様が風景や文字をはっきり見ているような描写になっておりました。
私のミスです。申し訳ございませんでした。(土下座)

>>204
すみません勝手に書きました。書ける時に書いてしまわないとタイミングを逸してしまいそうでしたので思わず……
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/18(日) 23:52:19.57 ID:LzBvONRao
ヘタレは土下座ばっかだな
たまにはジャンピング土下座In△木馬でもやれよ!
でないと体調が戻るまで水ッ気の多すぎる米とすっぱい赤い果肉を食わせるぞ!!
207 :タツミ ◆Ddyke7B1QA [sage]:2011/09/19(月) 00:05:15.47 ID:Z69IHGEyo
>>204
弱視の程度にも依るが1平米の看板にたった一文字(例えば“宿”とか)なら「何かが書いてある」程度の認識は出来るだろう
皇国と聖王都で言語が、使用文字が違うならその違いを認識する位は可能なはず
故に>>191-192で侍さんが皇国語に言及していても不思議ではない

侍さん自身が書いてるように視力低下(≒弱視)であって全盲(完全に目を閉じたような状態)じゃないんだから…
208 :タツミ ◆Ddyke7B1QA [sage]:2011/09/19(月) 00:09:13.36 ID:Z69IHGEyo
>>205のヘタレに宛てるつもりが…スピリタスをゴブレットで一気してくる
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/19(月) 00:10:25.42 ID:5O77o2cIO
それもこれも勇者様が持たせた魔石の力さ
さすがは黄金龍だぜ!だな!
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/19(月) 08:03:14.59 ID:ce/876aY0
くっ・・・ヘタレでもおもしろいじゃん!!って
そんなにほめちゃダメかwwww
へへっ
たんもの
れんが
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/19(月) 15:04:34.48 ID:WHMj8Pvxo
>>210
おいwwwwww
最後までやれよwwwwwwww
212 :210 [sage]:2011/09/20(火) 21:43:11.93 ID:10p8AHUI0
>>211
わかった
りんごジュース
いるか?
クラッカーと一緒に
ソラマメも
へへっ
たまんねえぜ
れんこんのきんぴら
おつまみに
つまみな
っつ…明日学校あるんかいな、これん人おるで
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/21(水) 10:43:01.94 ID:FF3B/pTIO
メイドと侍のいちゃこらを見たいような気もする
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/22(木) 01:06:57.76 ID:yUqDoiyV0

いい話だった
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/22(木) 09:22:02.39 ID:+V7vSpw7o
ゴーストスイーパーがいた( ;´Д`)
216 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/09/29(木) 07:16:12.85 ID:zHiylhDIO
ガルドス殿が不明
ニコラ殿が7/4
鏑殿が9/18
が最終書き込みで御座る。

どなたからかの行動投下が待ち遠しいで御座る。
217 :ニコラ ◆yLqVmM/bbY [sage]:2011/10/02(日) 10:47:38.10 ID:EOjDOSDIO
すみません、悩みに悩んでました
実を言うと今も迷っております

現在の有力な案は、皇国に発ち漢方薬のノウハウを勉強する事です
学院には「知識として知っているが、勉強した事は無い」という人しか居なく、詳しく学ぶ事は出来ない状況です

移動には転移杖を利用します
ニコラは皇国語が使えないので、通訳が必要になります

具体的な滞在期間は考えてません
師を見つけて、知識を吸い尽くすまでニコラは満足しないでしょう
しかし、有事の時には直ちに魔王たちのいる下に駆けつける事も出来ます

へたれ氏の承認が受けられれば、通訳の設定は先着でどなたかに任せます
これだと書くの難しいからボツ、と仰るのであれば他の行動を考えます
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/05(水) 14:27:57.05 ID:I0p7JnrAO
賢者Dのとこで止まってて軽くログ読んだだが
もう100年もたってんのか

勇者と魔王と女の三角関係に決着はついた?最後まで勇者は平等?
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/05(水) 21:08:34.65 ID:FcG4dkfSO
>>218
読めば分かる
220 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/10/06(木) 09:16:13.25 ID:kvFEgKBYo
ヘタレ殿、ニコラ殿に回答願う。
221 : ◆JbHnh76luM [sage]:2011/10/06(木) 22:42:08.34 ID:J9FLqgUOo
済みません、本編どころかレスすら遅れております。
姉の出産が予定日より一週間早まり、現在家中がてんやわんやの大騒ぎになっております。
とうとう叔父さんになってしまいました。


>>217
転移杖では超長距離移動ができませんので、私の方で一部変更させて頂きます。
ご了承ください。

>>218
ご期待に添えるかはわかりませんが、お時間のございます時にご一読いただければ嬉しく思います。(土下座)
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/07(金) 00:22:06.02 ID:hxCFWVPP0
ヘタレのお姉さんおめでとう
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/07(金) 07:23:49.54 ID:WuShHEgIO
ヘタレ姉素敵度△
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/07(金) 15:02:30.83 ID:5W6llEDIO
めでたいですな!
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/07(金) 19:09:51.37 ID:Rf4JoUaSO
めでてえ
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/07(金) 22:05:14.70 ID:VQ1pdgW9o
めでたいなぁ
オニャノコだったら16年後僕にください!!
227 : ◆MlrGn9DGd2 [sage]:2011/10/14(金) 00:24:54.64 ID:nstBnJhbo
ご無沙汰しておりました、
叔父仲間ではないですか!
お姉さまもさぞ頑張られたことでしょう!
お疲れ様でございました。顔も名も知りませんが、誠にお疲れ様でございました。
へたれ様、本当の苦労はきっとこれからですよ…

私も故郷に残してきた親族にでも
会いに行きましょうかね、そこでのんびり甥や姪の世話でもしながら時間を潰すのも、なかなか贅沢なものでしょう。頑固だった父は相変わらず頑固でしょうか、母の手料理は相変わらず温かい味がするのでしょうか…
というわけで自由行動は、帰郷で!お願いいたします。

228 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/10/14(金) 08:15:46.35 ID:NKxLKIQIO
鏑殿ご無沙汰で御座る。
行動投下を楽しみにして候。
後はヘタレ殿次第で御座る。
229 : ◆JbHnh76luM [sage]:2011/10/14(金) 23:28:49.28 ID:D6dBKKc/o
すみません、落ち着くまでもう少々お待ち頂く事になりそうです。
赤ちゃんって色々大変なんですね。
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/15(土) 00:07:03.98 ID:tePnpChI0
完結させるのなら
いくらでも待つ
231 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/10/29(土) 09:53:34.12 ID:Sko2klFIO
叔父業に励んでおられる御様子。
当方も子息の誕生が楽しみで御座る。
232 : ◆MlrGn9DGd2 [sage]:2011/10/30(日) 00:07:24.51 ID:syukZYOqo
>>231
なん…だと…
233 :ニコラ ◆yLqVmM/bbY [sage そんな……まさか……]:2011/10/30(日) 00:24:20.86 ID:JKCr0MMzo
>>231
ニコラ「メイドさんと昨夜はお楽しみだったみたいじゃない?」ニヤニヤ
234 :タツミ ◆Ddyke7B1QA [sage]:2011/10/30(日) 02:01:01.87 ID:IT+4VP2Yo
…そうか。もうメイドさんとそんな所まで…

     / ̄⌒⌒ヽ
      | / ̄ ̄ ̄ヽ
      | |   /  \|
    .| |    ´ ` |
     (6    つ /   ちくしょう・・・
    .|   / /⌒⌒ヽ
      |    \  ̄ ノ
     |     / ̄

  __,冖__ ,、  __冖__   / //      ,. - ―- 、
 `,-. -、'ヽ' └ァ --'、 〔/ /   _/        ヽ
 ヽ_'_ノ)_ノ    `r=_ノ    / /      ,.フ^''''ー- j
  __,冖__ ,、   ,へ    /  ,ィ     /      \
 `,-. -、'ヽ'   く <´   7_//     /     _/^  、`、
 ヽ_'_ノ)_ノ    \>     /       /   /  _ 、,.;j ヽ|
   n     「 |      /.      |     -'''" =-{_ヽ{
   ll     || .,ヘ   /   ,-、  |   ,r' / ̄''''‐-..,フ!
   ll     ヽ二ノ__  {  / ハ `l/   i' i    _   `ヽ
   l|         _| ゙っ  ̄フ.rソ     i' l  r' ,..二''ァ ,ノ
   |l        (,・_,゙>  / { ' ノ     l  /''"´ 〈/ /
   ll     __,冖__ ,、  >  >-'     ;: |  !    i {
   l|     `,-. -、'ヽ'  \ l   l     ;. l |     | !
   |l     ヽ_'_ノ)_ノ   トー-.   !.    ; |. | ,. -、,...、| :l
   ll     __,冖__ ,、 |\/    l    ; l i   i  | l
   ll     `,-. -、'ヽ' iヾ  l     l   ;: l |  { j {
   |l     ヽ_'_ノ)_ノ  {   |.      ゝ  ;:i' `''''ー‐-' }
. n. n. n        l  |   ::.   \ ヽ、__     ノ
  |!  |!  |!         l  |    ::.     `ー-`ニ''ブ
  o  o  o      ,へ l      :.         |
           /   ヽ      :
235 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/10/30(日) 23:32:59.07 ID:ElHecA0IO
あ、いや、侍殿ではなく、私の子息の…
でもまあ、面白いならいいかwwww
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/10/31(月) 01:07:14.48 ID:Re4mxZEco
>>235
中の人の実生活だったかwwwwww
237 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/10/31(月) 19:46:30.69 ID:RpagDm5Bo
ひとまずは生存報告です。
皆様にはご迷惑しかかけておりません。本当に申し訳ございません。(土下座)

ニコラ様、鏑様の場面を書き溜めておりますが、思うように時間が取れません。きちんと書く気はありますので、思い出した時にでもまた覗いていただけると光栄でございます。

あと、ニコラ様に一つだけ質問。
1〜100までの数字の内、「これ以下が好き」という上限を教えてください。
例)77以下が好き など。

侍様にはスレのまとめ役をしていただいており、心より感謝しております。本当にありがとうございます。(土下座)
238 :ニコラ ◆yLqVmM/bbY [sage]:2011/10/31(月) 21:07:53.55 ID:s0eMTFpyo
>>237
ニコラ「何の数?順位?

あたしは完璧主義者じゃないけど上位10%には入りたいかなー

という事で10を選んでみる!」
239 : ◆JbHnh76luM [sage]:2011/11/03(木) 18:22:26.73 ID:g0Pt12yIO
>>238
ありがとうございます。
これでニコラ様の同行者が決まりました。
240 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/11/04(金) 21:26:20.63 ID:lK7Cb+Z1o
書き込み規制されてないかチェック
241 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/11/04(金) 21:28:03.69 ID:lK7Cb+Z1o
大丈夫のようですね。Vip板だと規制されてたのでもしかしたらと思っておりました。
時間がかかってしまいましたが、ぼちぼちと再開です。

今回はニコラ様の行動を描いてまいります。内容が薄っぺらいのはいつもの事ということで、どうぞお収めくださいませ。(土下座)
242 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/11/04(金) 21:28:35.18 ID:lK7Cb+Z1o

― 魔王城 執務室 ―


魔王「よし、と。これで終わりだ」ハンコ

四天王碧「申し訳ございません。魔王様の印をいただかない事には話が進まないんでさ」

魔王「わかっておる。引継ぎの件もしっかりせねばいかんのだが、風竜の神殿はどうだ?」

四天王碧「その報告もあがって来ております。神殿は風竜の攻撃により完全に崩壊、内部に立ち入る事ができないそうです」

魔王「やはりか……いや、仕方あるまいな。大型人造兵の拠点にされていたというなら、それが一番正しい方法だろう」

四天王碧「しかも風竜は討ち死にですからね。魔王様の昇華はどーなっちまうんでしょうか。勇者達は何やってんだ」ブツブツ

魔王「言うな。勇者とて走り回っているのだ。私の事だけに注力するわけにはいかん。っと、来たようだな」

四天王碧「誰がですか?」

勇者「おう、どうだ?」ガチャ

魔王「勇者っ」ギュー

女「あのさ、私もいるからね」ギュー

魔王「うむ、知っているぞ。勇者とずっと一緒だったのだろう」

女「そうだけど仕事よ、仕事」

魔王「龍の活動は仕事というのか?」

勇者「みたいなモンだよ」

魔王「私もその一翼に加わる事はもう適わないのか?」

勇者「あぁ、その事なんだが」

魔王「何か方法があるのか?」

勇者「ない」キッパリ

魔王「……そう、か」シュン

女「こともないんだけどね」

魔王「ええい、どっちだ!?」

勇者「碧さん、今時間あるか?」

四天王碧「別に構わんが、組み手か?」

勇者「違う違う。ちょっと話があるんだよ」

魔王「私抜きなのか?」ジー

勇者「ちょっとばかり男同士の話だ」

魔王「ふむ……仕方あるまい。女は時間はあるのか?」

女「うん、とりあえずは大丈夫。お茶でも淹れるね。うっわ、相変わらず書類山盛りなのね」

四天王碧「では魔王様、また後ほど」

勇者「すぐに戻る」

魔王「待っているぞ」ヒラヒラ
243 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/11/04(金) 21:29:19.01 ID:lK7Cb+Z1o

― 魔王城 四天王の執務室 ―


四天王碧「んで、何の話だ?」ガチャ

四天王蒼「碧将軍に勇者様」

勇者「お、蒼さんも居たんだな。ちょうどよかった」

四天王碧「おう、蒼っ子。ちゃんと働いてるか?」

四天王蒼「いつまでも子供扱いしないでくださいよ……」

四天王碧「はっはっは。お前なんてまだまだヒヨっ子だよ」ガハハハ

勇者「なぁ、最近魔王に変化ってなかったか?」

四天王蒼「魔王様に変化ですか? いえ、これといって思いつかないですけど」

四天王碧「いつもの魔王様だぞ。仕事は早いし、下々の者にまで気を遣われてるな」

四天王蒼「あぁ、そういえば今朝起こったメイド部下達の喧嘩をさらりと仲裁なさっておられましたね」

四天王碧「そんな事あったのか?」

四天王蒼「あれ、ご存知なかったんですか? とはいえ、本当にすぐに片付けられたので碧将軍に話が上がってないのもうなずけるかもしれませんね」

四天王碧「喧嘩って、まだアイツか?」

四天王蒼「アイツが誰を指してるのかわかりませんけど、たぶんそのアイツです」

勇者「誰なんだ?」

四天王碧「獣人族の者なんだが、アグラーヤっていうのがなかなかのお転婆でな。つまみ食いやら何やら色々やらかしてくれるんだよ。俺が言っても聞きゃしねぇ」ボリボリ

勇者「ガルドスさんの幼馴染だっけか?」

四天王碧「あぁ、そういやそうらしいな。知ってんのか?」

勇者「何回かガルドスさんと絡んでるのを見た程度だけどな」

四天王碧「本人に悪気がないってのが一番の問題でな、なんつーか、天然なんだよ。だから注意してもケロリとしてやがる」

四天王蒼「喧嘩といってもほんのささいな事でしたからね。魔王様がその場にいらしたのが不思議なくらいです」

勇者「偶然だったのか?」

四天王蒼「私もあとから聞いただけですので詳しくはわかりませんが、なんでもメイド部下の一人がアグラーヤに飛び掛ろうとした瞬間においでになったそうですよ」

勇者「ふーん……」

四天王碧「そういや最近カンが鋭くなったっつーか、元から聡明な方なんだが、最近はそれにも増して物事を見渡すようになられたような気がするな」

四天王蒼「ここ2,3日の事ですが、私もそれは感じましたね」

四天王碧「部下の中には魔王様はワンランク上の存在になられたんだって言ってる奴も居るくらいでな。何か起こりかけたら姿を見せて解決しちまってる」

四天王蒼「よくよく考えてみれば変化がありましたね」

四天王碧「そういやそうだな。んで勇者、これが何か問題あんのか?」

勇者「んー、まだ何とも言えないな。でもよくわかった。ありがとさん」

四天王碧「おいおい聞くだけ聞いてそれかよ」

勇者「つってもまだなんとも言えないんだよ。ちゃんとわかったら話すから」

四天王蒼「黄金龍様でもわからない事があるんですか」

勇者「あー、それ、鏑さん達にも言われた。何でもわかるワケじゃないよ。万能じゃない」

四天王碧「案外役に立たないよな」ヘッ

勇者「地味に凹む……」
244 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/11/04(金) 21:30:21.02 ID:lK7Cb+Z1o

― 魔王城 執務室 ―


魔王「肩が凝って仕方がないな」

女「メイドさんの部下の人達から聞いたわよ。色々走り回ってるみたいね」

魔王「なに、大した事ではない。元気が良いのが居るから少し目を配ってただけだ」

女「それはそうと、魔族大賢者さんから報告きてない? 大型魔導機関が完成したとか聞いたんだけど」

魔王「あぁ、来てたぞ。えっとたしかこの辺に……」ゴソゴソ

女「しっかし、メイドさんが皇国に行ってわずか1日でここまで悲惨な状況になるとはねぇ」

魔王「しょ、しょうがないだろ。今まで書類整理はメイドに任せてたんだ。私が片付けられない子みたいな言い方をするでない」

女「はいはい、っと、これかな?」

魔王「それだ。皇国との技術提携の成果だな。安定した大規模魔力供給をすることによって街灯の整備や大型商店への冷温庫の普及が可能になるらしい」

女「今までは小型の魔導機関しかなかったし、高かったもんね」

魔王「魔王城にも何台か入れているが、便利は便利なのだが場所を取ってしまうからな。大型の魔導機関があれば一台で済むのが効率的だ」

女「もう見に行ったの?」

魔王「午後から行くつもりだ。女も行くか?」

女「勇者も気にしてたから一緒に行くわよ」

魔王「では、そのように計らおう。客人だ」

女「ん、ニコラさんね」

コンコン

メイド部下「魔王様、謁見許可証をお持ちのお客様がお見えでございます」

魔王「通せ」

ガチャ

ニコラ「すみません、お邪魔します」

魔王「何かあったのか?」

ニコラ「えっと……って女神官さん、来てたんだ?」

女「うん。ちょっと用事があってね。どうしたの?」

ニコラ「っと、水竜様って呼んだほうがいいのかな?」

女「気にしなくていいわよ」

ニコラ「りょーかい。それで、ひとつ魔王様にお願いしたいコトがあって来たんですけど」

魔王「お前達には世話になったからな。どうしたんだ?」

ニコラ「その、あたしも皇国行きたいんだけど、転移杖貸してもらえませんか?」

魔王「皇国に? どうしたんだ?」

ニコラ「学院に戻って色々調べてみたら、皇国にしかない薬草とかが大量にあって、しかもまだ調査が入ってない場所っていうのがたくさんあるらしいの。これって私にとっては宝の山みたいなモノだからさ、すっごく気になってきて」

魔王「ニコラ殿は次期薬草学教授だったか。ふむ、確かに皇国には薬草を使った茶もあったな」

ニコラ「それだけじゃなくて、色んな病気に効能がある薬草がたくさんあるんですよ。聖王国に来てるのはまだほんの一部だけで、そんなのがあるってわかったらもう居ても立ってもいられなくて!」ゴゴゴゴゴ

女「でも、転移杖だと皇国へは行けないわよ」

ニコラ「そうなの?」マジデ?
245 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/11/04(金) 21:31:47.90 ID:lK7Cb+Z1o

魔王「転移杖の移動可能距離はそんなに長くはないからな。杖を使ったとしても1ヶ月以上かかる上に、途中の場所をニコラ殿が知っておかねばならん」

ニコラ「えーー、そんなの無理」

勇者「ただいまーっと、ニコラさん、来てたのか」

ニコラ「あ、勇者さん。ねね、勇者さんの転移呪でずばーんと皇国に行けたりしませんか!?」

勇者「なんだなんだ」

かくかくしかじか

勇者「そういうことか。できるけど……」

ニコラ「できんの!? さっすが!」

勇者「今こっちを離れるワケにいかないんだよな」

ニコラ「なんだこの役立たず」

勇者「酷いなそれ」

ニコラ「ナニモイッテマセンヨ」ピューピュー

勇者「でもよ、皇国に行くっつったって皇国語や現地でのガイドとかにアテはあんのか?」

ニコラ「んなモノはない! だがしかし、学者たる者、その程度の障害は障害とみなしません!」

魔王「大威張りで言う台詞ではないぞ」

女「それに、薬草関連だったら旧中つ国のほうが有名なんじゃなかったっけ?」

ニコラ「そうみたい。でも今は皇国領でしょ? だから行っちゃえばどうにかなるかなーって」

魔王「勇敢と無謀は違うぞ。下調べや準備は大切だ」

ニコラ「うーん、それはそうなんですけど、あたしの中に滾る血潮が「行け! 行ってしまえ!」って叫ぶんですよね。こういう時は結構どうにかなっちゃうんですよ」

勇者「ポジティブすぎてすごい」

女「行くのはいいけど、当面は向こうで?」

ニコラ「満足するまでは向こうを拠点にしたいですね。あ、でも何か用事があったら戻ってきますよ。時間かかりますけど」

勇者「んー、用事がないわけじゃないんだよな……」

ニコラ「そうなの?」

魔王「まだ決まっておらぬから何とも言えんがな。まぁよかろう。行くのは構わんが、通信筒は確実に持っておいてくれ」

ニコラ「りょーかいりょーかい。んじゃ、陸路になるけど行ってみよっかな」

勇者「鏑さん達には話したのか?」

ニコラ「鏑は故郷(さと)帰りするって言ってました。ガルドスは聖王都の居留地で雑用係みたいなのをしてるみたい」

女「女の子一人でって、やっぱり危なくない?」

ニコラ「そりゃ不安がないワケじゃないけど、やりたい事が目の前にあってやらないっていうのはあたしのポリシーに反するのよ」

魔王「ニコラ殿らしい。転移杖を貸し出す事は可能だが、やはり心配ではあるな」チラ

勇者「んー、アテがないワケじゃないんだけど、な」

女「あ、そっか。うーん、でもねぇ」

ニコラ「方法あるの!? 教えて! あるいは紹介してっ!」

勇者「すっげぇ癖あるぞ?」

ニコラ「問題なし!」

女「ものすごく気難しい人だよ?」

ニコラ「どんとこい!」

勇者「旧中つ国出身だからあの辺の地理にも言語にも精通してるけど」

ニコラ「なにそれ。なんで教えてくれないのよ!」プンスカ
246 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/11/04(金) 21:32:39.27 ID:lK7Cb+Z1o

女「何ていうか、そうおいそれとは……ね」

ニコラ「おねがーい! 不安でニコラこまっちゃーう」ウルウル

勇者「しゃーないか。こっちの都合もあるし。んじゃニコラさん、準備して一時間後にもう一度来てくれ」

ニコラ「やたっ! 勇者さんありがとー。大好き!」ギュー

勇者「おいおい、それはいいから早く準備してこいよ」

魔王「転移杖を使え。王都とこことの往復なら使用限度内だ」

ニコラ「なにからなにまでありがとうございます。ではちょろっといってきます!」シュンッ

魔王「そのアテというのは?」

勇者「察しがついてるんじゃないか?」

魔王「……火竜がその昔、中つ国の武官だったと聞いた事はある」

女「ご明察。今こっちに来てるの。ずっと中つ国と皇国の火山活動の調整をしてたんだけど、一段落ついたからってね」

魔王「ふむ。そしてそちらの御仁が火竜殿か」チラリ

?「姿も気配も完全に断っておったのになかなかやりおる」スゥ

魔王「お初にお目にかかる。魔王と申す」

火竜(人間型)「こちらこそお初にお目にかかる。黄金龍様の部下が一人、火竜だ。昔の名は捨てた」

勇者「なぁ火竜さん、頼めないか?」

火竜「何言っとる。話をまとめてからこっちに振ってくるなど、断る方法がないではないか。黄金龍様は甘すぎるのではないか?」

勇者「それ言われると厳しいけどさ、やっぱり手助けしてやりたいよ」

火竜「その気持ちはわからんでもないがな。かといって片っ端からそうやって協力していてはこちらの身が保たん。これっきりにしてほしいところだ」

女「じゃあ、引き受けてくれるのね?」

火竜「本来はしばし羽根休めを、と思っていたのだがな。『こっちの件』もあることだし」チラリ

魔王「?」

火竜「まだまだか。止むを得ん、先程の小娘を連れて行けばよろしいのですな?」

勇者「ついでに通訳と護衛もな」

火竜「久しぶりに人間の姿で中つ国を歩くのもよろしかろう。皇国領となってしまったのは些か残念ではあるが、一時の事を考えれば今のほうが遥かにマシだ」

魔王「一時というのは、皇国と敵対していた頃か?」

火竜「うむ。あの時は私自ら中つ国を焼き滅ぼす事すら考えた。あのような卑怯な輩が国家の主となるなど、ありえぬ。元来の中つ国人民というのはだな……」

勇者「覚悟しろよ。話長いぞ」コソ

魔王「いらぬ事をしてしまったな」コソ

女「もう10回目〜」ゲンナリ
247 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/11/04(金) 21:33:33.35 ID:lK7Cb+Z1o

― 魔王城 屋上 ―


ニコラ「準備万端!」ビシッ

勇者「こっちが……えーっと?」

火竜「火竜だ。ここで適当な事を言ってもしょうがあるまい。お主を中つ国まで運び、通訳と護衛を黄金龍様より申し付けられた」

ニコラ「火竜さんかー、よろしくねっ! ……って火竜!?」

女「四竜の一翼、炎の翼と烈火の意思を持つ暴れん坊、火竜その人よ」

ニコラ「ものっすごい大掛かりなお話になってない!?」ウワー

火竜「本来このような事、絶対せんのだがな」

ニコラ「あー、えーっと、ヨロシクオネガイシマス」ペコペコ

火竜「最低限の礼節は弁えておるようだな。まぁ良い、旅の間にしっかりと教え込んでやろう」

ニコラ「薬草知識以外はいらないのにー」

勇者「火竜さんは薬草の事も詳しいぜ。そっち方面の功績も持ってたはずだ」

火竜「うむ。中つ国といえば漢方であるからな」

ニコラ「まじで!? じゃあ師匠と呼んじゃう♪」ヤッター

火竜「し、師匠だと……?」プルプル

ニコラ「あれ、地雷?」

火竜「そのような呼ばれ方、された事がない! はっはっは、気に入ったぞ小娘。私のことは師匠と呼ぶがいい!」ニカー

魔王「単純なのだな」ヒソヒソ

女「案外ね。厳しいけど良い人よ」ヒソヒソ

火竜「では、参ろうか。私の手を握るがいい」

ニコラ「はい、師匠!」ギュッ

火竜「いいぞいいぞ。漲ってきた! では黄金龍様、またしばしのお別れだ!」

勇者「ゆっくりしてきてくれ」ヒラヒラ

女「いってらっしゃーい」

火竜「魔王殿、精進なされよ」ニヤ

魔王「む? 承知した」ナニヲ?

火竜「縮地!」シュンッ
248 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/11/04(金) 21:33:59.75 ID:lK7Cb+Z1o

小1時間ほど離席します。すみません。
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(関西地方) [sage]:2011/11/04(金) 21:46:32.84 ID:f02Sqp+Mo
ワーイ
250 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/11/04(金) 23:28:27.46 ID:lK7Cb+Z1o

― 皇国領中つ国 皇王直轄地 中坂 ―



火竜「ふむ、町並みもがらりと変わっておるな」

ニコラ「ここが中つ国の首都?」

火竜「旧中つ国の首都だな。今は皇国の直轄領になっている。広大な中つ国の各地から様々な物品、人が集まる場所だ」

ニコラ「うーん、見事に字がわかんないわね。師匠、薬草関係のお店ってあるんですよね? えっと、カンポウ?」

火竜「漢方薬局だな。その前にニコラよ、漢方とは何か知っておるか?」

ニコラ「基本的にはあたしが知ってる薬草と似たようなモノよね? 自生してる草とか花をかをすり潰したり混ぜたりして薬効をもたせるんでしょ?」

火竜「60点といったところか」

ニコラ「点数ひくっ!」

火竜「概ね正解ではあるが、漢方の考え方は聖王国などの西洋薬学のそれとはまた違ったものなのだ」

ニコラ「っていうと?」

火竜「聖王国では熱病……たとえば風邪を引いた時はどのようにする?」

ニコラ「そりゃ風邪薬を調合するわ。他に必要ないもの」

火竜「その効果は?」

ニコラ「発熱を抑えたりとか、喉の炎症を抑えたりとかかしらね」

火竜「そこが少しばかり違うのだ。漢方では発汗を促すことを優先する」

ニコラ「なるほどね。原因菌を体温で処理しちゃうんだ?」

火竜「そういうことだ。これはほんの一例でしかないが、西洋ではハーブ類でそのような効果を持つものがあるな」

ニコラ「あ、そっか。ハーブのほうが漢方薬に近いのよね」

火竜「うむ。お主の専門はどちらかというとハーブ類に近いのであろう? ならば漢方の知識も入りやすかろう」

ニコラ「よろしくお願いします、師匠」ニコリ

火竜「大船に乗ったつもりでいるがいい!」ハッハッハ
251 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/11/04(金) 23:29:02.32 ID:lK7Cb+Z1o


ニコラ「で、その大船は実は泥船だったっていうオチなのね」ジトー

火竜「な、何を言うか! ただ少しばかり迷っただけではないか!」

ニコラ「出身国でしょ!? なんで迷うのよ!」

火竜「私が人間だったのは数百年前なのだ。迷うのも必然であろう!」プンスカ

ニコラ「言われてみればそっか。すみません、師匠」

火竜「わ、わかればいい」

ニコラ(とりあえず「師匠」って呼べば機嫌治るわね)

火竜「ふむ、皇国語もかなり多く使われているのだな」

ニコラ「そうなの? 全部同じように見えるけど」

火竜「皇国語のほうが難しいと言っても良いのかもしれんな。あの国の言葉は3種類の言語を混ぜて使っているようなものだ」

ニコラ「なにそれややこしそう」

火竜「黄金龍様や女殿、魔王殿は使えたはずだぞ。昔、皇国に渡った事があるらしいからな」

ニコラ「本で読んだ事あるわ。その時の事件がきっかけで皇国と中つ国の戦争が始まったのよね?」

火竜「直接的な原因ではないが、一因ではあるな」

ニコラ「勇者さん達は色んなトコに首突っ込んでるわよね」

火竜「だからこそ黄金龍として相応しいのだよ。女殿も魔王殿も然り、だ」

ニコラ「ん? 魔王さんは風竜になれないんじゃないの?」

火竜「あ、いや、なんでもない。ただの比喩だ」

ニコラ「ふぅ、ん……」ジトメ

火竜「なんだその目は!」

ニコラ「ねぇ師匠〜、ニコラ色々知りたいなぁ♪」

火竜「む、そ、そうか……? いや実はだな……ってその手には乗らん! ほれ、行くぞ。通りの向こう側に漢方薬局がある。そこで実物を手に取ってみろ」

ニコラ「え、マジ? どこ!?」キョロキョロ
252 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/11/04(金) 23:29:53.16 ID:lK7Cb+Z1o

― 中つ国 宿 ―


ニコラ「うひゃー、つっかれたー!」ボスン

火竜「こらこら、女子たる者、そのようなはしたない姿を見せるでない」

ニコラ「厳しいんだから。あ、そっか。私の悩殺ぼでぃーに我慢できなくなったとか?」

火竜「馬鹿者。お前のような小娘に欲情などせぬわ」

ニコラ「なんかつまんなーい」

火竜「誰かこいつをどうにかしてくれ」

ニコラ「それはそうと、師匠はなんで竜になろうって思ったの?」

火竜「む?」

ニコラ「魔王様は勇者様と一緒に生きたいって願ったらしいけど、師匠も竜になる時、何か考えがあったんでしょ?」

火竜「魔王殿のあの想いというのは今までに例がない、非常に自己中心的な想いなのだがな」

ニコラ「そうなの?」

火竜「竜というものはそのような生半可な気持ちで『成る』ものではないのだ。彼女は魔族として特に秀でているのは事実であるし、明晰な頭脳と人間であった頃の黄金龍様を軽く凌いでしまうほどの魔力の持ち主ではあるがな。とはいえ、竜に『成』ろうとする者があのような想いでは、いささか先が思いやられてしまう」

ニコラ「でも魔王様はそれだけで竜になろうって思ったんじゃないんじゃない?」

火竜「他にあるのか?」

ニコラ「わかんないけど」

火竜「なんだそれは」

ニコラ「魔王様ってほら、人間と魔族と一緒に過ごしたいっていう思いで動き始めたんでしょ?」

火竜「そうだな。私もそれは良く知っているぞ。先代の黄金龍様も目を掛けておられたからな」

ニコラ「竜になりたいって思ったのは、そりゃ勇者様と一緒に居たいっていうのはあるだろうけど、他にもきっと考えがあるんじゃないかな」

火竜「そうであれば良いがな。黄金龍様を支えるという意味では女殿も魔王殿も文句はないのだが」

ニコラ「そういや女さんも勇者様と一緒にって思って竜になったんじゃないの?」

火竜「いや、黄金龍様が勇者殿だというのを知ったのは彼女が竜に成った後だ」

ニコラ「そうなの?」

火竜「うむ。彼女は聖女として各国を回る内に貧しい者や病める者を助けたいという気持ちが強かったようだ。水竜というのはその名の通り水を司るからな。その力を以て耕作に向かない土地に手を差し伸べたかったらしい。その思いが先代の水竜から継承するにいたったのだ」

ニコラ「師匠は女さんが言ってたように火を司るのよね?」

火竜「うむ。火山の動きなどを調節し、時には地竜と共に大規模な地震の動きをも調節するぞ」

ニコラ「……ねぇ、一個すごく失礼な疑問をぶつけてもいい?」

火竜「師匠だからな。弟子の疑問には答えるぞ」エッヘン

ニコラ「それってさ、すごく不自然じゃないのかな?」

火竜「む」

ニコラ「あたしは自然尊重論者ではないけど、それって自然本来の動きを捻じ曲げてるわよね? それを続けてるってことは、どっかにものすごくおっきな歪みみたいなのが溜まるんじゃないの?」

火竜「……ふむ、不自然、か」

ニコラ「うん。あくまでもあたし個人の意見なんだけど……ごめんなさい、機嫌悪くした?」

火竜「いや、言われてみればそうかもしれぬ。竜と成って数百年、それが使命だと思ってきたが……」

ニコラ「……」

火竜「いや、この話はしばし置こう。私も少し考えてみる。ほれ、今日はもう休め。私は隣の部屋に居るから何かあったら呼ぶがいい」

ニコラ「うん。おやすみなさい、師匠」

火竜「明日からはビシビシと漢方について教え込むからな、音を上げるなよ」

ニコラ「ばっちこい」ニコリ
253 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/11/04(金) 23:38:06.14 ID:lK7Cb+Z1o

以上でニコラ様の皇国(中つ国)編となります。
「ふざけんな! 中身ねぇじゃねぇかこの屑野郎!」という罵りのお言葉が聞こえてきます。

侍様、巽様の出発後ということで、どのようにして皇国に行かせるかという事を考えてあぐねた結果、ニコラ様にお伺いした数字とキャラクターシートのCha.値を足し、ダイスに命運をかけてみたところ、同行者が火竜に決まりました。
ちなみにファンブル(1の目)だと中つ国にたどり着く前に行き倒れるハメになってました。他にはガルドス様を引っ張り出すなどありましたが、火竜になってくれて色々よかったです。

次回は勇者と魔王のお話か、鏑様の里帰りのお話をする予定にしております。
できるだけ早く皆様のもとにお届けできるよう、がんばってまいります。(土下座)
254 :ニコラ ◆yLqVmM/bbY [sage]:2011/11/05(土) 00:14:47.68 ID:LDXwZ2eIo
乙々です
予想外な人物出てきて仰天

しかしダイス振っていたのですか……
ファンブル怖い
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/05(土) 00:34:41.66 ID:kdtc8VZSO
運任せかよwwwwww
256 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/11/05(土) 15:41:30.81 ID:9LoS7VwIO
一時期、行動申告が大幅に遅延し皆々様に迷惑を掛けましたので、この程度はお返しの範囲で御座る。
続きをお待ち申し上げております。
257 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/11/06(日) 15:13:47.64 ID:PWhp36PIO
2日に侍の中の人の子息誕生しました。
侍殿の子息も誕生してもいいと思うよ。
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/06(日) 16:47:44.78 ID:84hT2jxSO
おめ
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(愛知県) :2011/11/13(日) 01:18:22.32 ID:pD4IpsGt0
おめです
260 :ニコラ ◆yLqVmM/bbY [sage]:2011/12/03(土) 23:58:10.67 ID:tM7Qi94do
ニコラ「もう12月? 時が経つのは早いのねー」
ニコラ「寒くなって来たし、防寒に気をつけなさいよ?」
ニコラ「寝起きにショーガ湯を飲むと血行が良くなって目が覚めるからオススメね」
ニコラ「あたしはショーガの辛さが苦手だから飲んで無いけど」
261 :タツミ ◆Ddyke7B1QA [sage]:2011/12/04(日) 00:26:30.13 ID:04Yssddto
寒い時には温かい飲み物にアルコール
だけど皇国酒を燗で飲みたくない人へ…

タンブラーに角砂糖を適量入れてウィスキーを軽く注いで香りをたたせる為に火をつける
青白い炎があがっているそのグラスにエスプレッソコーヒーを注ぐ
後は好みでクリームを浮かべれば…なんていうカクテルだっけ?
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/07(水) 18:34:08.41 ID:glNp2QfSO
>>260
生姜紅茶砂糖入りウマー
263 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 19:38:58.05 ID:dwdfHFGi0
>>260
アイリッシュ・コーヒーかな?
ウィスキーをブランデーに変えてクリームを抜けば
カフェ・ロワイヤル
264 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/12/24(土) 22:20:44.54 ID:Ct6gU2fTo
    ∧__∧
    (`・ω・´)  聖夜御祝&幸福祈願
   .ノ^ y ヽ、  へたれ殿&皆々々様
   ヽ,,ノ==l ノ
    /  l |
"""~""""""~"""~"""~"
265 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/12/26(月) 23:53:50.49 ID:PP2/mLkJo
― 魔王城 執務室 ―


魔王「さて勇者。ニコラ殿も旅立ち、今日はヒマなのだ」

勇者「俺もヒマといえばヒマだな」

魔王「女はどうした?」

勇者「ヤボ用で南の国に行った」

魔王「せわしないな。何かあったのか?」

勇者「南の国の砂漠地帯を知ってるか?」

魔王「当然だ。地図にも載っているからな。とはいえ、どのような規模なのかまではわからぬが」

勇者「あいつが水竜になろうとしたきっかけがそこなんだよ」

魔王「どういうことだ?」

勇者「あいつが聖女として各地を巡ってたのは知ってるよな? その中で砂漠地帯の村に訪れた時だ、そこは水資源がほとんどなくて作物を育てるには不向きな場所だった。当然衛生状態も良くない。あいつの付き人達は疫病の心配もあるからその村はやめておいたほうがいいって言ったんだが、あいつは行ったんだよ。んで、目の当たりにした。貧困と病に困り果ててる人達を」

魔王「……」

勇者「水がない、その所為で――もちろんそれだけが原因じゃないんだが、水が出ればマシにはなるだろ? そんな場所が本当にたくさんあるんだよ」

魔王「聖王国は肥沃な大地と豊富な水資源、海にも面しているから恵まれているのだな」

勇者「うん。あいつも聖女になった頃は本当に驚きの連続だったらしい。如何に自分が恵まれた場所で育っていたかっていうのが良くわかったって言ってた。んで、あいつは水を司る竜になる事を選んだ」


魔王「そうか。時系列で考えれば、女と黄金龍となったお前が会うのは無理だったのだな」

勇者「うん。その頃は全力で黄金龍としての力を身に付けようとしてたからな。正直外の世界全部に目を向けるのが難しかった」

魔王「ということは、私がお前と共に生きたいという思いで竜になろうとするのは不純なのか」

勇者「んー、はっきり言っちまえば不純だな」

魔王「っ……」

勇者「でもよ、どうせそれだけじゃないんだろ? 魔王なりの考えってのがあったんじゃないのか?」

魔王「そんな、ことはない。私は本当に願っただけだ。愛する勇者と共に生きたい、共に過ごしたい、とな。それだけで竜になる方法を調べようと思い立ったのだ。やはり私が竜になるなど、おこがましい考えだったのだろうな」

勇者「……」

魔王「勇者よ、いや、黄金龍よ、教えてくれ。風竜亡き今、風竜の神殿があのようになってしまった今、私が竜を継承できないのは私が不純だからなのであろう?」

勇者「……それは答えれない」

魔王「なぜだ!?」

勇者「すまん魔王、そればっかりは俺には答えられないんだよ。そもそも、だ。魔王は考えてみたことないか?」

魔王「何をだ?」

勇者「竜、あるいは龍の存在について、だよ」

魔王「どういうことだ?」

勇者「地、水、火、風、そして黄金という5種の存在、あー、もうわかってるから邪も入れとくか。全ての生命体の頂点に立つ存在だよな?」

魔王「邪龍に関しては別としても、そんなことは赤子でも知ってるぞ」

勇者「んじゃ、それを『創った』のって誰だ?」

魔王「つく……った?」

勇者「うん。そんなシステムを作ったのって、誰だ?」

魔王「待て、その理論はおかしい。黄金龍が全ての祖ではないか。お前の何世代も前の黄金龍が大地を創り、大気を創ったのだろう」

勇者「俺もそう考えてた。というか、そう信じてた。でもさ、先代のおっちゃんは違ったんだよ」

魔王「先代の黄金龍殿が?」

勇者「うん。おっちゃんは元々学者だったらしいんだけどさ、黄金龍になってからふと思ったらしいんだ。龍の存在は不自然じゃないか、ってな」
266 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/12/26(月) 23:54:40.25 ID:PP2/mLkJo

魔王「不自然?」

勇者「はい、ここで問題。四竜の役割は?」

魔王「天変地異を押さえ込み、この大地が崩壊しないようにすること、であろう? ……む?」

勇者「気づいたな」

魔王「待て、それはおかしい。いや、だが言われてみれば……」

勇者「そうなんだよ。竜も龍も不自然なんだ。っつーか、自然に反してるんだ」

魔王「確かに地震や火山の噴火というのは、大地の脈動だ。それらが『生きている』事を示している。しかし竜はそれらを……」

勇者「……」

魔王「勇者、どういうことなのだ!?」

勇者「なぁ、どういうことなんだろうな。俺にもわかんねぇ。あいつが、宰相が言ってたのはある意味では正論なのかもしれん。そりゃもちろん、破壊と混沌が正しいなんて思わないけど、俺達が災厄を抑えるってのは、もしかしたらものすげぇ不自然な事なのかも知れない」

魔王「そんな! それでは我々が今まで信じてきた事が根底からひっくり返されてしまうではないか!」

勇者「そうなんだよなぁ。それが困りモンだ」ポリポリ

魔王「龍を、竜を、創った者がいる、ということか?」

勇者「その可能性は否定できない。自然発生的に生まれるにしても、俺達はあんまりにも歪なんじゃないかな」

魔王「……」

勇者「だから、俺は魔王に竜の資格があるかどうかってのには答えれない。なんせ俺でもわかんねぇんだよ。龍の因子がどうこうって話はあるが、女にも魔王にその因子はなかったんだ」

魔王「……おい待て、なかっ『た』だと?」

勇者「うお、あぁ、なんだ、言葉のあやだ」

魔王「聞き捨てならん。お前がそこを間違えるはずはない。私に龍の因子が備わっている、ということなのか!? いや、それよりも先に女が竜になったということは、因子というのは後天的に備わるものなのだな!?」

勇者「……」

魔王「その沈黙、是と取るぞ。言われてみれば思いあたらなくもない」

勇者「あー、もう。魔王は1を知れば10理解しちまうからなぁ」

魔王「風竜の因子が私の裡に既にあるのだな」キュッ

勇者「そうだよ。風竜があの時、大型人造兵達を道連れにした時だ」

魔王「私が宰相に監禁されてた時だな。あの時、確かに何かが『降って』きたような感じがあったが、あれがそうなのか」

勇者「女の場合は先代の水竜を打ち倒した時だったらしい」

魔王「ふむ」

勇者「風竜はさ、魔王の事を気に入ってたんだよ。お前のその一途な気持ちっていうのは、必要なモノだ、って言ってた」

魔王「そう、か」

勇者「でもまだだ。魔王が風竜に昇華するにはステップが足りてない。何か、鍵があるんだ」

魔王「鍵?」

勇者「本来なら先代が斃れたらすぐに継承されるはずなんだ。でもまだそれが起きてないっていうことは、何かが足りてないんだと思う。そこから考えても、この竜っていうシステムは誰かに『創られた』ものであると俺も思う」

魔王「創造主みたいな者が居るということか?」

勇者「ま、そういうことだな。ぜんっぜんわかんねぇけどな」

魔王「その謎、私が引き受けよう。何百年かかろうと、私が解き明かして見せる」

勇者「こんなワケわかんないシステムだって聞いても、竜になりたいか?」

魔王「ふん、怖気づくとでも思ったか? 私は魔王だ。挑戦されたからには退くわけにはいかぬ」

勇者「魔王らしいよ」

魔王「それに、風竜殿は認めてくださっていたのだ。そのお気持ちは大切にしたい。お前を、勇者を想うこの気持ちは紛れもない本物なのだ」ギュッ

勇者「魔王……」ギュ
267 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/12/26(月) 23:55:06.45 ID:PP2/mLkJo


ドタドタドタドタ ガチャッ

四天王碧「魔王様、緊急事態でさ!! 大型魔導機関が!!」
268 : ◆JbHnh76luM [saga]:2011/12/26(月) 23:59:35.72 ID:PP2/mLkJo
申し開きなど一切ございません。

たった3レス(実際には2レス)を書くのにこれだけの時間がかかるくらい煮詰まっております。
ほぼ毎日PCの前に座り、Wordを開き、書いては消し、消しては書きを繰り返し、やっとこれだけしか進んでおりません。
いっそのことHTML化申請を行おうかとも思いましたが、一度広げた風呂敷をほったらかすわけにはいきません。
数名のみとはいえ、読んでくださっている方、書き込みしてくださっている皆様にほんの僅かでも楽しんでいただきたく思っております。

遅筆に次ぐ遅筆、広げっぱなしの風呂敷、どうにかしてまとめてまいります。

遅れましたが、年末年始のお忙しい折、このスレにお立ち寄り下さり、誠にありがとうございます。
伏して感謝いたしますと共に、お詫び申し上げます。
269 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 00:22:25.17 ID:vKeGtAZSO
やっと来やがったかこのヘタレが
見てる奴を待たせるとはどういうことだ?
その上新しい謎をふっかけやがって

htmlだ?ふざけんな

釜爺が言ってたぞ
手ぇ出すんなら、しめぇまでやれ!
って


てめぇなんざ、冷え切った体に痺れるあつ〜い生姜湯のんどけ
270 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 00:32:17.94 ID:VxHr7X1Yo
へいへいへい
たしかに待機や支援と書き込まなかったが
レスついてないか毎日チェックしてたぜ
おれは
つまり待ってたんだぜ
271 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 00:33:01.64 ID:ZSaieeHVo
何勝手にスレ閉じようなんて考えてんだ?こっちは楽しみに待ってんだから10年かけてでも完結させろや!ヘタレさんよぉ!!


バスロマン入れた風呂わかしといたぞ、ゆっくり浸かって疲れをとりやがれ
272 :ニコラ ◆yLqVmM/bbY [sage saga]:2011/12/27(火) 01:28:04.08 ID:YN4mTUU8o
お忙しい年末ですが皆様いかがお過ごしで、しょうか
なつの暑さとは対象的ですが冬の寒さも中々に堪えます
幾つか数える程の日しか今年も残っておりますが
来年なれどもよろしくお願いします
シモヘイヘ最強伝説
たのしかった運動会
とても大きいレモン
273 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 08:08:08.11 ID:wdsqCqBxo
さすがです、ニコラ殿

なお、カキコ1件につき、ROMはその31倍いると思っとけ>>ヘタレ
274 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2011/12/27(火) 08:50:00.58 ID:4o4Dozt7o
皆様暖かいお言葉をありがとうございます。
可能な限り努力してまいりますので、どうぞ気長にお待ちくださいますよう、お願いいたします。

寒い日が続きますが、風邪やインフルエンザなどにご注意ください。
>>1は靭帯損傷でギプスの日々が続いております。今年は本当に厄年としか思えないような一年でした……
275 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 11:07:05.76 ID:ZSaieeHVo
>>274
入院したり靱帯やったり…靱帯は何でやっちまったん?
276 : ◆JbHnh76luM [sage]:2011/12/27(火) 11:15:31.10 ID:6JvHtecIO
>>275
歩いてた時に段差で足を捻りました。
あまりの痛さにしばらく動けず、数日経っても痛みが引かないので病院に行ったら靭帯損傷という診断で、もう少しでも酷かったら手術になってたそうです。
運が良かったのか悪かったのかわかりません。
277 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 12:36:42.72 ID:UDwLUPY5o
そうして>>1は思った
俺、靭帯が治ったら

このスレ完結させるんだ!!

と・・・

その後俺たちが服を着たかどうかは定かではない
278 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2011/12/28(水) 19:40:25.03 ID:nZfcsCWzo
ヘタレ殿お帰りなさいませ。
タダ休んでいたので無くスランプとの事。
レベルを下げたくない気持ちと焦り。
お心はお察しするが貴方は独りではない。
つらくても苦しくても皆と完走すべし。

追伸 ニコラ殿、斜読とは敬服致す。
279 :かむら ◆MlrGn9DGd2 [sage]:2011/12/28(水) 22:51:20.75 ID:sW0+AtPXo
ご無沙汰してますです
気が早いですが良いお年を
280 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 05:11:06.09 ID:T3xyIvwDO
おい、ヘタレ。
俺は、ラグビーで両膝の靭帯を切ってオペしたぞ。
いいから早く書いてくれ。
毎日毎日、見に来てるんだよ。
無理しないでゆっくり書けよ。
281 : ◆JbHnh76luM [sage]:2011/12/31(土) 23:48:22.65 ID:5fEcfQVyo
このスレをご覧くださっておられます皆様、本年も色々とお世話になりました。

私の不手際や健康管理不足などで物語が全く進まず、皆様には不快な思いをさせてしまいましたことを心よりお詫びいたします。

可能な限り早く次回分を投下できるように努力を重ねて参りますので、どうぞ気長にお待ちください。

最後に、来る2012年も皆様にとって良い一年となりますよう、お祈り申し上げます。(土下座)

来年は小マシな一年になってほしいです……今年は酷過ぎて心が折れました。
282 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/01/01(日) 00:44:30.66 ID:Ga5aRS5oo
侍「…あ、あけおめに候」
侍「昨今の挨拶は恥ずかしいで御座る///」
283 :ニコラ ◆yLqVmM/bbY [sage]:2012/01/01(日) 01:33:59.17 ID:Iui4xmtio
中の人が喪中につき年末年始のご挨拶を失礼させて頂きます
今年も宜しくお願い致します

ニコラ「まったく、あたしのお葬式にならなくて良かったわね」
284 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2012/01/02(月) 20:28:42.38 ID:D+jgxCApo

勇者「新年」

魔王「あけまして」

勇魔女「おめでとうございます!」

女「>>1に代わりまして、新年のご挨拶をさせていただきます」ペコリ

魔王「旧年中は色々世話になり、皆には心から感謝している」ペコリ

勇者「今後の投下に関してはまだわからないらしいけど、できるだけ早く届ける事ができるように>>1の尻を叩いて回ります」

魔王「本年もぜひともよろしくお願いいたす」

女「それはいいけど、この話いつまで続くの?」

勇者「次の投下で鏑さんの話をやって、そのあとクライマックスに行くらしいぞ」

魔王「そのネタがないらしいな」ククク

勇者「自分で畳めない風呂敷なんて広げるモンじゃないよなぁ」

女「ホントホント。まぁ、>>1には血を吐くつもりでやってもらうしかないわよね」

魔王「さてさて、今から新年会だ。皆の者、酒と肴の用意はいいか?」

勇者「んじゃ……」

勇魔女「かんぱーい!!」
285 :タツミ ◆Ddyke7B1QA [sage]:2012/01/03(火) 02:52:31.16 ID:9l+3dJJdo
…そういえば年明けたんだな…あまり実感が無いのは何故なんだろうか…


今までずっと疑問に思っていた事なんだが…ここでその疑問を呈していいのか散々迷った
その疑問の内容自体は一言で言えるがその内容が酷いんでな…ネタとして使えないなら無視してもらっても構わない

「邪龍ってのはもしかしたら一体だけじゃ無い…もしくはそれに限りなく近い状態なんじゃないか?」

理由は陰陽道における“五行”の考え方に由来する
五行ってのは万物は五つの要素で成り立っていると言う基本理念がある
それぞれ「木」「火」「土」「金」「水」と言う要素なんだが…これは四龍+黄金龍の存在を髣髴とさせるんだ
陰陽道にもある程度の流派があるから一様には言えないんだが、上記要素の「木」を「風」に読み替えてやれば
五行の持つ方角としての位置特性が四龍と黄金龍のそれと合致する
陰陽道の陰陽ってのはそのものずばり「裏と表」と言う意味だ
つまり、黄金龍に対する邪龍がいるように火龍や水龍たち四龍にも
その裏とされる存在…便宜上における火の邪龍や水の邪龍なんかがいるんじゃないか?
もしくはそれら裏の存在を全てひっくるめて邪龍とよんでいるんじゃないか?
286 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2012/01/03(火) 03:03:48.14 ID:SVao/ecqo
みなさま今晩は。

年末年始にだらけまくった影響か、こんな時間まで起きている癖がついてしまいました。
5日までには平日モードに戻したいところです。

閑話休題
鏑様のお話が出来上がりましたので投下します。レス数にして2,3レスといったところでしょうか。短くて申し訳ございません。
謝罪ついでに鏑様に怒られそうな内容になってしまいました。設定追加しまくってしまいました。すみません。(土下座)
287 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2012/01/03(火) 03:13:27.35 ID:SVao/ecqo
>>285
いつの間にか巽様が。
何を以って『正義』『悪』とするかが難しいところですね。某小説にありましたが、『正義とは、別の者から見れば悪となりうる』という言葉が至言だったように思えます。
ネタバレ要素を含んでしまいますので、以降割愛。
288 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2012/01/03(火) 03:14:04.19 ID:SVao/ecqo

― 鏑の故郷の街 一番大きな酒場 ―


鏑「どうしてこうなった……」

村人「おい鏑ぁ、もっと飲め! 何たってお前はこの村の出世頭なんだからよ!」

村人「そうだぞぉ! お前が出世すりゃこの村にも注目がそそがれるってもんだ!」

鏑父「俺はよぅ、お前がこんなに立派に育ってくれて嬉しいぜ……」グスッ

鏑母「そうねぇ、騎士団に加入した上に魔王様の勅命を受けるまでに成長してくれましたものね」ウルウル

鏑「あ、あの、説明が終わってないのですが、騎士団に関してはどうなるかわからなくてですね……」

村人「なんでぇなんでぇ、よくわかんねぇけど飲め!」

鏑「話聞いてくださいよ……」タメイキ

?「鏑」チョイチョイ

鏑「おや、街娘じゃないですか。久しぶりですね。相変わらず目が隠れるくらいの髪の毛ですね」

街娘「顔出すの、好きじゃないから」

鏑「引っ込み思案は治ってませんか。それはそうと、元気でしたか? また痩せたんじゃないですか?」

街娘「そんなことない。元気」ニコ

鏑「それは良かったです。それにしても、どうしましょうかねこの乱痴気騒ぎ……」

ワー ノメー ソンチョウノイイトコロミテミタイ!! オレノイイトコロモミテクレー

街娘「娯楽がないからしょうがない。ちょっと、いい?」 クイクイ

鏑「構いませんよ。どうせ皆さん飲んでるだけですから」スッ
289 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2012/01/03(火) 03:14:43.59 ID:SVao/ecqo
― 酒場の外 ―


鏑「やっと開放されました」ゲンナリ

街娘「お疲れ。少し歩く?」

鏑「酔い醒ましにはちょうどいいですね」

テクテク

街娘「……生きてたんだね」

鏑「それはちょっと酷いですよ。そりゃ生きてますって」

街娘「でも色々大変だったって聞いてる」

鏑「あぁ、衛兵がこっちにちょくちょく来ては私の話をしてたらしいですね。西の国境の街で別れたきりだというのに」

街娘「……死んでもおかしくないって」

鏑「それは誇張……でもないですね。確かに死ぬような思いもしたかもしれません。ですが、仲間に恵まれましたので生き延びてこれました」ニコ

街娘「騎士団、辞めさせられる?」

鏑「あぁ、さっきの私の話を聞いてくれてたんですか。何だか嬉しいです。みんなは私が戻った早々から酒盛りで話を聞いてくれてませんでしたから」

街娘「大丈夫。聞いてた」

鏑「どうなるのかわからないですね。魔王様が口添えしてくださるとの事でしたが、怒らせた相手が西征将軍ですからどうなることやら」

街娘「もし、騎士団クビになったらまた戻ってくればいい」

鏑「うーん……」

街娘「嫌?」

鏑「いえ、嫌ではないですよ。ですが、できるならあの仲間達とまた何かをしてみたい、と思ってるんですよ」

街娘「……彼女でもできた?」
290 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2012/01/03(火) 03:15:09.49 ID:SVao/ecqo


鏑「そんな心配をしてたんですか」クス

街娘「してない」プイ

鏑「心配しなくてもそんな相手なんて作る暇はありませんでしたよ。仲間には女性もいますけど、男勝りな上に毒舌家さんでしてね」

街娘「そう」

鏑「変わりませんね」スッ ナデナデ

街娘「変わったよ。鏑がここを出てから2年も経つし、私だって成長、した……と思う」

鏑「もう2年ですか。早いものですね」

街娘「うん」

鏑「言われてみれば町並みも少し変わったように思えます」

街娘「……」ジー

鏑「貴女も成長しましたよ。身長も伸びましたね。変わってないなんて言ってすみませんでした」ナデナデ

街娘「いい」プイ

鏑「ご機嫌を損ねてしまいましたか……そういえば、『あの場所』はまだ?」

街娘「行ってみればいい」

鏑「おやおや、嫌われてしまいましたか。しょうがないですね、一人で行きましょうか」

街娘「っ」ギュッ

鏑「はぁ、前言撤回です。貴女は何も変わってませんね」ニコリ

街娘「……」

鏑「袖を掴んだままでいいですよ。一緒に行きましょう」

街娘「ん」
291 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2012/01/03(火) 03:15:57.65 ID:SVao/ecqo
― 街はずれの湖脇の大木 ―


鏑「この樹は本当に変わってませんね」

街娘「ん」

鏑「思い出しますよ。ここで貴女と歌を唄ったり、本を読んだりした事を」

街娘「鏑が弓の練習してた」

鏑「そうですね。ここで弓の基礎を培ったといっても過言ではありません」

街娘「帰って……こないの?」

鏑「もっと、自分を鍛えたいんですよ」

街娘「十分強い」

鏑「まだまだです。本当にまだまだですよ」

街娘「あの時、私を助けてくれた時でも十分強かったのに」

鏑「弱かったですよ。お話にならないくらい弱かったですよ。でなければ貴女をあんな目には……いえ、この話はやめましょう。辛い話を掘り起こすべきではありません」

街娘「……ごめん、なさい」

鏑「貴女が謝る事なんてありませんよ。私が謝らなければいけないのに」

街娘「鏑は何も悪くない」

鏑「そうでしょうか……私がもっと聡くて、強ければ……」

ヒュゥゥゥゥ

鏑「少し冷えますね。これを羽織って下さい」
292 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2012/01/03(火) 03:16:24.69 ID:SVao/ecqo


街娘「……帰って、きて」

鏑「……」

街娘「……」

鏑「しばらくはこの街に居る予定です。色々と土産話をしてあげますよ」

街娘「……」

鏑「さ、戻りましょう。風邪をひいてしまいます」ザッ

……
………
…………いくじなし

鏑「……」ピタ

街娘「……」

鏑「そう、かもしれません。私は意気地なしかもしれませんね。騎士団での名誉を重んじるあまり、大切なものを壊しかけてしまいましたし、その事で仲間にきちんと謝ってすらいません。昔も今も、私は意気地がないです」

鏑「だから、私は世界を観たいんです。騎士団だけではなく、聖王国全体を、できることなら他の国も」

街娘「……いく」

鏑「すみません、聞こえませんでした」

街娘「ついて、いく」

鏑「……危険です。貴女を連れて行くわけにはいきません」

街娘「やだ」

鏑「聞き分けてください。貴女を危ない目に遭わせたくないんですよ」

街娘「……」ダキツキ

鏑「……妹のような存在なんですよ」ナデナデ

街娘「それじゃ、やだ」

鏑「頑固なのも変わりませんね」ニコリ

街娘「鏑にだけは我侭言う」

鏑「はぁ……」
293 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2012/01/03(火) 03:16:52.75 ID:SVao/ecqo


街娘「待つ」

鏑「?」

街娘「ずっと待ってるから」

鏑「……旅先で死ぬかもしれませんよ?」

街娘「それでも」

鏑「どこかで女性と出会って結婚してしまうかもしれませんよ?」

街娘「それでも」

鏑「あぁもう、本当にしょうがないですね貴女は」

街娘「……」ギュー

鏑「では、待っていてください」ギュッ

街娘「!」

鏑「いつになるか、明言はできませんけど、私が自分に自信が持てるようになったら迎えに来ますよ」

街娘「……うん」

鏑「本当に、貴女は変わりませんね」

街娘「変わったよ」

鏑「そうでしょうか?」

街娘「うん」グイ

チュ

鏑「……もう一回前言撤回します。変わりましたね。積極的に動くようになりました」

街娘「うん」ニコ
294 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2012/01/03(火) 03:20:05.91 ID:SVao/ecqo
以上で鏑様編、終了となります。

次回更新からは終盤戦スタートとなる予定です。

風竜への昇華が果たして成功するのか、その鍵とは何か、そして邪龍との対決はどうなるのか、勇者達が抱いた疑問に対する回答は? 広げまくった風呂敷を畳めるのかという根本的な問題を孕みつつ、できるだけ早くお届けできるよう、努力してまいります。
295 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/01/03(火) 09:45:06.44 ID:gQnaJKdPo
謹賀新年
新年初投下確認
鏑殿の恋話を堪能致した
今年のヘタレ殿に幸あらん事を
296 :カムラ ◆MlrGn9DGd2 [sage]:2012/01/03(火) 22:29:53.91 ID:eGm57PVOo
最近妹スレと幼馴染スレを読み漁っていたのを見透かされたようでヒヤリとした。
ほんとうによくわかってらっしゃる。
明けてはしまいましたが、良いお年を
297 :タツミ ◆Ddyke7B1QA [sage]:2012/01/04(水) 01:30:03.47 ID:INi2a/Fuo
「正義の反対は悪では無くまた別の正義」と言うのがガンダムのセリフに会ってだな…

…もしかして龍の存在の根底にあるのってSFCのシ○○○スってゲームに使われてた○イ○理論?


ま、合っていようが合ってなかろうがネタバレにもほどがあるからノーコメントなんだろうな…
298 :ニコラ ◆yLqVmM/bbY [sage]:2012/01/04(水) 01:38:07.97 ID:8HTwJzgCo
中の人「乙々!」

ニコラ「やっと書き切れたの? ほんとにへたれね」

中の人「重要なのは過程ではなく結果だろ? 読んで楽しめる。これだけで幸せ。それを待つために、俺は待つよ」

ニコラ「あんたも熱狂的ね。バカみたい」

中の人「しかし町娘……ステレオタイプな性格とはいえ、その可愛さに打ちのめされてます 」

ニコラ「ど、どうしたのよいきなり」

中の人「その可愛さに私は! 悶え! 苦しんでいる!」ワサワサ

ニコラ「うわっ! キモい!」ゲシッゲシッ

中の人「あふん! もっと蹴って!」


何を書いてるんだ俺は
お目汚し失礼した……
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/07(土) 12:03:42.96 ID:/BxQOnFSO
あけおめ


しかし……ガルドスさんは結局音信不通か……
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2012/01/09(月) 15:58:15.53 ID:hfHBA2qAO
新年も頑張ってへたれ
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 07:50:48.73 ID:CwnUZ+QIO
ヘタレがどっかで他の作品進めてるなら教えてほしす
302 :タツミ ◆Ddyke7B1QA [sage]:2012/01/22(日) 11:22:23.65 ID:/8IgdiYwo
「進めてた」と言う過去形で且つ完結済みならば1つだけある
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1301322967/

ヘタレが恥ずかしさのあまり悶えても当方は関知しないものとする
303 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2012/01/22(日) 22:35:38.41 ID:2ydxskZdo
ご無沙汰しております。筆が進まなさすぎて切腹したくなっております>>1でございます。(五体投地)

現在の進行状況:投下できるレベルの文章がまったく書けておりません。ちょっとWord開くのが怖くなりつつ。しかしながら、お待ちくださっている皆様の事を想うと、一秒でも早くお届けしたいという気持ちだけが先走ってしまい、これまた文章になりません。
最後の部分に関してはほぼ出来上がっておりますが、自分の書きたい事を書いてしまうと、「お前ふざけんな。何だこのオナニーは!」とお叱りを受けてしまうので頭の中で弄り倒し中。

>>301
台本形式の作品につきましては、>>302でタツミ様が書いておられますとおり、一作だけございます。

また、外部のサイトにて過去に作品を投稿しておりましたが、こちらも現在停止中となっております。何やってるんでしょうか。
板のルールがどうなっているのか勉強不足でわかりませんので、直接紹介しても良いのかわかりませんので、詳しい方がおられましたら外部のサイトへのリンクを貼って良いものかどうか教えていただけると幸いです。
とはいえ、書いているのが「おい何だこのご都合主義満載の超絶オナニーは」と突っ込まれても反論のできないような作品なので、ご期待には沿えない可能性のほうが高いと思われます。

宣伝はさておき、こちらのほうをきちんと終わらせるよう、悪い頭をひねり潰しながら書いてまいりますので、気の向いた時にでも覗いてくださると嬉しい限りでございます。(土下座)
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/01/22(日) 22:48:02.73 ID:dsylom5AO

出来るときに書いたらいいよ(たてまえ)

さっさと書け(本年)
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage ]:2012/01/23(月) 00:08:02.94 ID:+BE5QT2do
>>304
本年ってwwwwww
306 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2012/01/23(月) 00:27:25.14 ID:PRyRyBbqo
>>304
本年こそはきちんと書きますので、平にご容赦を……(土下座)
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/01/23(月) 00:38:20.00 ID:VHPz+K4po
過去作品の紹介は荒れる原因に成りがちだけど特に禁止はされてない
荒れる原因というのは、書き手の自己顕示が過ぎて馴れ合いの流れになりがちだから

過度の馴れ合いは板の主旨と違うし、嫌う人もいる
かと言って紹介=叩き対象でもない
だから過去作品紹介は賛否両論
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/23(月) 19:27:01.24 ID:ECI2GyhIO
ヘタレはSSごときで使命感とか責任感とか感じてんのか?
粋がるなよヘタレ如きが!!

読者様に申し訳ないとか、参加しているプレイヤに申し訳ないとか、クオリティがどうとか、Word開くのが怖いとか、そんなガクブルなんざおこがましいわ!

ヘタレの妄想大爆走の超絶[田島「チ○コ破裂するっ!」]文をとっとと衆目に晒して、みなが笑って鑑賞してやるって言ってんだから、てめえは気楽に筆でしこればいいんだYO!!!

だから早く書け、下さい。
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/01/27(金) 17:43:26.31 ID:x9B2FE0so

いちさん

カツカレーを忘れないであげてくだそい
310 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2012/01/30(月) 22:40:44.90 ID:2vmX8cj/o
申し訳ございません、投下ではなくて近況報告的ななにかです。(土下座)

正直に言います。
全く別のSS(地の文付)を書きなぐって逃避してます。ネタに詰まりまくって別方向のお話に逃避という、典型的パターンに陥りつつあります。
極力早くこちらのSSも書き上げることができるよう努力してまいります。

お待ちくださっておられます皆様には申し訳ない限りではございますが、どうぞお許しください。
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/31(火) 00:11:39.38 ID:atYdc5o4o
別のSSを教えたら許すでござる
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/01(水) 00:42:07.26 ID:VoZxqeKOo
いくらへタレだろうと浮気は許さない
ただし、その別SSのうrlをうpするなら
許してやらんでもない
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/01(水) 00:56:30.62 ID:7azx5lvuo
  バン    へたれはよ
バン(∩`・д・) バン  はよ
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/   
 ̄ ̄\/___/
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/01(水) 03:24:04.14 ID:AlqngBELo
もしかして娘作ったのやつか??
315 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2012/02/01(水) 18:36:01.70 ID:Kbl3bSQ+o
>>311-312
地の文がついておりますので、ここでアップはできないんじゃないかと思っております。

>>313
そのAAがかなり好きです。PC壊す→携帯でポチポチの流れまであるのを最近知りました。

>>314
娘を作るやつ、というのは最近作った心当たりがございませんので違うかと思われます。
316 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/02/01(水) 20:57:47.43 ID:Fox1FFKIO
ヘタレ殿
SS速報には、ほとんど地の文のSSもいくつも存在するので遠慮せずに&待たせお詫びの意味でもスレ作ってアップ頂きたく候
317 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2012/02/01(水) 21:54:29.84 ID:Kbl3bSQ+o
>>316
以前にもお伺いして、地の文付でもOKというご返答を頂いてたのですが、VIPのSS関連スレ(スレ名失念しました)を見ると、「地の文ついてるやつなんざSS速報でも禁止だぞこの屑」みたいなレスがありましたので、やっぱりダメなのかと諦めかけておりました。
私個人としても誰かに見ていただきたいという気持ちが強いのですが、何分まだ書きかけ&終わりが見えていない(プロットは完成済)なので、どうしようかと思案中でございます。

アップするとなると、
1.ラブコメもの(学園舞台)
2.ファンタジーSFもの(元ネタ微妙にアリ・二次創作)
のどちらかになるかと思われます。

いっそのことこのレス+2の方に決めていただくというのも楽しそうなので、このレス+2の方に
別スレを作ってアップする or しない
ラブコメもの or ファンタジーSFもの
それぞれ決めていただくことにしようかと思います。

注:作品には決して期待なさらないようにしてください。面白いという保障は相変わらず微塵もありません。
318 :タツミ ◆Ddyke7B1QA [sage]:2012/02/01(水) 22:14:30.45 ID:ZzjBF1R0o
面白いかどうかを決める権限は書き手には無い
保障なんざ如何でも良い&どっちでもいいから早く書け下さい
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/02(木) 00:21:14.08 ID:sncacyujo
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン       バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
    \/___/ ̄



  バン    はよ
バン(∩`・д・) バン  はよ
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/   
  ̄ ̄\/___/



      ; '     ;
       \,,(' ⌒`;;)
       (;; (´・:;⌒)/
     (;. (´⌒` ,;) ) ’
(  ´・ω((´:,(’ ,; ;'),`
( ⊃ ⊃ / ̄ ̄ ̄/__
    \/___/



ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ
ポチ     ポチポチポチポチポチポチ
ポチ(∩`・ω・) ポチポチポチポチポチ
 _/_ミつ/ ̄/_
      /_/

320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/02(木) 07:32:04.33 ID:veQS4PkIO
別スレで2.からだろJKに候バンバン
バン﹆      ババンババンバンバン
バン(∩`-ω-)  バンバンバンバン゙ン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
    \/___/ ̄

  ﹆ バン ヘタレ殿はよ
バン(∩`-д-) バン ヘタレ殿はよ
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/   
 ̄ ̄\/___/

      ; '     ;
       \,,(' ⌒`;;)
       (;; (´・:;⌒)/
﹆    (;. (´⌒` ,;) ) ’
(  ´-ω((´:,(’ ,; ;'),`
( ⊃ ⊃ / ̄ ̄ ̄/__
    \/___/

          /\
     . ∵ ./  ./|
  ﹆ _, ,_゚ ∴\//
   (ノ-Д-)ノ   |/
  /  /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ポチポチポチンポチポチポチポチポチポチポチ
ポチ﹆    ポチポチヘタレ殿はまだかポチ
ポチ(∩`-ω-) ポチポチポチポチポチポチ
 _/_ミつ/ ̄/_
      /_/
321 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/02/02(木) 07:33:13.70 ID:veQS4PkIO
酉忘れ失敬
322 :ニコラ ◆yLqVmM/bbY [sage]:2012/02/02(木) 07:57:29.82 ID:nFcHBxBIO
たまに変なこだわりをもってSSを批判する奴いるけど
SS速報はSSが面白ければ、色んな面に対して寛容的だと思ってる
323 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2012/02/02(木) 11:30:38.21 ID:zYfJKhwLo
今夜あたりにでも別にスレを立ててみようと思っております。
皆様の暖かいお言葉と罵りのお言葉ありがとうございます。(土下座)
324 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/02/02(木) 12:41:36.28 ID:veQS4PkIO
ヘタレ殿スレ立てしたら誘導も願う
325 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2012/02/02(木) 21:23:44.32 ID:zYfJKhwLo

昨日お話させていただきましたスレを立てました。
少しでも楽しんでいただければ幸いでございます。

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1328185306/
326 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2012/02/17(金) 22:18:30.99 ID:vYfV+Tzpo

先日、このスレを見てる知り合いに「お前さぁ、即興で書いたほうがマシなんじゃね?」と言われて色々考え込んでしまいました。
よくよく考えてみると、即興の時のほうが話に勢いを持てたような気がしています。

ある程度のプロットはすでに固まってるので、今後は即興形式に戻そうかどうか思案中です。
「んなこたぁいいからさっさと書けよこの愚図」と罵られそうです。
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/17(金) 22:37:32.54 ID:JC6eya3Ro
お前は愚図じゃない!!愚図じゃないんだ!!
とまぁんなこたぁいいからさっさと書けよこのヘタレ!!
いつまで待たせるんだよ!!このヘタレ!!
328 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/02/18(土) 08:15:27.73 ID:hW79VWCTo
構築でも即興でも問わぬ故、
早急に筆をとって頂きたく候
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/20(月) 01:33:40.49 ID:ELiOLrtC0
先代蒼はいいキャラだった

あの時ぐらい燃える戦いを書いてくれると期待してる
330 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2012/02/21(火) 23:00:15.86 ID:dbEkDmC3o
>>329
あの頃はなにやら神様的なものがご光臨なさっていて、勢いがありましたね。
こっちも早く再開したいところです…・…(駿河問い)
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/22(水) 07:06:37.18 ID:np+T+OBIO
また降臨させて投下無双してたぼれ
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/24(金) 13:50:11.75 ID:HzAs9vRSO
んなことより早く
333 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/02/27(月) 00:34:47.14 ID:Xbjtveuio
やっと山を越えた!
というわけで更新再開です。もう片方のようにコンスタントに投下はできませんが、本格的にこちら側にも力を入れていくつもりです。
こんな言い訳ばっかりしてますね……本当に申し訳ございません。(土下座)

今までのように一気に投下はできませんが、限りなく即興という形に戻しましたので色々と物語や設定を無視してしまったり、破綻してしまう可能性は多々ございますが、どうぞお付き合いくださいませ。

ここ数日、比較的暖かい日が続いておりましたが、今週に入ってまた寒い日が戻ってまいりました。
皆様におかれましてはくれぐれも風邪などひかないようになさってくださいませ。
334 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/02/27(月) 00:38:18.69 ID:Xbjtveuio
※直接の繋がりといたしましては、>>267からの繋がりとなります。各キャラクター達の休日と>>267周辺の出来事はほぼ同時に進行していたと脳内変換をお願いいたします。


― 魔王城 会議室 ―


魔王「状況を」

勇者「何があったんだ!?」

魔族大賢者「賢者の学院より先程緊急連絡がありました。先日完成した大型魔導機関が……」

魔王「事故か?」

四天王蒼「いえ、最悪の状況です」

勇者「……まさか」

魔族大賢者「そのまさかです。何者かによって盗まれました」

魔王「盗まれただと!? 警備は何をしておったのだ!」

勇者「それもそうだけど、あれってかなりでかい上に重かったよな。となると複数犯か?」

魔族大賢者「犯人の人数や容姿等の詳細は不明です。警備も厳重にしていましたが、突然研究室から消えてしまったとのことです」

魔王「集団睡眠や催眠の類か?」

四天王碧「でしたら魔法反応があるはずですが、一切なかったとのことでさ」

魔王「奇妙だな。痕跡も残さずにそのような事をするなど、不可能なはずだ。とりあえずその件は置く。今は奪われた魔導機関の行方を捜さねばなるまい。碧と蒼は王都に飛び、騎士団と合流して周辺捜索を。奪われてから時間はさほど経っておらぬのだな? だとしたらまだ近くにあるはずだ。急げ」

四天王碧・蒼「承知いたしました」

魔王「魔族大賢者は引き続き学院内の捜索をせよ。責については後で問う」

魔族大賢者「承知いたしました」

勇者「あ、ちょっと待ってくれ」

魔族大賢者「何でしょうか」

勇者「大型魔導機関を奪ったやつらの目的がわかれば運び先も絞れないか?」
335 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/02/27(月) 00:39:39.81 ID:Xbjtveuio

魔王「それはそうだが、単に破壊しようとしているだけやもしれぬぞ」

勇者「だったら学院内でしちまうだろ。わざわざ盗み出したりせずにさ」

魔族大賢者「それについても考えたのですが、あれ程の大出力機関ですから使い道となると……」

魔王「王都で消費する魔力を完全に賄う事ができるという話だったな」

魔族大賢者「はい。王都を照らす街灯、商店等に設置されている大型の冷温庫を含め、あらゆる機器が必要とする魔力を供給してもなお余る程の出力を備えています。使い方によっては魔王様並の大規模魔法を使う事も可能ではありますが……」

勇者「魔王の魔力ってとんでもないぞ?」

魔王「……」

勇者「膨大な魔力を必要とするなにか、か」

魔族大賢者「過激な一派が戦争を起こそうとしているとも考えられますが、魔力があっても術式を知っている者などそうそう……」

魔王「勇者!」

勇者「どうした!?」ビックリシタ

魔王「宰相だ! 奴が魔導機関を持ち去ったのだ!」

魔族大賢者「まさか、邪龍の……」

勇者「ちっ、そういうことか。なんでそこまで頭回らなかったんだよ俺は! すぐに行くぞ! 碧さんと蒼さんを呼び戻してくれ!」

魔族大賢者「通信筒はこちらに」

魔王「うむ、碧、蒼、聞こえるか!?」
336 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/02/27(月) 00:40:09.25 ID:Xbjtveuio

ザザッ ザーピー

魔王「おい、どうした!?」

魔族大賢者「ノイズですね。大気中の魔素が乱れてるようです」

魔王「碧、蒼、応答しろ! くっ、こんな時に。念話も届かん!」

魔族兵「緊急、緊急!」ダダダダ

魔王「どうした!?」

魔族兵「魔王城周囲に人造兵多数!」

魔王「なんだと!? 見張りは何をしていたのだ!」

魔族兵「それが、急に姿を!」

勇者「マズいな。数が多い」

魔王「碧と蒼を見なかったか!?」

魔族兵「お二人とも戦闘に参加なさっております。ですが、敵の数があまりにも多く、現在城下町は壊滅状態。避難民を城内に誘導し、城門を閉じる準備を進めております」

魔王「なんということだ!」ダン!

勇者「ってことは……」

魔王「王都もか!!」
337 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/02/27(月) 00:42:06.40 ID:Xbjtveuio
短い。短いですが、今日のところはこれだけとなっております。
明日以降も書き上げ次第順次投下していく予定となっておりますが、仕事中に書く事が出来なくなってしまっておりますので、帰宅後から書いて、アップしてという事になるかと思われます。
お時間のございます方はぜひともお付き合いくださいませ。
それでは、失礼いたします。(土下座)
338 :かむら ◆MlrGn9DGd2 [sage]:2012/02/27(月) 02:29:19.27 ID:WD5sPdl/o
おつ、まってた
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/27(月) 02:49:50.92 ID:jM9pk3jSO
おお緊急事態
340 :ニコラ ◆yLqVmM/bbY [sage]:2012/02/27(月) 07:48:47.36 ID:N0fT+FeAo
乙々!
341 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/02/27(月) 18:11:40.76 ID:7gTMgMHIO
少しずつ一歩一歩でも進むことに意味は御座る。
342 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/02/28(火) 01:23:43.40 ID:bOs6eU32o

正直に申告いたします。2レス分くらいしか書けておりません。
書く気がある時に限って仕事が山積みになるというのは何かの呪いなのでしょうか。

女々しい申し開きはなしにしてある分だけ投下です。
343 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/02/28(火) 01:24:26.00 ID:bOs6eU32o

― 魔王城 執務室 ―


魔王「なんということだ! 完全に後手ではないか!」

伝令兵「住人の避難はほぼ完了しております。が、犠牲者も多数……」

魔王「碧と蒼は?」

伝令兵「前線にて指揮を執っておられます」

魔王「私も出る」

勇者「王都の状況はわからないか?」

伝令兵「通信筒が使用不可能になっており、王都の状況は不明です」

勇者「魔王すまない、俺は王都に行く」

魔王「やむを得まい。西の街などの大規模都市の状況も不明な現在、勇者は王都に向かうべきだな」

勇者「女がもうすぐ戻る。それまで耐えてくれ」

魔王「魔族を舐めるな。人造兵ごときに負けはせぬ」

勇者「頼もしい言葉だ。またあとで会おう」

魔王「伝令兵は各地の情報を集めて私のところに。メイドは……そうか、まだ戻っておらなかったのだな」

勇者「通信筒がこれじゃ連絡の取りようがないからな。魔王、くれぐれも……」

魔王「何を言っている。皇国の時のように魔法を封じられているわけではないのだ。大規模範囲魔法の連打で一気に焼き払ってくれる」
グィッ ギュー

魔王「おい、勇者……」

勇者「……無茶だけはするな」

魔王「わかっている」ギュッ
344 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/02/28(火) 01:25:20.64 ID:bOs6eU32o

― 魔王城 中庭 ―


ワーワー ギンッキンッ

巽「よっと……って何が起こってるんだ!?」

侍「この禍々しい気配は……」

メイド「魔王様っ!」ダッ

侍「巽殿、我々も!」

巽「戻って来た早々これかよ! 式よ、我が目となれ!」ヒュバッ

メイド「魔王様! どこにおられるのですか!?」

侍「メイド殿! 落ち着け!」グッ

メイド「ですが、魔王様の身に何かあったら!」

侍「お主の気持ちは痛い程わかる。だからこそ冷静になれ! 魔王殿が行きそうな場所を考えるのだ」

メイド「……失礼いたしました。お見苦しいところをお見せしてしまいました」

侍「なに、気にしておらぬよ。メイド殿の忠誠心はよく知っている」ニコ

巽「えらい数の人造兵が来てるぞ。城下町はほぼ壊滅状態みたいだ」

メイド「だとしたら、魔王様は最前線、城門におられるはずです!」

侍「あいわかった。向かうでござる!」ダッ
345 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/02/28(火) 01:26:36.10 ID:bOs6eU32o

諸事情ございまして、木曜日くらいまで更新が飛びます。
投下できそうなタイミングがあれば投下いたしますが、お許しくださいませ。(土下寝)
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/28(火) 08:18:06.98 ID:mn7cJ55IO
無理せず…いいから書け、下さい
347 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/03/03(土) 00:44:39.01 ID:caiUJn9Vo
皆様こんばんは。気付いたら金曜日になっていました。日付がかわってるのですでに土曜日ですね……

気を取り直して本日分の投下です。書き溜め量が相変わらず少ないのですが、可能な限り投下していきます。(土下座)
348 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/03/03(土) 00:46:01.50 ID:caiUJn9Vo

― 魔王城城門 最前線司令部 ―

四天王碧「住人の避難はどうだ!?」

獣人族副官「ほぼ完了したとのことです! 碧様も城内に!」

四天王碧「ほぼってこたぁ、まだ終わってねぇんだろうが! 最後の一人を確認するまで俺ぁここから離れんぞ!」

獣人族副官「残りの者達に関しては諦めるしか!」

四天王碧「ふざけんな! 魔王様だったらそんな弱音吐かねぇ!」

魔王「その通りだ」

四天王碧「魔王様!」

獣人族副官「魔王様!」

魔王「状況は概ね理解した。敵の数は?」

獣人族副官「はっ、およそ200体と推測されます。魔族軍が各所で迎撃に当たっておりますが、状況は不利」
349 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/03/03(土) 00:46:27.42 ID:caiUJn9Vo

魔王「城門近くまで来ているのが100といったところか……碧よ、お前の仕事増やすぞ」

四天王碧「ってーと?」

魔王「5分時間を稼げ。片付ける!」スゥッ

四天王碧「承知! おらぁ、魔王様のご出陣だ! 気合入れろぉ!!!!!」

魔族軍「うぉぉぉぉぉぉ!!!!」

魔王(生き残りは…………わかるはずだ。風竜の力の断片はすでに私の裡にあるはず。それを使いこなせれば……)

四天王碧「うぉぉぉ、双爪斬!!」

人造兵「グォォォォォ!!」

四天王蒼「魔王様が前線に!? 空挺部隊、魔王様の警護を!」

魔王(……みつけた。23人か。重傷者もいる。できるか? いや、やらねばならん。風竜よ、私に力を貸してくれ!)
350 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/03/03(土) 00:46:53.15 ID:caiUJn9Vo
― 魔王城 城下町 崩れかけたアパートメント―

人型魔族A「くそっ、人造兵のやつらめ……」

獣人魔族A「おい、しっかりしろ!」

人型魔族B「お、俺はもう駄目だ。お前たちだけでも、魔王城に……」ゼェゼェ

人型魔族A「お前も一緒に行くんだよ! 畜生、援軍は来ないのか!?」

獣人魔族B「囲まれてるぞ!」

獣人魔族A「ちっ、ここが散り時ってか」

人型魔族B「に、逃げろ! 俺はもういい! お前たちだけなら逃げれるだろ!」

獣人魔族B「よっしゃ、覚悟決めたぜ。お前達とは短い付き合いだったが、いっちょ盛大にやろうや」

人型魔族A「そうだな。パーティを組んで一ヶ月だが、面白い仕事ができたよ」

獣人魔族A「この命、魔王様の御為に!」

獣人魔族B「この力、魔王様の御為に!」

人型魔族A「この想い、魔族全体の為に!」

一同「いっくぞぉぉぉぉ!!!!」ザザンッ
351 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/03/03(土) 00:47:19.26 ID:caiUJn9Vo

人造兵「ブルァァァァァァァァ!!!」

獣人魔族A「こっちだぁっ!」ドガッ

獣人魔族B「お前の相手は俺だよっ!」ザスッ

人型魔族A「炎の矢っ!!」

人造兵5体「ゴォォォォォォ!!」

獣人魔族A「案の定効いちゃいねぇな!」

人型魔族A「ダメージ与えた端から回復されちゃぁなっ!」

獣人魔族B「でもよ、一体くらいは倒したいぜ!」

魔王『聞こえるか、残されている者達よ』

人型魔族B「ま……魔王、さま……?」

魔王『よくぞ生き延びてくれた。あとは私に任せるがいい。お前達の位置は全て把握した。少しばかり揺れるが、しばしの辛抱だ』

人型魔族A「魔王様、一体どうやって!?」

ヒュォォォォ……ヒュォォォォ……

獣人魔族B「なんだ、風鳴り?」

獣人魔族A「さっきまで風なんてなかったぞ。しかも強ぇ!」

ビュォォォォ……ゴォォォォッ
352 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/03/03(土) 00:48:05.66 ID:caiUJn9Vo
― 魔王城 城門 ―

魔王「いけるか……? いや、やるのだ!」フォォンッ

四天王碧「なんつー魔力だ……」

魔王「自由なる大気よ、力もて!!」

ヒュゥ…ヒュゥ……

魔王「風よ、空気よ、その力を我に貸し与えたまえ!」ギシッ

魔王(魔力が……足りるか?)

獣人族副官「何事だ!?」

ヒュォォォォン ヒュォォォォン

獣人兵「風鳴りが……?」

魔王「大気の流れよ、我が意のままと……なれっ!」ブシュッ ポタポタッ

メイド「魔王様っ!!」

四天王碧「メイド、戻ったか!」

四天王蒼「魔王様が正体不明の者からの攻撃を受けている! 皆の者、盾となって……」

女「魔力が足りてないからよ。オーバーロードしてるんだわ。早速無茶してるじゃないの」ヒュンッ

メイド「女様!」

四天王碧「女!」

四天王蒼「女殿!」

魔王「メイド、戻ったか。女……すまんな」
353 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/03/03(土) 00:48:31.79 ID:caiUJn9Vo


メイド「申し訳ございませんでした。直ぐに参戦致します」

侍「拙者も及ばずながらお力に」

巽「契約は後でいいや。礼金は弾んでくれよな」

魔王「お前達も戻ったか。ありがたい」

女「勇者に無茶するなって言われたんじゃないの? なのにいきなり約束破ろうだなんて良い根性してるわね」クス

魔王「ふ、これでも魔王だからな。臣民を護るのは魔王の勤めだ。勇者に怒られてもこれだけは譲れん」ニヤリ

女「そういう優しさが……」

魔王(女からの魔力が流れ込んでくる。いや、それだけではない。これは……違う。この力は……!?)

女「『資格』っていうのは、想いの強さに反応するものよ」

魔王「っ……風よ、刃となりて」

女「メイドさん、碧さん、蒼さん、それにみんな、見ておきなさい。黄金龍を支える四柱の一翼……」

魔王「眼前の敵共を蹴散らせぃっ!!」
354 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/03/03(土) 00:49:02.25 ID:caiUJn9Vo





女「風竜のおでましよ!!」

ゴォウッ!!




355 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/03/03(土) 00:50:29.82 ID:caiUJn9Vo

本日の投下は以上となります。色々後悔しつつある部分が多くなってきていますが、このまま勢いに任せて突っ走る(突っ切る)所存です。
最初の設定をきちんと組んでなかったので破綻しまくりで死にたくなります。

それでは、また明後日に(早ければ明日の夜)にお会いできれば、と思っております。(土下座)
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/03(土) 00:51:19.29 ID:KDZo889SO
死ぬのは仕舞いまで書いてからだ

いいな
357 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/03/03(土) 00:59:01.12 ID:caiUJn9Vo
>>356
承知いたしております。書き上げた瞬間に割腹自殺して果てる所存でございます。
358 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/03/03(土) 00:59:35.29 ID:caiUJn9Vo
またやらかした……

>>356
「様」付けを忘れておりました。一足先に涅槃に参ります。
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/03(土) 04:06:09.82 ID:QgEuKmoEo
シニタイのなら勝手にしねよ
ただし俺を満足させてからしね!
わかったらさっさと書けヘタレ!!
360 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/03/03(土) 09:21:44.28 ID:uOyxFNmho
破綻したら再生すれば良いで御座る。
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/04(日) 17:11:56.94 ID:YQwFSo/bo
再生は教会行けばいいのかな?
うち、神社なんだけど
362 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/03/04(日) 23:55:59.25 ID:x99iI1f2o
皆様こんばんは。書き溜めのありったけ(とはいえ2〜3レス分程度)を投下いたします。
がっつり書ける時間が欲しい……

今日、明日と雨続きのようですが、気温は上がるようですね。とはいえ、油断して風邪などひかれませんようご注意くださいませ。
363 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/03/04(日) 23:56:48.15 ID:x99iI1f2o

― 聖王都 南門 ―

騎士団長「西、東門の閉鎖は!?」

伝令兵「完了いたしました! 住民の王城への避難も順調に!」

騎士団長「大型魔導機関の捜索の為に周囲に兵が出ていたのが幸いしたな。襲撃の一報がもう少しでも遅れていれば被害はもっと甚大になっていただろう」

伝令兵「見張り塔より伝令。人造兵の数は約100体。現在南門に集結しつつあるとのことです!」

騎士団長「西、東門の護衛兵はきちんと配置しているな!? 人魔混成軍の強さ、見せつけてやれ!」

兵士「おぉぉぉぉ!!」

魔族兵士「うぉぉぉぉぉ!!」

騎士団長「南門広場が阻止限界点だ! 一歩も入れるな!」

伝令兵「最前線が人造兵団を接触!」

騎士団長「100年前の戦いの教訓を活かせ! 必ず班以上の編成で当たれ!」
364 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/03/04(日) 23:57:21.51 ID:x99iI1f2o

― 大統領府 会議室 ―

大統領「魔王殿とは連絡はまだ取れないか!?」

側近「通信筒が使い物になりません。各都市との連絡も……」

大統領「これだけ大規模な戦いを仕掛けてくるとは、宰相の奴め、そこまでして世界を滅ぼしたいのか……!!」

側近「閣下、地下に避難を!」

大統領「避難などするわけないだろう! 騎士団が街を護っているのだ。何を恐れることがある!」

側近「で、ですが、閣下に何かあれば!」

大統領「魔王殿であれば最前線で戦うはずだ。だが私にはその力はない。であれば、私はここから全ての状況を把握し、的確な指示をするのが務めのはずだ。避難したければするがいい。私はここを動くつもりはない!」

側近「失礼しました。では引き続き、住民の避難状況をご報告いたします」

伝令兵「緊急! 緊急! 人造兵が城壁を越えて街に!」

側近「なんだと!?」

大統領「数は!?」

伝令兵「東門周辺に5体、西門には出現しておりません! 現在東門警護の騎士団が応戦中ですが……」

大統領「どうやってあの城壁を飛び越えてきたのだ……いや、今はそれどころではない。王都内の巡回を強化しろ! 大統領親衛隊も出動させろ!」

側近「ははっ!」
365 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/03/04(日) 23:57:54.28 ID:x99iI1f2o

伝令兵「西門にも人造兵出現! 城壁を越えて進入!」

大統領「住民の避難を最優先! 騎士団長に伝令!」

側近「ですが、南門での戦いが熾烈を極めている為、兵を割くわけには……」

大統領「だからといって王都内を敵の好きにさせるわけにはいかん!」

勇者「じゃあその二箇所は片付けるよ」

側近「勇者様!?」

大統領「勇者殿! 来てくれたのか!」

勇者「魔王城も人造兵の襲撃を受けてる。こっちの状況は確認できた」

大統領「魔王殿は!?」

勇者「大統領さんの言うように、最前線で戦うつもりだってよ。魔王らしいよな。ったく、心配する身にもなれっていうんだよ」ヤレヤレ

大統領「では、勇者殿……」

勇者「東、西門の人造兵は俺がなんとかする。片付き次第南門に行くから騎士団長さんにそう伝えてくれ」

大統領「すまない、頼む」

勇者「何言ってるんだ。勇者の仕事は困ってる人を助ける事なんだよ」ニッ
366 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/03/04(日) 23:59:22.40 ID:x99iI1f2o

本日分は以上となります。というより、これ以上はまだ書けてすらいません。どうしよう……

遅くとも明後日、可能であればまた明日に投下できるようにいたします。それではおやすみなさいませ。
367 :ニコラ ◆yLqVmM/bbY [sage]:2012/03/05(月) 00:35:16.84 ID:raJlhCH8o
乙々。さほど日を開けない連続更新お疲れ様です

どんどんと話が展開していって嬉しい!
368 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/03/05(月) 12:12:08.32 ID:Ni50LsAIO
粒粒辛苦で御座る。
369 : ◆JbHnh76luM [sage]:2012/03/06(火) 23:12:23.36 ID:g+bGE2rbo
皆様こんばんは。
残念なお知らせしかありません。
PCがフリーズし、再起動をかけたところ、HDDが寿命のようで起動してくれません。
かなり途方に暮れております。
代替機、あるいは新PCの購入を急ぎますが、少々お待ちいただく事になるかと思われます。

やっと気合も入ってそれなりのペースで書けるようになった矢先に……

皆様にはご迷惑をかけ通しです。本当に申し訳ございません。
370 :ニコラ ◆yLqVmM/bbY [sage]:2012/03/06(火) 23:48:50.60 ID:hJRsElkOo
ご愁傷様です
ファンが回ってBIOSが立ち上がるけれどもOSの読み込みが出来ないならHDD
ブザー音がなってBIOSが立ち上がらないならそのパターンで悪い所の判別が可能
焦げ臭かったりブザー音さえ鳴らないなら電源かマザーか……

いずれにせよ修理しても長く持たなそうなので買い替えをおすすめします
もしHDDだけが悪いならUSBメモリからのブートを使ってLinuxを使うという手もありますが、あくまで応急処置にしかなりません……
371 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/03/08(木) 22:44:43.35 ID:fbZlXdp0o
お待ち致す。
372 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/03/17(土) 20:41:46.01 ID:suEw358Eo
ヘタレ殿の御様子は如何に?
373 : ◆JbHnh76luM [sage]:2012/03/18(日) 21:56:55.96 ID:tyJGZqlbo
馬車馬の如く働けど、此の手に残りしは雀の涙の如く……

という状態を邁進しております、>>1でございます。
書き溜めのほうは次の行動選択直前まで進んでいるのに、投下する手だてがないというのは、辛いだけですね。

月末に支給される給与をやりくりして緊急的に5万程度のPCを買う予定にはしております。

以下は愚痴なのでスルー推奨。
なんで別れた女の生活費助けなきゃいけないのか微塵も理解できません。禿げそう。
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/18(日) 22:37:16.51 ID:qH3DwDjIO
養育費は責任取って払わなky…
え?生活費??
早く新しい恋を見つけなきゃ
女一人なら放っておいても死にゃしない
ソースは私
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/18(日) 23:30:12.53 ID:5tgjdHquo
ずいぶん変なのに引っかかったみたいだね
早く解決するように祈っとく
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/19(月) 02:02:36.11 ID:jBs8dfYlo
なんとまあ、おいたわしや
ネットやるだけなら3万からありますんで浮いた2万で美味しいものでも食べて元気だしてと家電屋勤務が言ってみる
377 : ◆JbHnh76luM [sage saga]:2012/03/21(水) 14:50:50.17 ID:Zy5VSsuj0
仕事中ですが、事務所に誰もいないのでIEからの書き込みです。ブラウザからの書き込みでも酉は有効なのかどうかがわかりません。

>>374-376
暖かいお言葉ありがとうございます。がんばって生きていきます。

もう少しで給料日です。給料が出たら現金握り締めて家電量販店に走るつもりにしております。
スペックとかどうでも良い(JaneStyleが動けば)ので、安いのを購入して出来るだけ早く投下を再開しようと考えております。

話は変わりますが、Twitterを未だにやってないのは人間として駄目なのでしょうか……
知り合いに「Twitterくらいやれよ」と言われてしまいました。
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/21(水) 20:14:17.29 ID:T/SI04v5o
Twitterはもう終わった技術ww
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/21(水) 20:33:15.86 ID:P/D8mFzto
Twwitterはバカ発見器2号
バカ発見して2ちゃんで晒すくらいにしか役に立たないという事実
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/22(木) 01:00:42.86 ID:JjQJB7WDO
なんか最近Twitterで居場所特定とかもやってた気が
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/24(土) 08:54:10.10 ID:6JJtEyS1o
そろそろ新PCだな!

Twitterくらいやれって言葉になぜと言いたいww
Twitterなんか今更勧める価値も無い
382 :タツミ ◆Ddyke7B1QA :2012/03/24(土) 18:22:11.00 ID:XBfVXdico
Twitterごとき別にやる必要ないよな…

友人に勧められるがままFacebookやってるような人間が言う言葉じゃないが…
383 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/03/27(火) 00:46:56.43 ID:t2l36r6uo

― お知らせ ―

非常にくだらない理由で給料の大半を持っていかれてしまったので、PCに回せるお金が鬼のように目減りしてしまいました。
徹底的にコストを落とした結果、知り合いの使っていたVAIO Type-C(WindowsVISTA)を5千円で譲ってもらったは良いものの、起動してみると色々終わっていたので、HDDと、ついでにCPUを換装する事にし、現在取り寄せ中です。
何分型が古いので、対応しているCPUがなかなか見つかりませんでしたが、ようやく見つかりましたのでこれで目処は立ちました。
以前使っていたPCはマザーボードがおかしな具合になっていたようです。合掌。

それにしても、げに恐ろしきは腐れ女の執念。腐女子ではなく。


― 今後の本編について ―

現在書き溜めしている分を見直したところ、盛り上がりもなく、読んでいて非常につまらないモノに成り果てておりましたので、仕事場のPCでコソコソと書き直しをしております。
まもなく皆様のお手元にお届けできると思いますので、「この糞野郎。いや、お前なんざ糞以下だ。今すぐ(自主規制)してしまへ」という罵りのお言葉を吐きつつお待ちいただければと思います。

ちなみにTwitterはややこしそうなので垢すらとっていません。
友人曰く「お前はすぐに連絡が取れなくなるから生存証明をどこかでしろ」とのことでした。

皆様にはご心配とご迷惑を相変わらずかけっぱなしで申し訳ございませんが、この物語を完結させる事でせめてもの恩返しができればと思っております。(土下座)
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/27(火) 06:36:18.74 ID:rmbOShpIO
恩返ししてして
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/27(火) 06:46:50.37 ID:3sHwkHOXo
うむ、苦しゅうない
386 : ◆JbHnh76luM [saga sage]:2012/04/01(日) 01:41:14.39 ID:J/vy2Uw6o

魔王「さて、突然ではあるがこのSSを見てくれている皆に報告だ」

女「報告しちゃうよ!」

勇者「でもよぉ、わざわざ報告するようなモンなのか?」

魔王「報告するのは当たり前であろう」

勇者「まぁ、そうだけどさ……」

女「ほらほら、さくっと言っちゃうよ!」















魔王勇者女「このSSは今日を以って打ち切りです!!」















魔王勇者女「エイプリルフールですけどね!!」

魔王「空き缶とかゴミとか飛んでくるだろうな」

勇者「刀剣類はやめて!」

女「エイプリルフールネタを仕込んでみたかっただけです」

魔王「本編は日曜日の夜、あるいは日が変わった月曜日の夜あたりから投下再開の予定らしいぞ」

女「あ、これは本当です。エイプリルフール関係なく。本気と書いて「マジ」と読む」

勇者「それにしたって本当に終わるのかね」

女「終わらないと死ねないらしいから気合いれるんじゃないの?」

勇者「っていうかさ」

魔王「ん?」

女「どしたの?」

勇者「読んでる人、居るのか?」

魔王「い……居る、はず、だと思うぞ?」

女「断言できないところが悲しいわよね……」

勇者「見捨てられてる可能性のほうが高いよな、俺達……」

魔王「元々>>1の自慰的なモノだからな。やむを得んだろう。だが、かりに読んでくれている人が1人であろうとも、読者が居る限りは続けるとのことだ!」

女「さっさと終わらせろ」

魔王勇者「おっしゃるとおり」
387 :タツミ ◆Ddyke7B1QA [sage]:2012/04/01(日) 02:10:30.52 ID:UBVD7rt2o
勇者に免じて刀剣類は止めておく。ヘタレにキツイ一撃をプレゼント

つ【モーニングスター】
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/01(日) 02:18:02.70 ID:rasIszdDO
>>386
本気でビビったじゃねぇかwww

つ【猫鞭】
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2012/04/01(日) 02:18:59.70 ID:RLSSdFIdo
言質取ったぞおおおおおおおお 
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/01(日) 03:03:00.70 ID:06ZiqqYIO
らいのー
391 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/04/01(日) 18:00:02.98 ID:37bvDqb3o
侍「へたれ殿、刮目せよ。二天一心流奥義…」チャキ
392 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/04/01(日) 18:18:43.32 ID:37bvDqb3o
(つまり、先を読まずに小一時間ショックを受けてましたwww)
393 : ◆JbHnh76luM [saga sage]:2012/04/02(月) 00:57:15.85 ID:jScPK0Jno
少々遅くなりましたが、本日より投下再開です。
投下ペースは中断前と同じようになりますので、ご了承くださいませ。

皆様には本当に色々とご迷惑をお掛けしてしまい、心よりお詫び申し上げます。(土下座)

それでは、新年度を迎え、入学、入社をする皆様、先輩になる皆様、ベテランの皆様、全てひっくるめてほんのひと時でもお楽しみいただければと思います。
394 : ◆JbHnh76luM [saga sage]:2012/04/02(月) 00:58:04.24 ID:jScPK0Jno

― 南門 最前線指令所 ―


伝令「騎士団の被害、なおも拡大中!」

騎士団長「実戦不足が祟ったか!」

伝令「防衛ライン、南門目前まで下がっています!」

伝令「西、東門にも人造兵出現とのこと!」

騎士団長「なんだと!? 城壁を越えたのか!?」

勇者「情報の伝達が遅い!」

騎士団長「勇者!」

勇者「西門と東門のやつらは片付けた。あとは任せろ!」

騎士団長「敵の数は80程度にまでは減らした。だが、こっちの被害も大きい」

勇者「わかってるって。ここんとこサボり気味だったからちょっとは働かないといけないんだよ」

勇者「それと、祝砲も撃たなきゃいけないから、な」

騎士団長「祝砲?」

勇者「騎士団を退かせてくれ。俺が一人で出る」

騎士団員「そんな無茶な! いくら勇者様でも危険です!」

勇者「俺は勇者だ。勇者ってのはさ、負けないんだよ」

騎士団長「無茶だ。いくらお前が強くても……」

勇者「んじゃ、言い換える。黄金龍の命令だ。邪魔だから引っ込め」

騎士団長「っ……この借り、あとで返すからな。総員撤退! 南門広場の最終防衛ラインまで退け!」
395 : ◆JbHnh76luM [saga sage]:2012/04/02(月) 00:58:37.71 ID:jScPK0Jno

― 南門 ―


人造兵「グルルルルル……」

人造兵「フシュー」

勇者「宰相の奴の犠牲になったんだよな。ごめんな、黄金龍になったからってお前達を救う手段は結局見つからなかったんだよ」

人造兵「グォォォォォォ!!」

勇者「だから、一思いに消してやるよ!」

勇者「龍変化!!」フォォォォンッ
396 : ◆JbHnh76luM [saga sage]:2012/04/02(月) 00:59:24.53 ID:jScPK0Jno

― 魔王城城門 ―

風竜(魔王)「豪風吐息!!」


― 王都 南門 ―

黄金龍(勇者)「黄金吐息!!」





― ?? ―

宰相「……良いタイミングです」ニコリ
397 : ◆JbHnh76luM [saga sage]:2012/04/02(月) 01:01:47.21 ID:jScPK0Jno

本日の投下は以上となります。文章量としては少なすぎですが、書き溜め分の修正がまだできておりませんのでお許しください。(土下座)

エイプリルフールネタですが、思ったよりひっかかって下さったようで、少しばかりほくそ笑んでおります。
鈍器が飛んでくるとは予想外でした。

>>392
嬉しい程のリアクションです。ありがとうございます。
398 :カムラ ◆MlrGn9DGd2 [sage]:2012/04/02(月) 03:05:58.46 ID:VZaYTn+6o
矢ならいいってことですね。
エイプリルフールは終わったので
覚悟してくださいね。
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/02(月) 07:25:59.92 ID:9fdMWgoIO
乙豪風!
400 : ◆JbHnh76luM [sage]:2012/04/03(火) 23:22:45.44 ID:SZxEzQEYo
皆様こんばんは。
今日の暴風雨は大丈夫でしたでしょうか?
私の勤め先は雨水が大量に入ってきてしまい、てんやわんやの大騒ぎでした。

本日の更新ですが、お休みさせて下さい。
体力根こそぎ持って行かれた上に、今しがた帰宅したばかりで、投下する気力がありません。
申し訳ございません。(土下座)

明日の夜に投下いたします。
401 :ニコラ ◆yLqVmM/bbY [sage]:2012/04/04(水) 00:37:13.41 ID:BwXJ9vMXo
乙々です

無理して体を壊さぬようお気をつけて
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/04(水) 07:00:44.36 ID:gss3M2pIO
五体投地で書いとくれ
403 : ◆JbHnh76luM [saga sage]:2012/04/05(木) 00:00:32.76 ID:GrqaHDw9o

皆様こんばんは。昨晩は申し訳ございませんでした。
本日は>>402様の仰る通り、五体投地のままでお送りいたします。
404 : ◆JbHnh76luM [saga sage]:2012/04/05(木) 00:01:08.81 ID:GrqaHDw9o

― 魔王城 城門 ―


四天王碧「こいつぁすげぇ……」

四天王蒼「何と神々しい」

巽「緑色の鱗に4枚の羽、か……」

メイド「魔王様……おめでとうございます」グスッ

侍「素晴らしいでござるな」

風竜(魔王)「これが、風竜か」

女「おめでと、魔王。気分はどう?」

風竜(魔王)「まだしっくりこぬな。だが、今までよりより広くを知覚できるのがわかる」

四天王碧・蒼「魔王様、おめでとうございます」スッ

四天王碧「我々魔族は風竜様の下、より結束して参る事をお約束いたします」

四天王蒼「我らが命、改めて風竜様の御為に」

風竜(魔王)「感謝する。碧、今この時よりお主が新たな魔王となり、皆を治めてくれ。蒼も魔王補佐の任、しかと頼むぞ」

神魔王(碧)「ははっ!」

四天王蒼「承知いたしました!」
405 : ◆JbHnh76luM [saga sage]:2012/04/05(木) 00:01:45.28 ID:GrqaHDw9o

風竜(魔王)「さて、残りの人造兵を片付けるとしよう。私は右翼を片付ける。碧率いる魔族軍は左翼に残っている輩を片付けろ。残されていた人民は全て王城内に転移させた。存分に暴れるがいい」バサッ

神魔王(碧)「承知! いくぞ者共! 風竜様昇華祝いだ。盛大にぶちかませぇ!!」

魔族軍兵「おぉーーー!!」

侍「では、拙者達も参ろうか。メイド殿は今しばらく魔王……ではなかったな。風竜殿を」

メイド「承知いたしましたわ。貴方様、どうぞご無事で」

侍「なに、このような処で負けるものか」ニコリ

巽「よっしゃ、行くか。そういやガルドスはどうなってんだ?」

四天王蒼「あいつなら私直属の部隊に組み込んであるぞ。渋ってたが無理矢理編入させた。先発隊だから合流してやってくれ」

巽「あいつも軍属かよ。旅に出るって言ってたのに可愛そうに」

侍「それも良き哉でござる。では、風竜殿、新魔王殿、また後ほどお会いできれば」

巽「報酬弾んでくれよ」

風竜(魔王)「うむ、頼んだぞ。メイド、無理せずとも良いのだぞ?」

メイド「いえ、私は貴女様に忠誠を誓っております。この命は貴女様の為に燃やし尽くします」

風竜(魔王)「その任は解いたというのに……仕方あるまい。今回限りは頼む。私もまだこの身体に慣れておらん。直衛は頼んだぞ」

メイド「水竜様の御心のままに」
406 : ◆JbHnh76luM [saga sage]:2012/04/05(木) 00:02:12.42 ID:GrqaHDw9o

― 王都 南門 ―


騎士団長「本当に一撃で片付けやがった……」

騎士団偵察兵「報告いたします。飛竜部隊によると、出現していた人造兵全ての消滅を確認いたしました。周囲に敵の姿は確認できないとの事」

騎士団長「だろうな。桁違いどころじゃねぇよ、ありゃ。南の林がきれいさっぱり消し飛んじまってる」

騎士団員「開墾準備をしていたのが無駄になりましたね」

騎士団長「王都の拡張工事の手間が1つ省けたのはまぁ良いってトコか。んで、勇者はどこに行った?」

騎士団員「魔王城に戻ると言い残して転移なさいました」

騎士団長「ふむ。例の件もあるし、誰か身軽な奴を魔王城に派遣したいところだが……」

騎士団長「適任がいたな。おい、通信筒が使用可能になったら鏑を呼び出せ。北の辺境村に居るはずだ。西征将軍の件は不問とする事と、直接魔王城に出向き、勇者達に協力し、状況を逐一報告するように伝えろ。いや、俺が直接言おうか」

騎士団通信兵「ははっ!」
407 : ◆JbHnh76luM [saga sage]:2012/04/05(木) 00:04:18.33 ID:GrqaHDw9o
本日分は以上となります。
予定ではもう一区切りまで投下するつもりだったのですが、少し書き直したい部分が出てきておりますので、明後日までお待ちくださいますよう、お願いいたします。

暖かくなったと思えば寒い日がやってきたりしておりますので、皆様方におかれましても風邪などにはお気をつけくださいませ。(五体投地)
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/05(木) 07:41:11.69 ID:51GdJhBIO
神ヘタレ乙!
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/06(金) 00:56:42.05 ID:pe7DdSYDO
神魔王……いやなんでもない
410 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/04/06(金) 07:34:24.67 ID:q08A2cBIO
神魔王とは矛盾を超えた存在に候
冗談で御座る
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/04/06(金) 18:42:17.84 ID:MxydS2XKo
人を超え、魔物を超え、神をも超えた存在
超獣○神○○○ー○となるのだ!!
412 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/04/09(月) 23:35:59.35 ID:FMxqmLPpo
みなさまこんばんは。
更新の間が空いてしまい申し訳ございませんでした。

年度はじめということで新入社員の面倒を見たりなど、無駄に多忙になっております。更新が可能な限りいたします。
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/04/09(月) 23:36:34.18 ID:FMxqmLPpo

― 鏑の故郷の村 ―


鏑「よっ、と」ヒュンッ

トスッ ボォゥッ

街娘「的中。燃えたけど」

鏑「そういう弓なのですよ。魔翌力が込められています」

街娘「凍ったり燃えたり細切れになったり……」

鏑「ええ。賢者の学院謹製の魔法弓です」

街娘「実験なんでしょ?」

鏑「まだ実験段階ですね。威力もさほど強くないですから、結局は弓の貫通力頼りになっています」

街娘「難しい」

鏑「貴女は戦いに出る人ではないのですから、気にしなくて良いですよ。それにしても、こんなにのんびりしていて良いものなんでしょうかね……」ハァ

街娘「今までがんばって来たんだから休むべき」

鏑「まぁ、それはそうなんですけど……っと」ピルルルル

街娘「……」

鏑「少しばかり失礼しますよ。通信筒です」

鏑「はい、鏑です」
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/04/09(月) 23:37:18.08 ID:FMxqmLPpo

騎士団連絡兵『繋がりました』

騎士団長『おう、やっと繋がったか』

鏑「そのお声は騎士団長殿!!」ケイレイ

街娘「?」

騎士団長『充分休息は取れたな?』

鏑「はい!」

騎士団長『お前の処分は解除された。お前をたった今より遊撃隊第102小隊の隊長に任ずる。部下は無しだ。お前一人の隊だが、できるか?』

鏑「……ご命令とあらば」

騎士団長「はっはっは。窓際に追いやられたという声だな。お前の仕事は勇者と共に動き、その状況を逐一俺に報告する事だ。これが窓際の仕事か?」

鏑「!! とんでもありません! すぐに魔王城に向かいます!」

街娘「……行っちゃうの?」

鏑「ええ」

街娘「……」ジー

鏑「約束は忘れませんよ。ほら、来なさい。時間がありませんので貴女から皆に伝えておいてくださいね」

街娘「わかった」トテトテ ギュー

鏑「これが終わったら貴女を迎えにきます。ですから良い子にして待っていて下さいね」ナデナデ

街娘「……子供じゃないもん」プィ

鏑「ははは、そうですね。では……」スッ

街娘「!」

鏑「それじゃあ、また会いましょう」

街娘「……無事で帰ってきて」

鏑「はい、がんばりますよ。では、転移呪!」シュオンッ

街娘「いってらっしゃい」ニコリ
415 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/04/09(月) 23:38:07.07 ID:FMxqmLPpo

― 魔王城 左翼戦場 ―


新魔王(碧)「おらおらおらぁぁぁぁぁっ! お前達、遅れんなよ!」

侍「いやはや、鬼神の如き戦いっぷりでござるな」

巽「獣人族は血の気が多いからな。おいガルドス、軍属になった気分はどうだ?」

ガルドス「まだ入ったばっかりだからわかんねぇ」

侍「長い人生の中、誰かに仕えるというのも悪くはないでござるよ」

ガルドス「そんなモンなのかねぇ。そういやニコラはどこ行ったんだ?」

巽「学院で実験でもしてんじゃねぇのか?」

侍「ニコラ殿は元々戦闘向けではござらんからな」

新魔王(碧)「おらぁ、ガルドス! 働け!!」

ガルドス「あー、目ぇつけられたじゃねぇか」

巽「何言ってんだよ、前から目はつけられてただろうに」

侍「メイド殿も戦っておられる事でござる、拙者も気合を入れるとしよう」

巽「へん、めんどくせ」

侍「では、参る!!」

ガルドス「はいよ!」

巽「しゃーねぇなぁ。出でよ我が式、『死鬼神』よ!」
416 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/04/09(月) 23:38:34.02 ID:FMxqmLPpo

― 魔王城 右翼戦場跡 ―


人造兵「キシャッァァァァッ!」

風竜(魔王)「鎌鼬」ヒュンッ

ザクザクザクザクザク ボトボトボトボトボト

メイド「羽の一振りで10体を細切れですか」

風竜(魔王)「今まで使っていた術の応用だ。竜の力が加わった事で威力、範囲共に桁違いに広がったがな。さて、これで片付いたか」

メイド「右翼、正面共に敵影は確認できません。左翼の戦いも収束に向かっているようです」

風竜(魔王)「そのようだな。碧達の奮闘ぶりがよくわかる」

メイド「あの、魔王様」

風竜(魔王)「どうした?」

メイド「せめて、魔王様のお姿の時は私にお世話をさせていただきたいのですが……」

風竜(魔王)「お前は侍殿の妻となるのであろう? 以前にも話したが、私の世話をするより侍殿と共に歩めば良い。それがお前の道だ」

メイド「ですが……」

風竜(魔王)「お前はよくやってくれた。心から感謝している。これからは自分の事だけを考えて生きるがいい」

メイド「……魔王様」

風竜(魔王)「お前を我が妹のように、時には姉のように思っていたぞ。ご苦労だったな、メイド」

メイド「ありがたきお言葉です……」ポロポロ

キンッ コォォォォォ

風竜(魔王)「!?」

メイド「魔方陣!?」

風竜(魔王)「な、これは……宰相か!?」

メイド「魔王様!!」

風竜(魔王)「してやられた! 強制転移陣だ。メイド、お前だけでも!!」ゴォゥッ

メイド「きゃぁっ!」

風竜(魔王)「勇者に……!!」シュォォォンッ

メイド「魔王様!!!」
417 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/04/09(月) 23:40:41.10 ID:FMxqmLPpo

本日の分は以上となっております。
話がなかなか進みません。どうしよう……

書き溜めはほぼ使ってしまいましたので、次回更新からはまた少量の書き溜め→投下というようになってまいります。
何分書く時間がなかなか取れず、皆様からは「おいこの屑、いや、屑以下のゴミ野郎早くしやがれ」という罵りのお言葉が聞こえてまいりますが、無い脳をフル稼働させて空き時間がある時に書いてまいりますので、お許しくださいませ。(土下座)
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/10(火) 00:31:35.28 ID:A1ITJ+jSO
速くしやがれください
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/11(水) 11:52:19.76 ID:UeUeqflIO
頭の中のゴミ袋から早く吐き出してしまって下さいな
420 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/04/12(木) 07:51:55.50 ID:rGBjc5YIO
お待ち申し上げて候
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/26(木) 09:36:43.40 ID:y6FoLIPAo
ヘタレ殿…
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/04/28(土) 15:20:14.04 ID:Yvijdxhuo
書けるか確認……
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/04/28(土) 15:30:27.65 ID:Yvijdxhuo
みなさまこんにちは、見捨てられて久しい>>1でございます。
新人教育ってここまで大変なのかと頭を抱えていたら、突然自宅のネット環境が諸事情により接続できなくなってしまい、何もできない状態でした。
そして、iPhoneから近況だけでも書こうとしたらBB2Cに「お前だけはアクセスさせない」とか言われる始末。どこか設定おかしくしたのか、はたまた別の要因かは全くわかりません。

そんな訳でGWが始まったにも関わらず出勤を申し付けられてしまったは良いのですが、仕事場に来てみると私とあと2人くらいしか来ておらず、各々好き勝手にやっているので私も自分のPCをLANに繋げてようやく書き込みができました。

簡単な近況は以上です。

本題。このSSですが、投下ができない以上(さすがに仕事場で延々とSS書く→投下というのは難しいので)自宅のネット環境が戻るまで更新ができないという悲惨な状態。
お話そのものは最終分岐まで作っておりますが、いかんせん投下が難しい状況になっております。

ここ1年以上こんな感じが続いており、読んでくださっている皆様も心底あきれておられるとは思いますが、復旧次第一気に投下して、一気にこのSSを終わらせるつもりにしております。

お待ちくださいという言葉を使う資格すらありませんので、この場は土下座にて締めさせていただきます。
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/28(土) 19:03:57.87 ID:fRRXh9qIO
うむ
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/04/28(土) 19:30:41.17 ID:ZSxb7NBfo
ひたすら呪いながら舞っている
426 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/04/28(土) 20:01:11.45 ID:sCvB1nNco
見捨てる等と人聞き悪いで御座る
これだからヘタレ殿は…

つべこべ言わずRynoとラブコメものを書き溜め召されい!(クワッ)

427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/01(火) 17:51:09.32 ID:X+V7emlSO
これだからヘタレは……

ここは侍さんと同じく…

ってラブコメってなんだ
428 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/05/01(火) 18:18:56.30 ID:C7mAf1WIO
>>427
ヘタレ殿が>>317で述べていたラブコメ物で御座る。
当スレの最終分岐まで作成済とのお言葉から、投下環境が無くば書きたい欲求を書き溜めてくれるだろうと期待し候。
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/01(火) 18:38:50.08 ID:X+V7emlSO
>>428
おおなるほど
さておれはwwktkする作業があるから忙しい……

あ、wwktkはワクテカじゃなくて若貴だから
か、勘違いすんなよ
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/10(木) 15:35:50.03 ID:fTa0sfy9o
Rynoが落ちた・・・
431 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/05/10(木) 21:00:58.16 ID:6MfQsmoIO
ヘタレ殿の愛を感じられぬ寂しさからか。
…Ryno不憫よのう。
432 : ◆JbHnh76luM [sage]:2012/05/11(金) 12:25:12.18 ID:RXcNjoHIO
新人が入社一ヶ月で辞めた上に仕事が山積み過ぎてロクに家に帰れない>>1です。
お久しぶりでございます。
とりあえず誰か私をブン殴ってください。

自宅のネット環境は直ったらしいのですが、仕事場に篭ってる日が続いており、投下できません。
そんなこんなしてる間にRYNOは落ちるし……
10年くらい書いては消してを繰り返してる作品なので愛着あったんですが、自分が悪いのでまた機会があれば。

ラブコメのほうですが、過度なご期待はなさらぬようお願いします。
本作品が終わったら人目につかないように始めて人目につかないように終わらせる所存でございます。
それ以前に本作品を完結させる事が果たしてできるのかというのが専らの心配事でもあります。
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) :2012/05/12(土) 02:37:55.98 ID:7ihPW8Y0o
>>432
頑張れよ!ちょくちょく見に来るからいつでも来いよ!
434 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/05/28(月) 18:10:16.50 ID:T9kWvKBIO
ふむ。
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/05(火) 18:17:51.96 ID:8ZpjgRqSO
ほう
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2012/06/10(日) 00:43:23.99 ID:nUWQOmW7o
まだかのぅ。。
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/30(土) 12:15:24.52 ID:m/prfbIs0
やっと追いついた・・・!リアルの方で無理が出ない程度に頑張ってくれ!!
438 : ◆JbHnh76luM [sage]:2012/06/30(土) 12:34:19.15 ID:56zoXx+IO
7月中にこのSSを終わらせます。
スレが残っていれば、という前提付きではありますが。
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/30(土) 22:03:42.16 ID:p7YPKdjSO
やっとか
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) :2012/06/30(土) 22:19:33.56 ID:QIae/+Szo
来たか
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/07/01(日) 00:12:22.70 ID:exARJcORo
残念ですが>>1が来たということで、このスレの寿命はあと2ヶ月に回復しました
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/01(日) 05:34:45.35 ID:Sof15iEfo
>>438
お帰りなさい!待ってました
もし7月中ってのが、ストーリー展開的に現実的なら応援します
だが、煽られて無理してるならそんなに根詰めないで下さい
貴方のペースを支持します

読み手は静かに待ってた人が大多数です

荒らして煽ってたのはひとりふたりですからwwww
443 :カムラ ◆MlrGn9DGd2 [sage]:2012/07/01(日) 10:02:09.57 ID:gIeoDgK3o
お待ちしておりましたよー
444 :442 [sage]:2012/07/01(日) 15:38:10.18 ID:Sof15iEfo
スレチごめんなすい
445 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/07/02(月) 07:00:43.00 ID:OV0xg0AIO
待ちわびたで御座る
446 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/07/10(火) 21:57:44.29 ID:u91m29/IO
そろそろ侍の跡継ぎもももも
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/18(水) 07:10:19.97 ID:qtZo8QLIO
書いとるかー?
448 : ◆JbHnh76luM [saga sage]:2012/07/22(日) 14:42:30.12 ID:Bl4khZkFo
― 魔王城 会議室 ―


新魔王(碧)「魔王様が宰相の野郎の罠にかかっただと!?」

メイド「はい……人造兵の死体を鍵にして発動するようになっていたみたいです。魔王様は私を吹き飛ばして自らが。申し訳ございません」ペコリ

勇者「予期できてた事だったのに、浮かれてた。俺のミスだ」ギリッ

女「私もすぐ近くに居たのに……」

四天王蒼「女殿は負傷者の治療をしておられたのですから……」

侍「今はそれよりも魔王殿の救出に向かうべきかと」

勇者「当然だ。すぐにでも向かうぞ。邪龍の神殿に」

鏑「ご一緒させていただきます!」バァン

侍「鏑殿! ご無事であったか」

巽「おう、久し振りだな」

勇者「騎士団長からか?」

鏑「御明察です。勇者様達と共に行動し、その行く末を見届けよとのことです」

勇者「んー、まぁいっか。どうせ連れて行くつもりだったし」

侍「ということは」

巽「壮絶に厭な予感しかしねぇぜ。ってかニコラはどうするんだよ」

勇者「女が火竜と連絡を取ってる。今日中にニコラさんも戻る手はずだ。揃い次第行くぞ」

鏑「火竜様ですか……ニコラさんは一体どこで何をしてるんでしょう」
449 : ◆JbHnh76luM [saga sage]:2012/07/22(日) 14:42:57.01 ID:Bl4khZkFo

巽「あいつもワケわかんねぇ事してんなぁ」

メイド「あの」

勇者「言わなくても行くつもりだろ?」

メイド「当然です。私は魔王様一の部下。魔王様の居る場所こそ私の戦場ですから」ニコ

勇者「それ、直せって言われなかったか?」

メイド「それはそれ、これはこれ、です。魔王様の危機にあたって何もしないなど、私のプライドが許しません」

勇者「そう言うだろうとも思ってたよ。侍さん、いいのか?」

侍「拙者が何を言う事があろうか。メイド殿の意思は尊重するべきかと思ってござるよ」

侍「それに、メイド殿が魔王殿を護るのであれば、拙者はそのメイド殿を護るだけでござる」ニカ

勇者「良い夫婦だよ、あんた達」ニッ

鏑「ガルドスさんの姿が見えないようですが?」

四天王蒼「あいつはさっきの戦いで重傷を負って現在治療中だ。今回は残念だが……」

巽「途中から俺達とも離れちまってたからな。気づいた時には片腕が吹っ飛んでやがった」

侍「拙者がもう少し早く気づいておればよかったのだが」

女「腕はくっつけたんだけど、リハビリが必要なのよね。神経麻痺の毒が仕込まれてたから、それが完治するのに最低でも1ヶ月はかかりそう」

鏑「仕方がありません。ガルドスさんだって出来る限りの事をなさったのです」

巽「あとでたっぷりと土産話を聞かせてやるとするか」
450 : ◆JbHnh76luM [saga sage]:2012/07/22(日) 14:43:31.26 ID:Bl4khZkFo

― 邪龍の神殿 ―

宰相「ようこそおいで下さりました、魔王様……いえ、今は風竜様とお呼びしたほうがよろしいですね。ご心配なく。貴女に危害を加えるつもりは毛頭ありません」ニコニコ

風竜(魔王)「ふん、卑怯な手を使いよってからに。ここが邪龍の神殿か?」

宰相「貴女達が考えておられる場所でほぼ間違いはないかと思われます」

風竜(魔王)(風竜の神殿の巨像の間のような造りになっているが、壁も天井もない吹きさらしの空間か……というより、見たこともないような大きさの巨木の枝の上に、人工的に広間が作られているような感じ……か)

風竜(魔王)「改めて言っておくが、私はお前の企みに手を貸すつもりなど毛頭ないからな」

宰相「では、貴女はこの世界の『不条理』について何も感じない、と?」

風竜(魔王)「……」

宰相「勇者様もお気付きにはなっているはずです。自然の摂理を捻じ曲げてしまうような存在、それこそが不自然ではないですか?」

風竜(魔王)「それに関しては私とて何も考えていないわけではない。だが、性急に結論を出す事ではないと考えている」

宰相「聡明な魔王様の事です。すでにある程度の推論を構築なさっておられるものと思われますが……話は少し変わりますが、『世界樹』というものをご存知でしょうか?」

風竜(魔王)「知識としては、な。世界の中心にそびえる大樹、魔力の源となる樹、知識の実を実らせ、その実を食べた者はこの世の仕組みを理解でき……!」

宰相「おや、今頃気づいたのですか」

風竜(魔王)「実在するわけがない! あれは御伽噺の中だけの存在だぞ!」

宰相「つい100年程前までは黄金龍や四竜とて御伽噺の域を出ない空想の産物と言われていましたよ?」

風竜(魔王)「まさか、お前は見つけたのか!?」

宰相「見つけた、というより……」

宰相「『ここ』がそうなのですよ」ニコリ
451 : ◆JbHnh76luM [saga sage]:2012/07/22(日) 14:44:12.47 ID:Bl4khZkFo

― 皇国領 旧中つ国山奥 ―

ニコラ「きーゃーっ!」

火竜「どうした!?」

ニコラ「師匠、これ何!?」

火竜「朝鮮人参だな。街の漢方薬局でも見ただろう、滋養強壮効果が強い薬草だ。あと、他の漢方の効果を高めるとも言われているな」

ニコラ「ふむふむ……それにしても薬草天国だね、ここは」

火竜「この辺はまだ人の手が入っていないからな。自生している草花の種類も多い」

ニコラ「んー、それにしてもみんなは元気かな」

火竜「聖王国が恋しくなったか?」

ニコラ「恋しいっていう程じゃないけどさ、仲間達は何してるのかなーっとか気にはなりますね。挨拶もそこそこでこっちに来ちゃったし」

火竜「パーティを組んでいた期間はごく短かったのではないのか?」

ニコラ「そうなんだけど、何ていうのかな……なーんか気になるのよね」

火竜「ふむ、縁が強いという事かな」

ニコラ「そうかも。さて、と。ちょっと遠出してみますか。師匠、お昼の準備お願いしますね。んじゃっ!」スタコラサッサ

火竜「おいこら! 今日はお前の当番だろ! ってか竜を顎で使うな!! ……行っちまったよ。黄金龍様もとんでもないお転婆娘を押し付けてくれたもんだな」

サァァァッ

火竜「ん……良い風だ。ほほぅ、『成った』か。風竜め、焦らしてくれるわ」

火竜「気になるのはニコラが言っていた事か。俺達竜の存在が不自然か……言われてみればそうかもしれん。火山の噴火を抑え、マグマの流れを調節し、地震や竜巻、洪水までもを制御するなど、自然の摂理に反しているという説は理には適っている」


ニコラ「っだいまーっと、あれ、お昼ごはんは?」グーキュルルル

火竜「……」

ニコラ「んー? おーい、ししょー?」

火竜「……」カンガエテマス

ニコラ「シカトですかそうですか。この愛くるしい弟子の言葉なんて完全スルーとか師匠の風上にも置けないわね……とりあえず顔に落書きでもしようかな。それがいいわね」ムー
452 : ◆JbHnh76luM [saga sage]:2012/07/22(日) 14:44:41.48 ID:Bl4khZkFo

火竜「ん、戻ったか」ナニシテル

ニコラ「考え事?」マダシテマセン

火竜「まぁ、な。そうだ、良い知らせがあるぞ」

ニコラ「どしたの? 宝くじでもあたった?」

火竜「俗すぎるわ。魔王殿が風竜へと昇華したようだぞ」

ニコラ「まじで!? うっわー、良かったじゃない!」

火竜「まぁ、これからが大変なのだが……」

勇者『火竜さん、聞こえるか!?』

火竜「む、黄金龍殿か」

ニコラ「どったの?」

火竜「ニコラ、下の川で水を汲んできてくれ」

ニコラ「あいよ」

火竜「黄金龍殿、魔王殿が風竜に成ったようだな。私からもおめでとうと言わせてくれ」

勇者『そのことで緊急事態だ。魔王が宰相に連れ去られた!』

火竜「なんと!?」

勇者『俺は今から宰相の居る場所に飛ぶ。それでニコラを連れて行きたいんだ。大至急こっちに戻って来てもらえるか?』

火竜「あいつを連れて行くって事はパーティごと連れて行くのか?」

勇者『そうだ。今フリーで動けて信用できるのは鏑さん達のパーティしかいないんだ。俺と女と鏑さんのパーティで乗り込む。火竜さんと地竜さんには何が起きても対処できるように『竜の巣』で待機しておいて欲しい』

火竜「了解した。すぐに戻ろう」

ニコラ「うはー、相変わらず重いわ。ってよく考えたらこれって男の人がする仕事じゃないの!?」

火竜「すぐに聖王国に戻るぞ」

ニコラ「へ? でもまだ薬草が……」

火竜「魔王殿が宰相に連れ去られたらしい。黄金龍殿がお前達のパーティに同行の要請を出している」

ニコラ「わぉ……あたし達が何かの役に立てるとは思わないけど、ご指名とあればしょうがないわね」

火竜「3分待ってやる。必要な物を纏めろ!」

ニコラ「あいよ、師匠!」
453 : ◆JbHnh76luM [saga sage]:2012/07/22(日) 14:45:09.68 ID:Bl4khZkFo

― 邪龍の神殿改め世界樹の端末 ―


宰相「正式名称は魔導式無限演算構築装置というそうです」

風竜(魔王)「……?」

宰相「さすがに理解の範疇を超えていますよね。僕も最初見た時は驚きましたよ。あれは僕が先代の風竜様に『造られ』てまだ1週間程度の頃でした」

宰相「ご存知の通り、僕は貴女の試練の為に用意されたのですが、思っていたより貴女達が風の神殿に到達するのが遅かった為、自由に動ける時間がありました。そこで僕は自分を構成している前魔王の知識を引き出し、独自に勉強を始めました」

風竜(魔王)「それが、邪龍に繋がったということだな?」

宰相「邪龍なんて最初からいませんよ」

風竜(魔王)「なんだと!?」

宰相「あぁ、そこから勘違いなさったままなんですね。歴代の黄金龍様達ですら理解できなかったのですから……いえ、『理解できないように造られていた』のですから、しょうがないといえばしょうがないのかもしれません」

風竜(魔王)「ど、どういうことだ」

宰相「まず、この世界が誰かによって『創られた』という話は信じますか?」

風竜(魔王)「勇者もそのような事を言っていたが、有り得ぬ。世界を創造するなど、それこそ神のような存在でなければ無理だ」

宰相「神、ですか。では、僕も神の力のごく一部を手に入れたのかもしれませんね」パチン

ゴゴゴゴゴゴゴ
454 : ◆JbHnh76luM [saga sage]:2012/07/22(日) 14:47:12.13 ID:Bl4khZkFo

ひとまずここまで。
なんとか話を動かせる状況になりつつあります。
今回の投下と次回の投下(近日中)は書き溜めの投下となります。

それ以降は例のごとくあるようでないような走り書き以下のプロットのみを中心としていきあたりばったり感満載でお届けする事になります。
455 : ◆JbHnh76luM [saga sage]:2012/07/22(日) 14:48:28.59 ID:Bl4khZkFo
>>446

一応考えてあります。
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/22(日) 16:43:04.41 ID:bpk7O2x1o
乙でした
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/22(日) 18:54:04.09 ID:WbLreYDIO
おっつ
458 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/07/22(日) 22:22:22.55 ID:vdqRnYIqo
お帰りなさいませに候
吟遊詩人の様に物語を紡いで下され
459 : ◆JbHnh76luM [sage]:2012/07/22(日) 23:53:41.00 ID:IG8dVFM6o
女「誰も望んでいない、メタ発言満載の誰得次回予告!」

勇者「出番ねぇな」

女「あ、勇者の出番はもうありません。ゆっくり休んでください」

勇者「まじで!?」

女「こっからは私のターン!」ビシッ

魔王「ジョジョ立ちやめい。あと、勇者の出番はちゃんとある……はずだと思うぞ?」

勇者「うわぁ、なさそうだな、おい」

女「そんなわけで、次回は!

勇者、出番をください

メイドさん、休日の過ごしかた

商店主、我が髪の毛よもう一度

の3本でお届けいたします」

勇者「嘘すぎる!」

魔王「あれだ、餅を喉に詰まらせねばならんのではないか?」

メイド「お煎餅だったかと」

魔王(幼ver.)「じゃん、けん、ぽん!」

勇魔女「!?」
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/07/23(月) 00:06:25.73 ID:1kFDoZkmo

つか、おぃ
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/23(月) 23:26:38.90 ID:6Pc/7dKSO
ageないのか?

再開に気付いてない参加者いるんじゃないか?
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/27(金) 07:03:24.24 ID:OjfDsVdIO
乙ん
ガンガン書こうぜ
463 :タツミ ◆Ddyke7B1QA [sage]:2012/07/28(土) 13:55:19.16 ID:B1ApVFJSo
…行動選択があと3回ほどあるとか言ってなかったかヘタレ

>>119の時点で「行動選択が4回ほどある」発言
俺と侍さんの里帰り云々の行動選択で-1
残り3回…>>438で7月末までに終わらせるとか言ってるが…


?!そうか…来年の7月末か…
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/28(土) 18:01:15.73 ID:r8wSDR1so
Ω ΩΩ<な、なんだってー
465 : ◆JbHnh76luM [sage]:2012/07/29(日) 10:02:32.67 ID:YHLwm4AZo
正直申告。
行動選択はこの後1回は確実にありますが、それ以外に関しては微妙になりつつあります。
土下座してお詫び申し上げます。

書き溜め分の話が破綻しまくっていて書き直し中。
466 :タツミ ◆Ddyke7B1QA [sage]:2012/07/29(日) 10:24:54.90 ID:z7YyahaUo
>>465
エェ━━━━━( ゚A゚;)━━━━━!!?

まぁそうだろうなと思ってたよ同じく>>119でエピソード削るとか何とか言ってたから…
ただ遅筆だ何だとか今更って感じだし迷惑とか微塵も思ってないからさっさとfullで書け下さいとしか思ってない
467 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/07/29(日) 11:20:15.45 ID:fqxcvAJIO
遅筆はヘタレ殿の基本ステータスに候。
何を今更。
投げ出さなければいいから、此方はのんびり待つで御座るよ。
468 : ◆JbHnh76luM [saga sage]:2012/07/30(月) 13:46:49.62 ID:CUPBClFso

― 魔王城 ―

ニコラ「たっだいまー!」

鏑「戻られましたか。おかえりなさい、と言いたいところですが緊急事態です」

ニコラ「ん、大体は師匠から聞いてる」

火竜「んじゃ、俺は巣に戻るわ」

巽「これが火竜か?」

ニコラ「そそ。あたしの薬草学の師匠でもあるんだけどね」

侍「人の御姿をなさっているが、気の強さが桁違いでござるな」

火竜「ふむ、陰陽術師か。腕はまだ未熟も未熟のようだが……」ジロリ

巽「そりゃあんた達からすりゃ人間なんて全員未熟だろうよ」

火竜「良い素質を秘めておる。精進しろよ」

巽「へ、めんどくせ」

勇者「火竜さん、感謝する。早速だが行くぞ!」

鏑「はっ!」ケイレイ
469 : ◆JbHnh76luM [saga sage]:2012/07/30(月) 13:47:30.38 ID:CUPBClFso

女「皆は私から離れすぎないようにして。邪龍の神殿近くは地脈が集まっているからその圧力だけで潰されちゃう可能性があるわ」

侍「女殿が何かしらの術で護ってくださる、ということでござるか」

女「そういうこと。メイドさんも絶対私から離れちゃダメよ。魔王がどうなっていようと、ね」

メイド「……お約束はできかねますが、可能な限りは守ります」

女「魔王が心配なのは私や勇者だって同じよ。焦らないで」

メイド「はい」

勇者「邪龍の神殿のおおよその位置は掴めているから、その付近まで転移呪で飛ぶ。そこからは徒歩になるから充分注意してくれ。いいな!?」

侍「合点承知」

勇者「碧さん、いや、新魔王、人間と連絡を蜜にしてくれ」

新魔王(碧)「わぁってるよ。それよりも、魔王様を頼むぞ」

勇者「わかってる。何があっても魔王は連れ戻す!
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2012/07/30(月) 16:23:55.17 ID:oozvP7bco
おつ
471 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/07/30(月) 18:36:32.90 ID:F5UImvtIO
投下お喜び申し上げます
472 : ◆JbHnh76luM [sage]:2012/07/30(月) 20:57:29.93 ID:J+FW/Ws0o
仕事中だけど投下できそう!

投下!

社長襲来

「今から○○店に行くから着いてきな!」

投下中途半端

という次第で御座います。
現在、社長に連れられて晩ご飯に。
早く帰らせてください。(土下座)
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/31(火) 06:19:49.82 ID:aYzT9/gno
社長襲来

「今から○○店に行くから着いてきな!」

移動中の社長SSを読ませる

社長もヘタレ読者

(ゝω・)vキャピ
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/31(火) 07:56:33.09 ID:VPnhD+6ao
社長ss…
どんな活躍だろうw
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/01(水) 08:55:41.94 ID:j3NiMcKSO
>>474
?「俺のターン!ドロー!」
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/08/02(木) 12:36:05.31 ID:Tx0HBP5io
>>1よ、迷宮物語の続きはどーなっとんねん
こちとら温泉旅館時代から読んどんねん
MUや虚空もはよせい
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage saga]:2012/08/02(木) 21:43:14.31 ID:OSR9NmUq0
>>476
死ねよカス野郎
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) :2012/08/02(木) 22:26:53.05 ID:q+C3yFGOo
>>477
こちとら10年近く待ってんだよ
>>1が俺の考えてる奴だってのは確信してんだ
おい>>1このままじゃ消化不良なんだよ頼むから書いてくれさい
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/02(木) 22:36:57.04 ID:+jR0YJbSO
>>478
分かったからsageろよカス野郎
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/03(金) 06:42:17.57 ID:jtDTN9MSo
>>476
>>478
別人の勘違い
因縁つけんなや

ヘタレは完結した過去作は1作のみと少ないぞ
10年もやってたらもっと多いはず
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/08/07(火) 14:52:16.13 ID:zW3Mihp0o
sageてやるよ
10年前からここがあったのかよ
何も知らない奴がでかい口たたくんじゃねぇよ
>>1が落としたスレのSSはもうなくなったが神芦堂温泉旅館っつー>>1がやってたHPに載ってたんだよ
もしも>>1がそいつじゃなかったら>>1は最低のパクり野郎ってこった
おいここみてるんだろ早くコメントしろよ
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/08/07(火) 21:03:56.27 ID:yfxj5nMD0
>>481
何でお前みたいな馬鹿ってのはこうも傲慢なんだろうな。
「何故>>1がお前の為にコメントしなきゃならない?」
そんな普通の考え方なら当たり前の指摘を思う事すらないだろ?

書いてもらって当たり前
自分の希望に合わない不都合は全部>>1のせい

どうしてそこまで恥知らずに自惚れて傲慢になれるのか不思議だわ。
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/07(火) 21:20:08.65 ID:JjABGTwIO
触るな
484 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/08/08(水) 07:07:02.46 ID:QhPNH48IO
ヘタレ殿を待ちわびつつ、書き込んでは煩くなると支援を控えておる者がおるから、少しづつでも投下すれば皆喜ぶであろう。

何?責めが足りないで御座るか?
駿河問い、市中曳き回しして欲しくば書き召されい。
485 : ◆i/4oz3.BdI [sage]:2012/08/08(水) 12:04:25.98 ID:U9e2Gtw2o
お前ら俺を怒らせたな
3回以内に>>1のID乗っ取ってオレが正しい証拠みせてやんよ
違ってたら>>1はパクリ野郎確定な
486 : ◆XmqNQTg2Mc [sage]:2012/08/08(水) 12:05:39.71 ID:U9e2Gtw2o
2
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/08(水) 17:23:36.00 ID:zo8wXvZIO
夏真っ盛り
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/08/08(水) 17:58:37.00 ID:xLF9Ktqoo
3回めはやめといてやるよ
当てちまうからな

>>1はさっさと返答しろよ
パクり野郎なのかそうじゃないのか
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/08(水) 18:40:28.70 ID:Q9nQvPaXo
w
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage saga]:2012/08/08(水) 23:20:33.99 ID:+yzs/WG/0
>>487
間抜けな馬鹿丸出しで恥晒してないで、黙るか死ぬかどちらかにしろよ坊やwww
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/08/11(土) 21:50:33.36 ID:7wUQdjvLo
こんなルーピーズ専ブラ突っ込んでサクッとNGすれば良いのに…
492 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/08/13(月) 14:29:04.48 ID:PFR/H3E/o
やたら大量に更新されてたから誰か別の方が書いてくださってるのかとちょっと期待しただなんて到底いえません。

お盆は全く関係ない職なので本日も出勤しつつも取引先が軒並みお盆休みなので実はヒマな>>1でございます。

7月中に終わるなんて大言壮語を吐いた割りに結局投下すらできずに今から富士の樹海に行きたくなりました。


まず、荒れた原因を解決する方向で。これ以上荒れるのはさすがに本意ではありません。

>>481
懐かしい名前としか言いようがございません。
過去は過去ですので、どうぞ落ち着いて下さいますよう、心よりお願い申し上げます。

>>全ての皆様
以前にも似たような事があったように記憶しております。
私の投下が遅いが為に色々と皆様にはご不快な思いをさせてしまい、本当に申し訳ございません。
何卒ご容赦いただけますよう、お願い申し上げます。
493 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/08/13(月) 14:31:41.37 ID:PFR/H3E/o

― 世界樹の端末 ―

風竜(魔王)「な、何をした!?」

宰相「なに、世界樹の端末を呼び出しただけですよ」

風竜(魔王)「端末……?」

宰相「これこそがこの世界が『何者か』の手によって創られたという証明です。ただ、僕が発見した時には既に機能の大半が休眠状態になっていました。ですが、最低限の機能を使っただけでも、僕自身を変化させるには充分でしたけどね」

風竜(魔王)「変化?」

宰相「僕の元々の姿は人造兵と変わりません。そのように造られましたから」

風竜(魔王)「今は人間の姿形をしている事から察するに、この装置を使って姿を変化させたということか?」

宰相「少しだけ違います。人を乗っ取ったのです」

風竜(魔王)「なんだと?」

宰相「色々と調べた結果、再起動には莫大な魔力が必要という事がわかりまして」

風竜(魔王)「大型魔導機関をその為に使った、ということか」

宰相「その通り。そして、大型魔導機関を手に入れるにはどのようにするのが最適なのかをまず考えました。権力の中枢に居る、あるいはその近くに居る者でなければいけません。まず、僕は大統領閣下に目を付けました」

風竜(魔王)「最高権力者だから奪取も容易い、と?」

宰相「そうですね。ですが、大統領閣下は何分ご多忙です。それこそ大型魔導機関完成の知らせは真っ先に受ける事になりますが、如何せん時間を割く事ができません。そこで、僕はその側近であり、なおかつごく最近赴任したばかりの」

風竜(魔王)「宰相を亡き者にし、自分がその姿を真似て入り込んだ、ということか」

宰相「厳密には少し違います。無限演算構築装置を使って僕自身が宰相になるように設定したんです」

風竜(魔王)「む?」

宰相「少しややこしいですね。貴女がこの装置に手を触れて下されば理解できると思うのですが、ご説明しましょう。この装置の機能の一部として、因果そのものが変更できるようになっています。大きな変更、それこそ史実を曲げるような修正ともなれば機能制限された状態では不可能ですが、人一人を『変更』する程度なら機能の大半が休眠していた状態でも、そして、僕でもなんとか可能だったのです」

風竜(魔王)「では、お前は本来存在した宰相という青年をこの世から抹消し、その姿形だけを奪い、完全に入れ替わったということか」

宰相「ほぼ正解です。さすがは聡明なお方です」パチパチパチ
494 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/08/13(月) 14:32:30.62 ID:PFR/H3E/o

風竜(魔王)「嬉しくもない。それで、宰相の立場を手に入れたお前は大型魔導機関完成の報せを受けた後、再びここにやってきて、機関をここに移動させたのだな?」

宰相「はい。物体が存在する座標を弄る事なんて簡単ですから。お陰でこの魔導式無限演算構築装置は今やそのシステムの大半を起動できました。問題としては、オペレーターが必要だという部分でしょうか。その問題さえクリアできればこの世界そのものを自分の好きなように書き換える事が可能です」

風竜(魔王)「世界を書き換えるだと……?」

宰相「例えば、黄金龍を含む四竜の存在を『なかった』事にしてしまう、とか、魔族という種族を消し去るとか、色々です」

風竜(魔王)「!!」

宰相「それこそこの世界の神になれるんですよ」

風竜(魔王)「で、では、過去に出現した邪龍というのは……」

宰相「ええ、このシステムを扱う事ができるオペレーターや、僕のような存在が操作したんでしょうね。とはいえ、魔力不足でごくごく小規模の改変しかできなかったようですが。それこそ、小さな地殻変動や歴史の小さな部分の改変など、その程度ですね」

風竜(魔王)「お前は……何をするつもりなのだ」

宰相「……僕には寿命が設定されています」

風竜(魔王)「なんだと?」

宰相「僕は所詮創られた者に創られた存在でしかありません。その期間はたったの3ヶ月。短いと思いませんか? 折角生を受けたのに、3ヵ月後には死ぬってわかっているんですよ? その癖膨大な知識と魔力が僕には備わっているんです。こんなの、悔しいに決まってるじゃないですか」

宰相「ここまでたどり着き、断片的にですがシステムを理解した僕は考えました」

風竜(魔王)「無限の寿命、か」

宰相「いえ、僕は単純に知りたいだけです。この世界がどのようにして生み出され、どのように設定されたのかを。人間でも魔族でもそうですが、幼年体では何を見ても親に「これは何か」と尋ねるじゃないですか。僕は今その真っ只中に居るようなものなんですよ」ニコリ

宰相「そして、その答えはここにある。ですが、このシステムを完全に運用するには、『資格』を持ったオペレーターが必要不可欠です」

風竜(魔王)「そのオペレーターとは一体何なのだ」

宰相「システムの構成を理解し、正しく運用できる者です。賢者とも言われますが、現在の賢者の大元となったのはこのオペレーター達のようですね」

風竜(魔王)「勇者のように継承性があるということか?」

宰相「そのような認識で間違いはないと思われます」

風竜(魔王)「話を戻そう。貴様はこのシステムとやらを使ってこの世の全てを知りたいという話だったな」

宰相「ええ、ベースとなっている前魔王の考えなどは少々とはいえ引き継いでいますので、これが僕の本当の意思なのかはわかりませんが、僕は知りたいのです」

風竜(魔王)「では、この世界を滅ぼそうとしているわけではない、と?」

宰相「前魔王とてそのようには考えていなかったように見受けられますよ」

風竜(魔王)「そんなはずはなかろう。あやつは恐怖を以ってこの国を制圧しようとしていたのだぞ」
495 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/08/13(月) 15:10:18.22 ID:PFR/H3E/o

宰相「手法を間違えていただけだと思うんですよ。彼が望んでいたのはこのシステムを見つけ出す事だったようです。見つけ出した後どうするのかまでは私にはわかりませんが、世界樹を発見する為に国内外を力で平定しようと考えていたようですね」

風竜(魔王)「手段を間違えた時点であやつに未来はなかったと思うがな。恐怖で支配したところで私や勇者のように立ち上がる者は必ず出てくるものだ。それで、貴様が私を拉致した理由というのを聞いていなかったな」

宰相「貴女がオペレーターの資格を有しているからですよ。それ以外にありません」

風竜(魔王)「はぁ? 私は何もわからんぞ。魔導式無限演算構築装置だったか? そんなもの、今日初めて存在を知ったところだというのに」

宰相「触ればわかると思います。ここに呼び出しているのは私でも操作が出来る程度の端末のごく一部ですが、貴女が触れれば全システムを呼び出す事ができるはずですよ」

風竜(魔王)「断る。そのような世界の根本を揺るがすような力に興味はない」

宰相「おやおや、勇者様を人間に戻し、そして貴女も人間になり、共に一生を全うすることも可能なのですよ?」

風竜(魔王)「今更そのような甘言に騙される程、初心(うぶ)ではない」

宰相「では、私が1つだけ」ポロロン

風竜(魔王)「ピアノの音……?」

宰相「端末を操作しただけですよ」

ゴゥン

風竜(魔王)「っ!?」

シュゥゥゥゥゥ

魔王「風竜の形態が解けた……だと」

宰相「貴女の裡にあった風竜の『要素』を封印しただけですよ。取り除く程の操作は僕にはできませんが、『成って』時間の浅い貴女相手ならこの程度はできます」

魔王「なんだと!?」

宰相「まだ完全に貴女の魂は竜の魂と混ざり合っていなかったのですよ。ですからそこをシャットダウンして封じ込めさせていただきました」

魔王「貴様……!」

宰相「さて、これで落ち着いてお話ができます。魔王様、どうか僕の願いを叶えていただけないでしょうか。これは魔王様にとっても決して損のある話ではないはずです。むしろ魔王様にとっては理想の世界を創り上げる事すら可能なのですから」

魔王「……」

宰相「お一人でご決断はできませんか。困りましたね……では、良いタイミングで勇者様ご一行が麓に到着なさったようですから」チラリ

魔王「!」

宰相「ご心配なく、当然そのような事も予期しておりましたので、少々『邪魔』を挟んであります」

魔王「邪魔?」

宰相「なに、ちょっとした余興ですよ。とはいえ、そろそろ時間も少なくなってきました。好みではありませんが、少々強引に事を進めさせていただきますよ」ポロロン

魔王「っ!」
496 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/08/13(月) 15:11:02.45 ID:PFR/H3E/o

― 邪龍の神殿に通じる道 ―

勇者「道がないな……」

鏑「神殿に向かうには別のルートを使うしかないのでしょうか?」

勇者「いや、この周辺を魔法探知で調べてみたけど道らしいものはなさそうだ。しかもここから先は俺でも飛んで行くのは無理だ」

女「大地の力が強すぎて飛翔ができないからね」

巽「つうか今にも地面に押し付けられそうなんだけどな……」オモイ

勇者「これでも俺と女の力でかなり緩和してるんだぜ」

侍「保護がなければ……」

メイド「ぺしゃんこ、という事でしょうか」

女「そこまではいかないけど、動けなくはなるでしょうね」

巽「あのでけえ樹は一体何なんだ?」

鏑「私も気になっています。あのような大きさの樹木なんて見た事がありません」

ニコラ「私も観た事がない形状ね。強いて挙げるとしたら、杉……かしら? でも、何本もの杉が絡まりあって何千年単位で成長したって感じに見えるわね」

勇者「そうか、ここにあったのか」

女「ここは私達でも探索しきれなかった場所だもんねぇ」

鏑「わかるのですか?」

勇者「御伽噺とかで聞いた事があると思うぞ」

侍「御伽噺でござるか」

ニコラ「黄金龍だって似たような存在って言われてたもんね。っということは……」
497 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/08/13(月) 15:11:29.82 ID:PFR/H3E/o

巽「まさか」

勇者「多分そのまさかだ。あれがこの世界の中心に聳え立つ樹、その実を食べれば八百万の知恵がつくと言われてる樹、世界樹だよ」

ニコラ「実在するのね」

巽「ここまで来たらもう驚きすらわかねぇ」

鏑「では、世界樹が邪龍の神殿、ということに?」

侍「しかし、世界樹というのはこの世界を支える柱と聞いている。そこが邪な者の巣になっているとは到底考えられないでござる」

勇者「俺も腑に落ちないが、魔王の魔力紋はあそこから感じられる」

巽「だったらどうす……」

ゴゥン

巽「何だ!?」

メイド「巨木が揺れて……?」

鏑「あそこです! 光が!」

女「勇者、魔王がっ!」

勇者「……風竜形態が解けたっぽいな。解いたのか、解かれたのかよくわからないけど」

女「詳しい場所は把握できたわ。光が起こったところね」

勇者「俺も場所はわかった。けど、どうやって行くか……」

メイド「勇者様、あれは何なのでしょう?」
498 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/08/13(月) 15:11:57.05 ID:PFR/H3E/o


鏑「何か、黒い霧のようなものが固まって……」

ニコラ「扉になっちゃった」ビックリ

巽「なんだあのあからさまな「罠ですよ!」みたいなやつ」

勇者「宰相か?」

女「それ以外はちょっと考えられないわよね……どうする?」

巽「罠だよ罠。どう見ても罠以外にありえねぇ……がなぁ」

鏑「そう考えるのが普通ですよね……ですが」

ニコラ「中に入ったら鬼みたく敵がひしめいてたりするのよ……とはいってもね」クワバラクワバラ

侍「とはいえ、他に道がないでござるな」

勇者「……」

女「どうする? 飛び込む?」

メイド「行くべきかと思われます。他に道がない以上、魔王様の下に一刻も早く辿り着かなければ……」

勇者「危険すぎる」

鏑「……どこまで私達の力が通じるかはわかりませんが」

侍「微力ながらも全力を尽くすでござるよ」

ニコラ「薬品の準備はばっちりよ」

巽「はいはい、決まり決まり」

勇者「お前たち軽いな……」

侍「虎穴に入らずんば虎児を得ず、でござるよ」

鏑「ここまで来たんです。最後の最後までお供させていただきます」

女「勇者、行こ」

勇者「よし。行くか! 全員一塊になって突っ込むぞ!」

一同「応!」
499 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/08/13(月) 15:12:28.66 ID:PFR/H3E/o

― ?? ―

鏑「真っ暗というわけではないようですね。先のほうに光が見えます! 急ぎましょ……おや、勇者様? みんな?」

鏑「困りましたね。はぐれてしまったのでしょうか……」

鏑(不安定の影響というのはこれなんでしょうか。ともかく、出口に向かうしかなさそうですね)

タッタッタッタッタ

鏑「やっと出口です。さて、気合を入れなおしましょう。魔王様を救出しなくては」

― 鏑の故郷の街 ―

鏑「ここは……」

鏑(故郷の街? いったい何が)

?『鏑……』

鏑「ん? この声は……」

街娘「鏑……」

鏑「街娘! どうしてここに!?」

鏑(いや、ここが故郷なわけがない。彼女がここに居るはずがない。となると、これは幻影?)

街娘「鏑、街で疫病が……」

鏑「なんですって!?」

街娘「お父さんもお母さんも倒れたの……お年寄りや子供達がどんどん……お願い、薬を……!」

鏑「馬鹿な! 疫病なんてここ数年起こっていなかったのに!」

街娘「おね……がい……」トサ

鏑「暖かい……やはりこれは現実? いや、そんなわけは!」

街娘「鏑……か……む……ら……」ケフッケフッ

鏑「街娘! しっかり!」

街娘「たすけて……お願い……王都なら薬が……」

鏑「……」
500 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/08/13(月) 15:12:56.49 ID:PFR/H3E/o

― ?? ―

巽「入って早々分断かよ。めんどくせぇな……あっちが出口か。んだよ、思ったより短いな。敵がわんさか居ると思ったんだが」

巽「居るよりゃ居ないほうがありがたいっちゃぁありがたいよな」


― 聖王国 王都 賢者の学院 ―

賢者息子「巽さん大変です!」

巽「うお、びっくりした……なんだこりゃ、賢者の学院か?」

賢者息子「父が急に苦しみはじめて!」

巽「んー、幻か。そうとしか考えられねぇな。とはいえどーすっかなぁ、どうすりゃ戻れるのか見当がつかねぇ」

賢者息子「何をわけのわからないことを言ってるんですか! 早く父のところに!」

巽(付き合ってやるしかねぇか)

巽(しかし風景や感覚、空気の匂いまで完璧に再現してやがる。一体どんだけレベルの高い幻術を使ってるんだよ。気ぃ抜いたらこれが現実だと思っちまう)

賢者息子「ここです」ガチャ

魔族大賢者「巽……か」

巽「へいへい巽様でございますよーっと」

魔族大賢者「こんな時までお前は変わらないな」

巽「んで、何の用ですか?」

魔族大賢者「私はもう長くはない……次の大賢者はお前に頼む」

巽「はぁ!? んだそりゃ!」

魔族大賢者「お前は知識もある。それに勇者の力も持っている。その力を今度は皆の為に使ってくれはしないか?」

巽「皆の為って……」

魔族大賢者「今までお前はその力を自分の為にだけ使って来ただろう。そろそろ……」ゲホッゲホッ

巽(ふむ、回答次第で戻れる、か? とはいえ、どっちが正解なんだ?)
501 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/08/13(月) 15:13:23.04 ID:PFR/H3E/o

― ?? ―

ニコラ「まーじーでー? か弱い女性をこんなトコにほっぽりだすとか信じられない……」

ニコラ「あーもー、黄金龍っていっても大した事ないのね。もーどうしようかなぁ」

ニコラ「出口っぽいトコはあそこかぁ。ここで止まっててもしょうがない、か」


― 皇国領中つ国 川の流れる山あい ―

ニコラ「……」キョロキョロ

ニコラ「……」キョロキョロ

ニコラ(うん、ワケわかんない)

ニコラ「んー、空気、土、草、どれをとっても中つ国ね」

ニコラ「何かのトラブルなのかしら? 幻とは思えないし……ってあれは!?」

ニコラ「100年に一度花が咲くかどうかわからない超希少な薬草じゃないの! うわー、うわー、実物初めて見た! この時の地中茎を乾燥させてすり潰せば万病に効く特効薬の素になるのよね」

ニコラ「摘んじゃう? 摘んじゃう? 絶対こんな機会ないわよね。あーもう、いっただっきまー ?「きゃーーーーっ!!!」

ニコラ「なによもう、貴重な瞬間なのに……ってなにあれ、鉄砲水……?」

子供「たすけてーっ!!」

ニコラ「くっ、待ってなさい、今助けて……」

ニコラ(あの水の勢いだと子供を助けてたらこの薬草が流されちゃう。でも……)
502 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/08/13(月) 15:14:03.23 ID:PFR/H3E/o

― ?? ―

侍「む……はぐれたようだな」

メイド「そのようですわね」

侍「メイド殿、ご無事でござったか」

メイド「……」

侍「どうなさった?」

メイド「いえ、侍様の幻ではないかと」

侍「ふむ、拙者のほうからはメイド殿の『気』がわかるので本物とわかるのだが……」

メイド「申し訳ありません」

侍「そうでござるな……では、拙者しか知らぬようなメイド殿の特徴を挙げるというのはいかがでござろう」

メイド「特徴、ですか?」キョトン

侍「先に謝罪しておく。メイド殿が怒ると思うが、こればかりは拙者しか知らぬと思うのでな」

メイド「?」

侍「あー、その、なんだ……メイド殿の右脚の付け根に メイド「そこまでで結構です。本物の侍様だと確信いたしました」

侍「……」

メイド「……」

侍「すまぬ」

メイド「いえ、お気になさらずに……」マッカ

侍「出口らしいものが見当たらぬな」

メイド「そうですわね。全体がほのかに明るいですけど、出口のようなものは……」

?「こちらです」

侍「む?」

メイド「奥方様……」

侍妻「貴方、メイド様、こちらが出口です」
503 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/08/13(月) 15:14:29.97 ID:PFR/H3E/o

侍「お前、どうして……」

侍妻「魂となったこの身ですが、お二人のお力になりたくて」

メイド「ありがとうございます」

侍「かたじけない」

侍妻「ですが」

侍妻「メイド様は此処に留まっていただきます」

侍「どういうことでござるか?」

侍妻「私が貴方と此処から出ます」

メイド「……」

侍「どういう事でござる」

侍妻「私の頭に言葉が響くのです。ここで貴方と共に出口を潜れば再び生を受け、貴方と共に過ごせる、と」

侍「そのような戯言に騙されるのか」

侍妻「戯言とは思えません。私はそれ程にまで貴方を……」

侍「では、拙者もここに留まろう」

侍妻「それはなりません。貴方様には勇者様をお助けするという責務がございます」

侍「む……」

メイド「侍様、行って下さい。私も後からすぐに追います」

侍妻「さぁ、貴方。参りましょう」スッ

侍「……」
504 : ◆JbHnh76luM [saga]:2012/08/13(月) 15:17:30.78 ID:PFR/H3E/o


ここで久しぶりの行動選択です。
参加者の皆様(まだ居るのか不明)はどのように行動するかをお書き下さい。

今のところ書き溜めしていた分は今回で全て吐き出しました。次回更新はプレイヤーの皆様の回答が出揃い次第、あるいは一定の期間を経てからという事になります。
私の不手際でここまで遅れておりますので、こちらで考えている期限までに回答がない場合は私の独断で動く事になります。

暑い日が続いておりますが、どうぞお身体にはお気をつけください。(五体投地)
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/13(月) 15:29:01.38 ID:lbkOhxqSO
さてどうする
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/08/13(月) 16:09:33.12 ID:26Ct+wnY0
>>504
考えている期限っていつ?
507 :タツミ ◆Ddyke7B1QA [sage saga]:2012/08/13(月) 17:51:56.63 ID:TZoRgmtno
ん〜、俺が大賢者…ねぇ…

…お断りします

理由?マンドクセ…てのはそろそろ返答として飽きてきましたか?

“「人の為に何かを為せ」と言うのであれば「学院に押し留める事を良しとしていい筈がない」”
勇者の力ってのはそういうモンらしいじゃないですか
何より今俺の事を必要としている・・・命の危険に晒されている存在がいる事を知った上で
そこから逃げ出すような事は俺の矜持が許さない…ってこんな事誰にも(艮にすら)言ってなかった事だから恥ずかしいったらねぇや

…まぁ、だからって「勇者として一生を全うしろ」ってのは窮屈なんで勘弁ですがね


それに「人の上にたつ存在」とか俺には似合いませんし、俺の考える「学院に居なければ出来ない事」は「大賢者と言う肩書きは逆に足枷」ですから



(なんて長々と話して時間稼いだから分かったんだが…やっぱり幻術は幻術なんだよな…
至喜神の力を欲してる要救助者が こ こ に 居 な い んだから さて、どうしたものか…
勇者様に座標を合わせて縮地…卯様は似たような事が出来たって話だが一か八かやってみる価値はあるかな?)
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/08/15(水) 00:54:03.81 ID:9GI/XKuWo
すべて選ば「される」行動は拒絶する。
動かず、ですら可、という選択で。

特に侍の妻のモノ言いは、夫からその場で手打ちにされても文句言えないレベルだわ、本当の「お武家様」の妻ならね。
平安時代の公家の下働きであった「さぶろうもの」の連れ合いってんならともかく、さ。
509 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/08/15(水) 08:27:11.78 ID:EQlJh4cIO
「…」しばし遠い目
「我亡妻の声を聞き、優しき風を感じられた旨、その因たる者に感謝申し上げる。」
(遠くに向かって大声で)

「では答えよう。」
「とは言え、お前にも答えがわかっておるだろうが、メイド殿のお言葉が聞きたかったのであろう。」ニッ
「昔、侍大将殿の愛娘とお前との縁談が重なってしまって悩み、お二人と会いまみえた折」
「侍大将娘は自らの想いそのままに、自らを選べと迫った」
「お前は秘めたる想いを殺して、後ろ盾ある侍大将娘を選べと言った」
「真の武人の心とは滅私奉公。それは妻に成る者も同じ。自らを[ピーーー]事のできる者こそ、相手を活かす事ができる。」
「我が心眼をしても真贋は不明。だが、一点の迷いなくメイド殿と護り合えとのお前の心はしかと受け取った。」
「しかと成仏せい。」(合掌)


>>508
ニコラ殿であるか?酉が無いが地域は同じであるな。
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/15(水) 12:14:09.28 ID:EQlJh4cIO
>>504
>参加者の皆様(まだ居るのか不明)はどのように行動するかをお書き下さい。

ヘタレ殿の上記の発言は全くもって
タダイなる失礼。駿河問い一週間為。
レイの如くにスレに張り付いておる
殿方、御婦人、童、等々、
お主を慕う者達が居るかどうか視えぬとは
つれないにも程があり候
喝をしっかり入
れてやる故、そこになおれ!



ヘタレ殿への追伸
拙者の>>509は台詞を参考として、適当に加筆削除し利用いただきたく。
それから、設定追加による回避行動誠に申し訳なく。
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/08/15(水) 19:35:13.41 ID:9GI/XKuWo
>>509
拙は>>508だが、文を読むのが好きな唯の爺ぃさね。

乙かつC
512 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/08/15(水) 21:50:57.97 ID:AzxG1nrro
>>511
人違いとは、これは失礼仕った。
513 :カムラ ◆MlrGn9DGd2 [sage]:2012/08/15(水) 23:38:27.61 ID:MdovdZrIO
いかなる時も身内は最後。
公安職の人間はこういう選択には決められた答えがあるので、辛いものですね…
実際、選択を迫られたならば私は私の職を呪います。

暗くなってしまいましたが、
ヘタレ様、よろしくお願いいたします。
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/20(月) 07:08:04.96 ID:cwnEtCZio
カムラ殿も来たので、後はニコラ殿待ちですな。
早く気が付いてほしいで御座る。
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/05(水) 07:06:21.52 ID:+kwV/ziIO
ニコラさん元気ー?
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/10/02(火) 22:51:21.24 ID:tBK4YyReo
ヘタレはまだか
517 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/10/05(金) 18:11:22.97 ID:Nspm7VkIO
ヘタレ殿、そろそろ考えている期限で御座るか?
間に合わないならせめてスレ落ちを避ける生存報告を宜しく願う。
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/21(日) 17:32:02.65 ID:+qiI/lyao
ヘタレは大丈夫かな……?
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/07(水) 06:50:02.09 ID:ipJ02FJ6o
ちょっとはやめのほ
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/17(土) 02:17:09.04 ID:pN8oVZLDO
これこのままだったらいつ落ちちゃうの?
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/28(水) 15:11:11.95 ID:P5e1kdg3o
久し振りにななばつで最初から読んできた
お前らもいっぺん読み直してみろ

で、>>1は?
522 :侍◇カイクロ [sage]:2012/12/01(土) 20:26:25.96 ID:3SioZfr7o
しかるに生存報告でござる。
523 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2012/12/01(土) 20:27:00.71 ID:3SioZfr7o
しかるに生存報告でござる。
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/21(金) 17:44:29.34 ID:oga/mp8bo
年越しかな?
525 :カムラ ◆MlrGn9DGd2 [sage]:2012/12/23(日) 01:00:16.31 ID:wsDrMhMIO
ううーむ
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/23(日) 11:25:31.80 ID:0k/LllaYo
おおまだここ生きてたのか

おいコラヘタレ
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/24(月) 13:02:06.79 ID:cckTp4WO0
ヘタレはあくしろよ
そろそろ年超すぞ 生きてるなら返事しろ
528 : ◆Nx3L9vlr.. [sage]:2013/01/01(火) 10:48:46.47 ID:x/esiMpIO
明けましてお目出たく御座る。
ヘタレ殿の復活を待ち望むで御座る。
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 15:54:47.53 ID:2/nzTbvyo
まだヘタレは戻らないのか…
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 16:00:40.31 ID:BgzFciBIO
せめてこの話くらいは完結させろよヘタレ
参加者で来ないやつはもう諦めてさっさと続き書けよ
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 19:52:36.10 ID:4mx1yM0IO
縦読みがないからあかんのか
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/20(日) 13:37:07.81 ID:S0nom23io
ヘタレ大丈夫か?
顔くらい出してくれや
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/28(月) 00:13:06.73 ID:RnRKwVjm0
はよ
534 :カムラ ◆MlrGn9DGd2 [sage]:2013/01/28(月) 16:48:52.81 ID:EQgUj75IO
つづきはまだか
図々しいとはおもうけど
気になって気になって…
早く帰ってきてー
よっちゃんいか
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/28(月) 16:51:59.49 ID:D6ZmEj55o
俺はもう諦めた
ヘタレが来ようがどうでもいい
このスレが落ちたら落ちたでその時だ
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/28(月) 17:13:11.45 ID:obpvV4Dmo
まだだ……まだ諦めんぞ
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/03(日) 18:20:01.33 ID:lPUMAurM0
     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
   /:::|  ___|       ∧∧    ∧∧
  /::::_|___|_    ( 。_。).  ( 。_。)
  ||:::::::( ・∀・)     /<▽>  /<▽>
  ||::/ <ヽ∞/>\   |::::::;;;;::/  |::::::;;;;::/
  ||::|   <ヽ/>.- |  |:と),__」   |:と),__」
_..||::|   o  o ...|_ξ|:::::::::|    .|::::::::|
\  \__(久)__/_\::::::|    |:::::::|
.||.i\        、__ノフ \|    |:::::::|
.||ヽ .i\ _ __ ____ __ _.\   |::::::|
.|| ゙ヽ i    ハ i ハ i ハ i ハ |  し'_つ
.||   ゙|i〜^~^〜^~^〜^~^〜
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 20:28:17.47 ID:iwuBbRqIO
やいやいヘタレ
3ヶ月更新無しで報告されちまったぞ
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 22:17:43.06 ID:pf8N71mso
お前は出来るヘタレだと信じてる
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/26(火) 23:48:46.96 ID:/mxNy69Y0
生存報告ぐらいしたらどうだヘタレ
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 00:30:54.10 ID:vgQJE1Wlo
このまま終わるなんて許さないぞ…
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