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唯「song for…」 -
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1 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 02:50:50.82 ID:kvif4qTAO
・けいおん×鰤×DTB みたいな
・初書き
・駄文
以上を断っておきます
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
[
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]: ID:???
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4日も埋まらないということは @ 2025/07/22(火) 00:48:35.91 ID:b9MtQNrio
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1753112915/
クリスタ「かわいいだけじゃだめですか?」 @ 2025/07/19(土) 08:45:13.17 ID:AK1WfFLxO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752882313/
八幡「新はまち劇場」【俺ガイル】Part1 @ 2025/07/19(土) 06:35:32.67 ID:BGCulupRO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752874532/
【安価・コンマ】力と魔法が支配した世界で【二次創作】 @ 2025/07/18(金) 23:44:57.84 ID:Xc8IdKRvO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752849897/
どかーんと一発 @ 2025/07/18(金) 21:10:10.35 ID:CEsRuBor0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752840609/
冒険者育成学校 @ 2025/07/18(金) 01:36:01.28 ID:PkrtUMnv0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752770160/
たてづらい部!! @ 2025/07/17(木) 23:24:46.15 ID:o3A0TqwG0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752762285/
ゼンレスゾーン淫夢要素ゼロ @ 2025/07/16(水) 18:57:50.86 ID:RQSyJ1Qxo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752659870/
2 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 03:12:55.53 ID:kvif4qTAO
・唯視点、二年時7月頃
−−朝、目が覚めた。
普段通りなら私を起こしてくれるのは妹の憂なのだが、今日は以外な人物だった。
梓「唯先輩、起きてください!学校、遅刻しますよ!」
唯「……えっ、あずにゃん!?なんでうちにいるの?」
梓「私にもさっぱり分かりません。朝、目が覚めたら……その……唯先輩のベッドに///………と、とりあえず急いでください!もうすぐ8時ですよ!」
私達は急いで学校へ行く準備をし、出発した。
唯(玄関に憂の靴はなかった……ってことは、憂は先に行っちゃったのかな?)
梓「唯先輩、何してるんですか?急いでくださいよ!」
3 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 03:29:53.54 ID:kvif4qTAO
こうもんまえ!
唯「あ、律ちゃんたちだ!」オハヨー
律「お、唯に梓!二人そろって登校ってことは、何かあったのかしらん、唯隊員?」オッハヨーン
梓「そ、そんなわけないじゃないですか!!変なこと言わないでください!……ってゆーか、律先輩も遅刻しますよ?」オハヨウゴザイマス
澪「わっ、もうこんな時間じゃないか!律、お前が寝坊したからこんなことに……」オハヨウ
紬「あら、別にいいんじゃないかしら?私、遅刻して廊下に立たされるのが夢だったの〜」オハヨー
澪「いいわけないだろー!ホラ、みんな急ぐz……」
ドゴオオオオォォォン!!!
唯梓律澪紬「!」
唯「が、学校が………」
律「爆発……した………?」
4 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 03:53:23.36 ID:kvif4qTAO
爆発したのは校門から見て正面の建物の三階部分だった
?「桜ヶ丘高校は我々が制圧した。今をもって我々の支配下だ」
スピーカーを媒介に、何者かが宣言した
紬「この声って……」
律「ムギも気付いたか……」
唯「姫子ちゃんだよね!?」
梓「とりあえず、どうしますか?」
律「今学校に入るのは危険だ。“我々”ってのから相手は複数いるみたいだし……ここは引き返そう……」
唯「待ってよ、学校には憂がいるかもしれないんだよっ!それに、ほかのみんなも!」
律「私たちが行ってもどうにかなる問題じゃないだろ!?ここはいったん…」ウゥーン ウゥーン
梓「律先輩、パトカーが来ましたよ!…あっ!」
騒ぎに駆け付けたパトカーは、桜高敷地内に入ると同時に姿を消した
律「ど、どうなってんだこりゃ?もうわけわかんねー!」
紬「お願い、繋がってよ!」ケータイピポパポ
「……ダメだわ。繋がらない」
梓「ムギ先輩、誰に電話かけてたんですか?」
紬「家の者よ。けど、全然繋がらないの。琴吹家専用回線なのに…」
律「とにかく、ここを離れよう!」
5 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 04:02:15.71 ID:kvif4qTAO
キキィー!
立ち去らんとする一同の前に車が一台立ちはだかる
唯「さ、さわちゃん先生!」
さ「みんな無事ね!?すぐ乗って、急いで!」
何かと戦闘を行ったかのようにボロボロのさわ子に促され、皆は車に乗り込む
澪「」
梓「ちょ、ちょっとしっかりしてくださいよ、澪先輩!」
律「なんてこった、立ったまま気絶してやがる」
さ「早くしてっ!じゃないと追っ手が…」
?「もう遅いよ」
6 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 04:36:52.64 ID:kvif4qTAO
梓「純!無事だったの?」
紬「あ、梓…あの子様子がヘンじゃない?」
梓「ヘンって、まあ確かにモップもってはいますけど」
純は手にしたモップを構えた
純「荒らぶれ、二つの嵐―デュアルストーム―!」
純のまわりに突如、強風が吹き荒れ、その後モップの代わりに刀を手にした純が現れた
梓「何コレ、どうしちゃったの純!」
純「あんたは何も知らなくていい、何も知らないままきえな!」
ガキイィィン
さ「かわいい教え子に手はださせやしないわよ」
同じく刀をもったさわ子が純の一撃を防ぐ
梓「先生!」
さ「今のうちに、早く!」
純「よそ見してていいんですか?今のあなたなら私にでも…」
さ「あら、ずいぶんとナメられたものね。でも、あなた程度じゃ今の私の相手にはならないわ」
純「!」
瞬間移動のごとく純の背後に移動したさわ子は刀の背で純を気絶させた
さ「さて、早くここを離れないと…」
7 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 05:03:03.50 ID:kvif4qTAO
しゃない!
律「さわちゃん、これってどういう…」
さ「聞きたいことは分かってるわ。でも、話はどこか安全なところに着いてから」
紬「はい、はーい、それなら、うちの地下シェルターを使ってください。」
梓「地下シェルターって」
律「ホントどんだけ金持ちなんだよ…」
唯「…」
さ「その地下シェルターに行く前に、みんなの楽器が必要なのよ」
梓「楽器…ですか?」
律「でもさわちゃん、あたしのドラムは学校なんだぜ。」
紬「私のキーボードも…」
梓「私のむったんは家にあります。今日部活休みなので…」
澪「」
律「まだ気絶してんのか。みーおーちゅわ〜ん!」
澪「」
律「…縞パン…」
ゴチン☆
澪「律!」
律「いて〜」アタマナデナデ
紬「よかったわ〜、澪ちゃん起きて」
さ「澪ちゃん、今あなたのベースはどこにあるのかしら?」
澪「ベース…ですか?家にありますけど」
梓「唯先輩はギター、家にありましたよね?」
唯「…」
梓「唯…先輩?」
唯「えっ?あっ、ごめん。で、なんだっけ?」
律「も〜、しっかりしろよな、唯。唯のギターは家にあるんだよな?」
唯「うん。そーだよ」
さ「じゃあ、唯ちゃんと澪ちゃんの家に向かってとばすわよー!」
澪「ヒイィィ」
律「道路交通法は守れよな!」
8 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 05:26:01.47 ID:kvif4qTAO
きゅうけい!
9 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 05:38:40.26 ID:kvif4qTAO
直書きなのでだらだらさいかい
もし見てる人いたら軽く反応してほしい
孤独はつらい
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/27(水) 05:53:25.90 ID:u7aORTUSO
見てるよ
始まったばかりなんでまだ感想ないけど期待してる
11 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 05:55:17.74 ID:kvif4qTAO
しぇるたー!
さわ子「学校で何が起こったのか、私の分かる範囲で教えるわ」
「今学校は各部活のエース達を中心とした集団に乗っとられているわ。」
律澪紬唯梓「!」
さわ子「彼女たちは突然職員室を襲撃し、そこからすべてを制圧したのよ」
梓「まさか、さっきの純みたいな力で先生方を…」
さわ子「みんな生きてはいるけど、どこかへ連れていかれたわ」
「彼女たちと同じ力を使える私だけは、何とか逃げることができたんだけど…」
唯「先生!私、憂や和ちゃん、みんなを救える力がほしいです!」
律「あたしも!」
梓「私もです!」
紬「どんとこいです!」
澪「わ、私だって!」
さわ子「…そうね、みんなならそう言ってくれると思ったわ。そのつもりで楽器を用意してもらったんですもの」
12 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 06:09:28.87 ID:kvif4qTAO
律「さっきから気になってたんだが、私たちが戦うには、楽器が必要ってことなのか?」
さわ子「これから説明するわ」
「私のように楽器で戦う人は“演奏者(アーティスト)”、体育会系の道具、その他諸々で戦う人は“演舞者(アスリート)”と呼ばれているわ」
澪「じゃあ私たちは“アーティスト”のほうなんだな」
さわ子「その通り。どちらも同じく、自分の一番扱い馴れている道具に自身の魂を込めて戦うのよ」
律「魂を込めるったって…一体どうすりゃいいんだ?」
さわ子「何言ってるの?だから、文字通り楽器に魂を込めるのよ」
律澪紬唯梓「え?」
13 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 06:31:09.01 ID:kvif4qTAO
さわ子「つまり、こういうこと!」
さわ子は自らのギターを刀へと変え、澪に切りかかった
澪「ひえぇぇぇ」
律「澪!」
澪は手にもっていたベースでとっさにガードしたが、ベースは真っ二つに切り裂かれた
澪「エ、エリザベスが…」
律「いきなり何すんだよ、さわちゃん!」
さわ子「何って、特訓よ…命がけのね」
「あなたたちに戦う“覚悟”がないのなら、いますぐ立ち去りなさい、邪魔よ」
律「くそっ…澪、お前は逃げろ!」
澪「エリザベスが…」
律「おい、澪!」
さわ子「立ち去らないってことは、死ぬ覚悟はあるのかしらね、澪ちゃん?」
さわ子は地面にへたりこんで座っている澪の前に移動し、刀を振り上げた
14 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 06:48:36.62 ID:kvif4qTAO
律紬唯梓「澪(ちゃぁん)!」
キイイイイン
さわ子「!」
さわ子の一振りは澪の刀によって防がれた
澪「よくも…よくもエリザベスをおォォォ!」
澪の周囲に紫のオーラが渦巻く
澪「舞い踊れ、エリザベス!」
辺り一帯が紫の光に輝き、その後そこには見慣れぬ服装の澪がいた(Don't say lazy 参照)
さわ子「合格よ、澪ちゃん」
律「やったな、澪!」
梓「やりましたね、澪先輩!」
唯「すごいよ、澪ちゃん!」
紬「おめでとう、澪ちゃん!」
澪「え、え?私…一体…あれ、これエリザベス?」
澪は白銀の輝きを放つ刀を手にしていた
15 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 06:56:32.62 ID:kvif4qTAO
さわ子「それが楽器戦闘戦術“始響”。つまり澪ちゃん、あなたの楽器の本来の姿よ」
澪「でも、私のエリザベスはさっき先生に壊されて…」
さわ子「あなたが楽器のことを強く思い、それに楽器がこたえた。それだけのことよ。」
梓「エリザベス、澪先輩みたいにすごくきれいです」
澪「や、やめてくれよ梓…///」
唯「…さわちゃん、次は私だよっ」
さわ子「その心意気やよしっ、いくわよ!」
16 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 06:57:24.45 ID:kvif4qTAO
せいとかいしつ!
生徒会室には6人の生徒が集まっていた
和「そうなんだ、それじゃ私生徒会室行くね」
姫子「真鍋さん、生徒会室ここだから…」
瀧エリ「ってゆーか逃げちゃったね、軽音部。どう責任とるの、ジャズ研部?」
純「申し訳ありません…次こそは必ず…」
いちご「…足止めにすら使えない…」
純「くっ…」
信代「わざわざ来てやったんだから、さっさと始めよーや」
和「そうね、それではこれから“部長会議”をはじめるわ!」
17 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 07:06:57.67 ID:kvif4qTAO
純「あの…私全然部長とかじゃないんですけど…」
姫子「奇遇ね、私もよ」
瀧エリ「私も私もー」
信代「強いヤツが上に立つのに理由はいらん。そういうことやろ会長さん?」
和「ええ、その通りよ。では、本題に入るわよ。まず、山中さわ子が軽音部と接触した。これはマズイわね。」
姫子「唯たちがアーティストに目覚めるってこと?」
信代「心配無用!あんたらは知らんが、軽音部ごときあたしの相手にはならんわ」
いちご「はい、フラグ」
和「今後、軽音部一同が攻めてくることは間違いないわ。それぞれ心構えはしておいて、以上よ!」
瀧エリ「フフ…面白いことになりそうな予感♪」
18 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 07:15:13.76 ID:kvif4qTAO
さくらこうまえ!
――数時間後、唯たちは桜高を取り戻すべく、再び学校にきていた
唯(ムギちゃんはシェルターで、特訓で疲労したさわちゃんを介抱してる。今、私たちは4人…)
律「みんな、今さらだが覚悟は出来てるよな?」
梓「もちろんです!」
澪「当たり前だろ!」
唯「いつでもいいよ!」
19 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 07:22:29.02 ID:kvif4qTAO
唯(律ちゃんはドラムが部室にあるから、まだ戦闘は参加できない)
律「それじゃーまず、部室目指していくぜー!」
澪「あ、待てっ、律!」
律が先頭をきって校門から先へ進んだ瞬間、律の姿が消えた
梓「これって、この前のパトカーと同じ…」
唯「そんな…じゃあ律ちゃんは…」
澪「うそ…だよな……律ーー!」
20 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 07:30:51.48 ID:kvif4qTAO
律「はーい、律ちゃんだよ〜ん!」
澪唯梓「!」
律「どしたー、みんなしてそんな驚いて?」
梓「…一体どこ行ってたんですか?」
律「普通に学校に入っていったら、何故か裏門にでちまっててな。いや〜まいったよ」テヘ
澪「心配したんだぞ、律!」
唯「そうだよ律ちゃん、かってに進んでいかないでよ〜」
律「唯にそんなこと言われるとはな〜、でもあたしはこのと〜りピンピンしてっから、気を取り直して進もーぜ!」
21 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 07:43:51.49 ID:kvif4qTAO
梓「でも、パトカーや律先輩が消えるこの現象、どうなってるんでしょう?…結界か何かでしょうか…」
澪「結界、か。なら私に任せてくれ。“舞い踊れ エリザベス”!」
澪がエリザベスを取り出し、解放する
澪「エリザベス、私たちを導いてくれ!」
澪が刀をかかげると、白銀の光が強く輝いた
澪「はああああっ!」
そのまま校門へエリザベスを一振りすると、何もないはずの空間にひびが入り、砕け散った
澪「よし、行こう!」
22 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 07:45:07.01 ID:kvif4qTAO
とりあえず、ここで中断
見てくれた人、ありがとう
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/27(水) 11:20:45.38 ID:aJ2cbw4b0
バトル物に飢えてるから期待
24 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 20:41:39.91 ID:kvif4qTAO
ちょいと投下
25 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 20:45:37.63 ID:kvif4qTAO
訂正とお詫び
>>14
における澪の服装について
(Don't say lazy 参照)⇒
(NO, Thank you 参照)
このような不備があったこと、本当に…………すまないと思ってる
26 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 20:47:55.81 ID:kvif4qTAO
せいとかいしつ!
いちご「結界が破られた…」
姫子「え、もうきちゃったの?以外と早いわね」
瀧エリ「最初は誰がいく?」
和「まだ誰も行くべきじゃないでしょ。手数はこちらが上。唯たちが消耗してからが私たちの出番よ」
信代「つまらんのう。あたしゃとにかく暴れたいってのに…」
27 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 20:51:58.18 ID:kvif4qTAO
こうてい!
律「あちゃー、いきなりお出迎えかー」
モブA「来たな軽音部!」
モブB「あなたたちはここで止める」
澪「悪いけど、ここは通してもらうよ」
モブC「あなたたちの強さはわからないけど、頭数はこちらが上!」
モブD「つまり、ウチら絶対的有利!」
梓「なら喋ってないで、さっさとかってきたらどうですか?」
モブAtoZ「うおおおおおお!」
梓「“鳴け ムスタング”!」
梓はムスタングの弦を鳴らし、解放した。
解放した梓の楽器は単刀だったが、背丈の小さな梓からしてみればちょうどの大きさの武器だった。
また、澪同様に服装がかわっていた(NO, Thank you 参照)
梓「やって…やるです!」
28 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 20:53:35.96 ID:kvif4qTAO
梓はモブの大群に一人でたち向かっていった
梓「遅すぎる…みんな止まって見えるです!」ヒュン
モブA「ぐは!」ドスッ
モブB「かはっ!」ドカッ
モブC「ぐへっ!」バキッ
モブD「げろっ!」ポスッ
始響したムスタングの能力で梓は光速とも言える速さを手に入れていた
モブ程度の力では梓の姿をとらえられる者はいなかった
梓「まだまだいくですっ!」
29 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 20:54:19.13 ID:kvif4qTAO
唯「すごいねあずにゃん、一人であんなに倒しちゃったよ」
モブE以下「」
律「さっすが梓!部長としては鼻が高いぜっ」エッヘン
澪「どうしてお前がいばるんだ」
梓「みなさん、ふざけてないで先を急ぎましょう!」
30 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 20:56:35.93 ID:kvif4qTAO
こうない!
律澪唯梓タッタッタッ
梓(さっきの戦闘で…ちょっとバテたのかな…ちょっと体が重いや)
澪(おかしい…校舎前では数で攻めてきたのに、校舎の中は誰ひとりてしてけはいがない…)
唯「部室までは簡単にいけそうだね!」
律「もしかしたら梓にビビってみんな逃げたのかもな!」
梓「油断しないでくださいよ、唯先輩、律先輩」
澪「そうだぞ。敵が襲ってこないこの状況、逆におかしいんだからな」
純「さすがは澪先輩ですね」
律澪唯「!」
梓「純!」
モップを構えた純が立ちはだかる
31 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2011/07/27(水) 21:44:34.35 ID:nyeMBO/AO
スレタイでリトバスかと思った……
32 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 22:25:17.69 ID:kvif4qTAO
ちょっと書き溜めてた
投下再開しまんぬ
33 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 22:26:00.66 ID:kvif4qTAO
ちょっと書き溜めてた
投下再開しまんぬ
34 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 22:29:13.87 ID:kvif4qTAO
純(ここで汚名返上しないと…)
純「あなたたちの侵入、ここで阻止します!」
「荒らぶれ 二重の嵐―デュアルストーム―!」
梓「待ってよ純、何で私たちが戦わなくちゃいけないの!?」
純「あんた、ホントに何でかわからないの?」
梓「えっ、どういう…」
純「もういい、とにかく私はあんたをたおす!」ダッ
梓「くっ、しかたない…」
「鳴け ムスタン…」
(は、速いっ…!)
純「もらったぁ!」
唯「あずにゃん!」
35 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 22:30:02.52 ID:kvif4qTAO
キイイイン
唯「ふ〜ギリギリセーフだよー」
純(な…解放なしで私のスピードについてこれるなんてっ)
梓「もう、唯先輩はまだちゃんと楽器を解放できないんだから、さがっててください!」
「…でも、助かりました。ありがとうございます」
唯「エヘヘ、あずにゃんが無事でよかったよ」
36 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 22:32:57.00 ID:kvif4qTAO
梓「先輩方、ここは私に任せて先に行ってください」
律「何言ってんだ、梓も今、田中さんのスピード見ただろ…」
純スズキデス!
律「それにさっきの戦闘で体力消耗してるんじゃないのか?今の梓じゃぁ…」
梓「楽器ももってない律先輩に言われたくないです」
梓「それに、純は私の大切な友達です。私の力で純を助けたいんです!」
唯「あずにゃん…」
律「そっか、いこうみんな」
澪「ああ」
37 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 22:34:05.51 ID:kvif4qTAO
律「梓…一つだけ約束しろ」
梓「…?」
律「絶対死ぬな!!!」
梓「言われるまでもないです!」
純「逃がしはしませんよ!」ダッ
梓「純の相手は私だよっ」
「“鳴け ムスタング”!」
ゴオオオオォ
純(!…なにこの気圧※。さっきの戦闘で消耗してるはずなのに…)
「いいよ、おもしろそうじゃん…あずさあああぁ!!」ダッ
38 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 22:35:17.63 ID:kvif4qTAO
※気圧=ちからのバロメータ
39 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/27(水) 22:36:12.88 ID:7bzEqDkDO
せめて音圧に…ww
40 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 22:36:43.86 ID:kvif4qTAO
ろうか!
律澪唯タッタッタッ
律「もうすぐ部室だ、ついに…あたしにも楽器がっ!」
澪「楽器を手に入れたからって、すぐに解放できるわけじゃないんだからな」
律「へへ〜ん、私だってすぐに始響してやるもんねー!」
唯「でも私のギー太みたいに刀にはなるのに、解放できなかったりしてね〜」
41 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 22:41:00.70 ID:kvif4qTAO
律「ギク!でもそこは気合でカバーだ、唯隊員!」
唯「おっす、律ちゃん隊員!」
澪「…フフ」
唯「どーしたの、澪ちゃん?」
澪「いや、こんな状況でも唯も律も代わらないなって」
律「そういや澪はいつもはこんな時、『ミエナイ キコエナイ』ってビビっちまうのにな〜」
澪「り、律ぅ…」
唯「あはは、澪ちゃん頼もしくなったよね〜」
澪「そ、そうかな///」
律「しゃべりながら走ってる間にとうちゃ〜……く…」
42 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 22:43:21.57 ID:kvif4qTAO
信代「やっときたか、待ちくたびれたよ」
部室の入口前に信代が仁王立ちしていた
澪「さがってろ、律、唯」
唯「でも澪ちゃん、私も一応戦えるよ?」
澪「わかるんだ…解放なしじゃコイツには勝てない…」
信代「よく分かってるじゃん、澪。確かに、あたしの気圧は化け物級だよっ!」
ゴゴゴゴゴゴ
律「くそっ、なんだよコレ!」
唯「なんか、押し潰されそうだよ」
澪「気圧だけで…こんな…」
43 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/27(水) 22:43:23.73 ID:liiD+7ASO
ここに似たような、けいおんキャラがバトルするSSあったな
44 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 22:44:42.11 ID:kvif4qTAO
信代「え、もう終わりなの?」
澪「そんなわけ、あるかー!」
「“舞い踊れ エリザベス”」
ゴゴゴゴゴ
澪(くっ、解放してもすべての気圧は押し返せないか…なら)
澪は白銀刀・エリザベスを構えなおした
澪「月光昇波!」
信代「あぁ?」
切り上げたエリザベスから放たれた白銀の衝撃波が信代を飲み込む。
同時に部室の扉も破壊した
澪「今だ律、早くドラムを…」
ズバッ!
唯「澪ちゃん!」
律「澪ーーー!」
信代「ハッ、まずは一匹…」
45 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 22:46:02.60 ID:kvif4qTAO
信代は衝撃波を受けてなお、倒れることなく澪に向かっていき斬撃を繰り出したのだ。
信代「次はどっちが楽しませくれるんだ?」
唯「私が相手だよっ!」
唯は解放していないギブソンレスポールのギターを構えて信代と対峙する
唯「律ちゃん、今のうちにドラムをっ」
律「すまない、唯」タッタッタッ
46 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 22:48:13.75 ID:kvif4qTAO
唯(澪ちゃんがやられた今、私が何とかしないと!)
信代「平沢…意気込みだけは認めてあげるけど、あんたじゃ…」
「力不足なんだよ!」ダッ
唯「あわわっ!」
ガキイィン!
信代(!…ただのギターで私の斬撃を防いだだと!?)
唯「信代ちゃんの攻撃、おもすぎるよ〜」
信代「ブチッ」
「平沢…今なんて言った?」
唯「え?だから、信代ちゃんの攻撃がおもいって…」
信代「ウオオオオオ!ひ〜ら〜さ〜わ〜!!!」
ゴゴゴゴゴゴ!!
唯「え、え?信代ちゃんがムキムキに…なんで!?」
47 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 22:48:52.96 ID:kvif4qTAO
せいとかいしつ!
姫子「校舎が揺れてるわね…それに、この気圧」
和「信代ね…まったく、喧嘩っ早いんだから」
いちご「これだから野蛮人は…」
瀧エリ「でもこれで軽音部も終わりね♪」
48 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 22:55:06.50 ID:kvif4qTAO
>>43
二番煎じですいません
バトルものがあったようなのは自分も知ってます
49 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 22:56:12.25 ID:kvif4qTAO
ぶしつ!
律(あったあった、あたしのドラムー♪)
(…でも、一体どうすりゃドラムを解放でかるんだ?)
ゴゴゴゴゴゴ
律(じ、地震か!?いや、これは…まさか信代か?……唯が危ない!)
(こうなりゃぶっつけ本番だ!)
律「ウォォオ!!!」ドコドコドンドン
50 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 22:58:22.50 ID:kvif4qTAO
律が勢いよくドラムをたたくと、ドラムセットが輝きはじめた
ぶしつまえ!
唯ゼーハーゼーハー
信代「あんたは禁句を言ってしまったんだ。すぐに楽にはしてあげないよっ」ミギフック
唯「うわっ!」ドン
信代のすさまじい威力の打撃で唯は壁にたたき付けられる。
信代は刀ではなく素手で唯を痛め付けていた
信代「でも、そろそろ終わりにしてあげてもいっかな…」
「“酔い潰せ 酒神―バッカス―”」
信代はいったん酒ビンへと姿を戻した刀を掲げ、力を解放する。
信代の周囲を桃色の気圧が渦巻く
51 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 22:59:35.06 ID:kvif4qTAO
信代「よかったな、平沢。もうすぐで楽になるぞ」
唯「私は…みんなを助けなきゃいけないんだ…こんなところで…」ゼーハーゼーハー
(あ…れ…なんだか眠くなって…)フラッ
信代「私の“バッカス”は解放と同時に周囲に催眠ガスをまく力があってな…」
「そのガスが相手を永眠させてくれるんだな!終わりだ平沢!」
唯(意識が…だんだん遠く…)
ドゴオオォン!
唯(!)
信代「あ?何だぁ?」
52 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 23:00:26.00 ID:kvif4qTAO
土煙りをあげて部室のほうで爆発がおこる
爆風で信代の催眠ガスは吹き飛んだ
律「待たせたな、唯」
土煙りがあがるとそこには、大剣を背負い若干短めのソードを手にした律がいた
やはり服装は(NO, Thank you 参照)である
唯「り、律ちゃん?」
トレードマークのカチューシャを外し、フードをかぶっている律は一歩ずつゆっくり信代に近付く
53 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 23:01:06.71 ID:kvif4qTAO
律「ウチの部員がずいぶん世話になったなぁ…信代!」
信代「やっと骨のあるヤツと戦えそうでうれしいよ、律」
信代は刀に力を込め、振り上げる
信代「くらいな、“バッカス”!」ゴオオオ
先程の催眠ガスが律を襲う
律「ムダ」シュン
信代「!」
律は一瞬のうちに信代の後ろをとる
信代「チィッ!」ブンッ
律「だから、そんな攻撃あたんないって」カワシ
信代(さすがは部長クラスってところか…速いな。だが…)ダッ
唯「!」
54 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 23:02:52.03 ID:kvif4qTAO
信代(平沢を人質にすりゃ、律も攻撃できまい!)ダッ
律「しまった!唯!」シュン
信代(もう遅い!)ダダダッ
(…なに!?)
スバッ!
信代「お前は…さっき確かに…」
55 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 23:10:28.15 ID:kvif4qTAO
澪「たおしたとでも…思ったのか?」
間一髪、唯と信代の間に澪が割って入っていた
澪「白銀の変わり身―ミラージュ・イミテーション―…エリザベスの能力で信代の攻撃をかわしていたのさ」
信代「こざかしマネを!」
56 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 23:11:09.86 ID:kvif4qTAO
律「無事だったんだな、澪!」
澪「ああ、心配かけてすまない」
唯「澪ちゃ〜ん、もっと早く助けにきてよ〜」ヘナヘナ
澪「唯も、すまなかったな」
「あの能力を使うとき、体が霧状になってしばらくもどれなくなるんだよ」ゴメンナ
57 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 23:12:31.17 ID:kvif4qTAO
信代「あ〜イライラするな、オマエらよおおお!!!!」ゴオオオオ!
信代の気圧がさらに上昇する
律「澪、唯。ちょっとさがっててくれないか」
澪「律…いけるのか?」
律「正直わかんねー。けど、やってやるさ!」ニシシ
唯「気合いだよっ、律ちゃん隊員!」
律「おう、唯隊員!」
58 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 23:14:04.29 ID:kvif4qTAO
信代「ヒャッハー!いくぜェェェ!!」ダッ
律「信代…お前に仲間はやらせはしない」
「“照らせ 太陽鼓舞―アポロンドラム―”!」
律はソードを腰に戻し、背にした大剣をかまえた
大剣は炎を纏っていた
律「うおおおおお!」ダッ
澪「…え?ちょ待て律、アルコールに炎はっ!」
律「…あっ」
ドガアアアァァン!!!
軽音部部室が吹き飛んだ…
59 :
も
[saga]:2011/07/27(水) 23:16:14.87 ID:kvif4qTAO
ストックぜろ
溜めてくる
60 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 02:31:31.20 ID:WZOPgr/AO
オレ、参上!!!
61 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 02:33:10.13 ID:WZOPgr/AO
ちょっとまえ!
梓ハァ、ハァ
純「あきらめなよ、梓。」
「あたしの“デュアルストーム”で作った竜巻の壁がある限り、あんたがいくら攻撃しようとムダなんだよ!」
純(梓の気圧、上がりはしたけどどうやら問題ないみたい)
梓「あきらめるわけ…ないじゃん」
「ここで私があきらめたら誰がみんなや…」
「『純を助けるの?』」
純「!」
梓「純は本意でこんなことしてるんじゃないでしょ?」
純「くっ…」
梓「こんなこと、もうやめようよ!」
62 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 02:34:24.27 ID:WZOPgr/AO
純「…あんたに」
梓「?」
純「梓に何がわかるっていうんだよー!」
純はベースを取り出し、叫んだ
純「“音解”!!!」
純のベースに凄まじいエネルギーが集まる
純「切風ノ太刀」
純は刀でもベースでもなく、太刀を構えていた
梓「音…解…?」
純「そうさ梓。音解の領域に至った者は同じ音解でしかたおせない。」
「つまり、あんたはここまでってこと。いくよっ」
63 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 02:36:29.67 ID:WZOPgr/AO
梓「くっ!」
梓は全神経を集中させて身構える
純「はああああ!」
純が太刀を振り上げると、太刀に風が集まる
純「大カマイタチ!!!」ブオン!
梓(マズイ、かわさないと!)シュン
太刀が振り下ろされ、突風が梓を襲う
純「この風から逃げ切れると思うな!」ブオン
梓(ギリギリ逃げられ…)
純(もらい!)
梓「きゃあああー!」ズバズバズバッ
梓の左腕を風がかすめる
その左腕の至る所に切り傷が見られた
64 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 02:37:42.50 ID:WZOPgr/AO
梓「うっ…く…」
純「あーずさ、そんなこわい顔して睨まないでよ」
梓は左腕をおさえ、純を睨みつける
梓(追いつかれた!…このままじゃやられる)
純「それじゃ、これで…バイバイ!」
ドガアアアァァン!
梓純「!」
純がとどめをさそうとした瞬間、凄まじい爆発音が鳴り響いた
純(この爆発音…軽音部の部室からか…)
梓(スキができた!今のうちに)シュン
純「あっ、逃げやがったな!」
65 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 02:38:39.73 ID:WZOPgr/AO
もとぶしつ!
律「いやー、まいったよホント!」ボロ
澪「っじゃないだろ、律!」ゴチン☆
律「あいてー、いたいよー唯ー」
唯「よしよし、律ちゃん」
澪「まったく、おかげでみんなボロボロだし、部室が吹き飛んだじゃないか!」
?タッタッタッ
律澪唯「!」
梓「先輩!大丈夫で…って、エェー!?」
66 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 02:40:00.37 ID:WZOPgr/AO
澪「………というわけなんだ」
梓「と、トンちゃんは!?」
d「ぷくぷく」
梓「よかった…」ホッ
d「ホントによかったわい」
律澪唯梓「トンちゃんが…しゃべったーーー!?」
律「なーんてな、あたしでしたー!」
梓「紛らわしことするなです!」
67 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 02:42:03.10 ID:WZOPgr/AO
澪「…そんなことより、これからどうする?」
唯「みんなボロボロだから、今は動かないほうがいいよね!」
梓「もしボロボロじゃなくても、むやみに動かないほうがいいと思います」
律「梓によると鈴木さん…だっけ?どうやら向こうはまだ私たちの知らない力をもってるみたいだしな」
唯「音解は音解じゃないとたおせない、って…」
梓「唯先輩はまず始響から習得してください!」
唯「がーん!」
澪「そうだな、でも私たちも今より強くならなきゃいけないんだよな…」
68 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 02:43:08.78 ID:WZOPgr/AO
梓「音解…始響ですら難しかったのに、一体どうやって…」
律「何をするにもまず回復が先だ!保健室に向かおうぜ!」
唯「でもまた待ち伏せされてないかな?」
律「例え誰が相手でも私たちは前に進むしかないんだ!そうだろ?」
唯「…うん、そうだねっ!」
澪「そうだな!」
梓「律先輩も、たまにはいいこと言いますね」
律「何だとー、中野ー!」
澪「よし、それじゃ行こうか!」
69 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 03:26:38.97 ID:WZOPgr/AO
ほけんしつ!
紬「みんな〜、いらっしゃ〜い」
律澪唯梓「ム、ムギ(先輩)!」
唯「ムギちゃんいつきたの?」
紬「ついさっきよ。もしかしたらみんなケガをしてここに手当てに来るんじゃないかしらっ、て」
律「ここに来る途中、襲われなかったか?」
紬「え?まあ何人か会ったんだけど〜」
澪「まさか…素手で全員倒したのか?」
紬「〜♪」シャランラシャランラー
70 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 03:28:00.73 ID:WZOPgr/AO
律澪唯梓(ムギ…恐ろしい子!)
律「そーだ、ハイ、ムギのキーボードな」ヨイショ
紬「ありがと〜」
唯「ねえねえ、ムギちゃんの楽器はどんな力をもってるのかな?」
紬「私のキーボードはね…」
「“癒せ 癒しの鍵盤―ヒール・ボード―”」ポロロロロン
唯「わぁ!」
紬がキーボードをひくと癒しの旋律が奏でられた
71 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 03:29:19.68 ID:WZOPgr/AO
紬「“ヒーリング・メロディー”」ポロロロロン
澪「なんだか、あたたかい感じがする…」
梓「癒されるです」
律「傷が…治っていく…」
紬の演奏で4人の傷は完治した
紬「だまっててごめんなさい。実は私、ずっと前からこの能力使えたの〜」
律澪唯梓「エェー!?」
紬「この力のことが知られたら、みんな気味悪がるんじゃないかって…」
唯「そんなわけないよ、ムギちゃん!」
律「そうだぜ!私たち、HTTの絆はそんなもんじゃびくともしないって分かってるだろ?」
澪「それに、今もこうして助けられなんだからな」
梓「ムギ先輩!ありがとうございます!」
紬「みんな…」グスッ
信代「う、う〜ん…」
律「…って、いたのかよー!?いい雰囲気ぶち壊しやがってー!」
72 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 03:30:45.35 ID:WZOPgr/AO
澪「な、な、何でここに信代がいるんだよー!」
唯「エヘヘ…なんと私が連れてきたのです!」フンス
梓「唯先輩なにやってるんですか!」
紬「ちなみに、さっきついでに治しました〜」
信代「う〜ん、あれ?HTT!?」
律澪梓「」ザッ
三人はとっさに身構えたが、信代は暴れる気配をまったく見せない
信代「え?なになにこの状況?なんであたし、武器むけられてるの!?」
律「おいおい。まさか…自分のやったことを忘れたわけじゃないだろうな?」
信代「あたし、何かしたの?」
73 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 03:32:30.56 ID:WZOPgr/AO
澪「………というわけだ」
信代「本当にすいませんでした」ドゲザー
梓「で、いつから記憶がなくなったんですか?」
信代「朝、普段通りに学校について…それから…かな?」
律「遅刻ギリギリだった私たちに影響はないから…」
澪「犯人は……って、特定不可能だな」
紬「犯人捜しは後まわしね」
74 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 03:34:03.46 ID:WZOPgr/AO
唯「それにしても、信代ちゃんに記憶があったら“音解”について何かわかるかもしれなかったんだけどなぁ…」
律「無理言うなよ、唯。なんかお前、焦りすぎてないか?」
唯「そりゃ焦りもするよっ!憂や和ちゃんがどうなってるかもわからないんだよ?早く強くなってみんなを助けなきゃ!」
澪「強くなるのも大切なことだけど、今できることをきっちりやることのほうが大切だぞ」
唯「今の私たちに何ができるっていうの!?」
澪「信代がいるじゃないか」
信代「え…私?」
75 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 03:35:10.18 ID:WZOPgr/AO
今日はもう寝ます
見てくれた人ありがとう!
すみおや〜
76 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/28(木) 16:30:57.94 ID:Tlvdpt+q0
黒幕はやっぱ憂さんか
77 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 20:43:06.05 ID:WZOPgr/AO
投下、開始、開始、開始ィ!
78 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 20:44:15.39 ID:WZOPgr/AO
せいとかいしつ!
純「爆発したのは軽音部部室。もしこのまま信代先輩がもどってこないなら、軽音部に…」
和「そういうことになるわね」
姫子「それはそうと、またあなたしくじったみたいね。どう処罰するの、会長さん?」
純(ギクッ!)
瀧エリ「罰ゲームかな?」
和「そうね、二度も失敗を見逃すわけにはいかないわね…あなたには…」
ガラガラッ「ドア!」
信代「遅れてすいませーん」
和「あら、無事だったみたいね」
79 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 20:45:04.75 ID:WZOPgr/AO
瀧エリ「罰ゲームは〜?」
和「そうね…中島さんのタイミングに免じて無しでいいわ」
純(ホッ)
瀧エリ「つまんな〜い!」
和「で、中島さん、あなた今までどこで何してたのかしら?」
信代「律との戦いのあと、ずっと気絶してました!」
いちご(………)ジトー
信代(ギクッ)
80 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 20:46:17.65 ID:WZOPgr/AO
――――かいそう!
澪「生徒会室に潜入してくれないか?」
信代「私、が?」
唯「でも、どうして生徒会室なの?」
梓「忘れたんですか、唯先輩?さわ子先生が各部の部長クラスの人たちが犯人の中心になってるって言っていらしたじゃないですか!」
唯「おお、そういえばそうだったような気がするよっ!」
81 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 20:48:46.02 ID:WZOPgr/AO
律「…で、どうなんだ信代、頼めるか?」
信代「なんか律たちには迷惑かけちゃったみたいだし、引き受けるよ!」
紬「それじゃあ、この超小型盗聴マイクを付けていってね。」
澪「これで、敵の情報が手に入るかもしれないな!」
律澪唯梓紬「ありがとう、信代!」
―――回想終了
信代(ってなわけで、なんとか生徒会室には入れたけど…)
いちご(…)ジトー
信代(なんかめっちゃ怪しまれてる〜!)
(でも、ひどいことした私を軽音部は許してくれた上に、傷の手当てもしてくれたんだ。なんとかして恩を返さないと!)
和「それで、中島さん?」
信代「は、はいぃぃィイ?」
和「あなた……クビよ」
82 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 20:51:45.13 ID:WZOPgr/AO
信代「…えっ!?」
いちご「出ていく前と様子がちがう。前はかなり荒っぽかった」
姫子「あらら、洗脳が解けてもとにもどっちゃったのね」
瀧エリ「バイバ〜イ♪」
和ユビパッチン
ドア「ドア」ガチャ
モブたち「…」ゾロゾロ
信代「た、助けてー!」
そのままモブたちに連行された信代であった…
83 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 21:05:57.21 ID:WZOPgr/AO
ほけんしつ!
唯「どうしよう!信代ちゃん捕まっちゃったよっ!」
律「助けに行こうぜ!」
澪「落ち着けみんな。このままでいいんだよ…」
梓「どういうことですか…?」
澪「今にわかるさ…」
84 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 21:10:10.31 ID:WZOPgr/AO
『』=盗聴器の音声
モブ『ここでおとなしくしてろ!』ドンッ
信代『うっ…』
モブ『じゃあな!』スタッスタッ
信代『………HQ、HQ。こちら信代、人質たちは…』
『講堂にいますっ!』
梓「なるほど!捕まったみんながいるところに信代先輩を送り込むのが本当の目的だったんですね!」
唯「澪ちゃんあったまいい〜!」
澪「よし、まずは捕まったみんなを助けに行こう!」
85 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 21:11:48.83 ID:WZOPgr/AO
こうどう!
唯たち一行は物影から見張りの様子をうかがっていた
澪「見張りは数人しかいないな…私たちを誘っているのか?」
梓「罠だったとしたら…二手に別れたほうがいいかもしれませんね」
紬「そうかもしれないわね」
唯「じゃあ、どう分ける?」
律「戦力を均等にわけるなら、私と梓、澪と唯とムギ…でどうだ?」
梓「それでいいと思います!」
澪「そうだな」
紬「ええ」
唯「おっす!」
律「なら、私と梓で見張りを引きつける。唯たちはその間にみんなを解放してくれ!解散!」
86 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 21:15:41.11 ID:WZOPgr/AO
見張りA「…ひまだね」
見張りB「ああ…ひまだな」
見張りC「私たち、こんなことしてる意味あるのかな…」
見張りA「そうだな、どうせ私達なんか…」
見張りD「何言ってんだ、あんた達!」
「この世に不必要な役割なんて一つもありはしないんだ!見張りAもBも、大切な役割なんだよ…自分の役割に満足しないからといって手を抜くなど問題外!」
見張りABC「!」
「私達は自分に与えられた仕事を全力でこなさなきゃいけない…違うか!?」
見張りABC「み、見張りD…!」ウルウル
見張りD「よし、わかったならそれでいいn」
律「“照らせ アポロン・ドラム”!」
炎「ゴオオオオオ!」
見張りD「ギャーーー!」
見張りABC「見張りDーーーー!!!」
梓「“鳴け ムスタング”!」シュン
見張りABC「ギャーーーー!!!」
87 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 21:16:36.28 ID:WZOPgr/AO
うらぐち!
唯「律ちゃんたち、うまくやってるみたいだねっ」
澪「今のうちに行こう!」
扉「ギィー」
唯「みんな、助けに来たよ!」
人質ズ「!」
信代「唯!」
澪「みなさん、私たちについてきてください!」
88 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 21:17:29.14 ID:WZOPgr/AO
せいとかいしつ!
和「あらあら、唯たち人質をうまく解放したようね…」
「でも、この学校からは逃がさないわよ。さて、次は誰が行ってくれるのかしら…?」
シ〜ン
和「あら、みんな行っちゃったんだ………さびしいわ…」
89 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 21:23:43.31 ID:WZOPgr/AO
こうどうまえ!
唯(人質の中に憂がいない…)
(憂も…敵になっちゃったのかな…?)
梓「唯先輩!」
唯「ひゃいっ!」ビクッ
梓「もう…ボーっとしないでくださいってば!」
唯「ゴメン、ゴメン」エヘヘ
90 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 21:25:46.15 ID:WZOPgr/AO
梓「…憂のこと、でよね?」
唯「…うん」
梓「確かに講堂の中に憂はいませんでしたが、まだ憂が敵になったと決まったわけじゃありません、希望は捨てないでくださいよ?」
唯「うん、そうだよね。ありがと、あずにゃん!」
唯(そうだよね、憂が敵になるわけないよね!)
律「何してんだ、唯、梓!早いとこ、学校から脱出しようぜ!」
梓「行きましょう、唯先輩」
唯「待ってよ、あずにゃ〜ん!」
91 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 21:26:42.10 ID:WZOPgr/AO
がっこううらぐち!
律「正面口は侵入する時たおしたモブ共が復活してからここに来たわけだが…」
澪「“月光昇波”!」ヒュン
裏門「…」
澪「くそ…効かない!来る時は壊せたのに…」
澪は白銀の衝撃波を放つが、裏門に張られた結界はビクともしない
92 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 21:27:50.48 ID:WZOPgr/AO
いちご「当たり前…術者の私がこんなに近くにいるんだもの」シュン!
律「いちご!」
姫子「いちごだけじゃないよ」シュン!
瀧エリ「私たちもいるんだよ〜♪」シュン!
唯「姫子ちゃん、エリちゃん!」
純「…」シュン!
梓「純まで…!」
いちご、姫子、エリ、純の4人が瞬間移動してきたかのごとく、一瞬で律たちの前に立ちはだかる
93 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 21:30:49.86 ID:WZOPgr/AO
紬「このまま戦えば、助けたみなさんも巻き添えになっちゃうわ」
律「頼む、場所を移してくれないか?」
姫子「いいよ…なんて、言うとでも思う?」
律「やっぱそうだよな…」
いちご「やれ、モップ」
純「…ハイ」
「いくよっ!」タッ
「“音解 風切ノ太刀”!」
純は空中に跳躍し、モップとベースを同時に解放する
94 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 21:32:54.87 ID:WZOPgr/AO
律「…くそっ!」
(こりゃ相当ヤバイな)
澪(どうする…)
紬(どうしましょう…)
唯(例え戦う場所を移しても、相手は多分みんな音解使い…私たちじゃ相手にならないよ)
梓(万事休す……です)
純「くらえ、“大カマイタチ”!」ブン!
風「ヒュオオオ!」
純は地面にいる者たちに突風を浴びせる…
95 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 21:36:09.09 ID:WZOPgr/AO
きゅうけい!
一時間くらい後で再投下するよ!
96 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 23:05:02.83 ID:WZOPgr/AO
さいかい!…の前に追加説明
・この話は唯二年時ってことになってるけど、後々の3‐2のメンバーとHTTは知り合いってことで。
・律ちゃんのドラムの力は全てドラムスティックが根源です。初回の解放時にドラムはドラムスティックに吸収されました
・ムギは力もちなので、キーボードくらい余裕で持ち運べます。ただし、鍵盤の部分だけ持って移動してます
他に疑問点があれば、レスしてくだせぇ
じゃ再開
97 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 23:06:22.00 ID:WZOPgr/AO
姫子「何!?」
瀧エリ「え、ちょっ!?」
いちご「…!?」
純が突風を放った対象は、なんと姫子たちであった
いちご「“淘汰せよ 大自然の結界―エレメンタル・キューブ―”」
いちごが手にしたバトンを解放すると、バトンは姿を消していった
いちご「結界操術―雅(みやび)―」バッ
いちごが両手を前にだすと、純の放った突風をさえぎる新たな風が吹いた
98 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 23:07:06.59 ID:WZOPgr/AO
純「澪先輩、今のうちに門をっ!」
澪「あ、ああ」
澪は再び裏門に向き直る
澪「月光昇波!」
裏門「ガシャーン!」
律「やった、結界を破ったぜ!」
紬「さあみなさん、早く逃げてください!」
信代「頑張ってよな…HTT!」
軽音部は人質全員の解放に成功した
99 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 23:08:34.61 ID:WZOPgr/AO
梓「純……どうして?」
純「勘違いしないでよ。私もあの先輩方が邪魔なわけ。だから今だけ協力してあげるってことよ」
姫子「あんた…私たちを裏切ってタダで済むなんて思ってないでしょうね」
純「わかりきったこと言わないでもらえますか、先輩」
姫子「ナメてんじゃ…ないわよ!」
姫子はバットを取り出しその先端を純に向けた
姫子「“断ち切れ 大蛇鎌―オロチがま―”」ゴオオオオ!
姫子が解放したバットは大鎌の形状となっていた
姫子「あんたの命…刈り取ってやる!」ダッ
純「やれるものなら、ドウソッ!」ダッ
キィン、キィン、キィン!
純の太刀と姫子の鎌が激しくぶつかり合う
100 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 23:09:23.34 ID:WZOPgr/AO
一方、律たち…
律「燃え尽きろー!」ブン!
炎「ゴオオオオ!」
律が炎をまとった大剣を一振りすると、炎がまるで意思をもっているかの如く、いちごめがけて飛んでいく
いちご「結界操術―葵(あおい)!」
水「ザザァー!」
いちごが再び両手を前にかざすと、地面から水が勢いよく噴き出し、水壁となった
炎「ジュウー」
律「チィ!」
いちご「あら、その程度なの、律?」
律の繰り出す炎は水壁によって完全に消されてしまう
101 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 23:10:46.02 ID:WZOPgr/AO
律「なら、コイツはどうだっ?」ブン
炎「ゴオオオオ!」
今度は律の炎が、全方位からいちごに襲いかかる
いちご「律は馬鹿なのかしら。何度やってもムダ!」バッ
水「ザザァー!」
地面から噴き出した水が、球体状となっていちごを包み込む
いちご「ホラね」
律「へへん♪」
いちご「…何がおかしいの?」
律「行け、澪!」
澪「ああ!」バッ
律が操り出した炎の中から澪が飛び出した
澪「月光昇波!」ブン!
いちご「…」
白銀の衝撃波がいちごを襲う
しかし、いちごは避けるそぶりもみせず、微動だにしない
102 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 23:13:16.90 ID:WZOPgr/AO
ドォン!
澪の攻撃で、砂煙りが舞う
律「どーだ、いちご!」
澪「油断するなよ、律」
いちご「少しは考えたようだけど、やっぱりこの程度…」
律澪「!」
砂煙りが晴れると、いちごは澪の攻撃がヒットした場所から一歩も動かずそこにいた
103 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 23:14:20.64 ID:WZOPgr/AO
澪(どういうことだ!?私の攻撃は確かに当たったハズなのに……信代の時みたいに耐えられたのか?)
いちご「澪…それは違う」
澪「!」
(私の考えを読まれた!?)
律「何言って…一体なにをしたんだ、いちご!」
いちご「答えるわけないじゃん」
「結界操術―奈落」バッ
いちごは両手を律と澪のほうへかざした
律「え…なんだよ、コレ!」
澪「目が…見えない!!」
いちご「くたばれ」バッ
いちごが右手を広げると、そこに刀が現れた
律「ぐはっ…」ズバッ
澪「くっ…」ズバッ
律澪バタッ
律と澪は地にふした
104 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 23:15:12.32 ID:WZOPgr/AO
また一方、唯・梓・紬
唯(どうして…どうしてギー太は始響ができないの?)ハァ、ハァ
梓「ハアアアア!」ダッ
瀧エリ「遅いっ♪」マワシゲリ
梓「キャ!」ドカッ
エリは武器を使用せず、素手で戦っていた
紬「梓ちゃん!」
瀧エリ「弱すぎっ♪」
梓「はぁ、はぁ……まだ…まだですっ」ボロボロ
唯(お願いだよ、ギー太…このままじゃ、あずにゃんが…)
105 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 23:16:51.51 ID:WZOPgr/AO
瀧エリ「次は手加減しないよ?」
梓「上等…です!」ハアアアア!
瀧エリ「でこぴ〜ん♪」ググッ
エリは梓の動きを完全に見切り、右手を梓の額の前に出す
梓「」パシン!
尋常ではないデコピンで梓は気絶し、後方へと吹き飛んでいく
紬「梓ちゃあああん!」
唯「あ…あずにゃん…」
「あ……あ………うわあああああ!!!」ズゴオオオオ!
紬「!」
瀧エリ「!」
唯を中心に黒い気圧が渦巻く
106 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 23:18:05.05 ID:WZOPgr/AO
唯「…」ダッ
紬「唯ちゃん!」
唯は右手でギターのネックをもち、エリにまっすぐ突っ込んでいく
瀧エリ「馬鹿みたいに正面から来てるんじゃないよ!」ブン
エリは唯に渾身の右ストレートを放つ
唯「…」バコッ
瀧エリ「へへ♪2人目…なに!?」
唯はエリのストレートを左手で防ぎ、エリの拳をつかむ
唯「うあああああ!!」ブン!
瀧エリ「」ドゴォン!
唯が振り下ろしたギターはエリの頭にヒットした…
107 :
も
[saga]:2011/07/28(木) 23:25:59.65 ID:WZOPgr/AO
今日はここでおしまいなんだ
明日、あさってが忙しくなるんだ。
だから次はあさっての夜に再開するよ
今気付いたことなんだけど、SS書くのってけっこうきついっす
書き手にとっての滋養強壮剤は読み手のレスだと思うんす
正直みんなのレス欲しいっす
あつかましくてごめんなさい
読んでくれてありがと
おやスミソニアン
108 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/29(金) 04:27:38.96 ID:qGlUmMHDO
DTBものなら単体の他二作には遠く及ばないな、なんて思ってても読んでしまう不思議、初めてとは思えんな。
109 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 20:51:30.34 ID:E6jd98GAO
よこく通り、さいかい!
110 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 20:52:59.42 ID:E6jd98GAO
唯「…」グッ
怒る狂った唯の一撃に倒れたエリに対し、唯は追撃を仕掛けようと片手でエリの髪をつかんで持ち上げる
紬「唯ちゃん、もう止めて!もう…終わったのよ…」
唯「…」スッ
紬を無視してギターを振り上げる唯
唯「…ウルサイ!」ブンッ
紬「唯ちゃ……え!?」
紬には一瞬何が起きたのか理解できなかった
あろうことか、唯は紬に向かってギターを投げ飛ばしたのだ
111 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 20:54:27.85 ID:E6jd98GAO
パシッ!
梓「ひどいじゃ…ないですか……唯…先輩…」ハァ、ハァ
紬「あ、梓ちゃん」
瀕死の状態ながらも意識を取り戻した梓に唯のギターは受け止められる
梓「ムギ先輩…これはどういう…状況なんですか…?」ハァ、ハァ
紬「梓ちゃんが倒されたあと、急に唯ちゃんの様子がおかしくなって…」
梓「今みたいになってる…わけですか…」ハァ、ハァ
(今の私はこんな状態で、ムギ先輩は戦闘には向かない回復タイプ…律先輩と澪先輩はすでにやられちゃったにたいだし…どうする、私……!?)
唯「…」ダッ
梓紬「!」
梓(ヤバイ、唯先輩が突っ込んで来た!)
112 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 20:55:03.54 ID:E6jd98GAO
いちご「結界操術―弾空!」バッ
唯「うぐっ!」バシン!
いちごが唯に両手を向けた瞬間、唯と梓たちの間の空気が唯を弾き飛ばしたかのように唯が吹き飛ぶ
梓「唯先輩!」
紬「唯ちゃん!」
いちご「次は私が相手…」
113 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 20:55:54.62 ID:E6jd98GAO
いちごは両手を唯へ向ける
いちご「結界操術―土固め!」バッ
地面「ガシッ!」
唯の両脇の地面が巨大な手の形に盛り上がり、唯を握り潰す
いちご「まだよ…結界操術―紅(くれない)!」バッ
炎「ゴオオオオ!」
いちごの両手から出た炎が唯に襲いかかる
114 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 20:56:33.74 ID:E6jd98GAO
唯「ハアアアア!!」ゴゴゴゴゴ!
いちご「う、うそ!?」
唯を中心に再び黒い気圧が渦巻き、いちごの攻撃をすべて掻き消す
唯「…」バッ
ギー太「ヒュン!」
梓「あ、ギターが勝手に…」
唯がギターに右手を向けると、梓の手の中にあるギターが唯の手へと飛んでいった
唯「…」パシッ!
いちご(この雰囲気…いつもの唯じゃないわね)
(まるで別の誰かが乗り移ったみたい…)
115 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 20:57:39.62 ID:E6jd98GAO
唯「…フフ……フフフ……アッハッハッハッ!」
梓紬いちご「!」ビクッ
突然発せられた唯の笑い声に3人は何とも言い難い恐怖を感じた
唯「ようやく…この体にも慣れてきたか……さて」
「どうやって死にたい?」ニヤッ
いちご「…!」ジリッ
ギターのネックをつかみ、いちごの方へ向け笑みを浮かべる唯に対し、いちごは思わず後ずさりする
116 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:02:24.38 ID:E6jd98GAO
いちご(今の唯はおそらくパワーアップしている、けど………先手必勝!)
「結界操術―雷k(らいk)」バッ
唯「いーちごちゃん」スッ
いちご「!」
(いつの間に!?)
それはいちごが詠唱し終える直前に起きた
唯はまるで最初からそこにいたかのように、いちごと背中合わせになるようなかたちで、いちごの背後に瞬間移動したのだ
117 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:03:44.94 ID:E6jd98GAO
いちご(馬鹿な…ありえない!)
(私の半径50m以内には相手の動き、思考を完全に見抜く結界がつねに張ってある)
(にも関わらず、感知できなかったなんて…!)
(でも、まだ…)
唯「逃がさないよ♪」グリグリ
唯はいちごの“影”を踏みつける
いちご(っ…まさか!)
唯「バレバレなんだよ…今見えてるテメェが本体じゃねえってことはな!」
「そう、テメェ本体は今“影”の中にいるんだろ?……なら、こうして押さえ付けてやればいいってワケだ」グリグリ
唯はいちごの影を踏みにじるながら、笑みを浮かべていちごを見下す
118 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:07:54.89 ID:E6jd98GAO
いちご「どうしてそれに気付いた?」
唯「テメェが律たちにトドメをさす時さ。ほんの一瞬、テメェが自分の影から出て来るのが見えた…」
いちご(どういう事…?唯はあの時、エリの相手に手一杯でそんな余裕はなかったハズ!)
「…あなた一体、何者なの?」
唯はあいかわらず笑みを浮かべながら、片手でギターを振り上げた
唯「答えるわけ……ないじゃん♪」ブン!
いちご(屈辱ね……!)
衝撃波「ギュオオオオン!!」
青白い衝撃波が容赦なくいちごを襲った…
119 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:09:09.30 ID:E6jd98GAO
唯「今度こそ、あずにゃんたちだヨ♪」ザッ
紬「…!」
梓「ひっ!」
唯は梓と紬に向きなおる
唯「あ…そうそう。中野、オマエには礼を言わなきゃいけなかったな」
梓「…何のことですか」
唯「あずにゃんが倒れたおかげで、この女が怒り狂って負の感情を暴走させたんだ…」
「そこに付け入ることで、オレがコイツの体を乗っ取ったってワケ」
「まだ完全に支配したわけじゃないんだけどね」
梓「そんな…」
紬「あなたは…一体だれなの?」
唯「だれってか?死ぬまえに、お礼として教えておいてあげるヨ♪」
「オレはこの女の相棒……“ギー太”だよッ!」
120 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:11:04.11 ID:E6jd98GAO
梓「なっ…!」
紬「うそ…うそよっ!ギターが意思をもつなんて!」
「それに、唯ちゃんのギターがあなたみたいな人なんて、そんなことあるわけないわっ!」
唯「別に信じなくてもいいんダよ♪」
「死にゆく者たちのことなんか、オレには無関係なんだからね♪」ダッ
梓「…起きてくださいよ、唯、先輩!!!」
《……メテヨ…》
唯(……!)
《…ヤメテヨ…》
唯(…クソ、邪魔するな!)
《ヤメテヨ、ギー太ァァア!!!》
唯「…ッ…グァァァアア!!」ガクッ
121 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:11:57.19 ID:E6jd98GAO
梓紬「!」
唯は立ち止まってギターを手から離した
そして両手で頭を押さえ、ひざまづいた
唯「うっ……クソ…がぁ…………」
「……………………」
唯は地面にうずくまったまま動かない
122 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:13:02.94 ID:E6jd98GAO
紬「唯…ちゃん?」
唯「……………………」
梓「唯先輩?」
唯「……………………」
「……………………」
梓「唯先輩!」
唯「………あ…ず……にゃん?」
梓「唯先輩!」ダッ!
紬「唯ちゃん!」ダッ!
二人は唯のもとへ駆け寄る
梓「う…グス…」ダキッ
唯「ゴメンね、あずにゃん。私、またボ〜っとしてたみたいだよ」
梓「もう……ホントに…ホントに…グスッ……心配…う、うええええん!」
唯「よしよし」ギュウー
その後しばらく梓は唯の腕のなかで目一杯泣いた
123 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:14:59.60 ID:E6jd98GAO
・・・・すうふんご!
唯「落ち着いた?あずにゃん」
梓「…ハイです」
「……その…ありがとうございました」
唯「いいんだよっ!唯おねぇちゃんに何でもまかせなさい!」フンス
梓「フフ…何ですか、それ」
124 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:16:40.60 ID:E6jd98GAO
律「もうすんだのか、梓!」
梓の背後から、律が突然話しかける
梓「にゃっ!…いつからそこにいたんですか!」
律「さっきからいたよん♪」
「いや〜、おアツイふたりを見てたら何か、声かけづらくてな」
「でも、気付かない梓も梓だぞ〜?」
梓「べ、別にそんなのじゃないです!」
律「そんなの、って何だ〜?」
梓「うっ…///」
律「ハハッ!悪かった、悪かった」
紬「梓ちゃんたちが抱き合ってる間に、律ちゃんを治療したのよ〜♪」
梓「もう〜、ムギ先輩まで!」
唯たちと少し離れた所では、紬が澪の治療をしていた
125 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:20:00.00 ID:E6jd98GAO
律「いやー、みんな無事で本当によかった!」
梓「一時はどうなるかと思いましたけどね」
唯「いや〜、面目ない」エヘヘ
律「…そういや、佐々木さん…はどうなったんだ?」
梓「鈴木ですよ、律先輩って…純はまだ戦って…」ダッ!
律「あ!待て梓!お前まだ傷がっ!」
唯「まってよあずにゃん!」
「…うっ!」フラッ
「」バタッ
律「ゆ、唯!どうした、しっかりしろ!」
唯は先の戦闘の疲労で倒れた
126 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:21:51.79 ID:E6jd98GAO
律「ムギッ!」
紬「は、はい!」
律「唯を頼む!」ダッ!
けっこうはなれたばしょ!
純「ゼー、ハァ、ゼー、ハァ」
姫子「きみ、なかなかしぶといわね」
純(姫子先輩の大蛇鎌の能力は…解放中の姫子先輩と目が合えば蛇に睨まれた蛙のごとく、獲物は身動きがとれなくなる)
(つまり今の姫子先輩先輩と目が合えば一貫の終わり)
(わかってたつもりだけど、音解してる私がおされるなんて…まさかここまでとはね…)
127 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:22:34.31 ID:E6jd98GAO
姫子「そろそろ終わりにしてもいいかしら?」ググッ
姫子が鎌を振りかぶる
純(大丈夫…間合いは十分にある)
姫子「ハァッ!」ブン
純(ここまで届くハズは…)
鎌「ギュイーン」
純(伸びたー!?)
128 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:24:02.61 ID:E6jd98GAO
想定外の出来事に純はとっさにかわそうとしたが、腕に浅い切り傷を負ってしまう
純「い、今のは反則ですよ!」
姫子「反則だって?私は大蛇鎌の能力すべてを君に話した覚えはないよ」
「君が勝手に勘違いしてただけ」
純「くっ…」姫子「それと、今の攻撃…」
純「………!」フラッ
(体が……痺れて…)
姫子「よけるんじゃなく、かわすべきだったね」スタ、スタ
純(まさか…毒!?)
姫子「じゃあ、そろそろ…」スッ
姫子は純に近付き、鎌を振り下ろす
129 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:25:26.63 ID:E6jd98GAO
キイィィィン!
刹那、金属同士がぶつかり合う音が響く
梓「純は……やらせないです!」
純「あ…梓…」
梓「純、助けに………!?」
(か、体が動かない!)
純(梓のやつ、思っきし目を合わせちゃってるし〜〜!)
姫子「フフ……せっかく加勢にきたのに、残念だったわね」
「今度は二人まとめて倒してあげ……!」
炎「ゴオオオオ!」
姫子「チッ!」サッ!
突如、姫子が立っていた場所から火柱があがる
130 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:27:50.38 ID:E6jd98GAO
梓「律先輩!」
姫子「律まできたの?唯たちの方はいいのかしら?」
律「向こうならとっくに終わってるぜ!私たちの勝利でな」
姫子「!…バカな」
梓(…あれ?体が動く!今なら…)
「はぁっ!」ヒュン
姫子「ッ…」バッ
キィン!
不意に飛び出してきた梓に少し遅れて姫子がガードする
そして姫子は再び梓に睨みをきかせる
梓(また…体が…)
姫子「…」シュタ!シュタ!
姫子は後ろに跳躍して後退する
131 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/30(土) 21:27:51.99 ID:Pd2+8hCHo
>>127
鎌がしゃべったー
132 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:27:58.24 ID:E6jd98GAO
梓「律先輩!」
姫子「律まできたの?唯たちの方はいいのかしら?」
律「向こうならとっくに終わってるぜ!私たちの勝利でな」
姫子「!…バカな」
梓(…あれ?体が動く!今なら…)
「はぁっ!」ヒュン
姫子「ッ…」バッ
キィン!
不意に飛び出してきた梓に少し遅れて姫子がガードする
そして姫子は再び梓に睨みをきかせる
梓(また…体が…)
姫子「…」シュタ!シュタ!
姫子は後ろに跳躍して後退する
133 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:30:03.18 ID:E6jd98GAO
誤爆、スマソ!!!
これも全部、鎌のせい
134 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:31:52.27 ID:E6jd98GAO
澪「みんな、大丈夫か!?」ダッ!
紬「ケガしてる人はいない?」
唯「みんな〜、まってよ〜」
律「みんなも来たのか!?」
律に遅れて唯たちが追い付く
姫子「どうやら、エリたちがやられたのは本当のようね……ここは引かせてもらうわ!」シュタン!
姫子は高く跳躍し、その場をあとにした…
135 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:34:37.71 ID:E6jd98GAO
うらもんまえ!
?「ブザマですね、あの程度の相手に気絶させられるなんて…」
いちごとエリが倒れている場所にある人物が近寄る
滝エリ「…うっ…ちょっと油断しすぎただけだって!」ムクッ
いちご「…」ムクッ
その、ある人物が近付くと二人は起き上がった
136 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:36:04.08 ID:E6jd98GAO
いちご「アンタ、私たちの戦いを見てたの?」
?「はい、ず〜っと」
いちご「見てたのなら加勢しなさいよ、趣味悪いわね…」
?「へ〜、軽音部ごときの相手に、私が力を貸さないといけなかったんですか?」
いちご「なまいき…!」
?「いいんですか?私にそんな口聞いても…」ギロッ
いちご「!」ビクッ!
137 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/30(土) 21:37:33.98 ID:nP4HO/nDO
設定は良いと思うんだけど文章がなぁ……。
といいつつも見てるんだけど
138 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:44:08.18 ID:E6jd98GAO
姫子「いちごに手、出さないでくれるかしら?」シュタン
姫子がいちごたちに合流する
?「ええ、もちろんです」
「あなた達は和ちゃんの大切な“コマ”なんですから…」
姫子「…ッ!」
瀧エリ「…くッ!」
いちご「…」
?「あ、そうそう。軽音部はあなた達でちゃんと始末してくださいよ?純ちゃんをあちらにやってしまった責任も兼ねてね」
「ではこれで………」
ある人物はそのまま3人のもとを去って行った………
139 :
も
[saga]:2011/07/30(土) 21:51:06.03 ID:E6jd98GAO
>>137
この方、文才皆無の理系星人なんだ
どうか許してやって欲しい…
あと、今日はここまで!
明日の午後8時には再開するよ!
読んでくれてありがと!
ばいちゃ!
140 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/30(土) 23:06:51.53 ID:hTs+JhUDO
おつー 更新が楽しみだ
文章力云々と言うより、若干の語彙力不足と表現が稚拙な印象を受けた
何が言いたいかってと、こまけぇこたぁry
好きなようにやればいい
141 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/30(土) 23:09:08.12 ID:KfYUsG2SO
乙
文章なんか気にするな、そういうのに文句言う奴は、どうせSS書けない奴って決まってるから
142 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/30(土) 23:17:58.98 ID:P9gbcSOvo
ある人物・・・一体何者なんだ・・・
143 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/31(日) 07:00:37.76 ID:TNnfKmM70
堀込さんだな
144 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 19:54:20.10 ID:H4/AcxeAO
よし………さいかい!
の前に補足情報
・(NO, Thank you 参照)の部分については以下を参照にして欲しいんだ
・澪・梓・唯・ムギはこっち
http://mup.vip2ch.com/dl?f=21300
・律ちゃんはこっち
http://mup.vip2ch.com/dl?f=21282
今からでも遅くない、急いで脳内設定してくれ!!
ほいじゃ、さいかい!
145 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 19:57:23.30 ID:H4/AcxeAO
こうばいぶ!
律「ハラが減っては戦はできぬっ!」パンワシヅカミ!
時刻は夕方過ぎ
腹ごしらえのため、律達は購買部に来ていた
梓「ちょ……いいんですか?勝手に取っていっても…」
唯「非常事態なんだよっ?。しかたないじゃん」モグモグ
梓「食べながら話さないでください!」
律「あ〜ずさ!ホラ、たい焼き!」チラッ
梓「う〜〜〜」ソワソワ
律「いいのか〜?もらっちまうぞ〜?」ホレホレ!
梓「待ってください!た、たい焼き欲しいですっ!」
146 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 19:58:27.48 ID:H4/AcxeAO
純「琴吹先輩…ゴールデンチョコパンを一つ…」
紬「ムスッ」
純「わけて…」
紬「…」ジー
紬は両手いっぱいにゴールデンチョコパンを抱え、変顔(マンボウのモノマネ)で純を凝視する
純「くださ…」
紬「…」スーーー
後ずさりしながら、紬はどこかへ行ってしまった…
純「………」
147 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 19:59:27.05 ID:H4/AcxeAO
澪「コレが欲しいのか?」スッ
純「こ、コレは…!」
澪は最後のゴールデンチョコパンを純に譲る
純「あ、ありがとうございます、澪先輩!」パアッ
澪「どう致しまして。喜んでもらえてよかったよ」
こうして彼女達のディナータイムは平和に過ぎていった
148 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:00:32.61 ID:H4/AcxeAO
しょくご!
辺りはすっかり暗くなっていた
律「さて、満腹になったところで……寝るか!」
唯「あいさー!」
澪「待て待て、これからどうするかを決めるのが先だろっ」
梓「それに、場所を選んで休まないと、敵襲にあいますよ!」
律唯「スヤスヤ」
澪梓「寝るな!!」
紬「まあまあまあ」
「あ、思い付いたんだけど、講堂に泊まるのはどうかしら?」
唯「なんで〜?」
149 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:02:18.04 ID:H4/AcxeAO
紬「あそこに閉じ込められてた人達は解放したでしょ?なら、敵さんも講堂に用は無くなるんじゃないかと思って」
澪「なるほどな。確かにあそこなら広いし、敵が来てもすぐに対応できる」
律「よし、なら敵がいないか何人かで偵察に行こう!」
「私と澪、ムギでどうだ?」
紬「いいけど、どうして?」
律「自分で言うのもアレだけど、この中で敵と戦って一番生存確率が高いのって理由で私と澪。回復役のムギ」
「山田さんは…ホラ、さっきまで敵側だったろ?」
梓「でも、純は…!」
純「それでいいと思います…あと私、鈴木ですから」
「その代わり、ちゃんと全員で帰って来てくださいよ?あなた達には“音解”を教えないといけませんから…」
律澪唯梓紬「…」ゴクリ
律「じゃ、早いトコ行って戻ってくるわ…私達はもっと強くならなきゃいけないからな!」スタスタ
澪「行ってくるよ!」スタスタ
唯「気をつけてね!」
紬「唯ちゃん達も、気をつけてね」スタスタ
こうして6人は偵察部隊と居残り組に分かれた
150 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:03:15.54 ID:H4/AcxeAO
せいとかいしつ!
和「もう、あなた達勝手に行っちゃたから淋しいかったのよ?」
「その上、派手にやられて帰って来るなんてね」
姫子エリいちご「…」シュン
和「罰として姫子とエリは見回り。いちごは引き続き結界を張っておいてね…」
姫子「わかった」
瀧エリ「ハ〜イ」
いちご「………」
和(この子達の話によると、どうやら唯に何かあるようね…)
(唯といいあの子といい、どうしてこうもあの姉妹は…)
151 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:04:53.66 ID:H4/AcxeAO
こうばいぶ!
唯「ふ〜、お腹いっぱいになったら何だかトイレに行きたくなっちゃったよ」
梓「もう、唯先輩下品です!」
唯「ってことで、ちょっと行ってくるね〜」バタバタ
(憂…今捜しにいくからね!)タッタッタッ
152 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:08:36.55 ID:H4/AcxeAO
梓「まったく、唯先輩は〜」
純「プッ…アハハハハ!」
梓「純?」
純「何か面白そうだね、軽音部。ちょっと羨ましいかも…」
梓「何なら今からでも入部する?」
純「ソレとコレとは別。私にはジャズ研部があるからね」
梓「ムギ先輩、ドーナツも持ってきてくれるんだよ?」
純「うっ…物で釣るなー!」プンスカ
梓「フフ、冗談だって」
純「……………」
梓「……………純?」
153 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:10:00.10 ID:H4/AcxeAO
純「私のことは、友達だとも思わないでくれていい…許してくれなくていいから、一言だけ言わせて?」
梓「…なに?」
純「ゴメン!梓のこと傷つけたの、すごく後悔してる!」
「やっぱり梓は私にとって大切な友達だから!…だから」
梓「もういいよ、純」
純「梓……」
梓「純から“ゴメン”の一言が聞ければ、それで許すよ!」
純「梓…でも私は」
梓「だって純は私の大切な“親友”だから!!」
純「………」ウルウル
「………ありがと、梓」ゴシゴシ
梓「エヘヘ」
154 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:11:38.82 ID:H4/AcxeAO
純「………も一つ言っとく」
梓「今度はなに?」
純「私は梓の味方だけど、軽音部は私の敵だから」
梓「えっ!?どういうこと?」
純「私は常に親友の味方…その親友が梓達の敵側にいるってコト」
梓「純の親友って…」
純「そう、あんたもよく知ってる人物だよ」
梓「それって…まさか……!」
155 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:12:49.60 ID:H4/AcxeAO
Aとう・2かい・ろうか!
唯「ハァ、ハァ」タッタッ
(不確かだけど、憂はきっと学校内にいる…そんな感じがするんだ)
(どこなの…憂)
唯はギターを背負い、校内を疾走する
唯(……さっきよりも憂を近くに感じる…)
唯は立ち止まり、周囲を見渡す
唯(!…いた!憂だっ!)
156 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:14:22.42 ID:H4/AcxeAO
窓から外をみると、中庭をはさんだ隣のB棟一階に廊下を歩く憂の姿が見られた
こうどうまえ!
澪「ムギの読み通り、どうやらこの近くに敵はいないようだな」
紬「よかったわ〜」ニコニコ
律「よ〜し、じゃあさっさと帰ろうぜ!ついに……音解の謎が明らかなるんだからな!」
紬「それに、早くみんなを安心させてあげたいものね」
澪「…………」
律「どしたー?みーお?」
澪「シー!ちょっと隠れぞ」ヒソヒソ
律紬「…?」
157 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:15:38.23 ID:H4/AcxeAO
澪に指示されるままに校舎の影に隠れる律と紬
澪「あそこだ」ビシッ
律「あいつは…」
紬「そんな…」
澪は別館の校舎の2階(C棟)を指差すその先には姫子と、唯が倒したはずのエリが並んで歩いていた
律「信代の時みたいに、気絶させるだけでよかったんじゃないのかよ!?」
澪「あれをみる限り、自分の意思で学校を占拠したのか、あるいは何者かに再度操られているのか、だな」
紬「持って戻れるのは、安心させられる情報だけじゃなさそうね」
澪「急いで戻ろう!」
律「ああ!」
紬「ええ!」
158 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:16:53.45 ID:H4/AcxeAO
Bとう・2かい・ろうか!
唯「ハァ…ハァ」
(よかった、追いついた…)
唯が2階に着いた時、憂が3階、破壊された軽音部部室へと続く階段を上がっていくのが見えた
唯(3階には音楽室と部室、屋上に続く階段があるだけ。もう見失わないよ…)トテトテ
階段を上り、音楽室と部室を確認する
唯「音楽室にはいなかった。部室は……」
d「プクプク」
唯「……屋上だね」
159 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:18:58.41 ID:H4/AcxeAO
おくじょう!
唯「見つけたよっ、憂!」タッ
勢いよく屋上に飛び出た唯は、こちらに背を向けている妹へと近づいていく
暗くて確認し辛いが、彼女もまた、ギターらしきものを背負っていた
憂「………」
唯「もう〜、憂を捜すの大変だったんだよ?」
憂「……嘘だよね?」
唯「えっ?何が?」
憂「私を見つけるの、案外苦労しなかったんじゃないの?」
唯「え〜と、何だか憂がいるような感じがしてね、こっちかな〜って来てみたら憂を見つけてね…」
憂「それは私が気圧を発していたからだよ……あなたでもわかるくらいにね」
唯「えっ……?」
憂「つまり、私があなたをここに呼んだってこと。わかった?」
160 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:22:38.89 ID:H4/AcxeAO
月明かりを受け、憂は振り返った
憂「あなたを消すためにね……」
「“いくよ ストラトキャスター”」
背にかけた漆黒のギターのネックを掴み、前に出して解放する
憂「………」ゴゴゴゴゴゴ
唯「!」ガクッ
(重いっ……気圧だけで、こんな…!)
解放時の気圧に押し潰され、唯は思わずひざまづく
161 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:24:15.94 ID:H4/AcxeAO
憂「どうしたの?まだ解放しただけだよ?」チャキ
解放後の憂の楽器は解放前の色とは対象的に、見る者を魅了するほどに美しい純白の刀だった
唯「待ってよ憂!私を消すって…どういうことか説明してよっ!」
憂「……あなたが…」
「あなたが一番分かってるくせに!」タタタッ
唯「!」
助走をつけて跳躍した憂は唯との距離を一気につめる
憂「…」ブン!
唯(や、ヤバイよっ!)ブン!
キィン!
とっさの判断でギターを振り回し、何とか憂の攻撃に対処し、つばぜり合いに持ち込む
162 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:26:08.15 ID:H4/AcxeAO
唯(始響すらできない今の私じゃ、やられちゃう!…何とかしないと…)ギリギリッ
憂「へぇ〜、私の攻撃を防ぐなんて…ギー太はどうやら、ただのギターじゃないみたいだねっ」ギリギリッ
唯(え!…前にも何回かギー太で斬撃を防いだことはあったけど…)
(普通じゃなかったの!?)
憂「…」ヒュッ!
唯「わっ!」
憂の刀に弾き飛ばされる唯
163 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:26:59.72 ID:H4/AcxeAO
憂「ちょっと驚いちゃったけど、考えてみれば当たり前かも」
唯「………?」
憂「だってギー太、完全じゃないけど、すでに“始響”してるんでしょ?」
唯(な、なんですとー!!!)
憂「あれ、もしかして気付いてなかった?」クスッ
唯(もしこれがギー太が始響している状態なのなら…いけるかもしれない!)
(憂を攻撃するのは嫌だけど…今は仕方ないよね)
164 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:28:02.59 ID:H4/AcxeAO
唯「“いくよっ ギー太”!」
憂(始響ヒントになっちゃったかな…でも)
ギー太「し〜ん」
憂「」
唯「…あれ?」
「気を取り直してもう一度。“いくよっ ギー太”!」
ギー太「し〜ん」
唯「うう、ギー太…返事してよぉ」
憂「なに?ふざけてるんだったら、やめてくれない?…」
「見苦しいからッ!」ダッ
165 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:29:19.40 ID:H4/AcxeAO
唯(ギー太が応えてくれないや…でも一応は始響してるんだよね。なら…)
「はあああ!」ダッ
憂と同じく、真っすぐ相手に向かって駆け出した
憂「馬鹿みたいに叫んでるだけじゃ」タタン!
地面を蹴り、今度は高く跳躍する
憂「私には勝てないよ!」ヒュン!
ストラト「ザクッ!」
唯「…いっ………!」
空中から投げ飛ばされた憂の刃が唯の左肩を貫く
166 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:30:04.04 ID:H4/AcxeAO
唯「あああああっ!!!」バタッ
憂「ふふ、あなたの苦しむ姿、悲鳴…すごく心地良いよ〜♪」トテトテ
肩の激痛に倒れた唯に、憂が近付く
唯「うっ…う…グスッ」
唯の痛みは肩の傷だけではなかった
最愛の妹が自分を傷つけた…そのことがまた、彼女の心を傷つけた
167 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:33:22.20 ID:H4/AcxeAO
憂「少しは私の受けた痛みを分かってくれたかな?」スッ
唯に刺さった刀を引き抜く
唯「ッ…わた…私が憂に何かしたの…?」
憂「…………」
唯「だったら謝るから……もうやめてよ…こんな…こと」
憂「…………」ドス!
唯「うぐッ………!」
168 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:34:52.09 ID:H4/AcxeAO
憂は倒れている唯を容赦なく蹴飛ばす
憂「何も…何も分かってないみたいだね」
「やっぱり今のあなたを消すのは止め!あなたには絶望を味わってもらわなきゃ…」
唯「……?」
憂「先に軽音部のみなさんを消して来るね♪」
唯「――!」
169 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:36:25.40 ID:H4/AcxeAO
こうばいぶ!
律澪紬「」ダッ!
梓「先輩方!」
律たち三人は勢いよく駆け込んできた
澪「どうやら講堂は安全だったみたいなんだ」
梓「そうですか…よかったです」
紬「夜だから人数は少なかったけど、見回りもいるから急ぎましょ!」
律「ちょっと待て…唯はどこ行ったんだ?」
170 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:37:31.23 ID:H4/AcxeAO
梓「唯先輩ならさっきトイレに…」
純「でも……帰ってくるの、遅すぎない?」
律「おいおい、ヤベーな。見回りには姫子やエリもいたんだ」
梓「そんな……じゃあまさか唯先輩は……!」
ドゴオオオン!
律澪紬梓純「!」
どこかで何か大きな爆発音が起こる
時刻が夜なだけあって、その音は彼女達の耳にも届いたのだ
171 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:40:41.93 ID:H4/AcxeAO
おくじょう!
憂が倒れている唯のもとを去ろうとしたその時、彼女を中心に黒い気圧が発生し、轟音と共にドーム状に拡散した
憂「!」
爆心の後には唯が立っていた
その手にはギターが握られている
憂(肩の傷が回復している…)
唯「もう怒ったよ、憂……手加減はしないから」
「“いくよっ ギー太”!!」ゴオオオオ!
172 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:44:16.90 ID:H4/AcxeAO
唯は右手でギターを前に突き出し、左手を右腕に添え、解号を唱える
すると、手にしたギターは黒いオーラに包まれ、形状が変わる
そして同時に、唯の服装も(NO, Thank you 参照に)変化した
憂「それがギー太の完全な始響…」
黒いオーラが消え、柄も鍔ない、まるで巨大な出刃包丁のような剣が姿を現す
173 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:46:12.09 ID:H4/AcxeAO
唯(これが…ギー太の始響)ゴクリ
憂「料理下手くそなクセに、そんなおっきな包丁持ってたら危ないよ?」ジリッ
憂は刀を構え直す
唯「仲間を守るためなら危なくたって構わない。何だってするよ」
憂「……また軽音部…」
憂「いつもいつも、馬鹿みたいに軽音部軽音部って!……」
「私のことなんか何ひとつ見てくれちゃいないッ!」
「……前言撤回。アナタに私が味わってきた苦しみを教えてあげる!」ダダダッ
174 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:47:26.16 ID:H4/AcxeAO
静止状態から一気に加速し、唯との間合いをつめる
唯「“響牙…天衝”!!!」ブン!
唯はギー太を横に振り、青白い斬撃を飛ばした
憂「…」タッ、ヒラリ
憂はそれを臆することなく、背面跳びで軽々かわす
唯「甘い!」ギュアア!
憂「!」
唯は憂が一撃目の斬撃をかわすことを読み、二撃目の斬撃を飛ばしていた
唯「空中なら、避けられないでしょ?」
憂「っ…!」チャッ
ドオォン!
175 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:50:08.26 ID:H4/AcxeAO
刀でガードはしたものの、もろに斬撃を喰らった憂は後方へ吹き飛ばされる
憂「さすが……私の姉ってだけは……あるね」ハァ、ハァ
斬撃を受けた憂の右腕は刀と共に力無くたれ下がっている
憂「でも、この程度じゃ私は倒せないよ!」タッ
唯「まだ立ち向かってくるの!?……なら私だって!」タタッ
両者、互いに向かい合って走りだす
176 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:51:28.39 ID:H4/AcxeAO
唯「はぁっ!」ブン!
憂「…」ブン!
ガッ!キィン!キィン!
幾度か、激しい剣と刀のぶつかり合いの音のみが周囲に木霊する
憂「」サッ
憂は隙をみて刀を左手に持ち替える
憂「」ヒュ!
唯「!」ガガッ!
予想していたのとは逆サイドからの突きの攻撃に唯はギー太の刃を横向け、その広い腹を使って防御する
憂「まだまだッ!」サッ
突を繰り出したその姿勢から素早くしゃがみ、唯の足を狙う
唯「」タッ
軽く跳躍し、足への攻撃をかわすと、空中で大きく振りかぶる
177 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:52:15.34 ID:H4/AcxeAO
唯「おりゃあああ!」
憂「!」
唯「響牙天衝!」
ドオオオン!
しゃがんだ体勢の憂はに唯の斬撃に対応することが出来なかった
煙「モクモク」
斬撃で辺りに煙が立ち込める
唯「…やったか……?」
煙「スゥー」
178 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:53:40.12 ID:H4/AcxeAO
煙が消えるとそこにはえぐれた地面と俯せに憂が倒れていた
憂「……………」
唯「………憂…」
憂「……うっ…」ムク
唯「憂…もう止めて。勝負は着いてるでしょ?これ以上、憂を傷つけたくないんだよ…」
憂「……調…子に…」ゼーハー、ゼーハー
憂「乗るなーーーー!!!」クワッ
「“音……k……”」
和「そこまでにしておきなさい、憂」トン
179 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:54:41.23 ID:H4/AcxeAO
唯憂「!」
突然、憂の隣に現れた和は、憂の肩に手を添える
和の背後には、例えるならば時空の裂け目のような楕円形の穴が広がっていた
和「憂、あなたボロボロじゃない。それなのにまだ、戦うつもりなの?」
憂「で……でも…」ゼーハー、ゼーハー
和「たまに無理し過ぎるのがあなたの悪いクセよ。今はしっかり休むこと。いいわね?」
憂「……」コクッ
180 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 20:56:44.85 ID:H4/AcxeAO
和「いい子ね。じゃあ、生徒会、行きましょ」スタ
憂「…」スタ
憂と和は空間の裂け目に入っていく
唯「ま、待ってよ憂、和ちゃん!」ダッ
和「唯、そこで大人しくしてなさい」スッ
唯「へ…わわわっ!」
(体が……重い!)ドサッ
和が唯へ手の平を向けると、何倍もの重力を受けたように唯はゆっくり地に伏した
和「ここはすでに私のテリトリー。唯には何もできないわ」ザッ
――スタ、スタ、スタ……
唯「う……い………和…ちゃん…」
薄れゆく意識の中で、唯は二人の名を呼んだ…
181 :
も
[saga]:2011/07/31(日) 21:02:09.93 ID:H4/AcxeAO
>>143
堀込さんは唯たちが入学する前に左遷された設定
今日はここで打ち止め!
また忙しくなるから、二日置きの午後8時までには最低、更新する予定なんだ
見てくれてありがと!
あでゅー!
182 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/31(日) 21:05:08.82 ID:ZnvwJxZro
乙乙
183 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/01(月) 13:28:24.19 ID:3/xAAh+50
乙
和ちゃんメガネ取ってオールバックにするのかと思ったぜ
184 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 18:22:46.39 ID:57kmLaDAO
ちょとだけ投下
185 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 18:24:13.76 ID:57kmLaDAO
こうどう!
律達は気絶した唯を発見した後、講堂に身を潜めていた
唯「う、う〜ん…」
梓「!…先輩、唯先輩!」ユサユサ
唯「ほええ〜…あずにゃん?」
律「唯!気がついたのか!?」
澪紬「唯(ちゃん)!」
唯「律ちゃんに澪ちゃん、ムギちゃん………はっ!ここどこ!?」ガバッ
「憂と和ちゃんは………!?」
186 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 18:26:48.31 ID:57kmLaDAO
律「憂ちゃんと和と戦ってたのか!?」
梓「なにが『トイレに行ってくる〜』ですか!どうせ、私達に内緒で憂を捜しに行ってたんでしょ?」
唯「あ、あう〜〜〜」
澪「唯、焦るなって前にも言ったよな?」
唯「うう、ごめんなさい」ペコリ
純「それにしても、憂と和先輩相手によく生き残れましたね」
唯「うん!ギー太のおかげなんだよっ!……あれ、ギー太どこ〜?」
律「ギー太は屋上にはなかったぞ?代わりにデカイ包丁ならあったけど」
唯「ソレだよっ、ソレがギー太なんだよっ!」
律梓「エェー!」
紬「ハイ、唯ちゃん」ワタシ
唯「ありがとムギちゃん!ギ〜太〜」スリスリ
187 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 18:29:53.21 ID:57kmLaDAO
澪「一応持ってきておいてよかったな」
律「これでHTT全員、始響まではクリアしたな!」
澪「そうだ鈴木さん、さっきの言葉、どういう意味なんだ?憂ちゃんと和がどうとか…」
純「憂と和先輩の能力は一緒にいた私にもわかりません。ただ……あの二人は気圧だけでもレベルがまるで違う。姫子先輩達を遥かに凌ぐ力をもっています」ジュンデイイデス
「だから生き残れた唯先輩が不思議なんですよ」
唯「エヘヘ〜」
188 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 18:32:53.64 ID:57kmLaDAO
せいとかいしつ!
空間の裂け目を抜け、憂と和が帰還する
憂「」ゼーハー、ゼーハー
憂は和の肩を借りて歩くのがやっとの様子だ
和「いちご、憂を頼めるかしら?」
いちご「……わかった」
和は憂を簡易ベッドに寝かせる
憂「ハァ…ハァ…」
いちご(フン、いい気味……このまま永久に眠らせてあげようかしら?)
189 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 18:36:52.81 ID:57kmLaDAO
和「憂に変なことしたら、ただじゃおかないわよ?」
いちご(くっ………)
「……結界操術―雲雀―」バッ
憂「…うっ………」
オレンジの光が憂を包み込む
和(音解していないとはいえ、憂をここまで追い詰めるなんて……唯もなかなか侮れないわね)
憂(畜生、畜生、畜生ッ……)ハァ、ハァ
(平沢…唯………絶対に許さない!!!)ハァ、ハァ
190 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 18:40:45.96 ID:57kmLaDAO
・・・よくあさ!
純「それでは 音解 の説明をしますね」
講堂内では、律達5人がさらなる力を得るための修行が行われようとしていた
純「“始響”ではこちらが一方的に楽器にアプローチをかける方法で解放してましたよね」
律「“楽器に魂を込める”ってヤツか」
純「その通りです。で、“音解”は更にそこから“楽器と心を通わる”ことが必要となってきます」
澪「楽器と心を通わせる、か……いい歌詞書けそう」ボソッ
191 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 18:42:26.42 ID:57kmLaDAO
唯「え?でもギー太はもう、私に応えてくれたよ?」
梓「唯先輩、とりあえず黙っててくださいね」
唯「あうぅ……」
純「…続けますね?」
「楽器と心を通わせるのは、その楽器を使い始めて何年も一緒にいないと、まず不可能。」
「かつ、その楽器の熟練の演奏者でないと音解には至れません」
律「じゃあ、私達が短期間で音解を会得するのはムリってことじゃんかよっ!」
純「その通りですよ。それにあなた達は一介の女子高生バンド。お世話にも熟練の演奏者とは言えません」
律澪唯梓紬「…………」
純「でも一つだけ、超短期間の間に音解を会得できる方法があるんです」
192 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 18:44:00.44 ID:57kmLaDAO
律澪唯梓紬「!」
梓「一体どうするの?」
純「さっき、楽器と心を通わせる、と言いましたよね?即ち、…」
紬「楽器の方からこちらにアプローチさせればいいのね!」
純「Year!」
澪「まさに逆転の発想、だな」
紬「私、人のセリフを横取りするのが夢だったの〜」ニコニコ
純「その時の補助アイテムとして私はを使ってます」
純「補助アイテムは自分が使っている中で、一番身近なものがいいかと思われます」
193 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 18:46:25.99 ID:57kmLaDAO
律「じゃ、私の場合はこのカチューシャだなー」
澪「でもそのカチューシャ、始響の時に一緒に消えるんだろ?」
律「いきなり音解すればいい」キリッ
純「始響→音解、の順でしか解放できません」
律「外して音解すればいい」キリッ
梓「………ちょっと待って、純の始響ってベースじゃなくて、その補助アイテムのモップで解放してなかったっけ?」
純「それはまた、後々説明するよ」
律「よ〜し、みんなー!それぞれ思い思いの品を使って音解、やるぞー!」
澪唯梓紬「おーーー!」
194 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 18:47:54.28 ID:57kmLaDAO
澪「って、待て待て。具体的に何をするか聞いてないじゃないか、律!」
律「あ、そっかー。で、何をすればいいんだ、涼木さん?」
純「鈴木です。………音解の修行は精神世界で行います」
律「は!?」
唯「精神世界ってな〜に、あずにゃん?」
梓「だから、黙っててください!」
唯「あぅ…」シュン
純「あーもう、とりあえず私の指示する通りに動いてください!」
195 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 18:55:11.34 ID:57kmLaDAO
律はカチューシャ、澪は詩集、唯は憂からの誕生日プレゼントであるヘアピン、梓は猫耳カチューシャを身につけ、紬だけは何も持たずに、それぞれ楽器と向かいあって座禅を組む
梓「って、なんで私は猫耳なんですかー!」
律「梓っていったら、やっぱコレだろー?」
唯「似合ってるよ、あずにゃん!」
梓「こうなったらヤケクソです、何でもやってやるです!!」
澪「ムギば何も持たなくていいのか?」
紬「私はこのキーボード自体が思い入れのある物だから…他には何もないわ」
純「……準備できました?」
律「おう!いつでもいいぜ!」
純「………すいません、言い忘れてたことがありました…」
196 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 18:58:02.66 ID:57kmLaDAO
梓「何を?」
純「このやり方、確かに短期間で音解を手に入れることが出来はするんですが、確率は5%以下………」
純「それと、死を覚悟しておいてくださいね」
律澪唯梓紬「!」
律「……それでも、私達はやらなきゃいけないんだ………なあ、みんな?」
唯「うんっ!」
澪「ああ!」
梓「はいですっ!」
紬「ええっ!」
197 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 18:59:52.75 ID:57kmLaDAO
純「分かりました………ではそのまま目を閉じてください。後のことは、向こうに行けわかります」
澪「この間にもし敵が襲ってきたらどうする?」
純「私が何とかします」
律「信じても………いいんだな?」
純「………はい」
梓「気をつけてね、純」
純「梓達も、気をつけてね……」
律「それじゃ…」
律澪唯梓紬「行ってきますっ!!!」
各々、精神世界での修行が始まる………
学校潜入篇 終了
―――To be continued...
198 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 19:01:11.98 ID:57kmLaDAO
打ち止め
本日11時頃より再投下
199 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/01(月) 22:16:01.27 ID:nOCIXuOso
あいよ
200 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:04:49.25 ID:57kmLaDAO
学校奪還篇スタート!
やっっっちゃるうううう!!!!
………………再開します
201 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:08:31.92 ID:57kmLaDAO
〜律の精神世界〜
律「あっち〜!」
空には陽射しの強い太陽、所々に草木の生えた荒野
精神世界に入った律は、そんなサバンナのような所に来ていた
律「で、これからどうすりゃいいんだ……っと」キョロキョロ
「………………」
律が辺りを見渡すと、答えはすぐに見つかった
短パンに白タンク、オサレ髭を蓄えたハゲ紳士が笑顔をこちらに向けていたのだ
?「どうも♪」ニコニコ
律(う、うわ〜…)
「こ、こんにちは〜♪……すみませんが、どちら様で……?」
?「私、太陽の神。アポロンという者でございます」ニコニコ
律(ダメだこいつ早く何とかしないと…)
202 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:10:53.08 ID:57kmLaDAO
アポロン「そして律様……あなた様のドラムの化身でもあります」ニコニコ
律(こんな変態紳士が………私のドラム……だと!?)
(これが………絶望!)
アポロン「それで律様、本日は如何用でこちらへ?」
律「音解を習得するために来たんだけど……」
アポロン「ほう、左様でございますか。」
律「……………」
アポロン「……………」ニコニコ
律「なんか喋れよーーー!」
203 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:12:59.13 ID:57kmLaDAO
アポロン「すみません。音解…ですか、ご冗談かと思いまして」
律「なっ…馬鹿にすんな!私は本気なんだぞ!」
アポロン「本気……なのでございますか。その言葉に嘘、偽りは?」
律「ない!!」ドン☆
アポロン「……わかりました。教えて差し上げましょう音解を……」ボッ
律「!」
アポロンの背中から、まるで観音菩薩のように輪状に炎の輪が形成される
アポロン「私が律様に課す試練は一つ………」
「私めに部長クラスの者としての覚悟を見せてみよ!」ボボボボボッ
204 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:14:23.82 ID:57kmLaDAO
律「くっ……」
(私に素手で戦えってか…)
アポロンの体は足から順に頭まで、炎に包まれてゆく
律(ったく、ムリ言いやがるぜコノヤロー!)ダッ!
勢いよく駆け出し、静止状態のアポロンに突きを繰り出す
律「はぁっ!」ヒュッ
ドス!
アポロン「……」
拳「」ジュウ…
律「あっ………ちーーー!!!」サッ
火傷した拳を押さえ、アポロンから飛びのく
205 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:16:57.58 ID:57kmLaDAO
アポロン「精神世界とはいえ、痛みは本物…あなた様は戦いを舐めていらっしゃるのですか?」ゴウ!
両手に炎の剣を形作る
律(やっぱ素手は無理だよな……さて、どうしたものか)
アポロン「」シュタッ!
律(は、速いッ…!)サッ
アポロン「」フォン!
直線上に走ってきたアポロンの攻撃を、相手の行動を先読みすることでかわす
続いてアポロンは上段、下段の二段切りの体勢に入る
アポロン「甘い!」ヒュ
律「」サッ
アポロン「ハッ!」フォン
律「」シュタンッ
一段目をしゃがみ、二段目を後方に宙返りしてかわす
206 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:19:25.54 ID:57kmLaDAO
律「何だ……私の身体能力があがってる!?」
アポロン「何を言ってらっしゃる?部長クラスの者ならばその程度…当然のこと」
「ましてや、あなたが挑もうとしている相手は演舞者……その程度の身体能力を手にして驚いているようでは太刀打ちできませんぞ!」タッ!
律(戦いに目が慣れてきたのか……奴の動きがさっきよりも見える!)ジリッ
(奴は何だかんだ言ってるが、これならいけるっ!)サッ
再び攻撃を先読みしてかわす体勢に入る、が…
207 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:20:14.30 ID:57kmLaDAO
アポロン「どこを見ている、こちらです!」ヒュ!
正面から向かって来たはずのアポロンの姿が突然消え、その声が律の後ろから聞こえる
律「なッ……!」
ザシュ!
炎の双刀が無惨にも律の背中を貫く
208 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:23:49.10 ID:57kmLaDAO
〜澪の精神世界〜
澪「子供…部屋?」
全体的に、ピンク色で彩られた部屋………可愛いらしい縫いぐるみやクッションが散乱する中に、澪は立っていた
他にもよく見ると、甘ったるい内容の詩が書かれたノートの切れ端も散らかっている
澪「」キョロキョロ
部屋はドアが一つあり、窓はない
澪「進んでみるか……」テクテク
「」スッ
「………!」
209 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:25:22.30 ID:57kmLaDAO
ドアノブに手を掛けようとした時、澪は気付いてしまったのだ…ドアノブいっぱいにはびこるフジツボに
澪「い、いやああああ!」ササッ
部屋の隅まで瞬時に移動し、身を屈める
澪「ミエナイキコエナイ、ミエナイキコエナイ」ブルブル
?「澪………あなたに音解の試練を与えるわ」
凜とした女性の声がどこからともなく聞こえる
澪「今度はなに…?」ブルブル
エリザベス「私はあなたのベース、エリザベスよ。」
210 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:26:29.67 ID:57kmLaDAO
「いい、澪。私はあなたの力になりたいと思ってるんだけど、私が真にあなたを認めなければ音解は教えられない」
「あなたの内なる恐怖を打ち破り、己の勇気を示してみせなさい!」
澪「ミエナイキコエナイ」ブルブル
エリザベス「…って、聞いてんのー!?」
211 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:28:26.08 ID:57kmLaDAO
・・・・すうふんご!
澪「まったく。急に話しかけられたら驚くだろ、エリザベス」
エリザベス「」
澪「で、いくつか用意してある部屋を全てクリアすればいいんだな?」
エリザベス「そういうこと」
「でも、ドアノブであそこまで怖がってたあなたに、できるのかしら?」
澪「う、うるさい!……さっきのは…ちょっとびっくりしただけだ!」
エリザベス「………ま、期待しないで待ってるわ。一番奥の部屋に辿り着けたなら、その時は音解を教えてあげる―――」
エリザベスの声はそれ以降聞こえなくなった
澪「っ………絶対辿り着いてやるぞ!待ってろ、エリザベス!」
212 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:30:12.25 ID:57kmLaDAO
〜唯の精神世界〜
憂?「よお、待ちくたびれたぜ」
唯「……ギー太…だよね?」
唯を待ち受けていたのは、壁も地面もない、黒と赤の入り混じった色が果てしなく広がっている、宇宙のような空間だった
唯は宙に浮かんでいるかのような感覚の中、憂の姿をしたギー太と向かい合っていた
213 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:31:13.13 ID:57kmLaDAO
唯「憂の恰好して、一体何のつもりなの!?」
ギー太「なぁ、唯。お前の精神世界がどうしてこうなったのか、分かるか?」
唯の発言を無視し、手の平を上に向けて混沌とした空間を指し、話を続ける
ギー太「この前、テメェに邪魔された時だ……オレはテメェ精神全てを浸蝕してやろうとしたが、できなかった…」
唯「………」
ギー太「どうやら、精神世界でお前を消さなきゃいけなかったみたいでな…」チャキ
ギー太は憂の解放と同様の純白の刀を唯に向ける
214 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:32:23.69 ID:57kmLaDAO
ギー太「消えてくれや?」
唯「じゃあ……」
ギー太「あ?」
唯「じゃあ何で、昨日は私に力を貸してくれたの!?」
ギー太「相変わらず馬鹿なヤツだな………テメェが勝手にやられたら、オレまで消えちまうからだよ!」
唯「そんなっ……」
(始響はできても…ギー太は何も応えてくれちゃいなかったんだ……!)ヘナ
宙を浮きながら唯は脱力し、うなだれる
215 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:35:40.38 ID:57kmLaDAO
ギー太「…ただ消すってのも面白みがねーからなぁ……」
「どうだ?オレを倒せたら、テメェを主として認めてやってもいいぜ?」
唯「……えっ?」サッ
ギー太「ここはテメェの精神世界。望めば大抵何でも出てくる………さっさと武器を出せ!」
顔を上げ、心に始響時のギー太を思い浮かべる
唯「“いくよっ ギー太”!」スッ
出刃包丁の形状の武器を手に取る
216 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:36:32.00 ID:57kmLaDAO
唯「ギー太に勝ったら、私のことを認めてくれるんだよねっ?」ダッ
ギー太「勝つのはオレだがなっ!」ダッ
地面を蹴ったように、二人は宙を蹴って飛び出す
キィン!
二人はすれ違い様に一太刀交える
ギー太「オレのスピードに着いて来れるとは……いいぜ、その調子だ!」シュタ、タン!
唯「…」シュタ、タン!
着地と同時に宙を蹴り、息つく間もなく二人はぶつかり合う
217 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:37:10.69 ID:57kmLaDAO
唯「はぁっ!」ブン、ブン、ブン、ブン!
ギー太「………」サッ、サッ、サッ、キィン!
「オラァ!」シュ!
ドスッ!
唯の連続切りを避け続け、最後の一太刀を受けて隙を作り、腹に蹴りをかます
唯「かはっ……!」
ギー太「歯ごたえねぇなあ」
唯「…」クルクルクル、シュタ!
蹴飛ばされた衝撃を利用し、宙返りをして距離をとる
218 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:38:29.67 ID:57kmLaDAO
ギー太「そんなもんでこのオレを倒せると思ってんのか?」
唯「うるさいよっ!」プンスカ
ギー太「…出して見ろよ……テメェの必殺技をよ…」
ギー太は両手を広げ、無防備な状態を晒す
唯「後悔しても知らないよ?」スッ
両手で刀を頭上に上げ、力を込める
唯「響牙……天衝ぉーー!!!」ズオオオオ!
219 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:47:04.41 ID:57kmLaDAO
高密度の斬撃が振り下ろした刀から飛ばされる
ギー太「やっぱこの程度か…」スッ
放たれた斬撃に向け、手をかざす
ギー太「がっかりだ!」バシュウ!
ギー太の手に触れた斬撃が逆に消し飛ぶ
唯「!……そんなこと………ありったけの響牙天衝がっ……!」ヘタッ
絶望した唯は、地面があるかのように、その場にへたりこんで座る
ギー太「オレが手本を見せてやるよ!」ググッ
「響牙天衝!」ズギュアアアアア!!
ギー太は唯と同様に、両手で刀を頭上に上げ、一気に振り下ろす
しかし、斬撃の色は唯のものとは打って変わって、黒と赤の入り交じったものだった
唯「………!」
ズゴオオオオオン!!!
220 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:52:50.78 ID:57kmLaDAO
唯「かはっ、かはっ……」ペッ
ギー太「チッ、モロに喰らってんじゃねーよ」
響牙天衝をまともに喰らい、唯は瀕死の重傷を負う
ギー太「…唯……テメェは弱い…」スタ、スタ
宙を歩き、唯に歩み寄る
ギー太「ワリィがこれが……」ススッ
真っすぐ唯に向けて刀を伸ばす
ギー太「現実だ………」スススッ
ドスッ!
絶望が唯の胸を貫く……
221 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:55:54.61 ID:57kmLaDAO
〜梓の精神世界〜
梓「はっ!ここは………!って、私の部屋じゃん」
そこは音楽機器で埋め尽くされた、梓にとって見慣れた自分の部屋だった
梓「で、何をすればいいのかな……純は精神世界に入れば分かるって言ってたけど…」
d「」プクプク
梓「ん?何でトンちゃんがいるんだろう」
「そういえば、現実世界では壊れた部室にトンちゃん、おいてきぼりだったよね…」
「早く全部解決して、迎えに行ってあげなきゃ!」
222 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:57:33.63 ID:57kmLaDAO
d「ぬし……」プクプク
梓「え?今、声が聞こえたような…」サッ
部屋をさっと確認するが、梓とd以外は誰もいない…
梓「まさか……ね…」
d「ぬし……」プクプク
梓「わ、わあああ!トンちゃんが喋ったー!?……ってあれ?なんか既視感が……」
223 :
も
[saga]:2011/08/01(月) 23:58:03.48 ID:57kmLaDAO
水面に顔を出すトン
d「ワシじゃよ、目の前のワ・シ」
梓「……ホントに?」
d「うむ」
梓「私を“ぬし”って呼んでるってことは……もしかしてトンちゃんはむったんなの?」
d「いかにも」
梓「え〜」
d「何が不満なんじゃ!?」
梓「むったんがスッポンもどきだったなんて、何かショック…」
d「」
224 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 00:01:01.73 ID:ugLxYVsAO
d「…では早速試練に移るか」
梓「試練……?」
d「そうじゃ。音解に至るためには、楽器は主に試練を課さねばならぬ」
「それは、過ごした時が長いほど易しくなり、短いほど厳しいものとなる」
梓「じゃあ私の試練は……」
d「ぬしは幼少の頃よりワシを大切に扱い続けてくれた」
「だが……音解を伝授するにあたっては、ちとまだ早過ぎるのお…」
梓「」ガクッ
d「じゃが安心せい。危険な試練は与えんからのう……ぬしに与える試練は…」
225 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 00:03:30.26 ID:ugLxYVsAO
「神経d弱!」
梓「さようなら」
d「待て待て、話を最後まで聞け!」
梓「帰ります」ガチャ
「…付きあってらんないよ……!」
dA「ドアの向こうは」
dB「不思議な世界が広がっていました」
梓「」
ドアの向こうにはまた部屋があり、いくつもの水槽の中で亀たちがそれぞれ泳いでいる
梓「これはどういう…?」サッ
振り返った先の部屋の水槽は既にもぬけの殻となっていた
226 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 00:05:05.04 ID:ugLxYVsAO
dC「だから話を最後まで聞けと(ry」
dD「ぬしには“真実を見抜く眼”を養ってもらうために」
dE「この中から本物のワシを見つけ出してもらう」
dF「本物のワシをさっきの部屋の水槽に入れるのじゃ」
dG「チャンスは1回きり」
dH「よーい、トン!」
227 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 00:06:52.31 ID:ugLxYVsAO
・・・・・すうじかんご!
dI「どうした、ぬしよ。もうお手上げか?」
梓「黙っててください。今考えてるんです!」
dJ「この試練はいくら頭で考えようとも、乗り越えることは不可能じゃよ」
dK「かと言って運否天賦の勝負に出れば、当たる確率はざっと1/500…一発正解はほぼ不可能」
dL「さあどう出る、ぬしよ?」
228 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 00:11:09.69 ID:ugLxYVsAO
梓(無理だよ……こんなの最初から詰んでる)
(実際、何時間かたったいまでも全くの手付かず……)
(むったんは私に音解を教える気なんかこれっぽっちもなかったんだっ!)グス
dM「諦めてしまうのかい、ぬしよ…」
dN「ぬしよ……一つ言っておくが、ワシは常にぬしの味方じゃ」
梓「えっ………」
229 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 00:12:12.89 ID:ugLxYVsAO
dO「ワシが直接ぬしに音解を伝授したいのは山々なんじゃが、それで得た力など不完全な出来損ないに過ぎない。」
dP「その不完全な力がぬしを危険にさらすかもしれぬ……」
dQ「ワシは決して意地悪で、ぬしにこの試練を与えているわけではないからのぅ」
dR「そのことを、ぬしには理解してもらいたい」
梓「トンちゃん………いや、むったん」ゴシゴシ
「ありがと!私、頑張ってみるよ!」
dS「よかよか」
230 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 00:14:32.54 ID:ugLxYVsAO
梓(むったんは私に音解を教えたいと言った………本気で私に教えたいのなら、この試練をクリアさせようとしてるハズだよね)
(だとしたら、既に何かしらのヒントをくれている…………?)
(そういえばさっき、むったんは私の心を読んだみたいに話し始めた…………あっ!)
――だから話を最後まで聞けと(ry――
――運否天賦の勝負に出れば、当たる確率はざっと1/500…一発正解はほぼ不可能――
――この試練はいくら頭で考えようとも、乗り越えることは不可能じゃよ――
――ぬしには“真実を見抜く眼”を養ってもらうために――
脳裏に一瞬の閃光。梓、閃く
231 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 00:15:42.67 ID:ugLxYVsAO
梓(もし可能なのなら………これしかない!)ストン
その場に座り、目を閉じて座禅を組む
dT「ほう…何か閃いたようじゃな」
梓(………………)
dU「」プクプク
梓(………………)
dV「」プクプク
梓(………………)
――――あれ…目を閉じてるのに…一点だけ光がみえる………これが――――
dW「」プクプク
梓「見えた!」サッ
勢いよく立ち上がった梓はそのまま数多ある水槽の一つからスッポンもどきを取り上げ、最初の部屋の水槽に入れる
232 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 00:17:50.95 ID:ugLxYVsAO
梓「あなたがむったんだよね?」
dX「……………」
梓「このゲームのヒント、最初からむったんは教えてくれてたんだよね?」
「“話を最後まで聞け”“頭で考えるな”“運に任せるな”“真実を見抜く眼を養え”“心を読む”………そして」
「“むったんを信じろ”」
dX「…………」
梓「これらを意味するメッセージをむったんは私に教えてくれた」
「そして私は“むったんを信じて話に従い、運任せで選ばず、無心になって心の眼で真実を見抜く”という結論に至った」
「これが私の“応え”だよ!」
233 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 00:20:48.31 ID:ugLxYVsAO
dX「………確かに」
梓「…………」ゴクリ
dX「………ぬしの“応え”、受け取ったぞ!合格じゃ!」
パアアアアッ!
梓「!」
ムスタングの声と共に、光が部屋を、梓を包み込む
梓「これは………?」
むったん「ワシはぬしを信じていたぞ、梓!必ずやこの試練を乗り越えてみせると」
何も解放していない、“楽器”の姿のムスタングが現れる
234 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 00:21:58.65 ID:ugLxYVsAO
梓「あんなの、私一人の力じゃ絶対無理だったよ。クリア出来たのは、むったんが助けてくれたおかげ」
むったん「じゃが、梓がワシを信頼していなければ、この試練、攻略は不可能じゃったよ」
「胸を張ってもいいんじゃぞ。“正真正銘自分の力で音解に至った”とな」
梓「エヘヘ……そうかな?」
むったん「梓、よく聞け。ぬしにはこれからも、様々な試練が降り懸かるじゃろう」
「そうして辛くなった時、不安な時、苦しい時はワシや…仲間を信じ、頼るんじゃぞ?」
梓「…うん」
むったん「以上で試練は終わりじゃ……またのう!」
カッ!
梓「むったん!」
強い光が梓の視界を遮る…
235 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 00:25:55.25 ID:ugLxYVsAO
梓の試練が終わったってことで、ここで止めときます!
あまり進まないかもしれませんが、明日の11時頃にも更新するので、よろしくです
見てくれてありがと!
ばいにゃらほい!
236 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/02(火) 02:10:40.14 ID:J4QDh1tXo
おつにゃらほい
更新待ってるよー
237 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 23:03:31.10 ID:ugLxYVsAO
予告通り、ほんのチビと投下
238 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 23:05:50.15 ID:ugLxYVsAO
こうどう!
梓「………むっ…たん」
純「!……梓?」
梓「う、う〜ん…あれ、純……ムギ先輩も!」ムク
紬「おはよう、梓ちゃん♪」ニコニコ
精神世界での試練を終えた梓の意識は現実世界に引き戻されていた
239 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 23:07:07.30 ID:ugLxYVsAO
純「梓も中々早かったね。まだ1時間ちょっとしか経ってないよ」
梓「嘘!?向こうでは10時間くらいいたつもりなのに」
純「ま、精神世界だからね。時間のズレはよく生じるよ」
紬「唯ちゃん達も早く帰って来れるといいんだけれど…」
梓「唯先輩は多分、1番遅いですよ!」
(とはいえ、唯先輩のギー太…この前見た時はかなりヤバそうな感じだったけど、唯先輩大丈夫かな…)
(でも私は唯先輩を、仲間を信じるよ………それでいいんだよね、むったん)
240 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 23:07:51.87 ID:ugLxYVsAO
〜澪の精神世界〜
澪「」スッ
フジツボノブに手を伸ばす
澪(何も恐れるな……私は…この試練をクリアして変わるんだ!)ガチャ!
ドアの先には、フジツボが部屋全体にびっしりはびこる光景が広がっていた
241 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 23:09:26.80 ID:ugLxYVsAO
澪「」
「………………」
「………ハッ!」
(少し気を抜いただけで気絶してしまった……恐るべし、フジツボトラップ!!)テクテク
澪は無心でフジツボの間を抜ける
澪(よしっ、フジツボは完全攻略したぞっ!………案外呆気なかったな)スッ
(さて、次はどんな部屋か…)ガチャ
ストン!
ドアを開けた矢先、真っ暗な部屋の天井から黒い物体が落下する
生首「ア…アア……」
澪「」
242 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 23:11:08.60 ID:ugLxYVsAO
こうどう!
梓「で、純。さっきの話の続きなんだけど…」
純「さっきの話?……ああ、私の楽器の解放の話ね」
紬「私も聞きたいわ〜」ワクワク
純「他の先輩方はまだ目覚めそうにないし………いいですよ、話しましょう」
「梓、演奏者と演舞者の違いは知ってる?」
梓「うん。前にさわ子先生から聞いたよ」
紬「あっ!もしかして、純ちゃんが使ってるモップは演舞者の力で……」
梓「ベースは演奏者の力で解放してるってこと?」
純「Exactly!」
243 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 23:13:03.80 ID:ugLxYVsAO
紬「それならもしかして、姫子ちゃん達の弱点も解るんじゃないかしら?」
純「えっ、どうしてですか?」
紬「だって姫子ちゃん達も純ちゃんと同じ“演舞者”じゃない!」
純「……………あーっ!」
梓「ど、どうしたの?」
純「私、今まであの人達のこと、“演奏者”の方かと思ってた!…」
梓「演奏者でも演舞者でも、どっちも同じじゃないの?」
純「全然違うッ!演舞者は…………」
バコオオオォン!
梓紬純「!」
講堂の入口の扉が勢いよく爆発し、弾け飛ぶ
純「あなた達は………ッ!」
姫子「見ィーつけた」ニヤ
瀧エリ「おっはよ〜♪」クス
煙と共に姫子とエリが現れた…
244 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 23:18:52.20 ID:ugLxYVsAO
〜澪の精神世界〜
澪「」
エリザベス(第二関門……戦慄の間でもうアウトね)
(かれこれ30回以上は気絶しては起き、を繰り返してる)
(ほんの少しずつ進んではいるけれど、このままじゃ、澪の精神が持たないわ………)
澪「……う……ん…」
2番目の部屋、戦慄の間では前後左右も分からない程の闇が支配する空間内で、異形の者達が突如ライトアップされ現れる、といったお化け屋敷さながらの試練が行われていた
245 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 23:21:29.73 ID:ugLxYVsAO
澪「ハッ………私は……また気絶してたのか…」
エリザベス(この辺りで中断を勧告しようかしら)
「m……」
澪「確かに気絶してばかりだけど、確実に前に進んでるんだ………私は諦めないぞ!」
エリザベス(………やっぱりもうちょっとだけ様子を見ようかしら……でも、これだけは言っておかないと…)
「澪、エリザベスよ」
澪「」
246 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 23:23:53.98 ID:ugLxYVsAO
エリザベス「ふざけてないで聞きなさい。現実世界の仲間達…今、敵の襲撃を受けてるわよ!」
澪「本当か!?………こうしちゃいられない、急いでこの試練、突破しないと!」
「教えてくれてありがとう、エリザベス!」ダッ
漆黒の闇に立ちはだかる化け物達そっちのけで、澪は駆け出す
エリザベス(頑張りなさい………澪)
247 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 23:26:52.50 ID:ugLxYVsAO
こうどう!
姫子「裏切り者はちゃんと始末しないとな、純……」スタスタ
手にしたバットを肩にかけて純に歩み寄る
瀧エリ「その上、演舞者の最後の特徴まで教えようとするなんてね」ググ...
「許さな〜い」ダッ
強く地面を蹴り、エリが純に飛び掛かる
瀧エリ「喰らえっ!」シュ!
純の眼前で正拳を繰り出す
純(速い!対応しきれない!)
パシッ!
純「!」
瀧エリ「何!?」
エリの手首を掴み、突きを片手で防いだ梓がエリを睨みつける
248 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 23:31:19.93 ID:ugLxYVsAO
梓「私が相手になってあげる」
瀧エリ「……」バッ、シュタッ、タン
一瞬で梓の手を払い、後退する
エリ「昨日あれだけ遊んであげたのに、まだ足りないんだ?」
梓「昨日の私だと思わない方がいいですよ」
「………行くよ、むったん…」ボソ
「“鳴け ムスタング”!」ゴオオオ!
始響した梓に対し、エリは余裕の表情を浮かべる
瀧エリ(昨日より気圧があがっている?…………気のせいよね)
「たかが始響では私は倒せない。結果は同じだよっ」
梓「なら、どこからでもどうぞ……」ギュ
敵に攻撃してくださいと言わんばかりに、梓は目をつむる
249 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 23:32:47.83 ID:ugLxYVsAO
瀧エリ「なら、お望み通りに――」ダッ
「一撃で決めてあげる!」タッ、クルクル
地面を蹴り高く跳躍し、空中で回転した後、踵落としを繰り出す
梓「…………」
しかし梓は目を閉じたまま微動だにしない
瀧エリ「喰らっちゃえ!」ヒュ!
ドゴオオオン!
純「うわっ!」
紬「きゃっ!」
エリの踵落としの威力は絶大で、周囲に破片が飛び散るほどだった
梓「どこに攻撃してるんですか?」
250 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 23:34:44.14 ID:ugLxYVsAO
瀧エリ「うそ!?」
梓はエリが踵落としを決めた地点の真横すれすれの位置に立っていた
依然として目は閉じられている
瀧エリ(馬鹿な………私の攻撃を見もせずに避けた!?………まさか―――)シュン!
エリは瞬間移動の如きスピードで後退し、間をとる
瀧エリ「私の攻撃を先読みした。いや、私の心自体を読んだのね?」
梓「たったの一回でよく分かりましたね。その通りですよ」
「確かに私のスピードはあなたは到底敵いません。でも、あなたの動きがあらかじめ分かっていれば、話は別」
「私に“心眼”がある限り、あなたの攻撃は当たりませんよ!」
瀧エリ「心眼……か。面白い能力を身につけたじゃん。………こりゃ確かに―――」
「私も解放しないと無理そうかも!」ゴゴゴゴゴ
エリから強い気圧が発せられる
梓(来るか!?)
251 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 23:37:12.15 ID:ugLxYVsAO
瀧エリ「“翔けろ 電光女帝(ライトニング・クイーン) ”!」キィ―ン!
バレーの試合で常用しているエリのシューズが輝き出す
梓(ま、まぶしい!)
バチ、バチチチチ!
光が収束し、エリの解放が明らかになる
解放後のエリの両足は膝の上まで光り輝くロングブーツを着用しているかのように、目で見える電流にまとわれていた
梓(どう出て来る……)
瀧エリ「どう、驚いた?」
梓「解放を見たくらいで驚くわけないじゃないですか」
瀧エリ「それもそっか。じゃあ―――」フッ
梓「!」
エリの姿が瞬時に消える
瀧エリ「これなら驚いたでしょ♪」スッ
梓の背後、空中に姿を現すと同時に右足を縮め、蹴りの体勢に入っていた
252 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 23:39:42.28 ID:ugLxYVsAO
梓「んな!?」サッ
エリに遅れること一瞬、梓が反応して振り返った時には既におそかった
瀧エリ「ハッ!」フッ
蹴りのスピードも、誰の目にも捉えることの出来る速さではなかった
梓「きゃあっ!!」バシュウン!
ドガァン!ガラガラガラ………
光速の蹴りに飛ばされた梓は壁まで飛ばされ、衝撃でその壁も一部が崩れ落ちる
瀧エリ「心を読まれるのなら、読みきられる前に攻撃すればいい―――」
「“光速の”攻撃で、ね!」
エリは不敵に微笑み、次の標的を定めた………
253 :
も
[saga]:2011/08/02(火) 23:44:54.27 ID:ugLxYVsAO
ここまで!
予定より多めに投下したつもり
明日は忙しいんで、明後日の午後11時にまた、さいかい!
見てくれてありがと!
おやすみん!
254 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/02(火) 23:46:02.58 ID:ABxFkUF0o
乙。マイペースでがんば
255 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)
[sage]:2011/08/03(水) 00:01:55.07 ID:/ShSzcZAO
ここまで
song for you SHIONOGIがないとか…
256 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/03(水) 00:42:27.19 ID:R6F0nT3i0
瀧エリナリー…
257 :
も
[saga]:2011/08/04(木) 23:02:55.50 ID:d+BQ0jgAO
再開なんだなあ
258 :
も
[saga]:2011/08/04(木) 23:04:30.27 ID:d+BQ0jgAO
〜澪の精神世界〜
澪「失せろッ……!」ドス!
平沢チキン「グオオ…」バタ
澪「邪魔だッ……!」ドカ!
クラウザーさん世「ぐぬぬ………」バタ
澪「仲間がまってるんだ………どけェェ!」バキ!
堀込「ギギギ……」バタ
澪は現れる怪物を次々と薙ぎ倒し、暗闇の中を駆け抜けていた
かれこれ1時間は走り続けている
259 :
も
[saga]:2011/08/04(木) 23:06:31.47 ID:d+BQ0jgAO
エリザベス(戦慄の恐怖は克服したようね、そろそろいいでしょう)
澪「ハァ……ハァ……」タッタッタッ
パアッ!
走り続ける澪の前方が光で照らされる
澪「また敵か!?………いや違う、扉か」ハァ、ハァ
立ち止まり、扉を開け先へ進む
澪「うっ………まぶし!」
3つ目の部屋は先程までいた暗闇とは対照的に、全体が白く塗り潰された部屋だった
部屋の中央には刀を手にした少女が立っている
澪「え?わ、私がいる………?」
エリザベス「待ちくたびれたわよ、澪」
260 :
も
[saga]:2011/08/04(木) 23:09:36.80 ID:d+BQ0jgAO
「私があなたの楽器―――エリザベスよ」
澪「その刀………まさか、エリザベスと戦えなんて言うんじゃないだろうな?」
エリザベス「そのまさか、よ」
「ここまでの部屋で、澪の“外側の世界に対する恐怖”は克服できたと示された」
「今度は、自分自身に対して澪が感じている恐怖、つまり―――“内側の世界への恐怖”を克服してもらう………自分自身を倒す事でね」
澪「自分自身への恐怖だって?そんなもの私には………」
エリザベス「自分の緊張のせいでライブを台無しにしてしまわないか」
澪「!」
エリザベス「また公衆の面前でパンツを―――」
澪「それ以上言うなッ///」
261 :
も
[saga]:2011/08/04(木) 23:11:37.24 ID:d+BQ0jgAO
エリザベス「……ま、こんな感じにマイナスイメージを持ってしまう時ってあるでしょ?」
澪「要するに、“弱気な自分を克服する”ってことだな」
エリザベス「そんなところ」
澪「自分を攻撃するみたいで気が引けるけど、手加減はしないからな、エリザベス!」
エリザベス「武器も持たずにどうする気?」
澪「見てればわかるさ!」タッ!
エリザベス「なら見せてもらうわ」チャキ
262 :
も
[saga]:2011/08/04(木) 23:13:44.97 ID:d+BQ0jgAO
正面から突っ込んで来る澪にカウンターをしかけんと、エリザベスは刀を腰まで下げ、居合切りの構えになる
エリザベス「………」
(射程圏内………切るっ!)バッ!
キィ―――ン!
エリザベスの刀は澪の刀により防がれ、鍔ぜり合いに持ち込まれる
エリザベス「なるほど、既に理解していたようね」ギリギリッ
澪「ここは私の精神世界だ。これくらい造作もない。………まあ、成功するかは賭みたいなものだったけどな」ギリギリッ
263 :
も
[saga]:2011/08/04(木) 23:14:39.92 ID:d+BQ0jgAO
エリザベス(臆病なクセに、なかなか大胆なことするようになったじゃない………でも―――)
(まだ澪には真に私を使う資格はないっ)ギリギリッ、ガッ!
エリザベスは力押しで澪を弾き返す
澪「…!」ヒュン
(押し負けたか。何て力だ………なら―――)ザザザ…
(これならどうだっ)
「月光昇波!」ギュオオオ!
白銀の衝撃波を放った澪に対し、エリザベスは地面に自分自身の刀を突き立てて一歩下がった
264 :
も
[saga]:2011/08/04(木) 23:16:38.78 ID:d+BQ0jgAO
澪「諦めたのか?エリザベス」
エリザベス「澪に私の能力、見せてあげる……」
衝撃波「」ヒュン!
ズオオオォォォォ………
突き立てられた刀に白銀の衝撃波が飲み込まれてゆく
澪「な、月光昇波を吸収しただと!?」
エリザベス「ごちそうさま………さて、反撃と行こうかしら」スッ
地面から刀を抜き、そのまま澪へ向かって駆け出した
265 :
も
[saga]:2011/08/04(木) 23:20:13.92 ID:d+BQ0jgAO
エリザベス「」タタタッ
澪(何らかのトリックが隠されている可能性もある………もう一度確かめてみるか)
「月光昇波」ギュアア!
エリザベス「何度もしつこい!」スッ
澪が放つ白銀の衝撃波は、横向きに突き出したエリザベスの刀にやはり吸収される
その間にもエリザベスは澪との間合いを詰めていた
エリザベスは低い姿勢から澪を切り上げる
エリザベス「」ヒュオン!
澪「っ…」サッ
体を反らしてそれをかわす澪
しかし次の攻撃が澪を襲う
266 :
も
[saga]:2011/08/04(木) 23:21:13.28 ID:d+BQ0jgAO
エリザベス「ハァ!」ヒュッ!
エリザベスは刀を真っ直ぐ前に突き出した
しかし、体を反らした状態の澪はかわすことが出来ず、その攻撃速度は刀で防げるものではなかった
ザシュ!
澪「」
エリザベス「………フフ」
「急所は外したようね」
エリザベスの刀は澪の左肩を貫いていた
267 :
も
[saga]:2011/08/04(木) 23:22:09.96 ID:d+BQ0jgAO
エリザベス「確か、心臓を狙ったハズだけど………白銀の妨害(ミラージュ・プリベンション)を使ったのね」ズズッ
澪「うぐっ…………」
エリザベスは澪から刀を引き抜き、素早く間合いをとる
エリザベス「白銀の妨害(ミラージュ・プリベンション)は光の屈折を利用して相手の視覚を一瞬ずらす………もし、白銀の変わり身(ミラージュ・イミテーション)を使っていれば、攻撃を受けずに済んだのに、何故……?」
澪は肩を押さえ、フラフラの状態でなんとか立っていた
268 :
も
[saga]:2011/08/04(木) 23:23:08.07 ID:d+BQ0jgAO
澪「白銀の変わり身(ミラージュ・イミテーション)は…使用後…しばらく体が霧状になってしまう……そうなれば…エリザベスを倒すのに……時間がかかるから…な」ゼー、ハァ
「仲間が待ってるのに……時間をかけるわけには…いかないんだ!」チャキ
エリザベス「とはいえ、今の澪に何が出来るのというの?」
澪「………」ゼー、ハァ
ザクッ!
エリザベス「!」
澪は自ら心臓を貫いた………
269 :
も
[saga]:2011/08/04(木) 23:25:16.09 ID:d+BQ0jgAO
今日はここまでなんだなあ
明日の午後11時に再開なんだなあ
見てくれてありがとなんだなあ
おやすみん!
270 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/04(木) 23:27:21.80 ID:vr1J3Rpvo
乙。続きが気になるんだなあ
271 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/05(金) 05:20:09.52 ID:C3AwSe+9o
乙
更新が早いところもいいんだなあ
272 :
も
[saga]:2011/08/05(金) 23:17:06.85 ID:bK3FLVPAO
さいかい!
273 :
も
[saga]:2011/08/05(金) 23:17:56.02 ID:bK3FLVPAO
さいかい!
274 :
も
[saga]:2011/08/05(金) 23:18:52.51 ID:bK3FLVPAO
さいかい!
275 :
も
[saga]:2011/08/05(金) 23:19:25.45 ID:bK3FLVPAO
さいかい!
276 :
も
[saga]:2011/08/05(金) 23:21:59.04 ID:bK3FLVPAO
こうどう!
瀧エリ「さあ、お仕置きの時間だよ♪」ジリッ
純「くっ………」
(エリ先輩の動き……梓の心眼を上回るスピードなんて……)
「荒らぶれ 二重の(デュアル―――」スッ
瀧エリ「遅い!」ヒュン!
モップを頭上に掲げた純に、目前に瞬間移動してきたエリの目にも留まらぬスピードの蹴りが炸裂する
純「かはっ……!」
瀧エリ「“瞬神”と呼ばれた私の前では解放すらも使わせないよ♪」シュン
空中に高く蹴り上げた純を一度も地面に触れさせることなく、純が飛ばされる先に現れては攻撃し、そのまま空中で打撃の嵐を浴びせ続ける
277 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/05(金) 23:22:50.75 ID:95QVR6rSO
そんなに意気込まなくても
278 :
も
[saga]:2011/08/05(金) 23:25:39.16 ID:bK3FLVPAO
携帯から書き込んでるんだが、なんかおかしい
20分後くらいに再チャレンジするよ
279 :
も
[saga]:2011/08/05(金) 23:29:38.69 ID:bK3FLVPAO
>>277
連投スマソ
通信環境が悪いみたいなんだ
280 :
も
[saga]:2011/08/05(金) 23:44:31.36 ID:bK3FLVPAO
てす
281 :
も
[saga]:2011/08/05(金) 23:45:24.46 ID:bK3FLVPAO
さいかい!!
282 :
も
[saga]:2011/08/05(金) 23:47:09.12 ID:bK3FLVPAO
純「く…がはっ……ッ………!」ドガ! バシッ! ドガガガガガ!
(まさか…解放すら許されないなんて………ダメだ、意識が……飛びそう……)
瀧エリ「あはは!このまま空中で終わらせてあげる!」ドガガガガ!
姫子「エリ、他の軽音部のメンバーを始末するのがメインの目的なんだから、ほどほどにしなよ?」
283 :
も
[saga]:2011/08/05(金) 23:48:10.19 ID:bK3FLVPAO
瀧エリ「分かってるって。次で終わりに―――」ドガガガッ
エリが一際高く純を蹴り上げ、その先に瞬間移動し、拳を振り上げる
瀧エリ「するからっ!」
ゴゴオオオオ!
姫子エリ「!」
梓が倒れた場所から、水色の気圧の柱が上がる
エリは攻撃を中断し、地面に降り立つ
284 :
も
[saga]:2011/08/05(金) 23:50:53.81 ID:bK3FLVPAO
純「」ヒュウウゥ…
紬「純ちゃんっ!」タタタッ
空中から落下した純を、紬が走って受け止める
紬「酷い、こんなに……“癒せ 癒しの鍵盤(ヒール・ボード)”」ポロロン♪
「“ヒーリング・メロディー”」ポロロロン♪
オレンジ色の光が純を包み込む
285 :
も
[saga]:2011/08/05(金) 23:55:09.89 ID:bK3FLVPAO
一方、講堂の端の方では、水色のオーラをまとった梓が瓦礫の山を弾き飛ばし、立ち上がっていた
瀧エリ「ありゃ……まだ私と戦う元気残ってたか」
梓「よくも親友を……純を…」
姫子「裏切り者は始末するのが道理ってもんだろ?」
瀧エリ「姫子〜、あの子は私の獲物なんだから、手だししないでよ?」ザッ
姫子「なら私は無防備な残り物を片付けるわ」サッ
姫子は梓に背を向け去っていく
286 :
も
[saga]:2011/08/05(金) 23:56:28.12 ID:bK3FLVPAO
梓「なッ……待つです!」ダッ
瀧エリ「浮気はダメだよ?」シュン、ヒュッ!
梓「くっ……」ブン!
キイィィン!
梓の刀とエリの脚がぶつかり合う音が響き渡る
瀧エリ(光速の蹴りが防がれた!?)
梓「一気にケリ、つけてやるです!」サッ
梓が刀を頭上へ掲げると、梓を中心に、水の壁が発生する
瀧エリ(これじゃあ、解放を阻止できない………)
梓「音 解!!!」ドオオオオ!
287 :
も
[saga]:2011/08/05(金) 23:58:50.03 ID:bK3FLVPAO
梓から発せられた気圧で、周囲の長イスが全て吹き飛ぶ
梓「水神装纏(すいじんそうてん)――ムスタング」ドン!
飛び散る水と共に、右腕から背中にかけて、水でできた手足の無い西洋風の竜を纏った梓が姿を現した
梓の右腕は水竜の首と完全に融合し、手は竜の頭のようになっており、その竜の口には刀身の蒼い刀がくわえられている
瀧エリ(水の……竜………)
「フフッ………」
288 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:00:29.38 ID:A4lcz1cAO
梓「何がおかしいんですか………?」
瀧エリ「私の攻撃は“電気”属性。それに対して君は“水”!…………確かに一気にケリが着いちゃうね♪」
梓「やってみやがれです!」ザッ
瀧エリ「………“瞬神歩法―雷駆(らいく)”!」バチチチチッ
脚に電撃を纏ったエリが神速でジグザグ曲がり、梓へと駆ける
その姿はまさに、雷が地を駆け回っているかのような光景だった
289 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:02:09.32 ID:A4lcz1cAO
次の瞬間、梓の目前、空中で踵落としの体勢に入ったエリが姿を現す
瀧エリ「今度こそ―――なッ?!」
ドドドドオォォ!
滝のような水が背後からエリを流し飛ばす
梓の姿だけに集中していたエリからは完全に死角になっていた
さらに、梓が刀を掲げると、エリを流していた水が徐々に凍り付いてゆき、そのままエリの全身は凍り付いた………
梓「言った通り、一気にケリ……着きましたね」
芸術品のように美しい氷柱をバックに、梓は刀を振り下ろした…………
290 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:06:50.71 ID:A4lcz1cAO
一方、姫子はゆっくり、ゆっくりと、恐怖する紬の表情を楽しむかのように紬達の方へ近付いていた
紬「お願い、姫子ちゃん……みんなには酷いこと…しないで」
姫子「じゃ、ムギにはヒドイこと、してもいいのかな………?」
紬「…………みんなには手をださないって、約束してくれるなら………」
姫子「でも、ムギが居なくなれば約束を守る必要も無くなるよね?」ニヤッ
紬「っ………!」
姫子が紬の真ん前に来たその時、梓達の方で水が激しく流れる音がし、それに気を取られた姫子が振り向く
291 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:07:47.12 ID:A4lcz1cAO
姫子「ありゃりゃ、何やってんのよ、エリは………」
梓「ムギ先輩っ!」
そして戦いを終えた梓が、纏った水竜の翼を羽ばたかせながら飛び立つ
背後にヒビの入った氷柱を残して………
292 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:09:02.71 ID:A4lcz1cAO
ピキッ
徐々に氷柱に入ったヒビが拡大する
ピキキキッ!
姫子「私があの子、貰っちゃってもいいの?」
バリ―――ン!
瀧エリ「ダーメーー!!」
梓「………!?」サッ
振り返った梓の先には、氷柱を砕き、完全に復活したエリの姿があった
293 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:10:01.29 ID:A4lcz1cAO
梓「一体……どうやって……?」
瀧エリ「氷は振動を加えてやれば簡単に砕けるよね。だから電子を振動させて氷を砕いたんだよ♪」
梓(凍り付けが効かないなんて……)
瀧エリ「いくよ!」
再びエリが瞬間移動で梓に迫り、帯電した脚で蹴りを叩き込む
梓は一瞬反応が遅れ、左腕でガードするが、紬達とは逆方向へと吹き飛ばされてしまう
姫子「さて、邪魔が入ったけど続けましょっか?ムギ」
紬「ひっ………!」
294 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:12:34.82 ID:A4lcz1cAO
梓(身体が……痺れて動けない……)
「ムギ……先輩………!」
瀧エリ「」フッ
梓「くっ」ドカッ!
瀧エリ「君の相手は私って言ったよね?よそ見は禁止だよっ!」
音解と心眼を持ってしても、エリの、瞬間移動からの打撃といった流れを防御するのは至難を極めた
295 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:14:20.97 ID:A4lcz1cAO
一方、紬達の方では、やはり姫子がじわじわと紬の精神を追い込んでいた
紬「おねが……もう………やめ」グス、ヒック
姫子「あらあら、泣いちゃて……かわいそうなムギ。でも―――」
「すぐに楽にしてあげるわね」スッ
「“断ち切れ 大蛇(オロチ)鎌”」
姫子はバットを掲げ、解放すると同時に、姫子と目を合わせていた紬の身体の自由がきかなくなり、純を包んでいたオレンジの光も消える
296 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:15:09.56 ID:A4lcz1cAO
姫子「フフ………」スタスタ
姫子は手にした鎌を紬の首にかける
紬「…………!」ポロポロ
姫子「さ よ な ら」
スパッ!
姫子「まずは一人目。さて、次は………」
姫子は意識の無い他のメンバーを順に見渡す
姫子(純……律……唯……m―――)
「澪が………いない!?」
297 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:16:13.37 ID:A4lcz1cAO
姫子が異変に気付いたその瞬間、姫子の背後から刃が迫る
姫子「!」
キィン!
姫子の視界に、右腕に紬を抱え、左手に刀を手にした澪の姿が映る………
298 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:18:07.96 ID:A4lcz1cAO
――――――かいそう!
ザクッ!
エリザベス「!」
エリザベスに澪の攻撃はまったく効かず、さらに利き腕を潰されるという絶望的な状況下で、澪は自ら心臓を貫いた
澪「…………」
エリザベス「澪………」
299 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:20:21.68 ID:A4lcz1cAO
澪(………やっぱりだ。全然痛くない)
エリザベス「やっと気付いたのね」
澪「ああ、ありがとうな。エリザベス」
「エリザベスはこの戦いの最初に“自分自身を倒す”ことで“己自身への恐怖を克服する”と言ったんだ………誰もエリザベスを倒すなんて言っちゃいない」
「だから私は私自身を倒したんだ………自分自身への恐怖を持った今の私を、な」
300 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:21:31.74 ID:A4lcz1cAO
エリザベス「大した冷静さと大胆さ。成長したわね、澪」
「いいわ………約束通り持って行きなさい。私の力を!」
澪「………!」フラッ
澪の意識が精神世界から遠退いてゆく
エリザベス「ただし、この力はあなたの――――」
そこで澪の意識は完全に途絶えた
――――――回想終了
301 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:24:36.59 ID:A4lcz1cAO
澪「大丈夫か、ムギ?」
紬「澪ちゃん……グスッ…」コクリ
梓「澪先輩っ!」
澪「梓、こっちは大丈夫。梓はそっちに集中するんだ」
澪は紬を腕から下ろし、姫子に向かい合う
その目は姫子を睨み据えている
姫子「フフ、目が合ったわね。急に出て来たからビックリしちゃったけど、大したことなかったわ………」スタスタ
姫子が澪に近付き、鎌を振りかざす
紬「澪ちゃん!」
ズバァッ!
302 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:25:25.98 ID:A4lcz1cAO
切り裂かれた澪の裂け目から、霧のように澪の姿が消えてゆく
姫子「フェイクか!?」
澪「月光昇波!」
霧散した澪の幻影を切り付けたままの体勢で、姫子は真上から飛ばされた衝撃波を受ける
澪「まだまだァ!」
さらに澪は、空中から月光昇波の雨を浴びせ続ける
ドゴオオン…………!
澪「…」スタッ
澪が地面に降り立った時には、姫子の姿は舞い上がる砂埃で確認することはできなかった
303 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:26:27.29 ID:A4lcz1cAO
紬「やった………!」
澪「いや、まだだ………!」
砂埃が晴れてゆき、徐々に姫子の姿があらわになる
紬「そんな………!」
澪「ムギは下がって、純の手当てを頼む」
紬「分かったわ」
「“ヒーリング・メロディー”」ポロロン♪
紬は澪の指示に従い、再び純の治療にかかる
304 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:27:59.68 ID:A4lcz1cAO
姫子「騙し討ちなんて、卑怯じゃない?」
完全に姿を現した姫子は、ほぼ無傷だった
澪「あれだけやってこの程度とはな………仕方ない。いくぞ、エリザベス!」
ゴゴゴゴゴ…………!
澪を中心に紫色の気圧が渦巻く
姫子「これは………!」
澪「音 解!!!」ドドドド!
305 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:30:33.55 ID:A4lcz1cAO
澪「“村雨時雨(ムラサメしぐれ)―エリザベス”!」
突風と共に紫の気圧が晴れ、音解した澪が姿を現す
左手には妖しい輝きを放つ紫の刀身の刀が、晒(さらし)によって手首の上の辺りまで巻き付けられている
また、この時澪は姫子から目を逸らしていた
姫子「音解……ね。でも、それでどう私と戦うのかしら?私に目線を合わせないようにしているみたいだけど」
澪「……」
姫子「無視しないでよ、寂しいじゃない!」タタッ
ガッ!キィン!カガッ!
まともに姫子を見ることができない澪は姫子の連続攻撃に身体を反らすようにしながら対処していたが、次第に押されていく
306 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:32:19.28 ID:A4lcz1cAO
姫子「ハッ!」ブン!
澪「ッ!」キィン!
ついに、澪は姫子の攻撃に吹き飛ばされる
そして、姫子は倒れた澪に近付いて行く
姫子「それのどこか“音解”なの?全然期待ハズレなんだけど………」スッ
澪「!」
澪は、鎌を振りかざした姫子と目が合う
姫子「楽しませてくれないなら、そろそろ消えて!」ブン!
澪「…」ニヤッ
ズバアァッ!
辺りに血が飛び散る………
307 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:34:59.51 ID:A4lcz1cAO
姫子「ぐっ……うああっ………!」ヨロッ…
攻撃を受けたのは、姫子の方だった
姫子の背後には、片膝を折り、腰を低くして踏み込み切りの体勢をした澪がいる
姫子「どうして………?あなたとは目が合っていたハズなのに…」
澪「逆に聞くけど、一体いつ、誰が、“立花さんの能力が私に効く”と言ったんだ?」
姫子「!……じゃあ、目を逸らしながら…私の攻撃を受け続けたのも……全部演技だったのね……」
澪「そう。立花さんを錯覚させるための、な」
308 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:39:07.48 ID:A4lcz1cAO
澪「そもそも、この妖刀“村雨時雨”の前では妖術、幻影系統の技は全てが無意味」
「悪いけど、消えてもらうのは立花さんの方だ」チャキ
澪は刀を前に突き出し、地に膝をついている姫子の方へ向き直る
姫子「フフ……一段解放した私を追い込んだのは……秋山さんで二人目よ……ゴホッ」ドバッ
澪「…」
澪は血を吐きながらヨロヨロと立ち上がる姫子を静かに見つめる
309 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:40:32.61 ID:A4lcz1cAO
姫子「あなたにも……見せてあげるわ……」チャッ
姫子は鎌を逆さまに向けて持ち上げる
姫子「二段…解放を………」
澪(来るか………音解がっ)
姫子「アクセル・ドライブ!!!」ドゴオオオオ……
凄まじい轟音と共に姫子の体が赤紫のオーラに包まれ、周囲を重い気圧が押し潰す………
310 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 00:44:34.63 ID:A4lcz1cAO
今日はここまで!
明日は午後8時から、さいかい!
見てくれてありがと!
おやすみなんだなあ
311 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/06(土) 00:46:02.92 ID:tT6aUwvXo
乙!
312 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/06(土) 09:38:46.32 ID:OCN5Ux6Qo
乙♪
313 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/06(土) 13:32:43.90 ID:zJSW3dJy0
乙☆
314 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:07:54.13 ID:A4lcz1cAO
再開しま〜す
315 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:09:42.05 ID:A4lcz1cAO
その頃、ちょうど治療を終えた純が目を覚ます
紬「純ちゃん、まだ寝てなきゃダメよ」
純「いくら音解した澪先輩でも、アレと一人で戦うのはムリです!私も加勢させてください!」
「アレは音解とは次元が違うっ!このままじゃ澪先輩が……!」
紬「……分かったわ。でも無理しちゃダメよ?」
紬を必死で説得した純は、澪の所へ駆けて行き、並び立つ
316 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:10:52.83 ID:A4lcz1cAO
純「澪先輩、聞いてください!」
澪「何してる、純!下がって―――」
純「私達が!」
澪「!」
純「私達が力を合わせない限り、姫子先輩に勝つことは不可能です」
澪「どういうことなんだ?」
317 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:12:54.86 ID:A4lcz1cAO
純「演舞者(アスリート)は、その能力の全てにおいて私達、演奏者(アーティスト)を上回る力を持っているんです」
澪「運動部と文化部の差、というワケか」
純「でも、恐るべきはそこじゃないんです。演舞者は―――」
「三段解放までもってるんですっ!」
澪「何だと!?」
ドヒュウゥゥ…………!
姫子を包んでいたオーラが飛び散り、両側に刃のついた、蛇をモチーフにしたような巨大な鎖鎌を両手に携えた姫子が姿を現す
両腕ともに、鎖の一部は腕に巻き付けられている
また、澪から受けた傷は、その跡すらも残っておらず、完全に塞がっていた
姫子「“毒蛇姫(レプティル・ヴェノミノン)”………」
318 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:15:23.49 ID:A4lcz1cAO
純「“荒らぶれ 二重の嵐(デュアル・ストーム)”………続いて」
「音 解!!!」ゴオオオオ!
「“風切ノ太刀”」
反射的に純は音解まで続けて解放する
姫子「何のつもりなのかしら、純。“音解”では“アクセル・ドライブ“には及ばないと言ったのは君でしょ?」
純「それは一対一の時です。でも今は澪先輩がいるっ!」チャキ
澪「覚悟しておくんだな」チャキ
姫子「いいわよ。その顔……苦痛と絶望で歪めてあげる」チャキ
姫子の周囲から霧が立ち込め始める中、澪、純と姫子がそれぞれ武器を構え、向かい合う………
319 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:18:49.16 ID:A4lcz1cAO
こうどう・おくじょう!
梓「……ハァ……ハァ」
瀧エリ「もう息が上がっちゃったの?」
天井を突き破って無理やり屋上へ辿り着いた梓を追って、エリも続いて屋上に到着する
梓「下で戦うとみんなが巻き込まれるかもしれないから、場所を移したんですっ」
瀧エリ「へぇ、みんなを巻き込むほどの技も持ってるんだ〜。でも――――」フッ
「させないよ!」シュ!
瞬間移動で梓の背後、空中に移動し、帯電した脚で蹴りを繰り出す。が………
梓「…」スッ
瀧エリ「なっ!」スカッ
(下では私の光速の蹴りを“防いだ”だけだった。でも今度は“避けた”!?しかも、見向きもせずに!)
320 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:20:14.99 ID:A4lcz1cAO
梓「遅い!」シュ!
瀧エリ「くっ!」ガッ
キィン!
梓の刀とエリの脚がぶつかり合った反動で両者とも飛ばされ、二人の間に距離が取られる
梓「………」ゴゴゴ……
瀧エリ「ん?」
(あの子………気圧が徐々に上がってる?)
梓「どうしたんですか。ご自慢の“光速”の攻撃が避けられたのが、そんなにショックですか?」
瀧エリ「ふん……一度避けたくらいで、調子に乗らない方がいいよ」ジリッ
321 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:22:07.45 ID:A4lcz1cAO
梓「私から見れば、先輩の方が息、上がってますよ?」
瀧エリ「悪いけどそれ―――」フッ
「気のせいだよっ!」ブンッ!
瞬間移動で梓の斜め後ろに現れたエリは、そのまま回し蹴りを繰り出す
しかし、蹴りが梓に直撃する寸前に梓とエリの間に厚い水壁が出現する
瀧エリ「!」
エリの攻撃は止まらない
バシンッ!
322 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:24:00.57 ID:A4lcz1cAO
瀧エリ「いっ…」
「たああーーーーー!」ドサッ
地面に転げ落ち、脚を押さえながら悶え苦しむエリ
瀧エリ「くっ……うぐっ……グスッ……」キッ!
梓「倒れた上に泣きながら睨まれても、全然恐くないですよ」スタ、スタ
梓は話しを続けながら、倒れているエリに近付いてゆく
323 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:25:21.00 ID:A4lcz1cAO
梓「確かに、属性的には私の方が不利。でも先輩の攻撃はほとんどが打撃だった。それも“光速”の………」スタ、スタ
「だから私はそれを利用したんです。」
「水圧は物体の速度に比例する。水面に着弾した弾丸でさえ砕け散ることもあるほどなんだから、先輩の脚はもう………」スタ、スタ
瀧エリ「グスッ……アクセル………ドライブ…」バヂヂヂヂ!
梓「!?」
激しい電流がエリを包み込み、その周囲にも電気が放電される
梓は瞬時に後方へ飛びのいた
梓「いったい……何が………?」
324 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:26:43.24 ID:A4lcz1cAO
バジュウゥゥゥ………
エリを包んでいた電流が、そのままエリの全身に纏い付く
同時に負傷した脚も完治し、体を起こす
瀧エリ「超電導女帝(ボルティック・クイーン)」バヂ、ヂヂヂ…
梓「…」チャキ…
全神経を集中し、刀を構える
雲行きが怪しくなり、黒雲が空を覆い始めていた………
325 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:32:27.17 ID:A4lcz1cAO
こうどう!
姫子の周囲から発生した霧が漂う中、澪・純・姫子による戦いは続いていた
霧の濃度は濃く、近くにいる澪と純ですら、朧げにしか互いに確認することができない程であった
姫子「てりゃっ!」ヒュン
澪「…」キィン!
純「くっ…!」サッ
視界不良の中、姫子が投げ放つ特殊な形状の鎖鎌を避け続ける
澪と純は防戦一方だった
326 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:33:11.75 ID:A4lcz1cAO
純「姫子先輩はこの霧の中、どうやって正確に攻撃を当てているんだろう………」
姫子「蛇は体温で獲物を捉える。今の私も蛇同様、あなた達を体温で捉えているのよ!」ヒュン
純「……なら、この霧を吹き飛ばせばっ!」サッ
「大カマイタチ!!」ブン!
突風が霧を晴らしてゆく
が、その突風の先には意識のない唯達がいた
澪「まずいっ!」タッ!
ズオオォォォォ………
澪が突風の前に立ちはだかり刀を傾けると、突風がその刀身に吸い込まれる
327 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:34:42.47 ID:A4lcz1cAO
純「あ、危なかった〜」ホッ
姫子「むやみやたらに霧払いをすると、仲間を危険に晒すわよ………」スゥ―――
純の攻撃で欠けた霧の一部が、すぐさま補われる
純「そんな……せっかく危険を冒し払った霧が……」
姫子「そう。いくら霧を払おうと無駄なのよ!」
澪「そんなことは無いさ…」スッ
姫子「な!いつの間に………!」
澪は音も無く姫子の後ろに現れ、そのまま背中を切りつける
328 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:36:56.12 ID:A4lcz1cAO
姫子「……くっ!」ボタボタッ
「一体、どうやった!?」
澪「“妖刀 村雨時雨”は一度斬った物が使用した能力をコピーし、吸収する」
「つまり、立花さんのサーモグラフィー能力をコピーし、使ったんだ」
姫子「けど、私はサーモグラフィーを使ってから斬られてはいないはず!」
澪「その能力は立花さんの“武器”によって与えられたもの。だからさっき、ひと太刀交えた時に能力をコピーしたんだ………」
ズキン!
澪「ぐっ!?」
329 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:38:14.57 ID:A4lcz1cAO
澪は左腕を押さえ、よろける
その腕には、手に巻き付けた刀から延びるように黒い筋が刻まれていた
――――エリザベス「ただし、この力はあなたの――――」
澪(妖刀の呪いか……!)
(村雨時雨は両刃の剣………エリザベスが言いかけてたのはこのことだったんだな)
姫子「どうしたの?具合が悪そうだけど」シュ!
澪「!」
姫子の鎖鎌は澪の刀を巻き取り、動きを封じ込める
330 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:40:44.32 ID:A4lcz1cAO
姫子「秋山さんの楽器、確かに恐ろしい能力だわ。でも………封じてしまえば意味がない!」ググッ!
澪「くっ!」グワン!
姫子は鎖鎌と共に、澪を引き寄せ、地面に俯せにたたき付ける
そして、澪の体にのしかかり、もう片方の鎖鎌を澪の首筋にあてがう
姫子「確かさっき、純のカマイタチも吸収してたわよね……でも、これでカマイタチも使えない。終わりね!」シュ!
澪の首に掛けた鎌を勢いよく引くが、澪の身体は霧状に霧散し、攻撃をかわす
331 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:43:33.88 ID:A4lcz1cAO
姫子「小癪なっ!」
澪「C白銀の変わり身(カースドミラージュ・イミテーション)!」フッ
姫子と距離をとった所で、霧状となった澪が集まり、元の姿が形成される
ズキッ!
澪「ッ……!」
澪の左腕に二本目の痣が刻印され、先程の痣はさらに腕の付け根に向かって延びていた
澪(“白銀の変わり身”よりも元に戻る時間が短縮している………音解状態での技は強化されているようだが、リスクがキツイな………)
「純、聞こえるか!?」
純「何ですか、澪先輩!」
332 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:44:32.82 ID:A4lcz1cAO
澪「今から一気に決める。だから、そこを動かないでくれ!」
純「………わかりました!」
濃霧の中、他者の姿を確認することができない純のために、澪は声を張り上げて連絡をとる
姫子「あまり、ナメないで欲しいわね」ジャラ
姫子は鎖鎌の鎖を両手に持ち、澪の方に向け、クルクルと回転させ始める
333 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:47:16.07 ID:A4lcz1cAO
姫子「この毒蛇王(レプティル・ヴェノミノン)にはね、強力な毒が仕込んであってね……」ブォン、ブォン…
「こんな使い方もできるのよ!」ヒュオオオオ!
「酸の嵐(アシッド・ストーム)!」ズゴオオオ!
高速回転させた鎖鎌から、強酸性の二つの巨大な竜巻が真横に発生し、澪を飲み込まんとする
竜巻の風圧で周囲の霧は吹き飛ぶ
澪「自ら霧を掻き消した?………それ相応の威力があるということか!」
姫子「言っておくけど、秋山さんが避ければ、その後ろには唯達がいるわよ………さあ、どうする?」
334 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:49:04.91 ID:A4lcz1cAO
>>333
・訂
姫子のセリフ
毒蛇王→毒蛇姫
335 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:51:55.34 ID:A4lcz1cAO
澪「避けるつもりなんて、さらさらないさっ!」スッ
「“大カマイタチ”!」ブン!
純からコピーした技を繰り出し、突風をぶつけるが、徐々に押し返され始める
姫子「その攻撃は対策済み!さっさと諦めなさいっ!」
澪「まだ終わっていない!」ググッ
「“月光斬波”!!!」ブンッ!
澪は紫の衝撃波を続けて放ち、突風と重ねて威力を上昇させる酸の嵐(アシッド・ストーム)と均衡状態となっており、威力は、ほぼ同等だった
336 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:53:16.44 ID:A4lcz1cAO
ズキンッ!
澪「くそっ、こんな時に……!」フラッ
澪がよろけると同時に、澪と姫子、二人の攻撃の均衡状態が崩れ、再び澪が押され始める
姫子「私の勝ちだァァァ!」
純「まだですよっ!」バッ!
「大カマイタチ!!!」ヒュゴゴゴゴ!
澪姫子「!」
濃霧の、まだ晴れていない所から純が飛び出し、澪の攻撃に更に突風を上乗せする
337 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:55:14.40 ID:A4lcz1cAO
姫子「なぜ純が!?」
純「いや〜霧が晴れてきたから何かと思って出てみたら、グッドタイミングですね、私!」
姫子が周囲を見渡すと、辺りは澪と姫子が起こした攻撃により、霧が晴れつあった
そして遂に、純の加勢により勢いを取り戻した突風と紫の衝撃波が入り混じった巨大な渦が姫子を飲み込む………
姫子「きゃぁあアァアッ!!!」ズバ、ズバ、ズバッ!
澪「…………」
純「…………」
澪と純は黙って、空中で身体を切り刻まれゆてく姫子を見つめる
姫子が、まだ武器を離すまいと、鎖鎌を強く握っているからだ
338 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:56:49.50 ID:A4lcz1cAO
澪「来る………三段解放が……くっ!」ギュッ
純「澪先輩!その腕は!?」
澪の腕には、さらに多くの黒筋の痣が延びて刻まれていた
澪「心配するな………だが、あまり長くは持ちそうにないな……」
「さっきは出て来るなと言っておきながら、結局助けてもらったな。ありがとう」
純「エヘヘ……今度もナイスコンビネーションで、かましてやりましょう!」ザッ
澪「ああ!」ザッ
二人は未だに嵐の中心で攻撃を受け続けている姫子に向き直り、構える
339 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 20:58:21.22 ID:A4lcz1cAO
姫子「クソがアアアアッ………!!」ズバ、ズバ、ズバッ!
「オーバーアクセル・ドライブゥゥウウッ!!!!」カッ!
姫子を中心に発生したとてつもなく巨大なエネルギー波が、姫子を攻撃していた嵐を吹き飛ばす
さらにその影響で、講堂内に突風が吹き渡る
澪「くっ……大丈夫か、純?」ゴオオオオ
純「はい!何とか……」ゴオオオオ
片腕で顔を覆い、二人は何とか暴風に耐える
340 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 21:03:10.40 ID:A4lcz1cAO
シュウゥゥゥ………
風が止み、最終解放した姫子が姿を現す
澪「な…………!」
純「あ…………あ……!」
その姿に二人は絶句する
二人の前には、高さ4、5メートル程もある巨大な大蛇がとぐろを巻いて上からこちらを見下ろしていた
いや、正確に言えば半獣半人。
下はとぐろを巻く蛇の姿をしているが、上半身1メートル程は、紛れも無く姫子の姿をしていた
両手に持っていた鎌は消え、今は何も持ってはいない
姫子「妖姫………大蛇魯酸(ダイダロス)」
ガラガラの声で解放名を口にする
澪「化け物め………!」チャキ!
341 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 21:09:33.27 ID:A4lcz1cAO
こうどう・おくじょう!
エリの解放と共に漂い始めた黒雲が空を完全に覆い尽くし、辺りは夜のように暗かった
その暗さの中で全身に電流を纏うエリの姿は、目がくらむ程にまぶしく輝いている
瀧エリ「ハンデとして、ひとつ教えておいてあげる」
梓「ハンデなんて、余計なお世話ですっ!」チャキ
水竜を纏う梓は全神経を集中させ、距離を取ってエリに臨んでいた
一瞬でも気を抜けば、光速の打撃の嵐に飲み込まれてしまうからだ
342 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 21:10:50.37 ID:A4lcz1cAO
瀧エリ「アクセル・ドライブした私は超電導で、全ての物質との間に発生する電気抵抗を《ゼロ》にできるんだっ♪」
梓「?」
瀧エリ「つまり、今の私のスピードはさっきより上ってこと!!」ドスッ!
梓「うっ!?」
ノーモーションの状態から距離のある梓の前まで一瞬で移動してきたエリの拳は、梓の腹を貫通していた
343 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 21:14:28.73 ID:A4lcz1cAO
梓「………」ガシッ
瀧エリ「…………」
梓は自分を貫いたエリの手を掴む
次の瞬間、エリとは逆サイドから梓の胸を貫き抜けて蒼色い刀身の切っ先がエリに迫る
エリは腕を強引に振り払い、瞬間移動で後退する
瀧エリ「目上の人と接する時は、ちゃんと相手の目を見ないとダメだよ?」
刀に貫かれた梓の身体がパシャ、と音を立て水となり飛び散り、その背後から本物の梓が姿を現す
344 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 21:16:02.64 ID:A4lcz1cAO
梓「バレてました?」スッ
梓が刀を掲げると、半径2メートル程の球状の水壁が梓を包み込む
梓「うかつに攻撃すれば、さっきの二の舞ですよ?」
瀧エリ「それはどうかしら♪」ヴゥン!
残像を残しながら、エリは梓の背後の水壁手前まで移動し、目に見える程度の速度で水壁内に侵入する
梓「読めてますよっ!」シュ!
瀧エリ「遅いっ♪」フッ!
ドゴォッ!
エリは斬撃をかわし、梓の頭を地面に打ち付ける
梓「うぐっ……!」
345 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 21:17:53.34 ID:A4lcz1cAO
瀧エリ「今度は本物みたいね♪」バヂヂヂヂヂ!
梓「きゃああああっ!!」
エリは全身に帯電した電気を容赦なく流す
瀧エリ「君はよく頑張ったよ。私にアクセル・ドライブを使わせたんだからね♪………ん?」バヂヂヂヂ!
梓に触れている手が、凍りついてゆく
梓「あああああっ!……なんてね♪」ブン!
シュバッ!
完全に勝利を確信していたエリは、梓の斬撃をまともに受ける
346 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 21:19:20.97 ID:A4lcz1cAO
エリは斬られた腹を押さえ、後退しようとしたが、梓を覆っていた球状の水壁が凍りついており、逃げることができない
梓「純水は電気を通しません。その水で作られた氷もまた然り……」
エリに押さえ付けられていた梓の頭部には氷の膜が張りついてあった
また、梓が纏う水竜は氷の竜となっていた
347 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 21:20:21.72 ID:A4lcz1cAO
瀧エリ「あちゃ〜、私を追い詰めるための演技だったか〜………」
梓「終わりです―――」スッ
両手で刀をエリへと突き出す
梓「“絶対零度(アブソリュート・ゼロ)”………」カチャ
鍵をかけるように、突き出した刀を横に90°回転させる
すると次の瞬間、周囲の空間全てが凍りつき、空から確認すると、講堂の上に巨大な氷山が出現していた………
348 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 21:22:27.31 ID:A4lcz1cAO
パキッ………
氷の一部を割って梓が氷山から出て来る
梓「ハァ、ハア………これくらいやれば、流石にもう出て来ないよね………澪先輩たちの所へ行かないいと………」
奥義を披露した梓には既に気圧はほとんど残っておらず、楽器の状態までムスタングを戻した
その光景を4人の影が観察していた
?「よくもエリを………行くよ!」ザッ!
4人の影が梓に襲い掛かる………
349 :
も
[saga]:2011/08/06(土) 21:25:17.81 ID:A4lcz1cAO
ここまで!
次回は明日21時!
見てくれてありがとん!
おやすみん!
350 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/06(土) 21:25:42.69 ID:tT6aUwvXo
おつかれい!
351 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/06(土) 23:31:09.23 ID:B/UGgeKf0
ムギは本当に楽器との対話終わったのかよww
352 :
も
[saga]:2011/08/07(日) 21:46:02.92 ID:WQDAxwhAO
すまぬ、遅れる
12時から再開します
353 :
も
[saga]:2011/08/08(月) 00:01:11.11 ID:hcHbvR9AO
いくよ〜!
354 :
も
[saga]:2011/08/08(月) 00:02:46.08 ID:hcHbvR9AO
〜唯の精神世界〜
赤と黒の混沌とした空間の中、地に膝をついた唯は、憂の姿をしたギー太の白刀に胸を貫かれていた
ギー太「チッ、他愛もない……」ググッ
唯「」ニギッ
目をつむり、刀を引き抜こうとするが唯が掴んで離さない
ギー太「諦めろ……テメェはオレには勝てないんだよっ!」ガッ
唯「ぐふっ!」ゴロゴロ…
痺れを切らしたギー太は、唯を蹴飛ばして刀を引き抜く
飛ばされた唯は地面に横たわる
355 :
も
[saga]:2011/08/08(月) 00:04:09.74 ID:hcHbvR9AO
ギー太「なぜ、オレには勝てないかわかるか?」
唯「わから……ないよ………」
ギー太「お前が…………優し過ぎるからだ」
唯「………?」
ギー太「戦いにおいては非情にならなければ敵には勝てない。お前には敵の命を奪う覚悟はあるか!?」
唯「………そんなもの、ないよ…」ムクリ
唯は瀕死の傷を受けてなお、胸の傷口を押さえながら起き上がる
ギー太「だろうな!普段もっさりしてるテメェーなんかには――――」
356 :
も
[saga]:2011/08/08(月) 00:08:24.39 ID:hcHbvR9AO
唯「私はっ!………最後にみんなで…笑っていられるために…戦うんだよっ!……ギー太みたいに……乱暴するためじゃないんだよっ!!」キイィ――ン!
ギー太「!」
唯の身体が白く光を放ち、輝きだす
と同時に、周囲の混沌とした空間が光で満たされてゆく
ギー太「馬鹿な!オレの世界が……消えて行くっ!何をした!?」シュウウゥ………
ギー太の身体が霧のように散って行く
ギー太「チッ、オレも消えるのか…………だがな唯、オレ…は……いずれ……また………」シュウゥ…
357 :
も
[saga]:2011/08/08(月) 00:08:58.01 ID:hcHbvR9AO
唯「ハァ……ハァ………」バタッ
ギー太が完全に消えたところで、唯は力尽き倒れ、意識を手放す………
358 :
も
[saga]:2011/08/08(月) 00:10:13.74 ID:hcHbvR9AO
・・・・・・・
?「…唯………唯………」
光で満たされた空間の中、青年の声が唯の名を呼ぶ
唯「う、う〜ん………」オキアガリ
「あ…れ………?ギー太は?私、どうなったの?………あっ!」
起き上がった唯の目の前には、唯のギター、レスポールが立てられていた
ギー太「はじめまして、かな。唯」
唯「え?ギー太がしゃべってる……てことは、あなたがギー太?でもさっき戦ってたのもギー太で………???」プシュ〜
359 :
も
[saga]:2011/08/08(月) 00:11:42.59 ID:hcHbvR9AO
ギー太「ハハッ、いきなり過ぎて混乱しちゃったかな。じゃあ、順に説明しようか」
唯「お願いしますっ!」
ギー太「さっき唯が戦ってたは、唯の負の感情が僕の力を乗って作り出した君自身なんだ」
唯「もうひとりの私自身………?」
「でも、さっきのギー太は自分のことを“ギー太”って言ってたよ?」
ギー太「う〜ん、正確には“唯とギー太の融合体”って所かな」
唯「でも、私はあんなヒドイことはしないよっ!」
ギー太「それはさっきも言った通り、奴が唯の負の感情………例えば、焦り、怒り、憎しみ、と僕の融合体だからだよ。今の君とは違う」
唯「ほえ〜」
360 :
も
[saga]:2011/08/08(月) 00:13:18.01 ID:hcHbvR9AO
ギー太「思い出してみて。唯が負の感情を持っている時、奴は唯に近付いてきたハズだよ」
唯「うん。あずにゃんがピンチの時も、憂がみんなを傷付けるって言った時も、私、カッとなって自分を見失ってたよ」
「でも、その時はすごい力が沸いて来たんだ!」
ギー太「それは唯自身の力ではない。暴走した力に頼れば、君自身を破滅させかねないんだよ?」
唯「えっ………!?」
ギー太「それに唯は知らないかもしれないが、君が始めて暴走した時、仲間を傷付けようとしてたんだよ!!」
唯「そんな………!」シュン
ギー太「………怒鳴ってごめん」
唯「うん……」
361 :
も
[saga]:2011/08/08(月) 00:15:30.73 ID:hcHbvR9AO
ギー太「さっき唯は、“自分はみんなが笑っていられるために戦う、ギー太みたいに乱暴に力を振るわない”ってな感じのことを言ったよね?」
唯「うん」コクリ
ギー太「君が奴……もうひとりの唯を否定した、負の力に頼らないことを宣言したおかげで、一時的だけど奴を退けることができたんだ」
唯「じゃあ、私が焦ったり怒ったりしなかったら、ギー太と心を通わすことができるの?」
ギー太「うん。僕は唯のこと、気に入っているからね」
唯「っ!………ギー太///」ダキッ
ギー太「うわっ、ちょ……苦しっ!」
362 :
も
[saga]:2011/08/08(月) 00:18:10.00 ID:hcHbvR9AO
・・・・・・・・
ギー太「ゴホン、……話を続けるよ?」
唯「エヘヘ、すいやせん」
ギー太「確かに、負の感情を抱いてない今の唯であれば、僕と真に心を通わすこともできる」
「だが一つ、問題点がある」
唯「何でございましょう?」
ギー太「君が“絶対音感”を持っているってことだ」
唯「ぜったい……おんかん………?」
ギー太「ざっくりと言えば、正確に音を聞き分けられる能力、というところかな」
363 :
も
[saga]:2011/08/08(月) 00:19:15.30 ID:hcHbvR9AO
唯「じゃあ、絶対音感があるとどうなるの?」
ギー太「音、つまり空気の振動に敏感に反応するようになる」
「同様に演奏者(アーティスト)にとっては、感情の変化に無意識的に敏感に反応してしまうんだ」
「砕いて言うと、すぐに負の感情が表に出て来るってことだよ」
唯「でも、もうひとりの私はさっき―――」
ギー太「“一時的”には退けた。完全にいなくなったワケじゃない」
唯「あぅ………」
364 :
も
[saga]:2011/08/08(月) 00:22:43.58 ID:hcHbvR9AO
ギー太「でも今の唯なら僕と心を通わせられる。君の目的の“音解”も使える!」
唯「ホントに!?」パアッ!
ギー太「ああ!」シュウウゥ…
ギー太のボディが霧散してゆく
唯「ギー太っ!!」
ギー太「そろそろ時間だ………最後に一つ言っておくよ」
「もうひとりの唯は必ずまた現れる」
「奴も紛れも無く君自信なんだ。次に奴が出てきたら、その時にはっ………」シュウゥ……
唯「ギー………太……――――」
ギー太の姿が完全に消えると同時に、唯の意識も途絶えた………
365 :
も
[saga]:2011/08/08(月) 00:24:41.42 ID:hcHbvR9AO
ちと解説
・唯は初め始響が使えなかった
→憂がいないことについて焦っていたから
矛盾や疑問点があったら報告頼んます
今日はここまでっす
見てくれてありがと!
おやすみっす〜!
366 :
も
[saga]:2011/08/08(月) 00:26:15.18 ID:hcHbvR9AO
言い忘れてた
明日も0時で再開しまっす〜!
367 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/08(月) 01:53:24.64 ID:jnIkuq9IO
おつ!おもしろいな
368 :
も
[saga]:2011/08/08(月) 04:27:12.92 ID:hcHbvR9AO
>>367
ありがと!
モチベーション上がって書いたった
※参考画像 梓・音解
http://mup.vip2ch.com/dl?f=21664
飛んでりゅよ〜
http://mup.vip2ch.com/dl?f=21663
横向きでスマソ!!
369 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2011/08/08(月) 21:54:56.51 ID:OP/V5Arso
久々に面白いな
Wktk
370 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:00:53.53 ID:2dvpr6pAO
さいかい!
371 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:01:55.52 ID:2dvpr6pAO
こうどう!
最終解放で巨大蛇と化した姫子に澪・純が立ち向かっていた
姫子はその巨体からは想像も着かないスピードで澪達を圧倒する
姫子「ホラホラ!」ブン!
純「っと……!」サッ
長さが数メートルもある尻尾を使った攻撃が特に驚異的だった
かわすのに手一杯の澪と純には反撃のチャンスがなかなか巡って来ない
372 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:03:19.41 ID:2dvpr6pAO
姫子「っりゃあ!」ブオン!
澪「っ………!」サッ
(姫子は解放時にまた全回復した。それに比べ、こっちは体力が………もう―――)
姫子「隙アリッ!」シュルルル
澪「!」
一瞬できた隙をつき、姫子の尻尾が澪に巻き付き、そのまま姫子の目線の高さまで持ち上げられる
純「澪先輩っ!」ダッ
姫子「動くな!締め潰すわよ!」
澪「う……ぐっ……」ギュウウッ!
純「くそっ!」ピタッ
373 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:04:47.43 ID:2dvpr6pAO
澪「くっ………“月光―――」
姫子「」ギュウッ!
澪「ぐあああっ!」
姫子「大人しくしてなさいってば」
澪(”C白銀の変わり身”をもう一度使うか……?けど、私の残りの気圧からして使えるのはせいぜいあと1回)
上に向けた手の平を口元に持って行き、澪に向かって息を吹きかける
姫子「このまま溶かしてあげる………“酸の息吹(メルティング・ブレス)”」フゥー……
姫子の口元から、霧が発生し、澪の方へと近づいて行く
374 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:05:42.63 ID:2dvpr6pAO
澪(やむを得ないかっ!)
「“C白銀の変わり身(カースドミラージュ・イミテーション)”!」スゥ……
澪は霧状に霧散し、その霧が姫子の攻撃をかわしつつ姫子の背後、空中で再集合する
形成された澪の姿は既に次の攻撃の大勢に入り、刀を大きく振りかぶっていた
澪(これで終わらせるっ!)ググッ
ズキンッ!
左腕に激痛が走る
澪「っ!…………うぉああーーー!!!」
「“月光斬波”!!!」ブン!
ズドドドドド!
375 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:07:04.21 ID:2dvpr6pAO
姫子「!」サッ
「このっ!」ブン!
ドカッ!
澪の攻撃を感知した姫子は尻尾で澪を叩き飛ばしたが、澪の放った衝撃波は止まらない
姫子「グアアアア!!」ズドン…
とぐろを巻いていた姫子の身体は、衝撃波によりいくつかの肉片に切断され崩れ落ちる
尻尾に弾き飛ばされた澪はそのまま壁に叩きつけられそうになるが、直前に壁との間に割って入った純に抱き留められる
純「澪先輩っ!」ガシッ!
澪「う………」ギュッ
澪は左腕を押さえながら苦しむが、純にはどうすることもできない
純「早く琴吹先輩にみせないと!」ダッ
376 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:08:41.57 ID:2dvpr6pAO
・・・・・・・
紬「ダメ………治せないっ!」
澪を包み込んでいたオレンジの光が消え、治療が完了するが、腕の刻印は依然として残っている
紬「私が治せるのは傷や気圧だけ。澪ちゃんのこの痣は別の………何か」
純「そんな………!」
紬「今は安静にしているしかないわ………」
純「わかりました……」
377 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:10:49.00 ID:2dvpr6pAO
紬「………梓ちゃん、まだ戦ってるのかしら。心配だわ……」
純「梓なら私に任せてください!加勢に行ってきま――――」
純が駆け出そうとしたその時、純と紬の体に異変が起こる
突然金縛りにあったかのように、体の一切の自由が効かなくなったのだ
バランスを崩し、前のめりに倒れた純が見たのはローブを羽織い、眼鏡をかけたオカルト研究部の女子生徒2人だった
よく見ると、前髪ぱっつん(P)の方は姫子の残骸に向かって片手で印を組み、呪文のようなものをブツブツ唱え続けている
そして、前髪を中央で分けている方(W)が澪に近付く
378 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:15:28.38 ID:2dvpr6pAO
W「秋山澪を……助けてあげる…」
純(な!?………いや、嘘だ!)
(本当に助ける気があるなら、何故私達の動きを封じたりしたの?………この人達は敵っ!!)
Wは1枚のお札を取り出し、しゃがみ込んで澪の左腕に押し付けながら呪文を唱える
澪「うぐっ、うあああああっ!!!」
純(澪先輩!)
紬(澪ちゃん!)
澪の腕の痣が、見る見るうちにお札へと吸収されて行く
と同時に、澪の音解も解け、元のベースの状態にまで楽器が戻った
379 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:17:57.38 ID:2dvpr6pAO
全ての痣を吸収し終えるとWは立ち上がり、お札をローブ内にしまった
W「これで秋山澪は助かりました。妖刀………村雨時雨の力を封印することで………」
純(村雨時雨を封印した?それじゃあ澪先輩は、もう………)
(演奏者(アーティスト)の力を使えない!!)
380 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:19:33.82 ID:2dvpr6pAO
純が目を背けると、ふと紬の表情が目に入る
彼女は何かをじっと見つめ、ひどく怯えている様子だった
純(うそ………でしょ……?)
純もつられてその方向に目をやると、先程澪がトドメを刺したはずの姫子がとぐろを巻いてこちらを見下ろしていた
姫子「残念だったわね」
P「立花姫子は私が治した」
Pは既に呪文を唱え終えていた
381 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:20:26.04 ID:2dvpr6pAO
W「ではこれより………生徒会長の命令により、あなた達を抹消します」
純(澪先輩は能力を封印されて気を失ってる。私と琴吹先輩は動きを封じられている)
(梓は戻ってこなし、唯先輩と律先輩は楽器と対話中………)
(終わりだ………終わりだっ!………本当にっ!)
382 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:21:32.70 ID:2dvpr6pAO
〜律の精神世界〜
所々に草木の生えた荒野で、律は後ろから炎の双剣で胸を貫かれていた………
アポロン「……………」
律「……アポロン……あんたは“部長クラスとしての覚悟”…とか言ってたよな…」
アポロン「……………」
律「……そんなもん……知るか……よ」
383 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:22:51.08 ID:2dvpr6pAO
アポロン「……………」
律「私は………仲間を信じ…自分を信じて………戦う………」
アポロン「……………」
律「部長だからって……何も特別なことなんて………ない……さ」
アポロン「………それが、律様の“応え”………そして――――」
「それが最も重要なことなのですよ」
384 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:25:12.48 ID:2dvpr6pAO
律「?」
アポロン「見事、合格です………というより、不合格であれば私に刺された時点で律様は焼き尽くされ、今頃はお亡くなりになっていらっしゃるんですがね」
律「どういうことなんだ?全然話が見えねー」
「とりあえず、今私刺されてるけど、全然痛くね〜んだ。………むしろ、力が流れ込んでくるみたいな……」
アポロン「その通り。私の刃は所有者を試します。あなた様がこのアポロンめの力を従えるに本当に相応しいのかを」
385 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:28:12.46 ID:2dvpr6pAO
アポロン「相応しいと判断されれば、貫いた剣より力がもたらされ、不相応だと判断されれば、その身を業火に焼き尽くされる」
「そして、その判断材料は主人の器量によるのです」
律「……まあ、つまり私は試練をクリアしたってことだよな?」
アポロン「おっしゃる通りでござ――――」
律「ぃよっしゃーーー!!!」
律は歓喜の叫びを上げる
386 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:29:49.41 ID:2dvpr6pAO
アポロン「………しかし喜んでいられるのもつかの間です」
律「………え?」
アポロン「ただ今、現実世界では律様のご友人達が危機に陥っておられます」
律「なっ、なんと!?」
アポロン「さあ、私の力を存分に使いあなたの信じる仲間達をお助けなさい!!」ゴオオオオ!
律を貫く炎の双剣が激しく燃え上がり、炎が律を包み込む
そこで律の意識は途絶えた………
387 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:35:19.52 ID:2dvpr6pAO
こうどう!
姫子「まずは秋山さんからいただくわっ!」シャアッ!
完全復活を果たした姫子が、倒れて眠っている澪に飛びかかる
純と紬はオカ研部の2人による魔術で体の自由を封じられている
純(澪先輩っ!!)
紬(澪ちゃんっ!!)
388 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:37:16.45 ID:2dvpr6pAO
ゴオオオオオオ!!!
姫子「!」
突如、意識のない澪の前に炎の壁が地面から噴き出し、姫子の行く手をはばむ
律「またせたな………ヤロー共!!」ゴオオオオ!
唯「律ちゃん、遅いよ」ガシャン
律「なんだ?唯も遅刻かよ」ゴオオオオ!
純達の背後には、右手に持った出刃包丁のような大刀を肩にかけた唯と、激しく燃え盛った大剣を背負い、腰にも刀を下げ、フードをかぶった律が並び立っていた
律「ここからが……」
唯「本当のライブの始まりだよっ!」
389 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:38:48.25 ID:2dvpr6pAO
紬「唯ちゃんっ、律ちゃんっ!」
純(えっ、琴吹先輩声を出せるの?)
「あ〜」テス、テス
(ハッ、いつの間にか声が出せるようになってる………)
紬「屋上に、梓ちゃんがっ!」
唯「あずにゃんが!?………律ちゃんや、ここを任せてもいいかい?」
律「おう、行ってこい!」
唯「」ブゥン!
姫子「消えた!?」
(このスピード………もしかしてエリよりも……)
390 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:40:33.82 ID:2dvpr6pAO
律「さあ、こっちはこっちで始めるか」ガシッ
律が背負った大剣を頭上に掲げると、大剣はその形を失い、直径3メートル程の小さな太陽となった
律「準備は整った………音 解!!!!」
バゴオオオォォ………
姫子PW「!!!」
頭上の太陽が律に向かって落ち、大爆発を起こす
次に、炎の爆風が各々を襲う
ただし、澪・紬・純は炎の壁により身を護られてる
391 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:42:18.42 ID:2dvpr6pAO
PW「…………!!」ゴオオオオ!
オカ研の2人は熱風に耐え切れず、焼き尽くされ気絶する
姫子「軽音部部長・田井中律っ!まさか……ここまでとはっ!」ゴオオオオ!
姫子も例外ではなく、オカ研同様、炎が身を焦がす
いちご「結界操術―葵!」
ザァァァアァ!!
地面から勢いよく噴き出した水壁が炎から姫子を護る
392 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:45:20.33 ID:2dvpr6pAO
姫子「いちご………」
いちご「私は一段解放までしかできない………サポートするからよろしく、姫子」
ゴオウッ!
炎を振り払い、爆心源から律が姿を現す
始響と時と同じく黒のフードを被り、両腕には肩の先まで突き抜けた炎を纏っている
律「“紅蓮乱舞――アポロヌス・ビート”」チャキ
腰から刀を抜き、炎を纏わせる
律「見せてやるぜ………軽音楽部部長・田井中律の力を!」
393 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:51:30.64 ID:2dvpr6pAO
※参考画像・音解・律ちゃん
ぺたりんちょ!
http://mup.vip2ch.com/dl?f=21720
394 :
も
[saga]:2011/08/09(火) 00:53:54.70 ID:2dvpr6pAO
ここまで!
明日も0時で、さいかい!
見てくれてありがと!
ぐっないっ!
395 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/09(火) 01:01:18.02 ID://4Mzw9Ao
乙。部長かっこいいよ部長
396 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/09(火) 05:35:28.88 ID:Zzh4fxADO
乙カレー
部長カッコいいよ部長
397 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 00:12:20.19 ID:9vs9q34AO
さいかい!
398 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 00:14:40.45 ID:9vs9q34AO
こうどう・おくじょう!
現在、黒雲が空を覆い尽くし、昼過ぎにもかかわらず夜中であるかのような暗さになっている
唯と律が目覚める少し前、エリを見事倒した梓は、下での戦いに加勢しに行こうとしていた
梓「ほとんど気圧は残ってないけど、まだやれるよね。むったん………」
アカネ「悪いけど、そういうワケにはいかないよ」ザッ
399 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 00:17:39.97 ID:9vs9q34AO
未解放のムスタングを背負い戦地に赴く梓の前に、エリと同じくバレー部の佐藤アカネ・和嶋まき・中西とし美・佐伯三花の4人が立ち塞がる
特に、佐藤アカネはエリと大の仲良しで、バレー部No.2の実力を誇っている
梓「くっ……新手ですか………」ザッ
ムスタングを構える梓だが、音解する気圧は残されはいない
400 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 00:19:10.38 ID:9vs9q34AO
アカネ「エリの仇、取らせてもらうよ!」ジャラ
三花「悪く思わないでね」ジャラ
まき「倒す!」ジャラ
とし美「行くよっ」ジャラ
バレー部4はそれぞれ「い」「き」「ゅ」「う」という文字の形をしたキーホルダーを取り出す
アカネ「“染めよ 露草”!」
三花「“散れ 徒花”!」
まき「“魅せよ 梅椿(ウメツバキ)”!」
とし美「“押し潰せ 蓮華丸(レンゲマル)”!」
梓(全員解放してきたっ!)
「“鳴け ムスタング”!」ダッ
401 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 00:20:58.61 ID:9vs9q34AO
バレー部勢は全員刀を持ち、1対4という圧倒的不利な状況下で梓は奮闘する
梓「ハッ!」ブン!
アカネ「…」サッ
「露染め切り!」シュバ!
梓「っ!」キィン!
三花「仇討ち切り!」ブン!
梓「っ…」サッ
とし美「鬼つぶて!」ブオン!
梓「わっ!」ガキイィン!
(しまった!)
しばらく連続攻撃に耐えていた梓だが、遂に刀を弾き飛ばされる
402 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 00:22:58.44 ID:9vs9q34AO
ムスタングに手を伸ばした梓の背後から、追撃が繰り出される
まき「第1曲―蔓(つる)の舞―!」ビュン!
まきが刀を振ると、刀は鞭のような動きをしながら梓に迫る
梓「え……!?」サッ
梓は振り返ったが、既に攻撃を避けれる間合いではなかった
ガキイイィィン!
巨大な出刃包丁のような刀が、まきの刀を弾き返す
唯「………」バッ!
梓を背に、唯が参上した
403 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 00:26:27.15 ID:9vs9q34AO
梓「唯……先輩……?」
戦闘大勢に入っているためか、唯の様子はいつもと違い落ち着いた雰囲気かもし出している
唯「もう大丈夫だよ、あずにゃん」ガッ!
唯は出刃包丁の形をした始響状態のギー太を地面に突き刺し、立てた
アカネ「平沢唯……素手で私らとやり合うつもりなの?」
唯「…………」
とし美「ナメてるんじゃないわよっ!」バッ
ドカッ!
とし美「ぐふっ………!」ドサッ…
唯は飛び掛かってきたよし美の懐に一瞬で入り込み、腹に突きを入れ、一撃でねじ伏せる
404 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 00:29:39.62 ID:9vs9q34AO
梓(は、速い)
三花「とし美!」バッ
まき「………」バッ
動揺した三花と、とし美が倒されてカッとなったまきが飛び出す
まき「第2曲―棘の舞―!」シュシュシュシュッ!
唯「…………」サッサッサッサッ
目にも留まらぬ速さの突きの雨が唯を襲う
しかし、唯はその全てをかわす
まき(攻撃が………当たらないっ!)シュシュ!
唯「……」ガシッ
まき「!」
唯「とりゃあああ!」ブン!
突き出された刀を素手で掴み、まきごと後から走ってきた三花へ投げつける
三花「きゃっ!」ドサッ……
まき「わっ!」ドサッ……
405 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 00:31:16.99 ID:9vs9q34AO
アカネ(素手で3人を……しかも、最初立っていた位置からほとんど動かずに)
(流石は平沢憂の姉。やるわね)
唯「さあ、後はアカネちゃんだけだよ」
アカネ「……強いわね、平沢さん。けど、私は今の3人とは違うわよ」
唯「そうかもね。だから私もギー太を使うよ」ガシッ
アカネ「それじゃ、行くわっ!」ダッ
姿勢を低くしたアカネが一瞬で唯の懐に踏み込む
「露草流閃術1刀目“一文字切り”」シュン!
横一線に、切る
しかし、唯の姿はない
アカネ「上かっ!」
406 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 00:36:09.93 ID:9vs9q34AO
アカネが上を見上げると、既に斬撃の体勢に入っている唯がいた
唯「はあああっ!」ブン!
アカネ「露草流閃術2刀目“大文字切り”」シュシュシュッ!
ドフウウゥゥゥ………
砂煙が舞う
アカネ「ゴホッ、ゴホ………やったか!?」
ドカッ!
アカネ「う………」バタッ
唯「峰打ちだよ」
煙が晴れ、倒れたアカネの後ろに立つ唯の姿がはっきりと映る
唯「…………」スタ、スタ
唯は静かに梓の方へ歩み寄っていく
407 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 00:37:40.68 ID:9vs9q34AO
梓「唯……先輩?」
唯「あっずにゃ〜ん!」タタタッ
「ぎゅ〜〜〜」ダキッ
梓「に、にゃあーーーっ!!!」
408 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 00:38:48.80 ID:9vs9q34AO
・・・・・・・・
梓「いきなり抱き着くのは禁止ですっ!」
唯「ぶ〜、あずにゃんのいけず〜」
梓「もう………でも、また唯先輩に助けられましたね。ありがとうございます」
「戦ってる時の唯先輩……カッコよかったです」
唯「エヘヘ〜、照れますな〜」
梓「今の唯先輩とは違って」
唯「あぅ〜」シュン
梓(暴走した時の唯先輩、いや、ギー太の事もあって唯先輩の音解の試練……心配してたけど)
(よかった……いつもの唯先輩で)
409 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 00:40:49.72 ID:9vs9q34AO
ポツ…ポツ、ポツ
唯「おや、雨だねぇ」
ザーーーーーーー
黒雲で覆われた空から、ついに雨が降り出した
梓「唯先輩、早く下へ行きましょう!」
ピシッ!
唯「いや……まだだよ、あずにゃん……」
梓「えっ!?」
先程の唯のように、唯の雰囲気がガラッと変わる
ピシ、ピシピシッ!
梓「ま……さか……」フッ
梓がゆっくり後ろを振り返ると、エリを封じ込めた巨大な氷塊に大きな亀裂が入っていた
ビシシッ………バリ―――ン!!!
410 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 00:42:20.90 ID:9vs9q34AO
氷塊が砕け散り、凍りづけにされていたエリが目を覚ます
瀧エリ「ふ〜、やっと出られたよ〜………ありゃ、唯もいるじゃん」
唯「……」チャキ
ザザァァァァ………
雨は激しさを増していく
梓「どうして!あれだけの氷で固めれば、多少の電気振動でも出て来れないハズ!」
瀧エリ「いや〜それがさ、講堂の下からすごい熱が伝わってきてね。氷を溶かすのを手伝ってくれたってワケ♪」
梓「下からの………熱?」
唯「……律ちゃん………律ちゃんが音解したせいだよ」
梓「」
411 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 00:45:53.75 ID:9vs9q34AO
瀧エリ「え、律のおかげなの?後でお礼しなくっちゃ………君達の後でね」バヂバヂバヂ
「それとさ、この雷雲――――」
エリが空を指差す
瀧エリ「実は私が呼んだんだよね〜」
梓「何のために………?」
瀧エリ「私がファイナルステージに立つためだよん♪」
「オーバーアクセル・ドライブ!!」タッ!
エリは勢いよく地面を蹴り、空高く跳躍する
バリバリバリーーー!!!
唯梓「!」
なんと、跳躍したエリが雷に打たれたのだ
412 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 00:49:11.76 ID:9vs9q34AO
バシュウ!
エリに落ち、数秒間帯電した雷が弾け飛んだように消え、全身がプラズマ光のように光り輝くエリが現れる
あたかもそこに地面があるかのように、エリは空高くに立って唯達を見下ろしていた
瀧エリ「“天鼓雷音(てんくらいおん)如来”!!!」ドン☆
唯「………あずにゃん、逃げて」
梓「何言ってるんですか!私も………!」
唯「分からないの!?今のあずにゃんじゃ、エリちゃんには――――」
瀧エリ「どっか〜ん♪」ピッ!
バリバリバリッ!!
エリが人差し指を指した位置、梓のもとに雷が落ちる
413 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 00:53:48.14 ID:9vs9q34AO
唯「!」ドカッ!
梓「きゃ!」ステン!
唯「きゃああああっ!!!」ビリビリビリッ!
唯は梓を突き飛ばし、間一髪の所で梓だけは雷からまぬがれた
唯「」シュゥ〜、バタッ
梓「あ……そんな…………唯先輩っ!」ユサユサ
瀧エリ「フフ、残念。唯とも遊びたかったのに、一撃で倒れたゃうなんてね――――」
唯「まだっ!」ムク
瀧エリ梓「!」
唯「まだ終わってないよ!」スタッ
414 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 00:54:52.66 ID:9vs9q34AO
瀧エリ(あれ〜、おかしいな。結構強めに打ったのにな〜)
唯「わかったかい、あずにゃん。今の疲れてるあずにゃんじゃ、エリちゃんには勝てないんだよ。ここは私に任せて、あずにゃんは早くムギちゃんの所へ」
梓「……わかりました。でも―――」
唯「私なら大丈夫!」フンス!
梓「……はい!……失礼しますっ」ダッ!
瀧エリ「ありゃりゃ、唯1人になっちゃったよ」
唯「私1人じゃ不満?」ザッ
瀧エリ「多分ね♪」ザッ
415 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 00:58:51.65 ID:9vs9q34AO
ゴロゴロゴロ………
ザアァーーー………
梓「………」タッタッタッ
(この雨の中で光速移動すれば、水滴がエリ先輩を貫いて重傷を負うハズ。つまり、今はあのスピードは封じられている………だとすれば問題はあの落雷)
(雨として落ちてくる水滴は限りなく“純水”たから、エリ先輩の属性“電気”を利用するなら地面での感電を狙ってくるハズ)
(水の濃度を自在に操れる音解したむったんなら、それに対抗できる!)
(待っててください、唯先輩!)タタタッ
しかし、現実は梓が考えている通りではなかった
416 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 01:00:26.88 ID:9vs9q34AO
瀧エリ「ハァアアッ!!」ビュン!
唯「!」バッ
ガガガッ!
唯「うわっ!」ドカッ!
エリは梓が問題外と見なした“光速”のスピードで急降下して唯を蹴飛ばした
唯はギー太でガードするが、数メートル飛ばされる
瀧エリ「ふふん♪」タッ
エリは地面を軽く蹴ると、そのまま空高くへ上昇していった
417 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 01:05:02.66 ID:9vs9q34AO
唯「“響牙天衝”!!」ギュアア!
瀧エリ「何回やってもムダムダ♪」スゥ―
唯の放った斬撃は全てエリの身体をすり抜けて、一度も攻撃を当てることができなかった
唯(私の攻撃は全部、“かわされた”んじゃなく、“すり抜けた”。………やっぱりエリちゃんの身体は見た目からして“プラズマ化”している!)
(………だとしたら、この雨の中を光速移動できるのも納得がいく。)
418 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 01:08:55.82 ID:9vs9q34AO
唯(それじゃあ、私の攻撃はエリちゃんには1つも効かないや…………さて、どうしようかな)
瀧エリ「どうしたの?早く“音解”して私を楽しませてよ!」スッ…
エリの人差し指が唯を捉える
ゴロゴロ……ピシャーーーン!
唯「くっ………!」シュタッ!
唯は雷を避けて跳躍し、そのまま空中で数回転して着地のタイミングをずらすことで、地面の電流が流れ過ぎるのを待つ
419 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 01:11:19.27 ID:9vs9q34AO
唯「……」シュタン!
瀧エリ「いい動きするじゃん♪」
唯「ありがと」
瀧エリ「ほめてあげたんだからさ〜………唯の音解、見せてほしいな〜」
唯「………いいよ」ザッ
始響状態のギー太を右手で前に突き出し、左手を右腕に添える
唯「これが私の………音解だよっ!」ゴゴゴゴゴッ!
唯の周りを赤と黒が入り混じった気圧が渦巻く
唯「はぁぁぁああああ!!!」
「 音 解 !!!」ズゴゴオオオォン!!
420 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 01:12:17.69 ID:9vs9q34AO
唯の気圧が天を掴まんと、黒雲を貫いて上昇して行き、気圧の柱が形成される
そしてその気圧の柱が消えた時、黒いコートを身に纏い、右手に黒刀を携えた唯が現れた
唯「“音鎖天征――ギー太”」ヒュウゥゥゥ……
421 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 01:14:58.18 ID:9vs9q34AO
※参考画像 唯・音解
ぺたぺたり!
http://mup.vip2ch.com/dl?f=21764
422 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 01:16:01.24 ID:9vs9q34AO
瀧エリ「音の鎖が天を征する、ね………フフ、おもしろそうじゃん♪」
唯「……」タッ
唯は地面を蹴り、エリのもとへ向かって跳ぶ
唯「はぁぁああっ!」ズオオオ…
唯の黒刀が黒い気圧を纏う
唯「“響牙天衝”!!!」ギュアアアッ!
纏った気圧をほぼ真下からエリへと飛ばすが、やはりエリの体をすり抜けてそのまま天へ向かって飛んで行く
423 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 01:17:13.10 ID:9vs9q34AO
瀧エリ「唯はおバカさんだって知ってたけど、音解しても同じ手でくるなんてね………」
「がっかりさせないでよねっ!」ダッ
まだ空中、エリの下にいる唯に向かってエリが飛び出す
唯「………」
瀧エリ「はあっ!」ブン!
唯「フッ………」ヒュン!
唯との距離わずか1メートル、光速の突きが唯に当たる刹那、唯が黒刀でエリを切り返す
ドカッ!
424 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 01:18:35.14 ID:9vs9q34AO
唯「うっ………」ヒュ―ン
唯はエリの打撃を受け、地面に叩きつけられる
瀧エリ「残念でした〜♪」
ブシュウッ!
瀧エリ「えっ………?」
エリの左肩には刀で切られた跡があり、出血していた
瀧エリ「どうして……プラズマ化した私に傷を!?」ギュ
傷口を押さえながら、下で倒れている唯を睨みつける
唯「上を……見てみなよ」ムクリ
瀧エリ「え!?」サッ
425 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 01:20:30.12 ID:9vs9q34AO
エリの頭上の、空を覆う黒雲の一部が先程の唯の響牙天衝によって欠損していた
唯「エリちゃんさ、この雲を呼んだのは“ファイナルステージに立つため”とか言ってたよね」
「そこから、この雲が無敵のプラズマボディと関係があるんじゃないかな、って思ったんだ」
「私には難しいことはよく分からないけど、とりあえず雲を消してみたら………正解だったよ」
426 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 01:22:17.08 ID:9vs9q34AO
瀧エリ(確かに、私のプラズマ化は積乱雲、つまりこの黒雲で発生する高電圧によって発動している。周囲の雲が消されたら、プラズマ化も解ける)
(それを私の一言をヒントに感覚で攻略されるなんて)
(やっぱり唯もあの子と同じ“天才”………!)
唯「エリちゃん……しゃべり過ぎだよ」
瀧エリ「………でも、私に同じ手は二度も通用しないよ」バッ
エリは手を空に向け、さらに多くの黒雲を呼び込む
黒雲は見る見るうちに修復され、以前よりも厚い雲の層が出来上がる
427 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 01:24:34.92 ID:9vs9q34AO
瀧エリ「さっきの一撃で決めるべきだったね」
唯「………」チャキ!
瀧エリ「どこ見てるの?」ザッ
唯(後ろかっ!)サッ
ドカッ!
空中に立って唯を見下ろしていたエリは、一撃で唯の背後に移動し、蹴り飛ばす
唯「うっ………」ドザァ
瀧エリ「ん〜、この程度でも反応できないか。さっきの子の方が楽しめたかも」
唯「………」ムクリ、チャキ
428 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 01:29:21.07 ID:9vs9q34AO
瀧エリ「まだまだやる気満々みたいね………ま、付き合ってあげますか!」ブゥン!
ドガッ!
唯の足元に瞬間移動で滑り込んだエリは、そのまま唯を空中へ高く蹴り上げる
瀧エリ「演舞連撃―雷神の舞―!!」シュン!
ドガッ、バシッ、バシン!ドガガガガ!!!
蹴飛ばされて空中に滞空している唯に、帯電した腕や脚による攻撃が、光速を超える速さで放たれる
唯が飛ばされた先から次の打撃が来るため、唯は息つく間もなく空中で攻撃を浴び続けた
429 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 01:31:28.24 ID:9vs9q34AO
唯「ぐふっ……っ……う……ッ……」
瀧エリ「あはは、そろそろ意識失ったかな?」ドガガガガ!
ガッ!
ひときわ高く蹴り上げると、エリは唯が飛ばされるその先へ移動し、電気を帯びた腕をバレーのスパイクを打つかのように振り上げる
瀧エリ「とりゃあああ!」ブン!
パシッ!
瀧エリ「!?」
唯「………つかまえた」ギュッ
「響牙……天衝ォ!!!」ギュオオオン!
ズドオオオォォン!!
空中で、ゼロ距離の黒い衝撃波がエリに炸裂する………
430 :
も
[saga]:2011/08/10(水) 01:34:36.41 ID:9vs9q34AO
ここまで!
明日も0時に、さいかい!
ご覧頂き、誠にありがと!
おやすみ〜ん!
431 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/10(水) 01:41:39.56 ID:rCqMPmqBo
乙。この厨二具合が好き
432 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/10(水) 12:15:02.33 ID:FPpLwHk4o
おつ
433 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 00:27:48.74 ID:HwgnXcXAO
>>431
大人になっても心は厨二でいたいから………
てことで、さいかい!
434 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 00:29:05.53 ID:HwgnXcXAO
こうどう!
壁や床、その全てが激しく燃え盛っており、講堂内は炎熱地獄と化していた
律「炎舞!」ブン!
ゴオオオ!!
いちご「結界操術―虚空!」バッ
いちごが炎に手を向けると黒い壁が出現し、炎を吸い込んで行く
435 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 00:30:47.05 ID:HwgnXcXAO
いちご「今よっ!」
姫子「シャアアアッ!!」バッ!
律「!……」スッ
不意を突いたつもりで律に飛びかかったが、律が姫子に手を向けた瞬間、姫子の身体が激しく燃え始めた
姫子「うああああっ!!」ゴオオ…
いちご「姫子!」
「くっ………結界操術―――」
律「ムダだ………」ブン!
律が炎を纏った刀をもう一振りすると、黒い壁の吸収量を超える炎が発生し、壁ごといちごを飲み込む
436 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 00:31:44.62 ID:HwgnXcXAO
いちごと、三段解放した姫子たち演舞者(アスリート)を相手に圧倒的実力差で律は勝利を納める
律「終わったな………」クルクル
律はドラムスティックのように刀を回しながら周囲の炎を自らの意思で消してゆく
すると、炎の壁に守られていた澪と紬、純の姿が現れた
律「大丈夫だったか?ムギ」
紬「えぇ、私は。………でも澪ちゃんがまだ……」
律「そっか………」
(澪のベース、弦が全部切れてやがる………澪、お前こんなになるまで頑張ってくれたんだな……)
437 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 00:33:00.65 ID:HwgnXcXAO
タタタッ!
梓「せんぱ〜い!」
(何、この焼け跡!?)
屋上から下りてきた梓は、至る所に見られる焼け跡に驚愕する
律「ん……梓」
梓「律先輩っ!勝ったんですねっ!」
律「おうよ!無敵の律ちゃんが負けるわけねーだろっ!」
梓「調子に乗らないでくださいよ?……って、こんなことしてる場合じゃなかった。ムギ先輩っ!今すぐ私を治してください!」
紬「もしかして、まだ上で唯ちゃんが?………わかったわ」
「“ヒーリング・メロディー”」ポロロン♪
その場に座った梓をオレンジの光が包む
438 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 00:34:17.33 ID:HwgnXcXAO
律「私が行ってくる」
梓「ダメです!相手は雲を操って雨を降らせてきます。炎熱系の律先輩じゃ勝てません!」
純「雲を操ってるんなら、私の風でっ!」
梓「雷も自在に落としてくるんだよ………あんなの、音解したって避けられないよ」
律「じゃあ、じっとして待ってろってか?そんなこと――――」
ピキッ……………
紬「あ、あれ!」スッ
律梓純「!」
紬が指差した方を見ると、まるで透明なガラスにヒビが入っているかのように、空間に亀裂が入っていた。
徐々に亀裂は拡がっていき、音を立てて割れ始めた
439 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 00:35:27.90 ID:HwgnXcXAO
和「あら、いちごと姫子……やられちゃったのね」
空間の裂け目からは和1人が出てきた
和「それにしてもまあ、こんなに滅茶苦茶にして………」
律「和っ………!」ザッ!
律が前に出て、刀を構える
和「あら、勘違いしないでくれる?私は戦いに来たんじゃないんだけれど………」
律「うるせーっ!姫子やいちごを送り込んできたのは和だろっ!」
440 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 00:36:22.93 ID:HwgnXcXAO
和「私?……違うわよ」
「私はただ、“あの子”の味方をしているだけ。ここに来たのだって、そうよ」
純「あの子って………憂のことですよね?」
和「あら、鈴木さんじゃない。いつから軽音部のスパイをしてたの?」
純「スパイ!?私はっ……ちが――――」
梓「純はスパイなんかじゃありません!」
純「あずさ………」
和「フフ、ごめんなさい。冗談よ。鈴木さんはそっちにいる方が、あなたらしさが出ていていいわ」
純「……?」
441 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 00:39:04.28 ID:HwgnXcXAO
紬「それで、和ちゃんは何をしに来たの?」
和「ムギ………そうね、言いそびれる所だったわ」
「明日の正午、屋上へ来なさい。軽音部全員、そろってね………」
律「どういうつもりだ?」
和「さあ、分からないわ………憂に直接聞いてちょうだい」
「それと、姫子といちご、エリを倒した時点で残りの生徒全員が解放されるはずよ。だから後は私達を倒せば全て終わり………それじゃ………」
スタ、スタ、スタ…………
和が戻っていくと、空間の裂け目はひとりでに塞がった
442 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 00:44:54.64 ID:HwgnXcXAO
こうどう・おくじょう!
ヒュ――――ン、ドサッ………
響牙天衝の衝撃で唯とエリは屋上に別々に落下する
唯「ハァ………ハァ………」ムクリ
瀧エリ「…まさ…か……私のスピードが……見切られてたなんて…ね…」ムクリ
唯「!………まだ動けたの?」
瀧エリ「この雲がある限り………私は無敵なんだよ」
唯「そうだったね………でも、ダメージを与えることはできた」ザッ
瀧エリ「お互い様だけど……ね」ザッ
豪雨が降る中、二人は息絶え絶えながらも、向かい合って構える
443 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 00:47:33.18 ID:HwgnXcXAO
瀧エリ「地面にはこれだけの水がある。電流を流せば私の勝ちなんだけど、その前に1つ教えて欲しいな?」
唯「何かな?」
瀧エリ「さっきの一撃、どうやって私のスピードについてこれたの?」
唯「………私には“絶対音感”っていうのがあるみたいなんだよ」
「私には、わずかな空気の振動で次に相手がどう動くのか、だいたいだけど感覚でわかる………」
「それで、エリちゃんが唯一実体化する打撃攻撃のタイミングにカウンターを仕掛けたんだよ」
瀧エリ「ふ〜ん。じゃ、どうして最初から私の攻撃を避けなかったの?」
444 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 00:48:32.16 ID:HwgnXcXAO
唯「エリちゃんの速さは“光速”でしょ?それに比べて、音解した私は“音速”。避けられるわけないじゃん」ムスッ
瀧エリ「あはは!ゴメン、ゴメン。意地悪な質問だったね………」
唯「……エリちゃん……私からも質問していい?」
瀧エリ「うん、いいよ」
唯「どうして私達……こんな傷つけ合いしてるのかな………?」
瀧エリ「………なんでだろうね……ホントは私もこんなことしたいとは思ってないんだよね〜」
唯「ふざけてるの?」
瀧エリ「違う、違う。なんか、そのことを考えてると……頭がボーっとなって………誰かの声が………」
「“軽音部を倒せ”って………」
445 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 00:49:32.31 ID:HwgnXcXAO
唯「え……!?」
瀧エリ「…うっ……」ガクッ
突然エリが、両手で頭を抱えてその場に崩れ落ちる
唯「エリちゃん!」タタタッ
瀧エリ「唯!近づかないで!!………力がっ!……暴走するっ!!」
バヂヂヂヂヂッ!!!
唯「!」
地面の水を伝って電撃が唯に迫る
「“冷塊氷壁”!!」
パキパキパキッ!!
唯を囲むように氷の壁が出現し、電撃から唯を守る
446 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 00:50:29.90 ID:HwgnXcXAO
梓「お待たせしましたっ、唯先輩!」
氷の竜を纏った梓が参戦する
パリン!
氷を割って出てきた唯は梓に駆け寄る
唯「やめて、あずにゃん。説得すれば、エリちゃんはきっと――――」
梓「なに言ってるですか。相手さん、すごい殺気を放ってますけど、説得できるんですか?」
唯「え………?」サッ
瀧エリ「……………」
唯が目にしたエリはさっきまでとは雰囲気が違い、冷たい目をした………まるで人形のようだった
447 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 00:51:33.28 ID:HwgnXcXAO
唯「どうしちゃったの?……エリちゃん!」
梓「あの人、目がヤバいですよ………唯先輩は下がっててください。私かやります」
唯「………気をつけて、あずにゃん……エリちゃんはあの雲でプラズマ化してる。雲を何とかしないと攻撃は当たらないよ………」
身体中ボロボロの唯は素直に引き下がった
梓「そうですか………分かりました」
梓はエリに向き直る
梓「決着つけましょう。ついてきてください!」バサッ!
瀧エリ「…………」ビュン!
激しく降る雨に逆らい、空高くへ飛翔する梓に続き、エリも跳躍して後を追う
448 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 00:55:22.59 ID:HwgnXcXAO
梓「この辺りでいいですかね……」チャキ……
瀧エリ「…………」シュタ……
滞空している梓は空中に立つエリに向かい合い、刀を天に向ける
梓「水神――ムスタングは水の神。全ての水はムスタングの支配下にある」
「つまり、全ての水は私の武器です。こんな大きな雲を呼んでいただいて、礼をいいますよ………行きますっ」
「零天(レイテン)葬送………」スッ
449 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 00:57:01.32 ID:HwgnXcXAO
梓が離れた位置にいるエリに刀を降ろして向けると、降り続いていた雨が次第に雹(ひょう)に変わっていった
さらに、空を支配していた黒雲の高度が下がり、ゆっくりと降ってくる
バヂバヂ……ジジジ………
エリの身体からプラズマの輝きが消えて行く
梓「これで光速の移動も、プラズマの身体も封じました。終わりです!」
パキ、パキパキッ!
エリは手足から、徐々に凍り付けにされていった
450 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 00:58:37.37 ID:HwgnXcXAO
瀧エリ「…………」ブン!
バリバリバリッ!!!
梓「………!」
まだ微かにプラズマ化をしているエリは、身体に付いた氷を振り落とし、梓に向かって電撃を繰り出す
梓「しつこいです!」スッ
刀を掲げると同時に氷の壁が出現し、電撃を防ぐ
同時に氷柱が出現し、エリはその中に閉じ込められる
しかし、電撃の勢いは衰えることなく激しさを増す
梓(雲が完全に凍り付くまでは倒せないみたいですね………でもこの攻撃に耐え切れば私の勝ち!)
「うぉぉおおおっ!!!」
氷壁の一部が電撃を押し返してエリに向かって伸びていった
その氷がエリに届く頃、二人は落ちてきた雲に突入し、プラズマ化が解けたエリは巨大な雲により完全に凍りついた…………
451 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 00:59:34.24 ID:HwgnXcXAO
ほけんしつ!
紬「はい、これでもう大丈夫!」
エリとの決着がついてから数時間後、軽音部メンバーはこれまで戦ってきた姫子やいちご、バレー部、オカ研の面々を保健室に運び込み、紬が彼女らを治療していた
また、他のメンバーは再び彼女らが暴れることを危惧し、解放に使われていた道具を取り上げていた
律「とりあえず、姫子達の分は全部隠し終えたけど……オカ研の人らはどうする?………縄か何かで縛っとくか?」
紬「う〜ん、まだ当分は目が覚めないと思うけど…」
律「そっか………」
452 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 01:00:47.13 ID:HwgnXcXAO
唯「エリちゃんと戦ってる時、ちょっと本音みたいなのを聞いたんだ………本当は私達と戦いたくない、って」
梓「でも、あの人達は戦いを楽しんでいるみたいでしたよっ?」
唯「だけど、信代ちゃんの時みたいに操られてたかもしれないじゃん!」
律「そう思うかもしれないけど、実際に一回倒したいちご達がまた襲ってきたんだ。本意で戦ってた可能性も十分にある」
澪「まあ、私達が立ち去った後に別の誰かがもう一度洗脳し直したのかもしれないけどな……」
純「あの………今、仲間内で揉めるのは……ちょっと……」
律澪唯梓紬純「……………」
453 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 01:01:37.95 ID:HwgnXcXAO
紬「今はみんな疲れてピリピリしてるのよ。こういう時は、ゆっくり休んで落ち着きましょ!」
律「………そうだな。明日の正午までにはまだ時間もあるし、落ち着いてから色々考えよーぜ!」
澪「うん、それが1番だな」
唯「そうだね。怒鳴ってごめんよ、あずにゃん」
梓「いいですよっ……私の方こそ、すぐにみなさんを疑ったりしてすみませんでした」
純(ふ〜、気まずい雰囲気がなくなってよかった)
紬「♪」ニコニコ
454 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 01:04:15.36 ID:HwgnXcXAO
せいとかいしつ!
和「まさか、あの3人がやられるなんてね………」
憂「やっぱり、部長の田井中律が1番厄介なのかな………?」
和「そうね………今や律は炎熱系最強の力を手にしているから……」
憂「へ〜、そうなんだ。あの人とどっちが強いんだろう……」
和「さあ。実際にやってみないと分からないものだからね。唯みたいに」
455 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 01:05:29.14 ID:HwgnXcXAO
憂「平沢唯がどうかしたの?」
和「あの子、エリの最終解放となかなかいい戦いしてたわよ」
憂「その程度の相手にいい戦い、か………論外だよ」
「だって私、あの人相手に5分もかかってないんだもん」
和「でもあの子、あなたに確実に近付いてきてるわよ?」
憂「………わかったよ。忠告は聞いておく。一応、ね……」
456 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 01:06:27.16 ID:HwgnXcXAO
よくあさ!
律「よーし、決戦前のハラごしらえだー!」
澪「っていっても、もう昼前だけどな」
軽音部一行は再び購買部に来ていた
梓「唯先輩がいつまでも寝てるからですよ!」
唯「寝る子は育つんだよ、あずにゃんや」
梓「唯先輩は寝過ぎです」
律「梓はもっと寝ないと、だけどな!」ニシシ
梓「それは律先輩も、ですけどねっ」
律「あ〜ず〜さ〜、それは一体どこのことを言っているのかしら〜?」
キャッ、キャッ、ワーワー
457 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 01:07:13.52 ID:HwgnXcXAO
純「いつも通り、にぎやかですね、澪先輩」
澪「…………」
純「澪先輩!」
澪「は?えっ、うわあっ!」ガタン
純「そんなに驚かなくても………」
澪「ゴメン………ちょっとエリザベスのこと考えてて……」
純「演奏者の力、本当に失くなったんですね………」
澪「ああ。この力を失くしてから、元の臆病な性格も戻ってきたしな。それが何よりの証拠だ」
458 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 01:07:51.46 ID:HwgnXcXAO
紬「和ちゃんは軽音部全員で来なさいって言ってたけど、澪ちゃんはやめておく?」
澪「そうだな……今の私が行っても、足手まといにしかならないからな」
律「でも、戦わずに説得できるなら澪にもできるじゃん。澪さ、和と仲良かっただろ?」
唯「はい、は〜い!私も一緒に説得するよっ!」
梓「確かに、説得するなら唯先輩だけじゃ頼りないですもんね」
唯「あずにゃ〜ん………」ショボン
澪「わかった、私も行くよ。みんなで説得して戦わずに終わらそう、この戦いをっ!」
律唯梓紬純「おーーー!!!」
459 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 01:08:59.99 ID:HwgnXcXAO
おくじょう!
軽音部+純は律を先頭に、破壊された部室を横切り屋上へと駆け上がる
バッ!
扉を開けると、和と憂、そして、もうひとりの姿があった
律「……おい…うそだろ………?」
澪「………どうして…あなたが……?」
紬「……うそ……うそよ!」
梓「そんな………!」
純「あなたは………!」
唯は他のメンバーに遅れて走っていた
唯「みんな〜どうしたの〜?」タッタッタッ
「何が――――」
ガチャ………
唯「………えっ………さわ…ちゃん……?」
460 :
も
[saga]:2011/08/11(木) 01:10:51.19 ID:HwgnXcXAO
ここまで!
明日も0時!
ご閲覧、ありがと!
おやすみなさいませ
461 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/11(木) 03:27:32.31 ID:ET//Cj7x0
乙
さわ子「いつから私が味方だと錯覚した?」
462 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/11(木) 12:36:35.62 ID:SdSuMBREo
おっつ
463 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/11(木) 13:32:16.17 ID:qyvSzM1/o
さわちゃんってだいたい黒幕だから敵だと錯覚していたことのほうが多いw
464 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:18:59.21 ID:HHy5tmmAO
さいかいだよっ!
465 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:20:03.07 ID:HHy5tmmAO
さわ子「あら、みんな。元気だった?」
律「なんで……なんでさわちゃんがそっち側にいるんだよ!?」
梓「まさか、先生も操られて………!」
さわ子「操られる?私が?……正気よ、正気で私はずっと――――」スッ
右手でメガネを外しながら、髪を掻き上げる
さわ子「オマエらが来るのを待っていたーーー!!!」グワッ!
手にしたメガネを砕き、掻き上げた髪が逆立つ
同時に、紫色の気圧がさわ子の周囲を渦巻くそして、さわ子は愛用のギター、フライングVを取り出した
466 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:21:00.96 ID:HHy5tmmAO
澪「ヒイィィィ!」
純「説得も何もないですね……」
律「しょーがない。強行手段だ」ザッ
梓「やるしかないですよ、唯先輩!」ザッ
唯「……うん…わかったよ」チャキ
それぞれが楽器を手にして構える
467 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:21:43.13 ID:HHy5tmmAO
憂「平沢唯………あなたはまた、私を傷つけるつもりなんだ………」
唯「私達は戦いに来たんじゃないよっ、憂達を説得しに来たんだよ!」
憂「じゃあ、その手に持ってる刀はなに?私と和ちゃんは無防備だっていうのに……」
唯「それは……」
憂「それに私、絶対にあなた達と分かり合うつもりなんてないからっ!」
梓「そんなこと言わないでよっ、憂!唯先輩は憂のことを――――」
憂「うるさいっ!あなたも私から1番大切なものを奪ったくせにっ!」
468 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:23:24.74 ID:HHy5tmmAO
純「それは違う!確かに、結果的にはこんなことになっちゃったけど、梓や……軽音部のみなさんは―――――」
憂「純ちゃんも……私のことを捨てるんだね………」
純「だから、ちが―――」
憂「もういい……何も聞きたくないよ………純ちゃんは私のことを理解してくれるって……信じてたのに………」ウルウル
和「あなた達、これ以上この子を傷付けないでくれるかしら」
梓「なっ……私達はそんなつもりじゃ………」
469 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:24:21.57 ID:HHy5tmmAO
さわ子「オイオイ、そこのクソチビ!この私を無視してんじゃねーぞ!」ゴオオオ!
梓「!」
さわ子「コイツらとお話したかったら、私を倒してからにしな!!行くぜ!!!」スッ
「“Hell The World”!!!」ズゴゴゴゴ!
グラグラグラ!
律「うわっ!地震か!?」
ギターを掲げたさわ子が紫色の炎に包まれた後、大地が激しく揺れ、学校の敷地のそこら中の地面が地割れを起こし、そこから紫色の巨大な炎柱が噴き出す
それだけではなく、炎が空を包み込み始めたかと思うと、ついには学校全体を紫色の炎が包み込んだ
470 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:25:45.92 ID:HHy5tmmAO
憂「それでは先生、好きなだけ暴れてください」
さわ子「言われなくても最初からそのつもりよ!さっさと失せな!」ゴウッ
炎を振り払い、デスデビル時代の衣装に身を包み、紫炎を纏った刀を携えたさわ子が出て来る
憂と和は、例の空間の裂け目の中に消えていった
唯「憂っ」ダッ!
律「待て、唯!こっちが先だ!」
唯「……わかった…」スタ…
純「まさに……地獄ですね。ここは………」
梓「澪先輩とムギ先輩は下がっててくださいね!」
紬「ええ!」タッ
澪「みんな………頼んだぞ!!」タッ
471 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:27:23.09 ID:HHy5tmmAO
さわ子「ハハッ、逃げた奴も後で八つ裂きにしてやるよ!」ゴゴゴゴ!!!
律「くそっ、何て気圧してやがる………」
梓「ビビってるんですか、律先輩!」
律「そんなわけねーよ。行くぞ、唯、梓!」
唯「うん!」
梓「はい!」
純「私はっ!?」
472 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:28:55.23 ID:HHy5tmmAO
律「“照らせ 太陽鼓舞―アポロンドラム”……からの―――」
「音解!!!“紅蓮乱舞――アポロヌスビート”」ゴオオオ!
梓「“鳴け ムスタング”……そして―――」
「音解!!!“水神装纏(すいじんそうてん)――ムスタング”」
純「“荒らぶれ 二重の嵐(デュアル・ストーム)”……さらに―――」
「音解!!!“風切ノ太刀”」
唯「音解!!!“音鎖天征――ギー太”」
さわ子「いつの間に音解なんて覚えたんだ?………まぁ、どうでもいいけどなっ!!」ダッ!
473 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:32:12.57 ID:HHy5tmmAO
さわ子「炎熱系最凶の力、見せてやるぜ!オラアアアア!」ゴウ!
律「なら、炎熱系最強で返り討ちにしてやるぜ!うおりゃー!!!」ゴウ!
ドゴオオオオ!
オレンジと紫の炎がぶつかり合う
しかし、律の炎が押され始めていく
474 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:32:49.90 ID:HHy5tmmAO
梓「はあああっ!!!」ザバアアン!
炎が巻き起こっていない、さわ子の右サイドから梓が刀を振り、小さな津波をさわ子に向けて発生させる
さわ子「ハッ、そんなもの効かんわっ!」バッ
ジュウウゥゥゥ……
梓「そんな!」
さわ子が手をかざして発生させた炎柱に、津波が逆に蒸発させられる
そして勢いをそのままに、炎柱が梓を飲み込まんとす
唯「響牙天衝!!!」ギュアアア!
ズドオオオオン!
唯が放った黒い斬撃が炎柱を打ち消し、梓を守った
475 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:34:39.50 ID:HHy5tmmAO
律「うおおおお!!」
ゴオオオオ!
さわ子が唯達に気を取られている隙に、律の炎がさわ子の炎を圧倒する
純「私だって!」ヒュゴオオオ!
さらに純の風に後押しされた炎がさわ子を飲み込んだ
律「ナイス!山田さん!」
純「だから、鈴木ですってば!」
唯「まだだよっ!」バッ!
「響牙天衝!!!」ギュオオオ!
唯は炎に飲み込まれたさわ子に追撃を仕掛ける
476 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:35:20.55 ID:HHy5tmmAO
唯「うおおおりゃあああっ!」
「響牙天衝!!!」ブン、ブン、ブン!
その後も唯は何度も何度も響牙天衝を放ち続けた
攻撃され続けているさわ子の姿は、炎や立ちこめる砂煙ではっきり確認できない
律「お……おい、唯………もうそろそろ………」
梓「唯先輩……恐いですよ………?」
唯「律ちゃん達には分からないの!?あのさわちゃんの気圧の大きさがっ!!」
ゴオオオオオ!!!
律唯梓純「!」
さわ子のいた位置が紫の火柱が噴き出し、無傷のさわ子が出現する
477 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:36:26.16 ID:HHy5tmmAO
梓「そんな………無傷……なんて……」
唯「あれだけやってもノーダメージなんて流石だよ。さわちゃん」
さわ子「ぬるい攻撃してんじゃねーぞ、メス豚共がっ!」ゴゴゴゴ
純「げっ!また山中先生の気圧が上がった!」
律「ひるむなよ!気を抜いたら気絶するレベルだぞっ!」チャキ
「炎舞!」ブン!
ゴオオオ!
さわ子「その程度の炎で………」スッ
「私を倒せると思うなーーー!!!」ブォン!
ゴオオオオ!!!
律「何!?私の炎が逆に焼かれているっ!?」
律の炎を焼き尽くした紫炎は、今度はそのまま律に迫る
478 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:37:19.08 ID:HHy5tmmAO
唯「響牙天衝!」ギュオオオ!
梓「水帝流波!」ザバアアン!
純「大カマイタチ!」ヒュオオオ!
3人がかりで何とかさわ子の攻撃をしのぐ
律「すまねぇ、みんな……助かったぜ!」
梓「気にしないでください!今は私達みんなで戦ってるんですから!」
唯「そうだよ、律ちゃん!足りない部分はみんなで補い合えばいいんだよっ!」
純「力足らずですけど、私もいますし!やりましょう!田井中部長!」
479 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:38:30.11 ID:HHy5tmmAO
さわ子「仲間に守られて………情けない部長だなっ!」
律「それは違うぜ、さわちゃん」
「私には守るべき仲間が、守ってくれる仲間がいる………さわちゃんがどれだけ強いのかは分からないけど、1人のアンタには絶対負けないっ!勝つのは私達だっ!!」ゴオオオオ!
律が纏う炎が激しく燃え盛る
さわ子「ザコの言い訳にしか聞こえないな!」ブォン!
ゴオオオオ!!
紫炎が律達4人をまとめて襲う
律「みんな、私に任せろっ!」スッ
「うおおおお!!!」ブォン!
紫炎が4人に当たる直前に、律が刀を振るって炎壁を作り出す
480 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:39:41.07 ID:HHy5tmmAO
さわ子「オマエの炎じゃ私は焦がせないっ!」
律「負けるかぁー!!!」ゴオオオ!
2つの炎がせめぎ合いを続けていたが、律が徐々に押し返し初める
律「炎舞連武(エンブレム)!」ゴオオオ!
やがて炎壁は竜巻となり、さわ子に向かって突き進む
さわ子「気圧を上げてきたか!!」サッ
律「逃がさねぇ!」
炎の竜巻は複数に分裂し、後退したさわ子を追いつめる
481 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:42:08.21 ID:HHy5tmmAO
さわ子「この程度の炎、地獄の業火で焼き尽くすまでっ!」ゴォォオオオ!
四方を竜巻に囲まれたさわ子だったが、直ぐさま紫の炎壁を作り出し、全ての攻撃を防いだ
さわ子「やはりオマエ達では私を楽しませることは――――」
唯「響牙――――」スッ
炎壁から出てきたさわ子のすぐ後ろには、攻撃体勢の唯が待ち構えていた
さわ子「!」サッ
唯「天衝ぉーーー!!!」ブン!ギュオオオオン!!!
辺り一帯を黒い衝撃波が包み込む………
482 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:43:19.19 ID:HHy5tmmAO
唯「……」サッ
唯は律達のいる側へ移動する
唯「さわちゃんもしぶといよね〜。さっさと引退しちゃえばいいのに」
衝撃波の名残が晴れ、またしても無傷のさわ子が現れる
さわ子「私はまだまだ現役だっ!少なくともオマエらがくたばるまでは引退してやらねーぞ!」
律「なら私達がムリヤリ引退させてやるよ!」チャキ
純「……ここからは私も本気で行きます……」スチャ……
純は刀を地面に寝かせた
純「アクセル・ドライブ!!!」ヒュゴオオオ!
483 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:44:59.88 ID:HHy5tmmAO
純を中心に、激しい風が巻き起こる
梓「…純……?」
(前に純が言ってた演舞者の力?)
純「“暴風王(バイオレンス・ストーム)”」ザッ
風が止んだ後には髪を下ろした純が立っていた
地面の刀は消え去っている
さわ子「おい、オマエ。武器無しで私に挑むつもりか?」
純「武器ならあるじゃないですか………」
スパッ………
さわ子「!」
純「そこら中にね………」
さわ子の肩から突然血が滲み出る
484 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:45:57.16 ID:HHy5tmmAO
さわ子「なるほど。“風”だな。オマエの武器は………でも、名前に反してえらく地味な攻撃だな?」
純「見誤らないでくださいよ。私のアクセル・ドライブ………」スッ
ヒュオオオオ………
さわ子「?」
純が右手を空へ向けると、さわ子の頭上の空、紫炎で覆われた空に10、20の巨大な竜巻が行列を為して発生していた
純「結構ハデですから!」バッ!
手を下ろすと同時に、竜巻が一斉にさわ子を狙い、降下する
地上は竜巻の影響で暴風域にいるかのような天候だ
485 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:47:54.55 ID:HHy5tmmAO
さわ子「確かに名前に見合った力はあるようだな………が、私はそれ以上だっ!!」ブォン!
ヒュゴゴゴゴゴ!!!
竜巻と紫炎がぶつかり合い、校舎が崩壊しかかる
屋上にもヒビが入り、唯達の戦いにも影響を及ぼす
梓「校舎が持ちません!場所を移しましょう!」
唯「そういうわけにはいかないよっ!さわちゃんを倒せるのは今しかないっ!」ヒュン!
律「ここで一気にカタをつけるぜっ!!」ダッ!
唯と律はさわ子に向かって飛び出していった
486 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:50:04.83 ID:HHy5tmmAO
純「くっ……これだけやっても押し切れないなんて………!」
竜巻と紫炎は未だにせめぎ合っていた
梓(確かに、今総攻撃を仕掛ければいけるかもしれない……なら私も!)
「ハアアッ!」ダッ!
さわ子「チッ、一気に終わらそうってか?思い上がるなよクズ共がっ!!!」ゴアアアア!
さわ子は唯達とはケタ違いの、紫の気圧を纏った
さわ子「キャッハッハッハッハ!死ねーーーー!!!!」ズドオオオオオ!!!
487 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:51:51.95 ID:HHy5tmmAO
さわ子の周囲に紫の炎壁が発生し、凄まじい勢いで同心円状に広がっていく
唯達は躊躇することなく、それに立ち向かっていく
律「渾身の一撃を叩き込んでやるぜ!」
お留守の左手に炎で刀を作り出し、双刀でドラムを叩くように炎のビートを刻む
律「“ダイナ・ビート”!!!」ドゴドゴドゴォオオオ!!!
梓「この大気中の水分で………」
「零天葬送!!!」バッ
梓が振り上げた刀を下ろすと、紫の炎壁すらも凍りづけにして、冷気がさわ子の元にも迫る
488 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:53:08.13 ID:HHy5tmmAO
純「はああああっ!!」
純は、炎にぶつけた竜巻の上にさらに多くの竜巻を新たに生み出し、重ねて炎にぶつける
唯「いくよ、さわちゃん!」スッ
「響牙………天 衝!!!」ズギュオオオオ!!!
唯は残りの気圧を全てこの一撃に賭けて最後の斬撃を繰り出した
さわ子の炎と4人の攻撃がぶつかりあった時、唯達を巻き込んで校舎は豪快に崩れ落ちていった………
489 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 00:55:17.27 ID:HHy5tmmAO
今日はここまでなんや
明日も0時にやるで
見てくれてありがとな
ほな、おやすみ
490 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/12(金) 00:58:06.13 ID:GCc0wKe0o
乙。純ジュワー
491 :
も
[saga]:2011/08/12(金) 01:08:15.81 ID:HHy5tmmAO
ごめん。これ言い忘れてた
※物質のエネルギーの大きさは
気体>液体>固体
よって、梓の音解で纏う水竜は初めは“水”状態です
へたってきたら“氷”になります
492 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/12(金) 01:55:40.59 ID:FzAfzT7p0
乙乙
さわちゃんぱねぇ
このうえ音解か第二解放かあるいは虚化もとい最終形態があるんかな
493 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 00:38:43.71 ID:4BHaauaAO
1時から投下します!
それまでコレ見てて!
※追加説明
・唯は絶対音感で、他者の動き、気圧、などなど を読み取れる
・唯の音解時のスピードは音速並
・アクセル・ドライブは音解と違い、解放すると傷が全回復する
・楽器との対話が終わったので唯達はアイテム無しで音解できます
494 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 00:58:58.35 ID:4BHaauaAO
空は依然として紫炎に包まれており、その下は、正門から見て正面の校舎は見るも無惨に崩壊し、ただ後には立ちこめる土煙と瓦礫の山が残るばかりであった
ガラガラ………ドスン!
瓦礫を押し退けて、律が這い出す
律「ケホッ、ケホッ………みんな……みんなどこにいるんだよっ!?」
パキ…パキパキ………
ヒュゴオオオオ!
2ヶ所でそれぞれ、凍りついた瓦礫が割って梓が、竜巻で瓦礫を吹き飛ばして純が出て来る
495 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 00:59:45.26 ID:4BHaauaAO
梓「う〜、体中が痛いよ………」
純「私達の学校が……メチャクチャだ………」
律「よかった……2人とも大丈夫かっ!?」
梓「はい……何とか……」
純「ええ、まぁ一応は………」
3人ともボロボロの状態だが、音解は保てている
また、梓は現在氷の竜を纏っていた
律「後は唯だな………」
ガラガラ………
3人の前方で瓦礫が持ち上げられる
496 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 01:00:49.14 ID:4BHaauaAO
律「大丈夫か、ゆ――――」
さわ子「アー!イテーなー!!」
律梓純「!!!」
さわ子「オマエら………絶対ただで帰さねェからな!!!」ゴゴゴゴ!!
瓦礫を押し退け、紫の気圧を纏ったさわ子が出てきた
だが流石に今回は無傷では済まなかったようだ
律「化け物かよ、さわちゃんは!」ザッ
梓「最大限の力で攻撃したのに……」チャキ
純「でも、やるしかないよ!」ザッ
497 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 01:01:48.43 ID:4BHaauaAO
極限の状態にありながらも、3人はさわ子に向かい、構える
さわ子「これで苦しみなっ!」
「地獄の嵐(ヘル・テンペスト)!!!」ゴオオオ!!!
律達を台風の目とし、紫炎の竜巻が3人を囲んで発生する
竜巻は徐々に内側に向かって収束していき、3人を追い詰める
律「うおおおお!!」ゴオオオ!!
律は炎壁を作り出し、竜巻の進行を押さえるが、わずかに押されている
梓「氷塊壁!」パキパキ……
純「絶空!」ヒュゴゴゴ!
さわ子の炎を3人掛かりで阻止しようとするが、それもでも敵わない
律「残りの気圧じゃ……防ぎきれないっ!」
498 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 01:03:51.65 ID:4BHaauaAO
さわ子「ヒャッハッハ!地獄の炎に焼かれて消えろっ!!!」
律「うああああ!!」
梓「きゃあああ!!」
純「ああああ!!」
さわ子「いいねぇ〜その顔、苦しみもがくその顔!」
ガラガラ……
さわ子の周囲の瓦礫がかすかに動く
が、目の前の獲物に集中しているさわ子は気付かない
さわ子「私を追い込んだ礼に最大限の炎で焼き尽くしてやってるんだぜ!もっと苦しんで私を楽しませ――――」
ガラガラガラッ!
さわ子「!?」
律「……」バッ
梓「……」スッ
純「……」ザッ
唯「……」シュン
4人が四方から、さわ子に向かって一斉に飛び出す
499 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 01:04:52.23 ID:4BHaauaAO
さわ子(馬鹿なっ!3人は確実に焼き尽くしたハズ…………なにィィイ!?)
さわ子が紫炎の竜巻を確認して見ると、炎の中にはちょうど3人分の大きさの氷塊が置かれていた
律「焼 天!!!」ゴォオオオ!
純「切り切り舞!!!」ヒュゴゴゴ!
梓「氷 閃 華!!!」ヒュン!
唯「響 牙 天 衝!!!」ズギュォオオオ!
天をも焦がす律の炎が、神風を巻き起こす純の風が、氷を纏う梓の刀が、黒刀から放たれた唯の黒い斬撃が、限界を超えてさわ子に挑む
500 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 01:06:01.32 ID:4BHaauaAO
さわ子(クソがぁっ!防げない!!!)
轟音と共に風が吹き荒れ、辺り一帯の瓦礫類が全て吹き飛ぶ
嵐が収まった後には、直径20メート程の円状に深くえぐれた地面とその中央に伏して倒れているさわ子の姿が見られた
律「終わった……な……」
純「今度こそ……ホントに終わりですよね………」
梓「……あの時……校舎が崩れて私達が落下している時に、律先輩が言い出したアイディアがなかったら……負けてましたね……」
501 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 01:09:23.25 ID:4BHaauaAO
〜落下中〜
律「みんな、聞いてくれ!」
唯梓純「!?」
律「多分さわちゃんはまだ倒せてない、そうだろ?唯」
唯「うん、この感じ……まだ元気みたい」
律「そうか………梓、氷の虚像に私達の攻撃を仕込むこと、できるか?」
梓「はい、一応は。でも、残りの気圧からして3人分までですっ!」
律「十分だっ!私達に残された気圧でさわちゃんを倒すには、もうこれしかないっ!」
純「騙し討ちですか!?」
律「ああ、チャンスは一度だけだ!行くぞ!!」
502 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 01:10:30.86 ID:4BHaauaAO
〜〜〜〜〜〜〜
律「そうだ、唯。一応聞いておくけど、澪やムギ達は無事だよな?」
唯「うん、別の棟にいるみたいだよ。保健室も別の棟にあるから、姫子ちゃん達も大丈夫だよっ!」
ズズッ………
さわ子「うっ………」ムクリ
律唯梓純「!!!」
唯「そんな……その気圧でまだ動けるの?」
さわ子「確かに……私の気圧は残り少ない………だがな、私には“音解”が残されている………」
503 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 01:11:03.40 ID:4BHaauaAO
梓「もうやめてくださいっ!そんな気圧で音解なんて、できるわけありませんですっ!」
さわ子「私の……音解は特別………気圧が極限まで削られた状況でないと………解放できない」
律「くそっ!みんな、気圧は残ってるか!?」
梓「そんなわけないです!音解を保ってるのでギリギリですっ!」
唯「うっ………めまいが……」
フラッ、バタ……
律「唯!」
梓純「唯先輩!」
4人は限界をとっくに超えていた
そんな中ついに、音解が解け、唯が倒れた
504 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 01:13:00.11 ID:4BHaauaAO
さわ子「いくぜェエエ!」
「音 解 “Hell Berth”!!!」ゴゴゴゴ!!!
グラグラグラグラ………!!
地面が激しく揺れ、所構わず地割れが起きる
律「また地震かよ!?」
純「マズイですよっ!地割れが………!」
亀裂が気を失っている唯に向かって走る
梓「唯先輩っ!!」ダッ
律「待てっ!梓!!」
純「梓!!」
梓(私が唯先輩を助けないと――――)バサッ!
シュウウゥゥ………
梓(え!?こんな時にっ!)
亀裂に落ちかけている唯の元へ飛び立つ梓だったが、音解が解け、飛ぶための翼を失う
505 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 01:14:31.64 ID:4BHaauaAO
梓(私も……意識が…………!!!)ヒュウウゥゥ……
唯「…………」ヒュウウゥゥ……
律「梓ーーー!!唯ーーー!!」
純「そんな………!」ガクッ
律はただ叫び、純はひざまづきうなだれる…………
律「さわちゃんテメェ………唯達は自分の教え子なんだぞっ!?わかってやってんのかっ!?」キッ
さわ子「さあ?……もう何がなんだか私にもわからない。今はただ………全てを破壊し尽くしたいだけっ!見ろ、この空をっ!!!」
律純「!?」サッ
506 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 01:15:33.83 ID:4BHaauaAO
2人が頭上を見上げると上空を覆っていた紫炎が、かなりのスピードでそのまま下降してきていた
純「な………!」
律「……こんなの……アリかよ……もう…逃げられねぇ………!!」
さわ子「アハハハハッ!もっとだ………もっと絶望しろっ!」
律「……おい……さわちゃん……」
さわ子「ぁあ?」
律「あのサイズの炎を受けたら………さわちゃんもヤバいんじゃないのか?」
さわ子「そうだな。おそらくあの炎は私ごと全てを焼き尽くし、灰にするだろうな………」
「私はこのギターの力を完全に支配できなかった………力があまりにも強大過ぎてな」
507 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 01:16:31.49 ID:4BHaauaAO
さわ子「音解名は“Hell Berth”……“地獄の寝台”。それには私も抗うことはできない………だが――――」
「私は全てを破壊できさえすれば、死んでも構わない!!!」
純「そんなっ!最初から死ぬつもりで解放したんですかっ!?」
律「狂ってやがる………!」ギリッ
ゴオオオオ!!
律は炎の双刀を構える
508 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 01:17:34.09 ID:4BHaauaAO
さわ子「ムダだっ!もうこの炎は、私が灰になろうが消えることはない!」
律「私が攻撃するのはあの炎だっ!!!」
純「無理ですよ………もう……」
律「やってみなくちゃ分からないだろっ!私達はまだ――――」フラッ
バタッ………
律も力尽き、意識を失う
純「田井中先輩までっ………!」
そうこうしている内に、炎はすぐそこの所までの迫って来ていた…………
509 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 01:18:22.61 ID:4BHaauaAO
さわ子「燃え尽きろーーーー!!!」
ゴオオオオ!!!
紫の炎が雪崩のように全てを飲み込む
「響 覇 天 衝ーーー!!!」
ズギュアアアアアッ!!!
さわ子「何!?」
地面の裂け目からとてつもなく巨大な黒い衝撃波が飛び出し、降下してきた紫炎とぶつかる………
510 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 01:22:02.66 ID:4BHaauaAO
今日ここでとめておきます
明日は0時に再開できると思います
見ていただきありがとうございました
では、ばいちゃっ!ノシ
511 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/13(土) 01:38:04.87 ID:SvmZA6SMo
おっつー。桜ヶ丘が崩壊しそうな勢いだwwwwwwww
512 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 23:47:47.48 ID:4BHaauaAO
いきます!
513 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 23:48:18.91 ID:4BHaauaAO
〜〜〜〜〜かいそう!
光が満ちた空間の中に唯は漂っていた
?「……い………ゆい……」
唯「う〜ん………あと50分………」
?「……ゆい………唯……」
唯「う〜……うるさいな〜」オキアガリ
「……ハッ、ここどこ!?」
ギー太「やっと起きた……」
唯の前に立てかけられたレスポールが話しかけていたのだ
514 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 23:49:30.69 ID:4BHaauaAO
唯「あ、ギ〜太〜!」ダキッ
ギー太「………」
・・・・・・・・
唯「……私、今度はどうなっちゃったの?」
ギー太「簡単に言えば、現実世界の君は死にかけてる」
唯「え!?」
ギー太「ついでに言うと、学校にいる他のみんなも、だよ」
唯「……さわちゃんがやったの?」
ギー太「厳密に言えば、さわ子の力が暴走してる。」
「あの人は楽器と心を通わせてはいない………一方的に楽器を屈服させようとしたから、こうなったんだ………」
「けど、あの人が無理矢理楽器の解放を試みたのには何か裏がある気がするんだ………」
515 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 23:50:09.83 ID:4BHaauaAO
唯「それは多分、憂か和ちゃんがさわちゃんを操ってるからだよ。さわちゃんが自分からあんなヒドイことするはずないもん!」
ギー太「…………」
「………僕の話を進めていくよ。僕が唯をここへ呼んだのは、君をさらなる領域に導くためなんだ」
唯「さらなる………領域?」
ギー太「そう。唯には君自身を、みんなを護るための力を与える」
「唯はこれまで“気圧”で戦ってきたよね?でもこれから唯に教える技は気圧を使わない」
唯「どういうこと?気圧を使わないと、音解もできないよ?」
516 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 23:50:39.81 ID:4BHaauaAO
ギー太「……演奏者のもう1つの力……“音圧”を使うんだ」
唯「音……圧……?」
ギー太「基本的には音圧はバンドメンバーのボーカルくらいにしか扱えない。歌唱力が必要ってこと。………それでも、音圧を使いこなせるのはほんの一握りの演奏者だけなんだ」
唯「音圧で戦うとどうなるの?」
ギー太「さっきも言ったけど、音圧はさらなる力。気圧とはレベルがまるで違う。音解したさわ子とでも対等に戦えるだろうね」
517 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 23:51:33.52 ID:4BHaauaAO
唯「じゃあさ、その力はどうやったら手に入れられるの?」
ギー太「君はHTTのボーカル。そして、運良く絶対音感をもっている!素質は十分にあるよ!」
唯「素質って………それだけじゃみんなを救えないよっ!」
ギー太「だから、最初に言ったでしょ。唯をさらなる領域に導く、って」
唯「……?」
ギー太「一時的にだけど、今から君の才能を無理矢理引き出す。音圧を使う能力を………」
〜♪ 〜〜♪
レスポールから不思議な音色が鳴り響く
唯「これは?………なんだか心地良い………」
518 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 23:55:43.95 ID:4BHaauaAO
ギー太「唯、1つ言っておかなければいけないことがあるんだ………」
唯「な〜に?」
ギー太「今の君はまだ未熟だ。この力を使うには時期が早過ぎる…………」
「………この力を使えば、唯は演奏者の力のすべてを失うかもしれない」
唯「えっ!?嫌だよそんなの!ギー太に会えなくなるなんて嫌だよっ!」ウルウル
ギー太「絶対にそうなるとは限らない。それに、唯には今、護らなきゃいけない人がたくさんいるんだろう?」
唯「でもっ!…………わかったよ………じゃあ私も1つだけギー太に言うね………」
ギー太「………?」
519 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 23:56:13.97 ID:4BHaauaAO
唯「ありがとうっ!!私の相棒でいてくれてっ!!」グスッ
ギー太「唯………」
レスポールの音色に包まれながら唯の意識が消えてゆく
唯「ギー太……また……ね………」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
520 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 23:58:45.83 ID:4BHaauaAO
全てを焼き尽くさんがために地上に降ってきた紫炎は黒い斬撃にいったん退けられた
唯「………」シュタ!
純「唯先輩!」
唯は右手に黒刀を、左腕に意識のない梓を抱えて、地面の裂け目から舞い戻ってきた
唯「純ちゃん、しばらくあずにゃんを頼むよ………」
唯の髪からはトレードマークのヘアピンが外れており、雰囲気が少し大人びている
梓を純に預け、唯はさわ子と対峙する
521 :
も
[saga]:2011/08/13(土) 23:59:53.63 ID:4BHaauaAO
さわ子「平沢……くたばったんじゃなかったのか?」
唯「私はまだ、くたばるワケにはいかないんだよ」ザッ!
フッ……
さわ子「!?」
ドスッ……
唯はさわ子の前に瞬時に移動し、腹に突きを入れる
さわ子「うっ!」ドサ……
522 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:00:31.20 ID:peuULNlAO
唯「ちょっと眠っててもらうよ………さて――――」
「空の炎はどうして消えてないのかな………?」
ゴオオオオ!!!
唯は空を見上げる
炎は激しく燃え続けている
唯(絶対音感と音圧でなら………私の声が届くかな………?)
唯は刀の状態のフライングVを手にとって座禅を組み、空を覆う紫炎との対話を試みる
523 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:01:07.42 ID:peuULNlAO
〜フライングVの精神世界〜
黒雲が空を覆い、至る所で紫炎が燃え盛っている荒れ地に唯は立っていた
唯「もしも〜し、誰かいませんか〜?」
ゴオオオ!
唯「あわわっ!」
フライングV「今度はキサマか。我を屈服しに来たのは………」
周りの紫炎が一カ所に集合し、唯の背の丈程もある鬼の顔のような形状に集まった
唯「違うよ〜。私はあなたにお願いしにきたんだよっ!」
フライングV「なに?」
唯「さわちゃんとね、仲直りしてほしいんだ!」
524 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:02:21.89 ID:peuULNlAO
フライングV「仲直り……だと?フフフ………アッハッハッハッ」
「ふざけるなよ小娘がっ!!!」
唯「…」ビクッ!
フライングV「さわ子は………最初はな、奴の過激なパフォーマンスとは対照的に我を大切に扱ってくれてはいた………だが、今の奴は何だ?何のメンテナンスもせずに長年に渡り我を放置しておきながら、引っ張り出したかと思えばこの我を強引に屈服しようとしてきた!………これでもキサマは我に仲直りをしろ、などとぬかすかっ!?」
525 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:03:02.69 ID:peuULNlAO
唯「………そんなことがあったんだ………辛かったね……」ダキッ
フライングV「おい、小娘!我に触れるとヤケド――――」
唯「大丈夫。全然熱くないよ。」
「むしろ、温かい………現実世界のあなたはすごく熱そうな感じだったけど、ホントのあなたは温かいんだね」
フライングV「…………」
唯「今のさわちゃんはね………きっと誰かに操られてて、ちょっとおかしくなってるんだよ」
「向こうに戻ったらね、あなたをほったらかしにしたことも、ちゃんと私がお説教しておくからさ………」
「もう誰かを傷つけるのは止めよう?」
526 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:03:49.47 ID:peuULNlAO
フライングV「………一度だけ」
唯「?」
フライングV「一度だけキサマを信じてやる」
「あと………さわ子もな………」
唯「………うんっ!」
フライングV「フッ………不思議な奴だな、キサマは………」
唯「私の名前は平沢唯だよっ」フンス
フライングV「そうか……平沢唯、お前といると、何だか怒りや憎しみが消えていく……心が温まっていく感じがする………我も、唯のような所有者に選ばれれば良かったんだがな」
唯「さわちゃんに言い付けるよ〜!」
527 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:05:29.01 ID:peuULNlAO
フライングV「半分冗談だ。さわ子に伝えておいてやる。いい教え子をもったな、と」
唯「どうも〜」エヘヘ
フライングV「お前は……自分の楽器を大切にしろよ。では、我はこれで引くとする………」
唯「うん。ばいば〜い!」
(楽器を大切に、か………私は………ギー太とはもう………!)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
528 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:07:16.92 ID:peuULNlAO
その頃、現実世界では空を覆っていた紫炎が完全に消えていた
純「一体なにが………?」
空を見上げていた純には、何が何だかさっぱり理解できなかった
唯「………」スッ
座禅を組んでいた唯は立ち上がり、フライングVを持ち主の元へ返す
純「あっ、唯先輩!今、山中先生の刀を持って何してたんですか!?」
唯「ちょっとお話してたんだよ〜」
純「え!?誰と!?」
唯「それよりも、みんなは?」
529 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:08:00.43 ID:peuULNlAO
純「梓も律先輩も気圧が底をついてるんで、まだしばらくこのままだと思います………って、唯先輩も気圧が無くなってましたよね!?」
唯「エヘヘ……ちょっとね………」
「純ちゃんも休みなよ?私なら大丈夫だからさっ!」
純(唯先輩が大丈夫って言った時は大丈夫じゃない気がする〜………でも、私の気圧の残りも結構ギリギリなんだよね〜。ここは―――)
純「では、お言葉に甘えて……」
唯「任せなさいっ!」フンス
530 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:08:50.35 ID:peuULNlAO
・・・・・・・・
律「本当に……唯1人でさわちゃんを………あの炎を消したのか?」
唯「さわちゃんは消してないよ〜」アセアセ
唯達は崩壊した校舎の隣の棟何々の教室で休憩をとっていた
この時、唯1人だけが音解状態である
唯(早く憂と和ちゃんと決着つけないと………力が!)
「みんな、そろそろ動こうよっ!澪ちゃんやムギちゃんとも合流しなきゃ!」
梓「なんか唯先輩がしきっちゃってるし………大丈夫かな?」
純(それは私もずっと思ってる………)
531 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:09:37.19 ID:peuULNlAO
律「でも、確かに唯の言う通りだ。早く探し出さないと、先に和達に見つかったら澪達も操り人形になるかもしれない」
梓「そうですね!こうしちゃいられませんですっ!」
純「待っててください、澪先輩!」
律「よし、行くか!………で、唯。絶対音感で澪達の位置を探ってくれ!」
532 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:10:11.17 ID:peuULNlAO
唯「任せなさい!」フンス
「え〜とね〜、澪ちゃん達は………あれ?ここって………生徒会室だっ!」
律「何!?生徒会室って………まさかっ!」
梓「唯先輩!他に誰かいるんですか!?」
唯「うん………憂と和ちゃんだ……」
純「じゃあもう澪先輩達は――――」
律「言うなっ!!とにかく急ごう!」ダッ
唯「うんっ!」ヒュン
梓純「はいっ!」ダッ
533 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:13:44.22 ID:peuULNlAO
せいとかいしつまえ!
律「………」ダッ
ガッ!
ドア「し〜ん」
律がドアノブに手を掛け回すが、ビクともしない
律「クソ!鍵がかかってる!」
唯「どいて律ちゃん!」バッ
「はああっ!」ブン
ドア「ぐはっ!」スパン!
立ち塞がるドアを一刀両断し、4人は生徒会室、敵の本拠地に進入する
534 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:14:40.43 ID:peuULNlAO
和「遅いわよ、唯」
澪「りつぅ〜」
紬「みんなっ!」
部屋は他の教室と同等の広さであり、壁側の隅の方に両手を後ろで縛られた澪と紬の姿があった
律「澪達を返してもらうぞ!」
憂「ええ、どうぞ………操られてないって確証はありませんけどね♪」
唯「憂っ!!」
律「………唯、先に謝っとくわ。憂ちゃん相手に手加減できる自信がない………!」ゴオオオ!
唯「わかったよ……あずにゃんと純は澪ちゃん達をお願い!」
梓「はいですっ!」タッ
純「わかりました!」タッ
梓と純は素早く澪達を解放し、唯と律の後方に連れ戻した
その後、梓と純も参戦する
535 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:15:33.85 ID:peuULNlAO
梓「憂………4対2だよ?もう諦めて、こんなこと止めようよ!」
憂「私の力をナメないでくれるかな、中 野 さ ん ?」
梓「うっ………」
純「もういいよ、梓!今の憂には何を言ってもムダだって!」
憂「私に逆らうバカのくせに、よくわかってるじゃん」
純「この――――」
唯「憂!!本当に見損なったよ!親友まで馬鹿にするなんて―――」
憂「そんな裏切り者が親友なわけないでしょ?それに………私には“おねえちゃん”ただ1人がそばにいてくれればそれで………」
唯「私は今の憂のそばにはいられないよ………」
憂「お前じゃない………おねえちゃんは――――」
グサッ!
536 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:16:40.20 ID:peuULNlAO
律「!」
唯「え!?」
梓「なっ!」
澪「おい!」
純「う……そ………」
一本の刀が後ろから純の胸を貫く…………
澪「何やってんだよ!?………ムギッ!!」
梓「純っ!!」ダッ
紬「………」ブン!
紬が純から刀を引き抜き、梓に向かって純を投げつける
純「うっ……あず……さ……」
梓「しゃべらないで!すぐに手当てするからっ!」
梓は純を肩で背負い、澪の近くへ後退する
537 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:17:25.23 ID:peuULNlAO
律「憂っ!!和っ!!テメェらよくも純を、ムギを―――――」
紬「フフフ………」
律唯「!?」
紬「フフ……アーハッハッハッハッハ!!!」
「フッフッフ…………ああ―――」
「操ったとでも思ってたのかしら?」
律「な………どういう……ことだよ………?」
ズバァッ!
紬「こういうこと、よ♪」
一瞬で律の背後に背中合わせの向きで移動してきた紬は、すでに刀を振り下ろしていた
紬「私ね………」
「友 達 を 裏 切 る の が 夢 だ っ た の 〜」
538 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:18:10.16 ID:peuULNlAO
律(今……何も………見えなかった………チクショーーー!!!)ドサッ………
唯「律ちゃん!!!」
(速いっ!音圧の力を使ってる今の私でも見切れないなんて………!このままじゃ全滅するっ!)
「あずにゃん!みんなを連れて逃げ――――」
ズバ、ズバズバッ!
憂「みなさん………いなくなっちゃったよ?」
唯「っ………!!!」
後衛にいた梓達は既に憂の刀で地に伏していた
539 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:19:35.97 ID:peuULNlAO
憂「おねえちゃ〜ん♪」トテトテ
紬「うい〜♪」ギュッ
唯「!?」
紬「憂はホントにいい子ね!だ〜い好きよ〜♪」
憂「やっとおねえちゃんに会えた!今まで寂しかったよ〜」
唯「なに……なんなのコレ……憂は…私の……妹だよ………どうして………ムギちゃんが……?」
憂「私の姉は紬おねえちゃん1人です。あなたはさっさと私達の前から消えてください」
紬「憂、唯ちゃんは私のお友達なのよ?酷いこと言ってあげないで?」
憂「ごめんなさい………でも、あの人は……」
唯「……さない…」
540 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:21:30.02 ID:peuULNlAO
紬「?」
唯「…ゆるさない……」
憂「……」
唯「許さないよっ!ムギちゃんっ!!!」ダッ
憂「おねえちゃんっ!」
憂と抱き合ったままの紬に勢いよく切りかかる
紬「大丈夫よ、憂。妹を守るのが姉の務め。あなたは私が守るわ」スッ
唯「うあああああっ!!!」
ピト………
唯「!?」
唯の斬撃は紬の小指一本に止められてしまった
541 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:23:32.87 ID:peuULNlAO
紬「今の唯ちゃんって、確か“気圧”じゃなくて“音圧”を使ってるのよね?………この程度なのかしら?」
唯「くっ………!」
ズバァアッ!!!
ドサッ………
唯は床に突っ伏した恰好で倒れた
紬「案外つまらなかったわ〜。それじゃ、憂、和ちゃん。そろそろ行きましょうか」
唯「……ま……て……」
唯は床に伏したまま、顔だけ上げて紬達を見上げる
542 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:24:29.61 ID:peuULNlAO
唯「ムギちゃんは……憂や和ちゃんも操ってるの?」
憂「そんなわけないじゃん」
和「私も自分の意思よ」
唯「っ!………どうして……どうしてムギちゃんは最初から私達を倒さなかったの………?」
憂「もう!質問が多いな〜」
紬「いいわよ、答えてあげる」
「ただ、面白そうだったからよ〜」
唯「!」
紬「今回は、ほんの余興よ。これから私が始めるパーティーのね♪」
唯「そんなことのために………」ムクリ
唯「みんなを利用したのかーーー!!!」バッ
ズバズバズバッ!
憂「…」スチャ……
唯「うぐっ………!」ドサッ
543 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:25:31.95 ID:peuULNlAO
憂「早く行こう、おねえちゃん。コイツの顔なんか、これ以上見ていたくないよぅ」
和「……」ズアッ!
和が刀で空を裂くと、空間の裂け目が発生する
紬「それじゃあみんな、お元気で〜」スタ、スタ
和「……」スタ、スタ
唯「……………」
シュウウゥゥ………
倒れている唯の音解が解け、衣服が桜高の制服に戻り、ギー太も一番最初のレスポールの状態まで戻った
唯(く………演奏者の力が……消えていく………!!)
憂「さ よ な ら」スタ、スタ
3人は空間の裂け目に消えて行った…………
544 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:29:07.30 ID:peuULNlAO
ほけんしつ!
唯「……う……う……い………」
「…………」パチ
唯は目覚めると、そこは学校の保健室だった
唯のベッドの周りには、軽音部のメンバーを始めとして、姫子やエリ、いちご達や紬に洗脳されていた他の生徒達の姿もあった
梓「唯先輩っ……!」ダキッ
律「目が覚めたか、唯………」
澪「おはよう……唯……」
純「唯先輩………」
その人数に反して、雰囲気は重く、まるで葬式のように暗かった
545 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:29:48.46 ID:peuULNlAO
澪「一週間も寝てたんだぞ。心配かけさせやがって………」
唯「そんなに……そう………」ゴソゴソ
唯は抱き着いている梓から離れ、ベッドから下りる
唯「みんな……ごめんね……ちょっと1人にさせてほしいんだ………」トテトテ
ガチャ………
546 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:30:21.84 ID:peuULNlAO
おくじょう!
唯「…………」
手摺りに両腕を乗せ、風に吹かれながらもたれかかる
唯「今までのこと……夢じゃないんだよね………」
「音楽の力を失って……ムギちゃんが私達を裏切って………和ちゃんと憂もどっか行っちゃって………憂……」ウルウル
「うっ……グス……どうして……グス……寂しいよ……憂…………うわああああん!」ポロポロ
――――――――
547 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:31:02.41 ID:peuULNlAO
ほけんしつ!
梓「唯先輩……大丈夫かな………?」
澪「ムギや和のことだけでも私達には相当ショックなのに………唯は実の妹の憂ちゃんまで………」
律「………私達……これからどうする………?」
律澪梓純その他「……………」
純「でも、姫子先輩達が元に戻っただけでも良かったじゃないですか!」
姫子「軽音部のみんな、本当に悪かった!ゴメン!」
その他「ゴメンなさいっ!」
律「べ、別にいいって!な、みんな?」
548 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:31:58.65 ID:peuULNlAO
梓「はい!みなさんは私達の手当てをしてくれた命の恩人じゃないですか!………それに、本意で私達と戦ってたわけじゃないんですよね?」
瀧エリ「そうそう!……私達がおかしくなったのは、事件が起こる一週間前くらい。軽音部の活動がオフの日に、琴吹さんがお茶に誘ってくれたんだよっ!」
いちご「断わろうとしたけど………強引に連れていかれて………」
澪「………そこに信代はいたか?」
姫子「いや、いなかったけど………」
澪「そうか………じゃあ何で信代だけ一回の気絶で正気に戻ったんだろう?」
純「それは私が説明します」
全員「えっ!?」
純「私は………実は知ってたんですよ。琴吹先輩が黒幕だってことを」
549 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:33:00.77 ID:peuULNlAO
律「じゃあ何で最初に言わなかった!!!」ガッ!
純「っ!」
律は勢いよく純の胸倉につかみかかる
それを周りのメンバーが必死に止める
澪「落ち着けっ!律!」
律「だってよぉ……コイツがそれをいってれば………!」
純「ムダですよ。どうにもなりませんでしたよ」
律「なに……!?」
純「あなた達程度では琴吹先輩には勝てないって言ってるんですよっ!!!」
梓「純もやめてよっ!」
律「こんのっ………!」スッ
パシン………!
梓「澪先輩………」
純に殴りかかろうとした律の頬に澪の平手打ちが決まる
550 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:45:44.87 ID:peuULNlAO
澪「いい加減にしろっ!今、私達が揉めて何になる!?」
律「…………」
梓「純、続けて?」
純「わかった。あの事件が起こった日、梓達と合流する前に私は琴吹先輩に会っていたんだ。」
「その時に敵としての琴吹先輩に関する記憶を一時的に全て消された………」
律「じゃあ、私達にムギの情報を伝えるのは無理だったってことか………」
「殴り掛かったりして………ごめん」
純「気にしないでください。仕方なかったことですし………」
551 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:47:39.97 ID:peuULNlAO
律「………でも私達じゃどうにもならないって、どういうことなんだ?」
純「琴吹先輩ですよ。あの人には誰も勝てないっていう意味です。」
「私も全てを知ってるというワケじゃないですけど、あの人の楽器の能力は“完全催眠”。自分より弱い人間を思うままに操ってしまう………」
澪「待てよ、確かさわ子先生もムギに洗脳されてたんだよな………ということは――――」
純「そういうことです」
瀧エリ「でもさ、そんなに強いのに何でわざわざこんなメンドクサいことしたんだろ?しかも最後はどっか行っちゃったし」
純「今回のことは全て、琴吹先輩の“実験”だったんですよ」
552 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:49:18.89 ID:peuULNlAO
全員「?」
純「憂の味方をして、あの人の下で働いていた私が得た情報なんですけど、琴吹先輩は世界中の人全てを洗脳しようとしています」
梓「!?………そのための……実験?」
純「そう。いくら琴吹先輩が強いといっても、世界中の人間を支配下に置く力はない。それに、長時間は持たない。」
「だからあの人は自分の楽器の音色を増幅させ、全世界に響かせるための実験をしていた」
「音とは空気の振動。地球上に空気がある限り、誰も逃げられやしない………」
553 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:50:33.82 ID:peuULNlAO
純「さっき澪先輩が疑問に思った信代先輩の件、琴吹先輩は信代先輩に外部から音を受け取り増幅させる機械を仕込んだ」
律「だから私の攻撃でその機械が壊れて、信代はもとに戻ったのか」
純「そしてもう1つ、姫子先輩達とのお茶会。琴吹先輩は自らの楽器の音色を増幅させる液体を開発していた。有効期限は一週間ほど」
姫子「なるほど。私達もモルモットにされてたってワケか」
梓「………純、最初私が純に会った時も思ったんだけど、どうして憂の味方をしてたの?いくら親友だからって、向こうのやることが間違ってるのはわかってたんでしょ?」
554 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:51:44.21 ID:peuULNlAO
純「梓………憂の居場所を奪ったこと、本当に何も覚えてないんだ……」
梓「知らないよ、何も!憂が大好きな唯先輩を攻撃してた理由もっ!」
瀧エリ「君も、記憶がなくなってた、ってこと?」
純「!」
梓「記憶が無くなってた……ってまさか、完全催眠!?」
純「かもしれない。だったら私はあんたと唯先輩を完全に誤解してたよ!ゴメン!」
梓「何があったのか、教えて?」
純「わかった。憂の身の周りで起こり始めた異変を――――」
555 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:55:04.37 ID:peuULNlAO
すうじつご!
世間では夏休みが始まるこの時期、紬の野望を阻止すべく律、澪、唯、梓、純の5人は学校の体育館でさわ子の指導の下、力を求めて修行していた
なお、校舎が崩壊したため一般生徒の出入りは禁止である
律「今度はムギの洗脳にはかかってないよな?さわちゃん!」
さわ子「あなた達のおかげで正気に戻ったわ。迷惑かけてゴメンなさい、そして………ありがとう!」
律「へへ、なんか照れるな!」
澪「フフ、いいんじゃないか?」
556 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:55:40.42 ID:peuULNlAO
さわ子「特に唯ちゃん」
唯「ほぇ?」
さわ子「あなたのおかげで私、ギターに見放されずに済んだわ。本当にありがとう!」
唯「どいたしまして〜」エヘヘ
梓「調子に乗らないでくださいよ?」
純「………そういえば唯先輩、山中先生と決着つけた時、不思議な力を使ってましたよね?何だったんですか、アレ?」
さわ子「それは多分、“音圧”のことね」
律澪梓純「音圧?」
さわ子「唯ちゃんはしってるわよね?」
唯「エヘヘ………忘れやした」
律「おいっ!」
557 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 00:58:40.01 ID:peuULNlAO
さわ子「………音圧は、歌唱力がなければ使用できない。自分自身の力である気圧とは違って、音圧は自分と楽器の力を共鳴させるのよ」
澪「でも、ボーカルの私と唯は気圧すら失ってしまった………もう私達は――――」
さわ子「いいえ。あなた達には力を取り戻してもらうわ」
澪「そんなこと――――」
ポン!
律は澪の肩に手を置く
律「澪と唯ならできるさ!そうだろ?」
澪「…………ああ。ありがとう、律」
唯「私も頑張りますっ!」フンス
558 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 01:00:07.11 ID:peuULNlAO
唯「………さわちゃん!………私は音圧の力でムギちゃんに挑んだよ。それでもムギちゃんの小指一本に止められちゃったんだ………」
さわ子「唯ちゃん、あなた自分の楽器に“まだ未熟だ”っていわれなかった?」
唯「う〜ん、ギー太がそんなこといってたような気が………」
さわ子「コントロールできやしない力を無理に引き出したからムギちゃんにも勝てなかったし、力の全てを失ったのよ」
唯「じゃあ、音圧をコントロールできれば、憂やムギちゃんを止められるかもしれないんだね!?」
さわ子「それはわからないけど、少なくとも以前よりは別次元の強さを手に入れられるわ!」
559 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 01:00:53.48 ID:peuULNlAO
澪「先生、具体的にはどうすれば私と唯は力を取り戻せるんですか?」
さわ子「音解の時と同じように、座禅を組んで楽器と対話しなさい。でも今回は、とびっきり長い時間がかかるわよ〜!」
梓「本格的にムギ先輩が動き始めるまでに間に合うのかな?」
さわ子「最低でも、2ヵ月はかかるわね」
純「琴吹先輩の実験はまだ半分も完成していなかった。確証はないけど、そのくらいなら大丈夫だと思う」
律「ならその間に私達を鍛えてくれ、さわちゃん!」
梓純「よろしくお願いしますっ!」
さわ子「もちろんよっ!」
こうして、各々新たな力を得るための長く厳しい修行が始まった…………
第一部 完
――――――To be continued
560 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 01:03:19.25 ID:peuULNlAO
今日のおまけ
※参考画像 純 アクセル・ドライブ
http://mup.vip2ch.com/dl?f=21964
561 :
も
[saga]:2011/08/14(日) 01:05:40.31 ID:peuULNlAO
今日はここまでッスよ!
次は2日後の0時までには再開できるようにしときます
見てくれてありがと!
オヤスミ!
562 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/14(日) 01:12:53.48 ID:z7KIT9lLo
おっつ
563 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/14(日) 01:23:06.69 ID:ekfWiodc0
乙
ヨン様+マダラだと…
564 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/14(日) 14:47:36.24 ID:yYGGgxBIO
仙人モード
565 :
も
[saga]:2011/08/15(月) 03:13:56.65 ID:BFuDXrFAO
うちはシスイに幻術かけられてました
今日の24時に再開するんですが、ここまでの感想とかもしよければお聞かせください
ちなみに次回からは憂ちゃんパート入ります
566 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/15(月) 03:25:31.02 ID:dWB5XVIAo
開き直ったような厨ニ具合がたまらん
投下頻度も高くて良い
567 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/15(月) 06:20:24.97 ID:EnEHgzQSO
厨二の私は凄く世界観に惹かれるなぁ…
ムギちゃん可愛いよムギちゃん
これからも応援してます
568 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/15(月) 12:11:20.70 ID:D4YePuqto
>>566
に大体同意
厨二たまらん
569 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/08/15(月) 14:03:06.71 ID:5OSvecMA0
読み易いし展開もテンポよくて良いと思うよ
570 :
名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/15(月) 21:06:50.52 ID:0i3P7AhIO
面白いわー
一気に読んだ。
571 :
も
[saga]:2011/08/15(月) 23:58:23.96 ID:BFuDXrFAO
みなさん………応援ありがと!!!
では予定通り再開します!
が、以下を先に言っておきます
・第2章はバトルほぼ皆無の憂ちゃんの回想篇となってます
・ちと退屈するかも………
572 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:00:11.65 ID:rXQfeW3AO
じゃんぐる!
学校侵略事件から時をさかのぼること3ヶ月………つまりは4月某日
白衣を着た男女の研究員2人と黒いコートに身を包んだ黒髪の青年が密林の中を疾走していた
平沢母「ハァ……ハァ……ダメよ、もう無理!」タッタッタ
平沢父「まだ諦めるな!僕達は生きて日本に帰って、唯と憂を守らなきゃならないだろ!」タッタッタ
ガサ………ガサガサ……
青年「止まって下さい!囲まれました!」
平沢父母「!?」
平沢母「そんな……もう追いついて………」
573 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:01:28.34 ID:rXQfeW3AO
平沢父「No.2、僕達が奴らを引き付ける。その隙に君は逃げるんだ!」
青年「しかし――――」
平沢母「お願い!もうあなたしか頼れる人がいないのよ!」
青年「…………」
平沢父「………これを、娘に渡してくれないか?」
男性はペンダントを取り出し、青年に手渡す
平沢母「さあ、早く行って!」
青年「…………!」タタタッ!
青年が走り去った後、白衣の男女を黒いスーツを着たエージェント達が取り囲む
574 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:02:36.03 ID:rXQfeW3AO
平沢母「最後にもう一度………唯と憂に会いたかったわ……」
平沢父「そうだね……でも、希望は繋がれた!」
(娘達を頼んだぞ………!)
黒服「………」ザッ
平沢父「………なあ、母さん。あの世に着いたらどこか旅行に行かないか?」
平沢母「あっちに観光地なんてあるのかしら?」
平沢父「どうだろうね………でも2人でなら――――――」
ザシュッ…………!
575 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:05:08.84 ID:rXQfeW3AO
がっこう!
梓「じゃあ私、部活だから」
憂「うん!ばいば〜い!」
事件発生から1ヶ月前、平沢憂は普段通りの生活を送っていた
純「じゃ、私達は帰ろっか」
憂「うん♪」ニコニコ
話しながら2人は家路につく
純「なになに?私と帰るのがそんなに嬉しいの?」
憂「だって、いつもは1人で帰ってるから………」
純「おーよしよし、寂しかったんだねー」
憂「それに最近、おねえちゃんも部活で忙しいから帰ってくるのが遅いんだ」
純「そっか、お姉さんが帰ってくるまでは家でも1人なんだ。そりゃ寂しくもなるよね………」
576 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:06:05.84 ID:rXQfeW3AO
純「そういえば憂のご両親、また海外に行ってるの?」
憂「そうだよ。最後に会ったのはゴールデンウイークかな。しばらくは帰ってこないと思う」
純「ふ〜ん、大変なんだね〜」
憂「そうだね」
純「憂が、だよ」
憂「えっ、私?」
純「だってさ、家のこと全部憂1人でやってるんでしょ?私には絶対ムリだよ〜」
憂「私が好きでやってることだから、いいんだよ〜」
純「う〜ん。でもさ、頑張ってる憂には何かご褒美が必要だと思うんだよね〜」
憂「そんなのいらないよ〜」
577 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:06:33.83 ID:rXQfeW3AO
純「そうだ!お姉さん遊びに誘ってみるとかどうよ!?最近あんまり一緒に過ごる時間なかったんでしょ?」
憂「でもおねえちゃんは部活で………」
純「もう、憂はもうちょっと自分に素直になるべきだよ!いつも我慢してるじゃん!」
憂「………うん、わかった。聞いてみるよ!」
純「それでよいのです!」
憂「純ちゃん、ありがと♪」
578 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:10:51.28 ID:rXQfeW3AO
〜その週の日曜日、平沢家にて〜
憂(今日は久しぶりにおねえちゃんとお出かけ!楽しみだな〜………さて、9時になったしそろそろおねえちゃんを起こさないと………)
ガチャ………
憂「おねえちゃーん、朝だよ…………あれ?いない………」
・・・・・・・・・
憂「家中探したけどいなかった………どこ行っちゃったんだろう。梓ちゃんならしってるかな?」デンワピポパポ
「もしもし、梓ちゃん?」
梓『あ、憂。おはよう』
憂「おはよう、梓ちゃん。突然なんだけど、おねえちゃん知らないかな?」
579 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:11:37.86 ID:rXQfeW3AO
梓『え?唯先輩なら今私達と……軽音部のみんなで出かけてるよ』
憂「えっ、そうなの?」
梓『うん。ムギ先輩の行きつけの店に招待してくれるって、軽音部全員でちょっと遠い所に………』
憂「そうなんだ………」
梓『憂?もしかして、唯先輩に何か用事あったの?』
憂「え!?ううん、何でもないよっ!それじゃあ、お邪魔してゴメンねっ!」
梓『え?あ、ちょっ、憂………』ブチ!
携帯「ツー、ツー、ツー」
憂「……きっと、忘れてたんだよね……おねえちゃん………」
580 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:12:45.86 ID:rXQfeW3AO
・・・・・・・・
唯「ただいまー憂〜」
憂「……お帰り。おねえちゃん。遅かったね……」
唯「うん!ムギちゃん家のスタジオ借りて、練習もしてたんだ!そうだ、晩ご飯はもう食べてきたから」
憂「え、そんなの聞いてないよ………」
唯「……なに?文句あるの?」ギロッ
憂「!」ビクッ
「………ない……です……何も……」
唯「あっそ。じゃ、私自分の部屋行くから」
憂「…………」
唯「邪魔。そこどいてよ」
憂「あっ、ごめんなさい……」
唯「……………」スタスタ
憂(どうしちゃったんだろう………今日のおねえちゃん、ヘンだよ………)
581 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:15:03.59 ID:rXQfeW3AO
きょうしつ!
純「え!?それじゃあ結局遊びに行けなかったんだ」
憂「うん………なんか昨日のおねえちゃん、様子がおかしかったし……」
梓「ごめんね、憂」
憂「梓ちゃんが謝ることないよ〜」
梓「でも唯先輩、昨日はみんなの前ではいつも通りだったよ?」
憂「そうなんだ」
梓「でも唯先輩ヒドイよね。憂との約束ほっぽかすなんて。私からも注意しておくよ」
憂「ありがとう」
純「あ、唯先輩だ」
唯「あっずにゃ〜ん」トテトテ
「ぎゅ〜!」ダキッ
梓「ちょ、唯先輩止めてくださいよ!教室でなんて恥ずかしいですっ!」
唯「じゃあ教室じゃなかったらいいんだね〜?」パッ
梓「あっ………って、ここ1年生の教室ですよ?何でここに?」
582 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:15:52.97 ID:rXQfeW3AO
唯「それはねっ、あずにゃんに会いたくなっからさ!」キリッ
梓「ふざけないでください!」
唯「エヘヘ〜。ほい、ピック!」
梓「これって、私の………」
唯「昨日の練習であずにゃんが忘れて帰ったんだよ〜」
梓「そうだったですか。ありがとうございます!」
唯「いいよ、いいよ〜。あずにゃん分を補給させてもらったしね〜」
憂「…………」
梓(あっ、憂………)
「唯先輩、昨日のことちゃんと憂に謝ってください!」
唯「ほぇ?なんのこと〜?」
梓「とぼけないでください!」
583 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:16:30.70 ID:rXQfeW3AO
唯「う〜い〜、私何かしたっけ〜?」ジトー
憂「え!?ううん、何もないよっ!」ビクッ
梓「ちょっ、憂?」
憂「何もない!何もないからっ!」
唯「だよね〜。それじゃ、もう行くから!」
梓「ちょっと待ってくださいよ、唯先輩!」
唯「また部活でね!あずにゃ〜ん」トテトテ
純「………行っちゃったし……」
梓「憂も憂だよ!いくら唯先輩が好きだからって甘やかしてちゃダメでしょ」
憂「うぅ…………」
純「でもさ、さっきの唯先輩の目……ちょっと恐かったよね。あんなの強引に口封じしたみたいだったじゃん」
梓「そうだったっけ?」
純「…………」
584 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:17:13.40 ID:rXQfeW3AO
憂「あんまりおねえちゃんのこと悪く言わないで……また明日になったら元に戻ってるかもしれないし」
純「今日になっても戻らなかったじゃん」
憂「うぅ………」
585 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:21:22.83 ID:rXQfeW3AO
・・・・・キーンコーンカーンコーン
やがて放課後になり、憂は部活が休みの梓と帰ろうとしていた
純「じゃね!憂、梓」ノシ
梓憂「ばいばい!」
憂(……今日は帰ったらちゃんと、おねえちゃんとお話ししなきゃ!)
梓「行こ、憂」
憂「うん………あっ!」
律「やっほー!あーずさ!」
澪「律、1年生の教室ではしゃぐなって」
唯「あ〜ずにゃん!」
紬「こんにちは♪」
梓「みなさん!こんにちはです!」
律「今日部活オフじゃん?私達と一緒に帰らないか、梓?」
澪「近所に新しくできた楽器屋に寄っていかないかってことなんだけどな」
梓「ああ、そういえばあそこ、今日オープンなんでしたっけ?………でも今日は憂と帰るので」
586 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:22:24.44 ID:rXQfeW3AO
律「そっか。じゃあまた今度行こーぜ!」
唯「え〜、今日行きたいよ!憂なんかほっといて行こうよ、あずにゃん!」
澪「おい……唯、無理言うなって」
憂「あっ、私お買い物しなくちゃいけないんだった。行ってきなよ、梓ちゃん」
梓「えっ、………いいの?」
唯「ほら、憂もいいって言ってるし行こうー!」ギュ!
タタタッ
梓「ちょっと唯先輩〜!引っ張らないでくださいよ〜!」タタタッ
律「ゴメンな、憂ちゃん。待てよー!唯ー、梓ー!」タタタッ
澪「ホントによかったのか?」
憂「はい!楽しんできてください」
澪「……それじゃあな、憂ちゃん」
憂「さようなら」ペコリ
587 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:23:28.60 ID:rXQfeW3AO
紬「澪ちゃん」
澪「何だ?ムギ」
紬「私用事思い出したの〜。だから、みんなには行けないって伝えてくれないかしら?」
澪「そっか、わかった。じゃあな、ムギ」タタタッ
紬「さよなら〜………さて、憂ちゃん」
憂「?………なんですか?」
紬「本当はお買い物の予定は無かったんでしょ?」
憂「いえ、ホントに――――」
紬「うそ」
憂「…………なんでわかったんですか?」
紬「顔に書いてあるもの」
憂「え!?」
紬「フフ、冗談よ♪」
「憂ちゃんってね、自分のことを後回しにしちゃうところがあるでしょ?だから遠慮しちゃったのかな〜って」
憂「…………」
588 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:24:28.63 ID:rXQfeW3AO
紬「唯ちゃんのことで悩み事があるのかしら?」
憂「!」
紬「それも顔に書いてあるわよ」
憂「……冗談…ですよね?」
紬「ええ♪」
憂「………フフ、紬さんっておもしろい方なんですね。今度はどうしてわかったんですか?」
紬「さっきの唯ちゃんの、憂ちゃんへの接し方がちょっとおかしかったしから………」
「もしよかったら憂ちゃんの悩み、私に話してみない?」
憂「ありがとうございます。でも、今日おねえちゃんとちゃんとお話ししてみようかな、って………」
紬「あら、そうだったの。上手く仲直りできるといいわね。」
「でも上手くいかなかった時は、いつでも相談に乗るわよ?」
憂「はい!ありがとうございます。ではこれで………」ペコリ
紬「さようなら〜♪」
憂「」トテトテ
紬「…………」ジ――
589 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:27:34.68 ID:rXQfeW3AO
ひらさわけ!
唯「…………」ガチャ
憂「お帰りなさい、おねえちゃん。ごはん―――――」
ドン!
憂「きゃ!」ドサッ
唯「おい、なにチクってんだよ………」
唯は、突き飛ばして倒した憂を上から見下げる
憂「いたいよ………」
唯「じゃねーよ。お前のせいであずにゃんに疑われちゃったじゃん。どうしてくれるの?」
憂「……ごめんなさ――――」
ドスッ!
憂「うっ!」
590 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:28:51.03 ID:rXQfeW3AO
唯「まあいいや、それより早くご飯にしてよ。私、おなかすいてるんだけど?」
憂「…………」
ドスッ!
憂「痛っ!」
唯「返事は?」
憂「わかったよ!わかったからもう……蹴らないで!」
唯「じゃ、部屋に行ってるから早く呼んでね?」トテトテ
憂「…………」ポロポロ
憂はその場にうずくまり、声を押し殺してしばらく泣いていた
591 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:29:28.85 ID:rXQfeW3AO
・・・・・・・・
コン、コン
憂「おねえちゃん………ご飯できたよ……」
(昨日の晩ご飯の残り物だけど……)
ガチャ
唯「うう…おなかがへって力が出ないよ〜うい〜」
憂「え!?ちょ、おねえちゃ〜ん」
唯「へなへな〜」ダキッ
憂「………!」
唯「さあ、このまま私をごはんのもとへ!」
憂「もう、自分で歩いてよ〜」
(いつもの……おねえちゃん?よかった、もとに戻ったんだ!)
592 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:30:19.68 ID:rXQfeW3AO
・・・・・・・
唯「いただきま〜…………」
憂「おねえちゃん?食べないの?」
唯「……コレってさ、昨日の残り物じゃん」
憂「え、そうだけど……」
唯「しかも、私のキライな野菜まであるじゃん」
憂「ちゃんと栄養バランスを考えて作ってあるから………」
唯「………」スッ
唯は立ち上がり、何かをねだるように憂に手を差し出す
憂「なに……かな?」
唯「サイフ」
憂「?」
唯「外で食べてくるから、お金出してよ」
593 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:31:11.23 ID:rXQfeW3AO
憂「何言ってるの?ご飯ならここに―――――」
ガラガラガッシャーン!
憂「!?」
唯「はい、これでもう食べられないよね?早くサイフかしてよ」
憂「………どいよ……」
唯「は?」
憂「ひどいよっ!おねえちゃんっ!」ポロポロ
唯「何?私に逆らうの?」
憂「謝って!今すぐ謝ってよ――――」
パシン!
憂「っ!」
憂は唯に力一杯ひっぱたかれた頬をおさえる
唯「もういいよ。サイフは自分で探すから……憂の部屋にあるかな?」スタスタ
憂「待ってよ!」
唯「……」ピタ
594 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:32:09.55 ID:rXQfeW3AO
憂「おねえちゃん、どうしちゃったの!?最近おかしいよっ!何かあったのなら私、相談に乗るから!」
唯「…………」
憂「こっち向いて、ちゃんと私の話を聞いて―――――」
唯「あ〜、うるさいなぁ」サッ
唯は振り返り、憂に近づく
憂「な、なに?」
ドン!
憂「!」ドサッ
憂を押し倒し、そのまま上に乗る
唯「だまっててよ。うるさいから」スッ
ドカ、ドス、バシッ!
・・・・・・・
憂「グス……う………ヒック……」ポロポロ
唯「わかった?私に逆らうからこうなるんだよ………じゃあね」
ガチャ、バタン………
憂「うぅ……どうして……グスン…………うわあああん!!!」ポロポロ
595 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:36:11.30 ID:rXQfeW3AO
その後も一週間を、憂は唯の暴力を受けながら過ごした
憂はこの間、誰にも唯の仕打ちについて語らなかった
周りの友人には、表面上は仲直りしたことにしていたのだ
そんな憂にとって、学校は唯一落ち着くことのできる空間になっていた
そして、放課後……
梓「今日軽音部休みだから、一緒に帰ろ!憂!」
憂「うん」
純「あずさ〜、私は誘ってくれないのかい〜?」
梓「純は部活あるんでしょ?」
純「ま、そうなんだけどね」
梓「」
ワイワイ、ガヤガヤ
596 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:37:12.73 ID:rXQfeW3AO
憂(もう放課後になっちゃった………家に帰ったら、おねえちゃんが………)
(みんなに話したらおねえちゃんの立場がなくたっちゃうし……またひどいことされるし)
(もう……いやだよ……誰か……助けて………)
――――紬「でも上手くいかなかった時は、いつでも相談に乗るわよ?」
憂(!)
「………梓ちゃん、今日部活お休みなんだよね?」
梓「そうだけど……?」
憂「ゴメンね!私、用事思い出したからっ」タッタッタ
純「ありゃ?憂行っちゃったし」
梓「…………」
純「……梓?」
597 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:37:51.49 ID:rXQfeW3AO
―――2年生の教室
憂「紬さんっ!」タタッ
紬「あら憂ちゃん。メール見たけど、何の用事かしら?」
憂「相談に……乗ってほしいことが………」
紬「唯ちゃんとは仲直りしたんじゃなかったの?」
憂「それが………」ウルウル
紬「……これから私の家に行きましょっか」
憂「えっ?」
598 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:40:59.88 ID:rXQfeW3AO
・・・・・・・
憂(わぁ〜!すごいお屋敷!)
紬の部屋に案内された憂はその屋敷の大きさに驚いていた
斎藤「では紬お嬢様、失礼いたします」
紬「ありがとう斎藤」
斎藤「平沢様も、どうぞごゆるりと………」
憂「はぁ…………」
ガチャ
紬「自分の家だと思ってリラックスしてね」
憂(そんなのムリだよ〜)
紬「斎藤が用意してくれたお茶もあるから、どうぞ」
憂「あ、ありがとうございます……」
「あ、あの……急に相談に乗ってもらって………すみませんでした」
紬「どうして謝るの?大切なお友達の相談じゃない。当然よ」
憂「ありがとうございます………」
紬「それじゃ、何があったのか話してみてくれる?」
憂「はい………実は―――――」
599 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:42:29.34 ID:rXQfeW3AO
憂は話している途中泣いてしまい、話が途切れ途切れになることもあったが、紬はただ、静かに聞いていた
・・・・・・・
紬「あの唯ちゃんがそんなことを………」
憂「はい……ヒック……信じられないかもじれまぜんが……グス……本当なんでずっ!もう私、どうすればいいか!」ポロポロ
紬「……」ギュ!
憂「!!」
紬「辛かったわね……憂ちゃん」グス
憂「紬……さん?」グス
(私のために………泣いてくれてるの?)
紬「今は思いきり泣いて、全部吐き出してしまいなさい」
憂「うう……グス……紬さん………うわあああんっ!!!」
600 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:43:56.37 ID:rXQfeW3AO
・・・・・・・
紬「落ち着いたかしら?」
憂「はい、ありがとうございました」
紬「憂ちゃん、もう大丈夫よ………私が何とかしてあげるから!」
憂「でも、もうちょっと頑張ってみようかな、って………」
紬「ダメよっ!これ以上は憂ちゃんの心がもたないわ!」
憂「それは………」
紬「一週間で憂ちゃんはこんなに傷ついたんだもの。そんな生活続けてたら、本当に心が壊れちゃうわ!」
憂(紬さん……私のこと本当に心配してくれてる……)
紬「しばらく家に泊まるっていうのはどうかしら?」
家「………わかりました。でも今日は家に帰りますね」
紬「家まで送るわよ?」
憂「いえ、大丈夫です」
紬「本当に?気をつけて帰ってね」
憂「はい!………今日は本当にありがとうございました!」ペコリ
紬「私も憂ちゃんの力になれて良かったわ♪」
憂「では、さよなら!」
紬「さよなら♪」ニコニコ
憂「〜♪」トテトテ
紬「………………」
601 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:45:03.27 ID:rXQfeW3AO
紬邸から帰ってきた憂は家の前にいた
憂「ただいま〜」
ガチャ
憂「あれ?ロックがかかってる………」
ドアチェーンのように内側からロックがかかっており、ドアは完全には開かない
憂「おねえちゃーん、開けてよ〜!」
唯「………」トテトテ
2階から階段を下りてきた唯の姿が見える
憂「おねえちゃ――――」
唯「どなたですか?」
憂「え!?…………」
唯「用がないなら、帰ってください」
憂「なに言ってるの……おねえちゃん?」
梓「唯先輩、どうしたんですか?」トテトテ
憂「あ、梓ちゃん………」
唯と同じく2階から梓が下りてくる
602 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:46:17.56 ID:rXQfeW3AO
唯「なんかね〜、この人が開けてよ、って」
梓「あれ、憂じゃん」
憂「!」
梓「なにしにきたの?」
憂「………どうして梓ちゃんがそのエプロン着けてるの?」
唯「は?私があげたものがなにか?」
憂「おねえちゃんが私に初めてくれた誕生日プレゼントだよね?」
唯「何言ってるの?あずにゃんにあげたにきまってるじゃん」
憂「!?」
梓「とりあえずさ、帰ってくれない?。ここにはもう、憂の居場所はないから!」
憂「なに……を………ここが……私のお家……だよ……?」
梓「聞こえなかったの?さっさと帰ってよ」
憂「待って―――――」
唯「帰れよ……」
憂「…!」
603 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:48:22.36 ID:rXQfeW3AO
梓「帰ってよ」
唯「帰れ 帰れ」
梓「帰れ 帰れ」
唯梓「帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 」
憂「!!…………」タッ!
604 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:50:14.53 ID:rXQfeW3AO
辺りはすでに暗くなっており、憂は夜の町を行くあてもなく走り続ける
憂(どうして………どうして………)
(どうして私ばっかりこんな目にっ!)ポロポロ
近所の公園に差しかかったあたりで前方から5人の男が歩いてきた
DQN1「おい、さっきのヤツが言ってたのってあの娘じゃね?」
DQN2「っぽいな」
DQN3「じゃ、早速いただきますか……」
憂「」タッタッタッ
DQN4「ねえねえ君、ちょっといいかな?」
憂「」タッタッタッ
前方から話しかけてくる男を無視し、憂は走り続ける
が、しかし憂は男達によって無理矢理止められてしまう
605 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:50:56.99 ID:rXQfeW3AO
憂「きゃっ……何するんですか!?」ウルウル
DQN5「おいおい、ヤル前から泣いてんじゃねーかよ」
DQN3「ウハ!けっこうカワイイじゃん!」
DQN4「オレ達とさ、遊んでいかない?」
憂「……やっ……離して………!」ジタバタ
抵抗しようとするも、やはり女の力では男には勝てず、精神的にも体力的にも疲弊している今の憂にとってそれはなおさらかなわないことだった
男達は憂の口を手で塞ぎ、公園の公衆トイレへと向かって行った
ちょうどその時、純が公園の近くを通りかかる
純「あ〜、今日はけっこう遅くまで練習したな〜………あっ」テクテク
(何あの集団……かなりヤバイじゃん……)
「……って、あれ……憂!?」
606 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:51:47.34 ID:rXQfeW3AO
・・・・・・
DQN3「ヘヘヘ…………」
憂「ん………むぐ………」
(やだっ……やだっ………誰か………)
(助けて!!!)
純「キャーーー!誰か助けてーーー!!」
DQN「!?」
憂(純ちゃん!?)
DQN5「ヤベー、逃げるぞっ!!」ダッ
DQN3「チッ、ついてねーな!」ダッ
DQN1・2・4「」ダッ
純「だ、大丈夫!?憂!」タッ
憂「純………ちゃん……」フラッ
純「え!?ちょっ!」
純は気を失って倒れた憂を、抱き抱える
その様子を1人、物影から見つめる者がいた………
紬「………邪魔が入ったわね……」サッ……
607 :
も
[saga]:2011/08/16(火) 00:54:19.15 ID:rXQfeW3AO
本日はここまでです
投下量少なくなると思いますが、また明日の0時に………さいかい!
見てくれてありがと!
おやすみーん!
608 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/16(火) 02:06:41.34 ID:9xo7HDtc0
乙
唯「おめーの席ねーから!」
609 :
も
[saga]:2011/08/17(水) 00:06:52.86 ID:xTtJ2aPAO
さいかい!
610 :
も
[saga]:2011/08/17(水) 00:09:03.75 ID:xTtJ2aPAO
・・・・・・・
憂「う……う〜ん………」パチッ
純「あっ、憂!目覚めた?」
憂「ほぇ?純ちゃん……ここって……?」
純「私の部屋だよ。しばらくここにいていいからね」
憂「ここに……いても………いいの?」
――――ここにはもう、憂の居場所はないから!
憂「!」
「うっ………」ジワ
純「え!?憂?」
憂「うえぇぇぇぇん!!!」ポロポロ
611 :
も
[saga]:2011/08/17(水) 00:11:13.73 ID:xTtJ2aPAO
・・・・・数分後
憂「純ちゃん、助けてくれてありがと」
純「お礼なんかいいよ!だって私達、親友じゃん!」
「私は何があっても憂の味方だからね!」
憂「純ちゃん………」ウルウル
純「あーっ!泣くのストップ、ストップ!」
憂「うん………」ゴシゴシ
純「でもさー憂、見たところ帰宅途中の恰好じゃん。何してたの?」
憂「……………」
純「あっ、言いたくないなら無理には聞かないよっ!」アセアセ
憂「……純ちゃんにも……話してもいいよね………実はね――――」
憂は唯と梓のこと、紬の家でお世話になることなど、包み隠さず全て話した
612 :
も
[saga]:2011/08/17(水) 00:12:44.89 ID:xTtJ2aPAO
純「………梓まで……」
憂「うん………」
純「なんかさ………おかしくない?」
憂「ホントに。………おねえちゃん達………どうしちゃったんだろう?」
純「いや、お姉さんや梓のことじゃなくてさ、憂の身のまわりで異変が起こってること自体が、だよ」
憂「どういうこと………?」
純「いや……なんというか……誰かが意図的に仕組んでる、みたいな?」
憂「……………」
純「ま、ムズカシイことは私にはわかんないけどさ。そうだ、憂。今日は家に泊まってきなよ?」
憂「うん……おじゃまします」
613 :
も
[saga]:2011/08/17(水) 00:13:36.17 ID:xTtJ2aPAO
純「どーぞ、どーぞ!……そうだ。明日は一緒に学校休んじゃう?」
憂「えっ!?」
純「だってさ、唯先輩や梓も登校するでしょ。顔合わせづらいじゃん」
「ちょっと早いけど琴吹先輩の家におじゃましちゃおうよ!」
憂「いいのかな………?」
純「いいって、いいって!琴吹先輩がどういう人なのかは憂の方が知ってるでしょ?」
憂「……わかった。そうするよ」
純「じゃあ今日はもう休んじゃいましょ〜」フワァーア
「実はけっこう疲れてたんだよねー」クタ……
憂「純ちゃん、そんなところで寝たら風邪ひいちゃうよ?」
純「……憂は……お風呂………入ってきなよ〜……くか〜」
憂「……寝ちゃった」
「……ありがとう、純ちゃん……」
614 :
も
[saga]:2011/08/17(水) 00:18:09.18 ID:xTtJ2aPAO
翌朝、あらかじめ紬にメールで連絡をしておいた憂と純は琴吹家へと向かう
時刻は登校時間をすでに過ぎていた
憂「家に着替えとか取りに行かなきゃ」
途中、憂、純は平沢家に立ち寄っていた
純「私は外で待ってるよ」
憂「うん、すぐに取ってくるね!」タッタッ…
純「よかった〜、梓達いなくて………」ホッ
外車「ヴゥゥゥ………」
外で待つ純に、一台の黒のスポーツワゴン車が近づく
中からは3人の黒いスーツを着た男が出てきた
615 :
も
[saga]:2011/08/17(水) 00:20:03.17 ID:xTtJ2aPAO
純「な、なんですか………?」
黒服1「鈴木純……平沢憂の友人だな?」
純「はい……そうですけど?」
黒服1「お前には………消えてもらう!」シュ!
純「えっ……!」
男の1人は鋭利な刃物で純を刺そうとした
しかし、その刃物は途中で動きを止める
男の手にワイヤーが巻き付き、勢いを殺したからだ
黒服「!」
青年「その子から離れろ……」
黒髪の青年は黒いコートに身を包み、ワイヤーを延ばしていた
黒服2「貴様………No.2!!」
黒服3「裏切り者は始末するっ」ダッ
男はナイフを手に、青年に切りかかるが、青年はその攻撃をひらりとかわし、男の首の後ろに手刀を入れて気絶させた
616 :
も
[saga]:2011/08/17(水) 00:21:15.67 ID:xTtJ2aPAO
純(す、スゴイ………)
黒服2「」ザッ
青年「」タタタッ!
2人目の男は銃を向けるが、青年はお構いなしに男に向かって駆ける
パン!パン!
黒服2「くそっ!当たらないっ!」
ガシッ
黒服2「!」
ゴンッ!
一気に間を詰めた青年は黒服の頭を掴み、思いきり地面にたたきつけて気絶させた
黒服1「チッ……!」ガシッ
純「わっ!」
残り1人となった黒服は純を盾に純を構えた
黒服「両手を上げろ!」
青年「姑息なマネを………」スッ
青年は言う通りに両手を上げる
黒服「動くなよ………」スッ
黒服は銃口を青年に向け、狙いを定める
617 :
も
[saga]:2011/08/17(水) 00:22:37.69 ID:xTtJ2aPAO
ガチャ!
憂「お待たせ〜、純ちゃ……」
黒服「!?」
青年(………)タッ!
黒服「しまっ………!」
ドス!
黒服の隙をついて、一瞬で純を解放し、黒服の腹に突きを入れて気絶させる
憂「あ、あの……これって………?」
青年「………」スタスタ
青年は無言で憂に近づく
青年「お前が平沢憂だな?」
憂「え……そうですけど……」
青年「いきなりで悪いが率直に言わせてもらう。お前の両親がお亡くなりになった」
618 :
も
[saga]:2011/08/17(水) 00:25:07.65 ID:xTtJ2aPAO
投下量すくね〜!けど、今日はここまで!
明日0時、一気に2章終わらせます
見てくれてありがと!
さらば!
619 :
も
[saga]:2011/08/17(水) 23:58:10.54 ID:xTtJ2aPAO
・・・・・・・
憂と純、そして先程の青年の3人は少し離れた人気のない公園に来ていた
青年は黒のコートを脱ぎ、今は白シャツにジーンズといった恰好をしている
憂「さっき言ってたことって、どういうことですか?」
青年「そのままの意味だが」
憂「…………」
青年「信用できない、だろうな………当たり前か」スッ
青年は“ U&I ”という文字が刻み込まれたペンダントを憂に渡す
憂「これは………?」
青年「平沢夫妻から娘に渡してくれと頼まれたものだ」
「これでオレの任務は完了した………お前がどうなろうが知ったことじゃないが、1つだけ忠告しておいてやる………」
憂「………?」
青年「琴吹家には気をつけろ」
そう言い残し、青年は立ち去ろうとする
620 :
も
[saga]:2011/08/17(水) 23:59:56.93 ID:xTtJ2aPAO
憂「待ってください!」
青年「」ピタ
憂「両親のこと、詳しく教えてください」
純「ちょっと憂、あんまり関わらない方が………」
憂「だって、さっき私達を助けてくれた人だよ?それに最近、ホントにお父さんとお母さんに連絡取れてなかったし………」
純「……わかったよ………」
憂「お願いします」
青年「……いいだろう。話してやる………」
「その前にお前は両親の職について本当のことを知っているか?」
憂「海外で営業のお仕事してるって聞いてます」
青年「どうやら知らないようだな」
憂「?」
青年「お前の両親は琴吹グループの極秘プロジェクトの研究員だ。常に世界各地を飛び回っていた」
憂(琴吹グループ………?)
「そんなの初耳です!」
青年「人間世界を崩壊させかねない研究をしていたからな。自分がそんな研究をしている、などと娘に言えるハズがないだろう」
憂「……どんな研究だったんですか………?」
青年「成功すれば、全人類を支配下に置くことができる。簡単に言えばそんな所だ」
621 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:04:01.80 ID:QIOC1uBAO
純「プッ……そんなこと、マンガの世界じゃあるまいし――――」
青年「“音楽の力”……」
憂純「音楽………?」
青年「“演奏者”と呼ばれる能力者の中に、他者に完全催眠をかけ、自在に操る能力を持つ者がいる。」
「そいつは世界トップレベルの科学者達を揃え、秘密裏にあるプロジェクトを進行していた」
「だが、問題が発生した」
憂純「…………?」
青年「プロジェクト成功に必要なエネルギーが圧倒的に不足していたんだ」
「そこで琴吹グループ総帥は考えた。自然界のエネルギーでも人工的なエネルギーでも補えない穴をどう埋めるか………」
「答えは人間の中にあった。喜怒哀楽、その他諸々の感情に比例する新エネルギー………精神エネルギーと呼ばれるものが発見されたんだ」
純「あははっ、そんなものあるわけないじゃないですか!」
憂「純ちゃん、最後まで聞こうよっ!」
青年「………そこに着目した総帥は世界中で起こっている紛争などに軍事介入することで、その実用性を計った………すると、結果はすぐに出た」
「そして、総帥はこのアイディアを応用するために………発生させ易い負の感情エネルギーを増加させるために、世界中に憎しみの種をまこうと考えた」
622 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:08:15.90 ID:QIOC1uBAO
憂「まさか………意図的に戦争を……?」
青年「そうだ。だが勿論、この考えに反対する者が現れる」
「そこで総帥は逆らった者達を全てを1人残らず抹殺していった………平沢夫妻も含めてな」
憂「……………」
青年「オレは琴吹グループの暗殺部隊、No.2。平沢夫妻の追討任務に派遣された………だが、平沢夫妻に恩があったオレには、できなかった」
「そしてオレは彼らの逃亡を手助けした。しかし、それも結局かなわなかった………」
「そのペンダントを娘に、と………それが最後に聞いた言葉だった」
憂「……………」
純「憂、気にすることないって!こんなの全部デタラメだよ!」
「あんたも、テキトーなこと言って憂を悲しませないでよ!」
青年「オレの話を信じるか信じまいかはお前達次第だ………」サッ
青年は踵を返し、立ち去る
青年「話は以上だ………じゃあな………」スタスタ
憂純「……………」
623 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:09:45.26 ID:QIOC1uBAO
・・・・・・・
数分後、憂達から少し離れた所で青年の前に一台のリムジンが止まる
青年「!」
(………もう追っ手がまわってきたか!)
紬「あら、ご機嫌よう♪No.2……」
青年「総……帥……!」
紬「制裁の時間よ。裏切り者には消えてもらわね♪………斎藤!」
斎藤「かしこまりました、紬お嬢様」パタン
運転席のドアを開け、中から初老の男性が出てくる
青年「オレごときに………No.1を用意なさるとは………」
紬「あなた相手にNo.3以下は役に立たないわ………違ったかしら?」
青年「いや、よく分かっていらっしゃる………」
(……ここまで、か………だがまあ、No.3に桜高の件を伝えられただけでも良しとしよう………)
斎藤「覚悟はよろしいですか?」
青年「………ああ……」
斎藤「では、参りますっ!」ダッ!
それ以降、青年の姿を見た者はいない…………
624 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:14:19.40 ID:QIOC1uBAO
・・・・・・・
斎藤「紬お嬢様。No.2は例の物を所持しておりませんでした」
紬「そう……なら紛失したか、すでに憂ちゃんの手に渡っているようね。どちらにしろ、それは余り重要なことじゃないわ……今はね………」
「それよりも、No.3に今回の実験の情報が行き渡ったのかどうか、が問題なのよ」
斎藤「もし情報が漏れていた場合、私めがNo.3を………」
紬「いいえ、その時は私が直接彼女を服従させるわ。余興も兼ねてね」
斎藤「………平沢憂についてはいかがなさいますか?No.2と接触していたことから、おそらく全て知られたものかと思いますが………」
紬「………大丈夫よ。すでに手は打ってあるわ………」
625 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:15:23.43 ID:QIOC1uBAO
一方、憂と純は先程の公園に留まっていた
憂は青年から受け取ったペンダントを開ける
憂「これ……小さい頃の私と………おねえちゃんの写真だ」
純「え!?」
憂「もしかして、さっきの人が言ってたことは全部………」
純「そ、そんなワケないじゃん!あんな話を信じちゃうなんて、憂までどうかしちゃったの!?」
憂「じゃあどうしてこの写真を?」
純「それはきっと、さっきの人が変態だったんだよ!だから………」
憂「……………」
純「で、でもさ、知らない人が自分の写真持ってるなんて最悪だよねっ」
憂「……………」
(なにか……なにかが引っかかる………)
(あの人の話によると、お父さんとお母さんは琴吹グループに消されて……その琴吹グループは世界を変えようとしてて………)
(琴吹グループって、もしかして紬さんの?それに……変える?)
(変わったのは私の世界。おねえちゃんや梓ちゃんかおかしくなっちゃって………)
――――純「いや……なんというか……誰かが意図的に仕組んでる、みたいな?」
憂(!)
626 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:16:17.15 ID:QIOC1uBAO
純「ねえ、聞いてる?憂?」
憂「えっ?あ、ゴメン。考え事してて………」
純「早くさ、紬さんの家に行こうよ!また襲われたりしたらたまんないよ」
憂「……やっぱりそれは止めようと思う………」
純「え!?まさかさっきの人を信じるの?」
「そうだとしてもさ、琴吹家には気をつけろとか何とか言ってたけど、琴吹先輩に関係があるって証拠はないじゃん!」
憂「確かにそうなんだけど――――」
ギュアアア!
憂「!?」
黒い衝撃波が憂の目の前で話していた純を飲み込んだ
627 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:17:12.30 ID:QIOC1uBAO
憂「純ちゃんっ!!!」タッ
憂は、衝撃波に吹き飛ばされ数メートル離れた所で倒れている純に駆け寄る
唯「あ〜あ、外しちゃったか」
梓「しっかりしてくださいよ、唯先輩!」
憂「!」サッ
憂が振り返った先には、学校に行ったはずの唯と梓が立っていた
唯の手には楽器状態のレスポールのネックが握られている
憂「……おねえちゃん達が………純ちゃんをやったの………?」
唯「ああ、そうだぜ!」
憂「」プツン
梓「次は憂の番だよ」
憂「……………」
唯が純を傷つけたことを肯定した瞬間、憂の中ではそれまでの考えが全て吹き飛び、ドス黒い感情が渦巻く
628 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:18:13.89 ID:QIOC1uBAO
唯「アハハッ!死ぬのが怖くて声も出ねーか、あ?」
憂「お前達は………」
唯「あ?」
梓「…」
憂は立ち上がり、ゆっくりと一歩ずつ、唯達の方へ近づく
憂「私を……さんざん傷つけた上に………」
唯梓「………」
憂「親友にまで手を出した………」
梓「唯先輩、やっちゃってください」
唯「私に指図してんじゃねーよ………行くぜ」
「オラァ!」ブン!
ギュアアア!
唯がレスポールを振るうと、黒い衝撃波が飛び出し、憂に襲いかかる
憂「………」ブン
憂は右腕を横に払い、衝撃波を掻き消した
唯「何!?」
梓「素手で!?」
憂「………」ピタッ
憂は歩みを止め、唯と梓を睨みつける
憂「お前達は絶対に許さない!!!」
629 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:19:38.01 ID:QIOC1uBAO
唯「素手で私の斬撃を止めたのは褒めてやるよ。だがな、それでこの私に勝てると思うなよっ!」ダッ
憂「」ザッ
一気に間を詰めてきた唯の動きを察知し、憂は一歩後ろに下がる
唯「響牙天衝!」ブン!
憂「」サッ
唯は縦にレスポールを振り、斬撃を繰り出すが、憂は下がった時に着地した足を軸に簡単な重心移動をして、ひらりとかわした
梓「あれ、純を見捨てるんた?」
憂「!」サッ
唯の斬撃は直線上に進み、後ろで倒れている純に向かって進んで行く
ギュアアア!
黒い衝撃波が再び純を飲み込んだ
憂「純ちゃん!」
唯「よそ見してんじゃねーよ!」
ドカ!
憂「うっ!」ゴロゴロ……ドサッ
純に気を取られた憂は、唯にギターで殴り飛ばされる
憂「純……ちゃん………」
630 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:22:29.41 ID:QIOC1uBAO
腹ばいの恰好の憂が純の方に目をやると黒い衝撃波がだんだん晴れて行く
紬「ハァ……ハァ………」
唯梓「!」
憂「紬……さん!?」
紬が純をかばい、フラフラの状態でかろうじて立っていた
紬は漆黒のギターを手にしていた
紬「憂ちゃん……来るのが……遅かったから………迎えにきちゃった………」ドサッ
憂「紬さん!」
憂は立ち上がって紬のもとへ駆け寄る
紬「この……ギターを………憂ちゃんに………」スッ
紬は手にしたギターを憂に手渡す
憂「これを………私に……?」
紬「…………」コクリ
「…………」ガクッ
憂「!」
紬はその言葉を最高に、気を失った
631 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:24:02.47 ID:QIOC1uBAO
梓「とんだ邪魔が入りましたね」
憂「……てやる…」
梓「何か言った?」
憂「……ろしてやる……」
唯「………」ザッ
唯はギターを構える
憂「殺してやるっ!!!」
「“いくよ ストラトキャスター”!!!」
憂は手にした漆黒のギターのネックを掴み、前に突き出して楽器を解放する
解放後のストラトキャスターは純白の刀となっていた
梓「!?」
唯「テメェも………演奏者だったのか?」
憂「知らないよ………そんなもの―――――」ヒュン!
唯「!」
ガッ、キイィィィン!
憂は唯の前に瞬間移動をして切りかかる
それに瞬時に反応した唯はとっさにギターでガードして、つばぜり合いの状態になった
唯「ほう………なかなかやるな。だが―――――」
憂「響牙天衝」ボソッ
唯「!」
ズギュアアアア!!!
白い衝撃波を至近距離で唯に放つ
632 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:25:13.41 ID:QIOC1uBAO
梓「唯先輩!」タッ
唯「うぐっ………」ポタポタ
唯は血がしたたる右腕を押さえていた
憂「……………」
(なんだろう、この感覚………私を縛り付ける鎖から解放されるようなこの感覚は………なんだか気持ちいいなあ………)
(もっと………もっとおねえちゃんを切れば感じられるのかな………?)
唯「まさか、私が傷をつけられるとはな………」
憂「あはは!まだ元気そうだね……もっと私を……楽しませてよっ!!」ダッ
憂は手負いの唯に猛スピードで突っ込んでいく
唯「解放できないこちらには分が悪いな………」スッ
憂「…」スッ
唯がギターを掲げたの見るや否や、憂も刀を構え、斬撃を繰り出す体勢に入る
唯憂「響牙天衝!!!」
ズギュアアア!!!
ドゥン!!!
白と黒の衝撃波がぶつかり合い、辺りに突風が吹き荒れる
梓「うわっ!」ヒュ―ン
梓は突風に吹き飛ばされて、近くの木にぶつかって倒れる
633 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:25:52.01 ID:QIOC1uBAO
憂「………」スタ、スタ
突風がおさまり、立っていたのは憂だった
憂は梓の方へゆっくり近づいていく
ザクッ!
梓「いっ――――!」
憂は倒れている梓の腹に容赦無く刀を突き立てた
憂「アハハ、アハハハハハ!」グリグリ
梓「ぎゃああああ!」
憂は突き刺した刀を左右にひねる
梓「た……すけ……て………」
憂「なにかな?聞こえないよ〜♪」
唯「響牙天衝!」ギュアアアア!
憂「!」
ドオォン!
634 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:26:45.67 ID:QIOC1uBAO
憂「………」シュウウゥ……
唯「私を……無視してんじゃねーよ」ハァ、ハァ
後ろで倒れていたはずの唯が不意に放った衝撃波を、憂は左腕で防いだ
憂「まだ生きてたん――――」
ヒラリ………
憂「!」
憂の髪を結っていた黄色いリボンが衝撃波の風圧でほどけた
いつも憂が身につけているそのリボンは、唯が憂へプレゼントしたものだった
憂「うっ…く………あぁぁ………」ガクッ
憂は突然、頭を抱えてその場にうずくまる
憂「……………」
憂はそのまま意識を失った………
635 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:30:53.26 ID:QIOC1uBAO
ことぶきけ!
憂「…………」パチッ
高級感あふれるベッドの上で憂は目を覚ました
紬「よかった!憂ちゃん、気がついたのね!」ムギュ
憂「あの……紬さん………」
紬「何も心配しなくていいのよ。ここは私の家だから」
「憂ちゃんのお友達も、命に別状はなかったわ」
憂「そう……ですか………」
紬「……憂ちゃんが倒れた後ね……私が目覚めた時にはみんな気を失ってて………唯ちゃん達も治療したわ」
「2人は傷がひどくて、全治二週間くらいよ。まだ目覚めてもいないわ………」
憂「私が……おねえちゃん達を傷つけたんですよね………」
「おねえちゃん達が……純ちゃんを………私を殺そうとしてきて……私……私………」ガクガク
紬「憂ちゃん。自分を責めないで!」
憂「でも………」
紬「仕方なかった。あの時はああするしかなかったのよ!実際に誰も死んでないし、純ちゃんも私も助かった」
「憂ちゃんのおかげでね」
憂「!」
「……………」
紬「憂ちゃん、あなたの力は使い道を間違えなければ、素晴らしい力になるわ。どう、その力を正しいことに使ってみない?」
636 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:31:28.42 ID:QIOC1uBAO
憂「……………」
紬「私を信用できないかしら?」
憂「いえ、そんなことは………!」
紬「誰かに何か吹き込まれたのね」
憂「!」
「………どうしてそれを?」
紬「憂ちゃんのことですもの。全部お見通しよ♪」
憂「………私が聞いた話って……本当のことなんでしょうか?」
紬「多分、だいたい合ってると思うわ」
憂「じゃあ―――――」
紬「聞きたいことは山ほどあるのは分かるわ。でもまず、私の話を聞いてちょうだい。私の生い立ちから、ね………」
637 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:33:23.92 ID:QIOC1uBAO
紬「私は初め、琴吹家の人間じゃなかった」
憂「え!?」
紬「生まれは日本。それなりに裕福な家庭で育ち、親は琴吹グループで働いていたわ。幸せに暮らしていた。でもある日事件が起こった」
憂「?」
紬「私が8才くらいの頃、親が仕事で取り返しのつかないミスをしてしまい、両親共に命を奪われた」
憂「そんなっ!」
紬「運よく親戚の家にお世話になっていた私だけは助かった。けれどそれだけじゃなかった。琴吹グループは親戚全員を抹殺しに動いてきた」
「最終的に助かったのは私と、執事の斎藤とその家族数人」
憂「ひどい………」
638 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:34:37.61 ID:QIOC1uBAO
紬「………全てを失った私は絶望したわ。何もできない。ただ無力だった」
「生き残った私は施設での生活をしていた。苦しむだけの生き地獄。数え切れないほど、何度も自殺しようとしていたわ」
「死ぬことだけを考えて毎日を過ごしていた。そんなある日、1人の男が施設にやってきた」
憂「それって………」
紬「そう、その男こそが琴吹グループ総帥だったの。彼は研究の被験体となる人材を求めて施設に来ていた。そして運よく私が選ばれた」
憂「研究って、音楽の力で世界を支配するっていう………」
紬「そうよ。憂ちゃんが聞いた話の通り、負の感情が大きい者が被験体として選ばれた」
「でも、飛び切り憎しみが強かった私は長年彼の身近でお気に入りとして仕えたわ。復讐の機会をうかがってね」
「そしてついには復讐に、彼を抹殺することに成功した。同時に彼の地位も全て乗っ取ることができたのよ」
憂「それじゃあ現在の琴吹グループの総帥は………紬さん?」
639 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:35:34.49 ID:QIOC1uBAO
紬「ええ、そうよ」
憂「私の……お父さんとお母さんをやったのも………」
紬「それは違うわ」
憂「?」
紬「確かに琴吹グループ総帥はこの私。でも、全ての派閥は統制しきれてはいないの」
「琴吹グループは規模が大き過ぎるわ。表の世界でも、裏の世界でもね」
「それに、私が琴吹グループのトップに立った理由は復讐だけじゃない。私のような悲しい人間を二度と生み出さないようにしたかった………」
「でも……憂ちゃんを……こんな目に会わせてしまったわ……本当に………ゴメンなさい!」
憂「謝らないでください………紬さんのせいじゃ……ありませんから……」
「それで……おねえちゃん達がおかしくなったのって………」
紬「ゴメンなさい、それについては私にも全く分からないわ。」スッ
紬は憂に気付かれないように後ろにそっと刀を出した
640 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:37:49.10 ID:QIOC1uBAO
憂「そう……ですか………」
紬「もう、全て忘れて私に委ねてしまいなさい。私があなたを支えてあげる。私があなたのお姉ちゃんになってあげるから………」
憂「紬……さん?」
紬「“砕けなさい 鏡花水月”………」
憂「!」
「……………」
紬が楽器を解放すると同時に、憂の瞳は光を失った………
641 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:39:07.83 ID:QIOC1uBAO
紬「余計な情報には消えてもらったわ。これで憂ちゃんの中には私への同情と忠誠、それから唯ちゃん達への計り知れない憎しみだけがのこっているはず………」
「さて、とりあえず唯ちゃん達は傷が回復し次第、家に帰すとして………」
「あとの準備はNo.3、さわ子先生だけね………」
「あの人には演奏者最強の部類、軽音部を鍛えてもらわなくちゃ!早く演奏者対演舞者の戦いが見たいわ〜♪」
その後憂は紬のもとで憎しみによる力をさらに増大させ、純もまた憂に協力した
さらに紬は桜高での大規模な計画を知ったさわ子に完全催眠をかけ、支配下に置いた
和をついで洗脳した
憂との戦闘で負傷した唯・梓は7月の初め頃には完全に回復し、洗脳を解かれた後に唯の家に送られた
そしてここから唯の物語が始まる…………
過去篇 完
―――――To be continued
642 :
も
[saga]:2011/08/18(木) 00:41:19.91 ID:QIOC1uBAO
2日後の0時、再開………
また厨二感あふれる展開を考えてきます!
見いただきありがとうございました
では、これにて失礼!
643 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/18(木) 01:41:47.79 ID:w2j0CQFZo
乙
色々繋がってきてるね
644 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/18(木) 01:49:10.87 ID:u06dABtF0
乙
DTBはよく知らんのだが青年が関連キャラだったのか?
645 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)
[sage]:2011/08/18(木) 03:18:29.97 ID:Q207hauao
ついでかよ
646 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/19(金) 01:27:03.72 ID:eZlUbXsC0
わちゃんは憂を助けるために洗脳されたふりをしてるんだな
能力は眼鏡のつるが13km伸びる
647 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/19(金) 01:42:29.48 ID:mzLBXPNIO
和「仕方ないわね よく分かるようにあなたたちの長さで教えてあげるわ」
和「13kmよ」
こうですかわかりません><
648 :
も
[saga]:2011/08/20(土) 00:24:20.07 ID:coCrJJFAO
>>644
一応そのつもり。でも知らなくてもおKなのです
それでは改めまして、第3章スタートです!
649 :
も
[saga]:2011/08/20(土) 00:25:41.50 ID:coCrJJFAO
TV「続いて次のニュースです。〇国と△国の両国間で続く緊張状態に〜〜〜〜〜琴吹グループが軍事介入を〜〜〜――――」
ブチッ
梓「最近どこも琴吹グループのニュースばっかり。純の話の通りだと、ムギ先輩、そろそろ本気で動いてきてるって証拠だよね………」
学校襲撃事件から約2ヶ月、9月の後半を過ぎた頃、梓は自宅のリビングでくつろいでいた
学校は未だに復興のめどがついておらず、生徒達には自宅待機するようにと連絡が入っている
今回の前代未聞の事件は琴吹グループの力によって世に大きく知れ渡ることはなかった
そんなことよりも世間は、緊張状態にある世界情勢に目がいっていた
ここ2ヶ月の間に琴吹グループの軍事介入によって世界各国のパワーバランスが崩れ、いつ戦争に発展するかもしれない非常に危険な状態になっていたのだ
梓「さてと……そろそろかな」
朝の9時をさした時計を見て、梓はギターケースに入れたムスタングを背負い、家を出る
650 :
も
[saga]:2011/08/20(土) 00:29:59.94 ID:coCrJJFAO
がっこう!
ガチャ
梓「おはようございますです」
生徒会室には唯以外の軽音部メンバーとさわ子、純が席に着いていた
律「おっす、梓ー!」
澪「おはよう、梓」
純「おっはよー、梓!」
さわ子「おはよう、梓ちゃん」
梓「あれ?また唯先輩だけ――――」
皆にならい、梓も席に着こうと移動しかけたその時、背後に光る目が2つ………
唯「あっずにゃ〜ん」ダキッ
梓「にゃああああ〜!」
651 :
も
[saga]:2011/08/20(土) 00:31:02.97 ID:coCrJJFAO
・・・・・・・
梓「もう、唯先輩!」
唯「すいやせんねぇ〜」エヘヘ
さわ子「……みんな揃ったみたいだから、早速話を始めるわね」
今回の事件に関わった者は全員、持ちうる情報の全てをあらかじめ共有していた
さわ子「もうニュースで知ってると思うけど、世界中で戦争が起ころうとしてるわ。ムギちゃんが憎しみのエネルギーを集めようとして、ね」
律「ならさ、早いとこムギのヤツを止めねーと!」
さわ子「ええ、今日これから行くのよ」
「琴吹本家へね」
律澪唯梓純「…………」ゴクリ
652 :
も
[saga]:2011/08/20(土) 00:32:19.90 ID:coCrJJFAO
純「でも、澪先輩と唯先輩は結局力が戻らなかったじゃないですか!2人を除くと戦力は4人。この小数で勝てるわけが………」
唯「純ちゃん、私達も行くんだよ?」
純「え!?」
澪「確かに今は戦えない。夏休み中に楽器の声も聞けなかったし、さわ子先生や立花さん達にも戦いを思い出させるために手伝ってもらったりもしたが、力は戻らなかった」
純「それでもダメだったんなら、なんで!?」
さわ子「だからこそ、よ」
純「?」
律「要はぶっつけ本番ってことだよな!」
澪「やれることは全てやった。後はもう、それしかないんだ」
梓「戦えない先輩達の分は私達がサポートしなきゃ!ね、純?」
純「………分かった」
653 :
も
[saga]:2011/08/20(土) 00:34:43.05 ID:coCrJJFAO
律「ま、ぶっちゃけ私も澪と唯には残っていて欲しいんだけどな。特に唯には」
唯「ほぇ、私?」
律「………憂ちゃんのことだよ……」
唯「……………」
「……律ちゃん、みんなも……憂のことは私に任せて欲しいんだ。全部、私の責任だから………」
梓「唯先輩だけじゃありません!私だって憂にいっぱいひどいこと―――――」
唯「ううん。あずにゃんには黙って見ていて欲しい」
654 :
も
[saga]:2011/08/20(土) 00:37:47.32 ID:coCrJJFAO
唯「憂に謝る時は一緒に謝ろうよ。でも憂の姉として、間違ったことしようとしてる妹を止めるのは姉の役目」
「憂におねえちゃんらしい所見せて、私がおねえちゃんだよって認めてもらわなきゃ!」
梓「唯先輩………」
律「憂ちゃんだけじゃない。和やムギも、みんなであいつらの目を覚ましてやろうぜ!!!」
唯梓澪純さわ子「オォーーーー!!!!」
さわ子(死ぬ覚悟はできてるかって聞こうとしたけど、今のこの子達は何を言っても止まりそうにないわね)
655 :
も
[saga]:2011/08/20(土) 00:40:10.76 ID:coCrJJFAO
ことぶきけ!
さわ子「予定通り、私は囮として正面から突入して暴れるわ!」
琴吹家は学校以上の面積を誇る大豪邸だった
4階ほどの高さの屋敷が4棟に分かれ、その中央に位置する一際高い塔を囲うように正方形の辺上に建っていた
敷地内には黒スーツを着た男達が所々に複数配置されていた
唯「行ってきます!さわちゃん!」タッ
梓「よろしくお願いしますです!」タッ
澪純「お願いします!」タッ
敵地から少し離れた人気の無いで広場にて、唯達とさわ子はそれぞれ別れる
656 :
も
[saga]:2011/08/20(土) 00:41:59.92 ID:coCrJJFAO
律「さわちゃん………」
さわ子「どうしたの?律ちゃんも早く行きなさい」
律「……………」
さわ子「………このメガネ、預かっておいてくれないかしら……」スッ
さわ子はメガネを外し、律に手渡す
さわ子「全部終わったら返してちょうだいね」
律「フラグ立ててんじゃねーよ」
さわ子「フラグはね、折るために存在するのよ!」
律「………さわちゃん、行ってくるよっ!」タッ
タッ…タッ……タ………
さわ子「………さて、始めましょうか………No.1?」
ゴトッ………
斎藤「気付いておられましたか」
マンホールのフタが開き、老人男性が這い出てきた
657 :
も
[saga]:2011/08/20(土) 00:43:28.49 ID:coCrJJFAO
斎藤「No.3……あなたが囮となって紬お嬢様の城を引っ掻き回すようですが、そうはいきませんよ………」
「あなたにはここで消えてもらいます」
さわ子「ゴメンなさい。私は死ぬわけにはいかないのよ。教え子達と約束してるからね!」ザッ
さわ子はフライングVを取り出し、構える
斎藤「“No.(ナンバー)”は力の序列を表します。No.3のあなたがNo.1である私に挑むなど愚の骨頂!消えなさい!!」ダッ
さわ子「力を貸してね……フライングV……」ボソッ
「行くゼェエエ!!“HellThe World”!!!」ゴオオオオ!
さわ子を中心に半径100メートル程の紫炎のドームが形成され、さわ子と斎藤を閉じ込める
フライングVは紫炎を纏う刀となり、またさわ子自身の服装もデスデビル仕様のものとなっていた
さわ子「私の単独デスメタライブ、楽しませてやるぜ!!!」ダッ!
658 :
も
[saga]:2011/08/20(土) 00:47:00.39 ID:coCrJJFAO
ことぶきけ・うらにわ!
黒服「奴らを逃がすなっ!」
パン、パンパンッ!
律「みんな逃げろー!!」ダッ
唯梓澪純「ひぇ〜!!」ダッ
裏門から侵入はしたものの、潜入には失敗していた
唯達は黒スーツの男達に拳銃を向けられ、逃走している
律「か弱い乙女に銃なんか向けやがって!許せん!!」ザザッ
澪「律っ!」
律は立ち止まり、ドラムスティックを取り出して黒スーツの群れと対峙する
659 :
も
[saga]:2011/08/20(土) 00:48:41.79 ID:coCrJJFAO
律「お前らは先に行け!私がまとめて片付けてやる!」
「“照らせ 太陽鼓舞(アポロンドラム)”!」ゴオオオオ!
律を包み込んだ炎が消え、大剣を背負い、右手に刀携えた律が現れる
律「くらえっ!“ 炎符号(エンコード) ”!!」ボボボッ!
律が刀を横に振るうと、フラットやシャープなどの音楽記号をかたどった火球が黒スーツに向かって高速で飛んで行く
黒服達「じゅううう〜!!!」
黒スーツ達は焼け焦げ、戦闘不能となった
660 :
も
[saga]:2011/08/20(土) 00:50:43.00 ID:coCrJJFAO
律「へっ、どんなもんだ!」
純「田井中先輩!上です!」
律「!」
ヒュン!
ガキイィィイン!
和「あら、背中の剣をうまく使ったわね」
律「和!」シュタ、シュタ、シュタン!
律は背負った大剣で斬撃を防ぎ、後方倒立回転跳びで距離をとって唯達の側へ下がる
律「みんなは先に行け」
梓「ダメですよ!和先輩相手に1人でなんて――――」
澪「私も残る」
律「!」
「………澪、先に行けって――――」
澪「1人で突っ走るな。仲間を信じて頼る強さをお前は分かっているはずだろ?律」
661 :
も
[saga]:2011/08/20(土) 00:51:29.83 ID:coCrJJFAO
律「………しょーがねーな、背中は任せたぜ、澪!」
澪「ああ!……唯達は早く先へ!」
唯「……また後でねっ!」ダッ
梓「必ず追いついて来て下さいよっ!」ダッ
純「前にも言いましたが、生徒会長の強さは別格です!気をつけて下さい!」ダッ
唯梓純は律澪と別れて先を目指す
律「あいつら……またヘンなフラグ立てやがって………」
和「あなた達2人で良かったのかしら?今や私は琴吹家直属暗殺部隊No.3よ?」
「それに澪からは音楽の力が感じられない。澪が残ったところで何も変わりはしないわ」
662 :
も
[saga]:2011/08/20(土) 00:52:57.74 ID:coCrJJFAO
澪「ふふ………本当にそう思うのか?」ザッ
澪はベースを手にして構える
和「………?」
澪「行くぞ!律!!」ダッ
律「おう!」ダッ
2人は和目がけて駆け出す
和「…………」
しかし和は落ち着き払った姿勢を崩さない
律「うりゃあ!」ブン!
ズバァアア!
和「きゃああっ!」ドサッ……
和は縦に律の斬撃を受け、地面に倒れたまま動かなくなった
663 :
も
[saga]:2011/08/20(土) 00:54:12.20 ID:coCrJJFAO
律「え?……和ってこんなに弱かったのか?」
澪「……えらくあっさり倒せたな………」
律「………じゃあ、先を急ぐかっ―――――」ダッ
和「待ちなさい」
律澪「!?」サッ
律と澪が振り返ると、倒れた和の体は朽ちていき、その後ろには空間の裂け目が発生していた
和「………」スタ、スタ
裂け目からは無傷の和が歩いて出て来る
1人の少年を従えて………
澪「お前は………!」
律「………聡!」
664 :
も
[saga]:2011/08/20(土) 00:59:23.05 ID:coCrJJFAO
ここまで!
明日24時に、さいかい!
………実は、2章あたりからややスランプ気味なんや
期待値を下げてしまってごめんやで
見てくれてありがと!
また明日なのです!
665 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/20(土) 01:28:38.75 ID:JO2Uwxot0
乙
厨二妄想力って迸るときと忽然と枯れるときがあるよな
妄想という[
田島「チ○コ破裂するっ!」
]にも賢者モードはつきものというか
ここにある他の停滞気味のバトル物もそうなのだろうか
666 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:21:50.72 ID:nbhnzR6AO
さいかいです!
667 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:22:49.12 ID:nbhnzR6AO
聡「……………」
律の弟…聡は虚ろな目で律達を見つめている
和「この子は琴吹グループの実験体第93125号よ。律を倒すためだけに改造された生き人形」
律「て……めえ………!」プルプル
和「あなた達にはこの子と戦ってもらうわ。それじゃあn――――」
ゴオオオオオ!!!
和の足元から火柱が立ち、和を焼き付くす
和「何度私を殺そうとムダよ。誰にも私は殺せないから……」
焼き付くしたはずの和の声が、どこからともなく聞こえてくる
それを最後に和の気配は消えた
668 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:24:12.80 ID:nbhnzR6AO
律「なあ……聡………?」
聡「……………」
律はゆっくり聡に近づく
澪「止まれ律!明らかに様子がおかしいだろ!」
律「うるせー!澪に何が分かるんだよ!どうなったって、聡は私の弟―――――」
ドス!
聡「……………」
澪「う………律……」
聡は澪の前に瞬間移動し、その腹を右腕で貫いた
律「み……澪ーーー!!!」
聡「……………」ブン
澪「」ドサッ…
律「聡……テメェ、よくも澪を………」
「弟だからって許さねぇぞ!! 音 解 !!!」ゴゴゴゴ
掲げた大剣が太陽に変わり、太陽が落ちて律を包み込む
律「紅蓮乱舞――アポロヌスビート」ゴオオオ!
太陽が消え、炎を両腕に纏った律が現れる
律「行くぜ聡!覚悟しろよっ!」ザッ
炎を纏う刀を聡に向けて構える
669 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:25:37.28 ID:nbhnzR6AO
聡「……アクセル……ドライブ………」
律「!」
どこからともなく黒い霧が発生し、聡の周囲を包み込んだ
霧は近くの空を覆って行き、辺りはまるで夜であるかのような暗さとなった
律「一体……何が……!?」
シュウウゥゥゥ………
律「!?」
律が腕と刀に纏った炎が消えて行く
スゥ――――
黒い霧に覆われた空に小さな月が昇り、聡が姿を表す
聡「……月光皇子(ルナテリア)……」
律「な……なんだよ…その姿は………!?」
黒い霧から出てきた聡の姿にはもはや人間の面影はなく、そこにいたのは3メートル程の丈のある巨大な黒い化け物だった
暗闇の中、目だけが怪しく黄色に光っている
670 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:27:20.12 ID:nbhnzR6AO
律「くそっ!“炎舞”!!」ブン!
……し〜ん……
律「まさか………炎が使えないっ!?」
聡「ウォオオオーーー!!!」ダッ
律(な、速い!)ダッ
聡「」ブン
ドガッ!律「ぐはっ………!」
聡の腕に飛ばされた律は、中央の塔を囲む屋敷の内の一つ(A館)に、壁を突き破って突っ込んでいった
律「う………」ムクリ
律が起き上がると、そこは体育館ほどの広さがあるホールとなっていた
聡「……………」ドシン、ドシン
聡は律が開けた穴からホール内へと進入してくる
同時に黒い霧がホールを満たしてゆく
671 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:28:05.87 ID:nbhnzR6AO
律(イテーな……体よりも“ 心 ”が、な………自分の兄弟と戦うのがこんなにキツイなんてな………)
聡「……………」ドシン、ドシン
律(私を倒すためだけに改造された生き人形、か。確かにそうだな………こんなの勝てるワケねーよ………)
聡「……………」ドシン、ドシン
律(………にしても、唯はスゲーよな……ちゃんと現実を受け止めて憂ちゃんと向き合おうとしている。自分ががどんなに傷付いたってな………)
チャキ………!
律「唯には負けてられねー!聡を助け出して唯達に追い付いてやるぜ!」
聡「……………」ドシン、ドシン、ドシ!
炎を封じられた刀を構え、立ち止まった聡に向かい合う
672 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:28:49.94 ID:nbhnzR6AO
パリン………!
律「!」ゴソゴソ
律はさわ子から渡されたメガネを取り出すと、レンズが割れていた
律「嫌な予感がする………さわちゃんに何かあったのか………!?」
聡「ウォオアアアアー!!」
怪物が雄叫びを上げる
律「くそ、今はこっちに集中しろってか」
聡「……………」ダッ
律「うおおおお!」ダッ
律と聡は同時に飛び出した………
673 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:31:54.08 ID:nbhnzR6AO
〜澪の精神世界〜
エリザベス「起きなさい、澪」ゲシッ
澪「いて!」
真っ白の部屋の中、澪は目覚める
澪「人の頭を足で………あれ?私がいる?」ムクリ
エリザベス「私よ!」
澪は自身の姿をしているエリザベスに、一瞬戸惑う
澪「なんだ、エリザベスか。久しぶりだな!」
エリザベス「なんだとはどういうこと?失礼な子ね……」
澪「人を蹴り起こしたやつのセリフか?」ボソ
エリザベス「………まあいいわ。それよりも澪、あなたもうすぐ死ぬわよ」
澪「は?」
エリザベス「精神世界に来たってことは、現実世界から意識が………魂が離れてしまってる、ということよ。」
674 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:32:35.45 ID:nbhnzR6AO
澪「そんな!私はこれから律を……みんなを助けなくちゃいけないんだ!こんな所で1人だけくたばるわけにはいかないんだよ!」
「お願いだ、エリザベス。もう一度私と一緒に戦ってくれ!」
エリザベス「もと通りの力を取り戻したところで、今の澪にはこれから戦っていく連中は倒せないわ」
澪「だからここで諦めろって言うのか?………まだ何もしていないのに諦めろと言うのか!?」
エリザベス「そうじゃなくてね………これから澪に新しい力を授けようって話よ」
澪「新しい………力?」
エリザベス「最後の試練………受けてみない?」
675 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:35:39.34 ID:nbhnzR6AO
やしき・Aとう!
律「……………」ドサッ………
聡「オオオオオ!!」
暗黒が支配する部屋で、律は力尽き倒れていた
律(く……そ………勝てねぇ……)
(聡のヤツ……あんなデカイ図体してるくせに……動きが早過ぎる)
(それに加えて……あのパワー………ホントに化け物になっちまったのかよ………?)
聡「オオォォォ………」
聡は叫ぶことを止め、律に近づいて行く
律(トドメを……刺すつもりか………)グッ
悔しさのあまり律は左手をグッと握る
律(!)
手の中にはさわ子のメガネがあった
676 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:37:31.47 ID:nbhnzR6AO
――――さわ子「全部終わったら返してちょうだいね」
律(そうだ……相手がどれだけ強くても、私は負けるワケにはいかない!)ムクリ
律はよろよろと、おぼつかない足取りで立ち上がる
律「いくぜ………聡……」プルプル
満身創痍の律は力を振り絞って何とか刀を構えている状態である
聡「……………」ピタ
律「?」
聡「スゥ―――――!」ヒュオオオオ!
聡は立ち止まったかと思うと、次の瞬間周りの空気を大量に吸い込み始めた
その勢いは少し離れた律をも引き込もうとする程である
律「くそっ!………吸い込まれるっ!」ガガッ
律は地面に刀を突き刺して何とか耐える
677 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:39:15.41 ID:nbhnzR6AO
聡「……………」ピタリ
律「……やっとおさまったか……」
聡は吸い込むのを止め、大口を開けて待機している
聡「…ア……ア………オアアアアア!!!」ゴアッ!
律「な………!?」
聡はその大きな口から、人ひとりを丸々飲み込んでしまいそうな程太く、赤いエネルギー波を律目がけて発射する
律「っ………!」チャキ!
ズギュウウウウ!!!
律は刀でエネルギー波を防ぐ
が、すぐに限界が来る
律(何て威力してやがんだ………刀が……折れちまいそうだ!)
ピキッ………!
律(刀にヒビがっ!………そろそろ限界かっ!)
………ボッ……
律「!?」
さわ子から預かったメガネが紫炎に包まれてゆく
律(これは…………)
ズゴオオオオオ!!!
ついにエネルギー波が律を飲み込んでしまった
678 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:40:44.61 ID:nbhnzR6AO
聡「……………」
シュウウゥ…………
ゴオオオオ!!!
突如、律がいた付近から紫の炎柱が立ち上がる
律「ふ〜、間一髪でさわちゃんに助けられたぜ!」
律は両腕と刀に紫炎を纏い、力強く立っていた
さらに、今まで受けた傷は1つ残らず全回復していた
律「さわちゃんはこのメガネに自分の力の一部を隠してたんだな………そのおかげで私の気圧も傷も元に戻った………」
チャキ!
律は聡に刃を向ける
律「ここからが本番だっ!」
679 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:41:43.48 ID:nbhnzR6AO
聡「……グゴ……ガ……」
「オオオオオ!!」ギュオオオ!
聡は律の紫炎を吸い込もうとする
しかし、紫炎は律から引きはがされることはなかった
律「ムダだ。お前は炎熱系最強の私の力を封じるためだけに改造されたんだ。だから炎熱系最凶のさわちゃんの力は封じられない」
聡「……グゴ………ゴガゴゴ………」
律「炎さえ戻ればこっちのモンだっ!」ダッ
「“ 凶炎舞 ”!!!」ゴオオオ!
聡「ゴガガガガァ!!!」
踊り狂う紫炎が聡を焼き尽くす
しかし、燃えているように見えた聡の体は実際には無傷だった
律「炎対策はバッチリですってか………」
「なら直接切ってやるまで!」ダッ!
680 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:45:36.88 ID:nbhnzR6AO
聡「ゴガ……ゴゴオ!」ブン!
律「遅いっ!」シュタッ!
律は聡が横から振ってきた腕を、地面を強く蹴って跳躍することでかわす
さらに律はそのまま空中から聡を、紫炎を纏った刀で縦に一閃する
ズバァアア!
聡「グガアアアア!」
ドスン………!
聡の巨体が地面に倒れ、地響きが発生する
律「まいったか、我が愚弟よ!」
聡「……ガゴゴ……ギ………」ノソッ、ズシン!
律「まだやるってのか………?」
聡「ギゲ………ギアアアアアア!!!」ゴゴゴゴ!
起き上がった聡が叫び出すと同時に聡に気圧が集中し、その巨体が見る見るうちに更に巨大化し始めた
681 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:48:45.54 ID:nbhnzR6AO
律「……建物がもたねぇ!」ダッ
律は紫炎で壁を吹き飛ばし、外へ脱出する
律「で……でけぇ………!」
聡の身体は4階を優に越える高さ……数値にして20メートルの巨体にまで成長していた
律のいたA館を半分崩壊させて、上から律を見下ろしていた
聡「…ギ……ガアアア!!」ムキムキ!
聡が再び叫び出すと、今度は右腕だけが異常な大きさに膨れあがった
律「デカイのが何だってんだ……」
「“ 凶焼天 ”!」ゴオオオ!
律が刀を振り上げると、紫炎が地を這い、そして建物を伝って、聡へと進んでいった
しかし、やはり聡に対して炎による攻撃は効かなかった
律「あの巨体は直接切って倒せる大きさじゃないな………どうすっかな………」
682 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:49:49.15 ID:nbhnzR6AO
〜澪の精神世界〜
澪「最後の試練だと?まだそんなものがあったのか………」
エリザベス「前に音解の試練を受けた時は、まだ澪は次の段階に進んでもいいレベルに達していなかった」
「でも、今の澪になら使いこなせるかもしれないわね………試練、受けてみる?」
澪「ああ、どんな試練でも受けてやるさ!」
エリザベス「正真正銘、命懸けの試練になるんだけれども………」チャキン
エリザベスは音解状態の刀……エリザベス自身を、左腕に巻いた晒(さらし)に繋がれて装備していた
683 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:50:43.43 ID:nbhnzR6AO
澪「またエリザベスの刃を受け入れればいいのか?」
エリザベス「ええ。でも今度は失敗すれば刃に魂を封印され、未来永劫私の中で苦しみ続けることになるわ………」
澪「……………」
エリザベス「あら?怖がらないの?力を失って、今までの試練で克服したものも全部、失ってるはずなのに………」
澪「私は今になって気付いたんだ………音楽の力を失うこと?自分の命を失うこと?それが何だというんだ!私は――――」
「私は……仲間を失うことの方が恐い!!!」
「現実世界に私の意識はないけど、なんとなく分かるんだ………今、律が危ない目に会ってるって」
エリザベス(!)
(今の澪には仲間の危機が感覚で分かっているというの?………まさか……!)
684 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:51:41.00 ID:nbhnzR6AO
澪「私が―――――」
エリザベス「あなたの覚悟、十分に分かったわ。時間がないから、もう始めるわよ!」
澪「ああ!頼む!!」
エリザベス「………」スッ!
ザシュッ………!
澪「っ!」
エリザベス(澪……今のあなたならきっと大丈夫………だって、今のあなたには――――)
(“ 絶対音感 ”があるもの!!)
685 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:55:31.51 ID:nbhnzR6AO
やしき・Aかん!
時刻は正午であるのにもかかわらず、聡の解放により空は黒い霧で覆われ、満月が辺りを照らしていた
現在律は、文字通り巨人となった聡と交戦中である
聡「オオオオ!!」ブオン!
律「………」タタタタッ
シュタッ!
聡のさらに異常に膨れあがった右腕による横からの攻撃を避け、律はその腕に飛び乗る
律「顔に攻撃すりゃあ、流石に効くよな!」タタタッ
律は聡の腕を伝って頭部を目指し、疾走する
聡「」サッ!
律「!?」
聡は突然頭を律へ向ける
686 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:56:21.14 ID:nbhnzR6AO
聡「オアアアアア!!!」ゴアッ!
聡は先程律に放った赤いエネルギー波を口から撃つ
しかし今度は先程とは比べ物にならない程大きく、そして速かった
律「初期動作なしかよ!?」
(反応が遅れたっ!………防ぎきれねぇ!)ゴオオ…
律はとっさに紫炎で壁を作ったが、それも十分な大きさではなかった
ズギュウウゥゥン!!!
聡「…………」ブオン!
律「」ドザザザ……
聡は腕に乗っていた律を振り払う
エネルギー波にやられてしまってしまった律は澪が倒れている隣にまで飛ばされ、そのまま起き上がることはなかった
聡「ウゴオオオオオ!!!」
聡は月へ向かって雄叫びをあげる………
「ちょっと待て」
687 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:57:17.95 ID:nbhnzR6AO
律(……………?)
聡「………グゴ………?」
澪「勝利の雄叫びってのは勝ってから吠えるものだろ?」スタ、スタ
「その雄叫び、私が負け犬の遠吠えに変えてやるよ………」ザッ
満を持して澪が参戦する
律「み……お………お前………」
澪「私の心配より自分の心配だけしてろ………ボロボロじゃないか。それと―――――」サッ
澪は聡に向き直る
澪「聡………律を……自分の姉をこんなに傷つけた罰はきっちり受けてもらうからな!」スッ
澪は楽器・エリザベスを取り出し、気圧を込める
澪「“ 舞い踊れ エリザベス ”!」
澪の衣服が変化し、第一解放を行う
688 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:58:27.25 ID:nbhnzR6AO
澪「まだまだ! 音 解 !!」ゴゴゴゴ!
左手に携えた刀が紫色に輝き出し、晒によって腕と繋がれた
澪「村雨時雨(ムラサメシグレ)――エリザベス」
(力が……完全に戻ってる。いや、今まで以上の力かあふれてくる)チャキ
聡「オアアアアア!!!」ゴアッ!
ズギュウウゥゥン!!!
律(またかよっ!)
「澪!私はいいから避けろ!」
澪が避ければ、エネルギー波が後ろで倒れている律に当たってしまうといった状況だった
澪「自分の心配だけしてろ、と言っただろ?」サッ!
澪は刀を横に傾け、エネルギー波に向ける
ズオオォォォォ………
律聡「!」
澪の刀はエネルギー波を吸収していき、最終的には全て吸い尽くした
689 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 00:59:43.62 ID:nbhnzR6AO
澪「うぐっ………!」ギュッ
澪の左腕には例の黒い痣が刻まれていた
律「おい………澪……」
澪「大丈夫だ!これくらいっ」ダッ
澪は聡(の足元)に向かって走り出す
澪「“ 月光斬波 ”!」
ズドドドドド!!!
聡「ゴギッ………!」ドフン!
紫の衝撃波が聡の頭部へ直撃する
しかし、致命傷を与えることはできなかった
澪「っ!」
澪の腕の痣が増えてゆく
澪「音解の最強攻撃でこれだけか………頑丈だな。だが――――」スッ
澪は刀を振り上げ、気圧を込める
澪「お前自身の攻撃ならどうだっ!!」ブン!
ズギュウウゥゥン!!!
聡のエネルギー波に澪の気圧を上乗せした赤い衝撃波が聡を襲う
690 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 01:00:52.39 ID:nbhnzR6AO
聡「アグ!」ズズッ
聡は両腕で衝撃波を防ぐ
しかし、徐々に押され始める
律「よし………これなら……!」
聡「スゥ―――――!」ヒュオオオオ!
律「なに!?」
律が勝利を確信したその時、聡はエネルギー波を吸い込み始めた
律「自分の攻撃も吸収できるのかよ!?」
ズキン!
澪「いっ!」ギュウ
痣に蝕まれていく澪は満足に攻撃ができなくなってしまう
エネルギー波を撃ち終えた澪は左腕を押さえてよろける
律「ヤバイ………反撃が来るぞ!」
聡「オアアアアア!!!」ゴアッ!
ズギュウウゥゥン!!!
聡は澪の放ったエネルギー波をさらに自分の気圧で上乗せして放つ
691 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 01:04:35.79 ID:nbhnzR6AO
律「く……そ………!」ムクリ
澪「律は寝てろ。聡は私が倒す………」
律「そんな体で……何言ってんだよ………?」ヨロッ
澪「それは律も同じだろ?それに、私には秘策がある………」
律「………!?」
澪「そろそろなんだ………そろそろ、解放しても良さそうなんだ」チャキ
澪は迫り来るエネルギー波に向かって刀を構える
澪「はあああああっ!!」ゴゴゴゴ!!
律「すごい気圧……いや違う!これは………?」
澪の周囲に紫色のオーラが集まる
ズギュウウゥゥン!!!
ドォォオオオン!!!
澪と律はエネルギー波に巻き込まれる
692 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 01:08:33.31 ID:nbhnzR6AO
聡「……………」
シュウウゥゥ………
巻き起こった砂煙の中から澪が姿を現す
左腕の痣を全て吸収したかのように、晒が黒く変色しており、左手とエリザベスが完全に融合していた
澪「 フルチューニング “五月雨霞(サミダレガスミ)――エリザベス ”」ザッ
693 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 01:09:47.49 ID:nbhnzR6AO
※参考画像 澪・フルチューニング
http://mup.vip2ch.com/dl?f=22328
横Ver
http://mup.vip2ch.com/dl?f=22329
694 :
も
[saga]:2011/08/21(日) 01:11:47.05 ID:nbhnzR6AO
ここまで!
明日も同じ時間、さいかい!
見てくれてありがとー!
おやすみんみん!
695 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/21(日) 07:00:39.58 ID:DnsgAXhe0
わちゃんはイザナギか大嘘憑きか幻獣種モデルフェニックスか…
696 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海・関東)
:2011/08/21(日) 15:36:04.25 ID:0yY3IyJAO
お疲れ様
スゴイ面白いですっ
あ、あと関係ないけど..
りっちゃん誕生日
おめでとーう!
697 :
も
[saga]:2011/08/22(月) 00:15:29.88 ID:x/xAw0KAO
応援ありがとうございます!
んじゃ、スタートじゃ!
698 :
も
[saga]:2011/08/22(月) 00:16:40.04 ID:x/xAw0KAO
律「これが………音圧の力か………!」
澪「私の場合、呪いを媒介にすることでさらなる解放を可能とした」
「今の私はエリザベスと完全同調し、私自身が刃となることで呪いのリスクは回避している………これで思う存分やれそうだ。行くぞ!」スッ
澪は刀に音圧を込めて振りかぶる
澪「“ 月光斬波 ”!」ブンッ
ズドドドドド!!!
音解時とは桁違いの大きさの衝撃波がエリザベスから放たれる
699 :
も
[saga]:2011/08/22(月) 00:18:07.32 ID:x/xAw0KAO
聡「ガゴ………!」
ズドオオオン!!!
聡は衝撃波により、左肩から右腰にかけて斜めに傷を負う
聡「ウオオオオ!!!」ブオン!
傷を受けて怒り狂った聡は腕を振り下ろしてきた
このままでは澪と律が腕の下敷きになってしまう
ズウウゥゥン………
聡「!?」
ズズズン………
澪「どうした?その程度なのか………?」
澪は左腕の刀一本で、平屋の家屋程もある拳を受け止めた
澪「なら、もう終わりにするぞ」ヒュン!
スパン!
澪が防御している状態から刀を軽く振り上げると、拳から腕の付け根まで、聡の右腕が真っ二つに裂ける
700 :
も
[saga]:2011/08/22(月) 00:18:56.89 ID:x/xAw0KAO
聡「ギャオオオアァァ!!」
聡は痛みで絶叫し、暴れ出した
A館のまだ崩れ落ちていない部分も聡が暴れた影響で、どんどん崩壊していく
澪「………」シュン!
澪は聡の眼前に瞬間移動し、横に傾けた刀を見せる
澪「“ C白銀の鎮魂歌(カースドミラージュ・レクイエム) ”………」
刀身が紫に怪しく輝き出し、聡を深い眠りへと誘う
聡「……ミ……オ………ネェ……」
ドシン!!!
聡の黒い巨体は地に伏し、周りの黒い霧や月が消滅した
聡もまた、元の体に戻っていた
701 :
も
[saga]:2011/08/22(月) 00:20:00.51 ID:x/xAw0KAO
律「聡…………!」ヨロッ
澪「安心しろ、律。眠らせただけだ」
「それにしても、聡をこんな風にしたのは本当にムギなのか………?」
律「許せねぇ………ムギのヤロー!」
澪「とにかく、聡を安全な場所に運んで唯達を追――――」
「そうは行きません!」
律澪「!?」
2人が振り向くと、そこには紫炎を纏った刀を持つ、老人が立っていた
斎藤「次はこの私が相手をしましょう」ゴオオオ
澪「まさか………その刀はさわ子先生の楽器………!」
702 :
も
[saga]:2011/08/22(月) 00:21:46.98 ID:x/xAw0KAO
斎藤「おっしゃる通り。これは先の戦いの戦利品にございます」
律「嘘……だろ?あのさわちゃんをやったってのか!?」
斎藤「信じたくないのは重々承知しております。しかし、目の前の現実が全てなのです」
シュン!
澪「………」スッ
斎藤が言い終えた時、すでに澪は瞬間移動で斎藤の後ろを取っており、静かなる怒りを刀に込めて、大きく振りかぶっていた
澪「………!!」ブン!!
ゴオオオオオ!!!
斎藤の周囲を円形に囲むように紫の炎柱が噴き出し、澪は素早く下がる
斎藤「不意打ちとは何事です?礼儀がなっておりませんな」シュウウウ………
炎柱が消え、姿を現したのは老人とは到底思えない程に鍛え抜かれた、上半身裸の超絶爺さんだった
斎藤「来い!童(わっぱ)共!」ゴオオオオ!!!
703 :
も
[saga]:2011/08/22(月) 00:23:19.40 ID:x/xAw0KAO
澪「律………この人相手に私1人では無理かもしれない。もう戦いには参加できそうか?」
律「おう!澪が戦ってる間に十分回復できた。2人で行くぜ!澪!」ダッ!
澪「ああ!」ダッ
律と澪は斎藤に向かって駆け出した
律澪「はあああっ!!」ブン
斎藤「ぬん!」バッ
キイィィイン!
斎藤は、2人が同時に振り下ろした刀を受け止め、受け流す
律「チッ………」ザザッ
澪「………」ザザッ
斎藤「威勢だけは認めてあげましょう。しかし――――」
パチン!
澪が指を鳴らすと、斎藤の刀が纏う紫炎の一部が輝き出す
斎藤「これは………!?」
澪「“ C白銀の爆炎(カースドミラージュ・フラッシュバック) ”………」
ドゴオオオオン!!!
輝き出した紫炎が勢いよく爆発した…………
704 :
も
[saga]:2011/08/22(月) 00:26:48.74 ID:x/xAw0KAO
〜やしき・Bかん〜
唯「えっほ、えっほ」タッ、タッ、タッ
梓「唯先輩、もうちょっと速く走れないんですか?」タッタッタッ
純「ギター背負って走ってるんだから、しょうがないんじゃない?」タッタッタッ
唯梓純の3人は律達の戦闘により崩壊したA館の隣、B館内を探索していた
現在、4階建ての館内の3階を駆け回っている
梓(おかしいな?さっきから人が1人もいない)
純「梓も……気付いた?」
梓「うん。誰もいないなんて不自然すぎるよ。逆に私達を誘ってるような気がする………あ!」
705 :
も
[saga]:2011/08/22(月) 00:28:47.19 ID:x/xAw0KAO
4階にたどり着いた一行は、一際大きな扉の前で立ち止まった
唯「残りはこの部屋だけだよね?開けるよー」キイィ…
部屋は律が戦っていた場所と同様、体育館くらいの大きさのホールとなっていた
明かりが点いておらず、暗いホールの奥に人影が見える
和「ようこそ。私の部屋へ」
唯「和ちゃん!?」
梓「どうして和先輩が!?まさか律先輩達は――――」
和「律達の相手は別の人に任せてるわ。とはいえ、もう決着が着いてるかもしれないけど」
706 :
も
[saga]:2011/08/22(月) 00:30:10.90 ID:x/xAw0KAO
純「あの先輩方なら大丈夫です!絶対に負けたりしませんよ!」
和「何の根拠も無いのに絶対と言い切るのね。そんな頭だからムギの思想も理解できないのよ………可哀相に」
純「琴吹先輩の考えなんて理解できなくても結構ですっ!」
和「あら、そう。じゃあ私、あなたを消しに行くわね!」ゴゴゴゴゴ!!!
和の周りを気圧が渦巻く
和「“ 銀河創世(ネビュラス) ”!」バッ
和が右手を前に出し手を広げると、刀が現れ、それを掴んだ
707 :
も
[saga]:2011/08/22(月) 00:31:21.20 ID:x/xAw0KAO
梓「“ 鳴け ムスタング ”!」ゴオオ!
純「“ 荒らぶれ 二重の嵐(デュアルストーム) ”!」ゴオオ!
梓と純はそれぞれ始響する
和「あら、手加減して倒せるほど私は甘くないわよ?」
梓「わかってますっ!」
純「行くよ!梓!」
梓純「 音 解 !!!」ゴゴゴゴゴ!
以前の戦いよりも大きな気圧を纏い、2人は音解した
梓「“ 水神装纏――ムスタング ”!」ドン☆
純「“ 風切ノ太刀 “!」ドン☆
水竜を纏った梓と風を操る刀を手にした純が並び立つ
和「そうそう………それと――――」バッ
唯「ほぇ?」
和は左手を唯の方に向けた
和「唯にはここから退場してもらうわね」
唯の足元に黒い渦が発生し、飲み込まれてゆく
708 :
も
[saga]:2011/08/22(月) 00:36:35.91 ID:x/xAw0KAO
唯「た、助けてー!」ジタバタ
梓純「唯先輩!」タッ
和「させない!」バッ
キイィィン!
梓「邪魔です!」
梓と純は、唯との間に割って入ってきた和によって妨害される
純「唯先輩が………!」
唯「純ちゃんっ!あずにゃ――――」
唯が完全に飲み込まれてしまった
梓「唯先輩ーーー!!」
「よくもっ!よくも唯先輩をっ!」
709 :
も
[saga]:2011/08/22(月) 00:37:57.18 ID:x/xAw0KAO
和「まだ唯は生きてるわよ」
梓純「えっ!?」
和「私は唯を別館に転送しただけ………憂と戦わせるためにね」
純「憂と戦わせる?」
梓「今の唯先輩には力が無いのにっ!」
和「あら、そうだったの。なら、唯はもう終わりね」
梓「そんなこと、させませんですっ!」チャキ
純「一気に終わらせて、唯先輩を助けに行きます!」スチャ…
「“ アクセル・ドライブ ”!!」ヒュゴオオオオ!
床に置いた刀が風に変わり、純の周りで旋風を巻き起こす
710 :
も
[saga]:2011/08/22(月) 00:39:01.08 ID:x/xAw0KAO
純「“ 暴風王(バイオレンスストーム) ”」ヒュオオオオ!
和「何をしようと無駄よ。あなた達は既に私のテリトリーの中にあるもの………」
梓「勝手に言ってろです!」バサッ
梓は飛翔して和に飛びかかる
梓「“ 水帝流波 ”!」ブン!
ザザアアァァ――――!
振り下ろした刀から勢いよく水が流れ出て、やがて津波となって和を襲う
和「“ ワームホール ”!」バッ
和が津波に左手をかざすと、空間の歪みが発生し、梓の攻撃を吸収していく
純「梓!上っ!」
梓「!」サッ
ズドオオオオオ!
711 :
も
[saga]:2011/08/22(月) 00:40:39.94 ID:x/xAw0KAO
梓の上方にも空間の歪みが発生しており、そこから吸収された津波が滝となって流れ落ちてきた
梓はそれを間一髪のところでかわす
純「梓、下がってて!私がやる!」
「“ 切り切り舞 ”!」バッ
純が風を手で操り、殺傷能力を秘めた複数の竜巻で和を囲む
和「“ 絶対排斥(インフィニティ・リパルション) ”!」バッ
和が刀を床に突き刺し両手を左右に広げると、見えない力が竜巻を弾き飛ばし、消滅させた
和「私はムギの実験を受けた。そして演奏者も演舞者も凌駕する力を手に入れたのよ。あなた達程度では私には勝てない」
712 :
も
[saga]:2011/08/22(月) 00:41:57.44 ID:x/xAw0KAO
純(やっぱり真鍋先輩は次元が違いすぎる!攻撃がまともに通らないよ!)
梓「純、ちょっと耳貸して」
純(?)
和「作戦タイム?浅知恵を振り絞って頑張りなさい」
純「くっ………!」
梓は純の耳元まで寄っていき、小声で作戦を伝える
梓「和先輩に私達の遠距離攻撃は効かなった。多分、他のどんな遠距離攻撃も和先輩の前では無意味………」
純「つまり直接攻撃に賭けるしかないってこと?私は遠距離タイプだから梓1人に任せることになるけど………」
713 :
も
[saga]:2011/08/22(月) 00:46:22.35 ID:x/xAw0KAO
梓「戦うのはあくまで2人で、だよ!」
純「私がサポートに回る、と?」
梓「うん。それで………」ゴニョゴニョ
和「そろそろいいかしら?待たされるのはあまり好きじゃないんだけれど」ザッ
梓「お願いね、純!」
純「任せなさいっ!」バッ
「“ 切り切り舞 ”!」ヒュゴオオオオ!
和「また同じ技?無駄という言葉の意味が分からないのかしら?」バッ
和は両手を広げ、見えない斥力で竜巻を弾き飛ばす
和「そろそろ反撃しようかしら――――」
竜巻が晴れ、純と梓の姿が現れる………はずだった
714 :
も
[saga]:2011/08/22(月) 00:47:08.13 ID:x/xAw0KAO
純「えっへっへ!」ピース
和(もう1人がいない!?)
梓「“ 氷 閃 華 ”!!!」ヒュン!
和の背後、消滅した竜巻の中から氷を纏った刃が迫る
和「」ササッ
和は反射的に後ろに下がって避ける
梓「引っかかりましたね!」
和(まさか!)パシャ
和が避けた先には、先程梓が発生させた津波によって大きな水溜まりが広がっていた
715 :
も
[saga]:2011/08/22(月) 00:47:55.16 ID:x/xAw0KAO
梓「“ 絶対零度(アブソリュート・ゼロ) ”」カチャ
両手で和に向かって突き出した刀を、鍵をかけるように横にひねる
パキパキ………
和「これは………!?」
和の足元の水が凍り付いてゆく
梓「思った通り、近距離の攻撃に対しては避けてきましたね。そこが勝敗の分かれ目でした………」
パキパキパキ………
和を中心に巨大な氷塊が形成されていく
和「私を倒したこと……褒めてあげるわ………」
パキパキキ………
和「でもね………私は――――」
パキキキ!!!
和は言い終える直前に、完全に氷の牢獄に閉じ込められた………
716 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/22(月) 00:47:55.31 ID:POmBZJQjo
澪は痣ができなくなったってこと?
良かった良かった
717 :
も
[saga]:2011/08/22(月) 00:52:01.31 ID:x/xAw0KAO
>>716
おっしゃる通りです
・解説
呪いの発生源は妖刀→澪が妖刀と融合→澪自身が妖刀となる→呪いを受ける対象がいない
こんな感じでお願いします!
718 :
も
[saga]:2011/08/22(月) 00:53:57.77 ID:x/xAw0KAO
あと、今日はここまでです!
また明日の0時に、さいかい!
見てくれてありがとう!
おやすみっす〜!
719 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/22(月) 04:28:44.94 ID:zvGBIwQC0
明日も楽しみにしてます
乙
720 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/22(月) 06:05:16.02 ID:4O1Kzgw7o
乙
そろそろ面白くなるんだよね?
721 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:07:27.11 ID:f6HRz6zAO
>>720
まだこれからです………多分
では、さいかい!
722 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:08:39.61 ID:f6HRz6zAO
やしき・Cかん!
唯「あわわっ!」
ドサッ………
唯は律や梓とはまた別の館に飛ばされていた
たどり着いた場所はやはり、体育館程の広さのホールであり、今回は明かりが点いている
「いらっしゃい。私の部屋へ………平沢唯……」
黒いギターを肩に下げた憂が待ち構えていた
唯「憂………」
憂「今度こそ、決着つけようよ」スッ
ギターのネックを掴んで前に突き出す
憂「“ いくよ ストラトキャスター ”」ゴゴゴゴゴ!
憂の衣装と共にギターが純白の刀に変化する
723 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:09:24.79 ID:f6HRz6zAO
憂「あなたも早く解放すれば?待っててあげるからさ」
唯「私は音楽の力を無くしたんだよ」ザッ
唯は力を失ったレスポールのネックを掴んで構えた
憂「力が無いのにここへ来たの?そんなの、ただの足手まといじゃん」スタ、スタ
唯「うぅ………」
「私は――――」
憂「まあ、力があろうとなかろうと、あなたはいつでも誰かの足手まといなんだけどね」スタ、スタ
憂は言葉責めを繰り返し、唯に近付く
憂「いつもいつもドジばかり。あなたは――――」
唯「憂!それ以上言うと怒るよっ!?」
724 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:11:39.94 ID:f6HRz6zAO
憂「………最近怒りっぽくなったね。学校で会った時も、確かあなたに怒られたような気がする………」
「昔は………ちょっと前まではこんなこと、なかったのにね………」
憂は唯の2・3メートル前で立ち止まった
憂「いつも仲良しだった………ケンカなんて、一度もしたことなかったのに………」プルプル
唯「………?」
憂はうつむき、刀を持つ憂の手は震えていた
725 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:12:45.35 ID:f6HRz6zAO
憂「………私を苦しめた罪………死んで償ってもらうよ!」ダッ
唯「!」バッ
刀を振るい飛びかかってきた憂に対し、唯はとっさにレスポールで防御する
が、しかし………
ズバアァァッ………!
唯「えっ…………」
ドサッ………
横に振られた憂の刀はレスポールを真っ二つにし、ギターごと唯の身体を切り裂いた
憂「」ヒュン!
ドスッ!
唯「うっ……ぐっ………!」
憂は、倒れた唯の腹に刀を突き立てた
憂「“ 響牙………天衝 ”………」
憂の刀から白い衝撃波が放たれた………
726 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:17:13.48 ID:f6HRz6zAO
ズギュアアアア―――――
ガシッ!
憂「!?」
唯は無意識に、腹に刺さった刀を掴む
同時に、白い衝撃波が黒く染まり出した
憂(何が起こってるの!?)サッ
憂は素早く飛びのいた
唯「…………」ムクリ
上半身だけ起こした唯の周りには、憂が放ったはずの気圧による斬撃・響牙天衝が完全に黒く染まり、渦巻いている
憂(………間違いない!あれは平沢唯の気圧………どうして力が戻ってるの?)
ズォォォオオ!
黒い気圧の渦が唯とギターの残骸に吸収される
すると、気圧を吸収した唯は傷が癒え、ギターは巨大な出刃包丁のような刀へと姿を変えた
727 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:18:10.36 ID:f6HRz6zAO
唯「………」スッ…
唯は刀を右手に持ち、立ち上がる
憂「どうやって力を取り戻したの!?」
唯「憂の気圧を同調して、分けてもらったんだよ」
憂「何を言ってるの?そんなことできるわけ――――」
唯「私達は姉妹だよ………気圧の質が似てるんだ。だからこそできた。それに私には――――」
「“ 絶対音感 ”があるからねっ!」フンス
憂(まさか、こんな奴に利用されるなんて………!)ギリッ
「………でも、力が戻ったところで結果は同じ。あなたは私には勝てないよ」チャキ
728 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:19:49.40 ID:f6HRz6zAO
唯「私は負けない!絶対に勝って憂を取り戻すからっ!」ザッ
唯は右手で刀を前に突き出し、左手を右腕に添える
唯「 音 解 !!!」ゴゴゴゴ!!!
黒い気圧が唯を包み込む
唯「“ 音鎖天征――ギー太 ”」ドン☆
気圧が晴れ、黒いコートを纏い、黒刀を携えた唯が姿を現す
憂(どうやら、完全に力を取り戻したみたいだね)チャキ
唯と憂は互いに刀を構え、向かい合う
729 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:21:43.41 ID:f6HRz6zAO
唯「行くよ!憂!」ダッ
先に飛び出したのは唯だった
タタタッ、シュタッ!
唯は床を蹴って跳び上がり、空中で刀に黒い気圧を込める
唯「“ 響牙………天衝 ”!!!」ギュアアアア!
憂「……」ズズッ
憂も刀に白い気圧を込めて地上から向かえ撃つ
憂「“ 響牙天衝 ”!!!」ギュアアアア!
ドゴオオオオ!!
黒と白の斬撃が空中でぶつかり合い、その衝撃で空気が激しく振動する
憂(私の響牙天衝と渡り合うなんて………)
唯「」バッ
憂(!)
白黒入り混じった衝撃波がまだ晴れていない部分から、不意に唯が飛び出し、空中から憂に切りかかる
730 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:23:00.69 ID:f6HRz6zAO
キイィィイン!
唯「はあああっ!」ギリギリギリッ
憂「くっ………!」ザザザアァ……
唯はつばぜり合いの状態を保ったまま、切りかかったそのままの姿勢で憂を押す
ズズズ………
憂(!)ザザザザ……
唯の刀に黒い気圧が込められる
唯「“ 響 牙 天 衝 ”!」ギュアアア!
ドゴオオオオ!
ホールの壁を一部、衝撃波に巻き起こんで破壊する
シュウウウ………
憂「…………」
憂は左腕で斬撃を防御していた
袖は破け、火傷したような跡が見られた
731 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:24:09.91 ID:f6HRz6zAO
唯「その傷じゃあ、もう左腕は使えないよ………片腕だけでも戦うの?」
憂「ハンデをあげただけだよ………何を勘違いしてるのかな?」チャキ
傷ついた左腕を酷使し、憂は両腕で刀を構える
憂「」ダッ
「はあああっ!!」ブン!
唯「………」ブン!
キィン、キィン、ガッ、キイィィイン!
2人は音速のごときスピードで刀を何度も交える
憂「っ………!」ブン、ブン、サッ、ブン
唯「」キィン、キィン、ブン、キィン
(憂の刀から………感情が流れ込んでくる………)
(怒りや憎しみ………いや、それ以上に―――――)
憂「はああっ!!!」ブン!
唯「」キイィィン!
(深い悲しみが伝わってくる!)
732 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:26:08.67 ID:f6HRz6zAO
憂「」シュタッ、ザザァ…
唯「」シュタッ、ザザァ…
唯と憂は最後の一太刀を交えた後、互いに後退して距離をとる
唯(憂は……本当は………!)
憂「これで分かった?ハンデがあっても、あなたは私に押されている。つまり、あなたは――――」
唯「もういいよ………」
憂「は………?」
唯「憂が誰かを傷つけて、苦しんでる姿を見るのはもう見たくないよ!」
「本当は憂も戦いたくないんだよね?私を傷つけたいなんて、思ってないんだよね?」
憂「………いきなり何を言い出すのかと思えば………」
唯「ごめんね………憂………」
憂「!」
「………いまさら何を!」
733 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/23(火) 00:27:11.32 ID:b+El+4y1o
MOTHER3のラストバトルみたいな感じがする
734 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:30:36.52 ID:f6HRz6zAO
唯「全部聞いたよ。私が憂にしてきたこと全部」ウルウル
「私が頼りないばっかりに、憂を辛い目に合わせちゃったよね。憂をいっぱい泣かせちゃったよね………」グスッ
憂「……………」
唯「でもね、憂………今、憂達がやろうとしている間違いは止めなくちゃいけない」フキフキ
「これ以上戦うつもりなら、もう手加減はしないよ」
憂「………あなたと私の決着は生きるか死ぬか、2つに1つ。最初からそのつもりだったから………それと――――」チャキッ!
切っ先を唯へと向ける
憂「あなたのことは絶対に許さないから!」
735 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:33:03.81 ID:f6HRz6zAO
唯「許してもらえるなんて、思ってないよ。けど………」
「間違ったことをしてる妹を止めるのが、おねえちゃんの責任だから………憂を止めて、絶対に連れて帰るよっ!」チャキ!
憂「今さら……何を言ったって私は変わらないよ………」
「………本気であなたを、潰してあげる………」シュルッ、サラサラ…
憂は左手で髪を結ってある黄色いリボンをほどいた
唯「そのリボン……まだ持っててくれたんだね………」
736 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:33:47.21 ID:f6HRz6zAO
憂「確か、誕生日プレゼントにあなたがくれた物だよね………」
「どうしてかな?これだけはどうしても捨てられないんだぁ………」シュルシュル
憂は左手と歯を器用に使って、右手と刀をリボンで結び付けた
憂「………」スッ
憂は唯が音解する時と同様に、右手の刀を前に突き出し、左手を右腕に添えた
憂「 音 解 !」ゴゴゴゴ!!!
右手のリボンが憂を包み込む白い気圧となって消えた
憂「“ 音鎖爆砕――ストラトキャスター ”!」
唯とは対照的に白いコートを身に纏った憂が、純白の刀で気圧を切り裂いて登場する
737 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:36:19.20 ID:f6HRz6zAO
※参考……画像………?
http://mup.vip2ch.com/dl?f=22435
時間がなかったんだ。これで許してくれ
738 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:38:26.72 ID:f6HRz6zAO
ゴゴゴゴゴ………!
唯(すごい気圧……体が押し潰されそうだよ………)
憂「……」ズオオオ…
憂は刀に響牙天衝を宿し、留める
憂「」シュン!
唯(消えた!?)
唯の洞察眼を上回った憂のスピードは、唯から見れば消えたように見えていた
そして憂は唯の真横から襲いかかる
憂「はああっ!」ブン!
唯「っ!」ブン!
ギュィイイン!
唯は絶対音感のセンサーを駆使し、何とかタイミングを合わせて防御する
しかし、響牙天衝を宿した憂の刀に飛ばされてしまう
739 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:39:34.40 ID:f6HRz6zAO
唯「うっ………」
憂「“ 響 牙 天 衝 ”!!」ギュアアア!
唯「!」
飛ばされたまま空中で身動きの取れない唯に追撃を仕掛ける
音解した憂の斬撃は大きさ、スピード、威力のどれもが上昇していた
ズドオオオオン!!!
衝撃波は壁を吹き飛ばし、大きな爆発が起こる
憂「奴の気圧が消えた………私を止めるとか言ってたくせに、あっさりやられちゃうんだね」
砂煙が辺りに舞っている
740 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:40:46.70 ID:f6HRz6zAO
スゥ――――――
唯「…………」
憂「!」
煙が晴れて行き、下に向けた刀を前に出し、響牙天衝を防御した唯の姿が見えてくる
ヘアピンは消えていた
憂「しぶといね………」
(気圧は消えてるのに………どうしてまだ立っていられるの?)
ヒュオオオオ!
唯の周りに風が吹き、煙を完全に吹き飛ばす
憂(あれは、この間の………!)
唯の右手とギー太が融合していたのだ
今の唯は気圧を捨て、音圧に乗り換えている
唯「…………」チャキ!
唯は無言で刀を憂に向けた
唯「“ フルチューニング ”………」
741 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:43:42.22 ID:f6HRz6zAO
※参考画像 唯・フルチューニング
http://mup.vip2ch.com/dl?f=22436
横Ver
http://mup.vip2ch.com/dl?f=22437
742 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:47:18.07 ID:f6HRz6zAO
憂「気圧で戦うのを止めるなんて………何を考えてるの?」スッ
憂は刀を左下に向けて構え、半円を描きながら右上に持って行き、気圧を込めた
憂「“ 響 牙 天 衝 ”!!!」
ズギュオオオオオ!
唯「………」スッ
唯は斬撃に対して左手を向ける
バシュウウウッ!!
憂「!」
白い衝撃波が唯の手で左右に分かれ、軌道をそらされ後方へ飛んでゆく
憂(うそ………!音解した私の響牙は相手の気圧を巻き込んでさらに威力を増す、防御不可の斬撃なのに………)
(その響牙が奴を“ 避けた ”………?)
743 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:48:18.38 ID:f6HRz6zAO
唯「何をそんなに驚いてるの?」サッ、チャキ!
唯は無傷の左腕を払い、再び刀を構える
憂(くっ……私を馬鹿にしてっ……!)
「今のはまぐれだよっ!私が手加減しただけだから!」
唯「でも“ 本気 ”の憂の攻撃なんだよね?」
憂「うるさいっ!“ 響牙天衝 ”!!!」ズギュアアアア!!!
さらに高威力の白い衝撃波を放つ
唯「…………」スッ
ズバァアアッ!
唯は刀で衝撃波を縦に切り裂いた
744 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:50:00.36 ID:f6HRz6zAO
憂(今のは………紛れも無く私の最大威力のの響牙天衝だった………それなのに………)
唯「怒りや憎しみの響きじゃ、私は倒せないよ………憂」
憂「まだ………まだ私はっ!」チャキ!
唯「まだやるつもりなんだね。なら苦しまないように一瞬で終わらせてあげるよ………」スッ
ゴオォォオォオオ………
唯は上に掲げた刀に無尽蔵の音圧を込める
憂(本能でわかる………あれには……勝てないっ………)プルプル
刀を構える憂の手が震えている
745 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:51:31.53 ID:f6HRz6zAO
憂(いや………いやだよ!私が負けるなんてっ!)
(何のために………私は力を手に入れたの?復讐するため?紬おねえちゃんに恩返しするため?………いや、違う!)
(おねえちゃんに………唯おねえちゃんに私のことを見て欲しかったから!私に気付いて欲しかったからっ!)ギュッ
憂は刀を強く握りしめる
憂「うわああああーーーーっ!!!」ゴオオオオ!!!
唯「!」
ありったけの気圧を込め、唯を迎え撃たんとす
唯「“ 響 覇………」スッ
憂「“ 響 牙………」スッ
2人同時に刀を振り下ろす………
唯憂「 天 衝 ”!!!」ズギュアアアア!!!
746 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:54:10.30 ID:f6HRz6zAO
ドゴオオオオ!!!
2人の攻撃がぶつかり合った瞬間を屋敷の外から確認すると、壁の至る所から黒と白の衝撃波が噴き出し、建物が音を立てて崩れ去っていった………
ガラガラ………
憂「ハァ、ハァ………けほっ、けほっ!」
瓦礫を押しのけて憂が這うようにして出て来る
憂「屋敷が崩れちゃった………ちょっとやり過ぎたかな」
ギュアアア!
憂「!」
唯「…………」
黒い斬撃を飛ばし、瓦礫の中から唯が出てきた
唯「もう、さっきの響牙天衝を撃つ力は残ってないよね?」スタ、スタ
憂「それでも………私……私は――――」チャキ
歩み寄ってくる唯に、憂は刀を構える
747 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:55:21.12 ID:f6HRz6zAO
唯「もう!意地っ張りだなぁ、憂は!」スタ、スタ
憂「!」
ギュッ!
唯は憂をそっと抱きしめた
憂「は、離して!」ジタバタ!
唯「いやだよ。もう………絶対に離さない!」
憂「…………」
憂は抵抗するのを止め、刀を下ろす
憂「ずるいよ………私に動く力も残ってないって知ってるくせに………」ポロッ
憂の頬を一筋の涙が伝う
憂「あれ……おかしいな?………涙なんて……とっくの昔に枯れたはずなのに………」ポロポロ
憂は次々と溢れ出る涙を拭き取る
748 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 00:56:45.29 ID:f6HRz6zAO
唯「最初から、こうやって抱きしめてあげるだけでよかったのかもね………」
唯はただ憂を抱きしめる
憂「あなたに………唯おねえちゃんにヒドイことされて辛かった。苦しかった。寂しかった!」
「………だから仕返しした。でも、そしたらまた苦しくなって………」
「おねえちゃん達がもう近づいてこないように、私もいっぱいヒドイことしたのに………それなのに、どうして私なんかっ………!」ポロポロ
唯「憂が世界でただ1人の、私の大切な妹だからだよっ!」
憂「!」
唯「苦しんでる妹を助けるのもおねえちゃんの仕事だからね!」フンス
シュウゥゥ………
唯の腕の中で、憂の解放が全て解ける
憂「おね……う……ひっく………おねえちゃーん!」ポロポロ
唯「よしよし!」ポロッ
瓦礫の上で、2人の少女が抱き合ったまましばらく泣いていた
749 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 01:00:48.39 ID:f6HRz6zAO
・・・・・・・
憂「…………」スッ
憂は解放が解けると同時に戻ってきたリボンを掴み、手の中に納める
憂「私は……楽器とはまだ完全に心を通わせてなかった。だから私の思いをストラトキャスターに届けるアイテムが必要だったんだ………」
唯「それがあのリボンだったんだね………」
憂「うん。でもね、それだけじゃなくて………」
「どんな時でも、やっぱりおねえちゃんのことが忘れられなかったから………」
750 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 01:01:43.90 ID:f6HRz6zAO
唯「私もね、フルチューニングの時には憂がくれたヘアピンが必要なんだよ!私達、一緒だねっ!」
憂「おねえちゃんとおそろいかぁ〜」ポワポワ
唯「………よし!憂とも仲直りできたし、次はムギちゃんと和ちゃんだよ!」
唯は立ち上がり、和のいるB館を目指して歩く
憂「待って〜、おねえちゃ〜ん!」トテトテ
751 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 01:03:38.36 ID:f6HRz6zAO
ザシュッ!!
唯「!?」サッ
唯が振り返ると、後ろから刀で心臓を貫かれた憂の姿が目に入ってきた………
752 :
も
[saga]:2011/08/23(火) 01:04:52.73 ID:f6HRz6zAO
ここまで!
明日も同時刻に、さいかい!
見てくれてありがとう!
おやすみ!
753 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/23(火) 01:19:50.54 ID:b+El+4y1o
楽しみではあるが唯はいったい…!
754 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/23(火) 10:05:49.59 ID:WNb1aHmDO
誰も死なないENDとか無しにしてくれよ
755 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/23(火) 12:35:20.14 ID:gxvid1dv0
平沢夫妻とNo2が死んでるジャマイカ
まあムギは直接はともかく間接的には上記の人達と戦争幇助で殺しまくってるだろうに
なにごともなく元サヤいったら萎えるけど
756 :
も
[saga]:2011/08/24(水) 00:07:32.86 ID:9kjlGVuAO
さいかい!
757 :
も
[saga]:2011/08/24(水) 00:08:49.30 ID:9kjlGVuAO
憂「お……ねえ………ちゃん」
ドサッ………!
紬「裏切り者には消えてもらう。琴吹グループの鉄の掟よ♪」ヒュン!
紬は刀に付着した血を振り払う
紬「憂は私のお気に入りだったのに………残念だわ」
唯「あ………あ…………」スタ…スタ…
紬「まさか憎しみを克服するなんてね。あなたのせいよ、唯ちゃん?」
唯「う………い……?」スタ…スタ…
唯は紬を無視し、憂のもとへ歩み寄り、抱きかかえる
758 :
も
[saga]:2011/08/24(水) 00:14:20.70 ID:9kjlGVuAO
紬「愛が大きい程、憎しみもまた深いもの。最初に憂と唯ちゃんを見た時から、あなた達を私の計画の1ピースとして見ていたわ」
「特に、憂の唯ちゃんへの愛情は並大抵のものではなかった。そこに目を着けて、ようやく憂を……憎しみの塊を手に入れることできたのに………」
唯「…………」
紬「欠けた穴は唯ちゃんの、私に対する憎しみで埋めさせてもらうわ♪」
唯の腕の中で、憂はどんどん冷たくなってゆく
唯「う………うわあああああああっ!」
唯の叫びは虚しく空に響き渡る
唯「やっと……憂と仲直りできたのに………こんなのって………」スタ…
唯はゆっくり立ち上がる
759 :
も
[saga]:2011/08/24(水) 00:16:27.58 ID:9kjlGVuAO
唯「琴吹紬!お前だけは絶対に許さないっ!」ポロポロ
紬「あなたの憎しみ、全てぶつけてきなさい!」チャキ
「その憎しみが、私は欲しいのよっ!」
唯「」ダッ
駆け出した唯の刀には音圧が黒い音圧が込められる
唯「“ 響 覇 天 衝 ”!!!」
ズギュアアアア!!!
斬撃を放ち、さらにその勢いで紬に切りかかる
唯「うああああっ!」ズアアア!
紬「フフ………♪」ギシギシッ
唯は響覇天衝を纏った刀を両手で持ち、つばぜり合いの状態に持ち込んだが、片手で持った刀で防御する紬は余裕の表情を浮かべている
紬「」フッ
唯「!」
ドカッ!
紬が不意に繰り出した蹴りで、唯は隣の屋敷(D館)まで飛ばされた
760 :
も
[saga]:2011/08/24(水) 00:23:15.68 ID:9kjlGVuAO
やしき・Dかん!
曽我部「どうなってるの?いつまで経っても澪ちゃんが来ないじゃない!」
D館の4階・ホールにて待機していた曽我部恵は、愛しの後輩が来ないことに痺れを切らしていた
ヒュ――――ン、ガッシャーン!
曽我部「えっ?」
そこへ窓を突き破り、唯が飛ばされてきた
ドカッ!
曽我部「そげぶ!」
曽我部にぶつかった後、唯は床を転げて倒れた
曽我部は気絶した
コツ、コツ………
紬「全然ダメじゃない、唯ちゃん」
761 :
も
[saga]:2011/08/24(水) 00:24:39.00 ID:9kjlGVuAO
唯「うっ………」ムクリ
「このっ!」ブン!
紬「怒りで刃が鈍ってるわよ?」サッ
スカッ
唯「っ!」ブン!
紬「」サッ
スカッ
紬は唯の攻撃をことごとくかわしていく
唯「うおおおっ!」ブン!
紬「えい♪」フッ
ドカッ!
唯「うぐっ!」
動きにキレがなくなった唯は、完全に紬にもてあそばれていた
蹴り飛ばされた唯は、膝を折って紬を睨む
紬「そうそう、私の楽器のことなんだけどね………その人が持っている負の感情の力によって、相手を思いのままに操る力を持ってるの〜」
762 :
も
[saga]:2011/08/24(水) 00:26:12.22 ID:9kjlGVuAO
紬「どんな善人でも、完全に負の感情を拭い去ることはできない………つまり――――」
「私に勝てる人間なんてこの世にはいないのよ」
唯「…………」チャキ
紬「もっとも、今の唯ちゃんは論外なんだけどね♪」
「………それにしても、姉妹揃って実に愚かですこと」
唯「!」
紬「私に操られてるとも知らず、お互いに傷つけ合って………」
唯「…………」
紬「利用されるだけされて、最後には死んじゃうんだもの♪」
唯「っ………!」
紬「特に………妹の方……」
唯「憂を………」
「バカにするなーーー!!!」
ゴゴゴゴゴ!!!
763 :
も
[saga]:2011/08/24(水) 00:27:22.34 ID:9kjlGVuAO
紬「!」
唯の周りを黒い音圧が取り巻き、体に纏わり付いていく
その目は虚ろになっており、何を考えているのか見当もつかない
唯「…………」ゴゴゴゴ……
紬(音圧が跳ね上がった?怒りを引き金に暴走したのかしら………?)
唯「」フッ
紬「!」サッ
ガキイィィン!
唯は紬の背後に瞬間移動して切りかかるが、素早く反応した紬に止められる
紬(さっきよりも斬撃が重い………)
唯「」ブン
ズアアアア!
紬(!)
唯は無言で刀を振るい、黒い斬撃を繰り出す
764 :
も
[saga]:2011/08/24(水) 00:28:45.20 ID:9kjlGVuAO
唯「」ブン、ブン、ブン、ブン………
唯の攻撃は留まる所を知らず、立て続けに高威力の衝撃波が紬に向けて放たれた
唯の攻撃で、紬が立っていた付近は黒一色に染まる
紬(唯ちゃん……音圧に飲まれて自分を失ってるわね。これじゃあ負の感情を回収できないじゃない………)
紬は高く跳躍して滞空し続け、全ての斬撃を避けていたのだ
唯は自らが放った斬撃のせいで紬の姿を確認できない
紬(用済みはさっさと処理を――――)
ガシッ!
紬(!?)
唯「………」
空中にいる紬の腕を、突然目の前に現れた唯が掴む
765 :
も
[saga]:2011/08/24(水) 00:30:01.06 ID:9kjlGVuAO
唯「ウアアアアア!!!」
ズバァァアアア!!!
ヒュ――――ン、ドサ………!
切りつけられて床に落ちたのは唯の方だった
紬「」スタッ………
着地した紬は歩いて唯のもとへ近づいていく
紬「惜しかったわね。もうちょっとのところで私に一撃を与えられたのに………」
唯「…………」ズズズッ
唯は致命傷を負ってなお起き上がり、刀に音圧を込める
しかし紬はそれを気にすることなく、唯に近づいていく
唯「ウオオォァアア!!」ブン!
ズギュァァアア!!
紬「」フッ
唯の目の前にいた紬の姿は消え、次の瞬間には唯の背後に背を向けて立っていた
唯の放った最後の一撃は、虚しく空を裂く
766 :
も
[saga]:2011/08/24(水) 00:31:50.81 ID:9kjlGVuAO
バキン!
唯「!?」ブシュウウウ!
唯の刀が折れ、右肩から左腰にかけて斜めに血が噴き出す
紬「これでもう、抵抗できないわね」
ドスッ!
唯「っ………!」
紬は腹に後ろから刀を突き刺した
紬「姉妹仲良く、同じ場所で眠らせてあげる♪」
紬は唯を刺したままの刀を持ち上げ、外へと投げ飛ばした………
767 :
も
[saga]:2011/08/24(水) 00:32:42.11 ID:9kjlGVuAO
・・・・・・・
………ドサッ!
唯「…………」
唯はちょうど、憂が倒れている隣へと落ちてきた
ポツ…ポツ、ポツ………
ザアァ――――――
通り雨の類いの雨が、激しく降り出した
768 :
も
[saga]:2011/08/24(水) 00:36:47.03 ID:9kjlGVuAO
シュウゥゥゥ………
唯「う……い…………」
音解が解けた唯は、既に冷たくなった憂の傍に這って寄っていく
唯「ごめん……ね………守って………あげられなくて………」ギュッ
仰向けに倒れている憂を抱きしめる
唯「うい………もう一度……おねえちゃんって……呼んでほしいな…………」
憂「」
唯「仲直り……したばっかりなのに………もうお別れなんて………いやだよ…………」
憂「」
唯「ういがいないと………私…………」
ザアァァ――――――――
雨が激しさを増す中、唯は意識を手放した………
769 :
も
[saga]:2011/08/24(水) 00:38:41.35 ID:9kjlGVuAO
短いけど、ここまで!
明日も同じ時間に、さいかい!します
見てくれてありがと!
ばいにゃら!
770 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage ]:2011/08/24(水) 01:44:57.73 ID:bC1/LHS+o
乙
そげぶ先輩出落ちかよwwwwww
771 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/24(水) 11:11:18.25 ID:6/xB12Gy0
憂もさわ子も強敵が仲間になったら弱体化を地で行ってるな
772 :
も
[saga]:2011/08/25(木) 00:04:28.69 ID:20SIYRQAO
さいかい!
773 :
も
[saga]:2011/08/25(木) 00:05:28.44 ID:20SIYRQAO
やしき・Aかん
律と澪はこれまで幾度となく攻撃を仕掛けるも、斎藤には大したダメージを与えることができなかった
斎藤「ぬん!」ブン!
ゴォオオォオオ!
澪「」バッ
澪は紫炎に向けて刀を構え、炎を吸収していく
澪(この炎の量、吸収しきれないぞ!)ズオオォォ……
「律!」
律「おう!」タッ
澪の後ろから高く跳躍した律が、空中から紫炎を繰り出す
律「“ 凶焼天 ”!」ゴオオオ!
斎藤「はあっ!!!」ゴアッ!
バシュウ!
斎藤は気迫で律の炎を弾き、消した
律「な、なにー!?」
774 :
も
[saga]:2011/08/25(木) 00:07:08.12 ID:20SIYRQAO
斎藤「フオオオッ!」ブオン!
斎藤が刀を振り上げると、さらなる豪火が2人に襲いかかる
澪(吸収………限界だッ!)ズオォ…
律澪「うわーーーっ!!」ゴオオオ!
2人は爆風によって、聡が寝ている場所まで吹き飛ばされた
律(このままじゃ、聡が巻き添えを喰らっちまう!何とか場所を移さないと………)
澪「律、私があの人の気を引きつけから、その間に聡をっ!」
律「ああ、頼む!」
律は聡を背中に担ぎ、戦線離脱を試みる
斎藤「敵に背を向け逃げ出すのも、時には必要なこと………」
「ただし、私の前では通用しませんが」
澪「お前の相手は私だっ!」ザッ!
澪は斎藤から吸収した紫炎に自身の音圧を上乗せして、刀に込める
775 :
も
[saga]:2011/08/25(木) 00:09:15.22 ID:20SIYRQAO
澪「喰らえぇぇっ!」ドゴオオオオ!
紫の炎と衝撃波が螺旋状に入り混じり、斎藤に向かって直進する
斎藤「ぬんっ!」ズガッ!
斎藤は勢いよく刀を地面に突き刺し、炎の壁を作り出す
澪「うおおおお!」ゴオオオ!
斎藤「………」ズザザ…
澪の攻撃がわずかだが、斎藤を押していた
斎藤は地面に刺さる刀と共に少しずつ後ろへ押されて行く
澪(よし!このまま――――)
斎藤「」ニヤッ
「ぬおおおおっ!」バッ
澪(!?)
斎藤は刀から手を離し、両手を大きく広げた
炎壁が消え、遮るものが無くなった澪の攻撃を斎藤が直接受け止める
776 :
も
[saga]:2011/08/25(木) 00:11:49.72 ID:20SIYRQAO
澪「馬鹿な!自殺行為だぞっ!」
斎藤「おおおおお!」ズズズ………
澪「な、なに!?」
斎藤は澪の衝撃波を……炎を体で吸収し始めたのだ
ズズズ……ズ………
斎藤「」シュウゥゥ……
澪(全て………吸収された……!)
斎藤「力が……みなぎって来ます。これが音圧ですか………」
澪「まさか、私の力を吸い取ったというのか!?」
斎藤「おっしゃる通り。私は相手の能力をコピーする力を持っていまして………」
「ちなみに元No.3………あなた方の師にもこの能力の対象となっていただきました」
777 :
も
[saga]:2011/08/25(木) 00:13:26.67 ID:20SIYRQAO
澪「偽物ごときにさわ子先生がやられただと?ふざけるなっ!」
斎藤「この能力には続きがありまして………」
澪「続き………?」
斎藤「………複製した能力は必ず、本物の力を凌駕するのです」
「故に私は、これまで誰にも負けたことがないのですよ!」ゴゴゴゴゴ!
斎藤は手に入れた音圧を解放し、空気を震わせる
澪「なら私が最初で最後の引導を渡してやるさ!」ゴゴゴゴゴ!
バッ!
2人同時に飛び出し、空中で刀を交える
澪「はあああああっ!」
斎藤「ぬおおおおおっ!」
ギイィィィイン!
ドドドドドド!!!
2人を中心に、巨大なエネルギー波が球状に発生し、辺り一帯を破壊して行く………
778 :
も
[saga]:2011/08/25(木) 00:16:59.20 ID:20SIYRQAO
うらにわ!
律は聡を背負い、安全な場所を求めて走っていた
律「なんだ?澪達の方からすごい爆発が………」
聡「……ねえ……ちゃん………」
律「聡!?気がついたのか?」
聡「降ろ……せ………」
律「は?」
聡「オレから………離れろ……!」
律「何言ってんだ?おんぶされてるのが恥ずかしいのか?」
律は聡を背中から降ろし、様子を伺う
779 :
も
[saga]:2011/08/25(木) 00:19:01.67 ID:20SIYRQAO
聡「違う!オレがさっき解放した時、姉ちゃんの炎はどこへ行ったと思ってんだよ!?」
律「え………?」
聡「姉ちゃんの本来の炎が、今オレの中に封印されてんだよ!」
「もう……抑えきれねぇ!早くオレから離れろ!爆発する!」ボッ……
律「おい………聡?」
聡の体から抑えていたオレンジの炎が溢れ出てくる
聡「逃げろーーー!!!」
カッ!
律「!」
目がくらむ程に強い閃光と共に大規模な爆発が起こり、辺り一面を吹き飛ばした………
780 :
も
[saga]:2011/08/25(木) 00:23:14.70 ID:20SIYRQAO
やしき・Aかん!
澪・斎藤「“ 月光斬波 ”!!」ズドドドド!
澪が繰り出す攻撃を、斎藤は同じ技で迎え撃つ
しかし、技の威力は斎藤のそれが遥かに上回っていた
澪「くそっ!」ダッ
澪は攻撃の手をいったん止め、斎藤の攻撃を回避することに専念する
斎藤「むやみやたらに走り回って避けようというのですか。果たして、いつまで避け続けられるのでしょうな?」スッ!
ゴオオオオ!!
澪「チッ!」ザザッ!
斎藤が刀を掲げると、天まで届いてしまいそうな程に高くそびえ立つ紫の炎柱が澪を囲み、澪の行動範囲が狭められた
781 :
も
[saga]:2011/08/25(木) 00:24:40.80 ID:20SIYRQAO
斎藤「捕まえましたよっ!」サッ
さらに斎藤が刀を澪に向けて下げると、炎柱が中心に向かって内側に収束し始めた
ゴオオオオ!
澪(マズイ、完全に閉じ込められた!)
(いつもなら“ C白銀の変わり身(カースドミラージュ・イミテーション) ”でかわせるが、今回は霧状になった後に炎のせいで蒸発してしまう………)
(少々荒っぽいけど、攻撃をぶつけて相殺させるしかないな………)スッ……
澪は覚悟を決め、刀に音圧を込める
斎藤「その距離で斬撃を放つとなると、ただでは済みませんよ?」
782 :
も
[saga]:2011/08/25(木) 00:26:18.88 ID:20SIYRQAO
澪「はぁぁぁあ………!」ゴゴゴゴ!
「“ 月 光 斬 波 ”!!」ズドドドド!
斎藤「!」
紫の衝撃波が炎柱を突き抜けて、斎藤の所にまで飛んでくる
シュウウゥゥ―――――
澪「ハァ、ハァ………」
斎藤「…………」
澪は肩で息をしており、相当苦しそうな様子であった
一方、斎藤は澪の衝撃波を片手で受け止め、かつ無傷で澪に対し、余裕の表情で構えている
斎藤「諦めが悪いですよ。さっさと始末されてはいかがです?」
澪「ハァ、ハァ……私は………生きて唯達に……追い付かなきゃ………いけないんだ」
「悪いけど……始末させてはやれないな………」チャキ
斎藤「とことん足掻くおつもりですか………ならば――――」
ドゴオオオオオオン!!!
783 :
も
[saga]:2011/08/25(木) 00:27:38.96 ID:20SIYRQAO
斎藤が何かを言いかけた瞬間に、聡が爆発した音が2人の耳に入ってきた
澪(あれは……律が走っていった方向じゃないか!)
フッ………
澪「!?」
斎藤「隙ができましたね?」
スバァァアア!!!
一瞬で目の前に移動してきた斎藤に、澪は縦に深く切りつけられた………
784 :
も
[saga]:2011/08/25(木) 00:32:00.17 ID:20SIYRQAO
今日はここまでです!
夏休みが終わり、更新が遅れること必至です
最低でも、3日に1回は投下していきます
見てくれてありがと!
おやすみー!
785 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/25(木) 11:42:18.34 ID:A+S3hYkWo
おっつ
786 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/30(火) 19:40:08.87 ID:8UWHvKQKo
どうした?
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
787 :
も
[sage]:2011/08/31(水) 00:29:08.58 ID:rQHMIL1AO
どうも、ご無沙汰です
1回/3日と言ってましたが、無理でした
とりあえず明日の24時頃に投下します
これからは週一で、土日のどちらかに投下するよ
ではまた明日
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
788 :
も
[sage]:2011/08/31(水) 00:31:05.79 ID:rQHMIL1AO
※追
コレの消し方、どなたかお教えくださいませんか?
↓↓↓↓
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
789 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/31(水) 00:41:15.05 ID:S2MWcx0do
管理側がやってるので、消す方法はない
同じ苦情はたくさん出てるので、議論が一段落するか、
管理側が充分と判断したら消えるのでは
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
790 :
も
[saga]:2011/09/01(木) 00:02:47.75 ID:/5CXpY2AO
>>789
どうもです
では遅くなりましたが、さいかい!
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
791 :
も
[saga]:2011/09/01(木) 00:04:35.59 ID:/5CXpY2AO
やしき・Bかん!
梓「“ 氷 閃 華 ”!」ヒュン!
ズバッ!
和「きゃああっ!」ドサッ……
絶命した和は土のような物質へと変化する
梓「ハァ……ハァ………これで―――――」
和「92体目よ」
梓純「!」
梓と純は、いくら倒しても次から次へとでてくる和との、不毛な戦いを繰り広げていた
和「今倒したので92体目。あなた達がいくら頑張ろうと、私を完全に倒すことはできないのよ」スタ、スタ
空間の裂け目から93体目の和が刀を携えて出現する
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
792 :
も
[saga]:2011/09/01(木) 00:07:06.16 ID:/5CXpY2AO
純「いい加減、本体と戦わせてもらいたいんですけどっ!」
和「今まであなた達が戦ってきた私………どれも本物の私よ」
梓「言ってる意味がわかりません!」
和「私はね、空間や時間を自在に操る能力を持っているのよ………つまり――――」
「宇宙の法則をねじ曲げ、新たなる宇宙を創造することすら可能!これが我が力“ 宇宙創造(ネビュラス) ”!!」
「この領域では私がルール、秩序!あなた達は死ぬまで私の手の平で踊らされ続ける運命にあるのよ!!!」
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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793 :
も
[saga]:2011/09/01(木) 00:09:30.08 ID:/5CXpY2AO
梓「………ひとりで盛り上がってるとこ失礼ですけど、全然説明になってないです」
和「」
「オホン……………」
梓純「……………」
和「………で、何の話だっけ?」
純「真鍋先輩が無限に復活するトリックのタネですよ」
和「あら、そう」
「あれは単に別の時間軸の私を連れて来てるだけよ」
純「今、さらっとすごいこと言いましたよね?」
梓「いったいどうやって?」
和「死の間際に多次元間引力―“ ユニフォース ”を発生させ、未来の時間軸に存在する私を引き連れてきてるのよ」
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794 :
も
[saga]:2011/09/01(木) 00:12:39.87 ID:/5CXpY2AO
梓「……でもそんなことを繰り返してたら、いつかは和先輩の存在が消滅するんじゃないですか?」
和「未来なんて私には必要ないわ。もともと捨ててるわよ、そんなもの………」
「今の世の中は腐ってる。絶えることのないつまらない争い。力ある者は笑い、力無き者はただ泣いて、あるはずのない希望を明日に抱く世界………」
「ムギはそんなくだらない世界を本気で変えようとしている………平等なんていう幻想を実現しようとしている」
「その礎となれるのなら、私の未来なんていくらでもくれてやるわ!」
梓「そ、そんなの間違ってます!先輩は、人を洗脳してまで得たものが幸せだと言うんですか!?」
和「人間はそれ程賢い生き物じゃないわ………何をしようと、結局は自己の利益だけを追求してしまう」
「だからね、そうでもしなきゃ、今の不平等な世界は変えられないのよ」
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795 :
も
[saga]:2011/09/01(木) 00:15:08.41 ID:/5CXpY2AO
純「……未来では、どうなってたんですか?今の先輩は未来から来ているんですよね?」
和「知らないわ。ムギの計画が実行された後の時間には、干渉できないもの」
純「ということは、その時には真鍋先輩はもう………」
和「ええ、だから私にはそれ程時間は残されていないということよ。他に質問はあるの?ないのなら、戦いを再開したいんだけど………」
梓「もう1つ教えください」
和「何かしら?」
梓「和先輩には時間や空間を自在に操る力があるんですよね?」
和「そうよ。それがどうしたの?」
梓「その気になれば、私達なんてすぐに倒せますよね?」
和「……………」
梓「どうして私達を生かしているんですか?」
和「それはね………」チャキ!
ダッ!
和は刀を構え、飛び出した
和「私を倒せたら教えてあげるわ!」
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796 :
も
[saga]:2011/09/01(木) 00:17:31.81 ID:/5CXpY2AO
梓「………っ!」チャキ
純「先輩を倒すのは不可能だって、さっき自分で言ってたクセに!」ザッ
2人は身構えて和の攻撃に対処しようとするが、連戦が災いして2人の気圧は残りわずかとなっていた
現に梓が纏う竜は氷の身体となっていた
和「」ズバッ!
和は走りながら目の前の空間を刀で切り裂き、空間の裂け目に飛び込んだ
純「消えた!?」
梓「どこから………来るの?」
梓と純は背中合わせの格好で和の姿を探す
和「ここよ」
梓純「!」
2人の上方から声が聞こえるが、確認してもその姿はなかった
和「こっちよ」ブン!
梓「!」サッ
純「わっ!」サッ
床に空間の裂け目が発生しており、和の刀が上を向いていた2人を襲った
しかし、間一髪でそれを避ける
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797 :
も
[saga]:2011/09/01(木) 00:19:57.80 ID:/5CXpY2AO
和「やるわね」ズズズ……
和は再び裂け目の中に戻っていく
純「卑怯ですよ!隠れてないで出てきたらどうなんですか!?」
和「これは立派な戦術よ。卑怯なんて言われる筋合いはないわ」
どこからともなく和の声が響くが、やはりその姿は確認できない
梓(空中でも地面でも好きな所から自在に攻撃できるのに………今だって、やろうと思えば確実に仕留められた)
(なのにわざわざ声までかけて、私達がかわせるように攻撃してきた)
(それだけじゃない。いつでも倒せる私達を相手に100体近くもの和先輩を倒させた………ということはもしかして―――――)
和「私を前に気を抜かないこと!」ズズズ……ブン!
梓「っ!」
梓は目の前から突然振り下ろされた刀に反応できない
純「梓!」バッ
ヒュオオオオ!
和「!」ズズッ
殺傷能力を備えた風が梓の盾となって発生し、同時に和に襲いかかる
だが、和は再び裂け目の中に身を引いてそれをかわした
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798 :
も
[saga]:2011/09/01(木) 00:26:17.08 ID:/5CXpY2AO
梓「和先輩………あなたは初めから私達を倒す気なんて、ないんじゃないですか?」
和「……………」
梓「狙いはおそらく、私達と唯先輩を引き離すこと。いや、唯先輩と憂を2人きりにすること」
純「えっ………?」
梓「前に和先輩は言ってましたよね?憂のためにムギ先輩の側についてるって」
「唯先輩なら憂を元に戻してくれると信じて、唯先輩だけを行かせたんですよね?」
和「……………」
梓「世界がどうとか関係なくて、本当はただ唯先輩と憂を仲直りさせたかっただけじゃないんですか!?」
和「………さあ、どうかしらね」
和は姿を消しているため、声だけが部屋に反響する
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799 :
も
[saga]:2011/09/01(木) 00:27:51.13 ID:/5CXpY2AO
和「確かに最初は憂を助けるためにこちら側についていたわ。でもね、今は救いたいのは憂だけじゃないのよ」
梓「ムギ先輩………ですか?なら私達に任せて下さい!ムギ先輩は私達が必ず―――――」
和「ムリよ!あなた達ではムギを救うことはできない!」
梓「どうしてっ!?」
和「ムギの抱いている憎しみは深すぎるのよ。あの子は目的を成し遂げるまでは絶対に止まらないわ」
純「琴吹先輩の憎しみ?」
和「下っ端のあなたは知らなかったかしら。とりあえず、あなた達はムギのことを何一つ分かっちゃいないのよ」
梓「琴吹先輩に何があったのかは知りません。けど私達を生かしてるということは、私達に少なからず希望を抱いてるんじゃないですか?」
和「…………」
梓「私達を……先へ進ませてくれませんか?」
和「それはできないわね」ズズッ
梓純「!」
2人の前方の空間が裂け、和が歩いて出てきた
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800 :
も
[saga]:2011/09/01(木) 00:30:02.14 ID:/5CXpY2AO
和「ムギを裏切ることだけはできないわ」バッ
ゴゴゴゴゴ………
梓「っ!」ドサッ
純「うぐっ!」ドサッ
和が手をかざした瞬間、通常の何倍もの重力が梓と純を襲う
耐え切れず、2人は地に這いつくばる
純「“ 切り切り――――」スッ
和「ダメよ」ブン
メキィッ…!
重力に抗って和に向けた純の右手が、和が手を振り下ろすと共に不可視の力によって潰された
純「―――っ!」
梓「純!」
和「反対の手も邪魔ね」ブン
ゴキッ…!
純「」
和「あら、ショックで気絶しちゃったかしら?」
梓「じゅ、純ーーっ!」
和「次はあなたの番よ」
梓「ひっ……」
和「」スタ、スタ…
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801 :
も
[saga]:2011/09/01(木) 00:32:31.37 ID:/5CXpY2AO
梓(いや………)
和「フフ……」スタ、スタ…
無惨に潰された純の両腕を見た梓は、恐怖で冷静さを失っていた
梓(いやだ いやだ いやだ!)
「わああああ!」ヒュオオオオ!
和「!」
パキキ……パキ……
梓は無我夢中でムスタングの力を使い、発生した冷気で和は凍りついてゆく
和「」カチ―ン
梓「はぁ、はぁ……」
和が完全に凍りついたことで、付加重力から解放された梓は立ち上がる
梓「はぁ、はぁ……」
(今のうちに純を連れて逃げ出さないと!次は私も……!)バサッ
梓は左腕で純を抱え、窓に向かって飛び立つ
ギュウゥゥン
梓「!?」
和「甘いわよ」
ゴキィッ……!
梓が目指していた窓の周りの空間が歪み、そこから現れた和が不可視の力で梓の右手を潰した
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802 :
も
[saga]:2011/09/01(木) 00:33:56.64 ID:/5CXpY2AO
梓「ぎゃあああぁぁ……っ!」ドサッ
純と刀を手放し、梓は地に転げ墜ちる
和「あなた達は私から逃げられない。大人しく全てが終わるのを待っていなさい」
梓「う……ぐ……」スッ
俯せに倒れている梓は、痛みを押し殺して刀に手を伸ばす
和「聞こえなかったの?大人しくしてなさい」バッ
梓の左手をも奪うために、和は不可視の力をその手に向ける………
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803 :
も
[saga]:2011/09/01(木) 00:35:46.79 ID:/5CXpY2AO
ドゴォッ!
梓「!」
和「うごっ!」………ドサッ!
和の後頭部にまるで稲妻が落ちたかのように、雷を纏った脚によるかかと落としが炸裂した………
瀧エリ「へへ〜ん♪助っ人、参上!」ビシッ
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804 :
も
[saga]:2011/09/01(木) 00:37:31.54 ID:/5CXpY2AO
ここまで!
次回は金曜の24時に、さいかい!
見てくれてありがと!
ほな、さいなら!
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805 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/01(木) 01:52:45.51 ID:z20gD8uvo
乙乙
まさかのエリちゃんキマシタワー
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806 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/02(金) 00:13:26.87 ID:KLf5kWrU0
平等な世界……ムギがキレた理由はコレだな
ttp://michaelsan.livedoor.biz/archives/51504096.html
ttp://michaelsan.livedoor.biz/archives/51627910.html
ttp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=11848938
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807 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)
:2011/09/02(金) 06:43:17.34 ID:1UQetzeho
追いついたぜ
乙!
面白い!!
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808 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)
[sage]:2011/09/02(金) 06:44:43.94 ID:1UQetzeho
>>806
ムギちゃん…
俺が応援してあげてたのに…
ムギかわいいよムギ
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809 :
!ninja
[sage]:2011/09/02(金) 06:45:16.95 ID:1UQetzeho
>>806
ムギちゃん…
俺が応援してあげてたのに…
ムギかわいいよムギ
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810 :
!ninja
[sage]:2011/09/02(金) 06:45:50.46 ID:1UQetzeho
>>806
ムギちゃん…
俺が応援してあげてたのに…
ムギかわいいよムギ
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811 :
も
[saga]:2011/09/03(土) 00:07:45.70 ID:cIPA651AO
予定通り、さいかい!します
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812 :
も
[saga]:2011/09/03(土) 00:10:35.90 ID:cIPA651AO
やしき・Aかん!
姫子「秋山さんから離れな!」ザッ
斎藤「……」
澪「立…花……さん……?」グッタリ
斎藤の一撃を受けて重傷を負った澪の前に、バットを持った姫子が駆けつけてきた
斎藤「」ヒュンッ!
澪「!」
キィィィン!
姫子「」ザッ
斎藤がすぐ近くで倒れている澪にトドメを刺そうとするが、姫子によって防がれる
さらに姫子は澪を抱え、一瞬で後退した
姫子「秋山さん…いや、澪。私達は前に軽音部に助けてもらった。だから今度は私達が助ける番」
澪「やめろ……あの人と戦っちゃ……ダメだ!」
姫子「心配は要らないわよ。私達は負けやしないから!」
澪「“ たち ”?」
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813 :
も
[saga]:2011/09/03(土) 00:15:04.69 ID:cIPA651AO
斎藤「何者かは存じませんが、ご退場願います!」ブン
ゴオオオオ!
紫炎が螺旋状に回転しながら澪達に接近する
斎藤「燃え尽きなさい!」ゴオオオ
「……“ 結界操術―羅生門 ”」ゴゴゴゴゴ…!!!
ドン!ドン!
地震が起こり、2人の前の地面が盛り上がって巨大な鉄柱が2本出現した
そして、鉄柱の間に何層にも渡って分厚い金属板が敷き詰められ、あっという間にとてつもなく大きな壁が組み上がる
ジュウウゥゥ!
斎藤「む!」
(音圧の炎が通じない!?)
いちご「羅生門は鉄壁を誇る最強の門。その程度では攻略できない」
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814 :
も
[saga]:2011/09/03(土) 00:16:57.39 ID:cIPA651AO
澪「いちご……!」
いちご「澪、今すぐ治療する」
「“ 結界操術―春雲雀 ”」バッ
いちごが澪に手をかざすと、澪をオレンジ色の光が包み込んだ
澪「傷が……癒えていく……」
姫子「さて、私達は来たばかりで状況が整理できてないんだけど?」
澪「律と私以外は先へ行った。さっき律とも別れたんだが、律が向かった先で爆発があったんだ!律を――――」
いちご「律ならさっき、向こうで治療した」
澪「そうか、よかった。聡は………一緒にいた男の子は?」
いちご「………」
澪「大丈夫なんだよな?」
いちご「………」
澪「何か言えよ………いちご!」
姫子「澪……残念だけど――――」
ドゴオオオオ!
澪「!?」
姫子「チッ!」
いちご「羅生門がっ!」
壁を一枚隔てた向こうで、激しい爆発が起こる
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815 :
も
[saga]:2011/09/03(土) 00:21:28.52 ID:cIPA651AO
いちご「信じたくないけど、これ以上は持たないかも」
姫子「なら、私が行く」
澪「待て!」
「あの人は相手の能力をコピーしてくる。さわ子先生の炎と、私の音圧もコピーされた。しかも、コピーした力はオリジナルを上回るんだ!」
姫子「アドバイス、ありがとね!」ダッ
姫子は壁の向こうへと走り去る
姫子「」タッタッタ ザッ……
斎藤「そちらから出てきて下さいましたか」
姫子「」タタタ、タンッ!
姫子は高く跳び、空中から斎藤に襲いかかる
姫子「“ 断ち切れ 大蛇(オロチ)鎌 ”!」ブン!
斎藤「ふん!」ブン!
キイィィン!
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816 :
も
[saga]:2011/09/03(土) 00:23:14.31 ID:cIPA651AO
姫子「澪達を傷つけたお礼、させてもらうわね!」ギリギリギリッ
斎藤「礼など結構!代わりに、私が最高のもてなしをして差し上げましょう!」ギリギリッ、ブン!
姫子「」サッ、シュタン
「………」
(私の蛇眼が効かない……音圧の力か?)
つばぜり合いの後、姫子は飛びのいて間をとる
姫子(なら、鎌の毒で動きを止めて――――)ダッ
斎藤「ふん!」ゴオオオ
姫子と斎藤の間に炎壁が発生する
姫子「はっ!」シュタッ
ブン!
鎌「」ギューン
斎藤「伸びた!?」
姫子の大鎌が炎壁を突き抜けて斎藤に狙いを定める
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817 :
も
[saga]:2011/09/03(土) 00:27:20.18 ID:cIPA651AO
斎藤「」ヒュン!
キイィン!
姫子(弾かれたか。澪がやられただけあって、やはり一筋縄ではいかないな)
斎藤「これで終わりですか?」
姫子「まさか。今のは、ほんの小手調べよ!」スッ
姫子は鎌を逆さにして、持ち上げる
姫子「“ アクセル・ドライブ ”!」ドゴオオオ!
斎藤「あなたは演舞者でしたか……ならばその力、いただきましょう!」チャキ
赤紫のオーラに包まれた姫子に、斎藤は刀を向けた
姫子「“ 毒蛇姫(レプティル・ヴェノミノン) ”」ジャキン!
オーラが消え、蛇をモチーフにした独特の形状の鎖鎌を両手に持った姫子が姿を現した
鎖の一部は腕に巻き付けている
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818 :
も
[saga]:2011/09/03(土) 00:32:45.48 ID:cIPA651AO
姫子「行け!」ブン
ジャラララ!
斎藤「そんな直線的な攻撃は私には効きませぬ」ヒュン!
鎌「」クネッ
斎藤「なぬ!?」スカッ
斎藤は鎖鎌を叩き落とそうと刀を振るったが、飛んで来た鎌がまるで自分の意思を持っているかのように刀を避けた
キィン!
斎藤「ぬう…」ズザザ
姫子「澪に負けてから、私はこの子と向き合った。そして今では互いに心が通じ合っている」
「私達の実力……まだまだこんなもんじゃないよ!」
斎藤「ほう……ならば、見せてもらいましょう。あなたの力を!」ゴオオオオ!
姫子「―――!」
姫子の足元に円形の赤い影が映り、次の瞬間炎が噴き出した
姫子「」サッ、シュタン
斎藤「今のをかわしましたか。なら、これはいかがです?」ゴオオオ
炎をかわした姫子の足元から、再び炎が噴き出てくる
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819 :
も
[saga]:2011/09/03(土) 00:33:49.63 ID:cIPA651AO
姫子「同じ技をいくら出そうとムダよ!」サッ
斎藤「果たしてそうでしょうか?」ゴオオオ
姫子「」サッ
斎藤は、姫子の移動先を先読みして炎柱を発生させるが、なかなか姫子には当たらない
姫子「それっ!」ヒュン
ジャララララ!
斎藤「」ブン
キイィン!
斎藤「ふん!」ゴオオオ
姫子「遅い!」サッ
互いに一進一退の攻防が続き、戦いが長引く
しかし、斎藤の繰り出した炎柱は消えることはなく、姫子の行動範囲と体力を確実に奪ってゆく
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820 :
も
[saga]:2011/09/03(土) 00:35:49.09 ID:cIPA651AO
斎藤「」ゴオオオ
姫子「ハァ、ハァ」サッ
ボウッ!
姫子「熱っ……!」
斎藤「スピードが落ちてきましたね?」
姫子「手が少し当たっただけだ!」
斎藤「ならば、これでも避けられると言いますか?」ゴゴゴオオオオ
「“ 地獄の牢獄(ヘル・プリズン) ”!」
十数の炎の竜巻が脱出不可能な牢獄を作り、姫子を囲んだ
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821 :
も
[saga]:2011/09/03(土) 00:40:08.90 ID:cIPA651AO
姫子(この状況だ………コピーされるリスクもあるけど、仕方ない………!)ゴゴゴゴ!
斎藤「気圧でダメージを緩和するつもりですか?しかし、音圧による我が炎の前では無力!」バッ
「極刑!」グッ!
ゴオオォォォ………
ドゴォォオオオン!!!
斎藤は姫子に向けて突き出した手をグッと握った
それと同時に、炎の檻が一気に収束して大爆発を巻き起こす
斎藤「技をコピーするまでもありませんでした………ん?」
まだメラメラと燃え残る炎の中に、おおよそ球体の形をした金属の塊が確認された
球体が金属同士が擦れあう音をたてて、開いていく
姫子「これが演舞者の最終戦闘奥義………」
「“ アクセル・ドライブ/エクシード ”!!!」
2本の巨大な鎌ともかぎ爪ともとれる形をした武器を、両手にかぎ爪手甲のように装備し、それに似た武器を4本、背中から生やしたように背負っていた
姫子「“ 新羅零式――大蛇魯酸(ダイダロス) ”!!」ジャキ―ン!
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822 :
も
[saga]:2011/09/03(土) 00:42:54.89 ID:cIPA651AO
今日はここまで!
明日はもうちょっと多く投下します
ちなみに、24時頃!
見てくれてありがと!
ではのう
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
823 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/03(土) 02:00:25.58 ID:hOF6HYkho
おっつ
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824 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/03(土) 22:37:30.89 ID:z7TaIQHIo
乙
姫子ちゃんえらいことになってるなwwww
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825 :
も
[saga]:2011/09/04(日) 00:42:03.71 ID:WjtnZbBAO
いきます!
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826 :
も
[saga]:2011/09/04(日) 00:47:09.78 ID:WjtnZbBAO
斎藤「お初にお目にかかる解放ですな」
姫子「操られて引き出された偽りの力とは違う、これが演舞者の本当の三段解放だ!」
斎藤「操られていた?……ああ、あなたは桜高での捨て駒でございましたか」
姫子「好きに言ってな!」ダッ
斎藤「凝りもせずに真っ直ぐ来るとは」ゴオオオ
姫子「」シュタッ
斎藤「空中に逃げようと無駄です!」ゴオオオ
姫子「ムダはこっちのセリフ!」ジャキ ジャキ ジャキ―ン
姫子の武器が蛇のような動きをしながら変形し、姫子を包む鋼鉄の球体に成り代わる
姫子はそのまま炎を防御しつつ、斎藤に空から襲いかかる
斎藤「むむっ……!」
姫子「はあ!」ガシャン ブン!
キィイン!
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
827 :
も
[saga]:2011/09/04(日) 00:48:23.46 ID:WjtnZbBAO
斎藤「我が炎に耐えるとは……ただの金属ではないようですね」ギチ ギチ ギチ
姫子「驚くのはまだ早いよ!」ギチ ギチ ギチ
鎌「」ニュ―ン
斎藤「これは!?」
再びかぎ爪形に戻り、つばぜり合いの状態にあった鎌が蛇のような動きで斎藤の刀に絡みつく
姫子「つ か ま え た♪」
姫子はもう片方の鎌を振り上げる
斎藤「何を勘違いしておられる?」
ゴオオオオ!
姫子「!」
斎藤と共に姫子が紫炎に飲み込まれた…………
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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828 :
も
[saga]:2011/09/04(日) 00:50:40.94 ID:WjtnZbBAO
姫子「なんてね♪」
斎藤「!?」
姫子はオレンジ色の結界に守られていた
姫子「ナイス、いちご!」
斎藤「」サッ
いちご「………」
斎藤「なるほど。そういうことですか」
澪「いちごだけじゃないぞ!」ザッ
炎「」シュウゥゥ……
姫子「」サッ シュタッ
炎が消えると同時に、姫子は後退する
姫子「もういいの?澪?」
澪「ああ、立花さ……姫子といちごのおかげでな!」
斎藤「ふむ、3人掛かりですか………よろしい。来なさい!」ゴオオオオ!
澪姫子いちご「」ザッ
斎藤の炎が一層強く燃え盛る
いちご「私がサポートする。2人は攻撃に専念して!」バッ
姫子「OK!行くよ、澪!」ダッ
澪「頼むぞ、いちご!」ダッ
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829 :
も
[saga]:2011/09/04(日) 00:52:07.29 ID:WjtnZbBAO
いちごは両手を広げて前に出し、いつでも2人を援護できる体勢に入る
そして、澪と姫子は心置きなく斎藤に向かって飛び出した
澪「“ C白銀の雲隠れ(カースドミラージュ・バニッシャー) ”」スゥ―
斎藤「………?」
走っている澪の姿が薄くなって消えて行く
姫子「澪にばかり気を取られてんじゃないよ!」ブン!
斎藤「」サッ
姫子「逃がさない!」
鎌「」ギュ――ン
斎藤「」ブン
鎌「」サッ
「」ニュルル!
斎藤「ええい、欝陶しい!離しなさい!」ゴオオオ!
刀に絡みついた鎌を焼き切ろうとするが、炎に耐性のある鎌はほどけない
姫子「さあ、やっておしまい!」
シュウゥゥ………
斎藤「刀が……溶けている!?」
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830 :
も
[saga]:2011/09/04(日) 00:55:24.51 ID:WjtnZbBAO
姫子「もう遅い。大蛇魯酸に一度捕えられたら最後、獲物が溶けきるまでは自由に動けないよ」
斎藤「くっ……!ならば――――」
「“ 月光斬波 ”!」ズド……
いちご「“ 結界操術――悪鬼羅刹 ”!」
斎藤の刀から出るはずだった衝撃波は、畏縮して封じ込められた
斎藤「何をしたァ!?」
澪「お前が知る必要は………」スウッ
斎藤「!」
斎藤の背後で澪が姿を現す
澪「ない!」ヒュン
キイィィイン!
姫子「え!?」
いちご「!」
澪「!?」
斎藤「………」
斎藤の背中を切りつけた澪の斬撃は、異常な硬度を誇るその肉体には全く効いていなかった
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831 :
も
[saga]:2011/09/04(日) 01:01:59.30 ID:WjtnZbBAO
斎藤「甘いわ!」ゴオオオ
澪(やられる!!)
バシュウゥゥ………
いちご「“ 結界操術――金木犀(キンモクセイ) ”」
オレンジ色の楕円形をしたオーラが、紫炎から澪を守る
斎藤「甘いと言っておろうが!!」
バキン!
姫子「大蛇魯酸が壊された!?」
斎藤「ふん!」ダッ
斎藤は澪に向かって一直線に駆けていく
澪「くそ!」
(今攻撃をするかされるかすれば、炎柱から私を守っている結界が壊れて炎にやられる!)
いちご「澪、心配しないで」
澪「え!?」
いちご「“ 結界操術――銀木犀 ”!」
斎藤の背後に緑色の楕円形のオーラが出現する
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832 :
も
[saga]:2011/09/04(日) 01:04:49.24 ID:WjtnZbBAO
斎藤「む………?」
いちご「“ 結界操術――双縛木犀 ”!」
ブオォォン!
斎藤の前後に位置する二色の結界が輝き、同時に斎藤は動きを封じられた
澪「た、助かった……」
姫子「ここからはいちごの反撃よ♪」
いちご「“ 結界操術――紅葉旋風 ”!」
「“ 結界操術――藍蒼天嵐(ランソウテンラン) ”!」
斎藤の左右に、さらに赤と青の結界が現れた
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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833 :
も
[saga]:2011/09/04(日) 01:07:16.01 ID:WjtnZbBAO
斎藤「何をする気ですかっ!?」
いちご「“ 結界操術……… 」パン!
いちごは広げていた両手を勢いよく合わせる
すると、四方向の結界が連結して、斎藤を囲い込んだ
いちご「“ 四植色発 ”!」
ピカッ!
斎藤「な………!!」
ドゴオオオオオオオン!!!!
けたたましい爆音と共に結界内部で爆発が起こる
同時刻に、斎藤が発生させて燃え残っていた紫炎が全て消えた…………
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
834 :
も
[saga]:2011/09/04(日) 01:11:56.29 ID:WjtnZbBAO
ここまで♪
斎藤が強すぎてムダに長引く
そして唯が空気化してきた………
見てくれてありがと!
また明日!
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
835 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/09/04(日) 01:15:19.71 ID:Kcgjmk4Go
おつー
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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836 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/04(日) 01:59:29.02 ID:gypnSksgo
乙
メインキャラが無双してないのはいいと思う
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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837 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/04(日) 13:37:59.03 ID:IMao7WkX0
No1ってのはこれぐらい強いもんだよな
十刃の1と0は肩透かしだった
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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838 :
も
[saga]:2011/09/05(月) 00:08:52.29 ID:uUV1570AO
さいかい!なのです
839 :
も
[saga]:2011/09/05(月) 00:13:13.35 ID:uUV1570AO
澪「すごいな………」
いちご「今のは私の結界操術の中で最高威力を誇る技。発動までに時間がかかり過ぎるから、1人では絶対に使えないんだけど」
結界は今もなお残っており、内部の様子は立ち込める煙と炎で確認できない
姫子「あのおじーさん、これで大人しくなってくれたかな?」
澪「倒せたかはわからない。けど、少なくとも大ダメージは与えられたはずだ!」
いちご「…………」
いちごは黙って結界の中を見つめてる
煙が徐々に晴れて行く
いちご「…………」
姫子「どうしたの?いちご」
いちご「まだ………終わってない!」
ドゴオオオオオン!!
澪姫子「!」
バリ―――ン!
斎藤「…………」ゴオオオオ
大爆発によって砕けた結界の後には、全身に紫炎を纏った斎藤が立っていた
840 :
も
[saga]:2011/09/05(月) 00:16:09.26 ID:uUV1570AO
姫子「うそ!?アレを喰らってまだ立っているなんて!」
澪「おい、何だあの身体は!?」
斎藤の肉体は全身が銀色に変色しており、金属光沢を放っていた
斎藤「今のはさすがに危なかったです。この姿を使うまでに私を追い込んだのですから………」
いちご「その姿が何だと言うの………?」
斎藤「これから死に行くあなた方に教えて差し上げましょう。私が組織のNo.1たる所以を」
「それがこの身体……紬お嬢様への忠誠の証 “ ロイヤル・クラッド ”!!!」
「数多の猛者を相手にしてきた私ですが、この姿の私に傷を負わせた者はこれまで1人としておりませぬ」
「最硬絶対防御の力、とくと味わわせてあげましょう!」ダッ
斎藤は炎を振りかざし、3人に向かって駆け出した
841 :
も
[saga]:2011/09/05(月) 00:18:33.71 ID:uUV1570AO
姫子「物理攻撃がダメなら毒で溶かすまで!」ブン
鎌「」ギュ―――ン
右手に装備した姫子の鎌が斎藤を両腕ごと縛り上げる
姫子「そのまま溶けてよ………」
斎藤「…………」
「……何をしておられる?」
姫子「……まさかとは思ったけど、私の毒ですら効かないなんてね………」
斎藤「それは残念でした、はああああっ!」ググッ
バキイィィン!
斎藤「」ダッ
姫子(なんて力なの?私の大蛇魯酸を素手で壊すなんて!)
「いちごっ!」
いちご「わかってる!結界そ――――」
斎藤「遅い!」ビュン!
姫子「なっ!」
澪「早過ぎる!」
一気に超加速した斎藤は、澪と姫子を抜き去り、後衛にいたいちごのもとまで詰め寄った
そして左手でその首を締め、持ち上げた
842 :
も
[saga]:2011/09/05(月) 00:21:02.09 ID:uUV1570AO
いちご「っ……!」
姫子「いちご!」ダッ
澪「“ 月光――――」
斎藤「おっと、攻撃すればどうなるかは………お分かりですね?」
澪「くそ!」
姫子「この卑怯者!」
斎藤はいちごを盾に、2人に向かい合う
斎藤「今すぐ楽にしてあげますよ!」ググッ
いちご「ゔ……ぐるじ……!」ジタバタ
澪「やめろ―――――!!!」
斎藤「」グググッ!
ガシッ!
いちご「!」
斎藤「あなたは!」
姫子「あれって………!」
右腕にオレンジの炎、左腕に紫の炎を纏い、静かに斎藤の腕を掴んでいる彼女がそこにはいた
澪「………律!」
843 :
も
[saga]:2011/09/05(月) 00:22:53.03 ID:uUV1570AO
律「」ブン!
斎藤「無駄です!今の私にはいっさいの攻撃は―――」
ザシュァアア!!!
斎藤「な……に……!?」
律「………」
律は、いちごを掴んでいた斎藤の左腕を切り落とした
斎藤「」サッ
斎藤はいちごを離し、宙返りをしながら飛びのいた
いちご「げほっ、げほ」
澪姫子「いちご!」ダッ
澪と姫子は直ちにいちごを介抱する
律「みんなは……いちごを頼む」
澪姫子「…………」
律は低く押し殺したような声でしゃべる
律から漂う気迫の前に、誰も一言も話すことができない
斎藤「よくもやってくれましたな………」ボタボタ
斎藤は血が滴る左腕を押さえながら律を睨む
844 :
も
[saga]:2011/09/05(月) 00:24:40.36 ID:uUV1570AO
律「…………」チャキンッ!
タタタタッ
斎藤「!」
律は斎藤に向けて刀を構えるや否や、猛スピードで飛び出した
律「」ブン
斎藤「」サッ
律「」ガッ!
律は時間に刀を突き刺し、刀を支えに斎藤に飛び蹴りを喰らわせる
ドカッ!
斎藤「ぐふっ………!」ヒュ――ン
ゴロゴロ ズザザザ! ゴロゴロ………
斎藤は十数メートル程、地面を転がりながら飛ばされた
斎藤「ぬぅ…………」ヨロッ
律「………」ゴオオオ
斎藤(何が起こったというのだ。音解ごときで私の絶対防御が敗れるはずは………)
律「」スッ
ゴオオオオオオオオ!!!
斎藤「これは――――!」
律が刀を掲げると、橙と紫の炎がドームを形成し、律と斎藤を中に閉じ込める
845 :
も
[saga]:2011/09/05(月) 00:32:52.43 ID:uUV1570AO
斎藤(これはまるでNo.3の……いや、それ以上か………!)
律「“ Hell The World ”………」
斎藤「どうやら自らの力とNo.3の力を共鳴させたようですね」
律「…………」
斎藤「しかし、音圧は感じられない。あくまで気圧。“ フルチューニング ”とは別物のようだ………」
「ならば、恐るるには足りませぬ!」ダッ!
斎藤は紫の炎と音圧を刀に込め、律に向かって駆け出した
斎藤「“ 月光斬波 ”!!!」ズドドドド!
律「…………」スチャッ
律は2色の炎に包まれた右手の刀を、体の左側に下げるように振りかぶった
斎藤「音圧とフライングVの力の前では気圧など無力!散りなさい―――――」
ドゴオオオオオオオ!!!
846 :
も
[saga]:2011/09/05(月) 00:34:22.93 ID:uUV1570AO
爆音は炎のドームの外にまで響いていた
姫子「中で一体、何が起こっているの………?」
いちご「律、1人で大丈夫かしら………」
澪「中の様子は直接は確認できないけど、私なら絶対音感で気圧・音圧を感じ取れる」
姫子「それで、律はどうなってるの?」
澪「………うん、だいじょ―――――なんだこれは!?」
姫苺「?」
姫子「どうしたのよ!?」
澪「律の気圧がどんどん大きく………もう、大き過ぎて計れない………!」
ゴゴゴゴゴゴゴ!!!
澪姫苺「!!!」
地面が激しく揺れ、ドームの表面にプロミネンスが発生する程に炎の勢いがさらに増した
澪「まるでさわ子先生と戦った時みたいだ………」
いちご「私の結界でも、この炎は危険!」
姫子「澪、いったん退くよ!」
澪「ああ!」タッタッタ
(今の律なら大丈夫………。勝てよ!律!)
847 :
も
[saga]:2011/09/05(月) 00:36:19.85 ID:uUV1570AO
どーむない!
ドームの中は、かつてさわ子が起こしたもの以上の炎熱地獄となっていた
あちこちの地面が割れてオレンジや紫の炎が噴き出し、ドームの内壁でもプロミネンスが起こっている
地面には平地であった面影はなく、隆起していたり沈下していたりと、高低の度合いが著しかった
律「………」ゴオオオオ
斎藤「ぬうぅ………」
(まさか、音圧が効かないとは………)
今、律は隆起した地面の上から斎藤を見下げて立っている
また、斎藤の攻撃を受けた後の律の手に刀は握られていなかった
律「“ 地天爆刀――アポリオス・ノヴァ ”!!!」ゴオオオオ! !!
848 :
も
[saga]:2011/09/05(月) 00:38:19.01 ID:uUV1570AO
斎藤「地天爆刀………など刀見当たりませんが?」
律「刀のことなら――――」ダッ!
シュゴオオオオ!
斎藤「!」
斎藤に飛びかかった律はクロスした両腕からそれぞれ、橙と紫の炎で刀を現出させる
律「心配ご無用!」ヒュン! ヒュン!
キィン キィイン!
斎藤「」ズザザ……
律「」シュタッ スタン!
両者は互いに下がって間を取る
斎藤(音圧を使って防御したはずですが……それでも私が押されていた)
(私はこれまで仕事柄、様々な人間を抹殺してきました。その中でも特に異常な力を持つ者達には皆、ある共通点があった。もしや………)
「その力………弟を殺され、憎しみに全てを委ねましたか」
律「憎しみ………?そんなモン関係ねーよ」
849 :
も
[saga]:2011/09/05(月) 00:41:09.66 ID:uUV1570AO
律「確かに聡を殺したアンタらは許せない。でも憎しみに任せて復讐した所でな、聡はもう戻ってはこないんだよ………」
「私が戦う理由はお前らへの復讐なんかじゃない。お前らを止めるために戦う!死んだ聡に報いるためにもな!!」ダッ!
律は再び斎藤に飛びかかる
律「」ブン!
斎藤「」ブン!
ギチ ギチ ギチ……
律「この力にはな……聡だけじゃない!さわちゃんの想いも込められてんだよ!」ギチ ギチ!
斎藤「ぬぅ……!」
つばぜり合いになっている状態で、律が斎藤を押していく
律「この力はな………」ギチ ギチ
斎藤「ふん!」ブン!
律「」シュタッ!
斎藤がごり押しで刀を振り、律は空中に跳躍してかわす
斎藤「“ 熱風斬波 ”!!!」ズドオオオオ!!!
律「」スッ
まだ空中に留まっている律は両腕を頭上でクロスし、身体を大きく反らせて振りかぶる
850 :
も
[saga]:2011/09/05(月) 00:42:57.71 ID:uUV1570AO
律「憎しみの力なんかじゃない!」ブン!
ドドドドドドド!!
炎の双刀で衝撃波を受け止める
律「想いの力だーーー!!!」
ゴオオオオオ!!!
斎藤「ぬっ……!」
律は衝撃波を切り裂きながら、斎藤に向かって切りかかって行く
ドシュ!
斎藤「ぐおっ………!」
双炎が斎藤の身体を貫いていた
律「安心しな。急所は外してある」
斎藤「…………」
851 :
も
[saga]:2011/09/05(月) 00:45:46.04 ID:uUV1570AO
「……フ……フフ」
律「………?」
斎藤「フハハハハハッ!……急所は外した、だと?甘い!甘過ぎますぞ!」
ガシッ!
律「!」
ズオオォォォ………
律(炎が吸い込まれて行く!)
斎藤は刀を捨てて律の炎刀を掴み、その力を吸収していく
斎藤「私は自ら攻撃を受け、この状況を作り出したのですよ。あなたの力を複製するために!」
律「チッ!」サッ
ゴオオオッ!
律は下がり、炎刀を再度出した
律(……なんだ……あの姿は……?)
律の力を吸収した斎藤はみるみる内に若返っていった
また、左腕の切り口からは泡のようなものが出てきており、それはすぐに元の腕の形となって再生した………
852 :
も
[saga]:2011/09/05(月) 00:46:44.27 ID:uUV1570AO
ここまで!
見てくれてありがと!
また明日!
853 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/05(月) 01:57:27.26 ID:BgHDKzmDo
おっつ
854 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/05(月) 07:20:41.29 ID:IMX4L+JDO
バトルものでメインやモブが苦労すると律が打開するのは、お約束
855 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)
[sage]:2011/09/05(月) 07:50:49.26 ID:uNh/dYslo
おつ
急所を外すりっちゃん優しい!!
856 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/05(月) 10:16:51.79 ID:SL6O1FfDO
>>854
だってだって部長だもん♪
乙
857 :
も
[saga]:2011/09/06(火) 00:27:19.55 ID:q4UzUzYAO
いっきま〜す!
858 :
も
[saga]:2011/09/06(火) 00:29:53.88 ID:q4UzUzYAO
斎藤「素晴らしい……力が溢れてきますぞ………!」ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
律「…………」
斎藤「いかが致しましたか?恐怖で声もでませんか?」
律「いや。相手が年寄りじゃなくなってラッキーだ、って思ってね。良心が痛んじまうからな!」ダッ
斎藤「ハッ!」バッ!
前に出した手を中心に、炎が渦巻いて盾となる
律「」ヒュン!
キイィィイン!
斎藤「オリジナルを超越した力です!もはや私を倒すことなど不可能!」ギチ ギチ
律「…………」ギチ ギチ
斎藤「無駄だと言っているのですよ!」
ヒュ! ヒュ! ヒュ!
律「!」
炎が無数の針の形状となって、斎藤が構える炎の盾から飛び出てきた
859 :
も
[saga]:2011/09/06(火) 00:31:56.67 ID:q4UzUzYAO
律「」クル クル…シュタン!
斎藤「外しましたか………」
律「バーカ………ちゃんと当たってるし」ツ――
髪を下ろしている律の頬には、一筋の血が流れていた
頭に被っているフードの一部も切れている
斎藤「今の一撃で仕留めるつもりでした………その程度は当たっているとみなせません」
律「そうかよ………なら、お前は一生私に攻撃を当てることはできないな」
斎藤「なに………?」
律「次だ。次の一撃で終わらせる………」チャキン!
右手の刀を上段に、左手の刀を下段に構え、律は刀の炎を一層強く燃え上がらせる
斎藤「いいでしょう。私も、あなた1人にいつまでも時間をかけるわけにはいきません」
「次で終幕としましょう!」ゴオォォオオオ!!!
860 :
も
[saga]:2011/09/06(火) 00:35:10.70 ID:q4UzUzYAO
律・斎藤「」
シ―――――ン………
一瞬、時間が止まったかのように、周りの音や空気が静まり返る
律・斎藤「」ダッ!
律「“ 炎 波 衣 襾(エンパイアー) ”!!!」ゴオオオオオ!!!
斎藤「“ 滅 光 斬 波 ”!!!」ズドオオオオ!!!
ドゴオオオオオオ!!!!
律は横向きに螺旋を描きながら進む炎を、斎藤は炎を纏った衝撃波を放つ
今、互いの最大攻撃がぶつかり合う
861 :
も
[saga]:2011/09/06(火) 00:38:24.10 ID:q4UzUzYAO
一方、澪達は少し離れた場所から律と斎藤の戦いを見ていた
もちろん、炎のドームで中の様子は見えない
澪「律の気圧がさらに上がった!………マズイ!相手はその2倍以上だっ!」
姫子「やっぱりあのお爺さん、律の力もコピーしてたのか」
いちご「手助けしようにも、あれじゃあ近づけない」
澪「2人の攻撃がぶつかるぞっ!」
ドゴオオオオオオ!!!!
澪姫苺「!」
2人の攻撃と同時に、ドームが巨大な火柱となって天まで高く燃え上がる………
862 :
も
[saga]:2011/09/06(火) 00:40:24.87 ID:q4UzUzYAO
どーむない!
シュゴオオォォォ………
律「」
炎のドームが消えて行き、至る所で未だに炎が燃え盛っている
その中で律は斎藤の刀に貫かれ、宙に持ち上げられていた
その手には炎刀は握られておらず、両腕の炎も消えていた
斎藤「何が“ 想いの力 ”だ……バカバカしい。この世で唯一絶対の力は“ 憎しみの力 ”なのだ」
「今のこの状況を見よ!くだらない力に頼った貴公の敗けだ」
ガシッ……
力無く斎藤の刀を握る律
律「くだらなくなんか……ないさ………」
斎藤「何の真似だ?見苦しいぞ」
律「“ 憎しみの力 ”……だって?アンタは……何が憎いんだ………?」
斎藤「…………」
律「どうせ……もう長くないんだ………冥土の土産に教えてくれよ」
863 :
も
[saga]:2011/09/06(火) 00:42:00.98 ID:q4UzUzYAO
斎藤「………私は」
「私はあなた達に最後の希望を抱いていました」
ゴオォォ
律「………?」
斎藤の刀に炎が宿る
しかし、その炎は律を攻撃するためのものではなかった
律(刀を通して………記憶が流れ込んでくる……)
斎藤「それが私達一族の悲劇、そして紬お嬢様の復讐の始まりなのです」
律「…………」
(なるほどな。コイツの憎しみは、ムギを復讐者にした世界に対するものか)
斎藤「復讐を固く決意したお嬢様でしたが、あなた達軽音部と出会ってからは少しお変わりになられた」
「表情などほとんど見せないお嬢様に笑顔が見られた。桜高は実験の舞台でしかないにも関わらず………」
律「…………」
864 :
も
[saga]:2011/09/06(火) 00:43:53.79 ID:q4UzUzYAO
斎藤「それが偽りのものかどうかは存じ上げません。ですが、お嬢様に影響を及ぼしたあなた達なら、彼女を憎しみから解放できるかもしれない!」
「………しかし、あのお方の闇は深すぎる。この私にすら勝てないようでは、お嬢様を救い出すことなど到底不可能………残念です」
律「勝手に……諦めてんじゃ………ねーよ」グッ
律は、刀を握る手に力を込める
律「私の師や弟を手に掛けたり……戦争の火種を撒いたり………今のムギは世界に憎しみをバラ撒いてやがる………」
「このままムギをほっとくわけにはいかない。必ず止めてみせる。そして―――――」
「ムギを必ず憎しみから救ってみせる!」
斎藤「!」
865 :
も
[saga]:2011/09/06(火) 00:45:14.45 ID:q4UzUzYAO
「………今の状況を理解していないのですか?死に損ないが何を言おうと―――――」
律「わかってないのはアンタの方だ………言っただろ、“ 次で決める ”って」
斎藤「その一撃が敗れ、この状況を作り出したのですよ?」
律「ちげーよ……一撃で仕留められない攻撃は攻撃とは呼ばないんだろ?」ググッ
両手にさらに力を込め、刀を握る
すると、律を貫く斎藤の刀が赤く輝き出した
斎藤「!?」
「何だこれは!私の刀で一体何を?」
866 :
も
[saga]:2011/09/06(火) 00:46:49.36 ID:q4UzUzYAO
律「アンタがコピーした力は本物を上回るんだよな?」
斎藤(!)
「………まさか、コピーされた自信の力で――――」
「心中する気ですか!?」
律(……ワリーな、みんな。私はここまでだ。けどコイツはここで食い止める!)
「終りだ」
赤の輝きはさらに強さを増す
律「“ The 炎土(ジ・エンド) ”!!!」
カッ!!!
斎藤「!」
紅蓮の炎が大地を覆い尽くし、全てを焼き払う………
867 :
も
[saga]:2011/09/06(火) 00:54:18.37 ID:q4UzUzYAO
・・・・・・・
澪「律ーーーーー!」タッタッタッ
姫苺「」タッタッタッ
3人が駆けつけた頃には、既に辺り一面は焼け野原となっていた
燃え残る炎と立ち込める煙で視界が悪い
澪「おい!返事しろよ律!どこにいるんだよ!!」
律「」
澪「いた!いちご、ここだ!早く来てくれ!」
澪は炎の中に飛び込んで行き、倒れる律を見つけ出した
律の解放は全て解けており、レンズが割れた、さわ子のメガネが側に落ちていた
澪「しっかりしろ!今助けがくるからな」
律「」
澪「律?……おい、律………?」
律「」
868 :
も
[saga]:2011/09/06(火) 00:55:47.76 ID:q4UzUzYAO
いちご「澪!律は?」タッタッ
澪「いちご、ここにいる!早く律を助けてやってくれ!」
いちご「わかった。“ 結界操術――春雲雀 ”」
ヴウゥゥン
律「」
オレンジの光が律を包み込む
澪「いちご……律は、律は助かるんだよな?」
いちご「黙ってて!いま集中してるからっ!」
姫子「律!」タッタッ
澪達は律を静かに見守る
澪(律………息してなかったみたいだけど、いちごに任せれば大丈夫だよな?)
斎藤「無駄………です……よ」ムクリ
澪姫苺「!」
身体のあちこちが黒く焦げ、元の老人の姿に戻っていた斎藤が立ち上がった
869 :
も
[saga]:2011/09/06(火) 00:59:15.21 ID:q4UzUzYAO
斎藤「そのお嬢さんは……既に息絶えました………最後の一撃と引き換えに………」
澪「でたらめなこと言うな!律は助かる。そうだろ、いちご?」
いちご「…………」
澪「え………?」
いちご「……死んだ人間を生き返らせることはできない。律はもう、手遅れ………」
いちごは俯いて、回復の手を止めた
斎藤「称賛に値する最後でした。自らの命を犠牲にし、あなた達に活路を残そうとしたのです」
澪「……冗談は止めて起きてくれよ………」
「なあ……馬鹿律……!」ポロポロ
澪はそっと、律を腕に抱え込む
澪「何で……お前はいつもそうなんだよ」
「1人で突っ走って………終いには勝手に死ぬなんて……」
「そ、そんなの……絶対に許さないぞ!」
「………う……うわああああああん!」
澪は律に顔を埋めて泣きじゃくる………
870 :
も
[saga]:2011/09/06(火) 01:00:59.72 ID:q4UzUzYAO
ここまで!
次は明後日か明明後日です
見てくれてありがと!
871 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/09/06(火) 01:08:47.00 ID:YwTI5sqDO
このまま死んでしまったら…うぅ、りっちゃん…
872 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/06(火) 01:38:13.62 ID:el4+VBbQo
ぶ、部長が・・・
873 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/06(火) 10:20:11.99 ID:+fz1CACDO
キャラ殺しに走ったか
874 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage ]:2011/09/06(火) 12:10:15.90 ID:w2lotlBA0
りつううううううう
875 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 00:30:53.61 ID:Z9eu1LcAO
姫子「‥‥‥許さない‥‥」
「律の仇、絶対に取らせてもらうよ!」ジワッ‥‥
いちご「」ウルウル
2人は目に涙を溜め、斎藤に立ち向かう
斎藤「仇を討たせてあげてもよろしいでしょう。しかし、私にはまだやり残したことがあるのです‥‥‥」スタ‥スタ‥‥
斎藤の手に刀は握られておらず、丸腰で姫子達に近付いてくる
姫子「何をする気?」
斎藤「そのお嬢さんを‥‥生き返らせるのです」
澪「」ピクッ
姫子「何だって?」
いちご「そんなこと、できるわけない!みんな騙されないで。」
澪「‥‥‥賭けて‥‥みないか?」
姫苺「!?」
斎藤「‥‥‥‥」
澪「このまま放って置いても律は生き返らない。なら、私はこの人に賭けてみたい!」
876 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 00:33:12.04 ID:Z9eu1LcAO
姫子「澪、気持ちはわかるけど、このおじーさんは敵だ。迂闊に近付けたら――――」
澪「それでも律を救うには、そうするしかないじゃないか!」
いちご「‥‥相手は無防備。油断はできないけど、賭けてみるのもアリかもしれない」
姫子「確かに、一理あるっちゃあるけど‥‥‥わかったよ」
「でも、変な動きしたらすぐに攻撃するからね!」
斎藤「かしこまりました。では――――」スッ
ヴゥゥゥン!
斎藤が手を向けると、まばゆい光が律を包み込む
いちご「回復系統の技は意味ないわよ?」
斎藤「今、私が行っているのは回復ではありません」
「“ 転生術 ”でございます」
澪姫苺「?」
斎藤「この力も、以前私と戦った者から得た能力です。まさかこの力を紬お嬢様以外の者に使う日がくるとは思ってもみませんでした」
877 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 00:36:02.06 ID:Z9eu1LcAO
澪「転生って、どういうことなんだ?」
斎藤「私の残りの命使い、このお嬢さんを生き返らせるのです」
澪姫苺「!?」
澪「どうして!?私達はあなたの敵だっていうのに!それなのに何故!?」
斎藤「私はこのお嬢さんの中に‥‥‥いえ、あなたたち軽音部の中に希望を見出しました」
澪「‥‥‥?」
斎藤「私をここまで追い詰めたのはあなたが初めてです。そんなあなた達なら、紬お嬢様を憎しみから解放できる」
「そう信じて私は賭けてみようと思いました。丁度、今あなた達が私に賭けたのと同じように‥‥‥」
878 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 00:38:08.37 ID:Z9eu1LcAO
「うっ‥‥ごほっ、ごほ!」ドバッ
澪姫苺「!」
斎藤は吐血した
斎藤「うぐっ‥‥‥」
澪「大丈夫か!?おじいさん!」
斎藤「私も‥‥‥そう長くは持ちません。最後に‥‥こんなちっぽけな老人の願い‥‥‥どうか聞き届けてはいただけないでしょうか?」
澪「何ですか?」
斎藤「紬お嬢様のこと‥‥‥よろしくお願いします。それから――――」
‥‥‥バタッ
斎藤は何かを言い切る前に力尽きてしまい、永い眠りについた‥‥‥‥
879 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 00:41:35.95 ID:Z9eu1LcAO
明日再開の予定だったんですが、これだけ投下しておきます
んじゃまた明日!
見てくれてありがと!
880 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 21:08:24.07 ID:Z9eu1LcAO
はっするはっする
881 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 21:10:10.77 ID:Z9eu1LcAO
やしき・Bかん!
瀧エリ「とお!」ブン!
和「はあっ!」ヒュン!
ガキィイン!
雷を纏ったエリのかかと落としと、和の刀がぶつかり合う
瀧エリ「今のあなたは何人目だっけ?」ギチ ギチ
和「あなたが来てから60人目………」ギチ ギチ
「よっ!」バッ
和はエリに不可視の力を向ける
が、エリのスピードには追いつけずにかわされてしまう
エリは光の速さで瞬時に後退した
瀧エリ「そんなんじゃ、ダメダメだよ!」ザッ
(とは言え、それはコッチも同じなんだよね。いくら倒してもキリがないんだもん)
和「ぼーっとしてたら危ないわよ」
瀧エリ「!」
(いつの間に後ろに!?)
和「」ヒュン!
瀧エリ「」シュタッ!
「」シュタン シュタン シュタン!
エリは後方倒立回転跳びを繰り返し、和との距離をとる
882 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 21:11:21.69 ID:Z9eu1LcAO
和「どれだけ間を取ろうと、私の前では無意味よ」スッ
瀧エリ(また後ろに!)バヂヂッ! ヒュン!
全身に雷を纏ったエリは、光速で和から離れる
和「だから、意味ないってば」スッ
瀧エリ(!)
エリが移動する先々で、和は常に後ろを取って現れる
瀧エリ(流石は生徒会長ね。もう完全に、コッチの動きは読まれてる)
和「ほら、気を抜かないの」チャキン
瀧エリ(しまった!)
光速で移動するエリの前に、和の刀が待ち構えていた
瀧エリ(止まれない!)
ガキィン!
エリ・和「!」
刀「」クルクル……ドス!
和の刀は弾き飛ばされ、宙を舞って床に突き刺さる
梓「はぁ……はぁ………」チャキッ!
883 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 21:13:05.06 ID:Z9eu1LcAO
和「あなた、まだ戦えたの?」
右腕が力無くぶら下がっている
梓は、左手に刀を持ち、疲労した体を無理に起こして立っていた
瀧エリ「はい、よそ見しない♪」ヒュン!
ドガァッ!
和の顔面に鉄拳がめり込む
和「ごはっ!」ヒュ―――ン
ドンガラガッシャ――――ン!
煙「もくもく」
瀧エリ「ナイスアシスト!後輩クン♪」
梓「いえ、お礼を言うのは私の方です」ハァ…ハァ…
瀧エリ「…………」ジ――
梓「な、なんですか?」
瀧エリ「キミさ、もう下がっててもいいよ」
梓「なっ!?私はまだ戦えます!」
瀧エリ「利き手が使えない状態じゃ、話にならないよ。はっきり言って邪魔」
梓「私に負けた人が何言ってやがるですか!」ムスッ
瀧エリ「あれからパワーアップしたんだもん!もうキミには負けないよーだ!」ベ―
梓「」ムカ!
「………先輩の方こそ、いつまでたっても和先輩を倒せてないじゃないですか!ここは協力しないと――――」
和「私を倒せない?」ズズズッ
エリ梓「!」
空間の裂け目を通って和が現れる
884 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 21:15:05.28 ID:Z9eu1LcAO
和「協力したところで、あなたには何もできはしないわ。エリの判断の方が正しいわよ」スタ スタ
梓「っ………!」
和「それと――――」
エリ梓(消えた!)
和は後ろから梓の首筋に刀を宛てがう
和「誰にも私は倒せない、っていってるでしょ?」
梓(!)ゾクッ
瀧エリ「どけぇえ!」ヒュン!
和の後ろに瞬間移動したエリは、右足を縮めて蹴りの体勢に入っていた
瀧エリ「」ブン!
スカッ!
和「どこを狙っているのかしら?」
梓とエリから少し離れた所で、和は余裕の表情で刀を構えている
885 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 21:17:05.24 ID:Z9eu1LcAO
和「もう気付いてるかもしれないけど、私は記憶や経験を引き継いで復活する。あなた達の行動パターンは全て解析済みよ」
梓「うぅ………」
(やっぱり、やっぱりダメだ!恐怖心をごまかそうとして、私も戦うなんて言ったけど―――)
和「フフフ………」
梓(やっぱり怖いよ!こんなの、絶対勝てない………!)ギュ!
梓は強く目をつむる
和「可哀相に。見事に怖じけづいちゃってるわね」
梓「うっ………!」プルプル
瀧エリ「…………」
ドカッ!
梓「うぐっ!?」
ヒュ――――ン ゴロゴロ……
梓はお腹を押さえてうずくまる
梓「痛っ……どうして………?」
瀧エリ「そこで頭冷やして見てな!」
「私の戦いを――――」バヂヂ!バヂ、バヂヂヂ!
エリが全身に纏う雷が音を立てて輝き出す
886 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 21:24:12.58 ID:Z9eu1LcAO
和(何かしら。気圧の質が変わった………?)
瀧エリ「“ アクセル・ドライブ/エクシード ”!!!」バヂヂヂヂヂ!!!
梓「まぶしっ!」バッ
和「………!」バッ
あまりに強い輝きに、その場にいた者は皆、手で顔を覆う
所構わず放電した後、エリの姿がはっきり見えてきた
瀧エリ「“ 電姫の舞踏場(ラウンド・ラ・プリンセス) ”!!!」ドン☆
全身を包んでいた電流は消えており、そこには元の制服姿に戻ったエリの姿があるだけだった
和「」
瀧エリ「え、無反応!?」
887 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 21:25:42.42 ID:Z9eu1LcAO
和「あなた達を統率していた私でも知らない解放が、どんなものかと思ってみたら………」
「拍子抜けだわっ!」フッ!
梓(消えた!これじゃさっきみたいに、また後ろを取られて………)
和(もらった!)スッ
エリの背後に移動した和は、刀を振り上げる
瀧エリ「ふふん♪」ニヤリ
和(?)
バヂヂヂヂヂヂ!!!
和「〜〜〜〜〜」ビリビリビリ!
「」プシュゥ――………
何の前触れもなく突然感電した和は、黒く焦げて息絶える
梓「な!?一体なにが!」
瀧エリ「う〜ん、簡単に言えばね――――」
「私の操る電流を全て空気中にばらまいて、それを好きなタイミングで使ってる。そんな感じかな!」
「これならいくら復活されても、瞬時に倒せるんだよね〜」
和「」ズズズ……
バヂヂヂヂヂ!!
和「」プシュ〜……
瀧エリ「こんな風にね♪」
梓(和先輩が出てきた瞬間に………)
888 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 21:27:45.21 ID:Z9eu1LcAO
「そんなに強い解放があるなら、さっさと出せばよかったじゃないですか!」
瀧エリ「それができれば苦労してないって」
梓「?」
瀧エリ「この解放はね、下準備が必要なの」
「まずはこの部屋のあちこちにちょっとずつ電流をばら撒いて、部屋自体を電気に慣らさせないとダメなんだ」
「そうしないと、一気に放電する解放時に失敗しちゃうからね!」
梓(すごい!これなら、勝てるかも!)
瀧エリ「‥‥‥どう?元気出てきたでしょ?」
梓「え?」
瀧エリ「キミさ、会長のプレッシャーに完全に押し潰されちゃってたからね………心配してたんだよ?」
梓「あっ………」
(もしかしてさっき私を蹴飛ばしたのは、恐怖心でまともに戦えなかった私を守るため………?)
瀧エリ「うん、今のキミなら大丈夫そうだ!」
889 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 21:29:01.08 ID:Z9eu1LcAO
梓「………でも先輩の蹴り、結構痛かったです!」プク―
瀧エリ「あはは〜……ゴメンゴメン!」
ゴゴゴゴゴゴゴ!!!
エリ梓「!?」
重い気圧がホールを満たす
和「ひどいじゃない。さっきの私、まだ一言も喋ってなかったのに」
エリ梓「!!」
声だけがホール内に響く
和「迂闊だったわ。初めてから姿を消して戦えばよかったのね」
瀧エリ「あちゃー、痛い所突いてくるね………」
梓「姿が見えないんじゃ、エリ先輩の攻撃が当てられない………!」
和「お手上げかしら?」
声以外に和の気配を感じさせるものは何もなかった
しかし、その声ですらホール全体から聞こえてくるので、相手との距離感もつかめない
和(今は梓ちゃんよりエリの方が問題ね。そっちから先に――――)
890 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 21:31:20.88 ID:Z9eu1LcAO
瀧エリ「後輩クン!絶対に動かないでよ!」
梓「え?は、はいです!」
キラキラж * ж * ж
和(!)
ホールのそこかしこで、キラキラと光が煌めき、暗い室内を明るく照らす
和(何をするつもりか知らないけど、もう遅いわ!)シュッ!
和が向けた切っ先は、後ろからエリを捉えていた
和(もらっ――――)
瀧エリ「“ 降雷幕(ライトニング・カーテン) ”!!!」
バリバリバリッ!
ドゴゴオ―――ン!!!
エリと梓、そして気を失って倒れている純を除く全ての空間内に、超高電圧の電流が流れる
891 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 21:33:25.65 ID:Z9eu1LcAO
ドサッ………
和「」プシュ――
瀧エリ「イエイ♪一丁上がり!」
梓「…………」ゴクリ
(こんな人相手によく勝てたな、私)
瀧エリ「会長には悪いけど、ここはもう私のステージ。誰にも攻略できないよ」
和「」サラサラ……
生命活動を停止した和の身体は塵となって消えていく
梓「和先輩の身体が消えたってことは………」
和「まだ生きてるわよ」
梓「ですよね〜」
梓とエリは背中合わせに、姿の見えない和相手に身構える
和「あなた達も頑張るわね。いくら私と戦っても、決して倒せはしないのに」
892 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 21:37:27.54 ID:Z9eu1LcAO
瀧エリ「うん、確かにその通りかもね!」
梓「ちょっと、エリ先輩!」
瀧エリ「だっていくら倒しても無限に復活するだもん」
和「そうよ。だから何度も言ってるじゃない」
「“ あなた達に私は倒せない ”!」
梓「くっ………!」チャキッ
梓は利き手とは逆の、左手で刀を構える
梓(本当に和先輩を倒す手段はないっていうの?)
瀧エリ「どこからでもおいで!」キラ キラ ж * ж *
梓(倒せない、か。いや待てよ………)
瀧エリ「とりゃー!」
バリバリバリバリ!!!
梓(そっか!)ハッ
部屋と梓の脳内に、同時に電流が走る
瀧エリ「ん?どうかした?」
梓「わかったんですよ!和先輩の攻略方法が!」
瀧エリ「それ本当!?なになに?」
梓「えっとですね、倒せないものは………」
瀧エリ「」ゴクリ
梓「倒さなきゃいいんです!」
893 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 21:41:26.94 ID:Z9eu1LcAO
てんごく!
―――どこだ、ここ。光がまぶしい………
律の意識は、まばゆい光の中を漂っていた
―――ああ、そうか。死んだんだったな、私
―――なら、ここが天国ってヤツか?ここなら、聡やさわちゃんにも会えるかな………?
ギュッ
律は右手に、握られる感覚を覚える
―――誰だ?聡?いや、さわちゃんか?……温かいな………
グイッ
―――引っ張らないでくれよ。ここにいると何だか気持ちいいんだ。ここにいさせてくれ………
グイッ グイッ!
―――おいおい、聞こえなかったのか?もうちょっとだけでいいからさ
グイッ! グイッ!
―――わかったよ。行きゃいーんだろ
光の中から手が差し出され、律はその手を取る
そして、律はさらに強い光に包まれた………
894 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 21:42:42.83 ID:Z9eu1LcAO
やしき・Aかん!
澪達は、意識の無い律が目覚めるのを待ち続けていた
損傷の酷いA館はいつ崩れ落ちるとも知れないので、近くの芝生の上に律と斎藤を寝かせている
律「」
姫子「律の意識、まだ戻らないね」
澪「律は必ず帰ってくる。私はずっと待ってるからな………」
(だから、早く戻ってきてよ………律!)ギュッ
呼吸すらしていない律の手を、澪はずっと握っていた
律「……ぃてーし………」
澪(!)
いちご「!」
姫子「律!?」
律「そんなに強く握るなって。いてーし」
律は澪に支えられながら体を起こす
澪「りつ………律!」ダキッ!
律「うわっ!いきなり抱き着くなよ。唯みたいじゃん」
姫子「許してやりなよ。澪はずっとアンタの手、握って待ってたんだからさ」
律「………そっか」
(私が見たあの手は澪のだったのか)
ギュッ
澪「お帰り………律!」
律「ああ、ただいま!」
(ありがとうな………澪)
895 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 21:43:30.81 ID:Z9eu1LcAO
・・・・・・・
律「姫子といちごも、ありがとな!」
姫子「別にいいよ。私達は借りを返しにきただけだから」
いちご「」コクリ
律「素直じゃねーなー」
澪「でも、姫子といちごが助けにきてくれて本当に助かったよ」
姫子「けど結局は律が頑張ってくれたんだし、私達はその手伝いをしただけ。まだ借りは返しきれてないから‥‥‥」
いちご「この先でも力を貸してあげる」
律「そっか、助かるよ!‥‥さて」スッ
律は立ち上げり、静かに眠る斎藤に目を向ける
896 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 21:44:52.40 ID:Z9eu1LcAO
律(ありがとうな、爺さん)
(アンタが残してくれた希望は必ず繋いでみせるからな!)
次に律は空を見上げた
先の戦いにおける数々の炎の技で熱せられた空気は、上昇気流となって、曇り空を作り上げている
律(聡‥‥‥)
(守ってやれなくてゴメンな‥‥でも)
ポツリ ポツリ、ツ――――
律の頬に水滴が落ち、そのまま流れ落ちる
律(お前が生きたかったこの世界は、絶対に私が守り抜いてやるからな!)ポロポロ
ザァァ―――――――
次々に流れ出る涙は雨と共に流れて行った‥‥‥‥‥
897 :
も
[saga]:2011/09/08(木) 21:46:42.12 ID:Z9eu1LcAO
次回 土曜 更新
見てくれてありがと!
ばいなら〜
898 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)
[sage]:2011/09/08(木) 21:58:36.18 ID:MMihBmtTo
>>897
おつ!
頑張って
899 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/09/08(木) 22:11:52.14 ID:OKGT+dGJ0
おつ
ポツリツ……?
900 :
も
[saga]:2011/09/10(土) 23:11:02.18 ID:fqhcKk3AO
さいかい!
901 :
も
[saga]:2011/09/10(土) 23:12:52.57 ID:fqhcKk3AO
・・・・・・・
梓はエリに、耳元で要件を伝え終えた
瀧エリ「なるほどね。言われるまで気付かなかったよ」
梓「‥‥‥で、今言ったことってできますか?」
瀧エリ「お姉さんに任せなさい!」フンス!
梓「」ジ―――
(エリ先輩って、口が悪い唯先輩みたい。いざという時に近くにいると、何だか安心できるんだよね‥‥‥)
瀧エリ「?」
「私の顔じっと見て、どうかしたの?」
梓「あっ、い、いえ!何でもないです」
瀧エリ「そっか。なら、そろそろ行くよ!」キラ キラ ж * ж *
再度、室内でいくつもの小さな光が煌めく
和(またさっきの技?流石の私でも、あれはかわせないわね。仕方ない、向こうが消耗するのを待とうかしら)
バヂ バヂヂヂ‥‥‥
瀧エリ「“ 恍惚の輝き(シャイニング・ストリング) ”!!!」バヂヂヂヂヂ!!!
空気中に存在する電子が何本もの鎖状の光となって、部屋の中を無造作に飛び交う
902 :
も
[saga]:2011/09/10(土) 23:13:59.75 ID:fqhcKk3AO
和(さっきのとは違う技?まあ、何でもいいんだけど‥‥‥)
ヒュン ギュルルルルル!!
和「!」
瀧エリ「つかまえた!」
和の手、足、胴体に何重もの鎖が巻き付けられる
和「捕まえた、ですって?この程度の捕縛なら簡単な空間操作で―――――」
和は自分の周囲の空間を歪ませようと能力の発動を試みるが、しかし‥‥‥
鎖「」ビリビリビリ!
和「〜〜〜〜〜〜!」
鎖に電流が流れ、和を痺れさせる
和(感覚が麻痺して力が使えない)
「‥‥‥まさか、能力を封じてくるなんてね‥‥‥!」
空間操作を封じられた和の姿があらわになる
瀧エリ「へっへーん♪」シュタン
梓「これまでです!」シュタン
身体の自由も奪われている和の前に、2人が立つ
和「倒せないものは倒さなければいい、こういうことだったのね」ビリ‥ビリビリ‥‥
903 :
も
[saga]:2011/09/10(土) 23:15:24.13 ID:fqhcKk3AO
梓「さっきまでの私は“ 倒せない ”ということにネガティブなイメージしか持てなかったので、気付くのが遅れました」
「でも、エリ先輩が元気づけてくれたおかげでその発想に辿り着けました」
瀧エリ「ま、後輩クンのアイディアがないと私もお手上げだったんだけどね」
「でも会長を倒したのは私の手柄だよ♪」
梓「な!?ちょっと待って下さい。今、私がいないとお手上げって言いましたよね?」
瀧エリ「え〜?しーらなーいよー」
梓「それなら私だって前言撤回です!私、先輩なんかに元気づけられてませんから!」
瀧エリ「ムカッ」
「人がせっかく心配してあげたのに、その態度はなによー!?」
梓「心配してあげた?それなのに、私を蹴飛ばしたんですか?」
瀧エリ「うっ‥‥‥あずにゃん風情が生意気な!」
梓「にゃ!?何でそれを!?」
瀧エリ「みんな知ってるよ?だって唯がいつも言ってるんだもん」
梓(こんな所にまで唯先輩の弊害が‥‥‥)
904 :
も
[saga]:2011/09/10(土) 23:16:37.81 ID:fqhcKk3AO
瀧エリ「あ〜ずにゃん♪」
梓「だ、黙りやがれです!!」
和「あなた達!!!」
梓エリ「」ビクッ!
和「みっともない喧嘩をしないの。それと、敵の目の前で油断し過ぎよ」
瀧エリ「油断って言ったって、もう決着は着いてるじゃん」
和「まあ‥‥‥そうなんだけどね」
梓「‥‥‥和先輩、もう一度お願いしますけど」
梓は真剣な表情で和に訴えかける
梓「私達と一緒に戦ってくれませんか?」
瀧エリ「!?」
和「‥‥‥‥‥」
「‥‥‥何回聞こうと私の答えは同じよ」
「ごめんなさ――――」
バン!
梓エリ和「!」
和が断りきる前に、ホールの扉が勢いよく開く
905 :
も
[saga]:2011/09/10(土) 23:18:02.82 ID:fqhcKk3AO
律「ハァ‥‥ハァ‥‥‥」
梓「律先輩!」
音解状態の律が扉の所に立っていた
律「梓!それにエリも!‥‥‥和も無事か!」
瀧エリ「加勢に来たの?でも少し遅かったね。もう終わったよ♪」
律「どうやらそうみたいだな」スタ スタ
律も和の元に近付く
和(私にはまだ、さっき仕掛けておいた時限作動型ブラックホールがある。丁度いいわ、律も巻き添えに………)
律「みんな‥‥‥特に和、聞いてくれ」
和「また勧誘の話かしら?それなら今、断ろうとした所よ」
律「いや、違うんだ‥‥‥」
和「?」
律は俯き、そして口を開く
律「憂ちゃんが‥‥‥死んだ」
906 :
も
[saga]:2011/09/10(土) 23:21:11.67 ID:fqhcKk3AO
・・・・・・・・
和に案内されて、一行はB館2階の医務室のような部屋で身体を休めていた
教室程もある大きさの部屋にはいくつかのベッドがあり、唯と憂は並んで寝かされている
暗い雰囲気に耐え兼ねたエリは部屋の外に出ていた
梓「うぅ‥‥グス‥‥憂‥‥‥」ポロポロ
純「どうして‥‥‥こんなことに!」ポロポロ
憂の親友である梓と純は、彼女のベッドに寄り添い、また梓は憂に泣き付いていた
皆、いちごによって外の傷は回復したものの、心には深い傷を負ってしまっていた
梓「ゴメンね‥‥ゴメンね憂‥‥‥私のせいで」グスッ
純「梓のせいじゃ‥‥グスッ‥‥ないよ!」ポロポロ
梓「でもっ‥‥私‥‥私!」
純「自分を責めても‥‥憂はもう―――」
梓純「うわあああああああん!!!」
907 :
も
[saga]:2011/09/10(土) 23:23:33.33 ID:fqhcKk3AO
和「憂‥‥‥ゴメンなさいね」
澪「和‥‥‥」
和「私ね、幼い頃から唯と憂といつも一緒で‥‥‥憂は本当の妹みたいに思っていたわ。そんな憂を、私‥‥守って‥‥あげられ―――」バッ!
手で顔を覆い、和は部屋を後にする
律「くそ!何でいつもこうなるんだよ!」
依然として雨が降り続ける外を、窓を介して律は見つめる
律「力を手に入れて強くなっても、いつも何かを失っちまう」
「私達は何なんだよ?一体何のために強くなったって言うんだよ!?」
姫子「落ち着きなよ、律」
律「‥‥‥ゴメン。私もちょっと出てくるわ」スタ スタ スタ
ガチャ バタン‥‥‥
908 :
も
[saga]:2011/09/10(土) 23:25:59.30 ID:fqhcKk3AO
澪「おい律!もし敵が来たら――――」
いちご「外に出なければ大丈夫。この建物全体に感知用の結界を張ってあるから」
姫子「この天気だし、流石に外には出ないでしょ」
澪「そう……だな」
3人が窓の方に目をやると、雨は激しく降り続けており、止む気配が全く見られなかった
唯「う‥‥うぅ‥‥‥」ムクリ
梓純澪エリ姫苺「「 ! 」」
唯「‥‥‥‥」
唯は起き上がると、隣のベッドで眠る憂を静かに見つめた
梓「唯‥‥先輩‥‥」グスン
ポン純「梓‥‥‥」
純は梓の肩に手を置き、首を横に振る
それを合図に、部屋に唯と憂を残して全員が退出した
909 :
も
[saga]:2011/09/10(土) 23:31:14.90 ID:fqhcKk3AO
唯「ぅぃ‥‥‥‥」
憂「」
消え入りそうな声でその名を呼び、憂の傍に移動した
唯「安心して眠っててね。仇は必ず取ってあげるから‥‥‥」
「私が‥‥‥‥琴吹紬を殺す!」
唯は底知れぬ冷たさを感じさせる目に復讐の炎を宿した
ガチャ!
律「お!唯起きてるじゃん」
唯「‥‥‥‥」
唯は、律に背を向けてベッドに腰掛けていた
律「なんだよー。無視か?」
唯「」スッ…
スタ スタ スタ
沈黙を続け、部屋を出ていこうとする
唯「」スタ スタ
律「おい!ゆ―――」
唯「」
律「――!」ゾクッ
すれ違い様に見た唯の冷たい目に、律は背筋が凍り付いた
唯「」スタ スタ
ガチャン………
律(何なんだよ、今の目‥‥‥)
(唯‥‥‥お前まさか‥‥!)
910 :
も
[saga]:2011/09/10(土) 23:40:58.06 ID:fqhcKk3AO
・・・・・・・・
しばらくして、部屋では唯が憂の死について真相を語り終えていた。憎しみの上に仮面を被せて………
和「本当にムギが‥‥憂を?」
唯「‥‥‥そうだよ」
和「そう‥‥‥」
「‥‥‥私ね、最初からムギのやってることがおかしいって、分かってたつもりだった。それでも、いつかは過ちに気付いてくれると信じて、これまでついてきた」
「でもようやく分かったわ。自分のしていることの愚かさに」
純「知らず知らずの内に、和先輩も完全催眠を受けてたのかも‥‥‥」
和はカーテンで仕切られている憂の方に目を向ける
和「私も、一緒に戦わせてくれないかしら?」
律「‥‥‥みんな、どうする?」
911 :
も
[saga]:2011/09/10(土) 23:42:37.75 ID:fqhcKk3AO
梓「私は歓迎しますよ」
瀧エリ「いいんじゃない?」
純「私も賛成です。和先輩ってえげつないくらい強いですから、味方になれば百人力ですよ!」
澪「そうだな。よろしく頼むよ、和」
姫子「またよろしく、会長!」
いちご「」コクリ
唯「和ちゃん、ありがとう!」
律「ってことだ。よろしくな、和!」
和「みんな‥‥‥ありがとう」
姫子「さて、和も仲間に加わったことだし、早速大将の首を取りにいく?」
梓「首って‥‥‥ムギ先輩を止めるだけですよね?」
姫子「フフフ‥‥‥」
姫子は怪しげな笑みを浮かべる
澪「みんなはもう、十分回復できたのか?」
瀧エリ「大丈夫っしょ!ね、あ―ずにゃん♪」
912 :
も
[saga]:2011/09/10(土) 23:44:09.91 ID:fqhcKk3AO
梓「もう、その名前で呼ばないで下さいよ!」
純「ずいぶん気に入られちゃってるじゃん、梓」
いちご「エリのお気に入りリスト『大仏、コーラ‥‥あずにゃん』」
梓「いちご先輩までーーー!」
澪「あはは‥‥‥ん?」
唯「‥‥‥‥」
澪(どうしたんだろう。いつもなら梓の話に飛びついてくるはずなのに‥‥‥)
律「まとめてみると、みんな準備オッケーてことだな!」
和「あら、律が仕切るなんて部長らしいことできたのね?」
律「の、和しゃん‥‥‥」
姫子「なら、そろそろ行かない?こうしている間にもムギの計画は進んでいるんでしょ?」
澪「そうだな。和、ムギの居場所はわかるか?」
和「任せなさい。案内するわ」
913 :
も
[saga]:2011/09/10(土) 23:46:47.05 ID:fqhcKk3AO
和を先頭に、皆は部屋を出ようとしたその時
律「みんなは先に行ってくれ」
姫子「律?トイレなら早く済ませなさいよ」
律「ちがうし!」
「‥‥‥唯に話があるんだよ」
唯「‥‥‥」
澪「わかった。みんな行こう」スタ スタ
瀧エリ「え、澪?」
澪「いいから、先を急ごう」
‥‥‥‥ガチャン
律と唯以外は、部屋を出ていった
唯「話って何かな」
唯はゆっくりと、窓際のテーブルに腰掛ける
律はそれを目で追う
唯「私ね、早くムギちゃんを殺したくてウズウズしてるんだけど」
律「今の唯を行かせるわけにはいかない」
唯「どうして?」
律「今のお前じゃ、ムギには勝てないからだよ」
914 :
も
[saga]:2011/09/10(土) 23:48:38.45 ID:fqhcKk3AO
唯「何言ってるの?ムギちゃんに勝てないのは律ちゃん達の方だよ」
律「そりゃまた、何でだ?」
唯「無いからだよ。“ 憎しみの力 ”がね‥‥‥」フフッ…
冷たい目を律に向け、唯は冷笑する
律(この目‥‥やっぱりそうか。今の唯は――――)
(憎しみに取り憑かれちまってやがる!)
唯「音解でもフルチューニングでも、ムギちゃんには勝てなかった。憎しみが足りなかったからだよ」
「でも今の私なら――――」
律「やめろっ!!」
唯「‥‥‥」
律「憎しみに囚われるな!戻って来れなくなるぞ!」
唯「‥‥‥ムギちゃんを殺せれば、私がどうなろうと構わないよ」
律「唯!」
915 :
も
[saga]:2011/09/10(土) 23:52:56.51 ID:fqhcKk3AO
唯「話はそれだけ?なら私、もう行くよ‥‥‥」スッ
唯は立ち上がり、ドアの方へと歩を進めた
律「くっ‥‥‥!」プルプル
律は握った手を震わせる
その隣を唯が通り過ぎようとしたその時、唯の顔面に拳が飛んで来た
ドカァアッ!!
唯「ぐふ!?」ヒュ――ン
バリイィィン!
窓ガラスを突き破り、唯は激しい雨が降っている外へと、その身を投げ出された
916 :
も
[saga]:2011/09/10(土) 23:54:42.30 ID:fqhcKk3AO
Bかん・そと!
唯「」クルクル…スタン!
3階に匹敵する高さから落ちた唯は、軽い身のこなしで無事に着地する
律「」バッ……スタン
続いて律も地に降り立つ
唯「いきなり殴らないでよ。痛いじゃん」キッ
唯は頬を腕でこすり、律を睨みつける
律「言っただろ?今のお前は絶対に行かない」
唯「相手が律ちゃんでも、私は止められないよ」スッ……
律「なら、力付くで止めるまでさ!」スッ……
「“ 照らせ 太陽鼓舞(アポロンドラム) ”!」ゴオオオ!
ザアァァ―――――――
激しさ止まぬ雨の中、ずぶ濡れになりながら2人は両手で刀を構え、向かい合う
律「行くぜ‥‥‥唯!」ダッ!
唯「手加減なしだよ。死んでも恨まないでね!」ダッ!
律唯「」タタタタタッ!
律唯「はあああああ!!」ブン!
キイィィイン!
律唯「」ガッ! サッ!
一瞬つばぜり合いになり、同時に直ぐさま飛び退く
917 :
も
[saga]:2011/09/10(土) 23:56:38.30 ID:fqhcKk3AO
律唯「」タタタッ!
ブン! サッ! キィン、キィン!
ヒュン! ガガッ!
キィン、キィン、キィィン!
何度も刀を交えるが、互いに一歩も引かない
唯「はあああああ!!」ブン!
律「りゃああああ!!」ブン!
ガキィィイン!!
ドゴォォオオオ!!!
気圧同士がぶつかり合い、周囲の水滴が吹き飛ぶ
律唯「‥‥‥‥っ!」ギチ ギチ ギチ
唯「」ヒュン!
互いに刀が塞がっている状態で、唯が律を蹴り飛ばす
律「くっ!」ズザザ……
唯「」シュタッ!
律にできた隙を見逃さず、唯は高く跳躍して刀に気圧を込める
唯「『響牙‥‥‥天衝』ォォオオオ!!!」ブン!
ズドドドドド!!!
律「!――――」
ドゴォオオオン!!!
918 :
も
[saga]:2011/09/10(土) 23:59:44.38 ID:fqhcKk3AO
今日はここまでで勘弁してや
またあさって、できたら明日に再開します
見てくれてありがとうさん
ほな、さいなら
919 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/11(日) 00:59:00.79 ID:tvNVd8YIo
律たちはムギを止めようと、唯はムギを殺そうとしているのか。
目的にズレが出てきたのか
非常に楽しみでござる
920 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/11(日) 01:07:47.76 ID:2xxCSGIDO
乙
目的のズレと言うよりも目的の着地点と手段のズレだな
921 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/11(日) 03:48:01.34 ID:fULB3TvDO
だが唯の復讐心をいつ無くすか、で話が大分かわるよな
要望じゃないが個人的には律が止めると早すぎるから、もう少し伸ばして欲しいな。
922 :
も
[saga]:2011/09/13(火) 00:03:50.51 ID:4Ckl+FUAO
煙「」モク モク…
唯「」シュタン
「私の勝ちだね‥‥律ちゃん」
律「バカヤロー、まだだよ」スッ
煙はすぐに雨に洗い流され、音解した無傷の律が現れる
唯「ちぇ、いけると思ったのになー」
律「ナメすぎだぜ」ゴオオオ!
降りしきる雨をものともせず、両腕の炎は猛々しく燃え上がる
律「こっからは私も本気でやる。お前も全力で来い!」
唯「‥‥‥律ちゃん相手に全力なんてだせないよ」
律「唯‥‥‥」
唯「力の無駄遣いだからね!」ニヤッ
律「くそ!」チャキン!
唯「何もわかってないね、律ちゃんは」
律「‥‥‥」
唯「憎しみこそが力の全て!音解しようと私には勝てないんだよっ!!!」スッ…
「“ 響 牙 天 衝 ”!!!」ズギュオオオオ!!!
923 :
も
[saga]:2011/09/13(火) 00:05:44.94 ID:4Ckl+FUAO
律「」スッ…
己に向かって飛んでくる斬撃に対し、律は左手を向ける
唯「バカが‥‥‥」
バシュウウゥゥゥ‥‥‥
唯の響牙が律の手前で霧散した
唯「!?」
律「ちっせぇ‥‥‥」
「ちっせぇなあ!お前の言う憎しみの力ってのは、こんなもんかよ!?」
唯「‥‥‥黙れ」
律「‥‥‥‥」
唯「黙れ 黙れ 黙れ 黙れ 黙れーーーーー!!!」ゴゴゴゴゴ!!!
唯の周囲を黒い気圧が渦巻く
律(これが本当に唯の気圧なのか!?禍々し過ぎる!)
気圧の渦が収まり、黒衣に身を包んだ唯が姿を現す
唯「私の憎しみはね‥‥‥憂を失った悲しみそのものなんだよ‥‥‥」
「それがどれだけ大きいか教えてあげるよ!!!」ダッ!
律(それでいい‥‥‥)
(お前の憎しみ、悲しみ‥‥全部吐き出させてやる!!!)ダッ!
924 :
も
[saga]:2011/09/13(火) 00:07:21.40 ID:4Ckl+FUAO
唯律「」シュタッ!
地面を強く蹴って跳躍し、空中で刀を交える
そこから先は、常人では目で追うことのできないハイスピードバトルが展開された
刀同士がぶつかり合う度に、火花が飛び散る
かろうじてそれだけは確認できても、律と唯の速さには目がついて行かない
唯「くそ!くそ!くそ!」ブン! ブン! ブン!
律「」スカッ スカッ スカッ
唯(なんで‥‥‥なんで一太刀も当たらないの!?)
唯の斬撃は、全て律に軽くあしらわれていた
律「スピードがかなり落ちたな。もうバテたか?」
唯「黙れっ!」スッ
「“ 響 牙 天 衝 ”!!!」
刀を振り上げ、至近距離から黒い斬撃を放とうとする
だがしかし………
925 :
も
[saga]:2011/09/13(火) 00:07:59.85 ID:4Ckl+FUAO
キィィイン!
黒刀が宙を舞って、唯の後方の地面に突き刺さる
唯「え‥‥‥?」
律「」チャキッ!
まだ振りかぶった恰好の唯の首筋に、炎刀の切っ先を宛てがう
律「憎しみは刃を鈍らせる。スピードが落ちたのだって、バテたからじゃない。そうだろ?」
唯「‥‥‥‥」
律「憎しみなんてもん掲げたって、強くなりゃしないんだよ。もう一度考え直してこい」
926 :
も
[saga]:2011/09/13(火) 00:09:33.36 ID:4Ckl+FUAO
Bかん・ろうか!
瀧エリ「律と唯、何話してるんだろうね?」
姫子「あの2人を置いてきてもよかったの?」
澪「みんなは気付かなかったか?」
純「何にですか?」
和「唯の様子が少しおかしかったのよ」
澪「流石、幼なじみだな。やっぱり和も気付いてたか」
梓「私も‥‥‥なんか違和感を感じてました」
瀧エリ「そう言われてみると‥‥‥そうなのかな?」
澪「律には何か考えがあるみたいだから、ここは律に任せて、私達は先を急ごう」
梓純姫エリ和「」コクリ
いちご「まって!」
姫子「どうした?」
いちご「結界が反応してる。今、外で律と唯が戦ってる!」
澪「なッ!?」
姫子「律と‥‥‥」
梓「唯先輩が‥‥‥?」
瀧エリ「こうなったら、いったん引き返す?」
澪「当たり前だ!早く2人を止めないと!」
927 :
も
[saga]:2011/09/13(火) 00:11:57.72 ID:4Ckl+FUAO
Bかん・そと!
唯「」サッ
首に刀を突き付けられた唯は瞬時に飛び下がり、刀を取る
唯「律ちゃんにはわからないよ。憂を失った悲しみは‥‥‥」
律「‥‥‥‥」
律は刀を下げ、一度目を閉じてから唯を見る
律「実はな‥‥‥私もさっき弟を亡くしたばかりなんだよ」
唯「!?」
律「聡はムギの所で化け物みたいに改造されて、揚げ句の果てには‥‥‥死んじまった」
唯「‥‥‥‥」
律「私もお前と同じだ。辛いよ、苦しいよ。ムギのことも、恨んでないって言ったら嘘になる」
「けどな、私は復讐の為に刀を振るおうなんて思わない。聡がそれを望んでないのは、私が一番わかってるからな」
928 :
も
[saga]:2011/09/13(火) 00:13:24.46 ID:4Ckl+FUAO
唯「‥‥‥私と律ちゃんが同じ?ふざけないでよ」
「苦しいなんてレベルじゃないよ。魂が引き裂けそうなほど心が痛いんだよッ!!!」ポロポロ
胸を押さえ、悲痛な叫びを上げる
律「唯‥‥‥」
唯「お前なんかに分かってたまるか」スッ
唯は右手の刀を前に突き出し、左手を右腕に添えるように置く
唯「“ フルチューニング ”」
ドバアアアアア!!!
律「!」
黒く冷たい音圧が唯の周りから溢れ出た
律(音圧も、澪のとは全然質が違う!)
以前にも増して異常な量の音圧が唯を飲み込んでいく
929 :
も
[saga]:2011/09/13(火) 00:17:06.77 ID:4Ckl+FUAO
唯「アハ、アハハハハハッ!」ゴゴゴゴ
刀と腕が融合した唯は、周囲の音圧を振り払う
唯「憎しみの力が馴染んでくる‥‥‥アハッ、最高の気分だよぉ」ニヘラ
律「」チャキン!
唯「今ならさぁ、見逃してあげるからぁ‥‥‥私の前から消えなよ」
律「同じことを何度も言わせるな」
唯「あっそ、じゃあ聡クンの所に送ってあげるよ!」ダダッ!
ヒュン!
律「!?」
目で捉えていたはずの唯の姿が消える
唯「こっちだよ」
律(上か!)サッ!
即座に頭上を見上げるが、唯の姿は無い
唯「どこ見てるの?こっちだよ」
唯は居合切りの恰好で、律の懐に入っていた
律(しまっ――――)
黒刀が律に迫る………
930 :
も
[saga]:2011/09/13(火) 00:18:10.71 ID:4Ckl+FUAO
一方その頃、梓達は外を目指して廊下を走っていた
瀧エリ「なんでこう、無駄に広いかな。全然出口が見つからないじゃん!」
姫子「話してる暇あるなら足を動かしな!」
澪「バカ律!なんで唯と戦ってるんだよ!」
迷路のように入り組んだ廊下をひたすら走る
和「もうすぐで外に出れるわ!」
梓(唯先輩‥‥‥)
(まさか、いつかみたいにまた暴走したんじゃ‥‥‥)
和「見えた!あの扉よ!」
先頭を走る梓は勢いよく扉を開ける
バンッ!
梓「唯先輩!」
931 :
も
[saga]:2011/09/13(火) 00:19:42.26 ID:4Ckl+FUAO
雷を背景に、地にひざまづく唯とそれを見下ろす律の姿が目に飛び込む
澪(よかった。2人とも無事だったか)
後から来たメンバーも、皆その光景を黙って見つめる
律「何で戻って来た?」
梓「仲間同士で戦ってるのを黙って見過ごすわけにはいきませんから!」
律「‥‥‥‥」
(こんな唯の姿、みんなには見せたくなかったんだけどな)
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
律梓「!」
地面に爪を突き立て、その場にいる全員に向けて唯が音圧を解放する
和「うぐっ!」
(何なの、この音圧‥‥‥)
澪(重くて‥‥‥)
梓(冷たい‥‥‥!)
純(こんなの長時間受けてたら、おかしくなりそうだよ!)
姫子(私達が知ってる唯とは完全に別人ね)
瀧エリ(気分悪っ!)
いちご(‥‥‥‥)
932 :
も
[saga]:2011/09/13(火) 00:21:22.07 ID:4Ckl+FUAO
唯「そんなはずない‥‥‥」ムクリ
唯はふらふらと、覚束ない足取りで立ち上がる
唯「私がッ!負けるハズないんだぁーーーー!!!」ゴ ゴ ゴ!!!
梓「!」ビクッ
和(これは……音圧に殺気が混じってる!)
梓(前に唯先輩が暴走した時とは違う‥‥‥)
(他の誰かが乗り移ったんじゃなくて、今度は紛れも無く唯先輩自身が私達を‥‥‥)
唯「うあああああああああ!!!」
叫びと共に沸き上がる音圧に、律は数歩下がった
唯「“ 響覇―――――」ズズズ……
律(ヤバイ、唯のヤツみんなに‥‥‥!)ダッ!
律は全力で仲間達の元へ駆けていく
933 :
も
[saga]:2011/09/13(火) 00:22:44.42 ID:4Ckl+FUAO
姫子「嘘でしょ?唯が私達に‥‥‥」
純「解放して防がないと!」
和「もう間に合わないわ!」
ズザザッ………!
律「」ハァ ハァ
澪「よせ、律!」
梓「律先輩逃げてください!」
唯の攻撃前に間一髪、律が割って入る
律「部員1人救えねぇ奴が、部長なんてやってられっかよ!」チャキン!
律は刀を構え、唯の攻撃を迎え撃たんとす
唯「―――天 衝 ”!!!」
律「“ クロスオーバー・チューニング ”!!!」
ズギュアアアアアア!!!
辺り一面が漆黒の闇に包まれる
唯は一人、その中に佇んでいた
934 :
も
[saga]:2011/09/13(火) 00:26:46.30 ID:4Ckl+FUAO
唯「あは‥‥あはは‥‥はは」
「律ちゃんが悪いんだよ‥‥‥私の邪魔するから‥‥‥」
刀を握る唯の手は震えていた
正気でないにしろ、仲間を傷付けて平気でいられる程、唯は堕ちてはいなかった
「仲間に手を出すってのは、どんな気分なんだ?」
唯「!?」
ドゴオオオオオ!
火柱が闇を掻き消し、中から左右両腕に異なる色の炎を纏った律が出てきた
律「“ 地天爆刀――アポリオス・ノヴァ ”」
律の後ろには、炎に守られた澪達の姿があった
935 :
も
[saga]:2011/09/13(火) 00:28:10.12 ID:4Ckl+FUAO
律「唯、お前に教えてやる。憎しみよりも強い力を‥‥‥」シュゴオオ
律は黙して炎の双剣を現出させる
律「護る為の力をな!」ダッ!
フッ!
和「速い!」
(雷を纏ったエリと同等、いやそれ以上!)
律は神速で唯の懐に潜り込む
そこから肘打ちを食らわせて唯を吹き飛ばす
唯「っ‥‥!」ヒュ―――ン!
「」クル クル クル スタン!
唯は体勢を立て直して着地する
そして直ぐさま律の姿を探すが、どこにも見当たらない
律「こっちだ」
唯「!」サッ
背後から聞こえる声に振り向くが、その姿は無かった
律「どこ見てんだよ?こっちだぜ!」
唯「なッ!?」
前を振り返った唯の頬に、灼熱の右ストレートが決まる
936 :
も
[saga]:2011/09/13(火) 00:29:43.69 ID:4Ckl+FUAO
ドゴォッ!
唯「がはっ!」ズザザザ……
律「またスピードが落ちたんじゃねぇか?」
唯「くそっ!」ヨロッ…
律「もう止めろ。今のお前じゃ私にすら勝てねーよ」サッ
唯に背を向け、仲間の元へと歩き出す
だか唯は、刀に音圧を込めて立ち上がる
唯「“ 響覇天衝 ”!!!」ブン!
ズギュオオオオオ!!!
澪「律、危ない!」
オオォォォ………
唯「!?」
律に届く前に、斬撃が自然消滅した
律「無駄だ」
律は背を向けて立ち止まる
唯「もう一度‥‥‥“ 響 覇 天――――」スッ
バシュウゥゥ………
唯「え!?」
刀を振りかぶったまま、唯の解放が全て解け、出刃包丁のような刀が真っ二つに折れた
937 :
も
[saga]:2011/09/13(火) 00:33:01.12 ID:4Ckl+FUAO
唯「どう‥‥‥して‥‥?」ガクッ
膝を折り、その場にへたり込んで俯く
律「分からないのか?お前、楽器に見離されたんだよ」
律は体を唯に向けて、話を始める
律「もし唯が憂ちゃんの立場だったら、憂ちゃんに復讐なんて望むのか?」
唯「‥‥‥」
律「唯が復讐することを、憂ちゃんは望んでいると思うのか?」
唯「‥‥‥」
折れた刀を手放し、唯はゆっくり顔を上げる
唯「私にはもう、復讐しかないんだよ‥‥‥」
律「お前は本当にそれでいいのか?」
唯「じゃあどうしたらいいの!?私、もう分からないよ!教えてよ律ちゃん!!」ポロポロ
938 :
も
[saga]:2011/09/13(火) 00:41:29.56 ID:4Ckl+FUAO
律「それは唯が自分で考えて、答えを出さなきゃいけない。ただ―――」
「また道を踏み外したら、何度だって救ってやる。これだけは覚えとけ」
唯「うぅ‥‥ヒック‥‥グスン」
律「何てったって、私達は“ 仲間 ”だからな!!!」ニカッ
唯「!」
「うぅっ‥‥律ちゃん‥‥私――――!」グス…
泥だらけの地面にうずくまった唯は、憎しみに全てを委ねようとした過ち故か、仲間を傷付けた自責の念に苛まれてか、はたまた何も上手くいかないことへのもどかしさ故か、大声で泣き叫んだ
梓「唯先輩」タッ…
律「梓!!!」
梓「」ビクッ
律「唯は‥‥‥置いて行く。私達だけでムギを止めるんだ」
梓「でも―――」
律「分かったな?」
しばしの沈黙の後、梓は黙って頷いた
雨は、まだ止まない………
939 :
も
[saga]:2011/09/13(火) 00:42:57.03 ID:4Ckl+FUAO
ここまで!
またあさって!
見てくれてありがとう!
おやすみ!
940 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/13(火) 02:58:09.53 ID:rDEwmlpGo
乙
憎しみを生み出す血を吐き出せ!ってジュドーさんが言ってた
941 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/13(火) 04:45:10.49 ID:fLSSqJBko
正直な気持ちを言うと
反吐が出る程綺麗ごとしか言わない律を
憎しみの力で爽快にボコって欲しかった
942 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/13(火) 05:01:53.38 ID:iLP0T5SDO
読み手の正直な気持ちで誰が得すんだよ
お前が律嫌いなだけだろ
おつ
ペース早めでいいな
943 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/13(火) 05:06:24.88 ID:fLSSqJBko
俺のレスが読めないのかwwww
綺麗ごとが嫌いと言ってるんだが
944 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/13(火) 13:03:47.05 ID:EUvKoDBx0
最後は改心したムギが長門みたいに贖罪の意味も込めてみんなを生き返らせてくれるよ
945 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/13(火) 14:13:02.09 ID:8UJMy0V5o
>>941
まあ、気持ちは分からなくもない
が、そんなのは胸にしまっておけ
946 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/13(火) 17:14:53.54 ID:CB21ycFZo
さっそく和ちゃんが弱くなってるっぽいな
敵が仲間になったら弱体化は王道か
947 :
も
[saga]:2011/09/15(木) 00:05:49.50 ID:veitZeVAO
さあ、始めようか
948 :
も
[saga]:2011/09/15(木) 00:08:23.43 ID:veitZeVAO
やしき・Bかん!
先程の部屋に戻ってきた唯は、虚ろな目をして椅子に腰掛け、憂に付き添っていた
唯はもう、戦いを続けられる状態ではなかった
折れた刀が戦意の喪失を象徴している
―――――少し前
律「お前はまた立ち直れる。待ってるからな」
澪「それじゃ、行ってくるよ、唯」
姫子「全部終わらせてくるわね」
和「唯、また後でね」
梓「唯先輩‥‥‥」
「帰ってきたら、また一緒に演奏しましょうね」
思い思いに言葉を残し、律達は中央の塔を目指して唯の元を後にした
949 :
も
[saga]:2011/09/15(木) 00:09:54.23 ID:veitZeVAO
――――――――
一人、部屋に取り残された唯は、誰に言うともなく独り言を呟く
唯「弱いよね、私は‥‥‥ムギちゃんどころか、律ちゃんにも勝てなかったよ」
「憂がいない世界なんて、守っても虚しいだけ。私には復讐以外に戦う理由がないんだ。でも、それも叶いそうにない‥‥‥」
「エヘヘ‥‥‥私、なんにもできないよ。憂がいないと‥‥‥なんにも‥‥‥」
憂「」
眠る憂に、そっと話しかける
唯「‥‥‥私が軽音部に入ってから、憂はいつも通りに振る舞ってたけど、本当は寂しかったんだよね。憂はしっかり者だけど、本当は甘えん坊さんなのはお姉ちゃん、知ってたよ」
「それなのに、何もお返ししてあげれなくてゴメンね。憂にはもらってばっかりなのに‥‥‥」
「もし目を覚ましてくれたら、飛び切りの笑顔で抱き着いてあげるから‥‥‥」
950 :
も
[saga]:2011/09/15(木) 00:11:46.74 ID:veitZeVAO
「あれ?それじゃあ逆か。憂が優し過ぎるから、ついつい甘えちゃうんだよね‥‥‥」
憂「」
唯「‥‥‥もう一度でいいから、声を聞かせてよ。笑顔を見せてよ‥‥‥それだけで、この先も生きて行けるからさ」
目を閉じると、憂との数々の思い出が、脳裏に甦る………
―――お姉ちゃん、朝だよ 起きてー
う〜ん、あと5分……
―――髪の毛寝グセってるよ〜
ありがと〜 憂〜
―――アイスはご飯、食べてから!
ちぇっ、憂のいけずぅ〜
―――めっ!だよ、お姉ちゃん
許してつかぁさい!!
―――「「あめあめ ふれふれ かあさんが〜♪」」
―――わぁ〜!このリボン、貰っていいの?大切にするね♪
奮発しました フンス!
―――はい、お姉ちゃん。誕生日おめでとう!
わーい!何が入ってるの?
中身は開けてからのお楽しみだよ〜
951 :
も
[saga]:2011/09/15(木) 00:16:31.11 ID:veitZeVAO
―――お姉ちゃん、ライブ頑張ってね!応援してるから!
ありがとう、憂!行ってきまーす!
―――お姉ちゃんとギー太、すごくカッコよかったよ!
―――お姉ちゃん♪
なーにー?
えへへ、呼んでみただけ♪
唯の目からはとめどなく涙が溢れ出す
唯「お姉ちゃんね、憂が傍にいるだけで、いつも勇気をもらってたんだよ」
「いつまででも憂と一緒にいられるって、ずっと思ってた‥‥‥」
「晴れの日も雨の日も、いつだって憂はお姉ちゃんの傍にいてくれたもんね」
「けど今は気付いたよ。それが当たり前じゃないってことに。憂と過ごせた時間は奇跡だったってことに」
―――「お姉ちゃん!」ニコッ
唯「うぅ‥グス‥‥えっぐ‥‥グスン‥‥うぃー‥‥!」
「う、うぇ‥‥うええええええええん!!!」ブワッ!
952 :
も
[saga]:2011/09/15(木) 00:19:16.90 ID:veitZeVAO
・・・・・・・・
唯「私ったら泣いてばかり。これじゃ、憂も安心して眠れないよね‥‥‥」
(決めたよ、憂。上手くいくかは分からないけど、それでもお姉ちゃん、まだ度頑張ってみるよ)
唯は涙を手で拭い、安らかに眠る憂の頭を優しく撫でた
唯「憂‥‥‥今までありがとう。おやすみ‥‥‥」
名残惜しそうに、その場を立ち去ろうとしてもう一目憂を見ると………
キラン☆
唯「ん?何だろう」
憂の首筋に、光るものを見つける
手に取って確認してみると、それはペンダントのようだった
唯「ゆー あんど‥‥‥あい?えっ!?」
ピカ―――――
唯「あわわっ!」
突然ペンダントから発せられた強い閃光に、唯の意識は吸い込まれていく………
953 :
も
[saga]:2011/09/15(木) 00:28:27.36 ID:veitZeVAO
やしき・とう!
唯と別れた律達は、和の案内で4棟の屋敷の中央に位置するに乗り込んでいた
円柱型の塔に内接する螺旋階段を、延々と駆け登っていく
各々は既に始響、演舞者の第一解放状態に入っていた
梓「いよいよムギ先輩との最終決戦ですね」
律「これが本当に最後の戦いだ。行くぞ!」
ドガアアァン………
律の掛け声と同時に大きく跳躍し、豪快に天井を突き破って一気に最上階へと辿り着いた
律「久しぶりだな、ムギ」
紬「フフ……ようこそ、律ちゃん」
だだっ広い殺風景な部屋に、紬が一人、待ち構えていた
澪「ムギ!」
梓「ムギ先輩………!」
紬「あら、澪ちゃんに梓ちゃん、それに………」
純姫エリ苺和「」
紬「賑やかね」
954 :
も
[saga]:2011/09/15(木) 00:29:37.53 ID:veitZeVAO
和「ムギ、あなたどうして憂を手に掛けたの!?」
紬「どうしてって………?」
「 用済みになったからに決まってるじゃない♪ 」
和「……ッ!許さないわよ、ムギ!」
紬「それはこちらのセリフ。私に逆らって、ただで済むとは思わないでね」
律「和、ここは押さえろ」ポン!
和「………分かってる」
紬「あらあら、律ちゃんは弟の仇を前にしてよく冷静でいられるわね」
律「!」
紬「聡君との戦いは楽しんでくれたかしら?」
律「」プルプル…
紬「せっかく律ちゃん専用に改造したのに、本当に使えないコマだったわ」
律「ッ!!」ダッ!
澪「よせ律!」
紬「フフッ………」
955 :
も
[saga]:2011/09/15(木) 00:30:53.91 ID:veitZeVAO
飛び出した律は刀を振るい、豪火を紬に向けて放つ
しかし、炎は紬を避けるようにして受け流された
梓「何もしないで律先輩の攻撃を!?」
紬「怒りに身を任せて切りかかったりはしないのね。遠距離攻撃で来たのは正解よ」
律「………」
澪「おい律―――」
律「分かってる!頭ん中では分かってんだ………。けど―――」
「やっぱコイツは許せねぇ………」ゴオオオオ!!!
紬「いいわよ、その目。ゾクゾクしちゃう♪」
ドカァァッ!
律「ぐっ……!?」
ドザザザ………
澪「ハァ、ハァ」キッ!
律「澪、テメェ何しやがる……」
澪は倒れている律の胸倉につかみ掛かる
956 :
も
[saga]:2011/09/15(木) 00:31:57.27 ID:veitZeVAO
澪「このバカ律!お前、自分が唯に言ったこと、覚えてるのか!?」
律「………」
澪「私には、家族を奪われた唯やお前の気持ちは分からない。けどな、復讐だけはしちゃいけないことってことは分かる!」
「それを唯に、私達に教えてくれたのはお前だろ!?律!」
律「!」
律は澪を押し退け、体を起こした
律「………みんな済まねぇ。見苦しい所、見せちまったな」
梓「しっかりしてください、律。先輩までおかしくなったら、私………」
律「ゴメンな。もう自分を見失ったりしないよ」
紬「残念だわ。もっと憎しみをぶつけて来て欲しかったのに………」
957 :
も
[saga]:2011/09/15(木) 00:33:17.13 ID:veitZeVAO
律「澪が止めてくれなきゃ、あのまま暴走してたさ。けど、私には過ちを気付かせてくれる仲間がいる。そして―――」
「お前にも過ちを正してくれる仲間が、私達がいるんだよ!」
紬「仲間ですって………?プッ」
「ウフフ、アハハハハハハ!」
律「何がおかしい?」
紬「フフ……何を勘違いしてるのかしら。あなた達が“ 仲間 ”ですって?違うわよ」
「あなた達は私の計画の“ コマ ”に過ぎない」
和「律、もうムギは説得で何とかなる相手じゃないわ」
律「覚悟はしてたが、やっぱ戦って止めるしかねーみてーだな」
958 :
も
[saga]:2011/09/15(木) 00:36:08.03 ID:veitZeVAO
紬「あら、本当に私に勝てると思ってるの?」
律「勝てるかどうかじゃない。私達は勝たなきゃいけないんだ!」
紬「ふん、愚劣よ」
澪「見くびるなよ、私達の力を!!」ザッ
律澪梓「“ 音 解 ”!!!」
純姫エリ「“ アクセル・ドライブ ”!!!」
更なる解放により、高密度の気圧が律達の周囲に渦巻く
紬「人海戦術も何でも来なさい。全て軽く潰してあげる」チャキン!
最後の戦いの幕が、切って降ろされた………
959 :
も
[saga]:2011/09/15(木) 00:38:24.67 ID:veitZeVAO
ここまで!
次回はあさってorしあさって!
見てくれてありがと!
960 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/15(木) 14:41:14.70 ID:nYe+0Xxg0
乙
いよいよムギちゃんの破道の九十「ファラリスの雄牛」が炸裂か
961 :
も
[saga]:2011/09/16(金) 09:07:06.89 ID:osnVpMCAO
今夜12時から始めます!
962 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/16(金) 12:47:10.23 ID:g4tFpZIyo
おお、期待!
963 :
も
[saga]:2011/09/17(土) 00:03:42.91 ID:vsDmkOgAO
姫子「先手はもらった!」ジャラララ
鎖鎌が紬目掛けて飛んで行く
紬「かすりもしないわ」サッ
姫子「フッ…!」クイッ
ジャラララ!
姫子が鎖を引くと、紬の背後から鎌が再び襲いかかる
紬「」シュタッ!
高く飛び上がって宙返りをし、二段目の攻撃もかわす
しかし、空中にはエリが脚を折り曲げて待機していた
瀧エリ「ふっ飛べ!」ヒュン!
ドカッ!
紬「」ズザザ…
間一髪、刀で防いだ紬は、蹴りの衝撃で地面を数メートル引きずられる
そこへさらに追撃が迫る
律「“ 炎舞 ”!」ゴオオオ
澪「“ 月光斬波 ”!」ズドドド
梓「“ 水帝流波 ”!」ザアアア
純「“ 切り切り舞 ”!」ヒュオオオ
964 :
も
[saga]:2011/09/17(土) 00:08:23.39 ID:vsDmkOgAO
紬「返り討ちにして―――」チャキッ!
ゴゴゴゴ……
紬「!?」ドザ…
不可視の力が紬を屈服させる
和の方を見ると、地面に這いつくばる紬に手を向けて能力を発動させていた
紬「―――!」
ドゴオオオオオオン!
一斉攻撃を受けた紬の姿は、煙に包まれて確認できなくなる
純「これでどうですか!」
紬「全然ダメね」
純「!」
煙が晴れると、そこには傷1つ付いていない紬の姿があった
梓「無……傷………!?」
紬「フフフ。これが“ 憎しみの力 ”の本来の強さよ」
「全感情エネルギー中、最も強いこの力は諸刃の剣。生半可な精神力で使えば身を滅ぼし、強靭な心の強さがあれば、絶対の力を誇る武器となる」
「律ちゃんや唯ちゃんではこの力は使いこなせないわ。せっかく上質の憎しみを持っているのに、宝の持ち腐れ」スッ…
紬は刀を律へ向ける
965 :
も
[saga]:2011/09/17(土) 00:14:49.02 ID:vsDmkOgAO
紬「だからその憎しみ、私が戴くわね」チャキン
律「へっ、やれるモンならやってみな!」ゴオオオ
紬「その前に――――」
ドシュッ!
目の前の紬が消え、後方から仲間の犠牲が聴覚を通して伝わってきた
和「ぐ……ふっ……!」
紬「裏切り者には消えてもらいましょう♪」
澪「和!」
和「大丈夫……よ。私は何度でも……」
紬「甦るのかしら♪」ズズ…
胸を貫く刀に、和の力が吸収されてゆく
和「うっぐ……うああ゙あ゙あああ゙あぁあぁぁ………!」
紬「あなたの能力は私が分け与えた負の感情エネルギーを利用して生み出されたもの。だからそのエネルギー、返してもらうわね」
律「止めろーーーーッ!!!」
966 :
も
[saga]:2011/09/17(土) 00:17:05.72 ID:vsDmkOgAO
ドサッ………
和「」
澪「のど……か………?」
紬「ふふ、ごちそうさま♪」
ザッ!!!
律澪梓純姫エリ「……ッ!」
6人が一斉に、空中から紬を囲い込むように飛び迫る
いちご「“ 結界操術――土固め ”!」
床から伸びてきた2本の巨大な土の手が、紬は足の自由を封じる
紬「この程度……!」ドドド
ガラガラガラ!
足の枷を気圧で吹き飛ばす
そして、一番に切り掛かってきた律の刀を軽くかわし、その後に続く梓の蒼刀を掴み、梓ごと澪と純に向けて投げ飛ばす
次に姫子の鎖鎌がいったん紬を拘束するが、紬の気圧で粉々に弾き飛ばされた
その直後、紬の背後・空中に電撃を帯びた片脚を振り上げたエリが現れる
瀧エリ「おりゃあああああ!」ブン!
光速を超えた蹴りが炸裂した、かのように見えたが……
紬「」サッ…
瀧エリ(避けられた!?)
紬「危ないわね」ブン!
紬は直ぐさま切り返す
967 :
も
[saga]:2011/09/17(土) 00:18:16.31 ID:vsDmkOgAO
瀧エリ「私のスピードに着いてこられるワケ―――嘘!?」
瞬身でかわそうとするも、紬のスピードはその上を行く
エリの目の前に刀が迫る
ゴオオオオオ!
炎壁が刀の軌道を遮り、エリは難を逃れた
紬「もう、あとちょっとの所だったのに!」
律「これ以上は誰もやらせはしないぜ!」チャキン!
律が刀を構えると、律と紬を挟み込むように、直線状に炎の双璧が出現した
そして律はゆっくり紬に近づいて行く
律「“ 炎の憤怒(エンレイジ) ”」
両サイドの炎が意思を持っているかのように暴れ狂い、四方八方から紬に降り注ぐ
紬「――――!」
ゴオオオオオオオオッ!!!
968 :
も
[saga]:2011/09/17(土) 00:22:37.29 ID:vsDmkOgAO
〜唯の精神世界〜
―――お姉ちゃん、お姉ちゃん
唯(あれ?私どうなったんだろう)
―――お姉ちゃん、起きて〜
唯(この声は憂?‥‥‥そんなわけないよね‥‥‥)
唯は微かにまぶたを開けるが、またすぐに閉じる
憂「お姉ちゃん、2度寝ダメ〜!」
再び目を開けると、ぼやけていた視界が徐々に鮮明になってゆく
唯「あれ‥‥‥う‥‥い?」
憂「うん!憂だよ!」
唯「本当に、憂なの?」
憂「そうだよ、お姉ちゃん!」
唯「本当の本当に、憂なの!?」
憂「うん!本当の本当に―――」
ガバッ!
憂「わっ!」
「‥‥‥お姉‥‥ちゃん?」
ギュウゥ!
憂「もう、痛いよぉ」
唯「ゴメンね。でも、もうちょっとだけこのままでいさせて?」グスン
969 :
も
[saga]:2011/09/17(土) 00:23:59.42 ID:vsDmkOgAO
憂「‥‥‥泣いてるの?」
唯「だって‥‥もう憂には会えないって思ってたから」
憂「やっぱり、お姉ちゃんの方が甘えん坊さんだね!」
唯「う、憂‥‥‥聞いてたの?」
憂「うん!お姉ちゃんがあんなに私のこと思ってくれて、嬉しかったよ♪」ニコッ
唯「うぅ///」
しばらくして、憂は唯から解放された
唯「‥‥‥でも、憂はどうやってここに?ここは私の精神世界だよ?」
憂「実は紬さんに刺されたあの時、魂の一部をペンダントに封印されたの」
「それで今はね、ペンダントを拾ったお姉ちゃんの中にお邪魔してます!」
唯「どうぞどうぞ」
憂「‥‥‥あのね、お姉ちゃん、落ち着いて聞いてね?」
唯「?」
そして憂は、両親のことや琴吹グループのこと、そして紬の生い立ちを全て話した
970 :
も
[saga]:2011/09/17(土) 00:25:15.53 ID:vsDmkOgAO
憂「信じられないかもしれないけど、本当のことなの‥‥‥」
唯「‥‥‥‥‥」
憂「紬さんを恨んでる?」
唯「当たり前だよ。お父さんやお母さん、それに憂と私を戦わせて‥‥それから‥‥‥」
憂「そうだね。紬さんのこと憎いよね、悔しいよね」
「でも復讐だけは止めて欲しい」
唯「憂‥‥‥」
憂「そんなことしたって、何も元には戻らない。虚しいだけだよ」
「それに何より、復讐で苦しんでるお姉ちゃんを見てるのが辛いから」
唯「‥‥‥‥」
971 :
も
[saga]:2011/09/17(土) 00:28:43.34 ID:vsDmkOgAO
憂「紬さんだってね、最初はあんな風じゃなかったと思う。だから、私達で紬さんを助けてあげようよ!」
唯「‥‥‥‥」
憂「紬さんだけじゃない。軽音部の皆さんや梓ちゃん、他の皆さんも―――」
唯「憂!」
憂「ひゃい!?」
唯「心配しなくても、もう私は大丈夫だよ!」
憂「お姉ちゃん‥‥‥」
唯「でもね、私1人の力じゃ全然足りないんだ。だから憂、少しだけでいいから力を貸してくれないかな?」
憂「もちろんだよ!お姉ちゃんの為なら、いくらでも協力するよ!」
唯「ありがとう。憂―――」
「“ 私達で終わらせよう、この戦いを ”!!!」
972 :
も
[saga]:2011/09/17(土) 00:32:39.03 ID:vsDmkOgAO
灼熱の海に飲まれた紬は、まだ出てこない
純「律先輩の力、格段に上がってますね」
姫子「正(プラス)の感情エネルギー、ってヤツ?」
ゴオオォォォ……
炎の中に人影が見えた
「正の感情エネルギーですって?フフ……何の冗談かしら」
梓「やっぱり、全然効いてない……!」
紬はスカートの裾を払い、炎海から出てきた
紬「気付いてないかも知れないけど、律ちゃんの中にも確実に闇は巣くってるわよ」
「昇った日は必ず沈む。太陽のような存在のあなたでも、いずれは闇に飲まれる時が来るわ」
澪「そんなこと、絶対にさせないぞ!」
梓「そうですよ!私達軽音部の、仲間の絆がある限り律先輩は闇に屈したりはしません!」
973 :
も
[saga]:2011/09/17(土) 00:37:06.56 ID:vsDmkOgAO
姫子「軽音部だけじゃない」
純「私達だって、律先輩と強い絆で繋がってるんですよ!」
瀧エリ「絆パワーをナメるなよ!」ビシッ!
律「澪、梓……みんな……!」
いちご(言うこと無くなった)
紬「絆……繋がり……ね。全く何も分かってないわね」
「それらが災いを!終わりなき憎しみの連鎖を生み出すのよ!!」
律「なんだと?」
紬「繋がりを奪われた時、人は孤独や絶望を味わう………」
「その繋がりが強ければ強いほど、大きな苦しみを背負うことになる。そして、己を心の牢獄へ追いやった者への復讐が始まるのよ。そうしなければ、自分を保てなくなるから!!!」
自分の行いを正当化して訴えかけようとしているかのように、紬は声を張り上げて必死に叫ぶ
澪「ムギ……」
梓「ムギ先輩………」
紬「………あなた達に話しても無駄だったわね。下等な知能で理解出来るはずないもの」
律「いや、そんなこともねーぞ」
974 :
も
[saga]:2011/09/17(土) 00:40:11.19 ID:vsDmkOgAO
梓「実はここへ来る前、和先輩から全て聞いてるんです。ムギ先輩に起こった悲劇を」
紬「…………」
律「苦しみや悲しみ、全部分かち合って一緒に生きていこうぜ!」
姫子「ムギは1人じゃないんだからさ!」
澪「今ならまだ間に合う。もうこんな戦いはやめよう?」
紬「…みん……な……」
紬はうなだれて顔を手で覆い隠す
梓「復讐なんか、辛いだけです。唯先輩を見てたら……それが痛いほど伝わってきました」
純「私も、憂を殺した琴吹先輩が許せなくて、復讐してやろうかと思いました」
「けど、復讐に成功した所で憂にはもう会えない。それに、そんなことしても憂が喜ぶはずないから………」
紬「……ぅ……ひっく……グス……」
紬は刀を持つ右手を、力無く下ろす
梓「ムギ先輩……分かってくれたんで――――」
ドスッ!
ナイフを飛ばすように振り切った紬の手からは、刀が消えていた
姫子「いち……ご……?」
いちご「」
消えた刀は、和に回復結界をかけていたいちごの脳天を貫いていた
975 :
も
[saga]:2011/09/17(土) 00:42:22.89 ID:vsDmkOgAO
ここまでッス!
明日も12時ッス!
見てくれてありがと!……ッス
おやッスみ〜ッス〜
976 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/17(土) 01:20:35.59 ID:t4YAxwX20
乙
ヨン様と同じくなぜか超便利な完全催眠使わず力押しか
澪の能力がたしか幻影無効系だったからあえて使ってないのか
977 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2011/09/17(土) 02:28:19.47 ID:YCW1Txdzo
うわあああああああいちごがあああああああ!!
978 :
も
[saga]:2011/09/18(日) 00:03:35.77 ID:ANJYrBgAO
んじゃ始めるばい!
979 :
も
[saga]:2011/09/18(日) 00:05:36.09 ID:ANJYrBgAO
梓「え?ムギ先輩……?」
紬「……プッ……フフフ……アーッハハハハハハ!!!」
手で覆った顔を上げた紬は、次の瞬間にはいちごの元まで移動しており、刺さった刀を引き抜いていた
紬「私の本心を読めもしないで!とんだバカの集まりね!」
皆、衝撃を受け、凍り付いたようにその場に固まっていた
いちご死だけなく、次元違いの紬のスピードが彼女らを動揺させていたのだ
瀧エリ「何よあれ……私でも見切れなかった」
梓「これが……完全催眠……?」
紬「フフ、違うわ。これは私の基礎能力よ」ニヤッ
律「………もう何を言っても無駄みたいだな。こうなりゃ、力ずくでお前を止めてやる!」
澪「私も全力で行くぞ!」
律と澪を中心に、凄まじい勢いで気圧、音圧が渦巻く
980 :
も
[saga]:2011/09/18(日) 00:06:38.80 ID:ANJYrBgAO
律「“ クロスオーバー・チューニング ”!」
澪「“ フルチューニング ”!」
あまりにも大きな力の解放により、空気がビリビリと振動する
律「“ 地天爆刀――アポリオス・ノヴァ ”」ゴオオオオ
澪「“ 五月雨霞(サミダレガスミ)――エリザベス ”」ゴゴゴゴ
不敵な笑みを浮かべながら、紬は静かに観察していた
律「行くぜ、ムギ」ダッ
ヒュン!
飛び出すと同時に律の姿が消える
次に現れた時には、真正面からに紬に飛び掛かっていた
律「“ 紅蓮炎魔 ”!」ブン!
1つに合成された橙と紫の炎刀は、緋色の大剣へと姿を変えた
渾身の力で振り下ろされる刀を前に、紬は落ち着いて自らの刀で対処しようとする
981 :
も
[saga]:2011/09/18(日) 00:08:36.51 ID:ANJYrBgAO
律「甘いぜ!」
ゴオオオオ!!
紬「!?」
防御したはずの炎剣は刀をすり抜け、そのまま紬を一閃する
紬「………」タッ、ズザザ……
飛び下がった紬の左腕には一直線についた火傷の跡があった
とっさに左腕を出し、胴へのダメージを回避していたのである
紬「この私に傷を付けるなんてね。正に最強の演奏者たるに相応しい力だわ」
律「そりゃどーも」
紬「でもね、私には―――」
ドシュッ!
紬の腹部から、怪しい輝きを放つ紫の刀が突き出ていた
紬「うぐっ……!これは………!?」
澪「“ C白銀の影遊び(カースドミラージュ・ナイトシャドウ) ”」ズズズ…
背後にある紬の影から澪の上半身が出て来る
982 :
も
[saga]:2011/09/18(日) 00:11:20.58 ID:ANJYrBgAO
紬「澪ちゃんだったの?」ヨロッ
澪「油断したな。ムギ」
刀を引き抜かれると、紬はよろけながら後ずさりをする
澪「まだ行くぞ。“ C白銀の夢幻(カースドミラージュ・ファントムメナス) ”」
澪の姿が二重に分身する
そして一人、また一人と、澪の姿が次々に分身していく
紬「何が……起こっているの……?」
傷口を押さえながら周りを見渡すと、澪の姿だけではなく、律や梓、他のみんなの姿も多重に分身していた
澪「さっきの攻撃は、ただムギにダメージを与えるだけのものじゃないんだ」
紬「どういうこと?」
澪「あの時、ムギにエリザベスの呪いを流し込んだんだ。この呪いは視覚に始まり、五感を全て奪い尽くす。もうまともな戦いはできないぞ」
983 :
も
[saga]:2011/09/18(日) 00:14:40.86 ID:ANJYrBgAO
紬「………ッ!」
澪「覚悟しろよ、ムギ!」ダッ!
複数の澪が一斉に飛び出してくる
キィン、キィイン、ヒュン!
サッ、キィン!!
澪「はあっ!」ブン!
両手で刀を振り上げた澪に隙を見出だす
何とか連続攻撃に耐え凌いでいる紬は、ここで得た反撃の機会に乗じて中段に切り込んだ。ところが……
澪「」シュウゥゥ…
紬(まぼろし!?)
ガシッ!
紬(!)
不意に右手を捕まれる
澪「どこを切ってるんだ?」
紬「――――!」
ズバァアアッ!
横一閃に振られた刀に紫の残像が残る
紬「………」タッ タッ シュタン
数歩後退し、片膝を折る
紬「ハァ、ハァ……少しあなた達をナメていたみたい……ね」
澪「 」
紬(何を言ってるのか聞き取れない……それに視界もだんだんぼやけて来たわ)
984 :
も
[saga]:2011/09/18(日) 00:21:25.60 ID:ANJYrBgAO
紬はあちこちをキョロキョロと見回している
姫子「ムギはどこを見てるのかしら?」
純「澪先輩によると、どうやら視覚が無くなったみたいですね」
その後、紬は立ち上がろうとするも、バランスを崩して倒れてしまった
澪「触覚も失ったか。これまでだな」
律「澪、一応だけど絶対音感でムギの気圧を確認してくれ。まだ何か仕掛けてくるかもしれないからな」
澪「分かった。今調べるよ」
澪は心頭を滅却し、心を無にして紬の気圧を感じ取る
澪「うん。特に変わった気圧の変化はなさそうだ」
梓「じゃあ、これで戦いは終わり……!」
澪「けど、何か違和感が………」
律「なんだそれ?」
澪「確かにムギの気圧なんだけど、何かが違うような―――」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ !
985 :
も
[saga]:2011/09/18(日) 00:22:42.44 ID:ANJYrBgAO
律澪梓純姫エリ「「 !!! 」」
禍々しい気圧を纏った紬がゆっくりと起き上がる
紬「よくもこの私を追い詰めてくれたわね……!」ゴゴゴゴ
紬は澪達を見据えて、強い気圧を放っていた
瀧エリ「あちゃちゃ、アレ絶対怒ってるよ」
梓「五感が戻ってる!?」
澪「それだけじゃない!さっきよりも気圧が桁違いに上がってるぞ!」
純「今まででさえ、相当強かったってのに!」
他のメンバーが動揺する中、律は静かに大剣を掲げた
律「“ 地獄の牢獄(ヘル・プリズン) ”!」ゴオオオオ
紬の周囲を複数の炎柱が逆巻く
姫子「あれは執事のじーさんの技……!」
中心に向かって収束する炎柱で、紬を牽制する
986 :
も
[saga]:2011/09/18(日) 00:24:40.41 ID:ANJYrBgAO
律「いくら気圧が上がろうが、今のムギは手負いだ!連携攻撃を仕掛ければ、必ず勝機はある!みんな力を貸してくれ!」
純「分かりました!」
梓「はいです!」
他の皆も黙って頷く
一方の紬は、気圧を解放して炎を掻き消していた
紬「格の違いを教えてあげるわ」
炎が完全に消えると同時に、フォーメーションを組み上げた律達が動き出す
紬は周りをざっと見渡すが、1人、人数が足りない
瀧エリ「それ!」
ドガッ!
顎を下から蹴りあげられ、空中に高く飛ばされる
紬は身体を捻って体勢を整えるが、その上方には既にエリが待ち構えていた
瀧エリ「“ 雷天掌 ”!」バリバリバリ!
紬「」ヒュン!
切っ先を突き出して、拳に電撃を溜めて突っ込んできたエリに対し、カウンターを狙う
しかし、突如腕に巻き付いてきた鎖鎌により、刀の軌道は逸らされた
987 :
も
[saga]:2011/09/18(日) 00:26:32.77 ID:ANJYrBgAO
紬「――ッ!」キッ!
姫子「悪いな、ムギ」
しかし、紬は力技で姫子ごと鎖を引っ張る
姫子(なんて力してるの!)
「エリ!早く決めなさい!」
瀧エリ「とぉおおりゃぁああ!!」
ヒュン!
ズドガァアアアン!!!
雷撃はヒットしたかのように思えたが、残る左手に受け止められていた
紬「ざんねん♪」
位置的には上にいるエリに、見下すかのような目つきを向ける
瀧エリ「へへ、ざんねん♪」ギュッ
紬「!」
手首を掴み、紬の左手の自由も奪う
紬(最初からコレを狙って―――くっ!)グイッ!
姫子(ヤバイ!引っ張られる!)
パキパキ パキ……
紬の右手が凍結してゆく
ドシュッ!
紬「!」
後ろから、紬の胸を蒼色の刀が貫く
988 :
も
[saga]:2011/09/18(日) 00:28:22.06 ID:ANJYrBgAO
紬「梓ちゃん……ね……」
梓「……」
紬が振り向くと、何とも言い難い物悲しそうな梓の表情が目に映った
ドスッ!
前から炎剣が胸に突き刺さる
律達は空気振動を利用した空中歩法で、その場に留まっていた
律「終わりだ………ムギ」
紬「ごほっ………」
口端から血を流しながら律を睨みつける
瀕死の紬にもはや戦う力は残されてはいない
全ての決着が今、着いたのだ
地上にいる澪と純も安堵の表情を浮かべていた
989 :
も
[saga]:2011/09/18(日) 00:30:14.82 ID:ANJYrBgAO
姫子「終わったな」
瀧エリ「はー、疲れた〜」
梓「……やりましたね」
律「ああ……これでやっと―――」
『“ 砕けなさい 鏡花水月 ”』
律「!!!」
瀧エリ「えっ?」
姫子「!?」
純「は?」
澪「あの人は………!」
梓「………誰?」
曽我部「」
両手を拘束され、その身を刀に貫かれていたのは紬ではなかった
姫子「律危ない!」
ザシュッ!!!
何者かにより、律は背後から刀に刺される………
990 :
も
[saga]:2011/09/18(日) 00:33:00.84 ID:ANJYrBgAO
澪「“ C白銀の反逆者(カースドミラージュ・ヒドゥンリベリオン) ”………」
律「み………お……?」フラッ…
澪「フッ…」ニヤッ
澪が刀を引き抜くと、律はそのまま落下していった………
991 :
も
[saga]:2011/09/18(日) 00:36:20.03 ID:ANJYrBgAO
ここまで!
明日の24時、さいかい!
もうすぐ1000だから明日板を建て直します
余りを感想・応援などでうめてくれると、感謝感激で発狂します
見てくれてありがと!
ばいならほい!
992 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/18(日) 01:05:02.72 ID:fHNyOcOyo
そげぶが殺されたってことかな?
そして澪…
楽しみでござる
993 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/18(日) 01:31:14.19 ID:mvYXNYcs0
乙
僭越ながら強さ順はこんなとこかしら
紬>>>斎藤>No2>和>律>唯>澪>音圧の壁>さわ子>憂>エリ>姫子>純>梓>いちご>曽我部
994 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/18(日) 02:14:42.74 ID:QGCsth0zo
乙。澪ェ・・・
ムギの能力的にどこからどこまでが実際に起きてるのかわからんな
次のスレも期待してるよ
995 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/18(日) 08:23:06.08 ID:Jz2Uv26ro
話が進むに連れどんどん面白くなってきた。
もう直ぐクライマックスだな。
しかし、こういうSSだと憂はいつも可哀想な役回りだね。まあそのぶん唯ちゃんがきっと頑張ってくれる。
996 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/18(日) 08:35:54.52 ID:8DBcvcPDO
乙乙乙
でも展開までブリーチに沿って欲しくなかったぜ
997 :
も
[saga]:2011/09/19(月) 00:13:29.95 ID:zpH5/obAO
まこと有り難き声援かな
>>993
強さ早見表、ありがとうございます!
>>996
スイマセン! 反省してます
998 :
も
[saga]:2011/09/19(月) 00:14:41.78 ID:zpH5/obAO
コレ貼り忘れてました。
↓次スレです
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1316358586/
999 :
も
[saga]:2011/09/19(月) 00:15:37.13 ID:zpH5/obAO
では、残りを
1000 :
も
[saga]:2011/09/19(月) 00:16:04.45 ID:zpH5/obAO
埋めさせていただきます!
1001 :
1001
:Over 1000 Thread
_,,-‐'' ̄`''- 、,_
. /:::::::::::::::::__;;;;;;;;;`ヽ
|:::::::::::::/ `''ヾ、
|:::::::::/ ヽ
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| _,,,,,,ヽ::| |
| 帝凍庫クン |
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) `ー''"´ ̄ ̄ / | ヽ, || \  ̄` ー‐'´ (_
とニ二ゝソ____/ | `ヽ.___´, || \____(、,二つ
| `ニ´ ||
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|〕 常識は通用しねぇ ||
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__ ,. -'':.、 u ゚ 。 \
==三/ `ニ ー――-- 、..-''´ ゙ー‐ァ--―''" ̄`丶、 u 丶、ヽト、 ,.. --、
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`゙ー-'´ −−===三三三 ヽ、_/
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/
1002 :
最近建ったスレッドのご案内★
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唯「song for…」’ @ 2011/09/19(月) 00:09:46.79 ID:zpH5/obAO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1316358586/
死ぬ前にこんな私とお話してください @ 2011/09/19(月) 00:01:05.00 ID:axf4l3NAO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1316358064/
嫁宣言して60分以内に嫁AAにお断りされなければ結婚避難所 @ 2011/09/19(月) 00:00:54.91 ID:i1y8dinpo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1316358054/
免許がとれるか?やったれロリちゃん! @ 2011/09/18(日) 23:39:19.24 ID:lSnGfHWIO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1316356759/
シン「ポケットモンスター!?」レイ「ああ」 @ 2011/09/18(日) 23:00:46.36 ID:TZebd2E80
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1316354446/
【押し倒し】百合について語るスレ【レズ・百合】 @ 2011/09/18(日) 22:32:07.94 ID:hZSzQa/AO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1316352727/
ネウロ「フン、学園都市か」 @ 2011/09/18(日) 22:08:48.60 ID:rmdP0jYm0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1316351328/
キョン「FEZってのをやってみないか?」 @ 2011/09/18(日) 21:59:57.04 ID:Cxo9OG3x0
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