【多重クロス・安価】色々なキャラで人理修復【FGO】

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147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/26(木) 00:16:00.67 ID:KdFAuJnzO
>>145
内容によっては再安価って書いてあるじゃん
148 : ◆9DJJwpqX1YBd [saga]:2017/10/26(木) 00:38:23.63 ID:dNo/JV2O0


「アムロは牽制、七花はその隙に攻撃して!」

「了解だ。行くぞ、七花」

「……ああ」



 ガンダムの姿を取ったアムロがビームライフルを連射する。


 それと同時に七花が駆けだし、接近する。


 正確無比な射撃が男に迫る。


 回避か防御、その隙に七花が攻撃を叩き込む算段だろう。



「―――悪いな」

「何っ……!?」



 射撃は、ほんの僅かな動作で回避された。


 それこそ微塵の隙すら発生しない程の、小さな動作で。



「飛び道具は効かねえんだわ」



 ならば、とでも言うように七花が踏み込んだ。


 装備や先程の攻撃を見るに、相手は魔術師のようだ。


 剣も槍も弓も装備していないのだ。少なくとも三騎士という訳ではないだろう。


 それなら、接近戦は七花に分がある。


 近接の間合いで、七花が両腕を振るった。


149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/26(木) 00:51:49.11 ID:RwBxCCbD0
成る程……正体が分かった
150 : ◆9DJJwpqX1YBd [saga]:2017/10/26(木) 00:53:15.94 ID:dNo/JV2O0



「っ……!」



 轟音。


 七花の腕は、しかしながら相手を切り裂いていない。




「接近戦はないと見たか? 甘ぇえよ、ガキ」




 相手は、杖で受けていた。


 『槍兵のような構えでもって』、七花の突きを正面から受ける。


 まさか受け止められるとは思っていなかったのだろう。


 七花の眼が見開かれる。



「言ったよな。本気で来ねえと殺す―――ってよ」



 ゾッ、と肌が粟立った。


 殺意。


 先の影のサーヴァントような、狂気のそれじゃない。


 正真正銘の、理性から来る殺意。


 冷や水を浴びせられたように、身体が強張った。



151 : ◆9DJJwpqX1YBd [saga]:2017/10/26(木) 01:07:44.85 ID:dNo/JV2O0


「ほうら、避けてみな―――!!」



 杖の切っ先から、魔術が迸る。


 炎、雷、氷……五大属性を無視するかのような、多彩な魔術が杖から噴出する。


 大きく後退しながら回避行動に入る七花。


 だが、とても避けきれない。


 遂には炎魔術が七花を燃やし尽くさんと迫る。



「―――『刀語 薄刀・「針」』」



 が、炎が七花に届く事はなかった。


 まるで風に巻かれる一枚の紙ように、七花の身体が熱風に押される。


 薄刀・「針」―――その特性は「薄さ」と「軽さ」。


 羽毛の如く軽さで、炎の勢いに逆らわず、熱風に流されることで回避したのだ。


152 : ◆9DJJwpqX1YBd [saga]:2017/10/26(木) 01:25:34.79 ID:dNo/JV2O0


「はっ、面白れぇな! なら―――」

「―――させるか!」

「―――っ!」



 追撃の構えを取った瞬間、男にアムロが斬りかかる。


 鋭い踏み込みと共にビームサーベルを一閃。


 男は虚を突かれたものの、槍の構えで迎え撃つ。


 サーベルを避け、返しの突きを放つ。


 が、アムロはそれすらも易々と回避し、再びサーベルを振るった。



「ちぃっ―――!」



 たまらず距離を取る青髪の男。


 アムロは隙なく構えながら、男を見る。


153 : ◆9DJJwpqX1YBd [saga]:2017/10/26(木) 01:36:48.51 ID:dNo/JV2O0


「近接戦の心得はあるようだが、飽くまで『戦える』といった程度らしいな」

「抜かせ。本来のクラスで召喚されてりゃ、今頃お前は立っちゃいねえよ」

「そうなのかもしれないな。だが―――」



 挑発するような口調の途中、突然アムロの身体が宙に浮いた。


 背中と足裏のバーニアを吹かして、まるで宙返りをするように浮き上がる。


 人間にはできない、モビルスーツだからできる、ノーモーションからの動作。


 その背後から現れたのは―――鑢七花だった。


 七花の突撃を、アムロは自らの姿でギリギリまで隠していた。


 その上でノーモーションで動き、男の不意をついたのだ。



「ちぃっ―――!!」



 男の反応は目に見えて鈍い。


 それでも杖を横薙ぎに振るったのは流石と言えるだろう。


 苦し紛れだが、正確な一振りが七花を迎撃する。

154 : ◆9DJJwpqX1YBd [saga]:2017/10/26(木) 01:53:28.65 ID:dNo/JV2O0


 だが―――、




(残像―――!)



 七花の姿が掻き消える。


 虚刀流七の構えから繰り出される、前後方向自在の足捌き。


 特殊な歩法により緩急をつけ、男の一撃を避けたのだ。



「虚刀流奥義―――落下狼藉!!」

「ぐっ―――!!」



 空振りを見据えての、踵落し。


 男は何とか身を捩って直撃を避ける。


 だが、完全に躱し切るには至らず。


 衝撃をそのままに受け、後方へ吹き飛ぶ。


155 : ◆9DJJwpqX1YBd [saga]:2017/10/26(木) 01:59:43.62 ID:dNo/JV2O0


「―――やるじゃねえか。どうやらあんた等の事、見くびってたみたいだな」



 左腕より血を滴らせながら、それでも男は軽口を零した。


 最初は押されたものの、数の差もあってか戦況は有利と言えた。


 冷静に立ち回れば、七花もアムロも決して相手に劣ってはいない。



「……力を見る、というのが目的ならば、もう十分だと思うが」

「そうさな。あんた達二人の力はそれなりに分かった。確かに充分だろう」



 男は降参の意を示すように、両手をあげた。


 安堵の息が漏れる。


 どうやら戦いは終わったようだ。



156 : ◆9DJJwpqX1YBd [saga]:2017/10/26(木) 02:01:13.49 ID:dNo/JV2O0


「だが―――そこの嬢ちゃんの力はまだ見てねえな」



 直後、その考えが誤りだったと理解する。


 凄まじい魔力が肌を突き刺す。


 これまでのより更に強大で、凶暴な、魔力の奔流。


 これは、まさか―――




「そぅら、防がねえとマスターが死んじまうぞ!!」





 ―――宝具。
 




「焼き尽くせ木々の巨人―――――『 灼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)』!! 」




157 : ◆9DJJwpqX1YBd [saga]:2017/10/26(木) 02:04:50.60 ID:dNo/JV2O0



 アムロと七花が、動く。


 僕とマシュの前に立ち塞がり、共に防御の構えを取る。


 だが、無理だ。


 例えガンダムの盾だろうと、例え完成形変体刀の肉体であろうと、あれを受け止めるには至らない。


 どうする。どうする。どうする。


 焦燥の中で、だが答えはでず。


 燃え盛る藁の巨人が近付いてくる。


 アムロも、七花も、僕も。


 ただ身を固くして、次に来るであろう衝撃に備えるだけだった。


 そんな中で。


 唯一動いた者がいる。





「―――マシュ―――」




 円と十字架を模った巨大な盾を手に、少女は一歩前に出る。


 そして、





「宝具、展開します――――!!」





 全てを守る盾が、顕現した―――。


158 : ◆9DJJwpqX1YBd [saga]:2017/10/26(木) 02:05:17.99 ID:dNo/JV2O0
一旦終了します。
ありがとうございました。
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/31(火) 20:04:43.64 ID:pmipv7Tw0


ものすごく期待してる
160 : ◆9DJJwpqX1YBd [saga]:2017/11/02(木) 00:29:14.91 ID:AYlM/iMm0
少し更新していきます。
161 : ◆9DJJwpqX1YBd [sage saga]:2017/11/02(木) 00:30:11.28 ID:AYlM/iMm0





 私は、ずっと考えていた。


 何のためにここにいるのだろうと。


 何のために、サーヴァントとなったのだろうと。


 既にマスターは二人のサーヴァントを召喚している。


 御伽話の世界からの、凄腕の英霊達。


 二人は私なんかよりもずっと強くて、ずっと逞しくて。


 マスターを危険に晒す事なんて、そもそもなくて。


 私がいる意味なんてないんじゃないかと、ずっと思っていた。


 守ることしか―――いや、宝具も使えず、守ることすら出来ないサーヴァント。


 真名も知らず、己が力を発揮することもできないサーヴァント。


 役立たずの、サーヴァント。


 ずっとずっと、そう思っていた。


 それは今回の戦いでもそう。


 突然現れた青髪の魔術師。


 先程の影のサーヴァントよりも遥かに強い彼を相手にしても、二人は互角以上に戦っていて。


 私はマスターの側で、それを見ているだけだった。


 加勢することも、サポートすることも、できずにただ見ているだけ。


 とても情けなく、不甲斐ない気持ちで一杯だった。

162 : ◆9DJJwpqX1YBd [sage saga]:2017/11/02(木) 00:40:31.41 ID:AYlM/iMm0


 この人の―――あの朝に出会い、ただそれだけの関係なのに、死の間際まで共にいてくれた人の―――力となりたかったのに、


 なのに、なのに。








「焼き尽くせ木々の巨人―――――『 灼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)』!! 」






 我に返ると、視界は真紅に染まっていた。


 凄まじい魔力。凄まじい熱量。


 炎を纏う藁の巨人が、ゆっくりと近付いてきている。


 アムロさんと七花さんが私達を庇うように立つが―――無理だ。


 例え二人でも、あれとぶつかってただで済む訳がない。


 いや、後ろにいるマスターだって―――死んでしまう。




(守らないと、使わないと、みんな消える―――。仮初めでもいい、未熟でもいい、今だけでもいい。私が、私がやらないと、みんな無くなってしまう―――)





 前にでる。


 アムロさんよりも、七花さんよりも、前に。


 そう、今は私が、私がやらなくちゃ―――








「宝具、展開します――――!!」




 
 
 藁の巨人が放つ真紅すら染め変えて、白が全てを包み込んだ―――。



163 : ◆9DJJwpqX1YBd [sage saga]:2017/11/02(木) 00:47:07.55 ID:AYlM/iMm0




 世界に色が戻っていく。


 直前まであった灼熱は、もうどこにもない。


 自分の身体を見る。


 宝具をくらったというのに、傷の一つもない。


 前に立つアムロも七花も同じだ。


 傷一つなく―――そして、僕と同じ様に驚いた様子で―――立っている。



「―――マシュ」



 そう、全てはマシュが起こした。


 自らの宝具を展開して、男の宝具を正面から受け切ったのだ。



「やった……私、宝具を展開、できた……」



 マシュ自身も信じられないような様子だった。



「驚いたな。まさかこんな力が……」


 アムロが小さく呟いた。


 七花もまた目を丸くしていた。


 彼等ですら死を覚悟したんだと思う。


 そんな必死の状況を打破したのだ。



「すごい……すごいよ、マシュ!」



 駆け寄り、その手を握る。


 あの時と同じ、小さく、でも暖かな手。


 こんな小さな手が、それでも僕達を守ってくれた―――、



「……なんとか一命だけはとりとめると思ったが、まさかマスターともども無傷とはね」



 青髪の魔術師も、驚きを表情に滲ませていた。


 その表情に既に殺意はない。


 攻撃する様子がないという事は、『実力を見る』のは終わったのだろう。

164 : ◆9DJJwpqX1YBd [sage saga]:2017/11/02(木) 00:59:35.35 ID:AYlM/iMm0


「……こちらの実力は分かってくれたようだな」
「ああ、十分に分かったよ」
「それは何よりだ。こちらも死ぬ思いをした甲斐があったよ」
「悪かったな。こっちも命がかかってるもんでよ。少しは手ぇ抜いたんだぜ、あれでも」



 アムロの皮肉めいた言い回しもどこ吹く風。


 青髪の男は口笛を吹いて、僕とマシュを見詰める。



「あんたにも謝っておかねえとな。悪かったな、何処ぞのマスターさん」



 ニヤリと笑いながら、男は続けた。
 


「―――喜べよ。あんたのサーヴァント達はどれも一級品だ」



 どこの時代の、どの英霊かは分からない。


 それでも、サーヴァント自身からそういわれると、何故だか自分のことのようにうれしくなる。


 そう、アムロも、七花も、マシュも、皆すごいサーヴァントなんだ。


 例え虚構の世界からの英霊だとしても、例え真名も宝具も分からない英霊だとしても、みんな―――。



165 : ◆9DJJwpqX1YBd [sage saga]:2017/11/02(木) 01:01:00.05 ID:AYlM/iMm0



「さて、本題に入らせて貰おうか―――」



 魔術師は語る。


 この冬木という街であった聖杯戦争。


 彼はそれにキャスターとして召喚され、戦っていたという。


 だが、街は一夜の内に姿を変えた。


 人という人が消え、残ったのは7体のサーヴァントと、無尽蔵に湧き出てくる怪物達のみ。


 初めに、聖杯戦争を再開したのはセイバーだったという。


 キャスター以外のサーヴァントはセイバーに敗北し、あのような影のサーヴァントに姿を変えた。

 
 そして、最後に残ったキャスターを倒すべく、活動を始めたとのことだ。




「つまり一人では太刀打ちできないから、力を貸してほしいと」

「まぁ、そういうこったな。この世界で唯一マトモ、そんでもって腕もあるってんなら、手を組まない選択肢はないだろう」

「そうだがな……。もう少しやり方っていうものは無かったのか?」

「細かい事を気にすんな。こんなふざけた状況で出会っちまったんだ。一蓮托生と行こうぜ」




 セイバーは強力なサーヴァントだという。


 キャスターですら勝利は難しいという程に。


 異変の原因がセイバーにあるとするのなら、激突は避けられない。
166 : ◆9DJJwpqX1YBd [sage saga]:2017/11/02(木) 01:05:00.55 ID:AYlM/iMm0
 歴史の保障を否定した事象。


 その原因。


 セイバーが何をしたのかは、分からない。


 何をどうすれば、こんな風に世界を創りかえられるのか。


 何をどうすれば、人の歴史を消滅させることができるのか。


 僕の小さな思考じゃ、とても理解しきれない。


 それ程までに強大な力を、セイバーは有しているのかもしれない。


 とても太刀打ちできる相手ではないのかもしれない。


 でも。


 それでも。




「―――戦おう」




 気付けば言葉が出ていた。


 みんなの視線が一斉に向けられる。


 そう、戦わなくてはいけないんだ。


 カルデアの一員として、みんなのマスターとして―――戦う。


167 : ◆9DJJwpqX1YBd [sage saga]:2017/11/02(木) 01:15:59.83 ID:AYlM/iMm0



「そうでなくてはな」



 アムロは珍しく笑みを浮かべていた。



「分かった」



 七花は小さく―――だが、力強く頷いた。



「やりましょう、マスター」



 少女は真っ直ぐに僕を見る。


 どこまでも付いていくと、その瞳が語っているような気がした。




「いい心意気じゃねえか。面白いぜ、カルデアのマスターさんよ」



 話は決まった。


 目指すは異変の根源。


 そこに待ち受けるセイバーの元へ。


 僕達は進む事となった。




168 : ◆9DJJwpqX1YBd [sage saga]:2017/11/02(木) 01:17:35.48 ID:AYlM/iMm0
今日は以上となります。
また書きダメができたら更新します。
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/20(月) 12:12:59.92 ID:doFBB4M40
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