武内P「結婚するなら、ですか」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 21:56:33.41 ID:37PSNjRwo
今西部長「君もそろそろいい歳だ。考えても良い時期じゃないかね?」

武内P「そう……ですね」

部長「どうした? 歯切れが悪いじゃないか」

武内P「今は、仕事が恋人ですから」

部長「そう考えると、君はとても恋人思いな男だねぇ」

武内P「……」

部長「まま、飲み給え。今日は私の奢りだ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1510232193
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 21:59:51.51 ID:37PSNjRwo
部長「しかし、いつまでも仕事だけが恋人という訳にもいくまい」

武内P「それは……はい、そうですね」

部長「誰かお相手はいないのかい?」

武内P「出会いも有りませんし、その、私は‘こう’ですから」

部長「アイドルに囲まれていながら女性に縁が無いとは……」

武内P「……」

部長「世の男達からしたら、君はよっぽど女性に縁があると思うんだがねぇ」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 22:02:26.09 ID:37PSNjRwo
武内P「そうは言いましても……」

部長「何なら、ウチのアイドル達はお相手としてどうかな?」

武内P「いえ、それは有り得ません」

部長「? 何故だね?」

武内P「プロデューサーが、アイドルに手を出す等あってはなりませんから」

部長「ハハハ! そう難しく考えるものではないさ!」

武内P「しかし……」

部長「仮にだよ。仮に」

武内P「……」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 22:05:03.40 ID:37PSNjRwo
部長「もしも仮に、君がただの男で」

武内P「……」

部長「アイドルの彼女達が、ただの女だったら」

武内P「……」

部長「そう考えた時、君は誰を選ぶのか」

武内P「それは……考えた事も有りませんでした」

部長「そうかい? 私は興味があるよ」

武内P「興味、ですか?」

部長「そう。一人の男として、君が誰を選ぶのかが」

武内P「……」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 22:09:38.82 ID:37PSNjRwo
部長「なあに、酒の席の話だ。気楽にいこうじゃないか」

武内P「……」

部長「まずは、そうだね。君の受け持っている子達はどうだい?」

武内P「と、言うと……CPの彼女達ですか?」


カタンッ


部長「? 今音がしたが」

武内P「隣から聞こえましたね」

部長「隣は盛り上がっているようだねぇ」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 22:13:15.84 ID:37PSNjRwo
部長「まあ良い。話を戻そうか」

武内P「……はぁ」

部長「彼女達はどうなんだい?」

武内P「担当のアイドルを女性として見たことは一度もありません」

部長「君ならそう言うと思ったよ」

武内P「……」

部長「しかし、ここで今一度考えてみてみようか」

武内P「彼女達を結婚相手として考えた場合……ですか」

部長「その通り」

武内P「……」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 22:17:18.42 ID:37PSNjRwo
武内P「……」

部長「ふむ、困っているようなので聞き方を変えようか」

武内P「?」

部長「CPの中で、結婚するとしたら誰かな?」


カタンッ


部長「……隣は随分盛り上がっているみたいだねぇ」

武内P「そう、ですね」

部長「いやいや、私も君のそんな顔を肴に飲めて楽しいよ」

武内P「……」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 22:21:13.21 ID:37PSNjRwo
部長「そろそろ考えはまとまったかな?」

武内P「……はい、一応、ですが」

部長「では、CPの中で、君が一番結婚したいと思う子は?」


武内P「新田さんです」


カタタンッ


部長「……いや、隣は本当に盛り上がっているね」

武内P「……そのようですね」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 22:24:23.79 ID:37PSNjRwo
部長「ちなみに、何故、新田くんなのかな?」

武内P「……」

部長「ハハハッ! 恥ずかしがる事もあるまい!」

武内P「……はぁ」

部長「それとも、酒が足りないかな? ん?」

武内P「あ、いえ、そんな事は」

部長「まだ時間は早い、まだたっぷりと時間はある」

武内P「……」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 22:29:07.51 ID:37PSNjRwo
武内P「新田さんを選んだ理由は……年齢ですね」

部長「ふむ。続け給え」

武内P「CPは、年齢的に若いアイドルの方達が多いです」

部長「確かにそうだね」

武内P「なので、候補として考えられるのが、その……」

部長「新田美波くんだけだった、という訳か」

武内P「……はい」

部長「まあ、年齢が離れすぎているとね、厳しいものがある」


カタンッ


武内P・部長「……」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 22:33:00.18 ID:37PSNjRwo
部長「優等生な回答だ、とても、君らしい」

武内P「……」

部長「だが、それで私が満足すると思ったかい?」

武内P「……と、言いますと」

部長「プロジェクト外のアイドルでは、どうかな?」


カタンッ


部長「……今度は、反対の部屋か」

武内P「そのようですね」

部長「まだこんな時間なのに、盛り上がっているねぇ」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 22:35:29.70 ID:5TF4b2ps0
悪い子千枝ちゃん
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 22:37:25.88 ID:37PSNjRwo
武内P「しかし……プロジェクト外のアイドルで、ですか」

部長「うんうん。それなら、君も年齢を理由にする事もないだろう?」

武内P「……」

部長「ハッハッハ! 君は、中々可愛げがある!」

武内P「……はぁ」

部長「難しく考える事は無いさ。ただの世間話のようなものさ」

武内P「しかし……私には難しい問題です」

部長「簡単な問題など、解いていていてもつまらんだろう?」

武内P「……」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 22:42:24.13 ID:37PSNjRwo
部長「それに君、考えてもみたまえ」

武内P「?」

部長「CPの彼女達が、異性関係の問題でスッパ抜かれたとしてだ」

武内P「待ってください! 彼女達に限ってそれは!」

部長「まあまあ、仮にだよ、仮に」

武内P「……」

部長「彼女達の年齢なら、それこそスキャンダルだ」

武内P「そう……ですね」

部長「しかし、熱愛報道で片付けられそうな年齢のアイドルもウチにはいるだろう?」


カタンッ


武内P・部長「……」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 22:47:28.16 ID:37PSNjRwo
武内P「しかし……そうは言っても、人数が多いので」

部長「ふむ、それもそうか」

武内P「……」

部長「では、高垣楓くん、川島瑞樹くん、片桐早苗くんの三人の中なら?」


カタタンッ


武内P・部長「……」

武内P「……その、何故その三人なのでしょうか?」

部長「以前談話スペースで三人で居るのを見かけてね、なんとなくだよ、なんとなく」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 22:53:54.42 ID:37PSNjRwo
武内P「……そう、ですね」

部長「彼女達は、それぞれ違った良さがあるねぇ」

武内P「はい。アイドルとしても、とても素晴らしいですが……」

部長「ふむ?」

武内P「女性としても魅力的で、その……とても可愛らしい方達だと思います」


ガタンッ


武内P・部長「……」

部長「しかしそうか……ハハハ、可愛らしいか!」

武内P「……はい、私はそう思います」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 22:57:48.11 ID:7EJVC/IDO
地震の前触れか…
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 22:57:54.03 ID:37PSNjRwo
部長「しかし、だ」

武内P「部長?」

部長「確かに君の言う通り、彼女達は可愛い女性かもしれない」

武内P「……」

部長「だが、結婚相手として考えた時も、君は同じことが言えるのかね?」

武内P「……」

部長「付き合うだけなら良いだろう。可愛い、大いに結構だ」

武内P「……」

部長「しかし、結婚と考えると話はまた変わってくるのではないかね?」

武内P「……」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 23:04:48.75 ID:37PSNjRwo
武内P「……いえ、私の答えは変わりません」

部長「ほう?」

部長「駄洒落まみれの毎日が、冗談ではないと思わないのかい?」

武内P「駄洒落が冗談ではない……ブフッ!」

部長「10年後、隣に居る女性がピッチピチのボディコンを着ていても構わないと?」

武内P「……せめて、5年後まででお願いします」

部長「それでも、君の答えは変わらないのかね?」

武内P「……はい」


武内P「彼女達三人は、とても可愛らしい女性です」


部長「わかるわ」


武内P・部長「……」

武内P・部長「ハッハッハ!」


ガタタンっ!


武内P・部長「!?」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 23:10:23.84 ID:37PSNjRwo
部長「……両隣はとても盛り上がっているねぇ」

武内P「その……ようですね」

部長「よし! 二軒目に行こう、二軒目に!」

武内P「そうですね。落ち着いた所に行きましょうか」

部長「何を言ってるんだね君は!」

武内P「? 部長?」

部長「まだこんな時間だよ? 次は、お姉ちゃん達がいっぱい居る店に決まっている」

武内P「あの、それは……!」

部長「プロの女性達に囲まれるのも悪くないだろう? 私の奢りだよ」

武内P「……」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 23:11:02.39 ID:Q7n5inRo0
部長w
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 23:14:44.48 ID:37PSNjRwo
部長「それでは、会計をしてしまおうか」

武内P「そうですね。確か、この店は伝票が部屋に入口に……」

部長「いやー、楽しみだねぇ!」

武内P「……」

部長「? どうしたね、伝票を見て固まって」

武内P「……」

部長「たかが二人分だろう? どれ、見せてみなさい」

武内P「……」

部長「……」

武内P「……」

部長「……これは……何人分だろうねぇ」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 23:18:07.52 ID:37PSNjRwo
部長「いやはや、こんなに高価な伝票は初めて見たよ」

武内P「……そうですね。私もです」

部長「見給え、ほうら、裏にこんなにギッシリとサインが」

武内P「……すっかり酔いが覚めてしまいましたね」

部長「安心しなさい、私もだよ」

武内P「……部長、携帯が鳴っていますよ」

部長「君のも、だろう」

武内P・部長「……」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 23:26:13.18 ID:37PSNjRwo
武内P「……外に、居ますかね」

部長「……居るだろうねぇ、まず、間違いなく」

武内P「二軒目は……はい、確かにプロの女性達に囲まれますね」

部長「私ももう歳だ。後は、君に任せても大丈夫だろう」

武内P「!? 待ってください!」

部長「冗談だよ。結婚の話も、二軒目の話も私が言い出したことだ」

武内P「……それを聞いて安心しました」

部長「しかし、結婚は人生の墓場とは良く言ったものだね」

武内P「墓穴を……掘ってしまいましたね」

部長「……よし、そろそろ穴を増やしに行こうか」

武内P「お供します」


武内P・部長「穴が空くほど謝らないと」




おわり
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 23:31:02.68 ID:37PSNjRwo
HTML化依頼出してきます
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 23:32:25.41 ID:pv9vXw8j0
おとなしくちっひと言っておけばよかったものを…
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 23:57:54.22 ID:GFi0lYTBO
面白かった
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/10(金) 00:59:39.35 ID:uA53cY9qo
なんでや謝ることしてへんやろ!
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/10(金) 01:06:10.41 ID:ybr4m2Qvo


>>28
この場で誰か選んで結婚しろと言われたら土下座して勘弁してくださいと言うしかないだろ!
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/10(金) 03:59:31.18 ID:kSbqBG/X0
  ∧―― 、
 ァ'′       \
 |     / ̄/ ̄ \
 |   /  /、  / }  ̄ ̄\
ー∨  ∨ .{   Y ∧ i      }
  V  ∨ v  .! {_ 〉\ _>'´{ ̄ ̄ \       /`i
   ー―‐'´ \_i  \__/   V    .∧     / ,
              \ | | \   ∨    ∧  /  ,
              ーi   \  }/ ̄\∧ /   ,
                 i    ヽ/     }/´`i  i
               V    /   /  ̄\ } j }\
                \  ./   / ∨   \j_i\ ヽ
                 `<  /   V        ∧
                      {     }\  |       ィ
                     v    /  }_ .|  ハn_}!
                     V_/   乂_n フ! i  !
                      ーく}\     ∧ V }
                           \ \  、_} 彡′
                          ‐- `二>、ノ
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/10(金) 08:48:40.88 ID:aXmLCybDO
あんた毎回オチがうまいなオチを考えてそこにゴールしようと作ってんのか?前に即興といってたが
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/10(金) 19:43:43.82 ID:RXMnuIV2o
>>31
スレタイと1以外は全部書きながら考えてます
その方が自分でも先がわからなくて書いてて楽しいので
俺Pだけは絶対ハッピーなやつにしようと思ってた位です
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/11(土) 21:38:27.28 ID:WAWs22VdO
俺Pってオネェのあれ?
あれもお前だったのかよ
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/15(木) 04:41:35.36 ID:IHGXxJDFo
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/15(木) 23:07:19.54 ID:z0ZlMvOIo
某スレの1リスペクト、書きます
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/15(木) 23:19:07.57 ID:z0ZlMvOIo

 ――かえでちゃんって、めのいろかわってるね。


「っ……!」


 飛び起き、はしないけれど、布団の中で少し体が跳ねた。
 乱れそうになる呼吸を正すため、ゆっくりと、吸いて、吐いて。
 右手で顔の上――両瞼の上から、目を抑える。
 差し込んでくる朝日も完全に遮る、深い闇。


「……ふぅ」


 なんとか、落ち着くことが出来た。
 とっても昔の事なのに、まだ気にしているだなんて。
 今はそんな事は無いと思っていたはずなのに、自分でも驚く。


「変わってる、か」


 あの言葉を私に放った子は、悪気があった訳ではない。
 子供特有の無邪気さが、他の人とは違う、私の瞳について疑問を持っただけ。
 そう……右と左で色の違う、私の瞳に。


「……」


 ベッドに寝転がりながら、ぼうっと白い天井を見つめる。
 その白さが、私の瞳の色を吸い上げて、どちらの色も無くしてしまえば良いのに。


「なんて、ね」


 ごろりと体を横にして、枕の感触を楽しむ。
 枕に顔を押し付けようとしたら、額にフワリとした感触。


「……前髪、少し伸びたかしら」


 整えに行かなくちゃいけないな、と考え、すぐに思考をやめた。
 今は、ちょっとだけ何も考えたくないわ。
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/15(木) 23:36:58.82 ID:z0ZlMvOIo
  ・  ・  ・

 子供というのは、純真で――残酷だ。
 無邪気さというものが、必ずしも良い事だとは限らない。


 小さい頃に、瞳の色を指摘された時……私は恐怖した。
 それまでも、父や母、祖父母には「綺麗だ」と褒められる事はあったのに、だ。
 お友達と言っても、やっぱり、他人。
 家族は私を無条件に受け入れてくれると、そう思うだけの愛情を向けてくれていた。


 けれど、他の皆は?


 私の瞳の色が左右で違う事によって、私は集団から排斥されてしまうのでは。
 幼心に、私はそんな風に思ったのだ。
 だから、小さい頃は瞳が隠れるように、前髪を伸ばしていた。
 他人と明らかに違う、異質な、この左右で違う色を放つ瞳を隠すために。


 幸い、それの効果かはわからないけれど、幼少時代は平穏に過ごす事が出来た。
 そして、大きくなっていくにつれて、瞳の色を気にする事はなくなっていった。
 私は、とても恵まれていたのだろう。
 それには今でも感謝しているし、今もまた、周囲の人たちには恵まれている。


「……」


 だけど、たまに……やっぱり、ちょっと怖くなっちゃう。
 モデルとしてやってきた経験もあり、容姿にはそれなりに自信がある。
 モデルを辞めて、アイドルとして活動している今も、それに変わりは無い。


「……」


 洗面台に立ち、目の前の鏡のジイッと見つめる。
 鏡の向こうから見つめ返してくる二つの瞳の色は、やっぱり左右で色が違う。
 これも個性だ、と言ってしまえばそれまでの話なのに。
 昔の夢を見たせいか、今は、その違いがとても気になった。


「……ふぅ」


 しかし、今はそんな事を気にしている場合ではないと、息を吐いた。
 ゆっくりしすぎたせいで、急がないとお仕事に遅れちゃうもの。
 冷たい水で顔を洗って、切り替えよう。


「……」


 私は瞼を閉じ、見つめてくる鏡の中の私から強引に逃げ出した。
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/15(木) 23:51:13.18 ID:z0ZlMvOIo
  ・  ・  ・

「……」


 お仕事の打ち合わせも終わり、あとはお家に帰るだけ。
 だけど、本当になんとなく、ブラブラとプロダクションの中を歩き回っていた。
 こういう事をたまにするから、皆に子供みたいと言われちゃうのかしら。
 でも、今日はちょっと不思議な気持ち。


「……」


 誰にも会わず、一人で居たい気もする。
 誰かと一緒に……誰がが隣に居て欲しい気もする。


 どちらが正解かわからないから、私は今、歩いている。
 それで答えが見つかるとは思っていないけれど、私はこれで行動的なの。
 なんとなく、アイドルになっちゃう位には、ね。


「……」


 けれど、珍しい事に今日は誰にも会わない。


 いつもは年少組の子達が楽しそうにして――


「……」


 ――……今日は、もう帰ろう。


 あの可愛い後輩達は、私の瞳を見てどう思うか、だなんて。
 そんな事を考えてしまう程度には、今日の私はおかしいみたい。


 あの子達だったら、きっと綺麗だと褒めてくれる、受け入れてくれる。
 だけどそれは、私の瞳の色が左右で違うという、異質さを褒めるのだ。


 貴女は、他人とは違う。
 普通とは違うのだ、と。



「――高垣さん?」



 そんな時、とても低い声がかけられた。
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 00:05:01.52 ID:g+ryXGAuo

「……――おはようございます」


 帰ろうと思ったタイミングで現れるなんて、何て間の悪い人なのかしら。
 失礼だとは思いながらも、出会ってしまったのなら、挨拶をしなきゃ。
 両手を前で組み、深々とお辞儀をする。
 ちょっぴり抗議するように、いつもより、ことさら丁寧に。


「おはようございます」


 対する彼は、いつも通りの挨拶。
 顔を上げて視線を向けると、やはりいつも通りの無表情がそこにあった。
 とても大柄なこの人と視線を合わせるためには、少し上を向かなくてはいけない。
 だけど、今は、誰かと視線を合わせる気にはなれない。


「あの……」


 いつもは目と目を合わせているが、今日はそれをしない。
 その事を不審に思ったのか、彼はおずおずと、話を切り出してきた。
 珍しい。
 些細な変化だというのに、この人は今日の私が変だと気付いたのかしら。
 そういう事が出来る程、器用な人だとは思わなかった。



「何か……御用でしょうか?」



 けれど、彼が発した言葉は私が予想していないものだった。
 御用? 貴方から先に声をかけてきたんじゃありませんか。
 それなのに、私に尋ねるのは違うと思います。


「いえ……」


 駄目。
 今の私は、本当に駄目。
 変に口を開いたら、目の前のこの人に八つ当たりをしてしまいそう。


「……兎に角、中へどうぞ」


 無言で立ち尽くす私に、彼は、私の横にある扉を指し示し言った。
 何てことはない。
 ブラブラと歩く内に、私がシンデレラプロジェクトの、
プロジェクトルームの前に辿り着いていたから、この人は声をかけてきたのだ。
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 00:19:02.67 ID:g+ryXGAuo
  ・  ・  ・

「……」


 彼に促されるまま、私はプロジェクトルームのソファーに座っていた。
 何か飲み物をと言われたが、それはさすがに遠慮。
 だって、元々此処に来るつもりは無かったし、本当に目的が無い。
 それに、彼もお仕事中だし、邪魔するのは悪いもの。
 ……もう、お邪魔をしてしまっているけど。


「高垣さん。何か、ありましたか?」


 彼は、自分のデスクに座ることなく、私の正面のソファーに腰掛けていた。
 そんな位置に座られたら、嫌でも目を合わせなきゃいけないじゃない。
 そうしなきゃ、とても不自然な感じになってしまうから。


「どうして、そう思うんですか?」


 私は、元々あまり表情が豊かな方ではない。
 感情もあまり表に出す方では無かったし、
そういう意味では私と彼は似ている部分もあるのだろう。


 だけど、私はアイドル、高垣楓。
 笑顔をするのは、お仕事の内。



「笑顔です」



 なのに、この人はそんな私の笑顔に、平気で踏み込んできた。
 上手に出来ていたと思ったのに……。
 何故? どうして、私の笑顔を見て、何かあったと思うんですか?


「……」


 なんて、そんな事はわかっている。
 この人はプロデューサー……アイドルを見るのが、お仕事。
 わかっているけれど、悔しい。
 そんな事はないのに、まるで、私の仕事に不備があると責めている様に感じてしまうから。
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 00:34:24.09 ID:g+ryXGAuo

「……」


 真っすぐ見つめてくる彼の視線から逃げるように、顔を俯ける。
 前髪がフワリと、視線を遮るカーテンの役割を果たしてくれる。
 けれど、それに何の意味もない事もわかる。


「……」


 この人は、私が何か言うのを待っているのだろう。
 本当に、ひどい人。
 彼は、私が何か言葉を発するまで、そこから動かない。
 目は口程に物を言うとは言うけど、「笑顔です」と言った時の彼の目は、


『話してください!』


 って、まるで大声で叫んでいるかのようだったから。
 無口だなんて、とんでもないわ。
 あんなにも視線で語りかけてくるなんて、とんだお喋りさんじゃないの。


「……」


 だけど……話したく、無い。
 小さい時の、勝手な思い込みで悩むだなんて、そんな弱い姿は見せたくない。
 私にも、意地というものがあるんですよ。
 女の意地じゃない――アイドルとしての意地が。


「……」


 だから、私は顔を上げて、真っ直ぐに彼の視線を正面から受け止めた。
 瞳の色が違うだなんて、そんな事は気にしていられない。
 他のことに気を取られていたら、この真っすぐな、誠実な瞳に負けてしまうから。



『話したくありません!』
『話してください!』



 男と女の情熱的な見つめ合い?
 いいえ……これは、アイドルとプロデューサーの、意地と意地のぶつかり合い。
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/16(金) 00:36:56.42 ID:We312PvNo
頑張れ、高垣さん

リクエストですが、自分とこの女性Pに武Pへの恋の相談をする他部署アイドルとかどうでしょう。
体は男心は女のプロデューサーもすごく相談にのってくれそうです
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 00:51:41.30 ID:g+ryXGAuo

「……」


 お違い無言で、言い合う。
 負けるわけにはいかないわ。
 私の――アイドル高垣楓の後ろには、ファンの方達がついてくださっているから。
 こんな、デリカシーの無い人に、負けてなんていられない。


「……」


 どれほど視線を交わしていたのだろうか、わからない。
 だけど、勝敗はついた。


「……!」


 勝ったのは――私。
 アイドルとしての意地が、この人のプロデューサーとしての意地に勝った。
 ふふっ、勝敗がついて、たしょうハイになっちゃうわ!
 どうだ、と視線に乗せて彼を見ると、


「……」


 さっきまでの雄弁さは、どこかへ行ってしまったのかしら。
 その表情は、無表情というより、ただ、ボウっとしているといった風。
 心ここにあらず、とでも言えばいいのか……とにかく、ちょっと変。


「あの……?」


 これは、不思議に思ったから声をかけただけ。
 それに、先に声を出した方が負けだなんてルールじゃなかったですから。


「っ!? あ、いえ……申し訳、ありません」


 私が声をかけると、彼は驚いて体をビクリと震わせた。



「その……高垣さんの瞳に……はい、見惚れて、しまっていました」



 彼が右手を首筋にやりながら放った言葉は、見事に私を貫いた。
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 01:08:34.77 ID:g+ryXGAuo

「……私の瞳に、ですか?」


 本当に……本当に、悔しいけれど、一勝一敗。
 勝ったと思ったら、急に、そんな事を言うだなんて。
 本当に、ずるい。


「はい」


 プロデューサーのお仕事は、アイドルを見る事ですよ。
 それなのに、見惚れてしまっていただなんて……。
 それじゃあ、まるで貴方は私のファンみたいじゃないですか。
 ファンなのだとしたら……そんな、後ろから急に押されたら――



「……私、左右で瞳の色が違うでしょう?」



 ――前に、踏み出しちゃうじゃないですか。


「それで、普通とは違うから、そう感じるだけだと思います」


 でも、これじゃあ……踏み出す所じゃないわ。


「……私は、それも高垣さんの――」
「――個性の内、ですね。確かに、その通りだと思います」


 どこに足を踏み出せばいいのかわからず、たたらを踏んでいる。


「だけど……違うんです」


 私は、また俯いた。
 ソファーに座っている、私の脚は地面についているのに、どこに居るか分からない。
 考えもまとまらず、自分でも何を言っているのか、何が言いたいか分からない。


「……」


 嗚呼、本当に……消えてしまいたい。
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 01:20:46.38 ID:g+ryXGAuo

「その、私は……!」


 彼が、とても困っているのがわかる。
 他人が、身体的特徴について悩んでいると、告げてくる。
 そういう時にどう答えるかの正解なんて、有りはしない。
 ……こうなりたくなかったから、一人で居たかったのね。


「瞳の色が違うのは……です、ね……!」


 瞳の色が違っても、綺麗。
 どちらの瞳の色も、綺麗。
 色なんか、関係がない。


 ――全部、言われてきた。


「……」


 きっと、彼もこの内のどれかを言ってくれるのだろう。
 それによって、私のグチャグチャな感情は整えられる。
 普段通りになった私は、笑顔で彼にお礼を言って、一安心。
 それで、おしまい。


「……」


 本当に、嫌な女だ。


「私は、おっ……」


 焦る彼を冷静に見続け、慰めの言葉を待っているだけだなんて。
 なんて――



「お得だと、そう、思います……!」



 ――……なんて?
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 01:47:42.70 ID:g+ryXGAuo

「お得……ですか?」


 言うに事欠いて……お得?


「……申し訳、ありません」


 今の言葉は失敗だったと思ったのだろう。
 彼は、右手を首筋にやって、さっきまでとは別の困った感情を瞳に浮かべた。


「お得……」


 普通、そんな事言います?


「お得って……――ふふっ!」


 悩んでいる人間に対して!


「ふふっ……うふふっ! お得って……ふふふっ!」


 ……本当に、ずるい人。
 不器用で、無口で……そして、とっても誠実で。
 そんな貴方の発する言葉だからこそ、それで良いのだと思えてしまう。


「……」


 笑いだした私を見て、また困った顔をする彼。
 それがまたおかしくて、大声で笑ってしまう。
 今この場に居るのは私達だけだから、気にする必要はありませんよね?


「ああ、おかしい!」


 私の左右の瞳の色が違うのは、お得なのね。
 うふふっ、そんな風に考えるだなんて、思ってもみなかったわ!
 さっきまでとはうって変わって笑い転げる私に、


「良い笑顔です」


 と、彼は真っすぐ、言った。
 彼の目の色が変わっていたが、その目はプロデューサーとしてか、ファンとしてか。
 はたまたそれ以外の何だったかは、私にはわからなかった。



おわり
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 01:48:41.71 ID:g+ryXGAuo
>>42
明日やってみます

寝ます
おやすみなさい
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/16(金) 02:04:58.62 ID:i3ZtyHJuO
やはり清い
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 10:22:19.14 ID:mAP9EINUO
青い目はクールビューティーな高垣さん
緑の目はお茶目な25歳児楓さん
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/16(金) 11:11:42.05 ID:ory90LCSO
警戒せよ。この後絶対下品なのくるぞ
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/16(金) 12:25:37.55 ID:WLlN0P/0O
警戒する必要があるのだろうか?いやない(反語)
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/16(金) 12:49:25.88 ID:0ABkqieBo
ウッ、、、下痢ッッッ!ですかっっっッッッ!
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/16(金) 13:11:40.09 ID:5Z5M24rM0
またしぶりんがぶりりんするのか…
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 13:48:39.79 ID:9C0/Udv/o
チョコレートみたいなもんだからへーきへーき
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/16(金) 13:53:29.09 ID:yHfsMZ1So
カレーやぞ
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/16(金) 14:23:34.07 ID:EddLGyW3O
楓さんは片方の目で未来を見てもう片方の目で過去を見てるんだな
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/16(金) 14:27:46.13 ID:YyrB3tigo
つまり現実は見えてない、と
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 22:46:57.03 ID:g+ryXGAuo
覚めない夢を見ているだけさ


書きます
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 22:59:14.69 ID:g+ryXGAuo

「っ……!?」


 動揺、そして、緊張が私を支配した。
 プロダクション内の一角。
 私の視線の先に、一人の少女が壁にもたれかかりうずくまっていた。
 あの、特徴的な髪型は見覚えがある。


「大丈夫ですか!」


 思わず、大声が出た。
 走り寄る時の革靴が立てる音が、廊下に響き渡った。
 彼女に駆け寄り、すぐさま腰を落とし顔色を確認する。


「っ……!」


 彼女の顔は真っ青になっていた。
 額には脂汗が浮かび、何かに耐えるように、唇は引き締められている。
 その歪んだ表情は、彼女の体調に異変が起きている証拠。
 一刻も早く、何とかしなくてはならない。


「すぐに、人を呼びます!」


 携帯電話を取り出し、画面を立ち上げる。
 パスコードを入力するのが、こんなにももどかしいと思ったのは初めてだ。


「待って……!」


 だが、彼女は震える声で私の行動を制止した。
 その目に込められた意思は、まるで体の弱さを感じさせない、とても強いもの。
 流石はアイドルと言った所なのだろうが、そうも言っていられない。


「いえ、待てません」


 担当は違えど、私はプロデューサー。
 アイドルを助けるのは、プロデューサーの……いや、
今にも崩れ落ちそうな少女を助けるのに、理由など必要では、無い。


「待って! お願い――って、あっあっあっあっ!?」


 ……なんだ、この素っ頓狂な声は?
 私は、思わず携帯電話を操作する手を止めた。
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 23:10:41.03 ID:g+ryXGAuo

「あの、大丈夫ですか!?」


 明らかに、彼女には異常が起きている。
 しかしこれは……貧血や、体調不良とは、また違った症状に感じる。
 だが、その正体はわからない。



「大丈夫……セーフ……出てない……漏れてない……!」



 わかりたく、無かった。
 彼女が此処に蹲っていたのは、その、便意が限界を迎えたからなのだろう。
 しかし、大なり小なり、これは由々しき事態だ。


「……トイレまで、行けそうですか?」


 由々しき事態ではあるのだが、先程までの焦りの反動か、
私は自分でも意外な程、事態に冷静に対処する事が出来た。


「……むり」


 また、彼女を波が襲ったのだろう。
 涙目で上ずった声を出す彼女は、フルフルと首を横に振った。
 その視線は、私に助けを求めている。


「そう……ですか」


 冷静に対処出来てはいるが、良い解決策が浮かぶ訳ではない。
 だが、思考を止めるという事は、諦めるも同義。


「私が、手を貸しても……でしょうか?」


 一人では立って歩けないのならば、いくらでも手を貸そう。
 彼女の手を引き、トイレまでの道をゆっくりと歩んでいこう。


「駄目……触られたら――出る」
「……成る程」


 カチリと、私の思考が止まった音が聞こえた気がした。
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/16(金) 23:16:39.35 ID:OEpdsXCHO
今度の犠牲者は誰だ…
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 23:24:09.18 ID:g+ryXGAuo

「……」


 右手を首筋にやり、ほんの数秒だけ、心を休める。
 この癖がいつ付いたのかは記憶にないが、少しだけ、落ち着いた。


「落ち着いて、聞いて下さい」


 震える彼女に、可能な限り、優しく語りかける。
 本音を言えば、助けを呼ぶフリをしてこの場から逃げ出したい。


「……な、何……?」


 だが、彼女はアイドルなのだ。
 そして、私はプロデューサー。



「この場で、していただきます」



 漏らすなど、彼女が許してもファンが許さない。
 漏らすなど、神が見逃しても私が見逃さない。


「っ……!」


 私の視線で、今の言葉が本気だと理解したのだろう。
 仕方ないとは、自分でもわかっているのだろうが、
彼女は、信じられないものを見るような目を私に向けていた。
 それ以外に何か方法があるのならば、はい、私もそうしていただきたいです。


「……どうぞ」


 蹲る彼女の足元に、スーツの上着を敷く。
 廊下に直接ぶち撒けるよりは、マシな結果になってくれると、そう、信じている。
 着心地が良く、最近ではお気に入りの一着だったのだが、仕方がない。
 アイドルの――彼女のためならば。


「……」


 無言で、見つめ合う。
 彼女からは、甘い、チョコレートの香りが漂っていた。
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/16(金) 23:42:39.44 ID:g+ryXGAuo

「……」


 バレンタインデー。
 その行事では、アイドルの彼女達が、普通の、等身大の少女の笑顔を見せてくれた。
 義理堅い彼女達は、私にもチョコレートを贈ってくれ、
日々、少しずつではあるがありがたく、大切にそれを頂いている。
 彼女も恐らく、その残りを片付けようと思い、少し食べすぎてしまったのだろう。


「う……うぅっ……!」


 青かった顔は、真っ赤に染まっている。
 覚悟を決めたと、そういう事なのだろう。


「それでは……私は、離れています」


 チョコレートの食べ過ぎには、十分に注意しなければならない。
 チョコレートに含まれる成分は、取りすぎるとお腹を壊す原因になる。
 特に、調子がすぐれない時はそれが顕著で、普段からあまり体調の良くない彼女の事だ。
 摂り過ぎたチョコレートが、彼女の腸にTrancing Pulseとなって走り抜けたのだろう。
 事が済み次第……注意しなければ、なりませんね。


「待っ……て……!」


 腰を上げ、離れようとした私を止める声。
 その声は、もう限界寸前と言った様子。
 待ちたくない、今すぐに離れたいという気持ちを胸の奥に押し込む。


「……!……!」


 もう、声もハッキリ出ていない。
 ……いや、微かだが、聞こえる。
 私は再び彼女の前に膝をつき、顔を寄せて、それに耳を傾けた。



「ひとりに……しないで……」


 とても弱々しい声。
 そして、普段の彼女からは微塵も想像出来ない、圧倒的なパワー。


「……!?」


 私は、ネクタイを捕まれ、この場から離れるという選択肢を放棄させられた。
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/16(金) 23:59:07.05 ID:5Z5M24rM0
加蓮か
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/17(土) 00:01:26.55 ID:Q/WkJIiQo

「待ってください……待ってください……!」


 ここで、彼女の手を振りほどく事は簡単だ。
 いかに力を込めているとは言え、相手は十代の少女。
 成人男性の私が本気で抵抗すれば、難なくそれを行える。


「ほぅ……ふぅ……!」


 だが、それを行った瞬間、目の前の爆弾は弾けてしまう。
 何故、どうして私を巻き込むのですか!


「そばに……」


 うどんに。
 ――落ち着け! まだ、何か方法はあるはずだ!
 まだ! まだ――



「……いたいよ」



 熱い吐息が、私の鼻孔をくすぐった。
 濃厚なチョコレートの香りの向こうで、見た目だけはチョコレートに似た、
幸せの残滓がビチャリビチャリと生成されていく。
 せめて、その姿だけは見るまいと、きつく目を閉じた。
 欲を言えば、鼻も塞ぎたい。


「泣いちゃってもいい?」


 彼女の声は、先程までの抑圧されたものではなかった。
 焦りも不安も無く……そこには、ただ、羞恥と悲しみだけが広がっていた。


「……どうぞ」


 そのような声を出されては、こう答える他、無い。
 ネクタイをグイと引き寄せ、私の胸に縋り着き、顔を見せずに泣く彼女。
 普段の私ならば、アイドルとプロデューサーの関係が、とすぐさま離れていただろう。
 ……だが、それは出来なかった。


「……」


 巻き込まれた憤り、そして、異臭に苦しむ表情を見せられないからだ。
 染みは、どんどんと広がっていく。
 あと、どれくらいかな?



おわり
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/17(土) 00:08:15.59 ID:Q/WkJIiQo
下品ゲージの溜まりを察知されるのは、気恥ずかしいものがありますね
奥井雅美さんの曲は昔から好きだったので、「Trinity Field」がドンピシャでした
ので、あと一人ですね

>>42は明日書きます
おやすみなさい
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 01:51:51.92 ID:aogKUpR4o
なんてひどいバレンタインチョコなんだろう……
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 03:05:48.83 ID:3mBpeChjo
>>58
ドラクエの次はカウボーイビバップも良さげですね
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 04:48:29.01 ID:dsUBE5Ivo
何故こいつらは限界まで便意を堪えてしまうのか(堪えきれたとは言ってない)
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 06:07:39.90 ID:/g/Al7RV0
加蓮の話はとても楽しみにしていたけど思ってたのの斜め下のがきたw
いつか清いなおかれを書いてくだしあ
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 12:26:15.47 ID:v4GMq49/O
ティンときたんだが家庭訪問とか面白いんじゃないでしょうか!
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 15:53:53.24 ID:Jku2EmAH0
はがねへい!?
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/17(土) 22:59:18.18 ID:Q/WkJIiQo
>>42書きます


武内P「私が求められている……!?」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/17(土) 23:00:44.96 ID:Q/WkJIiQo
専務「そうだ」

武内P「待ってください! その、何かの間違いでは?」

専務「私が、冗談でそんなことを言うと思うか?」

武内P「いえ……それは……」

専務「君は、求められているのだ」

武内P「……」
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/17(土) 23:02:37.17 ID:Q/WkJIiQo
武内P「私が……」

専務「アイドル――クローネのメンバーに求められている」

武内P「それは……彼女達も担当しろ、と?」

専務「ああ、初めはそれに近い要求だった」

武内P「初めは、ですか?」

専務「その通り。だが、今では……」

武内P「……」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/17(土) 23:04:17.87 ID:Q/WkJIiQo
武内P「クローネと言うと……速水さん、でしょうか」

専務「無論、彼女も君を求める人間の一人だ」

武内P「……」

専務「ご褒美のキス、それが彼女の言い訳なのは知っているか?」

武内P「……はい」

専務「彼女は、最初は冗談交じりに私にそれを求めてきてな」

武内P「……」

武内P「ん?」
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/17(土) 23:04:46.62 ID:Q/WkJIiQo
誤)言い訳

正)口癖
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/17(土) 23:06:28.20 ID:Q/WkJIiQo
武内P「あの……専務に、ですか?」

専務「ああ」

武内P「しかし、それが何故……私に?」

専務「なに、簡単な話だ」

武内P「……」

専務「そんなもの、キミにねだりなさいと私が言ったからだ」

武内P「成る程……そうでしたか」

武内P「……」

武内P「待ってください?」
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/17(土) 23:08:36.26 ID:Q/WkJIiQo
武内P「あの、何故、私に!?」

専務「私も彼女も、同じ性別なのはわかりますね」

武内P「それは……はい」

専務「女同士でのキスは、私が嫌だったからだ」

武内P「待ってください! 私に振る理由になっていません!」

専務「それに、ご褒美とは言え、キスは照れくさい」

武内P「専務! 話を聞いて下さい、専務!」
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/17(土) 23:10:32.51 ID:Q/WkJIiQo
武内P「専務は、私を逃げるダシに使ったのですか!?」

専務「不満か?」

武内P「はい……とても、不満です」

専務「だが、話はそれだけではない」

武内P「まだ何かあるのですか!?」

専務「当たり前でしょう。これだけならば、苦労はしない」

武内P「……!?」
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/17(土) 23:12:50.84 ID:Q/WkJIiQo
専務「彼女は、私が選んだクローネのメンバーだ」

武内P「そう……ですね」

専務「その選ばれた人間が、キスだけで満足して良いのか?」

武内P「待ってください」

専務「キスだけでなく、身も心も虜にするべき……違うか?」

武内P「待ってください!」

専務「そう言ったら、速水奏は更に輝きを増した」

武内P「輝けば良いものではありません、専務!」
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/17(土) 23:15:25.69 ID:Q/WkJIiQo
専務「フッ……君もいずれ見る事になるだろう」

専務「彼女の――速水奏の、あのギラギラとした輝きをな」

武内P「せめて! せめて、キラキラまでにしてください!」

専務「不満か? 彼女に迫られるのは」

武内P「不安です! 何をされるのかが!」

専務「身だしなみには気をつけなさい」

武内P「身だしなみに気をつけたから、何になると!?」
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/17(土) 23:19:40.49 ID:Q/WkJIiQo
専務「それに、君を求めているのは彼女だけではない」

武内P「待ってください! 他にも居るのですか!?」

専務「君は、鷺沢文香を知っているな?」

武内P「それは……はい」

専務「おとなしい性格だと思っていたが、中々どうして……フフッ」

武内P「専務、笑い事ではありません!」

専務「何を言う。他人事だから、私はとても笑えるが?」ニヤリ

武内P「……嫌な、笑顔です」
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/17(土) 23:22:53.10 ID:Q/WkJIiQo
専務「彼女は、以前君にフォローされた事をとても感謝している」

武内P「あれは……当然の事をしたまでです」

専務「だが、彼女はそれだけだとは思っていない」

武内P「……」

専務「キミに、何かお礼がしたいと私に相談してきてな」

武内P「そう……だったのですか」

専務「彼女が言うには、自分には差し出せる物が無い、と」

武内P「……」
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/17(土) 23:26:40.42 ID:Q/WkJIiQo
専務「だが、彼女も、私が選んだクローネのメンバーだ」

武内P「そう……ですね」

専務「その選ばれた人間が、何も差し出せるものがない?」

武内P「……」

専務「冗談ではない。容姿、スタイル共に完璧だ」

武内P「……待ってください」

専務「その身一つだとしても、とても価値のあるものでしょう?」

武内P「待ってください! 明らかにけしかけています!」
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/17(土) 23:30:45.61 ID:Q/WkJIiQo
専務「あの様子ならば、すぐにでもわかる事でしょう」

専務「彼女の――鷺沢文香の、ありのままの魅力が」

武内P「せめて! せめて、話をする機会を!」

専務「不満か? 彼女に襲われるのは」

武内P「不快です! 貴女の言動が!」

専務「……私は、あまり打たれ強い方ではない」グスッ

武内P「! も、申し訳……いや、謝罪はしませんよ!?」
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/17(土) 23:34:09.71 ID:Q/WkJIiQo
専務「そして、他にも君を求める人間は居る」

武内P「まだ、居るのですか!?」

専務「渋谷凛くんに、アナスタシアくん……当然知っていますね?」

武内P「はい、勿論です」

専務「彼女達は、キミがクローネの仕事に同行しないのを寂しがっている」

武内P「!?」

専務「どうやら、心当たりがあるようだな」

武内P「……はい」
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/17(土) 23:36:38.46 ID:Q/WkJIiQo
武内P「クローネは、専務が立ち上げたプロジェクトです」

武内P「それに私が同行するのは……と」

専務「確かに、キミの言うことはもっともだ」

武内P「ですが、それによって……」

専務「彼女達と接する時間が減ってしまっている」

武内P「……その、通りです」

専務「……」

武内P「……」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/17(土) 23:40:13.25 ID:Q/WkJIiQo
専務「キミは、それで良いと思っているのか?」

武内P「そうではありません! ありませんが……」

専務「キミは、融通がきかないな」

武内P「……」

専務「仕事で一緒に居る時間が減ったのならば……」

武内P「……」

専務「プライベートで一緒に居る時間を作れば良いでしょう」

武内P「待ってください! それは、いけません!」

専務「? 何故だ?」キョトン

武内P「……!?」
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/17(土) 23:47:46.04 ID:Q/WkJIiQo
専務「異論は認めない。これは、決定事項だ」

武内P「あまりにも強引すぎます!」

専務「何故だ? 君は、アイドルにチヤホヤされたくないのか?」

武内P「限度というものがあります!」

専務「しかし、彼女達は既にその気だ」

武内P「っ……!」

専務「他にも、君を求める人間はまだまだ居る」

武内P「……」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/17(土) 23:53:49.86 ID:Q/WkJIiQo
専務「何故かはわからないが、彼女達は私に話を持ってくる」

専務「お姫様の望みを叶えるのが、私達の役目だ」

専務「キミは、彼女達が灰被りのままで良いのか?」

武内P「それは……」

専務「何も、彼女達の要求を全て受け入れろとは言わない」

武内P「……よろしいのですか?」

専務「18歳未満のアイドルも居る。橘ありすなど、まだ12歳だ」

専務「キミは、そんな少女になすがままにされるロリコンなのか?」

武内P「待ってください! 彼女に、何を吹き込んだのですか!?」
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 00:02:24.65 ID:jAUiolCIo
専務「……吹き込んだとは心外だな」ムッ

専務「私は、大人に憧れる彼女に魔法をかけただけだ」

武内P「専務は、悪の魔法使いですか!?」

専務「頼られるというのは、思いの外気分が良いものだな」ムフー

武内P「私は、その代償として……今、最悪の気分です」

専務「君は、彼女達にどう応える?」

武内P「それは……普通に、いけない事だと断ります」

専務「却下します。傷つけないよう、いい感じに断りなさい」

武内P「……!?」
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 00:08:59.93 ID:jAUiolCIo
専務「彼女達を傷つけないよう、断りつつ」

専務「私に頼って正解だったと、そう、思うようにしなさい」

専務「君は優秀だ。期待しています」

武内P「……少し、時間を頂けますか」

専務「早くしたまえ。私は、あまり気が長い方ではない」

専務「彼女達もまた同様だろう」

武内P「……」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 00:16:01.83 ID:jAUiolCIo
  ・  ・  ・

専務「――やはり、キミは非常に優秀だったな」

専務「積極的に来られると恥ずかしくて困ってしまう……か」

武内P「……」

専務「そう言う事で、彼女達も満足感を得、さらにやんわりと断れる」

専務「今後の関係に支障が出ることなく、また、歯止めにも繋がる」

武内P「……」

専務「私も、照れたキミを見られたと、彼女達に感謝された」

武内P「……」
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 00:22:43.96 ID:jAUiolCIo
専務「この件は、これで片付いたと言っていいでしょう」

武内P「……綱渡りをしている気分でした」

専務「だが、そんなキミに悪い知らせがある」

武内P「……えっ?」

専務「恥ずかしがるキミを積極的にさせるには、どうすれ良いか、と」

専務「彼女達に、相談されてしまってな。だが、私にはわからなかった」

武内P「待ってください」

専務「そこで、キミに質問だ」

武内P「待ってください!」

専務「キミが彼女達に積極的になる方法……その答えは?」



武内P「私に求めないで下さい……!」



おわり
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 00:27:53.80 ID:jAUiolCIo
メモ、ビバップ、家庭訪問
寝ます
おやすみなさい
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 02:08:33.74 ID:Y4hLJlJCo

積極的に来てる側も書いてどうぞ
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 20:14:32.71 ID:8I0Zb+2MO
楓さんがスパイクならジュリアが武内Pになるのか
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 21:04:13.39 ID:kJMSkp5qo

これがパワハラという奴か……ww
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 21:14:08.12 ID:3/6USYmSO
凛「……誰?」
武内スパイク「怪しい者です」
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 22:56:32.56 ID:jAUiolCIo
次回予告

https://www.youtube.com/watch?v=5rkdKANSpGM


歌が、誰のためにあるかって?

そんなもん、聞いてみなけりゃわからない


音楽ってのは、音を楽しむって言うだろう

だったら、音以外を楽しむのは?


俺は、そいつを知っている

数ある答えの中で、とびっきりにイカしたやつを!


イカしてるっていうか、もうサイコー!

アンタも、聞き逃すなよ?


Next Session

A Dream Is A Wish Your Heart Makes
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 23:02:15.07 ID:jAUiolCIo
スパイク「……おい、本当にテレビ直るのか?」

エド「焦らなーい、焦らなーい」

ジェット「頼むぜエド、今日は見逃せない番組があるんだ」

フェイ「珍しいわね、そんなに必死になるなんて」

スパイク「言うなれば……生き甲斐、みたいなもんだな」

ジェット「ほう、お前さんにしちゃ中々良い事を言うじゃねえか」

スパイク「何言ってんだ。俺が言うのは、いつも良い事だけだぜ」

フェイ「良いのは耳障りだけでしょ」

スパイク「……」

ジェット「はっはっは! そいつは違いない!」

エド「しゅ〜〜〜り、かんりょ〜〜〜っ!」

パチンッ!


https://www.youtube.com/watch?v=mje2Mz1mGHo
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 23:09:24.79 ID:jAUiolCIo
フェイ「――それで、見逃せない番組って何なの?」

スパイク「音楽番組さ」

フェイ「音楽番組? アンタ達、そんなものが生き甲斐なの?」

ジェット「フェイ。人間、誰が何を生き甲斐にしてるかわかりゃしねえもんだ」

ジェット「だから、見もせずに‘そんなもん’ってのは感心しないぜ」

フェイ「……」

スパイク「さすがジェット、こりゃあ今日の晩飯は――」

ジェット「勿論、特製、肉抜き青椒肉絲だ」ニイッ

スパイク「……こりゃあ、尚更腹の寂しさを埋めてもらうしかないな」


『――さあ、今夜も始まりました、アイド〜ル、ラブ!』


フェイ「……待って。生き甲斐って……まさか、このアイドル番組!?」


スパイク・ジェット「ああ」

フェイ「……!?」

エド「キラキラ、ピカピカ、しんぐあそ〜んぐっ!」
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 23:13:47.19 ID:jAUiolCIo
フェイ「呆れた……!」

スパイク「悪いが、誰が何と言おうとこの時間はこいつを見させて貰う」

フェイ「別に、違う番組が見たいわけじゃないわよ!」

ジェット「そいつは有り難い。何せ今日のゲストは――」


『どうもー! 凸レーションで〜す!』


フェイ「へえ、可愛い子達じゃn」


スパイク・ジェット「イエエエエエエエエエア!!」

フェイ「!?」

フェイ「何!? 何なの、その盛り上がりは!?」

スパイク・ジェット「うるせえ! 黙ってろ!」

フェイ「!?」
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 23:18:29.46 ID:jAUiolCIo
『CMのあとも、絶対、ぜ〜ったい見てね!』

『カリスマJCアイドルとの、ヤ・ク・ソ・ク! だよ☆』

『CMの後も、い〜っぱいハピハピしようにぃ☆』


スパイク「……ふぅ、相変わらず最高だな」

ジェット「だな。テレビが直らなかったら頭がおかしくなってたかもしれん」

フェイ「もう、十分におかしくなってるわよ!」

スパイク「落ち着けよフェイ、今はCM中だぞ?」

ジェット「CM中に体を休めておかないと、この先しんどいからな」

フェイ「説明しなさい! なんで、そんなおかしなテンションになってるのか!」

スパイク「説明って……」

ジェット「良いじゃねえか、教えてやろうぜ」

スパイク「……そうだな」
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 23:26:13.74 ID:jAUiolCIo
ジェット「あれは、俺達がまだ二人だけで組んでた時の事だ」

スパイク「そして、兎に角金がなかった時だな……って、そりゃいつもか」

フェイ「ちょっと、続き」

スパイク「まあ、兎に角だ……俺たちは賞金首を追ってある街に居た」

ジェット「ハラジュク……俺は、もう行きたくはないがね」

フェイ「……そんなに危険な街なの?」

スパイク「違う違う! ジェットの見た目だと、もの凄く浮く場所なのさ」

ジェット「……あそこにゃあ、女子供ばっかり居やがるからな」

フェイ「ああ、成る程」

スパイク「――まあ、俺たちはそこで出会ったのさ」


『イエーイ!☆』


スパイク「彼女達に」
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 23:33:14.07 ID:jAUiolCIo
  ・  ・  ・

スパイク「……チクショウ、腹が減って目が回ってきやがった」

ジェット『――おい、スパイク。口に出すんじゃねえ』

ジェット『ようやく忘れかけてきたってのに、思い出しちまったじゃねえか』

スパイク「ああ、人は、パンのみにて生きるに非ず」

スパイク「……されど、パンなくしては生きられず」

ジェット『そのパンを買う金を稼ごうってんだ、ガタガタ言うんじゃねえ!』


「このクレープ、チョー美味しいよ!☆」

「ほんと? こっちの味も美味しいよー!」

「あっ、それじゃあ一口ずつ交換しようよ☆」

「うんっ! はいっ、あーん!」


スパイク「……あーん」

スパイク「……なんてな。俺はパンじゃなくて、クレープでも満足出来るんだがね」
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 23:40:17.55 ID:jAUiolCIo
「「……」」


スパイク「……やべ、ジロジロ見すぎたか」ボソッ

スパイク「これじゃあ、俺が賞金首にされちまう」ボソッ

スパイク「……」キリッ


「「……」」


スパイク「……」キリッ

…ぐぎゅるるるるぅ〜っ!


「「……」」


スパイク「……ああ、駄目だ。気合を入れたら、腹が……」


みりあ「……ねえねえ、お腹、空いてるの?」

莉嘉「良かったら、一口だけあげよっか?☆」


スパイク「……おい、大変だぞジェット」

ジェット『何っ!? 賞金首を見つけたのか!?』

スパイク「そんなチンケなもんじゃない……天使が現れやがった」
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 23:46:17.86 ID:jAUiolCIo
  ・  ・  ・

スパイク「この度は――」

ジェット「まことに――」

スパイク・ジェット「ありがとうございました!」


莉嘉「ちょっ、ちょっと! クレープ一個で大げさだって〜!」

みりあ「美味しそうに食べてたから、クレープもきっと嬉しかったよ!」


スパイク「なあ、ジェット。こういう時はどうすれば良いんだっけか?」

ジェット「日本の伝統的な文化、ドゲザスタイルしか無いだろうな」


莉嘉「アタシ達、そういうつもりでクレープ上げたんじゃないってば!」

みりあ「うんっ! 困った時はお互い様、でしょ?」


スパイク「ドゲザで足りるか?」

ジェット「いや……ドゲザを超えるドゲザ、ドゲネをするべきかもしれん」
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/18(日) 23:53:07.40 ID:jAUiolCIo
  ・  ・  ・

ジェット「……いや、しかし、本当に助かった」

スパイク「ここ三日、水だけで過ごしてたもんな」

莉嘉・みりあ「えーっ!?」

スパイク「名乗るのが遅れたが、俺はスパイク。そして、こっちが相棒の――」

ジェット「ジェットだ。お嬢ちゃん達には、感謝してもしきれん」


莉嘉「アタシ、城ヶ崎莉嘉☆ 12歳の、カリスマJCだよ☆」

みりあ「はいはーい! 赤城みりあ、11歳でーす♪」


スパイク・ジェット「……」

莉嘉「? どうしたの、急に空なんか見て?」

スパイク「いや……ちょっと、零れ落ちそうなもんがあってね」

みりあ「ねえねえ、何が零れそうなの?」

ジェット「……お嬢ちゃん達の前では、情けなくて見せられないもんさ」

スパイク「……ああ。そいつを零しちまったら、立ち直れなくなっちまう」

莉嘉・みりあ「?」
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 00:01:03.64 ID:EJeEqU69o
スパイク「兎に角、このお礼は必ずするよ」

ジェット「コイツの言う通りだ。出来るだけの事はしよう」

莉嘉・みりあ「う〜ん」

スパイク「何が良い? 金のかかるもの以外なら、なんでもするぜ」

ジェット「……俺も言えた立場じゃないが、何とも情けない台詞だな」

莉嘉「あっ、じゃあさ! 買い物に付き合ってくれない?☆」

スパイク「なんだ、そんな事で良いのか?」

みりあ「あっ、おじさん、ちょっとしゃがんで」

ジェット「? どうした、お嬢ちゃん」

みりあ「お髭にクリームがついてるよ!」

…フキフキ

ジェット「お、おい……!?」

莉嘉「これで、貸しは二つ! 買い物、付き合ってくれるよね?☆」

スパイク「……やれやれ、こいつぁとんだ小悪魔ちゃん達だ」

莉嘉・みりあ「えへへ♪」
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 00:15:15.58 ID:EJeEqU69o
  ・  ・  ・

フェイ「――あっきれた! そんな子供にたかったの!?」

ジェット「たかったんじゃない。甘えたのさ」

フェイ「同じ事でしょ!」

ジェット「いいや、違うね。全くの別物さ」

ジェット「……っと、そろそろ時間だ。悪いが話はスパイクに聞いてくれ」

フェイ「ちょっと!?」


『はいはーい! それじゃあ、みりあがソロで歌うね!』


ジェット「うん、ママ――ッ!!」


フェイ「はぁ!?」

スパイク「……フッ、相変わらずイカれてやがるぜ、ジェットの奴」


『R・O・M・A・N・T・I・C』


ジェット「アァール! オォー! エムッ! エェー!」


COWBOY
BEBOP
(『Romantic Now』 最初のコールからAパート入る直前の音)
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 00:16:29.75 ID:EJeEqU69o
CM入ったので休憩
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 00:47:46.58 ID:EJeEqU69o
ピンと来る音が見つからないので寝ます
おやすみなさい
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/19(月) 00:49:29.74 ID:gpy1ze0Lo
脳内再生余裕だから困る
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/19(月) 01:42:55.64 ID:xxGd4t/Po
なんという慈愛
これは間違いなく天使ですわ
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/19(月) 06:14:42.41 ID:JB71Y+T9o
草生える
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 13:49:13.73 ID:EJeEqU69o
COWBOY
BEBOP
(『DOKIDOKIリズム』 最初の「いえ〜い」からA始まる直前の音)


莉嘉「スパイクくんっ! どう、これ似合う?☆」

スパイク「あぁ、似合う似合う」

莉嘉「ぶーぶー! 心が篭ってなーい!」

スパイク「そうは言うが、もう何着目だと思ってるんだ!?」

莉嘉「こーんな可愛いJCのファッションショーが見られるんだよ?」

莉嘉「もっと喜んでくれても良いと思うなー☆」

スパイク「可愛いJCねえ……俺は、もうちょっと大人のほうが」

莉嘉「もー! だったら、次のでスパイクくんをアタシの虜にしちゃうんだから!☆」

スパイク「……勘弁してくれ!」


みりあ「ねえねえ、これ似合う? 似合う?」

ジェット「いや、もっと似合うのがあるはずだ! 諦めちゃあいけねえ!」
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 13:56:14.91 ID:EJeEqU69o
  ・  ・  ・

スパイク「……あー、疲れた」

ジェット「どうした、だらしねえ」

スパイク「どうしてお前はそんなに元気なんだよ、ジェット」

ジェット「そりゃあ、元気を貰ってるからに決まってるだろう」

スパイク「そうかい。俺も、そいつをわけてもらいたいもんだ」


莉嘉「ホラホラ! 二人共、はやくー!☆」

みりあ「あのねあのね、この先にもい〜っぱいお店があるんだよ!」


ジェット「……スパイク。元気、わけて貰ったらどうだ?」

スパイク「子供相手に元気になれるほど、俺は節操無しじゃないんでね」

ジェット「そういう意味じゃねえよ」

スパイク「わかってるさ、そんな事」

スパイク「……しかし、若いってのは良いねえ」
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 14:04:12.51 ID:EJeEqU69o
莉嘉「ちょっとー! どうしたの立ち止まって!」

みりあ「もしかして、疲れちゃった?」


スパイク「ああ、かなりつか」

ジェット「そんな事ぁねえさ! 元気いっぱい、今なら月まで歩いて行けらぁ!」ニカッ

スパイク「……その時は、俺は応援に回らせてもらうよ」


莉嘉「ご飯を食べないから、体力が保たないんだよ?」

スパイク「俺もメシ抜きはしたくないんだがなぁ」

みりあ「ご飯も食べずに、どうして原宿に来たの?」

ジェット「俺たちは、ある人物を追っててな」

スパイク「ソイツに、ちょいとメシを奢って貰おうと思ってね」

莉嘉「えー、ちゃんとお仕事してお金稼がないと駄目だよ!」

みりあ「うんうんっ! お仕事したあとのご飯って、すっごく美味しいよ!」

莉嘉・みりあ「ねー♪」

スパイク・ジェット「……返す言葉もねえ」
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 14:12:05.49 ID:EJeEqU69o
スパイク「……ま、とにかく俺たちは人探しをしてる訳だ」

ジェット「この辺りで見たって情報があるんだがなぁ」

みりあ「ねえねえ、それってどんな人なの?」

莉嘉「写真とかあるなら、アタシ達も一緒に探してあげるよ☆」

スパイク「……ま、目は多い方が見つかりやすいか」

ジェット「おい、スパイク!」

スパイク「大丈夫だって。普通、見つかりっこねえよ」

ジェット「まあ……それもそうだが」

スパイク「――こんな奴なんだがな、見たことあるかい?」


莉嘉・みりあ「あっ、見たことある!」


スパイク「ほらな? そう簡単に――」

スパイク・ジェット「何ぃっ!?」
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 14:21:40.53 ID:EJeEqU69o
莉嘉「この人、よくアタシ達の事見に来てるよね」

みりあ「うんっ……でも、この前は警備員さんに注意されてた」

莉嘉「ちょっと怖いんだよね……って、こんな事言っちゃいけないんだケド」

みりあ「プロデューサーは、安心してって言ってるから……」


スパイク「見に来てるって……?」

ジェット「! スパイク!」ボソッ

スパイク「……どうした」ボソッ

ジェット「ちょいと遠いが、通りの向こうに居やがる」ボソッ

スパイク「……まさか、本当にこのちびっ子達を?」ボソッ

スパイク・ジェット「……」


莉嘉「って、どうしたの二人共? 急に真剣な顔して」

みりあ「ねえねえ、またお腹すいたの?」


ジェット「……ああ、腹なんか最近空きっぱなしさ」

スパイク「お陰で、ちょっとした事ですーぐカッとなっちまう」


莉嘉・みりあ「?」
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 14:33:01.99 ID:EJeEqU69o
  ・  ・  ・

フェイ「――賞金首を見つけて、それから?」

スパイク「おっと、もう時間が来ちまった」

フェイ「時間? 何の?」


ジェット「お楽しみの時間さ。なあ、スパイク」

スパイク「ああ。選手交代だ」

スパイク・ジェット「……へっ!」

ぱぁん!


フェイ「……ねえ、もしかして」


『イエーイ☆ 今度は、アタシがソロで歌っちゃうよ☆』


スパイク「イエエエエエイ!☆ フッフゥウウウウウ☆」


フェイ「……」

ジェット「……フッ、相変わらずイカれてやがるぜ、スパイクの奴」

ジェット「さて……どこまで聞いた?」

フェイ「なんか……もう、あんまり聞きたくなくなってきたわ」
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 15:08:41.47 ID:EJeEqU69o
  ・  ・  ・

スパイク「――だが、この距離だと気づかれたらヤバいな」

ジェット「それに、この人の流れ……下手すりゃ逃げられちまう」

スパイク「……逃がす訳にはいかない理由が、出来ちまったからな」

ジェット「その通り。メシの種以外の理由が、だ」

スパイク・ジェット「……」


みりあ「ねえねえ、二人共、何の話をしてるの?」

莉嘉「あっ! もしかして、探してる人が見つかったとか?」


スパイク「……まっ、そんな所なんだがな?」

ジェット「この人の流れだろう? どうしたもんかな、とね」


莉嘉「――なーんだ、そんな簡単じゃん!☆」

みりあ「人の流れが困るなら、ちょっとだけ止まって貰えば良いんだよ!」


ジェット「止まって貰うたって、そんな事出来る訳――」


莉嘉「出来るよ!☆ アタシ達だったら、そんなの簡単だって☆」

みりあ「でも……あとで、一緒に謝ってね?」


スパイク・ジェット「……?」
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/19(月) 15:08:46.63 ID:ilp4D0fuo
きらりも応援してあげてクレスケンス・・・・・・
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 15:17:56.08 ID:EJeEqU69o
https://www.youtube.com/watch?v=_napNH0D0Ws

みりあ「ねえねえ、みりあ達二人を肩車って出来る?」

ジェット「俺がか? そりゃあ、出来るが……」

莉嘉「オッケー!☆ じゃあ、しゃがんでしゃがんで!」

ジェット「ううむ……なんだか知らんが、わかった」

スパイク「なあ、何をおっぱじめようってんだ?」


莉嘉「とにかく目立って、皆に見てもらうんだよ!」

みりあ「そうそう! 楽しそうだったら、皆見てくれるから!」

莉嘉「きらりちゃんが居ないのは残念だけど……」

みりあ「きらりちゃん、プロデューサーと二人でお仕事だもんね……」

莉嘉「――だけど、カリスマJCのアタシと!」

みりあ「みりあが居るから、なんとかなるよ!」


ジェット「……よし、立ち上がるぞ!」


莉嘉・みりあ「……せーのっ」

莉嘉・みりあ「ヤッホ〜〜〜ッ!!」
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 15:25:54.96 ID:EJeEqU69o
莉嘉「原宿の皆っ、城ヶ崎莉嘉だよーっ!☆」

みりあ「はーい♪ 赤城みりあですっ♪」


「……莉嘉ちゃんに、みりあちゃん?」

「ねえ、あれ本物じゃない!?」

「うわーっ! 可愛いーっ!」

ざわざわっ!


ジェット「……人の流れが……止まりやがった」

スパイク「なあ……お前さん達、一体何者なんだ?」


莉嘉・みりあ「へへへっ!」ニヒッ

莉嘉・みりあ「――アイドルッ! イィッエェーイッ!☆」


「イエエエエエイ!」


スパイク「……こいつぁ、たまげた」

ジェット「だな……スパイクッ!」

スパイク「わかってるさ」


スパイク「俺も、ちょいと一働きしてくるぜ!」
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 15:36:54.55 ID:EJeEqU69o
スパイク「おっとぉ、ちょっと通してくれ!」


「きゃあっ!?」


スパイク「悪いね!」

スパイク「っと、仕事の前に腹ごしらえ、っと!」

スパイク「んがっ」


「あっ、おい! 俺のクレープ!」


スパイク「……ふむ、この味も中々」モグモグ

スパイク「サンキュー! 金が入ったら、何か奢るよ!」


  ・  ・  ・


賞金首「り、莉嘉ちゃんに、みりあちゃん……!?」

賞金首「こんな所で偶然会えるなんて……やっぱり、運命で結ばれてるんだ!」


スパイク「そうなのかい? だったら、そんな運命はほどかないといけないな」


賞金首「!?」

スパイク「動くな。そして、騒がない方が良いぜ」

スパイク「騒いだら、すぐにお前さんを連れて行かなきゃいけなくなる」


「それじゃあ、サプライズのゲリラLIVE、はっじまっるよー!」


スパイク「一曲、聞いていくだろう?」

スパイク「なぁに、例え神様だって、それくらいは見逃してくれるさ」
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 15:50:41.82 ID:EJeEqU69o
  ・  ・  ・

フェイ「――ふぅん、そんな事があったのね」

ジェット「それ以来、俺たちは彼女達のファンってわけさ」

フェイ「まあ……なんとなくはわかったけど」

スパイク「――フェイ、お前にもいつかわかるさ」

フェイ「……」


『それじゃあ〜、今度はきらりがソロで、皆をハピハピさせるにぃ☆』


スパイク・ジェット「うんっ! ハピハピすゆ!」


フェイ「ねえ、この子は話に出てきてないんだけど!?」

フェイ「というか、ハピハピって、何なの!?」


スパイク・ジェット「あぁ!?」

スパイク「可愛くてスタイル抜群! それに、性格もサイコーなんだよきらりんは!」

ジェット「邪魔するんじゃねえぞ、フェイ! 邪魔したら、船を追い出すぞ!」

スパイク・ジェット「わかったらすっこんでろ、ババア!」


フェイ「ば、ばばっ……!?」

フェイ「……!」プルプル
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 16:01:14.57 ID:EJeEqU69o
  ・  ・  ・

スパイク「はぁぁ……! もう、最っ高!」

ジェット「ああ……思わず、青椒肉絲に肉を入れたくなってきたぜ」

スパイク「料理の時間には早いぜ、ジェット」

ジェット「そうだな、まだ、『LET'S GO HAPPY!!』を聞いちゃいない」


フェイ「――それは残念ね」

カチャリッ


スパイク「残念? 楽しみなだけ――って、フェイ!?」

ジェット「おい、馬鹿! その銃をおろせ! 何をする気だ!?」


フェイ「安心しなさい、アンタ達を撃つ気は無いわ」

フェイ「――ちょっと、そこのテレビに用があるの」


スパイク・ジェット「!?」


エド「アイーン、ちょっと離れてようねー」

アイン「ワンッ!」


スパイク「待て! 待ってくれ! あと一曲、その間だけで良いんだ!」

ジェット「頼むフェイ! 俺達から、生き甲斐を奪わないでくれ!」


フェイ「神様だったら、待ってくれるんでしょうけどね」


スパイク・ジェット「やめてくれえええええっ!!」


フェイ「そんなもん、クソくらえよ!」


バキュゥゥゥ――ンッ! カランッ……カラン、カランッ……


https://www.youtube.com/watch?v=2lzKWxeAOjU


おわり
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 21:59:15.27 ID:EJeEqU69o
書きます


武内P「家庭訪問、ですか?」
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 22:01:50.40 ID:EJeEqU69o
卯月「ああっ、そ、そこまで正式な感じじゃなくて!」

凛「親がさ、プロデューサーに挨拶したいんだって」

武内P「私に挨拶……ですか?」

卯月「はい。普段お世話になってるから、って」

凛「二人のこれからについても、じっくり話し合いたいって言ってる」

武内P「成る程」

武内P「……」

武内P「ん?」
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 22:06:04.05 ID:EJeEqU69o
卯月「ママも、手料理を振る舞うんだ―って気合入ってて」

凛「私の所も、お父さんが何かお見舞いするって気合入ってた」

武内P「あの……島村さんの方の話は、了解しました」

卯月「良かったー♪」

武内P「ですが……その、渋谷さんの方は、その……」

凛「何? 何か、問題でもあるの?」

武内P「あっ、いえ……その……」

凛「?」

武内P「……」
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 22:09:46.62 ID:EJeEqU69o
武内P「少し、詳しくお話を聞いても宜しいでしょうか?」

凛「良いよ」

武内P「まず、先程おっしゃっていた、二人のこれから、というのは?」

凛「勿論、私とプロデューサーのこれからについてだけど?」

武内P「その……具体的には?」

凛「具体的?」

武内P「はい。可能な限り、具体的に」

凛「プロデューサー、何か様子が変だよ?」

武内P「……いえ、お気になさらず」
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 22:14:25.00 ID:EJeEqU69o
卯月「でも……プロデューサーさん、顔色が悪いですよ?」

武内P「そう、ですか? 自分では、よく……」

卯月「私、飲み物買ってきますね!」

武内P「島村さん、私は大丈夫ですので……」


卯月「いつもお世話になってるお礼です♪ すぐ戻ってきますね!」

ガチャッ…バタンッ


凛「そうだね……具体的……」

武内P「はい、お願いします」

凛「子供は二人が良い、とか?」

武内P「戻ってきて下さい島村さ――ん!!」
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 22:17:59.77 ID:EJeEqU69o
凛「どうしたの? 急に大声出して」

武内P「あの、何故……具体的な話で、子供が二人と!?」

凛「えっ、三人が良かった? 一人っ子だと、寂しいだろうし」

武内P「待ってください! 人数の問題ではありません!」

凛「お母さんは、やっぱり一姫二太郎よね、って言ってる」

武内P「渋谷さんは、ご家庭でそんな話を!?」

凛「凄く不機嫌になるから、お父さんの前では最近しないけどね」

武内P「……!?」
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 22:21:07.54 ID:EJeEqU69o
凛「なんでお父さんが不機嫌になるのか、わからないんだよね」

武内P「それは……親ならば、当然かと」

凛「どうして? お母さんは、すっごく楽しそうにしてるよ?」

武内P「渋谷さんは、私の事をご家庭でどう言っているのですか!?」

凛「それは……言わない」

武内P「何故!?」

凛「だってそれは……さすがに、照れくさいかな///」

武内P「……!?」
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 22:25:06.96 ID:EJeEqU69o
凛「兎に角、私の所もお母さんが手料理をご馳走する、って」

武内P「そう……ですか」

凛「日時が決まったら、お父さんも教えて欲しいってさ」

武内P「お父様も……同席なさるのですね」

凛「なんか、大量に花を発注するから知っておきたいらしくて」

武内P「大量に、花を?」

凛「うん。菊を」

武内P「そうですか……菊を……」
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/19(月) 22:28:33.25 ID:bYkmBEhqo
おい、花屋の娘
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 22:29:44.01 ID:EJeEqU69o
ガチャッ

卯月「お待たせしました!」


凛「おかえり、卯月」

武内P「島村さん……」

卯月「へあっ!? どうしたんですか、プロデューサーさん!?」

卯月「まるで、お通夜みたいな顔をしてますよ!?」

武内P「……」

武内P「気分的には同じようなものだと、そう、思います」
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 22:32:55.94 ID:EJeEqU69o
凛「だったら、何故かお父さんも菊を発注するみたいだから、丁度良いね」クスクス

卯月「菊を……ですか?」

凛「おかしいよね。お葬式があるわけでもないのに」

卯月「うーん、もしかしたら何か考えがあるのかも!」

凛「そうかな? プロデューサーもそう思う?」

武内P「はい! 思います!」

凛「ふーん。男同士、わかり合う部分があるって事なのかな」

卯月「なんだか、そういうのってちょっと素敵ですよね♪」

武内P「……」
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 22:38:28.04 ID:EJeEqU69o
卯月「でも、ママもパパも楽しみにしてるんですよ♪」

凛「卯月の所も、ウチと一緒だね」

武内P「その……楽しみの仕方が、少し違うと思います」

卯月「でも、ちょっと不思議な事があるんです」

武内P「不思議、ですか?」

卯月「この話をした時から、パパが毎日ゴルフの素振りをしてるんです」

武内P「……ゴルフの?」

卯月「はいっ」

武内P「……」
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/19(月) 22:40:25.18 ID:XXb9DJSAo
パパさん方皆さん積極的ですね…
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 22:42:45.33 ID:EJeEqU69o
凛「一緒に、ゴルフでも行くつもりなのかな?」

卯月「でも、普通の振り方とは違うんです」

武内P「スイングのフォームがおかしい、と?」

卯月「こんな感じで……クラブを逆手に持って」

武内P「成る程」

卯月「島村ストラッシュ! って」

武内P「成る程、よく、わかりました」

凛「えっ、今のでわかったの?」

武内P「はい、残念ながら」
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 22:46:29.98 ID:EJeEqU69o
武内P「島村さんは、ご家庭で私の事を何と?」

卯月「えっ? ええと、とっても頼りになって、格好良くて……」

卯月「私が駄目になっちゃいそうな時も、側で……」

卯月「って、内緒っ!/// 内緒ですっ!///」

凛「卯月、ほとんど言っちゃってるから」

卯月「うぅ、凛ちゃんいじめないでください〜!」

凛「あはは、ごめんごめん」

武内P「成る程……成る程……」
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 22:50:05.90 ID:EJeEqU69o
卯月「あっ、ママも褒めてたんですよ!」

凛「ふふっ、誤魔化そうとしちゃって」

卯月「……ゴホンっ!」

凛「はーい」

卯月「私が若かったら、放っておかなかったわー、って!」

凛「だってさ。良かったねプロデューサー」

武内P「あの……そのお話、お父様は?」

卯月「はいっ、無表情で聞いてました♪」

武内P「……そう、ですか」
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 22:55:19.77 ID:EJeEqU69o
セーイッパーイ、カガヤクー♪ カーガヤークーホシニーナーレー♪

凛「あっ電話……噂をすれば、お父さんからだ」

武内P「どうぞ……出て、上げてください」

凛「後で、プロデューサーと居たって言えば平気だから」

武内P「お願いします! どうか、出て上げてください!」

凛「? わかったけど……ふふ、何その勢い」

武内P「……」

凛「――はい、もしもし」

武内P「……」
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 22:59:57.14 ID:EJeEqU69o
凛「うん……うん、わかった……ふふっ」

武内P「……」

凛「あ、今のは違うから。さっき、プロデューサーが面白くて」

武内P「……」

凛「うん、家に来てくれるって。まだ、日時は決めてないけど」

武内P「えっ?」

凛「えっ? プロデューサーに一言だけ?」

武内P「……わかりました」

凛「うん……うん、今代わるね」

武内P「……もしm」


『■■■■■■■■■■■■■■■■!!』


武内P「バーサーカー!」

武内P「……切れた」
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 23:05:12.99 ID:EJeEqU69o
ゴーインゴーインコノートマーラナーイ♪ ゴーインゴーイントマーレナーイーカラー♪

卯月「あっ、今度は私が……」

武内P「……どうぞ、出てあげてくだ……あ、いや……」

卯月「私は、ママからです」

武内P「そう、でしたか。どうぞ、出て上げてください」ホッ

卯月「それじゃあ、失礼します」

武内P「……」

卯月「――もしもし、ママ?」

武内P「……」
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 23:09:53.33 ID:EJeEqU69o
卯月「えっ? パパからのLINE?」

武内P「……!?」

卯月「えへへ、プロデューサーさんとお話してて気づかなかった」

武内P「あ、いえ、その情報は……!」

卯月「パパもそこに居るの? って、送った動画を見て欲しい?」

武内P「……動画?」

卯月「プロデューサーさんに見て欲しい……うん、わかった」

卯月「この後も、プロデューサーさんと一緒に頑張りますっ♪」

武内P「……動画、ですか」

卯月「ちょっと待ってください……っと、これですね」


『知らなかったのか? パパからは逃げられない』


武内P「天地魔闘の構えじゃないですか!」

武内P「……完全に、待ち構えられている……!」
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 23:16:20.08 ID:EJeEqU69o
  ・  ・  ・

ちひろ「……それで、結局どうするんですか?」

武内P「行くしか、無いでしょうね」

ちひろ「でも……その様子じゃ」

武内P「はい。現在、引き継ぎを始めています」

ちひろ「……プロデューサーさん?」

武内P「引き継ぎが終わり次第、ご挨拶に伺う予定です」

ちひろ「あの……プロデューサーさん?」

武内P「千川さん、お世話になりました」

ちひろ「生きることを諦めないで下さい、プロデューサーさん!」
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 23:22:00.92 ID:EJeEqU69o
ちひろ「卯月ちゃんと、凛ちゃんの所だけでしょう!?」

ちひろ「持ちこたえられるかも知れないじゃないですか!」

武内P「いえ、メンバー全員のご家庭に伺う事になりました」

ちひろ「!? どうして!?」

武内P「話を聞きつけた皆さんが……私の所も、と」

ちひろ「……!」

武内P「お父様と、はい、電話でも会話をしました」

武内P「もっとも、基本的に会話にはなりませんでしたが……」

武内P「アナスタシアさんのお父様にロシア語でまくしたてられたのが、はい」

ちひろ「わかりました……わかりましたから……!」

武内P「……」
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 23:33:13.73 ID:EJeEqU69o
武内P「しかし……今回の事で、皆さんが愛されているのがわかりました」

武内P「彼女達の輝きの秘訣は、それもあるのかも知れませんね」

ちひろ「……でも」

武内P「努力は、してみます」

武内P「お話をすれば、わかっていただけると、そう、信じています」

武内P「男同士……分かり合えるはずです」

ちひろ「プロデューサーさん……!」


武内P「同じ笑顔を愛し、本当に大切に思っているだけだという事が」


ちひろ「それ駄目なやつです、プロデューサーさん!」



おわり
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/19(月) 23:38:00.79 ID:xxGd4t/Po
人は愛ゆえに争わなければならんのだ!
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/19(月) 23:47:55.85 ID:EJeEqU69o
次は北斗の拳、把握
寝ます
おやすみなさい
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/20(火) 00:16:23.24 ID:1E/XJfbEO
最早このスレで言うアイドルの輝きが便所の100ワットと大差ない気がしてきた
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/20(火) 00:30:54.76 ID:YQSf5c3Vo
むぅっ!あれは北斗神豊礼羅拳!

知っているのか、文香!
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/20(火) 12:51:28.81 ID:xngbf3QEO
橘の拳 いちご味
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/02/20(火) 12:52:24.80 ID:8gKCXsctO
男塾とかキン肉マンも見たい
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/20(火) 15:45:17.00 ID:3w8JzVmRO
ダイ大見てた世代にはこんな大きな子供がいるのか…
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/20(火) 17:09:25.00 ID:XsrM31W+O
下品なやつで金玉マンでもいいよ
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/20(火) 17:11:22.55 ID:fM9zenvC0
コメディ・シリアス・スカ○ロと閲覧者を飽きさせない見事なSSだな
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/20(火) 17:41:23.52 ID:ftb7dxis0
ジョインジョイントトキィが見れるのか
楽しみだ
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/20(火) 19:28:59.65 ID:TYHICbISO
菊(意味深)
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/20(火) 22:42:39.02 ID:RNy9NQero
いちご味把握



武内P「他のプロデューサー、ですか?」
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/20(火) 22:44:41.30 ID:RNy9NQero
未央「うん、そういえば見たことないなと思ってさ」

武内P「そう、なのですか?」

卯月「はい。居るっていうのはわかるんですけど……」

武内P「そうですね。多くのプロデューサーが所属しています」

凛「なのに見たこと無いって、おかしくない?」

武内P「……」

未央・卯月・凛「……」
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/20(火) 22:48:24.42 ID:RNy9NQero
未央「あっ、プロデューサーに不満があるとかじゃなく、なんとなくね!?」

卯月「そ、そうです! ただ、なんとなく気になるな〜と……」

凛「うん。なんとなく……」

武内P「……わかりました」

武内P「では、皆さんに他のプロデューサーをご紹介します」

未央・卯月・凛「おー!」

武内P「……頑張ってください」

未央・卯月・凛「……?」
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/20(火) 22:51:21.98 ID:RNy9NQero
  ・  ・  ・

武内P「この先が、年少組を担当するプロデューサーのオフィスです」

未央「年少組担当ってことは、優しい人?」

卯月「もしかして、クマさんみたいな感じだったりして」

凛「卯月の優しいイメージって、そんななの?」

武内P「実際に、見ていただいた方が早いと思います」

未央・卯月・凛「?」


ガラガラガラガラガラッ!


未央・卯月・凛「……何、この音?」
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/20(火) 22:55:34.68 ID:RNy9NQero
ガラガラガラガラガラッ!


未央「台車の音……だよね、これ」


「フフフ……ファーハハハハ―――!!」


卯月「なんだか……高笑いも聞こえてきます」


「む? 止まれい!」

「はーい!」


凛「ねえ待って、もしかして……」


サウザーP「ほう……きさまらは確か、シンデレラプロジェクトと言ったか」

年少組「言ったか!」


武内P「はい。この方が、年少組を担当するプロデューサーの方です」

未央・卯月・凛「……!?」
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/20(火) 23:00:44.69 ID:RNy9NQero
武内P「おはようございます。突然、申し訳ありません」

サウザーP「このおれに、何の用だ?」

武内P「彼女達が、他のプロデューサーの方にお会いしたい、と」

サウザーP「ほう」

未央・卯月・凛「お……おはようございます」


サウザーP「――はぁっ!!」

ヒュッ!


未央・卯月・凛「台車から、羽の様に飛び降りた!」


サウザーP「おもしろい」

ぽすんっ


未央・卯月・凛「……また、座り直した」

サウザーP「このおれが、直々に相手をしてやろう」

武内P「ありがとう、ございます」

未央・卯月・凛「……!?」
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/20(火) 23:07:35.01 ID:RNy9NQero
サウザーP「だが、その前に……お前達!」サッ!

年少組「お手手は消毒だ〜!」

サウザーP「フフ……そうだ、逆らえば皆殺しだ!」

年少組「はーい!」

サウザーP「やはり女子供は逆らわぬから楽よ! フハハ〜!」


未央「絶対ヤバい人じゃんあれ!」ボソボソッ

卯月「皆殺しとか言ってますよ!?」ボソボソッ

凛「ねえ、あの人、本当にプロデューサー!?」ボソボソッ

武内P「はい」

未央・卯月・凛「……!?」
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/20(火) 23:15:15.46 ID:RNy9NQero
薫「せんせぇ! 洗い終わったよ!」

サウザーP「小娘! おれはせんせぇではない!」


未央「ほら、めっちゃ感じ悪い!」ボソボソッ

武内P「いえ、違います」


薫「あっ、そうだった!……せいてぇ!」

サウザーP「そう! この俺は聖帝サウザー! 生まれついての帝王!」

年少組「おー!」



卯月「割と……と、いうか、かなり……」ボソボソッ

凛「……仲良し?」ボソッ

武内P「はい」

未央・卯月・凛「……!?」
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/20(火) 23:21:17.94 ID:RNy9NQero
サウザーP「極星はひとつ! 天に輝く天帝は南十字星!」

サウザーP「数多のアイドルの中で天をつかむは、きさまら!」

サウザーP「この聖帝サウザーの担当する小学生なのだ―――っ!!」

年少組「だーっ!」

サウザーP「フフハハハ!!」

年少組「ふふははは!」


武内P「良い、笑顔です」

未央「貴様とか言ってるけど!?」ボソボソッ

卯月「笑顔も、ちょっと方向性が違いませんか!?」ボソボソッ

凛「おかしい! 明らかにおかしいから!」ボソボソッ
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/20(火) 23:27:44.25 ID:RNy9NQero
ありす「あの……今日、作ってみたお料理があるんです」

ありす「それで、その……食べてほしくて」

サウザーP「ほう……でかくなったな小娘……」ウルッ

ありす「橘です」

サウザーP「よかろう! このおれが見届けてくれるわ!」ウルウルッ


未央・卯月・凛「涙もろい!!」

武内P「はい。とても、愛が深い方なのです」

未央・卯月・凛「……」


ありす「と、特製……いちごパスタです……///」

サウザーP「……ほう」

サウザーP「……」チラッチラッ


武内P「こちらを見ていますが、助けないで大丈夫です」

未央・卯月・凛「……」
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/20(火) 23:31:43.70 ID:nWVFGZ67o
武内P意外と薄情!
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/20(火) 23:38:23.52 ID:RNy9NQero
サウザーP「フフフ……いちごパスタか、おもしろい!」チラッチラッ

ありす「ど、どうぞ……///」

サウザーP「な!? なにィ!!」チラッチラッ


未央「めっちゃ目で助けを求めてるんだけど」

武内P「いえ、あの方は生まれついての帝王。助けは不要です」


サウザーP「……と、思いきや、助力を許さんでもない!」チラッチラッ


卯月「でも……食べて、あげるでしょうか?」

武内P「はい。あの方にあるのはただ、制圧前進のみです」


サウザーP「フ……フフフ……そんな事を言ったかな!」チラッチラッ


凛「食べそうにないんだけど」

武内P「大丈夫です。きっと、三口で平らげます」


サウザーP「三口…………」
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/20(火) 23:44:05.40 ID:RNy9NQero
年少組「……」ジッ

武内P「……」ジッ

未央・卯月・凛「……」ジッ

ありす「……」ジッ


サウザーP「おれは帝王! きさまらとはすべてがちがう!!」

サウザーP「神はこのおれに不死身の肉体までも与えたのだ!!」

サウザーP「三口、おもしろい! ならば、その三口数えてみろ!」

サウザーP「おりゃあ!! む! 臭いが甘い!! ぐあ!! ぬう!!」


武内P「ひと――――つ!」


サウザーP「!?」
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/20(火) 23:47:27.67 ID:nWVFGZ67o
武内P鬼過ぎワロス
これはきっとイイ笑顔してますわぁ……
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/20(火) 23:48:36.12 ID:RNy9NQero
サウザー「小僧、貴様――っ!!」


武内P「ひと――――つ!」

年少組「ひと――――つ!」


サウザーP「ぬう! あっ……」

サウザーP「……」パクッ


武内P「ふた――――つ!」

年少組「ふた――――つ!」


サウザーP「待っ、これ、きつ……」

サウザーP「……」パクッ


武内P「みい――――つ!!」

年少組「みい――――つ!!」



サウザーP「お……お師さん……!!」

サウザーP「……」パクッ


未央・卯月・凛「本当にいった!?」
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/20(火) 23:58:07.92 ID:RNy9NQero
サウザーP「……」モグモグ

サウザーP「……」ゴクンッ

サウザーP「……フフ……フハハハハ! 見たか!!」

サウザーP「いちごパスタでは、この帝王の血を絶やすことはできぬ!!」


武内P「……あのように、とても担当しているアイドルを愛しています」

未央「……ちょっと違わない?」


ありす「あの……おかわりも、まだあります///」

サウザーP「フフ……きかぬなあ。帝王、ちょっと用事を思い出した!!」


卯月「……逃げようとしてますよ?」

武内P「いえ、それは有り得ません」


サウザー「はぁ〜〜!! うっ、なっ!? と……翔べぬ!! あ……脚が!!」


武内P「引かぬ、媚びぬ、省みぬ。帝王に逃走はないのです」

凛「逃げられないだけじゃない、あれ」
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/21(水) 00:05:26.31 ID:KIcOGDjMo
ありす「さめない内に、どうぞ……///」

サウザーP「ぬくもり……」

サウザーP「フッフフフ……負けだ……完全におれの負けだ……」


武内P「おわかり頂けましたか、あの方のアイドルへの愛が」

未央・卯月・凛「……」


サウザーP「こんなに苦しいのなら、悲しいのなら……愛などいらぬ!!」


武内P「これ以上お邪魔するのも失礼です、行きましょう」

未央・卯月・凛「……はい」


サウザーP「いちごパスタ……おれのかなう相手ではなかった……」


ガチャッ…バタンッ
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/21(水) 00:12:05.04 ID:KIcOGDjMo
  ・  ・  ・

未央「……なんか、すごかったね」

卯月「……はい、すごかったです」

凛「……うん、すごかった」

未央・卯月・凛「……」

未央「ねえ、もしかして……他のプロデューサーも――」

卯月「未央ちゃん! これ以上この話はやめましょう!?」

凛「そうだね……考えると、頭が痛くなってきた」

未央「……私も」

卯月「……実は、私もです」

未央・卯月・凛「……」
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/21(水) 00:18:24.65 ID:KIcOGDjMo
  ・  ・  ・

未央「医務室なんて、初めて来たよ」

卯月「かなり、綺麗な所ですね」

凛「うん……本当、なんだか不思議な感じがする」

ガチャッ

未央・卯月・凛「失礼します」

未央「あのー……ちょっと頭が痛いんですけど」

卯月「お薬とか貰えないかな、って思って」

凛「お願いできますか?」


トキ「……ふむ。三人共、ですか?」

トキ「お薬の前に、少しお話を聞きましょうか」ニコリ
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/21(水) 00:21:48.44 ID:KIcOGDjMo
  ・  ・  ・

武内P「他のプロデューサー、ですか?」

未央「うん、そういえば見たことないなと思ってさ」

武内P「……見た事が無い、と」

卯月「はい。居るっていうのはわかるんですけど……」

武内P「……そうですね」

凛「なのに見たこと無いって、おかしくない?」

武内P「……やはり、秘孔を突かれましたか」

未央・卯月・凛「……秘孔?」

武内P「あ……いえ」


武内P「なんとも、不思議な話ですね」



おわり
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/21(水) 00:31:57.57 ID:KIcOGDjMo
バランス的に次は地の文で下品じゃないの書きます
寝ます
おやすみなさい
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/21(水) 00:45:58.30 ID:lWPHn6Xko
処女信仰ですか。おっつおっつ
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/21(水) 01:04:49.75 ID:172RqA58o

そこまでして守らないといけない秘密だったのかサウザーP
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/21(水) 01:05:55.68 ID:+RZlR14Po
つまり……そのぅ……つまりは会話の中に?……フィヒ、フィーヒヒヒ!!
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/21(水) 07:45:24.80 ID:70mVYtXSO
ターバンのガキもアイドル?
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/21(水) 08:06:45.00 ID:DjE0QRpYO
諸星のきらりの出番はなかったか
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/21(水) 09:45:45.69 ID:Q3K/I+pGO
まだ死兆星をみるには早すぎたのさ…
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/21(水) 09:47:12.48 ID:2tFhmCeQo
>>190
お前のようなでかいアイドルがいるか
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/21(水) 19:25:37.83 ID:BiJhKhZno
Gガンと来れば次はミスター味っ子だ!
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/21(水) 22:44:52.02 ID:KIcOGDjMo
気が変わったので肉書きます



キン肉マン「私、王子やめる!」
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/21(水) 22:48:59.97 ID:KIcOGDjMo
ミート「バカな事言ってないで、勉強してください王子」

キン肉マン「やだいやだい! 勉強なんてしたくないやい!」ジタバタ!

ミート「もーっ! あんまりワガママ言わないでください!」

キン肉マン「……」


キン肉マン「……ミートよ、聞くのだ」キリッ


ミート「!」

ミート(この王子の表情……! この眼差し……!)

ミート(これは、何か重大な決意をした時の目だ……!)

ミート「……はい! 王子!」


キン肉マン「ちょっと、おトイレ」


ミート「だああーっ!?」

ミート「も〜っ! 早く行ってきて下さい! 戻ったら勉強ですよ!」
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/21(水) 22:53:24.28 ID:KIcOGDjMo
  ・  ・  ・

ミート「全く、王子のワガママには困っちゃうよ」

ミート「あの、王位継承戦を戦ってた時のカッコよさはどこへやら」

ミート「……はーっ」

ミート「だからこそ、僕がしっかりしなきゃ!」

ミート「今までも……そして、これからも王子を――」

ミート「――ううん、大王をしっかり支えていくんだ!」

ミート「……」

ミート「それにしても、王子遅いなぁ」

ミート「お腹壊しちゃってるのかな? 全く、食べ過ぎなんだよ!」

ミート「しょうがない、お薬を持って行ってあげるか!」
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/21(水) 22:58:50.48 ID:KIcOGDjMo
  ・  ・  ・

コンコン!

ミート「お〜い、王子〜っ!」

コンコン!

ミート「お腹を壊しちゃったんですか〜っ! 王子ったら〜っ!」

コンコン!

ミート「……おかしいなぁ、全然返事が無いや」

ミート「王子〜」

…ガチャッ

ミート「あれ? 鍵がかかってない……」

ミート「! まさか――!」


『地球に息抜きに行ってきます、勉強は任せたぞミート。スグル』


ミート「……お……お……!」

ミート「王子のバカ〜〜〜っ!!」


https://www.youtube.com/watch?v=xPfqyGtKcVo
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/21(水) 23:06:26.23 ID:KIcOGDjMo
キン肉マン「はひぃ……はふぅ……」

キン肉マン「なんとか地球には来たものの……」

キン肉マン「思いつきで飛び出してきたから、お金が無い!」

キン肉マン「おまけに雨も降ってきたし……」

キン肉マン「ヘーックショーン!」

キン肉マン「うう……こんな事なら、家出なんてするんじゃなかったわい」

キン肉マン「……いつまでここで雨宿りすればいいのかのう」


武内P「――あの、アナタは……」


キン肉マン「おわあああっ!?」

武内P「す、すみません……驚かせてしまいましたか」


キン肉マン「ミートの奴、私を捕まえるためにこんな凶悪そうな超人を雇うとは!」

キン肉マン「腹が空いているが良いだろう……かかってきなさい!」


武内P「……」
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/21(水) 23:13:16.59 ID:KIcOGDjMo
武内P「いえ……私は、超人ではありません」


キン肉マン「いいや、その体! そして、その顔つき!」

キン肉マン「私の勘が、ビンビンとうずきやがるぜ!」

ぐうう〜っ!

キン肉マン「……だ、ダメだ……もうお腹がペコペコで……」ヘニャヘニャ


武内P「……良ければ、これをどうぞ」

武内P「牛丼でなくて、申し訳ありませんが……手持ちがこれしか……」


キン肉マン「それは……まあ、美味しそうなパン!」

キン肉マン「……いいや、いかんいかん!」

キン肉マン「私を騙そうとしているようだが、そうはいかんぞ!」


武内P「……こちらが、私の名刺になります」


キン肉マン「……へ? 名刺?」
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/21(水) 23:21:45.90 ID:KIcOGDjMo
  ・  ・  ・

キン肉マン「――おかげで助かりました、プロデューサーさん!」

キン肉マン「いや〜はっは! 先程は申し訳ない!」

武内P「いえ……慣れて、いますから」

キン肉マン「しかし……何故、私にここまでしてくれたのですか……?」


武内P「笑顔です」


キン肉マン「笑顔?」

キン肉マン「確かに、私の笑顔はとっても可愛いと評判ですな!」

キン肉マン「はっはっは! にこ〜っ!」ニンマリ

武内P「あ……いえ、そうではなく」

キン肉マン「?」


武内P「強敵に打ち勝った後の、アナタの勝利の笑顔」

武内P「私は、その笑顔を見た時から、キン肉マンさんのファンなのです」


キン肉マン「……」
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/21(水) 23:28:59.31 ID:KIcOGDjMo
武内P「……それでは、私はこれで」

キン肉マン「ま、待ってください! 何か、お礼を!」

武内P「いえ、先程のは……ファンからの差し入れと思って下さい」

キン肉マン「しかし……!」

武内P「……私には、話さなくてはならない相手が居るのです」

キン肉マン「話さなくてはならない相手……?」

武内P「……はい」

武内P「今は、彼女の所へ、一刻も早く向かわなくては……!」


キン肉マン「――でしたら、この私の背中にお乗りください!」


武内P「!? いえ、しかし!」

キン肉マン「これもファンサービスの内です」ニッ

武内P「ですが……」

キン肉マン「確かに、アナタにとっては何でも無い事かもしれない」

キン肉マン「しかし、私はアナタに助けられたのです」

武内P「……」
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/21(水) 23:36:25.04 ID:KIcOGDjMo
武内P「ですが……キン肉星の大王になる方の背に乗る訳には……」

キン肉マン「あ、ああ……それは、今は気にせんで下さい!」

武内P「……」


キン肉マン「アナタを待つ者が居る……ならば、迷う必要は無いはずだ!」

キン肉マン「違いますか、プロデューサー!」


武内P「!」

武内P「……ありがとうございます。お言葉に、甘えさせていただきます」

キン肉マン「しかし、その前に……」

武内P「?」

キン肉マン「ヘーックショーン! さ、寒いから、そのコート貸してくれます?」

武内P「……はい、喜んで」

武内P「詳しい話は……道中お話します」


キン肉マン「しっかり捕まっていてくださいよ!」

キン肉マン「何せ、飛ぶのは本当に久しぶりですからね!」

ぶうっ! ぶっ! ぶっ! ぶっ! ぶっ!
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/21(水) 23:46:06.63 ID:KIcOGDjMo
  ・  ・  ・

未央「……」


「……どん……えん……」


未央「? 何か、外から聞こえる……」


https://www.youtube.com/watch?v=zMNFDaJMecY


未央「……えっ、な、何……あれ……?」


「コラ――ッ! そこで何をしとるか変質者――ッ!」

「かかった! あとはアンタの番だぜ、プロデューサー!」


未央「プロデューサー?」

未央「……えっ? プロデューサーが、来てるの……?」


「待て――っ! 止まれ〜〜っ!」

「ここまでおいで〜! おし〜りぺんぺん!」
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/21(水) 23:56:18.45 ID:KIcOGDjMo
  ・  ・  ・

武内P「ありがとうございます、キン肉マンさん」

キン肉マン「なあに、これくらいお安い御用ですよ、はっはっは!」

武内P「いえ……おかげで、彼女――本田さんと、キチンと話が出来ました」

キン肉マン「大事な話なのに、横槍が入ってはいけませんからな!」

キン肉マン「私も、警察に追い回された甲斐があります!」

武内P「……一つ、お聞きしてもよろしいですか?」

キン肉マン「ええ、なんでも聞いて下さい!」


武内P「何故、地球に?」


キン肉マン「それは……」

武内P「……」

キン肉マン「……」


武内P「……申し訳ありません。少し、お腹が空いてしまいました」

キン肉マン「はい?」

武内P「お礼にご馳走しますので、牛丼でも、一緒にいかがですか?」

キン肉マン「……ええ、喜んで!」
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 00:03:37.82 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

未央「……」

凛「未央……!」

卯月「未央ちゃん……!」

未央「えへへ……ただいま、皆……!」

CPアイドル達「おかえり!」


武内P「これで……メンバー14人、全員が揃いましたね」

武内P「シンデレラプロジェクト……改めて、始動です」

CPアイドル達「――はいっ!」

武内P「そして……皆さんに、新しい仲間を紹介します」

武内P「仲間と言っても、メンバーではなく、私のサポートに回ってくださる方です」

CPアイドル達「……」

武内P「――どうぞ」


キン肉P「彼とタッグを組む事になった、キン肉Pだ!」

キン肉P「これから、よろしくねん♪」



つづく
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 00:09:11.83 ID:qiS2x9i+o
明日には終わると思います
細かい部分はゆでだから
寝ます
おやすみなさい
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/22(木) 00:26:07.89 ID:nWyJlGS0o

友情パワーに目覚めるアイドルたちが見られるとか胸熱
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/22(木) 08:34:25.40 ID:zFaJn0Xjo
言うほど正義超人仲良くないんだよなあ
悪魔超人とか始祖達のほうが仲良さそう
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/22(木) 09:22:39.94 ID:p+Mqh5g1O
アーニャがウォーズマンスマイルを覚えるんですね
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 15:29:04.79 ID:qiS2x9i+o
書きます


武内P「キン肉Pが何者か、ですか?」
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 15:34:52.17 ID:qiS2x9i+o
未央「そりゃ、悪い人じゃないとは思うんだけどさ……」

卯月「その……Pのマスクを被ってて顔が見えませんし……」

凛「スーツの上からでもわかるあの筋肉、普通じゃない」

武内P「キン肉Pは、一時的に私のサポートをしてくださる方です」

武内P「安心してください。あの人は、実はとても凄い人なのです」

未央・卯月・凛「そうは言うけど……」


ちひろ「さあ、しっかり働いて下さい、キン肉Pさん!」

キン肉P「そうは言うけど、運ぶ荷物の量が多すぎますちひろしゃ〜ん!」

ちひろ「事務仕事が出来ないんですから、力仕事は頑張ってください」

ちひろ「それが終わったら、牛丼を差し入れしますから♪」

キン肉P「はっはっは! この程度軽い軽い! 任せて下さい!」


未央・卯月・凛「……そうは見えない」
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 15:39:58.91 ID:qiS2x9i+o
武内P「私は、キン肉Pさんが必要だと、そう考えています」

未央「……どうして?」

武内P「あの人は、今まで幾多の困難を乗り越えてきました」

卯月「幾多の……困難」

武内P「はい。そんなキン肉Pさんから、学ぶ所は数多くあります」

凛「でも……どうしてそんな人が、ここに居るの?」

武内P「それは……私にもわかりません」

未央・卯月・凛「……」

武内P「ですが……彼が私と出会い、ここに来たことには何か意味がある」

武内P「そう、思うのです」


キン肉P「ひ〜っ! プロデューサーも楽じゃないわい!」


https://www.youtube.com/watch?v=xPfqyGtKcVo
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/22(木) 15:40:16.77 ID:zFaJn0Xjo
素顔は光輝くイケメンなんやで?
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/22(木) 15:44:56.01 ID:0uTMxuJSO
舞台の奈落から落ちて大怪我しても治せる美貌
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/22(木) 15:48:06.67 ID:RTGc93Kxo
クロスオーバーものおもしれーな
80年代ジャンプならシティハンターみたいけどンミナミィ以外は守備範囲外だよなあ
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/22(木) 15:48:45.33 ID:RTGc93Kxo
>>214
ちっひの心に照射してみて欲しいわ
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 15:54:38.02 ID:qiS2x9i+o
武内P「……」

キン肉P「どうしたプロデューサー、浮かない顔をして!」

キン肉P「そんな顔をしてたら、悪行超人と間違えてしまうぞ!」

武内P「あ、いえ……特に、大したことでは……」

キン肉P「水臭いぞ、プロデューサー!」


キン肉P「私とアナタは、一時的とは言えタッグを組む身!」

キン肉P「いわば、一心同体のようなものだ!」

キン肉P「そのパートナーが、表情を曇らせているのを見過ごせるか!」


武内P「……!」


キン肉P「仕事の話はサッパリわからんが……」

キン肉P「共に悩み、考える事ならば私にも出来るぜ、プロデューサー!」


武内P「キン肉Pさん……」

キン肉P「それと、そろそろ‘さん’付けはよしてくれ」

キン肉P「タッグを組む相手に‘さん’を付けてたら、隙が出来てしまうからな!」

武内P「そうですね……――キン肉P」
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 16:01:32.62 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

キン肉P「……なるほど、蘭子ちゃんが何を考えているかわからない、と」

武内P「はい……彼女の言葉は、その……少々特殊ですので」

キン肉P「ううむ、私も少し話してみたが、ち〜っともわからんかった」

武内P「ですが……彼女は、何かを伝えようとしているのです」

武内P「それが何かわかれば、良いのですが……」


キン肉P「――だったら、話は早い!」


武内P「……は?」

キン肉P「何かを伝えようとしてくれている……それは、わかるのでしょう?」

武内P「それは……はい」


キン肉P「ならば! あとは彼女の言葉を理解するよう、努力すればいいだけの事!」


武内P「!」
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 16:10:16.55 ID:qiS2x9i+o
武内P「それは……確かに、その通りです」


キン肉P「その道のりは、確かに困難かもしれない」

キン肉P「だが……その道を進むだけの価値はある」


キン肉P「私はそう思うが、プロデューサーはどう思う?」

武内P「ええ……私も、キン肉Pと同じ気持ちです」

キン肉P「ふっ、さすがは私のタッグパートーナーだ!」

スッ…

武内P「やりましょう、キン肉P。彼女の……神崎さんの――」

がしっ!

武内P・キン肉P「――笑顔のために!」

https://www.youtube.com/watch?v=RRU2qk71S_g
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 16:17:32.59 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

武内P「……漆黒……魂……」

カタカタッ…

ちひろ「プロデューサーさん、調べ物ですか?」

武内P「はい。神崎さんの、言葉を理解するために」

ちひろ「プロデューサーさん……」

武内P「! そろそろ……皆さんのダンスレッスンを見に行く時間ですね」


キン肉P「おっと、そいつは私に任せてもらおうか!」


武内P「キン肉P……」

キン肉P「プロデューサー、アンタは今はそいつに集中するんだ」

武内P「……はい、わかりました。彼女達をお願いします」

ちひろ「って、キン肉Pさんはダンスとかわかるんですか!?」

武内P「安心してください、千川さん」

ちひろ「えっ?」


キン肉P「実はこの私、ダンスもかなりの腕前なのですよ! はっはっは!」
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 16:27:51.81 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

武内P「……」

蘭子「……」



キン肉P「……どきどき! 頑張れ、二人共……!」

未央「ちょっ、キン肉Pもうちょっとしゃがんで……見えないから……!」

卯月「プロデューサーさんに蘭子ちゃん……大丈夫でしょうか……」

キン肉P「――絶対に、大丈夫さ」

未央・卯月「えっ?」


キン肉P「私は、彼の努力を今まで見てきた……そりゃもう、凄いもんだったぜ」

キン肉P「そんな彼が選んだ蘭子ちゃんが……負けるはずは無い!」

キン肉P「どんな困難だろうと、彼が隣に居れば乗り越えていけるさ!」

キン肉P「例えそれが、自分自身であったとしてもだ!」


CPアイドル達「キン肉P……!」


蘭子「――魂の共鳴!」ニコッ

武内P「……良い、笑顔です」


キン肉P「ほうらね! ほうらね!」

CPアイドル達「二人の会話、全然聞こえなかった!」

キン肉P「しょ、しょんな〜!?」

CPアイドル達「……あはははっ!」
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 16:38:01.22 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

智絵里・かな子「……」

キン肉P「おんやぁ? どしたの二人共?」

智絵里「キン肉P……」

かな子「その……お仕事が上手く行かなくて」

智絵里「プロデューサーに……迷惑をかけちゃって……」

キン肉P「……なるほど、だからそんな浮かない顔をしてたのか」

智絵里・かな子「……」


キン肉P「――気にする事はないさ! どんどん失敗すれば良い!」


智絵里・かな子「えっ!?」

智絵里「だけど……それじゃあ見捨てられちゃう……!」

かな子「それに、これ以上プロデューサーさんに迷惑をかける訳には……!」

キン肉P「智絵里ちゃん、かな子ちゃん」


キン肉P「彼は――プロデューサーは、一言でもそんな事を言ったかい?」


智絵里・かな子「えっ?」
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 16:47:22.04 ID:qiS2x9i+o
キン肉P「正直な所……私は、アイドルというものがまだよくわからん」

キン肉P「だから、キミ達にうまい言葉をかける事は出来ない」

智絵里・かな子「……」

キン肉P「――しかし! これだけは言える!」

智絵里・かな子「!」


キン肉P「彼は……プロデューサーは、迷惑だなんて微塵も思っちゃいないさ」

キン肉P「新人のキミ達が失敗するのは、当たり前のことなんだから」

キン肉P「至らない所なんて、当然出てくるに決まっている」

キン肉P「だが、そんな所も含めて、彼はキミ達を選んだのだから!」


智絵里・かな子「キン肉P……!」


キン肉P「それでも不安なら、ぶつかっていけば良い、話をすれば良い」

キン肉P「そのための協力だったら、私はなんだって惜しまずやるぜ!」グッ!


智絵里・かな子「……!」

智絵里・かな子「……――ありがとうございますっ!」


キン肉P「へっ? 私はま〜だ何もしとらんぞ?」
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/22(木) 16:51:35.18 ID:RTGc93Kxo
これは大王
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 16:58:17.83 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

キン肉P「おっ掃除、おっ掃除らんらんら〜ん♪」


杏「……もー、うるさくてこれじゃあ寝てられないよー」


キン肉P「杏ちゃん」

杏「ふわ〜ああ」

キン肉P「悪いね、お昼寝の邪魔をしてしまったようだ」

杏「……ま、智絵里ちゃんとかな子ちゃんを助けてくれたからおっけーおっけー」

キン肉P「私は別に、助けたつもりはないさ」

杏「そうは言うけど、おかげでやる気を出した二人に付き合わされて、杏は大変だよー」

キン肉P「……その割には、良い顔をしてるぜ、杏ちゃん!」

杏「……そんな事無いってば。杏は、働きたくないんだから」

キン肉P「またまた〜!」

杏「……」


杏「月・火・水・木・キン肉P〜♪」

キン肉P「金・土・日〜は〜遊び〜たい〜ヤッホ〜♪」

杏・キン肉P「ヤッホー♪」


キン肉P「――って、ぎくうっ!? 杏ちゃんは、私の正体を――!?」

杏「……さあね〜」
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 17:11:44.25 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

莉嘉「どうしよう、このままじゃLIVEの時間に間に合わないよ〜!」

みりあ「ねえねえ、間に合わなかったら、どうなっちゃうの?」


キン肉P「ご、ごみんよ三人共……」

キン肉P「私がクレープをもっと食べたいとダダをこねたばっかりに……」


きらり「……ううん、悪いのはキンちゃんだけじゃないゆ」

莉嘉「うん……アタシ達も、ちょっとはしゃぎすぎたし」

みりあ「だから、そんなに落ち込まないで、キン肉P」


キン肉P「きらりちゃん……莉嘉ちゃん、それに、みりあちゃん……!」

キン肉P「――くそう! 私は、自分が情けない!」

キン肉P「この状況で……悔しいが、何一つ解決策が思い浮かばん!」

キン肉P「仮にも、皆を引っ張っていかなければいけない立場だと言うのに……!」


莉嘉・みりあ・きらり「……」


キン肉P「すまない、皆……!」
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 17:22:03.07 ID:qiS2x9i+o
きらり「も〜! そんな事で落ち込んでたらメッ! だゆ!」

莉嘉「そうそう! キンくんには、そういうの似合わないって☆」

みりあ「うんっ! 一人で考えてダメなら、皆で考えよう!」


キン肉P「だが、しかし……!?」


きらり「あのね、一人でダメなら、他の人を頼っても良いんだゆ?」

莉嘉「そのためのユニット! そのためのシンデレラプロジェクトだもん!」

みりあ「だから、顔をあげてキン肉P! 落ち込んでるなんて――」

きらり・莉嘉・みりあ「らしくない!」


キン肉P「!」

キン肉P「……ふっ、私としたことが、確かにらしくなかったぜ」

キン肉P「そうだ……本当に、大切なことを忘れる所だった」

キン肉P「例え立場が違えども、手を取り合い、前に進んでいく……」

キン肉P「――それが、友情パワーだ!」


キン肉P「原宿の皆に、見せてやろうぜ! 凸レーション!」

キン肉P「私たちの――友情パワーを!」


きらり・莉嘉・みりあ「おーっ!」
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 17:30:06.97 ID:qiS2x9i+o
キン肉P「莉嘉ちゃん! 莉嘉ちゃんは、私の右腕に乗るんだ!」

莉嘉「オッケー!☆」

キン肉P「みりあちゃん! みりあちゃんは、反対の左腕に!」

みりあ「うんっ!」

キン肉P「きらりちゃん! きらりちゃんは、肩に乗っかれい!」

きらり「肩って……でもでも、きらりはおっきいから……」

キン肉P「心配することはない!」


キン肉P「私の腕は、そして背中は……何かを支えるために、背負うためにある!」

キン肉P「それがキミ達の笑顔のためだったら、何てことはないぜ!」


きらり「キンちゃん……!」

莉嘉・みりあ「ほら、きらりちゃん!」

きらり「……うんっ!」


キン肉P「そうらっ! 立ち上がるぞ〜っ!」
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 17:38:32.44 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

武内P「! あれは……!」

美嘉「うわ……凄い人だかり……!」


莉嘉・みりあ・きらり「私たち、凸レーションで〜す!」

キン肉P「この後、彼女達のLIVEがあります!」

キン肉P「是非、見に来てください!」


莉嘉・みりあ・きらり・キン肉P「応援、よろしくぅ!」


美嘉「……ねえ、あのPのマスクの人って」

武内P「はい。彼が、私のタッグパートナーです」

美嘉「へー、結構やるじゃん」

武内P「そうですね……私には、過ぎたパートナーだと、そう、思います」

美嘉「でも、ちょっと安心したかも」

武内P「安心、ですか?」

美嘉「あの人と一緒なら……アンタも変われるんじゃない?」


莉嘉・みりあ・きらり「イエーイ☆」

キン肉P「はっはっは!」


武内P「そうですね……はい、そう思います」
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 17:46:57.49 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

みく「全く、どうしてみく達がユニットを組まなきゃいけないにゃ!」

李衣菜「それはこっちの台詞。ネコミミなんて、全然ロックじゃない」

みく「それを言うなら、ロックなんて全然可愛くないにゃ!」


キン肉P「ん? あれは……?」


みく・李衣菜「う〜っ、解散!」


キン肉P「か、解散!?」

キン肉P「待て待て待て待て〜い! 落ち着け、二人共!」


李衣菜「き……キン肉P……?」

みく「そ、そんなに慌てて、どうしたの……?」


キン肉P「解散と聞いて、慌てずにいられるか!」


みく・李衣菜「……」
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 17:53:16.35 ID:qiS2x9i+o
キン肉P「二人共、お違い不満があるのか!?」


みく・李衣菜「それは……」

みく・李衣菜「……」ジッ

みく・李衣菜「ある!」


キン肉P「のわ〜っ! わ、私にすごまんでくれい!」

キン肉P「……だが、その不満は存分にぶつけ合ったのか?」


みく「不満を……」

李衣菜「ぶつけ合う……?」


キン肉P「ああ、そうだ」

キン肉P「みくちゃんも、李衣菜ちゃんも、タッグを組んだばかり」

キン肉P「お違いに不満があるなぞ当然」

キン肉P「それも、全く違ったタイプならなおさらの事」


みく・李衣菜「……」
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 18:00:14.77 ID:qiS2x9i+o
キン肉P「不満があるのなら、正面からぶつかり合えば良い」

キン肉P「案外、みくちゃんと李衣菜ちゃんのタッグが――」

キン肉P「プロジェクトで、一番のユニットになるかも知れないぜ?」グッ


みく「みく達が……?」

李衣菜「……そうは思えないです」


キン肉P「はっはっは! 私も昔、パートナーと仲違いをしたものさ!」

キン肉P「時には仲間割れをし、本当に危険な場面に陥る事もあった!」

キン肉P「だが、そのぶつかり合いがあったからこそ、真のパートナーになれた」

キン肉P「全員がそうしろとは言わないが、私は、キミ達がそのタイプに見える」


みく・李衣菜「……」


キン肉P「だから、解散を決める前に、やれる事はやってみて欲しい」

キン肉P「プロデューサーは、キミ達二人なら困難を乗り越えられると思ったんだろう」

キン肉P「その困難を乗り越えた二人の姿を……私も見たい」


みく・李衣菜「……」
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 18:10:10.29 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

みく・李衣菜「ニャ〜〜〜〜〜〜ッ!!」


キン肉P「うおおっ!? なんて気合の入った叫び声だ!」

キン肉P「あれはジェロニモの倍……いや、10倍の威力だ!」

キン肉P「会場の空気が、一気に変わりやがったぜ!」


武内P「ありがとうございます、キン肉P」

キン肉P「? どうした、プロデューサー」

武内P「アナタが、彼女達にアドバイスをしたのでしょう?」

キン肉P「アドバイスなんて、そんな大したものじゃあないさ」

キン肉P「人生の先輩として、体験談を語っただけにすぎない」

武内P「いえ、それでも……ありがとうございます」

キン肉P「おっと、その話はまた後にしようぜ、プロデューサー」

武内P「……そうですね、キン肉P」


武内P・キン肉P「今は――彼女達を見守らなければ」
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 18:20:59.68 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

ミート「待ってください! まだ、もう少しだけ時間をください!」


真弓「いいや、これ以上は待てん」


ミート「皆さんは、それで良いのですか!?」


テリーマン「……」

ロビンマスク「……」

ウォーズマン「……」

ラーメンマン「……」


ミート「何かおっしゃってください、皆さん!」


バッファローマン「往生際が悪いぜ、ミート」

ブロッケンJr「そうだぜ、キン肉マンは戻ってこない」

アシュラマン「初めから、こうしていればよかったのだ」

ザ・ニンジャ「いや、元々こうなる運命だったのだ」


真弓「姿を消したスグルに代わり――」

真弓「アタルを時期大王にするための準備を進める!」


アタル「……」



つづく
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 18:28:52.75 ID:qiS2x9i+o
>真弓「アタルを時期大王にするための準備を進める!」

>真弓「アタルを次期大王にするための準備を進める!」
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/22(木) 19:12:17.93 ID:RTGc93Kxo
血盟軍の連中ノリノリで草
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/22(木) 20:17:35.43 ID:J5l8LAG9O

まあスグルはある程度自由な立場でいた方が本人も幸せだろうという気持ちはあるのでアタル兄さんが王位にと言われてもあまり強く反対出来ん……

>>216
消滅してしまわないかそれ
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 20:19:04.97 ID:qiS2x9i+o
書きます



キン肉P「サマーフェスまで、あと少しか!」
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 20:24:14.22 ID:qiS2x9i+o
武内P「はい。ようやく、ここまで来ることが出来ました」

キン肉P「何を言っとるんだプロデューサー!」

武内P「何か、おかしな事を言ってしまいましたか?」

キン肉P「ああ、言ったさ!」


キン肉P「彼女達の、シンデレラプロジェクトの道はまだまだ続く! 続いていく!」

キン肉P「だから、ようやくだの、ここまでだの、簡単に言うもんじゃあない!」

キン肉P「サマーフェスは、あくまでも今までの彼女達の努力の結晶!」

キン肉P「そして、それを胸に、これからも歩んでいく!」

キン肉P「……そうだろう?」ニヤリ


武内P「……そうですね、その通りです」

キン肉P「プロデューサーはたまにそうやってウッカリするんだから〜ん! このこの〜!」

武内P「……」

キン肉P「ん? どうしたプロデューサー? 浮かない顔をして」

武内P「……」
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 20:35:29.75 ID:qiS2x9i+o
武内P「キン肉P……いえ、キン肉マンさん」

キン肉P「……どうした、急に改まって」

武内P「私は……今のアナタの姿が、本来のものでないと知っています」

キン肉P「それは……」


武内P「キン肉星の大王になるということが、どういう事を意味するのか」

武内P「……もう、答えは出たのではないでしょうか」


キン肉P「プロデューサー……わ、私は……!」

武内P「私ごときが口をはさむ問題ではないと、そう、思うのですが」

キン肉P「いいや……プロデューサー、アンタの言葉だからこそ、身に沁みる」

武内P「……近いうちに、答えを聞かせてください」

キン肉P「……ああ。だが、私ごとき、なんて言わんでくれ」


武内P「ええ……私は、今のアナタのタッグパートナーですしね」


キン肉P「……サマーフェスが終わったら、必ず答えを聞かせよう」


https://www.youtube.com/watch?v=UTSEe0NiWSs
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 20:43:24.20 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

キン肉P「――と、言うわけで〜!」

キン肉P「シンデレラプロジェクト! 夏の合宿じゃーい!」

武内P「皆さんには、サマーフェスに向けてこの合宿で色々な確認をして貰います」

武内P「各自のスキルアップや、集団での動きなど、実りあるものになるはずです」


CPアイドル達「はいっ!」


キン肉P「サマーフェスに向けて、プロジェクトのまとめ役を――」

武内P「――新田さん。貴女に、お願いしようと思います」


美波「私が……ですか?」


武内P「はい。これは、私とキン肉Pで話し合って決めました」

キン肉P「ああ。美波ちゃんならば、きっと良いリーダーになると私達は考えた!」


美波「……わかりました! その役、務めさせていただきます!」


キン肉P「良い返事だぜ、美波ちゃん!」グッ
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 20:49:23.23 ID:qiS2x9i+o
武内P「私は、フェスの準備でここを離れなければなりません」

キン肉P「だが、安心してくれ! 私が付いてるからな!」


CPアイドル達「えーっ」


キン肉P「どしぇ〜っ!? その反応は無いんでないの!?」

キン肉P「ボクちゃん、寂しくなっちゃう!」イジイジ


未央「あはは! 冗談だって、キン肉P!」

卯月「はいっ♪ えへへ、ちょっとからかってみたくなっちゃって」

凛「キン肉Pって、なんだかからかいたくなるんだよね」

CPアイドル達「うんうん」


キン肉P「んもーっ! 本気で焦っちゃったじゃないの!」

キン肉P「お返しに、ビシ! バシ鍛えていくからな!」ムキッ!


CPアイドル達「あははははっ!」

CPアイドル達「――はいっ!」
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 20:55:43.34 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

このひ〜かりっ、めざして〜♪

CPアイドル達「……っ」

CPアイドル達「……はぁ……はぁ」


キン肉P「……!」

キン肉P(はわわわわ! まるでタイミングが合っとらん!)

キン肉P(だが、14人分の合体技など、私はわからんぞ!)

キン肉P(プロデューサーは、彼女達なら大丈夫だと言っていたが……!)

キン肉P(ほ、本当に大丈夫なのか……!?)


美波「……」

美波「――皆、今日の練習はもう終わりにしましょう」


CPアイドル達「えっ?」


キン肉P「ええ〜っ!?」
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 21:02:07.24 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

キン肉P「……お見事だったぜ、美波ちゃん」

美波「ふふっ、ありがとうございます」

キン肉P「私は、目標のためなら一直線に頑張るしか無いと思っていた」

キン肉P「だが……今のあの子達を見ていると、それだけではないとわかった」


CPアイドル達「あはははっ!」ニコニコ


キン肉P「ふっ、なんとも良い笑顔で笑ってやがる!」

美波「……確かに、苦しいことも、辛いこともあります」

キン肉P「……」

美波「だけど、そんな中でも、笑顔を忘れずにいたいんです」

キン肉P「美波ちゃん……」

美波「なーんて、偉そうなこと言っちゃいましたね」

キン肉P「……いいや、実際に立派さ」


キン肉P「……その点、私は――」

びしゃっ!

キン肉P「うわぶっ!? つ、冷たぁい!」


CPアイドル達「……」ニヤニヤ


キン肉P「……ははっ! やったな、こいつぅ!」
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 21:10:00.61 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

武内P「……――皆さん、今日はいよいよ、サマーフェスの本番です」


CPアイドル達「はいっ!」


キン肉P「おいおい! 今からそんなに緊張してたら、身がもたないぜ!」ガチガチッ

キン肉P「リラックス! リラックスだ!」ガチガチッ


CPアイドル達「……」ジイッ


キン肉P「な、何? そんなに見つめちゃダメ〜ん」ガチガチッ

武内P「……キン肉P、今からそんなに緊張していたら、身が持ちませんよ」

キン肉P「えっ!? あっ、あらヤダ!」ガチガチッ

武内P「……緊張は、キン肉Pが引き受けてくれています」

武内P「皆さんは、落ち着いていきましょう」


CPアイドル達「……ふふふっ」

CPアイドル達「――はいっ!」


キン肉P「ようし! その意気だぜ、皆!」ガチガチッ

武内P「……キン肉Pも、少し落ち着いてくださいね」
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 21:16:11.00 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

キン肉P「リハーサルも終わって、もうすぐ本番か」

キン肉P「彼女達との関わりも、長いようで短かったのう」

キン肉P「……」

キン肉P「いかんいかん! 今は、目の前の事に集中せねば!」

キン肉P「会場の〜♪ お掃除、お掃除らんらんら〜ん♪」


未央「キン肉Pっ!」


キン肉P「おわあっ!? って、なんだ、未央ちゃんではないか」

卯月「大変なんです、キン肉Pさん!」

キン肉P「卯月ちゃんまで……一体、何があったというんだ?」

凛「美波が……美波が、倒れちゃったの!」

キン肉P「!? なんだって!?」
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 21:25:35.40 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

キン肉P「――プロデューサー!」

武内P「……キン肉P」

キン肉P「美波ちゃんは、大丈夫なのか!?」

武内P「……極度の緊張から、体調を崩してしまったようです」

キン肉P「何てことだ……!」

武内P「……なので、新田さんの代役として、神崎さんを」

キン肉P「アーニャちゃんと、組ませると?」

武内P「はい。本番まで、もう時間がありませんから」

キン肉P「待ってくれ! それでは、美波ちゃんはどうなる!」

武内P「……体調が戻れば、全体曲には」

キン肉P「……!」


武内P「これが――私の、プロデューサーとしての限界です」

武内P「ですが……」


キン肉P「!」

キン肉P「プロデューサー! 美波ちゃんは、今どこに!?」


武内P「医務室で、休んでいます」

キン肉P「おう! それだけ聞けば、十分だ!」


キン肉P「――送り届けてみせるさ! 必ず!」
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 21:32:22.97 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

ガチャッ!

キン肉P「――美波ちゃん!」


美波「……キン肉P」グスッ

キン肉P「頑張ったな……美波ちゃん」

美波「はい……だけど……だけどっ……!」グスッ

キン肉P「泣くのは、もうやめるんだ」

美波「でもっ……! う、ううっ!」グスッ


キン肉P「泣いてたら、ファンの皆が心配しちまうぜ」

キン肉P「それに、アーニャちゃんも、蘭子ちゃんもだ!」


美波「――えっ?」


キン肉P「……私は、キミに教えられた」

キン肉P「辛い時、苦しい時……そんな時にも、笑顔を忘れてはいけないと!」

キン肉P「――ならばっ!」

キン肉P「その笑顔の手助けをするのが、この私の――」


ばっ!


キン肉マン「――プロデュースじゃーい!」


キン肉マン「フェイスフラッシュ!」
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 21:40:11.84 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

アーニャ(美波……見て、くれていますか?)

アーニャ(私は、美波と一緒にこのステージに立ちたかった、です)

アーニャ(きっと……美波も、同じ気持ちだったと思います)


アーニャ「……!」


アーニャ(だから――今は、美波の分まで、頑張ります!)

アーニャ(残る二番も……精一杯――)


???「――とうっ!」


アーニャ・蘭子「!?」


キン肉P「――選手交代のお知らせだぜ!」

美波「――アーニャちゃん!」


アーニャ「美波!」
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/22(木) 21:40:49.73 ID:aBQBfO5So
ドブ川を清流に変えるフェイスフラッシュきたー
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 21:47:57.19 ID:qiS2x9i+o
アーニャ「でも……どうして……?」


キン肉P「話は後だ! もうすぐ二番が始まっちまう!」


蘭子「――美波さん!」

スッ…

美波「――蘭子ちゃん!」

パンッ!


キン肉P「タッチ確認! 私に掴まれ、蘭子ちゃん!」

蘭子「心得た、力強き友よ!」

蘭子「美波さん、アーニャさん……頑張って!」

キン肉P「確かに届けたぜ! さらばだっ! とうっ!」

ヒュバッ!


美波「……おまたせ、アーニャちゃん」

アーニャ「……もう、一番は、終わってしまいました」

美波「ええ。だから、二番は思いっきりいくわよ!」

アーニャ「ダー♪」
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 21:57:45.23 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

武内P「……ありがとう、ございます」

キン肉P「よ、よしてくれ! そんなに頭を下げられると、こっちが困ってしまう!」

武内P「いえ……アナタのおかげです」

キン肉P「私は、当たり前のことをしただけさ」

キン肉P「それに、あの時はコートを借りてしまった」

キン肉P「だから……あれが、出会った時のパンのお返しと言う事にしてくれい」

武内P「……わかりました。そういう事にしておきます」ニコリ

キン肉P「おおう!? アンタ、笑うとそんな顔になるのか!」

武内P「……私は、笑っていましたか?」

キン肉P「おうとも! 良い笑顔だったぜ、プロデューサー!」


「大変だ〜! 凄い雨が降り出した!」


武内P・キン肉P「……」

武内P「話している暇は――」

キン肉P「――なさそうだな!」
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 22:05:35.83 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

武内P「今は、機材が濡れないようにしてください!」

武内P「そして、アイドル達が滑らないよう、ステージ上の水を!」


「ですが……あの雲だと、雨は続きそうです!」

「最悪……このまま、振り続ける可能性も……」


キン肉P「止まない雨はないさ! そして、晴れない雲も!」

キン肉P「今日は、彼女達の晴れ舞台! だから――」


キン肉マン「――フェイスフラッシュ!」

ピカアアア――ッ!


「なんだ!? マスクの下から、光が……!?」

「あの顔……まさか、キン肉マンか!?」

「! 見ろ! 雨雲が晴れて……!」


キン肉マン「――そんな舞台には、虹こそがお似合いだ」


CPアイドル達「プロデューサー!」

武内P「皆さん……準備は、よろしいですか?」

CPアイドル達「はいっ!」

キン肉マン「見せてやろうぜ! 皆の、笑顔の輝きを!」

CPアイドル達「はいっ!」
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 22:18:11.27 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

武内P「――皆さん、サマーフェス、お疲れ様でした」

キン肉P「最高のLIVEだったぞい! 思い出すだけで、私はもう……!」グスッ

CPアイドル達「あははっ」

キン肉P「……」


キン肉P「……皆に言わなければならない事がある」

武内P「……」


未央「それって、キン肉Pの正体が、キン肉マンだー、って事?」

キン肉P「へっ!?」

卯月「あの……私たち、随分前から気づいてました、よ?」

キン肉P「どゆこと!?」

凛「言動とその体格、それに、牛丼好きってわかりやすすぎ」

キン肉P「しょ、しょんな〜!」


キン肉P「昨日の夜、どう話そうか考えてたら寝ちゃってた私の苦労は一体!?」


武内P「それは……しっかり寝ていますね」

CPアイドル達「あははははっ!」
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 22:25:09.29 ID:qiS2x9i+o
武内P「フェイスフラッシュも使っていましたし……」

キン肉P「……そうだった。あの時は夢中で、すっかり忘れていたぞい」

すぽっ

キン肉マン「皆、今まで黙っていてすまかった」

キン肉マン「私は、本当はプロデューサーではないのだ」

キン肉マン「次期キン肉星の大王、キン肉スグル」

キン肉マン「……キン肉マンだったのだ!」

CPアイドル達「……」

キン肉マン「……」


ガチャッ!


ミート「王子〜〜〜っ!」


キン肉マン「み、ミート!? どうしてここに!?」

ミート「そんな事を言ってる場合じゃありません!」

ぐいっ!

キン肉マン「お、おい! 引っ張るな!」

ミート「良いから、早く外へ! 大変なんですよ!」

キン肉マン「大変……?」
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 22:33:05.91 ID:qiS2x9i+o
  ・  ・  ・

真弓「……」

ソルジャー「……」


キン肉マン「ええっ!? どうして二人が此処に!?」


真弓「スグルよ、最早お前は次期大王ではない!」

キン肉マン「な、何だって!?」

真弓「嫌な事から逃げ出すようなお前では、大王にふさわしくない!」

キン肉マン「ま、待ってくれ!」

ソルジャー「くどいぞ、スグル」

キン肉マン「アタル兄さんまで……!?」

キン肉マン「な、何かの間違いだと言ってくれい!」

ソルジャー「間違いではない」


ソルジャー「不甲斐ないお前に代わり、私がキン肉星の大王となるのだーっ!」


キン肉マン「……!?」
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 22:43:39.41 ID:qiS2x9i+o
キン肉マン「だ、だが……私は王位継承戦を勝ち残った!」

ソルジャー「そうだ。だからこそ、わざわざ出向いてきてやったのだ!」

キン肉マン「み、ミート! お前からも何か言ってくれ!」

ミート「ずっと言ってきましたけど……王子が戻ってこないから!」

キン肉マン「……!?」


ソルジャー「スグル! 兄である私が、直接引導を渡してくれるわーっ!」


ゴゴゴゴゴゴゴッ…!


キン肉マン「な、何だっ!? この大きな音は!?」

ソルジャー「……あれを見ろ!」

キン肉マン「げええーっ!」

キン肉マン「事務所の時計が二つに割れて……そこからリングが!」

ソルジャー「……お前が、ここに来たのは何かの運命だったのかも知れんな」


ソルジャー「346プロダクションは、芸能プロダクションとして存在していたのではない!」


ソルジャー「遥か古来より、己の在り方――あるべき法を探す場!」


ソルジャー「その本来の名は――Missing law(ミッシング・ロウ)プロダクション!」


キン肉マン「な、何だってーっ!?」
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/22(木) 22:50:35.94 ID:J5l8LAG9O
なんだってー!?
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 22:53:30.76 ID:qiS2x9i+o
ソルジャー「まさに、今のお前に相応しい場所と言えるだろう」

キン肉マン「あ、アタル兄さん……!」

ソルジャー「今の私は、お前の兄ではない!」

ソルジャー「王位を継承するため、お前に引導を渡す超人!」

ソルジャー「キン肉マンソルジャーだ!」

キン肉マン「そ、そんな……!」


真弓「この戦いは、モニターで中継される」

ピッ!

テリーマン『……』

ロビンマスク『……』

ウォーズマン『……』

ラーメンマン『……』


キン肉マン「ど、どうして何も言ってくれないんじゃ、みんな〜っ!?」

キン肉マン「まさか、本当に私が大王にならなくても良いと思っておるのか〜っ!?」


ソルジャー「私と戦え、キン肉マン!」

キン肉マン「……!」


キン肉マン(そんな……兄さんと戦う……!?)

キン肉マン(強く、偉大な……アタル兄さんと……!?)



つづく
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 22:55:58.28 ID:qiS2x9i+o
休憩
こっから肉9、デレ1な感じです
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/22(木) 23:16:41.14 ID:/Vloc9SBo
ロビン…生きていたのか…!
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/22(木) 23:34:06.19 ID:FT9iHEDUo

まあ、頭部損壊状態のアシュラマンだって普通に生きてたからな
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 23:34:07.40 ID:qiS2x9i+o
https://www.youtube.com/watch?v=UTSEe0NiWSs

  ・  ・  ・

吉貝「さあて! 遂に始まってしまいました、運命の兄弟対決!」

中野「この試合を見れるなんて、女房を質に入れた甲斐がありますね〜!」

吉貝「実況は私、吉貝と」

中野「解説は、おまたせシマウマ〜! 世界に羽ばたくアデランスの中野さんです〜!」

吉貝「――で、お送りします!」


キン肉マン「……!」

ソルジャー「……」


吉貝「向かい合う両者……少し、キン肉マンは緊張していますね?」

中野「そうですね。久々の解説で、私も緊張しています」


カ――ンッ!


吉貝「今、運命のゴングが鳴った――っ!」
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 23:42:14.61 ID:qiS2x9i+o
キン肉マン「アタル兄さん……よしてくれ、こんな真似は!」

ソルジャー「ほう、まだ言うか」

キン肉マン「何度だって言うさ! 何故、私たちが戦わなければならんのだ!」


ソルジャー「そんな事もわからんのか、お前はーっ!」

ボオオッ…!


吉貝「ああ――っと! キン肉マンソルジャーの右手が燃え上がっている!」


キン肉マン「!? ま、まさかそれは!?」

ソルジャー「くらえい、キン肉マン!」

  ・  ・  ・


ブロッケンJr.「ソルジャーめ、初手から遠慮がないぜ」


  ・  ・  ・


ソルジャー「ベルリンの赤い雨――ッ!!」

ザシュゥゥゥッ!

キン肉マン「うわああああっ!?」

ソルジャー「まだまだ――っ!」

ザシュッ! ザシュゥゥッ!


吉貝「乱れ打ち! 恐ろしい程の、ベルリンの赤い雨の乱れ打ちだ――っ!」

中野「あれは痛いですよ〜!」
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 23:51:14.13 ID:qiS2x9i+o
キン肉マン「ぐううっ! このままではまずい!」

キン肉マン「――肉のカーテン!」


吉貝「キン肉マン、肉のカーテンで防御を固める!」

中野「あの上からでは、打撃技は通りませんからね〜」


ソルジャー「守りを固めるか」

ソルジャー「だが……これはどうかな」

ぐるんっ……ぐるんっ……!


吉貝「キン肉マンソルジャー、左腕をぐるぐると回しています!」


  ・  ・  ・


バッファローマン「へっ! お次は俺の技か!」


  ・  ・  ・


ソルジャー「バッファロー・ハンマ――ッ!」

ドゴォォォンン!

キン肉マン「っ!? う、うおおおおっ!?」


吉貝「強〜〜〜烈なラリアット! キン肉マンの体が、宙に浮き上がった〜〜〜っ!」

中野「あれでは、肉のカーテンを維持出来ませんねぇ」
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/22(木) 23:59:06.07 ID:qiS2x9i+o
キン肉マン「うわああああっ!?」


ソルジャー「とあっ!」

ヒュンッ!


吉貝「キン肉マンソルジャー、キン肉マンを追って自らも飛び上がる――っ!」


ソルジャー「リングアウトが許されると思うな!」

ピタァッ…!

キン肉マン「わ、私の足の裏に両膝を!? ま、まさか!?」


  ・  ・  ・


アシュラマン「ふふ……やはり、ソルジャーは器が違う!」


  ・  ・  ・


ソルジャー「超人――稲綱落としィィ――ッ!」

ドガァァァンン!

キン肉マン「……!」

キン肉マン「……グハッ!」


吉貝「ああ――っと! キン肉マン、はやくもダウーン!」

中野「ありゃ〜、これは女房を質に入れるまでもなかったか」
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/23(金) 00:10:22.56 ID:PxU0JNTro
キン肉マン「……つ、強い……! なんて強さなんだ……!」ヨロッ


ソルジャー「どうした、キン肉マンよ」

ソルジャー「アイドルなんぞにうつつを抜かしているから、こうなるのだ!」

ソルジャー「あんなもの、何の役にも立たぬわーっ!」


キン肉マン「! いくらアタル兄さんでも、今の言葉は捨て置けないぜ!」


ソルジャー「ほう……ならば、そうでないと証明してみせろ!」

キン肉マン「うおおおおおっ!」

ガシッ! ヒュッ――


吉貝「キン肉マン、ソルジャーを抱え飛び上がり、キン肉バスターの体勢に!」


  ・  ・  ・


ザ・ニンジャ「だが……ソルジャーは微塵も冷静さを失っていない」


  ・  ・  ・


キン肉マン「キン肉――」

ソルジャー「順逆自在の術――ッ!」

ひゅんっ


吉貝「ああ――っと! キン肉マンとソルジャーの体が入れ替わったーっ!」


ソルジャー「――バスターッ!!」

ドガァァァンン!

キン肉マン「……!」

キン肉マン「……ごふあっ!」
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/23(金) 00:24:09.88 ID:PxU0JNTro
キン肉マン「……ぐ……ううっ!」ヨロヨロッ


ソルジャー「……無理をするな、かなりのダメージを負ったはずだ」


キン肉マン「ああ、だが……さっきの言葉を取り消して貰うまで……」

キン肉マン「私は、倒れる訳にはいかないッ!」

キン肉マン「私の可愛いアイドル達は、役立たずなどではないぞーっ!」


ソルジャー「……」

ソルジャー「良いだろう! ならば、この技で楽にしてやる!」

がしいっ!

キン肉マン「!? うおおおおおっ!?」


キン肉マン「こ、この技は……!」


ソルジャー「そうだ! 一撃で周囲を焼き払う、ナパーム弾波の威力を誇る!」

ギリギリギリギリッ…!


キン肉マン「ぐあああああっ!」ビキビキッ…!


ソルジャー「その胸にXの文字を抱いて眠れい、キン肉マン!」

ソルジャー「ナパーム・ストレッチ!!」

ゴガァァァァンンンッ!


キン肉マン「……!」

…ばたっ
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/23(金) 00:31:58.11 ID:PxU0JNTro
キン肉マン「……」

キン肉マン(だ……ダメだ……体に力が入らない……)

キン肉マン(アタル兄さん……やはり、アナタはとても強い……)

キン肉マン(思慮深く、そして、経験もある……)

キン肉マン(大王に相応しいのは兄さん、アナタなのかもしれない……)

キン肉マン(こんな……私なんぞよりも)


キン肉マン「……だが……!」

ぐ…ぐぐっ…


ソルジャー「!? もうよせ、スグル! そのまま寝ていろ!」


キン肉マン「……うぐあっ!?」

どしゃっ!


ソルジャー「私が大王になる! だから、お前は休んでいれば良いのだ!」


キン肉マン「へ……へへ……!」

キン肉マン「そんな話……すっかり忘れちまってたぜ……!」

ぐ……ぐぐっ…


ソルジャー「何っ!?」
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/23(金) 00:43:04.23 ID:PxU0JNTro
キン肉マン「私が立ち上がるのは……ぐあっ!」

どしゃっ!

キン肉マン「大王の椅子なんかのためじゃあない……!」

ぐ……ぐぐぐっ……!


ミート「王子〜〜〜っ! 皆を連れてきました〜〜〜っ!」


ソルジャー「ならば……何のために立ち上がる!?」

キン肉マン「それは――」

ぐぐっ……!


CPアイドル達「がんばれ〜〜〜っ! キン肉マ〜〜〜ンっ!」

武内P「キン肉マンさんっ! 頑張ってください!」



キン肉マン「彼女達が――アイドルが、素晴らしいものだと証明するためだ!」



吉貝「ああ――っと! 立った! 立ち上がった! キン肉マン、立ち上がりました!」

中野「この場面で立ち上がったキン肉マンは、強いですよ〜っ!」


キン肉マン「そのためならば、アタル兄さん!」

キン肉マン「いや――キン肉マンソルジャーっ! アンタを越えてみせるっ!!」


ソルジャー「……良いだろう!」

ソルジャー「来い、キン肉マンっ!!」
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/23(金) 00:51:36.71 ID:PxU0JNTro
キン肉マン「ソルジャー……アンタの言っていた、真・友情パワー」

キン肉マン「今の私ならば、そいつがわかるぜ!」


ソルジャー「何っ?」


キン肉マン「私が先日までタッグを組んでいた相手は無口な奴でね!」

キン肉マン「だが今では、目を見れば言いたいことがわかっちまうのさ!」

キン肉マン「――そう!」

キン肉マン「例えモニター越しであったとしてもだ!」

ヒュッ!


吉貝「キン肉マン、高く、高く飛び上がった!」


  ・  ・  ・


テリーマン「……そうだ、行け」


  ・  ・  ・


キン肉マン「テキサス・コンドルキィィ――ック!」

ドガアッ!

ソルジャー「ぬおおおっ!?」


吉貝「キン肉マン、テリーマンの得意技のテキサスコンドルキックで反撃開始だーっ!」
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/23(金) 00:59:01.03 ID:PxU0JNTro
キン肉マン「お次はこいつだ!」

ソルジャー「うおおおっ、ガードが間に合わんっ!」


  ・  ・  ・


ラーメンマン「そこだ……行け……!」


  ・  ・  ・


キン肉マン「フライング・レッグラリアート!」

ドガアアッ!

ソルジャー「ぐわああああっ!?」

ふらふらっ…


吉貝「強烈な飛び蹴りが決まった――っ! ソルジャー、たまらずよろめくーっ!」


キン肉マン「まだまだ――ッ!」

ヒュッ――


吉貝「キン肉マン、右手を手刀の様にし、体ごとソルジャーに……」

吉貝「な、なんと! あの超人のように回転しながら突っ込んでいく――ッ!」


  ・  ・  ・


ウォーズマン「行け……キン肉マン!」


  ・  ・  ・


キン肉マン「スグル版! スクリュー・ドライバァァ――ッ!」

ガリガリガリガリガリガリッ!

ソルジャー「おおお……おおおおっ!?」
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/23(金) 01:07:40.38 ID:PxU0JNTro
キン肉マン「うおおおおっ!」

がしぃっ!


吉貝「キン肉マン、物凄い猛攻! そのままソルジャーを抱え上げる――ッ!」

中野「いやー、私も可愛い女の子たちに応援されたいものですな」


ソルジャー「ぬうっ!? こ、この体勢は!?」


吉貝「これは! キン肉マンのライバル、ロビンマスクの――」


  ・  ・  ・


ロビンマスク「行け――ッ! キン肉マン!」


  ・  ・  ・


キン肉マン「タワー・ブリッジ!!」

ガシイィィッ!

ソルジャー「ぐお……お、おああああっ!?」

ギシギシギシギシギシッ!


吉貝「ソルジャーの背骨がきしむ音が聞こえる、聞こえてきます!」

中野「しかし、このまま勝負がつくとは思えませんね〜」
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/23(金) 01:18:53.18 ID:PxU0JNTro
ソルジャー「さ……さすがだ……!」

ソルジャー「だが! その程度では私を超えることは出来んぞッ!」ボォォ!

キン肉マン「た、タワー・ブリッジのロックが外れていく……!?」


ソルジャー「業火のクソ力――ッ!!」


キン肉マン「うわあああっ!?」


吉貝「おお――っと! ソルジャー、強引にタワー・ブリッジから抜け出したーっ!」

中野「アニメ版では元祖・火事場のクソ力ですが、私はこっちの方が格好良いと思います」


キン肉マン「……はぁ……はぁ……!」

ソルジャー「……はぁ……はぁ……!」


吉貝「両者、さきほどの激しさとは一転、動きません……!」

中野「恐らく、力をためているのでしょう」


CPアイドル達「頑張れ、キン肉マ〜〜ン!」


キン肉マン「ふふっ……悪いな、ソルジャーよ」

ソルジャー「……何を謝る」

キン肉マン「共に王子でありながら、私の背中には彼女達がいるからさ!」

ソルジャー「……」


キン肉マン「シンデレラ達の声援がある限り、負ける気がしないぜ――ッ!」
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/23(金) 01:26:35.03 ID:PxU0JNTro
キン肉マン「行くぜ、ソルジャ――ッ!!」

ソルジャー「来い、キン肉マ――ンッ!!」


キン肉マン「うおおおっ!」

ソルジャー「――甘いっ!」

トンッ!


吉貝「ソルジャー、キン肉マンの突進をブリッジして躱し、そのまま跳ね上げる!」

中野「あれは、キン肉族三大奥義の一つの前動作ですね」


ソルジャー「ふんっ!」

トンッ!

キン肉マン「くうううっ! なんのっ!」


キン肉マン「火事場のクソ力――ッ!!」


ソルジャー「何っ!?」

キン肉マン「とうっ!」

トンッ!


吉貝「ああ――っと! キン肉マン、空中で体勢を入れ替えた!」

吉貝「今度は逆に、キン肉マンがソルジャーを跳ね上げていく――ッ!」
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/23(金) 01:34:30.82 ID:PxU0JNTro
ソルジャー「そうはさせんぞ!」


ソルジャー「業火のクソ力――ッ!!」


キン肉マン「な、何だって!?」

ソルジャー「そりゃあ!」

トンッ!

キン肉マン「うぐっ!?――なんのこれしきっ!」

トンッ!

ソルジャー「させるかっ! そうりゃっ!」

トンッ!

キン肉マン・ソルジャー「うおおおおおっ!」

トンッ! トンッ! トンッ! トンッ! トンッ!


吉貝「な、なんと!? お互いが、お互いをどんどん跳ね上げていきます!」


キン肉マン「火事場のクソ力――ッ!!」

ソルジャー「業火のクソ力――ッ!!」

ガシィィィィッ!!


吉貝「右脚と右脚の激突――ッ! 押し勝つのは、どっちだ――っ!!」

中野「これに勝った方が、技の体勢に入るでしょうねぇ」

中野「……やっぱり、女房を質に入れて来て、良かった」


キン肉マン・ソルジャー「うおおおおおおおおっ!!」
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/23(金) 01:47:56.83 ID:PxU0JNTro
ソルジャー「火事場と、業火……! そして、友情パワー……!」

キン肉マン「そのぶつけ合いだけならば……勝負は違っていただろう……!」

ソルジャー「ああ……かもしれんな……!」

キン肉マン「だが……私は、彼女達と――アイドルと接してきた」

ソルジャー「……!」


キン肉マン「ある者は、私に思い出させてくれた!」

キン肉マン「また、ある者は、私に新しく教えてくれた!」

キン肉マン「そしてまた、ある者は、私に気づかせてくれた!」


ソルジャー「見せてみろ! お前の出した答えとやらを!」


キン肉マン「ああ、行くぜッ!」


CPアイドル達「キン肉マン! 頑張れ〜〜〜ッ!」


キン肉マン「これが! 7000万パワー!」


キン肉マン「――プラスッ! 笑顔の力ッ!」



キン肉マン「パワーオブスマイル! マッスル・スパークッ!!」

天!


ソルジャー「……!」

ソルジャー「ぐぶふぉっ!?」
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/23(金) 02:00:18.93 ID:PxU0JNTro
ソルジャー「す……スグルよ……!」

ソルジャー「やはり……お前は大王に相応しい……!」

キン肉マン「あ、アタル兄さん……!? ま、まさかわざと……!?」

ソルジャー「勘違いをするな……!」

ソルジャー「お前が腑抜けたままだったら、話は違っていた……!」

キン肉マン「アタル兄さん……!」


ソルジャー「やれい、スグル! 私を今こそ超えるのだ――ッ!!」


キン肉マン「……ああ、わかった! 私は、偉大なアナタを越える!」

キン肉マン「そしてこれが……偉大な兄であるアナタに教わった、その一つ!」


キン肉マン「マッスル・スパークの、総仕上げじゃーい!!」

地!


ソルジャー「……」

キン肉マン「……」

ソルジャー「」


――カンカンカンカンカンカンカン!
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/23(金) 02:16:38.33 ID:PxU0JNTro
吉貝「ここで……決着のゴングです……!」


キン肉マン「アタル兄さん……!」

ソルジャー「スグルよ……強くなったな……」

キン肉マン「それも、アナタや、数々の友、そして――」


CPアイドル達「キン肉マ〜ン!」


キン肉マン「――彼女達が、居てくれたからです」

ソルジャー「ふ……私も、アイドルと接してみるか……」

キン肉マン「そいつぁ良い! アタル兄さんなら、きっと素晴らしいプロデュースが出来る!」

ソルジャー「……ははは! そう褒めてくれるな」


キン肉マン「――プロデューサーも、そう思うだろう?」


武内P「はい。今のキン肉マンさんを見れば」


キン肉マン「今の私?」


武内P「私は、強敵に打ち勝った時の笑顔が素晴らしいと、そう、思っていました」

武内P「ですが……その考えは、少し、間違っていたようです」

武内P「キン肉マンさんの笑顔は、勝利によるものではなく――」

武内P「仲間と共に、困難を乗り越えた時のものだったのですね」


キン肉マン「はっはっは!」


キン肉マン「今頃気づいたのかい、プロデューサー?」


https://www.youtube.com/watch?v=UTSEe0NiWSs



おわり
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/23(金) 02:18:37.12 ID:PxU0JNTro
寝ます
おやすみなさい
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/23(金) 04:34:46.02 ID:xGbqtxGYo
くっそ熱くて草
キン肉マンかっこええなあ
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/23(金) 08:01:47.74 ID:IK1zb+zdo

質に入れられた奥さんが可哀想なので
中野有香と筋肉Pのコラボください()
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/23(金) 08:02:32.10 ID:iP7PWkYuo
乙 これはスーパーヒーローですわ
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/23(金) 09:04:35.15 ID:ddlQCU1FO

女房を質に入れてでも見る価値はあったな
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/23(金) 09:41:28.29 ID:8E4N6WMTo
肉やってた頃のジャンプってドクタースランプとかキャプテン翼とか銀河とかキャッツアイだっけ?
次はハナコとアッキーが奥羽軍に入って赤カブト倒す話かな?
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/23(金) 12:16:52.07 ID:eP50Rf7O0
1979〜87だからそれ以外だと
リンかけ、奇面組、ひばりくん、メカドック、ウイングマン、コブラ、北斗の拳
オレンジロード、ドラゴンボール、シティーハンター、とんちんかん、男塾、星矢
あたりが被っとるみたいやで
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/23(金) 12:37:58.66 ID:XqsxFxgJo
グレイテスト・ショーマンが面白かったのでミュージカルネタとか見てみたいです
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/23(金) 12:51:53.53 ID:pmV4smRVo
連載開始当初だとドーベルマン刑事とかすすめパイレーツとかの頃やね
確か第一回超人オリンピックの頃に翼くんが翼太郎の読み切りとか載ってたし
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/23(金) 14:30:02.27 ID:lO6O3Y0SO
きらりは多分グレイテストショーマン見たら泣く。Thisismeで泣く
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/23(金) 22:59:17.36 ID:PxU0JNTro
眠いのと熱血さましで今日は寝ます、申し訳ない
クロスは続けるともたれるのでしばしやめておきます
おやすみなさい
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/24(土) 22:24:16.16 ID:QGx9u0Uyo

「……パーパ」


 シンデレラプロジェクト冬の合宿の、夜。
 時刻は、おそらく深夜のニ時を過ぎたあたりだろうか。
 私は、不意に聞こえたつぶやきで目を覚ました。


「……」


 ゆっくりと、声のした方へと顔を向ける。
 すると、そこにあったのは、銀色の髪の、美しい少女の寝顔。
 シンデレラプロジェクトのメンバー、アナスタシアさんが幸せそうな顔で眠っていた。


「……すぅ……すぅ」


 先程の、「パーパ」というのは寝言だったのだろう。
 彼女は、私の左腕を枕にし、その白い頬を胸元にすり寄せている。
 普段のアナスタシアさんからは想像できない、なんともあどけない姿。


「……」


 このまま、アナスタシアさんの、可愛らしい姿を見続けていたい。
 そんな衝動に駆られたものの、すぐにその思いを切り捨てる。
 彼女は、アイドルで、私はプロデューサー。
 そして、それ以前に、成人男性と、未成年の少女なのだ。
 この様な状況は、あってはならない。



「――待って」



 アナスタシアさんに声をかけようと口を開いた私に、彼女とは反対側から声がかかる。
 機先を制される形となった私は、声をだすことなく、その出処へ目を向けた。


「このまま、寝かせてあげて」


 声の主は、同じくシンデレラプロジェクトのメンバー、渋谷凛さん。
 私の右腕を枕にし、右の人差し指を口元にやり、シィ、とこちらに指示してくる。


「渋谷さん……」


 何故、あなたがそこで寝ているのですか?
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/24(土) 22:29:25.21 ID:v5ql+3oHo
T字の姿勢ではなかろうか
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/24(土) 22:31:13.23 ID:fmTbMxeWo
どんなシチュエーションなんや・・・
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/24(土) 22:38:57.01 ID:QGx9u0Uyo

「アーニャ、ちょっとホームシックみたいなの」


 ホームシック。
 その言葉を聞き、少し驚いた。
 普段の彼女からは、そんな様子は微塵も伺えなかったからだ。
 いつも明るく、穏やかで、白い妖精のような存在。
 それが、私がアナスタシアさんに抱いていたイメージだ。


「ロシアから北海道へ行って、そして、今度は両親からも離れて、さ」


 確かに、彼女はあまり日本語が得意だとは言えない。
 意思の疎通が出来ないという事は無いのだが、少し難儀している場面も多々ある。
 恐らく、それが積み重なってホームシックという形になったのだろう。


「それに、最近は二つのプロジェクトを掛け持ちして、忙しいから……」


 渋谷さんと、アナスタシアさんは、二つのプロジェクトを兼任している。
 シンデレラプロジェクトと、プロジェクトクローネ。
 二つのプロジェクトを掛け持ちしつつ、学校へ通い、レッスンも受ける。
 私には想像もできない程の、彼女達しか知り得ない苦労もあるのだろう。
 そういった面でのケアが出来ていたか、あまり、自信が無い。


「だから、さ。寝ぼけて布団に入るくらい、許してあげてよ」


 渋谷さんは、夜中、フラフラと起き上がったアナスタシアさんが私の部屋に入るのを見たそうだ。
 そして、夢遊病のような足取りで、私の布団に潜り込み、今の体勢になった、と。
 そう、教えてくれた。


「……なるほど、そういう事でしたか」


 眠る、アナスタシアさんの顔を見つめる。
 この穏やかな寝顔は、私の胸に顔を預け、安心しきっているからなのだろうか。
 先程の寝言から察するに、私を父親と勘違いしているのかもしれない。
 そう考えると、こんな大きな娘はまだ……と、思う気持ちと、
頑張る我が子を見守る父親のような気持ちの二つが溢れてくる。


「……ん」


 アナスタシアさんを起こさないよう左腕を曲げ、頬にかかる髪を優しくどかす。
 すると、少し眉間に寄っていた皺がなくなり、より一層、穏やかな寝顔になった。


「……さて」


 渋谷さん? それで、貴女がそこで寝ている理由は?
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/24(土) 22:52:18.85 ID:QGx9u0Uyo

「……私も、ちょっとホームシック」


 合宿初日です。


「それに、私もかけもちで忙しいしさ」


 そうかも知れませんが理由になりません。


「だから、私ももう寝るね」


 いけません、起きて下さい。


「大声を出したら、アーニャがビックリしちゃうから静かにして」


 優しく起こせば良いだけなのでは?


「……すぅ……すぅ」


 寝ないで下さい、頬をすり寄せてこないで下さい渋谷さん。


「う〜んむにゃむにゃ」


 う〜んむにゃむにゃ!?


「……」


 渋谷さんは、どうやらこのまま全てを有耶無耶にし、ここで寝るつもりらしい。
 私の胸に頬をすり寄せ、脚を絡めてくる彼女は、普段の姿とはまるで違う。
 その幸せそうな、良い、笑顔。


「渋谷さん」


 私は、今からそれを破壊しようと、そう、思います。


「起きて下さい」


 アナスタシアさんは、無意識の内に行ってしまった事……まだ、許せる。
 しかし、渋谷さんは明らかな確信犯なのだ。
 アイドルとプロデューサー。
 男と女以前に、大人と子供……子供を叱るのは、大人の役目だ。


「〜〜〜っ!?」


 私は、右腕を曲げて渋谷さんの頭を鷲掴みにし、その掌に力を込めた。
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/24(土) 23:12:07.42 ID:QGx9u0Uyo

「あっ……こ……かっ……!?」


 渋谷さんは、スタイルも良く、小顔だ。
 その小さな頭は、私の人よりも大きい掌に収まる。
 故に、かなり力の入れにくい今の状態であっても、相当な圧力を加える事が出来る。


「起きて、自分の布団に戻りましょう」


 小声で、優しく語りかける。


「こっ……ここで……寝る、おひぃっ……から……!」


 なんという意思の強さだろう。
 彼女の名の如く、凛としたその眼差しには、絶対に此処に居続けるという想いが見て取れる。
 痛みに耐え、涙の浮かぶその目で、私を真っすぐに見つめてくる。


「お願いします」


 なので、もっと力を込めようと、そう、思います。


「あっ……〜〜〜っ、こぽ、ぽ、ぽっ……!」


 しかし、渋谷さんは自分を曲げない。
 目を限界まで見開き、歯をギリギリと食いしばり、耐えている。
 ヒフヒフと流れそうになる鼻水をすすり、ああ、涎は垂れてしまいましたね。


「〜〜〜っ!〜〜〜っ!」


 だが、それでも渋谷さんは声を荒らげない。
 アナスタシアさんが起きてしまったら、すぐにでも一緒に部屋を追い出されるとわかっているからだ。
 衝撃も伝わらないよう、膝をくの字に曲げては伸ばし、もがいている。
 およそアイドルとはかけ離れた、今の渋谷さんの姿。


「……渋谷さん」


 その渋谷さんの頑張りに、私は、不覚にも感動してしまった。
 掌から力を抜き、彼女の頭を圧力から開放する。
 すると、渋谷さんは緊張しきっていた全身から、一気に力を抜き、


「よく、頑張りましたね」


 安堵の顔とともに、気絶した。


 ――ので、あとはアナスタシアさんを優しく起こすだけ、ですね。
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/24(土) 23:27:41.80 ID:QGx9u0Uyo

「……」


 渋谷さんは、完全に気を失っている。
 そうでなければ、白目をむき、涎と鼻水を垂らした顔を私に見せはしないだろう。
 アナスタシアさんを起こしたら、彼女の顔も綺麗にしなくては。
 そう、思いながら、渋谷さんから目を離し、
アナスタシアさんの方へ顔を向けようとしたが――


「……」
「……」


 ――天井で蠢く、何かと目が合った。


「……」
「……」


 その何かは、一糸まとわぬ姿で、美しい裸身を惜しげもなく晒している。
 冬の冷たい澄んだ空気は、月光を遮る事はない。
 月の光に照らされた姿は、まるで女神のようだ。
 天井に、忍者のように張り付いていなければ、だが。


「……」


 天井に張り付く物体は観念したのか、目を閉じ、言った。



「う〜んむにゃむにゃ」



 う〜んむにゃむにゃ!?
 待ってください!
 寝相で片付けようとするのは、あまりに強引すぎます!


「あの――」


 天井に張り付いている物体に声をかけようとした瞬間、月の光が消えた。
 ほんの一瞬、雲で月が隠れてしまったのだろう。
 だが、その瞬きするしか出来ない程の時間で、


「いない……!?」


 彼女は、闇に紛れた。
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/24(土) 23:30:46.83 ID:kfCPK9mso
ここはお化け屋敷だったのか(白目)
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/24(土) 23:40:05.45 ID:k5ZJqxRE0
( ゚д゚) …

( ゚д゚) ……

( ゚д゚) ………

( ゚д゚ )
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/24(土) 23:52:10.08 ID:QGx9u0Uyo

「っ……!?」


 どこだ……どこへ消えた!?
 姿の見えない相手から襲われる。
 これほどの恐怖が、あるだろうか。


「……!」


 首を起こし、周囲を見渡してみても特に変わった様子は無い。
 ……いや、ある、見つけた。
 布団の足元に、伏せている状態の、一人分の人影が。
 恐らく、彼女は気づかれないように布団の足元から入り込もうとしている。
 そして、本能の赴くままにしっちゃかめっちゃかする気なのだろう。


「……」


 だが、そうはさせない。
 両腕が塞がっているが、両脚は自由がきく。
 布団に入り込んできた瞬間、両の脚だけで三角絞めをし、一瞬で落とす。
 申し訳ありません、少し、手荒な形になってしまい――



「チャラランチャララン♪ チャララン♪ チャララン♪」



 ――えっ?
 何故……耳元から……『Memories』の前奏を口ずさむ声が!?
 ならば、あの足元の人影は――……身代わり!
 いつの間に、渋谷さんと入れ替わったのですか!?


「チャラリンララン♪」


 反対側からも!?


「「チャラリンララン♪」」


 ……成る程、はじめから渋谷さんは囮だったと、そういう事ですか。
 私を挟んで、寝転がりながら情熱的に『Memories』を踊る二人。
 そんな彼女達の今の表情は、きっと、とても艶のあるものなのだろう。


「自分の布団に戻りましょう」


 私は、今からそれを破壊しようと、そう、思います。


 両腕を曲げて、二人の頭を鷲掴みにし、その掌に力を込めた。
 合宿中は眠れない夜が続きそうだと、怒りと悲しみを込めて。


おわり
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/24(土) 23:58:13.36 ID:QGx9u0Uyo
明日はミュージカルに合宿二日目の夜を書きます
寝ます
おやすみなさい
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 00:03:39.59 ID:XgLHJkhCo
綺麗なアーニャなんて居なかったんですね
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 01:01:23.14 ID:IAmJLyc4O
頭握られて気絶するとか相当な力じゃ無いとあかんのでは……
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 01:05:04.64 ID:MvzBmpI1o
プロデューサーは体が資本ですから
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 02:31:31.17 ID:si8MbmC9o
握撃くらい使えないとプロデューサーはやってけないのは常識
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 04:35:02.11 ID:X2N40K6Lo
武内「まだやるかい」
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 07:35:58.96 ID:Bm1EZnA7o
これが愛と怒りと悲しみのシャイニングフィンガーという奴か
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 16:42:39.68 ID:HPz5RVB1O
きらりと握撃やりあってる間に杏の紐切りでフィニッシュよ
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/25(日) 21:43:19.97 ID:zabzgcsho

「……」


 シンデレラプロジェクト冬の合宿二日目の、夜。
 もうすぐ日付が変わろうとしている真夜中。
 私は、眠気と戦っていた。


「……」


 今夜の襲撃者は誰だろうか。
 話せばわかってくれる相手ならば、それで良い。
 もしそうでない場合は、強引な手段を取らざるをえない。
 それは、心が荒む行為であるため、可能な限り避けたい所ではある。


「……」


 嗚呼、なのに……私の部屋の前に、人の気配を感じる。
 声もかけず、ノックもしない。
 これは、明らかな夜襲だろう。
 今夜、私を困らせてくる相手は、一体誰なのだろうか。



「――one,two,kiss,kiss♪」



 ……そう、でしたね。
 三日目からは、プロジェクトクローネも合流する予定でした。
 そして、貴女は「せっかくだから」と、
前日の今日から前入りをしていたのを思い出しました。


「ねえ、見て」


 二日目だからシンデレラプロジェクトのメンバーは疲労も蓄積している。
 なので、今日の戦いは初日よりは楽だろうと考えていたが、甘かったようだ。


「ほら、綺麗な月だね」


 布団に寝そべったまま、首を傾けて窓の外を見る。
 窓の外では、丸い月が美しく輝いていた。
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/25(日) 21:57:49.04 ID:zabzgcsho

「そう、今、から、関係なくなる」


 とても情熱的に歌っているが、部屋の電気を点けてしまおうか。
 衣擦れの音と、トタトタという足踏みの音から察するに、
彼女はテンションが上がりきってステップも踏んでいるようだが。


「鳴り出した予感のベル」


 だが、そんな事をしたら彼女は立ち直れない傷を負ってしまうかもしれない。
 私は暗い部屋に居続けたので、
暗い部屋の中でも月明かりを頼りに彼女の今の行動がほとんど丸見えなのだ。


「降りたい、この環状線」


 ノリノリ。
 そう、彼女はノリノリで『Hotel Moonside』を歌い、踊っている。


「アリバイを三度ペンで〜な・ぞ・れ・ば♪」


 アリバイも何もない、完全な現行犯。
 何故、彼女がここまで盛り上がってしまっているのか、私にはわからない。
 恐らく、シンデレラプロジェクトのメンバー達に何か言われたのだろうが……。


「静まってく大都会」


 田舎特有の大きな虫の鳴き声は、冬の今は聞こえない。
 なので、彼女の歌声が、ハッキリと聞こえる。


「と、特別な……よ、夜のサイン」


 彼女は……今日を特別な夜にしようと言うのか。
 申し訳ありませんが、貴女のその想いには、応えられません。


「明日にな〜らない――」


 立ち上がり、部屋の電気を点ける。


「――場所ま……で……いこ、うよ」
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/25(日) 22:12:24.64 ID:zabzgcsho

「……」
「……」


 左手を胸の前に構え、右手を突き出してこちらを指差している。
 『Hotel Moonside』の振り付けの通りなのだが、その指はまっすぐに私を指していた。
 貴女は、これからどうするのでしょうか。
 歌と踊りを続けるのか、はたまた、何事も無かったかのように部屋を出て行くのか。


「……」


 どちらを選んだとしても、見守ろうと、そう、思います。


「……いつから?」


 彼女は、微動だにせず、ポツリと問いかけてきた。
 これは、恐らくどの時点から彼女の奇行を見ていたのか、という質問だろう。
 中途半端な慰めは不要。
 彼女の目が、そう告げていた。


「申し訳ありません。最初から、見えていました」


 こちらとしても、気にせずそのまま迫られても非常に困る。
 なので、立ち直れはするが、膝にくる程度の傷は負っていただきます。


「そう……なら、見ていたお代は、キスで貰えるかしら?」


 年齢にそぐわない艶のある笑み。
 彼女は、こんな状況にも関わらず、なんと余裕のある態度が取れるのだろう。
 しかし、寝不足なので、少々その態度は腹が立ちます。


「……」


 私は、両手で手拍子をうった。
 パンパンと、軽快な音が響き渡る。


「君が、もしその手を〜離したら〜すぐにいなくなるから〜♪」


 手拍子に合わせ、歌う。
 彼女とは似ても似つかない、低い声ではあるが。
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/25(日) 22:26:09.23 ID:zabzgcsho

「手錠の鍵を探して」


 手拍子をしつつ、歌う。


「っ……!」


 彼女は、みるみる顔を赤くし、膝をガクガクと震わせている。
 全て見られていた、という羞恥が彼女の中で暴風の様に荒れ狂っているのだろう。


「捕まえて〜」


 彼女は、耐えきれるのだろうか。


「っ……!……!」


 ……いや――


「one,two――「もう……許して……!」


 ――耐えきれる、はずがない。
 両手で顔を覆い、その場にしゃがみこんでしまった。
 カウントスリーは必要のない、テクニカルノックアウト。
 手で隠しきれない耳は、赤く染まっている。


「部屋に、戻って頂けますか?」


 これ以上、彼女を辱める必要は無いだろう。
 おとなしく部屋に戻ってくれさえすれば、私は満足するのだから。
 お願いします、私を寝かせて下さい。



「……ふふっ、キスしてくれたら、お願いを聞いてあげようかしら」



 ふてぶてしい!
 この期に及んで、貴女は、まだそんな事を言っているのですか!?
 先程の恥ずかしさから立ち直れず、まだ顔を手で隠しているというのに!
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/25(日) 22:47:05.45 ID:zabzgcsho

「……」


 彼女は、チラチラと手の平の隙間からこちらの様子を伺っている。
 私がどのような反応をしているのか気になるのだろう。
 しかし、わかりました。
 あくまでも貴女がそのような態度を取るのならば、こちらも考えがあります。


「……?」


 私の空気が変わった事を察したのか、彼女は顔を隠すのをやめた。
 重なり合う、視線。
 そして、


「Wow Wow〜♪  Yeah〜♪」


 私は、高らかに歌いだした。
 驚きで見開かれている目。
 たまには、こういう目で見られるのも悪くないと、そう、思います。


「ピュアなそのハート」


 貴女は、その言動の割には、かなり純真な心の持ち主だと思っています。
 今も、貴女の前にしゃがみこんだ私と顔が近づき、ピクリと肩が震えていましたから。


「もしかしてドキドキしてる?」


 普段の貴女ならば、この程度で動揺することは無い、と思います。
 ですが、この様な特殊な状況では無理も無いでしょう。


「ときめきのスパイス、効かせすぎかな」


 貴女達のような、キラキラした笑顔は私には出来ません。
 ですが、口の端を釣り上げる程度の不器用な笑顔なら、出来ます。
 潤んだ瞳で見上げてくる彼女の鼻をチョンと指でつつく。


「ストップ、本気はマズい」


 私は、プロデューサー。
 そして、貴女はアイドルなのだから。


「だから、良い子でいようね」
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