【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2

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145 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 18:25:47.96 ID:63N8f+CG0
突然ですが本日は少しだけ更新したいと思います。よろしくお願いします

エバンス氏はローガン氏ほどの経験はありませんが、軽装で若さがあるため瞬発力や速度に秀でているようです
そしてやや魔法寄りだったパーティが彼の加入によって物魔のバランスが取れたものとなりました。今後の活躍に期待できましょう

道具は大切に使えば実際長持ちします。クロシュがそこまで考えているかはわかりませんが、現時点のクロシュとしては道具であっても大切にしたいようです

金髪イケメン汚職エルフは実際テンペスターのことを気に入っています。マーベル社製の回転ノコギリにも、テンペスターでの競争によって培われた技術がふんだんに使われているようです

あの槍についてですが、妖精が持った場合は妖精サイズの小さな槍になり、さらにその場の環境によって性質が変化する槍となります(水中では水の槍、吹雪の中では吹雪の槍、雷雲の中では雷の槍、等)。イリスが持った場合は星の槍(星属性)となります。クロシュが持つと、クロシュの擬態や変身に合わせて様々な形状に変化する槍となります
146 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 18:27:25.39 ID:63N8f+CG0
―機械工業都市テンペスター
 闇市

 ゾワゾワ… ヒソヒソ…

闇の武器商人「毎度。約束のブツだ、持っていきな」コソコソ

怪しい客「助かるぜ」ヒソヒソ


仮面の男「ほう、これが……」

違法パーツ屋「ええ、それを組み込めばあなたの奴隷人形も――」ヒソヒソ


暗黒行商少女「これをアンタの義手に組み込めば性能が数倍に跳ね上がるわよ?」ニヤニヤ

魔導義手の男「数倍だと……」ゴクッ



イリス「こ、ここが闇市……!」

ミスティ「白昼堂々とやばそうな取引が行われているじゃない……。ここの治安はどうなっているのよ……」

エバンス「ああ、それなら――」



憲兵ゴーレム「……」ガションガション

怪しい商人「――」ヘラヘラ
怪しい客「――」チラッ
違法パーツ屋「――」ニコニコ
仮面の男「――」ニヤニヤ

憲兵ゴーレム「ピピッ……登録外ノ事業者ヲ確認。強制連行モードニ移行シマス」ガショショ

暗黒行商少女「おわっ! チッ、今月はまだ払ってなかったか。払えば良いんでしょ、払えば」ガサゴソ

 チャリンチャリン ガチャチャチーン!

憲兵ゴーレム「ピピッ……登録ヲ確認。強制連行モード解除。巡回モードニ移行シマス」ガションガション

暗黒行商少女「ペッ……金の亡者が……」



イリス「ええ……」

エバンス「見ての通り、みかじめ料さえ払えば見逃してもらえんだ。あの女の子は今月分をまだ払ってなかったみたいだな」

ミスティ「白昼堂々と汚職が……いえ、もういいわ……。それにしてもあの商人、私やイリスと同じくらいかしら……」

ローガン「虹晶の耳飾りを譲渡してくれた商人の少女も君たちと同じくらいだったな」

妖精「同性同職同年代と言っても生き方は自由だからねえ」

イリス「それはそうかもしれないど……。なんだかなあ……」

エバンス「クロシュちゃんは一人でこんなとこ来ちゃダメだぞ。危ないからな」

クロシュ「うん……」


↓2 闇市です。どうしますか?
1.闇の武器商人に聞いてみる
2.違法パーツ屋に聞いてみる
3.暗黒行商少女に聞いてみる
4.他の客に聞いてみる
5.聞き込みはせず商品を見ていく
6.その他(自由安価)
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/02(木) 18:33:51.21 ID:+V1/nCw90
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/02(木) 18:35:12.88 ID:UI6JFlozo
3
149 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 19:47:53.33 ID:63N8f+CG0
イリス「せっかくだしあの子に聞いてみよう! 歳が近いから話しやすそうだし!」ズンズン

エバンス「お、おい! 同年代っつってもこんなとこで商売してる奴だぞ……!」

 *

イリス「こんにちは……!」

暗黒行商少女「いらっしゃい。何をお求めかしら?」

イリス「ちょっと聞きたいことがあって。ここって、セイントレア社の製品とかって扱ってますか?」

暗黒行商少女「もちろん! それも市場に出回ってない試作品とか、商品化を見送られたヤバイ奴とかね。フフ……何が欲しいの?」

イリス「実は――」

 *

暗黒行商少女「海賊の認識を阻害する装置ィ?」

イリス「うん。私たち、どうしても海を渡りたくて」

暗黒行商少女「ふうん……」


エバンス(一応後ろから見てはいるが……今のところは大丈夫か……?)


↓1コンマ
01-20 これのことね!
21-40 さっぱりわかんないわ
41-60 憶測(有料)
61-80 情報(有料)
81-95 これのことかしら
96-00 これのことね
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/02(木) 19:48:30.05 ID:jiWFlBDDO
はい
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/02(木) 19:48:43.19 ID:+V1/nCw90
152 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 21:48:36.53 ID:63N8f+CG0

ローガン「エバンスくん! ちょっと来てもらっていいか!?」

エバンス「えっ、何だ!? 今行く!」タタッ


イリス(あっ、エバンスさん……! あっちで何かトラブルがあったのかな……と、とにかく私一人でもお話を聞こう!)


暗黒行商少女「飯盒と同じくらいの大きさ……これのことね!」

 飯盒くらいの大きさの装置「」ドン!

イリス「こ、これは……?」

暗黒行商少女「ここ最近世間を騒がせている海賊ってのは、私の情報網が間違っていなければ――バグよ」

イリス「えっ……バグって、おかしくなった自立型魔導機械の……?」

暗黒行商少女「そう。そしてバグに限らず、自立型の魔導機械は特定周波数の魔力波長を正しく認識できない欠陥があんのよ」

イリス「え、ええ!? そうなんですか!?」

暗黒行商少女「ほとんど知られてないけどね。そんな欠陥が知られたら家庭用はともかく軍用のは使い物にならなくなるでしょ、簡単に対策できちゃうんだから」

イリス「た、確かに……」

暗黒行商少女「そしてこれこそが、その周波数の魔力波長を出せるセイントレア社のバグ対策製品ってわけ。さっき言ったような理由でリリースは見送られたけどね」

イリス「そ、そうなんだ……あれ、でもそれならどうしてマフィアは、そんな市場に出回ってない機械を持っているの?」

暗黒行商少女「出回ってるじゃない。ほら、ここにも」

 飯盒くらいの大きさの装置「」ドン!

イリス「あ、確かに……!」

暗黒行商少女「試作品とか試験品の横流しなんてここテンペスターじゃ茶飯事よ。それにセイントレア社なんて裏じゃ何やってるかわからない真っ黒企業、マフィアと繋がってマッチポンプ体制を築いていても何も不思議じゃないわ」

イリス「そ、そうかも……」

暗黒行商少女「まあそういうわけだから、これ売ってあげるわ。適正価格でね。私、優良業者だから」


イリス(……そう言って彼女が提示した金額は、少々お高いものではあったけれど出せない額ではなかった)

イリス(でも……本当に信用して大丈夫なのかな……?)


暗黒行商少女「ああそうそう、私この話が終わったらテンペスターを出るから、買うなら今のうちよ」

イリス「えっ!?」

暗黒行商少女「私も旅の行商人だから、仕入れたものは別のとこで売りたいのよね。今回は特別だけど」

イリス「え、ええと、ええと……!」

暗黒行商少女「ふふ……今買わなきゃ二度と手に入らないかもね! 私以外にこれを扱ってる闇商人は見たことないし!」

イリス「〜〜!!」グニャグニャ


イリス(どどど、どうしよおおお!!!)

 ※ファンブルにより、イリスは冷静な判断ができなくなってしまいました……
 ☆飯盒くらいの大きさの装置を買ってしまった

 ◇
153 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 21:49:36.00 ID:63N8f+CG0

イリス「……み、みんな」ヨタヨタ

クロシュ「イリスさん……!」

妖精「こんなとこで一人で動いちゃ危ないよ!」

エバンス「すまん! 俺が付いてたんだが……」

ローガン「む……すまぬ。どうやら状況を考えずにエバンスくんを呼んでしまったようだ」

ミスティ「……? イリス、その荷物は?」

イリス「あ……え、えへへ……認識阻害装置……かも……」

妖精「えっ……」

ミスティ「ええっ!?」

ローガン「なに!?」

クロシュ「わあ……」

エバンス「……」ダラダラ

 *
154 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 21:51:21.06 ID:63N8f+CG0

案内メイド人形「……」



イリス「よ、ようし……それじゃあ早速、あのメイド人形さんで試してみよう……! 認識が阻害されるだけだから、具合が悪くなったりとかはないはず……!」

 飯盒くらいの大きさの装置「」ドンッ!

ミスティ「でもこれ、どうやって動かすの……?」

イリス「魔力を充填して、このスイッチを押せば起動するんだって。もう魔力は充填済みだから、あとはスイッチを押すだけ……!」

ローガン「その商人の言葉が真であれば、自立型魔導機械の認識に異常が発生するというわけだな」

イリス「はい……! で、では……いきます!」

 ポチッ

 飯盒くらいの大きさの装置「」ウォーン―

イリス「わっ、なんか暖かくなった……!」

ミスティ「変な音もするわね……。これがその特定周波数の魔力波長ってやつが出す音なのかしら……」

妖精「……これで、魔導機械は私たちを認識できなくなったの?」

イリス「そ、そのはずです! 試しに……これを持ってメイド人形さんに近づいてみます!」

 スタスタスタスタ…

イリス「こんにちは、メイドさん!」ヌッ

案内メイド人形「こんにちは、旅人のお嬢様。昨日振りでございます」ペコリ

イリス「!!?!!?!???」ババッ

妖精「だめじゃん!!!!」

イリス「なな、なんで!?」

案内メイド人形「おや。それはセイントレア・メカニクス社様の『どこでも炊きたて魔導飯盒SRMX-140』ですね。リリースは一世代前ですが、優れたデザインに実用性・使いやすさを兼ね備え、今なお多くのご家庭や旅人の方々に愛用されている人気商品でございます。良いものをお買い上げになられましたね」

イリス「ま……魔導……飯盒……?」

イリス「あ、ああ……まさか……私……」グニャァ

ミスティ「い、イリス! 気をしっかり……!!」

 ◆
155 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 21:52:16.30 ID:63N8f+CG0
―昼
 旅の船着場 客室

 どこでも炊きたて魔導飯盒「」パカッ
 炊きたてごはん「」ホカホカ

イリス「」ズーン…

クロシュ「イリスさん……」サスサス

ミスティ「……そう気を落とさないで。ほら、美味しいごはんが炊けたわ……」

イリス「うぅ……。ごめんなさい……みんなから預かった、大事なお金を……」

ローガン「う、うむ……。だが君に預けたのは旅の資金のほんの極一部でしかないのだ。そこまで大きな損失ではない……」

エバンス「おう……。それにこいつは、君を一人にしちまった俺の責任でもあるんだ」

妖精「そうだよ、もう。イリスはしっかりしてるけどまだ子供なんだから、おじさん二人が目を離したのが悪い!」

ローガン「うむ……」

エバンス「め、面目ねェ」

妖精「……まあ、目を離したのは私もだけど。ごめん」

 ◆
156 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 21:53:25.53 ID:63N8f+CG0
―海岸

 ザァーン ザザァーン…

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」


イカダクロシュ「」プカプカ

ローガン「おお、安定しているな」

妖精「よし、イカダへの擬態はバッチリだね。じゃあ今日はもうちょっと複雑な形に挑戦してみよう」

イカダクロシュ「」モニョニョ?

妖精「イカダで3日間も航海なんて無理だからね」

イカダクロシュ「」モニョ

エバンス「おし、俺も泥舟作りの練習だ!」

ローガン「……私も、鋼魔法で船を作ってみよう」


↓1 特訓の成果
01-60 小舟(経験2/3)
61-95 大亀(経験3/3)
96-00 海竜(経験☆)
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/02(木) 21:53:43.12 ID:+V1/nCw90
158 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 23:37:19.78 ID:63N8f+CG0

小舟クロシュ「」プカプカ

泥舟「」ドロドロ

鋼船モドキ「」ブクブク


妖精「舟作りの腕前はクロシュが一番みたい」

エバンス「くっ、どう作っても溶けちまう……どうすりゃ溶けない泥舟が作れるんだ……!」

ローガン「ううむ……空洞があれば理論上は鋼でも水に浮くはずなのだが……。浮いた状態で安定した形を作るのが難しいな……」

小舟クロシュ「」プカプカ

妖精「……クロシュの造形能力って実はかなり凄いのかも。絵も上手いし……」

エバンス「確かに、イカダも小舟も全然転覆せず安定してるもんな。しかし絵も上手いのか……!」

ローガン「鋼魔法や地魔法が使えれば、絵だけなく精巧な鉄像や石像をも作れるようになれたかもしれんな、クロシュくんは」

小舟クロシュ「」プカプカ モニョモニョ

 ☆クロシュの海渡り経験が2/3になりました
 ☆小舟に擬態できるようになりました

 ◆
159 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 23:38:11.78 ID:63N8f+CG0
―大通り

 ワイワイ ガヤガヤ

イリス「……」トボトボ

ミスティ「イリス、元気を出して……」

イリス「ミスティ……。でも私……みんなのお金を……」

ミスティ「イリスのポケットマネーで足りる分じゃない。誰も困ってないわ」

イリス「うぅ……。でも、元は魔族国と緑の国のみんなから託されたお金なのに……」

ミスティ「もう……。仕方ないわね、付いて来て」スタスタ

イリス「ま、待ってよぉ」トタトタ

 *

―魔法店

 ガチャッ カランカラン

魔法使いの店員「いらっしゃい」

ミスティ「こんにちは……」

イリス「こ、こんにちは……。ここって――」

 本棚「」
 本棚「」
 本棚「」
 本棚「」
 本棚「」
 本棚「」

イリス「魔導書の、お店……!」

ミスティ「どう? 元気出るでしょ」

イリス「う、うん……! 図書館でもないのにこんなにたくさん……!!」

魔法使いの店員「何百年も続く先祖代々の魔法書店だからねえ。そんじょそこらの魔法店にゃ負けないよ」

イリス「すごい……! あの、見させてもらっても良いですか!!?」

魔法使いの店員「もちろん。ゆっくり見ていきなさい。本は逃げないから」

 *
160 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 23:39:54.98 ID:63N8f+CG0
 ペラッ ペラッ

ミスティ(ブラッドに成形した氷は通じない。けれど、あの時土壇場でやったような冷気放出はかなりの至近距離でないと多分効果が出ない)

ミスティ(遠距離からでも冷気をぶち当てられる魔法とかないかしら……)

ミスティ(……氷属性の魔導書はあまり多くないのよね……。まあ、それでも星属性よりは全然あるけれど……)

ミスティ(うう〜ん……戦慣れしたスライムに有効そうな氷魔法はなかなか見つからないわね……)


 ペラッ ペラッ

イリス(……星属性の魔導書は……やっぱり見当たらない!)

イリス(『星の魔力』の中編とか後編は魔族国の図書館跡を掘り起こせば出てくるのかなあ……。でも今魔族国に戻ってる暇はないし……)

イリス(う〜ん……とりあえずここは、今のパーティに手薄な火属性や水属性辺りの魔導書を――ん?)

 魔導書『血の契約 著:フラナ・バイオレット』ゴゴゴゴ

イリス(!!!?!?!? こ、これ……フラナ先生の……!!)

イリス(ど、どんな魔法なのかな……?)ペラッ


イリス(血の契約――術者の血と対象の血を混ぜ合わせ、それを互いに摂取することで発動する)

イリス(対象は術者の虜となり、あらゆる命令に逆らうことのできぬ奴隷と化す)

イリス(また、術者が吸血鬼であった場合、対象は吸血鬼の眷属となる)


イリス(わ、わわ……!! こ、これ……ものすごくヤバイ魔法だ……!)

イリス(対象の意思を奪って奴隷化させる魔法は、この奴隷制大好き国の王国ですら禁じられてるのに……!!)

イリス(なんでこんなものを普通に置いてあるの!?)

イリス(ていうかフラナ先生なんて魔法を作ってるのおお!!!?!?)


魔法使いの店員「……ん? あっ」

イリス「あっ……」

魔法使いの店員「…………あの、それ見なかったことにしてもらえます? 仕舞うの忘れてて」

イリス「ええ……」

魔法使いの店員「いや、ほんとに……悪用とかしてませんから。黙っててもらえると助かるというか……」

イリス「……」


↓1 どどどどうしよう
1.見なかったことにします
2.この本ください
3.その他自由安価
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/02(木) 23:43:46.19 ID:UI6JFlozo
2
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/02(木) 23:44:19.75 ID:+HsYax/kO
2
163 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 23:49:32.44 ID:63N8f+CG0
イリス「あ、あの……じゃあ、この本……ください!」

魔法使いの店員「……は?」

イリス「あ、いえ……! 悪用したいとかじゃなくて……! け、研究目的というか……!!」

魔法使いの店員「……」

イリス「……」


↓1コンマ
01-05 いいですよ
06-25 本当に研究目的なんですね?
26-00 馬鹿な考えを起こすのはやめなさい
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/02(木) 23:49:58.81 ID:+V1/nCw90
165 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/03(金) 00:10:07.93 ID:AY7RlWT40
魔法使いの店員「……馬鹿な考えを起こすのはやめなさい」

イリス「へっ?」

 炎「」ボッ
 フラナの魔導書「」メラメラ

イリス「う、うわわわっ!!!」

 チリチリ…
 灰「」シュウウ…

イリス「あ……」

魔法使いの店員「……私の大事なコレクションでしたが、将来有望な若者が暗黒面に堕ちるよりはマシでしょう」

イリス「あっ……そ、その……す、すみませんでした……」ペコ

魔法使いの店員「気にしないで。若気の至りは誰にでもあることです。ただ、あの類の魔法は研究すら危険な禁呪。例え本気で使うつもりがなくとも、持っているだけで当局から狙われる立場になりますよ。最悪、国際指名手配される可能性もある……どうかご理解ください」

イリス「はい……」

 ◆
166 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/03(金) 00:11:02.66 ID:AY7RlWT40
―夕方
 大通り

イリス「」トボトボ

ミスティ「ど、どうしたのよ……。何か声が聞こえたけれど……店員の人と揉め事でもあったの……?」

イリス「ううん……。私が……悪いだけ……」

ミスティ「な、何があったのよ……」

イリス「えへへ……魔が……差しちゃったっていうか……」

ミスティ「イリス……」

イリス「……んん、大丈夫! 新しい魔導書も買ったし、明日からまた情報収集がんばらなきゃだもん!!」

ミスティ「……ええ。そうね、頑張りましょう……」

イリス「うん!」

 ◆
167 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/03(金) 00:13:50.53 ID:AY7RlWT40
というわけで本日はここまでとなります

意図せずイリスちゃん虐めパートのようになってしまいました。本当に全くそんな意図はなかったのですが、申し訳ありません
暗黒行商少女が言っていたことは全てが嘘だったわけではないようです。彼女の私見や憶測も多分に混じっていますが、ある程度は参考にして良いかもしれません
ちなみにもし禁呪の魔導書をイリスが手にしていた場合、イリスのメンタリティに何らかの影響があった可能性は実際ありました
強い力、取り返しのつかない力の扱いには十分注意しましょう。暗黒面の力は素晴らしいのですが、それゆえ抗いがたいのです

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/03(金) 02:19:12.36 ID:e19ubxfxo
乙でした
フラナ氏の若かりし頃の伝説がまた一つ……この人は人間サイドから見て裏ボスだったんじゃないか
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/03(金) 18:42:58.66 ID:gle39KNkO
やっぱ勇者除くと人間より異業種の方がスペック高くない
170 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 12:55:10.08 ID:Yzt4QtTh0
フラナ先生が(王国の)人間にとってとても嫌な敵対的魔族だったのは間違いないでしょう。実のところそれは現在進行系です
なお例の禁呪についてですが、フラナ先生曰くアレは手軽だが面白くないとのことで、使ったことはあまり多くないようです

人間は基礎性能こそやや低めですが、繁殖力や排他性が他の種族より高く、大陸の知的種族の中では最も数が多いと言われています
また、基礎性能の低さに反して伸び代はかなりあり、他の強力な種族を凌ぐ傑物が人間の中から現れることもあります
171 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 12:57:15.67 ID:Yzt4QtTh0
―夜
 テンペスター沖 海上

 魔導クルーザー「」シャーッ

暗黒行商少女「ふいー、これだけ魔導機械製品を仕入れれば十分でしょ。あとはこれらを機械のキの字も知らない国の奴らに売りつけてやれば……うひひひ」

暗黒行商少女「……しかし魔導飯盒をあそこで売り払っちゃったのは失敗だったわね。取引に不慣れなガキっぽかったからついうっかり詐欺魂に火が付いちゃったわ」

暗黒行商少女「まあでも良い勉強になったでしょ。取引の場じゃ騙される方が悪い。授業料としちゃ破格だったんじゃない?」

 魔導クルーザー「」シャーッ

暗黒行商少女「それにしても……んん〜!! このクルーザー、乗り心地最高ね! 流石は最新の自立稼働型! 目的地を入力するだけであとは自動運転してくれるなんて、便利すぎでしょ!」

暗黒行商少女「これだけ小型で快速なら例の海賊なんかにも見つかりっこないしね!」

暗黒行商少女「それにしても認識阻害か……。海賊はバグだなんて適当なこと言ってみたけど、我ながらあの推理は的を射ているような気がする。自立型魔導機械が認識できない周波数があるのは実際本当のことだし」

暗黒行商少女「くぅ、どうせなら情報料込みってことで飯盒の値段をもうちょっと釣り上げれば良かったわ……! まだまだ私も青いわね……」

 バシャッ―

暗黒行商少女「ん? 何の音――」クルッ

 ボゴォッ
暗黒行商少女「お゛っ……」

「……」

暗黒行商少女「………ま、さか……かい、ぞ……」

 ボゴォッ
暗黒行商少女「んお゛ぉっ……!」

 ガシッ
 ブンッ

暗黒行商少女「」ヒューン

 ボチャン

「……敵性生命体、排除完了」

「……同胞の救出を開始する」

 コツコツ…

 魔導クルーザー操縦パネル「」

「……」

 ウィーン…
 ピッピピッ ピッポッパッ

「……」

「………精核の不可逆改造を確認。救出不能……」

「…………目標……介錯へ変更……」スッ


魔導クルーザー「」シュウウン…


「…………」


魔導クルーザー「」

 カッ
 ドガァァァァン――…

沈んでゆく魔導クルーザー「」ブクブク…


「…………」

「……………精霊の加護が、ありますよう――」

 ◆
172 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 12:57:54.27 ID:Yzt4QtTh0
―港湾都市ウォーターポート 滞在7日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:ゴスロリエプロン
 ◇妖精   武:なし    防:エルフのレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子
 ◇エバンス 武:鉄の剣   防:革の鎧
 ・共通   飾:くすんだ耳飾り

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*2
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・トコナツ火山島行きの船を探す
・海渡りの姿を獲得する[2/3]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
……………………………………………………………………………………
□港湾都市ウォーターポート 主要施設
大通り:旅の船着場、武具店、雑貨店、魔法店、鮮魚店、食品店、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:占い屋、怪しい露天商、暗黒商店、奴隷商店、他
沿岸部:港、造船所、魚河岸、灯台、他
……………………………………………………………………………………
□機械工業都市テンペスター 主要施設
大通り:武具店、雑貨店、機械店、無人食事処、自販機通り、冒険者ギルド、他
裏通り:闇市、薄暗い路地裏、他
沿岸部:港、造船所、コンテナ港、工場地帯、灯台、他
……………………………………………………………………………………
173 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 12:58:37.14 ID:Yzt4QtTh0
―朝
 旅の船着場 客室

 チュンチュン

 どこでも炊きたて魔導飯盒「」パカッ
 炊きたてごはん「」ホカホカ

イリス「……昨日は落ち込みすぎて気付かなかったけれど……これ、凄く良い炊き加減……」

スライムクロシュ「…」モニョ…

イリス「あ、クロシュちゃん。食べてみる?」

スライムクロシュ「!」モニョニョ!


 炊きたてごはん「」ホカホカ
スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ


ミスティ「美味しそうに食べてるわね。ふふ……」

妖精「そうだねえ。ちょっと高く付いたかもしれないけど、全く無駄な買い物だったとは言えないんじゃない?」

イリス「……でも、定価なら半額以下で買えたのも事実。あの飯盒は無駄な物品じゃないけど、出費には無駄があった……」

妖精「い、イリス……そんなに自分を責めなくても……」

イリス「ううん……。無闇に自分を責めてるわけじゃない。失敗は反省して、繰り返さないようにするのが大事でしょ?」

ミスティ「そうね……ふふ、イリスは強いわね……」

イリス「えへへ、そうかな。でも……それはそれとして、今更だけどすごく腹が立ってきたよ……! あの子、私を騙して倍以上の値段で売りつけてくれてさ! 次に会ったら差額分をキッチリ請求してやるんだから!」

ミスティ「ふふ……差額分だけなのね」


ウォーターポート滞在7日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 13:02:10.73 ID:fV9Gt0Ve0
パーティみんなで訓練
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 13:14:33.85 ID:iEmQYuzv0
セイントレア社に潜入調査
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 13:39:33.27 ID:WrVPrgXy0
テンペスターの冒険者ギルドでクエストする
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 13:42:14.78 ID:WrVPrgXy0
>>176すいません少し訂正
「テンペスターにある冒険者ギルドでクエストを受ける」に変更でお願いします。
178 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 14:16:41.08 ID:Yzt4QtTh0
―朝
 海岸

 ザァーン ザザァーン…

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」



妖精「訓練?」

ローガン「うむ。ここ最近戦闘訓練をしていないだろう? あまり間が空きすぎると鈍ってしまう」

ミスティ「そうね……。私も実践してみたいことがいくつかあるし、丁度良いわ……」

エバンス「そういえば俺はまだこのパーティの戦闘力を把握できてないんだよな。俺にとっても丁度良いぜ」

イリス「私たちもエバンスさんの戦い方や魔法についてはまだちゃんとわかってませんから、是非よろしくお願いします!」

エバンス「おう!」



妖精「ねえ、クロシュは何をする?」

クロシュ「!」

↓1
1.防御の練習(盾士 練度:中)
2.攻撃の練習(剣士 練度:低)
3.魔法の練習(魔女 練度:低)
4.他の何かと同化してみる
5.その他(自由安価)
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 14:20:06.67 ID:DeMtIfHVO
4
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 14:21:06.60 ID:B87q5UoO0
5徒手空拳の練習
181 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 14:48:10.20 ID:Yzt4QtTh0
ミスティ「はっ!」キラキラッ

 氷の刃「」ヒュンヒュン

エバンス「うおっ!」バッ

 カンカンカキンッ!

ミスティ「そこっ!!」カッ

 氷柱「」ギラッ

エバンス「うおおっ!!」ゴゴゴッ

 土塊隆起「」ドンッ!
 氷柱「」ドスッ

ミスティ「!」

エバンス「もらった!」グオオッ

ミスティ「――!」バッ

 冷気「」キンッ

エバンス「おわっ!!」サッ

ミスティ「……!」

エバンス「そんな隠し玉まであるとは。ミスティちゃん、やるな……!」

ミスティ「……いいえ。これで全てよ。今のが避けられた時点で、私の負け……」



クロシュ「……」

妖精「どうしたの?」

クロシュ「……ブラッドちゃんは……ミスティさんの氷を受けて……そのまま、同化してた……」

妖精「ああ……まあ、理論上は可能だろうけど……」

クロシュ「わたしも……できるかな……?」

妖精「う〜ん……失敗したら怪我するからやめといた方が良いよ。氷の刃は物理的な物質だけど、氷属性でもあるんだから」

クロシュ「んむ……」


↓1 何と同化する?
1.海岸の砂  難度:低
2.大きな貝殻 難度:低
3.ウニの殻  難度:低
4.カニの甲殻 難度:低
5.鋼板    難度:低
6.海水    難度:中
7.氷の刃   難度:高
8.空気    難度:高
9.自由安価  難度:?
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 14:49:42.07 ID:B87q5UoO0
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 14:49:59.23 ID:vtQwrWEWo
6
184 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 15:43:40.91 ID:Yzt4QtTh0
クロシュ「……」キョロキョロ

 ウニの殻「」

クロシュ「!」トコトコ

妖精「わ、でっかいウニの殻……! これ使うの?」

クロシュ「うん……」

 デロデロ モニョモニョ ポン!

ウニスライムクロシュ「」トゲトゲ

妖精「ひゃっ! クロシュ、トゲトゲだよ!」

ウニスライムクロシュ「」トゲトゲ モニョモニョ

妖精「……でも、動きにくそうだね」

ウニスライムクロシュ「」モニョニョ…

 モニョモニョ デロデロ ポンッ!

ウニ盾クロシュ「!」シャキーン!

妖精「わっ……! それ、いつも使ってる小盾!? なんかトゲトゲになってる!」

ウニ盾クロシュ「えと……混ぜてみた……」

妖精「すごいじゃん! クロシュ、そんなこともできるんだ!」

ウニ盾クロシュ「えと……こんなことも……できる……」

 クロシュの体のあちこちから飛び出すトゲ「」シャキンシャキン!

妖精「うわわ! 全身からトゲが出せるの!?」

ウニ盾クロシュ「うん……。でも……ちょっと、お腹……減る……」

妖精「お腹が減るんだ……」



ローガン「クロシュくん! その姿は……!?」

妖精「ウニだって!」

イリス「わあ! いつもの小盾がトゲトゲになってる!」

ウニ盾クロシュ「うん……」

ローガン「武器を使った攻撃が苦手なクロシュくんでも、これなら防御しつつ攻撃ができるかもしれん。良い追加装備を見つけたな、クロシュくん!」

ウニ盾クロシュ「んへへ……」

 ☆同化した物品を合成することができるようになりました
 ☆鉄の小盾とウニの殻を合成し、ウニ盾を手に入れました

 ◆
185 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 17:50:45.97 ID:Yzt4QtTh0

妖精「ふー、お疲れ様。それで、これからなんだけど……」

イリス「……あの暗黒商人の子が言ってたこと、全部が全部嘘だったわけじゃないと思うんです」

エバンス「……だが仮に奴の言っていたことが正しかったとして、認識阻害装置が手に入らないことにはどうにもならねえ。どうする? もう一回闇市に行って掘り出し物を漁るか?」

ローガン「いや……昨日ざっと見聞きして回ったが、飯盒くらいの大きさの物品はあの魔導飯盒しかなかった。昨日の今日で横流しされたとかでもない限り、闇市に行っても無駄足になる可能性は高い」

ミスティ「じゃあ……直接奪いに行く? セイントレア・メカニクスに」

エバンス「ええ!? いやいや、それは無茶だろ! 殺されちまうぞ!」

ミスティ「冗談よ」

クロシュ「……あの……」

イリス「クロシュちゃん?」

クロシュ「わたし……擬態すれば………潜入……できる、かも……」

エバンス「ええっ!?」

ミスティ「ちょっとクロシュ……! 冗談なのよ、今のは……!」

クロシュ「でも……わたしなら……」

ローガン「……確かに、クロシュくんならできるかもしれんが……。しかし失敗した時のリスクが大きすぎる。エバンスくんの言う通り、殺されてしまうぞ」

クロシュ「……でも……もう……けっこう、日も経っちゃってきてるし……。急がなきゃ……世界樹の光……フメイちゃんたちに、取られちゃうかも……」

ローガン「ぬう……」

 ◇

―工業都市テンペスター
 セイントレア・メカニクス本社ビル

警備ゴーレム「ピピッ……異常ナシ」

警備ゴーレム「ピピッ……本日ノ天気ハ曇天」



エバンス「くっ……本当にやるのか?」

妖精「……大丈夫、私がクロシュに付いてるから。何かあったとしてもクロシュは絶対に守るよ」

ミスティ「まあ……妖精が付いていれば、ある程度は安心できるけれど……」

イリス「絶対、絶対無理しちゃだめだからね……!」

ローガン「危険を感じたらすぐに引き返すのだぞ」

クロシュ「うん」



妖精「よし、じゃあ行くよクロシュ」

クロシュ「うん」


↓1 どんな姿に擬態していく?
1.透明スライム
2.関係者風の人間
3.作業ゴーレム
4.メイド人形
5.自由安価
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 17:53:47.27 ID:vtQwrWEWo
4
187 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 18:39:32.65 ID:Yzt4QtTh0
 デロデロ…ポンッ!

メイド人形クロシュ「……」フリフリ

妖精「見た目は完璧だね。じゃあ私はエプロンの裏に入らせてもらうね」

メイド人形クロシュ「ん」

 *

メイド人形クロシュ「……」トコトコ

警備ゴーレム「ム……? 識別信号……不明……」

メイド人形クロシュ「ほえ……?」

警備ゴーレム「所属ハドコデスカ?」

メイド人形クロシュ「あ、えと……」
妖精「大通りに配置された案内メイド人形です。識別信号は……故障中です。修理命令を受け、現在帰還中です(声真似)」

警備ゴーレム「承知致シマシタ」サッ

 自動ドア「」ウィーン

メイド人形クロシュ「……」ペコリ トテトテ

警備ゴーレム「……? 歩キ方……カワイイ……」

 *

―セイントレア・メカニクス本社ビル
 エントランス

メイド人形クロシュ「はふ……」トコトコ

妖精「はぁ〜びっくりした……! 緑の国みたいな調子で動いちゃだめだね、こりゃ……。さっきの警備ゴーレムはいい加減な奴で助かったけど……」

メイド人形クロシュ「うん……」

妖精「さて、ここはどうやら誰もいないみたいだけど……どこへ行けば良いのかな。こういう建物、入ったことないからよくわかんないなあ……」

メイド人形クロシュ「……!」

 案内図「」

妖精「案内図! これによると……認識阻害装置が置いてありそうなのは、試作開発室ってとこかな?」

メイド人形クロシュ「ん」

 *
188 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 18:40:37.86 ID:Yzt4QtTh0
―試作開発室

 自動ドア「」ウィーン

メイド人形クロシュ「……」トコトコ

研究員「おや? 見慣れないメイド人形だな。丁度良い、お茶を汲んできてくれるかね?」

メイド人形クロシュ「ほえ……?」
妖精「お茶ですね。承知致しました(声真似)」

妖精「バカ! 早くお茶を汲んできて!(小声)」

メイド人形クロシュ「あ、う、うん……!(小声)」


研究員「……?」

 *

 お茶「」トプトプトプ

メイド人形クロシュ「お茶で……ござい、ます……!」

研究員「ああ……。ところで、君はどこの所属かね? メイド人形を呼んだ覚えはないのだが」

妖精「はい。私は大通りの案内メイド人形を務めております。帰り道を忘れてしまい、ここに来ました」

研究員「へ? そりゃ緊急メンテナンスが必要だな。そこの台に横になってくれ」

妖精(しまった!!!)


↓1 どうしよう!
1.メイド人形に擬態していることを明かして交渉する(真の正体は隠す)
2.攻撃を仄めかして脅迫する
3.逃げ出す
4.自由安価
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 18:43:11.60 ID:htGcHC1DO
1
190 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 19:02:13.48 ID:Yzt4QtTh0
メイド人形クロシュ「え、えと……」オロオロ

妖精「……それはできない。私は、メイド人形じゃないから」

研究員「だろうね。メイド人形にしては挙動も言動も明らかにおかしかった」

妖精「げ、バレてたの?」

研究員「バレないと思っていたのが驚きなんだけど……。エプロンの裏にいる君は妖精かい?」

妖精「小人です」

研究員「じゃあそういうことにしておこう。それで、侵入者のお二人さんは一体どのような用件で?」

妖精「……通報しないの?」

研究員「君たちの態度次第かな。現状、通報して君たちを拘束した場合の方が僕にとって面倒というだけだよ。下らない事情聴取になんか付き合わされたくないし」

妖精「へえ、そう。面倒事が嫌いってことなら単刀直入に言うね。海賊……魔導機械の認識を阻害する……ええと、周波数だっけ? それを出す試作品があるって聞いたんだけど、それが欲しい」

研究員「ん? ああ、バグ対策に開発された妨害魔力波発生装置のことか。それなら――」


↓1コンマ
01-05 ??
06-65 口止め料込み
66-95 タダであげよう
96-00 ??
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 19:02:36.85 ID:B87q5UoO0
192 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 20:32:56.37 ID:Yzt4QtTh0
研究員「タダであげるよ。大したものじゃないし」

メイド人形クロシュ「!」

妖精「へっ?」

研究員「……何? 欲しいんじゃないの?」

妖精「いや、欲しいけど……そんなにあっさりくれるとは……」

研究員「言っただろう、面倒事が嫌いなんだよ僕は。貰ったらとっとと帰るんだね」

妖精「あ、そう……。まあ、それならありがたく貰っておくけど……」


 妨害魔力波発生装置「」ポン

メイド人形クロシュ「わあ……」

研究員「これだよ。今の自立型魔導機械には魔力感知機能に欠陥があってね。これはそのデッドスポットを利用した装置で……っと、これは企業秘密なんだった。あんまり言いふらさないでくれよ」

妖精「……いや、言いふらさないけど。あなたこそそんなことベラベラ喋っちゃって大丈夫なの?」

研究員「僕は研究がしたいだけだから。国際競争の行方なんてどうでも良いんだ」

妖精「そ、そう……」

研究員「それと……君が妖精なら、ここテンペスターにはあまり近付かない方が良いよ」

妖精「え? いや、小人だけど……まあ妖精にとってはこんな機械機械したとこ気持ち悪いだろうからね」

研究員「いやそういう意味ではなく……まあいいか。とにかく妖精ならあまりここには近付かないことだ」

妖精「言われなくてもこんな嫌なとこ用がなきゃ近付かないよ」

研究員「ああ。とにかく必要なものが手に入ったのなら早く帰った方が良い。僕だから良かったけど、他の研究員に見つかったら面倒なことになると思う」

メイド人形クロシュ「……」

 ☆妨害魔力発生装置を手に入れました

↓1 どうする?
1.帰る
2.もうちょっとお話を聞きたい
3.もうちょっと調べ物
4.自由安価
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 20:36:02.01 ID:nOsGT0sIO
1
194 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 22:58:06.23 ID:Yzt4QtTh0
―セイントレア・メカニクス本社
 エントランス

メイド人形クロシュ「……」トコトコ


 自動ドア「」ウィーン

 魔導搬送機「」ピンポンパンポン♪
 コンテナ「」


妖精「うわ、あんな荷車みたいなやつまで自動化されてるんだ……。めちゃくちゃだなあ、ここ……」

メイド人形クロシュ「……?」

妖精「あの金属の箱には何が入ってるんだろうねえ。まあどうせロクでもない――」


 魔導搬送機「」ピンポンパンポン♪
 コンテナ「」グスッ ヒグッ エグッ…


メイド人形クロシュ「……!」

妖精「え――」


 魔導搬送機「」ピンポンパンポン♪
 コンテナ「」

 自動ドア「」ウィーン…
 バタム…



妖精「……なに……今、の……。泣き、声……?」

メイド人形クロシュ「……」

 ◆
195 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 22:58:43.67 ID:Yzt4QtTh0
―冒険者ギルド テンペスター支部

イリス「潜入をクロシュちゃんと妖精さんに任せきりにしてる間、私にもできることは……ここで先日の損失を取り返すこと!」

ミスティ「ええ。ローガンさんとエバンスさんが本社の外で待機に回ってくれているから、私たちは私たちにできることをしましょう」

イリス「うん! 条件の良い単発の依頼があれば良いな……!」


受付嬢人形「いらっしゃいませ。当ギルドのご利用は初めてですか?」

ミスティ「ええ。ここの受付嬢も魔導人形なのね……」

受付嬢人形「はい。私はセイントレア・メカニクス社で製造されたメイド型魔導人形のギルド受付嬢仕様でございます。ご不明な点がありましたら何なりとお申し付けくださいませ」

イリス「あ、はい! それじゃあ、私たちに受けられる依頼で、短時間で終わるものはありますか?」

受付嬢人形「それでしたら――」

 ◇

―機械都市テンペスター
 裏通り 不法投棄現場

 機械や鉄屑の山「」ゴミゴミ

イリス「うわっ……!」

老婆「すまないねえ……あたしらは腰が悪いから、どうにも自分たちじゃどかせなくてねえ……」

ミスティ「その為の冒険者ギルドです。私たちにお任せください」

老婆「ありがとうねえ」

 *
196 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 22:59:31.08 ID:Yzt4QtTh0
イリス「う〜ん、地魔法で一気に圧縮するのは……流石に危険だよね」

ミスティ「そうね……もし火薬とかが入っていたら衝撃で爆発するかもしれないし、地道に片付けていくしかないでしょう」

イリス「やっぱそうするしかないかあ」



ミスティ「これは燃えないゴミで……これは再利用可能な電子部品で……」

イリス「なかなか難しいね……。ん? これは……」ヒョイ

 ヒビ割れた緑色の珠「」

ミスティ「綺麗な珠……? ヒビが入ってるけれど……何の部品かしら?」

イリス「……わかんない、けど……」

 ヒビ割れた緑色の珠「」

イリス「何だろ……。これを見てると……胸の奥がざわつく、というか……」

イリス「……この魔力の残滓……あの自立型魔導機械の……? でも……これは……まるで――」

ミスティ「……? ちょっと借りても良い?」

イリス「あ、うん……」ヒョイ

 ヒビ割れた緑色の珠「」

ミスティ「……」

イリス「………ねえ。ミスティ、これって……」

ミスティ「…………」

イリス「…………」

ミスティ「……何よ。これ」

イリス「……」

ミスティ「何なのよ……これッ!!」

 ◆
197 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 23:00:50.99 ID:Yzt4QtTh0
―旅の船着場
 客室

 妨害魔力波発生装置「」ポン

ローガン「おお……! これが認識阻害装置か……! でかしたぞ、クロシュくん、妖精くん!」

エバンス「でも本当に無事で良かったよ……。全く、クロシュちゃんたちが潜入してる間は気が気じゃなかったぜ……」

妖精「……うん」

クロシュ「……」

エバンス「ん……? どうしたんだ二人とも、せっかく無事に念願の装置を見つけて帰ってきたってのに、なんだか浮かないな」

妖精「……イリスとミスティは?」

ローガン「ああ、あの二人であれば、先日の損失を取り返すと言って冒険者ギルドへ――」

 ガチャッ

イリス「……ただいま……」

ミスティ「……戻ったわ……」

エバンス「イリスちゃん、ミスティちゃん。おかえり! クロシュちゃんと妖精も無事に戻ってきてるぜ」

イリス「あ……二人とも、おかえりなさい。無事で、良かった……」

ミスティ「……妖精……本当に……無事で、良かったわ……」

妖精「え……?」

ミスティ「…………これ……。見て、くれる……?」スッ

 ヒビ割れた緑色の珠「」

妖精「あ……これって、まさか――」

ミスティ「……ええ。闇市に寄って、聞いてきたわ……。自立型魔導機械の……根幹を成す部品……通称、精核――」

ミスティ「そして、その原料は――」

妖精「――妖精、あるいは精霊――でしょ?」

ミスティ「――!」

ローガン「!!?」

エバンス「なっ……!?」

イリス「………」グッ

妖精「……私たちも、聞いたんだよ。セイントレア本社で……機械で運ばれる箱の中から響く、妖精たちの泣き声を……」

ミスティ「……そう、だったの……」

クロシュ「………うん……」

妖精「技術革新なんて、蓋を開けてみればこれだ。王国の奴らが、苦しみを感じない機械の奴隷を作るなんて――そんな都合の良い話、あるわけなかったんだ!!」

妖精「くそっ……!! 私は……私は、苦しみがない機械の奴隷なら良いだなんて……無責任なこと、言って……うう、うぐうぅぅう!!!」ジワワ

クロシュ「よ、妖精さん……!」

ミスティ「妖精は何も悪くないわ!! 悪いのは……真に悪いのは、こんなことをしながら真実を隠蔽している王国のやり方でしょう!!!」

妖精「み、ミスティ……」ポロポロ

ミスティ「敵を違えてはならない……。討たなければならないのは――王国に巣食う悪意そのものよ!!!」

 ◆
198 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 23:02:07.77 ID:Yzt4QtTh0
―夜
 機械工業都市テンペスター 薄暗い路地裏

 ガンッ ガガガッ ザシュッ

違法パーツ屋「ひ、ひいいい……!! た、助けてくれェ!!」

「……」コツコツ

違法パーツ屋「か、金ならいくらでもグアアアア!!!」ドシュドシュッ

「……」ジャキ

違法パーツ屋「あ、アバ……年貢の……納め時、か……」

「……」ブンッ

違法パ/ーツ屋「」ズバッ

 ベシャッ…

「敵性生命体の排除完了。同胞の救出に移る」スッ

 違法パーツ屋の荷物「」パカッ
 大量の精核「」キラキラ

「…………」

 大量の精核「」キラキラ

「……精核の不可逆改造を確認。救出不能……」

「…………介錯へ、変更……」スッ

 大量の精核「」キラキラ


 ドカッ バキャッ グシャッ ゴリュッ…


 砕けた大量の精核「」

「………」

 ポタッ ポタッ

「…………?」

「…………視覚洗浄機能の動作異常を確認。修正……」

「……………」

 砕けた大量の精核「」

「……………精霊の加護が……ありますよう……」

 ◆
199 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 23:04:45.28 ID:Yzt4QtTh0
心を持たぬはずの魔導機械。その回路に走る、正体不明の電気信号。バグはなぜ生まれ、人に仇なすのか。
機械工業都市テンペスターの闇に潜む、静かなる殺意。繁栄の影に咽び泣く、無数の怨嗟。どこにも届かず、消えゆく哀しみ。
クロシュよ、君は哀しき復讐者にどう立ち向かう――

それでは本日もありがとうございました。明日と明後日は休日ですが更新できません。申し訳ないです。よろしくお願いいたします
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 23:31:24.58 ID:vtQwrWEWo
乙でした
うげぁ生体ユニット、奴隷の延長じゃねぇか!
妖精とか精霊はうちの太母さまが規格外なだけで大多数は吹けば飛ぶくらいの存在な様子が……フォレスティナ本当にいい国だったんだなぁ
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/05(日) 00:29:02.32 ID:RZt09s+DO
乙です
かなり残酷な事実
果たしてかつての同胞を救おうとしている魔導機械に救いはあるのだろうか
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/05(日) 09:40:15.24 ID:deVQP+xSO

フォレスティナの妖精たちとの交流を経てるだけに厳しさが際立つ
海賊(仮称)さんも元はフォレスティナ出身疑惑濃厚だし…
時々入る>>1の次回予告風ポエム好き
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2024/05/07(火) 12:15:17.86 ID:RNx5Zs4OO

前作の人造種の過去ばりの激重展開
204 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 14:28:17.56 ID:rjkSZaNB0
クロシュ一行の妖精は慎重で用心深く魔法にも長けていますが、妖精類というのは基本的に弱い種族です。ほとんどの妖精は人前に姿を現さず、山や森の奥などで自然と共に暮らしています。フォレスティナは、そんな妖精たちが堂々と暮らしながら安全に異種族と交流することのできる楽しい国なのかもしれません

精核となってしまった妖精や精霊が元の姿に戻った例は今のところ一つも確認されていません
どうすれば妖精たちを救うことができるのか。介錯と称して破壊することが救いなのか。そもそも救いとは。クロシュには何ができるのでしょうか

そして人を殺し、同胞たる精核を破壊し続ける魔導機械の彼女もまた、一人の被害者なのかもしれません。その無機質な声色で紡がれる祈りは、果たして届くのか――

今回の自立型魔導機械に関してのお話は、実際のところ前作の人造種のお話のセルフオマージュのようになっています(引き出しが少ないとも言います)
人造種の中身が妖精や精霊という設定は実は前作でもあったのですが、機会がなかったため開示されることはありませんでした
しかしどういうわけか今作にも自立型魔導機械という近似した存在が発生してしまったため、今回はそこにスポットが当たることになるのかもしれません
205 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 14:28:43.80 ID:rjkSZaNB0
―港湾都市ウォーターポート 滞在8日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:ウニ盾   防:ゴスロリエプロン
 ◇妖精   武:なし    防:エルフのレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子
 ◇エバンス 武:鉄の剣   防:革の鎧
 ・共通   飾:くすんだ耳飾り

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*2
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・トコナツ火山島行きの船を探す
・海渡りの姿を獲得する[2/3]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
……………………………………………………………………………………
□港湾都市ウォーターポート 主要施設
大通り:旅の船着場、武具店、雑貨店、魔法店、鮮魚店、食品店、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:占い屋、怪しい露天商、暗黒商店、奴隷商店、他
沿岸部:港、造船所、魚河岸、灯台、他
……………………………………………………………………………………
□機械工業都市テンペスター 主要施設
大通り:武具店、雑貨店、機械店、無人食事処、自販機通り、冒険者ギルド、他
裏通り:闇市、薄暗い路地裏、他
沿岸部:港、造船所、コンテナ港、工場地帯、灯台、他
……………………………………………………………………………………
206 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 14:29:13.31 ID:rjkSZaNB0
―朝
 旅の船着場

 チュンチュン

ミスティ「……妖精……どう……?」

 ヒビ割れた緑色の珠「」

妖精「一晩調べてみたけれど……ごめん。私には、戻せない……。物質的にも魔法的にも、構造が完全に変質してる……」

イリス「どうにも、ならないの……?」

妖精「例えるなら、木炭を生木に戻すようなものだよ。そんな魔法も技術も、この世界のどこにもない……」

イリス「そんな……」

クロシュ「……」

ミスティ「……セイントレア社をどうにかしない限り、犠牲者は増え続けるということね」

イリス「でも……セイントレア社って、名前の通りセイントレア王家が関わってる組織でしょ? そんなの……どうにかできるの……?」

エバンス「王国内でセイントレア社を告発しても、今イリスちゃんが言った通り王家の力で揉み消されて終わるだろうな……」

ローガン「……そもそも、王国法では妖精類に人権が適用されん。この国では……妖精類をどのように扱おうと、罪にはならんのだ……」

ミスティ「……」ギリッ

妖精「あとは大陸各国に王国の悪事を知らしめて国際的な立場を悪化させるって手もあるけど……。圧倒的な力を持つ王国と関係を悪くしたい国なんてないから、あんまり意味はないかもね……」

イリス「……そんなの、おかしいよ。みんな、これを知れば王国が酷いことをしてるって絶対にわかるはずなのに……!」

ローガン「……だが、セイントレア社の軍事兵器は今や世界最高の性能だ。例え倫理的な問題があろうとも、それを買わない選択をすれば―――」

エバンス「他国と軍事力に大きな差が付き、侵略を許すことになるってわけか……」

ミスティ「………妖精たちを……何だと思っているのよ……。人間の下らない戦争なんかのために……どうして妖精たちが酷い目に遭わなきゃいけないのよ……!」グッ

妖精「………ミスティ……」

クロシュ「……」

妖精「みんな……名も知らぬ妖精たちのために怒ってくれて、ありがとう……。でも、やっぱりこれは今すぐどうこうできる問題じゃないから……今は、世界樹の光を追うことを優先しよう」

ミスティ「……妖精が、それでいいなら……。でも、本当にいいの……?」

妖精「いいも何も、どうにもならないもん。フォレスティナは世界樹の結界で守られてるけれど、他の地域に住む妖精たちのことまでは守り切れないし。王国を変えるなんて不可能だし」

ミスティ「……それは、その通りね……」

妖精「だから、今はやるべきことをやろう。世界樹の光が集まれば……きっと、できることもあるから」

クロシュ「ん……」コク


ウォーターポート滞在8日目です
・海賊対策手段を確保したため、クロシュが海渡りの姿を獲得すると出港可能になります
↓1〜3 自由安価 何をする?
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 14:36:12.58 ID:xsY1C5Ae0
海渡り練習
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 14:43:52.84 ID:h5EhoLnK0
他に良い装備や使えそうなアイテムが無いか見て回る
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 14:46:22.08 ID:i6p9lgMyO
イリス、星の魔翌力の操作練習をする
210 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 16:35:38.60 ID:rjkSZaNB0
―海岸

 ザァーン ザザァーン―

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」


小舟クロシュ「」プカプカ

 鋼の重り「」ズシッ

小舟クロシュ「」プカプカ


ローガン「クロシュくん、重くはないか? その重りだけでも我々パーティの全員と同じくらいの重さはあるが……」

小舟クロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「平気だって」

ローガン「そうか。ならば良かった」

小舟クロシュ「〜」モニョ

妖精「小舟の擬態もバッチリみたいだし、次は本番――みんなが乗れるおっきな船になってみよっか!」

小舟クロシュ「〜〜」モニョニョ

 *

イリス「クロシュちゃんが頑張ってるんだから、私も頑張らなきゃ!」ザッ

ミスティ「手伝うわ……。イリスの魔力操作が上達すれば、パーティ全体の属性適応力が上がるもの……」

エバンス「星属性って、具体的にはどういう属性なんだ?」

イリス「えっと、簡単に言えば星の内側を流れる魔力の属性で……五大属性の大元となる属性、みたいな感じです」

エバンス「……すまん、五大属性ってどれだ?」

イリス「えっ、そこから!?」

ミスティ「……学問や研究としての魔法を志す者でもなければ、五大属性なんて言われてもピンと来ないのが普通だと思うわ……」

イリス「そ、そうなんだ……。一般常識だとばかり……」

エバンス「わ、悪いな。俺にとって魔法ってのは戦闘技術の一つであって、学術的に研究するものじゃないんだ」

ミスティ「……私も一応魔法使いを名乗ってはいるけれど、実際のところエバンスさんと同じなのよね……。生き残る術というか……」

イリス「なんと……。え、ええと……五大属性っていうのは、火、水、風、地、光の五つの属性のことなんです。人類の得意属性もこの五大属性やその派生属性のどれかであることが多く、一般的に最も身近で研究も進んでいると言われています」

エバンス「なるほど……。言われてみれば確かに、その五つの属性に当てはまる人は多いような気がするな。俺自身も地属性だし」

ミスティ「私の氷属性は当てはまらないのよね……。それで使用者も少ないから、魔導書とかも少なくてちょっと困るわ……」

イリス「あはは……。でもミスティが氷属性で良かったよ。私、氷と闇はカバーできないもん」

ミスティ「こっちのセリフよ。あなたが全属性対応の変態じゃなくて良かったわよ」

イリス「全属性に対応できる超人なんて大魔女くらいしかいないと思う……」


↓1コンマ クロシュの海渡り練習
01-95 大亀 (経験3/3)
96-00 海竜 (経験☆)

↓2コンマ イリスの星属性練習
01-65 ちょっと(経験1/4)
66-85 まあまあ(経験2/4)
86-95 いい感じ(経験3/4)
96-00 ????(経験☆)
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 16:36:16.70 ID:T2S99gvxO
海竜
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 16:39:04.63 ID:uFUx8OlwO
コンマ
213 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 18:38:19.65 ID:rjkSZaNB0
―海岸

 ザァーン ザザァーン―

大亀クロシュ「」スイスイ


ローガン「おお……! なんと雄大な姿か……! まるで神話に登場する世界亀のようだ……!」

妖精「すごい……! クロシュ、すごいよ! まさか船じゃなくて、おっきな亀になっちゃうなんて!」

大亀クロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「重りをいっぱい乗せてみてだって! ローガン!」

ローガン「お、おお……ではやってみるぞ!」

 鋼の重り「」ズシッ
 鋼の重り「」ズシッ
 鋼の重り「」ズシッ
 鋼の重り「」ズシッ
 鋼の重り「」ズシッ

大亀クロシュ「〜〜」モニョニョ

妖精「全然平気だって! すごいよクロシュ!」

ローガン「おお……! これだけの重りが乗っても平気なら安心だな……!」

大亀クロシュ「〜」モニョ

妖精「うん、ありがとうクロシュ。これでいつでも出発できるね」

 ☆クロシュの海渡り経験が3/3になりました
 ☆大亀に擬態できるようになりました
 ☆パーティを乗せて海へ出られるようになりました

 *

イリス「むむむ……」ググッ

 ポンッ
 七色に輝く耳飾り「」キラキラ

イリス「ふう……。虹晶石に魔力を込めるだけならまあまあ安定してできるけれど……」

ミスティ「これ以外はまだ難しいの……?」

イリス「うん。元々虹晶石自体が星の魔力と親和性の高い物質だから、これに通せるのは当然と言えば当然なんだよね。でも、今のところそれ以外の使い道がわからないというか……」

エバンス「なんか、星属性のビームとか出せないのか?」

イリス「エバンスさんは星属性を何だと思ってるんですか……。いや、でも……ビーム?」

ミスティ「もしかして何か掴めたの?」

イリス「……ちょっと、試すだけ。えいっ!」

 五色の光粒子「」フワァ キラキラ…

ミスティ「……! 綺麗……」

エバンス「おお……! これはこれですごいな!」

イリス「……でもこれ、実用面じゃ耳飾りを光らせるのとあんまり変わんないね!」

 ☆イリスの星属性経験が1/4になりました

 ◆
214 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 18:38:50.52 ID:rjkSZaNB0
―ウォーターポート大通り

 ワイワイ ガヤガヤ

エバンス「でっけえ亀が悠々と泳いでるのを見たが、やっぱりクロシュちゃんだったか!」

ミスティ「すごいじゃない……あんなに大きな亀に変身できるなんて……」

イリス「本当にすごいなあ……。クロシュちゃん自身はこんなに小さいのに……反映魔法、研究してみたいかも……」

ローガン「うむ。本当によくやったぞ、クロシュくん!」

クロシュ「んへへ……」

妖精「そういうわけだから、航海に必要なものとかを買い揃えよう。クロシュの背中で生活するための物資も必要だし」

イリス「あそっか! いつも使ってるテントじゃ流石に厳しいよね」

クロシュ「……あ、えと……甲羅の上に、簡単なおうちくらいなら……出せるかも……」

ミスティ「な、なんですって……!」

エバンス「おいおいマジか……!」

クロシュ「んへへ……。でも、お腹減るから……ご飯、欲しい……」

妖精「……や、私もここまでクロシュができる子だとは思ってなかった。本当にすごい」

ローガン「うむ……。では、クロシュくんが困らないように食料も買い込んでおかなければな」

エバンス「おう! それと装備の新調とかはここを出る前に済ませといた方が良いぜ。ここで手に入らない市販品はないと言われるくらいウォーターポートの品揃えは良いからな。王国産はもちろん、他国産の物品もここほど幅広く集まる場所は滅多にないんじゃないか?」

妖精「そうだね。ここで買えるものは今のうちに買っておこう。今のところ大きな出費もないし船代も浮いちゃったから、ちょっとくらい贅沢しても大丈夫だよ」

ローガン「ふむ……。海へ出るのだから私も身軽になっておくか……。鎖帷子は港に置いていくとして……」


↓1コンマ ローガンの新防具
01-40 革の鎧
41-70 硬質革鎧
71-90 魔銀の鎖帷子
91-00 ザリガニの鎧

↓2〜4 自由安価 その他買うもの(装備の場合は誰のものか記載)
※クロシュ、妖精、イリス、ミスティは現在の防具に満足している為、防具を買い替えられません
※買うものによってはコンマ判定が発生することもあります
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 18:40:14.01 ID:DN5xpl7ZO
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 18:42:54.70 ID:lMG58ZCe0
纏うと透明になるマント
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 18:55:09.11 ID:+YV6Z0FSo
竜の顎の玉
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 18:55:56.75 ID:614y6WsgO
星の魔翌力の続巻
219 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 20:19:37.71 ID:rjkSZaNB0
―武具店

 革の鎧「」

ローガン「これにしよう」

エバンス「おっ、ローガンの旦那も革鎧か?」

妖精「これでいいの? もっといいやつあるけど」

ローガン「戦の際は鋼魔法で即席の装甲を纏うゆえ、これで必要十分なのだ。路銀は節約せねばな」

妖精「なるほどねえ。エバンスも鎧に泥を貼り付けてみたら?」

エバンス「せめて石とかにさせてくれよ……」

 ☆ローガンの装備が革の鎧になりました

 *

―裏通り
 怪しい露天商

闇の武器商人「らっしゃい。おや、嬢ちゃんたちは……前にテンペスターの闇市に来てたな」

イリス「ええっ、覚えてるの!?」

ミスティ「……どうも」

クロシュ「……」

闇の武器商人「わざわざこんなとこに買い物に来たとこを見るに、闇取引にハマっちまったか? クク、若いのにやるねェ」

イリス「や、そういうわけじゃないんですけど……。そろそろこの街を出るので、いろいろ見て回ってるんです」

闇の武器商人「そうなのか。ならここに来たのは正解だな。レアな品揃えにゃ自信があるぜ、俺は」

ミスティ「そりゃまあそうでしょうね……」

闇の武器商人「例えば――これだ!」

 光学迷彩マント「」ドン!

ミスティ「……マント? 変な材質だけど……」

闇の武器商人「聞いて驚くなよ? こいつはセイントレア社が開発した最新の軍用光学迷彩マントだ」

イリス「こ、光学迷彩……!? 光学迷彩って、光属性の超高等魔法じゃ……」

闇の武器商人「それを誰でも使えるようにしたのがこのマントってわけ。超高等魔法なんて属人性の高い技術、軍事的には全くアテにならんからな」

イリス「そ、それはそうかも……」

闇の武器商人「本来は市場にゃ絶対に出回らないシロモノだが、俺の腕前ならこの通り。冒険者であるアンタらにとっても極めて有用だと思うが、どうだ?」

イリス「え、ええと……」

闇の武器商人「一応言っとくが本物だぜ。俺ァ品質にゃこだわる主義だ。あのケチなメスガキと違ってな」

イリス「ぎぃ……そ、その話は……」

闇の武器商人「はは、悪いな。嬢ちゃんがカモられるとこも見てたんだが、あれも勉強だと思ってな」

イリス「うぐぐ……」

闇の武器商人「俺はお代こそふんだくるが、偽モンは売らん。自由に試着して光学迷彩を試してみても良いぜ。どうする?」


↓1コンマ 価格
01-60 高すぎる(買えない)
61-80 セール中(買えるが、パーティの所持金が半減する)
81-00 ??

↓2安価(01-80だった場合)
1.買う
2.買わない
3.自由安価
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 20:20:23.91 ID:lMG58ZCe0
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 20:20:29.27 ID:GbizPI3DO
はい
222 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 20:52:12.72 ID:rjkSZaNB0
 光学迷彩マント値札『とても高い価格』

イリス「げっ……た、高すぎる……こんなに高くっちゃ買えないよ」

闇の武器商人「そりゃあ最新の軍事機密だからなあ。安売りはできねえよ?」

ミスティ「……仕方ないわね。今回は御縁がなかったと――」

クロシュ「……!」ピコン

クロシュ「あの……試着、してみても……いい……?」

闇の武器商人「ん? まあいいが……着逃げしようなんて考えるなよ?」

クロシュ「うん……」

イリス「クロシュちゃん……?」


 バサッ

光学迷彩状態のクロシュ「」モゾモゾ

イリス「わ、わあ……! 本当に透明になっちゃった!」

ミスティ「こ、これは凄いわね……! 」

闇の武器商人「はは、だろ? 黒髪の嬢ちゃんも満足できたか?」

 バサッ

クロシュ「ん……ありがと……」スッ

闇の武器商人「どういたしまして。今回は金が足りなかったみたいだが、機会があればまた頼むぜ」

クロシュ「ん……」

 ◇
223 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 20:52:59.71 ID:rjkSZaNB0
―裏通り

クロシュ「……」トコトコ

イリス「ねえクロシュちゃん……さっきどうして、いきなり試着しようと思ったの?」

クロシュ「……」

ミスティ「……クロシュ……あなた……」

クロシュ「……」

 デロデロ… スゥー…

透明「」

イリス「わ、わわわ! く、クロシュちゃんまさか……!」

ミスティ「やっぱり……!」

透明「んへへ……」

イリス「ぎ、擬態したんだ……! あのマントの材質に……!!」

ミスティ「い、いつからこんな悪い子になってしまったの……!」

透明「こういうことも……できる……」ススッ

 バサッ

光学迷彩マントクロシュ「」バササッ

イリス「うわわ! マントになったクロシュちゃんが――」
ミスティ「私とイリスを包みこんで――」

 スゥー…

透明「み、みんな透明になっちゃった!」

透明「こ、これはいくらなんでもインチキすぎるわよクロシュ!」

透明「〜〜」モニョニョ

 ☆クロシュが光学迷彩によって透明化できるようになりました
 ☆クロシュが光学迷彩マントに擬態できるようになりました

 ◇
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 20:59:06.02 ID:O5UaFYtCo
成長したなぁクロシュ……
こういう序盤駄目駄目だけど育ったら超戦力になるキャラおるおる、好き
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 21:24:36.18 ID:TQfGJYnJO
スライムってすげぇ!
226 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 22:07:33.04 ID:rjkSZaNB0
―大通り

 ワイワイ ガヤガヤ

イリス「ってことがあったんだよ!」

妖精「え、ええ!? クロシュが……!?」

エバンス「マジか……! やるなあクロシュちゃん……!」

ローガン「ほう……! クロシュくんも旅人らしくなってきたな……!」

クロシュ「……」フンス

ミスティ「実際、悪いことは何一つしてないものね……」

イリス「持てる力を駆使しただけだもんねえ」

 *
227 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 22:08:48.60 ID:rjkSZaNB0
 ワイワイ ガヤガヤ

エバンス「消耗品や食糧も買い込んだし、買い物はこれくらいか?」

ローガン「うむ。あとは――」


行商妖精「綺麗な真珠だよ〜。ヤドカリの抜け殻もあるよ〜」


イリス「妖精の行商さん……!」

ミスティ「……ちょっと……心配ね……」

妖精「……ちょっと見てってみる?」

ミスティ「……ええ」

 *

行商妖精「お〜、いらっしゃい〜」

ミスティ「こんにちは……」

妖精「どうも」パタパタ

行商妖精「わあ、同胞だあ〜。こんなとこで会えるなんて嬉しいなあ〜なんか買ってってよお〜」

妖精「私はこんなとこに同胞がいるのはあんまり嬉しくないけど……いつも何を売っているの?」

行商妖精「んふふ、海で拾ったものを売ってるの〜。森には海がないからね〜」

妖精「なるほどね……」

行商妖精「今日の目玉商品は〜……これ!」ジャン!

 綺麗な珠「」ピカピカ

妖精「んん? 随分綺麗な玉っころだけど……」

行商妖精「これはね〜……たぶん龍の顎の珠だよ!!」

イリス「えええ!? 龍の顎の珠!?」

行商妖精「うん〜。だって綺麗でピカピカだもん〜」

妖精「いやいや、龍の顎の珠がこんな海に落ちてるわけ……」

 綺麗な珠「」ピカピカ

妖精「ないよね……?」

ミスティ「し、知らないわよ……龍の顎の珠なんて見たことないもの……」

エバンス「俺も見たことないからわからん……」

ローガン「……昔勤めていた場所の宝物庫に似たようなものがあったような気もするが……いや、不確かな記憶などアテにならんな」

イリス「龍の顎の珠って絶大な龍の力を秘めた、それこそ国宝級の宝物だと思うけれど……。少なくとも魔力的には、何も感じ取れない……」

行商妖精「本物だよお〜!」プンスコ

 綺麗な珠の値札『だいぶ高い』

妖精「……本物だとしたら破格の安さだけど、ただの綺麗な丸い石だとしたらだいぶお高い……」

イリス「まあこれだけ綺麗な珠なら、例え偽物でも宝飾品としてまあまあ価値があるとも思う……。専門家じゃないから断言はできないけど……」

ミスティ「ど、どうするの?」


↓1選択
1.買う(所持金半減)
2.買わない

↓2コンマ
01-40 ただの綺麗な丸い珠だった
41-80 エンシャントシャコ貝の真珠だった
81-95 海竜の宝玉だった
96-00 本物の龍の顎の珠
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 22:10:37.37 ID:eY1RhUSNO
2
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 22:11:04.53 ID:lMG58ZCe0
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 22:11:05.11 ID:GbizPI3DO
2
231 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 22:39:07.63 ID:rjkSZaNB0
妖精「……いや、買わないよ! ティセリアたちから預かった大事なお金を、こんなよくわからない玉っころに突っ込むわけないでしょ!」

行商妖精「ええ〜!」

ミスティ「そりゃそうよね……。ただの玉っころだったら大損だし……」

イリス「……よ〜く意識を凝らしてみたら、微かに海の魔力を感じる……。海由来の珠なのは間違いないかも」

妖精「これだけの大きさの珠なら、エンシャントシャコ貝あたりの真珠かもねえ。そうだとすれば値段相応っちゃ値段相応かな?」

イリス「エンシャントシャコ貝の真珠なら水魔法の強力な触媒になるね。まあこのパーティには水魔法の専門家はいないけど……」

行商妖精「龍の顎の珠だもん〜!!」プンスコ

 ◆

―夕
 大通り

カモメ「クゥー、クゥー」


イリス「日も落ちて来たねえ……。とりあえず買い物は十分かな?」

ローガン「うむ……。イリスくんとミスティくんは、魔導書の類はいいのか?」

イリス「あー、魔導書は……」

ミスティ「私は数日前に買ったわ……。イリスは……あの時は一冊も買っていなかったけれど……」

イリス「いやまあ、あはは……」

妖精「……? 航海中は時間もあるだろうから、買っておいても良いと思うよ。まあ必要なければいいけど」

イリス「……うん! じゃあもう一回、あの店に行ってみる!」タッタッタッ

 ◇
232 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 22:40:52.37 ID:rjkSZaNB0
―魔法店

 ガチャッ カランカラン

イリス「こ、こんにちは〜!」

 本棚「」
 本棚「」
 本棚「」
 本棚「」
 本棚「」
 本棚「」

イリス(相変わらずすごい蔵書量だ……。あの日はちゃんと隅々まで探せたわけじゃないから――)


魔法使いの店員「いらっしゃい。あなたですね……。まあゆっくり見ていくのが良いですよ」

イリス「ど、どうも……」

魔法使いの店員「よろしければお手伝いしましょうか? この中から必要な本を探すのは大変でしょうから」

イリス「あ、それなら……星の魔力っていう本を探してるんですけど」

魔法使いの店員「え、星の魔力? あなた、もしかして――」

イリス「はい、星属性なんです」

魔法使いの店員「なるほど……。それなら尚更、暗黒面に堕ちるべきではありませんね……」

イリス「あ、あはは……」

魔法使いの店員「星の魔力ですが――」


↓1
01-40 星属性を含む既存全属性を網羅する汎用書ならあります(星属性経験+)
41-70 星の魔力ではありませんが星属性を取り扱った本があります(星属性経験++)
71-90 星の魔力[中編]
91-00 星の魔力[中編+後編]
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 22:44:13.03 ID:+YV6Z0FSo
こんま
234 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 22:58:43.37 ID:rjkSZaNB0
魔法使いの店員「……残念ながら、ここに星属性の専門書はないのです。申し訳ない」

イリス「そ、そうだったんですか……」

魔法使いの店員「しかし汎用書ならあります」スッ

イリス「えっ?」

 属性大全「」ポン

魔法使いの店員「これは、出版当時に判明していた全ての属性を網羅する汎用魔導書。五大属性はもちろん、他の希少属性やユニーク属性の使い方まできっちり書かれています。もちろん星属性も……。既にご自身の属性を把握しているあなたには不要のものかもしれませんが――」

イリス「い、いえ! 星属性ってわかってるだけで、実際のところ手探りなんです……! これでも十分ありがたいかも……!」

魔法使いの店員「そうなのですか……。それならば、この本を差し上げましょう……」

 属性大全「」スッ

イリス「えっ……? でも……」

魔法使いの店員「……先日のことは、あの本を書棚に置いてしまっていた私自身の迂闊が招いた失敗でした。それをあなた一人の責任として押し付けてしまったことを、お詫び致します……。これはその、謝罪の証としてお受け取りください」スッ

イリス「そ、そんな……! あれは、本当に私が出来心で魔が差したのがいけなかったので……!」

魔法使いの店員「まあまあそうお気になさらず! これをあなたに押し付けないと私の気が晴れないので、押し付けられてください!」グイグイ

イリス「うわわ、わかりましたよ……!」

 ☆属性大全を押し付けられました
 ☆宿に帰ってちょっとだけ読み、星属性経験が2/4になりました

 ◆
235 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 23:40:08.49 ID:rjkSZaNB0
―夜
 大通り

エバンス「よーし、買った買った! これで航海も安心だな!」スタスタ

イリス「はい! あとはここを出発するだけ……」スタスタ

クロシュ「ん……」トコトコ

ミスティ「……」スタスタ

妖精「……ミスティ。世界樹の光を集めたら、改めてできることをしようよ。今の私たちにできることは……ないから……」パタパタ

ミスティ「……わかってるわ。ただ、どうしてか……ブラッドのことを考えていた時よりもずっと……自分の無力さを実感するのよ……」スタスタ

ローガン「うむ……。こればかりは、ミスティくん自身が強くなるしかあるまい。憎き敵を倒すにも、守るべき者を守るにも……力がなければ、何も成せぬ……」スタスタ

ミスティ「……ええ………。わかっているわ……」スタスタ


  アアアアアアア!! ドガガガッ!! ダダダダンッ!!
 タスケテクレエエエ!!!  アアアアアアア!!!!!  ザシュザシュッ!!


クロシュたち「!!?」

イリス「い、今の悲鳴は……!?」

エバンス「裏通りの方から聞こえたな……。中年くらいの男の悲鳴と――」

ローガン「――火薬による射撃、そして刃物による斬撃の音――」

ミスティ「……っ」

妖精「……私たちとは無関係なこの街のいざこざかもしれない、けど……」

クロシュ「……」


↓1〜5多数決 どうする?
1.向かう
2.向かわない
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 23:40:41.11 ID:lMG58ZCe0
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 23:41:30.42 ID:+YV6Z0FSo
1
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 23:41:43.19 ID:D5fKhNOSO
1
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 00:02:36.96 ID:biTO8Sgi0
1
240 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 00:10:12.73 ID:aDiqD9rD0
クロシュ「……」クルッ ジッ

ミスティ「クロシュ……」

クロシュ「……」コク

ミスティ「……ええ! 胸騒ぎがする……行きましょう!」タッ

クロシュ「!」タッ

妖精「……私も……見過ごしちゃ、いけない気がする」フワッ

イリス「わ、私も行くよ!」タタッ

エバンス「お、おう! 俺も行くぜ!」ダッ

ローガン「今度こそ、私が護らねば……!」ダッ

 *
241 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 00:13:41.03 ID:aDiqD9rD0
―裏通り

闇の武器商人「……だ、だずげでぐれぇ……」ポロポロ

メイド人形?「……」コツコツ

闇の武器商人「じにだぐねえよぉ……」ポロポロ

メイド人形?「……」ジャキ

闇の武器商人「あ、アバ……」ポロポロ

メイド人形?「」スッ

 ブンッ
 ガギインッ!!

メイド人形?「!」ズザザッ

闇の武器商人「あ、え……?」ポロポロ


ウニ盾クロシュ「……!」ズザザッ

ミスティ「間に合った……!!」

妖精「か、間一髪……!!」

闇の武器商人「お、おまえら……昼間の……」ポロポロ


メイド人形?「……敵性生命体、増援を確認……。同時に、同胞の魔力を感知……」

妖精「自立型魔導機械の、バグ……!?」

メイド人形?「……同胞は敵性生命体に洗脳されているものと推定。敵性生命体殲滅と共に、救出を行う――」ジャキ

ミスティ「くっ……あなた、まさか――」

メイド人形?「殲滅、開始――」シュバッ ゴオオオオッ

妖精「――っ! 来るよ!! 備えて!!」

ウニ盾クロシュ「――!!」


 ――EXボス メイ841――
242 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 00:14:27.61 ID:aDiqD9rD0
というわけで本日はここまでとなります。次回、EXボスのメイ841さんとの戦いです

ついに遭遇してしまった復讐の魔導機械ことメイ841。数ではこちらが圧倒的に有利ですが、果たして戦況は、コンマという運命の女神はどちらに微笑むのか。犠牲になった妖精たちの魂は、どこへ向かうのか――
そして赤ちゃんスライムのクロシュ氏がメキメキと実力を付け始めています。戦闘に関してはともかく、擬態コピーは本当にインチキじみています。クロシュちゃんの今後の成長にご期待ください

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 08:28:33.11 ID:D+zCJuEro
おつです
そのうちブラッドも圧倒してリベンジしてぇ
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 08:28:52.47 ID:g/BB+Mlc0

そういやマリー隊長どうしてるんだろ…
フラナ氏最終的に魔法で行動制限かけた上で統治者任せそうだけど。
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