【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2

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245 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 13:16:23.82 ID:aDiqD9rD0
ブラッド(本体)に勝つにはもっと強くなる必要があります。一つの目安として、パーティ各々が単独で分体を倒せるくらいになれれば勝機も見えてくるかもしれません

マリー元部隊長は、今も魔族国の廃神殿にて他の捕虜たちと共に気楽な軟禁生活を送っています。魔族国と王国の交渉における重大なカードでもあるため、解放の見込みはまだないようです
マリー氏が魔族国の統治者に返り咲くには、魔族と人間の対立や王国との緊張状態など様々な課題があるため、今のところ実現可能性は低いです。またマリー氏自身も魔族革命を引き起こしてしまったことに重責を感じており、もし再び魔族国の統治者になって欲しいと言われた場合、自分にはその資格も能力もないと言って断るでしょう

なお今までの登場人物の現況については、実はスレ冒頭の登場人物紹介の各備考欄にて少しだけ触れられていたりします。気になる方はご参照ください
246 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 13:17:00.31 ID:aDiqD9rD0
↓1選択 クロシュはどう戦う?(戦術次第で↓2コンマに補正)
1.みんなを守ることに専念
2.守りつつウニ棘で反撃
3.光学迷彩で不意打ちを狙う
4.自由安価


↓2コンマ 戦況
01-05 痛恨
06-50 劣勢
51-95 優勢
96-00 会心
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 13:18:52.04 ID:CpWouPqoO
乙です
属性大全だけど希少属性やユニーク属性が載って事は相手が魔法を放つ時にその魔法が何なのかすぐに調べる事が出来てそこから弱点や欠点など知れるからもしかすると良いアイテムかもしれないね。
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 13:22:32.52 ID:R272xTKbO
1
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 13:23:10.81 ID:g/BB+Mlc0
ほう
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 13:23:52.29 ID:VV51EV380
4 基本的に1で反撃は仲間にしてもらおう
251 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 13:54:11.36 ID:aDiqD9rD0
属性大全は専門性こそありませんが、出版当時に判明していた全ての属性を広く浅くカバーしているため、見知らぬ属性を見た時にちょっと調べてみたりするのに有用かもしれません
しかしこれの出版後に判明した新属性や、公的機関に届けられていないユニーク属性などは抑えられていないことに注意が必要です。クロシュの反映魔法も載っていないようです
252 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 13:54:41.14 ID:aDiqD9rD0
選択:防御専念(コンマ+10)
コンマ:81+10 優勢


メイ「」ギュオオッ

ウニ盾クロシュ「!」ザッ

メイ「」ビビビッ

 ギギギギンッ!!

ウニ盾クロシュ「っ!」ズザザッ

妖精「くぅぅ、これでも追い風で援護してるのに……!」

ミスティ「そこよ!!」ギラッ

 氷の刃「」シュババッ

メイ「!」タンッ カンカンッ

ミスティ「まだまだ……!!」コォォ―

メイ「――」スッ

 自動小銃「」ジャキッ

ミスティ「――!! クロシュ、避け――」

妖精「クロシュ!!」

ウニ盾クロシュ「!」

 ダダダダダダ――
 鉄板「」カカカカカンッ

メイ「――!」

ローガン「すまぬ、遅れた!」ザッ

エバンス「クロシュちゃん無事か!!」ザザッ

イリス「あの子は――魔導人形の――!?」ザザッ


メイ「……敵性生命体、更なる増援を確認。戦況、不利――」ジャキッ


↓1選択 クロシュはどう戦う?
1.引き続き仲間の守りに専念
2.ウニ棘で反撃の機会を伺う
3.光学迷彩で不意打ちを狙う
4.自由安価

↓2コンマ 戦況
01-05 痛恨
06-50 劣勢
51-95 優勢
96-00 勝利
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 14:11:59.28 ID:g/BB+Mlc0
2
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 14:13:53.46 ID:R272xTKbO
255 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 14:34:53.94 ID:aDiqD9rD0
選択:反撃(コンマ+20)
コンマ:46+20 優勢

メイ「」ダダダダンッ

ウニ盾クロシュ「!」カカカカンッ

エバンス「こっちだ!」バッ

メイ「!」ブンッ

エバンス「ウオッ!」ガギンッ

ローガン「私もいるぞ!」ジャッ

メイ「!」バッ


メイ「……敵性生命体の防御能力に合わせ、出力を再定義――」ジャキッ

 ブンッ
 鉄/板「」バギョッ

ローガン「ぬうう……! 鉄板を両断しただと……!!」

メイ「」タンッ

ウニ盾クロシュ「!!」グッ

ローガン「いかん! クロシュくん奴の攻撃を受けては――」

メイ「」ブオンッ

ウニ盾クロシュ「」シャッ

妖精「クロシュが避け――」

 ウニ棘「」ジャキンッ
 ドシュドシュッ!!

ウニ棘に刺されたメイ「……」

ウニ盾クロシュ「……」

 ウニ棘「」ボキボキッ

メイ「――損傷、中程度。戦闘続行」タンッ


↓1選択 クロシュはどう戦う?
1.ウニ盾で仲間の守りに専念
2.引き続き反撃の機会を伺う
3.光学迷彩で不意打ちを狙う
4.自由安価

↓2コンマ 戦況
01-05 痛恨
06-50 劣勢
51-00 勝利
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 14:37:53.61 ID:C0f3FthDO
1
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 14:46:59.44 ID:g/BB+Mlc0
258 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 15:16:35.44 ID:aDiqD9rD0
選択:防御(コンマ+10)
コンマ:44+10

メイ「」ビビッ

ウニ盾クロシュ「」ギギンッ

妖精「鈍ってきてる……! 押してるよ!」

エバンス「このまま畳み掛け――」


メイ「」バッ

ミスティ「距離を取った……? もしかして逃げ――」

メイ「」ガシャコン―

 ミサイル「」ジャキン

ローガン「――!! 伏せろ!!」

ウニ盾クロシュ「」タッ

イリス「クロシュちゃん!」

 ミサイル「」バシュウウウウッ


 カッ
 ドガァァァァァァン――…


大亀クロシュ「」プスプス……

 デロデロ……

スライムクロシュ「」デロロ…

妖精「クロシューっ!!!」パタパタ

ローガン「クロシュくん……! だが……奴も自らの放ったミサイルの衝撃で……」


メイ「――戦闘継続、不可能――……」ドサッ


 ――戦闘終了
259 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 17:13:48.79 ID:aDiqD9rD0
スライムクロシュ「」デロロ…

妖精「クロシュ! クロシュ!」パタパタ

スライムクロシュ「」モニョモニョ…

妖精「うん、うん、みんな無事だよ! あなたが守ってくれたから……」

スライムクロシュ「」モニョニョ…

スライムクロシュ「」zzz…

イリス「クロシュちゃん……!」

ミスティ「クロシュ……! まさか……」

妖精「……だ、大丈夫……眠っただけみたい……」

ローガン「また、助けられてしまったか……」

エバンス「くっ……俺が守ると言っておきながら守られちまった。情けねえ……」



メイ「……」ジジ バチバチ

イリス「この、魔導人形の子は……」

闇の武器商人「お、おい早くそいつを破壊してくれ! またいつ動き出すかわからねえだろ!」

ミスティ「……妖精を見て、同胞を救出するとか何とか……言っていたわ……。ねえ――」

闇の武器商人「えっ俺!?」

ミスティ「バグって……精核の元になったものの、自我が出た……魔導機械のこと、なの……?」

闇の武器商人「知らねえよ! いや、でも……そういう噂は聞いたことあるが……。バグって呼ばれる前は、幽霊に取り憑かれたなんて騒ぎも聞いたしな……」

ミスティ「……」

エバンス「……ちょいと失礼」スッ

 闇の武器商人の荷物「」ガサッ

闇の武器商人「おあっ何すんだ……!」

エバンス「いいだろ、助けてやったんだから。俺の推測が正しけりゃ――」

 精核「」ガサッ

イリス「あっ精核……!」

エバンス「やっぱりな……。この魔導人形が狙ってたのは、あんたの命じゃなくて、これだったんじゃないか?」

闇の武器商人「たまたま手に入った一個だけだぞ……! 違法パーツ屋の野郎なんか一個どころか数十個単位で持ってやがんだぞ!?」

妖精「……それの中身が何か知っていて、言ってるの?」ズイッ

闇の武器商人「……悪かった。数の問題じゃねえな……」

妖精「…………この精核は……私がもらっていく。お前たち人間が、これを持つ資格はない」

闇の武器商人「……」
260 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 17:15:17.79 ID:aDiqD9rD0
メイ「」バチバチ…

ローガン「……この魔導人形の子は、どうする?」

妖精「……」

エバンス「……魔導人形には自己修復機能がある。放っておけば再起動して……また海賊やテロ行為をするようになるかもな」

妖精「うん……」

ミスティ「……人間の自業自得でしょ。こんな国の奴ら、滅ぼされてしまえば良いのよ……」

妖精「……そうかもしれない、けど。この国の奴らが何人殺られたところで、精核になった子たちが救われるわけではないし……。この子自身でさえ……きっと、永遠に救われない……」

ミスティ「……そうね……。ごめんなさい……頭に血が上っているわ……」

イリス「……でも、それじゃあ……一体、どうすれば救われるの……? 精核になった子たちも……この、魔導人形にされた子も……。一体、どうすれば……」

妖精「……」



メイ「―――……」ギギッ



妖精「えっ……?」

エバンス「………!!? バカな、再起動が早すぎる――」



スライムクロシュ「」zzz…

メイ「――影ノスライム、ヲ……特級危険生物ト認定――……殲滅、再開――……」ギッギギッ



妖精「や、やめてえ!!!」パタパタ

ミスティ「くっ……! ごめんなさい……!!」コォォ―



スライムクロシュ「」zzz
メイ「――」グオオッ

 氷柱「」ビュンッ
 ドスッ―

メイ「ア……」

 ドサッ…

 メイの精核「」ポロッ…

スライムクロシュ「……」ポトッ

 メイの精核「」ズズ…


イリス「あ……魔導人形の子の、精核が……クロシュちゃんの上に落ちて……」

ローガン「クロシュくんの中に……沈んでいく……」
261 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 17:21:22.53 ID:aDiqD9rD0
―緑の国フォレスティナ?
 世界樹の麓?

 グスッ ヒグッ…

クロシュ「……?」モニョ

森妖精?「ぐすっ……えぐ、えぐ……」

クロシュ「?」モニョニョ?

森妖精?「……? スライム、さん……?」

クロシュ「〜」モニョモニョ

森妖精?「……うん……。とっても、寒くて……苦しくて……寂しくて……。何も、見えないの……」

クロシュ「〜」モニョ

森妖精?「ずっと、真っ暗で……。何も、思い出せなくて……。びりびりして、体中が痛いの……」

クロシュ「…」モニョ…

森妖精?「それでも……わたし、がんばって……みんなを、助けに行ってるんだよ……。みんなも……きっと……寂しい、から……」

クロシュ「……」

森妖精?「わたしががんばれば……悪い人たちに捕まってる、みんなを……解放してあげられる、はずだもん……」

クロシュ「〜〜?」モニョモニョ?

森妖精?「えっ……? わたし……?」

クロシュ「〜」モニョ

森妖精?「わたしは……。でも……みんな、自由に動けないもん……。動けるわたしが……わたしがわたしでいられる、わたしが、やらなきゃ……」グスッ

クロシュ「〜」モニョニョ…

森妖精?「ぐすっ……わたしだって……助かりたいよぉ……」ポロポロ

クロシュ「……」モニョ…

 ぎゅっ……

森妖精?「ふえ……。スライムさん……?」

クロシュ「」モニョ

森妖精?「ん………あったかい……」

クロシュ「」モニョニョ

森妖精「うん……。えへへ……なんだか……スライムさんの、中で……溶け、ちゃいそう……」

クロシュ「」モニョモニョ

森妖精?「うん……ありがと……。スライムさん、やさしいね………」

クロシュ「」モニョ

森妖精?「……えへ、へ………」

クロシュ「」モニョ

森妖精?「……………スライムさんに……精霊の加護が……あります、よう………」

クロシュ「」モニョニョ

森妖精?「……」

森妖精?「…………」

森妖精?「……………………」


クロシュ「……」

クロシュ「…………精霊の加護が……ありますよう…………」

――――――
―――
262 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 17:22:42.29 ID:aDiqD9rD0
―裏通り

メイ841の残骸「」


スライムクロシュ「……」モニョ

妖精「クロシュ……! け、怪我はない……!? 大丈夫!?」パタパタ

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「え……? その魔導人形の元になった子と……会った……?」

スライムクロシュ「」モニョ

ミスティ「ほ、本当に……!? 精核を取り込んだから……? いえ、でも精核はどうなったの?」

 デロデロ……

クロシュ「……えと……食べちゃった……かも……」

妖精「え、ええ!?」

ミスティ「た、食べ……」

イリス「食べちゃった……!?」

クロシュ「うん……」

エバンス「だ、大丈夫なのか!?」

クロシュ「うん……」

ローガン「う、うむ……。大丈夫なら良いが……。いや、良いのか……?」

妖精「………でも……食べて、食べられて……この星の命は巡ってる……。だから……これも、一つの正解なのかも……」

ミスティ「そ、そうなの?」

妖精「うん。精核がクロシュの中で溶けて殻を失えば……その魂もやがて星に還るはず。きっと、ただ壊すよりもずっと……緩やかで優しい、終わらせ方になると思う……。クロシュの中なら……寒くも、寂しくも、ないだろうから……」

クロシュ「……」

妖精「……クロシュ。寝起きのところ……悪いんだけれど……。これも……食べてもらえる……?」スッ

 闇の武器商人から取り上げた精核「」

クロシュ「うん……」

 パクッ…モニョモニョ…


 ☆メイ841を撃破しました
 ☆クロシュが精核を食べられるようになりました

 ◆

↓1コンマ 戦利品
01-80 メイドブレード
81-95 ↑+メイドジェット
96-00 ↑+??
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 17:23:32.22 ID:g/BB+Mlc0
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 17:23:48.05 ID:H5zjI86YO
265 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 19:38:36.46 ID:aDiqD9rD0
―港湾都市ウォーターポート 滞在9日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:ウニ盾   防:ゴスロリエプロン
 ◇妖精   武:なし    防:エルフのレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:革の鎧
 ◇エバンス 武:鉄の剣   防:革の鎧
 ・共通   飾:くすんだ耳飾り

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*2
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置
・属性大全
・メイドブレード

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・トコナツ火山島行きの船を探す
・海渡りの姿を獲得する[2/3]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
・星属性の練習(イリス)[1/4]
……………………………………………………………………………………
□港湾都市ウォーターポート 主要施設
大通り:旅の船着場、武具店、雑貨店、魔法店、鮮魚店、食品店、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:占い屋、怪しい露天商、暗黒商店、奴隷商店、他
沿岸部:港、造船所、魚河岸、灯台、他
……………………………………………………………………………………
□機械工業都市テンペスター 主要施設
大通り:武具店、雑貨店、機械店、無人食事処、自販機通り、冒険者ギルド、他
裏通り:闇市、薄暗い路地裏、他
沿岸部:港、造船所、コンテナ港、工場地帯、灯台、他
……………………………………………………………………………………
266 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 19:39:04.07 ID:aDiqD9rD0
訂正
・星属性の練習(イリス)[1/4] → [2/4]
267 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 19:40:05.74 ID:aDiqD9rD0
訂訂正
・トコナツ火山島行きの船を探す → 達成!
・海渡りの姿を獲得する[2/3] → [3/3]達成!
268 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 19:40:36.81 ID:aDiqD9rD0
―旅の船着場
 ロビー

宿の看板娘「もう出発されるのですか?」

ミスティ「ええ……。ソリの預かり、お願いね」

ローガン「私の鎖帷子は……まあ最悪無くしてしまっても良いぞ。大したものではないからな」

宿の看板娘「いえいえ、しっかり大事に預からせていただきますよ! 預かり代もきちんと頂いてるんですから!」

ローガン「ソリ分だけだろう」

宿の看板娘「誤差です誤差!」

 ◇

―海岸

 ザァーン ザザァーン―

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」


大亀クロシュ「……」プカプカ

妖精「クロシュ、大丈夫……? 昨日大怪我したんだし、あんまり無理しない方が……」

大亀クロシュ「〜〜」モニョモニョ

エバンス「……クロシュちゃんは何て?」

妖精「平気だって……。まあ確かに、一晩で怪我もすっかり治っちゃってたけど……」

大亀クロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「……そうだね。あんまりボヤボヤしてるとフメイたちに先を越されちゃうし、確かに早く行った方が良い……」

大亀クロシュ「〜」モニョ

イリス「私も救命用の水魔法を使えるから、もしクロシュちゃんが疲れちゃってもカバーできるよ!」

エバンス「俺も水に強い泥舟を作れるようになったからある程度は大丈夫だ!」

ローガン「私も中が空洞になっていて水に浮く鋼材を作れるようになった。万が一の時はイカダも作れるぞ」

ミスティ「……私も氷で足場を作れるわ……。冷たいけどね……」

大亀クロシュ「!」モニョ…!

妖精「……ふう。まあ確かに、この街でちょっと時間を食いすぎた感じもあるし、あんまりのんびりはしてられないか」

大亀クロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「わかったよ。行こう……! トコナツ島へ!」

 ◇
269 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 19:41:51.79 ID:aDiqD9rD0
―海

 帆「」バサッ

大亀クロシュ「」スイスイ


イリス「おお〜!! すいすい進んでく……!!」

エバンス「こりゃすげえ……! 魔導クルーザーに匹敵するスピードじゃねえか!?」

ローガン「本当に速い……! 揺れも少ないし、なんと快適な航行だろうか……!」


 遠ざかっていく港湾都市と機械都市「」

ミスティ「……」グッ

妖精「……いつか、取り返す。私たち妖精が奪われたものを、必ず――」

ミスティ「……ええ。私も手伝うわ……。昨日の、哀しい魔導人形の子のような犠牲者を……増やさない為に……」

妖精「ありがとう……。あなたのような……あなたたちのような人間がいてくれるから……人間を、嫌いになり切れない」


 ――港湾都市ウォーターポート&機械工業都市テンペスター編 完
270 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 19:42:17.67 ID:aDiqD9rD0
クリアボーナス
↓1
01-60 運命賽(致命的な運命を辿った時、直前の判定を振り直せる。一度使うとなくなる)
61-90 ↑+メイドブレード強化
91-00 ↑+会心賽(判定時に会心と書き込むと、コンマに関わらず最上の結果となる。一度使うとなくなる)
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 19:42:35.06 ID:g/BB+Mlc0
272 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 21:36:50.80 ID:aDiqD9rD0
コンマ06 運命賽+1(合計3)


―海上
 大亀クロシュの甲羅上の小屋

妖精「ねえ、ところでこれは……」

 メイドブレード「」

ローガン「これは……私の作り出した鉄板をも両断したあの片刃の剣か。見た目はやや細身の片刃の剣だが……」

エバンス「気が付いたら大亀クロシュちゃんの背中の小屋の中に置いてあったんだよ。別に誰かが取ってきたわけじゃないと思うぜ」

イリス「特殊な魔力コーティングがしてあるみたい。あのものすごい切れ味はそのコーティングのお陰なのかも」

 メイドブレード「」

妖精「……微かに妖精の魔力を感じる……。もしかしたら……クロシュに託したのかも……」

ミスティ「クロシュに……」

 ズズ…

クロシュ「わたしに……?」ヌッ

妖精「わあ! クロシュ今大亀になって泳いでるんじゃ……」

クロシュ「あ、えと……ここ、わたしの体だから……」

妖精「あ、ああ……なるほどね。それでね……この剣、多分……クロシュに贈ったものだと思うから、受け取ってあげてくれる……?」

 メイドブレード「」キラン

クロシュ「………うん……。わたしの中に溶けた、メイちゃんの魔力が……これを使って欲しいって、言ってる気がする……」

妖精「そうなんだ……。じゃあ、大事に使ってあげよう?」

クロシュ「うん……」

 メイドブレード「」キラン

 ☆クロシュがメイドブレードを装備できるようになりました
 ☆メイちゃんの精核に宿っていた魔力と経験を吸収し、剣技の練度が上がりました(練度:中)

 *

ミスティ「ところでさらっと流されちゃったけれど……今ここにいるクロシュは、海を泳いでる大亀のクロシュの分体なの……? まさか分体を作れるようになったの……?」

クロシュ「んーん……。えと……大亀さんになってるわたしから離れたら……デロデロになって消えちゃうと思うから……。分体じゃなくって、えっと……」

イリス「クロシュちゃんがクロシュちゃんの体から生やしたクロシュちゃんの形をした器官……ってとこ?」

クロシュ「えと……たぶん、そう……。分体は……まだ、うまく作れない……」

 ◆
273 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 21:41:10.20 ID:aDiqD9rD0
◆幕間◆

―港湾都市ウォーターポート
 裏通り

メイ841の残骸「」

白衣のエルフ幼女「ふうん、精核かぁ……。セイントレア社もえげつないもんを考えつくねぇ」

白衣のクワガタ頭「ユーが言えたことかね? ミーからすればユーの方がよほどクレイジーマッドサイエンチストだが」

白衣のエルフ幼女「はあ? 虫をぐちゃぐちゃに組み替えて遊ぶサイコ野郎のあなたにだけは言われたくないんですけど?」

白衣のクワガタ頭「ノー!! ミーのそれはLOVEゆえのトライアル&エラー……遊んでいるわけではナッシン!」

白衣のエルフ幼女「愛さえあれば何をしても良いってこと? アッハ、サイッテー!」ケラケラ

白衣のクワガタ頭「プライズワードとしてレシーヴィングしよう」



メイ841の残骸「」

白衣のエルフ幼女「にしてもこの残骸……精核が残ってないし、腕に付いてるはずのブレードも外されてる。破壊者が奪ったのかな?」

白衣のクワガタ頭「それはワンダーだ。メイドウェポンはアームマシンガンやジェットパックの方がパワフル&エクスペンシブ! わざわざブレードだけロビングするミーンは?」

白衣のエルフ幼女「確かに不可解……。マシンガンやジェットの方が高く売れるし、自分で使うにしても強いはず。ブレードなんて一番微妙な武装だと思うけど」

白衣のクワガタ頭「そこから導き出されるアンサーは――つまり、LOVE!!」

白衣のエルフ幼女「はあ? 脳にウジでも飼ってるんですか? 本当に飼ってそうだけど」

白衣のクワガタ頭「トークはラストまでリッスン! フェアリーはマシーンをヘイティング……バット、ブレードはノットマシーン……ビコーズ?」

白衣のエルフ幼女「ああもう面倒くさい普通に喋れ! 妖精は機械嫌いでブレードは機械じゃないから、何!?」

白衣のクワガタ頭「おっと。餌のアワーゆえ、ミーはこれにてエクスキューズする。カリスサンもあまりウィングアイを外しすぎぬよう。ユーは元ウォンテッドボディであること、ドンフォゲッ――」ササッ

白衣のエルフ幼女「元でしょ、元。ロイエの腐れカルティスト共にロンダリングさせたので今の私は清廉潔白です〜」



メイ841の残骸「」

白衣のエルフ幼女「さて、調査の続き続き。ここの戦闘跡……このメイド人形は多対一を強いられていたみたい。感じ取れる魔力は、氷、地、鋼、水、風……ん、自然……?」

白衣のエルフ幼女「クワガタの言ってたラブってのは、この自然魔法の使い手……同類への手向けってわけ? ふうん、あいつやっぱりロマンチストだな。最低だけど」

白衣のエルフ幼女「まあいいか。あとこの魔力反応は……かなり昔に覚えがある……なんだったっけ、これ……あ!! 星!!!」

白衣のエルフ幼女「え、マジ? 星の使い手がいたの? うわ、これは大収穫……なんとしても捕まえたいなぁ……! いひひひ……」

白衣のエルフ幼女「んふふ〜星〜星〜星属性〜♪ きらきらひかる〜いのちの〜……ん?」

 何かの跡「」

白衣のエルフ幼女「なんだこりゃ。スライムの破片? 地面にこびりついてるけど……んん〜この魔力反応は……」

白衣のエルフ幼女「……反映魔法!? ブラッドちゃん!?」ガバッ

白衣のエルフ幼女「…………いや、あの生意気メスガキスライムが人間なんかと徒党を組むわけないか。だとしたら別の……うう〜ん……」

白衣のエルフ幼女「……もしかしてあの失敗作とか? いやでもあんな貧弱生物が今日まで生き延びられるわけないし……」

白衣のエルフ幼女「まあいいか。ネバネバ下等生物なんかより星属性の方が大事もんね〜〜んふふふ〜〜〜♪」

 ◆
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 21:48:14.55 ID:+iZD6bV5O
クロシュの出生は実験動物?
275 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 21:49:31.05 ID:aDiqD9rD0
というわけで本日はここまでです。港湾都市&機械都市編、無事クリアおめでとうございます
次回は航海中のランダムイベントからとなります

港湾都市編ラストは、本筋を追うだけなら挑まなくとも良い強敵との激しいバトルを制しての決着と相成りました
クロシュたちの旅はまだ始まったばかりであり、この大陸や周辺国には未だ数多くの問題、苦しみが未解決のまま降り積もっています。それらをどうにかできるかどうかはわかりませんが、此度のクロシュちゃんたちは目を逸らさず、立ち向かう決意をしました。それはいつか、この星を少しだけ良い方へ変える切っ掛けとなるのかもしれません。今後のクロシュちゃんたちの活躍をどうぞお見守りくださいませ
なおクロシュ氏の出自が何なのかは未だ闇に包まれています。その答えはブラッド辺りが知っているかもしれませんが、ブラッド氏はあんな性格なので簡単には教えてくれないかもしれません。精進しましょう

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いします
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/13(月) 01:47:06.36 ID:gChSEnVVo
乙乙
つまりブラッドを力付くで屈服させれば良いのですね
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/13(月) 07:29:28.69 ID:9rS2Fg0io
乙です
修行としてとてもいい感じになったな港湾都市編
ブラッドちゃんとまた一つ因縁生まれたか?
今猛烈にフメイちゃんと会いたい色々聞きたいことが出てきた…!
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/13(月) 11:39:06.17 ID:1b6ZCyQvO

食べて救う…そういう救い方もあるのか!
しかし合成とか経験の吸収とかインチキじみた能力がどんどん増えていく…
279 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 13:13:57.22 ID:gowG+LT+0
クロシュちゃんたちは順調に強くなっていますが、無理矢理ブラッドに言うことを聞かせるにはまだ難しいと思われます。精進しましょう

港湾都市編は実際、各々にとって良い経験になったことが多いかと思います
ブラッド氏とはどうやらミスティ氏の復讐以外にも何か因縁があるかもしれません
フメイちゃんはクロシュよりもいろいろしっかりしているので、もしかしたら何か知っていることがあるかもしれません

食べることが救いとなるかどうかは実際のところ誰にもわかりません。救われていて欲しいという妖精の願望に過ぎないのかもしれません
何でも合成できるわけではなく、何でも吸収できるわけでもありませんが、有用な能力であることは確かです。クロシュちゃんの今後の成長にご期待ください
280 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 13:16:51.64 ID:gowG+LT+0
というわけで本日の更新の前に、トコナツ火山島の一番偉い人と、友好的な現地の人を各一人づつ募集します
トコナツ火山島の人々がどのような共同体を築いているかはまだ厳密に決まっていないため、種族や役職などは自由に考えていただければと思います
いちおう現時点で考えているトコナツ火山島の概要もここに記載しておきます

〈トコナツ火山島〉
■概要
大陸より南の海域に位置する火山島
赤道付近のため一年中真夏のように暑く、生態系も大陸とは大きく異なる
■産業
この海域の島でしか採れない南国の果物や野菜を主に生産している
また綿花の収量も多く、それを用いた服飾品の生産も盛んに行われている
近年では、王国の若い女性を中心にトコナツ産の水着が注目され始めている
■情勢
少し前に世界樹の光が火山の火口に落下し、火山活動が活性化した
島全体が激しい地震に見舞われたり、人の住む地域に突然溶岩が吹き出たり、新たな溶岩の川ができたりなど、甚大な被害が発生している


(ネームドキャラクター用テンプレート)
【名前】
【種族】
【性別】
【年齢】
【容姿】
【性格】
【魔法】(主に使う魔法や得意属性など)
【備考】(来歴や嗜好、その他特徴や長所短所などなんでも)


↓2 トコナツ火山島の一番偉い人

↓3 トコナツ火山島の友好的な現地の人
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 14:01:52.58 ID:HvcdfykIO
【名前】コルト・キャルト
【種族】猫の獣人
【性別】男
【年齢】35
【容姿】茶髪で猫の耳がある。顔に猫の髭。糸目。茶色の猫の尻尾がある。背が高く、痩せ型。
【性格】どんな方にも紳士的に対応する。
【魔法】(主に使う魔法や得意属性など)
砂魔法(砂を操る事が出来る魔法。砂嵐や流砂も作れる)剣と組み合わせて切れる砂を放つ。
【備考】(来歴や嗜好、その他特徴や長所短所などなんでも)
元々別の国の出身だが若い頃にトコナツ火山島に移っている。生態系を研究している学者だったが現地の人達との交流を重ねて今では火山島で一番偉い人になった。レイピアを所持しており、戦闘では魔法と合わせてそれを使っている。どんな方でも敬語で話す。火山がなぜ活発になったのか現在調べている。
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 14:06:34.35 ID:3Ud3/1lc0
【名前】モーリィ・フースーヤ
【種族】半竜人
【性別】女
【年齢】2000歳
【容姿】赤毛ロングの小柄な少女
【性格】勝気な性格
【魔法】火炎魔法・素手も強い
【備考】親のドラゴンの血で不老不死となっており、勝気ながらも達観した所もある
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 14:15:29.95 ID:Ib/bbQ/TO
【名前】レッド
【種族】バーニングスライム
【性別】男
【年齢】1000
【容姿】ボコボコマグマを垂れ流している危ないスライム。
【性格】面倒見が良い。
【魔法】冷凍魔法
【備考】マグマを垂れ流すその姿から、周囲に疎まれていた。そのため、世界中を放浪しており最終的にこの島にたどり着いた。周囲にマグマを垂れ流し嫌われることに耐えられなかった彼は冷凍魔法を極め自身を常に冷やし続けている。それはバーニングスライムである彼からしたら苦痛でしかないがもう誰からも嫌われたくなかった。
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 14:19:04.85 ID:C1YvUd03o
【名前】エイパチ
【種族】半タコ人
【性別】男
【年齢】55
【容姿】スキンヘッドでムキムキの腕4本脚4本。黒丸メガネ着用
【性格】ストライクゾーンが広く女の子に甘いが気のいいおっちゃん
【魔法】吐く墨で色々な物を作れる(主に料理道具)
【備考】トコナツで屋台やってる料理人。観光客はいいお客さんなので良くしてくれる。人魚の肝っ玉お嫁さん持ち
285 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 14:23:18.22 ID:gowG+LT+0
ありがとうございます。一番偉い人は>>282のモーリィさん、友好的な現地人は>>283のレッドさんに決まりました
また、>>281の猫のおじさんと>>284のタコのおじさんも一部設定を変更した上で登場するかもしれません。お楽しみに
286 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 14:34:19.82 ID:gowG+LT+0
―トコナツ火山島への海路 1日目

 ◇クロシュ [赤ちゃんスライム]
 武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:ゴスロリエプロン 飾:

 ◇妖精   [世話焼き妖精]
 武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のレオタード 飾:

 ◇イリス  [星の魔法使い]
 武:精霊樹の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:魔術師のローブ  飾:

 ◇ミスティ [氷の魔法使い]
 武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のローブ   飾:

 ◇ローガン [鋼の戦士]
 武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:鋼の回転ノコギリ 防:革の鎧      飾:

 ◇エバンス [地の傭兵]
 武:鉄の剣      盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:革の鎧      飾:

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*3
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置
・属性大全

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
・星属性の練習[2/4](イリス)
287 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 14:35:02.12 ID:gowG+LT+0
―海上

大亀クロシュ「」スイスイ


妖精「クロシュ、もうちょっと東」

大亀クロシュ「〜〜?」モニョニョ?

妖精「うんうん、真っ直ぐになった」

大亀クロシュ「〜〜」モニョモニョ


ローガン「妖精くんは航海の経験もあるのか?」

妖精「まあ、ちょっとだけ。私たち妖精は海や風の精霊たちの声も聞けるから、人よりもやりやすいかもね」

エバンス「へえ〜頼もしいな! 自然魔法ってのも天候の変化とかに強そうだし、ひょっとして妖精って航海士とか向いてるんじゃないか?」

妖精「ええ? 考えたことなかったけど……ちゃんとした知識があるわけじゃないからなあ」

イリス「通常の船でも風魔法と水魔法の使い手はいた方が良いって話だし、妖精さん一人で何役もカバーできそうだよね」

ミスティ「それを言うならイリスもカバー範囲は広いんじゃないかしら……」


↓1〜2コンマ ランダムイベント
01-05 強敵
06-20 敵襲
21-35 食料発見(コンマ)
36-50 物品発見(コンマ)
51-65 場所発見(コンマ)
66-80 良いこと(自由安価)
81-95 旅は道連れ
96-00 旅は道連れ(稀)
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 14:37:21.98 ID:rC1m09x4o
はい
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 14:49:42.96 ID:eP4/s0M60
そぉい
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 14:52:57.93 ID:s/JgB5OFo
稀(2連続)
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 14:53:50.09 ID:C1YvUd03o
稀2連やるぅ!
292 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 14:59:25.72 ID:gowG+LT+0
すごいです。とても良いことがあるかもしれません

出会った人
↓1〜2コンマ(重複した場合、仲良し度が大きく上がります)
01-45 フメイ&アリシラ
46-90 セイン
91-00 フメイ&アリシラ、セイン
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 15:01:55.79 ID:s/JgB5OFo
こんま
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 15:02:02.51 ID:3Ud3/1lc0
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 15:09:03.78 ID:C1YvUd03o
エンカウント:勇者(?)
296 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 15:31:22.11 ID:gowG+LT+0
大亀クロシュ「」スイスイ

大亀クロシュ「!」

妖精「クロシュ、どうかした?」

大亀クロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「えっ……!?」


大亀クロシュ「」スイスイ


板切れに掴まって漂っているセイン「……」プカプカ


大亀クロシュ「」スイスイ

セイン「……? 亀……?」


イリス「せ、セインくん!?」

ローガン「な、何っ!?」

ミスティ「ええ……? どういうこと……?」

エバンス「漂流者……知り合いか?」

妖精「あ、いやまあ……知り合いというか……」

イリス「と、とにかく助けなきゃ! ええと、救命浮輪!」ポイッ

 救命浮輪「」バシャッ

 ◇
297 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 15:32:51.02 ID:gowG+LT+0
―大亀クロシュの小屋

セイン「……すまない。助かった」ビショビショ

イリス「び、びっくりしたよ〜! でも無事そうで良かった……!」

ローガン「うむ……。しかしなぜあのようなところで……?」

セイン「破壊された。空を飛ぶメイド人形の奇襲で」

ミスティ「あっ……」

妖精「な、なるほどね……」

エバンス「……ところで、それって何日前のことだ?」

セイン「一週間ほど前だ」

イリス「ええっ!!? 一週間前!? それじゃあそれまでずっと呑まず食わず……!!?」

セイン「ああ。喉がカラカラだな」

ミスティ「いや、普通カラカラどころじゃないと思うのだけど……」

セイン「……ところで、影のスライムは?」

妖精「クロシュのこと? クロシュなら――」

 モニョモニョ…ポン

クロシュ「こんにちは……セインさん……」ヌッ

セイン「! まさかこの大亀が――」

クロシュ「うん……」

 *

 船旅ビスケット「」ドッサリ
 水のたっぷり入ったジョッキ「」タップリ

セイン「感謝する……もぐもぐ、ごくごく……」モッモッモッ

妖精「水はイリスが水魔法で出したやつだからともかく、ビスケットはクロシュが食べる分だったんだから本当に感謝してよね」

セイン「……心得ている。恩義には報いるつもりだ。この船旅が終わるまでは全霊でこのパーティの力となろう」

クロシュ「わあ……!」

イリス「本当!?」

ミスティ「この船旅が終わるまで、ね……」

セイン「……ああ。申し訳ないが、僕にはやることがある。ずっと力を貸し続けるわけにはいかない」

ローガン「うむ……いや、それでも十分ありがたい。これほど頼もしい味方もそうはいないからな」

 ☆今回の道中、セインくんが同行してくれることになりました

 ◆
298 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 16:26:34.63 ID:gowG+LT+0
―夕
 小さな無人島 海岸

 ザァーン ザザァーン…

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」


大亀クロシュ「」ズズ…

 デロデロ…

スライムクロシュ「…」モニョニョ…

妖精「お疲れ様、クロシュ」

イリス「本当にお疲れ様だよ、クロシュちゃん。ゆっくり休んでね」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ


セイン「……乗せてもらっておいて何だが、つらくはないのか? 一日中、僕たちを乗せて海を泳ぎ続けるのは」

 デロデロ…

クロシュ「えと……ちょっと……大変、だけど……。全然、へーき……」

セイン「……そうか。お前が良いなら良いが」

イリス「……セインくん、もしかしてクロシュちゃんのことを心配してくれてるの!?」ズイッ

セイン「不適切な労働は能力の低下をもたらす。海上移動という役目を負っている彼女には最適なコンディションを保ってもらう必要がある」

イリス「そ、そうだね……」


トコナツ火山島への旅路初日の夜です。小さな無人島で野営します
↓1〜3 自由安価 野営中何をする?
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 16:31:28.52 ID:sSJ064RRO
温泉を見つけてゆっくり(なければ作る)
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 16:34:11.49 ID:/4FNoo58O
セインくんとしっぽり親好を深める
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 16:37:35.47 ID:HvcdfykIO
イリスに魔法を教えてもらい魔法タイプのクロシュを強化
302 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 19:25:23.76 ID:gowG+LT+0
―小さな無人島

 浅い穴「」ボゴンッ

エバンス「よし、穴はこんなもんか。次は浸水しない泥舟の応用で浴槽内の土を固めて、っと」

イリス「そしたら私が水魔法で水を注いで――」

 水「」トプトプ

イリス「炎魔法で加熱すれば――」

 カッ
 お湯「」ホカホカ

イリス「完成! 今回は二つ作ったから、男湯と女湯で分けて入れます!」

エバンス「お、おお……ちょっとだけ手伝えたがほとんどイリスちゃんに任せきりになっちまったな……」

イリス「ふふふ、エバンスさんが入る前は穴を掘って固める工程も私だったのでだいぶ楽になりましたよ!」

 *

イリス「というわけでお風呂を作ったから、セインくんもどうぞ!」

セイン「……僕はいい」

イリス「えっ!?」

セイン「体を清める魔法を習得している。入浴は不要だ」

ミスティ「……健康に良いらしいわよ? 入浴って」

セイン「健康状態に問題はない」

妖精「……確かに、魔力の流れも安定してるけど……。お風呂嫌いなの?」

セイン「……」

クロシュ「……」


↓1〜3多数決
1.セインくんの意思を尊重する
2.入浴をすすめる
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 19:26:01.12 ID:3Ud3/1lc0
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 19:26:56.85 ID:WALI7Mz5o
2
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 19:27:25.08 ID:sSJ064RRO
2
306 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 19:35:18.90 ID:gowG+LT+0
クロシュ「えと……でも……気持ち良い、よ……?」

セイン「……」

クロシュ「あったかくて……ぽかぽかで……でろでろに、なるよ……?」

妖精(デロデロになるのはクロシュだけだと思う……)

クロシュ「だから……入ろ……?」


イリス(わ、わー!! その言い方はだめだよクロシュちゃん!)

ミスティ(それだとまるであなたとセインくんが一緒に入るみたいじゃない! あなたは女の子でセインくんは男の子なのよ……!?)

妖精(……クロシュはスライムだから、実は相手の性別とかは多分気にならないんだと思う。私が気になるのは、どちらかと言うと――)


↓1コンマ(連続クリティカルボーナスにより+40)
01-60 入りません
61-90 一人でなら
91-00 クロシュとなら
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 19:35:58.19 ID:3Ud3/1lc0
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 19:44:13.30 ID:as511o/Ro
心が強え…いや良識がしっかりしているのか?
309 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 19:59:06.54 ID:gowG+LT+0
セイン「……ありがとう。だが、せっかく湧かした風呂を僕の垢で汚すことはない」

クロシュ「……」

セイン「皆の入浴中の哨戒は僕に任せて欲しい。……こんな小島に曲者が現れることもないと思うが」スッ スタスタ

クロシュ「あっ……」


イリス「うう〜!! いけると思ったのに……!!」

ミスティ「手強いわね……ってなんで私たちセインくんの入浴に躍起になってるのよ、もう……」

妖精(……結局わからずじまいか。まあ無理強いすることじゃないし、別にいいか)


クロシュ「……わたしも、今日はお風呂、いい……」スクッ

イリス「へっ?」

クロシュ「セインさんと、哨戒、する……!」トテトテ

ミスティ「え、ええ……。気を付けるのよ?」

妖精「まあ、セインのやつも変なことはしないだろうし大丈夫か……」

 *
310 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 19:59:55.20 ID:gowG+LT+0
―夜
 小さな無人島 海岸

 ザァーン ザザァーン…

セイン「……」

クロシュ「セインさん……!」トテトテ

セイン「影のスライム……。なぜ……?」

クロシュ「……わたしも……哨戒、する……!」

セイン「僕一人で十分だ。君は休息に専念した方が……」

クロシュ「する……!」

セイン「……まあ、好きにしたら良い」

 *

セイン「ブツブツ……」キラキラ

クロシュ「!」パァァァ

セイン「体は清めたが、この魔法に健康増進効果は当然ない。入浴による血行の改善などは……いや、スライムには関係ないか……?」

クロシュ「?」

セイン「まあいい。哨戒の手伝いはありがたいが、後でしっかり休息を取ること。わかったか?」

クロシュ「ん……」

セイン「……」


↓1〜2 親睦を深めます。何をする? or 何が起きる?
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 20:03:06.34 ID:3Ud3/1lc0
人が入ってそうな棺桶を発見
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 20:07:07.77 ID:HvcdfykIO
沈んだ謎の海賊船を発見
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 20:07:24.32 ID:f3ahBr7DO
フメイとアリシラの話とセインに友達がいるかどうか
314 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 20:16:39.36 ID:gowG+LT+0
―小さな無人島
 海岸

 ザッザッザッ…

セイン「……」スタスタ

クロシュ「……」トコトコ

セイン「……!」

クロシュ「?」

 砂浜に埋まった棺桶「」

セイン「……棺桶だな」

クロシュ「かんおけ……」

セイン「……離れていろ。中を確かめる」

クロシュ「ほえ……」

セイン「……」

 砂浜に埋まった棺桶「」ギイー…


↓1コンマ
01-05 アークリッチ
06-35 骸骨戦士
36-65 スケルトン
66-95 ただの白骨
96-00 金銀財宝を抱えた白骨
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 20:17:50.91 ID:as511o/Ro
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 20:20:43.06 ID:f3ahBr7DO
>>1に安価の連取りは禁止でコンマの連取りは可とあるけど、>>304の多数決安価を取って>>311は連取りはセーフになるのか
(間にコンマ判定あるけど、それも3Ud3/1lc0が取ってるから少し気になった)
317 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 20:58:42.08 ID:gowG+LT+0
すみません、>>1も今気付きました。申し訳ありません。また、安価とコンマのルールも曖昧だったようです

いろいろ考えましたがややこしくなりそうだったため、今後は安価もコンマも多数決も一律で連取り禁止とします
ただし最後のレスから30分経過しても安価が踏まれなかった場合は連取り可とします

今回はルールが曖昧だったり見落としたりしていた>>1に責任がありますので、親睦深め行動は>>311>>312>>313の3つ全てを採用とします。申しわけありませんでした。よろしくお願いいたします
318 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 20:59:51.17 ID:gowG+LT+0
 ギイー…

 白骨死体「」

セイン「……」スッ

 セインの持った木の棒「」ツンツン
 白骨死体「」

セイン「返事がない。ただの屍だ」

クロシュ「しかばね……」

セイン「この仰々しい服装は……多分何かの船の船長だったんだろう。そうなると、この近辺にこいつの乗っていた船もあるかもしれない」

クロシュ「ふね……」

セイン「……少し探してみるか。待っていろ」トンッ

 ザブンッ

クロシュ「わ、わたしも……!」

 デロデロ…ポン!

ウミガメクロシュ「〜〜」ノソノソ

 *
319 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 21:01:18.24 ID:gowG+LT+0
―小さな無人島
 沿岸の海中

 光「」パァッ

セイン(夜の海は暗いな。光も遠くまでは届かないか)

セイン(……ん?)

ウミガメクロシュ「」スイスイ

セイン(……ウミガメに擬態したのか。器用なものだ)

ウミガメクロシュ「〜〜」モニョモニョ

セイン(……? 掴まれ、と?)

ウミガメクロシュ「〜〜」コク

セイン(……確かに、夜の海を一人で探索するのは危険か……)

 ガシッ

 *

ウミガメクロシュ「」スイスイ

 光「」パァッ

セイン(……ん、あれは……)


 沈没船「」


セイン(! やはりあったか、船……)

ウミガメクロシュ「〜〜?」モニョモニョ?

セイン(探索していこう。引き続き潜水を頼む)

ウミガメクロシュ「〜〜」モニョニョ コク


↓1コンマ
01-05 アークリッチ・ドザエイモン
06-35 ボーンクラーケン
36-65 大したものはなかった
66-95 錆びた財宝
96-00 金銀財宝
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 21:03:10.74 ID:WALI7Mz5o
こんま
321 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 21:48:54.05 ID:gowG+LT+0
―沈没船

 泡「」コポコポ

ウミガメクロシュ「」スイスイ

 ひしゃげた扉「」

セイン(……あの扉をくぐってみてくれ)

ウミガメクロシュ「」コク スイスイ

 ひしゃげた扉「」バキャッ…


セイン(船倉か。箱や樽がある)

 朽ちた樽「」
 朽ちた木箱「」

セイン(大したものはないか……?)

ウミガメクロシュ「!」クイクイ

セイン(ん……?)

 錆びた宝箱「」

セイン(これは……宝箱!)

ウミガメクロシュ「〜〜」モニョモニョ

セイン(ああ、持って帰ろう――)

 *
322 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 21:49:21.54 ID:gowG+LT+0
―小さな無人島 海岸

 ザバァン

セイン「ふう……。すまない、また頑張らせてしまった」

クロシュ「ん……へーき……」

 錆びた宝箱「」

セイン「早速開けてみよう――」スッ

 カチャッ…キィ…

 錆びた財宝「」サビサビ

セイン「……当然だが錆びているな。これでは大した価値は……ん?」

 埋もれていた金貨「」キラキラ

クロシュ「わあ……!」

セイン「……金貨が……数枚程度か」

クロシュ「んへへ……はんぶんこ……」

セイン「いや、全て君が受け取ってくれ。命の恩としては、まだまだ足りないだろうが……」

クロシュ「ふえ……でも……」

セイン「気にするな。僕に金は必要ない」

クロシュ「ん……わかった……」

 ☆お金が少し増えました

 *
323 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 21:51:05.64 ID:gowG+LT+0
セイン「……そういえば、友とはまだ仲直りできていないのか?」

クロシュ「……喧嘩してるわけじゃ、ないもん……」

セイン「そうか。すまない、勘違いしていた」

クロシュ「ん……。フメイちゃんたちとは……いつか、一緒に帰る……」

セイン「……。君と、フメイという少女と……あの薄茶色の髪の者は……同郷の出身なのか?」

クロシュ「薄茶色……アリシラさんのこと……? うん……みんな……あの集落に、いた……」

セイン「そうなのか……」

クロシュ「うん……」

セイン「……フメイという少女はともかく……あのアリシラという者は危険な気配がする。気を付けろ」

クロシュ「え……」

セイン「……魔王そのものではないが、近い気配を感じる。アレは破滅をもたらす者だ」

クロシュ「で、でも……アリシラさんは……良い人で……」オロオロ

セイン「……すまない。しかしこの世界では……何らかの切っ掛けで、生命が魔王化してしまうこともある」

クロシュ「んゅ……」

セイン「……すまない」

クロシュ「……みんなで、帰るもん……」

セイン「……ああ。友達は……大切にするのが良いだろう」

クロシュ「うん……」

セイン「……」

クロシュ「……」

セイン「……」

クロシュ「……えと……セインさんは……友達、いるの……?」

セイン「……」


↓1コンマ(連続クリティカルボーナスと交流により+50)
01-60 いません
61-90 わからない
91-00 クロシュ
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 21:51:32.02 ID:f3ahBr7DO
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 21:56:01.50 ID:8xClO39vo
ガードが硬ぁい
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 22:06:49.12 ID:WALI7Mz5o
爬虫類かってくらい懐いてくれない
327 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 22:37:18.20 ID:gowG+LT+0
セイン「僕に友はいない」

クロシュ「ふぇ……」

セイン「……僕に友という存在は不要だ。むしろいない方が良いだろう。僕のような殺戮兵器に、友情を分かち合う仲間などいてはならない」

クロシュ「うゅ……」

セイン「……そろそろ戻ろう。哨戒と言いながら遊びすぎてしまった。君はもう休息に専念した方が良い」

クロシュ「うん……」

 ◆
328 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 22:38:51.20 ID:gowG+LT+0
―朝
 小さな無人島 野営テント

イリス「ふわあ……。んん〜、久しぶりのテント起床……旅って感じがする……」

魔女っ子クロシュ「すう、すう」スヤスヤ
 精霊樹の杖「」ダキッ

イリス「ん、んん!? クロシュちゃん……!!?」

 *

魔女っ子クロシュ「ごめんなさい……寝ぼけて、同化してた……」

イリス「や、それは別に良いんだけどさ! そういえば前に、杖とかでも同化できるって言ってたもんねえ」

魔女っ子クロシュ「うん……」

イリス「ねね、せっかくだし軽く魔法の練習してみない? その杖使っていいからさ」

魔女っ子クロシュ「ふえ……?」

 *

―小さな無人島 海岸

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」


魔女っ子クロシュ「えいっ!」ブンッ

 つむじ風「」ビュオオオオ

イリス「ほ、本当に精霊魔法だ……! 妖精やエルフみたいに、精霊を知覚できる種族じゃないと使えないはずなのに……!」

魔女っ子クロシュ「ん……!」

セイン「だが威力は貧弱だ。この程度のそよ風では幼子を転ばせるのが関の山だろう」

魔女っ子クロシュ「んゆ……。ブラッドちゃんだって、よろけたもん……」

イリス「だ、だからこそ練習しよう! せっかく使えるなら伸ばさなきゃ! 才能を!」



ミスティ「ところで精霊魔法って、自然の精霊の力を借りて現象を引き起こす魔法なのよね? 妖精の自然魔法とは何が違うの?」

妖精「精霊魔法の方が、精霊の力を借りる分引き起こせる現象の力や規模をより大きなものにできるよ。でも精霊依存になっちゃうから小回りや応用は効きにくい。自然魔法はその逆。力や規模は大きくしづらいけど、術者の意思である程度現象を操れるから小回りや応用も効きやすいって感じかな」

エバンス「へえ、魔法もいろいろあるんだな……」

ローガン「エバンスくんも、戦い以外の魔法について勉強してみてはどうだ?」


↓1コンマ 練習の成果
01-60 魔法経験[1/3]
61-90 魔法経験[2/3]
91-00 魔法練度上昇
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 22:44:13.56 ID:rC1m09x4o
330 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 22:57:53.63 ID:gowG+LT+0
イリス「精霊魔法の指南はしてあげられないけれど、魔力の込め方とか流し方についてはいろいろ教えてあげられそうだね。クロシュちゃん、まず体の中の魔力をね……」

魔女っ子クロシュ「うん……」

 *

 つむじ風「」ヒュルヒュル…

魔女っ子クロシュ「んゆゆ……」

イリス「あはは、いきなりいろいろ言われても難しいよね。でもちょっとづつ魔力の流れが良くなってきてるよ! これからも少しづつがんばっていこうね!」

魔女っ子クロシュ「うん……!」

 ☆クロシュの魔法経験が[1/3]になりました。[3/3]に到達するとレベルが上がります

 ◆
331 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/18(土) 22:59:05.76 ID:gowG+LT+0
というわけで本日はここまでです。次回はトコナツ火山島への海路、2日目のランダムイベントからです

旅は道連れ(稀)を連続で引き当ててセインくんが道連れになるという驚きの初日でした。まさかこんなことになるとは>>1も全く予想しておらず、驚くばかりであります
そしてクリティカルボーナスをものともせず鉄壁の態度を取り続けるセインくん自身にも驚くばかりであります。簡単に心を許してはくれないようです
また、今回は全く戦闘をする機会がありませんでしたが、もし戦闘が発生した場合はセインくんも当然参戦してくれるため、セインくんの戦闘力を考えると大抵の戦闘は殆どボーナスステージとなります。もし強敵に出くわしてしまっても今なら安心です

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 23:18:02.39 ID:f3ahBr7DO
乙乙
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 23:25:08.15 ID:WALI7Mz5o
これでトコナツ火山島のラスボス戦余裕ね
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 00:29:11.98 ID:maNt7Qqeo
おつー
今!今強敵の襲撃が欲しい!w
最良コンマでクロシュというあたり、ガチで友達いないんじゃないかセインくん……
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 00:45:10.92 ID:gIj3Ktv10

まさか旅の道中の間だけセインと一緒に行動する事になるとはびっくりです。
336 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 13:54:37.95 ID:SmQUD2+s0
セインくんが同行してくれるのはこの船旅が終わるまでなので、トコナツ島に着いたらお別れとなります……。トコナツ島での戦いはクロシュちゃんたち自身の力でがんばりましょう

セインくんは自分には友達がおらず、必要ないとも思っているようです。以前に守るべきものがいるとは言っていましたが、心を許せる対等な仲間と言えるような人はいないのかもしれません。なおクロシュのことはまあまあ嫌いではなさそうに見えます

今回の旅の道中だけですが、セインくんと行動を共にする機会はあまりないかと思いますので、この機会にいろいろ親睦を深めていただければと思います
337 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 13:55:12.24 ID:SmQUD2+s0
―トコナツ火山島への海路 2日目

 ◇クロシュ [赤ちゃんスライム]
 武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:ゴスロリエプロン 飾:

 ◇妖精   [世話焼き妖精]
 武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のレオタード 飾:

 ◇イリス  [星の魔法使い]
 武:精霊樹の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:魔術師のローブ  飾:

 ◇ミスティ [氷の魔法使い]
 武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のローブ   飾:

 ◇ローガン [鋼の戦士]
 武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:鋼の回転ノコギリ 防:革の鎧      飾:

 ◇エバンス [地の傭兵]
 武:鉄の剣      盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:革の鎧      飾:

 ◇セイン  [勇者?]
 武:木の棒      盾:         飾:
 武:         防:旅人の服     飾:

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*3
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置
・属性大全

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・魔法の練習[1/3]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
・星属性の練習[2/4](イリス)
338 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 13:56:31.42 ID:SmQUD2+s0
―海上

大亀クロシュ「」スイスイ


セイン(木の棒装備)「……」

ローガン「セインくん、武装はやはり漂流中に手放してしまったのか」

セイン「ああ。生存を優先した」

イリス「でも、セインくんならその気になれば光になって一気に移動できたんじゃないの?」

セイン「あの技はそんなに便利なものじゃない」

ミスティ「万能ではないのね……」

エバンス「だからって一週間も海を漂い続けるのもヤバイだろ……普通の人間ならとっくに死んでるぞ」

セイン「耐久力には自信があった。救助を待った方が賢明だと判断したまでだ」

妖精「一週間呑まず食わずで特に異常もなさそうだもんね……ひょっとして一ヶ月くらいは大丈夫だったんじゃないの」

セイン「試したことはないが、恐らく生きられると思う」

エバンス「おかしいだろ……」


↓1〜2コンマ ランダムイベント
01-05 強敵
06-20 敵襲
21-40 食料発見(コンマ)
41-60 物品発見(コンマ)
61-80 場所発見(コンマ)
81-00 良いこと(自由安価)
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 14:01:26.56 ID:tvblR38B0
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 14:14:21.20 ID:v2AUMCCqO
こんま
341 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 14:23:26.36 ID:SmQUD2+s0
このあと敵襲ですが先に見つけたものの処理を行います

↓1コンマ 見つけた物品
01-05 樽……?
20-35 大きな巻き貝
36-65 大きな軽石
66-95 エンシェントシャコ真珠
96-00 海竜の宝玉
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 14:29:00.17 ID:cd+kSKf8O
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 14:32:33.82 ID:PodU5msi0
06〜19ないけどどうなるの?
344 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 14:32:39.59 ID:SmQUD2+s0
あっ、コンマ表がおかしいですね。正しくは

01-05 樽……?
06-35 大きな巻き貝
36-65 大きな軽石
66-95 エンシェントシャコ真珠
96-00 海竜の宝玉

でした。すみません

↓1〜3多数決
1.巻き貝をてにいれる
2.再安価する
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 14:33:31.71 ID:PodU5msi0
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 14:33:39.12 ID:o/AMkY7VO
2
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 14:36:33.70 ID:GJaezk0to
1
348 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 14:37:14.88 ID:SmQUD2+s0
多数決ありがとうございます。ちなみにこの多数決は>>1のふてぎわによるものなので、連取り対象とはなりません
349 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 15:13:46.07 ID:SmQUD2+s0
―海

大亀クロシュ「」スイスイ

大亀クロシュ「?」


セイン「? 何かあったか?」

大亀クロシュ「〜〜」モニョニョ

ローガン「む……? アレは……」

 小さな岩礁「」
 大きな巻き貝「」

イリス「わあ、おっきな巻き貝!」

ミスティ「岩礁に引っかかっているわね……。中身はもういないみたいだけれど……」

エバンス「しかし本当にでかいな。小さい子供くらいなら入れるんじゃないか?」

妖精「あれはオオキイウミタニシの貝殻だね。真珠ほどではないけれど水属性の触媒になるよ、多分」

エバンス「イリスちゃんがアレを背負ったりすれば水属性魔法のパワーが上がったりする……ってことか?」

イリス「な、なんですかその理解の仕方……。いやまあ、あながち間違ってもいないですけれど……」

ミスティ「まあ、せっかくだし拾っていってみる……? もちろん、クロシュの負担にならなければ、だけれど……」

大亀クロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「ぜんぜんへーきだってさ。せっかくだしもらってこうよ、海岸沿いでオオキイウミタニシを見つけるのは難しいし」

 ☆大きな巻き貝を手に入れました
 ☆イリスとクロシュが装備可能です

 ◇
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 15:15:53.74 ID:GJaezk0to
イリスつむりも可能か……いや草
351 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 15:16:18.39 ID:SmQUD2+s0
―海上

大亀クロシュ「」スイスイ

 グワンッ
大きく揺れる大亀クロシュ「!!?」モニャニャ!!?

 *

―大亀クロシュの小屋

 グワンッ

イリス「うわわわああ!?」ドテッ

エバンス「うおああ!?」ドテッ

ローガン「何だ!? クロシュくん何があった!?」

クロシュ「し、下から……たたかれてる……!」ズズッ

ミスティ「何者だか知らないけれど、クロシュを傷付けたら許さないわよ……!」バッ

妖精「あっバカ! ミスティは泳ぐの苦手なんだから冷静になって!」パタパタ

セイン「……!」タッ

 *

―海上

大亀クロシュに巻き付くタコ触手「」ギチギチ
大亀クロシュ「〜〜!!」ジタバタ


ミスティ「こ、こいつは……!?」ザッ

 何かの骨を持ったタコ触手「」ウネウネ

妖精「骨を持ったタコ足……ボーンクラーケンだ!」

イリス「ええっボーンクラーケンって、あの南の海の暴れん坊タコの……!?」

妖精「そう! くっそぉ、なんて奴の縄張りに入っちゃったんだ……! クロシュ、なんとか持ちこたえて……!!」

エバンス「とにかくこいつの足を斬るぞ! クロシュちゃんを助けるんだ!」

ローガン「海に落ちるな! 海中は奴の独壇場だ!」


セイン「……」ザッ


 ――戦闘開始 ボーンクラーケン――

↓1
01-05 痛恨
06-50 優勢
51-00 会心
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 15:16:34.49 ID:SZD8eETDO
はい
353 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 15:30:15.55 ID:SmQUD2+s0
 氷の刃「」ヒュンヒュンッ
 タコ触手「」ズバババッ

ミスティ「堅い……! 足の一本程度……!」

エバンス「だが隙ができた! オラァ!」ブンッ

 タコ/触手「」ズバッ

エバンス「よしっ! だが足は斬れても水中の本体にゃ攻撃できねえ……!」

ローガン「だが地道に削るしかない……! 奴が諦めるまで――」

妖精「くうう、波が穏やかなこの海域じゃタコを押し流すほどの水流なんてとても……!」ググッ

イリス「海中に電気を……だめ、クロシュちゃんまで感電しちゃう……! ううう、どうすれば……!」


 ザブンッ

イリス「えっ!? せ、セインくん!?」

妖精「ま、まさか……!? いくら強いセインでも水中じゃ――」

 *

―海中

セイン「」スイスイ

ボーンクラーケン「」ギロッ

セイン「」クイクイ

 タコ触手「」ギュオオオオッ
 タコ触手「」ギュオオオオッ

セイン「」ギラッ
 光を纏う木の棒「」ブンッ

 ちぎれ飛ぶタコ触手「」ヘニャヘニャ
 ちぎれ飛ぶタコ触手「」フニャフニャ

ボーンクラーケン「!?」

セイン「……」


↓1
01-05 痛恨
06-00 勝利
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 15:32:32.24 ID:cd+kSKf8O
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 15:32:35.66 ID:GJaezk0to
つよい
356 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 16:36:13.05 ID:SmQUD2+s0
―海上

 タコ触手「」ヘニャニャ…

エバンス「なんだ? 触手の様子が……」

ミスティ「勢いを失った……?」

ローガン「この機を逃すな! 一気に押し返すぞ!」

イリス「は、はい……! 炎よ……!」ゴオッ

妖精「まさか、セインが……?」

 *

―海中

セイン「」ブンッ

 ちぎれ飛ぶタコ触手「」
 ちぎれ飛ぶタコ触手「」

ボーンクラーケン「〜〜!!」

セイン「――」
 光の残像「」パヒュンッ


セイン「」ヌッ
ボーンクラーケン「!!?」っっっ

 光を纏う木の棒「」ブンッ

ボーンクラーケン「」パギュッ

 *

―海上

大亀クロシュに巻き付いていたタコ触手「」ヘニャヘニャ…

大亀クロシュ「……!」モニョニョ

 ――戦闘終了

 ◆
357 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 16:37:03.13 ID:SmQUD2+s0
―夕
 小高い岩礁

 ザァーン ザパァーン…

 焚き火「」パチパチ
 ボーンクラーケンの触手焼き「」ジュワッ

クロシュ「わあ……!」ジュルリ

イリス「今日もお疲れ様、クロシュちゃん! はい、さっきのボーンクラーケンの触手焼き!」スッ

クロシュ「うん……!」

 デロデロ
スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ


ミスティ「ふう……一件落着ね……。んっ……美味しいわ……」モグモグ

エバンス「南方じゃ人気食材として使われてるだけあるな、こりゃ」モグモグ

ローガン「うむ……! セインくんが仕留めてくれたお陰だ」

イリス「はい! 本当にありがとう、セインくん!」

セイン「……命を恩を返しているだけだ。礼はいらない」モグモグ

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

セイン「……言いたいなら、好きにしても良いが」


船旅2日目の夜です。丁度良い岩礁があったのでそこで野営します
↓1〜3 野営中何をする?
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 16:38:51.57 ID:PodU5msi0
イリス、セインと模擬戦をする。
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 16:39:41.29 ID:5YSS3ZgdO
イリスちゃんとセインくんの料理談義
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 16:41:42.13 ID:zbppxD25o
海竜化やってみる
361 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 17:11:33.29 ID:SmQUD2+s0
 焚き火「」パチパチ

スライムクロシュ「……」

セイン「……」

イリス「……セインくん、ちょっといい?」

セイン「?」

スライムクロシュ「?」

イリス「えっとね……マーベルさんのこと、覚えてる?」

セイン「ああ」

イリス「そのマーベルさんから伝言っていうか……もしセインくんと会ったらやって欲しいことがあるって言われてて」

セイン「……?」

イリス「セインくんを一発ぶん殴ってくれって」

セイン「……」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョニョ…

セイン「殴られてやってもいいが……いや、ただ殴られるだけというのもつまらないな」スクッ

イリス「へっ?」

セイン「……僕に攻撃を当てるか、海へ落とすことができたら――殴られてやってもいい」スッ

イリス「え!?」

セイン「だが、できなければ――次に君がマーベルと会った時、マーベルを殴ってもらう。それでどうだ?」

イリス「え、ええ!?」

 ポイッ
 木の棒「」ポテッ

セイン「武器と魔法は使わないでおこう。君相手ならそれで十分だろう」

イリス「」カチン

イリス「へえ……。武器も魔法も使わないなら、セインくんなんてただのかわいい男の子じゃない」

セイン「そうなのか」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ オロオロ

イリス「いくら勇者でも、未来の大賢者を舐めてると痛い目に遭うってことを教えてあげる……!!」ゴゴゴ

セイン「ああ」

 ――模擬戦闘開始――

↓1
01-05 イリス無様
06-85 イリス敗北
86-95 相打ち
96-00 イリス大勝利
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 17:12:56.90 ID:W+2Zc8yvO
やったらあ!
363 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 18:25:06.93 ID:SmQUD2+s0
セイン「」タンッ

イリス「!!」バッ

 ガガガッ

イリス「ううっ……!?」ズザザッ

イリス(魔法による強化なしでこの速度と重さ……!? 咄嗟に受けた杖が折れるかと思った……!)

イリス(いや、でも……多分これも、本気じゃない……! くそお、バカにして……!!)

イリス「水!」

 大量の泡「」ポワポワ

セイン「!」キキッ

イリス「一発当てれば勝ちなら、これでどう!?」

セイン「」ブンッ

 大量の泡「」パチンパチン

イリス「ええ!? 腕を振った風圧で……!?」

セイン「」タンッ

イリス「くううっ!」

 ◇
364 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 18:25:35.83 ID:SmQUD2+s0
イリス「うぐぐう……」ボロッ

セイン「降参するか?」

イリス「ま、まだあ……!」



妖精「もうやめときなよ〜。マーベルなんて私が代わりに殴っとくからさあ〜」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョモニョ

エバンス「しかしイリスちゃんは近接戦の心得もあるんだな。並の戦士くらいなら接近戦でも十分戦えるんじゃないか?」

ローガン「うむ……冒険者ランクこそ低いが、実力はかなりあるぞ。我がパーティの魔法使いたちは」

ミスティ「まあ……弱いつもりはないわね……。強くもないけれど……」



イリス「もう一回、水!」

 大量の泡「」ポワポワ

セイン「無駄だと――」

イリス「地!」カッ

 穴「」ボゴンッ

セイン「!!」サッ

イリス「風!!」ヒュオオオッ

 大量の泡「」フヨフヨ

セイン「くっ」タンッ



妖精「セインが跳んだ!」

エバンス「だが空中ではもう避けられないぞ!」



イリス「もらっ――」コォォォ―

 ズキッ

イリス(う、うそ……魔力が……もう……)

イリス(こ、こうなったら……!!!)ザッ


イリス「う、うあああああ!!!」ダダダッ

セイン「!!?」ヒューン

 ガッ

ミスティ「い、イリスが落ちてくるセインに体当たりを――」

ローガン「ぶちかまして――」


イリス「わああああ!!」ヒューン
セイン「――」ヒューン

 ボチャンッ…


妖精「海に落ちちゃった!」

 ◇
365 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 18:28:09.59 ID:SmQUD2+s0
 焚き火「」パチパチ

イリス「う、ううう〜……あたまいたいぃ〜……」グッタリ

ミスティ「魔力切れの寸前まで魔力を使い続けたのよ、あなた……。ほら、あの子の精霊樹ジャムを溶かしたホットエードよ……ゆっくり飲みなさい……」

イリス「うう……甘くて優しい味がするぅ……」ゴクゴク

妖精「全くもう……無茶しすぎだよ、こんな海のど真ん中で。セインも変に煽らないでよ」

セイン「……悪かった」

イリス「せ、セインくん……えっと、今の勝負は――」

セイン「引き分け……と言いたいところだが、一発でも攻撃を当てられたら、という条件だった。つまり君の勝利だ」

イリス「……!! やっ……たぁ……!! あいたたた……」ズキズキ

セイン「……驚いたな。武器と魔法は使わなかったが、それでも負けるつもりなどなかった。未来の大賢者たる君を侮ったことを詫びさせてもらう……」

イリス「え、えへへえ〜……セインくんに認められちゃった……!」

 ☆イリスがセインくんに辛勝を収めました
 ☆イリスの根性が上がりました

 ◆
366 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 20:19:42.50 ID:SmQUD2+s0
―早朝
 小高い岩礁

 ザァーン ザパァーン…

 焚き火「」パチパチ

イリス「〜〜♪」


セイン「……もう起きていたのか」ヌッ

イリス「あ、セインくんおはよう! 昨日は付き合ってくれてありがとうね」

セイン「いや……おはよう。それは……スープ? 朝食か」

イリス「うん。昨日のボーンクラーケンの足を使った海鮮スープ。ミスティに凍らせてもらったから、しばらく食べる分は困らなくなったの。もちろん持ちきれない分は海に還したけどね」

セイン「海に還す……なるほど」

イリス「セインくん一人が増えてちょっとカツカツだったけれど、ボーンクラーケンのお肉が入ったからお釣りが来るくらいになっちゃった」

セイン「それなら良かった」

イリス「セインくんは、好きな食べ物とかは特にないんだっけ?」

セイン「好き嫌いは特にない。自由に作って欲しい」

イリス「そっか……。でも、もし好きな食べ物ができたら教えてね。その時は作ってあげるから」

セイン「……覚えておく」

 ◇
367 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 20:20:29.32 ID:SmQUD2+s0
―朝

ウミヘビクロシュ「」スイスイ

妖精「うわ、どうしたのクロシュ? そんな変な姿で泳いだりして」パタパタ

ウミヘビクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「えっ、昨日の骨ダコにやられたのが嫌だったから、もっと強い姿になりたいって? う〜ん……でもみんなを乗せられる大きな姿なんて大亀くらいだしなあ……」

ウミヘビクロシュ「〜〜」モニョモニョ

 割れた海竜の頭骨「」ガラン

妖精「あっ、それは昨日の骨ダコがかぶってた骨! 見た感じ、多分海竜の頭骨だと思うけど……」

ウミヘビクロシュ「〜〜」モニョニョ

妖精「まあ確かに、海竜なら大きいし強いけれど……。食材として扱われたりもしてるけど、曲がりなりにも竜だよ? 簡単には擬態できないんじゃないかなあ……」

ウミヘビクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

妖精「まあ挑戦するのは自由だけど、あんまり無理しないようにね」


↓1コンマ
01-80 大亀状態が強化されました
81-00 海竜
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 20:21:30.35 ID:PodU5msi0
369 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 20:28:59.92 ID:SmQUD2+s0

 大きな巻き貝「」

 デロデロ モニョモニョ…

大亀クロシュ「」ポン!


妖精「見た目は変わってないけど水属性の力を感じる。もしかしてあの巻き貝と同化したの?」

大亀クロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「やっぱり! それじゃあ早速泳いでみよう!」



大亀クロシュ「」スイー

妖精「おおーちょっと速くなった! 水属性のお陰かな?」

大亀クロシュ「〜〜」モニョモニョ

 ☆大亀状態が強化されました

 ◆
370 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 20:54:35.47 ID:SmQUD2+s0
―トコナツ火山島への海路 3日目

 ◇クロシュ [赤ちゃんスライム]
 武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:ゴスロリエプロン 飾:

 ◇妖精   [世話焼き妖精]
 武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のレオタード 飾:

 ◇イリス  [星の魔法使い]
 武:精霊樹の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:魔術師のローブ  飾:

 ◇ミスティ [氷の魔法使い]
 武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のローブ   飾:

 ◇ローガン [鋼の戦士]
 武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:鋼の回転ノコギリ 防:革の鎧      飾:

 ◇エバンス [地の傭兵]
 武:鉄の剣      盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:革の鎧      飾:

 ◇セイン  [勇者?]
 武:木の棒      盾:         飾:
 武:         防:旅人の服     飾:

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*3
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置
・属性大全
・大きな巻き貝

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・魔法の練習[1/3]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
・星属性の練習[2/4](イリス)
371 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 20:56:19.17 ID:SmQUD2+s0
―海上

大亀クロシュ「」スイスイ


ミスティ「……なんか、暑くないかしら……」

ローガン「かなり南の方まで来たのだろう」

エバンス「てことはトコナツ島も近いか?」

妖精「うん。精霊たちによるとあと少しみたい。今日の夕方には着くよ」

イリス「……トコナツ島に着いたらセインくんともお別れかあ……。そういえば、セインくんは今何をしようとしてるの?」

セイン「……恐らく、お前たちと同じだ」

妖精「や、やっぱり……。ねえ、こんなことを言うのもなんだけど……助けてあげた代わりに、今回は見逃してくれない……?」

セイン「……お前たちこそ……今回は、退いてくれないか? 僕は……命の恩人に刃を向けたくない」

イリス「セインくん……」


妖精(……セインのやつ……初めは無機質で無感情でつまんない勇者モドキだと思ってたけど……)

クロシュ(セインさん……)


↓1〜2コンマ ランダムイベント
01-05 強敵
06-30 食料発見(コンマ)
31-55 物品発見(コンマ)
56-80 場所発見(コンマ)
81-00 良いこと(自由安価)
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 20:59:37.68 ID:cd+kSKf8O
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 21:00:42.36 ID:zbppxD25o
コンマ
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 21:01:11.60 ID:YZHa50sGO
良いことこい
375 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 21:04:13.43 ID:SmQUD2+s0
↓1コンマ 見つけた場所
01-10 幽霊船
11-40 浮島スライム
41-70 小さな温泉島
71-95 伝説の海賊の洞窟
96-00 古代遺跡?

↓2コンマ 見つけた物品
01-05 樽……?
06-50 大きな軽石
51-95 エンシェントシャコ真珠
96-00 海竜の宝玉
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 21:04:41.08 ID:PodU5msi0
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 21:04:45.31 ID:YZHa50sGO
うい
378 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 21:13:10.37 ID:SmQUD2+s0
―海上

大亀クロシュ「」スイスイ

 大きな軽石「」コツン

大亀クロシュ「?」モニョニョ?


 大きな軽石「」ザバンッ

エバンス「おお、でっけえ軽石だ!」

イリス「軽石が流れてきたってことは、火山島が近いんですねきっと!」

ミスティ「そうなの?」

ローガン「ああ。軽石は火山で採れることが多い鉱物だ。トコナツ火山島のものかはわからんが、遠くない場所に火山がある可能性は高い」

セイン「……」

 大きな軽石「」コンコン


エバンス「……軽石か……待てよ、これを地属性魔法で再現できないか……?」

イリス「あ、なるほど……! これを地属性魔法で出せれば――」

エバンス「おう! 水に浮く石なら、泥舟の強化に使えるぞ!」

イリス「確かに!!」

 ☆大きな軽石を手に入れました
 ☆エバンスとイリスが軽石魔法を閃きました

 ◇
379 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 21:24:03.83 ID:SmQUD2+s0
―海上

 濃霧「」モワモワ

大亀クロシュ「〜〜…」モニョニョ…


イリス「なんか……霧が濃くなってきた……?」

エバンス「……んん? そろそろ着くはずじゃないのか……?」

妖精「お、おかしいなあ……。そのはずなんだけど……さ、さっきから精霊たちの気配がなくて……」

ローガン「なんだと……?」

セイン「……遭難か」

エバンス「し、自然魔法でこの霧を追い払えないのか?」

妖精「さっきからやってるよぉ……」

イリス「むむ……そ、それなら私も風魔法で――えい!」ブンッ

 風「」ビュオオオオッ

 濃霧「」モワモワ

イリス「ぜ、全然飛ばない……」


セイン「……光で霧に穴を開ける。全員、直視するな」コォォ―

妖精「げっ、その技は――」

 光「」キラッ

 バシュウゥゥゥン――
380 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 21:24:47.64 ID:SmQUD2+s0
 濃霧「」モワモワ

セイン「……!?」

イリス「う、うそ……!? あの光魔法ですら……!?」

妖精「これ……もしかしたら……物理的な霧じゃなくて……」

セイン「……呪いの霧か」

ミスティ「の、呪いの……」

エバンス「霧……!?」

 *
381 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 22:07:02.24 ID:SmQUD2+s0

大亀クロシュ「〜〜…」モニョモニョ…

妖精「ごめんね、クロシュ……大丈夫、私たちが一緒だからきっと出られるよ」

大亀クロシュ「〜〜」モニョモニョ


ローガン「しかし……なんだろうか……。薄っすらとした寒気と……この倦怠感は……」

セイン「正体はわからないが、恐らくこの海域は呪われている。僕たちは心身を呪いに蝕まれ始めている……」

イリス「え、ええ……どうすればいいの……!?」

セイン「呪いを祓うには専門家を呼ぶか、あるいは――」

エバンス「あるいは……?」

セイン「呪いの根源を、破壊するしかない」

ミスティ「……で、でも……もし呪いの根源が深海にあったら打つ手なしになってしまうわ……」

セイン「いや……その心配はいらないらしい」

イリス「えっ……?」

セイン「……お出ましだ。呪いの元が」


 幽霊船「」ゴゴゴゴゴ…


イリス「あ、あれって……まさか……」

エバンス「幽霊船か!!?」

 *
382 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 22:08:08.77 ID:SmQUD2+s0
 幽霊船「」ゴゴゴゴゴ…


大亀クロシュ「……」


イリス「どど、どうするの……!? あれに乗り込むの……!?」

ローガン「現状、そうする以外の選択肢はあるまい。このまま濃霧の海域を闇雲に漂い続けるわけにもいかん」

エバンス「外からぶっ壊すんじゃダメなのか? ほら、さっきセインが撃った光魔法とかで」

セイン「……それで霧が晴れれば良いが……もし晴れなかった場合、僕たちは最大の手がかりを失うことになる」

エバンス「げ、確かに……」

ミスティ「壊すにしても、中を探索してからってことね……」

セイン「そうだ」

イリス「い、行くしかないんだ……」

妖精「まあ大丈夫でしょ、セインがいれば」

セイン「……最悪、魔王が潜んでいる可能性もある。そうであれば僕一人でも対処は難しい。気を抜くな」

妖精「わ、わかってるよ……悪かったね」

 *
383 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 22:09:23.53 ID:SmQUD2+s0
―幽霊船 踏破率[0/???]

 ギィー… ギギ…

イリス「ひ、ひいい……!!」ガタガタ

クロシュ「イリスさん……」ギュッ

イリス「く、クロシュちゃん……ありがとう……」ギュッ

ミスティ「……」

妖精「ミスティも手を繋ぐ?」

ミスティ「えっ……いや、私は……」

イリス「つ、繋ごうよ! その方がいいよ!」

ミスティ「まあ……いいけれど……」ギュッ

クロシュ「妖精さんも……」

妖精「じゃあ私はいつも通りクロシュの懐に入ってようかな」スポッ


エバンス「しかしボロボロだな……。いつ床が抜けるかわからん。呪いも怖いが、物理的な怪我も怖いぞこりゃ」

セイン「ああ。だが恐らくそれも奴らも狙いだ。気を付けろ」

ローガン「うむ……。皆、気をつけて進もう――」

 ――探索開始 幽霊船――
384 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/19(日) 22:10:44.18 ID:SmQUD2+s0
というわけで本日はここまでです。次回は幽霊船探索から始まります

今回はセインくんがタコ相手に活躍したり、イリスさんがセインくん相手に辛勝をもぎ取ったりと、戦いが多い日となりました
ボーンクラーケンさんは平和に暮らしていただけなのですが、縄張り争い、そして生存競争とはかくも哀しいものなのです。彼の命はクロシュちゃんたちに食べられ、海の命たちに食べられ、また星へ還るのでしょう。星の海は、遥かな昔からそのように巡っているのです――
そして次回はついにクロシュちゃん初めてのダンジョンアタックです。がんばりましょう

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 22:25:00.08 ID:zbppxD25o
乙乙
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/19(日) 23:53:18.79 ID:7rwEQdPLO

前評判通りセインくんめっちゃ頼りになるな
コンマ表にある樽?とか古代遺跡?とかが地味に気になる
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/20(月) 12:25:44.94 ID:9r9PBd1/O
おつ
要するにダンジョン探索は魔王さんの自宅訪問ってコト…!?
388 : ◆eAA16RTlRw2e [sage saga]:2024/05/25(土) 18:16:37.85 ID:i4aeuoNu0
セインくんは敵の時はいきなり死亡判定をぶちこんでくるなど恐ろしいことをしてきますが、味方の時は実際とても頼もしい味方だと思います
樽と古代遺跡が何だったのかはわかりません。樽はファンブルのようなので、見つけてしまったらろくでもないことになっていた可能性があります。一体何が入っていたのでしょうか……
そして古代遺跡は逆にクリティカルだったようなので、もし見つけられれば良いことがあった可能性があります

ダンジョンの奥に何がいるかはわかりませんが、危険度の高いダンジョンの奥には実際魔王が潜んでいる可能性があります。本来であればそのような危険なダンジョンはよほどの実力者か命知らずでもない限りは避けて通るべきなのですが、今回は避けることができませんでした。しかし幸いなことに今回はセインくんがいるので、多分大丈夫でしょう

なお本日は急用が入ってしまったため、更新できません。申し訳ありません。明日は更新いたしますので、よろしくお願いいたします
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/25(土) 18:36:26.62 ID:cD+zu4Bfo
報告ありがとうございますー
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/25(土) 18:44:41.87 ID:vpMux/y60
りょ乙
ダンジョン探索は前作で散々やってたから今回は新鮮
391 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 14:27:13.12 ID:IiH/KRqG0
こちらこそありがとうございます。おまたせいたしました

前作ではステータスやスキルなどの数値計算がけっこう大変になってしまったので、今回はシンプルにやろうと思います

◯ダンジョン探索のルール
ダンジョン探索では、「踏破率」と「持久力」という数値が登場します。
「踏破率」は毎ターン行われるコンマ判定によって上昇し、最大値まで上がればダンジョン探索成功となります。
「持久力」は毎ターン1減少し、0になると探索失敗となります。また、持久力が少ない状態で戦闘に突入した場合、戦闘コンマにマイナス補正がかかるので注意が必要です。
392 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 14:28:17.06 ID:IiH/KRqG0
―幽霊船 上甲板 踏破率[0/6] 持久力[10/10]

 ギギッ… ギギギッ…

妖精「下の方に嫌な気配がある。何かいるとしたら船の中だと思う」

ミスティ「船の中にはどこから入れるのかしら……」キョロキョロ

エバンス「真っ当な船なら簡単に見つかるはずだぜ」


↓1
↓1コンマ
01-05 ??
06-35 踏破率+2、敵襲
36-65 踏破率+2、??発見
66-95 踏破率+3、友好的な船幽霊
96-00 踏破率+4、宝箱だ!
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/26(日) 14:31:24.65 ID:4S2yjvY2O
394 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 15:30:34.10 ID:IiH/KRqG0
―幽霊船 踏破率[2/6] 持久力[9/10]

 船扉「」ガチャッ ギィ……

エバンス「簡単に入れたな。どうする? 船室を一つ一つ調べて回るか?」

イリス「あ、あんまり時間をかけない方が……あれっ?」

クロシュ「?」

イリス「あ、あの船室から……この船とは少し違う魔力の気配を感じるというか……」

ローガン「なんだと? もしや我々と同じ遭難者か?」

イリス「と、とにかく開けてみましょう! もし遭難者なら助けてあげなきゃ!」

妖精「他人を助ける余裕なんてあるのかなあ」


 船室の扉「」ガチャッ…


イリス「大丈夫ですか!?」バッ


暗黒行商少女「やめて……もうお腹は殴らないでェ……」ガタガタ


イリス「え、えええ!? あなたは……!!」

エバンス「いつぞやの詐欺師のガキじゃねえか!」

 *
395 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 15:31:57.93 ID:IiH/KRqG0
ミスティ「……落ち着いた?」

暗黒行商少女「はあ、はあ……あ、アンタたちは……どうしてここに……?」

エバンス「こっちのセリフだ。なんでお前がこんなとこにいる?」

暗黒行商少女「し、知らないわよ……飛行するメイド人形に船を壊されて、無我夢中で泳いでたら……」

ローガン「この船を見つけて慌てて飛びついたということか? 凄まじい悪運だな……」

暗黒行商少女「大不幸よ!! せっかく九死に一生を得たと思ったら幽霊船で、たちの悪い幽霊に捕まってお腹を殴られて、必死に逃げ込んで震えるしかなかったのよ!? うう、思い出したら気持ち悪くなってきた……」

妖精「因果応報でしょ」

イリス「うう〜ん……」

暗黒行商少女「……そ、その……先日は本当に悪かったわ。あのことは謝るし、今はもう手持ちがないけれどまた稼いだらちゃんと差額分は返すから、助けて! 私一人じゃ出られないの!」

エバンス「人を騙して違うものを売りつけておいて、差額分を返せば済むと本気で思ってんのか……?」

ミスティ「ケチすぎるわ……」

妖精「……こいつ助ける必要ある? 私たちだって余裕がないのに」

セイン「話が見えないが、もしこいつが詐欺師だというのなら救助には賛成しかねる」

エバンス「……ちょっとかわいそうだが、いつ裏切るかわからんしなあ」

暗黒行商少女「ちょ、ちょっとちょっと!! 流石に助けてもらう立場で騙したり裏切ったりなんてしないわよ!!? 全額返すしオマケも付けるから見捨てないでよぉ!!」

ローガン「……と言っているが……騙されたイリスくんはどう思う?」


イリス(助けてあげたいけど……もしこの子を助けたせいで、また騙されたりして、みんなを危険な目に遭わせちゃったら……)

イリス(うわあああどうしよう〜〜!!)グニャァ


ミスティ「……悩んでるわね。イリスなら即決で助けると思ってたわ」

妖精「イリスは良い子だけど、頭は悪くないからねえ。今は状況が状況だし」

暗黒行商少女「お願いします、何でもするので助けてください……」ドゲザ

エバンス「うっ……流石に心が痛いぞ……」


セイン「……」ジッ

クロシュ「……?」

セイン「……君は、どうしたい?」

クロシュ「……」


↓1
1.見捨てられない
2.見捨てた方が良さそう……
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/26(日) 15:34:45.02 ID:3MIKKXSiO
1
397 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 15:59:12.68 ID:IiH/KRqG0
クロシュ「……助ける」

セイン「……!」

暗黒行商少女「……え? い、今なんて?」

クロシュ「……助ける」

暗黒行商少女「!!!」パァァァ

イリス「クロシュちゃん……!」

妖精「う〜ん……まあこのパーティなら、こいつ一人が変なことしてもなんとか対応できると思うけど……」

ローガン「だがこの海域を脱出できるかどうかも未だわからん。余計なリスクは増やさないに越したことはないぞ?」

クロシュ「でも……この人……ちゃんと、反省してるから……。嘘じゃなければ……大丈夫……」

エバンス「まあそうだが……嘘だったらどうするって話なんだ、クロシュちゃん……」

クロシュ「うゅ……」

イリス「……わ、私も覚悟を決めました! 助けましょう!!」

暗黒行商少女「!!!!」

ミスティ「ふふ……イリスも吹っ切れたみたいね」

イリス「うん! ここで見捨てたら……私、一生後悔するもん……!!」

妖精「こいつに裏切られた場合も一生後悔しない?」

イリス「大丈夫、彼女が裏切らないようにしっかり見張るから……! ね、クロシュちゃん!」

クロシュ「うん……」

ローガン「フッ……どうやら決まったようだな」

エバンス「だな」

セイン「……? 救助賛成派はまだ二名だけだが……」

ミスティ「イリスとクロシュがこう言い出すと、なんだかそういう方向で決まっちゃうのよね……。ふふ、なんでかしら……」

妖精「あはは、ほんとなんでだろうね?」

 ☆暗黒行商少女を連れて行くことになりました
 ☆ちょっとだけ戦えますが、弱っているので弱いです

↓1コンマ
01-05 ??
06-50 踏破率+2、敵襲
51-95 踏破率+3、友好的な船幽霊
96-00 踏破率+4、宝箱だ!
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/26(日) 16:00:06.94 ID:2xBvAAlDO
はい
399 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 16:58:43.80 ID:IiH/KRqG0
―幽霊船 踏破率[5/6] 持久力[8/10]

 ギシッ ギシギシッ…

幽霊A「暗いよォ……暗いよォ……」

幽霊B「帰りたい……帰りたい……」

幽霊C「アバッアバッ…」


イリス「ぎゃあああ!! 出たァァァァ!!!!」ジタバタ

暗黒行商少女「お、落ち着きなさい! アレは無害な幽霊よ!」

イリス「む、無害……?」

暗黒行商少女「ええ。逃げ回っている時に気付いたけれど、幽霊には無害な奴と害のある奴がいるわ。そして有害な奴は実はそれほど多くない……と思う」

妖精「……ということは、この呪いの領域を形成してるのはその辺の低級霊じゃないってことか」

ミスティ「低級霊じゃこれほどの領域は作れないんじゃないの?」

妖精「ううん。低級霊でも寄り集まればものすごい領域を形成できることもあるんだよ。でもそういう怨霊の集合体が生まれる場合だと、ああいった無害な低級霊も一緒に取り込まれるだろうから、ここは違うんだと思う」

ローガン「単独で強力な一個の霊がいる、ということか?」

妖精「あるいは――」

船幽霊「生きた術者がいるか――」ヌッ

妖精「おわあああ!?」クルクル

ローガン「……! あなたは……話せるのか?」

船幽霊「そうですね。ここの幽霊たちの中ではまあまあ自我が残っている方だと思います」

セイン「……この海域から出る方法はわかるか?」

船幽霊「領域を形成した術者を倒せば、霧も晴れると思いますよ。そうすれば、おそらく我々も自由になれます」

エバンス「……なるほどな。その術者ってのは、一体どんな奴なんだ? まさか魔王だったりはしないよな?」

船幽霊「はて……多分魔王ではなかったと思いますが、どうだったかな。すみません、生前より記憶力が乏しいんですよね」

セイン「……最悪の事態は想定しておこう」

ミスティ「……それで、そいつはどこにいるの?」

船幽霊「たぶん船倉です。記憶が間違っていなければ」

ローガン「船倉か。承知した、情報提供感謝する」

船幽霊「いえいえ、我々としてもいつまでもこの暗く寒い海を彷徨い続けるのは嫌なのでね。お願いしますよ、冒険者の方々」


↓1コンマ
01-05 ??
06-50 敵襲
51-95 船倉へ
96-00 宝箱
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/26(日) 16:59:35.23 ID:Xgm7C3VY0
401 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 17:12:56.62 ID:IiH/KRqG0
―幽霊船 踏破率[5/6] 持久力[7/10]

 船倉の扉「」ゴゴゴ…

妖精「あれか……。異様な気配を感じる……中に何かいるね」

イリス「よおし、早く悪者を倒してこの霧を――」

セイン「……!」タッ


 ガッ―!!


巨躯の怨霊「オアァ……殴ル……奴隷女ノ腹……殴ル……」ヌオッ

イリス「なっ……な、なに………!!?」

暗黒行商少女「ひっ……や、やだ……もう殴らないでェ……」ジワワ

エバンス「商人の嬢ちゃんの腹を殴り続けた悪霊ってやつか……!」


 木の棒「」ギギギギ…ボキッ

セイン「チッ……」シュタッ

クロシュ「セインさん……!」

セイン「問題ない。滅する」タッ


 ――戦闘開始――


↓1コンマ
01-05 痛恨 持久力-3
06-00 会心 勝利
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/26(日) 17:14:17.11 ID:At2FH1yEO
403 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 17:27:56.38 ID:IiH/KRqG0
巨躯の怨霊「殴ル……殴ル……」グオオオ

 ブンッ
 ズガンッ!!
 壁に空いた穴「」シュウウウ…

セイン「」シュッ

巨躯の怨霊「オァ……」

セイン「消えろ」コォォォ―

 光「」バシュウウン―


クロシュ「ほえ……いなくなっちゃった……」

妖精「アンデッドは光に弱いからねえ」

ローガン「う、うむ……。セインくんがいてくれて本当に助かるな」



暗黒行商少女「お願いします、何でもしますから、もう殴らないで……」

イリス「だ、大丈夫だよ! あいつ、消えちゃったよ!」

暗黒行商少女「へ……?」

セイン「消した」

暗黒行商少女「え、ええ……うそぉ……」


 ――戦闘終了

 *
404 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 17:28:25.52 ID:IiH/KRqG0
―幽霊船 踏破率[6/6] 持久力[7/10]

 船倉の扉「」ゴゴゴ…

イリス「じゃあ気を取り直して……」

セイン「僕が開けよう。その方が安全だろう」

イリス「えっ!? で、でもセインくんに頼り切りすぎじゃ……」

セイン「島に着けば恩を返す機会がなくなる。今返させて欲しい」

イリス「そ、そっか……そういうことなら……」


セイン「開けるぞ」スッ

妖精「うん……」

クロシュ「……」


 船倉の扉「」ガチャッ ギィィ―


↓1コンマ 幽霊船の主
01-05 邪神の器〈魔王化〉
06-00 邪神の器
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/26(日) 17:28:47.34 ID:2xBvAAlDO
はい
406 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 17:54:05.33 ID:IiH/KRqG0
 闇球「」ヴン

セイン「!」サッ

妖精「待ち伏せ!?」

セイン「問題ない。敵は――」


「どうして……こんなとこまで来るの……?」


ミスティ「生きた……人間……!?」

ローガン「あれは、もしや――」


灰髪の陰鬱な女「どうして……放っておいてくれないの……!?」


ローガン「指名手配犯の、レイ・アンバー!?」

イリス「えっ!? それって……邪教の儀式のために何人もの命を奪って、その後も何百人もの人の命を奪いながら逃亡を続けてるっていう、大量殺人犯の――!?」

エバンス「おいおい嘘だろ……!? なんでそんな奴がこんなとこに……!」


レイ「わ、私じゃない……私は何も悪くないのに……あなたたちが、追ってくるからァァァ!!!」ゴォォォ―


クロシュ「!」ザッ

セイン「来るぞ、構えろ!」


 ――ボス戦闘 邪神の器レイ・アンバー――


↓1コンマ
01-05 痛恨
06-15 劣勢
16-57 優勢
58-00 会心
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/26(日) 17:56:08.06 ID:0lj+2jBZo
コンマ
408 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 18:13:12.38 ID:IiH/KRqG0
レイ「ああああああ!!!」グオオオッ

 闇の眷属「」ポンッ
 闇の眷属「」ポンッ 闇の眷属「」ポンッ
 闇の眷属「」ポンッ 闇の眷属「」ポンッ 闇の眷属「」ポンッ


エバンス「なんだこりゃ! 黒い……影の魔物……!?」

イリス「召喚術……!? でも、こんな生き物見たことも聞いたことも……!」

妖精「せ、精霊……!? いや、違う……精霊じゃない……何アレ……!?」



闇の眷属「」ヌオッ

セイン「チッ……!」サッ

ローガン「セインくん、これを!」ブンッ

 鋼の剣「」ヒュンッ

セイン「助かる!」パシッ

ローガン「私は……これだ!!」
 鋼の回転ノコギリ「」ギュイイイイイ!!



闇の眷属「」シャッ

クロシュ「……!」
 ウニ盾「」ガガガッ

ミスティ「切り裂け!」

 氷の刃「」シュババッ
闇の眷属「」ズバババッ

ミスティ「クロシュ、大丈夫!?」

クロシュ「うん!」

ミスティ「数が多いわ! 前に出過ぎないで!」


↓1コンマ
01-05 痛恨
06-15 劣勢
16-57 優勢
58-00 会心
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/26(日) 18:14:03.69 ID:1LtxogCo0
410 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 18:24:23.06 ID:IiH/KRqG0
セイン「お前たち、伏せろ」コォォォ―


イリス「えっ、うん!」サッ

妖精「うわわっ」サッ


セイン「――」
 光を纏う鋼の剣「」シャッ

 ギュオアアアアアアアア!!

 闇の眷属「」ジュッ 闇の眷属「」ジュッ 闇の眷属「」ジュッ
 闇の眷属「」ジュッ 闇の眷属「」ジュッ 闇の眷属「」ジュッ

 消滅していく闇の眷属たち「」シュウウウウ…


クロシュ「わあ……」

エバンス「えげつねえ……」

ミスティ「す、凄いわね……」

ローガン「流石だな……」


レイ「あ、あ……」

セイン「残るはお前一人だ」シャキン


↓1コンマ
01-05 痛恨
06-15 劣勢
16-00 勝利
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/26(日) 18:25:43.48 ID:3MIKKXSiO
412 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 18:53:39.09 ID:IiH/KRqG0
レイ「ご、ごめんなさいごめんなさい!! 私が悪かったですう!! 許してください許してください!!」ドゲザ

セイン「……」

イリス「え、えと……」

ローガン「イリスくん。レイ・アンバーは先ほどの詐欺師の少女とは違う、正真正銘の大量殺戮者だ。生かせばさらなる悲劇を生む。温情をかけてはならない」

イリス「でも……」

レイ「本当にごめんなさい!! 本当に、本当に、もう何もしないので……どうか命だけは……」ガクブル

暗黒行商少女「うええ……さっきまでの私を見ているようだわ……」

エバンス「……気は進まねえが、ローガンの旦那の言う通りだ。こいつはここで始末した方が良い。安全に連行する手段もねえし」

イリス「……」

ミスティ「……イリス……」

イリス「……わかってます。例えどんな事情があっても……指名手配されるくらい、多くの命を奪った人です」

レイ「あ……そん、なぁ……」ジワワ

イリス「うっ……」

レイ「わ、私……何も悪いこと、してないのに……。みんなが追ってくるから……仕方なく追い払っただけなのに……どうして……。どうして……」ポロポロ

イリス「ううっ……」

妖精「イリス、耳を貸さないで。犯罪者の言葉なんて嘘かもしれないけど、それでも優しいあなたは聞けば聞くだけつらくなってしまう。だから、耳を塞ぎなさい」

イリス「そ、そういうわけには……」


セイン「……話がまとまったらなら始末するが、問題ないか?」


クロシュ「……」


↓1〜5多数決 クロシュはどう思う?
1.殺していいと思う
2.それでも殺したくない
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/26(日) 18:56:00.85 ID:4S2yjvY2O
1
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/26(日) 18:56:45.13 ID:Xgm7C3VY0
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/26(日) 18:58:16.16 ID:1LtxogCo0
1
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/26(日) 18:58:27.11 ID:2xBvAAlDO
過去スレのレイのキャラ紹介見ると罪状捏造部分ありそうだし、後セインがいる時にボスになってかわいそうな所もあるから2
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/26(日) 18:58:59.85 ID:OEwCy+LsO
2
私欲でやってましたなら1だけど、なんかありそうだしうーん
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/26(日) 19:40:22.73 ID:6lfLFfgjo
(自分用)レイ・アンバーの投稿は前スレ>>888
419 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 20:32:28.21 ID:IiH/KRqG0
クロシュ「えと……。でも……生きるために、殺すのは……仕方ないと、思う……」

レイ「……!」

妖精「クロシュ……」

イリス「クロシュちゃん……」

クロシュ「わたしも……生きるために、虫さんや葉っぱさんを、殺して、食べるし……。嫌な人に嫌なことされた時は……フメイちゃんが、焼き殺して追い払ってくれたもん……。だから……この人が悪いなら……わたしやフメイちゃんも……悪いことに、なっちゃう……」

暗黒行商少女「一理あるわね。生きるために戦う、騙す、殺す……自然の摂理よ。それを悪とするなら、この世の全ては悪に満ちているわ」

妖精「人の世の話だよ。いきなり自己弁護しなくていいから」

暗黒行商少女「むぐ……」

ローガン「……彼女は、ある儀式の生贄として大量の民間人を殺害した容疑があったはず。それは流石に、生きるためとは言えないのではないか?」

クロシュ「むゅ……」

レイ「わ、私殺してない……!! いや、逃亡生活中に殺しちゃうことはあったかもしれないけど……儀式の時は何も殺してない……!!」

クロシュ「……!」

エバンス「それが本当かどうか確かめる術はねえしなあ……」

妖精「うーん……でも国際指名手配ってのも王国とロイエ教が牛耳ってる仕組みだし、王国は冤罪のでっち上げくらい当然のようにするんだよね……」

レイ「そ、そう!! でっち上げ! 私、殺してないもん!!」

ミスティ「でも逃亡中は殺したんでしょ?」

レイ「そ、それは、その……。し、仕方なかったの……!!」

ミスティ「いや、まあ……私も正当防衛的に殺したことはあるから、正当防衛なら別に責める気はないけれど……」

レイ「そう、そう……! せ、正当防衛、だから……!! 私、悪くない……!!!」

エバンス「紛糾してきたな……」

ローガン「ううむ……命を奪うともなれば、判断を誤ることもできぬ。我々は捜査官でもなければ判事でもないのだから仕方ないのかもしれん」

妖精「そういう民間人でもはっきり判断できるようにしたのが指名手配って仕組みなのにね」

イリス「王国の信用がなさすぎるから……」
420 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 20:33:05.79 ID:IiH/KRqG0
セイン「……お前、この結界を解くことはできるのか?」

レイ「え、結界……?」

セイン「この船と、その周辺一帯を覆っている呪いの結界だ。そのせいで僕たちはここから出られないでいる」

レイ「え、え……嘘……!?」

セイン「……自分で理解していなかったのか?」

レイ「し、知らないもん……!! 魔法なんて、全然わかんないのになんか使えてるだけで……」

セイン「……じゃあ、解き方はわからないと?」

レイ「……」

セイン「……」


エバンス「……え、じゃあ出られないってことか?」

ローガン「なんだと……」

ミスティ「……嘘でしょ」

イリス「そ、そんな……」

妖精「……いや。一つだけ出る方法はある」

暗黒行商少女「……やっぱり殺すしかないってことね!!」


レイ「……!!! お、お願いです!! そ、それだけは……命だけは……!!」ドゲザ

セイン「……すまない、影のスライム。こいつを殺さなければ、僕たちは出られない」

クロシュ「あ……」

セイン「……せめて苦しまないよう、一瞬で光に還してや――」


レイ「いやあああああ!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴ!!!

 拡がる闇「」ヴォヴォヴォヴォ!!!!


セイン「!!」バッ

イリス「や、闇が拡がって――」

セイン「皆、僕の近くへ!!」

エバンス「お、おう!!」


 拡がる闇「」ヴォヴォヴォヴォ!!!!

 カッ――
421 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 20:33:38.51 ID:IiH/KRqG0
―海上

 幽霊船「」ユラユラ

 ズッ

 幽霊船を飲み込む巨大な闇「」ヴォン―

 シュウウウ―

 消えていく闇「」シュウウ―



 大亀クロシュ「」ザバァン!!

 *
422 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 20:34:05.99 ID:IiH/KRqG0
―大亀クロシュの甲羅上

セイン「……お前たち、無事か?」

ミスティ「な、なんとか……」

ローガン「うむ……」

エバンス「な、なんだったんだ……?」

イリス「凄い闇属性の奔流だった……まだあれだけの力が残ってたなんて……」

妖精「セインが光の壁で守ってくれなかったら死んでたね、間違いなく……」

セイン「影のスライムは……この大亀だったな。怪我はないか?」

大亀クロシュ「〜〜」モニョモニョ

セイン「ならば良し」


 呪いの霧「」サアァァァァ


イリス「あっ、呪いの霧が晴れてく……!」

妖精「あいつが死んだのか……あるいは結界を維持できなくなったか……」

エバンス「海に落ちたんなら、どの道死ぬんじゃないか……?」

ローガン「どうだろうな……。簡単に死ぬとも思えん」

ミスティ「……何にせよ、生きて出られて良かったわ……」

大亀クロシュ「〜〜」モニョモニョ

暗黒行商少女「し、死ぬかと思ったら、大きな亀の甲羅に乗っていたわ……。でも……生きて出られたのね、私……!!」ジワワ


 ――幽霊船 踏破完了――


↓1コンマ ダンジョンクリアボーナス
01-60 闇の欠片
61-90 闇の塊
91-00 暗黒物質
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/26(日) 20:35:31.01 ID:bO9Cl3Amo
はい
424 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 20:53:23.97 ID:IiH/KRqG0
 ポテッ

 闇の欠片「」

イリス「ん? これ……」

ミスティ「なに、その黒い物質は」

イリス「この感じ……物質化した闇属性魔力かも。小さいけどすごく純度が高い……」

ミスティ「さっきの拡がる闇が、なにかの拍子に一部だけ物質化したのかしら」

イリス「多分そんなとこだと思う。私たちに闇属性は扱えないけど、これだけ高純度ならかなり価値があるよ」

ミスティ「取り扱い注意ね」

 ☆闇の欠片を手に入れました

 ◆
425 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 20:55:08.37 ID:IiH/KRqG0
―海上

闇の眷属「」スイスイ

レイ「あ……生きてる……私……」

闇の眷属「」スイスイ

レイ「……あなた……泳げたんだ……。私を乗せて……」

闇の眷属「」スイスイ

レイ「……」


レイ「私を殺す方向で話が進んでたのに……あの黒い子は……私を、かばってくれた……」

レイ「えっと……確か……」

レイ「クロシュちゃん!!」

レイ「クロシュちゃんかぁ……」

レイ「えへへ……」

レイ「また、会えるかな……」

レイ「……」

レイ「私みたいな指名手配犯が会ったら、迷惑かな……」

レイ「でも無実だし……。私、悪くないし……」

レイ「……」

レイ「…………私をこんな風にした奴らや、王国やロイエの奴らをやっつければ……自由になれるのかな……」

レイ「……」

レイ「無理だよ……そんなの……」

レイ「……」

レイ「クロシュちゃん……クロシュちゃん……」ブツブツ

 ◆
426 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 21:54:48.20 ID:IiH/KRqG0
―夕方


 大亀クロシュ「」スイスイ

妖精「そろそろ……あ、見えてきた!」

イリス「え、どこどこ!」

妖精「あれ!」


 噴煙を上げるトコナツ火山「」モクモク


イリス「わああ……! 煙がすごい上がってる……!」

ローガン「……以前トコナツ火山島へ来た時は、あれほどの噴煙は見られなかった」

妖精「……うん。間違いないよ。あれは――」

セイン「世界樹から放たれた光が落ちた場所、ということか」

妖精「まあ、うん……」

 *
427 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 21:55:36.30 ID:IiH/KRqG0
―トコナツ火山島 海岸

 ザァーン ザザァーン…

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」



大亀クロシュ「」ススッ

 デロデロ…

クロシュ「……」ポン

イリス「お疲れ様、クロシュちゃん!」

妖精「いろいろあったけど、ようやく着いたねえ」

ミスティ「ええ。本当にお疲れ様、クロシュ」

クロシュ「うん……ありがと、みんな……」


セイン「……さて、それでは僕はここで失礼する」スッ

ローガン「セインくん」

エバンス「もう行っちまうのか。今夜の飯と寝床くらいなら奢るぞ」

セイン「……待たせている者がいる。行かなければ――」



僧侶「あーっ!! セインくんいたー!!」タタタッ
428 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 21:57:12.64 ID:IiH/KRqG0
イリス「げっ、あれは……」


僧侶「もう、なんでこんなに到着が遅れ……ん? あなたがたはいつぞやの薄穢いスライムとその仲間たちじゃないですか。まさかあなたたちがセインくんの到着を妨害したんですか?」

セイン「違う。彼らには、僕が漂流しているところを助けてもらった」

僧侶「ええ……何をしているんですか、勇者ともあろうものが……」

セイン「すまない」

僧侶「いえ、別に良いんですよ? あなたが失敗すればした分だけ、あの子たちにその責任を取ってもらうだけですから」

セイン「……」

僧侶「ふふ……そうですよ。呑気に遊んでいる暇があったら勇者らしく聖務に励むのです。」

セイン「……わかっている」


イリス「……待って。セインくん……人質でも取られてるの?」

セイン「……」

僧侶「人聞きの悪いこと言わないでくれますか? 薄穢いスライムの仲間は消えてください、臭いので」

セイン「……」

僧侶「本当に嫌になっちゃいますね。穢らしい下等生物どもが、私のセインくんにベタベタと手垢を付けてくれて。帰ったらシャワーですよ」

セイン「……」

僧侶「もう行きますよ。こんなとこで揉め事も起こしたくないですし」スタスタ

イリス「セインくん……!」


セイン「……さらばだ。影のスライムと、その仲間たち……」スタスタ


クロシュ「あっ……。わた、わたし……クロシュ、だから……! 名前……!!」

セイン「……!」

クロシュ「えと……ま、またね……セインさん……!」



僧侶「ああもう! 喋るな、ダンゴムシ未満の不潔な粘体生物!!」プンスコ

セイン「……」



セイン「……クロシュ……また会おう」


 ◆
429 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/26(日) 21:57:44.29 ID:IiH/KRqG0
というわけで本日はここまでとなります。次回はトコナツ火山島のシーサイドホテルに宿泊するところからとなります

初めてのダンジョンアタックお疲れさまでした。今回の幽霊船は構造もシンプルだったので、初めてのダンジョンには丁度良かったかと思います
劇中では語る機会がなかったのですが、あの幽霊船は一年ほど前にレイさんが王国から脱出すべく密航した貿易船でした。しかしレイさんは船員たちに見つかり、腹パンなどの虐待を受け、ついには邪神のちからを解放して船員たちを亡き者としてしまったのです。レイさんはそのまま邪神のちからで闇の領域を形成してそこにずっと引きこもっていたようですが、今回クロシュ一行に踏み込まれてしまったのでした
今回のクロシュちゃんの、レイさんを殺さないという選択が今後どのように影響してくるかは未知数です。なおレイさんのクロシュちゃん好感度が上がったのは間違いなさそうです

そして航海中に苦楽をともにしたセインくんともお別れです。トコナツ火山島ではまた敵同士。未練も心残りもあるかもしれませんが、涙をのんで剣を向け合うしかないようです。がんばりましょう

それでは本日もお疲れ様でした。次回も土日となります。よろしくお願いいたします
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/26(日) 22:03:36.45 ID:0lj+2jBZo
乙乙
クロシュはもう不殺主人公か
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/26(日) 22:06:16.10 ID:1JGERELC0
乙でした

しかし現状セインくんにどうやっても勝てる気がしない
ケインくんからクロシュちゃんもだけど、イリスへの好感度も結構上がってそう
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/26(日) 22:18:14.17 ID:2xBvAAlDO
乙です
トコナツ編も楽しみ
そして助かったレイさんはクロシュちゃんの優しさにふれたことで良い感じに向かえば良いけど、ヤンデレ化フラグも立っててどうなるか
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/26(日) 22:23:59.85 ID:Xgm7C3VY0

暗黒行商少女はもうしばらくついてくるのか
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/27(月) 01:28:51.84 ID:KuOHXPqmo
おつー
僧侶ちゃんからポンの気配を感じる
クロシュちゃんに救われ……いや陥落した者が増えた
フメイちゃん、ぼっーとしてるといろいろ危なくなるかもよ…w
435 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/01(土) 16:31:54.17 ID:88AMQHKo0
クロシュ氏は不殺主義というわけではありませんが、無益な殺生は好まないようです。無益でない殺生であれば特に忌避することはないかと思われます(ごはんにするために殺すなど)

セインくんはとても強いですが、今のところは彼と正面から戦って勝つ必要はないので大丈夫です。しかし目的が競合しているのも事実なので、対処の方法は考えた方が良いかもしれません
実際クロシュ好感度だけでなく、意外な粘り強さを見せて勝利をもぎとったイリス氏にも興味が湧いているかもしれません

レイさんはクロシュちゃんのことが気になっているようです。しかし彼女を取り巻く環境は依然として良いとは言えず、陸地で待っているのはつらく苦しい逃亡生活。クロシュちゃんの慈悲が彼女の人生にどう影響していくのか、それはまだわかりません

暗黒行商少女は財産のほとんどを海の藻屑にしてしまったため、しばらくはトコナツ火山島から自力で出ていくこともできないかと思われます。彼女の処遇をどうするかはクロシュ一行の決定にかかっています

僧侶氏は感情が豊かですが、あれでも一応幹部です
クロシュ氏を好きになる人は少なくありませんが、クロシュ氏自身はぼんやりあかちゃんスライムなので、誰かとの関係性が急速に進展する可能性は低いです
でもフメイちゃんも、たまには今回のセインくんのように道連れになってクロシュちゃんと一緒に過ごした方が良いかもしれません
436 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/01(土) 16:32:23.37 ID:88AMQHKo0
―夕方
 トコナツビーチ

 ザァーン ザザァーン…

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」


エバンス「さて……ひとまず今夜の寝床を確保しないとな。ローガンの旦那は来たことあるんだろ? 何か良いとこないか?」

ローガン「いや。当時は仕事で来たゆえ、一般の旅人が泊まる場所についてはわからぬ」

ミスティ「……? ローガンさんって何の仕事をしていたの……?」

ローガン「……大した仕事ではない。とにかく今は宿を探そう」

 *

―海沿い

 古めかしい看板『この先、トコナツシーサイドホテル』

イリス「わっ! トコナツシーサイドホテル!?」

エバンス「シーサイドホテルか。洒落てるな」

妖精「あんまり高くないと良いけど……今は早く今日の宿を確保したいしなあ」

ミスティ「もし凄く高かったら、今夜だけ泊まって明日もっと安いところを探しましょう」

暗黒行商少女「なんだったら私が値引き交渉してあげても良いけど?」

妖精「え、詐欺はちょっと……」

暗黒行商少女「値引き交渉は詐欺じゃないわよ!」

 *

 スタスタ…

ミスティ「……おかしいわね。それらしい建物が見当たらないわ……」

イリス「廃業しちゃったとか……?」

ローガン「先ほどの看板は、古くはあれど管理は行き届いていたように見えたが……」


クロシュ「……!」ピコン

妖精「ん? どうしたのクロシュ」

クロシュ「あれ……」

 茅葺建築の家屋「」
 古めかしい看板『トコナツシーサイドホテル』

イリス「えっ……あ、あの三角形の、全面茅葺きっぽいおうちが、まさか……」

ミスティ「トコナツ……シーサイドホテル……!!?」

 *
437 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/01(土) 16:33:33.41 ID:88AMQHKo0
―トコナツシーサイドホテル 玄関

若女将「わあ、7名様ですか!? えっと、お部屋は……」

妖精「私は見ての通り小さいし、こいつは荷物扱いだから5人分でいいよ」

若女将「え、えっ……!? に、にもつ……?」

暗黒行商少女「誰が荷物よ誰が!! アンタの方がよっぽど詐欺ろうとしてんじゃない!」

ミスティ「妖精……節約は大事だけれど、ケチすぎるのはみっともないわ……」

妖精「冗談だよ……。でも詐欺師の分まで払うのはお人好しが過ぎるってもんだよ。助けてやるのは良いとしても、これ以上面倒みてやる義理はないでしょ」

イリス「それはまあ、確かに……」

暗黒行商少女「ちゃ、ちゃんと返すから! 今は手持ちがないけれど、すぐに稼いで諸々の借りは全部返すから……!」

エバンス「でも詐欺師だしなあ。今は命の危険もねえし……」

ローガン「本当に返すつもりだとしても、詐欺で稼いだ汚い金だろう? そんなものは受け取れんぞ」

暗黒行商少女「う、うぎぎ……!」


若女将「なんだか複雑な事情がおありになるんですねえ」

クロシュ「うん……」


↓1〜3多数決 クロシュはどうする?
1.宿代を出してあげる
2.叩き出す
3.自由安価
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/01(土) 16:34:57.49 ID:DzCA8am8O
1
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/01(土) 16:39:28.05 ID:p0es07QzO
3 出してあげるけど、ちゃんと真っ当に働いて返す旨の誓約書書いてもらおう
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/01(土) 16:41:59.76 ID:8AfQ0WFko
1
441 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/01(土) 18:09:24.90 ID:88AMQHKo0
クロシュ「えと……。わたしの……お小遣いから……出しても、いい……?」

暗黒行商少女「!!!」パァァァ

妖精「クロシュ、こいつ詐欺師だよ? クロシュのお小遣いを盗んでいなくなっちゃうかも」

暗黒行商少女「失礼ね! 恩人相手にそんなことしないわよ!」

ミスティ「口先だけならなんとでも言えるわね……」

イリス「私も半分出すよ。流石に、ここまで来て外に叩き出すのもちょっと寝覚めが悪いしね……」

暗黒行商少女「アンタまで……!!」パァァァ

エバンス「クロシュちゃんとイリスちゃんの優しさは尊いもんだと思うが……」


若女将「あの〜。それでしたら、私の方で誓約書などをご用意いたしましょうか?」

ローガン「ぬ? いや、しかし無関係の方にそんなことをしてもらうわけには……」

若女将「うふふ、でもしっかり誓約していただければお客様が増えるわけですから」

妖精「ほんわかしてるように見えてやり手だなあ」

若女将「恐縮です〜」

 *

 誓約書『暗黒行商少女のサイン』ポン

暗黒行商少女「これでいい?」

若女将「はい〜。真面目に働いてちゃんと返すんですよ?」

イリス「一件落着だね」

クロシュ「うん」

 ☆暗黒行商少女の誓約書を手に入れました

 *
442 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/01(土) 18:10:01.79 ID:88AMQHKo0
暗黒行商少女「……その、ありがとね。詐欺師なのに、信じてくれて」

クロシュ「うん……」

イリス「ちゃんと返してもらうからね! 騙したこと、まだ許したわけじゃないもん」

暗黒行商少女「わ、わかってるわよ……。でも私が言うのもなんだけど、お人好しも大概にしなさいよ。特にそこのスライム」

クロシュ「?」

暗黒行商少女「私だけでなく、あの指名手配の女の命まで助けようとしたでしょ。そんな調子で誰にでも救いの手を差し伸べたらいつか痛い目見るわよ。いえ、痛い目で済めば良いくらい」

クロシュ「……うん……」

妖精「本当に危ない時は私や他の奴が止めるから大丈夫。あのレイって子も根っからの悪党ってわけじゃなさそうだったしね」

暗黒行商少女「……まあ、それならいいけど」

イリス「ふふ、あなたも意外と優しいところがあるんだね?」

暗黒行商少女「フッ、意外は余計よ」ファサッ

クロシュ「……えと……ありがと……」

暗黒行商少女「……///」

 ◆
443 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/01(土) 18:11:52.12 ID:88AMQHKo0
―トコナツ火山島 滞在初日

 ◇クロシュ [あかちゃんスライム]
 武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:ゴスロリエプロン 飾:

 ◇妖精   [世話焼き妖精]
 武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のレオタード 飾:

 ◇イリス  [星の魔法使い]
 武:精霊樹の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:魔術師のローブ  飾:

 ◇ミスティ [氷の魔法使い]
 武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のローブ   飾:

 ◇ローガン [鋼の戦士]
 武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:鋼の回転ノコギリ 防:革の鎧      飾:

 ◇エバンス [地の傭兵]
 武:鉄の剣      盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:革の鎧      飾:

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*3
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置
・属性大全
・大きな巻き貝
・大きな軽石
・闇の欠片
・暗黒行商少女の契約書

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・魔法の練習[1/3]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
・星属性の練習[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
□トコナツ火山島
沿岸部:シーサイドホテル、トコナツビーチ、海の家、海市、港、灯台、他
市街地:武具屋、雑貨屋、お土産屋、宝石屋、食材屋、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
山間部:旧トコナツ村、果樹園、神殿、温泉、溶岩川、溶岩沼、トコナツ火山
444 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/01(土) 18:12:38.43 ID:88AMQHKo0
―夜
 トコナツシーサイドホテル 客室

 ハンモック「」ユラユラ

ミスティ「この編まれたロープ、何……?」

イリス「も、もしかして……ハンモックってやつ!?」キラキラ

妖精「うん。緑の国にもツタで作ったやつがあったりするんだけど、あなたたちが見る機会はなかったもんね」


スライムクロシュ「」ピョン

 ハンモック「」ズブズブ…

 ベシャッ

スライムクロシュ「」デロロ…


妖精「……スライムの姿で寝るには適さないかも」


トコナツ火山島滞在初日の夜です
↓1〜3 自由安価 何をする?(疲れているため、宿から遠くへは行けません)
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/01(土) 18:13:45.16 ID:YYCXzrm60
島のトップの人が来たのでご挨拶
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/01(土) 18:14:26.65 ID:jA2U9IsrO
みんなと食事する
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/01(土) 18:16:49.71 ID:SEsqsgiDO
市街地で情報収集とフメイとアリシラもここにきているかどうかも確認
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/01(土) 18:16:59.07 ID:DnPH2REDo
商人の身の上話聴取
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/01(土) 18:17:20.09 ID:9SD50Wkg0
星属性練習
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/01(土) 18:19:24.94 ID:SEsqsgiDO
市街地は遠い判定だったかな
ホテル周辺に変更で
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/01(土) 18:21:36.59 ID:SEsqsgiDO
ごめんなさい既に別の安価来てましたから、>>447が無理そうなら安価下で構いません
452 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/01(土) 20:30:02.18 ID:88AMQHKo0
今回は>>445>>446>>448にさせていただきます。疲れている場合は別の地区までは行けません

また、範囲や時間が限られている安価の事後修正はなるべくなしでお願いいたします。それを有りにしてしまうと、急いで投げたあとゆっくり修正する、みたいなこともできてしまうので……
453 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/01(土) 20:30:28.86 ID:88AMQHKo0
―トコナツ火山島 市街
 市長の家

 ガラッ

猫人の男「モーリィ、知らせが」

竜人の少女「……不法入国者の件か」

猫人の男「ああ。もう知っていたんだね」

竜人の少女「さあ。素性はとんと知らん。スライムが化けた大亀で海を渡って来た輩など初めてだからな」

猫人の男「……どうする? 今は民間の宿に泊まっているようだけれど」

竜人の少女「こんな状況でこの島に不法入国する輩だ。警戒した方が良いだろう。場合によっては速やかに始末すべき異分子かもしれん」

猫人の男「僕としてはなるべく穏やかにいきたいところだけれど……状況が状況だからね」

竜人の少女「そういうわけで私が直接出向こう」

猫人の男「……せっかく休んでいたところをすまないね」

竜人の少女「気にするな。元々出向くつもりだった」

猫人の男「なら僕も――」

竜人の少女「お前こそ休め。ここのところ火山の調査で働き詰めだろう」

猫人の男「それはモーリィもだろう」

竜人の少女「竜は強靭だからな。だが猫は一日中働けるようにはできていない」

猫人の男「……わかったよ。それじゃあくれぐれも気を付けて。大亀に化けるスライムなんて得体が知れない。君が遅れを取ることはないと思うけれど」

竜人の少女「承知している」バサッ

 ◆
454 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/01(土) 20:30:55.27 ID:88AMQHKo0
―夜
 トコナツシーサイドホテル 客室

 バサッ バサッ
 スタッ


イリス「……ん? 外で羽音のような――」

 扉「」ガラッ

竜人の少女「邪魔するぞ」スタスタ

スライムクロシュ「?」モニョ?

妖精「げっ」

竜人の少女「ん……?」


↓1コンマ
01-05 ??
06-35 怪しい奴らだな
36-65 復権派だと?
66-95 緑の国の太母……!?
96-00 ??
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/01(土) 20:32:47.66 ID:DzCA8am8O
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/01(土) 20:48:58.94 ID:DnPH2REDo
顔広いねぇ太母さま!
457 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/01(土) 21:33:24.44 ID:88AMQHKo0
竜人の少女「お前……建国妖精!? 緑の国の!」

妖精「……そういうあなたは、トコナツに住まう火竜の子。確か名前は――」

竜人の少女「――モーリィ・フースーヤだ。偉大なる火竜の血を受けた、ここトコナツ火山島の島長でもある。久しぶりだな」

妖精「そ、そうだね……」

イリス「し、知り合いなの? 妖精さん」

妖精「まあ、うん」

竜人の少女→モーリィ「まさか不法入国者がお前だったとはな……。なぜあのような不審な方法で入国した?」

妖精「むしろそんなに厳格な国じゃなかったでしょ、ここ。ウミガメだろうが海竜だろうが来る者拒まず去る者追わずのおおらかなとこだったはずだよ」

モーリィ「いつの話だそれは……。そんな杜撰な管理をしていてはあっという間に王国の食い物だろうが」

妖精「な、なるほど……」

モーリィ「まあ、不法入国の件は良い。何をしに来た?」

 *

妖精「――というわけで、世界樹の光を追ってるんだよ」

モーリィ「ほう……つまりここ最近の火山活動の異常は、お前たちフォレスティナ民の不手際によるものだったと……」

妖精「うっ……ま、まあそういうことでもあるかな……」

クロシュ「んゅ……」

イリス「ま、待ってください! 妖精さんたちはちゃんと守ろうとしたんです……!」

モーリィ「結果が全てだ。お前たちは果実を守れず、その結果この国は火山活動で大きな被害を受けている」

ミスティ「……仕方ないでしょう。勇者に近い実力を持った者たちに狙われたのよ。あれに対抗できる国なんて世界のどこにもないわ……」

モーリィ「それでも対抗しなければならないのが、世界樹を擁するフォレスティナの責務だったのではないか?」

暗黒行商少女「いきなり隕石が落ちてきたとしても、それは誰の責任でもないでしょ。自然災害だと思って諦めなさいよ」

モーリィ「なんだと……?」

妖精「あー悪かった悪かった! 私が悪かったから、私以外の子に敵意を向けるのはやめてよ!」

モーリィ「……敵意など向けてはいないし、お前一人が悪かったなどとも思っていない。世界樹の守護をフォレスティナ一国に押し付けていた我々の落ち度でもある」

妖精「そう言ってくれるとありがたい。でも、世界樹の恩恵を一番に受けていながら守り切れなかったのも事実だからさ。事態の収束のために、この国で活動することの許可をもらいたい」

モーリィ「こちらとしても望むところだ。我々だけの力では行き詰まっていた」

妖精「なら決まりだね。よろしく頼むよ、モーリィ」

 ☆トコナツ島の島長、モーリィの協力を得ました

 *
458 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/01(土) 21:35:10.55 ID:88AMQHKo0
―夜
 トコナツシーサイドホテル 庭

 溶岩釜「」グツグツ

エバンス「こ、これは……!?」

若女将「これは溶岩釜です。トコナツ火山の地熱を利用して設えた、年中無休で火を使えるとっても便利な釜なんですよ」

エバンス「溶岩の熱を……!? 是非これで作ったものを食べてみたいぞ……!」

若女将「はい〜。うちのホテルは食堂がありませんから、ご飯を食べるときはこのお庭で、このお釜で作ったものを食べるのが基本となりますよ〜」

ローガン「ほう……! 溶岩の熱でバーベキューが基本とは、粋な食生活だ……!」

若女将「うふふ、それじゃあ早速お夕飯の支度をしましょうか〜」



モーリィ「若女将、邪魔しているぞ」スタスタ

若女将「あれ、モーリィさん? いらしてたんですか?」

モーリィ「ああ、ついさっきな。私の分も頼む」

 溶岩釜「」グツグツ

クロシュ「あつい……」デロロ…

ミスティ「な、なにこれ!? 近づくだけで熱が凄いわ……!」

イリス「大地の鼓動を感じる……!」

妖精「とんでもない調理器具だよねこれ……」

暗黒行商少女「……流石に、地熱を利用した調理器具はここ以外じゃ売り物にならないわね」


ローガン「あの風格ある角と翼を持つ少女は?」

妖精「ここの島長のモーリィ。協力を取り付けたから、ひとまず一緒にごはん食べて親交を深めよう」



↓1〜2 食材を1〜2つ選択
肉類:トリ肉、ケモノ肉
野菜:食べられる野草、海藻類、マンドラ大根、ゴボウの根っこ、トコナツマメ
穀物:ヤマイモ、パラパラ米、甘もろこし、ナッツ
魚介:カニ、ウミザリガニ、フヨフヨクラゲ、ウミタニシ、ウマアジ、マグロ、溶岩魚
果実:トコナツバナナ、トコナツドリアン、トコナツココナッツ、ウォータースイカ、ファイアメロン
卵乳:トリの卵、ミルク、チーズ、バター
特殊:スライムゼラチン、きび砂糖、激辛香辛料
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/01(土) 21:37:30.74 ID:o6y9vm5f0
溶岩魚、パラパラ米
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/01(土) 21:37:58.92 ID:SEsqsgiDO
パラパラ米 溶岩魚
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/01(土) 21:39:29.93 ID:YYCXzrm60
溶岩魚 激辛香辛料
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/01(土) 21:50:28.37 ID:z/VrJfuoO
>>459>>460同じ食材を選択したけどこの場合どうなるのかな?
463 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/01(土) 22:15:26.94 ID:88AMQHKo0
食材2つがかぶってしまうのは流石に驚きなので、今回は一つ下にずらさせていただきたいと思います。
464 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/01(土) 22:16:59.13 ID:88AMQHKo0
 トントン グツグツ デロデロ―

 マグマフィッシュカレー「」ポン!

イリス「なあにこれ!? 初めて見る料理……!!」

若女将「これはカレーライスです〜。うふふ、この島の郷土料理の一つなんですよ」

モーリィ「やはり仕事終わりの夕食はカレーだな。刺激的なスパイスの香りが食欲をそそる」

ミスティ「な、なんだか香りだけで汗が出てくるわ……。これ、食べても大丈夫なの……?」

若女将「大丈夫ですよ〜。うふふ、お姉さんも食べたら病みつきになっちゃうかも……?」

エバンス「ウォーターポートにもカレー屋はあったが、本場で食うのは初めてだな……! この具材は……魚か?」

若女将「はい〜。これは溶岩魚と言って、溶岩の中に生息しているとっても熱いお魚さんです。アツアツのカレーにとってもよく合うんです」

妖精「よくもまああんな難儀な魚を捕まえて食べようなんて思うよねえ……。捕まえるのも一苦労だし、鱗をはぐのも一苦労じゃん……」

若女将「うふふ、美味しいんですもの」

ローガン「この細長く水気のない米は……パラパラ米か!」

若女将「そうです〜。大陸ではウルティ米が流行っているみたいですけれど、この島ではやっぱりこっちですね〜」

クロシュ「……」モジモジ

若女将「うふふ、元の姿で食べても大丈夫ですよ?」

クロシュ「!」

 デロデロ…

 *

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

ミスティ「か、からい……! からすぎるわ……!」ヒーヒー

イリス「の、喉が焼けちゃう……! でも美味しい……!!」モグモグ

エバンス「うおおおおお!! これが本場のカレー!!」バクバク

ローガン「う、うまいが……汗が止まらん……」ダラダラ

妖精「は、はひぃ……もうむり……しんじゃう……」ヒーヒー

暗黒行商少女「か、から……!! でもこれを大陸で売り出せば……」ダラダラ

モーリィ「美味いだろう! しっかり食って体力と熱耐性を付けていけよ、小童ども!」バクバク

スライムクロシュ「〜〜♪♪」モニョモニョ モグモグ

 ☆マグマフィッシュカレーを食べました
 ☆一定期間、パーティ全員の熱耐性が上昇します

 ◆
465 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/01(土) 23:58:13.79 ID:88AMQHKo0
―夜
 トコナツシーサイドホテル 客室

 ハンモック「」ユラユラ

スライムクロシュ「……」zzz


ミスティ「はあ……辛すぎて死ぬかと思ったわ……」

妖精「ほんとだよ、全く……。あんなものを日常的に食べてるなんて、トコナツ人は味覚が狂ってるんじゃないの」

イリス「でも辛さの中に旨味がたっぷり詰まってたよ……! 私も作ってみたいなあ、カレー……!」

妖精「ええ、勘弁してよぉ……」

暗黒行商少女「……あの辛さ、王国で売り出せばかなりの価値が生まれる可能性があるわ。くくく、これは凄いものを見つけてしまったかも……」

イリス「……詐欺はだめだよ?」

暗黒行商少女「し、しないってば。でもあのカレーなら、汚い真似をしなくてもちゃんと利益を出せるくらい売れる可能性があるってことよ」

ミスティ「……詐欺師ではあるけれど、ちゃんと商人でもあるのね」

暗黒行商少女「当たり前でしょ。私は元々商人よ。詐欺は後付けの技術」

イリス「……ねえ、あなたはどうして商人をやっているの? 年代的には私たちと同じくらいだけど……」

暗黒行商少女「生きる為に必要だからやってるだけよ。アンタたちが冒険者やってるのと同じ。私は冒険者ギルドの仕事をこなすより、モノを仕入れたり売ったりする方が得意だったってだけじゃない?」

イリス「そう、なんだ……」

暗黒行商少女「……あ! どうせなら病気の妹がいるみたいな設定にしとけば良かったわ……! これじゃ自分が生きるためだけに悪事を働く小悪党みたいじゃない……!」

妖精「いや小悪党そのものでしょ……」

ミスティ「生きる糧を得るためだけなら詐欺までする必要はないんじゃないかしら……」

暗黒行商少女「甘いわね。このご時世いつ何があるかわかんないじゃない。大災害に襲われても戦火に見舞われても万全に生き続けるには、蓄えがいくらあっても足りないわ」

妖精「でも過剰な蓄えも阿漕な商売も余計な敵を増やすよ。その結果、さんざん私たちに疑われて助けるのを渋られたでしょ?」

暗黒行商少女「うっ、それはたまたまアンタたちが私の正体を知っていたからでェ……」

妖精「あんまり恨みを買うようなやり方はやめときなよ。裏社会で下手を打てば死ぬよりも悲惨な目に遭うよ?」

暗黒行商少女「ふん、真面目に生きてたって遭う時は遭うわ。死ぬより悲惨な目に」

妖精「……それはまあ、そうだね……」

暗黒行商少女「……あれ? 意外とすんなり聞いてくれるじゃん」

ミスティ「……私たちは知っているのよ。何の罪もないのに、死ぬより悲惨な目に遭う事例を……」

暗黒行商少女「……そう。ならわかるでしょ。私みたいなガキが生き続けるには、他人を食い物にしてでも、金っていう力を求め続けなきゃなんないのよ。弱みを見せたら最後、今度は私が食い物にされるんだから」

イリス「……でも……食い物にされた人たちだって、痛みや苦しみを感じる生きた人なんだよ。もしかしたら、あなたに騙されたせいで立ち行かなくなって、死んじゃう人だっているかもしれない……」

暗黒行商少女「それはまあ……そうかもしれないけど……。そんなこといちいち気にする余裕なんてないし……」

ミスティ「……簡単な話ではないわよね。実際かなりの余裕がなきゃ、他人に気を回す余裕なんてないわ」

イリス「むむむ……。私……やっぱり、恵まれてるのかも……」

暗黒行商少女「ほら、そこの黒いスライムの……クロシュだって言ってたでしょ。生きるために殺すのは仕方ないって」

スライムクロシュ「?」モニョ?

イリス「あ、クロシュちゃんを出すのはずるいよ!」

暗黒行商少女「ずるでもなんでもないわ! この子は一番幼いけど、一番本質ってやつがわかってんのよ! ね、クロシュ!」

スライムクロシュ「??」モニョニョ??

妖精「クロシュは長旅で疲れてるんだから寝かせといてあげてよ〜」

 ◆
466 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/02(日) 00:02:49.74 ID:b/3OqX820
というわけで本日はここまでとなります。次回はトコナツ火山島滞在二日目からとなります

初日の夜ですが、島長(しまおさ)のモーリィさんの協力を早速取り付けたり、マグマフィッシュカレーという郷土料理を食べて交流したり熱耐性を付けたり、暗黒行商少女の身の上話を聞いてあげたりなど、実りある初日となったように思えます。この調子で世界樹の光を追っていきましょう

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 00:34:01.26 ID:Bbt80XCuo
乙乙
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 06:34:08.66 ID:BB9xOURUO

妖精さんやはり影の大物かも
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 11:40:09.52 ID:OxU6SrN4o
おつです
クロシュちゃん味の好き嫌いなさそう
470 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/02(日) 15:49:35.56 ID:b/3OqX820
妖精は緑の国を興して1000年くらいの間統治していたので、知っている人は知っているようです。ただ、妖精自身には大した力もカリスマもないため、見た感じは全く大物っぽくありません

クロシュ氏は大体なんでも美味しく食べてしまうため、少なくとも嫌いなものはあまりないようです。ただ、これはスライム類全般の特徴とも言えます。スライム類は食物の消化吸収処理能力に優れており、普通の生き物は食べられない毒物なども問題なく食べられたりするようです
471 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/02(日) 15:50:03.61 ID:b/3OqX820
―トコナツ火山島 滞在2日目

 ◇クロシュ [あかちゃんスライム]
 武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:ゴスロリエプロン 飾:

 ◇妖精   [世話焼き妖精]
 武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のレオタード 飾:

 ◇イリス  [星の魔法使い]
 武:精霊樹の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:魔術師のローブ  飾:

 ◇ミスティ [氷の魔法使い]
 武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のローブ   飾:

 ◇ローガン [鋼の戦士]
 武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:鋼の回転ノコギリ 防:革の鎧      飾:

 ◇エバンス [地の傭兵]
 武:鉄の剣      盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:革の鎧      飾:

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*3
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置
・属性大全
・大きな巻き貝
・大きな軽石
・闇の欠片
・暗黒行商少女の契約書

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・魔法の練習[1/3]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
・星属性の練習[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
□トコナツ火山島
沿岸部:シーサイドホテル、トコナツビーチ、海の家、海市、港、灯台、他
市街地:武具屋、雑貨屋、お土産屋、服飾屋、宝石屋、食材屋、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
山間部:旧トコナツ村、果樹園、神殿、温泉、溶岩川、溶岩沼、トコナツ火山
472 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/02(日) 15:50:40.38 ID:b/3OqX820
―早朝
 トコナツシーサイドホテル 庭

 チュンチュン

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」



妖精「気持ちの良い朝だねえ。ここからは朝焼けの海も一望できるし……」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「うん、フメイとアリシラの行方も探そう。セインが来てるなら、多分あいつらも来てるだろうし」

スライムクロシュ「〜」モニョ

妖精「とにもかくにもいろいろ調べなきゃね。がんばろ、クロシュ」

スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ


トコナツ火山島滞在2日めです
↓1〜3 自由安価 何をする?
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 15:51:37.10 ID:LgA6WZW50
エバンス、モーリィと手合わせをする
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 15:54:53.19 ID:1qVNq6EDO
港周辺で世界樹の光の行方&フメイとアリシアが来ているかどうか聞き込み
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 15:55:22.20 ID:BPE69fnOO
クロシュ
マグマ耐性を得る
476 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/02(日) 16:43:27.25 ID:b/3OqX820
―島長の家

モーリィ「よくぞ参った。では早速今後の――」

エバンス「……」

ローガン「……」

イリス「……」

ミスティ「……」

猫人の男「……?」

モーリィ「……妖精は? スライムの姿も見えないが」

イリス「えっと、朝早くに二人で聞き込みに行ったみたいで……」

モーリィ「……我々の今までの調査結果も聞かずにか?」

ローガン「すまぬ、光の調査だけでなく人捜しもしているのだ。許していただきたい」

モーリィ「はあ……まあいい。そそっかしい妖精よりもお前たちの方が信頼できるだろう」

ミスティ「そ、それはどうなのかしら……」

 *

モーリィ「――というわけで、今トコナツ火山は非常に危険な状態だ。火山活動が活発になっただけでなく、火属性に由来する魔物の大量発生も確認されている」

イリス「火属性の魔物……!?」

モーリィ「ああ。お前たちは慣れていないだろうから、多少訓練していく必要があるかもしれんな」

エバンス「訓練か……望むところだぜ!」

モーリィ「ほう、血の気の多い奴がいるな。ではまずはお前から見てやろう。外へ出よ」

エバンス「おう!」


 ――模擬戦闘開始――


↓1
01-05 だめだめ
06-65 敗北
66-95 善戦
96-00 勝利
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 16:48:47.71 ID:BB9xOURUO
478 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/02(日) 17:33:50.71 ID:b/3OqX820
―島長の家 庭

 ゴオオッ ヒュンッ シュビッ ガガガガッ

モーリィ「」シャッ

エバンス「うおっ!」ガギンッ

モーリィ「どうした、防戦一方だぞ」シュビビッ ブンッ

エバンス「くっ……ならこれはどうだ!」グオオッ

 突然の隆起「」ドンッ!

モーリィ「見え見えだ」サッ

エバンス「本命はこっちだ!」ブンッ

 投擲された鉄の剣「」ビュンッ

モーリィ「!? チッ……!」

 バシッ

 白刃取りされた鉄の剣「」ビタッ…

エバンス「なん、だと……」

モーリィ「今のは悪くなかったぞ。だが通じなければ武器を失う……リスクが大きすぎる戦技だな」

エバンス「……俺の負けだ」


イリス「え、エバンスさん! 模擬戦なのに本気で剣を投げるなんてやりすぎです!」

エバンス「え、いやまあ……この人なら大丈夫だと思ったんだよ。実際大丈夫だったろ」

モーリィ「ああ、気にするな。例え貫かれていたとしても、竜はこの程度では死なん」

ミスティ「そ、そういう問題なのかしら……」

 ☆モーリィとの模擬戦に善戦しました
 ☆モーリィからの評価が上がりました

 ◆
479 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/02(日) 17:34:27.13 ID:b/3OqX820
―トコナツ火山島 港

 ワイワイ ガヤガヤ

妖精「モーリィとの話はあの子たちに任せて、私たちは聞き込みをしよう」

クロシュ「ん」



海妖精の屋台「トコナツココナッツの殻だよ〜カチカチだよ〜」

サハギンの屋台「ウマアジの塩焼きだぜ!」

タコおじさんの屋台「タコが焼くタコ焼きはいらんかね〜?」



妖精「食べ物の屋台もけっこう出てるんだね。確か近くに市もあったし、商売が盛んなのかも」

クロシュ「……」

妖精「ある程度聞き込みしたらご飯食べよっか」

クロシュ「……! う、うん……」


↓1コンマ
01-60 光のこと
61-90 ↑+二人組のこと
91-00 うしろうしろ
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 17:36:31.49 ID:Bbt80XCuo
うしろ
481 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/02(日) 19:16:58.18 ID:b/3OqX820
黒っぽいスライム「」モニョモニョ


クロシュ「!」

妖精「あれは……ストーンスライムかな? 黒っぽい色のは珍しいけど」

クロシュ「聞き込み、してみる……!」

 *

スライムクロシュ「〜〜?」モニョモニョ

黒っぽいスライム「?」モニョ?

妖精「うん。何日か前の夜に向こうの方の空から光が飛んできたと思うんだけど、見なかった?」

黒っぽいスライム「わっ! 妖精さん、ボクたちの言葉がわかるの?」

妖精「ちょっとだけね。自分では喋れないよ」

黒っぽいスライム「じゃあボクもこっちで話した方がいいかな?」

 デロデロ…ポン!

クロシュ「うん……じゃあこっちで、話そ……?」

黒っぽいスライム「わあ。クロシュちゃん、その姿もかわいいね」

クロシュ「えへへ……これ、フメイちゃん……わたしの、友達……」

黒っぽいスライム「捜してる人だよね。ごめん、ボクは見てないや……」

妖精「そういえばあなたは? 見た感じはストーンスライムっぽいけれど」

黒っぽいスライム「ボクはレッド。バーニングスライムだよ」

妖精「えっバーニングスライム!? 全然燃えてないというか……そもそもバーニングスライムはずっと前に絶滅したはずじゃ――」

黒っぽいスライム→レッド「うん……。たぶん、ボクが最期の生き残り……」

クロシュ「……」

妖精「そんな……」

レッド「でも寂しくないよ。こうやって体を冷ましてれば、異種族のみんなとも普通に触れ合えるもの」

妖精「そ、そういうことだったの……。でもバーニングスライムが体を冷やすなんて自殺行為なんじゃないの……?」

レッド「大丈夫。冷やしてるのは表面だけだから、ちょっと冷たいけど全然平気だよ」

妖精「そ、そう……。あなたが良いなら、それで良いけれど……」


レッド「えっとそれで、何日か前に夜空を飛んだ光のことだったよね。それなら……たぶん、見たと思う」

妖精「えっ!? それじゃあ、それがどこに飛んでいったかわかる!?」

レッド「うん。あの光、火山の方に飛んでいったよ。火山活動が活発になったのもあれからだから、みんなはあれが火神の逆鱗に触れたんじゃないかって怖がってる……」

妖精「火山か……なるほどね、ありがとう」

レッド「うん。妖精さんとクロシュちゃんは、あの光を追っているの?」

クロシュ「うん……」

妖精「うん。まあいろいろあって」

レッド「えっ、じゃあこれから火山に行くの? 危ないよ、今の火山は……」

妖精「大丈夫大丈夫。例えどれほど荒れ狂っていようと、自然の力は私の味方だもの」

レッド「でも、クロシュちゃんは……」

クロシュ「……」

妖精「ま、まあ……私が一緒に付いていれば大丈夫でしょ」

レッド「万が一ってこともあるし……。もしクロシュちゃんに氷魔法の適性があるなら、ボクが教えてあげられるよ」

クロシュ「……えと……わたし、反映魔法の適性しか……ない……」

レッド「反映魔法……?」

 *
482 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/02(日) 19:17:57.72 ID:b/3OqX820
レッド「へえ、凄い魔法だね! その力なら、氷魔法を覚えなくてもマグマへの耐性を付けられるかも……!」

妖精「そ、そうなの?」

レッド「うん! その反映魔法を使えば普通のスライムよりも高度な同化ができるみたいだから、ボクの……バーニングスライムの欠片を同化素材にすれば、マグマも平気になるはずだよ。あ、その……もちろん、クロシュちゃんが嫌じゃなければ……だけど……」

クロシュ「いいの……?」

レッド「うん。ちょっとくらい全然いいよ」

クロシュ「わあ……」

レッド「ここじゃちょっと危ないから、海の方で練習しようよ」

クロシュ「うん」

 *

―トコナツビーチ

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」


レッド「ここなら多分大丈夫かな。それじゃあ――」

 ゴウッ

レッド「」メラメラ

妖精「うう、熱い……! これは、確かに……異種族には厳しい熱だ……!」

クロシュ「……」

レッド「えへへ、けっこうすごいでしょ? いつもこれだけの熱を冷ましてるんだよ」

妖精「な、難儀なもんだねえ……。クロシュ、平気……?」

クロシュ「うん。大丈夫……」

レッド「良かった。それじゃあ今のボクの体を、少し分けるから……火傷しないように、ゆっくり同化してみて」メラメラ

クロシュ「うん……」

レッド「でも熱かったらすぐにやめるんだよ。下手したら大火傷だからね」

クロシュ「う、うん……」


↓1コンマ
01-60 あちち!(経験1/3)
61-90 むむむ…(経験2/3)
91-00 心頭滅却(経験☆)
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 19:19:57.58 ID:LgA6WZW50
484 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/02(日) 20:13:34.16 ID:b/3OqX820
 バーニングスライムの欠片「」メラメラ

スライムクロシュ「……」モニョニョ…


 デロデロ…モニョモニョ…


スライムクロシュ「〜〜!!」モニャニャッ!


レッド「わわ、ご、ごめん! やっぱり熱かったよね……ごめんね……」シュン

スライムクロシュ「」デロデロ…

妖精「なかなか簡単にはいかなそうだね……」


 ☆クロシュの炎熱経験が[1/3]になりました

 ◆
485 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/02(日) 20:38:26.16 ID:b/3OqX820
―夜
 トコナツシーサイドホテル

妖精「へー、あのモーリィ相手に善戦したんだ! すごいじゃんエバンス!」

エバンス「や、でも実力差は歴然だ。模擬戦だから良いが、実践だったら手も足も出なかったと思うぜ……」

ローガン「我々人間とは生物としての強さが根底から違うのだ。あまり気負いすぎるな」

エバンス「いやまあ、それはわかってるが……。しかし、人間にも強い奴はいるだろ? 例えばウチの傭兵団の団長なら、勝てるかどうかは別として、モーリィ相手でもかなり戦えるはずだ。それに、セインの奴なら――」

妖精「……人間って基本的には他の種族よりも弱いけど、時々すんごい規格外が出てくるんだよね。それが人間の強さというか、怖さというか……」

暗黒行商少女「アンタたちも人間の中じゃ上澄みの部類よ? 上には上がいるってだけでしょ」

妖精「あなたいたの……。昼間は見かけなかったけど何してたの?」

暗黒行商少女「それは……」

↓1
01-10 詐欺紛いだけど適法な商売
11-30 売春スレスレの危険な商売
31-00 シーサイドホテルで雑用係
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 20:42:10.43 ID:1qVNq6EDO
はい
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 20:42:11.86 ID:SzCwi4S5o
!
488 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/02(日) 20:59:03.13 ID:b/3OqX820
暗黒行商少女「このホテルで雑用係として真面目に働いていたわ……」

妖精「えっ! ほ、本当に真面目に働いてたんだ……」

暗黒行商少女「真面目に働けって言ったのはアンタたちでしょうが! はあ……あんなチマチマした作業は性に合わないわ……」ゲッソリ

ローガン「フッ……だがある意味では個人事業主よりも気楽だろう? 被雇用者の立場で働くというのも」

暗黒行商少女「まあ、いろいろ考える必要がないのは確かに気楽ね。稼ぎは少ないけれど……」

エバンス「おっ、それならウチの傭兵団の備品管理とか会計事務でもやるか? 商人経験有りなら歓迎されると思うぜ」

暗黒行商少女「横領してもいいならね」

 ☆暗黒行商少女が真面目に働き始めました

 ◆
489 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/02(日) 21:13:13.66 ID:b/3OqX820
―トコナツ火山島 滞在3日目

 ◇クロシュ [あかちゃんスライム]
 武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:ゴスロリエプロン 飾:

 ◇妖精   [世話焼き妖精]
 武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のレオタード 飾:

 ◇イリス  [星の魔法使い]
 武:精霊樹の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:魔術師のローブ  飾:

 ◇ミスティ [氷の魔法使い]
 武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のローブ   飾:

 ◇ローガン [鋼の戦士]
 武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:鋼の回転ノコギリ 防:革の鎧      飾:

 ◇エバンス [地の傭兵]
 武:鉄の剣      盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:革の鎧      飾:

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*3
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置
・属性大全
・大きな巻き貝
・大きな軽石
・闇の欠片
・暗黒行商少女の契約書

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・魔法の練習[1/3]
・熱耐性を身に付ける[1/3]
・溶岩対策を探す

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
・星属性の練習[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
□トコナツ火山島
沿岸部:シーサイドホテル、トコナツビーチ、海の家、海市、港、灯台、他
市街地:武具屋、雑貨屋、お土産屋、服飾屋、宝石屋、食材屋、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
山間部:旧トコナツ村、果樹園、神殿、温泉、溶岩川、溶岩沼、トコナツ火山
490 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/02(日) 21:14:26.80 ID:b/3OqX820
―朝
 シーサイドホテル 庭

 チュンチュン

ローガン「というわけで、光を探しに行くとしても、我々はまず熱への耐性を付けなければならん」

エバンス「この前食った溶岩魚のカレーで熱耐性が付いたんじゃなかったのか?」

若女将「溶岩魚を食べて付く熱耐性は、気休め程度の僅かなものなんです。溶岩地帯に向かうなら、本格的な準備が必要になりますよ〜」

妖精「私の自然魔法が届く範囲なら守ってあげられるけど、万が一私がヘマをしてみんな焼け死ぬなんて事態は避けたいからね」

ミスティ「私の氷魔法でもある程度は熱に対抗できると思うけれど……常に全力で冷やし続けるのは魔力量的に無理があるわ……」

イリス「むむ……水魔法も多少の気休めくらいにはなるかな……? でもミスティと同じく魔力量に限界があるからなあ……」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「ひとまず目先の目標は定まったね」


 ☆目標:熱耐性を身に付ける(クロシュ)[1/3]
 ☆目標:溶岩対策を探す


トコナツ火山島滞在3日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 21:15:35.88 ID:BB9xOURUO
武具屋で耐熱装備を探す
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 21:15:36.80 ID:OxU6SrN4o
防具店で溶岩対策装備探し
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 21:16:11.27 ID:n4/CM6PPO
ミスティ 猫人と模擬戦をする
494 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/02(日) 21:18:53.88 ID:b/3OqX820
皆さんありがとうございます
>>491さんと>>492さんがほとんど同じ内容のため、↓1に追加で募集します
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 21:25:33.75 ID:Bbt80XCuo
今日も熱耐性を得る
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 21:31:37.27 ID:OxU6SrN4o
すまんありがとう
497 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/02(日) 22:01:08.92 ID:b/3OqX820
―トコナツ火山島 武具店

 ガララッ

イリス「こんにちは〜」スタスタ

エバンス「邪魔するぜ」スタスタ

スキュラの店員「あらぁ、いらっしゃぁい……何をお探しかしらぁ……?」

イリス「え、ええとですね……」

スキュラの店員「ウフフ……アナタのようなかわいい女の子にピッタリの水着があるんだけれど、試着していかない……?」ニコニコ

イリス「み、水着……!?」

エバンス「見たいか見たくないかで言えば、見たいと言わざるを得ない」

スキュラの店員「オスはすっ込んでなさい……」

エバンス「お、おう……すまん」

イリス「……き、興味はありますけど、今日は水着を探しに来たんじゃないんです!」

スキュラの店員「あら、残念……。それじゃあ何をお探しかしらぁ……?」

イリス「えっと、炎や熱……溶岩地帯を探索するのに必要な装備ってありますか?」

スキュラの店員「なるほどねぇ……」


↓1コンマ
01-70 ゴテゴテ耐熱鎧
71-90 サラマンダーの革衣
91-00 マジカルハイレグ水着
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 22:02:14.61 ID:1qVNq6EDO
はい
499 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/02(日) 22:22:11.61 ID:b/3OqX820
 ゴテゴテ耐熱鎧「」

イリス「わあ、すっごい無骨……!」

スキュラの店員「う〜ん……やっぱりダサくて格好悪いわよねぇ……」

エバンス「そうか? これはこれで格好良いだろ」

スキュラの店員「アナタのようなむさ苦しいオスが着るならピッタリだわぁ……。でもカワイイ女の子にはちっとも似合わないでしょぅ……」

エバンス「でも、こういったゴテゴテの全身鎧を脱いだら中身は可憐な美少女だった……ってのも良くねーか?」

スキュラの店員「……一理あるわねぇ……。でも、オスのアナタがそれを言うのはやっぱりキモいわぁ……」

エバンス「そ、それは差別だろ!」

イリス「あ、あはは……。とりあえず、これがあれば溶岩も平気ってことですか?」

スキュラの店員「足元程度の溶岩なら多少は大丈夫よぉ……。でも例えこれを身に着けても、深いところには絶対入っちゃダメ……。鎧の中で蒸し焼きになって死ぬわぁ……」

イリス「むむ、蒸し焼きっ……」

エバンス「うげげっ……」

スキュラの店員「基本的には、例えこれを着ても溶岩には入らないことよぉ……。もし入るとしても、絶対に足元以上は入らないこと……。わかったぁ……?」

イリス「わっ、わかりましたっ……!」

エバンス「蒸し焼きは勘弁だぜ……!」


スキュラの店員「ああ、それとぉ……多分、この島以外でこれを着る機会はないだろうからぁ……レンタルの方が良いと思うわぁ……」

エバンス「なるほどな。確かに、今回の滞在中しか使うことはないだろうし、レンタルで済ませられるならレンタルの方が良さそうだな」

イリス「出費もなるべく抑えたいですもんね」

スキュラの店員「ウフフ、それじゃあレンタルのお代だけれどぉ……」


 ☆ゴテゴテ耐熱鎧を人数分レンタルしました
 ☆溶岩地帯に進む際、自動で装備します

 ◆
500 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/02(日) 22:41:31.23 ID:b/3OqX820
―島長の家

ミスティ「……あら? モーリィさんは?」

猫人の男「モーリィは今日は商会の方に顔を出しているよ。彼女は島長だから、ずっと火山の調査にかかりきりというわけにもいかないんだ」

ローガン「そうか……。それならば仕方がないな」

猫人の男「一応火山の調査主任は僕ということになっているから、何かあれば僕が聞こう」

ミスティ「それじゃあ……私は氷魔法が使えるのだけれど、火山の魔物には通用するかしら……?」

猫人の男「氷魔法か。出力によっては焼け石に水ということになりかねないけれど、もし通じるのなら火山調査においては非常に頼もしい属性だ。早速見せてもらっても良いかな?」

ミスティ「ええ。昨日のように、模擬戦形式で良いのかしら……?」

猫人の男「そうだね。それじゃあ庭に出ようか」


 ――模擬戦闘開始――


↓1
01-05 だめだめ
06-35 敗北
36-65 善戦
66-00 勝利
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 22:41:53.46 ID:jhON/RkS0
502 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/02(日) 23:20:08.60 ID:b/3OqX820
―島長の家 庭

ミスティ「氷よッ!」コォォ―

 氷の刃「」ヒュンヒュン

猫人の男「」シャッ

 レイピア「」ビビビッ
 氷の刃「」パリンパリン

ミスティ「速いわね……なら全方位から!」ゴゴゴ

 猫人の男を取り囲む氷柱の群れ「」ゴゴゴゴ

猫人の男「! これほどに大量生成できるとは――!」

ミスティ「逃げ場はないわよ!」グッ

 猫人の男に殺到する氷柱の群れ「」ビュンビュンビュンッ

猫人の男「なら僕も使わせてもらおう、魔法を――」コォォ―

 猫人の男を中心に渦巻く砂嵐「」ザアアアア―
 砂嵐に突っ込んで砕ける氷柱「」パキンパキンッ…

ミスティ「す、砂嵐の魔法……!?」


ローガン「砂属性……! 地属性の亜種か……!」


猫人の男「さあ、今度はこちらの番だ。受けられるかい?」

 砂嵐から飛び出す砂の刃「」シャシャッ

ミスティ「くっ……!」サッサッ

猫人の男「避けるばかりではジリ貧だよ。どこかで反撃しないと」

ミスティ「う、うるさいわね……!」


ミスティ(とは言ってもジリ貧なのは確か……。どこかで反撃に転じなければ実際押し負けるわ……)

ミスティ(こういう時イリスなら多彩な手札で対応できるし、クロシュなら持ち前の打たれ強さと擬態や同化みたいな反則技で無理矢理突破できる……)

ミスティ(ローガンさんはああ見えて魔法の腕前もかなりのものだから、魔法で対応しつつ近接戦に持ち込める……。エバンスも魔法で身を守りつつ攻めていけるだけの身軽さがある……)

ミスティ(……くっ……やっぱり、私……このままじゃお荷物じゃない……!! このザマで、パーティを離れて一人で復讐に行くなんて本気で考えていたの!?)

ミスティ(くそっ……くそっ……!! こんなんじゃ、あのブラッドの奴どころか、あいつの分体一匹にすら敵わない……!!!)
503 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/02(日) 23:22:44.67 ID:b/3OqX820

猫人の男「ふむ……出力は悪くないけれど、戦闘経験が不足しているな。でもこれだけ戦えるなら、火山でも十分――」

ミスティ「くっ……うぁああああああ!!!」ダダッ

猫人の男「ええ!? 氷の障壁を纏って、突っ込んで――」

 砂の刃「」シャシャッ
 氷の障壁「」バギャギャッ
 ミスティの肌「」スパスパッ ブシュッ

ミスティ「そこ!!!!」ダンッ

 ミスティの掌「」コォォォ

猫人の男「くっ……ニャオオン!!!」

 猫の爪「」シャシャシャッ
 氷の障壁「」バギャッ…

ミスティ「はうっ……」

 ドサッ…


猫人の男「は、はあ、はあ……!」ダラダラ


ローガン「ミスティくん!」タタッ

猫人の男「あっ……す、すまない! 大丈夫だろうか!」


ミスティ「」


ローガン「……気を失っているだけのようだ」

猫人の男「と、とにかくすぐに手当しよう……すまない、やりすぎてしまった……!」

ローガン「フッ……むしろ貴殿に本気を出させたことこそが何よりの誉れだろう」

猫人の男「……き、聞かなかったことにしてくれるかい? さっきの声は……」

ローガン「う、うむ……。貴殿がそう望むのであれば……」


 ☆猫人の男との模擬戦に善戦しました
 ☆猫人の男からの評価が上がりました

 ◆
504 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/06/02(日) 23:32:51.89 ID:b/3OqX820
というわけで本日はここまでとなります。次回はクロシュちゃんの熱耐性特訓からとなります

ここまで書いてから気付いてしまったのですが、猫人のおじさんの備考欄に「どんな方でも敬語で話す」という一文があったのをすっかり見落としてしまっていました……。非常に申し訳ないのですが、今までに書かれたものは敬語で喋っているものとして脳内変換していただけると幸いでございます……

そして火山探索の準備が着々と進みつつあります。火山の内側でクロシュたちを待ち受けているものとはン何か。フメイちゃんとアリシラさんの行方も、暗躍するセインと原理派も、未だその尻尾を見せてはいません。クロシュちゃん、どうか慎重にお進みくださいませ――

それでは本日もありがとうございました。次回も土日となります、よろしくお願いいたします
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 23:58:39.94 ID:ypXXByxPO
乙です
猫人の男だけどてっきり本名(コルト・キャトル)を教えてくれると思ったけど名前を教えないから「猫人の男」しか表記されてない。どうすれば「猫人の男」から「コルト・キャトル」に変わるの?
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/03(月) 01:45:56.63 ID:4EPcwiFOo
おつです
2/3でヤバそうなことするコンマを切り抜けた暗黒行商ちゃんこのまま更生してくれー
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/03(月) 02:34:46.97 ID:DZF0MzFFo
乙乙
バーニングスライム絶滅種なんだな
自然に絶滅したのかそれとも
クロシュのシャドースライムもどうなのかな同種が出たりするかな
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/03(月) 06:20:04.93 ID:A00hMPmDO
乙です
セイン君の事があったから、フメイちゃんやアリシラさんにも会えるかなと思ったけど難しい
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