提督「臆病で愚図」

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343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/02/05(金) 22:19:12.46 ID:91aZfYaE0
・本日は ターンエンド

・前作……? そんなもの ウチにはないよ……_onz

・res ありがとうございます 返信をあまりできなくて 申し訳ありません

・この スレタイで 中身がわかったひとは いるかな?

・見直すと 書き直したいところが ちらほら orz

・えろシーンをもう少し……

・台詞と 地の文の 行間を 少し広くしました 読みやすくなったかな?

・感想 要望 改善等 あれば どうぞ
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/05(金) 23:39:21.09 ID:YF51HZTBo
>>342は本番よりえろいよ
すばらしい
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/06(土) 01:53:05.54 ID:hEW8GbS0o
乙。
ヤンデレ描写うまいっす。
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/06(土) 06:25:11.45 ID:BZO7j8yD0
今一番楽しみにしてる
頑張ってくれー!
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/14(日) 13:03:40.96 ID:14o8ftDh0

指から滴る血液が唾液へと変わるころなって、榛名も舐めるのを止め、繋がりを残すかのように糸を引きながら舌を離す。

息を荒げながら呆けた顔をし、次の私の言葉を期待の眼差しを向けながら待っている。


提督「よくできたな、榛名。とてもキレイになったぞ、ほら」

榛名「あ……あっ、あっあっあっあっ」


榛名は、私が声を掛けて手のひらを見せると、目を見開きながら口を震わた。

そして突如として両の手のひらを床につけ、額を擦りつけるように床に当てる。


榛名「ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます━━━━━」

提督「なに、気にすることはない。今日は少し残念なことがあったが、せっかくだ、今度一緒に新しいものを買いに行こうか」

榛名「一緒……?」


榛名の顔が上がる。そうであって欲しいという希望と聞き間違いではないかという疑惑、そんな感情が混じった表情と瞳が顔に宿る。


提督「そうだよ榛名。二人で一緒に選んで、二人で一緒に買って、同じものを二人で一緒につけよう」

榛名「榛名と提督が、一緒……ふたり……」

提督「ああ、そうだよ」


榛名は頬を、夢か現かを確かめるように、両手で覆う。


榛名「━━━━━へっ♪」


榛名の喉から声が漏れる。


榛名「へっ、へへっ、へへへっ♪ へへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへっ♪ へへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ♪♪♪♪♪」


端を吊り上げた唇から壊れた口琴のような音が鳴る。


提督「榛名、私は夕立と少し話があるから、外で待っていてくれるか?」

榛名「へっ、へへっ♪ はぁい♡ へへっ、へへへっ♪」


榛名はそのまま泥水のようにゆったりと更衣室から出て行った。
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/14(日) 13:04:11.79 ID:14o8ftDh0

榛名が出て行ったのを確認したのち、金剛に声をかける。


提督「金剛、夕立と話があるから、榛名と外で待っていてくれるか?」

金剛「Do you want me to take care of Yuudachi?」

提督「必要ない」


背を向けてタオルで水気を取りながら、金剛の提案を、どっちの意味で言ったのかわからないが、断る。


金剛「I’m understand. My L……テートク」

提督「ん?」


金剛の呼びかけで背後に振り向くと、光のない灰色の瞳が呑み込むようにこちらを覗きこんでいた。


金剛「榛名と何をしていたか、後で全て話して下サイネ?」

提督「……ああ」


底なし沼のような雰囲気を放ちながら、金剛は出て行った。

……さて、問題はここからだ。夕立を説得して榛名との溝を少しでも埋めなければ。

本当なら、当人同士が話し合うのが一番良い気がするが、この状態の夕立とあの状態の榛名を引き合わせても改善には至らないだろう。

個人的な意見としては、今回のことは夕立が全面的に悪い。約束事は破るし、娘を傷つけるし、罵詈雑言は吐くし。

いつもの夕立なら……

まて


提督(焦り、か?)


そうだ、なにか見落としていると思ったが、それだ。

足柄の時も、大鯨の時もそうだった。なぜそこまで他の娘を拒絶する? 引き離されることを嫌がったからか?

だとしたら、浴室に入る前、素直に言うことを聞いたのはなぜだ? いやしかし、結局直ぐに浴室に入ってきたしな。

私の勘違いか?

……考えても仕方ない。思考に時間を取られている暇はそれほどないのだ。


提督「夕立」


声を掛けた瞬間、夕立がびくりと身体を震わせた。

恐る恐る顔を上げ、声を掛けたのが私だとわかると、飛び付いて必死に抱き着いた。


夕立「やだ、やだやだやだ、捨てられるのはやだっ! あなたに捨てられたら、あたし、どうすればいいかわかんないっ!」


怯えた声をあげる夕立は、身体を擦りつけ、私の体を掻き毟り、鉤爪のように私を捕える。

その動きが一瞬止まる。

夕立の視線が、割れた瓶と散らばった布切れに集まる。


夕立「部屋、汚れてる……お掃除……お掃除しないと、綺麗にしないと……!」


突如として、なにかに突き動かされるように、自分が汚した場所を掃除しようとし始める。

349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/14(日) 13:04:48.68 ID:14o8ftDh0

私は夕立の腕を掴み、その行動を止める。


提督「夕立、待て」

夕立「あっ、ち、違う、違うんです! これは『あの時』にみたいに、あなたを追い出そうとしたわけじゃないんです!」


腕を掴んで動きを止めた瞬間、夕立が訴えるように叫んだ。


夕立「あの時だって、本当は、ただ……ただ怖かっただけなんです! また『あいつ』みたいな人間があたしたちを虐めに来たんだって! 本土の人間も、海軍も、もうあたしたちを助けてくれない! だから、自分たちを守るにはそうするしかなくて……」


声をあげ、息を荒げ、目を見開き、瞳孔を震わせ、懺悔するように過去を吐露していく。


夕立「だけどあなたは優しくて……ずっと、優しくて……とても、暖かい匂いのする人だって……」


私に手を掴まれたまま、項垂れ、か細い声で呟く。


夕立「あなたが、あいつに撃たれて……ベッドで目が覚めなくて……色んなことを謝らなきゃいけないのに……声なんて届かなくて。あなたの目が覚めた後、言おうと思っても、どう言えばいいかわからなくて」


床に膝を着き、顔を逸らし、髪で表情を隠し、もう片方の手は潰れるほど強く握られていて。


夕立「ずっとここにいて欲しいと思ったときには、もう、取り返しがつかないところにまで来てしまって……黒ずんでいくあなたから、もう、冷たい臭いしかしなくて」


涙声で震える唇の上から、透明な滴が流れていく。


夕立「ここに戻ってきてからも、あなたはずっと冷たい臭いをしてて、でも、すぐに明石さんたちが、あなたを直してくれて。暖かい匂いがして」


震える声から、優しい声音に変わる。

だがすぐに、それは嘆きを含んだ声音に取って替わる。


夕立「でも、今朝は感じられなかったの! あなたの暖かい匂いがっ! いつもだったら『ある』のにっ! どこにもないのっ! 冷たい臭いしかしないのっ! あたし、また、あの時みたいにあなたが黒ずんでいってしまうんじゃないかって!」


顔を上げて私を見上げる夕立。その瞳には涙が溢れている。


夕立「こわい……こわいよ……」


夕立は、再び私を抱きしめる。
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/14(日) 13:05:20.02 ID:14o8ftDh0

提督「……『冷たい臭い』?」

夕立「……海の底みたいな、怖くて寂しい臭いなの」

提督(海の底……)

夕立「間宮さんが『もし冷たい臭いを感じたら、抱きしめてあげなさない』って、そう言ってたの。『冷たい臭いは情動が関係するから』って、『傍にいて抱きしめてあげれば抑えられるから』って」


離さないように強く、抱きしめられる。


夕立「言うとおりにしたら、暖かいに匂いが戻ってきたの。あなたの匂いと暖かさが、日向ぼっこしてるみたいに、とても心地よくて」


夕立が埋まる胸元から、冷たい滴が流れていく。


夕立「だけど、霞を怒っているとき、愛宕さんとキスをしているとき、またあなたから冷たい臭いがしたの……あたしたちと一緒にいるのがいけないのかな、って思って。でも一人にしておけなくて」


掴んでいた夕立の腕を離し、抱きしめ返す。


夕立「二人きりになったら、いけないってわかっているのに我慢できなくなって……そしたら、榛名さんが入ってきて、あなたが榛名さんと一つになって」


冷えていく夕立の身体を、抱きしめて暖める。


夕立「また、あなたから冷たい臭いがしたの」


冷えていく身体が暖められない。


夕立「引き剥がさなきゃって思った。そうしないとまたあなたが黒ずんで汚れちゃうかもしれないから」

夕立「でも、あなたは、あたしを、こばむの」

夕立「失いたくないのに、傷ついて欲しくないのに、できることをできるかぎりやっても、なにも届かない」


届かないとわかっていても諦めずに、優しさを、弱々しく、喉元から撃ちだしていく。


夕立「もう、どうすればいいの……?」


それが、止んだ。


提督「……」


……そうだ、この娘はこういう娘だった。時雨のときもそうだったじゃないか。

戦いは勇猛果敢、仲間のことになると一直線、自分の身を顧みずに突き進む娘。

だけど、とても不器用な娘。
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/14(日) 13:06:13.84 ID:14o8ftDh0

提督「夕立、大丈夫だ」


夕立の頭を撫でる。

夕立が顔を上げる。


提督「お前の言う『冷たい臭い』は、決して悪いものではない」

夕立「でも……でも!」

提督「確かに、これは病気による臭いと同じだ。だが、明石たちから受けた改造はな、逆にその病気を利用して、傷ついた内蔵を補完しているんだ」


ゆっくりと、言い聞かせる。優しく。

夕立に感じていた怒りは、もう無くなってしまった。


提督「お前たちで喩えるなら『改修』が近いか? あれと同じように特殊な素材を使って身体を治療しているんだ。それを行った上で、ゆっくりと時間をかけて素材が私の身体を改造していくんだ。
お前たちと違って、私の改造はとても時間が掛かるから、今朝お前が感じた『冷たい臭い』はそれだけ治療が進んだということなんだよ。
だから、決して悪いことじゃないんだ」


思い出してみれば、妙高をベンチに叩き付けた時、頬が少し腫れていた。

人間の攻撃ではほとんど傷を付けられないはずの娘たちに、傷をつけた。

それはつまり


夕立「病気じゃないの……?」

提督「……ああ」

夕立「死んじゃったりしない?」

提督「ああ」

夕立「いなくならない?」

提督「ああ」

夕立「提督さん」

提督「なんだ、夕立」



























夕立「ここに、いてくれますか」

提督「ああ……もちろんだ」





情けないな、私は。
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/14(日) 13:18:43.26 ID:hB4+q48eo
おお、きてたのか
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/15(月) 01:09:18.42 ID:c4VnL1rl0
提督はゾンビですか?
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/15(月) 01:11:42.13 ID:a/XmMA94o
『あの時』が気になる
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/15(月) 03:40:35.97 ID:5GTr0e6to
ゾンビで房中術によるエロをしないと死んでしまう身体かな。

たぶん鎮守府が隔離されてるのもそのせいか?
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/26(金) 22:38:37.34 ID:E/1DD7ujO
おっもしれぇ
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/27(土) 23:55:13.09 ID:Bbs5cMEL0

夕立の白い肌を抱きしめて、夕立の綺麗な髪を撫で続ける。


提督(優しい、か)


娘たちはただ、今まで私以上に優しい人に出会ったことがなかった。

ただ、それだけ。

私が優しいわけじゃない。私より優しい人はいくらでもいる。

だから━━━━━


『━━━━━『次』は……?』


突如として甦る記憶、鮮明な映像。

映るのは、雲一つない蒼い空、濁りなき青い海、穏やかな波の音、埠頭、車椅子、包帯、点滴、黒ずんだ右手、指先には赤錆が噴いている。

目の前に居るのは、青い海によく似合う砂色髪の娘。

頭部両側を菊のような形に纏め、そこから時を刻む砂のように髪が垂れて、風で小さく棚引いた。

左手にあるものを穏やかに強く握りしめる。


『━━━━━『次』っていつよ?』

『━━━━━あんたの言う『次』の優しい人間っていつ来るのよ?』

『━━━━━じゃあ、もし、その『次』の提督が、あのゴミ屑よりも、私たちを捨てた連中よりも、ずっとずっと頭が良くて、残酷で、卑怯で、酷い奴だったらどうすればいいのよ!? また耐えろっていうの!?』

『━━━━━耐えて耐えて耐えて、その『次』の提督がいなくなって、でも、その『次の次』の提督がもっともっと恐ろしい奴だったら?』

『━━━━━その『次の次の次』も、さらに『次の次の次の次』の提督がさらにひどい奴だったら? 私たちを使い捨ての道具程度にしか見ないような奴だったら? 上の連中を騙し通せるような人脈も権力も知恵も力もあるような奴だったら?』

『━━━━━鎮守府以外に身寄りも生きる場所もない私たちは、どう生きろっていうの? 耐え続けろっていうの?』

『━━━━━五年、十年、二十年? もっとかしら?』

『━━━━━そうやって耐え続けて、今までのように誰も沈まない保証があるの? だれも壊れない保証があるの?』

『━━━━━それでも、あんたは、その『いつかくる優しい提督』のために、私たちに『待て』っていうの?』

『━━━━━私たちは、もう、一日だって耐えられないのに?』


不機嫌と強さに彩られていた表情が崩れる。

我慢していたものが溢れて、大粒の雨が頬から降ってくる。


『━━━━━たしかにあんたは、普通の人から見れば薄情で臆病で愚図なのかもしれない』

『━━━━━ただ私たちが、世間知らずの箱入り娘なのかもしれない』

『━━━━━ずっとずっとあんたに酷いことをしてきた私たちが、こんなことを言うのは我儘で狡くて卑怯なことだってわかってる』

『━━━━━あんたが、私たちを忌避する理由だって理解してる』

『━━━━━それでも、私たちにとって』

満潮『あんたは━━━━━』


こんな空っぽで、軽薄で、後も先もなにも考えていない、将来すら期待されない、こんな私を、なぜ。


夕立「提督さん」

358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/28(日) 03:15:31.74 ID:Z4oslFTs0
きたか…
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/28(日) 13:54:19.89 ID:L664tzL9o
続きが来た。
すこしづつ明かされる提督。
サイボーグかゾンビ かロボか悩ましいなあ。
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/29(月) 00:27:52.19 ID:q9HylSWF0

夕立の呼びかけに意識を戻され、視線を向ける。

膝立ちのまま抱き締め合い、胸板に頬ずりをしていた夕立は涙の跡を残しまま、私を見上げる。


提督「もう大丈夫か、夕立」

夕立「うん……それでね、その……」

提督「ん?」


口を一文字に結び、目を細め、少し俯いて不安そうな表情になる。


夕立「榛名さんに、謝らないといけないな、って思って……」

提督「……ああ」


そうだったな。

あの状態の榛名がどんな反応をするのかは未知数だが、夕立が歩み寄ろうとしている、というのは大きな一歩だ。


夕立「それでね、その……提督さんに……その……」

提督「わかった、手伝おう」


私の言葉で夕立は顔を上げ、拍子抜けしたような表情を向ける。


夕立「……いいの?」

提督「もちろんだ」

夕立「でも、夕立、提督さんに、酷いこと、いっぱいしちゃった、よ?」

提督「あれは、ただの不幸な勘違いだった、それだけだ。それに、反省しているんだろう?」

夕立「うん」

提督「人のモノ、もう勝手に壊したりしないな?」

夕立「うん」

提督「約束やみんなで決めた事も、破ったりしないな?」

夕立「うん」

提督「仲間を傷つけたりしないな?」

夕立「うん」

提督「……夕立の気持ちに気づかず、酷いことを言ってすまなかった。もう、気付かない、なんてことがないようにするからな」

夕立「……うん」

提督「夕立はいつも、皆のことを気遣ってくれるな。不器用なせいで誤解されることも多いかもしれないが、きっと皆もお前の気持ちに気づいてくれるはずだ」

夕立「う゛ん」

提督「怖いことや、不安なことがあったら、ちゃんと言うんだぞ」

夕立「う゛ん゛っ」

提督「……ありがとう、夕立。お前の気持ち、とても嬉しかったよ……」


夕立は私の胸元に顔を埋め、力強く抱き締める。

そして、静かに泣いた。

361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/29(月) 00:28:31.49 ID:q9HylSWF0

咽び泣く夕立を抱き締め、数分。

泣き止んだ夕立の涙を拭き取り、顔を洗わせる。

お互い裸のまま、着替えるのは後にして、更衣室を離れる。

榛名に会うため、夕立と共に居間へと向かおうとすると……


提督「ん?」


通り過ぎようとした寝室から音がする。もしかしてこちらにいるのだろうか。


夕立「提督さん?」

提督「こっちに居るかもな。ちょっと見てもいいか?」

夕立「うん」


夕立が同意したところで寝室の扉を開いた。

そこには、


榛名「あっ♥ 提督♥ 提督♥ こんなエッチな匂いを残しているなんて♥ こんなの、榛名、我慢できません♥ アッ♥ アンッ♥ 提督♥ 提督♥♥ 提督♥♥♥ おちんちん♥ 提督のおちんちん欲しいですぅ♥ あの太くてごつごつしたおちんちんで榛名のおまんこをミチミチ虐めて欲しいですぅ♥ あの長くてピンと張ったビンビンおちんちんで子宮の奥までズンズン突いて、赤ちゃんのお部屋にパパちんぽ紹介してくださいっ♥ それでそれであのカリ高エラ張りおちんちんで榛名の膣内をジュボジュボ掻き回して、おちんぽ快楽刻んで欲しいですぅ♥ それで最後にはザーメンミルクをビュービュー出してぇ♥ 榛名の奥に提督パパザーメンの匂いをこびり付けて榛名を孕ませてくださいぃぃぃっ♥」

金剛「んっ♡ あっ♡ テート、テートクゥ♡」


そこにはベッドでうつ伏せになり、シーツに顔を埋めながら腰を浮かしてオナニーをしている榛名と、ベッドに腰掛け、私のパンツを嗅ぎながらこっちも同様にオナニーをしている金剛が寝室にいた。

ひでえ光景だ。
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/29(月) 00:49:08.98 ID:gyBKO8Gs0
ほんとにひでぇな
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/29(月) 00:52:29.25 ID:/Ace5ERF0
唖然とする光景やろな
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/29(月) 12:20:56.96 ID:g+quEIR1o
うーん。
この鎮守府で提督の下着売り出したらどんぐらいになるんだろう?
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/29(月) 22:21:09.48 ID:4Qdf+9f1o
こんな場面に遭遇したらそっと扉閉めるほかない
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/01(火) 05:35:26.60 ID:JG3VH6x8o
いま気づいたけど、そういえば出撃ってこの鎮守府はしていたっけ?

外に目的がなければ提督の
寵愛以外しか目的がないから艦娘も病むだろう。
そもそもここは本当に鎮守府なのだろうか?どう賄っているか気になる。
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/04(金) 08:51:32.08 ID:dT/HKhJ0o
はよはよ
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/04(金) 23:27:09.19 ID:fuJB7yVIo
なにがどう転んでもアカン修羅場の連続から一転この金剛型姉妹である
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/05(土) 10:57:54.48 ID:JroVkxnH0

榛名と金剛は、寝室に入った私と夕立に気づかないまま、自分たちを慰み続ける。

こっちが腹をくくってこれから話をしようとしたところでこの状況である。ふざけてんのか。

こいつらのことは放って、夕立と散歩に行くべきだろうか。

そう思っていると、左手薬指を啄むように引っ張られる。


夕立「提督さん」


引っ張られた方向を見ると、淫行に耽る榛名と金剛を見ながら夕立が佇んでいた。


提督「すまない、夕立。榛名たちがこういう状況でな」

夕立「ああいうの、提督さん、嫌い?」


他の音が立ち止まるような静かな声音で、夕立が私に尋ねる。

薬指を掴む力が少しだけ強くなる。

無我夢中で秘所を掻き回す榛名と金剛の、私を呼ぶ声がさらに大きくなる。


夕立「夕立もね、寂しい時とかに提督さんのことを考えたりすると、ああいうことしちゃうの」


憐れんだ視線を榛名と金剛に向けながら、喉から錆を吐くような、自虐めいた言葉を綴る。

榛名は騎乗位で下から突き上げらたことでも思い出しているのか、うつ伏せのまま足を三角形に開き、三角形の頂点にある扁桃状に開いた秘部に人差し指、中指、薬指を重ねて挿入すると、桃尻を小刻みに上下に振り回す。桃尻が上下に動かされるたびに、桜色をした縦長の唇に指が根元まで呑み込まれていき、溢れた粘液で秘部周辺が卵黄を掻き混ぜて塗りたくったように電灯の光を反射する。

金剛は左手で顔を覆うように私の下着を押し当てると、それと同時に黒いスカートをめくり上がらせた右手で良く手入れをされた無地の三角州を荒らし、右手上腕にずり落ちた白地の振袖から汗ばんだ肩が光に照らされながら肢体を揺らす。声を押し殺して無我夢中に快楽を貪るさまは、普段の金剛からは考えられないような姿で、明るい性格や海上での勇ましさはこちらを隠すための演技ではないかと疑うぐらいだ。


夕立「終わったあとは惨めな気持ちになるだけなのに、どうしても止まらくて、提督さんに優しい言葉を掛けてもらった時とか、提督さんに暖かく触れてもらった時とか、提督さんに熱く抱いてもらった時とか、そういうことを思い出して、ああやって脇目も振らずに、浅ましく自分を慰めるの。
気持ち悪いし、見っともないし、アホ面晒しちゃうし、耳障りだし、いい歳した連中が何しているんだって、そう思うかもしれないけど、でも」


へそより下の丹田の部分を鎮めるように優しく撫でると、未だ艶めく白麦色の髪を揺らして、火の粉揺らめく瞳を私に向ける。


夕立「それでも、榛名さんと金剛さんのこと、嫌いにならないであげて……っぽい」


夕立の言葉と共に、榛名が濁流のような雄叫びをあげ、金剛が引き裂き耐える糸のように声を押し殺した。

やれやれ。
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/05(土) 17:06:29.18 ID:NTHp/aY8o
おお、きてたのか
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/05(土) 21:11:17.80 ID:9G0qTwYMo
おお。来てたか。
夕立はいい子だなあ。(内容はさておく)
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/06(日) 16:02:03.75 ID:d6k7vztZO
うわぁへんたいだぁ
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/18(金) 02:54:01.54 ID:n6YePqv+O
どうした?
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/19(土) 21:50:34.69 ID:6rBv0VJn0

混濁し固まった思考を鞣すように頭髪を搔きながら、余韻に浸っている金剛と榛名を一瞥する。


提督「……」


別段私は自慰に耽っていることを責めているわけではないんだがな。

早朝の陽炎の一件でなんというか……あれだ、慣れた。

今回はなんというか……金剛たちが間の悪いことをした、というその一点に尽きる。

まあ、夕立が気にしていないようだからいいだろう。


提督「一回外に出ようか、夕立」

夕立「うん」


自分の思考が一段落したころ、金剛たちが気付く前に寝室を出る。

気付かれないようにそっと扉を閉め、一息間を置く。

そして呼び起こすように拳で扉を叩いた。


提督「金剛、榛名、いるか?」


少々強めの語気で室内にいる金剛と榛名を呼ぶ。

私の呼び声を合図にして、室内が騒ぎ出す。

太鼓を乱打するような足音に木材が波のように擦れる音、そしてベッドの軋み音に……

……今なんかすごい音がしたぞ。どっちかが転んだか?

転倒したと思われるその音が鳴った後、室内が静まり返る。


「はっ、はいっ!」


そして室内から返答が来た。

正直どういう意味の「はい」なのかは知らないが、とりあえず寝室に入ろう。

扉を開ける。

375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/19(土) 21:55:31.68 ID:6rBv0VJn0

部屋に入ってまず目にしたのはベッドにいる榛名。顔を朱に染めながらシーツで上体を隠し、シーツに収まらなかった生足が人魚のように横たわっている。

……よくよく見ると榛名の額が赤く腫れているように見える。先ほどのは榛名がベッドから落ちた音かもしれない。大丈夫か?

次に視線を動かして窓際を見ると、肘掛椅子にお行儀よく座っている金剛が見えた。


榛名「てっ、提督、なぜ裸のままなのですか……♥」


お前が言うな。

言っておくが、裸といっても下はバスタオルで隠しているからな。夕立だって肩からバスタオルを掛けて胸を隠しているんだし。

着替えを滅茶苦茶にされたからといって、丸裸で部屋を歩く趣味はない。那智じゃあるまいし。

そう思いながら金剛に視線を送っていると、金剛は頬を淡く染めながら露骨に目を逸らした。

先程の状況を知らなければ、異性に恥じらうお淑やかな大和撫子なのに、今はパンツを嗅いで自慰したことがバレないか不安になっている変態淑女にしか見えない。

窓から差し込む光を背景に、その光がそっぽを向いて桃色に染まった表情を際立たせ、金剛の身体と椅子が光の繭に包まれている。というまるで絵画のような美しい情景なだけに残念極まりない。

視線を榛名に戻す。


提督「榛名」

榛名「はっ、はいっ! 榛名はいつでも大丈夫ですっ!」


まだ何も言っていないぞ。


榛名「大丈夫ですっ!!♥」


何故二回言った。

……時々榛名は会話が通じなくなるな。明石に脳の診察でも頼むか。

閑話休題。


提督「夕立から話があるそうなんでな。聞いてもらえるか?」


夕立の話を振った途端、期待を含んだ照れ臭そうな顔が一転、無関心しか感じられない希薄な表情に変化する。


榛名「……提督はもうよろしいのですか」

提督「ああ、話はついた」

榛名「そうですか」


榛名は私の横にいる夕立を横目で一瞥する。


榛名「それで、どうするおつもりですか?」

提督「私か?」

榛名「はい」


金剛と榛名が目を据えて見る中、私は夕立の髪を指で一舐めする。


提督「夕立も反省しているようなんでな。許すことにしたよ」

榛名「そうですか」

夕立「……あの……榛名さん」

榛名「……夕立、こちらに来なさい」


榛名に呼ばれ、夕立はベッドの上に乗る。
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/19(土) 21:59:44.13 ID:6rBv0VJn0

榛名と夕立はお互いにシーツとタオルを外し向き合う。

裸の娘二人が正座して対面する姿は中々に面妖である。

……ふむ、やはり榛名のほうが大きいな。どこがとは言わんが。


提督「……席を外そうか?」


肌丸晒しのべっぴん二人のうなじとか向き合う乳首とか腰の括れとか揉みたくなる尻とか艶のある太ももとか擽りたくなる足の裏とかを見ていたいが、真面目な話をするなら二人きりがいいだろう。


夕立「えっ……?」


そう言った途端、夕立が親を見失った子犬のような顔をした。


榛名「……提督も立ち会っていただけると」

提督「……そうか、わかった」


夕立の様子を察したか否か、榛名が私を引き留める。

その言葉で夕立も安堵したのか、再び榛名と対面する。

私と金剛が見守る中、まず榛名が口を開いた。


榛名「夕立、私は怒っています。理由がわかりますか?」

夕立「……夕立がみんなとの約束事を破ったから」

榛名「そうです」


榛名が少し強めの視線で夕立を睨む。


榛名「約束事は皆に不満が出ないようにするため、皆で決めたことです。夕立がそれを破っては約束事の意味がありません。
 今回は“たまたま”体調がよくないとのことでしたが、結果として提督は他の娘から責められることになりました。夕立だけならまだしも、提督にも迷惑を掛けたのです。ここまではわかりますね?」

夕立「はい」

榛名「次にお風呂の件ですが……その前に、夕立、福祉係の役割は何かわかりますか?」

夕立「提督さんと昼間からエッチし放題できる係っぽい」

榛名「半分正解です」

提督「……」

榛名「ですが、もう少し詳しい説明があったはずですが、わかりますか?」

夕立「……えっと、綾波から聞いた話だと、提督さんの性処理で周りの娘が一々エッチしてると課業が進まないから、性処理専用の娘を用意して、一日二十四時間いつでもどこでもヤリ放題ハメ放題できるようにしたって言ってたっぽい」

榛名「そうです。さらに付け加えると提督は福祉係に対し罵倒、虐待、暴行、強姦、凌辱、拷問、切断、解体、撃沈、轟沈、殺害など鬱憤を晴らすためのありとあらゆる行為が認められています。
 福祉係は、提督から優先的に愛していただけるのです」


馬鹿な話だ。

377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/20(日) 04:30:43.39 ID:qrr6KhYc0
やっときたな!!
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/20(日) 19:00:10.48 ID:ZMg/8WnO0

榛名は言葉を続ける。

榛名「本来ならば、お風呂場のようなお互いに肌を晒す場所は福祉係が担当することになっています。
そのことを無視して提督と裸のお突き合いなどをしたら、福祉係の役得……役割の意味がありません。
この係は人気があるから、就くのが大変なんですよ? 夕立だって知っているでしょう?」


榛名の言葉に夕立は同意するように頷く。


夕立「夕立も、時雨と係の奪い合いしたときは大変だったっぽい」

榛名「でしょう?」


なんか話し合いからズレてきてないか?


榛名「セックスしたくてやっと手に入れた役割なのに、それを他の娘に奪われたら嫌でしょ?」

夕立「うん」


そういう判断で仕事を選ばないでくれないか。ついでにそういうことを上司の前で堂々と言わないでくれるか。


榛名「今回のお風呂の件は提督が私に中出しセックスしてくれたから大目に見ますが、次からは勝手なことはしないように。いいですね?」

夕立「うん。夕立、次からはちゃんと順番を守るっぽい」


夕立の言葉に、榛名は満足げにウンウンと頷く。


金剛「へぇ…… Bathroom で MAKE LOVE ですか……」


いつの間にか傍に来ていた金剛が、棘を含んだ声音で黒煙でも吐くように呟いた。

油が撒かれた火薬庫のような雰囲気を纏いながら、金剛は私の隣に仁王の如く佇む。誰か助けてくれ。
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/21(月) 00:06:23.88 ID:jjoOCPvGo
火薬庫にガソリンをぶちまけていくスタイル
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/21(月) 01:46:33.64 ID:hd6rNXwpo
なんつうかもうなんだこの鎮守府全戸火薬庫なにかなの(歓喜
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/21(月) 20:53:22.49 ID:9xm2VfvXo
火薬庫って言っても大したことないな
中出しセックスすれば湿気るんだから
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/21(月) 20:55:38.24 ID:ZB63ODJYo
触手が生やせるようになれば一人一本の肉バ○ブ性活に突入だね!
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/22(火) 02:57:42.73 ID:kHNAkFOTo
この提督の防火能力高そうだしヘーキ


しかしスナッフもオッケーな福祉って
愛されるまま死にたい願望持ちも多そうね。
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/22(火) 09:37:26.48 ID:JO9eRHp/o
メンタルがほぼまともなのに夏の夕暮れになると大変だな(小並)
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/23(水) 20:14:32.94 ID:a6x/yeDX0
みなさん、なかがよろしいのですね()
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/26(土) 18:06:56.21 ID:bcZBk/zvO
虐待やら殺害やらされる事を「愛していただける」とは……
いやーこれぞまさに真実の愛だね(白目)
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/28(月) 00:12:00.83 ID:P78/44Nu0

私が金剛から微妙に距離をとっていると、榛名が気持ちを入れ替えるように一度咳払いをした。

それに合わせて夕立が背筋をゆっくりと正し、榛名に再び向き合う。


榛名「さてと……これで私から夕立に言うことはもうないわ。辛気臭い説教は、ここで終わりっ」

夕立「……え」


説教、っぽい何か、が終わり、少しばかり堅苦しかった口調を改めて、榛名がさっぱりとした声で話に切りを付ける。

想定外のことに呆気にとられた夕立をそっちのけに、榛名は豊満な乳房を揺らしながら私のほうを向いて口を開く。


榛名「提督、榛名も終わりました」

提督「ん? ああ」


不発弾状態の金剛に気を取られて榛名に生返事をしてしまった。だって不発弾が離れた分だけ距離を詰めてくるんだもの。ナメクジみたいに。


夕立「あの、榛名さん」

榛名「ん? どうしたの、夕立」


不安げな夕立の言葉に応じて、不思議そうな顔を向ける榛名。


夕立「夕立、まだ言わないといけないことが……」

榛名「……わかったわ。なにかしら」


そう言って榛名が夕立と再び向き合う。

不安そうな夕立は、言い出す勇気がまだないのか、口を開こうとしてはまた閉じ、視線を少しさ迷わせる。

その視線の中に私の姿が映ったのか、視線を向けたままゆっくり顔を上げて私の表情を見た。

不安そうな夕立の表情に、勇気づけてあげられるように私はゆっくりと頷いた。金剛に怯えている場合じゃないぞ、私。

夕立は一度俯いて目を瞑り、目を開けて榛名を見る。

いい顔つきだ。


夕立「榛名さんの香水と服、滅茶苦茶にしちゃったこと、色々酷いこと言ったこと、約束を破ったこと、謝ります。本当にごめんなさい」


夕立はしっかりと、頭を下げた。

その姿を、榛名は目を細め、しばらく見つめる。


榛名「夕立」

夕立「はい」

榛名「さっきも言ったけど、約束を破ったことに関しては、もうお終い。反省して、さっきのことを守ってくれればいいわ」


母親のような口調で、はっきりと伝える。


榛名「酷いことに言ったってことに関しては、私もお風呂場でけっこうきついことを言ったから、これはお互いさま。
服は……たぶん、あとで弁償してもらうことになるのかしら? それでいいわね?」

夕立「はい」

榛名「なら服の件もそれでお終い」

夕立「香水は……」

榛名「香水は提督の物よ。そして提督は夕立を許した。だからその件もお終い。はいっ、私の件はもう終わり。それより夕立、謝るというのなら、もう一人いるでしょう?」

夕立「? あっ」
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/28(月) 00:46:50.54 ID:THH9RITCo
やさしく諭す榛名と素直に謝る夕立
なんと微笑ましい光景だろう(棒)
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sagasage]:2016/03/28(月) 03:59:49.91 ID:ArEp+EOHO
(二人は全裸正座で向き合っています)
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/04(月) 05:36:00.90 ID:cHiC/cQE0
あったかくなってきたとはいえ、まだまだ寒いな
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/04(月) 23:44:17.37 ID:jSGy+gya0

榛名の言葉で何かに気づいた夕立は、体の向きを変える。

正面にいるのは、金剛。

……いや、待て、今の金剛に話しかけて大丈夫か。


夕立「金剛さん、さっきは怪我をさせてごめんなさい」

金剛「Huh? Me?」

夕立「はい」


予想外のことだったのか、金剛が拍子抜けした声を挙げる。

金剛は少しばかり唸った後、毒を抜くように息を吐き、そして一転、夕立に明るい顔を見せた。


金剛「It’s O.K.!! この程度の傷、ワタシにはかすり傷にもならないデース! 傷だってもう塞がっているからネ! 恋する乙女は Very Strong!」


そう言うと金剛は夕立に傷つけられた部分を見せる。見てみると確かに傷が消えている。自己再生機能の範囲内だったか。


金剛「だから、夕立、No need to worry」


夕立のどこか澄んだ態度に中てられたのか、臨界点突破間近のような態度が薄れ、いつもの明るい雰囲気に戻る。


榛名「よかったわね、夕立」

夕立「うん」


助かった……
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 04:17:25.48 ID:n/mxtCwN0
ずっと面白いよ
少しずつでええんやで
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/09(土) 00:55:21.43 ID:xZKwnW7q0

その後、金剛に榛名の服を取りに行ってもらい、その間に私は夕立とともに更衣室で着替えることとした。


提督「……榛名、なぜここにいる」

榛名「?」


可愛らしく首を傾げないでくれるか。

金剛が着替えを持ってくるまで寝室で待たせていたはずの榛名が、やることなど何もないにもかかわらず、なぜか更衣室に付いてきた。

もちろん真っ裸である。


榛名「♪」


榛名はゆっくりと床に座ると、にこやかな表情で私のパンツを極めて自然な動作で掴み、腰回り部分を輪っか状に広げて私の前に差し出した。


榛名「さあどうぞ、提督」


何がだ。

慈しみの表情を浮かべる榛名に戸惑いを感じざる得ない。

おまけに、パンツを履こうとしていた夕立が動きを止め、こちらをじっと見ていることがなおのこと戸惑いを加速させる。


提督「榛名、着替えは一人でやるから、お前は寝室で待っていなさい」


私がそう忠告すると、榛名はパンツの前部分、履くと陰茎で膨らむ箇所、に鼻をあて臭いを嗅ぎ始めた。


榛名「洗い立てですよ、提督。さあどうぞ」


股部分から鼻を話した榛名は嬉しそうにそう言うと、今嗅いだばかりのパンツを再び広げ、差し出す。話聞けよ。

正直ここまでお世話されたくないが、榛名は聞く耳を持たないし、それにこのままじっとしていては着替えが進まない。

仕方なく、バスタオルで陰部を隠したまま、広げた輪っかの中に両足をいれることにする。


榛名「動かしますね」

提督「ああ」


私が両足を入れ終わると、榛名はパンツをあげて股間部分にパンツを合わせる。

履かせ終わると、榛名は立ち上がって私に身体を密着させて腰に巻いていたバスタオルと外すと、腰部の開口部から手を入れ陰茎と陰嚢を掴んだ。


提督「榛名」

榛名「ご安心ください、位置を整えるだけですから」


そうは言うが、身体全体をくねらせながら誘うような視線で言われてもまったく説得力がない。

394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/09(土) 00:59:24.12 ID:xZKwnW7q0

榛名「提督の、やっぱり大きいです……♥」


やめろ。夕立が怖い顔をしているだろ。

榛名は熱を帯びた視線を真下に向けると、荒い息継ぎと共に陰嚢を左手で包んでほぐすようにやさしく揉み始め、右手で陰茎を扱き始める。


提督「榛名」

榛名「提督……早くっ、早くおちんちんを硬くして、榛名の生マンコの中にぶち込んでくださいっ♥ 一回だけなんて物足りないです♥ 今日の榛名は提督専用の肉便器なんですから、おちんぽ汁をいつでもどこでも榛名のおまんこ便所に出していいんですよ♥」


正気の失せた表情を顔に浮かべながら、開いた瞳孔を向けて獣のように迫ってくる。硬くなった乳首が胸板に当たり、陰茎に触れる手のひらの温度が少しづつ下腹部を熱くしていく。


榛名「早く♥ 早く♥ 早く♥ 早く♥ 早く♥ 早く♥ 早く♥ 早く♥ 早く♥ 早く♥ 榛名、もう我慢でき「HEEEY! 榛名ぁーッ! 着替え持ってきたヨーッ! Hurry up and get changed!」


榛名が欲望の限界を超え、夕立が殺意の向こう側を突破しようとしたとき、更衣室の扉をぶち破って金剛が出現した。


榛名「……随分とお早い帰還ですね、お姉さま」

金剛「榛名が風邪をひいてはいけませんからネー。最大戦速で戻ってきたヨー」


動きを止めた榛名は氷点下まで下がった視線で金剛を見ると、つららでも投げつけるような声音で金剛を迎えた。

対する金剛は榛名の言葉を屁とも思わず、悠然と言葉を返す。


金剛「榛名、テートクはこの後も用が控えているんだから、早く着替えて準備しないとテートクが困っちゃうネー。Do you understand?」

榛名「……提督」

提督「悪いが榛名、金剛の言うとおりだ。早くしないと愛宕にどやされてしまうんでな」

榛名「……」

提督「榛名」


榛名の頬を右手で撫で、左手を背部に回して腰を撫でる。


提督「いい娘で我慢した分だけ、その分後で可愛がってやるぞ。二人っきりになったときにたっぷりと、な」


私の言葉に榛名は頬を染めると、湿り気のある視線で私を睨みつける。


榛名「……提督はいつもそれです」


馬鹿の一つ覚えを非難すると、陰嚢と陰茎から手を放し、代わりの私の肩を掴んだ。

力ずくで肩を引っ張られ、上体が前に揺れるのと同時に榛名の顔が眼前に近づく。

唇に柔らかい感触が触れ、口内に生暖かい湿った空気が入る。


榛名「んっ……それでは着替えてきますね」

提督「……ああ」


唇を離した榛名は金剛と共に寝室へと向かった。


夕立「……卑しい女ぽい」


なんだその台詞。
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 01:07:30.75 ID:6z+w7C9zo
卑しい女ずい…
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/09(土) 07:07:10.69 ID:mIV2T0I+0
面白い
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 10:20:49.71 ID:ZuMz9hAfo
いやらしい女ぽい……
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 10:52:31.48 ID:VgVSmE13O
ぐう興奮する
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 10:54:55.23 ID:nHlqESEAo
みんないやらしい・・・
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/10(日) 05:36:13.08 ID:Fn2Voywj0
卑しい女達なのです
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/10(日) 21:58:05.11 ID:COcCyVQk0

提督(よし)


あの後、榛名が再び更衣室に突撃してくる前になんとか着替えを済ませることができた。

といっても、ものの数分のことなので気合を入れるほどのことではないのだが。


提督(さて……ん?)


夕立も着替えが終わっただろうと思い、声を掛けようとおもむろに振り向いた瞬間、頭に疑問符が浮かんだ。

なにせ視線の先には、黒を基調とした制服姿ではなく、未だに素肌を晒したままの夕立がいたのだ。

夕立は自分の下着に視線を落とし、神妙な顔立ちをしていた。


提督「どうした、夕立」


そう声を掛けると、夕立はゆっくりと顔を私に向け、そして突如両腕を伸ばして持っていた下着を見せつける。


夕立「提督さん、着せて」

提督「?」

夕立「 き せ て 」

提督「……」


なんかいきなり子供っぽいことを言い始めた。いや子供か。

先程までいた榛名への対抗心というやつだろうか。


夕立「んっー」


パンツを押し付けるのはやめなさい。私の着替えと違って、脱いだものをもう一度使っているから匂いが残っているんだよ。

このままいくとなにか悪いことが起きかねない。というかナニが起きてイキかねない。なにをいっているんだ私は。
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/11(月) 00:05:17.07 ID:q09vrUTc0

思考が明後日の方向へ行くのを何とか押し留め、このまま行くと夕立とニャンニャンしかねない下半身の野性を上半身の理性で抑えつける。

……イヌっぽい夕立とニャンニャンとはこれいかに。いかん、また思考がおかしなことになっている。時雨もそうだがこの娘たちの匂いはどうもダメだ。

そんな私の気も知らず、未だ夕立はパンツを押し付けながら頬を膨らませて駄々をこねる。まったく……

一度溜息をつき、口で息をしながら夕立のパンツを掴む。


提督「ほれ」


掴んだパンツを、先程榛名がしたように、輪っか状に広げ、夕立の前に差し出す。

そうすると夕立は花が咲いたような明るい笑顔を見せ、艶めいた白い生足を私の両手の間に入れる。

それと同時に目の前に鼠蹊部と下腹部が現れ、下腹部の最下部にある丸みを帯びた二つ桃色の花弁が晒される。もし花弁で守られたこの谷筋を下卑たな感情で荒せば、目の前の無垢な娘から雌の啼き声が聞こえることだろう。


提督「動かすぞ」

夕立「ん」


両側に黒いリボンがあしらわれ、縁を黒で囲っているパンツを上げ、夕立の下腹部を隠す。


夕立「提督さん、次、これ」


夕立は先程のパンツと同じような装飾のブラジャーを差し出す。

私はブラジャーを手に取ると、夕立の後ろに回って肩ひもつけていき、最後にホックで留める。


夕立「提督さん、これじゃブカブカっぽい」


私に調整をしろと。無茶言うな。最上や鈴谷に何度やり直しをくらったと思ってやがる。


夕立「ぶ〜か〜ぶ〜か〜っぽ〜いー」


夕立は再び駄々をこね始める。このままだんまりを決め込んでも仕方ないか。

あきらめた私は夕立のブラジャーと乳房の間に手を入れ、バストの調整を始めた。
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/11(月) 00:53:38.44 ID:q09vrUTc0

提督「そうだ、夕立。この後の散策だが、どこか行きたいところはあるか?」


バストの調整を行いながら、乳房の柔らかさに意識が向かないように、夕立にこの後の予定を尋ねる。

といっても、散策できるところなど限られてはいるが。

そう思いながら夕立の返答を待つ。






返答が、こない。


提督「夕立?」

夕立「おさんぽは、もういいの」


突如振り向いた夕立が私に抱き着く。まだ調整できていない左の肩ひもが肩からずれ落ちる。


夕立「提督さんが、元気だってわかったから。だから、もういいの」


胸元に顔と声を押し付けて、表情と声音を隠すように語り出す。


夕立「生きてるってわかったから。置いて行かれないってわかったから」




夕立「だから、いいの」




強く強く抱きしめられる。


提督「……本当に、いいのか」

夕立「うん」


私の問いかけに、迷いなく答える。


夕立「それにね」


顔を上げた夕立は、とてもとても、やさしい笑顔を見せる。


夕立「これ以上夕立が傍にいたら、きっと提督さんに迷惑を掛けちゃうから」


振り返り、私に背中を預ける。


夕立「だから、いいっぽい」


どこか憑き物が落ちたような声で、穏やかにそう答えた。


提督「そうか」

夕立「うん。だから」

提督「ん?」


ほんの少しだけ声が小さくなる。恥ずかしそうに、弱そうに。


夕立「だから、もう少しだけ……甘えさせて、ください……っぽい」

提督「……ああ」
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/11(月) 09:52:15.97 ID:vCS+BhclO
うおおおおおおおおお夕立ィィイイイイイイイイイイ!!!!!


天使だな
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/11(月) 23:23:25.75 ID:k5r56y4X0

提督「━━━━━マフラー、きつくないか?」


着替えを手伝い始めて数分後、最後の襟巻きを首周りに巻き終わった。

私は夕立の正面に立ち、片膝を床につけてつけ心地を尋ねる。

夕立は襟巻きに意識を向けると、首周りで回したり、少し引っ張ったりしてつけ心地を確かめる。


夕立「ちょうどいいっぽい」

提督「そうか……この後はどうするんだ?」

夕立「部屋に戻るっぽい」

提督「送ろうか?」

夕立「一人で大丈夫っぽい」

提督「……もう、寂しくないか?」


夕立が顔を向け、飛びつく。

唇を唇で塞がれ、ぬくもりと共に抱きしめ合う。


夕立「……その言い方は、ずるいっぽい」


名残惜し気に離した唇が、いじわるを咎めるように、苦く微笑む。

言葉を終えた後、匂いを遺すように身体を擦り付け、心臓の鼓動が感じ合えるように体を密着させる。

温かさを分け終わり、からだを離す。


夕立「提督さん」


豊穣な麦畑を思わせる髪色に、イヌ科の動物のような癖毛を持つ、紅玉色の瞳の、私の可愛い娘。


夕立「長生きしてね」


この歳でそれを言われるとはな。


提督「生きるさ、夕立たちがいるからな」


夕立は「えへへ」と笑った。
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/04/11(月) 23:29:16.47 ID:k5r56y4X0
・本日は ここまで

・夕立 長かった

・もっと うまく 書けるように したい

・感想 要望 改善等 あれば どうぞ
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/12(火) 01:31:22.63 ID:Dbu+c+dQ0

卑しい女ぽい……
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/12(火) 09:55:14.75 ID:RDROvo9DO
乙っぽいーーーーーっ!
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/12(火) 23:02:30.99 ID:Y8vCMxct0
おつ
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/13(水) 12:42:03.94 ID:eMvQdq2KO
乙です
何度もやり直しを食らった辺りを詳しく…
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/14(木) 02:03:21.15 ID:3x+rjT7zO

412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/18(月) 22:53:03.46 ID:kuMNK+rC0

部屋の入り口で夕立を見送った後、金剛と榛名を待たせている寝室へと戻る。


提督(……何やってんだこいつら)


その寝室でまた変な光景が広がっている。


金剛「……」


寝室に入ってまず視界に入ったのは狩りをする獣のように構えている金剛。

金剛は今にも飛び掛からんと身体を前傾にして低く構え、獲物を逃がさんとばかりに両手が猛禽類のような形で添えられている。

ちなみに金剛の左後ろの帯になぜか私のパンツが挟まっている。せめて隠せ。


榛名「……」


次に視界に入ったのは金剛と対面に、これもまた構えている榛名。

下半身は前屈立ち、上体は正拳突きの構えで『寄らば撃つ』と言わんばかりの迎撃態勢である。

ちなみに榛名の胸元には私が先程脱いだ半袖の下着がなぜか挟まっている。だからせめて隠せよ。


金剛・榛名「「……」」


よほど集中しているのだろう、金剛と榛名は私が寝室に入ったことにも気づかず、構えを維持したまま睨み合う。
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/18(月) 22:53:36.77 ID:kuMNK+rC0

提督「……」


しばらくして、静寂を破り金剛が口を開く。


金剛「……榛名ぁ〜、いい加減それをこっちに明け渡すネ〜」

榛名「……たとえお姉様の頼みであろうとも、これはお渡しできません」

金剛「そんな聞き分けのない娘に育てた覚えはありまセーン。いい娘だから渡すネー。そんな汚れた下着を持っていても衛生上よくないデース。ワタシは榛名のことを心配して言っているですヨ?」

榛名「汚くなどありませんっ!」


(パンツさえ持っていなければ)比較的まともな金剛の意見に、榛名は大声で異議を唱える。


榛名「この下着っ! この下着にはっ! 提督の芳しいオス(♂)の匂いが熟成されて染み込んでいますっ! 榛名はっ、この匂いだけでっ、ご飯三杯はいけますっ! それだけじゃありません。この匂いを嗅ぐと、辛くても苦しくても寂しくても、また頑張ろうって気持ちになれるんですっ! だからっ!」


世界を敵に回してでも守り抜く、そんな決意を秘めた魂の叫びが部屋に木霊する。


榛名「提督のっ! 汗がっ! スメルがっ! 染み込んだこの下着はっ! 榛名のっ! 宝物にっ! しますっっっ!!!」


「しますっっっ!!!」じゃないぞ榛名。なんでそんな気合入っているんだ。


榛名「なによりお姉様には提督のパンツがあるではありませんか! これ以上欲しがるなんて……欲深いにもほどがありますっ!」

金剛「No No No わかってませんネー、榛名は」


無知な大衆を鼻で笑う政治家のような言葉遣いで、真実を掲示する教祖様のように言葉を紡ぐ。


金剛「ワタシはお願いしているのではないデース。『渡せ』と命令しているんですヨー、My sister」

榛名「お姉様……!」

金剛「なによりそんな素晴らしいものを見つけて食い下がるなんてワタシらしくありまセーン」


忌々しいといわんばかりの榛名の表情に対し、肉食獣のように歪めた表情を見せる金剛。


金剛「このパンツだけでFinish!? な訳ないデショ! ワタシは喰らいついたら離さないワッ!」


離せや。
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/19(火) 13:01:45.70 ID:cbGBN/F+O
うわぁ
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/19(火) 23:54:44.26 ID:4TQbAMyK0

榛名「そんな勝手、榛名が許しません! そもそもお姉様、どうせまたパンツを煮出して提督ティーをお作りになるつもりでしょう?」

金剛「それになにか問題がありマスカー?」

榛名「前々から申し上げたかったのですが……お姉様は提督のパンツの扱いが雑すぎます! たしかに提督のパンツを煮出せば香ばしい最高級の提督ティーができるのはわかります! ですが! 熱湯につけることで次から匂いが堪能できなくなり、繊維を痛めてしまうために形や食感まで失われるのは余りにも軽率! せっかく手に入れた提督のパンツを一回で使い物にならなくさせてしまうのはもったないと言わざるおえません!」

金剛「言ってくれじゃない……! それなら榛名こそ、どうせまた手に入れた下着を味わうこともせず、また飾ったり、話しかけたり、抱き枕にするつもりデスネ?」

榛名「なにかおかしいところでも?」

金剛「はっきり言わせて貰うけど、榛名は提督の下着の扱いがケチくさいネー! 確かにやっとのことで手に入れた下着を大事にしたいのはわかるけど、日が経てば経つほど提督のSmellは薄れていきマース。せっかく手に入れた新鮮な下着を堪能しないでチマチマ使うなんて、あんなの匂いが薄れて段々寂しさが募るだけで逆効果ネー。何度も使った出涸らしの紅茶を飲んでいるようで、正直見ていて痛々しかったワ!」

榛名「あれは提督の下着と日々を共にすることで、提督の下着を榛名の匂いで染め上げるという理由もあるのです!」

金剛「それならワタシみたいに提督ティーにして、自分の身体に提督成分を取り込むほうがずっとマシネー!」

榛名「ぐぬぬぬぬぬぬっ」

金剛「GRRRRRRR」

榛名「なんですか!」

金剛「なにヨ!」



































提督「……お前ら」

金剛・榛名「「あ」」
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/20(水) 08:10:12.98 ID:FH31RGTRO
妙高型ほど殺伐としてないようにみえるのは何でだろ
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/20(水) 20:28:31.11 ID:DFUTAcg5O
ヒェーとメガネを入れて4人でごっちゃ混ぜにしたらどうなんだろ。

妙高型はヤンデレ成分と相性の良い子ばかりだったから、というより戦艦より重巡のほうがヤンデレ似合う娘多いからじゃね。
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/23(土) 22:29:05.51 ID:aTThgWcto
とりあえずこの金剛はきっとダメだ
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/24(日) 05:50:55.48 ID:Xj3PV4eZ0
妙高型は真面目だからガチっぽい
金剛型は元がネタ担当だし
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/24(日) 15:11:39.57 ID:UcnZ0siaO
わけわからん
俺からすれば妙高型のほうがネタだが
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/26(火) 17:35:25.93 ID:8ze/fgQP0

金剛と榛名の変態問答から数分後━━━━━


提督(暑い)


現在、愛宕とすれ違うのを避けるため、私室から少し遠い場所にある直通階段を利用している。


提督(近い)


夕立との予定がなくなったから、その分の空いた時間でバスケットなどを食堂に返却しに行くところだ。


提督(動きにくい)


可能なら、食器返却後に夕張に会いに行きたいところなんだが。


提督(……やわらかい)


右腕と左腕にそれぞれ金剛型の長女と三女(四女か?)が獲物を巻き付ける蜘蛛のようにべったりと絡まっている。

金剛は胸の谷間に挟み込むように両腕で私の右腕を強く抱きしめ、時折嬉しそうな笑顔を私の肩に寄せ、もたれてくる。

榛名は右腕で私の左肘付近を抱き寄せ、まぐわうようにお互いの左指同士を絡み合わせ、陶酔感を湛えた表情で密着している。


提督「金剛、榛名……」

榛名「嫌です」

金剛「No way」


思わず眉間にしわが寄る。


榛名「提督のことですから、どうせ『離れてくれないか』と仰るつもりだったのでしょう?」


なぜわかる。


金剛「You took a pleasure away from us, and beside, are you going to deprive us of this little simple pleasure? How dare you!」

榛名「まったくです。せめて没収された分だけでも堪能させていただけなければ割に合いません」

金剛「Well said」


その言葉で金剛と榛名は抱きしめる力をさらに強め、接着面積をさらに広げる。

金剛が変な閃きさえしなければこうわならなかったのに……

下着没収後、お通夜状態になった寝室で、突如叫んだ金剛の閃きを思い出す。


━━━━━パンツが嗅げなければ、テートクを嗅げばいいじゃない!


その謎の発想により、寝室からここまで延々と引っ付かれることになった。

こんな状態で愛宕とかち合ったら何を言われるかわからないので、わざわざ大鯨から移動経路を聞いて遠回りをしている。

いい迷惑だ。


金剛「……テートクのsmell…… Aah〜That's good〜 (あ^〜いいっすね^〜)」


HA☆NA☆SE!!

422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/26(火) 21:29:57.47 ID:mQd1vhN4O
あぁ^〜
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/26(火) 23:49:40.32 ID:70yx8tQFo
きてたのか
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/27(水) 00:36:04.25 ID:Xl+15rsF0

……やっと一階まで辿り着いた。歩くだけでなぜこんなに疲れるのか。

まあいい、あとはあそこの角を曲がって渡り廊下を行けばすぐそこに食堂だ。

重石のように引っ付く二人を連れ、廊下を進む。


榛名「ところで、ンッ♥ 提督、食堂の後は、ハァ♥ 執務室へ戻られますか?」


左手の甲を股間に押し付けながら、熱い息を掛けてくる榛名が予定を尋ねてきた。湯で濡らした手拭のような感触が首と手の甲に伝わる。

その感触を無視して、角を曲がる。


提督「ああ、それなん「きゃっ」っと」


胸元に衝撃。出会頭にぶつかったようだ。転ぶようなことはなかったが、ぶつかった反動でお互いに一歩分距離ができる。

驚いた声で相手を判断したのか、金剛と榛名が私から離れ、一歩後ろに下がる。


「ご、ごめんなさい……少々考え事をしていて……」

提督「いや、謝るのは私のほうだ、すまない。それより怪我はないか、鳳翔」


額を手で押さえながら謝る鳳翔に対し、私は自分の非を詫びる。左側通行の廊下を右通行していたのは良くなかった。

その鳳翔が、私の声を聴いた途端、身を強張らせた。やはりどこか怪我をしたのか?

鳳翔は顔から手を離すと、目を見開いて凍り付いた表情をこちらに向ける。

なんだこの表情は。


提督「鳳翔?」

鳳翔「あっ」


もう一度声を掛けた瞬間、鳳翔は怯えるかのように胸の前で両腕を合わせる。なんだこの反応は。


鳳翔「あ、だ、大丈夫です」


そう言うと鳳翔は足を一歩後ろに下げ、目を右下へと逸らす。


提督「……」


なんだこれは。なにがあった。いったいなにがどうなったらこんな反応をされるんだ。

思い出せ。考えろ。迂闊な発言は状況を悪化させるだけだ。
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/27(水) 00:37:22.45 ID:Xl+15rsF0

提督(……)


鳳翔は私が解任された後にこの鎮守府に着任した娘だ。だからそれほど面識があるわけではない。

再任時も加賀たちが内情を隠してくれたおかげで、私たちの関係ははっきりとは知らないはずだ。

それからしばらく距離を置かれてはいたが、鳳翔の店の一件で多少は打ち解けられてきた、はずだ。

……店? まさか……


提督(しくじったか……)


昨晩と今日でのこの態度の変わりよう、おそらく開店祝いの酒の席で何かしらの狼藉を鳳翔に働いたに違いない。というより思い当たるのがそれぐらいしかない。

しかもこの態度、かなり酷いことをしでかしたとみえる。

ああっ、クソっ! なぜ酒を飲んだ!


鳳翔「……それでは失礼します」

提督「ま、まってくれ」


この場から去ろうと背中を見せた鳳翔を思わず呼び止める。

鳳翔の身体が再び強張る。小柄で、おっとりとした顔立ちの鳳翔が怯える様に、血液が逆流するような罪悪感を覚える。

しまった。なぜ呼び止めた。ここで謝るか? いや、何をしてしまったのか不明確な場合での謝罪は逆効果だ。

ああっ、クソックソックソッ! 鳳翔から事情を聴けば良いと安易に考えていた自分を殴りたい。まさか鳳翔に手を出していたとは。

とにかく、差し障りのない話でこの場は流して、誰でもいいから事情を確かめなければ。とにかく店や昨晩のことは禁句だ。


鳳翔「……なんでしょうか」


なんてことのない言葉なのに、暗い表情と落ち着き過ぎた声音が心臓を貫き、思考が吹き飛ぶ。和服の紅色が返り血に見える。

……えっと、何を言おうとしたんだったか……そうだ、店のことに、ついて、話せば、いいか……?


提督「ああ、いや、大したことではないのだが、昨ば「あーッ! いたいた!」


横槍で、思考が正常に戻る。


榛名「足柄さん? どうしました?」

足柄「お話の途中ごめんなさいね、ちょっと鳳翔さんに用があって」

鳳翔「……私ですか?」


渡り廊下のほうから足柄がやってきた。

意味深に鳳翔が聞き返す。まさか足柄も関わっているのか?
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/28(木) 23:24:11.04 ID:QSCqcY//0

足柄は鳳翔の背後から両肩を掴み、鳳翔の耳元でなにかを囁く。


鳳翔「……わかりました」


足柄の囁きに目を細めた鳳翔はただただ静かに答えた。


足柄「それじゃ、提督。鳳翔さん、借りてくわね」

提督「……ああ」

足柄「ささっ、行きましょ、鳳翔さん」

鳳翔「……」


軽く会釈をした鳳翔は、ほほ笑む足柄に肩を押されながら私たちとすれ違い、廊下の向こう側へと消えていく。

足柄と鳳翔が消えた廊下を暫く眺めた後、


提督「行くか」


と、意味深な笑みを浮かべながら再び抱き着いてきた金剛と榛名に言い、渡り廊下へ向かう。

鳳翔に関しては、まずは情報収集だ。羽黒あたりからか。


「あっーーー!!」


そう考えながら渡り廊下に出ようとしたところで、先程居た廊下の先から叫び声が聞こえた。

振り向くと、足柄がこちらに向かって走ってきている。

足柄は私たちの前まで再び来ると、一拍して両手を眼前に合わせる。


足柄「ごめんなさい提督っ! 榛名さんも借りていっていいかしらっ!? ちょっと相談があるの!」


相談……ということは福祉係のまともなほうの仕事か。


榛名「……後では駄目ですか」

足柄「できれば早めが良いのだけど……」


足柄の言葉に榛名は目を細める。


提督「榛名、仕事だ。行ってあげなさい」

榛名「……了解です」

足柄「本当っ!? 助かるわ〜、朝言おうとしてつい忘れちゃったから」


そう言うと足柄は「てへっ♪」と言いながら、片眼を閉じて小さく舌を出し、猫のように曲げた左腕で額を軽くたたく。

可愛らしいが、凛とした雰囲気のある足柄にその仕草は役不足だな。刀に苺を飾るような違和感がある。


榛名「それでは提督、足柄さんとの用が終わり次第、榛名は執務室に向かいますので」

提督「ああ。部屋に戻ったら摩耶の補助を頼む、やはりまだ慣れてないみたいなんでな」

榛名「了解です。お姉様、提督のことお願いいたします」

金剛「Sure」


榛名と足柄は、鳳翔と同様、廊下の先へと消える。
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/05/01(日) 00:31:51.56 ID:TloAhOhJ0

提督「……」


渡り廊下を歩く。食堂がひどく遠く感じる。足が重い。鳳翔の一件が頭にこびりついているせいか。


金剛「My Lord」


金剛が、ひどく澄んだ瞳で私を呼ぶ。


提督「金剛、前から言っているが、その呼び方は……」

金剛「Why? You’re My Lord, and now we’re alone」

提督「……何というか、その呼び方をされると、お前との間に距離を感じるんだ」


金剛の表情が曇る。


金剛「Distance……? I‘m near My Lord? My Lord go far away?」


俯き、自分に言い聞かせるように呟く。


金剛「No……No,No,No,No,No,No,No,No,No……erase all distance, I let no one come between us」


抱きしめた腕に千切れそうなほどの力を入れ「No」と呟き続ける。

呟きが止まる。


金剛「テートク」


金剛はゆっくりと顔をあげると、光のない流し目を使い、彼岸花のようにほほ笑む。


金剛「榛名とmake love しましたけど、どーでしたカー? しょーじきに答えてクダサーイ」


呼び方が戻った途端、何の脈絡もなく榛名との情事について聞いてきた。


提督「良かったよ」

金剛「Really? それなら良かったデース! もしテートクが満足してなかったら、榛名の脳と心臓を撃ち抜いて、dockに叩き込んでいたところネー」


笑顔のまま、妹への殺害宣言を平然と述べる。いやまあ死なないけど。


提督「やり過ぎだと思うぞ」

金剛「Excuse me? 提督への供物にさせてあげたんだから、それぐらいできて当然ネー。もしできなかったら、榛名なんてカルシウムの棒にタンパク質と脂肪が付いたただの肉の塊と同じデース。金剛型の名を冠しているのなら、このbodyを使いこなして当たり前ヨ」


金剛はポールダンスを踊るストリッパーのように私に抱き着き、その肢体を誇示してくる。


金剛「テートクが一人でbathingするって言ったのに、勝手に入っていったと知ったときは気が気でなかったデース。Make love なんて聞いたときは砲門がFireしないように抑えるのが大変だったんデスヨ?」

提督「そうか」


お前の火薬庫が爆発しなくてよかったよ。本当に。
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/01(日) 01:44:29.69 ID:VCFeP4gvo
きてたのか
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/05/01(日) 23:20:12.08 ID:XEQnZLFK0

足柄「━━━━━鳳翔さん、お待たせ〜」

榛名「……」

鳳翔「……それで『昨晩のこと』と言うのはっ!?」


足柄が鳳翔の首を絞める。


足柄「何が『それで』よ。私言ったわよね? 『昨晩のことは秘密にしなさい』って」

鳳翔「がっ、あっ」

榛名「足柄さん、鳳翔さんが話せませんよ」

足柄「あら? ごめんなさいね」


足柄が鳳翔から手を放すと同時に、鳳翔は咳き込む。


鳳翔「けほっ、話しかけてきたのは、提督の方ですよ。私は何も……」


破砕音とともに、鳳翔の後ろの壁にヒビが入る。


足柄「あからさまな態度を取るなって言ってんのよ。旧式の空母っていうのは頭までボケるわけ? それとも私たちへの当て付けかしら?」

鳳翔「……あんなことをさせられて、嫌な顔をするなというほうがおかしいです」

足柄「へぇ、そういう態度を取るわけね。昨日あれだけよがっておいて、ねぇ」

鳳翔「なに、を……」


足柄は懐からいくつかの写真を見せる。


足柄「じゃーん! 鳳翔さんの処女喪失、初中出しに初イキ、ファーストキスの写真でーす。すごいわよねー、最初はいやいやだったくせに、最後は自分から腰振っちゃうんだから、やっぱりあれかしら? 日頃から結構溜まっていたとか?」


そこには、複数の艦娘によって机に抑えつけられ、犯され、結合部から血を流している鳳翔の写真があった。

他にも、秘部から赤色が混じった白濁液を垂れ流している写真や、男の上に跨って仰け反っている写真、虚ろな目で口付けを交わしている写真など、痴態を余すことなく捉えた写真が飾られている。


鳳翔「なんでそんなもの……!」

足柄「『記念撮影』はうちの慣習なのよ。あの人に抱かれた女は例外なく、ね。大変だったのよ〜? 羽黒をなだめながら撮影するのは。ああそうそう、飽くまでこれは元のデータから作ったサンプルだから。今の時代って便利よね〜。私たちの時代とは大違いだわ。この写真なんてほら、お尻の皺までくっきり見え「やめてください!」

鳳翔「あなたたちは……いったい何がしたいのですか」

足柄「だから、黙ってろって言ってんのよ。本当に察しが悪いわね」

鳳翔「……このことを上に言えば、処分は免れませんよ」

足柄「チクるってこと? 言うじゃない、さっきまで自分を慰めていたくせに」

鳳翔「え? あっ、なにを」


足柄は鳳翔の強引に袴をめくり、秘部をまさぐる。
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/05/01(日) 23:20:48.77 ID:XEQnZLFK0

鳳翔「やめっ、あっ♡」


鳳翔の甘い声とともに手が引かれると、足柄は濡れた指を鳳翔の前に出す。

人差し指と親指を少しこすり、そしてゆっくり開くと指の間に白い糸が引く。


足柄「濡れているじゃない。おまけに凄い臭い。もしかしてあの人と話していて興奮しちゃったのかしら?」

鳳翔「っ」


鳳翔は、愛液を嗅ぐ足柄から目を逸らす。

その態度に足柄の表情が喜色に変わる。


足柄「そっかそっか、そっか〜、つまり〜、さっきの態度は〜、あの人と話していて疼いちゃった雌の身体を〜、気づかれないようにするためだった〜、ってわけね〜」


鳳翔は羞恥に頬を染める。


足柄「それなら、素直に『抱いて』って言えばよかったのに。『昨晩酔ったあなたに犯されました、責任を取ってください』って」

榛名「……」

鳳翔「そんなこと……」

足柄「酔った時のあの人の荒々しいセックスも素敵だけど、目覚めているときのネチッこいセックスもいいわよ〜、気持ちいいところをグリグリ、って責められて、降りてきた子宮をトントン、って叩かれるの」

鳳翔「……っ」


耳元で足柄がそう囁くと、鳳翔は唾を呑んで喉を鳴らした。


足柄「どうかしら」

鳳翔「……できません」

足柄「そう? まあいいけど。仮に告発したところで、せいぜい鳳翔さんが転属させられるだけだと思うけど。軍の体質っていうのは鳳翔さんもよく知っているでしょう? おまけに証拠は鳳翔さんの身一つ。ましてやこのご時世、世間様の騒がれるようなことは上も避けたいはずでしょうし。それに……」


睨みつける鳳翔の耳に、足柄の口が近づく。


足柄「別に鳳翔さんがいなくなっても、代わりはいくらでもいるもの。駆逐艦の娘や……利根ちゃんとか、ね」

鳳翔「……! 外道……!」

足柄「同期の親友って素敵よね、そうは思わない? 鳳翔さぁん」

鳳翔「………………わかり、ました」


歯ぎしりをしながら、俯く鳳翔。

獣の如く唇を歪めて、喜ぶ足柄。


足柄「わかってくれて何よりだわ〜、そういえばこのあと利根ちゃんに会いに行くのよね? 一緒に組むことがあれば『よろしく』っていっておいてね〜」


そう言って、足柄と榛名は立ち去る。

残っているのは、小さな空母だけ。
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/05/01(日) 23:27:24.70 ID:XEQnZLFK0
・本日 ここまで

・ガバガバすぎる……

・もっと すっきり 書きたい

・書いてて 胸糞悪く なってきた

・感想 要望 改善等 あれば どうぞ
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/02(月) 00:38:06.68 ID:cIvrM9jEo
乙。かなりヤバい鎮守府だなあ。こりゃ正気組もどれだけいるんだろうか?
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/02(月) 08:54:27.86 ID:BgLpLDkhO
うーんこの
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/02(月) 22:54:43.00 ID:ohtfHSzXo
おつ
これは正気と狂気が混在してるのか
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/02(月) 23:02:32.64 ID:IkJYMm/qO
やっぱり妙高型のガチっぷりがヤバい。
ところで榛名は何故足柄についていったのか。
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/05/04(水) 11:28:37.51 ID:Y32TyTRF0

榛名(━━━━━意外と御洒落ですね)


部屋に招かれた榛名は、給湯室に向かった足柄を待っていた。


足柄「ごめんなさいねー、年増の股汁なんて汚いものが手に掛かっちゃったから、きれいにするのに手間取っちゃった。アイスティーしかないけどいいかしら?」

榛名「構いません。それより用事はなんですか? 早くあの人の元へ戻りたいのですが」

足柄「まあまあ落ち着いて頂戴。と言っても、戻りたい気持ちは分かるわよ。福祉係は大変よね〜、いろんな娘たちからの要望や意見を集約して、制度の改善に努め「御託はいいです」


アイスティーをダイニングテーブルに置き、やんわりと会話を始めた足柄の言葉を、榛名は切り捨てる。


榛名「あの人との時間は一分一秒でも貴重です。本来ならここで呼吸することさえもどかしい。鳳翔さんの一件といい、足柄さんは少々『余計』です」

足柄「あら、そう? 昨晩は上手くいったと思っていたのだけど?」

榛名「……そもそも昨晩あの人を酔わせたのは、手を出さないあの人への不満を『襲われる』ことで解消するのが目的だったはずです。なのに結果としては、無関係な鳳翔さんを襲わせて……あの人が事実を知ったらどれだけ傷つくか……」

足柄「いいことじゃない」

榛名「皮を剥ぎますよ、狼」

足柄「あらいやだ、そんな酷いことをするおばあちゃんはペロリと食べちゃわないと」

榛名「なら猟師に裂いてもらうよう依頼しないといけませんね」

足柄「他の男に触れられるなんていやよ〜、あっ、でも、お腹をあの人の弾丸に撃たれるのならありかも♡」


うっとりと妄想に浸る足柄をしり目に、榛名は溜息とともにアイスティーに口を付ける。


榛名「……悪くはないですね」

足柄「ふふっ、榛名さんにそう言ってもらえると自信がつくわ。昨日のカツがあるけど食べる?」

榛名「いりません」

足柄「あの人の食べかけもあるけど?」

榛名「食べます」
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/05/04(水) 11:35:56.22 ID:Y32TyTRF0

榛名が「あの人の唾液付き……ロマンを感じます」と言って食べ始めたのを見計らい、足柄が口を開く。


足柄「それで相談なのだけれどね、福祉係の職務規範を見直して欲しいのよ」


榛名はカツの咀嚼を終え、唾液でクリーム状になったカツを飲み込むと、アイスティーで口の中を流して一言。


榛名「具体的には?」

足柄「あの人とするときの基準についてよ。今の基準だとお誘いはできても、同意がない限りこっちから手を出せないじゃない」

榛名「負担が大きすぎますからね」

足柄「でもそのせいで不満の声があがっているわけ、『せっかく係に就いたのに、全然できなかった』とか『お誘いしたのに断られた』とか、もう耳が痛いくらい聞いたわ」

榛名「あの人の鬱憤解消が目的なのですから当然です。こちらから一々手を出していたら、あの人の課業が進みません」

足柄「でもあの人の仕事なんてほとんどないじゃない。事務処理に艦隊指揮、開発やその他諸々も私たちが担当しているわけだし。せいぜいやるのは上への報告や教育ぐらいでしょ?」

榛名「提督不要論の先駆けとして、そうなるように制度を組みましたからね。『提督』も「兵器が兵器を運用するのは認められない」という人間側の都合に合わせて置いているだけですし」

足柄「でしょ?」

榛名「仮にそうだったとしても、先ほども言いましたが、あの人への負担が大きすぎます」

足柄「その点については問題ないわ。むしろ四人で一日中輪姦していても足りないと思うわよ」

榛名「信じられませんね。時期的にもまだそこまで改造は進行していないはずですが?」

足柄「それがそうでもないの。ねえ、榛名さん、今朝あの人の左の首筋は見たかしら?」

榛名「もちろんです。しゃぶりつきたくなるような首でした」

足柄「その首に、朝、姉さんが咬みついて傷を付けたのだけど、傷跡はあったかしら?」


その言葉に、榛名は訝し気な表情を見せる。


榛名「そんな傷、一つも……いえ、それよりもなぜそんな羨ま、んんっ、妙高さんはなぜそんなことを?」

足柄「さあ? でもまあ、傷は無かったみたいね」

榛名「……それが事実なら、内臓器官はほぼ回復していることになりますね」

足柄「ええ、能力強化は修理後の段階のはずだから、それで間違いないはずよ」


足柄は一息つくと、机に置いてあったカツを一切れ食べる。


足柄「んっ……これであの人の時間も、体力の問題も解決したと思うけど、どうかしら?」

榛名「しかし、かといってあの人がそれを望むとは……」

足柄「も〜っ! まどろっこしいわねぇっ」


渋る榛名に、足柄がカツを入れる。


足柄「あの人が私たちに手を出さないのは、一重に『娘たちを自分の慰み者にしたくない』『本当にしていいのか?』という馬鹿馬鹿しい心理的な問題があるからよ。逆に私たちがあの人を慰み者にすることに対してはむしろ無頓着なぐらいだわ。制度さえ整えば嬉々として受け入れるわよ。そもそも榛名さん、今日あの人に何回してもらったわけ?」

榛名「……中出しを一回だけ、キスは三回ほど」

足柄「羽黒はいけいけどんどんであの人に攻めまくって午前中に中出し十回以上、キスは数えきれないぐらいしていたわよ。仕事は全部姉さんに丸投げ、あんまりうるさいから仮眠室に閉じ込めといたわ」

榛名「そんなに……」

足柄「正直違反行為スレスレだったけど……ともかく、こっちが望めばいくらでも相手をしてくれるのよ、あの人は。それともこのままこの制度を続けて、フラストレーションを溜め続けるわけ? あの人だって、そんなことで士気が下がるのは望んでないと思うわよ」


榛名はしばらくカップの水面を見ていたが、意を決したのかカツを一つ一気に食べ、アイスティーを飲み干す。


榛名「……わかりました。正直榛名も、あの人と滅茶苦茶セックスしたいです」

足柄「よし」


足柄は小さくガッツポーズをした。
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/04(水) 11:47:28.41 ID:BqC2GV/7o
か、かいぞ・・・うん?
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/04(水) 11:53:55.56 ID:tHlzG9wJo
まるゆを食わせたら運が上がりそう
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/04(水) 16:14:39.94 ID:HogxfGX5o
きてたのか
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/04(水) 16:31:45.95 ID:zXYR6LFvO
鳳翔さん可哀想……
足柄はそこそこまともだと思ってたのに
こうやって狂気は伝染してゆくのか
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/04(水) 19:14:26.34 ID:3hnbVrw40
鳳翔さんは常識人(性欲には勝てない)
周りの悪ノリが過ぎたんでしょ、多分
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