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レンタル妹(オリジナル百合)
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76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/10(日) 03:34:06.98 ID:9qYbt35Ro
でもクズ兄いなかったら薄味過ぎないか?
77 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 10:03:19.83 ID:7NO4wb/t0
下級生「なんでこんなことになってるんですか?ねえ?ねえ?」
ググッ
兄「顔にチラシを押し付けながら喋るの止めてください」
下級生「先輩がこんなハレンチなパパラッチに合ってるのも全部、お兄さんが悪いんですよ!?」
グリグリ
兄「わ、わかった悪かった!」
下級生「ミリヤ先輩なんて、アイドルじゃないですかッ……!? 幼馴染よりきつい……」
兄「やー、でもこの子、妹を敵視してるから、下級生ちゃんが考えてるようなことはないと思うけど」
下級生「敵視?」
兄「自分より目立ってきた妹が許せないらしい」
下級生「へえ…」
兄「だから、それをネタに一儲けできないかと思ってるんだが」
下級生「その話、乗ります」
兄「なんだと」
下級生「妹先輩に近づく者はみな等しく許しません」
兄「お、おおなんかよく分からんが心強い! よし、じゃあ作戦を考えよう!」
下級生「はい!」
きゃッきゃッ
女生徒(楽しそうだねえ)
78 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 10:29:24.25 ID:7NO4wb/t0
―――
――
―
兄「よし、もう一度確認するぞ。妹を説得するのはたやすい。あいつは、ミリヤのファンみたいだからな。ミリヤが『ホントは仲良くなりたかった。レンタルしたい』って、などと言っておけばよかろう。しかし、ミリヤの方は自分にメリットがないと嫌がるだろうな」
下級生「ですよね……」
兄「だから、どちらがより目立つかを実際に競って見ればいいとそそのかして、妹をレンタルさせればいいんだ。妹がミリヤより地味なのは明白。ミリヤは満足する結果に終わるはずだし、プライドの高そうなミリヤもそれを疑わないだろうから、勝負を断ることもないだろう」
下級生「で、兄先輩はレンタル料がもらえるし、ミリヤ先輩も妹先輩につきまとうこともなくなるってことですね」
兄「まあ上手くいけばの話だが。それに、もしミリヤが妹をいじめたとしてもそれをネタにゆすれる」
下級生「さすが金の外道……」
兄「それほどでも」
下級生「ふふふ……」
兄「ぐへへへ……」
79 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 10:39:32.65 ID:7NO4wb/t0
それからしばらくして―――
友の家
ミリヤのライブ前日
妹「……」
ゴロゴロ
妹「……」
ゴロゴロ
友「止まれ」
ゴロゴ――ピタッ
妹「……」
友「ダンゴムシか」
妹「だって、明日ミリヤちゃんのライブだって思ったら落ち着かないのよ」
友「そー」
妹「目の敵にされてるしさ、こっちはむしろ仲良くしたいのに」
友「気難しそうな人だったしね」
妹「ファンですって明日はアピールしないと」
友「どうやって?」
妹「全身グッズつけてくとか」
友「逆に目立っちゃうんじゃない? 普通にしておいた方が無難だと思う」
妹「うー」
どさッ
80 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 10:51:12.58 ID:7NO4wb/t0
ライブ当日早朝――
会場
兄友「はよお、兄! もうかりまっか?」
兄「ぼちぼちな」
兄友「ミリヤちゃん見た? 今日の服めっちゃ可愛かった」
兄「あー、そうだな」
兄友「そっけねえ。おまえは相変わらずだな。妹ちゃんも来てんの?」
兄「ああ。あいつミリヤのファンだったよ」
兄友「だっろ? 笑いかけてくれてるだけで天に昇れるわ」
兄(こいつ、いつの間にこんなにどっぷり……沼に)
兄友「さ、設営準備手伝いにいくぞ」ウキウキ
兄「おう」
兄(さて、今日はミリヤの情報収集でもしますか)
81 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 11:06:48.06 ID:7NO4wb/t0
兄「ミリヤって、いつからアイドルしてんの」
兄友「お、なんだ興味あるんじゃん!」
バンバン!
兄(いてえ)
兄友「ミリヤちゃんと俺が出会ったのは3年前だ。その頃彼女は路上ライブしてて」
兄「お前との馴れ初めとかどうでもいいから」
兄友「はいはい。で、中1からそういうのしてるらしくって、スカウトされたのは2年前だから当時高1だった」
兄「ほお」
兄友「あの子の両親が俳優さんなんだけどさ、そんなに有名じゃないんだ。テレビで見ても誰も気づかない。ミリヤちゃんはそれが嫌だったらしい。だから、自分はもっと有名になってやるってこの業界に入ってきたってわけ。しかも地道な活動でね」
兄「すげえな」
兄友「そうだよ。まず、そこがカッコいいって思ったんだ。でも、プライドが高すぎるから仕事を選んだり、納得いかないと喧嘩になったり、周りには煙たがられてて、こういう地方の会場でのライブくらいしかまだできてないんだよ。そういう賢くない生き方がいいって言う若い女の子が増えてきて、今はぼちぼち名前が売れ出してるんだけど」
兄「色々あるんだな」
兄友「そうだよ、だから、お前もファンクラブ入ろうぜ」
兄「入らんがな」
82 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 11:17:48.78 ID:7NO4wb/t0
兄友「まあ、いい。時間をかけてミリヤ沼に引きずり込んでやるよ」
兄「いいって」
兄友「お前は、なんでそう女に疎いんだよ」
兄「疎いってこともないけど」
兄友「せっかくの高校生活、口を開けば金のことばかりじゃあ、楽しくないぜ。お前の周りにいる女を思い浮かべてみろよ」
兄(……妹、友、女生徒、下級生……ミリヤ)
兄(よく考えたら、妹包囲網ができてやがるな)
兄「ろくな女がいなかったわ」
兄友「残念だ」
兄「ああ」
83 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 11:22:50.29 ID:7NO4wb/t0
―――
――
―
ライブ開始――
会場
ミリヤ「みんなー! 今日はありがとー!こうやって、またライブさせてもらえるのもみんなのおかげだから!!」
ミリヤちゃーん!
ミリヤ「今日もみんなにパワー送るから受け取ってね!!」
ワアアアアっ!!
ミリヤ「145.6cm(いしころ)!」
ジャカジャンジャン――
84 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 11:32:44.43 ID:7NO4wb/t0
客席
妹「ミリヤちゃーん!!」
ブンブンっ
妹(ああ、でも嫌われてるかと思うと泣けてくる)
妹「はい!はい!はい!はい!」
妹(ミリヤちゃん可愛いなあ)ふにゃ
妹「可愛いよー!!」
『声、ちっさいよー!』
ワアアアアっ!!
85 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 12:53:49.55 ID:7NO4wb/t0
ライブ後
握手会
ガヤガヤ
スタッフ「狭いですので、周りの方にご迷惑にならないようにお願いします。こちらの列にお並びください」
妹「はい」
スタッフ「チケット頂きますねー」
妹「ど、どうぞ」
スっ
スタッフ「はい。もうしばらくお待ちください」
妹「……」ドキドキ
妹(うわあ、初めて握手する……)
妹(嫌われちゃう前にしたかったな……)
スタッフ「はい、次の方どうぞ」
男「頑張ってね!」
ミリヤ「ありがとう!」
86 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 13:02:03.90 ID:7NO4wb/t0
妹(はっ、汗臭くないかな……。もう一回、スプレーしとく?)
スタッフ「次の方」
妹「は、はい」ワタ
ミリヤ「……」ジ
妹「……」ゴクっ
妹(小さいツインテ可愛い)
ミリヤ「何しに来たの」
妹「握手……です」
ミリヤ「……手」
妹「え」
ミリヤ「握手、しないの?」
妹「し、します」
サっ――ギュ
妹「あ」
ミリヤ「今日はありがとー!」ニコ
妹(……先輩、プロだなあ)ジワ
妹「う……ぐすっ」
ミリヤ「なんで泣くの?」
妹「うれ、しくて」
ゴシゴシ
スタッフ「はい、じゃあ次の方――」
妹「す、すいません…」
タタタタっ
ミリヤ「……」
87 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 13:07:41.53 ID:7NO4wb/t0
女子トイレ
妹「は、恥ずかしい。なんで泣いちゃったのよ」
バシャバシャ
妹「あー、赤くなったし、最悪」
妹「これじゃあ、嫌がらせに来たみたいじゃない」
パンパンっ
妹「そう言えば、お兄ちゃん達どこにいるんだろ」
妹「あ!」
妹「手、洗っちゃった……」ガクっ
88 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 13:17:55.73 ID:7NO4wb/t0
―――
――
握手会終了
スタッフ「ありがとうございました」
女「ありがとうございますー」ペコ
バタンっ
スタッフ「ミリヤちゃん、お疲れさま。終わったよ」
ミリヤ「ねえ」
スタッフ「なに?」
ミリヤ「敵に塩を送りにくる奴ってどんな気持ちなの」
スタッフ「いきなりだね。誰か知り合いでも来てた? ああ、この間言ってた最近目に付くって子?」
ミリヤ「……」
スタッフ「もしかして、泣かせてた子?」
ミリヤ「人聞き悪い」
スタッフ「ただのファンのエールにしか聞こえなかったよ。ミリヤ、また悪い癖。敵か無関心かで判別しない」
ミリヤ「わ、分かってるわよ」
89 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 13:25:20.59 ID:7NO4wb/t0
―――
――
―
『スタッフオンリー』
妹「……ですよね」
妹「私もバイトすれば良かったかな」
妹「はあ」
テクテク
ガチャっ
ミリヤ「……あんた」
妹「あ、わっ……そ、そのおに、兄が今日ここでスタッフのバイトしてて」
ミリヤ「ああ、そう言えば同じ苗字の奴が一人だけいたわね」
妹「ちょっと、顔見て帰ろうかなって、それだけでして」
ミリヤ「ふうん」
妹「し、失礼します」
タタタタっ
ミリヤ「……」
ミリヤ(ただの小娘、平凡で普通で、どこにでもいそうね。そんな子、相手にすることないじゃない)
90 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 13:30:21.18 ID:7NO4wb/t0
翌日――
ミリヤのいる教室
先生「おまえらー、来週の中間テスト大丈夫かー?」
ミリヤ「……」
先生「今回平均とれなかった奴は先生と夏休み返上で補習だからな」
ミリヤ「なんですって」
ガタっ
先生「ミリヤ、お前、死ぬ気で勉強しろよ」
ミリヤ「……」
ガタっ
ミリヤ(まずい)
91 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 13:33:52.10 ID:7NO4wb/t0
クラスメイト「ミリヤちゃん、良かったら勉強一緒にする?」
ミリヤ「大丈夫、ありがとう」キリっ
クラスメイト「そう? なら、いいんだけど。さすがだね」
ミリヤ(私のバカ、なんで断るの!)
ミリヤ(や、やっぱり手伝ってって言うのよ、ほら、早く)
キンコーンカーンコーン
先生「日直ー」
ミリヤ(ぐっ)
ガクっ
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/10(日) 14:25:12.02 ID:f9ku9w30O
乙
石ころちゃんかわいい
93 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 15:17:50.36 ID:7NO4wb/t0
数学の授業
カッカッ
『a,b,cは定数とし、a<0である。座標平面状に放物線C:y=ax²+bx+cと直線ℓ:y=-x+2がある。
放物線Cは点A(2,0)において,直線ℓに接している。』
先生「ここ宿題だったからできてるな? じゃ、(1)定数a,b,cをaを用いて表すってとこから。この問題やってくれるやつ」
シーン
先生「おらんのか」
ミリヤ「……」ウトウト
先生「じゃあ、ミリヤ」
ミリヤ「……」ウトウト
クラスメイト「ミリヤちゃん」
トントン
ミリヤ「ひゃいッ」
先生「ミリヤ、1番解いて、前の席の奴2番で、その次の奴3番。はい、開始」
ミリヤ「なに、なにが起きてるの」
クラスメイト「ミリヤちゃん、宿題だった所の解答を前に書き写すんだよ」
ミリヤ(そんなのできてるわけないじゃない)
94 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 15:20:59.87 ID:7NO4wb/t0
数分後――
ミリヤ「……」ダラダラ
先生「ミリヤ書かないなら、ハウス」
ミリヤ「イエッサ……」
スゴスゴ
先生「ちゃんと勉強しとかないと、お前高校留年するぞ」
ミリヤ「う」
クラスメイト「大丈夫だよ。一緒に頑張ろう?」
ミリヤ(同級生に頼れるわけないじゃない)
ミリヤ(くそッ)
95 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 15:24:14.07 ID:7NO4wb/t0
キーンコーンカーンコーン
ミリヤ(疲れた……)グテ
ミリヤ「言葉の意味が全く理解できなかったわね」
ミリヤ「日本語かしら本当に……」
ミリヤ「英語と数学と物理は壊滅的ね」
ミリヤ「今日は、オフだし……図書室で勉強でも……しなくちゃ」
トテテテ――
96 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 15:33:48.50 ID:7NO4wb/t0
図書室――
ミリヤ「あんまり使ったことなかったけど、真面目そうなやつらばっかり……」
ミリヤ(げ、妹ッ……あ、なるほどあいつも頭悪い口ね)
ミリヤ(あの女の近くしか空いてない)
ミリヤ(……敵に背を向ける訳にも行かないし、堂々と前に座ってやろうじゃない)
テクテク
ガタッ
ミリヤ「……」
ストン
妹「?!」ぎょッ
ミリヤ「なによ」
妹「い、いえ」
ミリヤ(動揺してるわね。余裕を見せてやるわ)
ミリヤ「この間は、来てくれてありがと」
妹「そんな、ご迷惑じゃないかと思ったんですけど……良かった」ほッ
ミリヤ(なによその顔、騙されないんだから)
ミリヤ「チラシは処分したんでしょうね」
妹「はい。目的はもう果たしたので」
ミリヤ(目的? 何かしら……と、そんなことよりテスト勉強しないと)
97 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 15:38:40.74 ID:7NO4wb/t0
ミリヤ「そう」
カチャ
ペラっ
妹「先輩もテスト勉強ですか?」
ミリヤ「まあね。別にしなくてもいいんだけど」
妹「すごいです。私なんか、してないと不安で。趣味が勉強みたいになってて」
ミリヤ「だから、刺激が欲しかったの?」
妹「え、あ、レンタルはそう言うんじゃなくて……」
ミリヤ「いいけど。私より目立たなくなったのなら、別に興味なんてないから」
妹「そうですか……」シュン
ミリヤ(なんでそんな落ち込んだ顔になるのよッ? 意味わかんない子)
カキカキ―――ピタッ
ミリヤ(意味わかんないのは、この問題だけどッ)
98 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 15:40:56.55 ID:7NO4wb/t0
ミリヤ「ぬぬ……」
妹「……」
カキカキ
ミリヤ「……」ググッ
妹「……」
カキカキ
ミリヤ「……」ガリ
妹「……」
カキカキ
ミリヤ「……」フッ
ミリヤ(何が分からないのか分からないわ)
99 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 15:48:53.06 ID:7NO4wb/t0
―――
――
―
妹(ミリヤ先輩、手が全然動いてない)
妹(もしかして、頭の中で全部解いて、白紙ノートにイメージを描いてるの?)
妹(消しゴムもペンも必要ないわよね……まさかそんなすごいミリヤ先輩)
妹(私もちょっとやってみよう)
コトッ
妹(……えっと、これを代入して、移項して……あ、むりこの時点で覚えれない)
妹(やっぱ書かないとできないか)
カキカキッ
ミリヤ「……う」
バタッ――カキカキ
妹(あれ、飽きちゃったのかな……何か、ノートに)
『なんもかんもわからぬ』
妹「そっちかっ」
ミリヤ「うん?」
100 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 15:56:14.14 ID:7NO4wb/t0
ミリヤ「なによ」
妹「先輩、3年生の数学って難しそうですよね」
ミリヤ「べつに」
妹(……強がってる。先輩って、こういう所あるから、ファンがなんだか放っておけない気持ちになるって言うか、この人は自分がついてないといけないみたいな気持ちになると言うか、ダメなのに引っかかる典型的なパターンよね)
ミリヤ「これくらい」
妹「そこ、次はCの両辺を微分したらいいですよ」ニコ
ミリヤ「……はあ?」
妹「ごめんなさい。余計なことを」
ミリヤ「……微分ってどうするんだっけ」
妹(ちょっとやばいかもしれない)
101 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 16:17:45.70 ID:7NO4wb/t0
―――
――
―
妹「で、1番そんな感じで、2番はここの式に代入してあげて……大丈夫ですか? ついて来てますか?」
ミリヤ「う……ん……頑張ってるのよ……」ジワ
妹(……なにこれ可愛い)ドキドキ
妹「あ、イメージ図なんですけど」
カキカキ
妹「Cはこんな放物線で、xはこの放物線をこうやって通ってるんです。で、xより上の部分が面積2/3なんですね」
シャッシャッ
ミリヤ「うん」
妹「さっきのここの式より、ここのCをaに書きかえて、この交点の部分をまず求めて……」
妹「……この()の中のこの部分が交点の座標なんです。で、このままだとなんの数字かわかりにくいので、こうやって書き変えて……aは0より小さいってことは負の値なんですけど、この図に書き込むと左側の座標になるんです」
ミリヤ「……なるほど。あんた説明上手いわね。できないけどできる気がしてきた」
妹(良かった)ニコ
妹「ここまでできたら、あとは∫に入れていくだけで……」
ミリヤ「いん……てぐなんとか?」ブワッ
妹「な、泣かないで。このさっきの面積Sを求めることができるんですけど……教科書ちょっと戻ってもらって」
ペラペラッ
妹「これが公式です……解説すると」
ミリヤ「ふんふん……」
102 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 16:30:39.33 ID:7NO4wb/t0
―――
――
―
妹「1/6公式を使って……」
ミリヤ「あれ、積分しないの?」
妹「このパターンの問題はこの公式を使うと早いのでオススメです」
カキカキ
妹「……マイナスを()の外に出してあげるて……こうやって解いていくと、aの値が出てくるんです」
カキカキ
ミリヤ「……だはあッ」グテ
妹「頑張りましたね、先輩」
ミリヤ「疲れた……」
妹「問3はどうしますか?」
ミリヤ「……あんた、時間大丈夫なの」
妹「私は、特に」
妹(お兄ちゃんが困るくらいだし)
ミリヤ「夕飯おごるから教えなさい」
妹「はい」ニコ
103 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 16:39:55.15 ID:7NO4wb/t0
――――
―――
――
玄関
パタンッ
妹「すっかり遅くなっちゃいましたね」
ミリヤ「そうね」
妹「外も暗くなってる」
トントン
ミリヤ「あんなに勉強したのなんて久しぶり」
妹「そうなんですか。私はやることがないんでいつもあんな感じですよ」
ミリヤ「寂しい人生ね」
妹「確かに」
ミリヤ「それでいいんじゃない、あんたにお似合いよ」
妹「……」
ミリヤ「なによ」
妹「私は、ミリヤ先輩みたいに、ステージで歌って、キラキラできないんです……」
ミリヤ「そりゃ、私は特別よ」
妹「ふふ、だから、先輩のファンになろうって思ったんですよね。私にはないものをもらえるかもしれないって。言ってなかったですけど、レンタル妹を始めたのだって、先輩のライブのチケットと握手会のチケットを購入したくて、その資金集めのためだったんですよ」
104 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 17:02:30.32 ID:7NO4wb/t0
ミリヤ「取り入ろうたって」
妹「ホントですよ!」
ガシッ
ミリヤ「ちょ」
妹「私、ホントにミリヤちゃんが好きなんです。歌も、笑顔も、我がままで馬鹿な地も」
ミリヤ「地で悪かったわね!」
妹「す、すみません。でも毎日が急に楽しくなったのは明日が待ち遠しく思えるようになったのは……全部、ミリヤちゃんのおかげなんです」
ミリヤ「だから、あんた握手会の時……」
妹「嬉しかったんです。本気で」
ミリヤ「泣くほど?」ニヤ
妹「泣くほど」ニコ
ミリヤ「そう。なんだ、あんた私のファンだったの」
妹「サインくださいって言ったのに、信じてくれなかったですもんね」
ミリヤ「この学校の奴らにそんなこと言われたことないし」
妹「うそ、それは、抜け駆けしないように牽制し合ってるだけです」
ミリヤ「なによ……それ……いないと思ってたのに」
妹「寂しいこと言わないでくださいよ。会場にもあんなにたくさん来てくださってたじゃないですか」
ミリヤ「うん……そうね」
先生「おーい、お前ら、早く家に帰れよー」
妹「はーい、すいませーん」
105 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 17:10:36.53 ID:7NO4wb/t0
――――
―――
――
焼きめし屋
妹「ラーメンの屋台は見たことありますけど、焼き飯の屋台は初めて見ました」
ミリヤ「裏通りあんまり来ないの?」
妹「真面目なので」
ミリヤ「自慢にならないっての。あたしは、小学からの御用達よ」
おっちゃん「ミリヤちゃん、今日は可愛い子連れてきたねえ。安くしとくよー?」
妹「あ、ありがとうございます」
ミリヤ「いつもの2つ」
おっちゃん「あいよー」
妹「いつもの?」
ミリヤ「焼き飯よ。それしか出してないけど」
妹「意外とおっさんくさいんですね」
ミリヤ「そりゃ、おっさん達に囲まれて育ったからね。寒空の下、コンビニ弁当を深夜のコンビニの前で食べながら仕事した時もあったし」
妹「それは迷惑ですね」
ミリヤ「あんたは、将来警官か先生にでもなるがいいわ」
106 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 17:32:38.36 ID:7NO4wb/t0
妹「そうなんですよね……お兄ちゃんの世話して、このままずっと家にいて、ミリヤちゃんを追いかけて……私、どこに向かってるんだろうって」
ミリヤ「レンタル妹なんてするくらいなんだから、風俗でもするのかと思ったけど」
妹「しませんよ!」
ミリヤ「ま、今時珍しくないって。誰にも言ってないけど、あたしも軍資金集めるためにちょこっとしてたし」
妹「み、ミリヤ先輩ッ」
おっちゃん「なーに、ゴマ粒くらいしかしてねえよ。マネージャーに見つかって、怒られて散々だったんだからな」
ミリヤ「うっさい! それ、秘密!」
おっちゃん「うおっと」
妹「そっか、良かった」
ミリヤ「ファンに聞かせるような話じゃなかったわね。なんか、あんた話しやすいから……この際だし、ついでに謝っとくけど、悪かったわね。突っかかって」
妹「こうやって、仲良くなれたので結果オーライです」
ミリヤ「そういや学校の後輩なんていなかったし、新鮮。あ、そうだ、あたしもあのレンタルしてみようかしら」
妹「……ふえ?」
ミリヤ「あんた、あたしの妹になりなさいよ」
妹「あ、えっと」
おっちゃん「どっちが妹だよって言ってやんなよお嬢ちゃん」
ミリヤ「なんだとこら!」
妹「その冗談、みたいなもので」
ミリヤ「えー、隣のクラスの女子が夕飯作ってもらったって小耳に挟んだけど。勉強も見てくれるって。来週のテストまでレンタルしたいんだけど」
妹「レンタルなんてしなくても教えますって」
ミリヤ「え、ラッキー! あんた、ほんと妹に欲しいわ!」
ギュッ
妹(私も、ミリヤちゃんみたいなお姉ちゃん欲しい……)
107 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 17:34:32.39 ID:7NO4wb/t0
おっちゃん「はい、焼き飯上がったよ」
ドンッ
ドンッ
ミリヤ「サンキュー、頂きます」
妹「……」
妹(すごい量。この小さい体のどこに収まるんだろう)
ミリヤ「ほら、妹、早く食べなさいよ」
妹「はーい」
108 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 17:42:11.07 ID:7NO4wb/t0
――――
―――
下級生「どういうことですか」
兄「俺にも分からん」
下級生「二人が仲直りして、かつ、より仲が深まってるじゃないですか!」
兄「失敗だ。作戦は、不発に終わった」
下級生「私のお姉様があああッ」
兄「バカ、今出て行ってもしょうがないだろうが」
下級生「あんなちんちくりんのどこがいいんでしょうね……」
兄「お前とそう変わらんのにな」
下級生「せっかく見つけた生きがいなのに…あ、お兄さんと付き合えば合法的にいつしか家族になれますね?」
兄「うん?」
下級生「付き合ってれば、家に行って妹先輩と一緒にお風呂に入ってなんてこともできますよね?」
兄「ねーよ。俺、恋人はお金だから」
下級生「……」
109 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 17:50:32.28 ID:7NO4wb/t0
次の日
2年の教室
友「で、ミリヤ先輩と仲良くなったと」
妹「そうなのよ」
友「罪な女だなあ」
妹「どういうこと」
友「いいえ」
妹「でね、先輩って食べたらすぐ眠くなるらしくて…‥昨日なんて、おぶって帰ったりして、可愛かったんだから、ほんとに……だから、ファンクラブ入ろ?」
友「入らないよ」
妹「えー」
友「一緒にライブ行けってことだよね」
妹「だって、可愛すぎて一人で抑えきれない…語り合いたい」
友「気が向いたらね」
妹「むー」
友「…ぷ」
妹「なによー」
友「退屈しなくて済みそうだね」
妹「確かに……そうね」ニコ
110 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 17:57:18.10 ID:7NO4wb/t0
兄の教室
兄「盛者必衰とはこのことだな」フウ
女生徒「なんの話?」
兄「ああ、レンタル妹は廃業だ」
女生徒「ありゃ、残念」
兄「次はどうやって稼ぐかねえ」
女生徒「レンタル兄奴隷とかは?」
兄「なにそれ怖い」
女生徒「冗談だよお」クスクス
兄「笑うなよ超こええよ」
女生徒「言ってなかったけど、私、男女どっちでもいけるんだよね。兄君て、可愛い顔してるよねー」
兄「……奴隷顔?」
女生徒「ふふふッ……」
兄「ご勘弁を!?」
ガタタッ
女生徒「逃げなくてもいいじゃない」
タタタッ
兄「1日5万なら考えてやるぜえええ!」
111 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 18:03:54.43 ID:7NO4wb/t0
2年の教室
友「ね、あそこの廊下で全力疾走してるの兄先輩じゃない」
妹「あ、ほんと」
友「平和だねえ」
妹「そうねえ」
友「ね、新しいバイト考えないの?」
妹「もうしないって」
友「見てる分にはけっこう面白かったんだけど」
妹「別にお金なくても……チケットは必要経費ってやつよ? 刺激が欲しかったのも事実だけど、ただ、こうやって友と喋ってるだけでも十分幸せだし」
友「それはどーも」
妹「いーえの」
おわり
112 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 18:04:51.49 ID:7NO4wb/t0
AVみたいな題名つけた割にはのんびり終わってしまいましたが
読んでくれてありがとう
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/10(日) 19:02:17.07 ID:XFodZTEQO
乙
化粧水の出番はなしか
114 :
◆/BueNLs5lw
[saga sage]:2016/07/10(日) 19:14:01.15 ID:7NO4wb/t0
>>112
お兄ちゃんがヌルヌルになる予定です
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/10(日) 19:32:41.75 ID:2dRxKOqM0
兄がクズすぎるのが残念やな
116 :
◆/BueNLs5lw
[saga sage]:2016/07/10(日) 19:43:27.34 ID:7NO4wb/t0
>>115
お兄ちゃんはお金が大好きなだけで悪気はないんです
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/10(日) 19:58:59.18 ID:cbxO896RO
むしろここまで金が好きを貫ける部分には好感を持てるね、俺は
それにしてももうちょっと百合百合してくれよなぁ〜頼むよ〜
118 :
◆/BueNLs5lw
[saga sage]:2016/07/10(日) 20:22:57.53 ID:7NO4wb/t0
>>117
百合男子に対抗して、百合ssに出てくる百合無関心男子を書きたかったので、ちょっと百合百合薄くなりました
すまんな
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/10(日) 20:24:47.01 ID:GjRAZFP6o
妹とミリヤ先輩のえっちなシーンはないんです?
120 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2016/07/10(日) 20:47:17.77 ID:7NO4wb/t0
>>119
テスト勉強、中間テストを経て二人とも以前より親密になる。
互いに、手を繋いだり身を寄せ合うなど、触れ合う機会も徐々に増えていった。
が、努力も虚しく中間は赤点となってしまうミリヤ先輩。
あれだけ勉強したのに、と妹も呆れてしまう。
妹にバカ呼ばわりされて、逆切れする先輩。結果、二人喧嘩。
夏季補習に結局参加することになったミリヤ先輩。勉強に飽きて、唯一仲良くなった
妹を呼び出し、補習終了後二人で水遊びして仲直り。
やんちゃなミリヤ先輩がプールに服のままで入ろうと提案。
無理矢理に妹も連れて行かれて、二人で先生に見つかるまで遊んだ。
更衣室で、服着替えながら、歌い始めるミリヤ先輩。
それが、あんまり天使過ぎたので、ついロッカーに先輩を押し付ける妹。
唇すれすれまで顔を近づけるけど、途中でへたって未遂。
その日、互いに意識して帰るけど、別れ際に、
ミリヤ先輩から抱き付いてきて背伸びしてキス。
先輩からねだられて、妹も我慢の限界で、
真っ暗闇の路上で嫌がる先輩のをいじってしまう。
腰が砕けた先輩をおぶさって、
先輩の家まで送っていって泊まっていくことに――。
って所まで想像できた。
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/10(日) 21:13:15.86 ID:USzuq335O
乙
妹とミリヤちゃんも友達のままかと思ったけど、
くっつきそうでよかったww
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
:2016/07/11(月) 00:44:51.03 ID:WIHUcjB90
>>120
おう詳細に書くんだよあくしろよ
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/11(月) 00:47:19.90 ID:a4V6yIFoO
え?マジで終わり?
Rの意味なくね?
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/11(月) 00:54:36.98 ID:y2sV93IDo
>>120
何故ダイジェストで済ませてしまうのか
125 :
◆/BueNLs5lw
[saga sage]:2016/07/12(火) 22:04:26.98 ID:SQ3ZJn9S0
書きたくなってきたのでおまけスレ立てたよ
レンタル妹 おまけ (オリジナル百合)
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