淑やかな女王

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96 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/28(土) 23:54:43.74 ID:hTgkZx4SO
芙蓉の股間から伸びた疑似ぺニスが望の膣口にあたる
その疑似ぺニスは膣口をゆっくりと撫で上げ微かな水音を立てた

望「いや……」

性器に触れる異物の感触と水音
それは望にかつてない羞恥心を感じさせた

望(どうしよう……恥ずかしい……)

咄嗟に目を閉じ顔を背ける望
芙蓉は望の腰に手をあてると静かに口を開いた

芙蓉「……望」

望「……はい」

芙蓉「私を見なさい」

望「お姉様……?」

薄く目を開けた望が芙蓉を見る

芙蓉「お前を抱くのはこの私よ」

望「……」

芙蓉「お前は私が好きなのでしょう?」

芙蓉「……好きな相手に抱かれるのだから当たり前の反応よ?」

望「お姉…様……」

芙蓉「恥ずかしがってはダメ……代わりに気持ちよくなりなさい」

望「はい……分かりました……」

少し潤んだ瞳で望は芙蓉を見る
芙蓉はそんな望に優しい笑顔で応えた
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/28(土) 23:55:43.15 ID:hTgkZx4SO
芙蓉「挿れるわよ……」

望「……お願いします」

芙蓉は疑似ぺニスを掴むと望の膣口に押しあてる

望「うっ……」

芙蓉「手を伸ばして」

望「はい……」

望が伸ばした手を芙蓉が優しく受け止める

望「あっ……」

芙蓉「気休め程度だけどね……」

望「ありがとうございます……」

片手だけでも芙蓉と繋がっている
その事実は望にとって何よりも心強かった

芙蓉「んっ……」

望「あっ!!」

疑似ぺニスが望の膣口を押し広げ膣内に侵入を始める
望は体が引き裂かれるような痛みを必死で堪えようとしていた

望「いっ……つ……」

芙蓉「……半分くらい入ったわよ」

望「ぅ……」

返事をする事もできずに、望は芙蓉を手を握りながら涙を流していた
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/28(土) 23:56:44.57 ID:hTgkZx4SO
芙蓉はさらに腰を進め疑似ぺニスを望の膣内に差し込む

望「あぁっ!?」

望が感じていたのは鋭い痛みと恐怖
そしてわずかな幸せだった

望(くぅっ…こんなに痛いなんて……)

望(でも……お姉様と一つに……)

破瓜の痛みは想像を遥かに越えていた
しかし望は芙蓉と確かに繋がっている事を感じる

芙蓉「……全部入ったわよ」

望「……嬉しいです」

芙蓉「私もよ……」

望「お姉様を……受け入れる事ができました……」

その言葉に芙蓉は目を見開いて驚く

芙蓉「信じられないわ……」

望「お姉様……?」

芙蓉「……お前も……私を……」

望「……」

芙蓉のただならぬ様子に望は言葉を失う

芙蓉「いいわ……私もお前を愛してあげる……」

疑似ぺニスを一旦引き抜いた芙蓉は間を置かずに再度望に突き立てた
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/28(土) 23:57:39.28 ID:hTgkZx4SO
芙蓉が突き入れた疑似ぺニスが望に激しい痛みを与える

望「ぁ……」

芙蓉「……」

その強すぎる痛みを必死に堪える望をよそに芙蓉はひたすらに腰を動かす
望は快楽を感じる事も無く、ただ乱暴に犯され続けていた

望(お姉…様……)

しばらくの間芙蓉は休まずに動いていたが、不意に動きが止まった

芙蓉「……残念だわ」

望「……どうしたのですか?」

芙蓉「お前をイカせる前に私が疲れてしまったの……」

そう言って芙蓉は疑似ぺニスを膣内から抜いた

望「うっ……」

芙蓉「…………ごめんね」

望「お姉様……」

芙蓉「……今日はもう終わりよ……今度は優しく抱いてあげるわ……」

望「はい……」

芙蓉は少しだけ笑い、労るように望の体をシャワーで洗い流した
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/28(土) 23:58:35.87 ID:hTgkZx4SO
その後、望は鎮痛剤を与えられ今は芙蓉のベッドで横になっていた
芙蓉は望の手を握り悲しそうな顔を見せる

芙蓉「……ごめんなさい」

望「お姉様……?」

芙蓉「初めてはもっと優しい方が良かったわよね……」

望「……いいえ、私はお姉様に捧げる事ができただけで幸せです」

芙蓉「望……」

望「だから……気にしないで下さい」

悲しげな表情に芙蓉に対し望は穏やかな笑みを見せる
それを見て一瞬だけ何かを言いかけた芙蓉だったが、すぐに望と同じような笑顔になった

芙蓉「ふふっ……分かったわ」

望「はい、お願いします」

芙蓉「……今日はそのまま休んでいなさい」

芙蓉「食事は持ってきてあげるから、あまり動かないでね」

望「……よろしいのですか?」

芙蓉「これも飼い主の勤めよ♪」

望の頬を一撫でした芙蓉はそう言って部屋を出ていった
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/28(土) 23:59:33.88 ID:hTgkZx4SO
その日の夜、芙蓉と望は昨晩と同じように寝ていた
芙蓉は望に腕枕されながら目を閉じ、望はそんな芙蓉を見守るように見つめている

望(お姉様……)

望(私はお姉様の為に何ができるのでしょうか……)

芙蓉と姉の関係
それは望には想像もつかないような結びつきだった

望(……)

もしかしたら自分は姉の代用品かもしれない
芙蓉が姉との思い出をなぞる為の道具かもしれない
しかし望はそれでも良いと思っていた

望(ほんの少しでもお姉様が癒されるなら……私は……)

望がそんな事を考えていた時だった
眠ったと思っていた芙蓉が口を開く

芙蓉「……望」

望「は……はい」

芙蓉「学校では気をつけてね?」

望「……はい」

芙蓉「私はお前を先生と呼ぶから、お前は私をお姉様と呼ばないようにしなさい」

望「大丈夫です……分かっています……」

芙蓉「……本当に分かっているの?」

望「はい、分かっています」

芙蓉「本当に分かっているのね?」

望「……はい」

芙蓉「そう……じゃあもう寝なさい」

望「……おやすみなさい」

芙蓉「はい、おやすみ」

望「……」

望は芙蓉の意図を図りきれないまま目を閉じた
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/29(日) 00:00:07.92 ID:KElt9dcSO
今日は終わり
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/29(日) 01:00:27.97 ID:XsGOmvIQ0
乙乙
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/02/12(日) 22:17:20.22 ID:LmVJVodSO
翌朝、望は目覚まし時計の音で目を覚ます

望(んっ……朝か……)

望「お姉…様……?」

望は芙蓉を起こそうとしたがベッドにその姿は無かった

望(お姉様……もう起きたのかしら?)

望(……とりあえずリビングに行ってみよう……)

芙蓉の姿が見えない事に驚きつつ、体に毛布を巻きつけた望はリビングに向かって歩き出した
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/02/12(日) 22:18:23.43 ID:LmVJVodSO
望がリビングに着くと芙蓉はテーブルに朝食を並べていた
そして望が見ている事に気がつくとにこやかに微笑みかける

芙蓉「おはよう」

望「あっ……おはようございます」

芙蓉「お前は朝食を食べるのかしら?」

望「はい、時間がある時は食べるようにしています」

芙蓉「なら良かったわ、一応作っておいたから食べなさい」

望「ありがとうございます」

笑顔のまま望に近寄った芙蓉が毛布をゆっくりと外す
朝日が射し込むリビングで望は芙蓉に肌を晒す
それは恥ずかしくもあったが、どこか幸せな気持ちを望に感じさせた

芙蓉「……綺麗な体ね」

芙蓉は望の胸、ちょうど心臓の辺りに唇をつける

望「お姉様……」

芙蓉「……早く服を着なさい……裸で学校に行きたくはないでしょう?」

望「わ……分かりました」

毛布を抱えた望は足早に自室へ向かう
その後ろ姿を芙蓉は満足そうに見ていた
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/02/12(日) 22:19:25.60 ID:LmVJVodSO
朝食を食べ終えた望の前に何かの包みが差し出される

望「お姉様、これは何ですか?」

芙蓉「お弁当よ」

望「……私のですか?」

芙蓉「いつもは食堂で昼食をとっているのでしょう?」

望「はい」

芙蓉「今日からお昼は図書準備室に来なさい」

望「確かあそこは鍵が掛かって……」

芙蓉「私が持ってるわ」

望「お姉様が……?」

芙蓉「私は学校にそれなりの金額を寄付しているのよ」

芙蓉「……だから滅多に使われない部屋を自由にできる権利くらいは持ってるの」

望「……」

芙蓉の家が裕福な事は分かっていたが、その事実は望にとって俄には信じられない内容だった
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/02/12(日) 22:20:58.22 ID:LmVJVodSO
戸惑う望に対し芙蓉が戸棚から一冊の通帳を取り差し出す

望「……」

芙蓉「それは私が普段から使っている通帳よ、見てみなさい」

望が通帳を開くとそこには見た事もないような金額が印字されていた

望「お姉様……」

芙蓉「それより多いのが後二冊あるわ」

望「……」

芙蓉「……手切れ金よ」

望「手切れ金……?」

芙蓉「そう……一生困らないだけのお金とこの家をやるから二度と娘には近寄るなって事ね」

望「お姉様……一体何を……」

芙蓉「詳しい話は帰ってからにしましょう」

望「……」

そう言うと芙蓉は自室に戻って行く
一人残された望は芙蓉の言葉の意味を考えていた
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/02/12(日) 22:22:00.11 ID:LmVJVodSO
その日の午前中、望は少し緊張していたが芙蓉はいつもと変わらない様子だった
今までと同じように教師と生徒として接し、まるで今朝までの事が夢ではないのかと望に思わせる

望(……もっと色々な事をされると思っていたけれど……)

望(さすがに学校では何もしないみたいね……)

望は安心と落胆が混ざった気持ちで図書準備室の前に立つ

望(……ノックした方がいいのかしら?)

そんな事を考えていると図書準備室の扉が開く
そして中から芙蓉が姿を現した

芙蓉「……何をしているの?」

望「あ…その……ノックをした方がいいのかと思って……」

芙蓉「ふふっ……バカね、早く入りなさい」

望「……分かりました」

芙蓉に促され望は図書準備室の中へと脚を進めた
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/02/12(日) 22:22:30.17 ID:LmVJVodSO
今日は終わり
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/02/26(日) 23:37:40.69 ID:vSFlveHSO
図書準備室の中はカーテンが引かれやや暗い印象を望に与える
また窓際には大きなテーブルがあり、そこには向かい合うように椅子が置かれていた

芙蓉「座って」

望は芙蓉と向かい合って座るとテーブルに昼食を用意する
そして望が箸を手に取ると芙蓉が指先でテーブルを軽く叩いた

望「お姉様……?」

芙蓉「……いつまで服を着ているの?」

望「えっ……」

芙蓉「この部屋には誰も来ないの……つまり私の部屋も同然と言う事よ?」

望「……」

望は黙って立ち上がると洋服と下着を脱ぎさった
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/02/26(日) 23:38:51.00 ID:vSFlveHSO
全裸になった望は芙蓉と向かい合わせで昼食を食べ始める
しかし、元々少食の芙蓉は食べるよりも望を見ている時間の方が長かった

望「あの……お姉様……」

芙蓉「なぁに?」

望「そんなに見られると……少し食べづらいです……」

芙蓉「ふふっ、それもそうね……ごめんなさい」

望「いえ……」

自分のお弁当を食べながら芙蓉が呟く

芙蓉「……やっぱり人の為に料理をするのはいいものね?」

望「……」

芙蓉「特に、お前みたいに美味しそうに食べてくれたら嬉しいわ♪」

望「す…すみません……」

芙蓉「どうして謝るの?」

望「……もう少し上品に食べた方がよかったかと……」

芙蓉「……あははっ♪」

珍しく芙蓉が声を上げて笑う
望は芙蓉らしからぬその笑い方に戸惑いを隠せなかった

望「お姉様?」

芙蓉「ふふふっ……裸で上品もなにもないでしょ?」

望「あっ……」

芙蓉「さぁ、早く食べてしまいなさい」

望「……はい」

芙蓉の珍しい姿が見られた事に嬉しさを感じながら望は食事を再開した
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/02/26(日) 23:40:29.77 ID:vSFlveHSO
昼食を食べ終えた時点で昼休みは残り20分ほどだった
芙蓉は望を机に寝かせるとその体に指を這わせる

望「んっ……あっ……」

芙蓉「……」

まるでピアノのように、望は芙蓉の指が触れる度に声を上げていた

芙蓉「……いい声だわ」

望「お姉…様……」

しばらくの間は夢見心地で体を撫で回されていた望
しかし芙蓉の指が性器に伸びると鈍い痛みを感じた

望「痛っ……」

芙蓉「……そうね、まだ痛いわよね……」

望「あっ……大丈夫です…それほど痛くは……」

芙蓉「ふふっ……もうすぐ昼休みも終わりよ?」

望「……」

芙蓉「……今日は屋上には行かないから真っ直ぐ帰って来なさい」

望「……分かりました」

芙蓉「鍵は置いていくからちゃんと施錠しておいてね」

望「はい」

芙蓉「じゃあ…………また後でね……」

望「……はい」

部屋を出ていく芙蓉の寂しそうな背中
望は芙蓉が自分に求めているモノを掴みきれずにいた
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/02/26(日) 23:41:37.02 ID:vSFlveHSO
仕事を終えた望は今から帰宅する事を芙蓉にメールで伝える
これは芙蓉から必ずするように言われていた事だった

望(えっと……今から…帰ります……っと……)

望「……」

しばらく待っていると芙蓉からの返事が届く
そこには一言だけ、分かったと書かれていた

望(……お姉様らしい返事ね……)

望は少しだけ笑うと車で帰路を急いだ
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/02/26(日) 23:42:51.54 ID:vSFlveHSO
望はガレージに車を停めると玄関に向かう
そして出掛けに渡された合鍵を取り出すと扉を開けた

望「ただいま戻りました……」

芙蓉「お帰りなさい」

望が扉を開けるとそこには芙蓉が立っていた
芙蓉に出迎えてもらえた事で望は自然と笑顔になる

芙蓉「……どうして笑っているの?」

望「……帰りを出迎えてもらうのは久しぶりなので……」

望の笑顔に芙蓉も笑顔で応える

芙蓉「ふふっ……そう言えば私も出迎えるのは久しぶりだったわ……」

望「あの……」

芙蓉「なぁに?」

望「……もう一度…いいですか?」

芙蓉「ええ、いいわよ」

望「……ただいま戻りました」

芙蓉「はい、お帰りなさい」

望と芙蓉は少しの間だけ笑顔で見つめあっていた
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/02/26(日) 23:44:03.24 ID:vSFlveHSO
その後、入浴と夕食を済ませた2人はリビングで向かい合わせに座っていた
望の前にはウィスキーの注がれたグラスが置かれ、芙蓉もまた同じグラスを手に目を閉じていた

望「お姉様……」

芙蓉「少しだけ付き合って……素面で話せる内容じゃないの……」

今朝の話を詳しく聞きたい
望がそう言うと芙蓉はお酒を用意し、ソファーに座り目を閉じた
そして長い沈黙の時間が流れる

望「……」

芙蓉「……」

望が舐めるようにウィスキーを飲んでいると、芙蓉がグラスを一気に呷り目を開いた

芙蓉「……私がこの家に1人で住んでいる理由はね……」

望「……」

芙蓉「…………姉を殺しかけたからなの」

望「えっ……」

芙蓉の口から語られた内容に望は衝撃を受ける
驚きに言葉を失う望に芙蓉は悲しそうな微笑みを見せていた
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/02/26(日) 23:44:33.62 ID:vSFlveHSO
今日は終わり
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/19(日) 23:32:26.40 ID:fNDmpt9SO
二杯目のウィスキーを注ぎながら芙蓉は話を続ける

芙蓉「あれは姉を飼い始めてから……姉が私に処女を捧げてから一年くらい経った頃だったわ……」

芙蓉「……私は小学校を…姉は高校を卒業する時期でした……」

芙蓉「今と違ってできる事は限られていたけれど、お前のように従順なペットだったわ……」

望「……」

どこか遠い目で語り続ける芙蓉
望は自分が触れられたくない記憶に無遠慮に踏み込んでしまったのではないかと考えていた

望「お姉様、話したくないのであれば……」

芙蓉「黙って聞きなさい……」

望「……はい」

望の言葉を遮った芙蓉は二杯目のウィスキーを飲み干した
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/19(日) 23:33:25.36 ID:fNDmpt9SO
芙蓉「……姉は私の言うことを何でも聞いたわ」

芙蓉「服を脱げと言えば脱ぎ、股を開けと言えば開く……そんな人だったの……」

望「……」

芙蓉「……」

三杯目のウィスキーを注ごうとした芙蓉の手を望が押さえる

望「お姉様……これ以上は……」

芙蓉「大丈夫よ、これで最後にするから」

望「……分かりました」

望が押さえていた手を離すと芙蓉は少し笑う

芙蓉「……心配してくれているのね…………嬉しいわ……」

望「お姉様……」

芙蓉「……」

グラスに注がれたウィスキーを少し飲み、一息ついてから芙蓉は話を続けた
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/19(日) 23:34:20.64 ID:fNDmpt9SO
芙蓉「私は姉に色々な事をしたわ……」

芙蓉「お前にしたように首輪をつけたり……恥ずかしい言葉を言わせたり……」

芙蓉「裸で外を歩かせたりした事もあったわね……」

望「……」

芙蓉「短い間だけれど……とても楽しい時間だったわ……」

芙蓉「…………ある夜の事です」

芙蓉「その時もいつものように姉を何度もイカせて……」

芙蓉「……私は姉の上で目を閉じていたの」

望(……お姉様……)

幸せの記憶を懐かしむように話す芙蓉
その姿に望の胸は締め付けられる

芙蓉「しばらくすると姉が頭を撫でてくれた……」

芙蓉「……私はそれが嬉しくて何回も姉にキスしたわ」

芙蓉「間違いなく…………私は幸せだった」

そう言うと芙蓉は最後のグラスを空け立ち上がった
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/19(日) 23:35:18.62 ID:fNDmpt9SO
少しふらつきながら芙蓉が望に近づく
そして望をソファーに押し倒すと馬乗りになった

望「お姉様……?」

芙蓉「……嬉しくて……嬉しくて……」

望の首に芙蓉の手がかかる

望「うっ……」

芙蓉「何故だか私は……こうやって姉の首を絞めていたわ……」

芙蓉「苦しかったでしょうね……子供とは言え……こうして体重をかけていたのだから……」

望「くっ…ぅ……」

芙蓉が両腕に体重をかけ望の首を絞める
しかし、すぐに離すと立ち上がり元の位置に座った

芙蓉「どれくらい絞めていたかは覚えてないけど……気づいた時には姉は息をしていなかった」

芙蓉「その事に驚いた私は救急車を呼んだの……」

芙蓉「そうして私達の関係が両親にバレてしまったと言うわけよ……」

望「……」

芙蓉はウィスキーに手を伸ばすが途中でその動きが止まる

芙蓉「望……水を持ってきてちょうだい」

望「……はい」

望は何度か芙蓉の方を振り返りながらキッチンへと向かった
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/19(日) 23:36:16.49 ID:fNDmpt9SO
望はグラスと水差しを手に芙蓉の元へ戻る
グラスに水が注がれると芙蓉は一気に飲み干し口を開く

芙蓉「……この家には地下室があるの」

芙蓉「姉を殺しかけた私は……その地下室に閉じ込められた……」

芙蓉「最初はそのまま殺されると思ってたけど……一週間ほどすると出してもらえたわ」

芙蓉「そして……家の中は何も変わらないまま……」

芙蓉「姉と両親だけがいなかった……」

望「……」

芙蓉「……私を地下室から出したのは父の秘書でした」

芙蓉「その人は私に封筒を渡すと何も言わずに去っていったわ……」

芙蓉「封筒の中には通帳と手紙……」

芙蓉「手紙には姉が無事だった事と……二度と姉に関わるなと書かれていた……」

芙蓉「……金と家はやる、だから姉を探すな……ってね」

望「お姉様……」

あまりにも悲しい芙蓉の過去
望は自分の不用意さを悔やむとともに、過去を打ち明けてもらえた嬉しさを感じていた
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/19(日) 23:37:11.51 ID:fNDmpt9SO
芙蓉「両親はきっと私が怖かったんでしょうね……」

望「お姉様が……怖い……?」

芙蓉「普通は私の方を追い出すでしょう……だけどいなくなったのは姉と両親……」

芙蓉「追い出しても……私が戻ってきて姉と接触する事を恐れたんじゃないかしらね……」

芙蓉はそう言ったきり目を閉じて黙りこむ
言葉が見つからない望は芙蓉をそっと抱きしめた

芙蓉「お前……私を憐れんでいるの?」

望「いいえ、違います」

芙蓉「……では何だと言うの?」

望「私はお姉様を愛しています」

芙蓉「…………そう」

望「……はい、愛しています」

芙蓉「……分かったわ……」

望に抱きしめられたまま、芙蓉は深い眠りに落ちていった
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/19(日) 23:38:04.10 ID:fNDmpt9SO
望は眠ってしまった芙蓉を優しく抱き上げる
学生時代はマネージャーとは言え運動部に所属していた望は普通の女性よりは腕力に自信があった
しかしそれを差し引いても芙蓉は驚くほど軽く、望は言い知れぬ不安に襲われる

芙蓉「……」

望(お姉様……こんなに軽いなんて……)

芙蓉を抱えた望は慎重に階段を上がる
そして芙蓉の部屋に入ると起こさぬよう静かにベッドに乗せた

望(……)

元々作り物めいた美しさを持つ芙蓉
体重の軽さを実感した望には今の芙蓉は人形のように思えた

望(お姉様……)

眠る芙蓉の手を取り望は頬を寄せる

望(……)

芙蓉の過去を知った望は一層その想いを募らせていった
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/19(日) 23:38:37.53 ID:fNDmpt9SO
今日は終わり
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/23(日) 23:26:49.04 ID:M+gW6LqSO
翌朝、望が目を覚ますと隣にはまだ芙蓉の姿があった
望は少し笑うと芙蓉の肩に手をかける

望「お姉様……朝ですよ」

芙蓉「うっ……」

望が触れた肩を軽く揺すると芙蓉は苦しそうな表情を見せた

望「お姉様?」

芙蓉「望……」

望「はい、なんでしょうか?」

芙蓉「頭が痛いわ……」

望「……もしかして…二日酔いですか?」

芙蓉「……情けないわね」

望「お姉様……学校は……」

芙蓉「……今日は休むわ」

望「それなら私も……」

芙蓉「ダメよ」

望「でも……」

芙蓉「私とお前が同じ日に休むのはダメなのよ……」

望「お姉様……」

芙蓉「キッチンは自由に使っていいわ……悪いけど食事は自分で用意して……」

望「……分かりました」

芙蓉「私はもう少し寝るわ……」

望「……」

芙蓉が目を閉じると望は後ろ髪を引かれる思いで部屋を後にした
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/23(日) 23:27:46.71 ID:M+gW6LqSO
その日の望は家に帰るまで上の空だった
授業にも集中できず、気がつけば芙蓉の事ばかり考えていた
そして学校が終わると仕事を持ち帰り、いつもより急いで帰宅する

望(……お姉様……大丈夫かしら……)

家に着くと望は真っ先に芙蓉の部屋へ向かう
静かに扉を開けると芙蓉はベッドの上で本を読んでいた

望「お姉様……」

芙蓉「……連絡が無かったわね?」

望「あっ……」

芙蓉「帰る前には連絡する約束でしょう?」

読んでいた本を閉じると芙蓉がベッドから下りる
望は笑みを見せながら近づいてくる芙蓉をじっと見つめていた

芙蓉「一体どうしたの?」

望「申し訳ありません……心配だったもので……」

芙蓉「……何が心配だったの?」

望「お姉様が……です……」

芙蓉「ふふっ……やっぱりね……」

芙蓉は微笑みながら望の頬に手を当てた
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/23(日) 23:28:42.02 ID:M+gW6LqSO
芙蓉「望……ちゃんと授業に集中できたの?」

望「そ…それは……」

芙蓉「……望」

望「はい……」

芙蓉「気をつけて頂戴……」

望「……」

芙蓉「お前と私は学校では教師と生徒なの……」

芙蓉「誰かに不審に思われたら大問題になるかも知れないわ……」

望「……申し訳ありません」

芙蓉「ふふっ……」

望「……お姉様?」

芙蓉「心配してくれた事は嬉しく思うわ♪」

そう言うと芙蓉は望と唇を重ねた

望「んっ!?」

芙蓉「うふふっ……」

望「お姉様……」

芙蓉「お前は可愛いわね?」

望「……」

芙蓉「さぁ、食事にしましょう」

望「……はい」

一足先にリビングへ向かう芙蓉を望は温かな気持ちで見ていた
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/23(日) 23:29:40.78 ID:M+gW6LqSO
その日の夜も望は芙蓉と一緒にベッドに入っていた
芙蓉は望に腕枕をせがみ、望は芙蓉を抱きしめるように包み込む

望「……」

芙蓉「……」

2人の間に言葉は無かった
しかし望は芙蓉が甘えたがっている事を理解していた

望(お姉様……)

芙蓉「……望」

望「……はい」

芙蓉「背中を……撫でて頂戴……」

望「……分かりました」

小さく笑いながら望は芙蓉の背中を撫でる
しばらくの間そうしていると、芙蓉の寝息が聞こえ始めた

望「……」

望(お姉さんも……望さんもこんな気持ちだったのかしら……)

類い稀なる美貌と危うさを持つ少女
その少女に甘えられる事は望に大きな幸せと小さな優越感を与えていた
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/23(日) 23:30:34.48 ID:M+gW6LqSO
芙蓉を抱きしめながら望もいつしか眠りに落ちる
そして明け方近くに感じた胸の奇妙な感覚で目を覚ました

望「んっ……」

ゆっくりと目を開けると自分の胸に吸い付く芙蓉が見えた

望(お姉様……?)

一瞬だけ望は驚く
しかし、そこに性的な何かを感じる事は無かった

望(……ふふっ)

まるで赤子がそうするように望の胸に吸い付く芙蓉
その姿は望の庇護欲を強く刺激した

望(お姉様……赤ちゃんみたい……)

望(……可愛いな……)

その時、望は自分が芙蓉の傍を離れたくなかった理由に気づく

望(……そうか……だから私は……)

芙蓉の傍に居たかった理由
それは一言で言えば母性だった

望(……お姉様……私はここにいます……)

望は無意識の内に芙蓉をきつく抱きしめていた
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/23(日) 23:31:33.96 ID:M+gW6LqSO
望が強く抱きしめると芙蓉が僅かに身動ぎした

望「お姉…様……?」

起こしてしまったかと思った望は芙蓉に声をかける
しかし芙蓉は身動ぎしたもののまだ目覚めてはいなかった

望(良かった……)

腕の力を少し緩めた望は芙蓉を見つめる
芙蓉は望の胸から唇を離すと乳房に頬を擦り寄せた

望(うふふっ……お姉様は甘えん坊なんですね?)

芙蓉から感じる素直な甘え
それは望に今までにない幸せを与えた
しかし次の瞬間、望は心臓を冷たい手で掴まれたような気持ちになった

芙蓉「……ぇ…ちゃん……」

望「……」

芙蓉「おねぇ…ちゃん……」

望(……やっぱり……そうなんですね……)

芙蓉が無意識で求めるのは自分ではなく姉
その事実は望に耐え難い悲しみを与えた
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/23(日) 23:32:29.83 ID:M+gW6LqSO
気がつくと望は涙を流していた
単に芙蓉に求められていない事だけでなく、そこには様々な感情が渦巻いていた

望(お姉様……どうしてお姉様だけが……)

両親に愛されなかった少女
姉だけを頼り、姉だけに愛された少女
そして愛する姉を殺めかけた少女
望はあまりにも悲しすぎるその境遇に涙を流す

望(一体……この子が何をしたと言うの……)

親によって歪められ、これほど強く求める相手と引き離された芙蓉
それは十代の少女が受けるには重すぎる罰だと望には感じられた
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/23(日) 23:33:23.89 ID:M+gW6LqSO
涙が止まらない望は次第に嗚咽を漏らし始める
するとその声に気づいた芙蓉が目を覚ます

芙蓉「……望……?」

望「お姉…様……」

芙蓉は望の頬に手を当て優しく微笑む

芙蓉「どうしたの?怖い夢でも見たの?」

望「……」

泣きながら望は小さく首を横に振る

芙蓉「では……寝ている間に何か酷い事を言ってしまったかしら?」

望「……違い…ます……」

望「お姉様は……悪く…ないんです……」

芙蓉「…………望……お前は泣き顔も可愛いけれど……」

芙蓉「……笑顔が一番似合うわよ?」

望「……はい」

芙蓉を安心させる為に望は無理やり笑顔を作る
それはぎこちない笑顔だったが、とても優しい顔だった
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/23(日) 23:33:52.11 ID:M+gW6LqSO
今日は終わり
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/21(日) 22:11:37.26 ID:Vd6eLniSO
それからおよそ1ヶ月
学校では教師と生徒として、家では主従として2人は過ごした
芙蓉は何度も望を抱き、それは望に喜びと悲しみを同時に感じさせる
そんなある日、望は芙蓉に連れられ地下室の前に立っていた

芙蓉「ここが地下室……私が閉じ込められていた場所よ……」

望(こんなところに一週間も……)

地下室周辺は薄暗く、空気も冷たかった
望が最初にイメージしたのは墓地
そこは大人である望にも長居はしたくない雰囲気を感じさせた

芙蓉「もっとも……内部はかなり違うけどね」

望「……」

重々しい扉が軋んだ音を立てて開かれる
その様子は望の恐怖心を掻き立てていた
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/21(日) 22:12:40.60 ID:Vd6eLniSO
地下室の中は望の想像とは大きく違っていた
室内には様々な拘束具や望には使い方の分からない道具が置かれている

望「お姉様……」

芙蓉「……中学二年の時に作り替えたの」

望「……」

芙蓉「元々は倉庫として使われていたんだけどね……せっかくだから私の好きなようにさせてもらったわ」

望に背中を向けたまま芙蓉は歩き出す
そして部屋の中心近くの三角木馬に手を当て振り返る

芙蓉「中学生の時は……クラスメイト、先輩、後輩……私に告白してきた子はたくさんいました」

芙蓉「……でも…皆ダメだった……」

芙蓉「この部屋を見た途端に逃げる子、私が与えた痛みに耐えられない子……」

芙蓉「…………そんな子ばかりだったの……」

望「お姉…様……大丈夫…ですか……?」

望に問いかけに芙蓉は小さく頷く

芙蓉「……平気よ……話を続けましょう」

望「……はい」

過去の話は芙蓉自身を追い詰めてしまう
それは理解できていたが望は止める事ができなかった
まるで身を削るような芙蓉の独白は望から言葉を奪っていた
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/21(日) 22:13:38.27 ID:Vd6eLniSO
芙蓉は独り言のように話続ける

芙蓉「私は告白してきた子を手当たり次第に連れ込んだわ」

芙蓉「……穴を埋める為にね」

望(……穴……?…もしかしてお姉さんの事かしら……)

芙蓉「誰かが私を愛してくれるかもしれない……そう思っていたけどダメね……」

望「……お姉様」

芙蓉「……なに?」

望「その……穴と言うのは……」

芙蓉「心の穴よ……姉に捨てられた私にできた心の穴……」

望(やっぱり……)

芙蓉の言葉は望の心を締め付ける
絶望、失望、諦め、そんな感情を望は受け取っていた
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/21(日) 22:14:41.74 ID:Vd6eLniSO
意を決した望は芙蓉に話かける

望「……お姉様」

芙蓉「……」

望「お姉様は捨てられてなどいないはずです」

その言葉を聞いた芙蓉の目が細められる

芙蓉「……ずいぶん面白い事を言うのね?」

望「……」

芙蓉「では聞きましょう……なぜ姉はここに居ないの?」

望「それは……」

芙蓉「両親に逆らえなかった……そんな事は分かっているの……」

芙蓉「生まれた時からそうやって育てられたのだから……」

芙蓉「親に反抗する事は……姉には不可能なの……」

望「お姉様……」

芙蓉は俯きながら囁くように言葉を紡ぐ
心配した望が触れようとした瞬間、芙蓉は顔を上げ険しい表情を見せた

芙蓉「……それでも私は!!」

望「っ!?」

芙蓉「それでも私は…………傍に居て……欲しかったの……」

初めて見せた芙蓉の悲痛な叫び
それは望の心にも深く突き刺さっていた
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/21(日) 22:15:39.23 ID:Vd6eLniSO
力なく項垂れた芙蓉は磔台を指差す
言葉こそ無かったものの芙蓉が何をしたいのか望には分かっていた

望「……」

無言で磔台に立つ望を芙蓉が拘束する
腕はそれぞれ上部の鎖に繋がれ両脚はまとめて下部の鎖に繋がれた
その姿はまさに磔刑に処される罪人のようだった

芙蓉「…………今日は最初からこうするつもりだったけど……」

望「……」

芙蓉「ごめんね……手加減できそうにないわ……」

そう言うと芙蓉は壁にかけられたバラ鞭を手にする

芙蓉「それでは……始めましょう……」

望「はい……」

芙蓉は望の返事を聞くと手にした鞭を大きく振りかぶった
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/21(日) 22:16:11.59 ID:Vd6eLniSO
今日は終わり
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/06/18(日) 22:26:24.51 ID:AuWvsVtSO
地下室の中には鞭が肌を打つ音と望の悲鳴だけが響いていた
いつもと違い愛情の欠片も感じられない芙蓉の仕打ち
望にできるのはただ体を強ばらせ芙蓉が止まるのを待つ事だけだった

望「あっ!!……くぅっ!!……」

芙蓉「……」

望の全身に数えきれないほどの赤い筋が刻まれる
やがていくつかの痕から血が滲み始めるとようやく芙蓉は動きを止めた

望(お……終わっ…た……?)

芙蓉は望の拘束を解くと優しく抱きかかえる
全身に感じる痛みで体を動かせない望は芙蓉に体を預けていた

芙蓉「……望」

望「は…い……」

芙蓉「もう少しだけ頑張って……」

そう言うと芙蓉は望を支えながら室内のベッドに向かう
そして慎重に望を寝かせるとベッドサイドの引き出しから小さな容器を取り出した
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/06/18(日) 22:27:23.11 ID:AuWvsVtSO
ベッドに横たわった望の体を芙蓉が指でなぞる
その様子は、まるでそうすれば痕が消えると思っているかのようだった

芙蓉「……」

望「……うっ!!」

出血している傷口を触られた望が思わず声を上げる

芙蓉「……ごめんなさい」

望「いえ……大丈夫です……」

芙蓉「違うの……そうじゃ…ないの……」

望「えっ……」

芙蓉「……薬を塗るから動かないでね……」

望「分かりました……」

芙蓉は容器を開けると中の薬を傷口に塗り始める

望(違うって……何が違うのかしら……)

謎めいた芙蓉の言葉
黙って薬を塗り続ける芙蓉からその答えを聞く事はまだできなかった
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/06/18(日) 22:28:32.67 ID:AuWvsVtSO
望の体に薬を塗り始めてから数分後
無言だった芙蓉が呟くように話だした

芙蓉「……お前を初めて抱いた時の事を覚えてる?」

望「はい……忘れられません……」

芙蓉「あの時お前は言ったわね……私を受け入れる事ができたと……」

望「……覚えています」

芙蓉「……どうしてお前は姉と同じ事を言ってしまうの……?」

望「えっ……」

芙蓉「姉も同じ事を言ったの……私を受け入れる事ができた……とても幸せだと……」

望「……」

芙蓉「なぜ…姉と同じなの……」

望「お姉様……」

芙蓉「私は姉を愛していた……お前が姉と同じなら…………私は……」

望は自分の体に触れている芙蓉の指が震えている事に気づく
そしてその震えが恐怖による物だと直感的に悟った
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/06/18(日) 22:29:35.14 ID:AuWvsVtSO
望は痛みを堪えながら体を起こす

望「っ……お姉様……」

芙蓉「望……?」

望「大丈夫です……私はここに居ます……」

不安そうに見上げる芙蓉を望が抱き締める

望「私はお姉様の傍に居ます……私は…私は居なくなったりしません」

芙蓉「……バカね……せっかく薬を塗ったのに……」

望「あっ……申し訳ありません」

体を離そうとした望を芙蓉が抱き締め返す

望「お…お姉様……?」

芙蓉「もっと……」

望「……」

芙蓉「もっと強く抱いて……」

望「……はい」

望はさっきよりも強く芙蓉を抱き締める

芙蓉「もっとよ……苦しいくらいに抱いて頂戴……」

望「……このくらいですか?」

芙蓉「ええ……温かいわね……」

芙蓉の震えはいつの間にか止まり、今は穏やかな笑顔を見せていた
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/06/18(日) 22:30:31.66 ID:AuWvsVtSO
しばらく2人は抱き締めあっていたが、やがて芙蓉の方から体を離した

芙蓉「……薬を塗り直しましょう」

望「すみません……せっかく塗ってもらったのに……」

芙蓉「そんなに気にしなくていいわよ」

再び望を寝かせた芙蓉が薬を塗り直す

望(お姉様の指って冷たくて気持ちいいな……)

熱を持った体に薬と芙蓉の指の冷たさは心地よく、望は自然と笑顔になっていた

芙蓉「……何で笑っているの?」

望「すみません……お姉様の指が気持ちよくて……」

芙蓉「そう……ならもっと気持ちよくしてあげるわ」

望「えっ……」

薬を塗り終えた芙蓉はベッドサイドの引き出しからバイブレーターを取り出す

芙蓉「これで可愛がってあげましょう……」

望「……」

芙蓉「明日も休みなんだから……一晩中鳴かせてあげる……」

望「……お願いします」

芙蓉の宣言通り、その夜は望の喘ぎ声が止むことはなかった
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/06/18(日) 22:31:03.34 ID:AuWvsVtSO
今日は終わり
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