【安価】「生き延びたければ光を使え、影に光を……」【狂乱】

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/08/10(水) 10:17:24.78 ID:8T/n7Ze20



「……………」


「どこだここは」


「寒いな、風が吹いてくる」


「通路か……それも、地下通路だ」


「地下街かもしれない」


「私は……」


「男、なのか分からない……女かもしれない」



2 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/08/10(水) 10:18:49.53 ID:8T/n7Ze20


「股間を触ってみたいが」


「何故か恥ずかしくて触れられない」


「髪は肩に触れる程度」


「眼前にチラつく限りでは黒髪、だろうな」


「胸は…やはり触れられない」


「何故か恥ずかしい」


3 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/08/10(水) 10:19:54.82 ID:8T/n7Ze20


「そうこうしていると、何処かからか水の音がした」


「見渡すが、水道管から漏れてそうな箇所は今いる場所からは見えない」


「殆どがシャッターが閉まっている通路だが、二つほどシャッターの閉じた店の横は閉まっていない」


「近づこうか、迷う」


「それを素通りすれば、私が立っている後方と目の前に、地上へと続く階段がある」


「しかし、目の前にある階段の三段目、よく見るとびっしりと天道虫が蠢いている」


「それらは何故か飛ばない」


「蠢き、ただただ三段目の段を埋め尽くしている」


4 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/08/10(水) 10:21:42.35 ID:8T/n7Ze20


「いま、私に取れる選択肢は幾つかある」


「舌を噛み切る事も、もしかしたら出来るかもしれない」


「しかし何故か恥ずかしい」


「見られている」


「二次元化され、更には文字化され、私の言葉を見ている者がいる」


「若いな」


「では適当に聞きたい」


「私はどうすればいい?」


「1、前方の階段に進む」
「2、後方の階段に進む」
「3、後方の階段より手前の店に近付く」
「4、衣服を詳しく探る」
「5、これは君に任せよう、私の運命は君に委ねたいと思う」


↓2

「……ああ、私の気まぐれでその前の人にも後の人にもなるかもしれない」

「自由に選択肢なり、願望を言ってくれて構わない」


5 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/08/10(水) 10:29:04.29 ID:+2NJkz1+O
1
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/08/10(水) 10:29:50.20 ID:m1VaaCoQO
4
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/08/10(水) 10:34:59.00 ID:8T/n7Ze20


「店に入るか、衣服の中を探る」


「とりあえずは探ってみる」


「履いているのは黒の革靴、黒の靴下、そして……黒のスカートだ」


「下着を見たいが、恥ずかしい」


「シャツは黒の無地、黒のパーカーだろうか」


「アクセサリーは無い……が」


「ポケットから、四角い木箱で手の中に納まる程度のサイズが出てきた」


「軽いが、蓋は開かない」


8 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/08/10(水) 12:04:13.69 ID:8T/n7Ze20


「鍵穴は無さそうだ」


「押し込んでも引いても、蓋は開かない」


「ポケットにしまうと、パーカーの中を探る」


「肩まで小さなポケットに入ってしまった」


「指先が、何かに触れる」


「引き抜くと私の手にはべっとりと白い濁った粘液がかけられていた」


「生臭い」


9 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/08/10(水) 12:07:30.07 ID:8T/n7Ze20

「何か拭くものが欲しいが、服しかない」?


「文字通り、ふくしかないのだろうか」?


「仕方ないので私は前方の階段を進もうとする」


「そこで、地下通路の奥から声が漏れ聞こえてくるのが分かった」


「若い少女の声」


「振り向いた先にあるのは、後方の階段手前にある唯一シャッターの閉じていない店だ」


「視線を向け、ゆっくりと爪先からそちらへ近づこうとする」


「私はこのままどうすればいいだろうか?」


「1、構わず前方の階段を上がる」
「2、店に近寄ってみる」
「3、声のした店に入る」
「4、構わず後方の階段へ進む」
「5、これは君に任せよう、私の運命は君に委ねたいと思う」


↓2

「通路に嫌な感じが、ねっとりと絡みつくような風が吹いている」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/08/10(水) 12:17:01.80 ID:mOi0DWniO
この人の数なら下1でいいと思う
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/08/10(水) 12:26:40.01 ID:OEZvsQ0sO
1
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/08/10(水) 13:27:57.88 ID:kiLzJt1vO

「水音から離れるのならば、今いる位置から目の前の階段に進む必要がある」


「そう、あの少女の声は水音だ」


「私は地下通路を歩いていく」


「薄暗い、白の蛍光灯に照らされた通路に私の革靴が小気味の良い音を響かせる」


「背後の後方の階段より手前の店から、水の音がする」


「そして私は前方の階段を前にして立ち止まった」


「通路の後方にある店から、少女の悲鳴が聴こえていた」


「私は階段を登ろうとする」


「通路の奥で蛍光灯が割れた音がした」


「それっきり、水の音も少女の声も聴こえなくなった」



13 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/08/10(水) 15:46:33.50 ID:/u83u6T3O
1
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/08/10(水) 16:43:04.40 ID:kiLzJt1vO


「前方の階段を前に、私は足を止める」


「先程見た時と変わらない」


「三段目には夥しい数の天道虫が蠢いている」


「不思議と虫達は三段目から脚の一本もはみ出す事なく、それぞれの体を跨いで蠢いていた」


「……避けようと思えば避けられる」


「天道虫はそれぞれがこの小さな世界を生きているのだ」


「ならそれを踏んでは可哀想だろう」


「私は天道虫の上を跨いだ、跨ごうとした」


「しかしバランスを崩して天道虫の群に勢い良く足を振り下ろしてしまった」


「天道虫達は逃げる事もできずに半数が私の革靴に踏み潰され、その体液を撒き散らす」


「これが自然界の厳しさである」


15 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/08/10(水) 17:16:34.17 ID:kiLzJt1vO

「階段の先は薄暗かった」


「地下街から上がってきた私の前には、細めの通りを塞ぐ横倒しにされたタンクローリーがあった」


「火は出ていない、寧ろその焦げた黒い表面からは爆発した事がわかる」


「警察や消防は来ていない」


「それどころか人の影すらなかった」


「通りを暗くしていたのは頭上を覆っている布のせいだと思う」


「赤茶けた、薄汚れた皮らしき物で通りを覆っていたのだ」


16 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/08/10(水) 17:36:15.80 ID:kiLzJt1vO

「しかし、外に出て最初に感じたのは、心地好い風だ」


「地下街では寒く感じていた筈なのに、暖かい」


「それもその筈だ、恐らく今は正午を過ぎて間もないのだろう」


「薄暗くともそんなものだ」


「……しかし、これは何が起きたのだろうか 」


「地下街から出た階段の後方……向こう側に大きな交差点が見えるが、そこへ行く道もまた塞がれていた」


「大量の車が煙を上げて無造作に放置されていたからだ」


「私のような華奢な体では乗り越えられないだろうな」


「……」


「通りの横にある更に細い路地から、何かが割れる音がした」


「硝子の音だ」


「1、路地に入る」
「2、路地を覗く」
「3、喰われた通りを探索する」
「4、これは君に任せよう、私の運命は君に委ねたいと思う」


↓1



17 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/08/10(水) 18:51:53.25 ID:B+jMH76gO
1
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/08/10(水) 23:08:31.72 ID:8T/n7Ze20


「音のした路地へ入ってみる」


「薄暗さは表の通りよりも濃く、冷んやりとした空気が流れている」


「裏路地、というものだろうか」


「女か男かは知らないが、私はか弱い」


「きっと暴漢に襲われでもしたらひとたまりもない」


「多分な」


「裏路地の奥まで行かないと、何の音かはわからない様だ」


19 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/08/11(木) 12:27:03.91 ID:++xu2UvG0


「薄汚れた路地裏を歩いて行くと分かる」


「かなり入り組んでいる、繁華街の裏だからだろうか」


「湿った空気と腐臭が鼻をつく」


「生ゴミの臭いだと考えられるが、それらしいものは見当たらない」


「革靴を小気味良く鳴らして歩いている」


「景色は薄汚れた路地裏の壁ばかりで、つまらない」


「1、右の道に進む」
「2、奥へ進む」
「3、脇にあるランドセル」
「4、段ボールの中を見る」
「5、これは君に任せよう、私の運命は君に委ねたいと思う」


↓1



20 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/08/11(木) 12:41:57.44 ID:/AFbpVkiO
3
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/08/11(木) 13:17:30.54 ID:++xu2UvG0


「何かが足に当たり、私は視線を落とす」


「そこには黒のランドセルが落ちていた」


「背中に当たる白いクッション部位は赤黒く変色して削り取られている」


「切り裂かれたという表現がしっくりくるな」


「切り裂かれた部位から覗かせる、変色したクッション素材はまるで人間の筋繊維がブチブチと千切られたように見えるからだ」


「私はそのランドセルを開けた」


「……中には無地の黒い箱が入っていた」


「箱の中をスライドして出す、そこには二本の黒のマッチが入っている」


22 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/08/11(木) 13:44:06.34 ID:++xu2UvG0


「何となくマッチの一本を指先で摘まむと私はそれを観察する」


「……」


「何処か、心に躍るものを感じた気がする」


「私は黒いマッチ箱を上着のポケットに入れて歩き出した」



「1、左の道に進む」
「2、奥へ進む」
「3、トイレ」
「4、何もなさそうだし、君に任せるとしよう……私の運命は君次第だ」


↓1


23 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/08/11(木) 13:59:41.07 ID:sKxqcOt3O
3
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/08/11(木) 14:25:57.73 ID:++xu2UvG0


「いつだって人間はそうだ」


「不意に来るものには抗えない、当然だ」


「尿意が私を襲ったなら、それに抗える道理はないのが常だ」


「しかしここはトイレではない、断じて」


「なら、どうすればいいのだろうか」



「1、その場でする」
「2、周りを見る」
「3、奥へ進む」
「4、これは君に任せよう、私の運命は君に委ねたいと思う」


↓1


25 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/08/11(木) 14:33:38.31 ID:sScpHSC+O
1
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/08/11(木) 14:33:52.33 ID:wwfQ/HkDO
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/08/11(木) 14:48:11.47 ID:++xu2UvG0


「その場でする……」


「ここで、か」


「ここで……?」


「いや、別に私は恥ずかしいわけではないが不衛生ではないだろうか」


「だがトイレが近くに無い以上……仕方がないのは理解できる」


「……んっ……」


「ショーツを脱いで、私はその場に……しゃがんだ……っ」


「ん……はっ……ぁ…ん……」


「ん……んっ……」


「……っ!? 」ドサッ

< ジタバタッ……ずぶぶっ……

「んむっ……むぅー!」ビクッ

< グチュッグチュッ……

「んっ……んぅ…ぁ……っんっ…」ユサユサッ


< ドピュッドピュッ……ビュルルルル……


「〜〜っ……! ……っ……ん……ん……」ドサッ


28 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/08/11(木) 15:48:46.35 ID:++xu2UvG0


「はぁ……はぁ……っ」


「酷い目に遭った」


「く……垂れてくる……」


「さっきの黒いゴム質の男は何だったのだろうか」


「嫌な気配は感じなかった」


「好意は感じたのでそれほど抵抗しなかったが、それが仇となったようだ」


29 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/08/11(木) 16:18:04.19 ID:++xu2UvG0


「暫く細い路地を進む、途中で匂いが変わった」


「焦げた肉の匂いだ」


「強い灰の香りだ」


「路地裏を抜けた先には有刺鉄線の巻き付いた大型バスと大量のトラックや車が積み上がっていた」


「その先には一つの建物がある、この距離ではぼんやりとだが、建物の名称が見えた」


「『警察署』だ」


「…………」


「一歩、前に踏み出すと私の足裏に何かが落ちている事に気付いた」


「翠色のビー玉だろうか、硝子の小さな球体が落ちていた」


「私が聞いた硝子の音はこれだったのかはわからない」


「ここに辿り着くまでに30分かかる距離で、聞こえるとは思えなかったからだ」


「だが、まぁ……私はその翠色の玉をポケットに入れた」


30 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/08/24(水) 21:44:11.50 ID:aM84iJtm0
タイトルだけ見てアランウェイクかと思った
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/09/23(金) 20:05:00.05 ID:NBewk6WJ0
はよ
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/02/24(金) 00:32:22.61 ID:rweZw0Y7o
まだかなー
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