女勇者「さあ魔王、人間を滅ぼそうよ」魔王「何を言っているんだ貴様は」2

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181 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/09/19(火) 21:25:08.99 ID:siCbZu5BO
女勇者「はい魔王、あーん」

魔王「」あーん

女勇者「ふふ、魔王を看病できるなんて僕幸せ〜」

魔王「それは良かったな…ゲホッ、ゲホッ」

女勇者「お薬口移ししてあげよーか?」

魔王「やめろ。というかまた風邪になったらどうする」

女勇者「魔王の中で培養された風邪菌が僕の中に入って増えるなんてそれもう妊娠だよね。望むところだよ///」ハァハァ

魔王「どういう発想だ」

側近「まあ一度罹った風邪には抗体が出来ているでしょうしもう一回罹るってことは無いとは思いますが」
182 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/09/19(火) 23:03:34.91 ID:siCbZu5BO
その日の朝

勇者「戦士、戦士、治ったよー」

戦士「良かった良かった」

勇者「じゃあまた旅に出よー」

戦士「いや、その前にちょっとやることが出来てな…」
―――――
―――

「えぇと、言いにくいのですが…何故か今日例の異常が治まりまして…」

戦士「そうなのか?」

「今朝小鳥が宿の上でチュンチュン鳴いていましたし一部の従業員の体調不良も治ってましたから」

戦士「んー、まあ…そういうことならいいけど」
183 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/09/19(火) 23:52:07.93 ID:siCbZu5BO
勇者「ねえ戦士、太陽も笑ってるよ!」

戦士「まあ、それだけお前が元気になって良かったよ」ナデナデ

勇者「ん…ん?」

戦士「どうした?空を見上げて固まったりして」



勇者「…………太陽、あれ?」

戦士「は?」
184 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/09/19(火) 23:53:19.96 ID:siCbZu5BO
今回の連続更新はここまで

次はもっと早くなる。頑張る
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/20(水) 00:09:00.14 ID:PVyAeNHvo
おつおつ
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/22(金) 10:28:24.19 ID:NU5eflLJO
太陽「ぼくクマ太陽」
187 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/09/23(土) 13:23:53.97 ID:P1hNaokyO
太陽が光を失い、膨張していく

血のように真っ赤になり、ドクン、ドクンと心臓のように脈打っている


戦士「何だよ…あれ…」

勇者「…もう、来たんだ…」


脈打つ太陽の真ん中に、おぞましい充血した目が現れた
188 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/09/23(土) 15:11:08.15 ID:P1hNaokyO
勇者「戦士、ボクたちの旅はここで終わりだよ」

戦士「お、おい何言ってんだよ」


勇者「お別れだよ、今までありがとう。さようなら」


そう言った勇者の目には涙が浮かんでいた


戦士「だからっ、何言ってんだよ!あれは何なんだよ!」


勇者「血に塗れた太陽。世界に憂いた神の目」


勇者は剣を太陽に向けて高く翳す


勇者「今から始まるのは、終わりの始まりだよ」


充血した太陽の目が剣に向かって赤い光を放つ

勇者の剣が血よりも赤く、闇よりも深い黒

そして純粋で真っ白な破壊衝動


それは真にこの勇者に相応しい剣であろう


勇者「終わりの始まり」
189 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/09/23(土) 15:12:52.80 ID:P1hNaokyO
>>188
ミス

勇者の剣が赤と黒、白の生々しく肉々しい装飾に彩られる

血よりも赤く、闇よりも深い黒
そして純粋で真っ白な破壊衝動
190 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/09/24(日) 12:02:39.00 ID:S0dqmBh/o
女勇者「終わりの始まり」


女勇者「そんなの、始まらせるわけ無いじゃん」

女勇者「まだ終わらせないよ」ザシュッ


女勇者が聖なる光の剣を空中に向けて振る 

すると空に出現した"神の目"は一刀両断され、霧散する


そして元の普通の太陽となった
191 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/09/24(日) 13:11:07.53 ID:S0dqmBh/o
戦士「はっ!?消えた!?」

勇者「…ワガママ…」

戦士「なあ勇者、俺には何がなんだか…」

勇者「まだ一緒にいられるってことだよー」


にっこりと眩しい笑顔を見せる勇者

だがその剣は禍々しいままであった
192 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/09/24(日) 13:11:55.09 ID:S0dqmBh/o
昨日更新する予定だった部分まで書いて今回の更新はここまで
また数日後に
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/24(日) 14:35:11.80 ID:IvnPR7dvo
おつん
面白くなってきた
194 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/09/27(水) 23:24:24.47 ID:vxwlImi+O
〜天界〜

「第6世界はいったいどうなってんだ!」

「魔物と人間の均衡が崩れすぎた!早く"勇者"によるリセットを発動させろ!」

「その勇者が魔物側についた!誰だあんなやつ"勇者"に任命したのは!」

「責任追及している場合か!だったらもう一人別の"勇者"を任命させろ!」

「今度はその新勇者が各所で人を殺しまくってます!」


「あの世界担当の女神は何を考えているんだぁぁああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/27(水) 23:56:39.79 ID:cmKc2SeUo
わろた
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/30(土) 01:55:05.52 ID:DyBYN2jUo
これはひどい
197 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/09/30(土) 14:48:15.45 ID:wZ9yI3evO
女神「五月蝿いですねお上は。まさに蝿なのですよ蝿」

女神「愛こそが世界を救うのです。愛が世界を壊すのならきっとそれが正しいのです」

女神「なので今日も私はあの二組を見張るのです」


女神「膨大に膨張し暴走する愛。欠如し欠落し無意識に強く求める愛」


女神「世界を決定するにはこの二つの愛のどちらかがふさわしいのです」
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/30(土) 15:07:44.08 ID:b1x7tXE6o
女神様ww
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/30(土) 19:45:24.26 ID:VxZA251GO
女勇者はあきらかに天界の神様達より力も能力も上だろもう絶望しかないなww
200 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/09/30(土) 21:16:26.61 ID:uH3RRCFtO
「くそ、こうなったらラストプロトコルの発動だ!」

「あの新勇者に邪神の剣を与える気か!?」

「女勇者の聖なる剣(悪堕ちver.)に対抗するにはそれしかない!」

「それだけじゃダメだ!」

「だったら"神なる目"を発動しろ!バランスとれるまで地上から魔族を排除しろ!」



「"神なる目"が女勇者に一撃で切り落とされました!!!!!!!」



「はぁぁぁああああ!?!?!?!?!?」
201 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/01(日) 02:33:57.65 ID:1uj+VUy7O
「こ、こうなったらもう仕方ない」

「な、何か秘策でも!?」

「…奴を、破壊神を使って女勇者を殺すしかない」

「な、我らが"勇者"に接触することは禁止されているはず」

「しかし、もう他に手はあるまい」


「女勇者を、殺す」
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/01(日) 02:54:36.95 ID:JMvEJ2Hl0
死 亡 フ ラ グ !
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/01(日) 04:23:57.29 ID:Ne7vj7xKO
世界の崩壊から再構築まで出来る勇者にここらへんの神様必要無いよね
殺っちゃえ殺っちゃえ♪
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/02(月) 09:31:36.54 ID:VLNLv5b9O
女勇者がすでに創造神なんだよなぁ
205 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/02(月) 19:17:20.78 ID:GLqZZLOZO
―――――
―――

女勇者「ねえ、魔王」

魔王「何だ?」

女勇者「魔王はさ、神様を敵に回す覚悟ある?」

魔王「恐るるに足らぬさ。貴様のためなら尚更な」ナデナデ

女勇者「えへへ、嬉しい///」

魔王「我等が魔族を護りし神ならともかく人間どもの神などむしろ臨むところだ」ニタァ


女勇者「その覚悟、すぐに試されることになるけどいい?」

魔王「…は?」
206 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/02(月) 21:33:20.70 ID:GLqZZLOZO
「久しぶりだな、魔の神。破壊神よ」

「何の用だ?善神ども」

「頼みたいことがある」
―――――
―――

―――
―――――
「くっかかかかか、馬鹿馬鹿しい。何故我が我の司る魔族に与する者を打倒せねばならぬ。味方こそすれ、倒すなど、馬鹿馬鹿しい」

「神々の協定。忘れたか?」

「何?"それ"を持ち出すほどの危機が地上に訪れているとでも?」

「このままでは、魔族以外の全てか滅ぼされるか奴隷にされる」


「…それはマズい。マズいな」


「いくら魔神とはいえ良識はあるようだな」

「当たり前だ。我とて神の一柱よ。それほどの危機に悪も善もあるものか、バランスの偏りすぎは悪より悪い」


「少しばかり、お灸を据えてくるとしよう」クックック
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/02(月) 21:50:33.47 ID:k50ZAmH/o
読んでると変な笑いが出てくる
208 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/02(月) 22:24:20.30 ID:GLqZZLOZO
戦士「お、おい!また空が変に」

勇者「僕たちには関係ないよ。あれは別の」

戦士「か、関係ないって…」

勇者「どうせ、すぐ終わるから」
209 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/02(月) 23:07:11.56 ID:GLqZZLOZO
魔王「お、おい…また空が変に」

女勇者「ねえ魔王?僕にもう一度言って?神様にも逆らう覚悟がある?」


魔王「…無論だ…無論だ!!!!」


女勇者「あは♪流石僕の魔王。自分の神に逆らうなんて普通は出来ないよ」

魔王「は?自分の神って我らの神は魔族の神であって…」
210 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/02(月) 23:54:13.20 ID:GLqZZLOZO
初めてだ

ここまでの威圧感と恐怖は初めて味わう。魔王はそう感じだ

激しいまでの吐き気を催し、膝を折ってしまう


魔王(何だ、何なのだ…)


やがて、"それ"は空から降臨する


全ての邪悪を凝縮し、深淵よりも深くおぞましい闇夜の底からやってきたかのような"魔"の根源


「ひれ伏せ魔王、我こそは魔n」


女勇者「…」ズバァ


女勇者の聖なる剣が破壊神の体を真一文字に切り裂く


「グアァァァアアアアアアア!!!!!!!」


女勇者「…」グサッ、ズシャッ、ザシュッ、ザクザク


「ま、待て、ぐはっ、何だこれっ、ぐっ、わ、せ、せめて名乗らせ!」


女勇者「…」グッサグッサザシュザシュ

「やめろっ。無言で斬り刻むな!我もう手足無いから!」

「くそっ、魔王何ボーっとしておる。我こそh―


女勇者「黙ってろ♪」グシャッ

「っっっっっ!!!!!」


魔王(く、首を貫いた…)
211 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/03(火) 00:04:22.30 ID:Z4HeFUEqO
―――――
―――

女勇者「ふう、作業終了。木こりは疲れるね」

魔王「…作業、そうか。もはや戦いですらないのか…」


魔王の目の前でその何か(何なのかは絶対に考えたくない)はゆっくりと黒い霧になって消えていった


魔王(魔族の未来、大丈夫だろうか…)


女勇者「まおー、お腹空いたよー」

魔王「ん?あ、ああ。そろそろそんな時間か」
212 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/03(火) 00:10:20.94 ID:Z4HeFUEqO
今日はここまで
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/03(火) 00:50:12.23 ID:Bwjok/aCo
おつん
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/03(火) 02:57:08.65 ID:wtU9p83T0

まあ新しい女神がいるから魔族はだいじょぶだろ
215 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/03(火) 22:15:53.63 ID:0i2bcgkiO
「な、何だあの一方的な戦いは!!!」

「まだ女神の奴は見つからないのか!!」

「くそっ、もうどうしようもないのか!」


「まだ、まだ希望は残っている!」

「な、何が残っているというのだ!?」


「新勇者。彼しかいない」
216 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/03(火) 22:20:56.91 ID:0i2bcgkiO
〜悪魔の灯台〜

「オホホホホ、よくここまで来ましたねぇ人間」

戦士「お前がこの灯台を悪用して船を沈没させてる魔物だな」

「ここら一帯を管理する魔物。アラクゥタとぉ申します」

勇者「戦士、いい?」

戦士「ああ、あれは倒していいやつだ」

勇者「分かった」

アラクゥタ「オホホホホ、そんな簡単に言えるかしらねぇ」


勇者「死ね」


スバァ


アラクゥタ「……あ、ら…?」


何が起こったかすら気づかないままその場に倒れるアラクゥタ
217 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/03(火) 22:24:28.41 ID:0i2bcgkiO
グサッ、ザシュッ、バキッ、ザシュゥ、グサグサ、バキンッ

アラクゥタ「」バラバラ


勇者「戦士、二度と動かないようにバラバラにした」

戦士「よし、よくやったぞ」ナデナデ

勇者「えへへ」


シュンッ
218 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/03(火) 22:31:24.32 ID:0i2bcgkiO
グサッ

戦士「な…」


油断した。どこに隠れていたのか魔物に槍で自分の腹を貫かれた


勇者「戦士!!!!!!」


耳を劈く悲鳴のような声を上げる勇者


「イッヒッヒ、これでオイラも手柄を立てて昇格だい」

「さぁてあと一人…ひぃっ」


勇者「殺す」


「っっっ」ガクガクブルブル


戦士「ゆ、う…しゃ…おさぇ…」


勇者の怒りを表すように邪神の剣が怪物的な変化を起こす

赤黒く脈打つ模様

光をも吸い込む刃


そしておぞましいほどの邪気を放っている


勇者「殺す」
219 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/03(火) 22:52:46.24 ID:0i2bcgkiO
〜死屍累々〜

勇者「戦士、戦士ぃ…」

戦士「は、は…心配、するな、よ…薬草、持って、るさ」

勇者「だって、だってぇぇ…」


目を腫らして全身の水分を絞るように泣き続ける勇者を見て戦士は思った


戦士(俺が守らなきゃ、いけないのに…俺がいなきゃ、こいつはダメなんだ…)


勇者(もっと、強くならなきゃ)


勇者(もっと、もっと、もっと…もっともっともっともっともっともっともっと)
220 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/03(火) 23:09:44.18 ID:0i2bcgkiO
「というか誰だあんな女神一人に"勇者"の選定権を与えたやつ!!!」

「」ビクッ


「あいつだ!」

「お前か!」

「ふざけんな!」

「ちょ、ちょっと待て!私は!」

「うるせー!」

「問答無用だ!」

「罪には罰を!」

「あ、あの女神があんな本性を隠しているなんて知らなかったんだ!」

「監督責任だ!」

「監督責任だ!」

「天界追放の刑だ!」

「神の力と知識を奪って地上に落としてやる!」



「えっ、ちょっ、まっ、あっー!!!!」
221 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/03(火) 23:35:06.87 ID:j/OfhcAAO
女神「はぁはぁ…やっぱあの二人たまらないわぁ」

女神「無自覚なBLっていいわよねぇ。互いに気づかない内に惹かれあい、互いに依存する」

女神「素敵よねぇ。最高よねぇ。肉欲なんて無くても美しい愛に変わりはないわ」


「あの、女神様、いいんですか…?」

女神「大丈夫よ、女神は片方だけに肩入れしないわ」

女神「女勇者と魔王カップルも大好きよ。種族も運命も超えた愛、素晴らしいじゃない。最高じゃない」

「いえ、そうではなく…他の神々からお怒りの言葉と招集命令が来ているのですが。大量に」

女神「誰が行くかっての。私に一任したあいつらが悪いのよ。あっはっは」

「えぇ…」
222 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/03(火) 23:54:33.30 ID:j/OfhcAAO
「元凶は堕としたとしてこれからどうするんだよ」

「もうこの第6世界は捨てるか?」

「それは許されない。例え世界が魔族だけになったとしても我々は見守る義務がある」

「…魔族だけになった地上とか見守りたくねぇ…」

「それに他の世界の神々に馬鹿にされたくねえしなあ」

「だったら知恵を絞るしかねえだろ!我ら全知全能の存在だろ!」

「全知全能なんか人間が勝手に言ってるだけじゃねえか!」

「本当に全知全能ならこんなことにはなってねえんだよぉぉおお!!!」
223 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/04(水) 00:01:37.12 ID:oqif+Tg6O
「まだ、まだ希望はある…」

「マジか!?」

「あるなら言えよ!」

「さっきも言ったろ!新勇者を使うんだ」

「…あれもクソ女神の息がかかった人間だぞ」

「しかも人間・魔族限らず殺しまくってる」

「それでも一応打倒魔王&女勇者に向けて旅してる」

「しかし我らが直接勇者に接触することは禁じられているじゃないか」

「直接じゃなきゃいいんだろ?」ニヤリ
224 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/04(水) 00:03:02.74 ID:oqif+Tg6O
―――――
―――


「なるほど、それなら彼らに力を与えられる」

「ただ、それだけじゃ足りない」

「足りない?」

「そうだ。もう一押ししよう」

「もう一押し?」



「戦士と勇者、二人を分断させて不安と恐怖を煽る!!!」

「そうすることで早く魔王を倒さなければと思わせるんだ」


「なるほど!それはいい手だ!」

「これで希望は繋がったぞ!」
225 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/04(水) 00:03:41.65 ID:oqif+Tg6O
今日はここまで
少しの間戦士・勇者パートが続くけどできるだけ急ぐから許して見てくれ
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/04(水) 00:12:24.85 ID:SFT3tFtHo

>>「そうすることで早く魔王を倒さなければと思わせるんだ」

「なるほど!それはいい手だ!」

なんでフラグを建てていくんですかねぇ
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/04(水) 00:12:29.25 ID:LxgfMuKHo
そっちの二人も好きだから別に急がなくていいのよ
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/04(水) 09:25:59.17 ID:cMwZN3OjO
依存度だけで言えば女勇者より上っぽいよなこの勇者
依存対象と引き離して不安を与えて大丈夫か?
229 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/04(水) 20:43:49.16 ID:U+ef2D8+O
とある町

戦士「お金はいくらでも払うから誰も人が来なくて一晩泊まれる場所無いかな?」

町長「?普通に宿屋ではダメなのでしょうか?」

戦士「ちょっと訳ありでな。寝ている間に人が近くにいるとやばいんだ」


勇者は周りの人間を狂気に掻き立てる

何故か耐性のある戦士以外は勇者の近くに少しの間いるだけで狂い、自殺、または他人を殺そうとする

以前人の多い宿屋に泊まった時阿鼻叫喚の地獄絵図になってしまった


テントで野宿した時は偶然近寄ってきた山賊が狂気に奔った

偶然近くで休んだギルドのキャラバンが内乱を起こして殺し合いしてたこともあった


勇者「…」

そしてその度に勇者は嫌な思いをしているだろう

だから出来るだけそんなことは避けたい


町長「そうは言われましても…」

戦士「あー、俺たちこういうものでさ」

町長「そ、それは"勇者の証"。こ、これはこれは失礼いたしました」

町長「分かりました。村はずれの空き家をお貸しいたします。掃除しますので数時間お待ちください」

戦士「ああ、すまないな」

勇者「…」
230 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/04(水) 21:02:51.46 ID:U+ef2D8+O
夜、空き家

戦士「ここなら大丈夫そうだな」

勇者「…」

戦士「どうした?」

勇者「…眠い」ゴシゴシ


眠そうに細めた目を擦る勇者


戦士「そうだな、寝るか」


布団を敷く
二つ敷いてもどうせ自分の布団に潜り込んでくるので最初から大きいのを一つ
231 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/04(水) 21:25:40.35 ID:U+ef2D8+O
―――――
―――

「おい、この空き家か?」

「ああ、何か貴族が泊ってるっぽいぜ」

「本当かよ」

「町長が恭しく頭を下げていたから結構地位あるやつだろ」

「適当だなぁ」

「違っていても金目の物を奪うだけよ、変わりはねえ」

「間違っても殺したりするなよ。面倒ごとは起こさないように行こうぜ」

「了解だぜ兄貴」
232 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/04(水) 21:51:38.85 ID:U+ef2D8+O
「こちらスネーク、潜入完了」

「誰がスネークだよ」

「いいとこミミズだよな」

「うるせえよ。気づかれたらどうすんだ。お前"殺し"なんかできるか?」

「いやぁ、殺しは勘弁だなあ」

「だったら黙れ。せっかく顔を見られないように真夜中に来たんだから起こして電気でも付けられたら全部台無しだ」


「ギャッ」


「え?あ?お、おいトリルどうした?何があった」


「ギャッ」

「グエッ」


続いて短い悲鳴が二つ聞こえる


「…え?」


暗闇の中、仲間が一人、また一人、短い悲鳴を残して……倒れる気配がする
233 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/04(水) 22:14:15.54 ID:U+ef2D8+O
「何だよ…何なんだよ!」

「た、助けてくれぇ!もう盗みなんてしないy―あがっ」


また一人、仲間が倒れる/盗賊団と言ってもいいぐらいの人数がもう何人も立っていないだろう


「て、撤退!!!」


ここはもう逃げるしかない

いくら何でも町長の客人だ(多分)きっと気絶させられただけだ。死にはしないだろう


「逃がさない」


少年の声がする。若い、いや幼いようにすら聞こえるその声の主が仲間をやったとでもいうのか


「勇者!止めろ!」
234 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/04(水) 22:19:21.09 ID:U+ef2D8+O
パチッ

部屋の電気をつける

鼻を覆う血生臭い匂いと気配で察していたが酷い惨状だった

あるものは首が飛び、あるものは腹が開いて中身を放り出し、あるものは四肢と首がどこにもない


そしてその真ん中で禍々しい剣から血を滴らせ、夜の闇より深く暗い目をした勇者が戦士を見つめて立ち尽くしている


勇者「せ、ん…し…」


パチッ


戦士「いい、何も見るな。お前は悪い夢を見ただけだ。何も無い。無いんだ」ギュゥ


咄嗟に電気を消して抱きしめる


勇者「だって…だって………」

戦士「大丈夫、何も考えるな。俺を信じろ」

勇者「うん…分か、た…」


戦士(明日、朝1で出ていく必要があるな)

多分勇者は寝て起きれば死体を死体と認識しなくなる。臭いがしないように消臭魔法をふりまいておけばいい
235 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/04(水) 22:38:28.81 ID:U+ef2D8+O
―――――
―――

「くそっ、何なんだあそこの奴は」


あれ程いた仲間たちはもはやたったの3人になってしまった


「おい、どうすんだよ!」

「どうしようもこうしようもねえだろ!もうあそこに関わっちゃいけねえ!」

「じゃああいつらは見殺しか!?」

「そ、それは…殺されてるとは、限らねえし…」

「あの血の匂いを嗅いでねえのかよ!」

「…」

「ふざけんな!俺は殺されるなんて嫌だぞ!」

「お、落ち着けよ。俺たちの顔は見られてないんだ」

「嫌だ、嫌だ嫌だぁぁぁぁぁあああ!!!!」


グサッ


「かはっ」
236 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/04(水) 22:58:20.93 ID:U+ef2D8+O
「なっ…俺を…何故…」

「ここで全員死んだように見せれば敵は追うのをやめるかもしれない」

「だからって…お前…」

「ふっ、ふざけるな!だったら俺が生き残ってやる!」


「あぁぁあああああ!」

「がぁああああああ!」
237 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/04(水) 23:09:00.72 ID:U+ef2D8+O
〜朝〜

戦士「起きろ、行くぞ」

勇者「?まだ太陽も寝てる…早いよ?」

戦士「いいから!早く!」

勇者「…分かったぁ」


眠い目を擦る勇者の手を引っ張って歩く

戦士は死体を避けて歩いているが勇者はそのまま踏んだり、邪魔なものをどかすように足で軽く横に蹴って歩く

やはり、もう人だったものとは認識していない。もしくは生き物だった物だとも認識していないかもしれない


戦士「うっ…」


外、少し歩いたところに三人の男が倒れていた。もちろん事切れている


勇者「どうしたの?」

戦士「いや、何でも無い」

勇者「?」


3人の男は凄惨な殺し合いを演じたのであろう

一人は腹に大きな穴を開け、その中身は空っぽであった

一人は口から血の滴る生肉や内臓と思わしき物を垂らし、その両手は血塗れになっている

残りの一人は唯一ナイフを持っているが三人の中で一番傷だらけである。ナイフを持っている右腕以外の全身が切り傷だらけになっている


戦士(どうあっても勇者の体質は狂気を呼び起こすのか…)

勇者「戦士ぃ…?」


戦士(魔王を倒した後…どっかの山奥に住むか…そういう道しかないのか…)
238 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/04(水) 23:30:37.82 ID:U+ef2D8+O
戦士「なあ勇者、少し寄り道してもいいか?」

勇者「戦士と一緒なら」

戦士「そうか、ありがとう」ナデナデ

勇者「ん…///」

戦士「これから行くのはここから南東の深淵の森って場所でな」

勇者「?」

戦士「まあ、分からねえよな。とりあえず森だ」

勇者「うん、分かった」
239 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/04(水) 23:41:25.37 ID:U+ef2D8+O
昨日、戦士の夢にて


「我は神だ」

戦士「え?」

「単刀直入に言う。力が欲しいか?」

戦士「っ、もちろんだ!」

戦士「あいつを守れる力を!どうしても!」

「よくぞ言った!では深淵の森へ行くといい。これは試練だ!」

戦士「はいっ!」
240 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/04(水) 23:51:36.17 ID:U+ef2D8+O
☆天界☆

「試練を超えた褒美としてなら我等が直接力を与えても問題無いからな」

「その代わり力に見合った試練を与えることになるが」

「あの二人なら大丈夫だろう。勇者は邪神の剣を持っているし戦士もあれでそれなりに強い」

「後はあの二人を上手く引き離して覚悟を高めさせるんだ」

「ついでにとっとと魔王&元勇者を倒せって脅すか」


「絶対に上手くいくぞ!」

「これは勝利への一手だ!」
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/04(水) 23:55:11.25 ID:LxgfMuKHo
盛大にフラグを立てる神々
242 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/04(水) 23:56:40.12 ID:U+ef2D8+O
―――――
―――

〜深淵の森〜

戦士「くっ、モンスターが多すぎる!」ズバッ、ズバッ

勇者「多い…全部、殺して、いい?」

戦士「ああ、どうせここに人間は来ないんだ。俺たち以外全員殺していいぞ!」


勇者「分かった、よ」
243 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/04(水) 23:57:22.52 ID:U+ef2D8+O
勇者≪ボクの血を捧げる≫


勇者の持つ邪神の剣がおぞましい怪物変化を起こす

血管のような、術式のような、赤く脈打つ線が剣全体に走る


勇者「」ニィィ


普段のボーっとした勇者からは考えられない俊敏さで駆け、跳び、剣を振るう


その顔はとても邪悪な笑みに満たされていた
244 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/04(水) 23:59:28.79 ID:U+ef2D8+O
―――――
―――

勇者「ねえ戦士、全部殺したよ!」


勇者「…戦士?戦士…?」


ふと気づくと戦士がいない


勇者「戦士?」


どこにもいない

どこかに隠れてもいない

バラバラにした「さっきまで動いていた物」の中にも戦士は混ざってない


勇者「…やだ」


勇者「やだ!!!!」


何よりも恐ろしい考えが浮かんで膨らんで大きくなる

全身が震える

玉のような汗が流れる

全身が寒い


先ほどまで色彩豊かに彩られていた世界が重い灰色に包まれる


吐きそう


戦士がいないとボクは生きられないんだ

今、はっきりと自覚した

戦士はボクの全てだったんだ


戦士…戦士…戦士…戦士…


勇者「全て、殺していいよね」

勇者「この世界」
245 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/05(木) 00:01:46.71 ID:RvHwpgErO
ボクの世界が消えた
ボクの太陽が消えた
太陽の無い世界は寒い
とても寒い
とてもとても寒い
灰色で黒で鉛色で土留色でヘドロ色で
闇よりも混沌に近い色が世界を覆っている
虚無が吹き荒び孤独が騒ぎ出す
地獄の底から死が這い出して足を掴む
大空を舞う死神の小鳥
地面は毒を噴き出し
森林は毒に埋もれ
大海は毒で満ちる
鏡写しの闇の中より
目を潰す光は闇に溶ける
地獄の饗宴を
絢爛豪華な惨劇を
命は死に食われ死に飾り立て
蠢く凶虫が食い荒らし
祝福されし呪いの子
神が見捨てたみなし子に
終わりに惑う亡者たち
破滅を求める賢者とて
なすすべなく飲まれゆく
奇怪なりしは世界の間
隙間から来たれし魔の風は
なべての心を浚ってく
深淵より深けき深淵に
滅びを謡って佇みし
呪いを振りまく詔
呪縛に縛られ囚われて
闇に食われた幸せに
終わりとまみえた普遍の身
赤き河川と針の山
咎人が跋扈するこの地上
罪に塗れた神々が
擦り付けるは無垢なる子
生贄食らい骨を埋め
血を絞って飲みつくす
悪鬼羅刹がボクを誘い
世界はここから崩れ行く
246 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/05(木) 00:05:42.45 ID:RvHwpgErO
今日はここまで
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/05(木) 00:11:02.80 ID:TpkMwhhWo
勇者やばいww
おつおつ
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/05(木) 00:13:54.65 ID:D47fm9S7O
乙乙
249 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/05(木) 20:57:45.47 ID:GmGh9nPzO
勇者「黒い空に黒点がまだら模様に広がり世界に巻き付いてる蛇が吐いたドクダミ色の霧が大洋の底から吹き上がり」ブツブツ


「よくぞこの森の最奥部にたどり着いた」


勇者「光が闇に飲まれ炎が闇を焦がす世界に滅びを齎す災厄が脅かし」ブツブツ


「ねえ、聞いてる?」


勇者「」ピタ

「そうそう。我を見るがいい。我こそは試練をもたらす神である」


世界の全てが悪く見えている勇者の前に神が現れたとて良い存在と認識できるはずがない


「さあ、力を願うがいい」


目の前の存在の言葉なぞ耳に入るわけもない

今の勇者の頭にはたった一つ


「俺たち以外は全部殺していい」

という戦士の言葉だけが道標になっている


勇者「…殺して、いい」

「は?」
250 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/05(木) 21:03:19.66 ID:dq7fX1b6O
ザシュッ

「かはっ…な、何故…神である我の体が…」

(し、しまった…元勇者の聖なる剣に対抗するべく与えた邪神の剣…あれのせいか…)

「か、"神様バリア"」


上級魔術師でも足元に及ばない程の神的魔力で以てバリアを張る

だが勇者の剣が切っ先で触れた瞬間にバリアは弾け飛ぶ


「や、やめっ、やめろっ、神殺しなんてそんなだいそr―


神は最後まで喋ることなく消滅した


勇者は気にも留めなかったが神の残骸は勇者の持つ剣に吸い込まれて消えたのだ
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/05(木) 21:05:35.13 ID:yk9VMwLt0
やったね!!これで狙い通り女勇者と魔王(あとその他大勢)を勇者が倒してくれるよ!(白目)
252 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/05(木) 21:11:17.95 ID:dq7fX1b6O
―――――
―――

戦士「勇者!?勇者!」

「戦士よ、よくぞここまで来た」

戦士「あ、あなたは夢の神様」

「よくぞここまで来た」

戦士「そんなことより勇者を探さなきゃいけねえんだ!」

「そ、そんなことより…」


「い、いや。最終試練をだな」

戦士「後でな!」

「今じゃ今!」
253 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/05(木) 21:39:38.23 ID:JqStaIRCO
戦士「早まるなよ勇者、すぐに行くからな」

「だから待てと言うてるに!!」


結界を張る神


戦士「何だよ!早く行かなきゃやばいんだよ!」

「落ち着け。それも試練だ」

戦士「はぁ!?」

「孤独と不安に耐えながら試練を超えて見せよ」

戦士「だったらいるか、んなもん!」

「いやいやいや、必要だから。あーもう問答無用だ!」


戦士の目の前に巨大な狼が現れる


「試練は単純だ。打倒して見せよ」
254 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/05(木) 22:07:36.82 ID:JqStaIRCO
戦士「ちっ」


剣を構える


「そうだ。戦え、戦え」

「これは試練だがいつか本当に別れ、一生そのままになるかもしれない」

「魔物との戦いとはそういうことだ」

「それが嫌ならばとっとと魔王を倒さなければならない」


戦士「そんなこと分かってんだよ」

「あ、あれ?もう倒してる」
255 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/05(木) 22:33:59.72 ID:JqStaIRCO
「…あれ?もしかして君結構強い?」

戦士「あいつにはちっとも及ばねえよ…だからもっと力が必要なんだ」

「良かろう。人智を超えた力を授けよう」

戦士「それより、それよりだ…」

「うん?」

戦士「あいつは…勇者は、あの体質から逃れることから出来るのか?」

「…」

戦士「教えてくれよ!神様!」

「…それは人の問題だ。我の管轄外だ」

戦士「は!?」

「では力を授けよう!」

戦士「追いコラ待て!」
―――――
―――
256 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/05(木) 22:41:48.56 ID:JqStaIRCO
戦士「はっ、勇者!」


既に役立たず神の結界は無い

そんなことより早く勇者を探さないといけない

頼む、間に合ってくれ

そう願いながら走る
257 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/05(木) 23:14:03.09 ID:JqStaIRCO
大地に毒が流れている

草花は枯れ、小動物が死に、足で踏むと気分が悪くなる


戦士は直感した。これは勇者のだ

そう思い、毒の流れを追って走る


戦士(勇者、勇者…)
258 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/06(金) 00:27:32.22 ID:UAUV9e1XO
また寝落ちしてた
すまん、今日はここまで
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/06(金) 00:39:44.61 ID:wIRpC6cpO
乙乙
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/06(金) 00:56:29.45 ID:0yuJ87eWo
おつん
261 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/06(金) 18:42:13.04 ID:QMloMz6qO
勇者「終わらない冬はやがて闇色の雪を降らし全ての生命を終わらせ永劫の氷河期に命の灯は掻き消え大いなる古代の依り代に―」ブツブツブツブツ


いた。ゾンビのようにフラフラと歩きながらブツブツと呪いを振りまくような言葉を紡いでいる勇者を見つけた


戦士「勇者!」

勇者「」ピタ


勇者「せ、ん…し…?」

戦士「ああ、俺だ。もう大丈夫だ」

勇者「戦士、戦士戦士ぃぃぃいい!!!」ギュゥゥ


戦士に抱き着いてわんわん泣く勇者


戦士「大丈夫、もう大丈夫だからな」ナデナデ

勇者「うん…うん…」グスッ
262 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/06(金) 18:50:34.95 ID:QMloMz6qO
☆天界☆

「嘘だろ!?ウッソだろ!?!?」

「あんなあっさりと神がやられるなんて!!!」

「戦士は勇者のストッパーだったんだ!」

「誰だよ分断しようとか言ったやつ!」


「…」ソー


「あいつだ!」

「逃げようとしてんじゃねえ!」

「ふざけんな!」

「逃がすか!」

「罪には罰を!」

「天界追放だ!」


「いや、ちょ、待てお前らだって賛同したじゃないか!!」


「知るか!」

「言い出したお前が悪い!」

「罪には罰を!」

「天界追放だ!」


「あっ、ちょっ、ぎゃぁぁああああ」
263 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/06(金) 19:19:25.79 ID:QMloMz6qO
女神「やっぱあの二人いいわねえ。ああ、最高」

女神「でも一瞬ヒヤリとしたわよ。あのまま世界滅ぶかと思ったわ」

女神「まあそうなったら女勇者が止めに来るだろうけど」


女神「それにしてもあの神々馬鹿なのかしら」
264 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/06(金) 19:21:51.53 ID:QMloMz6qO
勇者・戦士パート終わったので数日間続いた連続更新はここで終わり
また数日置きのまったり更新になります


次回予告


女勇者「ハロウィンしよ!ハロウィン!いぇー!」

魔王「ハロウィン、人間のお祭りか。これならグロいことは起こらずのんびりと楽しめそうだな…」
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/06(金) 20:21:20.41 ID:0yuJ87eWo
グロくなるフラグ立てすぎww
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/06(金) 20:38:04.39 ID:KGDjoX2Ko
七鍵守護神…だっけ?
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/06(金) 23:49:46.01 ID:vwsX1vRFO
乙ー
次回予告でもう笑うww
268 : ◆QcbNG153ik [sage]:2017/10/07(土) 11:15:51.97 ID:wHT0bQBpO
実は女勇者と勇者が力を合わせて破壊神を倒す構想もあったんだよね
気づいたら女勇者が瞬殺してたけど

熱い展開やりたかったのにいつの間にかギャグになってたなー、おかしいなー

今日は更新無し
そういえばやりたかったのに忘れてたなーと言うことで没ネタのお焚き上げを
269 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/08(日) 14:10:11.60 ID:P+ORBnGqO
女勇者「最近負けている気がするんだよねえ」

魔王「何がだ?この間神を一方的に負かしていたじゃないか」

女勇者「いやあ、強さは互角なんだけどさ…ヤンデレ度で負けているような気がしてならないかなあと」

魔王「え、何それ、なんの話だ」

女勇者「勇者くんだよ。僕の後の新勇者」


魔王「勇者ってそんなのばっかか!!!」
270 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/08(日) 14:27:35.88 ID:P+ORBnGqO
魔王(女勇者以上とか一緒にいる奴が可哀想だ…)

魔王(というかこの世界よく保ってるわ)


女勇者「というわけでヤンデらせて」

魔王「そんな言葉初耳なんだが。というかやるもんでもないだろ」

女勇者「前みたいに女騎士が乗り込んでこないかなぁ」

魔王「あんなことそうそうあってたまるか」
271 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/08(日) 15:09:22.91 ID:P+ORBnGqO
〜後日〜


女勇者「ハロウィンだよ!ハロウィン!!」

魔王「何だ?その呪文は」

女勇者「やだなぁ、祭りだよ?祭り」

魔王「祭り?」

女勇者「そう!死者と戯れ!死者を祀り!死者を飾り付ける。子供たちはおばけや魔女の仮装をして家々を回り、お菓子をねだる。そういうお祭りなの!」

魔王「…側近」

側近「ええ。女勇者さんのことはどこも間違っていませんね。誤魔化しも詭弁も無いその通りの祭りですよ」


魔王「そう、とても楽しそうではないか!今まで戦死した同属や過去の先祖の分を楽しんでやろうか!」

女勇者「おーっ!」


側近(嫌な予感がするのは私だけでしょうか…いえ、私にとってはいい事が起きそうではありますが)ウズウズ
272 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/08(日) 17:04:59.31 ID:Vw8N7tI9O
魔法開発部

女勇者「これこれこういう魔法作ってね♪」

「お任せください魔王…魔王妃さま」

女勇者「えへへ、魔王妃だなんて、そんなこと言われたら嬉しくて照れちゃうよぉ///」


「砂糖化魔法を応用すれば行けるでしょう」ニヤリ
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/08(日) 17:12:02.00 ID:Bc0k8t8Y0
魔王の胃が痛くなるイベントかな(白目)
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/08(日) 17:21:39.92 ID:FCLwd8aC0
たった一行だけでヤバさが伝わってくる
275 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/08(日) 17:43:21.87 ID:YodutpolO
次の日

「完成です!」

女勇者「さっすがー!」


魔王「どうした?まさか…」


女勇者「うん、ハロウィンの準備だよ!」

「ひぇっひぇ、そういうことです」


魔王「そうかそうか。楽しい祭りになりそうだな」

女勇者「そうだね!」

「そうですねえ」

側近「すっごい楽しみです!!」


魔王(皆祭りを楽しみにしておるな。良い事だ)
276 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/08(日) 20:01:34.34 ID:Akg72H2cO
人間の村近く


魔王「……ワクワクする皆に連れてこられたはいいが、何故人間の村なのだ…」

女勇者「かぼちゃの調達だよ!!!」

魔王「そ、そうか。そういえばハロウィンにはかぼちゃが必要だったな。魔界には無いものな。うむ」


女勇者「じゃあいっくよー」

女勇者≪は〜ろ〜うぃ〜ん≫


ボンッ


歩く人々の頭が全てカボチャに変わる


魔王「は…?」


女勇者「じゃあ行くよ皆ー」


女勇者「カボチャ狩りじゃ〜!!!!」


「おっー!!!!!!」


魔王「」
277 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/08(日) 20:48:27.06 ID:Akg72H2cO
魔王「え、いや、カボチャ狩りっておま」


『トリック!』

『オア!』

『トリートォ!』


そう叫んだ女勇者と魔物たちが村に飛び込む



女勇者「カーボチャッ!」

「ギィヤァァアアアアアア!!!!」


首を切り落とす

既に目と口は「ハロウィンのカボチャ」といって想像がつくあの形になっている

その中に剣を付き立て、中身をくりぬく

もしくは首の付け根。切り口から刳り貫いてもいい


次はその中に灯(ひ)を灯(とも)す

もちろん痛覚は続いている。肉を抉り出される痛みも、内側を燃やされる痛みもそのままだ


そして悲鳴も続いている


側近「ああ、ついて着てよかった♡」ゾクゾクゥ


魔王「」


女勇者「カボチャだけじゃないからねー!体の中身も外に出すとお菓子に変化するからねー!」


『トリック!』

『オア!』

『トリートォ!』


女勇者「そうそう、掛け声は大事」
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/08(日) 20:58:03.21 ID:E4auT1mvo
やっぱり人間の頭でジャック・オ・ランタンか
279 : ◆QcbNG153ik [saga]:2017/10/08(日) 21:11:29.98 ID:Akg72H2cO
「いぎぁぁああああ!!!」

女勇者「すごいすごい。頭取って体痛めつけると頭が悲鳴上げるよ!痛みリンクしてるんだね!すごーい!」


腸を引きずり出す。引きちぎって体から完全に離すと紐のように長いグミになった

血は固まってチョコレートになり、内臓は様々なお菓子に変化する




魔王「はっ、我は気絶などしてないぞ。魔王は堂々と部下の活躍を見下ろすのだ」

側近「残念ながらかなり多くの人が魔王様の気絶した姿を見ていますよ」


魔王「」


側近「ああ、いいですねえ。この痛みであげられる悲鳴の数々…ゾクゾクします///」
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/08(日) 21:44:07.67 ID:v5xNgYcOO
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