都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達…… Part13

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17 :大王の契約者 ◆dj8.X64csA [sage saga]:2017/06/06(火) 20:34:43.72 ID:vGbnNWGAO
《コザカ、シイ……》
「いいか、『ひとり』じゃない……『オレたち』だ!」

 今度は、少年の声に戻っていた。しかし少年が纏う雰囲気は、先ほどのままだ。

《違いナド、ナイ……! マトメテ……!》
「“フリーキック”。」

 少年が呟くと、その両手の間から、黒い球体が現れた。
 それを使い、少年はリフティングを始める。

《……急ニ、アソビ、始めた……?》
「さっきまでは、こっくりさんの番だったが……選手交代さ。」

 リフティングを重ねる毎に、球体はそのエネルギーを高めていく……。
 【遭難者の幽霊】は、そう感じ取った。
 しかし気づいた次の瞬間、球体は自分へ目掛けて、飛んで来ようとしていた。

「カウント10、シュート!」
《クゥッ!? グヌヌ……!》

 とっさに【遭難者の幽霊】は、その球体を掴んだ。しかし今にも弾き飛ばされそうだ。

《コンナ、モノデ……!》
「“ハンド”ォ!」

 少年がそう叫んだ瞬間、球体が爆発し、【遭難者の幽霊】を吹き飛ばした。

《カ……ハッ……?》
「サッカーだよ。オレはただの人間だから、オレの得意なルールで、戦わせてもらう。」

 これは、契約の履行である。伝説使徒は『契約者に力を貸す』、それは伝説使徒の枷とも言える。
 【こっくりさん】は、少年へ一方的に憑依したままにはなれない。
 少年が、【こっくりさん】の力を使う状態に、いつでもシフトできるのだ。

 そのスイッチは、手袋と靴に仕込まれた、十円玉だ。
 鳥居マークが書かれた手袋へ入った時は、格闘する『少年に憑依した【こっくりさん】』
 チェックマークが刻まれた靴へ入った時は、サッカーで戦う『【こっくりさん】を憑依した少年』となる。

《クゥ、クソォ……!》
「待て、逃げるな!……“キックオフ”!」

 少年は、ポケットから取り出した十円玉を指で弾いて、また黒い球体を作る。
 弾いた十円玉が球体に入ると、球体は地面に落ちた。少年はそのまま、獣道でドリブルを始める。

《クソォ、クソォ……!》
「(くっそ、坂でサッカーするのは、つらいな……。)」
「(主、見失わないようにね。『あそこ』に誘導するよ。)」

 【遭難者の幽霊】は、木々をすり抜けて、ただひたすらに逃げていく。
 【こっくりさん】の能力と、遊び場としての記憶から、少年は追跡しつつドリブルする。



《ハァ……ハァ……。》

 【遭難者の幽霊】が辿り着いたのは、ピクニックができる広場であった。
 見晴らしこそいいが、幸いな事にガキ共はいない。音を頼りに、木のそばへ隠れた。

 ……無駄とも知らずに。
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