都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達…… Part13

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572 :さて、と投下しようとする花子さんとかの人  ◆7JHcQOyXBMim [sage]:2022/02/04(金) 01:42:17.12 ID:ApD3L2JW0
■いまからとうかするもののおおざっぱな時間軸
「死毒より未来生きる者へ」(wiki参照)の後から「動き出した歯車は止められない」(wiki参照)の間辺り


                 ハ_ハ  
               ('(゚∀゚∩ なんかきゅうにおもいついたんだってさ!
                ヽ  〈 そこまでだいじなしーんじゃないいきぬきだよ!
                 ヽヽ_)
573 :狂犬忠犬番犬猛犬  ◆7JHcQOyXBMim [sage]:2022/02/04(金) 01:43:40.06 ID:ApD3L2JW0
 荒神 憐。
 中央高校の現狂犬たる日景 遥のお気に入り。
 憐の事を、そのように認識している不良はちらほらといる。
 実際、遥が大切な友人達の中でも殊更憐を気にかけているのは事実である。
 それこそ、ナチュラルホモ疑惑をかけられるレベルで気にかけているし大切にしている。
 動かしようのないその事実は、遥自身が一切合切隠そうとしない為に他人にまで認識されているのである。
 憐にとってはいい迷惑であろうが、憐の方も昔からそうだったために変に慣れてしまっていてほとんど怒らない。
 いつもへらへらとした軽い笑みを浮かべていて、体格に恵まれた遥とは正反対に小柄で細い体。
 彼らがどのような縁で、絆で、結び付けられているのか。それを知らない部外者からは、遥が憐を宝物のように扱う理由もわからない。
 だからか、勘違いする輩も存在する。
 憐が遥の太鼓持ちだ、とか。虎の威を借る狐だ、とか。日景 遥の「コレ」だとか。
 彼らの普段の様子を見ていればそうではないと(よほど頓珍漢でもないかぎり)わかる事であろうが、中途半端な噂で勘違いする者もいる、と言う事だ。

「なぁ、憐。一緒に帰r「はーい、はるっちは今日はバイトあるし俺っちは教会のお手伝いあるから帰り道反対っすからねー。まっすぐバイト行かなきゃダメっすよー」ちっくしょう!!」

 いつも通りのやりとりをして、学校の前で遥と分かれる憐。
 項垂れる遥に神子の一撃が入ったのは憐が背を向けてからだったのは、神子が憐に気を使ったのか、単なるタイミングの問題か。

 他の、いつもつるんでいる幼馴染達も今日は各々用事があるようで憐と帰る方向が同じ者がいない。
 一人で教会に向かって歩くその姿はあまりにも無防備で無警戒に見える。

 ――あれを痛めつけでもすれば、日景 遥も慌てるだろう。
 ――男にして小柄で顔立ちも可愛らしいあれが本当に男かどうか、脱がせて確認でもしてやろうか。
 ――きっと、とっくに「可愛がられて」でもいるだろう。

 身勝手な、邪な、邪悪な思考でもってそれらは憐の後を付け始めた。
 憐は気づいているのかいないのか。どちらにせよ、ついてくるそれらを気にする様子なく歩いていっている。
 流石に、それらとて人目のある場所で絡みに向かう度胸はない。そんなことをして速攻遥にバレる危険を犯すほどの愚者でもない。愚者に変わりはないが、愚者にもレベルがあるのだ。
 住宅街を進んでいき、あまり、人目のない道へ。
 あと少し、あと少し…………

「……あ、カイザー司祭様。お買い物帰りっすー?」
「おや、憐。いえ、そうではないのですが……」

 …………!
 憐が、知り合いらしい司祭に話しかけにいった事でそれらは動きを止め、警戒態勢に入った。
 東区にある教会の司祭……の、穏やかで人当たりがいい方だ。
 大きな段ボール箱を抱えるように持っている。どこぞからおすそ分けでも貰ったのかもしれない。

「俺っちが持ちましょうかー?」
「……あなたが持つには、少しばかり重たいかと。野菜がたくさん詰まってますので」
「むぅ……俺っち、そこまで非力じゃないっすよー?」

 二人並んで、教会への道を歩いていく。
 ……穏やかな司祭は両手がふさがっている。そもそも、背丈こそあるが荒事に慣れているような見目はしていない。
 一緒に、襲ってしまえばいいだろう。
 巻き込むようにしてしまえば、憐に対しても大層嫌がらせになるだろう。
 今度こそ、それらは二人相手に距離を詰めようとして。

 ひゅう、と。
 あまりにも季節外れの、冷たい、冷たい風が、吹いた。


574 :狂犬忠犬番犬猛犬  ◆7JHcQOyXBMim [sage]:2022/02/04(金) 01:48:54.79 ID:ApD3L2JW0



「ただいま戻りました」
「こんにちはー、いつものお手伝い来ましたー」

 カイザーと憐の声が聞こえて、教会の講堂で一人考え事をしていたジェルトヴァは顔を上げた。
 確か、カイザーは北区の方に用事があると出かけていたはずだったが、帰り道で憐と合流したか。
 そちらへと、視線を向けて。憐が、重たげに箱を抱えているのに気づいて、素早く駆け寄っていく。

「重たかっただろう。大丈夫か」
「いえ、大丈夫っすー」
「……すみません。こちらから手を放すわけにはいかなかったもので」

 申し訳なさそうなカイザーの声に、仕方ない、とジェルトヴァは判断した。
 何故なら、カイザーがメルセデスの司祭服の襟首をがっちりと掴んで、決して離さぬ体勢だったからだ。
 猫の子のように掴まれて、メルセデスは不満げな表情を浮かべている。
 ……それでもその手を振り払っていないのは、結局はメルセデスがカイザーに頭が上がらぬのが原因だろう。
 悪魔であるが故に、殊更、「契約」と言うものには強く縛られるのだ。

「…………では、メルセデス。少々、お部屋で話が」
「別に、お前らを護っただけだろうが。第一、お前らが絡まれた方が後々めんどくせぇだろ」
「一般の方を氷漬けにしようとしてはなりません」

 ……やらかしかけたのは、あの悪魔は。
 半ば引きずられていくように奥へと連れていかれるメルセデスを見送り、ジェルトヴァはため息をついた。

「…………お前は、大丈夫か?」
「?俺っちは問題ないっすよー?怖い人達は、メルセデス司祭が何とかしてくれたっすしー」
「…………あの悪魔は気まぐれな面もあるから、気を付けるようにな」
「はーい。でもまぁ、カイザー司祭に関する事はあの人……人?悪魔、正直っすから。そこは信用してるっす」

 へらり、と憐はいつも通りの笑みを浮かべる。
 その笑みに、憐の母親に似た物を感じながらジェルトヴァは憐が抱えていた段ボールを受け取った。
 キッチンまで運ぶべきだろう。

「量が量みたいっすし、収納お手伝いしますねー?」
「あぁ、すまないが、頼んだ」

 ぱたぱたと、自分と並んでキッチンへと向かう母親似の小柄な姿を見て。
 あまり荒事に巻き込みたくないし巻き込むべきではない、と……あまり、憐の母親たるフェリシテと重ねすぎてもいけないと己を戒めながらも、ジェルトヴァはそう、考えていた。






「――――あれは、そんな可愛らしいもんじゃねぇだろうに」
「メルセデス。話を聞いていませんでしたね?」
「お前が堕天したら聞いてやる」
「お断りします」






575 :狂犬忠犬番犬猛犬  ◆7JHcQOyXBMim [sage]:2022/02/04(金) 01:50:01.39 ID:ApD3L2JW0
 狂犬、忠犬、番犬、猛犬。
 見た目じゃ誰も、わからない。



               Red Cape




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