イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」

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291 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/08(日) 10:34:08.97 ID:y3dAEhBUo
あ艦これ
292 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/09(月) 01:56:02.06 ID:2yBp7old0
>>291 誰が上手いことを…まさにその通りですが(笑)



…こんな生ぬるいssですし、ちゃんちゃらおかしいかもしれませんが…大雨だったり地震だったりと大変な人もいる中、もしかしたらこれが日々のわずらわしさを忘れられる一助に……なればいいなと思って書いております…なので基本的には誰も不愉快な目にあったりしないよう「甘々でみんな仲良く」なスタイルを続けて行きます……時折アクセントでSっ気のある百合えっちが入りますが、それも双方同意の上ですので……

…それと、またグレイ提督にSっ気を発動させる小ネタを思いついてきたので、そのうちに投下します…
293 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/09(月) 02:48:25.10 ID:2yBp7old0
提督「…しかもエレオノーラときたら興味のない人にはよそよそしい態度を取るのだけれど、人当たりがいいから一見すると丁寧な応対に見えて…それでみんな「親切でいい人」って勘違いをするのよね……」

ライモン「あー…なるほど」

提督「…おかげで人事考査はいつでもA評価……あっという間に大佐になって、鎮守府に着任したのも私より数年は早いのだから…ズルいわよね」ぷーっと頬をふくらませてみせる提督…

カヴール「まぁまぁ、提督も今や押しも押されぬここの司令官ですもの…いいではありませんか♪」

提督「そうね、おかげで可愛い艦娘たちに出会えたし……えいっ♪」両脇に控えていたライモンとカヴールを一気に抱き寄せ、乳房に頬ずりする提督…

ライモン「きゃっ…もう///」

カヴール「まぁ、ふふっ…私のような老嬢でよろしいのですか?」

提督「私はエレオノーラみたいな幼女好きじゃないもの……むしろ優しく包み込んでくれるような年上のお姉さま方が好きよ♪」

カヴール「まぁ、お上手…♪」

提督「ふふっ…そう?」

ライモン「むぅ……そう言われるとわたしは立つ瀬がない気がするのですが…」

提督「いいえ、ライモンだって私の知らない色々なこと知っているもの……それに何より、律儀で優しい性格がとっても愛おしいわ…んふふっ♪」むにゅ…♪

ライモン「提督……って、どこを触っているんですか///」

提督「それはもう、ライモンのしっかりと張りのあるお胸を…♪」

ライモン「もう…そんな暇があるなら執務をしてくださいっ」

提督「あらら、叱られちゃったわ……カヴール、可哀そうな私を慰めて?」

カヴール「仕方ありませんね…よしよし♪」

提督「ふふ、ありがと……カヴールおねえたま♪」

カヴール「あら…///」きゅんっ♪

ライモン「ふぅぅ、もう一度言いますよ……提督もカヴールさんも、三文芝居は止めて早く執務して下さいっ」

提督「了解」

カヴール「ふふ…分かっておりますよ、ライモンド♪」

ライモン「分かっているなら最初からちゃんとやって下さいよ…」

提督「ごめんなさい、ライモン…ライモンの反応がいじらしくて、つい……」

ライモン「ふぅ…わたしだってあとあとまで気にするのは止めようと思っているんですよ……なのであんまりその部分を茶化されるのは、少しもやもやした気分になります…」

提督「…ごめんなさい、それじゃあ真面目に執務に取りかかるから……」

ライモン「あっ、いえ……その、わたしもたまになら嫌じゃありませんし…時々ならいいんですよ///」

提督「…ふふっ、了解♪」

カヴール「うふふふ…っ♪」

ライモン「うぅ…結局前と変わっていないじゃありませんか……///」

カヴール「まぁまぁ…世の中が変わるには時間がかかりますから」

提督「…それに「変わらない良さ」って言うのもあるわよね♪」

ライモン「むぅぅ…説得力のある言い方ですが、どうも納得できませんね……」

提督「そうかしら……あ、そう言えばエレオノーラに姫の様子を聞くのを忘れたわ」

カヴール「そう言えばそうでしたね…もう一度電話をかけましょうか?」

提督「いいえ…あんまりかけるとエレオノーラの執務を邪魔することになるもの……駆逐艦や水雷艇、コルヴェットや魚雷艇の艦娘にいたずらするのが執務だって言うのならね」

ライモン「……提督がちゃんとした海軍士官でよかったです」

提督「…と思われるほど、エレオノーラは重度のロリコンなのよね……姫まであてられて幼女好きになったりしなければいいのだけど」

………
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/09(月) 20:07:11.49 ID:z8UNyNDRO
現在呉市内や江田島での人命救助や物資の補給等の辛い任務に追われる中での唯一の癒しです。ありがとうございます。
295 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/10(火) 11:24:43.92 ID:bW2ZpfIq0
>>294 もしかして制服組の方でしょうか…安穏に過ごしている身からすると頭が上がりません。どうか無理はなさらずに……いずれにせよ、「癒し」と言って頂けて嬉しく思います…今後もスローではありますが、飽きずに投下していきます


…次は今夜か明日の夜になると思いますので、もしよかったらのぞいてみてください
296 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/11(水) 02:18:33.90 ID:K7jqYv6L0
…再びヴェネツィア第三鎮守府・百合姫提督の客室…

シモネッタ司令「……っくしゅっ!」

百合姫提督「あ、大丈夫ですか…ちり紙、いります?」

シモネッタ司令「あぁ、ありがとうございます…どうも空調が効きすぎているのかもしれませんね」甘いけれども爽やかな笑みを浮かべ、冗談めかしてぶるぶると凍える真似をするシモネッタ司令…

シリオ(スピカ級水雷艇「シリウス」)「ねぇ司令…しーれーい?」


(※スピカ級水雷艇…1930年代の軍縮条約時代に帝国海軍の「友鶴型」と同じような経緯で生まれた、駆逐艦並みの性能を目指した水雷艇。一本煙突・600トン前後のとても小さな船体に102ミリ単装砲3基、450ミリ魚雷4本を発射可能なように単装4基、単装2基・連装のセット、連装2基とバリエーションがある魚雷発射管、さらに艦尾には爆雷あるいは機雷を備え、甲板中央部のプラットフォーム上には20ミリや37ミリ対空機銃を搭載…公称速力34ノットで、駆逐艦としては小さすぎたが、護衛駆逐艦として船団護衛に活躍した。32隻建造)


百合姫提督「……分かります、訓練中に乗った護衛艦でもCICや通信室は寒いくらいで…よくひざ掛けを持って行ったりしましたから」(※CIC…コンバット・インフォメーション・センター。いわゆる戦闘指揮所)

シモネッタ司令「そうですよね、私も夏なのに厚手のタイツを履いて行ったりして……」

シリオ「……んもぅ…司令ってばぁ、シリオともお話してくれないとつまんないー!」

…英語が分からないので二人の会話に飽きてしまったシリオが、椅子に座っているシモネッタ司令のひざの上でじたばたと脚をばたつかせる……シリウスの光を宿したように明るくキラキラ光る瞳と、シモネッタ司令の趣味で選んだシンプルな丸襟のついたワンピースと白いサンダル、それにイタリア三色旗の色をしたリボンで結んだツインテールが揺れる……

シモネッタ司令「んふふっ♪…よーし、それじゃあ司令がシリオの事をいっぱいなでなでしちゃおーう♪」イタリア語に戻すとさっきまでの整った表情をにやけさせ、涼しげなサテンのワンピースに手を入れるなり脇腹やふとももをくすぐった…

シリオ「んっ、んふふっ…もう、くすぐったいよぉ///」

シモネッタ司令「んー…どこが一番くすぐったいのかなぁ?」

シリオ「ひゃうっ…あはははっ、ひぃ…もうらめらよぉ、んひゃぁぁっ///」

シモネッタ司令「それじゃあここはどうかしらぁ…ふふ、つるつるで柔らかぁ……い♪」ぷにっ…くちゅっ♪

シリオ「んひゃぁぁ…あっ、ん…んんぅ///」

シモネッタ司令「はぁはぁ…もう、シリオったら可愛い声を上げちゃって……♪」くにくにっ…ちゅぷ……っ♪

シリオ「はぁ、あぅ……んくぅ……しれ…ぇ///」

シモネッタ司令「んー、どうしたのかなぁ♪」

シリオ「はぁ…はぁ……なんだか、シリオね…あそこがじんじんして……火照ってきちゃったの…ぉ///」

シモネッタ司令「うんうん、それじゃあおねえちゃんと一緒にやらしいことしよっか……♪」

シリオ「…うん……しれぇ…シリオのここ……いっぱいくちゅくちゅして…ぇ///」

シモネッタ司令「んふふっ、もちろんっ♪……百合野准将、お話の途中で申し訳ありませんが…シリオが飽きてきてしまったそうなので、ちょっと相手をしてきます♪」英語に戻すと、さも何でもないような口調でそう言った…そのまま小学生にしか見えないシリオの手を優しく包み込むと、いやらしい笑みを隠しながら出て行った…

足柄「……あー、分からないようなフリはしておいたけれど、だいたい聞き取れちゃった…今日ほど自分の才能をうらめしく思ったことはないわよ」

百合姫提督「……ええ。イタリア語はあんまり分からないけれど…私にもだいたい想像がついたわ…///」

龍田「…ふぅ、カンピオーニ提督も相当だと思ってはいたけれど……ここの司令はちょっと度し難いくらいの変態ねぇ…」

百合姫提督「…こっちで言えば友鶴型くらいの水雷艇だものね…来訪初日から、私もちょっとおかしいなとは思っていたの」

足柄「そうよね……だってうちの国で言えば「菊の御紋」を付けられるような大型のフネがほとんどいないんだもの」

百合姫提督「そうね……かろうじて軽巡が数人と駆逐艦がいるだけで、あとは水雷艇、コルヴェットやMAS艇、MS艇(どちらも魚雷艇)、VAS艇(駆潜艇)の艦娘ばっかり…「沿岸の哨戒や対潜任務に便利な小型護衛艦艇を集めている」と言えばそれまでだけれど、それにしては度が過ぎた可愛がり方をしているな…って///」

足柄「あー…早くこの訪問期間が終わらないかしら……いい加減にしないとこっちまで幼女趣味に染まっちゃいそうよ…」

龍田「…戻って松型や丁型と顔を合わせたら変な気分になりそうねぇ……」


(※松・橘型…大戦末期、帝国海軍が初めて量産性と対空・対潜を主軸に置いた護衛駆逐艦的な駆逐艦。カタログデータは凡庸ながら実用性に優れ、機関のシフト配置などが功を奏し意外と頑丈でもあった。一部は中華民国に引き渡されたり、海上自衛隊の創設期を支えたりした功労艦)

(※丁型…海防艦。流麗ではあるが量産性を損なうダブルカーブを捨てた真っ直ぐな艦首のラインや六角形の煙突、対空機銃の基部を穴あき鉄板の一枚板にするなど量産性が最優先され、低速ではあったが測深儀や電探などの探知装置と強力な爆雷投射機、多くの25ミリ機銃を備えることで帝国海軍の中では優秀な対空・対潜能力を持っていた…松型と同じく一部は黎明期の海上自衛隊や海上保安庁に引き継がれ、長く活躍した艦もいる)


………

297 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/11(水) 03:45:51.03 ID:K7jqYv6L0
…とある日・深夜…

提督「ふぅ…もういい加減止めるとしましょう……」


…あとひと月もない程度に迫ってきた基地祭と、それまでに(鎮守府の枠が許す限り)みんな呼んでおきたいと連続していた建造…すると当然のように必要になる申請書や見積書、契約書や提出書類…それがだんだんと「未決」の箱の上に積み上がり、この数日はもはや危なっかしいくらいにかしいでいた…いくら面倒とはいえ、さすがに見てみぬふりも出来なくなった提督はそそくさと夕食を済ませると、ため息をつきつつ、溜まりにたまった書類の山を片づけにかかった……優しいライモンとカヴールを始め、みんな当然のような顔で何かしら手伝ってくれ、特に雄弁でならしていたチェザーレや文章の巧みな「オリアーニ」級のカルドゥッチは、申請理由などを大変上手に書いてくれた…


提督「もうこんな時間……はぁぁ、道理で肩がこるわけね…」数時間付き合ってもらって山をあらかた平らにすると、提督はライモンたちにお礼と「お休み」を言って帰ってもらい、残りをもくもくと片づけていた……ふと腕の時計を見ると針が深夜を回っていたので、提督はひとつ伸びをすると、残りの書類を箱に戻した……

提督「……お腹がすいたわ…」くぅぅ…と悲しげな音を立てるお腹を見おろすと、意を決して立ち上がった提督…


…食堂…

提督「あーあ、寝る前に物を食べると太るって分かっているのに……でもこのままじゃ寝つけないし、少しだけ…」


…食堂のテーブルには、待機室で深夜直につく艦娘や夜間・黎明哨戒を終えて戻ってくる艦娘たちの気持ちを和らげようと、常夜灯の薄明かり以外に燭台に灯ったキャンドルが揺らめき、疲れてお腹の空いた艦娘たちにはラップや蝿帳(※はいちょう…食器にかぶせる小さい蚊帳のようなもの)をかけて、ちょっとした軽食が置いてある……ディアナやエリトレアの作る心づくしの「お夜食」は、波しぶきを浴びてくたびれた艦娘に染みわたる美味しさで、黎明哨戒の終わる朝方にはたいてい綺麗さっぱりなくなっていて、お皿だけが流し台に置かれている……


提督「…美味しそう…でもこれは哨戒に行っているアルゴナウタたちの分だから、食べてはいけないわよね……」テーブルの上にある三角形のサンドウィッチを物欲しげに眺めてから、首を振って厨房に入りこんだ……

提督「うーん…何か食べるもの……」冷蔵庫の前にしゃがみこむと、ごそごそとラップがけしてあるお皿を取り出したり、入れ物のふたを開けてみたりする…

提督「あ…オイルサーディンがあるわ……それと確か食べきれなかったチーズがどこかに…」

提督「……クラッカーもあるわね…うん、なかなかいいじゃない」

提督「…ただのクラッカーだけでは火力不足…とはいえそこにバターを塗り、チーズとサーディンを乗せる……さらに粒マスタードの援護射撃があれば…」

提督「できたわ……クラッカーの「デンマーク風オープンサンドウィッチ」…ふふ♪」

…小皿に盛りつけられた四角いクラッカーにサーディンとチーズの端っこを乗せ、アクセントにマスタードとパセリを散らした…

提督「…とはいえ、さすがにクラッカー三枚だけでは物足りないわね…あ、パストラミハムの残り……レタスにバジル…オリーヴの瓶詰もあるわね…」適当なサラダボウルを取り出すとレタスを手でちぎり、そこにハムをロール状に丸めて並べ、オリーヴもいくつか乗せてバジルを散らした……

提督「うん…ハムとレタス、バジリコの簡単サラダ……この時間だもの、せめて野菜にしておかないと…」

提督「それでは…いただきます……♪」厨房の端に置いてあるストゥール(腰掛け)に座ると、ミルクと一緒に夜食をつまみ始めた……

提督「ん…おいしい……「空腹は最良のソースである」なんて、よく言ったものね…♪」

提督「…意外とレタスもしゃきしゃきしているわね……昨日の昼には出たはずなのに、あんまりしなびてないわ…んむ」

提督「クラッカー……ちょっと湿気ているけれど、それもまた愛嬌…それにサーディンの油が染みているから、なんてことないわよね……」

提督「パストラミハム…縁が乾きはじめているけれど、胡椒のピリッとした風味はまだまだ損なわれていないわね……あむっ…」

提督「……サラダに唐辛子入りのオリーヴオイルを垂らしたらどうかしら…?」ガラス瓶で漬けこんである唐辛子入りのオリーヴオイルを数滴垂らし、冷蔵庫の隅っこに入っていた半かけのレモンを軽く絞った…

提督「…ピリッとしているのに後味は辛くないし、すーっと爽やかな感じに仕上がったわね……今度ディアナにも教えてあげようかしら…」

提督「……ふぅ、美味しかった……後は口をゆすいで寝るだけね…」と、廊下から足音が近づいてきた……

提督「!」





298 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/12(木) 02:12:45.76 ID:2IfS9SG70
グレイ提督「…あら、カンピオーニ提督。こんな時間にどうなさいました?」純白のシルクで出来たナイトガウンをまとい、ふわりと髪を下ろしているグレイ提督…

提督「いえ…その、ちょっとガスの元栓を閉めたかどうか気になったので……」

グレイ提督「あぁ、そうでしたか……ところで、口もとに食べ物のかけらがついておりますけれど」

提督「…っ!」

グレイ提督「ふふ、やはり夜食をお召し上がりになったのですね…♪」

提督「あっ…それじゃあもしかして今のは……///」

グレイ提督「ええ、少々フェイントをかけてみたのですが…図星だったようですわね?」

提督「……はい…どうか口外しないで下さいね…言えば間違いなくライモンに「寝る直前に食べちゃだめです」と怒られてしまうので……ところで、メアリはどうして食堂に?」

グレイ提督「ええ…実はわたくし、少々のどが乾いたのですが、部屋の冷蔵庫にあるミネラルウォーターを飲んでしまったのを失念しておりまして……こうして食堂まで人目を忍んできた…という訳ですわ」

提督「あー…ごめんなさい、たいていは艦娘たちが気を利かせてペットボトルや水差しのレモン水を補充しておいてくれるのですが……」

グレイ提督「構いませんわ。こうして薄暗い夜更けの食堂で何かを飲んだり食べたりするのも、童心に帰ったようで愉快ですもの…♪」ぼんやりとした間接照明のような常夜灯と、ろうそくの揺らめく灯りを頼りに厨房へ向かうグレイ提督……

提督「…灯りをつけましょうか?」

グレイ提督「ふふ、いけません……母親に見つかったのでない限り、灯りは消したままにしておかないと…そうでしょう?」

提督「ふふっ、メアリったら意外とお茶目ですね♪」

グレイ提督「わたくしも時にはそうした「お遊び」に興じてみたくなるのですわ……まぁ、危ない所でした」食堂の椅子に脚を引っかけ、少しバランスを崩した…

提督「……やっぱり灯りをつけないで歩くのは、ちょっと危ないかもしれませんね…あ♪」

グレイ提督「何か名案がございまして?」

提督「これで照らすなら問題ないと思いますが…どうでしょうか?」…テーブルの上に置かれた燭台を取り上げ、グレイ提督の足もとを照らした……

グレイ提督「ええ、これならよろしいですわ…♪」

提督「それでは、私が道を照らしますから」

グレイ提督「ふふ……フランチェスカがわたくしの灯台…という訳ですわね」

提督「そういう事ですね…さ、厨房につきましたよ♪」

グレイ提督「助かりましたわ……それと、勝手にいただいてしまってよろしいでしょうか?」

提督「ええ、好きなだけどうぞ?ミネラルウォーターの数本で傾くほど、鎮守府のお財布はさみしくありませんから♪」

グレイ提督「ふふ、それではなみなみと頂戴することといたしましょう……ふぅ、美味しゅうございました」

提督「それはよかったです…それじゃあ、艦娘の娘たちに見つからないよう戻りましょうか」

グレイ提督「そうすることにいたしましょう…」

提督「…ふふ、それじゃあ後は燭台をテーブルの上に戻して……っ!」三本がけの燭台をテーブルの上に戻そうとして傾けてしまい、冷めかけているとはいえまだ熱い蝋がぽたりと垂れた…

グレイ提督「あぁ、いけませんね…大丈夫ですか?」

提督「え、ええ…幸いそこまで熱くもありませんでした……ふー、ふーっ…」手の甲に垂れた蝋を剥がすと手を口もとに当て、それから息を吹きかけて冷やした…

グレイ提督「熱くなかったのなら幸いでした…火傷にはなりませんでしたか?」

提督「ええ。おかげさまで何ともなっていません……」

グレイ提督「そうですか……もしよろしければ、その燭台をお貸しいただけませんでしょうか」

提督「ええ、どうぞ……?」

グレイ提督「ふふ、ありがとうございます。ところでフランチェスカ……わたくし、一つ刺激的な考えを思いついたのですけれど…よろしければ左手を出していただけますか?」

提督「……あー、一応うかがっておきますが…ろうそくを使って私に何かするおつもり……ではないですよ…ね?」

グレイ提督「ふふっ…はて、何の事でしょう?」しらじらしくとぼけてみせるグレイ提督…が、口元には意地悪な笑みが浮かんでいる……

提督「…はぁ、分かりました……そのかわり私が夜食を食べたなんて言わないで下さいね?」

グレイ提督「もちろん、承知いたしておりますわ♪」

提督「…」

299 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/12(木) 12:58:34.97 ID:AlBgFF/3o
キマシ
300 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/14(土) 02:01:06.41 ID:UzCu5k/r0
提督「…メアリ、まさか本当にろうそくを使おうなんて思っていませんよ……ね?」

グレイ提督「まぁ、どうして距離をお取りになるのですか…わたくしがフランチェスカに、痛い思いや怖い思いをさせたことがありまして?」じりっ…

提督「…痛い思いと怖い思いはありませんが、お尻のひりひりする思いと恥ずかしい思いはさせられましたね……///」すすっ…

グレイ提督「まあまあ…それもわたくしがフランチェスカを好ましく思っているからですわ」じりっ、じりっ…

提督「よくもまぁ、そうやって上手いことを…///」

グレイ提督「あら、わたくしの気持ちは純粋に誠実なものですわ……そう、イタリアの方で言うならマキアヴェリのように…ふふ♪」(※マキアヴェリ…「君主論」を書いたイタリアの策略家。権謀術数でならした)

提督「……まるっきりじゃありませんか」

グレイ提督「まぁそうおっしゃらず…わたくしが満足したらすぐ済みますわ、ね?」提督を壁に追い詰めると頬を軽く撫で上げ、イギリスの貴族女性の特技らしい無邪気な笑みを浮かべて見せた…

提督「はぁ…メアリにはかないませんね///」

グレイ提督「ふふ、優しいフランチェスカ…それでは、参りますわね♪」そっと提督の手を握ると、ネイルアーティストが爪にマニキュアをする時のように手の甲を向けさせた…それから期待に満ちた目で、傾けて持った燭台から蝋の垂れるのを見守った……

提督「……あつっ…!」最初の一瞬はとろりと柔らかいキャラメルのような感触だけでちっとも熱くないが、それから急に熱を感じた…蝋は一滴なのですぐに冷めて固まるが、それでも何とか火傷しない程度にしか冷めていない……

グレイ提督「しーっ……誰かに声を聞かれてしまっては、フランチェスカとしてもよろしくないでしょう?」

提督「ええ、まさかこんなことをしているなんて知られたら……みんながろうそくを持って寝室に押しかけてくるでしょうし、それを考えると少し怖いですね…」

グレイ提督「でしたらお静かになさらないといけませんわ?」

提督「あの、どうも私が悪いように聞こえますけれど……先に始めたのはメアリなんですよ?」

グレイ提督「ふふ…さ、もう一回参りましょう?」

提督「も、もう…///」裾の短い薄手のキャミソール一枚でいたが、恥ずかしげに腕を差しだした…

グレイ提督「ふふ、そこがよろしいのですね…では」ぽたり…♪

提督「んっ…///」

グレイ提督「はぁ…伏し目がちにしているフランチェスカ、何とも魅力的ですわね……んっ♪」

提督「んっ…あむっ……ちゅ///」

グレイ提督「ふふ、ミルクの味がしますのね……何といいましょうか「無垢な子供」を味にするとしたら、この味だと思いますわ」

提督「さっき夜食と一緒にミルクを飲んだので…んちゅっ///」

グレイ提督「んふっ……まぁまぁ、不意打ちとはずるいですわね♪」お仕置きとばかりに鎖骨に蝋をたらす…どちらかと言えばふくよかな提督は鎖骨が浮き出ていないので、蝋が一瞬だけ滑らかに胸元へと駆け下り、すぐに冷めて止まった……

提督「んんぅ…もう、メアリ……♪」薄いキャミソールの胸元を開くと、ずっしりした乳房をのぞかせた…

グレイ提督「あらあら、そんなところに垂らしてもよろしいのですか?」

提督「もう…何を今さら……熱いですが、意外と癖になりそうで…///」

グレイ提督「いけませんわね…わたくしはただお友達になろうとしただけですのに、訪問先の将官の方をそのような趣味に目覚めさせてしまうなど……もう止めにいたしましょう?」

提督「メアリ…お願いですから、もうちょっとだけ……こんな中途半端なままで終わらせないで///」

グレイ提督「ふむ…フランチェスカがそうおっしゃるのなら、わたくしとしてはいたし方ありませんわね?」ぽたぽた…っ♪

提督「あっ、あっ…熱いぃ♪」

グレイ提督「それはいけませんわ……すぐ冷やして差し上げますから、動かずにいらしてくださいね?」胸の谷間に垂れた蝋を爪の先で愛撫するように剥がし、それからゆっくりと胸元に顔を近づけて、舌で舐めあげた……同時に燭台を持っていない方の手で短いキャミソールの裾に手を入れ、ゆっくり丁寧にふとももをさすった…

提督「はぁ、ん…んくぅ……んちゅっ、ちゅぅ♪」


301 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/14(土) 11:44:39.77 ID:UzCu5k/r0
…同じ頃・ドイツ艦の客室…

ビスマルク「……眠れない」

ティルピッツ「すぅ…すぅ……むにゃ…トップ艦長…」(※カール・トップ大佐…ティルピッツ初代艦長)

ビスマルク「こうして見ると我が妹ながら可愛いものだ……が、いつまでもこうしていては明日に差しつかえてしまう…」

…不眠症に悩まされていたというビスマルクの性質を受け継いだのか、なかなか寝付けないまま椅子に腰かけ、すやすやと寝息を立てているティルピッツの頭を撫ででいるビスマルク…睡眠薬の錠剤を取り出し飲もうとしたが、ペットボトルのミネラルウォーターがないことに気が付いた……

ビスマルク「しまったな……かといってレモン水で薬を飲むのはいかん」処方薬の袋とレモン水の入った水差しを交互に眺め、それから一つため息をついて立ち上がった…

ビスマルク「この時間ならだれもおるまい…」

…廊下…

ビスマルク「……それにしても、昼間の騒がしさが嘘のようだな…ん?」

提督の声「……って……メアリ…」

グレイ提督の声「……ですものね……」

ビスマルク「…カンピオーニ提督にグレイ提督だと?……こんな時間に食堂でいったい何を…まさか…」

グレイ提督(想像)「……ふふ、わたくしに協力してドイツを裏切って下されば、何でも欲しいものをさしあげますことよ?」ちゅっ♪

提督(想像)「あんっ…それじゃあドイツは見限ることにしまーす♪」

ビスマルク「…ありうる。イタ公め、また裏切る気だな…これはフレガッテンカピタン(中佐)のためにも、様子をのぞいておかね…ば……!?」ドアの隙間からのぞきこみ、途端に真っ赤になるビスマルク…

提督「あっ、あっ……はぁぁ…んっ///」

グレイ提督「今度はどこにいたしましょうかしら……ふともも、うなじ…それともお腹に?」

提督「んっ……んぅぅ…メアリ、背中に垂らして…♪」壁に片手をついてヒップを突きだし、なまめかしいくらいに甘い声で誘う…

グレイ提督「ふふ、承知いたしましたわ…」ぽたぽた…っ♪

提督「あっ、あぁっ……♪」

グレイ提督「あら、ごめんなさいね…少し手が滑ってしまいましたの♪」

提督「…もう、メアリのいじわる♪」

グレイ提督「申し訳ありませんわ…ですがその丸っこいヒップを見たら、つい…♪」

提督「ねぇ、メアリ…」

グレイ提督「なんでしょう?」

提督「好きよ……それにしてもメアリったら、お屋敷でもこんなことをしているの?」片手で自分の濡れた花芯をかき回しつつ、いたずらっぽく聞いた…

グレイ提督「ええ、わたくしの家のメイドはみんな手籠めにしてしまいましたから…♪」上品な笑みを口もとに浮かべ、際どい冗談を返す…

提督「そうだろうと思いました…ふふ、それでもメアリが好き♪」ねっとりと蜜のついた手をグレイ提督の手に重ねると、濡れた秘部に誘導する提督…

グレイ提督「嬉しいお言葉です。わたくしも、フランチェスカが愛おしいですわ」くちゅくちゅ…ぅっ♪

提督「あっ、ん……メアリったら、港ごとにそうやってささやく相手がいるくせに…んっ、あぁっ♪」とろ…っ♪

グレイ提督「ふふ、タラントではフランチェスカ…あなただけですわ」

提督「なら仕方ないわ、許してあげま……あっ、あぁぁっ♪」

グレイ提督「ふふ、お間違えにならないでね?……許すのはフランチェスカではなくて、わたくしですわ♪」ぽたぽた…っ♪

提督「あっ、あっ…熱いっ……んんぅ♪」

グレイ提督「お分かりになりまして?」

提督「…いいえ。なのでもっと教えてください♪」

グレイ提督「ふふ……では、わたくしにも「イタリア流」を教えて下さいまし…ね?」

提督「ええ、もちろん……ちゅぅぅっ、あむっ…ちゅっ…♪」

ビスマルク「…ますます寝つけなくなったな……///」
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/15(日) 16:36:08.91 ID:2xMzCFpao
できれば目隠しもしてほしい
303 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/16(月) 15:50:13.03 ID:Oe7egqhZ0
提督「んっ…ちゅっ……はぁ…っ……///」

グレイ提督「ん…ちゅぅ……ふふ、そう焦らずに……わたくしは逃げませんわ」ぽたっ♪…舌を絡めてねちっこいキスをねだる提督を軽く突き放すと、上品な含み笑いを浮かべつつ軽蔑するような目で見おろし、見せつけるようにゆっくり蝋を垂らす……

提督「あっ、ひぅぅ…♪」

グレイ提督「…わたくしもこれまで執務室でクラゲを飼っていたり、古代ギリシャ語で日誌を書いたりと、風変りな提督たちと知り合ってまいりましたけれど……フランチェスカのような提督は初めてですわ」ぽたっ…ぽたぽたっ♪

提督「はひぃぃ…だって……♪」

グレイ提督「ふふ…そんなにとろけたような顔をされては、わたくしだって我慢のしようがありませんわね……目をつむって下さいな♪」しゅるり…とナイトガウンの帯をほどくと、手際よく提督の目元に巻きつけた…

提督「あっ……もう、また目隠しですか///」

グレイ提督「ええ、フランチェスカの金色の瞳はわたくしをおかしくしそうですから…さて、どこに垂らすか想像しながら愉しんで下さいましね?」

提督「もう、メアリの変態…っ///」

グレイ提督「そうしむけたのは貴女ですわ…フランチェスカ♪」しゃがみこむと耳元でささやいた…

提督「あっ、あぁ…んっ♪」

グレイ提督「あら、こんなに食堂の床を濡らしてしまって……いけませんわね?」目隠ししたまま提督を椅子に座らせると、ナイトガウンの裾をたくし上げてまたがった…

提督「あ、あぁ……メアリ…やっぱり甘くていい匂いがします……///」

グレイ提督「ふふ…このあいだ貴女にそう言われてから、わたくしもこの香水が気に入っておりますの……さ、動きますわね?」

提督「はぁ…んぅぅっ♪」

グレイ提督「はぁ…はぁ……これでよろしい?」提督のずっしりと大きな胸に形のいい小ぶりな胸を擦りつけ、ねっとりと濡れた提督のクリーム色をしたふとももに、真っ白な肌を重ねる…

提督「ええ、ええ…とっても、気持ちいいです……はぁぁっ♪」

グレイ提督「それは……よかったですわ…わたくしはフランチェスカと違って…ふぅ……こういう経験が豊富ではありませんから」ぽたぽた…っ♪

提督「あっ、あぁっ…私だって……んくぅ…そんな、はしたない女じゃありませ……んぅぅ♪」

グレイ提督「ふふ、ご冗談を…♪」ぽたっ…♪

提督「だって…ぇ……私は好きな女性(ひと)としか…しませんから…ぁっ♪」

グレイ提督「まぁ、お上手…これだけ聞くと、わたくしだけを本気で愛してくれているものと誤解してしまいそうですわ///」くちゅ…ぐちゅっ♪

提督「はひっ…んっ、ひぃぃ…♪」

グレイ提督「んっ、んっ、んぅっ……ふぅ、ふぅ…///」

提督「んぅぅ、メアリ…♪」悩ましげな声を上げる提督…

グレイ提督「ふぅぅ……まだして欲しいのですか?」

提督「ええ…だってメアリの身体…ひんやりしていていい気持ち……♪」

グレイ提督「あいにくですが、わたくしはフランチェスカの抱き枕ではありませんわ……さ、そろそろ夜もふけます。部屋に戻りましょう?」

提督「んふふっ、いやです……もうちょっとだけ…♪」

グレイ提督「わがままですわね…それではわたくしは戻りますから、後は一人でお愉しみになって?」花芯にくちゅりと指を差しいれて提督がひくついている間に、背中に回されている両腕をどけて立ち上がった…

提督「あ、メアリ……行かないで?」

グレイ提督「それではお休みなさい。ごきげんよう♪」

提督「えっ、ちょっと…本当に待って下さい、目隠しが解けないんです……」イギリス海軍ならではの複雑かつ見事な結び方で結ばれた帯は、ほどこうとしてもたやすく解くことができない……

グレイ提督「…♪」少し離れた場所に立って、おろおろしている提督を眺めている…

提督「メアリ…本当に行っちゃったの?」仕方なく目隠しをされたままあちこちに手を差しだしてみては、触れたものを手がかりにして危なっかしくふらふらと歩きだした…

グレイ提督「…」(ふぅ…これではいやらしい気分になってしまうのも無理ありませんわね……)

提督「えぇ…と、これがテーブル……痛っ…」椅子にけつまずき、壁にぶつかりながら一歩づつ進む提督……短いキャミソールからのぞくふとももから愛蜜をとろりと滴らせ、内股になって膝をがくがくさせながら歩いている…

グレイ提督「…」つかず離れずの距離で、提督の後ろからついて行くグレイ提督…色々と「役に立った」燭台はテーブルの上に戻し、火事にならないようちゃんと台の安定も確かめる……

提督「あいたっ…もう、こうなったら仕方ないわね」何回か壁にぶつかって、とうとうまともに歩くことをあきらめて四つん這いになった……

グレイ提督「…」後ろからだと、めくれ上がったキャミソールからむちむちのヒップが揺れるのがよく見える…意地の悪い笑みを浮かべると、足音を立てずに後ろからついて行くグレイ提督……

304 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/17(火) 00:11:09.43 ID:pfGmhdHc0
提督「…誰かに見つかったらどう言い訳しようかしら……っ!?」

…四つん這いのままどうにか階段を上り、廊下で息をつく提督…と、廊下の先でドアの開く音がする……慌てて双アーチ状の中央階段を見おろす廊下の踊り場(テラス)に飾ってある「ベネデット・ブリン海相」の像に身を隠す…が、豊満な身体の提督が小ぶりな胸像の台座に隠れられるわけもなく、身体の半分以上がばっちりのぞいている…

ニコロソ・ダ・レッコ(ニコ)「…ふわぁ……暑いからって冷たいものをがぶ飲みするものじゃないね…お手洗いが近くなっていけな……い?」ほとんど下半身丸出しのまま目隠しをされ、明らかに小さい隠れ場所に身を隠そうとしている提督と、その後ろに立ってからかうような笑みを浮かべているグレイ提督……

グレイ提督「…」(しーっ…気付かなかったふりでお願いしますわ)…提督の数歩後ろに立っていたが、そっと唇に人差し指を当てると意味深な笑みを浮かべた

ニコ「…あっ……ふわぁぁ、眠いな…ぁ///」

グレイ提督「♪」

提督「ふー、あの声はニコみたいね……どうにか気づかれずに済んだけれど…」ふとももがこすれるたびに「にちゅっ…」といやらしい水音をさせつつ、手探りで執務室のドアを探す…

提督「たぶんここね……でも、間違っていたらどうしようかしら…///」そう言っているそばから部屋を間違えている提督…

グレイ提督「……その時はわたくしが部屋にお連れいたしますわ♪」後ろから抱きつくとそっと口もとをふさいで、耳元にささやく…

提督「…むぐ…っ!?」

グレイ提督「しーっ……わたくしがフランチェスカを見はなして行ってしまう訳がないではありませんか♪」

提督「むぅぅ…もがもが……」

グレイ提督「大きい声を出してはいけませんわ…さあ、立って?」ほっそりした手で口を覆ったまま提督を立ち上がらせると、後ろから張りつくように抱き着き、そのまま執務室に入りこんだ……

…提督寝室…

提督「もうっ、メアリのいじわるっ///」やっと目隠しを解いてもらい、頬を赤らめつつも文句を言う提督……

グレイ提督「ふふ…楽しかったでしょう、何しろこんなに濡らしておりますものね?」くちゅっ…♪

提督「あんっ、だって…///」ふとももをもじもじとこすり合わせて、顔を伏せると上目づかいでグレイ提督を見る…

グレイ提督「わたくしもフランチェスカに悦んで頂けて何よりですわ……見つかりそうになって秘所を濡らしてしまうほどの、いやらしい方だとは思いませんでしたが…♪」

提督「でも…メアリがしむけたくせに///」

グレイ提督「ふふ、面白かったですわ」

提督「むぅぅ……ねぇ、メアリ」

グレイ提督「何でしょうか」

提督「…明け方まではまだ数時間あるわ///」

グレイ提督「ええ、そのようですわね。それで?」

提督「……どうしたいか私に言わせるの?」

グレイ提督「ええ、あいにくとわたくしには分かりかねますから…どうぞおっしゃってみて?」

提督「むぅぅ、メアリのいじわる…お高くとまった底意地の悪い……冷血なすまし屋の…」

グレイ提督「まぁまぁ…イタリア人だけあってよく舌が回りますこと」

提督「……けちな貴族のお嬢さまの……愛しい人♪」んちゅぅ…っ♪

グレイ提督「きゃ…っ♪」

提督「今度は私の番よ……もう「ゴメンなさい」って言っても朝までは許してあげないから♪」グレイ提督をベッドに押し倒すと上にまたがり、舌なめずりする提督……月夜に金色の瞳が反射してらんらんと光っている…

グレイ提督「まぁ、怖い…♪」

提督「その余裕ぶったすまし顔も、いまに甘ったるいとろっとろの表情にしてあげますからっ……んくぅ…っ♪」くちゅっ、ぐちゅり…っ♪

グレイ提督「あぁ…っ、んんぅ……なんとも…んふぅ…激しいですわ……ね///」

提督「んふふっ、もうそんなことを言って……あと三時間はありますから、頑張って耐えてね…メアリ♪」

グレイ提督「んぅ、んっ……あっ、あぁぁ…///」

………
305 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/17(火) 00:21:24.84 ID:pfGmhdHc0
…という訳で >>302 の方のリクエストにお答えし、目隠しプレイなどを加えてグレイ提督×提督などしてみました…いかがだったでしょうか?


…この後はそろそろ建造に取りかかり、前回の建造で加わった「ペルラ」級中型潜の艦娘紹介もまとめて投下していきたいと思っています



……そう言えば7月14日はフランス革命の記念日(パリ祭)ということで、特にフランス人でもないのですが(連休と言うこともあり)フランボワーズのケーキをいただきました…大変美味しく、まさに「幸福な砂糖生活(ハッピーシュガーライフ)」でした(…すみません、言いたかっただけです)

306 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/17(火) 06:57:41.93 ID:cuVkLvAuo
とってもいい。ありがとうございます
307 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/18(水) 02:42:42.29 ID:2itqbxxK0
…明け方…

アルゴ(「アルゴ」級中型潜)「あー、疲れた!…金羊毛を取りに行くほどじゃないけれど、黎明哨戒は気を使うわよね」

…ギリシャ神話に出てくる金羊毛を求めたイアーソーンの船「アルゴー号」が由来のアルゴ…それだけに女神ヘーラー(ユーノー)が授けてアルゴー号の船首についていたという「未来を予知する柏の枝」を髪飾りに差し、一方の肩からは金羊毛のようなケープを垂らしている…

ヴェレラ(アルゴ級「カツオノカンムリ」)「ですね……私も食堂でちょっとお夜食をつまんだら、ひと眠り……♪」…こちらは帆を兼ねた浮き袋で海面近くをふわふわと漂うクラゲの一種「カツオノカンムリ」らしく、青いシースルーのベビードールにクリアブルーのカチューシャを身に付け、ゆったりした口調で話す…

アルゴナウタ(「アルゴナウタ」級中型潜)「本当にね。でもアルゴを見てるといつだって乗りたくなっちゃう……後でお邪魔させてよ?」…イタリアではイカの一種の名前だと言うが、同時に「アルゴ号」の乗員になったギリシャの英雄豪傑たち…それから転じて「勇敢な者」という意味もあるアルゴナウタ…当然アルゴとはいつでも乗ったり乗られたりの仲…

フィザリア(アルゴナウタ級「カツオノエボシ」)「ふふっ、それじゃあ私も誰かお魚さんの名前がついている娘の所にお邪魔させてもらわなきゃ…♪」魚を餌食にする猛毒のクラゲ「カツオノエボシ」だけあって、魚類の名前がついている艦娘は容赦なくむさぼって、しゃぶりつくしている…

ナイアーデ(中型潜シレーナ級「水の精」)「全く悪い娘ばかりですね?」

ネレイーデ(シレーナ級「海の精」)「本当にそうね…アンフィトリテがここにいたらうんと叱られているところよ」(※アンフィトリテ…海神ポセイドンの妻。シレーナ級の一隻にある)

アルゴ「まぁまぁ…それよりディアナの夜食をいただきましょうよ、ビリの娘には空のお皿だけだからねっ!」

アルゴナウタ「もう…乗り手を置いていくなんてダメな船♪」

アルゴ「ふーんだ、そういうことを言うなら二度と乗せてあげないから…!」

ナイアーデ「もう…まだ夜明け前なんですから静かにしません……と?」

ネレイーデ「どうしたの?」

ナイアーデ「いえ、何だか床に水が垂れて……?」

ネレイーデ「まぁ、本当に…ってナイアーデ、これ……///」提督が滴らせた愛蜜がぽたぽたと垂れている…

ナイアーデ「えっ…あぁ///」

ネレイーデ「ちょっと雑巾を取ってきます…全く、どこのどなたか知りませんけど……なにも食堂でしなくたって///」

アルゴナウタ「どうかしたの?」

ナイアーデ「いえ、別に…」

アルゴナウタ「ふぅーん…あっ、今日の夜食も美味しそう!」

………



…朝方・ビスマルクたちの客室…

ティルピッツ「もう……起きて下さい、姉上!」

ヴァイス提督「シャイス(くそっ)、このところ出撃もないからたるんでるな…こら、起きないか!」

ビスマルク「ぐぅ……すぅ…」

ヴァイス提督「まったく、だらしない……イタリアの連中よりねぼすけでは、何のための規律なのか分からんではないか!」

ティルピッツ「申し訳ありません、中佐…いつもは睡眠薬を飲んだらきっちり七時間後には目を覚ますのですが、昨日は飲んだ時間が遅かったのかもしれません…」

ヴァイス提督「別にティルピッツを責めているわけではない…このだらしないのを起こそうとしているだけだ」

提督「お邪魔します…ヴァイス提督、どうかしたのですか?」

ヴァイス提督「あっ、カンピオーニ少将…いえ……それが///」

提督「あら、ビスマルクがこの時間まで寝ているなんて珍しいですね……ふふ、いつもの引き締まった表情も凛々しいですが、柔らかな寝顔も可愛らしいですね♪」

ティルピッツ「そうですね。姉上は起きている時こそちょっと近寄りがたいですが、寝ている時はエンゲル(天使)みたいなんです」

ヴァイス提督「……こら、余計な事を言うな…っ!」ティルピッツを小声でたしなめる…

提督「いえいえ。普段は厳格な姉の無邪気な寝姿なんて、何とも微笑ましいものですから…ティルピッツの気持ちもよく分かりますよ…ね、ティルピッツ?」

ティルピッツ「は。そうして直接言われると恥ずかしいものがありますが……///」

ヴァイス提督「とにかく揺さぶっても声を張りあげても起きないので……恥ずかしい所をお目にかけました」

提督「まぁまぁ…これがメアリだったら事あるごとにこのことを持ち出してくるでしょうが、私はそんなことしませんから♪」

ヴァイス提督「ダンケシェーン…///」

提督「お気になさらず。とりあえず起こす手段を考えてみましょう♪」
308 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/19(木) 01:22:51.06 ID:OFxu0hbD0
提督「それじゃあまずは…と」客室に置いてあるCDラジカセを開けて、音楽CDをセットする…

ヴァイス提督「…失礼ですが、音楽くらいで目を覚ますようなビスマルクではないかと」

提督「ふふ、この曲なら分かりませんよ?」音量を大きくしてから耳をふさいだ…途端にワーグナーの交響曲「ニーベルンゲンの指環」から、一番の有名どころである「ワルキューレの騎行」が大音量で流れる…

ティルピッツ「お、おぉぉ…!」

提督「やっぱりビスマルクを起こすならこの曲でしょう…!」

ビスマルク「ぐぅ…」

提督「…」肩をすくめて曲を止める…

ヴァイス提督「……申し訳ありません。こうなったら冷水でも浴びせかけるか「警報!」とでも叫んで…」

提督「まぁまぁ…まだ手段はあります」

ヴァイス提督「まだありますか」

提督「はい、ちょっと失礼して……グーテンモルゲン、フロイライン(お嬢さん)♪」ベッドに近寄り、唇にそっとキスをする…

ビスマルク「んんぅ…んぅぅ……」

ティルピッツ「何だかうなされているような表情になりましたが…」

提督「むぅ…白雪姫はこれでも起きてくれませんか……」

ヴァイス提督「もう結構です、カンピオーニ提督。これ以上お手を煩わすわけには行きません……ティルピッツ、バケツに冷水を。シュネル(急げ)!」

ティルピッツ「ヤヴォール!」

提督「わわっ、もうちょっとだけ待ってください…!」

ヴァイス提督「しかし、すでに六分以上も貴重な時間を無駄にさせておりますし…後はもう実力行使あるのみ……!」

提督「ヴァイス提督、お願いですから……あと一つだけ「ドイツ人には絶対効果がある」…はずの手段があるので」

ヴァイス提督「そんな手段があるのですか?」

提督「え、ええ…私も聞いたことがあるだけで、試すのは初めてですが……」

ヴァイス提督「それは多少不安ですが…どうぞ試してみてください」

提督「ええ、それでは……カルトッフェル…♪」耳元でささやいた提督…(※Kartoffel…ジャガイモ)

ビスマルク「なにっ!」

提督「ふふっ、効果がありました♪」

ヴァイス提督「…」

ティルピッツ「うーん…ドイツ人と言うだけでジャガイモに反応すると思われるのは複雑ですが……」

ビスマルク「今、誰かジャガイモがどうとか言わなかったか!?」

ヴァイス提督「ダンケシェーン、カンピオーニ提督……ビスマルク、今が一体何時だと思っているのか!」

ビスマルク「ぐっ…しかしそれは昨夜……///」(まさかあんな場面をのぞいたとは、口が裂けても言えん…!)

ヴァイス提督「言い訳するなっ!…ドイツ艦の代表としてはるばるヴィルヘルムスハーフェンから派遣されたのは、イタリアでのんきに休暇を過ごすためではない!」

提督「あー…それではまた後で♪」

ヴァイス提督「はっ…まったく、訓練が少ないからとはいえたるんでいる……トレーニングに追加して腕立て三十回、腹筋三十回を課す!」

提督「…ヴァイス提督ったら、あんなにビスマルクを叱りつけて……でも理不尽な事で怒らないのはさすがよね♪」

309 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/19(木) 02:29:10.08 ID:OFxu0hbD0
…しばらくして・工作室…

提督「さてと…準備はいい?」

アスカーリ(ソルダティ級駆逐艦「植民地兵」)「んだ、いつでもええだよ」紅い房付きのトルコ帽をかぶっている「アスカーリ」…訛りはきついが、鎮守府の面々はもう慣れっこになっている

トゥルケーゼ(ペルラ級中型潜「トルコ石」)「私もいいですよ」…不透明な水色が美しいトルコ石のアクセサリーを随所にまとい、水色の瞳をキラキラさせている「トゥルケーゼ」……アラビア風のエキゾチックな腕輪やネックレスが魅力的な顔をさらに引き立てている…

提督「よろしい、それじゃあ建造しましょうか♪」

ライモン「今回は大勢になりそうですし、後でそれぞれのお部屋を上手く割り振らないと……」

カヴール「ふふ、にぎやかでよろしいではありませんか♪」

フィリッポ・コリドーニ(ブラガディン級中型潜)「そうですね、私も写真とメモの準備は出来ています…いかがですか提督、今のお気持ちは!」

提督「ふふ、もちろん嬉しいわ♪」

コリドーニ「なるほど「夜の相手をしてくれる若い娘が増えるので嬉しい」……と」

提督「…私がそんなことを言った?」

コリドーニ「違いますか?」

提督「んふふっ…半分は正解♪」

ライモン「…て・い・と・く?」

提督「あー…今のはちょっとした冗談よ、コリドーニ」

コリドーニ「分かりました…提督は「ライモンドに頭が上がらないので明言は避けたい」とコメント…っと♪」

ライモン「…」

提督「……それじゃあ始めるわね、トーレ…ドゥーエ…ウーノ……建造開始っ♪」

…建造中…

提督「さてと、これであと……」

ヴァイス提督「三時間十六分は時間があります」腕のクロノメーターを眺めて言った

提督「あら、どうも……相変わらず正確ですね♪」

ヴァイス提督「いえ、海軍軍人として必要な素質かと」

提督「ふふっ、そうですね…ではその間にちょっとお茶でも……」提督も腕にはステンレス製のかっちりした防水腕時計を付けていて、そこだけは立派な海軍士官らしい…

ヴァイス提督「あの…よかったらこの時間を使って、戦術について講義してくれませんか」

提督「あ、あー……それもそうですね…」お茶の時間がフイになりそうで、露骨にがっかりしている提督…

ヴァイス提督「あ、いえ…別にここでお茶をいただきながらで構いませんので……」

提督「そうですか…ライモン、ティーセットの準備をお願い♪」

ライモン「まったくもう。朝食を食べた直後なのに、今度はお菓子ですか」

提督「いいじゃない、頭を使うには糖分が欠かせないのよ?」

ライモン「はい、分かりました……まぁわたしもお相伴にあずかっている手前、あんまりがみがみ言いませんが…」

トゥルケーゼ「ちょっと最近の提督はふくよかすぎる…かもしれないですね♪」

提督「だって……ご飯もお菓子も美味しいんだもの///」

ライモン「ふぅ…駄々っ子じゃないんですから、しっかり自制して下さい」

提督「はぁーい…以後気を付けます……」

ヴァイス提督「…後で我が方の使っているカロリー計算表でもお貸ししましょうか?」

提督「いえ、お気持ちだけで結構です♪」

ライモン「…」

………
310 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/22(日) 01:18:24.21 ID:c2TkBFRs0
…三時間後…

ヴァイス提督「……しかしこの状況下と距離で主砲の斉射を行っても、命中率は良くて五パーセント…散布界の狭いイタリア巡洋艦の主砲であればなおの事…にもかかわらずここで斉射を行う理由が見当たりません……なぜ一万メートルを切ってから砲撃しなかったのですか?」

提督「はぁ、はぁ…えーと…この状況下で斉射を行ったのは、味方の駆逐隊に「友軍が到着した」事を知らせる目的と深海側の攻撃を集中させないための「存在アピール」…と同時に、深海側の集中を少しでも途切れさせようという意味でありまして……ふぅ…」

ライモン「…提督…以前の作戦推移の図を前に、ずっと講義させられていますね……」

カヴール「どんな機動にも理由がないと納得しない理詰めのヴァイス司令…納得させるのは大変そうですね?」

トゥルケーゼ「確かに…それにしても三時間の間、ずっと質問とは大したものです」

ヴァイス提督「……ではここ…1302時の旗艦「トレント」が取った取り舵いっぱいの意味は何でしょうか」

提督「あー…その時深海側の駆逐艦が突っかけてきていたので、雷撃を予測しての回頭ですね」

ヴァイス提督「なるほど、理解しました……では次に…と言いたかったのですが、あと五分あまりで建造が完了しますね。ダンケシェーン、カンピオーニ提督」

提督「ビッテシェーン……はぁ、疲れたわ…」くたくたと椅子に座り込む提督…

ライモン「提督、お茶です」

提督「ありがと……こくっ、こくん…っ」砂糖がたっぷり入ったぬるめのミルクティーを飲み干し、額の汗を拭った…

カヴール「さ、提督…裾に埃がついておりますよ?」椅子から立たせると白い夏季制服の裾を軽くはたき、襟元を直したりタイの結び目を整えたりしている…

提督「グラツィエ……ふぅ、何はともあれもうそろそろね…♪」

グレイ提督「…そうですか。それならわたくしも、ちょうど良いタイミングにお伺いすることができたわけですわね?」…タイミングを合わせたようにやってきたグレイ提督はいかにも「夏のイギリス海軍」らしい、裾を折り返した白い半ズボンにひざ丈のソックス、階級章付きの白い半袖シャツを着ている…

提督「ええ♪」

エリザベス「わたくしエリザベスも、またしてもにぎやかしの……いえ優れた戦力が増えることに、お慶びを申し上げさせていただきます♪」

エメラルド「おめでとうございます。カンピオーニ提督」

提督「どうもありがとう……さぁ、カウンターがゼロになったわ♪」


…相変わらずのまばゆい青い光が消えると、いつもは新着の艦娘が列になって並んでいる…のだが、今回はその数が異様に多く、建造施設の「ド○ター・フーの電話ボックス」から、物理法則を無視したようにぞろぞろと出てくる…全員が出てきて二列に整列すると、工作室が人いきれでむんむんするほどの人数になってひしめき合っている……今回の艦娘は、背の高さが中学生くらいですっきりとした目鼻立ち…少し日に焼けた淡い小麦色の肌と、アフリカ風の飾り物やエチオピア風の帽子をかぶっていたりする……中でも二人は両脇にSLC格納筒をマウントしていて、黒いウェットスーツが滑らかな身体のラインをくっきりと浮き上がらせている……


グレイ提督「まぁ、あの小さな建造施設から次々と……まるで「オースチン・ミニに何人乗れるか」のギネス記録ですわね?」

ライモン「……ずいぶんたくさんいますね」

カヴール「ふふ、何とも可愛い娘たちです♪」

提督「ボンジョルノ…私がここの司令を務めているカンピオーニです。とりあえず自己紹介をお願い♪」ぎゅう詰めで並んでいる艦娘たちを前に、視線をどこに向けるべきか困惑している提督……とりあえずネームシップらしい一人に声をかけて、えくぼを浮かべてにっこりした…




311 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/22(日) 02:26:10.91 ID:c2TkBFRs0
艦娘「では自己紹介をさせてもらいます。中型潜水艦「アデュア」級のアデュアです、どうぞよろしく…♪」敬礼を交わすと、提督の手の甲に軽くキスした…

提督「ようこそ、タラント第六へ……えーと、どうかしたの?」…どういう訳か隣に立っている艦娘は指でふとももを叩いたり、貧乏ゆすりしたりとそわそわしていて落ち着かない……

艦娘「ボンジョルノ、提督。アデュア級の「アラジ」です♪……大戦中はイタリア潜で一番出撃したんだけれど、そのせいか…なんだか動かないでいると落ち着かなくって///」ショートカット姿で活発そうな「アラジ」は濃い灰色の競泳水着風の格好で、裾の辺りには流麗な字体で「55」のナンバーが白抜きでレタリングされている…

提督「ふふ、それでなのね…ここは出撃の回数は少ないから、スポーツや何かで発散してくれればと思うわ♪」

アラジ「グラツィエ、提督♪」にっこりと歯を見せて笑みを浮かべた

艦娘「初めまして、アデュア級「アラダム」です…どうぞよろしくです♪」

提督「…ええ♪」左右の頬にキスをされた瞬間、ふっと太陽と潮の香りがした……アデュア級の艦娘たちに色白の娘は少なく、みんな浅い小麦色だったりうっすらと褐色だったり、カスタードのようなクリーム色をしていて、髪も金色やグレイより濃い褐色や金茶色、黒髪が目立つ…

艦娘「アデュア級、「アシアンギ」です…どーぞよろしく、てーとく///」

提督「はい、よろしくね♪」訛もあるらしいアデュア級の艦娘「アシアンギ」は緊張したのか、少しカタコトで挨拶してくれた…

艦娘「私はアデュア級の「アクスム」よ。よろしくね、提督さん♪」

提督「ええ、よろしく♪」

アクスム「ちなみにペデスタル船団攻撃では「デジエ」と一緒に大活躍だったわ……ね、デジエ♪」ぎゅっと指を絡めて手を握る…

艦娘「そうだね、アクスム…チャオ、提督。私がアデュア級の「デジエ」です…よろしく♪」

提督「よろしくね、デジエ……二人とも再会できてよかったわね?」

デジエ「ええ…久しぶりだね、アクスム♪」ちゅ…っ♪

アクスム「ふふ、また二人で出撃しようね?」

デジエ「ん♪」

艦娘「相変わらず二人はベタベタして……アデュア級「ベイルル」です///」

提督「よろしくね、ベイルル…♪」

ベイルル「はい」

艦娘「ボンジョルノ、提督。艦娘「ダガブール」です♪」

提督「よろしく♪」

艦娘「初めまして、アデュア級中型潜「ドゥルボ」です…よろしくお願いします」

提督「ええ、よろしくね…ちゅっ♪」…提督が前列の娘たちと挨拶を終えて後列の艦娘の前に立つと、例の人間魚雷「SLC」格納筒を持った二人が並んでいる……

提督「初めまして…えーと、あなたが「シーレ」かしら?」

艦娘「はい、アデュア級中型潜「シーレ」です……アレクサンドリアやジブラルタルではドカンと派手にお見舞いしてやって、しかもあのデ・ラ・ペンヌ大尉もお乗せしたんです♪」ゴムのウェットスーツがぴっちり身体に張りつき、滑らかなお腹のラインや小ぶりで引き締まった乳房、あそこの割れ目がくっきりと浮きだしている……背中にはアクアラング用の酸素ボンベを背負い、片手には外した足ヒレ…そして腕には戦中イタリアで最高の軍用ダイバーウォッチだった「パネライ」をはめている…


エリザベス「……シーレ、でございますか…」

シーレ「ん…提督、この大きいお姉さんは?」

提督「こちらはイギリス海軍の艦娘「クィーン・エリザベス」よ……ふふ、シーレは良く知っているわよね♪」

シーレ「あー……ふふ、久しぶり…エリザベスお姉ちゃ…ん♪」にたりと笑うといやらしい手つきでお尻を撫で上げる…

エリザベス「…んっ…お、おやめなさい……///」

シーレ「ふふ、エリザベスおねえちゃん…ここが弱いのは相変わらずなのかな?」

エリザベス「んくっ…いっ……///」

提督「まぁまぁ、今はその辺にしてあげて…ね♪」

シーレ「ふふっ…了解♪」


312 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/22(日) 03:01:47.55 ID:c2TkBFRs0
提督「シーレがこっちの娘だったということは……あなたがゴンダール?」

ゴンダール「はい、私がゴンダールです……あの時はシーレみたいに活躍は出来ませんでしたけど、今度は負けないよう頑張ります♪」

提督「ええ、私もゴンダールが活躍できるよう応援するわ」

ゴンダール「グラツィエ///」

艦娘「…私がラフォーレです、どうぞお見知りおきを♪」

提督「ええ、初めまして」

…さっきから続けざまに挨拶のキスを交わし、左右のほっぺたに唇の感覚が染みつきそうでいる提督……それぞれ唇が薄かったり柔らかだったり、しっとりと艶やかだったり、塩気を感じる少し荒れた唇だったり…とさまざまだったが、顔立ちも似ている姉妹艦だけあって、やはり雰囲気は似ている…

艦娘「アデュア級「マカレ」です、よろしくー♪」

提督「はぁい、よろしくね♪」

艦娘「初めまして、提督。アデュア級中型潜「ネゲリ」です♪」艶やかで黒っぽい肌をした「ネゲリ」の胸が、灰色の水着をつんと尖らせている…

提督「ボンジョルノ♪」

艦娘「ふぃー、ずいぶんかかったね…「テンビエン」だよ、よろしくネ♪」

提督「待たせてごめんなさいね…よろしく♪」

艦娘「中型潜「ウアルシエク」です…名前、ちょっと言いにくいですよね?」

提督「大丈夫、ちゃんと言えるわ……よろしくね、ウアルシエク♪」

ウアルシエク「…はい♪」

艦娘「ウアルシエクはまだ言いやすいほうでしょ…ボンジョルノ、提督「ウエビ・セベリ」です」

提督「ええ、ボンジョルノ…ウエビ・セベリね?」

ウエビ・セベリ「そ、よく言えました…なんなら噛まないように「セベリ」でもいいからね♪」

提督「了解。さて、これで全員ね……何でエリザベスはそんな後ろにいるのかしら♪」

エリザベス「…わたくしエリザベス…力を司るものとして、強者にはそれ相応の敬意を示すことにいたしております」

提督「そんなことを言わないでシーレとも仲良くしてあげて…ね、シーレ?」

シーレ「そうそう、仲良くしよ……お・ね・え・ちゃん♪」

グレイ提督「ふふ、お気持ちだけありがたく受け取っておきますわ」

提督「あら、残念……それじゃあまずはお昼にするから、食堂までついてきてね♪」

ライモン「…今後は一回に作る量をますます増やさないと…ですね」

提督「そうね。必要なら私だって厨房に立つわ」

カヴール「そのうちに誰が厨房の係にふさわしいかを決めないといけませんね♪」

提督「ディアナとエリトレアの交代制にお手伝いの娘数人……それだとさすがにこれ以上はまかないきれないものね」

アスカーリ「んだ、必要ならおらだって手伝うだよ」

提督「ふふ、ありがと♪」

313 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/24(火) 09:26:31.38 ID:pVZwjkBU0
まずは見て下さっている皆さま、無理せずエアコンを入れて(できるだけ)涼しく過ごしましょう……コジマ君、ジャブローのオフィスは快適だよ?


>>294 の方はまだ派遣中でしょうか…暑気あたりや熱中症にならないよう(…「休む」「疲れた」などとは言い出しにくい風潮もあるでしょうが)ご自愛くださいませ


…そろそろ投下していきますが、このところの暑さは異常ですよね……この調子で本当に数年後「国際的スポーツ大会」をやれるのでしょうか…どう考えてもインパール作戦そこのけの事態になりそうな……



…ちなみにこの後には「シーレ」×「クィーン・エリザベス」で年下責めの百合を投下したいなー…と思っております

314 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/24(火) 10:35:00.49 ID:pVZwjkBU0
…艦娘紹介…


中型潜「ペルラ」(真珠)級。1936年生まれ。10隻。単殻・サドルタンク型


量産性に優れ実用面での性能が優れていた傑作中型潜「600」型シリーズの第三弾。

前級「シレーナ」(セイレーン)級の準同型艦で、シレーナ級より多少船型を拡大、もろもろの改良や新装備を施したことで多少性能が向上している。
小ぶりな船型かつ同型艦の建造が続いたこともあってか、造船所も一年で完成させるなど手際よく建造することができ、性能も実戦向きで優秀。

OTO社(現OTOメララ)とCRDA社のどちらが建造したかで多少司令塔のデザインに違いがあると言われる



主機は1200馬力(ディーゼル)/800馬力(電動機)で14ノット/7.5ノット

武装は533ミリ魚雷発射管4門(艦首)/2門(艦尾)、100ミリ単装砲一基、13.2ミリブレダ機銃2〜4挺(連装二基?)といたって無難



ペルラ級のうちネームシップの「ペルラ」は英「フラワー」(花)級コルヴェット「ハイアシンス」(ヒヤシンス)に捕捉され逃げ切れず、やむなく降伏…各種性能を調査の上で英潜「P712」となったが、ヤード・ポンド法のイギリスではメートル法で規格の違うイタリア潜を持て余し、後にギリシャへ譲渡されて「マトロツォス」となり長く活動した


また「イリーデ」(虹、あるいはアヤメ…本来はギリシャ・ローマ神話の伝令の神「イーリス」から)と「オニーチェ」(オニキス)はスペイン内乱時にフランコ軍へと貸与され、それぞれ「ゴンサレス・ロペス」(Gonzalez Lopez)「アグィラール・タブラダ」(Aguilar Tablada)と改名、その後イタリアへ返却され旧艦名に復帰。マラキーテ(マラカイト…孔雀石)はオランダ潜に撃沈され、ジェンマ(宝石)は友軍「スクアーロ」級中型潜「トリケーコ」(セイウチ)に誤射され撃沈した


第二次大戦下では「アンブラ」(琥珀)と「オニーチェ」がSLC(※人間魚雷…設置型の磁気機雷を運ぶ水中スクーター。回天のような特攻兵器ではない)搭載艦となり、アンブラは三基、オニーチェは四基の格納筒を搭載している…またアンブラは雷撃で英軽巡「ボナベンチャー」を撃沈し、イタリア潜一の大物を討ち取った





艦名は宝石が主で

「ペルラ」(真珠)
「アンブラ」(琥珀…古代ローマの大プリニウスが「樹脂である」と論じたという。古代ギリシャでは「エレクトロン」(太陽の輝き)とも呼ばれていた)
「ベリロ」(ベリル…緑柱石。石言葉は「永遠の若さ」「聡明」)
「コラーロ」(珊瑚。「威厳」や「成長」「長寿」など…三月の誕生石の一つ)
「ディアスプロ」(ジャスパー…碧玉。石言葉は「勇気」組成によって色が変化し、様々な色あいがあることから「多種多様」など…三月の誕生石「ブラッドストーン」も碧玉の一種)

「ジェンマ」(宝石)
「イリーデ」(虹・アヤメ)
「マラキーテ」(マラカイト…孔雀石。「危険な愛情」「恋の成就」など…古代エジプト人にも愛用された青緑色の奇石)
「オニーチェ」(オニキス…縞メノウ。「和合」「夫婦の幸福」など。黒と白の縞模様が美しく、黒地の部分を削り出して白い部分に彫刻を施すことでカメオなどの細工物にしたりする。八月の誕生石「サードニクス」(紅い縞メノウ)もこの一種)

「トゥルケーゼ」(トルコ石)…と大変美しい名前が付けられている



艦娘「ペルラ」級は名前にふさわしい美しさで、前級「シレーナ」級にもいる宝石が艦名の艦娘と合わせると、さながらミラノの宝飾店のよう……たいていの娘がしとやかで丁寧な話し方をし、髪や瞳はそれぞれ対応する宝石の色と似ている…「アンブラ」と「オニーチェ」はそれぞれ腰や背中に、ワインボトル程度の大きさをしたSLC格納筒(を模した物入れ)を装備している。中にはお菓子だったり小物だったりブタのぬいぐるみ「ぶーちゃん」だったりが入っているらしい…


315 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/24(火) 10:43:27.71 ID:pVZwjkBU0
…補足…

トルコ石は12月の誕生石で石言葉は「繁栄」「成功」など

………


ちなみに「石言葉」は国によって変わり、ここに書いてあるのは全て日本の(あるいは日本にない石で海外の石言葉をあてた)ものになっています

余談ですが、ただ「石言葉」を知りたいだけなのにスピリチュアルやパワーストーンの話ばかり出て来て、これを調べる方が個艦のエピソードを調べるより大変でした……

316 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/24(火) 12:03:51.87 ID:pVZwjkBU0
中型潜「アデュア」級。1936〜38年生まれ。17隻


前級「ペルラ」(真珠)級とほぼ同じ構造・性能の「600」型シリーズ中型潜水艦の第四弾。基準排水量680/844トンという部分も同じ

特徴はやはり建造隻数の多さで、姉妹艦17隻というのはイタリア潜で一番多い。性能も優秀で大戦中は有効に活用されたが損害も多く、戦後に残ったのは「アラジ」の一隻のみと、空軍の援護がなく有効な電子機器も開発できなかったイタリアの辛い戦いぶりをよく示している



主機1200馬力(ディーゼル)/800馬力(電動機)で速力14ノット/7.5ノット

武装は533ミリ魚雷発射管4門(艦首)/2門(艦尾)、100ミリ単装砲一基、13.2ミリ機銃2〜4挺…と、これもペルラ級と同じ




と、ここまでは一連の「600」(セイチェント)型の中型潜に共通する部分であるが、「アデュア」級は名艦・殊勲艦揃いで


出撃55回(イタリア潜で最高記録)かつイギリスのマルタ島救援船団(ペデスタル作戦)の迎撃作戦「EA−3作戦」では英巡「ケニア」を撃破、商船一隻を撃沈し無事に戦後を迎えた不沈艦の「アラジ」

やはりペデスタル船団攻撃に参加し、二隻で防空軽巡「カイロ」を撃沈、巡洋艦「ナイジェリア」と商船二隻を損傷させた名コンビ「デジエ」と「アクスム」などが目立つ……が、一番の殊勲艦は人間魚雷搭載艦になった「シーレ」なのは間違いない




「人間魚雷」作戦そのものはは1940年に計三回行ったアレクサンドリア港襲撃(ペルラ級の「イリーデ」が行った時はイリーデが英軍機に発見され撃沈されている。また一回は急に作戦が中止され、作戦区域から離脱中だった「シーレ」の姉妹艦「ゴンダール」が捕捉され撃沈、技術メンバーだったトスキ少佐も含めて乗組員は捕虜になっている…が、イギリスの尋問がザルだったらしく人間魚雷の事は気づかれなかった)と41年に二回行ったジブラルタル襲撃があったがいずれも失敗…


……ところが1941年9月20日の「第三回ジブラルタル襲撃」では、ジブラルタル沖の「シーレ」(艦長ヴァレリオ・ボルゲーゼ大尉…のちに昇進)から発進したマーリオ・ヴィンシンティーニ大尉以下の「マイアーレ」(※ブタ…SLC人間魚雷の通称。ひどく乗りにくかったことから苦労している隊員たちに当時の指揮官であったテセオ・テゼイ技術大尉が「そのブタにしがみつけ!」と言ったことから)隊三隻はイギリス艦入港のために開かれた防潜網をくぐり抜け、ジブラルタル港停泊中のタンカーおよび輸送船(大型軍艦は不在)に磁気機雷を取りつけイギリス海軍所属のタンカー「デンビデール」、輸送船「ダーラム」(約一万トン)「フィオーナ・シェル」(約2400トン)を撃沈、無事に対岸のスペイン(中立国)へと脱出に成功、帰投し大歓迎を受けている。




その後12月20日には、伯爵ルイージ・ドゥランド・デ・ラ・ペンヌ大尉以下がアレクサンドリア港に攻撃先を切り替え、やはり駆逐艦入港のために開かれた防潜網を(駆逐艦にくっつくように)くぐり抜けて、戦艦「ヴァリアント」「クィーン・エリザベス」へ磁気クランプ付きの時限機雷をセットする手はずになっていた…が、ヴァリアント班のデ・ラ・ペンヌ大尉は助手ビアンキが流され(操舵していなければいけないので)機雷をくっつけることが出来ず、やむなく機雷を海底に投棄、発見されて捕虜になりヴァリアントの船底近い場所に(巻き添えになりたくないだろうから自白するに違いないと)閉じ込められてしまったが、時刻ギリギリまで我慢して艦長を呼び「あなたのフネはもうじき爆発しますよ」とだけ言って甲板に連れ出してもらい、ついでに(回収されないよう海底に投棄していることは明かさなかったので)「ヴァリアント」を大破着底させることに成功した

この攻撃で「クィーン・エリザベス」と「ヴァリアント」が大破、輸送艦一隻が沈没、その輸送艦爆発のあおりを受けた「J」級駆逐艦で「ラッキー・ジャーヴィス」のあだ名があった不沈艦「ジャーヴィス」も大破している

…ちなみにデ・ラ・ペンヌ伯は1945年(解放されていた南イタリアで)戦死者以外には珍しいイタリアの「武功黄金勲章」(メダリエ・ドーロ)を、当時のヴァリアント艦長だったモーガン提督から手渡されて授かっている…戦後には「ルイージ・ドゥランド・デ・ラ・ペンヌ」級として駆逐艦の艦名にもなっている…


こののちもイタリア王国海軍の襲撃作戦は活発で、ペルラ級「アンブラ」がSLCと水中爆破工作班「G」(ガンマ)グループを放ってアリジェリアのアルジェ港で輸送船四隻を撃沈したり、中立国スペインから(開戦したせいで)出られなくなっていたイタリア船籍の貨物船「オルテラ」に秘密格納庫「トロイの木馬」を作り、上層部のおしゃべりからイギリスのスパイに秘密が漏れないようにと夜の外務省に忍び込んで公印を盗み出して偽造書類にハンコをつき(!)SLCを「機械部品」として発送、「オルテラ」から対岸のジブラルタルを攻撃して輸送船を沈めるなど大活躍した

……



317 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/24(火) 12:24:52.01 ID:pVZwjkBU0
…アデュア級紹介(その2)…

ちなみにイタリアの潜水工作班は海水パンツに潜水艦脱出用の簡易呼吸器だけの「手抜き装備」だったイギリスと違って、全身用ウェットスーツにゴム製足ヒレ、酸素ボンベ付きアクアラングに、「パネライ」社製の発光機能付き防水時計と素晴らしい専用装備を開発・装備していた



「アデュア」級の艦名はいずれもイタリアが占領していたエチオピアの地名が主で

「アデュア」
「アラジ」
「アラダム」
「アシアンギ」
「アクスム」
「ベイルル」
「ダガブール」
「デジエ」(エチオピア戦では最後まで連合軍に抵抗したイタリア軍の要塞があった)
「ドゥルボ」
「ゴンダール」(世界遺産になっている歴史的景観が有名)
「ラフォーレ」
「マカレ」
「ネゲリ」
「シーレ」
「テンビエン」
「ウアルシエク」
「ウエビ・セベリ」

の十七隻。この中で無事だったのは「アラジ」だけで、殊勲艦「シーレ」も42年8月アレクサンドリア港襲撃寸前で発見、撃沈されてしまった




艦娘「アデュア」級は艦名通りに東アフリカ植民地風で、髪や瞳が黒っぽかったりよく日に焼けていたりして、話すときも緊張したりするとカタコトになってしまう…姿かたちは中学生そこそこのようではあるが、ほっそりと滑らかな身体のラインはしなやかで、競泳水着風の「艤装」をまとった背中はかなり色っぽい…「シーレ」と「ゴンダール」はウェットスーツとSLC格納筒を装備している


………
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/24(火) 16:08:05.70 ID:AZq/WuSso

カタコトなの好き
319 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/25(水) 01:32:38.00 ID:x3ykk+ag0
>>318 グラツィエ、あとはどの程度のカタコトにするかについて検討中です…あんまりカタコトだと読みづらいことおびただしいので、所々に入れる程度でしょうか…


…ちなみに、グレイ提督が犬を拾うエピソード(本スレの>>233 あたり)で登場させたトライバル級駆逐艦「ソマリ」も、漢字以外は全部カタカナにするか悩んでおりました……とりあえず「アデュア」たちは所々がカタカナ…程度の想定をしております
320 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/27(金) 02:05:06.49 ID:RiKYVB2b0
…昼食時…

提督「さぁ、どうぞ召し上がれ♪」夏も終わりかけた鎮守府の菜園で、白い花房が開いて硬くなりはじめたバジリコからまだ柔らかい葉っぱを選んで作った「ペスト・ジェノヴェーゼ」…緑のバジルと濃い松の実の油っ気がパスタによく合う……

ドゥルボ「んー…本国の味だぁ」

テンビエン「美味しい…ホントに美味しい♪」

エリトレア「いやぁ、そう言ってもらえてよかったですよぉ…何しろディアナと二人で奮戦しましたからねっ♪」

提督「奮戦したかいがあったわね。とっても美味しい……って、まぁまぁ♪」

デジエ「アクスム、ほら…一緒に食べよ?」

アクスム「わ、ありがと……♪」一つのパスタ皿を前にして、仲良く両側からフォークで巻き取って口に入れるデジエとアクスム…と、一本のパスタが両方のフォークに絡み、次第に短く巻き取られていく……

デジエ「…ん///」

アクスム「んっ、ふ…///」

提督「ふふっ…♪」

カヴール「あらあら、微笑ましい光景ですね」

アッテンドーロ「はぁ、またお熱い姉妹が増えたようで……私は姉さんが提督一筋で助かるわ」

ライモン「ちょっと、ムツィオってば///」

アッテンドーロ「だって事実だもの…私だって姉さんは好きだけど、さすがに毎日こんなふうにベタベタされていたら飽きちゃうわよ」

提督「あら。ムツィオったら照れてるの?」

アッテンドーロ「そんな清純派がまだここにいるとしたら、それはよっぽどおめでたい娘ね」大げさに両手をすくめた

チェザーレ「はは、違いない♪」

…食後…

ネゲリ「…ふー、美味しかったですネ」

ゴンダール「満腹で動く気も起きません……ふわぁぁ」

提督「ふふ、それは良かったわね…ディアナ、美味しかったそうよ♪」

ディアナ「それは何よりです。やっぱり作った側としては「美味しい」と言ってもらえるのが一番ですもの」

提督「そうよね…お皿洗いを手伝いましょうか?」

ディアナ「いえ、大丈夫ですよ。提督はどうぞお楽に」

提督「ありがと、それじゃあ私は食後酒でもいただこうかしら」バーカウンターの棚に並ぶリキュールを一通り眺めるとシチリアの甘いレモンリキュール「リモンチェーロ」を取り出し、グラスに氷とソーダ水を入れた…

グレイ提督「でしたらわたくしにも、何かお願いできますかしら?」

提督「ええ、いいですよ…♪」ウォッカにトマトジュースを取り出すとステアし、出来上がった「ブラッディ・マリー」をカクテルグラスに注ぐ…

グレイ提督「あら…フランチェスカには、わたくしがそんなに血に飢えているように見えますの?」

提督「ええ♪」

グレイ提督「まあ、失礼なお方…ですが味はよろしいですわ」

アデュア「へぇ…カクテルバーなんてお洒落ですね?」…食事がすんでから鎮守府の案内を受けることになっているアデュアたちは、物珍しげに食堂を見回している……

提督「アデュアも何か飲む?」

アデュア「はい…といってもカクテルなんて良く知らないから……リモンチェーロとカンパリ、アブサン酒くらいなら分かりますけど…」

提督「えーと…それじゃあ食後に合わせてコーヒーリキュールにでもしましょうか♪」丸い大き目のグラスに氷を数個おとすとカルーアと牛乳を注いで「カルーア・ミルク」にして渡した…

アデュア「それじゃあ……ん!」

提督「どう?」

アデュア「これ、本当にカクテル?」

提督「ええ、そうよ♪」

アデュア「飲みやすくって美味しい…牛乳も冷たいし」

提督「冷たいカフェラテみたいで、暑い時にはいいでしょう?」

アデュア「はい♪」
321 : ◆b0M46H9tf98h [saga]:2018/07/27(金) 11:09:29.72 ID:RiKYVB2b0
提督「あら、いらっしゃい…ジェンマは何がいい?」相変わらず黒に銀の刺繍が入ったテンガロンハットと黒のブレザー、腰のガンベルトに吊るした二丁のウベルティ社製「ピースメーカー」と、ウェスタンな空気をまとっているジェンマ…

ジェンマ(ペルラ級中型潜「宝石」)「……バーボン」

提督「はいはい♪」バーカウンターに背中を預けてひじを置くジェンマの西部劇スタイルに合わせて、ショットグラスを滑らせる提督……グラスが上手く手元まで滑って行ったのを見て、ぱちりとウィンクした

ジェンマ「グラツィエ…」きついバーボンウィスキーを一息にあおると、カンッ…とグラスをカウンターに置いた

ジェンマ「提督、もう一杯もらおうか」

提督「あんまり飲みすぎると照準が狂うわよ…射撃はどうだった?」

ジェンマ「悪くなかった…「気持ちは焦らずゆっくりと…しかし銃を抜く手は早く」が実践できた」(※西部の名保安官ワイアット・アープが言った「早撃ちの心得」)

提督「そう、よかったわね…ウィンチェスターのほうは?」

ジェンマ「それもまぁまぁさ」

提督「それじゃあ……これは私からのおごり♪」もう一杯グラスを滑らせる

ジェンマ「ああ。ごちそうさま」テンガロンハットのふちに手をかけ、軽く持ち上げると哀愁感たっぷりに去って行った…

提督「射撃と言えば……メアリはジブラルタルでもあのパーディで射撃練習を?」

グレイ提督「ええ、基本的には…わたくし、構造が熟成された銃器以外はあまり好みではありませんの」

提督「と、いいますと?」

グレイ提督「そう…例えば鎮守府にある銃で言えば「リー・エンフィールド」小銃や「ブレン」軽機関銃ですわね……他に「L85A1」も装備されておりますが、わたくしならエンフィールド小銃にいたしますわね」


(※リー・エンフィールド小銃…19世紀末から改良を続けて、第二次大戦後にベルギーFN社の「L1A1」(FAL)に更新されてからも長く「予備兵器」などとして英軍に採用され続けていたボルトアクション式ライフル。ボルトの位置と構造から速射がきき「下手な自動火器よりも連射が出来る」と言われるほど…口径は「.303ブリティッシュ」こと7.7ミリ×56R。装弾数は10発)

(※ブレン軽機関銃…戦前に「無故障マシンガン」また旧帝国陸軍では「チェッコ式」として有名だったチェコ製「zB26」軽機関銃の口径を「.303ブリティッシュ」に改造してライセンス生産したもの。通称は「ブレン・ガン」……バナナ型マガジンが銃の上側についている特異なデザインは照準器を少し横へオフセットする必要があるものの、伏せ撃ちの時に弾倉が邪魔にならないことと、空薬莢が自然に落ちるために、薬莢を弾きだす機構が不要になることから弾詰まりを起こしにくいメリットがある…その頑丈さと「絶対に故障しない」安心感から長く愛され続け、戦後も7.62ミリ×51のNATO弾に変更した「L4A1」モデルが特殊部隊「SAS」の隊員たちに愛用されていた。口径は「.303ブリティッシュ」で装弾数は30発)


提督「あー……まぁその二丁だったら、私もエンフィールドにしておきます」

グレイ提督「そうでしょうね」


(※L85A1…名銃ではあったが60年代から採用されていて、さすがに時代遅れになりつつあった「L1A1」ライフルを更新しようと、様々な革新的機能を盛り込んだオートマティックライフル。ブルパップ式で全長が短く取り回しに優れ、寸が短くなったことで軽量化も図れる……はずが、剛性を重視して分厚い金属の部材を多用したことで重量は4キロ前後とひどく重く、おまけに「ボルトの位置取りが悪く、弾きだした空薬莢がボルトに弾かれて薬室に跳ね戻ってくる」「弾倉を保持するスプリングが弾の重量に耐えられず勝手に弾倉が脱落する」「撃針が折れる」など不具合が頻発、イギリス人の皮肉とユーモアのセンスを刺激し、数限りないジョークのタネとなることに…ドイツの「ヘックラー・ウント・コッホ」(H&K)社に改修してもらった「L85A2」では別物のように故障が減ったが、ひどく高くついたので「M4カービンを採用した方が安く済んだはずだ」と議会でも問題になったほど……ちなみにメーカーのエンフィールド社(旧エンフィールド造兵廠)はL85シリーズを最後に倒産している。装弾数は30発…が、いっぱいまで弾を込めると弾倉が落下してしまうので実質25発前後。口径は5.56×45ミリ)


チェザーレ「……だいたいブリタニアにまともな銃がつくれるわけがあるまい…」

グレイ提督「何かおっしゃいまして?」

提督「あ、あー…それじゃあそろそろアデュアたちに鎮守府を案内してあげましょうか♪」

ライモン「そうですね、午後の日差しが暑くなる前に済ませてしまいましょう」

提督「ええ」

…しばらくして・アデュア級の部屋…

提督「…というわけで、鎮守府の構造はこうなっています。お部屋の家具や小物で足りないものがあったら倉庫にあるものを探すか…新しく注文したいなら私に声をかけてね?」

アデュア「了解」

提督「ちょっとまだ殺風景だけれど、その分お部屋をどうするか考える楽しみが増えるわよね」

ネゲリ「はい。楽しみですネ?」

テンビエン「うんうん」

アラジ「そうだね…さてと、それじゃあ私はちょーっと散策にでも行ってこようかな♪」

シーレ「それじゃあ私も…♪」

提督「ふふ、アラジったら元気いっぱいで……それじゃあ私は午後の執務に備えてシエスタ(昼寝)にいそしんでくるから、何か用があったら直接執務室に来るか、内線電話をかけてね?」

ラフォーレ「ええ…番号は分かりましたから大丈夫です」

提督「よろしい……それじゃあ、また後でね♪」ちゅっ♪…と投げキッスをしてから部屋を出た…


322 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/07/29(日) 01:36:46.38 ID:Ji+XoSrt0
…鎮守府・庭…

アラジ「ははっ、あはははっ♪」素足のまま庭の草地に飛び出し、暑い日差しをものともしないで跳ねまわっている…

シーレ「ちょっと、アラジったら少しは落ち着いて……」

アラジ「だって自由に動けるし、お日さまは明るくて波はキラキラ輝いているんだもの……お昼寝なんかで時間を潰すのはもったいないでしょ♪」

シーレ「もう、それにしたってはしゃぎ過ぎ…」

ガリレオ・ガリレイ(アルキメーデ級中型潜)「あ、アラジにシーレ……チャオ♪」

シーレ「…もしかしてガリレイ?」

ガリレイ「ええ、そうよ」

アラジ「そんな茂みにしゃがみこんでどうしたの?」

ガリレイ「あぁ、今マリポーサ(スペイン語で「蝶々」)が花に止まってて…」フランコ側にたってスペイン内乱に参加しただけあって、時々ぽろりとスペイン語が飛び出してくるガリレイ……

シーレ「マリポーサ…あぁ、ファルファッレ?」

ガリレイ「あっ……ま、まぁそうとも言います///」

アラジ「なんにせよ綺麗な蝶々ね…舞い上がるとまるで花びらみたい♪」両腕を広げてくるくると回り、黄色い蝶々に合わせて駆け回る…

シーレ「ふぅ…で、鎮守府めぐりはいいの?」

アラジ「そう言えばそうだったわ♪」

ガリレイ「…よかったら私が案内しましょうか?」

アラジ「ううん、平気…ほーら、ついてこないと置いて行っちゃうから」

シーレ「あっ、もう……それじゃあすみません」

ガリレイ「ううん、気にしないで♪」

…廊下…

アラジ「んー、やっぱり屋内は涼しい…♪」バレエを踊るように廊下を駆け巡るアラジ…

シーレ「もう…目が回るから少しは落ち着いてくれない?」

アラジ「だって、あれこれ面白いものがいっぱいあって…とってもじゃないけど落ち着けないわ♪」

シーレ「はぁ……全くもう」

アラジ「ふふっ、楽しい…っ♪」

シーレ「もう、ちょっと待って……んっ!」

エリザベス「んっ!」

シーレ「あ、ごめんね…エリザベス?」

エリザベス「ええ、わたくしは平気でございます…が、廊下は「走ると危ない」と教わっているはずでございますね?」

シーレ「ごめんなさい、でもアラジがどんどん先に行っちゃうものだから……」

エリザベス「それはそれ…でございます」

シーレ「そうは言っても……別に航海灯がついているのに突っかけたわけじゃないんだから…」

エリザベス「おや、言い訳とは…このエリザベス、感心できませんね」

シーレ「でもそれで言ったらエリザベスの方がずっと大きいし、私の方が被害が大きいハズなんだけどな…」

エリザベス「そちらが先にぶつかってきたのですから、わたくしが謝る理由はないかと存じます」

シーレ「……ふーん、そう」

エリザベス「何か?」

シーレ「いや、それなら……お互いに実力で決着をつけよう?」

エリザベス「力を司るわたくしを相手に、ですか…よろしゅうございます♪」恐るべき闘志をみなぎらせるエリザベス…

シーレ「…ふふ、エリザベスお姉ちゃんってば……アレクサンドリアの時の事、もう忘れたのかな♪」と、急にいやらしい笑みを浮かべるとエリザベスの後ろに回り込んで脇から顔を出し、腰に手を回しつつ上目遣いをするシーレ……

エリザベス「…っ///」
323 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/01(水) 01:46:34.63 ID:fpGcKa7F0
…しばらくして・英国艦の客室…

シーレ「それではお邪魔します…」

エリザベス「ええ…さて、今度こそわたくしが「地中海の女王」であることを示して差し上げます」

シーレ「くすくすっ……それじゃあ最初はごあいさつとして軽くキスから…ん…はむっ、んむっ……ちゅるっ…じゅるぅぅ…っ♪」背丈ばかりはエリザベスに及ばないシーレ…下から見上げるようにして舌を絡ませ、すすりあげるようなねちっこいキスを浴びせた…

エリザベス「んっ、んっ…あふっ、んくっ……はぁ、はぁ…っ///」

シーレ「あれれ、どうしたの…キスされただけでイっちゃった?」

エリザベス「わたくし…わたくしエリザベスは女王陛下と英国の誇りにかけても……断じてそのような事にはなりませんの…で…///」

シーレ「そう、ならもっと気持ち良くしてあげないと……ねぇ♪」ちろっ…れろっ♪

エリザベス「ん、くっ……///」

シーレ「ふふ、綺麗な胸もと……れろ…ぉ♪」

エリザベス「んふぅ…っ///」

シーレ「真っ白で…陶器みたいにすべすべ……さてと、そろそろ脱がせるからね」エリザベスに抱き着くようにして、ふかふかのベッドの上に倒れ込む……

エリザベス「それにつきましては断固拒否させていただきます」

シーレ「ふふっ、もう遅いわ…そう、ドアを開けて港に私を招き入れちゃった時点で…ネ♪」日に焼けた暖かみのあるカスタードクリーム色の肌が、エリザベスの白い肌に重なってくる…にんまりといやらしい笑みを浮かべ、エリザベスの青い服を脱がしていくシーレ……

エリザベス「…っ///」

シーレ「ほら、どうしたの…頑張って逆らわないと、このまま私の良いようにされちゃうけどぉ?」

エリザベス「く……んっ!」

シーレ「あぁ、もしかして…ベッドの上だと力が出ないのカナ?」

エリザベス「栄光のホワイトエンサインを恥辱にまみれさせ…なおかつわたくしを……ここまで…愚弄するとは……んんっ///」

シーレ「だって、もうすっかりとろっとろ……ホントは腰が抜けちゃうほど気持ちいいのよネ?」

エリザベス「いいえ、そのようなことは…」

シーレ「いいのいいの、我慢しなくたって…だって、私にイかされて着底しちゃうのは……分かりきっているもの♪」

エリザベス「わたくし…今度はそうなったりしませんわ」

シーレ「どうかしら……それっ♪」ずぷ…っ♪

エリザベス「あ゛っ、あ゛あぁぁっ……わ、わたくしにこのような真似を…っ///」

シーレ「ふふ…何だかんだ言っても、下が弱いのは相変わらずみたいネ……♪」ぴったりしたゴムの手袋をはめた手をひと舐めするとエリザベスの秘部をまさぐり、空いている方の手で形のいい乳房をわしづかみにする…

エリザベス「んっ、い゛ぃ゛ぃっ…///」

シーレ「ふふ……お姉ちゃん…だーいすき♪」

エリザベス「ふ、そのようなざれ言に引っかかるわたくしでは……」

シーレ「…って言うのは陽動で…本当は……こっち♪」ずぶっ…くちっ♪

エリザベス「あぁぁっ…んっ、い゛ぃっ…!」

シーレ「ふふ、後ろの方が感じやすい?……まぁ、エリザベスお姉ちゃんたちの世代って下は絶望的に弱いものネ♪」

エリザベス「わ、わらくしをこのような…このような…///」

シーレ「……プライドなんてどうだっていいから、我慢しないで素直にイっちゃお♪」ぐちゅり、ぐちゅぐちゅぅ…っ♪

エリザベス「あ゛っ、あ゛ぁ゛ぁぁ…っ!」どぽどぽっ…ぶしゃぁぁっ♪

シーレ「ふふ、激しかったでしょ…また大破着底しちゃったものね♪」

エリザベス「この…このような……わたくし…力を司るものとして……女王陛下と英国のために尽くしてまいりましたのに…ぃ゛っ!?」

シーレ「ふふ…そのまま動けなくなるまでしてアゲル……♪」
324 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/02(木) 02:46:44.25 ID:SVT2e+dd0
シーレ「ふっふふふ…どこにしようかナァ……でもやっぱりお尻がいいのよね?」つぷ…っ♪

エリザベス「わ、わらくひが……このような…はしひゃない姿をさらしては……んぐぅぅっ///」

シーレ「ふふ、指に吸いつくみたい…きゅんきゅん締まって…♪」

エリザベス「はぁぁぁ…んっ、ぃ゛ぃっ!?」

シーレ「んふっ…ここにエメラルドが戻ってきたら……私の奇襲もばれちゃうけれど、エリザベスのだらしないお顔も見られちゃうわよネ?」

エリザベス「!」

シーレ「って言ったらまたきゅうきゅう締め付けて…すっごく熱くっテぬめぬめシテるのネ……♪」

エリザベス「わらくひが……このような、小娘ごときに…ぃ……遅れを取るな……いぃ゛っ♪」

シーレ「んふふっ…そうは言っても……こんなにぐちゃぐちゃにして…せっかくだからもう一本入れちゃいましょ?」

エリザベス「はひっ…ひゅ…ぅっ……はひぃ…んっ…お゛ぉ゛ぉぉんっ♪」

シーレ「あ…またイっちゃったのね♪」

エリザベス「はひっ…ひゅっ……くは…はぁ、はぁ……」

シーレ「ふふーん……誰かに聞こえるようにもっと大きな声を上げちゃおう…ね、お姉ちゃん♪」エリザベスの上にまたがると秘所を重ね、奔放な動きで腰を上下させたり擦りつけたりする…

エリザベス「ふひゅ…っ、んくぅ……あっ、あっ、あ゛あ゛ぁぁぁっ♪」とぷっ…とろぉ……♪

シーレ「んふふ、すごいイきっぷり…気持ちいいでしょう♪」腰を引くつかせ、またがったシーレごと海老反りになるエリザベス…と、ロデオでもしているかのようなシーレ……

エリザベス「あへぇ…ひぐぅぅ……はへぇ…」頭の王冠はベッドの上に転がり、髪を乱してせわしなく喘いでいる…

シーレ「ふぅ、やっぱり年上のお姉ちゃんたちをイかせるのって愉しい…「ヴァリアント」もいれば良かったのにネ♪」

エリザベス「はー…はー……はぁ…提督閣下、申し訳ありません……わらくひ…マカロニ艦隊の小娘ごときに……///」

シーレ「ふふ…誇り高い女王様を好き放題味見出来るなら、頑張って忍び込むかいがある……っていうものよね♪」

エリザベス「……ところで、シーレ」

シーレ「ん?」

エリザベス「わらくひ……もう、立てません…///」

シーレ「ふふ…いいじゃない、今はお互い敵じゃないんだから……ネ♪」

エリザベス「…」

シーレ「確かにあの時は「仇敵アルビオン」の大物だったから狙ったけど…別にエリザベスだからことさらに……ってわけじゃないし、それはエリザベスも同じでしょ?」

エリザベス「それは……そうでございますね…」

シーレ「ね…お互いに昔の事は水に流そう?」

エリザベス「……シーレ…わたくし…///」

シーレ「…んふふ、引っかかった♪」じゅぶっ、ずぶずぶぅ…っ!

エリザベス「あ゛あ゛ぁ゛ぁぁっ…♪」ぶしゃぁ…っ♪

シーレ「奇襲作戦大成功……ふふ、ガクガクひくついちゃっテ…♪」

エリザベス「わたくしの気持ちをもてあそぶとは…許しま……」

シーレ「んー…なにか言ったカシラ、お姉ちゃん?」じゅぶじゅぶっ…ぐちゅ…ぅ♪

エリザベス「はぁぁっ、ひっぐぅ゛ぅ…っ!」

シーレ「あぁぁ、あのエリザベスがトロけた顔で腰を抜かして……たまんなぁ…い♪」


…廊下…

グレイ提督「……ふぅ、このような場合にお邪魔するのは無粋というものですわね…それとエリザベス…あなたの忠誠心はしっかりと理解いたしました……そして英国は受けた分の「お礼」は必ずいたしますから安心なさい……今度フランチェスカを部屋にお招きすると致しましょう…」そっとドアの前を離れて去って行った…

………
325 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/03(金) 02:16:21.13 ID:QUW9kGGa0
…翌日・昼…

エリザベス「…」

シーレ「ふふっ…そんなに怖い顔シテどうしたの?」横を通り過ぎながら耳元へささやきかける…

エリザベス「…っ///」

シーレ「ふふーん…今日のお昼は何かなぁ……っと♪」

ゴンダール「ずいぶんゴキゲンですね、シーレ?」

シーレ「うん、まぁそうね…ふーん、ふふーん…♪」

提督「…みんな、少し静かにしてもらえるかしら?」軽く手を叩いて静粛をうながす提督…

提督「はい、結構……えーと、実は今日から基地祭の屋台を誰が担当するか決めるための「お料理審査」を行いたいと思います♪」

一同「「ざわざわ…」」

提督「…といっても朝・昼・晩の食事時に厨房を使って、一品ずつ好きな料理を作ってもらうだけなのだけど……それにみんなで献立の一品でも肩代わりすれば、ディアナとエリトレアの負担も軽くなるでしょうし」

ディアナ「まぁ、ありがたいお言葉です…」

エリトレア「はい、その気持ちが嬉しいですっ♪」

提督「どういたしまして…というわけで今日のお昼から、立候補した順番にやっていくことにします。以上♪」

ライモン「あの、ドリアさんはこの「審査」をどう思います?…駆逐艦の娘から戦艦の方まで十数人は立候補していますけれど」

ドリア「そうですね、私もデュイリオに薦められて立候補してみましたが……それより、みんなの美味しい手料理が味わえることの方が楽しみですよ♪」

アッテンドーロ「ふふ、それはどうかしらね…案外まずい料理のオンパレードだったりするかもしれないわよ?」

ドリア「ふぅ、そうなったら私が直々にお料理の仕方を身体へ叩き込みますよ…♪」

アッテンドーロ「うわ…ドリアったら、相変わらず食べ物の事となると迫力あるわね……」

ドリア「ええ、だって私は美味しいものを食べるために頑張っているんですから……提督、最初はどなたです?」

提督「えーと…まずはローマね」アンティパスト(前菜)を平らげ、空っぽのお皿を前に待ち遠しげな顔をしている…

ローマ「はい、お待たせ…普段のさっぱりした南部料理も悪くはないけれど、やっぱり濃厚なローマ風の料理が食べたかったからいい機会になったわ」…大きな皿にはいい香りを立てるパスタが山盛りに盛られている…牛とトマトを煮こんだスーゴ(スープ)をたっぷり絡めたスパゲッティーニを取り分けるローマ……

提督「あら、美味しそう…♪」金属のおろし器でたっぷりとチーズをおろしてもらい、湯気と香りを胸いっぱいに吸い込む…

ドリア「何ともいい香りです」

ローマ「…どうぞ、遠慮しないで召し上がれ?」

提督「ええ、それでは…」くるりとフォークに巻き取り、口に運ぶ…

アッテンドーロ「固っ…ねぇ、これずいぶんと固ゆでじゃない!?」

ドリア「んぐっ……ローマ、失礼ですけど「コットゥーラ」って言葉は知ってます?」(※cottura…ほど良い具合)

ローマ「何を言っているの…パスタはアルデンテに決まってるでしょう」(※al dente…固ゆで)

提督「それにしてもこれはちょっと……中に芯があるどころか、まだ生みたいな部分まであるわよ?」

ローマ「そう?このくらいが一番おいしいのに……リットリオ姉さんはどう思う?」

リットリオ「んー…これはちょっと固いですよ?」

ヴィットリオ・ヴェネト「さすがにこれは…ローマ、もうちょっとどうにかならないですか?」

提督「…やっぱりローマは「鉄のアルデンテ」が好みなのね……」イタリアでも特に硬いというローマ風のアルデンテ…通称「鉄のアルデンテ」に微妙な表情の提督たち…一方でローマに縁のある艦娘たちは喜んで硬いパスタを楽しんでいる……

ロモロ「ローマ、とっても美味しい♪」

レモ「ボーノ、ボーノっ♪」

チェザーレ「うむ、この硬さもローマ人の気骨を表しているな…実によい」

ローマ「ね、やっぱりパスタはアルデンテが「粋」だもの…♪」

提督「…」

326 : ◆b0M46H9tf98h [saga]:2018/08/03(金) 02:27:37.11 ID:QUW9kGGa0
…とりあえずシーレ×エリザベスで「年の差百合」をやってみました……夏バテ気味のせいか読み返してみるとボリューム不足が否めないですが、またリクエストがあればやってみたいと思います…


…それとローマのアルデンテが「鉄のアルデンテ」というのは、多分博多ラーメンの「バリカタ」のような物なのだろうと思います…水が硬水だったりして上手く茹でられないせいもあるかもしれませんが、きっとローマ人なりの「粋」というか、「通」な食べ方なのでしょうね……
327 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/04(土) 10:58:18.84 ID:Jk17iVAx0
…別の日…

提督「さてと、それじゃあやりますか♪」…麦わら帽子にTシャツ、下半身はイタリア軍らしいダークイエロー・グレイグリーン・赤茶色の独特な三色迷彩を施した野戦服のズボンと軍用ブーツ……裾はブーツにたくし込んであり、目元にはサングラスをかけている…

ライモン「朝からやる気充分ですね」

提督「まぁね…さぁ、行きましょう?」

…畑…

トレント「あ、提督…お待ちしてましたよ」

トリエステ「カゴも用意してあります」

ボルツァーノ「たくさん採れるといいですね?」

提督「そうね♪」


…提督から面白半分で見にきた野次馬の娘たちの合わせて数十人が眺めているのは、鎮守府の菜園に植えてあったジャガイモ……元はといえば芽が生えてしまったジャガイモを「捨てるよりは…」と、ためしに植えつけてみただけだったものが、ほど良い日差しですくすく育ち、今ではすっかり一面に生い茂っている…


ザラ「それじゃあ始めましょうか?」

提督「そうね……それじゃあ…」

ビスマルク「グーテンモルゲン(おはよう)…揃いもそろって、そんなところで何をしているのだ?」両手を後ろに組み、辺りを睥睨(へいげい)しながらやってきたビスマルク…

提督「グーテンモルゲン、ビスマルク…ちょっと作物の収穫をしようと思って♪」

ビスマルク「ほう?」

提督「…何だか分かる?」濃い緑色の葉っぱを指差して微笑む提督…

ビスマルク「ジャガイモか!」

提督「ええ♪」

ビスマルク「ということは、昼は収穫したばかりのジャガイモにありつけるわけだな!?」

提督「ヤー」

ビスマルク「そうと知ったらティルピッツにもすぐ教えてやら……まぁ…その、何だ…よければ私も手伝おうか」

提督「ダンケ♪…それじゃあ待っているから、ティルピッツとヴァイス提督にも知らせてあげて?」

ビスマルク「ヤー、すぐ伝えてくるので待っておれ…!」

…数分後…

ビスマルク「戻ったぞ!」…ジャーマングレイの乗馬用ズボンと長袖ワイシャツのビスマルク…ズボンの裾をブーツに突っこんでいるさまはヴェーアマハト(旧ドイツ国防軍)の将校にしか見えない…

ティルピッツ「私も来ました…日差しが強いですね……」ブルーの開襟シャツにジャーマングレイのズボンとブーツ…と、ビスマルクにそっくりなティルピッツ……普段から青白いような顔をしかめて、横目で太陽を見上げている…

ヴァイス提督「わざわざ声をかけてもらってありがとうございます…よく育っていますね」

提督「何しろどこでもよく育つ植物ですから…良かったら収穫を手伝ってください♪」

ヴァイス提督「ヤー…この規模なら三人が横並びになって作業をして、ひとつの畝に十分かけて……掘り残しがないかどうかの確認に…」あごに手をあてて、どう作業すれば一番効率がいいか計算し始める…

提督「ふふっ、そんな綿密な計算なんてしないで…せっかくの収穫ですし、のんきにやりましょう?」

ヴァイス提督「は、申し訳ありません…」

提督「やりたい娘がいたら交代してあげるから、いつでも声をかけてね?」

バリラ(大型潜バリラ級)「ふふ、お母さんもあとで参加させてもらおうかしら…♪」

ルイージ・トレーリ(大型潜マルコーニ級)「面白そうですよね」

ポーラ「…それじゃあ抜きますよ〜?」

提督「あ、待って…まずは抜きやすいように周りの土を少し掘って……」

328 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/06(月) 01:49:40.00 ID:kv2s0Hep0
…一時間後…

提督「ふー…思っていたよりもたくさん採れたわね…」額の汗を拭い、Tシャツをぱたぱた動かして胸元に風を入れる提督…辺りには掘り返された地面と引き抜かれたジャガイモの茎や葉が散らばっていて、カゴには拳骨くらいの大きさからピンポン玉くらいの小さいのまで、ぎっしりとイモが入っている…

トレント「はい、カゴもいっぱいです」

ビスマルク「さて、後はこれで何を食べるかだが……ティルピッツはどの料理が好みだ?」…ヴァイス提督がスケジュールを片づけに行った後も残って手伝っていたビスマルクとティルピッツ……先ほどから妙に押し黙っているティルピッツにビスマルクが声をかける…

ティルピッツ「……ぜぇ…はぁ…」

ビスマルク「…なんだ、仕方のないやつだな。このくらいの作業でへたばるとは……普段から引きこもってばかりいるからだ……ぞ…?」

ティルピッツ「…はぁ、はぁ……はぁ……!」

ビスマルク「おい、一体どうした?」

アッテンドーロ「ねぇちょっと…顔が真っ赤よ?」

マエストラーレ「まるで左舷の航海灯みたいね……大丈夫なの?」

ティルピッツ「ヤー…大丈夫で…す……少し日差しが強かったから…のぼせただけ…で……」もうろうとした様子でふらふらしているティルピッツ

提督「暑気あたりね、ちっとも大丈夫じゃないわ。すぐ屋内に入って冷やさないと」

ビスマルク「まったくだらしない…と言いたいが、この日射しと熱気ではな……私が屋内まで連れて行く」

提督「いえ、私も一緒に行くわ。ビスマルクはそっち側を支えてあげて?」両方からティルピッツの肩を支え、屋内に連れて行く二人…

…食堂…

提督「それじゃあゆっくり下ろして……」

ビスマルク「ああ…まったく、この妹ときたら私に心配ばかりかけさせる……」そう口ではぼやきつつも、心なしか妹を気づかっている様子のビスマルク…

提督「まぁまぁ…この暑さの上に、普段ドイツの涼しさに慣れていて身体が追いつかなかったのね……とにかく身体を冷やしましょう」

ディアナ「…持ってまいりましたよ、提督」…普段は誰も食べないので食料品倉庫に放り込んである軍用携行糧食「ラツィオーネ・ヴィヴェリ・スペシアーレ」の箱に、氷の詰まったビニール袋をいくつも抱えてやってきた…

提督「ありがとう…それじゃあちょっと失礼して……」身体にこもった熱を逃がすため、ティルピッツの服を脱がして下着姿にする提督…いつもなら甘ったるい笑みを浮かべてあれこれイタズラに興じるところが、今回ばかりは真面目な顔で氷の入った袋を押しつける……

ビスマルク「よし、どこに当てればいい?」

提督「太い血管が身体の表面近くにある場所だから…首の側面、手首、脇の下、ふとももの付け根、足首……上は私がやるから、ビスマルクは下半身をお願いね」

ビスマルク「ヤヴォール」

ティルピッツ「……すみません、姉上…」白い下着姿で足先を氷袋の入った洗面器に突っこみ、椅子にもたれるように座り込んでいる…

ビスマルク「構うな。それより、これからは同じ過ちを犯さんように気を付けることだ……具合は大丈夫か?」

ティルピッツ「ナイン(いいえ)…まだくらくらします……」

提督「そうすぐには良くならないでしょうね…まずはこれを飲んで?」携行糧食の箱を引き破るように開けると、中に入っている軍用スポーツドリンクの素を水で溶かし、グラスを唇に押し当てた……

ティルピッツ「んくっ…ごくっ……ごくっ…」

提督「…ひと口づつでいいから全部飲むのよ?」

ティルピッツ「ヤヴォール……」

提督「とりあえずもう少し落ち着いたら、横にして休ませましょう」

ビスマルク「ヤー…ダンケ」

提督「ノン・ファ・ニエンテ(何でもないわ)……火照りはどうかしら…」自分の額とティルピッツの額をくっつける提督…

ティルピッツ「…っ///」

提督「やっぱり熱を持っているわね…しばらくはこのまま身体を冷やすのが一番いいわ」

ビスマルク「どうも世話をかけるな……」

提督「いいのよ、気にしないで?」
329 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/08(水) 03:12:15.03 ID:/vzUU3Eq0
…しばらくして・ドイツ艦の客室…

提督「よいしょ……と…」まだ身体が火照っているティルピッツに肩を貸し、ピンと張った清潔なシーツも涼しげなベッドへと座らせる…

ビスマルク「済まなかったな、アトミラール・カンピオーニ」

提督「いいえ…私も気配りが足りなかったわ」

ティルピッツ「姉上…カンピオーニ提督……二人には迷惑をかけて…」

ビスマルク「いいから貴様は黙って休んでいろ。司令には私から何とか言いつくろっておいてやる……ではカンピオーニ提督、迷惑ついでにしばらく様子を見ていてもらえるか」

提督「ええ、もちろんいいわ…何なら私からもヴァイス提督に一言添えてあげましょうか?」

ビスマルク「いや。そうしたら「適切な水分補給もせずにはしゃぎまわり、あげくに他国の提督に迷惑をかけるとは…」と、より叱責を受けるだろう……被害は最小限に止めねばな」

提督「分かったわ。それじゃあ私がティルピッツを見ていてあげるから」

ビスマルク「ダンケシェーン…ティルピッツ、大人しくしていろよ?」

ティルピッツ「ヤー…」

提督「……ビスマルクはああ言っていたけれど…ドイツに比べたら南イタリアなんて熱帯みたいなものだもの、仕方ないわ」

ティルピッツ「ええ…とはいえ迷惑をかけたのは事実ですから……」

提督「いいのよ…それより座っているのはつらくないかしら?」

ティルピッツ「いえ、大丈夫です。あちこちに氷袋をあてていますし……」

提督「でも頭がくらくらするでしょう…?」

ティルピッツ「それも船のローリング(横揺れ)のようなものだと思えば…どうにか……」

提督「もう、せっかくここまで運んできたのだから今さらになってやせ我慢はなしよ…さ、横になって?」

ティルピッツ「ですが…」

提督「ふぅ…命令しなくちゃダメかしら?」

ティルピッツ「いえ……」

提督「じゃあ横になりなさいな?」

ティルピッツ「ならばお言葉に甘え……いえ、やっぱり止めておきます」

提督「どうして?」

ティルピッツ「その…///」

提督「なぁに?」

ティルピッツ「カンピオーニ提督のふとももに頭を乗せるなど……失礼極まりないことですから…///」

提督「構わないわ」

ティルピッツ「しかし…姉上が戻ってきたら何といわれ……っく!」ズキリと脈を打った頭痛に顔をしかめる…

提督「ほら、やっぱり横になった方がいいわ……ね?」

ティルピッツ「ヤー、分かりました……では…」恐るおそる身体を横たえていき、そっと提督のふとももに頭を乗せるティルピッツ…

提督「どう?」

ティルピッツ「ダンケ……少し楽になりました…」

提督「それはよかったわ…♪」左手でゆっくりと風を送りながら、右手で優しく額を撫でる提督……

ティルピッツ「すぅ……すぅ…」むっちりと弾力のある提督のふとももを枕にして寝入ってしまったティルピッツ…

提督「ふふ…この純粋な寝顔を見たら誰だって可愛がってあげたくもなるわよ…ね……?」

ティルピッツ「うぅ…ん……すぅ…」フィヨルドの雪氷のような白い下着と、火照りで淡い桜色になっている白い肌……寝息を立てるたびにひきしまった胸が上下する…

提督「…っ、がまんがまん///」柔らかい銀灰色の髪を撫でる手が無自覚でイケナイ方向へ伸びそうになるたびに自制を取り戻しては、ピクリと手を引き戻す…

ティルピッツ「ん……」

提督「あん…っ♪」寝返りを打って提督のふとももの間に顔をうずめてしまうティルピッツ…汗ばんでしっとりと濡れたふとももや割れ目に、ティルピッツの静かな吐息が吹きかけられる……

ティルピッツ「むふ…ぅ……すぅ……」

提督「もう…んふふっ♪」
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/08(水) 21:07:56.19 ID:7oBcUDEyo

読んでるぞ
331 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/10(金) 02:15:46.74 ID:T81sXhfZ0
…夕食時…

提督「…」

ライモン「提督、そんなにしげしげと自分の手を眺めてどうしたんです?」

提督「いえ…案外柔らかかったなぁ……って…」

ライモン「……あの、提督…まさかとは思いますが……」

提督「あっ、いえ…何でもないの♪」

ライモン「……お願いですから国際問題にならないようにしてくださいね…」

提督「だ、大丈夫よ…それより今夜はビスマルクが収穫したジャガイモで一品作ってくれるそうよ」

ドリア「晩餐はビスマルクの手料理ですか…」

提督「…美食家のあなたからしたら、外国の味を体験できるのは楽しみかしら?」

ドリア「ドイツ料理が楽しみになるというのは……そうですね、一週間ほどイギリス料理だったらそうなるかもしれません♪」にっこりとほほ笑みつつ、バッサリと切り捨てるドリア…

エリザベス「それはそれは…お褒めの言葉に感謝いたしますわ」

ドリア「いいえ……私は先にアンティパストとポレンタをいただいておくことにします。提督もおかわりをいかがです?」(※ポレンタ…トウモロコシでできた「そばがき」のようなこねもの)

提督「あー…いいえ、大丈夫♪」(…ディアナの手料理だってあるもの)

ドリア「そうですか?」

チェザーレ「ふむ…ドイツ料理がメインとは、提督は勇敢だな……チェザーレとてそんな冒険はできん」たっぷりと取り分けてもらったポレンタにサラミを添えるチェザーレ…

ビスマルク「……待たせたな諸君…出来たぞ!」ビスマルクが大皿を持って堂々とやってくると、物見高い十数人が辺りに集まって皿をのぞきこんだ……

フランチェスコ・クリスピ(駆逐艦「セラ」級)「うーん…なんというか……懐かしいような、そうでもないような感じがするわ……」(※43年イタリア休戦と同時に接収…ドイツ艦「TA.15」として戦没)

トゥルビーネ(駆逐艦「トゥルビーネ」級)「あー……うん、まぁ…そうよね……」(※同じくドイツ艦「TA.14」として戦没)

ビスマルク「なんだ…せっかくの料理が気に入らんか?」むっとした顔をするビスマルク…

トレーリ「わぁ、何とも言えない温かい匂いがします…美味しそうですね、ビスマルク?」イタリア・ドイツ・日本と所属を変えた「ルイージ・トレーリ」は三カ国語を操るだけでなく物腰も丁寧で、ビスマルクに微笑んでみせた…

ビスマルク「……そうかそうか!…ではカマラード(戦友)よ、たっぷり食ってくれ!」

トレーリ「ダンケ、ビスマルク…でも私はそんなにお腹が大きくないので、ちょっとだけ♪」親指と人差し指で「ちょっとだけ」としぐさをつけてウィンクするトレーリ…1000トンクラスの大型潜だけあって、しなやかなメリハリのある身体を動かすと腰の滑らかなラインがぐっと強調される…

ビスマルク「そ、そうか……ならカンピオーニ提督はどうだ?」

提督「ええ、頂くわ。でもそれより、まずはヴァイス提督に食べてもらわないと…ね♪」

ビスマルク「…う、うむ///」

ヴァイス提督「いえ。カンピオーニ提督にはティルピッツの事で面倒をかけてしまいましたから…ぜひ先に召し上がってください」

提督「そうですか…ではヴァイス提督にティルピッツの分も取っておかないといけませんね♪」そう言って湯気を立てている大皿をのぞきこんだ…

…ビスマルクの持っている大皿には焼きジャガイモがゴロゴロと転がり、その脇には茹でた数種類のヴルスト(ソーセージ)と付けあわせのザワークラウトが並んでいる……別にまずそうではないが見栄えのしない地味な感じで、ビスマルクが「調理した」と自慢するほどの手がかかっているようには見えない…

提督「えーと…それでは白ソーセージをいただきます」割れ目から湯気を上げている焼きジャガイモに白ソーセージを取り、モーゼル地方のすっきりした白ワインを選ぶ…

ビスマルク「そんな量でよいのか?」

提督「ええ、ありがとう…カヴールは?」

カヴール「そうですね…結局修理に明け暮れただけでしたが、私もドイツ艦だったこともあるわけですし……少しいただくことにします」(※43年トリエステ港で修復中ドイツ軍の手に落ち、結局修理中のままで45年に空襲で沈没)

提督「さてと…それじゃあ……はふっ…♪」熱い焼きジャガイモにかぶりつき、口をぱくぱくさせる提督……ハーブが効いた肉汁たっぷりの白ソーセージには粒マスタードをつけ、口の中の脂っこさが気になったら酸味のあるザワークラウトをつまむか、モーゼルワインを傾けてさっぱりさせる…

グレイ提督「…なかなか美味しいですよ、ヴァイス中佐」相変わらず、かすかに見下したような微笑みを浮かべながら話しかけた…

ヴァイス提督「は、ありがとうございます」

グレイ提督「ええ。なにせ蒸したり焼いたりしただけですものね……♪」

ヴァイス提督「…っ」

提督「ふふっ…ですがイギリス料理のように素材を不味くしないだけ、まだドイツ料理の方が救いがありますね♪」

ドリア「まぁ、私に言わせればどっちもどっちです……あぁ、やっと美味しそうな匂いがしてきました…♪」

332 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/10(金) 03:19:33.53 ID:T81sXhfZ0
…別の日・食堂…

ロモロ「今日の一品は私たちが作ったの…さぁどうぞ、提督♪」

レモ「レモの愛情がたっぷりこもってるからね……そうだ、レモが食べさせてあげる♪」

提督「あらあら…そんな事をされたらいくらも食べないうちにお腹いっぱいになっちゃうわね♪」

…イタリア最大の2000トンクラスという巨大輸送潜「R」級の艦娘だけに、ばるんっ…と弾む爆乳とむっちりした身体を揺らしながらお皿を置くロモロとレモ……見た目はなかなか美味しそうなオムレツで、キノコのクリームソースが添えてある…

レモ「はい、あーん♪」

提督「ふふっ、あー……っ゛ん!?」にやけた表情でレモに「あーん」してもらっていたが、オムレツを口に入れた瞬間むせ返った…

ロモロ「ちょっと、大丈夫…?」

提督「けほっ……これ、かなりしょっぱいわ…」涙目で顔をしかめる提督…

レモ「えー?」

提督「…ちょっと食べてみる?」

ロモロ「うん…最初は提督に食べてもらおうと思ったから味は見ていないの……んむっ…」

提督「ね?」

ロモロ「そう?…少し濃い味だけど、そんなにしょっぱい?」

提督「……え?」

レモ「じゃあレモも…あーん♪」

提督「はい、あーん……」

レモ「んー…ちょっと濃いめだけど普通の味じゃない?」

提督「あー……塩はどの位振ったの?」

ロモロ「卵二つのオムレツだから…小さじ二杯にしておいたけど」

提督「!?」

ロモロ「そんなに多くない……よね?」

提督「えーと…卵や牛乳、生クリームは塩味が効きやすいから……その半分でも多いくらいだと思うわ…」(道理でしょっぱいわけね…)

レモ「レモはそんなにしょっぱいとは思わないけどー?」

提督「ふー…「肉食獣は味覚が弱い」っていうのは本当なのかも知れないわね…」伝説にある「狼に育てられた乳飲み子」でローマ建設の祖である双子だけに何かと狼らしいところがある「ロモロ」と「レモ」…

提督「…」せっかく作ってくれた料理を食べずに捨てるのは気が引ける…が、しょっぱいオムレツを食べきる自信もない提督……

レモ「嫌なら食べなくってもいいよ…?」

ロモロ「私たちもちゃんと調べれば良かったわけだもんね…でも、つい作りたい気分が先に立っちゃったから……」

提督「ありがとう…二人のその気持ちが嬉しいわ……///」横から身を乗り出してくるロモロとレモの胸が身体に押し付けられている…

レモ「…それじゃあ、三人で食べさせあいっこすればどうかな……レモかしこーい♪」

ロモロ「それなら提督の食べる分は少ないから、どうにかなるはずよね……どう、提督?」

提督「そうね……本当は二人が作ってくれたのだから全部食べてあげたいけれど…」

レモ「無理しなくっていいよ……でもそのかわりに「あーん」して?」

提督「ええ、そのくらいはお安いご用よ…はい、あーん♪」

レモ「あー…んっ♪」

ロモロ「じゃあ私にも…あーん」

提督「はい、あーん…♪」

レモ「ふぅ、ごちそうさまでした……ごめんね、提督?」

提督「いいえ…私の方こそせっかく作ってくれたのに残しちゃって…」

ロモロ「しょっぱいのは我慢できないもの……あ♪」

提督「?」

ロモロ「ふふ、口直しをどうぞ……んちゅ…ちゅるっ……ぴちゅっ…♪」

提督「んっ…ふ……んんぅ///」
333 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/13(月) 02:29:39.55 ID:aUVvp3Pi0
…また別の日…

提督「ふぅ…ちょっと疲れたわ……」ホコリと同じでいつの間にかに溜まってしまう書類を片づけるべく、執務机にかじりついていた提督…長ったらしい書式の申請書や請求書を書き上げて万年筆を置くと、ぐったりと椅子にもたれかかった…

ライモン「それじゃあお茶を淹れてきますね……それともコーヒーがいいですか?」

提督「んー…そうね、紅茶にするわ」

ライモン「了解」

カヴール「ふふ、お疲れ様です…よろしければ肩でもさすってあげましょうか♪」

提督「ええ、お願い。もっとも、二人に手伝ってもらっておきながらあれこれしてもらって……こき使っているみたいでちょっと複雑な気分ね」

カヴール「いいえ、私が好きでしていることですから……それに…♪」むにゅ…っ、と下から乳房を支えるように揉む…

提督「あんっ…♪」

カヴール「ふふ、柔らかいのに弾力と張りもあって……まるで夢のような触り心地です♪」

提督「あん、もう…っ///」

ライモン「…」

カヴール「あら、ライモンド……ふふ、いたずらしている現場を見られてしまいましたね♪」

ライモン「構いませんよ…ええ、別に構いませんとも」

提督「…ごめんなさいね、ライモン」

ライモン「別にいいです…っ///」

提督「あぁもう…すねないで、一緒にお茶にしましょう?」

ライモン「…」

提督「お菓子もつけるから…ね?」

ライモン「……っ、わたしはお菓子でつられるような安い女じゃありませんっ///」

提督「…じゃあ今夜、二人きりで……ね?」

ライモン「も、もう…っ」

提督「…それでどうかしら?」

ライモン「ふぅ、分かりました…///」

提督「ふふっ、よかったわ…怒ったライモンも威厳があってステキだけれど、やっぱり笑顔が一番似合うわ♪」

ライモン「…っ、提督はいつもそうやって///」

提督「ふふっ……はぁい、どなた?」

アメティスタ(中型潜シレーナ級「アメジスト」)「…失礼いたします、提督」

提督「ええ、いらっしゃ……きゃあっ!?」

ルビノ(シレーナ級「ルビー」)「あぁ提督っ、会いたかったあいたかった…会いたかったわ!」いきなり提督の両頬を手で押さえると、紅いポニーテールの房を揺らしつつ、舌をねじ込みむさぼるようなキスを交わす……

提督「んぅぅっ…んふぅ///」

アンブラ(ペルラ級「琥珀」)「もう…そのくらいにしておいたら?」

スメラルド(シレーナ級「エメラルド」)「本当にそうですね……提督、実は私たちも一品を作って来たのですが…」

提督「今日はスメラルドたちの番だったものね…それで、どんな料理を作ったの?」

トパツィーオ(シレーナ級「トパーズ」)「ふふ、これなんだけれど…♪」

提督「まぁ…とっても綺麗ね♪」トパツィーオの持っているお盆には、宝石のようなフルーツをふんだんに盛り合わせた大きなタルトが載っている…

アメティスタ「私たちの色を連想させる果物を使った「宝石のタルト」…ぜひ提督に召し上がって頂きたくて。もちろん、ライモンドとカヴールもご一緒に」

カヴール「まぁまぁ、私まで誘っていただいて…ではお言葉に甘えさせてもらいますね♪」

ライモン「それじゃあトパツィーオたちも一緒に食べましょう……いまティーカップを用意してきますから」

トパツィーオ「ありがとう、ライモンド…優しいのね♪」

ライモン「いえ、そんな…///」
334 : ◆b0M46H9tf98h [saga]:2018/08/17(金) 01:09:22.88 ID:WuhtFg9S0
提督「それでは…あむっ、んむ…んむ……」

…カラフルな果物をぎっしり載せた五号サイズ大のタルトを切り分け、フォークで口に運ぶ提督…「アメティスタ」の紫は赤ワインで煮詰めた白桃のコンポートに、紅の「ルビノ」は真っ赤なサクランボ、「アンブラ」の琥珀は杏のスライス…その上に可愛く盛りつけられているのは「スメラルド」をイメージしたマスカットと「トパツィーオ」をイメージして球形にくりぬいたマンゴーの果肉……タルトの台はさっくりと歯切れがよく、敷き詰められたカスタードとアーモンド粉末を練り込んだ生地がふんわりと甘い…


提督「…はぁぁ……///」

ルビノ「どう、私の愛のこもったタルトは?」

提督「……あえて言うなら、とっても幸せな気分よ…口の中からこの甘さを逃がしたくないくらい///」

ルビノ「ふふ、やったわね!」

アメティスタ「はい、とっても嬉しいです…ライモンドはどうですか?」

ライモン「……っ、すごく美味しいです…♪」

カヴール「ええ、本当に…もしよかったら、もう一切れいただいてもよろしいかしら」

アンブラ「さぁどうぞ……カヴールったら結構食いしんぼうさんなんですね?」

カヴール「ふふ、なにせとっても美味しいですから…♪」

トパツィーオ「嬉しいけど、食事に差し支えないように気を付けてね?」

カヴール「ええ」

提督「こんなに美味しいタルトならいくらでも入りそうよ…ね、ライモン♪」

ライモン「もう…提督は少し召し上がり過ぎです」

提督「ふふ、怒られちゃったわ♪」

アメティスタ「提督、あんまりライモンドに気を使わせては駄目ですよ?」

提督「それもそうね……自重します」

カヴール「うふふっ、そんな事できっこありませんのにね♪」

提督「…ごもっともです……///」

………



…しばらくして・食堂…

グレイ提督「…ふう、少し休憩といたしましょう……あら、カンピオーニ提督」

提督「あ、メアリ…ちょうどいいところに♪」

グレイ提督「はて、何でしょうか?」

提督「今から、メアリに重大な任務を与えます……心してかかって下さい」

グレイ提督「……その内容は?」

提督「…艦娘たちの作ったタルトの評価を兼ねて、ここでお茶を召し上がって行ってもらいます」

グレイ提督「まぁ…ふふ♪」

提督「責任重大かつ繊細な任務ですが……取りかかる準備は出来ていますか?」

グレイ提督「ええ…わたくし、そのような任務でしたらいついかなる時でも遂行してみせますわ」

提督「それではスメラルド、後は任せるわ」

スメラルド「はい…ではグレイ提督、私がお給仕いたしますね…♪」

グレイ提督「ありがとう……ん」

スメラルド「……どうでしょうか?」

グレイ提督「ふぅ、果物の華やかな色合いに爽やかな甘い汁気、さっくりとした生地…ほぼ満点ですわね」ダージリンを少しづつ口に含みながら、じっくりとタルトを味わう…

提督「よかったわね、みんな?」

アンブラ「はい、今回も大金星です♪」

335 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/17(金) 01:38:41.43 ID:WuhtFg9S0
…ある日のお昼時…

ライモン「て、提督…「あーん」してくれませんか///」

提督「もちろん。ほかならぬライモンの頼みですもの……あーん♪」

ライモン「あーん…」

提督「…んふふっ、ライモンが「あーん」してくれたから倍も美味しく感じるわ♪」

ライモン「///」

ドリア「それでは私からも…はい、あーん♪」

提督「あー…んぅ、クリームが付いちゃったわ…」

ドリア「あ、ごめんなさい……いま取ってあげますから…ちゅっ♪」

提督「もう…♪」

ヴァイス提督「…」

提督「……どうかしました?」

ヴァイス提督「ああ、いえ……それにしてもカンピオーニ提督は艦娘たちから大変に愛されているな…と思いまして」

提督「ふふっ、そうでもないですよ?」

ヴァイス提督「…そうでしょうか」

提督「ええ…私よりもモテる娘なんて、ここにはゴロゴロしていますから」さりげなく一つのテーブルに視線を向けた…

ヴァイス提督「?」

…「ローマとローマ軍団」のテーブル…

チェザーレ「…はは、そう抱きつくな。そうしがみつかれては、チェザーレが食べられぬ♪」

ロモロ「なら私たちが食べさせてあげるわ♪」

レモ「そうそう…ほらチェザーレ「あーん」して?」

チェザーレ「まったく仕方ないな…では、あーん…」

レモ「あーん♪」

チェザーレ「んぐ…もぐ……うむ。美女が口に運んでくれるからか、なおのこと美味いぞ♪」

レモ「えへへぇ♪」

ローマ「その…チェザーレ、よかったらこのラビオリも食べませんか……?」

チェザーレ「おお、いただこう……ロモロにレモよ、いい加減に腕を放してくれんと身じろぎ一つ出来ぬではないか」

ローマ「あ、なら私も「あーん」しますから…///」

チェザーレ「済まぬな、ローマ……必ず礼はするのでな、期待していてもらいたい♪」少し好色な笑みを浮かべて、意味ありげなウィンクをするチェザーレ…

ローマ「…っ///」

336 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/17(金) 03:01:38.20 ID:WuhtFg9S0
…「サヴォイア王家とイタリア統一の英雄たち」のテーブル…

アオスタ「エウジェニオ…いい加減、食事時くらいはちゃんとしなさい///」向かいに座っているエウジェニオを叱りつけるアオスタ…ソ連に渡った生真面目な姉は、ギリシャに渡った色白美人で口説き上手な妹に苦労が絶えない…

エウジェニオ「ふふ…そんな固いことを言わないの、姉さん♪」

アブルッツィ「んっ、んんぅ……エウジェニオ…ぉ///」

エウジェニオ「あらあら、とっても滑らかで…美味しそう♪」さわさわっ…♪

アオスタ「エウジェニオ…っ!」

エウジェニオ「姉さんったら何を怒っているの?…ラビオリの話なんだけど?」

アオスタ「もう、嘘をつかないの…ぉっ!?」

エウジェニオ「どうしたの、アオスタ姉さん…姉さんってば♪」ぐりっ…くちゅっ♪……テーブルクロスの下で器用にパンプスを脱ぐと、白いストッキングを履いた長い脚を伸ばしてアオスタの脚の間をつま先で弄りまわす…

アオスタ「え、エウジェニオ……あなたね…ぇ///」

エウジェニオ「姉さんったら何をカリカリしているのかしら……そう思わない?」

ガリバルディ「まったくね…アオスタ、貴女はその堅苦しい態度をすこーし直しなさいよ♪」アオスタの隣に座っているのはアブルッツィの妹にしてイタリア王国軽巡の究極形…そして名前ばかりではなく「ジュゼッペ・ガリバルディ」の性格も受け継いだらしく、たいへん女好きのガリバルディ……

ゴフレド・マメリ(中型潜「マメリ」級)「んっ、ガリバルディ……ぃ///」ガリバルディと共闘した愛国詩人のマメリは、向かいのガリバルディが伸ばしたつま先に足の甲をくすぐられている…

ガリバルディ「ふふっ、マメリったら…初心で可愛いわ♪」

マメリ「んんぅ…///」

エウジェニオ「ふふ、姉さん…っ♪」

アオスタ「んっ…ひぃ、んぅぅ……ひゃうっ…///」

ガリバルディ「ところでアオスタ…私の言っている事、ちゃんと聞いてる?」すりっ…♪

アオスタ「はひっ…はふぅぅ……///」ガリバルディの右手が優しくふとももをさすりあげ、エウジェニオのつま先が感じやすい場所を的確にえぐる…

アブルッツィ「ひゅぅ…はふっ……ひぐっ…///」

カヴール「まぁまぁ…♪」

…「スペインにゆかりのある艦娘たち」のテーブル…

アレッサンドロ・マラスピーナ(大型潜「マルコーニ」級)「ふふ、私がみんなに新しい水平線をみせてあげるわ…ね?」(艦名がスペイン海軍士官として探検したイタリア人航海者)

ガリレオ・ガリレイ(大型潜「アルキメーデ」級)「……私こそ、皆さんをピサの斜塔から落ちるほど気持ち良くしてあげますよ♪」(スペイン内乱へ極秘派遣)

ガリレオ・フェラリス(アルキメーデ級)「いぃっ、二人ともどこを触って…んくっ///」(ガリレイに同じ)

コンソーレ・ジェネラーレ・リウッツィ(大型潜「リウッツィ」級)「あ、あっ……///」(艦名がスペイン内乱で亡くなった軍人)



提督「…ね、私よりモテる娘なんてたくさんいますよ?」

ヴァイス提督「…」

ビスマルク「…」

ティルピッツ「///」

グレイ提督「…あー…はん」

エリザベス「さすがはイタリア…でございますね」

エメラルド「…っ///」

ドリア「ふふ…ちなみに提督は受け責めともに甘くて優しく、エウジェニオは技巧を尽くして全身がとろけるような愛し方をしてくれます…ガリバルディは革命の闘士だけあって愛も激しいですから、燃えるようなひと時を過ごせますよ♪」

提督「もう、ドリアったら…それは言わなくてもいいの///」

ドリア「ふふっ…ごめんなさい、提督。つい口が滑ってしまいました…♪」真っ赤になってうつむいたヴァイス提督やティルピッツを見て、いたずらっぽくほほ笑んだ…

グレイ提督「…なるほど」(体験した限りではその通り…ですわね♪)


………
337 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/19(日) 02:34:52.28 ID:evLTsUUi0
…別の日・作戦室…

提督「さて、と…いよいようちの鎮守府が持っている建造枠を使い切る時が来たわね」そう言って、厚い布表紙に金文字が入っている立派な「旧王国海軍・艦艇図鑑」をバタンと閉じた…

カヴール「またまた新しい娘がここにやって来るわけですね…ところで提督?」

提督「んー?」

カヴール「イオニア管区司令部から与えられている枠から考えると、最後も潜水艦ということになりますね?」

提督「ええ、その通りよ…何やかやで中型潜は小回りが利いて使い勝手もいいし、ここも最近は「実績がある」とか言って、請け負わされる哨戒範囲が拡大されたから……」

カヴール「提督も大変でいらっしゃいますね?」くすくすと微笑みながら、いたずらっぽく小首を傾けるカヴール…

提督「いいえ…むしろこんなにいい身分だとは思わなかったわ♪」

カヴール「そうですか?」

提督「ええ。可愛い娘たちにかこまれて……って言うのは抜きにしても、フリゲート艦みたいにぺたんこなマットレスの二段ベッドじゃなくて、ぜいたくな個室と立派な天蓋付きベッド…しかも誰かと一緒に昼まで寝ていようが、シーツをしわくちゃにしていようが怒られないし…お風呂も十五分で入らなきゃいけない狭いシャワー室の代わりに古代ローマ風の大浴場……美味しくて「熱いものは熱く、冷たいものは冷たい」式の豪華な食事が三食…それにワインにシャンパン……いいところをあげたらキリがないわ♪」

カヴール「それでは、提督になってよかったですか?」

提督「ええ、もちろんよ。もっとも、最初は私に務まるかどうかは不安だったけれど…みんなが手助けしてくれるおかげで、どうにかこうにかやっているわ」

ライモン「そんなことありません、提督は立派に務めを果たしておられます…っ!」

提督「まぁ、ライモン///」

ライモン「あっ…いえ……その、つい思ったことが口から…///」

提督「いいの。そう言ってくれて嬉しいわ……それに、やっぱり口に出して言ってもらうのが一番好きよ♪」優しく頬を撫でる提督…

ライモン「///」

提督「…あと、将官になったことで気づいた「いいこと」もいくつかあったわ」

ライモン「なんですか?」

提督「それはね……理不尽な上官の言いぐさをもう聞かなくて済むこと♪」

カヴール「ふふっ…まぁまぁ♪」

提督「もちろん同時に、いい人の意見を好きなように取り入れられることもあるわ…やっぱり「言説高邁でも位低ければ通らず」って言うのが軍の基本みたいなものだから……」

カヴール「そうですね」

提督「後は車のダッシュボードに置く「将官用ステッカー」かしらね…たいていの場所ならアレで交通警察とかカラビニエーリが遠慮してくれるもの♪」

カヴール「まぁまぁ、提督ったら権威をかさに着て…いけない方ですね♪」

提督「いいじゃない。そのかわりにお給料はスズメの涙なんだから」

ライモン「あー…この前見せてくれましたけど、わたしより少なかったですものね」

提督「そうなのよ…スーペルマリーナ(海軍最高司令部)いわく、ここ十数年で「深海棲艦」相手に功績を挙げて昇進した士官は多いし、かといってイタリアは財政がアレだから、全員に階級通りのお給料を捻出するのはムリだっていうの…だから形だけ昇進させるけれど、お給料は定期昇給以外「据え置き」ですって」

カヴール「では、失礼を承知で伺いますけれど……提督のお給料はどの階級で据え置きなのですか?」

提督「…中佐」

カヴール「あらまぁ…」

提督「だからここで寝起きして、三食をごちそうになれるのはありがたいわ…♪」冗談めかしてぱちっとウィンクする提督…

カヴール「ふふっ…では今度から提督のお食事を人質にして、うんとワガママを言うことにします♪」

提督「もう、それは困るわね♪」

ライモン「あの…お二人とも、午前中に建造を済ませる予定じゃなかったんですか?」

提督「はいはい」

カヴール「ふふ、分かっております♪」

338 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/21(火) 01:45:36.66 ID:SwP1jpUQ0
提督「さてと…今日の建造にはフィザリアとジャンティーナ、それにネレイーデにオンディーナが来てくれるって言っていたわ」

カヴール「海の精ネレイーデ(ネレイス)に、水の妖精オンディーナ(ウンディーネ)ですか…潜水艦の娘を呼ぶのにふさわしいですね」

提督「ええ…でもフィザリア(カツオノエボシ)とジャンティーナ(アサガオガイ)はいい娘だけれど、名前がクラゲの仲間だけにちょっとぼんやりしているから、もう二人くらい手伝いが欲しいわね…」

ジョヴァンニ・ダ・プロチーダ(中型潜「マメリ」級)「あ、提督…ハーイ♪」

ティト・スペリ(マメリ級)「モーニン、提督…元気してる?」

…部屋の観葉植物を日に当てて戻って来たらしいプロチーダと、その横でおしゃべりしながら一緒に歩いているスペリ……プロチーダは小ぶりな植木鉢を片手で抱きしめていて、もう片方の手を振った…どちらも43年からは連合国側について米軍の対潜訓練で相手役を務めていただけあって、艦娘としても少し「アメリカ流」の軽い態度をとっている…

提督「チャオ、プロチーダ。ちょうどいいところに来てくれたわね♪…もし時間があるようなら、すこーし私のお手伝いをしてくれないかしら?」

プロチーダ「オーケー」

提督「今から工作室に行くのだけれど、いい?」

プロチーダ「オーケー」

提督「あー…本当に大丈夫ね?」

プロチーダ「オーケー」

提督「ふぅ……プロチーダ、何にでも「オーケー」はやめなさい」

プロチーダ「…オーケー」

提督「……あのね、ナタリー・ポートマンじゃないんだから…」(※映画「レオン」)

プロチーダ「あはは、やっぱり分かってくれた♪」

スペリ「さっすが我らが提督…ナイス♪」

提督「はいはい…それじゃあ一緒に来てちょうだいね」

プロチーダ「オーケー♪」

提督「…」

…工作室…

提督「うわ、これはまたずいぶんと暑いわね…って、日陰で二十九度もあるわ……」工作室の壁に掛けてある温度計をのぞいて白い詰襟の上を脱ぐと、シャツの胸元をはだけてぱたぱたと扇ぐ…

カヴール「今日はあまり風がありませんから…それでもここは日差しが差しこまない分だけ涼しいですよ?」

提督「そうは言っても作戦室は冷房が効いていたから……ふぅ」

カヴール「提督はお若いですね。どうも私は「エアコン」というのが苦手でして…」

提督「そう言われてみると…カヴールって何でもそつなくこなせるけれど、電化製品だけは苦手よね?」

カヴール「ええ、どうも新しいものは覚えきれなくっていけません。それに、使ってみても「人が関わる暖かみ」を感じないと申しましょうか……」

ライモン「何となく分かります…わたしも交換手さんの出ない電話に慣れるのにはずいぶんかかりました」

提督「…なんて言うのかしら……まだまだ高校生くらいに見えるライモンがそう言うのを聞いていると、すごい違和感があるわね」

ライモン「こ、高校生だなんて…///」

カヴール「あらあら…ライモンドったらすっかり照れちゃってますね♪」

ライモン「あ、いえ…っ!」

提督「いいのよ。初々しくって可愛いわ♪」

プロチーダ「ヒュー♪」

スペリ「フゥー、二人ともお熱いですねぇ♪」

ライモン「もう、からかわないで下さいっ///」

339 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/22(水) 02:35:01.61 ID:NDfedxUu0
ネレイーデ「お待たせしました、提督。ちょっと遅れちゃいましたね♪」淡いオーシャンブルーのワンピース姿をしたネレイーデ…美しいがどこか無邪気な雰囲気が、なんとも海の妖精(ニンフ)らしい……

オンディーナ「ごめんなさいね?」子供がわざと水たまりを選んで渡るように、数歩ずつ軽く跳ねるようにしながらやってきた……裾に水しぶきのような白いレースをあしらった薄青いミディアム丈のワンピースが目に爽やかで、いかにも涼しい…

提督「いいえ、私も今来たところだから大丈夫よ…ところでフィザリアとジャンティーナは?」

ネレイーデ「あら、二人ともまだ来てないのですか…」

提督「ええ、そうなのよ…まったく、どこで油を売っているのかしら…」

ジャンティーナ「…ふー、遅くなりました……ぁ///」

フィザリア「ふぅ…ふぅ、はぁ……///」

…頭には薄紫色の丸いカタツムリの殻…に見えるアサガオガイの殻を模した飾りを乗せ、クラゲの仲間らしく青いシースルーの薄物一枚と、その下にミニマム丈のベビードールのような同系色の服を着ているジャンティーナ…態度はいつも通り、風任せ波任せのクラゲ族らしくとろんとしているように見えるが、フィザリアを見る目がいつもよりねちっこくていやらしい……反対にフィザリアは目の焦点も合わなければ息も絶え絶えで、よく見ると青紫色をしたサマードレスの太ももからとろりと粘っこい蜜を垂らしている…

提督「もう、仕方のない娘たちね♪」…クラゲ類…当然フィザリア(カツオノエボシ)も獲物にしてしまうジャンティーナだけに、一戦交えてきたらしい…提督はくすくすと微笑しながらウィンクした…

カヴール「…あらあら♪」

提督「さてと……それじゃあ準備の方はよろしいかしら?」

ネレイーデ「はい…♪」

オンディーナ「もちろんです……さぁ、水とたわむれましょう♪」

プロチーダ「オーケー♪」

スペリ「いつでもウェルカムです♪」

ジャンティーナ「ふふ…フィザリアもいいですよね……♪」

フィザリア「はひぃ、ふぅ…ふぅ…提督、こっちも準備はいいです……よ…///」

提督「ふふっ、了解…それじゃあ建造開始♪」

………

…建造中…

アンフィトリテ(シレーナ級)「ふふ、いよいよ新しい娘が来るそうですね……私は楽しみですが、あなたはどうなのかしら?」

ネレイーデ「ええ、アンフィトリテ。私も楽しみです」

トリトーネ(フルット級)「さて、調子はどうなのかしら…って、おかあ……じゃなくて、アンフィトリテも来ていたのね」

アンフィトリテ「ふふ、私とあなたは母娘なんですから「お母様」でも構いませんよ…我が愛しの娘よ♪」(※トリトーネ…ポセイドンとアンフィトリテの子供)

トリトーネ「…っ///」

…三つ又矛を持ち、腰には角笛を提げているトリトーネ……いつもはいかめしいくらいにしっかりしているが、由来が「海神ポセイドンとアンフィトリテの子供」というだけあって、鎮守府ではアンフィトリテと母娘かつ百合という「禁断の関係」にある……当然、アンフィトリテには全く頭が上がらない…

シレーナ(シレーナ級「セイレーン」)「らら…私もちょっと様子をのぞきに来たの……ラララ♪」

提督「あら…シレーナ♪」

ライモン「ん、くっ…///」

シレーナ「様子はどうなのですか…らぁ〜、ララ…♪」

…優しげな見た目に、身体をうずかせ、心もとろかすような歌声をしているシレーナ(セイレーン)…ミュージカル映画のように優雅な足取りでやって来て、滑らかな動きで腰掛けに座った……組んだ足は長くてすんなりしていて、くるぶしにヒレ飾りのついたハイヒール風の靴も脚線美を引き立てている…

ウアルシエク(アデュア級)「あ…みんな様子を見に来たノ?」

提督「そのようね…ウアルシエクも?」

ウアルシエク「ええ、そうなノ……だって、これから一緒ニ過ごすんだもの」

…少し浅黒い肌で、訛りも結構あるアデュア級のウアルシエク……提督は腰掛けをすすめて、それから頬に親愛を込めたキスをした…

提督「さて…と、それじゃあもう少し腰掛けを出しておきましょうか」

カヴール「ええ、うふふっ…この様子ですと鎮守府中の娘が来るかもしれませんものね♪」

………
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/22(水) 09:49:13.76 ID:jdvFftc3o
シレーナかわいい
341 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/23(木) 00:47:55.88 ID:BrWYIsff0
>>340 まずは感想グラツィエです。「シレーナ」は歌だけで魂をとろかすことが出来る娘ですが、歌を聞いてもらえないと恥じて(ギリシャ神話では死んでしまうそうですが…)どこかに行ってしまったりします…


…本当なら、戦前のイタリアが「ソ連海軍向けに設計した大型駆逐艦」(後の殊勲艦「タシュケント」)を基本に建造した軽巡(大型駆逐艦?)の「カピターニ・ロマーニ」(スキピオーネ・アフリカーノ)級12隻(完成三隻)や、未成に終わった旧シャム(タイ)海軍向けの防空軽巡「エトナ」「ヴェスヴィオ」に、空母「アクィラ」や「スパルヴィエロ」などがいるのですが……そう言った未成艦や計画のみの「艦娘」については別に機会を設けて、鎮守府に現れたりさせたいと思っております


…いずれにせよ、また数日のうちに投下していきますのでお待ちください…
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/23(木) 09:34:46.83 ID:O93UIvVTo
待ってる
343 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/26(日) 02:49:38.11 ID:YULF42f30
…数時間後…

提督「もうそろそろね…着るとどうしようもなく暑いけれど、仕方ないわ」お菓子のかけらを払い落とし、軍帽を頭に乗せる提督…椅子の背にかけていた白い詰襟も、きっちり襟元までボタンを留めた……

ライモン「何しろ何人も詰めかけていますし…わ、温度計が三十二度になっています」

提督「あー…聞きたくないわね」

カヴール「まぁまぁ。食堂は「うんとごちそうを用意しておく」とのことでしたから♪」

提督「…もう、エリトレアったら気が早いんだから」

カヴール「ふふ、いいではありませんか…気分転換にもなりますし♪」

提督「まぁね……さ、出てくるわ」

カヴール「はい」

バリラ(大型潜「バリラ」級)「こうして見ると感慨深いものねぇ…」

スクアーロ(中型潜スクアーロ級「サメ」)「ホントにね…まぁ何であれ、私としてみれば白くて柔らかい「噛みちぎりやすそう」な娘だといいんだけど♪」

提督「こらこら…流血の惨事はなしでお願いするわよ?」

スクアーロ「大丈夫大丈夫…ちょっとだけよ♪」ニタリと鋭い牙…のような白い歯を見せるスクアーロ…

提督「はい、それじゃあおしゃべりはそこまで……アテンツィオーネ(気を付け)!」


…建造のたびごとに工作室を「青の洞窟」のようにしてきた鮮やかな青い光がスーッと薄れていき、視界が戻ると艦娘たちが立っていた……身長は中学生くらいのすっきりとした身体つきで飾り気が少なく、数人は身体中に水銀のような金属光沢があるウェットスーツ、あるいはSF作品のヒロインがまとうような艶やかなボディスーツのようなもの…を身に着けていて、そこからつんと尖ったほどのいい乳房や、提督には真似できないお腹の引き締まったライン…そしてきゅっと伸びた脚がぴっちりと浮き上がっている……


提督「さてと……まずは、「タラント第六」へよく来てくれました。司令のカンピオーニ少将です♪」

艦娘「グラツィエ、提督…んーと、とりあえず自己紹介が必要よね?」まるで素晴らしいピストルのように金属的な青みを帯びた黒色の髪をツインテールにし、ぴっちりしたボディスーツに身を包んでいる艦娘が言った…

提督「ええ、よろしくお願いするわ♪」

艦娘「了解…中型潜アッチアイーオ級の一番艦、「アッチアイーオ」(鋼鉄)よ……よろしくね♪」黒く輝く瞳から熱っぽい視線が提督にそそがれ、それから愛らしい笑みを浮かべると、軽く前かがみになった提督の左右の頬…というより唇ギリギリのところに音高くキスをした…

提督「んんぅ…こちらこそ、よろしくね♪」

アッチアイーオ「ええ……私、提督のこと大好き…っ///」提督の手を温かな両手でぎゅっと包み、上目づかいでささやいた…

提督「んふふっ、ありがと……それで、あなたが…」

艦娘「アッチアイーオ級「アラバストロ」(雪花石膏…あるいは白大理石)です。よろしくお願いします」こちらはアッチアイーオとは正反対に、アルビノのような真っ白な肌と髪に、瞳も薄いグレイをしていて、フリル付きのワンピース型水着のような物を着ている

提督「ええ、こちらこそ♪」

艦娘「同じく「アルジェント」(銀)です……いぶし銀の魅力、お見せいたします」…まるで何も着ていないのと変わらないほど身体にぴちっと張りついている銀のボディスーツに銀髪…引き締まった身体は水滴が流れていきそうなほど滑らかで、鋭い形のハイヒールがきゅっとヒップを持ち上げている……

提督「ふふ、私も派手な金より落ち着いた銀の方が好みよ♪」

アルジェント「そう言ってもらえて光栄です…」うやうやしく提督の手の甲にキスをする…

艦娘「…次は私ですね。私はアッチアイーオ級の「アステリア」(ヒトデ)です…夜に輝きこそしませんが、海中では私が唯一のステラ(星)ですよ♪」…星のペンダントを胸元につけ、頭のサイドに小さいヒトデの飾り物をつけている

提督「ふふっ、そんなことないわ…アステリアの瞳はシリオ(シリウス)みたいに十分輝いて見えるもの♪」

アステリア「そ、そうですか…嬉しいです///」

艦娘「次は私の番ですか…「アヴォリオ」(象牙)です、どうぞ大事になさってくださいね?」…クリーム色の髪に象牙色のパレオ付き水着で、優雅に挨拶した

提督「もちろん、ひとかけらだって欠けさせはしないわ♪」

艦娘「アッチアイーオ級「ブロンヅォ」(ブロンズ。青銅)です…前は鹵獲されてあちこちたらい回しにされてしまいましたが、今度は提督のもとで頑張りたいものです」

提督「ええ…ずっと一緒にいてね?」

344 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/26(日) 03:31:28.22 ID:YULF42f30
艦娘「初めまして、提督…私はコバルト。前は青二才だったけれど、今度の私はひと味違うわ♪」…すっきりしたコバルトブルーの瞳に青っぽい髪……競泳水着風の「艤装」は灰緑色の斑点迷彩を施した灰色で、アクセントとしてコバルトブルーの線が脇に沿って入っている…

提督「そう…それじゃあ期待しているわね♪」

艦娘「では…アッチアイーオ級「ジアダ」(カット用の硬石)です。たとえダイアモンドのような堅陣であろうと切り裂いてみせます」

提督「ええ、頼りにしているわ…♪」きりりと引き締まった口もとに軽く接吻する…

艦娘「ボンジョルノ、「グラニト」(花崗岩・御影石)です…私に立派な戦績を彫り込ませて下さいね?」黒御影のような艶やかで滑らかな髪につるつるした手ざわりのボディスーツ…それも安っぽい光沢ではなく、本当の御影石で出来ているような質感をしている……

提督「ええ、私も頑張るわ……それで、あなたは…えーと……?」

艦娘「あ、あぁ……初めまして、提督「ニケリオ」(ニッケル)です」

提督「よろしくね?」

ニケリオ「ええ…はい」

提督「こちらこそ…で、あなたが……うっ!?」色味も渋く、ゆっくりした話し方のニケリオ…反対に隣にいる艦娘は直視できないほど肌が明るく、銀白色に輝いているように見える……

艦娘「ボンジョルノ、提督…アッチアイーオ級「プラティノ」(プラチナ)です♪」軽く歯を見せて笑うと、ますます眩しい…が、決してけばけばしい明るさではなくて、月が目の前にあるような涼しげな明るさをしている……

提督「え、ええ…」サングラスをしていないのを少し後悔しながら、ほっぺたの位置を慎重に確かめつつ挨拶をすませる…

艦娘「お次は私の番ね…中型潜アッチアイーオ級「ポルフィド」(斑岩…赤紫がかった奇石)です、よろしく♪」新鮮なブルーベリーを絞ったような赤紫色をした波打つ髪と深い赤紫に見える瞳…唇にはチェリーレッドのルージュをひいて、足下は宝石箱に敷いたヴェルヴェットのような色をした、おしゃれなハイヒールで決めている…

提督「ええ、よろしく…♪」

艦娘「……私は「ヴォルフラミオ」(タングステン)…命令とあらば何でも撃ちぬいてみせる」一人だけ冷たく硬質な雰囲気を放っている、ドイツ風のきりりとした艦娘で、狼のような冷静な灰色の目をしている……

提督「ふふ、そう固くならないで?」…そう言ってほっぺたに軽くキスをしたが、鈍い銀灰色の競泳水着をまとった直立不動の姿勢と硬い表情はまるで崩れない…

提督「それじゃあ、この十三人で「アッチアイーオ」級は全員ね……何はともあれお腹が減っているでしょうし、食堂でお昼を食べながらみんなに挨拶してもらいましょう♪」

アッチアイーオ「はい、提督っ♪」

提督「ふふっ、いい返事よ…それじゃあついてきてね?」

………

345 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/27(月) 02:02:10.10 ID:iVEceFNv0
…食堂…

提督「さぁ、入って?」

アルジェント「…では失礼して」

一同「「わー!!」」

アッチアイーオ「うわっ、なに…なんなの!?」


…食堂に集まっていた艦娘たちは一斉に立ち上がって拍手をしながら、アッチアイーオたちに花輪をかけ、それぞれ一人づつ手を取ってエスコートしながら席に座らせる……大きく開け放った窓からはきらめくイオニア海の海風が入って来て、熱気のこもった工作室にいささか閉口していた提督は、ほっと息をついて席についた…


提督「どう、おいしい?」…歓迎パーティではないので手短なあいさつにとどめて、ゆっくり食事にかかる提督……両隣にはネームシップの「アッチアイーオ」と、まるで光を反射しているかのように眩しい「プラティノ」が座っている…

アッチアイーオ「ええ、美味しいけど?」

提督「それは良かったわ…好きなだけ食べてね」ワイングラス片手に顔を近づけ、いたずらっぽく微笑んだ…

アッチアイーオ「そうさせてもらうわよ…///」顔を赤らめ「ぷい…っ」とそっぽを向いた

提督「どうしたの……もうワインが回っちゃったのかしら♪」椅子をそっと寄せて、アッチアイーオの滑らかなふとももに自分の太ももをそっと押し付ける提督…恥ずかしそうにうつむく初々しい様子にいたずら心がくすぐられ、そっと手を伸ばした……

アッチアイーオ「や、止めてよ…!」そっと置かれた提督の手を振り払った…

提督「あら、工作室ではあんなに「大好き」って言ってくれたのに……ちょっと性急すぎたかしら?」申し訳なさそうに肩をすくめ、大人しく距離を戻す提督…

アッチアイーオ「分かったならいいわよ……いくら司令だからって、あんまりベタベタしないでよね!」

提督「ごめんなさい…ここの娘たちに慣れきったせいで、ちょっと感覚が鈍くなっているのかもしれないわ……なので、黙って食べることにします」

ライモン「もう、提督…」


…前菜にスープ(パスタ)が済み、ワイン数杯がほど良く入ったところでメインの料理に手を伸ばす提督……ニンニクと唐辛子、クミンやターメリックをよく揉みこんで下味をつけた鶏の手羽元や腿肉をあぶり、こんがりと焼き目を付けた「タンドーリ風チキン」は最初こそ香ばしいが、次第に口の中が辛くなってきて、身体が火照り汗も滴ってきた…鶏の骨をお皿に重ねつつも、工作室では「ベタ惚れ」状態だったのに、急にはねつけるような態度をとったアッチアイーオが気になって、横目でちらちら視線を送っている……


アッチアイーオ「な、なによ…///」

提督「ワインをもう一杯いかが…って聞こうと思ったのだけれど?」

アッチアイーオ「それならそうと言ってくれればいいじゃない……もう一杯だけちょうだい」

提督「このくらいでいいかしら?」

アッチアイーオ「ええ……ふぅ、辛い料理のおかげで暑くなってきちゃったわ///」さっきとは反対に自分からふとももをすり寄せ、スラックスの上から提督のふとももを撫でるアッチアイーオ…

提督「…あら」

ライモン「…」

プラティノ「…ライモンドさん、私にも一杯ついで下さいな♪」

ライモン「あぁ、はい…どうぞ」

プラティノ「ふふ、ありがとう♪」

ライモン「う…笑顔が眩しい……」

アッチアイーオ「さっきはごめんなさい、提督……私、本当に提督の事が大好きなの…信じてね?」

提督「いいのよ…それにしても、さっきからどこを撫でているのかしら♪」

アッチアイーオ「…だって、提督のふともも……とっても…触り心地がいいんだもの///」

提督「うふふっ…♪」

ライモン「…提督はドルチェ(デザート)を召し上がらないそうですから、どうぞプラティノが食べて下さい」

プラティノ「そうですか、それでは♪」

提督「ライモン、そんなに怒らないで?……ほら、「あーん」してあげるから」

ライモン「でも、来たばかりの娘たちを前に…ですか///」

提督「いいじゃない。はい、あーん♪」

アッチアイーオ「ねぇ提督…私も「あーん」して欲しい♪」

提督「ふふっ、それじゃあちょっと待ってね?」

346 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/27(月) 02:54:11.48 ID:iVEceFNv0
…食後・バーカウンター…

提督「…どうもよく分からないわ」

ライモン「何がです?」

提督「アッチアイーオの態度よ……さっきまでキスしてくれたり、身体を寄せてふとももを撫でてくれたりしていたと思ったら、急に突き放すような態度になったり…」

カヴール「そうですねぇ…もしかしたらかなりの気分屋さんなのではありませんか?」

提督「それだけ?」

エウジェニオ「うーん、そうねぇ……何かその「スイッチ」になりそうなことはあったかしら?」

提督「えーと…何だか私から触ったりすると怒ったような気がするわ……」

アルピーノ・バニョリーニ(大型潜リウッツィ級)「ならアレね、自分から仕掛けたい性格なのよ…私と同じで♪」手の速いバニョリーニは「よく分かるわ」とばかりに、うんうんとうなずいている…

提督「んー…でもそれだけでもないような気がするのよね。もう一杯ちょうだい?」

エウジェニオ「はいはい…それじゃあ悩める提督さんにはちょっとほろ苦いドライ・マルティーニね♪」

提督「ありがと…今の気分にぴったりだわ」

トリチェリ(大型潜ブリン級)「あの、皆さんで頭を悩ませているようですが…どうしたんです?」

提督「あぁ、トリチェリ……いえ、アッチアイーオの気分がよく分からなくって…」

トリチェリ「言われてみると、素っ気なかったり甘えてみたり…何だか態度が猫の目みたいに変化していましたね」

ガルヴァーニ(ブリン級)「ふふ…ならちょっと頭に電極でも差し込んで、ピリッと電流を流せば……あとは電流カエルと同じで、お好きなようにビクンビクンさせられるわよ?」いつもマッドサイエンティストめかしているガルヴァーニは、危ない笑みをうかべてカクテルをすすった

提督「もう、またそうやってフランケンシュタイン博士みたいな事を言って…アッチアイーオが私の事を嫌いならまだ分かるけれど、甘えられたり素っ気なくされたりする理由が何なのか……どうも気になるのよね」

ガリバルディ「あら、鎮守府の女たらしが三人も集まって頭を抱えて…一体どうしたの?」

ライモン「…それ、わたしのことじゃないですよね?」

ガリバルディ「ええ、大丈夫よ…提督にエウジェニオ、それとバニョリーニの三人よ」

カヴール「あら、私はダメですか?」

ガリバルディ「カヴールみたいな貴婦人に「女たらし」なんて失礼でしょう♪」ウィンクを送るガリバルディ…

カヴール「あら、嬉しいお言葉…さすがはガリバルディですね」

ガリバルディ「ふふ、褒められて怒る人はいないもの……で、何の話?」

提督「それが…アッチアイーオの気分がよく分からなくって」

ガリバルディ「ふふ…今日はじめて顔を合わせておいて、それで心の奥底まで分かろうなんて……提督もシチリア人そこのけに気が短いわね♪」

エウジェニオ「でも気になるでしょう?」

ガリバルディ「まぁね。とりあえず、そういう時は行動あるのみ…アッチアイーオ?」

アッチアイーオ「…なに、呼んだ?」たっぷりの昼食とワインで、ほど良く身体が火照っているらしいアッチアイーオ…頬が軽く赤らんでいる…

ガリバルディ「ええ、提督が話をしたいそうよ」

アッチアイーオ「あ…そ、そうなの///」

提督「さぁ、かけて……飲み物は何がいい?」

アッチアイーオ「え、えぇ…と///」

エウジェニオ「とりあえずカンパリオレンジにでもしておくわね?」

アッチアイーオ「じ、じゃあそれで…で、私に「用事」って///」

提督「ええ」

アッチアイーオ「それは、その…嬉しいけど、ちょっと気が早いんじゃない……?」

提督「こうやって話をするのに「気が早い」ことなんてあるかしら?」

アッチアイーオ「あっ、ううん…別に何でもないの!」

提督「それじゃあしばらくの間だけ、おしゃべりでもしましょう?」

アッチアイーオ「え、ええ…提督とたくさんお話できるなんて、嬉しいっ……///」

提督「んー?」

アッチアイーオ「…き、聞こえなかったことにして///」
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/27(月) 11:30:49.55 ID:17rKoUCyo
猫ってどっちの意味なんですかねえ
348 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/28(火) 01:26:56.59 ID:mI7o8oHy0
…数日後・厨房…

提督「うーん…」エプロンの紐を結びながら、眉をひそめている提督…

チェザーレ「…何だ、まだアッチアイーオの事で悩んでいるのか?」

提督「ええ…」

バンデ・ネーレ「提督もこりないよね…ボクならあきらめている所だけど……」

ジュッサーノ「本当にね。だいたいけんつくを喰らって落ち込むくらいなら、はなからちょっかいを出さないでおけばいいのに」

提督「むぅ…そうは言っても甘えに来てくれるときは本当にベッタリだし、せっかくの好意をむげにするのも悪いような気がして……」

ルイージ・トレーリ「そうですねぇ、個人的にはジァポーネで言うところの「ツンデレ」ではないかと思いますけれど…どうでしょうか?」

提督「それって「好きだけれど気恥ずかしいからわざと突き放したりする」っていう…」

トレーリ「ええ、それです♪」

提督「んー…それも考えては見たのだけれど、そう言う感じでもないのよね……」

カヴール「ふふ…それで距離を縮めようと、一緒にお料理を作る約束をなさったのですものね?」

提督「ええ。隣り合って厨房に立てば少しは性格も分かるんじゃないかって…あ、来たわね♪」

アッチアイーオ「チャオ、提督…んーっ///」

提督「はぁい……ちゅっ♪」

アッチアイーオ「ふぅぅ…部屋の模様替えをしようと思ってあれこれ動かしたら、もう汗びっしょり……汗くさくない?」

提督「ふふ、大丈夫よ…♪」汗ばんだ頭を軽く撫でる…

アッチアイーオ「あぁ、よかった…せっかく提督と一緒なのに汗くさかったら嫌だもの……///」頬を赤らめ、人差し指の指先をもじもじとこすり合わせる…

提督「もう、そんなに気にしなくたって大丈夫よ……さぁ、美味しいパスタを作りましょうね?」

アッチアイーオ「え、ええ……提督と一緒なら何でもおいしいけど…///」

提督「あら、嬉しいお言葉♪」

アッチアイーオ「…だって、本当の事だもの……///」

チェザーレ「ふぅむ…どうすればこの甘えっぷりが、あの木で鼻をくくったような態度になるのだ?」

トレーリ「ふふ、提督はそれを調べるつもりなんですよね…♪」

チェザーレ「うむ……まぁいい、手伝いが欲しくなったらそう申してくれ」

提督「ありがとう…それじゃあアッチアイーオ♪」

アッチアイーオ「ええ、二人でお料理なんて楽しみ…///」

………


349 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/28(火) 02:12:14.40 ID:mI7o8oHy0
提督「…それじゃあニンニクを刻んでもらえる?」厨房のガス台はパスタ鍋にお湯を沸かそうと強火になっていて、換気扇だけでは抜けない熱でずいぶんと暑くなっている…ふと壁の温度計を見て、思わずげんなりする提督……

アッチアイーオ「ええ、任せて……それはそうと、提督は甘い匂いがするのね///」

提督「香水はつけていないけれど?」

アッチアイーオ「べ、別に香水とかそう言うのじゃなくって……提督そのものが…よ///」

提督「まぁ…♪」

アッチアイーオ「本当にいい匂い…甘いクリームみたいな……ちゅぅ♪」提督の頬を舐めるようにキスをした…

提督「まぁ…んふふっ♪」

…食堂…

トレーリ「どうやら、今の所は順調のようですね」

チェザーレ「うむ…カヴールはどう見る?」

カヴール「私もお二人の見立てと同じです。大変に仲睦まじくて、いい雰囲気ではありませんか♪」



提督「さてと、パスタのソースはこれでよし…と」

アッチアイーオ「ボーノ♪ とっても美味しいっ…提督の手づくりだからかしら///」

提督「ふふ、お褒めにあずかり恐縮です♪」

アッチアイーオ「あっ、提督」

提督「んー?」

アッチアイーオ「……ソースをこぼしちゃった…舐めて?」

提督「あらあら…ちゅっ、んちゅっ♪」アッチアイーオが胸元に垂らしたマリナーラ(プッタネスカ)のソースをぺろりと舐めあげる提督…

アッチアイーオ「ん、んふぅ……っ///」

提督「ふふっ……そういえば、冷蔵庫からサラダの野菜を出さないといけないわね」

アッチアイーオ「ねぇ、それじゃあ一緒に行きましょう?」

提督「ええ♪」アッチアイーオの手をそっと包み込み、指を絡めた…

…食料庫・冷蔵室…

提督「ふー…やっぱりここは涼しくていいわね」

アッチアイーオ「ね、ねぇ…何で手を握っているの///」

提督「だって、アッチアイーオの手がすべすべしているんだもの♪」

アッチアイーオ「それじゃあ答えになってないわ……早く野菜を出して戻りましょうよ」

提督「あら、今さらになって照れちゃったの?」

アッチアイーオ「別に照れるような事なんてないでしょ…」急に黙りこくって唇をきゅっと結んでいる…

提督「ふふ、いいのよ…ここなら、しばらくは誰も来ないから……ね?」指先でそっと背中をなぞり、腰のくびれまで撫でおろしていく…

アッチアイーオ「……だから、あんまり触られたり馴れ馴れしくされるのは嫌いなの」

提督「あら、さっきまではあんなに嬉しそうだったのに?」

アッチアイーオ「さっきは…その、何て言うか……///」

提督「いいのよ、遠慮しないで? …私、アッチアイーオの事が好き……♪」優しい手つきでふとももを愛撫し、少し屈んでそっと唇を近づける…

アッチアイーオ「ふ、ふざけないでっ…!」パァン…!

提督「…っ!?」

アッチアイーオ「提督は私の事を「ちょっと一緒に過ごして、甘い言葉さえかければすぐにコロリと参っちゃう」とでも思ってるんでしょう…私はそんな甘くないわよ!?」

提督「違うわ……ねぇ、急にどうしたの?」冷蔵室の冷気で余計にヒリヒリと傷む頬を押さえて、涙目でしゃがみこむ…

アッチアイーオ「この数日、あなたが司令だからっておままごとにつき合ってあげたけど…たとえ肩章に「二つ星」が付いていても、私の気持ちまで思い通りになるわけじゃないんだからっ!」

提督「…アッチアイーオ」

アッチアイーオ「命令は聞いてあげるけど、それ以外はお断りよ!」

350 : ◆b0M46H9tf98h [saga]:2018/08/28(火) 02:52:30.93 ID:mI7o8oHy0
………



チェザーレ「何だと?」

提督「…ええ、見ての通りよ」

カヴール「そうですか…しかし提督に手を上げるとは……」

ライモン「ほっぺた、痛くありませんか?」

提督「頬の方はもう大丈夫…でも平手打ちを受けたのは久しぶりね……」

ディアナ「保冷材はもう大丈夫ですか?」

提督「ええ、ありがとう…」

リットリオ「提督にそんなことするなんて許せませんっ…ヴェネト、ローマ!」

ヴェネト「姉さん、ちょっと落ち着いて…」

ローマ「そうです。落ち着いてください」

アッテンドーロ「ま…なかなか気の強い娘っ子みたいね?」

ライモン「それにしたって提督を叩くなんて……いくら何でもやり過ぎです」

提督「うーん…それでもまだ分からないわ」

ヴェネト「アッチアイーオの性格が…ですか?」

提督「ええ」

トレーリ「そうですね…きっと気まぐれで、その上かなりの恥ずかしがり屋さんなんでしょう」

ライモン「むぅ…それにしたってひどいです…」

ダ・ヴィンチ「ふぅ、お腹が空いたわ……って、みんなしてどうしたの?」

トレーリ「あー、実はかくかくしかじかで……」

ダ・ヴィンチ「はーん…それで提督がみんなにかこまれているのね」

提督「私はもう大丈夫なのだけれど、みんな優しいから……ところでダ・ヴィンチなら、アッチアイーオが急に機嫌を損ねる理由が分かるかしら?」

ダ・ヴィンチ「そうねぇ……あ!」

提督「何かある?」

ダ・ヴィンチ「ええ、あるわ…ふふ「名は体を表す」って言葉通りってわけね♪」

ライモン「どういうことですか?」

ダ・ヴィンチ「ふふ、ちょっと待ってて……すぐ提督にメロメロになったアッチアイーオを連れて来てあげるから」

提督「まさか。いくらダ・ヴィンチが天才でもそれはムリよ」

チェザーレ「ローマは一日にしてならず…そうそう人の気持ちは変わらぬものだ」

ダ・ヴィンチ「まぁまぁ…天才の言うことだと思って♪」

…しばらくして…

ダ・ヴィンチ「ほら、みんな怒ってないから…遠慮しないで入りなさいって?」

アッチアイーオ「…提督」

提督「アッチアイーオ、さっきはいやらしい真似をしてごめんな……」

アッチアイーオ「提督、提督っ…ごめんなさいっ、痛かったでしょ!? …すぐ私が痛いのを無くなるようにしてあげるから…んちゅっ、ちゅぅ///」

ライモン「!?」

提督「……ダ・ヴィンチ?」

ダ・ヴィンチ「だから言ったでしょう「名は体を表す」って。何しろ名前が「アッチアイーオ」(鋼鉄)だから、きっと「熱したら柔らかく、冷やせば堅くなる」と思ったの…で、熱いシャワーに付き合わせたり毛布をかけてあげたりしたら……案の定だったわ♪」

アッチアイーオ「さっきは急に恥ずかしくなってあんなことして……でも本当は提督にされるの…大好きだから……今度、一緒に…ね///」

提督「ふふ、いいのよ…今度からは口づけは暖かい所でしましょうね♪」

アッチアイーオ「ええ…私がとろけるくらいに熱いキスにしてね///」

………
351 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/28(火) 03:06:01.99 ID:mI7o8oHy0
…というわけで、アッチアイーオは名前をネタに「変温性ツンデレキャラ」にしてみました……熱くなればなるほど甘々のデレデレになり、冷えると冷たい態度でけんつくを喰らわせ、さらに冷えると柔らかさがなくなり、強度(メンタル)が弱くなります…



>>347 とりあえず「そっちの意味」の場合は「ネコ」、生きものの場合は「猫」表記にしておきます……また、どこかで「ネコの恩返し」のような小ネタも入れようかと…


352 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/29(水) 11:50:47.49 ID:dnNqbs5go
冬の間はツンツンか
353 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/08/31(金) 03:31:40.98 ID:hyGYczk00
…艦娘紹介…


中型潜…アッチアイーオ(鋼鉄)級。1941〜42年生まれ。13隻


「アルゴナウタ」「シレーナ」「ペルラ」「アデュア」級と次々整備された傑作中型潜「600型」シリーズの最終タイプ。戦時下の建造だったこともあって建材の質が落ちていたと言うが、開戦以来の損害を少しでも補充し、また英地中海艦隊に対抗する面からもタイミングよく完成した意義は大きく、性能も良好だった。

外見はこれまでイタリア潜が採用していた(雨風の防げる)屋根付き艦橋タイプの司令塔ではなく、露天型司令塔としていることからドイツの「U-ボート」に似通っている。


排水量は697/850トンとこれまでの「600型」より多少増え、主機1400馬力(ディーゼル)/800馬力(電動機)で速力は14ノット/7.7ノット。
武装は533ミリ魚雷発射管4門(艦首)/2門(艦尾…一部装備のない艦も)に、100ミリ単装砲一基(司令塔前甲板)、13.2ミリブレダ機銃(連装二基?)が4挺




実戦では「アデュア」級の「デジエ」や「アクスム」と協力して連合軍のアルジェリア上陸作戦『トーチ』の迎撃などに参加、それぞれ優れた性能で善戦したが、英軍のレーダーやアスディックを活用した対潜グループや航空機の攻撃で次々に撃沈され、43年のイタリア休戦時には北部(ヴェネツィアなど)の基地にいた艦がドイツ側に渡すまいと自沈させるなどしたため、戦後に生き残っていたのは「ブロンヅォ」「ジアダ」「ニケリオ」「プラティノ」とごく少なかった……


このうち「ブロンヅォ」は英軍と交戦し逃げ場を失いやむなく降伏、英潜「P714」として各種機器などを調べられたが、何かとイギリス規格に合わない艦だったことから持て余され、戦後フランスに引き渡されて「ナルヴァル」(イッカク)となり60年代まで長生きした

同じく「ニケリオ」(ニッケル)はソ連に引き渡されて49年除籍、「プラティノ」は48年、「ジアダ」は66年まで長くご奉公した




艦名は金属が主で

「アッチアイーオ」(鋼鉄)
「アラバストロ」(雪花石膏・あるいは純白の大理石「アラバスター」)
「アルジェント」(銀)
「アステリア」(ヒトデ)
「アヴォリオ」(象牙)
「ブロンヅォ」(ブロンズ・青銅)
「コバルト」(コバルト)
「ジアダ」(カット用硬石)
「グラニト」(花崗岩…日本の一部では「御影石」と言われる)
「ニケリオ」(ニッケル)
「プラティノ」(プラチナ)
「ポルフィド」(斑岩(はんがん)…紫がかった奇石の一種)
「ヴォルフラミオ」(タングステン…旧艦名は「ストロンツィーオ」(ストロンチウム)だった)

この中でどうして「アステリア」だけが金属や奇石ではなく「ヒトデ」となっているのか理由は分からないが、おそらく「頭文字の「A」で始まる金属が足りなかったから」と言う気もしないではない……また「ヴォルフラミオ」(タングステン)は語源になったドイツ語「ヴォルフラム」(狼の泡)からの直訳という



艦娘「アッチアイーオ」級は中学生そこそこのバランスのとれた引き締まった身体で、瞳や髪はそれぞれのモチーフになった金属や石と同じ色調をしている。まとっている「艤装」もそれぞれぴったりとしたボディスーツ風のもので、全身に液体金属を垂らしたような外見がSF作品に出てくるヒロインのようで非常に色っぽい……

アッチアイーオは暑いと柔らかくなって、提督にベッタリと甘えてくるが、冷え込むとつんけんした態度になる変温性のツンデレキャラで、さらに冷え込むとすっかり強度(メンタル)がなくなってしまい、落ち込んだり室内にこもったりと元気を失くす…また、ニケリオ(ニッケル)は酸やアルカリに腐食しにくいせいか、反応が少し遅い……などなど、名前の由来になった金属の性質をよく受け継いでいる。また「アデュア」級とは一緒に作戦したこともあり仲良し

………
354 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/09/01(土) 03:11:11.78 ID:aDQPcNy50
…数日後…

提督「さてさて、今日は頑張るとしましょうか」

カヴール「ふふっ…提督ったら、「今日も」ではなく「今日は」ですか?」

提督「だって今日はいつもの執務と違うもの……ね♪」


…週ごとに注文した食材などを鎮守府に届けてくるイヴェコ製の三トン積み軍用トラックから、基地祭の屋台や舞台用の木材や鉄材、ネジやボルト、ナットの類が次々と降ろされる……鎮守府の艦娘たちがわいわい言いながらそれを車庫のコンクリート床に運び下ろし、きっちりした性格のアオスタとライモンが注文書と比べては鉛筆でチェックをつける…


ライモン「あ、提督…注文した物は無事に揃っていました」

提督「それは良かったわ。じゃあトラックは帰してもいいわね?」

アオスタ「はい、ですがその前にお茶でもお出ししようと…」

提督「いい考えね、アオスタ……少尉、軍曹♪」

女性士官「はい」

提督「うちの娘がお茶を淹れてくれたそうだから、テラスで飲んで行って?」

女性士官「は、いつもありがとうございます」

女性下士「本当にごちそうさまです、カンピオーニ司令…」

提督「いえいえ、こちらこそいつも配達してもらって助かっているわ♪」

女性下士「任務ですから」

提督「任務とはいえ、タラントからだと結構時間がかかるし大変でしょう?」

女性下士「ま、その間は他の職務をしなくて済みますから…♪」

提督「ふふふっ、それもそうね …確かアイスクリームがあったはずだから、どうぞ食べて行って?」

女性士官「では、お言葉に甘えて」

提督「はいはい……アオスタ、今日開けたアイスクリームって何だったかしら?」

アオスタ「えーと、確か「バナナチョコミントハワイアン」とか何とか……水色と黄色のアイスクリームでした」

提督「それ、美味しいのかしら? …ヘンテコな味であの二人に恨まれないといいけれど……」

チェザーレ「……諸君、その板は上だ…そうだ、よろしい!」

ダ・ヴィンチ「そうね、それをそこに…で、そっちを上に……そう、ブラヴォー♪」

提督「…どうやら、屋台そのものはチェザーレとダ・ヴィンチに任せておけばよさそうね」紅のマントをひるがえし堂々と指揮を執るチェザーレと、斬新なやり方で次々と屋台を建てていくダ・ヴィンチ…

ライモン「そのようですね。では、他の場所を見て回りましょうか」

提督「ええ、そうしましょう……せっかくだから屋台料理の試作品を味見させてもらおうかしら」

ライモン「もう、また食べる気ですか…」

提督「ふふっ、毎晩ベッドの上で威勢のいい「跳ね馬」たちの手綱を取っているとお腹が減るのよ…♪」

ライモン「もう…っ///」

提督「よく言うでしょう? 「女は幾人もの相手を満足させることができる」って…私もみんなを満足させてあげたいから、そのぶん栄養をつけないとね♪」

デュイリオ「うふふっ、必要なら私が請け負いますからご安心くださいな…♪」…カラスの脚に綱をつけて、肩に止まらせているデュイリオ

リットリオ「ぜひ私も頼って下さいねっ、提督♪」

メドゥーサ「ふふっ…私が何人だって痺れさせてあげるから、少しはこっちにも回してちょうだい……♪」

提督「ふふっ、はいはい…♪」

355 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/09/01(土) 12:22:28.05 ID:aDQPcNy50
提督「そう言えば、出し物の練習はどう?」

ライモン「はい、みなさん和気あいあいとやっていますよ」

提督「そう…ちょっとのぞいてみようかしら」

ライモン「はい」

…会議室…

カルドゥッチ「…ある時、イタリアへと向かう客船に一人の可哀そうな子供が乗っておりました……子供は貧しい両親によって軽業の一座に売り飛ばされ、満足に食べることも出来ずに二年を過し、ついに耐え切れなくなってイタリア領事館に駆け込んだのでした。領事は子供をかわいそうに思って、ジェノヴァ行の船に乗せてやり、事情を書いた警察署長あての手紙を持たせてやったのでした…」


エリザベス「…坊やはイタリアの子供なの?」

フレッチア「そうだよ。両親が貧乏だったから、軽業師の一座に売られちまったんだ……」

エリザベス「そうかい…それじゃあ少ないけれど、これを取っておきな?」

エメラルド「これもあげよう」

エリザベス「それじゃあ私はもっと出してあげるよ」

フレッチア「……ありがとう」

エリザベス「なに、構わないよ」

提督「そう言えば出し物は「クオレ」の中の短編に変わったのよね」

(※クオレ…デ・アミーチスが書いた「こころ」という意味の児童文学。小学生の主人公が身の回りの貧しい同級生や大人たち、また先生から教わる愛国的なお話や人情味あふれるお話を聞いて人にやさしくしたり、恵まれている自分を恥じたりするお話。「母を訪ねて」など有名なエピソードもたくさんはいっている……愛国的なお話が多いがけっして好戦的ではなく、むしろイタリアらしさや「弱きを助く」の思いやり精神、人間の持つ義侠心に訴えるものが多い)

ライモン「あれは「パドヴァの少年愛国者」のお話ですね」

提督「それにしてもエリザベスとエメラルドまで友情出演してくれて……よくメアリが許してくれたものね」

グレイ提督「…構いませんとも、お互いにこういった時は持ちつもたれつですから」

提督「…」

グレイ提督「何かおかしなことを申しましたかしら?」

提督「いえ、メアリからそんな殊勝な意見が聞けるとは思っていませんでした」

グレイ提督「あら、失礼ですわね……わたくしとてこちらの基地祭の成功に協力するのはやぶさかではありませんわ」

提督「またまたご冗談を…」



フレッチア「このお金があればもう両親だっておいらを売り飛ばしたりはしないはずさ…それにまともな服も買えるだろうな……」

カルドゥッチ「こうして見栄っ張りのイギリス人からお金を恵んでもらった少年は、あてがわれた二等船室の寝台にもぐりこんでお金の使い道を考えつつ、すさんだ心を慰めておりました…と、その当人のイギリス人たちがテーブルを挟んで、何やら話をしています……」

エリザベス「…ふぅ、レディの前でいい所をみせようと、あの子供にお金を恵んでやったものの…イタリア人の子供っていうのはみんな薄汚いねぇ」

エメラルド「何しろイタリアって言うのは街並みから貧乏くさくて汚らしいですし」

エリザベス「はは、まぁ詐欺師か追いはぎしかいないような国ですから」

エメラルド「役人は字も読めない無能ばかりだし」

エリザベス「イタリアに行くくらいならラップランド(今のフィンランド)にでも行く方がまだマシですな」

エメラルド「だいたいがイタリア人なんてほとんど泥棒みたいなもの……うわっ!」

カルドゥッチ「…イギリス人がそう言いかけたところで、寝台からばらばらと小銭が叩きつけられました」

フレッチア「ちくしょうっ、おいらの生まれた国をバカにしているような奴からもらった金なんていらねぇやいっ…返してやらぁ!!」

………



提督「フレッチア、上手だったわよ♪ …ところでメアリ」

グレイ提督「何でしょう」

提督「もしかして、このお話なら「面と向かってイタリアの悪口を言えるから」協力して下さったのですか?」

グレイ提督「さて、何の事やら…♪」

提督「…」
356 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/09/02(日) 01:45:14.84 ID:28KLdtNO0
提督「まぁいいです……ところで、もしよろしければ屋台料理の試作品につき合ってもらえませんか?」

グレイ提督「そうですね。ですがまだ朝食を食べたばかりですので…少しだけ」

提督「はい♪」

…食堂…

ヴァイス提督「その…もう満腹で、これ以上は食べられない……」

ローマ「そうおっしゃらずに……それともまさか、ナポリのピッツァだけ食べて、ローマ風ピッツァは召し上がりたくないと?」

ヴァイス提督「そう言うつもりではないが、朝食から量が多くて…本当に食べられそうにないのだ。どうか許してもらえないか、ビッテ(頼む)……」

ローマ「そうですか、なら仕方がないですね…ですが「あの時」の恨み、まだ忘れたわけではありませんよ……」小声でぼそっとつぶやいた…

ヴァイス提督「…っ!」

提督「あらローマ…ヴァイス提督に味見をお願いしているの?」

ローマ「……ええ、まぁそんなところです」

提督「なら私とメアリにも、少し味見をさせてもらえないかしら?」

ローマ「はい、もちろんです」

グレイ提督「それにしても、何とも美味しそうな香りが漂っておりますね……こんがりと焼けたチーズやバジル…」

提督「お腹が減ってくるでしょう?」

グレイ提督「ふふ、さっき朝食をいただいたばかりですのにね」

ローマ「……お待たせしました、「ローマ風キノコのピッツァ」です…いかがですか?」

提督「ふふっ、とっても美味しそうよ…それでは♪」


…ローマ風の四角いもっちりした生地に、たっぷり敷き詰められたチーズがこんがり焼き上がりぶつぶつとはじけ、ちりばめられたキノコやサラミもほど良くチーズに絡まって湯気を立てている…皿の下に敷いてある新聞紙も相まって、手軽で気さくなトラットリア(軽食屋)風の一品になっている…


提督「あふっ…はふっ……おいひい…ふぉの…キノコの……はふっ……味わいが…」

ローマ「提督、どうか召し上がってからおっしゃってください」

提督「ふぅー…ポルチーニ茸とかのこっくりしたキノコの味わいが、濃いチーズに上手く絡まって美味しいわね……焼き加減もとっても良かったわ♪」

グレイ提督「ふふ、わたくしの言いたいことはあらかた言われてしまいましたね…このピッツァは生地が厚手で、もちっとしておりますのね」

ローマ「それがローマ風ですから」

提督「ラツィオ州はカンパーニアとかに比べて、お腹にたまるようなこっくりした味付けの料理が多いのです」

グレイ提督「なるほど」

提督「……それにしても、今回のプログラムでおいでになったのがお二人でよかったと思います」

グレイ提督「あら、ずいぶん突然ですわね?」

提督「いえ、何しろ歴史ある英国海軍と厳格なドイツ連邦海軍の将官をお迎えすることを考えたら…数日前にはなかなか寝つけないくらいでしたもの」

グレイ提督「まぁまぁ……なにもそこまで気を配って頂かなくともよろしかったのですよ?」

ヴァイス提督「ヤー。むしろ私のような中佐風情にここまでよくして頂いて…ご親切、痛み入ります」

提督「いえいえ」

グレイ提督「…しかし、わたくしもイタリア海軍と言えばわが軍の「使い古された冗談」で考えておりましたから……考えを改めるよいきっかけになりましたわ」

提督「古い冗談…ですか?」

グレイ提督「ええ…その冗談ですが、「歴代の地中海艦隊司令官は『できればイタリアが中立であってほしいと望み、フランスが敵になってもイタリアを味方にするよりはましだ』」と…こういうものですの」

提督「……おっしゃってくれますね」

グレイ提督「ああ、怒らないで下さいね…わたくし、今はそう思ってはおりませんもの」

提督「今は…ですか」

グレイ提督「あら、失礼……ところで、このお料理は何でしょうか♪」

提督「…むぅ」

357 : ◆b0M46H9tf98h [saga]:2018/10/16(火) 09:25:18.15 ID:G+ViQjL70
このひと月あまりサーバーがダウンしていたようですが、何はともあれ復活おめでとうございます…これからまた、ちまちま更新していきます
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/16(火) 10:22:06.91 ID:weEOCh6wo
まってたおかえりなさい
359 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/10/17(水) 00:20:45.45 ID:cpTpn7xV0
>>358 こちらこそです

…と言っても物理的に来られなかったわけですが、その間いいクールダウンになったような、そうでもないような……とにかく、ちょっぴり投下していきますのでお付き合い下さい
360 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/10/17(水) 00:33:13.19 ID:cpTpn7xV0
提督「ところで…ローマ、ちょっといい?」

ローマ「はい、何か?」

提督「眼鏡に油が跳ねているわ。貸して?」

ローマ「あぁ…どうもすみません」

提督「いいえ、どういたしまして♪」

…眼鏡を受け取ると、胸元に入れていたハンカチを取り出して「はーっ」と息を吹きかけ、そっとレンズを拭く。それが済むと眼鏡を天井に向けて明かりに透かし、油はねが残っていないか確かめる…

提督「うん、きれいになったわ」

ローマ「グラツィエ」

提督「ふふっ…こうしてみるとローマが大きく見えるわね」にっこりとほほ笑むと眼鏡を前後逆さにして瞳に近づけ、レンズをのぞく…

ローマ「…あの、返していただけませんか」

提督「はいはい。それじゃあかけてあげる♪」背の高いローマ相手に軽くつま先立ちをして、両手で眼鏡をかけてあげる…

ローマ「ありがとうございます。どうにも眼鏡がないと近くのものが見えづらいと言うか…」

提督「ローマは遠視だものね」

ローマ「遠視…まぁ、いつも遠くばかりを見ているせいかもしれません」

提督「リットリオ級は主砲の射程がすごいものね…」(※リットリオ級の主砲「OTO38.1/50モデル1934」381ミリ砲…最大射程42800メートル)

ローマ「ええ、さして当たる訳でもありませんが…届かないよりはいいですから」

ピエル・カッポーニ「…そうやって遠くを見ていると、そのうち両目が測距儀のように離れてくるかもしれませんね」…そう言ってローマをからかうとひょいとピッツァ一切れをつまみ上げ、口に入れた

ローマ「あなたはいきなりやって来て…失礼ね」

カッポーニ「おっと、ごめんなさい…「今では尻尾だが、かつては世界の中心だった」ローマさん♪」

ローマ「…」

提督「ローマ、気にしないで? 彼女は名前の由来がフィレンツェ人だから、ローマにライバル心をむき出しているのよ」

ローマ「…ボッカチオですか」

提督「そう、「デカメロン」(十日物語)よ…何しろボッカチオはフィレンツェ育ちだし、あのころはフィレンツェとヴェネツィアがイタリアの中心みたいなものだったそうだから…」

エンリコ・ダンドロ(大型潜マルチェロ級)「ははは、まさかフィレンツェが我らのヴェネツィアと同格だって? 面白い冗談だ」

提督「あー、悪魔の噂をすれば何とやら…ヴェネツィア派が出てきちゃったわね」

バルバリゴ(マルチェロ級)「ああ。諸君、ルネサンス期に「イタリアの中心」と言えば、それはもう最強の海軍国ヴェネツィアだけだ。あとはみんな『どんぐりの背比べ』で、たいしたことない」
361 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/10/17(水) 00:56:22.26 ID:cpTpn7xV0
ジョバンニ・バウサン(中型潜ピサニ級)「…かつてはヴェルギリウスやアウグストゥス帝、ティベリウス帝…あの「暴君」ネロ帝さえも好んだ、両シチリア王国の都ナポリもありますが」

ダンドロ「はは、あんなのはド田舎村さ」

バウサン「むっ…」

アッテンドーロ「ナポリはそうだとしても、ミラノは田舎じゃないわ」

ダンドロ「かもしれんね…えーと、どんな名門がいたっけ?」

アッテンドーロ「…私の名前の由来になったスフォルツァ家と、ヴィスコンティ家があるけど?」

ダンドロ「ふむ、まぁそこそこじゃないか…イタリアを制するメディチ家ほどじゃないけれどもね」

ドリア「ジェノアはいかがですか?」

ダンドロ「あんなのはただの港町だろう……あっ」

ドリア「ふふ、面白い事をおっしゃいますね…アンドレア・ドリア公はジェノア生まれなのですが♪」

デス・ジェネイス(中型潜ピサニ級)「私もですよ…我らがジェノアをバカにするとは、なかなかいい度胸ですね」(※ジョルジョ・アンドレア・アーネ・デス・ジェネイス…イタリアでは有名らしい、ナポレオン時代に活躍したジェノヴァの提督。バーバリ海賊の退治などに功績があったらしい)

提督「あーあ、やっちゃったわね」

アッテンドーロ「口は災いの元…きっと地獄を見ることになるわ」

ドリア「ふふ、よかったら私の部屋にいらっしゃいな……ゆっくりヴェネツィアのいい所をお聞きしたいですから♪」

ダンドロ「提督…一つだけ言っておきたいんだが」

提督「何かしら?」

ダンドロ「今夜の深夜直は外しておいてもらいたい」

提督「あー、了解…ドリアもほどほどにしてあげてね?」

ドリア「ふふ、分かっていますよ…でも深夜直を外してもらったなら、時間はたっぷりありますね♪」

ダンドロ「しまった、作戦が裏目に出たか…なぁ誰か、このジェノヴァ人との和睦をとりなしてはくれないか?」

ローマ「…知りません」

カッポーニ「はたしてベッドの上でドリア相手に持つかどうか…おっしゃっていた「ヴェネツィア人の心意気」とやらを見せていただきたいですね♪」

アッテンドーロ「ま、明日には軟体動物にでも進化しているんじゃない?」

ライモン「身から出た錆びです」

ダンドロ「あー、我が姉妹たちよ…」

マルチェロ「おっと、用事を思い出したので本官は失礼する…貴君の健闘を祈るよ♪」

アンジェロ・エモ(マルチェロ級)「ええ…頑張って下さいね」

ラッツァロ・モチェニーゴ(マルチェロ級)「ああ、ドリアの相手は任せた♪」

ダンドロ「この薄情者どもめ…貴様らとて同じヴェネツィアの提督同士ではないか!?」

カッポーニ「ふふ、ヴェネツィア人の『仁義』なんてこんなものですよ…ボッカチオの言う通りです♪」

ドリア「さぁ、私の部屋にいらっしゃいね…エンリコ♪」

ダンドロ「…っ///」

提督「容赦なく連れて行かれたわね……」
362 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/10/18(木) 01:09:54.52 ID:fgJLZwrk0
…別の日…

提督「…さてと、そろそろ基地祭の招待状を発送しないといけないわね」

カヴール「ええ、そうですね。 …提督の着任まで、ここではこれといった催しをしなかったので……基地祭がどのようなものなのか、今から楽しみです」

提督「とはいえ、こういうお祭りの運営する側は楽しめないのが常だから…当日はカヴールもちゃんと見て回れるよう交代を決めておきましょうね」

カヴール「まぁ…提督ったら相変わらず優しいです♪」

提督「ううん、いいの。私も尉官のころはしょっちゅう駆りだされては苦労したから、もし命令を下せる立場になったら、みんなが少しずつでも楽しめるようにしようって思っていたの…やっと実行する機会が持てたわ」

カヴール「まぁ、ふふっ♪」

提督「さ、おしゃべりはこのくらいにして…宛先を読み上げるから、送付リストにチェックを付けてくれる?」執務机の「処理済み」の箱には錨とロープ、それにイタリアの三色旗があしらわれた海軍の封筒が積み重なっている…

カヴール「はい」

提督「えーと…まずは海軍のイオニア海管区司令官と、沿岸警備隊の司令官…うちの『航空隊』があるグロッタリーエの空軍基地にも」

カヴール「はい」

提督「それからプーリア州とタラント県議会の各会派…わざわざここまで来るかどうかはさておき、ね」

カヴール「ええ」

提督「タラント市の市長とコムーネ(自治体)の議員先生たち」

カヴール「はい」

提督「地元の漁業組合と農業組合…特に漁業組合は「潜水艦に仕掛け網を持って行かれた」とか「砲声で漁場の魚が逃げる」ってもめるから、絶対に忘れないようにしないと…」

カヴール「あります」

提督「ならいいわ…地元の有力者に地方新聞」

カヴール「揃っています」

提督「あとは『近くの町』の町長さんと、いつも立ち寄るお店の人たちね」

カヴール「全部ありました…これで公式に招待する方々は大丈夫ですね」

提督「そうね…じゃあ、後は私から個人的に送る相手ね」

カヴール「ふふっ♪ 提督の事ですから、きっとその方が多いでしょうね?」

提督「んー…そうかもしれないわ」

カヴール「読み上げましょうか?」

提督「ううん、だいたいは覚えているから平気よ」

カヴール「そうですか」
363 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/10/19(金) 01:57:07.01 ID:UdYXhy/p0
提督「ええ…まずはお母さまにシルヴィアおばさま」

カヴール「はい」

提督「それからシチリアのジュリア…この前ここへ遊びに来た、アントネッリ中佐ね」

カヴール「あのP−3対潜哨戒機の飛行隊長さんですね?」

提督「ええ、そうよ。それに測量部のカルリーニ大佐と航空隊作戦課のヴィオレッタ少佐…」

カヴール「どちらもあります」

提督「それからヴェネツィア第三のエレオノーラに、私が深海棲艦にさらわれた時に捜索を手伝ってくれた各鎮守府の司令官…向こうもそれぞれ忙しいから来られるとは思わないけれど、まぁ気持ちだけね」

カヴール「…相変わらずお友達の方が多くていらっしゃいますね?」

提督「あー…まぁ、そうね」

カヴール「ふふ…提督の事ですからお友達ではなく、もっと「親密な仲」でいらっしゃいますか?」

提督「えー…と」

カヴール「ふふ、構いませんよ…少なくとも今は私がお側にいられるのですから」

提督「ふふ、私も隣にいてくれるのがカヴールで嬉しいわ……そうそう、国際郵便で「トゥーロン第七」のマリーにも招待状を出さないと…あまのじゃくなマリーの事だから招待しても来ないでしょうけれど、出さなければ出さないでひがむでしょうし」

カヴール「ふふ…ですがエクレール提督は提督の事がお好きでいらっしゃいますし、案外おいでになるかもしれませんよ?」

提督「…他の用事にかこつけるとかして?」

カヴール「ええ」

提督「ありえるわね…じゃあなおの事出してあげないと♪」

カヴール「はい、そうした方がよろしいと思いますよ」

提督「そうするわ」

カヴール「ではフランスへの国際郵便を一通…と」

提督「これで全部?」

カヴール「ええ、そのようですね」

提督「良かったわ…それじゃあ今度は、屋台の「建築現場」でも見に行きましょうか」

カヴール「でしたらライモンドを連れて行ってあげてくださいな…執務中はわたくしばかり隣にいて、きっとやきもちを妬いていることでしょうから♪」

提督「ふふっ、そうね…それじゃあお疲れさま♪」

カヴール「はい♪」

………

…R・モンテクッコリ級の部屋…

提督「…ライモン、いる?」

ライモン「あ、提督」

提督「これから屋台作りの作業を見に行く予定なのだけれど…一緒に行かない?」

ライモン「はいっ♪」

提督「そう、それじゃあ…お手をどうぞ♪」

ライモン「は、はい…///」
364 : ◆b0M46H9tf98h [saga]:2018/10/21(日) 00:49:13.30 ID:yNAwYn3y0
…鎮守府・庭…

提督「ダ・ヴィンチ、進捗状況はどう?」

レオナルド・ダ・ヴィンチ(大型潜マルコーニ級)「ええ、いい調子ですよ…この不世出の大天才、レオナルド・ダ・ヴィンチに任せておけば、ヘリコプターだろうが潜水艦だろうが作ってあげますよ♪」

提督「頼もしいわね」

ライモン「…でもダ・ヴィンチの「潜水艦」は沈んだきりで浮上しなかったはずでは……」

ダ・ヴィンチ「何か言った?」

ライモン「あっ、いえ。…さすがダ・ヴィンチと感心していたんです」

ダ・ヴィンチ「それはどうも……ちょっと、その柱は後でいいから先に屋根を上げちゃって!」

ライモン「…あの、提督」

提督「なに?」

ライモン「どう見ても屋根がすみっこの柱一本で支えられている気がするんですが」

提督「まぁダ・ヴィンチは天才だから……それにしても、ぐらつく様子さえないのよね」

ライモン「どうなっているんでしょうね…」

ダ・ヴィンチ「あーもう、どうしてみんなはやたらと下から作ろうとするの?…柱なんて後からでも取り付けられるんだから、先に面倒な屋根を持ち上げればいいでしょうに?」

トリチェリ(大型潜ブリン級)「ねぇガリレイ先生、こんなの物理法則に反しているはずなのに…なんでこれが崩れないんです?」

ガリレオ・ガリレイ(大型潜アルキメーデ級)「私も知らないけれど、天才のやることだからじゃない?」

トリチェリ「…そんなものですか」

………

…また別の日…

リットリオ「提督、ちょっとお買い物に行ってきます♪」

提督「あぁ、はいはい…それじゃあいつも通り玄関脇の小机にノートがあるから、行き先と戻る予定の時間を書いておいてね?」

リットリオ「了解」

カヴール「あら、また誰かお出かけですか?」

提督「ええ。まぁここ一週間というもの、あちこちでトンテンカンの音ばっかりで騒がしいものね…」

カヴール「確かにそうですね。おまけにのこぎりの切りくずや木切れがあちこちに飛び散っていますし」

提督「そうね…それにリットリオも姉妹でドライブするのがお気に入りみたい」

カヴール「そのようですね…しかし長身のリットリオとヴィットリオ、それにローマがあの小さいフィアットに乗り込んでいるのを見ると、よく車内に収まるものだと思いますね」

提督「ふふっ、確かに窮屈そうよね」

カヴール「はい…もし私があの後部座席に乗ることになったら、身体のあちこちが痛くなりそうです」

提督「まぁ、あの500(チンクエチェント)はリットリオのだから、カヴールがお出かけしたいなら私がランチアを出してあげるわ♪」

カヴール「グラツィエ…それに、ここにはヴェスパもありますし」(※ヴェスパ…イタリア史上最も有名なスクーターで、名前は「スズメバチ」の意。ベスパ)

提督「ちょっとお買い物に行く分にはあれで用が足りるものね」

カヴール「いざとなれば無反動砲も載せられますし、ね♪」

提督「ぷっ…もう、フランスの空挺部隊じゃないんだから」

(※ベスパに無反動砲を搭載した、通称「バズーカ・ベスパ」…大型輸送ヘリのなかった時代にフランス空挺部隊が生みだした苦肉の策で、本来は無反動砲の移動に使うだけだったが、車載したままでの発射も可能)
365 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/10/22(月) 01:46:24.71 ID:updxeWrP0
カヴール「うふふっ♪ さて、見まわりも済みましたが、この後はどうなさいます?」

提督「そうねぇ…あ、そう言えばまた大浴場の給湯パイプが詰まり始めたから、どこかで修理をしようって話をしていたわね」

カヴール「あぁ、そう言えばそうでした…歳をとると、どうも忘れっぽくなっていけませんね」

提督「もう、カヴールったら冗談が上手なんだから♪」…そういってパチリとウィンクを投げた

カヴール「ふふっ、まぁまぁ…では、水道屋さんに電話でもいたしましょうか?」

提督「いいえ、私がやるわ…どうせ街の水道屋さんに頼んだってすぐ来るわけがないし、かといってタラントに連絡して工兵隊の分隊を割いてもらうのも大げさだし……それにこの間も直したから、手順は分かっているわ」

カヴール「でしたら午前の残りはその作業ですね」

提督「そうね。とにかく、まずは汚れてもいいような服に着替えてくるわ」

…しばらくして・大浴場…

提督「さてと、服も着替えてきたし…行きましょうか」準備を済ませた提督は、もし汚れたらそのまま捨ててもいいように糸のほつれたTシャツと油染みのついたズボン姿に着替えてきて、片手には工作室から持って来た工具箱を提げている…

カヴール「はい」大浴場の大きな扉を開けるカヴール…

アラバストロ(中型潜アッチアイーオ級)「あ、提督…っ!?」

提督「あら…ごめんなさい、ちょっと給湯設備の修理をしに来たの」シャワーを浴びていたアラバストロの白い肌と滑らかな腰のラインをじっくり堪能しつつ、微笑を浮かべる提督…

アラバストロ「それで服のままなのですね。実は、さっき泳いできたのであちこちに砂が付いてしまって…ごめんなさい、すぐ終わらせます」

提督「ノン・ファ・ニエンテ(いいのよ)…遠慮なんてしなくていいから、気にせずにシャワーを浴びて?」

アラバストロ「いえ、むしろ私が気になりますので……もう砂は流しましたから、出ますね///」アラバスター(雪花石膏)の名の通り、息を飲むほど真っ白な身体を慌ててタオルで隠すが、色白なだけにぽーっと赤くなっているのが良く分かる…

提督「そう?」

アラバストロ「ええ…提督もカヴールもスタイルがいいので恥ずかしいですし……」

提督「そんなことはないわ。アラバストロの引き締まった身体と白い肌…とっても綺麗よ?」

アラバストロ「も、もうっ///」

カヴール「あらあら、あの娘ったらあんなに恥ずかしがって…何とも可愛らしいことですね」

提督「本当にね…さ、それじゃあ取りかかりましょうか♪」

カヴール「はい」

オンディーナ「私も手伝いますから、何でも言って下さいね…♪」浴槽から床のモザイク画の上に溢れているお湯を軽く蹴って跳ね上げながら、軽やかにステップを踏んでいる…

提督「ええ…それにしてもオンディーナ(ウンディーネ)は水の精だけあって、水回りの事は得意よね」

オンディーナ「はい、水を操ることにかけては私が一番ですから…」

提督「ふふっ、いつも手伝ってくれてありがとう♪」…ちゅっ♪

オンディーナ「んっ…どういたしまして///」

アシアンギ(中型潜アデュア級)「私もいますよ、提督…でも、何で私まで手伝うことになっているのデスカ?」日に焼けたカスタード色の肌に、カタコトでしゃべるところも異国風でチャーミングな「アシアンギ」…よく焼けた肌に白い下着のコントラストが目にまぶしい…

提督「んー、私たちが来た時にたまたま更衣室で下着になっていたし…それに、協力してくれればそれだけ早くシャワーが浴びられるわよ?」

アシアンギ「でも私は給湯設備のことナンテ分からないですよ?」

提督「大丈夫、ちょっと工具を持っていてくれたり、支えてくれたりするだけでいいから」

アシアンギ「そう、なら私でも少しは役に立てます?」

提督「いいえ…「少し」どころか、とっても助かるわ♪」

アシアンギ「ふふ、提督にそう言ってもらえると、私も嬉シイ…です///」

提督「よかった…でもお世辞じゃなくて本当の事よ?」

カヴール「提督、早くしないとお昼までに終わりませんよ?」

提督「あぁ、はいはい…それじゃあまずはここにお湯を流している給湯口を閉めるところから……」

………
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/22(月) 11:40:12.17 ID:yTlCRQfQo
濡れ衣イベント来た!
367 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/10/24(水) 01:04:40.53 ID:sSRp1DY20
>>366 むむっ、なぜそれを……まぁ、おっしゃる通り濡れ透けイベントでございます。どうぞお楽しみ下さい

368 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/10/24(水) 01:13:04.12 ID:sSRp1DY20
提督「さてと…大浴場の栓は閉めたから、今度は裏の給湯パイプね」

カヴール「了解」

…鎮守府・裏手…

アシアンギ「へぇ、裏にはこんなところがあったんデスネ」

提督「そうよ…と言ってもこんな機会でもない限り、めったに来ないけれどね」

アシアンギ「それで、汲みあげ用のポンプはどこにあるんですか?」

提督「このパイプの先ね…そこに源泉があるの」

アシアンギ「そうなんデスか」

提督「ええ」

カヴール「ここの温泉は「源泉」と言っても熱湯ではなくて、せいぜい43度になるかならないかのものなんですよ…だから私たちでも手入れが出来るんです」

アシアンギ「ふぅん」

オンディーナ「それで、やり方は?」

提督「まずはパイプにお湯を送っているポンプを止めて、それからパイプを詰まらせている温泉の「おり」をかき出すの…要はミネラル分とか、源泉の底から一緒に湧き出してくる泥とかね」

カヴール「どうしても流れないで残ってしまうものですからね」

提督「本当に困った物よね…まぁ、温泉成分が溶け込んでいるから身体にはいいみたいだけれど」

オンディーナ「それでバケツを持ってきたのね?」

提督「そう言うこと……かき出したらバケツに空けて、使いたい娘には泥パックとかなんとか…とにかく、そういうことに使ってもらうの」

アシアンギ「なるほどね…ぇ」

提督「たとえ泥だとしても、無駄にするよりはいいものね。 …ほら、あそこよ」

アシアンギ「どれどれ…わぁぁ♪」

オンディーナ「鎮守府の裏手にこんなところがあったんですねぇ」

…鎮守府裏手の丘のふもと、まばらな松林の木漏れ日が差しこむ中に、淡い緑白色をした温泉がごぼごぼと湧きだしている…

提督「ええ…それまではただ湧いているだけだったこの温泉に、工兵隊が汲みあげポンプとパイプを設置してくれたおかげで、私たちは好きなだけ温泉に入れるっていうわけね」

オンディーナ「それじゃあ工兵隊には感謝しないとね♪」

提督「そう言うこと。さてと、ポンプの切り方は…と」

カヴール「まずはメインの汲みあげバルブを回してくみ上げ量を減らしていって下さい……正面の緑のバルブ、右側の大きい方です」

提督「あぁ、そうだったわね」

カヴール「それから圧力を抜きます…赤のバルブです」

提督「はいはい……次は?」

カヴール「圧力計の値がきちんと下がったのを確認したら、電源を落としてもらって…これで作業に取りかかれますよ」

提督「全部済ませたわ。それにしても前に一回やったかやらないかなのに、ちゃんと手順を覚えているなんて…さすがはカヴールね♪」

カヴール「…いえ、提督の開けたポンプのカバー裏に動かし方と止め方が書いてありましたので」

提督「えぇ? あ、本当ね…せっかく褒めてあげたのに、手順を読み上げていたなんてズルいわ」

カヴール「ふふ、そうむくれないで下さいな…」

提督「むぅぅ…まぁいいわ、とにかく作業に取りかかりましょう」
369 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/10/24(水) 01:26:04.71 ID:sSRp1DY20
…数分後…

提督「カヴール、モンキーレンチを取ってもらえる?」

カヴール「はい、どうぞ」

提督「ありがとう…アシアンギ、ちょっとここを押さえていてくれる?」

アシアンギ「了解、ここでいいの?」

提督「そう、そのまま押さえていてね……っ!?」

アシアンギ「うわ!」パイプを留めていたボルトを外した瞬間に残っていたお湯が噴き出して、頭から思い切りお湯を浴びることになった二人…

カヴール「まぁ、大丈夫ですか?」

提督「うっ…ぷ… まぁどうにか」

アシアンギ「うー、こんなところで湯浴みをするなんて思ってもいませんでシタ…」

提督「同感ね…とにかくパイプは外れたから、中を掃除しましょ…う///」

アシアンギ「どうかしたんですか?」

提督「あ、いえ…何でもないの///」

アシアンギ「?」

提督「……すっかり透けているわね」

…お湯を頭からかぶったせいで白い下着が透けて、アシアンギの暖かいカスタード色の肌がくっきりと浮き上がっている…

提督「まぁ、こんなに大変な作業なんだもの…少しは見返りがあってもいいわよね♪」…びしょ濡れになったまま含み笑いを浮かべるとパイプを傾け、長い棒を突っ込んで泥をかき出した…

オンディーナ「何か手伝いましょうか…?」

提督「いいえ、大丈夫よ…びしょ濡れになるのは二人だけで充分」

オンディーナ「…そうですね♪」(提督のたわわな胸…先端もくっきり浮き上がってる♪)

カヴール「…ふふ、同感です♪」(まぁまぁ、少し動くだけであんなに弾んで……目のやり場に困りますね♪)

…しばらくして…

提督「ふぅ…それにしてもよく溜まったものね」

カヴール「バケツ数杯分はありましたね……とりあえず大浴場の中にある個室風呂の一つに空けてきました」

提督「それでいいわ…ふー、お疲れ様」

オンディーナ「いえいえ、提督こそ…それじゃお先に…♪」無邪気な笑みを浮かべると、跳ねるように戻って行った…

提督「ええ……さて、後はゆっくりお茶でも飲みながら過ごすとしましょう」

カヴール「そうですね、今日はいい運動になりましたね?」

提督「全くよ……くたびれたわ。アシアンギも手伝ってくれてありがとう」

アシアンギ「ううん、気にしないデ?」

提督「それじゃあ後は私とカヴールでやるから、お湯が出るまで大浴場で待っていて?」

アシアンギ「はい、そうシマス」

提督「ええ」

カヴール「…それでは提督、後は浴室の元栓を開けに行きましょう」

提督「そうしましょう…それが終わったら、後はもう何もしないつもりよ」

カヴール「ええ、結構ですよ♪」
370 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/10/24(水) 01:47:54.33 ID:sSRp1DY20
…昼食後…

提督「ふぅ…美味しかったわ、ディアナ」

ディアナ「そう言っていただけると作り甲斐がございます…では、わたくしはこれで」厨房の隅に置いてあった弓と矢筒を取り上げると肩にかけ、優雅に一礼して出て行った…

提督「ええ、お疲れ様」

カヴール「…あの、提督」

提督「なぁに、カヴール…さっき言った通り、今日はもう何もしないわよ?」

カヴール「いえ、それで構わないのですが…工具箱はどこに片付けられましたか?」

提督「工具箱…?」

カヴール「はい」

提督「えーと…あー、大浴場に置いてきたわ」両手を上に向けて首をすくめる提督…

カヴール「そうですか、でしたら私が…」

提督「ううん、置き忘れた私が悪いんだもの…ちょっと行って片づけて来るわ」

カヴール「そうですか?」

提督「ええ……どうも何か忘れたと思ったのよね…」

…大浴場…

提督「…はぁ、まったく。とんだ二度手間になっちゃったわ…食べた後は動きたくない所だけれど、そうそうカヴールに頼り過ぎるのも問題だもの…ね?」

ディアナ「!?」…いつもは長い金髪を左右のこめかみと後ろでまとめ、銀色のリングでまとめているディアナ…提督も初めて見る髪を解いた姿でシャワーの下に立ち、月のような乳白色の肌にお湯を浴びせている……そして片隅には、当然のように弓と矢筒が立てかけてある…

提督「あら、ディアナ…」

ディアナ「…み///」

提督「ごめんなさい、ちょっと工具箱を置き忘れてきちゃったから…そう言えばディアナがシャワーを浴びているところなんて初めてみ……」

ディアナ「…見ないで下さいっ!」ビシュ…ッ!

提督「いえ、あの…っ!?」提督の頭の脇、ほんの数センチの所に矢が突き立って震えている…

ディアナ「早く出て行って下さいっ…猟犬をけしかけられたいですかっ!!」ビィィ…ンッ!…あっという間に二の矢をつがえると、弦音も激しい一発を放ってくる…

提督「ご、ごめんなさい…分かったわ!」ピシャ…ッ!

提督「…ふぅ」更衣室の床に座り込んで肩を撫で下ろす提督…

ランチエーレ「あ、提督…どうしたの?」

提督「いえ…危うくアクタイオンになるところだったわ……」

(※ギリシャ神話…アルテミス(ディアナ)が狩りの最中に見つけた泉でお供の処女たちと水浴びをしていたところ、やはり狩りの最中だったアクタイオンが間違ってのぞいてしまい、裸を見られた恥ずかしさと怒りからアルテミスはアクタイオンを鹿に変えた上で、アクタイオン自身の連れていた猟犬五十頭を解き放ち、彼を八つ裂きにさせてしまった……純潔を愛おしむ処女神アルテミスの恐ろしい一面が書かれたエピソード)

ランチエーレ「どういうこと?」

提督「…工具箱を置き忘れたから取りに入ったの…そうしたらディアナがシャワーを浴びていて……」

ランチエーレ「あー…そう言うことね」

提督「知ってたの?」

ランチエーレ「だってディアナでしょ…うかつにのぞいたらあの百発百中の弓で射殺されかねないじゃない?」

提督「危うくそうなるところだったわ…ふぅ、出てくるまで待つしかないわね」

ランチエーレ「じゃあ出て来たら教えてあげるから……その間食堂で待っていたらどう?」

提督「お願いできる?」

ランチエーレ「もちろん…鎗騎兵の私が伝令に立ってあげる♪」ぺたんと座り込んでいる提督の頬に軽くキスをすると、腰掛けに座った

提督「それじゃあお願いするわ……ふぅ」

………
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/25(木) 13:54:19.91 ID:ZKHSx/xQo
濡れ透けいいぞー
372 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/10/26(金) 01:38:27.21 ID:HS9g81Gh0
>>371 コメントありがとうございます

…そろそろ基地祭の場面に(反転することなしに)突入する予定ですので、しばらくはそれに絡めて提督の子供時代や士官学校時代の百合っぽいエピソードなどを交えて進める予定です…
373 : ◆b0M46H9tf98h [saga]:2018/10/26(金) 02:07:27.70 ID:HS9g81Gh0
…基地祭・前日…

…ここまでのひと月ばかり、しっかり進めていたはずの基地祭の準備…が、結局のところ設営を始めるとあちこちかみ合わないところが出てくる……おまけに提督が鎮守府で基地祭を運営するのは初めてで、熱意はあってもほとんどの艦娘たちは今まで基地祭の経験がない…結局、前日になっても鎮守府をひっくり返す勢いでドタバタしている…

カミチア・ネラ「…みんな、これ動かすのを手伝って!」

提督「…ドリア、発電機のディーゼル燃料を補給しておいて」

ガリバルディ「…作業灯の点灯テスト、いい?」

エウジェニオ「…うん、いい味。これなら納得できるわ」

ヴェネト「…ディアナ、トマトが足りないみたいなんだけど…届いたトマト缶がどこにあるか知らない?」

ディアナ「ああ、届いたトマト缶なら食堂の床に並べておきましたよ」

ヴェネト「あ、本当だ…グラツィエ♪」

バンデ・ネーレ「…正門の飾りつけは終わったかい?」

ジュッサーノ「ええ、終わったわ。でもまだ植木鉢をどかしてないの」

バンデ・ネーレ「ならボクと一緒に片づけようよ…姉さん♪」

ザラ「はい、こちらタラント第六…あ、海軍憲兵隊ですか。ええ、はい……提督、お電話です!」

提督「はいはい、すぐ出るわ…ふぅ、忙しくて目が回りそう」

カヴール「まぁまぁ、私たちも出来るだけ手伝いますから」

提督「助かるわ。そうでもないとばったり倒れちゃいそう」

チェザーレ「おーい、コードの長さが足りないぞ…誰か、延長ケーブルを!」

フィウメ「提督、回線の二番に市長の秘書さんからお電話です」

提督「時間の事だったら電話の脇に予定表があるから…それを教えてあげて?」

フィウメ「了解」

ゴリツィア「提督、グロッタリーエの航空基地から明日の予定について問い合わせが…」

提督「あぁもう…電子メールを送ってあるから確認するように言っておいて?」

ポーラ「提督ぅ、海軍旗とNATO旗はぁ…どちらを右のポールにしますか〜?」

提督「それならNATO旗を優先するから右に…」

ザラ「提督、さっきのお電話ですが……海軍憲兵隊の少佐から「駐車スペースに停められる車の数はどれくらいか」とのことです」

提督「そんなの知らないわよ…詰め込めるだけ詰め込んでも二十台がせいぜいだって言っておいて?」

ザラ「分かりました」

デュイリオ「提督、来訪される議員さんたちですが…スピーチの順番は来た順番通りでよろしいですか?」

提督「いいえ。スピーチは行政単位の大きい方から順番…つまりプーリア州議員から始めるようにして、同格の議員だったらより年季の長い人を先にするように……どこかにマニュアルを作っておいたはずなんだけれど…」

ライモン「…提督」

提督「もう、今度はなんなの?」

ライモン「あ、いえ…よかったら少し休憩なさってもらおうとお茶を用意したのですが…」

提督「そうだったの…ごめんなさい、ちょっと忙しかったものだから」

ライモン「いえ、大丈夫ですよ…砂糖入りですから、疲れがとれますよ?」

提督「グラツィエ……うん、美味しいわ」…テラスの椅子にへたり込むように座ると、甘い紅茶をすする提督……かたわらではグレイ提督が「邪魔にならないように」とお茶をすすり、あくせくしている提督たちをからかうように優雅なひと時を過ごしている…

グレイ提督「それにしても大変な忙しさですこと。普段イタリア人は働かないと聞きましたが…何事も例外はあるようですわね」

提督「そうですね…まぁ、イタリア人は流れ作業のようなつまらない物でなければ寝食も忘れて働きますよ。特に自分が誇りを持っている仕事なら、なおの事です♪」

グレイ提督「なるほど…だからデザイナーはたくさんいても、工場は動かないのですね」

提督「まぁ、そう言うことですね…規格化だとか生産はドイツにでもやってもらいますから♪」こちらは同じ「邪魔しないように」でも、グレイ提督と違って律儀に客室にこもっているヴァイス提督…その生真面目さを少しからかうように、ウィンクしながら上を指差した…

グレイ提督「ふふ…♪」
374 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/10/27(土) 01:02:06.94 ID:HbfP3ejY0
…夕食時…

提督「えー…それでは明日からの三日間、基地祭を無事に終わらせることができるよう頑張りましょう。乾杯」

一同「「乾杯」」

提督「…今日はさすがのディアナとエリトレアも献立を考える余裕がなかったみたいね?」

ディアナ「ええ、申し訳ありません…」

エリトレア「ごめんなさいですっ」…作り置きしておいたマリネやサラダを前菜にして、慌てて焼いたチキンや、基地祭で出す屋台料理の試作品が並べてある

提督「ううん、別に非難しているわけじゃないの…たまにはこういう夕食もいいんじゃない?」茶目っ気たっぷりにウィンクする提督

カヴール「むしろこの忙しい中、よくこれだけ作れたものですね?」

ディアナ「それがわたくしの務めですから…それに今夜も哨戒の娘たちは出撃しなければなりませんし」

アッテンドーロ「そうね…敵さんは基地祭に合わせて休んでくれたりはしないものね」

エリトレア「まったくですねぇ…まぁ、とりあえず一杯どうぞ」

アブルッツィ「そうそう、前祝いってところでね」

提督「なら断れないわ…乾杯」

チェザーレ「…乾杯。良いワインだ」

提督「ええ」

…夜…

提督「ふー…少し飲み過ぎたわね」

カヴール「何度か乾杯に付きあっておりましたものね…お水をどうぞ?」

提督「ありがと。とにかく、もうお風呂には入ったし…水を多めに飲んでおけば、明日はすっきり起きられるはずよ」

カヴール「ええ。とにかく今日は早めにお休みになって、明日に備えて下さいね」

提督「そうするわ…それじゃあお休み」

カヴール「お休みなさい」

提督「…とはいうものの寝るにはまだ早いし、あれこれ気になってなかなか眠れそうにないわ」

…基地祭の段取りが書いてある書類を幾度も見直したり、問い合わせのメールか何かが届いてはいないかとパソコンを立ち上げてみたりと落ち着かない…そうこうしているうちにようやく眠気が忍び寄ってきて、執務室の電気を切って寝室に行き、椅子の背にナイトガウンを引っかけると布団をまくった…

提督「ふぅ、いよいよ明日ね…まぁ、なにはともあれみんなが楽しめればそれでいいわ……」

マラキーテ(中型潜ペルラ級)「…ふふ、そうよねぇ」

提督「!?」

マラキーテ「布団を暖めておいたわ。それに…一人で寝るのは寂しいでしょう?」…ほとんど透明な黒いベビードール姿でベッドに寝そべっている「マラキーテ」(マラカイト)…そのしなやかな身体がナイトスタンドのオレンジ色に照らされて、妖しい陰影を作っている…

提督「…一体いつから潜りこんでいたの?」

マラキーテ「ふふ、夕食を終えてすぐ…と言ったところじゃないかしら…ぁ」青緑色をした瞳を揺らめかせ、ゆっくりと提督を手招きする…

提督「あの、悪いけれど明日は忙しいからよく休んでおかないといけないの…」

マラキーテ「そんなつれない事を言わないでよ……て・い・と・く?」指先で提督の頬をなぞり、腕を引っ張った…

提督「はぁ…少しだけよ?」

マラキーテ「ええ、そうさせてもらうわ…♪」
375 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/10/27(土) 10:21:04.85 ID:HbfP3ejY0
…次の投下は今夜か明日以降になりますので、とりあえず次回予告でも…


…予告…

…絡み合う身体、交錯する舌…幾年もの間抑圧されてきた女の情欲が提督を襲う……愛と嫉妬、白と黒の二輪の百合が撃鉄を起こし、胸元に銃口が向けられる時、薬室に込められている銃弾は恋心か、あるいは怒りか……澄んだ秋の空とはほど遠い、ただれた過去と一片の優しい記憶…

…ここはイタリア、恋と嫉妬が渦巻く南欧の国…


次回、「装甲騎兵カンムス…カンピオーニ・ファイルズ『再会』」…提督の過去は、甘くて苦い


376 : ◆b0M46H9tf98h [saga]:2018/10/29(月) 01:37:35.75 ID:LmOc/npK0
…基地祭当日・朝…

カヴール「おはようございます、提督」

提督「おはよう…うー、結局昨夜はマラキーテに付き合わされて、ほとんど眠れなかったわ」

カヴール「大変ですね……カプチーノでもお飲みになって、すっきりして下さいな」

提督「ええ、ありがとう。それじゃあ私はその間にシャワーを浴びてさっぱりしてくるわ」

カヴール「はい」

…食堂…

提督「みんな、おはよう…よく眠れた?」

アウグスト・リボティ「おはよう。昨夜は胸が高鳴って……提督が来てくれるかと思ったものだから」

カルロ・ミラベロ「…つまり興奮して眠れなかったのよ♪」

提督「あらあら。よかったら後でお昼寝でもなさいな」

リボティ「ああ、そうするよ……でもせっかくお昼寝するなら、提督と添い寝したいね」

提督「今日は忙しくてダメだから…また今度ね」

リボティ「そう、それは残念…」

ライモン「おはようございます、提督」

提督「おはよう、ライモン。ごめんなさい、今日は忙しくてあんまり一緒にいられないと思うから…明日は一緒に回りましょうね?」

ライモン「そんな、気にしないで下さい。わたしにはムツィオもいますし」

アッテンドーロ「そうね…姉さんったらはしゃぐのが苦手だから、いちいち私が手を引いてあげないといけないのよ」

ライモン「ちょっと!」

提督「まぁ…ふふっ」

ライモン「もう……それが自分の姉に向かって言うこと?」

アッテンドーロ「さぁね」

提督「それじゃあみんな怪我なく、出来るだけ楽しむようにね…命令よ?」

一同「「了解」」

カヴール「…提督、憲兵隊の車が来ました」

提督「分かったわ、それじゃあ朝食を兼ねて最後の打ちあわせね…テラスにご案内して?」

カヴール「はい」

…しばらくして…

提督「ふぅぅ…そろそろ0900時、開門時間ね」もう一度制服を改める提督…むっちりしたふとももがタイトスカートからはち切れそうな感じはするが、それ以外はびしっと決まっている…

カヴール「朝から多忙でいらっしゃいましたものね……テントの下でお座りになりませんか?」

提督「ありがとう。しばらくしたら落ち着くでしょうから、そうしたら座らせてもらうわ」

カヴール「それもそうですね…では、ぜひそうなさってくださいね」

提督「ええ♪」

広報担当士官「…司令官、議員の方々がおいでになりました」

提督「了解…それじゃあ出迎えないと」
377 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/10/29(月) 01:51:51.01 ID:LmOc/npK0
愛想のいい議員「や、どうもどうも…何とも風光明媚ないい所ですなぁ!」

提督「ありがとうございます」

広報担当士官「こちらはプーリア州「カトリック保守連盟」のフェルッキオ議員です」

提督「初めまして、議員…司令官のカンピオーニです」

フェルッキオ議員「お招き下さってありがとう。いやはや、実にいい所だし……それにトマトソースの良い匂いがしますなぁ!」

提督「うちの娘たちが出している屋台がありますので…よろしければあとで召しあがってみて下さい」

フェルッキオ議員「ええ、ぜひそうさせてもらいますよ…ホテルの朝食は量が少なくってね!」

小柄なおばさんの議員「初めまして、司令官…お招き下さってどうもありがとう」

広報担当士官「こちらはプーリア州「労働者運動『赤い星』」のダンドレア議員です」

提督「本日はようこそ」

ダンドレア議員「ええ、よろしく…まさか海軍さんが私みたいな共産主義者にまで招待状を送って来るとは思いませんでしたから、ぜひお邪魔しようと思いましてね♪」広報担当士官からは「左派の闘士」だというブリーフィングを受けてはいたが、そうは見えない茶目っ気のあるおばさんで、提督に軽くウィンクしてみせた…

提督「いえいえ…プーリア州議員の方には、基地がどんなものなのかちゃんと見てもらわないといけませんから」

ダンドレア議員「ありがとう、お嬢さん……お若いのに立派ね」

提督「どうも恐れ入ります」

…数分後…

提督「……ふぅ、これで議員さんたちが好き勝手に口出ししてくれなければ、なおありがたいのだけれど」

広報担当士官「それは無理でしょう…議員のセンセイ方は何でも知っているつもりですからね」

提督「そうね…って、あの車……」

…駐車スペースに停まっているのは、つつましい生活を送っているらしいダンドレア議員のぽんこつフィアット127から、800万リラは下らないであろうフェルッキオ議員の最新型のマセラッティ・クアトロポルテまで様々だった…が、そのクアトロポルテでさえかすんでしまうような一台の車が目に止まった…磨き上げたアルミのような銀色をしているのは、なつかしの名車「マセラッティ・3500GT」で、提督はそのマセラッティを見た瞬間、背筋に冷たい汗が流れた…

提督「い゛っ…ごめんなさい、カヴール」

カヴール「どうなさいました…まるで悪魔を見たようなお顔でいらっしゃいますが?」

提督「ええ、あながち間違いでもないわね……ちょっと屋台の方を見てくるから、ここは任せるわ」

カヴール「はい、構いませんが……」

提督「そ、それじゃあよろしく…」

女性の声「…どこに行くつもりなのかしら?」

提督「!!」…一瞬その場に凍り付き、それから恐る恐る振り返る提督

すらりとした女性「会いたかったわよ、フランカ!」

提督「……うえぇ、やっぱり」

女性「何よ、やっと許嫁に会えたのにその表情?」

提督「いえ、だってほら…久しぶりでうんと綺麗になっていたから、一瞬誰だか分からなくって……」

女性「あら、ご挨拶ね…昔は綺麗じゃなかったって言うの?」

提督「あ、えーと…あのころは「綺麗」じゃなくて「可愛い」って感じだったもの」

女性「まぁ、嬉しい事を言ってくれるわ…さ、私をエスコートしてちょうだいね♪」

提督「あー…私は一応司令官だから、議員センセイたちの案内をしないといけなくって…」

女性「プーリアの田舎議員なんて放っておきなさいよ、どうせマイクを渡しておけば延々としゃべっていてくれるわ…インコと同じね」

提督「いえ、仮にも司令官だからそういう訳にも…」

女性「なら許嫁として隣にいるわ…それならいいでしょ?」

提督「…」

カヴール「あの…提督?」

提督「今は聞かないで……後でちゃんと説明するから」


378 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/10/30(火) 01:00:56.25 ID:DK+ET3AH0
…食堂…

提督「それじゃあ改めて…カヴール、彼女はアンナ・マリア・ベアトリーチェ・「ピピストレッロ」・カスティリオーネ。私とは…」(※ピピストレッロ…コウモリ)

アンナ「許嫁の関係よ♪」


…そう言って片方の眉を吊り上げてみせたアンナは見た目も雰囲気も提督とは対照的で、提督がむっちりした胸やふとももなら、モデルのようなすらりとした細身で、提督の髪が明るい金と栗色の間なら、アンナは黒に近い濃い褐色の髪を背中に伸ばしている…そしてどちらかと言えば提督は大人しい雰囲気をしているが、アンナは細い眉ときゅっと結ばれた唇、くっきりした濃い色の瞳していて、好き嫌いのはっきりした気の強そうな性格に見える……また格好も顔立ちによく似合った、ラメをまぶしてある黒い袖なしハイネックと細いベルト付きの黒いスカート……それに色っぽい薄手のタイツに十センチはありそうなピンヒールを履き、高そうなグッチのハンドバッグを手に持っている…


提督「えー…そう自称しているわ」

アンナ「自称じゃないわよ…だって「あの時」にちゃんと約束したじゃない?」提督のあごを親指と人差し指で「くい…っ」と持ち上げる…

カヴール「…提督?」

提督「つまり幼馴染ということよ……許嫁うんぬんは気にしないで」

アンナ「ふぅん、フランカったらそういうことを言うのね…」

提督「あっ、いえ……だって恥ずかしいもの」

アンナ「そうなの? …ふふっ、照れちゃって可愛い♪」

ライモン「提督…どういうことなのかはっきり説明してもらえませんか」

提督「え、えーと……」

アンナ「つまり私はフランカの許嫁で、あちこち調べたあげくにやっとここを探し出したわけ…これでよく分かったわよね♪」

提督「ねぇ、アンナ…私の転属は海軍内部にしか発表されなかったはずなんだけれど……」

アンナ「ええ、だから大変だったわ…海軍広報部に問い合わせても教えてくれないし、新聞にも出てないんだもの」

提督「じゃあどうやって……いえ、聞きたくないわ」

アンナ「ふふ、最後は現役士官にリラ札を積んで調べてもらったわ…こういう時お金って便利よね♪」

提督「…」

アンナ「それにしてもここはいい所ねぇ…ちょっと田舎過ぎるのが欠点だけれど、それもまた保養地みたいな味があっていいわ」

提督「……で、貴女は一体どうして来たの?」

アンナ「あら、許嫁が将来の伴侶と一緒にいちゃいけない?」

提督「…」

デュイリオ「…なんだか提督が振り回されていますね」

チェザーレ「うむ、珍しいな…」

フィリッポ・コリドーニ「…せっかくだから、たじたじになっている提督の写真でも撮っておきましょうよ♪」

チェザーレ「よせよせ、傷口に塩を塗るような真似はするな…少し賛成したい気もするが」

アヴィエーレ「…なんだ、こんなところにいたのか。 …提督、そろそろうちの所属機で展示飛行を始め……どちら様?」サングラスに乗馬ズボン、革ジャケット姿のアヴィエーレが入って来て、ちゃっかり提督の隣に腰かけているアンナを見て眉をひそめた…

提督「あぁ、アヴィエーレ。こちらは…」

アンナ「アンナ・マリア・ベアトリーチェ・カスティリオーネ…フランカの許嫁よ♪」

アヴィエーレ「許嫁だって? …初めて聞いたね」

提督「ええ、許嫁も何もアンナがそう自称しているだけ……」

アンナ「何か言った?」

提督「…いえ、何でもないわ」

アヴィエーレ「……どうやら恋多き人には語られることのない過去あり、ってところだね……話が済んだらテラスに出てみるといい」

提督「ええ、ありがとう…」げっそりした様子で力なくうなずいた…
379 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/10/31(水) 02:05:22.13 ID:qKgb4nTr0
アナウンス「…それでは、ただいまからタラント第六鎮守府所属の航空機による展示飛行を行います……イタリアの空を守る軍用機の華麗な飛行をお楽しみ下さい!」

提督「あ、始まったわ…♪」

アンナ「まぁ、すごい音。ねぇフランカ、テラスで一緒に見物しましょうよ!」…提督の腕にしがみつき、わざとらしく上目遣いをするアンナ

提督「はいはい…」関係者以外は立ち入り禁止にしてある食堂からテラスに出ると、エンジンの爆音が周囲に響き、辺りに燃料の臭いを残していく…

アンナ「まぁ、すごい低さ……それにものすごいスピードで飛ぶのね!」

提督「ええ」

アンナ「ねぇ、あれはなんていう戦闘機なの?」

提督「今の、砂色にオリーヴグリーンで「煙の輪迷彩」を施してあるのはマッキC202「フォルゴーレ」(稲妻)ね」

アンナ「そう…じゃあいま飛んで行った緑のは?」

提督「あれはフィアットG55「チェンタウロ」(ケンタウルス)ね。主翼とエンジンの軸内にマウザー20ミリ機関砲を搭載していて、機体は頑丈で速度も抜群…うちの鎮守府には三機しかない高性能機よ」

アンナ「ふぅん…見たところどっちもエンジンが一つの飛行機で、あんまり変わらないように見えるけれど?」

提督「ふふ、フォルゴーレとチェンタウロだと性能が段違いよ……で、あれがマッキC205V「ヴェルトロ」(イタリアン・グレイハウンド)…42年の、いわゆる「セリエ5」計画で開発された三機種の一つね」

(※セリエ(シリーズ)5…マッキC205V「ヴェルトロ」、フィアットG55「チェンタウロ」、レッジアーネRe2005「サジッタリーオ」(射手座)と、どれも形式番号の末尾に5が付いている三機種……本来は1942年ごろ、見劣りがしてきた既存機をリファインすることを目的にした新機種決定競作だったが、どれも性能面ではそれぞれ長所があった上に、とにかく保有機材が足りなかったので三機種とも採用された……しかしドイツ・ダイムラーベンツ製「DB605」エンジンのライセンス国産に手間取ったことで生産は43年にずれ込み、三機種すべてを採用した結果として補給の複雑化や生産ラインの非効率など混乱を招き、どれも生産数は少なかった)

アンナ「そうなの…それじゃあ、あのエンジンが三つの戦闘機は?」

提督「……ふぅ」

アンナ「何よ…私の相手はそんなに嫌?」

提督「いいえ、そうじゃなくて…あれはサヴォイア・マルケッティSM79「スパルヴィエロ」(ハイタカ)……戦闘機じゃなくて雷撃機」

アンナ「知らないわよそんなの…どっちも空を飛ぶんでしょ?」

提督「なら、アンナはムササビも鳥類に含めるの?」

アンナ「もうなんなのよ…フランカはそう言うことになると細かいんだから」

提督「それでお給料をもらっているんだもの……アンナ、あれを見て♪」

アンナ「なに?」

提督「あの真紅の飛行艇…マッキM33「シュナイダー・トロフィー・レース」仕様よ……開発でなかなか出てこなくて苦労したの」

アンナ「ふぅん…戦闘機なんて砂色か薄汚れた緑ばっかりだと思っていたけれど、たまにはああいう明るい色もあるのね♪」

提督「あれは戦前のレース機だから…それにしても惚れ惚れするようなデザインねぇ♪」

アンナ「ふーん、私にはよく分からないわ…とりあえず飛行機は見たし、今度は屋台を案内してちょうだいよ」

提督「えぇ…?」

アンナ「いいじゃない、戦闘機なら毎日見ているでしょ?」

提督「それはそうだけれど…でもこんな風に展示飛行を眺めるのは初めてだし……ほら見て、あれはピアッジォP7高速飛行艇。実機は飛ばずに終わっちゃったから、こうやって飛行姿を見ることが出来るなんて幸運なのよ?」

アンナ「そんなこと言ったって私には分からないわよ…さぁ、案内してちょうだい♪」

提督「はぁ、アンナはいつもそうやって人を振り回して……ところで」

アンナ「何よ?」

提督「貴女の後ろに付いてくるあの二人…ボディーガードなの?」…スーツの前ボタンを外し、サングラスをかけた「いかにも」な二人が距離を開けて付いてくる……

アンナ「ええ……ちゃんとピストル所持の許可証は持ってるけど?」

提督「…そう、お願いだからここでの「ドンパチ」は止めてね」

アンナ「もう、心配しなくたって大丈夫よ!」

提督「ならいいけれど……でも入口の憲兵にはなんて言ったの?」

アンナ「それはもちろん「フランカの許嫁です」って……すぐ通してくれたわ♪」

提督「…はぁぁ」額を手で押さえ「あきれた」と言うように首を振る提督…
380 : ◆b0M46H9tf98h [saga]:2018/11/01(木) 00:58:16.55 ID:JIT2HWae0
ちょっと遅いですがハッピーハロウィン…そして、アイルランドよ永遠なれ!


…投下はまた明日にでもやっていきますのでお待ちください…
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/01(木) 20:03:26.74 ID:BVD3f5tDo
女の子が許嫁なんですねいいですね
382 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/11/02(金) 01:21:36.02 ID:DW0zgL7I0
>>381 自称「許嫁」なのですが、そこの経緯はおいおい書いていきます…ちなみにロリ×ロリ百合になるはずです…
383 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/11/02(金) 01:49:33.87 ID:DW0zgL7I0
…鎮守府・庭…

アンナ「ほら、あれなんて美味しそうじゃない……お嬢さん、一つもらえる?」

アオスタ(軽巡デュカ・ダオスタ級)「はい…いらっしゃいませ」(※アオスタ侯エマニュエーレ・フィリベルト…当時の貴族で、イタリア・サヴォイア王家とは親戚にあたる人)


…第一次大戦の陸軍第三軍団司令官が名前の由来になっている「エマニュエーレ・フィリベルト・デュカ・ダオスタ」と、同じく第一次大戦時の陸軍参謀総長「ルイージ・カドルナ」と、途中でカドルナに代わった「アルマンド・ディアス」の三人……イタリア王国にとっては長きにわたって北イタリアを併合していた「憎っくき仇敵」オーストリアと戦った三人だけに、屋台で出している長方形のムースは苺とマスカルポーネ・チーズで赤・白・赤の横しま…と、どこかの国旗にそっくりなデザインをしていて「敵を食べてしまおう」と言う意図が透けて見える…


ルイージ・カドルナ(軽巡カドルナ級)「いらっしゃいませ…提督、こちらの方は?」
(※ルイージ・カドルナ…第一次大戦でイレデンタ(未回収地)の街ゴリツィアの占領をこころみたが、七度も単調な攻撃を繰り返し、あげく手薄になった戦線へのカウンター攻撃である「カポレットの戦い」でオーストリア軍に惨敗。さらに他人に敗北の責任を押し付けた無責任さが問題視され任を解かれた将軍……が、ムッソリーニ時代には国威発揚の意味もあって「軍神」扱いに)

提督「…後で説明するから聞かないで」

アルマンド・ディアス(カドルナ級)「それも気になりますけれど……「お嬢さん」ですか」
(※アルマンド・ディアス…カドルナに代わり参謀総長となり、ヴェネト州・ヴィットリオ村近くで行われた「ヴィットリオ・ヴェネトの戦い」でオーストリア軍を撃破するなどイタリアでは評価が高い…第一次大戦後はイタリアの『強国』ぶりを国民に宣伝したがっていたムッソリーニに高く評価され、大臣になっている)


アオスタ「見た目よりはいい年なんですが…」

アンナ「さぁ、早くしてよ…せっかく来たんだし、フランカといっぱい見て回りたいんだから」

カドルナ「ねぇ、アルマンド……この人、いま提督の事を「フランカ」って…」

ディアス「ええ、聞こえた…提督が私たちには内緒にしていた恋人か愛人か……いずれにせよ、そうとう仲が良さそうですよ…?」

提督「あー…どんどん話が面倒な方向に向かっていくわね……」

アオスタ「はい、お待たせしました」

アンナ「グラツィエ…さぁフランカ、どこか静かで眺めのいい所に案内してちょうだい?」

提督「うーん、普段だったらどこでも静かで眺めがいいのだけれど……今はちょっと難しそうね」

アンナ「じゃあ貴女の部屋にしましょう♪」

提督「えーと…一応、施設内は立ち入り禁止だから……」

アンナ「もう、そんな細かい事はいいじゃない…私とフランカの間柄でしょ?」

提督「うー……そうは言っても軍規を破るのはちょっと…」

アンナ「もう…とっとと海軍なんて辞めて、私の家族になってよ?」

エウジェニオ「…何だか面白い事になってるわね……もしかして提督ったら、あの美人から逃げ出すために海軍に入ったとか?」

アブルッツィ「まさか、いくらなんでもそんなことは…」

エウジェニオ「ないって言い切れる?」

アブルッツィ「……あながち、あり得ない話でもないような気が…」

エウジェニオ「でしょう? …ほんと、提督ったら可愛い顔して罪な女♪」

バニョリーニ(大型潜リウッツィ級)「ふふ、あんな美人の恋人さんを隠しておくなんて…提督秘蔵の「お宝」ってところだね♪」

提督「……アンナ、こっちに来て」

アンナ「あら、やっと二人きりになれる場所へ案内してくれる気になったのね?」

提督「このままだとうちの娘たちが私とあなたの関係で、ある事ない事を言いそうだからよ…」

アンナ「もう「ある事ない事」じゃなくって、どれも事実じゃない…ローマに行って「真実の口」に手を突っ込んだって無事で済むくらいよ?」
(※真実の口…古代ローマ人が建物の壁に当時の「マンホールのふた」を流用したローマ観光名所の一つ。手を突っこんだ状態で嘘をつくと手を食いちぎられるという伝説がある……「ローマの休日」ではグレゴリー・ペックが手を食いちぎられるアドリブをして、オードリー・ヘップバーンを驚かせた)

提督「どこがよ……私たちが「幼い頃からの知り合い」ってところ以外はまるっきりのでまかせじゃない」

アンナ「そんな事ないわ…だって約束してくれたじゃない」

提督「ものを知らない子供の頃の口約束なんて無効よ?」

アンナ「いいえ、約束は約束……もしフランカが約束を果たしてくれないなら、法律だろうがお金だろうが、ありったけ駆使してあなたと結婚してみせるんだから♪」

提督「……はぁぁ」
384 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/11/03(土) 02:56:05.69 ID:1AKPHBq20
…鎮守府・裏手の丘…

アンナ「まぁ、眺めのいい所ね…素敵じゃない!」…裏手の丘にある小さなあずまやからきらめく海を眺め、嬉しそうに声を上げるアンナ…ボディーガードらしい「こわもて」の二人はここまで付いて来ようとしたがアンナに怒られ、ふもとで待たされている…

提督「ここなら文句もないでしょう?」…松林に囲まれた白い石造りのあずまや…その周囲は誰もおらず、あずまやの中心にあるマリア像だけが二人を見ている…

アンナ「ええ、納得してあげる…それじゃあ、あーん♪」石のベンチに腰掛けて紙の箱を開き、さっきのムースを取り出すと使い捨てフォークで小さく切り分け、それを提督に向けて差しだした…

提督「…え?」

アンナ「だから、私が「あーん」してあげるって言ってるの…っ!」

提督「わ、分かったわよ……あーん」

アンナ「はい、あーん♪ …ね、許嫁に「あーん」してもらえばずっと美味しいでしょ?」

提督「ええ、そうね…」(味なんて全然分からなかった…どうすればこの状態を切り抜けられるかしら……)

アンナ「ところでフランカ、お昼は一緒に食べましょうよ♪」

提督「ごめんなさい、アンナ…それは出来ないわ」

アンナ「どうしてよ?」

提督「お昼は来賓の議員たちと試食会があって…軍用糧食と鎮守府の献立を、それぞれ軽く味見してもらうの」

アンナ「何よ…せっかくフランカとお昼を食べようと思ったのに」

提督「ごめんなさいね、アンナ」

アンナ「まぁいいわ…それじゃあ代わりに私がディナーにご招待するわ。ちなみに泊まっているのはタラントの「ホテル・レジーナ・マルゲリータ」よ♪」

提督「…それってタラントの最高級ホテルじゃない」

アンナ「あぁもう、フランカったら! …あれが最高級だなんて、海軍生活が長すぎたのね……やっぱり軍なんて辞めて、もう少し文化的な生活した方がいいわ」

提督「…あなたはそう言うけれど、ここだっていい所よ?」

アンナ「ええそうね、きっと「シャワーのお湯が出るから」とか言うんでしょう…海軍さんはお湯も満足に使わせてくれないそうだものね?」

提督「いいえ、それだけじゃなくて……」

アンナ「ねぇ…まさかとは思うけれど、あの「艦娘」とか言う女の子がたくさんいて、夜昼構わず食べ散らかしてるから……とかじゃないわよね?」

提督「…っ!?」(あながち間違いでもないあたり否定できないわ…)

アンナ「フランカ、分かっているとは思うけど…うちの「ファミリア」(家族)も私とフランカの事をよく覚えていて「早く結婚の予定を決めなさい、さもないとフランカだって準備のしようがないじゃないか」ってせっつかれているのよ?」

提督「あー…それってアンナのお父さんも……」

アンナ「それはもう♪」

提督「……えーと、それじゃあその事についてはディナーの時に話しましょうか…」

アンナ「それじゃあ今夜は来てくれるの?」

提督「え、ええ…」

アンナ「ふふっ、嬉しいっ! それじゃあすぐ帰って支度しないと…待ってるわよ♪」

提督「そう、そうね……チャオ、アンナ」

アンナ「チャオ、フランカ…ちゅっ♪」

提督「……どうしよう///」

………

385 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/11/04(日) 01:10:21.79 ID:1OXR5UVM0
…昼食時・食堂…

提督「それでは皆さま方には軍の携行糧食と、艦娘たちが作ったお昼を試食していただこうと思います…何かお聞きになりたいことがありましたら、私か皆様の向かいに座っている艦娘たちにお聞きください」提督が主人の位置に座り、あとは長いテーブルに向かい合う形で艦娘と議員が座っておしゃべりに興じている…

フェルッキオ議員「いや、これは美味しそうだ…携行糧食の方じゃありませんぞ?」フェルッキオ議員が軽く冗談めかした

ダンドレア議員「…屋台でいただいた軽食も美味しかったですし、期待できそうですね」

提督「そう思いますよ、議員……では、改めて自己紹介をさせていただきます。ここの司令官を務めております、フランチェスカ・カンピオーニ少将です…では、どうぞ冷めないうちにお召し上がりくださ……い…」提督の視線が三つほど離れた席にいる、一人の綺麗な議員に止まった……顔はどこかで見た記憶があるのだが思い出せず、もやもやした気分でワイングラスに手を付けた…

ダンドレア議員「どうかしたの、司令官さん?」

提督「あぁ、いえ…少し考え事を。どうぞお食事をなさってください」

美人の議員「♪」…提督の視線に気づいたのか、こっそりウィンクを投げてきた……グレイのパンツスーツからはち切れそうな身体をしていて、少し媚びるような笑みを浮かべている…

提督「…すみません、ダンドレア議員…あちらの金髪の議員は……」そっと耳打ちする提督

ダンドレア議員「ああ、彼女は「プーリア愛と緑の党」にいるパンピネア・ルッピーニ議員よ…彼女がどうかしたの?」

提督「あぁ…いえ」

ダンドレア議員「…彼女がレズビアン向けのアダルト映画女優から転身して、上半身裸で立候補した時はずい分とセンセーショナルだったものね。あなたもその時のニュースで「チェチィーリア」って言う名前を見たんじゃないかしら?」(※チェチィーリア…イタリア語での「セシリア」)

提督「あぁ…そういえばそうでした。何かと話題になった方でしたね……」(まさか「少尉の頃、士官宿舎で集まって見た」とは言えないわね…///)

ダンドレア議員「ええ、私みたいなおばさんからするとうらやましいわ。美人でスタイルが良くってね」

提督「まぁ、ふふっ」

フェルッキオ議員「…それにしても少将、軍の糧食って言うのはどうも…味が濃すぎるね」牛肉のステーキ風を噛みちぎろうと悪戦苦闘している…

提督「ええ。軍の携行糧食は塩分が汗と一緒に出て行ってしまう、運動量の多い時を前提にしていますから…どうしても味が濃いのです」

フェルッキオ議員「なるほどねぇ……でもこちらのパスタは絶品だ、誰が作ったんですかな?」

提督「これはうちの艦娘が作ったものです…ディアナ」

ディアナ「はい」

提督「議員が「美味しい」っておっしゃってくれたわ…♪」

ディアナ「恐縮でございます」

フェルッキオ議員「いや、ホントの事だよ…議員だからって、いつもウソをついているわけじゃない」

ディアナ「ふふっ、まぁまぁ…♪」

フェルッキオ議員「はは、良かった…私もまだまだ女の子を笑わせる事が出来るよう…だ?」

エウジェニオ「……なんですって?」

…ディアナの手料理のおかげか、それまで和やかに進んでいた試食会…と、提督たちはエウジェニオの声に鋭さが増しているのを聞きとがめた…

女性議員「ですからね、昨今の風潮には我慢ならないのです!」最初から鼻息荒く息巻いていた女性議員の一人…眼鏡と細い眉が、いかにも神経質そうな雰囲気をさせている…

ダンドレア議員「……彼女は「イタリア南部保守党」のミーア・サイエッタ議員よ」提督に小声で教えてくれるダンドレア議員

提督「…どうも」

エウジェニオ「ふぅ…ん、それじゃあ議員はどうしたいの?」

サイエッタ議員「わたくしに言わせればLGBTだの何だの……そんなのは生物学的にもおかしいですし、神の摂理にも反しています…それに子供を産めないだなんて、イタリアの出生率はどうなるのです!?」

エウジェニオ「そう…まぁ意見は意見としてうかがっておくわ。でもね……」

提督「…エウジェニオ」

エウジェニオ「なに、提督から始めたい?」

提督「いいえ?」(…あんまりやり込めすぎないようにね)
386 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/11/04(日) 01:39:01.26 ID:1OXR5UVM0
エウジェニオ「ふふ…まず、生物学だの何だのって言うけれど……」

サイエッタ議員「普通の動物に同性愛なんていません!」

エウジェニオ「…ゴリラはゲイのカップルを作るし、他のサルでもそういう事例はあるし…イルカは手がないから、同性どうしで集団になって、お互いに自慰の手伝いをするわよ?」

チェザーレ「…それに人間は獣ではない。子供を作るためだけに交わるのではなく、愛や恋のために交わるのだ……ただ子供を作るだけならロメオの相手はジュリエッタでなくても構わんだろう?」

アブルッツィ「議員は子供を作るためだけだからって、わざわざブタみたいな相手を選ぶ?」

フェルッキオ議員「……あのヒステリーが相手じゃ、相手のブタがかわいそうだ」

提督「くくっ…♪」

レジナルド・ジュリアーニ(大型潜リウッツィ級)「…それに、神の摂理と申しますが……聖書にも「人を裁くな、あなたが裁かれないために」とあります。あなたは神の代弁者でいらっしゃるのですか?」

…鎮守府の食堂では海軍のマナーとして、言い争いや上官反抗の理由になりやすい宗教や政治(…それにここでは好きな百合カップリング)の話題は基本的にしないが、ジュリアーニは艦名の由来が「第一次大戦やスペイン内乱に従軍した神父」だけあって、聖書にはめっぽう強い…

カヴール「それに「汝の隣人を愛し、汝の敵のために祈れ」と申しますよ…同じ人間同士ではありませんか」

ドリア「全くです、それに人を断罪したいのなら「本当に罪のない者だけが石を投げろ」と言いますよね…?」

サイエッタ議員「ですが…っ!」

提督「それに今では「iPS細胞」と言うもので、同性の間でも子供が作れるそうですよ……イタリアの出生率もこれで安泰ですね、サイエッタ議員?」

サイエッタ議員「ぐぅ…っ!」

アッテンドーロ「それに「出生率」だの何だのって……フィアットやアンサルドの工場じゃあるまいし、数字だけで人の気持ちを測ろうって言うの?」

デュイリオ「それにその言い方ですと、イタリアに非常に貢献しておられる私たちの提督より、子供が五人でスリやかっぱらいをしている泥棒一家の方がイタリアのために貢献していることになってしまいますね?」

サイエッタ議員「そう言うことではありませんっ…!」

提督「まぁまぁ、食事時に言い争いはよくないわ…ディアナ、次の料理を持ってきてもらえる? …ただし、サイエッタ議員のは抜きでね♪」

サイエッタ議員「ど…どういうことですか!?」

提督「前に物の本で読んだことがあるのですが…世の中の動物の中で、食べ物を味付けしたり料理する生き物は人間しかいないそうですよ。生物学的には私たちの方がおかしいそうなので、生き物として「正しい生活」をされているサイエッタ議員におかれましては、ぜひ新鮮な水と生肉をご賞味いただこうかと……」

サイエッタ議員「いえ、ですがっ…!」

提督「…残念です、議員……前夜から仕込んだディアナの美味しいシチューを食べられないなんて♪」

フェルッキオ議員「ああ、残念だね」

ルッピーニ議員「全くね♪」

サイエッタ議員「いえ、その…っ!」

提督「動物たちは当然お酒を醸造したりもしませんから……サイエッタ議員のワインも飲んでいいわよ、ポーラ?」

ポーラ「はぁ〜い♪」

サイエッタ議員「その、あの…っ!」

提督「どうかなさいましたか?」

サイエッタ議員「えーと…その……謝罪しますから…」

提督「そうですか……ですが私にではなく、食事時に不快な思いをした議員の皆さんと艦娘たちにですよ?」

サイエッタ議員「は、はいっ…申し訳ありませんでした」

提督「どうですか、議員の先生方?」

フェルッキオ議員「まぁ良いだろう…それより特製のシチューはまだかな?」

ダンドレア議員「今は許してあげましょう……ただし食後のドルチェは抜きですよ♪」

フェルッキオ議員「ははっ。それはいい処罰ですなぁ、ダンドレア議員…うちのおふくろを思い出しますよ」

サイエッタ議員「うぅ…」

エウジェニオ「ふふ……せいせいしたわ♪」

提督「…お食事が済みましたら、また見学の方をどうぞ……フェルッキオ議員、申し訳ありませんが男性用のお手洗いは正門の方にある管理棟にしかありませんので…」

フェルッキオ議員「…やれやれ、どうもここは私のようなむさくるしい男はいちゃイカン場所のようですな……今後は女性議員を選ぶよう、事務局に言っておきますよ」

提督「お手数をおかけします」

フェルッキオ議員「いや、いいんですよ…それに君と艦娘の女の子たちがサイエッタ議員をやり込めてくれてスッキリした♪」

提督「ふふっ…♪」
387 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/11/06(火) 11:06:34.26 ID:M7Nz+K8g0
…食後…

提督「ふぅ…私も化粧室に行っておこうかしら……」

ルッピーニ議員「…あら、司令官さん」

提督「あ、ルッピーニ議員…化粧室の場所は分かりましたか?」

ルッピーニ「ええ、案内の娘が丁寧に教えてくれたわ…ところで司令官さん、ルッピーニ議員なんて堅苦しいのはよして?」

提督「えぇと…でしたら何とお呼びしたら……」

ルッピーニ「チェチィーリアでいいわよ…選挙の時も本名の「パンピネア」より「チェチィーリア」の投票用紙の方が多かったくらいなの……危うく無効票になるところだったんだから♪」ぱっちりしたまつ毛のルッピーニ議員が、少し甘えるような上目使いで二、三回まばたきした…

提督「そうですか。それなら私の事もフランチェスカでいいですよ…では、午後の施設案内まではどうぞご自由にお過ごし……」

ルッピーニ「…ちょっと待って」

提督「…何でしょうか?」

ルッピーニ「フランチェスカ…あなたもしかして、私の「現役時代」の作品を見たことあるんじゃない?」

提督「えっ、いえ……それは…///」

ルッピーニ「やっぱり。最初に会った時から何となくそういう雰囲気がしたのよね…どれを見たのかしら「女子高生と未亡人マルガリータ・昼下がりの情事」とか「女子修道院の黒百合」とか……何にせよ、見てすぐにわかったわ♪」

提督「そ、そうですか…?」

ルッピーニ「ええ。何ていうのか…視線とか女の子に対する態度、メイクなんかがちょっと違うのよね」

提督「///」

ルッピーニ「いいのよ、恥ずかしがらなくても。私はみんなに見てもらって、きれいな身体を称賛されるのが好きだもの…じゃなきゃ選挙戦の時にあんなことしないわよ♪」

提督「えぇ…と」

ルッピーニ「それにね、フランチェスカは何となく「私好み」って言うのかしら……もっと近くで見てみたいわ」提督を壁に押し付けて、両肩を優しく押さえつける…

提督「あのっ…その、議員……///」ルッピーニは提督より二回り近く年上……もう四十歳を超えているはずだが、顔のしわもほとんどなく肌もきめ細かい…それに香水だけではない、甘い良い匂いがする…

ルッピーニ「……チェチィーリア」

提督「チェチィーリア、こんなところでは見られてしまいますから…///」提督が顔をわずかにそむけて頬を赤くする…かといって振りほどくわけでもない…

ルッピーニ「確かに…何もスキャンダルのタネを撒くことはないものね♪」

提督「え、えぇと……とりあえず、人の来ない所に行きましょう…」

ルッピーニ「ええ。ぜひともそうしてちょうだい、司令官さん?」

…倉庫…

提督「とりあえず、ここなら人は来ませんので…///」

ルッピーニ「ふぅん…とはいえ、あんまりほめられた場所じゃないわね……もっとムードのある場所が良かったわ?」

提督「そ、そう言われましても……」

ルッピーニ「…でもこれはこれで、女学生同士でいちゃついているような感じがしてわくわくするかも…ね♪」

提督「んぅ……んむぅ、はむ…っ…ちゅぷっ……///」

ルッピーニ「ぷは…思った通りね。フランチェスカの口の中、甘くてとろけそう…そうそう、私は虫歯もなければ病気もないから安心してね?」

提督「もう、チェチィーリア…///」

ルッピーニ「ふふ…貴女って相手に合わせて攻守どっちもイケるタイプでしょう……そんなトロけた顔をされたら、もっと甘い表情を見たくなっちゃうじゃない♪」

提督「はひっ、あふっ…だめ、制服がよごれちゃいますからっ……んむっ、ちゅぅ…ぅっ…♪」白いダブルの上着を脱ぎ、ぴっちりしたタイトスカートをどうにかたくし上げた…

ルッピーニ「そうね、私もスーツを汚さないようにしないと…♪」ちゅる…くちゅっ、にちゅ…っ♪ 

…ルッピーニがぴったりフィットしたスラックスを脱ぐと、ハイヒールできゅっと引き締まっているふくらはぎと形のいいヒップ、そしてそれを包む桃色のランジェリーがのぞいた……提督を片脚を挟み込むように、とろりと濡れた秘所を押し付ける……

提督「あっ、あっ…あふっ、あっあぁぁぁっ…♪」

ルッピーニ「んんっ、んっ…く……はぁぁ、んあぁぁ♪」

………
388 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/11/06(火) 11:50:51.73 ID:M7Nz+K8g0
…その頃・廊下…

サイエッタ議員「…あなたの所の司令官には本当にあきれました!」

エウジェニオ「まぁ、奇遇ね…私も貴女にはあきれ返って物も言えないでいるところなの」…純白の肌に整った美しい顔、うっすらと施したメイク…ギリシャ風に結い上げた髪もばっちり決まっているエウジェニオが、あきれたように肩をすくめた…

サイエッタ議員「あのね…あなたたちがいくらイタリアの防衛に尽くしているからって、州議員に対して少し失礼じゃありません?」

エウジェニオ「かもしれないわ。でも私は普段から、礼を尽くす相手にはきちんとした態度を取っているのよ?」

サイエッタ議員「なら私が「礼を尽くしていない」って言うつもりですか?」

エウジェニオ「いいえ。私はあくまでも、相手に合わせてそれ相応の態度を取るだけ……ってこと♪」

サイエッタ議員「そういう冷やかしが無礼だと言っているのです…仮にもプーリア州の議員として納税者の代表を務めている……」

エウジェニオ「興味ないわ。私は命令を受けて作戦に出て、無事に戻れるように戦うだけ…陸(おか)にいるときは「あの時」楽しめなかった分も楽しんで…他の面倒なことは全部、あなたたち陸の人間に任せておくわ」

サイエッタ議員「あなたねぇ…!」

エウジェニオ「…それに、さっきの言い草は気に入らないわね。誰が誰を好きになるかなんてアモーレ(愛の女神)だけが決めることで、あとは個人の自由でいいじゃない?」

サイエッタ議員「ですから、そういう身勝手な考えの人が増えるから国民の一体感や……」

エウジェニオ「知った事じゃないわ。やれ国旗だの標語だの…そんなので戦争に勝てるなら、ムッソリーニは世界大統領にでもなってたわ」

サイエッタ議員「あなたってば本当に…!」

エウジェニオ「エウジェニオ・ディ・サヴォイア…人の何倍も人生経験のある私に向かって「あなた」だなんて失礼じゃない?」

サイエッタ議員「そうだとしてもあなたの態度は少し軽薄すぎま…っ!?」

エウジェニオ「…なら、これで少しは静かに出来るかしら?」むちゅっ、ちゅぅ…じゅるっ、ちゅぅぅ……っ♪

サイエッタ議員「!?」

エウジェニオ「ぷはぁ……口うるさい女性議員を黙らせるならこの手に限るわね。それに舌も柔らかくて、結構よかったわよ?」

サイエッタ議員「あ、あなた一体なにをして…っ!?」

エウジェニオ「あら…議員さんったらこんな挨拶で驚くような小娘だったの?」

サイエッタ議員「し、信じられませんっ…こんな、こんな事……っ///」顔を真っ赤にして、がくがくとひざを震わせているサイエッタ…

エウジェニオ「ふぅん……貴女ってがみがみと小うるさいけれど、ちゃんと可愛い顔も出来るじゃない…♪」

サイエッタ議員「可愛いですって…!?」

エウジェニオ「ええ。意外と好みかもしれないわよ…ミーア♪」

サイエッタ議員「…っ///」

エウジェニオ「さ、化粧室に行くんでしょう……歩ける?」

サイエッタ議員「あ、当たり前です…っ!」

エウジェニオ「その調子じゃあだめそうね…それじゃあ失礼して♪」艦娘だけあって、エウジェニオは軽々とサイエッタを「お姫様抱っこ」した…

サイエッタ議員「何をするのっ! …お、降ろしなさい…っ!」

エウジェニオ「ふふっ、あんまりわがまま言わないの…ちゅっ♪」

サイエッタ議員「///」
389 : ◆b0M46H9tf98h [saga]:2018/11/07(水) 01:40:26.11 ID:9pbLcjGn0
…化粧室…

エウジェニオ「貴女って、表向きはああやって人に強くあたる性格みたいだけど…そんなに無理しなくてもいいんじゃない?」

…恥ずかしいのを隠すように鏡に向かい、一生懸命メイク直しを行っているサイエッタに、壁にもたれかかっているエウジェニオがつぶやくように言った…

サイエッタ議員「でも、私は…っ!」振り返って、きっ…とにらみつける

エウジェニオ「何をそんなにいきり立っているのよ? 貴女一人でイタリアを変えようなんて、ガリバルディにでもなるつもりなの?」

サイエッタ議員「…っ」

エウジェニオ「いいじゃない、時には弱い所を見せたって。少なくとも今ここでなら……そう、こうして二人きりの時だけは…ね?」

サイエッタ議員「あっ、あ…///」(…色、白い……まつ毛も長くて…っ///)

エウジェニオ「んむ…っ、ちゅぅぅ……ぴちゅっ、ちゅぅぅ…っ♪」

サイエッタ議員「あふっ…んふっ、くっ…///」

エウジェニオ「んちゅ……ちゅる、れろっ…ん、じゅるぅぅっ……♪」

サイエッタ「んぅぅぅっ…んっ、ふぅぅ……っ!?」(な、何なの…っ!? …舌が入り込んできて…絡みついて……まるで別の生き物みたいに…っ!)

エウジェニオ「んむっ…んちゅっ♪」しゅる…っ、くちゅっ、ぬちゅ…っ……洗面台にサイエッタを押し付け舌を絡ませたまま、スラックスをずり下ろす…そのまま下着のへりから手を差し入れると、秘所にほっそりと形のいい指を滑り込ませた……

サイエッタ「んいぃぃっ…ふぅぅっ……んふぁあぁ…っ!?」

エウジェニオ「ちゅぽ…っ……ふふ、意外と濡れているじゃない。女同士は嫌じゃなかったの?」

サイエッタ「……んっ、だって…あなたがこんな事……無理やり…///」(こんなの…おかしいはずなのに、どうして……っ///)

エウジェニオ「そう…なら止すわ。嫌がる女性を無理に手籠めにするのは趣味じゃないの……化粧を直して、また基地祭を回るといいわ」あっさりと両手を放し、出口の方に片手を向けてみせるエウジェニオ…

サイエッタ「ええ、そうさせてもらいます…っ///」スラックスをはき、怒ったようにパウダーをはたきマスカラをやり直すと出て行こうとする…が、出口の所で立ち止まった…

エウジェニオ「…どうしたの?」

サイエッタ「……わ、分かっているくせに…っ///」

エウジェニオ「ふふっ、かもね……さ、来て♪」

サイエッタ「///」メイク道具のポーチが床に落ち、コンパクトやアイペンシルが散らばった…

…しばらくして…

エウジェニオ「だから言ったのよ……女のいいところは女が一番よく知っている、って♪」ブラウスをはだけさせると片手で小ぶりな胸をこね回し、反対の手で秘部を優しくかき回す…

サイエッタ「あぁぁ…ふぁ、あぁっ……い゛っ、んふぁぁっ……♪」とろとろ…っ、ぶしゃぁぁ……っ♪

エウジェニオ「あーあ、私ったら真面目な議員さんをたぶらかして……こんなによがらせちゃうなん…て♪」ぐちゅぐちゅっ、じゅく…っ♪

サイエッタ「はぁぁっ…あひぃ、ふぁあぁぁ…♪」さっきまではぴりぴりと神経質そうだった表情はだらしなくとろけきり、きゅっと真一文字に結ばれていた薄い唇は半開きになってよだれを垂らしている…

エウジェニオ「あのね、今の貴女ってとっても可愛いわよ……ミーア♪」耳元に息を吹きかけるようにささやく…

サイエッタ「はひぃぃっ、あへっ、ひぅぅぅ…っ♪」もはや自力では立てないほどひざを震わせ、ふとももを伝ってとろとろと垂れる愛蜜がストッキングからパンプスまでぐしょぐしょに濡らしている…

エウジェニオ「好きよ…貴女の事をペットとして飼いたいくらい……♪」

サイエッタ「そ、そんな事…///」ぐちゅ、ずぷ…っ……とぷ…っ♪

エウジェニオ「可愛い女の子に嘘はつかない主義なの…誰よりも貴女を可愛がってあげる♪」

サイエッタ「はひっ…はひゅ…ぅ……♪」

エウジェニオ「…ふふ、こんなとろっとろに濡らしちゃって……♪」洗面台の上にサイエッタのお尻を乗せると脚を押し開き、しゃがみ込んで秘部に顔をうずめた…

サイエッタ「あひぃぃっ、ひうぅ……あっあっあぁぁ……っ♪」

エウジェニオ「んっ、じゅるっ…じゅるぅぅっ……れろっ、じゅぼっ…♪」

サイエッタ「ひあぁ……っ、ふあぁぁ…んくぅ……♪」頭をのけぞらせてひくひくとけいれんするサイエッタ……しばらくしてエウジェニオが顔を上げると、だらしなく喘ぎ、鏡に背中を付けてぐったりと脱力していた…

エウジェニオ「ふふ、今度こそ化粧直しが必要ね♪」

サイエッタ「あへぇ…こんあの……もう、もろれない…ぃ…///」

エウジェニオ「戻らなくたっていいじゃない…ふふ、新世界にようこそ♪」ちゅ…っ♪

………
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/07(水) 16:15:43.65 ID:HfvpQ09io
さすが女たらし
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