【咲-saki-】咲「麻雀学園?」【安価】

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258 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 01:27:05.90 ID:+Vrr4uL9o

>>257
だれうま
もう悲惨な未来しか見えないんだよなぁ
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 01:44:26.42 ID:74DR5MtDO

地獄の底から頂点に登り詰め咲き誇るそんな宮永咲を私は見たいのだよ(狂熱)
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 06:25:15.82 ID:qNvztzxbo
盲目キャラは大抵強キャラだし
いっそもう一つの眼も取っちゃって無明逆流れちゃんになれば
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 10:22:27.94 ID:2DLhWnYIO
262 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/18(木) 22:53:51.23 ID:D/XDJAZ7O

泉「あぁ〜〜!どないしよ!うち、大星さんに票入れてまった……これで終わりやわ、ウチの人生!」

大星支持派の悲鳴がそこかしこで聞こえたのもつかの間。

新子さんが、時期室長に真屋さんを内定させたと発表、真屋さんも原村さんへの忠誠を誓う声明を出したことで、流れは決定的になった。

最初の投票後2日間で原村さんは、私と大星さん以外の全寮生から支持を得た。

憧「和は次期寮長として、腐敗のはびこる第1舎を改革する所存」

憧「今回の選挙戦を機に、第1舎の膿を出し切ります!これはそういう選挙!」

大星派が原村さんに挨拶に行くと必ず求められるもの。

@次回投票の確約A大星淡が関与した規律違反の証拠B原村和への忠誠

すでに、滝見さんと南浦さんは証拠の提供と供述を競うように行っていると聞く。

選挙後、大星さんは理事会で査問される公算だ。すべての規律違反が立証されれば卒園もあり得るらしい。

263 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/18(木) 23:02:08.75 ID:D/XDJAZ7O
泉「あー、ウチも入寮したての頃、殴る蹴るの暴行加えられたからな、それ証言させてもらいましたわ」

泉「やっぱり原村さんの方が優しいな〜〜ウチのようなあとから来た人も、優しく受け入れてくれたで」

泉「なあ、咲。意地張っとる場合ちゃうで」

泉「昨日の原村寮長の演説、あんたと大星以外の寮生全員来とったよ」

泉「その中で言うてたわ、原村さん。ベストは全員の支持を得て寮長になること。それが敵わない自分の至らなさを恥じていますって。なんて謙虚なんや〜〜!」

二条さんのこの行動は誰も責められない。南浦さんや滝見さんの行動も、私は責めたくない。

彼女たちは、大星さんの負けが決まるまで、精一杯彼女を支えていた。

負けてしまったら、それを受け入れて前に進まなくちゃいけない。

それは、大星さんも同じ。
264 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/18(木) 23:03:36.17 ID:D/XDJAZ7O

次の投票までの期間、大星さんはほとんど第1舎を空けていた。

淡「なんとか話つけてくるから。私と咲の転寮の件」

大星さんは片っ端から外部の有力者たちと会っている。

そんな大星さんは寮内で裏切り者のレッテルを貼られていた。

選挙はすでに盤外戦。原村さんも抜かりなく、2回目の投票前日には大星さんの転寮防止に関して寮長会議で荒川憩と竹井久の合意を取り付けたらしい。

大星さんはもう逃げられない。他の寮長としても、選挙で大敗してすべての権限を失った雀士の亡命を受け入れることは、次期寮長との今後の関係を考えたらできないのだろう。

もう大星さんの戦いは詰んでいる。あとは原村さんにしゃぶり尽くされるだけだ。

反抗した報復は見せしめとして徹底的に行われるだろう。

もう二度とここの寮生は原村さんに逆らえなくなるくらい、徹底的に。

大星さんのことばかり気にしていられない。私も、負けたんだ。

大星さんの女としていい思いしてきた、その代償は払わされるだろう。それに最後まで大星派に残り続けたのだから、私もしっかり見せしめにされる。

もう二度と、試合には出してもらえないだろうし、ありとあらゆるイジメを受けるだろう。

その時守ってくれるご主人様はもういない。

陰鬱な気持ちで講堂へ一人、向かう。
265 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/18(木) 23:13:47.73 ID:D/XDJAZ7O

「咲さん」

廊下で原村さんとばったり出くわした。

咲「失礼します」ペコリ

合わせる顔なんてない。私は、原村さんの敵。そして負けたんだ。

和「これから投票ですが、どちらの名前書くか決めましたか?」

咲「どっちでもいいでしょ。どうせ原村さんの勝ちだよ」

和「咲さん。龍門渕さんのところで負けたらしいじゃないですか」

右目がズキンと疼いた。この目で見る光も今日が最後。

和「目は……しんどいですよね、これから先、不便しますよ」

和ちゃんには関係ない!そう怒鳴りたかったけど、涙をこらえるので精一杯だった。

和「咲さん。私の話を聞いてよく考えてください」

和「この投票が終わったあと、私は支持者のために働かないといけません。それが選挙で選ばれた者の務め。最初の仕事は規律を示すことです」

和「負けた側は粛清しなければいけません。そうでなければ、溜飲が下がらない……私も、群れの長として力を示さなければならない」

声がでない。足の震えは止まらなかった。
266 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/18(木) 23:15:54.18 ID:D/XDJAZ7O

和「でもっ、それは私の望むところじゃないんです!」

和「覚えていますか?私の選挙公約は、【全員麻雀】。今までのいがみ合う風習を廃して、全員が一丸となって高みを目指す体制をつくりたいんです!」

和「……今、この時間。憧が大星さんの説得にあたっています」

咲「えっ……」

和「大星さんと咲さんから1票ずつ貰えば、私は全会一致で寮長に選ばれます。それが理想じゃありませんか?」

和「他の支持者の手前、大星さんには室長のポストは与えられませんが、私としては正直、室長を続けてほしいと思っているくらいです。彼女ほど雀力が高い雀士は大切です」

和「大星さんには、副室長か寮対抗試合対策本部次席のポストを…と思っています」

和「悪い話じゃない。開票のあと、壇上で私と大星さんは握手し、和解を演出します。そうすれば、大星さんとしても、この選挙が終わったあとの、いろいろな禊もなく、また楽しく寮生活を送れると思いますよ?」

和「その時、咲さんにも協力して欲しいんです。咲さんのポテンシャルは、私が誰よりも評価しています。たくさん試合に出て、第1舎のために勝利をもたらす女神になって欲しい」

和「よく考えてください。咲さん。上のことが成る為には、咲さんが私の名前を書いて投じる事が前提です」

和「ここ数日、大星さんとの交渉は憧にまかせていましたが、手応え的には9割がた……大星さんも私の名前を書くと思います」

和「開票の時点で、大星さんの名前を書いているのが、咲さんだけ、ということになれば、馬鹿を見ますよ?」

和「あと右目の件です。投票終わったら、私の部屋に来てください。500万円でしたよね?それくらいでしたら、なんとか私が工面します」

和「咲さん。原村和に清き一票を」ペコリ
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 23:18:07.05 ID:GwqThch7O
孕村さん交渉上手になってる
268 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/18(木) 23:18:15.16 ID:D/XDJAZ7O

私は呆然と、講堂へ向かう原村さんの後ろ姿を見つめていた。

原村さんに票を入れれば、過酷なリンチはなく、麻雀の試合も出られ、右目も失わなくていい。

一方、大星さんに票を入れたら……何も得られず、右目を失う。

大星さんが原村さんに票を入れるとは彼女の性格を考えると信じがたいけど、彼女が選挙後に失うものの大きさを考えたらありえない話じゃない。

理事会で査問されれば、厳罰は必至だ。それを回避して、今までのように、とは行かないけれども、そこそこの寮生活は送れる。それに、大星さんのことだ。再起を狙うかもしれない。

再起するためには、ここを生き残らないと行けない。理事会で厳罰に処されたら、その道も断たれる。

私が大星さんだったら。泥水を啜ってでも、どんな屈辱を受けても、再び立ち上がる道を選ぶかもしれない。

その判断を大星さんがした時、大星さんに私だけが票を投じることの意味。

私だけが一人、原村さんにノーを突きつけるという、最悪な結果に陥りかねない。

事前に大星さんの話を聞きたい!

私は講堂に駆けつけた。

大星さんは腕を組んで後ろに座って目をつむっていた。憔悴しており、いつものふわふわの髪の毛は、へたっていた。

由子「それでは投票を始めるのよー一人ひとり並んでこの箱に名前を書いた紙を入れるのー」

ざわめきの中で、寮生たちは「原村和」と自分の名前が書かれた紙を箱に入れる。

裏切りは許されない。

大星さんは私に、目も合わせず、紙を箱に入れた。彼女の行動には、注目が集まっていた。

ここで私が話しかけられる空気じゃない。

由子「全員投票したー?」

咲「わわっ、ま、まだです……」

由子「はやくするのー!」


手が震える。どっちらの名前を書くか。
生き残るためには原村さん。
それでも、ここまで信じて尽くした大星さんを裏切るような行為を
私の中の譲れない部分が許してくれるだろうか?

↓1 先に3票得た方
どちらの名前を書きますか?
@大星淡 Ending
A原村和 To be continued...
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 23:19:12.37 ID:Sr37UUUmO

コンティニューありなら1
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 23:21:26.21 ID:LiEKs1gA0
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 23:22:06.01 ID:qNvztzxbo
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 23:22:15.60 ID:74DR5MtDO
ここまできたら1で



コンティニューあったらいいなぁ
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 23:22:23.79 ID:abIF7ije0
1って言いたいところだけど2で
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 23:25:53.13 ID:qNvztzxbo
ただ勝った負けたをして、その結果無意味に人が死んだりする。その方がいい。
その方が博打の本質である理不尽な死、その淵に近づける。それが博打の本質だ。
てアカギが言ってた
275 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/18(木) 23:39:10.44 ID:D/XDJAZ7O

由子「開票するのよー」

由子「二条泉は原村和なのー」

由子「滝見春は原村和なのー」

由子「真屋由暉子は原村和なのー」

原村さんの名前が読み上げられていく。10人読み終わり、全員原村さん。

和「文堂星夏は原村和なのー」

18人目の票が読み上げられ、原村さんの当選が確定すると、拍手が沸き起こった。

まだ私も大星さんの票も読み上げられていない。

負けたんだ。私の心の中で何かが閉じていく音がした。

由子「宮永咲はーー」

会場が水を打ったように静まり返った。

私は私の信じたものに殉じる。それでいい。その結果、どんな苦難が待っていようが、譲れない部分ってのはあるよー!

由子「大星淡!」

会場にどよめきが起きた。
276 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/18(木) 23:52:47.69 ID:D/XDJAZ7O

大星さんの眉が、ピクリと動いた。

皆、私の顔を見る。ある人は怪訝な顔で、ある人は心配そうに、またある人は憤り、ある人は嘲り笑う。

大星さんが原村さんに投じてもいい。これが私の選択だ。

原村さんの顔は見えない。でも、最後にしてやったりだ。思い通りにならない人間もいるんだよ!

由子「静粛に、静粛に」

由子「開票続けるのよー」

由子「大星淡は」

会場がかたずを飲んで、二の句を待った。

由子「大星淡なのー」

大星さんは目をつむって腕を組んだままだ。でも、口が笑っていた。

そうだ。彼女は大星淡。誰よりも負けず嫌いで、曲げられない女。

負けたらそこで死んでもいい。それが雀士だ。頂点に立てないのなら、せめて真っ直ぐ、死のう……!

277 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 23:58:22.43 ID:+Vrr4uL9o
もちろん咲さんはBAD ENDだけど孕村さん的にもBADやなあ
欲しい女結局手に入らないんだもん
278 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/19(金) 00:07:17.02 ID:O54SgiC7O

透華「選挙、負けたらしいですわね」

咲「はい」

透華「ということは、原村が寮長っ……!制裁っ…!と、言いたいところですが」

透華「聞きましてよ。最後に原村の顔に泥を塗ったとかなんとか。おっほっほ、それは愉快ですわ!」

透華「あなたの票が読み上げられた時の原村和、ふぁみれすに入ったら隣の客がワキガだったときのような顔と伝え聞いておりますわ!」

透華「で、実際はどんな顔でしたの?どういう選挙でしたの?おきかせ下さいまし」

咲「ひどいんですよ、原村さん。最後の大星さんの説得の下りは全くの嘘。大星さん、最後まで新子さんとは顔も合わせなかったって」

咲「で、結局、500万円を餌に、私を屈服させて、アレをしゃぶらせようとしてたって」

咲「べーっ、って感じだよ、原村さんの、しゃぶるくらいなら死んだほうがマシ」

透華「おーっほっほ、痛快、愉快ですわっ!原村の思い通りにならないと、スカッとしますわね〜」

一「とーかも散々辛酸舐めさせられてきたからねぇ」

咲「りゅーもんさん、何かあったんですか?昔」

透華「そりゃ、もう、彼女が入園してきた時からのライバルですの、私達!あの頃は私もまだ表舞台にいましたから、そりゃ色々ありましたわ。通算では私が勝ってますのに、美味しい場面でことごとく…!」

純「役者が違うんだろー」

一「違うのは胸のサイズもだけどね」

透華「制裁っ…!一、制裁ですわ…!それは一線超えてましてよ!」バシバシ

咲「あはは」

一「笑いごとじゃないよぉ〜〜痛い痛いっ!」

選挙の話。りゅーもんさんと原村さんの過去。それで小一時間私たちは盛り上がった。
279 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/19(金) 00:12:51.36 ID:O54SgiC7O

透華「あら?もう時間ですの?せっかく第1舎からいらしたんですから、もう少しゆっくりしていけばいいものを」

咲「美味しい紅茶、ありがとうございました。そろそろ門限もありますし」

一「じゃあね、咲ちゃん。達者で」

純「頑張れよ〜」

咲「そうそう、りゅーもんさん。大事なもの忘れていました」

透華「なんですの?」

やっぱり震えるなぁ。

手が、柔らかいところに触れるとこらえがたい激痛が走る。

骨の硬い部分に指を滑らせるように、眼球の周りに付着した肉を剥がし、奥をつまむようにして、引っ張った。

ぼちゃっと右目が抜ける音がした。

咲「500万円、返せそうもありません。私の右目で勘弁してください。」

血が滴り落ちる。右目が真っ暗だ。左目から、涙が洪水のように溢れ出ていた。

透華「受け取りましたわ。咲。これは私のコレクションの中でもとびっきりの思い出になりましてよ。一、簡単な手当をして、第1舎へ案内を」

一「無茶するなぁ。ほら、きれいなガーゼ突っ込んでおくから。あと、こまめに取り替えなよ、バイキン着いたら大変。」グリグリ

国広さんは慣れた手つきで、ガーゼを丸めて私の目に突っ込んで、眼帯をくれた。それでも血が滲んで来るのがわかる。

りゅーもんさんは宝石でも愛でるみたいに、血だらけの私の右目をうっとり見つめていた。

私の禊は終わった。あとは大星さんの番だ。

280 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 01:05:37.96 ID:kzQ30lEDO
結局原村はクサレ外道なんだな
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 01:07:41.11 ID:gHH9IxYEO
かっこいいな咲さん
282 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/19(金) 01:24:45.25 ID:u1QQqzIqO

選挙のあと、室長が任命され、室員の入れ替えも行われる。

原村さんは私の顔も見たくないのか、片岡さんの部屋に移された。

片岡さんの部屋は劣悪な大部屋で8人部屋だ。私はそこの平の室員。

当初、かなりエグいいじめも覚悟していたけど、私の目を見ると、誰もが目をそらした。

「ゾクッ」とするらしい。

私の仕事。それは、今までの二条さんの仕事の引き継ぎだ。

寮の一番下っ端の仕事はトイレ掃除だ。

283 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/19(金) 01:26:23.77 ID:u1QQqzIqO


掃除に向かうと、個室から新子さんが出てきて目があった。

憧「いつもごくろうさん。明日も使うからキレイにしておいてね♪やっぱりウォシュレット付きはいいわよね〜」

新子さんは上機嫌だ。副寮長として、現在実質、この寮を取り仕切っているのは彼女だった。

原村さんは選挙のあと、ほとんど公の場に顔を出さなくなったらしい。

彼女にとっても、この戦いは勝利ではなかった……そういう見方は穿ちすぎだろうか?

そして大星さんは

咲「淡ちゃん」

共有便所の奥の個室で、裸で首に鎖で壁に繋がれている。

和式便器の隣に、裸で床に座っていた。

淡「はぁ……はぁ……」カタカタ

咲「待っててね、今、体洗うから」

咲「シャンプーと石鹸、私の支給品で、こっそり余ったの持ってきたの」

淡「体と髪は後でいいから、口、先にお願い」

咲「うん」
284 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/19(金) 01:27:13.01 ID:u1QQqzIqO

水道からホースを繋いで、綺麗な水で大星さんの口を濯いだ。大星さんが満足するまで、何度もうがいをさせる。

それから髪と体に水をかけて、気持ちばかりのシャンプーと石鹸で髪と体を念入りに洗った後、また水で流す。

これじゃ、せっかくのキューティクルは台無しだけど、仕方ない。トイレにシャワーはないんだから。

その後、濡れ鼠の大星さんを、雑巾で拭いて乾かす。

その間、他のトイレ掃除の仕事をする。

週3回の水洗いの日はついでに床掃除も。

285 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/19(金) 01:36:18.98 ID:u1QQqzIqO

理事会の査問に大星さんはかけられず、寮内で処遇が決められることになった。

寮生の自主性を尊重する真瀬さんの意向(自分の寮から懲罰者が出ると教育責任者は責任を問われる)と、長年の大星淡への恨みつらみを自らの手で晴らしたい人たちの強い希望により、そうなった。

大星さんの人権は剥奪され、罪を贖うために、極刑に処されている。

こんな事をされてしまうくらい、大星さんは多分今まで恨みを買ってきたんだ。因果報応と誰かが言った。

確かにそうだ。これまで大星さんが行ってきた、自由奔放な振る舞いは他人の自由を厳しく制限するものでもあったのだから。

負けたら払う。それまでのツケを。それだけの事。

咲「ほら、ご飯だよ淡ちゃん」

淡「んっ」

掃除を終えたあと、今日の給食を持ってくる。

淡「ごめん、食欲ない」

この1ヶ月ですっかりやせてしまった。

淡「トイレにカレーはセンスないよ、咲……うっ」

大星さんはえずいた。

咲「ご、ごめん!」

淡「はぁ、はぁ……」カチカチ

大星さんは震えて、歯を鳴らしていた。

そんな大星さんを私は、気がついたら抱きしめていた。

286 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/19(金) 01:37:07.64 ID:u1QQqzIqO

こんな仕事、長く持つわけがない。この1ヶ月で衰弱しきって、かなり危険な状態なのが私にもわかる。

それにあまりにも悪趣味で、度が過ぎている。今では、大星さんを使用するのは新子さんや一部の大星さんに相当な恨みを抱いている寮生だけに限られていた。

それでも、全員1度は使用を義務付けられ、大星さんは全員のを舐めさせられた。

解放の条件は、寮生の全員の合意のみと寮内裁判で決められた。

決定に当たっては、これまで大星さんが関与した暴力沙汰、リンチ、わいせつ行為、収賄、恐喝などが過去の大星さんの部屋の同僚や仲間たちによって証言され、新子裁判長の元でこの刑が決まった。

原村さんは、裁判に欠席し、それを追認しただけ。

そしてある噂がある。大星さんをおとなしく便所の備品にさせているのは、新子さんと大星さんの間である取引がなされている、ということ。

それはつまり、私の安全保障だ。

最後まで大星さんに票を投じた私を、大星さんは身を挺して守っている。

今の新子さんがその気になれば、私にだって同じような罰を与えることだってできる。

でも、それをしないのは、大星淡の魂を踏みつけにして、従順にさせておくため。

咲「大星さん。もういいんですよ。もうっ……」

涙はとっくに枯れていたと思っていたけど、右眼の穴から血がたらっと垂れてきた。

淡「咲……もう、私、疲れたよ……そろそろ、いいかな……ごめん、私がいなくなったあと……咲が私の代わりに…」

咲「大丈夫ですよ、大星さん。言ったじゃないですか。最後まで一緒です」

淡「咲……」
287 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/19(金) 01:39:10.85 ID:u1QQqzIqO

ガチャ。

咲「!」ビクッ

トイレの戸が開いた。

淡「……お迎え、きたのかな……」カタカタ

穏乃「よぉ」

咲「高鴨さん……」

淡「なんだ、シズか……どう?使ってみたくなった?私の生意気な口」

穏乃「宮永さんに用があってね」

咲「え?」

穏乃「トイレ掃除の仕事、これから私がするよ」

咲「で、でもっ!」

穏乃「時間かかってごめん。なんとか、取り付けてきたから」

そう言って高鴨さんは一枚の書類を出した。

咲「転寮届け……?じゃ、じゃあ!大星さんのこの仕事は終わり…!」

高鴨さんは悲しそうに首を振った。
288 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/19(金) 01:40:30.55 ID:u1QQqzIqO

淡「そりゃそうだよ。私は負けたんだから。もう目はないって、言ったでしょ?3寮長合意はいくらシズでもひっくり返せないって」

穏乃「宮永さん。ここはあなたのいるべき場所じゃない。第2寮か第3寮。どちらかに好きな方に行くといい。赤阪先生の判付きの白紙委任だ。宮永さんの名前なら、各寮長は飲むしかない」

咲「でもっ、大星さんが…!」

穏乃「大星さんは私が看取るから。早めにしたほうがいい。憧に感づかれたら、転寮は妨害される」

淡「行ってきな……そして見せてよ!高い山の頂に咲き誇る宮永咲を」

咲「ううっ」

淡「咲。最後に。嬉しかったよ。最後まで、私のそばにいてくれて。そしてごめんね。」

289 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/19(金) 01:43:38.33 ID:u1QQqzIqO

荷物もまとめず、私は第1舎の出口まで来た。

あとは託すしかない。高鴨さんに。今の私にできること。大星さんの側で一緒に倒れることじゃない。

大星さんの思いを受け継いで、目指すんだ!頂きを!それが、私の愛した人に報いる唯一の道。

この扉の先に新しい私の舞台がある。

咲「お世話になりました」ペッコリン

由子「転寮届け……本物の赤阪所長のサインなのー……どこで手に入れたのよー!」

咲「言えませんよ」

由子「これが出回るのは5年ぶりなのー。本物なら通すしかないのよー、でも私の教育方針のどこが不満だったのか教えてほしいのよー」

咲「あはは…」

由子「それじゃあ、第2舎、第3舎、好きな方に行くのー」

ふと振り返る。木造の、第1舎の建物。色々な思い出が頭をよぎる。

この寮では原村さんとの戦いだった。それももう終わり。

この時、私はそう思っていた。でも違うんだ。この物語は頂点を目指す少女達の物語。

頂きは1つしかないのだから、私たちは必ず何処かでまた出会うことになる。


和「行きましたか……咲さん。待ってますよ、私。いつまでも、いつまでも」

戦いは終わらない。生きている限り。

第1部 カン!
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 01:54:18.71 ID:+AsaNFMFo
おつ!
安易なコンテニューなし、リベンジのチャンスはあり、山場の見せ方も上手いよ
これからも期待してます!


なのでコンマ神さまもうちょっと便宜をですねあのその
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 02:00:30.64 ID:jtOvV6mQO
あわあわ買収済みの最高に胸糞エンドにならなくてよかった…
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 02:50:49.74 ID:kzQ30lEDO
数年後―そこには麻雀学園の頂点に君臨する隻眼の魔王の姿が…いたらいいなぁ(コンマ神チラッ)
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 02:58:25.57 ID:FbJ3xa1QO
コンマはクソだったが作者の話のもって行き方がうまかったな
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 03:22:24.76 ID:M5F45MjdO
おつおつー!転居先は二年がいいな
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 05:40:20.08 ID:dLx/Rrlwo
牌には愛されたけどコンマには愛されなかったよ……
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 06:22:18.37 ID:7DhRE93M0
次、コンマをとるときは私にお任せあれ!
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 09:16:23.64 ID:hLHr4lboo
咲ちゃん薄幸すぎて涙がでますよ……
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 11:00:15.01 ID:Q4a3GmZ1o
一部としちゃクソクソコンマもこれからののし上がりのいいスパイスになって完璧な仕上がり
あとは上がるだけよ(懇願)
299 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/22(月) 00:28:26.99 ID:lmpz0Yobo

咲「これは……」ゴゴゴゴゴ

今まで漠然としか見えなかったオーラの流れが見える。

末原「それが雀力や。雀力5になれば、相手のオーラの流れも見え、自分のオーラのコントロールも可能になる……ほな、行くで、咲」

末原さんのオーラが指先に集まって行くのがわかる。

末原「ロンッ!3900!」ドンッ

咲「うっ」

オーラが指先から弾丸のように私の体めがけて放たれた。

末原「これが雀力や、咲。今までのあんたやったら、これを食らったら一撃で気を失っていた。満貫クラスの直撃やったら、骨は折れ肉が爆ぜる」

末原さんの放銃を、私はしっかり自分のオーラで受け止めていた。

咲「これが、雀力……」

末原「全く、驚きやな。たった半年でものにするなんて。できない生徒やと、5年かかってもまだ雀力3あたりでくすぶっとるのに」
300 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/22(月) 00:29:49.46 ID:lmpz0Yobo

末原「ほな、咲。今度は私を目がけてオーラを打つんや!手加減抜きや!今のあんたの全力で来いや!」

失ったものが大きいほど、雀運はついてまわる。

あの時、私は負けた。誇りも、希望も、全て失って、逃げ出した。

屈辱の日々を思い出せ。全てはここから這い上がるために。

咲「いいんですね、末原さん。全力で打って」ボッ ボッ ボッ

末原(なんちゅう練り込まれたオーラッ!たった雀力5の小娘が、ここまでッ……!)

思い出せ。負けて土下座した。負けて小便を垂らした。負けて慰み者にされた。負けて右目を失った。負けて、大切な人を失った。

末原「おっ……おおっ……」カタカタ

咲「……」

やっと手に入れた。勝つための力。もう私は負けない。

見てて、大星さん。待ってて、おねーちゃん。今こそ、飛翔の時!


ゴッ!
301 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/22(月) 00:31:31.41 ID:lmpz0Yobo

末原「ひっ……生きてる……?」

咲「嫌だなぁ、末原さん。恩人は打てませんよ。ありがとうございます。着の身着のままでここに逃げてきた私を拾ってくれて」

末原(コンクリートの壁にこんな大きな穴を……相当なポテンシャル……ウチの目に狂いはなかった……が)カタカタ

咲「レッスンはこれで終わりですよね?」

末原「あ、ああ……ウチが教えられるのはここまでや。戦うための武器は渡した。あとはあんた次第」

咲「それじゃあお世話になりました」ペッコリン

末原(教育係として、雀力は授けたが……ひょっとして私はとんでもない化物を……)カタカタ


敗北を糧に、末原恭子の元で修行を積み、雀力と自信を取り戻した!
★ステータス★
雀力 5/10 精神力 5/10 体力 5/5
302 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/22(月) 00:34:08.19 ID:lmpz0Yobo

亦野「ヨォ。どうやらその様子だと、雀力を得たみたいだな」クチャクチャ

末原さんの道場を出て、部屋に戻る途中、この寮の先輩に声をかけられた。

咲(見えるっ!この人の体に纏った、雀力のオーラの流れ……)

亦野「これでお前も晴れて麻雀学園のステージに登れるって訳だ。でもその前に、先輩として礼儀を教えておかなきゃらなないか」ゴゴゴッ

咲「はっ」ビクッ

咲(釣り竿のビジョンが……あの釣り竿は危険だよ……私の直感が言っている)

亦野さんと距離を取る。これも雀力がなければわからなかった事だ。今まで私がこの学園で負け続けていたのは当然だ。
この力を知らずに、強者と戦うなんて、竹槍で現代の戦争に出かけるような行為。

尭深「やめなよセーコちゃん……今日は用があって来たのに」ズズズ

咲(いつの間に後ろにッ!)

亦野「フッ……安心しな、宮永。私たちにはひよっこをいじめる趣味はない」スッ

咲「用ってなんですか?」

亦野「長が会いたがっている。私たちは歓迎するよ。雀力を身に着けた人間は、ね」
303 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/22(月) 00:37:00.45 ID:lmpz0Yobo

どこの世界もそうだ。生きるためにはどこかに属さなければならない。

第2舎は、比較的安定した秩序を保った寮だった。しっかり毎日給食は出るし、畑仕事や工場での労働などの雑事もない。それぞれが麻雀の研鑽に励み、各々の修行を積んでいる。

基本的に雀力5になるまでは、教育責任者の末原塾で修行することになるが、私は瞬く間に雀力を身に着け、卒業した。

この世界で雀力を得たら一人前。第2舎には大きな派閥は1つしかない。現寮長の荒川憩が率いる主流派グループ。ここが寮対抗戦や寮の運営などをすべて取り仕切っている。

あとは地下の雀荘を取り仕切る龍門渕グループなどはあるが、お互いに対立している様子はない。

表は荒川、裏は龍門渕。それで秩序を保っている。

雀力5になれば、当然こういう勧誘はある。選択は2つだ。主流派に属するか、一匹狼になるか。

尭深「私達と一緒に、麻雀の高みを目指すなら、付いてきて」

咲「……」ゴクッ

何かに属するのは嫌な思い出しかない。雀力も身についたし、あとは一人でもやっていけそうな気がする。

でも、群れの中にいなければ、人は生きて行けないのかもしれない。

↓1 どうしますか?
@二人に付いていく (荒川ルート)
A拒否する (龍門渕ルート)
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/22(月) 00:37:46.66 ID:mSK2IsCQo
2
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/22(月) 00:42:26.14 ID:J2vgC1OuO
恩ある人にしか靡かない咲さん任侠の世界に生きてんな…
306 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/22(月) 00:44:38.78 ID:lmpz0Yobo
咲「ごめんなさい、私間に合ってますんで」

亦野「あ?せっかくの誘いを断るってのか?」

咲「あんまりいい思い出ないんですよ、そういうのに属するのって」

亦野「……痛い目見せないとわからないのか」

尭深「誠子ちゃん!」

亦野「うっ」

ぬるい。舐めきった上級生の喉元に、オーラを突きつけた。

咲「この場で……やりますか?」

亦野「チッ……いい気になりやがって……雀力を身に着けたばかりのひよっこが…!」

尭深「ごめんなさい。私達、無理強いする気はないんです。それが宮永さんの選択なら。これから私たちは別々の道を歩む。それだけのこと」

咲「ふーっ……話がわかって助かります」

尭深「でも勘違いしないでね……麻雀は奥が深い。一人で勝ち抜けるほど、ここは甘くないよ」

そう言って二人は目の前から消えてしまった。

これでいい。私はもう属さない。
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/22(月) 00:54:15.48 ID:MIcPESVAo
ヒソカみたいなこと言ってるな
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/22(月) 00:57:37.13 ID:UJmfj6Jlo
トリーズナーっすなあ
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/22(月) 01:03:35.44 ID:T7oKwcQDO
闘牌って書いて異能力バトルって読むのかぁ(混乱中)
310 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/22(月) 01:13:14.26 ID:lmpz0Yobo

ぱちぱち。ぱちぱち。

物陰から拍手が聞こえた。

一「お久しぶり、咲ちゃん。あの頃とは見違えるようなオーラだね」

咲「一ちゃん……最初からいたんだ」

国広一さんと私はただならぬ縁がある。彼女のボスが運営する雀荘で、私は一度麻雀を打った。

そして、負けた。その代償は右目。今はぽっかり空いた右目の穴には安物の義眼を入れている。

一「改めて、ようこそ第2舎へ。それにしても良かったの?荒川さんの誘い断って」

咲「うん……私、もうこれからは一人で生きて行こうと思って」

一「色々あったんだねー」

私がこっちに来てから、程なくして風のうわさであの人は卒園したと聞いた。

一「でも、咲ちゃん。一人だと色々大変でしょ。まず寮対抗試合に出れないから経験値も積めないしさー」

咲「そこら辺は末原さんに相談していたんですけど、雀力5あればアレに出れるって聞いたから」

一「あれ?ああ、タイトル戦ね。エントリーするんだ」

咲「はい」

雀力を身に着け、各寮の教育責任者の印可を得たものが登録し、戦うタイトルマッチ。厳しい戦いが予想されるけど、そこで勝ち続ける者がこの麻雀学園の頂点に立てる。
311 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/22(月) 01:15:09.91 ID:lmpz0Yobo

一「次のタイトル戦は確か、雀聖戦だよね?頑張りなよ、咲ちゃん」

咲「ありがとう、一ちゃん」

一「そうそう、透華から、これ預かっているんだよね、渡すよ」

そう言って一さんは懐から封筒を出した。

咲「うわわっ……これっ」

封筒の中には100万円が入っていた。

咲「う、受け取れません!確か、100万円は指2本!」

一「嫌だなぁ、ただのご祝儀だよ。純粋な透華の好意さ!一人前の雀士になったら、色々お金もかかるからね、受け取っておきなよ」

咲「ほんと、タダですか?」

一「タダだよ、タダ!タイトル戦出るのもお金かかるでしょ?」

咲「ううっ……それじゃあお言葉に甘えて」

一「お金足りなくなったらウチの雀荘に遊びにきなよ。咲ちゃんは大歓迎さ……」

国広さんから100万円を受け取った!
★ステータス★
雀力 5/10 精神力 5/10 体力 5/5
所持金 100万円
312 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/22(月) 01:26:33.38 ID:lmpz0Yobo

私達麻雀学園の生徒は全員参加資格のある寮対抗試合のほか、タイトル戦や順位戦での戦績でランキング付される。

上位ランカーとなると、学園側から棒給も与えられ、様々な特権も付与される。

特に麻雀学園の主要な3タイトル。雀聖、雀鬼、名人の位は尊敬され、年に一度、それらのタイトルホルダーと前年度の雀王の4名での雀王戦こそが、この学園の頂点を決める戦いだ。

末原「ほーん、で、咲はエントリー希望するんやな?」

咲「はい」

末原「雀聖戦は純粋な雀力勝負で、そこまで危険もないし、まあ登竜門にはちょうどええやろ」

末原「ほな、参加費10万円やで」

咲(お金もらっておいてよかったよー!)

末原「予選は4試合。ラス取らないようにしっかり立ち回るんやで。予選の上位3名と、前年度タイトルホルダーで決勝戦やからな。入賞したら賞金も出るで〜」

咲「はいっ!」

私は末原さんに10万円払って、タイトル戦にエントリーした。

ようやく、舞台に立てる。私は、喜びに打ち震えていた。

★ステータス★
雀力 5/10 精神力 5/10 体力 5/5
所持金 90万円
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/22(月) 01:33:49.56 ID:M7Vti4W50
荒川派閥だと寮対抗戦に出られる代わりにまずは金策からだったのか
314 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/22(月) 01:37:25.79 ID:lmpz0Yobo

ルールはシンプル。収支が上位の3人が予選突破。

1試合6半荘、同じメンツで1晩麻雀をする。予選は4試合で、1週間に1試合。最大合計24半荘の長丁場だ。

ただし、特別ルールがあって、1試合の最低収支の者はその時点で予選敗退。

厳しいルールだ。

咲「よろしくお願いします」ペッコリン

ゆみ「よろしく」

胡桃「よろしくお願いします」

亦野「よろしく……まさかいきなりお前と当たるとはなぁ」

咲(ううっ……みんないいオーラ発してるよぉ)

亦野「見せてやるよ、麻雀の奥深さを!」

咲(でも負けられないよっ……!信じるんだ、今までの私の歩んできた道を…!)

↓ 雀聖戦 予選D卓
コンマ 50以上で3位以上
コンマ 50未満で4位 予選敗退
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/22(月) 01:38:22.54 ID:XvUbsI7EO
お任せあれ!
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/22(月) 01:49:59.46 ID:3fyDicV8o
おお、勝ったぞ!
パッシブ:隻眼の魔王
パッシブ:星の遺志
位発動してそう
317 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/22(月) 01:50:45.50 ID:lmpz0Yobo

亦野「ポン!ポン!チー!」

亦野「3副露からの……ツモッ!ホンイツのみ!」

亦野(これが私の麻雀!鳴きからの速攻!)

咲「ぬるいっ!ポンポン鳴いて火力低いっ……!カンッ!」カシャ

亦野「なにッ!?」

咲「そしてリーチッ!」

胡桃(暗槓でドラを増やしてリーチ?なかなか荒い麻雀するねぇ)

ゆみ「……」

咲「そしてカン!リーチツモ三暗刻嶺上開花!これが私の麻雀だ!」

亦野「ぐっ……なかなかやるな……カンの嵐で海が時化ってやがる…!」

激闘6半荘……私はなんとか総合収支で3位を確保した。

亦野「あんた、強いんだな」

咲「先輩こそ」

亦野「よせや、結局イキっても4位で3年連続1回戦脱落……やっぱり壁は厚いなぁ」

亦野「応援してるよ、宮永さん。頑張りなよ」ギュッ

咲「はいっ!」

予選1回戦を突破した!

To be continued…
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/22(月) 01:53:11.25 ID:3fyDicV8o
おつ
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/22(月) 02:18:11.51 ID:T7oKwcQDO

淡…卒園てことは生きてはいるのかな
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/22(月) 03:48:26.94 ID:Sh2krmcmo
勝てる……勝てるんだ!
321 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/23(火) 00:17:15.35 ID:JXYH/WFso

一「いやー、おめでとう。1回戦突破おめでとう、咲ちゃん!」

試合場を出ると、一ちゃんが出迎えてくれた。

咲「ありがとうございます」

一「でも惜しかったねー、あそこで加治木さんの槍槓がなければ1位もあり得たよ」

惜しかった。あと一息でトップも狙えたのに。でも、昔みたいに戦えない訳じゃない。今はビジョンが見えている。

一「次の試合は1週間後だね。それまで何するの?」

咲「とりあえず修行かなぁ」

一「えぇ!?修行?そんなんじゃだめだよ、咲ちゃん」

咲「へ?」

一「たまには息抜きしないと。修行なんてしてもめったに雀力上がらないよ?」

咲「どういうことかな?」

一「雀士たるものよく遊びよく発さないと!初心者の咲ちゃんにボクが色々遊びを教えて上げるよ!」

咲「遊び……?」

一「とってもいいお店知ってるんだ。今日は祝勝会さ!パーッといこうよ、パーッと……」

勝ったあとは気分がいい。3位を勝ったと言うのもなんだけど……なんだか今日は一ちゃんに付いて言ってもいい気分だった。

322 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/23(火) 00:20:24.55 ID:JXYH/WFso

咲「ここって」

一「第3舎。来たことある?」

一ちゃんは私を第3舎につれてきた。通行券があって、一さんと一緒ならフリーパスだ。

第3舎の寮のハズレに、そのお店はあった。

一「女将さ〜ん、2人いい?」

宥「あ、一ちゃ〜ん、ようこそ〜」

【松実館】とネオンの怪しげな看板が出た店に入ると、受付の小さなカウンターに女将さんがちょこんと顔を出していた。

足元でストーブを炊いて、暖かい格好をしている。まだ季節は夏なのに……

咲「一ちゃん、一ちゃん、ここなんのお店?」

一「大人のお風呂屋さんだよ。咲ちゃんせっかく初戦突破したんだし、今日はボクの奢りさ!」

咲「ええっ!?大人の……お風呂……」

一「女将さん、この子、初めてだから。いい娘つけてあげてよ」

宥「ウチの娘みんないい娘だよ〜今は3人空いてるかなー指名料かかるけど、どうする〜?」

そう言って、女将さんは顔写真を見せた。ドレス姿で、みんな顔を手で隠している。
323 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/23(火) 00:21:31.50 ID:JXYH/WFso

咲「わ、私っ……聞いてないよ、一ちゃん!」

一「咲ちゃん、女は度胸さ。せっかく雀力手に入れたんだし、楽しみなよ」

咲「ううっ……」

宥「@いちごちゃん。お客さんついてるね〜〜この娘、うちのナンバーワンだよ〜」

宥「Aゆあんちゃん。この娘はサバサバ系だけど、テクニックすごいよ〜」

宥「Bはるちゃん。最近入った新人さんだね〜おもちはばちこりあるよ〜」

一「誰にする、咲ちゃん」

突然、こんなお店に連れてこられて心の準備はできていなかったけど……今の私なら、雀力をiPS棒に変えられる……気がする。

↓1 誰にしますか?
@いちご Aゆあん Bはる C断る(精神力-1)

324 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/23(火) 00:24:59.43 ID:bdbIHHCA0
1
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/23(火) 00:33:17.83 ID:h/0Qz5fDO
泡落ちしたのか春…
326 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/23(火) 01:09:48.39 ID:JXYH/WFso

咲「じゃあ……この娘で」

宥「お目が高いね〜〜いちごちゃんはウチのナンバーワンだよ〜〜」

宥「時間は60分コース、アリアリでいい?」

咲「アリアリ?」

宥「前戯あり・本番ありだよ〜ウチの標準コース〜一応女の子の嫌がる行為禁止ね〜」

一「それじゃあ、咲ちゃん、ボク終わるまで適当に外ぶらぶらしてるから。楽しんできなよ」

10分くらい、狭い待合室で待っていた。

宥「お客さん、準備できました〜どうぞこちらへ〜」

女将さんに声をかけられ、店の奥のカーテンを開けると、女の子が三つ指ついて待っていた。

いちご「ご指名ありがとうございます」

宥「それじゃあごゆっくり〜」

いちご「ほいじゃ、お部屋あっちじゃけぇ」

咲(わわっ……かわいい人だなぁ……ふわっとして、柔らかそう……)

私は店の奥に通された。

327 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/23(火) 01:13:40.42 ID:JXYH/WFso

部屋はそこそこ広くて、大きなバスタブにマット、奥にはベッドもあった。

いちご「お客さん初めてじゃろ〜ちゃちゃのんにおまかせでええかな〜」

咲「あっ……はい」

いちご「それじゃ……まず体洗おうかのぉ」ヌギヌギ

咲「ううっ」キョロキョロ

いちご「……お客さん、恥ずかしがらんで〜ほら、脱いだ脱いだ」ヌガセヌガセ

いちご「はぁ〜〜案外おっきいなぁ」

咲「あっ……私の……」

気がついたら、股の間に、おぞましい棒がついていた。無意識に発現させていたらしい。iPS棒。雀力の具現。力の象徴だ。

いちご「それじゃあ失礼して……んっ…んちゅっ…ちゅぷっちゅぷっ」

咲(いきなり口でなんて汚いよっ!)

いちご「ぷはっ……お客さん相当麻雀打てるじゃろ……久しぶりにしゃぶりごたえあるiPS棒じゃけぇ……」

いちご「んっ…れろっ、ちゅっ、ちゅぷっ、んちゅっ」

咲(うっ、なんか変な感じ……今まで、奉仕する側だったから……こうして見下ろしながら、舐めさせるのって)

いちご「ええ感じになってきたなぁ……そいじゃ、次はちゃちゃのんスペシャル……お体洗いますね」

328 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/23(火) 01:19:06.33 ID:JXYH/WFso

風呂場でシャワーを一緒に浴びたあと、マットの上に横にされた。

いちご「んっ……んっ……」ヌチュヌチュ

それから、いちごちゃんはヌルヌルのローションを自分の体に塗って、私の体に塗り込むようにこすりつけてきた。

いちご「ふぅ〜〜ふぅ〜〜〜んっ、痒いところありませんか?」

咲「大丈夫です…」

咲(うわわっ……なんだか変な気分だよ……)

いちご「……もう、こっちは準備万端じゃけぇ」ニギッ

咲「ひゃっ!」

いちご「それじゃあ失礼しますね……」

いちごちゃんは、すっかり硬くなった私のiPS棒を握り、私の上に跨った。そして、それを自分の股にあてがい……
329 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/23(火) 01:29:06.64 ID:JXYH/WFso

宥「お疲れ様でした〜〜お連れさん、お店の外で待ってますよ」

咲「……」ポケー

一「どうだった、咲ちゃん」

溶けるような時間。女の子の、中があんなに気持ちがいいなんて。知らなかったよ。

体の上で腰を振られて、程なくしてフィニッシュに導かれた。その後、体をまたシャワーで洗い流して、ベッドの上で2回戦。

今度は私がいちごちゃんの上に乗り、腰を振った。

一「ちゃちゃのん、数の子天井って評判だよ!ボクはシたことないけど、純くんは月1で指名してるって。元アイドルをバックから犯すのが最高なんだってさー」

咲「アイドル?」

一「知らないの?ちゃちゃのん、この学園に来る前は結構有名な麻雀アイドルだったんだよ。麻雀の修行ってことでこの学園に来てね……ま、どの世界にも上には上がいるってことでさ」

一「ボク達の雀荘で負けたら文字通り体で払ってもらう事になるんだけど、それ以外のところで借金したらだいたい宥さんのお店で働くことになるかなぁ」

一「標準コースは60分5万円。割りとリーズナブルだけど、指名料2万だから、そこそこ高級だと思うなー。でも、このお店、色々オプションあるからね。お金払えば何でもできちゃう。咲ちゃん、頑張って稼ぎなよ!次は自分のお金で、ね……」

夢見心地だった。あれが女の子の体……これは別次元の快楽だ。

弱かった頃は犯されるのが当たり前だった。体を使って、強い人に媚を売って、可愛がってもらう。

でも今は違う。私が犯す側だ。私が強者だ。私が支配する側なんだ!

いちごちゃんもあんなに可愛いのに、お金を稼ぐ為に体を売っている。昔は結構強かったんだろう。でも、もうその面影はない。

雀力は微塵も感じなかった。這い上がれないほどの枷を背負わされ、死ぬまで牌も握れず、金主のために体を売らされる……それが、彼女の結末だった……


女の子を抱いて精神力が1アップした!
★ステータス★
雀力 5/10 精神力 6/10 体力 5/5
所持金 90万円
330 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/23(火) 01:39:45.93 ID:JXYH/WFso

1回戦突破し、一さんの奢りで宥さんのお風呂で楽しんだ後……

私は悶々とした日々を過ごした。

気がつけば、iSP棒が勃っている。

手頃な相手で発散したいけれども、相手がいないので我慢の日々だ……

修行に集中なんてできやしない。

次の試合。また勝ち抜いたら、一さんに言って連れて行って貰おう。

そう心に決めて、布団の中で一日中いちごちゃんとの事を思い出しながら過ごしていた……

2回戦。

美穂子「よろしくお願いします」

船Q「よろしく」メガネクイッ

灼「よろしく……お互いベストを尽くしたいと思…」

咲(対面の片目のおねーちゃんは要注意……なかなかいいオーラ出してるね)

咲(眼鏡でいかにもデータ麻雀してきそうな上家も侮れないよ!)

咲(下家はグローブ!?www??ボーリングのオーラを纏っているけどこれはひょっとしてギャグかな?)

咲(負けられないっ…!全員ゴッ倒す!)

↓ 雀聖戦 予選2回戦
コンマ 50以上で3位以上
コンマ 50未満で4位 予選敗退
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/23(火) 01:41:06.75 ID:i9kqGXq+O
332 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/23(火) 01:44:43.21 ID:JXYH/WFso
To be continued…
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/23(火) 02:06:04.38 ID:h/0Qz5fDO

一体何があって春は泡堕ちしたんだ…
個人的な理由それとも第1舎の内部で何か変化があったのか?
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/23(火) 02:19:05.43 ID:+RFFQ7gdo
乙 これは運が向いて来たな……
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/23(火) 02:31:49.01 ID:bdbIHHCA0

この調子で賞金貰えるよう頑張ってほしいな
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/23(火) 08:06:32.15 ID:MMWztLHUo
コンマ運上がりすぎてて後が怖い
337 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/24(水) 20:55:36.46 ID:rTTSRawXO

船Q(宮永咲……第1舎から第2舎へ転寮した異色のキャリアやな)

船Q(寮対抗戦は3回しか出場経験がなく、1勝2敗)

船Q(その後わずか半年で雀聖戦の予選に出場できるまで雀力を身に着け)

船Q(1回戦では辛くも3着をもぎ取った)

船Q(注目すべきはその脅威のカンの割合……そして、カンをした時の嶺上開花の率は50%を超えている)

咲「カン!嶺上開花だよ!」パタッ

船Q(しかし、カンをする割にカンドラが乗りませんなぁ。制約にしては軽すぎる気もするけど)

咲「今日も絶好調〜!カンのノリがいいよ〜!」

船Q(せっかくやし、今日はデータ取りに徹させてもらうで……)

咲「カンカンカンカンカンカン!気持ちいい〜〜!」

美穂子「……ツモ。6000・3000です」

咲(一着は対面のおねーさんか……昔ならボコボコにされていたんだろうけど、今はそうは行かないよ!)

予選2回戦の収支は2位でフィニッシュした!

……

船Q「要チェックやな……宮永咲。すでに福路美穂子と互角に打ち合うレベルか」

灼「偶然だと思……雀力は大きな開きがある」

船Q「見かけの雀力だけに囚われていたら足元掬われるで。強能力持ちは侮れん。それにまだ伸びしろもありそうや」

灼「ボスに報告する?」

船Q「ああ。すでに【データ】は手に入れた」

……
338 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/24(水) 20:56:45.10 ID:rTTSRawXO

一「すごいね、咲ちゃん!2位だよ、2位!」

咲「えへへ〜」

一「このまま行けば本卓出場もあり得るよ!初出場で雀聖戦本卓につくのは、荒川憩以来の快挙じゃない!?」

咲「荒川さんって確か」

一「第2舎の寮長だよ。学園ランキング2位のトップランカー。そして現・雀聖位タイトル保持者!」

咲「強いの?」

一「スピード・パワー・テクニック、全てが1流の麻雀打ちさ。学園内でも数々の才能を発掘して雀力開花のサポートをしたり、上層部からの信頼も厚いよ」

咲「能力は何なんですか?」

一「咲ちゃんもう荒川とやる気満々だねー……荒川憩は表で打つときは能力使わないんじゃないかな……素で打って雀聖、それが荒川憩。衣の遊び相手だし、とーかも一目置いてるよ」

そう遠くない将来。このままいけば最短で2試合後。私はこの学園の頂点に最も近い女と卓を囲むことができる。こんなに早くチャンスが来るなんて。震えが止まらない。

一「そんなことより咲ちゃん。今夜はどうする?」

咲「ううぅ……行きたいです」モジモジ

勝利したあとから、昂りが収まらない。1週間お預けを食らった分、発散したくてたまらなかった。

339 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/24(水) 21:01:42.37 ID:zELW2gJoo

宥「いらっしゃい〜〜あっ、今週も来てくれたんだ〜」

咲「勝った自分へのご褒美です……今日はいちごちゃん来てますか?」

宥「ちゃちゃのんお店出てるよ〜」

咲「うーん、他には?」

宥「今日はこの娘達がいるよ〜」

@いちご 10万円
Aゆあん 5万円
Bはる 5万円

咲「代わり映えしないね。あとお金取るんですか!?」

宥「当たり前だのクラッカーだよ〜指名するたびに値段上がってくシステムだから要注意〜もちろん指名するたびに好感度も上がるよ〜」

咲「ううぅ、聞いてないよぉ」

宥「じゃあ帰る?」

咲「もう、宥さん意地悪!」

↓1
誰を指名しますか? 所持金90万円

340 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/24(水) 21:03:22.02 ID:NeieS+ero
はる
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/24(水) 21:15:32.65 ID:tFjO+Ci20
ここで、はるるか...
さて、どうなるか
342 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/24(水) 21:22:40.83 ID:rTTSRawXO

咲「このはるちゃんって娘、おもち大きいなぁ」

宥「でしょ〜?最近新しく入った娘なんだけど、私の一押しだよ〜」

咲「じゃ、この娘で」

宥「はーい、それじゃあ呼ばれるまで待っててねー」

……待合室……

咲(まだ緊張するなあ)ウズウズ

咲(暇だし、おいてある漫画でも読んでよっと)

咲(うわわっ、ウシジマくん(コンビニ版)置いてあるよ!なんか嫌な気分だな〜)ペラペラ

咲(これ読んでると闇金とか消費者金融からお金借りちゃだめだって再認識できるよ〜)ペラペラ

宥「それじゃあ少しお待ち下さい〜」

咲(わわっ、別のお客さん入ってきたよぉ!知らん振り知らん振り)ペラペラ

久「あら?咲じゃない。何やってんのこんなとこで」

咲「あっ……竹井さん……」
343 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/24(水) 21:24:38.39 ID:rTTSRawXO

咲(待合室で知り合いに合うとか最高に気まずいよー!それに、前ボロボロに負けて、エグいお仕置きされちゃったし……)カタカタ

久「聞いてるわよー!雀聖戦、勝ってるんだって?」

咲「はい(小声)」

久「やっぱ光るもの持ってるのねー」

咲「竹井さんは雀聖戦の調子どうなんですか?」

久「私?面倒くさいからエントリーしてないわよ」

咲「面倒くさい?」

久「荒川憩に勝つのが。私、一応第3舎の寮長やってるから、荒川と打つなら絶対勝たなきゃならないのよねー、雀聖戦で荒川に勝つには仕込みも入れて半年は研究しないと。でも、そんな暇ない訳」

咲「竹井さんでも勝てないんだー……」

久「むっ」

咲「わわわっ、ごめんなさい!荒川さんと白黒付けるの怖くて逃げたなんて誰も思ってませんから!」

344 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/24(水) 21:29:56.73 ID:po1lQrsQo
言うようになったなコイツww
345 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/24(水) 21:35:31.84 ID:rTTSRawXO

久「そうそう、はる指名したのあなたなの?」

咲「ええ。おもち大きいですよねー」

久「分かってるわねぇ、そそるわよ、あの娘は。まだ開発し甲斐あるし。今日も私、春抱きたくて来たのに先に指名されたって聞いてがっくりきたわ。それがまさか咲とは!」

咲「私のあとでいいんですか?」

久「いやよぉ、仕方ないから揺杏で我慢したわ。揺杏にテクニック仕込んだの私だから。今度、遊びに来たとき指名しなさいよ!サービスするよう言っとくわ」

咲「竹井さん仕込みですかー……」

久「何よ、露骨にテンション下がってるじゃない」

咲「そんなことないですよ!」アワアワ

久「咲もここで働くことになったら色々教えてあげるわよー!私、ここの常連なの」

咲「縁起でもないこと言わないでくださいよ!もう今の私は、昔とは違うんですから」

久「ふーん」ニヤニヤ

宥「はるご指名のお客様、おまたせしました。どうぞこちらへ」

咲「じゃ、行ってきます」

久「いい夜過ごすのよ〜」
346 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/24(水) 21:49:54.98 ID:rTTSRawXO

春「不束者ですが、よろしくお願いします」ペッコリ

咲「よろよろのよろ……ってあれ?」

カーテンの奥で三つ指をついて頭を下げている女の子に見覚えがあった。

春「あっ……」

咲「滝見さん…」

昔の話だ。私たちは一時期、同じ寮にいた。一緒に、あの人を支え、あの過酷な選挙を戦っていた。


春「……」

とりあえず一緒に部屋まで入ったけど。

咲「……」

気まずい。気まずすぎる。

選挙で負けが決まったとき、滝見さんは真っ先にあの人を見捨てて原村さんの陣営に乗り換えた。

その後何があったのかは私はよく知らないけど。こんなところで働いているとは相当苦労しているのだろう。

やはり負けた側に相応の報復はあったのだ。

春「……」

滝見さんは呆然と立ったまま、嬢としての仕事をすっかり忘れている。

私もどう接していいのかわからない。仮にも一度は同じチームメイトだったのに。方や雀聖戦2回戦突破の期待のルーキー、方やお水で体を切り売り。

世の中は残酷だ。

咲(そして後先考えず120分コースを指名してしまった私の気分たるや!)

咲「チェンジとかできない…かな?」

咲(今からでもちゃちゃんのんで!)

春「できない。どうしても、というなら黒服呼ぶ」

咲「……」

↓1 どうしますか?
@普通に奉仕させる
Aあのあと何があったか、はるるの話を120分間聞く
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/24(水) 21:50:29.40 ID:yp07PhIUo
2
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/24(水) 21:52:36.10 ID:h0T4frrxo
せっかく五万も払ったんだから挿入しながら喋って
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/24(水) 22:04:03.98 ID:+U6roFQyO
120分フルにトークで使う意味…
350 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/24(水) 22:14:21.47 ID:rTTSRawXO

春「とりあえず、体洗う?」

咲「ふー……なんだか今日はそういう気分じゃないな」

春「ごめんなさい」

咲「いいのいいの、たった5万だし!私、お金も結構余裕あるよ〜」

春「……」

咲「それより色々話聞かせてよ。私がいなくなったあとの第1舎の事」

〜〜〜

春「あの人には本当に悪いことをしてしまった」

滝見さんの話は懺悔から始まった。

春「色々お世話にもなっていたのに。でも、そうしなければ、次は私の番。そういう恐怖に屈してしまった」

春「まだ宮永さんがいた頃。あの人が責を受けていた頃は、私も、南浦さんも……いや、他の寮生達も皆普通の暮らしを送れていた」

春「あの人一人に十字架を背負わせていたから」

春「でも、あの人が星になったあと」

そこで滝見さんは俯いた。

春「私達の地獄が始まった」
351 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/24(水) 22:19:39.16 ID:rTTSRawXO
それからぽつり、ぽつりと滝見さんは120分かけて言葉を紡いだ。

春「独裁を誰も止められなかった」

春「そして掲げたスローガンは、打倒第2舎。そのための雀卓などの設備投資金の財源として、寮生は雀力のランクに応じて月当たりの上納金が設定された」

春「私や南浦さんは、雀力A+ランクに設定され、月あたり100万円以上の上納金の義務を課せられた」

春「Cランクでも月10万円。寮生たちは阿鼻叫喚に陥った」

春「そこで副寮長はいった。一人当たり1000万円の融資をした上で、第3舎の雀荘を紹介する。そこで金を稼ぎなさい、と」

春「私も、黒糖貯金がつきかけたとき、賭けに出ざるを得なかった。上納金が払えなかった場合、トイチの新子銀行からお金を借りないといけない」

春「座して死を待つよりは……でも、麻雀の神様は、自分の首も回らなくなって金借りて打つ雀士には微笑まない」

春「身をもってわかった。私のこの学園での運命。自分の限界。」

春「今は、借金を返済するため、ここで働いている。時々、お客さんが黒糖を分けてくれたりする。それで十分幸せ……」ポリポリ

春「たくさん話したから今日はもう終わり。次来るときは黒糖をお土産に持ってきてくれると嬉しい」ポリポリ

滝見さんのオーラは往時の輝きはなく、豊満なボディとは裏腹に、消えかけのろうそくのように薄くなっていた。

春「第1舎は今蠱毒の壺の渦中。血を流した分だけ強くなる。気をつけた方がいい。原村和はまだ諦めていない」

何を?

最後に思わせぶりな事を、滝見さんは呟いた。

352 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/24(水) 22:36:30.94 ID:NeieS+ero
孕村さんラスボスか何か?
353 : ◆TZolALn9r2 [saga]:2018/01/24(水) 22:38:26.23 ID:rTTSRawXO
2時間かけて得られた情報はそれだけ。意味があったのか、なかったのかが分かるのは遠い未来のことだ。

複雑な気分。かつて、私達を迫害した連中は、今地獄に喘いでいる。

私はそこから逃げ出して、環境に恵まれ、輝くスポットライトの下に座っている。

雀聖戦 予選 3回戦

まこ「よろしくのぉ」

玄「よろしくお願いします!」

由子「よろしくなのよー」

咲「ゲーッ!オメーは!」

由子「なんて目で見るのよー!まるで道端に散らばった生ゴミ袋の中身を見るような目なのー!」

咲「職員も出ていいんですか?」

由子「特に制限ないのよー!第1舎はみんな優秀だから教えることなくて暇だから私も趣味の麻雀を楽しんでるのー!文句は言わないでほしいのよー!」

まこ「あんたここまで2位-1位じゃろ……大人気ない。もし雀聖戦本卓に出ることになったらコトじゃぞ」

由子「あとは適当に負けておくから大丈夫なのよー」

咲(見せてやるんだ。このひとに、今の私の実力を!)

★ステータス★
雀力 5/10 精神力 6/10 体力 5/5
所持金 85万円

↓ 雀聖戦 予選3回戦
コンマ 50以上で3位以上
コンマ 50未満で4位 予選敗退
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/24(水) 22:40:08.01 ID:P1BnmV2/o
はい
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/24(水) 22:40:46.55 ID:h0T4frrxo
ほい
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/24(水) 22:41:21.85 ID:+U6roFQyO
今の私の実力()
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/24(水) 22:43:08.86 ID:NeieS+ero
1舎の記憶かな?
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