【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【7頁目】

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41 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/03/20(日) 16:43:46.56 ID:hq6NCo6oo
黙って陽乃の話を聞いていた球子は、暫く間が空いたのを終わったと判断したらしく、

大きく息を吐いて「あのさ」と渋い顔で口を開いた。

球子「ぶっちゃけ、タマには難しい話はさっぱりだ。遠回しだとか、比喩? だとか、なんだ。まぁ良く分からないことされても困る。そういうのは杏にやってくれ」

杏にしか分からん。とまで言い切った球子だったが、

だから間違ってるなら間違ってるって言ってくれと、続ける。

球子「歌野は、陽乃を助けたいからってそんなことしようとしてるんだろ?」

陽乃「そう言っていたけど」

球子「歌野は、陽乃に死んでほしくないんだろ? 命を大切にして欲しいんだろ?」

陽乃「……ええ」

言い聞かせて、自覚させようとでもしているのか。

陽乃は怪訝な表情を浮かべて、けれど、球子がそんな心理的な技を持っているわけがないと、息を吐く。

陽乃「何が言いたいの」

球子「何って、間違ってないか確認したかっただけだぞ」

陽乃「なら間違ってないわ。それで? だから?」

球子は「急かすの止めろ」と不満げに唸る。

球子「歌野が本気ならきっとタマには止められない。歌野が命を懸けるのを止める気があるのかと言われれば、止めたいとは思うが、止められるのはタマじゃない」

球子はそれを自覚しているから、あえて陽乃に告げる。

これについては助けを求められても困るのだ。どうしたって、その信念は曲げられないだろうから。

止められるとしたら――

球子「陽乃は歌野がどうしたら命を懸けなくなるんだ? そんなにボロボロになったりしなくなるんだ? 一番命を削ってるのは、他でもない陽乃じゃないか……自分が歌野に求めてることを自分でやれよ」

それは陽乃だけだろうと、球子は訊ねた。
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