【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【7頁目】

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577 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/09/18(日) 00:31:25.13 ID:5rnNJt2X0

諏訪にいたころと違って、
四国は神樹様の恩恵によって、人々は勇者の戦いを知覚することが出来ない。
それは巫女も例に漏れず、あとから戦いがあったことを知ることになる。

神託によって近々戦うことになるだろうという覚悟はできるものの、
それくらいしかできないのが本来の巫女の形だ。

水都「……っ」

何が、恩恵だ。と、水都は思う。

そんなことをしているから、
勇者達がどれほどまでに苦痛を味わっているのかを知らず、
自らの細やかな不幸で、勇者達を責め立てているんじゃないか。

人々は知るべきなのだ。
勇者の努力を、勇者の恐怖を、勇者の痛みを、勇者の苦痛を。

そうすれば、誰一人として文句は言えなくなるだろうし、
それでもなお言いたいことがあるのなら、刀の一つでも握らせてやればいい。

でもきっと、陽乃はそんなこと望まない。
それで手のひらを返されたとしても、陽乃は今までと何も変わらない。

だから、その願いは水都の自己満足にしかならない。

水都はそうっと、陽乃の手を取る。
歌野とのつながりを手繰り寄せていき、少しずつ、その力を陽乃へと伝えていく。

温かな生命力の力は、水都の身体を火照らせる。
水都の額に汗が浮かび、頭がずきずきと痛んで、吐き気がしてくる。

それでも水都は身を削るのを止めなかった。

真実を包み隠さないようにと神樹様に直談判するよりも、
その時間さえも惜しんで癒すために尽くす方が、水都にとっても、歌野にとっても。
そしてきっと陽乃にとっても良いと、思って。
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