【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【7頁目】

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651 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/09/24(土) 23:15:24.92 ID:wLja98K10

球子はどうしても杏を優先させたいと言った様子だが、
杏だけでなく陽乃からも言われれば、さすがに大人しくなって――

球子「……なんだよ。狡いじゃないか!」

大人しくはならなかったが、何が何でも杏が庇護下に入るべきだと、強気で来ることはなかった。

球子ももう少し力の使い方を考えるべきだと
使うべきタイミングを見極められるようになるべきだと、
そう言われれば、そうかもしれない。なんて、球子は居住まいが悪そうに目を背ける。

陽乃「貴女の代わりがいるならともかく、いないのよ。分かるでしょ」

球子「それは陽乃だってそうだろ」

陽乃「私は代わり以前に私自身が存在していてはいけないのよ。だからと言って死ぬ気はことさらないけれど、でも、私が死んだところでこの世界に悪い意味で大きな影響はないじゃない」

住民たちは喜ぶだろうし、大社は肩の荷が下りたと安堵するかもしれない。
暴走している千景だって、やっと消えてくれたと正気に戻る可能性さえある。
むしろ、いいことづくめだとも言える。

陽乃「だけど、貴女は違――って、何よその顔」

球子「いや、何にもわかってないんだなと思って」

杏「タマっち先輩、若葉さん、歌野さん、水都さん、ひなたさん……私達に多大な悪影響があることは、理解していただきたいです」

今にも涙を流しそうな面持ちで言う杏に、ひなたは同意して。
そんなこと言われても困ると、陽乃はため息をつく。

陽乃「とにかく、よくよく考えておくことね」

そう言い残し、ひなたと共に病室を後にした。
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