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15、16歳位までに童貞を捨てなければ女体化する世界だったら - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/18(水) 21:05:44.64 ID:bEFpJUc0
立てた。
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君を悲しませてるものはすべて消えるよ! @ 2024/05/28(火) 18:12:40.19 ID:y8Gb4G7fO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1716887560/

【安価】上条「とある禁書目録で」ダイアン「仮面ライダーよ!」【禁書】 @ 2024/05/27(月) 22:38:44.58 ID:dUaLKbVW0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1716817123/

■ 萌竜会 ■ @ 2024/05/27(月) 22:02:42.79 ID:UsTJJi4bo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1716814962/

あたしの思うままに愛してみようぜ @ 2024/05/27(月) 20:36:45.99 ID:F8f/eZRO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1716809805/

イカ百貫 @ 2024/05/27(月) 19:39:48.34 ID:ItSfmbovO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1716806388/

今更だけどswitch買ったからフレンドになってほしい! @ 2024/05/27(月) 15:12:16.29 ID:zv3HGOsp0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1716790335/

いつか終わる夢 @ 2024/05/26(日) 22:56:45.51 ID:krZec8zr0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1716731804/

らららボールトバスターズ with.仮面ライダーセイバー×ゴースト @ 2024/05/26(日) 11:12:10.41 ID:l59ythuC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1716689529/

2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/18(水) 21:18:58.91 ID:W76yj6oo
最高の世界だと思う
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/18(水) 22:14:21.84 ID:bEFpJUc0
>>2
だよな。
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/18(水) 23:03:06.64 ID:m7/PfcSO

ついにパー速デビューか。
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/18(水) 23:04:38.87 ID:/GsnNsAO
オナニーし放題
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/18(水) 23:14:07.44 ID:W76yj6oo
2010年からスレタイの仕様が適応されるらしい・・・
16歳↑で童貞の奴は無条件で女の子(美少女)になってしまうという話だ

ソースは俺に聞こえた神の声
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/19(木) 02:08:59.64 ID:BBOG6Lc0
よし、誰もいないな
投下するなら今のうちだ
8 :さまのすけ ◆tUUMAZGdHU [sage]:2009/03/19(木) 02:10:27.35 ID:BBOG6Lc0
青い光を放つLED。目の前には散らかった机に写し掛けのノート。辺りを見回せば堆く積まれた雑誌の類。足の踏み場なんてあったもんじゃない俺の部屋。
ああ、一つ注意しておく。これは自分仕様にデフラグされたのであって、決して散らかってるわけではない。
さて、そんな部屋で俺は今写経と言うルーチンワークに勤しんで数時間経ったわけだが…

少し休憩しよう…
ペンダコのできた手は滑らか黒色に染まっていた。

机の端に目をやれば、訳の分からない落書きがしてあるわら半紙。何かを思い付いたのでもなく余白を減らしてみた。
四分の一くらいが埋まった時、変な考えに行き着いた。
9 :さまのすけ ◆tUUMAZGdHU [sage]:2009/03/19(木) 02:11:45.32 ID:BBOG6Lc0
人生は紙のようなものではないか、と。
最初は白紙。色々なものを書き足して大きくなり、豊かになっていく。
落書きはさしずめ雑学というところだろうか?
時間潰しはまだ続き、変な考えはさっきよりも浮かんでくる。
女体化というのは神様がササッと落書きしていったのではないか、と。


若造が何を語ってるんだか…
とにかくナンセンスだ。やめとこう。

PCに目を向けると、電源のLEDが点滅していてスタンバイ状態であると告げる。
そんなに時間が経ってたのか…

巡回してから寝ようと思いマウスを動かそうとした刹那、モニターに映り込んだ姿に違和感を覚えた。
よくよく見てみればどう見たって自分ではありません。
本当にありがとうございました。

椅子ごとひっくり返って散らかってる部屋を更に散らかしたのは言うまでもない。
10 :題:試(死?)論 :2009/03/19(木) 02:15:20.30 ID:BBOG6Lc0
中途半端だが終わり
なんとなく書いてみただけだ
反省はしてない
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/19(木) 02:20:32.78 ID:rknTkyc0
おっつー
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/19(木) 02:23:44.59 ID:HcQ.Jqo0
出来れば続き書いてほしいです。
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/19(木) 02:26:33.24 ID:BBOG6Lc0
誰もいないと思ったのに…
続きねぇ…
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/19(木) 02:28:58.82 ID:rknTkyc0
(・∀・)ニヤニヤ

とりあえずテンプレ貼っとこう
ここは多分保守いらないけど

避難所http://jbbs.livedoor.jp/study/7864/
まとめ http://wiki.spc.gr.jp/jikkenpage/
      http://www8.atwiki.jp/tsvip/

定期的に保守よろしく。また、新まとめではまとめ人募集中
wikiの編集法の知識有無関わらず参加待ってます
編集の手順はwiki内『編集について』を参照のこと
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/19(木) 02:38:34.60 ID:BBOG6Lc0
今更だがパー速に立てるのはなんか違う気がするんだよな
全く書いてなかった俺が言っても説得力ないが
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/19(木) 02:58:37.24 ID:.egKeL20
>>15
避難所だとスレが進まないからな……。
金曜日にVIPにスレたてて、後はこっちでやりゃあ良いんじゃね?
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/19(木) 03:49:20.95 ID:BBOG6Lc0
>>16
避難所のが人の目に触れる機会が多いと思う
こっちだと過疎に歯止めが効かなくなりそうだし立て続けて欲しかったんだが…
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/19(木) 06:03:59.22 ID:eCRmQIAO
仮に人の目あったとして書き込みないじゃん避難所
スレ立てても即落ちするしVIPに無理に立てることないと思う
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/19(木) 06:21:48.66 ID:hwJ0Gro0
なんか11人いるみたいだな
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/19(木) 06:49:13.64 ID:lltENCsP
‖∀・)
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/19(木) 08:27:36.42 ID:46Hq6wSO
週末VIPは賛成だが、なんも考え無しにたてても、VIPで雑談して終わっちゃうのでは?
だったら通常投下とか安価とかはこっちでやってVIPではイベント的なものをやったほうが良いと思われ。そうすれば毎週末にはそれなりの投下がされるんじゃね?
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/19(木) 10:09:03.42 ID:n8Lj/gDO
ついにパー速か・・・

常にスレがあると考えればこっちのがいいのかもね
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/19(木) 15:44:19.28 ID:xTHTHKso
お、パー速に立てたのか。乙乙
ここしばらくは立って即落ちしてたからしょうがないかもな。
投下とかして頑張るっきゃないなー。俺も協力するわ
っていうことで何かネタ振りたのんだ
24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/19(木) 16:05:20.31 ID:sCxHnBA0
ネタは3つくらい頭の中にあるけど書く時間がない
25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/19(木) 18:32:54.96 ID:46Hq6wSO
>23
つ『安価』
26 :お芋 :2009/03/20(金) 01:12:02.34 ID:dgV9FJs0
まったく!!ウチがいないと本当にだらすねぇ〜な
27 :お芋 :2009/03/20(金) 01:21:45.21 ID:dgV9FJs0
うわ〜・・・本当にだらすねぇ〜・・
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/20(金) 01:24:15.23 ID:xfTa2NQo
>>27
独り言って悲しいからレスしてやるよ
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/20(金) 01:24:46.38 ID:Ol5UT.SO
パー速だし過疎はしょうがないべ…。
30 :お芋 :2009/03/20(金) 01:25:13.13 ID:dgV9FJs0
>>28いつもすまないね〜・・・ゴホゴホ・・・
31 :お芋 :2009/03/20(金) 01:51:51.25 ID:dgV9FJs0
ぱ・・パー速すごいね・・イロイロと・・・
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/20(金) 01:57:53.88 ID:xfTa2NQo
ラーメン作って寝よう・・・
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/20(金) 02:08:30.23 ID:duaSnbA0
まぁ保守ばっかになって落ちるよりは・・・
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/20(金) 02:14:33.56 ID:xfTa2NQo
ラーメンうめぇwwwwwwwwww

てか、ニュー速VIPで規制くらった・・・
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/20(金) 02:25:03.02 ID:EkAf8zg0
3点リーダーが多いですね
36 :お芋 :2009/03/20(金) 02:25:41.87 ID:dgV9FJs0
ウチはもうずっと前から規制だよ
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/20(金) 02:37:38.87 ID:EkAf8zg0
どんまい
38 :お芋 :2009/03/20(金) 02:40:58.52 ID:dgV9FJs0
しかたないね〜
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/20(金) 03:16:55.39 ID:SlPDYI2o
なんか妙に進んでると思ったらお芋たん降臨かよwwwwwwww

実際ここの人口どうなんだろう…
40 :ドッ変態 :2009/03/20(金) 03:22:26.12 ID:dgV9FJs0
いいえ私はお芋タンではありませんよ
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/20(金) 03:22:35.89 ID:6xbsgF60
それでもお芋たんなら…お芋たんなら何とかしてくれる!
てことで職人さんの降臨を(うДT)さんところの狼さんと一緒にwktkして待ってます

ttp://www6.uploader.jp/user/1516vip/images/1516vip_uljp00218.jpg
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/20(金) 03:30:31.66 ID:EkAf8zg0
もふもふ!
43 :ドッ変態 :2009/03/20(金) 03:43:33.04 ID:dgV9FJs0
>>41ってコテ付きさん?
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/20(金) 04:20:11.32 ID:hJH6/O60
コテ無いですけどROMったり時々やっつけな絵投下したりしてました
SSは黒歴史
45 :孔明 ◆fzpLpgOYbk :2009/03/20(金) 10:03:51.10 ID:7tRa.wDO
パー速うめぇwwwwww
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/20(金) 10:36:47.63 ID:KsbY69MP
こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/20(金) 10:37:07.18 ID:KsbY69MP
[切腹]
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/20(金) 15:36:40.64 ID:96sDoYAO
>>46-47とかNGワードってヤツ?
どうすべな……
49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/20(金) 15:43:51.82 ID:BhQW5nco
>>48
目欄にsaga
でおk
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/20(金) 15:45:36.41 ID:j1VrK2AO
ゲーム化ってどうなったん?
51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/20(金) 17:34:12.32 ID:3c4My.DO
>>50
確実に黒歴史に向かって突っ走ってる
体験版についてのレスは避難所に3件くらいしかなかったし、回りの関心度の低さも伺える
間接的にこのスレにトドメ刺したようなもので、よく思ってない作家もいる
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/20(金) 20:36:07.36 ID:r8H0ToA0
VIPはPCも携帯もずっと規制食らってるよチクショウ
どうでもいいけどユニゾンシフトの新作に実質にょたっこっぽいのがでてた
親友ポジションの男人格なロボがメンテのときだけ女生徒型のボディを使ってた
ルート無いかなぁ
53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/20(金) 21:01:11.47 ID:7tRa.wDO
ゲームの完成がいいカンフル剤になると俺は信じてる

だからゲーム化には期待してるぜ
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/20(金) 21:14:05.00 ID:KsbY69MP
取りあえず

粉 雪は使えません
亀 田も

あと何だっけ
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/20(金) 21:19:03.81 ID:xfTa2NQo
のび太くんのお守り役の自称ネコ型ロボット
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/20(金) 22:54:03.53 ID:duaSnbA0
DORAEMOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOON!
DORAEMOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOON!
57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/21(土) 00:22:05.36 ID:S4DVzgAO
スレ探して毎日うろうろしてた俺にとってはゲーム化はかなりwwktkする話なんだがな

ところで今VIPのルールってどうなってんだ?
レスの保持数やら期限やら色々変わったと聞いたんだが。
58 :ドッ変態 :2009/03/21(土) 00:38:59.32 ID:7KYruDw0
ゲーム化はもう絶望だね
何してるか分からないのに期待してもね
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/21(土) 01:00:19.16 ID:flS1592o
素朴な疑問なんだけど・・・

著作権って商業用に使った場合のみ適応だっけ?
それとも、絵(キャラ絵)とか映像を使って2次製作作品を作った時に適応?
60 :ドッ変態 :2009/03/21(土) 01:21:44.17 ID:7KYruDw0
前者は確実にアウト
後者は権利者によるかな〜その辺はすっごいグレーゾーンだから
権利者が訴えを起こせば落書きでもアウトに出来るよ
ソースはディ○ニーね
61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/21(土) 02:31:04.38 ID:rad52Ok0
>>58
お芋たんも参加してるんじゃないの?
62 :ドッ変態 :2009/03/21(土) 02:36:15.63 ID:7KYruDw0
だから私はお芋たんじゃないよ
まあ近からず遠からずの仲だけどね
63 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/21(土) 04:20:07.80 ID:988Ab.AO
今年20の童貞だけど女体化しなかった
おにゃのこになりたい
64 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/21(土) 15:22:10.75 ID:rad52Ok0
>>62
いや、真面目な話どんな感じなん?
すっごいネガティブに見えるけど。
65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/21(土) 18:51:42.66 ID:cxLGbFUo
ゲーム制作は内輪でやってたけどトラブってる、もしくはgdgd?
66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/21(土) 23:40:44.16 ID:wCSG76DO
ゲーム化の話無しにしようぜ
正直ムナクソ悪ぃ
67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/22(日) 00:02:59.60 ID:CvttoS6o
そうだな・・・
68 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/22(日) 00:23:06.97 ID:0qgx8YAO
ゲーム化に責任押しつけてもなぁ
正直筋違いだぞ
69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/22(日) 00:26:42.55 ID:Cv9zW56o
どちらかと言えば、保持数低下による即死だろうな
モノカキ系で>>1による書き溜めも無しに、今のVIPで保守るのはかなり厳しい
70 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/22(日) 01:30:26.93 ID:MPojJII0
年末規制はいつものこと
って楽観してたらもう3ヶ月。
71 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/22(日) 02:04:34.25 ID:8r4KSMSO
>>69
それは感じてた。VIPなのに1がスレ立てオンリーじゃ落ちるに決まってる。
72 :お芋 :2009/03/22(日) 02:26:13.43 ID:3fjcwb60
へ〜期待してるが人いたんだ
てっきり1月の終わりで誰もゲーム化に期待してないと思ってたんだけど
へ〜誰もゲーム化の話に参加してなかったのにね
誰かが絵なりうpしてもドライな反応しかしなかったのに
期待してる人いたんだ
驚いたよ
73 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/22(日) 02:31:12.27 ID:6oBmacDO
>>72
形になってきたから上げつらってるだけでしょ


>>68
だからやめろって言ったんだよ
何も考えないで偽善者ぶるからこうなる

間接的とは言えゲーム化がトドメ刺したのは事実なんだよ
74 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/22(日) 03:40:09.13 ID:XFtjPEDO
まだ熱いハート持ってる人がいるみたいでほっとしたぜ



まだ終わりにはしたくないなぁ
75 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/22(日) 03:53:50.94 ID:Cv9zW56o
とりあえずなんか投下しないことには始まらんな
まだこのスレ1つしかモノがない…
76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/22(日) 05:32:28.53 ID:xbtnkKwP
安価なら 花見
77 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/22(日) 05:53:48.43 ID:Cv9zW56o
なんだろう…誤爆かな
まぁ良いや、寝れないからコレで書くか
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/22(日) 06:24:40.20 ID:xbtnkKwP
+(0゜・∀・)+
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/22(日) 12:53:34.92 ID:4RygRJco
避難所でやってて、しかもある程度話が固まってきてあとは製作作業をやるだけ、
みたいな時期はそりゃその時点でのスタッフ以外は話に参加しよう、とはあまり思わないだろwwwwww

大体何を話せばいいの?って話じゃないか?名無しがいろいろ意見出す時期過ぎてるのに。
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/22(日) 18:31:26.78 ID:vacjAIAO
ゲーム化に名乗りを上げたものの、携帯厨でわけわかめになった者がここにいる。

某所で晒した文に加筆修正したもの置いときますね。

--------------------
 うるさいチャイムの音で目が覚めた。
 春の陽射しが、薄いレースカーテンの模様をフローリングに映し出している。
 朝、熱と倦怠感を母親に訴えたら、風邪薬と冷えピタを渡され、大人しく寝ていろとの指示を受けた。
 その指示を出した母親は、今パートタイムの仕事中だ。
 だからチャイムが鳴り止まないので、俺は未だはっきりしない頭を抱えてベッドから降りようと起き上がる。
「……あ?」
 パジャマの袖口から覗く小さな指先。そこから細い腕を辿ってみると、(元から逞しい方では無かったが)筋肉の欠片もないなで肩、そこに触れてる長い髪、次に鎖骨、次に……胸。
 胸があるのだ。女特有の柔らかくて温かな胸が、男であるはずの俺に。
 チャイムが鳴り止んで、今度は直接ドアを叩く音が響く。そして微かに聞こえる声。
「一葉、いるんでしょ! 開けてよ!」
 双子の妹、二葉だ。
81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/22(日) 18:39:11.88 ID:vacjAIAO
 俺は今の状況に混乱しながらも、この姿を二葉に見られてはいけないと思いながら、俺は意を決して毛布を被ったまま玄関まで行き(パジャマのズボンが長くて歩きにくかった)、黙ってドアの鍵を開けると、一目散に部屋へ駆け出し……転んだ。
「お兄ちゃん、何してんの?」
 体制を立て直す隙さえ無く、転んだ俺に掛かる毛布を、妹は躊躇無く剥がしたのだ。
「……どちら、様?」
 妹と目を合わせてはいけないと思った。
 目が合えばきっと涙が出てしまう、そんな気がした。
「一葉?」
 名前を呼ばれ、驚いて二葉の顔を見ると、当然目が合う。
 俺の予感は当たり、悲しいとか悔しいとか、そんな言葉では言い表せない感情が涙腺を刺激し、景色が歪む。
 二葉は黙って俺を抱きしめ、俺は二葉にしがみついて大声を上げながら泣いた。
「一葉、女の子になっちゃったのかー」
 泣きながら聞こえた声が、若干嬉しそうに聞こえたのは俺の勘違いだろうか?

おわり。
82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/22(日) 18:40:25.56 ID:vacjAIAO
ID……ジャイア

なんか悔しい。
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/22(日) 18:41:50.59 ID:Cv9zW56o
乙!双子かぁ…

花見があがらん…
84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/22(日) 18:46:02.07 ID:vacjAIAO
やべ、お兄ちゃんを一葉に直すの忘れてらorz

>>83
最初兄妹だったんだぜ……


一葉二葉で色々書いていきたい。
85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/22(日) 21:04:32.59 ID:3AjRcIAO
おっつ!
自分も久々に書いてみたいけど安価貰っても何も浮かばなそうだのう
86 :お芋 :2009/03/23(月) 01:45:37.60 ID:8EzYIhk0
>>79うを!!バイトから帰って見てみればレスあるじゃないか

少なくともウチはスレの皆から意見とか無駄話しながらドンチャンお祭り騒ぎしてゲームを作りたかったんだけどね

まあ今更言ってもどうしようもないけどね
87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/23(月) 07:02:06.87 ID:PS5sqMAO
一葉二葉で安価書くぞ!
↓なんかちょーらい
88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/23(月) 09:05:54.60 ID:1yKW7MAO
っおかいもの
89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/23(月) 15:29:34.98 ID:GVLq9YAO
>>86
そりゃあ賑わうのは最初だけだろうよ。お祭り感覚でゲームを作るってのが不可能な考え
で、結局何がしたいの?
90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/23(月) 16:57:25.43 ID:UfDAeGI0
おんや、最近スレ無いなーと思ったらコッチに避難してたのか
…避難、だよね?
いやレスはいらない…「違うよ?」なんて言われてら泣いちゃうかもしれないし

ゲーム作りは>>89が言うとおりストイックだよね
一人でなら投げちゃえるからともかく、今回みたいにチーム組むと責任とか出てくるし…

お芋タンの意見みたいにゲーム作りを肴に皆で盛り上がる方法もあるんだけど
それだと「本気で」ゲーム作る人・やりたい人にとっては
ネタバレになっちゃうから、意識的に避けなきゃいけないし色々と悩ましいんだと思うんだ

まぁ、アレだ、ケンカ腰イクナイ
91 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/23(月) 17:48:08.21 ID:UfDAeGI0
「パー速かぁ」
「パー速だね」
「今のVIPのルールじゃ仕方ないかもな」
「保守するのも大変だからね」
「ふむ、良い機会だからちょっと考察してみようか」
「なにを?」
「15(略)だったら、のヒロインの魅力……つまり、にょたの魅力」
「??」
「言い換えればお前の魅力」
「本人目の前にして正面から魅力とか言われても困るんだけど」
「たとえば、そのちょっと素っ気ない態度とかは元友人って所から来てるんだよな」
「そうかな?」
「これが普通の女の子なら
 『みりょくなんてみりょくなんてぇはぅ〜んこまっちゃいますぅきゃぴるん☆』
 ってなるだろ?」
「……絶対ならないと思うけど」
「で、にょたであるお前の場合は、最初はそうやってツンツンしてるけど
 俺の気持ちが本心からだって分かると、おムネきゅんきゅん状態になるじゃん?」
「……絶対ならないと思うけど」
「試してみるか?」

暗転

事後

「気分はどうよ?」
「ど、どうよじゃないよっ、ばかぁ! いきなりあんな……その……ばかばかばか!」
「ばかはソッチでしょ? 責任とってお婿さんにしてあげるから泣きやみなさい」
「はぅ……お婿さんにしてくれるの? ……嬉しい(ぽっ)」

にょたっ子は元男性です。えちぃ展開は返り討ちに注意しつつ用法・用量を守って正しく行いましょう。


うんまぁ議論もいいけど折角スレが安定して存在するんだから
なにか投下しようよって事で
92 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/23(月) 18:32:47.99 ID:PS5sqMAO
おかいものはあく

>>91
お婿さん?お嫁さんじゃなくて?って思ったがそういう意味かww
男前にょたっこいいよな!
面白いwwww乙!
93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/24(火) 00:17:48.21 ID:S0JjcVI0
GJ!
94 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/24(火) 15:51:00.25 ID:WhDrAkDO
>>91
なんかあったけぇ気持ちになった
ふぅ・・・

投下どんどん来いやー
95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/24(火) 18:49:58.93 ID:klBs8fs0
安価でもしてみるか↓
96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 19:30:54.21 ID:Jl1V5l6o
25歳童貞リーマン、かなり遅れてにょた化

「ちょ、をま・・・この間やっと後輩(♂)が出来たばっかってのに・・・」
97 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/24(火) 21:58:04.52 ID:/3LcvsAO
卒業
98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/25(水) 18:32:45.16 ID:DTlk7MDO
安価↓
99 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/25(水) 18:47:36.25 ID:lxAM8iwo
トップガン
100 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/25(水) 23:09:50.01 ID:DTlk7MDO
>99
これまた凄いのきたな・・・

頑張るか
101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 03:38:57.96 ID:p8qLqs20
(゚Д゚,,≡,,゚Д゚)

( ゚∀゚)つ[http://www6.uploader.jp/user/1516vip/images/1516vip_uljp00221.jpg]

( ゚∀゚)< 元の顔が女っぽいと女体化しても変わらないのはよくあること!

|彡サッ
102 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/26(木) 20:55:08.81 ID:0KIWpJw0
>>101
模写しまくれば君は伸びるよ
103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/27(金) 12:43:17.65 ID:oSB0iak0
なんだ、もうスレつぶれっちゃったのかと思ってたら
パー速だったのか
何ヶ月ぶりだこのスレに来たのは
104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/27(金) 14:18:02.72 ID:d2yyXHgo
この過疎は異常だよな
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/27(金) 15:21:40.50 ID:yAX2/DA0
危機感無いのが良くない

パー速なら落ちない=後で時間ある時に見に来ればいいや

書き手にとってはリアクションが全然付かない状態
過疎wwwwwwなんて笑ってるうちはいいけど
ひょっとして、俺が投下なんかしたから?俺空気読めてない?
なんて疑心暗鬼持っちゃったらもう投下できない

ますます投下が減り、誰も居ないなら今じゃなくて
もっと賑わってる時に投下するか…と、出し渋り

負のスパイラル
106 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/27(金) 20:23:21.83 ID:JcR57ao0
VIPでもばんばん落ちるから
スレ立ってるときに見に来ればいいや
ってなってなかなか人が来ないから今の状況なんだと
107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/27(金) 21:38:21.01 ID:ov/oM4w0
もともとリアクションなんて期待出来ないスレですよ。
108 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 04:33:59.03 ID:y/viPuY0
寂しいねー
109 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 12:01:25.32 ID:fxfKrQAO
避難所で投下してたらこっちに誘導されたんだが、途中からで分かるのかなぁ……
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 12:20:31.41 ID:fxfKrQAO
【徒然なる女人日記】覚書編

 人間の味覚の転機ってのは人生に三回あるらしい。ってなんかの番組でやってたけどさ。
 そんでもって、食は色に通ず。ってなんかの雑誌で載ってた。
 つーことは、だ。昼休みに実証する必要があるな。

「なぁ、委員長」
「ん? なぁに改まって?」
「委員長って食いもんの好き嫌いある?」
「ん〜……そんなにないかな」
「そんじゃさぁ」
「なぁに?」
「野外プレイとか好き?」
「そんなの分かんないよ。そういうこと自体したことないもん」
「ふぅん」

「……ねぇ××くん」
「ん、なに?」
「グーで叩いていい?」
「……もう……叩いてん……じゃん……」


 本日の収穫。委員長は生娘だった。


↑あんたにチャンスは皆無だから安心しなさい 母より

↑死にたくなった 息子もとい娘より。
111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 12:46:24.70 ID:o7A14Bs0
なまむすめな委員長かわいい
112 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 16:24:23.68 ID:y/viPuY0
コツコツコツ。
人気のない階段に足跡が木霊した。
やっぱり、エレベーターを使ったほうが良かったかな?
二階まで上がったところで、早くもそんな考えが頭をもたげた。
マンションのエレベーターは省エネの目的で、午後9時以降は電気が消えていた。
ボタンを押し数秒も待てば灯りはつきエレベーターも上昇するのだが、その数秒が待てず、いつもこうして疲れきった足を引き摺りながら上っている。
いつも後悔するのだが、惰性のように毎日階段を使ってしまう。
整然と並び閉ざされた扉からは物音一つなく、人の生活がまるで感じられなかった。
手にもったコンビニの袋が、歩数にあわせてガサゴソと音を立てる。
こんな目にあいながらも、俺は密かにこの習性を楽しんでいた。
休む暇もなく慌しい昼間とは違い、のんびりと階段を使う時間が心地よく思えるのだ。
大きく息を吸い込むと、むせ返るような真夏の空気が肺へと進入した。
ゆっくりと最後の階段を踏みしめると、鍵を探すためポケットへと手を突っ込んだ。
「こんばんは」
ふいに声をかけられ驚く。
慌てて前を向き、挨拶を返そうとして息を呑んだ。
あどけない少女の顔がこちらに向けられていたのだ。
ガラス細工のようにシャープな顎のラインと、猫のようなくりくりとした瞳が印象的だ。
制服からスラリと伸びた手足が妙に涼しげで、彼女の周囲だけ温度が違うようだ。
「こ、こんばんは」
軽く頭を下げる。
どこの子だろう? マンションの子だろうか?
こんな遅い時間に何をしているのだろう?
そう思いながら、少女の前を横切り部屋へと帰ろうとした。
「もー、おじさん遅いよー」
――え?
背中から予想外の言葉をぶつけられた。
「まったく、こんな可愛い子を待たせるなんて」
「え? え?」
展開に追いつかない頭をよそに、少女は話を続ける。
「そりゃ、お仕事が大変だってのはわかるけど」
つんと唇を尖らせ、歳相応に拗ねる表情が魅力的に感じる。
男子からはさぞもてるんだろうな、そんな場違いなことが頭に浮かぶ。
「ん、どしたのおじさん?」
少女が不安げにこちらを見据えてきた。
少女を見つめながら思案するも、やはり見覚えはない。
こんな目を引く子、一度見れば忘れるはずないと思うんだけど。
「えっと、どちら様でしたっけ……」
「あたしのこと覚えてない?」
113 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/28(土) 21:07:56.23 ID:v6Y/hkDO
寸止め…だと…?
114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 22:31:27.53 ID:y/viPuY0
「う……」
罪悪感が胸に突き刺さる。
必死に思い出そうとするも、やはり少女の姿は浮かばなかった。
「酷い、あれは遊びだったんだ……」
予想外の言葉に、手にしていた鍵が廊下へと落ちた。
少女は呟き、涙を見せまいと顔を伏せる。
豊かな髪の毛が震えるように、闇へと溶け込んでいく。
「ご、ごめん。すぐ思い出すから」
思い出せー、思い出せー。
必死で過去を検索するも、少女の姿はなかなか出てこない。
「ぷっ……」
少女の体が小刻みに揺れる。
「ぷっ……あはっ、あはははは、も、もうダメ…………あはははははははっ」
堪えきれないとばかりに、少女は腹を抱えて笑っていた。
俺は事態を把握できずに、呆然と少女を眺めた。
「ご、ごめんごめん。あまりにもおじさんが真剣に考え込むから」
「えっと……?」
「あたしよ、あたし。高瀬悠。思い出した? 叔父さん」
「高瀬……悠?」
オームのように名前を繰り返す。
ますますわけがわからない。
どう頭の中をひねり出しても、親戚にこんな子はいなかったはずだ。
「そりゃわかるわけないっか」
少女は困惑する俺の様子を見ながら、どことなく冷めた諦めたような口調で呟いた。
「父親は高瀬晃一。母親は志保。そしてオレはその娘で悠」
「高瀬晃一って」
「こんなナリになったけど。ま、唯一の救いは名前がそのままってところかな。やっぱそれなりに愛着があるし、第一名前変えるのって面倒じゃん」
「悠って……あの悠ちゃん? 兄貴の子供の?」
「そうだよ。ほーんと、こんな可愛い姪を忘れるなんて」
心外とばかりに攻められ、肩をすくめるその様はまさしく女の子そのものだ。
『高瀬 悠』
その名前に一人だけ該当する人物がいた。線が細く、中性的な繊細な顔立ちが印象的だった男の子。
そう、男の子なのだ。
最後に会ったのはもう何年前だか忘れたが、俺の記憶にある悠ちゃんは間違いなく男だった。
115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 22:33:25.44 ID:y/viPuY0
「あ、考えてる考えてる」
俺は楽しそうに笑っている目の前の少女を観察する。
昔、母親に駄々をこねた事もある兄貴と同じサラサラとした髪の毛。
初めて義姉さんを紹介された時に釘付けになった、ふっくらとした口元。
なにより遠い記憶と重なる、イタズラ好きそうな瞳。
「ほんとに悠ちゃん?」
「だからー、さっきからそう言ってるじゃない」
「う、ごめんごめん。でも、あの……悠ちゃんって……その男の子だとばかり勘違いしてて」
「ん? 間違いじゃないよ」
「……えっと」
またわけがわからない。
容姿、声、しゃべり方、仕草、どれをとっても目の前にいる子は女の子だ。
性転換手術ってここまでうまく化けれるものだろうか?
そんなバカな考えが一瞬浮かぶ。
こんな幼い子が?
そう思いつつも何かが引っかかる。首をかしげていると悠ちゃんが口を開いた。
「女体化症候群」
その言葉に思わず彼女を凝視してしまった。
「これは通称。正式名称は長ったらしくて覚えてないから、知りたかったらネットででも調べてね」
悠ちゃんはこういった反応は慣れてるのだろう、気にせずスラスラと言葉をつむぐ。
「発見されたのは20年ほど前。テレビなんかで一般に知られるようになったのはここ最近。第二次性徴期にオスとして欠落があると見なした場合、身体が自然にメスへと変化していく現代の奇病。詳しいメカニズムは全くわかっておらず、唯一わかっているのはその予防法。発症前にオスとして種の保存に努めたかどうか、それだけ。ようするに15,6にもなって、まだ女と一発もやってない童貞野郎なんて価値がないってこと」
悠ちゃんはいったん小さく息を吐き出す。
両の手のひらを見せながら、なぜか楽しげに口元に笑みを浮かべながら続けた。
「あ、ちなみに最近の研究発表ではゴムをつけてはダメみたい。やっぱり人間ナマが自然みたいなノリかな? 確率は宝くじを当ててもおつりがくるぐらい。まったくそっちのがどれだけ嬉しいか。あ〜ぁ、なにもこんなのに運を使わなくても、そう思わない叔父さん?」
「あ……ああ、そうだね」
急に話を振られても頭がまったく追いついていない。
――女体化症候群。
悠ちゃんが言った程度の知識は知っている。雑誌やテレビなどで活躍している人を見たこともある。
が、実際にこうして目の前、ましてや甥っ子ともなれば話は違ってくる。
いや、この場合は姪っ子か?
「叔父さん叔父さんってば」
「あ、ああ悪い悪い」
「可愛い姪っ子に見とれるのはいいけど、それより中入らない? あたしお腹すいちゃった」
「そ、そうだな。いつまでもドアの前に突っ立てるのも変だな」
茶化した口調に急かされ、俺はポケットに手を突っ込む。
なんだあまり気にしてないのか?
女体者と直に接触する経験なんて当然なかったので、どう扱えばいいものかと危惧したが普通の女の子にしか見えない。
精神は肉体に引っ張られる。なにかで読んだことある。
元々端正な顔立ちの子だったんだ、馴染むのは早かったのかもしれない。
そう割り切れば話は早い、どうせ少しの間預かるだけ――ってあれ?
あるはずのカギが見つからない。
怪訝に思いつつ、カバンやズボン、Yシャツのポケットをあさる。
「はいはーい、カギはここ。さっき落としたじゃない」
「あ、そうだった。ありが――」
俺が言い終わる前に悠ちゃんは鍵穴に鍵を差し込んでいた。
「おっ邪魔しま〜す」
スニーカーを乱暴に脱ぎ捨て、彼女は部屋の奥へと入っていった。



っとここまで書いたのはいいですが、このまま続きを書いてもいいんでしょうか?
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 22:47:12.41 ID:LrdvUtIo
書き手不足だしいくらでもどうぞ
ちょっと忙しくて感想レスはできんが…それで心が折れぬならばww
117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 23:08:09.25 ID:fxfKrQAO
いいと思います。オイラはお引っ越しせずに次の作品からこっちにでも投下したいと思います。
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/29(日) 10:35:24.46 ID:goJ7OcSO
俺も二、三日後には投下するぜ。
ボキャブラリ全然足らないけど
119 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/29(日) 23:40:55.09 ID:ZHSEU8Q0
投下wktk
120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/30(月) 01:05:53.52 ID:Dve/Yzk0
やヴぇ
気合入れて書いてたらエロシーン描写がとんでもない量になっちまってるwwwwww
だ、そんなの投下しても大丈夫かえ?
まだ完成してないけど
121 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/30(月) 01:07:37.84 ID:RkjvLSU0
>120
むしろ楽しみだ
122 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 01:10:06.11 ID:ILFhgJwo
正座してお待ちしております
123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/30(月) 02:32:01.63 ID:Dve/Yzk0
でけた
が、チェックしてまた明日以降に投下するぜ
どんだけ過疎ってようがなww
124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/30(月) 18:25:54.68 ID:YsZfZQc0
安価↓
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 20:09:04.86 ID:ILFhgJwo
兄貴と私
126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/30(月) 21:03:34.34 ID:JU3eBIDO
投下期待wktk
127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 21:53:52.51 ID:Dve/Yzko
投下する
このスレが一体何行まで耐えられるのか解らんが、長文を。
これって、前のあっちのコテハン使えるのかね?

『オレとアイツと聖』

高1の秋アイツは女になった。
俗に言う女体化。あえて説明する必要は無いだろう。
オレとアイツは無二の親友。幼少時代から行動を共にしてきたかけがえの無い存在だ。

アレから1ヶ月が過ぎ、そろそろ冬は目の前になってきた。時折吹く風は心地よさを通り過ぎて少し肌寒い。
オレとアイツは今でも親友同しだ。だけど、オレは時々アイツがわからなくなる時がある。
彼方の存在。
彼氏と彼女。
とはよく言ったもんだ。オレの無二の親友は性的な意味で相容れぬ存在になっている。
それがそうさせるのか、オレがアイツを意識しているのか。
こんなことを考えているんだ。意識してないなんて・・・無いわけ無いよな。


「真央!あんた、もうアレは済ませたの?」
夕食の場で、母のまさかの発言。
「ブーーーー!!」
その意味を直ぐに察したオレは口に入れたご飯を吹かざる終えなかった。
「ちょっと!あんたハシタナイ!」
すかさず母が突っ込みを入れる。
「かーちゃんこそ飯時にする話かよっ!」
いきなりあんな話題を振られて、吹かない方がどうかしてる。コメディー的に考えても!
「あんたそろそろ17でしょ。もう経験はしたのかと聞いてるの」
はぁ、またそれですか・・・・。
そりゃあね、16歳を迎える前から今まで女性経験はなし。そして、例の女体化症状はまた発症していない。
確かに、聞かれないほうがおかしい。人類の男性の遺伝子と肉体に潜む、女体化因子。
これは年々薄れて言っていると聞く。実際に女性経験のない同級生の中にも女体化していない者だっている。
オレもその一人だと思いたい。そりゃあね、オレだってヤリたいよ。ヤリたくてたまらないさ。
「いいだろーそんなのあっても無くても」
答えにくい質問に悪態をついて答えるしかないオレ。
「良くないわよ。女性化しちゃったらいろいろお金だってかかるんだから!」
オレはそれ以上この会話を続けたくなくて、返事もせず黙って飯を食うことにした。
「もうっ!」
母がお金お金と心配する理由。うちは母子家庭なのだ。
いくら国から手当金が下りるとはいえ、パートのハシゴで稼ぐ家の家計には大いに関係がある。
「まだ相手がいないなら、またお医者さんへかかりなさい。もう残り少ないでしょ」
知っている。あと1週間分しかない。ちなみに、抑制薬を発明した人はとうの昔にノーベル賞をもらっている。
その抑制薬は名のとおり抑制をするもの。薬で抑えている間にお相手を見つけてベットイーンすれ!ってお話よ。
「薬代だって馬鹿にならないんだから」
「わかってるよ・・・わかってるけど・・・」
オレはお金の話をされると、母に逆らうことはできない。
なんせ、オレの進学した高校は進学校であり、アルバイトの許可なんて降りるわけが無い。
自分に必要な物の金すら自分で稼ぐことのできない俺は、どんな悪態をついて反抗しても、
最終的には謝るしかない立場でもあるのだ。
128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 22:01:29.82 ID:Dve/Yzko
「あの子、せいちゃんは女の子になっちゃったそうねぇ。あんたあの子を近くでみて・・・・」
オレの親友の事を引き合いにだされて俺はついかっとなって
「アイツの事は関係ないだろ!それに失礼だろ!」
「ごめんごめん。でも、お母さんの気持ちも分かってね」
気の強い母はそう簡単に凹まない。だから、オレを一人で育てて来られたんだと思う。
それが自分の子を思う母の愛だっていうのも解る。
「ごめん。でも、アイツは・・・」
箸をとめて俯くオレに母はすぐさま察してくれたのか
「とにかく、今週中にはお医者さんへ行ってきなさい。お金、渡しておくから」
こんな話題を薬が切れそうになる度に繰り広げられるもんだからたまったもんじゃない。
オレはそそくさと食事を済ませると自室へ向かい、明日を迎えることにした。

「・・・・・・・・・びにいく?」
昼休み中に話しかけてきたのは噂の親友。せいだ。
「え?何?」
窓際の席のオレは、窓から見える外の様子をボーっと眺めながら、先日の母との一件を思い返していたオレは、
せいの急な質問をすべて聞き取れず聞き返した。
「だから、今日どこ遊びにいくって言ってんだけど」
「あぁーああ、その事か」
返事をしながら彼、いや、彼女の方向に体を向き直す。
オレの席の前の席の椅子に座って話しかけてきた少女は、窓を背にして足をくみ、オレの方を向いていた。
その容姿というと、大きくみ開いた目は白め勝ちだで驚くほど透き通った眼をしている。
少し高めの鼻に少し小さめでぷるんと潤った厚い唇。それらのパーツは綺麗なTラインを描いている。
そんな愛くるしい顔立ちにもかかわらず、オレに勝るとも劣らないすらっと伸びた長身。
ちょっとアンバランスな感じもするが、それがまたいい。ギャップというか、オレの趣味?
ただし、胸元は少々心もとないが・・・・。
「・・・・・・・」
その愛くるしい顔立ちでこちらを見つめられると、オレはどうにかなってしまいそうだ。
「おーい」
アイツの呆れた声で俺は我に返る。
「え、あぁ。ど、どこ行こう」
胸元まで下がった視線をあせって顔の位置まで戻す。バレたな。
「おまえさぁ、俺の事嘗め回すように見てたろ」
挑戦的な表情と口調でオレを攻め立てる。
だが、オレも負けじと悪態を付いて開き直ることにした。
「いーじゃねぇかよ。減るもんでもねぇ」
「がんがん減ってるぞ?」
挑戦的な表情を変えず、セイが言い返す。
「お前の?どこが・・・?」
オレはもう一度セイの体を嘗め回すかのように、わざとらしく胸へと動かす。が、アイツは表情を変えることもなく
「真央のモ・ラ・ル」
「うるせーっての」
オレ達は顔を見合わせてゲラゲラと笑い出す。
下ネタの対象が変わったというだけで、やってることは男同士の時となんら変わりは無い。
アイツ、自分をネタにされても一向にひるまねぇ。
アイツ・・・オレの親友、坂口聖。オレはアイツを『セイ』と呼んでいるが、本当の読みは『ひじり』。
なぜ『セイ』なのかというと、旧名は聖也(せいや)だったからだ。女体化と同時に改名したそうだ。
オレは男の当時からアイツのことをセイと呼んでいたので、今も変わらずセイと呼んでいるわけで。
アイツにとってみれば、以前からの呼び方のほうが心地よいらしく、オレはそのまま呼ぶことにした。
オレもその方が呼びやすかったし。
129 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 22:28:20.76 ID:Dve/Yzko
女になったアイツとも、こうして変わらず一緒に行動しているのだが決して恋人同士だからというわけではない。
アイツが女体化した際に、変わらず友達のままでいて欲しいとせがまれたからだ。
ただそれだけ。いや、下心が無かったと言えば嘘になる。だって、オレ男だし。
「とりあえず、適当にブラブラしとく?」
セイは脱線した会話を元に戻して、本題を続ける。
「そーだな、考えるだけだるいわ、とりあえずそうすっか〜」
そうこうしていると、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。
さて、退屈な午後の授業の始まりだ。ダルイぜまったく。
「あ、もう終わりか。また」
「おうよ、また」
アイツは軽やかに席を立ち上がると、気分良さげに自分の席へと戻っていった。
オレはその姿を目で追う。なんだよ、上機嫌じゃないか。
さっきまでアイツ自身をネタに下ネタをぶちかましてやったってのにな。
視線を前方に戻すと、さっきまでアイツが座っていた席の本来の所有者の戸田が戻ってきていた。
あまり気にしてなかったが、遠目からチラチラとこっちを見ていたので恐らく早く席を空けて欲しかったのだろう。
「わるいな。いつも」
「あ、いや、その。いいよいいよ」
真面目で気が優しい彼はいつも『いいよいいよ』と許してくれる。だから、余計に悪い気がする。
「ねぇ、四方堂君」
いつもはそのまま前に向き直る戸田が続けて話しかけて来たので、ちょっと驚いた。
「いつも坂口・・・さんと一緒だけど・・・・」
なんだよ、たまに口を開いたと思ったらそんな事か。
「おいおい、アイツのこと気になるのか?
やめとけって、戸田みたいな真面目なやつあっという間にいぢられっぞ?」
オレは戸田の発言を最後まで聞かず、適当にはぐらかしてから軽く脅してやった。
「い、いや、そうじゃなくて・・・・」
あぁ・・・・うぜぇ・・・・
キーンコーンカーンコーン
「あっ・・・・」
真面目な戸田は、授業開始のチャイムに促されて渋々と授業の準備に戻っていった。
まさか、大嫌いな授業開始のチャイムに助けられるとは思っていなかった。
まったく・・・・。
オレ達の関係はオレ達をよく知らない者にとってはぁゃιぃ関係に見えるのだろう。
はたから見ればただの男女だからだ。わかっちゃいるが、ただ興味本位に聞かれるってのが腹が立つんだわ。
それに・・・・そういう関係に見られることが少し恥ずかしいというのもある。
アイツは元男・・・だかんな。周囲にも友達同士という認識で居てほしかったって言うのはオレのエゴだ。
オレの本心はアイツに対して友達同士以上を意識し始めていたから余計だ。
130 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 22:32:49.64 ID:Dve/Yzko
放課後、オレ達は町へと繰り出していった。
オレ達にとってはこれは日課のようなものだ。
ゲームセンターを巡り、買い食いをする。歩きながらくだらない会話をする。
目的地を決めないときは、決まってすべてを流れるように回っていく。
歩きつかれたオレ達は、足休めにマク○ナルドの店内でくつろぐ事にした。
流石に話題も尽き、歩きつかれたのも相乗して二人の間に沈黙が続く。
ふと財布の中身の残金が気になって、おもむろに尻ポケットから財布を取り出す。
ひいふぅ・・・レシート挟んで・・・・ひぃふぅみぃよ・・・・
「あ」
母から渡された例の薬代。今になってやっと思い出した。
そういう金は決まって小遣いと別の場所に入れておくようにしている。
これは母からの言いつけでもあったが。間違えて使ってしまわないように。
「ん?どうした?金なら貸さないぞ?」
「あー、いや、忘れ物が・・・な」
そういえば、そろそろ薬が切れる。そろそろ行っておかねぇとなぁ。
「買い忘れ?」
「あー・・・まぁな。あれがな切れるんだ。薬が」
「あ・・・」
オレはこの手の話題はできるだけ出さないようにしているんだけどな。流れ出つい出てしまった。
アイツの顔が刹那に凍りつく。が、すぐさまその表情は元に戻る。
「行って来いよ。無いと困るだろ」
「まぁ・・・・な」
オレの歯切れの悪い発言がアイツの心を一瞬でも曇らせてしまった。
「気にするなって言ってるだろ。なったものは仕方がないし」
さらっと言ってのけるアイツ。逆に気を使われてるな。
「わかってるって、でも、もうちっと休んでからにするわ」
しばらく沈黙が続く
オレは周囲を見渡し、近辺に人がいないことを確認する。
会話の流れの悪さと沈黙がオレに意心地を悪くさせていて、それに耐え切られなくなってしまった・・・
「なぁ、女になってどーよ」
不謹慎な発言にも聞こえるが、アイツにはこれくらいのストレートな発言のほうがいい。
オレはそう考えたから、そう聞いてみた。やっぱり、気になるし。
「そーだな・・・・色々とめんどーだよ」
少し間が開くと思ったが、あっさりと返事が返ってくる。
なんだ、抵抗なしか。ならばと、オレはそのまま続けて聞いてみることにした。
「周囲の反応?」
「いや、トイレとかせーりとか。まじめんどくさい」
なんだか、実感のこもったマジなリアルな返事が返ってきて、オレは少し恥ずかしくなってしまった。
「そっちかよ」
お前ストレートすぎ。逆にオレが恥ずかしくなってしまったじゃないか。
オレは再認識した。そうか、アイツは今女なんだなぁ、と。
そう思うと、オレは次の言葉が出せずにいた。オレはアイツを女として意識してるから余計だ。
女だと思うと、こんな質問がアイツに許されるのだろうかと。自己嫌悪に陥る。
今までだってそういうことが無かったわけじゃない。
だが、それでもアイツはオレを真っ直ぐみてど真ん中にストレートを投げて返してくる。
アイツが依然と同じように接してくれ。と言ったからそうしているわけなんだが、
実の所、オレには本当にそれで正しいのか疑問に思えてならない。
だからといって、あえてこの疑問を問いただせないでいるオレは臆病者だ。
131 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 22:44:04.04 ID:Dve/Yzko
アイツは投げたボールがオレから返ってこないからか、新たなボールを懐から取り出して
またまたストレートを投げつけてきた。今度は少々外郭高め。手を出させるための玉だ。
「薬必要なんだろ?お前、男で居たいんだろ?なら、俺は気にせず早く行けよ。取り返しは付かないんだぜ?」
「う〜ん・・・・・まーなぁ。飲まなきゃ女になっちまうからな。うち、母子家庭だし。これ以上苦労かけられねぇよ」
オレはその玉を見送った。オレがど真ん中ストレートだけを狙っていたからだ。
要するにオレは受身なんだ。
面倒な玉はしっかり受け取れない。だから、的を少しずらした発言には答えられなかった。
当然、一瞬アイツの顔が曇ったことも気づくわけも無く。
「そういえばそうだったな」
「母子家庭なめるなよ?オレはこのままいい大学に入って、いいとこ就職してかーちゃん養ってかにゃならんのだ」
「それにはまず、オレが男である必要があるのだ。どうだ。参ったか」
「そっか!悪かったよ」
アイツは少し自虐的な顔をして謝った。
「そこ、謝るとこちげーっての!んじゃ、オレ行ってくるわ!飲みさしよろしく!」
そう言うと、オレは席を立ち上がる。
「あ、おい!」
飲みさしの処理を不服に感じたのか、その場で呼び止められたが
オレはそれを聞きいてないと両手で耳をふさいき、わざとらしくヘラヘラと逃げ出す仕草で立ち去る。
最後に「じゃ!」と右手を上げて。


「・・・・・・まったく・・・もう・・・」
俺は飲みさしになった真央のジュースを見つめる。
ジュースの処理を押し付けられた事を不満に思っているわけじゃない。
外郭高めに投げた誘い球を、あっさりと見送られた事に不満を感じていた。
キャッチボールをしていたはずなのに、ちょっと面倒な玉だとすぐにスルーする。
俺は真央のボールをしっかり受け止めて投げ返してやってるのに。

母子家庭・・・・苦労をかけられない・・・・か。

そうだよな。真央の家が苦しいって事くらい、長い付き合いで十分にわかっている。
決して自分と同じ女になって欲しいと思っているわけではない。
だが、男同士であった以前のように悩みを共通できなくなっていることに、不安と寂しさを感じているのは確かだった。
もしかしたら、それ以上の感情だってあるのかもしれない。
俺は最近、真央の事を気の許せる友人として見られなくなっている。俺はもう女。真央は男のまま。
女として真央に扱って欲しいと思う傲慢。
いくつもの俺の傲慢が俺の中で渦巻いている。男でもいて欲しい、女でもいて欲しい。
俺はそんな傲慢の塊だ。だから、真央の変わらず投げかけてくる下ネタにも答えられる。答えなきゃならない。
しかし、女になった俺の心は、理性の下でそれを嫌悪している。恥ずかしくてたまらないのだ。
そんな、矛盾した感情が俺の心のなかを行き交っていた。
「俺・・・こう見えても繊細なんだぞ・・・?」
そんな独り言をポツリと小さくつぶやく。真央の飲み残したジュースを指で弾きながら。
思いのほか残っていたジュースの重さに、いつもと違う真央を感じた気がした。

元にも戻れないんだな・・・・

俺達の関係が徐々に崩れていく現実に、胸が苦しくなっていった。
132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 22:49:06.06 ID:Dve/Yzko
かかり付けの医者から新しい薬をもらったオレは帰路についていた。
手に持った薬の袋を眺めながら、オレは考えいた。
男である俺はアイツの事を日増しに女として意識していっている。
今日のさっきの事だってそうだ。
後から思い直してみれば、自分から投げかけた会話を中断させたり、はぐらかしてみたり。
段々と以前のノリでアイツと会話ができなくなっている。アイツは女である以前にオレのダチだ。
なのに、オレの理性はその箍を外れて時々トンでもないことを口にしてしまう。
アイツは変わらずストレートを投げ返してくれている。が、時々その始終に表情の曇りもみえる。
時折、オレに探りを入れてくる。解りたくなくても解ってしまう。
やっぱり、もう男と女なんだと。
この薬をこのまま放り捨てて、そのまま女になってしまえば・・・・。
少しは開いてしまった溝を埋められるんだろうか。それとも・・・・。
母の顔も思い浮かぶ。
そうだ、オレに選択の自由などない。俺には唯一の定めがあるのだ。
そう思わなければ、こんな薬・・・・飲み続けられるもんか!!

変わらずアイツは休み時間の度にオレの前に顔を出す。
オレがどちらかといえば、受身である性格だからというのもある。
それを解っているからアイツはオレの前にやってくる。
日増しに少なくなっていくキャッチボールの数。暴投を恐れてか勢い良く投げられないでいる。
沈黙の数だけがどんどんと増えていっている。それでも、日課の出歩きだけは止めないでいた。
だが、今日は何か違った。どうにもアイツの様子が変だった。

オレとアイツは繁華街からはずれ、並木通りを歩いている。
わずかにだが、アイツに誘導されている感じで。
「寒い・・・・ね」
なんだか、発言がいつもと違っておとなしい。なんか変だ。
「ん?あぁ、まぁ11月だしな」
沈黙
「公園いこ」
いつもなら、もう少し乱暴な物言いなのだが、二言目も同じ感じだ。
やっぱり、なにか変だ。いつもの会話テンションと少々違っている。
確かに最近はお互いの口数が徐々に減ってきているのは解っているが、
アイツの口調が、男言葉から中性的なものへ変化している。
オレは頭の中で『まさか』と、期待と不安が渦巻く。

アイツが女っぽくなっている

アイツは確実にオレに対して明確な探りを入れてきている。
わかり易いんだよ・・・・アイツの探りは。
だけど、壊してはいけないと思った。壊してしまうと、俺の理性が吹き飛んでしまいそうだったから。
アイツを完全に『女』として認識してしまう事を。
「あいよ」
だから、余計それ以外の言葉は出せなかった。
133 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 23:04:09.71 ID:Dve/Yzko
しばらく歩くと公園へ到着する。そこは見覚えのある場所で、昔アイツとよく遊んでいた場所だ。
この寒さだというのに、公園内ではキャッキャと遊びまわっている子供が見えた。
オレがそれを懐かしそうに眺めていると
「あそこに座ろうか」
と、ベンチを指差しオレをうがなす。
オレは先を行くアイツの後姿を眺めながら後追おう。
長い防寒コートの下からは、白くて細くて綺麗な足がみえる。
アイツあんなに華奢な足だったんだな。
女・・・か。
オレはアイツが何を思うか、何をしたいのか半分くらいは解っていたのかもしれない。
ただ、解りきろうとしなかったのは俺のちっぽけなプライド。

元男なんだぜ?あいつは。

オレの唯一無二の・・・・・親友・・・・だ

しかし、このままは非常にまずいと思う。オレが・・・いや、お互いにやりきれないはずだ。
ベンチに座って話をすると言う事。つまり、腰をすえて何か話がしたいということなのだろうか。
オレは、親友として最低限話を聞いてやる義務はあるはずだ・・・・。

途中で考え込んでいたオレが後を付いてきていない事に気づいたのか、アイツは振り返って不安そうにオレを見つめる。
「わりぃ。ちと懐かしくてな」
白々しい嘘だ。
「そっか・・・」
歯切れの悪い返事が返ってくる。明らかに心ここにあらずだ。
とにかく、オレはアイツに促されるままベンチに腰を下ろした。
しばしの沈黙の後、その沈黙を破ったのはアイツだった。
「薬・・・飲んでるの・・・か?」
歯切れが悪い。
「飲んでるけど?」
とりあえず、オレは平静を装いアイツの言葉の端々に注意をめぐらせて見る。
薬。アイツは薬のことを気にしている。女体化抑制剤の事だ。
飲まなければ100%ではないものの、女体化率は格段に上昇してしまう。
今日、飲まなければ明後日かそのまた先か、はたまた1週間後かには女体化する可能性がある。だから飲んでいるのだ。
「そっか・・・・飲みたくない・・・・って思ったこと・・・ある?」
その言葉は、オレから何かを聞き出そうとしていることは明白なわけだが。
飲みたくない。それはオレが女になる可能性を引き出すということだ。
だが、オレには頑なな信念がある。
「この間も言わなかったっけ?まったくないね。
う〜ん、あ、でも、女の性感は男とは比べ物にならないほどキモチイイって聞くしな」
「そういう意味では、考え物だがな。グフフフフ」
と、含み笑いを見せつつ冗談を交えてみる。
アイツの顔が少し明るくなったと思ったら、最後のオレの言葉で一気に表情が変わった。
「そんなもの全然あるもんか!どうしたらいいかわからないし!全然気持よくないし!」
「俺だって元男だ!不安の中で少しはそんな淡い期待もあったさ!」
「でも、全然違うんだよ!男のときと!全然違うんだよ!!」
急に怒鳴られて、オレは正直面食らった。ちょっと煽ってみたら、怒涛の勢いで言葉を投げかけられた。
それでも、気持が治まらないのかアイツはまだまだ言葉を続ける。
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 23:20:37.55 ID:Dve/Yzko
「今まで・・・・今まで俺がどんな気持でお前と一緒に居たか!解ってるのか!?」
「エロい会話もいっぱい我慢したし!それでもお前と一緒にいたかったから・・・・・」
「俺はもう女なんだよ!!女に・・・・なった・・・ん・・・・」
一方的なアイツの告白に、俺はただ聞いている事しか出来なかった。
そして、アイツの顔から大粒の涙が流れていた。
「セイ・・・・」
そんなアイツの顔を見ていると、一言アイツの名前を呼んでやるのが精一杯で・・・。
「ごめん・・・・俺傲慢だ・・・・でも・・・!」
アイツは零れ落ちる自分の涙を小さな手でぬぐって何とか目を見開いてオレを見ている。
「・・・・・・」
俺は何も言えなかった。何らかの告白がされるという予感はしていた。
それなのに、こんなにも思いつめている親友に何一つ助けの手を差し出してやらず、
挙句の果てに不謹慎極まりないまでの言葉を発してしまったのだから。
傲慢・・・か・・・それならオレもだぜ・・・・。チクショウ!
アイツはそんなオレを少し見つめてから「ごめんな」と、一言告げて一人オレの前から立ち去って行った。

辺りが薄暗くなってきた、俺は公園のベンチに一人座っている。
アイツが言った言葉のすべてを受け入れようと、必死に理解しようと。
何度考えても、どんな理屈をならべようとしても

『エロい会話もいっぱい我慢したし!それでもお前と一緒にいたかったから・・・・・』
『俺はもう女なんだよ!!女に・・・・なった・・・ん・・・・』

『ごめん・・・・俺傲慢だ・・・・でも・・・!』

この。『でも』に続く言葉。
オレはそれが・・・・
いや、オレはそれを確かめたかった。
なぜならば、アイツがこの言葉を発した時の・・・
アイツのその目には、何か決意したかのようにも見えたから。
「明日、この先の言葉を・・・・!」


翌日、アイツは学校に来なかった。
理由を担任に確認したが、体調不良との事だった。

ホームルームが終了し、オレは足早に教室を出ようとしたところを担任に引き止められた。
用件は、取り急ぎのプリント物を彼女の家へ届けて欲しいとの事だった。
何の因果か。

オレはアイツの家へ急ぐ。取り急ぎのプリント物など当然二の次だ。
間接的にとは言わないが、アイツの家への届け物に直接会うかもしれない機会を与えてくれた事に感謝している。
オレという人間は、いざとなるとすぐ受身に入ってしまう。
あの後も、オレはあのままオレの家に逃げ帰ろうと考えてしまっていたからだ。
考えれば考えるほど、最初は希望すら持ったあの先に待つ言葉に不安すらを覚えたからだ。
だが、もう逃げられない。いや、そう理由付けたいだけなんだろうが。
135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 23:27:39.63 ID:ILFhgJwo
おおう、がんばれがんばれ
136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 23:33:22.82 ID:Dve/Yzko
オレはアイツの家の前にまでやってきた。どうにもさっきから足が震えだして止まらない。
けど、このまま逃げることもオレの小さなプライドが疼く。
ひとつ大きく深呼吸をして、オレは自分の両頬を両手でそれぞれバチンと叩く。
痛い。とても痛い。痛すぎるぜ。さて、痛さついでにちびっと男見せにいくか。
オレはアイツの家のチャイムに手をかけ押した。
2回・・・3回・・・・何度かチャイムは押した。ちょっと待ってみた。しかし、誰も出てこない。
体調不良ということなら、アイツのおばさんが出てくるはずだ。位に思っていた。
しかし、待てど暮らせど誰も出てこない。
だが、オレはこのまま帰りたくはなかった。
プリント物などポストの中にでも入れてしまえばよかったのだが本当の目的はそうではない。
あの言葉の続きを確認したい。そして、謝りたい。
そんなオレは少し興奮していたのだろうか、アイツの家の玄関のドアノブに無意識に手をかけていた。
ガチャ・・・という音とともに扉が開く。
まさか・・・・な、本当に体調が悪くて、不運にも両親は不在。アイツは部屋で一人きりで苦しんでいるかもしれない。
オレはアイツに会いたい一身で、そんな身勝手な理由をつけ、家の中へと入っていった。
「すみません!おじゃまします!」
念のため声をかけてみる。家の中にオレの声が響き渡るだけで、誰からの応答もない。
オレは意を決して一歩前に踏み出し玄関へと侵入する。ガチャンと扉が閉まる。
「あ、あの!どなたか──」

「よかった・・・・来てくれたんだ・・・・」

オレの背後からか細い声が聞こえてくる。
予期せぬ声に体がビクッと硬直する。

「セイ・・・・か?」
と、オレが後ろ振り向こうとすると同時に、ガチャと鍵がかかるような音が聞こえる。
振り向くと、そこに私服姿のセイがいた。いつも髪を束ねたポニーテールは下ろされており、
いつもとは違った印象に見受けられた。服だってなんだか、女っぽい。いや、女の子の着る服そのものだ。
暗くてよくは見えなかったが、唇に口紅・・・?
「違うよ、ひじりだよ?・・・・私、待ってたんだよ・・・真央が来るの」
口調が女の子そのものだった。しかも、ちょっと鼻にかかったような可愛いく小さな声で。
まさに、オレのストライクゾーンに直球ど真ん中に投げ込まれたかのような口調だ。
「セイ・・・・?」
驚いてしまったオレは困惑している。
目の前に居るか弱そうな少女が、いつものセイとは似ても似つかない口調でオレに話しかけている。
「だからぁ・・・・ひじりって呼んで欲しいの・・・・お願い真央・・・・」
この甘い声でオレの心が持っていかれそうになる。いや、もって行かれたかも。
「わ、わかった・・・ひ、ひじり・・・・」
ちょっと照れくさかったが、あんな声で、ささやかれるとオレは・・・・。
「ありがと ね、私の部屋へいこっ」
ひじりはそういうと、オレの左腕を両手でぎゅっとつかんで、さらに自分の胸をオレの腕に押し付ける。
オレは初めての体験に体を奮わせる。
モウコマカイコトナンテドウデモイイ
オレの理性が吹っ飛んだ。
本来の目的すら忘れてしまったオレは、アイツの言葉にあっさりと誘導される。
この後に待っているものは・・・・その想像がオレの男の部分を熱くさせる。
そして、ひじりに引っ張られるようにして、自室へ案内される。
「ごめんね・・・・私がもうちょっと背が低くて、胸が大きかったらよかったのにね・・・・」
何を言う・・・・その声で甘えられたら・・・
137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 23:48:59.83 ID:Dve/Yzko
「わ、わかった・・・ひ、ひじり・・・・」
ちょっと照れくさかったが、あんな声で、ささやかれるとオレは・・・・。
「ありがと ね、私の部屋へいこっ」
ひじりはそういうと、オレの左腕を両手でぎゅっとつかんで、さらに自分の胸をオレの腕に押し付ける。
オレは初めての体験に体を奮わせる。
モウコマカイコトナンテドウデモイイ
オレの理性が吹っ飛んだ。
本来の目的すら忘れてしまったオレは、アイツの言葉にあっさりと誘導される。
この後に待っているものは・・・・その想像がオレの男の部分を熱くさせる。
そして、ひじりに引っ張られるようにして、自室へ案内される。
「ごめんね・・・・私がもうちょっと背が低くて、胸が大きかったらよかったのにね・・・・」
何を言う・・・・その声で甘えられたら・・・
「そ、そんなことは・・・・ない・・・・」
終始ひじりに攻められっぱなしで事が運んでいく。
「へへ・・・・ありがと!うれしいよ」
どうやら、オレは本来の目的を忘れて、本能のまま行動を起こしていた。
いつものセイ・・・と様子が違っても、そのときはどうだってよかった。


ひじりの部屋に通されたオレは、ひじりのベッドに座らされていた。
オレの隣には、オレとの間を遠くもなく近くもない距離でひじりがちょこんと腰掛けている。
どうにも落ち着かず、周囲をキョロキョロと見渡す。
オレが落ち着かない理由は、その部屋の雰囲気だったことに気がついた。
そのひじりの部屋はというと、もう男の時の影すら残していなかった。
男の当時はもっと殺風景だったのだが、今のひじりの部屋と言うと・・・
さっぱりしていていながら、なおかつアクセントを置いた色付きの家具が可愛いらしさをかもし出している。
以前は、もっと単色でまとめられていて、そこらの床に雑誌が転がっていたものだ。
変わり果てたひじりの部屋を分析する内に、興奮していたはずのオレの男の部分は平静を保てるようになっていた。
しかし、それを悟られたのかどうなのか、ひじりの攻撃が再開された。
ひじりの腰がオレの腰へ詰め寄るよると同時に、オレの二の腕にひじりの両腕が絡み付いてくる。
再び俺の体がビクンと硬直する。同時にオレの腕に触れるやわらかい物が、オレのものを再び熱くさせる。
オレはひじりの顔が見られない。体が硬直しているからだ。動かせないのだ。
「そんなに硬くならないで・・・・」
何だこの発言は。ここは夢の中か?はたまたピンクなお店か?
「か、硬くなるって・・・」
「ここ」
「へぇ!?」
流石のオレも焦った。硬くなるっていうのは、オレの体の事ではなく・・・・オレの・・・
ひじりはオレの男の部分を手でなでている。いやらしく、誘うように。
いくらなんでもすっ飛ばしすぎだと思うぞ!?
いや、違う!こいつは何がしたいんだ!?
オレは困惑していた。変わり果てた親友の姿に。言動に。行動に。
はっとなって、慌ててひじりの手を払いのける。
その手は一瞬硬直したが、小さく小さく震えながら再びオレの股間へと伸ばそうとする。
138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 23:50:18.72 ID:Dve/Yzko
「お、おいっ!」
オレはオレの股間に伸びてきた腕を荒々しく掴むと、声を荒げて怒鳴った。
しかし、アイツはそんなオレの怒鳴り声に臆することもなく、
オレの手を振り払って、今度はオレを包み込むように両手を背中に回し、
全力でオレをベッドへ押し倒してきた。
オレは不意を突かれて抵抗もできず、押し倒されてしまった。
「離さない・・・・絶対に離さない・・・・」
目を開けると、そこにひじりの顔があった。
ひじりの大きな目の中の瞳は強く輝いており、何かの決意をしたように感じられる。
口元はぐっと閉まっている。その唇のルージュは優しい色で艶かしく潤っている。
オレはついゴクリ唾を飲み込んでしまった。
あまりの大胆さに、オレは抵抗することができず、ひじりのなすがままだ。
混乱する俺の思考は状況をうまく理解できていない。
何とか状況を整理しようとするがひじりはそんな時間を与えてくれなかった。
オレの唇にひじりの唇が触れる。ただ、それは少々荒々しい。
これがキス?なんか違わ・・・・ね?
違和感を覚えたオレはふと我に返り、ひりじの体を両手でぐっと起こす。同時に唇と唇が離れていく。
「ど・・・・どうして?」
「どうしてもあるか!何なんだよこれは!」
「何・・・って?セックスしようとしてるだけじゃない」
なんだと・・・・?
「違う!わけがわからないと言ってんだよ!」
どうやら、今のひじりにはそんなオレの言葉など届いていないようで、表情を変えずにこう言った。
「そんなの決まってるじゃない 真央に男でいて欲しいから 薬なんてもう飲まなくてもいいんだよ?」
「私の傲慢 でも、真央だって私としたかったんじゃないの?」
オレの男の性がチクリと痛む。だけど、こんな行為は何か納得がいかない。
「いいから・・・・しよう?」
「よくない!」
「でもぉ・・・・真央のアソコは私のアソコに当たってカチカチになってるよ?」
「あ、あたりまえだ!お前なら元男ならわかるだろうが!」
真央は表情こそ変えないが、元男というオレの発言にかすかに体が震える。
しかし、オレの言葉をそのまま聞き流して自分のペースで話を続ける。
「私だってそうなんだよ?私の女のトコ・・・・すごくうずいてるんだよ」
「は?お前、気持ちよく無いって言ってただろ!」
「違うよ?今は真央の事考えると凄く嫌らしい気分。アソコが熱いもん」
ひじりから連続で浴びせられる誘いの文句。
オレは何とかそれを振り払おうとひじりを否定しようとする。
「お前、この前々こんな女言葉使ってなかったろ!なんなんだよ!」
こうでも言わなければ、オレはそのままひじりに飲み込まれてしまいそうだった。
「私が女でいれば、真央が男でいられる。ただそれだけ」
「ね・・・・しよ・・・・」
やめろ・・・・そんな顔でオレを見るな・・・・
ああああああああああああああああああ!!
理性が吹き飛びそうになる。一触即発。オレの理性の箍は後一触で崩壊する。
ひじり・・・・お前の・・・・セイの本当の気持ちはどこにある・・・・。
ひじりという女性の仮面を被るセイをどこにやった!
「や、やめろ!聖也!」
139 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 23:54:52.22 ID:Dve/Yzko
今まで表情を崩すことの無かったひじりの表情が一瞬で凍りつき、体がビクンとはねた。
「ちがう!ちがう!ちがう!私はひじり!ひじり!ひじり!!」
「私は真央の彼女なの!女の子なの!聖也なんかじゃない!!」
オレはひじりの苦痛にゆがめた顔をみて、言葉を失った。
「私をみて!私だけをみて!聖也なんか見ないで!!」
二重人格!?いや・・・こいつは・・・・自分に嫉妬してるのか・・・・?
「真央はいつもそうだ!聖也ばかり見て、私を見てくれない!」
アタリだ。オレの心が軋む。オレは女の部分のアイツを見てしまえば、お前の親友でいる自身がなかった。
だから、あえて女のお前を意識せず、男の時のお前ばかり見ていた。
だけどそれは・・・・!
「お前が・・・・セイがそうしろって言ったんじゃねぇかよ!前のまま友達で居てくれって!お前が!!」
「ちがぁう!それは!!」
「なんだよ!言って見やがれ!」
「そんなの、真央が居なくなるのが嫌で、そう言っただけじゃないか!それくらい解れよ!!」
アイツは・・・ひじりはセイの口調に戻っていた。
「でも!俺は今は女なんだよ!・・・・もう男の俺は居ないんだよ!薄れて消えてチリになっていくんだよ!」
「女の心が俺を塗りつぶしてくんだよ!どうしようもないじゃないか!!」
「けど、真央が好きなんだよ!!だから!女で居ないと駄目なんだよ!!」
「・・・・・・だから・・・・ひじりって呼んでよ!もう、私を女にさせ・・・・て・・・・よ・・・・」
そうだったのか──
セイ・・・・いや、ひじりの顔が涙でクシャクシャになっている。
俺は情けなった。自分が。常に受身で思考は常に後手へと回る。
だから──だからアイツはこんなに思いつめてしまったのか。
「ハハ・・・情けね・・・・」
オレの目頭が熱くなり、視界がゆがんでいく。
情けなさ過ぎて涙が出てきた。それが余計に情けなくて涙の止めようがなかった。
「ごめ・・・・オレ・・・お前の気持ち知っててずっと・・・・知らないフリしてたわ・・・」
「え・・・・?」
「オレ・・・さ、お前との関係壊したくなかった。オレってさ、臆病だからさ・・・・
怖くて怖くてたまらなかったんだよ・・・・」
「だから、女になったお前をはじめてみた時、友達で居てくれって言葉、むちゃくちゃ嬉しかったんだ」
「よかった。セイはまたオレと一緒に居てくれるんだってな」
アイツはオレの言葉を真剣な顔で受け止めてくれているんだろうか。
自分の目からあふれる涙を何度も何度も拭っては、真っ赤な目でオレを見つめててくれる。
「そっか・・・そうだったんだね・・・俺・・・・あっ・・・私・・・」
心の不安定な状態のセイの言動は少し混乱しているようだった。
アイツはまだまだ苦しんでいる。だからオレは少しでもアイツの役に立ってやりたかった。
アイツの涙はオレの本心をさらけ出させていた。
「話し方、お前の好きな方でいいぞ。オレに気を使わんでいい。
そもそも口調なんて日本人様が勝手に作ったものに過ぎんさ。お前の好きにすりゃいいんだよ」
アイツの顔が一瞬で花を咲かせるかのように明るくなる。
「ありがと・・・・その言葉で『私』決心がついちゃった・・・」
あれ?こいつこんなに単純なやつだったっけ?そう思うと、オレの口元が緩む。
「あっ・・・今笑った・・・ひどい」
「わりぃわりぃ、それから・・・・いい加減この格好のままやめないか?」
オレ達は、先ほどまでの一部始終を仰向けのオレにアイツが騎乗する形で繰り広げていた。
はたからみたら何だこいつら。と笑われてしまいそうだ。
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 23:56:19.19 ID:Dve/Yzko
「だめ」
「へ?」
オレはオレがアイツに求めた答えとまったく違う答えに対して、素っ頓狂な声を上げてしまった。
「私、このまま真央を本当の男にしてあげる、だって最初からそのつもりだったし」
「え?ちょ・・・・おま・・・」
「真央・・・・大好きだよ・・・・」
オレの言葉はアイツの告白に打ち消され、同時にオレの心も股間もスイッチが入ってしまった。
「ふふ・・・嬉しいよ」
そういうと、ひじりはオレのズボンのジッパーへ手をかけ、ゆっくりと封を開けてゆく。
アイツが封をあけ切ったとき、オレのモノはすでに全開だった。
びっくり箱のようにオレのモノが勢いよく飛び出してきた。あ、トランクスのボタン止めてなかったな。
「すご・・・・こ、こんなにおっきかったんだね・・・」
ストレートなひじりの発言に流石のオレも照れくさくなって
「そんなにじっくり観察しなくてもいいだろ・・・・」
ひじりはオレのモノを優しく握ったり、さすったりしている。
オレの興奮はどんどん高まっていく。男の本能が確実に刺激されていく。
そして、オレのモノをひじりが手でしごこうとしたとき、ついにオレの理性は崩壊してしまった。
「だめだもう!我慢できん!」
オレは一気に体を起こして、ひじりを跳ね除けベッドへ転がす。
「あっ・・・・!!」
形勢逆転。男の本能を抑えられなくなったオレは、ひじりへと覆いかぶさる。
「もう、どっちからしたって、一緒だよな・・・・!」
先導権が入れ替わった事でひじりが不満な顔をすると思ったが、受け入れてもらったことに幸せを感じたのか
嬉恥ずかしそうな表情でオレを見上げている。
「いく・・・ぜ?」
「うん・・・・」
まずはキスから。俺は左手で後頭部を支え、右手でひじりの頬に手を当ててから、一呼吸おいてお互いに見つめあう。
ひじりはオレの首に両手を回して準備完了の合図をくれる。
そして、ゆっくりと唇と唇を合わせる。
「んっ・・・・」
ひじりから声が漏れ、体が一瞬ビクンと跳ねる。
しばらく長いキスが続く。単なるフレンチキス。
その後、オレは持てる知識を総動員し、次の行動に出る。
合わさった唇と一度離し、今度は唇の向きを変えて、アイツの厚い唇を包み込む。そしてまた離す。
「・・・・?」
ひじりはうっすらと目を開けて、こちらの行動に少し疑問を抱いたようだが、それでもオレは続ける。
今度はまた向きを変えて同じように。
ひじりはそれを口をあけてくれとの合図と取ったのか、軽く口を開けてくれた。
まぁ、そんなつもりは無かったのだが、この後にやることはひとつしかない。
ディープキス
オレは同じように軽く口をあけて、お互いの口を深く合わせる。
「ふっ・・・んん・・・・」
またひじりの体がビクンと跳ねる。
そして、恐る恐るオレの舌をひじりの口の中へいれる。
他人の口の中というものはなんだか不思議なものだ。暖かくて、滑ってる。でも、気持ち悪くない。
ひじりもオレの気持ちのこたえてくれたのか、舌をオレの舌へくっつけ、お互いの舌を絡めあう。
「ん・・・・んん・・・・」
141 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 23:57:35.88 ID:Dve/Yzko
キスって、こんなに気持ちいいものだったのか・・・オレの男のモノははち切れんばかりにジンジンとうずいている。
それが、ひじりの体に当たっているもんだから余計に。
俺はふと我に返り、慌てて唇を離す。
「ごめっ・・・・アソコ出しっぱなしだった・・・・服・・・・汚れちまった?」
「なによいまさら」
よくよく確認してみると、俺の先っちょからはダラダラと我慢の証が流れ出ており
それは、ひじりのデニムスカートにさらに濃い色の染みを作っていた。
「あぁ〜〜・・・・ごめ・・・今すぐ拭くわ!」
「いい!これ、記念にするから・・・・それより、服・・・・脱がせて・・・・私ももう我慢できない・・・・」
願っても居ない。脱がさせてください。しみを作ったお詫びに脱がさせてください!
「って、脱がし方わかんね・・・・」
「んもう!」
ひじりは少し意地悪な顔になり、オレに命令口調で指示を出しながら、服を脱がさせていく。
流石のひじりもブラジャーにパンツの下着姿になって、顔を赤らめながら少し恥ずかしがってじもじしている。
うほっ・・・そそられる・・・・よし!もう大丈夫だ、ここまでくりゃオレだって・・・・。
試合再開
まずオレの手が動いた先はひじりの秘部だ。下着の上からとはいえ、オレが急に触れたもんだから
ひじりの体が、今までに無いくらいビクンとはねて、太ももで股を閉じこんでしまう。
オレの手はふとももの挟まれ圧迫される。嬉しい圧迫感にオレの手がプルプルと震える。
しかし、一度火がついたオレの手は、それでも動きをやめなかった。
そのまま中指を動かして下着越しに内部の割れ目をなぞってみる。
「ひぅっ!」
ひじりから悲鳴が上がり、体がもう一度ビクンと跳ねて更に俺の手が太ももに圧迫される。
うお・・・・心地よすぎ・・・・。
オレはもう一度その声が聞きたくて、反応が見たくて更に指を動かす。
「ひぁぁ・・・・!!」
ひじりの体がビクビクと小刻みに震えて、同時に腰が浮き上がる。
オレはひじりがどんな顔をして感じているのかが気になって、顔を見上げる。
ひじりの瞳は虚ろで、口元は薄く開いている。
もっと、もっとだ!もっと聞きたい!
オレは指を動かす速度を回数を一気に増やしていく。
オレが指を動かすたびに、ひじりはそれに反応してくれる。それがオレを男としての優越感に浸らせてくれる。
ひじりの下着はもうかなりの湿り気を帯びていた。
これが俗に言う愛液ってやつか・・・・?
今度は下着の中に手を入れて地下にさわってみたくなった。
初めて触る女性の秘部。オレは下着に手をかける。
「あ・・・ちょっ・・・と まっ・・・・」
ひじりの言葉など気にも留めず、行動に移す。オレはもう止まれない。少し乱暴に、ひじりの下着に手を入れてまさぐる。
毛があり、その先に・・・・
ヌルッ!
「ふぅんん〜〜〜〜〜〜〜〜!」
オレの指がひじりの秘部に触れ割れ目にめり込ませた瞬間、ひじりから声にならない声があがる。
な、なんだ・・・?何でこんなに・・・・
ひじりの秘部はありえないほどヌルヌルしており、とても暖かい。
こ、これが・・・・!
そして、男ではあり得ないほどの反応。ちょっと女がうらやましくなった。
「気持ちイイんだよ・・・・な?」
オレの質問にすぐに返事が来なかったが、しばらくしてひじりが
「うん・・・・なんだか・・・・これ・・・・やばい・・・・」
「そ、そんなに!?」
142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/30(月) 23:59:24.93 ID:Dve/Yzko
「あ・・・頭とびそーになる・・・・」
「ふーん・・・・」
オレはそんな女の性感に嫉妬していた。そのせいか、声のトーンも低くなる。
「あーあ、やっぱ気持ちよくないってのは嘘だったか、そーかそーか、あー、今ならオレも後戻りが」
「ば・・・・ばかばかばかばか!!そんなの、絶対にさせないんだから!!」
目に涙をためて、真剣に訴えかけてくる。そんなオレの迂闊な発言でひじりを怒らせ悲しませてしまった。
でも、それはオレがひじりにとって男で居なければならないと思わせられ、罪悪感以上に優越感へ浸れた。
おかげさまで、くだらない嫉妬もふっとんだぜ。けど、オレサイテーだな。
「ごめん、オレ男じゃなきゃやだ」
「お母さんの為・・・・?」
不安そうな顔でひじりがオレを見つめる。だから、マジに誠意を込めて言ってやった。
「ひじりちゃんのため」
ひじりの顔が見る見る内に真っ赤になっていく。
「も、もぅ!!」
やっぱオレも恥ずかしくなってきた、で、照れ隠しでもう一度ひじりの割れ目の中で指を何度か動かしてやった。
「んっ・・・・!んんんん!」
「前と比べて・・・・どんなんだ?」
ひじりから返事が返ってこない。あれ?またやっちゃった?
「真央が・・・・」
「え?」
「真央がやらなきゃ気持ちよくなんないんだもん!」
「はぁ?」
見当はずれの答えが返ってきて、また素っ頓狂な声がオレから漏れた。
「もぉ〜〜!何倍も何十倍も!何百倍も!!」
「え、まじ?」
「でも・・・・真央がやってくれるからなんだからねっ!そっ・・・・それだけっ!」
言ってくれるねぇ・・・・オレのチキンハート鷲づかみ。
ハッ・・・馬鹿馬鹿しい。何やってんだオレは、下らないこだわりで自分自身へ水差してりゃ世話ぁねぇな。
「ごめん、それむっちゃ嬉しいわ」
ひじりはそれ以上何も言わなかったが、安堵した表情を見せてくれて、オレにはそれで十分な返事だった。

「そろそろ・・・・なっ・・・・いいか?オレ・・・・」
ひじりは微かに震えている・・・・。女性の初めては相当痛いらしいから。
「あっ・・・・やっぱ、今日はやめとくか・・・・?」
オレはひじりを気遣ってみせる。それがオレの最低限の気遣いだと思ったから。
「・・・・め・・・・だめっ・・・・!大丈夫だからっ!お願いっ!」
オレにそんなに男で居て欲しいか・・・・健気じゃないか・・・・
オレは男で居るためにひじりに全力で答えてやることにした。
「入れるぞ・・・!」
ひじりの両手がオレの背中へ回り、それをOKのサインと取ったオレは、穴の場所を探る。
こ、これか?
ヌプッ
意外と簡単に入った・・・・?
と、その瞬間!オレの背中に痛みが走った。
「ふんんんんんんんっ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
「い、いててて!」
あ、いててててはオレね・・・・なさけねぇ。
143 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 00:01:29.46 ID:.YCeP4Eo
ひじりは悶絶し、オレの想像できないほどの痛みに耐えている。オレの背中につめを立てて。
が、悶絶しつつも立てた爪を元に戻してくれたひじりの配慮にオレは自分が情けなくなった。
オレのあほっ!
「いいっ!・・・・い・・・いか・・・・らっ・・・・私は・・・・いいか・・・・らっ・・・・」
「だ、だってよ!」
痛みに悶絶しながらも、ひじりはオレへの配慮を忘れない。
ならばオレも・・・・!
オレはひじりの乳房にしゃぶりつく。あまった一方はオレの手で・・・・。
残ったもうひとつの手で、ひじりの頭を優しくなでてやる。
おそらく気休めだろうが、オレは少しでもこの痛みを和らげてやる必要があるのだ。
オレはひじりの顔を見つめながら必死に愛撫する。
しばらくして、苦痛に歪んでいたひじりの顔が少し和らいだようだ。
よかった──
「ありがと・・・・ありがと・・・・」
「いいって・・・・オレ、こんな事くらいしかできねぇわ・・・・・」
ひじりの瞳から涙が零れ落ちる。
気持ちが痛みに勝る。そんな奇跡を目の前で見せられて、オレはちょっと驚いた。
「ぐすっ・・・・・も・・・大丈夫・・・・お願い・・・!」
オレは少しずつゆっくりと腰を動かす。結構きつくて、思うように動けないが、この締め付けはマイハンドの比じゃない。
今にもオレのモノが爆発しそうになる。だが、中は避けなきゃなんねぇ。
自分のモノと腰の速度に全神経を集中させながら、ゆっくりと確かめていく。
やべ・・・・これが・・・・
オレのモノがひじりの中に入っているという現実はオレの神経を強烈に刺激する。
「ど・・・・・した・・・・の・・・?もっ・・・・と・・・・いい・・・から・・・・」
どうやらまだ痛みは残ってはいるらしい。おそらく動かしていなくても痛いのだろう。
「い、いや・・・・そうじゃなくて・・・・や、やべぇ・・・・!!」
オレは中で発射しそうになり、慌てて抜かざる終えなかった。
「くぅぅ〜〜〜!!」
ひじりから悲鳴があがる。
「う、あぁっ・・・・!」
間一髪。抜き終えると同時に、その入り口へ向けて俺の息子が飛び出していく。
「ハァハァ・・・ごめ・・・・オレだ・・・・」
オレがすべてを言い終わる前に、ひじりがぐっとオレを抱き寄せた。
「うわっ!」
「うれしっ・・・うれっ・・・・あり・・・・がと・・・・・」
ひじりの目には大粒の涙があふれていた。ただ、その満足げな表情は嬉しい涙だと教えてくれた。

半ばひじりに誘導される形でオレは性行為に至ったわけだが・・・・。
オレは今までためていた気持ちを、まだひじりに全部伝えていない。それでもオレを受け入れてくれたひじりには、頭が下がる思いだ。
「ありがと・・・・真央・・・・私を受け入れてくれて」
「え?あ・・・・うん、まぁそのなんだ・・・・えっと・・・・」
「ん?なに?」
伝えるんだ、オレもひじりに!最後くらい根性みせろってんだオレ!
「順番逆になっちまってけどさ・・・その・・・・」
そんなじれったいオレを見てひじりは笑って
「ふふっ・・・・大好きだよ!真央」
やられた・・・・最後まで後手なんだよなオレってはよ。
「あぁ、俺もだ。大好きだ聖」
何の曇りの無い聖の満面の笑みを見て俺は決心した。
この借りは今後しっかり返していくつもりだ。どれだけ時間がかかってもな!
144 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 00:01:52.97 ID:mLo1SLYo
フンスフンス
(*゚∀゚)=3
145 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 00:06:52.77 ID:.YCeP4Eo
はい
終わり

なーんだか、誤字脱字をところどころで見つけたけど
直すの面倒で放置しますた
しかし、やっぱ難しいね。文章表現って

ほかにも誰か投下してくれないかね
146 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 00:07:34.55 ID:DrNsJaUo


誤字脱字は別にいいんだけどコピペミスが酷いな
147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 00:10:08.53 ID:mLo1SLYo
乙乙
今はちょっと反応するだけするのが精一杯だから、
夜が明けたくらいでじっくり読ませてもらうわ

しかし、どーにかこういうトコで書式整えらんないモンかなぁ…
148 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 00:11:48.72 ID:.YCeP4Eo
どーこコピペみすったかなー
149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 00:20:08.27 ID:DrNsJaUo
>>137前後
150 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 00:25:15.32 ID:.YCeP4Eo
おお
その辺ですか

すみません仕様ですwwwwwwwwww

なんか、その周辺の表現が適当になっちゃってて
そのまま流して書いた結果、前後のつながりがおかしくなったかな
151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 00:28:09.67 ID:.YCeP4Eo
いや、ちがうお
やっぱとんでるお

では 間投下するお
152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/31(火) 00:30:13.24 ID:.YCeP4Eo
あれ?
やっぱりちがうお

すまんです 酒飲んでますwwww
まいっかww
153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/31(火) 01:17:02.84 ID:7PPL4AU0
とんでるんじゃなくてかぶってるんじゃないか
どちらにしろGJ!
154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 19:08:07.92 ID:2aO6DwY0
つよがりかわいい
155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 21:04:30.44 ID:sZhZb0.o
さてさて、上で投下したやつの別パート書くか
いろいろと説明不足というか
ぶっ飛んでたし
156 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/01(水) 22:15:20.21 ID:OAMa0gDO
http://img1.gazo-ch.net/bbs/1/img/200805/64477.jpg
157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 22:22:07.64 ID:4IhfHm6o
>>156
グロ注意
158 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 23:23:52.39 ID:vL238QAO
うそです
159 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 23:33:26.91 ID:DBK9/Kso
夏休みが開けて始業式前。
担任への挨拶を済ませた俺は、少し重い身体を気力を振り絞り教室まで歩いていく。
猫背になってはそれこそ陰気になりそうなので、胸を張って、颯爽と。
……よし、少し気分が持ち直してきたぞ。
折角だから教室に入ったらあいつを驚かせてやろう。

9月に入ったからといって一気に涼しくなるなんてことはなくて、どこもかしこも開け放
たれた校舎は久々に会う友達との歓談でさざめいている。
やれグアム行っただの、やれTDL行っただの、やれ初体験しちゃっただの。
なんとなしに耳にする彼らの物語はどれも楽しそうだ。
俺はといえばまぁそれなりに色々バカやって遊んだけど、結局の所初体験なんて美味しい
ものはなかったわけで。

ざぁ、と強い風が吹き抜けて、少しだけ暑さが和らぐ。

下ろしたての制服にはまだ糊が残っていて、汗でべとつく肌との相性は最悪だ。
アンダーシャツは汗ですっかり濡れてしまっているけど、不精な俺は替えなんて用意して
なかったし、脱ぐにしても糊が肌に触れてさらにべとつくのは我慢できなかった。
結局、しっとりシャツを我慢するしかないのだ。
160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 23:33:50.32 ID:DBK9/Kso
「うーっす」

そんなこんなで教室にたどり着いた俺を見たクラスメイトがひそひそと噂話をする。
まだ高一だからこの教室はそれほど見慣れたという気はしない。むしろ一月半の間に忘れ
かけていたぐらいで、場違いな場所に来てしまったんじゃないかという不安感が少し。
入る前に教室のプレート確認したし、間違いはないはずだけど。

(……おい、誰だあれ)
(夏休み中になっちゃったのかな?)
(おっきい……)

ってまぁ、この反応は当然か。
俺はつい数日前に見事女体化を果たしてしまったのだから。
見知らぬ、それも変に背の高い女子がいきなり教室に入ってきたら……うーん、俺なら無
視を決め込むかな。なんというか、腫れ物。自分で言うのもなんだけど。
ちなみに女体化する前の俺の身長が確か181。
病院での検査によると172にまで縮んだらしい。
10cm近く縮んだとはいえ女子としては、というより生半可な男子よりもでかい自信がある。

(うわ、すっげぇ胸)
(……てか誰だよあれ。マジで)
(一発お願いしてぇ……)

……ってそっちかよ!
どうやら縮んだ身長は胸の脂肪と髪に行ったらしく、ブラを買いに行ってGカップは都市
伝説じゃなかったということを思い知った。てか重い。猫背になりそう。
あと若い身空で油ギッシュな男子諸君のネットリとした視線が絡みつく。実にうぜえ。
ブラ透けてるし仕方がないんだけど、やっぱり自分の準備の悪さが恨めしい。
161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 23:34:19.77 ID:DBK9/Kso
しかしこの女体化現象、やっぱ世間に認知されているとはいえ「俺童貞でしたよ」なんて
(戸籍上にも)出して生きていくわけだからそこはそれ微妙なもんだと思う。
全く、草食系男子には生き辛い世の中になったもんだ。草食系だったつもりもないけど。

それはともかく、教室の中をぐるりと見回してみる。
先ほどチラチラとこちらを見ていたムッツリ男子諸君は視線を感じて首をすぼめる。
包茎手術のチラシみたいでやっぱりきめえ。[ピーーー]。

……じっくり見回したところで目当てのヤツが居ない。
不意を付いてこの豊満なぱいおつで埋め潰してやろうかとか考えていたのに、悪戯の当て
が外れるのはなんか寂しい。
とりあえず荷物置くか。

「……あれ、もしかして五木くん!?」

なんて考えていたら、すぐ後ろから戸惑ったような声がかけられた。
この声は我が親友。間違いない。
たっぷり一秒かけて気持ちを落ち着ける。
なに、計画というほどでもない計画は崩れたが、まだ戦える。
そう考えて、出来る限り効果的に、ゆっくりと振り返って――

「……一週間ぶりだな、颯太」

――極上だろう微笑をお見舞いしてやる。
たっぷりと胸が揺れるのを感じる。邪魔臭いが、今は武器だ。
その武器を支えるように腕を組んで強調して、そういえば今はアンダーシャツが透けてい
ることを思い出した。これなんてAV? てか馬鹿だ俺。べつにいいけど。

そんな内なる葛藤はともかく、颯太は顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。
あうあうとなにやら言おうとしているらしいが言葉になっていない。
俺は悪戯の成功を確信して、ここしばらくの面倒臭さが少し報われた気がした。
やっぱこいつは可愛い。ねっとりとしたオス臭いあいつらよりよっぽどいい。

「で、いきなりで悪いんだけどさ、タオル貸してくんね?」
「ほんと、いきなりだね」

颯太はやっと顔を上げて苦笑いした。
162 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 23:34:58.14 ID:DBK9/Kso
席に着いて荷物を置くと、颯太がスポーツタオルを持って小走りにやってきた。
受け取ってとりあえず襟元から中に入れ込んで汗を吸わせる。ついで、胸元を隠す。
流石に女体化したばかりとはいえ胸元はだけて直接拭くような真似はできない。というか、
その辺りの女子力(ぢから)レクチャーに母さんが張り切りすぎで引いた。
『娘が欲しかったの!』とか目をキラキラさせてふざけんな。

「……でも、そっか。女の子になっちゃったんだ」
「何だその微妙な顔」

というか今お前納得しただろ。

「だって、僕より背が高いし」
「ん、まぁ、そうだな」

颯太の身長は自称158だけど俺の目算では155、6のはず。女体化した俺より15cmは低い。
多分、抱き寄せれば胸で頭挟めるけど……借りがあるからな。嫌がらせはやめておこう。
……借りといえばだ。

「……タオル、ありがとな。洗って返す」
「別にいいよ」
「俺の汗と体臭の沁み込んだタオルが欲しいのか、変態め」
「きっちり柔軟剤使ってね」

おお、いい笑顔だ。

「おっけ」

そうして碌に話せないままチャイムが鳴って、講堂への誘導アナウンスが続く。
積もる話は後に持ち越すことになった。

…………。

こいつは俺が俺でなくなっても一発で分かるんだな。戸惑ってはいてもいつも通りだ。
なんか、軽く泣きそうになった。嘘だけど。
……嘘だってば。
163 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 23:36:03.18 ID:DBK9/Kso
始業式を終え、俺の女体化によって混乱を極めたHRも終わって、放課後。
いつもと同じように、行きつけの喫茶店でグダグダと駄弁る俺たちがいた。

少し薄暗い、隠れ家的な名店。
清掃は行き届いているし、料理もケーキもコーヒー紅茶も、どれを取っても美味しい。
ま、コーヒー紅茶に関して俺は味覚音痴なので分からないが。
いつの間にか颯太が見つけて通うようになったこの店は、俺たちにとってもちょっとした
隠れ家になっていた。

その店の、隅のテーブル席。
目の前に座るのは中西颯太、小学校からの親友。

押しが弱いけど代わりによく人を思いやる。いかにもいいところのボンボン、って感じで、
おおらかな中にも芯の強さがあり、その育ちのよさを伺わせる。
見た目は小動物系。少し長めで癖の無い、細くて綺麗な髪。優しげで中性的な顔立ち。
そしてその爽やかな微笑みにファンクラブがあるとか何とか。その気持ちはよく分かる。
というか、こいつが女体化した暁には襲う気マンマンでしたさーせん。

まぁなんにせよ、俺たちは親友だった。過去形。これからどうなるんだろうな。

俺はアイスティーを、颯太はホットコーヒーを受け取ってそれぞれ口にする。
ややあって、颯太から口を開いた。

「まさか五木くんが女の子になっちゃうなんてねぇ……」
「ああ、俺もびっくりだ」

つい一週間前、こいつと遊んだ時にはまだ俺はピチピチの男子高校生だった。
ピチピチって何だ。今は胸がピチピチだ。ああつまんねえ。

「でも、その……五木くんって案外モテるから、大丈夫だと思ってたのに」
「案外って何だ。それと俺を身長で測るなバカタレ」
「だって、五木くんは僕の憧れだったから」
「過去形かよ!」
「……ごめん」
164 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 23:36:18.21 ID:DBK9/Kso
俺たちの出会いは、小学校の頃こいつをいじめてたグループのリーダーと俺が喧嘩をして
ぶちのめしたというまぁありがちな話だったわけなんだけど、別に俺はヒーローでもなん
でもないんだよな。今となっちゃ女だし。

「しかしまぁ、これで野望が潰えたな……」
「まだ言ってたの?」
「だってよ、お前こんなに可愛いんだぞ? 夢見るだろ普通」
「見ないでよお願いだから」
「女の子になるんだったら颯姫(さつき)って名前を提案しようと思ってたのに、俺が先
に堕落するとは何たる不覚……」
「やめてよ。五木くん、お母さんと仲良いだけに可能性捨て切れないのが嫌過ぎるよ」
「可能性、ね。……やっぱりまだ?」
「う……。そ、その顔でセクハラ禁止!」

俺の顔は……こうなってはじめて見た時は違和感があったけど、今じゃそんなに気になら
ない。元が並だからまぁこんなもんかな、って思ったけどこいつがそう言うってことは少
しはいい方なんだろうか? よく分からん。

「ハハハ、愛いやつめハハハ」

とりあえず笑って誤魔化しておこう。

「……もうっ!」

でも、ぷりぷりと怒ってみせるこいつの方がやっぱり可愛いよな。
しかしまだなのか。あー、よだれ出そう。たまんね。
てかもう何で俺が先なんだよ。誕生日は俺の方が後なんだぞ。ファッキン神様。
165 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 23:36:38.54 ID:DBK9/Kso
「……で、名前はどうするの?」
「ウチはそうなってもいいようにって名前考えてたからな」

真理と書いてマサミチ。狙いすぎだ。
学校じゃそこまで話さなかったというか、悪目立ちする馬鹿だったもんだから(今でも悪
目立ちするのは変わんないと思うけど)、今日は質問攻め食らう前にこいつ連れてさっさ
と逃げ出したんだよな。

「じゃあ、マリちゃん?」
「やめてくれ首が痒い。L5発症して死ぬ。いっそ殺して」

テーブルに突っ伏そうとしたら胸が邪魔で失敗した。
そんな様子を見て颯太はくすくすと笑う。ちくしょう、他人事だと思って。

「でも慣れないとね。言葉遣いとかも」
「あー、くそ。やっぱお前が女体化すりゃよかったんだよ。すんなり馴染むだろうし」
「嫌だよ。それにウチ継がないといけないからね」

やっべ言い過ぎたか。
目が剣呑だ。

「うっ……。その、ごめん」
「うん、いいよ」

俺が謝ると、颯太はいつもの爽やか(チェリー)ボーイに戻った。

「今失礼なこと考えたでしょ」
「……バレタカ」

そう言って、互いにヘラヘラと笑う。
こうやって他愛のない話が出来るってのはいい。実にいい。
そして不意に訪れた沈黙が心地いい。気心が知れてるって本当に助かる。
166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 23:37:26.52 ID:DBK9/Kso
「……でも、大変じゃない?」

コーヒーカップをソーサーに置いて、颯太は沈黙を破った。
……見た目とは裏腹にこいつは男らしい。高一の分際でブラックコーヒーを飲むのが様に
なってるというか、自宅でも豆を買って自分で淹れてしまうほどのコーヒー通。
少なくとも俺のお子様舌じゃ紅茶をストレートで飲むのが精一杯だ。
こいつなりに「男らしさ」について思うところがあるんだろう。
でも見た目はやっぱり可愛いのでそのギャップがむしろ萌え。

「あー、とりあえず服だな。こうでかいとむしろ男物ぐらいしかない」
「そうじゃなくて」

うん、やっぱちょい現実逃避してるのバレてるな。気心知れすぎも良し悪しか。
真剣な目が労わるように俺を見ている。なんというか、あー、言葉にならん。

「……あー、うん。ま、大変だ」

とりあえずそれだけ言って、お茶を濁す。アイスティーだけに。

……ぶっちゃけこの胸とかあんまりにもアレなんで軽く男性恐怖症になりかけた。
というか、こうなって初めて電車で痴漢に遭うとか思ってもみなかった。なけなしの勇気
振り絞ってキンタマ蹴り潰してやったけど。いや、どうなったか知らないけどプチュって
感覚が膝で弾けた。
正直トラウマだ。痛みが分かるだけに。
で、まぁクラスメイトの……つい2ヶ月前までバカエロ話してた奴らの、エロ妄想の内容
とかダイレクトに知ってるわけで。あいつらの頭ン中で俺がどうなってるかあんまり考え
たくない。ないけど分かる。もう嫌だ。
そこまで分かってたのにタオルを忘れて透けブラとか、無防備無自覚にもほどがある。
女体化したくないからと女性を襲った――なんてニュースが無いわけじゃないんだ。
これから俺は、過剰に手に入れてしまったこのセックスアピールとともに生きていくこと
になる。母さんが思うほど、多分クラスメイトたちが思うほど、この変化って奴は軽くは
ないんだ――。
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 23:38:14.43 ID:DBK9/Kso
ふと気が付くと、頬にハンカチが当てられていた。
いつの間にか泣いていたらしい。

「え、あっ! ……ごめん」
「……不安なんだね」
「ちょっと違うけど……ああ、違わない。ごめん、借りる」

ハンカチを受け取って、目尻から涙を吸い上げる。タオルに続いてこれか。
男ならハンドタオルだろ、と思うけどハンカチ。
で、やってることは実に男らしい。なんだかまた泣きたくなった。

「……アレか、ホルモンバランスの異常か」
「それ更年期障害じゃ? あ、でもそんな変わんないのかな」
「さぁな。学校にしろ病院にしろ先生の話は眠いから困る」
「あは。そうだね」

やっべ笑顔が可愛い。濡れる。嘘だけど。ああもうわけわかんねえ。
でも考えてみたらそういう話を俺はずっとこいつにしてたわけで。
……最低だ、俺。

「……色々と迷惑かけると思うけど、これからもよろしく頼む」
「うん、任せて」

んでもってこいつはやっぱり男らしい。可愛いのに。ちくしょう。

「……ハンカチも、洗って返すから」
「うん」

当たり前のように頷きやがって、恥ずかしいやらなにやら、むかついたから思いっきり鼻
を噛んでやった。ずびー、という間抜けな音が店内に響いて颯太は口をへの字に曲げる。
いい気味だ。
168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 23:38:57.81 ID:DBK9/Kso
さて、ちょっと泣いたらスッキリしたぞ、と。
考えてみりゃ漠然と俺はないと考えていたわけで。誕生日なんて正月過ぎだし、もっと先
の話だと思ってて……まぁ、呆然としてて、新学期目前で忙殺されてさ。やっと落ち着け
たのが馴染みの隠れ家の中、それも親友の前。
案外家の中って落ち着かないんだって思い知った。でも、悪くない気分だ。

「……とりあえず俺、女のダチとかいねーんだよな」
「そうなの?」
「悪かったな。どうせこうなるほど女日照りだよ」
「ううん、そういう意味じゃなくて……」
「じゃ、どういう意味だよ」
「何人か、付き合ってた子いたよね?」
「 何 故 知 っ て い る 」

結構気を使って隠してたつもりなんだけどな。

「ほら、人の口に戸は立てられない……みたいな?」
「可愛らしく語尾上げて誤魔化すな。キスすんぞ」
「あはは、ごめんごめん。でも、こういう時に相談できるような子も居ないってのはちょ
っと想像できなかったからさ」

言えるわけねぇだろ、お前狙いで踏み台にされてたとか……。
これも結構トラウマなんだぞ?

「そうだな、碌な別れ方しなかったってことで納得してくれ」
「……わかった。でも、どうして急に?」
「なんつーか、な。あの中に戻ってく気になれん。一人だと……流石に心細いし、いっつ
もお前にべったりって訳にもいかねーだろ」
「僕は別にそれでもいいけど」

何気に凄いことを言われた気がする。

「俺がよくない。色々な意味で」
169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 23:39:47.38 ID:DBK9/Kso
ぶっちゃけこいつはモテる。
爽やかな中に男気の隠し味、そして何より可愛い。
可愛いってことは、十人並み以上の容姿ってことだ。色々な意味で反則だと思う。
つまり今まで通りこいつと一緒にいると、絶対に女子連中から何かしらのアクションがあ
るってことだ。

ただでさえ男の輪に入りにくくなったってのに、女子連中までまで敵に回したくないとい
うのが本音だ。こいつ自身自分より背の高い女は嫌だっつってるのに俺だけ例外とかねー
だろ? そういうことだ。

それにこいつのことだから、俺がハブられようもんなら八方手を尽くして庇うだろう。
そんな俺たちを見た女子が何を思うか、それからどうなるのか……まぁ、事態が悪化する
のは目に見えてるってわけだ。そうなったら俺引き篭もりになる自信あるね。

もし、もしもだ。奇跡的にそういう事態は回避されたとしよう。
いや奇跡的でもないか。こいつ俺よりかずっと頭いいし……ってそれはともかく。

その時、俺がこいつに依存してしまわない自信がないんだよ。

これまで親友だった。
多分これからもダチではいられるだろう。
だからこそ、頼りきるなんてのは死んでもゴメンだ。

「でも、力になれないのは嫌だ」
「力っていったって適当に俺とウマの合いそうな子を紹介してくれるだけでいいよ」
「そうじゃなくてさ」

スッと目を細め、颯太の雰囲気が変わる。

「……なん、だよ」

やばい。ここから先は踏み込んじゃいけない気がする。
170 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 23:40:25.13 ID:DBK9/Kso
そんな俺の内心の脂汗なんぞ気付かない振りして(こいつは時々分かってて無視しやがる
から困る)、颯太はきわめて真面目に言い放った。

「僕と付き合ってることにすれば良いんだよ。
……いっそ、夏休み入ってすぐぐらいからってことにでもしてさ」
「………………は?」

その答えは聞いてません。

……じゃねえ、こいつ、予想の斜め上いきやがった!
てっきり告白でもされるかと思ったぞこんにゃろ、俺のときめきを返せ!!
ってか何で俺オッケー前提に考えてたんだよあーもうやっぱわけわかんね!!
ジーザスクライスト!!

「どうせ1ヶ月もしないうちに僕だって女の子になっちゃうし、ね?
五木く……じゃなくて、真理ちゃんと一緒だと、なんだか怖くない気がしてきたよ」
「待て待てちょっと待て。ちょっと落ち着け。
今の発言にはいくつか重大な問題を孕んでいる気がするんだが」
「何が?」
「えーっと、お前がまだなのは別にいいんだ。何でいきなり覚悟完了してんの?
てかドサマギに真理ちゃん言うな」
「だって、真理ちゃん泣いちゃったし」
「お前引く気ないな、ってか意味わかんね。もっと論理的に頼む」
「えっと、つまり男子の輪に入り辛くて、女子の中にも入り辛いんだから、僕も女の子に
なれば全部解決じゃないかな、って思ったんだけど、どうかな?」
「どうかな? ……じゃねぇよ!!
そんなんで将来を決めるなよ、跡取り息子なんだろ?」

なんだか頭が痛くなってきた。

「真理ちゃんが泣いてた。不安で、苦しんでた。それなのに傍にいられないなんてそっち
の方が嫌だって思ったんだ。そんなんって言うけどさ、僕にとっては大事なんだもん」
「だもん、でもねぇよ……」

本格的に頭を抱える。もはや真理ちゃん呼びにツッコむ気になれない。
ちなみに女体化ついでにぼさぼさに伸びきった髪は適当にカットして今ポニテ。
どうでもよすぎる。
171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 23:40:57.10 ID:DBK9/Kso
それにしても……ああもう、可愛いらしいことを男らしく言いやがって。
って大概俺も訳わかんなくなってるな。
一応ゴムなしですればいいだけなんだから風俗行くなり、まぁこいつなら適当にクラスメ
イト捕まえりゃすぐだ。性格的にしないだろうけどな。梃子でも動かん、ってやつだ。

……ってそうだ、ここに穴あるじゃん。丁度クラスメイトだし。いや、そこは関係ない。
とにかく、元から襲うつもりだったんだ。何の問題もないじゃないか。

「気にしなくていいよ、これは僕のワガママなんだから。
それに、そういうつもりで生活すれば女体化してもすぐに慣れるって」

頭を抱えたまままま固まった俺をどう思ったのか、なおも言葉を重ねる颯太。
ここは一つ、芝居を打つしかないな。

「……あー、分かった。負けたよ。負けだ負け」

かぶりを振って、諸手を挙げて、降参の意思表示。少しわざとらしいか?
まぁいいや、このまま畳み掛けるか。

「んじゃま、そういう話にするとして、だ。
流石に男同士でってのは特殊な女子でないと受け入れ辛いってか、後々まずいだろうから
ナシにして、普通にこうなってからってことにしようぜ」
「……でも、女体化してすぐっていうのもおかしくない?」
「どーせ普段から似たようなことばっか言ってたしな。
俺から告白したって言えば皆納得するだろ」
「でも、それで僕が女体化しちゃったら、それはそれで問題じゃない?」
「告白しておきながら俺が怖がったとかそんなんでいいよ。
ヘタレで結構、後は野となれ山となれだ」

いろんな意味でな!
172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 23:41:18.41 ID:DBK9/Kso
「うーん……」

納得しない颯太。こいつ変なところで頑固なんだよな。
ま、悩むだけ悩め。最終的には全ておじゃんなんだから。
……と、そうだ。

「……すみませーん」
「はーい」
「あれ、何か注文するの?」

ウェイトレスを呼んだ俺を颯太が不思議そうに見る。

「んと、ここってアルバイト募集してますか?」
「えっと……マスターに聞いてみますね」
「お願いします」

苦笑いして歩いていくウェイトレスを見送って、颯太が口を開く。

「急にどうしたの? バイトしたいだなんて」
「ん、前からここで働けたらって思ってたんだけどな。
せっかく女の子になったんだしあの制服着たい」

視線でカウンターのところで店長と話しているさっきのウェイトレスを指す。
所謂メイドとかそういう系ではないけど、洗練されたシックなデザインがこの店の雰囲気
とマッチしていて、何より体のラインを強調するような罰ゲームじみたものじゃないって
いうのが俺としてはうれしい。
それにこの店の店員は男女問わず結構美人だ。ヒゲの店長ですらカッコ良く見える。
制服を着たいってのは嘘じゃないし、まぁ、女同士の付き合いを学校で期待できないなら
ここでかなと。綺麗なお姉さんは好きなんだぜ?
173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 23:42:20.65 ID:DBK9/Kso
「……ホント、性格変わったね」
「そうか?」

俺としてはそんな変わってるつもりもないんだけどな。
それにそう言ってゆったりと微笑む颯太の方が、小学校の頃と比べたらずいぶん変わった
と思う。昔は泣き虫で、俺の陰に隠れてばっかりだったんだけど。

「……なんならお前も一緒に働くか?」
「うーん、僕はお客専門がいいな」
「ちぇ、つまんねーの」

女子制服着たらきっと可愛いのに。

「……今変なこと考えたでしょ」
「お前実はエスパーなんじゃね?」
「真理ちゃんは考えてることが顔に出すぎ。昔からね」

……うん、気心知れてるのも良し悪しだな。マジで。
誤魔化すのも一苦労だ。


んで、結局バイトは即採用ってことになった。
ヒゲ店長は話してみれば案外フランクで、俺が女体化してすぐの元男だと言ってもすんな
り受け入れてくれた。ちなみに元男が働くのはこれが初めてらしい。なんという包容力。
帰る前に制服の合わせをしたら、一番でかいので丁度だった。
俺でかかったんだよなと再認識して、ついでに颯太に見てもらって……似合ってると言わ
れてやっぱりうれしかった。
……そういや、学校の制服の方は何も言われてなかったな。ちぇ。

何はともあれこうして俺の新生活は始まったわけだ。
計画のこともあるし短期決戦だよな。どうなることやら。
174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 23:42:32.55 ID:4IhfHm6o
(*・∀・)
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/01(水) 23:43:41.91 ID:DBK9/Kso
以上、無題。
後編があるかどうかは知らない。
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/02(木) 01:01:14.16 ID:3tie.M60
GJ!
外見ショタとにょたの組み合わせ大好物だ
是非是非エロを!
177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/02(木) 06:21:25.65 ID:E6j6/EDO
GJ!
需要がない訳ないじゃないか、正座して続き待ってるよ!

俺も低身長男と長身女で書いてたけど、俺の文は幼稚すぎて死にたくなるわ
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/02(木) 13:12:58.96 ID:FYkIVISO
GJ!
後編待ってるぜ

俺もこれくらい書ければなぁ
上に俺が投下したやつが霞んで見えるぜ
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/02(木) 20:47:36.71 ID:G2/M8n20
TS物で最近でた世界を征服するための3つの方法ってのが優秀すぎる
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/03(金) 02:57:04.47 ID:tCEdMeA0
地雷じゃないのか?
181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/03(金) 22:02:15.31 ID:LI/KJxA0
地雷・・・か?
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/04(土) 05:24:45.52 ID:Ji74kvwo
さてこんな時間だけど許す限り久々に投下するか
183 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:26:28.60 ID:Ji74kvwo
とある世界、ここでも女体化と言う概念がありつつもそれなりに進んでいる。これはそんなお話





この学校には2人の名物が居る、かつてその名を轟かしその力を思う存分繰り広げた孤独の
男、相良 聖・・それらから自然とついた通り名は“血に飢えた狂犬”彼が通った後には必ず血まみれの
野郎共が転がっていると言う事からついた仇名である。しかしそれも過去の話、現在は女体化によって
見事なまでの美少女になりその荒々しかった性格もかなり激変したそうな。
しかし未だに男時代の本能が残っているのか女体化してからも合気道を始めており、その強さは
極一部から“男時代の方がまだマシだった”とのコメントが残っている。それに力の方も普段の女性が
持つ“それ”を明らかに超えており合気道を使わずともそれだけで一掃出来てしまう。

女体化してからもその名前は今も健全である。


さてもう1人は聖とは違って完全な不良ではないが、この学校の部活内では頼られつつもそのあり余る
力に畏怖されている応援団、その全てを統一している人物・・藤堂 魁。彼もまた男時代はその強大な力を
持ちつつも聖とは違って真面目に行動していたのか頭の方もかなり切れており、その実績はあらゆる
猛者が揃う応援団を一手に取り仕切り纏め上げている事からまさに文武両道を表した人物であろう。

そんな彼も幸か不幸か女体化してしまって周りに(といっても部活内に)多大な影響を与えているようでは
あるものの、これといって全く代わりなく男時代と同じように猛者達を締め上げつつ伝統と誇りある
応援団を守っている、団内の部員達を容赦なく振舞うその姿はまさに地獄に住まう鬼・・いつしか
彼は“鬼の藤堂”と呼ばれ校内では有名な存在となっていたのであった。

そんな対極の2人は滅多に出会うことすらないものではあるのだが・・きっかけは思わぬところからやってくる。

184 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:27:24.91 ID:Ji74kvwo
教室内でどこでもある何気ない男女の会話。2人の名はそれぞれ木村 辰哉、月島 狼子といった。
この2人に関しての詳しい説明は省かせて貰うが・・いつものように何気ない話で盛り上がっているようだ。

「でさ、あの時の聖さんの活躍が凄かったんだよ! 男達を軽々片付けて・・その姿に俺痺れちまったぜ!!」

「へー・・」

「ちゃんと聞いてるのかよ!!」

「痛テテテッ!! ちゃんと聞いてるから噛むなよ!!!」

いつものように狼子に噛まれる辰哉、しかしこれもお約束の一つであるのでこの運命から逃れられる術などはない。

「そういやさ。俺前から思っていたんだけど・・相良さんとあの応援団の団長がやりあうとどうなるんだろうな?」

「そんなもの決まってるだろ! 聖さんが絶対に勝つ!!」

「だけどあの団長もかなり凄いらしいぞ。なにせあの応援団を1人でまとめているわけだからな」

辰哉の言うことも尤もではあるのだが、聖の事を良く知っている狼子は真っ向から反論する。

「あのなぁ! 聖さんのほうがもっと凄いに決まってるだろ!! 
そりゃ応援団の団長も凄いと思うけど・・でも聖さんには敵わないに決まってる!!!」

「しかしあの団長も存在感は凄いもんだしな・・でも2人の決闘は見てみたい気もするな」

「だろ!?」

この時点ではただの何気ない会話の一つではあったのだが・・運悪くもとある人物が偶然にもこの会話を耳にしていた。

(団長と相良さんの勝負か・・見てみたい気もするな)

偶然聞いていたのは同じく応援団所属の桃井 国仁。普段なら頭の中で切り捨てるべきものでは
あるのだが、内容が内容なのでその分のインパクトが凄まじいものだ。桃井個人としても団長でもある
藤堂とこの学校の名物でもある聖との対決は見てみたい気もするが、もし冗談かなんかでも下手に
提示をしてしまえば自分の身は確実に危うい・・我が身の可愛さをよく考えた桃井は興奮をぐっと
抑えながら先ほどの提案を胸にしまいこむ。

(っと・・俺は何を考えていたんだ。それに実現してしまえば恐ろしい事になるしな)

桃井とて応援団に在籍して日は長い・・団長である藤堂の恐ろしさは身に染みてわかっている、ここは耐えるのが吉。
185 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:28:29.71 ID:Ji74kvwo
さてその当人の一人・・相良 聖はというともうすぐで授業にも関わらずのんびりと屋上でのんびり過ごしている、どうやら彼女にとって授業など感心はないようだ。

「最近は暇だな。屋上にいる野郎達も俺の姿見るたびに臆病風吹かしやがって・・情けねぇ奴等だ」

聖はご自慢の拳で関節を鳴らしながら仰向けになり青々とした空を見上げる。ここ最近は名前が更に広がったのか、聖の姿を見るたびにゴロツキの男達は喧嘩も売らず大人しくやり過ごすといったパターンが非常に多い、本来ならばここで名が売れたと判断して大人しくするといったのがベターなのだが、こと聖に関しては全く反対のようでこの欲求を満たさない限りは満足しないようだ。だからここ最近はその範囲を広め格闘技系の部活に殴りこみ、その欲求を満たそうとしている・・結果は全て聖の常勝で普通なら満足するのではあるが、却って物足りなさが倍増し日に日に溜まるフラストネーションが一気に増加してしまうという
悪循環が聖の中に広がっていく・・

「格闘技系の部活にも手を出したが・・てんで弱くちゃ話にならんしな。この俺を満足させる奴はいるのかね」

(やべ・・聖さんか、しかもヤバイ事聞いてしまったようだ)

そんなやきもきしている聖の姿を見つけたのは先ほど狼子との談笑を終えた辰哉、その噛み傷を見る
限りどうやら一回だけではないようだ。どうやら辰哉も教師にうまい事言って屋上でサボろうと考えて
いたのだが先客に聖が居た事ようである、しかも生憎にも先ほど聖が漏らしていた独り言をバッチリと
聞いてしまったようで行きづらい雰囲気である。諦めてこの場から退散しようとした辰哉ではあったが
振り返った聖が偶然にも辰哉を見つけると暇潰しに誘い出す。

(仕方ない、大人しく保健室に・・)

「おっ、辰哉じゃねぇか! お前もサボりか?」

「あ、アハハ・・そんなところです」

「丁度暇してたんだ! ちょっとこっちに来い!!」

「はい・・」

前々から辰哉は聖に関しては若干の苦手意識がある、そもそも聖は彼女である狼子の先輩でもあるし
辰哉の先輩で他ならぬ“殺戮の天使”中野 翔の彼氏であるので辰哉からすれば翔抜きだと少し気まずい
ものだ。

しかし対する聖は辰哉の事はそういった面は一切感じて居ないようでただ単に言い易い相手のようである。
186 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:29:19.52 ID:Ji74kvwo
「でよ、最近は暇を持て余しているわけだ」

「はぁ・・そういえば先輩は?」

「あいつは進学コースだから今でも柄にもなくバカみたいに勉強してるんじゃねぇのか?」

(先輩は頭がいいからな・・)

翔の頭脳明晰なところは辰哉は素直に感心している、影では不良をしているといっても成績は
常に一桁をキープしているし人望のほうも頗る良いといえよう。

「そういや今日も狼子に噛まれたようだな」

「ええ・・本当にあいつには困らせられますよ。ま、いい事なんですけどね」

「しかし狼子も噛むぐらいじゃ足りねぇだろうな。俺みたいに拳を使って・・」

「いやいや!! 今のままで充分ですッ!!!」

「そうか? 折角俺がご教授してやろうと思ったのに」

もし狼子が聖みたいに格闘技を覚え始めたら・・噛むだけでは済まされない、考えれば考えるだけ恐ろしい
結果が目に見えているので断っていた方がこの後は安泰だろう。

「だけど狼子もお前と居る時が楽しそうだ。お前の事を言う時なんて本当に嬉しそうだぜ」

「そうですか」

「大切にしろよ」

「・・はい!」

辰哉の真剣な顔つきを見た聖は一安心しながら日頃の憂さ話を再開する。
187 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:30:00.99 ID:Ji74kvwo
「んで、さっきのことだが・・この俺様に相応しい相手ってのはいねぇのかな」

「聖さんと釣り合う相手って・・先輩ぐらいしか思い浮かばないんですけど」

「あのなぁ! 第一あいつはもう俺の相手になんねぇんだよ!! 
それに最近の野郎達は俺の姿を見るたびに逃げ出す始末・・却って情けなく感じまうんだよ」

「アハハハ・・」

聖の話に付き合うたびに辰哉からは苦笑しか漏れない。そもそも聖に釣り合う相手を探せと言う事が
土台無理がありすぎる、男時代から培ってきた経験と磨き上げてきたその力・・加えて師範代クラスの
合気道の実力が組み合わされば正面から向き合って勝つのは素人ではまず無理、相手側から
武器使用が許可されない限りは難しい話だろう。

さっきの狼子との会話の内容も思い出してしまうのだが、余り提示しない方がいいだろう、もし実現すれば
この後がなにやら大変な事になりそうなのは肌で感じる。

「まぁ、そのうち見つかりますよ・・」

今の辰哉はこの言葉で精一杯・・

188 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:31:40.83 ID:Ji74kvwo
そして時間は過ぎて放課後、聖は友人達と別れて彼氏である翔と仲良く帰宅の戸についていた。
翔の方はこれからバイトではなく聖の家庭教師、こう見えても翔は将来聖と一緒に自分が進学する
予定の大学へ進学するつもり。そのためには勉強あるのみであるが、こと聖に関しては全くの
勉強嫌いで翔るも最初は苦労させられたのだが・・とある人物に相談しつつ自分なりに教える方法を
模索して行った結果、聖の成績は何とか人並み程度に落ち着いたのではあるのだが、それだけでは
翔が志望する大学には到底受かるはずがない、だからこうしてバイトの合間を縫って家庭教師を
している・・とは言いつつも本来の家庭教師が終わった後は2人きりで過ごすのが通例となっている。

「そういやよ、お前良くサボれるよな。単位は大丈夫なのかよ?」

「はぁ? んなもん知るかよ!!」

「あのなぁ・・」

いつものように溜息混じりの言葉を吐きながらもさすがに長く付き合っているので聖の事はよく分かっている
つもり、そんな翔でも聖の行動については頭を悩まされる事がある。

「だけどな、いくら俺が家庭教師をしてお前の成績が上がったとしてもな・・単位がなきゃ進学はもとより卒業すら出来んぞ」

「えっ? ・・ということは」

「無事に留年。それどころか辰哉や狼子と一緒の学年になるぞ」

「マジかよ!! 誰が好き好んで留年なんてしてやるものか!!!」

聖にとっても留年するということはとても耐えがたい事ではあるようで素直に危機感を感じるようだ。
・・とはいっても聖の単位の方は教師陣の総力もあってか何とかギリギリ卒業できるぐらいには
調整をしてくれてはいるようではあるのだが聖自身の授業日数が伸びない限りは難しいようである。

「だからよ、ちょっとはサボらず授業にも出ておけよ。わかんないことあったら俺が教えるから」

「・・考えとく」

ふてくされる聖を見ながら翔は自らの目標のために何とか聖を授業に出そうといろいろ画策するので
あったが・・妙案と言うものはそう簡単に思い浮かぶものではないものでさすがの翔も頭を悩ませられる
ものだ、しかしいつでも考えたって仕方ないので暫くは胸の中に閉まって置いた方が得策かもしれない。

それよりもこれから目の前に起こりうる出来事を楽しんだ方が良いものだろうと翔は思考を切り替える。

「さて、今日は授業の内容おさらいとその応用だ」

「・・それだけか?」

「まぁ・・後はお楽しみだ」

「そうかい」

2人の顔つきが少しばかり艶を帯びているのは気のせいだろうか?

189 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:33:38.24 ID:Ji74kvwo
聖達がのんびりと帰宅していた頃、この物語のもう1人の主役である藤堂 魁は上級生の面々や
2年リーダーである桃井を集めて応援団の定例会議を行っていた。

「押忍! 以下が各部活内の大まかな行動であります!!」

「・・そうか」

会議の内容は応援団の今後の行動方針や各部活内の活動内容の報告などなど非常に重要では
あるのだが簡略的に進んでおり団長である藤堂も退屈そうにしながら目を瞑って報告に耳を傾けていた。

さてこの応援団には藤堂以外にも名物がいる、鬼とは多極の位置に居るのが仏・・その姿は見るもの
全てを敬い慈悲をもたらすものだ。そんな鬼の藤堂と対を成す存在なのが応援団副団長で仏の宗像こと
宗像 巌。彼の存在があるからこそ応援団は平穏の時を過ごしていると言っても過言ではない、その名の
如く荒々しさと鬼神の雰囲気を持つ藤堂でも宗像が言葉を発せばさすがの藤堂でも一度その鞘を収める。

だから周囲・・とはいっても主に応援団内部ではあるが敬愛さと慈悲深さからこう呼ぶ、仏の宗像のと・・


そんな宗像ではあるが意外な事を口にする。

「さて・・これから言う事は議題とは脱線するとは思うが、心して聞いてくれ。お前等、3年の相良 聖については
知っているな?」

「押忍! それは勿論」

「いくら個人だとしても我々応援団に匹敵するその力・・」

「だけども・・その相良か何か?」

ざわつき始める周囲を宗像はゆっくりと抑えながらそのまま口を開く。

「まぁ、彼女の行動については知っている諸君等も居るだろうが・・この学校にいるならず者を倒しているようだ。
まぁ、ここまではこの定例会議には関係ない議題だがな」

「・・何が言いたいんだ」

さっきからだんまりを突き通していた藤堂も心なしか聖の話題になると無意識に意識が向いてしまうようだけども
本人はあくまでも応援団の事についてであって、関係ない話題・・特にこの定例会議の場で出されるのは無性に
気に喰わないようでもある。

だけども宗像はそんな事はお構いなしに話を続ける・・
190 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:35:43.62 ID:Ji74kvwo
「まぁ、落ち着け。これからが本題だ、確かにそこまでは応援団はおろか生徒会も関知する余地はない。
だが、ここ最近ではあるが彼女はその行動の場を別の所に移したようだ」

「格闘技系の部活か?」

「その通りだ、復興した柔道部を始めとして、空手部にボクシング部にテコンドー部に剣道部に
ムエタイ部と・・この学校に存在する格闘技系の部活を部員や担当教師含めて全て1人で総なめにしたようだ」

だんだんいらついてきたのか、藤堂も語気を強める。

「だからどうした? ただ単純にそいつ等が弱かっただけだろ。応援団が出る幕ではない」

「ところがそうもいかないわけだ、その後は負けた連中はどれも面子が丸潰れでどれも練習どころでは
ないらしい。これは各部活の“心”を預かる応援団としても由々しき問題でもあるし生徒会からの方でも
正式に頼まれてな、無視するわけにもいかんのだ」

「チッ・・ それにたかだか1人のために応援団が動く必要もないだろ」

「俺も最初はそう思った。いや、思わざる得なかったが・・生徒会の方が妙に強気でな、断れば応援団の
予算圧縮も辞さない考えだったぞ」

生徒会とは文字通り学校内の全てを管理、統括する機関で基本的には応援団を含めた部活も生徒会に
従うようになる、そんな宗像も最初はこの話に乗る気ではなかったようで生徒会側とは最初は拒否する
姿勢を貫いていたのだが、どうやらうまく進まなかったようだ。

「まぁ、向こうには成功した暁には予算の大幅アップと応援団の権限を広げるように要請はしておいた」

「それぐらい当然だ。でなければ話にすらならん!!」

正直言って藤堂はこの件には首を突っ込みたくはない・・というかこの申し出は色々考えても完全に応援団の
管轄を超えている。こんな事で団長である藤堂が動けば公私混同以前にも長年築いてきた応援団の誇りに
傷がつくが、藤堂は少しばかり考えながら妥当な考えを提示する。

「・・よし、桃井! 2年の連中使って相良を取り押さえて来い!!!」

「お・・俺がですか!?」

「そうだ。不服があるのか・・?」

今まで先輩らに囲まれながら端っこの席で小さくなっていた桃井。まさか自分がこんな厄介事を任されるとは
桃井としても夢にも思って居なかっただろう、考えれば考えるだけ胃が痛くなってくる。しかも周りは桃井を除いて
全員が3年生の先輩達・・上下関係を重んじる応援団の事を考えれば今の状況下で拒否権などまずない、しかも
団長である藤堂直接の命令は勅命にも等しい・・桃井に残された選択など一つしかない。
191 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:36:06.72 ID:Ji74kvwo
「ないです・・」

「声が小さい!! 男ならしゃきっとしろッ!!!」

「お・・押忍!!!!」

「よし! この件はこれで終わりだ」

(俺・・遺書の用意してもいいよな)

自分の死期を悟る桃井リーダーであった。

192 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:36:47.30 ID:Ji74kvwo
さてその翌日、当の聖はというと狼子のクラスに遊びに来ていた、理由はただ単に本人の暇潰しである。

「あっ、聖さん!」

「元気そうだな」

「♪♪」

「刹那も相変わらずだな」

いつものように駈け寄る刹那を撫でながら聖は狼子との談笑を楽しむ、やはり聖もいくら強いとはいっても
女体化してからは普通の女の子と何ら変わりない。

「聖さん、今日はどうしたんですか?」

「ああ、暇だったからな。それにたまにはこっちに来てもいいもんだろ」

「聖さんらしいですね」

「まぁな。・・っと、それよりも刹那、お前ちょっと痩せたろ?」

「!!!!!!」

聖の一言に刹那に衝撃が走る。それもそのはずで今まで刹那は女の子らしく体重の事を気にしており、今月も
体重計で泣きを見たという経緯がある。それ以来、刹那はあらゆる雑誌や数少ない友人にダイエット方法を
聞きながらそれを実践して今に至るわけである。しかし聖の考え方は少し別のようだ・・

「まぁ、痩せることはいいもんだが・・無理なダイエットはするなよ」

「・・してない」

「強がらなくてもわかる。無理して食事制限したりしなくてもきちんと運動してれば健康になるんだぞ?」

「そうそう、聖さんの言う通りだぞ刹那」

「・・コクリ」

狼子に言われたら流石の刹那も大人しく首を縦に振るしかないものではあるがダイエットというものは
無理してしまえば自分の身体を傷める危険が伴う結果となってしまうので考え物だろう。
193 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:37:25.24 ID:Ji74kvwo
「しかし聖さんって何でそんなに体つきがいいんですか? 何か特別な事でも・・」

「・・・」

狼子の言葉に刹那も反応を示す、標準以上のプロポーションを保ちつつも並の男を寄せ付けない力を持つ
聖の秘訣を知りたいようだが、そんな期待の視線が込められる中で聖の方はあっけらかんとしながらこう答える。

「ん? 別に何にもしてねぇよ。普通に飯食って運動して・・ただそれだけだぞ」

「えっ・・それだけですか!?」

「当たり前だろ。それ以上は別に何にもしてねぇよ」

「・・」

「あのなぁ、適度に飯食って運動してりゃ人間誰だって痩せるもんだ」

聖の言う事は尤もではあるのだがそれを実践するのは簡単なようでかなり難しい、簡単に出来ればダイエットと
言う言葉などまず存在しないだろう。狼子と刹那は期待していた答えと全く違っていたので暫く呆然とするばかりであった・・
194 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:38:06.66 ID:Ji74kvwo
そんな彼女達が慎ましやかに楽しんでいた頃、彼氏である辰哉と翔はのんびりと屋上で過ごしていた。

「先輩、今日も平和ですね」

「そうだな。これに懲りてあいつも大人しくしてくれたらいいんだけど・・」

「ハハハ・・」

翔の言葉に苦笑混じりの表情を浮かべる辰哉であったが翔の希望が叶う見通しは万に一つもない事を
予見する、そもそも辰哉の見解ではあの超有名で様々なところから名を轟かせている相良 聖が
彼氏を作ったぐらいでそう簡単に収まるはずがないと踏んでいる。だけども先輩である翔の前では
それを口には出来ずに胸の中に閉まっておくほうが利口とも言える。

「そういや今回のテストは少し難しかったな。辰哉、結果はどうだった?」

「いや〜、いつもと比べて少し悪かったです。平均も65ぐらいですかね・・先輩はどうでした?」

「あ〜・・俺も少し落ちて平均88ぐらいかな?」

「すげぇ・・」

翔の点数に辰哉は思わず唖然としてしまう、平均点とはいっても頑張って60台程度・・辰哉にとって
80台は夢のまた夢だ。行動や性格はああではあるが頭脳の方はいいのだろう、今回のテストだって
結果がちゃんと出しているので証明にはなるだろう。辰哉は心なしか自分と翔を比べてしまうが
そんな辰哉の心境を察している翔はケラケラと笑いながら言葉を投げかける。
195 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:39:51.33 ID:Ji74kvwo
「おいおい、人間ってのは頭脳だけじゃねぇんだよ。辰哉だって辰哉にしかないすげぇ所はあるんだぜ?」

「でも・・やっぱり先輩には敵いませんよ」

「そう謙遜するな。お前はこの俺が認めてる人間だ、もっと自分に自信を持て!! 
そしていつかこの俺をギャフンと言わせてみろ!!!」

翔の言葉に辰哉は今の自分を思い返して見る、確かに今の自分では足らない所が多すぎるがそれも
自分の持ち味だと判断する。それになによりもあの中野 翔に認められた人物、今こんなところで
腐ってしまえば自分はもとより彼女である狼子が在らぬ心配をしてしまったり、自分の未熟さから
とんでもない事に巻き込んでしまいかねない、今の自分よりも強く・・今からでは無理な話だけど
きっとこれからの自分の行動次第で何とかなるはずだ。

「だからお前も焦るなよ」

「・・はい!」

翔の言葉を元に自分を鼓舞する辰哉、きっとこれから先も色々な事があるが大丈夫だろう・・多分。

「俺もやるぞ!!」

「その意気だ。・・さていい加減に出て来いよ」

「えっ?」

思わず辰哉が振りかえると気まずそうな表情を浮かべてる人物・・もとい、応援団所属の桃井 国仁。
昨日の会議で藤堂から無謀ともいえる聖の交渉を頼まれた桃井であったがお供をしていた下級生は
聖の恐ろしさから1人、また1人と次々と辞退してしまい・・ついには桃井1人となってしまった。

前回の柔道部騒動から聖の恐ろしさを肌で実感した桃井は聖本人ではなく彼氏である翔に止めて貰おうという腹である。

「あの・・お話は終わりましたか?」

「お前は確か2年の・・」

「押忍! 応援団二年副長補佐、桃井 国仁!!」

「応援団かよ・・今回は俺は何にもしていないぞ!!!!」

応援団と聞き、急にたじろいでしまう辰哉・・前に授業中にも拘らず拉致られた一件以来どうやら応援団と言う
若干言葉がトラウマになっているようだ。
それに翔の方も応援団と聞くと柔道部の一件を思い出してしまう、あの時は破れた制服代を副団長である
宗像に立て替えてもらっているので心なしか腹の居所が悪い。
196 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:41:34.01 ID:Ji74kvwo
「相変わらず暑苦しいな。あの時の制服代だってお前等の副団長にちゃんと返したぞ!!」

「いえ、今回はその事ではないんです。実は相良さんについてなんですが・・」

「あいつがどうしたんだよ?」

「はい。実は・・」

桃井は真剣な表情を保ちながら全ての経緯を2人に話す。数分後全ての事情を把握した翔では
あったが、少し呆れながら返答する。

「事情は分かった。だけどな、俺があいつに言ったって無駄だぞ」

「なっ・・それはないはずです!!」

必死に食い下がる桃井、ここで翔との交渉に失敗すれば残るは聖と直接交渉をするしかないのだが・・まともに
聖が耳を傾けてくれるかどうかは怪しいところ、それにもし失敗すれば藤堂はもとより副団長である宗像の
叱咤も加わることだろう。宗像は仏ではあるが決して優しい男ではないことは桃井とて承知している、己の
ためや応援団の使命・・それに学園内の平和のためにも翔との話し合いは何が何でも成立させたいのだ。

「それにあいつが人の言う事を素直に聞くようじゃないってのは俺が良く知っている。
ダメ元で礼子先生に言ってみたらどうだ? 唯一礼子先生の言う事だったらあいつも素直に聞くし」

「春日先生は出張中で・・一週間は戻ってこないようなんです」

「そうか。そりゃ残念だったな」

「だからこうして中野さんにお願いをしてるんです!!!」

必死に食い下がる桃井ではあるが翔の対応は余り乗る気ではないようだ、そんな桃井を不甲斐に思ったのか
辰哉も翔に進言を試みる。

「お願いします!! もう中野さんしかいないんですよっ――!!!」

「先輩、こうして頼んでるんですから協力して上げましょうよ」

「・・わかったよ。とりあえず言ってみるだけ言ってみる」

「ありがとうございます!!」

桃井は顔を上げながらルンルン気分でそのまま屋上へと去っていく、残された翔は頭を抱えるのであった。

197 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:42:39.24 ID:Ji74kvwo
結局、妙案が出ないまま時間が経ち放課後・・翔は先ほどの事を聖に言おうと試みるが、気持ちが
落ち着いていないようで顔つきも少し強張っている。

「あのなぁ・・」

「何だよ? 気持ち悪い顔つきしやがって」

「お前さ、放課後に格闘技系の部活の連中をぶちのめしているんだよな」

「えっ!!」

どうやら聖も放課後の部活参りの事は翔に伝えていなかったようで動揺が広がる。

「やっぱりしてたんだな・・」

「元はと言えばてめぇが屋上に居る野郎達をぶちのめすなって言ったのが原因だろ!! 
それに部活の連中なら格闘技もやっているし合法だろうが!!!」

「もう応援団が動き始めてる。そろそろ辞めt」

「応援団だと・・んなもん関係ねぇな!! 
それに昨日はチア部に入れって勧誘されてムカムカしてるんだ、誰があんな所に入るかよ!!!

あぁ・・思い出すだけで余計に腹が立つッ!!!!!」

こうなってしまえば翔でさえも聖を止める事は難しい、どうやら翔の言葉で聖に火がついたようだ。
聖にして見れば翔との甘い生活は捨てきれないものの、長年から培ってきた闘争心はそう易々とは
捨てきれないもので合気道を覚えてからそれが更に覚醒してしまったようだ。

「よしッ! 今日はどこをぶちのめすかな・・」

「だからやめろって言ってるだろ!」

「うるせぇな!! この俺様の闘争心はそう簡単には抑えきれねぇんだよ!! あばよ!!!」

「お・・おいっ!!」

翔は慌てて聖を止めようとしたのだが時既に遅し・・聖は颯爽と教室を出てしまいそのまま部活塔へと向かってしまった。

「・・俺はもう知らんぞ」

嘆き気味に言葉を吐き捨てながら翔も脱力気味に教室を後にした。
198 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:43:43.50 ID:Ji74kvwo
そんなピリピリとした放課後の出来事が起きている中でこちらのカップルは先輩組とは対象的に
のほほんとした雰囲気が一杯に広がって周りを充満していた。

「辰哉〜、今日はバイトは休みか?」

「ああ、明日は出る事になるけどな」

狼子はいつものように辰哉とのふれあいを楽しむ、刹那の方は帰り道が違うので今回は2人きりの
帰宅になるようだ。だから2人とも自然にテンションが高くなる。

「んじゃ、その日は俺が遊びに行ってやるよ」

「別にいいが・・俺は基本的に表には出ないぞ?」

「つまんねぇな! 噛ませろ!!」

「痛ェッ!!! だから噛むなって・・」

噛まれながらも幸せと言うものを肌で実感する辰哉であったが、先ほどの応援団の一件をふと思い出す。

「そういや先輩、ちゃんと止めれたんだろうか?」

「へ?」

「ほら、さっき話した応援団の奴だよ。先輩、うまく相良さんを止めたんだろうかと思ってな」

どうやら辰哉も翔の動向は気になるようではあるが、聖の事を熟知している狼子はすぐに結論付ける。

「どうせ、聖さんのことだから普通に突っ走ってるに決まってるだろ!」

「でも意外に先輩が・・」

「ないない、聖さんがそう簡単に退くわけないだろ!!」

持ち前の持論と聖との付き合いから辰哉を圧倒する狼子。しばらくは黙って聞いていた辰哉では
あったが、同時にあるいやな予感が脳裏に過ぎる。

「まさか今頃はその件で応援団が慌てたりしてな・・」

「そんでもって聖さんと団長の直接対決が実現だな!!」

狼子達の言っている事は半分当たっていた、その頃教室では宗像が藤堂を呼び出しての話し合いをして
いたのだが、場の空気はピリピリしており双方の顔つきも真剣そのものでただの話し合いではないことが伺える。
199 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:45:19.37 ID:Ji74kvwo
「こんなところに呼び出して・・何のようだ?」

「・・また相良だ」

「何だと―― その件は桃井に一任していたはずだが?」

「残念ながら事実だ・・っと言いたい所ではあるが今回は少し違う」

そのまま宗像は呼吸を整えると懐から手紙みたいなのを取り出し、黙って藤堂の机へと置く。藤堂は
そのまま手紙の封を切り中身を読んでいくのだが元々険しかった顔つきが更に険しく歪む。

「何だそれは・・」

「お前宛の果たし状だ」

「それは解っている!!! それよりも桃井はどうした!!!」

「桃井は現在保健室で治療中だ。そういえば経緯を説明していなかったな」

事の経緯は今から数分前、翔の説得がうまく言ったと安堵しきっていた桃井はいつものように校舎に
聳えている栗の木の下でのんびりと過ごしていた。桃井にとってはこの一件で1日を棒に振ったとも
言えなくもない、何せ半ば強制的に聖の説得を命じられるものの仲間は途中から離脱し孤立無援の
状態で必死に試行錯誤しながらベストな対処法を考え続けていた。

もしあの時に翔に断られていたら桃井の命はまずなかったであろう、今回の一件で桃井は寿命が
確実に縮んだと思っている、聖の彼氏でもある翔が引き受けたとなれば安堵せずに入られない。

「これで学園内にも平和が戻るだろう。全く今日は散々だった・・」

放課後とはいえここまでのんびり出来たのは何年振りであろうか? 暫しの間、黄昏ながらのんびり
気ままに過ごしていた桃井であったがとある人影が視界に入る、しかもそれは絶対にあってはならぬモノ・・

「あれってもしや・・」

「オラオラ!! てめぇら待ちやがれ!!!!」

「ヒッ・・ヒイイィィィィ!!」

(あの人影は・・間違いない!! 相良 聖だ!!!)

桃井が目撃したのは不良を執念深く追いかけている聖。相手が部活に所属している人物ではない
ものの、その光景は異様だ。しかし桃井にとっては気が気ではない状態だ、桃井の予定では本来ならば
聖は放課後は真っ直ぐに自宅に帰りこの学校には居ないはず・・考えられるケースを想定すれば結論は一つしかない。

「まさか中野先輩・・しくじったのか!!!」

己の運のなさに落胆する桃井ではあるが、聖の行動を考えると今はそのような状況ではない。
その頃聖は逃げる不良を1人ずつ殲滅して最後の1人を追い詰めていた・・
200 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:46:26.59 ID:Ji74kvwo
「さぁって・・てめぇで最後だな」

「あわわわわ・・・」

「この俺様の恐ろしさを思い知れェェ!!!!!!」

「や、やめろ!!!!」

迫り来る聖の拳に不良は身が竦み、防衛本能を必死に働かせて目を瞑りダメージを抑えようとする。
しかし本来届くはずの衝撃は一向に来なく、ゆっくりと目を開くと不良の目線からは驚くべき光景が広がっていた。

「やめてくださいッッ・・」

「てめ・・離しやがれッ!!!!!」

「俺が抑えているうちに早く逃げろ!!!」

「は、はい!!!!」

桃井の掛け声に不良は一目散にこの場から脱兎の如く立ち去る、そんな中で聖は一瞬で桃井の拘束を
振りほどくとそのまま敵意むき出しで桃井を睨みつける、桃井は体中から武者震いしながらも必死で抑え
ながら聖と相対する。

「何の真似だ・・」

「じっ・・自分は応援団所属、2年の桃井 国仁であります!!! 今回は・・」

「うるせぇ!! んな御託はどうでもいいんだよ!!! 俺は非常ォ〜に機嫌が悪いんだよ!!! 
邪魔する奴は誰であろうとも容赦はしねぇ!!!!!!」

「クッ、団長がここに居れば・・」

「団長? ・・そうだ、いい事思いついた」

団長という言葉を聞いた聖は何か思いついたようでおもむろにポケットから用紙とペンを取り出すと
サラサラと書き込み、そのまま手紙を作成すると桃井の制服のポケットに収める。そして関節を鳴らしながら
桃井へと近寄る、一連の聖の行動に桃井は呆然とするしかない。

「これでよし・・さて、お前にはさっき邪魔されたからな。覚悟しろ!!!」

「う、うわあああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

桃井の意識はここで止まった、悪魔ともとれる聖の微笑によって・・

201 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:47:17.32 ID:Ji74kvwo
宗像から事情を聞いた藤堂は力任せに手紙を握り締めながら身体を震わせる、宗像はそんな藤堂の
様子を見ながらも冷静に対応する。

「これでついに応援団にも被害者が出てしまった。このままだと軒並みにやられてしまうだろう」

「・・生徒会には?」

「まだ報告はしていない・・が、ばれるのも時間の問題だろうな」

藤堂は暫く冷静に考えながらあらゆるパターンを頭の中でシュミレートしながら試してみるが、妙案など
出るはずもなくその重い腰を上げる。

「宗像」

「ん?」

「・・こうなったら直接、俺が出る! もはや応援団に被害が出てしまったのなら仕方あるまい。
あの糞女ァ・・応援団の恐ろしさをたっぷりと味あわせてやる!!!!」

教室中が振るえ上がるぐらいの怒声を放ちながら聖との決闘に応じる、宗像も長年の付き合いから
それを察するとすぐに手回しの方を提案する。

「生徒会からは俺が話をつけよう。元はあちらからの要望だ、多少の無茶は引き受けてもらわんとな」

「上等! 待っていろ・・相良 聖!!!!」

かくして世紀の決戦は静かに動き出した。

202 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:48:56.63 ID:Ji74kvwo
舞い上がる風、グランドから吹き荒れる砂埃・・今にも激戦の予感がピリピリと感じつつも校舎全体に
設けられた会場では観客の興奮だけでまだ開始されていないのにも関わらず、その盛り上がりは
ピークにまで達していた。

「さぁ・・やって参りました夢の大決戦!! 勝利する女神は果たしてどちらだッ!!! 皆、盛り上がっているかッ!?」

「「「「「「「「「「「「「「「ウォォォォォォォォォォッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」

男女混じっての熱気溢れる声援に会場全体は揺れ動く、本来ならこういった場は男子が大多数を
占めるものと思っていたのだが意外にも女子の人数もかなり占めている。
実はこれにもちゃんとした事情があり、最初は賭博が発端となったのだがそれではつまらないと
言う事になり金以外にも更なる商品が加わり、世界を又に掛けて活躍する世紀の大女優SAORIの
非発売品の極秘ブロマイドが商品として出展される事となったとたんにコレまで無関心を決め込んでいた
女子の数が上級生下級生問わず人数が急増し今に至るわけ、やはりいくら時代が経とうとも若かりし頃の
美貌とスタイルと保っているSAORIの存在は女子にとって憧れの象徴でもあるのだ。

「司会はこの私、生徒会会計担当の保坂でお送りします。さて! 主役の登場です!! 
中学時代は伝説の不良と恐れられ数々の男達を恐怖のどん底に落としめた!! 

通称血に飢えた狂犬、相良 聖ッッ!!!」

「「「オオオォォォォ!!!」」」

「うるせぇ! 外野は黙ってろッ!!!」

「「「・・・」」」

聖自身、あまりこういった事が好きではないようで一喝して観客を黙らせるとそのまま所定の
位置へとつく、司会者の保坂も唖然としながらも気を取り直してもう1人の主役を紹介する。

「さて次に登場しますのは泣く子も黙る応援団団長ッ! 藤堂 魁ッッ!!!!」

「「「オオオォォォォ!!!」」」

「皆、団長の晴れ舞台だ! しっかりと応援しておけ!!!」

「「「「「「「「「「「「「押忍ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」

藤堂からは聖と同じぐらいの歓声に加えて桃井を筆頭とした応援団全員の声援を背に受けて威風堂々とした
佇みのガクラン姿で登場し、聖と同じくして所定の位置につく。2人は初対面ながらも激しく睨み合いを
繰り返しながらお互いに食い入るように見つめ合う、どうやら2人とも自分が勝つ絶対の自信でその現れが
スッと言葉に出る。
203 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:50:06.08 ID:Ji74kvwo
「てめぇが噂の応援団長か・・相手にとって不足はねぇぜ!!! この俺様の名に掛けて完膚泣きに潰してやる!!!」

「この騒動も本来ならば俺が直々に出向く事はなかあったが・・応援団の誇りに掛けても貴様は徹底的に倒す!!!」

「まぁまぁ、双方とも落ち着いて・・ほら握手でも」

「「・・」」

司会を引き受けた保坂は面白半分興味半分で参加をして見たものの直接対面して見ると明らかに
場が重い、傍目から見ていた方がよっぽどマシだ。だけども引き受けた手前もあるので沿う易々とは
引き下がれない、保坂は少し深呼吸をすると声を高らかと上げる。

「で、では!! これから世紀の対決を始めたいと思っています!!!」

その同時刻、舞台裏で設けられた解説席では聖の恋人である翔と副団長である宗像が座っていたの
だが、翔は思っても見ない事態にただただ頭が困惑するばかりだ。それもそのはずで翔にこの事が知らされた
のは決戦が始まる直前の事であったので不機嫌際まりないが、隣に居る宗像は翔とは対照的に涼しい顔つきの
まま静かに事の様子を見守っていた。

「おい!! なんであいつとお前の所の団長が決闘しなきゃならんのだ!!!」

「・・桃井を通じてお前にも協力を要請させたはずだ?」

「まぁ、確かに依頼はされたのはされたが・・俺はちゃんとあいつに“大人しくしろ!!”って言ったぞ!!! 
それにこんなことすれば後で生徒会や先公が黙っちゃいねぇぞ!?」

「その点については抜かりはない。生徒会には教師への根回しは無論の事、会場の手続きなどの協力は
して貰った。後は必要に応じて解説をするだけだ」

「へいへい」

今更ながら流石の翔でも膨れ上がったこの決戦を止める事など出来るはずもなく現状を認めざる得なかった。

204 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:51:38.60 ID:Ji74kvwo
「さて、最初の競技ですが・・100M短距離走です!! 両者とも位置についてください!!!」

保坂の指示の元、2人は整備された陸上部専用のグランドでスタートを整える。

「なんだ、随分とお間抜けな内容だな」

「逃げてもいいんだぞ・・」

「ヘッ、誰が逃げるかよ! てめぇこそ尻尾巻いて置くなら今の内だぜ!!」

「その言葉・・後悔させてやる!!」

「それではいいですかぁ!! よ〜い・・ドン!!!」

保坂の合図と共に2人は勢いよく猛スピードでグランドを駆け抜ける、観客は2人のスピードを眼で
必死に捕らえようとするがそれでも早すぎるためどちらが優勢かはわからない。2人は100Mという
短いトラックを一心不乱に走り抜け、お互いの勝敗を分けたタイムに全員の注目が集まる。

「えっと・・あ、集計が出たようです。まず藤堂さんのタイムが9秒23! そして相良さんのタイムが9秒18! 
この勝負は相良さんの一勝ですッ!!!」

「「「「「「「「「「「「「「「ウォォォォォォォォォォッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」

「えー・・ではこの結果について解説の方をお願いします」

保坂も疲れてきたのか話を解説の方にいる翔達に振る、いきなり話を振られた翔はどのように話して
いいのか解らずに頭を悩ませるが宗像は冷静に分析をしてパッと言葉に出す。

「ああ見えて団長は瞬発力が必要とされる短距離走は苦手だ」

「あいつはそうだな・・女になってからすげぇ素早くなってきたな」

「解説ありがとうございます! ・・さてそれでは次の競技に移りたいと思います!! 
短距離走があってこれはないのかッ! 20キロの長距離走ですッッ!!!」

「「「「「オオオオオォォォォォォッッッ!!!!!!!!!!!!」」」」」

競技の内容がご都合主義なのは生徒会や応援団のごく一部の人達に問い合わせてもいいかも
しれない、さて先ほどから短距離走を行っていたトラックを整備が完了して両者は再びスタート位置につく。
205 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:53:31.44 ID:Ji74kvwo
「たった20キロか・・いつものロードワークにしては少なすぎだな」

「随分と余裕だな」

「当たり前だ。俺はいつも最低30キロは走ってるからな、20キロぐらいどうと言うことはないぜ!!」

「・・いつまで持つかな」

「さぁって・・両者準備はいいですかッ!? それでは・・よ〜い・・スタートッッ!!!!」

再び保坂の掛け声に合わせて2人は一斉にスタートを切る、しかし我武者羅に突っ切る短距離走と違って
長距離走はペース配分も考えなければならないので速度は遅めではあるのだが、2人ともピッタリと
くっつきながら走っているので傍から見れば優劣など分かるはずがないのだが・・本人達はその微妙な
距離も把握しているようでいがみ合いながらも走り続ける。

「この調子だと楽勝だな! 俺の方が少しリードしてるからお前の勝ち目はないな、団長さんよ!!」

「フッ、誰がお前ごときに負けるか! その様子だと、どうせばてるのがオチだな」

「ギブアップするなら今のうちだぜ!!」

「お前もな!」

そんな調子で走り続ける2人、普通の人間ならこんなにくっちゃべっていたらばててしまうのが常なのだが
こと2人に関してはそのような様子はなく、いがみ合いながらもただ黙々と走り続けていた。

「まさに一進一退の接戦が繰り広げられています!! 解説席の皆さん、これはどう見ますか?」

「ふむ、傍から見れば優劣が見えなくともないが・・見たところうちの団長の方がリードしているな」

「だけど僅かなリードぐらいは大した事ねぇだろ」

「ほぉ、前の体育祭では長距離走でトップを維持していたが僅かな気の緩みでペースを遅らせてしまって
2位に転落した者が言えるのかな?」

「ウグググッ・・痛い事を言いやがって!!」

「え、ええ〜・・解説からは以上です! さてレースもそろそろ終盤です!! 
果たしてこのまま相良さんが勝つかッ! はたまた藤堂団長が一矢報いるのか・・注目が集まるところですッッ!!!!」

20キロと言う果てない徒競走もそろそろ決着がつくところ、しかし傍目からはどちらがリードしているのかは
わからないもので判定を任されている陸上部の一員もようやく見える程度、全神経をフルに稼動させながら
今にもゴールに向かわんばかりの2人の姿を必死に目に焼き付ける。そして一瞬の刹那――2人はほぼ
同順でゴールを駆け抜けた・・とはいってもこれはあくまで傍目から見た感想ではあるが、すぐにタイムが
切られその結果は厳正なる審査の元へと移る。

そして厳正なる審査の結果がついに出る・・

206 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:55:45.53 ID:Ji74kvwo
「ただいま、先ほどのレースの結果が出ました。・・僅か0.1コンマの差ではありますが、この勝負は
藤堂団長の勝利ですッッ!!!!」

「「「「「オオオオオォォォォォォッッッ!!!!!!!!!!!!」」」」」

哀楽入り混じった歓声をあげる観客、彼等にして見ればこの勝負に勝たなければ金はもとより、景品の
非販売品である沙織のブロマイドが懸かってるのである。しかしそんな中で聖はこの記録に納得が
いかないようで観客の声量に負けないぐらいの声を張り保坂に詰め寄る。

「おいッ!! 俺が負けるとはどう言う事だ!!!」

「で、ですが・・これは厳正なる審査の結果で」

「うるせぇ!!!! んなもん関係ねぇんだよ!!」

保坂の胸倉を掴んで抗議を上げる聖であったが、ここで藤堂が静かに声を上げる。

「・・惨めだ、自分の負けを認めずに声を荒げる。まるで負け犬の遠吠えだな」

「何だと・・」

「これで一勝一敗だ。それに元を正せば本来、俺は出てこなくていい筈だった・・
正直このお遊びに結果なんてどうでもいい」

吐き捨てるようにその場を後にしようとする藤堂、そもそも彼女にして見ればこんな勝負など全く持って
意味のないもので自分が勝とうが負けようが正直言ってどうでもいい。ただなり崩しに場に流されて
参加しただけ・・2人の行動に先ほどから歓声を上げていた観客はだんまりと行動を見守りざる得なかった。

そのまま黙って立ち去ろうとする藤堂であったが再び聖の声が鳴り響く。

「待てよ。結果なら次があるだろう・・ 来いよ、最終決戦だ!! 逃げるんならそれでもいいぜ? 
てめぇの不戦勝なら文句なしに俺の勝ちだしな」

「・・いいだろう、その挑発に乗ってやる!!」

2人の間に燃え上がるモノ・・それは純粋な闘志、それは徐々に周りを包み込み全てを燃え上がらせる。

「さて、予想外の事態となりましたが決勝戦の競技は・・あっ、ああ!! マイクを取り上げられたら困りますッ!!!」

「うるせぇッ! ・・おい、応援団長!! 決勝はこの俺様・・相良 聖との一騎打ちだ!!! 
女だから問題はねぇよな、団長さんよ?」

「さっきの競技で準備運動も済ませたとこだ。来いッ!! この応援団長、藤堂 魁が相手になってやるッ!!!」

「行くぞ――ッ!!」

ついに勝負は最終決戦を迎える。
207 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:56:45.29 ID:Ji74kvwo
待ちに待った決勝戦の内容は聖と藤堂との一騎打ち、この内容に観客は抑えようのない興奮で
盛り上がらないわけがない。しかし主催者側はこの決戦に関して予め決めておいた教員側との
取り決めに反する事となる。
教員側もすんなりとこの決戦を許可したわけではない、その取り決めの内容とは“暴力行為が
なければ承認する”といったもので主催者側もそれに配慮して最低限かつ効率的な競技を
考えていたのだが、それを嘲笑うかのように聖の独断でこの一騎打ちがなされた。

この内容は明らかに教員側との取り決めに反する事となる、当然主催者側は焦りが募るが、解説席に
居た宗像はとんでもない事を言い放つ。

「・・やらせてやれ、このまま中途半端に中止してしまえば最悪の結果になるのは明らかだ」

「し、しかしッ!!」

「取り決めに反してしまえば・・」

明らかに戸惑いを隠せない生徒達ではあるのだが、ここでだんまりを保っていた翔が言葉を述べる。

「俺からも頼む。もうここまで来たら俺でも止められぇ、それに止めたらとばっちりが凄いもんになるしな」

「もし教員側から何かしらのクレームがついたら俺が責任を持とう。・・やってくれるか?」

応援団の仏と校内の人徳(表向き)にここまで言われたら主催者側も引き受けないわけには行かない、主催者側は
結論を保坂に伝えるとそのまま保坂はマイク片手に高らかと宣言を開始する。

「では・・決勝は特別一本勝負!! それでは・・始めてくださいッ!!!!!!!!!!!」

「「「「「「「「「「「「「「「ウォォォォォォォォォォッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」

場内に広がる大歓声の中でついに決勝戦は動き出す。

208 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:58:42.97 ID:Ji74kvwo
快晴だった天気も徐々に風が拭き始め、あちこちに小さい竜巻がちらほらと目立つ。
そんな中で静かに対峙する2人・・周囲は固唾を飲んで今か今かと溢れ出す興奮を必死に抑えながら
見守る、そして2人も体中から溢れる熱いモノがある。

「さて・・行くぜッ――!!」

「来いッ――!!」

そのまま聖の姿は消え、藤堂の身体に痛みを伴った衝撃が走る。どうやら聖はあの一瞬の間で持ち前の
スピードを駆使して藤堂に一撃を与えたようではあるがとっさに藤堂もガードしていたためダメージは
それほどないが・・しかしガードしていたとはいえ、聖の一撃の重さは凄まじい。

「チッ! やっぱ防がれてたか・・」

「この一撃の重さ・・流石に不良と呼ばれた事だけある。だがこれならどうだ!!」

藤堂はそのまま目を閉じると構えを取る、聖もそれに合わせて構えを取ろうとしたその瞬間、藤堂の拳が聖の
顔面めがけて飛んでくる。しかし藤堂の拳を察した聖はそのまま捌いて軌道を逸らすとそのままカウンターとして
左拳を藤堂に放つが藤堂もまた聖と同様に拳を捌いて軌道を逸らす。

「避けられたか」

「驚いたぜ、俺のやり口を再現してくれるとはな。お陰で少し勉強になったぜ」

「だったら・・俺にもっと見せてみろ。全て叩き潰す!!」

「この俺を舐めるな!!」

そのまま聖は藤堂に向かい、両者はそのまま両手を合わせながら一進一退の単純な力比べを始める。

「力は俺の方が少し上のようだな。団長さんよ!」

「だからどうしたと言うんだ。だが・・」

藤堂は聖を突き飛ばし体制を立て直すが、藤堂はそのまま聖に殴りかかろうとするものの突如として藤堂の体が
宙を舞う。しかし藤堂もそのまま受身を取って瞬時に体制を整えると聖に向けて突進を試みる、普段の聖なら
ここでかわすところなのだがあえて藤堂を受け止める。しかし藤堂はその瞬間を狙っていたのかそのまま聖の
左腕を取るとそのまま一本背負いの構えを取る。突然の出来事に驚いた聖はそのまま藤堂の一本背負いを
もろに受けてしまい尻餅をついてしまう。

あまりの光景に観客はおろか、解説席に居た翔も驚きのあまり呆然としてしまう。一方の聖はそのまま
立ち上がると藤堂をじっと睨む。

209 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 05:59:19.41 ID:Ji74kvwo
「まさかこの俺に一本背負いをかまして来るとはな・・」

「お前の合気道は主に手首や腕を掴む事を重点的にしている。しかしいくらお前でも体全体は掴む事が出来まい」

「なるほどな。・・だが俺を余り舐めるんじゃねぇぞ。合気道だけだと思ったら痛い目見るぜ?」

「ほぅ・・」

そのまま聖は別の構えを取り独特な動きで藤堂にじりじりと詰め寄る、突然の聖の行動に戸惑いを隠せない
藤堂ではあるが冷静に聖の動きを察したのか即座にガードの構えを取る。

「なるほど、ボクシングか・・だがッ!」

「・・・」

一向にガードを崩さない藤堂に対して聖はそのまま動きを続けるが、藤堂がガードを崩さないのを見ると
先ほどの動きを止めて瞬時に別の構えを取り、なんと藤堂のガードを掻い潜り鳩尾めがけて空手の技である
正拳突きを放つ。突然の聖の行動に呆気に取られてしまった藤堂はガードをするが突然の事に判断が
遅れてしまって正拳突きを綺麗に貰ってしまい鳩尾を抑えながら立ち竦んでしまう。

「言っただろ? 合気道だけだと思っていたら痛い目を見るって・・」

「チッ、ボクシングの動きに空手の技か」

「今まで倒してきた奴等の中で役に立ちそうなものは目で見て実践している。
それにしても綺麗に放ったはずなのに意外にタフだな」

聖の言うように藤堂もダメージを受けているものの、まだピンピンとしているようだ。

「女になってからもお前と同じように日々の鍛錬は怠らんようにしてるんでな。・・だが、今度は油断しない!!」

「考える事ってのは一緒って訳か・・面白ェ! 徹底的にぶちのめしてやるぜ!!」

激戦は更に熾烈を極める。

210 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 06:00:49.68 ID:Ji74kvwo
当初は盛り上がりを見せて裏側では賭けをしていた観客達ではあったが聖と藤堂の予想外の激戦を見せつけ
られてその事もすっかり忘れてしまうほど、2人の激戦を食い入るように固唾を呑んで見守っていた。

それは解説席に居る翔や宗像も同様で普段は沈着冷静な宗像も珍しく2人の激戦を何も言わず見守って
いたのだが、中身の入っているペットボトルを力いっぱい握り締めるほど興奮しているようだ。

「おい、珍しく真剣だな」

「こんな面白い事になるとはな・・実現して正解だった」

「しかしこれだと誰が勝つかわかんねぇな」

「決まってる。・・団長だな」

「ちょっと待て! 勝つのはあいつだ、何せ俺が唯一決着をつけれなかった奴だからな!!」

「好きに言ってろ、時期に勝負はつくだろう」

「何だとッ!!」

・・とまあ、解説席のちょっとした騒動はさておいて当人達はと言うと激戦に次ぐ激戦でお互いに生傷が
ちらほらと目立って居るのにも関わらず一進一退の攻防を繰り広げていた。

「ウラッ!!!」

「まだまだッ!!!」

拳と拳が行き交うその光景はまさに喧嘩そのもの、最初はお互いに出し抜いたり様子見をしていた
ものの中盤以降になってからはお互いに本気モードとなっているようで己の拳だけで真っ向から勝負を
している。そんな状態が続く中でついに決定的な出来事が起きてしまう、藤堂の放った拳が聖の右胸に
当たってしまいついに怯んでしまう。

211 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 06:00:56.82 ID:Ji74kvwo
「ハァハァ・・チッ、一発貰ってしまったか!!」

「どうやらお前は格闘技の技術はあっても肝心の体力が俺より低いようだな」

体力というものは人間運動するにはとても重要なものでその量は女性よりも男性の方が多い、女体化した
聖はなんとか落ちた体力を補おうと様々な技を身につけて基礎もしっかりと鍛えてはいたもののやはり
根本的な部分は難しいようだ、だけど聖には諦めると言う2文字は存在しない。

「・・それがどうした!! 俺はまだくたばっちゃいねぇぞ!!!」

「何ッ!!」

そのまま聖は立ち上がると藤堂に向けてアッパーカットを放つ、完全に油断をしていた藤堂は聖のアッパーカットを
貰ってしまい今度は藤堂がその場に倒れ混んでしまう。聖に殴られてしまった影響で藤堂は軽い脳震盪を起こして
しまうがふらつく身体に渇を活れて何とか立ち上がる。

「まだそんな余力があるとは・・油断した!」

「へへへっ・・これで五分だなッ! このまま頂くぜ!!!」

「同じ手がそう易々と通用すると思うなッ!!!!」

もう2人には観客の歓声は愚か周囲など全く目もくれず、もはや相手しか見えていない。
212 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 06:02:26.90 ID:Ji74kvwo
様々な盛り上がりを見せる学校の外はごくありふれた日常の日々を送っている。そんな中でカバンを
持ちながら学校へと帰る女性が一人・・養護教諭、春日 礼子。年齢は本人の希望により不詳にさせて
貰う、彼女の職業は俗に言う保健室の先生ではあるのだが・・その経歴は元超有名暴走族の総長を
勤めており普段は普通の性格を偽ってはいるので地が出ないものの限定された人物には出てしまう。

そんな彼女の出張の理由は年に一度の養護教員の勉強会、学校内で行われている決闘など知る由もない。

「しかし勉強会は凄かった、年に一度と言うのが勿体無いな」

礼子自身、経歴はああではあるが成績のほうは頗る良く大学も卒業する際には主席候補に選ばれたぐらいだ。
しかし礼子自身は自分の経験を元に考えているので成績など余り気にしてはいない、今回の勉強会もかなり
参考になった意見が多かったようで心なしか満足しているようだ。

「さって・・戻っても結局は仕事か、校長に今回の事を書類でまとめなきゃいかんしな」

嘆いていても仕方がない、礼子は気持ちを切り替えるとそのまま学園に足を踏み入れる・・が、そこには
ガチの殴り合いを繰り広げている聖と藤堂や周囲を察知して全てを悟る。

「なッ!! あいつら――」

そのまま礼子は行動に移り、手始めに裏口に設置してあった主催本部を占拠。どうやら盛り上がりすぎて
礼子の存在に気がつかず、なす術もないまま制圧されたようだ。そして置いてあった予備のマイクを取ると
会場一杯に張り裂けんばかりの怒声を放つ。

「てめぇら!!!!! 静まりやがれェェェェェェ!!!!!!!!!!」

「あ・・あんたは――」

「れ、礼子先生――!」

突然の礼子の出現にガチの殴り合いをしていた2人は防衛本能からか、動いていた体が硬直してしまって
目が点になってしまう。そもそも2人にとって礼子の出現は絶対にあり得ないことであり必ず避けたかった
ことで、なのにこうして現れているという事実は2人の身体を硬直させる理由になりうる。

「全く、たかが喧嘩ごときにここまで騒ぎやがって・・ 今からこの場にいる全員、体育館に集合だッ!! わかったなッッ!!!」

こうして校内を散々に騒がせたこの決闘は決着がつかないままで1人の女性の手によりあっさりと終焉を迎えた。

213 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 06:03:48.20 ID:Ji74kvwo
ここで後日談を話そう、あの後は全員一人も欠けることなく礼子によって体育館へ強制連行させられて
全員夜の八時近くまで説教のフルコースを受ける羽目となった。そして大半の者は各担任教師を通じて
宿題の倍増という処分が下され、生徒会を含めた主催者側は前途の処分に加えて3週間の奉仕活動という
厳しい処分が下される事となった。

しかし全員、賭けや景品である沙織の極秘ブロマイドの存在は辛うじて守りぬいたようではあるが、その
行き先などは未定となっており当初は騒ぎになりかけていたが時が経ってからは次第に有耶無耶となってしまった。

そして決戦を繰り広げらた当人達はと言うと・・

「おいッ! そこ汚いぞ!!」

「うるせぇ!! お前こそ床がなっていないぞ!!」

聖と藤堂がいるのは男子トイレ、元男の彼女達には懐かしくもあり悲しくもありと複雑な場所ではある。
聖と藤堂に下された処分は宿題倍増と奉仕活動に加えてこの学校にある全てのトイレ掃除、しかも2人揃って
礼子の監視つきときているものだから心境は最悪と言っても過言ではないだろう。
ちなみに藤堂は部活停止処分を暗いそうになるものの宗像の必死の嘆願もあってか何とか回避されて
いる、しかし昨日までは拳を交えた相手・・フォローというものは皆無なのは見ても明らかだろう。

「大体お前の掃除にはムラがありすぎるッ!! いいか! 掃除というものはな・・」

「そう言うてめぇだって水浸しじゃねぇかッ!! ホントはド下手くそじゃねぇのか?」

「何だとッ!」

「やんのか!?」

「いい加減にしてちょうだい。喧嘩する暇あったら手を動かしなさい」

溜息混じりの表情で礼子は2人を諌める、このような光景は既に40回近くにも上る。礼子とて他に雑務やら
勤務があるので監視に時間を割く余裕などない、以前は生活指導の教師が引き受けていたのだが2人の前に
僅か1回で折れてしまって礼子にお鉢が廻ったのだ。
214 : ◆Zsc8I5zA3U :2009/04/04(土) 06:03:52.73 ID:Ji74kvwo

「だってよ礼子先生、こいつが突っかかってくるんだぜ?」

「先に吹っ掛けてきたのはお前だろ!」

「何だとッ!!」

更に言い争いを始める2人・・そしてついに礼子の堪忍袋の緒が切れた。

「・・くだらねぇ事言ってないでさっさと手ェ動かせ!!! これが出来なきゃお前等の進路はないと思え!!!」

「「は、h・・」」

「返事してる暇あったらさっさとしろッ!!!」

「「はいッ――!!!」」

泣く子も黙る2人でも礼子の鋭い眼光には適わず、せっせと掃除に勤しむのであった・・



―fin―
215 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/04(土) 06:10:20.66 ID:Ji74kvwo
え・・お久しぶり始めまして、今回は狼子の人のキャラを借りさせてもらいました


さてここで重大なお知らせです。・・私◆Zsc8I5zA3Uはこの作品を持ちましてこのスレを引退します
前々からこのスレがパー速に立てられた時は引退を考えておりました、自分の中ではスレはVIPで
やることに意義を感じておりましたのでパー速に移動したら引退は考えていました

このスレに定住して数年弱、自分の作品を見て感想をくれる住人の方々には頭が上がりません
しかも主な職人の項目にまで乗せて貰って・・感謝しつくせません


誠に勝手な判断だとはおもいますがこのスレともオサラバです・・
今まで私の作品を見てくれて有難うございました、心より感謝いたします。そしてごめんなさい
未完の作品があるのは心苦しい所ですが、またどこかで会いましょう。時々はROMになって
見守ります。

コミュも近々脱会する予定です。


そしてみんな・・今まで見てくれて本当にアリガトさんでしたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/04(土) 12:12:15.00 ID:dDEWlbAo
>>215
な・・ん・・だ・・・と
217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/04(土) 14:31:23.29 ID:XNyxbG20
ああ…
危惧してた事が…
218 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/04(土) 20:28:49.53 ID:uyBDwoDO
\(^o^)/
219 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [ロリ大僧正…ですよ?]:2009/04/05(日) 00:47:52.77 ID:C5fYgoDO
まあ、誰かがいつかは言い出すとは思っていましたが…
それが礼子先生の人だったことは些か心苦しいです
クロスやるって言い続けていたものの、俄に忙しくなったのを期に構想すら練れてない始末
完成品を見せられないことが至極残念でなりません

更に深夜にこの酔っぱらいのバカ話に付き合って貰ったことも数知れず
色々ご迷惑をお掛けし、そしてお世話になりました

引き留めるのも流儀に反しますので、俺は笑って見送りたいと思います


本当に、有難う御座いました
220 :ナガ [タイトル 桜が散ったら。]:2009/04/05(日) 21:33:56.91 ID:jfAV4uU0
一卵性双生児だったら俺たち、もっと幸福だった。ねえ、千春、お前もそう思ってたよな。
俺は千春の部屋の窓際に佇みながら、そう呟いた。
二卵性双生児の千春と、千早。それが俺たちの名前。母親の子宮の中で一緒に育って、生まれて、
男女の双子だけどずっと一緒に生活してた。千春のおままごとにも付き合ったし、千春は俺と一緒に廃屋の探検をしてくれた。
そうやってずっと生きてきたんだ。
そうやって、ずっと、ずっと、一緒だったんだ。
「なんで、俺、独りなの?」
千春、何で、俺だけ生きてんの? なんで、どこにもいないの、千春。
俺とは違う細胞を持った、それでも誰よりも近い存在だった、俺の双子の妹。
何で、君は俺より先に死んでしまったの?

比翼連理の鳥。
俺たちはそんな存在で在りたいと願っていた。だから、俺たちは子どもの頃、二人、寄り添いながら同じベッドで
手を繋いで寝ながら「生まれ変わったら二度と離れないような存在になりたいね」と言っていた。
「生まれ変わったら、千春と一卵性双生児になりたい」
そう言ったのは俺。
「千早と比翼連理の鳥になりたい」
そう言ったのは千春。
彼女は幼い頃から聡明で、優しく、俺は彼女の傍らにいることだけが、何よりも変えがたい幸福だった。
千春の手を握ることは、思春期になってもやめなかった。俺が手を握らないと千春が「千早の体温が無いと寂しい」
と言って俺の手を握ってきた。
桜が咲き誇る春も、太陽が焦がす夏も、枯葉が俺たちの行き先を邪魔する秋も、肌が切れそうな冷たい風が吹く冬も、
俺たちは手を握り合って、寄り添って、生きてきたんだ。
一卵性双生児みたいに同じ細胞じゃない。二卵性だった。けれど、俺たちは双子だったんだ。腹の中からずっと一緒だったんだ。
独りになんか、なりたくなかった。
体の半分をもがれたみたいだ。もう生きていけない。呼吸するのも苦しい。
「千春」
俺は自分の体を抱きしめ、千春の部屋に蹲った。
体が千切れるよ。お前がいないと、俺は、うまく呼吸も出来ない。
221 :ナガ [タイトル 桜が散ったら。]:2009/04/05(日) 21:35:23.53 ID:jfAV4uU0
中学三年生、十四歳の夏、千春は死んだ。転倒事故だった。千春が学校の足場の悪い階段で足を滑らせ、頭を強く打ってしまったのだ。
学校側の謝罪なんかどうでもよかった。同級生に同情される葬式なんて嫌だったから、身内だけの葬式して欲しいと俺は強く主張し、
実際にそうなった。
千春のいない家。千春のいない学校の廊下。片付けられてしまった千春の席。耐えられなかった。
俺はニ月の誕生日を待ちわびた。俺たちは二月生まれで、十五歳になったら俺は千春と同じ女になれる。それで千春が戻ってくる
わけでもないし、二卵性双生児だから女になったとしても、俺が千春そっくりになれるわけでもない。鏡を見て千春を見られる
わけじゃない。
それでも、俺は女になりたかった。
そうなることで、俺は、彼女に少しでも近づけるような気がして。


予想に反して、十五歳になっても俺は女体化しなかった。そのまま受験が終わり、高校生になる直前、俺はこうして今、千春の部屋にいる。
どのくらい蹲っていただろうか。
俺はのろのろと立ち上がり、千春の机の前に立った。
林檎の形をした写真立て。ハート柄のペン立てのなかにあるカラフルな色のシャーペンや、カッター。俺はピンク色のカッターを手にし、
刃を出した。
「千春」
目を閉じた。
千春、ごめんな。
「千春」
俺は君がいないと生きていけない。君の傍に行きたい。
だから、俺はこの道を選ぶよ。
「今行く」
刃を首筋に当てた。冷たい刃が皮膚に軽く当たっただけなのに、鳥肌が立った。体が震える。俺は自分を奮い立てるように「今行くから」
と大きな声を出し、首を切りつけようとした。
その瞬間、腹に激痛が走った。
あまりの痛みにカッターが落ち、その鮮やかなピンクの色を目にした刹那、俺は床に倒れた。
呻き、腹を押さえ、カッターに手を伸ばそうとしたが、手が震えて掴むことが出来なかった。
「千春」
目から涙が零れ落ちた。
「[ピーーー]ない」
母親が「千早!」と叫びながら階段を上ってくる足音が聞こえた。様々な音が耳の中で溢れ、頭の中では子どもの頃の記憶が渦巻いた。
そのなかで千春はいつも笑っていた。ああ、会いたい、会いたいよ、千春……。
そのときだった。
幻聴かもしれない。だが、はっきりと声が聞こえた。
愛しい、俺の片割れ、千春の声が。
「千早、好きだよ。だから、まだ、来ちゃ駄目」
ああ、千春。
君は、俺に生きて欲しいのか。
独りでも生きろというのか。それなら、君が願うなら、俺は生きようか……。
222 :ナガ [タイトル 桜が散ったら。]:2009/04/05(日) 21:36:48.14 ID:jfAV4uU0
病院で目が覚めると、母親が俺の頭を抱えて泣きじゃくった。母親の言っていることは順番が無茶苦茶だった。
「女の子になって」「あんたが後追いしたのかと思って」「ああ救急車が来るまで生きた心地がしなかった」
次々と投げかけられる言葉に呆然としていると、父親が母親を俺から離し、俺の顔を見て大きく息を吐いた。
「お前の体に、女体化現象が起きたんだ。お前は女体化と同時に月経が始まってしまったから、女体化現象にしては大きいダメージがお前
の体を襲ったんだ」
「……俺、女になったの?」
母親が泣きながら頷いた。俺の腹を撫で、「女の子になったの。でも、大丈夫だからね。お母さんがいるからね。大丈夫だからね」と言った。
その言葉を聞いて、目頭が熱くなった。
千春が生理が来たとき、あまりのショックに泣き出した千春を、母親は抱きしめて「大丈夫大丈夫」と落ち着かせていた。それと同じことを、
母親は俺にしてくれている。それがなんだか、死ぬほど嬉しいことのように感じた。
「女になったんだ」
俺は泣いた。父親の顔を見るとうろたえて、何を言っていいのか分からない、という顔をしていた。そんな父親に俺は言った。
「父さん、大丈夫。俺、生きるから。女として、生きるから」
俺は自分の腹の上にある母親の手の上に自分の手を重ねた。俺と千春を生んでくれた、偉大な人。
「大丈夫だよ、母さん」
泣きながら、俺は生きようと思った。恋をして、好きな人と結婚をして、そして子どもを生みたい。そして愛情を一杯注ぎたい。
俺が千春を愛したように。両親が俺たちを愛したように。

終わり。

223 :ナガ [タイトル 桜が散ったら。]:2009/04/05(日) 21:43:50.31 ID:jfAV4uU0
以上です。お付き合いくださりありがとうございました。

「ピー」の部分は「君に会えない」に脳内変換してくださるとありがたいです。
自分も◆Zsc8I5zA3Uさん同様、このスレを卒業したいと思います。影が薄いのに、暫定職人に載せてくださり、ありがとうございました。
最初は「アキの人」で始まり、二年ほどこのスレにお世話になりました。場違いな話ばかり投稿しましたが、沢山の人の話を読めて楽しかったです。
卒業しますので、暫定職人のところは外したほうがいいのかもしれません。そこのところは皆様にお任せします。

今までありがとうございました。
224 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/05(日) 22:09:45.83 ID:ay5Hr620
キモ過ぎる流れだな……。
そっとフェードアウト出来ないのかよ?
わざわざ引退宣言する意味がわからん
225 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/05(日) 23:44:28.55 ID:ziF/JUY0
GJ!
ナガさんまでいなくなったら寂しくなるな
226 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/06(月) 00:40:38.43 ID:Y3nNksAO
>>255 
皆さん、このスレには思い入れや住人達に敬意と愛情があるからかと
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/06(月) 00:41:38.91 ID:Y3nNksAO
すまん、>>255>>254
228 :マコト ◆oBgcE6Qgcw [sage]:2009/04/06(月) 03:51:00.03 ID:jeAiB.Yo
コソコソ

ずっとロムってたけど、なんという流れ
229 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/06(月) 04:55:52.93 ID:yeGLkxAo
>>223
その独特さが好きだったああああああああああああああああ
今まで本当にお疲れ様でした
230 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/06(月) 05:31:19.56 ID:eJO0UPgP
お疲れ様でした…

寂しくなるね
231 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/06(月) 08:09:02.60 ID:zJb/pIAO
>>224みたいなのがいるからスレがダメになった。
232 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/06(月) 11:18:39.57 ID:5uFczaA0
環境が変わる時期だもの
パート移行を機に…ってのは建前で
どうしても執筆が続けられなくなる状況に陥ってしまったと考えるのが妥当

今の下火な時期に作品を投下できない心苦しさ
スレを盛り上げきれずにパートに来ざるをえなかった自身の不甲斐なさ
せめて他の作家様達を発奮させるきっかけになれば、という期待
そういった物が引退宣言を書かせてしまうのだろう

お二方お疲れ様です、そしてありがとうございます
過去形にはしないんだぜ?
ふらっと立ち寄れた時にでも
名無しで1レス短編とか投げていけばいいんだから、さ
233 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/06(月) 12:09:51.03 ID:tXYJqoAO
まあ実際の所、こんな場所で引退宣言なんてされても冷めた笑いしか返せない罠
こーいう別れの演出って悲しいけどある意味心地良いよね
そーいう流れだからつい言ってしまったってのもよくわかるよ
234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/06(月) 21:47:10.02 ID:GRfaQkDO
まぁこのスレの職人(笑)=かまって厨だから仕方がなくね?



俺含め
235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/06(月) 22:02:39.01 ID:eJO0UPgP
まあ まったりいかね?
せっかく落ちない板に来たんだし
236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/06(月) 23:06:34.61 ID:45IN.bko
いやでも不細工なまんまだったら
それはそれで地獄だろう
237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/06(月) 23:36:15.95 ID:d/MnUPs0
>>236
女体化はギャップ重視なのでよほどの不細工出ない限り美人になるよ
238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/07(火) 01:39:42.79 ID:a9tFqMDO
イケメン→かわいい
ブサメン→すごくかわいい
キモメン→とてつもなくかわいい
だから安心汁
239 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/04/07(火) 01:41:15.51 ID:NjZilkAO
【徒然なる女人日記-旅情編-】

 ☆月¶日

 この日をどれだけ待ちわびたことか。
 多分学園モノのギャルゲで言えば外せないイベントの一つ。

 修 学 旅 行 

 こいつぁ、今は亡きムスコを熱く漲らせるには十分過ぎるイベントだ。

 委員長とデートのような甘々な班別行動っ!
 枕を並べての女のコだけでの赤裸々トークッ!(浴衣のオプション付き!)
 そして、大浴場での裸の付き合いに俺、大欲情ッッ!!
 そんでもって……いつもの雰囲気とは、違う修学旅行マジックに絆された委員長が俺の布団に―――

『ねぇ……そっち行ってもいい、かな……?』

 やべぇ、漲ってきた。
 想像するだけ数発はヌけそうだぜ! ……いや、ヌくものないけど。

 やっべぇ、下着足りるかな。
 蒸れたショーツじゃヤバいよな、うん。
 今週出るエロゲ、一個我慢して勝負下着、買おっかな。







 ……追記。

 女体化した際の費用が嵩んだため修学旅行費用が払えなかった事実を担任から聞いた。

 マジ泣いた。
240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 04:44:19.12 ID:VdxbeIwo
色んな所でネット小説読んでたら、久しぶりにやる気出たぜ!
>>23を書き込んでから、見るのをすっかり忘れてたのは内緒だが。
241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/07(火) 05:47:49.03 ID:yoOhIxcP
+(0゜・∀・)+wktk
242 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 06:27:52.34 ID:VdxbeIwo
どういう世界で書くかが迷ってしょうがねぇwwwwwwwwwwww
ファンタジー物か、現代物か
現代を崩壊させた感じの物にするのか…('A`)
243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/07(火) 06:30:15.48 ID:yoOhIxcP
あれですね

『デカくなったな小僧…胸が…』
244 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 06:33:47.65 ID:VdxbeIwo
>>243
来る物があるな。
イイ…とてもイイ……
それもらってファンタジー物でいっちょいってみよう!
245 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/07(火) 14:20:18.10 ID:VdxbeIwo
ちょっとだけ長くなりそうなんで、少なくとも今日中の投下は無理だとおもうんだぜ!
んじゃがんばってくるお( ^ω^)
246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/07(火) 23:16:10.21 ID:8hl8X0g0
wktk
247 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 00:48:41.94 ID:Yos.VNAo
寝る前に来てみたら懐かしいスレタイ発見
そうか、明日は職人が来るのか…
248 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 05:24:35.22 ID:npfIxvMo
「来た……とうとう俺の時代が来た……!」
そう!俺はおっぱいが大好きだ!
おっぱいを愛してる!
だが!だがしかし!
おっぱいを揉めるほどモテないのだっ!
ならば!ならばならば!
童貞貫き女になれば良いじゃないかっ!
と、この天才的計画を立案して、早数年……。
ようやく、この俺様の下におっぱいが!
来た!俺様の時代来た!
「で、では早速……」
もみもみ
もみもみもみ
もみもみもみもみもみ
「…………」
「しまった……自分の揉んでも楽しくない……」
なんということだ……他人の乳を揉んでこそのおっぱいだったとはな……。
深い、深すぎるぞおっぱい道……。
「ああ、そうだ、女子高に入ろう」
いざゆかんおっぱいの花園へ!

っていう気分転換に即興でパパッと投下
249 :コンニャク ◆FNYATSXT5E [sage]:2009/04/08(水) 20:36:00.92 ID:npfIxvMo
んじゃ宣言通り投下すんぜ。
まぁ、今日とも言ってはいないがwwwwwwwwww
あ、>>248も俺だった。
コテ入れて中田
250 :コンニャク ◆FNYATSXT5E :2009/04/08(水) 20:38:32.04 ID:npfIxvMo
ずっと昔、もう何年前の事になるだろうか……。
一つの約束をした。
――なら、代価として、君の命を貰おう。
僕は、ある願いの代価として、自分の命を差し出した。
後悔はしていないし、あの時はそれが最良の選択だったとおもう。
そう、あれは……。

そこには、別の世界が広がっていた。
数日前の、平和で、平凡な大好きだった村とは違う何か
見た目は同じ村のはずなのに、確かにそこは、別の世界。
ついこの間まで、陽気に笑っていたあの人も
生まれたばかりの孫をうれしそうに抱き上げていたあの人も
みんな、みんな冷たくなって動かなくなっていた。
まだかろうじて息のある人たちも、ただ息をしているだけで
呻き声をあげることしか出来ないでいた。
この村の不幸は四日前、ある青年が病に倒れる所から始まる。
よくあるただの病だと思われたソレは、まったくの別物であり
気がついたときには全てが遅かった。
青年の次は、青年の家族が、そしてその次は診察に来た医者が
医者の次は、医師が診察に訪れた多くの患者達が、次々に発症していった。
 そして、この村の不幸はまだ続く。
対処出来る可能性のある、大きな街の医師を呼びに行くには
あまりにも距離が離れている事と、村唯一の医師が
真っ先に亡くなった事だろう。
その後は実に呆気なく、あっという間に病は村人全員へと広がっていった。
 だが、絶望に包まれたこの村にも、一つの幸運と、一つの希望があった。
真っ先に病に犯されるであろう、小さな少年が
未だ病に犯されずに無事にいたことである。
251 :コンニャク ◆FNYATSXT5E :2009/04/08(水) 20:39:46.87 ID:npfIxvMo
「はぁ……はぁ……」
どれくらい走ったのだろうか、ただガムシャラに
後ろを振り返らずに走り続けて、二刻か、三刻か……。
「はやく、はやくしなきゃ……」
街までは無理だとしても、せめて隣村に助けを、と
村のみんなに頼まれて、村を出てきたけど
隣村なんて行くのは初めてで、道が合っているのか
何度も、何度も不安になる。
「だいじょうぶ、きっとだいじょうぶ」
何度も、何度も自分に言い聞かせて、ただ道を真っ直ぐに。
悲鳴をあげる肺も、足も、今は我慢出来る。
隣村に着けば、きっとみんな助かる。
そう、絶対に。
だから、今はただ前へ。

「あ……」
明かりが見えた。
きっとあれが、隣村の明かり。
あそこに、希望がある。
ある――はずだった。
「…………ぁ」
そこにあるのは――ただ動く事の無い、屍の山。
「そんな……」
もう、どうにもならない。
どうにも、できない。
「ごめん……みんな」
暗い夜空を見上げながら、力の入らなくなった身体を引きずりながら
村へと引き返そうと歩き出した。
「ごほっ……」
小さな、小さな異音がした。
それはきっと、自分が発した異音。
――ああ、ぼくも……。
もう、歩くだけの気力も無い。瞬きをする気力も
生きる気力も。
「…………」
身体を横たえ目をつぶる。
聞こえてくる異音は、少しずつ大きくなっている。
――もう、だめなのかな……。
押し寄せてくるまどろみに身を任せ、深く、深く……。
252 :コンニャク ◆FNYATSXT5E :2009/04/08(水) 20:40:07.91 ID:npfIxvMo
ぐにゅ
ん、何か踏んだか?
「……ぅ……」
おおう、まさか、こんな道端で寝てる奴がいるとは思わなかった。
あー、いや。これは行き倒れか?不幸なやつめ。
まぁいい、丁度路銀が心もとない所だ。
何か金になりそうな物を失敬するとしようか。
「ぁ……ぅ……」
おっと、あったあった。ガキの割りに結構持ってるな。
「……だめ……」
なんだこいつ、まだ意識があったのか、しぶとい奴だな。
ま、いい。いただく物を盗ったらさっさと先を急ぐとするか。
「だめ……それは――」
ちっ、しつこい奴だな。
「俺には関係無いし、興味も無い。」
「おね……がい……」
さて、頂く物も頂いた。急がないと宿が閉まっちまうな。
「……ぅぅ」
……ちっ。
「まだ俺に何か用かよ?言っとくが、コレは返さないからな。
んなとこで死にかけてる自分の不幸を恨むんだな」
殺されないだけでも感謝してほしいってもんだ。
こう見えても俺は優しいんだ。
が、行き倒れを助けるような善人でもないし
見返りも無しに何かをしてやるようなアホでもない。
「たす……けて……」
へぇ、助けて、か。大事な金を盗るような奴に助けを求めるとは
バカかこいつ……。まぁいい、聞くだけ聞いてやるか。
「……ははっ、俺に助けを求めるか。面白い、助けてやってもいい」
「ほんと……?」
ああ、本当だとも。
「ああ、助けてやる。が、代価を払え。
言っておくが、この金は既に俺の物。これ以外の代価を支払えば、助けてやろう」
まぁ、当然払えないよな。くくっ、コイツはどう返すか楽しみだ。
「ぅ……」
「……じゃあ、ぼくを……ぼくのいのちを……」
「いらん」
こんなクソガキの命なんぞ、もらってもしょうがないだろ。
死にかけのクソガキの命でパンが買えますかってんだ。
253 :コンニャク ◆FNYATSXT5E :2009/04/08(水) 20:40:23.31 ID:npfIxvMo
――いやまてよ、そういや、召使が一人足りなかったな。
「ふむ……」
「よし、貴様の命、俺が貰い受けよう。その代価として、お前を助けよう」
「……ちが、う」
「ん、何が違う?お前を助ければ良いんだろう」
「むらの、みんな……」
「ハッ、たかだか一人の命で大勢を助けろと?
そんな都合の良い話があるわけないだろう」
馬鹿も休み休み言えという話だ。
仮に村人が100だと仮定して、では、残りの99人分の代価はどこへ行ったというのだ。
そんな吊り合いの取れない話がどこにある。
「おねがい……」
だが、まぁ良いだろう。
人間っていうのは欲が深くないといけないからな。
俺が強欲な人間が大好きだ。
「ふふふっ、良いだろう。お前の願い聞き届けよう。
お前の命を助け、村人も治してやろう。そして、代価にお前をいただく」
あくまでも、俺流に。
「ほんと……?」
「ああ、本当だ」
なぁに、ウソは言っていないさ。
「……ありがとう……ぅっ」
気を失ったか。これからが良い所だというのに。
「さて、気を失っているようだが言っておこう
我々が結んだ契約は絶対だ。破る事は出来ない。
今日から…そうだな、7年後としよう。」
「7年後にお前は全てを思い出す。そして、お前が全てを思い出した時
俺はお前を迎えに行こう。今のままじゃ使い物にならんからな
せいぜい基本的な仕事はできるようになっておけ」
まず病を治療し、次に記憶を一時的に封印。
そして最後に、封印が解けた際に起動する呪いを。
やはり華が無くては味気ない。
「くくっ、さぁ7年後にまっているぞ小僧!」
意識を集中し、頭の中に地図を描く。
この場所から、馬で一月ほどの村に座標を決め、スペルを唱える。
「行け!」
唱え終わったスペルは力を持ち、開放の合図を受け、
少年の身体を空の彼方へと飛ばしていく。
「記憶も無い、力も無い、親も無い。
せいぜい生きて、俺を失望させないようにな」
それまでは、今しばらくの自由を与えてやろう。
そう、俺の城が完成するまであと7年。
場所は、小僧の村に。
作業員は、屍をゾンビに。
衛兵は、生者を魔物に。
全ては、そう。7年後から始まる。

「ようこそ、我が魔王城へ」

まだ、動き出したばかり。
始まりの刻は、すぐそこに。
254 :コンニャク ◆FNYATSXT5E :2009/04/08(水) 20:40:51.86 ID:npfIxvMo
夢を見ていた。
幼い頃の夢。
忘れていたはずの夢。
忘れていたかった。
思い出したかった。
全てが始まった、あの日から続く悪夢の序章。
「……ぐ……」
頭痛がする。まだ忘れている何かが、頭の中で蠢いている。
そうだ、約束。約束をした。
命を差し出す。と、旅人との約束を。
僕は今も生きている。ということは、あの旅人は僕の願いを
叶えてくれたということなんだろうか。
たしかにあの人は、僕と、村のみんなを助けてくれると約束してくれた。
「ぁ……」
じゃあ、あの村は、僕の故郷は今、どうなっているんだ……?
行かなきゃ、故郷に、僕の村に!

「父さん!話があるんだ!」
まずは、父さん――といっても、記憶を無くした僕を拾って、育ててくれた
育ての父なのだが――に、事情を話そうと、1階へと駆け下りた。
「な……!?お、お前……ユタ……か?」
父さんは、何か変なものでも見るような、驚いた表情で僕を見つめている。
なんだろう?
「そ、そうだけど……?」
「そ、それ……」
と、父さんは僕を指差しているが、何だろうか。
確かに、父さんが指を差している部分には、何か、こう……
変な、変?っていうか、奇妙?というか……。
ありえないものが、あるような。ねぇ?
255 :コンニャク ◆FNYATSXT5E :2009/04/08(水) 20:41:11.67 ID:npfIxvMo
「……なんだ、これ」
いや、判ってはいる。判ってはいるさ。
僕だって好きなアレだ。
好きなのは男ならみんなそうだろう。
大きさは人それぞれだろうけど。
「って、そうじゃない!何だよコレ!」
「いやまぁ……アレ、だろう?」
判ってるよ。判ってるよ父さんっ!
そんなの見れば判るに決まってるじゃないか!
「じゃなくて、何でコレが!よりによって男の僕に!」
「あー……もしかして、お前まだ未経験だったのか……」
くぅっ!人が気にしていることをッ!
散々美少女顔をネタにからかわれたり、襲われたりしてるのを
気にしてるのを知ってるくせにっ!
「あーーー……すまん。その、なんだ。そう落ち込むな!
人生なんとかなるもんだ!」
励ましになってないよ父さん……。
この世界は、何が原因かは判らないが、およそ15から16歳までに
女性としたことがないと、女へと変化してしまう呪いがかかっている。
いや、はたして呪いなのか未だ解明は出来ていないのだが……。
といっても、僕がモテなかったわけではない。
女顔の僕は、男に迫られた事も、嫌な話ではあるが、何度かある。
それと同時に、少ないながらも女の子と付き合ったこともあった。
ほんとに、少ないながらも、だけど。
でも、まるで何かに呪われているかのように、毎回邪魔が入るのだ。
確率で言えば100%。おかげで、僕は今の今まで童貞だった。
というわけである。
せめて、せめて女になるなら、一度くらいは……っ!!
「あ、あーそう!そうだ!話って言ってたが、なんだ?」
話題を変えようとしてるのがバレバレだよ父さんっ!
っと、そうだった。
記憶が戻った事を言わなきゃいけないんだった。
といっても、こんなになってる状況じゃ、旅なんて出来そうもないけど。
「あ、うん。実はさ、思い出したんだよ!昔の事!」
「な、ほんとか!?ほんとなら、これ以上にめでたいことはねぇなぁ!」
まぁ、同時に不幸のどん底なんだけど、色んな意味で。
「うん!本当なんだ!で、故郷への旅を……と思ってたんだけど
これじゃあねぇ……」
どうしたものかと。流石に身体が女の状態での一人旅なんて
十中八九、酷い事になるだろうし。
「それは追々考えよう。今は、ユタの昔話を聞かせてくれよ。
良ければ、だが」
「うん。辛い事もあったけど、父さんには聞いてほしい」
それから、夕刻までの長い間、父さんとの昔話で
あっという間に時間が流れていった。


始まりを告げる客人がやってきたのは、夕食の終わった頃だった。
256 :コンニャク ◆FNYATSXT5E :2009/04/08(水) 20:41:50.03 ID:npfIxvMo
これからどうすれば良いかと、父さんと相談している時
コン、コンとドアがノックされた。
「はーい」
ドアを開けると、そこには、全身を黒い装束で身を固め
僅かの装飾品をちりばめた、一目で貴族と判る男が立っていた。
「あ、あの……貴族様がうちに何の御用でしょうか……」
こんな辺境の村に来るような貴族は、まず居ない。
そして、高名な職人でもないし、高名な魔法士の家でもないような
うちに来る貴族は絶対に居ないだろう。
となれば、領主による異端狩りか何かだろうか。
その予想が一瞬、頭に浮かぶと、震えるような恐ろしさに包まれた。
――異端狩り、それは、聖王圏で日常的に行われている、虐殺の総称。
魔王に属する人間、属していると噂のある人間を[ピーーー]ために
聖王に従わない者を全て根絶やしにするため、領主に課せられた義務である――。
「あ、あの……」
貴族らしき男は、何を言わず、ただ見つめている。
「デカくなったな小僧……胸が……」
……は?
「え、えっと……?」
「あ、いや。ごほんっ。失礼」
はっ!マサカッ!
領地の若い娘を無理矢理連れて行って、に、にく……
にくにくに…ニクドレイにするヘンタイキゾクデハッ!?
ま、まずい!色々とまずいぞ……変態領主の肉奴隷はイヤダアアアァァァァァ!
「……さっきから何をぶつぶつと……聞こえてるぞ……」
「し、しまったァ!?心の声がっ!?」
ナンテコッタ!何か良い言い訳……言い訳は無いか……。
「意外と変な奴に育ったな……まぁ、いい。
お前を迎えに来たぞ、小僧……いや、今は小娘と言った方が良いか?
それともお嬢ちゃんか、お姫様か」
「む、迎えに?あ、あなたは、誰なんですか?」
女扱いに、少々イラッとしながらも、率直な疑問をぶつけてみる。
そもそも、僕には貴族の知り合いなんて居ないし、居るはずがない。
ただの村人CとかDとかその辺だというのに。
「はぁ……命の恩人を忘れるとは、随分と恩知らずに育ったものだ」
イノチノオンジン?
……命の……恩人……!
「じゃ、じゃああなたは!」
「そうだ。7年ぶりだな大きくなったな。色々と」
いえ、部分的には今日突然育ったのですけど。
「俺がそうなるように細工してやったおかげだぞ!感謝しろ!」
ピキッ
「いやいや、元々女っぽい顔だったからな!これは細工しておけば
良い美少女になると思ってなっ!はっはっは!」
ピキピキッ
「しかし、ちょっと来るのが遅かったようだな……突然女になって
戸惑う様を観察したかったというのに……残念だ……
だがまぁ、俺好みの顔!俺好みのスタイル!何より俺好みの胸!
イイ!イイぞ!一日早かったのも許してやろうじゃないか!
俺は優しいからな!ハハハハハ!」
257 :コンニャク ◆FNYATSXT5E :2009/04/08(水) 20:42:07.20 ID:npfIxvMo
「……ぇか……!」
「ん?何だ?うれしいのか?そうだろう、そうだろう
判る!判るぞ!そんなに可愛い美少女になれたのだ、嬉しかろう!」
「てめぇかああああああああ!!」
キーン
とでも言えば良いのだろうか、それは余りにも華麗に
優雅に、美しく決まった。
まさに芸術と言っても良い一撃。
その技の名は――『金的蹴り』!
「……!!……!!!」
「ふんっ!この変態が![ピーーー]っ!命を助けてくれたのは感謝してる!
でもな、僕が、何年この顔のせいで辛い思いをしたか!
何度枕を涙で濡らしたことか!言うに事欠いて
嬉しいだと!?ふっざけんな!この変態![ピーーー]変態!」
後ろのハジメテを死守する事何度だと思ってんだ!
おまけに……おまけに……くぅっ!
「ぐ……ぐふぅ……じぬ……じんでじまう……」
「ふふふふ……良い気味だ変態めがっ!今楽にしてやる……神の裁きを食らえええええ!」
もう一撃、もう一撃で全てが終わる。
そう、あなたを殺して私も死ぬの!の勢いでヤってやる。
「『止まれ』!」
「ぐ……あ……?」
身体が動かない。
まるで、時間が止まったかのように、首から下の全てが
金縛りにあってしまった。
どうなってる!?アイツは止まれと言っただけ。
ただその一言で全てが止まったっていうのか!?
「ゆるざん……ゆるざんぞ小娘が……
俺のプリティな部分がダメになったらどうする!?」
「しらんわ!お前の遺伝子なんぞ消滅しろ!」
「ふ、ふふふ……そうか。そんなに俺の遺伝子ちゃんが嫌いか……」
男はニヤニヤと笑みを浮かべている。
怒りに満ちた笑み。どこか楽しそうな、そんな顔。
「あ、ああ!キライだね!」
「ふふふっ、そうか。お前はまだ自分の状況というものが判ってないんだな」
「は、はぁ?お前に命は差し出したけどな!こ、心の自由までは
差し出したつもりはないからなっ!」
ただ、認めたくなかっただけ。
突然思い出した記憶と、幼い頃、朦朧とした意識でした約束。
そして、その約束の大きさ。
258 :コンニャク ◆FNYATSXT5E :2009/04/08(水) 20:42:26.86 ID:npfIxvMo
「勘違いしてもらっては困るな。命を差し出すということは。
つまりは、己の身体、心。自己の全てを残さず差し出すということ。
ならば、お前に心の自由は無く、意思の自由も無く
ただ、その全てを俺のために捧げるということ」
命を差し出す。
つまりは、そういうことだ。
判ってはいる。理解してはいる。
ただただ突然の事で、頭がついていっていないだけ。
でも、突然全てを受け入れるなんて、きっと出来っこないし
突然ではなくても、きっと受け入れるなんて出来ない。
――なんであんな約束を?
――村のみんなを助けるために
――なんであんな約束を?
――自分が助かるために
――なんであんな約束を?
――くるしかったから
自問自答を繰り返す。
答えはある。
納得のいく答えは、無い。
「さぁ、受け入れろ」
「……ぅ……」
「出来ないか?」
出来ない。そう言っても、きっとこの人は納得しない。
するわけがない。まだ、代価は未払いなのだから。
「そうか。じゃあ仕方が無いな」
そう言って、やはり男は思ったとおりに行動に出た。
受け入れないならば、身体に教え込むということ。
己が何なのか、何のために存在しているのか。
ただ、それを教えるだけ。
「『跪け』」
「ぐ……う……」
身体が勝手に、男の正面に跪いていく。
これから何をするのか、自然と解る。
でも、それは……絶対にイヤだ。
「もっと素直なら、召使程度で済ませてやろうと思ったんだがなぁ」
半ば本当、半ば嘘。
好みの女が居て、手を出さないような奴には見えないから。
259 :コンニャク ◆FNYATSXT5E :2009/04/08(水) 20:42:44.35 ID:npfIxvMo
「さぁ、舐めろ」
いやだ!
ぐりぐりと唇に見覚えのあるソレを押し付けてくる。
そんなもの、舐めたくない……!
鼻につく臭気に気分が悪くなる。
そんなものを、近づけるな……!
「さぁ!」
口は絶対に開けずに、首を振って抵抗し、
「んー!……んー!」
と、唸り声で反抗する。
それを、男はやれやれ。と言ったように首をすくめ、
「仕方が無いな……あまり強制するのもつまらないんだが……」
と、口とは裏腹に、顔は相変わらずのニヤニヤとした笑みを浮かべている。
「『口を開けろ』」
たった一言。
たった一言で、最後の防衛ラインは突破された。
「むぐ……!ぐぅ……ぅ……」
口の中におぞましい物が進入してくる。
イヤな味が、臭気がする。
自然と、目尻に涙が溜まっていくのが判る。
――なんで、こんなことに。
何となく判る。
きっと、どこかで選択肢を間違えたのだろう。
生まれて、死ぬまでの間の、数多の選択肢の内の一つ。
「ぐぇっ……」
吐き気がしてくる。
それもそうだろう、自分に合ったはずの物と、同じ物を口に入れられているのだから。
「はぁ……やっぱり、ハードル高かったか?
ちょっと調子に乗りすぎたな」
なんだ……やめてくれるのか?などという希望もつかの間、
「今楽にしてやるよ」
絶望の呪文が紡がれる。
「『お前は俺の事が好きで好きで仕方が無い。
俺のソレも、ソレから出る物も、愛しくてしかたがない
俺の事を愛し、ソレを出して欲しくてしかたがない』」
絶望の呪文が紡がれた。
260 :コンニャク ◆FNYATSXT5E :2009/04/08(水) 20:42:56.20 ID:npfIxvMo
次第に、意識がゆっくりと変わっていく。
――いやだ……。
イヤな臭気だったはずの物が、頭を蕩けさせる。
――やめろ……。
イヤな味だったはずの物が、身体を熱くさせる。
――たすけて……。
おぞましい、見慣れた物が、愛しく見えてくる。
――すき……?
一瞬畏怖し、一瞬尊敬し、今は嫌悪する人物が
――すき……
村のみんなを救ってくれたであろう人。
――すき
僕の命を救ってくれた人。
――好き
僕の全てを捧げるべき人。
――あいしてる
僕の全てを捧げるに値する人。
「愛して、います……」
熱くなる頬を隠しもせず、ただ、己の心を支配する感情を告白した。
――そう、僕はこの人を愛している。
「ふふっ、今は、それで良い」
さぁ、と、愛しいソレをこちらに向けてくるから、
「ちゅ……」
僕は、ソレに愛を込めてキスをした。
「ちゅ……ちゅ……」
何度も、何度も。
愛を込めて。
「んっ……その愛らしい胸も使って、愛してくれ」
そうか、この大き目の胸を使えば、この人をもっと愛する事が出来る。
「はいっ」
ただただ嬉しかった。
愛する人を、愛する事が出来るという事が。
だから僕は、当たり前のように、
「あむっ……」
胸で挟んだ愛しいソレを、同時に口へと迎え入れた。
「ちゅぱ……ちゅ……ずちゅ……」
愛しいソレは、一舐めするごとに、一吸いするごとに
ピクン、ピクンと愛らしく返事を返してくれる。
僕も、嬉しくなってそれに返事を返す。
「ちゅ……んちゅ……ちゅ……」
胸で上下に。円をえがくように。
舌で丁寧に、裏筋を。舌で大胆に、先端を回すように。
「んっ……ちゅ……ちゅ」
好き、好き、好き……。
あぁ……。
261 :コンニャク ◆FNYATSXT5E :2009/04/08(水) 20:43:09.49 ID:npfIxvMo
「ちょっと早いが、巧く出来た褒美だ、受け取れ!」
びゅるっ…どくん……どくん…。
「んむっ!?……んっ……んっ……」
こくん……こくん……。
少しずつ、嚥下していく。
「んっ……んっ……」
少しずつ、少しずつ。
「ぷぁっ……」
ああ、もう無くなってしまった。
まだ、物足りないのに……。
「うぅ……」
主人を、じぃっと見つめる。
もっと、もっと。と、期待を込めた目で見つめていると、
「ふふっ、後で、ゆっくりと、な」
ちょっと残念な答えが返ってきた。
「さて、これくらいで良いだろう」
満足したかのように、
「『解除』」
一言だけ、呟いた。
「……っ……ぁ」
突然意識が正常へと戻される。
――僕は、何をしてた?
僕は……。
そうだ、僕は――。
「……ぅ」
少しずつ戻っていく意識に耐えられず、逃げるように
意識を手放した。
「なんだ、これから帰郷だというのに……まぁ、こっちの方が運びやすいか」
ふわり、と体が浮かぶ。
「やはり、魅了してしまうのはつまらなかったな」
つまらなそうな笑みを浮かべながら、これから起こるであろう
事を思い浮かべる。
「ああ、やはり、待つというのは素晴らしいスパイスだ」
待てば待つほど、手に入れた瞬間の満足感は大きくなる。
それが、この男の持論であり、趣味。
「あとは、何も変わらない日常に刺激を
加えてくれれば、言う事なし、だな」
たかが召使程度、いつでもどうにでもなる。
わざわざ7年間も待ったのは、時が止まったかのような
自らの城に、刺激を与えるため。
くだらない日常を変えてもらうため。
「愛した記憶と、今の気持ちを抱えて、君はどうなるのかな?」
ああ、楽しみだ。

「さぁ、ようこそ、我が魔王城へ」

まだ、始まったばかり。
終わりの刻は、遥か遠くに。
262 :コンニャク ◆FNYATSXT5E :2009/04/08(水) 20:46:09.16 ID:npfIxvMo
変なとこあったら脳内変換頼むぜ。

今回やりたかったのは
あんまり使わない、「僕っ娘」「催眠」とかその辺。
デカくなったな小僧…胸が…。をもうちょっとこう
活用したかったなぁ。と投下してから思う次第であります。

そんでは、また近いうちに。
263 :コンニャク ◆FNYATSXT5E :2009/04/08(水) 20:56:42.72 ID:npfIxvMo
ああん、ピーが入ってる…。
最初のピーが虐 殺で、次が死 ね
次も同じ。
NGワードあるの忘れてた。
まぁ物騒な単語だからしゃーないか

っつうかパー速おもてぇwwwwwwwwwwwwwwwwww
書き込み成功したのか失敗したのかわかりにくくて困るwwwwwwwwwwwwww
264 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/08(水) 21:14:02.39 ID:jPpzn4Mo
おつかれさーん
最近マトモに読んでないなぁ…
265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/08(水) 22:03:49.50 ID:g4.FcQoP
お疲れ様でした

ありがとうございます
266 :コンニャク ◆FNYATSXT5E :2009/04/08(水) 23:08:49.16 ID:npfIxvMo
「ってわけで、女になっちゃったんでよろしくー」
「ええっ!?いきなりそこから!?」
「もっとこう、あるだろ!女になったのに気付かずに登校してきたり、親友に相談にいったりとか……」
「その通り!そういうイベントがっ!フラグがさ!」
「なっちゃったんだからしょうがないじゃん。それに、気付かないわけないじゃんかー
無いんだよ?有るんだよ?だいたい、相談に行く前に親と話して病院でしょー」
「口調まで変わっとる……」
「くそっ!これだから三次元はイヤなんだっ!」
「二次元に帰ろうか親友よ……」
「ああ、そうしよう……」
「判った判った。しょうがねぇなぁ……これでいいだろ?
せっかく人が女に慣れようって頑張ってるっつぅのに……
女言葉で喋るの、結構恥ずかしいんだからな」
「おお……帰ってきた……我らが同志が帰ってきたぞ!」
「これだっ!これだよっ!女になった事への戸惑い!恥じらい!
これが無くちゃあはじまらんよ!」
「よし!我らが同志の帰還を祝して祭りをやるぞ!」
「おうともよ!さぁ同志!これを着るんだっ!」
「は、はぁ?これって学ランだろ?こんな物着てどうするんだよ?」
「にょたっ子が着る学ラン!これぞ至高にして至宝っ!」
「「さぁ!さぁさぁさぁさぁ!」」
「ちょ、待て!脱がすなっ!ひ、ひえええええええ」

気がつけば、夏と冬の某お祭りに、コスプレ衣装で参戦しているのは
言うまでもないことだった。かも?

気分転換その2
やはり恥じらいが無くては始まらんよッ!
267 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 23:50:16.75 ID:Wi5Z/EA0
ちょ、久々にスレ覗いたら作者さん何人か引退すか・・・やはりパー速に移った以上こうなるのか
268 :マコト ◆oBgcE6Qgcw [sage]:2009/04/09(木) 00:12:32.61 ID:fjcORe2o
まぁ、そういうこともあるさね

と、いうわけで新しいの投下してみる久々だ・・・・

『SEVEN PLACE』


この想いに気づいたのは何時頃からだろうか──
自分でも気づかないほど早い変化──
非常識なようで常識的な現象に──
だけど・・・・制御できないこの衝動に身を委ねるしかなかった
でも、後悔はしてなかったと思う──


「じゃなアキ!参考になったぜ!きぃつけてけーれよ〜」
「おう!オマエモナー」
俺をアキと呼んだ人物は俺の友人で『俊哉』って名前の極々普通の男子高生だ。
んで、俺は『明正』だからアキだ。
俊哉の奴、最近また色気づいてきたみたいでさ、新しく彼女を作りたがってるわけで・・・。
トシヤが最近お気に入りの娘について語り合いながら帰っていたというわけだ。
あいつ、おっぱいが大きな女の子に目がないんだ。まぁ、俺も嫌いじゃないけどね。
「おっと、もうこんな時間か。早く帰って飯の準備しないとな」
俺は父ちゃんと二人暮しで、母ちゃんは俺を生んだのと同時に死んでしまったらしい。
そんな男所帯でも食事は作らなきゃならないわけで、父ちゃんが早番で早く帰ってきた時は父ちゃんが食事当番。
遅番の場合は俺が食事当番。まぁ、作り置きしておくだけだけど。
そんな生活をもう・・・・8年は続けている。12、3歳の頃からだったかな?
いまさらながら、そんな時から良くやっていたもんだと自分自身に驚きだよ。

「ご馳走様・・・」
誰もいない居間に空しく自分の声が響き渡るが、これももう慣れたな。
まぁ、仕事から疲れてかえってくる父ちゃんの為に作ってんだからな。
男手一人で仕事の合間に俺を育ててくれてるんだ、これくらいは我慢しないとな。
小さい頃は時々トラックの助手席に乗せてもらって一緒に仕事先に行ったこともあったっけ。
父ちゃん後少しだぜ、18なって高校卒業したらどっかに就職してちょっとは楽させてやれんだからな。
さて、テレビでも見ながらボーっとするかな。
269 :マコト ◆oBgcE6Qgcw [sage]:2009/04/09(木) 00:13:32.73 ID:fjcORe2o
うぅ・・・・熱い・・・・体が熱い・・・・
「うぅ・・・・あ・・・・」
どうやら、横になってテレビを見ている内に寝てしまってたようだ。
父ちゃんは・・・・まだ帰ってきてないのか・・・な?
時計を確認すると3時を指していた。
テレビから流れるピーともポーとも聞き取れる電子音から察して、おそらく現在は午前3時だろう。
今週はずっと遅番だったからまだ一度も顔見てないや。
・・・・そうだ、せっかく目が覚めたんだから、疲れた父ちゃんに酒のしゃくでもしてやるか。
さて、そろそろ帰ってくるだろうし、顔でも洗ってくるか。
あ〜頭がぼーーっとする。頬が痒いぜ・・・・。
居間から洗面所へ移動した俺は鏡の前で女の幽霊と遭遇した。
「ギャーーーーーーデターーー!!」
ナンマイダナンマイダなんまいだ・・・・・あれ?
目の前の女は俺が驚いたと思うと、同じように驚いた顔をしている。
俺が右手を上げれば左手を上げる。貞子のように伸びた髪の毛は確かに俺の頬をくすぐる感触を与えている。
あらー。俺女になっちまったい。
「あぁ〜〜〜こりゃ。まいったな」
幽霊だと驚いていた割には、俺は案外冷静だった。
目が覚めてしまった。顔など洗う必要はないようだ。しかし、目が覚めてしまうと、頬のなれない感触にどうにも落ち着かない。
「うーむ。これは不気味だよなぁ。変な感触もするし・・・・。とりあえず縛っとくか」
台所にあった緑の輪ゴムと手にとって髪をかき上げ、適当に縛ってみる。
なーんか違うような気がするけど・・・・まぁ、頬がくすぐったいのもなくなったし、よしとするか。
俺が不快感から開放され、ホットしていると・・・・。
ガチャ・・・・!
「おいおい、鍵かかってねーじゃねーか、まったく!」
「あ、父ちゃんおかえり」
「おう!帰ったぞ奈々──」
ガラガラカッチャーーーン!
「まままっままままままま、まて落ち着け・・・・死んだかーちゃんが・・・・」
父ちゃんは俺を見るや否や、卒倒して後ろへ尻餅を付いて倒れててしまった。
それに・・・・奈々って・・・・死んだ母ちゃんの名前?どうして?
「ちょっと・・・・父ちゃん大丈夫?」
「おおおおおおおおお、俺はついにあの世からの迎えが・・・・・!」
「ちょっと!父ちゃん俺だって、俺俺!明正!」
「は?」
どれくらいだったろう。5分か10分か、それくらいの沈黙の時間が続いたと思う。
父ちゃんは疲れた頭で現状を理解しようとしているのだろうか。そりゃまぁ、混乱するか。
「お前・・・・女になっちまったのか・・・・?」
やっと頭の整理ができたのか、父ちゃんは落ち着いて聞き返してきた。
「そうみたいだな。ちょっと転寝してる間に・・・・ご覧のとおり・・・・
 あぁ〜あ・・・俺、父ちゃんと一緒に男同士晩酌するの楽しみだったのに」
「アキ・・・・やっぱりアキなんだな。ふぅ、安心したぞ」
安心した父ちゃんを見て俺も安心した。あんまり心配させたくないんだよなぁ。
「なぁ、父ちゃん。酌させてよ。せっかく目が覚めたんだし、今週まだしてないだろ?」
「え・・・・あ・・・・あぁ・・・・頼むわ」
そうかそうか、娘になった俺から酌されるのがそんなに嬉しいかな?
「それじゃ、これご飯温めてくるよ」
「お、おう」
270 :マコト ◆oBgcE6Qgcw [sage]:2009/04/09(木) 00:13:45.61 ID:fjcORe2o
「今日もお疲れ様!いやいや、俺がこうしていられるのもお父ちゃんのお陰でございまして・・・」
大げさに畏まって両手で熱燗を両手でいつものように注いでいく。
酔っ払ってるならともかく、まだ素面の父ちゃんの手がプルプルと震えていた。
「おっと・・・・」
「あ、すまん、ぐいっと」
お猪口に酒が注がれると、その酒は一瞬で飲み干されてしまった。
二杯目を次ごうとしたとき、父ちゃんからストップがかかってしまった。
「まぁ、待て」
「え?どうして?いつもは・・・・」
父ちゃんは真剣な顔になってて、どうやら何か大切な話がしたいようだ。
おそらくというか、確実にこれからの事だろう。
俺、父ちゃんを早めに酔わせて、この話題をされる前に寝かせてしまおうかと思っていたんだが。
まぁ、遅かれ早かれ・・・・こうなるよな。
「飯食って寝て起きたら、病院行って診断書もらって市役所へ手続き行くぞ」
「え・・・・仕事は・・・・」
「休む。当然だろう。息子・・・いや、娘になっちまったんだからな。
さっさと手続き済ませないとな。おめぇ、戸籍男のままで社会にゃでらんねぇだろうが」
「うぅ・・・・そうです。はい・・・・」
「そうだな・・・・名前変えてやんねぇとな。こんなめんこい娘が明正じゃ格好がつかねぇ」
「うぅ・・・・いやだ・・・・」
「そういうな、俺だってな、変えたくはねぇさ。俺の分身だったおめぇが、母ちゃんの分身になっちまったんだからな」
「おぉ・・・・そうだ、母ちゃんの名前と俺の名前からとって・・・・明菜ってのはどうだ?」
新しい名前・・・・か・・・・寂しいな・・・・いやだな・・・・明正が消えて行く・・・・
母ちゃん・・・・俺の知らない母ちゃんなら・・・・なんて名前にしたんだろうか。やっぱり父ちゃんと同じか?
母ちゃん・・・・そうだ・・・・どうせなら・・・・
「いやだ・・・・」
「なっ!俺が考えた名前はつけられねぇってか!?」
「違う・・・・ながいい・・・母さんと同じ名前の奈々がいい」
「い、いや・・・・けどよっ・・・・」
「別に父ちゃんが考えてくれた名前が嫌いだって分けじゃないんだ。
ただ・・・・新しい母ちゃんも作らずにずっと俺の為に働いてくれてる父ちゃんの為に・・・・その・・・・」
父ちゃんは少し驚いていたが、まんざらでもない顔をしていた。
「・・・・・本当にいいのか?」
「いい。後悔はしない絶対に」
「そうか・・・・わかった」
男同士で晩酌ができないのならば、女として少しでも母ちゃんに近づいて酒の酌をして疲れを労ってやりたい。
それだけじゃない・・・・。父ちゃんは女になった俺を見て母ちゃんと間違えたみたいだし。
俺は俺の知らない母ちゃんに少し近づけるようで嬉しくもあったんだ。
「じゃ、気を取り直して・・・はい」
「おう・・・・」
「もう父ちゃんの娘だから・・・・これくらいしかできないけどね・・・・」
「ありがてぇよ。十分だ」
「ありがとう・・・・」
ちょっとしんみりしたけど、俺は父ちゃんが父ちゃんでよかったと思った。
これからも・・・・・うまくやっていけると信じている。
271 :マコト ◆oBgcE6Qgcw [sage]:2009/04/09(木) 00:15:29.31 ID:fjcORe2o
この続きはまだなんだけど・・・・・・・・・

お父ちゃんルート
友達ルート

の二つ考えてるんだけど・・・・どっちがいいかなぁ
どうにも迷ってて考えがまとまらないわ
上の投下物でも眺めながらじっくり考えるか・・・・
272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/09(木) 00:29:43.40 ID:TaFilLUo
父娘相姦は・・・いいぞもっとやれ(違
273 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/09(木) 00:41:36.56 ID:xVLQuk60
GJ!
できれば両方読みたいんだが無理せず頑張ってください
274 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/09(木) 00:48:32.05 ID:bt/o5I.o
お疲れです
275 :マコト ◆oBgcE6Qgcw [sage]:2009/04/09(木) 01:01:01.09 ID:fjcORe2o
コンニャクさん投下乙でGJ!
筆の速さに脱帽ですって、俺が偉そうに言うなとww
魔王様とその召使・・・?のファンタジー設定にはちと驚いたぜっ!

それと、まぁ両方かけるだけやってみます。
時間内ので、チビチビですけど
276 :コンニャク ◆FNYATSXT5E :2009/04/09(木) 01:59:50.84 ID:oC98LOko
>>275
そちらも投下乙乙
ファンタジーといえばファンタジーなんだけど、なんだか
ただ世界がファンタジーなだけになりそうな予感がですね。
あ、父親相姦もお友達ルートも、俺はどっちもみたいなwwwwww
277 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/09(木) 20:55:39.07 ID:ehtlekDO
久しぶりに来たら初めてみる職人ばっかりだぜwwwwwwwwww
278 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/10(金) 02:04:19.29 ID:8kyhu620
すげえwwクオリティ高くねwwww
279 :コンニャク ◆FNYATSXT5E :2009/04/10(金) 05:55:36.02 ID:12ZIab6o
今まさに、幸福の絶頂にいた。と言っても良いとおもう。
絶頂に『いた』って所がポイント。過去形である。
なぜ過去形かと言うと、目の前には我が彼女、そして服を脱いでいる。
次に俺、全裸である。
となれば、何かはたやすく想像出来ると思う。
が、しかし……しかしだ、しゅるしゅると縮んでいく我がジュニアを、
誰が想像出来ようか?否、断じて想定の範囲外だ。
まさに、今まさに突入!という時だ、腰を前に出して行き、
腰と同じ速度で縮んでいく我がジュニア。
あれ?ねえ、入ってるの?ガバガバなの?とか思ってたらこれだよ!
ああ親愛なる神よ、二度とてめぇなんぞ信じてやらねえ!
「…………」
「…………」
我が愛しき彼女と言えば、頭が真っ白になったかのように呆然としてる。
そりゃあそうだろう。俺もだ。
「すまん……」
こんな言葉しか出ない俺を許しておくれ。
いやまぁ、ぶっちゃけレズプレイもげふんげふんなのですが、
そんな事言ったら殴られそうだ。
そんなことを考えていると、むにゅっと胸をも揉まれたらしい。
「はへっ!?」
べ、別に気持ちよかったわけじゃないんだからっ!
うん、我ながらキモイ。
っていうか、あたな何してますかー!?
「あ、ご、ごめん……ちょっと信じられなくて……」
と、彼女は謝ってきた。
そりゃあそうだろう。俺もだ。
あ、これさっきも言ったような気がする。
「俺も……信じられない」
「でも……可愛くなったね」
いや、うれしくないッス。
「私よりも胸大きいし……」
ぐにゅり
「あんまり嬉しくな……っていだだだ!取れる!取れちゃうって!」
いやむしろ取れて欲しいが、物理的に取るのは勘弁してください。
「……ブラでも、買いにいこっか?」
「いや別にそんなの後でも……って、いだだだだだ!痛い痛い!
何かあるごとに胸を抓らんでくださいぃィ!」
「……ブラ」
「行く!行きますから!」
「うふふふふ……」
どうやら、何かに目覚めちゃったらしい。
前途多難である。

うれしはずかしランジェリーショップなお話は、また別のお話。

気分転換その3
そしておやすみなさい
280 :マコト ◆oBgcE6Qgcw [sage]:2009/04/11(土) 00:09:15.31 ID:jiMSenYo
そうだ、面白いネタがなかなか浮かばないから
こちらもファンタジーもので応戦しよう

と言うわけで執筆中

あ、あっちもちゃんと書いてるんだからねっ!
281 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/11(土) 00:29:29.95 ID:1rLCWEk0
wktk
282 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/11(土) 08:27:31.47 ID:dXg/aKIP
+(0゜・∀・)+wktk
283 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/11(土) 09:58:20.71 ID:WvF2UlQo
ファンタジーものwktk
284 :マコト ◆oBgcE6Qgcw [sage]:2009/04/11(土) 13:36:03.35 ID:jiMSenYo
『JUDGMENT DAY』


とある城の会議の間。その部屋には九つの椅子が円卓を囲むように配置されている。
その円卓には5人の騎士たちが腰かけ、ただならぬ雰囲気で会議を執り行っていた。
「水の裁判者・・・後任を決めねばなりませんね」
落ち着いた様子で話しているのは紅の髪に瞳の女性だ。
「まさか、セラーが・・・・」
肩ほどまで伸びた金髪を揺らし、重装備に身を固めた女性は悔しそうに呟く。
「彼女には荷が重すぎたようですね。私の責任です」
暗闇からにじみ出るように現れた6人目の黒髪の女性は冷ややかに自分の失態を認めていた。"騎士"とはかけ離れた服装は、判りやすい表現でたとえると日本女性のような装いだ。
「カティアそれは違う・・・相手が悪かっただけだ。ただそれだけだ。あちら側では嵐騎士(ストームナイト)と呼ばれているようだが、その名は伊達ではない。弱き水は嵐に散らされ、大地へと還ったのだ」
「ラムサス様・・・ですが・・・」
カティアと呼ばれた金髪の女性は険しい表情でラムサスと呼ばれた片眼長髪長身の男に訴える。セラーという人物の死を認めたくはないようだ。
ラムサスは冷静に敗因を分析するが、その目は決して冷徹なものではない。
「今度は俺が行かせてもらう。ライルとの決着は俺がつける運命なんだよ!」
青い髪の男はフンと鼻を鳴らして高飛車に答えた。
「まぁ、落ち着けジノゥ。アカデミー時代からの因縁があるのは分かるがな」
「はぁ・・・・」
紅の髪の女性は深くため息を付いた。
「そろそろ話を戻すぞ、これ以上オリヴィアを困らせるのは関心できん」
ラムサスはこの場の雰囲気を治めようとしているようにも見えるが、それは彼女の本来の気質を意味している事を、この場の全員はそれを理解していた。
一同が静まり返る。
「水の裁判者の後任、ヒメ、貴女に選んで貰おうと思います」
「承知いたしました」
ヒメと呼ばれた黒髪の女性はふかぶかと頭を下げた。
「では、ケーニッヒ様、ご許可を」
今まで黙って事を眺めていた男がやっと口を開いた。
「その件に関してはお前に任せてあると言ったはずだ。好きにしろ」
そういうと再び黙り込む。
「では、ヒメ、アカデミーの候補生より適切な者を選別しなさい」
「承知いたしました」
もう一度ふかぶかと一例すると、すぅっと闇に消えていった。


「離せ!!僕をどこに連れて行く気だ!!」
暗くて陰湿な雰囲気と薬品の匂いに満ちた部屋は少年の心を不安にさせる。
「今日はやけに威勢の良い被検体ですね。まったく、あくまでも賛同者を連れてくるようにと言っておいたはずなんですがね。まぁ、良いでしょう。」
「何だお前は!!なんの為に僕を!!」
少年は声を荒げる。しかし、その表情には確実に恐怖が表れている。
「おやおや、説明すらしてないのですね。やはり安物のハイブリットヒューマンでは少々思考能力に問題があるようですねぇ。その少年を台に乗せて両手両足を固定しなさい。それくらいはその低脳でもできるのでしょう?」
大柄の男達は少年を実験設備と思われる台に乗せると、慣れた手つきで少年を拘束していく。
「うぁぁぁぁぁ!やめろぉぉぉぉ!!」
これから何かをされると悟ったのか、少年はさらに大きな声をあげた。
「あなたはこれから生まれ変わるのです。どのように生まれ変わるかは・・・・やってみてからのお楽しみです!ひゃはははははは!!」
「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
285 :マコト ◆oBgcE6Qgcw [sage]:2009/04/11(土) 13:38:36.26 ID:jiMSenYo

「・・・ィ!・・・・リリィ!リリィ!!」
使用人室のベッドで目を覚ました少女はがばっと上半身を起こし、方を上下させて荒く息をしている。
「どうしたの?とてもうなされてたわよ?やめろぉぉぉ!!なんて品の無い声なんて出して」
「夢・・・・見てた・・・・悪い夢よ。心配してくれてありがとう」
「ねぇ、リリィ?ちょっとでも粗相があってみなさい。私たち使用人なんてあっという間に首きられちゃうんだから」
「あははは・・・・ごめんね」
リリィと呼ばれた少女は汗でべとべとな額を拭って物思いにふける。
あれからもう2年は経っている。まさか今日になってまたあの悪夢を思い出す事になるだなんて。戒め・・・・いや、これは決意の証だろうか。
"僕"は決めたんだ。あの日あの時、いつかあの男へ裁きを与えてやると。
「さぁ、準備をしましょう!今日はお客様がお見えになるんだから!忙しくなるわよ!」


屋敷の中はパーティーの準備で騒然としていた。沢山の使用人達が殺気立った雰囲気でやんややんやと通路を往来していた。
ベトンンウェル王国の貴族でカロッゾ伯爵のお屋敷・・・・いや、お城と言っても良いだろうか。それほどまでに大きいこの屋敷に、なにやらかなりの人数の客人を招待し、晩餐会を開くとの事だ。

その準備が終わる頃にはすでに日が沈んでいた。
チェインバーメイドでリリィの同室のアニスはすでにクタクタになって先に自室へと戻っていった。
リリィはというと・・・・スカラリーメイド。つまりは、厨房の掃除等を行う駆け出しメイドにすぎない。しかし、伯爵の趣味か、女性であるリリィ達にとってはあまり冷遇とされていない。まぁ、せいぜいコック等から時々嫌味が飛ぶ程度だ。

パーティが始まった。どんどん増える汚れた皿の量に、段々と手が終えなくなってくる。
そうこうしていると、支給係が手におえなくなったと、一介の皿洗いに過ぎないリリィにパーラーメイド長から応援の声がかかったらしい。
「リリィ、支給係りのお局様から直々の応援依頼だ。今すぐ着替えて表へ出るんだ」
コック長からの命令を受け、リリィは皿洗いの手を止めて「はいっ!」と元気よく答えると足早に着替えに向かった。
「マインドミストの効果は良好・・・・さて、ここからが本当のお仕事だ」
リリィは不適に笑むと指をパチンとならして、さらに精霊術の効力を高めていく。

パーティー会場へ接客に向かったリリィは、澄ました顔と駆け出しのメイドとは思えないほどの仕草で目標へと近づいていく。
「お客様、お呼びでしょうか?」
「む?わしはそなたを呼んだ覚えはないぞ?ふむ・・・・まぁよいわ。そこのワインを注いでもらおうか」
リリィは、はいとしたたかに返事をすると、なれた手つきでワインをグラスへと注いでいく。
「見ないメイドだな。新人か?いや、それにしてもその身のこなしは天性のものを感じるのぅ?」
男が見ないメイドというのも、このパーティーはかなり頻繁に開かれているからだ。
男は一介のメイドに甘い言葉を振るう。これは明らかに何かを誘っている口調だ。一介のメイドに仕向けられたものとも知らず。
「そんなことはありませんわ。今もこの様に緊張しております」
わざとらしく手をフルフルと震わせて見せる。
「その仕草・・・・色っぽいのぅ。のぅ、後でわしの部屋に来んか?」
男からあからさまな誘いがくる。
すべてが思惑のまま運んでいく。『マインドミスト』水精霊術の中では高等部位に入り、大気中の水分に己の精神を分布させ、相手の精神をある程度操作させることができる。それは深層意識で行われ、己が決めた行動がスイッチとなり相手の行動を制御する。
その精神力は相当なものが必要であり、それを操るリリィは相当な使い手なのである。
286 :マコト ◆oBgcE6Qgcw [sage]:2009/04/11(土) 13:40:49.69 ID:jiMSenYo

時は深夜、男の誘いに答えたリリィは男の部屋に居た。
「よく来てくれた。お前の奉仕次第では、わしの屋敷で雇ってやろう。今よりより良い待遇で歓迎してやろう。奉仕次第での?」
男は奉仕次第という文句を強調する。それはおそらく性的奉仕だ。つまりは、妾になれと言っているのだ。
「さぁ、お前も分かっているのだろう?では、さっそくワシの槍でも磨いてもらおうかのぅ?」
男はそういうと徐にズボンを脱ぎ出し、その槍が姿を現す。
槍は長く大きく、すでに天を目掛けてビクンビクンと波打っていた。
「まぁ・・・・素敵な槍ですこと・・・わたくしにできるのかしら・・・・」
「その恥じらいがたまらんのぅ。さぁ、綺麗に磨いてもらうぞ?その小さく可憐な布でな」
「はい・・・・」
リリィはその可憐な布を大きく開き、天を突くかのような槍を包み込む。
油断は己の身を許した時に突如として現れるものだ。
リリィはその可憐な布を拭い去る。拭い去った布からは鋭い刃物があら現れた。
ブチィ・・・・・!
鈍く、肉がちぎれる音が聞こえる。リリィはその鋭い刃物で男の槍を切り落とした。
「ギャ・・・・・・・」
本来なら男の悲鳴が響き渡るはずなのだが、それは途中で阻まれた。
リリィの指がひとつパチンとはじかれており、水精霊術『アクアバイト』が発動していた。
口元を水のさる轡で覆われた男は悲鳴を上げることができず、悶絶してのた打ち回るしかなかった。
リリィはその汚らわしいものをぺっとはき捨てると徐に立ち上がると、ニコっと不自然に笑む。
「裁判の時が参りました。あなたには死んで頂きます。理由はおわかりですね?」
「ふぐぐぐぐぐ・・・・ひ、ひさは・・・・はいはん・・・・はは!?(貴様は裁判者か)」
リリィはすうっと、悶絶しながらも体を起こして睨み付けてくる男の額に指を当てる。
「さようなら」
リリィは表情を一切変えず、その指から容赦なく『プレッシャーバースト』を放った。
リリィの指から放たれた高圧に圧縮された水は、男の脳天を一瞬で貫き後頭部からは圧縮された水と同時に血が噴出してきた。
男はゴトっと力なく倒れこみ、絶命した。
「ふ・・・・ふははははははは!!」
「後で口の中・・・・消毒しなくちゃな。臭くて汚らしい錆びた味がまだ口の中に残ってやがる・・・・」
「よくも、この僕を汚らわしい目で見てくれたな。この汚らわしい体を、毛皮らしい目で!忌々しい!」
リリィは自分の胸元に手を当て、力を込めてそれを握り締める。
「くぅ・・・!」
痛みは自分のものであることの証だが、リリィはそれを認めない。精神と肉体とを一時的に断絶させる術をかけ、それを断つ。精神と離別した肉体はガクガクと崩れ落ちる。
「こんなものっ!こんなものっ!」
その場にへたり込んだリリィは自分のそれを激しく握り締める。手の感触だけを精神に残し、手のひらでのみその感覚を得る。リリィは激しく嫌悪した。
「痛いか?痛いか女!僕は決してお前を認めない!今も、これからも永遠に!」
男の屍が転がった客室にリリィの声がこだまする。
「・・・・様・・・・?いかがなさいました?」
まずい──
そろそろ長居は無用だ。
「貴様には本日裁判が下された。邪教に裁きの鉄槌を・・・・『バブルプリズム』」
水精霊術『バブルプリズム』が唱えられると、リリィの姿がしだいに周囲に溶け込み、最後には泡が消えるかのごとく姿を消した。
287 :マコト ◆oBgcE6Qgcw [sage]:2009/04/11(土) 13:43:29.48 ID:jiMSenYo


会議の間で、ケーニッヒ、オリヴィア、ラムサス、カティアの4人は、氷で作られた鏡の中に映るリリィの行動の一部始終を眺めていた。
カティアは顔を激しく赤らめ、鏡から目線そそらしていた。
「あっ・・・・あのような行為にお、お、及ばずとも、裁判は執行できはたずです!」
「確かに。あの素行には少々問題を残すが・・・・、彼女・・・・いや"彼"か。しかし、我々も彼の性格までをとやかく言う資格はあるまいよ」
「ラムサス様!それでは我々にも問題があるように聞こえます!」
「まじめなお前らしい意見だが、そういう意味ではないぞ?」
「うっ・・・・。!ラ、ラムサス様!」
カティアは更に顔を真っ赤にさせて黙り込んでしまった。
オリヴィアは困ったような顔をしてごほんと軽く咳払いをする。
ラムサスは口元にかるく笑みを残してオリヴィアに目線を移す。
「資料を読ませてもらいましたが、あの精神力は他の候補生とは比べ物になりませんね。アカデミーでの成績は可も無く不可も無くと行ったところでしたが、どうやら仮面を被っていたようですね。しかし、あの力の源は・・・・まさか──」
すると、鏡に映し出された映像が次第に薄れてゆき、そこには何も映らなくなった。
「どうやら、そろそろ戻ってくるようですね」
しばらくした後、部屋の片隅の暗闇から女性の声が聞こえてきた。
「お待たせいたしました。ご報告します。結果は合格となりました」
冷たく短的に告げると、暗闇からにじみ出るようにヒメがその姿を現した。
「後任の裁判者をご紹介に参りました」
ヒメがそう告げると、彼女の後方の暗闇から一人の少女の姿が現れた。
メイドの服を着た小柄の少女、リリィであった。
「なるほど・・・・ハイブリットヒューマン(強化人間)か、おもしろい」
めったに口を開かないカイザーが一番に口を開いた。
リリィはその正体を一瞬で見抜かれた上、晒されたくなかった本性を公にされ憤るが、同時にこの男には"勝てない"というものを瞬時に感じ取る。先ほどまで湧き上がっていた憤りなど吹き飛んでしまったようだ。
「判っていただけたようですわね。安心致しましたわ」
さらに、これからの自分の上司にあたる氷の裁判者のヒメにも悟られていた。この集団は一体なんなのだ?裁判者の集団。『カデアサピアン(異端審問騎士団) 』はリリィの知りえる以上の何かを感じる。
「すぐに慣れるさ、それに、お前さんはこれからさらに強くなってもらわなければならない」
ラムサスは、軽くリリィへ発破をかける。その真意は定かではないが。
「さぁ行きましょう。"貴方"にはこれからまた新しい任務に就いてもらうことになりましたので」
このヒメという女。いろいろと棘のある言葉が気になるが、今更この者達の目の前では仮面すら意味は持たないのだろう。
「わかったよ。僕は何をしたらいい?」
ヒメは冷たく笑むと、リリィへ右手を差し出した。
「あなたは僕の上司だ。だから最低限の敬意は払うつもりだ。だけど、その手で僕に触れることだけは許さない」
「ふふっ・・・いいでしょう。ではこちらに」
リリィはヒメの後を追い、再び暗闇の中へ姿を消していった。

僕には大きな目的がある。あの男へ裁判を下す事。その為にはまだまだ様々な力が足りない。
待っていろ、いずれ大いなる裁判はこの僕が下してやる。


『JUDGMENT DAY』   END

頭の片隅にあったネタで適当にやってみた。
いい気分転換になったよ。
いろいろと説明不足なのもあるんだろうけど、長くなるからやめますた
288 :マコト ◆oBgcE6Qgcw [sage]:2009/04/11(土) 13:57:43.48 ID:jiMSenYo
自分で噴出すほどの誤字発見

しかし、ファンタジーものはいいんだけども
エロさが足りない!
まじめに書いちゃいけねぇなぁ
289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/11(土) 15:50:17.80 ID:5c0q.USO
>>284
>「カティアそれは違う・・・

はヒメそれは…に訂正で

ミス多過ぎだぜ
290 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/11(土) 18:50:16.71 ID:WvF2UlQo
乙乙
まぁ誤字なんて脳内保管すりゃおkさwwwwwwww
291 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/14(火) 21:58:43.12 ID:AK1ZzcAO
不定期あげ
292 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/15(水) 13:03:45.90 ID:WFUD9wDO
あげ
293 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/15(水) 14:52:24.02 ID:WFG9d2DO
おい、おまいらVIPにスレ立ってるぞー
294 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/15(水) 17:24:34.25 ID:U8K9cFQ0
まあ俺はVIP規制中なわけだが
295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/15(水) 19:49:16.73 ID:gLW/rfE0
スレタイ変えない?
もう女体化総合でもTS総合でも良いと思うんだけども。
296 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/15(水) 20:27:37.83 ID:WFG9d2DO
>>295
それやると確実に古参の一部が離れるぞ
一回もスレタイ変わってないってことの意味をよく考えてみるといい
297 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/15(水) 20:43:49.51 ID:U8K9cFQ0
TS総合ならエロパロとか創発にあるし
298 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/15(水) 21:43:37.40 ID:gLW/rfE0
>>296
じゃあどうするのよ。掘りつくされた今じゃ人は減る一方だし
VIPにスレ立てられたけど案の定少人数の雑談スレになってるし
299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/16(木) 03:17:42.02 ID:Ul4sPWw0
スレタイ変えるのやめようよ
荒れるよ
それとも
今いる職人をふるいにかけるつもり?
300 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/16(木) 03:40:43.11 ID:OF/YJoAO
やぁやぁ、そこにいるのはお芋たんじゃないか
301 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/17(金) 01:54:19.88 ID:k.EJzhwo
ちくそう、いま仕事終わったぜ
時間ないよう眠いよう
でも毎日10分くらい書いてるよう
302 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/17(金) 18:43:15.50 ID:G5z51dco
投下用に続きを書こう書こうとおもってはいても
一度読書期間に入っちゃうとなかなか抜け出せず……
303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/21(火) 00:25:44.90 ID:npatg3co
過疎りすぎage
304 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/21(火) 10:49:41.72 ID:NOTFNI6o
んは亡くなりました。どうして先生をこれ以上煩わすのでしょうか。
た。王は乙女に言った,何でも欲しいものを求めなさい。わたしはそれをお前に与
胸がプクッと膨れ、全体的に肉が付き、抱いたら凄く柔らかそうだった。
んで息を引き取ったのを見て,本当にこの人は神の子だった!と言った。
怪訝な顔でこちらを見ている。
ガックリとした感じを装いながら、腰の動きを止める。
やはり反応はない。
               
305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/21(火) 12:35:19.91 ID:T6/Ydq6o
あるとしても,それはコルバン,言いかえれば神への供え物ですと告げるなら,
聖邪の、どちらでもあり、どちらでもなかった。
視線を胸に向けると、以前自由に揉みしだいたつつましい膨らみがシャツを持ち上げており、
妹はより快感を求めようと兄に行為を要求してくる。
ないからだ。
視線を胸に向けると、以前自由に揉みしだいたつつましい膨らみがシャツを持ち上げており、
ボソッと呟く。
で二つに裂けた。 1539 彼に向かい合って立っていた百人隊長は,彼がこのように叫
だれにもそのことを知られないようにと望んだが,気が付かれないでいることはでき
だが中学生の兄の力にかなうはずもなく、やがて胸があらわになった。
あっ、あっ、ああんっだめ、やっおにぃ、ああっ止めて、ああんっ
       
306 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/21(火) 23:06:05.99 ID:E301E2I0
左が無くて読めない
307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/22(水) 07:49:28.29 ID:iab5wBEP
waffle waffle!!
308 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/22(水) 11:06:01.61 ID:5rVB8ADO
荒らしだと気付こうね
309 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/22(水) 19:14:59.33 ID:DsJLwcAO
あげ
310 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/22(水) 22:05:14.63 ID:u1KG1kwo
>>277
この民は唇でわたしを敬うが,
821 彼は彼らに尋ねた,あなた方はまだ理解しないのか。
ドアを勢い良く開けた。
まあっ違うんでもいいさっ俺はするからなっお前が嫌がろうがっ
越えて、封印を解いて、宇宙レベルの巨神へと超巨大
,あなた方はパン切れでいっぱいになったかごを幾つ集めたか。
1514 ピラトは彼らに言った,彼がどんな悪事をしたというのか。
           
311 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/23(木) 21:16:41.00 ID:/8p1ipco
明日の夜に本スレ立てる予定なんだが、皆これるか?
312 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/23(木) 22:18:29.96 ID:4YUR6dQo
立てるのは良いんだが、何か用意しといた方が良くないかい?
ただの雑談になるのだけは避けたい
313 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/24(金) 01:14:35.86 ID:0EFAhc.o
一応書き溜めてはいる・・・がなかなか思うように書けない
314 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/24(金) 17:44:41.64 ID:0VYqGck0
yosougaidesita
315 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/24(金) 21:42:05.12 ID:0EFAhc.o
たてようとしたら規制ktkr

だれか変わりに立ててはくれまいか?
316 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/24(金) 22:02:53.49 ID:PGvOG0wo
テンプレはある?
317 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/24(金) 22:05:02.36 ID:PGvOG0wo
ごめん、確認した。
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1240578278/
318 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/24(金) 23:13:53.60 ID:qRs0YFI0
ハハッ未だ規制中ワロス
319 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/25(土) 16:46:20.62 ID:Gxrly9g0
女の子になって触手に捕まって永遠に子供産み続けてえ

まず朝起きたら女の子になってるわけですね
「なんだか体が重いなぁ」とか「髪が急に伸びたような」とか そんな事言いつついつも通り洗面所に行って鏡を見たらなんだか髪の長い凄い可愛い女の子が立ってて 一瞬見とれてしまうわけです。
そんで我に返って「え!?」とか言ってついでに声が高くなってる事にも気付いて 事態を大体飲み込むわけです。
そんで胸をちょっと触っちゃったりしてひゃうんっってなったりするのも 欠かせないシチュエーションだ。
そして一度部屋に戻ってすぐさま鍵をかけて両親がドアを叩くわけですけども(無理やり低めの声で)「ちょっと今日は体調が悪いから休む」とか言って難を逃れるわけですけども
その後どうするかと考えてまず真っ先に考えるのは自分が本当に女の子になっているかどうかでしょうそしてちょっと裸になってですねやっぱり可愛かったので思わず自分に見とれてしまい「な、何考えてんだ俺」と なるわけですが
やっぱり可愛いんですね
それはさておきとしてさっきの感覚が忘れられないわけですよ それでそのままおっぱいぐわしって鷲掴みにして思わず腰がガクッってなっちゃったりして快感に震えるわけです
「お、女の子ってこんな感じなの・・・?」とかつぶやくのも王道ですね素晴らしい
「これで下の方いじくっちゃったらどうなっちゃうんだろう・・・」とか考えつつそーっと手を伸ばし
ここで弟か妹か兄か姉が突然ドアを叩いて中断してしまうのがTS漫画にありがちなパターンです
それで突然やってくる物で思わす素で返事をしてしまうのですが声が裏返ってる上に元から高いんですね当然ながら怪しまれましてドアを無理やりこじあけられ肉親に自分が女の子になってしまったのがばれるわけで
肉親が男だとなんか色目で見ちゃうわけですね自分の事を。
そして今自分が立たされている危機的状況に気付き触手に捕まって永遠に子供を生み続けるところまで書きたいのですがもう埋まってしまうのでここまで
いやでもさぁ触手ってロマンあるじゃんまず体が拘束されてるってのが素晴らしいよね
後これも重要なんだけど、それが人知を超えた異形であるということだ異形に膣内射精しされて孕んでしまうというのが素晴らしいんだよ
「こんなものの子供なんて嫌ぁ・・・」みたいなね、うん、まぁ何が言いたいかっていうと 触手の子供無理やり孕まされたいわけですけど
あとねぇ、触手には媚薬がついてないとだめなんですよまずおっぱいが大きくなる効果と、母乳がたっぷり出ちゃうようになる効果がですね あーもうそういう媚薬どっかに売ってねぇかなぁ女の子になれる薬とセットで 良いよな触手最高だよな
320 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 17:10:40.08 ID:Solv5tU0
Mの奴は少なからずそういう願望はあるだろうな。
得体の知れない何かに拘束されて犯されるって妄想はするけど
319は陵辱ゲーのやりすぎ
321 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/25(土) 21:49:14.30 ID:Z0xv9C6o
http://wiki.spc.gr.jp/about/?CloseInformation
なんという・・・
322 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 21:57:35.07 ID:INPlapAo
>>321
何のリンクこれ
323 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/25(土) 22:44:12.31 ID:Z0xv9C6o
>>322
いますぐ女体化スレwikiを見てみるんだ
324 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/25(土) 23:16:18.52 ID:INPlapAo
>>323
見てきた
なんだ、問題は無いんじゃん
325 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/26(日) 11:37:32.76 ID:AuryWTw0
旧まとめwikiじゃんソレ。
移行は既に完了してるだろ
326 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/26(日) 13:35:23.57 ID:cpVlggIo
そういえばなんか少し前に移転するとか言ってた気がするな・・・
327 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saeg]:2009/04/28(火) 18:21:08.94 ID:o5yLlBw0
暖かな春の日差しの中、あいつは僕を振り返ってこう言ったんだ。

「たのむ、俺の恋人になってくれ!」

言っておくけど僕はいわゆるボクっ娘じゃないよ?
そしていきなり愛の告白をしてきたあいつも当然男な訳で……

「一応、弁明は聞いてあげるけど?」
「弁明というのは、こう、俺が叩き伏せられる前にさせてもらう訳にはいかなかったのでせうか」
「事後報告に変更する?」
「だめごめんなさいむりしんじゃういやぁぁ」

……事後報告をまとめると、あいつの主張はこうだ。

1.僕とあいつの誕生日は、僕の方が1日早い
2.僕もあいつもこのままじゃ女体化する
3.僕の女体化には、僕の家族は納得済みというかむしろ喜んでる
4.僕は自分の女体化には納得してる・・・・・・でもあいつはそうじゃない
5.じゃぁ幼馴染の僕に頼んで女体化回避させてもらえないだろうか?
6.けれど、仮にOKして貰えたとしても、女体化したその日に男と関係を持つのはちょっと無理ぽいだろう
7.今から恋人になってちょっとでも距離を縮めておけばひょっとしたら!?

さて、事後報告も纏まったことだしもうアレは用無しだよね?
僕は指を鳴らしながらボロ雑巾をゴミくずに変えるためジャリっと靴音を立てて振り返った。
328 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/28(火) 18:21:54.02 ID:o5yLlBw0
「うん、まぁ言いたい事は分かる気もするよ」
「だろ? だろ?」
「復活が速いね……まぁ、それはそれとして
 そんなに女体化が嫌なら政府の女体化防止公団とかで何とかしてくれるんでしょ?」
「確かにそういう手もあるんだけどさ……俺はお前がいい」
「……もし僕が女の子だったら今のストレートなセリフはちょっとよろめいたかもね」
「ええー、そこはよろめこうよ〜」
「事後報告から後日談に移行する?」
「あばばば……いや、デモですよ?
 俺としては、お前が女体化を選ぶって聞いた時から、ずーっと彼女にするならお前が良いなって思ってたんですよ
 でもそうすると公団で童貞卒業っていうのは、その、裏切りって言うか浮気みたいな気がしてさ」
「んー……そうか?」
「とにかく、俺はお前一筋でいきたいわけなんですよ」
「そこまで熱烈なラブコールだと、恐悦至極ととらえる事が出来ない事も無いかもしれない気もしないどさ」
「ちなみにおばさんの許可は貰ってる、ていうかコレおばさんの作戦」
「ぶっ!」

あまりの爆弾発言につんのめって転びそうになってしまう。

「おおっと」

そんな僕を軽く抱きとめるあいつ。
先刻は僕がボコボコにしてやった訳だけど、それはあいつが無抵抗だったからだ。
実際にはあいつの方が頭一つ分くらい体格がいいので、こうやって抱き止められると確かに……って何考えてるんだ僕は。

「そういう訳で今日から俺と二人っきりの時は、お前のこと女の子扱いするから」
「は!? ちょっとそんな勝手に……」
「公衆の面前でも女の子扱い、でもいいぜ?」
「くっ……おふくろぷちころーす」

「とまぁ、俺の主張はとりあえず表明させて貰ったわけなんだが」
「??」
「後はお前の返答待ち
 いくらなんでもお前の考え無視で事を進めようなんて馬鹿なことなんか考えちゃいないぜ?」
「……わーった、わかったよ! とりあえず判断は保留にしといてやる」
「ほ、保留?」
「当たり前だろ、僕はまだ男なんだよ?
 自分に置き換えて考えてみなよ、将来女体化するからって僕がそっちに彼女になってくれなんて言われたらどう思う?」
「三つ指ついてふつつか者ですがって……」
「shine(輝け!)」

再びゴミくずと化すあいつ。
まぁ、仕方ないかな。
「お前の返答待ち」って言った時、あいつが緊張して震えたのが分かっちゃったし。
……せいぜい散々に焦らしてやるから、覚悟しろよな?
329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/28(火) 20:29:55.69 ID:bMu8N9o0
男同士のマグワイって、いいよね
330 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/28(火) 22:55:30.47 ID:vaKD0n20
GJ!!!
女体化後の話も是非!
331 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 20:32:01.06 ID:eQBlD3.o
いっぺん書いてみようと思う。折角だからお題呉れ
332 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/29(水) 20:37:33.96 ID:Ttzd5coo
制服
333 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/29(水) 20:40:54.16 ID:eQBlD3.o
把握頑張ってみる
334 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [息抜き;sage]:2009/05/01(金) 03:22:43.31 ID:7QbwtIAO
〜徒然なる女人日記〜番外編

 ∬月Ё日

 ……暑い。なんつーか春を通り越して夏になったんじゃないかって思う。
 休み時間中、スカートをパタパタさせて暑さを凌ごうとすると委員長から"はしたないからやめようよ"とか言われるしさ。
 じゃあどーしろと? ノーパンで登下校すればいいのか?
 って言ったら、並の力士なら一発で失神するレベルの平手を食らった。

 泣いた。

 ……それにしても、暑い。
 男だった時には、トランクスにTシャツで快適な睡眠ライフを送れてたのになぁ。
 なんで女の子の下着ってのはこう……地肌にピッタリとフィットしてんだろうか。
 確か保健室のポスターで見たけど肌着ってのは、体温を4℃は上げる仕組みになってるんだとか。暑い日には、傍迷惑極まりないぞ。
 ……しょーがない。ってなワケで、男時代に慣れ親しんだトランクスにTシャツ姿になってみることにした。
 ……これはいいものだ。人類の睡眠に英知を授けたと言っても過言ではない。暑くもなく寒く藻なく、実に快適だ。
 これで心置きなく眠れそうだ。
 おやすみなさい。

 翌日。

 トランクスの隙間から初日の経血がダダ漏れしてて布団が大変なことになってた。念の為に多い日でも安心用を付けといたのに。……騙された気分になった。
335 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/01(金) 08:47:06.44 ID:zkbxIEAO

日記とは懐かしい
336 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/02(土) 11:42:05.71 ID:JILxX6DO
[らめぇぇっ!]
337 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/04(月) 19:25:21.57 ID:P8t0jHoo
青色さん乙!

久々に来てみたら引退しちゃってる方がいるんだね
悲しいぜ

すっごく久々に来てみたことだし
お題的なものが欲しいな
338 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/04(月) 20:00:33.14 ID:tYEAHZQo
女体化しそうな弟と姉にょた大生
339 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/06(水) 17:54:13.96 ID:T28ysUc0
媚薬
340 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/07(木) 02:03:09.00 ID:Vw5GTiE0
媚薬か。ふむ
341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/07(木) 19:00:54.65 ID:siO07e20
女の性欲に戸惑うにょたハァハァ
342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/10(日) 00:26:46.19 ID:GPQnLCwo
女になっても俺は男だ!って意地張り続けるも
最終的には友達となし崩し的に一夜を
343 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/10(日) 01:42:38.78 ID:tzjHOIAO
女体化すると脳も女性化するので
一番身近な異性=友人を意識するのは当然であって
とてもとても自然なことなのさ
344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/10(日) 12:02:37.10 ID:.lkhblwo
もともと女性>>男からの転位女性

差別が生まれるよな。
・競争に敗れた男≒優秀でないDNAをもつ
・そもそも元来のオカマのイメージ
男からの転位女性は社会的地位が低くなりそうだよね。
345 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/10(日) 15:35:26.62 ID:oIH6qiU0
差別なんかなくたっていいじゃない
フィクションだもの

みつこ
346 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/10(日) 15:53:07.59 ID:2rLSzh2o
だがにょたには例外なく美少女になると言う特性が・・・
347 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/10(日) 17:21:15.23 ID:OlNekBco
>>344
俺は逆だと思ってるなぁ
男心を理解してるにょたこマジ最強って世界観で良く描く
348 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/10(日) 18:15:18.33 ID:Yb9cARIo
>>347
そう、そういう長所から風俗とかで歓迎されるだろうね。
オカマ専門店みたいな感じになるんじゃないかな。
対抗してナチュラル専門店もできそうだww
まぁ確かにフィクションでの需要は違うと思うし、
仮に現実社会だったらって話だよ。
349 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/10(日) 18:42:12.38 ID:2rLSzh2o
仮に現実社会だったらとか言ったらそもそも女体化なんて現象自体がおや誰か来たみたいだ
350 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/10(日) 18:46:27.98 ID:2rLSzh2o
っていうか大半のいわゆるオカマの人とにょたの見た目的な差とか考えると同列に論じられないよな・・・
テレビに出て持ち上げられるレベルの人ですらみんな体格的にゴツイし。
351 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/10(日) 19:04:32.03 ID:GPQnLCwo
なに?元男だって?逆に考えるんだ
今女なんだから元がなんだっていいさ
そう考えるんだ
352 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/10(日) 19:06:20.59 ID:2rLSzh2o
元女だったとしてもその後キモヲタ(♂)になったなら女とは誰も見ないだろうしなあ
353 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/10(日) 20:16:27.08 ID:DAyP2.o0
女体化者に対しての偏見はあるだろうね
その方がやり易くもある
354 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/11(月) 14:38:12.45 ID:QYbMETo0
「あの、ね……ぼく、実はもともと男の子だったんだ……」
「え? それって……」
「うん……その、女体化者、なんだ……」
「……」
「……ごめんね、黙ってて」
「……キタ」
「え?」
「にょたっこキター!!」
「!?!?」
「そういう事なら早く言ってよー、どおりで反応が薄いわけだよねー」
「は、反応薄いって……」
「やー、にょたならにょたに対する責め方って言うのがあってさー
 ほらほら、元オトコノコだったくせにもうココがアツくなっちゃってるんでしょ?」
「あぅ……」
「ちょっと、なに真っ赤になっちゃってるの?
 オトコだったんだからリードしてくれなきゃダメじゃない? さ、はやく私のこと押し倒して?」
「だ……だって、そういう経験が無かったから女体化しちゃったって言うか……」
「そんなの言い訳になりませーん それともそういう風に言って実は誘ってるのかな?」
「さ、誘うだなんてそんな……っ」
「淫乱」
「はぅ……」
「淫乱!淫乱淫乱!淫乱淫乱淫乱!!」
「や、やだ……そんなえっちな事言うのやめてください……」
「した事もされた事もないくせに言葉だけで興奮するなんてねぇ」
「あああああ」

あれ?偏見書くつもりがどこで道間違えた?
355 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/11(月) 18:02:57.04 ID:qTwacxM0
いいぞもっとやれ
356 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/11(月) 18:39:14.42 ID:2mweQoAO
>>354
相手が男か女か、それが問題だ


いや、いざレズプレイ突入という所でのカミングアウトだろうそうだそうに違いない
357 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/11(月) 21:50:49.96 ID:K4LOGf20
「聞いたぞ、お前男だったんだってな」
「ど、どこで聞いたの?」
「なんだよ、じゃあ本当なんだな」
「別に……騙すつもりじゃ……」
「俺、今日は帰るわ」
「待って!」

ぷにっ

「へ?」
「おまっ、どこ触って……」
「……」
「悪いかよっ! お前だって隠してたんだろ! お互い様じゃねえかよ!」
「まあまあ落ち着いて、おねーさんがいろいろと教えてあげるから」
「ちょ、ちょっと! そこはだmゃ……あ……んっ……」


あれれ〜?
358 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saeg]:2009/05/12(火) 09:42:57.81 ID:520xgGE0
なんだこの濃厚なレズSS群…あれ?レズとは言い切れない?
とにかく乙乙!

女体化ってことは
男と女の性知識を持ち、女の身体を駆使できるんだよな

「彼氏くんがどうすると喜んでくれて
 どうやればあんまり痛くないか、教えてあげよっか?」
みたいな…

…ちょっとにょたっこに優しくいぢめられてくる
359 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/13(水) 07:56:44.95 ID:8B8X/A.o
単純に童貞が全員美少女になるのはアレだな。

童貞期間の長さが長いほど美しくなる。が、年を取るトレードオフを持つ。

例:
15→不細工
20→普通
25→ややかわいい
30→美人
35→モデルクラス
40→伝説


または
もともとが醜いほど美しくなるとか
360 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/13(水) 19:49:41.72 ID:BHhqPe.o
…長さ?
意味がわからん
361 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/13(水) 21:18:44.92 ID:FWrtiMDO
>>359
スレタイ10回くらい読み返してこい
362 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/16(土) 14:06:08.48 ID:7eoa5hIo
いくらなんでも過疎りすぎだろ
363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/16(土) 22:25:26.98 ID:p2z8AhM0
このスレ自体長く生きた方だから
もう寿命なんだよ
364 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/17(日) 01:24:17.27 ID:V6wCCYAO
そういえば皆は誰の作品が好きだった?
俺はやっぱりナガさんかな
365 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/17(日) 21:38:49.48 ID:BYFVb4Y0
なぜ終わりムードに持っていこうとするのか
366 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/18(月) 01:29:10.02 ID:i0xJuAo0
開拓を終えて成長が止まると衰退していくのは摂理。
いっそのこと生まれ変わるか?
367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/18(月) 01:34:07.92 ID:Gv.lSJk0
パートスレにしては結構長く続いたもんだよ
波はあったけど
368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/18(月) 02:24:47.42 ID:Ud.PM2AO
いっそ最後の華でも咲かせてくれ
369 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/18(月) 09:39:24.76 ID:Gv.lSJk0
: :!|: :ヽ     r‐、/`;  _
: 〈{: : ノ, - 、 l  l  i'´ }
/!{: : :\  ヾ、 j ,/ /_
/ゞ_;´ ̄`'ー、,.r==、ィ'´___ノ、
: :'.´ `゙ー---'{ミミミミミ;`ー‐-=一'
: : `: :―‐ ' ´ゞ=゙=゙'`ー- __`)
: : : : /  ,イ / } ヽー- __)
 : : {__ // / jヽ、 ヽ
ゝ='/: : : : :{ ./  /: : ヽ }
  ゝ-=゙ヽ`'゙ー‐' : : {  `'
      } : : : : : :r'
      ゞ : : : : :j
        `ヽ:_:ノ
370 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/18(月) 18:33:54.32 ID:w9IhJsAO
>>364
俺は缶の人の瑠璃と真珠かな
371 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/19(火) 02:45:05.41 ID:dNJHOZQ0
              _,、_,、    ,ィ^Y⌒V^ヽ
           f^´   \  /       ',
          /         ∨          |   / ̄〉
           |  ヽi      |       i/  | /   〉
      _r―x_,l    \    |     /   /    乂
     く     \     \  l      / /         〉
    く       \     \ ゝ    //           /
    |\       >x、,∴’’’’’∴__彡'      ⌒>
      \ヽ         ―::.:.:.:.:.:.:.:.:::―        /
      > 、 ______,∵:::::∵、_____ ノ
     /          ,ィ´ ,` ー┬‐.^ヾ、      }
     〉       /   ,      ',  \   /
      \      /     /      l    `ーく
        `ー―┤     i         |   __人
          `ー――へ、____人_ノ
372 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/19(火) 14:01:42.91 ID:H3pUvfk0
このスレを、諦めない
373 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/19(火) 14:38:11.43 ID:sM3QJ.DO
>>372
そう言うんならVIPに立てようぜ
ここで言っててもなにもしてないのと一緒
保守だけで埋まってるんでなければ雑談してたっていいんだ
雑談から生まれた作品なんかそれこそ数えきれないほどあるんだから
374 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/19(火) 15:00:13.75 ID:WxR9qKIo
VIPにスレ立ったらうれしいが
その前に俺のとこの永久規制解けてくれないと・・・
375 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/19(火) 15:26:19.19 ID:dNJHOZQ0
規制で結構離れて行った人もいるんだよな・・・
376 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/19(火) 17:29:59.00 ID:NWqi/tko
立っても参加できないからなぁ…
こっちか避難所暮らしするしか選択肢が無いんだよ

…まぁ、書いてないんだけどね
377 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/19(火) 22:01:23.46 ID:H3pUvfk0
俺んとこも永久規制だからスレには参加できない
P2買おうかねぇ……。
運営の策略に乗せられてるみたいで嫌だけど
378 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/20(水) 01:26:35.61 ID:pJE.q8sP
こちらにも 書いておく
http://pprof.ula.cc/hatti758/?guid=ON
お試し● いる?
二週間分

379 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]:2009/05/20(水) 21:59:19.79 ID:eLcKlQAo
今週の金曜あたりスレたてようず!
380 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv :2009/05/20(水) 22:35:59.21 ID:F70wQQDO
二日落ちも三日落ちに戻ったっぽい!これでかつる!!
381 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv :2009/05/22(金) 22:27:24.64 ID:hj.pNGwo
そして立たないスレ
382 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/24(日) 01:38:43.98 ID:idBp71Yo
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1243079130/

力を貸してくれ
383 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]:2009/05/24(日) 11:52:54.17 ID:OAWihOko
規制はいまだ解けず・・・
384 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]:2009/05/25(月) 11:18:19.14 ID:PXTxwaso
結局スレ落ちたのか
マジで規制長すぎ
385 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv :2009/05/28(木) 00:46:54.29 ID:5iTMxuI0
過疎ってレベルじゃねーぞ
386 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]:2009/05/28(木) 02:22:24.34 ID:AYeuRgY0
今更だけどいかにもパートスレのテンプレってのをなくしたほうが良いとおもう
>>1のクオリティが高ければ少しは効果があるはず
387 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]:2009/05/28(木) 16:46:47.51 ID:PuZv4c60
よし、過疎を加速させる…恨むならまともに作品を透過しないうぬらの怠慢を恨むがいいww


女体化した。
鏡を見てみると昨日までの自分とはまったくの別人が居た。

分かっていた事とはいえ何か悲しい。

悲しみを紛らわせるために、自分の胸元に手をやってみる。
ソコにはアレがある。
昨日までの自分には無かったもの、今日から一生付き合わねばならないもの。
白くてすべすべで、どこまでも柔らかい女性の象徴。
自分自身の一部だというのに、自分はもう女の子だというのに、目が離せなくなってしまうほどに魅力的な膨らみ。
女体化したその朝にイタズラしてみようと決めていたソコに、そっと触れてみた。

……ぜんぜん気持ち良くない。

刺激が足りないのだろうか、少し強めに突いたり揉んだりしてみる。

……ぜんぜん気持ち良くない、というか痛い。

そうか、女の子は気分が乗らないと気持ち良くないと聞いたことがある。
「うふんあはんいやんやめてぇー」

……虚しい。

これは困った。
予定では今頃悩ましい表情になった僕が
「女の子って……すごい……」
とか言いながらベッドで乱れつつ、アホかーって自分ツッコミしているはずなのに。
388 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]:2009/05/28(木) 16:47:37.02 ID:PuZv4c60
『困ったことがあれば呼んでくれ
 まぁ、政府機関で女体化回避した俺じゃあまり役に立たんかもだけどな〜」

ふっと友人のYクンの事が頭をよぎった。
そうだYクンなら何か知っているかもしれない。
ともかく変わってしまった僕の身体が正しい状態なのか
それとも何かの原因で不感症みたいになってしまっているのか……それだけでも判定してもらわないと。

さっそく救援メールを送ってみると、待機してくれていたのか「いま行く」とすぐに返事を返してくれた。
これで一安心。
あとはYクンに診てもらえば……やっぱり身体を診てもらうんだから薄着の方がいいのかな?
着ていたパジャマを脱ぎ、薄手のシャツ一枚になる。
何と言うか、妙に落ち着かない感じ……体格が思いっきり変わってしまったのだから仕方がないよね。
次に、なんとなく開けていたカーテンを閉める。
誰かに覗かれてしまうわけが無いのだけど、なんとなく気になったのだ。
うん、ぼくはもう女の子なんだからこういう所も気をつけなくちゃ。
自分で自分を褒めつつ薄暗い部屋を振りかえる。
脱いだパジャマを畳んで、投げだされていたマンガを本棚に戻す。
お客さんが来るのだからしっかり片付けておかないとね。
準備万端、あとは……そうだ、病気かもしれないんだからベッドで横になってないと。
もそもそと自分のベッドに潜りこみ、上体を起こして待つ。
後はYクンに診てもらうだけだ。
389 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]:2009/05/28(木) 16:48:06.99 ID:PuZv4c60
そこで、ハッと気がついた。
Yクンに診てもらうということは……リアルお医者さんごっこ!?
視線をツッと下に降ろすと、薄手のシャツを内側から盛り上げてる自分の胸が見える。
コレを……診てもらうんだ……

Y「とりあえず脱がすぞ」
僕「う、うん……お願い」
Y(ゴクッ)
僕「そ、そこで生唾飲むのはちょっと……ヤらしいよ」
Y「お、お前だって声震えてるぞ?」
僕「……」
Y(ふに)
僕「――ッ!」
Y(ふに……ふにふに……)
僕「んっ! ……ふっぅッ……」
Y「どう、だ? 痛いか?」
僕「い、痛くない……痛くないけど……」
Y「そか……今度は直に……擦るからな?」
僕「ぁ……ま、まっ」
Y(きゅっ)
僕「ふあぁッッ!?」

わーっと叫んで布団を頭からかぶる。
どうしよう、心臓がすごくドキドキ言ってる。
そ、そりゃそうだよ……だって、診てもらって触ってもらって……気持ち良くしてもらうんだから。
僕ってば……僕ってばなんて事を!
そうだ、早く「ゴメンやっぱりまた後で」ってメール出さないとっ!
390 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]:2009/05/28(木) 16:48:34.33 ID:PuZv4c60
急がないと、ってガバっと跳ね起き
携帯をとりに行こうと一歩踏み出ず僕。
「うくっ……」
そのまま力が抜けてペタンと女の子座りしてしまう。
「い、今の……?」
たぶん、シャツの生地と胸が擦れただけだと思う。
擦れただけなのに、さっきまで何ともなかったのに、胸から凄いなにかが一気に広がって力が抜けてしまった。
「うわ……」
恐る恐る見てみると……何か、さっきまでとは違うぷくっとした何かが胸の先の方で生地を持ち上げて……
「わ……わ……」
気付けば股間の方も何て言うか、湿っているような……
「うわ……これって、つまり……」
Yクンの指が僕の肌の上を滑っていく。
「……ん」
そして、丘の先端に辿りつき敏感な場所を擽っていく。
「……んく」
震えが止まらなくなってしまった僕をYクンは優しく抱き止める……けれど彼の指はいつの間にか下の方に向かって……
「……ッ!」
間違いない、僕ってばYクンに診てもらう妄想だけで気持ち良くなっちゃってる!!
これ、マズイよ、良くないよ、こんな状態でYクンに会ったら僕……

――コンコン。
「おーい、来たぞー、あけてくれー」

「ぁ……あ……」
Yクンのドア越しの声だけで視界がホワイトアウトしそうになる。

「……? ダイジョブか? 開けるぞー?」
Yクンが強引に僕の部屋のドアを開けちゃう、力づくで……開けられちゃう!

「だ、だめーっ!!」


刹那閃くサマーソルトキック。
充分にしゃがみ溜め時間を取っていた僕に隙はなかった。

※女体化直後の罹患者はとても精神的に不安定です。ナイフのように研ぎ澄まされた彼女らに接触する時は十分注意しましょう。
391 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]:2009/05/28(木) 19:02:16.06 ID:y9JpwoAo
ルパンダイブを見てからサマソ入力余裕です
392 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv :2009/05/28(木) 20:30:55.10 ID:8ojk9t.0
わっふるぅぅぅわっふるぅぅぅ
393 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv :2009/05/29(金) 00:21:22.34 ID:TjjpEeU0
GJ!
394 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv :2009/05/29(金) 06:26:57.15 ID:12f5ef2P
ぐっじょびっ!!
395 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv :2009/05/29(金) 06:47:47.65 ID:HHORfS20
おはよう、いいものをみさせてもらった
396 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]:2009/05/31(日) 02:18:42.83 ID:GT.nOUso
避難所じゃやっぱり人集まらない
かといってVIPにスレ立ってもおれは指を加えてみてるだけしかできない
歯がゆいぜ
397 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]:2009/06/01(月) 10:45:50.03 ID:/dOqQNQ0
>>396がココで新作発表

住民「やべぇ、マジ感動、これ文学系の賞総ナメじゃね?」

紆余曲折経て各賞受賞後アニメ化・映画化、ついででノーベル賞、>>396作品を経典とする宗教発生

2chに「15,16(ry板」新設、ジャンル盛り上がり>>396神が2chに書き込めるように

>>396先生、作品はまだですか!
398 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]:2009/06/01(月) 13:27:37.48 ID:p.o5CYAO
>>397
紆余曲折し過ぎだろww
399 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]:2009/06/01(月) 13:39:16.07 ID:KFjPLNso
これは・・・ないわwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
400 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/01(月) 21:07:07.68 ID:3ydKS0go
なにそれこわい
401 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv :2009/06/01(月) 22:01:25.20 ID:iQj6aZg0

誰かが性転換薬発明
402 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv :2009/06/02(火) 12:17:20.12 ID:SnfbDIAO
なにそれもこわい
403 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]:2009/06/02(火) 15:23:08.17 ID:SnfbDIAO
大分前にもらったお題で一レスだけ投下。書くの遅くなりすぎて泣きそう
多分ぐだぐだとつづけてく。媚薬ネタかけるまで

「夕ねえ先に風呂入ってくれば?」
またか……。
いや、いまの俺は今更男だなんて言える状態じゃあないのは分かっているんだが、納得はいかない。
たしかに俺は童貞のまま高校に進学し、はれて童貞のまま16歳の誕生日を迎え、確率の網をくぐり抜けて、いや、引っ掛かって……。
まあようするに女体化したわけだ。
自分は大丈夫だろうなんて、根拠のない自信を持っていた身としては、馴染むことも出来るはずはなく。
こうして「夕ねえ」だなんて、女の子らしく、姉であることを分からせるような呼び方をされると、どうも不自然な感じがしてしまう。
一月くらい前までは「夕にい」と呼んでくれていたから、なおさら慣れないのかもしれない。
一年も経ったし、弟としてもいい加減慣れてほしいと思って呼び方を変えたのだろうから、やめてくれともいい難い。
それと、どうも弟――晃は俺のことを姉と呼ぶだけでなく、女として扱うことにしたらしく、さっきみたいに、風呂には先に入るよう行ってくるし、可愛いだとか綺麗だとか言ったり、ゲームセンターで取ってきたヌイグルミをくれたりもする。
べつにそれが嫌なわけじゃない。どちらかと言えば嬉しいくらいだ。 問題はそんなことじゃない。
問題は……。
問題は……。
どうも俺が、女の子として晃に気遣われているうちに、晃に、女の子として、晃のことは当然男として。
――惚れてしまったらしいということだ。
404 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]:2009/06/02(火) 19:30:22.40 ID:MZfM9MQ0
つ、続きは? ねぇ、続きは!?
405 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv :2009/06/02(火) 22:25:49.58 ID:Kz/cU/20
続きwktk
406 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv :2009/06/02(火) 22:39:45.17 ID:YiOi9To0
晃ちょっとそこ換わりなさい
407 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/07(日) 00:21:04.04 ID:NfymgN2o
過疎り過ぎてないた
まだだ、まだ今は雌伏のときだ
408 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/07(日) 01:53:41.67 ID:LmT.FYQ0
突然だが「男が女になる病気」って本読んだ人いる?
409 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/07(日) 07:23:53.15 ID:TTfdNAAO
>>408
いや知らん
410 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/08(月) 16:20:35.73 ID:cHlsBu.0
ググってみたがイマイチ分からんな…


ネタはあれども時間が無いのが歯痒すぎる

誰か
幼く可愛い妹の『将来お兄ちゃんのお嫁さんになるの』に縛られて
女体化しちまうわ、妹の前では男のフリしなきゃいけないわ、妹さんにバラすぞって脅迫されて友にイタズラされちゃうわ…
みたいな話を頼む

メンヘラで邪気眼な隣の幼馴染とそっくりに女体化したばっかりに
「やっと生まれたのね、もう一人の私…さぁ、一つになりましょ?」みたいなホラーモノでもいい

誕生日が同じ者同士を引き合わせ、謎の奥儀をぶつけ合い相手の女体化を促進させ戦う
全日本女体化チキンレース(勝者は先に女体化した敗者をヤって女体化回避できる特典付き)
みたいな少年漫画的なノリのヤツでもオーケー

勿論ひたすらにえろくてえちくてむはむはんぷーな話でストレス発散(…するのか?)も大歓迎だ!

あーもー、決算のばか…知らないんだからね!
411 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/08(月) 18:06:44.38 ID:smjOKcgo
>>410
お前もうその設定で書いちゃえよ
412 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/08(月) 18:38:24.86 ID:bA.Khcgo
うその設定・・・だと・・・
413 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage ]:2009/06/08(月) 21:02:43.91 ID:TQar12AO

 ―――無垢は無知という名の罪である。

 倫理の授業中に聞いた、どこぞの哲学者が残した言葉を今更実感するなんて―――。
 長くなった艶のある髪を、裁縫箱に仕舞ってあった裁ちバサミで切りつつ、泣きながら……そんなことを思った。

 まだ夜も明けきらない午前四時。

 ……大丈夫、まだ由菜は寝てるはず。……慌てるなっ、慌てるな……ッ!

「……おにーちゃん?」

 まだ眠気を帯びた僕の妹の声が背後から響く。
 ……心臓が口から飛び出そうになった。今ので寿命、5年は縮んだんじゃないのか?

「……ど、どうしたんだい?」

 息を限界まで吸い込んで、喉を締め付け、極限まで声を低くして。僕は声を掛けた。
 ……由菜に……妹に背中を向けたまま。

「あのね、その……」
「……トイレかい?」
「……うん」
「一人で行けそう?」
「……うん、ちょっと、こわいけど。がまんする。
 おにーちゃんのおよめさんになれないもん……」

 そう言って、妹は玄関先にあるトイレまで、おぼつかない足取りで向かう。
 あぁ……由菜、お前は本当にいい子だ。愚直なまでに僕の言いつけを守ってくれて。
 それなのに……僕は今、そんな純朴な妹の頭を撫でることも出来ないなんて。

「くそ………っ!」

 そう毒づいた僕の声は……紛うことなきソプラノになっていた。



>>410の原案を元に試験的に書いてみたけど、こんな感じなのかぁ?
414 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/08(月) 22:41:08.72 ID:th4PVrs0
>>413
携帯から書いてたのか……。
415 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/08(月) 23:08:07.04 ID:TQar12AO
>>414
前から言ってなかったっけ?
416 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/09(火) 00:45:15.32 ID:WWcJSrA0
携帯で打ち込むとか大変だろう。
パソコンないの?
417 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/09(火) 00:50:09.29 ID:Zg.htCA0
結構携帯で書いてる人いるんじゃないか?
出先でも空いた時間使えるし

とりあえずGJ!
こっちの続きも書いてほしいな
418 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/09(火) 12:16:53.29 ID:LVGbhZA0
>>413
ブラボー!
押しつぶされそうな主人公の心の葛藤がイイネ!
余裕があるなら続きも頑張ってほしい

>>411
流石の俺も決算のせいで女体化しちゃう物語は荷が重すぎるんだぜww
419 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/09(火) 18:49:52.28 ID:wr9A8GE0
15,16時位までに決算を提出しなければ女体化する世界だったら
420 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/10(水) 00:03:28.14 ID:Nk3Qklwo
あれ
パー速ってエロどんくらい大丈夫だっけ?
421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/10(水) 04:57:27.18 ID:3.qcmH60
規制されてるからこっちで
徹夜のノリで仕上げたぜやっほい
リアルタイムでVIPに落としてくれる人とかいたら頼む

>エロどんくらい
わかんないんです><
422 : ◆veGtaVgeKE :2009/06/10(水) 04:58:57.73 ID:3.qcmH60
『オーラ:男』

女体化してから変な能力が身に付いた。
まだ未経験の男の子がこれから女になるのか男のままでいられるのかが分かるというもの。
逆に言うとその“オーラ”が見えなければその男の子はもう経験済みということになる。
弟からある日突然“男のままでいるオーラ”が消えたときは、分かっていたことだけどもちょっと寂しかった。

ある秋の夕暮れ。
「ただいま」
「お、おじゃましまーす……」
聞き慣れた声と聞き慣れない声。
「おかえり。友達?」
「ああ、文化祭の準備一緒にすることになって」
「はじめまして、松本です……」
緊張してるのかな? 彼の声は今にも消え入りそうだった。
「健二の姉の綾です。ゆっくりしていってね」
私が自己紹介を終えると弟――健二はすかさず彼に言った。
「文弥、階段上がってすぐ右の部屋だから先に行っててくれ。俺はこれを運ぶから」
「うん、わかった」
階段を上がっていく文弥くんの後姿を眺めながら私は思った。
ふーん、ちょっと意外だな。
彼の“オーラ”は男を指していた。
423 : ◆veGtaVgeKE :2009/06/10(水) 04:59:34.30 ID:3.qcmH60
それから何週間か後、母に頼まれて買い物をしている最中に彼を見つけた。
「文弥くん!」
「へ? あ、綾さん! こんにちは」
「文弥くんもお買い物?」
「あ、はい。うち、両親とも帰ってくるのが遅くて」
「大変だね」
「いえ、もう慣れてますから」
スーパーを出てからも話は弾んだ。
どうやら文弥くんは私のいる高校を受験するらしいということ。
昨日見たテレビの話。隣の家の猫の話。
話に夢中になるあまり、ここが人通りの多い場所だということをすっかり忘れていた。
「きゃっ!」
「大丈夫ですか?」
自転車が横を掠めていったようだ。ひざを擦りむいた。
「僕の家ここから近いので消毒していきません?」
「えっ、いいよ別に」
「菌が入ったら大変ですよ」
「んー、じゃあお願いします」
特に断る理由も思いつかないのでついていくことになった。

「うわあ、おっきい!」
招待された屋敷に目を奪われた。
「ご両親何の仕事されてるの?」
「父が医者なんです。」
「へえー」
「じ、実は僕も目指していて……」
「そうなんだ。頑張ってね」
文弥くんは恥ずかしそうにうつむいた。
424 : ◆veGtaVgeKE :2009/06/10(水) 05:00:31.51 ID:3.qcmH60
それから季節は冬・春を過ぎ、夏に差し掛かろうとしていた。
文弥くんは希望どおり後輩として、健二は健二で頑張ったらしくそれなりの高校に入学した。
同じ学校にいるのだから文弥くんとは何度も会う機会があったのだが、その度にまだ消えない“オーラ”が気になって仕方が無かった。
というのも一年の子達はもう大半が女体化している。まさか彼に限って読み間違えたんじゃないよね。
ヒロインはいつになったら現れるのか。

ついにイライラを健二といるときに口に出してしまった。
「なんで誰も文弥くんの魅力に気付かないんだろう……」
すると健二はよく分からない言葉を投げ返してきた。
「姉ちゃんにとってはその方が都合いいんじゃないの」
「え?」
「その『誰か』が現れるまで待つわけ?」
当たり前じゃない。誰かが文弥くんを……。
自分の心臓が大きく跳ね上がるのを感じた。
何それ。嫌だ。文弥くんが他の女の子といるところなんて……。

気付いたときには家を飛び出して雨の中を走っていた。
一度だけの記憶を頼りに入り組んだ路を通り抜ける。
こんな大きな家を間違えるはずも無いが、「松本」の表札を三回ほど確認しなおしてチャイムを鳴らした。
「綾さん、どうしたんですかっ?」
あれ、と思ったけどすぐにカメラに気付いた。
「とにかく、中に入れて」

「シャワー借りるね」
「はあ……まあいいですけど。あ、洗濯機今使ってないから使っていいですよ」
「うん、ありがと」
蛇口をひねって一息つくと、急に冷静になって、今からやろうとしていることの重大さに少し身震いした。
でも、もう後には引けないんだよね。
意を決して風呂場から上がり、バスタオルだけを身に着けて私は文弥くんを探し始めた。
425 : ◆veGtaVgeKE :2009/06/10(水) 05:01:20.36 ID:3.qcmH60
文弥くんは自分の部屋と思しき場所にいた。
「ふみや……くん」
「ああああ綾さん、どうしたんですかその格好!」
「服、無いから」
「あ、そうでしたね。ちょっとま……」
私は文弥くんの言葉を遮って、ベッドの上に押し倒した。
「私、こういうの初めてだから、うまくできないかもしれないけど……」
そう言って文弥くんのシャツのボタンをひとつずつ外していく。
文弥くんは何が起きているのか飲み込めていないようで、口を開けたまま固まっている。
上半身裸にさせた後、一寸躊躇ったが、下の方にも手を掛けはじめる。
ソレが姿を現したとき、私は一瞬たじろいだ。これ、こんなに大きかったっけ。
で、ここからどうするんだろう。
これを私の……に入れるん……だよね……。

迷った挙句、文弥くんのモノを持って自分の股に押し付けようとした時だった。
「綾さん!」
「ふぁ、は、はいっ!」
慌てて手を離した。
「キスしていいですか?」
キス? うーん、そういえばいろいろすっ飛ばしちゃったかなあ。
小さくうなずいて文弥くんに唇を預ける。
実は私キスもしたことなかったんだっけ。
しばらくすると舌が絡んできて、彼の体にしがみつかずにはいられなかった。
「ん、んー!」
体が熱い。どうにかなっちゃいそう。
意識が飛びそうになって自分から唇を離した。
「はぁ……はぁ……」
426 : ◆veGtaVgeKE :2009/06/10(水) 05:01:49.03 ID:3.qcmH60
いつの間にか体勢は逆転して、私が彼を見上げる形となっていた。
「本当に、僕でいいんですね」
「文弥くん『が』いいの」
よくあるような台詞を口にしてちょっと恥ずかしくなってしまう。
「後悔しませんね」
もう。分かってるよ。私は力強くうなずいてみせた。
「じゃあ、行きますよ」
ぬるっとしたなんとも言い表せない感触が下からこみ上げてくる。
「あ、くっ……」
少し痛みが走った。
「大丈夫ですか?」
「うん、続けて」
そう言った途端、痛みは激痛に変わった。
「綾さんっ!」
「いいから……最後まで……して……お願い」
ほんの数分だったのかもしれないけど、すごく長いと思える時間が経って、私たちの体は離れた。
「ひゃっ! な、なに?」
その直後、文弥くんはいきなり私の股間に手を潜り込ませてきた。
「や、ずっと痛そうにしてたから……」
どうやらそれを和らげようということらしい。
「別にいいよ」
「でも……」
「いいのっ! 痛いほうが記憶に残るでしょ」
427 : ◆veGtaVgeKE :2009/06/10(水) 05:02:25.95 ID:3.qcmH60
事が終わってしばらく、二人で語り合っていた。
「意外と詳しかったのね……」
「一応人並みに男子ですから」
「そっか、やっぱり私は人並みじゃなかったのか」
「え?」
「ん? どうかしたの?」
「綾さんって、女体化……」
「あーそういや言ってなかったっけ。……もしかして嫌だった?」
「いや、そういうことじゃなくて。全然そういう雰囲気してなかったので」
「だよね。私も自分が男だったなんて信じられない」

ん……。ここ、どこだっけ。なんで私、裸なの?
「綾さん」
あ、そうだった、文弥くんと……。
目が覚めた時、辺りはすでに薄暗くなっていた。
「ごめん、もいっかいだけシャワー浴びていい?」
「はい、もちろん」

「じゃ、またね」
空はすっかり晴れていた。
手帳にびっしり書き込まなきゃいけない新しい予定を忘れないように、早足で帰り道を歩いてゆく。
そうだ、健二にはお礼に今度何かおごってあげないとな。
428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/10(水) 05:03:23.14 ID:3.qcmH60
おしまい
429 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/10(水) 06:39:19.13 ID:Et3M3t2P
おつっぅ♪
430 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/06/10(水) 08:45:59.12 ID:0ch8mEAO
>>427
乙です、その設定いいな、色々出来そう。
本スレにコピペ出来ないのが歯痒い……。


>>410のネタを曲解して本スレに投下したら珍妙なもんになっちまった。ごめんね>>410
431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/10(水) 09:22:44.18 ID:wOE/R5.o
>>427
乙!
なぜ本スレに投下しないんだwwwwww
432 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/10(水) 12:24:24.38 ID:faZCUgQ0
>>430
俺が悶々と温めてても腐っちまうからイインダヨー
テーレッテー
「秘孔をついた、お前は3秒後ボンッだ」
「何をバカなことを…あべしッ」(巨乳にょた化)
なんて寒い話になりかけてたからなww
むしろすばらしい作品に仕立て上げてくれて嬉しい、GJ!

>>427
隠しても分かるぞ!
>「だよね。私も自分が男だったなんて信じられない」
>
>ん……。ここ、どこだっけ。なんで私、裸なの?
この行間に「本当に全部女の子になったのか確かめます」とか言われて
可愛く囀っちゃう綾さんの描写があったはずだ!
えちぃのはみんなで楽しむべきだと思います!
だからGJはしてあげないww
433 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/10(水) 15:08:48.99 ID:3.qcmH60
授業オワタ

>>430
どぞどぞ

>>431
だからVIP規制中なんだってwwww俺涙目wwwwww

>>432
書いてくれるんですね、ありがとう
434 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/10(水) 22:59:01.13 ID:TS0PH/.o
ucomの俺は今月20日にようやく規制が解除されるかもしれないぜ
4月末からそこまでずーっと規制だったとか普通に泣けるんですよ
435 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/10(水) 23:06:51.43 ID:3.qcmH60
共に頑張ろうず
436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/10(水) 23:37:34.59 ID:wOE/R5.o
>>433
まじかよwwwwww
早く解除されるといいな!本スレにて待つ!
437 : ◆veGtaVgeKE :2009/06/11(木) 01:50:13.82 ID:FJNrXGI0
楽しそうで何よりです
ちくしょう

なんか思いついた単発修学旅行ネタ


「いい湯だなぁ、心が癒される」
「そんな爺さんみたいなこと言うなよ」
笑いが大きな浴場に響く。
湯船に浸かると修学旅行初日の疲れた体かこう……なんだか…………すぅ……。

「気が付いた?」
意識が戻ったとき、俺の目に入ってきたのは旅館の天井と保健の先生の心配そうな顔だった。
「先生……」
あれ? 声がおかしい。
喉に手を当てようとして……先に別のものに手が触れた。
「ふに?」
体を見下ろすと、浴衣の中から二つのふくらみが顔を覗かせている。
「お風呂でのぼせている間に女体化したそうよ。班の子達が運んできてくれたの」
なるほど、あいつらが……ん? ちょっと待てよ。
思考、フリーズ。
先生をどう振り切ったかは覚えてないが、旅館の中を走り回って、気付いた時にはある部屋の目の前に立っていた。

戸を開けると、彼らは気まずそうにこっちを振り返った。
「お前ら……み、見た……なっ!」
理不尽な八つ当たりだとは分かっていても、しょうがないじゃない。
自分で女体化したことすら知らないうちに裸を見られたんだから。
十分後、俺はその部屋に死屍累々を築き上げたのだった。
438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/11(木) 02:02:52.77 ID:FJNrXGI0
本スレの人たちも乙です
寝る
439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/11(木) 02:11:02.96 ID:kU2tWws0
GJwwww そういうシチュエーションもありだww
●あまってるらしいけど貰ったら?
440 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/11(木) 05:30:43.96 ID:v5TS0P.P
おお 貰ってくれる人いるか?

すてアドを 避難所スレに置いてくるわ
441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/11(木) 12:19:52.25 ID:jubIrpU0
>>433
ちょ、なんでそうなるww
…時間ができたら本気で書いちゃうゾ?
442 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/11(木) 21:24:47.70 ID:FJNrXGI0
>>440
あなたがかみか
でも使わないかもしんない

>>441
わぁい
443 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/11(木) 23:04:51.93 ID:NC9rKzIo
次スレすぐに落ちたwwwwwwww
444 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/11(木) 23:21:20.76 ID:FJNrXGI0
てかさっき調べたら7日に立ったスレで残ってるのがあったよ
445 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/11(木) 23:34:59.25 ID:Bp7RDAEo
マジか…何があったんだろう

…もう疲れたからあんまり追いたくないんだが
446 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/11(木) 23:37:05.16 ID:FJNrXGI0
何か勘違いしてるかもしれないけど>>444はこのスレのことじゃなくて「VIPで」って意味だからな
447 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/11(木) 23:37:31.65 ID:Bp7RDAEo
とか言ってたら普通にレス無しで落ちたな
448 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/11(木) 23:38:35.44 ID:FJNrXGI0
つまり3日落ちじゃないよって言いたかっただけです
449 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/11(木) 23:42:11.00 ID:FJNrXGI0
あらほんと
450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/12(金) 00:16:02.80 ID:okk1QxYo
もしかして落ちた?
451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/12(金) 00:26:51.10 ID:dUVr99c0
次スレは金曜の夜くらいでいいかし
それなら人も集まるんじゃないかな、週末だし
452 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/12(金) 00:47:27.29 ID:Sr2QK0w0
まあ金曜日って実は今日だし
453 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/12(金) 05:26:35.28 ID:eViZfO.P
wwwwww
ワクテカ
454 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/12(金) 23:25:04.61 ID:Sr2QK0w0
スレがたったよ! やったねたえちゃん!

http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1244815813/
455 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/13(土) 02:31:53.93 ID:Y6lP3Gco
ぐぬぬ、俺はまだ規制巻き込まれ中なのだ
456 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/13(土) 02:41:10.67 ID:1erh80k0
俺漏れも
457 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/13(土) 04:01:21.17 ID:dvJCASIP
だから避難所スレー
458 :安価:巨乳、幼馴染み ◆tUUMAZGdHU :2009/06/13(土) 19:31:35.01 ID:8yS9VYk0
梅雨に入ったかまだ入っていないか、雨が降ったり晴れたりという曖昧な天気が続く6月の頭の休日。傘のいらない距離の友人宅へ向かって歩いている。
幼馴染みと言うか腐れ縁と言うか、とにかく気の置けない友人の一人だ。
ちなみに天気は雨。雨足が弱くて助かったもんだよ。
なんて思ったらそいつの家の10メートル手前辺りから急に雨足が強くなる。
当然走る、が少し濡れてしまった。
ふぅ… やれやれ
インターホンを押す。アポなんか要らない間柄だ。

・・・。

返事がない。留守か?
携帯に掛けてみるかな。

・・・。

出ない。
仕方ないな。帰ろう…

行きと違って全力で走る。大して早くない平均的な足だが、これ以上濡れたくはないしな。
どこかで仕入れた知識だが、歩いたほうが濡れないとかなんとか。
もう濡れてるからどっちも一緒だ、と無駄な思考を止めさせる。
459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/13(土) 19:32:51.62 ID:8yS9VYk0
自宅まであと数mと迫った曲がり角、俺と同じように雨の中を走っている誰かが視界に飛び込んで来た。
互いに認識するも急には止まれない。
なんとか踏みとどまって倒れそうな相手に手を伸ばす。

むにょん

「すいません。大丈夫ですか?」

「あ、はい。 あ…」

「怪我とか無いでs… あ!」
俺は鷲掴みにしていたのだ。

「す、すいません!これはその… 事故です事故!」
あああなんという事を…

「分かったから、じゃあな青木。」

「おう、じゃあな え…?」
なんで俺の名前を?
時が止まったかの様に立ち尽くしてしまった。
ぶつかってしまった子はとうに視界から消えてしまっている。
十数分後、買い物から帰って来た母親の声で我に帰り、追われるように自宅へ入った。

彼女が女体化した幼馴染みだと知るのは火曜日の事になった。
460 :さまのすけ ◆tUUMAZGdHU :2009/06/13(土) 19:36:07.84 ID:8yS9VYk0
おしまいです
本スレに投げようとしたら落ちてた
461 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/13(土) 22:23:01.01 ID:nv0fpVo0
GJ!
462 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/13(土) 22:27:48.21 ID:1erh80k0
わっふるわっふる
463 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/14(日) 23:19:20.64 ID:Eo8QOZk0
パー速とは言えまだ存在していた事に驚きを隠せない
464 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/15(月) 00:14:58.88 ID:H.dP/2Uo
脅威のテクノロジー
465 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/15(月) 00:21:26.44 ID:dQ56YbMo
存在するだけ、ならパー速でいくらでもできるな
存続は難しいが
466 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/17(水) 23:56:43.94 ID:kr5awqIo
時間見つけて一本かいてみるか・・・
467 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/19(金) 01:07:44.77 ID:MFj3iMAO
>>466
投下してくれるのはありがたい。
が、どこぞの合成着色料みたいなコテみたいに焦らしプレイは勘弁な
468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/19(金) 01:39:14.55 ID:7sBBbc.o
まぁ落すからには
作りながら作りながらよりも
完成したやつをザシュッと落したいね
469 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/19(金) 05:55:49.58 ID:w0133As0
>>467
焦らしてないで早く何か書いてよ
470 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/19(金) 14:31:55.09 ID:.wKdt2AO
今日もまとめは変化なし…
471 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/20(土) 02:34:48.64 ID:WH3Rsio0
まとめを良く見てみなさい
更新履歴とか
472 :青色1号 [sage]:2009/06/20(土) 07:51:48.92 ID:/tACUsAO
>>469
呼んだ?
473 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/22(月) 09:27:01.93 ID:ZdWKI6DO
安価くれくれ↓
474 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/22(月) 11:24:17.83 ID:j7rcGm20
安価出たら何で取るかよく考えるのにいざ安価出ると忘れちゃうんだよな

安価なら「水着」
475 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/22(月) 18:55:17.61 ID:FNy4u8Y0
水着把握
476 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/24(水) 23:25:23.49 ID:TwD3s6Eo
そろそろ過疎過ぎて定期的に書き込みたくなる
477 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/28(日) 22:36:24.76 ID:IZzayRQo
とりあえず保守っとく
478 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/30(火) 00:51:49.57 ID:5qWejrg0
俺も
479 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/30(火) 10:26:28.20 ID:w0UipfQ0
やってることは大差ないのに
どうしてVIPのツンデレスレはあんなに
繁盛してるんだろう
単純に人口の差なのかテンプレキャラが固まってるからなのか
480 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/30(火) 15:28:23.55 ID:pziACgY0
ツンデレって単語の知名度にあるんじゃない?
今オタクじゃ無い人でも知ってる単語だし
このスレだって昔はスッゴク繁盛してたんだぞ
人が集まって賑やかになれば繁盛するさ
481 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/30(火) 16:37:07.40 ID:T4nPHHA0
そんな世界なら
そうなるまえに親が風俗につれていくことになると思うが

いや真面目な話
まぁ・・・娘が欲しい親なら別だが
482 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/30(火) 16:52:43.72 ID:fuNVocDO
美人になれるならそんな世界も悪くないと思う


ただ単に今の顔を潰したいだけ
483 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/30(火) 18:16:57.23 ID:3mtlsEDO
流れぶったですまないが最近女体化物の漫画見つけて思わず衝動買いしてしまった。
世界の果てで愛ましょうって奴なんだがよかったら見て見るといいお
484 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/30(火) 22:01:15.58 ID:mrPoV6go
どこのスレだっけ
それの紹介見た気がするな ここだっけ

ょぅι゙ょ化だが、一年生になっちゃったら ってのも最近見つけた
485 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/01(水) 01:42:53.61 ID:Pm0GHBAo
くるくるくーるはなかなかよかった
486 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/01(水) 07:28:45.88 ID:JcJe1.DO
>>483-484
どっちも読んでる俺が来ましたよ
487 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/01(水) 13:33:51.33 ID:9HCBWgDO
↑そんな珍しくない
488 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/01(水) 16:41:49.08 ID:yrHLzdk0
雨のち晴れでも読んで来いよ
489 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/01(水) 16:41:50.38 ID:GEJjQS.0
ここでけんぷファー
490 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/04(土) 14:48:53.41 ID:Pq3TOQo0
もうこのスレってずっと見かけてない気がするけど
VIPで立てるのはやめたのか?
491 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/04(土) 21:41:44.40 ID:8wvsWgg0
たまに立てたり立てなかったり
492 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/08(水) 16:45:37.18 ID:1ipTFUA0
安価してみる↓
493 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/08(水) 18:32:10.56 ID:KS.WAhgo
手料理的な
494 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/11(土) 22:02:09.10 ID:oKueQcDO
エロ満載
495 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/14(火) 06:24:22.33 ID:JJzKdEDO
まとめ見れないのは俺だけ?
496 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/14(火) 10:24:53.49 ID:xS4vzqo0
俺も安価しよう↓
497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/14(火) 15:28:56.76 ID:UDrrHVgo
夏風邪
498 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/14(火) 16:27:26.58 ID:xS4vzqo0
安価「夏風邪」

「な、なぁ、お前さぁ……」
「なんだ?」
「その、それってにょt
「夏風邪だ」
「なつ……かぜ……?」
「そうだ、夏風邪をこじらせた」
「そ、そうなのか?」
「お前も気をつけろ、今年の夏風邪はかなり体調にクる
 俺は普段から鍛えていたから何とかなったが、体力が無い人間にとってはかなり危険だ」
「いや、どこから見てもにょt
「ひょっとしたら噂に聞いた豚インフルエンザかもしれん……世相に疎い俺でもフェイズ6の話くらい聞いているぞ?」
「とんフルは関係ないんじゃ……」
「む? まさか化学兵器とかを心配しているのか?
 大丈夫だ、少佐に問い合わせたがそういった報告は上がっていない」
「少佐ッスか」
「うむ、これ以上は軍規に関わるので話せないが、信頼できる情報なのは俺が保証する」
「わかった、また後でな」
「うむ」

残念ながらオレでは色々と力不足のようだ。
仕方がない、2時間目の体育で彼……いや、彼女の着替えをたっぷり堪能してからもう一度真実を伝えてみよう。
499 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/14(火) 16:29:17.03 ID:xS4vzqo0
我ながら適当だwwww
もいっこください↓
500 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/14(火) 16:47:38.11 ID:UDrrHVgo
扇風機
501 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/14(火) 18:11:14.80 ID:xS4vzqo0
安価「扇風機」


「あーつーい゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛」

女体化して初めての夏。
俺はこのとき、初めて女体化したことを後悔した。

「こんな責苦を毎年味わっていたとは……正直オンナノコ舐めてました」

扇風機に語りかけ、深々と頭を下げる。
自分でもアホなコトしてると思うが、それはきっと夏のせいだろう。
なにしろ頭と足廻りが暑いわペトつくわウザったいわ……男時代には経験したことがないレベルの不快感なのだ。
頭は三つ編みにしてるのでまだいいのだが、下半身の方が風通し最悪。
熱がこもってこもって……ビニールハウス状態?
薄手とはいえさすがワンピース、男どもの視線を遮ってくれるだけじゃないぜ!

「ゆ゛ー、た゛ー、る゛ー、そ゛ー」

着替えればいいじゃないかって?
バカな、夏で美少女とくれば白いワンピに麦わら帽子だろう?
これは何があっても譲れない、そうだろうジョニー!?
架空のジョニーにサムズアップしながらぽてんと床に倒れこんでみる俺。
あ、ひんやりしててイイ。フローリングさんてばGJです。

はわわー……と寝転がっていると、何者かに足をくすぐられた。
ん? オフクロ様は買い物で家には俺しか居ないはずだが……。
身体をおこしてみると、扇風機さんがふぃぃ〜んと俺のくるぶしに風を送っていた。

「むむぅ、扇風機さんはテクニシャンなのですな?」

誰も居ないのをいいことに、寝転がってる位置をずらしつつ膝を立て、仰向けになってみる。
すると、もくろみ通りスカートの内側に扇風機の風が舞いこんできた。

「あ〜、これいいかも〜」

不快指数200%だった場所に平穏が訪れる。
素晴らしい……古来から女子達はこうやって夏をしのいできたのではないだろうか。
これはぜひ風量を「中」にするべき。
単純明快な改善案を脳内会議であっさり可決し、俺は禁断の領域に踏み込んだ。
502 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/14(火) 18:13:16.14 ID:xS4vzqo0
「ふぉぉ、これは……」

心地よさに言葉が詰まる。
スカートの裾から入り込んだ風は、俺の乙女なやわ肌を撫であげていき、肩口や襟元から出て行く。
時折、行き場を失った風がワンピースを優しく持ち上げ、俺を戸惑わせる。

「なんか、愛撫されるってこんな感じなのかもしれないな……」

ふと呟いてから気づいた。
これっていわゆるセイジョウイってヤツに近くないですか?
となると、俺ってば扇風機に抱かれてるってこと?

「ん……扇風機さぁん、きもちいぃ……」

冗談めかして呟いてみる。
すると偶然胸元に溜まっていた風がぬけ、ワンピースの生地が胸の先端をくすぐっていく。

「ふぁ……」

冗談ではない声が漏れる。
身じろぎした際に風の流れが変わったのか、今度は脇を撫であげられてしまう。

「はぅ……わたし、扇風機さんに犯されちゃってる……」

優しい愛撫に晒され、意識してもいないのに弱々しくイヤイヤしてしまう。
そんな風になってしまった私を、ひんやりフローリングさんがしっかりと支えてくれてる。

「どうしよう……はじめてなのに気持ちいいいよぅ」

二人がかりの責めに翻弄されてしまう。
全身をくすぐられ、愛され、包まれて……感じちゃってる。
503 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/14(火) 18:14:35.85 ID:xS4vzqo0
ぼーっとした視線の先で、テレビやゲーム機と目が合う。

「はぅ……見られてる……みられちゃってるよぅ……」

テレビだけじゃない。
クッションやソファ、時計やカレンダーが、私が扇風機にイかされちゃう瞬間を見守ろうとしてる。

「あ……あぁ……もうダメ、気持ちイイのだめぇ……」

そんな赦しの言葉など通るはずもなく、容赦ない愛撫を続ける扇風機さん。
一緒に興奮してきたのか、アツくなってきたフローリングさん。
他のみんなも、まるで視線だけで私を悦ばせようとしているようで……。

「わたし……わたしっ、んん――ッ!」


そして起こる停電。

薄暗がりの中で取り残される私。
たぶんこの瞬間、同じ想いの少女達が沢山いることだろう。
私の事はいい。でも、彼女達が不憫でならない。

「そうだ、ダムを作ろう……安定した電気の供給は女体化者の手に委ねられるべき」

そして世界は新しい時代に歩み始めるのであった。



ぃよしっ、エロにしてやったぜ俺ぐっじょびwwwwww

いやホントごめんなさいorz
504 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/14(火) 18:23:29.91 ID:ZNhKbDko
ばかだwwwwwwww
505 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/14(火) 18:41:42.40 ID:xS4vzqo0
ばかじゃないもん、えっちぃだけだもんwwww

まぁ、たまには保守がわりと言う事で

あとは任せたっ!
506 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/14(火) 19:12:37.47 ID:UDrrHVgo
いやGJ
こういうのすぐ書けるのうらやましいわwwwwww
507 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/14(火) 20:47:13.75 ID:u4.QsLw0
GJ!
508 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/14(火) 22:03:45.19 ID:8fzB9SE0
ねたがわかん
あんかした
509 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/14(火) 22:16:28.04 ID:ZNhKbDko
腐の世界に目覚めるにょた
510 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/14(火) 22:43:36.10 ID:8fzB9SE0
はあく
511 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/15(水) 00:10:12.13 ID:inYG74M0
チェンジH pinkは、TSアンソロジーって書いてあるけどTSものより女装男装のほうが多いみたいだぜ
注意だ
512 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/15(水) 15:06:57.51 ID:qDxvKMDO
>>511
俺、火曜に…


買ったんだ…
513 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/15(水) 15:14:30.07 ID:2AsKyzYo
犠牲に・・・なったのだ・・・タイトルの犠牲に・・・
514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/15(水) 18:10:54.40 ID:i7GVb5c0
漫画板のスレ見ると多いどころじゃないらしいな
515 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/15(水) 21:29:08.42 ID:hF7zVgQ0
あんか「腐の世界に目覚めるにょた」

女体化してからしばらくして、本能的思考に少々影響が出始めた。
俺の性的興味は女性に対して向かなくなった。
しかし、男性に向いているわけではないのだ。
そんな苦悩を続ける俺に救いの手を…いや、ちょっかいを出してきたのは、幼なじみの幸だった。
明るく活発で、容姿もそれなり以上ではあるのだが、なぜか恋人を作らないのである。
最初は、幼なじみである俺に惹かれてるからではないかと思っていた時もありました。
何はともあれ、今では同じ女として相談役になってもらったりと、それなりに良い関係は続いていた。
恋ができない。してないと気持ち悪い。そんな青春まっさかりの俺は幾度と無く悩み続けていた。
そこで、恋が出来ない俺にいい薬がある。
と、幸がとある話を持ち掛けてきたのだ。

「もっと、いろいろな世界を知ってみたらいいんじゃない?
今度、似た者同士が集まるイベントがあってね、彼方も一緒に行こうよ」

俺は 『それもありか』 とその申し出を了承した。
それが、何のイベントであるか知ろうともせず…

当日、そのイベントに向けて、個人的に正装をしておいた。ある程度万人受けをねらったつもりだが、どうだろう。

「へぇ〜ま、ありなんじゃない?…なんてね…かわいいじゃない。やっぱちがうなぁ。彼方、男の時から服装には凝ってたけど、まさかこっちでもセンスを発揮するとはね…」

男だった時、友達とよく女の服装や着こなしの品評会をやってたからな。勿論女子たちには内緒だったが。

「うそぉ〜!それヒドイ!」

「いいじゃん、"私"もされる側になってるんだし」

そんな雑談を繰り広げながら、俺達はイベント会場行きの電車に乗る。
明らかに人が多い。そして明らかにこれは…読めた、読めたぞ。
これは…俗に言うオタク会だな。
やってくれる。これで幸が今まで恋人の一人すら、俺にすら目を向けなかった理由がわかった気がする。
516 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/15(水) 21:30:12.39 ID:hF7zVgQ0
「なぁ幸…?」

「気付いた?まぁ、これも経験。何事も経験!」

「じょ、冗談じゃ…」

オタクに耐性の無い俺はしばらく気が遠退いていた・・・

しかし、この人の多さに圧倒された。まさか、幸の同志がここまでの数存在するとは・・・。
人間、数いれば怖くないと言うが、そう言った心境なのだろうか?俺にはわからん。
結局、幸にイロイロと振り回され、精魂尽き果てそうになった時、俺に人生の転機が訪れた。

「ねぇ、あのこ、のコスだよね?」

「やっぱかわいいなぁ」

「おぉ?あれはまさしくレア私服!!しかもかなり似てるね!」

「あの!写真いいですか?あの、ポーズいいかな?」

ポーズ?なにそれ、どういう事?

「えっ!えっとその・・・」

「ちがうよ!アカネたんはそんなんじゃないよ!もっとこう!!」

彼らの気迫に押されてしどろもどろになり、わけがわからなくなってきた。
それでも彼らは否応なしに迫ってくるのだ。
俺はたまらず悪漢達に囲まれたかのような状況に、たまらず泣きだしそうになる。

「嫌がってるんじゃ・・・ないかな?」

「誰かと思えば、へたれクリフォードktkrwwwwwwww」

「男はかえれwwwwwwww」

へたれクリフォードと呼ばれた人物に数々の罵声が投げられる。
しかし、この男、この場には場違いとも思えるほどのファンタジーに出てくる騎士のような服装をしている。
だが、どうやらこの人物は俺をかばってくれているようだが。
さっきまで泣き出しそうだったのに、急な展開にあっけにとられ、俺は呆然と立ち尽くしていた。

「最初に言っておくが、ここのマナーはご存知かな?守れないのならば、即座にご退散願おう」

キャラになりきっているかのような台詞回しで、淡々と相手に注意を投げかける。

「なんだよ、わかってるよそんなこと」

気の悪い奴らだ。さっきまでは寄ってたかってすき放題言っていたのに、ちょっと注意されただけで何も無かったかのように逃げ出すなんて。
それに比べてあの・・・へたれ・・・・なんだっけ・・・・。
517 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/15(水) 21:31:45.62 ID:hF7zVgQ0
「あの・・・・大丈夫ですか?」

「え?あ、はい!」

「ああいう人たちもいるから、困ったらすぐ逃げたらいいですよ」

「えっと・・・その、圧倒されてしまって」

「あはははは・・・・ごめんね。あんな人ばかりじゃないんですけどね」

「・・・・・・」
貴方のような人がいるじゃないですか。
と、言いたかったが恥ずかしくて口に出せなかった。

「彼方ちゃーん!ごめーん!あたしだけ先にいっちゃって!」
遠くから幸の声が聞こえてきた。その声に反応するように振り向くと、へたれなんとかさんは最後にこう言った。

「それでは気を付けてくださいね。あ、よかったらうちのブースよってみてください。では・・・・」

「あ・・・!はい、その・・・・本当にありがとうございました」

へたれ何とかさんは軽くはにかむと、人ごみの中に消えていった。

「あの人、何て言うのかな…」
俺はつい、こんな言葉を口にしてしまった。

「ん?あーーーー!もしかして、目覚めちゃった!?」

「あの人、何て人か知ってる?」

「クリフォード様!」

「クリフォード様…」
男女でのこの温度差。男には相当嫌われているらしい。
しかし、今の俺にはそんな温度差などどうでもよかった。

「会えそうな場所に行ってみる?」

「うん」

その後、腐の世界にどっぷりはまってしまったのは言うまでもなかったのだが・・・このとき、俺が恋したのは彼自身なのか、それともキャラなのか、もう今となっては定かではない。

まじめにかきすぎたきがしなくもない。みんなのせんすにはいつもおどろかされるぜ。
またねたがきれたので
あんかした
518 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/15(水) 21:48:04.04 ID:SGi/qJ2o
クリフォード様もにょた
519 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/15(水) 22:46:44.10 ID:hF7zVgQ0
あんかはあく
せっかくなのでつづきもので
520 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/16(木) 10:25:02.44 ID:mvrIVzo0
乙女にょたイイヨイイヨー
続きwwktkっす!

ところで、にょたのえちぃおはなしを極めたいのだが
どうしても「初々しい女の子」みたいなイメージが払拭できない
にょたならではのモエなリアクションとかえちぃ反応とかって
みんな何処で勉強してるんだ?
まさか俺の知らないうちに一家に一台かわぃぃにょたっこ、なんてことになってないよな?
521 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/16(木) 10:26:07.56 ID:mvrIVzo0
しまった、全角でwを書くとダブルんだったっけか…orz
522 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/16(木) 11:12:17.04 ID:n.4FsUSO
それが君の中に潜むにょただ、それを払拭することは君自身を否定することになる

俺は好きだぞ、初々しい感じは

実際の女の子はもっと…
いや、やめておこう

ここはにょたっこスレなのだからな
523 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/16(木) 11:57:29.43 ID:svMHGlY0
性別的な意味での乙女も結構いそうだけど・・・
524 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/16(木) 12:11:40.69 ID:mvrIVzo0
>>522
くっ、なんか一見カッコいいけど実はヘンタイな事を言われた気がする!
それに実際の女の子はもっと…もっと何だとというんだ?
まさか、えちぃのか?えろんえろんだというのか!?
くそぅ、>>522のせいで
初々しいにょたがえろんえろんな女の子に染められてしまう妄想がッ!

>>523
なるほど、そしてその中に本物のにょたも混ざっているということか
これはスレ内で魔女裁判ならぬにょた裁判をおこなって
にょた炙り出しを始めなければな!
525 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/16(木) 13:02:30.79 ID:UZtAEcEo
君のにょた妄想が乙女なのならば、それは君がそうなのだろう
ならでは、というのはいまいち良く解らないが、自らの内に秘める妄想が君のスタンドだ!
じゃなくてにょたの表出だ!勉強なんてしてねぇ!
526 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/16(木) 13:59:48.99 ID:mvrIVzo0
「それが君の中に潜むにょただ、それを払拭することは君自身を否定することになる」

女体化して一週間経ったある日の夕方、いきなり見知らぬ522さんにそう告げられた。
僕はただ、咲きかけのひまわりに「また明日ね」って挨拶してただけなのに。

「花を慈しむその心……それこそがにょたの源泉だ
 君はただ心穏やかに、魂の囁きに耳を傾けていればいい」

一方的かつ勝手な決め付けに反感を覚える。
確かに最近、なんとなく、ほんのちょっとだけど、気持ちがどんどん女の子に傾いている気がしてる。
だけど、そうい事をいきなり指摘してくる522さんに、強い拒否感を覚えてしまうのだ。

「違います、僕はひまわりさんなんか見てません」
「今はまだそれでいい……だが、にょたを不安がる必要など無いのだよ」

なんで僕よりも僕の事を理解しているような言い方をするのだろう。
しかも「当たらずとも遠からず」な所を突いてくるから余計に腹立たしく感じる。

「だめだ、その気持ちは良くない……にょたの暗黒面に堕ちてしまう!」
「そうだ、君の内に秘めたる乙女心を素直に解放するんだ! 無理して抑えつけ、歪ませてはいけない!」

突然後ろから525さんに叫ばれて、ビクっとしてしまう。
僕のことを見つめていたのは522さんだけでは無かったのだ。

「あ……ぅ……グス……」

見知らぬ人達に囲まれて、僕はとてつもない不安に襲われ、勝手に涙が溢れてきてしまう。
それどころじゃない、一刻も早く逃げなければ……と、男だった頃に培った僕の理性が叫んでいるのに
女体化してしまった僕の気持ちの方が、幼い女の子のように恐れ、怯え、萎縮してしまっているのだ。

「む……これはいかん」
「うむ、こうなっては彼女の身体を刺激して、無理やり少女として安定させるしか……」

座り込んでしまった僕に覆いかぶさるように迫る二人の手。
何も出来ない僕は、その無慈悲な4本の手に良いように扱おうと……


ここまで妄想して523さんを絡めようと思ったが
523さん自体が性別的に乙女か確証ないので
このままではにょたの暗黒面に落ちてコーホーしてしまうじゃないか、どうしてくれるww
527 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/16(木) 18:36:11.06 ID:JYQBYa.0
来て早々麦茶吹いたwwwwwwwwwwwwマジ自重s
 
いいぞもっとやれ
 
 
ついでに安価下↓
528 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/16(木) 18:38:22.74 ID:mFUg2Rc0
猫を飼いました
529 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/16(木) 19:38:58.66 ID:JYQBYa.0
把握
530 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/16(木) 20:59:43.11 ID:svMHGlY0
>>526
俺女だけど好きなだけ妄想すると良い
531 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/16(木) 21:11:11.87 ID:mFUg2Rc0
俺っ娘とな
532 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/16(木) 21:18:03.39 ID:JYQBYa.0
新しいような気がしたがこのスレにはよくある事だった
533 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/16(木) 21:21:19.81 ID:fxnQXOA0
なるほど、おれたちは俺っ娘やら僕っ娘やらに
しかんされていたんだな
わるくない

あんかをもうひとつもらおう
あんかした
534 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/16(木) 21:38:14.44 ID:FjtfWRIo
期末テスト
535 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/16(木) 21:43:48.45 ID:fxnQXOA0
はあく

まったく、おれはどれだけひまなんだ
このすれにはりつきとはな

いいだろう、おれひとりでもはりついてこびりついてやる
536 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/16(木) 21:45:28.40 ID:FjtfWRIo
大丈夫か
あんまり書いてないけど俺もいるからwwww
537 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/16(木) 21:49:22.61 ID:JYQBYa.0
俺もいる
538 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/16(木) 23:38:56.58 ID:fxnQXOA0
あんか『クリフォード様もにょた』

あれから、しばらくクリフォード様関連のブースは回ったものの、彼本人はみつからなかった。
幸はドウジンシ?とかグッズを買わせたかったようなのだが、初見にはどれをどう判断していいものかわからなかった。
それに俺、金ほとんどもってなかったんだ。この服、結構高かったから・・・・。
「残念でした。もう彼方はクリフォード様だけを愛しなさい。帰ったらDVD貸したげるからさ!」
「え?」
「え?って、あんた、あれアニメのキャラよ?」
「そうなの!?」
「ま、いいわ・・・見れば面白さもわかるでしょ」
幸は、半ば呆れた口調でそういってのけた。
だってさ、俺パンピーよ?アニメ見るくらいなら、音楽聴いたり、服の雑誌眺めてた人間よ?
でも、ちょっとは興味持ったかも。
その後、幸からクリフォード様の出てくるアニメDVDを借りてきた。明日も休みだし、じっくり見てみるかな。
「へぇ〜最近のアニメもなかなか・・・・おもしろいじゃん」
よく作られている。そう感じた。早々とアニメに見切りをつけた俺は時代遅れだったのかもしれない。
そうそう、肝心のクリフォード様のへたれっぷりも男だった時の自分がそう感じたが、なんかこの本能を擽られる感じというか、いざと言うときは真価を発揮する男っぷりがなんかこう・・・・。
俺にとってグッときた。
ふむふむ、クリフォードっと・・・・
DVDを見終わり、感傷に浸っていた俺はおもむろにインターネットでその名前を検索し始めた。
とある掲示板ではキャラについての考察を賛否両論で語り合っていたり、絵を描いて公開してるひともいた。
驚いたのは、ああいうイベントで撮影した写真をも公開している人もいたのだ。
あの人はいないのかな・・・・。
さらにコスプレで検索を絞っていくと、沢山の検索結果や関連項目が表示されていく。
多すぎる・・・。

例のクリフォード様捜索に一体何時間かかっただろうか。
つ い に !発見したのだ!
俺は歓喜した。同時に胸がドキドキと高鳴っていく。
「あっ!やっぱりこの人だ!!」
ホームページを読んでいくと、あのクリフォード様の格好をした人は零という名前だとわかった。
「かっこいいなぁ・・・」
あれ?俺今なんて言った?
自分で自分の発言が信じられなかった。けど、これもいい傾向なのだろうか。俺が女として開花していくための・・・・。

さて、しっかり堪能させていただいたことだし・・・・お便りのところから、先日のお礼をメールで送っておくかな。
539 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/16(木) 23:40:28.14 ID:fxnQXOA0
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件名:先日はありがとうございました
本当の名前は零さんって言うんですね。私は彼方(かなた)といいます。
先日のイベント会場では、危ないところを助けて頂いてありがとうございました。
わかりますか・・・?
あの後、友達にも手伝ってもらって、色々回ってお店を探したのですが、やっぱりよくわらなくて・・・・。
ごめんなさい。
実は、あの後、友達にDVDを借りて見てみたんです!
最近のアニメってすごいんですね!!
純粋にいいなぁって思いました!
特に、クリフォードさんのキャラは良かったです!
なんかその、かわいいけどカッコいいみたいな・・・・。
なんだか変ですね
目覚めちゃったかもしれません(笑)

ではでは!

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送った。もう送った。送ってしまったんだ。
送信ボタンを押す手がプルプルと震えていたと思う。
とてもドキドキする。返信が待ち遠しくて・・・・
540 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/16(木) 23:42:38.07 ID:fxnQXOA0
翌日、帰宅し食事を済ませてからパソコンを起動する。
メールメールメールメールきてないかなぁ〜〜っと。

メールきたーーーー!
あて先に零とある!これは間違いない!!!
俺はほかのスパムメールに目もくれず、歓喜に震える手でそのメールを展開する。

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送信者:零
件名:こちらでは初めまして?
こちらでは初めまして。ちがうかな?( 笑
ハンドルネームとイベントでは零って名前を使ってます。
かなた・・・彼方さんって言うんですね。へぇいい名前ですねぇ。
僕の名前なんて平凡で・・・・。
話が逸れましたね。
あの後何事もなくて安心しました。
あんな人たちばかりじゃないので、怖がらないでくださいね。
コワクナイヨーコワクナイヨー・・・げほげほ

>実は、あの後、友達にDVDを借りて見てみたんです!
>最近のアニメってすごいんですね!!
>純粋にいいなぁって思いました!
も、もしかして、彼方さんって非オタク!?
そ、そんな気がします。
だとしたらなんか恥ずかしくなってきちゃいました。

>特に、クリフォードさんのキャラは良かったです!
>なんかその、かわいいけどカッコいいみたいな・・・・。
>なんだか変ですね
変じゃないです!絶対に!
でも、クリフォードのいいところに気づいてもらえて何だかうれしいです^^

>目覚めちゃったかもしれません(笑)
目覚めてください。そして一緒に・・・げほげほ
お金のかかる趣味ですから、あまりお勧めはしませんが(僕が言うな

とにかく、安心しました。
よろしければ、またメールしてくれるとうれしいです。
では!

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よかった・・・。変に思われてなかった。
異性の送ってくるメールに一喜一憂するなんて、女体化してから一度もなかった。
やっぱ、これは恋?どうなんだろ。
いや、とにかくメールを返しておかなきゃ!
541 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/16(木) 23:44:04.05 ID:fxnQXOA0
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件名:お返事ありがとうございます!
彼方です。
気付いてもらえないんじゃないかと思って気が気じゃなかったです。
ほっとしました^^

>ハンドルネームとイベントでは零って名前を使ってます。
あ、ハンドルネームだったんですね(汗

>かなた・・・彼方さんって言うんですね。へぇいい名前ですねぇ。
>僕の名前なんて平凡で・・・・。
いい・・・・かな・・・?なんていうかちょっとなじめなかったんですけど
そういってもらえると嬉しいです!
名前・・・気になる!なんて名前なんだろう?

>コワクナイヨーコワクナイヨー・・・げほげほ
やっぱりあの集団はちょっと・・・・(笑

>も、もしかして、彼方さんって非オタク!?
>そ、そんな気がします。
>だとしたらなんか恥ずかしくなってきちゃいました。
えっと、オタクじゃありません。でした?かな?
友達に染められてしまいそうです(笑
恥ずかしいだなんて、そんなこと無いですよ!カッコよかったです!

>目覚めてください。そして一緒に・・・げほげほ
>お金のかかる趣味ですから、あまりお勧めはしませんが(僕が言うな
クリフォード様ラブ!(爆
そうですね!一緒に色々お話できると嬉しいです!
服にいっぱいお金つかっちゃったんで・・・・バイトしよっかな〜

>よろしければ、またメールしてくれるとうれしいです。
そんなそんな・・・・こちらこそ、メールもらえると嬉しいです!

ではでは!

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ふぅ・・・・。若干のアピールも含めて・・・・こんなものかな。
送信送信送信!
542 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/16(木) 23:46:09.56 ID:fxnQXOA0
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送信者:零
件名:うれしいです!
こちらも返信もらえて嬉しいです。返ってこないんじゃないかって、気が気じゃなかったです。

>名前・・・気になる!なんて名前なんだろう?
僕の名前は尚(なお)って言います。平凡ですよね。そうですよね。

>やっぱりあの集団はちょっと・・・・(笑
トラウマつくっちゃいましたね・・・なんか申し訳ない気分です。

>えっと、オタクじゃありません。でした?かな?
>友達に染められてしまいそうです(笑
>恥ずかしいだなんて、そんなこと無いですよ!カッコよかったです!
え・・・えっと・・・恥ずかしいです。
でも嬉しい・・・かな。

>クリフォード様ラブ!(爆
クリフォード様ラブ!(大爆

>そうですね!一緒に色々お話できると嬉しいです!
そ、そういってもらえると更に嬉しいです!
顔がにやけてるかも・・・・(笑

>服にいっぱいお金つかっちゃったんで・・・・バイトしよっかな〜
へぇ〜通りで!僕もおぉっ!って思ってましたけど、あの服かわいかったですよ!
バイトかぁ、うちの学校はバイト禁止なんですよね。うらやましいです。

あ、彼方さんは学生ですか?僕は高校1年生です。

たくさん聞きたいことがあるんですけど、長くなるのでこれにて!

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お〜し!手ごたえありかな。さぁ、時間はたっぷりあるよ!尚君!

こうしたやり取りのメールを何通も何日も繰り返すうち
先日のお礼がしたいので、会えませんか?
なんて破廉恥なメールを送ることとなった。
ま、最初から狙ってたんだけどね。
返事は当然OK!だった。そうだよねぇ、男ならそう答えるよね。
うん、ばっちしだ。

コスプレしてない彼はちょっと頼りない感じがしたけど、そこがまたGOOD!
顔も悪くないしー線も細くてなんかいいわー。
無理にがんばってリードしてくれてるのがさらにかわいかった。我ながら腹黒いな。

幾度ものデートやイベントを経験したのち、俺に新たな人生の転機が訪れたのだ。
まさか、こんなことになろとは・・・・すでに女である"私"は思いもしなかったのである。
543 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/16(木) 23:51:57.28 ID:fxnQXOA0
さまざまな会話のやり取りからやっとこさ聞き出した"童貞"という言葉。
彼に女体化の危機が迫っていたのだ。そして、私は色々と演出を計画したデートを画策したのだ。
そして、その当日・・・・
待ち合わせの時間に彼が来ないのだ。不安になり、メールをする。
返事が無い。
追撃メールにも返事が無い。さらに不安になり電話をかけた。
プルルルルルル・・・・
あっ出た!
「彼方です。あの・・・・なお君?」
「・・・・・ぅっ・・・・」
携帯電話の受話越しに泣き声らしき声が聞こえてくる。
「なお君だよね・・・・?どうしたの・・・?」
彼に何かあったのかと思い、私はひどく動転した。
「・・・・ぅっ・・・・声・・・・わかる・・・・かな・・・・」
電話から女性の声が聞こえてくる。
おそらく、女の声ですよ。
そう、私に告げたいのだろう。
「えっと・・・・きちゃったの・・・?」
「あぁ・・・・ごめんね・・・・」
間に合わなかったみたいだ。私の作戦は計画倒れである。
”あんたを男にしてあげる”
こんな台詞まで用意しておいたのに。
計画の失敗で私が落胆すると同時に、自分にも同じ体験があることを思い出した。
女体化
「ううん・・・・そんなことないよ。今からそっちに行くね」

流石にすぐに気持ちを切り替えるのは無理だった。
いい恋ができると思ったのに。
しかし、彼が彼女になっても困っていることには変わりない。
行こう。行って先輩風をふかしてやろうではないか!
そして、私も大暴露してやった。
元男だってね。
でも、彼は・・・・もとい彼女は逆に安心してくれた。

「ねぇねぇ、衣装サイズ直ししない?」
「え?それって・・・・」
作業が終わり、目の前の美少女に衣装を着せてみた。
あら、美少年から美少女へ大変身。
「にょたっこクリフォード様・・・・うわぁ・・・・いいかも!!」
「・・・・・いけるかも」
けど、やっぱりちょっと残念かな。彼氏を作って華々しく乙女として開花しようともくろんでいたのだが。
なので、私は失ったなお君の代償をクリフォード様に求めた。
そう、この事がきっかけで、私は完璧に腐の世界に足を踏み入れたと言っても過言ではない。

後に、幸がこの一件を聞いて仰天したが、さらに仲間が増えたことに狂喜していた。

おわり

さいごはかなりはしょった
ゆるせ
544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/16(木) 23:55:35.37 ID:FjtfWRIo
乙!すばらすぃ
しかし寝なければ…
あとで読むからな!絶対読むからな!
545 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/17(金) 00:16:26.64 ID:2NVofbc0
百合の世界にも足を踏み入れるんですね、わかります
546 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/17(金) 10:18:04.60 ID:QHABqQo0
ひ、姫様から好きにいたせとお許しが!
おかげで何か溢れて来たヨ!

「女体化したって友情は変わらないって、そう思ってた……思い込みたかったんだ」
「でも違った?」
「……うん」
「……」
「笑っちゃうよね、勝手に信頼して勝手に落ち込んで……僕の勝手で、みんなに迷惑かけちゃって……」
「フジやフーコが戸惑っちゃうのは仕方ないよ……でも、俺は違うよ?」
「フミちゃん……」
「俺、気付いたんだ
 みんな女体化って言葉に惑わされてるんだって……キミ自身も含めてね」
「??」
「キミはさ、自分のこと男の子だと思う? それとも女の子だって思う?」
「え? えーっと、身体は女の子になっちゃったけど、ココロはまだ女の子じゃないというか……」
「俺もそう思う、男言葉使ってる俺から見ても、キミは異性だと……同じ女性ではないと感じる」
「……」
「それはきっと男のフジや女のフーコも感じてる
 つまりキミは女体化現象を経て『男じゃなくなった』んだよ」
「男じゃ……なくなった……?」
「その違和感が良く分からないから、みんな無意識でキミを避けてしまう
 でも、俺は違う
 キミの事を感覚的にだけど理解できた、理解できたら愛おしくなった……俺はキミに恋してます」
「え? だって僕たち女の子同士……」
「性同一性障害の症例や治療法を考えると、性別を司るのはココロだよ?
 男とも女とも恋愛したことがある俺だけど、キミに対する気持ちの高ぶりは今までとは全然違う
 この俺が、キミのためなら……キミに愛して貰えるならどうなってもいいって、そんな風に思ってるんだ」
「……」
「男を気取ってる女である俺にとっての異性とは、キミのような男でも女でもない存在なのかもしれない
 俺は、キミが必要です 俺は、キミが欲しいです 俺は、キミを愛しています
 まさにそんな感じだよ」
「そんなこと……そんな事言われたら、泣きつきたくなっちゃうよ……ズルイよ」
「でも、俺の素直な気持ちだよ」
「いいの?
 これから僕がどうなっちゃうか、僕にも分からないんだよ?
 フミちゃんのその気持ちも僕に対する同情なだけかもしれないんだよ?
 そんな告白されちゃったら……僕、フミちゃんのものになっちゃうよ?」
「……おいで」
「フミちゃん!」

寄り添い重なり合う影。
彼女達……否、恋人たちの先行きは険しい。
だが、その固く結ばれた手は何があろうとも離れることはないだろう。


――ダメだ、こういうんじゃなくてもっとこうなんていうか、こう……
あああああ形に出来なくてもどかしい……姫様、申し訳ありませぬorz
547 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/17(金) 11:17:49.07 ID:.64mJQSO
おつ

ちゅうせいか
はたしてかれはどちらにかたむくんだろうな
おれはそういったかていをえがくのがすきでたまらない
548 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/17(金) 11:52:45.02 ID:.64mJQSO
あんか「期末テスト」

「ぁっ……ふぅっ……」

けだるい期末テストが俺を現実逃避させる
いままでは、シコシコマスカキしてたのが、あんあん喘ぐ行為に変わったにすぎない

「ぁっあっああっ……んっ!!」

身体の反応が良くなり、次第に気持ちも高ぶってきた

トントン

「あと少し…ぁぁ…ん!?」

ビクビク!!

「おにぃ…おねぇちゃん、ちょっといいかな?」
板一枚隔てたドアの向こうから弟の声が聞こえてきた。
ひぃあわわわわ
「ちょっちょっと待って!」
慌てて、起き上がり、かけ布団を抱き寄せる。あまり時間がかかると怪しまれると思って、大事な部分だけ隠す事しかできなかった
「な、なに?」
ドアが開いて、弟か入ってくる
何だか恥ずかしそうにモジモジしている
ふと弟の目線が気になって、その先を追うと…
ああああああ!
俺のバンツ!!
「これは、その!」
「あのね…声が、その…大きくて…勉強に集中できないんだ……」
ガーーン!!!
ばれていた。もろ。
俺は頭がまっしろになって、ベッドに倒れこんだ。
「あ、あの…その…ごめんね」
それだけ言うと、弟は部屋からでていった。

あぁ、弟よ…中一ともなれば、あの声があれとわかるよね…

ベッドのシーツには股間から滲み出た嫌らしい汁の後が虚しく残っていた

以来、俺のテストの点数が上がった事は言うまでもないのだが、その理由は誰にも話せる訳がない。
549 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/17(金) 12:13:56.63 ID:.64mJQSO
ついでに

あんかした
550 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/17(金) 12:26:14.94 ID:BFqjNpoo
弟のDTぱっくんちょ
551 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/17(金) 13:15:06.72 ID:QHABqQo0
>>547
結果的にこうなったけど、男でも女でもないにょたならでは魅力を導きだしたかった
にょたをキャラとして考えると「今まで男として育てられてきた女の子」とかと被ってしまうので
もっとこう、にょたっとした儚さというか、にょたんこしてる可愛らしさというか
でも、書いててもコレってヒロイン普通の女の子と変わらなくね?みたいな物しか書けてないとか
ああーもおーーって感じだ

ベースは「乙女で初々しい女の子」で良いとは思うんだがなぁ…ううむ

とりあえず俺にも安価ください
552 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/17(金) 13:20:30.62 ID:N6MTlugo
安価なら『元々女顔でした』

にょたならでは…というと、棒への親しみというか
そのあたりになってしまう俺桃色
553 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/17(金) 14:43:34.58 ID:QHABqQo0
安価把握
考えるのに疲れたから、テキトーにやらせてもらうかもしれないww
554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/17(金) 16:55:46.75 ID:QHABqQo0

安価「元々女顔でした 〜棒への親しみというかそのあたり(桃色)〜」

「これで女体化についての説明はおしまい
 あとは、明日一緒にお役所で書類を作る時に解説するわね」
「……ありがとう、ございました」
「それじゃまた明日……って、震えてるみたいだけれど大丈夫?
 顔色悪いし、ココで少し休んでいったら?」
「……」
「予定より一週間も早い女体化だものね、不安になっちゃうのも良く分かるわよ? だけど……」
「そうじゃ……なくて……」
「……?」
「そうじゃなくて、その……教室に戻るのが怖いんです」
「どういう事かしら? イジメとか?」
「ちがくて……その……」
「あぁ、それじゃ女体化したとたんに友達の目が別のものに変わった、じゃないかな?」
「!? なんでそれを……?」
「やっぱりもう少し休んでいきなさい ココア淹れてきてあげる」
555 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/17(金) 16:57:11.52 ID:QHABqQo0
「はい、ほかほか淹れたてココアおまちどうさま
 熱いのと味覚が変わってるのとで二重に驚くから、注意してね?」
「……こんな美味しいココア、初めてです」
「それ、普通のモリナガココアよ? 言ったでしょ、味覚が変わってるって」
「……女体化も悪くないなって思えてきたかもしれません」
「落ち着いたみたいで良かったわ」
「……先生」
「なぁに?」
「あいつら……いや、男ってみんな女に対してあんな目付きしてるのかな?」
「……」
「俺も、そうだったのかな……
 すげー怖かった……女体化したばっかだっていうのに、女の本能なのかよくわかんないけど、逃げなきゃって……」
「……半分正解、かしら」
「半分?」
「貴女が男子達にそういう風に考えられちゃってる部分もゼロじゃないかもしれない
 けど、男子のココロのなか全てが、いつもいつも、女の子に飢えてる訳じゃないはずよ?」
「……」
「今のあなたは『男だったから分かり得た女から見て男の良くない部分』を拡大しちゃってるだけよ」
「そうでしょうか……」
「……そうね、暫くの間は男性に対する嫌悪感はかなりのものだと思うわ
 でも、それじゃ学校生活なんて無理じゃないかしら」
「……」
「だから……」
556 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/17(金) 16:59:00.18 ID:QHABqQo0
「……?」
「だから、先生が慣れさせてあげるわ」
「!?」
「ほら、先生のここ、触ってみて?」
「か、硬くて盛り上がってる……?」
「実は先生は元々女顔なだけでオトコだったのよ……ビックリした?」
「え? ええっ!?」
「今は貴女が慣れるためだから、無理やりなんてしないから安心して?
 さぁ、スカートの上から触ってみて」
「……(さすさす)」
「……(さすさす)」
「……(さすさす)」
「どう? だんだん男性に慣れてきた?」
「……先生」
「なぁに?」
「もっと慣れるために、先生の握ってみてもいいですか?」
「え、ええ……いいけど、優しくしてね?」
「……(ぎゅ、ぐいっ)」
「んっ……」
「……(ぐいっ……ぐいっ)」
「ぅ……ん……」
「……(くっぐっくっぐっ)」
「はぁ……はぅ……」
557 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/17(金) 17:01:27.61 ID:QHABqQo0
「先生……」
「……ふぇ?」
「先生のおかげで、男に慣れてきたかもしれません」
「そぅ? 役に立てれてよかったわ……」
「でもあと一息……服の上からでいいから先生の胸も触りたいです」
「え? そ、それは……」
「男だった時は、俺も自分の胸を触りながらしてましたし……」
「そ、そうなの? それじゃ、仕方ないわね……仕方ない、のよね」
「はい、仕方ないんです(さすさす、くいくい、ふにゅふにゅ、ぐいぐい)」
「んッ! んんッ!!」
「イッちゃいそうになってる男の人って可愛いです、先生……」
「や……見ないで……」
「ダメです、先生の一番可愛い瞬間、見せてください(ちゅぅ)」
「――ッ!!
 せ、生徒の前なのにっ、私……わた、しぃっ! ふヤあああぁあっ!!(びくびくっ)」


あーあ、先生の言うとおり男に慣れなきゃいけないはずなんだけど
その前に女の子同士の方に慣れちゃったよ。
いくらなんでもさ、硬くて盛り上がってるボールペンが下半身に付いてる男なんていないよ、先生。
親身になって相談してくれるって噂は聞いてたけど……あぁもう、女体化も男の視線もどうでもよくなってきた。
こんな先生放っておいたら男子に何されるか。
まったくもう、先生愛してますからね(ちゅっ)
558 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/17(金) 17:05:37.63 ID:QHABqQo0
セリフだけで何とかしようとしたら訳わからなくなった件について

描写って大事だな、うん…
559 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/17(金) 17:44:57.91 ID:N6MTlugo
下のコメントまで巻き込まれたwwwwwwww
乙であります!
560 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/17(金) 21:24:15.04 ID:RXgGyt20
あんか『弟のDTぱっくんちょ 』

「ぁっあっああっ……んっ!!」
まただ・・・また聞こえてくる・・・・。
隣の部屋から明らかに女性のあえぎ声が聞こえてくる。
隣の部屋は元兄、現姉の部屋からである。
でも、その声はとても鮮明で、ビデオ音声のノイズのような感じはしてこない。
これは・・・・その、まさしく・・・姉が自慰をしている声なんだろう。
うぅ・・・おにぃ・・・おねぇちゃん・・・これじゃ僕、勉強に集中できないよ・・・・。
せっかく入った進学校の勉強に、テストに置いていかれるわけにはいかない。
とはいえ、僕だってもう年頃なんだ。エッチや女の人の体に興味がないわけじゃないんだ。
そう心の中で叫ぶと、盛り上がった股間を手でさする。
はちきれんばかりに勃起したアソコは痛いくらいに膨れ上がっている。
責任・・・・とってもらわなきゃ・・・・!!僕の気持ちも体も治まらない!!
トンドン
僕は姉の部屋の扉をノックする。
「おにぃ・・・おねぇちゃん。ちょっといいかな?」
すると、部屋の中から布のすれる音が聞こえてくる。
「ちょっちょっと待って!」
あわてている。これはリーチかな?僕の胸が少し鼓動を早める。
「な、なに?」
この声をGOサインに僕は姉の部屋の扉を開ける。
部屋に入り込み、かるく周囲を見渡してみる。
見つけた。パンツがベッドの脇に落ちている。ビンゴだ!
僕の胸は今までに無いほどの鼓動の早さだろう。
「これは、その!」
「おねぇちゃんの所為だからね・・・・僕のこれ・・・・こんなになってるんだよ!」
「これって・・・・?」
「これだよ!これ!」
そういって僕はズボンのチャックを下ろして、大きくなったアソコを露にさせた。
「あっ・・・・えぇ!?」
「これ、治めてよ!責任とってよ!僕!こんなんじゃ勉強できないよ!!」
「毎日毎日、あんな声聞かされたら・・・・誰だって我慢できないよ!」
そういって僕はじりじりと姉に近づいていく。
姉は、複雑な表情で僕のアソコを見つめている。
「ふっ・・・・ふふふふ・・・・あははははは!!」
「え?」
「なーんだ、そういうこと!そのノリ、おねぇちゃん大好きだぜ?」
「ふぇぇ!?」
「弟ってのも悪くない。お前のDTばっくんちょしちゃうぞ♪」
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃ!!」
「おっとぉ!逃がさないよ?こっちは寸止めくらってアソコが疼いてんの!責任とってもらうまで・・帰さないから」
「あひぃぃぃぃぃ・・・・・」
こうして、僕はテストの度に姉の性欲処理に利用され、疼いた時には時間を選ばず襲われた。
以来、僕が女性恐怖症になったのは言うまでもない。
DT喪失で女体化も許されないこの体を僕はこれからどう受け止めて生きていけばいいのやら・・・・。
トホホ・・・。

ねたをもらう
あんかした
561 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/17(金) 21:32:02.91 ID:N6MTlugo
工事現場
562 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/17(金) 22:08:24.91 ID:RXgGyt20
はーく
563 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 22:38:34.60 ID:EpIObIA0
 最近、世間がいやに騒がしい。大学に入学し、テレビを見なくなった。だからそんな外の世界の情報なんてあまり入ってこない。
この話題もつい最近聞いたばかりだ。
なんでも今の世の中には男が女になってしまう現象があるらしい。
それがかなり問題になっているとのこと。
詳しくはまだ研究段階らしいが、まだ2,3年前に発見されたばかりだからよく分かってないらしい。

世界的に流行っていて、各国の研究機関が総力をあげてこれを調査している、ってどっかの記事に書いてあった気がする。
この地球上の全ての土地で起こっていて、けっこうな問題に発展しているんだって。
特にアメリカがその問題が深刻化しているらしい。
もちろん俺のいる日本も同じ問題を抱えている。
でもまぁ、よく分かってないといっても、それなりの成果はあげられたらしく、ある一定の条件下でなければ女にならないらしい。

その条件とは、「童貞」で、思春期、まぁ中学生から高校生ぐらいの年齢であること、だそうだ。
なぜそんなことが言い切れるのかというと、これまで女になった者全員が思春期かつ童貞だったから…らしい。
なんとも信憑性に欠けるが…。

季節とか気候とか、そんなのはおかまいなしになってしまうのは確実なんだとか。
けど女になるって言っても100%なるわけではなく、0.01%くらいの確率で男でなくなってしまう、というのが今のところで分かっていることだ。
今の世の中には童貞の中高生は一体何人いるのやら。
けど、まぁ一万人に一人に女になってしまうということは、それほど数はいないということになるな。
なってしまった人は哀れというか、ご愁傷さまだな。頑張れとしか言いようがない。
楽しい女の子ライフを歩みたまえ。


こんな摩訶不思議で俺にとって面白そうな現象の何が問題なのか、というと、簡単にいえばレイプ、強姦が増えていることだ。
そもそも普通の人には知られていなかったこの現象は、一年前のある事件で公に明かされることになった。
かなり話題になっていたらしいが、俺はそれを知る術がなかった。
だってテレビもみなかったし、インターネットといってもエロサイトしか徘徊してなかったもん。

けど、ニュースを見ているのか、親や友達に知らされたのかは知らないが、世の中高生達はこの情報をしっかり受け止めてしまった。
その影響で、世界の若い男たちには「もしかしたら自分が…」という恐怖が頭に刷り込まれてしまった。
男を保つために、万が一、自分が女にならないために、童貞を捨てるために、女性を襲い、犯す…。
そうやって犯される女性は、女の子になってしまった人が約八割を占めているらしい。
あまりにもそういうことが多すぎるので警察もかなり頭を悩ませている。
それだけでなく、警察が忙しい所に付け込んでか、強盗、誘拐、殺人、さまざまな犯罪がじょじょに増えているんだとか。
とくに童貞に紛れて大人数での強姦が特に増えているとのこと。
日本の治安は大丈夫かね…。
正直に言って、結構不安だ。

しかし、表面的な問題は人が動けばなんとかなったりするもんだが、内面的…女になってしまった人達の心のケアがなかなかうまくいかないらしい。
心理学的にも医学的にも全く初めての現象でかなり苦戦を強いられているって誰かが言ってた。
やっぱり男に犯されるってのは元男からすると、とんでもない恐怖なんだろうな。
それを恐れて自[ピーーー]る人もいるし、そこから一歩出てみたら本当に犯されて自[ピーーー]る人も少なくない。

けど、それよりも圧倒的に多いのは鬱病に近い精神病らしい。
原因は周りの反応や、家族、友達関係がらみのことだそうだ。
自分を見る目が以前とは全くの別物になったり、他人との交友関係が崩れたり…。
体のことで精神的に不安定になったところでそんなこんながあれば心は簡単に壊れてしまうだろう。
俺だって自分を見失ってしまうかもしれない。
564 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 22:39:34.18 ID:EpIObIA0
とにかくいろいろと大変らしい。
それに伴い、女の子になってしまって人専用の施設ができた。
また、この現象を知らしめた事件から、正式に国会でも取り上げられ、国籍やそういう人たちへの新たな法律も出来上がっている。
国は、いままではなるべく極秘に事を進めていて、。それまでは本当に国のトップだけしか知らない秘密だったらしい。
なぜそれを隠すか知らないが、なんでも他国との連携だとかどうとか…。
お偉いさんが考えることは平民には分かりませんわ。


                
――その現象を世に広めた事件は一人の「女の子」が亡くなった、というものである。
もちろんただの女の子ではない。
女の子になってしまったのだ。
彼女が亡くなった原因は研究のための実験による疲労と過度なストレスによるもの。
過労死だと思う。
毎日モルモットのように扱われ、調査の連続で精神的にまいってしまったらしい。
薬の投与もされていたらしく、それが原因だ、という証言もあるんだとか。
それ以前にも何件かそういうことがあったという噂が流れているが、もみ消されているのか、本当に起こってないのかは分からない。
もしかしたら行方不明になった人の中にはこうやって実験に使われて、人知れず死んでいったのかもしれない。


彼女の遺族、もとい親族は怒り、悲しみ、苦しみ、落胆と後悔に絶望した。
流れた涙は悲しみと怒りが入り混じっいて、でもどうしようもなくて、わけが分からなくなる。

なんで…なんでなの…?

消え入りそうで、かすれていて、心にズキンとくるその一言。
まさに無念としか言い合わさせられない。
そして「政府がその研究機関を立ち上げたから責任は国にある」ということで、親族は国に対して裁判を起こした。
今でも裁判は続いている。

このことを遺族は黙っていなかった。
彼らからの情報でマスコミはこのことを大きく取り上げ、一気に世間の注目を集めた。
と、同時に混乱も引き起こした。

テレビではたくさんの評論家やらなんやらが非人道的だとか発展に多少の犠牲は必要だとか、討論はいつも波乱を呼んでいた。
事件から一年経った現在でも騒いでいる。

…一年中、ゴロゴロしている姉貴からの情報だ。
暇だからいつもテレビをみているらしい。
俺にはあんまり関係ないことだが。

もうすぐ友達の弟が高校生になるって聞いたが俺には関係ないだろう。

565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 22:41:04.18 ID:EpIObIA0



 大学生活も2年目を終えようとしていた俺は久しぶりにつけたテレビをつける。
いそいそとコタツに足をいれて何か面白い番組はやってないかリモコンのボタンを適当に押す。
三月とはいえ、まだ寒い。手が冷たくなる。

「うー…。」

寒い寒い。
唸りながら手をコタツに入れて背を丸める。
一昨日片付けてしまったストーブが恋しくなってきた。
が、バイトをしているとはいえ、灯油のためにそこまで金は使いたくない。
しょうがない、と無理矢理に自分を納得させて気を紛らわせるためにテレビを見る。

春休みでぐだぐだと、昼まで寝ていたのがいけないのかは知らないが、何も面白いのがやっていない。
俺が興味を示すようなものは、大抵昼にはやっていないんだな。これが。
前、NHKでやってたポアンカレ予想についてのドキュメンタリーが放送されていた。
こいつは録画して、何度も見直したくらい面白かったな。
数の不思議とか、宇宙の神秘とか、深海の謎とか、そういうことが好きなんだ。
けどそんなもん今の時間帯はやっていない。
昼ドラはなんの面白味もねぇ。

ただただ音を発し続けるテレビを見ていてもつまらん。
だが一人暮らしってのは不思議なものでこんなテレビでも音が出ているだけで妙に安心してしまう。
そう感じてしまうのは俺だけかだろうか。
ひとりだと本当に静かで、静かすぎて耳が痛くなりそうなのだ。
だからといって独り言をぶつぶつと語るのはキモいと思うし、俺はそんな人間じゃない。
とりあえず暫くテレビを傍観することにした。


ピッ
「…今日のお料理は…」
ピッ
「…なんと19800¥でお届いたします…」
ピッ
「…ひどい!あんなに愛してるっていったのに!もう…」
ピッ
「午後一時のニュースです。二日前に自殺した女性は近所に通う高校生だということが判明しました。
 女性は元男性ということで、自[ピーーー]る一週間前から同級生に性的な嫌がらせ、暴行を受けていたとのことです。
 これに対して学校側は、「気づいてあげられなかった。これからは二度とこのような事態が起きないよう、善処する。」と、
 遺族に対して深く頭を下げていました。性的暴行をしていた同級生らにはそれなりの罰を与え…」
ピッ

プツッ…
566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 22:42:01.21 ID:EpIObIA0
時計をみるとデジタル時計が二時十分前を表示している。
YAMADA電機で買ったやつだ。
アパートに入居するとき、家具、家電をそろえたときに安かったからという理由で。
ただ数字を表示し続ける時計を眺めている。
不思議と目が細くなってしまう。
うわっ、俺きも。
学校が始まるまでまだ二週間くらいあるけど、ぶっちゃけ暇だ。

やることがねぇ。
大学でできた友達も帰郷していて、学校が始まる2,3日前にならないと帰ってこない。
早く帰って来い。
俺はバイトがあるからそんなに地元に長い間帰ることはできなかった。
ちょっと前に一週間程向こうに居ただけ。
高校時代の友達と遊んで、家族で飯食って、それだけだった。
けど飯が勝手に出てきてくれるのは嬉しい限りだ。

が、それだけで特に用事もない。
しかし親父の機嫌がかなり良くて、小遣いを貰えたのはいい誤算だったな。
息子が帰ってくるのがそんなに嬉しいのかは親になってみないと分からないが、実家に親父以外、男がいないことも関係しているだろう。
姉貴と母さんしかいないが…。
それに姉貴と母さんが運動するために近所のソフトボールチームに入って、いつも親父は家に一人らしい。
仕事で帰ってきて、一人で飯を食って、風呂に入って、それから姉貴達が帰ってくる。
同情するぜ。

…運動か。
最近体を動かしていないな。
使ってやらないと鈍ってしまう。
…久し振りにバッティングセンターにでも行くか。
いいストレス発散になるし、暇も潰せる。
またホームランの板を揺らしてやるぜ。
今は部屋でぐだぐたしているが、これでも小学校から野球をしてきた。もちろん中学時代も。
高校のときは、あと一回勝てば甲子園だった。くそぅ。
もう一度、あの打席に立ちたいぜ。
あ〜あ、あそこでホームランでも打てていれば勝ってたかもしれないな。
いまさら後悔しても仕方ないことだが、どうしてもそんなことを考えてしまう。

頭の中であの時のことが鮮明に蘇ってくる。
うるさいくらいの応援。
ベンチで休んでいても押し潰されるほどのプレッシャー。
あまりの緊張から湧き出てくる変な汗。
球場の外は全く違う、刺さるような空気。

どれもいい思い出だ。
おっと、いつまでも浸っていてはいけない。
さっさとバッティングセンターに行かなければ。
そこらへんの素人とは違う、我が素晴らしいスイングを見せびらかしに行くぜ。
ちょっと自意識過剰だな。自重、自重っと。
とにかく運動しやすい服装に着替えよう。
スウェットを脱ぎ散らかして適当なジャージを手に取る。
567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 22:42:58.07 ID:EpIObIA0
そこまで部屋は綺麗ではない…。
男の一人暮らしなんてこんなもんさ。
服はそこらへんにぐしゃぐしゃになっていて、洗濯するときのみ集める。
漫画はそこらへんに置いてあるし、ゴミも部屋の隅に身を潜めていやがる。
そんな部屋で行方不明になってしまった部屋の鍵を5分で探す。

アパートからバッティングセンターまではだいたい自転車で二十分くらい。
iPodで音楽を聴きながら足に力をいれた。

……

カキーン…
カキーン…
グァキッーン!


「ふぅ…。いい感じだな。」

ここのバッティングセンターは安くていい。
24球が100円っていうのはおいしい。
非常においしい。
近くの中学生や小学生に「あの兄ちゃんすげぇ」って言われるのも悪い気はしない。
むしろもっと言ってくれ。
気分が非常によくなる。
これで彼女がいたら本当に最高なんだが。
すんません、未だに童貞です。
彼女はいたことはいたけど、そこまで発展しなかったし。
いや、そんな話はどうでもいい。

今は打つことに集中すべきだ。
しかし、球の速さが120キロまでしかないのは少し残念である。
簡単に打ててしまうからな。
高校のバッティングマシーンの方が速かったもん。
それに球が重いし。
けど、簡単に打てるからストレス発散にもなるし、運動にもなるから週一で通おうかな?
うん。それがいい。
…。

その後、もう一回打った。
でも、それからやることがなかったというか、何の計画もなかったのでゲーセンで時間を潰すことにした。
家に帰ったのは20時を過ぎだった。
568 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 22:44:27.80 ID:EpIObIA0

一応一人暮らしももう三年目に差し掛かろうとしている。
それなりに料理もできるし、ある程度の家事全般はこなせるようになっていた。

今日の晩飯は近くのスーパーで買った豆腐をハンバーグにしてみた。
ふむ、うまい。
豆腐は安いんだ。体にも、財布にもいいんだぜ。
400グラム60円ってすごいだろ。
絹豆腐ももめん豆腐も同じ値段だ。
こいつら見た目は一緒なんだよな。
…食っみても未だに絹豆腐ともめん豆腐の差が俺には分からない。
だからいつも両方買って、それを混ぜるようにしている。分からないのはこの所為でもあるな。
と、とにかく誰かこの豆腐の差を教えてくれ。
主に味について。

……

飯も食ったし、片付けもしたし、風呂にでも入ろう。
そこらへんに少し汗をかいたジャージを脱ぎ散らかす。
脱衣所なんてスペースは俺の部屋にはない。
風呂と部屋との間はたった一つの扉で分けられているのだ。
キッチンのすぐ隣が風呂で、その隣にトイレがある。
もちろん洋式だぜ。
トイレと風呂はそれぞれ違う部屋に分れている。
わざわざそういう部屋を選んだんだからな。

……

ああ、サッパリした。
男の入浴なんて質素なもんで、ものの10分で終わってしまう。
頭をガガガって洗って、体をグワワワってやって、ザパーでおしまい。
水道代が心配なので湯船は張らないようにしている。
だからいつも風呂はシャワーだけで済ましているのだ。
風呂が短いのはその所為もあるのかもしれない。あと、短髪だしね。
冬はかなり厳しいが…。
なんとか去年から今年にかけても乗り切れた。
がくがく足を震わせながらシャワーを浴びたのはいい思い出。
だが、この季節でも結構寒いもので今日もなかなか厳しかったな。
いつか俺、風引きそうだな。
569 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 22:45:23.07 ID:EpIObIA0
おっと、いつまでも裸じゃ本当に風を引いちまう。
トランクスを穿いて、出かける前に放り出したスウェットを着る。

「…ふぁ〜あ…。」

大きな欠伸が出た。
なんもすることねぇ…。寝よ…。
そう思うと、体が勝手に布団に吸い込まれた。
風呂上りの少し火照った体には、3月のちょっと肌寒い空気がとても気持ちいい。
今日はちょっと運動した。
久しぶりに泥にように深く眠れた。
とても、深く…。




俺は朝に非常に弱い。
そんなことは小学生の頃から分かり切っていたことだ。
携帯電話のアラームじゃなかなか起きないことは自分でも知っている。
耳に障るほどの高い音の出る目覚まし時計でないとなかなか起きない。
しかも起きても10分くらいはボケ〜っとしている。

そして二度寝をするのだ。
だから目覚まし時計は一回鳴ったら、その15分後に再び鳴るようにしている。
またそれで起きる。
もちろんその後、三度寝してしまうのはデフォルトだ。
いくら保険をかけておいても無駄なのだ。
朝にも弱いが、寝起きに対してものすごく弱い。
これは毎日のこと。
中学時代も、高校時代も。
俺の朝と寝起きの弱さは親も知っているし、姉貴も知っている。

だから俺がそれに気づくのには時間がかかった。
ましてや春休みなのだ。
昼まで寝て、そのまま夕方まで寝てしまうことだってよくある。
寝起きに弱いが、夕方に起きるとさらに激しく、頭がボーっとして何も考えられない。
上半身を起したまま、また寝てしまいそうなこともよくある。

570 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 22:46:16.64 ID:EpIObIA0

起きた。
随分と寝た気がする。
のそのそと上半身を起こす。
かなり猫背になっているがそんなことは気にしない。
いつものことだもん。
それよりも…なんかだるい。
瞬きするのも億劫になってきた。
左の目を少しだけ開けて時間を確認する。
デジタル時計が5:34と示している。
あ、今5:35になった。

今は…朝?
窓から赤い光が差し込んでいた。
外は赤く染まっている。車の音がうるさい。
近所のおばさん達の話声が聞こえる。
カラスはこの季節は飛んでいないな。
でも雀がせわしく鳴いていない。

朝ではないことは理解できた。
なるほど、寝すぎて体がだるいのか。
目覚めの悪さもこれで納得がいく。
しかし、なんだ、ふらふらするな。
上半身のバランスが取りにくい。

こてっと、前のめりに布団に倒れた。
あー…なんか、えらい…。
少し、胸が押さえつけられる感覚がある。
野球の試合でのプレッシャーとは違う、物理的な意味で。
でもいちいちそんなことで体を動かすのは面倒だ。
死ぬわけじゃない。
とりあえず、このままの姿勢でテンションが上がるのを待つ。

………

馬鹿なのか、阿呆なのか、それとも天才なのか、それ以外の何かなのかは知らない。
俺はそのまま再び寝ることに成功したのだ。
寝る子は育つんだよ。
そのおかげで今の身長は182pさ。
ちなみに体重は72キロ。なかなかいい体格だろ。
高校野球して、さっさと寝て、気がついたらこんなになってた。
一人暮らしで長期休暇ってのは寝る以外の選択肢はあるのかね。
ないだろう。…断定ではないぞ。
それに寝ていれば食費が浮いて財布にやさしい。
なんという一石二鳥だろうか。

………
571 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 22:47:28.91 ID:EpIObIA0
目がきちっと覚めたら外は暗くなってた。
一瞬、あまりにも睡眠時間が短いからかもしれない、と思った。
が、夕方起きた記憶があるのでそれはありえない。
ああ…。
俺は一体何時間寝たんだろうか。
部屋の電気を点けて時計を確認する。
…ほう、21時間か。
よく寝た、っていうか、寝すぎて疲れた。
腹の調子がおかしい。腹が減りすぎてイカれたか。

いつのまにか仰向けに寝ていた。
腕を上げるのもだるくて面倒くさいが、とりあえずのそっと体を起こす。
なんかまだふらふらするな。
そりゃ21時間も寝ればそうなるか。
勝手に結論を出して納得した。

気が緩んだのかもしれない。
急に尿意を催す。
かなり。
やばい。これはやばい。決壊してしまう。
込み上げてくるとてつもない尿意に居ても立っても居られない。
寝すぎて疲れた体を無理矢理起こしてトイレへ一直線。
今ならベン・ジョンソンよりも速く走れる気がする。

トイレのドアを開けながらスウェットとトランクスを下ろした。
よし。後は息子をセットするだけだ。
手を足と足の間に持っていく。
が、なにもない。
何?
スカッと空気を切るばかり。
いない。
俺の、我が息子がいない。
家出…か?
違う。そんなこと考えている暇はない。
漏れる。

座ろう。
座る途中から水が打ちつけられる音がした。
危ないところだったぜ。
流石に21時間も寝てれば溜まるわな。
しばらく音は止まなかった。
いつもとちょっと違う感覚だったが、漏らさずにトイレで用を足せたことに安心して何も気にしなかった。
ふぅ…。
なんともいえない排尿の快感を感じてすっきりした。
572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 22:48:44.49 ID:EpIObIA0
そしてすこしずつ冷静さを取り戻す。
ゴクッと唾を飲み込む。
こめかみに冷や汗が垂れていくのが分かる。
背筋が凍りそうになりがら、恐る恐る自分の股に視線を移す。
首は動かない。
目だけが動いた。

固まるってのはこういうことなんだろうな。
時間が止まったみたい。
視線も、眼球も、首も、腕も、足も、動かなかった。
ただ、心臓だけがいつもより頑張って動く。
ドクドクと、聞こえてくる自分の鼓動。
血圧が上がり、血管がピクピクしている。腕も小刻みに一定の間隔で震える。
眼球が捉えた光を脳が解析していく。

股間にそびえるバベルの塔は跡形もなく崩されてた。
ついこの間まで雄々しく舞い踊っていた亀の頭の我が唯一にして最強の戦士も消えている。
本物の金の玉が入っていてもおかしくない袋はどこの盗賊に盗られたのだろうか。

さらに、あんなに元気だった俺の黒いジャングルは見事に伐採され、野焼までされていた。
刈られたものはトランクスから落ちて、便器に大量にくっついている。
一日で開発された俺のジャングルには細い、ピンク色の道路が一本だけ造られていた。まるで何かを両断するみたいに。
その道路は二車線でもなくて、両端は行き止まり。周りには人工樹林もない。
上のほうにはピンク色の小さな小さな元気玉が恥ずかしそうに顔をのぞかている。

「あー…。あ?」

スウェットのズボンを見ると足に生えていた若いヒジキが全て枯れていた。
ズボンの裏側にくっついていてキモい。
腕と脇に生えていた奴も我が人生に一片の悔いなしって感じで死んでいる。
綺麗に何もなくなってしまった。

そういや、すこし声がおかしいことに気づき、喉に手を当てる。
いつもいた仏がいない。
あんなに自己主張がうまかったのど仏さんはどこに行ったの?
まさかこいつも家出なのかよ。
573 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 22:49:37.00 ID:EpIObIA0
……どうすんだよ?
みんなどっか行っちまった。
落ち着け…。こういうときは素数を数えるといいって友達が言ってたな。

「2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31……。」

あー…。なるほど。
これは落ち着くな。頭を違う方面に使おうとするから違うことが考えられないんだ。
冷静に考えればこれはいわゆるあの現象ではないのだろうか。
発症確率0.01%のはずのアレ。
中高生の童貞がなってしまうアレ。
まさか自分がなってしまうとは思ってもみなかった。
二十歳だから童貞でも大丈夫だと思い込んでいただけなのだろうか。
まぁ、何事にも例外というものはあるというが、俺がそれにならなくてもいいだろう。
とりあえずどうしたらいいんだろうか。

友達っていっても今は自分の地元に帰っているし、それに襲われる危険性もある。
信用していた親友に犯されたっていうのも少なくないって聞いた。
やめておいたほうがいいな。
一応アイツも男だし、いつ狼になるか分からん。
親に連絡すしかないのか?
あ、学校どうすればいいんだろう。
始まるまで結構時間があるが、身体想定でどのみちバレてしまう。
どうしたもんだか。

とりあえずトイレから出て考えよう。
と、ズボンを上げようしたが、大量のヒジキが俺の視界に映る。
これをまた穿くって思うとそれだけで吐き気を催す。
ばばっと脱いで、ヒジキがいっぱいついたスウェットを洗濯機に詰め込む。
股にも残骸が残っていて、気持ち悪い。うえぇ。
よし、風呂に入ろう。

トランクスを脱いで俺は風呂に入る。
ちらっと鏡をみる。
くそ。さっそく問題が起きた。
胸はまだほとんどないから特に意識しなくてすむ。ちょっとふっくらしているが。
問題なのは下なのだ。
自分のものなのだが、どうしてもドキドキしてしまう。
これからこの部分を洗うって思うだけで緊張の糸がピンと張る
574 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 22:50:44.69 ID:EpIObIA0

と、とりあえず頭を洗おう。うん。それがいい。
少し髪が伸びたのかな?
いつもと少し違うボリュームを覚えながらわしわしと洗う。
指先に違和感を覚える。
なんか毛先の方と根本の方では全く髪の質が違うのだ。
根本はさわり心地がよくて、さらってしている。
きっとこれが女の人の髪なんだな。自分のだけど。
頭をシャワーで流し、いよいよ体を洗うときがきた。

手にボディソープをとって、タオルにこすりつける。
わしゃわしゃ手で揉み、泡をたてる。
すでに俺の心臓は破裂しそう。
顔が真っ赤になっているのを自覚しながら首、腕を洗っていく。
上から順に、背中も洗い、腹も洗い、ついにやってきた。
一点の汚れもない我が性器。
さぁ、洗おう!



……

………

…くそ…一体どうやって洗うんだ?

男のときみたいにごしごしやっても大丈夫なのか?
俺は風呂場で立ったまま固まる。

たしか桃色のBB弾は敏感なんだ。
刺激しては駄目だと思う。
つまり割れ目にはあまり手を出してはならない。
そうと分かればこっちのもんだ。
出来るだけ触れないように、周りだけを洗えばいいわけだ。
よし、いくぞ。

ゴクリ、と唾を飲み込む。
スッと、優しく、出来るだけ力を抜いて触れみる。
575 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 22:51:38.57 ID:EpIObIA0
 
”「ンッ…!」

なんか身体に電気が走ったみたいだ。
不思議な感覚。
初めて味わう感覚。
けど嫌な感覚ではなく、むしろもっと走らせたくなる。
なんか、やめられない。

「ンッ…!アッ…!」

すこし触れるたびに声が漏れる。
不思議と我慢しようにも自然に出てしまう。
もしかして俺、感じてるのか?
なんか腹の下の方が熱い。
奥が疼く。
ジヮ〜って、何かがアソコから湧き出てきてるのが分かる。
俺はそれを確認したくなって、指で、割れ目に触れた。

「ヒャッ…!」

一瞬。
身体を突き抜ける衝動。
頭の奥にまで響く。
もっと!ってアソコが叫んでいる。
指でなぞるたびに突き上げてくる何か。
まだこれが何か俺には理解できない。

それにもかかわらず、行為をやめる気は起きなかった。”

576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 22:52:37.06 ID:EpIObIA0

ってな感じで女の快感に酔いしれると思っていたが、別に触れてもただ触っている感覚があるだけ。
濡れるってこともなくて、快感もない。
普通に洗えた。
なにを俺は期待してたんだろうな。
まぁ、いいや。

その後、俺は普段通りに身体を洗った。
あがった後もいつも通りに体を拭いて新しいスウェットに着替える。

ちらっと時計を見る。9:12だ。
この時間帯なら親父も起きているし、母さんも帰ってきているだろう。
連絡してみよう。
ふぅ、緊張するな。
ちっ、なんで親に電話するだけでこんなにドキドキするんだよ。
おのれ、手に変な汗をかいている。
俺はまだ男だ。前進あるのみ。

いや、だが待て。電話だと声で最初誰か分からないかもしれない。
一回間違われたら絶対信じてくれなさそうだな。
冷静に考えてみればそうだ。
メールにしとこう。
母さんのほうが話を分かってくれそうだな。親父は…頑固っていうか、すんなりいかない気がする。
あ、母さんより姉貴のほうが分かってくれそうだ。今アイツ、仕事ないからすぐ返信きそうだし。

『俺、女になった。』

よし、これでいいだろう。説明とかは後でいいからとにかくこれだけが伝わればいいんだ。
送信…。
…頼むぜ、姉貴。

prrrrrrrr…prrrrrrrrr…prrrrrrr…

と、いきなり電話がかかってきた。
携帯電話を開けて誰か確認すると姉貴だった。
ある程度予想はできていたがな。

「はい、もしもし。」
『うはっ!マジで声が女っぽいやん!で、いつなっちゃったん?』

まぁ、こんなテンションだってのは分かっていたが、俺としてはかなりの問題だ。
あまり軽々しくしないで欲しい。
多分無理だろうけど。
577 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 22:53:39.76 ID:EpIObIA0

「今日なった。昨日の夜寝て、さっき起きたらなってたん。」
『ちょっと待て。母さん呼んでくるわ。』

なるべく堪えていたんだろうが、俺には聞こえていた。
アイツは、姉貴はたしかに笑っていた。高らかに。大声で。
くそったれが。最後のほうなんで鼻で笑いながら言ってやがる。
一発殴ってやりたいが電話越しじゃあ無理なんだよなぁ。
[ピーーー]ばいいのに。

『もしもし?』
「はい、もしもし。」
『本当に友一なの?』
「ああそうや。」
『本当に?』
「あんた今年42歳なのに職場だと36歳ってさば読んでんだろ。」
『あらやだ。本当に友一だわ。』

簡単に信じてくれたことはいいんだが、姉貴の笑い声が聞こえるのが気に入らない。
その中に小さく「超ウケるんですけど!」とか「童貞乙。」とか言わないでくれ。もろに聞こえています。

「で、これからどうすればいいん?」
『う〜んと、とりあえず女の子になった時のための施設がちゃんとあるからそこに連絡しておくわ。
 というか、条例で連絡しないといけないことになってるのよね。』
「そう…学校は…。」
『ああ、その辺も施設の人が何とかするから気にしなくていいわよ。』
「わかった。」

以外に国のやつらもしっかりしているんだなって思った。
まぁ、これ以上なにかあったら国の沽券かかわるしな。

なんでもあの事件で公になる前からこういった施設の建設は予定されてて、完成したところで公開することになっていたらしい。
できてもいないのに対処しようにも、保護しようにも、場所がないというわけか。
家でも父親に犯された人もいるって聞いたしな。
国が隠そうとしていたのも少し納得。
確かになってしまった立場からするとさまざまなことで不安になる。
578 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 22:54:51.97 ID:EpIObIA0

実際おれもこれからどうしたらいいとか全く分からない。
正直不安である。学校のこととか、これからの俺の人生とか。
女になってしまった以上、女性として生きていかなければならない。
だがそれを受け入れられないのが今の俺の状態だ。
つまりいろいろと不安定なわけなんだよな。

『で、明日のお昼に施設の人がそっちに行くようにするからその人に従ってちょうだい。』
「了解。親父は?」
『もう寝ちゃった。明日、お母さんから伝えておくわ。』
「すまん、って言っといて。」
『…はいはい。分かったわ。』
「…じゃあ、切るね。」
『ちょっと待って!明日、施設の人が来るまで絶対アパートから出ちゃだめよ!』
「ああ…。分かったよ。気をつける。」

ピッ ツーツー…

分かってますって。本当に心配症なんだからな。
外には出ませんよ。俺だって出たくないし。
男が男を恐れるってのも変だけど、正直怖い。もし捕まって、服を剥がされてって想像しただけで鳥肌が立つ。
恐ろしい。
けど、まぁ心配してくれたのは本当に嬉しかった。
ちゃんと俺を俺として見てくれていたし、俺のことを想ってくれてるんだなぁって。
さっきまでの不安が一気に消し飛んだ気がした。気がしただけで、まだいろいろ不安なことはあるけどな。
けど気持ちが楽になったのは事実だ。

事実といえば、悲しいとうか、鬱になりそうな事実も突き付けられた。
それはさっきまで自分が出していた声。
まさしく女の人のそれで、改めて自分が女の子であることを自覚させられた。
しょうがない事実だが、なんとも受け入れがたい。
なによりショックだったのは初めて見た女性器が自分のものだということだ。
頭というか、中身はまだ昨日や、一昨日と全く同じだが体だけが変わっている。

体は女で頭脳は男なんだな。
体ねぇ…。
トイレの一件で自分の分身ともいえる息子が娘になってしまったのを確認してしまった。
しかもパイパンかよ。
これといった変化は毛と性器と声だけだが、これからいろいろ変化していくんだろうな。
胸もまだ女性のとは比べ物にならないほど小さいが、男のときよりふっくらしている。
きっとこれから膨らんでいくんだろう。
579 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 22:55:52.68 ID:EpIObIA0

体つきも今よりもっと丸っこくなって、ぷにぷにになっていくのかなぁ…。
鏡をみると、昨日より明らかに顔つきが変わっているのが分かる。
髪の毛も昨日より確実に少し伸びている。女になると髪の伸びるスピードが上がるらしい。
新しい発見だ。
顔ってのはちょっとした変化でもかなりイメージが変わってしまうわけで、今の俺もそうだ。
あんまり見たくない。自分が自分でなくなってしまいそうで嫌なのだ。

そういうところが女々しいと自分でも自覚してしまうが、嫌なものは嫌なのだ。
もう、全部夢で終わってほしいぜ。
そう願って俺はまた寝ることにした。
何か食べたいと思ったが、不思議と空腹感はない。
だからやることないし、寝よう。
昨日から今日にかけてあんなに寝たのにまだ寝足りないのか、眠くなってきた。
もう、寝よう。今日は疲れた。

いつもはうつ伏せで寝ていたのに、今日は何故かそれができなかった。
よく分からないが、若干胸が痛い。
…さっさと寝よう。


580 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 22:56:46.00 ID:EpIObIA0
俺の寝起きはやばい。
何がやばいって言うのは、その二度寝率だ。
確実に八割は超えるぜ。
因みに三度寝率は約五割。
こいつが結構やっかいだ。
なにがって言うと、通信販売で自宅に届けてもらう場合の話だ。

例えばAmazonで買い物して、自宅に届けてもらう場合は、当たり前だが俺が受けらなければならない。
よって俺はその時間帯に起きていなければならないのだ。
これがどれだけ難しいことか。それに一回寝てしまうとなかなか起きない。
だから部屋のインターホンの音は半端なく大きい。
そうしないと起きれないのだ。
すでに四回も同じように寝過して後日受取になっている。
起きるってのは本当につらいね。

で、今、そのインターホンを押されたわけだ。
もちろんあまりに大きい音なので起きてしまう。
誰だインターホンを鳴らすのは。
今日は何も郵便物はないはずだ。
ったく。人がせっかく気持ちよく寝ているのに…。
もうちょっと寝かせてくれよ。

コンコン
「赤塚友一さん、お迎えにまいりました。」

ああ…。なんだ?
なんで俺の名前を知っているんだよ。
しかも迎えに来たって意味がわかんねぇって。

「TS患者、女の子になってしまた人のための施設の者です。」

それを聞くなり、俺の脳は一気に覚醒した。
やばい。そうだった。昨日、母さんに言われてたんだ。
俺は飛び起き、急いでスウェットを脱いで男ものの服を着る。
つーか、男ものしかない。
肩幅が少し足りないし、胸が昨日より大きくなっているがそんなことは気にしている暇はない。
ばばばっと洗面所で顔を洗い、歯磨きをする。
水を一杯飲んで玄関でへと向かう。

「す、すいません。その、寝てました。」
「いいえ、大丈夫ですよ。」

玄関で出迎えた人は女の人は身長170p程で、スーツを着てきいた。
これがかなり似合っていて、大人って雰囲気を醸し出している。
顔立ちもよくて、肩にかかるくらいの髪はちょっと茶色でさらさら。
いわゆる美人が俺の目の前にいた。
581 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 22:57:37.15 ID:EpIObIA0

「それじゃ、車に乗って下さい。」
「あ、はい。」

真っ黒で、なんかよからぬ組織っぽい車だ。
ちょっと観察したが俺が見たことのない車種だ。
外車かな?

「どうしたの?」
「ああ、すいません。」

車の中は殺伐していてなにもなかったけど、ちょっといい匂いがする。
かけている音楽は俺の知らない歌で、とても安らぐ不思議なものだ。

外を見たらいつの間にか高速に乗っていた。

「今年はあなたを含めて5人です。」
「え?ああ、女になった人ですか?」
「はい。といってもこの県内での話ですが。」
「じゃあ、全国でどれくらいいるんですか?」
「確認しているだけで198人です。本当はもっといるかもしれませんが。」
「そうですか。…あの、あとどれくらいで着くんですか?」
「あと30分程度です。」

と言うと、高速を降りた。
ETC搭載らしく、スーっとゲートを抜ける。
周りを見ると山ばっかりで、街とは言い難い。
ちらほら家があるだけの田舎。
こんなところにそんな施設なんてあるのだろうか。
心配になっている俺を気にせず車を走らせる。

それから本当に30分で施設に着いた。
車の時計で確認したから本当だ。
車から降りる。

このあたりは多くの自然が残っているからか、空気がとてもうまい。
冷たい空気が肺に満たされ、気分がスッとする。

四方を木と、林と、森に囲まれてその施設は建っていた。
施設の第一印象は思ったより小さいってことだ。
どっかの大型病院みたいなのを想像してたけどな。
興ざめと言えばそうなるが、こんなもんだろう。
582 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 22:58:28.54 ID:EpIObIA0

「それでは中まで案内します。」

俺は何も言わずについて行った。
コツ…コツ。
靴と廊下からしか音がしない。
施設の中はシーンとしていて、周りからは人がいる気配がまるで感じられない。
う〜ん。よく分からん。

「この部屋です。」

と、目の前の扉を開けると机が5つ用意されていた。
一つだけ誰も座ってない席がある。
ほかの席には俺みたいな格好をした女の子が座っていたり、ホントに女の子って格好した子もいた。
男ものの服を着ている子は俯いて生気が感じられない。
なんか、空気が重い。
ホントに女の子してる子はこの雰囲気に馴染めないのか、きょどきょどしていた。

誰も口を開けず、外で木々がざわめく音だけが部屋を支配している。

「あなたはこの席に座って下さい。」

と言われ、やっぱり誰も座っていない席に案内された。
横、いい直線に並べられた席の一番右端に座る。
まるで高校みたいな机で、すこし懐かしい気分だ。
机は新品みたいに綺麗だった。

「これで、全員そろいました。それではこれから説明します。
 私語をせず、しっかり聞いて下さい。
 知っての通り、あなたたちは女の子になってしまいました。もう、男には戻れません。諦めてください。
 ですからあなたたちはこの社会で女性として生きてくための訓練をしなければなりません。
 訓練といっても、ここで何か特別なことをするのではなく、実際に高校に入学して卒業してもらいます。
 そこで女の子の社会を学んでください。そしてできれば男の子好きになってほしい。
 高校に入学するための準備期間として今日からここで一週間共同生活してもらいます。
 ここはその為施設です。理解していただけましたか?」

マシンガントークで一気に喋った。
大きな声ではっきりと。

俺は言われたことを頭の中で復唱する。
理解はしたよ。理解はしたけどさ、なんだって?
ふつふつとどこからともなく激情が込み上がる。

もう一度高校に入学しろだと。ふざけるな。
高校時代あんなに頑張って勉強した。
それでやっと大学に受かって、これから研究室でやりたいことができるのに?
就職先も決まりそうになっていたのに?
583 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 22:59:22.75 ID:EpIObIA0

訓練をしなければいけないことは分かった。訓練をする、ってことにはむしろ賛成しよう。
ここで一週間過ごすってもの譲歩してやる。
だがなんだ、高校って。
もうすでに高校の教養は俺には必要ない。
ましてや女の子の社会を知るためだとか、男を好きになるためにまた三年過ごすのは御免だね。
そんもののために俺は人生を削りたくない。
やっと手に入れられそうになった将来を易々と諦めてたまるか。
男に戻るのは諦めるが…。

「今まで通っていた学校はどうするんですか?」

俺は平静を装い、煮えたぎる腸を抑え、ゆっくり、なるべく小さめの声で質問した。
今ここで熱くなっても意味がない。
それに俺はもう大人だし、男が取り乱すってのはみっともない。

「やめていただきます。
 …ご安心ください。すでに学校側には連絡済みです。
 そして、入学していただく高校もすでに決まっております。」

受け入れられない事実ってのはいっぱいある。
もちろん女になってしまったこともそうだが、この決定はもっとだ。
勝手にも程があるぞ。
俺の体のことなんだから俺の自由にさせてくれ。
なんで大学まで辞めなければならないんだ。
ちゃんと単位もとって、学校にとってもいい学生だったんだぜ?
別に女になっても説明すればいいことじゃないか。
それで学業に支障があるわけでもない。

「何故…やめる必要があるんですか?」
「…君たちのことを考えてのことです。あなたにとっては不必要で、余計なお節介かもしれません。
 ですがここの4人にとっては、必要なことなのです。」
「じゃあ、俺だけでも…!」

俺は口から言葉を吐きだすのをやめた。
…どこからともなくすすり泣く声が聞こえてくる。
押し殺してきたものがどうしても抑えられなくて、漏れている感じがした。
聞き耳をたてる。
その発信源は左隣に座っていた子からだった。
服装は俺にみたいな男もの。だがぶかぶかで顔と体に合っていない。
髪の毛は超ショートだが、顔は明らかな女の子。
肩をすくめている「彼女」が酷く小さく見えた。
俯いて、膝の上でギュッと手を握りしめ、震えている。

「…学校になんて…家になんて…ヒック……帰りたくねぇよぉ…。」

頬を、透明な何かが流れ落ちた。
顎までつたって、ポタ、っと手の甲に落ちる。
窓から日光が差し込む。
外は晴れている。空が嫌なほど青い。
でも雨は止まない。激しさを増すばかり。
584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 23:00:18.99 ID:EpIObIA0
「…その子は二か月半くらい前…なったの。そして、家族に二人の弟がいたわ。
 …それからどうなったと思う?」
「……。」
「…犯されたわ。自分たちの兄が女になってしまえば、当然といったら当然ね。

    『兄貴がなったから俺たちもなるかもしれない。』

 そう思ったんでしょうね。
 翌日、彼らには一生の男が約束されたわ。
 それから味をしめたのか、毎日のように本能の従うままに犯し続けた。
 誰かに助けて欲しかったんでしょうね。
 家から飛び出し、逃げるように学校に行ったらしいわ。
 そしたら親友と思っていた人に襲われた。
 友達にも、誰かも分からない他人にさえもね。

 あいつなら大丈夫だ、って思って襲われるケースは珍しくないわ。
 そういう場合は親が施設に連絡していないことが多い。そのときから義務なのにね。
 息子が女になるってことは周りからの評判を下げることになる。
 それにそこらへんの男と交わってしまえば…分かるでしょ?
 だからどこにも秘密でいたいって思うんでしょうね。
 私たちが保護したのはなってから二週間後だったわ。本人からの連絡でね。」

腕を組みながら淡々と語る。
手には力が入っていて、スーツにシワをつくっている。
その顔には深い、怒りと悲しみの表情が表れていた。
奥歯を噛み締めている。
一言一言を言うのがつらい。そんな気がした。
隣ではなおも大雨が降っている。

「保護したときは心身共に酷い状態だったわ。
 心も身体もズタボロにされていて、私はなんて声をかけていいか分からなかった。
 心理状態においては本当に自殺してもおかしくない程だったわ。
 何がそんなに追い詰めたのって、他の同僚に聞いてみたの。
 迎えにいった人からうまく聞き出せたわ。
 それを聞いた私は、この世にこんな人間がいるなんて信じられないって思った。
 これを言ったら、その子の心が壊れてしまうから言えない。」
585 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 23:01:14.91 ID:EpIObIA0

いつも大学の講義は殆ど聞いていない。
耳から入って脳を通らずに体から抜けていく。
だが彼女の話は恐ろしいくらい頭に入ってくる。
一句一句、聞き洩らさないように必死で音を拾っている。

…喋り過ぎて疲れのかはかもしれない。
窓を見ながら目を細めている。

そうする原因はすぐ分かった。いや、分かってしまった。
彼女の目にも、隣の子と同じ物が溜まっていたから。
スーツから真白なハンカチを取り出す。
自分の目を少し拭って、大きく一息ついた。
それでも彼女の表情は変わっていない。

「…かつて、あなたみたいな子が一度ここに来たことがあるわ。
 意志が強くて、私の言うことなんて聞かなかった。
 自分だけは大丈夫って変な自信だけがあって、私もそれを信用してしまったの。
 それが間違いだった…。」

目の前に立ち、しゃがんで俺に視線を合わせる。
感覚はまだ男のときのままだ。

ドキッとした。

顔がかなり近い。
けどその顔は、後悔で、歪んでいた。
いままで何ひとつ変化を見せなかったのに。

何かが俺の心にズン、と重くのしかかる。
これは、一体何なんだろう?分からない。
なんとなく野球の試合でミスを犯した感覚と似ている。
けどそんなものより、もっと重くて、ただ、重い…。
とにかく話の続きを聞こう。
586 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 23:02:59.49 ID:EpIObIA0

「…で、その子はどうなったんですか?」
「死んだわ。自ら死を選んだ。よほど苦しいことがあったんでしょうね。
 遺書にはたった一言が大きな文字で残されていたわ。
 『みんなにうらぎられた』って…ウッ…。」

もう、それ以上喋れなかった。
口を手で覆い、溢れてくる泣き声と後悔を必死に抑えている。
どうしようもなく震える体はそれまでの彼女とは思えないほどひ弱に感じた。

これ以上、彼女を、否定しては、ならない。

心のどこかで、そう、思った。
俺の抱える問題なんて、とてもちっぽけで、どうでもいいものだなって理解した。

死んだら、それで終わりだ。
人は死ぬために生きているが、それは「意味」であり、「目的」ではない。

だから承諾してしまった。
少しの後悔と、たくさんの優しさと、溢れる同情で。

「分かった。学校辞めて、高校…行くよ。だから、もう泣かんといてな。」


いつの間にか雨雲は全てどこかに去っていた。




これで終わり。いきなり書き込んでごめんね。
じゃあばいばい。
587 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/18(土) 23:05:34.70 ID:KHMix5ko
なんか大作きとるー!
乙であります
588 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/19(日) 02:18:14.11 ID:adPtVI.0
新しい・・・惹かれるな

乙だ。
とてもよかったので声に出して読ませてもらったよ。
589 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/19(日) 03:34:19.77 ID:bOarAMs0
>>587,>>588
乙って言ってくれてありがとう
また何か書いたら投下するよ
恥ずかしいけど…
590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/19(日) 17:58:13.35 ID:adPtVI.0
『工事現場』
ねたがかれすぎてたんで、>>563のせっていをはいしゃくする
ゆるしてくれ


不快な音に目が覚める。
外で工事をしている音だ。
いくら告知をされたところで、うるさい事にはなんら変わりはない。
違うな、まさに俺の心の中と同じような音に嫌悪を抱いているだけなのかもな。
俺の心の中はいつもざわついていて常に騒がしい。
その音をできるだけ聞かないようにし、いつも我慢している。
まさに、今の俺を例えられたかのようで気に食わない。いや、怒りを覚えている。

ドタドタドタ!!

隣の部屋から物音が聞こえてくる。
兄貴か?珍しいなあの兄貴が部屋で暴れているなんてな。何があったか知らんが・・・いい気味だ。
俺は兄貴が嫌いだ。
兄貴は俺の事が好きなんだろう。だが俺は嫌いだ。
兄貴は俺から沢山のものを奪っていく。容姿、頭脳、父や母からの愛。
俺のそのおこぼれすらもらえない。
俺だって努力していないわけではない。
容姿だって、髪型や顔の手入れ、服装にだって力を入れている。勉強だって。
それでも、”がんばったね”が限界なのである。
"所詮この世は弱肉強食"
どこかの漫画のキャラが得意げに語ってたっけ。
認めたくない。たが、俺の生存本能は社会的強者には逆らえないでいた。
兄に父や母に、俺は偽りの仮面をかぶって生きながらえてきたのだ。
家族という社会の中で、俺の心はすでに壊死寸前だった。

「弘樹!」

聞きなれない女性の声で俺の名前が呼ばれた。
と、言うか、俺の部屋に入り込んできたその女性の口から発せられた声だ。
見覚えの無い女性は俺の名前を弘樹と呼んだ。
俺にはそんな親しい友人も幼馴染もいない。ましてや家族にすら・・・・。
家族?ああ、兄の彼女か誰かか?彼女・・・・ムカツクぜ・・・!

「どちらさま?兄貴の友達?彼女ですか?」

「僕だよ!樹乃だよ!」

「は?」

樹乃・・・?兄貴だと?よくよく見るとその女性は、少女と呼ぶにふさわしい年頃で、兄貴と同年代かもしれない。
しかし、整った顔立ちは兄貴の面影がある。
以前の兄貴を象徴するかのように整った顔立ちは変わらず、それはまさに美少女だった。
女体化・・・現象か。なるほどな。人類の男のうち、0.01%の確立でなるとかならないとかのアレか。
これに順応できず社会の中で壊死してしまった者は多いと言う。
いい気味だ。いい気味だ。いい気味だ。いい気味だ。いい気味だ!!!!
お前はこれから苦しんで生きるんだろうなぁ!!俺はうれしいよ!!
591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/19(日) 17:59:21.96 ID:adPtVI.0
「どうしよう!どうしよう!お母さんもお父さんも今日は居ないし!」

「ふぅん。それで俺を頼ってきたわけ?」
高ぶる気持ちを押し殺しながら俺は、冷静に答える。

「えっとこういう時、どうしたらいいんだっけ!?」
確か、施設へ連絡するんだろ?

「さて、どうだっけか」
俺は知らないふりをする。
頭のいい兄は、いつもならこんな簡単な問題の答えくらいすぐ出すはずだ。
ふふふ・・・それだけ焦っていると言うことか。

「怖いよ・・・・どうしたらいいんだよぉ・・・」
そろそろいいだろう。もう我慢もできない。
「怖い・・・だと?ふざけんじゃねぇ!!」

「え・・・?」

ガッ!!

俺は拳に全体重をかけて、目の前の少女の顔面にそれを殴りつける。
「あうっ!」
俺のほうが年下とはいえ、女の体はとてつもなく軽い。あっさりと吹き飛んで床に打ち付けられる。

「いっ・・・痛いっ!」

「そっか。痛いか。顔?心?どっち?」

「怖いか?寒いか?俺から色んなものを奪っておいて、それでも尚且つ幸せを得ようってか!?ハッ虫唾が走るぜ!あんたにはその姿が似合いだな」
592 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/19(日) 18:01:29.75 ID:adPtVI.0
「ひ、ひろ・・・き・・・・」
まさか、弟の俺にこんな事を言われるなんて思いもしなかったのだろう。
助けて欲しい、力になって欲しい。そう思ったから俺の部屋に飛び込んできたんだろう?
ならば、俺はそれを全力で突き放す!

「なん・・・・どうして・・・」

こんなとき、俺は至って冷静であった。
そうだな・・・・こんな不細工な俺がこのまま女体化するとしよう。
女の華は短いというのに、華が咲く時期にすでに枯れ果てているものほど醜いものはない。
ならば・・・・!俺はこのまま男である事を選ぶ!

「起きろよ」

俺は兄の首根っこを掴んでベッドのほうへ放り投げる。

「これから何するか、わかる?」

「あ・・・あ・・・いや・・・・だ・・・・」

「そっか、わかってるんだ。悪いことだよな、兄貴」

「けど俺、これでやっとあんたと対等になれる気がするよ」

「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・」

兄の、女の悲鳴は工事現場の騒音に軽くかき消されていく。



鑑別所で目が覚める。
あのときの夢を見ていたようだ。
20年以上の懲役もまだ1/10にも満たない期間しか経っていない。
しかし、俺の心には何の騒音もない。
こんな閉所であるにもかかわらず俺の心はとても静かに穏やかだった。
593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/19(日) 18:02:53.93 ID:adPtVI.0
われながらおれはくろいな

ついでにあんかちょうだい

あんかした
594 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/19(日) 18:26:38.94 ID:AA6emsYo
あいつの携帯
595 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/19(日) 19:34:40.69 ID:adPtVI.0
『あいつの携帯』

俺の部屋にあいつの携帯が置き去りになっていた。
まったく。
教えてやろうにも、あいつの手元に携帯がないんじゃそれも叶わない。
あ、そうだ!あいつの自宅に電話を・・・・って、俺しらねぇし。

・・・・・・・・

しばらく考えたすえ、一つだけ連絡をつける方法を思いついた。
あいつの携帯の中身を覗いて、あいつの自宅の電話番号を調べる。
と、いう方法だ。
しかし、これはモラルの問題が発生する。
俺は悩んだ。1時間以上は悩んだと思う。
でも、自分の部屋に他人の携帯があるというのはとても落ち着かない。
しかも、さっきから着メロがガンガン鳴っている。
「うるさいぃぃ〜〜〜」
もういい、封印を解く!!
それはまさに、パンドラの箱を開けるのかと言わんばかりの心境だ。
「ごめん・・・!ええい!」

・・・・・不在着信有り10件・・・・・

「あ、押しちゃった」

発信者:えりたん

「誰・・・・誰これ」

「あんのやろぉぉぉぉぉ!!」

ついさっきまで人を・・・・俺を押し倒そうとせんばかりの勢いだったあいつ。
未遂に終わったとはいえ、言いようの無い怒りがこみ上げてくる。

「こんなものぉぉぉぉ!!」

俺はイチローをも思わせるほどの勢いで、窓の外へ向けて携帯レーザーを放った。

「いってぇ!あっ・・・俺の携帯!!」

どうやら、携帯が心配になったあいつが俺の家まで戻ってきていたようだ。

「ふふふふふ・・・待っていろ。携帯を部屋に忘れていったことを後悔させてやる」

翌日、彼の顔には無残にも引っかき傷が複数確認されたという。

おわり
あんかした
596 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/19(日) 19:41:15.94 ID:AA6emsYo
愛なんかいらないぜ・夏
597 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/19(日) 20:53:36.42 ID:adPtVI.0
『愛なんかいらないぜ・夏』


僕の気持ちなんて露知らず・・・。
女体化女性の品評会がとある教室で執り行われていた。

「諸君らに集まってもらったのはほかでもない!」
ザワザワザワ
「今日は君たちにうちのクラスの女体化女子・・・いや男子・・・
 あぁ、もうどっちでもいい!彼女らについてとある取り決めを行いたい!」
ザワザワザワ
「ご存知の通り、私を含め、君たちは全員童貞だ。
 だからこそ集まってもらったわけなのだが」
ザワザワザワ
「我々のクラスは深刻だ。もう、8人しか男子が残っていない」
残りの7人がお互いの顔を見合わせる。
「もう、なりふりかまってはいられないと。私は考える!」
ザワザワザワザワザワザワ
「ん、確かに僕もそう思う。
 このままでは僕たちのクラスは男子としての面目すら守れず、
 他クラスからの笑いものにされてしまいかねない」
「メガネ君、その通りだ」
「ふむ、確かにな。しかし、これは・・・・」
腕組みをしたまま聞いていた大柄の少年は、あまりの大胆さに怪訝な表情をする。
「そうだな。これは扇動だ。しかし、同時に事実だ。
 それをよしとしないのならば、私の言葉を聞いてくれ」
ザワザワザ・・・・
「・・・・君たちの気持ちはよくわかった。ありがとう。
 これより、『愛なんかいらないぜ・夏』プランを開始する!」
「今回、この1ヶ月前後で女体化した男子は以上の者になる!
 彼ら・・・いや、彼女らは様々な苦しみを抱え、今に至っている。
 男でも女でもない。そんな中途半端な境でな」
「そこを我々が懸命にサポートし、彼らを女へと導くというものだ!
 その先は、言わずとも察していてくれている事だろう」
「ふむ、興味深いな」
そんな言葉が口々に漏れ出す。
「では、担当を発表する!
 出席番号5番メガネ君!君はその類まれな知識で鈴木Sさんを!
 やり方は君に任せる!」

こうして『愛なんかいらないぜ・夏』プランが発動された。
愛により支配された世の中に、女体化を防止する手立てを持たぬ男達はこうせざる終えなかったのだろうか。
それもまた、一つの答えだろう。

われながらくだらんないようだ

あんかした
598 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/19(日) 20:58:20.00 ID:AA6emsYo
アルバイト募集中
※女体化者に限る
599 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/19(日) 21:01:22.74 ID:adPtVI.0
はあく

しかし、かきだしとけつまつのながれがちがうな
ちゃんとまじめにかかないとだめだな
600 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/20(月) 19:52:24.86 ID:ZiD.Vv20
安価『アルバイト募集中
   ※女体化者に限る』

世界はどこまで歪んでいるんだ。
女体化現象に始まり、その差別。社会格差。不景気によるデフレスパイラル。
商品原価が下がると同時に我々の所得も下がってしまう。
何か新たな商戦に勝ち残っていくために、何か新たな試みが必要になる。
特に中小企業は・・・。
「そうですね・・・新たな商品開発に取り組んでみてはどうでしょう」
とある弱小ファミレスの店舗バックヤードの一室で各店舗の店長や現場監督者が集まり、意見交換が行われていた。
「いや、それは日夜取り組んでいるだろう」
「それに、あたらな商品を開発したところで原価が低すぎて物が限られてしまう」
「逆に高級志向で行くとか・・・たとえば、ブランド食材を取り込んで・・・」
「新しいコスチュームを取り入れてみては。いまや萌も日本の文化になってますし」
・・・・・・・
数時間に及ぶ会議の中で多くの意見が交わされる。
そこに生産性が無ければ何も意味が無い。
多くの意見が発せられては気化するかの如く消えていく。
同じような話題が繰り返されようとしていたとき、アルバイトの女性が気を利かせてお茶を入れに来た。
「お、悪いね咲ちゃん」
「お疲れさまです。俺・・・あっ・・・私これで失礼します」
「?俺・・・?」
「もしかして君、元男の子?」
「あ・・・いえ、ちがっ・・・・」
「誰だ、面接をしたやつは」
みな口々に元男であると思われる女性に言葉を投げつける。
601 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/20(月) 19:53:24.81 ID:ZiD.Vv20
「みんなストップ!」
メガネを掛けた現場チーフの男性がその場を制した。
「君、もう一度俺って言ってみてもらえる?」
「あっ・・・えっと・・・そんな・・・俺クビですか?」
「これは・・・新しい・・・惹かれるな」
「何なんだ?何が言いたい?」
「あえて言おう、私はにょたっこ好きであると!!
 つまりだ、私のような女体化者好きかつ、嫁に迎えている人間もいるのだ」
「君の性癖はわかった、だが我々には理解できんぞ」
「甘いですね。このように女体化好きを隠している人間は
 一昔の隠れオタに近いほど数が多いのです。
 このソースに関しましては、後ほど提出しますよ」
周囲がざわつく。
すると、会議を取り仕切っていた本店店長が意を決したかのように立ち上がった。
「いいね、ソース情報はあえてとらないよ。このまま実践してみせてよ。
 もちろん君の店舗でね。いいかな?平本君」
平本と呼ばれた店舗店長が現場チーフの男性を見つめる。
「やって見せられるか?お前の首を掛けて」
「もちろん。もうすでに準備は整えられています。
 なんせ、彼・・・いや彼女を面接したのは私ですから」
「ほ、ほかにも居るというのか!?」
「ええ。ただし、教育にはほとほとてを焼かされましたがね。
 しかし、今回は簡単です。なんせ、彼女らを解き放ってやるだけですから」

それからしばらくして、男を知り尽くした女性達はその猛威を振るった。
後に弱小ファミレスは今では大型企業へと進化した。
ただし、このファミレスのアルバイト募集には必ずこう書いてある。

『アルバイト募集中
 ※女体化者に限る』

おわり
安価した
602 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/20(月) 20:17:25.22 ID:SNTylxwo
オンラインゲーム
603 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/20(月) 20:58:37.40 ID:ZiD.Vv20
オンラインゲーム
はあく
604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/20(月) 22:38:13.19 ID:ZiD.Vv20
だめだ、ねたがうかばん

ところで おれのださくはおいといて
うえにたいさくがとうかされているわけだが
ここまではんのうがないとはな

しかし、おれはかきつづけるぞ

でも、さみしい
605 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/20(月) 22:41:45.48 ID:SNTylxwo
ん?大作への反応かい?
606 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/20(月) 22:54:23.27 ID:f3zm2msP
大作も須原歯科
安価も須原歯科
そしてまた今夜も 裸に正座で作品投下を待ちわびる
607 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/20(月) 23:11:37.34 ID:k9zuOHM0
ネトゲ廃人はいねえがー
608 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/20(月) 23:14:16.68 ID:SNTylxwo
はーい\(^O^)/
609 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/20(月) 23:26:16.65 ID:ZiD.Vv20
ねとげはおれのはんちゅうがいだったぜ

でも、がんばってかんがえてるからまってね(はあと
610 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/21(火) 02:47:45.37 ID:08c/cO2o
ネカマ演じて直結釣るはずが直結君が友達でその上自分は会う予定の2,3日前にちょうど女体化、とか
611 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/21(火) 10:36:20.81 ID:HnnC51E0
ちょ、連休中にすげースレ進んでるし!
今から読んでくるぜ
ついでに安価もくださいな
612 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/21(火) 11:34:13.94 ID:91WU7pUP
夏休み
613 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/21(火) 11:34:57.36 ID:HnnC51E0
読んだ、堪能した、御馳走様でした
大作の人もひらがなあんかの人も乙GJ!

安価貰えそうにないから脳内妄想いてくる
614 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/21(火) 11:37:17.90 ID:HnnC51E0
パー速で40秒前とかどんだけスナイパーww
夏休み把握
615 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/21(火) 12:14:49.78 ID:HnnC51E0
安価「夏休み」

僕は今、人生の選択肢に差し掛かっている。

女体化してしまった友達の意見。
「女の子の夏休み?
 アルバイトとか優遇して貰えるし、旅行とかもサービスいっぱいだし……男だった時よりお得で楽しい事も多いかもねー」
女体化しなかった友達の意見。
「男の夏休み?
 俺に聞かんでも、自分でも分かると思うけど……まぁ、アッチより気楽にバカ出来たりするし女より楽しい面もあるんじゃないか?」

なるほど、どちらも一理ある。

女体化してしまった友達の意見。
「確かに気楽には出来ないかも。
 ほら、薄着とか水着とかになるでしょ? そーするといつも以上にナンパな人が寄ってきてめんどくさいよ」
女体化しなかった友達の意見。
「男側にはそういう心配とかないからなー
 てゆか、お前の場合は格好以前に無邪気というかなんていうか……もう少し警戒心をもってくれ」

ふむふむ、可愛い女の子には相応の苦労があるというわけだね。

女体化してしまった友達の意見。
「警戒なんてしてたら何も出来ないよー? みんなワタシのコト見てる、とか自意識過剰もいいとこだし」
女体化しなかった友達の意見。
「おひおひ……それ自意識過剰じゃないから、みんなお前とすれ違うと振り返ってるから
 もと男なんだから、自分の魅力くらいしっかり把握しておいてくれよ
女体化してしまった友達の意見。
「むぅ、毎日鏡で見てる顔だけど、言うほど美人じゃないと思うんだけどなぁ……
 でもでも、もし何かあってもスグに助けに来てくれる……んだよね?」
女体化しなかった友達の意見。
「当たり前だバカ……でも、あまり心配させるな
 お前がそーやってちょっと煽るだけで、俺が内心どれほど動揺して嫉妬してるか分かってんのか?(ぎゅ)」
女体化してしまった友達の意見。
「うん……ごめんね(ちゅっ)」

僕の決心は固まった。
女体化するしないは置いといて、とりあえず恋人作ろう……どんな手段を用いても。
二人の世界を形成し始めた二人を不純異性交遊で通報しておいて、僕は夏の夕日に誓うのであった。
616 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/21(火) 18:39:12.77 ID:HnnC51E0
スレが止まっているのでもう一個頑張ってみよう、安価「夏休み」


「夏は恋の季節」なんて、誰が言い始めたのだろう。
そういうのは既に相手がいる人間向けであって、その場合は恋じゃなくて愛だろう?と、ツッコミたい。
勿論そんな愚痴を吐く僕は当然のようにお相手が居ない側の人間だ。
しかも間の悪い事に8月31日は僕の15の誕生日……
そう、この夏休みの間に恋人を作れなければ僕は女の子になってしまうのだ。
何とかしなければ……気ばかり焦ってしまうがコレばかりは相手が居なければどうにもならない。

「何とかなりそうなのか?」
「……正直、自信無い」
「お前、そんなに素材悪くないのになぁ……」
「そう、かな?」
「ま、どっちかというと女体化後に期待出来そうな顔立ちだけどな」
「ほっといてよ!」
「とにかく頑張れ、もし女体化しちまったら俺が彼女にしてやんよ」
「うるさい! さっさとバイト行っちゃえ!」
「はっはっは……マジ頑張れよ〜」

夏休みの初日、とある高原へ住み込みのアルバイトに行くという幼馴染を見送った。
自分だって見知らぬ地に住み込みに行くという不安を抱えているだろうに、最後まで僕の心配をしてくれた。
うん、彼はいい奴だ。
彼の恋人になっちゃうのもいいかもしれないな……なんてちょっと気持ちをグラつかせたまま家路についた。
617 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/21(火) 18:40:19.85 ID:HnnC51E0
2日目。
僕は補習のために学校に来ていた。
いや、女子との出会いを求めに学校に来た、というのが正しいかもしれない。

「クラスの女子との接点を維持するため、ワザと赤点取るって言うのはどうだ?」

という、幼馴染の言葉をそのまま実行する僕もどうかと思うけど
このアイデアが無かったら、今頃自分の部屋で悶々と転がっているしかなかったと思う。
本当に彼には感謝してもしきれない。

――カランコロン、と可愛らしい音が鳴る図書館の扉を開く。
静寂を旨とする図書館の扉が音を立てるのはどうかと思うけど
専門書ばかりの学校の図書館は人気が無くて閑古鳥で、むしろ人が来たかどうか明確に分かった方がいい、と
チャイムが備え付けられたのだそうだ。

「あれー? 佐藤くん、どしたの」
「おはよう愛川さん
 えっと……僕、午後から補修があるんだ」
「補習? クラス一の秀才の佐藤くんが!?」
「うんDQNが面白くてね――」

彼女はクラスの図書委員、愛川さん。
ちなみに一月前は本ばかり読んでる愛川「君」だった。
彼がまだ男性だった頃、互いに「同じような匂い」を嗅ぎ分けて仲良くなったのだ。

「いくらお前でもいきなり女子と仲良くなるのは難しいんじゃないか?
 愛川だったらお前も女の子相手としての会話もしやすいだろうし、理由話して協力して貰うのもいい
 とりあえず早い段階で仲良くなった方がいいと思うぜ?」

これも勿論あの幼馴染の言葉。
まったくもって優秀な策士だ、彼は。
618 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/21(火) 18:41:41.42 ID:HnnC51E0
「うん、どうせボ……わたしもヒマだし、補習が始まるまで涼んで居ってもいいよ」
「ありがとう
 ここなら静かで落ち着けるし、愛川さんみたいな可愛い子もいるし助かるよ」
「ぅ……そ、そういうのまだ慣れてないから、勘弁して?」
「限りある高校時代、積極的に女子として慣らしていかないと……ってアドバイスしなかったっけ?」
「そ、それはそうなんだけどね……」

そう言って頬を染めながら俯く愛川さんは、もう普通の美少女にしか見えない。
それなのにクラスの男連中は「本の虫・愛川」のイメージが先行するのか、彼女にアプローチする者は居ないと聞く。
まぁ、彼女の方にも「男の意識」は残っているだろうから、そうそう上手くはいかないだろうけれど。

暫くの間、図書館で涼ませてもらう。
参考書に取り掛かりながら、時々愛川さんと話をしてみる。
うん、いい調子だ。 これなら他の女子との会話もスムーズに行える気がする。

「ね、ねぇ佐藤くん」
「ん?」
「わたし、佐藤くんから見て女の子になれてるかな?」

綺麗な瞳でジッと見つめられながら問いかけられる。
「うん」と答えるのは簡単だ。
だけどそれでは、この先の苦難を乗り越えるのは無理だろう。
脳細胞をフル回転さ、この場に適切な解を導きださなければ!

「愛川さん」
「?」
「目、瞑って?」
「え……?」
「……」
「ぁ……ハイ……」

静かに瞳を閉じる可憐な少女。
僕はそっと、彼女の頬に手を添える。
ピクン、と小さく震える彼女の前髪を優しくかき分け、ふーっと額に優しく息を吹きかけてみる。

「うひゃぁ!」
「あはは、そこできゃぁって可愛らしく悲鳴上げれないようじゃマダマダ修行不足だね」
「あぅー……佐藤くんヒドイよぅ」
「それじゃ、僕は補習に行くから」
「あ、ちょっと、こらー! ……もぅ」

彼女のうらみがましい声を背に図書館を後にする。
よし、女子とのスキンシップとしては十分だろう。
最悪、女体化してしまった場合には彼女は僕の先輩にあたる。
こうやって交友を暖めておいた方がいいだろうな。

翌日から彼女とは、お弁当を作ってきてくれたり私服になってみたりと、女子力向上を見てあげる間柄になるのだが
彼女のおかげで少し自信をつけ、教室に向かうこの時の僕に知る由も無かった。
619 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/21(火) 18:43:31.72 ID:HnnC51E0
最後、なんか言い回しが間違えてる気がするけど気にしたら負けだ!うんorz
620 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/21(火) 19:16:25.04 ID:MlErJ8go
フラグビン立ちなのにスルーしてしまっているんですね分かります
621 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/21(火) 23:49:53.07 ID:3e0Fn8E0
あんか「オンラインゲーム」

「今度リアルで俺と会わない?」
「えぇ〜どぉしよっかな〜」
「だってさ、今俺達付き合ってるじゃん」

ごほん。説明しよう。
リアルとはリアル世界。つまり、ゲーム外の現実というわけだ。
彼らはオンラインゲーム内のゲーム世界でのみ付き合っているという仲だ。

「そんなの恥ずかしいよぉ」
「いいじゃん。これだけ仲良くなって会わなとか、逆に不自然じゃん」
あーーしつこい!!ネカマもそろそろ限界か!?
何か上手くやり過ごす方法・・・・方法・・・
実は俺も男だ。会いたいと言う奴の気持ちもわからなくもない。
だが、男なんだ俺も。会えるわけがない。
しかし、奴も引かないだろう。俺には分かる。
これは・・・一昔前にはやったメル友ドッキリ作戦でやり過ごすか?
それしかない。
呼び出すだけ呼び出して、その場に現れない。
相手は怖がって逃げた。そう思わせる。
そして、インして別れを告げよう。俺だって手塩に掛けて育てたキャラを捨てるなんて・・・・
できるわけがない。いったい何百時間かけてると思っているんだ。

とか思っていたのは最初だけだった。
だんだんどんな野郎が顔を出すのか。違う意味で楽しみになってきてる自分が居た。
俺、最低だな。でも、テラ楽しみwwwwwwww
622 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/21(火) 23:52:51.92 ID:3e0Fn8E0
翌日、学校で友人の智也とオンラインゲームの話題になった。
当然、彼には俺がネカマをやってるなんて秘密だ。
痛すぎていえるわけがないwwww
「俺さー、今度ネトゲで知り合った人と会う約束したんだよね」
「え!?」
俺は一瞬ドキっとした。
俺は、それが俺の事なのか、そうでないのか詮索したくなった。
「お前がネトゲやってたのは知ってるけど、なんてゲーム?」
「にょたっこオンライン」
「え。あ・・・あ、あれやってんの?」
俺はさらにドキっとした。
「どうした?純もやってんの?」
「い、いや・・・そ、そうじゃなくてさ」
やばいぞ俺、詮索しておきながらしどろもどろになっている!
「ま、いいや。それでさー・・・・」
彼の言葉を分析すると、相手は確実に俺である事が明白となってきた。
俺に友達は少ない。智也は学校で唯一と言っていいほどの友達だ。
俺が笑いの対象としようとしてた相手が智也だったなんて・・・・。
結局俺は、はしゃぐ智也の話を「あぁ」とか「そっか」でしか聞いてやれなかった。
そして、智也に真実を打ち明けられないまま、Xデイは刻々と近づいて行くのだった。
623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/21(火) 23:54:23.31 ID:3e0Fn8E0
後3日。
これが意味するのはやはりXデイ。
智也とリアルで会う日だ。
今日もネトゲでアイツの相手をした。疲れた。本当に疲れた。
このけだるさは精神的な疲労からくるものだろうか?
なんか妙に身体がだるい気がする。
今日はもう・・・・寝よう。

後2日。
身体がとても重い。これは風邪か?若干頭痛もする。
昨日からだがだるかったのもうなずける。
なんだか胸焼けもする気がする。
そう思って、胸をさすろうとした瞬間。
ムニ
「へ?」
慣れない感触とそれが自分の物である感覚に、とっさに声が漏れる。
さらにその声がキンと耳に響く。
気が動転してとっさに起き上がる。
頭を抱えて、部屋の中をぐるぐる回る俺。
そんなことをしてもチーズになるだけだ。
はぁっとため息をついてうなだれる。
女・・・・女体化・・・だなこれ。
俺、どんな姿なんだろう。
洗面所!俺は猛然とダッシュした。
「これが・・・俺?マジ?女じゃん・・・」
その日、俺は様々な手続きと買出しで一日を女の自分に翻弄されていた。

後1日。
Xデイは明日である。
俺はもう男ではない。しかし、俺である。
この矛盾だけは消し去れるはずはない。智也と会えは彼はこの美少女に歓喜するだろう。
その後、美少女が俺である事に絶望するだろう。
もう、俺に逃げ場はないのか?こんな愚かな俺に・・・・!
そして、導き出された結論は・・・・
真実を話すこと。
俺は智也の落胆する顔が見たくない。俺がすっぽかして、何食わぬ顔で学校に行ってもいい。
でも、それは・・・・俺の心に一点の曇りを残すことになるだろう。
そのまま何食わぬ顔で智也を慰めて女として生きていく俺の人生の伴侶に・・・・
って、俺何考えてるんだ!?
あいつの嬉しそうな姿や、悲しそうな姿を想像すると俺の心が締め付けられていく。
「会わなきゃ・・・じゃないと俺が壊れてしまう」
624 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/21(火) 23:55:58.04 ID:3e0Fn8E0
後0日。
Xデイ当日。
俺は智也が思う女らしい格好を選んできた。
しかし、その顔には若干のクマが残っている。
何とか母に頼んで分からないようにメイクしてもらった。
昨日は練られなかった。
『明日会えるね』
この言葉が俺の心と身体を締め付けて、苦しくて苦しくて眠れなかった。
俺はすでに待ち合わせ場所に立っている。
しかし、その身体は期待ではなく恐怖に震えていた。
すると、目の前から智也が歩いてきた。
俺は目印にと、手に赤いハンカチを持っていた。これは趣味でもなんでもなく、ただの目印である。
「凛さん・・・・ですか?」
「えっ・・・・・」
自分より背の高くなった智也を不安げに見上げていた・・・と思う。
もう俺はそのとき気が気でなかった。
俺は本人を正面に言葉が出せずにうつむいてしまった。
「えっと・・・人違いでした・・・・すみま・・・」
だめだ。智也が行ってしまう!打ち明けるんだ!すべて!!
ここで言えなきゃ俺は・・・俺の唯一を失ってしまう!
「直結・・・さん・・・」
「あ・・・・ よ、よかった・・・人違いかと思いましたよ
 いやぁ、面と向かってだと・・・・その・・・凛さん、想像していたより綺麗で・・・」
「ごめんなさい」
「え!?」
「ごめん・・・・!智也ごめん!!」
「はへぇ!?」
智也は相当面食らっていたと思う。でも、俺の目の前が滲んで何も見えなかった。
どんな顔してた?智也。
「な、なん・・・で?なんで俺の名前・・・・」
「純なんだ・・・俺なんだ・・・・」
625 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/21(火) 23:57:06.93 ID:3e0Fn8E0
怒っているのか?悲しんでいるのか?それとも、こんな俺に蔑みの目を向けているのか?
俺の目の前はもう何も見えなかった。
けど、智也と思われる人の姿をしたモノは俺に近づいてくる。
「殴って・・・いい・・・!だから・・・・ゆる」
「泣くなよ。ほれ」
智也の指先が俺の目頭から目尻を伝い、涙をぬぐっていく。
ゆっくりとやさしく。
けど、智也の口調はよそよそしくなく、それはいつも俺に接するような態度に戻っていた。
「ハンカチとか・・・・ぐす・・・ないのかよぉ・・・・」
俺も、そんな口調に促されてか、いつもの口調に戻っていた。
「そんな洒落たもの、もってねーよ」
「初デート・・・ぐす・・・なんだろ・・・?それくらい・・・ひっく・・用意しておけよな・・・・」
「じゃ、その赤いハンカチよこせ」
「あっ・・・」
俺がぎゅっと握り締めていたハンカチを乱暴に奪ってポケットにしまいこむ。
「あっそれ・・・結構高かっ」
「あと、これからデートに付き合ってもらうぜ?」
「で、でも!」
俺は智也の態度が腑に落ちなかった。なぜ、こんな俺を許すかのような行為を。
「さっきのハンカチと、これで、あいこな」

いつの間にか俺の目の前は晴れ渡っていた。
呆気にとられたってのもある。でも、それ以上に幸せな気分になっていたかもしれない。
俺はこれがあいこだなんて思ってない。
この借りは高くついたと思う。
でも、できれば一生掛けて返して生きたいと思う。
626 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/21(火) 23:59:25.12 ID:3e0Fn8E0
なんかふつうになった

すまない、どおやらおれにはこれがげんかいだったようだ

ゆるせ!

あんかした
627 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/22(水) 00:00:46.31 ID:cnH44DIo
ぬいぐるみ
628 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/22(水) 00:05:03.64 ID:rG7.sz.0
あんかはあく

てかれすはやすぎわろた
629 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/22(水) 00:06:43.37 ID:cnH44DIo
私はいつも…君を見ているぞ…
630 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/22(水) 00:40:26.81 ID:rG7.sz.0
あんか「ぬいぐるみ」

部屋にただ一つ無造作に置かれた変な顔をしたぬいぐるみ。
私はそれを手にとってじっと見つめる。

「これで私も少しは女らしくなれるかな?」

私の心とは相反したかのようなへんちくりんな顔は、そんな私の気持ちをより複雑にさせた。

「あぁ!もう!顔が変!」

へんちくりんな顔をしたうさぎのぬいぐるみに女らしくさせられるのがシャクで
急に苛立ちがこみ上げてきた。
私はそれを両手で真上に放り投げる。
投げられたぬいぐるみは天井へあたり、そのまま垂直落下を始めた。

ぽんっ!

「あいたぁ!」

別に痛いわけではないのに反射的に言葉を口にする。
見事私の頭に戻ってきたそれは、変わらずへんちくりんな顔をしていた。

「うぅぅぅぅ!!タケシのばかぁぁ!
 『これでお前もちっとは女らしくしろ』
 だとぉ!?」

「そんなこと言われて、渡されたら・・・・こんなのでも捨てられないじゃん・・・」

「ばかタケシ・・・」
私はそういうと、ぬいぐるみの頭を指で小突いた。

おわり

あんかした
631 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/22(水) 00:43:39.75 ID:cnH44DIo
ぷろれす
632 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/22(水) 00:45:22.62 ID:.KAcWcwP
花火
633 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/22(水) 00:45:40.65 ID:rG7.sz.0
はあく

またおまえか・・・

ふっ・・・わるくない

そんなおまえをおれはあいしてるぜ
634 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/22(水) 00:45:42.33 ID:.KAcWcwP
ち 負けた
635 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/22(水) 01:07:20.65 ID:rG7.sz.0
あんか「ぷろれす」

「にいにいーぷれれすしよー」
12以上歳の離れた4歳児の弟がプロレスごっこを申し出てきた。
僕が男だった時から、弟と遊ぶと言えば決まってこれだ。
「だから、ねえねえでしょ?」
「ねいねい?」
「はぁ・・・もういいよ・・・けどね、ねえねえはもうプロレスできないんだ」
「いーあーだーぼく、ねいねいとぷれれすするのー」
「だーめー」
僕はそういって、ダメだと背中を向けて態度で表した。
「うぅぅぅぅ!いやぁぁぁい!」
ドン!
「あんっ!いったぁ・・・」
弟のボディーアタックが俺の背中に直撃する。
なんとも生意気な4歳児。あちらも態度で意思表示してきた。
「むむむむ!ゆるさない!」
両手をがばっと大きく広げて捕まえようとする。
すると、四歳児の弟は低く前傾姿勢を取って僕の足を掴みに来た!
ドン!
大きな音とともに僕は4歳児にすっころばされてしまった。
「いった!ててて・・・・それレスリング・・・・」
「ねいねいつかまえたー!それ、でんきあんまー」
なん・・だと・・・・?
そ、それはダメーーーーー!!
僕の悲鳴は心の中で空しく響き渡る。
「どどどどどっどーーーーん!!」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!やめっ・・・・はぁぁ・・・・!」
たかが4歳の男児。しかも、我が弟に大切な部分をこんなに・・・・
こんなにヴァイブレーションされたら・・・・僕・・・僕・・・
「だめぇぇぇぇぇぇぇ・・・・・・」
ビクンビクン・・・
「いち、にい、さん、だーーーーー!」
「う・・・うぅ・・・・」
初イキがまさかこんな体験だなんて・・・・うぅ・・・・もう立ち直れない・・・・


おわた

あんかした
636 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/22(水) 01:47:20.52 ID:o4Os3fo0
魔法使い
637 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/22(水) 10:31:46.38 ID:qpMmcASO
あんかはあく

しょうしょうながくなるがいいか?
いいよな
638 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/22(水) 10:39:51.72 ID:.KAcWcwP
うん
裸で正座してまったりまつ
639 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/22(水) 22:51:42.01 ID:rG7.sz.0
かなりながくなりそうなのでいっぷくするか

ところで、ほかのかたがたおつ
ひとそれぞれでいろんなものがみれていいしげきになる
ああいうのかきたい
とおもっても、かんせいのちがいだからかうまくいかねぇぜ

もういっこあんかもらっとく

あんかした
640 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/22(水) 23:24:47.18 ID:o4Os3fo0
生理
641 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/23(木) 21:57:15.55 ID:Csc3tnI0
よーしパパも安価しちゃうぞー

安価↓
642 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/23(木) 22:06:26.31 ID:KWKlUtoo
ティウンティウンティウン
643 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/23(木) 22:07:42.52 ID:Csc3tnI0
把握ww
644 : ◆veGtaVgeKE :2009/07/24(金) 01:13:25.08 ID:tyVz8dQ0
扇風機が伸びはじめた髪を揺らす。
俺は小さなテレビの前で悪戦苦闘していた。

ティウンティウンティウン

「くそっ、まただ!」

前ならここまでミスしなかったのになぁ。
コントローラが手になじまない。
やっぱり、小さくなってるんだな、俺。

「よし、もう一度っ」

画面にまた次の青い奴が姿を現した。



元ネタやったことないぜよ
もいっちょ安価↓ たぶん明日になるけど
645 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/24(金) 08:27:06.43 ID:wY2343M0
「ちょっと待ってほしい、ひょっとしたらこれは女体化ではないのではないか」

安価ください祭り勃発か?
よし、じゃぁ俺も安価もらおう↓
646 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/24(金) 12:27:07.30 ID:sjCrEFcP
戻り梅雨
647 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/24(金) 13:08:20.44 ID:wY2343M0
安価「戻り梅雨」

昨日までの晴れ渡っていた空は何だったのだろうか。
ドザーッと振る雨の中、なんとか学校まで到着。
傘をさしていたのに頭からぐしょぐしょ……まるで制服のままシャワーを浴びた気分。
戻り梅雨っていうのかな? 梅雨明け宣言なんてかなり前だというのにションボリだ。

「あーもー、これじゃ風邪ひいちゃうよ……」

一緒に登校してきたコがぶつぶつ言ってる。
あーあ、ブラウスが張り付いてブラが透けて見えちゃってるよ。
もとから女のくせに醜態をさらしおって。

「水色ブラちゃんは修行がたらなすぎー
 俺なんてスケブラするのが分かりきっていたから、最初から付けてないし!」

参ったか!と、胸をそらす俺に周囲の男子生徒達の視線が集まる。
いや、俺にではなく、俺の胸部……に……?

「こ……の、大バカー!!」

直後、周囲の女生徒全員が俺に飛びかかり塀垣ができたが時すでに遅し。
その日からしばらく、女体化したばかりの美少女が晒した可憐な透け○○の話題が男子達の間で持ちきりだったとか。

トホホのホ。


もいっこ安価ほしいー↓
648 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/24(金) 15:20:48.64 ID:wY2343M0
ごめん、時間なくなた、安価クレクレはキャンセルでorz
649 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/24(金) 19:58:59.38 ID:putcmS.0
>>640
いまさらだがあんかはあく

じかんがねぇぜ
650 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/24(金) 20:08:48.77 ID:PD..lXo0
^o^)ゆっくりやれば いいとおもいます
651 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/24(金) 21:49:51.30 ID:2SYrXPIo
久々になんか書こうと思うんだけどど甘アマなのとギャグっぽいのどっちにしようか
652 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/24(金) 22:02:04.30 ID:sjCrEFcP
ぢゃあ りょうほうで
653 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/26(日) 09:58:30.58 ID:mQn3G060
遅くなったが安価「手料理」投下

安価「手料理」

「明日からまた家で一人だよ。うちの親ってば無駄に仲良いんだから困っちゃうよ。一人っこの俺を置いて三泊四日のフランス旅行だと。いい気なもんだよね」
 未だに新婚みたいな雰囲気でいるうちの両親。毎年結婚記念日になると二人で旅行に行っちゃうんだ。しかもそれが今年は夏休みの初日から。
 夏休み初日から家で留守番させられる事をついつい愚痴ってしまった。
「じゃあ僕がご飯作りに行ってあげようか?」
「馬鹿にすんなよ。これでも今は女だっつーの。自分の飯くらい作れるよ」
「ホントにぃ?」
「……たぶん」
 くそぉ。俺が料理を勉強中だって知ってて意地悪言いやがる。
 コイツは両親が共働きで帰りが遅い。それで小さな頃から自分でご飯作ってたみたいだから男の割りに料理が上手い。そんなだから俺は女になってからコイツに料理を教えてらっているのだ。
「自分で作るったら作る! ……でもお前も来て手伝ってくれ」
「うんうん。そう言うと思ってたよ」
 ニヤニヤ笑いながらそんなことを言うコイツは本当に意地悪だ。
 これは女になってから初めて見たコイツの意外な一面だった。
 それも恋人同士になってからの、本当に意外で可愛らしい一面だった。
 こんなこと口が裂けても言えないけど。

終わり。こんなんでいいんだろうか。
もいっこ安価してみる↓
654 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/26(日) 11:02:37.55 ID:yJGu1C2o
女体化はゴルゴムの仕業だ!
655 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/26(日) 11:52:48.08 ID:jPo41Sso
てつを健在だからって喜びすぎだ
656 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/26(日) 14:43:32.37 ID:D2vyHOA0
11人いる!ってアニメ知ってる?
657 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/27(月) 01:19:18.30 ID:h.pOcqYo
じゃあ二人ずつ組んでーっていわれたから組んで5組できたから
さぁやるぞーってなったら
せんせー○○が一人です
っていうお話ですね
658 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/27(月) 15:27:34.51 ID:Szqfzfco
もやし「今度は女体化する世界か・・・」

夏みかん「女体化?ですか?女になるってことですか?」

もやし「そうだ、読んで字の如くだ。どうやらこの世界にもライダーは居ないようだな」

ユウスケ「じゃあ士がこの世界でやる事は?」

もやし「ん?どうやら教師のようだな、この世界でやる事がだいたい分かった」

夏みかん「ではこの世界でやる事をやってしまいましょう!」
ユウスケ「そうだね、じゃあ俺も教師に・・・


鳴滝「おのれディケイド!!女体化の世界まで来て女体化させなくする気だな、この悪魔め!!」


659 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/27(月) 15:43:46.85 ID:Od3Ys1Eo
悪魔過ぎる
660 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/28(火) 09:25:32.87 ID:z6F7wDQ0
仮面ライダーということしか知らない俺涙目

いいもん安価するもん↓
661 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/28(火) 13:05:37.51 ID:GhN1dWEo
にょただらけの研究室
662 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/28(火) 17:04:30.99 ID:z6F7wDQ0
はーっはっはっは、今頃安価把握だぜ!

すまん、明日頑張るorz
663 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/29(水) 15:36:26.32 ID:ZsPT2A20
安価「にょただらけの研究室」

「教授! もう、やめてあげてください!」
「助手くん……君も研究者の端くれなら黙って見ていたまえ」
「し、しかしこれは世界にょたっこ宣言に明らかに抵しょ(パァン!)
「やれやれ、君はもう少し利口だと思っていたのだがな……
 男女の狭間で揺れ動くNYOTA、彼らには必ず人間を次のステージに導くヒントがあるのだ
 その研究を邪魔する者は許されんのだよ」

教授の指がコンソールを叩き、ガラス張りの実験室に二人のにょたが放り込まれる。

「う……く……」
「……ぁぁ」

酷く衰弱しているその二人は、まるでお互いを求め合うように手を伸ばす。
指が絡み合い、唇を貪り合い……そして一つになる。

「そうだ……飢えと絶望の先にこそ、進化はある
 男と女という関係では満たされなかった身体がにょたに変じるのならば
 さらにその先が、男もしくは女とにょたという関係では満たされなかった場合の『先』があるはずなのだ」

美しい肢体が絡み合い、歓びと歪みを伴って溶け合っていく。
すでにソレは二人のにょたではなく、ましてや女を求める者でも、変じて男を求める者でもない別の存在だった。

「む……この理論値から掛け離れた反応は何だ」

教授は当惑した。
未経験の少年が女体化するように、何かの変化があるのは分かっていた。
だが、変化の過程でひとつの存在となった『その人』に微笑まれるのは
まして、世俗の欲を全てかなぐり捨てたはずの自分が
その微笑みから目が離せなくなるとは、完全に予想外の出来事だった――。

「さぁ、次はあなたの番」

心安らかなるまま逝った教授を丁寧に横たえ、その人はこちらを向いた。
女とも男とも繋がりを持てなかった者同士がお互いを補完し、完全なヒトとなった存在。
その人の、細く、たおやかな指が、ディスプレイの端に掛かる。

「私は、あなたにとって最高の『異性』になれるの」


あなたはこの場から逃げ出してもいいし、>>14してもいい。
664 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/29(水) 15:42:31.14 ID:ZsPT2A20
うむ、ホラーって難しい…ていうかホラーになってないな、これはww
665 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/03(月) 09:05:38.04 ID:9OH0OCw0
さすがに週末誰も書きこまないとは思わなかったww
666 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/03(月) 18:13:11.69 ID:9/E6s8I0
ゆっくりした結果がこれだよ!
667 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/03(月) 21:26:10.75 ID:DFtpvtoo
俺たちは・・・遅すぎたのかもしれない・・・!
668 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/05(水) 08:03:34.79 ID:bTSNAKg0
>>644
蝉の声が降り注ぐ夏の日、黒髪ロングでワンピース着たにょたっこが畳の部屋であぐらをかいてスーファミやってる情景を思い起こした。
時折聞こえる風鈴の音。
蚊取り線香のにおい。
田舎の夏。

ああ、情緒深い。
すばらしい作品だ。けっこんしてくれ
669 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/06(木) 09:02:28.26 ID:IoGHfxco
ところで諸君、ひとつ聞いてほしいことがある。
俺は夏も真っ盛りということで、海に来たんだ。
まあ一人きりで、というのが非常に残念ではあるんだが……
あ、もちろん友達が居ないわけじゃないぜ?
男には一人で旅に出たいときだってあるじゃない。
で、話は本題に入るわけなんだけれど、まず始めに知っておいてほしいのは
俺は別にモロッコだとか、そういうアレなところでナニしたわけでもなく
ただ単純に、海で泳いでたら、気づいたら女になっていました。というわけでさ
今まだ、海の中なんだが、これは一体どうすれば良いのだろうか。ってなわけで……。
「はぁ……」
ぶっちゃけ、海から出ないわけにはいかないよなぁ……。
いやしかしだ、いきなり上半身裸の女が海から出てきたらどうなるよ。
いっそ貝殻でもつければいいのか?
ってちっちゃいのしかねーよ!
はみ出……るほど無いわ……全部隠れるほど異次元サイズではないけどさ。
いやぶっちゃけ隠してもしょうがなくね?ってサイズなのは確かだが。
ということは、だ。手で隠せばいいんじゃねーか、なんだ簡単じゃん!
っていうことになるわけもなく、どうしたものか。
……くっ……!体が冷えてきた……ッ!これはまずいぞ!
主に、俺の……ぼ、膀胱的な意味で!

果たして俺は海からの脱出なるか!?
つづきません
670 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/07(金) 06:16:04.30 ID:A1msvfM0
隠して海からあがってもDQNに囲まれてマワされる運命が待っています。
隠さずに海からあがっても同じ運命です。
671 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/07(金) 08:24:52.45 ID:jPgznUDO
ところがどっこいそこに男の親友が登場し、間一髪のところを助けられます。
なんとかDQN達を振り切った二人。しかし今度は別の問題が発生しました。
複数のDQN相手に果敢にも立ち向かう親友の姿を見て、惚れてしまったのです。

こうですかわかりません
672 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/07(金) 09:22:14.90 ID:quOW.Fs0
ふむふむ、惚れてしまたのはいいが相手は親友。
しかも幼馴染だから、男同士としての付き合いが長すぎて
告白なんかしてもキモがられてしまう…と、想いは募るばかりの日々。
そして親友に訪れる女体化の危機。
彼女は、その小さな胸に秘めた勇気を振り絞り…?
673 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/07(金) 14:27:59.67 ID:jPgznUDO
ベタだっていいじゃない
人間だもの
674 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/07(金) 14:49:05.37 ID:OEZDfD2o
つづかないって書いておいたのに何故か続いてるビクンビクン
しかし今日も暑いな('A`)
家にいるときは上半身裸がデフォだが
こういうときににょた化して、友達が突然押しかけてきたら
ベタだがハァハァするぜ
675 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/07(金) 14:57:47.32 ID:tfLoX6.0
だいぶ前のあんか 温泉

季節は初夏、修学旅行シーズン真っ盛り。
この時期に温泉につかるのは気が進まなかったし、露天風呂でもないのは気に食わないが、金を払っている以上、旅館のサービスは堪能しなければ損、という貧乏くさい理由で、俺は硫黄の匂いが漂う湯船につかっている。
しかし――
「うおおおおおおおおおおおおお!」
「はあああああああああああああ!」
大浴場のタイルの上では、男子たちが己が一物を高速でしごき続けている。
「○○!!!!!!」
実名は伏せるが、クラスの女子の名前を叫び、男子の一人が果てた。審判が手を上げ、試合終了の合図を出す。
そしてぜえはあと息継ぎしながら、そいつは勝ち誇った笑みを浮かべた。
「ふ……俺の勝ちだ」
周りで野次を飛ばしていたギャラリーから、歓声が巻き起こる。
そんな熱い戦いが続くオナヌー選手権を観戦していたら、背中をつつかれた。
「あの、Aさん」
後ろを見ると、友人Kが俺と同じように湯に入っていた。頭文字ではなく、序列をつけるとしたら十一番目くらい、ということでKにした。
ついでに便宜上、俺はAという事にしておく。
「どうした」
そう訊いてみたのだが、もじもじするばかりでKは何も言わない。
「いや……その」
湯船に口元まで沈めそうにしながら、Kさんは顔を赤らめるのだった。元々童顔で男らしい顔立ちとは程遠かったが、今日は特に中性的に見える。
適当に話を振ってやらないと、Kとの会話はすぐに止まってしまう。だから親切な俺くらいしか友達ができないんだよ、と思いつつも、助け船を出してやった。
「あんなもんで恥ずかしがるなよ」
男子たちの雄の戦いを目撃して気まずさを感じているのだろうと、適当に予想する。が、Kは首を控えめに横に振った。
「そういう訳じゃないんです」
「じゃあどういう訳で」
676 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/07(金) 14:58:44.92 ID:tfLoX6.0
「実は、――しちゃったみたいなんです」
「は?」
主語が聞き取れなかった。
「だから、ええと、今……女体化したみたいなんです」
またも試合が始まったらしく、男子たちの絶叫が背後で聞こえる。
「またまた、冗談だろ」
根拠もなくそう言うと、無言でKが浴槽から立ち上がった。
髪が伸びていた。坊ちゃん刈りが、ショートボブになっている。細い肩はさらに面積を狭め、わずかではあるが乳房が膨らんでいた。
まっ白い腹部の下には、一本の毛も生えておらず、その下にあるべきはずの男子の象徴は――
「う……ぅおおおおおおおおお!」
反射的に立ち上がってKの頭を鷲掴みにして、浴槽の底に沈めた。
「どうしたA! 股間のマグナムが今にも火を噴きそうだが、乱入なら大歓迎だぞ!」
目ざとく尋ねてきた審判に怒鳴り返す。
「ちげえよタコ! Kが――」
そこで言葉に詰まった。ここでKが女体化した旨を皆に伝えた場合、どうなるか。目の前に素っ裸の女がいると教えて、
この場を何事もなく乗り切れるのだろうか? 土台からして悪くなかったが、今のKは完全に上玉と言っていいだろう。
この場をやり過ごすなら、浴場にいる連中の目をごまかしつつ大きめのバスタオルを脱衣所からかっぱらい、こいつに巻きつけて輸送するって感じになるが――
そこまで考えたところで、悪い子が脳内で囁く。この場でKの処女を奪ってしまうというのはどうだろう。
興奮するんじゃなかろうか。野郎どもが自慰に耽っている目の前で、可愛いにょたっ子と水中Hなんて、考えただけで射精ものである。
いやいっそ、男子たちの前にこいつを突きだすというのもありではないか。みんなで一人の女を蹂躙するというのも、それはそれで好みのシチュエーションと言える。
どうしたものか。
水の中で暴れるKの頭を押さえつけながら、いくつもの選択肢に頭を悩ませるのだった。

続きは考えてない
677 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/07(金) 15:43:05.43 ID:ni2V96AO
>>676
次のニュースです。
京都府の旅館「はまぐり屋」の温泉で、その場に居合わせた元男子生徒を溺死させたとして、警察は同級生の少年を逮捕しました。
警察の調べに対し少年は"別の意味でヤッちまうなんて"などと錯乱した様子で話しているということです。
学校側は元男子生徒に対してのいじめの事実は一切無いと発表しており、警察では犯行の動機について詳しく調べる方針を打ち出しました。


            レインボ一発
678 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/07(金) 17:21:46.33 ID:jPgznUDO
頑張って書き貯めしてたのに・・・
まだだ まだ終わらんよ


>>676
どうしたものか。
自分の考えを客観的立場から反芻してみる。
水中Hも良いが、野郎共の注目を浴びた今、コソコソとHをするのは難しいだろう。
かといって野郎共に突きだすというのも納得がいかない。
人目も憚らず公開オナニーをしている野蛮な猿の群れに放り込むには惜しい逸材だ。

考えること、2.5秒。
どうやら頭の中の悪い子は負けてしまったようだ。

「・・・・・・・Kが、カナズチを克服したいから潜水の手助けをしてくれってよ」
我ながら苦しい言い訳だった。
「ふ〜ん。でもKってカナズチだったか?まあいいや さァイクか」
しかし向こうも馬鹿だった。

猿共が背中を向け作業に戻ると同時に、俺もそろそろと湯舟に浸かる。
俺はKを−いや今はもう俺の中ではBだ、Bを押さえつけていた手をゆっくりと離した。
目立つのを恐れたのか、Bが音も立てずに浮かび上がってくる。
「どどど、どうしましょう・・・」


文才が・・・無い・・・だと・・・?
679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/08(土) 04:42:33.98 ID:keasrbk0
>>678

俺の計画はこうだ。
まず、「Bが逆上せてしまって調子が悪い。一応俺が先生のとこまで連れていく。」
とでも適当なことを言い、血に…女に飢えた獣たちを軽くあしらう。
Bにはあたかも本当に気持ちが悪いように振舞って貰い、俺は肩を抱えるよう湯船から出ればうまくこの危険に満ちた浴場から脱出できるはずだ。

幸いにも湯気があたりに立ち込めているからそう簡単にはバレまい。

そして素早くバスタオルをかぶせ、一気に部屋まで駆けていく。そうすればこの場はしのげるだろう。
よし、周りが気がつかないうちに行動せねば。

「いいか、流石にこの場でお前のその身体はまずい。とりあえず、仮病でも使って風呂から出るぞ。そしたらすぐに着替えて部屋に戻るんだ。OK?」

耳元でつぶやく。

「ふぁ、ふぁい。」

俺の手の下で口までつかっているBは湯をブクブクさせながら答えた。声も女の子だぜ。
くっ、耐えろ、耐えるんだ俺。いくらその仕草が可愛く見えてもここで狼になっては駄目だ!
話すときは冷静を装っていたが、心臓はバクバクで自分で自分の鼓動がはっきりと聞こえてくる。正直言ってやばいぜ。
意識するほどマイsunが反応しやがる。温泉に入っているから体が火照って汗を少しかいているが、明らかに違う汗も一緒に流れている。

緊張と良心と、欲望に惑わされながらあらかじめ用意していたセリフを言う。

「ちょ、ちょっと、こいつ気分悪いらしいから先に上がって部屋まで連れてくわ。」
680 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/08(土) 05:03:16.37 ID:keasrbk0
「えっ?なんだよ、これからがいい所なんだぜ?写生大会ならぬ、射精大会を今から行おうとしていたのに…」

なんだそれは。どんな大会だよ。
そんなイカ臭せぇ行事になんか参加するわけねぇだろ。馬鹿か。

俺は心でそんなことを考えながら、Bの肩を右手で、抱くように掴んだ。
肩なのに異様に柔らくて、プニッとした感触が五本の指や手のひらから一気に体中を駆け巡る。
「い、行くぞ。」
「うん。」

またさっきとは少し違う汗が出てきた。
俺の何もない胸板からは、ぴったりとくっつくBの体の感触が嫌でも伝わってくる。
前かがみで胸を見られないようにするBと同じように、俺も自然と前かがみになってしまう。
理由はBとは違うけどな…

「本当に調子悪いならしょうがない。あいつらはほっとくか。ふっふっふっふ…
 諸君、では第一回、射精大会を行う!!!」
「「うおおーー!!!」」

俺たちは阿呆を背に、そそくさと浴場を後にした。


文章をうまく書くサイダネが欲しいよ…テンテン君…

681 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/08(土) 14:21:59.00 ID:qEKIjMw0
内容云々の前に
なんでみんな文章がうまく書けないとか言いだしてんだよ
胸張って妄想晒せよ!
682 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/09(日) 00:58:25.43 ID:akr4HQgo
上手いとか下手とかこまけぇこたぁいいんだよ!
シチュとか展開とかに萌えられりゃあいいんだよ!わかったか!?
つまり簡単に言えば、俺の股間にヒットするようなにょたっこならそれでヨシ!

「つまり、お前の股間にヒットするから、俺はメイド服を着せられている。ということか?」
「理解が早くて助かる」
「[ピーーー]ば良いのに」
683 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/09(日) 00:59:47.29 ID:akr4HQgo
「伏字にされた。伏字にはされたが、それはそれでエロチックになってすばらしい」
「モザイクを生み出した人は天才だよね」
「ああ、お前の股間にもモザイクをつけてやろう」
「いやいや、お前の顔につけた方が良いとおもうな。うん」
684 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/11(火) 15:46:56.83 ID:UTVD6UAO
よし!
あんか↓!
685 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/11(火) 15:54:39.71 ID:0dPONYY0
「女体化することで破壊力が飛躍的に上昇する」
686 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/11(火) 18:41:18.42 ID:ixrcje20
良いお題だな横からかっさらっちまいたいくらいだ
687 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/12(水) 03:55:16.45 ID:C432auYo
↓ではおれも安価だぜっ
688 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/12(水) 03:57:09.47 ID:n2MU3/k0
巫女
689 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/12(水) 04:17:45.21 ID:C432auYo
巫女スキーな俺にはたまらんな!
がんばってくる
690 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/13(木) 17:15:41.87 ID:5rY9g.DO
>>686
かっさらっちまえよ
減るもんじゃあないし
691 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/14(金) 02:02:22.63 ID:KAWR.6.0
何となく安価↓
692 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/14(金) 12:45:51.42 ID:XhBzASgP
精霊流し
693 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/14(金) 13:42:24.28 ID:xqT0aR.0
将来なんて漠然としか考えて無かった。
何かしたい事が出来るかもしれないし、家業を継ぐかもしれないとは思っていた。
でも……こんな形だなんてこれっぽっちも考えちゃいなかったんだ!
「巫女さん!」「みーこさんっ」「'`ァ'`ァ'`ァ'`ァ」
「俺は男だあぁぁぁぁぁぁっ!!」

【巫女さんと呼ばないで】

「幽季……」


近日放送未定
694 :himajin :2009/08/14(金) 13:55:07.49 ID:IrlWxcQ0
国威スレ
695 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/14(金) 14:05:29.59 ID:xqT0aR.0
この夏、本当の感動をあなたに

今頃になると思い出す。
賑わいの中、貴方は笑顔で行けたのかしら?
穏やかな光と、みんなの想い、共に。
こんな私を愛してくれた貴方は、今……

男だった女と1日だけ黄泉返った男
幻想が重なり合い、奇跡が起きる。精霊流しの火を映し――

【精霊流し】全国VIP系で今夏、ロードショー不定
696 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/14(金) 14:54:45.70 ID:XhBzASgP
全米が泣いた
697 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/15(土) 11:53:57.68 ID:yGqmAsDO
今VIPでにょたスレやってるね
698 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/15(土) 12:43:27.47 ID:BmkBe/k0
ないぞ。落ちたのか?
699 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/15(土) 14:06:18.61 ID:KidEk.Y0
男「う、ぁ?…マジかよ…ホントに女の子になってやがる…」
だとおもふ
700 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/18(火) 17:55:48.00 ID:6RO.Pdo0
安価 夏ファッション

電車を降り、駅中の花屋で仏壇用の花束を購入した別府タカシは改札を抜け、ロータリーに停まっていた郊外方面に出るバスへと乗り込んだ。
この暑さの中で電車やバスを待つのが嫌だったので、スムーズに移動できる発着時間の下調べを済ませておいたのだ。
七月下旬の厳しい日差しも、冷房の効いた車内では気にならない。窓際の席でぼんやりと夏の空を見上げながら十五分程車に揺られ、目的地に辿り着く。
周囲に田畑が広がる中に、高いブロック塀に囲まれた霊園があった。バスを降りたタカシは、何の感慨もなく足を踏み入れる。
ここに来るのは二回目だった。一度目の時は、面倒くさそうな顔を隠そうともしないクラスメイト達と、真面目くさった顔をした担任が一緒だった。
一辺約百メートル近く。ぱっと見た感じでは、正方形に近い。相場は分からないが、広大な敷地と言っていいのでないだろうか。
彼女の墓がどこにあるのかは正確に記憶していた。タカシは迷うことなく、石畳が敷かれた通路を奥へ奥へと進んでいった。
そして、彼女の墓の前に先客がいることに気付く。
どこからともなく聞こえてくる蝉時雨の中、墓石の前で佇むその女の後ろ姿を見て、タカシは慄然とした。
レモン色の半袖ブラウスに、丈の短めな白いスカート。そして肩には、黒いエナメルのハンドバッグをかけている。
制服の胸ポケットに入れていた携帯を取り出し、時計を見た。午後二時。霊が出るには早すぎる時間帯だ。
タカシの気配に感づいたらしく、少女がこちらに顔を向ける。それに合わせて、セミロングの艶やかな黒髪が、さらさらと揺れた。
「何か?」
頭で思い浮かべていた顔とまるで別物だったことに、タカシは胸を撫で下ろした。
やや切れ長の涼やかな目に、通った鼻筋。可愛いというより、美人と形容されることが多そうな感じの容姿だった。
身長や華奢な体格は似通っているが、少なくとも彼女がこの世に舞い戻ってきたわけではないらしい。
701 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/18(火) 17:56:43.03 ID:6RO.Pdo0
「そこのお墓に、これを供えようと思って来たんだけど」
右手の花束を胸の高さまで持ち上げると、女は微笑を浮かべながらタカシのそばに来た。
「ああ、すいません。……どうぞ」
女が手の平を墓に向けて差し出す。場所を譲ったんだからご自由に、と目が言っていた。
監視されているようで落ち着かなかったが、タカシは墓前に花束を置き、しばし黙祷した。
「冬物ですよね、その制服。ネクタイまで締めて、厚くないですか?」
背中にぶつかってきた声に、目を閉じたまま答える。
「きちんとした格好で来たかったんだよ。ワイシャツよりも、こっちの方が正装って感じするだろ」
「そのブレザー、TS高校のですよね。風紀の厳しい進学校の人は、やっぱり私生活でも規律を重んじるようになるんですか?」
快活そうな雰囲気の女だったが、印象通り社交的な性格らしい。無視するわけにもいかず、タカシは適当に答えた。
「意識したことはないけど……そうかもしれない」
「う〜ん、失敗だったかな。私もフォーマルな服装で来れば良かった」
「一年近く前に死んだ奴の墓参りなんて、気楽に臨んでいいんじゃないか」
若干声のトーンを落として、タカシは続けた。
「死んだ人間とまるっきり同じファッションで来るのは、いかがなものかと思うけど」
そこで後ろに向き直る。優雅にさえ見えた女の笑みは、失敗をごまかすような安っぽい苦笑いに変質していた。
「あ、気付きました?」
当り前だ。これでも一応、彼氏だったのだから。
「姉さんとは、仲良かったんですか?」
「姉さん?」
鸚鵡返しに女に問うと、彼女の苦笑いは、即座に美しい笑顔に戻った。
「そこで眠っている椎水ちなみの妹の、かなみです。妹というより、元弟と名乗った方が正確ですけど」
徐々に記憶から消去されつつあるちなみとの会話を、ざっと振り返った。
「……そういえばいつか言ってたな。一つ下の弟がいるとか。女体化したのか」
702 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/18(火) 17:57:48.16 ID:6RO.Pdo0
「不本意ながら、去年の十月に。今じゃミニスカ女子高生です」
だとすると、ちなみが死んだのとほぼ同時期になる。彼女が死んだのは十一月だった。
「じゃあその服は、あいつのおさがりか」
「ええ、ちょうど財布の中身に余裕が無かった時期だったんで、そのまま貰うことにしました。女物の服って何であんなに高いんでしょうね……って」
そこまで喋ったところで、かなみは突然頭を下げた。
「ごめんなさい。初対面の方につまらない話をしてしまって。周りの男友達が女体化した人ばかりだから、つい女体化した人向きの話題ばかり出しちゃうんです、私」
聞いてもいないことをまくしたてている。
「おいくつかは知りませんが、あなたには関係ない話ですよね、きっと」
それを聞いて、年齢どころか名前すら教えてなかったことを思い出す。
「別府タカシです。先月十七歳になりました。ちなみさんとは、同じ高校のクラスメイト……いえ、友人でした。突然やってきて驚かせてしまったのなら、謝ります」
深々と礼をして顔を上げると、かなみは大口を開けていた。しばらくして、彼女は言う。
「……どうしたんですか、突然」
「そういえば、自己紹介もしてなかったなと思って」
「今更かしこまられてもなあ」
「でも、驚いたんじゃないか? 知らない男が花束持って姉貴の墓を訪ねて来て」
「まあ、それなりに」
やっぱりだ。ちなみは生前、自分との関係を誰にも口外していなかったのだろう。校則で男女交際厳禁だったので、その辺りは特に気をつけていた。
「家族以外、誰も来ないと思ってました。友達少なそうでしたからね、姉さん」
否定はできない。ちなみは対人恐怖症とか自閉症とか疑われても仕方がない程に、コミュニケーション能力に欠如した、内向的な女だったから。
「でも意外です。あの姉さんに、こんなにカッコいい男友達がいたなんて」
「おだてても何も出ないぞ」
「またまた。謙遜しちゃって。別府さん、モテるんでしょ。初体験はいつ済ませました?」
唐突ではあるが、性に関して開放的な高校生なら、いつかは尋ねてくることでもある。
「去年の八月」
「相手は」
703 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/18(火) 17:58:57.13 ID:6RO.Pdo0
「ノーコメント」
「ちぇっ。つまんないの」
かなみが不満そうに口を尖らせた。土台がいいからなのだろうが、どんな表情でも魅力的に見えてしまう。
「もしかして姉さんじゃないかな〜と思って、ちょっと期待してたんだけど」
「期待ってお前……」
「だって一度もそういう経験をしないで死んだら、未練が残りそうだと思いませんか?」
「男よりは執着しないだろ、そういうの」
「女だって、素敵な男性とあんなことやこんなことしたいって思いますよ、結構」
俺には分かりっこないんだろうな、などと言うと女体化男子差別に該当しそうなので、無言で墓石に向き直った。
「私、男だった頃から、姉さんのことが好きだったんですよ。女として」
話半分に聞いているが、もしも本当だとしたら、ヘビーな告白だ。
「中学に入ったあたりから、ほとんど会話もしなくなってたんですけど。姉さんの部屋に夜這いを掛けようかと思ったことも、何回かあります」
しかし結局実行はしなかったのだろう。かなみは今、女体化している。
「……だから、気になるんです。どうして自殺なんてしたんでしょう、姉さん」
音もなく、かなみがタカシの横に立っていた。いつの間にか、ジュースの入ったペットボトルを手に持っていた。バッグに入っていたのだろう。
「学校の屋上から飛び降りたって聞いた時、別府さん、思い当たることはありませんでしたか?」
「全く思いつかない」
実際何もなかった。性格はともかく、整った容姿をしていたからそこそこ男子に人気があったし、女子はあまり相手にしていなかった。
「……ですよね。つまらないことを聞いて、ごめんなさい」
墓を見つめながら新妙な顔をしていたかなみが、ペットボトルのキャップを外してタカシの前に突き出してきた。
「飲みます? 口はつけてませんから、ご心配なく」
「どっちかというと、飲みかけの方がテンション上がるけどな」
まるで手ごたえのない冗談を言った後、タカシはすっかり熱を持ったジュースに口をつける。聞いたこともない商品名だったが、ひたすら甘ったるい。
704 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/18(火) 17:59:54.27 ID:6RO.Pdo0
「他に家族は来てないのか?」
水分補給の合間に聞いてみた。
「父も母も仕事なんで、今日は私だけです」
お盆前の平日にこんな場所に顔を出せるのは、学生くらいか。
「別府さんも、誰もいない時に来たかったんでしょ」
「ああ。ちなみの家族と鉢合わせして『お前はなんだ』とか聞かれたら面倒くさそうだったし」
「……お前はなんだ」
同じ人間から発されたものとは思えない程冷たい声が、かなみの口から出た。
「いきなりどうした?」
「質問に答えろ。お前、なんだったんだよ」
凶暴な光が宿ったかなみの瞳に、射竦められる。
「……クラスメイトで、友人だ……けど?」
途中で、大きく体がぐらついていた。膝の力が抜け、その場に倒れてしまう。
「なんだ、これ……」
見当はついていた。すぐ近くに転がっている、空になりかけたペットボトル。あの中に、妙な物が入っていたのだろう。
頭上から、かなみの声が降ってきた。
「自[ピーーー]るちょっと前に、姉さんが言ってたんだよ。彼氏とうまくいかないって」
自由を失いつつある体に鞭打って、タカシはかなみを見上げて尋ねた。
「知って、たのか?」
「ああ、女体化してから、姉妹仲が急に良くなってな。まあ、落ち込んでる俺に、あれこれ励ましの言葉とか掛けてくれたんだよ、そこの人が」 
そう言って、かなみが顎でしゃくって墓を示した。そして無表情で語り続ける。
「遺品の整理してたら、妊娠検査薬なんて出てきたからびっくりしたよ。親に見つかる前に処分しちまったから、父さんと母さんは未だに知らないけど」
かなみの顔が急にアップになった。しゃがみ込んで、こちらを覗き込んでいるらしい。
「本当はさ、今日姉さんの後を追うつもりだったんだ」
彼女は悲しげな顔で言った。だから薬入りの飲み物なんて持ち歩いていたのか。
705 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/18(火) 18:00:49.32 ID:6RO.Pdo0
「今日になって、捜してた相手に会えるとは思ってなかった。――お前だろ、姉さんを傷つけたのは」
今更白を切るつもりにはなれなかった。タカシは口を開く。
「ちなみの奴、何も言わないから、てっきり大丈夫だと……全部終わった後に、ぽろぽろ、泣きだしたから、乗り気じゃなかったのかな、とは、思ったけど」
無意識のうちに口元が緩み、自嘲の笑みがこぼれていた。
「焦ってたね……いつ女体化するか、分からなかったから。お前らみたいに、なりたくないって、いつも思ってた」
「別に、あんただけが悪いなんて思ってないよ。姉さんだって、ちゃんと自分の気持ちを相手に伝えなきゃいけなかったんだ」
女は続ける。
「たとえ好きな相手に求められても、断る勇気が必要だったんだよ。そんなこともできないのにさくっと死んじゃった無責任な姉さんにも、非はある」
その言葉を最後に、かなみがタカシの視界から消えた。
「だから、直接あんたを[ピーーー]のはやめとくよ。致死量とか全然考えてなかったから、運が良ければ生きてるかもね。……それじゃ」
「ちょっと待て」
最後に言っておきたいことがあった。
「あいつのこと、本当に好きだったんだよ、俺」
苛立たしげな声が、タカシに浴びせられた。
「知ってるよ。じゃなきゃ、ここであんたに会うこともできなかった」
意識が途切れる直前、タカシは頭だけ持ち上げ、徐々に小さくなっていくかなみの背中を視界に収めた。眠る前に、もう一度だけ目に焼き付けておきたかったのだ。
全く同じファッションなのだから当然だが。
遠ざかる彼女の後ろ姿は、ちなみのそれと瓜二つだった。
706 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/18(火) 18:01:43.75 ID:6RO.Pdo0
おわり
707 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/18(火) 21:04:18.69 ID:0UFz46DO
708 :http://ameblo.jp/achaki-doll/ :2009/08/18(火) 21:06:25.21 ID:tuWe61Ao
17Jkだけど仲間に入れて!
709 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/19(水) 11:11:41.30 ID:XfGgr/U0
うぅむ、
フラッと来て安価もらってテキトーに仕上げるのが精一杯の俺には
こういった気合いの入ったSS書けるのはやっぱり羨ましい
乙gjっす

ついでに俺も安価欲しい↓
710 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/19(水) 17:56:18.02 ID:MA/fZ3Y0
好きだったくせに…
711 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/20(木) 08:26:58.31 ID:CzV6rIg0
安価把握
3時間放置された時点でもうダメだと諦めてた、ありがとう
712 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/20(木) 22:34:14.04 ID:4zf7M..o
これもう書き込んだっけな? なんかの安価で書きだしたような気がするけど……。
まあ不意に発掘されたので落とし逃げ

 数年前に変わった僕の家の光景は、少々青少年には刺激が大きすぎる。
 今日も起きる気配のない姉を起こしにいく度にそう思うし、馴れそうもない。そんな憂鬱なのか微妙な気分のまま、姉の部屋のドアを叩く。
 可愛らしく装飾された文字で「ゆみ」と書かれたドアを、突き破らんばかりの力をこめて叩く、叩く、叩く。
 連打!
 連打!
 連打!
「ゆぅみねぇーさぁーん! 起ぉっきろー!!」
 近所迷惑にならんばかりの大声で叫ぶが、やはりどうも起きる気配はない。だがこれももう数年来いつものこと。
 仕方がないと肩を落としつつもドアを開け、中に入る。
 なるべくベットのほうから目をそらしながら近づいて行く。
 どうせ今日も下着姿なのだから、なるべくならそちらには目を向けたくない。
 視線を外すのももはやいつものことなので、変に距離感を間違えてベットに激突なんてことはもうしない。
 目をつぶってもしないんじゃないだろうか。
 けれども起こす時にはどうしたって体に触れなければいけない。なにせ、うちの姉さんの睡眠は半端じゃない。
 まずアラームでは間違いなく起きない。それどころか大声で呼んでやっても起きない。コンポの最大音量を垂れ流しても起きてきやしない。
 耳元で叫んでやっても起きないし、モスキート音も余裕でスルー。
 それほどまでに半端ない熟睡っぷり(もはや病気なんじゃないかとも思う)のくせに、僕がゆすってやると、のそのそと起きだしてくるのだ。
 だから今日も仕方なく。仕方なくだよ? 下着姿の姉さんを視界におさめ、姉さんの体をゆすってやるのだ。
 そう思って姉さんの方に視線を向ければ──
 ──全裸。

 ……本当、青少年には刺激が強すぎるよ。この環境。
 女体化者だとは言え、もっと僕に気を使ってください。くそ兄貴。
713 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/21(金) 00:13:33.70 ID:g/anvy60
GJ!
続きも読みたい
714 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/21(金) 08:55:27.53 ID:0WQoV.DO
絶対誘ってるよね
715 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/21(金) 16:35:12.87 ID:fP6kjKs0
安価「好きだったくせに…」

どうしてこんな事になっているのだろう。
ヤツは俺の膝に頭を乗せ「はわ〜」とか唸りながら至福の表情を浮かべている。
正直ムカつくが、ゲームに負けた俺に拒否権はない……今は、耐えなければならない。

「まさかこんなに早く膝枕体験が叶うとは思わなかったぜ……長生きはするもんだな」
「そりゃ良かったな、ついでに耳かきもしてやろうか?」
「い、いいのか!?」
「思いっきり挿しこんでやるから、あまり苦しまずにすむと思うぞ」
「……謹んで辞退します」

チッ、殺りそこねたか。
しかしこの膝枕というのは、してやる方はとても手持無沙汰だ。
仕方がない、サービスで耳かきしてやるか……と、アイスピックを目で探していると、ヤツから声を掛けられた。

「なぁ……なんで生足じゃねーの? 夏なのに暑くね?」
「あー、なんつうか女性歴が短いからかもしれんけど、恥ずかしいんだよ
 お前だって半ズボン穿くのは抵抗あるだろ?」

女体化を迎えて一ヶ月が経過していたが、俺は女装に苦戦していた。
誰だ、女体化したら可愛い格好してルンルンハッピー♪とか言った奴は。
今日だって何とかスカートを穿いてくるのが精一杯、ヤツの要求の可愛い格好などとてもできなかった。

「……生足、好きだったくせに……」
「うぐっ、まぁ否定はしない」
「24時間生足接写鑑賞し放題か! くそぅ羨ましい、俺にもよこせ!」
「やれるかボケェ!」
「ならばどうする?」
「勝負だ勝負!」
「よろしい、ならば闘争だ!」

さっきもこんな調子で膝枕を許してしまった訳だ。
まぁ、ここまではいつもどおりの流れだし、賭けるモノが釣り合わないなら中止してもいい。

「俺はPS○とDS○を賭けよう、生足にはそれだけの価値がある」
「つーても、やるわけにはいかんのだが?」
「そりゃそうだ、ならば俺が居る間だけでも生足披露ということでどうよ?」
「乗った!」

負けても、今日コイツが居る間だけ生足になるだけ。
それだけのリスクで流行りのゲーム機が手に入るかもしれない。
まさに破格。
だが、その破格さ故に俺は正常の判断を失ってしまっていた。
716 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/21(金) 16:36:32.97 ID:fP6kjKs0
どうしてこんな事になっているのだろう。
いつもより遥かに高い視界。
脱ぎ捨てられたタイツ。
そして、俺を肩車するケダモノ。

「おぉお……生足が、生足が俺の顔を挟んで……ふおあぉああ……」
「うぐぐ、何という変態……何というエロパワー……」

勝てなかった。
あの後の十数回の勝負に、ただの一度も勝つ事が出来なかった。
イカサマ等はない。
ただただ純粋なヤツのエロパワーが奇跡を起こしたのだ。

勝利するごとにヤツの要求はエスカレート。
タイツをヤツ自身の手で剥ぎ取られ、間近で舐めるように鑑賞され、匂いをかがれ、触れられ、揉まれ、頬ずりされ……俺は両足をヤツに侵しつくされ疲労困憊。
そこにこの肩車である。
ヤツの体勢が崩れると、俺は堕ちまいと必死に奴の頭にすがりつく。
すると俺の太ももがヤツの頭を強く挟み込み、胸が頭に押し付けられるのだ。
まさに上級真性変態の所業と言わざるおえない。

「ちょ……せめてしっかり立て、落ちる!」
「んんー? きこえんなぁ?」
「こ、このやろ……!」
「あぁ、魅惑生足美少女が俺の髪と戯れたり頬をつねったり……もうダメだ、萌え死ぬ、萌え死んでしまうッ」

御するようにヤツの髪を引っ張ったりしてみたが、ヤツは馬ではなく変態だった。

「滾ってきた! タギッテキタYO!!」

訂正、変態ではないもっと酷い何かだったようだ。
俺も男だった時はこんなだっただろうかと、ふっと現実逃避してくなってしまう。

「生足ワッショイ! 生足ワッショイ!」
「うぉっ!?」
「我が人生最良の刻、これが浮かれずにいられるか!」
「揺らすな、バカー!」

激しい縦のバイヴレーション。
このまま股間を後頭部に擦りつけ続けていてはマズイ事になりかねない。
717 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/21(金) 16:37:28.19 ID:fP6kjKs0
「いいかげんにしれ! このままだと漏らしちまうからもう離せって!」
「!?!?」

震動がピタリと止まる。
そう……焦りまくっていた俺は、言ってはならない言葉を言ってしまったのだ。

「神への道が開かれた……」
「……もしもーし?」
「GOOOOoooOッッ!!!!」
「ふぇえぇえ!?」

思わず女の子な声で叫んでしまったが、それも仕方がないことではないだろうか。
ヤツは俺を担ぎながら部屋の窓を開け屋根の上に移動。
「俺は神様だから! 神様だから!」とか言いながら屋根伝いに飛び跳ね始めたのだ。

「ユートピア来い!来い来い来い!」

いいえ、すでにアナタの頭がユートピアです。
などと伝える余裕など俺の方にも残っていない。
騒ぎを聞きつけ集まってきたご近所さんに遠巻きに視姦されながら、変態行為に付きあわされる……
これで冷静でいられるヤツがいるなら見てみたい。

「おねがい……おねがいだからもうやめて!」
「生足お漏らし!生足お漏らし!!生足お漏らしッ!!」

パトカーが来て、俺達の両親が説得を始める。
日が沈み、地元のラジオが特報番組を組み、新聞の号外が配られる。
その後、三度にわたる警官隊の突撃と俺のお漏らしを経て、やっと事態は収拾した。
718 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/21(金) 16:40:22.02 ID:fP6kjKs0
――迎えに行ってあげないの?

ココロの声に首を振る。行けるわけ無い。

――好きだったくせに。

たしかに、そうだったのかもしれない。
あの日まで穿けなかったスカート……ヤツが見たいと言ったからこそ勇気を出せた。
けれど、それとこれとは……。

――好きだったくせに。

でも……。

――好きだったくせに。




ココロの声に突き動かされるように、私はヤツの出所の日に迎えに来てしまっていた。
あの後、すべての責任を引き取って警察に引っ張られていったアイツ。
あんな事をされたのに、凝りずにこんな所に来ている私。
たぶんどっちもバカ。
でも、あのアレがあったからこそ、私は女の子として今ここに立てている気がするのだ。

キィ、と扉が開く。
私は迎えの言葉を紡ごうと口を開いた。

「おかえり、ヘンタイ」



テーマ:変態(非エロ)
という感じにしたかったんだが、ほぼ全てを間違えてしまった気がするヨ
719 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/21(金) 17:14:34.84 ID:Mh13Vg6o
17歳JKです。日記は毎日更新してます!
http://ameblo.jp/achaki-doll/
720 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/21(金) 18:04:28.87 ID:gYjgLdMo
これはひどいwwwwwwwwww
721 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/21(金) 18:12:29.71 ID:wcevArA0
なんという変態
722 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/21(金) 18:27:06.20 ID:r1TxucDO
てす
723 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/26(水) 23:37:33.63 ID:.Sf1XKA0
あんか『生理』

「腹いてー・・・」
「な、なんだって!?」
俺がなんとなく発した言葉に友人が反応した。
それはあまりにも迂闊な発言だった。
「あ、あれか・・・あれなのか!?」
「あれ?なんのこ・・・あっ!」
自分の失言に今頃気がついたがもう遅い。
「そうかそうか!お め で と う★」
緩みまくった口元にニヤついた目つき。
男同士時代からこいつが変態であったのをすっかり忘れていた。
「今の言葉・・・忘れろ」
「うぷぷ。否定しないのな。そうかそうか」
そういいながら、腰掛けた俺の股間あたりまで目線を落とす。
「もういい。お前と友達やめる」
「まぁまぁ、そう言うなって。おめでたついでにいいものをやろう」
「できてない!!」
ガヤガヤとしていた教室内が一気に静まり返って、自分の大声がいかに大きかったのかを教えてくれた。
「おーおー、赤くなっちゃってかわいいねぇ」
「うるさい・・・」
「んでさ、これをみたまへ」
友人は俺の目の前に二枚の紙切れを差し出してきた。
「こ、これは・・・!」
俺の目の前をひらひらと泳いでいるのは
前売り券が即日完売したという、大人気の映画チケットじゃないか!
しかも二枚も!!
俺はこの手のアクション映画には目がないのだ。
「す、すごひ」
絶対手に入らないと思っていたものが目の前に現れ、つい、それに手が伸びてしまった。
が、掴みかけようとした瞬間、さっと俺の視界から消え去った。
「あっ・・・け、けち」
「おめでた記念に、映画にさそってやろうと
 親友からの粋なはからいにケチをつけるとは・・・」
「うぅ・・・ごめん」
「明日は土曜日だ。んで、昼2時集合な」
「い、いいの・・・か?」
「ふっ・・・先ほどの発言は多めにみてやる。ただし!」
「た、ただし・・・?」
「め、めかしこんでいけ・・・」
変態極まりない友人が、普段見せない恥ずかしそうな口ぶりで話すもんだから
俺の思考が一瞬フリーズしてしまった。
「え?あ、あぁ・・・わかったよ」
「な、ならいい」
そう一言だけ言うと、映画のチケットを俺に渡して自分の席へと戻っていった。

つづきあり
きょうはここでもえつきた
724 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/27(木) 00:31:17.20 ID:Un9eDYI0
GJ!
続きwktk
725 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/27(木) 01:48:17.97 ID:gaetJQo0
wwktk
726 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/27(木) 08:37:34.21 ID:mxBktsg0
おめかし要求する友人がイイネ!
続き期待
727 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/27(木) 22:27:21.17 ID:EeJgkRs0
渡されたチケットを眺めながらにまにましていると
周囲からクスクスと笑い声が聞こえてきて、ふと我に返った。
相当顔がにやけてたんだろうか。
それで冷静になった。
「・・・・・これってデート!?」
まぢですか。それなら、おめかしって言葉もうなずけるぞ。
まさか・・・そんな・・・。
こ、このままチケットだけもって逃げたって・・・・。
・・・・・・
それはできない。なんだかんだと言っても、女体化後もあいつはよき理解者だ。
こんなのも・・・ありかな。
多分俺の顔は再びにやけていたと思う。

しかし、おめかしをして来いとは・・・服の頭数は少ないんだぞ。
家に帰って、明日に迫ったデートを前にして数少ない服を並べて苦悩していた。
股間でもごもごするアレが気になって手持ちの服では目だってしまうんじゃないかと心配だったのだ。
タイトなデニム?無理無理!
短いスカート?無理無理!
おそらくは自意識過剰になり過ぎていたのだろうが、生まれてはじめての出来事に正直テンパっていた。
「あーーーもう!無理!!」
「うっせぇな!さっきからごちゃごちゃと!」
一人でやんややっていると、俺の姉がうるさいと怒鳴り込んできた。
「は?あんた、なにやってんの?」
う、うざいのがきたこれ
「な、なんだよ!勝手に入って・・・」
「ははぁん」
そのすべてを見透かしたような顔に恐怖すら覚えた。

「弟・・・もとい、妹の門出に、あたしのこの一張羅!どうよ?」
それは、透き通るように白いワンピースだった。
「よごすなよ?」
「は、はひ・・・・」
あの後、人の身体を着せ替え人形のよういじくりまわされ、反吐が出そうなほど疲れきっていた。
「あたしのミュールも貸したげるから、それで決めてきな!」
族の頭張ってたアバズレがこんな服を持ってたなんて・・・・。
新しくできたパンピー男の彼氏にでも感化されたか・・・?
まぁ、そんなことはどうでもいい。
しかし、こんなベタなおめかしでいいのだろうか・・・・。
色々と不安になってきたが、これなら股間を思いのほか気にしなくていい。
今日はもう疲れた。。。寝よう。。。
728 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/27(木) 22:58:52.69 ID:EeJgkRs0
到着時間が早すぎた。予定の2時まであと1時間くらいある。
はぁ・・・このチケット持ち逃げしてもよかったんだよな。
でも、あえて手渡したって事は・・・一応信頼されてるってことかな。
逃げるなんて一瞬でも考えてた自分が恥ずかしくなった。
でも、悪くない。

時間の2時が来た。でも、奴は来ない。
腹の痛みも増してきて、イライラはすでに最高潮に達していた。
くっ・・・俺にこんな格好をさせて、放置プレイとは・・・・!
放置プレイとは!!!!
「うっ・・・くぅっ・・・」
腹の痛みまで最高潮に達し、立っていられなくなった俺は悶えながらしゃがみこんでしまった。
あ い つ め !
「あ、あの、大丈夫で・・・あ」
俺を心配して声を掛けてきたのは、俺の待ちぼうけを食らわした"奴”だった。
「お、お前・・・!」
「お、おい、大丈夫か!?」
「ず、ずっと待って・・・テテテ」
「い、いや・・・わりぃ、気がつかなかった」
気がつかなかった。だと!?
「か、帰る」
「ま、待てって。そういう意味じゃない」
「どういう意味だよ」
俺がそう聞き返すと、奴は急に挙動不審になり、そわそわし始めた。
「言い訳は・・・」
「別人と思うくらい綺麗だったから」
「なっ・・・!」
そのとき、俺は痛みも忘れて頭が中を舞っていたと思う。

「休むか?」
「いい、大分落ち着いた」
大嘘である。友人にここまで優しく扱われると返って恥ずかしい。
しかし、今日はやばい日だな。多い・・・んじゃないか?股間が非常に気持ちわるい。
んじゃ行くか。と、つれてこられた先はエレベーターである。
密室である。
何がやばいかというと・・・・にほい。
正直あの魚屋のような臭いは耐えられるもんじゃない。魚屋に失礼だけど。
臭いがだだ漏れじゃないのかと気が気ではなかった。
「エレベーターいやだ」
「おいおい、6階だぞ?てか、なんで」
「うぅ・・・」
「わかった」
またもや優しさが身に沁みた。

フロアの3階まで達した所で俺の足はガクガクと笑いはじめていた。
「やっぱだめじゃん。たく、しゃーねぇなぁもう」
「あっ・・・」
そう言うと奴は俺の手をぐいっと引っ張って、ゆっくりと階段を上がってゆく。
奴の手は暖かくてゴツくて大きかった。
男としての敗北感と女としての幸せが入り混じった複雑な感情が、心の中で分離されていく。
今、俺はどっちなんだろう。
729 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/27(木) 23:08:16.77 ID:EeJgkRs0
色々大変な身体だけど、けど・・・・

女も悪くない

いつの間にか敗北感は薄れて消え去っていた。

この階段がいつまでも続けばいいのに

おわり

ちゅうとはんぱにくぐってしまった
まぁいいか
730 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/27(木) 23:38:50.44 ID:efc5wOwo
えっ

うきうきわくわくデート死山血河地獄変に続くんですよね?
731 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/28(金) 02:38:23.16 ID:qQ/QWcDO
血の池地獄プレイとかレベル高すぎるぜ
732 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/28(金) 08:50:44.07 ID:UgrfDVI0
血の池地獄だと…!?

女体化した少女達の初潮の凄まじさを知っているとは…何者だ?
女体化者の初潮は、本来その年齢までで流すはずだった血潮が吹き出してくる。
余りにも膨大な量のために、専門医師のサポートが無ければ失血死やショック死は免れないと言われるほどだ。
野蛮であった遠い過去には、彼女達は生物兵器として利用され、若い女体化者を担ぎ戦う兵士の姿が描かれているほど…
貴様、まさか秘密結社ニョt
733 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/28(金) 11:29:41.33 ID:FrYfOy2P
ワッフル ワッフル
734 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/29(土) 02:42:46.15 ID:j/z2k/c0
おもろいな
続きwktk
735 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/29(土) 16:28:35.19 ID:j/z2k/c0
↑まさかこんなに賑わってたなんて…orz
とにかく時差スマヌ
736 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/29(土) 16:29:38.53 ID:j/z2k/c0
↑まさかこんなに賑わってたなんて…orz
とにかく時差スマヌ
737 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/29(土) 19:49:14.56 ID:akN2nkw0
738 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/29(土) 21:50:45.39 ID:mpdder2P
大事な事なので 二度熟読しますた
739 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/29(土) 22:53:32.14 ID:DVh8Ko2o
大事なことなので二回女体化しました
740 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/30(日) 06:24:31.31 ID:mZTguFEP
女体化した状態から・・・さらに女体化・・・だと!?
741 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/30(日) 07:19:45.86 ID:0Iao2e.P
ひんぬーからきょぬーへの変化だぬ
742 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/30(日) 11:04:43.24 ID:2kksYvoo
私はあと2回女体化を残しています
743 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/30(日) 17:18:33.84 ID:mZTguFEP
「これが超女体化・・・」
「これが超女体化2・・・」
「そ、そして・・・こ、これが・・・」
「ぐががが・・・がが・・が・・・」

「ふう・・・」













「これが賢者にょただ」
744 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/01(火) 00:07:11.54 ID:gDA1HLk0
フリーザって童貞かな?
745 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/01(火) 00:46:23.09 ID:G/GDR5c0
朝である。

時刻で表すと午前の6時48分頃で、情景を叙述すると窓の外では昇りかけの太陽が地表を金色に照らし柔らかい風のなかで揺れる木々のざわめきと小鳥達の囀りが穏やかな空気を薄絹のように滑らかな風味でもって肌へと感じさせてくれる、といったところ。
そこまで頭に思い浮かべた時点で、ベッドの上に半身を起こした人物は溜息をついた。
「やっぱなっちゃったかぁ……」
その少年、もとい元少年の名前は栗田陸、中学3年生。
過去彼の現在彼女は本日、女体化した。
746 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/01(火) 00:47:18.39 ID:G/GDR5c0
「あー、髪の毛伸びてるし。邪魔っけだなぁ。……ってか背縮んでね? もー、最近ようやく165センチに到達したばっかだったのになぁ。今は……これ、155くらいかな? ……あ、でも足長いっぽい。胴が縮んだのか。やった。……んん、それにしても、女体化したら別人のように美少女になるって話なのに、なんで目つきは悪いままなんだ。俺はハズレくじ引いたのか? ……がっでむ」
と、鏡に向かってぶつくさ文句を言ってるのは件の元少年・栗田陸。
世の女体化した元男性達と同じく、美少女といっても全く差し支えない顔面偏差値を手に入れたわけだが、本人も愚痴ってるように何故か目つきだけは以前の陸と同じく悪いままだった。
「うー、黒目が小さいんだよなぁ」
鏡の前で、色々表情を作ったりしながらそんなことをぼやく。
ちなみに陸が中学生の頃、目が合っただけで泣いた幼児もいたりしたことがある。
女性となり全体的に柔らかい印象をかもし出してはいるが、彼女が本気で睨みつけたら小学生まではびびって逃げ出すかもしれない。
「ま、言ってもしょうがないか。とりあえず母さんに相談しよう」
適当に自分に折り合いをつけると陸は、既に起きているはずの母に相談するべく居間へと向かった。
747 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/01(火) 00:48:28.67 ID:G/GDR5c0
「母さん!」
しん、と静まり返っているリビング。
陸が自室より降りてくると、そこにはあるべき母の姿がなかった。
「あれ?」
陸はもう一度「おーい、母さーん!」と呼びかけてみるが、やはり返事はない。
買い物だろうか、いやしかし今はまだ朝の7時になろうかという時間である。近所のスーパーが開くのは8時からだからちょっと早すぎる。じゃあ何処へ。
と、そこまで陸が考えた頃、視界の端テーブルの上、一枚の紙片が目に留まる。
「えーと?」
それを手に取り、書かれていることを読んでみる。
『明夫くんが呼んでる。ような気がする。困ったときはお互い様だってお隣のやっちゃんが言ってたから、私がいない間は全面的に頼ればいいと思います。偉大なる母より』
明夫くん、とは現在単身赴任中の母の旦那の名前である。ちなみに母の名は香奈枝。
「って、えぇー……」
『偉大なる母』かどうかはともかく、放蕩母御の証明のようなその書置きを読み、陸は驚いた。それはもう掛け値なしに驚いた。いくらなんでも自分の息子(今は娘)を、他所様へ丸投げするのはどうなのかと小一時間は問い詰めたくなる程度に驚いたのである。
とはいえ、いくら驚いたところで母は戻ってはこない。
仕方がないので陸は、簡単にトーストで朝食を済ませると、シャワーを浴び(その間おっぱい揉んだりいじったりとかちょっとエロいことをしたのは公然の秘密である)汗を流し、パジャマからとりあえずジャージに着替え、学校に電話で風邪と偽り欠席の旨を知らせる。
748 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/01(火) 00:49:27.86 ID:G/GDR5c0
「んー、まあジャージだし。外出できなくもない格好では、あるかな?」
電話を終えて、玄関にある姿見の前で独りごちる陸。
「おーし、お隣さんに頼りに行くかぁ。気が進まないけど」
とはいえ女性になってしまった今、一番身近に相談できる女性である母がどこぞへ飛んでいってしまったため、お隣さんであるやっちゃんこと八重子には頼らざるを得ないのである。
玄関ドアを開け、門を通り道に出る。
ここら辺は住宅街で、8時半を過ぎると人通りが殆どなくなる。その誰もいない広々とした道の端っこを、陸はなんだかこそこそ歩いた。なんとなく、女体化した姿を誰かに見られてはいけないような気がしていたからだ。
「誰もいやしないんだけどねー」
独り言である。
そうこうするうち時間にしておよそ10秒未満、お隣さんこと春日家に着いた。
玄関前に行き呼び鈴を鳴らす。
ピンポーン、とドア越しに小さく音が聞こえ、そのあとパタパタと足音が聞こえた。
なんだか足音が軽い。
決してやっちゃんが重いというのではなく、相対的にやっちゃんの足音よりも軽やかな感じなのである。
「霧雄かな?」
霧雄とはやっちゃんの小学6年生の息子で、とてもしっかりした近所でも評判の良い男(おのこ)である。
しかし、平日である今日この時間に家にいるのはどういうことだろうか。割りと真面目な性格の彼だが、たまにはサボりたくなったりしたんだろうか。
日頃から弟のように接してきた少年の意外な一面を知ったようで、陸はなんだかからかい心がむくむく立ち上がってきた。
よし、ドアが開いた瞬間驚かせてやろう。
と、キィ、という音とともに目の前のドアが外側へと開きだした。
「こら春日っ、学校をサボるとはどういうことだっ」
「わぁっ」
開きかけたドアのノブを掴み、すかさず自分の方へと引っ張り、それと同時に、向かい側のノブを掴んでいたため体制を崩しこちら側へ倒れかけた霧雄を片手で支える。
「なーんて、驚いただろうっ!」
しっかりと体勢が整ったのを確認してから手を離し、満面の笑みでというかどや顔でそう問いかけた。
「はぁ……?」
しかし、反応は薄かった。
引っ張った瞬間は結構驚いた顔をしていたのに、陸の顔を見た瞬間ぽけーっとした顔になってしまい、頭上に疑問符が浮かびまくっている。どういうことなのだろう。
「あれ、えーと、霧雄?」
「は、はい……」
「怒ったかな?」
とりあえず、支えたとはいえいきなり危険な真似をしたので、そうなのかと聞いてみる。
「あ、いえ……」
そうではないらしい。
それでは何故これほどリアクションをしてくれないのだろうかと、陸はちょっと不安になった。
「え、えーと、霧雄? ゴメンね? 危ないことして」
「……」
「あ、あと、朝っぱらからうるさくしてゴメンっ」
「……」
「え、えーと、あと、なんかよくわかんないけどゴメンっ」
小6に謝り倒す中3。ちょっぴり情けない姿である。
とはいえ陸は、なんだか霧雄の気に食わないことをしてしまい、彼の不機嫌を買ったのだと思い込んでいるので、謝ることで頭だいっぱいである。
そしてその間も頭上に疑問符を浮かべ続ける霧雄。
彼は言う。
「あの、お姉さんは、どちら様ですか?」
「……ふぇ?」
749 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/01(火) 00:52:58.84 ID:G/GDR5c0
と、ここまで書いて力尽きた
お目汚し、申し訳ない
750 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/01(火) 00:58:23.81 ID:hALFwwDO
VIPの未来のために清き一票を!

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751 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/01(火) 07:27:28.65 ID:gDA1HLk0
>>749
つ仙豆

こいつを食って早く書くんだ
752 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/01(火) 09:36:05.56 ID:2VPFKps0
えーと、4周年になるのか?
おめでとうございます

なにか安価くれると嬉しい↓
753 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/01(火) 10:43:24.87 ID:gDA1HLk0
ソフトクリーム
754 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/01(火) 11:15:55.08 ID:2VPFKps0
ソフトクリーム把握
755 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/01(火) 12:08:29.39 ID:2VPFKps0
安価「ソフトクリーム」

「エッチな漫画とかだと、こう女の子がソフトクリーム舐めてる場面で主人公がドキューンってなる描写があるっしょ?」
「あったねぇ……最近は読んでないけど、今も変わんないの?」
「毎年の定番だからな
 そこで我が親友でありクラス最高の美少女であるキミに相談があるのだが」
「……男子校で唯一女体化しちゃったんだから、クラス最低のブサイクさんでもあると思うんですけどー」
「「「「この通りだ!」」」」
「ちょっ、いくら自習だからって
 クラス全員で土下座とかしたら隣から先生が様子見に来ちゃうよ!?」
「「「「俺達の熱い思い、分かってくれ!」」」」
「わかった、わかったから!
 今日はあっついし、アイス奢ってくれるなら食べてあげるよ
 でも特別にえっちぃ食べかたとかはしないよ? それでもいい?」
「お、お触りは?」
「あーりーまーせーんー」
756 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/01(火) 12:10:06.70 ID:2VPFKps0
「……趣旨としては納得できるけど
 教壇に座ってみんなに見つめられてアイス食べるって……なんていうか……なんなの?」
「みんなでギリギリ詰め寄っ見つめても良いなら、今から教壇投げ捨ててるが?」
「うん、まぁ、全員机に座ってくれてるのは評価するよ」
「「「「姫様からのお褒めのお言葉、恐悦至極にございます!」」」」
「だからその姫とかやめてって……もぅいいや、さっさと終わらせよう
 とりあえず、このソフトクリーム食べればいいんだよね?」
「うぃ、300円クラスの上物だ……存分に味わってくれ」
「ずいぶん奮発したんだね」
「なに、この人数で割ればどうってこたない
 それよりおねがいします、先生」
「はいはい、それじゃイタダキマス♪」
「……」
「ペロ……はむ……つめたあまおいしぃ♪」
(た、溜息交じりの笑顔とか可愛いすぎるだろ……)
(威力が高すぎる、耐性が無い奴は正視するなよ!)
「はむはむ……ところで、僕が言うのもアレだけど
 こういうのってアイスキャンディとかじゃないと、その、想像とかし辛いんじゃないの?」
「んにゃ、あんまりあからさまだと食べてくれないだろ?」
「それはそーだけどねー、はむはむ」
(俺、この画だけで至福なんだけど)
(まだだ、もう少し……っ!)
757 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/01(火) 12:12:22.75 ID:2VPFKps0
「ぅー、予想よりいっぱぃだよ……食べ終わる前に垂れてきちゃった」
(キター!)
「あぅ、急いで食べないと……んぐんぐ……」
(あぁぁ、姫の口のまわりが無理やり白くてベトベトな液体に侵されていくぅ)
「手の方にも垂れてきちゃったよぅ……」
(小さい下で俺達のアレがチロチロと舐め取られて……あぁぁ……)
「ううー、制服に付いちゃってる」
(美少女……セーラー……白いぽつぽつ……うわああ)
「ごめん、アイスもうやめていい? 制服についたの何とかしてくるから」
(白い汚辱にまみれた少女は小さい声で、もうやめて、と……ふんがふんが)
「はい、ぐずぐずでアレだけど食べちゃっていいよ それじゃ行ってくるね」
(か、ん、せ、つ、きぃーっっっす!!)
「(ガラッ)あの……ゴメンネ、中途半端で……また今度、何か埋め合わせするから(バタン)」
(涙目美少女の上目遣いのゴメンナサイっ!)
(女の子の埋め合わせ! うーめーあーわーせー!!)
(なんでアイツはあんなに天然でエロいんだ!)
(今こそ! 俺は! 賢者を超えるっ!!)

今日もアホな変態紳士達の魂の慟哭が木霊する。
彼らに安らぎの日々が訪れるのは何時の日か……


にょたっこは無自覚にえち可愛くあるべきだと主張する!
758 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/01(火) 12:14:37.52 ID:2VPFKps0
重大なミス
×姫の口のまわりが
○姫の可愛らしい唇が

すまなかった…orz
759 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/01(火) 13:35:53.07 ID:ll4KeZ2P
こまけーこたぁいいんd(ry



ぐっじょぶっ!!
760 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/01(火) 23:16:01.75 ID:ROZntzA0
GJ!
761 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/02(水) 03:16:47.41 ID:suXlI/E0
乙GJ!
762 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/02(水) 03:40:09.68 ID:I9qRwOc0
gj
763 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/02(水) 22:13:04.19 ID:fUMSwZco
男ってバカだなぁ(ほめ言葉)
764 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/09/03(木) 01:40:02.23 ID:g9/oA2AO
避難所で書いてる奴終わったら中二くさいの投下予定……。
765 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/03(木) 08:38:32.77 ID:DITOOMko
大期待
766 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 02:54:08.85 ID:lZ4IVa2o
安価↓
767 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 03:14:02.04 ID:b.KBQDg0
三角定規
768 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/07(月) 08:55:56.91 ID:hNzmmlI0
負けじと安価クレクレ↓
769 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/07(月) 15:03:10.27 ID:mEyHdcDO
虫刺され
770 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 18:12:33.16 ID:hNzmmlI0
今頃把握
ゴメン、明日がんばる
771 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/08(火) 16:09:03.75 ID:L7ufeyE0
安価「虫刺され」

(ぽりぽり……)
「はよっす」
(ぽりぽり……)
「……どした?」
「んぁ? おはよ、なんか寝てる間に蚊に刺されたみたいでさ、痒くて痒くて」
「って、おいおい真っ赤じゃねぇか」
「男だった頃はこんなに痒くなかった、というか刺された覚えがないんだよなぁ
 やっぱ体質が変わって虫が寄ってくるようになったとしか考えらんない
 女体化にこんなデメリットがあるとは知らなかったよ」
「いやいやいや、そんな説明臭いセリフ言ってる場合じゃねぇって
 どう見ても掻き過ぎだ! 掻き壊して血が出ちまうぞ!?」
「でも痒いしさぁ……」
「ちょっと来い!」
「おま、学校遅れる……ッ」
「いいから!」

「刺されたのは腕だけか?」
「えと、うなじとくるぶし、あと脇腹のあたり」
「みせてみ?」
「うん……どう?」
「襟足の生え際だな……よし、そのまま髪上げてろよ?」
「うん」
(ちゅっ)
「うヒあぁ!? な、何すんだよ!」
「虫刺されの痒みってのは、奴らの毒が悪さしてるからなんだよ
 掻いたって毒が出て行く訳じゃない……だから、俺が吸い出してやる」
「へっ!? ちょ、ちょっとま(ちぅぅぅ)――ッ!」
「毒蛇に噛まれた時と同じ対処だ、昨日読んだサバイバル本がこんなに早く役立つとはな……」
「んッ……んくっ……(な、なんか勝手に変な声がでちゃういそう……)」
「お前も遊んでないで自分の腕くらい自分で吸え」
「う、うん……むぐ」
「よし、続き行くぞ(ちゅー)」
「んッむ……んぐぅ……(う、腕から口を放したら、なんかヤバい……)」
「唇で揉み出すようにした方がいいか?(ムチュッ、ちゅむっ、ちぅー)」
「んんッ! ングッ ん……んんん……ッ!」
「どれくらい吸えばいいか分からん……おい、少しは痒み引いたのか?」
「はぁ……はぁ……た、たぶん……」
「そうか、じゃぁ次はわき腹だったな(んちゅぅ)」
「ふああっッ!?」

その後、一時間近くかけてたっぷりねっぷりとやわ肌を吸われまくるにょたっこ。
毒どころか、魂ごと吸われかねないそのねちっこい愛撫で
身体もココロもトロトロにされてしまったというのに
やった本人にはさっぱり感づいてもらえなかったとか。

虫刺されにはキンカ○
これで違う意味の虫も撃退できるのでお勧めですヨ、にょたっこのみなさん!
772 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/08(火) 16:16:45.47 ID:L7ufeyE0
虫刺されからえちぃ方面に行く手本を誰か示してくれorz
773 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/08(火) 18:34:30.33 ID:S1w4UsAO
>>772

スカート慣れしてないにょた

 ↓

授業中内股に虫さされ

 ↓

掻きたい衝動と慎みの葛藤

 ↓

欲求に負けてコソコソと掻く

 ↓

後ろの席に居る男共から見ると……?


後は任せた
774 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/08(火) 22:47:46.54 ID:7P20Tkk0
>>771
GJ!
775 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/09(水) 14:42:12.42 ID:HMQafCo0
>>773こうですか?

「あのさ、ちょっといいかな?」
「んぁ?」
「えーっと、確かに僕は純粋な女の子じゃない女体化者で、もと男だよ?
 だけど、だけどさ、常識ってものがあるじゃない?」
「は?」
「とぼけないでよ
 授業中ずーっと、おち……股間をもぞもぞやって……真後ろの席の僕はどうすればいいのさ!」
「んんー?」
「目の前であんなコトされて、ふぅ……とか呟かれて……授業どころじゃなくなっちゃうよ!
 なんなの? キミってば露出狂な変態さんってこと?」
「昨日蚊に刺された所がいまだに痒いだけだが」
「授業中という逃げ出すことも出来ない状態の女の子にあんな行為をたっぷりと見せつけて悦んで痒いだけ?」
「痒いだけ」
「……」
「痒いだけ(ニマニマ)」
「え、えっと、その……」
「そっかぁ、ポリポリ掻いてる後姿だけで、はしたなくもイヤらしくそんな妄想に駆られちゃたんだぁ」
「!?」
「うんうん、男としての知識も持ってる美少女にょたじゃ仕方ないよね
 大丈夫、ちゃんと分かってるから」
「わかって……?」
「そんな風にえっちな事を思いつくのは、普段からえっちな事してるからだよね」
「――ッ!」
「でも、こんなことみんなが知ったら……きっと嫌われちゃうなぁ『スケベにょた』って」
「そ、そんなことない……」
「す・け・べ・ちゃ・ん」
「そんな、こと……グス……」
「ごめんネ、泣かせちゃうつもりはなかったんだ、ただ……」
「……ただ?」
「お口にチャックするには、えっちなにょたちゃんに力を貸してもらわないと」
「……何をしろっていうの?」

つづかない
776 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/11(金) 03:34:16.04 ID:YEO242DO
>>775
わっふるわっふる
777 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/11(金) 12:40:41.66 ID:lh8SRgDO
>>771 >>775 二つも書いてくれてありがとう!

何度か虫刺されエロを書こうとして、微エロにすら突入出来ずに終わったヘタレな俺
778 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/11(金) 23:04:55.79 ID:FxTJ1dYo
痒いのを我慢して悶えてるにょたっ子を周囲から見てる男達全員フルボッキというのも
良いかもしれないぜ!
779 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/11(金) 23:53:25.89 ID:lh8SRgDO
そう言うのもありだな
でも、俺が書いたのは一人しかおっきしてないんだ。しかも途中で投げ出したまま……
なんか纏まらないんだよな
780 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 00:20:14.69 ID:PYOdqBQo
よっしゃ、安価くださいお↓
781 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 01:18:08.25 ID:iu3JpBQo
ポケットモンスター
782 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 03:04:54.59 ID:PYOdqBQo
それじゃあ頑張ってくるぜ
その前に寝よう…
783 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 01:33:43.78 ID:CKeCCvMo
あんかおくれ↓
784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 03:08:04.53 ID:OSwmsI.o
食欲の秋
785 : ◆rSzvjlbQlk [sage]:2009/09/17(木) 04:05:19.46 ID:CIyqHoAO
 雲一つ無い空が、ホテルの控え室から見える。
 ドレスの裾を縫う仕立て屋の邪魔にならないよう、動かず見上げていると、ドアをノックする音が聞こえて返事をした。
「うっわー! 白っ、キラキラ、可愛い!」
 小さい花束を持ったいとこの初美が、ドアを開けるなり大声を出したので、俺は苦笑いで人差し指を唇の前に立てた。
「あ、ごめん、あまりにもあまりにもで……綺麗になったねー、潤ちゃん」
 しみじみ言うもんだから、俺はちょっと笑って、でも恥ずかしくてありがとうとしか言えなかった。
 初美は俺より六つも年下の十七歳。現役女子高生だ。
 家が近いので、友達とか兄妹……今は姉妹みたいな関係。
「あたしねぇ、潤ちゃんに重大発表があるのよ」
 俺が小首を傾げると、チラリと仕立て屋を見てすぐに俺の顔を見る。
「潤ちゃんが好きだったの。 潤ちゃんが女の子になるずっとずっと前から、あたしが潤ちゃんのお嫁さんになりたかった」
 一気に言い切ると、花束を差し出す。
「潤ちゃんが女の子になって、しばらくは辛かったけど、今は潤ちゃんの幸せがあたしの幸せだよ」
 何も言えず、差し出された花束を受け取ると、初美はもう一言。
「潤ちゃん結婚おめでとう」
 初美の笑顔は本当に俺の結婚を祝福していて、俺も笑顔で……
「ありがとう、初美」
 きっと幸せになれる。
 空には二羽の鳩が飛んでいた。

おわり
786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/17(木) 04:14:23.72 ID:CIyqHoAO
眠れないから久しぶりに書いた……
やっぱり締めがgdgdwwwwww

まぁ久しぶりに書いたし久しぶりに来たんですけどねwwwwwwwwwwwwサーセンwwwwww
787 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/17(木) 22:23:11.94 ID:XjBBR6.0
GJ!
すごく好きな感じだ
788 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 22:06:53.65 ID:wEesVqs0
今日は微妙にwikiのカウント多いな
どっかに晒されたか?
789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/21(月) 01:47:16.04 ID:jphkcaIo
こう、なんていうの?
異様に長寿な家系にうまれた主人公(にょた)と、同年代の専属執事的な話が
ふと頭に浮かんだが、文章にすると微妙になるというか
ありがちな設定だとおもうだけに、何とも展開に困ってしまうぜ
790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/21(月) 11:13:29.44 ID:d2nP3Pso
>>789
>>異様に長寿
悲しみブルーフラグがびんびんな件

期待している
791 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/09/24(木) 04:35:33.11 ID:fvEBAIAO

『―――次のニュースです。
 昨夜未明、東京都新宿区の廃アパートで火災が発生しました。
 通行人の通報を受け駆けつけた消防隊の消火活動で火は消し止められましたが、アパートは全焼。中から身元不明の男性一名の焼死体が発見されました。
 遺体の頭部には拳銃で撃たれたような跡があり、それが直接の死因と見られています。
 現場には出火原因となるものもなく、被害者を撃った拳銃も発見されなかったことから、警察は放火殺人事件として捜査を開始しました。
 ――なお、事件発生の直前に"不審な少年を見た"との目撃証言が相次いでおり、警察は、この少年が事件に何らかの関係があると見て、行方を追っています―――』

 ―――なーにが"何らかの関係がある"だ。十中八九、犯人としてアタリをつけてるクセによ。

 街頭ビジョンにデカデカと映し出された仏頂面のアナウンサーを睨み付けてから、味わい尽くしたタバコを役所が設置した共用の灰皿に放り込む。

 さぁて、お仕事お仕事……と。



 ―――早いもんで、西暦が2000年を数えてから10年が経とうとしてる。
 ま、過去を懐古するような大層な年月も生きてねぇけど、なんつーか……"世の中の変化"っつーモンを肌で感じる機会が多くなったような気がする。

 あくまで、俺の主観での話だがな。
792 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/09/24(木) 04:39:57.42 ID:fvEBAIAO
 そいつが、どこぞの誰かの差し金なのか、地球が誕生してからン億年の間に繰り返してきた自然の摂理みてぇに―――生き物全てに端っから決定づけられたモンなのか、そんなもんは知らん。
 生憎、そこまで突き詰める探求心も根気も持ち合わせてないもんでね。

 んで。俺は、その変化に便乗して数年前から"ある商売"を始めた。

 が。

 何番煎じかもわからん商売を始めた俺にはロクなお鉢が回って来ない。
 衣食住だけで事務所は火の車、金は出て行く一方。
 稀に大金が転がり込んでも滞納してた家賃に消える。良いコトなんてなーんもねぇ。

 ―――そんな俺に追い討ちのごとく叩きつけるような雨がいきなり降り出しやがった。
 ヒトが珍しく仕事に勤しんでたって時に限ってなんでだ。日頃の行いのせいか?
 ……善良な市民を捕まえて酷ぇことしやがるな、お天道さんよ。
 ったく、折角の一張羅のコートが台無しだっつの。どこぞのファッションセンターで4980円だったんだぞ畜生。
 ……とりあえず適当にコンビニの傘立てにあった壊れかけのビニール傘を拝借して、人ごみに紛れることにする。
793 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/09/24(木) 04:41:57.39 ID:fvEBAIAO


 ―――そんな中の出来事だった。


 "落としモノを交番に届けて褒められるのは小学生まで。"
 そんな人生の処世術めいた言葉が頭を掠めた。
 足がつきそうにない金目のモンならガメちまえば良いし、そうでなければ目もくれないで大抵スルーだ。
 他人様を助けるために余力を残せるような真っ当な生き方をしてないもんでね。
 まぁ、表向きに真っ当な生き方をしていても俺みたいな考え方の奴は少なくないのが今の御時世ってやつらしい。

 社会の底辺を絵に描いたようなアウトロー気取りが言えた義理じゃないのは、分かってるつもりだが。けど……。

 ……冷てぇモンだな、雨も人も。

 薄暗い路地裏で行き交う人間に"ないもの"として扱われていた落としモノに声を掛けたのは単なる気まぐれだった。
 ……と思う。
794 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/09/24(木) 04:45:00.07 ID:fvEBAIAO

「風邪ひくぞ」
「………」

 折り目正しい体育座りをしていた落としモノが、一瞬だけこちらを向いて、視線を真向かいの雑居ビルの壁に戻す。

 ……無視かよ。

 ―――長い黒髪、真っ黒なTシャツにノーブランドのジーンズ。年の頃は……10代半ば―――つったとこか。
 ったく、可愛らしい面してんのに色気もなんにもありゃしない。……いや、Tシャツが張り付いて、浮かび上がった身体のラインはなかなかだな。将来有望株っつったトコか。

「………」

 ……ヤク中かなんかか? 目も虚ろで、視神経がキチンと仕事をしてるかも怪しい。
 いや、注射の部類ならその割にゃキレーな腕をしてるし、血色自体は悪くねぇし……。

「……アンタ、誰?」

 あれこれと思い倦ねていると、愛想もへったくれもない質問が雨を跨いで飛んできた。……相変わらず、目線は灰色の壁に向けたまんまで。

「―――ヒトに名前を訊くんなら、まず自分が名乗るのが社会のルールだろーが」
「……悪い」

 まず"悪い"と思ってんならそんな謝罪の仕方があるか。
 とかクレーマーみてぇな言葉が口からはみ出しそうになったが、そこは、ほらオトナの度量の見せどころってヤツだ。
 ボックスの中の、ラスト一本の赤ラークを口に含んで、100円ライターで火を着け、言葉を待つ。
 ……くそっ、この雨の湿気を十二分に含んだせいか、吸い込んだ煙がちっとも美味いと思えねぇ。
 済し崩し的に味わうタバコの灰が濡れたアスファルトに落ちる刹那、ようやく奴が口を開く。


 ―――それは、"落としモノ"の正体を表すのに十二分なものだった。


「―――オレ……誰なんだ?」
「………あン?」



  【赤羽根と奇妙な数日】
795 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/09/24(木) 04:47:13.22 ID:fvEBAIAO


 先に言っておくとだ。

 この商売ってのは拳銃を携帯したり、どっかの怪しい組織に薬を飲まされて小学生にされたり、殺人事件に出くわしては国家権力を差し置いて事件を解決に導くなんてコトは九割九分無い。
 そんなんは推理小説だけの話だ。
 大抵は、やれ居なくなったペット探せとか、やれ旦那の素行を調査しろとか、そういう地味ぃな作業の繰り返しで漸くオマンマにありつける訳だ。

 つまり。

 さっきも言った通り、ガキ一匹を養うだけの余力が俺にある訳が無えっつー話だ。
 付け加えるなら、喩えあのガキが記憶喪失だろーが同情で手を差し伸べられるような真っ当な精神も持ち合わせてないね、悪いけど。
 ま、そんなこと知ったこったと再度路上に放置することも出来たが、それじゃ流石に夢見が悪い。
 野垂れ死なれて、枕元にバケて出られた日にゃ安物ベッドの骨組は間違いなく崩れ落ちる。二人分の重みに耐えられるかも怪しいしな。

 だからこうして、わざわざ会いたくない奴のオフィスまで来てるわけだ。依頼料の請求も兼ねて。

 ……しっかし、こんなデカいビルのてっぺんで何をやってるんだか、あの坊ちゃんは。バカと偉そうな人間は例外なく高い位置が好きだと言うが。
796 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/09/24(木) 04:50:05.90 ID:fvEBAIAO


「―――こんばんはっ、赤羽根のオジさん」
「"おにーさん"だっ。何度言やぁ分かるんだ」
「あははっ、若さを主張するようになったら老いの前兆ですよ〜?」
「………チッ」

 通された執務室に居たのは―――目当ての奴……じゃなく、そいつお抱えの口の減らない―――青いリボンで短いポニーテールに結った大人とも子供とも付かない綺麗な笑みを浮かべた嬢ちゃんだった。
 そういや、今日は土曜日だったな。嬢ちゃんが居るのも納得がいく。
 名前は、なんつったっけか。えーと……さか……なんとかだっけか………忘れた。

「あ、せんせーなら外出中ですよ?」

 いつもは、あの嫌味なヤローがふんぞり返ってる座り心地の良さそうなキャスター付きの椅子。
 その椅子に座ってグルグルと回り、ポニーテールを揺らしながら嬢ちゃんは開口一番にそう言った。ルービックキューブをカチャカチャと弄くり回しながら。
 ……仮にも官僚の長の執務室で何をやってんだか。

「どうやら、そうらしいな。官僚ってのは国民からの血税を湯水のように使いながら、暇をこいてるモンだと思ったが」
「あははっ。別にせんせーを擁護するつもりもないけど、そーいうヒト達はご自分で勧んでそう仕向けてるみたいですよ?
 そうじゃない人種も沢山居ますって」
797 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/09/24(木) 04:52:15.20 ID:fvEBAIAO
 諭すような口調で嬢ちゃんは言う。
 そこで、俺の影に隠れて微動だにしない黒髪の少女に漸く気付いたらしい。

「で、そちらの可愛らしい子はどちら様ですか? ひょっとして―――赤羽根さんの……これ?」

 ―――小指を立てんな。いつの時代のリアクションだ。

「―――生憎、俺の守備範囲外だ」
「……前に同じく」

 背後からキッパリとお断りの言葉が飛んでくる。……別に悔しくなんてねぇよ。

「あれ、もしかして―――」

 俺とコイツのやりとりを聞いて、嬢ちゃんは漸く事態を把握したように首を傾げて見せた。

「もしかしなくても例の病気の患者だよ。嬢ちゃん」

 今まで、無邪気に笑っていたポニーテールの少女の顔つきが一瞬にして引き締まる。
 へぇ、そんな凛々しい面も出来るのか。

「異性化疾患、ですか」
「そ。ご明察」

 タダでさえ世の中はどっかトチ狂ったみたいな状況下だって言うのに、それに追い討ちを掛けたのが、嬢ちゃんの云う"異性化疾患"。

 ここ数年で、インフルエンザ並の発症率を以て猛威を振るう奇病にまで伸し上がった病気だ。
 思春期に差し掛かった男のみが発病するこの病気は、未だに原因も完全な治療法も見いだせていない。
 唯一、分かってるコトは、15、6歳までに女の味を覚えないとゲームオーバー―――その後の一生を女として過ごさなきゃなんねぇってことくらいだ。
 俺の背後に隠れて黙りこくってるコイツもその被害者らしい。
 最近じゃ、国でも異性化疾患を無視する事は出来ないらしく、対策委員会を設けてまで対応に当たっている。
 ま、そのオコボレに俺も与ってるわけだがな。
798 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/09/24(木) 04:55:56.80 ID:fvEBAIAO
「―――随分と早かったな」

 ……っと、ちっとばっかしお喋りが過ぎちまったみてぇだな。
 もうちっとばかし可愛らしい"自称、敏腕秘書"の嬢ちゃんとの会話を楽しんで居たかったが、本命の御到着か。

「よぉ、お坊ちゃま」
「……。
 すまないが、少し席を外して貰って構わないか?」

 相変わらずの鉄仮面っぷりで俺の冗句混じりの挑発を無視し、この執務室の主は嬢ちゃんに声を掛ける。
 ……よし、コイツに便乗しない手は無いな。

「あー、嬢ちゃん。出来ればコイツの話し相手になっててくれっと、もれなく"おにーさん"が喜ぶぞ」
「あれあれ? いいんですか"オジさん"? このコだって当事者みたいなものじゃないですか」
「……ガキんちょに聞かせられねぇような下世話な話もするンだよ。
 それとも聞きたいか? どこのキャバクラやピンサロに上物がいるかとか、生本番は幾らだとか」
「……けっこーです。いこっ、スケベ菌が伝染っちゃうから」

 ガキと言っても女は女だ。こういう話に嫌悪感を抱かないワケがない。話を逸らすには打ってつけなのだが……スケベ菌ってなんだよオイ。
 と、反論する前に素早い扉の開閉音がそれを拒む。

「……自業自得だな」

 相変わらずの嫌味ヤローに睨みを利かせて訴える。
 が、奴は取り合う様子もなく、さっきまでポニーテールの嬢ちゃんが座っていたキャスター付きの豪勢な椅子にゆっくりと腰掛けた。
 ……その一連の仕草が一々サマになってるのも何かムカつく。
 だが、四の五の言っては居らンねぇか。こいつぁビジネスだかんな。
799 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/09/24(木) 04:58:07.06 ID:fvEBAIAO
「……へぇへぇ。俺が悪う御座いました。
 さて。人払いも済ませたこったし、商売の話でもしましょーかねぇ、神代さん?」
「その方がありがたい。下劣な冗句に付き合えるほど僕は人間が出来ていないからな」
「……チッ」

 ……この嫌味なくらいに爽やかな面をぶら下げたヤローの名前は神代。

 下の名前は官庁のHPにでもアクセスすりゃ出てくる(らしい)が俺は興味が無いので知らん。探偵事務所にあるまじきことだが、ウチのパソコンは専らスタンドアローンなんでね。

 ……神代は俺が商売を始めた中で1、2を争うほどの上客だが、人間としては全く反りが合わない。
 所謂"お堅い"人種だ。プライベートじゃ絶対に付き合いがないと言い切れる。

 ―――コイツとの仕事の上での付き合いは数年前からだが、それについては割愛させてもらう。
 人間、20余年も生きてると暴かれたくない臑の傷なんて幾つもあるもんだろ? 好奇心は猫を[ピーーー]っつーくらいだ。ま、気にすんな。

 ―――神代は、件の異性化疾患に対するサポートを行う"異性化疾患対策委員会"とかいう何とも捻りもない機関の委員長代理を務めている。

 そーいうのは大抵、時間の余ってる割には余生の短いジジババの仕事かと思っていたが―――なんでも、このお坊ちゃまは政治の名家の出らしく、20代後半(30過ぎてたか?)の若さで委員長代理の役に就いているらしい。
 いいねぇ、親の黒光りってよ。
 ……なんか違う? まぁいいさ。
800 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/09/24(木) 05:02:34.48 ID:fvEBAIAO

 兎に角。

 コイツは異性化疾患の案件に対する全権限と責任を背負って立つ人間なんだとよ。想像もつかねぇ世界だが。

 俺は、コイツから度々依頼を受けている。
 その内容は―――厚労省から15、6の健全な童貞男子諸君に発行される"性別選択権行使に関する通知"に対する裏付け調査だ。

 その"通知"があれば漏れなくタダでオンナを抱けるらしい。まったく羨ましい限りだ。ただし、一回限りらしいがな。
 どっちにしろ、そんなオイシイ話を、世の中の思春期真っ只中のガキんちょが放っておくわけない。
 そこンところで悪巧みしねぇように目を光らせるのが俺達、民間業者ってワケだ。
 ま、マジで童貞なのかとか、オンナの二重食いをしてねーかとか、そんなトコの調査をするわけだわな。

 ……俺なら、その"通知"とやらで、どんな手段を使おうが両手じゃ数えらんねーほどオンナを抱いてやろうとか思うけどな。
801 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/09/24(木) 05:06:01.59 ID:fvEBAIAO
「―――それで、あの娘は何だ? 一応、此処は一般人立ち入り禁止なのだが」

 ヤケに豪勢な作りの扉の向こう側に、人の気配がなくなったと分かるや否や神代は不服そうに溜め息を吐く。

「ンだよ、好みじゃねぇってか? あのポニーテールの嬢ちゃん並みのルックスなんてそうそう居ねぇんだよ。こーの面食いが」
「………」
「……んなマジな顔で睨むなよ。
 冗談が通じないとモテねぇぜ?」
「―――用向きは何だと訊いている」

 不機嫌そうな面の眉間に更に深ぁいシワがよる。
 ……ったく。この坊ちゃんには、話の要所要所にワンクッションを置くっていう、コミュニケーションの作法を求めるだけ無駄なのか?
 それとも、俺にその必要が無いと言いたいのか。
 ……いや、どっちにしろ失礼だろ。

「金なら貸さんぞ」
「違うわっ!!」
「この前パチンコで7万スッたとか言ってなかったか?」

 言うな。その話は言うな。確率1/99が1200回当たんなかった悪夢を思い出させンなっ!

「……では、なんだ?」
「……あのガキを預かって欲しい訳なんだが」
「……? あの娘はキミの親族か何かか?」
「んにゃ。昨日、新宿三丁目の路地裏で拾っただけだ。名前も知らん」
「家出か? そのような捜索は警察の仕事だろう。
 何故、警察ではなく"委員会"を選ぶ?」
802 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/09/24(木) 05:08:41.66 ID:fvEBAIAO
 無論、サツに届けを出すコトも考えたさ。でもよ、下手すりゃ未成年者略取とかで俺が捕まるかもしんねぇし。
 ……それに、あのガキに幾つか気になった事もある。

「嬢ちゃんと話してたのを聞いてたろ?」

 無論、先ほど俺にスケベ菌が云々と言った青いリボンのポニーテールの"自称、敏腕秘書"の嬢ちゃんのことだ。

「不本意ながらな」
「自己弁護なんざ要らん。
 それに、別に盗み聞きしたことを責めるつもりはねーよ。余計な面倒が省けるしな」

 俺は漸く本題に入る。

「……あのガキんちょは異性化疾患が発病しちまったんだろう。それも、ごく最近にだ」
「ごく最近?」

 鸚鵡返しに神代は言う。

「そンじゃなきゃ、いくら元男だからってノーブラでトランクスなんて下着で、いつまでも新宿なんか彷徨くかっての」

 奇妙な沈黙。

「とりあえず、身柄を拘束していいか」
「……は?」
「僕の前で婦女子暴行を公言しておいてその態度か。恥を知れ」

 ……何か、この坊ちゃんはとてつもない誤解をしているようだ。
 しつこいようだが俺は目の前でふんぞり返ってるイケメン嫌味野郎とは違い、そのケは無い。
 俺の名誉の為に補足しておくが、目の前で身構えてるイケメン嫌味野郎のアタマで想像してるようなコトは断じてしていないぞ。断じて。

「単に風呂を貸して、その間にびしょ濡れになってた服を洗濯しただけだっつの。
 さっきも言ったが、生憎、あのガキんちょ位の娘は守備範囲外なモンでね」

 その後に、"お前さんと違ってな"と付け加えてやろうかと思ったが、これ以上話がコジれるのは色々と面倒だと判断し、俺は返事を待つことにした。

「………。冗談だ」

 真顔で誤魔化しても説得力は無いぞ、坊ちゃん。

「……へーへー。異性化疾患対策委員会の委員長代理様はユーモアのセンスもおありなようで」
「………」

 ……勝った。内心でガッツポーズを取る。

「なんだ、その顔は」
「生まれつきだっつの」
803 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/09/24(木) 05:14:49.68 ID:fvEBAIAO



「―――記憶喪失?」

 俺がコトのあらましを話し終えると、神代は推理小説のテンプレート的な反応を示した。

「あぁ。名前すら覚えてねんだとよ。
 一応、あのガキんちょの外傷は調べたが、それらしき痕は見当たんなかった」
「外傷性の記憶障害じゃないと?」
「その可能性が皆無たぁ言わねぇが―――」

 あまり建設的な考え方じゃない。だからこそ、俺は此処に来てるのだから。

「―――それより異性化疾患の知識に明るいアンタに話を訊いた方が手間が省けると思ってな。色々と」
「―――併発症、というコトか?」

 流石、代理とはいえ伊達に公僕組織の長を務めては居ないらしい。頭の回転が早い。俺は賺(すか)さず首を縦に振った。

「性別が変わって、脳から分泌されるホルモンバランスだって一変しちまうくらいの病気なら、アタマのネジが弛んだっておかしな話じゃねーだろ?」

 いくら素人の俺が想像で語った所で、勝手な推測の域を出ない。
 的を射た意見ではあると思ったが、それでも奴の反応は期待したものとは程遠いものだった。

「……前例はないな。
 異性化疾患に於ける併発症―――則ち、第一次性成婦人症と定義されているものだが―――その大分類であるT種、U種、V種の中に言語野や海馬に障害を来す症例は今のところ確認されていない。
 確かに、発病の際にアセドアルレヒドに似た分泌物が体内精製される、という事例はあったがそれは頭痛や目眩、吐き気といった、所謂"二日酔い"の症例に似たもので、自らの名前を忘却するほどの強い記憶障害を伴うような症例は―――」
「―――長えよ。一行で言えっての」
「……その仮説は99.98%有り得ない」

 0.02%の可能性は残るってか。どこからそんな数値が算出されてんのかはさておいて。

「んじゃ、何だ? 心因性の記憶喪失だってことか? はぁ、ドラマじゃあるまいし」

 そこで、会話に奇妙な間が生まれる。
 ……神代の野郎が会話に詰まる時、それは大抵―――俺に取って良い意味を為さないことが大半だ。

「………一つ頼めるか?」



 ―――そらきた。
804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/24(木) 05:16:29.68 ID:fvEBAIAO
中二自己満一時的に終了。
805 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/24(木) 05:44:04.53 ID:MUa9hkIo
相変わらずの投下量だぜwwwwww
GJ
806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/24(木) 07:39:41.37 ID:fvEBAIAO
>>805
短くまとめる技量がないとも言う。
この先なーんも考えてないし。
807 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/24(木) 11:24:39.22 ID:daza1KY0
乙gj!
こういう甘味0%なオジサマ達のやり取り、好きだぜww
808 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/24(木) 11:33:24.32 ID:daza1KY0
ちょっと漲ってきたので安価クレクレ↓
809 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/24(木) 12:01:06.22 ID:9S/xqkwo
にょたと漲る友のアレ
810 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/24(木) 12:21:34.73 ID:daza1KY0
友が漲っちゃうのか…

漲る友「この屹立、どう思う?」
にょた「ば、ばか!見せんなスケベ!」
漲る友「はっはっは、この張りつめたチカラコブのセクシーさにメロメロとはな」
にょた「あぁん、プロテイン様ぁ〜」

うん萌えないww
安価把握、いてくる
811 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/24(木) 14:25:47.21 ID:daza1KY0
安価「にょたと漲る友のアレ」

にょた「ねぇねぇ友〜」
漲るアレ「ちょ、いきなり抱きつくんじゃねぇヨ! ……漲っちゃうダロ?(むく)」
にょた「むぅー、友は相変わらずクールだよね……こーんな可愛い子に抱きつかれてるのにさー」
漲るアレ「バッカ照れ隠しだよにょっぱい押しつけてくんナ気持ちいいダロ!(むくむく)」
にょた「え? 違うよ、元オトコだったからこそこんな風にひっ付けるんだよ」
漲るアレ「マテ何が言いたい(ぐ……ぐぐぐ……)」
にょた「友のこと良いなぁってコ、実はいーっぱい居るんだよ? 知らなかったでしょー」
漲るアレ「チョイマテ、それはマジなのか?え?(ジャキン!)」
にょた「あはは、赤くなった♪ ウソウソ、友の魅力にメロメロ女子なんてそんなに居るわけ無いよー」
漲るアレ「チッ、そういう冗談はやめてくれよナ(しおしお)」
にょた「……でも、ちゃんと気づいてるコも友の身近にいるんだけどね」
漲るアレ「オーケイ小猫ちゃん、それが誰なのかさっさとゲロしちまいな!(ぐいいーん)」
にょた「誰?って……お、おしえてあげないっ」
漲るアレ「おいおい、俺をこんなにさせておいてタダで済むと思ってるのかい?(ギャンッ!)」
にょた「教えないったら教えないよ!」
漲るアレ「強情なコだな、だが俺は狙った獲物は逃がさねェぜ(ギー……ンッ ギー……ンッ)」
にょた「バカ……気づいてよ……」
漲るアレ「その声、表情、イイヨイイヨーッ(ぎょんぎょんぎょんぎょんッ!)」
にょた「だ、だから! 友のこと、好き……なんだよ」
漲るアレ「エーロっ! エーロっ! エーロっ! エーロっ! (びびんびんびんっ)」
にょた「誰が?って!? ぅぐぐ……ぼ、僕だよ! 僕が、友のこと、好きなのっ!」
漲るアレ「キタタタターッ! エロロローン、エロロロローン!(ぎょんぎゃんぎゅんぎゃんぎょんっ!ぎょぎょんっ!!)」
にょた「それも冗談だろって……バカっ! 折角勇気出したのにもう知らないっ!」
漲るアレ「なん……だと……?(しゅーん)」
にょた「友のバカ! バカバカバカ! うわーん(たったった)」
漲るアレ「バカバカバカ! 早く追いかけんだよ! そして俺をあの子のアレにそれして……」
佇む友「にょた……」
漲るアレ「ちょぉぉっなに青春しちゃってんの! ここはダッシュ&キッスだろ!?
    イケって! はやくイケって! イッテ!イッテ!イッテ!イッテ!イッテ!」
佇む友「うっ……(びくびく) ふぅ」
漲るアレ「――俺、最低だ……」



……どうしてこうなったorz
すまん、別の日にやり直すww
812 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/26(土) 16:07:31.75 ID:JmFbgZE0
よし安価してみる↓
813 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/26(土) 16:20:03.41 ID:HDGOPb2P
秋祭り
814 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 17:56:03.40 ID:XBB75mY0
パー速でこのスレに出会うとは…一年ぶりくらいで出会ったぜ
というワケでオレも一編書かせていただきたい

お題↓
815 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 18:33:37.44 ID:XnYe/2so
ガノタさん
816 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 18:49:01.71 ID:XBB75mY0
ガノタとか超予想外ww把握
817 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/02(金) 14:34:49.30 ID:bCYC3d60
>>815
でけた。たったこれだけの文章量に一週間近くかかるとかもうね

  お題「ガノタさん」


「おじさん、こんちわ」

いらっしゃい。歳の割りに若々しい声で模型屋のおじさんがボクに笑いかける。
手振りで返事をしながら店内のいたるところに積み上げられたプラモデルやフ
ィギュアの箱を見渡す。
ここはボクの馴染みの模型屋さん。大型のおもちゃ屋やネット販売が幅をきか
すこのご時世でも、無駄にマニアックな商品ラインナップや店舗裏のラジコン
用のサーキット、戦闘機からアニメキャラまで美麗な完成品が見られるギャラ
リーなんかのおかげかどうかは知らないけど潰れずに営業中だ。今も午後の三
時だっていうのにスーツ姿の男の人が真剣な顔で壁にかけられたエアーガンの
ライフルを眺めている。サバゲって言ったっけ、ああいうのが好きな人なんだ
ろうな。

「カオルくんもそろそろガンプラよりも難易度が高いの作ったらどうだ?コト
 ブキヤのアーマードコアのヤツなんかは作り甲斐あるぞ〜部品多いし」

ボクはガンダムが好きなんです。きっぱりと言ってやった。確かにあっちのほ
うも作ってみたいしゲームも好きだけど、でも自分がゲームの中で使う「愛機」
のパーツが揃っていないから作る必要がない。組み換えが自在なのがウリの一
つのシリーズのはずなのに、パーツの数がいまいち少ないのだ。組み換えて遊
べないなら作り甲斐もないってものだ。
そうか〜残念。おじさんはため息を一つ。
818 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/02(金) 14:35:52.24 ID:bCYC3d60
「ていうかおじさん。ボクあんまりお金もってないの知ってるでしょ」

お得意さんだから安くしてあげるよ。いつもの台詞。ボクもいつものようには
いはい、と適当に返事する。返事をしながらカウンター奥の作業机を見ると、
新しく作ったんだろう、小さなガンプラがあった。ここのギャラリーに飾って
いるプラモのいくつかはおじさんが作ったものだ。おじさんは戦闘機から美少
女ガレキまでなんでも作ってしまうのだ。見せて見せて、とボクがはしゃぐと
まだ仕上げが終わってないんだけどな、と言いつつも重い腰をあげる。

「おぉ。ヅダじゃん。これかっこいいよね」

1/144スケール、HGシリーズのヅダ。割と最近のCGアニメのシリーズに出てくる
ジオン軍のやつだ。灰色がかった青色で、西洋の騎士を彷彿とさせる脚や胸の
装甲。そして特徴的な肩の造形。これはいいものだ。ボク的には同じシリーズ
に出てくるヒルドルブという戦車の化け物みたいなやつが好きだ。でかい大砲
に、上半身がロボットになってるというステキな代物だ。

「この肩アーマーが放熱板みたいになってるのが格好いいんだよなぁ」

おじさんがつぶやく。ボクもその意見には賛同せざるを得ない。深くうなづい
た。

「放熱と言えばF91もなかなか」

「放熱板から話ずれるけど最近のじゃFAZZも捨てがたい」

「でもやっぱり至高のモビルスーツはケンプファー」

「いやいやハイゴッグですよ」
819 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/02(金) 14:37:23.74 ID:bCYC3d60
なんだかんだ言っても、おじさんもガンダムが大好きなのだ。現代の科学じゃ
あんな人が乗って動き回れるロボットは作れない、なんて馬鹿にする人もいる
けどボクはそうは思わない。ずっと未来に何かすごい素材や技術の発見で、実
際にああいうものが作れる時代がやってくるかも知れない。「人間が空想する
あらゆる物事は実際に起こり得る」と言った人がいたが、ボクもそう思う。飛
行機が空を飛ぶことだって今じゃ幼稚園児でも知ってるけど一世紀前はみんな
笑ったと言うし。そうかと思えば男がある日、女になったりもするワケで。

「カオルくんは女の子になっても全然変わらないねぇ。安心するよ」

おじさんは人が気にするようなことを嫌味を感じさせないような話し方で言う。
多分人徳、とか言うやつだろう。そう言えばボクが体が女の子になってしまっ
て、家から出られなくなったときも、おじさんは家までやって来てボクの部屋
の前にどでかいガンプラの箱を置いていってくれたんだっけ。手紙を添えて。

「カオルくんが欲しがっていたデンドロビウムを置いていきます
 完成したら教えてね
 お店のギャラリーに飾りたいからキレイに作ってほしいな

                   模型屋のおじさんより」

ちらりと横目で確認すると、ギャラリースペースの棚の目立つ場所にボクが作
ったそれがいまだに鎮座している。他の人が作ったものよりあきらかに塗りや
なんかの処理のレベルが低いものなのに。
820 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/02(金) 14:38:49.98 ID:bCYC3d60
「ぼちぼち日が暮れてきたねぇ。そろそろ帰ったほうがいいんじゃない?」

店の正面のドアの向こう側は、確かにそろそろ薄暗くなってきていて、家路に
向かう自転車や車が急ぎ足で通り過ぎていく。そう言えばいつの間にかエアー
ガンを眺めていたスーツの人も居なくなっていた。模型屋で中年男性とガンダ
ムについて熱く語り合う女子高生にどん引きして帰っていったのかも知れない。

「そうだなーもうちょいしたら帰る。そうだ、おじさん。あのデンドロビウム
 はずっと置いてあるけど、片付けたりしないの?」

おじさんは棚からはみださんばかりの大きなプラモデルをしばらく眺めた後で
こう言った。
そうだねぇ。かおるくんが新しいのをなにか完成させて持ってきたら返そうか
な。それまでは飾っておくよ。けっこう気に入ってるんだ。

そっか。ボクは少し照れくささを感じながらそう答えた。ボクが恥ずかしそう
にしているのをおじさんはにこにこと笑いながら見ていた。

「じゃあまたねおじさん」

閉まっていく自動ドアの向こうから手を振る。手を振り返すおじさんの指には
まった銀色の指輪を目で追う。さすがに妻帯者にボクの気持ちを伝えたりする
のは、ね。あと半年もすれば子どもも生まれるみたいだし。ずっと昔からの片
思いはボクが女になるのとほぼ同じ時期に終局を迎えるというなんとも言えな
い結果になってしまったけど、でもまぁそれはそれでいいかな、そう思う。
そうでも思わないとやっていられないと言うか。
821 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/02(金) 14:39:56.65 ID:bCYC3d60
「あっ、かおるだ。なにしてんのー?」

道端でぼんやり夕日をながめているとクラスの女子が通りがかった。女になっ
てからというもの、それまでたいして交流がなかった女子と交流ができてきて
いた。ボクも女子なんだから当たり前なのかもしれないけど。

「ちょっと模型屋の帰りー。まっつんはいま帰り?」

もう女の子なのにまだそんな男子みたいなことしてるの?なんて言うものだか
らボクは別にいいじゃないとムキになった。体がどうとかいう問題なのではな
いのだ。女でも車やバイクが好きな人だって居るワケだし。
通りに面したベンチで、二人の割り勘で買ったたこ焼きをつまみながらボクは
いつか彼氏が出来るとしたらボクみたくガノタがいいなぁと漠然と考えた。で、
ジオン派なら完璧。たこ焼きの最後の一個をまっつんにあげてボクは一人で歩
き出した。まっつんの家は別の方向だ。

住宅街を歩いているとどこかから来る味噌汁のよい香りが鼻をくすぐる。なん
でか鼻の奥がつんとして、涙がこみ上げてきたけど、空を見上げてガマンした。
街中なので夜空はそれほどキレイには見えないけど、満天の星空だった。
うん、明日もどうやらいいお天気になりそうだ。

おわり
822 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/02(金) 17:04:59.09 ID:qCm1aA20
不満が一つある
そう、簡単な事だ
…貴様、ガノタだなwwww

ごめん、出てくる単語の半数以上が分からんorz
ボクの想いがいつからでどんななのかは敢えて追及しないでおくでもすきww
823 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/02(金) 17:27:01.03 ID:kKlSiMDO
こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
824 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/02(金) 22:36:06.99 ID:GmtLzCY0
GJ!
自分もガンダムは詳しくないがとっても好きだ
825 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/03(土) 02:43:45.68 ID:48TSGwko
ジオン派は許す
だがジオニストまで行くと許せない
826 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/03(土) 17:02:56.01 ID:a7dNlpI0
こんなところに来てたのか……ww
827 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/03(土) 18:07:39.54 ID:/4rOsLso
あんかした
828 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/03(土) 18:24:09.19 ID:a7dNlpI0
安価なら「消しゴム」
829 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/03(土) 19:25:18.13 ID:a7dNlpIo
そして誰か来ることを祈って 安価下
830 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/03(土) 20:04:54.37 ID:/4rOsLso
折れた鋸
831 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/03(土) 20:10:23.83 ID:a7dNlpIo
鋸把握ww どう転んでもスプラッタになりそうだwwww
832 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 00:59:53.72 ID:jgzcd1Io
 秋晴れの空、とある高校の裏庭、普段は人気の無いそこも、文化祭前ともなると立派な木材加工場へと変貌する。各クラスから集まってきている男どもが黙々と作業する中、疲れがにじむ声を漏らす少年がいた。
「しっかし、女子も人使い荒いよな、元男だった野郎もいるくせに『力が無いから無理』だとぉ……?」
「まあまあ、実際筋力が衰える可能性が高いのはホントだし」
「そりゃそうだが…さも当然といったふうに押し付けるのは違くないか?」
 片方はザッザッと、屋台の外装に使う木材を鋸で切断しながら、もう片方はトントンと釘で木材を打ちつけながら話をしていた。
「そういや、お前もそろそろ女になるのかぁ……」
 と、釘を打っている方の少年は呟いた、鋸を使う少年は苦笑いしながら答える。
「ひどいなぁ…、まあ、なるだろうけどさー」
「もし、お前がかわいい子になったらそん時は…」
 じろじろと、鋸を動かす少年の体を舐めるように視線が動いた。
「キモい、却下。男でいたいんなら申請してボランティアの体を持て余したオバさん相手にヤッてこい」
「冗談だよ。誰が親友を抱くかっての」
 笑いながら、少年は一通り作業が終わったようだった。トンカチを工具箱に放り込み、一休みと腕を伸ばす。
 と、その時だった。
「ひゃぅ!?」
 女の子の声が短く聞こえたかと思うと直後。
 ビギィッ!!
 硬質な破裂音が響き、少年が振り向くと、そこには少女が倒れていた。
 少女が身を包んでいるのは男子の制服。そして、先ほどまで隣で作業していたのは……。
「おい、しっかりしろ!」
「ん…うぅ」
 駆け寄って、少年はにょたを抱き上げる。見ると、ブレザーとカッターシャツは男子のものなのでぶかぶかになっていて、危うい。ともすればはだけて中が見えてしまいそうだ。
「……ケガは、ないみたいだな」
 にょたの近くには真っ二つに折れた鋸が落ちていた。どうやら引いている最中かなにかに女体化してしまいうまく扱えなかったんだろう。
「大丈夫か? にょた」
「……大丈夫。でも、残念だな……これでお前と同じ作業は無理か……」
 にょたは残念そうに言った。同時に儚げに漏れる溜息、そしてだらんと力を抜いて腕の中に納まっている。
「んー、大丈夫だろ、もうあとあの木材組み上げるくらいだし、お前がひ弱でも俺がカバーする!」
 自信満々と胸を張り少年はそう言った。その台詞を聞いたにょたは呆れたようにこう言うのだった。
「……優しくされても処女はやらねーぞ?」
「んな気ないわっ!」



以上、安価「折れた鋸」でした。久しぶりすぎて腕なまってるなぁ…
833 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/04(日) 01:14:37.69 ID:FSkNxa2P
いやなかなかGJ!!!!
834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 01:19:11.49 ID:jgzcd1Io
立て続けに安価下。リハビリリハビリ
835 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/04(日) 02:59:11.75 ID:FSkNxa2P
ものおもうあき
836 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 10:52:45.52 ID:m.zrCESO
安価下
837 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 10:59:23.69 ID:EgAvrHg0
マンガ喫茶
838 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 15:14:55.15 ID:m.zrCESO
安価はあく
839 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/10/09(金) 03:37:01.73 ID:jzYy1MAO
>>803の続き

 ―――昔、俺に依頼をしてきた中年のオヤジが言ってたコトを思い出した。

 家族がデパートを訪れる際、男の立ち位置ってのは大抵ドライバー兼荷物係と相場が決まっているらしい。

 ……誰が決めたか知らんが、迷惑極まりないルールだなオイ。

 詰まるところ、そういう紋切り型の不文律に縛られんのが嫌で独身貴族を気取ってたのに、エスカレータ脇に据えられたベンチには―――何故か俺と、両手の指じゃ数え切れないほどの有名デパートの紙袋が放置されていた。
 その中身は、暴利を貪ってるとしか言いようが無い値段の衣類。しかも全部俺には関係のないものだ。

「はぁ……」

 思わず漏れ出た溜め息のせいで、頭が擡げる。
 ……視線の先には、鏡のように磨かれた床と、そこに映り込んだ憔悴しきったオッサン……じゃない、"お兄さん"の顔。
 …………誰に主張してんだ俺は。

 ったく、これだけのモンを一時に買える財力があったら俺は、どんだけの間、豊かな生活を送れると思ってんだ、あの嬢ちゃん達はっ!?
 ……やめよう、カップ麺に換算すんのは。泣けてくる。

「あっかばっねさんっ!」

 大量の紙袋をこさえた張本人が、跳ねるような口調と足取りで駆け寄ってくる。その度に、彼女のトレードマークであるポニーテールと発展途上の胸元が揺れていた。
 ……自称"神代の敏腕秘書"の嬢ちゃんだ。

「そんなとこでヘタってないで、ちょっとは見てあげてくださいよー」

 別にヘタってた訳じゃない。人生の理不尽さを嘆いてただけだ。
840 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/10/09(金) 03:40:19.10 ID:jzYy1MAO

「……あのなぁ、嬢ちゃん―――」
「―――いつになったら名前、覚えてくれるんですか?」

 俺の呼称が不満なのか、頬を膨らませる嬢ちゃん。
 いや、覚えてない訳じゃない。今さっきまでド忘れしちまってただけだ。

「"坂城 るい"。 元プロ野球選手、坂城 亮のむす―――」
「―――そんなコトはどうでもいいんですっ!」

 強い語気。どうやら嬢ちゃんの地雷を踏んじまったらしい。

 ―――ついつい容姿とか普段からの振る舞いで忘れちまいそうになるが……。
 今、目の前で手を腰に当てて、俺を睨みつけてるポニーテールの嬢ちゃんは――俺が拾ったガキんちょと同じ―――異性化疾患に冒された元男だ。
 なんでも世間で蔓延ってる症例とは違う稀なだとかで、神代が手元に置いているとか何とか。
 ま、イケメンロリコンの考えてる建て前なんぞ知らん。知りたくもねぇし。

「……そんなコトよりも、あのコの服、少しは見立ててあげてくださいよ」

 物思いに耽っていた俺を現実に引き戻したのは、今し方よりも少し低いトーンで不貞腐れるような嬢ちゃん――るいの声だった。
 るいの言う"あのコ"とは……無論、昨日俺が保護した元男のこと。今は、若者向け婦人服コーナーであれこれと勧めてくる店員にあたふたしている。
 ……見ている分には面白いので、放っておくつもりだ。

「……そもそも、なんで一週間アイツを預かるだけなのに、こんなに服を買い込む必要性があるんだ?」
「思春期の子のキモチに鈍感な赤羽根さんには、多分一生解りませんよーだ」

 いや、解りたくもねぇよ。
 ―――って口に出してしまいたいが、るいには服選びに付き合って貰っている手前、これ以上不機嫌になられても困るので、だんまりを決め込むことにした。
841 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/10/09(金) 03:44:45.75 ID:jzYy1MAO

「……あのコ、きっと不安なんです」
「………。そりゃぁ、てめぇの名前すら覚えてねぇんだし不安にもなるだろうが」

 ついでに言えば、アイツの不安の大部分は、未だに店員のお勧め攻勢から放ったらかしにしてるからじゃねぇのか?

「―――赤羽根さんが思ってる以上に、もっと、ずぅっとです」

 ……何かしら自分と重なる部分があるのか、ポニーテールに結った髪をふるふると揺らしながら、るいは洋服売り場を店員と共に右往左往するアイツを遠い目で見つめながら呟いた。

「だからこそ赤羽根さんに、あのコを守って欲しいんです」

 ………ん?

「"守る"たぁ、随分と大袈裟な言い回しだな?」
「っ……あはは、特に深い意味なんてないですよ。なーんていうのかな。
 私なりの文学的誇張だと思ってくれたら幸いですっ」

 るいはそう言って、殊更に綺麗な笑みを浮かべた。
 だが、その直前の、
 "しまった"
 そう言わんばかりの彼女の一瞬の虚を映した表情を、俺は見逃さなかった。……十中八九、職業病だなこりゃ。
 ……が、今それを此処で指摘したトコで、どうにもならないだろう。
 俺の観察眼が曇ってなきゃ―――この嬢ちゃんは、知己に対しての物腰こそ柔らかいよう見えても、頭の回転が頗る早いし、度胸も据わっている。
 流石は高級官僚(ロリコン)の御墨付きと言ったところか?
 恐らくはお茶を濁され、やんわりと話を流されんのが関の山だ。
 どこぞの臑に傷を抱えた破落戸を相手にするよりも組し辛い相手だと言える。

「……ま、こいつもお仕事だ。それ相応に対応させてもらうさ」
「……そーいう考え方、嫌いじゃないです」
「奇遇だな。俺もだ」
「あはっ、赤羽根さんてお茶目ですねっ」
「だろ?」

 互いの腹をさぐり合った笑みが交差した。
842 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/10/09(金) 03:45:45.84 ID:jzYy1MAO

「じゃっ、次行きますよーっ」
「……は?」

 こんな山みたいに洋服がありゃぁ一週間の生活には事は足りるだろう?
 背伸びをしてから、俺とアイツを手招きする少女に、目で訴える。

「あれ、今言ったじゃないですか?」

 るいはクスクスと右手で口元を押さえながらイタズラっぽい笑みを浮かべた。

「お仕事でしょ? それ相応の対応、してくださいねっ」

 ンの野郎。いや、野郎じゃねぇか……。
 くだらないコトをを考えてる内に、俺の怒りのボルテージは下がっていく一方で、結局、下がり切った怒りを溜め息に乗せて吐き出すしか無かった。
843 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/10/09(金) 03:48:04.02 ID:jzYy1MAO
 んで。
 大量の紙袋を抱えて憔悴しきった俺と、
 未だに俯いたまんま依然として口を開こうともしない黒髪のロングヘアの元男(仮)の少女と、
 イヤホンから流れる音楽に合わせて短めのポニーテールを小刻みに揺らし、ルンルン気分で鼻歌を歌いながらデパートを見渡す元男(こっちは確定)の少女の三人がエスカレーターを登っていく。
 全く以て珍妙極まりない構図だ。

 ……ったく、端から見たらどう見えるんだ? この不審者達は?!

「こっちこっちっ!」
「いらっしゃいませー。本日はお父様の服をお探しですかぁ?」
「……」

 ……勢い良く駆け出したるいに声を掛けた紳士服売り場の店員が全てを物語っていた。って、違う! 俺はこんなでっかいガキを持つような歳じゃねぇっつの!!
 ―――って、紳士服?
 しかも、なんつーかフォーマル臭がしない。
 所謂オッサン服じゃなくて……客層が若い者向けの服が所狭しと並んでいる。

「さぁ、第二ラウンド開始っ!」

 狐に両頬を摘まれたような面をしていたであろう俺達を後目に、るいはハンガーに引っかかっている無数の洋服をあーでもないこーでもないと選び始めていた。
 それにしても、いくら神代に預かった魔法のカード(金色)があるからって、あの嬢ちゃんの購買意欲は異常だろ……。
 はぁ。
 昨今の異性化疾患の元男って、こんなにバイタリティに溢れているモンなのか……?


 付き合いきれず、よっこらせの掛け声を皮切りに俺は再びエスカレーター脇の冷たい椅子に山程の紙袋を置き、腰掛ける。
 相も変わらず、浮かれたテンションで服を買いあさるポニーテールの少女に溜め息をつきながら。
844 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/10/09(金) 03:50:29.27 ID:jzYy1MAO

「―――んで、お前さんは行かねぇのか?」

 紙袋の山を挟んで反対側に、ちょこんと腰掛けた黒髪の少女に俺は声を掛ける。

「……サイズは覚えたからって、あの子が言ってた」
「それにしたって、テメーの着る服くらいテメーで選んだらどうな」「キョーミない」

 言い終える前の拒絶。
 ったく、見た目と違って可愛げがねぇなぁコイツ。もーちっと愛想良くしてれば、それなりに見えんのに。
 ……ま、中身が男じゃそれすらも屈辱なのかもしれないが。

「こんな布切れに必要以上に金を使うなんてバカげてる」

 大量の紙袋を睨み付けながら言う。
 ……ま、その意見に同意出来ない訳じゃねぇんだけど。

「テメーの金じゃねぇんだし、せっかく嬢ちゃんが選んでくれたんだから、あんま文句は言わねー方がいいぞ?
 さて、と」
「っ、どこ行くんだよ?」
「んぁ? 便所だよ便所」
「……オレも、行く」

 ……何が悲しくて女と連れションなんて初体験をこんなとこで経験せにゃならんのだ。
 頭ん中で少し毒づいてから、まぁ、催しちまったモンは仕方ないと割り切って、俺達は男子便所へと歩を進め―――って、ちょっと待て。
 ちーっとストップ。トマレナサイ。

「なんだよ?」

 いやいやいや。何でそんな"当然だ"面してるんだ?

「……お前さんは、あっちだ」

 "あっち"に必要以上のアクセントを加えて俺は入り口前で足を止め、ピンク色のタイルで敷き詰められた壁の、男としての不可侵領域を指差した。
 ………が。
845 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/10/09(金) 03:52:53.42 ID:jzYy1MAO

「……入り、づらい」

 弱々しい返答が返ってきた。
 理由は……まぁ、分からなくはないぞ。(元)少年。
 男として、一生関わりを持つことはないであろう、その聖域に足を踏み入れるんだからな。

「それに、その……"仕方"も分からない」

 どうやら小さい方らしい。って、冷静に分析してる場合じゃないだろ、俺!

「俺だって分かんねーよっ!」
「アンタ、大人だろっ!?」
「大人だって知らねーモンは知らねーんだよッ! それが世の常なんだっつの!」
「世の中のせいにして逃げるなよっ! 知る努力をしてくれよっ!!」
「そんなとこに努力を注ぐ気なんざ起きねぇよっ!!」
「じゃあ……じゃあ、どうすればいいんだよっ!?」
「知るかっ!!」

 ……不毛だ。
 あまりに不毛過ぎる口論が男子便所の前で繰り広げられていた。

 先に言っておくが、探偵の仕事ってのはゴミに塗れたり人の言動に難癖をつけたりもするが……。
 男性用トイレの入り口で思春期の少女と用の足し方を論争するなんて要項はねぇぞ。
 ……多分。

「……どうすれば、いい、んだよぉ……」

 とりあえず涙目でこっち見んな腿擦り合わせんな! あらぬ誤解を受ける前にその仕草をやめ―――

「―――お客様、申し訳ありませんが―――」

 ―――遅かった。
 背後から大人びた女性の声。
846 :青色1号 ◆YVw4z7Sf2Y [sage]:2009/10/09(金) 03:54:07.09 ID:jzYy1MAO

「す、すいませ―――」


 恐る恐る固まった筋肉を無理矢理に動かして振り返ると、紙袋を両手に持ったポニーテールの……って。

「―――ぷっ、あっははは! 赤羽根さんってば、へーんな顔」

 るいだった。
 俺達が男子便所の前で不毛を通り越して無毛の口論をしてる間に買い物を済ませたらしく、俺よりも二回りほど小さな両手には弥次郎兵衛を連想させるほどの紙袋がぶら下がっている。
 恐るべし、魔法のカードの魔翌力。


「……で、何でこんなとこで痴話ゲンカなんてカップルっぽいことしちゃってるんです? もしかして……フラグ立ちました?」
「「立ってないっ!」」
「……す、凄いシンクロ率と殺気ですね」

 ―――で。俺は事情をビビりまくっていた嬢ちゃんに話し、意気揚々と男子便所へと旅立った。
 アイツは色々と喚いて抵抗していたが……嬢ちゃんのことだ、上手くやってくれるだろう。一連の話を聞いた途端凄い笑顔になってたしな。

 ……俺が用を足してるコンクリートの分厚い壁を隔てた向こう側では、思春期男子が唾垂モノのピンクい世界が広がってるンだろうなぁ、あの個室トイレの1.5畳くらいの空間で―――

『ほら、ここに座って……あーほら、下着も脱がなきゃ』
『や、だ……やだぁ……っ!』
『だいじょぶ、私も女の子だよぉ?』
『あ、ぅ……』

 ―――的な。………興味ねーけど。
 神代ならムッツリした面で悦びそうなネタだが。
 ……あー会話だけでも録音するべきだったかもしれねーなぁ、高く売れそうだし。

 ……ふぅ、スッキリした。
 ………。
 排泄的な意味でだからな。
847 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/09(金) 03:56:03.00 ID:jzYy1MAO
行き当たりばったり小説、ここまで。
848 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/09(金) 08:09:55.81 ID:dQX8Qdco
なんという乙・・・
849 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/09(金) 14:01:31.87 ID:F0xd9Ioo
なんという夜中に・・・乙といわざるを得ない
850 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/11(日) 02:04:37.20 ID:WRztDj20
GJなんだぜ。

ついでに安価下
851 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/11(日) 02:19:46.90 ID:mXnZHLgo
安価なら
『梅酒』
852 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/11(日) 02:20:20.01 ID:.PjLBpMo
音楽
853 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/11(日) 02:50:48.35 ID:mXnZHLgo
GJ引き続き?があるのかわからんが
楽しみにしてるぜ

では、俺も直打ちで投下

『にょたの生態』

あれはいつだったっけ
あぁ、思い出した3ヶ月前か

親友の”かずき”が女体化したのは。

かずきがにょたっこになって、あいつを取り巻く環境が変わるかと少し期待したが・・・
男同士で連れ立ってた頃から変わらず俺に・・・べったりだ。

幼い頃からの仲だからな。あいつがいつも隣に居るのは俺にとって自然ではあった。
まぁ、周囲からの目も気になってはいたがな。
良くある茶化しさ。
男二人が彼女も作らずしょっちゅう一緒にいるんだからな。
でも、中学生くらいなら皆そんなもんだろ?

あいつが女になっても俺にべったりなのは何故かと言うと・・・
女になってから、自然と男子達との溝ができ、さらにはオリジナル女子達にもなじめないで居たからだ。
まぁ、気持ちはわかるぜ、俺もいきなり男社会から女社会へ馴染めと言われても
畑違いにも程がある。
いや、世界が違うと言ってもいい。同じ人間でありながら、身体の造りが違うんだからな。
精神が性別を決めるとか言うが、あれは嘘っぱちだね。
こころの底じゃ男と女を意識して区別してんだ。生物ってのは。
俺には女友達も結構居る方だが、男と女の垣根は意外と深いものだ。
かずきはにょたという中途半端な状態でどちらにも属せず、結果的に一番身近な俺に依存している。
と、いうのが現状だろうか。

色々試してみたんだ。
おせっかいかも知れないが、親友としてかずきに何かしてやれないかと。
だから、俺はいつも蹴ってた女子達からの遊びの約束も承諾し、かずきを残して遊びに行ったりもした。
かずきを突き放すことで、俺への依存を断ち切らせようと考えた。
だが、それは失敗だったようだ。
故意に突き放そうとしたのが間違いだった。
そうすることで、逆にかずきは俺を放さまいと、さらにべったり・・・・。
はたから見れば、嫉妬し、男を取り合っている羨ましい光景なんだろうがね。
けど俺にはかずきを女として見てやれない。一緒に居る時間が長すぎたんだと思う。
しかし、かずきは俺に何かを求めてはこない。
何か欲しいのか?居場所か?なんなんだ!?
あいつが・・・かずきがわからない。

だから、もっと知りたい。
今のかずきを。

そんなことを思いふけながら、俺は今日最後の授業を終えた。
854 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/11(日) 03:26:42.88 ID:mXnZHLgo
「やっべ!忘れモン!」

帰路の途中で忘れ物を思い出した俺は、学校へと引き返していた。
いつもはかずきと連れ添って帰ってるんだが、今日は気が付けばあいつが居なかった。
新しい何かでも興味を持ったかと、老婆心的な気分で一人納得しながら帰ろうとしたのがミスだった。
かずきは帰り際にいつも『忘れ物はない?』とか色々気を回してくれる。
いざ居ないとなると、俺も本調子ではなかったようだ。
意外と俺があいつに依存してたりな。心の中でははっと笑いながら、忘れ物のある俺のロッカーを目指した。

「さすがに今日は持って返って洗わないとな」

忘れ物は俺の体操着だ。二日続きで体育があった関係で、初日は置いて帰るのだが二日目を放置プレイは流石にやばい。
3日目の熟成されたブツの臭いはロッカーを開けることすら躊躇う。
さてさて、俺の体操着ちゃん。今日はおうちに帰ってあらいまちょーねー。
俺は愛しの体操着ちゃんと対面すべく、教室のドアを勢いよくあけた。

俺は教室内の光景を疑った。
一人の女生徒が俺のロッカーを開けて中身を物色し、俺の体操着ちゃんに顔をうずめているではないか。
こ、これはっ!俺を想う女の子の若気の至り!恋の暴走!
俺は今猛烈に・・・・興奮している!!
俺の興奮をよそに、目の前の女生徒は身体を硬直させ、身動きすらしないで居た。
それはまぁ、そうだよな。俺が好きな女の子の縦笛のさきっちょ舐めてたりするの見られたら固まるわ。
しかし、紳士な俺は、興奮をちょっと横に置いておいて。冷静に声をかけることにした。
「ごほん!俺の体操着ちゃん・・・じゃなかった。俺の服に何か用かな?できれば、それ持って返って洗いたいんだけど」
相手の身体がびくっと震えた。
違うな。これだと、相手の受け方次第では、おにゃのこに逃げられかねない。

俺の私物を物色する女の子=俺に対して想いを寄せている=ダイレクトな発言も許される

そう、行き着いた俺はストレートに言い直してみた。
「俺のこと好きなの?おっと勘違いしないでくれ。俺はこういうの恋の暴走と受け取るだけの余裕はある」
こんなものか。
しかし、相手が普通顔とか美人顔とかかわいい系とかそういうのでなかったら・・・・。
いや、今の俺には、俺の体操着に埋もれた顔がどんな怪物顔でも受け流すだけの余裕がある!
そう!受け流せば・・・・

「ご、ごめん・・・しゅう君・・・ボク・・・」

「か、かずき!?」

受け流せなかった。
855 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/11(日) 03:54:01.18 ID:mXnZHLgo
なんとも言えない空気が教室に漂っていた。

かずきは不安な面持ちで座り込んだまま俯いて動かない。
俺は、そんなかずきを見つめたまま考え込んでいた。

新しい。新しすぎる。
同じ女でも相手は元男で俺の親友でかずきだ。
でも、俺は考える努力をした。
今後の展開について。
かずきが逃げずに俯いたまま動かないもんだから、俺を少しばかり冷静にさせる余裕ができたのかもしれない。
かずきが俺の・・・・体操着・・・・嗅ぐ・・・・
くんかくんか
ふむ・・・・・俺のことが好き!?
考えうる事だ、俺が色々立ち回った結果、あいつは俺に執拗と言う言葉が似合うくらいなまでべったりだ。
かといえ、力ずくで突き放さなかったのも、俺がかずきを何らかの形で失いたくなかったからなのか?
ならば、今回の件を水に流し、お互いの絆を育むか?
どうするんだ。おれ。

俺が物思いに耽っていると、かずきがおもむろに立ち上がり、俺の体操着をリュックに入れ始めた。
「こ、これ、わ、忘れてたから届けようと・・・」

しばらく動かなかったと思うと、いきなり言い訳を言い出した。

「は、はい・・・これ・・・」

かずきはそう言って俺に体操着の入ったリュックを渡すと、何事もなかったかのように教室を去ろうとした。
だが、かずきは開き直ったかのような態度と裏腹に不安な表情をしていた。
今まで見る事のなかったこの不安な表情は、異様に色っぽく俺の心をくすぐってきたのだ。
同時に、俺の中の何かが開花した瞬間でもあった。

「まてよ」

かずきはびくっと震えて立ち止まる。

俺は、かずきを知りたい。
俺は、かずきの不安な表情をもっと見たい。
俺は、かずきを俺のモノにしたい。
そして、この瞬間を逃すと、俺とかずきの間に大きな溝を呼んでしまう。
それだけはだめだ。

俺の中で何かが崩れた。
いや、目覚めた。
856 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/11(日) 04:11:38.46 ID:mXnZHLgo
「逃がさねぇぜ」

俺はそう言うと、かずきの腕を掴んで強引にこちらに振り向かせた。
かずきの表情は不安と怯えの表情にゆがんでいた。
いいぜ、その表情。ぐっとくる!

「さっき見たこと。俺は見逃さないぜ?」

「ぇ・・ぁ・・・・」

「なぁに。長年付き合ってきた"親友"だ。悪いようにはしないぜ?」

「なに・・・すればいい・・・の?」

話が早い。ツーカーである事をこれほど嬉しく思ったことはないだろう。

「察しが良くて結構。お前がこの話に乗らなきゃ、お前と"親友"やめてたところだったからな」
俺は脅しまがいに追い討ちをかけてみた。

「そ・・・それは・・・・いやだ、いやだ!」

「そうだろう?それにな、俺はお前のその不安な顔が綺麗でたまらないと思っている」

「え・・・ぁ・・・・」

飴と鞭。予想通りにあいつの頬は紅にそまった。
世辞ではないんだがね。
女になったかずきはこれで結構美形だ。
正直最初はぐっと来るものもあったが、すぐに幼馴染補正が入って萎えてしまってたんだがね。

「明日は休みだろ。お前が男だったとき、よく行った場所だ。午後2時。あの場所で待っている。絶対に来いよ。もし・・・・」

俺はそう言うと、リュックを片手で担ぎかずきを教室に残して一人帰路へとついた。
857 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/11(日) 04:35:53.12 ID:mXnZHLgo
土曜日。午後1時50分。
俺は俺以外誰も居ない自宅でかずきを待っていた。

ピンポーン

来たか。

10分前到着とは、変わらないな。

俺はかずきを俺の自室へ上た。

「よく守ったな」

「あ、当たり前じゃない・・・・嬉しかった」

ほぅ。開き直ってやがる。そんな奴には鞭が必要だ。まずは軽く・・・・な。

「お前、そんな服もってたんな。よくもまぁ、3ヶ月程度でそこまで女になりきれるもんだな」

Tシャツにデニムパンツなんて定番な格好をしてくると思っていたら、俺の予想外を行きやがった。
いくら夏とはいえ、キャミソールに短めのフレアスカートなんて、狙いまくりじゃないか。
この間遊びに出たときですら、そんな格好してなかったぞ。

「うぅ・・・・だって・・・・」

「だってなんだ?俺に押し倒して欲しかったとかか?思い違いも甚だしいぜ。恥ずかしい奴だ」

「ぅ・・・ぁぅ・・・」

「まぁいい。んじゃ本題に移るぜ」

「なに・・・?」

「俺はお前を知りたい。どんなこともだ」

「どんな・・・ことも・・・?」

「そうだ。だから、お前が嫌がろうが話してもらう。俺が知るためにな」

我ながら歪んだ発言だと思う。けど、あいつの不安な表情が見られただけでも俺は満足だ。

「そうだな。まず、お前が女になってからやったことについて教えてもらおうか」

「え・・・・?」

「全部言わせるなよ!わかるだろう?」

「はっはひ!」

ははっ!さてさて。何から聞き出そうか。
858 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/11(日) 04:57:32.79 ID:mXnZHLgo
「まず、女になって、自分の身体を見たはずだよな。どう思った?」

「え?そんなこと・・・・?そ、そんなの・・・・しゅう君も女の子になってみたらわかる・・・あっそれはダ・・・あっ・・・」

「聞いたことを話せと言ってんだよ!」

「ひぃっ!ご、ごめん・・・」

「言っておくが、俺はもう童貞じゃないんでな。さっさとすましちまったんだよ。女体化はありえないな」

「そ、そんな・・・・そんな・・・・」

「お前と同類になれない事への悲観か!?ふざけんじゃねぇ!そんなことより、聞いたことを答えろ!」

「はい・・・・か、身体ちいさいなぁって・・・その・・・む、胸が・・・」

「具体的に行動まで言い表すんだ」

「うぅ・・・・服・・・全部脱いだよ・・・・その・・・む、胸・・・触ってみた・・・・」

「どうだ、どんな感覚だ」

「ふ・・・・ふにふにしてた・・・それだけ・・・・」

「興奮しなかったのか?」

「し、しないよ!自分のだとそんなになんないんだよ・・・・」

「つまんね。つぎ、アソコは。触ったんだろ?」

「ぅ・・・・」

「答えろ」

「へ、へんな感じ・・・」

「具体的に!」

「ぁぅぅ・・・・ク・・・・リトリスがあった・・・触ったら・・・・か、身体がその・・・・も、もうやめよう?こんなのしゅう君じゃないよ!」

「俺じゃない?これが俺だよ。親友としてお前を思う部分もあるさ。けどな、男ってのは傲慢な生き物でな。続けろ」

「は、はぐらかさないでよ!どうしてこんなこと・・・・!」

おやおや、強気に出たな。でも一度ぶっ壊れた俺はもう止まらないんだぜ?

「おらよ!」
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/11(日) 05:19:34.54 ID:mXnZHLgo
俺はかずきを床に押し倒して、俺の両手でかずきの両手を拘束する。
そして、ひざをかずきの股間に押し付けてぐりぐりと押し当てた。

「ここをこうしたら、どうだったか聞いてるんだよ!答えないなら・・・そらっ!」

かずきの身体がびくんと跳ね上がる。

「あぅぅ!!あぁぁぁぁ!痛い!痛い!!」

「あ、すまんすまん。普通は"指"だよな」

俺は片手の拘束を解いて、身体を立て直す。
そして、下着越しからかずきの股間へ指をあてがう。
お豆さんは・・・・ここかなっと?
先ほどとは違って、優しくいやらしく撫で回して刺激を与えてみる。

「ふぁぁぁぁぁ!!あぅ!ひぅ!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・」

かずきは甲高い声を上げながら腰を浮かせてビクビクと身体を震わせている。

「へぇーすっげ」

「ぁぁぁぁ・・・・すごい・・・・こんなんじゃなかったよ・・・・あれは・・・・ただ・・・変なだけ・・・・だった・・・」

「やればできんじゃん」

俺はにっこりと微笑んで見せた。
おれの微笑み見たかずきは何か満たされたかのような、至福の表情へと変わっていた。

「で、やっぱ俺でオナってた?」

「え!?」

「いいじゃねぇか、答えろよ」

俺は微笑んで・・・いや、にやけてたかもな。

「し・・・したよ・・・・でも・・・されるのが一番良かった・・・・」

最後の方はかすかに聞き取れるくらいの声だったが、まぁ初回にしては上出来か?

「はい。よくできました。じゃ、つぎ」

「え!?」

「生理はいつ来たか言え!」

「はぅぅ!」

お前のその怯えた表情も最高だぜ?
860 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/11(日) 05:22:05.35 ID:mXnZHLgo
なんか俺の妄想全開で変な展開になってるわwwwwwwwwww


続きはまたあとで

おやすみ
861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/11(日) 09:50:33.66 ID:.PjLBpMo
意外となげぇwwwwww乙乙
862 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 02:12:39.03 ID:AHq6b.ko
「ねぇねぇ。次はどんなこと聞くの?ねぇ」

色々聞き出した後のかずきは気の抜けた炭酸のように味がなかった。
さすがにやり過ぎたか。
耐性が付いてしまう前に開放してやらねばな。
すでに手遅れか?
まぁ、ここでお話を終わらせておくのもなんだから
さっきの話の続きでもしようか。


かずきの表情は恥ずかしさと不安が入り混じった顔で、俺の辱めに絶えている。
早く色々聞き出してやりたいが、この表情は俺の心を刺激してやまない。
かずきの表情に相反し、俺は笑みを浮かべているのだ。

「さ、言うんだ。ご褒美・・・欲しくないか?」

「!!」

かずきは俺のご褒美という言葉に反応し、下半身をもじもじさせている。
おいおい、続きをやって欲しいとでも思っているのか?
まぁ、いいさ。

「言え」

「うん・・・。女体化して、1週間後くらいに来たよ」

「どんなだった。具た」

「詳しく。でしょ・・・?」

俺が言い終える前に言いやがったな。
察しが良いのは結構だが、立場をわきまえてもらわなきゃ困るな。
さらに表情は元のものへと戻っている。
釘を刺しておくか。
俺はあいつの顎を親指と人差し指で、少し乱暴に持ち上げる。
そして、限りなく冷徹にかずきの目を見つめ、小さく低くこう言った。

「立場をわきまえろ」

俺はそう言ってかずきの唇を親指でそっとなぞって顔を離す。

「は・・・い・・・」

かずきはようやく自分の立場を理解したようだ。
忘れてもらっては困るな。自分がした事を。
俺はあの事を水に流すつもりなどないのだからな。
お前との関係を続けるためにな。

これはお前の為なんだぜ?
863 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 03:15:27.69 ID:Kh2Ahf60
安価できたから投下しようと思うんだが今はいいのか?
864 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 03:17:39.28 ID:AHq6b.ko
いいんじゃね?
俺は直打ちでぼちぼちやってるから不定期だしな。

さぁ、ぶちまけてくれ
865 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 03:24:44.51 ID:Kh2Ahf60
じゃあぶちまける。
安価「梅酒」

「今日は飲むぞ! とことん付き合え!」

 嫌な事、忘れたい事があったらその日の晩には潰れるまで酒を飲む。
 それが辰巳のストレス解消法だった。
 高校2年生でそれはどうよと思うが、コイツは名前のわりに酒に弱い。梅酒しか飲めないくせにうわばみを気取っているやつなのだ。
 しかもその梅酒だってコップに一杯飲んだだけで呂律が回らなくなるほど酒に弱いのだ。今までにこうやって幾度となく酒盛りに付き合わされたことがあるが、毎回二時間も持たずに眠ってしまうのだった。

「お、おれだってなぁ、いまじゃ、りっぱなおんななんだぞ。もうなんねんめだ? あきひろ!」

「三年目だ」

 小学校からの付き合いで一番の親友と言ってもいいだろう。
 そんな辰巳が女体化したのが中学二年の時だ。まだ全然先の話だと思っていたが十五、
十六歳で確実に女になるって訳じゃない。辰巳はかなり早くに女体化してしまったのだ。

「そう。さんねんめだ! さんねんもおんなだったら……、そりゃもうりっぱなおんなだ!」
866 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 03:27:36.11 ID:Kh2Ahf60
「あぁ、お前は立派な女だ」

 辰巳の部屋に招かれ、飲み始めてから三十分。
 まだコップには一杯目が半分ほど残っているというのに、辰巳は既に泥酔状態。顔は真っ赤で頭がゆらゆら。つまみのするめを片手に愚痴をこぼしていた。
 今日の酒盛りが開かれた理由、それはどうやら辰巳が男に振られたからのようだ。
 辰巳の話を聞いて俺は飛び上がりそうになった。まさか辰巳に好きな男がいたなんて。
 そんな様子は微塵も無かったのに。

「それをいくらにゃ、にゅ、にょ、にょたいかしたおとこだからってなぁ……。おんなとしてみれないだぁ!? ちくしょー! もとおとこだからってさすがにきずつくぞ! ぐすっ」

 一人で喋っているうちに思い出してしまったのだろう。目尻にはうっすらと涙が浮かんでいた。振られて傷ついている辰巳を見て胸が痛んだが、同時にほっとしている自分がいた。
867 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 03:34:50.00 ID:Kh2Ahf60
 今までは距離が近すぎて気付かなかったのだ。気付かなかったのは距離の近さだけが原因じゃないと思う。辰巳は女になってから女友達も増えたみたいだが、男たちとも変わらずに接していた。
 前日のスポーツ中継やドラマの感想を話したりはもちろん、グラビアアイドルの誰某が可愛いなんて話にも平気で加わってくる。そんなだから辰巳が女とは思えず男友達と一緒にいるような感覚だった。

 あれは辰巳が女になって二年目の夏。辰巳を誘ってプールに行ったのだ。正確には他に二人ほど誘ったが都合がつかず二人で行くことになった。その時、俺は男同士で遊びに行く感覚だった。
 しかし水着に着替えた辰巳を見て一気にその認識が塗り替えられた。
 あろうことか黒のビキニで現れた辰巳。今まであまり気にしていなかったが黒の布地に包まれた胸は深い谷間を作って激しく自己主張していた。大きな胸とは対照的に腰回りは
キュッ引き締まっている。お尻も綺麗な曲線を描いて俺の目を釘付けにした。
 そして頬を染めて『似合うかな?』と問い掛けてきた。
 俺はこのとき初めて実感した。辰巳は本当に女になったんだということに。
 その日から俺は辰巳を好きになっていた。

「こらぁー! きいてんのかあきひろ!」

「聞いてるって。あんまり騒ぐなよ」

「そうかぁー。ならいい。おれみたいないいおんなは、そうそういねぇーぞ。それをふるとは……。ぐすっ。……ばかなおとこだ」

 辰巳は振られた悲しみを飲み込むように梅酒を煽った。
 そんな様子にまた胸がズキリとした。
868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 03:38:23.66 ID:Kh2Ahf60
 しかし辰巳が好きな自分は、辰巳が振られて良かったと思っている。
 それと同時に焦りも感じていた。今までと変わらぬ様子でいたのに好きな男がいたのだ。
 周りの男達の辰巳は『可愛いしスタイルはいいけど男友達みたいな女』と言われていた。それもあって辰巳に言い寄る男などいないと思っていた。

だが辰巳が男を好きになることもある。さらに告白することだってあり得るのだ。このとき相手にその気が無いかもしれない。しかし辰巳の見た目は悪くない。むしろ可愛い部類だ。そんな子から告白されて試しに付き合ってみようと考える男だっているだろう。今回は振られたが次も同じような結果になるとは限らない。
 他の男達よりすこし近い関係だからって油断していた。

「俺じゃ駄目かな?」

 辰巳を取られたくない。そう思ったらつい言葉が零れてしまった。

「ん〜? なぁにが〜?」

「お前の恋人」

 辰巳は一瞬驚いた顔をするが、すぐに赤く染まった頬を緩ませてへらへらと笑い出した。

「なんだぁ、あきひろ〜。なぐさめてくれてんのか? それとも……ほんきなのかー?」

「俺は本気だ。俺と付き合ってくれ」

「そうかぁ。あきひろは、おれのみりょくにきづいていたか。うれしいぞーあきひろー!」
869 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 03:41:23.44 ID:AHq6b.ko
「女体化して一週間後、生理が・・・来ました・・・学校の放課後に・・・」

急によそよそしくなった気がしたが、それも仕方ない。
もう少しばかり俺に従順でなくてはこまるのだから。

「お腹が痛くて・・・下したのかな・・・って・・・慌ててトイレに駆け込んで・・・・
 パンツ下ろして腰を下ろしたらそうじゃなくて・・・・しばらくしたら血が出てました・・・アソコ・・・から・・・」

「多少の知識は・・・あったんだろう?」

「あ、ありました・・・。お母さんに教えてもらったから・・・・。でも、生理用品教室に置いて来てたから・・・
 その・・・アソコに・・・トイレットペーパーをあてて・・・あぅぅ」

「そ、そうか・・・」

ちょっと引いてしまった。
男である俺は、こういうある意味血なまぐさい女の事情は知らなかった方がよかったのかも知れないな。

「び、びっくりしたんだ・・・だってそうでしょ!?今まで血なんて・・・転んで怪我をした時や鼻血くらい・・・
 自分の身体からあんなに・・・たくさん出てくるなんて・・・・」

「あ、あぁ・・・わかった・・・もういい」

俺って、案外気が小さい男だな。

「もう・・・いいの・・・?あっ!・・・いいんですか・・・?」

・・・・・。あいつのほうがよっぽど強いな。ちょっと焼けるぜ。

「だったら・・・・その・・・・ご、ご褒美を・・・・」

ご褒美・・・・?あぁ、ご褒美ね・・・。
ちょいとばかし調子を削がれはしたが・・・ここで俺が挫けちゃ意味がない。
よし、気を取り直して続きと行こうか。
俺はにっこりと微笑んでかずきに問いかけた。

「何が欲しい?言ってみな」

「続きが欲しい・・・です・・・」

「何のかな?」

「さっきの・・・その・・・えっと・・・」

「言わなきゃ・・・俺わかんないなぁ・・・俺バカだし」

「バ、バカじゃない!・・・・です・・・その・・・」

速攻否定してくれたのは嬉しかったが、俺が喜んでちゃどっちがご褒美だか。
870 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 03:42:16.36 ID:AHq6b.ko
おっと、すまんな。
うっかり書き込んでしまったよ。
続けてくれ
871 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 03:43:36.03 ID:Kh2Ahf60
 突然抱きつかれてしまった。結構な勢いだったのでそのままバランスを崩し後ろに倒れこむ。

「おい。危ねーだろ」

 口調はそっけない風を装っていたが心臓は暴れ狂っていた。
 好きな女とこれほど密着したら仕方ないと思う。

「重いだろ。こら辰巳、下りろよ」

 胸の柔らかな感触を感じ一層鼓動が速くなった。辰巳の頭が俺の胸の辺りにある。もしかしたら心臓の音が聞こえてるかもしれない。
 辰巳からは酒の匂いに混じって女の子の甘い香りもする。頭がくらくらする。酒のせいか、それとも女の子の匂いに酔っているのか解らない。

「おい。早く下りろよ。このままだと俺、マジでヤバイんですけど……」

「……」

 ぺしぺしと頭を叩いてみたが反応は無い。どうしたのかと思ったらすぅすぅと寝息が聞こえてきた。どうやら眠ってしまったようだ。

「お約束ってヤツですね……。人の気も知らないでこの酔っ払いめ」

 俺は幸せそうな顔で眠る辰巳を抱き上げてベッドに寝かせてやった。この様子じゃ俺の言ったことなんて憶えちゃいないだろう。
 辰巳の寝顔を見て決心した。こいつは絶対に他の男には渡さん。
 振られたばかりで悪いが俺の気持ちを聞いてもらう。様子見は終わりだ。どうなるか解らない。だが、もう待っているだけじゃ好きな女を手に入れることは出来ないと思い知ったのだ。

「明日は首を洗って待ってろよ」
872 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 03:47:32.27 ID:Kh2Ahf60
これで終わり。
へんな所で終わってしまって申し訳ない。
あとひらがなばかりで読みにくかったらスマン。

酒に弱いにょたを酔わせて手篭めにしたいぜ。
873 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 04:10:01.19 ID:AHq6b.ko

よかったぜ
俺も妄想でにょたにあんなことやこんなことして手篭め・・・いや、ちょいと鬼畜な事やりたいぜ


かずきは身体をもじもじとよがらせて、羞恥に耐えている。
最後の一言が言えずに一人悶えている。
当然だが、かずきが俺に求めていることは承知しているつもりだ。
だがしかし、ここで俺が手を出してしまっては示しがつかん。

「言えないなら、ここで終わりだ。いやだろう?そんなのは」

「はぅぅ・・・・嫌です・・・そんなの嫌です!」

「なら言えよ、今すぐ・・・ここで!」

「はい・・・さっきの続き・・・僕の・・・ク・・・リト・・・リ・・・を触ってください・・・」

かずきは身体を震わせながらスカートの裾を揺らして少しずつ足を開こうとしている。
これは期待を意味する振るえだろうか。
俺はそれを微笑みで答えた。

「ぁぁ・・・・ありがとうございます・・・・」

俺はかずきの肩に左手をそっとあてがうと、そのまま床に押し倒した。
可能な限り優しくやってやったつもりだ。
かずきはそれを開始の合図と取ったのか、自らの意思で肢体をあらわにさせた。

「いい子だ」

俺はそう言うと、かずきの肌理の細かい内股を指でそっとなぞって肢体を目指す。

「ひぅぅっ!」

「俺が初めてじゃなくてよかったな。素人じゃこんなテク使えない・・・・ぜ!?」

「あぅぅっ!!」

内股に弱い刺激を与えたと思わせ、急にかずきの女の突起を指で軽くはじいてやった。
正直これがテクなのか知らん。経験がないわけじゃないが、俺が一枚上手であると思わせてやればいい。

「だ、誰と・・・誰と・・・あぅ!んん・・・・っ!」

「知らなくていい。特に俺のことはな。聞きたいなら、ここで終わりだ」

俺はそういい終えると、指の動きをとめて見せた。

「い、嫌!や、止めないでください!聞きませんからぁっ!!」

そうだ、それでいい。今は俺が、俺だけが与えてやれる快感に身を委ねればいいんだよ。かずき。
874 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 04:38:34.01 ID:AHq6b.ko
元男が、俺の親友が、俺の指で身体をよがらせて喘ぎ声を上げている。
それは堪らないほど淫らな姿だった。
長い髪を左右に揺らし、俺の与える快感に耐えている。
快感なんざ自分で得れば良いものだと思うのだがな。
他人の手、俺の手はそんな一人の快感を払拭するほど最高の快楽なのか?
元男が、親友である男の俺に?
俺に新しい疑問が頭をよぎる。

「はぁぁ・・・あん・・・はん・・・あっあっ・・・・あと・・・すこしぃぃっ!」

「おっと、これくらいか」

「はぁ・・・えっ!?あと少しで・・・・どうして!?」

「すごい変態だなお前ってやつは。元男が、親友の男の指でよがり狂ってる。どうかしてるんじゃないか?」

どうかしてるってんなら・・・俺のほうがどうかしてるがな。

「ど、どう・・・いう・・・?」

「はっきり言ってやろう。ボーイズラブなんて、俺の守備範囲じゃないって言ってんの」

「違う!今は・・・ボクは女だよ!身体も・・・心だって!」

「たった3ヶ月で?人間ってすごいんだな。たった3ヶ月で・・・俺のことが好きになるのか?おかしいんじゃね?」

「なに・・・言いたいの・・・?」

「いつからだ」

「・・・・・」

かずきは急に黙り込んで口を開かなくなった。
だが、俺は猛攻を続ける。

「恥ずかしくて言えないか?俺のケツ昔から狙ってたんだろ?きもちわりぃ」

「違う!!違う違う違う違うちがぁぁう!!」

だんまりを決め込んでたと思ったら急に俺を怒鳴りつけてきた。
さぁ、話してもらおうか。感情に任せてな。

「人を好きになるのは一瞬なんだよ!?ボクが女になって・・・それでもしゅう君は一緒にいてくれた!」

「おかしいよお前」

「おかしくない!だって、ボクはもう女なんだよ!?女として生きてかなきゃならないんだよ!?だったら、しゅう君を好きになってもいいじゃない!!」
875 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 05:10:00.64 ID:AHq6b.ko
「ふぅ〜ん。結局一緒じゃね?」

男だったから仕方なくケツ掘らずにいたが、女なら犯してもらえるってか?
理解不能だな。俺にそっちの趣味はねぇな。

「違う!違う・・・んだ・・・。女になって・・・君を見る目がかわったんだ・・・・」

「それで?」

「ボクにもわからない。で、でも!女の子が男の子を好きになる・・・・これって自然じゃないのかな・・・・」

「・・・・・・」
今度は俺が黙り込んでしまった。

「だって・・・ボクは元男だったけど・・・今更女の子を好きになることなんて出来ないよ!だって・・・女同士だよ!?無理だよ・・・そんなの・・・」

ある意味、こいつは自然の摂理に従順なのかもな。
俺は女体化したものに疑念を持っていただけなのか?
もう女体化することのない俺にとっては、一生行き着くことの出来ない結論だろう。
これが、かずきの答えなら・・・そう・・・信じるしかないのか?
捻てるのは俺だった・・・のか?

「わかった・・・さっきの事はもう聞かん。だが、もう一つ聞く」

「え・・・?」

「俺が、ほかの女とデートしてたとき、お前はどう思った」

かずきは、目元にたまった涙をぬぐって不安げに答えた。

「すごく不安だった。置いて行かれる気がした・・・・。なによりも・・・・あの子を妬んだ・・・殺してやりたいとさえ思った。願わくば・・・最初から女として生まれたかった」

「あ・・・もういいわ。そういうドロドロしたの俺苦手」

「ゴ、ゴメン・・・・」

あれ、やべ。なんか色々聞き出す気になれなくなった。
しかしだな。これは俺が言い出した事だ。ここで止めてしまったら・・・・
ええい!ここまできたら色々聞き出してやる!
次は・・・・そうだな・・・・初トイレの感想でも明確に聞きだしてやるか!!

俺はすでに自棄になってたと思う。
好きだとか、甘酸っぱい単語を大声で並べられた所為で・・・・不覚にも舞い上がってた。

「」
876 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 05:32:01.47 ID:AHq6b.ko
「ねぇねぇ。次はどんなこと聞くの?ねぇ」


話はここに戻る。
色々搾り出してやったんだが・・・嫌がるどころか、聞かれる事を快感とすら思い始めてるような節すら垣間見える。
これじゃ逆に俺の思考が絞りかすになっちまうぜ。

「ねぇ?ボクからも一つ聞いていい?」

「え?あ?まぁ、ご褒美もやらなきゃな。なんだ?」

「なんでこんな事したの?」

聞かれて当然のことだな。まぁ、無理もないが。
かずきも俺の質問に良く答えてくれたし、俺もそろそろ本心を語るべきか。

「あの時、お前を見逃したらどうなってたと思う?」

「あの時・・・・あっ・・・・」

かずきの顔が真っ赤に染まり、俺から視線を逸らした。
こういう顔も好きだな。さて、続けてやるか。

「あのまま見逃したら、次の日から俺たち普通じゃ居られなかったと思わないか?」

「あっ・・・・それは・・・・」

「だからだよ。俺はお前の事が知りたかったんだよ。あの時以上にな」

「そ、それって・・・・」

「あえて言わせんのかよ・・・男として女のお前を逃したくないと思うのは自然の摂理に従じたと思わんか?」

「じゃあ、どうしてあんなこと聞いたの?」

あんなこと・・・元男がどうだとか、釜堀がどうとかの事か。

「お前を感情的にさせて、本心を聞き出すためだ」

「ひ、ひどい・・・」

「悪かったよ。けどなぁ。俺の体操着ちゃんに顔うずめてるお前もどうかとおもうぜ?」

「だって・・・想像じゃ盛り上がらないんだもん。物が欲しかった」

「おかずかよ俺の体操着は」

「だって、このままじゃしゅう君が手に入らないって思ったから、少しでも・・・・何かが欲しかった」
877 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 05:44:42.79 ID:AHq6b.ko
「だったら、直接くれてやろうか?」

「え?」

「かずきのあそこに」

一瞬かずきの身体が震えたように見えた、いや、震えたと思う。特に下半身を中心に。
俺はその一瞬を見逃さない。

「おい、今何を感じた。言ってみろ」

「い、言うの・・・?」

「言わなきゃくれてやらん」

「はぅぅ・・・・あそこが・・・疼きました・・・多分・・・とても濡れてます・・・・」

「ほかに言うことがあるんじゃないか?」

「はい・・・しゅう君のをボクにください・・・もう我慢できません!」

「よくできました」

俺は華奢なかずきを抱きかかえてベッドへ放り投げると、かずきに覆いかぶさり唇を重ねた。
その瞬間!

「しゅう〜いるの〜お母さん帰ったわよ〜」

お や く そ く か よ !!!!!111

「あぅぅぅぅ・・・・」

せっかくのお楽しみを邪魔されて、かずきが涙ぐんで俺に訴えかける。
おいおい、俺の所為にされてもな。

「ったく!空気の読めないおかんだな!」

流石の俺も股間は臨戦態勢だっただけに、どうにも収まらない気持ちだ。
かずきも・・・きっとそうだよな。
明らかに下半身がもじもじしてるし。

「お客さんもいるの〜」

空気の読めないおかんはトントントンと階段を上がって俺の部屋に近づいてくるようだ。
878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 05:59:28.01 ID:AHq6b.ko
おかんが俺の部屋に到達するまでの数秒間。
俺たちはベッドに座り直るくらいの余裕しか持ち合わせてなかった。

「あら?かずきちゃん?あらあらあら」

なんだよ、あらあらあらっておい!

「3ヶ月ぶりかしら?家にくるのって」

「えっ・・・!あ、はいっ!オ、オジャマシテマスデスハイ」

「ゆっくりしていってね。と、言いたいところだけど、もう遅いんじゃないかしらん?」

時計を見ると、もう午後7時だ。俺たちは一体何時間質疑応答を続けていたんだ?
5時間か!?とんでもねぇ時間だ。

「あ、はいっ!」

「お母さん、ご飯の準備するから、しゅうはかずきちゃんをちゃんと送ってあげるのよ?」

「あ〜わかってるって!」

そう言っておかんは1階の台所に向かった。
俺たちはおかんを前にガッチガチに緊張してたと思う。
そして、おかんのあの目と『あらあらあら』は明らかに何かを感じ取った目だと思う。

「はぁ・・・まいったな・・・」

「ねぇ?また、明日来ていいかな?」

「明日はおとんが居る」

「あぅ・・・・」

「悔しいがお預けだ。おっと、お預けだぜ?自分でもするなよ?」

「えぇ!?」

「声がでけぇよ!言った通りにしろ。わかったな?」

「無理!無理無理無理無理!」

「ダメだ」

「じゃ、じゃあ、しゅう君もダメ!これなら我慢する!」

「無理。ヌキヌキは男の義務だ。俺がほかの女に手を出しても気にしないならいい。なんせ男はケダモノだからな」
879 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 06:10:17.59 ID:AHq6b.ko
「だめっ!それだけはダメっ!」

「よろしい」

かずきの困った顔もムキになった顔も俺にとって最高の麻薬だ。
気が付いたら俺はかずきに・・・

「ふんん・・・・」

キスしてた。
かずきの下半身は・・・・また震えてた。

長いキスの後、俺は
「明日も休みだし、どっか出かけっか?」

「行く!イクイクイク!」

だから声がでかいっての・・・・

「明日、何時もの時間何時もの場所で・・・な」

「うん!」

「あ、それから・・・俺の言いつけ守れよ」

「あぅぅ・・・無理かも・・・」

「じゃあ、明日の件無しね」

「ダメ!ダメダメダメダメダメ!守ります!守りますから!」

「結構」

なーんか丸く収まってしまったな。
これでよかったんだよな。
俺の暴走から始まり、鬼畜な発言も多々あった。
いや、おそらくこれからも続くと思う。

これからも俺がにょたの生態を暴き続けてやるぜ。

880 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 06:12:47.76 ID:AHq6b.ko
所詮は俺の妄想だから落ちは適当でスマン。
文章も幼稚でスマン。
少し鬼畜でスマン。
にょた相手に上の立場に立っておきたいってのは傲慢だが俺の本心だ。

さて、寝るとしよう。
おやすみ
881 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 15:10:25.04 ID:pOpf4.Yo
力作乙!
なんだまだまだこのスレもやれるじゃないか
882 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 21:53:40.52 ID:AHq6b.ko
また新しいネタで投下しようとか思ってるんだけど・・・
いいよね?
駄文でもいいよね?
883 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 22:42:57.36 ID:OP2Og9M0
どっちもGJ!

>>882
投下wktk
884 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 23:37:27.18 ID:AHq6b.ko
僕の彼女は何を隠そうにょたっこだ。った。
過去形ね。
あれは1年前の秋、僕が樹乃へ告白したんだ。

そもそも、女性相手に関係を持つことすらなかった僕は、幼馴染の双子兄弟の樹音と樹乃の二人と女気のない日々を送っていた。
中学入りたてで女気のある人達も凄いと思うけど、1年2年3年と期間を経てもこの関係は崩れることなく続いた。
僕はともかく、双子の二人はイケてる方だと思ってたんだけど、いかんせん本人達にその気がなかったみたいだ。
あの時までは・・・。

二人は同じ日に女体化し、その日を境に僕たちの関係は急速に変化していった。
兄の樹音は女体化しても以前より差ほど変化もなく、活発な男の子を変わらず貫いていた。髪の毛だって短く切って、あえて男らしくしていた。
弟の樹乃は対照的に大人しく、あっさりと女体化を受け入れて早々と女の子へ変貌していったのだ。
元々女気のなかった僕は、身近な女の子である樹乃に惹かれてゆき、気が付けば僕が樹乃を好きになっていた。
そして、樹乃の気持ちを確かめたくて樹音に協力してもらっていた。樹音は快く引き受けてくれたと思う。
なかなか踏ん切りがつかず、恋愛に奥手だったはずの僕なのだが、あの時だけは僕の背中を押す樹音の存在があったからこそ成就したとも言える。
そして、樹乃と同じ進学校へ進学し、樹音は田舎から離れた東京の私立高校へと進学した。

しかし、その後、樹乃と別れる事になる。きっかけは父さんの転勤による僕の転校だった。
父さんは折角の進学校だから残れと言ったが、一人暮らしをするだけの勇気がなかった。
なにより、父さんを一人行かせる事はできなかった。
結局、僕が樹乃に気持ちを上手く伝えられず、その転校話が縺れに縺れてしまい・・・・。

「あっちには樹音が居るからでしょ!?一人になったって私がいるじゃない!それなのに…どうして…」

『樹音が居るから』

理由もわからない樹乃の一言。僕たちを応援してくれていた樹音の話がなぜここででるのか。
と、急に意味が分からない樹音の発言に僕はムキになってたのかもしれない。

たった一人の家族である父さんを引き合いに出すことなんて出来ない。
ワガママはやめてくれ。

この言葉が決定打となり、樹乃との関係に終止符を断ち、僕は転校を決意した。
だから、転校先の東京に樹音が居ようとも、彼ら元兄弟に関わらずに過ごそうとしていた。
転校後しばらくして、新しい友達も出来て心機一転高校生活を頑張って行こうとした矢先、彼・・・いや、彼女は僕の前に現れた。
885 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 23:59:34.70 ID:AHq6b.ko
「なにボーっとしてんだ?」

可愛らしい声に少し荒っぽい言葉遣い。
樹音が心ここにあらずな僕に声をかける。
普段は女らしい言葉遣いを心がけているらしいが、他校での事情など僕の知れたことではない。

「これから折角、編入祝いをやってやるってのに、そんな辛気臭い顔されてると萎えるんだけど?」

「え?」

そんなに辛気臭かったんだろうか?
樹音は長く綺麗な髪の毛を秋風に揺らしながら、逆手で髪の毛を耳にかける仕草でこちらをのぞきこんでくる。
顔をしかめていても綺麗さを失わない樹音の顔立ちは、未だ奥手の僕にとって刺激が強すぎる。
僕は慌てて顔を背けて照れ隠しをするしかなかった。

「う、うるさいなぁ。これは生まれつきだよ!」

「どうだか」

樹音は進学の際、東京で一人暮らしをすることになったのだが、僕はあえて彼女の居場所を樹乃から聞くこともなく、関係も続けないつもりだった。
だが、これは偶然が必然か、僕が転校してしばらくして、学校の校門で待ち構えていた樹音と再開したのだ。
一体、どこで僕のことを聞きつけてきたのか、また僕たちの交友関係が復活するに至ったのだ。
その時僕は驚いた。
新天地で再開した樹音は、以前からは想像も出来ないほど女の子になっていた。
そして、忘れようとしていた樹乃と同じ顔を僕の前に突きつけられたのだ。
おかげさまで、新天地でも僕の後悔は薄れる事はなく、それが僕の態度に如実に表れていたのだ。
旧友に再会して嬉しいはず・・・なのに、それを気取られたくなくて、彼女と居ると本来の調子になれないのだ。
その瞳にすべて見透かされているような気がして。

「おぉ〜い!着いたぞぉ〜〜?って、どこ行く〜〜?」

気がついたらまた物思いに耽っていたようで、目標地点である樹音宅を一人通り過ぎていた。

「なぁにやってんだか」
886 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/13(火) 00:12:01.94 ID:qk3NEE20
続きwktk
887 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 00:36:54.38 ID:NzocZ8wo
樹音の部屋に上げられるや否や、出来合いの惣菜オードブルで二人パーティーが始まった。

「トーヤの陸上推薦編入に祝して・・・・かんぱーい!」

こういう乗りは以前のままで、僕の緊張が少し解けたのが幸いし、色々な昔話に花を咲かせていた。

「けどさぁ、本当に驚いたよ。樹音がこんなに綺麗になってるなんて。なんだか、僕だけ変わってないみたいで悔しいや」

「ありがと!アタシだっていつまでも男を引きずってらんないじゃん?変わらなきゃってね」

「そ、それだけ綺麗だと、男の子が放っておかないん・・・じゃ?」

僕もテンションが上がっているのか、普段なら恥ずかしくて聞けないことも言えた。サラっとまではいかなかったけど。

「そりゃもう、モテモテのモテモテ!下らない理由で近づいてくる男をあしらう術を学んださぁ」

僕は少し残念で悔しい気持ちになった。僕と同等な仲だと思っていた樹音は、新天地で僕の知らない顔を持っていた。
そう思えば思うほど、先ほどまでのテンションががくんと下がり、弱気な自分に戻ってしまった。

「そ、それはよかったね・・・・」

「心配してくれるんだ?でもね、そんないい事ばかりじゃなかったよ」

樹音の表情が一転して暗くなる。明るさが取り得だと思っていただけに、僕はその表情に疑念すら抱いた。そんなはずはないって。

「実はね、こっちに来てさ、アタシなんて一人称にも慣れて、頑張って女の子やってたんだ。そしたらあっさり彼氏なんて出来ちゃってさ、舞い上がって言いなりになって・・・・」

僕は身体全体に悪寒を感じた。この先に待つ樹音の答えが半分くらい見えた気がしたから。そして、樹音が続ける。

「処女だけしっかり奪われて、さっさとポイっ!こんないい女なんだから、せめて責任くらい取って欲しかったワヨ!」

「そ、そんな・・・・」

そんなことがあったなんて。半分くらいは覚悟していたけど、とても受け止められるものではなかった。

「同情してくれる?」

「す、するよ!するに決まってる!そんな奴が同じ男だなんて信じられないよ!」

「ありがとう──でも、トーヤも樹乃を振ったんじゃないの?そこ、どうなの?」

同情を求めてきた悲しげな顔から一転して、険しい目つきで僕の目を凝視する。まさか、全てはこの場でこの話を切り出す為の前座だったのか?
彼女達は双子の姉妹だ。情報が筒抜けであっても不思議はない。

「し、仕方なかったんだ・・・転校先に樹乃まで連れて行けないよ・・・」

「でも、遠距離って手はあったんじゃない?夏休みには帰れたんじゃない?アタシが・・・・アタシが頑張って・・・あげたのに・・・」

そう言うと樹音の声はくぐもり、涙ぐんでいるではないか。僕は奥手ではあるが、鈍感ではない。この涙が何を意味しているのか・・・半分・・・くらいはわかった気がする。
樹音は僕のことが好きだった?いや、それは僕の傲慢だ・・・僕見たいな軟弱な優男に・・・・。
888 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 01:26:39.19 ID:NzocZ8wo
かと思うと、樹音の顔はまた険しい顔つきに変わる。

「樹乃、泣いてアタシに電話してきたよ。トーヤがなかなかその気になってくれないって」

「へ?」

僕は何のことだかさっぱりわからなかった。

「はっきり言ってあげる。トーヤまだ童貞でしょ?」

「うっ!!」

あまりにもストレートな発言に僕は絶句した。なにもそこまではっきりと・・・・。
でも、あまりにもストレートな発言は僕の心に深く突き刺さり、つい興奮してしまった。

「奥手で悪かったな!手を出さなかったのだって、樹乃の事を想ってだったんだよ!それになんだよ!自分だって童貞だっ・・・あっ!」

禁句だった。かもしれない。彼女らだって好きで女になったわけじゃない。
僕にはそれが運良くもまだ到来していないだけで。

「アタシのことはもういい。受け入れたから。でも、あんたこのままじゃやばいよ?樹乃だってそう思ったから・・・・」

そうか・・・!だから・・・だから、僕が童貞のままで東京に行くことが樹乃にとって、樹音を選んだように思えた訳・・・か。

「わかった?でもね・・・アタシがトーヤをここに呼んだわけ、それだけじゃないんだよ」

「え?」

樹音の表情は先ほどの険しい表情でも悲しい表情でもなく、真剣な顔つきに変わる。

「昔のよしみや、寂しさだけで男を部屋に呼ぶと思う?」

「うっ・・・お、思わないかも・・・」

こういわれると、嬉しい期待の半面、昔よしみくらいじゃ編入祝いパーティなんて開いてくれもしないわけで。
どこまで悲観なんだろうか僕は。

「アタシだってトーヤの事好きだったんだよ?知ってた?」

「え・・・・」

どういう答えが返ってくるかは分かっていたが、昔からだったなんて・・・気がつかなかった。
それだけ、僕が樹乃だけ見てて他が何も見えてなかったって事だったのか?

「今でも、変わらないよ。だから単身東京に出て行ったし、男を捨てて女になって、好きでもない男と寝たの」

「でも、ダメだった・・・・結局振られたのは本当だったけど、自分の心を偽れなかったのがダメだったみたい。悟られちゃった」

僕は言葉が見つからない。驚愕の真実に。
さらに、好きな樹乃と同じ顔で僕の事を好きだと言ってくる。何かおかしくなってしまいそうだ。
889 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 02:23:39.05 ID:NzocZ8wo
「ずっと好きだったトーヤ。今はアタシの近くに居る。目の前に居る」

樹音はとろんとした目になって僕を見つめてくる。
それはあまりにも妖艶で美しい。
樹乃も、こんな顔したんだろうか。僕に見せてくれたんだろうか?
でも、もう全てが遅い。終わったんだ。過去の事なんだ。
過去を忘れる為の新天地なんだ。次のものを求めてもいいよね・・・?

気がつけば、僕は樹音にキスをしていた。
樹音はそれに抗おうとはしない。受け入れるかのように、僕の首に両腕を回してくる。

「誰も居ない新しい場所・・・・ね、楽しもう?」

樹音に魅了された僕はすでに周りが見えていなかった。
この後に待つ快感を求めて、ただ、燃え盛る情欲に身をまかせていた。





「トーヤ?寝ちゃった?」

「ふふ・・・寝顔かわいいな。あはははは・・・・どう?あの時は女になりきれなかったアタシの負けだったけど、今回はアタシの勝ち」

「昔からいつも二人でトーヤを追い回してきたけど、結局優しいトーヤは樹乃の味方になっちゃうんだよね。だから引き裂いてやった。
あんな嘘を信じちゃって・・・真面目もあそこまでいくと皮肉にしかならないなんてね」


翌日目を覚ました僕は、僕が寝入った後、樹音が発した言葉なんて知るはずもなく、真実を知らぬまま・・・誰も知らぬまま。

おわり
890 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 02:26:12.54 ID:NzocZ8wo
ネタが切れた。

しかしまぁ、へーんな話しか書けないってのもなぁ
頭おかしいのかねぇ俺
891 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/14(水) 00:31:00.97 ID:oNDIwRIo
よし、また書くぜ

けけけけ文章力はともかく俺の独壇場だZE
892 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/14(水) 02:10:23.52 ID:oNDIwRIo
街中の洒落たカフェテラス。
にょたっこ肯定派と否定派が俺の目の前で、終わりのない論争を続けていた。
つまり、俺はそんな不毛な論争には加わらず、二人を傍観していた。
「お前はどーなんだ!?」
と、収支会話を振られたが、そんなもん解るかと答えるだけだった。

本来なら野郎の貯まり場とは場違いなほど、我々の存在とかけ離れたカフェテラス。
いずれは三人とも女体化することを予測した上で、今からなれておこうとかアキトが言い出したからで、貯まり場とは別にどこでも良かった。
コンビニでも放課後の教室でも。
けれども、カフェオレとパフェは結構美味しかったりするので、俺の中ではかなりお気に入りだったりする。

「お前さ、にょたとはいえ元は男だぞ?外見は変われど唾液の味までは変わらんだろう!?それを平然とキスするなんてありえねぇ!まじでありえねぇ!!」

と、空手家でツンツン頭の男臭いサトシが腕組みしながらデカイ声で言い放つ。

「いや、にょたっこ補正に不可能はない!!」

それに反論したのは、メガネを掛けた細身のオタクでカフェ通いの発案者でもあるアキトだ。

さらに議論は続く。

「仮に、自分が女になったとしてだ。相手は男だ。体は男。唾液も男。心も男!補正もクソもあるか!?ないだろう!!」

「女になれば思考も変わるのだ!!」

「根拠がねぇ!!!」

「仮に、俺が女になっても男なんて愛せねぇ!男を愛するくらいなら、レズと呼ばれてもかまわん!!」

お前ら、場所を考えろ場所を・・・・。俺・・・もう耐えられん!

「なぁ、俺疲れたから先に帰るよ?」

「おおう!?なんとか言ってみろよ?あ!?」


俺の言葉はサトシの馬鹿でかい声にかき消されてしまい、彼らには届かなかった模様。

「レズなんて邪道だ。貴様などダークサイドへ堕ちてしまえ。にょた萌えのわからぬ異教徒め」

わけわかんね。付いていけねーわ。

「金、ここに置いとく」

と、一言だけ残して、俺はカフェテラスを立ち去った。

「なぁ、ツカサ、お前はどっちな・・・・」

「あれ?いないよ?」
893 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/14(水) 02:28:34.21 ID:oNDIwRIo
不毛すぎる論争だ。しかも、会話内容がバカすぎる。
サトシは下ネタ発言も平然と大声で並べるし、アキトもアキトでヲタ臭全開じゃないか。
二人とも周囲を気にせず、そこらじゅうに撒き散らしてるし。恥ずかしいよ俺は。
彼らは一度この話題に入るとこうなってしまう。
このまま何もしなくても、童貞である以上、女体化は避けられないんだ。
憶測で議論しなくても、このまま経験することになるんだ。

あぁ、恵子ちゃんカムバック!!俺の童貞よ・・・・。
恵子ちゃんは俺の元彼女で、2年続いた関係も俺の所為で終止符を迎えた。
行き急ぎ過ぎた俺は、相手の気持ちも考えず体を求めてしまい、結局彼女に振られてしまった。
苦い経験だ。
そんな事を思い出しながら、だるい体を引きずって家に帰った。


翌朝、俺に人生の転機。いや、転換期が訪れた。
そう、女体化だ。
髪の毛こそ、だらしなく伸び放題だったが、顔立ちはまるっきり女だった。
幸い、元々母親似だった為、己の容姿に驚愕する事はなくて助かった。
なんせ、美女と野獣カップルの両親から母親の顔立ちを受け継いだ事をここまで嬉しく思った事はこれが初めてだろう。
女体化した途端、親父似の顔になったんじゃ、さっきとは違う意味で驚愕しなきゃならん。
野獣ってのは言いすぎだけど、如何せんイカツイ顔の女はゴメンこうむる。
いずれにしても、見慣れた母親を若くした顔が目の前にあると考えると、少々気恥ずかしい気分だが。
ま、ある程度覚悟していたお陰で、申し分なく女に馴染めそうで少しばかり浮き足立っていた。

女になって段取りを2,3日で終え、学校であいつらと対面した時の顔ったらなかったな。

「ちょっ・・・おまっ!!」

と、サトシ。

「テラカワユス〜〜」

と、アキト。

まぁ、発言は容易に想像できたけどね。

「よう、サトコちゃんにアキコちゃん!お前らも覚悟しとけよ!この童貞ども!」

「男言葉に・・・・萌えあがれぇ〜萌えあがれぇ〜にょたこぉ〜〜♪」

キモ

アキトは相変わらずキモかったが、予想外だったのがサトシの反応だ。
普通なら、「うるせぇ童貞が!」くらい言い返してくるはずだ。
それが、ろくに人の目を見ようとせず、ほんのり顔を赤らめて挙動不振だった。
これは・・・ま・さ・か?

「自慢のにょた批判発言はどうしたの?なんか言ってみてご・ら・ん?」

調子に乗った俺は、女らしい仕草と言葉使いでサトシを挑発してみた。
894 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/14(水) 02:46:52.80 ID:oNDIwRIo
「は、ははははははは反則だ!反則だぁぁぁぁ反則級に綺麗だぁぁぁぁぁぁぁうおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

サトシは絶叫し、頭を抱えたままどこかに走り去ってしまった。

「いやあ、たった3日でこれ程とはね、いやはや、確かに反則級だ。もっと男らしくしてくるのかと思ったよ」

「そうか、お前らに同情するぜ」

「それ、普通に傷つくんだけど」

「すまんすまん」

「けど、色々大変だったんじゃ?」

「あぁ、母さんにしっかり叩き込まれたよ。これだって、一時間かかったんだぞ?」

そう言って、俺は自分の長い髪の毛を優しく触って苦労をアピールして見せた。
こうして、普通に会話している分にはアキトもマトモに見えるんだけどな。

「はぁはぁ・・・・しごいね・・・・はぁはぁ・・・」

漸減撤回。やっぱ、キモイ。
すると、何を思ったのか、急に俺の髪の毛に向けて指をぬぅっと突き出してきた。

「ちょっと!触んな!止めろ!!俺の苦労を台無しにするな!!」

「あぅ、残念・・・」

こいつは変態かつ大胆すぎる。顔は普通だが、如何せん態度に問題がある。
女子達からエロ沢、ヲタ沢なんて呼ばれても自分を曲げやしない。
その図太さだけは尊敬に値するよ。

「あんまジロジロみんなよ、このエロ沢アキト!正直、キモイ」

「いやぁ、期待してた甲斐があっ・・・げふぅ!!!あうあうあう」

アキトの手が俺の胸をロックオンしていたようなので、アキトの水月に渾身の一撃を与えてやった。
だがしかし、その両手はゴキブリの生命力の如くまた動き出す。
水月にクリーンヒットした感触を得て、油断していた俺はそれに気が付かなかった。
アキトの両手は俺の胸を嫌らしい手つきで狙いを定めていた。

「ひゃぅ!!」

言いようのない寒気と悪寒が全身を貫き、とんでもない声が漏れ出していた。
アキトの両手は見事俺の胸を捕らえていた。
さらに、これでもかと言うくらいの勢いで揉みしだいてくる。

「やっやめっ!ちょっとぉぉ!!このっ・・・」
895 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/14(水) 02:59:10.05 ID:oNDIwRIo
ゴス!

「あふん!」

怒りを込めて顎を突き上げようと、拳を打ち出す前に、アキトが俺の目の前で床に崩れ落ちた。

「みね打ちだ、安心しな」

「サ、サトシ!」

流石サトシ、空手道を共にしただけはある。

「た、助かった・・・」

「い、いやなに・・・困っている女の子を放っておけるか」

え?なに、この雰囲気。まぢやばいんですけど。

真剣な眼差しで俺を見つめてくるサトシに、ついたじろいでしまった。
ちょっと怖いんですけど。
しかし、その眼差しの奥に、アキトと同じ何かを感じて悪寒を覚える。

「お、おおおおお前もあいつと同じ目で見るのか!?」

とっさに胸元を両腕で隠して、防衛体制を整えた。
それを見てサトシは我に返ったのか、すぐさま視線をそらした。

伸びていたアキトが起き出す頃には、周囲に人だかりが出来ていた。
友達同士でこんなことやってれば、そりゃ面白がって人も寄ってくるか・・・・。
その後もしばらく俺の周りに男女問わず人だかりが出来ていた。
どうやら、俺の女体化も人だかりの原因ね・・・。
今日は終始災難続きだった。


幾日かして、アキトとサトシから、自分達の今後について相談があると、アキトの家に呼ばれる事となった。
あのキモさ全開の家に行くと思うと、少々気が重かったが、どうやら二人は真剣な顔をしていたので、断るに断れなかった。
俺、今女なのに・・・・。襲われるかも。
いや、ここは友人として、彼らを信じてやろう。
おそらくは、彼らに迫った例のアレ。差し詰め俺は先輩と言ったところなんだろう。
そう思い込ませて、重い足を動かすのだった。
896 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/14(水) 03:19:16.95 ID:oNDIwRIo
「で、何から聞きたい?」

「ま、まずはこれを着て頂きたい」

アキトは恐る恐る体の後ろに隠していた服を取り出して、それを広げて見せる。

「ちょっ・・・!」

「驚くことはない!ただのメイドコスチュームだ!頼む!着てくれ!」

普段はオタクとは無縁のサトシまで着ろと声を荒げた。

「ど、どういうことか説明してもら・・・・おう・・・か?」

彼らが情けなくてたまらなかった。
俺は込み上げてくる怒の慟哭りを可能な限り抑えて彼らに聞き返した。

「ま、待てっ!そういう意味じゃない!」

俺の様子を見たサトシは、焦った様子で否定してきた。

「な、なにが・・・・そうじゃないってんだ・・・!?」

俺は、怒り任せにサトシの胸倉を掴んでガクンガクンと体をゆすっていた。
すると、対照的に落ち着いた様子のアキトが仲裁に入る。
そして、ことのあらましを淡々と話し始めた。

「僕たちに迫っているものは・・・知っているよね?」

「・・・・・・女体化・・・・」

「だよね。僕たち童貞だ。すでに女体化しちゃった君も含めてね」

「童貞で悪かったな!」

アキトの的確な指摘に、俺より先にサトシが悪態をついた。

「このままじゃ僕たちは泣く泣く女になってしまうだろう。女をよく知らないまま」

「・・・・で?」

まさか、抱かせろとか言うつもりじゃ・・・?だったら許さん。

「幸い君は、よくやってくれたよ。見事に女の子だ」

「・・・・・で!?」

「そこで、せめて男としての最後の記憶を残したい!生きた証を残したいのだ!」

さぁ、言ってみろ、次の発言を!!!
897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/14(水) 03:32:29.78 ID:oNDIwRIo
「だから・・・これを着て一緒に写真をとらせて下さい!!」

「へ・・・?」

拍子抜けした。
その腑抜けたメガネを吹き飛ばすほどの強烈な一撃を食らわせてやろうかと思っていたが、溜め込んだ力が体の中で空回りしてしまい、行き場を失って一人転がってしまった。

「だから、言ったじゃないか。着てくれって!」

「君は言葉が足らなさ過ぎるんだよ。脳筋め」

「う、うるせぇぇ!!」

なんか、もうどうでもよくなった。
いいよ、着てやるよ。動機は不純だけど、俺が同じ立場なら・・・・少しはそうしたいと思ってたかもしれない。
実際、恵子の時も同じような理由で行き急いで失敗したわけで・・・・。
こいつらくらい・・・・少しはいい思い出を残させてやるか。

「わかった。着るよ」

「よっしゃーーーーーー!!しゃーーーしゃーーー!!」

サトシ!う、うるさすぎる。お前は勝○か!!

「+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +」

アキト・・・お前は少しくらい、人らしい言葉で喜べよ・・・・。

「で、お前らずっとそこに居るつもり?」

「え?」

「カメラはスタンバイOKだ。いつでも着替えてくれ」

「でてけ!!!」

まったく、人が真剣に答えてやろうと思っていた矢先にもうこれだ!けしからん!

やっとの思い出彼らを部屋から追い出した俺は、恐る恐る制服のボタンに手をかける。
いくら鍵をかけたとはいえ、他人の家でしかもアキトの家だ。何か小細工でもしてるんじゃないかと疑心暗鬼にすらなる。

「あれ?衣擦れの音が聞こえないね?大丈夫だよ。何も仕掛けてないし、外から鍵を開けないよ。あけられるけど」

ダン!!
恐らく、ドアに耳を当てて聞き耳立てていたに違いない。いい気味だ!!
898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/14(水) 03:59:55.15 ID:oNDIwRIo
とか言いつつも、目の前の衣装を見てその気になっていた俺は、このまま止めるつもりもなかった。

「い、いいか!?あけたら[ピーーー]!あけたら警察呼ぶ!あけたら・・・あけたら・・・・もう一緒にいてやんない!!」

ガタン!
誰かが転がる音が聞こえたが、このオーバーリアクションは恐らくサトシだ。

「わかった!わかったから!それだけは止めるんだ!こいつは俺に任せろ!」

「ちょっ!おまっ!な、なにをするー!やめっ!あっあっあっアッーーーーーーー!!」

それは、アキトの悲痛な叫びだった。

アキトの悲鳴が途絶えてから少しして、扉の向こうからサトシの声が聞こえてきた。

「でも、そこまで信用されてないと・・・てか、気持ちもわかるが・・・なんか・・・な。お前との距離を感じるぜ」

「サトシ・・・・」

確かに、俺が女になって綺麗になって見せた所為で、あいつらとの間に埋める事の出来ない溝が生じた。
その寂しさは、俺だけが感じていたものではなかったようだ。

「俺も男だった。だから気持ちはよくわかる。でもごめん、やっぱ・・・・恥ずかしいんだ・・・・ごめん・・・」

「お、おう・・・・わかった・・・・こいつの事はよく見ておく。てか、今死んでる。だから安心して着替えろ」

「ありがと」

上手く言えなかったが、今の俺にはこれが精一杯だった。


着衣にはしばらく時間がかかった。簡単に着られると思っていたが、それは大間違いだった。
アレをとめてこれをとめて、それを巻きつけてと、結構面倒な造りをしていたからだ。
ご丁寧に着衣説明書まで書いてあった。アキトのやつめ・・・・。
それにこれ・・・キツイよ・・・・。

「入っていいよ」

「鍵開けてくれ」

そうだった、鍵は室内からかけてたんだっけ・・・やばい、なんだか緊張するな・・・。
ご丁寧に姿見まで用意されていたが、こんなものアキトが自分で使っていたのか?
やっぱキモイ。

「わかっ」

ガチャ
899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/14(水) 04:19:09.93 ID:oNDIwRIo
と、俺が内鍵に手をかける前に鍵があいていくではないか。

「ふ、僕の部屋は僕が掌握している。認識が甘かったな貴様ら」

折角の気分を台無しにしてくれる奴だ。
いつまでたってもこの一言余計な性格は直らないようだ。
半ば呆れながら、2,3歩後後退して彼らの入場を待った。

「これは・・・・!」

「計画通り・・・」

「さぁ、存分に撮ってくれ・・・・でもエロいの禁止な」

カシャカシャ!!

「低いのも禁止!」

「そこっ!鼻血だすな!!」


ひどく疲れたが、無事撮影会も終了し、俺は床にヘたれ込んでいた。
しかし、このスカートは短すぎる。明らかに俺のサイズとも合っていない。
これじゃ、ろくな座り方もできない。


「目線、あげてもらえるかな?いくらなんでも、それはマナー違反だ」

「わ、わりぃ・・・」

サトシはチラチラと俺の方を気にしては視線を外す。
時々俺の生足太ももとスカート裾辺りに目線を移すんだから落ち着かない。
一方、アキトの方というと、デジカメで撮影したデータをパソコンに移してはニヤニヤしている。

「な、なぁ、ツカサ」

「ん?」

「俺、男で居たいよ」

「そういうと思ったよ」

「俺、空手をこの体で続けて行きたいんだ。死んだ父さんのようにな」

俺は女になってから空手を止めた。女の子はそんなのしなくていい。と、母さんに言われて止めてしまった。元々惰性で続けていた分止めるにはこれといって迷いはなかった。
だが、こいつは違う。空手を始めたのは、こいつの父親がどうとかよりアニメに影響されてだが、今ではそんな空手はサトシにとってなくてはならないものになっていたのだ。

「空手が好きでたまんねぇ・・・なのに、何で俺は俺は・・・・その空手と同じくらいお前が好きだ!!いや、それ以上かもしれない!!」

900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/14(水) 04:55:42.92 ID:oNDIwRIo
「はへ!?」

耳を疑ったが、俺が聞き返す前に「お前が好きだ。お前が欲しい」を繰り返してきた。

「ちょっ!ちょっとまてって!お前、にょたっこ否定派じゃなかったのか!?」

そもそも、何で死んだ父さんがどうとかから、俺が好きだって展開になる!?

「そんなもの・・・・女になったお前を見た瞬間から・・・俺のなかから消え去った!」

「そんな・・・!」

「お前は綺麗すぎた・・・・!お前が悪いんだ!」

「わ、わからないって!そんな急に!!」

「ツカサ。聞こえるか、ツカサ。返事はしなくてもいい。ただ、聞いていてくれればいい。俺の父さんは、逝ってしまったよ。「お前の好きな空手を貫け」って、言い残してね。でもっ!そんな事はもういいんだ!いいんだよ…。
それとも、その事で俺がお前を責めるって、思ってるのか?なあ、俺たちはこの一週間、一体何をしてきたんだ?俺たちのこの一週間は、一体なんだったんだ?まだ何も答えなんか出てないじゃないか!
覚えてるか?あの時、学校で、3日ぶりにあった俺たちは、不条理な世の中に、無理矢理女体化を押し付けられて、何もわからないまま、地球という試験管に放り出された!俺は!無我夢中で闘った!
でも、終わってみれば、周りはそしらぬ顔で、後の事しか考えちゃいない。でもそれで、俺たちの一週間が終わってしまっていいわけないだろう?確かに、俺は着替えを見たい衝動に勝った。
でもそれは全て、お前が一緒に居てくれたおかげなんだ!そうだよ…。お前と俺とで闘ってきた勝利なんだ。だから、これからも一緒でなくちゃ、意味が無くなるんだ!
なあツカサ。さっき、俺は言ったよな。あいつを止めたら、お前に聞いて欲しい事があるって。俺は、闘う事しかできない不器用な男だ。だから、こんな風にしかいえない。
俺は、お前が…。お前が…。お前が好きだっ!!お前が欲しいっ!!ツカサァァァァァァァァァァァァァァァッ!! 」

「えぇぇぇえっぇぇぇ!?」

長すぎて最初と最後くらいしか覚えられないじゃない!
それに、この台詞どこかで聞いたような覚えが・・・・

「俺と一緒に、石破ラブラブ天驚拳を撃ってください!」

Gガンかよっ!!!!

「おまえっ!ふざけてんの・・・って!」

サトシの股間が俺の目の前で見る見るうちに隆起していく。

「俺の股間が真っ赤に燃えるぅ!」

「や、やめ・・・やめろぉ〜〜!」

「勝利を掴めと轟き脈打つ!」

「や、やめて・・・やめてぇぇぇぇ!!」

「ばぁぁぁぁくねぇぇつ・・・・ゴッド・・・・」
901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/14(水) 05:00:18.16 ID:oNDIwRIo
バキッ!

「いってぇぇぇぇぇぇぇ!!」

バキという破壊音と共にサトシが一人もんどりうっている。
その前方には人形?であったと思われる女の子がバラバラになっていた。

「あぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっぁぁ!僕のサリィちゃぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!1111」

「くっ!俺の足に・・・俺の告白に水をさしたのは・・・・貴様かぁぁぁぁ!!」

ドンドンドン!バキ!ベキャ!

女の子の人形はさらに悲惨な姿へと変わってゆき、最後には粉々になってその原型すらとどめていなかった。

「僕のサリィちゃん・・・・僕のサリィちゃんがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!111貴様!!!!許さん!許さんぞぉぉぉ!!」

「来い!東方腐敗マスターヲタク!諸悪の元凶をここで断ぁつ!!」

「なにぉぉぉぉ!だぁぁぁからおまえはアホなのだぁぁぁぁぁ!!」

俺の目の前で大乱闘が始まった。サトシを相手にハイパーモードのアキトが挑む。
その乱闘の合間に俺の抜けた腰を回復させてくれる時間を与えてくれた。
い、今だ!今しかない!逃げるチャンスは今しかない!!!

俺は一心不乱に自宅まで走ってたと思う。俺を見て沢山の人が振り返って他と思う。
が、恐怖に恐れおののいていた俺にはそんな目線を気にしている余裕はなかった。

「ぜぇぜぇ・・・・はぁはぁ・・・もうむり・・・・」

とうとう力尽きてしまった俺は、己の体力の無さを嘆いた。
そして、自分の頬に何かが伝う。

「どうして・・・・どうしていつもこうなる・・・・あいつらが暴走して・・・・俺はいつも逃げ出す・・・・あの頃に戻りたい・・・・」

とめようとしてもあふれ出す涙を袖でぬぐう。

ワシャワシャ・・・・

あれ?

「って・・・・あれ〜〜〜〜〜〜〜!?」

これって、メイド服のままじゃん!!!
どおりで、通り過ぎていく人が俺のことを振り返ってくるはずだ。
じゃ、じゃあ、制服は・・・・アキトの部屋!!

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!バカバカバカバカバカ!あーもう!!最悪!!!」

はは・・・あはははははは・・・・・覚悟してね・・・サトシ!アキト!!
902 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/14(水) 05:21:34.99 ID:oNDIwRIo
「ゴメン!ほんとうにゴメン!!昨日は本当にやりすぎたと思う!!」

「・・・・・で?制服返して、これ返すから。制服返して」

「せ、制服?なんのことだ?」

「いいから・・・・制服返して」

「いや、俺は本当に知らないんだって!」

「あの後、僕とサトシで美味しく頂きました〜テヘ。いや、本当はサトシがスカートの裏側に白濁液をぶちまけちゃってね。いまクリーニング中なんだ」

「はぁ!?なんで俺が!つか、それ、お前のことじゃねぇのかよ!!」

「う・・・うぅ・・・・・お願いだから・・・制服・・・・返してよ・・・・ぐす」

「え、あ、お、おおおおおい!な、何も泣かなくても!」

「もういい・・・・あんたにあげる・・・・好きなだけ白濁させたらいい・・・・キモイ最低不潔変態屑塵うんこ!!」

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!アキトォォォ!!貴様!!何とかいいやがれぇぇ!!ぶっころs」

「ごめん・・・・わるかったよ・・・・本当は何もしてないし・・・・ほら、ここに」

アキトのリュックの中から、綺麗に折りたたまれ、さらにご丁寧にビニール袋にまで入っていた。

「あるんじゃねぇかぁぁぁぁ!!よくも俺を悪者に!!」

「っ・・・・ぷぷっ・・・・あははははははは!!あ〜〜〜すっきりした!」

「「え?」」

初めて二人の息が合った瞬間だったと思う。

「昨日のお返しだっ!」

「な、なんだよぉ・・・・」

サトシは本当にほっとした表情になって、力なくカフェテラスのテーブルにうつ伏せた。

「昨日はお前らの良いようにされて、少し頭にきたんだ。それくらいで許してやった俺の広い心に感謝しな」

「安心したよ。でも、服のサイズはきっちり取らせてもらったよ」

「「はぁ?」」

今度は俺とサトシがシンクロした。

「もちろん!このメイド服の丈直しのためさ!あれは元々、僕が女体化した後に着る事を前提に作った服だっただからね」
903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/14(水) 17:10:51.19 ID:LFtM7vAo
変態も極まるとすばらしいな。
904 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/14(水) 18:05:15.38 ID:7oPCyoM0
892に期待しつつ安価↓
905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/14(水) 18:40:50.67 ID:81JW3b.o
なんという力作これはすばらい


アンカなら和服
906 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/14(水) 21:55:01.79 ID:2XgYlYSO
ID違うが、昨日途中で力尽きてしまった。
下書きはし終わってるから、後は肉付けしていく作業だ。

まだまだ妄想ネタが尽きないぜ

しかし、そろそろ他人の作品が読みたくなってきた…
907 :紅茶オーレ吹いた ◆ncwvPXxE3s [sage]:2009/10/15(木) 01:05:30.15 ID:wQdHSKEo
せっかくなのでトリップつけて頭もトリッピー!

息抜きに安価
『マンガ喫茶』

「あ、ケイちゃんいらっしゃい!」

「またお邪魔するよーやっとバイト代が入ったんだー」

高校に入って念願のアルバイトにあり付いた僕は、そのバイト代を握り締めてマンガ喫茶にやってきた。
カウンターで僕を出迎えてくれたのは、幼馴染のタロウ兄ちゃんだ。

「高校生の癖に生意気だぞー!?」

「お客様は神様なのだ!ひかえおろー」

「はいはい、で、どのコース行く?」

「12時間コース」

タロウ兄ちゃんはきょとんとした顔で僕の顔を見つめている。

「───え!?泊まってく気!?」

「もちろん!明日は学校もバイトも休みなんだ!沢山読み漁るつもりだよ」

「おいおい・・・・今午後7時だから・・・って、それじゃ、明日の俺の出勤時間くらいまで居るつもりかよ」

「あ、そうなんだ!じゃ、出勤したら起こしてねー」

「ここはホテルじゃないっての・・・・」

タロウ兄ちゃんは半ば呆れた様子で頭をポリポリとかいていた。
908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 01:23:05.35 ID:wQdHSKEo

「んん・・・・・」

どうやら、マンガを読みふけっている間に、いつの間にか寝てしまっていたようだ。
時間を確認するため、個室の中に設置されたパソコンを操作する。
スクリーンセーバーをといて、OSに搭載された時計の時刻を確認すると、午前6時を指していた。
しまった──午前1時くらいまでの記憶はあったのだが、5時間近く寝てしまっていたとは。
とにかく、そろそろ身支度を整えて、出る準備をしなければ。
そう思って、体を動かすと、何か服が変なことに気が付いた。
あれ?なんでこんなにブカブカなの?
あ、これはもしかして夢!?
寝る前まで、自分の過去を振り返るタイムトラベル物語を読んでいたからその所為だな。
で、自分のほっぺたをつねって見た。

「あいででで・・・・」

どうやら夢では無いみたいだが、今度は声がおかしい。声が高いのだ。
声変わり前の幼少期に戻ってしまった!?
いやいや、マンガが現実に・・・だなんて・・・。ありえない。
とにかく、現状を確認するために洗面所に向かおう。
意を決して椅子から立ち上がろうと前かがみになったとき、自分の眼前にあり得ないほど長い髪の毛が流れ込んできた。
逸れはまさに、眼前がブラックアウトしたかと思うくらい、僕の顔を覆いつくした。

「うわぁぁ!」

僕は突然の出来事に、心霊現象を想像して驚き慌てふためいてしまった。

「って、これ・・・・僕の髪の毛・・・!?」

試しに髪の毛を一本引き抜いてみた。

「あいてっ!」

自分の物だった。
とにかく、現状が良くわからない。
まずは自分の容姿を確認しに行くため、長く垂れ下がったズボンの裾を引きずりながら男性用御手洗いを目指した。

「な、なにこれ・・・・」

鏡の前に移った人物の姿は以前の自分の物でも、幼少の自分の姿でもなく、小柄な少女の姿だった。
これは・・・もしや・・・・女体化!?
1/10000の確立で男性にのみ訪れるっていう・・・あれ!?
な、なんで僕なの!?

「あわわわわわ!ど、どうしよう!」

一人鏡の前で慌てふためいていると、用を足しに来たであろう男性と鉢合わせてしまった。
909 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 01:37:15.03 ID:wQdHSKEo
「ふぅんふぅ〜〜ん♪しょんべんもれちゃうぜぇ〜っと!!───って!!あっ!すみません!」

男性は、僕の姿を見るや否や、慌ててトイレの扉を閉めた。
あちゃ!ここは男性用御手洗いだっけ!しまった!
慌ててトイレを飛び出ようとしたとき、扉の外から悲鳴が聞こえてきた。

「キャーーーー痴漢よーーーー!!」

「うわぁぁぁぁ!す、すみませぇぇぇぇん!!」

あちゃ・・・・さっきの男性に申し訳ないことを・・・・。
おそらく、最初に入った先が女性用トイレと勘違いしたため、もう一方のトイレへ入りなおしたんだろう。
心の中で『ごめんなさい』を10回くらい繰り返す。
とにかく、このままこの場に居ると要らぬ誤解を受けそうだったので、急いで個室に戻った。


どうしよう・・・・備え付けのパソコンで一通り調べつくしてみたが、一度発祥した女体化を戻す方法なんてないらしい。
これ以上不毛な足掻きを続けるわけにも行かず、とにかく身支度を整えることにした。
パソコンの時計はすでに6:30を指しており、タロウ兄ちゃんが出勤するまでもう30分しかなかった。
タロウ兄ちゃんにこんな姿見られる訳にはいかない。
なぜか、そう考えが行き着いた僕は相当焦っていた。

コンコン

「おーい!ケイちゃん!そろそろ時間だぞー起きろー」

な、なに!?タロウ兄ちゃん!?なんで!?まで6時30分じゃないか!
どうして!?

「まったく・・・・入るぞ〜」

「ま、待って!!」

ガチャ

あぁ・・・見られてしまった・・・・。

「ん?あれ?あれ?女の子!?おかしいな、チェックアウトした記録は無かったはず・・・」

「うっうぅ・・・タロウ兄ちゃんのバカァァァァ!!」

「え!?ケイちゃんなの!?」

「うわぁぁぁぁぁぁん!!」

気が付いたら僕はタロウ兄ちゃんに抱かれて、その胸元を涙で濡らしていた。
少し気分が落ち着いて、それから、タロウ兄ちゃんの顔を見上げてみると、少し困った表情で僕を見下ろしていた。
910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 01:51:20.68 ID:wQdHSKEo
「ったく、困った奴だなぁ・・・高校生のくせしてこんなところでビービー泣きやがって・・・」

相変わらず言葉遣いは荒かったが、その声はどこか優しげだった。
そういえば、昔もこんなことあったっけ。僕が虐めっ子に虐められて帰ったときも、こうやってあやしてくれたっけ。

「俺、そろそろ仕事に戻るよ。お前のお陰で30分ただ働きなんだからな」

「やだ、あと5分」

「しゃーねぇなぁ・・・・」


あの後、僕たちが居た個室の周りには結構な人だかりが出来ていたようで、タロウ兄ちゃんは顔を真っ赤にしてカウンター奥に逃げ帰って行った。
数日後、タロウ兄ちゃんと道端で顔をあわせたとき、お互いに意識してしまったようで、気恥ずかしかった。
出来ればまたあの大きな胸で抱いてもらいたいけど、そんなことやっぱり言えないよね・・・・。

「好きだよ・・・なんてね」



安価『マンガ喫茶』
おわり


無駄に長くてすまん。
まとめる力が無いんだ。許してくれ。
911 :紅茶オーレ吹いた ◆ncwvPXxE3s [sage]:2009/10/15(木) 02:46:41.19 ID:wQdHSKEo

サトシが呆れた口調でアキトへ言い放つ。

「同感」

「さて、僕は丈直しがあるから、これで失礼するよ」

「ちょっとまてい!お前勘定はどうした!」

「ん?それは君の役目じゃ?そもそも、あの乱闘の原因を作ったのは君じゃないか」

「んだとぉ!?人形をつぶされただけで怒るお前の方がおかしいんだよ!このすっとこヲタクが!」

「ふん。昨日のあれはなかったと思うよ。なんだいあの台詞は。安っぽいにも程がある。この脳筋が」

「んだとぉぉ!?」

また始まった・・・。

「んじゃ、金ここに置いとくぞ・・・」

最初は慰謝料代わりに奢って貰うつもりだったが、同意も得ずに立ち去るのはそれこそマナー違反だ。

「まったく、やってらんないよ・・・」

俺は、カフェテラスで騒ぎ立てる二人を振り返ることもなく立ち去った。
912 :紅茶オーレ吹いた ◆ncwvPXxE3s [sage]:2009/10/15(木) 02:47:49.82 ID:wQdHSKEo
うっかり書き忘れた。
上の>>892の続きね。



「行った?」

「ああ、もう姿が見えねぇ」

「計画通り」

「昨日もだろ」

「あぁ、そうさ。全てはツカサのボディサイズを取得するため。ついでに、君の生きた証も残せたでしょ」

「うるせぇっての」

「あ、そうだったね。君の告白だけは僕の筋書きとは異なってたね。あれは傑作だったよ」

「だから、うるせぇってんだよ!ったく・・・どっちにしたって、あれじゃあんまいい印象残んねぇぜ・・・」

「いいんだよ。僕たちのどっちかがツカサと関係をもっても・・・・どちらも先に女体化するのが落ちさ」

「・・・・そう簡単にマタ開かねぇってか?そりゃ、そらそうだろうよ、俺ならぜってぇ開かねぇ!!」

「君の事は聞いてない。このまま僕たちの女体化を待つのが一番いいのさ。彼、いや、彼女にとってね」

「いいねぇ、お前は!自分の趣味志向が女体化向けだと苦労しなくてな!」

「天命だと思うね。僕は待ち遠しいよ。男のエロスを自ら満たす事ができるんだからね!」

「意味が分からん。俺は男で居たいよ。あいつはどう思ってんだろうな・・・」

「僕の計画は完遂に近づいている。後は僕がにょたっこになるのを待つだけさ。あぁ待ち遠しい」

「こいつ、俺の話聞いちゃいねぇ・・・自分の世界に入ってやがる・・・・」


「おいっ!あっちで大柄の男と女の子が揉めてるぞ!」

「なんだよなんだよ、おもしろそうだなっ!」


「んだぁ?あいつら・・・そんなもの見て面白がるってのかよ!」

「あっちは・・・ツカサが帰って行った方向のようだね・・・」

「なんだと!?」
913 :紅茶オーレ吹いた ◆ncwvPXxE3s [sage]:2009/10/15(木) 02:49:54.59 ID:wQdHSKEo
はなせっ!はなせよっ!!」

つ、強い!力だけじゃない、こいつ足回りがしっかりしてるから振り回しても動きすらしない。

「気の強ぇ女だな!おもしれぇ!ちょっと俺んちにこいよ」

強引な軟派だこと!こういうの大嫌いなんだよね!

「誰が行くかっ!この屑野郎!」

俺は、渾身の憎しみを込めて大柄の男に言い放ってやった。

「てめぇ!女だからって・・・手加減しねぇぜ!?」

「くっ!!」

マズイ!やられる──

「おらおら!見せもんじゃねぇっての!うるぁぁぁ!」

バス!

大柄の男と比べると少し小柄に見える学生服を着た男が、大柄の男の背中に向けて上段蹴りを放っていた。
サトシ!?どうしてサトシが!?気づかれないように逃げてきたはずだぞ?

「ってぇな・・・クソガキがぁぁ!!」

大柄の男は、俺を軽く放り投げると、素早く転身してサトシに向けて拳を突き出してきた。

バキ!!

「つらぁぁぁ!」

両腕を交差させ、少し後ずさりながら受けた拳の力を後方へ逃がしながら受け止める。

「受け止めやがっただと!?ガキの癖に生意気なんだよ!!」

ドス!

大柄の男の拳を受け止めるだけで精一杯だったサトシは、そのままがら空きだった下腹部から水月に向けて拳を打ち上げられる。

「うおあぁぁっ!ガハッ・・・ちくしょぉぉ!!」

俺は、打たれても打たれても、何度も立ち向かっていくサトシをただ見ていることしか出来なかった。
914 :紅茶オーレ吹いた ◆ncwvPXxE3s [sage]:2009/10/15(木) 02:52:24.81 ID:wQdHSKEo
「ツカサ、大丈夫?」

「え、あ・・・あ、大丈夫・・・・で、でも・・・サトシが!!」

後から駆けつけたと思われるアキトは、俺のことを何時もは見せたことのない心配げな表情で見つめていた。
そして、落ち着いてこう続けた。

「ごめん、ツカサは警察を呼んできてくれないかな」

「で、でもっ!」

「大丈夫、証人はこの野次馬さ」

「でもっ!!」

「じゃ、行ってくる」

バンバンバン!

「どうだ、僕のカバンアタックはっ!」

「雑魚はひっこんでろっ!」

バキィ

「ぐぁぁぁぁあ!!」

武道に心得すらない細身のアキトは、大柄の男の太い腕になぎ払われ、電信柱へ激突してしまった。

「アキト!!」

「い、いいから・・・・はやく・・・・」

「うっ・・・・うぁぁぁぁぁぁん!」

待ってろよ!すぐに助けを!呼んでやるからな!
彼らが心配で、何も出来ない自分が悔しくて流れてくる涙を堪えながら、近くの交番を目指し奔走した。



「まさか、こんなとこであいつに良いとこみせられるなんてな」

「これは僕の計画外だ。こんなの筋書きにない」

「おらおら、来たぜ・・・」

「「うぉぉぉぉぉ!!」」
915 :紅茶オーレ吹いた ◆ncwvPXxE3s [sage]:2009/10/15(木) 02:55:09.75 ID:wQdHSKEo
あのあと警察が駆けつけ、大柄の男は巡査の背負い投げをモロにくらって一撃で昇天。
あっけなく拘置所へ引きずれれていった。
俺も駆けつけた巡査も病院に行くことを進めたのだが、二人ともクビを縦に振ってくれなかった。
なんでも、俺に介抱されたいから。だとさ。
巡査も呆れた顔で立ち去って行ったっけ・・・どこまでも恥ずかしい奴らだ。

「いててててて」

「だ、大丈夫か!?どうしてこんなこと・・・・」

「俺はいいから、あいつをみてやってくれ。サクラ先輩とやりあったときに比べたら、これくらい痒いもんだぜ」

何が痒いもんだ。顔なんて青あざだらけじゃないか。いくらサクラ先輩だってここまではしないぞ。
まぁ、打撲は多数あるが、急所はしっかり守って戦ってたみたいだから、シップとテーピングだけですみそうだ。

「わかった・・・」

俺はアキトの方へ向き直って、近くの薬局で買ってきた消毒液と絆創膏で軽く手当てをしてやった。
アキトは投げ飛ばされた所為で色々擦り傷があったが、どれも大したことは無かった。
どちらかと言えば、多数の打撲を受けたサトシの方が重症かもしれない。

「ねぇ、僕たち君のヒーローに見えた?ねぇ、見えた?」

「うるさい。ボコボコにされるヒーローがいるか?」

「僕の筋書きにはない」

どこまでもマイペースな奴だ・・・。

「まったく・・・・。元男が、お前ら相手に傷の手当てなんて・・・男だったらこんなことできなかったよ。恥ずかしくてな。
 でも、今は何か違うかな。女だから出来る気がする」

「へっそりゃどーも!」

「看護婦さーん!僕の肢体が変なんです!」

そらきた。

「今や看護婦は死語!それに、そんなもの断じて触らん!気持ち悪い!」

「お、やっぱお前も否定派か!そうじゃねぇかと思ってたぜ・・・ててて」

「おかしいなぁ・・・僕の筋書きでは・・・・」

こうして、俺たち3人の学校生活は過ぎていった。
数ヶ月たって、アキトは『ねんがんのおんなをてにいれたぞ』とか言って、女体化した体を我先に私に見せに来た。
だから、『ころしてでもうばいとる』と答えてあげたら嬉しそうに笑ったっけ。
あの笑顔はこれから男を虜にしていくだろう。
そして、サトシといえば・・・・。
916 :紅茶オーレ吹いた ◆ncwvPXxE3s [sage]:2009/10/15(木) 02:57:50.96 ID:wQdHSKEo
「よう!ツカサ!」

「あ、サトシ!今日はサクラ先輩も一緒だったんですね」

「そ、ツカサちゃんの晴れの舞台を見に来ちゃった!ね、サトシ!」

あの後、本人も覚悟を決めて女体化を待っていたらしいのだが、以前から通い先の道場の師範代の娘であるサクラ先輩(純正女性)がサトシの事を半ば強引に押し倒したらしい。
黒帯の実力者は男をも勝ったのである。今ではしっかり童貞を卒業して彼氏と彼女の関係だ。

「ちょっとぉ!ツカサ〜こっちだってばぁ〜」

「あ、アキちゃんが呼んでるから」

「おう、行ってこい」

「じゃ、あたし達も何か買い物する?」

「あの、サクラさん、ここパンピーが買い物するとこじゃないっす」

結局、アキトはアキと改名して立派に腐女子をやっている。
私はそっち系じゃないんだけど、アキちゃんの作る衣装はどれも見事なもので、それを着るくらいならって、今回が2度目の参戦である。

一度は波乱に包まれた3人の仲も。今では何事も無かったかのようだ。
でも、ちょっと惜しかったかな。
あの時の二人の姿、不覚にも輝いて見えた。
もしかしたら、あの時にあいつらを好きになってたのかもしれない。
でも、みんなそれぞれの道を選らんで歩き出した。
はぁ・・・一人だけおいてけぼりか。

そして、今やっと女になれた私は・・・・これからどうしようかな。

『ズッコケトリオ』
おわり


ついでに安価下
917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 03:24:23.39 ID:Vv6nZkUo
金木犀
918 :紅茶オーレ吹いた ◆ncwvPXxE3s [sage]:2009/10/15(木) 03:35:11.73 ID:wQdHSKEo
安価把握

金木犀・・・

金木犀は俺の好きな木だ・・・あの香りは俺を癒してくれる
919 :紅茶オーレ吹いた ◆ncwvPXxE3s [sage]:2009/10/15(木) 04:18:09.52 ID:wQdHSKEo
70歳になった私はひとりの赤子と出会う。

5歳の秋

「いーにおいだねー、かーちゃんなんのにおい?」

「この木の香りだよ」

10歳の秋

「なぁ、アヤト。これなんのにおい?」

「あの木の香りだよ。これ、俺のお気に入りなんだ」

「なんか、乙女チックだなーだせー!」

「う、うるさい!!」

17歳の秋

「ん〜〜〜いい香り!」

「アヤって好きだよなぁ。その香り」

「うん!大好き!でも、君の事はそれ以上に大好きだよ!」

30歳の秋

「ねーママ!アタシこのかおりすきー」

「これは、この木の香りだよ。ママもあなたと同じくらいの頃から好きな木よ」

私の名前は金木犀、100年以上に渡り、この地の人々を見守ってきたもの


安価『金木犀』

おわり
920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/15(木) 23:22:46.27 ID:zK85Oqw0
どの投下もGJ!
921 :紅茶オーレ吹いた ◆ncwvPXxE3s [sage]:2009/10/16(金) 06:17:29.21 ID:JCIEebgo
以前書いたものの番外編が書きたくなった

『にょたの生態 番外編』

翌日、かずきを同行させて町をふら付くことになった。
俺はいつもの格好で出てきたのだが、かずきは服装をカジュアル系で綺麗にまとめたいでたちで現れた。
なんだか負けた気になって「やっぱ、俺帰るわ」と不貞腐れると、かずきは慌てて俺の手首を掴んで引き止めてきた。
その時の、甘える子犬のような表情は、俺の心をぐっと捕らえて放さなかった。
何も考えずに適当にフラフラするつもりだったのだが、かずきは何かを書いた紙切れをチラチラ見ながら、あっちへ行こう、こっちへ行こうと俺の服の袖を引っ張って連れまわす。
なんだか、いいようにされてるのがしゃくで、俺は急にかずきを困らせてやりたくなった。
いい加減甘えた子供のような愚行だが、これが俺の本心なのである。
偽ることなどできない。こいつの前ではな。

「いいところに連れて行ってやる」

「え!?で、でも次は・・・・」

俺は、ふんと鼻を鳴らして、かずきが手に握り締めた紙切れを奪い取った。

「あのなぁ、こんな紙切れで俺を振り回すのは止めてくれないか」

「えっ・・・・・」

「まぁ、いい。ちょっとこっちへ来い」

と、俺は言い放って、かずきを置いてとある場所へ足を向けた。

「あっ・・・ま、待って!!」

まだ昼間だと言うのに人気の無い寂れた公園へ到着した俺は、砂埃が乗ったベンチへ腰掛けた。
かずきは、ベンチに舞った砂埃が気になってか、なかなか座ろうとしない。

「おい、なにしてんだ。ここへすわれよ」

と、ぱんぱんと左手で軽く砂埃を払って、目で座れと促す。

「あ、ありがとう・・・・」

かずきはそう言うと、俺の左横へちょこんと腰掛けた。

「おまえなぁ、いつからそんなに潔癖になった?」

俺は呆れた口調でかずきへ訴えた。

「え・・・だって、スカートが・・・・」

「そんなもん、後で手で払えばすむだろうが」

「そんな・・・これ・・・結構高くて・・・」
922 :紅茶オーレ吹いた ◆ncwvPXxE3s [sage]:2009/10/16(金) 06:18:22.45 ID:JCIEebgo
「あっそ・・・」

そういえば、かずきの家は結構裕福な家庭だ。
それに比べて俺は、安月給のおとんと、その安月給を補うためパートで稼ぐおかんの家庭で育った俺にとってはブランド物の服なんて一生お目にかかれないと思えるくらい貧乏性な育ちをしてきた。
正直、育ちの差を見せられているようで気に食わない。
俺が、かずきへの劣等感からこういう関係を望んでいたのかも知れないと思ってしまう。

「悪かったなー、俺の服はショボくてな」

居たたまれず、つい悪態をつく俺。

「そ、そんな・・・・その格好の方がいつものしゅう君で安心する・・・」

「へーへー、そりゃよかった」

「あのね・・・しゅう君。これ、やっぱり・・・そのえっと・・・今日のって・・・・」

かずきはもじもじしながら俯いて顔をあからめている。
言いたいことは大体察しが付く。だから、俺は間髪入れず否定してやった。
大きな声で卑屈に笑いながら。

「ははははははは!!デートとでも言いたいのか?これが?ありえねぇ!」

「え・・・・・・・」

「ここでもう一度お前の立場を思い出させてやる。俺のお前の関係。それはなんだ?」

かずきの表情が曇ってゆき、俯いて黙り込んでしまう。

「解らないのなら俺が教えてやる。主従関係だ」

「そ、そんな・・・!!」

かずきの表情が悲しみに変わる。

「・・・・なら、体で解らせてやる。昨日の続きをやるぞ、来い!」

そう言って、俺はかずきの腕を掴んで、ベンチ裏の雑木林へ引っ張っていく。

「おっ・・・・!今日もやってるな!」

「な、なに・・・?」

「しっ!静かに」

目の前に大きく生えた草を一つ一つめくっていくと、そこに一組の男女が愛し合う姿があった。
その男女は大胆にも、野外でその愛の営みを繰り広げて居たのである。

「あっ・・・!ん、んんん〜〜〜!!」
923 :紅茶オーレ吹いた ◆ncwvPXxE3s [sage]:2009/10/16(金) 06:19:16.21 ID:JCIEebgo
俺は、それを見て口から驚きの言葉を漏らそうとしたかずきの口元を手で押さえる。

「どーだ?すげぇだろ?」

「・・・・・・・・」

かずきは恥ずかしそうに顔を赤らめて目の前の光景から顔を背ける。

「"俺たち"がこれからすること。わかるよな?」

俺たち と言う言葉を強調し、かずきに促す。

「だ、だめ・・・・こんなところで・・・・」

「そっか・・・・今日は、おとんが家に居るし、明日は学校だし・・・俺たちちゅーぼーだからホテルなんて借りられねーし。続きは無しだな」

「え・・・!?」

「残念だよ・・・・俺、帰るわ」

「ま、待って!あの・・・・少し・・・少しだけなら・・・・」

「ふん・・・・いい子だ」

「わかったら、ここで四つんばいになれ」

「はい・・・・・」

俺はかずきを四つんばいにさせて、スカートを腰まで捲り上げる。

「あうぅ・・・・恥ずかしい・・・・恥ずかしいよ・・・・嫌だよ・・・こんなの・・・・」

俺は指でかずきの股間を下着越しになぞってやる。

「ひゃうっ!」

「その割には・・・なーんか湿ってんだけど?」

かずきの股間は、言葉とは裏腹にかなりの愛液が溢れ出しているようだ。
暑さで蒸れているような感触ではない。秘部がある部分のみが集中して湿っていた。

「アレをみて興奮したか?」

「ち、ちがう・・・・」

「どうだか、さて、本番といきますか」

俺は、勢いよくかずきの下着を膝までずり下げた。
924 :紅茶オーレ吹いた ◆ncwvPXxE3s [sage]:2009/10/16(金) 06:20:22.40 ID:JCIEebgo
「あぁぁ・・・!やだ・・・!やだよぉぉぉ!」

「静かにしろ!」

「んん〜〜〜〜!」

木陰の間から漏れて刺してくる日の光にかずきの秘部がぬらぬらといやらしく輝いている。
それを見るや否や、たまらなくなった俺は、気が付けばそれにしゃぶりついていた。
ぴちゃぴちゃと音を立てて、無心にむしゃぶりつく。

「ひぅぅっ!あん!はん!んん〜〜〜〜〜!!」

かずきの体がぴんと仰け反ったて小刻みに震えては、時々びくんと体を跳ねさせる。
しばらくして、かずきは力なく横たわった。

「はぁ・・・・はぁ・・・・うっ・・・・うぅっ・・・・ひどいよぉ・・・・」

「そう言う割には感じてたじゃないか」

「だって・・・それは・・・・・しゅう君が・・・・」

「そうかいそうかい。あっ・・・やりすぎたか、あっちは早々に退場しちまったか・・・・」

「ねぇ・・・もう止めようよ・・・。こんなのやだよ・・・・」

「さて、先客も帰ったことだし、本番・・・・俺、もう我慢できねー」

横たわったかずきの顔が一変して、恐怖の表情へと変わる。
俺は、そんな表情に気を止めることもなく、自らの情欲を満たすため、ズボンのチャックへ手をかけ、男の証を露にさせる。

「ひっ!だめっ!どうして!」

「お前も、元男ならわかるだろう。一度付いたケダモノの火はそれが消えるまで治まらないことくらいな!」

「そんなっ!こんなところでやだよぉっ!やめて!やめてしゅう君!お願いだからっ!!」

かずきは、恐怖と悲しみを浮かべた表情で何度も何度も俺に哀願する。
が、俺はそんな言葉を受け止められるほど正気を保っていなかった。

「あっ・・・あうっ!」

「どうだ、これが俺のだ。わかるか?これから、これをお前の中に入れてやる」

「やだ!やだやだやだぁぁぁぁ!やめてぇぇぇぇぇぇぇ!!お願いだから・・・・止めて・・・しゅう君・・・・お願いだからぁぁ・・・・」

「うっ・・・・うぅ・・・・うぇぇぇぇん・・・・」
925 :紅茶オーレ吹いた ◆ncwvPXxE3s [sage]:2009/10/16(金) 06:21:43.14 ID:JCIEebgo
声を上げて泣き出したかずきの声を聞いて、俺は我に帰る。
そんなかずきの涙でくしゃくしゃになった顔を見て、俺は自分の過ちに気づく。
もう少しで後戻りが出来ないことを実行しようとしていた事実に気づいて、暴走した自分自身を嫌悪した。

「わ、わりぃ・・・つーか・・・ごめん・・・・」

「ひどいよ・・・・ひどいよぉ・・・・」

俺は何度も、謝っては、かずきの頭を撫でてやったが、それでもかずきは悲しみから醒めないようだ。

「すまん・・・・どうしたら解ってもらえる・・・」

「すんすん・・・ボクの言うこと・・・今日一日聞いてくれるなら・・・許してあげる・・・」

いつの間にか立場が逆転していた。
今回はそれも仕方が無い。俺は性欲に任せてある意味ルール違反を犯していたからだ。
こうなったら、かずきの気が済むまでその罰を受けるしかない。

「わかった・・・・言うとおりにするよ」

「ほんと・・・?」

「ああ、言うこと聞いてやる」

「じゃあ・・・・ボクに服を着せて・・・」

「え!?」

「おねがい」

「わ、わかったよ・・・・」

服ってったって、パンツが膝まで降りてるだけじゃねぇか。
なんだよ、赤ちゃんじゃあるまいし・・・・。
と、ぶつぶつ文句を言いながら言うとおりにしてやる。

「ありがと・・・あう・・・ちめたい・・・・」

「それは、お前が勝手に出したんだからな。そこまで面倒見切れん」

「あぅ・・・でも、今日は言うこと聞いてもらうもん。ね・・・・これ、拭き取って・・・しゅう君・・・」

といいながら、膝で立って、自らパンツを下ろした。

「はぁ!?」

「おねがい・・・・」
926 :紅茶オーレ吹いた ◆ncwvPXxE3s [sage]:2009/10/16(金) 06:22:38.83 ID:JCIEebgo
困った顔に少し気恥ずかしさを足した表情で俺を見おろしてくる。
うぅ・・・そんな顔されたら、なんだか嫌といえないぞ・・・こいつ・・・魔性だ・・・
うっかりしてるとやられちまうな・・・。

「わかったよ・・・・」

やるからには徹底的にやってやる。まずは舌で舐め取る。
そして、最後に指で湿り気を取って、その指を名残惜しげに舐めて見せ、その後パンツを履かせてやった。

「どうだ?満足か?」

「え!?う・・・うん!いいよ・・・・しゅう君かわいい!子犬みたい」

この俺様を子犬呼ばわりとはな・・・いいさ、今日だけはその発言を見逃してやる。

「じゃあ次は・・・さっきのベンチへ戻ろう?」

「ん、わかった」

今度は俺がかずきに引っ張られて、先ほどのベンチへ戻る。
そして、そのベンチへ腰掛けようとしたら、かずきに両手で制される。

「待って」

そう言ってかずきは、先ほど俺が座っていた場所の砂埃は手でぱんぱんと払った。

「いいよ、座って」

「お前・・・・」

「だって・・・・しゅう君の服汚れるのいやだもん」

やべ、ちょっと涙出そうになったかも。

「へーへー、ありがとさん」

俺は、無理に強がって見せたが、泣きそうな表情だけは見せられなくてソッポを向く。

「どーいたしまして!よいしょ!」

「うわっ!なんだ!?」

「ボクここがいい!」

かずきは俺にべったりとくっ付いて座ってきた。さらには、俺の左腕に両手を絡めてきた。

「これがやりたかったんだ!」

うへ。乳が、横乳が!う、腕に!!
うほ。一度抑えた股間が!股間が隆起する!!
927 :紅茶オーレ吹いた ◆ncwvPXxE3s [sage]:2009/10/16(金) 06:24:46.15 ID:JCIEebgo
「ソ、ソーカ」

「どしたの?もしかして緊張してるの?」

「わ、わるかったな!!」

「しゅう君かわいいなぁ・・・うふふふふ」

な、なんなんだよ・・・・調子が狂う・・・。

「ね、しゅう君」

「な、なんだ?」

「ボクしゅう君の事が大好きなんだ」

「はぁ!?」

かずきのストレートな発言に、俺は素っ頓狂な声を上げてしまった。

「だからね・・・あんなところで・・・・ボクの処女・・・・しゅう君にあげたくなかったんだ・・・・だって・・・多分一生後悔したと思うから・・・・」

そういう事か。昨日はあんなに俺を求めていたにかかわらず、さっきの反応の違いが大きいのはそういう訳か。

「けっ・・・元男にそんな事言われても・・・嬉かねーよ・・・」

「ち、ちがうもん!今は女だもん!体だって!しゅう君だって・・・・その・・・してくれたじゃない・・・・」

ん〜なんというか、確かに体は女だし、女の体を見て発情しない男はいないわけで。
女体化って思ってた以上に複雑だなこりゃ。
でも、なんつーか、言葉とは裏腹にもうこいつの事、男として見てないわけで。
・・・・・・。まぁいいか。考えるのめんどくせ。
体が女だから、いいか。性別的に違うし。うん許される。
そう言うことにしておこう。

「そうだな。してやった。触ってやった。ついでに、今日は舐めてやった!これで満足か」

「あぅ・・・・そんな言い方止めてよ・・・恥ずかしいよ」

「悪かったな。恥ずかしい奴で」

「ぶぅ・・・・」

むくれてやんの。

「ところで、お前、昨日の約束は守ったのか?」

「え?」

「我慢したのか?しなかったのか?」
928 :紅茶オーレ吹いた ◆ncwvPXxE3s [sage]:2009/10/16(金) 06:25:55.81 ID:JCIEebgo
「・・・・・教えてあげないよーだ」

「な!?」

「今日はボクの言うこと聞いてくれる約束でしょ!」

「うう・・・・そうだった・・・・でも、昨日は俺の言うこと聞く約束だったような・・・・」

「あぅ・・・・」

「もしかして・・・・あぁ・・・!!もうだめだ!俺はもう帰らなければならない!!ああ。残念だ!非常に残念だ!だが、これも約束だ。悲しいよ俺は」

「あぅあぅあぅあぅ!!や、やってません!やってませんってば!!だって・・・我慢してなきゃ・・・・今日、ちょっとされただけでイッちゃったりしないよ・・・・あっ!!」

「おおう。あれイってたのか」

「あぅあぅ・・・・・ダメっ!今の忘れなさい!!」

「へいへーい。承知いたしやしたお嬢様〜」

「もうっ!」

・・・・・・・・・
急に沈黙の時間が流れる。
すると、かずきの頭が俺の方にそっともたれかかってくる。

「続き・・・してもらいたいな・・・・寂しいよ・・・切ないよ・・・」

「・・・・・俺の股間もかなり切ないことになってんだけどな」

俺も俺で、トランクスの中で暴れ馬がカウパーボーイ状態だ。

「あぅ・・・・ごめんね・・・・ボクも・・・・うんん・・・・私も・・・してあげたい・・・・」

「ん?どうした?いきなし一人称変えたりして」

「だって・・・・女になったって言ったのに・・・一人称がボクじゃ・・・・しゅう君萎えちゃうでしょ?」

「ああ、そのことね。声が女で体も女なら問題ない」

「な、なにそれーそれじゃ誰でもいいみたいじゃない!」

「・・・・うちのクラスの[ピザ]藤が女になっても同じことは言わないぞ」

「ちがーう!最初から女の子な子だったら誰でもいいのっ!?」

「乳の大きさによる」

「ぶふぅ〜〜〜〜〜!!
929 :紅茶オーレ吹いた ◆ncwvPXxE3s [sage]:2009/10/16(金) 06:27:16.46 ID:JCIEebgo
「冗談だって」

「じゃ、証明してよ」

「そうだな、あえて言おう。お前の怒った顔、困った顔、恥ずかしがってる顔が堪らなく好きだからだ。ついでに乳の大きさも」

「あぅあぅあぅあぅあぅあぅ」

ぼんっっと言う音と共に、かずきの頭が水蒸気爆発を起こした。

「おーい、聞いてんのかー?おーい、かずきちゃーん?」

「ねぇ、もう一回言って・・・・」

「しゃーねぇなぁ。・・・・あっそうそう、お前が俺の体操着ちゃんを嗅いでた姿も大好きだぜ」

「ば、ばかぁ!!」

結局は終始俺のペースじゃないか。
やれず終いだったが・・・・まぁ、機会は他にもある。
しかし、この俺の荒ぶるカウパーボーイはどうしてくれよう。
そうだ、口でしてもらう分にはいい・・・よな?
さて。どう話を持っていくか。

やっぱり懲りてない俺であった。



だめだこりゃ、相変わらず長すぎてタリィ

おはよう そしておやすみ

ついでに安価↓
930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/16(金) 08:42:13.69 ID:gK4WDRk0
まだ読んでないけどこれだけ言わせてくれ
カウパーボーイってなんぞwwwwww

安価なら「男の子とのキスと全然違う……」
931 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/16(金) 15:19:03.94 ID:MoF.s.SO
把握
しかし、難しい安価だな
がんばる

ところで、カウパーボーイについてだが
解説しよう!!
カウボーイ+ガマンジル=カウパーボーイ

ふぅ、己の下らん洒落の解説をすることになるとは
以降、封印するかwwww
932 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/17(土) 07:37:16.38 ID:ty9onxs0
メモ帳で100Kbだとだいたい何文字くらい?
933 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/17(土) 08:37:40.15 ID:dvzi.UDO
>>932
全角一文字2バイトだっけ?
50000文字くらいじゃね?
934 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/18(日) 02:49:54.01 ID:W5vzABM0
ありがとう
935 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/28(水) 00:23:14.24 ID:jaGBzQAO
たまにはあげ
936 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/28(水) 15:27:28.08 ID:PfYAAdUo
十日ぶりか・・・ファック・・・
937 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/29(木) 17:22:09.30 ID:ErNJu820
忙しくて書く暇がねぇ…orz
938 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/30(金) 08:04:46.09 ID:sywI16AO
久しぶりに保守
@元書き手…?
939 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/04(水) 08:40:46.17 ID:ABaoCSI0
あ゛〜
書きたいネタはあるというのにー
あーもー

すまんグチ上げ
940 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/11/04(水) 21:55:44.59 ID:KHHlBuwo
2chの大規模寄生に巻き込まれてなんだかグンニャリ状態が続いてる
941 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/06(金) 08:38:13.02 ID:Ot5ICGU0
ああー、グンニャリしてるにょた友にうちゅーってキスしちゃって
「女の子同士のキスはノーカウントなんだよ?」って押し倒しながら
何度も何度もちゅっちゅちゅっちゅする話か、すごくいいヨームハー
942 :941を読んで、気づいたら出来ていた。なんということだ :2009/11/09(月) 02:12:22.72 ID:fmELKVso
 人気のあまり多くない、緑に囲まれた公園があった。木々は夏の日差しを丁度良く遮る役目を果たしている。その公園の一つのベンチに座るのは、少年と少女が一人ずつだった。はたから見ていると、少女はにこにこと自販機の棒アイスを舐めているのに対し、少年はぼてぼてと下にアイスのしずくを零してしまいながらどこか気が気じゃないような様子で隣に座る少女の様子を伺いつつアイスを食べていた。
「おいおいー、アイスがもったいないよー? ほらほら、また滴ってる」
「あ、そ、そうだな……はは」
 何気ない様子で少年の持つしずくの滴るアイスを指で掬い取って口に入れながら、ショートカットのその少女はにかっと笑みを浮かべた、対する少年はぎくしゃくした様子で少女に対し身構えている。
 少女は、そんな反応に居心地が悪いのか、ベンチから立ち上がり着ていた水色のワンピースの裾を翻しながら少年の前に立って、びしっと少年を指差した。
「もう、さっきから何よー? ハッキリしなさいっ!」
「あ、ああ、そ、その……俺、お前の事――」
 少年の心の内は、そう、人生初めての告白に緊張しきっていた。周囲の音も感覚も無くし、自分の中の湧き上がる感情をぶつける様に一気に言い切る。
「――好きだ、付き合ってくれ!」
 そう、少年は気づかなかったのだ。自分の声が、そのときどうなっていたのか。自分の体がどうなってしまっていたのか。そして、ゆっくりと少女の表情を伺い、彼女の顔が困惑の色に染まりきった瞬間、もうダメだと感じ取ってしまった。そのまま、一直線に落ち込みモードに入る、ガクッと肩を落とし、目を閉じ、さっきまで高ぶっていた感覚が妙な冷ややかさを帯びてくるのをひしひしと感じ始めた時だった。
「えと……にょた……自分の体、見てみて」
 申し訳なさそうに、少女が言って、にょたの肩に手を置いた。にょたはそこで顔をあげ、初めて疑問に思った。どうして自分の視界は黒い髪で遮られているのかと。
「うぉ……これって……」
 自分が発したはずの言葉が、知らない女の子の声になって出力されたことに気づき、この世界の法則にまで頭がめぐった瞬間、再度の絶望をにょたは味わった。
「……女体化、しちまったんだな、俺…… 運悪ぃ、来年かと、思ってたのに」
「にょた……」
「あはは、告白しようとしてこの様か、行動に出るの遅すぎたんだな……」
 掛ける言葉も見つからず、少女はにょたを見つめていた。彼女自身、内心複雑だった。好きだと言われる寸前、自分の中で確かに気づいた淡い恋心は、直後に壊れてしまったから。
「くっそ……こんなことなら、プライドなんて捨てて制度受けとくんだった……馬鹿だよな。キスすら無理だった」
「にょた、私は……にょたの気持ち……嬉しかった」
「……ん、でも、俺はもう答えれないんだ、悪い」
 落ち込み、頭を垂れるにょたを慰めるように少女はその言葉を告げたが、余計に苦しそうな返答が帰ってくる。少女は、少し斜め上を見て考えを巡らせ、思いついたように、若干強引に笑いかける。
「あ、あっちは無理だけどさ、私、にょたのファーストキス。貰うから」
「えっ……?」
 顔を上げたにょたが何かを言う前に、目の前には少女の顔、唇には柔らかな感触。ぬくもりはあとからやって来た。包むように少女は正面からにょたを抱きしめていた。
 わずか数瞬の出来事。しかしにょたにはとても長い長い時間に感じられて、自分の気持ちがわずかに晴れていくように感じた。
 唇が離れ、にっこりと笑う少女は、いつもより可愛かった。花がこぼれそうな笑顔だった。
「いいのか……こんな俺と」
「いいじゃない、別に……そんなに、珍しくないよ? 今時」
 軽い口調でそう言われ、にょたははにかむように微笑み返す。その表情には先ほどまでの陰鬱とした雰囲気は消えている。
 そんなにょたを見て、少女は何かに気づいたようにわざとらしく声を上げながらいたずらっぽく笑った。
「あ、でも、女の子同士のキスはノーカウントなんだよ?」
「ん? な、なんだよおいっ!」
 そう言って、少女はおもむろににょたをベンチの座面に横倒しに押し倒すと、じわじわ唇を近づけた。にょたはされるがままに押し倒され、焦るように声を発しながら頬を高潮させて若干じたばたした。しかし、運悪く、少女より女体化した少年の方が小柄で、華奢であったため抵抗は無意味だった。
「ふふ、困ったなぁーどうやってファーストキス貰おうかなぁー」
「お、お前……や、やめ…っ!」
 甘ったるいバニラの香りが、その夏の思い出になった。
943 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/09(月) 08:47:15.48 ID:8TsvrEg0
この後、キスの雨を受けてグンニョリしたにょたと
「女の子同士なんだからこれもノーカン、だよね?」とか言いながら
にょたの服のボタンに手をかける少女が…
おああぁあ、ぐっじょび!
944 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/09(月) 20:54:34.63 ID:fmELKVso
過疎りすぎww 何か書こうかな…昨日みたいにインスピレーション湧けばいいんだが
安価↓
945 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/09(月) 20:55:26.09 ID:fmELKVso
過疎りすぎww 何か書こうかな…昨日みたいにインスピレーション湧けばいいんだが
安価↓
946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/11/09(月) 21:28:01.95 ID:DTxHOuIo
スカトロ
947 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/09(月) 21:46:25.01 ID:fmELKVso
把握 なんということだww
948 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/10(火) 14:01:54.45 ID:qb4vA0UP
きっと ひらがなにすると
すちからとくち
なんだよ♪
949 :安価 「スカトロ」 と言いつつおもらし程度の軽いものです。あしからず :2009/11/10(火) 22:12:36.47 ID:GJgV6.2o
 電子音で奏でられる鐘の音、定番のそれが鳴り終えて人もまばらとなった教室に、その2人は居た。片方は、髪をポニーテールに括った垂れ目の少女。もう片方は中肉中背でサッパリと襟足を揃えた少し長めの髪の少年。その二人は互いに笑いあい言葉を交わす。しかし恋人ではなく親友だった。

「あーもー、わっかんねーよなぁ。あんな詰め込み、やってられるかっての」
「あはは、春木は歴史苦手すぎー」
「そういう優……美も、そんなに得意でもないくせに」
「言われちゃったかー、でも、雄太よりは得意だし」

 他愛も無い会話。同時に帰り支度をする。先に勉強道具を粗雑に鞄に突っ込み終えた春木が鞄を机の上に放り投げ、軽く手を振りながら言う。

「ちょい、トイレ。すぐ戻る」
「そういうことは私には言わなくていいの」
「あはは、そうだった、ごめんごめ――」

 返す声は、途中で途切れた。直後、つんのめるように春木はコケて、ぺたんと座り込む。男物の制服のブレザーにふわりとかかったものは、流れるような黒髪だった。
 理由はわからない、もう百年以上前からある現象。女体化。当然のようにそれが少年の身に降りかかったという、ただそれだけのことだった。
 ただ一つ、この少年春木にとって不運だったのは、偶然にも女体化する寸前、尿意を催していたという、ただそれだけのこと。そして、ホモサピエンスのオスとメスでは、尿を我慢できる能力に差があるという事実。
 それは、起るべくして起ったのかもしれない。ぺたんと座り込んだ春木のズボン、丁度両足の付け根部分から染み出す液体は教室の床に水溜りを作ることとなる。

「っ! 春木!」

 慌てて、足を冷やさないように持っていたタオルを持って春木に駆け寄り、優美は他のクラスメイトに見えないようにタオルで春木の下半身を隠してそっと語りかけた。

「大丈夫、立てる? 保健室に行きましょう」
「っ……ぅ」

 春木はまともに言葉も返せなかった、ただ弱々しく優美にすがりつき、小さく頷く。それが、その少女の精一杯だった。何とか優美に支えて貰い春木は立ち上がった。女体化した春木は優美より小柄で、難なく歩き出すことが出来た。
 湿って張り付くズボンと周囲の視線、その両方を気にしながら、出来うる限りの速さで春木は歩いた。
 落ち込んだ彼女に、優美も声を掛けることもできず、保健室に着いて、女の保健の先生に春木は預けられた。

「私、教室の掃除と、鞄とって来るから」

 優美はきびすを返し、教室へと戻った。排泄物の水溜りがある教室に、長居したくないからだろう。もう教室には誰も居なかった。優美は、周囲をうかがい、自分の荷物を開いて空の小瓶をひとつ、そっと取り出した。
950 :安価 「スカトロ」 と言いつつおもらし程度の軽いものです。あしからず [sage]:2009/11/10(火) 22:13:51.21 ID:GJgV6.2o
 さきほどまでの、友人を心配していた表情はどこへ行ったのか、一転楽しそうに鼻歌なぞ歌いだしそうな表情で小瓶を手のひらで弄びながら、次いで鞄からプラスチック製のスポイトも取り出して、あの水溜りへ優美は近づいていった。
 しゃがみ込んで恍惚の表情でその液体を眺めつつ、ちゅーちゅーとスポイトでその液体を小瓶に移していく。

「ふふふふっ、うふふふ」

 だらしなく頬を緩ませ嬉しそうにその行為を小瓶がいっぱいになるまで続けてから、小瓶の蓋を閉めて教室備え付けの雑巾でわずかに残った水溜りを拭き取って、雑巾を洗って元の場所に戻してから優美は二人分の鞄を手に教室を後にした。
 保健室に再び着いて、優美が春木を見たときには、春木は女物のジャージに着替え終えていた。ベッドに座って、じっと俯いているのはショックから立ち直れないからだろう。女体化は、いつかは来るとはわかっていたことだが、それに伴う今回のハプニングに覚悟も何もありはしない。

「春木……」
「……優、美……あはは、悪いな。俺の片付けさせちまって」

 優美が声を掛けると顔を上げず、ベッドのシーツをぎゅっと握って、表出しない苦しみをこらえる様に震える声で春木はそう言った。ジャージに身を包んだ少女は、とても弱々しく見える。

「いいの。いいのよ……気にしなくて。私だって、あの時は春木に助けてもらったじゃない」

 かつて優が優美になった時のこと。その時、不運にも優美は重い生理に襲われ、その場で倒れたのを保健室に運んだのが春木だった。

「それに、女の子になると、トイレ近くなるの……仕方ないし。変な噂立てるやつが居たら私が守ってあげる」
「ん……ありがと」

 少し落ち着いたのか、顔を上げた春木は弱々しく笑みを形作った。まだ慣れない体、可愛い表情ではないけど、優美には春木が可愛く思えたのか、おもむろに春木の頭を撫でる。

「お、おい……? 何だよぉ」
「何でも? ふふっ」

 それから、春木を守るように2人はいつも一緒に行動した。そして、それ以来優美の鞄の中にはひっそりとジョッキがしのばされているという事は、本人以外誰も知らない事実である。
951 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/11(水) 09:52:39.64 ID:RTlf7060
いんにょう!
952 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/11/11(水) 18:26:09.72 ID:WZv6St2o
これって次スレ950踏んだ俺? そんなに消化が早いとも思わないんだが…
953 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/11/11(水) 20:48:41.66 ID:jhDbS12o
こっちに立ってからは最初の次スレだからなぁ…
今のペースなら980くらいで良いんじゃないか?
954 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/11(水) 22:10:56.71 ID:WZv6St2o
ま、様子見つつか。じゃあ心置きなく安価下
955 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/11(水) 22:14:35.56 ID:MfxWMz.0
弟と女体化お兄ちゃん
956 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/11(水) 22:24:14.08 ID:WZv6St2o
把握、以前にそんな話を書いたような気も…続きでも書くかな
957 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/11/13(金) 01:42:05.05 ID:z4hbszko
以前に鬼畜な弟と女体化した兄の話があったな。
あれは・・・・よかった
958 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/11/15(日) 13:52:17.42 ID:7430t7k0
(だいじな存在だ〜)冷静なんかじゃない
(どっかにいっちゃった)ホンキで泣きそうデス
(笑ってらんないよ)いけないことばかり
(やりすぎ・いじり〜すぎですか)

↑ここだけ抜いてこのスレに書くと違うことに見える不思議
959 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/11/24(火) 02:51:52.44 ID:tIKo1M2o
久々の書き込み
960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/24(火) 08:34:48.99 ID:EZ0myeQ0
おっと、お前だけにいい格好(ry

毎朝チェキするのが精いっぱいなのが悲しい
961 : ◆CI4mK6Hv9k [saga]:2009/11/25(水) 01:49:57.40 ID:4FujSP2o
今日という今日こそは。

そう思い続けてどのくらい経っただろう。

渡せないままの手紙が、部屋の隠し箪笥に積もり積もった頃だった。


『今日の放課後、家庭科室で待ってます』


そう丸っこい字体で書かれた手紙が、僕を出迎えてくれたのだ。
962 : ◆CI4mK6Hv9k [saga]:2009/11/25(水) 01:50:54.05 ID:4FujSP2o
「ほう。 で? よかったじゃないか」


前の席の友人が、椅子を傾けながら言う。

無責任な友人の発言にもそうだけど、自分に腹が立った。

片想いをして3年にもなる相手がいるというのに、男ってやつはどうやら余程誘惑に弱い生き物らしい。

手紙の内容に、揺らいでしまっている自分がいる。


「うるっさいなぁ。 そういう問題じゃないの」


机に突っ伏しながら、未だ見ぬ手紙の相手を想う。


一歩踏み出せていない自分。

恐らく相当な勇気を振り絞って僕の下駄箱に投函したであろう彼女。


素直に尊敬すると同時に、少し妬ましくもあり、よくわからないモヤモヤが胸に残った。
963 : ◆CI4mK6Hv9k [saga]:2009/11/25(水) 01:52:25.87 ID:4FujSP2o
結局モヤモヤは晴れないまま、帰りのホームルームを迎えてしまった。

頭では断ろうと決めていても、はたして自分にはそうすることができるのか。

断られたら相手はどう思うだろう―――。


ふと、未だ見ぬ彼女の姿が自分の姿と重なって見えた。

逃げ出してしまいたい位の自己嫌悪と自責の念のなか、それでも、それでも僕は逃げる訳にはいかないんだ。

こんな情けない僕を好きでいてくれる彼女のためにも。
964 : ◆CI4mK6Hv9k [saga]:2009/11/25(水) 01:54:46.75 ID:4FujSP2o
放課後の合図と共に、僕はいつも一緒に帰っている友達に一言断って教室を出た。

この学校の家庭科室は教室棟とは別棟にあり、放課後はまず人気のない場所になっている。

歩を進めるたびに人数は疎らになり、それと同時に自分の心臓が痛いほど脈打ってゆくのがわかった。

プレートを確認して少したじろぎながらも僕は、ひとつ呼吸を入れて家庭科室の戸を引いた。



整然と並べられた机の中で、彼女は振り向いた。

僕は彼女を知っている。

少し前に噂になった、隣のクラスの転校生だった。
965 : ◆CI4mK6Hv9k [saga]:2009/11/25(水) 01:56:36.94 ID:4FujSP2o
「きてくれたんだ、ありがとう」


僕が後ろ手で戸を閉めるのと同時に彼女がそう言った。

何がありがとう? と僕が首を傾げていると、彼女は続けた。


「えっとね、覚えてないと思うんだけど、一年の時に選択美術で一緒の班だったんだよ」

「……いつも一言も喋らずに絵を描いてたの、覚えてない?」

「……―――ッ!」


やっぱりそうだ。 何回か話した記憶がある。

僕の班にいたのは無口な女の子じゃなくて―――。


「そう。 多分君が知っている噂は全てとは言わないけど、本当のこと」
966 : ◆CI4mK6Hv9k [saga]:2009/11/25(水) 01:58:20.67 ID:4FujSP2o
「私は前は男で、どういう訳かある日目覚めたら女になっていた」

「一応転校生扱いで学校が秘密裏に入学を勧めてくれたけど、突然いなくなった同級生と突然現れた転校生」

「自分でもわかってたけど、噂になるのに時間はかからなかった……いいんだけどね」


言いながら、彼女は身近な机に腰を下ろした。

僕は冗談半分に聞いていた噂が真実だと知らされて、どんな顔をすればいいかわからなかった。

彼女は何で僕にこの話をしたんだろう。

窓の外を見つめながら心ここにあらずといった彼女から、目が離せないでいた。


「……でも、そんな私にも話しかけてくれる人が居たって、そんな人も居るんだって思ったの」
967 : ◆CI4mK6Hv9k [saga]:2009/11/25(水) 02:00:46.67 ID:4FujSP2o
「あの、ね。 知ってるように私には友達と呼べる友達もいないし、いまはもうこんなだし」

「どんな風に思われてるかもわからないけど、なんだか言わなきゃって思ったから言うね」

「色々捲し立てちゃってごめんね。 こんな私だけど、君が好きです」

「無口だし、根暗だし、いじめられるし、付き合ってなんておこがましい事言えないけど」

「迷惑なだけかもしれないけど、気持ち悪いかもしれないけど、私の我侭だけど、せめて今だけ―――」

「今だけ、ちょっとの間だけでいいから、何も言わずに胸を貸してください……」


ただ頭の整理がつかなくて、暫く立ち尽くしてしまっていた。

どうすればいいのかわからなかったり、彼女の涙に見とれていたり、言い訳はあるけどしない。

優柔不断に見られても、残酷な事だとしても、構わない。

僕は肩を震わせる彼女に近づいて、そっと抱き寄せた。

肩の下で、静かに震える彼女の嗚咽が続いていた。
968 : ◆CI4mK6Hv9k [saga]:2009/11/25(水) 02:03:08.23 ID:4FujSP2o
明くる日、何かと虚ろなまま学校へと辿り着いた僕の耳に飛び込んできたのは、彼女の転校の話だった。

いじめられて転校だとか。 近所の生徒が夜中に出て行く一家を見ただとか。

誰に聞いても行き先も連絡先もわからないまま、僕は彼女のいない日常へと引きずり戻された。


納得なんてできる訳がなくて、でも行き先を調べるような力もなくて。

時が過ぎて、周りから彼女の名前を聞かなくなってからでさえ、僕はどこかに彼女を探した。

彼女の事が忘れられない最低な僕は、彼女の感触を消し去れないまま。

あんなに好きだった人もいつの間にか僕の中から消えていて。

彼女の艶やかな黒髪の感触が、今も手に残っているのだ。



969 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/25(水) 08:04:40.16 ID:ky6yft6P
おつおつー♪
970 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/25(水) 08:44:56.31 ID:6nnVk..0
青春スなぁ…
酸っぱいけど、それがいいGJ
971 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/11/25(水) 08:45:55.66 ID:uZ877oAO
[アタタタタタタタタタタタタタタタタタ]
972 : ◆CI4mK6Hv9k [saga]:2009/11/26(木) 16:36:09.64 ID:zxMpfYDO
「ねぇねぇ何処からきたのー?」

「彼氏いるー?」

「ちょ……何その炸裂型対艦胸部砲……」

新しいクラスメイト達に囲まれながら、僕は新しい日常を歩きだした。

誰も僕が男だったことは知らない。

最初からこうすれば良かったんだ。

そうすれば親に余計な心配をかけることもなかった。 でも―――。

973 : ◆CI4mK6Hv9k [saga]:2009/11/26(木) 16:40:26.57 ID:zxMpfYDO
最初の帰り道、家が近所だという子と一緒に帰っている時だった。

「で、本当に恋人とかはいなかったの? 学校ではうまく避けてたみたいだけど」

はぐらかそうか戸惑いはあったけれど、零れるように僕は口に出していた。

「―――好きな男の子が、いたよ」
974 : ◆CI4mK6Hv9k [saga]:2009/11/26(木) 16:41:59.40 ID:zxMpfYDO
ダメ。
彼女が、僕の話に一層深く耳を傾ける。
考えないようにしているのに、思い出すだけで目頭があつくなってしまう。

「その人にも好きな人がいたし、私なんかただのクラスメイトだったし」

「何も言わないでここへ来ちゃったから、もう嫌われちゃったかもしれないけど」

言っちゃ……ダメなのに。

「片想いで、終わっ、ちゃっ……」

止まれ、止まれってば!

自分で決めたんだから、彼にも勇気を貰ったんだから。

一人では泣けない事もあるんだというのを、初めて感じた。

狡い僕は差し出されたハンカチを受け取りながら、嗚咽を噛み殺そうとしていた。
975 : ◆CI4mK6Hv9k [saga]:2009/11/26(木) 16:44:36.17 ID:zxMpfYDO
「……なんでだか色々事情もありそうだし今は聞かないけど」

「今からでも、連絡取ってみた方がいいよ」

「あたしとしては、そこまで人を好きになった事が無いからなんか羨ましい」

「男は口では何を言ってても、結局かわいい子が好きだし」

「恋なんて勝ち取るくらいの気持ちでいればいいんだって」


鈍感な僕にも彼女の優しさが痛いほど伝わってくる。

ありがとう、と一言礼を言うと、彼女は照れ臭そうに僕の額を小突いた。

さわさわと、笹林が唄いだした。





976 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/26(木) 22:25:00.93 ID:vJ.axsY0
続きwktk
977 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/26(木) 22:30:54.39 ID:vuYofkDO
乙です

しかし誰も鳥には突っ込み入れないんだな
978 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/11/26(木) 23:58:53.40 ID:l8/o4Kc0
GJ
979 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/27(金) 08:45:34.44 ID:cFjuDcI0
うん、とても良い…とても良いネ

>>977
皆、そこに触れると
正体がバレてしまった魔法少女のように
朝露の如く儚く消えてしまうと
思ってしまっているのではないだろうか
とか言ってみる
980 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/27(金) 12:56:29.45 ID:uF4/vcDO
>>977
こまけぇこたぁいぃんだよ!
981 : ◆CI4mK6Hv9k [sagesaga]:2009/11/30(月) 01:58:17.26 ID:7HEwMu6o
心の中が相手に占領されて、自分が自分ではなくなって。

一緒に何かをしても、楽しくない。

恋愛というものを何故あんなにしたがるのだろう。

私はもう恋愛なんてしたくない。

女友達と遊んでいた方が、ずっと、ずっと楽しいのだ。
982 : ◆CI4mK6Hv9k [sagesaga]:2009/11/30(月) 02:00:02.09 ID:7HEwMu6o
「ごめんなさい。 あたしは気持ちには応えられないわ」

粉雪がつむじ風に舞う冬の日。

いつもと少しだけ違うお昼休みを終えて、私は教室へと戻った。

「おかえり。 どこいってたの?」

「ただいま。 いたいけな少年の気持ちを叩き折ってきただけよ」

「あ、あ―――……」

「さ、早くご飯食べないとお昼休み終わっちゃう」

今更どう思われているのか何て気にするつもりも、恋愛を否定するつもりもない。

人の価値観なんて、差があって然るべきなのだから。
983 : ◆CI4mK6Hv9k [sagesaga]:2009/11/30(月) 02:01:09.59 ID:7HEwMu6o
ふと隣の席に目をやっても、その主は不在だった。

もう2月に入って、私たち受験生は自由登校だ。

いなくても不思議ではないのだが、彼女の不在理由は別のところにある。



『……はぁー……男が、女に?』

あの後彼女は、全てを話してくれた。

それは到底信じ得ぬ夢物語。

それでも信じることにしたのは、とても彼女が嘘をついているようには思えなかったから。

『先生とか皆には内緒だよ?』

『お婆ちゃんの所に1カ月お世話になるんだ』 

確かな強さを秘めた目で彼女はそう言って、行った。

転入前の、想い人のところへ。
984 : ◆CI4mK6Hv9k [sagesaga]:2009/11/30(月) 02:10:17.97 ID:7HEwMu6o
「なーに遠い目してんだよ」

「あぁ? アンタか……」

ホームルームの終わりを告げる鐘が鳴り終わるかなり終わらないかと同時だった。

デリカシーの足りない最たる友人が顔を顰めながら、前の席に腰を下ろした。

これとももう中学からの付き合いだが、色恋沙汰とは無縁のような男だ。

私なんかに構うよりも他の女の子とつるめばいいのに、と常々思う。

「アンタはないだろアンタは……」

「考え事の邪魔をする奴が悪い」

「ひっでぇなぁ……」

友人の言葉を軽く聞き流し、再び窓の外を見やる。

また降り出した雪は桜の花びらのように、ゆっくりと舞い落ちている。
985 : ◆CI4mK6Hv9k [sagesaga]:2009/11/30(月) 02:14:32.63 ID:7HEwMu6o
この時期になると、私がまだ恋に恋する少女だった頃を思い出す。

一つ年上の好きな人がいて、どこかで彼を見かけるだけで幸せになれた頃があった。

玄関や廊下、全校集会や部活中。 

無意識のうちに彼を目で追っている自分がいた。

本質を知ろうとはせず、上辺だけを見て憧れを恋だと思い込んだ憐れな私。

今となっては無かった事にしたい思い出bPだが、当時の私は日々想いを募らせていた。

結果的に見限る事になったあの時まで、自分の中で大きくなり過ぎた先輩の偶像。

今では影も残っていないそれに風穴をあけてくれたのは間違いなく―――。
986 : ◆CI4mK6Hv9k [sagesaga]:2009/11/30(月) 02:17:31.61 ID:7HEwMu6o
教室の隅の方で、男友達とバカ騒ぎをしている友人に目をやった。

本当は分かってる。 私は誰よりもへそ曲りな寂しがり屋。

「……ハァ。 ……私もいい感じに捻くれてるな」

そう一人ごち、奴にちょっかいを出すために席を立った。

困ったように笑う、彼の笑顔を見るために。








987 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/11/30(月) 09:08:57.07 ID:wXz16qg0
いまチョット忙しいので
後でゆっくり読ませていただきたい所存
だが甘味薄めのすっぱい作品な匂いがするぜ!
とりあえず乙です!
988 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/01(火) 00:21:13.39 ID:gTmE/nA0
おつおつ

残り少ないので次スレ立ててきた
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1259594237/
989 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/01(火) 01:19:32.74 ID:79S3oSMo
>>988

もう12月とか、時が経つのは早いねぇ
990 :なんか書いてみた 反省してる ◆tUUMAZGdHU :2009/12/01(火) 05:58:09.42 ID:8SPLN6w0
涼しい時期などお構いなしに夏から冬。近年の気候はどうも秋を忘れたらしい。思えば春もあってないようなものだったかもしれない。
そんな訳で、今は冬だ。月の呼び名も変わり、多くの人が忙しさに追い立てられる時期である。
それは俺にとっても例外ではなかった。

「センター試験まであとXX日」

掲げられた日めくりの数字が減っていく度に不安や焦りが募る。それは皆同じはずだ。隣の奴も前の奴も、その前の奴やその両隣も… 言い出したらキリがない。
もう一つ気掛かりなこともあった。しかしこの時はすっかり失念していた。
迂闊だった、の一言に尽きる。異常な気怠さを感じ、帰宅してすぐに眠り、夜中に目を覚ましたらこれである。
翌日、周りからの「大丈夫か?」という問いが薄っぺらく聞こえ、「一人消えたな」とか「来年頑張れよ」と取ってまうのだった。
991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/12/04(金) 06:04:29.57 ID:JJD23B.0
ume
992 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/12/04(金) 18:18:37.25 ID:JJD23B.0
うめ
993 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/12/05(土) 00:51:18.81 ID:XvfYvGE0
ume
994 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/12/05(土) 10:18:41.19 ID:XvfYvGE0
うめ
995 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/12/06(日) 04:44:20.74 ID:q23sEw.0
うめ
996 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/06(日) 18:11:26.96 ID:39whZt6o
15歳の誕生日
朝起きたら次スレになっていた
997 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/12/07(月) 19:36:49.96 ID:JfqkUk60
うめぇ
998 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/12/07(月) 20:04:06.77 ID:K87/pMDO
梅鱒
999 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/07(月) 20:16:21.98 ID:mvHMnv2o
15、16歳位までに童貞を捨てなければ女体化する世界だったら その2
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1260184557/
1000 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/07(月) 20:59:22.20 ID:JEWbbsk0
私は、小学3年です。:::。。私には、彼氏がいます。彼とわたしは、デートの時、どちらかの家に行き、だれもいないとき、部屋で横になって裸でだきあいます。それがだんだんエスカレートしていって、学校の体育倉庫で服を脱がされ、まだ3年生ですが学年で1番大きいおっぱいを、つかむように触られたり、しゃぶったりされます。最初は、苦手だったんだけどだんだん気持ちよくなりサイコーです。しかも、わたしは、学年1美人でもてます。彼も同じで、美男美女でよくみんなにうらやましく、思われます。
::このカキコ見たあなたに4日後に不幸がおとづれ44日後に死にます。それがイヤならコレをコピペして5ヶ所にカキコして下さい。私の友達はこれを信じず、4日後に親が死にました。44日後友達は行方不明・・・・。いまだに手がかりもなく私はこのコピペを5ヶ所に貼\り付けました。
すると7日後に彼氏ができ10日後に大嫌いな人が事故で入院しました。 ::信じる信じないは勝ってです
1001 :1001 :Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
  | |  (・)。(・);    このスレッドは1000を超えました。|
  | |@_,.--、_,>    このレスを見たら10秒以内に次スレを建てないと死にます。
  ヽヽ___ノ    次スレを10秒以内に建てても死にます。

パー速@VIPService
http://ex14.vip2ch.com/part4vip/

1000超えたのでHTML化の依頼をするでござるの巻
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1195554932/

1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
うわぁ・・・ @ 2009/12/09(水) 18:10:15.77 ID:8Dx0CpQ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1260349815/

フジサンクラブ[やっぱもう荒らし禁止] @ 2009/12/09(水) 18:00:47.67 ID:8Dx0CpQ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1260349247/

【NELERLOID】ルウのエロ画像ください 2日目【Ruu】 @ 2009/12/09(水) 16:14:48.43 ID:2HoMudEo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1260342888/

ミッキー「お久しぶりです!」 @ 2009/12/09(水) 15:43:51.37 ID:Rqa7P6AO
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嫁宣言して60分以内に嫁AAに反対されなければ結婚避難所 @ 2009/12/09(水) 15:38:45.45 ID:QNndYjko
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