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梓「ここはどこ…私は…」 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/08(土) 16:45:16.57 ID:WpSxpfI0
VIPから引っ越し。けいおんSSです。

参考にしている作品がありますので類似点多々ありますが、
ご了承下さいまし。二次創作の醍醐味ですww
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ごめんなさい、このパー速VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

2 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/08(土) 16:47:43.84 ID:WpSxpfIo
気付けば見知らぬ部屋に一人。

ティーセットが収められた棚。落書きが施されたホワイトボード。
向かい合わせに置かれた4つの机。キーボードにドラムセット。
そしてアンプ。

窓から差し込む朱はどこか終末的だ。

自分が座ってることに気付き、私は今一度無意識に呟いていた。

「ここはどこ…私は…」

判ることが一つ。
ここが音楽関係の部活が使っているであろうこと。

部屋はL字型で、短い辺の壁際に窓が設けられている。
長い辺の先――L字の頂点とでも言えばいいのか――には、扉が一つ。
その横にドラムセットがあり、ドラムセットの後ろの壁には黒板。
ホワイトボードと違って、こちらには何も書かれていない。
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/08(土) 16:48:12.26 ID:/aOARwDO
支援\(゜ロ\)(/ロ゜)/
4 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/08(土) 16:49:03.62 ID:WpSxpfIo
扉には覗ける様に硝子になっている部分があるが、
曇っていて扉の向こうは見えない。

「誰か……」

私は心細くなって慌てて扉に駆け寄り、ノブに手を掛けて、

「……」

何もしなかった。
その金属は温く。自分の体温に近い気がした。
握っている右手との境界線が曖昧になる。

「……」

まわる。ノブは問題無く回る。引けばドアは何事もなく開くだろう。
私はノブから手を離した。ノブは一瞬で元に戻り、部屋は数十秒前と同じ空間を取り戻す。

「   」

眼が痛い。
部屋を染める朱色は強いものではないが、赤という色はどうも良くない。
嫌いな色、でもない。
ホントかどうかは判らないが、赤く塗り潰された部屋に長時間いると人間は狂ってしまうという。
そんな話を聞いてから、赤が眼に痛くなった。

窓からさし込む光は朱色。

窓際に立つ。
何もわからないのに、違和感。

「聞こえない」
5 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/08(土) 16:50:05.08 ID:WpSxpfIo
確認する様に呟く。

呟く。

聴覚が閉じたわけではない。自分の声はきちんと聞こえた。
では――。

「なにも無い……」

わざとらしく音をたてて窓の施錠を解き、邪魔な硝子の壁をどかす。
しん――、と。
窓枠、窓、金属。擦れ合う音の残響が耳から無くなると、もう何も聞こえなくなった。
何もないと直感する。聞こえるのは自分の音だけ。
呼吸を止めれば静寂が耳に痛い。

「――――――――――――――――――!」

出せうる限りの声を、窓から上半身を乗り出して外にほうった。
もちろん山彦の様に帰ってくるはずもなく。
窓より長い残響を耳に残しただけで、あっけなく消えた。
6 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/08(土) 16:51:53.47 ID:WpSxpfIo

眼下に広がっている校庭は、人っ子一人いない。
誰も、というより。何も、いない。
鳥の声も虫の声も、風の音すら耳に入ってこない。
見える範囲でも簡単に数えられる量でないのに、木々の葉ずれもない。

振り向いてもう一度、部屋に意識を戻す。
まずキーボード。

「出ないよね……」

準備を終えると、適当に音出し。電気は、来てる。

「あずにゃんにゃん……」

猫踏んじゃったを適当に弾いて、止めた。
7 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/08(土) 16:52:48.91 ID:WpSxpfIo
次はドラム。
それほど触ったことの無い楽器だった。

「……さすがにスティックないよね」

あの人のことだから

「痛っ!」

あの人、とは誰か。
一瞬浮かんだ映像は、私の中に一瞬の頭痛だけ残して消えた。
後頭部、首の近くに走った激痛。撫でてみてもそこに異変は無い。
まだ痛みが残ってる気がして少しの間さすっていた。

「うぅ……」

思い出そうとするとこのザマである。
一度思い出しかけたおかげで、どうしても考えてしまう。
途切れない頭痛に吐き気を催す。
耐えきれなくなり長椅子に横になると、いつしか私は眠っていた。
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/08(土) 16:53:01.96 ID:W87mf7I0
支援
vipで見てた時は短めかと思ってたけど結構長いのかな?
9 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/08(土) 16:56:50.81 ID:WpSxpfIo
>>8
ちょっと書き進めていくうちに、あずにゃん株がなぜか上がっていきまして……。
凄い動かしたくなって、気付いたら長く……グヘヘ。
みんなであずにゃんにゃん。




体が痛い。椅子なんかで寝たおかげで節々が小さい悲鳴を上げた。
時計は四時半をさしている。

さし込む光は朱。

「丸一日寝ちゃったのか……」

体も痛くなるはずである。
しかし一つ。おかしな事がある。
目覚めたとき、私はいつの間にか眠りに落ちた長椅子ではなく、
向かい合わせに置かれた四つの机の方に備えられた椅子にいた。

朱色が眼に痛い。

「……ん」

よくわからない。頭痛は引いていた。
何だか後頭部に相変わらず痛みが残ってる様な違和感があった。
立ち上がって窓から外を眺める。

「やっぱり誰もいないのかぁ」

不安は拭えない。
10 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/08(土) 16:58:29.91 ID:WpSxpfIo
換気をしようとしばらく窓を開けていたのだが、風が吹いてなかった。
あるのは外と中の気温の差。

「あんまり暑くないな」

よくよく考えれば7月の夏休み前の時期だというのに。
部屋の中も窓の向こうも暑いと感じない。
先ほどまで閉め切られていたこちらが少し暖かいくらい。

「お腹すいたな……」

昨日に比べて余裕が出来たのだろう。
夏の割に過ごしやすい空気の中で呆けていたら、小さくお腹が鳴った。
ひとまず部屋の中を見て回り、何か食べ物を探してみた。
おかしな事に上等なティーセットが仕舞われた棚がある。

「なんでこんなのが?」

生憎良し悪しは判らないが、装飾や意匠が凝っていて高価な物であることはわかる。
手でも滑らせて落としたら大変だ。
元通りにし、棚を閉めた。
どうしてか、自分を叱る誰かなど居るわけがないという確信はあった。
残念だが棚にも食べられるものは全く無かった。

「外に行くしかないか」

昨日開けなかった扉の前に立つ。ふとドラムに目がいった。

「意外と律先輩って楽器とか大事にするんだよね」

そんな事を呟いて私は扉を開けて、外に出た。
……そういえば昨日の頭痛は何だったんだろうか。
11 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/08(土) 17:05:06.43 ID:WpSxpfIo
部屋の外も朱色。
窓からさし込む陽射しで染められている。

「音楽準備室?」

部屋はどうやらそんな用途で使われているらしい。
確かにドラムにキーボードがあったが、楽器はそのくらいだ。
音楽関係の物が少ない気がする。ティーセットの数の方が多かった。

「変なの……」

もしや茶道部の部室だったのだろうか。
となると私は茶道部部員?

「変だよね」

進学してなぜ茶道に興味を持ったのか。
いや、興味は無い。言い切れる。
思い出せない……。

「っつぅ!」
12 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/08(土) 17:06:46.45 ID:WpSxpfIo
>>594
また頭痛。痛すぎて立ってられない。
ふと、見慣れた下り階段が視界に入る。

「……ひっ」

ただの階段だというのに。
怖くなって私は尻餅をついた。
そのまま階段が見えない場所まで行き、壁にもたれ掛かった。

何かを思い出そうとすると、頭痛。
昨日と同じだ。
後頭部辺り、首に掛けて激痛が走る。

「はぁ……」

落ち着いてきた。手が震える。
頭痛のせいじゃなくて、恐怖のせいで。
別に普通の階段だ。何が怖いのか……。

「うぅ」

立ち上がりたくない。怖すぎる。
もう空腹なんてどうでも良い。
この恐怖に比べたら些細なことだった。
13 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/08(土) 17:08:34.92 ID:WpSxpfIo
>>12の一番上の「>>594」安価は気にしないでくださいww




夜の闇が迫っていた。
でも私の足は階段を前にすると竦んで動かない。
いつしか私はまた部室に戻り、ただ時間が過ぎるのを待った。

4つの机の一つの席。
律先輩の席に座って、机に突っ伏して顔を伏せた。
こうしてるとどうでも良いことばかり考えてしまう。

「……はぁ」

顔を上げて対面の机の二つを見る。
思えば、あちらの二つとこちらの二つ。
先輩達の性格で別れていないだろうか。

「いっ!」

出てこない。
また頭痛。それぞれの席の主。
律先輩と、

「ぃやあ……!」

まずい。痛すぎる。
このことは考えたら駄目だ。
頭が割れる。涙が止まらない。
14 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/08(土) 17:11:03.47 ID:WpSxpfIo
「       」

泣き声を上げていた。
痛みはひどく、今回のは今までで一番キツイ。
最早考え事なんてどうでもいい。

今はもう痛みをどうにかすることに必死だった。

「やだぁ・・・! ……お母さぁん」

床に倒れ込んで頭を抱えるが、気休めにもならない。
いっそ殺してくれたら楽だったのに。

「おと、うさ、ん――!」

助けて。誰か助けて。
15 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/08(土) 17:12:44.64 ID:WpSxpfIo

「ぅ……」

だるさを訴えた体を動かして起き上がる。
部室は薄暗い。
気を失ってしまったみたいだ。意識を失うなんて初めてだ。

幸い、あんなにひどかった頭痛は治まった。
ただ後頭部の違和感は大きくなった。

「はぁぁ……」

あの痛みを思い出すと、恐ろしくなる。
自然と溜め息も出る。
一瞬立ちくらみに襲われたが、それだけだった。

「4時30分……」

ちょうど12時間。夕方の四時半、朝の四時半。
夏ともなればこんな時間でも外は明るく、空気は気持ちいい。

「は」

腹部からとんでもない音が聞こえた。
単純なんだか複雑なんだか、ようやく訴えられる様になったからか。
一度認識してしまえばあとはそれに引き摺られ、私は今度は空腹感に襲われた。
16 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/08(土) 17:14:23.60 ID:WpSxpfIo

そういえば、私は二日近く飲食をしてない気がする。
お腹も減るはずだ。
とりあえず。

「ここ何も無いもんね」

学校に居続けても仕方ない。
私は校外で食事を摂ることにした。幸い近くにコンビニがある。
そう考えると空腹はさらに自己主張を増して、私は足早に部室を出る。

「?」

この学校の音楽室は実習棟の最上階にある。この準備室は併設している。
室外に行くと6畳ほどの空間を挟んで階段が現れる。
脳裏に音とも映像ともつかない変なノイズが走るが、無視して階下に向かった。

「ふぁぁぁぁ……」

校舎から出ると何だか落ち着いた。体をのばしたらバキバキと鳴った。
さすがに朝ともなれば空気は澄んでいた。
早朝の空気は大好物。
17 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/08(土) 17:18:17.91 ID:WpSxpfIo

少し休んで気が落ち着いたんだろうか。
それとも危機感をなくしたんだろうか。
私はなぜか軽い足取りで近くのコンビニを目指す。

「マシュマロみたいにふーわふわっ」

歌を口ずさみながら店の前に着く。

「……誰もいない」

時間帯は関係ない。私以外の誰も何もいないのは感覚で理解していた。
自動ドアを抜ける。
不思議なことに店内は生きていた。

店員はもちろんいない。
7月も半ばだというのにおでんを売っている。
中華まんのスチーマーもあり、しっかり中身が詰まっている。

「……」

異様な状況だと判るのだが。
見ると食べたくなるから困ってしまう。
18 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/08(土) 17:20:12.18 ID:WpSxpfIo
「すいませーん!」

判っている。

「あのー!」

解っている。

「す、スタッフゥー!!」

わかっているのだ。呼んだって誰も出て来やしない。
だからこそ少し前にテレビで見た芸人の一発芸を出来るわけで……。
以前、母方の親戚の商店の手伝いでレジを手伝わせて貰ったことがある。

「あの時の経験が生きるなんて」

異常事態なんだ。自分でレジを動かしてもいいよね。
万引きするよりはマシだと思う。

「ぇ」

しかし私は愕然とする。
バーコードリーダーがあれど、数字のボタンがあれど、私が触ったレジとは違う。
明らかにこちらのレジは見た目からしてハイテクだ。
果たして無事に精算できるだろうか。
19 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/08(土) 17:22:26.08 ID:WpSxpfIo
コンビニの先、学校から少し離れると小さな公園がある。
おにぎり一個と、ピザまん一個。あと飲み物でペットボトルのお茶。
食事を終えて人心地が付いた気がした私は、お茶を飲みながら呆けていた。

「今夜ーも おーやすみ」

あの曲はどうも口ずさみやすい。気付いたら歌っている。
ブランコをこいでみる。何だか恐い。
昔はフルスイングしてたのに今は恐くて出来そうにない。

「あははは!」

でも楽しい。ブランコなんて乗るの、何年ぶりだろう。
乗ったとしてもこんな堂々と遊べないし……。
楽しい。

息が切れるまで遊んだ私は、またしばらく公園のベンチで呆けていた。
今はもう完全に動きを止めたブランコ。
やっぱり静寂が耳に痛い。

太陽も昇りきって、そろそろ周囲は動き始める時間。
こんなに晴れてる日だというのに、今まで鳥の囀りは聞いてない。
20 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/08(土) 17:24:17.39 ID:WpSxpfIo
あては無いが、とりあえず移動する。
よくわかっている様でいて、私は何もわかっていない。
歩いて行ける範囲で散策してみることにした。

「たったったった……」

何か聞こえないと不安だった。独り言が増える。
自分に何か聞かせようと無意識に声が出ている。
気付いたらアーケード。

「たたん、たたた」

西側の入り口に立って商店街の内部を見渡す。
規模はそれなりにある。
店が開く時間にはまだしばらくありそうだが、

「……」

不思議なことにシャッターのおりている店舗は一つもなかった。


適当に何処かに入ってみることにする。
ケーキ屋。誰もいない。
ショーケースの電気、空調。全部作動していた。

「すいませーん」

電灯の音。ショーケースの空調の微細な振動音。
やっぱり誰もいない。
だと言うのにショーケース内にはケーキがしっかり並べられていた。

「はちじ……」

店の時計はそう示している。
通常、こんな時間から営業しているお店じゃなかった。
魅力的だけどケーキ屋を後にし、私は他の店をいくつか覗いてみた。

「アイス……」

暑いわけではないが、夏の時期ということもあり。
アイスショップに心惹かれた。
ケーキ、アイス。魅力とは別に何か引っかかる物があった。
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/08(土) 17:25:31.24 ID:C/EvM22o
22 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/08(土) 17:26:59.01 ID:WpSxpfIo
10GIA。桜高に通い出してから良く来る楽器店。

「たーんたん、たんたん」

自動ドアを抜けて。
他のお店と一緒だった。電気エアコン照明加湿器、全てが稼働。
あとは店員さえいれば営業可能という状態。

「……」

とりわけて新しいギターが欲しいわけではないが……。
気になってしまうのはしょうがない。
別に買う気は無し、他にやることも無し、しばらくここで時間を潰そうと思う。

BGM。
大抵どんな店でも掛けられているし、特に楽器屋ともなればなおさら。
だけどコンビニもアーケードのお店のどこも、そういう音は聞こえなかった。

「重っ」

きちんと許可は貰った、と思う。
他のお店みたいにきちんと声はかけてみた。
私は気になっていたギターを手に取り、試奏ブースに向かう。

見に来ることはあったけど、10GIAでは初めてだ。
行きつけのショップは電車で2駅ほど離れた所にある。

「これ……いいな」

ちゃっかりエフェクターとアンプまで選んでセッティング。
どういうわけかショーケースは鍵が付いているものの掛かっていなかった。
チューニングを完了させ、いざ。
23 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/08(土) 17:27:51.07 ID:WpSxpfIo
少し頑張ってロングスケールに手を出してみたけれど。
左手の疲労度が凄かった。
結局いつものムスタングで落ち着いてしまった。

時計が正午を報せる頃。私は、空腹で手を止めた。
時間を見てさすがに驚いた。
久しぶりに長時間ギターを弾いた。

「……」

ふと。借りたギターを片付けていて目に入ったのがレフティ。
それほど出数が多くない代物である。

「レフティフェア?」

ギター、ベース。左利き用が店の一角を専有していた。
中でも一際目を引いたのが、

「フェンダー」

レフティ、という事以外は珍しくもない一本だ。
3トーンサンバースト。これぞベースというカラーリング。
手に取ってみる。

「ぶっ!?」

相変わらず重い。そして大きい。
私のムスタングと比べると、30センチくらい長いということになるのか。
フレット間が広く、押さえるのが大変だった。

「これを弾くなんて、やっぱりすご――」

――頭痛再発。
とりあえず楽器をどうにかすると、私はその場にへたり込んだ。
いつもの頭痛。後頭部と首の辺りに掛けて痛みが走る。

「――っは」

昨日の夜ほどひどくは無いが、それでも痛い。
とうとう床に倒れ込んでしまった。
ぎちぎちと音まで聞こえて来そうなその痛みは、例のごとく。

私の意識を飛ばしてくれた。
24 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/08(土) 17:29:45.14 ID:WpSxpfIo
「う……」

ここ数日、体が痛くなる眠り方しかしていない。
最初、自分が何処にいるかわからなかった。
はっきりしていく意識の中、空気の匂いと風景に教えられた。

「……ぅじ、あ」

レフティフェアをやっていたらしい。
なぜか私はそのスペースの前で倒れていた。
頭痛を思い出すと気が滅入る。

毎度毎度。頭痛の度に気を失ってたんじゃ大変だ。
かといって自分で治められるものでもないし困ったものだ。

「えっと……」

試奏していて、昼食にでも行こうと思っていた。
時計を見る。

三時半。なんだか寒気がして私は走りだす。
慌てて10GIAから飛び出した。

「まだ、明るい」

今回はそれほど長く眠っていたわけでは無かった様だ。
……微妙な時間だけど、軽く食事をしておこう。
25 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/08(土) 17:30:59.51 ID:WpSxpfIo
近くのファミレスに入る。他の店舗と同じ、誰もいないだけ。
来店を報せるチャイムが鳴り響いても、店員さんは案内に来ない。
ドリンクバーの機械が低い音をたてていた。

「……?」

精算カウンターに、豆腐サラダが一つ置かれていた。
ディスプレイ用の作り物だろうか。つやとかやけにリアルだった。
この瑞々しさ本物なのか。

「ふお」

野菜をつついても判別は難しい。豆腐をつついたら本物の質感だった。
食べて良いのだろうか……。
小鉢が3つ。液体が入っているが3種類のドレッシングだった。
26 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/08(土) 17:34:24.73 ID:WpSxpfIo
結局サラダはいただいてしまった。ドリンクバーも使わせて貰っている。
店に入る前に確かに考えていたけれど。
誰がサラダを用意したのか。

「そろそろ帰ろう」

伝票はない。メニューを見て値段を調べた。
精算カウンターに代金を置いて店を出た。

「どうしよう」

特にすることがあるわけではない。
学校に戻るのも良いと思うが、だだっ広い校舎の隅っこで一人。
そう考えるとさすがに心細かった。

「あれ?」

おかしな話だ。どうして帰る第一候補に学校が挙がるのだか。
ましてや茶道部が使ってそうな、あの準備室に戻る理由がない。
家に帰ろう。
27 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/08(土) 17:35:52.90 ID:WpSxpfIo
七月。夏の陽射しは強く。
眼が痛い。

「……?」

四つの机。いつの間にか準備室に戻ってきていた。
ファミレスから出て家に向かっていたはずなのに。
長椅子でなぜか横になっていた。

ここ数日で見慣れた朱色に染められた準備室。
また、気を失ってしまったのか。

「でも痛くない……」

頭痛のあとに来る違和感も沸いていない。
28 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/08(土) 17:38:59.00 ID:WpSxpfIo
いや、そうじゃない。
いつの間に私は、どうやって、ここに来たのか。
座り直して準備室を見回した。

窓からの陽射し。
昨日と同じ。
時計、四時三十分。

「また夕方……?」

窓を開けて眺める風景は、静か。
西に傾いた太陽でオレンジ色に染められている。
あるのは建物の影と樹木の影。
動くモノはない。
29 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/08(土) 17:40:37.15 ID:WpSxpfIo

なんだか懐かしい気分が生まれた。
律先輩の席を借りてしばらく外を眺めた。

そういえばさっきまで何をしてたのか。
久々にギターを弾いた。10GIAだ。

「豆腐サラダおいしかった」

ファミレスに入ったら用意してあったやつ。
ずっと置きっぱなしのだと思ったけど、そんなことはなかった。
食べたばっかりの気がするけど、お腹は空いていた。

さすがにサラダだけじゃ保たないか。
また街に繰り出すことにした。

校庭を横切ると、気分はさながら下校。
部活の喧噪も校門前の車道も静かなものだ。
コンビニを過ぎ、公園を越えてアーケードへ。

「…………」

西側入り口。
誰も彼もいないというのに、相変わらず店舗は営業している。
30 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/08(土) 17:43:19.64 ID:WpSxpfIo
「来たけどどうしようかな」

時間的に夕飯にはまだ早い。お腹もそれほど空いてるわけじゃないから。
ケーキ屋に目がいく。
おやつも良いかもしれない。

チーズケーキを一つ、店内のテーブルで食べた。ラズベリーソースが素晴らしかった。
ごちそうさまでしたと言い残して、私は再びアーケードを行く。

「……」

なぜか10GIAが気になった。
午前中、これでもかと言うくらいに弾いたのだが。

「いいよね」

弾きすぎて困ることはない。練習時間が増えるのだから喜ばしい。
どうやらレフティフェアを実施中らしい。
店の一角を専用のスペースに設けられていた。

「あ、澪先輩のと同じベースだ」

フェンダー、3トーンサンバースト。これぞベースというカラーリング。
ギターも少し見たが弾けないことは経験済みだ。
レフティフェアをあとにし、私はめぼしいギターを選ぶと試奏ベースに向かった。

「ギターひいてばっかりだなぁ」

楽しいから問題無いけどね。
31 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/08(土) 17:45:42.57 ID:WpSxpfIo
しばらく弾いて。
満足した私はお礼を残して10GIAをあとにした。
お店の時計は6時を示す。

「まだ明るいけどどうしようかな……」

何をしていいのかわからないおかげで、迷う。
今なら何でも出来そうな気がする。

「はぁ……」

だから何をしようか迷うんだ。
家に帰ろう。きっと誰もいないけど。
32 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/08(土) 17:47:42.06 ID:WpSxpfIo
疲れない程度にゆっくり歩いていたら日が暮れてしまった。
不思議と周りは暗くない、と思ったらどうしてか。
街灯はしっかりと道を照らす。

到着する頃には暗くなっていた。

「……」

家の前に立ち尽くす。
灯りは無かった。周辺の民家住宅のどれも、灯りは点っていない。
何となくそうだとは思っていた。

「鍵開いてる……」

一応用意したが簡単にドアは開いてしまった。
自分に聞かせる為に、帰宅の挨拶を投げるとまずはリビングに向かう。
照明のスイッチ。
雑音を残して蛍光灯は部屋を照らした。

何かあるだろうか。

台所に行き、冷蔵庫の中身を確認する。
冷蔵庫はきちんと動いていた。氷もちゃんと作られている。
冷凍物は固い。

「なに食べようかな」
33 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/08(土) 17:49:33.10 ID:WpSxpfIo
午後十時。
よくよく考えたらこの時期に二日間お風呂に入っていなかった。
誰もいなくても身だしなみだけは気をつけよう。

「あ、携帯……」

自室に戻り、勉強机の上にあったそれをみて今初めて気がついた。
着信無し。メール一件。

「にじゅうさん・・・?」

23、と。それだけだった。件名も無し。
知らないアドレスだ。メモリには入ってない。
記憶を探ってもピンと来るものはない。

「何の数字かな」

わからない。何かの暗証番号にしては短すぎる。
とりあえず。考えても仕方ない。
知らないアドレスから来たメールは無視して。

私はオーディオルームに向かう。
34 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/08(土) 17:50:36.81 ID:WpSxpfIo
リビングに廊下。家中の電気を落として自室へ。
両親の音楽好きも困ったものだ。オーディオルームまで作るとは恐れ入る。

窓の外を眺める。地上の光は見事なほど無い。
住宅街だというのにぽつぽつと街灯の小さな光があるだけだ。

「……」

不思議と寂しさをがわかないのはなんでだろう。

午前一時。部屋の電気を消してベッドへ。
久しぶりに布団に寝た気がした。

虫の声もせず。
全開の窓からは風も入ってこない。
耳が冴えて、という言葉はあるのだろうか。
つんざく様な静寂の中、私はゆっくり眠りについた。
35 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/08(土) 17:51:49.16 ID:WpSxpfIo
「……」

いつも通りに鳴った目覚まし。
まだ眠い。枕に顔を埋めてうなる。これで頑張ると少しだけ眠気が飛ぶ。
やはりちょっと遅めの就寝時間が効いた。

もうちょっと寝ていたいが、さすがに遅刻してしまう。
のろのろ起き上がってリビングに向かった。

「っく――!?」

ベッドの足に右足の小指を引っかけてしまった。
36 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/08(土) 17:53:25.80 ID:WpSxpfIo

自分で用意しないといけないのに忘れていた。
おかずは冷凍物でどうにかなるけれど、主食になりそうなものが無かった。
ご飯も炊けばあるのだが、実は時間がギリギリだった。

途中のコンビニで調達してから学校へ向かう。
登校中の学生。通勤途中のサラリーマン。車に自転車に。
学校に着くまでにどれにもすれ違わなかった。

「……」

昇降口を抜けて教室に向かう。
律先輩や澪先輩はどうしているだろうか。
ホームルームの時間になっても、教室には私だけだった。

「あ。手ぶらだったよ……」

一限開始のチャイム。準備をしようとしてハッとした。
学校来るのに教科書類を忘れるとは何事か。
予習復習でもやろうと考えていたが別のことをしよう。

「はぁ」

自分の間抜けさに呆れた。
37 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/08(土) 17:56:01.79 ID:WpSxpfIo
さしあたりやることが決められない私は、校舎内を彷徨していた。
入学して3ヶ月近く経過しているが、それくらいでは学校内を熟知するには至れない。
授業数の関係で使わない特別教室があるわけだが、今初めて存在を知った部屋も多数だ。

「第一、第二……」

なぜ化学室は二部屋も用意されてるのか。
使ったことのない教室に興味がわいたが、化学室は鍵が掛かっていて見ることは出来ない。
扉に付いた小さい窓からつま先立ちで覗いてみた。

「一緒だ……」

中学のころとほぼ同じ作りだった。
すこしがっかりしながら次へ。
この階に揃ってるのは理科系の特別教室だった。

残念ながら、全ての教室は施錠されていた。
時が経てば追々使う機会がくるだろうと、私は次の階に移った。

「……」

私立ということもあり、他の学校とは違う施設を期待していた。
歴史のある学校ということもあり、木造の部分が残っていて味があるけれど。
38 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/08(土) 17:58:40.86 ID:WpSxpfIo
午前中の授業は終了。
私は昼食のために学食に向かってみた。
「……」

とはいえ。教室で机に向かっていたわけじゃない。
校内探索で時間を使い、残った時間は音楽準備室で過ごしていた。
律先輩。澪先輩。私たちの接点はなんだったっけ。

「っつ……!」

ジリ、と頭痛。一瞬で消えたがやはり慣れる痛みじゃない。
さすりながら渡り廊下を歩き、学食の扉を開ける。
学食の建物はまだ比較的最近建てられたのか綺麗だ。

「あー……」

がらんとした食堂。貸し切りだ。
さて、初めて利用するのだが……。何を食べよう。
39 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/08(土) 18:00:52.28 ID:WpSxpfIo
なぜか食堂は機能しなかった。食券を購入して利用するのだが、券売機が動かなかった。
以前のファミレスの様になぜか用意されてなかった。上手くいかないものだ。

「おでんかぁ……」

食べてみたいのだが、いかんせん季節的に……。
いや。もちきん食べたい。食べ物に季節なんて関係ない。
あの公園で食べることにした。

「なんか……」

抜ける様な青い空、子供達が遊ぶであろう公園にて。
高校生がおでんを一人つつく。変な光景だ。
こういうのも誰もいないからこそ出来る、ある種独りということの醍醐味か。

「もちきん!」

いよいよメインディッシュ。
私は猫舌だ。熱い物はすこし時間が経ってからでないと口を付けない。
最初におにぎりを食べ、やや時間を空け――。
40 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/08(土) 18:03:20.82 ID:WpSxpfIo
午後。
昼休みを終えた私は教室に戻る。
しかし、

「勉強道具ない」

条件反射だろう。昼休みの後はなんだかんだ教室に戻る事の方が多い。
五限開始のチャイム。
さて、次はどこに行こうか……。

「……」

待て待て待て。どうして10GIAに行きたがるんだ私は。
ギターが弾きたいのはわかるが、残念ながら今はまだ放課後ではないのだ。
我慢です。

澪先輩が1組、律先輩が2組。
幼馴染みのあの二人だと同じクラスのイメージが強い。
こんな機会でもないとじっくり上級生の教室なんて見られないだろう。
席はわからないけど少しお邪魔しよう。

まあ、先輩の教室だろうが後輩の教室だろうが。
同じ教室なので自分の教室と変わりはしなかった。
41 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/08(土) 18:05:06.88 ID:WpSxpfIo
放課後。目的はないけど、音楽準備室に向かう。
誰もいないけど、挨拶して扉を開けた。
茶道部部員になった覚えはないが、なぜかこの部屋は居心地が良い。

「……」

向かい合わせの4つの机。
律先輩と澪先輩の席の横が私の定位置。
ひとまずそこに腰を落ち着けた。

「……」

さて。今日は少し部室を物色してみようか。
気になるのは……、やっぱりあの食器棚だろう。
高級そうなティーセットがいくつもしまってある。

そういえば茶道部なのにティーセット?
洋風茶道部とか、変な部活なのだろうか。同好会?
42 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/08(土) 18:06:04.09 ID:WpSxpfIo
食器棚を調べていたらティーポットに茶葉まで出て来た。

「コンロ!」

すごい。カセットコンロまで用意している。
水さえ汲んでくればこの部屋でティータイムが出来るのか。
やかんもある。

「……」

おしゃれなガラス瓶が3つ。ネスカフェとかコーヒーの瓶と同じ大きさのものだ。
よく見ると3つが3つとも違う茶葉のようだ。ほんの少し色が違う。
うち1つを開け匂いをかぐと、良い薫りがした。紅茶みたいだ。

「……?」

3つとも嗅いでみたが、もちろん銘柄なんてわからない。
なんとなく気になった茶葉を、これまたなんとなーくとりだして。
私はやかんを手に、水道へ向かった。
43 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/08(土) 18:15:45.69 ID:WpSxpfIo
現時点で書きためてあるのは以上です。

作品の雰囲気上、定期的な投下はしませんが長引かせずに完結させるつもりです。
ある程度まで書いたら投下、という形です。


この場を借りてお礼をば。

VIPにて
前身スレをたててくださりイマジネーションを与えてくれた>>1さん。
わざわざスレを立ててまで探して下さった、ID:ruEk2z1Y0さん。
支援してくださる皆様。

きっかけをありがとうございました。


みんなの声援に応えられる様に頑張るぜ!
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/08(土) 18:33:45.17 ID:W87mf7I0
ともかくは乙!
行動や仕草の描写が丁寧であずにゃんの可愛さがよく出てるぜ
でも疑問点が引っ張られすぎて・・・完結はいつ頃の予定なのかな?
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/08(土) 20:11:36.68 ID:/aOARwDO
唯、ムギのことは覚えてないと
覚えてない?

ふむ
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/08(土) 20:15:05.76 ID:O54vH9Y0
覚えてないじゃなくて
思い出してない
じゃない?
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/08(土) 20:16:19.64 ID:Z.wmF.Ao
まあこの板なら落ちないからな。のんびり待つとします
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/08(土) 20:25:16.13 ID:/aOARwDO
>>46
でも、この高級食器はなんだろうって言ってるじゃん
澪のベースは知ってるのに
49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/08(土) 20:26:52.70 ID:/aOARwDO
まだ思い出してないってことね
なる
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/08(土) 20:42:15.70 ID:O54vH9Y0
>>48最初は澪のベースだってわからなかったんじゃなかったっけ?
思い出そうとすると頭痛がして
目をさましたあとは思い出してた
51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/08(土) 22:37:37.16 ID:/aOARwDO
支援(゜o゜)\(-_-)
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/09(日) 07:59:32.30 ID:qNxdpqE0
53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/09(日) 08:35:26.88 ID:zoNq0j2o
落ちたと思ったらパー速に移ってたのか
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/09(日) 11:42:35.23 ID:12t9/cDO
ここだとのんびりやれるね(^^)v
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/09(日) 16:55:53.38 ID:1bW1Mp2o
トリップでググったらここに来れた
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/09(日) 18:56:34.95 ID:xBfeL5.o
57 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/09(日) 21:54:47.69 ID:onOnQTYo
重たくて書き込めないwwwwうぇw
58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/09(日) 22:12:35.59 ID:qe/YxsMo
この時間にはありがちwwwwwwwwwwっていうwwwwwwww
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/09(日) 22:12:44.50 ID:12t9/cDO
キター(゚∀°)
60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/09(日) 22:22:05.88 ID:8JFRWEDO
面白そうじゃないか
続けたまえ
61 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/09(日) 23:18:35.58 ID:onOnQTYo
書き込めない…だと…!?
62 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/09(日) 23:26:38.81 ID:zoNq0j2o
とりあえず気長にいこうぜww
63 :さわ子 ◆WxXhd8NdTg [saga]:2009/08/10(月) 00:00:08.10 ID:zESGmpko
あばばば
64 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/10(月) 00:01:57.05 ID:zESGmpko
律「くっ……! この超重力!?」
澪「だ、大丈夫か律!」

ベースの低音が辺りを包むと、あたしを束縛していた力が緩和する。

紬「二人とも! 気をつけて来るわ!」

サポートのムギのその一声の後、あたし達の目前に大きな影が実体を伴う。
思った以上の収穫だ。まさかこれほど強い“ノイズ”が新天地に……。

咆吼。

大気を振るわす“ノイズ”の声なき声があたし達を威嚇する。
澪が張った障壁がかき消された。

澪「何だこの力……? 律! まずいぞ! もしかしたら――」

律「だあああ! 澪ぉ! 何でお前はこういうときは弱気になるんだ? どうにかなるっ!
  ムギだって居るんだぞ!? だいじょうぶだっつーの!」

あたしはドラムのスティックを構え、“ノイズ”を見据えた。

ゆらり、と。
形容しがたいその影は、腕の様な部分を振り下ろす――!

澪「律!」

当たれば一溜まりもない一撃だが、緩慢すぎだ。
あたし達は難なく避け、一気に攻めに転じる。
澪の奏でる旋律があたしを包み、体が軽くなる。

律「遅い、んだよ!」

振り下ろされた大きな腕を駆け上り、跳躍。
両手のスティックを“ノイズ”の弱点である、コアに振り下ろす。

律「行くぜ――」


 澪    「
律       ユ ニ ゾ ン !
 紬                  」

コアに突き刺したスティックから溢れる奔流。それはあたし達の音が重なり合ったもの。
“ノイズ”は断末魔を上げてその輪郭を消していった。
薄れる足場から跳び、あたしは消えゆく影を見届けた。
65 :さわ子 ◆WxXhd8NdTg [sage]:2009/08/10(月) 00:03:04.47 ID:zESGmpko
紬「“ノイズ”の消滅を確認。通常空間に移行」

ジジジと不協和音をこぼしながら重空間が剥がれていく。
空も、地面も、空間がひび割れて隙間から光が漏れた。
そうして瞬きをすれば、そこはあたしたちの部室だった。

律「……はぁ」

最近踏み慣れたばかりの床を感じると、あたしはそのまま大の字に寝そべった。

紬「あらぁ、りっちゃんたら」
澪「こら律! 制服がよごれちゃうだろ」
律「いいじゃないかよぅ。疲れたんだってばぁ」

澪に引っ張り起こされて、長椅子に捨てられた。ヒドイ幼馴染み……。

澪「全く律はいつも一人で突っ走るんだから……」
紬「まあまあ、澪ちゃん。無事に終わったんですから」

おほほ、なんて笑い出しそうなムギを眺める。
相変わらず落ち着きすぎだろJK。

律「ムギぃ。まさかお前もリンカーだったなんてなー。
  あたしたちの他にもいたんだなぁ」
澪「そうだよ。まさか今まで見つからなかった仲間が高校に入ってから出会えるなんてな!」
紬「? りんかー、ですか? なんですか、それ?」

きょとんとしたムギの表情で、あたしと澪もきょとんとする。

律「まさかムギ……、何にもしらないのか?」
紬「はい、なんのことやらさっぱり……」

困った表情をしているが、そんなもんで済む話じゃありませんよ?
というより、こいつは何も知らない状況であの異常事態をなんなく乗り過ごしたと!?
あたしは澪と二人でかいつまんで説明した……。

紬「はぁ、そんなことが……」

さすがに驚いたか。でもその程度か!
澪と顔を見合わせる。なんだかなぁ……。
66 :さわ子 ◆WxXhd8NdTg [sage]:2009/08/10(月) 00:04:10.35 ID:zESGmpko
「失礼するわよー」

部室のドアが開き女性が入ってくる。
たしか……、山中先生だったっけ。

さ「こんにちわ」

あたしたちは先生の挨拶に応える。
話を聞かれたんじゃないかと、内心ハラハラしていた。
澪、顔に出すぎだぞ! あたしのアイコンタクトは通じなかった。こっち見ろっ。

さ「はいこれ。入部届」

   「え!?」

先生が取り出したのは一枚の紙。
あたしたちの、いや。
軽音部の行く先を左右する一枚。

さ「見つかったよかったわねぇ。それじゃあね。
  あ、素敵なティーセットだけど、きちんと片付けてね」
軽「はーい!」

先生を見送って、ドアが閉まるのを確認するとあたし達は入部届に食いついた。



そうしてあたしたち軽音部は数日後に、運命の出会いを果たすことになる。
誰にも知らない世界の危機。
掛け替えのない仲間。
何だって良い。あたし達は知らない誰かの為じゃなく、近くの仲間の為に戦う!
67 :さわ子 ◆WxXhd8NdTg :2009/08/10(月) 00:05:06.55 ID:zESGmpko
ハートフルふわふわ
         ミュージックバトルストーリー K-ON!

                                       prologue out.
68 :さわ子 ◆WxXhd8NdTg :2009/08/10(月) 00:05:59.24 ID:zESGmpko
                                                第一話に続く

































                          *      *
                       *     +  うそです
                          n ∧_∧ n
                      + (ヨ(* ´∀`)E)
                           Y     Y    *
69 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/10(月) 00:09:51.52 ID:zESGmpko
えー。というわけでお送りいたしました。

本編とは全く関係ないです。
超重力がおさまるのを待っていたら、

超 重 力

という単語が僕の厨二魂に火を付けました。


カッとなってやってしまった。反省します。本当にごめんなさい。
これに一時間費やすなら本編やれよバカ!
バカバカ!



というわけで、さわ子 ◆WxXhd8NdTgこと>>1でした。

短いですけど、本編をどうぞ。
70 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/10(月) 00:10:48.06 ID:znqnVvko
俺がおかしくなったのかと思った
71 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/10(月) 00:11:04.25 ID:zESGmpko
コンロに掛けたやかんが沸騰するのを待つ。
開けた窓から風はない。
コンロの火で温まった空気が流れるのだけ感じる。

そろそろお湯が沸く。
ぼーっとするのも中断して、私はティーカップを準備することにした。
さてどれにしようか。

「これなんだろ」

一見ただの真っ白いカップの様だが、内側に出っ張りがある。
出っ張りを下にすると、カップの縁と出っ張りでまるで桃の様なシルエットだ。
カップにしては変な形だ。

「決めた」

なんだか気になる。セットのソーサーとカップ。
桃ティーセットを机に置いて、私はカセットコンロの火を消した。
さて、茶葉はどのくらい使うんだろうか。
これだけ備品が揃っているのだから、計量スプーンぐらいあるだろう。

「あったー」

3つのサイズがリングで一つになってるものだが、中くらいのを使っておこう。
すり切り一杯をポットに入れて、お湯を投入。
ポットから良い薫りがのぼってくる。

「いいにおい……」

少し蒸らしてカップに注いだ。

「すごい。ハートになった!」

桃のカップ。内側の出っ張りはハートを作り出すものだった。
紅茶の色のハートはなんだか暖かい。
飲まずに眺める。

「色んなのがあるんだなぁ……」

ふーっと、湯気を払う。
他にも綺麗なカップがまだある。
放課後は
72 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/10(月) 00:12:08.08 ID:zESGmpko
「いづっ!?」

脳裏に浮かぶ姿?             姿
誰かが私の前にティーセットを置いていく。           誰か
……頭痛。

後頭部を走る痛みは。
そこに留まらず私を塗り潰す。
椅子から転げ落ちると床に強かに体を打ち付ける。

「うあ、ぁ……っ」

頭を抱えて、ただ痛みが止むのを待った。
73 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/10(月) 00:13:00.83 ID:zESGmpko
気付いたらいつもの長椅子に横たわっていた。
朱色に染まる部屋が         。

「ふ……ぅ」

後頭部をさすりながら、息を整える。寝て起きれば頭痛は消える。
停滞した部屋の空気、私は立ち上がると窓を全部開けた。
開けてもほとんど変わらない、気休め程度だ。

紅茶からは湯気はなく、やかんもぬるくなっていた。
ハートが静かにそこにある。冷めたそれに口を付けた。

「……」

うん、美味しくない。私は喉を潤すためにひとまず紅茶を片付けた。
良くできているカップだ。中身が無くなるまでハートは消えない。

「ムギ先輩が入れたのなら冷めても美味しかったんだろうな……」

何だか苦くて後味の悪い。
飲む気も無くなってしまった。
わたしはティーセットにポット、やかんをどうにかして持って水道に向かった。

時刻は4時45分。
74 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/10(月) 07:25:49.63 ID:Xlsj/2DO
こうやって読んでるといかにvipの読者が短期者が多いかわかるな
75 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/10(月) 17:36:42.43 ID:GsdBulo0
本編短かったけど投下分乙!
76 : ◆pTit6fOIXQ :2009/08/11(火) 18:16:41.36 ID:.c3rgf6o

ここ最近の日課。放課後はアーケードに繰り出す。
何か一つのデザートで小腹を満たし、その後は10GIAでギター試奏。
なんだか放課後の方が充実している気がするのはなんでだろう。

日が落ちて帰宅。
家族がいない、それ以外はいつもと同じ。
食事、お風呂。今日の勉強の予習復習。

そういえば、テレビは電源は入るものの砂嵐しか映らなかった。
ラジオもノイズだけ。
娯楽にいつも掛けていた時間を、ギターの練習にまわす。

そして日付が変わって一時間後。
私は眠りにつく。

今夜もおやすみ。
77 : ◆pTit6fOIXQ [!red_res]:2009/08/11(火) 18:25:37.03 ID:.c3rgf6o


リビングで静かに朝食を摂る。異常もこう何度も過ごせば日常となると気付いた。
普段ならニュースを喋らせるテレビも黙ったまま。
食器を片付け、元栓チェック、火の元確認。

鍵は、一応しておこう。
泥棒する人間のいないここで、鍵締めや用心など不要なものだけど。

普通を無くしたら何かが無くなる気がした。

最近はまた部室とアーケードで過ごしていたが。
今日は遠出でもしてみようか。

いつかまたみんなと過ごせる日常が過ごせたらいい。
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/11(火) 19:21:07.24 ID:IsLuLSko
重要なのか
79 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/11(火) 21:53:04.10 ID:.c3rgf6o

放課後、音楽準備室へ。
ムギ先輩のティーセットを拝借。ハートの紅茶を用意した。
昨日はあの頭痛のせいで温かいうちに飲めなかったけど、今日はゆっくりいただいた。

「……ほ」

温かいものが喉を下る感覚を楽しんで。
やっぱりムギ先輩が淹れてくれた紅茶とは雲泥の差だった。
味も風味もあったものじゃない。

ひとまず一杯で終わりにして、私は律先輩の隣の席の椅子を拝借する。
前々から気になっていた。食器棚の上にある段ボール。

「くっ」

指先が引っかかるだけ。
この段ボール、そこそこ中身が詰まっているようそれだけだと引き寄せられない。

「もぉぉ……!」

駄目だ。机も借りよう……。
80 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/11(火) 21:54:37.80 ID:.c3rgf6o
箱自体は古いものだったが、中のものは比較的綺麗だった。
カセットテープが数本と、アルバムが一冊。
そして書きかけのスコアが何枚も。どれも書きかけで中途半端だ。

とりあえず机を元に戻して、箱は机の上に置いた。
誇りも全然たまってないし放置されていたわけではなさそう。

しかし今どきカセットテープとは……。
この荷物は茶道部のものじゃないのだろうか。

「これはまた……」

アルバムを開いてみるとなんとまあ、前時代的な写真である。
白黒というわけじゃない。映ってる方々の格好だ。
どぎつい化粧の面々がそこにいた。

「……ほぉぉ」

ある意味珍しいそれに、私は見入る。ビジュアル系バンド……? 
楽器を構えて写っていたり。メンバー全員でメロイックサインで写っていたり

「うぇぇ!?」

私達の先輩でした。
81 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/11(火) 21:56:47.97 ID:.c3rgf6o

長椅子から立ち上がる午後四時半。
箱の中身をそのままに、いつのまにか寝てしまっていたらしい。

開いたままのアルバムのページ。
写真の一枚、“桜高学園祭”と書かれた看板をバックに演奏している。
何年前の学園祭の写真なんだろうか。

カセットテープは拝借して家で聞いてみよう。
たぶんこの写真の人たちの音楽が入ってるはず。
写真からにじみ出る激しさからして、ヘヴィーメタルに違いない。

「ん? デス、デビル?」

大判サイズのアルバム。1ページに数枚貼り付ける容量がある。
見つけたのはこの一枚。
“DEATH DEVIL (SAW-AKO)”と書き込まれており……

「……」

化粧のおかげで判りづらいが、整った顔つきをしている人だった。

「ソウ、アコ?」

デスデビルというのはバンド名? 写真に写ってるのは一人だけど……。

「さ、わ、こ?」

さわ子? これ、さわ子先生なの!?
82 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/11(火) 22:19:00.67 ID:.c3rgf6o

まさかあの綺麗な人が凄まじい歴史を持っているものだ。
……でも納得させてしまうところがあるのもあの人らしい。

箱はそのままにして、準備室をあとにする。
……片付けるのに元の場所に戻すのも一苦労だし。
スコアも一通り目を通しておきたかったから。

とりあえず今日はもうアーケードに行こう。
83 : ◆pTit6fOIXQ [saga!red_res]:2009/08/11(火) 22:20:13.86 ID:.c3rgf6o


懐かしいアルバムを閉じ、片付ける。
あのカセットテープも、書きかけのスコアも何も変わらずそこにある。
踏み台代わりの椅子を元に戻して、私は部室をあとにした。
84 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/11(火) 22:44:53.38 ID:.c3rgf6o

すこしお腹が空いて。まずは空腹を鎮めることに。

「ハンバーガー……」

浮かんだのはハンバーガーなのにポテトが食べたくなるってよくあるよね。
自動ドアが開いても、いつもの、必要以上に威勢の良い挨拶は無い。
ただ電化製品のノイズが店内をひっそりと沈めている。

「あ」

3つあるレジの一つ。真ん中のカウンターにコーラのMサイズとポテトのMサイズがあった。
トレイに乗せられていて、ポテトからは湯気がたっている。

「いただきます」

誰に対して言ったわけではなく。
窓際の外の通りが見える席に腰を落ち着けた。
Lポテトが出てなくてよかった……。
85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/12(水) 12:18:58.66 ID:y.rkgoDO
続きが読みたい(´;△`)
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/12(水) 12:45:05.92 ID:o1D/lSIo
おおう続ききてたー!
87 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/12(水) 23:29:20.99 ID:ACu0n6wo

夜。やることを全て済ませて、今日はギターの練習は休む。
代わりに放課後見つけたカセットテープを聴いてみようと思う。
早速オーディオルームへ。

カセットテープにはタイトルとか書いてないから適当に順番に聞いてみよう。

「やっぱりヘビメタだ」

たしか先生は写真だとギターを持っていたけど……。
このテープが先生のバンドの音源だとしたら、ギターが並外れて安定してる。
意外な収穫。先生がまさかメタルを好んでいたとは。

どうやら先の数本がDEATH DEVILのものらしい。
最後の一本をセットする。

巻き戻っているようなのでそのまま再生。
ざわざわとした音が数秒流れた後。
スティックの響き、始まりの合図。
88 : ◆pTit6fOIXQ [saga!red_res]:2009/08/13(木) 01:56:21.99 ID:mTFivCAo


もし文化祭を迎えることが出来てたら、私も一緒に演奏していたのだろうか。
あのとき憧れていたギター。実際会ったら、ちょっと変な先輩だったけどね。
今の私はもう技術だけで見れば、とっくに高校生というレベルでは無いが……。

聞かせる人もなく、比べる人もなく、ただ続けて。
気付けば自分の為でもなく。ただそれが出来るからやり続けて。
どうして私は音楽の世界に足を踏み入れていたのか。

楽しいから、という理由か。親の影響か。
覚えてないが今のような心境に陥ったことはない。

この懐かしいオープニングのフレーズ。
さぞや輝かしい高校生活を見せてくれたであろう軽音部。

何もない世界で私は
89 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/13(木) 02:12:14.50 ID:mTFivCAo

次の日。昨夜のカセットテープは私が入学前に聞かせて貰った音源だった。
父のウォークマンを持ってきて、私は音楽準備室にそれを流していた。

やっぱりギターの人上手だなぁ。
コーラスの人のハスキーボイスが何とも言えない。

「――っあ」

ビシリ、と頭蓋骨にヒビでも入りそうな衝撃。
いつもの頭痛と気付くには3秒ほどかかってしまった。
内側から叩かれるようなその痛みに、膝を折る。
90 : ◆pTit6fOIXQ [saga!red_res]:2009/08/13(木) 03:03:36.57 ID:mTFivCAo


私はギターが好きだ。
広い括りで音楽というジャンルが好きだ。
この中心にギターがあり、その中心から始まった。と思う。

たまに離れることもあったけど、切っても切れない関係だったのだ。
楽しくて楽しくて。
唯一の支えを無くしてどうして生きてく。

なんだか飽きてしまった。
主観的な時間で2年。この変な日常を過ごしてきた。
同じ日を繰り返していたのか、それとも似たような毎日を越してきたのか。
今じゃもう確かめる術もない。
いや、必要もない。

きっと私が死んでも、この世界はこのまま続く。

ずっと感じなかった風を肌に受けて――
91 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/13(木) 03:05:14.60 ID:mTFivCAo

かちゃり。
その音で私は飛び起きた。

「         」

体を起こして長椅子の向こうを見やる。
机が四つ。
向かい合わせで並べられ、昼休みの教室の一風景のよう。
どこでも見られる何にもない普通の形。

ぼーっとした頭で立ち上がり、テープを巻き戻す。

「ん……」

やっぱり眼が沁みる。目蓋の上から眼を揉む。
朱色。朱色? 時計を見た。

「4時半」

頭痛は消えていた。もう一度再生。
大好きなリフが流れてくる。
92 : ◆pTit6fOIXQ [saga!red_res]:2009/08/13(木) 03:19:17.94 ID:mTFivCAo


何もかも無くすならせめて。
せめて私の中のこの想いまで消していってくれてたなら。
私は生きたかも知れない。

狂っていたのは私か、世界か。
狂ったのは私か、世界か。
たぶん両方だな。うん。

何度目の私か。何人目の私か。あと何人何回。
きっと続いていくんだろうなぁ。
終わらないよ、ここは。終わらせたかったけどさぁ。

私が最初だったのかな。それとも最後だったのかな。
嗚呼、せめて私が最後じゃなければな。
誰かと一緒なら続けられたのにな。
93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/13(木) 07:02:43.81 ID:tSQutwDO
悲しいな:-<
94 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/13(木) 17:07:43.36 ID:LmcqHbYo
なんだかわからんが切ない
95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/13(木) 18:39:58.32 ID:yqkrPZMP
面白い
96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/13(木) 20:25:26.22 ID:LZ1/zRg0
赤文字いいね
97 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/13(木) 22:31:14.21 ID:mTFivCAo

いやしかし、ここ最近の私は抜けていた。
鞄を忘れたり。そしてギターを家に置きっぱなし。
なんの為に部室に行っていたのかわからなくなる……。

私は自分の席でお茶を飲んでいる。
左側に律先輩と唯先輩、右側に澪先輩とムギ先輩。

「はっ!?」

いつのまにか軽音部に順応している!?
まずいなぁ……。ちゃんと練習しないといけない……。
明日からはちゃんとしよう……。

「ん?」

律先輩の机から何か出ている。
……入部届。うわぁぁぁ、全員分見つけてしまった。
もう少しきちんと保管しておいてほしい……。

気付いたらいつの間にか整理を始めていた私。
人の机の中をいじくりまわすのはエチケットがなっちゃいないが、あとで謝れば良い。
律先輩なら気にしないだろう。
「おーそうかー、ありがとなー」なんて言ってる姿が目に浮かぶ。

溜め息一つ。
ああ、なんか色々詰まってる……。教室の机も汚そうだなぁ!

「あれ……」

唯先輩の机。使い古したノートが一冊だけ、無造作に入れられてる。
先輩にしては普通の大学ノート。
可愛いもの好きな唯先輩のことだからノートも可愛いものかと思ったけど……。

それにしても使い込まれいる。ノートの端がぺろぺろだ。
98 : ◆pTit6fOIXQ [saga!蒼_res]:2009/08/13(木) 23:43:02.79 ID:mTFivCAo

7月×日 1

今日から日記を付けることにした。
もう結構日々を過ごして今さらの気はしないでもないが。
私の見つけたルールが正しいことを証明する為にも、
自分の為にも続けたい。

何か標がないとどうにかなってしまいそうだ。
99 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/13(木) 23:48:31.64 ID:mTFivCAo

箇条書きのような文体で、とても簡素な日記。
どこまでも必要最低限で、その日の事だけをまとめてある。
それはどこまでも淡々と書き綴られたものだった。
100 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/14(金) 01:34:46.78 ID:bT9OVbAP
先が気になるぜえええええ
期待している
101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/14(金) 08:46:42.52 ID:BUoVH.DO
期待!
102 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/14(金) 13:09:33.46 ID:GC5KWvgo
気になる展開だなww
103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/14(金) 14:44:06.52 ID:o3s9y8k0
なんかこういうの好きだわ
104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/14(金) 21:57:29.52 ID:BUoVH.DO
vipのけいおん!スレことごとくスレストされてるな
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/15(土) 01:46:21.03 ID:QkPt/ADO
今日は更新されないのか
(;´д`)
106 : ◆pTit6fOIXQ [saga!蒼_res]:2009/08/15(土) 14:18:38.92 ID:XhNS46oo

7月×日 28
日記は無事につづられている。
今日も変わりなく。

7月×日 29
同上。
107 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/15(土) 14:19:54.48 ID:XhNS46oo

これはある意味では正しい日記の形かも知れない。
事実だけを記している。ただ、とても機械的な……。

人の所持品を勝手に持ち出し、なおかつ日記を読んでしまっている。
悪いと思いつつも、気になってしょうがない。
私はページを繰っていく。

ところでこの日記、日付が記入されておらず、全て「ばつ日」なっている。
108 : ◆pTit6fOIXQ [saga!蒼_res]:2009/08/15(土) 14:22:25.43 ID:XhNS46oo

7月×日 154
晴れのち晴れところにより晴れ。
だいたい掴めた。
明日まとめることにする。
109 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/15(土) 14:24:46.34 ID:XhNS46oo

日付の代わりに記入されているのが、横の数字。
一日一つ増えていき、留まることをしらない。
こんなめんどくさいことをするなら日付を記入すればいいのに……。
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/15(土) 14:31:34.77 ID:MIY/Z/UP
エンドレスあずにゃんか
111 : ◆pTit6fOIXQ [saga!蒼_res]:2009/08/16(日) 17:44:10.98 ID:7n7s8ako

7月×日 155
なんだかちょっと解らなくなってきてしまった。
もう少し様子を見て、絞るようにしよう。
あー。なんだかここに来て初めて日記っぽくなってる気がする。
 
112 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/16(日) 17:45:09.43 ID:7n7s8ako

なんと。
155の日からしばらくの間ほとんど同じ内容しか書かれていない。
一日にして日記っぽさが吹っ飛んでしまった。
日付しか書いてない日もあったのである。

ちなみにその内容が
「晴れ。今日も健康に異常なし」
 
113 : ◆pTit6fOIXQ [saga!蒼_res]:2009/08/16(日) 17:46:03.35 ID:7n7s8ako

7月×日 245
外食、と言ってもコンビニしか利用する所がない。
せめておでんとかホットスナックみたいなのもあれば良かった。
ファミレスみたいな他のお店も使えたらいいのに。
ああ、誰かの手料理が恋しい。
 
114 : ◆pTit6fOIXQ [saga!蒼_res]:2009/08/16(日) 17:47:37.05 ID:7n7s8ako

7月×日
今日で最後にしようと思う。

とりあえず、これは残しておく。
願わくば、誰かの役に立つことを。



<法則>

この世界、は繰り返している。7月の同じ日を繰り返してる。
始まりは午後4時30分。終わりは午後4時29分で、一日24時間。

私以外誰もいない。
だけど痕跡のようなものは見られる。そっくりそのまま世界から人間だけを取り払ったみたいに。。
地球上に誰もいなくなったのか、確かめる術もない。
ただ私だけがいる。
ちなみに私が人類最後なのかどうかはわからない。

同じ一日を繰り返す。
前述の終了時刻を迎えると、基本的に全てリセットされる。
全て、とは全てであり、壊れたもの消費したものもその日を終えれば元通り。
私の体も記憶以外はリセットされる。

ただし例外があり、軽音部の部室の机(周辺?)はリセットがかからない。
しかし条件有り。いつもの形に机がくっついていること。
机の上、机の中、机の横。
席として見なされるのか、所謂「席に着く」という状態でも平気なようだ。

机は繋がる、そのおかげでこうして日記も残せていた。
 
115 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/16(日) 17:49:01.92 ID:7n7s8ako

日記の最後に書かれている法則とかいうのは端的に書かれていた。
軽音部のこと部室のこと……。これを書いたのは先輩達の誰か?
ノートのあった場所からして、唯先輩が残したものなんだろうか……。

繰り返しているっていうのは……?
 
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/16(日) 17:53:03.67 ID:KXx1UEQo
続ききたー!
どんどん核心に近づいてきたね
117 : ◆pTit6fOIXQ [saga!蒼_res]:2009/08/16(日) 17:55:35.04 ID:7n7s8ako

故にリセットの時間に机の上にいるか、席に着いていれば成長する。

始まる場所は固定されている。
席に着いてなければ、どこにいたとしてもリセットと同時に部室に戻される。
これはどこにいようとも強制的に実行される。
私が現在できうる限りの移動手段で時間限度まで移動し続けてみても、部室に戻った。

リセットし続ければ死なず。
死ぬ場所を選べばそのまま朽ち果てることも可能なはず……。

他にも色々あるが、重要なのはこの辺りだろうか。
つまり、結論は。

同じ日を繰り返し続けている。
その日が終わるとリセットが実行されるが、部室の机は除外。
残しておきたいものは机にセットしておく。
前日の変化を次回に持ち越すのは、基本的に不可。
たぶん死ねない。
 
118 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/16(日) 17:56:50.14 ID:7n7s8ako

なんだか殺伐としてきている。
ページの締めくくりがこんな物騒だなんて……。
おかげでますます現実味が薄れてる。

……そうやって、受け入れないようにしている自分が何処かにいた。
 
119 : ◆pTit6fOIXQ [saga!蒼_res]:2009/08/16(日) 17:58:13.48 ID:7n7s8ako

最後に。

どうか、ここが終わりますように。これが最後でありますように。
もしこれを誰かが読んでいるなら、どうか諦めないで。
きっとこの不毛な繰り返しを止める手段がある。

浅はかかも知れないけれど、リセットが掛からないものこそ手がかりだと思う。
私の記憶が持ち越されることには意味がある。
繋がっているもの、繋がるもの、それを見つければきっと。
 
120 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/16(日) 18:05:21.80 ID:7n7s8ako

ひどい目眩を覚えて、私は一度、日記から目を上げた。
混乱してるのがわかる。
自分を落ち着かせる為に呼吸を整え、心を静める。

緊張とは違うこの圧迫感は気持ち悪い。
私はその場にへたり込んでいた。
 
121 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/16(日) 18:08:34.22 ID:7n7s8ako

どこかほっとしている自分がいて、やっぱりと思っている自分がいて。
理由がわからないけど声を上げて泣いていた。

悲しみに似ている感情が私を駆り立てる。

字の形、癖。
 
122 : ◆pTit6fOIXQ [saga!蒼_res]:2009/08/16(日) 18:09:40.70 ID:7n7s8ako

それじゃあ、私はこれで。
                          7月×日  中野梓



 
123 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/16(日) 18:15:45.14 ID:7n7s8ako

今より少し綺麗に整ってたけれど、紛れもなく私の字だったのだ。
 
124 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/16(日) 19:18:02.76 ID:7n7s8ako

日記を書いている“彼女”の姿が浮かんでくる。
既視感なんかじゃなくて、おぼろげな記憶として漂うそれは。
途切れ途切れになった出来事を思い出させる。

なんで、忘れていたのか。
なんで、気付かなかったのか。

抱いた希望は強く。絶望は深く。
私を衝いて涙を流させた。
 
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/16(日) 20:24:37.20 ID:6eo.QH6P
みくる「ひょええ〜 これはどうなっちゃうんでしょうか」
って感じだ
先が読めない
126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/17(月) 11:45:28.75 ID:D4zIzCw0
127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/17(月) 15:22:54.59 ID:DndOznEo
おおぅ。想定外の展開
128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/17(月) 22:54:31.08 ID:ycD9O2DO
誰かの手料理が恋しいってのかなんか意味深だったな
129 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/18(火) 02:01:39.09 ID:BJaBcUDO
支援です
130 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/19(水) 00:51:11.42 ID:uescaUDO
まだー(;´д`)
131 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/19(水) 03:18:14.01 ID:m3KoCLso

涙を拭いて立ち上がる。
まだ止まっていない涙で視界は歪み、嗚咽は続く。

部室の反対側、校舎の向こう側に位置する階段を目指す。
あちら側にしかない屋上へ続く階段。
駆け上がって屋上への扉を跳ね開ける。

「……」

部室と違う陽射しの中。
既視感をまとって、フェンスの側に立つ。
安全対策の為フェンスと高さ4メートルくらいの金網で二重の壁が設けてあった。

屋上でもやはり風は吹いてない。
まだ街の景色は少し遠い。

金網との間は1メートルほど。
フェンスを乗り越えて、金網越しにのぞく景色は紅く。

目をつむると一瞬だけ風を感じたような気がして、その冷たさに背筋が凍った。
金網から離れる。

この風景も、この場所も、このフェンスも。全部今日初めてのものだった。
なのに全部見たことがあると思う。
きっと“今日”……。

最後に。
代わりになんてなれないけれど、せめて“彼女”の分まで泣けたら。
 
132 : ◆pTit6fOIXQ [saga!red_res]:2009/08/19(水) 03:19:57.27 ID:m3KoCLso








                       「生きてる人、いますか?」








 
133 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/19(水) 03:47:44.14 ID:rzJc16EP
俺のあずにゃんがああああああああああああ
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/19(水) 10:37:33.18 ID:n7SB.hQo
にゃ
135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/19(水) 20:41:57.41 ID:uescaUDO
リセットされるのか
体はそのまま朽ち果てるのか
136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/19(水) 20:43:10.52 ID:uescaUDO
リセットされるのか
体はそのまま朽ち果てるのか
137 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/08/20(木) 03:20:30.61 ID:c/yZIkYo
なんだかVIPにアイアムレジェンドを題材にしたヤツがあった。
雰囲気被っててこっちより面白いかもしらん。どうしよう……。
138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/20(木) 03:35:45.90 ID:VGpVp2DO
こっちも面白い
むしろ元ネタが明らかじゃないぶんこっちのが先が気になる
139 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/08/20(木) 04:00:59.82 ID:c/yZIkYo
>>138

          ____
.        / ─  ─\
.      /  (●)  (●)\    べ、別に嬉しくなんかないんだおっ!
.    /  ///(__人__)/// \   そんなに褒めたって投下が早くなったり……バカ///
.     |       ` ⌒´    |
      \           /     こ、これは別に続きを書いてるんじゃなくて
.     ノ            \      指の運動してるだけだおっ! 勘違いしないでよね
  /´               ヽ
 |    l   l||l 从人 l||l      l||l 从人 l||l カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))
   ┌ ┌┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐
  ,. - ''"| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ρ ̄`l
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ノ ̄




ホントにありがとう。凄い嬉しい。
おれ誰かに褒められたの初めてかも知れない。
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/20(木) 08:24:46.63 ID:oZWKe2DO
ここも普通に面白いから心配するな
最後まで読ませてもらうぜ
期待してる
141 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/20(木) 08:42:40.91 ID:KFsWG160
読ませてもらったけど面白いよ
続きが気になるぜ
142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/20(木) 17:13:07.60 ID:VGpVp2DO
>>139ツンデレ乙
パー速だし気長に待ってるから完結させてくれ
143 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/20(木) 17:14:00.26 ID:VGpVp2DO
>>139ツンデレ乙
パー速だし気長に待ってるから完結させてくれ
144 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/20(木) 18:11:05.22 ID:AFkU57Eo
ツンデレとは違くね?
145 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/20(木) 18:27:16.11 ID:JovO0HY0
普通におもしれえ
続き期待してる
146 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/20(木) 21:43:49.01 ID:ENk2WgDO
ちょっと難しくてわからない(´・ω・`)
147 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/08/21(金) 00:59:07.92 ID:77KeyiQo
>>140-141
そんなに褒めても出てくるのは俺のにやけ顔だけだぜ。
嬉しいじゃないかこのやろー

>>142-143
大事なことなので2回も言ってくれたんですね、わかります。
その言葉が私の助けになります。

>>144
ツンデレって難しいね

>>145
だからそんなに褒めても///

>>146
申し訳ないが、俺の力不足さ。
難しさを与えて読む人に負担を掛けちまう。
どう考えても俺の勉強不足です。
プロットとか全く無しで書くとか、見切り発車にも程がありますよね。

この書き方、かの有名な漫画家の名前をとって、
「冨樫式」って言うんですよ。知ってましたか?
今作ったんですけどね。


ちょっと短いですけど、投下します。
所謂一つの最終章、解決編となります。
ふいんき(ryはそのまま、淡々とした流れを保ち突っ走ります。
148 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/21(金) 01:00:00.30 ID:77KeyiQo

あれから十数日、日記の通りに世界は廻っていた。
一日は繰り返し、変わらない毎日が続く。
今はアーケードから少し離れた洋食屋で過ごしている。

「ここは何もないんだ……」

他のお店ならいつもカウンターに食事が用意してあったりするんだけど……。
この店はアーケードの反対側にある。
わざわざあっちまで戻るのも面倒だったので、近くのコンビニで買い物をした。

メニューも無いからどんなものがあるかもわからない。
コンビニの品揃えはばっちりだったのに……。

「お邪魔しました」

ゴミをコンビニ袋に詰めると私は店外へ。
学校に戻ろう。

149 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/21(金) 01:01:25.12 ID:77KeyiQo

しばらくの間の私の日課は、ギター中心ではなく日記中心になった。
生活のリズムはそのまま。朝起きて学校に行って、放課後は部室。
日記に目を通して、検証……。

もちろん俄には信じられない。
自分を納得させる為にも“リセット”を認識してみた。

手の平にマジックで目印を書いてみたり、適当な教室の机をグチャグチャにしておいたり。
記してあったとおり件の時間を過ぎると元通りになっていた。
手の印は跡形もなく消え、教室は整然とした佇まいを取り戻す。

切り替わった直後は長椅子にいた。
わざと校舎の外にいたりしてみたけど、部室に戻されるのは確かだった。

ちなみに、一日が終わるときはリセット如何に関わらず体の感覚が飛ぶ。
気付いてみると絶叫マシーンのあの浮遊感に似ていた。

「ほん……」

なんか変な溜め息が出てしまった。

150 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/21(金) 01:15:10.75 ID:UDpVVwUP
変な溜め息だな
151 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/21(金) 01:27:21.75 ID:77KeyiQo

紅茶を飲みながら日記を読み、私は一日を終えた。
“私”がどんな生活を繰り返していたのか正直これではさっぱり……。

「行動も書くべき。ほぼ感想だけじゃない……」

まあそもそも日記は人に読ませるようなものじゃないからなぁ。
断片的な情報から推測しかできない。

「帰れるのかなぁ……」

この日記の端々から、元の生活に戻ることを望んでいることが判る。
元の生活ってなんだろうか……?

「……先輩達がいる? 私以外の誰かがいる?」

そっか。私はなんだか順応しすぎたのかも。
確かにこんな世界は変だ。変だけど。
過ごしやすいのも確かなのだ。

自分のペースで好きなことを好きなときに。
繰り返す時間のおかげで時間の限りは無いはず。
何せリセットを使えば、体もこのままだ。

「……」

どうして“彼女”は帰りたがったのか。
……それに帰るも何も、ここが違う世界だという証明は無い。

152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/21(金) 01:44:02.09 ID:UDpVVwUP
新聞とか全部同じ日付なのかね
書いてある内容も気になる
153 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/08/21(金) 01:53:21.35 ID:77KeyiQo
>>152
ネタ提供感謝しますwwwwどこかで軽く新聞ネタ突っ込みますねwwww
154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/21(金) 02:57:48.06 ID:pr.L0UAO
彼女=中野梓で読んでたんだけど俺の国語大丈夫ですか
155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/21(金) 03:27:36.86 ID:GBva9YDO
>>154
自分もそう思って読んでるけどどうなんだろ(´・ω・`)
156 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/21(金) 07:00:49.18 ID:hPAhoWoo
>>154,155
その通りでございます。
kwsk説明するとネタバレしそうなので完結したあとにでも……。
157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/21(金) 13:34:50.83 ID:pr.L0UAO
解説ありがとう!助かりました!
158 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [age]:2009/08/23(日) 01:49:11.33 ID:RX9pMsAO
あげ
159 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/23(日) 05:54:40.03 ID:rqA0vEMo

気ままに過ごして1ヶ月分の日数は経った。
考えれば日常というのは“繰り返し”の毎日だと思う。
起床、食事、登校、授業、部活、下校、帰宅、入浴、食事、勉強、練習、就寝――。

「……」

今日の新聞もそろそろ読み飽きてしまった。といっても内容が変わることは無かったが。

例えば毎秒変化していそうな、目に見えてわかりやすい事柄。
そういったことも1日の中でなら変化する。毎回同じ数字で。
私が手を加えて変化させることは出来ても、それを次に持ち越すことは不可能。

これが致命的までに追い詰める。
なまじ

繋がりを持っているのは、私の記憶だけだった。
しかし、これがつらい。

「…………」

ここで、私を知っているのは私だけなのだ。
誰も私を知らない。
誰でもいいから、私を知ってもらいたかった。
 
160 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/23(日) 05:55:36.98 ID:rqA0vEMo

昼。
せめて自分の中だけでも変化が欲しくて、曜日を設定することにしていた。
通常の1週間と一緒だ。
日曜で始まり土曜で閉める。

まあ。毎日自分のペースで進められるから有って無いようなものだけど。
リセットされないように部室に戻るから、結局毎日学校へは行く。
帰りたいという気持ちは、まだ、というより以前より強くなっている。

“彼女”の言葉が正しいかわからないけど、今は縋るしかない。
ここのルールから逸脱していれば元に戻れる。
そう考えての行動だ。

「はぁ……」

変化は無いけどね。
いつもみたいに爪を切る時間が出来た。
ちょっとだけ髪が伸びた(気がする)。

あとは……。あとは少し日に焼けたと思う。
変化なんて微々たるものだ。
普段と同じなのだからそんな大きな変化があるはずがない。

今日も私は学校へ行く準備を始める。
 
161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/23(日) 06:11:03.11 ID:RX9pMsAO
熱烈支援
162 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/23(日) 06:16:51.13 ID:rqA0vEMo

カバン持って、ギター持って。
これで準備は完了。あっという間。

「あ……携帯」

勉強机に置いてあったそれに気付く。
そういえば。今まで持ち歩いてなかったな。

どういうわけかこの世界、生活するには困らないレベルで回っていた。
こう考えるとなんとも都合の良い世界だった。電気よし、水道よし。
しかし電話、インターネットはどうしてもダメ。
こうなると元々いじらない私にとって、携帯電話は無用のものと化していた。

「たまには持って行ってみようか……」

電池はOK、満タンだ。マナーモードのまま。
そのままバッグに入れて私は部屋を出、戸締まり火の元を確認して家を出た。
 
163 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/23(日) 06:21:13.85 ID:rqA0vEMo

すれ違う人々はもちろん、空を行く鳥もそろそろ聞こえてきそうな蝉の声も無し。
道路はいつだって歩行者天国だ。
さて世間は相変わらず静かなまま。

「……」

学校に近付くにつれて聞こえる喧噪も、耳の中の出来事。
私は開け放たれた校門を抜けて昇降口に入る。
ざわめきはなく、私の足音が小さく響く。

学校指定の上靴の性質上、足音なんてあまり出ない。
ただ、校舎が木造で周りに音が何もないから響いて耳に届く。

「――っ」

“自分”しか聞こえない中。私は立ち尽くす。
最近になってこんな感覚が私を取り巻くんだ。

校舎に私の絶叫がこだまする
 
164 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/23(日) 06:23:06.38 ID:rqA0vEMo

部室で過ごす時間。紅茶が喉にしみた。
今朝のシャウトで軽く痛めてしまったらしい。
潤すようにしてゆっくりと紅茶を嚥下する。

「ああ……」

なんと恥ずかしいことをした……。
羞恥心と喉が私を責める。足をバタバタさせてみる。
また溜め息が出た。

「4時かぁ」

今日も残り30分。いつも通りだった……。
あ、いや。今日は珍しく携帯電話があるんだった。
カバンを机の上に置いて中を漁る。

「ここの時計にあわせておけば、間違いないかな」

この世界の時計全てが同じ時刻を刻んでいるわけがない。
部室の時計なら今のところずれたことが無いから大丈夫そうだ。
外に出るときの時計代わりに使える。

ぞんざいに扱いすぎたらしく。
携帯はカバンの中をまさぐっても中々手に触れない。

「あ、ったと」

底の方から引っ張り出して、開く。

「え――う、そ」

画面に表示された通話中の三文字。そして電話からは微かな雑音が聞こえた。
見逃していた。普通の電話が使えないからという理由で目を向けなかったのだ。
まして普段それほど気に掛けていないものだから尚更……。

「も、もしもし!」

慌てて耳に当てる。
 
165 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/08/23(日) 06:24:00.24 ID:rqA0vEMo

途切れ途切れ聞こえる音は、まごう事なき雑音で。
ただ違う、この世界には無いと断言できる何かで構成されたノイズだった。
何度も呼びかけるも、あちらからの反応はない。

人だ。人が、私以外の誰かがこの世界にもいる。
最初よりはマシになった気がするけど、でもまだ雑音だらけで聞き取れない。
電波。そう思って私は慌てて窓辺に立つ。

「……や」

その瞬間、電話口から音が消える。通話終了のあの音も無く、無音となり。
いつもの静けさが帰ってくる。
崩れそうになる体を奮わせ、私は部室の時計に目を向ける。

「……4時5分!」

同じ日の繰り返しの中において、今日のこれは起きたことのないもの。
経験上、どんな出来事も必ず決まった時間に起こる。
今まで無かったことに当てはまるかは判らないけど、試してみるしか……!

結局そのあと。部室をふらついて見たけれど雑音が入ることは無かった。
画面に出ている電波状況は常に三つのままだった。
自分でも落胆しているのがわかる。

そろそろ時間だった。
私は席に着いてリセットの時間を迎えた。
 
166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/23(日) 18:46:38.87 ID:LUh3qdko
ふむぅ
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/24(月) 16:39:15.38 ID:koFk3doo
パー速に移ってたのか!
168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [age]:2009/08/26(水) 06:59:17.62 ID:gm0ScoAO
↓デルパッ!!!
169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/26(水) 09:39:35.08 ID:pccTm.DO
↑イルイルッ!!!
170 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/26(水) 22:20:18.25 ID:Mn9fwRMo
長門の心の中を目標もなしに散策してるみたいだぜ
171 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/08/27(木) 01:18:01.36 ID:WMGBcoEo
ただいまラストに向けてひたすら筆を走らせております。
書き終わり次第まとめて投下いたしますので、
もうしばらくおまっちください。
172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/27(木) 02:23:52.28 ID:lFtlAgAO
>>171

筒の中で待ってるわ
173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/27(木) 19:24:43.65 ID:msMeo4Ao
>>171
おお、待ってるぞ!
174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/27(木) 20:50:52.63 ID:MCzkwoDO
待ってるぞ
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/27(木) 22:01:43.41 ID:8Cqm2DIP
マダー
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/30(日) 03:05:17.92 ID:igFYgIDO
小中校と学校が始まるからかな?
177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/31(月) 00:06:28.53 ID:WJLide60
意外と見てる人多いんだな
それと作者のキャラが濃いけど嫌いになれないww
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/31(月) 01:11:16.40 ID:ppW6oqEo
まさかここの作者があの駄文を読んでいてくれていたとは…感謝感謝

というかマダー
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/31(月) 03:43:30.94 ID:pTv1ccDO
>>178
駄文ってなに?
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/31(月) 07:59:23.63 ID:7hX6b5Qo
唯「アイ・アム・レジェンド」あたりかな?
181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/31(月) 11:24:02.53 ID:AMQGIASO
てす
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/02(水) 13:33:44.34 ID:Hko9u6DO
まだかね?
テスト期間か?
183 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/09/04(金) 00:57:22.83 ID:Mo5TV4so
皆様お待たせいたしました……。ようやっとラストの目処が立った次第であります。
というわけで、明日9/4の22時ごろから投下します。

長らくお待たせして間が空いてしまったので
こんなスレなんぞ忘却の彼方にあるかも知れませんが……。
本当にささやかですが選択肢(安価)も設けてみました。
いちおうエンディング分岐です。
少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
でもよく考えたらさりげに重要ですね。でも作っちゃったのでやります。

どうぞ暇潰しがてらにでもお越し下さい。


>>176.182
や、本当テスト大変だわ……。
無理して理系なんて選んだばっかりに物理とか化学とかもうね……。
ガラスの十代はつらいですよね!
嘘です。
まだ若造だけどそんな若くないのです。長すぎず短すぎないしっかり休養できる休みが欲しいです。
遠回しに、稚拙な文章書いてんじゃねーよってことですねわかります。
もっと勉強してきますwwwwwwサーセンwwwwww

>>177
存在感の薄さには定評があるが、キャラが濃いなんて言われたのは初めてです。

>>178
大いに宣伝していって貰って構いませんよ!
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/04(金) 02:23:01.15 ID:2/9DhJMP
パー速で安価はきついだろ……
まあ見るけど
185 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 22:00:24.97 ID:Mo5TV4so
                       ポーン


                    /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ
                  /  / ̄ ̄ ̄12 ̄ ̄ヽ  ヽ
                  /  /     |     ヽ ヽ
                 | |   ヽ  |        |  |
                 | | 9    \|      .3 | .|
                 | |              |.|
                  ヽ ヽ            / /
                   ヽ ヽ___6___/ /
                    ヽ _______/
186 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 22:01:21.71 ID:Mo5TV4so
>>165

片付けて部室をあとにすると、私は行ける限り街を歩き回った。
いつも使っているお店、いつも通る道。もちろん校舎の中も隅々見て回った。
だけど何も変化は無かった。

きっとあのノイズは何かが劇的に変わる合図。
それを見つけられればもしかしたら現状を打開できるかも知れない。
そう考えて、いや、そう望んでの行動だ。

「あぁ……」

結局明日また同じ時間に携帯電話で確認するしかない。
この日はいつもの様に軽く街をふらついたあと帰宅した。

「……」

溜め息の私を出迎えたのは、我が家の静寂だった。
 
187 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 22:02:12.30 ID:Mo5TV4so

5日間ほど携帯電話が中心の生活になった。
耳に電話を当てたまま、歩きで確かめられる範囲をうろつく。

正直周りの音が入りづらくなる上に、周囲にも気を配りづらくなるからこのスタイルは嫌いだ。
それでもやったのは、気付いたら独りが怖くなっていたからだろう。
誰かに会える可能性が有るのならそれに縋りたかった。

「結局ここだけかぁ……」

歩き回っても得られるたことは、あの机でないと繋がらないということだった。
リセットキャンセルのルールと同じ。机が整っていないとウンともスンとも言わない。

「……」

こうして部室で必ず放課後を過ごすことになった。
繋がるのに時間も関係あると思っていたが、違うらしい。
机にさえいれば一日中繋がる。

「……」

そして日を重ねたごとに音はクリアになっていき、今は雑音はほぼ無い。
ただ電話口から聞こえてくる音に意識を傾けている。
まるで、あちらの受話器が外れていて電話が繋がっていることに気付いてないような。

時折、何かが揺らめく音、遠くの人の声が聞こえ。
ドアの開く音のあと電話に近付いてくる足音が聞こえる。
その度に大きな声で呼びかけるのだが、あちらは気付かない。

久しぶりに聞いた“雑音”。懐かしさすら覚えてしまう。
こっちの過ごしやすい環境と相まってまるで春先のような心地よさを錯覚させる。

「――ぁふ……」

ああ、ほら眠くなってしまった。
午後1時過ぎにこんな気持ちのいい空気はいけない。
私はいそいそとカバンから充電ケーブルをとりだす。
スピーカーモードに設定し、私は腕に頭をのせて目を閉じた。
 
188 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 22:05:59.74 ID:Mo5TV4so

………………………………………………
………………………………
………………
……


「おー、よく寝てるなー」

「あずにゃーん、ほっぺぷにぷにだよ〜」

「こら、二人とも! イタズラするんじゃない!」

「ふふ。私もちょっと失礼して……うふふふふ」

……
………………
………………………………
………………………………………………
 
189 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 22:07:56.62 ID:Mo5TV4so

「ん……」

眠いのに顔とかいじるのはやめてもらいたい。

「――! 先輩!」

一瞬で目が覚め、私は跳ね起きる。
部室に椅子が倒れる音と。

「――先輩」

電話口からあの人達の声が聞こえてくる。相変わらず騒がしい人たち。

律先輩と唯先輩が騒いで、
澪先輩に叱られて、
ムギ先輩がそれを優しく見守って。

ああ、やっと帰れるんだ。またあの人達と一緒にいられる。
ふるえる手でゆっくりと携帯電話に耳をあてる。

「もしもし、先輩?」

何だかいつもの電話と聞こえ方が違う。
レシーバから聞こえてない……?
って、当たり前だ。スピーカーモードのまま使っていた。
慌てて切り替えた私は改めて呼びかける。

「先輩、みなさん、今どこにいるんですか!?」

わいわい、がやがやという表現がぴったりだ。
呼びかけたって言うのに、全然聞こえていない。
というより誰が電話を持ったままなのか。

「みーなさーん!」

ああ電話でこんな大声で呼びかけるなんて恥ずかしい。
 
190 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 22:09:46.24 ID:Mo5TV4so

「唯、猫耳持ってるかー?」

「あるよー? どうするの?」

「あらぁ。もう、りっちゃんたら」

「おい、律……」

「いいからいいから。ほれ」

「あずにゃ〜んっ」

「こらぁ! 抱きつくんじゃない」

「……イイ……うふふふふ」
 
191 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 22:12:14.50 ID:Mo5TV4so

私の呼びかけは部室にだけ響く。
電話口の向こうの騒がしさは、何に止められることもなく続いていた。
声が届いていない。一方通行。
そして。あちらには私がいる。

「    」

滑り落ちた携帯電話が机に転がり、私は頽れる。
遠くなった声が私を取り巻いていた。

「私は誰なの……? わ、たしは……」

窓辺の壁に体を寄せて丸くなり、遠い世界の出来事を前に呆ける。
やっぱり違う世界なんだ……。
聴けば聴くほど私が会話の中にいないことを認識させる。

話し声は小さくなっていて、もう離れていると殆ど聞き取れない。
幸いだった。耳を傾けるのが怖い。
私はここにいるのに私抜きで交わされる会話。

向こうにはみんな知ってる私がいて。私がここにいることを知らない。
ここにいる私は私だけしか知らない。

えーと、アイデンティティとかなんとか。
……逃避するにはちょうど良さそうな議題だ。
こうしてずっと自分が何なのか考え続ける物体になるのも面白そう。
 
192 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 22:15:10.77 ID:Mo5TV4so

理由があったわけじゃないけど、リセットをキャンセルして進まなければ行けない、と。
きっと“彼女”がそうしていたからだ……私の意志じゃない。
終われないのだ。この場所でただの思考する物体になれたとしても。

「……」

のそのそと立ち上がり、倒れた椅子を戻すと腰を下ろし、どさりと机に突っ伏した。
近くなった電話。せめて少しでも。
私はゆっくりと死んでいくことを選んだ。
そう。せめて、これ以上先輩達の声が絶望になる前に。
 
193 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 22:16:19.43 ID:Mo5TV4so

ゆるゆると流れていく時間を、ただ無情に過ごす。
生きてきたうえでこんな訳の分からない思いを巡らせることがあっただろうか。
携帯電話からたまに流れてくる声が、つらい。

10年そこらしか生きてないけど、思い返せば色々なことが浮かんで来てしまう。
これが走馬燈なのだろうか。
普段だったら思い起こしもしない小さい頃の思い出すら流れては消える。

お父さんとお母さんと私の3人で手を繋いで歩く。
春先だと思う。川沿いの道、黄色い花が道の両脇に咲いていた。
童謡を口ずさんでいたみたいだけど、思い出せなかった。

一面の白。お父さんに倣って雪の玉を転がす。
作った雪玉を持ち上げられずにいると、お母さんが手伝ってくれた。
お父さんは一人でかまくらを作っていた。3人で入れるくらいの大きさだった。
温かかった。

秋。とある伝で手に入れた、進学希望の高校の文化祭のライブの音源。
ギターの巧さに聞き惚れた。もちろんアマチュアバンドだ。演奏の粗は目立つ。
だけどそれでもその演奏は完全に私を――。

桜。桜が丘高校。逸る気持ちを抑えながら初登校。
歴史のある学校だけあって木造校舎。新しい生活が始まる。
だけど、そんなことより。私は掲示板にある告知物を見て胸を躍らせていた。

軽音部。あった!

新歓ライブで生で演奏を聴いたときは、興奮して泣きそうになった
 
194 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 22:17:27.50 ID:Mo5TV4so

現実はいつだって非情だ。
思っていた光景と目の前で繰り広げられる光景は食い違ってばかり。
正直、予想外にだらしない部活だったわけで……。

ところが唯先輩、律先輩、澪先輩、ムギ先輩。
4人揃うと素敵な演奏になり、いい曲ができあがるのだ。
相乗効果というのか、はたまた化学変化か。
たまに唯先輩と律先輩に到っては、ライブ時だけ違う人が演奏してるのかと疑ってしまう。

それほどまでに“桜高軽音部”の演奏は、魅力的なんだ。
なんだかんだ合宿などもして練習しているらしい。
……意外とやることはやっているのだ。

そう、文化祭前の夏合宿。
軽くほのめかされて、待ち遠しくて今以上に嬉しくて。
いよいよ本格的に軽音部の混ざれるとなると待ち遠しかった

「……ぉんやもー、おやすみ」

枕にした腕が濡れていて、漏らした声は掠れる。
自分でも気付かないうちに泣いていた。

「な、んで……せっか、く……」

悔しくて、どうにも出来ない歯痒さに涙が止まらなかった。
たかだか私の覚悟なんてこんなものなのだ。

「帰り、たいよ……。お父さん、お母さん……せんぱ、い」

朱色。
低い確度の太陽の陽射しに染められて、私は。
 
195 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 22:19:10.31 ID:Mo5TV4so



                     ――あずさ


 
196 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 22:20:26.88 ID:Mo5TV4so

声。電話の向こう。
有るはずのない温もりに頬が包まれる。……いっそここまで来れば完璧だろう。
ようやく精神が限界を迎えてくれたみたいだ。

「澪先輩……」

もう懐かしさすら覚える声に想いを馳せる。
なんだかんだで澪先輩は一番頼りにしてました。
 
197 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 22:22:28.36 ID:Mo5TV4so



                     ――あずさちゃん


 
198 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 22:24:35.99 ID:Mo5TV4so

ムギ先輩。
もう一回先輩のお茶が飲みたかったです。
結局最後まで私は先輩みたいに上手く入れられなかったけど。
 
199 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 22:28:02.65 ID:Mo5TV4so



                     ――あずさ


 
200 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 22:29:16.52 ID:Mo5TV4so

律先輩……。
もっと繊細さを覚えて下さい……。
頼もしいところもあるけれど大雑把すぎです。
 
201 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 22:30:21.42 ID:Mo5TV4so



                     ――あずにゃん


 
202 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 22:31:40.23 ID:Mo5TV4so

唯先輩。
すごいのかすごくないのか分かりません。
でもきっと部活の大きな支えになっているのはきっとあなたです。

せめて向こうの私には高校生活を満喫して貰いたいな。
 
203 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 22:35:13.57 ID:Mo5TV4so

随分静かになった。
ドアの閉まるような音が聞こえて、人の気配もなんだか遠くなった。
いよいよ別れの時が来たらしい。

……緩慢な動きで携帯電話に手を伸ばした。
 
204 : ◆pTit6fOIXQ [選択肢 saga!nasu_res]:2009/09/04(金) 22:36:09.07 ID:Mo5TV4so


1:携帯電話の電源を切る

2:携帯電話の電源を切らない

 
205 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 22:38:02.80 ID:Mo5TV4so
選択肢安価>>このレス番に+4
 
 勢い的に考えても遠すぎかも知れませんが休憩タイムを挟むので……
 選択肢決定次第再開しますん。
206 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/04(金) 22:40:17.13 ID:jmenvNoo
今見てる人どれくらいいるのかね
207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/04(金) 22:40:34.86 ID:2/9DhJMP
30人くらい
208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/04(金) 22:43:32.43 ID:mRSyJMAO
209 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/04(金) 22:43:55.54 ID:A2udeTIo
1
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/04(金) 22:50:18.44 ID:0TDGv9go
1
211 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 23:00:23.61 ID:Mo5TV4so
おえうぇうぇw
なんと思った以上にさっくりと……!
意外と見て下さってる方多くて嬉しいです。


レス番+4ということで、205+4=209

>>209 ということになりま。
では再開しますうん
212 : ◆pTit6fOIXQ [saga!nasu_res]:2009/09/04(金) 23:01:36.77 ID:Mo5TV4so

1:携帯電話の電源を切る
213 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 23:02:50.11 ID:Mo5TV4so

これ以上聞き続けるのはつらくなる。決心も鈍ってしまう。
私はそう思って、携帯電話の電源を切ることにした。
電源ボタンの長押しがもどかしい。

――あずにゃん

聴こえたのは唯先輩の声だった。
それは今までと違う気がして、力を込めた人差し指が一瞬離れた。
何だか暖かい。携帯電話に触れていた右手が暖かさに包まれていた。

「……先輩」

届くはずのない呟き。聞こえない呼びかけ。
それなのに、どうして私は。
自分が――今ここにいる私自身が呼ばれていると思ったんだろう。

――みんな。みんなで待ってるからね。

暖かさは幻か。
それでも私は縋るようにして、おざなりに扱っていた携帯電話を両手で包んだ。
ゆっくりと耳に近付ける。
相変わらずあちらは静かだが、

「唯先輩……!」

最後にドアが閉じて、人の気配が消えた。
握りしめた携帯電話が手に痛いけれど、それよりも嬉しくて。
溢れる想いは視界を滲ませて、陽射しの朱色がまた鮮やかで――。

こんな短時間で泣きすぎたな――なんて、そんな事を思ってしまった。
 
214 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 23:03:59.91 ID:Mo5TV4so

やっぱりここは違う世界なんだ。先輩達はみんな、向こうにいる。
どういう事なのか理解できないけど……。
なんだかあっちの私に自分の場所がとられたような気分だけど、とりあえず今は置いておこう。
向こうに行ってから文句の一つでも言ってやる。

とらえどころのない何かがぐるぐると頭の中をまわる。
私は携帯電話に目を落としてひたすら考える。
何がどうなって、こういう状況を生み出したのか。

久しぶりにあの日記を取り出してみる。
何度も目を通したものだから見落としてる部分は無い。
ざっと目を通しても、都合良く中身が変わっているなんてことはなかった。

「……うん」

ヒントになりそうなのは法則が書かれてるところだけだった。
現状を打開できるような情報は無い。
ここから先は私がどうにかしないといけないんだ。

この世界がどういうものなのかさっぱりわからないから、考えようがない……。
とりあえずどうしてここにいるのかも分からないわけで……。

「……?」

一瞬だけ寒気が背筋を走る。何か忘れてる気がするけど……まあいいや。
窓の外に視線を向ける。
陽射しが強くて目が染みる。

「え?」

薄目にしていた目が開ききってしまう。
夕焼けのような朱色が世界を染めている。当たり前だが、もちろん太陽の陽射しだ。
その割りには少し鮮やかすぎるが、問題はそこじゃない。

「なんで……」

さっきまで携帯電話を見ていたから時間は分かっている。
部室の時計ともう一度、見比べてみても狂いはない。
まだ太陽が高い位置にあるのに、どうしてこんな焼けた色を発しているのか。
 
215 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 23:06:25.09 ID:Mo5TV4so

太陽の位置で時間を計れるほど器用ではない。
それでもまだ夕暮れ時というには高すぎる位置にあるのは分かる。
こういう自然現象もあるのだろうか。

「……って違う」

私はなんで簡単に済ませようしているんだ。
仮に現象としてあるとしても、生まれてこのかた、この地方で見られるなんて聞いたことがなかった。
それと……この朱色はとても怖い。

窓辺に立ち、周囲を見回す。際限なき赤。
思えば。ここで気がついたときもこんな朱に染められていた。
……眼が痛い。こんな見事な夕焼けを見るのも久しぶり。

「……っ」

首の辺りが疼いている。
ああ、いけない。これはいけない。
来る、と思った時にはもう。
窓に備えられたセーフティも兼ねている手摺りにを支えにしていた。

後頭部を襲う痛み。
久しく忘れていたけど、少し前はこの頭痛に悩まされていた。
唐突にやって来ては、痛みだけを残していく問題児である。

「い、っつぅ……」

心臓の鼓動のように一定のリズムで刻んでくる。
久しぶりすぎて、痛みへの耐性も弱くなってる。
こうして後頭周辺だと、ただの頭痛よりきつい。なんせ首辺りまで侵攻してくるのだ。
せめての気休めに手でさする。

「……っく」

緩急まで付ける痛みを耐えながら、しかし余計なことが脳裏をよぎる。
……勘弁して欲しい。
どうしてこう体というのはたまに自分勝手なことをするんだ。
 
216 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 23:07:55.14 ID:Mo5TV4so

働く思考回路のせいで私は完全にやられていた。
視界が明滅し始め、目蓋を閉じても収まらない。目が回って来て何が何だか分からなくなる。
平衡感覚は無くなり、もう気分は最悪だ。

「ま……ず」

このまま倒れてしまいそうで、そしてきっとそうなったら意識を失ってしまう。
それだけは避け無くてはいけない……!
まともな感覚を使って必死に机まで這っていく。

「う……」

閉じていても開いていても。視覚はしばらくあてに出来そうになかった。
頭痛と激しいフラッシュバックがひどい目眩を引き起こす。
景色は歪んで見え、まるで眼球自体が独立で動いているような目眩。
ただの数十センチの移動がとんでもない距離に思える。

よろよろとたどり着き、腕を机までのばす。
自分の上方に出したと思うが果たしてあっているか。
上下感覚もままならない。

「……っ」

やっと指先に触れた机の感覚。支えにして渾身の力で体を引き起こす。
ぐらぐら揺れながら机にしがみつき、這い上がってて机の上に倒れ込んだ。
ここなら横になれる。リセットも回避できる。

大きく喘いで薄目を開ける。
太陽の陽射しは朱いまま。
 
217 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 23:11:45.07 ID:Mo5TV4so

ガチガチガチ。頭の中で音がする。
ザリザリザリ。脳髄がさざめく。
だのに意識は締め付けられる。
さっきから続くフラッシュバックは私を削り、遠い光景を刻む。

机の上、もがき苦しむ私を私は眺める。
苦しみで漏れる声はきっと、聞き続けたら精神を病む。
喉さえ嗄れはて、私を落とす。

視界はバチバチと震え、安息の暗闇すら取り払い。
一際強い光が一瞬見えたあと、私はようやく意識を失った。
 
218 : ◆pTit6fOIXQ [saga!桜_res]:2009/09/04(金) 23:15:28.77 ID:Mo5TV4so

7月。
期末考査を終えた校内は久しぶりに部活の活気を取り戻していた。
もうすぐ夏休みということもあって、いつもより明るい気がする。
もちろん我が軽音部もその例に漏れることない。
私も高校生活始めての夏休みということでなんだか期待してしまう。

「やっぱりひと味違いますね……」
「梓ちゃん、手応えよくなかったの?」

まあ、考査開けというのは得てしてこんな雰囲気だろう。
部室へ到着すると、先輩達はテストのことで一喜一憂していたのだ。
私も当然テストの話題をふられていた。

「中間に比べるとあんまりよくなさそうです」
「梓は偉いなぁ、きちんと勉強して。……律も唯も少しは見習えよ」
「な、なにおぅ! 私だって今回は――」
「今回“は”?」
「……今回もみおしゃんのおかげです」
「むはー! このケーキ美味しいねぇ!」

唯先輩はそもそも話を聞いていない。
律先輩と唯先輩はまじめに勉強しなそうだなぁ。
で、澪先輩とムギ先輩はきっと好成績に違いない。

そして後日。テストの結果が出たようだ。
端的にしか聞けなかったけど先輩達はそこそこの結果が出せたらしい。
……正直、唯先輩と律先輩の二人は意外でした。すいません。
 
219 : ◆pTit6fOIXQ [saga!桜_res]:2009/09/04(金) 23:17:52.04 ID:Mo5TV4so

夏休みも目前まで迫ったある日。
授業数も減り、部活の為に学校に来るような1学期の残り。

「あ」

今日は珍しく部室に一番乗りだった。
電灯のスイッチを押す。
点いたと思ったらすぐに消えてしまった。

「よー、梓」
「あ、律先輩」
「入り口に突っ立ってどうしたー?」

私が説明すると。

「あー。言っときゃ用務員がどうにかしてくれるんじゃないかー?」
「はぁ。でも……」

今日は曇り空。さすがの夏といえど屋内とあっては薄暗い。
部活をするには少し難しいものがありそうだ。

「私たちが変えちゃってもいいんですよね」

いちいち待ってるのもめんどくさい。

「でも、私たち届くか?」

やあ、そうだ。
机の上に乗ったとしてもそれが問題だ。
といっても学校なのだから脚立の一つや二つは常備してあるだろう。
ここで話していても埒があかないので、私は行動を開始した。

「一人で平気か?」

まあ、脚立くらい1人でどうにか出来るだろう。
律先輩には部室で待っていて貰うことにした。

私はまず職員室に向かう。
山中先生に脚立とか蛍光灯の場所を教えて貰うことに。
タイミング悪く、用務員室に誰もいなかった。

脚立は男の先生がいたのでその人に運んでもらい、私は蛍光灯を持って後に続いた。
さすがに大きな脚立だったので、私一人じゃどうにもならなかった。
そして、怪我をしないようにとの学校側の配慮だそうだ。
 
220 : ◆pTit6fOIXQ [saga!桜_res]:2009/09/04(金) 23:19:12.91 ID:Mo5TV4so

音楽室への階段を上っていると、唯先輩と律先輩が上から顔を出した。
手摺りから体を乗り出すような形だったので、先生に軽く注意されていた。
にへら、と笑う唯先輩に手を振り返して、最後の踊り場に足をかける。

窓からの陽射しは弱いが少し赤みを帯びていた。
雲があると夕焼けの色が鮮やかに見えやすい。
階段にさしかかって意識を戻す。よそ見して踏み外しでもしたら恥ずかしい。

先生はもう部室に入っていった。
澪先輩もムギ先輩も来ていて、部室から出て来た。
少し足を速めて段を進める。

脚立を設置していた先生に蛍光灯を手渡した。
切れた蛍光灯を受け取って床に置く。凄いほこり。手が汚れた。
電灯の傘の埃が落ちるから被らないように外に出てろとのこと。

律先輩の号令でみんなでわいわい後退した。
先輩共々廊下に出て作業の終わりを待つ。

「おい梓ー。階段気をつけろよー?」
「平気ですよぅ」

なんて油断してたら、見事に右足を踏み外した。

「あずにゃん!?」

唯先輩とは思えない素早さで、手が差し伸べられる。
私もとっさに手を出すが。掴めない。
手の汚れで滑ってしまったのだ。

そしてそれが仇になった。
唯先輩の助けに安心してしまった私は、バランスを取り戻すタイミングを逃す。
ゆっくりと遠ざかる階上の光景は反転した景色に移り変わる。

窓からこぼれる微かな陽射しの赤が鮮烈だった。
 
221 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 23:23:03.79 ID:Mo5TV4so

7月×日。晴。
私はまだ生きている。
机の上で横になってしまったせいで体中痛い。

といっても痛みはそれのせいだけではなさそうだけど。
まだ怠さを残す頭を動かして、周囲を見回す。
窓の向こうが変貌していた。

「……」

自然は消え、家屋は消え、色々なモノが揺らいでは消えていく。
消えたあとには何も無い。形容しようにも言葉を紡げない。
本当に何もないのだ。
ただただ消えて、まるで陽射しに塗り潰されるようだった。

体の異変は治まったのに今度は世界の異変だ。
だけどもう慌てることはない。
あのフラッシュバックの中に見た光景で全部思い出した。

この世界はあの世とこの世の境目みたいなものだったのだろう。
死にかけた人間が停留するような場所。
ゆっくりと薄れる世界を見ながら、そんな事を考える。

崩れていくのは私の死期が近付いている証拠に違いない。
気付けばもう校庭も半分ちかく消えていた。

「だめだったよ……ごめん」

唯先輩の机から日記を取り出して抱きしめる。
私達の努力は無駄に終わってしまった。
悔しかった。

何が足りなかったんだろ。
もう少しで帰れると思ったのに。

「……ひっ、っく」

校庭は完全に消え、残されているのは校舎だけ。
なおも削れていく世界の中。
太陽だけは変わらずに陽射しを降らせている。

ああもう……せっかく希望がわいたのに悔しいなぁ。
私はもう死んでしまう。
 
222 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 23:25:09.77 ID:Mo5TV4so

とうとう校舎まで飲みこまれ始めた。
部室の壁は無くなり、机に徐々に迫ってくる。
ドアが消え、本来ある廊下はない。……あの階段ももう無い。

ドラムが見えなくなる。キーボードが消える。
何もない空間は軽い跳躍で飛び込める距離にまで来ていた。
といっても実はもう体はまともに動かない。
頭痛と目眩で疲弊しきってしまって、首を動かして景色をみるのもやっとだ。

もともとわけも分からず投げ出された世界。
リセットだ繰り返しだのなんだのあったけれど、これは一番理解不能な事態。
今さら打開策は無い。
……考えるのも疲れた。

そもそも、そんなことをする気力は無かった。
私も、“私”も色々頑張ってみたけど、負けてしまった。

机が消えるのを確認。
私は投げ出されて、視界が白に塗り潰される。
遠のく意識。
ゆっくりと目蓋を閉じて、私は眠りについた。
 
223 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 23:30:42.12 ID:Mo5TV4so

ふわふわした時間。空を飛んでるような気分。
私はあの空間に投げ出されてからどれくらい経ったのだろうか。
目を閉じても目を開けても私の視界は白い光に包まれて、眩しくて何も見えない。
自分の体も見えない。「ある」という感覚だけ。

そのうち体に何かがまとわりつき、息苦しくなってくる。
水中で波にただただ揺られるように漂う。
でも、とても居心地がいい。

「    」

浮ついた感覚が消えて少しずつ自分が見えてくる。
音は何も聞こえない。
少しの間その感覚を楽しむ。

とても落ち着く中、少しずつ波が強くなってきた。
次第にグラグラと強まっていく揺れに少しばかり不安になる。
けど、このくらいはもう余裕で楽しめる。
死んだ私に今さら何が来ても大丈夫……。

一転。そんなことを思ったらさっきと違う場所にいた。
まとわりつくものはなくなり、景色が色を帯びた。
蒼。上も下も右も左も無い。
まるで空のようだなと思うと、覚えのある感覚が身を襲う。

「――!?」

ひゅ、と肺から空気が漏れる。
無重力感。

「落ち、てる?」

体を打つ風でそれがわかる。
髪の毛もばさばさと宙を舞う。
そして背中から落ちているから、恐怖も一入である。
せめて下に、向かう先を見ていたいので体を動かすのだが、自由に動けない。
ほんの少しの体重移動でくるくる回ってしまうのだ。
縦回転に横回転。また気持ち悪くなりそう……。

「こ、れで」

何回も何回も繰り返すうちにコツを掴み、ようやく腹ばいになったのだが。
もう地面が目の前にあった。
迫り来る衝撃に耐えられるはずもないが。
私はささやかな逃避として思い切り目を閉じた。
 
224 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 23:38:10.94 ID:Mo5TV4so

衝撃はいつまで経っても来なかった。
むしろ体は何か柔らかいものに包まれている。
遠くで音が聞こえた。

ゆっくりと目蓋を上げる。
 
225 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 23:39:28.77 ID:Mo5TV4so

白い部屋。窓からこぼれる陽射しはあたたかい。
壁の白、天井の白がその光を軽く反射して、部屋は柔らかな光を湛えていた。
窓の向こうから誰かの声が聞こえた。

「ここ、どこ?」

カレンダー、テレビ、花瓶。そして私はベッドに。
中途半端な居心地の良さである。
どこかで見たことあるような気がするのだが思い出せない。

ビシ、と頭痛。後頭部をかばう。
慎重に上半身を起こしていく。

少し騒がしい声が通りすぎた。と思ったら扉が開いて大きくなった。

「ほらぁ。2人とも病院なんだから、もう少し静かに、ね?」
「まったくだ。律も唯も騒ぎすぎだぞ」
「まぁまぁ、そう言うなってー。この騒ぎで梓が起きるかもしれないだろー」
「ふぉぉ、あずにゃーん! 遊びに来たよぉぉ」
 
226 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 23:42:34.22 ID:Mo5TV4so

あ、先輩達だ。

「あばばばばば!?」
「ぶわ!? おい唯ぃぃ、急に立ち止まるなっての!」
「どうした唯?」
「唯ちゃん?」

先頭にいた唯先輩と目があった途端、変な表情になった。
何か変な格好でもしてるんだろうか。
顔を手で撫でてみても、変な所は無い、と、思いたい……。
少し違うとしたら髪の毛がしばってないことくらいだろうか。

「痛ぁ……。結構強く鼻うっ!? たばばばばあずああああ!?」
「おい! いい加減にしないと怒られってったっま、ああ、ずさ!?」
「……梓、ちゃん!?」

みんながみんな、そんなに驚かれるとちょっと……。
唯先輩なんか呆然とし過ぎて、あわわわわとか言いながら近寄ってくる。

「あ、の先輩、ちょ、唯先輩」
227 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 23:43:30.80 ID:Mo5TV4so

ああそうか。私生きてるんだ。
あったかいなぁ、これ。
 
228 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 23:44:38.36 ID:Mo5TV4so

「……梓ぁ!」

――先輩達が抱きしめてくれる苦しさと

「梓ぁぁぁぁ! 良かったぁぁぁ……」

――先輩達の泣き声と

「本当に、良かった……梓ちゃん」

――先輩達のあたたかさで実感する。

「くるし、いです。……ううぅ、ひっく」

帰って、こられたんだ。
 
229 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/09/04(金) 23:45:56.18 ID:Mo5TV4so







                   「おかえり……おかえり、あずにゃん!」






 
230 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/09/04(金) 23:47:19.51 ID:Mo5TV4so




                    梓「ここはどこ…私は…」
                                     story end.




                                             by ◆pTit6fOIXQ


 
231 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/09/04(金) 23:59:14.16 ID:Mo5TV4so
というわけで、一ヶ月もかかってしまいましたがお終いです。
なんだか最終話は投下してみたらやけにあっさりしてたような……。

己の遅筆と発想力と文章構成能力のNASAで、
読んでいただいていた皆様には、
大変なお時間を使わせてしまうことになってしまいました。

こんな過疎った糞スレまでのご足労、本当にありがとうございます。
ずっとくじけそうでしたが、「待ってる」とかそんないじらしいこと言われたら……///

なんにしてもご声援と見守っていただいたことに感謝してもしきれません。
また厨二パワーが貯まったらここでひっそりと書き始めるかも知れません。
見かけたときは「つまんねーよバーカ」って罵倒してあげて下さい。




あと何か物語の中で、

訳分かんねーよ! 意味分かんねーよ! 日本語の使い方おかしいよ!

みたいなご指摘ありましたら。
言っていただけると助かります。


それではこれにて失礼します。
232 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/09/05(土) 00:00:40.52 ID:3aGhHGko
あと最後に。
このあずにゃんのAAは神懸かってると思います。


      -‐..::::  ̄ ̄ ::::::......、、
   /:::::::::/::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::ヽ、
  r'´:/:::::::,イ:::::::::: |::jハ;:::::::::ヽ:::::::::::\
  |::/::::::::/│::::::::::|::| |::::ヽ:: ',:::::|:::::::..',
  !:l:::::::/ ̄|::::::::::// ̄|:::从:: |:::::|::::::::::rヘ
 ノ:|::::/ ___レヘ:::::/ ___V  ';::|:::::|::::::::::|:::::.i
. !:::{从rテ示  ∨ rテ示7 V::::::|::::::::/::::: |
/:::::::::リ ヒソ     ヒソ /::::::/::::::/:::::::::|
|:::::::: ′          /:::::::「`)イ::::::::::::|
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l| V !:::::::::|rュr勹   フ::::/V    |:::::::::::::|
    |:::::/ん)´  /:/ン勹ぅ- 、│:::::::::::|
    |::/ r')ヘ   んr'´ノ´   ヽ ::::::::::::|
    l;' /  `⌒´  ( {、     |:::::::::::::|
    / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ }!     |:::::::::::::|
233 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/05(土) 00:07:35.37 ID:rTqSAQAO
234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/05(土) 00:10:11.53 ID:Lrs1bFAo
乙!
vipの時からから見させてもらってたが
面白かったよ
235 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/09/05(土) 00:46:16.41 ID:3aGhHGko
やばい。超忘れてたwwwwwwwwwwwwwwww
選択肢のことほっぽり出してましたねorz

GoodEndであります。
つーことで正解ってことですな!
ひっかけるつもりでつくったのになぁ……orz


>>234
僕もあなたのことvipの頃から見てました……///
冗談です。
ご声援ありがとうございます!
236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 00:46:47.33 ID:D6QLzEDO
最高だ!!!
by MG3スネーク
237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 00:57:18.72 ID:qj1OyYAO
Goodで助かった


乙!
238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 01:01:30.87 ID:KpboEUYo
乙だ!

ところで、これ別ルートは…いや、言わなくて良い
239 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/05(土) 01:23:08.63 ID:UmF5LNgP
乙でした
走馬灯みたいなモノ 
という認識でいいのかな
240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/05(土) 01:54:18.80 ID:VmJhMM.o
とてもよかった
241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/05(土) 13:52:22.66 ID:E8UFM2g0
乙 文章が上手くてすごく面白かった
野暮なのはわかってるけどバッドエンドもちょっと見てみたい
242 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 14:35:47.49 ID:LMWzMUMo
乙面白かった
しかも、パー速機能使うとは
243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/05(土) 20:00:47.61 ID:pk8iUhs0
乙 vipから読んでた者だが、やっとすっきりした
2:携帯電話の電源を切らない を選んだらどうなってたのかも気になるな
244 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/09/06(日) 06:18:50.62 ID:lBdYs.oo
ゲリラ投下敢行
245 :さわ子 ◆WxXhd8NdTg [saga!桜_res]:2009/09/06(日) 06:20:32.03 ID:lBdYs.oo
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246 :さわ子 ◆WxXhd8NdTg [saga]:2009/09/06(日) 06:21:24.03 ID:lBdYs.oo

皆さん、いかがお過ごしでしょうか。平沢憂です。
九月に入り夜はとても涼しくなりましたね。
風邪はひいてませんか? きちんと暖かくして寝ないとダメですよ。
そうしないと私のお姉ちゃんみたいに、大事なときに体調を崩してしまいます。
ほんと、秋らしい空気が漂ってますね。

秋と言えば……、私は読書と芸術――、あと食欲の秋です。
お姉ちゃんが美味しそうに食べてくれるから料理の腕の奮い甲斐もあります。

さて、それはともかく、私たち学生には外せない一大イベントがありますよね。
読書、芸術と言えば文化。

そう、文化祭です。
桜高文化祭といえば軽音部、とまではいきませんが
それなりにお姉ちゃんたちの演奏は有名になったようです。

友達の中野梓ちゃんも入部して5人体制になりますますパワーアップしました。

今日はそんな軽音部が活躍する文化祭でのライブの一幕をお送りします。
 
247 :さわ子 ◆WxXhd8NdTg [saga]:2009/09/06(日) 06:22:21.35 ID:lBdYs.oo





和(司会)「それでは次の出演者は本校の花形! 知らない人はいない! 果たしてやるきはあるのか!
       ファンクラブまで出来てしまった我らが軽音部こと放課後ティータイム! どうぞ!」


会場を包み込む拍手。いやが上にも高まっていく観客の期待。
私はゆっくり上がる緞帳のみんなへと、心からのエールを送った。
生徒会と実行委員会で尽力してきた文化祭。
学校の生徒のお目当ては殆どがこのライブではないだろうか。

桜高軽音部。

事実、生徒会も実行委員会も唯達の演奏で全校のモチベーションが維持されているのを感じてた。
……あんなみんなだけど本番になると素敵な演奏するのよね。
私も期待してる。講堂の観客の中に憂ちゃんを見つけた。
目があって互いに手を振る。

まもなく緞帳が上がる。
講堂に詰めた観客の声援も高まっていった。

和「え?」

ステージの上は空だった。
 
248 :さわ子 ◆WxXhd8NdTg [saga]:2009/09/06(日) 06:24:13.24 ID:lBdYs.oo

楽器類、マイクの準備はばっちりなのだが、主役の演奏者達が、いない。
これにはさすがの講堂も少しばかり驚いたようで、そこかしこから疑問の声が上がっていた。

和(ちょ、ちょっと澪? 律? ムギ? こんなの聞いてないわよ……)

学生の行う学祭ライブといえどリハーサルはきちんと執り行われる。
講堂を使える時間も限られている。
その中で出演者各々の持ち時間も定められ、出演順も決められた上で通しで行う。
よって、内容に大きな違いが出るはずが――。

和(まさか……唯)

幼馴染みのことが脳裏をよぎる。まさか、また、何か重大なことを……。
無意識に憂ちゃんを見る。どうやら何も知らないようだ。
心配そうな表情でステージを見ていた。
ライブ班――スタッフ連中もぽかーんとした表情だ。

いよいよ観客達がざわついてきた頃、ようやく動きがあった。
律が、上手側から姿を現した。

ただし。なんとも言い難い妙な格好である。
前身黒尽くめ、ぱっと見、まるで全身タイツのようだがそれほど地味ではない。
シックなライブ用の衣装のようだ。
そして頭には花冠を乗せて、やけに神妙な面持ちでステージ中央にやってきた。

気付けば先ほどまで講堂を覆っていた歓声も消え、皆が何事かとステージに意識を傾けている。

和(……律)

何が何だか全く訳が分からない。
講堂内の誰もがそんな心境だったろう。

やがて、うつむきがちの顔を上げた律がとうとう声を発した。



律「私は 神だ」


 
249 :さわ子 ◆WxXhd8NdTg [saga]:2009/09/06(日) 06:25:15.05 ID:lBdYs.oo

きっと感情が具現化するなら、講堂内はクエスチョンマークで満たされた。

律「私 は 神だ」

再び、律は講堂内を見渡してそんなことを言った。

律「お前 たち 民 が 考え た 」

唯「ちょ、ちょっとりっちゃん!? どうしたの?」

制服姿の唯が上手側から慌てて出てくる。
あたふたと唯にしてはめずらしい。

唯「もう私たちの番なんだから、遊んでないで――」

律「邪魔 は する な」

そんな唯に向き直った律は持っていたスティックを掲げると、それをまるで剣のように振り下ろした。

唯「うわああああ……! のおおぉぉぉぉおおぉぉおおお……!」

すると唯が急に苦しみだす。
胸を押さえ喉を押さえ、やがてゴロゴロ転がってまた上手側の裏に消えていった。
なんなの? 一体……。観客席からは小さく笑い声が聞こえる。
律が正面に向き直り、こう続けた。
 
250 :さわ子 ◆WxXhd8NdTg [saga]:2009/09/06(日) 06:26:33.47 ID:lBdYs.oo



律「お前 たち 民 が 考え た この 文化祭 という 儀式 は

  我々 神 から 見ても いい もの だ

  よって この 儀式 は 絶やす こと なく 続け

  代々 まで 受け 継ぎ ――」


 
251 :さわ子 ◆WxXhd8NdTg [saga]:2009/09/06(日) 06:27:25.10 ID:lBdYs.oo

蕩々と言を繋ぐ律の姿はいつものだらしない空気をまるで感じさせなかったが。
観客席の笑い声は大きくなっていて、歓声も復活していた。

和(あれ……これってもしかして)

振る舞いに既視感を覚え、脳を回転させているとそこへ。
律と似たような格好の唯がギターを背負って飛び出てきた。
そうしてようやく私は合点がいった。
 
252 :さわ子 ◆WxXhd8NdTg [saga]:2009/09/06(日) 06:29:08.94 ID:lBdYs.oo



唯「私 だ」

律「なんだ お前 だった のか」

唯「また 騙され たな」

律「全く 気付かな かった」


 
253 :さわ子 ◆WxXhd8NdTg [saga]:2009/09/06(日) 06:30:31.53 ID:lBdYs.oo

唯は神妙そうな表情をしているつもりなのだろうけど、なんだか間抜けで――。
私はつい吹き出してしまった。

唯「暇を 持て 余した――」

律「――神々 の――」
 
254 :さわ子 ◆WxXhd8NdTg [saga]:2009/09/06(日) 06:31:49.61 ID:lBdYs.oo



                       唯「――遊び――」律


 
255 :さわ子 ◆WxXhd8NdTg [saga]:2009/09/06(日) 06:32:58.38 ID:lBdYs.oo

瞬間、観客席が沸騰する。
二人はそれぞれ神々しさをイメージしたポーズをとっているつもりなのだろう。
唯はギターを構え、律はスティックを頭上に掲げて、とてもいい顔をしている。






やがて律がスティックを打ち鳴らした。





律「ワン、ツー、スリー!」
  ttp://www.youtube.com/watch?v=W-w4cSSkTd8&feature=related






 
256 :さわ子 ◆WxXhd8NdTg [saga]:2009/09/06(日) 06:34:27.59 ID:lBdYs.oo





いかがでしたか? これが今年の文化祭ライブの模様です。
お姉ちゃんたち軽音部のライブは無事に大盛況のうちに幕を閉じました。
ちなみにライブ後に和さんにはしっかり怒られたそうです。
私も最初はびっくりしましたが、何だかお姉ちゃんたちが楽しそうだったのでオッケーです。

あの不思議な衣装も顧問の山中先生の手作りらしいです。

軽音部の活躍も話せたので今日はこの辺で失礼します。
平沢憂でした。
 
257 :さわ子 ◆WxXhd8NdTg [saga!桜_res]:2009/09/06(日) 06:37:55.56 ID:lBdYs.oo
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    ..:{  \    f二¨ヽ |::. }{ /  `¬::: : :レ'   三 GOODLUCK!!BABY!!  三
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   ::::',       ゙、\_   「ヽ | |   lノ::/レ}
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  :::|∧::〉        }_ヽ    {    \フ{
  :::|{:::|:{     / ̄   \         ヽ!
  ::::l ::|ハ.          {           |
  ::::: ::ヽ:ヽ          \        |
258 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/09/06(日) 06:41:45.14 ID:lBdYs.oo

参考文献

『古の神々・遥かなる鼓動』 (民a書房)
ttp://www.youtube.com/watch?v=7MLUGpV4xgg
259 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 06:43:16.97 ID:BmgBh2DO
本編読み終わった!
すっごく良かった
バッドエンドも興味あるなぁ
気が向いたら書いてほしいけど、ここで終わるのも良いな


丁度読み終わったら番外編来てたwwww
番外編もよかったよww
260 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 11:53:58.73 ID:VXLNe.DO
なにこの番外編ww
261 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 21:59:20.70 ID:0bynTMAO
番外編ワロタw
262 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/09/07(月) 23:10:23.17 ID:vvaTRO2o
それなりに番外編は受け入れていただけたようでなによりですた。

モンスターエンジンのネタは好き嫌いがはっきりしているようで、
嫌いな人はちっとも笑えず全く受け入れられないというほど。
空気的に唯律のコンビなら躊躇うことなく嬉々としてやってくれそうだったので、
ついつい調子に乗ってしまいました。

ちなみに「ここどこ」の世界とは別のベクトル上で起きた件と思っていただけると幸いです。
モンスターエンジンのあずにゃんは不思議体験をしていません。
普通のごきb……ゲフンゲフン。とっても可愛い美少女です。

近頃あずにゃんがG呼ばわりされててちょっと悲しいですよね!
どうしてなのかちっとも解らないや! HAHAHA!
そういえばみなみけの夏奈も可愛い気がします。

閑話休題。

このスレもまだまだ少し余ってますので時折こんな感じで自慰をします。
奇跡的にまた新しいシリーズをやろうかなとかも考えてるんですけど……。
いかんせん発想力と文才、想像力と創造力が欠如した私ではどうしても、
どこかの作品の世界観をパk……お借りすることになります。

「ここどこ」の続編はおそらく書きませんので、どうしても短編になってしまいますね。

まあ何が言いたいかっていいますと。
これからもこのスレでオナニーしますよってことです。
文才無いからたったこれだけのことを言うのにこんなにかかっちゃいました。
本編の1コマ分くらいありますよ。

このAAも可愛いと思うんだ。

         _/-/:.:.:.:.:.:/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:ヘ
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.        /:.:.:l:./:.:.:.:.i:.:,':.:/ l:l:.:.:.:.:.:.:./:.:.:,l:.:.!:.:.:|:.:.:.:.:l:.:.!-、
       /:.:.:.,|:.!:.:.:.:.:.!ハ:/\l:l',:.:.:.:.:.:.:.:./ l/ !:.:.l:.:.:.:.:.|:小:.:i
        l/:.:/ l:|:.:.:.:.:.| --  _l`ト:.:.:.:._ム/-十/!:.:.:.:.:|/l:.i:.:|
       /:.:.:i /!:.:.:.:.:.l `ー―` \/ 、-‐ l/、l:.:.:.:.:,':.:,!:|:.:|
.      /:.:.:.:l { |:.:.:.:.:.:l           `ー‐‐ ,':.:.:.:,'、/.!:.:.:.!
     /:.:.:.l:.|  `!:.:.:.:.:トヽ       , |`!    //:.:.,' / |:.:.:ヘ
.    /:.:.:.:.l:.:!  l:ト、:.:.', ヾ、     |. |     /':.:.:./´   !:.:.:.:ヘ
    /:.:.:.:.:.:|:.|   ヾ、\', 、   ‐ 、,' !   イ:.:.:〃    .!:.:.:.:.:.ヘ
.   /:.:.:.:.:.:.:.|:.!     /ヽ`ヽ、  / _ム-‐、'_:/'′    |:l:.:.:.:.:.:ヘ
  /:/:.:.:.:.:.:.:|:.|      , -|   ` / ‐‐--、}ノ         !:!l:.:.:.:.:!:.i
  ,':.,'!:.:.:.:.:.z≦、 ̄ ̄ ̄ V    i  ー‐-、 |'       |:| !:.:.:.:.|:.:!
 i:.:.l |:.:./   ヾ、     ヘ   |  t‐ }' `ー- .._    |:| |:.:.:.:.:|:.:|
 !:.:| |:/    、. ヽ.    ヘヽ、 |   T´/      ¨ ‐ 、!:| |:.:.:.:.:|:.:|
 !:.:| |'      \ ヽ、  ヘ ,ィ!   /         / ハ| |:.:.:.:.:|:.:|

本編のおかげであずにゃんのことが好きになりました。
263 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 23:26:00.62 ID:UpCo5O.o
                 ,. x= '".:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `ヽ、    ,.x='": : : : : : /: : : : : : :ヽ : : : : : : : :`丶、
               /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ、/: : ,: : /: : :/: : : : | :| : : : : : : : : : : : : : : :\
               /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::..:.:.ヽ :.::..:.:.:.ヽ,:.:.:.:.i./: :/:/: : :::;:/: : : : : i: :|::: : : : : :ヽ,: : : : : : : : : ヽ
           /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i.:.:.:::::::::::.:.:ヽ:.:::::.:.:.:.:i.:.:./: :/ /: : : //: : : : : : : :i::::: : : : : : ハ : : : ヽ : : : : :`.
          , へ:.:.:.:.:.:.i.:.:.:.:i.:.:.:|.:.:.:::ヘ;:::::::.:.:.ヽ::::::.:.:.|.:///: :ヾ / /: : : : : : :i :i::::::. : : : : : : :',: : : :ハ: : : : : :ハ
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かわいいよ
264 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/08(火) 21:20:03.48 ID:JCDiFgDO
>>262
ひたぎちゃん?
265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/10(木) 17:35:35.75 ID:9lquqpco
どうみてもコタツクワガタの次女
266 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/09/11(金) 02:13:05.52 ID:YKfa.zQo
>>264
>>265ですww
kwskはみなみけの夏奈ですな。
267 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 17:55:10.32 ID:/bfA4ADO
かなめもの夏奈しかわからないな
268 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 19:47:23.22 ID:bLwtPlso

           , ': : : : i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ / 〉_ヽ、: : : : :i
             /: : : : : i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : V\. 「: : : : : : : i
           ': : : : : :::! :!: : : : : ; : : : : : : : : : : : :.:: i: : : : : : /:', /_レヽ: : : : : : i
          ! : : : :i:::,イ:|:: : : : : ': : : : : : : : : : : : : ::l: : : : : :: : : :/iヽ、/: : : : : : : :i
.           !: /: : :|/ l::|ヽ:: : : : ',:: : : : : : : : : : : : :': : : : : :!: : / :ト、/:::': : : : : : : :.i
           !:/; : : :!`丶!|  \:: : ヘ、:: : : : : : : : : : ': : : : : :.|: // :.!:::::::::::' : : : : : : :i
.           |,' {: : : | ァミ、!ヽ   \: :ヽ=::::: : : : : /: : : : : : :!:./: : :!:::::::::::: ', : : : : : :i
         |. ハ: : :Y {イヽ    ´`丶\ヽ、 : : /: : : : : : : |/: : : '|::::::::::: : :',: :',: : : i
.         i:::::\{'、_マリ     ァ'"て`ヽヽ/ : : : : : : : !`ヽ: ;' !:::::::::. : : :; : : : : :i
.         i:::::::l            {::: しz:》 : : : : : : : : '   }/ !:::::::: : : : :i: : : : :.l
.           l::::::::i    /       丶`ー‐'7: : : : /.: : : :,'.  /  !:::::: : : : : !ヽ: : : |
          l::::::λ   !            /: : : : /|: : : :,'. /   !:: : : : ! : : : ヽ: :.!
          | /|ハ                ' : : : : '__! : : ,' ´     ヽ: : : i:i : : : : :ヽ|
.              !::ヘ  `ヽ        , ': : : // /! : :,'        ヽ: : j:j: : : : : : ヽ
              !::::|ヽ `       /-― '   / j: :,'            !: :/,': : : : : : : :ヽ
.                !::l ハ      _ - ´   / j.:/ ヽ.       /:,:': : : : : : !: : : ',
                  !|  `¨  T ¨´       .l  j:/   }     /:., ': : : : : : : : !: : : :',
                   i      ____L__/_       /: /j: : : : : : : : : |、: : :i
                   |   , =三三三ヽ、|.      /: / /: : i: : : : : : : | ', : : i
                       リ __/三三三三三.ヽ    /: /  ./: : :.j: : : : : : : .! !: : :!
              __ ァ ァ== '´ /三三三三三三三= /; イ   , ': : : :/: : : : : : :..:| |: : :|
          /ニ/ /    /三三三三三三三ニ/イ    /: : : , '/: : : : : : :.:::l .!: : :i
         /三./ /  //三三三三三三三三三三.i   /: : : / /: : : : : : : :::::' .!: : :l
        /三ニ/ / /ニ/三三三三三三三三三三ニ.i/: : : /  /: : : : : : : :::::/  | : : |
269 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 03:10:50.75 ID:NkZuYoDO
>>268
おお、ありがたい
270 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/13(日) 23:23:24.72 ID:elrHAQDO
パオ
271 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/14(月) 02:23:47.38 ID:foYSzbMo
.:.:./:.:\_{  | :.:....         |     /       /   .:/  } :} / V    }
.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゝ‐!:. : .:.. ..        |:           :/   .:/_ ノ | ;   }.:.  |}
{:.:.i:.:.:.:.:.:.:.ーハ:.           |:.      |    .:/   ...:/´   j/ ,xィ小:. ∧{
}.:.:{:.:.:.:.:.:.:./i :.:..   :..     |:.      |   ..:/  .. :/    /  ftJ ハ:.:. /
{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|  :.:.:..  :..      |:..  :    }  .:/ ...:./ ,、_      ゞ'^ ノ ィヽ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:i.:.:|  、:.:.:.:.. :... /⌒|:..  :i.   ハ. .:/.:.:xィ<⌒        ヽ   {:.:.:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:|     、:.:.:.:.:/ ⌒ヽ|:.:.  {:.   ∨ィf:t:Jノノ/           i }:.: i
.:.:.:.:.:..:.:.:.|:.:.|     \:.:.:{  ⌒`!:...  ::..    :.`^冖^´           ′′:|
.:.:..:.:.:.:.:.:.|.:.:|      \V   :.:...  :、:..   ∨ヽ/ ヽ           、 /:.:.:.:|
:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:|         `\  !{:.:...:..:.:.:、:...   :、               //:.:.:.:.リ
:..:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:|            ` ー小.:.:.:.:.:.| \:...  \           ′}⌒
.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:l               ハ:.:.:.:.:.:.ト  `^ ̄ ⌒          j:.:.:.
:..:.:.:.:..:.:.:.|:.:.|             r/  、.:.:.:.:|     ‐-   ___   .ノ|:.:/
.:.i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|          /!{   、:.:.|           /´\\::`::..、!/
:.:|:..:..:.:.:.:i..:.:|     ヘ-‐ ´  、、    ヽ{           /   ヽ ヽ::::::\
.::l:.:.:.:.:.:.八.:|x<     \    \ 、             ∧     }  }::::::::::ヽ
272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/14(月) 09:34:11.53 ID:TSkTxQDO
うおおおおありがたし!
273 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/14(月) 09:41:36.58 ID:foYSzbMo
                       _____
                  _,,.-:‐:'´: : : : : : : : :`:ー:-.、
            /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ、
               /: : : :;':.:|、: : : : : : : : : : :、 ::ヽ、:: : :∧
           /: : : : :|: :| ∨: :.:|: : : : :、: :l: : ::ハ: : : :∧
            /: ;': : : :|: :|  ∨:.:|: : : : :|i: :|: : : :|: : : : :ハ
.           /:.:/: : : ::l|: :|ー-∨:|: : : : ;||-:|-i: :: : : : |:: :|
         /;ノ|: : : : :|W__  ヽ:|\:_:_:|レ'|;/|:.:|: : : :||: :|
        '"  |: : : : :|ィマ弐ォ、    ,ィfテ心、|:/: : : :| |::|
.            |: : :|: :|、 V:z;リ`    ´V:z;リ ,'/: :/: :リ j/
              ∨::|::∧  ̄        ̄ /: :/: :/:|
               ∨:|ヘ:∧、    __    ,/: ;/|/: :|
           /::`: :::: ̄::>‐-r-:r-‐<:: ̄: : : : : :|
             /: : : : : : ::::,-/ |⌒| \-、::: : : : : : : :|
.            /: :/: : : : :<´ ., ̄<r:ュ> ̄_: `>:: :.: : : : :|
          _,ノ:;ノ: : : : : ::/`〈   |:::|   〉'∧:: : : : : :∧
         ̄/: : : : : :::/   〉   |:::|   〈:  ∧:: : : : : ∧
           〈::〈: : : : /ヽ.__/   |:::|   ヽ、__∧:::::::ト、:::∧
          ∨\:::〈__,/\,/∨\,/`ヽ_〉ヘ::| ヽ:::\
                ∨〈_,ソ\/_|_|_ヽ./〈,ソ  `     ̄`
                     |‐-‐| |‐-‐|
                 .|:::::::| .|::::: :|
                  ..: :|:::::::|: ::|:::::::|: :..
                    : : : : |::::::j: : |::::::j: : : :
               : : : : : ̄: : :  ̄: : : :
274 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/14(月) 09:45:20.51 ID:foYSzbMo
                    /:::::::::::::::::::::::::::::::::;イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::、
                         ′::::::::::::::::::::::::::::::::/ |:::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::、
                      /::::::::::::::::::::::::::::::::::::,:′ ! ::!:::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::、
                  /:::::/::::::::::::::::!::: |:::::/     !::|';:::::::::::::::::l:|.!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::、
                    /:::;:イ::::::::::::::::::|、/|::/`丶、  !:|.l:::::::::::::::: |:! ';:::::::::::::::::::::: : : : : : 、
                     ,':::/ / :::::::::::::::::|ア"て`ヽ、、ヽ.!| !::::::::::::::: |! |:::::::::::::::::: : : : : : : :.、
                 i::/ / ::::::::/!::::::::lヽ.{:::い:リY   ! ヽ::::::::::ム!,,__!:::::::::::::::: : : : : : : : :.、
                  i/ /:::::::::人|::::::::i. ´ ー'       \://__|:/|::::::::: : : : : : : : : : 、
                / / :::::::::::::::|::::::::ト、             ,イ::い リ`ヽイ:::: : :./:: : : |\: :、
                / :::::::::::::::: \::::l ',              ゝ=シ, 、'" ':::: : :/|:::: : :,   \
                 /::::::::::::::::::::::ハ \          /            /::: : :/: !:::::::,'
                  / :::::::::::::::::::::::::ハ                    /:::: : /:::',|:::::/
                  / :::::::::::::::::::::::::::: ヘ.     マ_ー_、         <'::::.: /::::::::|:::ハ
              ―= ――|::::::::::::::::「 ̄:|.\     -          .イ:/::::.∠-==|/ ̄`丶
       /:. :. :. :. :. :. :. :. : !::::::::::::::::|:.:..λ  ヽ       _...:ァ'´:. /ィ":. :. :. :. :/ :. :. :. :. :. \
      / :. :. :. :. \ :. :. :. :. |::::::::::::::::|:.:.:.:.:}.  丶--‐  ´/:.:.:.:.:.:.:.:./ :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. : ヽ
    /:. :. :. :. :. :. :. :ヽ :. :. :. ヽ::::::::::::::!:.:.:.: !',         /:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:. :./:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. ヽ
  /:. :. :. :. :. :. :. :. :. : ヽ :. :. :. ヽ:::::::::ヽ:.:.: | }       /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:. / :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. ヽ
  / :/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. ヽ:. :. :. :.ヽ ::::::::ヽ:.:l '       /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| /:. :' :. :. :._:._:._:._:._:. :. :. :. :. :. :. :ヽ
. /:./. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.ヽ : :. :. : }::::::::::::ヽ! \   / /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|/:. '. :. /:. :. :. :. :. :.:`丶、:. :. :. :. :ヽ
. ! :l :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. ヽ: : :. :. |:::::::::::::::ヽ      /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:! /.:. ,. : : . :. :. :. :. :. :. :. :. \ :. :. :. :. i
. |:. !:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. }:. :. :. :|::::::::::::::::::}    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|/:. :/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.}:. :. :. :. i
275 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/14(月) 09:46:31.55 ID:foYSzbMo
                    ____
                     , :´: : : : : :`ヽ
                    r‐'v‐=v=v=-vヘ
                   〈>'"´  ̄ `: .<〉
              ,. :´        : : .:ヽ
             /            . : : : :.
           / 〈'  /         : .、. :ハ
          , '   . :∧    : : ::,ハ  . : }ノハ
         /   . ::'  ',    : ::|.::i  . : . : ノハ
       /     . : : i  ', ヽ  . ::|.::i  . :}   . : :.
      / イ   . : :-|‐- 、Vハ  : :|从 . :/ i  . :∧
         | .:  . :i从|      ⌒ヽ「jハ∧ノ  . : : ::.
         |.::∧ . ::|  ,==ミ     ,==ミ |  .:/. : ト、:.
         |:/ ∧.:::|、               | .::/i . : | ヽ
         |′  ヽト.       '         | .::/イ . :ノ
           / .:∧    、 _    ノ|イ.:::|/
             / .::::介i:、         .イ::: : | :::|
          // .::::/.:::;| > . _ . </ .:|:.: : :| :::|
            // /:://{ノ      〈ヘく: : : | :::|
        // ..'イ´  |        ヽ|  ヽノ 从
    __ .. -≠"  |   |   ヽ   ノ    |   |` ー-  .. ___
   /       |   |` ー 、  , 一' |   |        ハ
.  /  i      /  |        |   ',         /  |
276 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/14(月) 23:43:02.55 ID:TSkTxQDO
まさかEDのものまで出てくるとは
感無量だ

ありがたやありがたや
277 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/15(火) 09:00:54.31 ID:a13r.z6o
                                 ____rf' ○ /
                           ,..f´ニミ::::::>'>_/
                           / 人>、.`く./:;/
                     ,rー<..._´ヽ.`フ"_:::::,'
                       /     \ V くヽ)/
                         /   `ー、 ! ト=イイ
                     /   ゝ-、 !、ト' /´
      r―――― ----- 、/   'ー―‐' ./
.       \.       / ̄ `/     ,'   /
         \   (   , '    ..ノ, --"     . . -―――-. .
             )   \/  ,  ̄/     ...:::´: : . .    . : : : :`:.ヽ、
         /     ` <  / }!  ..:::´    l      . : : : : : : ::::\
           /         `ヽ/ ..:::´:   / /,'i :!       : : : 、: : : : :::ヽ.
        /       、___/..::´; ./;   /_//イ .::|! i   : : : : :.\: : : : :::ヽ
.        く         >‐ー彡' //   //7 ,' ::ノj イ}   . : : : : :、 \: : : :::::.
.      /` ー――‐イ´   /  .,'/::!_ / ノ' ,ィf_广i7 /   ,イ .: : : :.ト、 \: : ::i
.      /        /'   /   ..:::::::: |‐ト{     !。j,、' /   /| . :、  i|'`ヽ. \::}
   /          ,'    / ,/ .:::::::::::::.Yニ、   ゛´...../  , '  | .: :|ヽ i!   }゙ ̄`
.  /         /.   i /.! :::;イ::::::::::.'iリノ    :::::/_.,/   | .: :} ,ハ| , ' . :.:,'
  /         イヽ    !' { :::| !::::::::::::iヽ     /´     .}  /rー-イ  . ::i
  \        ノ ./、     ',:::|∧:::::::ハ              ノ ノ/   ,'    : : |
   \        l  \     >{  〉:::::::::::.、 ヽ'         ´ .イ   ! ,'   . : :|
    .  \.      j   `  く. ` .:::::::::::::::::\           /     .i/  . : : |
.        ` 、          `ヽイ⌒ヽ.__\__            /   . : : :|
.           \       \    `ヽ. \    `ヽ ̄`)     /   : : : :.|
          >..、      \.     \.\     〉 ̄\.   /   , |: : : :|____
.           /: : ::::::\     \       `ヽ、 /    ヽ /   /i |` ̄` ̄ ̄ ̄/
.         /   : : ::::::`ヽ、    \        /      /   /ー!.|〉     /
278 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/15(火) 22:18:48.23 ID:CO4rwADO
PC届いたら保存しよう…
279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/16(水) 09:25:13.34 ID:rbrMIw.o
それはいい心掛けだ
280 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/16(水) 17:24:09.05 ID:8yjqXvoo
                /:.:::::::::/ Υ_,.-:‐::‐:-.、.jΥ`>
                /:.:::::,:ィ´:: ̄: : : : : : : : : : : ̄: : :`ヽ、
                 /:.::::/: ;: : : : : : :;': : : : : : : : : : : : : : : \
                  /:.::::/: ;': : : : : ::/: : : : : : : : : : : : : : : : : :∧
              /:.::::/:::/: : : : : :::l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :∧
                l: :::/:::/: : ;':::: : /'|.:|、: : : : : 、: : : : : :::|: : : : : :ハ
                 |:.:::l:.::l: : ::i::/:.:/ |.:| ∨:.: ::、::\: : : :::|: : : : : : :ハ
             |: :::|:::|: : ::|;':.:/、  |.:| ∨: : :::、: :ヽ::、::|: : : : : :i: :|
              |: :::|:::|:: : :|:.:/  \|.:|   \::_:_:ヽ: :\:|: : : : :.;|: :|
                |: ::::|::|:: : :|:/ __.、 |.:ト    '´,_`ー、:::、::|: : : :;イ|:;/
              |: :;ハ:|: : ::|,アマ弐z、ヽ|    ,ィfテマア:::.|: : :/::|ノ'
             |: :{ |:: : :|、 弋z;リ,゛       弋z;リ ,''`:|:/:: :|
             |: :ヽ_|::|:∧´" ̄         ` ̄゛`ハ:::;'::: :/:|
             |: ::|:.:|::||:::_:ゝ       i:.       ,/:_:/:::_;/:::|
             |: ::|:::|::|:::::::∧    、___,    ´人 ̄|::::.:.リ
             ノ: :ノ::::|:|:::::,':::::::ヽ、        ,.ィ´: : \|:: :/
            /:/|::::::|j:::/::::::::_;ノ `ヽ、__ ,...イ::::::\: : : :|::/、
          /:/_ |::::::::::_;.-r'´/         ,ハ::_::_::ヽ: :j/:: :ヽ、
       ,.ィ'´ ̄ ̄\\´ ̄ ._{____..、     .,'|__.:\ヽ `ヽ、::ヽ:: : :\
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281 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/16(水) 17:25:03.29 ID:8yjqXvoo

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282 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/16(水) 22:08:17.91 ID:V58DCoDO
明日届く
ヤッター
283 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/16(水) 22:23:50.35 ID:8yjqXvoo
やったね!
284 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/16(水) 22:40:30.94 ID:8yjqXvoo
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     __,,,_,,,   , '´.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;` ,        l:li.:.:.:',..:.:.:.:.:', ヘ 佗::ホ    弋_汐 リ.:.:.:.:l ノ.:.:',.:.:.:.:.:l,  ヽ.:.:.:、
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  ,'.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;/.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ヘ       ',i ',.:.:,〉' :.:.:.:.:.:.:',   ァ _       ', '|'''-'.:.:' ',.:.:.:ハ.:.:.:.:.:',   `;`,
.. l.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;/.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;;,;;;.;.;.; ヘ      >'.:〉', '.:.:.:.:.:.:.:.:` 、    ̄   , ' レ.:.:.:,'.:.:.:',.:.:.:.:ヘ.:.:.:.::',    ';'.,   ,
.. l.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;/.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.; ノ.;.;.;.;.;ハ     ,':.:,' `,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:_,,=`=- _  '  , '.:.:.:.:,'~`ヽ、,.:.:.:.:.ヘ.:.:.:..:',    ';',   '
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285 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/16(水) 22:41:22.75 ID:8yjqXvoo
. l.;.;.;.;.;.;.;,'.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;; ハ.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ハ ,:.:.:.:,',' -'´,/'´  ,ホ;.;.;,'`‐---‐‐ハ'〔  /     _,,, --‐‐‐=,:ハ.:.:.:',、' 、_    '
. l.;.;.;.;.;.;,'.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;; ハ.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ハl, -'´  ,'     i;.;.;.;,'     ハ リ  ,' _, -‐ '´        ,'.:ヘ.:.:.:', ` ‐`=''´
. |.;.;.;.;.;;'.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.; ハ;;;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ハ    {     |.;.;.;.;l     , :' ||  ,´          , '.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ
. {.;.;.;.;;'.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.; ノ;;;;;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ハ     {     l.;.;.;.;l     l :| !|  l          , '.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ
 ;:;:;:;:;'.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.; /;;;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ハ    '、   |;.;.;.;.;|     ','  ',: i_       _ィ ´.:.:.:.:.:.:.....:.:.:.:.:.::ヘ
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. ,.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;/;;|.;.;.;.;.;|_.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;;.;_,; -‐'     ハ  {.;.:.:.;.;.;.:.;'         、/.:.:.:.:.i        i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:へ.:.:.:.:ヘ.:ハ
. ,.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ノ;;.;ト--- イ ` ‐ ‐ '''''´           ハ‐、 ',_.;..;;_, ',      ,、   〈.:.:.:.:.:.i      i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:ヘ.:.:.:.:ヘハ
.,'.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.; /.;.;.;.;|   l                  ハ `‐、/ /、'、 , ',´- ` _- ._ ',:.:.:.:.:.|      ハ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:へ.:.:.:ヘ}
.'.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;'.;.;.;;;;;|     i                '~`、-‐': : ヽ`´, ' ̄` ‐-フヽヽ,:..:.:.:.:|      ハ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:へ.:.:`',
,'.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.; i.;.;.;.;.;.;',    |                   ',, , `=: : : ,~'/,'´`-、  〉 ヽ }.:.:.:.:.i       ハ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:へ:ヘ
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286 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/16(水) 22:42:13.46 ID:8yjqXvoo
l.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;/.;.;.;.;.;.;.;.;,   l             ,-┴‐'''' ´: : : : : : ;': : : ': : ',: ||´.:.:.:.:|.:.:.:.:l        /. . ,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..::.:.:.:.::,   ',
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';.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;}.;.;.;.;.;.;.;.;.;}. |                 }: : : : //: : : : : ,: : : : :l|.:.:.:.:.:i..:.:|. . . !   , '. . . . . . . i ' .:. ,:.:.:.:.:.::,'     ,':|
.;.;.;.;.;.;;.;.;.;.;.;.;.;.; ノ.;.;.;.;.;.;.;.;ノ  ',              キユ: : : ': :/: : : : : : : : : : : :l|.:.:.:.:.:|ヽ|. . . i /. . . . . . . . . . l  ,: ,.:.:.:.:,'    ,' ,
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.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.; /.;.;.;.;.;.;.;.;/     ' ,              ',: ='_: : : : : : : : : :': : : : : :l|.:.:.:.:.:l  |. . .. . . . . . . . . . . . .l    |'         ,
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.;.;.;.;.;.;人.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;i                                           、  | ヘ`t 、  `{
_.;.;-'´  `‐-..;;_.;;.;;'                                           '、 ', ∨∨`、',
          ̄                                             ヘ入 ∨∨ヘヘ
                                                          ∧ ∨∨ `'
                                                          ∧ ∨' 
                                                          >' 
287 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/16(水) 22:45:54.77 ID:8yjqXvoo
                   /     . :/         {  ノ、   }   ヽ   ヽ\
                ′   . :       { ハ/  \ {: .   i     丶
                  i    . :/          ト(〃f行ミメ、 八: .   }_」   }
                  |   . :′        |  ゞl以    ヽ _.ノノ}  /     \
                   |  . :/     {: .    |             ィ行ノイ   ト  _ >
                    |/ /  イ    ハ: .   |          、 l以{: : .   }
                  / // }i  / ヽ: .             〉  }: : }
                    /     八 /    \_ {              .: : /   .′
                         )/} 、            -‐ _,    /: :./   /
                  /         . :′ 丶              . : : :/ / ′
              /   . :/  . : : :′     、        ィ: : : /ィ/
                /   . :/  . : :_:.′             / {`ヽ/
            /   . :/    /Y/             /⌒: :ー.   }
              /   . :/   〈/∧         /: : : : : : .   :}
          /   . :/      V/∧       /: : : : : : : . . :
           -―――{: .     V//; 、      /〉、: : : : : : :  ′
.     /´         : .     '////ヽ    /∨∧: : : : : : ′
  /           ヽ: .    '//////\    ∨∧: : : : : ′
                   ∨: .   i////////\  ∨∧ヽ、:/ヽ、
/                    }: : : . }//////////\ ∨∧//\ \
288 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/18(金) 17:08:25.78 ID:PNkoNNMo
なんでひたぎAAスレになってんのww
289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/19(土) 18:30:12.32 ID:P.bofcw0
やっとでPC来てネット今日つないでここ来てみたけど>>284-286すごいなww
携帯で見た時はわからんかった

ありがたやー
290 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/21(月) 00:52:11.86 ID:QQGUuLw0
もっともっとほしいー
291 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/21(月) 11:48:23.52 ID:fJ4OGaMo

           , ': : : : i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ / 〉_ヽ、: : : : : : : : : : `丶、: : : : : :`丶
             /: : : : : i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : V\. 「: :: : : : : : : : : : : : : : 丶: : : : : : :\
           ': : : : : :::! :!: : : : : ; : : : : : : : : : : : :.:: i: : : : : : /:', /_レヽ:: : : : : : : : : : : : : : : : :\: : : : : :ヽ
          ! : : : :i:::,イ:|:: : : : : ': : : : : : : : : : : : : ::l: : : : : :: : : :/iヽ、/: :,、 -――――――― - 、: : : : : ',
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.              !::ヘ  `ヽ        , ': : : // /! : :,'       /イ: : : : : : ヽ____,/_, イ
              !::::|ヽ `       /-― '   / j: :,'      /   ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : :/
.                !::l ハ      _ - ´   / j.:/ ヽ.          `丶、: : : : : : : : : : : : : :`丶、
                  !|  `¨  T ¨´       .l  j:/   }               ̄ ̄  ̄  ̄  ̄`丶}
                   i      ____L__/_                               ノ
                   |   , =三三三ヽ、|
                       リ __/三三三三三.ヽ         勘違いしないでくれる?
              __ ァ ァ== '´ /三三三三三三三=i        これは>>1乙ではなくて
          /ニ/ /    /三三三三三三三三ニi        ポニーテールなのだけれど
         /三./ /  //三三三三三三三三三三.i
        /三ニ/ / /ニ/三三三三三三三三三三ニ.i
292 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/21(月) 11:49:49.01 ID:fJ4OGaMo
: l: : : : | :/|: : : :/       \ヽ 丶、: : : : : : : : : : .\: : :|: : : :|
: l: : : : |/ :|: : :/          \、 ` ー-  : : : : : . \|: : : :|
:│: : : :′:l: : 厂ヽ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ     _/ 厂 ̄ ̄ |: : : :|
:人 : : : : . ヽ人 ノ       /       ヽノ       / : : : |
′ '; : : : : : . ヽ> 、__ /         ` ー <l : : : /|
   '; : : : : : : . ヽ                          | : : //|
、   '; : : : : : : : . ヽ              ・ ・        |_///l
.:\  '; : . \: : : : : .\      _                ///
: : . >丶: : : .\/ ̄`      |ヘ `丶、         /l// 
: : : : :厂 : : : : .',          ` ー - ′       ,  |/
: : : : :|   ヽ: : : : ',、                   /
: : : : :|    \: : ',>   _            _, イ
293 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/21(月) 14:02:15.18 ID:fJ4OGaMo

                        ____
                      _,.-:‐:":: ̄::::::::::: ̄::`ヽ、
                     /:::::::::/::::::::;'::::::::::::::::::`ヽ::\
       _  __     /::/:::::/::;'::::/:::::::::::::::::/:::::::::l::::ハ        _ __
     (( \∨,/ ))   /::/:::::::::l::/::/'|:::i:::::::::::/::/|:::l:::|::::::}      (( |∨/ ))
──     (⌒,)     j;/::::::::::::|;'::/ |:::|::::::::/::/ ,|:::|::|:::::::|        (⌒,)
          /" ̄`\ ∠::::::::;イ:::l::/\,|::」::::;/|://|/|/:::;':::|     / ̄Υ
────  | <.´ ̄\ /::::::/::|:::|/ ●  ̄  ´● /:::/:|i::|   / __ /
         ̄`\   \::/::::|::::|  "       ゛/:::/l:::||∧/" ̄;| ,/
──────   \   \:::|:_:」    ,.‐--.   /::;/:::|/::/   /∨
             /::::\   \::::ヽ、 〈::_,ノ  'フ"::::::;/   /
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          j/´ /::::::::|"     /  \__:|`\、   /::::::::|
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           /::::::::;イ::::::::::::::|    \,,/:::|,/  |:::::::::::::/
───── _,ノ::::://::::::::::::::::〉:..゛   /::/´  ,/:::::;イ::/
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294 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/21(月) 14:04:44.80 ID:fJ4OGaMo
                       _
                 /: : : : : `ヽ
                   ,ヘ/⌒レへ/Vヽ
               /- ': : ̄ ̄: ̄` <}
                 , :'´ : : : : : : : : : : : : : : .\
           / : : : :./ : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
            / : :/ : : / : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
        , ' : : : : : :.〈 : : : : : : : : : : : : : : :}: : : ヽ
       ,.'  : : : : : :.:.ハ i : : : : : : : : ! : : : : : : : : ヽ
        , '  : : : : : : :.:.! ヘ: i : : : : : : :!:.! : : !: : : : : : :ヽ
     , '  : : : : : : :.:.:.!   ヘ i : : : : : :.|、!、 : | : : : : : : :.ヽ
   / ,.イ .: : : .i 、:ト| ̄`ヽ',|\: : : .:.LL|: リ: :.} : : : : : ヽ
   ´ ̄  | .:| .:.:ト!ヽ      !  ¨`ー! l .|/| :/: : : : : : : ヽ
       i .:ハ :.:l  z==ミ     '____ !イ: : :./、: :.ト、:ヽ
       l . ′! :.:|            ´  ̄`` |: :.:/)|: : | ヽ',
       | ,′ \:A         ;        l: :/イ| !: :.;  .ヽ
       l:′ i : :.:ヘ               /: ,':.:.:.i !: ;′ 
            i : :.:.:.:ヽ   `  '    .イ/:.|:.:.:|.|/   図々しいかもしれないけれど
           ,'i : :.:.i:.:.:.|ヘ       , <:.:.i:.:i: |:.:.:|    これからも仲良くしてくれたら
        /:,' : :. ix==!  丶  ´ {__:.:.:.:!:.:! |:.:..!i    私、とても嬉しいわ
         / ,: : :/ |/        ト、} \:.:| .!:.:.!:i
      / ,>' !   !            !  ト 、!:.:!.:i
 _,  -  '    l   !  ヽ       !   !  ` ー- 、
/             l     !ー-、  /,、-‐' !   !       `¨´i
  ヽ.        l    l         l    |       /  |
295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/21(月) 21:08:22.38 ID:fJ4OGaMo
    ヘ,    、              ____                ヘ  、
 ヘ     ]  、/  、     _,.-:‐:":: ̄::::::::::: ̄::`ヽ、  ヘ,   ヘ  ´ 、/  、
  ´   ]     、/     ./::::::::/:::::::::;'::::::::::::::::::`ヽ::\    ] ´ ヘ   、/
  ガチャ   _  __  ガチャ /::/::::/:::;'::::/:::::::::::::::::/::::::::l::::ハ ヘ,     ´_ __
 ガチャ (( \∨/ .))  /::/:::::::::l::/:::/'|:::i:::::::::::/::/|::l:::|::::::}     (( |∨/ )) ガチャ
──      (⌒,)     j;/::::::::::::|;':::/ |:::|::::::::/::/ ,|::|::|:::::::| 冖     (⌒,)   ガチャ
          /" ̄`\ ∠;:::::::;イ:::|::/\,|::」::::;/|://|/|/:::;':::|     / ̄Υ  ガチャ
────  | <.´ ̄\ /::::::/::|:::|/ ●  ̄  ´● /:::/:|i::| 冖/ __ /
         ̄`\   \::/::::|::::|  "       ゛/:::/l:::||∧/" ̄;| ,/
──────   \   \:::|:_:」    ,.‐--.   /::;/:::|/::/   /∨
             /::::\   \::::ヽ、 〈::_,ノ  'フ"::::::;/   /
──────  /::://:\  " ̄ }:;>‐r:-r<´/´ ̄゛  ,,/:|
          j/´ /::::::::|"     /  \__:|`\、   /::::::::|
──────    /::::::::::::ー─-r'  ̄7 \_,| <__Y─':::::::::/
           /::::::::;イ::::::::::::::|    \,,/:::|,/  |:::::::::::::/
───── _,ノ::::://::::::::::::::::〉:..゛   /::/´  ,/:::::;イ::/
       <´::::::::/ ./::::::::::::::::/::::    /:::/   "/:://::/
296 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/21(月) 21:09:15.51 ID:fJ4OGaMo
                       _
                 /: : : : : `ヽ
                   ,ヘ/⌒レへ/Vヽ
               /- ': : ̄ ̄: ̄` <}
                 , :'´ : : : : : : : : : : : : : : .\
           / : : : :./ : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
            / : :/ : : / : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
        , ' : : : : : :.〈 : : : : : : : : : : : : : : :}: : : ヽ
       ,.'  : : : : : :.:.ハ i : : : : : : : : ! : : : : : : : : ヽ
        , '  : : : : : : :.:.! ヘ: i : : : : : : :!:.! : : !: : : : : : :ヽ
     , '  : : : : : : :.:.:.!   ヘ i : : : : : :.|、!、 : | : : : : : : :.ヽ
   / ,.イ .: : : .i 、:ト|__ `ヽ',|\:   _,.、|: リ: :.} : : : : : ヽ
   ´ ̄  | .:| .:.:ト!ヽ'ヾ   !      `ヽ :/: : : : : : : ヽ
       i .:ハ :.:l    ○     ○ !イ: : :./、: :.ト、:ヽ
       l . ′! :.:|               |: :.:/)|: : | ヽ',
       | ,′ \:A ///      /// l: :/イ| !: :.;  .ヽ
       l:′ i : :.:ヘ    (__人__)   /: ,':.:.:.i !: ;′
            i : :.:.:.:ヽ          .イ/:.|:.:.:|.|/   図々しいかもしれないけれど
           ,'i : :.:.i:.:.:.|ヘ     , <:.:.i:.:i: |:.:.:|    これからもお断りしてくれたら
        /:,' : :. ix==!  丶  ´ {__:.:.:.:!:.:! |:.:..!i    私、とても嬉しいわ
         / ,: : :/ |/        ト、} \:.:| .!:.:.!:i
      / ,>' !   !            !  ト 、!:.:!.:i
 _,  -  '    l   !  ヽ       !   !  ` ー- 、
/             l     !ー-、  /,、-‐' !   !       `¨´i
  ヽ.        l    l         l    |       /  |
297 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/22(火) 13:02:36.64 ID:H7l1E4U0
>>294
すばらしい・・・
298 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/23(水) 14:05:20.27 ID:CHZElTo0
本州あたりでは最終回のようだな・・・
地方人悲しいです
299 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/09/23(水) 19:34:47.61 ID:7kzB292o
>>298
録り貯めしてたからそろそろ一挙見し始めます
300 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/24(木) 10:23:49.25 ID:8528nOY0
>>299
いいなー都会っ子は
301 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/09/24(木) 12:53:14.20 ID:.7nRtQIo
>>300
都会ではないです。ただ関東圏内にギリギリ含まれてるだけです。
302 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/24(木) 16:48:11.47 ID:cLOyoVQ0
>>301
そうなんだww
でもやっぱりうらやましいな

リアルタイムで見れるのは(-。-)y-゜゜゜
303 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/09/25(金) 05:03:43.70 ID:eh66cy2o
>>302
そうですね。
僕は少し前は専らDVDで観てましたけど、
リアルタイムというか、テレビで放送したCM付きのを見られるのはいいもんですね。

録画環境もなくて仕事地獄でアニメどころかテレビすらまともに観られなかったから一時期ツラかった……・。
304 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/25(金) 10:04:26.04 ID:NU31W2DO
あれ
学生じゃなかったっけ?
305 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/09/26(土) 05:31:14.38 ID:tZ/CdG.o
>>304
あれ、どっかで学生って言いましたっけ……。
もう社会人です。
306 :304 [sage]:2009/09/26(土) 05:34:04.28 ID:wm4UQmU0
記憶違いかもごめんなさい
307 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/09/26(土) 05:40:10.04 ID:tZ/CdG.o
>>306
永遠の17才なんで全然気にしないでおkですよwwwwwwwwwwうぇwwうぇwwww
若くみられて喜んでおります
308 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/30(水) 01:01:03.88 ID:yFtChcDO
>>307
頑張って
お仕事もね

AAスレ見たけど半端ないですね
309 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/10/08(木) 17:31:47.95 ID:JSnl5Pwo
宙のまにまに観たんですがキャンプとか行きたくなりました。
310 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/09(金) 02:33:21.14 ID:8riGuAc0
キャンプ場今なら空いてるぞ
寒いし
311 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/10/09(金) 18:52:09.63 ID:0i25ZZUo
>>310
アウトドアに関して全く知識無いので冬の厳しさの予想は付けど……。
冬の空気は好きなので楽しそうだなぁくらいのお気楽さです。

いったいどんだけ防寒具用意すればいいのやら。
312 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/10/11(日) 01:21:39.42 ID:KMdYwvwo
今ちょっとエロゲのシナリオに興味湧いて書いてみたりしてるんですけど、
そっち方面のエロ成分含んだSSって需要アリマスかね?
313 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/11(日) 01:40:45.42 ID:k/9/N.so
エロだと…


どんとこいです!
314 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/10/11(日) 01:54:32.28 ID:KMdYwvwo
>>313
ぶふぉwwwwwwwwwwwwwwエロへの反応速度高杉ワロタwwwwwwwwwwww
315 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/10/11(日) 02:26:46.91 ID:KMdYwvwo
とりあえず今からはキツいので明日夜20:00以降あたりから投下してみようと思います。


↓事前注意↓

※18未満禁止(←とりあえず書いとかないとね!)。性交描写有り。
※スレタイ無視&完全無関係なので『けいおん!』キャラは出ません。
※投下を考えてなかったので、こういった場所で見やすい・読みやすいSS形式をとってません。
  行間に全く空き無し。ノベルゲーム形式。
※オリジナル(←さり気に重要。キャラの掴みやすさとかが全然違うため)。
  よって作者のさらなるオナニん。マジ自慰。
※Q.じゃあなんで投下するの?
  A.見て貰いたいの///
※冗談はさておき。
  誰かに見て貰う・評価して貰う機会がリアルだと無いので、こちらの場を使わせていただこうかと思いますた。
※多分純愛。ラブエロ。ライトタッチなのでコメディのようなふいんき(なぜかry。


他にも注意点ありますが大きなところだとこのような感じです。
上記にありますが、スレの趣旨とは大きくかけ離れるため別酉を使用します。
「エロはダメ」でNG機能使える環境をお持ちの方は、そのトリップを登録してアボーンなどしていただければOKです。
スレの雰囲気をけがれずにメモリーに残していただくにはこれが良いです。

では、投下まで今しばらくお待ちください。
316 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/11(日) 03:00:23.17 ID:k/9/N.so
オリジナルとな…

とりあえず全裸待機…と思ったけど夜遅いから寝る!待ってるぞ!
317 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/10/11(日) 19:42:57.48 ID:4QI4PDco
:事前告知2:

オリジナル短編。稚拙ではありますがちょっとしたストーリー。

登場人物
一般的なエロゲの主人公っぽい男とその幼馴染みの女の子。
とその他が数名ほど。
劇中にてほとんど登場人物の外見的特徴にあまり触れてないので、
各々でイメージに合う人物像を思い浮かべて貰えれば……。

性交描写があるだけで、エロいかどうかは不明。
抜けなくても責任はもたないよ!
318 : ◆VXT/4vtv3E [sage]:2009/10/11(日) 19:44:38.06 ID:4QI4PDco
酉チェック。
千石撫子は俺の妹。
319 : ◆VXT/4vtv3E [sage]:2009/10/11(日) 20:03:27.85 ID:4QI4PDco
             ,:'⌒ヽ
            入___人
         / l   l \
    r、r 、/  ,l     !  \ ,.-,-、
   (\\\/'´l      !´ヽ///)
    (\`     ,l       !    ´/)
    \     lr‐┐r ‐ 、l     /
     `┬‐'´ ゙l | 〉 ゚ 〈 `'‐┬´
.         \.  |__|(__゚__) /
           \⊂ニニ⊃/
          \  /
            `´

     ここから少しばかりR18
320 : ◆VXT/4vtv3E [sage]:2009/10/11(日) 20:04:47.22 ID:4QI4PDco
 腰をくねらせる。ゆっくり、そして時折激しく。動きに呼応して甘い声が響いた。
 しっとりと汗ばんだ肌に、濡れた頬。艶やかな二つ。ひくつく腰。
 熱くなったモノを抽送させ昂ぶらせ、返ってくる声にいやが上にも自分の中が滾らされ
る。肉棒への刺激だけでなく、視覚聴覚嗅覚からの情報も己を掻き立てる。

「は、ぁ……っん」

 一心同体。高まっていく彼女の痴態でこちらはもっと昇っていく。ただ欲望の、身体が
求めるままに、腰を動かしていた。
 彼女の嬌声が強くなる。

(あー、まずい。そろそろ)

 しかし……。人間は視覚でも聴覚でも性欲を刺激される動物だ。そして男とはその最た
るもの。モノへの刺激と間近で繰り広げられる痴態で――。
 腰の裏に走る痺れがまもなく迫る限界を告げている。
 どうすればもっと、この快感の時を浸っていられるのか。こういうときは素数を数える
と良いとか何とか。
 しかしもう手遅れである。今、素数が浮かぶようならまだ保つはずだ。……そんな思惑
を足掻きを嘲るように、熱とぬめりが蠢いた。
 モノが更に張り詰めるのを感じる。

「あ、はぁ――やっ、ひゃんっ」

 彼女の口から漏れる声も合わせて強くなった。

「ダメ、ゃああ! っく、んんぁんん!」

 彼女の腰が浮き、押し付けられ――それは俺を到達させるのに十分な刺激だった。

321 : ◆VXT/4vtv3E [sage]:2009/10/11(日) 20:06:17.47 ID:4QI4PDco

「俺、利岡健吾(としおかけんご)。ピュア100%……」

 ――同時に。夢の時間は終わった。けたたましいアラームを発する携帯電話を黙らせて
無情な現実を見る。
 薄汚れ、見ようによっちゃ人の顔に見えるシミの付いた天井と向き合う。直前まで肌を
寄せ合っていた相手の顔はもう浮かばない。
 それなりに可愛い知り合いの女の子だったと思うんだけど……。夢の中じゃ正常位だっ
たのに現実は仰向け。
 何とまあ、あんな素晴らしい淫夢を見てしまったのか。俺の中の何がどうなってあんな
情報をくみ上げたんだと。俺はまだ綺麗なままだ。実は本人すら知らぬ間に体だけグラデ
ュエーションを済ませてたとしたら謀反である。
 見下ろした股間は立派なテントを設営していた。運動会本部に決定した。
 のっそりと起き上がって伸びる。幸いテント内は牛乳で汚れていなかったが、元気にな
りすぎて痛かった。

「俺のセガーレ……」

 思いつきにしちゃ良い名だ。強そうだぞ!

「健吾くん? 起きてる?」

 安アパートのドアがノックされる。誰だか判ってるからほっておこう。
 流しで軽く顔を洗うが水がぬるくてすっきりしない。

「けーんごくーん! 開けるよー?」

 
322 : ◆VXT/4vtv3E [sage]:2009/10/11(日) 20:07:17.53 ID:4QI4PDco

 合い鍵を持つ闖入者ではあるが、開くわけが無いのである。うちは他の部屋と違ってチ
ェーンロックが付いてるのだ。俺が付けた急ごしらえだが良い仕事だと思う。隙間も作ら
ずちゃんと機能している。

「あー……」

 しかし。いい加減ドアノブごと持って行かれそうだったので声を掛けた。ノックがいよ
いよノックらしくない音になりつつある。

「おー、起きてるよ。朝っぱらから騒ぐんじゃないよ。近所迷惑になるだろー……」
「起きてるなら入れてよー」

 セガーレがなぜか反応した。そんな拗ねた感じで入れてよって……。

「ちょっと待て便所行ってから。もれそう」
「わかったー」

 開けようにも俺のセガーレが無双スタイルだ。こんな状態で異性の前に出るのはスケベ
を自負する俺にも出来ん。噴火しなかったのは幸いだ。朝一番を出して鎮めてこよう。
 もちろん尿の方。

「ふぅ、外れずに済んだぜ。さて――」

 セガーレも落ち着いた。

 
323 : ◆VXT/4vtv3E [sage]:2009/10/11(日) 20:08:55.97 ID:4QI4PDco

「お待たせ」

 チェーンを外しドアを開けた。

「おはよ、健吾くん」

 ドア横の壁にもたれていたそいつは、にこやかな笑顔で挨拶をくれる。
 途端、顔が熱くなるのが分かった。

「なに?」

 顔をそらしたのに、わざわざ覗き込んでくるからなお焦る。

「や、何でもない。とりあえず入れよ」
「んー。お邪魔しますよ」

 そっぽを向いて視界から外す。なんと、あの淫夢の相手の正体が判明したのだ。

(なんでよりによって……)
 
324 :saga忘れてた ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:10:08.84 ID:4QI4PDco

 少し距離を置いて眺める。勝手知ったる他人の家、とばかりに折りたたみテーブルを用
意している。
 名前は、ささだなり。
 別にオートマティック侍の真似じゃない。漢字で「笹田奈里」と書く。十数年来の腐れ
縁で繋がっている俺の幼馴染み。
 実家は当然近所で学校は義務教育も高校も一緒、そして上級学校まで一緒という、漫画
やドラマのよう。
 そして伝説はまだ続く。
 進学先の学園は他県。通うには独り暮らしをすることになるのだが……。
 良くできた話で、俺が借りた安アパートの道を一本挟んだ向かいのマンションが奈里の
新居。奇しくもこれは実家と同じポジション取りになっている。
 そう。淫夢の相手はこの幼馴染みだったのである。

「どうしたの? そんなに熱視線送られたら照れるよー」

 俺の視線に気付いて、わざとらしく体をくねってる。

「うるせー。今さらお前を見つめてどうするってんだ」
「素直じゃないなぁ」

 夢のせいで気まずさ最高潮。うふふ、なんて笑われた。こいつたまに頭の回転いいからな
ぁ。さすがに夢の事までは気付いちゃいないだろうけど……。
 
325 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:11:13.25 ID:4QI4PDco

「ほい。昨日の残りだけどご飯だよー」

 テーブルにおかずが入ったタッパーが並べられる。
 炊飯器にはタイマーでばっちり炊けている。準備して貰ってばかりで悪いので、こっち
は俺がした。
 一緒に住んでいる訳じゃないのだが、食事はこうして二人で用意している。こうすれば
食費が抑えられるから大変助かる。
 お互いの部屋に行き来して、食費は折半、準備は一緒に。

「いただきます」
「召し上がれ。私もいただきまーす」

 そんなわけで、俺の部屋にも奈里の部屋にもお互いの箸・茶碗・お椀がセットで置いて
あったりする。

「いやぁ、こりゃ久々に大成功」

 ちなみに今朝のおかずは、昨晩俺が作った肉じゃがである。初めて作ったがレシピ通り
にやれば何とかなるもんだな。

「そうだねぇ。私も今度やってみようかな」

 なんだか端からみたら普通に夫婦の光景じゃなかろうか。

(あー、いかん。あの夢のせいで下らない事を……)

 せっかく食事で気が逸れてたというに。
 箸の動きを早めて食事に専念する。早まるなセガーレ。
326 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:12:29.11 ID:4QI4PDco

(身内のひいきだけどまあ、可愛いしな)

 うむ。親兄弟が身内を褒めるのは普通だ。ちなみに奈里の方が半年ほど年上なので俺は
弟分に当たるわけだが、俺は姉貴分として認めてません。奈里は弟と見ていそうだが、こ
こは譲る訳にはいかないのだ。

「そういえば健吾くん、今夜は?」
「バイトです」

 偉大なるお母様のしつけ。正座して姿勢を正して食う。作ってくれた人、元になった材
料に対する感謝です。

「ごちそうさまでした」

 しかし食う速度は早い。

「奈里は?」
「私はみんなと打ち上げみたいなのするよ。健吾くんも来られるなら来てよ」

 打ち上げねぇ。まあ明日から長い夏期休暇だ。
 本日午前、学園に行き学園長などのお言葉をいただく。して、前期の成績の結果を受け
取る。前期というのはうちの学園独自の言い方で、一般的な「学期」と同じ仕組みである。
前中後、となる。
 本日はその前期の最終日というわけ。

「まあ……女ばっかりだろ。居づらいし……」

 正直ハーレムは惜しいっ!
327 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:13:22.45 ID:4QI4PDco

「……そう」

 え。何でそんな憂いを帯びさせて残念そうに? ちょっとドキドキしちゃう……!

「ま、いいや! もし来られそうなら電話してね。お出迎えに行くから」

 心の中で思いっきりずっこけた。変わり身早すぎだろ。にこにこーと笑顔に切り替わっ
てる辺りにからかわれてるんじゃないかと思ってしまう。
 俺のそんなささやかな苦悩をよそに、奈里は食事を終えて食器を洗い始めていた。

「…………」

 なんだか。やっぱり夢のせいでやけに意識してしまう。いかんなぁ、異性と思っていな
い事は無いのだが家族・兄姉感覚が強くて、何というか、そういう対象として見るなんて
一度も無かったのに。

「健吾くん?」

 ボーッとしてたせいで奈里が顔を覗き込んでくる。近い。

「どうふぃ、ふぇふぇふぇふぇふぇ」

 なんだか悔しかったから、ほっぺたをサンドしてやった。
 窓の外からは蝉の合唱が聞こえる。初めての土地で初めての一人暮らし。もしかしたら
今年の夏は何かがあるかも。……夏の解放感。例によって俺も空気に飲まれてるんだろう
な。


 駅のホームで電車待ち。薄着になった女性に目を奪われた。
 解放感万歳。


 
328 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:14:13.10 ID:4QI4PDco

 * * * * * * * * * * *


 長い。暑い。死ぬ。教室に戻るみんなの足取りは疲れ切っていた。
 それもこれもこんな夏真っ盛りに式を外でやったりするからだ。ただでさえ学園長の話
は長いと言うに。忍耐力を付けさせるのもいいが、教師陣も一人倒れたヤツがいたし、上
級生のほうからも「また倒れたぞー!」なんて叫びが聞こえてたくらいだ。
 拷問じゃねーか!
 そして教室に戻っても俺の苦難は続く。

「…………」

 くそっ! どうして窓際の席なんだよ!

「なあ、今だけでいいから席替えしない?」

 廊下側の最後列に席を構える我が友にねだる。

「……帰れ」

 にべもなく断られた。なんか機嫌悪いな……。
 冷たい机とランデブー、羨ましいなぁ。廊下側から入ってくる空気は涼しいんだよな。

「まあ聞けよ。俺の机なんか俺が座る前から情熱的でもう準備オッケーなんだぜ。お前の
机みたいにそうやってしっかり準備運動とかしなくてもいつでもカモン状態。ここまでは
分かるよね?」
「うるせー! ここまでもこれからも分かるかバカが!」

 とうとう追い返されてしまった。連れないやつ。
 しっかり容赦なく降り注ぐ光は、まるで俺の机を祝福してくれているようだ。なんて詩
的に言ったって……。椅子まで温まってるじゃねーか!
 横移動して隣の席のヤツの机にくっつけた。うむ。これなら日光届かない。
329 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:15:07.60 ID:4QI4PDco

「なんでくっつけてんの?」
「だってほら暑いから」

 だるそうに団扇をパタパタさせているお隣さん、大野は態度そのままな表情で非難して
くる。だるーん、て感じだ。女の子なのにぐでーっとのびきり、ブラウスの胸元も結構お
おっぴらに開いて……第2ボタンまで外してる。

「……ま、いいか」

 窓を指さすと分かってくれたようだ。あ、ブラ見えた。ピンクだ。

「金払えよ」
「やだなぁ、なに言ってるんですか。見てないっすよ!」
「まだ金払えとしか言ってないだろ……」

 煩悩に勝つのは難しい。でもまあ結構いいもの見せて貰ったし、昼飯くらい奢るのもや
ぶさかではないぞ。

「……。結構ナイスバディ」

 席についてボソってみたら見事聞こえたらしい。団扇を縦にして叩かれた。

「ちょ、ま、褒めてんのに何で!?」
「うるさい! このスケベが!」

 ふ、不可抗力なのにっ! もともとだらしない格好してたそっちが悪いのに……。

「なんで机を押し戻すんだよっ!?」
「しっしっしっ。何されるか分かったもんじゃない。お前は太陽光で殺菌処理されろ」
「ひぃっ! 暑い! 熱い! お慈悲を!」
「しがみつくな! は、な、せっ!」
 
330 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:16:05.02 ID:4QI4PDco

 やあ、こいつはからかうとホントに面白いなぁ。でもちょっとラッシュが強烈だぞぅ?
 なんか周りが静かだし。

「ちょ、ま、まって、落ち着け……あだっ!?」

 団扇乱舞が見舞われたその時。

「大野と利岡は放課後指導室に来なさい」
「……え?」

 胸ぐらを掴まれた辺りでそんな声を掛けられて、二人して教壇に視線を移した。
 ああ! 担任来てる!

「や、先生、僕はフカキョン」

 噛んじまった。なんでアイドルの通称っぽくなった俺。不可抗力ね、不可抗力! 先生
なら分かってくれるって信じてる!

「席について、静かにしなさい。放課後しらばっくれたら、夏休みは無いと思え」

 ダメだ! 俺と先生の繋がりは生徒と教師程度しかなかったー!
 なまじ美人が怒ると怖いものだ。とりわけ女性となると尚更である。でも美女なのでむ
しろ喜んでお付き合いさせていただきます。
 本心は当然隠して。大野共々、きちんと返事をしました。


 そして2時間強の生活指導と追加の課題を与えられた。

 
331 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:17:39.59 ID:4QI4PDco

 * * * * * * * * * * *


 午後十時半。バイト勤務終了して帰り道。人通りの少ない道を歩いて夜の空気を楽しん
だ。前期の成績もそこそこだったので先行きは上々。最後にケチは付いたが、まあそれほ
どキツいものじゃなかった。

「ん……?」

 ポケットが震える。携帯だ。

「もしもし」

 大野からの電話だった。

「トシオ? 上がったんでしょ? つまみ買ってきてよ」

 なんだかいつもより声のトーンが高い気がした。そしていつもより柔らかい。

「つまみって……お前どこでなにしてるの?」

 なんだかキャイキャイとした音を背負っているが。

「えー。奈里の家で飲んでるから早くおいでよ。聞いてるでしょ?」
「あー、朝の……。なんだ、みんなっていつもの3人か……」
「そうそうそう。結構前に始めてるけどオールだからさー。ちゃんと来なさいよ。奈里が
寂しがってるんだよ」

 ぶひゃひゃ。なんてオッサンみたいな笑いと、バックのキャッキャを最後に通話終了。
 
332 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:19:05.53 ID:4QI4PDco

「つまみ買って来いって言われてもな……。もう家の前に来ちゃったんだけど」

 もう鍵もカギ穴に。
 つまみかぁ……。ぶら下げたビニール袋のは俺の貴重な夕飯だからなぁ。
 考えてる間に体が勝手に帰宅していた。

「先にご飯だよね」

 腹減ったんだ。なんせ午後4時から働いてたからな。稼げるときに稼いでおけば、しば
らく苦労せずに済む。

「やっぱ消耗しきったときは豚丼だろ」

 七味と紅生姜を芸術的に配置させる。俺が編み出したこのポジショニングであれば、ど
こからどう手を付けようが、ご飯・肉・唐辛子・紅生姜の四聖獣が繰り出す調和を偏り無
く堪能できる。これぞ至高かつ究極。
 カモン豚!

「いただきます」

 うめえ。
 
333 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:20:34.66 ID:4QI4PDco

 至高の豚丼を食し終わって1時間ほど。
 体も落ち着いたしそろそろ汗を流すか。ユニットバスがあるから銭湯いらずといえばい
らずなんだが……。のびのびと風呂に入りたいときはそうもいかないからなぁ。

「タオルっと」

 お互い部屋の行き来があるから、整理整頓はきちっとしている。
 そこでふと思い出す。

「忘れてた……」

 大野から電話来てたんだっけ。……行くって返事もしてないし時間ももう遅いし……い
いか。

「おやましまーす!」

 ガゴン、と。ドアを豪快に開けて闖入者がやってきた。チェーン忘れてた……。

「お?」

 タイミングの良い事。奈里がとろんとした目つきで入ってきた。

「ふお」

 ダメだこいつ……出来上がって更に突き抜けてやがる。

「けんごくー! なんでー呼んだろにーこないのー?」
「呂律回ってないがな! とりあえず中に入ってくれ! 玄関先で騒いでたら近所迷惑
だ!」

 とは言え安普請だから壁薄くて、さほど変わらない。とりあえず落ち着かせてとっとと
強制送還しよう……。
 
334 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:21:53.07 ID:4QI4PDco

「う? う? 襲われちゃう?」
「ねーよ!」

 ちょっとドキっとしちゃったじゃないか!
 にへらー、と暢気な顔で酔っぱらいまくっていた。

「だって、けんごく、裸だよ?」
「風呂入ろうとしたの。そこにちょうどお前が入ってきたの」
「おふろー。じゃあ一緒にーはいる?」

 もうやだ……。なんで無邪気な顔してるの、この娘。

「だっこ」
「はぁ!?」
「だっこー」

 気が狂いそうです。

「首に腕を回そうとするなっ」
「だっこー!」

 しかしこいつとんでもねー薄着してやがる……! タンクトップにショートパンツ、こ
れで歩いてこっちまで来たってのか危ないやつめ。変なのがいたらどうなると思ってんだ。

「はい、ぎゅー!」

 幼児退行してるぅぅぅぅぅ!?
 あ、この人薄着も薄着。ノーブラです。この強力ふにふに感は間違いない。俺のエロ感
が告げてる。これって所謂据え膳なんとやら?

「お、おお。ほら、いいいいい、いつでもいぞー?」

 もはや俺の脳はオーバーヒート。
 
335 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:23:54.83 ID:4QI4PDco

「…………」

 ば、バカ俺!? 焦りすぎだ! 落ち着くんだ。相手が警戒しだしたぞ!?

「へへ、ぎゅー!」

 と思ったら来たあああああああああああ!
 ああ……胸が……やわらか戦車が攻めて……。これなら俺いっそ負けていいなんだこれ
和みまくりしかも出来上がってるからちょっと体温高くて気持ちいい。
 ヴヴヴヴヴヴ。
 人が幸せな気分に浸っているというのに無粋なやつめ!

「けんごくー、電話なってるよー」
「いいんだ。あれアラームだから」

 しかしあれだ。夢もそうだが、実際こういう事されると嫌でも意識してしまうわけで…
…。もしかしてこいつ狙ってやってるんじゃないかと考えたりもしたが、さすがに自意識
過剰か。

「健吾くんー」
「どうした、奈里ー」

 ここまで来ると逆にHな気分も無くなるな……。小さい妹を相手にしている気分だ。
 ヴヴヴヴヴヴ。
 ああもう。和んでるのに……。

「電話でるー」

 首に回っていた腕を解いて、勝手に通話を始めてしまった。グッバイ、ヘヴン。
 出られて困るような相手はいないがバイト先とかだったら面倒だな……。

「大丈夫だよ。けんごくといっしょー。はい、けんごくん。かわってだって」
 
336 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:25:42.54 ID:4QI4PDco

 ん? 奈里と俺の共通の知り合いか。実家かな。

「もしもし? 電話替わったけど」
『あ、トシオお前何してるんだよ! 奈里が迎えに行くって出てったから焦ってたんだ
ぞ!』
「大野か? とりあえず一緒にいるから大丈夫。送ってくよ」

 背中に覆いかかる奈里を抑える。

「すぐ行くから。じゃ」

 サクッと服を着ると、奈里に靴を履かせて家を出た。さっきから巻き付かんばかりの
勢いで奈里は絡みまくってくる。

「まっすぐ歩け! 寄りかかるんじゃない!」
「やだー!」

 後ろからくねくね絡まって来るもんだから本当に歩きづらくてしょうがない。……たま
に背中にやわっこいのが押し付けられて幸せ気分。
 あれ? これおんぶしたら極楽じゃね?

「しししょししょうがねーな、奈里は。ほ、ほれ。おんぶしてやるよ!」

「よーいどーん!」

 あれれー?

「けんごくーん、きょうそうだよー!」

 わははー、と無邪気な声をあげて奈里は突っ走っていった。俺は暗い道でしゃがみ込ん
でいた。

「あいつ酔った振りしてんじゃねえだろうな……」

 やっぱり下心がありすぎると人間関係って上手くいきづらいんだな。
 マンションに入っていった奈里をおっかけて走り出した。

「こら! 危ないから階段で走るんじゃない!」

 
337 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:28:00.27 ID:4QI4PDco

 * * * * * * * * * * *


(さあ盛り上がって参りましたよ、ハーレム……)

 テンションだだ下がりである。
 奈里を送って合流したのはいいもの、1時間も経たないうちにみんな眠ってしまった。
奈里に到っては帰ってきて早々だったが。

「つまみも飲むものもまだまだあるじゃないか……」

 さきいかを噛み噛みしながら喉を潤す。
 笹田奈里、大野灯、江崎凜。仲良し3人組である。大野と江崎はこっちに来てから出会
った。

「むなしい……」

 呼ばれたから来てみれば、この有様だ。

「テレビでも見てるか……」

 リモコンが見当たらないな……。

「しょうがね、接近戦だな」

 本体のスイッチをポチポチしながら面白そうな番組を物色した。
 
338 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:29:27.25 ID:4QI4PDco

「……最近の番組はどれもこれもつまんねぇなぁ。見た事あるような若手芸人ばっかりじ
ゃないか……」
「ホントですよねアニメ枠もどんどん削られていって、テレとぅだけが最後の砦ですよ」
「おぅわ!?」
「そのテレとぅも世論の波には押され気味ですし……アニメ放送枠は少なくなり、アニメ
への風当たりが……」

 えっと、あれ?

「利岡さんももっとアニメを観ましょう!」

 どこからか取り出したリモコンで宣言通りアニメ番組に変えられてしまった。

「このアニメは――」

 訊いてもいないのにアニメの解説を始めてしまった少女、江崎凜。同じクラスだがほと
んど接点のない相手。他の2人と仲良しくらいしか知らなかった。
 最初は聞き流すつもりでいたのだが、熱い語りについつい聞き入っていた。意外と興味
深いお話だ。

   ……ぁえ、あー……

 盛り上がってるところ、不意に聞こえた不気味な音。
 
339 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:30:19.59 ID:4QI4PDco

「…………」
「……今の何?」
「わ、わわかりませさん!?」

 つーか江崎、反応早いな。もう俺の後ろに隠れておる。

   ……ぁぁぁ、うぅぅぅ……

(ちょ、と、利岡さぁぁぁぁぁぁん!?)
(ば、押すな! 俺だって怖いんだよ!)

 不気味にも程がある。通販の声が白々しい。

『これをみてよ、アレックス!』
『こいつぁ、すごいや! この便利なヤツは一体なんだい!』

 アレックスうるせー!

「あ゛ー……喉いて……」

 ざらっざらの声のあと、暗闇の向こうにむくりと人影が現れて。

「ゾンビーーーー!?」
「だばばーーーー!?」

 つられて思いっきり叫んでしまった。
 
340 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:31:40.90 ID:4QI4PDco

「水ぅ……。ん? お前らなにしてるの?」
「えっ」

 大野だった。
 驚いている俺たちを一瞥するとコーラのペットをラッパ飲みし始めた。

「えっ?」

 お互いようやく理解できた。抱きついている江崎を見下ろす。……俺もしっかり抱きし
めてます。このコ、ある一部分がものすごい着やせするタイプだ。幸せ度急上昇しすぎ。

「あー、あー」

 見事ペットボトルを空にした大野。

「大丈夫か?」

 色んな意味で心配だった。

「え? ああ、平気平気。喉が渇き過ぎちゃってさぁ……。口の中カラッカラ」

 大野のゾンビ声だったか……。

「で、お前らは人が寝てる隙に何をしようとしてた?」

 紙コップにジュースを入れながら余計なことを言う。
 ちぃ! 指摘しなければ自然に離れるまで俺の幸せ成分がガンガン増えていたというの
に!

「へ、あああ!? や、違うの違うよ!?」
「わーっかてるよ……トシオにそんな甲斐性はないもんな」

 ば、っと背中に回っていた腕が離れてしまった。仕方ないが俺も潔く解放した。グッバ
イ桃の園。
341 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:33:00.39 ID:4QI4PDco

「うっせ。オイラだってその気になればヤバいんだぜ」
「へぇ……。ただスケベなだけじゃないの? つーか、女3人寝かせてる時点でなぁ」
「え? なに言ってくれちゃってんの、この人。僕は紳士だから。紳士だから」

 大事なので2回言っておきます。

「寝てる相手にさぁ、イタズラとか良くないよね!」
「! 変態紳士ってやつですね! わかります!」

 江崎……、やっぱり印象を改めなければいかんようだ。何で嬉しそうに言いやがった。

「あれ? 私何か間違えましたか?」

 急に笑い出した大野と、生温かい視線を浴びせる俺に気付いて、江崎はうろたえた。な
んかこいつ子犬みたいだな。そして少し――いや、かなりオタク。

「そういえば江崎、眼鏡してないのか」
「え、あれ?」

 ペタペタと顔に触れているが、気付いてなかったんかい。

「凜、テーブル」

 足を伸ばしてくつろぎまくってる大野。

「ホントだ。ありがとう、灯ちゃん」

 かけて落ち着いたようだ。

「それほど視力低くないの?」
「はい。実生活送る分では無くても充分なんですけど……。授業とかを考えると」
「なるほど」

 眼鏡有りでも無しでも、可愛いな。眼鏡は下の部分だけ縁があるタイプのやつだ。
 
342 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:34:05.58 ID:4QI4PDco

「中学生の頃からずっとかけてましたし、無いと落ち着かないんです。――そして」

 ん? なんか眼鏡がキラった?

「ギャップ萌えというやつです……!」
「……ほう」

 江崎……、侮れぬ。

「ない方がすっきりしてて良いと思うんだけどな、あたしは」
「だから灯ちゃん! 眼鏡属性にそんな風に言ったら元も子もないんだってば!」

 仲が良いなこいつら。俺はソファで寝てるお姫さんでもいじって遊んでるか。
 ほら、ほっぺぎゅー。

「なあトシオはどっちが良いと思う?」
「んー……」

 いや、江崎の眼鏡レスなんて今日初めて見たんだからなんともなぁ。そして江崎よ、俺
なら解ってくれてる、なんて思ってそうな表情はやめろ。

「どっちもイケると思うぞ」

 ほっぺムニュー。うはは、悪夢でも見るがいいさ。

「……スケベ」
「おいおい。スケベたぁどういう了見だ。思ったままに言っただけじゃねえか。どっちも
可愛いぞ、って意味だぞこら」
「いえいえ、そんな褒められるほどでは、あへへ」

 照れて可愛いがアホ丸出しだぞ、江崎。
 
343 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:35:04.34 ID:4QI4PDco

「ほんと、あんたってたまぁぁにジゴロみたいになるよね」
「失礼だなぁ! 良いものは良いと褒める主義だぞ、別に気を引きたくて言ってる訳じゃ
ないんだからヒモとかジゴロとかやめろよー」

 むにむにむにむに。

「……まあ八方美人っつー方があってるかもしれないな」
「なんだよ。お前そんな事を言ってると褒め殺して照れ死させるぞ」
「どーぞどーぞ、今さらあんたにそんなことされても何とも思わないっての……」

 むにん。
 こやつめ完全に俺を舐めてやがるな。そろそろ本気ってヤツを見せて思い知らせなけれ
ばいけない時期だな。ちょっとみせてやる。……成果を伴った事はないけどな。

「大野」
「な、なんだよ」
「お前は、自分の魅力を解ってない。いいか? お前はかわいいぞ」

 ずい、と距離を詰めて思いっきり真顔で言ってやった。嘘は言ってない。大野は性格は
ともかく、外見はマジで美人だ。

「……は」

 目前には照れ顔。……勝ったな。やり過ぎた感は少々否めないが。江崎まで照れちまっ
た。
 部屋の空気が固まった。だがこれはいい意味で、だ!

「お、お前なに言ってるんだ!? やっぱりろくなことしねーな!」

 大成功だ。さりげなく俺から離れて江崎の背後に隠れてしまう。

「ぬハハ! 俺は世辞は言わんからな!」
「余計なこと言うなぁ!」

 ビーフジャーキーが飛んできた。
 
344 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:36:02.51 ID:4QI4PDco

「やっぱり利岡さんもそう思いますよねぇ、灯ちゃん綺麗ですよねぇ」
「ばっ、凜もなに言って――!?」
「しっかり照れてるねぇ灯ちゃん」

 俺はビーフジャーキーを食いながら、また奈里のほっぺたをいじる作業に戻った。
 よく寝るやつ。

「全く……! ん、おいトシオ。あんまりいじって起こすなよ、かわいそうだろ」
「これくらいなら起きないから大丈夫だ」

 物心ついたときから一緒にいる相手だ。睡眠の深さくらいなら大体承知している。

「奈里ちゃんと利岡さんは、幼馴染みですよねぇ。私と灯ちゃんもそうなんですけど、2
人は私達以上に仲が良さそうですね」
「まあそうだなぁ、なんつーかもう家族っぽい感覚かな」
「……どうせ手を出そうとしたことあるんだろ」

 何故かギクリとする自分がいた。夢がフラッシュバックする。

「……あるわけねーだろ! お前は家族、兄貴や弟に手を出そうと思うのか!」
「姉妹扱いかよ。ま、お互い様かな。奈里も弟みたい、なんて言ってたからな」
「うはは! こやつめ」

 むにむにむにむにむに! だんだんうなされて来たな。眉間に皺がよってるぞ。

「でも上も下もなぁ。俺は姉貴が実際居るから、どっちかっつったら妹的な所もあるかも
しれないけど。なんつーか、双子気分かもな」
「んー、羨ましいです。灯ちゃんも私ともっとラブラブになりましょう」
「やだ」

 大野は意外とウブなんだな。照れまくりじゃないか。江崎もそこらへんよく分かってる
ようだ。こっちもこっちで仲が良いじゃないか。

「……むぅぅぅぅー……」
「やりすぎたか」

 ちょっとむにむにピッチが速すぎたか。奈里様のお目覚めのようだ。
 
345 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 20:37:17.02 ID:4QI4PDco

「サンドイッチの夢見た……」

 ほっぺたをもてあそぶ俺の手を掴んで起き上がる。具体的にどんな夢なんだ。

「落ち着いたか?」
「おはよう奈里ちゃん」
「ういいぃぃぃ……」

 また全員揃ったようだし。

「んじゃ、そろそろ俺は帰るか。眠くて死にそ――」
「健吾くん、なに言ってるの」

 なんか思いっきり手が絞まってるんですけど。

「そうですよ。せっかくですから是非最後まで」
「今さら帰るなんて野暮だろ」
「ははは、お嬢さんがた。お誘いは嬉しいんですけども私そろそろ眠くて大変なのです」
「うん、それで?」

 あれ? ちょっと怒ってる? 痛い痛い痛い右手が痛いよ。

「奈里よ。起こしてしまってすまない。だがしかしたかし、本来ならこの時間はいつもな
ら寝てるはずなんだ。というわけで眠気がやばいから勘弁して下さいホント勘弁して下さ
い。朝だっていつも通りの時間なんだし」
「起床時間に関してはみんな一緒だと思いますよ」

 にこにこ。
 江崎! あんたって人は……! まさか黒い人だとは思わなかったぜ!

「大丈夫だよ健吾くん。明日から休みだし、バイトもお休みでしょ。ね?」

 ギリギリギリ。
 痛っ、いたたたたた! 手がっ。ああ、これもう逃げられないんじゃないかな……。

「ま、可愛い女の子に囲まれて一晩過ごせるなんて嬉しいだろ」

 大野め、ここぞとばかりに反撃しやがってー!

「それで健吾くん、まだ何か意見ある?」

 ああこれ本気で怒ってる……俺何かしたっけ……。

「とても うれしい たのしみ」

 右手がいてええええ……。

 
346 :おしらせ ◆VXT/4vtv3E [sage]:2009/10/11(日) 20:38:34.80 ID:4QI4PDco
ちょっと入浴と夕食休憩いただきます。
347 : ◆VXT/4vtv3E [sage]:2009/10/11(日) 21:40:00.68 ID:4QI4PDco
再開します
348 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 21:41:08.26 ID:4QI4PDco

 * * * * * * * * * * *


 そして次の日。

「おはよう。健吾くん」
「おいーっす」
「おはようございます」

 結局昨晩いつ寝たのか覚えていない。酒の力じゃなくて眠気で記憶がない。
 ソファからのっそり起き上がって、一瞬だけ自分の状況が解らなくなった。

「君たち一体何時に起きたわけ……?」
「私は寝てないよ」
「あたしと凜はさっき起きたところ」
「もう、奈里ちゃんのバイタリティには驚かされます……」
「いやぁ、結構しんどいよ」

 はぁ。正午過ぎか。休み初日っからだれちまった。一人暮らしだし規則正しい生活で過
ごそうと思ってたんだけどなぁ。まあ明日から修正するか。

「腹減ったなぁ。みんな、昼飯まだなんだろ? どうするんだ?」

 二日酔いにならなくて良かった。胃の倦怠感も無し、と。

「奈里が適当に焼きそばでも作るって」
「包丁とか平気そうか? 寝ながら切ったりフライパン振ってたりしそうだな」
「手伝ってやればいいじゃないか」

 お昼の情報番組を見つつ、あくびをかましている大野である。口元をちゃんと手で覆っ
てる辺りはやっぱり女の子なんだな。

「私が手伝いましょうか?」

 その隣でテレビを見ていた江崎が立ち上がりかける。

「あー、江崎は客なんだし座って待ってろよ。俺が様子見るから」
「そうですか? わかりました。楽しみに待ってますね」

 やっぱり見た目通り大人しくて素直なやつだなぁ。他の二人と違って危なっかしくない
のが良いな。

「奈里、平気か?」
「健吾くん……どうしよう」

 早速キッチンに顔出すと、何故か深刻そうな奈里がいた。
 
349 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 21:42:03.17 ID:4QI4PDco

「どうした!? 指でも切ったのか……!?」
「具がないよ……」
「は?」
「焼きそば、具がない」

 は?

「でも焼きそばしかないの。ほら、あるのがこれしか……」

 冷蔵庫を開けている奈里の脳天にチョップを喰らわせておいた。

「紛らわしい事すんじゃねっ! 心配したじゃねーか!」
「ええ、ちょ、私なにもしてないよ!?」
「したっつーの! このやろー!」
「やふぇふぇー……」

 もにもにっとほっぺたを弄んでやる。

「お前ら。いちゃつくのは構わないけど場所は選べよ。幸いなことに自分ちなんだから寝
室にでも行けよな」

 騒ぎを聞きつけた大野が覗きに来て茶化す。

「ふぇふふぃいひゃとぅいてぇないとぅえふぇう゛ぁ」

 こいつ。ほっぺたサンドされているというのに、果敢にも普通に会話しようとしやがっ
た。
 大野も呆れ顔だ。

「ひょ、っ、健吾くん、はっなっしってっ!」

 ぷるる。
 手を除けられたので引き下がり、冷蔵庫を覗いてみた。
 
350 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 21:42:58.57 ID:4QI4PDco

「灯、相談なんだけど」
「大丈夫。凜と一緒にテレビ見てるから声は我慢しなくてもいいよ。聞こえないふりして
あげる」
「ちがっうー! お昼ご飯、すごい質素だけど、いい?」

 ふむ。なるほど。奈里の言いたい事が解った。

「へ? 焼きそばでしょ? 焼きそばってあれ以上質素になる可能性ってあるの?」

 俺は冷蔵庫の扉を閉める。

「いやぁ、それがさ……」
「俺は別に構わん」
「? 健吾くんには聞いてないよ」

 こうやって、奈里はたまに俺に冷たくあたるんだ……。

「なんなの?」

 大野は消沈した俺を一瞥してくれた。
 この人は最初からこんな感じだったかな、うん。

「素焼きそばになっちゃうんだけどさぁ」
「スヤキソバ? 何それ。そっちの田舎料理? 作ってもらう立場だから何でも良いよ」

 何か勘違いしてるな。
 だがしかし!

「違う違う。たまたま材料が無くて、野菜も肉も入らない、素の焼きそばですよって事だ。
素うどんの焼きそばバージョンだ」
「ああ、そういうこと」

 んなしょぼいモノがうちの田舎の焼きそばと思われて堪るかっ。
 
351 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 21:43:52.70 ID:4QI4PDco

「起き抜けだし、あたしはあんまり食べない人間だから任せるよ」

 大野はそのまま江崎にも確認して、OKを得ていた。

「そっか、助かるよー。昨夜はご飯作らなくて良かったし買い物とか行ってなかったか
ら」
「まあ独立も大変だな。ああ、でも良いじゃないか。これで今晩楽しみが増えただろ、あ
っちで美味い焼きそば食べればいいし」

 今晩、と……。またこの3人は遊ぶ約束でもしてるのか。

「遊び回るのも良いが、程々にしろよ」

 俺は麺のパックを開いていく。
 フライパンをセットしてっと。

「トシオも来れば良いんじゃないか? 祭りあるんだ」
「祭り?」
「それはいいですね」

 テレビを見てた江崎が反応した。

「ええ。私たちの町の神社でお祭りをやるんですよ。そこそこ大きなお祭りですから、結
構人も集まりますし意外と力入ってますよ。打ち上げ花火もあって、この辺で有名です」
「私は灯から浴衣借りて遊びに行くんだ」
「ほー、なるほどな」
 
352 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 21:44:48.48 ID:4QI4PDco

 たこ焼きイカ焼きベビカス型抜きかき氷にリンゴ飴……。ううむ、楽しそうだな。浴衣
美女と出会えたりしてな。

「あーあ。下心見え見えだよ、この男……」
「失礼だなぁはははは。僕はまったくこれっぽっちもイヤラシい事なんか考えてないって
ははは」

 フライパンをマッハで振った。

「毎年美味しい焼きそばの屋台がでますからね。利岡さんもお暇であれば来て下さい」
「うん、考えとくよ」
「じゃあ決まりだね!」

 うん?

「灯、健吾くんと一緒に行くね」

 奈里さん?

「わかった。でも男物の浴衣とかは用意はできないよ」
「あの。すいません。目の前にいるんで空気扱いされるとキツイんすけど……」
「じゃあ、うちになら多分余ってるから、使う?」
「ホント? 助かる! ありがと、凜」

 あるぇー? 今の俺に訊いたんじゃないの、江崎は。まあ誰も俺を見てないですけどね。
視界にすら入ってませんね。
 くそー! 少し分量俺に偏らせて盛りつけるからな!
353 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 21:45:48.21 ID:4QI4PDco

「それじゃあ……えっとうちまで見に来る? それとも良さそうなのをいくつか見繕って
灯ちゃんのところまで届ける?」
「えっと」

 なぜ今さら俺を見る。

「どっちでもいい」

 ちょっと拗ねてやる。

「じゃあ、えっと……。健吾くんに凜の家まで行ってもらうね」
「うん。わかった」
「もちろん江崎の家の場所は知らないからな……」
「大丈夫だよ。ちゃんと教えるからさ」
「つーか奈里が案内してくれれば……」
「それだと私が着替えられないよ」
「あ。あたしこの皿もらう」

 盛りつけが終わった隙を見計らって大野が手をのばした。よりにもよって俺の俺による
俺のための焼きそば!

「お前あんまり食べないってさっき言ってたじゃねーか!」
「もう健吾くん! ちゃんと聞いてー。ていうか、何このバランス悪い盛りつけ!? ち
ゃんとぴったり人数分のパックがあったんだからもうちょっと均等に盛りつけてよー」

 そして大野から瞬く間に皿を奪った奈里が盛り直してしまった。俺のささやかな反抗は
瞬時に鎮圧されてしまった。

「はー。素焼きそばなんて初めてだわ、多分」
「文句あるなら食ってやるからよこしなさい」
「発言と行動が伴ってないぞ」

 食事時は礼儀正しくが利岡家のモットーです。

「でも結構美味しいですねぇ」
「だね。ちょっとひと味足りない気がするけど」
「トシオってさ店でも結構調理場に立ってたりするんだよ」

 ちなみに俺たちのバイト先は一緒で、俺の方が先輩である。隠れ家的な雰囲気が素敵な
個人経営の居酒屋だ。料理も酒も良いものを用意しているから繁盛している。

「そうなの?」

 何故か少しばかり自慢げに話す大野によって俺のバイト姿が語られ出し、食事の時間は
過ぎていった。特に悪い話をされる事は無かったから、俺は聞きに徹していた。
 
354 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 21:46:46.21 ID:4QI4PDco

 * * * * * * * * * * *


 俺と奈里は電車に揺られていた。寝不足気味なので辛い。
 奈里は寝てしまっている。さすがに乗り物催眠には勝てないのか、乗ってすぐに船を漕
ぎ始め、俺の左肩を枕にして眠った。
 大野と江崎の地元は、学園のある市から二駅ほど離れた町だった。
 電車の片道で30分そこそこくらい。走行音の合間に微かに聞こえてくる寝息のおかげ
で、俺も結構キツい。行き先が終着なら二人で寝るのも手だが……。

(…………)

 せっかく忘れかけていたというのに、先日のあの淫夢の記憶が蘇ってしまったのだ。そ
れこそガキの頃からずっと一緒にいて、女だという意識はある。が、それは家族的な、ど
こまでも性的なフィルターが掛からない異性としてだと思う。
 だというのに。あの夢のおかげで何だか妙に意識してしまう自分がいる。
 あとどのくらいこの間を過ごせばいいのか腕時計を確認すると、ちょうど電車が速度を
緩めた。

「奈里、着いたぞ」
「……ぷひゅ……」

 肩を動かして頭を揺らしたら、変な寝息が漏れた。

「奈里」
「……ぅ。うん……?」

 目をこすりながらようやく頭を上げた。

「もう着くから。起きろ」
「うん」

 目がボーッとしてるのを見るに、熟睡してたんだろうな。
 
355 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 21:47:44.14 ID:4QI4PDco

「……」

 右肩の軽さを残念に思う自分を感じて余計に解らなくなる。奈里に対する「好き」とい
う感情はあくまでも家族に向ける愛情のはずだった。
 そんな事を考えていると左手に温かさが触れた。心が弾んだ。

「んー……」

 まだ寝ぼけている奈里の右手に繋がれていた。慣れた温もりを握り返す。
 電車が止まり、慣性の法則に完全に身を委ねていた奈里の頭が肩にぶつかった。

「ほら、降りるぞ」
「わかったー……ねむい」

 繋がったまま伸びるから俺まで引っ張られる。

「こら。他のお客さんだっているんだぞ……」

 町に近付くにつれて祭り目当てらしい乗客が少しずつ増えていた。車窓から見える田舎
っぽい風景とは裏腹に降りる客は多かった。
 俺たちも立ち上がってその流れに乗る。

「あの浴衣、かわいい……」

 耳元でのささやきにどきっとする。指さす方に視線をやって、少し気を逸らした。

「そうだな」
「私も綺麗なの着たいなー……」

 ふぁふん、などとあくび混じりに言う。……歩き始めて、体を密着させられドキがムネ
ムネした。くっつかれるのはたまにあるのに今は何だか落ち着かない。
 
356 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 21:48:40.94 ID:4QI4PDco

「やっぱ人が多いな……」

 ホームは思った以上の人の多さだった。少し早めに来て正解だったか。

「灯だ」

 ホームを囲う金網の向こうに大野の姿をみつけた。ラフな格好だった。
 奈里は手を振り振り網越しに声をかけていた。

「健吾くん、行こ」

 階段気をつけろよー、という大野の声を背中に受け、引かれるまま足を動かす。
 合流を済ませて大野家へと到着した俺たちは、でかさに驚かされた。

「うちさ、結構大地主だからさ。まあ、ね……」

 話を聞くと有名な政治家の名前がちょこちょこ出て来た。大野ってそこそこ聞く名前だ
から関係者とは思わかったぜ……。


 で。

「……こっちか」

 俺はその大野家に足を踏み入れず。

「商店があって……」
 
357 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 21:49:43.42 ID:4QI4PDco

 大野から江崎家までの地図を渡されて、初めて来た土地を一人で行く。大野のやつ大雑
把そうで意外と……。地図は綺麗なしっかりした線で書かれていた。
 まあ、あの家の出なんだから、しっかりした教育されてるんだろうな……。

「ここか」

 無事に地図の示す江崎家へとたどり着く。こっちは大きめの普通の一軒家。
 呼び鈴を鳴らすと威勢の良い返事とともに、バタバタ騒がしい足音が響いた。
 ばこーん! などという音を立てて玄関の戸が開く。
 ――静かにやれって言ってんだろ! 壊したら遊びいかせないよ!

「だれ?」

 その戸から飛び出てきたのは怒号とちっこいがきんちょだった。

「お姉ちゃんいるかな」
「……りん?」
「そうそう。利岡って言えば分かると思うんだ」

 こっくりと頷いて、出て来たときと同じくらいの騒がしさで引っ込んだ。

「……がちゃ?」

 今の鍵が閉まる音?
 ――かーちゃーん! りんに男がきたー!!
 誤解されそうな言い方だな……。さっきの怒鳴り声の主が出て来ませんように。
 
358 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 21:50:39.04 ID:4QI4PDco

「利岡さん。すいません、弟が……」

 意外と早く玄関が開くと、すんなりと江崎が顔を見せてくれた。

「江崎、悪いな。面倒掛けちゃって」
「いえいえ。中にどうぞ。汚いところですけど」

 さっきのちびっ子が走り回っていた。

「こら! お客様が来てるんだから静かにしなさい!」
「うるせー! ばーか! りんのばーか!」

 すげーな。うちの地元にもあんな元気なのはいないぞ。

「すいません。騒がしくて……」
「ああ、慣れてるから大丈夫だって」
「兄弟もいるんですか?」
「や、姉だけ。うち、近所に悪ガキいっぱいいてそれの相手してたから」
「そうなんですか。こちら、どうぞ。ゆっくりしてて下さい。浴衣はこちらで。着られそうなの
を何着か見繕いました」

 綺麗な和室に通され畳んである浴衣を数着、手渡される。

「あ、悪いなホント……」

 お気になさらず、と言い残すと江崎は出て行ってしまった。
 早速渡された浴衣たちを物色する。正直よくわからん。

「お」
 
359 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 21:51:37.47 ID:4QI4PDco

 甚平発見。動きやすいし着やすいし、これで良いか。つーかもう着替えたほうがいいの
だろうか。実は予定とか、情報を何も聞いてない。俺だけ行き当たりばったり?

「利岡さん、入りますけど大丈夫ですか?」
「あ、どうぞ」

 ふすまが静かに開いて江崎が入ってくる。

「麦茶ですけど」
「え、いいのに。ホント悪いな……」
「ただのお茶ですから。気にしないで」

 江崎は3人組の準癒し系としよう。たまに毒っぽいの吐くから準だ。

「ところで祭りって何時から始まるんだ?」
「そうですねぇ。大体6時くらいからで、花火は8時前には始まるかと。目安程度ですけ
どね。始まる前に何発か小さい花火が打ち上がりますよ」
「そうか。それで俺たちは何時くらいに会場に向かうんだ?」

 6時開始となるとあと1時間半ちょいちょい。
 
360 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 21:52:35.83 ID:4QI4PDco

「花火が一番の目玉ですから、ピークはその前後です。話としては6時頃に行ってゆっく
り一通り回ってみようと」
「ほー。花火ってそんなにすごいの?」
「力入ってますよ。出店とかよりコレ、かかってるらしいですから」

 人差し指と親指の輪っか。

「なるほど」
「はい。百連とかをポンポン平気でやります」

 すげえ気合いの入れようだな。夏休み開始早々から結構楽しめそうだ。
 しばらく江崎と話し込んでいると、さっきの弟君が「りんでんわー!」とか言いながら
部屋に突っ込んできた。騒いだあと勢いそのまま出て行ってしまった。

「もう……あとでキツくお仕置きしないと……。それじゃちょっと行って来ますね。利岡
さんも、そろそろ二人も来るでしょうし着替えておいた方がいいですよ」

 すすす、と静かな所作で江崎は行ってしまった。長い時間話したもんだ。意外と話しや
すい。それに昨夜のテンションが冗談のようだ。やっぱり酔ってたからなんだろうな。
 選んだ甚平にさっくりと着替える。軽くてスースーして良いな。

「利岡さん」
「はいはい」
「灯ちゃんと奈里ちゃん今から来るそうなので私も着替えてきますね。このまま待ってて
下さい」

 それでは、とだけ残して江崎は行ってしまった。
 ひとんちで一人取り残されると落ち着かないなぁ。
 そして手持ちぶさただ……。ボーッと室内に視線を漂わせる。
 ……バタガタンなどという激しい音にハッとする。

(寝ちゃったのか……)

 授業中の居眠り後の違和感が身体に生まれる。背中がふわふわした。
 どうやらボーッとしてたらいつの間にかウトウトしてしまったようだ。
 
361 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 21:53:33.04 ID:4QI4PDco

「りんいない」
「おー、いいぞ。この兄ちゃんもついでに迎えに来たんだ」
「健吾くん甚平着てる」

 そんな声を聞きながら振り返ると、江崎弟が大野に頭を撫でられて嬉しそうにしていた。

「あ……」
「どうしたの?」

 奈里の浴衣姿が思った以上に網膜に焼き付いた。

「健吾くん大丈夫?」

 しゃがんで顔を覗かせる奈里。相変わらず距離感を気にしないやつなので、至近距離に
ある瞼とか頬とか……唇に視線をやってしまう。

「平気だ。ちょっと寝てただけ」
「ホントに平気?」
「――大丈夫。このあとみんなで祭りに行って花火見れば完璧」

 笑顔を返してやるとほっとした表情で微笑んでくれた。

「それで凜は?」
「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃーん。ここにいますよ」

 ぬっと現れた江崎に驚き、大野が室内に転がり込んでくる。太ももごちそうさまです。

「浴衣でそんなに暴れたら着崩れちゃうよ?」
「お、おまえが、おどかすからだろ!?」

 うーむ。みんな浴衣が似合うな。

「それでは、みんな準備も出来たみたいだし向かいましょうか」

 江崎が騒ぐ弟を宥め賺し江崎家をあとにし、俺たちは会場の神社の境内まで歩く。道中
には祭り客の姿がちらほら見られた。
 
362 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 21:54:31.47 ID:4QI4PDco

「着いたぞ」
「……なんだか思った以上に仰々しいな。デカい?」
「まあな。それなりに由緒あるとこだし、祭りのおかげでそれなりに繁盛するし」

 繁盛とか言うな。
 何だかそれっぽい石段を上がると、祭りに彩られた境内が姿を見せた。店と提灯なんか
の電飾もしっかりしてるし、電灯もばっちり用意されてるから想像以上だ。

「うちのとは全然違うね……」
「やめるんだ、奈里。空しくなる」

 俺たちの地元にも、もちろんこういう祭事はあるわけだがこちらのように洗練されてい
るわけではない。もうちょっと雑多な感じの仲間内でワイワイやるような雰囲気だ。田舎
だから近所は皆家族。当然それはそれで楽しいものだが、こうも華々しさに差があるもの
だとは……。

「本当にすごいね、色んなお店ある」

 俺と奈里が感心して会場を見回していると、ドスンバスンという音が空気を揺らした。

「対空砲ですね」

 江崎は笑顔のくせに真顔でそんな事を言うもんだから、俺は本気で空を見回してしまう。

「何してんだ?」
「さすがですね、対空砲が分かるなんてっ!」

 そんな反応を見せられて、やっと祭り開始の合図の花火だと気付いた。
 
363 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 21:55:31.20 ID:4QI4PDco

「今年は意外と早いんだね」
「そうなの?」
「まあ、何にせよ冷やかしに行こか。色々食べるぞー」
「太れ太れ、太れ太れ太る」

 俺の攻撃! 呪詛!

「あたし、食べても太らない体質なんだ」

 俺の攻撃、ミス!

「……!」
「…………!」

 大野の余計な一言のおかげで荒ぶる神々を目覚めさせてしまった!
 思わぬ所からの反撃!

「いたっ、奈里、やめ、おちつけっ、あ、ばか、江崎、そこは、だ、めだ、ってっ、いた、
いたたた」

 クリティカルヒット! オーバーキル!

「ふー! すっきりした!」
「そうですねぇ」

 俺の冒険は終わってしまった……。
 つーか本気だったな二人とも……。次は抹殺されるかも知れない。

「とりあえず回ろうかー。何食べようかなー!」
「凜、本当に灯って太らないの?」
「昔から……」

 まあ頑張れよ二人とも。口には出来ないが応援くらいしてやるさ。

 
364 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 21:56:37.32 ID:4QI4PDco

 * * * * * * * * * * *


 日も落ち祭りも盛り上がり始め、会場は人で溢れていた。俺たちもいつの間にか散り散
りになり、1人で人波に揉まれている状態だ。

(くそー。コレもうちょっと会場広くとらないとダメだろ)

 基本的に人の流れに乗って進むしかないので、めぼしい屋台を見つけるのも一苦労だ。

「! 奈里」
「あえ、健吾くん。偶然」
「偶然とか言ってる場合じゃないよ、まったく」

 人の流れの中、たまたま目の前に見慣れた頭を見つけた。

「他の二人は?」
「分かんない。気付いたら一人だったよ」
「そうか……まあ、地元だし大丈夫か」

 むしろ俺たちが単独行動しなくて済むのはありがたい。
 
365 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 21:57:37.15 ID:4QI4PDco

(……)

 どうにか奈里の横に付くと、自然と手を繋いできた。こいつは普段から軽いスキンシッ
プをとってくるやつだからそんな気にする事は無いのだが。
 無いのだが。

(……何でこんなに)

 繋いでる左手が落ち着かない。もちろん嫌とかそういうのではなくて、やけに手が浮つ
いてしょうがないのだ。

「健吾くん、何か食べた?」

 むず痒い。こそばゆい。ドキドキする。

「いや最初に大野のたこ焼き一個奪ったきり」

 小さく喉が突っ掛かった。

「じゃあ何か買ってどこかでゆっくり食べようよ。ほとんど歩きっぱなしだったから少し
疲れちゃった」

 あれ、もしかして俺……。
 
366 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 21:58:57.56 ID:4QI4PDco

「何にする?」
「そうだな……たこ焼きも食べたいしなぁ。昼間に変な焼きそば食ったからちゃんとした
のも食いたいし」
「じゃあ」

 急にぐいぐい引かれて気付けばたこ焼き屋の前。

「半分ずつにしようよ。そうすれば両方食べられるっしょ」

 なんて言いつつ、俺の了承を得る前に奈里はすでに買っていた。屋台のおっちゃんに、
デートかいコノヤロー、彼氏かいコノヤロー、可愛いじゃねーかコノヤロー、オマケしと
いてやるよコノヤロー、なんて冷やかされていた。

「1個増量してくれたよ!」
「よかったな」

 ありがとよ、たこ焼き屋のアントン。
 手を繋いでまた波の中へ。何が嬉しいかって、彼氏じゃないって否定されなかったのが
無性に嬉しいじゃないかコノヤロー。まあ空気読んでそこだけ濁した可能性もあるわけだ
が。
 人波をどうにか乗り越え焼きそばもゲットした俺たちは、境内の人気の少ない場所に避
難した。テントもあるし運営本部らしいな。

「もしかして関係者以外立ち入り禁止?」
「……特に何も言われないからいいんじゃないか」

 テントでは卓を囲んでおじさん連中が酒を飲み、おばさん連中がその横で喋っていた。
 
367 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:00:05.14 ID:4QI4PDco

「おー。奈里、トシオー」
「あ! 二人とも」
「合流できてよかったですね」

 水風船をパヨンパヨンさせてる大野と、光の巨人のお面を装備した江崎。

「よくここが分かったなぁ。話はしておいたけど場所は分からないと思った」
「あ、じゃあここが穴場なの?」
「ええ。まあ穴場と言うより、役員の人たちの溜まり場だけどね。でも他の場所で見るよ
りはちゃんと見えるし場所取りも無いし楽だよ」

 奈里と江崎は盛り上がり始めていた。大野は少し離れて俺に視線をよこしていた。何か
言いたそうだ。

「ちょっと耳貸してみ」
「甘噛みとかやめてね」
「しねーよ。間違ってもしねーよ死ねよ」

 手招きする大野に近付いて、何故か二人と距離をとる。

「もっと良い場所があるんだけど、どうする」
「? じゃあそっち行けばいいんじゃないか?」
「いやぁ、そこ神社の裏手でさ――」
「あん?」
「それで、電灯なんかはないし、雑木林の先だから地元民も滅多に行かない」

 なんとなく言わんとする事は解る、が。

「奈里と二人で行って来たら? 邪魔しないよ、あたしたち」

 こんな事を真面目な顔で言いやがる。

「というか行け」
 
368 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:01:09.95 ID:4QI4PDco

 礼はあとで貰うから、と残すと江崎に声を掛けて喧噪の中に消えてしまった。こっちの
都合はお構いなしか……。
 というか大野は俺の気持ちに気付いてたのか?

「健吾くん、二人とも何か食べるもの買ってくるから場所取りよろしくだって」

 祭りの明かりに照らされた奈里の顔。なんか悔しかったのでほっぺたをつねっておいた。

「いひゃ」
「そうだな。場所は聞いたから行くか」

 奈里の右手をとる。

「うん! 凜からシート預かったし、着いたら食べよ」

 当たり前のように握りかえしてくれた事に嬉しくなり、にやけっ面を見られないように
顔を逸らした。
 話通り、本殿の裏側に例の場所に続く道があった。薄暗くて普段なら気味悪くて近付か
ないだろうが、祭りの喧噪と、それなりに月明かりが照らしてくれたので難なく進める。
 少し先に一際開けた場所が見え、ここが大野の言う穴場なんだろうなぁと思ったとき、
一発目の花火が上がった。

「おお! デカいのが上がるんだな! 早く行こうぜ、奈里」
「引っ張らないでー! 下駄だから走りづらいんだよー!?」

 カラッコロ下駄をならしながらどうにかついてきていた。俺も意地が悪いのでスピード
は落としてやらない。

「お、ここ崖みたいになってるな」
「ほんとだ。転んだ振りして背中押せばよかったかな」

 なんと危険な発想だろうか。ほっぺたをつぶしてやった。

「うぃー……健吾くん、シート出すからちょっと持ってて」
 
369 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:02:03.73 ID:4QI4PDco

 巾着からレジャーシートを猫型ロボットよろしく取り出して敷いた。俺の左手が寂しさ
を訴える。

「散らかっておりますが」
「お邪魔します」

 下に雑草が良い具合に生えてるおかげで尻は痛くない。それに林も切れている場所だか
ら景色も良さそうだし風通しも良い。これで人がいないなんて本当に穴場だな。

「健吾くん、最初どっち?」

 交換するのも面倒だったのでお互い自分の持ってる方から食べる事にした。
 目前では花火が綺麗に打ち上がって空を彩る。奈里はそれに夢中になって瞳を輝かせ、
俺はそんな奈里の横顔をちらちら見つつ焼きそばと花火と奈里を堪能していた。

「すごーい! 今の見た!? すごい綺麗!」

 大きな花火が上がるたびにはしゃいで、顔をほころばせた。
 いつの間にか俺は食べる事も花火を見る事も忘れ、その横顔だけを眺めていた。二人で
座ってギリギリのシートだから距離だって近い。

「健吾くん?」

 また大輪が咲いて。視線に気付いた奈里が笑顔で俺に振り向く。
 
370 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:03:02.87 ID:4QI4PDco

「んむっ!?」

 だから俺は気付いたときには奈里の唇を塞いでいた。いや、何が「だから」なのかさっ
ぱり分からないけど。
 女の子……奈里の唇ってやわっこくて気持ちいいな。
 一瞬の邂逅を終える。

「あばばばばばば!? ああの、きゅえ、けん、ご、く、ん!?」
「奈里……もっかい良い?」

 返事なんて求めちゃいない。焼きそばを置いて両手をフリーにし正面からがっつり肩を
掴んで思い切り行かせていただいた。
 さすがたこ焼きを食べてただけあってソース風味。だけどそれより強く奈里の匂いは迫
る。さっきより長いキス。
 ダメだなぁ、俺。こうするまで今の今まで確信持てないなんて。奈里が大好きだ。
 家族に向ける好きも持ってて、判らなかった。
 一人の女の子として好きなんだ。

「奈里。急に……ゴメン」

 呆けた表情の愛しい女の子。驚いてるのが判る。
 花火の光に彩られて、色彩を変える瞳。

「ぁ、え……健吾、くん?」
「俺。奈里が好きだよ」

 キスより短く、想いを告げた。

「っ……ぁ、健吾くん――」

 花火の音の区別が付かなくなるほど、鼓動は激しい。もしかしたら全部俺の鼓動だった
のかも知れない。

 
371 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:04:20.65 ID:4QI4PDco

 * * * * * * * * * * *


 駅までの道のり、電車、駅からの道のり。見事に必要最低限の会話しかせずにお互いの
家に到着してしまった。
 結局花火が終わって大野たちと合流しても奈里はボーッとしたままで、その俺たちの様
子で二人は気付いたようだった。
 告白の返事は聞けず終い。
 右手に俺の安アパート、左手に奈里のマンション。
 ゴールが見えた。
 俺の左手側に奈里がいるから、このまま交差する事なく別れそうだ。

「じゃあ、奈里。お休み」
「――う、うん」

 短い返事だけ残すとトボトボ歩き出してしまった。……あっちの答えは無し。
 マンションに入っていく奈里を見送る。いつもの元気が感じられない背中を見てると、
何だか自分が間違った事をしてしまったような気になった。
 そして時間が経つにつれて気恥ずかしさが湧いてきていた。

「おい、奈里!?」

 色々と考えを巡らせていたら、奈里が段差で盛大にすっ転んでいた。

「大丈夫か?」
「健吾くん……」

 中々立ち上がろうとしない奈里に慌てて駆け寄る。
 
372 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:05:23.38 ID:4QI4PDco

「挫いたのか?」
「え、あ……、えと……」
「立てそう?」

 一瞬だけ間をあけて、奈里は首を横に振った。困ったな。何だか気の抜けた顔してるし
心配だ。

「奈里。おんぶ」
「え?」

 しゃがんだ奈里の前に屈む。。

「肩貸しても何だか歩けそうになさそうだから……」
「…………」

 怖ず怖ずと腕が伸びてきて首にまわり、落ちないようにきちんと腕を交差させている。
このくらいは大丈夫そうだ。
 体を前に倒して持ち上げる。……首筋にちょっとだけ奈里の息がかかってこそばゆい。
 一声かけて腿の辺りに手をやると一気に立ち上がった。想像以上に軽く――柔らかかっ
た。

「……ん」
「何も落としてない?」
「平気」

 おぶり直して俺は歩き始めた。
 狙ってやったわけじゃない。狙ってない。背中に当たるフニュフニュ、ヤバイです。あ
りがとう。
 階段も難なく上り3階の奈里の家まで無事に着けた。靴を脱がせてソファに運んで、何
故か一緒にくつろいでいたりする。
 右隣に俯いた奈里がいる。
 
373 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:06:18.45 ID:4QI4PDco

「大丈夫か?」

 そしてさっきから話しかけても頷くばかりで、口を開かない。
 気まずい。まさか奈里と一緒にいてこんな空気に陥ることになるとは……。

「健吾くん、ごめんね……」

 しばらく二人で黙ってコーヒーを飲んでいたら、ぽつりと呟いた。

「これくらい大丈夫」
「あっ、その、それもだけど、そっちじゃなくて――」

 実はマグカップはもう空になっているのだが、間がもたないので俺は傾けて飲む振りを
していた。

「す、す好きって嘘じゃないよね?」

 危ねえ。中身があったら、不意打ちすぎて吹き出してたぞ。もう空のマグカップを煽っ
てみたりしてカップの底を見つめた。

「インディアンウソつかない」

 ドゥン、という衝撃が脇腹に。ちょ、ちょっとした照れ隠しだったんだけどな……。

「……う、嘘なわけあるか……褒め言葉と好意の言葉で嘘はつかない」

 慌てて奈里に向き直ると、すぐそこに顔があった。
 
374 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:07:50.95 ID:4QI4PDco

「じ、じゃあもう一回言って!? ね?」

 何だこの期待に充ち満ちた瞳は……!?。

「ねぇ……もう一回」

 そしてそんなねだるような顔されたら俺、というか男が動かないわけがない。

「好きだ」
「わ、私の目を見てっ」
「好きだ!」

 よし。先に目を逸らしたな。お前の負けだ。耳が熱すぎる。恥ずかしくて死にそう。な
んで俺あのとき平然と言えたんだ。

「わっ」

 WA?

「わた、私もね、そ、すそ、……す」

 裾っすか?

「とりあえず落ち着け。な? はい深呼吸」
「はぁぁ……。もう大丈夫、うん」

 でも奈里。ここまでされればあとは答えなんか聞かなくても何が言いたいか分かっちゃ
うぞ。にやけちゃうぞ。
 大きく息を吸って、ようやく落ち着いたようで。

「あの、私はずっと、ずっと前から健吾くんのこと好きだったよ」

 照れて安心して恥ずかしくて嬉しくて興奮して鼻血が出そうだった。
 ムズムズしてじっとしてられなくてかといって動いたらなんだかやらかしてしまいそう
で、そんなジレンマの苦しみの中、俺は感動をかみしめていた。

「あっ、あの、健吾くん、たぶん……今も、キスしちゃっていいタイミヌグだよ」

 よし頑張ったな、そして噛んだな奈里。
 照れて赤くなって上目遣いにそんなん言われたらもう我慢しませんよ!
 
375 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:08:49.97 ID:4QI4PDco

「ん! ……ん」

 またちょっと急にいきすぎたかも知れないが、今度は体を寄せて来てくれるので花火の
ときよりずっと気持ちいい。
 シャツの袖を掴みに来た奈里の右手を捕まえる。
 いつもより熱いその手。
 手の平からの熱が、腕を伝って体を熱くする。

「ん……ぇ?」

 本当に最後までいってしまいそうだったから、頭を冷やすために唇をはなした。

「花火の時のキスも嬉しかったんだよ? だけどちょっとびっくりしちゃって」
「ごめん。いきなり過ぎだったよな」

 今度は短めのキス。

「ぁ……やめちゃうの? もっと先までしちゃっていいんだよ――」

 いきなり何て事を言ってくれるのだろうか。
 ぶちん、と。自分の中の何かが切れる音は聞こえるのだと初めて知った。

「――なんちゃっ、むぐっ!?」

 なんか言ってたけどいいや。許可出たからいいや。
 
376 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:09:48.19 ID:4QI4PDco

「ん……むぁ――ちゅっ、ふぁ、ちゅぷ……あ、む……け、んご――く、ん……」

 唇を一瞬で封じて、今度は重ねるだけじゃない。唇を割って奈里の口に押し入った。こ
こぞとばかりに、見聞きしたキスのやり方を真似してみる。
 唇、歯、舌。ベロが届く、触った場所を全部舐める。
 奈里に触れているところ、すべてが熱い。

「ふぁ、んちゅ……ぇんごくん、ちゅ、……ぁ、待って」

 逃げられた。

「ふわっ!?」

 が、隣に座ったのが判断ミスですお嬢さん。
 押し倒してマウントをとる。

「あ、健吾くん……」

 奈里の右手は握ったまま。

「ちょ、ちょっと怖い、かも」
「大丈夫。優しくするから」
「へ? ちがっ――」
 
377 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:10:42.80 ID:4QI4PDco

 覆い被さるようにキス。さっきよりも激しく強く。少しだけ抵抗したが、奈里はすぐに
唇を開いて受け入れてくれた。
 むせ返るほどの奈里の香り。

「んりゅ……ちゅ、ふ――ぁちゅむ……」

 吐息と唾液の交換を繰り返し、奈里も下げ気味だった顎を上げて舌で応じてくれる。

「ぢゅむっ……っは、んちゅ、ちゅる、んんっ」

 俺の口にたまに這入ってくるときにそれを吸って、唇で挟む。
 にぎり合ってた手も離れ、奈里は両手とも俺の肩を掴んでいる。
 俺は右手を奈里の体の下に回して、たまに動かして背面を撫でたりする。手の平でブラ
の肩紐とホックが確認できた。服の上からでも判る肌のしなやかさと相まって、堪らん。
 ただ左手はどうも持て余している。

「ん、ちゅ、ふ……ぁん」

 奈里もなんだかえっちな声を出し始めてるし……。

「っ!?」
 
378 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:11:41.39 ID:4QI4PDco

 捲れたスカートから見える太ももが俺を呼んだ。

「け、健吾くん、タンマ! ま、っ!」
「やだ」

 スカートの下から侵入し股関節を撫でる。

「ひゃっ、ま、ぁん!」

 くすぐったいのか触りだした途端にもぞもぞし始めた。右肩が強く握られて少し痛い。
 唇から首筋、下りて鎖骨周辺にキス。時折舌先でくすぐったりしていく。

「あっ、やぁぁ……、そこ、んっ、くすぐった、いよぉ……」

 声に色が出て来て普段の奈里では想像出来ない艶やかさ。
 まだ抵抗があるのか気持ちいいと言ってくれない。言って欲しいところだが、俺も初め
てだから言わせてる余裕はあるかどうか。
 なんせ股間はさっきからガチガチに勃起して、痛いくらいだ。

「あっ――と」
「ふぁ! そ、そこ、だめっ」

 太ももの間。下腹部。左手をその辺りで動かしていたのだが興奮で手が震え、秘所に指
が行ってしまった。
 す、と軽く撫でただけなのに奈里は体を小さく跳ねさせ――、触れた指先は湿っていた。
 
379 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:12:45.39 ID:4QI4PDco

「奈里……濡れてる」

 感触だけでなく見て確認する。無意識のうちに呟いていた。
 人差し指と中指の先のぬめりを親指とで弄ぶ。

「ばっ!? だ、だって、健吾くんがエッチなことするからぁ……!」

 頬を紅潮させて胸に顔をうずめられ、

「アウト」

 これで俺は再び切れる音を確認。

「ちょっ、ダメ――」

 俺の左手はカルタ取り名人凌駕する神速で奈里の下着に進入していた。
 興味と興奮だけで動いているので、目標はただ一点。

「んっ! んんーー!?」

 くちゅ、と。俺は確かに水音を聞いた。
 奈里が必死に抵抗するが、無駄! ふはは! エロパワーがゲージ振り切ったのに止め
るバカが何処にいますかってんだ!
 今ここで我が右腕の力を解き放つ!

「や! ダメー! ダメなの! 健吾く、ん!?」
「奈里。平気だから」

 背中に回していた右腕に力を入れ抱きしめ、動きを封じた。
 しかしこれはあまり良い判断では無かった。
 ぴったりとひっつく事によって奈里の体にマイサンが押し付けられ、俺は軽くエクスタ
シってしまったのだ。

(なまむぎなまごめなまむぎなまごめなまむぎなまごめ――生……?)

 ぴくりん。
 俗物が! そんなムスコに育てた覚えはありませんよ!? 生に反応するなんてどんだ
けっ!? ていうか自滅。
 
380 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:13:45.51 ID:4QI4PDco

「あ……コレ」
「正直もう苦しくてしょうがない。けど、もっと奈里を触りたい」

 脹らみと、動いた事で奈里も気付いて、俺の顔と下半身に視線を行ったり来たりさせてる。

「っうぁ……!」

 そうやってちょっと気が逸れたところでしゅっと指を這わせ、刺激を与え始める。弄る
には潤滑油は出過ぎなくらいトロトロだ。
 擦っても擦っても指はにゅるにゅる滑ってしまって、その度に嬌声があがる。

「や、んっ、あん、あぁ……やぁぁぁ……!」

 往復回数が増えるにつれてどんどん声は大きくなり、俺の手の動きも加速する。

「だめぇぇ……健吾、く、あぁん!」
「うん? 指入れるね」
「っ!? だ、めっあっ、あっあぁぁ!」

 そこに指をあてがうと、ちゅ、と思ったよりスムーズに飲み込まれる。

「っは、あぁ、あ、健吾くんのぉ……?」
「入っちゃった」

 人差し指。第一関節がぬめりを持った肉に包まれ、それの熱に俺は感動を覚えた。

「まっ、だめ、い、あん、い、いま、んん……! うごいたら、んっ、あっ」

 指を上下させると俺の胸に顔を押し付け、喉を鳴らす。

「奈里、気持ちいい?」
「ぅあ、っ、ぃいよ、すごいよぉ……」

 うはぁ。可愛いなぁ! でも指先だけじゃ物足りなさそうだし……。俺も辛抱堪りません。
 ひと思いに指を滑り込ませた。

「っひ、ぁ、ああぁ! 健吾くんのゆびぃ……」
 
381 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:14:52.26 ID:4QI4PDco

 入り口はゆるゆる締め付けて中の方は緩急つけて蠕動して。指だというのに果ててしま
いそうだった。
 中をこねて、擦って、持ち上げて。

「ああん、だめ、だめぇ! そこ、動かしたら、いっ……ちゃ、あっ、あん!」

 ただ一心不乱に指を動かして、唇で耳をいじってみたり。

「ぃ、やっ、あっ、あん! っあ、ふああぁぁぁああああ!」

 一際大きな喘ぎ声が俺の体を振るわせ、指を止めた。
 激しい呼吸。大きく動く肩。

「奈里、もしかして……」
「……ん、はぁ」

 首に絡む腕、押し付けられる体。鼓動が自分のものか奈里のものか分からなかった。
 引き抜く指が外気に触れて、どれだけ熱がこもっていたのかを知った。
 それに浮かされるように。
 俺は身じろいで体をふりほどき体勢を変え、――奈里の足の間に陣取った。

「ん、あ――ぇんごくん?」
「奈里。俺、我慢できない」

 ズボンを下ろすと、解放した怒張がひくつく。我が股間から生えているものながら、あ
まりにパンパンに勃起しすぎて別の生物のよう。
 亀頭は先走りでヌラヌラてかっていた。
 
382 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:15:56.48 ID:4QI4PDco

「そ、れ……健吾くん、の」
「うん。奈里がえっちだからこんなになってる」
「ふぁ……すご……」

 鼓動に合わせて勝手にぴくぴくしているムスコを見て、奈里がそっと手を伸ばす。

「さわられたら出ちゃうかも」

 実際、出す自信があるのだがそれはともかく。そんな俺の言葉も届いてない。

「すごい……こんな……」
「見るの初めてか?」
「えっと、うん。生で見るのは……」

 物珍しさで興味が湧いたようだが、触ろうか触るまいか決心がつかないらしい。すんで
のところで手を止めて結果的に俺を焦らしている。今にも腰を突き出してしまいそうだ。
 ……それに。興奮して頭が回ってないようで面白い発言があった。

「そっか。じゃあ……」
「んっ」

 焦らしに勝てなかった俺は早々に亀頭を入り口にあてる。

「ここでいい?」
「う、ん。平気……」
 
383 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:16:59.49 ID:4QI4PDco

 うあ、これだけでもこんな気持ちいいなんて……。
 奈里から溢れた液体を亀頭に付けるために入り口に擦りつける。

「あっ、あの、健吾くんっ。その、私、初めてだからっ、あの」
「――大丈夫、優しくする。俺も初めてだ。奈里で嬉しいよ」

 お互い緊張をほぐすための、ちゅっと短いキス。

「ふ、あっ」

 ……これ、自分の先走りと奈里の愛液を混ぜ合わせてるわけだよな、エロすぎる。
 くちゅくちゅと音と感触を楽しんでいたら奈里が腰を浮かせた。

「健吾くん、焦らさないでぇ……!」

 3度目のぷっちん。
 告白していきなりエッチか。でも俺と奈里だ。
 家族並みに付き合いがあり、知らない事と言ったら……うん、エッチな事だけ。そう言
っても過言じゃない。
 どこが気持ちいいとか嬉しいとか。これからもっと一緒に二人の事を知っていこう。

「ん――ぁあ」

 なんかエロにしか興味なさそうに思われそうだが、そういうわけじゃ断じてない。
 ゆっくり腰を進める。敏感な部分だけどここまで熱さとか感触とかはっきり判るものな
のか。

「く、……ぁつ」

 覚えの無い感覚にペニスが包まれ始める。柔らかいけど締め付けてきつい。
 亀頭が包まれる。正直ヤバイ。頑張れ俺。負けるな俺! 諦めたらそこでエッチ終了だ
ぞ! 俺……もっとにゃんにゃんしたいです!

「ぜ、全部、きた?」
「まだ先っぽだけ。ツラい?」
「へ、いき。思ってたより全然平気、だから」
 
384 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:18:04.58 ID:4QI4PDco

 続けて。という言葉、不安げに結合部を見る奈里の表情、何とも言えない味を出してい
てエロくて大変良いです。
 もしかして奈里の方が余裕があるのか。

「奈里。ちょっと我慢して」
「え、あ……。うん、平気。健吾くん、きて」

 ぐっと腰に力を入れて強くなりすぎないように押し出すと、思ったより簡単に飲み込ま
れた。

「んんんんん! あぁぁ!」
「ご、ごめん! 大丈夫か?」

 叫びにも似た強い声。

「無理そうだったら、ちゃんと言えよ?」
「……ん。ぁ、平気だから、健吾くんの好きにしていいよ」

 首に腕を回され引き寄せられ、求めに応じてキスをした。積極的に舌は絡み、口の中が
浚われていく。
 なんだかこのままだとずっとキスしてそうだったので離れる。透明な糸が口を繋いでい
た。
 奈里の切なそうな表情。髪を撫でてやり、腰を動かし始める。

「ん……ふぁ――あん、や……ぅあ」
 
385 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:19:13.56 ID:4QI4PDco

 軽く。重く。激しく。穏やかに。強く。優しく。言葉通り痛みやらは無いのか、奈里の
艶声には無理してそうなものは含まれない。
 俺の方もいざ本番となると意外ともつもので、こうやって動きの幅を持たせられている。

「あぁぁっ、あん、やぁぁ! っふあぁぁ!」

 奥。

「あっあっ、健吾、くんっ、あったかぁい……」

 手前。
 奥の方がいっぱい感じるらしい。

「っは、あん、あぁあ! や、んん、んぁ」

 ちなみに俺も奥が良い。奈里がいい声を出すし、それにイイところに当たるらしく体を
小さく跳ねさせ、中も反応するから気持ちいい。

「ふぁ、あん、あん、あっ、……くぁ、あぁ、やぁぁぁぁ、健吾くん、健吾くんっ!」

 そんでもって動くのを止めて様子を見たりしてると、物足りなさそうに見上げてくるの
がもう可愛すぎて愛しすぎて、肉体的にも精神的にもどんどん絶頂が近くなる。
 が、まだだ! まだ何か足りない……!

「ん……っはぁ」

 奥で動きを止めて奈里を眺める。ちょっと激しくしてたせいでこの小休止に奈里は息を
整えていた。
 おかげさまで胸が上下してなんだかとっても良い景色。
 おっぱいだ!!

「ぴゃっ!?」

 ムスコがおっぱいに反応して勝手に跳ねてしまったのだ。

「な、なんか……健吾くん動き方イヤラシい……。本当に初めてなの?」
「さっき言ったけど、初めてだよ。奈里だって初めてだって言った割りに――」
 
386 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:20:10.32 ID:4QI4PDco

 グリグリと中を刺激する。

「っう、あん、ちょ、あんっ、はっ、ずるいぃ!」
「凄い感じてる……。それと。人によるかも知れないけど痛がってないよね」
「そ、そうかな……そうかも。よく痛かったとか話聞くけど……平気だね」

 何か心当たりがあるかも知れない。

「粗末なモノですいません……」
「ち、ちがっ!? そ、そんなことないよ、私、健吾くんの、その、好きだよ」

 嘘でも嬉しい。男心が刺激されるから、お返しに浅いところを刺激した。

「んっ、あっ、ちょ、喋ってるのにずる、っいぁ」

 上着をはだけさせて胸を露わにする。落ち着いた色合いのブラジャー。ショーツも同じ
デザインだった。奈里にぴったりだ。
 くそぅ。下着姿で見とけば良かった……!

「っふぁ、あは、ちょ、くすぐ、ったい」

 下着の上から撫でたり包んだり、柔らかくて脳が融けそうだ。ブラをずらして乳様にお
出で頂こうかと考えたのだが、ちょっとキツくて、無理ではなさそうだがせっかくの乳様
に苦しい思いをさせてしまいそうだった。

「奈里、ちょっと」
「ん。……あっ、は、ぅ」

 ホックを外すため上半身を持ち上げてるのだが、繋がったままだからどうしても刺激が
生まれるし、俺の小刻みな腰の動きで喘ぎ声は止まらない。

「やぁぁ……だめ、だめだめっ! それ、当たって、い、っぱい、あっあっ」

 悪戦苦闘の末やっとホックを外せた。前からだと何故こんなに外しにくいんだ!? こ
れ改善すれば世界はもっと平和になるぞ。
 
387 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:21:14.31 ID:4QI4PDco

「……あ。ん、ふっ……」
「ちょ、奈里、苦しっ。これだと触れないっ」

 急にホールドされて、顔に肌とは違う柔らかさが触れているのに全く堪能できない。見
事な生殺しっぷり。俺も半ばムキになって必死に奈里を引きはがそうと躍起になる。
 これぞ火事場の馬鹿力。ビクともしない……。

「――なら」

 にゅ、と大きく腰を動かして中を動かす。

「っひ――ぁ、やん、あっ、あっ、あん、ダメ、急に動いちゃだめぇ……っ!」

 いたたたたたた!? あれ!? 隙が出来るかと思ったらさっきより強い力になってま
すよ!?

「んぐ!? っむぁ」
「んちゅ、ちゅ、っあ、んぁ、健吾くん、健吾く……ぅん、あぁ」

 口を貪られる。ちゅぷ、くちゅ、と粘度のある水音が耳に届く。激しく口を吸われる。
 どうやらスイッチが入ってしまったようだ。

「ふ、っん、あんっあっあっ! も、もっと……健吾くん」

 口内を舐られ背中をさすられ耳元で囁かれ、肉棒を刺激されて。奪っていたリードは覆
され、攻守逆転。
 キスをするごとに奈里の匂いと吐息が入る。腹の奥にどんどん溜まって体内を熱し、愛
しさが増し欲望も膨らむ。
 奈里の足を持ち上げ、体に押し当てておしっこするような体勢にしてじわじわ動き、

「うぁっ、だめっだめだめ、あぁぁっ! おなか、いっ、ぱい……っあついよぉ」

 大きいストロークで奥を目一杯刺激。ずるる、と滑らかに動く中を存分に堪能する。た
だただ自分が気持ちよくなるために腰を動かしていた。
 ――たんたんたん。

「……っ奈里」

 蕩けた表情に溢れる声は甘く脳髄を打ち。

「あっ! んんんっ! っあ、うぁ、んぁああ――! んっ、あっ、……ぅあ、気持ち、
いいよ、健吾くん……!」

 顎を上げて喘ぎまくる姿を見てどんどん興奮する。
 グン、と腰の後ろに衝撃が走り、いちもつが膨らむのを感じた。
 
388 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:22:57.34 ID:4QI4PDco

「っあ、健吾くん……も――わた、し、いっ! あっあっあっ!」

 奈里の体がピクピクと反応し始める。もしかしてイキそうなのか?
 ……ちょうど良い。

「っああぁぁぁ! ふああっ、んあっ、あ――ふっ、うあ、あああっ!」

 前半戦に頑張ったせいで、激しく動き始めてからたびたびイキそうになるのを我慢して
たが今度の波は防げそうになかった。
 腰の辺りに走る快感が体を衝く。

「ゴメン奈里……俺もうイキそ……」
「んっあっ、ふぁっあっあっ、んぁっ……い、く……? ――っあ、いっ、しょにっ! 
んぅっ! 健吾くん……一緒っに、ぁあっ!」

 覚束なかった視線が俺を射抜き鼓舞する。
 べろり、と唇に舌を這わせ合い吸い合う。吐息と喘ぎ声を交換しラストスパート。
 室内に肌を打ち付け合う激しい音が増えた。

「ああああぁっ! あっあっあっあっ、い、……っちゃ、んん! はっ、んぅぅっ!」

 ボーッとし始める頭とは裏腹にペニスの方は鋭敏になっていく。
 どんどん溢れてくる奈里のあそこが、ひくひくしているのに気付いた。

「んんっ!? っは、あん! っんあっんっあっあっ……っあっあぁ!」

 亀頭と竿の部分へのさらなる刺激で打ち付ける勢いを加速させ限界を迎え――。

「っく、奈里っ奈里っ!!」
「はっ、んむっ、っふぁ、ぁぁああああああああんんんんんん!! あっああっあんぁぁ!」

 俺はそのまま射精した。ペニスごと引き抜かれてしまいそうな快感。
 精液が尿道を脈打たせてる間、快感の余韻を延ばそうとゆっくり腰を前後させる。
 それに応じるかのように奈里の中は俺を包んで離さない。
 キス。

「っ……ちゅ、っはぁ、はぁ、んぁっ」

 持ち上げていた足を下ろし奈里を抱きしめた。絶頂の余韻を残した体は小刻みな震えを
残している。

「ぁ――初めてなのに、イっちゃった……」
「うん。可愛かった。気持ちよかった」

 囁き合って、しばらく抱き合ったまま余韻に身を委ねていた。

 
389 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:24:09.13 ID:4QI4PDco



 行為の残り熱も霧散し、俺たちはソファの上で寄り添っていた。裸になった奈里を背中
から抱きしめている。
 寄りかかる奈里の質量が心地よい。
 さっきからずっと手を繋ぎっぱなしで、奈里の体をまさぐる事も出来ない。せっかく隠
すものが無くなったというのに。
 悔しいからさっきから奈里の髪の毛ををクンカクンカしている。

「いっぱい中にしちゃったね。健吾くん」
「……」

 そう。勢いを落とさなかった結果、見事に中出し。

「平気だと思うよ。気にしないで」

 不安っちゃ不安なんだが、何故か人生設計をし出している俺の脳は、生活がやっていけ
るか、奈里と子供を幸せに出来るかどうかで不安がっていた。
 色々と先走りすぎである。

「でも赤ちゃん出来たら責任ちゃんととってね」
「そりゃもちろん任せとけ」
 
390 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:25:05.26 ID:4QI4PDco

 嬉しそうな奈里を抱きしめる。
 嗚呼。この手がほどければ桃源郷に届いてもっと幸せになれるのに……。

「健吾くん、その……気持ちよかった?」
「死ぬかと思った。奈里は?」

 こくん、と小さく首が動いた。耳が赤くなっている。ああもう可愛いなームラムラして
きたー。
 それにさっきからたまにもぞもぞされて、ムスコがセガーレになりかけている。

「ふゃっ!?」

 首筋に鼻を当てて匂いを堪能。なんだか甘い香りが鼻腔を流れて肺を満たす。
 そのまま肩、肩胛骨、背筋、とキスを浴びせ……。逃げようとする奈里をしっかり捕ま
えて、肌触りを堪能する。

「ちょ、ちょっと健吾くん……」

 股間に押し付けられてるお尻が気持ち良くて、というより気付いたら自分から押し付け
ていてやっぱりセガーレが降臨してしまった。

「んー、奈里」

 そのまま一緒に横に倒れて、未だに解放されない両手を上手く駆使して奈里の体をまさ
ぐった。

「ぁ、もう、健吾くんってば……っ」

 その夜、俺はスイッチが入った奈里の本当の恐ろしさを知ることになった。


 * * * * * * * * * * *

 
391 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:26:03.37 ID:4QI4PDco


 夏休みが、奈里と結ばれた夏が終わる。
 何か変わるのか、なんて考えた事もあったけど。前以上に距離感が縮まって、俺たちの
間柄を示す単語が1つ増えた。それはとても素敵な言葉。
 恋人。思い返すと1ヶ月以上経過しても胸のドキドキは収まらない。毎日毎日時間の許
す限り一緒にいて、色々な事をして過ごした(エロ含む)。
 奈里が実はムッツリだと判った。俺が判定した。その気になれば奈里の方がエッチにな
り、今ではもうおっぱいも(エッチするときなら)気にせず触らせてくれる。

「…………」

 でも一番嬉しいのは一緒のベッドや布団で朝を迎えられる事。
 こうやって先に起きた方が相手の寝顔をじっと見てるのだ。
 寝顔を見たりそれをつっついたりして、何げなく過ごすこの短い時間が幸せすぎた。あ
とから起きても、嬉しそうな奈里の笑顔で1日が始まる。こんな素晴らしいものはない。

「っん……ふ」

 ちょっとおっぱいふにふにしてしまいました。
 そう言えば休み前、だったか。エロい夢を見たな。
 奈里とエッチする夢。

「……ん」

 あれがきっかけで気持ちに気付くというのが我ながら情けなさ過ぎる。

「ごめんな奈里。すげえ時間かけちまったな……」

 頬を撫で、頭を撫で。さらさらの髪の毛が手の平に気持ち良い。
 奈里がいる、奈里の事を考える、奈里の事を思う。俺にとって当たり前になっていて、
それが何を意味するのか考えずにいた。

「そうだよ……ちょっとジンジンする……」

 寝顔のままそんな言葉が聞こえた。
 
392 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:27:01.68 ID:4QI4PDco

「起きてたのか」
「うん。さっき胸いじられて」

 もぞもぞ動いて抱きついてくる。

「もっとなでて」

 髪の毛に指を通したり、首筋を撫でたりしてやる。
 正夢か、はたまた予知夢だったか。或いは恋の神様が見かねて与えてくれた天啓だった
のか。

「健吾くん……」

 でもきっと。
 神様じゃなくて、腕の中のこの可愛いやつの念が届いたんだろうな。

「奈里」
「ん……ちゅ……む」

 ほっぺたが膨らんでいる。何故か怒っているようだ。

「短い……」

 ふわっと。
 重なる唇と香しい奈里の匂いが俺を満たした。
 これからもきっと喧嘩して泣いたり怒ったりするんだろう。
 けれど今まで以上、ずっと一緒。これからは二人一緒に歩いていく。

「健吾くん……」
「奈里、好きだよ」

 潤んだ瞳で見上げられ、愛しさが止まらない。

「あ、朝から元気だね」

 きゅっ、と。柔らかさに包まれたセガーレは言うとおり元気だった。
393 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/11(日) 22:27:23.76 ID:1TYBeQMo
水をさすようで悪いんだがケータイの分岐のBADENDルートが見たいでござる
394 : ◆VXT/4vtv3E [sage]:2009/10/11(日) 22:29:20.07 ID:4QI4PDco
                                    糸冬
                                ---------------
                                制作・著作 エロHK
395 : ◆VXT/4vtv3E [saga]:2009/10/11(日) 22:32:58.51 ID:4QI4PDco
             ,:'⌒ヽ
            入___人
         / l   l \
    r、r 、/  ,l     !  \ ,.-,-、
   (\\\/'´l      !´ヽ///)
    (\`     ,l       !    ´/)
    \     lr‐┐r ‐ 、l     /
     `┬‐'´ ゙l | 〉 ゚ 〈 `'‐┬´
.         \.  |__|(__゚__) /
           \⊂ニニ⊃/
          \  /
            `´

        ここまでがR18
396 : ◆VXT/4vtv3E [sage]:2009/10/11(日) 22:41:09.88 ID:4QI4PDco
というわけでお粗末様でした。
なんせ初めて性交描写なんて手を付けたもんだから、
どこかで見たようなのをつぎはぎしたような感じになりました。

難しいですね。もっとAV観よう(?)。

容量としてはtxtで70kb行くか行かないかくらいですた。
だいたいシナリオライター募集してるエロゲ会社が応募の際に使う作品がそのくらいです。
なのでどのくらいなのかなと思いながらこの容量に収まるように書いてみましたが、

さすが俺。
大幅overでかなり難しかったです。

>>393
ああ……BAD……すっかり忘れてまみた。
1コマで終わるので投下させていただきましょうかね。
397 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/10/11(日) 22:42:44.39 ID:4QI4PDco
酉ちぇき
398 : ◆pTit6fOIXQ [saga!nasu_res]:2009/10/11(日) 22:45:09.66 ID:4QI4PDco
>>204



2:携帯電話の電源を切らない


 
399 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/10/11(日) 22:46:44.41 ID:4QI4PDco

そろそろ限界らしい。
携帯電話の電源を切って未練を断ち切るつもりが。
断ち切れないまま、何も変えられないままこんな末路を迎えてしまった。
あの日のべた腕はそのまま、だらしなく机の上に転がっている。

「……」

引き戻そうと思ってももう動かない。
光も音も匂いも。外界と繋がる感覚は須く鈍り、どうあがいてもダメだという合図だった。
飢えも渇きも限界を過ぎると何も感じなくなると知った。

あれから携帯電話から先輩達の声が聞こえることは無かった。
ただただ、そこに空間があることだけを伝えてくれた。
短い時間だったが、最後は元の世界の空気に触れたまま終われたのは嬉しかったと思う。

気分はさながら病人。
そう。あの空間はとても穏やかに時間が過ぎていく。
病室めいていて私にはちょうどいい。
……なんとも皮肉な計らいだ。

まさか自分の終わりがこんな不思議な形などとは思わなかった。
呼吸するのがつらい。
……考えるのがつらい。
目を開いているのがつらい。





 
400 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/10/11(日) 22:50:10.48 ID:4QI4PDco



                  ここで過ごした日々より短いそれは。
                       ようやく私におとずれた。

                   目蓋を閉じる一瞬をも、永遠に感じられ――


 
401 : ◆pTit6fOIXQ [saga]:2009/10/11(日) 22:54:24.25 ID:4QI4PDco
                                                  ......BAD END.
402 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/10/11(日) 23:02:46.49 ID:4QI4PDco
と、こちらがBADENDです。

製作裏話としては、
ミスリードで先にこちらへと誘導しようかと考えていたんですが……見事に回避。

>>209恐ろしい子……!

内容も病室を仄めかしたりしてみたり。
403 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/10/11(日) 23:04:32.78 ID:4QI4PDco
悔しいんでちょっと撫子貼っておきますね。

          /                 ハ
       ∧、                   ∧
       i   \                /  i
       |  i ` ー--   --一 ´   i
       |  i  /  //   /   i |   ハ
.        ! 八 /、 / ′ ,'/ /  ハ|    ∧
       /   V L」トi //_/7_/´ルi/    ∧
   _ / i  八c==ミ`   , =≠っ/   ハ ハ
   ー=彡ヘ!   ∧〉 ///    /// 〈//  i`ヽ. !
    ー=/ |  i i 人     '    ノ/i   !  V|   それではまたいつか。
       i  , 乂ヽ个ト . ^ ‐ ^ . イ // ,  ノ   }i
       |  乂ヽヽミメ、 ` ´ _,ノ  /イ    リ
       |      ニ,¬ミヽヽ / }__ .ィ(ヽ    |
      !  (/∠ _/7        _} ヽノ    !
     ,' /      一'7   {二二´    \  {
.    / /       二ノ   ヽニ      ヽ ',
    i /   ゝ,--―一'  八 ` ¬=-.__,  \!
    |    个: .               . :个    }
     ヽ     |                  |   ノ
       \__,ノi                   ∧ __,/
           /                ∧
.        ,′                  ',
       ∧                     ∧
       ,'ヽ \_________)_________/ ∧
      ,   \ ___________________ /  ,
       i  ' / ヽヽ`ヽ     ´// ハ   ',
        {   i                  i    }
       i´ ̄ ¨ ‐- 、         -‐ ¨  ̄`i
        |       \       /      |
.      |          Y^⌒^Y           |
404 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 09:02:14.03 ID:zVpjM0co
おもしろかった
405 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 09:45:16.41 ID:Y/3h8oAo
また気が向いたらなんか書いてくれよ
406 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 23:02:03.28 ID:AtwEQ6DO
>>403
1のさりげない優しさに乙
407 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/10/13(火) 17:57:22.33 ID:AW2pUTgo
                             あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
                         『おれは先日、録画したテレビ版の化物語の視聴を終えたと
                            思ったらするがモンキー其の参を録画し忘れていた』
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|             何を言ってるのか 判ると思うが
          |i i|    }! }} //|             この現実に向き合いたくない。
         |l、{   j} /,,ィ//|               頭がどうにかなりそう。
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ           Blu-ray買わなくても済むと思ったのに……!
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人       ショックのまま公式サイトを訪れさらなる衝撃をうけた。
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ            『テレビ版だけじゃ完結しない』
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ          催眠術だとか超スピードだとか
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ          そんな解りにくいもんじゃない。
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \         解りやすい販売戦略……!
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ  最終話を見終わった後の嫌な予感が当たった……。
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  日本のアニメ業界の恐ろしさを思い知ったぜ。

                                       これで
                         『するがモンキー』 『つばさキャット』 『なでこスネイク』
                              3部作の購入が確定された……。
                          キャット上下巻に分けるとか勘弁して下さい。
408 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 22:43:49.07 ID:MrH1AoDO
これまたさりげない
409 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 22:44:52.79 ID:MrH1AoDO
これまたさりげない
410 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 23:04:08.45 ID:MrH1AoDO
これまたさりげない
411 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 23:13:30.38 ID:9YhwmdQo
とりあえず落ち着こうか
412 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/10/13(火) 23:15:33.60 ID:AW2pUTgo
声出してわろうたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
413 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/14(水) 10:42:43.69 ID:AzfqyUEo
まあ重いからな、ここ。
414 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/16(金) 18:36:18.21 ID:4RqJI2Y0
全部買うだろじょうこーる
415 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/10/22(木) 22:25:06.83 ID:h4ZYwsYo
作文の神様! 俺に閃きを!orz=3
416 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/23(金) 19:05:19.47 ID:50xrxsDO
漫神様ならいるんだけどなぬるぽ
417 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/23(金) 20:01:32.63 ID:ja5d4oAO
>>416
ガッ
418 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/10/23(金) 21:04:29.14 ID:PoLdhGAo
>>416
ガッ
419 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/12/09(水) 10:48:40.57 ID:1CfSHgAo
あげ
420 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/12/12(土) 20:28:08.77 ID:GJc4k6Qo
【田井中律が魔眼を知るようです。】


3巻発売記念。発売したの気がつかなかった。まだ買ってない。
あと関係ないけど空の境界がまた節目を迎えた記念に。

内容もストーリーも無い短編。近日投下予定。
421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/13(日) 00:12:06.69 ID:9MTfwDso
楽しみです。
422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/13(日) 00:17:22.48 ID:dz8Rmz.o
久しぶりー楽しみにしてる
あと3巻は12月18日発売だよ!来週だよ!
423 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2009/12/16(水) 22:15:03.16 ID:bgL1w0Yo
>>421-422
センキュー。
期待に応えられるように頑張る。

そして発売日情報もthx!
なんか勘違いして3日発売だとおもいこんでとぅwwwwwwww

とりあえず進捗状況は三分の二くらいまで来たような感じです。
もうちょっとだけおまちくだしあ
424 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! :2010/01/15(金) 12:12:01.94 ID:RKtDlIoo
ぬるぽ
425 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! [sage]:2010/01/15(金) 13:26:05.50 ID:iMd/dsAO
>>424
ガッ
426 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2010/01/16(土) 19:03:28.06 ID:IiHVKBEo
>>424
ガッ





ご無沙汰しております。>>1です。
前回書き込んでから一ヶ月経ってしまいまして、すいません。
年末特有のゴタゴタと、謎の高熱にうなされて>>423の進行状況からほとんど進んでおりません。
やっと落ち着き初めて、ぬったりと平常進行のペースに戻りつつあります。


楽しみにお待ちいただいている方々にはご迷惑をおかけして、ジャンピング土下座で謝罪します。
すいませんでした。

大変申し訳ないのですが、もう少しばかりお時間を頂けたらと思います……。

ところで三巻を無事に入手したのですが、やっぱりりっちゃんが可愛くて死にそうです。
んでもってブルーレイのプロフカードを見てて気付いたんですけど、
身長体重血液型が律と完全一致してました。
たぶん僕はりっちゃんの生まれ変わりか双子の兄か弟だと思います。

脱線しましたすいません。


とにかくも、頑張ってペコペコとキーボードを叩いております。
もうしばらくお待ち下さいまし……。
427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/16(土) 20:22:30.24 ID:Y5aE4Iwo
おお、最近現れないと思ったらそんな事が
ここなら落ちることもないし、いつまでも待つから自分の体を第一にして無理はしないでくれ

あ、あとりっちゃんは俺が必ず幸せにするよお義兄さん!
428 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2010/01/19(火) 16:44:56.91 ID:pXU4HvAo
>>427
(´;ω;`)ウッ…
温もりに泣いた。


でも律は渡さん! 渡さぬよ!!!1!!1!
429 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/19(火) 17:23:51.64 ID:Z2c4tIAO
唯は私がもらいます
430 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/25(月) 04:31:46.95 ID:R1xL.xs0
ムギは誰にも渡さない
431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/27(水) 22:44:28.15 ID:bFaAuso0
怪盗あずにゃん
432 :lain. [sage]:2010/02/15(月) 23:10:14.30 ID:???
パー速のローカルルールが変更され、
SS、やる夫系スレはニュー速VIP避難所(クリエイター)【http://ex14.vip2ch.com/news4gep/】へ移行することになりました。
(次スレを立てられるようであれば)移動はこのスレが埋まってからで構いませんので、
上記の件を把握されましたらご返答お願いします。
433 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/02/16(火) 12:22:17.00 ID:yR6HUwDO
何事だ!?
434 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/17(水) 14:29:04.70 ID:SdQG3v.o
SSは別の板に移動ってことだろ
このスレ埋まるまででいいらしいから大丈夫じゃないの
435 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2010/02/18(木) 11:45:12.39 ID:hXQ78WMo
御意でござる。
436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/18(木) 14:21:43.62 ID:FsZzrQDO
気長にね
437 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2010/02/18(木) 14:51:39.15 ID:hXQ78WMo
>>436
迷惑をかけてすまんでござる……orz
438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/02/19(金) 07:08:30.60 ID:XGqu7wDO
楽しみでござる
439 : ◆pTit6fOIXQ [sage]:2010/03/10(水) 16:44:13.21 ID:aG3s1Nwo
大変ご無沙汰しています。
というよりもう、ごらんの方はいらっしゃらないかも知れませんが。


リアル事情やら何やらで、遅々としかて進まず発表にはまだ時間が掛かりそうです。
もしかしたらこのまま投下できずにこちらのスレが落ちてしまう可能性が高いです。
そのため、ここで告知させていただこうかと思います。

万が一このスレが落ちてしまった場合は、誘導通りに
「製作速報VIP」の方にお世話になろうと考えております。

スレタイの方も以前発表したとおり、
【田井中律が魔眼を知るようです。】
これで建てます。

楽しみにしている方、数少ないかと思うのですけど、
そのお気持ちを持っていただけたので必ず投下します。

遅筆でのろまな>>1をお許し下さい。
440 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/10(水) 21:34:32.03 ID:XsDzAIDO
はい
441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/10(水) 21:34:35.79 ID:XsDzAIDO
はい
442 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/11(木) 00:16:16.38 ID:JCrb9IAO
許さない絶対ニダ
443 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/12(金) 02:11:48.08 ID:PHOMCsDO
じゃあ見るな
444 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/03/26(金) 14:25:15.33 ID:Izkt3MIo
りっちゃんで検索しないとならないな
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