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【波動拳も】能力者スレ【昇竜拳もアリ】 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2013/01/26(土) 01:35:12.95 ID:BGWAWyNJo

ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。


無限大の大きさのこの世界。
多くのことが語られたこの世界だが、まだまだ多くの空白がある。
先人たちの戦い、絆、そして因縁。これらが絡み合い、この世界は混沌としている。
もしかすると、初めて見た貴方はとっつきづらいと思うかも知れない。
――だが、この世界の住人は新しい来訪者にことのほか優しい。
恐れず、以下に示す雑談所や、場合によってはこのスレでも質問をしてみてくれ。
すぐにスレへの溶け込み方を教えてくれるだろう。


【雑談所。質問や現状、雑談などはこちらでどうぞ】
PC【http://jbbs.livedoor.jp/internet/14029/】 


【はじめに】
このスレの元ネタはVIPで行われていた邪気眼スレです。
長く続けるに際して、いくつかのルールを設けています。以下にそれを記します。

・この世界は「多様性のある世界」です。
・完全無敵の能力は戦闘の楽しみがなくなり、またスレの雰囲気も壊れますので『禁止』です。 
・弱点などがあると戦闘の駆け引きが楽しめます。
・戦闘では自分の行動結果に対する確定的な描写を避けること。【例:○○に刀で斬り付ける。○○の首が斬れる】など。
・基本の心構えですが、「自分が楽しむのと同じくらい相手が楽しむことも考える」ことが大事です。
・書きこむ前にリロードを。場の状況をしっかり把握するのは生き残る秘訣です。
・描写はできるだけ丁寧に。読ませる楽しみと、しっかりと状況を共有することになります。
・他のキャラクターにも絡んでみると新たな世界が広がるかも。自分の世界を滔々と語ってもついてきてもらえません。
・「コテハン」は禁止の方向で!
・基本的に次スレは>>950が責任を持って立ててください。無理なら他の能力者に代行してもらってください。また、950を超えても次スレが立たない場合は減速を。
・スレチなネタは程々に。
・スレの性質上『煽り文句』や『暴言』が数多く使用されますが過剰な表現は抑えてください。
・基本的に演じるキャラクターはオリキャラで。マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラの使用は禁じます。(設定はその限りでない)

【インフレについて】
過去、特に能力に制限を設けていなかったのでインフレが起きました。
下記の事について自重してください。

・国など、大規模を一瞬で破壊できるような能力を使用。
・他の人に断り無しに勝手に絶対神などを名乗る。
・時空を自由に操る能力、道具などを使用する。時空を消し飛ばして敵の攻撃を回避、などが該当します。
・特定の物しか効かないなどの、相手にとって絶対に倒せないような防御を使う。
・あくまで能力者であり、サイヤ人ではありません。【一瞬で相手の後ろに回り込む】などは、それが可能な能力かどうか自分でもう一度確認を。
・全世界に影響を及ぼしたり、一国まるごとに影響が及ぶような大きなイベントは一度雑談所でみんなの意見を聞いてみてください。

勝手に世界を氷河期などにはしないように。

・能力上回避手段が思いついても、たまには空気を読んで攻撃を受けたりするのも大事。
・エロ描写について

 確かに愛を確かめ合う描写は、キャラの関係のあるひとつの結末ではあります。
 なので、全面的な禁止はしていません。
 ですが、ここは不特定多数の人が閲覧する『掲示板』です。そういった行為に対して不快感も持つ人も確実に存在します
 やる前には、本当にキャラにとって必要なことなのか。自分の欲望だけで望んでいないか考えましょう。
 カップル、夫婦など生活の一部として日常的に行う場合には、一緒のベッドに入り、【禁則事項です】だけでも十分事足ります。
 あまり細部まで描写するのはお勧めしません。脳内補完という選択も存在しますよ。


前スレ【http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1358167121/
wiki  【http://www53.atwiki.jp/nrks/
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

開くと貯金が増えるスレ @ 2024/05/20(月) 21:35:55.08 ID:MOxGLALr0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1716208554/

イケパンみっちん39 このスレには可愛いパンダが居るにぇ! @ 2024/05/19(日) 19:47:17.65 ID:skVyN/3XO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1716115637/

僕の記憶が全て消えても生まれ変わったらまた君を探す @ 2024/05/18(土) 22:27:06.84 ID:7xX40cGt0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1716038825/

グレみんと快楽の座 @ 2024/05/17(金) 22:24:15.47 ID:DUS3Z54Xo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715952254/

【習作】安価コンマでワンピース @ 2024/05/16(木) 21:19:27.48 ID:QUcgFIEu0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1715861966/

テンリュデネ・ゾー @ 2024/05/14(火) 20:47:34.15 ID:aewHWgbao
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715687253/

薬師とか錬金術とか、田舎とか @ 2024/05/13(月) 23:03:05.43 ID:nAT+1SmNo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715608984/

【安価】刃牙の世界で美少女が活躍するようです @ 2024/05/12(日) 21:23:05.29 ID:vRdDvVa7o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1715516584/

2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/26(土) 01:37:30.49 ID:1t6BjOdbo
>>1乙!
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/26(土) 01:37:36.29 ID:OngVxetHo
さりげない>>1
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/26(土) 01:40:33.53 ID:UmcCJSuy0
>>1
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/01/26(土) 01:40:52.80 ID:hawHEUR0o
>>1乙!!
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/26(土) 02:00:38.77 ID:5stvCvcPo
>>1おつつつつ
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) :2013/01/26(土) 02:33:13.19 ID:y9W7YJjH0
1乙
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/26(土) 02:50:26.97 ID:V7GMjuBao
おっと、忘れる前に>>1乙!
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/01/26(土) 03:29:59.80 ID:AoJmmtnL0
>>1


>>997
>>988

【セリーナはアタッシュケースが開くと、おおー!と感嘆の声をあげる。】
【大げさだが彼女は感情表現が豊かなタイプだ、素で感動しているのだろう。】
【なによりお洒落なアタッシュケースから新型兵器が出てくる――というシチュエーションが、もう、たまらん。】

すっげー、これ何!?ひー、ふー、みー、、、四つあるね、なんだろう?
【まじまじと見つめていたが、やがて興味が涌いたのかつんつん、と指でつついてから】
【何の躊躇も無く「レモン色の機械」へと手を伸ばした――他の選択肢には目もくれない。】
【金!マニー!ゴールド!金色の紋章が彼女の胸の金を強く打った!】

ほぇぇ〜!これもそのWILDさんが開発したんだぁ、すごいな〜・・・
・・・ぽ、ぽーたぶ・・・でば?ふぇ?
わい・・・るど・・・ふぉん、ワイルドフォン、っていうんだ。―――で、えっと、つまり――

これ、って、、な、なに?

【――とてつもなく嫌な予感がする。この女、早速だが端末を逆向きに持っているではないか――もしや。もしや。】

>>999
ね、ねえ?ところでね、あの―――悦くん?

これ・・・なにする機械?

【出た】

【コイツたぶん――服装どおりの時代錯誤人間】

【銃器に関しては最新型のモデルまで造詣が深いのにもかかわらず】

【こと機械に関してはずぶの素人のそれ以下――完全なアナログ世代!!】

【――先ほどまでの威勢も台無しである。】
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/01/26(土) 03:30:58.94 ID:AoJmmtnL0
/ぐわーっ!!安価ミス!>>9>>999は前スレ>>1000当てです!!
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) :2013/01/26(土) 03:42:53.14 ID:y9W7YJjH0
前スレ>>999

【振り返ろうとして…そのままもたれかかるように倒れる】

いや、俺も助けてもらったし…その…ついでなんだけど、さっきの回復技もう一回できない?

【どうやら自分の縄で自分を締め付けすぎたようだ】
【アバラの傷が悪化してるのと、ほかにも十数か所ひびが入ったり折れたりしようだ】
【例えば右足のすねはめでたく複雑骨折だ】

だめだったら取り合えず病院まで頼めないか?
というかだめだ意識が………・くそ…見捨てたら化けて出るからな……

【無理に念動力を使ったことに加え骨折などのダメージでそのまま意識が遠のき…気絶した】

/たびたび遅くなって済みません
/眠気がやばいので切らせてもらいます

/楽しかったです。乙かれさまでした

12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/26(土) 03:54:49.18 ID:V7GMjuBao
>>994>>1000>>9


えっと、セリーナさん……どちらかと言うと戦闘用のロボットの方が近いのデスヨー
ですから、ええまさにそのロケットパンチも発射する事が可能なのデスヨー!
お望みとあらば撃ちます!―――いえ、ここを破壊するつもりはないのでまた後日になりますが……

えっと、ですのでセリーナさん……お気持ちは分かりますが……あんまりペタペタ触られるのもちょっと恥ずかしいのデスヨー


【小柄な少女の自動人形は、ややむず痒そうな表情を見せながら照れ混じりにそんな事を言う】
【――しかし、セリーナが顔に触れながら表情を変えたことで、確かに手のひらの先で何かが、まぎれもない異物が動く感触がした】
【ある意味生々しい実感として、この少女の特異性が……手のひらから伝わってくるかもしれない――肌触りはまさに少女そのものなのに】


それを言ってしまっては……ワタシの組織なんかまだ設立したとすらいえない状況で……でもこの"W-Phone"のように
ワタシの主は以前から技術だけは過去の正義組織の方々に提供していましたから……案外リードしちゃってるかも?デスヨー
そのjustice所属の方もお戻りになった事で……きっとワタシたちも力いっぱい戦って行けるのデスヨー!


【そう言って少女は……あまり起伏のない状態にデザインされたその胸を大きく張って、両手を広げて眩い表情を浮かべる】
【『タフガイ』の件も今から連絡を行えば、一般人の救出のため、スタンバイする事が可能なのだそうだ】
【そして列車襲撃事件に置ける主な概要に移り、そこでつい先ほどニュースで見た男の姿にそっくりだ】


――単独犯では、ない……?組織と言うと、カノッサ機関……?いいえ、そうと決めつけるのは早計デスヨー
案外かつて雲隠れした組織のどれか、という事も考えられますし……いっそ新しい組織とも考えられますし
ありがとうございましたセリーナさん、忠告を胸にしまっておきます、救助の際には一切気を抜くことなく行動を行いますデスヨー!

【座ったまま、ペコリ、と礼儀正しく会釈をすると、少女は改めて向き直る】
【続いて彼女の用意した、"WILD-Phone"についての説明が始まる】


"WILD-Phone"、基本的には縮めて"W-Phone《ダブリューフォン》"……でも語呂が悪いので
ダブフォンと呼称しています、柄はそれぞれ赤い剣は『ソード』、青い杯は『カップ』、金貨は『コイン』で
緑の杖は『ワンド』を表現していますデスヨー

――セリーナさんが手に取ったのは『コイン』のスート、象徴は硬貨、司る属性は地、陽気さ、満足、職人気質など
寛大な気質を意味するカードなのデスヨー……うーん、これまで見て来たセリーナさんの性格と
ぴったり一致するような気がするのデスヨー、このスートを手にしたのは各組織の正規メンバーでは今の所セリーナさんが初めてデスヨー!

……一方、悦那さんが手に取りましたのは、『ソード』のスートなのデスヨー
これはゴウさんと朔夜さんと同じタイプの柄、トランプのスペードの起源なのデスヨー
象徴は剣、司る属性は風、勝利、計画、知性などを象徴するやや攻撃的な意味が多いカードなのデスヨー

柄自体には意味はありませんが、それを引いた貴方の胸の内には確かな闘志が眠っている、と考えるのデスヨー


【うん、うん、と頷きながら、二人が手に取った"W-Phone"の示す意味に強く納得しながら】
【実際に手に取っている二人の様子を見ながら、ジャンクちゃんはさらに説明を続ける】

/続きます!
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/26(土) 03:55:15.97 ID:V7GMjuBao
>>12続き

【とりあえず、だいたいの機能を説明する、中には今すぐに使うのは難しそうな代物もあるようだが、まあ聞いておいて損はなさそうだ】


―――コンパクトでしょう?でもこの中にはものすごく多くの機能が備わっているのデスヨー


カレンダーや現在時刻を表す時計機能、及びアラームやストップウォッチ、今日や今後のお天気を予報し表示する機能
現在地などを表すマップ機能やコンパス機能、映像を記録するビデオ、カメラ機能、タッチスクリーンに触れて書き込めるメモ機能
あと電卓機能にちょっとしたゲーム機能、音楽を取り入れて記録し、後でイヤホン繋いで聞けるウォークマン機能
あまり遠くにいない相手となら通信も可能ですし、後はまだちょっと複雑で使い辛いのですが特殊機能として会話した相手とのアライメントチェッカーとか
"哲学者の卵"や"beyond"による汚染状態や、相手の能力及び魔術の簡単な性質などを識別するアナライズ機能もありますし…

――なにより!この中にはかつてのjusticeや対機関連合の間で非常に重宝したという声が多く上がった
おそらくは"WILD"の最高傑作、『情報統合ネットワーク』の閲覧、書き込み機能が搭載されているのデスヨー!


【――情報統合ネットワーク、これがこの"W-Phone"のキモだ】
【参加者同士で自分の得た情報を書き込み、同時に誰かが書き込んだ情報を閲覧し、共有できる機能】
【これがあれば、あらゆる参加者と敵組織や危険な能力者の情報を共有していけると言う事なのだろうか】

【ジャンクちゃんが言うには、それはかつての正義組織の参加者たちが利用してきた品であると言う事】
【彼女たちとの同盟により、この技術を手にしたことで、今UNITED TRIGGERは本当の意味でかつての正義組織と並ぶ組織になったとも取れるだろう】
【だが、一通り説明したと同時に、不安になった――このセリーナ、端末を逆向きにもっているではないか】


――えっと、その、もしかしますとセリーナさん、この手の機械を使用するのは少々苦手だったりしますデスヨー……?
申し訳ありません、その可能性を失念しておりました……っ!えっと、細かい機能を覚えるのは後回しで構いません!
まずは『情報統合ネットワーク』の使い方だけお話ししておきます……


【ぺこり、と頭を下げながら、とりあえずこの端末の基本機能、『情報統合ネットワーク』の閲覧、書き込みの仕方だけかいつまんでレクチャーを始める】
【やや慌て気味だが、文字通り機械のごとく精密で的確なアドバイスだ……少なくともそれだけは覚えられるかもしれない】
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/26(土) 03:59:47.61 ID:5H+gcdb6o
>>11

あー……悪い、あれで打ち止めストップなんだよ……
それにあんなのに頼るよりは病院で癒したほうが幾分マトモだぜ?

【損傷箇所を察してか、苦い表情を浮かべギャロウズの体を支える】
【しかしこのままどう運ぼうかなどと考えていたら彼は意識を深くに落とす】
【骨の砕けた人間に痛みを与えずに運ぶなんて出来るのだろうか?】

……まあそれくらいはすべきだよな、ありがとな
しかしお人好し極まれりか、見ず知らずに骨まで折って協力するかね……。

……いや、そういうヤツが1人もいてもいいか

【夜の中、喧騒もない中で誰とでもなく呟き今回の件はここで終わる】
【残された惨状は国からの支援などで数週間もすれば元通りになるだろう】
【崩れた十字架も再び建てられる、もう癒しを求める霊もいないというのに……】

【ギャロウズは紆余曲折を経てやがて病院で目覚めるだろう】
【目覚めたならば医療費は既に払われており手元には数週間は生活していけるだけの金】
【それと件の砕けた金属板を袋に詰めて、残されていた】

【まあ正統な報酬といったところか】
【金属板の有する能力は】
【精神安寧:環境による精神汚染を僅かに防ぐ】
【魔翌力供給(弱):魔翌力の最大値を僅かに増加させる】
【というものである、やはり砕けてしまったからかその効果は劣化しているらしく】
【お守り程度に首に下げるのが一番かもしれない】

【そして一夜だけ共に闘ったエルフェスは病院の誰にも連絡先を告げないまま】
【しかし世界で生きるならばいつか何処かで出会うだろう】
【その時も味方であれば良いが……とも今宵の出来事は閉じられるのだった】

/お付き合いありがとうございました!
/お疲れ様です!
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/26(土) 04:09:53.72 ID:V7GMjuBao
/あ、コインはトランプのダイヤの起源です!
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/01/26(土) 04:32:56.12 ID:AoJmmtnL0
>>12

ロケットパンチも撃てるのー!?すっげー・・・まるでアニメの世界だ、ほあ〜・・・
アタシが知らない間に世の中は進んでるんだなぁ、もうドラえも○の世界も遠くは無い・・・

ん・・・あ、ごめん!ついつい、楽しくなっちゃって・・・えへへ。
【手を引っ込める最中、確かに感じた違和感――機械構造か――を思い出し驚愕する】
【目の前にいるこの不思議な少女は人間ではなくて、こんなにも愛嬌があるのにロボットなのだという――】
【いや、能力者が存在する世界で不思議なことなどないのかもしれない、セリーナは自分を納得させた。】

【そうして、薄い胸を張って誇り高そうにするジャンクちゃんを見ていると、なんだかこちらまで緊張がほぐれて】
【これから死地へと向かうことになるというのに、随分心が安らいだ。】
【――尚セリーナのバストは豊満であった。ゴウランガ!】

――まあ、ね。カノッサかどうかは定かじゃないけど・・・こいつ一人の突発的なテロとは思えないんだ。
どんな計画なのか、目的が何なのかは見当もつかないけど――警戒しておくに越したことは無い、かなって。
うんうん、確かに過去の組織って線もありえるね・・・備えよう。

【そうこうしているうちに、WILD-Phoneのレクチャーが始まる。】
【呼称はW-Phone<ダブリューフォン>、セリーナなどは仇名をつけるのが好きなので「ダブリュー」とかシンプルに呼ぶのだろう。】
【ソード、カップ、コイン、そしてワンドの四つのスートがあること、そしてどうやらこの選択肢は】
【自分にぴったりであったことを聞かされる。――オマケにこれを取ったのは自分が初めてだとか。嬉しい限りだ。】

へぇ〜、職人気質で陽気、地属性かぁ。――能力的には、まあ地に足着いてるモノが多いし当たってるかも!
それにしても寛大・・・くっくっく、褒められるというのは悪い気分じゃぁないねぇ、あははは!
・・・って、今のところこれ選んだのアタシだけ?さっすがアタシ、やっぱりセンスが違うね。
【服装を見れば大体分かる、センスがずれていることくらいは。】

【一方の悦那は、といえば――剣。そう、知性の象徴であるスート。】
【攻撃的ではあるが計画、勝利――という、組織には欠かせない重要な要素を持っている。】
【そんな悦那の選択を見て、セリーナはかすかに、――かすかに、微笑む。】

【―――――そしてここからが問題だった・・・。】

かれ、かれんだーはいってるの?え、でも、紙が入ってるようには見えないけど・・・すっごくちっちゃい紙がはいってるのか!
アラームってじゃあ目覚まし?え、時計にもなるの!?おてんき・・・お天気!?え、ええ!?

―――こ、コンパス――ビデオ―――ビデオ、かめら――うぉーく、ま―――――

【哲学者の卵、Beyond、辺りの単語が聞こえてきた辺りで――セリーナの頭部から煙が上がり始める。】
【メディーック!メディーック!キッドがやられた!脳みそを溶かされてる!!】

あばばばばばばばばばばばーぴーぷーーー・・・・

【情報ネットワーク――この端末の一番の肝であるその重要すぎる機能の説明に入る前に、セリーナの目は白くにごり】
【ぐるぐると頭を回しながら完全に思考停止状態、もはやなにがなんだか――】
【はっ!と目を覚ましたときには説明が終わっていた。】
【一応耳に入って炊いた情報では過去の組織が使ってきた機能であるらしい、が――】

ぐおおお、頭が、い、いたい・・・ッ!!えーっと、このボタンで・・・あ!間違えた!ど、どうやって戻し・・・あああああなんか違う!
へんな画面出てきた、わーーーー!
【ポチポチポチポチポチ――タッチパネルを連打し処理落ちしそうなレベルで画面を点滅させる――滅茶苦茶だ。】

【―――ともかく、この最重要項目とも呼べる「情報統合ネットワーク」の機能だけは】
【なんとしてもつかいこなせるようにならないといけないだろう。】
【レクチャーは早朝まで及んだ、セリーナもジャンクちゃんもおそらく――ぐったりだろう。】

【やがて、夜が明ける――】
【列車が占拠されてから早、6時間が過ぎる。】
【タイムリミットまであと、十数時間―――。】

/こ、こんなところでしょうか!遅くまで本当に、本当にありがとうございます!
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/26(土) 04:46:01.83 ID:V7GMjuBao
>>16

【セリーナへのレクチャー……それは非常に過酷な物だった】
【全身デジタルのジャンクちゃんでも、実はアナログな品を動かすのを好んだりはする】
【どちらの要素も併せ持っているゆえに、アナログ人間にデジタルを一部でも使いこなさせるのは……至難の業だった】

大丈夫デスヨー!?セリーナさん!本当にちゃんと頭が動いてますかデスヨー!
ええ!今の所それでなんとか合ってますが……わー!ちょっと強く打ち過ぎなのデスヨー!
もっと丁寧に扱わなければなりませんデス……きゃー!


―――あーうー、レクチャー終わらせたら早く充電して現場に急行しなければいけないのに〜……


【機械の体は疲れを知らないはずなのに……なんか、ものすごく気疲れした気持ちをジャンクちゃんは味わった】
【やがて、レクチャーが終わった後、回収班の要請を"WILD"側に連絡した後……予定の時刻まで充電し、スリープする事に決めたと言う……】


【はたして、この二人はこの戦いを切り抜ける事が出来るのだろうか……幸先は、不安であった】

【←To Be Continued...】

/うっす!ほぼ遅くまで付き合わせたのは私です!ごめんなさい!
/明日もお互いがんばりましょう……では乙でしたー
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/26(土) 13:55:31.66 ID:tP7HvO7J0
【慌ただしく人が行き来する街の小さな喫茶】
【狼の耳と尾を生やした少女が店内の一角。入口寄りの椅子に座っていて】
【――手にしているのは、熱いコーヒーか】
【カップに口を付けて、飲もうとするも――――】


「あちちちち……まだ熱かったんだ……
もうそろそろ流石に冷めたと思ったんだけどなぁ……」

【熱さに思わず目を瞑って、早々にカップから唇を離してしまった】
【一体この動作も何度目だろうか。余程冷めにくいコーヒーなのか、極端に猫舌なのか】
【――未だにもうもうと湯気が立っている所を見れば、前者なのかもしれないが】
【一緒に買ったケーキだけがチビチビと無くなっていって】


「……冷めないのが謳い文句なのはいいけどさ、ここまで冷めないのは流石に不味いと思うよ」

【最近オープンしたばかりのそのお店。興味を惹かれて来店する客は後を絶たず】
【丁度、少女の隣の席のみが空いている状況――果たして、どの様な客が座るのだろうか】





【山の中腹にあると言われている秘湯】
【湯を囲む様に置かれた岩に腰を落ち着かせて、白い足を湯に浸らせる姿が一つ】
【何処か落ち着かない様子ながらも、冷えた身体が暖まっていく心地よさに、身をゆだねて】

「やはり、あまり訪れる者の居ない湯というのもよいものじゃな
静けさに身を置くというのも、また一つの楽しみ……かの」

【腰程までに伸ばされた銀の髪。ここまで徒歩で訪れたであろうに、汚れの無い着物】
【その丈に合わないような二振りの刀は、何処か違和感を覚えさせるだろうか】
【鞘から僅かに飛び出て見える刃は鋭い光を放っていて、見る者が見れば直ぐに業物と分かる事だろう】


「――――しかし、静かすぎるというのも、退屈を生み出すものじゃな
まぁ……それでも良かろうか」

【――何よりも、少女の纏う気配が人とは外れた物で】
【近くを訪れた者が居るならば、注意を惹くことになるだろうか】
【少女に近づけば、きっと銀の双眸が向けられる筈で】
/夕方辺りには落ちまするが投下してみたり……!
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/26(土) 14:39:12.97 ID:1t6BjOdbo
>>18

【湯煙の奥から新雪に混じる僅かな差異のような、抜ける様に白い姿が徐々に浮き彫りになる】
【それは風の国の戦いで、あの吹雪の中に消え入りそうなまでに溶け込みながら、】
【その実恐ろしい程に吹雪すら風当たりを避けるような、狂気の嘲笑を残して消え去った、あの――】

……ほんに年寄りじみとるなぁ、そッち

【――白い着物姿の若い男。肩口で切り揃えた白い髪に、葡萄色の目】
【側頭部に咲く黒い彼岸花からは、あの時と同じく青藍色の燐光がさらさら溢れて】
【後の報道で知っただろうか、その名は月彗――機関、No.2】

【けれど、気が抜けそうな程に、今日は殺気も何も無く】
【ただ相手の人ならぬ気配にも気をやるでも無く、掛ける言葉はまるで既知の間柄のように】
【そのまま相手から少し離れた場所で立ち止まり、徐に湯に手をつけてみたりするのだろう】

/8時まででよろしければ……!
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/26(土) 15:00:22.69 ID:tP7HvO7J0
>>19
【――――湯煙の中に見える不規則に動く影】
【人か魔物か――或いは、また別な存在か】
【白い手が刀の柄を握り、次の瞬間への対応を高めていれば】


「あほう。年寄り染みているのでは無く、年寄りじゃ――――木偶」

【銀色の双眸が、湯煙の中から男の事を睨むだろうか】
【手を通じて感じた、人成らざる者を斬った感覚】
【――見れば、相手は相手はその通りであって。即ち、皮肉か】


「……あの時の我の言葉を忘れた訳では無かろうな
――態々斬り捨てられる為に姿を見せたのかは知らぬがの」

【返された言葉は、何処か攻撃的で】
【――――しかしながら、不意打ちも何も無く、湯に浸ける様を見せられれば自然とその威勢も収まるだろうか】
【暫しの沈黙。響くのは、男が手を以て湯で遊ぶ音と、少女が脚で水を弾く音】
【――――いつ頃まで其れが続いただろうか。不意に「何をしに現れた」なんて言葉が紡がれて】
/自分は五時ちょい過ぎ辺りに落ちなければいけないのです……!
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/26(土) 15:10:39.47 ID:1t6BjOdbo
>>20

【さらさら手を滑る暖かな湯に僅か葡萄色が細められて、暫しそうして戯れつ】
【ちらと相手を見遣って軽く歪めた口角が、あれだけの死闘をした相手とは思わせない程に、緩慢に哂った】

……へぇ、そうなると幾つになるんやろうか
そッちは年聞いたって可愛く怒るような生娘とちゃうやろ?

別に。誰かさんらの所為で療養中やから、暇なんよ
何言われてたっけなぁ、忘れてもうたわ
嗚呼あと、名前も聞いてへんかったか?

【――その暇を潰すために、負傷の原因である相手の前に現れる辺りが】
【前回と同じく何処までも人を馬鹿にしたような、余裕すら伺える程】
【まさか本当に、雑談をしにきた、だけ……?】

/おおう了解しました、短め早めで頑張ります……!
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/26(土) 15:23:05.12 ID:tP7HvO7J0
>>21
【この場で叩き切るか否か――――】
【それとも、相手の意向でも探っていくか】
【アレだけの事を平気でやらかすのだから、油断は出来ないであろう】
【色々と考えが浮かんでは消えていく最中】


「我とて覚えてはおらぬ
気付けばこの身を持って居たからの。果たして、今年で幾つになる事やら……

ふん。まだ動ける身体で有るだけマシだと思うのじゃな
本来であれば、今頃お主の身体と首は二つに分かれていたのじゃからの
くふ、直ぐに忘れてしまうお主に伝える名など無い
尤も、真に教えて欲しいのならば考えない事も無いがの」

【忘れた――――その言葉を聞けば、まるでそのまま返したかのようにクスリと笑って】
【事情も何も知らない者が見れば、単なる談笑と映るか】
【然れど、以前の事もあって――――少なくとも、少女はそんな事を少しも思っていないのだろうか】
【真に教えて欲しいのならば――――まるでからかうかのように笑って】
【その肌の白さ張りからも年寄り、なんて言葉は合わない姿が露わとなっている事だろうか】
/いえいえ、ゆっくりで大丈夫ですよ……!
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/26(土) 15:23:21.73 ID:tP7HvO7J0
>>21
【この場で叩き切るか否か――――】
【それとも、相手の意向でも探っていくか】
【アレだけの事を平気でやらかすのだから、油断は出来ないであろう】
【色々と考えが浮かんでは消えていく最中】


「我とて覚えてはおらぬ
気付けばこの身を持って居たからの。果たして、今年で幾つになる事やら……

ふん。まだ動ける身体で有るだけマシだと思うのじゃな
本来であれば、今頃お主の身体と首は二つに分かれていたのじゃからの
くふ、直ぐに忘れてしまうお主に伝える名など無い
尤も、真に教えて欲しいのならば考えない事も無いがの」

【忘れた――――その言葉を聞けば、まるでそのまま返したかのようにクスリと笑って】
【事情も何も知らない者が見れば、単なる談笑と映るか】
【然れど、以前の事もあって――――少なくとも、少女はそんな事を少しも思っていないのだろうか】
【真に教えて欲しいのならば――――まるでからかうかのように笑って】
【その肌の白さ張りからも年寄り、なんて言葉は合わない姿が露わとなっている事だろうか】
/いえいえ、ゆっくりで大丈夫ですよ……!
24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/26(土) 15:35:51.84 ID:1t6BjOdbo
>>23

【少なくとも、この男に戦闘の意思は驚く程に薄くて】
【気分で殺すし気分で駄弁る、清廉な白に合わない混沌色は亡霊じみて捉え難く】
【相手の懸念を他所に、ただ湯を弾くだけ――にも飽きたか、青藍の魔力を掌中に練り始め】
【そうして湯の上に、ひとつ、ひとつと青藍色の蓮の花を浮かべていく】
【特別危険な要素を孕んでいるとも思えないが、そちらにもひとつ、流れ着くのだろう】

……ふゥん、少なくとも唯の人とはちゃうって事か
年を取っても綺麗なままってええなぁ、気楽やろうなぁ?
なァんにも、気後れすることも無いんやろうから

【醸す余裕さならば相手と拮抗するか――】
【と思ったところだったが、名を教えてくれないとなると怪訝に眉を寄せて】
【あからさまに不機嫌な顔をしたのが、相手にからかわれるままに、年相応でもあった】

よう言うわ、まあそないしたところで木偶やし、痛とうも何とも無いねんけど
もったいぶらんで教えや阿呆、ツラだけは小娘の癖にムカつくわぁ

【ゆらと揺れる青藍色、以前と同じくこの男は実体では無いのだろう】
【そして今宵は武器さえも持たぬ丸腰、切りかかられたとて何を出来るというのか】
【拗ねたようにばらばら花を落としていく彼、その真意は何処までも窺い知れず】
25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/26(土) 15:51:49.90 ID:tP7HvO7J0
>>24
【少女の脚に触れる――――その刹那、きっと蓮の花は二つに裂かれて】
【辺りに響くのは、子供達の笑い声。しかしながら童一つの姿が見える事も無く】
【本人は素知らぬ顔で脚のみの湯浴みを続けるも……その異質が原因な事は明確であろう】
【男が行った事でも無く、湯の性質とも異なる現象なのだから】


「時に残されるのを気楽と考えるならば――――そうじゃろうな
周りの者は老いて死に行くも、我は変わらん
親しい者が老衰して行けども、我は時を止められん
人間の羨望なんぞは何れ毒に変わる……其れを楽と考えられるお主ならば、そうじゃろうな」

【涼しい顔で淡々と述べて、不機嫌な顔を見れば笑うのであろう】
【――――してやったり。そんな言葉も聞こえそうな程に】
【語られた時の流れ。考えは実に十人十色で】
【共感する者も居れば、正反対の事を考える者も居る。だから――――少女は、男は自分とは正反対の者と当てはめた】


「のう、木偶。痛くも痒くも無いのならばその木質を以てこの湯に別な香りを混ぜてみると良かろう
――四肢の一部が無くなった所で、どうにもならんじゃろ
目上の者には敬語を使えと学ばなかったのかの。この木偶人形は
――――小童。そんな聴き方では幾千年経とうとも聞き出せぬな」

【人間と変わらない、紅い舌をべーと覗かせて】
【――――刹那の間に斬り掛かる事もあり得ない話では無い、この場面】
【依然として近寄る花は裂かれていって――――それは、少女の警戒を表している事にもなろうか】
【表情は笑えど、その下は決して笑っては居ない。そんな事を感じされる様で】
26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/26(土) 16:04:09.35 ID:1t6BjOdbo
>>25

【裂かれた花、己の魔力であるために僅かなりとも何か伝わったらしく】
【バラの刺に触れた瞬間のように顔を顰め、それからじとりと相手を睥睨する】
【子供の笑い声。耳にも癪にも触る独特の甲高さは、やけに頭痛を引き起こして】
【――見た目に外傷を負わないこの男は、代わりに内部的なダメージを負っているのだ】

嫌やわ、この綺麗な躰保つんも結構大変なんやで?
そうポロポロ切られるんも困るわぁ、玩具や無いねんから

【実体がないなんて、亡霊でもない限り有り得ない】
【この男を魔力で構成し操作する、その存在が何処かにいる】
【前回と合わせて、そこまでの推測も相手には容易だろうか】

……敬語?知らんなぁそんなん、使ったこともないわ
それよりやけに騒がしいんやけれど、それがそッちの能力なんか
あんときは聞こえてへんかったけど……一遍黙らしいや

【花が割かれる事には、そうダメージも無いのだが】
【何より耳障りなのは子供の笑い声、今も響いているのだろうソレが煩わしくて】
【相手の意趣返しのように覗かせた舌にも一層不機嫌そうにふんと鼻を鳴らし】
【しゃがんでいた躰を起こして――湯に浮かぶ花が、一斉に男の方へと動き出す】
【これ以上斬られては堪らない、そう思ったのだろう】
27 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/26(土) 16:22:13.64 ID:tP7HvO7J0
>>26
【睨まれようとも怯むことは無く】
【何処吹く風――――とまでは行かないものの、やはり大して気に留めていないことは事実だろう】
【大小不規則に続く笑い声。確かに笑っているのだが――――その声には、感情が無いようにも思えるか】


「知らぬな。我は何をせずともこの身体を保つ故、お主の苦労なんぞは理解出来ぬよ
木偶はこけしみたいな物じゃろうて。ならばその花も我には可憐とは思えぬ
――――玩具には、必然的に職人が居るものじゃ。お主の職人は幼い頃は人を嬲るような玩具で遊んでいたのかの」

【ヒトガタとも又異なっていた。念とも幻影とも異なれば】
【魔力の塊が歩くなんてなれば其れこそ曰く憑きの木偶か、或いは――――】
【“職人”なんて言葉。木偶に掛け合わせてみて】


「――――今、叩き込んでやっても良いのじゃぞ?
我の力も色々と制約があっての。仲間が居れば、容易に使って傷付ける訳にもいかぬ
それに、あの時は我が無理に仁王に干渉するよりも、ナウファルの輩の方が上手く出来ただろうからの
くふふ、童嫌いかの」

【一層目を細くすれば、声は消えて――――】
【代わりに、一瞬ばかりの唸り。子供とは異なった、何者かの唸り】
【以前姿は見えないままで有るが――――少し水面が揺らいだ頃、その唸りも消えて静かな場へと戻ることだろう】
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/26(土) 16:33:51.16 ID:1t6BjOdbo
>>27

…………嬲られる方、やろか

【不意に零した言葉は、常ならば決して言わないだろう事】
【この煩わしい声の所為で襲う頭痛が、彼をその常から外したのか】
【分身体である躰のダメージは無論本体にも届く、故に長居は出来ないと踏んで】

憎らし……童は嫌いや、うざったくて適わん
暇つぶしで面倒被るんはもう懲り懲りやわ、おとついだってそう
表出て遊ぶんは、それこそ阿呆みたいな童の仕事やんなぁ

【あの戦い、少なからず街を破壊し命を奪った喧騒さえも戯れに過ぎないと】
【そう吐き捨てて踵を返し、同時に青藍の蓮がふわりと湯煙に紛れるよう消えて】
【其方を一瞥した後、相変わらず足音の立たぬその歩みで、湯殿から離れていく】
【阻害がなければ、そのまま立ち去るのだろうが】
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/26(土) 16:46:14.99 ID:tP7HvO7J0
>>27
【予想外の言葉――――また、人を食ったような笑みで返してくるのかと思いきや】
【僅かに目が見開かれど、深く聞く事はせず】
【ふん、とただ鼻を鳴らして】

「ならば、お主の捻くれた性格も納得出来る事じゃな
――――自分のみが味わうのが気に食わず、辺りにも同じ様な事をしでかそうとしているならば、の」

【ただ、水面に目を落として、自らが作り出す波紋の行方を眺め】
【縁にたどり着いた頃には、きっと男の声が耳を通った事だろうか】


「さっさと去ね。童の作り上げた積み木を壊して何が楽しいじゃろうか
勝手にそこいらで野垂れ死んでいると良かろう
――――果たして、花を添える者が何人居るかの」

【止める事は無く、攻撃を仕掛ける事も無い】
【ただ――――一瞥した際に見られた瞳は、きっと釘を刺すような意も含まれて居ただろうか】
【同じ事をしでかしたら、話を聞く間も無くそのまま断ち切る。――――ただ、冷たい瞳】
【男が去った頃、暫くして少女もその場を立つか】
【浮かべられていた花も無く、声も無く――――また、静寂が訪れて】

/っとお疲れ様でした―!丁度良い時間に終わらせて頂いて非常に有り難いです……!
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/26(土) 16:48:34.69 ID:1t6BjOdbo
>>29
/お疲れ様でしたー!
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/01/26(土) 20:19:14.66 ID:AoJmmtnL0

【前スレ>>891>>892に続き】


  
【水の国 中央】

【都心の真ん中、巨大な駅からすこし離れた線路の上で、戦闘は続いていた】
【あと数分もすれば駅に着き、そこから心躍る水の国での旅が始まる、筈だったのに】
【昨夜の襲撃により列車は駅よりも前の線路で脱線、内部に人質を抱えたまま】
【能力者により"占拠"されていた――】

『ママ――こわい、こわいよ・・・』

『大丈夫よ、こわがらないで・・・きっと――きっと、たすけが――』

【車内にすすり泣く声が響く。子供達も大勢乗っているのだ。】
【中には自棄を起こし、外に飛び出そうとして――能力者に攻撃され、片足を失い無理矢理に列車へと戻された者もいた。】
【一夜が開け、また夜が来る――タイムリミットは今夜。】
【過ぎれば皆殺しにされる――そんな中、警察は列車に近寄る事すら出来ずにいた。】
【「倒せない」のだ――銃弾が届くよりも前に、ナイフよりも、剣よりも鋭い拳と、特殊な力が人質救出にむかう勇敢な警官達を惨[ピーーー]る――】
【もはや誰もが諦めの境地に達していたときだった。】


『――現場では膠着状態が続いていますが、救助に現れる能力者はいないのでしょうか!?』
『人質が殺されるまであと数時間――列車の上には能力者の犯人が仁王立ちしています!!』
『我々は――諦める事しか出来ないのでしょうか・・・!!』

【――その変化に気付いたのは、犯人である"能力者"だけだった。】

「―――ほう。やっと、来たか。強そうな連中が。」

【感づいたのだろう。】
【この世には悪を野放しにしておかない、熱いハートを持った人間がいることを。】
【そして彼らが今――まさに膠着状態が続くこの地獄に、向かってきたことを。】

【さあ、タイムリミットが迫っている。】
【この巨悪を倒し、救助を待つ者達を救い出せるか―――】

【真冬の水の国で、能力者と能力者の激戦が、繰り広げられようとしている――!!】
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/01/26(土) 20:27:52.81 ID:UT5NQMn4o
【水の国 中央部 線路沿いの広場】

【普段は人々の憩いの場であるこの場所が、今宵は惨劇の舞台と化していた】
【無残に横たわる寝台列車を背景に】
【広場には、十数人の人間が血まみれになって倒れ伏している】
【彼らの胸には、自警団のバッジが付けられている。人質を救出しようと試みて、何者かに攻撃を受けたのであろう】
【あるいは刃物で切られ、あるいは何か重いものを叩きつけられたように潰れ】
【もはや、生きている者の気配は、そこにはなかった】


【惨劇を作り出した張本人は、寝台列車の後方の車両の上――いや、横転しているので、正確には横か】
【そこにたたずんで、自らが手に掛けた自警団員たちを眺めていた】
【身長2メートルを超えているであろう、大男だ】
【薄汚れた灰色の作業着の上に、黒いラバー地のエプロンを着用し、足には黒いゴム長靴】
【角張った顔つきに、短めの黒髪、仄暗い黒い瞳】
【作業着の袖は、二の腕のあたりまでまくりあげられ、むき出しの両腕は、鮮血に染まっている】


【ふと広場の惨状から目を離すと、大男は自らの右腕を忌々しそうに見た】
【その腕には、広範囲にわたる火傷の跡と、えぐり取られたような傷跡が生々しく残っていた】

(あの女にやられた傷は完全には癒えなかったが……戦闘に致命的な支障が出るほどではない)
(まあ、多少の傷を押しても、この機会を見逃すわけにはいかないな)

せっかく、機関員らしい仕事ができる機会が回ってきたのだから。稼ぎ時だ……


【呟くように声を漏らすと、大男は自身の足元に視線を移した。窓越しに見える人質たち】
【嘆き、苛立ち、放心、さまざまな表情が見て取れるが】
【彼らの目には、一様に濃い恐怖の色が浮かんでいる】
【大男は、それを見て口元を歪める。獣のように鋭い歯が覗く】

何もそんな顔をすることはないだろう。どうせ、お前たちはこれから生きていても、泥沼のような安寧をむさぼるだけだろう?
それに比べて、今のこの状況はどうだ。お前たちは、今まさに傷付き、苦しみ、死んでいこうとしている
それらは決して無益なことではない。来るべき混沌の世の礎となれる。そして、私の「利益」のための踏み台になれる……
どうだ、この方がよほど有意義だとは思わないか?


【哀れな人質たちに、そう語りかける。どこまでも身勝手な言葉】
【大男は再び顔を上げ、視線を広場に戻した】

それにほら、そろそろ「正義の味方」がやって来るころだ。運が良ければ助かるかもしれないぞ?
ハハッハハハハ!!

【巨体を震わせて高笑いをすると、大男は迫りくる敵の気配を感じ取って】
【べろり、と舌舐めずりをする。その舌は、人間の物とは思えないほど、異様に長かった】


/襲撃側、カニバディールです
/ライラの方、本日はよろしくお願いいたします!
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/26(土) 20:33:12.55 ID:aS98x2VDO
【線路上に横転した車両の一つ、後ろ側にある車両の周囲には何人かの機関戦闘員が配置されている】
【皆武装は当然の事、車両の上に乗ったり、人質を見張ったりと警戒を欠かしていない】
【彼等機関の人間がいる、それはこの事件に機関が関係しているとこれ以上無い程に主張していて】

「―――なぁ、バッファ様は何処に行った?」

【そんな折、一人の機関員が口を開いた】
【隣にいた機関員が、別方向を見ながらそれに答える】

「腹減ったからって飯食いにいったよ」
「マジかよ?呑気だな…」
「仕方ないだろ、あの人腹減ったら不機嫌になるんだからよ」
「いや、そりゃそうだが…」

【未だ奪還者の見えない警戒地帯は、物々しい雰囲気の中の雑談が始まっている】
【当然、人質には口を開く権利は無い、車両の中を見張る機関員が目を光らせているからだ】

「それにしても、いつまでこうしてりゃいいんだ?」
「さあな、だがまあ、能力者も自警団もこないし、楽なもんだろ?」

【今まさに彼等にとっての脅威が迫っているとは露知らず―――】
【彼等によって設置されたライトの光の中で、小さな笑い声が響いていた】

/カノッサ機関No.29です、八攫の方よろしくお願いします
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/26(土) 20:36:28.25 ID:UmcCJSuy0
【――――水の国 商店街】

【騒動の中心となっている路線からは程良く離れた、食品や軽食を中心とした店が並ぶ路地】
【本来なら、事件を物見遊山で拝みにきた野次馬などで、賑わっていてもおかしくはない】
【だが――――そこに繰り広げられている光景は、騒動の影響が不気味に見られる、異様な光景】

【――――どこかしらに傷を負った人々が、7人1組で、鎖を用いて数珠つなぎに縛りあげられ、車座になって座らされていた】
【ただでさえ冷える外気に晒され、風を避ける術もない乗客の中には、衰弱を起こし始めているものも見受けられる】

【――――そんな人質たちを、建物の屋根の上から見下ろす、1つの影があった】

……今夜は、特別だ…………ぁ
お前たちは、今回ただのゴミじゃない…………餌さ……ぁ

【華奢ながらも筋肉の浮き出た色白な上半身を晒す様に、ワイシャツだけをボタンも留めずに羽織り】
【下半身はジーンズとスニーカーで固め、腰回りに大量のチェーン装飾を巻き付けた】
【くすんだ水色の髪を前髪ばかり長くした、身長170cm前後の青年】

【月光を背負う様に、小高い屋根の上で仁王立ちをしている】

…………さぁ、来るはずだろう…………命を燃やす『価値ある命』が…………ぁ!
きなよ…………その正義の程を、僕に見せてみなよぉッ

【その両手には既に、彼の得物と思しき武器が握られていた】

【手首をすっぽりと覆うドーム状の籠手の先端に、剣の様な刃が取り付けられている、奇妙な武器】
【その刀身は、不思議な黒光りを見せている】

【黒い手甲剣『パタ』――――冷たい輝きが、青年の顔を照らす】
【歪んだ期待に胸を高鳴らせながら、青年は己を止めに来るであろう人間を、待ち続けていた】

/シャッテン中身です。今夜はよろしくお願いしますー
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/26(土) 20:37:16.63 ID:V7GMjuBao
>>31


"――ポイントに到着しました、侍女長。いつでも行けます”

―――了解しましたデスヨー、ではそのまま"ポマード"さんと待機していてくださいデスヨー
急な仕事を頼んでしまい申し訳ありませんデスヨー


【構いませんよ、と軽い感じで男の声が返事を一言返したのち、"W-Phone"の通信は切れる】
【通信終了、の表示を通信を行っていた少女が人差し指で触れると、前方の状況を確認し始めた】

【通信を受けていた少女はは純金の三日月の髪飾りで長くつややかな黒髪をポニーテールにして整えていた】
【耳をアンテナヘッドホンのような機械で覆い隠した、銀色のカフスボタンが袖に付いた黒を基調とした丈がくるぶし部分まであるロングドレス】
【その上にフリルだらけの常に汚れ一つない真っ白なポケット付きエプロンを着用して、メタリックカラーの小さなブーツを履いた…俗に言う侍女服の少女】


――こういった現場に足を置くのはいつぶりでしょうか……今思えば、ワタシ単独での任務など
今回が初めてかもしれないのデスヨー……これまではいつも誰かが側に居ましたからね

セリーナさんの班の方は犯人と対決していただく手筈だからそちらは任せるとして
ワタシは予定通り人質の方へ迅速に向かうといたしましょうデスヨー


【少女――ジャンクちゃんは犯人を遠距離から視認すると、真っ直ぐ向かおうとしている者たちから離れ】
【回り込むように、真っ直ぐと人質の乗る脱線した列車へと迅速に忍び寄っていく】
36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/26(土) 20:37:25.77 ID:5nGZvSRe0
>>31

【――――気が付くと、車窓が下にあった】

…んん――…、

【目を覚ましたのは揺れと、大きな爆発音によってである】
【固い壁から身を起こすと、包っていた毛布ごと、ベッドから大きく投げ出されていた】
【目を擦って周囲を確認――――外からは子供の泣き声や、拡声器の緊張に満ちた叫びが絶え間なく聞こえ】
【幸い眼鏡は寝る前の位置、ベッドと枕の下に挟まっていて】
【ぼやけた視界の中、手を伸ばして其れを掛け直す】


――――列車テロ、かぁ…

【外の状況を聞いての推測は、寝起きの頭でもそう難しくなく】
【旅行用の真新しい青のジーンズとセーターに着替えつつ】
【誰に言うでもなく呟いた台詞は、外の変化を示すやり取りによって掻き消され――】


取り敢えず、他に動けそうな人を探さないと。


【深呼吸し、寝癖の残る明色のショートヘアを軽く手で梳く】
【外の対応は一旦保留とし、先ずは列車内の様子を確認するべく、一乗客員の少女、チェカ・ロッシは】
【横向きになったコンパートメントの扉を下から上に強引にスライドさせ、元居た3両目から後方の車両へと滑り込んだ】


/全く以て手探り状態ですが、本日は皆様よろしくお願い致しますー!
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/26(土) 20:39:22.07 ID:OngVxetHo
【――空に一つの長雲が現る】
【その雲は徐々に大きさを増して行き――いや、……これは雲などではないッ!】


――ここだなッ!

【それは東洋龍――背中に一対の翼を持った東洋系の龍だ】
【大きさは長さ約5mと、龍にしては小ぶりか】
【金色の眼に、サメの様なヒレが頭部にあり、赤い身体に黄色の腹部、黒色の爪や頭部から生える2本のツノ】
【頭部と両腕には赤い鉢巻が装備されていて、マグマのように朱色で軽く光る模様が全身にある】

人質は200人とか言っていたな……
――わざわざ待っていたという事は、……何か目的があるはずだ
虐殺以外の目的が――

……ともかく、見過ごす訳にはいかない
"UNITED TRIGGER"の一員としても、僕としてもッ!

【彼は、列車から5m離れた位置に降り立つと――】
【サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代半ばの男へと戻る】
【ハーフ顔で優しげな目付きをしていて、左頬には猫と思われる引っかき傷の痕がある】
【服装は、ほんのり青いタンクトップに、紺色のジーパン(ストレッチタイプ)】
【両手足には指が出るタイプのグレーのグローブ的なものがはめられており】
【紐タイプの無難な黒ベースの運動靴を履いており、頭部と両腕には赤色の鉢巻が巻かれていた】

まずは、……他の人とも協力しなければ……
【そういいながら辺りを見回して、自分と同じ目的の者がいないかと探して】
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/26(土) 20:40:07.50 ID:OngVxetHo
>>37
おっと、>>31宛のユウトです
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/26(土) 20:44:12.20 ID:1t6BjOdbo
>>31
【横転した電車に近い倉庫の影、そこに息を潜める何者かの姿があった】
【銃を構え腰を落とした体勢、壁に背を預け列車の様子を絶えず観察していて】

(……さて、どう侵入しどう救出するか、それも全く気取られずとなると)
(あいつが列車の上に陣取ってる以上は、危険過ぎてとてもじゃないが無理か)

【酷く血色が悪い黒服姿の男。肩まで伸びた癖っぽい黒髪に、灰色の隻眼】
【よれたスーツから覗く皮膚は傷跡が多く、顔の左半分に包帯を巻いて】
【右の頬には「牛の生首が乗った皿」の刺青がある】

【手にしていたのは赤い端末機器、背面にはソードのスートが刻まれていて】
【画面に映し出されるのは現在予想される電車内部の見取り図、侵入経路だが】
【此処から先の行動をどうしたものか、そう考えつ周囲を見回し――】

/正義(人質救出)側、悦那・スティングレイです
/主催様並びに協力側の皆様、宜しくお願いします
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) :2013/01/26(土) 20:47:16.38 ID:05uJp3QFo
>>32
『お、おい! そっちはあぶな……ガッ!?』
『あの能力者に殺され……ぐあっ!』

【彼――車両の上に乗る男と自警団の距離は、かなり離れていた】
【自警団たちが彼の動向を注視している中、その後ろからそんな声が聞こえるだろう】
【何かを止めようとして、逆に何かで殴られているような声――やがて、彼にも見えるだろう。ソイツが】

―――おーおー、やってんじゃねぇか。

【2mを越えているだろう彼の体格に若干驚きつつ、ソイツは自警団の制止を聞かず、前へと進み出る】
【しかし、ソイツの格好は何かと変だ】
【魔法使いのような大きな三角帽子、150cmほどあるだろうか、これまた魔法使いが持つような長い杖】
【冷たい風に紫色のローブが揺れる】

【勇敢なのか、無謀なのか。ソイツは一定の距離を開けて立ち止まると、彼に杖を向けた】
【まるで、宣戦布告をするように】

カノッサ機関の機関員! お前をぶっ倒す為に此処に参上!

【口上こそふざけているが、気持ちは本物だ】
【そして既に、彼の手首にはめられたブレスレットの赤色が、淡く光っていた】

/よろしくお願いします!
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/26(土) 20:52:31.51 ID:5H+gcdb6o
>>34

【彼は事の起こりを聞いてから幾らかの準備をして事態の収束に向けて走っていた】
【いつまでも街の中心でアレらをのさばらせている訳にもいくまい】
【不幸な出来事が早く始末するに限る、でないとその周りでまた余計な事件が……そう、起こるのだから】

【いやそれはもう起きていたというのが正しいか】
【向かう経路の途中で、それを目にしてしまったからには】
【彼はきっとそれを無視することなど出来なかった】

なんだ乗客か?負傷しているのか……

【新雪のような短めの白髪、後ろ側だけ伸ばしで三つ編みにしている。右目は赤色で左目は眼帯で覆って】
【その容姿を見るに年齢にして20歳くらいだろうか青年ではあるがしかしその顔はどこかあどけなさが見て取れる】
【またその服装は髪色とは対照的な黒のジャケット、ズボンなど身を包んだ……そんな彼がそこにはいる】

7人……随分とまあ、だけど

【運が悪いか必然かは今は問う必要はないだろう】
【鎖で繋がれている要救助者を、その状態を見て苛立つように漏らす】

……騒動の中心、ではないとすれば―――――――どこかにいるか
いや、それもじきに分かるか……先に開放しちまわねーとだ

【腰に掛けた銀のナイフを引き抜き辺りを警戒しつつ囚われの身の彼らを開放しようとするだろう】
【建物の上にいる彼を知ってか知らずか、否この事態を引き起こした者がいるというのは周知の事実として】
【だからこそエルフェスは辺りの気配を探りながらゆっくりと人質へと近づくのだった】

/本日は宜しくお願いします!
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/26(土) 21:00:44.28 ID:ERQIjs8Oo
>>31>>36

【後方の車両はなにやらあわただしい雰囲気であっただろう】
【数十人ほどの人実のグループが固まっていて、その前に二つの人影がなにやら口論している】
【一つは男性で一つは女性――――というよりも少女に近い様相だろう】


「だから……!!今がチャンスなんだよ、相手は一人だろ!
こっちには何十人も人手がいるんだ、今のうちに押さえ込んじまえば……!!」


【ガタイの良い男性、彼が言うには何とか反撃に打って出ようとのことだろう】
【少女のほうが分かっちゃいませんねーと言いたげに肩をすくめて、手を開いて】
【視界の端で貴女を捉えたなら、ぴょこんと頭の上に興味のマークを作った】

【ピンク色の長髪を大きな蒼いリボンでポニーテールのように括って】
【ぴょこんと大きなリボンはまるで猫耳のように髪の毛を彩る】
【蒼を基調とした袖の無い、肩を露出した着物と黒い帯】
【紺の着物をショールのように纏った黒のニーソの檸檬色の瞳の少女】

【貴女を手招きしておいでおいでーと呼びかけるだろう】


もーぉ、貴女からもゆってあげてくださいよぅ
この殿方ったら反撃だー!反抗だー!なんかゆぃはじめて困ってるんですよぅ
ほらほらっ!こっち来てこっち来て、びしぃっ!っと現実を突きつけちゃってくださいな


【甘い旋律、まるで人質になってるとは思えないぐらいの軽い音で】
【どこか媚を売ったような猫撫で声が、客室内に響いていくのだろう】
【細まる大きな瞳、ぱっちりと笑みを作ると、まるで絵画みたいに輝いた】


/よろしくですー
43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/26(土) 21:01:48.83 ID:UmcCJSuy0
>>41

――――――――――――――――ッ、どうやら、来たようだね…………ぇ!

【じっと上から見下ろす鎖の青年は、人質として座らせておいた者たちに近寄る白髪の青年の姿を見る】
【見下ろす顔のその口元に、ニィッ――――と、三日月状の笑みが形作られた】

…………おい、単に迷い込んだだけなら、さっさと消えるんだね……ぇ!
僕は、野次馬には興味はないんだよぉッ――――『シャドウボール』!

【頭上から、声高に声を放つ鎖の青年】
【同時に、左の刀身を下へと向けると、その先から黒い魔力弾を発射して、白髪の青年をけん制する】
【もっとも、狙いは大分ずれている――――白髪の青年の足先、人質へと歩み寄るのを妨害する様な一撃だ】
【――――どうやら、白髪の青年が、自分が相手をする様な人物なのか――――相応の度胸を持ち合わせている人間なのかを、確かめようと言う魂胆らしい】
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/01/26(土) 21:05:06.41 ID:UT5NQMn4o
>>40

【現れた相手に、大男はじっと視線を注ぐ】
【寝台列車の上から飛び降りて地面に着地すると、杖を構える彼に対峙した】

自警団を押しのけて、とはずいぶんと派手なご登場だな
勇敢なことだ、だが無謀だな
……しかし、なんだその格好は? おとぎ話の魔法使いそのものじゃあないか

【向けられた杖、ローブ姿に三角帽子、と順に視線を走らせる】
【単に酔狂なのか、それとも本当に魔法使いなのか】
【この世界では、見た目から相手の強さを図ることは困難だ】
【この世界の戦闘者たちは、その姿からでは想像もつかないような能力を、強さを】
【また、燃え上がるような正義の志や、底冷えのするような悪意を、内に秘めているのだから】


(ふむ、まずは一つ、仕掛けてみるとしようか)

【相手の情報がない以上、まずはつついて反応を見る。大男はそんな結論に達した】


戦いの前に自己紹介くらいはいいだろう。
カノッサ機関構成員、カニバディールだ。以後、見知り置きを

ああ無論――お互いに「以後」があれば、の話だがな

【言うが早いか、大男――カニバディールは右腕をエプロンの内側に差し入れると】
【二本の肉切り包丁を取り出し、目の前の魔法使いに向けて投げつけた】
【一本は杖を握る手を、もう一本は足に向かって、飛んでいく】
【狙いは正確だが、速度はそう早くはない。対応策はいくらでもとれるだろう】
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res saga]:2013/01/26(土) 21:08:02.38 ID:AoJmmtnL0
>>35>>36>>37>>39

【―――唐突に、地獄の惨状となった水の国中心に、馬の声が響く。】
【その声はどこか勇猛であり、今まさに悪を撃たんとする決意の表れであった―――】

『――馬の声が――蹄の音が聞こえますッ!これは――来た!!』

【警官たちの破壊されたパトカーの脇をすり抜け、颯爽と馬が駆ける――】
【その背には一人の女性――カウボーイ風の格好をした"ガンマン"を乗せ】
【カメラをも通り越し、列車から距離にして5m――ほどに停止した】

『セリーナ・ザ・"キッド"!件の"組織"創設者にして能力者――来ました!!彼女がいるという事は――』


>>ユウト

【――空が怒る。絶望の大地を吹き散らすかのように、絶望の渦を掻き分け"彼"は現れた――!!】
【集まった一般人や、列車の人質関係者達、残された家族、そして警官たちが一斉に歓声を上げる――】

―――――"ドラゴン"だ!!"能力者"が着たぞ!!

―――――空から、降ってきた!?す、すげぇ・・・ッ!!

―――――"UNITED TRIGGER"だ!!

【現れた青年に、歓声が飛ぶ――そう、みんなが待っていたのだ。この悪を蹴散らす、正義の到来を。】


「セリーナ・ザ・"キッド"―――UNITED TRIGGER参上ッ!!」

【女は叫び、馬から飛び降りる。】
【――その背後、馬の背から一本の旗が揚がった。それはまさに―――正義のシンボル。】
【UNITED TRIGGERのマークと、その名が刻まれた旗印】


>>ジャンクちゃん

「こちらセリーナ!電話機能はなんとか使えるみたいで安心したよ♪今朝特訓した甲斐があったね!」
「予定通りあの能力者はこっちが引き受ける――うん、ジャンクちゃんは救出にまわって!」

【現れたUNITED TRIGGERに歓喜の声が上がる中、素早くセリーナはW-Phoneで状況を確認。】
【ここから初めての連携が始まる――!】

【列車に近づこうとするジャンクちゃんには目もくれず、件の能力者はセリーナ、そしてユウトの前に立ちふさがった。】


/続きます
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res saga]:2013/01/26(土) 21:08:21.70 ID:AoJmmtnL0
>>ALL

『――ようこそ、正義のクズども。俺の名は――"P/R"だ。』

『なに、気にする事はない――全力で来い。ちょうどボンクラどもを膾切りにするのも飽きてたところだ。』

『さあ――行くぞ。』

【上半身は裸、男にもかかわらず腰の辺りまで長く伸びた髪、そして下半身を覆う特殊な素材で作られたと思わしきスーツ・・・】
【P/Rは上半身を屈めると――その"力"を開放する――】


『ブラック・エッジ』

【小さく男は呟いた、すると突然――長い髪は凶器と化す!】
【自在に動き回り、伸縮しながらセリーナ、そしてユウトを狙って遅い来る!!】

『ザ・ハーフ』

【そして髪での攻撃と同時に、再び何かを呟けば――なんということだろう、男の体は"二つ"に分かれる!!】
【分身の能力――どうやら、この能力者、複数の能力を一人で所持しているようだ――!】
【分身のうち一体は、なんと列車へと戻り、そしてその後方へと回り込もうとするジャンクを迎え撃つべく】
【道路を駆け、列車の上に上ってしまうだろう――見つかれば、戦闘は避けられないッ!】

>>39

『こちら、セリーナッ!!悦くん、あいつを列車から引き剥がす――!!』
『その隙を見て突入して!!』

【W-Phoneから通信が入る。セリーナの切羽詰った声が聞こえてくるだろう。】
【しかし――見れば、能力者は分身し、攻撃固体と防衛固体に分かれようとしているではないか。】
【一人は攻撃に、そして一人は迎撃に使うつもりなのだろう――厄介だ。】
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/26(土) 21:09:40.67 ID:DbmN1mYq0
【街中――川の傍に位置する広場】
【煉瓦敷きの地面、洒落たデザインの街灯、規則的に並んだベンチ】
【さらさらなる水の音――かんかんと混ざり込む、不規則の音】
【――注ぐ光の違和感に、薄ら漂うおかしな気配に、その音に、見上げたならばすぐに分かる】

……ほらほら、ひとがごみのようだって言えばいいの、

【夜に蕩けるような漆黒色の髪。薄ぺらの胸の前に二房垂らすのは三つ編みで。切り揃えない毛先が、ふらふら揺れていた】
【そうして下界(仮)を見渡す瞳。左が血色で、右が深淵色のオッドアイ――少しだけ吊った丸目が、きらり煌く】
【黒のブラウスに、ワインレッドのジャンパースカート。デザイン的に覗くペチコートは生成り色で――全体的に、レース過多】
【リボンを結ったよな柄のストッキングに、ヒールの高い編み込みブーツ】
【――さっきから街灯を蹴飛ばして鳴らすのは、この足だったり、する】

……――明日が満月、だっけ、

【ほんの少しだけ足りない月。見上げて呟いて――かん、いっそう高く響く、金属音】
【首筋のチョーカーを気にして弄くる右手、姫袖から覗く白い指先】
【白肌によく映えて薬指に浮くのは、まるで指輪のよう。黒蛇の痣だった】
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/26(土) 21:15:27.86 ID:TnDLocN10
>>33

【――――――刹那、ちら、と仄かな銀光が夜闇に生じた。】
【サーチライトの範囲外。談笑する彼らは気付けただろうか、ひどく底冷えするその閃きに。】


  【直後、藍色の風が吹き抜ける。音すら断ち切る鋭さで、手近な機関員を目掛けて強く、強く、そして迅く。】

【そして再び煌めく銀光。“彼ら”ひとりひとりに対して、それぞれ一度ずつ左腰に。】
【もしもそれを防げなければ、なぜか腰から血を噴き出して……彼ら機関員たちは、あえなく倒れ臥す事になる。】


【その状況を生む者は、ひとり。】

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

【そんな形容のできる人影だった。銀光の正体はその手にある太刀。彼らは斬撃されたのだ。】


 【強力な光源がある状況は、その“外側”の闇をより深く、捉え難いものとする。
  彼女が急襲を成功させるなら、それを利用しない手はなく―――――】

…………ふっ!
  

【加えて、この超速度の挙動がある。
 かき消える様に加速して、地を蹴り抜いて再び跳躍。
 瞬時に標的 と同じ高度に達した剣士は、屋根上に陣取る“最後の一人”に斬りかかった。】

【常人ならば視認すら叶わぬ、神速にして無音の隠密(ステルス)。切り裂く場所は、またも左腰。】

【もしもこれらの挙動が成功すれば、残るは列車のなかの“一人”と――― 彼らのいう “バッファ様”ひとりになる。】
【そして、剣士は列車の屋根の上へ。地上を見据え、状況を確認するように、徹しきった覚悟の視線で。】

(……最速で終わらせる―――――……誰が相手であろうと、今宵、退く訳にはいかないのだから。)

/それでは、よろしくお願いしますっ!
49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/26(土) 21:16:06.00 ID:5H+gcdb6o
>>43

――――――――……!

【鋭敏に張り巡らせていた感覚はその動作を瞬間的に感じ取る】
【察知した瞬間、ナイフを追加で2本合計3本を指の間に装填し更にそれらを撚り合わせる】
【銀の発光現象それが終われば現れる銀の刀】

やっぱりいやがった…………!

【後退して避ける?否、それでは得られる物も零れ落ちる、だから進むのだ】
【刀の腹を魔翌力弾と水平に合わせるように右から左へと振り抜く】
【淡い軌跡を残しつつ魔弾を「弾いて」遠くへ人質に被害が及ばない箇所へと飛ばす】

【即座の対応にしては高等な技術刃物に関してはそれなり以上らしく】
【そしてその攻防の後、薄く開けられた赤の瞳は頭上の彼を捉える】

(さて、アイツを倒してから救出するか……それか逆か、どうする?)

【戦闘とは別の思考を廻しつつ】
【刀を地面に垂らすようにだらんと構え直し】

野次馬じゃないのは最初から分かってるだろう?
ここにこうやっている時点で、お前のオーダーに見合う相手だよ。
……言葉なんてまどろっこしいから早く降りて来いよ、遠距離でちまちまってガラでもないだろうに……。

【彼の得物は刃物、であるならば近接が主体か】
【ならば話も早い乗客の様子を見るに衰弱もしているようだから】
【早く早くに終わらせるようにエルフェスは彼を挑発する、その切っ先を彼へと向けて】
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/26(土) 21:19:41.23 ID:5nGZvSRe0
>>42>>45

【隣の車内に降りると、既に血気盛んな議論が活発に交わされていた】

【一先ず集団の環の外から話を又聞いてると、議論の中心人物らしき少女からお声が掛かり、仕方ないな、と頭を掻いて】
【転がっていた飲食物を跨ぎ、人の波を掻き分けて呼ばれた方へ近寄っていく】

…まーまーお二人とも落ち着いて


んー、この人員で反撃は…正直お勧め出来かねますね。
何十人居ようと、それこそ軍隊のように組織立って行動できなければ烏合の衆としか呼べませんし、
この状況でそれを成し得るだけの信頼関係はまず以て期待できません。


【少女の言葉には普通に同意し、男の方を向いて、物おじせずつらつらと意見を述べていく】
【己の言葉を裏付けるように、途中外を指差し、囚われた人質7人を示したりして】


不用意な行動は無力な女性や子供を更なる危険に晒す事になります。
外ではセリーナさん? とやらが頑張っているらしいですし、それを無駄にしない為に
此方側で動くにしても、取り敢えずはテロリストから安全に避難できるような作戦を考えるべき、と私は思いますね

【退避行動への意向を提案し、手近な壁にもたれて一先ず話を締めくくった】
51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) :2013/01/26(土) 21:24:20.13 ID:05uJp3QFo
>>44
【殴られた複数の自警団達は後方へ下がり、大多数のその他は男へと罵声やら怒声やらを浴びせかける】
【しかし、身を翻す気配すらない男の姿に言うだけ無駄と判断したのか、その声は段々と消えていった。そして自警団たちの考えは当たっていた】
【帰る気は毛頭無い、目の前の相手を倒すまでは】

ちょいと邪魔だったからコツンとやっただけだぜ。―――ま、フルスイングだったけど。
……あぁ、大正解だ。俺は魔法使い……今からテメェをボッコボコにする、な。

【そんな挑発に似た台詞を言いながらも、降りてきた相手を観察する】
【というかデカい。正直、筋力勝負では勝てる気すらないが―――魔法ならば。特殊攻撃ならばどうだろう】
【相手が筋肉野朗ならば――――――】

やっぱ構成員か。こりゃ倒しがいがあるぜ……。
俺の名はライラ=フェルンストレーム! 魔法使いで――――カノッサ機関員ハンターだ!
カニバディール!よく覚えて……ってうおぁ!?

【この前、カノッサ機関の構成員に騙されて以来、男はそう名乗ろうと心に決めていた】
【待ちに待ったこの舞台、声を張り上げて最後まで言いかけ―――刃物らしきものが飛来する】
【変な声を出しながら右へとステップ。2本の包丁は、硬質的な音を立てて地面へと落ちるだろう】

以後が無ぇのはテメェだけだ!! 喰らいな――――――『 F 3 ! ! B u r n i n g ! ! ! 』

【名乗りを邪魔されたことに小さく怒りながら、男は右手を上げて叫ぶ】
【その傍から煌々と燃える火の玉が現れ、彼に向かって突進する。直径1mほどのものが、3つ】
【それはそのまま行けば彼の頭、腹、足へと直進していくだろう。―――しかし、避けられないほどの速さではない】
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/26(土) 21:25:50.02 ID:V7GMjuBao
>>36>>42>>50
【列車のすぐ傍まで接近完了したところで、ジャンクちゃんは自らの機能の一つ、『マルチアイ』を使用】
【"W-Phone"に記録した見取り図と照らし合わせる事で現在の列車の状況を見通してどうにかうまく助け出すルートを編み出そうとしているのだ】
【だが何か妙だ、大まかは予想通り、中の人質たちは長時間閉じ込められ、疲弊、軽度のパニック状態に陥っているようではある】
【しかしその中に、何か……妙と感じる動きを見つけた――後方車両の方か】


――何デスヨー?なんかあのあたりに妙な動きが見えるのデスヨー
視認出来る限りは……大柄な男性が一人に、小さな人が二人……どちらも女性デスヨー?
あの人たち何を騒いでいるのデスヨー?

>>37>>39>>45>>46

――了解いたしました、セリーナさん、ギリギリまで基本機能だけでもレクチャーした甲斐はあったのデスヨー
今、竜人らしき方が降り立ったのを視認しましたが、そちらの方もUNITED TRIGGER側の方デスヨー?
能力者は貴女方二人にお任せいたします、今悦那さんを見つけました……我々で救出に回りますデスヨー

悦那さん、こちらへ……互いの能力を考えると、ワタシが前衛、貴方が後衛の態勢がいいと思われるのデスヨー


【諜報員の悦那と合流、セリーナの合図通り救出に回る】
【自分には用はないのか?と思いながらも少しずつ後部車両に近付くと、やがて能力者の体が二つに分かれる!】
【きっ、とそちらの方向を見ると、右手の袖からひとつ、緑色の"卵"のような物を取り出すと】


――能力者が来ます!悦那さん!『奴』もこちらにすでに気が付いているッ!!逃がす気はなさそうデスヨー!
ここで迎撃するしかないッ!!



【悦那に注意を促すと、カチッ、とそのアイテムの拡張部分を押して、分身目がけて下手で投げる】
【狙いはやや分身よりも3mほど頭上へと逸れ、外したかのように見えた】
【――だがそれでいい、わざと外して油断させ、一瞬でも注意を散漫にさせるのが狙いだ】


『キョォォォォ――――ンッ!!!』


【その頭上でアイテムから、中に潜んでいた銀縁の赤い鳥が飛び出すと、宙返りで後ろに舞い戻ると】
【再び分身体の顔面めがけて赤色の鳥が視界を塞ぐような形で飛び込んでくる!】
53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/26(土) 21:27:00.03 ID:UmcCJSuy0
>>49

(…………!
…………良いねぇ。ああいう事が出来るなら、まずは心配は無用って事か、ぁ……!)

【足を止めるならそれで構わない。まずはそれに怯えて逃げ出さなければ――――そんな心算だったが】
【結果は、その上を行く『弾き飛ばす』と言うリアクション】
【唇をホッと突き出して、鎖の青年は感嘆を端的に表現した】

……いやいや、あの脱線事故……いや、事件か…………アレのせいで、下らない手合いが随分増えてねぇ…………ぇ
いい加減、僕もうんざりしてたところだ、ぁ…………だから、こうやってダシを使って、人を呼ぶ羽目にもなる…………
…………でも、お前の言う通りだ…………ここからチマチマって言うのは、つまらない話だね……ぇ!

【見下ろした位置のまま、鎖の青年は言葉を返す】
【これ見よがしに座らされていた人々は、最初から呼び水に過ぎなかったのだ】
【そう――――本題はこれから】
【鎖の青年の姿が、屋根に隠れて見えなくなる――――同時に、人質のそばの地面に、黒い穴の様なものが――――得体のしれない闇の様なものが浮かび上がり】
【そこから、姿を消した青年は、ゆっくりと現われた。舞台装置でせり上がる様に】

……さぁ、どこからでもきなよ…………ぉ!
自ら死地へと踏み入る覚悟を決めたお前と戦うのは、僕の喜びだぁッ!

【両手の『パタ』を構え、すっと姿勢を下げて、鎖の青年は体勢を整える】
【相手の戦いは、まず手にした刀を軸とした近接戦になるのだろう。だが、それだけとも限らない】
【相手を見極める意味でもあるのか、まずは出方を窺おうと言うのだろう】

/すみません、風呂です
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/26(土) 21:29:58.75 ID:ERQIjs8Oo
>>50

【納得したような声が集団の中から漏れる、男はぐむむ、と言って口を噤んだ】
【彼女はと言うと、口元に手を当てて、軽く腕を組む感じでうーんと唸っていた】
【やがてぽん、と掌を叩くと、そうですっと人差し指を立てた】


とりま、反撃なんか考えるんじゃなくてぇ逃げること考えちゃいましょうかっ
まだ他の車両にも人質とかぁ、いーっぱい残ってると思うんですよぅ
統制わとれないにしてもっ頭数揃えてた方が良いと思いますしぃ

何より、なるべくみんなで助かりたいって思うんですよぅ……っと


【うんうん、と自分の意見に自分で同調、甘ったるい声を漏らしながらそんな事を述べて】
【ふわりと緩んだ白い素肌、雪化粧みたいに真っ白で、やがて溶ける残雪のよう】
【ピンク色の髪が、明るい照明に照らされて、その下で軽やかな影を伸ばした】

【そんな彼女の華奢な身体が、わわっと揺れた、どうやら外側で戦闘が始まったみたい】
【うかうかしてられませんねぇ、と言って、彼女は貴女へと視線を傾けて】
【ぴょん、ぴょん、って跳ねるみたいに近寄ると、微笑を傾けた】


とゆーわけで、人質の皆さんの先導、お願いできます?
そうですねぇ……なるべく先頭車両に皆さん集めたいのでぇ……
私がぱぱーっと後ろの車両の人連れてきますし、その間にぃ先頭車両に移ってくださいな

多分この中でいーっちばん強いのって貴女でしょうしぃ、期待しちゃいますよぅ


【表情が綻んだ、整った顔たちが微笑み色に零れたなら、形の良い睫が羽ばたいた】
【それはまるで絵本の中の蝶や鳥みたいに、自由気ままな存在の象徴】
【自由を歌う遥かな旋律、ソプラノの音が、貴女へと流れ込むだろう】

【そう言うと軽く跳ねて、あなたへと背中を向けるだろう、露出の大きい着物はぱっくりと首筋があいていて】
【覗かせる華奢な細く白い首元、きゅっと閉めたなら砕けてしまいそうなぐらいに】
【振り向き加減に横顔を覗かせると、期待してますよぅなんて紡いで見せた】
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/26(土) 21:36:03.26 ID:OngVxetHo
>>45,46

……周りの人達を、巻き込まないようにしないとな

【周りにも大勢の人間が居ることを、歓声を受けて再認識】
【照れている暇はない――そう思っている所へ現る馬、そして見知った人物】

セリーナ! (……電話?)

【あれ? いつの間にか何やら便利そうな物を受け取っているじゃあないか】
【"ジャンクちゃん"か、……恐らく彼女と強力でも結んだのだろうか?】
【……細かい事を気にしている余裕は無く、立ち塞がる男――奴が、この事件の"犯人"か?】

【生身の体では"無能力者"と変わらぬ力――このままでは……"危険"ッ!】


エヴォルヴィング・セルズ! ――そして、[サンダー・E・スパイダー]ッ!

【彼が、PC状の分身の画面より出現したポッドを押し込むと――】
【黄色の身体に硬めの紫色や白色の毛を持っていて、蛍光白色の模様が全身にある、全長80cm程のクモとなる】
【眼は金色で、紫色の牙、紫色の鋏角は雷の様に見える形状で先端は白く、背に生える毛はギザギザとしている】
【頭部には雷の様な形状の角が一本、左右の眼の上には雷の様な形状の毛】
【足は紫色で先端は白色で雷の様にギザギザしていて、尻にもギザギザした紫色の毛がある】

くゥッ!

【8本の脚で素早く走り、その髪をひとまずは回避】 【走った方向は、自身から見て右の方向だ】

どうにかして奴の動きを止めなければ……人質の救出もままならないッ!
しかも2人に分離したときた! ……列車へ向かった方、少し距離が遠いな……
けれど近づくには奴が邪魔だ……だったら!

【そして彼が口から吐き出すのは電気の球だ、それを"P/R"――自身へ向かってきた方のそれへと放つ】
【当たれば痺れるその球、大きさは野球ボール程度で……回避できないほど速くはない】
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/26(土) 21:37:15.90 ID:1t6BjOdbo
>>45 >>46 >>52

……了解した、ボス
こっちは任せとけ、そっちはあんたとユウトに任せたぜ?

【セリーナの切羽詰った声から、その緊迫した状が十二分に伝わってくる】
【戦闘で力になれない己、なればこそ出来うる事で全力を以てサポートするより他に無い】
【ジャンクの姿も視界に捉え、彼女の背後から近づこうとして。列車へと戻る敵に気付いた】

っ、分身だと……!
分かった、此処まで来ちまえば出し惜しみも糞も無いな……!

(マズい、派手に動けば騒ぎがデカくなる上「本体」も此方に来かねない……!)
(ジャンクなら俺よりは戦えるだろうが……そうなると救出が俺一人、ってのも荷が重いか)

【素早く思考を巡らせつ、銃を持たない方の手で触れたのは、大きな瓦礫の一片】
【瞬間、真っ赤な魔力の燐光がそれを覆って、灰眼の奥に同色の揺らめきが浮かび】

……ほら「お前」、寝っ転がってても退屈だろ?
頼む、力を貸してくれ……あいつに一発、ぶちかませ!

【悦那の声に呼応するように、魔力の回りきった瓦礫が僅かに宙に浮かんで】
【1m程の大きさのコンクリート片が、ジャンクちゃんの攻撃に追随する形で敵に飛来する】
【大きさ故の質量は暴力的だが回避しやすくもある、目的は彼女と同じく注意を逸らす事だろう】
57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/26(土) 21:40:05.83 ID:5H+gcdb6o
>>53

そればっかりは分からんでもないね……
物見遊山って言うんだっけ?ホント馬鹿みたいだ自分から危ない所に行くなんて……。
少なくとも自分ならんなこと絶対にしないね、今は別として……だけど。

【怖いもの見たさで自分がここに居るわけではない】
【暗にそれを示して目の前に現れた彼を見つめる】

(人質の近くか……厳しいな先に結界でも張っておかなきゃ被害が広がる……)

【人質の近くへと彼が現れた事でエルフェスという人物の行動優先度は】
【人質>戦闘に変わる、故に彼にとっての勝利条件は人質の存命である】
【更に言うならそれを果たす為ならば犠牲に出来る物ならば何であろうと犠牲にするつもりだ】

さて、言われなくてもそうさせて貰うよ……!

【前傾の姿勢、そこからの急加速を以ってシャッテンへと近づく】
【刀は地面と擦る程の最下段に火花を散らし、十分に接近したならば相手の左腿から右脇へと切り上げようとし】
【それが回避されたのならば「刀」の結合を解除、左手にはナイフを右手には刃渡り30cm程の短刀へと再形成】
【そして短刀を右のアバラを狙い横になぎ払いその数瞬後からナイフの投擲し右腿を狙う】

【エルフェスの戦闘はナイフの能力に頼る事が大きい】
【即ち変幻自在であり手数も数多、しかしだからこそシャッテンの求めるモノに近いかもしれない】

/了解です!
58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/26(土) 21:40:45.83 ID:1t6BjOdbo
>>56
/大事な部分なので訂正を
/【ジャンクの姿も視界に捉え → 【ジャンクちゃんの姿も視界に捉え
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/26(土) 21:41:35.59 ID:aS98x2VDO
>>48
「―――ん―――?」

【一瞬、ただ一人だけが、注意深いその一人の機関員だけが、何かに気付いたそぶりを見せた】
【闇の中で何かが動いたような―――それ以上考える間もなく、腰から血を吹き出し、目を見開いたまま倒れ伏した】
【その異変に気付いた者達も、次々に同じ様な目に会って行く】

「な…なんだ…何が―――」

【車両上から人質を見張っていた機関員が、次々に倒れる味方にうろたえ、銃を構えるも相手は見えない】
【遂に残るは彼一人、未だ相手は見えず、恐怖に震える息遣いが、今正に途切れ―――】

【―――そうになった瞬間、八攫と機関員の間に、飛来する物体が】
【人よりも遥かに小さなその物体は、邪魔をするように車両に突き刺さる】
【それは斧―――何等かの生物の骨で出来た、手斧であった―――】

「…はっ!ば…バッファ様!!」

【斧の飛来で尻餅を付き、運よくギリギリで剣閃から逃れた機関員は、歓喜と驚愕が混じった声で、斧が飛来してきた方向を見る】

…ったく…クズ共が〜…
女一人に何を手こずっているんだ…!?

【それは、闇から光へ、ぬぅと現れる】
【そいつが歩く度に軽い振動が大地を揺らし、倒れた機関員達は次々に「バッファ様」と口にした】

【現れたバッファ様=\――バッファ・ロースカルビという男は、機関員である】
【身長はゆうに2mを軽く越し、服装は素肌にオーバーオール一丁、赤茶けたモヒカン髪で、髪を挟んだ頭皮の左右には逆五芒星と<No.29>の刺青、掛けた色付きゴーグルが顔に減り込んでいる】
【そして背中には牛の頭を模した槍、腰にはたった今投げられたのと同じ斧を幾つもと】
【何より特徴的なのはその体型、肥満体所ではなく太った体型が、更に彼を巨大じみて見せている】

いいからお前は電車を中で見張っておけ!一人で叶う相手じゃねぇよ!
最悪殺しても構わねぇ、そうじゃねぇと人質にならねぇからな!!

【バッファの太い一声で、難を逃れた機関員が車内に飛び込む】
【一方バッファは、食べていたハンバーグの包み紙をポイと捨て、八攫に顔を向けた】

お前の相手はこの俺様だ、姉ちゃん
おっと、おかしな事はするなよ?この車両ごと全員を殺してやってもいいんだからな
…あまり機関を舐めるとどうなるか…教えてやる!!

【ニヤ、と笑い、両手に手斧を取ると、八攫に向けて投擲する】
【二つの斧が左右から、回転しながら八攫に迫る、その威力は鋼鉄にも引けを取らない】
60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/26(土) 21:43:21.98 ID:5nGZvSRe0
>>54

そうですね、離れすぎていると連携や意志疎通が取れませんし
最良なのは、全員が脱出まで纏まって行動できることですね。 何とか電車が動かせればいいんですけど……

おっとと、始まったみたいですね
はいさ、了解しました。 期待しといてくださいな

【ここから外に出るのは危険だろうし、この横転した列車を走らせられないものか――等と考えて】
【壁から伝わる振動に、眼鏡の下の眉根をぴくりと動かす】

【相手の指示におどけて敬礼する。その動作はこの状況に相応しからぬものだったろうが】
【相手の優しげな雰囲気に対しての、少女なりの気遣いだったのだろうか】

じゃあ皆さん、私に続いて一列で付いてきてくださーい。
小さいお子さんは親御さんか、近くの大人の方と手を繋いで、良いですか一列ですよー決して焦らずに
私に続いて、そこの扉から一人ずつですからねー

【ひらひらと右手を振って来た道を引き返し、3両目へ続く扉へ左手を掛ける】
【良く通る声で逐一指示を出すさまは、まるで幼稚園の先生にでもなったかのよう】
【外の爆音に耳を欹てつつ、慎重に先頭車両への行軍を開始した】
61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/01/26(土) 21:49:59.55 ID:UT5NQMn4o
>>51

【後ろに下がっていく者たちは、すでに大男の眼中にはない。目の前の魔法使い、そして事件を収束すべく戦う正義たち】
【背後の列車に向ける意識を切ることなく戦闘をするのは少々骨が折れる。退いていく者たちまで気にしてはいられない】

フルスイングは、コツンとは言わないと思うがな……
ずいぶんと物理的な手段を使う魔法使いもいたものだ……


【彼が――ライラがカニバディールを観察するように、カニバディールもライラに値踏みするような視線を送る】

(魔法使い、というからには、遠距離が主体か……だが、筋肉もないわけではないな)
(さて、どう出てくるか……)

ああ、その名前、しかと記憶したぞ、ライラ=フェルンストーム。カノッサ機関ハンター、か。言ってくれる
世界を脅かす狩猟者足る機関を、狩るとはな。ハハハ……

【肉切り包丁をかわしたライラを確認した後、カニバディールも動く】
【自身に迫る火球の軌道を目視すると、回避行動をとる。ただし、普通の人間がやるような方法ではない】

さて、それはどうかな。命のやり取りは、何が起きるかわからないぞ?

【言葉と共に、広場に響く、形容しがたい気色の悪い音。詰まった排水口から、泥が溢れだすような音】
【それは、カニバディールの肉が膨らむ音だった。そう、膨れあがったのだ、カニバディールの両足が】
【両足は、膨張と共に伸びあがり、カニバディールの身長は瞬時に3メートルほどに達する】
【三つの火球を、長い脚でまたぐようにかわすと、ライラの数メートル手前にまで一気に踏み込もうとする】
【同時に、両足が収縮。ライラが接近前に何らかの対策を取らなければ】
【身長は元の二メートルほどに戻り、ライラの目前にその巨体が立つことになる】

どれ、魔法使いというのは、近接戦闘は不得意な印象だが……どうだね、実際のところ

【世間話をするような気軽さで言うと、右の拳をライラへ放つ。巨腕に体重を乗せての殴打】
【単純極まる攻撃だが、相手がまだ接近に気を取られていれば、効果はあると踏んだのだ】

【無論、身長を伸ばしての接近に失敗すれば、この攻撃は行われない。その場合、逆に距離を取ろうとするだろう】
62 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/01/26(土) 21:50:23.28 ID:UT5NQMn4o
>>51

【後ろに下がっていく者たちは、すでに大男の眼中にはない。目の前の魔法使い、そして事件を収束すべく戦う正義たち】
【背後の列車に向ける意識を切ることなく戦闘をするのは少々骨が折れる。退いていく者たちまで気にしてはいられない】

フルスイングは、コツンとは言わないと思うがな……
ずいぶんと物理的な手段を使う魔法使いもいたものだ……


【彼が――ライラがカニバディールを観察するように、カニバディールもライラに値踏みするような視線を送る】

(魔法使い、というからには、遠距離が主体か……だが、筋肉もないわけではないな)
(さて、どう出てくるか……)

ああ、その名前、しかと記憶したぞ、ライラ=フェルンストーム。カノッサ機関ハンター、か。言ってくれる
世界を脅かす狩猟者足る機関を、狩るとはな。ハハハ……

【肉切り包丁をかわしたライラを確認した後、カニバディールも動く】
【自身に迫る火球の軌道を目視すると、回避行動をとる。ただし、普通の人間がやるような方法ではない】

さて、それはどうかな。命のやり取りは、何が起きるかわからないぞ?

【言葉と共に、広場に響く、形容しがたい気色の悪い音。詰まった排水口から、泥が溢れだすような音】
【それは、カニバディールの肉が膨らむ音だった。そう、膨れあがったのだ、カニバディールの両足が】
【両足は、膨張と共に伸びあがり、カニバディールの身長は瞬時に3メートルほどに達する】
【三つの火球を、長い脚でまたぐようにかわすと、ライラの数メートル手前にまで一気に踏み込もうとする】
【同時に、両足が収縮。ライラが接近前に何らかの対策を取らなければ】
【身長は元の二メートルほどに戻り、ライラの目前にその巨体が立つことになる】

どれ、魔法使いというのは、近接戦闘は不得意な印象だが……どうだね、実際のところ

【世間話をするような気軽さで言うと、右の拳をライラへ放つ。巨腕に体重を乗せての殴打】
【単純極まる攻撃だが、相手がまだ接近に気を取られていれば、効果はあると踏んだのだ】

【無論、身長を伸ばしての接近に失敗すれば、この攻撃は行われない。その場合、逆に距離を取ろうとするだろう】
63 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/26(土) 21:55:45.02 ID:ERQIjs8Oo
>>60

【前方の車両までは何人かのグループが点在しているだろう、それぞれ何の苦もなく同行してくれるはずだ】
【誰でも人が多くいるグループには入りたいもの、それが命の危機に近い状況なら尚更だろう】
【順調に行けば、前方の車両に、貴女と他数十人の乗客が集まるはずだ】

【少しして、ぱたぱた、と軽い足音が響いてくるだろう】
【零れ落ちる桃色の香り、彼女の髪の残り香が、香水のような色に溶けて塗れた】


わわーっと……やーっぱり入りきりませんよねぇ
けっこーな人数の乗客さんがいますしぃ、先頭車両に全員集めるのはちょいと無謀ですかね
ぅんと、他の作戦考えないとぅ……


【貴女の様子を見てうーんと考え込む様子、予想外に人質の人数が多かった】
【これだけの人数を一人で占拠できたのだ、よっぽどの手腕なのだろう】
【もしくはソレに見合う実力を、そのテロリストが持っていた、ということ――――】

【困ったように眉を潜めた、細い眉はしっとりと素肌に濡れて淡い色を零す】
【潤んだ小さな唇が、ふわふわと膨らむと、声にならない音を何度か紡いだ】
【やがて溶ける水しぶきのような声が、貴女の中へと流れ込むのだろう】


さっきゆってましたよねっ電車を動かすって、それ、とーっても良い意見だと思いますっ
ちょうど少し先におっきな駅がありますしぃ、そこに逃げ込んじゃおぅって作戦ですね
……まっ横転しちゃった列車を走らせるってすっごく難しいんですけどぅ……

一口、のっちゃいません?――――私の掌の上で、ちょちょいと踊ってもらいたいんですよぅ


【口元に手を当てて、少し背伸びして、貴女の耳元で囁くよう】
【それはきっと、他の人には聞かれたくない言葉なのだろう、つまりはそれだけの意味がある】
【檸檬色の瞳が淡い色に染まると、意志を孕んだ言葉が紡がれる】

【それは確かな形となって、音律をまるで、白濁した意識のようにうやむやに溶かす】
【貴女の耳元に流れ込んだなら、絡みつくようにまとわり着こうとするのだろうか】
64 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/01/26(土) 21:56:10.93 ID:UT5NQMn4o
>>61
/しまった、ライラさんの名前間違えてる
/セリフ部分、ライラ=フェルンストーム→ライラ=フェルンストレーム
/に訂正でお願いします
65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/26(土) 22:00:27.95 ID:UmcCJSuy0
>>57

ほぅ……じゃあ何故、お前は来たんだい……ぃ?
間違いなくここは、危険地帯だよ……ぉ?

【――――実を言えば、鎖の青年の、本当の望みは、この言葉に対する返答にある】
【危険を犯してなお、自らの意志でこの場へと足を向ける。そしてその行為は、単なる物見遊山とは違うと言い切る白髪の青年】
【――――何を胸の内に抱いているのか。それに触れる事こそが、わざわざ事件に便乗してまでやってきた鎖の青年の狙いである】

(……フン、餌として機能したんなら、もうこいつらに用は無いね……ぇ
後は、どうなろうと好きにするが良いさ、ぁ…………死のうが生きようが…………!)

【側に縛りつけてある人質に、チラリと視線を向ける】
【本当なら殺してしまうのが一番だが、わざわざ敵を側にしている状況で、そんな手間を裂く余裕などない】
【故に、然程の興味を抱いている訳でもないようだ】

フン、速い…………ッ、!?

【真っ向から斬りかかってくる敵に対して、鎖の青年は両手の『パタ』で受け止める】
【それ自体は何の問題も無かったが――――その武器を、その場で変じさせると言うのは予想外だったらしく】
【かろうじて、次の短刀による薙ぎ払いには追いついて、左手で捌いたものの、投擲されたナイフは避けきれず、右の腿をかする】
【ジーンズがざっくりと切れ、そこからゆるゆると血が流れ出す】

なるほど、良く分かったよ――――――――『シャドウキャプチャー』!

【これでとりあえず、相手の出方の一端は窺い知る事が出来た】
【それで手傷を負ったのは不味かったが――――まだまだ如何様にもなる】
【鎖の青年は、再び魔力を行使する――――白髪の青年の足元から黒い腕が2本伸び、その身を絡め取ろうとするように青年へと延びる】
【同時に、短刀を捌くために使った左手とは逆、右手で上段からパタを振り下ろす】
66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/26(土) 22:01:38.17 ID:UmcCJSuy0
/>>65追記。ただいま戻りましたー
67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res saga]:2013/01/26(土) 22:10:29.68 ID:AoJmmtnL0
>>52>>55>>56
【セリーナはW-Phoneをベストのポケットにしまい、代わりにガンベルトから"弾"末魔を引き抜いた。】
【――各々が指示に従いつつ、各々の判断で戦う】
【早くも、セリーナは自分が目指したかった組織の形を、形成できているような気がした――ふふ、と戦闘中にも関わらず笑い】

>>ジャンクちゃん
>>悦那

『――矢張り、な。お前ら雑魚どもはいつもそうだ。』
『くだらん作戦などと言い張り、正面からの戦闘を避ける――怖いのか?俺が。』
『笑わせてくれる』
『早く戻って、むこうの連中と遊びたいんだ――ふふ、あちらはどうなっていることやら。』
【分身はにたり、と笑った。――どうやらこいつにも意識はあるらしい。】
【分身といえど中身は同じなのだ、しかし――勘のよい者ならば気がつくかもしれない。】
【あくまで分身を出したのは「回り込もうとしている者がいるかもしれないという本体の判断」】
【もとより分身が存在して判断し、こちらへ来たというわけではない。】
【――この分身と、本体はどちらも本物ではあるが――情報を共有しているわけではないのだ。】
【つまり、本体のなかでの情報はまだ、「むこうに能力者がいるかもしれない」という予想で止まっているのだ――】

『フン、ここで片付けてやる・・・そのくだらんオモチャで、俺を倒せるかな?』

【分身は飛来したものを素早く回避、しかしそれは鳥の形となって視界を塞ぐ――】
【ちぃ、と言えば彼は列車の上で鳥を振り払おうと】

『ミスターフリーズ』

【小さく呟けば、彼の口から発せられるのは"冷気"――複数ある能力のうちのひとつ!】
【強烈な冷凍攻撃が鳥を襲う――が、しかし!】

『―――!!』

【――鳥が視界を塞ぎ、一瞬の隙を作ったおかげだろう、悦那のコンクリート片はこちらへとぶつかり、P/Rの身体を打ち抜く!!】
【すると不思議な事が起こった。】

【――分身が消えた。そう、この能力『ザ・ハーフ』は生み出せる分身は一体までな上に】
【分身が一撃攻撃を貰えば、それは消滅してしまうという――弱点をもっていた。】
【もちろん、能力の発動が一度きりかどうかは不明な以上、またこちらに分身が来ることも考えられるだろう――】
【列車内に進入するならば、今のうちだ】


>>ユウト

「ユウトー!待ってたよおねいさんは!さあ――とっととコイツ、やっちゃおう!」

【勢いよく叫んだは良いものの、ブラックエッジによる斬撃攻撃をセリーナは回避するので精一杯――】
【飛びのけた方向へ素早く銃弾を放つと「ティターン・アーマー」を召還、召還陣をすり抜け『悪魔』の姿へと変身する。】
【ユウトは始めてみるかもしれないその姿は、まるで機械と悪魔を融合させたかのような独特のシルエット】
【魔界製とおもわしき、"鎧"である】

【セリーナはアーマーで髪の毛の攻撃を防ぎつつ、弾丸を放った。しかしそれらを回避すると、P/Rは次なる能力を発動する。】

『ほう、蜘蛛に変身する能力――面白い。貴様ら二人とも変身する力を持っているようだな。』
『だがそんなものは役に立たんということを教えてやる』


『フリー・フォール』

【P/Rが呟くと、彼の身体は宙へと素早く浮いた――浮遊能力まで持っているのか!】
【蜘蛛から放たれた電撃を上空へと飛ぶことで回避、そしてさらに能力の重ねがけをする】

『ロック・アンド・ザ・シティ』

【呪文のように唱えると彼の脚部は鋼鉄か、合金のように強力な硬度を持つ武器となった――部位硬化の力!】
【フリー・フォールの発動を解除すれば、彼の身体は上空数メートルから隕石のように蜘蛛状態の"ユウト"めがけ落下する!】
【直撃すれば凄まじいダメージを叩き出すだろう――】

「とんだッ!?って、ユウト避けて!!」
68 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/26(土) 22:12:07.95 ID:05uJp3QFo
>>62
―――ぬぁっ!?

【カニバディールの言葉に一瞬の疑問符を思った後、ライラは今度はその疑問符を口に出すことになった】
【気味の悪い音と共に、断続的に変化していくカニバディールの身体。異常に高くなった身長で、火球を避けられたのだから当然か】
【火傷の1つでも与えられればなと思っていたライラは、心中で驚きと共に、悔しさも噛む】

(肉体変化系―――――となれば、接近戦主体か……! 分が悪ぃかもな……!)

【そんなことを思っているうちに、カニバディールは近づいてくる。ライラはその行動を易々と許してしまう】
【対策が出来ない、と言える。彼の思うとおり、遠距離がメインなのだから】

……ハ、どうかな。テメェが思っているより得意かもしれないぜ―――ッ!!

【いきなり戻る相手の姿、だが、接近に気を取られているわけではない】
【接近されることに対策が出来ないのを重々承知しているライラは、目の前の『攻撃』に集中しているのだから】
【ハッタリをかましながら、相手の体の何処からか来る攻撃に集中―――案の定来た右拳は先ほど同じ様に左にステップし回避しようとするも】
【右の頬が小さく裂ける。しかし、小さな傷だ】

『 F 1 W 1 ! ! H o t   W a t e r ! !』

【すぐさま相手に手を翳し、呪文を唱えると今度は水のようにグニグニと形を変えるサッカーボールほどの不定形の球体が現れ、先ほどと同じ様に飛来する】
【それは何もなければ相手の目の前の地面に着弾し―――100度の沸騰寸前の水を、周りの地面に、そして相手の体へと撒き散らすだろう】
69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/26(土) 22:14:49.25 ID:5nGZvSRe0
>>63

200人近くいるみたいですからね、仕方ありません。 はみ出た方は二両目に移ってもらいましょうか
はぁ、暑い…

【荷物を放り出しても、全員が入るのは難しい】
【既にぎゅうぎゅう詰めのところ、声が掛けられる直前少女は先んじて運転室の戸を強引にこじ開けていて】
【背後から掛けられた声に、捜索の手を一旦止める】


ええ、言いました、目視できる距離にあるんだし、希望的観測ですけど
走らせるだけなら、何とかなりそうかな、なんて――

ふふ、良いですよ、転がされるのは得意中の得意ですからね

【ふう、と掛けられる甘美な吐息。中腰になっていた背筋をぴんと伸ばし】
【外の気配に当てられて気が昂ったのだろうか、半ば無意識の内にマインド像――金属の篭手のような物体を背後に出現させて】
【振り向いた顔は口調に合わぬ獰猛な笑い、殆ど額を合わせるようにして承諾の笑みを浮かべる】


しかし、どう走らせるにしても――先ずは横倒しの状態を改善しない事には、ね。
中からの人員だけではどうしようもありませんか……

【ふと笑顔を曇らせて問題の部分を再指摘する】
【それに機関部の状態も気がかりなところ、外からの攻撃で破損していなければいいのだが…】
70 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/26(土) 22:17:15.56 ID:5H+gcdb6o
>>65

お前みたいなヤツと相手する為に決まってんだろ
調度良い当て付けさ、下手な理由よりはお好みだと思うけど?

【どうやらエルフェスという人物は自分を道具の類に近しいモノとして見ているようで】
【言葉からそれを僅かであるが察する事が出来るだろう】

(避けるか……少し足りない、けどまず1つか……)

【仕留めるつもりの連撃を完全とは言わないまでも避けるだけの技量】
【目を細め相手に対する認識を改める、手強い相手であると】

【太ももを掠るにとどまったナイフは人質の近くの地面へと突き刺さる】
【悟られないように目の端でそれを捉え心の中で頷く、結界の起点が1つ出来た……と】

こっちも分かった……ち、邪魔な!!

【地面から湧く「黒い腕」こちらの機動力を邪魔と見たか】
【理にかなった動きであるからこそエルフェスにとっては厄介であった】
【腕の内1本を短刀で切り裂きそのままの流れで風呂降ろされるパタを短刀の腹で受け流す】

(鬱陶しい……っ!)

【目の前の脅威を捌く為にパタを短刀で受け止めそして後退しようとするが】
【1つ残った「黒い腕」が右足に絡みつき動きが鈍くなる】

【相手のパタは両手にある】
【この状況相手は好機と思うだろうだからこそ「黒い腕」だけを対処する訳にもいかない】
【短刀の結合を解除し、最小構成単位のナイフへと戻し両手に構え備える】
【つまり腕を切り裂く機会を伺いつつ相手の攻撃に備えるのだった】
71 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/26(土) 22:22:09.52 ID:1t6BjOdbo
>>67

【結果は上々、敵を一時なりとも退けられたとなれば、突入以外に選択肢は無い】
【第二陣がいつ来るとも限らない、何より迅速な行動が人質の命を救うことに変わりはなくて】
【ジャンクちゃんに目配せをひとつすれば、壊れた車両の側面から列車内へと乗り込み】

>>63 >>69

【後方に人がいない事に一瞬戸惑ったが、内部に先導する人間がいたのならば有りうる事だと】
【その人間が敵か味方かはさておいて、住を構えつ慎重に先頭車両の方へと進んでいき】
【そして視界に捉えたのは先頭に的確に集められた人質達、そしてそれを束ねているらしき少女二人】

……おい、あんたら
敵側じゃあねぇよな……嗚呼安心しろ、俺もこんなナリだが味方さ

【まあ一見すれば、明らかに、ヤのつく方のようにしか見えないこの男】
【信用できるかは相手次第とも言えるだろう、けれどその眼は酷く真摯な色を載せていて】

UNITED TRIGGERの者だ、悦那と言う
この電車を動かすって話が聞こえたが、手はあるのか?
俺の能力なら、出来ないこともないが……

【幾らか彼女らの話を聞いていたのだろう、怪我人等に目を配りつつ、そう声を掛けた】
72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/26(土) 22:26:49.30 ID:ERQIjs8Oo
>>69

【感想を漏らす貴女、なるほど頭の回転も速く、力もあるのだろう】
【出現した貴女のマインド=\―――彼女の表情がキラキラと輝いた】
【まるで甘いものを目の前にした女の子のそれ、興味の色が強く美しく瞬いた】


わーっ!なんですかっ!それっ!ひょっとして能力だったりするんですかーっ
とってもカッコよくって、凄いですよぅ!ビックリしちゃいましたっ!
実わですねー私も能力を――――……ぁっ

ふふ、ふふふ――――いーこと思いついちゃいましたよぅ!人質みんなで脱出できるいーことおっ!
良かったら一口、噛んじゃってくれません?


【両手を合わせてほっぺたの直ぐ側まで持ってきて、片足をあげたり……】
【表情豊かと言うか、オーバーリアクションと言うか、彼女の細長い全身が躍動する】
【刻まれる幾重もの色合い、そして染められる彼女の色はどれもどれも瑞々しくて明るい色】

【ふふふと表情を綻ばせて、嬉しさと楽しさを表現するのは彼女だけの特権】
【見たところ16歳程度なのではあるが、身に纏う雰囲気はもう少し幼げなよう】
【160cm程度の身長が、そんなにはないと思わせるぐらいに――――】


Lovers Requiem
――――おいでNight Bird Flying


【瞬く淡い光、かすかな音を立ててはじけると、彼女の背中に大きな黒い翼が生えて】
【彼女が右手を一振りすると、黒い翼が消えて、彼女の手元へと出現するだろう】
【もう一度右手を振ると、翼は大量の黒い羽の束となって、ふわふわと空中に浮いた】


聖遺物=\―――Night Bird Flying≠見ての通り、たくさんの黒い羽です
物体の上においたら、いーっきに成長して翼になっておっきく羽ばたいちゃってくれるんですよー
これを車両の一番上から一番後ろまで、設置したら、列車を飛行≠ウせること、できちゃうと思いません?


【恐らくは彼女の能力なのであろうか、そんな事をひとしきり説明して】
【指先でくるくる、とNight Bird Flying≠揺らめかして、ふふ、と表情をほころばせる】
【――――彼女は暗に示している、誰がNight Bird Flying≠設置するのか、を】

【列車内から出て、気づかれないように、設置する――――その役目を】
73 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/01/26(土) 22:28:26.10 ID:UT5NQMn4o
>>68

【接近には成功、相手を驚かせることにも成功したようだ】
【しかし放った拳はかすっただけにとどまった】

(あわよくばこの一撃から攻撃を繋げて決めてしまおうと思っていたが……こうなると、この距離はまずいな)

【ライラの予想も当たっている。カニバディールの戦法は、あまり距離を取って戦えるものではない】
【肉体を伸ばせば、中距離程度には対応できるが、遠距離を得意とする相手に、距離を取られすぎては分が悪い】
【そう判断して、接近戦を挑んだわけだが、それが裏目に出てしまったようだ】


ふむ、ならお手並み拝見といこうか……む、なんだこれは?

【突然出現した不定形の球体、その異様さに一瞬呑まれてしまった。この距離においては、その瞬間はあまりに大きい】
【球体は地面に着弾、はじけ飛ぶ。カニバディールの図体では、飛び散る熱湯をよけることなどできなかった】


ぬぐっ!? また火傷か……

【カニバディールは、とっさに左腕をかかげるも、体の大部分に熱湯を浴びる。特に直撃を食らった左腕は、表面の広範囲に火傷を負う】


さっきは火球で、今度は液体か! 芸達者なことだな!
もっと見せてくれ、今度はもう少し離れてな!

【熱湯を振り払うように左腕を振るうと】
【正面のライラに向けて、両腕が膨れ、伸びる】
【太い肉の腕による突き飛ばし。今度は中距離の戦闘に持ち込むつもりか】
【突き飛ばしの成功、失敗にかかわらず、カニバディールは後ろに飛び、ライラから中距離程度離れた位置に陣取ろうとするだろう】
【せっかく詰めた距離を再び開ける行為……愚策ともとれるかもしれないが、この行動はライラの目にはどう映るだろうか?】
74 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/26(土) 22:28:58.69 ID:UmcCJSuy0
>>70

それがお前の生きる意味かい……ぃ!
その為に、死地にすら足を踏み入れる…………素晴らしいね、ぇ!

【それを聞きたかった――――本懐を果たして、鎖の青年は歪んだ笑みを浮かべる】
【やはり、わざわざ人質まで用意してこの場に来たのは正解だったようだ。ほんの気まぐれに近かったが、結果は上々である】

(さぁ、あのナイフは……念動でも使って、手元に引き戻す事が出来るのかな……ぁ?
アレを再利用できるかどうかで、大分変わってくるからね……ぇ)

【もう一度、チラリと視線を飛ばす。今度は地面に突き刺さったナイフである】
【白髪の青年の戦い方が、このナイフの質量を変じさせてのものである以上、ナイフは大事な攻撃手段のはずである】
【なら、手元から離れた状態をいつまでも維持しておくはずもないと、鎖の青年は考えた。そうでなければ、投擲の度に弱体化してしまう】
【何らかの形で、それを補う方法はあるはずだと、鎖の青年は考えて】

掛かったねぇッ!
(ここで必殺の一撃……いや、それは甘いね、ぇ……こいつも、それを待ってるはず……なら、ぁ!)

【腕が1本、白髪の青年の足を捉えた。相手の動きを制限する、チャンスの到来である】
【ここで一気に攻め立てるのが、定石と言うものなのだろうが――――鎖の青年は、己の有利を声高に叫びながらも、飛びかかろうとはしなかった】
【――――相手も、相応に腕の立つ人物なのだ。恐らく、そんな形でうかつに近寄れば、しっぺ返しを食らう事になる】
【ペースを掴むチャンスを得ても、堅実な攻めの姿勢は崩さない。必殺技は、確実に決められる状況で使ってこその「『必殺』技」なのだから】

【――――青年は、左手のパタを突如として投擲する。そのグリップの部分には、腰のチェーンが繋がっており】
【投げた方向は明後日の方向だったのだが、それが空中に現われた闇の穴に吸い込まれて】
【――――同時に、白髪の青年の右斜め前方――――2時の方角に、同じ様な穴が出現し、そこから投擲されたパタが飛来する】
【どうやら、空間を繋げて変則的な投擲攻撃を仕掛けたと言う事らしい。鎖によって、そのまま回収する事も出来るのだろう】
【黒光りする刃が、白髪の青年を貫こうと真っすぐに飛びかかる】
75 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/26(土) 22:29:39.79 ID:V7GMjuBao
>>67>>71


(――意志がある?自動操縦型の能力デスヨー?
この手の能力は、基本敵に本体との意思疎通は行われず、好き勝手かつパワフルに暴れる物デスヨー
手元には特に通信用の品は持っていない、本体には情報は行き届かないはず…)

【視界を塞いだ鳥が、一瞬早く逃れようとしたものの、体の下半分に冷気が命中、がくがく、と揺れ始める】
【だが効果はあった、一瞬の隙をついた事で分身にコンクリート片を受けたことで消滅……一度の攻撃で消えるタイプ、あくまで警戒のための能力だったのか?】
【よろよろとその場を離脱していく鳥を見送りながら、悦那に微笑みかけて】


助かりましたデスヨー、悦那さん
なんだかんだで能力は使いよう、危機的状況の内容によっては
機転で自分の手札はどうにでも扱える、というのがよくわかるのデスヨー

【さあ、進入しましょう!と悦那に合図を送り、列車内に入り始める】


>>54>>60>>63>>69>>71
【入るとほぼ同時、耳に搭載された『センシティブイアー』が二人の会話を聞き取る】
【今なんと言った?前方車両に人を集め、横転した列車をこれから動かす?】

【――小柄な少女はまず流石にあたふたと動揺したものの、冷静にこれからどうするかを考え始める】


―――あ、貴女方……っ!!どこのどなたか知りませんがとんでもない事を考えるのデスヨー……!
ですが……もしかすると本当に何かこれを動かす算段がついている、とでも言うのデスヨー?


【――外から一部始終を一応耳にしていたジャンクちゃんは、何か策があるとみなすや、とりあえず冷静さを取り戻すと】


悦那さん!現在人質の方は前方車両に移動中デスヨー!これより誘導の手助けを開始いたします!
"W-Phone"に駅付近の『タフガイ』達との合流ポイントを送りました!……中の方々とこれより連携を行います!

合流ポイントへ通達!
"バッテン"さん!"ポマード"さん!移動準備!――――これより、列車を再稼働いたします!
規模が予定より大きくはありますが……ルートは予定通りデスヨー!依然変わりなく予定通り皆さんの誘導先に先回りを!

"――――ハァ!?列車をですか!?"


ええ、列車をデスヨー……なにか策がある、と考えてもいいみたいなのデスヨー


【悦那の端末に表示されるのは周辺の地図、その駅付近にいる『タフガイ』たちの待機するポイントだ】

【中の人間の中にはどうも自分たちが思っていた以上にタフな者たちが混じっていたようだ】
【どうもこの二人にはこの列車を動かす手段があるらしい……使える物はなんでも使い、より救出の確率を上げるよう考えるべきだと判断】
【"W-Phone"を起動して、悦那、そして待機中の『タフガイ』に連絡、この場の全員の動きをなんとか統率できるよう行動を開始する】
76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/26(土) 22:31:57.93 ID:TnDLocN10
>>59

(…………くっ!)

……貴方が“バッファ様”?名前通りの巨体みたいね……。

 【突如突き立った斧。そして現れる新たな“敵”。】
【振り向いた剣士の瞳には、凄まじい巨体が映り込んだ。直後、放たれる斧ふたつ――――】

【タン、と横向きに一歩大きく位置をずらして、それらを回避しながら剣士は想う。】

(……拙い、機関員たちの位置が読めない。このまま戦い続ければ―――――……っ)

【……車内の人質は鏖(みなごろ) されるのだろう。何の躊躇いもなく、確実に。】
【その推測が奥歯を軋らせる。何か、手はないものかと巡る思索に――――】

 (…………!……これなら……!)

    【……浮かぶ決断に、剣士は身を委ねる。】

   【屋根に浅く鋩を衝き刺した。ヒュン、と風切る音を伴い疾走―――――
    そのまま反対側まで駆け抜ける。金属音を立てながら、列車の屋根は真っ二つに口を空けて……、】

【車内は悲鳴に満ちるだろうか。機関員と“人質”の乗客、その両方の叫び声に。】


【声と、足音――――彼女が手掛かりにしようとするのはそれだ。】
 
 【初撃で“ある程度”以上の恐怖心を、機関員の男たちには刻み込めたのだろう。
  加えて武装もしているとなれば、足運びに変化も生じる筈で――― そこで乗客たちとは区別がつく。】

【そこまで上手く行ったとしても、
 “それ以降”の彼らの足取りを彼女が聞き逃せば、総ては元の木阿弥だ。
 ……それでも。上手く 「聞き分けた」/「区別した」機関員二人を斬り裂ければ、人質たちは解放される……。】

【……そして、最後に眼前のこの男を。彼女が、斬り捨てればそれで済む筈だ。】

(………総てやり通すしかない、か。
 けれど誰も零さないというのなら―――――――……この程度は窮地ですらないでしょう……!)

   【そう決断して剣士は跳躍、ふわりと降下―――― 一度は開いた距離をまた詰める。】
【向かい合う両者の距離は5メートル。そして刺突の形に構えを取れば/鋩を男に向けると同時に、カチリ、と刃が音を立てる。】

……“機関を舐めるとどうなるか”。
私は想像力がなくて、今一つ想像できないけれど――――― ……それは貴方が教えてくれるのでしょう?

………やってみせてよ、“肉牛様”―――――……ただの道化でないというなら!

【宣戦布告の声は鋭く、戦意滾らす微笑と共に、剣士は、男へと一歩踏み込むだろう。
 けれどそれは“反撃”を想定したもの。人質が未だ彼らの手にある以上、迂闊な攻撃は禁物となる。】
【それゆえ彼女は斬り込めず、バッファは彼女への攻撃を放てる筈で―――――】
77 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/26(土) 22:38:21.03 ID:ERQIjs8Oo
>>71>>75

【いきなり聞こえた声に彼女はビックリした、わわっと大きなリアクションをとって】
【腰を抜かせて、ぱたんと列車の床に座り込むと、いてて、と小さく声を漏らした】
【鼻の頭の上に落ちる黒い羽――――Night Bird Flying≠フ破片が謡ったのだろう】


わーっ……ビックリしましたよぅ、てーっきり今までのお話全部聞かれちゃって
私とあの子みたいな首謀者わぁ、ひん剥かれてっ!えいっ!えいっ!って!なるかとぅ
辞世の句もぅ季語何にしようかなーなんて考えちゃったりしてたんですよぅ

UNITED TRIGGER……?あっ聞いたコトありますよっ!何やってるかわ知らなかったんですけどぅ……


【そう言って座り込んだままぱちぱちと両手を叩くだろう、表情にハッキリとした笑みを浮かべて】
【貴方へと華奢な微笑を浮かべると零れる、ピンク色の髪の毛の残照、透かした香りの中に色が溶けた】
【やがてその檸檬色の瞳は、その奥のもう一つの影へと零れた】

【ぱぁと輝く彼女の表情、それはまるで掘り出し物を見つけた女の子の色】
【きゃーかわいい!こっちきてっ!こっちぃ!ときゃぴきゃぴと声を上げながらジャンクちゃんを呼んで】
【はっ、と我に返って、今の状況を省みるだろう、丁度役者が揃ったのだから】


えーっと、私の案わ>>72でゆった通りですNight Bird Flying≠フ力で、この列車を飛ばし≠ワす
長い距離じゃなくてもぅ、直ぐ先の駅まで突っ込んじゃえば勝ちですからっ!
……んぅ、でも、お二人がいらっしゃるんでしたらぁ、どうでしょう、他の手段の方が良いのかなぁ……?


【折りたたまれた細い両足、着物から零れたら、その脚はまるで氷のように小さくて】
【今にも溶けそうな肌の下、少し触れたら砕けてしまいそうな硝子細工みたいに】
【あなた方へと溶ける言葉の残香に、考えたような跡が残った】

【心配そうに、不安そうに首を傾げると、急に自信がなくなってきたみたい】
【なにやら他の算段がついている、ならそれに合わせるのが良いかもしれない】
【――――結局、彼女みたいな一般人の意見より、尊重されるべきものがあるのだから】
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟・東北) [sage]:2013/01/26(土) 22:38:22.10 ID:yeiVoY8AO
/>>59
【そう決断して剣士は跳躍 …

【そう決断して剣士は駆け抜けた先から跳躍、男に接近しながらふわりと降下 …

【 けれどそれは”反撃”を

【 けれどそれは男による”迎撃”を

…に、>>76のそれぞれを補完お願いします。携帯から。
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [saga]:2013/01/26(土) 22:39:49.69 ID:isdALsQAO
【街からさほど離れていない公園の、その一角に設置されたベンチに腰掛ける人影がひとつ】
【彼女は、右目の下にある、涙の跡を辿るような縦に並んだ三つの泣きぼくろが特徴的だった】

……もー、全然上手くいかない!

【腰までの長さの茶髪を一本の三ツ編みに纏めた、あどけない顔立ちに精悍さを帯びる青い瞳の少女】
【ハンチング帽を斜めに被り、黒縁の伊達眼鏡を掛けて、両手にはフィンガーレスタイプの手袋を填め】
【ネルシャツにオーバーオール、ロングカーディガンを重ねて着るなど、活動的な恰好をしている】
【ショルダーポーチを携え、小洒落た靴を履く姿は、何となく“今時の若者”を装っているようにも見えた】

【少女の左手で握るような持ち方をされているのは、精巧なデザインの施された万年筆だ】
【膝の上には何頁も破り捨てられたノートが一冊、周囲には汚く丸めた紙切れの山がある】
【何かを書いているのだろうか、再び筆を走らせればまた破り、丸めては投げを繰り返す】

…………スランプ、最悪!

【やがてまたひとつ悪態を吐けば、破ったページを丸め、遠くの方へと力一杯投げ捨てた】
【オーバースロー。紙切れは緩やかな放物線を描きながら、真っ直ぐ宙を飛ぶ――】
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/26(土) 22:43:05.42 ID:OngVxetHo
>>67

人質を助けに行った仲間が居る……わかった、やってやるよ!

【無理に自分まで行って、セリーナ一人に奴を相手させるわけにはいかないと思い】
【金色の8つの眼は、"P/R"を睨み輝く】

おお……中々良い鎧だね、僕も負けてられないなー

【電気の球が避けられたが、これは想定内のこと――】
【彼の目的は、相手の動きを阻害しセリーナの支援をすることだ】
【――"速攻性"と、"遅効性"を兼ね備えたこの姿で!】

――はッ!

【これは跳躍――いや、浮翌遊かッ!】
【なるほど、回避と同時に次の攻撃へ繋げている――当たればただでは済まなそうだ】
【しかし、……落下の後の隙を狙えれば……!】

【彼は尻から、電気を帯びた蜘蛛の糸――直径約1cmのそれを後方へ吐くと、その先端を3m離れた地面へとくっつけて】
【それを辿る形で、素早いバックジャンプッ!】 【そのジャンプをもって、落下を回避すると】

――[エレクトリック・ウェブ]ッ! 少しおとなしくしていてもらうよッ!

【先ほど吐いた糸を地面から離し、そのまま落下した相手へと、縄のようにして飛ばす】
【そして、その糸は"P/R"を絡め捕らえようと、胴体めがけてうねりながら飛ぶ】 【この糸は、千切れない程、強靭ではない】
【その糸は、蜘蛛の糸らしく粘性を持つ他、弱い電気を帯びていて――物理と電気の両方による動きの妨害を図っている】

【回避の有無に関わらず、その糸は10m程吐かれるだろう】
81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/26(土) 22:44:22.59 ID:OngVxetHo
/>>80
/追記:遅れましたすみません
82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/26(土) 22:48:28.71 ID:5H+gcdb6o
>>74

素晴らしいも何もない、ただの当たり前だ……
(地面に1本、所持してるのは8本……気取られてはいるか……?)

【やるべきことがあるならばそれをするだけ】
【自分の出来る事をするだけ、耳障り良く言うならばそういう事なのだろう】
【無論彼とて生きているからには様々想いがあるのだが、戦いの中でそれは不要だ】

――――――――…………っ

【早撃ちのガンマンのような心情で敵の動きを待つ】
【切先は動かないまま全神経を相手の動作へと傾ける】

【投擲されるパタ、その方向は見当違いのもの】
【しかしだからといって攻撃がこちらに来ないとは限らない】
【というよりその可能性はゼロだろう相手とて無意味に得物を手放しはしない】

そこか……っ!

【突如現れた黒い淀み、そこから穿たれるのは件のパタ】
【中距離と思わせてからの近距離、必然対応が遅れる】
【右手のナイフで軌道を逸らすも首筋を僅かに裂かれ血を零す、もう少し深ければ危うかった】

(……アレを利用しない手はないか、試す価値ならあるっ!)

【やられてばかりではいられない、ただ攻撃を受ける為にここにいるのではない】
【相手の用いた黒い空間へと左手のナイフを投擲、逆に利用しようと考えたのだろう】
【まだ穴同士が繋がっていてかつシャッテン以外の者も使えるならば今度はシャッテンへとナイフが投擲される】

【同時に右手のナイフで絡まっていた「黒い腕」を切り裂いて拘束を解く】
【そうして更にそのナイフをシャッテンの左胸部へと投擲する】

【一方で再度ナイフをリロードし3つ分を組合あわせ「刀」と変えシャッテンへと接近を試みるだろう】
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/26(土) 22:49:08.21 ID:5nGZvSRe0
>>71

【二人で作戦を話し合っている時、不意に掛けられた男の声】

UNITED TRIGGER――――正義組織の方ですね
では一応、意見も聴かせてもらえますか?

【敵の可能性もある、万が一の時は――と、横に居た少女を隠す形で前に立ち】
【油断ならないが丁寧な物腰で応答する】

>>72

さて、俺の能力なら、と彼は一言っていますが――――っと、

わぁ、凄い数…――これを、屋根へ――――?
厳しいこと仰いますね――…たしかに車体を起こすのには役立ちそうですが…

【突如現れた闖入者への警戒はさておいて、話の続きをと振り向いくと】
【二人の周囲には多数に羽が舞い散っていて】
【分かり易い糸を含んだ微笑みに、眉をあげて苦笑で返す】

まあ試しにやってみますか、面白そうです
くっ付けるだけで良いなら、外へ出なくとも果たせそうですよ。

【そういうと金属の腕が羽根を数枚掴んで掻き消え、一瞬の後に車体の外、屋根の側へ再び現れる】
【マインド自体の射程距離――つまり本体から離れられるのは約2m、つまり離れすぎなければどこにでも出現可能なのだと】
【簡単に示しながら、車内の屋根裏周辺を軽く歩き回って、羽を左右に6枚ずつ、合計12枚、手早くくっ付けていくだろう】
84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/26(土) 22:52:24.73 ID:05uJp3QFo
>>73
ヘッ! 熱湯の水浴びの味はどうだ?

【目論見は成功したようで。調子の乗りすぎに自分で注意しつつも、そんな軽い台詞を相手に吐く】
【実際当たるとは思ってはいなかったが、無論当たったほうが良いのは事実。火傷は地味ながらもダメージを与える】

―――ぐおっ!? ……そんならお望み通りに――――!!

【先ほどまでは相手の加減も有ったのかかすり傷程度で済んでいるライラだが、突如伸びた腕には反応し切れなかったようで】
【真後ろへと突き飛ばされ、ゴロゴロと転がりながらも立ち上がり、相手を注視した】

(―――何考えてやがる……)

【相手の言葉に乗るように腕を上げ、魔法を発動しようとするライラだったがその動きが一旦ストップする】
【――今まで近距離主体だと思っていたカニバディール。そして自分は遠距離がメイン。普通ならば、ラッシュをかけてきてもいいはず】
【だが、わざわざ距離を開ける理由はなんだ? ―――考えるも、答えは出ない】
【そして、今は唯の戦闘ではない。列車に乗った人質がいることをしっかりと考えていたライラは、時間をあまり掛けられないことを思う】

(チッ……訳わかんねーが……乗ってやるぜ!!)

『 F 1 S 1 ! !   F i r e   S t o r m ! !』 

【一度止まった手を再び動かし、相手に向けて呪文を詠唱。最初と同じ様に火球が現れる】
【また突進していくのかと思いきや、逆巻く風が突如ライラの周りを吹き始め、火球が風に取り込まれる―――そのまま、火を纏った風は相手へと向かっていく】

【その風は、多く当たれば先ほどと同じく火傷を肌に負わせ、既に喰らっている所へと当たれば最悪その火傷が深くなる可能性も有る】
【しかし風は火を纏っているために相手からでもよく見えるだろう。速度も速くない】
85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/26(土) 22:58:00.60 ID:1t6BjOdbo
>>75 >>77 >>83

【端末に表示された周辺の地図、その駅付近にいる『タフガイ』とやらの待機するポイント】
【そして少女の能力Night Bird Flying≠フ概要を聞いて、成程、と首肯をひとつ】

飛ばせるならそれに越したことは無いが、駅まではそれなりに距離がある
そこまであんた(>>77)一人の能力で動かすとなると、負担もデカいだろう?
あんたがこの電車を綺麗に浮上させ、そして俺が向かう方向を支配する
……これなら、少しは負担も分散されるだろ

んでジャンクちゃんは、『タフガイ』とやらに指示を頼む
出来うる限りの救援準備だ、怪我人もそれなりにいるし
駅の周りがごちゃごちゃしてたら、列車も上手く乗入れられない

あとはそっちの寝癖の姉ちゃん(>>83)、あんたの力も必要不可だ
俺の意見は上で言った通り、だが列車を飛ばすとなると大きな的になるのは間違い無い
列車自体の「警護」を、あんたの能力で上手く賄って貰いたい

肝心な「羽」の取り付けは……おお、作業が早いな、有難う
その能力なら、警備もやれそうだが、頼めるか

【矢継ぎ早に出る指示、それは場を瞬時に判断しそれぞれの役割を彼なりに見出したものだが】
【全て言い終えてから顎に手を当て首を傾げ、少しの沈黙の後に】

…………何だ、悪いな
昔の癖でつい、取り仕切ろうとしちまう
提案があれば言ってくれ、何も全て俺に従うことはない、そんな柄でもないしな

【取り繕うようにそんな言葉を添え。あくまで皆が主体で自分はサポートだと、そう告げる】
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/26(土) 23:01:08.74 ID:aS98x2VDO
>>76
【車内にいた機関員は一人、たった今入った者を含め二人】
【それ以上に人質はいるのだが…武装した機関員相手には何もできはしない】
【上になった窓から外の様子を見ていた機関員達は、示し合わせて頷きを返す】
【『この中の人質を使えばあの女に一泡吹かせられる』―――すぐさま行動に移そうとした】

…ほーう?

「―――な…なにいいいいぃぃ!!?」

【その瞬間、いとも簡単に切り裂かれた天井、口を開けた車両と同じく、内部にいた者達も開いた口が塞がらない】
【すぐさま天井に銃を構える機関員二人と、悲鳴を上げる人質達】
【武装している人間が機関員…見分けは簡単につくだろう】

中々愉快な事やるじゃねえか!えぇ!?
だがな…そんなチンケな刀が俺様に刺さるとでも思ってんのか!?爪楊枝にもなりゃしねぇよ!!

【目の前に八攫が着地したのを見て、声を大きく響かせながら、バッファは背中の槍を取る】
【彼の体型のせいでわかりにくいが、かなり大きめで、しかも重い】
【牛頭を模する部分から、二股の穂先となった二本の角が伸びた形状だ】

バッファファファ!!この猛槍サーロイン≠ノかかって生きていた奴ぁそんなにいねぇ!!
ぐちゃぐちゃのミンチにしてハンバーグにしてやるぜ!!

【一歩前進した八攫に向け、ドスドスと大股で数歩接近すると、少し離れた距離から両手で槍を突き出して攻撃する】
【しかし、この攻撃は囮に過ぎない、突きが回避されれば、かわした方向に向けてそのまま槍を振るうだろう】
【この槍の穂先は側面に刃が着いた形状ではない、しかし非常に重い先端は、鈍器とした使い方も出来るのだ】
87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/26(土) 23:02:44.31 ID:UmcCJSuy0
>>82

ハッ…………その当たり前が出来ないクズの、なんと多い事か分かるかい、ぃ!?
死地に赴けと言ってるんじゃない……命の賭け方、使い道……それすら分からずに漫然と生きてる……そんなクズが、ぁ!

【当たり前――――鎖の青年は、決してそうは思わない】
【蒙昧に、なんとなく、意味も無く生きてる人間が、この世界には溢れている】
【それらに比して、白髪の青年が当たり前の事をしているとは、到底思えないのだ】

……っ、反応するとは、やるね……ぇ!

【首を捉えたのは、鎖の青年にも分かる。だが、その当たりは浅い。戦闘不能とは行かないだろう】
【攪乱されずに正確に状況へと対応する――――分かってはいたのだが、この白髪の青年、強かった】

けどそれなら、素直になった方が良かったな、ぁ……ッ!

【闇の穴に投げ返されるナイフ。だが、鎖で繋がっている事があってか、青年もその穴には注意を注いでいたのだろう】
【投げつけられたナイフを、右手のパタを用いて弾き飛ばす。同時に、左手にパタを引き戻して、再装着】
【――――だが、一連の動作によって、更に投げつけられたナイフへの対応は遅れた】

――――――――ッ、『シャドウスパイク』!

【それでも――――腕が使えなくとも、鎖の青年には戦い様があった】
【鎖の青年の足元に闇が広がると、そこから、円錐状の巨大な突起が突き出て、胸部を狙って飛来するナイフを、下から弾き飛ばす】
【あらぬ方向に弾かれたナイフは、カラカラと地面に転がった】

(さあ…………キャプチャーの拘束は外れた…………ここからだね……ぇ!)

【手にした優位は、微かな傷を相手の首筋に与えただけで潰えた】
【だが、これで条件は五分と五分――――否、相手のナイフを無駄に消耗させた事で、多少は流れが向いてくるだろう】
【ならば、次に行う手は、相手の不利を誘うのではなく、自らの優位を引き寄せる事――――】
【――――鎖の青年の足元から、黒い闇が地面を伝い、その場に流出して広がっていく】
【恐らくは、自らに有利な条件を作るべく、地固めに入ったのだろう】
【同時に、手にはめ直したパタをもう一度構えて、白髪の青年の次なる一手を待つ】
88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res saga]:2013/01/26(土) 23:10:32.71 ID:AoJmmtnL0
>>71>>75>>80

『――どうやら、分身が戻ってこないのは――』
『やられた、か。いや――動きがあるとみて間違いない。』

【P/Rはフフフ、と余裕を見せる。】
【再び能力を発動し、彼らが見出した希望を削ぐために行動に移る――!】

『ソウルレス』

【呟けば、彼の「影」が小さく動いた――そのまま影はまるで意識を持っているかのように移動し始める】
【分身と違い小さな変化――見逃す事も相当難しいであろう些細な事象】
【彼はその影を巧みに操り、列車へともぐりこませてしまう――】

>>ユウト

「――うん、こっちはアイツを釘付けにしないといけないんだッ!」
「最終的にはユウトにも救出手伝ってもらう事になるけど――今はただ、アイツをブッ倒すことだけ考えて!!」

【この男の動きを阻害し、意識を逸らさせる事こそが人質救出に繋がる――重要な役割。】
【拮抗するセリーナ・ユウトとP/Rの力がぶつかり合うッ!】

『回避は得意か、蜘蛛らしい良い動きだ――小僧、楽しませてくれよッ!!』

【地面に、衝突した衝撃波が広がる――P/Rが着地した地面は半径1mほどのクレーター状の凹みが出来ている――】
【攻撃・防御・回避――全てを兼ね備えた、間違いない。―――強力な能力者だ。】
【鋭い眼光は蜘蛛となったユウトの動きを追っていた――エレクトリック・ウェブが放たれるのを目視するも】
【着地の衝撃と能力解除のタイミングで動けないのだろう、糸は男の身体に絡まった――同時に、麻痺が襲い来る。】

『――電撃か、忌々しいッ!』

『ブラック・エッジ』
【糸を断ち切ろうと、再び髪の毛は鋭利な刃物へと姿を変える。】
【縦横無尽に振り回され、蜘蛛の糸を切り裂くべく暴れまわる――!が、その時】
【男の身体が麻痺した一瞬の隙に、セリーナの銃弾がP/Rの肩口を確かに、貫くッ!!】
【"弾"末魔から放たれた紫の魔力弾が殺到し、P/Rの身体から血が飛び散るが――】

『――女、やりおる・・・ッ』

『ミスターフリーズ』

【放たれたのは冷気――ブラックエッジでの斬撃はセリーナのアーマーに効かないと判断したのだろう】
【冷気を孕んだ吐息が凄まじい勢いで口から放たれ、セリーナはそれを浴びてしまう――】

「――っと、わわわっ!?うごけな・・・ううっ!」


>>悦那、ジャンクちゃん、>>69>>63のティナ・チェカ

【気がついただろうか、電車内に"違和感"が潜入したのを。】

【その正体はP/Rの操る「影」の能力――自身の影を操り、電車内で不穏な動きを見せる者達を排除しようという判断】

【影は潜入に成功した悦那、ジャンクちゃん、そして列車を動かそうという動きをみせるティナ・チェカの両名に襲い掛かる!!】

『ゲェェェェハハハハハハハハアッハハッァッ!!』

【――影が吠えた。列車内に進入した影は唐突に"人間の姿"へ立体化し、四人めがけ飛び掛る】
【その手には鋭利な爪が生え、牙は獰猛にガチガチと音を立てる――野獣のようだ】
89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/26(土) 23:10:40.49 ID:V7GMjuBao
>>77>>83>>85

【突如、妙なテンションで呼ばれ、なんだか怯え気味に近づいてくる】
【なんだこの人質は……強かと言うか、怖いもの知らずというか……?】


――は、はい!?何か御用デスヨー?

(この着物の方テンション高い方デスヨー……でも、この方にはこの列車をまるごと飛ばす力があると言うのデスヨー?
一件そんなとんでもない力を秘めている方がいるなんて……!もしそれが本当なら……!)

その、Night Bird Flying≠使えばある程度はこの列車丸ごと飛ばせるのデスヨー?
ならばこの列車から200人近くをいちいち外に出すことなく、列車ごと誘導できると考えれば
むしろ予定よりはるかにいい結果になると思うのデスヨー!


【そして少し不安だった少女への負担だったが、自分が出ずともすでに悦那が解決法を考えていた】


なるほど、悦那さんが力のバランスを綺麗に整頓する事である程度は確実にいけるのデスヨー?
羽自体はこちらのショートカットの方がくっつける事が可能なのデスヨー?ではお任せいたします
では悦那さん、さらに負担を軽減させる手段を提示いたします、それまでお二方が飛ばしてほしいのデスヨー


【再び、手元の"W-Phone"を使用して『タフガイ』と連絡を開始する】
【悦那やショートカットの少女と連携し、着物の少女の能力を使って飛ばす方針で行けるようだ】


"バッテン"さん!"ポマード"さん!聞いての通りデスヨー!今すぐに"リングホルン-V"を発進させてください!
こちらも空中へと発進して、同時に空中で合流――列車をリングホルンの上に乗せてそのまま安全な場所まで運ぶのデスヨー!

"しかし侍女長!リングホルンは中型輸送機です!人間だけならともかく列車まるごとを乗せるのは少し短すぎはしませんか!?"

――いいえ、すでに中の方々が第二車両まで全員を避難完了させてあります
ワタシが第二と第三の連結器を破壊して、先頭から第二車両までを飛ばして合流させれば問題はないのデスヨー
そうすれば悦那さんと着物の方が空中へ飛ばしている間、ショートの方とワタシが合流して列車の警護を重ねて担当いたしますデスヨー!


【彼女がタフガイたちに用意させていた『足』、名前は"リングホルン-V"と言う飛行機能のついた中型輸送機だそうだが】
【列車の戦闘から第二車両を空中に飛ばすと同時、同じく飛ばした空中のリングホルンに乗せる】
【後はリングホルンが列車ごと皆を安全地帯まで飛ばしてくれるのだそうだ】


――すでに誘導をしていただいたようで、本当にありがとうございましたデスヨー!この作戦ならばきっと助ける事が可能なのデスヨー!


【考えはまとまったと考えてよさそうだ、そして前方へすでにショートカットの少女が誘導してくれていたので迅速に動ける】
【まずはその事をショートカットと着物の少女に向けて、スカートを摘み礼儀正しくお辞儀をすることで感謝の気持ちを示す】
90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/01/26(土) 23:12:45.74 ID:UT5NQMn4o
>>84

ぐぐ……クク……いやいや、ちょうどいい湯加減だったよ

【突き飛ばしは成功。熱湯でのダメージから、とりあえずは体勢を整えなおす時間は得た】
【薄く笑いながらセリフを返すと、相手が攻撃を一時停止したことに気付く】

(さすがに、不自然に思われたか……まあいい、せっかく広い場所での戦闘なんだ、この戦法にはもってこいだろう)


【人質がいることの焦りからか、そのまま攻撃を仕掛けてくるライラを目の当たりにし、カニバディールはほくそ笑んだ】
【これなら、自身のもう一つの能力を行使できる】

なぜ、わざわざ距離を取ったのか、不思議かね? ――近距離では、こいつを存分に展開できないからだよ

【カニバディールの両腕が、またも膨れ上がり……いやそれだけではない。伸びた腕が、「枝分かれ」した】
【植物の枝のように、膨れ上がった両腕が裂け、そのまま前方に、二人の間の空間へと伸びて】
【カニバディールの両腕は、四本の腕に――いや、肉塊になった】
【今までの膨張よりも大きく、より歪に。もはやそれは、腕には見えない】
【強いて例えるなら、幼い子供が気持ちのおもむくままにこねまわした、粘土細工のようだ】
【肉体の増殖――これがカニバディールのもう一つの能力だった】
【そのうち、二本の肉塊がクロスされ、ライラの放った炎をまとう風からカニバディールの肉体を防御した】


ぬぐうっ!! まったく、私もよくよく火傷に縁があるな……

【どうにか風を防ぎきるも、二本の肉塊には火傷が刻まれる。最初に受けた火傷にもう一度食らうことは避けたようだが、浅いダメージではない】
【そして、次の瞬間。四本の肉塊にさらなる変化が訪れる】


さあ、お前の肉を味わわせてもらおうか

【ギチギチギチ、と何かが裂けていくような音と共に、四本の肉塊の先端に、口が出現した。牙の生えた口】
【増やせるのは、腕だけではなかったようだ】
【風を受けた二本の肉塊が、ライラに向かって振るわれる。牙をガチガチと打ち鳴らしながら】
【二本はライラの両脇から、彼の体を挟み込むように、接近していく】
【回避、迎撃、何らかの対策を取らなければ、肉塊に生えた口が、ライラの両腕に噛みつき攻撃を仕掛けてくるだろう】
91 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/26(土) 23:16:35.07 ID:ERQIjs8Oo
>>83>>85>>89

【彼女としては渡りに船、といったところであろう――――Night Bird Flying=z
【その作業を任せる相手は今のところ、相手の少女一人しかいなくて、それに頼り切る形であったから】
【だからこそ、現れたUNITED TRIGGERの二人はとても心強くて、それでいてハッキリとしていた】


わぁ!お仕事速いですねぇ、この様子だと意外と安全に終わっちゃいそうです
羽をつける数わこのペースで良いので、かたーっぱしからお願いしちゃっていいですかっ?
ふふ、ゆわずに察してくださって嬉しいですよぅ

……ホントわ、私がお手伝いできたら良いんですけどねっ、可憐な女の子に銃は似合わないんです
私なんかが戦場に出ちゃったら足手まといになるだけですから、こぅフィクサー?みたいな感じで満足ですしぃ


【マインドを活用し自身の仕事をこなしていく様子に感嘆の声を漏らして、ぱちぱち、と拍手した】
【演目を見る、幼い少女のよう、他人に依存する――――とは少々言いすぎかもしれないが、正しい表現だろう】
【着物から零れる華奢で小さな指先、きっと人を傷つけることも出来ない、弱々しいもの】

【力も無くて、速くも無くて、そんな彼女が、誰かを救えるのだったら】
【それはとても嬉しいこと、それはとても――――名誉なこと】
【尽くすには果てがあって、支えるには少し、彼女には重すぎた】

【ぴん、と彼女のデフォルメ狐耳がたった、悦那の声にひかれて、視線を傾けるだろう】
【檸檬色の瞳が説く貴方、説明は分かりやすくて、それでいてハッキリとしていた】
【ふむふむと口元に手を当てながら何度かうなずくと、肯定を示すだろう】


えへへー……お言葉の通りです、多分私一人だと途中で落ちてばたんきゅーですよぅ
上へ浮上させるぐらいでしたら、なんとかできるかもしれませんけどぅ、そこから先わギャンブルですね
まっ正直糸の上を渡る方が100倍簡単な程度の難易度ですしぃ、駄目で元々ってやつですよっ

――――でーもぅ、私一人じゃなくてぇ、ここには頼りになる方が三人もいらっしゃるんですもん
そんな人達がいらっしゃるんでしたらっもぅ怖いものなんて何もなしってゆぃますか
命の一つや二つぐらい賭けちゃっても、後悔ない面子じゃありません?


【てきぱきと指令を下す貴方に、ぱんと両手を合わせてすごーぃ!って言ってみたり】
【ほっぺたが緩んだら、少し幼く見える微笑が、ふんだんに使われて、甘い香りが周囲を満たす】
【やがて解けるソプラノ色の彼女の声、少し透き通った砂糖菓子みたいに】

【貴方を見つめる檸檬色の瞳が、強い彼女の意志を示すと、やがてその奥に万華鏡のような輝きが満ちた】


わーっ!!もぅすっごく可愛いじゃないですかーっ!
それでいて有能だなんて、もう一家に一台欠かせないですよぅ
えへへーなーんとか一段落って感じですねぇ、安心安心――――


【ぱん、と両手を合わせて、座り込んだままほくほくとした表情を浮かべた彼女】
【その視界の端に――――>>88の姿を捉えた】

【襲い掛かる影#゙女の胸が、とくんと高鳴った】
【彼女自体の戦闘力は皆無に等しい――――誰かの助けが無ければ、彼女はその身すら守れないだろう】
92 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/26(土) 23:20:13.86 ID:5H+gcdb6o
>>87

当たり前の出来ない人間の何が悪いってんだ
漫然と生きて何が悪い、それが一番幸せな人間だっているだろうよ。
赤の他人のお前が偉そうに――――――――

【パタによって弾かれたナイフ、円錐によって弾かれたナイフは地面に転がって暫くしてから霧散する】
【回収にはその距離が遠ければ遠いほど時間がかかる、シャッテンの狙いは凡そ果たされている】

(厄介だ……本当に厄介だ……)

【シャッテンの有する能力、どうやらそれを逆に利用するのは難しいか】
【付け焼き刃な考えではこちらが後手に回るだけだろう】
【その能力に慣れているのは間違いなく彼の方なのだから】

(―――――――場を広げるか……早いとこ結界だけでもやっちまったほうが良い)

【走る最中で左手の指の間にナイフを2本取り出す】
【これで場に出ている本数は合計で8本で、つまりまだ使用していないのはあと1つだけ】

悠長に準備だけしてていいのかよ!こっちは喉元をいつでも切り裂けるんだぜ!!

【闇を警戒してか広がる一歩手前で跳躍】
【そのままシャッテンの正中線を狙い頭から下腹部までを大振りも大振りで切り裂こうと試みる】

【だけどそれは霞であり騙し言葉は挑発、本来の目的は左手のナイフ2本】
【シャッテンを切り裂く手前でそれを人質の周りへと投擲し地面に突き刺そうとするだろう】
【刺さったならば先ほどの1本と合わせ3つ、それぞれは結ばれて人質を包み守る三点結界が生成される】
【物理魔術問わず内部の物を守る結界、それがエルフェスの目的だった】
93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/26(土) 23:26:00.74 ID:V7GMjuBao
>>88
【そんな中、皆の能力把握を行ってる途中、同時にジャンクちゃんは二人の能力を興味深く観察していた】
【やや小声でぽつり、とその二人の能力を吟味する】


……しかし、こちらの方の、マインド能力と言いましたか……具現化させての戦闘能力が
確かに備わっているのなら、頼もしく感じるのデスヨー
もう一人の、"聖遺物"、と言いましたか……少なくとも、列車丸ごとを浮かべる力を持っているのなら……

――この先、この方々と力を合わせることが出来れば……!"WILD"もきっとそれを望むはず……


【だが、脱出の計画を考え、す、とエプロンのポケットに手を伸ばすのもつかの間】
【彼女の鋭敏な全感覚器官が何らかの気配を感じ取る】
【――なんだこの『影』は!?やはりこちらが騒ぎ過ぎたか!?】


――気付かれましたッ!!迎撃しますッ!!って、ああッ!?


【ふとその眼に見えた、着物の少女>>91の危機】
【戦力としては、身を守るには足りないのか?いずれにせよ守りにいかなければ危ない!】

【バッ!と侍女は両腕を開き、少女と自分を襲う相手へと向き直る】
【同時、彼女が広げた左右の手、左手の手首がガチャン、と音を立てて5cmほど伸び、内側の機構をむき出しにする】
【広げたもう片方、右手はぐ、と固く拳を握り、手首を2cmほど引っ込め、カチリと音を立てて『待機状態』になる……】
【溜めの動作だ、これより右腕から、己の技能を放つための準備動作】

【右腕を引き、さらにもう一段階溜め、同時に―――突然少女の右手首がギュイイイイイン、と音を立てて回り始めるッ!】
【しかし間合いが遠すぎる……いやまさかこの動作、まさかこれはッ!】



……スクリュ―――――――ッ………!!


ロ ケ ッ ト  ッ!!    パァァァァァァァァァァァァンチッ!!!



【ドォンッ!!と音を立てて!】
【右腕のドリルのような高速回転を行うロケットパンチが二体の影の交差点目がけて放たれるッ!!】
94 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/26(土) 23:30:30.33 ID:05uJp3QFo
>>90
んなっ!? ……チクショウ、気持ち悪い変身しやがって……!

【風はガードされた。不自然に、無骨に伸びたもう2本の腕に】
【もう腕には見えない肉塊に目を顰めたくなるも、今は戦闘中。そんなことは出来ない。その代わりに、相手にも聞こえるように毒づいた】

(腕は4本―――――なるほどな、肉体の変形、いや、増殖か……アレで、何するつもりだ?)

【と思うが早いか、その腕は牙を生やした口になってライラへと迫り来る】
【気味の悪いその口腕を避けようと画策するも、左右から襲い掛かる腕を左右にステップしてかわすことは出来ない】

【そこからのライラの行動は、カニバディールにとっては不自然なものかもしれない】
【手に持った杖を翻して片手に持つと、その杖を振り上げて右から来る腕を全力でぶん殴ろうとしたのだ】
【その成否に関わらず、ノーガードだった左から来る腕に、ライラの左腕はあっけなく噛み付かれる事になる】

……ぐあッ……!! 

【鋭い牙の生えたその口に噛みつかれたのだ、当然のように傷口から血が垂れる】
【杖で右から来る腕を叩き落せていれば、その後噛み付いている左の腕も同じ要領で叩き落そうとする】
【だが、彼のメイン攻撃である『魔法』を使わなかったのは、明らかに不自然である】

(くあ……ッ……。だが、魔法はチャージしなくちゃな……)

【彼の右腕にあるブレスレット。風を表す緑のそれが、淡く光る】
95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/26(土) 23:32:52.21 ID:UmcCJSuy0
>>92

そんなクズどもがのさばるから、この地上は悲しみの天国になってるんだよ、ぉ?
生きてる事そのものに価値が無くなる…………それは命のインフレーションだぁッ!
そんな幸せは、人の尊厳を腐らせるッ!

【ギラリ――――と、その瞳が嫌な光を閃かせて、鎖の青年は静かに吼える】
【同時に、両手のパタがキラキラと輝きを増す。まるで、鎖の青年の瞳と同調する様に――――】

(…………ここは、これでほとんど僕がイニシアティブを押さえる…………!)

【闇が広がれば、それだけ鎖の青年の力の行使がやりやすくなる】
【後への布石は、これで良いだろう。後はこの優位を活かして、白髪の青年を攻め立てるのみである】

――――攻め手がそんなに間合いを遠くしてどうするんだいッ!?
ましてや、よそ見など!!

【跳躍――――自ら推進力を得る手段がない限り、空中では自在な動きは出来ない】
【そのままで突進してくる白髪の青年に、鎖の青年は怒号を飛ばす】
【振り下ろされる一撃を、右のパタを以って押さえながら、左のパタをまるでパンチでもする様に、胴体目掛けて放つ――――まるで、空手の型か何かの様な動きだ】
【――――人質を確保する様に展開される結界は、見てもいない。恐らく興味が無いのだろう】

(…………そろそろだ。そろそろ、勝負に行ける……ぅ!)

【闇は、相応に練れた。青年の中で、価値への道筋が組み上げられていく】
96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/26(土) 23:34:41.14 ID:5nGZvSRe0
>>85>>89>>91

成程…暫く前から私たちの会話、聴かれて居たようですね

【通信から時折漏れる声、それなら話は早いと】
【正義側二人の作戦に一しきり耳を傾け】

ええ、大丈夫です、作戦もそれで問題ないでしょう。
一つ不安があるとすれば、羽の飛行速度くらいでしょうか――――まあ、
詳しい事はそちら様方にお頼りするとして……――――


【受けた指示は警護、自分にそれが務まるかはさて置き】
【ぞわり、と背筋を逆なでるうすら寒い気配を感じ】
【振り向いた後方車両の先には――――】

>>88>>93

――ッ、全員、前へ!


――――…ここは私が抑えます、皆さんは先の作戦通りに、ッ!

【人波を掻き分けて、いや押しのけて後ろへ】
【ロケットパンチが飛んでくるのを横目で感知、それに合わせて】
【気合一閃、飛行物体の飛んでくる軌道へ、影を突き飛ばすような形でマインドを大きく振るい】
【何としても2両目より先にはいかせないとばかり、連結部分にて仁王立ちの体勢で構えをとった】
97 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/26(土) 23:34:47.31 ID:OngVxetHo
>>88

わかった、――全力で止めてみせるよッ!


……危なかった、あの威力――[S・E・T]でも受けたら致命傷になりかねなかったぞ

【避けた先で見るのは半径1mもあるクレーター、思わず彼の頬に冷や汗が流れる】
【[T・E・S]――大きさは他の変身より小さいため動きは素早いが、その分……例え甲に覆われていても耐久力が控えめなのだ】
【――"単純な"、耐久力はだが】

【糸はいとも簡単に断ち切られ、辺りに散らばる】
【その帯びていた弱い電気は既に放出し終わり、糸の粘性も埃等によって落ちて――全く無害なものとなっている】

【セリーナの放った弾がP/Rに命中し、心の中で小さくガッツポーズを取るも】

――セリーナッ!

【P/Rから放たれた冷気は、セリーナを捕らえていて――】
【……[B・E・D]ならともかくこの姿では解凍は出来ない、むしろ低温のため電気の通りが良くなっていて……駄目だッ!】


 【だったら……――】


――[エレクトリック・ヴェノム]と呼ばれる蜘蛛は、常にその身体に静電気を帯びているんだ
その静電気が無くなった時――死が近いとも言われていてね
……僕のこの[サンダー・E・スパイダー]は、常に静電気は帯びていないけれど死は近くないよ

さて、どうでも良い話は置いておいて――行くよッ! [エレクトリック・ボディ]ッ!

【彼は身体に静電気を纏うと、勢い良くP/Rへ向けて"跳躍"する】
【そして、8本の脚でその"上半身"に掴まろうとするだろう】
【纏った"静電気"による"行動阻害"を狙っているのもあるが――なお、静電気は数秒で無くなる様だ】

  (少しでも時間を……ッ!)

【さてもう一つ、セリーナが体勢を取り戻すための"時間稼ぎ"という目的もある】 【自身を"囮"にすることで――】
98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/26(土) 23:42:26.44 ID:TnDLocN10
>>86

(…………位置関係は把握できた。あとは――――――)

【声。足音。銃の部品の金属的な音。それら情報を整理しながら、空中で剣士は思考を進める。】
【そして向かい合った男の言葉に対して、紡ぐ返答は

……さあね、貴方を斬った事はないから。
けれど外道の肉塊如き、研ぎ澄まし続けたこの刃(ありかた)で―――― 総て背負うと誓った私に、斬り滅せない筈もない……!

【同時に浮かべた鋭い表情には“つくり出した”、自信が挑発めいて浮かぶ。
 猛牛よろしく激怒させ、自分に意識を集中させ、少しでも 「人質を使われる」 可能性を下げるための、彼女なりの策ではあったが……。】

(…………ッ!)

【突き出される槍をステップで “列車側に” 避けて/躱した直後、振り抜かれる追撃の勢いは想定以上のものだった。】

 【咄嗟に刀身の角度を変えて、斜めに受け流そうとするも―――――叩きつけられる衝撃は、重く。】
   【踏み止まる事すら適わずに、猛烈な勢いで吹き飛ばされた。】

    (…………これでいい。

【然して“それは”、想定の内。自ら吹き飛ばされる事で、接敵と自衛を両立させる――――――!】
【……優先すべきは自分ではなく、車内に居る乗客たちの生命。ならば、真に斬るべきは車内の二人――――――!】

(――――――…………先ずは一人…………!)

【吹き飛ばされる勢いのままに、列車に背中を向けた体勢から瞬時に上体を反転。
 それと同時に両手で太刀を、背後に大きく、真横に構えて―――――――捻りを加えながら解放、垂直方向の“斬り上げ”を放つ。】
【列車の車体が抵抗なく切り裂かれ、その先にあるのは“機関員”の一人の姿だ。】

【その刃を回避できなければ、縦に両断するが如く、彼は斬り捨てられる事になるが……。】

(…………さて…………。)

 【…………もう一人は、何処にいる? だいたいの位置は掴めたものの、確証を得るには至らない。】

【ゆえにバッファと車内の両方の様子を、剣士は同時に五感で探り/そして捉えようとした。】
【然して彼女は、より警戒すべきNo.29――――バッファ・ロースカルビに対しては、背を向けた体勢のままであり。】
99 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/26(土) 23:43:25.86 ID:1t6BjOdbo
>>88 >>89 >>91 >>96

【さながら影のよう電車内に侵入した異物、それには全く気が付いていなかった】
【吠える声、そして飛び掛かられて始めて反応出来たようなもの】
【操作という能力は大変有用に見えて、その実操作対象がなければ何も出来はしない】
【それ故に初動の遅れた己と少女(>>91)に迫る危機】
【――だが、此処には即席といえども、実に頼もしい「仲間」が居る】

っ、頼んだぜ寝癖の姉ちゃん(>>96)、ジャンクちゃん!
よし、あんた(>>91)は俺とこの列車の操作だ!
準備が出来次第飛ばしてくれるか、浮かせたあとは俺と『タフガイ』ってのに任せて良い
相当重いだろうが、踏ん張ってくれよ……!

【少女一人に負担をかけさせる訳には行かない、己も最大限のサポートはすると申し添え】
【ジャンクちゃんの手配したリングホルン-Vと合流するまでの辛抱だと、そう勇気づけた】
100 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/26(土) 23:43:45.94 ID:5H+gcdb6o
>>95

第一目的は果たしたから……

【人質などという余計な物を気にする必要もない】
【これで相手を倒す事に専念出来ようものだ】

次はお前だなぁ!!

【足かせもなくなればあとは好きな様に】
【く、と唇の端を上げ笑みを浮かべる】

――――刀だって確固たる実体がある訳じゃないんだぜ、だからこその変幻自在だ

【パタによって抑えられていた刀は唐突に霧散、左手にナイフ右手に短刀を再形成】
【抑えられた物が無くなれば進むだけ、近距離から最短へと】
【空になった左手に再形成されたナイフで胴体へのパタを流れる動作で受け流す】

【着地してその状態から瞬きの間で対するようにシャッテンの腹部へ短刀を突き出す】
【同時に先ほど投げて弾かれ霧散した2本のナイフを再び実体化させ自身へと収束】

【ナイフはそれぞれ同一でありそれ故に各々が引き合う特性をもつ】
【その距離が近ければ近いほど、である】
【つまり2本のナイフが不意にシャッテンの右前方と左前方から迫る形になる】
【エルフェス自身の短刀に加え同時三方向からの攻撃どう捌くか……】
101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/26(土) 23:44:30.28 ID:1t6BjOdbo
/おっと抜けてた、>>99には>>93へのレスも含んでおります
102 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/01/26(土) 23:47:41.11 ID:UT5NQMn4o
>>94

気持ち悪い、とはひどいな。傷付くじゃあないか

【ちっとも、傷付いているような顔はしていない。ニヤニヤと笑いながら】
【ライラの左腕の肉を味わう】


お前の肉は悪くない味だぞ。きちんと加工を施せば、市場でいい値がつくだろうな

【本人は褒め言葉のつもりなのだろうか。そんなことを言いながら、今度はカニバディールが違和感を覚える番だった】
【右腕を狙った肉の腕は、ライラの杖に叩き落とされた。続いて、左の腕も】
【打撃の痛みに、わずかに顔をしかめつつ、二本の肉腕を収縮させて、自分のほうへ引き戻した】


(妙だ……なぜ、あの魔法攻撃を使わない? その素振りを見せたら、腕を噛み潰してやろうかと思っていたのだが)
(何か策があってのことか……? それに、今のブレスレットの光は……)

【訝しげにライラをにらむ。しかし、その意図はつかめない。ライラの能力の全貌を知っているわけではないのだ】
【ブレスレットが、何らかの発動条件を担っているのか……】

(まあいいさ。何かする前に始末してしまえばいいことだ)


【カニバディールは思考を中断し、攻撃に移る】
【先ほど伸ばしたものとは違う方の、二本がライラの頭上から降るように伸びていく】
【先ほどと同じ噛みつき攻撃。その成否にかかわらず】
【今度は、残った二本が一直線に伸びる。ライラの腹部に向けて】
【頭上からの二本に対して対処している隙に、残った二本で相手に殴打を食らわせるつもりだ】
【ここから、一気にたたみかける。カニバディールのもくろみは、果たしてうまくいくのか】
【ライラの次の行動に、その成否が問われる】
103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res saga]:2013/01/26(土) 23:52:39.96 ID:AoJmmtnL0
>>91>>93>>96>>98

【影は先ず、何の抵抗も見せないティナへと飛びかかろうとした――】
【合理的で血の気を感じさせない、最低の選択――「弱いものから消せ」】
【腕を振るい、列車内に入り込んだ小さな月光にその爪を煌かせ――】

『グァァァァッァアアア!?』

【瞬間、吹き飛ばされる――チェカの操る"マインド"による阻害の為だ】
【像は影の胴を打ち抜き、そしてそこへ更に――ジャンクちゃんによる予想だにしない一撃が加わった!】
【ロケット・パンチ――吹き飛んできた腕に影の顔面は殴り砕かれる。】
【チェカとジャンクちゃんによる二重の迎撃で影は吹き飛んだが――これはよくない。】
【この薄暗い列車内に、影は再び"立体化"を解き"影"のままに戻ってしまう――そう、どこから攻撃が来ても可笑しくない状況だ。】

>>97

「さっむ!なんだこれ・・・くっ、"冷気"―――!!」

『戦闘には必ずやり方という者が存在している、まずは――"動けぬものから命を奪え"だ。』「

【P/Rは糸を引きちぎる事に成功すると、その場を素早く移動、セリーナのほうへと駆け寄ろうとするが――】

『――何の話だ?くだらないな、静電気がどうか――くっ!!』

【ここでも、妨害――大きな攻撃ではないが、まさかの「飛び掛る」という行動にP/Rは一瞬驚愕し、対応が遅れてしまう】
【静電気は小さく、そして地道にダメージを与えようとP/Rの身体を貪るが――それが限界。】
【男は再び能力を発動する――!】

『ディナー・タイム』

【男は余裕があるのだろう。解凍に手間取っているセリーナなど目もくれず、一旦停止し】
【手をサンダー・E・スパイダーと化したユウトに触れようとさせる。】
【おかしな行動だ、引っつかんで引き剥がすでもなく――ただ、手で触れようとするだけの動き。】

【――しかしそこに罠があった。手のひらにユウトの身体が触れたならば、彼はその接触箇所からエネルギーを吸収しようとするだろう!】
【今度は体力を奪う力まで――この男、一体いくつ能力を持ち合わせているのか――!】
104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/26(土) 23:58:49.86 ID:ERQIjs8Oo
>>93>>96>>99

【防がれる攻撃、動けない彼女の為に、仲間が助けてくれたのだ】
【思わず泣きそうになる、その優しさに――――甘えたくもなった】
【けれどもそんな場合ではない、すべき仕事をこなさないといけないから――――】


っ……すいません、皆さん、後わ、任せちゃいますよっ
私わ私の出来る最大限≠やらせていただきます……っ!


【車体に付いた羽、外から見れば、巨大な異変が起きるだろう】
【その一枚一枚が増殖していく――――そしてやがて、巨大な翼へと変化していく】
【一両ごとに一対ずつ、巨大な翼の生えた列車が、そこには出現するのだろう】

【当然、外から戦っている能力者達には何事か、と思われるかもしれない】
【それだけの巨大な変化が、今まさにおこっているのだから】

【月光を浴びて、巨大な車体がその鉄の色を響かせる、そのボディに生えた羽へと、淡い光が降り注ぐ】
【それはまるで神話の世界の産物のよう、現代科学の元に作られた列車と、旧世代的な翼の融合】
【芸術作品と言っても過言ではない、鎮座するその姿は、何か彫像のようでもあって】

【彼女の表情にかすかな曇りが混じる、零れる息に、少し白い色が混じり始めた】
【直ぐ側にいるであろう>>99に檸檬色の瞳を目配せした、座り込んだまま、右手をぎゅっと握り締めて】
【左手をつい、と貴方に差し出すだろう、まるで耐えれるように握ってください、と言いたげで――――】

【華奢な指先はピアニストみたいに、細くしなやか絹糸を纏っているみたい】
【きれいに切りそろえられた爪先は淡いピンク色に染まって、彼女の指先を修飾する】
【頬を伝う冷たい汗にピンク色の髪が溶けて、交じり合って、やがて一つになるのだろう】


そんじゃっ……皆さんっ!しっかり掴まっといてくださいねーっ……!!
――――Night Bird Flying=\―――!!!!


【――――大きな振動が周囲を襲った、まるで地面から引き剥がされるような感触】
【気持ちの悪い浮翌遊感が全身を包むと、それはまるで引きあげられた財宝みたい】
【捲ったその先にある新しいページを待つ、窓際の少女のような感触が、その指先に落ちた】

【重力を振り切る、巨大な力、少しずつ少しずつ、その身は空中へと飛び上がっていく】
【1mか2mか、いや――――それ以上、高く高く、飛翔させていく、月へと飛ぶ儚い雲のよう】
【夜明けにはまだ遠く、ふけていく宵月の空、その中に浮かぶ一つの鉄の塊】

【羽ばたく翼が雄々しく響いた、吹き上げる暴風が、地面を叩くと、軋む車輪の音がファンファーレのように鳴り響く】
【開ききった夜の羽は、開放された夜鳥のよう、自由を得たカナリアは誰にも咎められることがない明け星のよう】
【高く飛び上がるであろう列車、その姿は神話の一ページに深く刻まれるのだろうか】
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/26(土) 23:59:54.29 ID:aS98x2VDO
>>98
「く…くそッ!!なんなんだあの女は!?ど、何処に行ったッ!?」
「落ち着け!バッファ様が戦っている!あの方を信じろ!!」

【車両の中では、機関員二人の言い合いが始まっていた】
【人質への注意も忘れたその姿は、八攫に対して完璧に恐怖を植え付けられたが故かもしれない】

「こ…こうなりゃ人質を使うしか…!」
「待てって!今下手に顔を出したらどうなるか―――」

【業を煮やした機関員の一人は、人質を利用して八攫にプレッシャーをかける事を選択した】
【すぐに行動に移そうとした彼を、もう片方が止めに入る】
【刹那、電車ごと彼の体は切り裂かれた】

「―――え?」
「―――あ?」

【電車を切り裂く程の攻撃に、受けた者は一たまりも無い】
【体から血を噴き出して倒れ伏し、動かなくなった】
【残った一人、恐怖で人質を使おうとしていた事すらも忘れ、体はわなわなと震えだし、歯はガチガチと鳴る】

「―――う―――うああああああああああああああああああああああ!!!!」

【我を忘れた彼は、雄叫びを上げながら銃を構えると、今の攻撃で開いた割れ目から体を出し、八攫に向かって銃を構えた】

…くそ!あいつら、うろたえやがって!!

【バッファが攻撃を利用されたと気付くのは、そう遅くはなかった】
【しかし、この巨体では追い付いて妨害は出来ない、おまけに残った機関員の発狂の声も聞こえる】
【もう人質はどうしようもない―――そう考えたバッファは、八攫に接近しながら手斧を取り出し、八攫の背中に投擲する】

【背後からは斧が、前方からは銃撃が、八攫は挟撃される形となった】
【しかし攻撃はお互いに制御の聞かない攻撃方法だ、逆に利用する方法もごまんとある】
106 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/27(日) 00:00:34.36 ID:ACyFXRPn0
>>100

……元からどうでも良いんだ、あんなゴミ……!

【元々、あの人質は敵を呼び込むための『餌』でしかなかった】
【役を果たせば、後は殺しても良かったと言うだけだ。つまり「殺さなくても良かった」のである】
【――――無論、彼は事が済めば彼等を殺す気だったのだろうが】

っ、なに、ぃ!?

【――――刀が、そのまま分解する。後から考えてみれば納得のいく話ではあったが、この時の鎖の青年にとっては、全くの想定外だった】
【想定外に対処するには――――あまりに時間が無さ過ぎる】

っ、ぐ……ぅぁ……………………

【かろうじて出来た事は――――腹部を狙う短刀に、チェーンの輪をかませて、突き刺さりを浅くする事だけだった】
【左右から襲い来るナイフは、その両肩に突き立つ――――途端に鎖の青年は血みどろになる】
【腹部への当たりこそ浅く出来たが、それ以外はほぼ白髪の青年の狙い通りに推移しただろう】

――――――――上出来、だぁ…………素晴らしい…………ぃ!! ……『シャドウスパイク』……!

【血ヘド混じりの唾をこぼしながら、鎖の青年はそれでもなお、口元に笑みを浮かべる】
【――――自分を打ったのは、相手の白髪の青年の、意志の強さなのだ。それは、正に鎖の青年の求めるものだった】

【とは言え。それとこれとは話が別である。易々とその刃に身を捧げるつもりはなかった】
【再び、鎖の青年は力を行使する。先ほどと同じ円錐状の突起が、今度は白髪の青年の足元から直接、彼を貫かんと飛び出す】
【同時に、2つのパタが左右からはさみ込むように、白髪の青年の脇腹を狙う】
【手負いとなっている事が信じられない程の、素早い振りである――――――――鎖の青年の瞳が、更に激しく輝いて】
107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 00:09:36.27 ID:dzqAHiFoo
>>103


―――うう、吹き飛ばしたと思ったら……また影の中へと消えたデスヨー……!
えらく狡賢い能力なのデスヨー……だがこれでいい、着物の方を今守るために『ロケットパンチ』を
放ったのは決して間違いないのデスヨー……さっきの『影』を貫いたワタシのロケットパンチは今!


――連結器に到達して完全に破壊するッ!!


【影を貫通したロケットパンチはそのまま列車の外へと飛び出して行く】
【だがそれを戻す際に、少女は第二と第三車両を連結する部分を経由させる動きをロケットパンチに行わせた】
【今発射したロケットパンチは着物の少女を守ると同時に、連結器を破壊して跳び立つ用意を完了させるために放ったのだ】

【――連結器の砕ける音と同時、ゴォォォォ、と大きな物音が駅の方向から聞こえてきた】
【今合図を受け、空中へと列車を救い出すべく発進したのだ―――手配した"リングホルン-V"が】


先ほどの分担通り、ワタシとこちらの方>>96で迎撃いたします!
悦那さん>>99!!その方>>104とともにリングホルンまで飛ばしてくださいデスヨー!
発進音のした方向へ動かしてください!この影はワタシたちが食い止めるのデスヨー!


【ロケットパンチが自分の元に戻るまではあともう少し時間がかかるが】
【そのための、同時に発動した左腕の機構だ――彼女がパンチを放つために右腕が前に出ると同時】
【左手はジャンクちゃんの後ろへと伸びる、その際にジャンクちゃんの左手の機構に空いた複数の穴から鉄粉が噴出された】

【その鉄粉は、一欠片残すことなく、空中でくっつきはじめ――ひとつの形を象っていく】
【それは『剣』だ、柄もない一本の即席剣が今、ジャンクちゃんの左手の先で形作られ、それを今左手で手にする】


ワタシの左手にはいつでも自在に使える程度の鉄粉が搭載されています
いつでもワタシの『ヘッドレス・クロス』で形作り、ある程度の用途で扱えるようにね!

これが『ヘッドレス・クロス』の即席武装、"コンバットソード"デスヨー!


【がしり、と一本の剣を持ち、今まさに奇襲するであろう『影』を全方位への警戒を行いながら待つ】
【凛とした表情は、『どこからでもかかってこい』とでも言いたげだ】
108 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/27(日) 00:09:49.03 ID:otHviYYYo
>>102
くそ、マジで食ってるのかよ……。カニバディール……名前は伊達じゃねぇみてぇだな……。

【ダラダラと流れ落ちる左腕の紅い液体と、自分の肉を食ったカニバディール】
【双方を交互に見ると、先ほどのように毒づいた。挑発目的ではなく、自分に言い聞かせるように】
【相手は人食い。相手の台詞からも、やられたら死ぬより酷い事になるのはまず確実といっていい】
【といっても、そのときにはもう既に死んでいるのだろうが―――それはともかく】

ちっくしょ―――――、……ぐお……っ!!

【降ってくる2本の腕、そして真正面から迫り来るもう2本】
【上からの2本は、先ほどと同じ噛み付きだろう。腕に噛み付かれれば、左腕が使えなくなる恐れがある】
【よって、ライラは真正面からの2本の攻撃……殴打を、甘んじて受けることにした】
【上の腕は両腕を使った杖のフルスイングで弾き飛ばそうとする。そして、腹に伸びる腕。苦悶の声で、呻く】
【ノーガードに近いライラは為す術なく。後ろへと倒れこむ。……ダメージは大きい】

【だが、カニバディールは気付くだろうか? 彼のブレスレットの緑が、更に一層光を放っていることを】
【そしてライラが、不敵に笑っていることを】

来いよカニバディール。……もうちょい近づいたほうが、殴り易いんじゃねぇか?

【首だけ上げて彼は言う。どこからどう見ても誘っているのだが、彼はどう動くだろうか】
109 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/27(日) 00:12:28.35 ID:ey+KnCzPo
>>103

動けないなら"護れば"良いッ! 僕達は一人じゃあないんだッ!

――"仲間"がいるんだッ!

【がっしり、思いを乗せて掴むは相手の身体】
【流石蜘蛛というべきか、比較的安定して掴まっていられて――】

【――……変だな、振り落として来ないのか、引き剥がそうとしないのか】
【彼はもう一度、静電気を纏うこともできるし、電気を放出することだって可能だ】
【それに、噛み付きの射程内でもあって――】
【……彼は、P/Rの顔に噛み付こうとした、"毒"を持った鋏角で――】


(――何か、何か……嫌な予感がするッ!)


  はッ! これはッ!

【しかし、――遅かった、既に彼の身体をP/Rは触れていたッ!】
【吸い取られるエネルギー、噛み付く間もなく脚をP/Rから素早く離して――】

ッ……っくゥ……

【ふらりふらりと、後退り】 【よく見ると彼の姿がぶれているように見えて】
【――変身能力、確かに彼の能力はそうだ】
【しかしもう一つの特徴として……"それは姿を持っている"というものがある】
【その能力の姿の"エネルギー"を利用して、融合して一体化し、彼は変身をしているのだ】
【エネルギーを吸収されたのは……痛手だ、再びエネルギーを"安定"させなければ……】

【少なくとも、彼の変身時間の"リミットを早めた"と見て間違いはない】


【そして彼はまだ、P/Rからそう離れてはいない――】
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 00:13:44.30 ID:zHVc4ryBo
>>106

敵の言葉なんか信用するかっての……っ!
(まだ足りないか……っ)

【ガキンという手応えは短刀が深く突き刺さらなかった証左である】
【しかしながら両方のナイフは肩へと突き刺さりその本来の目的を果たした】
【それでも倒れない彼に幾らかの焦燥を覚える】

【短刀を引き抜いてナイフへと還元両手に構え】
【そして迫るパタの切っ先に合わせて弾くが、もう1つのシャッテンの攻撃】
【円錐状のソレを完全に避けるには足らず後方に下がって尚右脇腹を抉られてしまう】

く……う……――――――――

【苦悶の表情、溢れる血液】
【この瞬間に相手と自分のダメージ量は逆転したか】
【時間が経過すればするほど危うい、抉られた腹部はそれを物語る】

【だからここでより後退して機会を伺う暇は、ない】

(それもいいけど、それじゃあ勝利はないッ!)

――――――逃がすかァ!!

【後退した右足を支点に前方への加速】
【身を乗り出すような動きで右手のナイフをシャッテンの右首筋向けて突き出し】
【更に深手を追わせようと突きの途中から右へと薙ぐ】

【一方左手のナイフは逆手に構え握りしめられ】
【右手のナイフの攻撃の終わりと共に未だ肩に刺さっているだろうナイフの柄に向けて拳を打ち込むだろう】
111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 00:14:51.99 ID:Z8Co7O2v0
>>99>>103>>104>>107

陰に隠れる能力、ですか、厄介な―――― 

【闇雲に殴っているようにも見えるが――実際は壁や床を万遍なく傷付けていて】
【がん、ごん、という打撃音の隙間から連結を壊したばかりの後方>>107に声が飛ぶ】


そっちの人っ! 次にヤツが出てきたら、突き飛ばすかして何とか私の方へ誘導してください!
私の能力で壁に固定します!

【あらかた周囲を殴り終えて、竜巻が荒らしたよな室内の中央にて陣取り手を掲げ】
【ぎりぎりとマインドの指にはめられた環(わ)、歯車を模した5つの其れがぎりぎりと回転を始めれば】
【周囲の傷ついた壁や床一面に、同様の金属質な歯車たちが、一斉に具現化される】
【一面鈍色に染まった車内はまるで内部の動力機関部を剥き出しにしたかのようで】


うっ…結構揺れますね……

【そして外に付けた羽が羽ばたき、大きな振動が車内を襲う。咄嗟に近くのソファに両手でしがみつき】
【それでも暗がりからは目を離さない】
【傷をつけた部分に歯車を作り出す能力――――影にダメージを与えさえすれば】
【一時でも相手を拘束できるであろうと踏んでの行動だ】
112 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 00:18:35.66 ID:Z8Co7O2v0
>>111
【一時は退かせたがまだ色濃く残る殺気に眉を顰め】
【影が暗闇に隠れたのをきっかけに、マインドを使って周囲にパンチを振るい始める】

/を>>111の二行目辺りに付け足しでお願いします
113 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 00:20:49.86 ID:8+LR9BHUo
>>103 >>104 >>107 >>111

【何処から攻撃が来るとも分からない現状、要である操作系の少女(>>104)を守り抜かねばならない】
【己一人では頼り無さ過ぎてどうしようもないけれど、ジャンクちゃんともう一人の少女()がいてくれるから】
【――今更に気づいたが、少女に頼ってばかり。良い年をした男が情けない、なんて苦笑も僅かに溢れ】
【この中での年長者として、的確な支持と士気を維持することが、己の役割だと改めて心得る】

【そして少女(>>104)から差し出された細い手を確りと掴む、同時、彼女に伝わるのは真っ赤な魔力】
【「支配」の力をもつそれを、彼女の能力行使に少しなりとも底力を与えられれば良いと分け与えながら】
【己も能力を行使するときだ――繋いだ手は離さないまま、空いている手で列車の床に触れて】

……どうだ、羽が生えた気分は。最高だろ?
なあ、もう全身痛んでしょうがないだろうが、最後にもうひと踏ん張り見せてくれないか
大事なお客がこれだけ乗ってる、お前さんが踏ん張ってくれないと、みんな共倒れなんだ

こいつ(>>104)が羽を貸してくれる、ジャンクちゃんが輸送船を呼んでくれてる
あいつ(>>)が乗客と俺達を守ってくれてる、あとは……俺がお前に、力を貸す

そら、やれるよな? 此処がお前さんの踏ん張りどころだぜ……!

【壊れてもう駆動なんて出来ない、そうとしか見えなかったのに】
【悦那が掛ける一言一言に目を覚ましたよう、全体に血流のように真っ赤な魔力が流れていき】
【列車内の電気系統もチカチカと徐々に復旧する、僅かな明かりとは言え人質の不安を拭うには十分だろうか】
【内燃の機関が低く重く唸りを上げて、力強い前進の勢いを見せ始め――】

【そして、リングホルンの発進音を頼りに、浮上した車体が走り出す】
【命を、思いを、全てを乗せた「最後」の大仕事――】
【列車はまるでそれを汲み取って、承知したと応えるように、駅へと向かってまっすぐ空を駆けた】
114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 00:21:44.08 ID:8+LR9BHUo
>>103 >>104 >>107 >>111

【何処から攻撃が来るとも分からない現状、要である操作系の少女(>>104)を守り抜かねばならない】
【己一人では頼り無さ過ぎてどうしようもないけれど、ジャンクちゃんともう一人の少女(>>111)がいてくれるから】
【――今更に気づいたが、少女に頼ってばかり。良い年をした男が情けない、なんて苦笑も僅かに溢れ】
【この中での年長者として、的確な支持と士気を維持することが、己の役割だと改めて心得る】

【そして少女(>>104)から差し出された細い手を確りと掴む、同時、彼女に伝わるのは真っ赤な魔力】
【「支配」の力をもつそれを、彼女の能力行使に少しなりとも底力を与えられれば良いと分け与えながら】
【己も能力を行使するときだ――繋いだ手は離さないまま、空いている手で列車の床に触れて】

……どうだ、羽が生えた気分は。最高だろ?
なあ、もう全身痛んでしょうがないだろうが、最後にもうひと踏ん張り見せてくれないか
大事なお客がこれだけ乗ってる、お前さんが踏ん張ってくれないと、みんな共倒れなんだ

こいつ(>>104)が羽を貸してくれる、ジャンクちゃんが輸送船を呼んでくれてる
あいつ(>>111)が乗客と俺達を守ってくれてる、あとは……俺がお前に、力を貸す

そら、やれるよな? 此処がお前さんの踏ん張りどころだぜ……!

【壊れてもう駆動なんて出来ない、そうとしか見えなかったのに】
【悦那が掛ける一言一言に目を覚ましたよう、全体に血流のように真っ赤な魔力が流れていき】
【列車内の電気系統もチカチカと徐々に復旧する、僅かな明かりとは言え人質の不安を拭うには十分だろうか】
【内燃の機関が低く重く唸りを上げて、力強い前進の勢いを見せ始め――】

【そして、リングホルンの発進音を頼りに、浮上した車体が走り出す】
【命を、思いを、全てを乗せた「最後」の大仕事――】
【列車はまるでそれを汲み取って、承知したと応えるように、駅へと向かってまっすぐ空を駆けた】
115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 00:22:50.80 ID:8+LR9BHUo
/>>114が訂正版です、失礼しました
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/01/27(日) 00:32:24.60 ID:VYPu/Qhpo
>>108

言っておくが、人肉が格別好きだというわけではないぞ
目の前に肉が、資源があるのに、そのままにしておくのはもったいない、というだけの話だ

【わずかに食いちぎることに成功したらしい、ライラの肉を、腕に生えた口の中でもてあそぶ】
【セリフとは裏腹に、じっくりと味わうように、肉を飲み込んでいく】


ハハ、痛そうだな。どうだ、そろそろあきらめないかね? 今なら、苦しまないようにしてやろうじゃあないか

【上からの腕は、杖によって弾かれ、再び本体の元へ撤退。残る二本の殴打の命中に、カニバディールが笑う】
【今のは、確かな手ごたえがあった。このままいけば、倒せる。「何か」をいさせる前に】
【しかし、ライラはそれでもなお、不敵に笑って見せるのだ】


(ずいぶん見え透いた誘いだな……それに、あのブレスレット……先ほどよりも光が増している……)

ハハ、そうだな。なら遠慮なく近づかせてもらおうか、ライラ
……ところで、先ほどから光っているそのブレスレット、私にくれないか


【カニバディールは誘いに乗ろうとした。どれほど強力な攻撃が来ようと、それを発動させなければいい】
【うごめく、四本の腕を一斉に伸ばし、一気に接近させて腕を引きちぎってやれば――】
【そう考えて、カニバディールが攻撃に移ろうとした時だった】


……!? 何イ!?

【敵前であるにも関わらず、カニバディールは列車を振り返った】
>>104によって列車が持ち上がり、響き渡る振動音】
>>114によって列車がうなりをあげ、今まさに機動せんとする】
【横転し、完全に死に体と思っていた列車が再起動、いや、それどころか浮き上がり、空を駆ける】
【極悪非道、多くの命を踏みにじってきたカニバディールも、このような光景には過去出くわしたことがなかった】


どういうことだっ!! 他の能力者の仕業か!? それとも人質どもが何かしたとでもいうのかっ!?

【完全に度肝を抜かれていた。ライラは、人質のほうを気にしながら戦えるような相手ではなかったとはいえ】
【まさか、このような事態が引き起こされることになろうとは――】
【この状況下に、完全に気を取られる。あまりにうかつ。致命的な隙を、カニバディールは、ライラにさらした】
117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/27(日) 00:32:30.42 ID:9jSQ09vto
>>107>>111>>114

【一瞬一瞬が気を抜けなかった、少しでも力を抜いたら、それだけで落ちてしまう】
【ギリギリのバランスの上で立つ砂上の城、砕け散るのは時間の問題で】
>>114の手を握る力が、意識せずとも強くなることに、気づくだろうか】


っ……んぅ……くっ……うぅ――――
持って……Night Bird Flying=c…!!


【吐く息の音が不規則になって、一回一回に大量の空気が混じる】
【ぎゅっと閉じても震える唇の端、気を抜いたら、それだけで零れてしまいそう】
【でも、この両手一杯の人は救いたくて、取りこぼしたくなくて】

【瞼が閉じて、彼女の頬に落ちると、それはまるでビードロのように淡く染まる】
【大きく息を零すたびに、彼女の身体が大きく縦に揺れる】
【そのたびに悦那の手を握る力が少しずつ強くなるのだろう】


――――飛んで……けーっ!!


【爆ぜる、彼女の声、それに奮い立たせれたかのように翼が大きく羽ばたくのだろう】
【推進力が大幅に増す、すすむ速度も、格段に上がるのだろう】
【ハァハァ、と荒い呼吸の音が強さを増して、今にも途切れそうになっても】

【爪先立ちの指先が、たとえ壊れたとしても、彼女の思う気持ちは負けず】
【僅かに傾く檸檬色の断片が、その視界の中にいくつもの力を感じた】
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res saga]:2013/01/27(日) 00:34:47.88 ID:nGJmph8C0
>>107>>111>>114
『ゲェェェハハハハハハハハァッ!ムリダ!ムリダ!オマエ、ラ、コロス!!』

『ウギィィヒヒヒヒッヒヒヒヒヒィッ!!』
【暗闇に紛れ、どこからともなく"影"の声が残響した】
【列車内を包む影に隠れて、隙を見て攻撃するという、やはり先ほどと同じような合理的な攻撃法】
【――もしかすると、これで傾向はつかめるのかもしれない。】
【この影に柔軟性は、恐らく無いのだ――考えられる最適な方法での攻撃を行う、いわば自動兵器――】

『ギャギャギャギャギャギャギャギャギャーッ!!』
【――ジャンクちゃんの背後で、即席の剣がくみ上げられていく――武器が用意された時点で】
【この影はターゲットをジャンクちゃんから外す。迎撃される可能性は高い。】

【次に見据えるのはチェカ――マインドを振るい、何かをしているようだ――何をしているのか、という、そこまでを考える力はこの影にない。】
【しかし、次の攻撃を行うべきはこの二体ではない、と――それだけはわかる。】
【だから――攻撃するべきは、あの"二人"!!】

【影が飛び出したのは、丁度ティナと悦那の目の前――】
【浮遊する列車、突然の襲撃はその列車の操舵を握る少女と、恐ろしい外見の男――!!】

『グェェェェェッェッハハハハハハァ!!』
【広げた口が裂け、牙が大きくせり出し、二人を攻撃しようと飛び掛った!!】

>>109

『フフッ・・・どうやら、少し効いたようだな――』

『蜘蛛の小僧、貴様のその精神は見上げたものだ――仲間を庇い、自らを犠牲にし、時間をつくろうという姿勢――いや悪くない。』

『だがそれも終わりだ。ここで――ん?』


【その時、背後で何かが起きているのを、男は察知した。】
【P/Rの後ろ、彼が横転させ、占拠させたと思っていたあの"列車"が―――浮いて、いる・・・!?】

『・・・クククッ・・・フハハハハ!おもしろい・・・いいぞ、能力者・・・そうでないとな・・・!』
『見ておけ、そこの女と小僧よ――これが、正しい、』

『能力の―――――使い方だ』


『ウォーキング・デッド』

【瞬間、彼は"ブラック・エッジ"を用い全身に傷をつけ始める――そう、自らの肉体を、自らで攻撃し始めたのだ】
【血が飛び散り、赤い液体が彼の周囲を満たす中――唐突に、何かが煌いた。】



>>ALL

【浮遊する列車の中からも、ユウトからも、そしてこの水の国にいるもの全てから――確かに見えるだろう。】


【P/Rの全身を流れる"血液"が、幾本もの"真っ赤なレーザー光線"に変化したのを】

【レーザーは血液を変換して放たれたもの――血を流せば、流すほど、その勢いは強くなるッ!!】

『堕ちろ、何度でも――地獄へ叩き戻してやる。』

【P/Rは笑った――細かな能力に加え、こんな全体攻撃をも持っていたとは――】

【強力な破壊力を持ったレーザーは浮遊する列車へと殺到していく――!!】

『ユウト、それにセリーナと言ったか――貴様らは動く事もできずにそこで見ていろ』
『貴様らの守ろうとしているものが、その希望が、ここで全てたたれる姿をな』

『クッハハハハハハハハハハハハハハ!!』
119 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/27(日) 00:35:02.05 ID:ACyFXRPn0
>>110

そうかい、ぃ……まぁ、どうでも良いさぁ!

【鎖の青年も、痛みを感じないと言う事はないのだろう。傷を受けた瞬間に、呻きを漏らしているのだからそれは間違いない】
【しかし、だと言うのに鎖の青年はなお激しく昂ぶり、咆哮する】

(――――――――見えた。終わりさ、ぁ)

【激しさを増す――――痛みも、その熱を高ぶらせる――――感情と肉体のボルテージ】
【だがその一瞬、真に見えた『勝機』――――それを目の当たりにした鎖の青年の心は、何故かその瞬間だけ『凪いだ』】
【極限は、突き詰めると時に、その性質を反転させる事があると言う。これがそうなのか――――】

――――焦ったね? 素直に下がれば良かったのに……ぃ

【鎖の青年の右足はナイフの投擲で傷ついて。今また、浅いものの腹部を抉られ、両肩には深くナイフが突き立っている】
【既に、青年にまともに肉体を行使するのは不可能――――だが、だからこそなのか、鎖の青年が勝機を見出したのは】
【そう――――追撃に向かってくる白髪の青年が、この時ばかりは迂闊な存在に見えたのだ】
【――――展開されていた闇が共鳴する様に、同時に蠢いた】
【まるで、何者かの心音がその一帯に響き渡った様な――――その時商店街に居た一同は、そんな感覚を覚えるだろう】

【――――青年の身体が、足元に展開されていた闇に沈む】
【丁度、戦いの始まりに、闇を用いて身体を沈めて移動した時の様に、青年の下半身が、地面に埋もれる様に沈む】
【――――傍から見れば、突然人の背丈が半分になった様なものだ。首、そして肩――――上半身を狙った一撃はいずれも、虚しく空を切るだろう】

――――――――『シャドウギロチン』

【同時に――――最後まで温存していた、鎖の青年の最後の切り札が切られた】
【闇が伸長し、2m程はあろうと言う巨大な刃が地面から飛び出す。そして、白髪の青年向けて真っすぐに打ちだされる】
【その様は、地面を割り裂きながら進む、巨大なサメの背びれを想像してもらうと良い】
【周囲に展開していた闇が、ほとんどその刃に収束している。青年の、文字通りの最後の一撃だろう】
120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/27(日) 00:39:46.23 ID:o8K5L1Le0
>>105

【脅威が迫る。背後からの斧。音だけでそれを捕捉する。】

(………っ!!)

【そして、数センチ先から連射される無数の銃弾。回避しようにもその弾幕は、到底躱しきれるものでなく―――――】

……ッ、くぅうう――――――――っ……!

【歪む表情。急所だけは避けたものの、腕、腰、左肩―――銃弾に身体のあちこちを抉られる。
 噴出する鮮血の緋色は、灼熱の痛みの象徴の様で……。】
【然して彼女は動きを止めない。流れるような挙動で太刀を構えて、右手一本で放つ刺突――――機関員の左腰に放とうとする。】

…………はぁ……ッ!

【……そして、それにも成功すれば。】
【突き立てた刃の峰越しに力を伝え、ハンドルを切るように強く、右腕を屈めて。剣士は、機関員をさらに外側に引きずり出そうとする。
 そして未だ続くフルオート射撃を向けるのは、No.29を刻まれた“彼”―――――――!】

……決意が、違う。……覚悟が……違う。

…………重ねた刹那の、重みが違う――――――
……私は誰も失わない。

………そのために選ぶ道だから、この痛みにも耐えられる…………!

  【……斧が顔のすぐ横の、列車の壁に突き立った。“刺突”の動きが、剣士の場所を変えていたのだ。】

【鼻先を通り過ぎたその骨斧にも、身を灼く激痛にも揺れない瞳。……不退転の決意を乗せて。】

【―――――車内に残った“最後の一人”を、剣士は遂に撃滅せんとする。
 それは同時に今宵初めての反撃を、バッファへと放つ事をも意味していて――――】
121 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/27(日) 00:59:58.49 ID:xrE//RdDO
>>120
「ひっ―――ぐぇッ!!―――」

【銃弾は出ているはずだし、この距離なら見間違えようもなく当たっている筈だ】
【それなのに、刃をこちらに向けて来る八攫に、機関員が見たのは鬼か悪魔か】
【体を突き刺され、そこを起点に体が引き出される、内臓がズレるような感覚と共に車外に出された彼の指は、引き金を引いたまま強張ってしまっていて】
【弾を垂れ流したままのその銃口はバッファへと、銃弾の嵐が鈍重な巨体に襲い掛かる】

むぅっ!!

【銃弾の嵐を受け、バッファの体に出来る傷の数々、見る見る内に体中に傷を負ったバッファは、僅かに怯んだ】
【やがて銃は弾切れに、焼け付いた銃口から煙が上がる】

【―――八攫は気付いただろうか、バッファの受けた傷の異常に】
【バッファの体に出来た傷は確かに銃弾による物だが…それにしては軽微≠ニいうか、銃弾が体を貫いていない≠フだ】
【どちらかと言うと全て、銃弾が掠った≠謔、な切り傷、高速回転する銃弾が体の表面を撫でた時の傷が、体中に】

バッファッファッファ!!見た目によらずえげつねぇなぁ!!
だが…銃弾は俺様には効かねぇ!この脂の鎧≠ナな!!

【よく見れば、バッファの体が光沢を放ち、ぬるりとした液体で体中を濡らしている】
【これは脂だ、よく滑る脂を体中から分泌させ、覆う事で銃弾を滑らして軽傷で済ませたのである】

バッファファファ!!そこを動くなよ!!

【そして、槍を構えたバッファは地面を数回掻いてから、物凄い勢いで八攫に突進する】
【機関員ごと八攫を槍で貫くつもりだ、スピードが高い訳ではないが、踏み出す度に大地を揺らすその威力は解りきっているだろう】

【また、反撃するつもりならその方法も考える必要がありそうだ】
【体中を脂に覆われた今のバッファは、その丸い体型もあって一部の攻撃を滑らせ、威力を下げてしまう】
122 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 01:00:47.11 ID:zHVc4ryBo
>>119

(釣られ……た!?)

【突き出した刃の先には何もない】
【前のめりになり虚しくただ歩みを進めるだけ】
【振り返ればシャッテンは闇の中で自分をあざ笑うようにこちらを見ていて】

【それに再度攻撃を仕掛けようとしたら】
【闇を縫って、いや闇の中から現れる巨大な刃、闇その物か】
【いつか来るだろうとは思っていた大規模な攻撃はその実態を以って絶望を叩きつける】

(防御……所持してるのは4つだけ、最上級の盾は6つ必要、作れても性能が下がる……)

【人質への3本とシャッテンの肩への2本】
【その5本の使用が響いていた、手元の4つでは完全には防げない】

(それでも生き残るには……やるしかないか……)

【腹部の損傷に加えて更に攻撃を貰えば、そこで終わってしまう】

【残された4本を宙空に配置、半ば粒子となったそれは柄の部分でつながり合い】
【花びらのように肥大化し防御陣を築くしかしそれでも足りない】
【中心から階層的に刻まれた魔術式も途中から欠落しているのだ】

【だけどもう、それしか残っていないなら】
【全てを賭けるしかない……息を呑み迫る刃を見つめる、数瞬】

――――――――ッッッッ

【起点とした左掌から凄まじい衝撃が流れる】
【捌き切れないダメージはそのまま腕へと伝わり衣服、皮膚、肉を裂く】
【霧のように舞う血、響く嫌な音は筋肉でも断裂した音だろうか】


…………っ!……この、やろうっ!!
(保たない……っ、このまま壊れれば手が無くなっちまう……その前に……!)

【刃の進行は抑えているが盾の花弁には段々と罅が入り目に見えて弱体化を始めていた】
【既に腕を持ち上げるのも適わない支える右手からは血が滴る】
【ジリ貧の状況、だがまだ最後の手はあるが……痛みを伴う】

…………ち、この……――――――――!!

【盾に罅が行き渡る考えている暇はない】
【エルフェスはそこで盾を解除する、愚策だと思うだろうがもうこれしかない】
【けれどナイフは刃は辛うじて壊れないで終わる、それこそが希望】

【刃が盾の一部を壊す光を伴う衝撃の最中、2本のナイフがシャッテンの首に向けて連なるように放たれる】
【一方のエルフェスは残る2本でギロチンを受けようと試みるがやはり足らず押され壊され、吹き飛ばされ切り裂かれ】
【胸部に大規模な裂傷を受け地面に伏すのだった】
123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/27(日) 01:02:57.93 ID:otHviYYYo
>>116
人肉が資源だぁ? 
ふざけんなよ、俺の体をテメェみたいな奴に弄ばれてたまるか!!

【自分の肉を食われている光景は、嫌悪感しか生み出さない】
【それでも気丈に振舞うライラ。いや、性格上気丈にしか振舞うことが出来ないだけなのだが】
【しかし、その声には今まで彼に食われていったであろう数々の人々を案じるそれも含まれていた】
【そして、それを生み出すカニバディールへの怒り―――――】

ハ、俺はまだまだいけるぜ?
それとも、テメェのほうがスタミナ切れか?

【殴られても、その口調が変わることは無い】
【もともとこういう口調なのもあるが、相手を挑発するこれはカウンター気味の技を決めるのには丁度良いというのも有る】
【これで相手が乗ってくれれば―――チラリと、光を放つブレスレットを見やる】

残念。テメェみたいな魔法の使えねぇ奴に、これはあげられねぇな!
(……挑発に乗ったこと、後悔すんなよ……)

【今から行おうとする魔法。4回掛け合わせた魔法は、先ほどの2回や3回掛け合わせたものとは威力が違う】
【まさに段違いだ。まともに当たれば、重傷を負ってもおかしくない】
【……だが、万が一それが外れれば―――――ブルリと1回身を震わせて、ライラは迫る腕に対処しようと】


……!?


【そこでライラが見たのは、横転し、もう動くことはないと思われていた列車が空を駆ける姿だった】
【中に能力者でもいたのか、それとも外部からの力か――――それはわからないが、とりあえず人質は救われた、のだろうか?】
【列車内の人質をさほど気にすることなく魔法を放っていたライラだが、これには驚かざるをえない】
【そして、人質という足枷がなくなれば列車を守る自分以外の能力者の攻撃も活発になるだろう―――そう思い、カニバディールを見る】

【自分と同じ様に驚いているようだが、その驚きようは自分の比ではない。――――つまり、隙だった】
【即座に立ち上がり、手を翳して叫ぶ。4つを掛け合わせたその魔法の名を】


『 S 4   W i n d B l a d e J u d g m e n t ! ! ! 』

【風が起こる。ライラの周りに現れた、4つの大きな半透明のギロチンの刃の副産物だ】
【その刃は、ライラの周りを2周ほど旋回した後天高く舞い上がり、彼の元へと落ちてくる。そう、ギロチンの刃を落とすように】
【1つは右の2本、もう1つは左の2本の腕を斬りおとそうと。他の2つは、直接相手の体へ切り傷を残さんと襲い掛かる】
【その切り傷は深くなるだろう。しかし、少しでも良ければ軽減されるかもしれない】
124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/27(日) 01:05:51.42 ID:ey+KnCzPo
>>118

まだだ、まだ――

【たとえエネルギーを吸い取られても、その精神までは吸い取られず】
【真っ直ぐな瞳は、P/Rを確かに捉えて離さなかった】

列車が浮いて……そうか、列車ごと移動させれば――

【列車が浮翌遊していることにようやく気づいたのだろう、少しの間それを見て、また視線を戻して】
【――P/Rが、自身を攻撃している……!?】

【ただ、奴が無闇矢鱈に自傷をするわけがないッ!】
【ヤケになっている様子など、微塵もない――何か、何かを仕掛けるつもりなのかッ】

【そして、煌めくのは彼の血液――レーザー光線へと変化したそれ】
【狙いは――】


……列車かッ!

【あのレーザーが命中すれば、列車はひとたまりもないはずだ】
【速度と電気で相手の動きを止め、毒で体力を奪う――それがこの姿の最も得意とする戦法】
【故に、火力は"控えめ"で――ましてや、血液由来とはいえレーザーに"毒"が効くのか、もし効いても……果たしてそれが止まるのか】

  【けれど――】

列車の方にも……"仲間"が居る、彼らと力を合わせられれば――
そして、少しでもレーザーを弱めて、そしてそれを逸らさなくてはッ!

【何もせずに、ただ電車が撃ち落される事を見るだけ――そんな事、彼には出来なかった】

【――何かを成さずして、一体何が達成できようか!】


――[ヴェノム・サンダーボルト]!

【真っ赤なレーザーへと、"紫電"が向かう】 【それは彼が吐き出したもの――"毒"を持った"電気"!】
【幾本もあるレーザー、その全てに当てることなど到底無理な話だろうが――】
【それでも、それでも数本に当てられれば、一本でも良い、出来れば全部――とにかく、レーザーの軌道を"夜の空"へと曲げられれば!】

【――その行為が、成功するか失敗するかはわからない】
【その是非を確認する前に、彼の変身は"残念だが時間切れだ、ちょいとばかし"時間"を盗られたからな"とばかりに解ける】
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 01:08:03.66 ID:Z8Co7O2v0
>>114>>117>>>>118


【剣を構えるジャンクちゃん、拳を構えるチェカ】
【それを嘲笑うかのように、影はいとも容易く二人の警戒を潜り抜け】
【狙いに気付いた時は既に遅く】

ま、さか――――!


【振り向いた先には先頭車両の二人>>114>>117を襲う影の姿】
【走っても間に合わない――手を伸ばしても届かない――絶望的な距離――】

【ちゃりん、足元で何かが擦れる音がして】
【視界に入ったのは、一枚のコイン――――水の国の通貨だろうか】
【考えるまでもなく両手でがばと拾い上げる】

二人とも伏せて――――ッ!

【鋭く叫んで、突き出されたコインがマインドの指に掴まれると】
【第一指と第二指の歯車に呑まれるようにして挟まれ――――ぎゃりんと回転】

――っ、――!?

【がくり、一瞬列車の推進が強まり、伸ばした手の照準が僅かにぶれ】
【本来ならば額を一撃で破壊する目的の筈が】
【指弾ならぬピッチングマシンのような速度で、回転するコインが二人の方角、影の胴体辺りに向け撃ち出された】
126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 01:14:18.15 ID:dzqAHiFoo
>>111>>118

【警戒を行いコンバットソードを左手に持つジャンクちゃん】
【ショートカットの少女の提案を耳にするのは次の瞬間――ペコリ、とスカートを摘めないまま少女に頭を下げながら】


――了解いたしました、"お嬢様"
今このときは、その勇ましき力を信頼いたしますデスヨー!

そして……ええ、もうそちらの『卑劣な合理性』という物を、ここまでの数手を通して
すでにこのワタシは見切っておりました……ですがみごと不意を突いてまんまと騙したのはあなたではありません


【そこまで言った時、ショートカットの少女の方からならば気が付くかもしれない】
【今確かにジャンクちゃんは"コンバットソード"という武器を作り上げ切ったはずなのに……今この時も左腕から『鉄粉』が零れている?】

【――いいや、『完成』していなかった!さらに鉄がこぼれ、その一本の剣を補強するように『くの字』の形になるように刃が形作られいく!】


―――…貴方の分身の能力などを見ても、その能力はある程度の警戒力を持っているようでしたから
わざと目に見える所で鉄の武器を即席で作り上げ、途中の形態の名前をわかるように言ってあげましたデスヨー

名付けて"コンバットブーメラン"!そしてもう決して貴方を逃す事のないよう、貴方が次登場する所を
今戦闘できる状態ではない悦那さんたちの方向に行くと思って左手には投げる武器を作ったのデスヨー、
この『左手』の武器と、連結器を破壊させた後この列車自体を一周させたワタシの『右手』に備わった『鉄粉』と鉄を作る機能で……


――決して逃げられないよう『サンドイッチ』にするためにね!……デスヨー!


【そう言った瞬間、戦う事の出来ない二人の真正面を狙った『影』の、丁度背後を取るように】
【今まさに一周して戻ってきた、その過程で右手から散布した鉄粉で肥大化した右手が、ガッチリと『影』を掴むように指を開いて襲う!】
【そしてジャンクちゃんが決してその『右手』から逃れられないよう、今作ったブーメランを、『影』とその延長線上にある『右手』めがけて!】


ウリャ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ッ!!!


【ブーメランを投げ、前と後ろ両方から鉄の力でガッチリとくっつけて『影』を固定、そのままショートカットの少女の用意する『罠』目がけて吹き飛ばすために!】
【ジャンクちゃんが今作り上げた"コンバットブーメラン"を力いっぱいブン投げるッ!!】

>>114>>117

【そして息を吹き返したように飛び立って行く列車が、やがて水の国一帯を見下ろせるほどの高度まで来た時】
【列車を飛ばす者たちの前方、やや自分たちよりも低い高度から追いつこうと近付いてくる者たちがいた】

【―――その形を一言で言うならばまぎれもない空飛ぶ『船』だった】

【飛行船と言うよりも、無理やり飛行機能を取り付けたとしか言いようのない帆船の形をした船】
【その船が名に背負う、オリジナルの『船』は神々が巨人の力を借りなければ持ち上がらなかったというほどの重量を誇ると巨大さだったと言うが】
【今近づいてくる『船』の大きさはその名を持つにしてはやや劣る。しかしその宵闇色に塗られた重厚なフォルムと、優美で荘厳な外見と】
【列車に乗り、長い時間疲弊し、ようやく命の危機から遠ざけてくれる救いの船だと悟った者達は】
【ゆっくり、ゆっくりと自分たちの乗る空飛ぶ列車へと近付き、少しずつ大きく膨れていくように見えるその船の事を皆、こう錯覚した】


【それはさながら、森羅万象に愛された光の神の誇る船――――『リングホルン』のようだった、と】
127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/27(日) 01:21:34.25 ID:ACyFXRPn0
>>122

さ、さぁ……これでお前は試される……ぅ、本当に『価値ある命』なのか、どうか……ぁ!! 似非じゃないところ、見せてみなよぉッ!!

【白髪の青年へと、そんな言葉をぶつける鎖の青年】
【ガードに回った――――これで死ねば、所詮はそれまでの存在だったと言う事だ】
【だが、逆を言うなら――――これを凌げるのなら、彼は間違いなく「自らを生きている」命――――本当の輝き・尊厳を宿した存在と、認められる】

(結界…………! あのナイフ、それとも奴の力…………? ともあれ…………随分とやる能力だ…………ぁ!)

【『シャドウギロチン』を受けに回る――――あまり上策とも言えないが、そこまでに至極身体を痛めている以上、回避も簡単ではない】
【それを考えれば、順当な選択と言えるのだろうが――――】
【重ね合わせたり分解したり、果ては結界の起点にしたり――――自分の闇と同じく、かなりの取り回しの良さを秘めていたのだと、今さらな感心を覚えた】
【――――戦士としての性質は、案外似た者同士だったのかもしれない】

――――――――っ、な……………………!?

【そんな様を見届けようとしていた――――ある意味、鎖の青年最大の失態は、それだろう】
【ガードを捨ててまで、最後の一撃を放ってくるとは思いもしなかったのだ】
【――――闇の中では、青年を捉える事は不可能だが、それも全身が闇の中にあっての話である。覗き見るために上半身を残していた以上、完全な闇とは言えず】
【また、武器であるパタは、既に腰に戻してしまっていた。今さらパタを利用して投擲を弾く事も不可能】
【これ以上傷を負えば、出血な危険な域に達する。しかし、回避の術は無く、かといって甘んじて受ければ、それが致命傷になりかねない】

がぁぁぁぁッッ…………が、ぁ――――――――

【咄嗟に、闇の中から両腕を抜いて、首を庇う様に手を組む。そこにナイフが突き立ち、もう1本は振り切れ――――】
【それが、腕の血管の太いところを抉ったのだろう。パイプが水漏れする様に、どくどくと血が溢れだしてきて】
【鎖の青年も、それで限界だったのか、のけぞりながら闇の中に沈んでいく】

(…………無茶を…………ぅ、するもんだ、ね…………ぇ……………………
逆に……感心出来ない、くらいじゃ……ない、か……ぁ……………………
君が命を…………正しく生きてても…………死んだら、意味が無いんだ…………よ、ぉ……………………?
そのゴミどもは…………くれてやる……………………今日は…………僕が兜を、ぅ…………脱ごう…………ぅ……………………
…………尊厳を守った…………素晴らしい……ぃ……………………戦士さん……………………)

【姿を消して。それでも青年の声は、どこからともなく響いてくる】
【その声は、途切れ途切れで苦しげだ――――やはり、傷が重篤な域に達している】
【しかしその声は、自らを生命の危機にまで追い詰めた相手への、無茶の咎めと純粋な称賛を口にする】
【この襲撃者は、どこまでもそんな人物だった】

【――――商店街に囚われた人質は、こうして負傷しながらも、犠牲者は出さずに済んだ】
【闇に溶ける水色の髪の、鎖を身に繋いだ青年は、血だるまになりながら、逃げ帰ったのである】

/遅くまで乙でしたー!
128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 01:22:11.03 ID:8+LR9BHUo
>>117 >>118 >>125 >>126

【影の襲来、掛かった声に体勢を低めつ、それでも前へ出るのは悦那だ】
【ジャンクちゃんのブーメランと、少女(>>125)の放ったコインによって】
【幾らか威力は下がったとは言え、それでもいなしきれない攻撃を、そのまま一身に受ける】

【もう「命令」は済んだ、ありったけの魔力を列車と彼女(>>117)に渡した】
【だから――己はもう用済みだ。あとは盾になるくらいしか、本当に出来ることはない】

【彼女(>>117)を守るよう晒した背中に口が、牙が、躰に深く食い込んで】
【血反吐は出ない、既に死んだ体には血液なんか巡ってはいないから】
【けれど痛みも体の損傷も確実に其処に在る、苦痛に表情が歪んで躰が揺らぐ】

【しかしそれでも繋いだ手は離さない、寧ろ安心しろと言うように強く握り直し】
【空いた方の腕を影へと伸ばし、僅かに残っていた魔力全てで「命令」を放とうと】
【実態のないそれ、果たして効果があるかは分からないが――命懸けで有るのは、間違い無い】

……っ、てめぇは、いい加減、引っ込んでろ!

【「支配」の魔力が、影を列車の床に叩きつけて、名前通り影のままでいさせようとし】
【通じたならば影は動けなくなるのだろう、尤も此方を襲った部分の影のみではあるが】
【――だが、ジャンクちゃんのブーメランも、少女の罠もある】
【いずれにせよ、影本体は逃れる術を殆ど狭められたといえるだろうか】

【そして同時、窓の外の異変にも気付いた】
【殺到するレーザー、回避させられる程の力なんて勿論己には残ってない】

嘘だろっ、何だアレ……、有り得ねえっ
畜生が、この状況は半端じゃなく、マズいか……!!

【だが、近づいてくる駆動音もある――】
【そう、ジャンクちゃんと『タフガイ』の手配したリングホルンだ】
【援護を受けられれば、あの暴力的なレーザーからも車両を守れるだろうか】
129 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/01/27(日) 01:32:12.44 ID:VYPu/Qhpo
>>123

【まさかこのような形で人質が手元からこぼれおちようとは思いもよらず】
【ライラの、喰い殺されていった人たちを想っての義憤の声も、誘い込む挑発も、輝くブレスレットも】
【その瞬間は、意識の外であった。カニバディールが意識を戦いへと戻した時には】
【すでに、ライラの攻撃は解き放たれていた】

……ぐっ!? しまった……!!


【カニバディールは戦士ではない。能力を有した、ただの人殺しである】
【それがこのような隙をさらしてしまえば、対処のしようがない】
【4つの魔法をかけ合わせた、まさに必殺の威力を秘めた、風の刃】


ぐぎゃああああああああああああああああああああああ!!!!!

【絶叫が、広場に轟き渡る。裁きの刃は、まさしく断頭台にかけられる罪人の首のように】
【四本の肉腕は、完膚なきまでに切断され、血しぶきを上げて地面へと落ちる】
【残りの二本が、本体までも断罪しようと――】


ぬ……があああああああああああああああああああああああああああ!!!

【四本の肉腕の断面から、新しい肉が盛り上がった。膨張・増殖によって生みだした部位は、失っても補うことはできる】
【しかし、今は防御にすべての力を振り分ける必要があった。盛り上がった肉は、カニバディールの胴体の前へと殺到し】
【二本のギロチンの攻撃を受ける。またしても舞い上がる鮮血。再び、切り落とされ、ズタボロになった肉が、肉腕から落下する】


ぐぎ……なるほど……杖による殴打は……この攻撃への布石……「溜め」だったというわけか……

【カニバディールは、どうにか生きながらえていた】
【しかし、ズタボロになった四本の肉腕の切断面からは止め処なく血が溢れだし】
【作業着とエプロンもひどく切り裂かれ、胴体には鮮血がしたたる傷が刻まれていた】
【直接攻撃を仕掛けてきた二つを、完全に防ぎきることはできなかったのだ】
【ふらつきながら、その場に立つカニバディールの視線が、足元の肉塊にとまった】
【切断されて落ちた、肉腕の残骸】


……クク……ライラ……やはり人肉は資源だ……
こんなざまでも、使い道はまだある!!

【恐るべき生命力、これほどの血液を垂れ流しながら、カニバディールは動いた】
【足元の肉塊を、サッカーボールのように、右足で蹴り飛ばしたのだ。ライラに向けて】
【肉の残骸が、ライラへと向かっていく。しかし、所詮は苦し紛れの攻撃、速度はない】
【が、肉塊の大きさはそれなりのものだ。当たれば、ダメージは受けるだろう】

【蹴りを放ったカニバディールは、攻撃の成功を確認することなく、バランスを崩してその場に膝をつく】
【あまりに血を流しすぎた。もはや決着は目前か】
130 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/27(日) 01:34:51.96 ID:9jSQ09vto
>>118 >>125-126 >>128

【能力に全開を使い切っていた、飛び上がらせ或いはそのままにしておくのに多大な力を使ったのだろう】
【少しだけ、ほんの少しだけ緊張の糸を緩めたなら、がくん、と一瞬列車が大きく高度を下げるのだろう】
【大きく揺れる床、乗客からはあちこちから悲鳴が漏れたりしていた】

【他の乗客からしてみれば、いきなり列車が空を飛び上がり、攻撃を受け始めたのだ】
【不満がおこってもおかしくない、今はまだ――――何もおきていないけれども】
【早く駅に着かなければ、皆が皆、落ちてしまうかもしれない】


っ……どうしましょう……っでっかいレーザーがこっちに来てますねっ……!
それと……これわ……?すっごく大きな船でしょうかね……?


【吹き上がるレーザー、そのいくつかが列車を直撃するだろう、そのたびに右に左に大きく揺れる】
【それはまるでシェイクされるみたい、そのたびに人質の悲鳴が大きく響き渡る】
【限界状況も近いのだろう泣き出すような声も、大きく響いていたりした】

【――――もう嫌だ、そんな声もちらほら、泡のように浮かび上がって、はじけて】
【止めることも、沈めることも出来ず、広がっていく声の波が、列車内を大きく揺らす】
【いけませんね……と思うけれども、彼女には殆ど何も出来なくて――――】


わ……ぁっ!!な、何してるんですかーっ!そんな、そんな深い傷しちゃってぇ……
自分の身お大事にしてくださいよぅ……私が、私なんていいですからぁ……


【強く握り返される彼女の手、よりいっそうそれが、儚いものに思えた】
【すり抜ける前の暑い感触、掌から零れ落ちる幸せは得てして失う前にはとても強く思えるもの】
【消えていく体温のような貴方の指先が、とても深く、それでいて白く――――】

【大粒の涙が檸檬色の瞳を滲ませる、それはまるで夜露の咲いた花の抜け殻のよう】
【片方の手で思わず顔を覆った、拭っても拭っても、その感情は枯れやしない】
131 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 01:42:37.53 ID:zHVc4ryBo
>>127

――――――――………っ!……ぅ

【倒れこむ音にはグチャリと水の含んだ物が混じる】
【肋骨は言うまでもなく臓器まで傷が付いているのだろう】
【それだけの血を犠牲にしても、それでもシャッテンを倒すには適わなかった】

(……どこだ、どこにいやがるあの野郎……!)

【叫び声は聞こえてもそれが絶命の叫びでない事はわかっている】
【わかっているが始末するチャンスを逃したくはなかった、相手も深手を負っている筈だ】
【追撃すれば息の根を止められよう……でも】

【でも酷使した体は言うことを聞かない】
【地面に広がる血液は相当な物で、意識を保っている事さえも奇跡に近い】

(逃がすか……ここで仕留めなきゃ、居る意味がない……どこだ、どこだよ……っ)

【痛みに苛まれる体を押して、視線を上げれば既にシャッテンはおらず】
【ただ自分を称賛するような台詞だけが響く、それが純粋に悔しかった】
【人質を守る事が出来たのは良い、だけど敵を倒せなければ自分が居る意味が無い】

――――――どこに、……いやが……る

【絞りだすような声は恐らく誰にも届くまい】

【役目を果たせない道具は意味がないのと同じだ】
【だからこんな場所でこんな姿で埋もれている訳にはいかないのに……】
【思いばかりが早って何かが零れそうになる時に、そこでようやく意識は途切れ完全に地面に伏すのだった】

【囚われの身の人々を守るのを勝ちとした】
【でもそれでもこの惨状では負けと同じだろう、相手を倒せないで何が正しいのか】
【解けてしまった白髪は赤色を吸ってまばらに染まる、不思議とその模様は花にも見えたという】

/お疲れ様でした!
132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res saga]:2013/01/27(日) 01:46:05.95 ID:nGJmph8C0
>>124
『ク、ハハハッハ――まだ、まだか。そうやって弱者はいつでも嘘をつく。自分自身に。』
『貴様が口に出すのなら"まだ"ではなく――"もう"だろう?』

「いーや、違うね・・・ッ!」
【唐突に、セリーナの声が聞こえる――まだ解凍は出来ていない。"弾"末魔は凍ったままだ――】
【アーマーも関節部分と足が凍らされたため、動く事は出来なかったが――】
「まだ、できる事なんて腐るほどあるよ・・・アンタを、ユウトと一緒に・・・ブッ倒すコト、とかね・・・ッ!」
「う、おおお・・・・ッ!!」
【半ば、無理矢理に――氷の拘束を解くよう、セリーナは動き出した――関節部分に動力が働き、なんとか動くことは可能になったか。】
【放たれるレーザーにむかい、突進――そのうちの一本を受け、彼女は瓦礫の中へと――吹き飛ばされた】
「―――ああああッ!!」

『無駄なことを・・・』

【P/Rも、全身が傷つきダメージを負っているのは確かだ――だが、そのレーザーは矢張り強力で】
【放たれたヴェノム・サンダーボルトの障害を貫く――しかし、それにより幾分かは列車へと到達する分が軽減された――!!】

『―――ほう、やるな。しかし――これで変身は解けた、というわけだ。』
『さあ、どうする――あの女はもう動けんだろう・・・小僧、貴様は弱いな。』
『フリー・フォール』
【P/Rは浮遊能力を使い、その身を空中へと浮かせる――このまま自身も、列車の方へと向かい、空中で攻撃を再開するつもりだろう】

>>125>>126

『ゲギャギャギャギャギャギャッ!!モウッ!オソイッ!!』

【飛び掛ろうとした、そのときだった――影はその身を、"拘束"される!】

『――?ナ、ンダ・・・ッ!!』

【見ればあの少女――ジャンクちゃんの腕には剣が更に肥大化し――"ブーメラン"の形状をした武器が握られているではないか】
【そしてその時、ようやっと周囲を見渡し――影は気がつく。】
【撒かれた鉄粉、そしてこちらへと向かう『右手』――そう、罠にはまったのはこちらだったのだ。】

『グアアアアアアアアアッ!!ハナセェェェェッ!!』

【ブーメラン、そして右手により影は攻撃され、しかも固定され、黒い物体を――影を撒き散らしながらその体積を減らしていく――】
【そして完全に捕獲された彼を――そう、"チェカ"の放ったコイン・ブレットが貫いた。】
【まるでそれは弾丸、影の胴を打ち抜き――沈黙したかに思われた。】

【が】

>>128>>130

『儀、非ヒヒ言いイィィィハハハハハッハハアハハハァァァァッ!!』

【最後の最後、消滅する寸前に――影は頭を伸ばし、攻撃した――】
【これがティナに、届くか、届かないか、というところで――】
【打ち抜かれた頭を、牙しか残らない顎を振って、悦那へと噛み付く――】
【そう、悦那だ、なんと――彼は身を挺して彼女を守りきったのだ】

【まさに命がけ、これ異常ないほどに完璧に断たれた影の攻撃】
【そして、それをきっかけに、影は悦那に支配され――床へと、叩きつけられる!】
【――消滅。影は、沈黙し――やがて、消えてしまった。】

>>ALL

『ぐ、あ、あああああああああああああああああああああッ!!』

【その瞬間、P/Rの全身から血液が噴出す――大ダメージを負ったのだ。】
【そう、分身は攻撃を受けても何もなかったが――影は操れる代償に、『本体とのダメージリンク』があった】
【つまり、影が消失するほどの攻撃を受ければ、それは本体へと遅れてリターンする、というもの――!】

【男はあまりのダメージに一旦、飛び上がろうとした状態で空中2mほどの位置に停止する――】
【今なら、ユウトが飛び掛れば攻撃できる、か】
133 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/27(日) 01:55:04.59 ID:o8K5L1Le0
>>121

【銃弾の嵐は、然し―――――――――……No.29には余りに温く。】

(…………なっ……!?)


……はぁっ………はあ……ッ……。

(………信じられない……あの連射を、ほとんど無傷で…………ッ。)

【肩を上下させながら、知らず曇った表情が“軽傷の”バッファへと向かう。】
【………不安材料はそれだけではなかった。
 急所こそ避けきったものの、出血量はかなり多い。あとどれだけこの身体は保つのか―――――】

【…………けれど。】

(―――――――……構わない。斃れる前に勝ち切れれば……それで、全員護りきれる――――)

   【……“誰も零したくない”。】
【その一念で研ぎ澄まされた生命と覚悟。理想(おもい)は、なおも凛然として再び瞳に宿る。】


…………確かに、ね。見ての通り、私は“正義”にはほど遠い―――――

【ゆえにその総身は力に満ちた。】
【飛沫く血と共に太刀を引き抜き、鋩は地面近く/左脚の前に、持ち手は高く、頭に近い高さでその右側に。
 かくして剣士は刀身を斜めに構えて、迎撃の準備を終える。】

【……呼吸は未だ整えきれない。だが、それがどうしたというのか。】
【この身体は今、動く――――――――】


 ―――――…………ッ!

 【…………ならば全霊を懸けて戦い抜こう―――――――――それ以外の道など、要らない。】

【轟音を立てて迫る巨躯に対し、剣士の選ぶ一手は「利用」。
 すなわち斜めに受け止めた大槍のベクトルを“捉え”、自分の身体ごと斜め上へと“流す”。】
【弾かれた様に―――――……否、文字通りに弾き飛ばされて、後方宙返り同然の回転を得る身体。】

【それにより槍の向かう先は、僅かに上方へとずれて――――結果的には機関員からも、その先端を外すだろうか。】

………くっ………!

    【……自分と機関員を守った代償は、全身への多大過ぎる負荷。骨の軋む音がして、開いた傷口から血が迸る。】

 ……けれど私は諦めていない―――――――――……何一つとして、この瞬間に!
 

  【……生命も、誓いも、誇りも、剣も。何一つとして諦めはしない。ゆえに切り裂く、切り拓く―――――――!】

【全身の回転に乗せて、刹那閃く太刀の刃は――――――正確に、バッファの鎖骨と頚骨の隙間に斬り込もうとした。
 骨と骨の間を狙う、彼自身の骨格を添え板とした斬撃―――――――――
 確実に刃筋を立てるための、上向きに“昇る”/独楽のように廻る身体で放つ、後方宙返りでの一閃だった。】

【……その後に晒す隙は、間違いなく多大なものとなる。決着は間近だった。】
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 02:01:36.26 ID:Z8Co7O2v0
>>126>>128>>130>>132

っ、ブーメラン!?

【ジャンクちゃんの奇策――まんまとそれに嵌った影は】
【致命的なダメージを受けて霧散したかに思われたが】

【しかし、しぶとく、文字通りに大きな歯跡を残していったようで】


良い漢気です、感動しました。
あとはもう無茶しないで――――

【男が少女を庇った>>128>>130を見届けると、一瞬労わるような眼差しを向けて】
【だんっ、と】【2両目後方、大きく裂けた連結部分から身を乗り出す】

【一度は退いた列車への攻撃、しかしまた体勢を立て直して再び襲いくるだろう】
【そうなる前に射程圏外への逃亡を――――】


ラストスパートいきますよッ、しっかり掴まって――――ッ!


【高らかに宣言し、乗り出した先、車両の床下、機関部に】
【下から突き上げる様に、マインドの腕を連続ラッシュで叩き込む】

【“トルク最・大”】【そう呟くと】
【生み出されるは大小様々な無数の歯車――元あった駆動部分と噛み合うもの――新たなギアとして収まるもの】
【その一つ一つが軋みを挙げて高速回転を始め】
【結果、マインドの最高出力を上乗せされた列車は、その速度をぐんとあげて舞い上がるだろう】
135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/27(日) 02:05:15.25 ID:otHviYYYo
>>129
―――俺は普通の魔法が使えねーんだよ。
だから、こういう魔法で補ってるわけだ……チャージが面倒だがな。

【噛み付きと殴打を貰ったライラは痛みに顔を顰めるが、その直ぐ後にはにやりと笑みを浮かべていた】
【何せあちらは腕4本を切断され、更に胴体までも傷を負っているようなのだから。この程度の傷、どうということは無い】
【あちらへと歩みを進めようと―――】

……くッ!? ……やられる直前まで貫き通すか、人肉が資源だって。

【カニバディールが放った蹴りで飛ばされた肉塊は寸分違わずにライラへと向かうも、それは直接ライラに当たらない】
【要は杖でガードしたわけで。それが結構な速度だったならば吹き飛ばすことも可能だっただろうが、今回はそういかなかったらしく】
【代わりにライラの顔へと、吹き出していた血がベットリと付いた。―――しかし、それが歩みを止める要素にはならない】

―――――って……。

【そう言いながらライラが歩みを止めたのは、まだ相手へと手の届かない場所】
【何をするのかと思えば、杖を振り上げて相手へと突進するだけ。彼は血を流しすぎた。今ならいける―――】
【ライラはそう思いながら、激情のままに叫ぶ。食われた人の無念と、カノッサへと憎しみを同時に】



そ  ん  な  わ  け  ね  ぇ  だ  ろ  う  が  ぁ  ぁ  ぁ  ぁ  ぁ  ぁ  っ  !  !  !


【十分に近づけたならば、膝をついているであろうカニバディールに振り上げた杖を力いっぱい横に薙ぐように振り抜くだろう】
【と同時に、彼の杖に風が纏わり付く。半透明で不定形のそれは、先ほどのギロチンと同じく斬撃の性質を持っている。即席の剣といった所か】
【先ほどと違うのは、その大きさだろうか。先ほどとは格段に小さいが、もう関係ない。――――後は、目一杯に振り抜くだけなのだから】 
136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 02:06:50.08 ID:dzqAHiFoo
>>128>>130>>132>>134

【ガチャン、と音を立てて、役目を終えた右手を再び自分の右腕の先へと戻す】

【そこまで終えてから、ジャンクちゃんは自分たちの連携により、無事『影』を撃退できたのを確認】
【同時、ガァン!と音を立てて列車が揺れる……このままでは……!】


――やったッ!!ですがしかし……下で頑張ってくれた方がほんの少々軽減してくれたとはいえ…!
このままでは墜落してしまう……!悦那さんと着物の方も全身全霊を振り絞ったというのに……!
ああ、このままでは……リングホルンに激突するッ!


【――そして、レーザーが放たれた列車を待ち構える、すぐ下の"リングホルン"にて】


「いそげ"ポマード"ッ!!アレには俺達の侍女長も乗っているんだッ!!
なんとしてでもあの列車を安全に格納できる位置まで飛ばすんだッ!」

「うろたえるな"バッテン"!そんな事はわかっているぜッ!
俺達の侍女長……つまり女性が乗っているのならば……"WILD"の教え通り紳士的に丁重に迎えればいいんだろう?
だったら最初っから問題ない……すでにけが人対策の為に『メディック』も向かっている、そして!」


【にたり、と操縦桿を握る、その名の通り髪をポマードで頭頂部に固めた男、"ポマード"が隣の"バッテンに"不敵に笑いかけて言う】
【側のモニターを起動させると、今まさにその列車を迎えようとしている二人組が、何らかの呪文を唱えていた】

【若い方は、さらっとした柑橘系の整髪料の匂いが漂うさらっとした茶の短髪にきりっとした目に真っ赤な瞳に整った鼻筋】
【水色の質素なシャツを白い柄シャツの上から羽織り、ひざ下まで伸びた黒よりの灰と黒のストライプのハーフパンツに赤のスニーカーの青年】
【肩にはリュックサック風のバックを持ち、首には赤いマフラーを巻いている】

【もう片方は、左手で愛おしそうにレッドカラーのトイプードルを抱えながら呪文を唱える、初老の割に妙に背筋が真っ直ぐな男だ】
【年老いて真っ白になった髪に顔の下半分を覆うほどの白く豊かな口髭、唯一見える目の部分からは鋭い眼光が輝く】
【そしてここは相当冷える上空であるはずなのだが、初老の男は、紺色の半袖半丈の作務衣のみを身にまとっているのが見える】

【その男たちが唱えているのは、簡易的な『起動』の呪文――――その内容は、自分たちの今目の前にある列車の着地地点】
【そこに用意された大規模な魔術を発動するための魔法陣と、そこへエネルギーを供給するマナバッテリー装置の起動である!】
【その魔法陣が起動されると同時、彼らの目の前で、ぐぐぐぐぐ、と無色透明の水のような何かが空中でどんどん肥大化していく】

【妙に柔らかそうなイメージを与えてくれるそれは、その二人の前で列車すら受け止めきるほどに肥大化していく!】


「こんなこともあろうかとッ!列車の到着地点には!ムクさんと剛太郎さんが待ち構えて!
特大の『スライムクッション』を発生させられるよう魔翌力貯蔵装置と魔法陣を敷いてあるからなあ――――――ッ!!
これなら起動するのが二人でも、先頭から第二車両までの小さな列車くらいならば十二分に受け止めきれる体積を用意できるッ!

このまま着地の衝撃は完全にスライムに吸収させてやるぜ―――――ッ!ザマァ見ろォォォ――――――ッ!!」


【予定通りの位置にぴったり列車の落下地点まで"リングホルン-V"を移動させたことで】
【揺れながらリングホルンへとほぼ落下していく列車は、スライムへと全速で向っていく!】

【同時、列車内のジャンクちゃんの"W-Phone"から、その場の物たちに聞こえるように声が響く】
【さわやかな印象を与えてくる若い男の声―――今スライムの魔術を起動した片割れ、剛田 剛太郎の物だ】


『――大丈夫ジャンクちゃん!そのまま降りてきて!俺達が着地を支える!もう大丈夫だ!』

その声は……ゴウさん!来ていただいたのデスヨー!?
悦那さん!お二方!そのままリングホルンの着地地点へ誘導を!
――この速度のままで構いません!降りてくださいデスヨー!


【ショートカットの少女の最後の一押し、この最後の一押しでギリギリ追いつく所まで持ち直した】
【後はこのまま"リングホルン-V"の甲板部分のスライムに落下着陸して終了だ―――――!】
137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/27(日) 02:19:52.16 ID:xrE//RdDO
>>133
【ドスドスと轟音を立てて突進する様は正に猛牛、真っ直ぐにしか進めないが故に、剛健】
【だがしかし、その攻撃は真っ直ぐな線≠ノ働き、少し方向がずらされれば―――】
【槍の向きはずらされ、見当違いの方向を突き刺す】

ぬぅっ―――!ちょこまかと!!

【頭上を飛び越えた八攫を視線で追いながら、ブレーキをかけるバッファ】
【しかしその隙を突き、刃が背中を滑る】
【―――刀と言う物は性質上、刃を滑らせ対象を撫で斬る物】
【例え脂に塗れていようと、その防御は効果を発揮しない】

―――がっ―――!

【まるで、映像作品の殺陣の演出の様に】
【一瞬遅れて噴き出した血が、脂に混じってバッファの体を濡らす】
【膝から崩れ落ちたバッファは、それでも手をついて持ちこたえ、八攫に振り向く】

…ぐっ……ぐふぅ……!!
この野郎…やってくれるな…!!

【息を荒くしながら、ゴーグルの下で八攫を睨む、しかし睨むだけで、立ち上がれない】
【彼はその体型から予想出来る通り疲れやすいらしい、おまけに体から脂を分泌するのにもスタミナを消費する】
【彼は今一度、傷を覆う為に体から大量の脂を出した、その為にスタミナが切れたのだ】

…ふぅ…ふぅ…糞…部下がやられてなけりゃここは任せるんだがよ…!
…あーあ…やってられねぇぜ…!
好きにしな、抵抗する気も失せた、人質ももうどうでもいい

【とうとうバッファはその場に座り込むと、槍を置いて諦めの言葉を口にした】
【―――無論、こんなに諦めがよければ機関員なんかやっていない】
【バッファは密かに、後ろ手で支援を要請していた】
【これ以上戦う事は出来ない、諦めて捕まる気も、死ぬつもりも無い】
【ただ、この場を生き残り逃げる算段を、したたかに】
138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/27(日) 02:24:42.99 ID:ey+KnCzPo
>>132

【セリーナがレーザーへと突進――その行為は彼を驚かせた】
【けれど、"大丈夫かッ!"】 【そう声をかけることしかできなくて】

ハァー……ハァー……くッ!

【再変身しなければ、ただの一般人――変身していないヴォルヴが攻撃できる以外は】
【だが、それも時間稼ぎにしかならない力しか持っておらず】
【エネルギーを奪われ、変身が強制解除され、体力を消耗し疲弊した彼は――】

【――それでもまだ、諦めてはいない】

【ジャンクちゃんの呼んだ船――あれはまさしく、助け船】
【列車を助けてくれる、受け止めてくれる……ならば自分は奴へ立ち向かってやるッ!】
【ヴォルヴには少し無茶をさせるだろうけれど……やるしかないッ!】

【P/Rがまた浮翌遊して――今度は攻撃ではないのか、しかしこのまま空中へ行かせては駄目だと彼は思い】
【[ヴォルヴ]を伸ばして、彼を掴もうとしたその時】

なッ……!

【突然、全身から血を噴き出し叫ぶP/R――】
【一体全体、何が起こったかを彼はすぐに理解できなかった】
【けれど――これは、列車内で仲間が何かをした事による結果だと、彼は直感的に思っていた】

【皆が作ってくれたこのチャンス――逃すわけにはいかないッ!】


 ――[ヴォルヴ]ゥゥーーーッ! 僕に力をォォオオオーーーーッ!

【"無茶言うよ"】 【"……無理じゃあないけれどね"】

【PC状の分身の画面に現るポッド、それを飲み込むのは分身――すると分身の姿が変化して行き】
【そしてそれはミミズに芋虫を掛けあわせたかのような姿になる、長さは3mで、その直径はおよそ25cmで、頭部にサメのヒレのような角を持ち】
【金色の眼を持ち、全身に透明な産毛を持った灰桃色の身体に、白い環帯や体節を持ち、黒茶色で淡く光る模様を全身に持っている】
【また、頭部には大きな口と鋭い牙を持っており、5本の黒茶色の舌は長くよく伸び、先端が白くまるで鳥の嘴の上部の様に鋭く硬くなっていた】
【そして、その身体の根本は、彼の左腕から生えている形となっている】


 ――[ヴォルヴ]ゥゥウウーーーッ! "悪い奴"を撃ち落せェェエエーーッ!!


【彼は左腕を高く、高く掲げて――】
【そしてそのミミズとなった分身は身体を大きく曲げ、P/Rへと振り下ろす】
【いわゆる体当たり――それは"鞭"のように、彼を地面へ叩きつけようと振るわれた】
【その大きさ故に、威力はあれど初速は遅い――でも、今ならッ!】
139 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 02:31:11.50 ID:8+LR9BHUo
>>124 >>130 >>132 >>134 >>136

【レーザーの威力が弱まったのを見て、車窓からもう見えるかも分からないセリーナとユウトを「見る」】
【紛れもないUNITED TRIGGERの仲間の力、「有難うな」と、聞こえない言葉をそれでも投げ】
【――少女(>>134)の言葉。これまた「どうも」なんて、荒い息でそれでも笑ってみせた】

【迫り来るレーザー、例え命中してもセリーナとユウトの奮闘により格段に威力の落ちたそれは】
【列車にとっては致命にはならないはずで。だが大きな揺れ、そして操作担当二人の疲弊――】
【翼を操る少女(>>130)へ力を分けたくてももう此方も限界だったのだが、】
【そこで少女(>>134)が発現したマインドの支えが働く、無事に進んでいく先、見えるのはリングホルン】

【あわや激突――だが列車はまるでそれを理解したよう、前進する勢いを弱めさせる】
【否、もうとっくに限界を超えていたのだ、これ以上動ける訳がなかったのだ】
【横転、決裂、そしてあのレーザー。この場所まで走れたことが、奇跡とも言えた】
【それは勿論、少女(>>134)のマインドの力もあってのこと。それには本当に、助けられた】
【人を思いを乗せて空を駆けた列車は、静かに眠るように、内燃機関の動きを止めて】
【衝撃も全てクッションに吸われることで、内部にダメージを与えることなく無事に着地する】

……ははっ、大成功、ってか…………痛っ

【人質の救出、まさか列車ごと救出になるとは、誰が予想しただろうか】
【それを少なからず成功へ導いた男・悦那は、罅の入った体で息も絶え絶えに】
【けれど酷くやり遂げたような、そんな顔で『タフガイ』達と対面するのだろう】
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/27(日) 02:31:57.53 ID:ey+KnCzPo
>>138
/行為には全く、本当に全く関係ありませんが、ミミズの色は
/身体・角:白、環帯・体節・嘴:橙色、模様・牙・舌・口内:金色 に訂正します
141 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/27(日) 02:37:13.37 ID:9jSQ09vto
>>132 >>134 >>136 >>139

【スライムのクッションに飛び込んだ列車、まさかの着地に観客からは歓喜の声が漏れるだろう】
【Night Bird Flying≠フ羽が落ちて、消えて、夜に溶けていくのだろう――――】
【それはやがて宵闇に沈む雪のよう、残り香すらも感じさせない完全なる消失】

【彼女もまた、春に溶け残った氷みたいに、歓喜に沸く乗客の中、紛れ込んで消えていくのだろうか】
【表舞台に立つには彼女は少々、モブでありすぎるみたい――――】

【ピンク色の彼女の残光を、確かめるように辿ることなんてきっと、できないのだろう】


/早いかもですがお先に……皆様お疲れ様でした
142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/01/27(日) 02:40:09.70 ID:VYPu/Qhpo
>>135

は……恰好は正統派なくせに……邪道な魔法使いだな……

【最後の捨て台詞、といったところか。果敢にも笑みさえ見せて接近してくるライラに、もはやなす術はない】
【悪あがき、蹴り飛ばした肉塊も、ライラの杖に叩き落とされる】
【ライラとてダメージを受けているだろうに、やはり、彼もまた強者だ】


ぐ……ぐぬ……

【突進してくるライラ、膝を付いた体勢からどうにか反撃に移ろうとするも】
【無理だ。もはや、現状では反撃はおろか逃走もできそうにない】
【――現段階では】

(伸びろ……伸びろ!! 早く!!)


【カニバディールの首の後ろ、ライラからは死角になっている部分から、細長い何かが伸びる】
【四本の肉の腕の縮小版と行ったところか。複数本が、巨大でない分小回りが利くのか、かなりのスピードで周囲に伸びていく】
【その先にあるのは、最初にカニバディールが手に掛けた、自警団員たちの死体――細く小さい肉腕は、それらに食らいつき】
【急速にその血と肉を吸収していく。少しでも本体にエネルギーを送れるように。「現段階」から脱するために】
【その間にも、ライラはどんどん肉迫してくる。早くしなければ……いや】
【脅威は、すでに目の前にあった】


ぎっ!!

【短い悲鳴と共に、ライラの風の刃がカニバディールの首筋を切り裂く】
【一文字に開かれた傷から、またも血が流れ出す】
【同時に、杖になぎ倒される形で、カニバディールの体は、横に倒れた】
【ライラの怒りの一撃は、この戦いの決着をつける一撃となった】
【もはや、この悪党の命も尽きて――】


……何とか……ごふっ……この程度には……間に合ったようだな……がはっ……

【暗い瞳がかっと見開かれる】
【使い物にならなくなった、肉腕の名残が切り離される】
【本体の両腕もズタズタになっていたが、ダメージの大半を膨らんだ肉が盾として受けたようだ、まだ両腕とも存在していた】
【同時に、首の後ろから湧き出るように、十数本の肉の触手が溢れだし、節足動物のようにうごめいて】
【カニバディールの体をズルズルと引きずっていく】
【自警団員の死体から、速度のみを重視して吸い上げた血肉で、何とかこの場からの逃走に使えるエネルギーを確保したのだ】


魔法使い……カノッサに敵対した以上……お前の未来は……血ぬられた修羅の地獄だ……

【言い残したセリフが、ライラに届いたかどうか】
【残った力のすべてをこの瞬間、すべて逃走に回す】
【見れば、ズタボロの両腕にも細かな肉の触手が生えて、それを手助けしている】
【瞬間的に、速度が上がる。要は、この場を脱しさえすればいい】
【地べたを這いずる虫のような姿で……カニバディールの巨体は、水の国の街の暗闇へと消えていった】


【この場の脅威は、勇敢なる魔法使いによって去った】
【彼は見事に、カノッサの使途を、撃退して見せたのだ】


【カニバディール――敗北・逃走】
【勝者――ライラ = フェルンストレーム】



/こんなところで締め、でよろしいでしょうか
/ライラの方、お疲れ様でした! 本日は、本当にありがとうございました!
143 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/27(日) 02:54:19.18 ID:o8K5L1Le0
>>137

(………ッ!)

【目の前で跳躍して斬り裂いて―――――……多少は狙いを外したものの、十分な打撃は与えられた。】
【手応えからそう確信して/全身を貫く激痛に堪えつつ、着地する剣士は、再び敵へと振り返り……。】


……信用すると思うのかしら?
だから貴方に贈るのは、えげつない私に相応しく――――……

………この刃での決着にするわ。


……――――――― “さようなら”。

【ゆっくりと、けれど確かな/処刑人めいた足取りで、倒れ臥すバッファに近寄ってゆく。】

【そして刃を上にして下段に構えた、低空を斬る構えの太刀を、そのまま上向きに振り抜いて、】
【顎から頭頂部まで、縦方向の斬り上げで両断――――――……】
【………する刹那に刀身を反転、“斬る”のではなく意識を絶つため、彼の下顎を打ち据えようとする。】

 【……峰打ちというものの一要素には、“斬られた”と錯覚させるというものがある。
  そして彼女の超疾の剣は、見切れぬがゆえに限りなく、その錯覚を与えるに易いもので―――――】

 【その一撃を受け、脳を揺らされる彼の意識は、狙い通り闇へと消える事になるだろうか。】
 【それでも……命は保つのだろうが。】

【………ここで彼女が“勝てない”可能性は二つ。一つは手負いのバッファの底力/最後の抵抗。】
【そしてもうひとつは、カノッサ機関の救援が、彼が打たれるまでに間に合う事で――――】
144 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res saga]:2013/01/27(日) 02:57:14.29 ID:nGJmph8C0

>>138

【セリーナに、ユウトが叫ぶ声が聞こえただろうか――その真意は定かではない】
【だが、彼女は確かに身を挺してレーザーへとブチ当たっていった――そう。】
【それがUNITED TRIGGERの一員である彼女がとるべき行動だったからだ。】

『くだ、らん・・・ッ!!どいつも、こいつも・・・ッ!!』
『救うことばかり考えおって――ふざけるなッ!!』

【全身から血を滴らせながら、P/Rは呟く――】

『まさか、影が・・・俺の"影"が、あの列車にいる雑魚どもごときに・・・ッ、クゥゥッ!!』
『ゆる・・・さん・・・ッ!全員、まとめて――』

【そうして再び、今度は先ほどなど比ではない量の血液を、レーザーに変えようとするが――】

『――!!こ、小僧・・・貴様!なんのつもりだ・・・よせッ!!やめろッ!!』
『――そこまでして、なんになる・・・っ!そんな醜い姿になってまで・・・バカか!!』
『何故そうまでして人命に全てを委ねようとするッ!?くだらん、くだらん乗客の命などに――!!』
『お前達と乗客に――クッ!!なんの、なんの因縁がある・・・!』
『恋人でもいるのか、ならそいつだけは助けてやろう――・・・!』

【この期に及んで、まだ、戦う意思を見せるユウト――あまりにも攻撃的で、果敢なそのフォルムは】
【ダメージを負って切羽詰ったP/Rをビビらせるには、十分すぎた】
【焦った男は弱気なコトを口に出した――まるで命乞いのように。】

『―――バカが、言っても無駄か・・・ッ!!』

【しかし、そんなものが通用するはずも無い――ユウトの、人を救いたいという】
【仲間を守りたいという怒りがこもった、最後の一撃が、獰猛な鞭となり】
【――P/Rの鈍った身体を、打ちのめした――】

『―――ああ・・・』

【――叩きつけられ、瓦礫の中に、男は埋もれた。】

>>134>>136>>139>>141

【影は消え】
【男も打ち倒された】

【列車は――リングホルンへと、ゆっくり降りていく――】


【―――わッ、と歓声が上がったのを、戦士達は聞いただろうか。】
【ユウトの強烈な一撃が、影を撃破したことで弱体化したP/Rを奇跡的連携で叩き潰し】
【全ての人員が命をかけた結果、列車ごと人質は救助される―――】

【――文句の無い。完全な、救出チームの勝利だったといえよう。】
【この瞬間だけは、カメラも、マスコミのアナウンサーも、市民も、そして乗客たちも涙を流し、喜んだ。】



【――最も。救出のカタルシスはそう、長くは続かない。】

/続きます!
145 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 02:57:19.57 ID:Z8Co7O2v0
>>136>>139>>141

【ず、ずんと激しい着地音】

【しかし、その割に内部には大した振動もなく――――】
【衝撃に備えて壁に掴まっていた少女は伏せていた顔を恐る恐る上げ】
【マインドも解除し、余計な歯車を取り去って、連結部から下を覗き込む】

これは――――スライム? こんなものまで……

>>136の通信を受けての救援だろう、駅には数人の魔術師らしき者たちも見え】
【歓喜に沸き立つ車内にて、少女は壁にもたれるようにして、安堵の溜息をつく】


あの黒い影といい、一時はどうなる事かと肝を冷やしましたが…

UNITED TRIGGER……――――正義組織も中々どうして侮れませんね

【独りごちて、最初に声を掛けられたピンクの少女と話そうとしたが】
【いつの間に消えたのやら何処にも姿は見えず】

【首を捻りながら、しかしこれ以上の出番も無し、ならば長居は無用と判断し】
【隠しておいた荷物を纏め、喧騒を増す構内をそそくさと後にしたのであった】


/長期の絡みお疲れ様でした&有り難うございましたー!
146 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/27(日) 02:57:23.10 ID:otHviYYYo
>>142
何とでもほざけ、負けるのはテメェだ。

【ライラ自身、格好こそ一人前だが、普通の魔法が使えない事に辟易していた節もある】
【だが、まぁこうして敵対する機関の1人を屠れるのだから、まぁ良しとしよう―――そう思い】

―――

【カニバディールの首を切り裂き、やっとコイツを殺せる――――思っていたのだが】
【それは盾―――まだ生きていたのかとライラが思う前に、カニバディールが不気味に姿に変化した】
【蜘蛛のような姿にまだ戦えるのかと思わず飛び退くのだが、それが逃走のチャンスを作ってしまった】

【その巨体とは似合わぬスピードで去っていくカニバディールの捨て台詞】
【ライラは、ハ、と息を漏らして口を開いた】

なーにが修羅の道だ。やってやるよ、本気でな。――――次は逃がさねぇぞ、カニバディール!

【その言葉も、彼に届いたかは分からない】
【だが、それがライラ自身を引き締めるものであったのは間違いない】
【最初、ライラは自らを「カノッサ機関ハンター」と言った。アレは正直、思いつきに過ぎない】
【しかし今日の戦闘でそれは本当のものになる。カノッサ機関ハンター・ライラが動き始めた瞬間だった】


「―――――はい、じゃあちょっと署まで来てもらおうか」

――――は?

【ただ、自警団員を殴ってまで機関員と対戦したというのは、些かこの世界では不都合を起こした様だった】

/はい、大丈夫です!
/お疲れ様でした&ありがとうございました!
147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res saga]:2013/01/27(日) 02:57:34.61 ID:nGJmph8C0



>>ALL

『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!』

『パティ―――エクス・プロージョンッ!!!』
『ウォォォォォォオォォォキング・デェェェェェェェェェェェェェェッェェッド!!!』

【――墜落したP/Rが、捥げた腕を放り捨てながら全身、血塗れのグチャグチャな状態で起き上がった――!!】
【そして彼は最後っ屁に、二つの"能力"を発動する】
【一つは『ウォーキング・デッド』!先ほどの、血液をレーザーに変える力!】
【そうしてもう一つは――パティ・エクスプロージョン】
【呟いた彼の身体はぶちゅり、と嫌な音を立てて炸裂する――そして全身が細切れになりながら】
【それはまるで「花火」のように上空へと打ち上げられる――いくつもの"肉爆弾"が】
【彼の身体を消費しながら、命の耐えたP/Rの全身を凶器としながら、夜空へと放たれる!!】

【上空3,40m付近で肉片は向きを変え、ユウトやセリーナのいる地面へと、そして『リングホルン』へと急降下していく――!】
【肉片は命中すれば爆発を起こす一発一発が「肉のミサイル」――】


「――ユウト、迎撃準備!!」

【その時、ユウトの元に声がかけられるだろう。】
【それは紛れもないUNITED TRIGGERリーダー、セリーナ・ザ・"キッド"の声だ】
【彼女の手に握られているのは"弾"末魔――彼女のメインウェポンである召還銃】
【先ほどのレーザーで凍りは解けていたのだろう、砕けたアーマーの一部から艶かしい生身を覗かせつつも】
【セリーナは銃弾を放つ――すると弾丸は停止し、召還陣を展開――亜空間から武装が呼び出されるッ!】

『翼神信仰――<ジェット・ケツァルコアトル>!!』

【彼女の元に呼び出された武装は"機械式の翼"】
【風の文明神であるケツァルコアトルをモチーフに生み出された魔導機械式緊急展開ブースターッ!】
【背に生えたメカの翼でセリーナは上昇、引き続き"弾"末魔での"肉片"への攻撃に移る――!】
【全てを撃ち落すことは神業を持つガンマンのセリーナでも不可能であろう、協力が必要だ。】
【迎撃が不可能ならば、周囲にいる人間を連れて素早く退散することがユウトにはもとめられるかもしれない――!!】

【リングホルンへと向かう肉片の一部も、セリーナは的確に打ち抜いていくが――これでは弾切れが間近だ、防ぎきれないッ!】
148 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/27(日) 03:08:31.89 ID:xrE//RdDO
>>143
【座り込んだバッファに、迫る八攫の陰】
【バッファは考えていた、これから自分に起こりうる事を】
【バッファは思っていた、持ちこたえられるのはどれくらいかと―――】

…ふん、[ピーーー]なら殺れ、どの道逃げられやしねぇ
最後に食ったのがハンバーガーなのが心残りだ―――

【そして、潔く諦めたかのように言いながら、目を閉じた―――】

【が、しかし、振り下ろされた刀は、バッファに到達せずに止められる】
【バッファは、後ろに回していた手に斧を取り、間一髪それを防いだのだ】

【―――そしてその瞬間、八攫には強い光が当てられるだろう】

―――バッファファファファファ!!そう簡単に諦める訳ねぇだろ!?
こんなこともあろうかと近くに部下を待機させといたんだよ!!

【光の正体は、呼び出されたヘリコプターのライト】
【逆五芒星を描いたヘリコプターは、梯子を垂らしたままバッファへと近付き】
【バッファは刀を受けた斧を投げ捨て、槍を拾うと梯子に捕まって、ヘリコプターと共に上昇していく】

あばよ!!その人質はくれてやるぜ!!
バーッファッファッファッファッファ!!!

【―――上手く自分だけ逃げおおせたバッファは、負け惜しみの言葉を叫びながら、夜の空へと消えていく】
【人質に目立った怪我は無いし、被害者もいない、邪魔者を逃がしはしたが、救出は成功だ】

【―――ただ、車内という閉ざされた空間の中から、電車ごと斬られる機関員や、刀に刺されて引き出される機関員を見て、怯えている物は少なくなかったという事も、一応追記しておかなければなるまい―――】

/お疲れ様でした
149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 03:09:14.07 ID:8+LR9BHUo
/>>139で書き漏れてました、此方もお先に失礼します
/主催様並びに共闘した方々、有難う御座いました!
150 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/27(日) 03:23:13.84 ID:gEezvCG6o
>>139>>141>>144>>145>>147

【人質たちを待ち受けていたのは……なんというか奇妙な男たちだった】
【まずこの男たちの第一印象だったが……皆誰もが『ガラが悪い』】
【まるで路地裏に蔓延るチンピラとほとんど変わらない風貌の顔ぶればかりが並んでいたのだ】

【だがあくまでも感じる感情は『奇妙』という感情、『恐怖』だとかそんな気持ちは全く浮かばなかった……なぜなら】


「――皆様、お疲れ様でした、後は我々が護衛し、安全な場所へとお運びします
当"リングホルン-V"はこれより皆様を水の国と地の国の国境地点にある自然公園に着陸し
ひとまずはその場の宿泊施設へとお連れいたしますので、本日はゆっくりとそこで疲れを癒してください」

「なお、怪我などを負わされた方々は速やかに我々に申し出てくださるようお願いいたします
それらの怪我を負った方々には我々の医療スタッフ『メディック』が貴方方の負傷の治療を完全に行いますので
その他保障関係でご質問がある方はどうか我々に……」


【人質たちを迎え入れたガラの悪い荒くれ者たちは皆、きっちりとした黒の紳士服に身を包み】
【口調を丁寧に整えて、今助け出した人質たちに奇妙なほど紳士的な態度で接してくるのだ】
【完璧すぎるくらいに紳士的な対応ゆえ恐怖など抱きようもなかったが……彼らのその首から上の風貌を見るとどうしても『奇妙』な気持ちにさせられた】


『ジャンクちゃん!肉片が飛んでくるッ!!対応するぞ!』

―――ええ、お任せくださいデスヨー、今度は先ほどのような密室ではありませんし
人質や味方へのフレンドリーファイアの心配なども一切ない―――これで問題なく……これが撃てるッ!!


―――『ガトリングガン』だッ!!!

【ジジ、とジャンクちゃんが腹部のジッパーを開くと……なんと腹から丸型に並んだいくつもの砲門が飛び出したのだ】
【推定十六門に及ぶ丸型の砲門の寄せ集め―――その形状まぎれもなく『ガトリングガン』ッ!】
【搭載されているのは水の国の大会などの競技や自警団で公式に使用が許可されている制圧用に扱われるゴム弾】
【だが一発一発が触れれば爆発する肉のミサイルならばッ!一分間毎600発の弾丸を発射するガトリングガンをこちらへ向かってくる肉片めがけ】



YAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA――――――――――――――――――――ッ!!!!




【文字通り一発残らず精密かつ的確に!こちらへと飛来する肉片をひとつ残らず撃ち落とすだろう!】
151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/27(日) 03:26:45.25 ID:ey+KnCzPo
>>144

――[エクスカヴェイト・E・アースワーム]か、……よく頑張ったヴォルヴ、後でゆっくり休もう

君みたいな悪い奴は、僕は嫌いなんだッ、そうやって尊い命をくだらないと済ますような奴はねッ!
そして、護るのに因縁なんて……要らないさ

【ふらりとよろけて地面へと膝をつく彼――】
【無理矢理ヴォルヴを変身させての攻撃だったのだ、もう体力は枯渇しかけている】
【終わった、のか……】 【じゃあ、少し休ませて貰おうか――】


【――いや、まだ終わってはいなかった】


なッ、自身を破裂させて……ッ!
これはッ……! ッ、このままではまずいッ!

【P/Rの、捨て身の――いや、実際に身を破壊しての最後の攻撃ッ!】
【セリーナによって撃ち落とされたそれを見る限りでは、それは爆発するようで……】
【――このままでは、周囲の人々にも被害が出かねない】

わかった、セリーナッ!


――皆、速くここから逃げろォォオオーーーーッ!

戸惑っている場合じゃあない、良いから逃げるんだッ!


【彼の"精一杯の叫び"を、周囲の人々に向けて発した】
【自分は"体力的"に逃げることも難しい、だったらせめて"周りの人達"だけでも逃さなければ――】

【今、ヴォルヴが変身している姿は――掘ることに長けており、"硬い地面"を掘れるということは"攻撃翌力"が高めということである】
【しかし"巨体"ゆえに動きはあまり速くないという"デメリット"があって――】
【自分が変身していない分、立ち回りはその場合と若干変わるのだが】 【そのデメリットが変わるわけではない】


 ――[アース・バレット]ッ! [ヴォルヴ]、これが本当に最後だ、……耐えてくれッ


【分身は口を大きく開けると、"土の弾"――大きさは"ピンポン球"程度のそれを"複数発"、発射した】
【正確な狙いは出来なくとも、肉片に当たらない弾もあれど、撃ち落とそうと"肉片"めがけてそれは飛ぶ】
【――彼の狙う肉片は、周りに集まった人々に落ちそうなそれ】
【船の方は他の仲間がやってくれると信じて、関係のない人々を優先させることにしたのだ】

……ッ、グァッ!

【……だが、それは"捨て身"の行為でもあった】 【彼の近くに肉片が一つ落下し、"爆発"――彼はその爆発にのまれ、吹き飛んで】
【同時に、分身の変身も"解除"されて――】 【残りは、他の仲間に"全てを委ねる"形となった】
152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res saga]:2013/01/27(日) 03:56:57.01 ID:nGJmph8C0
>>150

「――チィッ!肉片が多すぎる・・・ッ!!」
【"弾"末魔に装填可能な弾丸は六発――とてもではないが全ては撃ち落せない】
【しかしそれでもセリーナは――呆れたことに装弾数異常の肉片をなんとか、夢中で撃ち落す】
【それは誘爆を使っての"広範囲攻撃"――肉片のいくつかはまとまって飛来しているのだ】
【そのタイミングを量り、ここで爆発すれば誘縛で周囲の肉片も巻き込めるであろう――というポイントを】
【彼女は見逃さずに打ち抜いた――】

「――ダメだッ!・・・まにあわn――――」

【しかしそんな小手先の技術では、この数は賄えない――】
【リングホルンへと飛来する肉片には、手出しできない――そう思った瞬間】
【肉片が次々に打ち抜かれ、凄まじい勢いで"消滅"していく!!】

「う、わわわわ!?が、ガトリング――すっご・・・ッ!」

【弾幕。弾幕。弾幕――火力が集中し、驚異的な速度で肉片は次々に爆散】
【正確な射撃能力にはセリーナも舌を巻いた――こういうことは矢張り人間よりもメカ、か。】
【バルバルバル、と機械じみた音を立てて肉片たちは全て打ち抜かれる――】

【残るはユウトと、そしてその下に向かったいくつかの破片のみ!】


>>151

【ユウトの声が届いたのだろう、歓喜によっていた市民達はおお慌ててで逃げ出していく――】
【落下までにはまだ時間がある、ダッシュで逃げれば市民達にはまず、被害は出ないだろう】
【――そしてたとえ逃げ遅れていても、ユウトの放ったアースバレットにより被害は軽減される】

『ユウトッ!もういい、アンタも逃げなきゃ――クッ!!』

【最後の最後まで、救うことを諦めない。例え自分が傷ついても――】
【彼の姿は本物の"戦士"であった。】
【セリーナは打ちもらした幾つかの肉片が、彼の身体を爆破し攻撃するのを見る――同時に、変身が解けたのも。】

【弾丸はもう残っていない――市民は逃げたか、ならば――】

『いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇっぇっぇえッ!!』

【ジェット・ケツァルコアトルは急加速を始める――!】
【素早く地面へと向かい、その手前で急停止――残りの数発の肉片の落下よりも早く、駆けつけるッ!!】
【そのままユウトの身体を掴み、もう片方の手で向かい来る肉片を――なんと、持ち替えてグリップを武器に、"弾"末魔で迎撃!】
【そう、銃を回転させバレルを掴み、持ち手部分をハンマー代わりに肉片を吹き飛ばす――周囲で爆風が起こる】
【さらに最後の、本当に残った数発が落下してくる前に、セリーナはジェットを再点火・急発進――】

【――回避。】
【二人が元いた場所は、爆風で吹き飛ぶ――】
【間一髪、避けられたようだ・・・。】



【瞬間、今度こそ、本当に―――歓声が上がった。】
153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/27(日) 04:12:03.16 ID:o8K5L1Le0
>>148

(…………!)

【――――ギィン、と鳴り響く想定外の金属音。】

………っ……!

【刹那、剣士は圧倒的な光量に目を細め―――――……結果としてバッファを取り逃がす羽目になる。】
【取り澄ました表情のなかにも、剣士の双眸は悔しさを滲ませていた。】
【けれど、見送り終える頃にはそれも抑えきって……】

【……自分の状態を、ふと顧みることを少女は選ぶ。死ぬ訳にも行かないのだし。】

(………よく、命の保ったものね―――――……流石にここまで来ると、もう笑うしかないけれど。)


【あちこちを銃弾に抉られて、それ以上に骨は罅だらけで……自分のものか敵のものか、分からない程血に濡れている。】
【客観的に見て、生きているのが不思議なくらいの傷だった。】
【けれど……事実として今、自分は生きている。】

【苦笑が零れた。】
【護ろうとした乗客たちも全員無事で、機関員もナンバーズ、あのNo.29以外は斬り伏せられて――――……】
【………どこに不満を持つ要素があるだろう?
 感謝されたかった訳でも、あの男を斬るために戦った訳でもないというのに。】

  【なぜ、心が軋みそうになる―――――?】

(……これで……良いのよね。皆、生き残れはしたのだし――――……怪我だって誰もしてない。)
(…………。)

(………怖がらせた事くらい、かな―――――)

【痛みの理由はそれだけだと思考に浮かべて、剣士は……追想をそこで打ち切る。】
【そして黄金の焔を纏わせながら、白銀の太刀を “虚空に戻し”……】
【“徹しきっていた”一人の剣士は、ここで一人の少女に戻る。】

    (……っ……!)

【瞬間、突き刺さるのは幾つもの怯えた視線。自覚するのは、今宵の自分の戦い方が、凄まじ過ぎたという事実。】
【……“護りきる”ために選んだそれは、怖れられて当然の兇剣で――――】


(………私は……望んで、こうなった。)
(……最後まで、それを貫き通してみせる……っ……―――――――)

【……護りたいもの総てを守る。】
【そのために、何処までも強くありたいと願う。】
【今宵選んだ冷徹さも、そんな“強さ”の一部だ、と―――――自分自身に言い聞かせながら、少女は、今宵もまた決着に到る。】
【どれだけの葛藤を越えてでも―――― 戦い続けてみせるのだと、誓い直すように“弱さ”を拒んで。】

【やがて自警団が機関員たちを、そして救出された乗客たちを運び出してゆくのだろう。】
【長い、長い夜の終わりだった。】

/遅くまで本当にお疲れ様でした。ありがとうございましたっ……!
154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/27(日) 04:17:33.07 ID:gEezvCG6o
【―――――――――バババババババババ!!!と、近くで聞いているともはや鼓膜がやぶれるレベルの音を響かせて】
【ジャンクちゃんはこちらへと向かってくる肉片の全てをガトリングガンで掃射する】
【昨日の時点で彼女をロボットたらしめる要素は、セリーナが実際に手の甲の堅さや顔の中の異物感を触れてたしかめただけだったが】

【実際に腹からガトリングガンを取り出して撃っている彼女の姿を見て、もう疑いようもなくこの少女はロボットなのだと、理解してしまうだろう】

【放っているのは制圧用のゴム弾でこそあるが、触れただけで爆破する肉片相手ならば威力は十分!】
【完全に掃射完了したことを確認すると、あくまでそういう素振りでしかないのだが、ふう、と一息つくしぐさをみせると】


これにて、任務完了デスヨー……このまま自然公園に降り立ったら撤収します
皆さん、本日はありがとうございましたデスヨー

『お疲れ様!ジャンクちゃん!』

『―――ったく、所属してないはずのワシまで引っ張り出してくるとはのう……まあこの規模の魔術は
実際にワシが出向かなければ発動は厳しいのは分かるがのう……本当に面倒な用事じゃあ』


【ため息を突きながら作務衣の老人をまあまあ、と宥める剛太郎はジャンクちゃんを労うと】
【ややよろけ気味のジャンクちゃんの背中支えようとした――だが、問題ないと手振りで伝えると】
【今回協力してくれた悦那たちに挨拶しようとして】


―――さて、本日はありがとうございましたデスヨー悦那さん!初の共同作戦でしたが
うまくいって本当によかったのデスヨー!

ええ、そして先ほどの貴女方!素晴らしい技能を見せていただき感服いたしました!
マインド能力に聖遺物でしたか?今回の作戦は貴女方の力のおかげで無事完璧に完了させることが出来たのデスヨー!
そこで、お話なのですが、もしよければ貴女方もワタシと共に"WILD"の元……で……



【いない】
【たった今『メディック』たちに負傷した悦那が運ばれていくのが見えたのがわかるが】
【それ以外の先ほどの二人――――その凄まじい能力から彼女が大いに関心を惹いたあの勇敢な人質たちの姿がない】
【きょろ、きょろ、とうろたえ気味に見回しながら、彼女は聞いてくる】


……あの、ゴウさん、さっきこの辺りに二人ワタシといっしょに女性がいませんでしたデスヨー?

『さっきジャンクちゃんと一緒にいた子たち?それならさっきどさくさに紛れていなくなってたけど』



―――――――の、逃したデスヨー!?


【そこで頭を抱えて、ジャンクちゃんは本当に二人の反応がこの場から消えてしまっている事に気が付き】
【しまったぁぁぁぁぁぁ!などとその場であたふたし始めていた】
155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/27(日) 04:19:53.22 ID:ey+KnCzPo
>>152

……良かった、護れた…………!

【どうにか、周りに集まった人々を肉片から護る事に成功したものの】
【彼にはもう、動く気力は殆ど無く――】

――はッ、肉片はまだ残って……ッ! このままだと僕にッ!
何か盾をッ……"瓦礫"……あった、けれど……くゥッ、もう少し……もう少しで届くのにィッ……――

【そして彼に迫り来る、肉片――勿論、回避する余力も無く、近くの"瓦礫"を"盾"にしようと手を伸ばすが届かず】
【――まさに、"絶体絶命"のピンチッ!】

 まだ僕は……――!

【こうなったら、もう――天に"命運"を任せて、神様の"気まぐれ"にそれを委ねて、この"生命"が尽きぬことを祈るしか――】


ッ……?

【彼がそう考えていた矢先、何者かが自身の身体を掴みあげた】
【……その者の正体を、彼が理解するのにそう時間は掛からず】

――ありがとう、……セリーナ
危なかったよ、もう少しで……もう一発喰らうところだった……――

……ちょっと、休んでも良いかな…………――――

【セリーナへと、弱々しい声で礼を言うと――】
【"緊張の糸"が途切れたのか、そのまま彼はゆっくり目を閉じて】
【そして、セリーナに掴まれながら、周囲より沸き立つ"歓喜の声"をぼんやりと聞いていた】


【"まったく、無茶させて……"】 【"君がそういう性格だって事は、僕が一番知っているんだけれどね"】
【"ともかく、少し休ませてよ――また水場で、[リカバリング・E・ゲルスライム]に変身するとか言ってくるんだろう?"】
156 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/27(日) 04:26:39.55 ID:gEezvCG6o
/しまった、>>154>>152です
157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res saga]:2013/01/27(日) 04:35:22.62 ID:nGJmph8C0
>>154>>155


【完全なる制圧――肉片は全て撃ち落され】
【水の国の中心に、ようやっと――】
【一晩ぶりに、平和が戻った。】


『見てください、みなさん――爆撃が止みましたッ!!』

『現れた能力者達――あのUNITED TRIGGERのメンバーもいます――そして、謎の巨大船によって!』

『列車ごと、人質達は救助されました――我々の勝利です!!』

【――アナウンサーが、カメラの前でそう叫ぶ】
【だがそんな言葉を聴いているものなど誰もいなかったかもしれない。】
【集まった警官達は全員が全員、ガッツポーズで銃を放り投げ、抱擁しあっていたのだ。】
【市民達も大騒ぎし、UNITED TRIGGERの面々や、新たに現れた"船"を有する――リングホルンを有する存在に】
【胸を高鳴らせた。】

「うわ・・・拍手、すっごいなぁ・・・へへ、アタシは今回、なーんもできなかったんだけどねぇ・・・。」
「むしろ感謝すべきは悦くんと、それにジャンクちゃん――あとは。」

【内部で、彼らに手を貸してくれたであろう、勇敢な――強い、能力者たち。】
【セリーナは"チェカ"のことも、"ティナ"のことも知らないが――それでも。】
【列車を浮かし、人質達を避難させた彼らに、賞賛の意味を込めて、親指をグッ!と立て――リングホルンへ向けた。】

「――とと、ヤッバイ!そろそろ燃料・・・っていうか、魔力切れか!」

【ぼふ。とジェット・ケツァルコアトルの巨大な魔導機械から煙が上がる――オーバーヒート。】
【そもそもが繊細な機械を詰め込んだかなり精密な魔導翼だったが、このたびの使用で相当内部にきているようで――】

「あわわわわわ、はやいとこ行かないと――ゆ、ユウト!?おっこちたらごめんね!?」

【――爆風と度重なる攻撃で、ティターン・アーマーのところどころが吹き飛び――】
【顔面を覆っていた装甲も軽くひび割れてしまい、そこから特徴的なブルーとも、翡翠ともとれる瞳を覗かせ】
【眠ってしまったユウトに、悪戯ぽくウィンクをした。】
【最後の飛翔で、ジェット・ケツァルコアトルが向かうのは――まさしくリングホルン】
【傷ついたユウトを抱え、そして自分自身も治療が必要だと考えたのだろう。】
【青年を抱え飛行する"機械の悪魔"達に――ユウトと、セリーナに、もう一度拍手が送られた。】

【その中に紛れた、一つの声にユウトは気付いただろうか――】

『おにーちゃーん!たすけてくれてありがとー!』

【――集まっていた市民のうち、逃げ遅れた小さな子供――ユウトの放ったアースバレットで命を救われた子供からの、声援。】
【――セリーナは思う。きっと、こういう事なのかもしれない】
【――正義の組織を率いる、とは。こんなことなのかも、しれないと。】

【二人はリングホルンへと着地するや否や――力尽きたのだろう、セリーナは文字通り、ぶっ倒れた。】
【召還陣が現れ、装着していた"ティターン・アーマー"と"ジェット・ケツァルコアトル"が再び魔空間へと転送されていく――。】

「ごめ――じゃんく、ちゃ――げんか・・・い・・・・」

【ただ一言、そう言いセリーナは突っ伏した。・・・治療室が満員にならないといいな。】

/お疲れ様でしたーーーーーーー!!
とりあえず、今回のイベントはこれで終了となります!おそくまでありがとうございます!
158 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res saga]:2013/01/27(日) 04:51:06.12 ID:nGJmph8C0

【水の国 郊外】



「―――おや、終わったようですね。」

ああ、そのようだな。なかなか良い見ものだったよ。

「――成功、というワケですね!いやはや、一時はどうなるかと。」

まともな能力者がいなかったのだから仕方が無い。最後の最後で複数人との戦闘データが取れてよかった。

「ええ、後半現れたあのUNITED TRIGGERの面々、それに人質を救出した彼らとの戦闘データ。いやはや。」

――テストには十分だったろう。これで、また我々も動き出せるということだ。

「あの戦艦のようなものは気がかりですが――ふむ。ゲームは矢張り、強敵がいてこそ、ですね。」

UNITED TRIGGERだけでは不十分ではないかね。せっかく叩き潰すならば敵は大勢いた方が楽しいだろう?

「面白くなってきましたね。ところで、彼の――P/Rの能力。すごいですねぇ、この――」

"ブレイン・コネクター"・・・10個目の能力にして、ヤツが最初から――そう
列車を襲撃した時点から、もっといえばトラックから放り出されてから常時発動していた"能力"

「視覚をデータ化し、記録する力――おかげで彼の視点で今回の騒動を追うことが出来た、そして」

これは貴重な戦闘データにもなりうる。我々の実験は成功だよ、"シック・ボーイ"。

「ええ、そのようです――さて、戻りましょう。このデータと合わせて、そろそろ"彼ら"に売り込みをかける時期でしょう。」

ああ――六罪王。近々"会合"が開かれるとも聞いた――そこが勝負、だろう。

「楽しみですねぇ――」

「では、帰りの運転は私が。貴方はお休みになられてもよいですよ。」

――すまんね。どうも、"参謀"だった時の名残か・・・戦闘が行われてるときに寝るのには慣れていないのだよ。

「ええ、そのようでしたねぇ!ですが。もう戦闘は終わりました――ふふ、安全運転には自信があります。」

「おやすみなさい――――"ソーン"。」

【トラックが発進する。】

【それは、昨晩の夜、あの"ドラム缶"を置いていったトラックと、全く同じもので。】

【歓喜に沸く水の国の果に――悪は小さく、密かに、芽吹いていた。】
159 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/27(日) 04:53:33.96 ID:ey+KnCzPo
>>157

【ダメージを受け赤く染まった身体の彼は、ぼんやりする意識の中、様々な思いを巡らせていた】


【――落っこちるのはゴメンだなァ、飛べるのは[B・E・D]位だし、落下に耐えられるのは[R・E・G]位だし】
【そもそも落ちたらセリーナだって危ないんじゃあ……】

【ん……歓声が聞こえる……ありがとう、かァ】
【――でもセリーナは"おにいちゃん"じゃあないよって……って、僕宛か、……何だか照れるなァ】

【…………良かった……ここに聞こえる声が悲しみの声じゃあなくて】
【あんなの聞きたくない――もう、聞きたくないよ……――】

【……ヴォルヴ、君の予想通りだよ】 【水場で[R・E・G]――使わせてね】
【"おいおい、だから僕も凄く疲れているだってば"】 【"エネルギーが回復したらにして欲しいよ"】
【ごめんごめん、――いつも無茶させてごめんね、本当】

【"良いって事よ"】

【じゃあ……】 【"いやいや、[R・E・G]は後だよ"】 【冗談だってば】

【――"ヴォルヴ"は彼の分身であり、能力であり、すなわち彼自身でもあって】
【つまり、これは自問自答に近いようなものであって――】
【けれど、彼にとってヴォルヴは大切な、大切な"相棒"でもある】
【この世界に来る前からずっと自分を護ってきてくれた――大切な、"相棒"】


【2人が"リングホルン"に辿り着く頃には、既にその"意識"は無く――】

【――彼にその"意識"が戻るのは、この戦いが終わってから最初に太陽が真上に登った時の話であった】

/皆様お疲れ様でしたー
160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/27(日) 05:03:53.29 ID:gEezvCG6o
>>157


「――侍女長、たった今"リングホルン-V"内にセリーナ・ザ・"キッド"さんとそのお連れの能力者の方が
到着いたしました、負傷や疲弊が多く見られましたため現在治療室で手当てを行っております」

あー、ああ、そうデスヨー……わかりました……セリーナさん達三名の事はよろしくおねがいいたします……
ワタシはちょっとメンテナンスルームで本日の戦闘稼働による異常が起きてないかだけメンテナンスを行ってみますデスヨー
本日は、皆さんお休み中にありがとうございました……

……ああ、あの二人をスカウトすればセリーナさんにも負けない組織へと成長するかと思ったんですけどデスヨー……

『ど、ドンマイジャンクちゃん……俺メンテナンスルームまで付き合うよ……』


【がっくりとうなだれると同時、やはり本日は特に動き回ったジャンクちゃんは】
【そのままふらふらと剛太郎に支えてもらいながら本日の任務を改めて完了させた】

【かくして列車を乗せた"リングホルン-V"は数時間後、無事目的地の自然公園に到着し、着陸】
【人質には一部負傷者がいたものの、人的被害は最小限で抑えることが出来たと言える……文句なしの大成功だった】
【命を脅かされた一般市民たちは久しぶりの安全地帯に戻り、ようやく腰を落ち着かせることが出来たそうだ】


【―――という映像を、某所にて映像で見ていた者がいた】
【とある基地の映写室、自然公園に着陸する中継の様子を映し出している者たち】

【リングホルンに乗り込んだ者たちと同じ『タフガイ』の男と、その傍で椅子に座ったまま映像を見ている男だ】


「――"バッテン"及び"ポマード"より通達、リングホルン内全要救助者の無事が確認されました
現在怪我人の手当てを完全に『メディック』が行っています、状況を通してみる限り侍女長は今回の任務を
完全に成功させたとみて間違いないようです――――いかがでしょう、"WILD"」


―――素晴らしい、後でジャンクちゃんに私の元へ来るよう言っておきたまえ
なんなりと褒美を取らせなくてはならないからな……またメンテナンスはこの私が直々に行おう、久々にな


【了解いたしました、と頭を下げ、『タフガイ』の男は、その場から去る】
【残されたその男はしばらくの間、この戦いにおけるジャンクちゃんたちの姿を一部始終ずっと見ていた】
【その男は多忙だったためか、『UT』へ彼女が自分の技術提供をしに行くよう命じていたのは確かだが、まさかその帰りに事件を解決してくるとは】
【本当に予想だにしていなかった事態を聞かされたこの男は若干戸惑いと、寂しさを感じながらも】
【彼はモニターの向こうの、今まさに目を回して甲板から去っていくジャンクちゃんの姿を見ながら】


――――よくやったぞジャンクちゃん……流石は私の"相棒"だ


【と、低いテノールの声で、本日の勝利の立役者の一人を優しく讃えたのだった】

【←To Be Continued...】

/お疲れ様でしたー
/こんな時間まで……連続で遅くまでお疲れ様です
161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [sage]:2013/01/27(日) 10:58:22.34 ID:DDc3xOnAO
/>>79で再募集してみます
162 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 11:33:55.73 ID:uUuSIMCu0
【自然公園――芝生広場】
【土を積み上げただけのような小山、見晴らし台を兼ねた東屋】
【風が吹けば草の擦れる音が響いて、遠くから子どもの笑い声が響いてくる――そんな、場所】
【きちりと整備された同じ長さの芝生。冬ゆえか、少しだけお察しなことになっているけれど――普通に過ごすには十分すぎるほど】

…………――あふぅ、

【――淡い緑の一面。何の躊躇いもなく寝転ぶ彼女は、きっとよく目立っていた】

【膝丈の黒髪も、二房混ざる三つ編みも、ぜーんぶ投げ出して、】
【左が血色、右が深淵色のオッドアイは、今にも眠気の国に旅立ちそうなほど、――あくびをひとつ噛み殺す】
【黒いワンピースコート。まるでお布団みたいに身体に被せて、覗くのはパニエで膨らんだスカートの裾、ぐらいか】
【編み上げのブーツを近くに放って、ぎゅーっと膝を抱えて――また、あくびをひとつ】

……寝ちゃ駄目、でしょう、ほら、冬だし……寒いし……、

――なにこれ暖かい……。

【――いちおう、良くないとは理解しながらも。眠りの国の使者は存外しつこくって、】
【ふるふる首を振って呟いてみるけれど――暖かさを効率よく集めてくれる黒尽くめが、邪魔をする】

【いくらお休みとは言え、こんなご時世。お外で。お昼寝。――年頃の少女として、どうなんでしょうね】
163 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 11:54:53.23 ID:VtQ0mNSOo
>>162

【今にも眠りの国へと飛び立ってしまいそうな少女の元に近寄る黒い影が一つ】
【その影は括った二つの黒髪を寒風に揺らせて、ソロソロと足音を立てないように近寄る】

【少女が良く見える距離に近づくと、影はゆっくりと息を吸い込んだ】

____寝たら死んじゃう!!!
こんな寒いところで!寝たら死んじゃうぞ!!

【目の前でコートに包まっている少女に対して絶叫にも近い声でそう叫ぶ】

目を開けて! こんな極寒の僻地で死ぬなんて…自分だって嫌でしょ!?

【大袈裟な表現を用いながら、もう一度大きな声で叫ぶ】

【どうやら目の前の少女の事を遭難者か何かだと思い込んでいるらしく____】
【しかもテレビドラマの影響のせいで、少女が死に面していると本気で勘違いしているらしく___】

ほら! はやくこれを飲んで温まって!

【そう言ってここに来るまでに買ったらしいお汁粉を少女の下へと転がす】

【だが、相当時間が経っていたらしくお汁粉は物凄くぬるくなってしまっていた】
【多分本人はそのことに気付いてはいないのだろう、飲めと口早に冷えたお汁声を勧めている】
164 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 12:13:16.39 ID:uUuSIMCu0
>>163

【芝生を撫でるかすかな風。天から注ぐやわらかな暖かさ】
【黒いコートが抱きしめる暖かい空気――なんというか、もう、これをお昼寝日和以外の何と言えようか】

【どこか人間とは違う気配を洩らす少女は、陽だまりに包まれて眠りの国へ――】

――――ひっ、!

【――いけなかった】

【完璧に意識の外より飛んできた、絶叫に程近いその声。びくり、身体を震わせて、】
【隠れるよう。コートの下に潜り込んで――じぃと、来訪者に向けるのは探るような、責めるような、視線】
【――けれど、敵襲の類では無いと察したらしい。数十秒の間の後、もぞりと身体を起こせば】

……な、に?

【いまだ高騰の収まらない脈拍数、胸をぎゅっと右手が押さえて――その薬指には、指輪のような黒蛇の痣】
【どこか混乱したような瞳が現れたひとを見上げて、膝に乗せたコートを、今度は左手がぎゅっと握る】

あなた、だれ?

【――混乱の乗算。芝生を転がるお汁粉を、視線が追いかけて、手は伸びないし、理解も及ばない】
【再び見上げる瞳はどこか潤んでいるようにも見えたというけれど――】
165 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 12:25:51.77 ID:VtQ0mNSOo
>>164

あ。元気になった! よかったぁ……生きてたんだ…

【少女の問いに答えるよりも安堵の言葉をふっと漏らす】
【どうやら一息ついたらしく、もう一度ゆっくりと呼吸を整え始める】

急に声かけちゃってごめんなさいっ
えっと……こんな所で眠ったら死んじゃうと思って…というより死んじゃいそうだったから…

【しどろもどろしながらも何とかして自分の気持ちを伝えようと、身振り手振りを交えて必死に話す】
【少し滑稽に映ってしまうかもしれないが、当の本人は物凄く必死】

え? あ…私は小春! 四季院 小春!
その…あの…怪しい人とかじゃなくて…えっと…正義の巫女です!

【「あなただれ?」と言う問いかけに少しずれた回答で答える】

取りあえずそれでも飲んで元気出してっ

【転がっていくお汁粉に一瞬だけ視線を移して、もう一度 目の前の混乱している少女を見つめた】
166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 12:38:31.56 ID:uUuSIMCu0
>>165

【ぱちくり瞬く色違いの眼。まるで助けを求めるよう、あちらこちら右往左往して――】
【――けれど、眼前のきっと巫女服なのだろう少女。自分のことを案じてくれたらしいことに気づけば、吐息をひとつ】
【ちいさなちいさな深呼吸。まだ、落ち着いているというには足りないけれど】

……死なない、よ、だって今日、おひさま。暖かい……でしょう?

【温度としては日常程度。それでも風が吹けばつめたいし、それなりに寒いのに】
【黒尽くめ。存外に暖かくって、快適だったなんて、余談だ】

【細こい指が、乱雑に絡まる黒髪を梳いて、整えていく】
【猫の毛繕いにも良く似たそれ。髪を弄っていると、心が落ち着く気がした――まあ、癖だ】

小春、……そう、小春、ね、
鈴の音って書いてりんねって読むの、……――。

――私の知ってる巫女さんと違う……。

【少しずれたその回答。けれど、彼女はそれで満足してくれたらしい】
【そうっと首を傾げながら、次いで自分も名乗るのだろう。――そうすれば、きょとん、瞳を丸くして】
【呟くのは少し以上に失礼とも取れる言葉だったという】

…………ありが、とう?

【――お汁粉推し。また首を傾げながら、お汁粉缶をそっと拾い上げて、】
【両手で持って、ラベルを眺めてみる。――そうして、気づくのは】

―― 小春が、飲みたかったんじゃ、ないの?

【なんて、問いかける】
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 13:01:31.36 ID:VtQ0mNSOo
>>166

え? これが暖かいの!? もしかして寒さでダメになってるんじゃ……
だって冷風が吹き荒んでるんだよ? それなのに……外で寝ちゃうなんて…

【少女の表現も少し大袈裟だが、この公園自体そこまで暖かくないと言うのも事実】
【しかも少女は目の前の少女のように着込んでいないので、時折吹いてくる風を物凄く冷たく感じているのだろう】
【相手が着込んでいる事など露知らず、少女の表現は大袈裟さを増していく】

鈴音ちゃんって言うんだね! うん、覚えたよ!!

【うんうんと頷きながら、何度も鈴音と言う名前を復唱している】
【初対面なのにちゃん付けで呼ぶのは少し馴れ馴れしいと思われてしまうかもしれないが、本人はそんな事まったく考えてはいない様だ】

そりゃそうだよー、だって私普通の巫女じゃないもん
私は皆を助ける正義の巫女さんなんだよ? そこらに居る巫女とはまったく違うよー

【自分の事を正義の巫女と言い切って、少し威張ってみせる少女】
【どうやら「普通じゃない」や「知っているのと違う」と言う言葉は失礼と言うより褒め言葉に当たるようだ】

え? 良い良いよ、このお汁粉は鈴音ちゃんに上げる
だって、私お汁粉なんてあんまり飲まないしー… こういう時は助け合いの精神ってヤツでしょ?

【ニコッと笑って少女の問いに答える】

【だが、あまり飲まない物を買ってそれを人に渡す自体どうかと思われてしまうかもしれない】
168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 13:18:06.61 ID:uUuSIMCu0
>>167

だって今日、おひさまあるし……、

【「暖かいじゃない?」】
【続けようとした言葉。けれど、それが繋がることなんて、ない】
【悪戯に一陣吹き抜けた強い風。びっくりするぐらい長い彼女の黒髪を躍らせて――】
【その冷たさにぎゅっと身体を強張らせること、数秒】

――寒い、かも、

【あっさりすぎるぐらいの掌返し。細身の身体を抱いて、呟けば】
【膝の上のコート。羽織ろうとして――ふと、眼前の少女の巫女服に気がついた】
【お正月とかに神社で見る助勤さん。中にぎっちり着こんで尚、寒い――とか、聞いた事が、あるような、】

……着る? 風邪引いたら、困る、でしょう。

【――首を傾げて、差し出すのは膝に乗せていたワンピースコートだ】
【リボンをあしらった少し薄めのそれ。わぁ暖かい、というほどの効果はないだろうけれど――】
【身長百六十センチの細身。ついでに洗濯板。体型によっては、そもそも着用、すら、】

正義の巫女さんって、なにするの?
妖怪退治とか、……結界維持とか?

【not普通の巫女さん。だったら何なのか、と。ぱちり瞳が瞬いて】
【少女へ向けるのは、どこかきょとんとした瞳だ】

【混乱はだいぶ治まってくれたらしい。声だって、すっかり落ち着きを取り戻す】
【どこか鈴の音のよう。金属染みた余韻を残す、不思議な声――きっと耳に、よく馴染む】

【「それなら、……ありがとう」なんて、言うのだろうか】
【お汁粉何年ぶりだろう――そんなこと、ぼんやり考えていたという】
169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 13:34:43.16 ID:VtQ0mNSOo
>>168

お日様あっても寒いよー!

【そう言い放つと同時に、強風がタイミング良く少女達を通り過ぎる】
【一瞬吹き抜けただけの風はどうやら巫女服の少女に大きなダメージを与えたらしく____】

ヘックショイ!!……
言ったじゃん、これのどこが暖かいって言うのよっ

【あっさり掌を返した少女に「ようやく分かってくれたか」とでも言いたげな視線を向ける】
【巫女服の少女は両手で自分の肩を抱いて何とか暖を取ろうとする】
【予想以上の寒さに何か羽織る物を持って来れば良かった…と内心ではげんなりしていた】

え!? 良いのっ!?
……って、ダメダメ…! だってそんな事したら鈴音ちゃんが風邪引いちゃうよ!

【差し出されたワンピースコートを見て一瞬心揺らぐが、何とか持ち直し丁寧にお断りする】

ほら、バカは風邪引かないってよく言うでしょ? って…私はバカじゃないけど風邪引かないから!

【だから大丈夫心配しないで、とにっこり微笑んで少女にお礼を言う】

え? 妖怪とか幽霊とか怖いし…結界だったらお師匠様が維持してくれてるし…
えっとねー…戦うの! 悪とバンバン戦っちゃう!

【そういえば巫女らしい事なんてしてなかった、と聞かれて初めて思い出す少女】
【それを取り繕うために不意に口から出たのは如何にもバカっぽい答えだった】

さ、早くお汁粉を飲んで元気だしてこー!

【冷え切ったお汁粉を飲ませて元気を出せなんていうのは少々横暴すぎたかもしれない】
170 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 13:52:40.85 ID:uUuSIMCu0
>>169

…………ごめんなさい、

【向けられる視線。浮かべたのはばつの悪そうなもの――ようやっと、現実の冷たさに気づいた】
【身を刺すには遠くても、肌寒いを越したその温度。身体をぎゅっと縮めていたけれど】
【少女のくしゃみ。その仕草。じぃと瞳が追いかけて――ふと、瞳が悪戯めいて煌いた】

【断られて、「そっかー」なんて呟いてみる。そうしながら、コートをまた膝に置いて、】
【数秒の苦心の後、かしりと開けるお汁粉の缶。唇を湿らす程度のほんの一口】
【――久しぶりの甘さに瞳を細めて。浮かべたのは本当に嬉しそうな笑顔だったという】

……あ、でもほら、お汁粉貰っちゃったもの。
ね、だから。いいでしょう? ……お汁粉貰ったから、暖かいから、だいじょうぶだから。

【――思いついたこと、これ。逃げ場なくせばいいんじゃねなんて軽い思考はひどく子どもめいたそれで、】
【口つけちゃったからしょうがないよねみたいな目が小春を見上げるのだろう、可愛らしく小首を傾げてみせた】
【左手に缶、右手にコート。そうしてまた、差し出してみるのだろう】

――そう、悪いのと戦う、の? カノッサとか?

【「悪いの」。そんな単語チョイスは、どこかほんわりした響き】
【首を傾げれば黒髪が揺れる。――悪、善。あんまり気にしない性質だから、どこか他人事のよう】

【それから、ふと。「座らないの?」なんて、尋ねるのだろうか】
【――もちろん。どこかでそのちくちくする芝生の地面に座り込んだりしていたなら、言わないのだけれど】
【貰ったお汁粉。零さないように、慎重に、左手が握り締めていた】
171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/01/27(日) 14:08:14.50 ID:tEtPQ36wo
【路地裏――とも、単なる路地とも表現できる、建物に囲われた隘路】
【時刻は早朝。うっすらと霧のかかる、風の冷たい朝である】

っ……結局、逃げるだけで精一杯とか情けねぇなァ畜生……。
しかも集中できなかったからか知らねぇが……転移先、本部じゃねぇよな、コレ―――。

【一人の女性が、その一方の壁にもたれ掛かっていた。赤い髪の人物である】
【編み上げのチューブトップ、白いホットパンツとオーバーニー、焦げ茶のブーツ】
【服装は何処を見ても妙に扇情的だが、こんな場所に居て、誰も声すらかけないのには理由がある】

【それは彼女の、胸元の紋様。逆五芒星は即ち、厄介事の種であり】
【故に周囲に漂う濃い血臭が彼女のものだろうと誰も助けないし、追い剥ぎもしない】

……、…………立つ力が入らないなんて、割と笑えねぇや。

【もし誰かが通りかかって彼女を見れば、その左袖に有るべき膨らみがないのも】
【その袖口から血が流れ出しているのもひと目で分かるだろう】
【ついでに言えば、左肘に置かれた右の手が“砕けている”というのも、ハッキリと】

【深紅のジャケットと赤い髪に彩られた彼女の顔がいやに青褪めているのもまた、印象的であろう。】

/いわゆる予約絡みというやつなのです、スマヌ…スマヌ…
172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 14:12:14.29 ID:VtQ0mNSOo
>>170

そんな謝る事じゃないよっ、て言うか全然気にしてないし!
むしろ暖かいかなーって思ってきたところだったし

【素直に謝られるなんてまったく思っていなかったらしく、謝辞を述べる少女に対して全力でフォローする】

って…今ちょっと可笑しいって思ったでしょ?

【悪戯めいた瞳の煌きを見逃さなかった少女は鼻を啜りながら相手に問いかけた】

え、良い良い! 本当に気使わないでいいよっ?
ほら、あのお汁粉不味いしぬるいしで最悪だったと思うし!

【じゃあお前は不味くてぬるいお汁粉を人様に渡したのかと言う疑問が浮かんでくるかもしれない】

で…でもそこまで言ってくれるんだったら……

【結局少女は目の前の少女の策に溺れ、手渡されたコートを受け取ってしまった】
【不味くてぬるいお汁粉を渡した挙句、コートまで貸してもらうなんて厚かましさの極みである】

かのっさ? えー…ああ、アレね、アレの事でしょ?

【正直そんな組織名前しか知らないが、見栄を張って嘘をついた】

もう凄いよ? 右から左をバッサバサとなぎ倒して_____
最後の最後には必殺技をお見舞いしちゃってねー____

【目の前の少女の僅かな期待を裏切りたくないがために物凄い嘘をつく】
【いや、嘘もここまできたら一つの空想物語になってしまっている】

あ、じゃあお言葉に甘えさせて頂いて

【「座らないの?」と尋ねられ、ようやく地面に腰を下ろす少女】
【座ってからも、少女は如何にして悪と戦うかと言う空想物語をペラペラと語っている】


173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 14:17:15.88 ID:7t1QznjB0
【静けさに包まれる街の一角――暖かな光を漏らす店が其処にあって】
【外から見る限りでは魔術に用いる様々な用具が飾っており、その殆どが普通の店では置かない――呪われた品や取り扱いに注意が必要な毒物等】
【この店の主もある程度裏に通じている為、その道の者が訪れる事も多く】
【――看板こそ掲げていないが、謂わば何でも屋とでも言うのだろうか】
【狩りから窃盗。護衛や家事等実に何でも請け負うのだが、其れも気紛れなこの女次第で。まともな仕事を断って可笑しな依頼を受けたりと変人としての評判であったり】


「この頃雪続きねぇ……面倒な依頼が来ないのは助かるのだけれど
――――人が全然来ないのも退屈よね」

【頬杖を付きながら、カウンターから外を眺めていればその言葉の通り雪が降り続いていて】
【雪を除ける物を持たずに外を歩いていたならば、ゆっくりと身体を冷やしていきそうな程の量】
【店の前を行き交う人々も白い息を吐き出しながら、早く家で暖まらんと歩を早めて】


「新しい本を買いに行くのも面倒だし……かといって、倉庫の中の本を読み返すのも詰まらないわね
……面白い事でも、転がってくれば良いのだけれど」


【果たしてこの店に訪れるのは、暖を求める者か依頼をする者か、或いはまた別な何かか――――】



【慌ただしく人が行き来する街の小さな喫茶】
【狼の耳と尾を生やした少女が店内の一角。入口寄りの椅子に座っていて】
【――手にしているのは、熱いコーヒーか】
【カップに口を付けて、飲もうとするも――――】


「あちちちち……まだ熱かったんだ……
もうそろそろ流石に冷めたと思ったんだけどなぁ……」

【熱さに思わず目を瞑って、早々にカップから唇を離してしまった】
【一体この動作も何度目だろうか。余程冷めにくいコーヒーなのか、極端に猫舌なのか】
【――未だにもうもうと湯気が立っている所を見れば、前者なのかもしれないが】
【一緒に買ったケーキだけがチビチビと無くなっていって】


「……冷めないのが謳い文句なのはいいけどさ、ここまで冷めないのは流石に不味いと思うよ」

【最近オープンしたばかりのそのお店。興味を惹かれて来店する客は後を絶たず】
【丁度、少女の隣の席のみが空いている状況――果たして、どの様な客が座るのだろうか】
174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 14:21:35.26 ID:8+LR9BHUo
>>171

【足音は矢張り、世界法則から欠落したかのように消え失せていて】
【霧からそのまま現れたとも言える程に、その場に姿を見せたのは突然だった】
【くつり哂う声がその存在をやっと、相手に知らしめるのだろうか】

……何やベイゼはん、面白い事になってはるなぁ?
そッちがそないな姿になるんは、ちょっと驚きゆうか……意外やわ

【黒服姿の若い男。肩口で切り揃えた白い髪に、葡萄色の目】
【側頭部に咲き誇る黒い彼岸花からは、青藍の燐光がさらさら溢れ】

【――この場所で、その姿で、出会ってしまった事】
【仲間であるとはいえ、眼前の男の醸す不穏な気配は以前と同じく、深い】
【まずこうして面白そうに眺めて、手すら貸さないのだから】
【「どうしたろうか」なんて零した言葉、歪んで吊られた口角が、矢張り哂った】

/宜しくお願いします……!
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 14:29:32.21 ID:uUuSIMCu0
>>172

思ってない、よ。

【問いかけられて、きょとん。瞳を丸くして、また首を傾げる】
【そうしてから、緩く首を振って――否定の仕草】

……猫舌だもん、これぐらいでちょうどいいの。
甘いのも好きだし、餡子好きだし――ねっ、

おいしいよ?

【まずくてぬるい。まさに文字通りで、それでも気にした素振りはまるで無い】
【自ら口にしてくれる理由もそうだし、――生ごみですら食べた過去が、あるのだから】
【控えめに笑って見せて、また一口。さっきよりも多めに、口中に流した】

――風邪引かないようにね。

【コートを手渡して。空っぽになった右手は、左手の缶に添えて】
【揃えて伸ばす足、その谷に合わせるように置いて、一息】

【――その視線が、サイハイソックスだけの爪先。草きれがたっぷりついていることに気づいたから】
【なんてことない風を装いながら、そーっと足を寄せて。膝を抱え込む、体育座り】

そっかぁ、……凄いんだ?

【――真面目にきちんと聞いていたかと言えば、きっと否】
【ある程度体育座りに意識を裂かれて、きっと向けていたのは意識の八割ほど】
【けれど、なんかすごいことはよーく分かって。だから、尊敬色で煌いた瞳が小春を見るのだろう】

私あんまり好きじゃないもん、この前だってカノッサのひとに右手と肩、刺されたし――――……。

【ほう。零す溜息ひとつ、薄ら白くなって蕩けて消える】
【さながら世間話するかのよう、日常であるかのように紡ぐのは、非日常だった】
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/01/27(日) 14:37:30.78 ID:tEtPQ36wo
>>174

【哂い声からして誰かは分かっていたのだろうか、女性の口元がにや、と上がる】
【もっとも余裕のあるものではない。そう見せようとする、冷や汗混じりのものでしかなく】

ハッ……女が割とマジで死にかけてるの見て面白いとは言ってくれるぜ、クソ色男……
突っ立ってねェで手ェ貸せよ、とりあえずそうだな……機関の、本部に――。
……どうしたかって?自警団のクソガキの、孵化した“卵”にやられたんだよ

【それだけ――他に伝えようもない、きっと本人からしたって無様極まりない現状がここにはある】
【口だけは達者だが、両手は勿論脚すらも満足に動かせず、黄土の瞳ばかりがギラギラと光って】

……、…………あぁそうか。二度目か、会うの。

【かつん、と。彼が歩を進めた時に蹴ってしまうだろうものは黒い指輪だ】
【以前会った時にはこれを左の薬指にはめていたか。その形状は、些か特殊】
【指輪の内側には数本の棘があって、あからさまに肉へと食いこむ、歪な品だ。】
177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 14:48:52.73 ID:VtQ0mNSOo
>>175

えー……本当に? 本当の本当に思ってない?

【きょとんしている少女に向かって何度も何度も同じ事を問いかける】
【疑り深い性格と言うか、めんどくさい性格と言うか______】

猫舌なの? え?餡子好きなんだ……
気とか使わなくていいよ? 不味かったら捨てちゃっていいよ?

本当に美味しい?

【もう一度確認するように少女に問いかけた】
【「不味くてぬるい」と言ったのを反省しているらしく、少し申し訳なさそうな視線を向けていた】

大丈夫だよ!私は風邪引かないよ?
ほら、今さっきも言ったとおり馬鹿は風邪引かないし…あ、私はバカじゃないけどね!

【その言い方は立派なバカの答え方なのだが、そんなのまったく気付いていない】
【しかも言い終わった後に大きなくしゃみをしてしまったので、『バカなのに風邪を引く』と言う変な方式が確立されてしまった】

凄い! 凄いに凄いを足して凄い!
多分楼の国では最強の巫女様かも知れない!

【「凄い」と聞かれ、またしても図に乗る少女】
【楼の国最強なんて言ってしまったが、多分思い出したら顔から火が出るくらい恥ずかしい】
【しかも、少女がきちんと聞いてくれていないなんて気付いてもいない】

ええっ!? 鈴音ちゃんにそんな酷い事するの?!
許せないよ… 今度そいつが着たら私に知らせてねっ! ボッコボコのギッタギタにしてやるから!

【親しくなった人物が二箇所も刺されていると聞いて少女の心には怒りの火が付いてしまったらしく____】
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 14:54:40.16 ID:8+LR9BHUo
>>176

【その笑みで、彼女の常ならぬ深刻な状況が漸く男に伝わったか】
【予想以上に相手のダメージが深刻とみると、僅かに眉が怪訝な色で潜められ】
【自分が生身でない故か、相手にもそういう感覚を求めていた節があるのだろう】
【暫し無言、それから一歩を踏み出して、漸くそちらに歩み寄り】

……嫌やわぁ、相変わらずの男女やこつ
そないな達者な口聞けるんやったら、あと三日ぐらい放しといても生きてられるやろ?

【相変わらずの口で言いながら、動けないらしき相手にさてどうして運んだものかと頚を傾げ】
【――きちんと助ける方向に思考が回った理由は、己でも測りようがないのだけれど】
【その最中につま先で何かを蹴る感覚、足元を見れば、確か相手の薬指にあったソレ】
【刺に触れないよう拾い上げて、興味深げに掌中で転がし】

嗚呼二度目やな、風の国の時は別の場所受け持ってたし……
で、何やこの趣味の悪いんは? 確かそッちの、やったか
連れがいるようには見えへんのに、趣味の良い男もおるんやなぁ

【相手が既婚者なのだろう、と理解して。その特徴的な形状から相手の邪推も立て】
【それから抵抗されなければ、存外丁寧に彼女を横抱きにして、歩みだすのだろう】
【「重いわ」なんて言葉さえなければ、器量のいい色男の範疇に収まるのだけれど】
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 15:04:40.37 ID:uUuSIMCu0
>>177

……餡子、嫌い? お饅頭とかー、大福とか、美味しいよ?

うん、おいしい。

【きらきら輝く瞳。何を隠そう、和菓子は大好きです】
【クリームたっぷりのケーキも大好きだし、大好きだけれど】
【緑茶と和菓子。どうしようもない愛おしき組み合わせが、やっぱり大好きで――心の底からの肯定をひとつ】

そう? ……でも、ほら、具合悪かったら。
悪いひとたち、ぎったんぎったんに出来ない――でしょ?

……それにほら、因縁あるなら。寝首掻きに来るかも、しれないから。

【大きなくしゃみ。「だいじょうぶ?」なんて、尋ねて首を傾げて、】
【口に出すのは――こう、因縁前提。因縁あって当然のような。どこかズレた思考から紡ぐ心配の言葉】
【多少聞き流していたとしても、別段嘘だとは思わなかったから――こう、少し、ややこしい】

――私もね、おうちね、神社なんだよ。
怪我しないように。気をつけて――でも、頑張ってね、

悪いひと減ったらね、たぶん、みんな喜ぶと思うの。

【櫻最強の巫女。図に乗る様に、やっとこ少し困ったような笑みを浮かべたけれど】
【首を傾げて、ろくに考えないまま、そうかななんて。思考を終えた】
【そうして零すのは、喉の奥で鳴らすような笑い声。巫女服なんて着たことないけど、なんて付け足してみた】

……――ながーい金髪の男の人、ね。

【悪いひと。減ろうが増えようが、自分の視界の中で蠢かないなら、別にどうだっていい】
【――だからこそ、“たぶん”なんて言葉が付属する】
【けれど、自分に害を及ぼしたなら、これだ。――落ちる声のトーン。低く紡ぐそれには、間違いなく殺意が紛れ込んでいた】
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/01/27(日) 15:19:07.47 ID:tEtPQ36wo
>>178

……ヘッ、3日も放っとかれたら腹が減って死んじまうぜ
でなきゃ暇で暇で仕方が無くなって、頭ン中がお前みたいな変人になっちまうかも――

―――っ、ちょ、もう少し優しくしろよこの………っ!

【減らず口は尚も叩きつつ、ベイゼは抵抗らしい抵抗もなく持ち上げられる】
【その体は腕一本分と、それから相当の血液分軽いとはいえ、鍛えあげられて実際、重い】
【ただ、動かされただけで痛みに悶える様子もあって――なんだか、とても“薄く”感じられるだろう】

ったく、随分と軽く流してくれるじゃねェの……『約束』忘れて、ねェだろうな……?
それともエルジオでボコボコにされて、記憶失ったことにしておくかァ――あ?

……あぁ、別に結婚なんてしてねぇよ。そりゃ俺の為の武器……贈り物でもなんでもねェ
添い遂げるって意味じゃ間違いねーがな。相手は男じゃなく、“延々続く闘いの道”ってか
まあ、なんだ……つまり結婚指輪ってより、奴隷の証だ―――機関と俺のな

――――分かったらとっとと進めよ色男、なんかサービス付きでな。

【機関との間に交わされた奴隷の証――普段の行動と、どうも噛み合わない】
【No.3なんていう地位を手にして、自由に振る舞う彼女の何処が奴隷なのか、誰が従えているというのか】

【まったくもって、虚言めいてもいる。言葉の最後にまた冗句を入れるのだから、怪我だって嘘に思えてくるが】
【レザージャケットの袖口から伝う赤い液体は少しずつ、だが確実に男の服を濡らしていくだろう。】
181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 15:26:24.43 ID:VtQ0mNSOo
>>179

んー…周りがすっごい和風だったからなー……
餡子とかよりかは生クリームの方が好きかも…

【家が家だけに洋風な物に憧れを寄せている少女】
【まあ、毎日ケーキとかになればそれはそれで飽きてしまうのだろうけど】

あ…それもそうだった……
早く元気になって悪をぎったぎたのメッチャメチャにしてやらないと!

…・・・寝首掻きに来るとか…怖い事言わないでよー…

【まずカノッサと因縁のない少女が怖がる事はないと思うのだが】
【流石はバカの子である、見事に寝首を掻くと言う言葉に竦みあがっていた】

えっ!? 鈴音ちゃんのお家も神社なんだー…・・へぇー…
うん、怪我しないように悪を無くすよ! 説得したら何とかなると思うし
”たぶん”じゃなくて絶対に皆喜んでくれるよ!

【自分の発言で相手を困らせているだなんて、まったく気付いてはいない】
【相手が巫女服を着たことが無いなんて言うと、少女は「また今度着方教えてあげるね」と呟く】

ながーい金髪の男……
カノッサにいるながーい金髪の男…………よしっ!これで覚えた!
鈴音ちゃんの仇は私が討ってあげる!

【仇討ちという目標を課されてメラメラと燃え上がる少女】

【少女の声に殺気が篭ったのを感じ取ったのか、不思議そうな顔をして少女を見つめた】
【それが殺気だとは気付いていないようだが、空気が何か重くなったと言う事は流石に気付いたらしい】
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 15:44:10.32 ID:8+LR9BHUo
>>180

血ぃ流す前に、腹減って死ぬんかいな……突っ込み切れへん
これがあッちの精一杯の優しさやで? 涙流して感謝しいや

【抱き上げた相手をジト目で睨むも、存外に気遣って抱いた様子が、らしくも無くて】
【滲んだ血液、生身の扱いなんて慣れてもいないけれど、それでも危険性は理解したか】
【悠長な移動は止めにして青藍の魔力を練る、すると彼の立つ地面に逆五芒星型の陣が浮かび】

「約束」? 嗚呼忘れてもうたなぁ、少なくとも「今」は、なぁ
……あとボコられてへんわ、栄誉の撤退や

ふゥん、何や面倒なこつ、あのマインドに関係してはるんか
サービス? 阿呆か、運んでもらっとるそッちが何かすんのが普通やろ
ほんにしょうもない男女やわ……行き遅れるで、ほんまになぁ

【駄弁が途切れた頃合、足元の転移の陣が完成して、視界が一度暗転するだろう】
【着いた先は勿論、機関本部。だがその部屋は恐らく、彼女の見知らぬ所】

【診療室といっても良いような無機質過ぎる部屋、中央に寝台がひとつ置かれ】
【周囲には治療器具とも取れそうな小物が雑然と並び、両の壁には四角い引き戸が並ぶ】
【それは、霊安室などを見たことがあるなら分かるだろうが、死体を格納する類の物だ】
【そう、言うなれば其処は、死体検分室のような様相――No.2私有の部屋だった】

【月彗はそんな不穏な場所、しかも中央の寝台の上に彼女を寝かせようとし】
【徐に取り出すのは――包帯と幾片のガーゼ。彼が直々に、治療をしようという、らしい】

【余談。部屋の奥には、精神病棟の閉鎖室にも似た意味深な扉がある】
【小さな小窓がついているだけで中は伺えず、大量の鍵で幾重にも固く閉ざされたそれ】
【寝台に寝かされる彼女から丁度見えるだろうが、まあそれだけの話――】
183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 15:54:26.26 ID:uUuSIMCu0
>>181

そっかぁ、……でも、どんなものでもずっと食べてたら飽きちゃうよ、ね。

これからの時期とか、チョコ食べないとでしょ。――チョコって何してもチョコなんだもん。

【見れば少女の容姿は確かに純和風で。ケーキよりも和菓子やお茶のほうがずっと似合いそう】
【そんな彼女だって。和服でも着ればきっとそれなりなのだろうけれど――和服よりフリルでレースのほうが好きだったりして】
【ちっさく笑いながら口に出すこと。チョコレート――バレンタイン、だろうか】

わかんないよ、具合悪い時狙ってぴんぽーんって、おうちに黒服が来るの。
……あとね、夜中とか。嵐の中とか。変なときに来るらしいよ、黒服って―――― ……

【まるでからかうような言葉の羅列。くすくすと笑いながら、その声色はどこかふざけたよう】
【「知らないひとにはドア開けちゃだめだよ」なんて、冗談めいて〆るのだろうけれど】

――まあ、うん、誰も来ないけど、ねー。
本当は神社なんて言っちゃ駄目なの、かも。

応援してる、ね。……ほら、最近は何かいろいろあるみたいだから、
……――わたししらないけど。

【誰も来ない、なんて。紡ぐ声は少しだけ寂しげで、ただ、あまり強い感情は持っていない】
【寧ろ、自分の家の神社よりも。巫女服の着方、教えてくれる――そっちのことに、強い関心を示すのだろう】
【“いろいろ”と示すのは、ついこの間発足したばかりの正義組織(※横文字弱くていまいち覚えてない)のことなのだけれど】
【悪に対してどうでもよさげなのと同じ。そっちに対する知識も少なくって――「新聞とか読めば、書いてある、かも、」なんて。自信なさげに付け足した】

なんでもないよ。

【――不思議そうなその顔には、きっと笑顔を返したのだろう】
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/01/27(日) 16:07:02.56 ID:tEtPQ36wo
>>182

……ハッ。甘ちゃんだわ勘がいいわ、半死人にサービス求めるわ
一々癇に障る野郎だなテメェ……行き遅れなんて余計なお世話だ、黙ってろ―――。

【―――魔法陣による転送が行われると、ベイゼは視線を周囲に向ける】

【先ほどとは違った空間。おそらくは機関の本部だが――知らない部屋】
【まあ、きっと機関員なら誰しも知らないだろう。なにせ、開かずの間として名高い場所だ】
【そこがこういった風になっているなど知る由はないし、そこまで思案を巡らす余裕も無いようで】

……やりゃ出来るじゃねぇか。ただちょっとばかし、センス無ェなァ……。
これじゃまるで腹掻っ捌かれるみたいじゃねぇか……まだ死んだつもりはねェってのに

しかも、ヤブの手当てか……、…………―――?

【ベッドに寝かされると、路上よりよほど好かったのだろう、一つ息を吐いて】

【それからは抵抗もなく傷を見せる――大まかに、治療すべきは三つ】
【左肘、右手、そして腹部。特に肘に関しては、完全に“引き千切られた”としか見えないヒドイもので】
【右の拳も骨が尽く砕けているのを鑑みると、余程のバケモノと戦ったのでは、としか思えない】


【――またその一方で、ベイゼの少しうつろな視線は件の扉に向けられていた】
【別に何が見えるでも無い。ただ、天井や自分の身体を見ているよりは興味を惹かれる】
【ただそれだけの理由で、むやみに『鎧の砕けたマインド』を繰り出して。流石に破壊などはしないけれど、扉に触れようとするだろう】

【ちなみにいうと、砕けた鎧の下には鎖で巻かれた包帯だらけの身体があるだけで、暗に奴隷―指輪の関係性を肯定しているようでもあり】
【じゃら、と音を立てるそのマインドは動ける辺り、保持者当人とのリンクは完全ではないのだろうか。】

/次ちょっと遅れます、申し訳ない……。
185 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 16:11:05.99 ID:VtQ0mNSOo
>>183

そうだよねー…適度な量が一番美味しく感じられるよねー
え? チョコは生チョコとかホワイトチョコとかー……

・・・お湯に溶かせばココアにだってなるよ?

【少女はチョコの活用性を熱弁しているが、所詮変わるのは形だけである】
【味も少しは変わってくれるのだが、正直五十歩百歩感が否めない】

うそ……具合悪いときとかそう言うところ狙われちゃったら一環の終わりだね…
しかも嵐の中にまで……恐るべし黒服…

【少女のふざけた言葉を聞いて、若干顔に不安の色を浮かべた少女】
【「うん! 絶対に開けない!!」とまるで小さい子供のように少女の忠告を心に刻んだ】

誰も来なくても神社は神社だよ! 神様も見てくれてるよっ!
だから自信持ってよ!

色々? 私もそう言うの良く分からないからもっと勉強しないとなー……

【人が来るから神社じゃない、神様がいるから神社なんだよと少女を励ました】

【まったく世の中の組織の事を把握していない少女は、色々と言われても理解できなかった】
【「新聞に書いてある」と教えてもらった少女は、近々図書館で古新聞を漁ると言う傍迷惑な行動を起こすだろう】

ふーん……それならそれで良いや

【「気のせいだったかな」と小さく呟いて、少女と同じく笑みを浮かべるのであった】
186 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 16:22:43.84 ID:uUuSIMCu0
>>185

あ、ホットチョコレートは好き。
コップ汚れちゃうけど、いいよね、美味しいもん。

……小春は、バレンタイン、誰かにあげ、る?

【牛乳に溶かして。蜂蜜だぱぁ追加して。クッソ甘くして飲むのが彼女、だったりする】
【――甘いもの好き、好き、大好き。「家帰ったら作ろうかな」なんて呟いてみる】
【それから、ふと。思いついたように尋ねるのは、そんなこと――凡そ三週間後のあの日のこと】
【じ、と。少しだけ真剣めいた視線が少女を見て、また首を傾げる】

……ね。さすがカノッサきたない。

【――冗談、のつもりだったのだけれど。存外に信じてしまったらしいその様子】
【どうしようか悩むような素振りはほんの一瞬。まあ警戒して悪いことは――と、訂正しなかった】
【ぎゅっと膝を抱いたまま、すっかり冷めたお汁粉を、思い出したように口に運ぶ】

そう、かな。……そう、かな?

【少女の励まし。瞳をまぁるくして、真っ直ぐ受け取って――ほんの僅か、視線を伏せるのだろう】
【だーれも来ないあの場所。屋根すらなくって、吹きさらし。思い返して、少し不安になるけれど】
【神様が居ることには違いないのだから――「そう、かも」なんて、やがて呟くはずだ】
187 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 16:23:31.05 ID:8+LR9BHUo
>>184

【――実際の「開かずの間」は、鍵の掛けられた奥の小部屋だ】
【六罪王の権限さえも届きはしない、罪神の勅令でも無い限り、本当に開かれない扉】
【まあ滅多に人を入れないという点で、この私有の部屋も開かずの間の一つではあって】

【傷に関してはまだ甘く見ていた部分があったのだろう、何せ死体を弄った経験が多すぎる】
【見せられた彼女の生傷に、手に取ったものでは足りないかと漸く細かな器具に視線がいった】

【先ずは手早く止血した後、腹部は縫合、右腕は固定で対応しつつ】
【青藍の魔力の「形成」の特性も利用して、内側から傷を確りと固めていく】
【固めるだけ故に痛みこそ残るけれど骨は繋がる、見た目の傷も完全に塞がり】
【命の危機は無くなるだろう――体力さえ戻れば、動くことも出来るまでに】

……左肘は吹っ飛ばされたんか?
義手付けるとするんなら、あッちじゃ良く動くだけのマネキンくっつけるんで精一杯やな
技術的な義手にするんやったら、No.6のグラトンはんに依頼した方がええ
人体改造であの人に並ぶ奴は、今のところおらへんやろうからなぁ

あと其処のオンボロ旦那、それ開ける言うんやったら嫁さんに止め刺すで?
うろついてへんで大人しく引っ込んどりぃや、ド阿呆

【扉に触れるマインドをじとりと睥睨、まあ術者は治療中の彼女なのだろうが】
【何があると言うでもなくただ触れるなと、そう警告して】
【――珍しく少々語気が荒げられたのが、僅かな違和感か】

/了解しました、ごゆっくりー!
188 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 16:31:51.68 ID:8+LR9BHUo
/>>187に一応の追記をー

【砕けた骨を接着し固め元の形に綺麗に戻すその魔力は、造型師の用いる粘土にも似ていて】
【臓器の欠損があるのならば、それさえもその魔力で「形成」し補える。それが彼の「能力」】
【尤も、臓器を形成する彼自身に影響が及べば、その形成の力は弱まってしまうが――】
189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 16:35:11.92 ID:VtQ0mNSOo
>>186

んー、私はホットチョコレートには生クリーム乗っけちゃうなー…
コップなんて洗えば良い話なんだから、汚れるなんて気にしちゃだめだよ

ん? バレンタイン? んー……どうだろうなー…あげたい人が出来たらあげるかな
鈴音ちゃんは誰かにあげるの?

【目の前の少女に負けず劣らず甘党なこの少女】
【じつは常にポケットに甘い物を常備しているのだが、今日はうっかり忘れて決まったらしい】
【その日の事はまだ決まっていないらしく、少女は同じ質問を少女に返した】

やっぱり悪党は許せないね! 許すまじカノッサだよ!

【拳を強く握り締めて、打倒カノッサの意思をメラメラと燃やしている】

そうだよ! うん、絶対にそう!
神社の娘なんだからそれくらい信じなきゃ

【元気出してと言わんばかりに大きな声で熱弁している】
【目の前の少女が「そう、かも」と言うのを聞いて「頑張って!」と笑顔で口にするだろう】
190 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 16:50:13.01 ID:uUuSIMCu0
>>189

生クリームは美味しそうだけど、……いっつもは常備してないし……。
練乳なら常備してある、よ。ココアとかに入れちゃうの。

思ったより入れないと駄目だけど……。

【甘いもの。時折ポケットに飴玉を転がしておいたりするけれど、】
【常習的に持ち歩いていることもない。そう言う意味合いでは少女の方が甘いもの好き、なのだろうか】
【――ちなみにココアに練乳を入れるときはこれでもかーってぐらい入れないと甘くならないので注意】

……まあそう、だよね。道端のひとにあげたって、変、だし、
あげるんだったら、作るの? 買うの? いっぱいありすぎて悩んじゃうよね、お店とかでも――……。

――お父さんにあげるの。甘いもの苦手みたいだから、どうしようかなって。

【「甘くないのって、どうしたらいいかな」なんて、ちいさな溜息と一緒に吐き出す呟き】
【――ココアに練乳だばぁするひとからすれば。甘くないチョコレートとか、逆に困る、らしい】
【困ったよう、しゅんと垂れる眉。「どうしようかなぁ」もう一度、呟いた】

……――ありがと、ね。

【まるで元気をくれるようなその笑顔。つられたように微笑んだ】
191 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 17:05:17.96 ID:VtQ0mNSOo
>>190

へぇー…練乳かぁ…それもそれですっごく美味しそうだね!
生クリームとかは本当に市販の奴でいいから使ってみなよ
美味しすぎて世界が薔薇色になるよ!

【ココアに練乳、その手があったかと内心少し感激している】
【どちらの少女にも言えることだが練乳を直接吸えば良いのでは、と誰かに突っ込まれてしまいそうだ】

鈴音ちゃんはねー今度会った時に渡すよ、バレンタインデーに会えればいいね
私は手作り専門だよ、まあ市販のチョコ溶かすだけなんだけど…

へぇー…鈴音ちゃんみたいな可愛い娘に貰えるなんてお父さん幸せだね
カカオ90%とかのチョコレート買ってあげたら? あれってそこまで甘く無いみたいだし

【甘いチョコがダメなら甘くないチョコを渡せばいいと言う率直な答えを返す】
【もし、お父さんがチョコレート自体ダメならその案は儚く砕けるが】
【最後に「鈴音ちゃんから貰えるんだったら何でも喜んでくれるよ」と付け足した】

ううん、私別にお礼言われるような事してないよ?

【釣られたように微笑む少女を見て一瞬不思議がるが、別に良いや、と少女もまた笑うのだった】

192 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/01/27(日) 17:10:57.96 ID:tEtPQ36wo
>>187

【治療に関しての抵抗はない、とは書いたが――止血も縫合も、痛みがあるのには違いない】
【血を止める為の動作のたびに呻いたり、針が肌を抜けるたびに眉を寄せて堪えたり】
【その瞳が僅かならず潤んでいたのがようやく女らしかったが、下手に声を挙げない辺りはベイゼ、だった】

【やがて処置が終わるとぐったりと寝台に体重を預け、言葉に応じてかマインドを消す】
【普段の、どこか余裕綽々という声とは違ったのが気になったか――黄土の視線は、また彼に向き】

仲良くお手々をつないで握手したら、よっぽど気に入ったのかそのままお持ち帰りされた。
……冗談じゃ無ェぜ?鳥の形をしたマインドだかアートマンだかを使うのに会ったら
まあ、悪いことは言わねぇ、逃げろ。お前じゃゴミ箱行きがオチだぜ、ありゃァ

にしてもなぁ……やっぱりグラトンの爺さんか。ブラックハートみてーな身体は勘弁だぜ
ありゃ便利だが、マジでイッちゃってる奴につけられんのは……いいさ、とりあえずその“マネキン”くっつけてくれよ、月彗

【流れだす血が止まっただけでもだいぶ楽になったのだろう、言葉に張りが戻ってくる】
【もっとも力はまだない、口調さえマトモなら女性らしい声だが。そしてふと、視線で例の扉を指してから】

……で、あの扉はなんだよ。治療中のか弱い乙女をブチ殺すって脅してまで引っ込ませるかね、普通?
よっぽど大事なモノでも置いてあるのか……あーダメだ、頭回んねーから思いつかねぇや。

【色男、なんで呼んでいる辺り、ベイゼの中での月彗というのは飄々としたイメージなのだろう】
【それが、(ベイゼ目線での)見かけによらず上手な治療をしつつも語気を荒げて警告する―――】
【―――確かに、イメージからすれば違和感は強い。怪我人の割に、少年少女のような好奇心は人一倍か。】

/お待たせいたしましたー!
193 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/27(日) 17:12:28.97 ID:ey+KnCzPo
【"魔海"近辺の泉――】

……人間共めェェエエーーッ、……よォくも俺様の"立派で大事な角"をへし折りやがってッ!
"ハミモツ"はまだ許す、押し込むのに苦労したがな――俺様の素晴らしい"耐久力"に感謝するんだ、糞共がッ
それに、こっちは"ヒーリンゲル"で十分ッ治せるからなァーッ

――だが"角"は許さァんッ! "ヒーリンゲル"が効きにくい上に、治りが遅ッエーんだ治りが!
そして角が折れてるなんてよォ…… カッコ悪ィーし、凄ェダッセェーッ! 俺様の角を返せッ! 返せェーッ!

……"太陽と光の輝蛇"の眼もさっさと治さねェーとなァー、こっちも手間取りそうだ……糞が!
よりによって大事な"太陽光を吸収する所"を破壊しやがって、あれも"ヒーリンゲル"が効きにくいからな

【その泉のほとりに座り、自身の姿を水面に映しているのは、全身真っ黒な毛に覆われている奥二重でコワモテ、エルフ耳で2mの身長の悪魔だ】
【黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、首にはマフラーの様な長い紫色の毛を持ち、他にも所々に紫色や赤の模様や毛を持っている】
【鋭く赤い牙と同じく爪を持ち、手足や尻尾の先の方は紫色で、いかにも悪魔だと思わせる尻尾の先端には赤い棘がある】
【赤い棘は肩や手の甲、アキレス腱の位置にもあり、先端に赤い爪を持ち紫色の翼膜な黒い悪魔の翼を背から生やしていた】

――人間共ォォオオ、テメェーらが……俺様の運ぶ"邪悪なる災禍"と"闇黒たる混沌"に対して
恐怖に打ちひしがれ、怯える……その面を俺様に献上して貰おうかァァ、それが俺様の最ッ高の楽しみだからなッ!

【そして、頭部には二本の鋭く禍々しい赤い角を持っている様だが――】
【その右の角は根本に近い位置からぽっきりと折れており、"生命と変化の、混沌の魔翌力"がじわりじわりと漏れだしていた】

……そろそろ、"ヒーリンゲル"以外の回復役も欲しいなァ、候補は色々居るがァァーー
ううむ、何を"作る"とするか……"混ぜる"か……それとも、"宵闇と鏡の豪蛇"の作成に体力を温存するか……
どちらにしても、この"魔海"とかいう場所……中々良い、俺様の力が漲ってくるぜェェエエ――"サタリュウト"の足許にも及ばんがなァーッ!

【疑問符の様に曲がった悪魔の尻尾は、ゆらゆらと揺れていた】
194 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 17:14:48.06 ID:uUuSIMCu0
>>191

……ん、今度買ってみる。
使い切れなかったらパンにでも塗ればいいわけ、だし……。

――ああ、バナナとかあったらフルーツサンドできる、かな。
苺は高くて買えないけど、ね――……。

【――そんなこと。言われたら、やりたくなる、わけで】
【カフェなんかだとココアにクリームを浮かべたりするのだから、そもそもまずいわけもない】
【なら何を悩むかと言えば。使いきれるかどうか――。そこもクリアしてしまえば、もう、止まる理由なんて】

【練乳のイッキはさすがに、こう、乙女心がなんちゃら――らしい、です、よ?】

……くれるの? 本当?

【ぱぁ。笑顔が咲いて、体育座りすら崩して、少女の方へ向くのだろう】
【どれだけチョコが嬉しいのかといえばこれだけ、だ。きらきらした瞳が、小春の瞳を見つめて――】

……――でも、ね、自分で作りたいの。
頑張って作って、「おいしい」って。言ってもらいたいの、いっぱいいっぱい、褒めてほしいの――。

【まるで照れるよう。少女を見つめた視線はすぐに逸れて、正面を通り過ぎてそっぽを向く】
【再び組んだ体育座り。足の下で指を絡ませて、膝に顎を乗せて。視線を伏せる】
【――ほんのり赤い頬。まるで乙女のよう、きっと初々しくって、】

【――――でも、きっと、それは、その表情は。“父親”に向けるようなものでは、ない】
195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 17:30:56.47 ID:VtQ0mNSOo
>>194

パンに塗る……かぁ…
それも良いかも! 今度試してみーようっと

でもこの季節だったらまだミカンとかあるからいいじゃん
あんまり酸っぱ過ぎるのも不味くなっちゃうけど

【パンに生クリーム、フルーツサンドにする、鈴音の発言内容にあった食べ物に心揺れ動く少女】
【今度この子も呼んで家でチョコレートフォンデュをしようと密かに思うのであった】
【ただ生クリームも一応乳製品なので、保管方法には十分気をつけて欲しい】

【生クリームのイッキは一回だけある…なんていえるはずも無く】

え? 私たち友達でしょ? あげるに決まってるじゃん

【一体この子は何を喜んでいるんだろうと不思議な目で見ている】
【友達が友達にチョコを渡すなんて至って普通の事なのに】

そっかー…んー…じゃあね…二人で作らない?
その方がいい知恵が出ると思う! 三人寄れば文殊の知恵って言うし

【三人ではないのだが、確かに少女の言う事も一理あるかもしれない】

鈴音ちゃんって本当にお父さんの事好きなんだねー
だって、今の鈴音ちゃんすっごく可愛いもん

【頬を赤らめる鈴音を見て直感的にこれは”恋”だなと気付いた】
【これはきっと禁断の恋なのかもしれないが好きになっては仕方が無い、少女は心の中で鈴音の恋の成就を願ったのだった】
196 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 17:40:15.90 ID:8+LR9BHUo
>>192

【あまり酷い部位には局所麻酔を少なからず用いる、それでも痛みの声が出る程度に抑えて】
【術後直ぐに動けるように使用し過ぎないという意図だったが、其処には明確な悪意もある】
【呻き声や堪える姿、潤んだ目に見せたのも嫌な笑みで――処置だけが、真摯に的確だった】

怖いこつ、そないな洒落たもん使う輩は矢っ張りどっか頭可笑しいんやろうなぁ
そッちが此処までになる相手やし、あッちも一応気ぃ付けとくわ……

嗚呼マネキンでええんな、ならちょっと待ちぃや
形の削り出しまでは済んどるんやけれど、まだ皮を張っとらんからなぁ

【そう言って、引き戸を探って取り出すのは二つの箱で、彼はまずその内の一つを開ける】
【中身は白く滑らかな「陶器」で出来た、精巧な左手の骨格を模したものだ】
【箱ごとベイゼの腕に当てて大きさを確認し、僅かに削りを入れて精巧な微調整を加えていく】

【「削り出し」が可能な陶器というと、家畜の骨粉を混ぜて作るボーンチャイナという種類のものだ】
【けれど嗅覚が鋭ければ、それから感じ取れるのは牛馬の生臭さでなく、火葬場の微かに甘く鼻をつく香り】
【其処に混ぜられているのは「家畜」の骨などではなく――】

【もうひとつの箱。これの中身も、ベイゼからは見えてしまうだろうが】
【まるで左肘から先専用というような、肌色の手袋とでも表そうか】
【人肌のなめらかさをそのまま綺麗に遺したそれ、まあ「そのもの」なのだから当然だが】

【先程の骨格に己の青藍色の魔力を混ぜ込んで精巧な腕の形を作り、】
【そこにその「皮」を張って、彼女にぴたりと合う大きさの左肘から先が完成する】
【明確に人工物であって、けれど素材の全てに人をそのまま用いたそれは】
【彼女の元からあった左腕かのように、良く馴染む筈だ――指輪も勿論、付けられる】

…………秘密、や

【返したのは静かな一言、ただそれだけ】

/お帰りなさいまし!
197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 17:46:57.76 ID:uUuSIMCu0
>>195

結構おいしいよ、チョコチップなんかもあればそれなりになるし……。
……お蜜柑使うなら、缶のほうがいい、かも。いちいち皮剥くの、面倒だし、ね。

――帰りにクリーム買って行こう、かな、

【フルーツサンド。結構好き、というか、だいすき】
【ただ、生クリームをそんなに買うことが無いことと。買うと存外高いことから、食べる機会はあんまりなくって】
【――ぷつり、切れたのは何の糸か。この調子だときっとフルーツの類だって買っていくのだろう、あとチョコチップ】
【こんな時間にそんなもの。食べたら晩ご飯が入らなさそうだけれど――】

……小春にもあげるね、

【――友チョコ。最近浸透してきたそれも、世の中から離れ気味だった彼女からすれば、新しく聞こえて】
【きらきら瞳を輝かせて――そう、返すのだろう】

え、……いい、の? まだ何作るかも決まってなくって、
……そこから始まる、んだけど、

【びっくりに瞳が丸くなって、けれど、すぐにしゅんと伏せられる】
【完璧にノープラン。まさか家でやるわけに行かない試作祭り――友達の家でやるつもりだったけれど】
【あんまり繰り返したらあの二人だって飽きるだろう。それに、意見がたくさん貰えるのは、嬉しくて、】
【決まるまで何回も繰り返すそれを、小春とやるのも、楽しそう、だなんて】
【――「チョコってことしか決まってない」なんて、呟くのは不安材料だろうか。やりたそうな瞳が、ちらと少女を見つめて、】

そん、な、こと、

【否定しようとした言葉――続かない、続くわけがない】
【だって、実際に好きで、大好きで。否定なんてするわけがないのだから、】
【膝に顔を埋めて。“はじめて”の感情。感情が鎮まるのを待つような間が、空くのだろう】
198 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/01/27(日) 18:04:53.13 ID:tEtPQ36wo
>>196

あぁ、能力を手に入れて最高に元気いっぱいのクソガキだったよ
お礼に野郎の左腕も落としたはずだが……まあ、結果は知らねぇ。

……つーかテメェ、さっきの治療、わざとだろ?にやにや変態らしく笑いやがってよォ……。

【フン、と鼻を鳴らしながらも皮肉っぽく笑って返せる辺り、治療は確実なものだったと分かる】
【未だに顔色は悪いが、先ほどのような死人の顔とはまた違っていて】
【箱を取る彼に、本当に小さな蚊のなくような声で『助かったぜ』というのは、捻くれ者ゆえ、か】

【そして“マネキン”を用意する段となると、その違和感はガサツなベイゼでもさすがに分かる】

どっから採ってきたんだか……使えるんなら、文句は言わねぇが
『他人』のを身に着ける日が来るとは思わなかったぜ、ったく―――。

【その骨、その肌。家畜のものか否か、よくある塩化ビニルやゴムとは全く違う材質】
【深くなった呼吸で胸を上下させながらも着せ替え人形のように、左腕の用意をしてもらい】
【仮にそれがどのようなものでも彼女は受け入れ、ぶすっとした表情で今度こそ『ありがとう』というだろう】

……なぁんだそれ、お前の大事な大事なプライバシーゾーンってか?
もうちょいこう、気の利かせた答えとか無ェの―――?

【ただ一言――それでは満足できなかったというただそれだけで、マインドは再度姿を表した】
【そして扉を開けようとはしないものの、扉をこんこん、とノックして。興味の対象がそこに傾いた――ベイゼにとっては、ただそれだけだが。】
199 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 18:10:26.46 ID:VtQ0mNSOo
>>197

鈴音ちゃん分かってるね! 生クリームにチョコチップなんて本当に分かってる!
そうだねーそっちの方が手間も料金もお手軽だし

クリームだったらねスーパーで買うよりケーキ屋さんで売ってもらうやつのほうが美味しいよ
売ってくれる所と駄目な所があるけど…

【多分少女の何かの糸は大分前にズタズタに切れている】
【きっと、鈴音と別れた帰り道にでも大量に甘い物を買い込むだろう】
【持金全部使うわけでは無いので心配はあまり無いが、体重が劇的に増えてしまう事が心配だ】

うん、鈴音ちゃんのチョコ楽しみにしとくね!

【友チョコ___知っていたのは言葉だけで、俗世から離れた場所で暮らしていた少女にとっては始めて人から貰うチョコになるのかもしれない】
【なので少女自信も鈴音と一緒に目を煌かせている】

え? バレンタインデーのチョコってそんなに計画して作る物だっけ?
私が作る時なんていつも行き当たりばったりだよ?

【一体何の心配をしてるの?と言いたげな目で鈴音を見つめる】
【一瞬だけ目をパチクリさせるが、すぐに先ほどと同じ満面の笑みを浮かべる】
【「別にチョコ作る事が決まってるんだったらそれでいいじゃん」と鈴音の不安な言葉を笑い飛ばす】

そんなこと? そんなこと_____あるんでしょ?

良いじゃん、 私好きになったら仕方ないと思う! 全然恥ずかしくなんか無いよ

【鈴音が否定の言葉を言えないのを知っていて、少し意地悪く尋ねてみる】
【戸惑う鈴音の背中を押そうと自分の気持ちを述べる】
【好きになったら仕方が無い、自分に素直になれないなんて悲しいことだと伝えたいらしい】
200 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 18:21:47.67 ID:8+LR9BHUo
>>198

そりゃあタダでやる訳ないやろ、「お駄賃」貰わへんと、なぁ?
存外可愛らしい顔やったで? その口さえ黙らせばほんに可愛らしいやろうに

【チェシャ猫じみて哂うこのひねくれ者が、無償で助けなどするはずが無いということ】
【けれどそれは、裏を返せば相手の苦しむ顔で満足したと言うことでもあって】
【相手にとっては意外かも知れないが、月彗はこの治療を「貸し」だなどとは言わなかった】

【謂わば作品を作ったと同じ感覚、彼が好きでやったことであり、そうでもないと寧ろやらない】
【彼女が助かった事実など付随した結果に過ぎないのだから――とは、後からの定義だが】
【それでも、礼を言われれば此方も妙にむず痒そうに眉を顰めてみたり、するのだけれど】

【因みに、取り付けた腕は接合部も恐ろしく人肌に馴染むが、取り外しは容易で】
【人の腕より硬いものの、攻撃を受ければ傷も付くし、血液の代わりに青藍色の魔力が溢れる】
【自己再生力も備えてはいるが、余り酷使すれば、また月彗のメンテナンスが必要になるだろう】

…………

【先程までの飄々とした様子が嘘のように、遂に一言も、語られる言葉は無くなる】
【マインドのノックには気が遠くなるような時間、答える音など無かったのだが】
【もし辛抱強く待ったなら、ひとつだけ、こんと扉を叩き返す音がするだろう】

【――人形のように押し黙った月彗の目が、ちらと横たわるベイゼを見下ろす】
【何の感慨も無いようで、その実口に出ない恐ろしい程の拒絶を秘めたその目は】
【まるで「相手に話す価値など無い」と、無言の内に告げるようだった】
201 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 18:37:20.48 ID:uUuSIMCu0
>>199

……え、売ってる、の?

【なんて、きょとんと丸い瞳が少女を見つめて、首を傾げる】
【マジで、なんて。言い出しそうな――言わない、けれど】
【「そっかぁ」なんて呟いて――でも、まあ、スーパーでいいやなんて。存外に臆病だ】

【「がんばるね」】
【期待されるなら、それに副えるまで頑張るだけ、だ】
【たとえば身体を切り刻んだって、心を摩り下ろしたって、褒めてもらうそのためなら、】
【――自らの心すら砕いて毀す思考。最早癖となったそれを、矯正するのはひどく難しい】

……だって。チョコだって甘いのから甘くないのまである、し、
クッキーだってケーキだってなんだって、材料とか、いろいろ……。

――それに、箱とかだって、考えないと、いけないし、……あ、れ?

【――絶句。きっと、彼女の心中はそれに程近い】
【石橋を叩いて割るタイプ。不安症のくせ、天然めいて抜けたところもあったりするのだから――なんかもう、ひどい】
【口元に右手を当てて。数秒悩んだりするのだろう――初々しい白肌、薬指の黒蛇の痣で出来た指輪が、いやに映える】

…………――〜〜、っ、!

【ひとのことが好きとか、大好きとか、(愛してるとか)】
【そんなの、今まで生きてきた中になくって、“はじめて”で、】
【考えれば考えるだけ、頭の中がぐちゃぐちゃになって、――少女が突いて、ぱんと破裂した】

【――いきなり。本当にいきなり、立ち上がったかと思えば、少女を見下ろして――】

――好き、だよ、好きだもん、死ぬまで一緒に居るって決めたんだから……っ!

【――――あら、顔真っ赤】
【ぎりぎりと握り締めるスチール缶。中身もだいぶ減ったそれ――不穏な音に気づいたなら、】
【細く白いその指が。硬いはずのそれを無惨にもへこませていると気づくはずだ】

【寝転がっていたせいもあってか、その立ち姿からははらはらと草や土の残骸が落ちるけれど】
【――その中、ひとひら、ふたひら、混ざりこむのは桜色の一欠けら】
【まるで桜の花弁のよう、ちらちらと舞うそれは、能力の――】
202 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/01/27(日) 18:47:19.96 ID:tEtPQ36wo
>>200

……はいはい、変態流のお世辞だか素直な感想だかをどうも
腕は最高の出来だが作り手は最低の出来だってのがよく分かったぜ
今度手足のどっかを無くしたらグラトンの爺さんの方に声掛けることにする。決まりだ、あぁ

【なんて言いながら少し、取り付けたばかりの腕を動かしてみる】
【上下に、左右に、或いは手を広げてみたり、寝台にぽんっ、と放り出してみたり】

【様子を見るに―勿論、言葉の上でもそうだが―ベイゼは腕に満足したと見ていいだろう】
【問題はその後―――ノックの音に、返す音。僅かばかり、彼女の眼が開かれて】
【どこか意外そうな顔のまま、感じる視線に引き寄せられるが如く、興味の対象は扉から月彗へと移り変わり】

……ンだよ、見惚れたか?――って、いうような目じゃねぇよな
そんな“人形”みてーな視線向けられても困るぜ、止めろってんだろ?
生憎、助けてもらったのは事実……俺の中じゃ借りだ。分かったわかった―――。

【すっ、とマインドは姿を消す。ただ、その包帯と鎖に巻かれた人型は最後まで扉を見ていた】
【何が見えるわけでもないというのに――――兎も角。治療も、義手に関しても、一先ずは終わり、か。】
203 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/27(日) 18:53:45.76 ID:/KsVdnRR0
【水の国―――廃ビル屋上】

【大通りの喧騒から少し離れた場所、人気も少ない路地の奥に位置する廃ビル】
【元々入っていた会社は夜逃げでもしたのか、内部は伽藍堂で、割れたガラスの破片が散乱しているのみ】
【その建物の屋上、表の通りが良く見えるその場所で、転落防止用に作られたフェンスの上に座る人物が一人】
【「よじ登ったら危ないよ!」と書かれた看板が外れかかってキィキィと音を立てている中で、何やら通信しているようだ】
【ふぅぅーと、冷えた空気で白くなった息が吐き出される。】

あぁそうだが―――近くだよ、………ハァ?なんでこの俺がそんな事をしなきゃいけねーんだよ?
俺には俺の事情ってもんが………あーはいはい分かりましたよ、これは貸しにしとくぜ壱拾七番=H

ッチ。こんな事は九番≠フ道化やろうか壱拾弐番≠フ時計野郎に任せりゃいいんだよ………つか俺が一番番号若いじゃん!
まぁ道化のやろうはまだあっち≠ェ上手く片付いてねーからしかたないか………しょうがねェ、働くか―――。

【ウェーブのかかった透き通るような銀色の長髪を結って一本にして垂らし】
【黒い太めのストライプが入った紫のスーツに黒いドレスシャツを着こんでおり】
【腰にはバックルがシルバーのベルトを二本、交差させるようにして装着していて】
【朱い瞳と、犬歯が目立つ、首元に五つの蝙蝠≠フ刺青がある、17歳程の少年】

【通信を切ると、ゆったりと立ち上がり、視線を大通り、そしてその先にある街の中心地へと巡らせる】
【そして、その中にあるとある建物≠ノ狙いを定めたように、眼を細め、一度息を吐き捨てる―――】
【その姿は、路地、さらには大通りからも確認する事が出来るだろう。】
204 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 18:53:51.02 ID:8+LR9BHUo
>>202
/次1時間ほど遅れます、申し訳無い
205 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/01/27(日) 18:57:30.02 ID:tEtPQ36wo
>>204
/了解です、どうぞごゆっくり
206 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 19:00:38.23 ID:VtQ0mNSOo
>>201

うん、ここら辺だったら売ってるところたくさんあるよ
えっとね…看板に秘伝のクリームとか書いてるとこは無理だと思うけど…

【きっとこの少女は初めて行った店で裏メニューを頼む程の図々しさがあるだろう】
【欲しいんだから仕方ない、それを売ってくれるのがお店でしょ? と言う考えの少女はきっと気にしていない】
【よく言えば積極的で行動力のある活発な子に分類されるのだろう】

【今からバレンタインデーが楽しみになってきた少女】
【多分鈴音から貰えるのだったら泥とかでも喜びそうな勢いだ】
【実際は泥なんて貰っても困るだけだが】

え? そう言うのって予め材料を大量に買い込んでレシピ本みて作るんじゃないの?
だってそっちの方が色々作れるし……

箱とかもいっぱい買い込んで…

【鈴音と自分の感性は違いすぎると今になって気付いた】
【慎重で計画性のある鈴音と大雑把で行き当たりばったりな小春】
【相反するこの二人がスイーツ作りなんて、波乱を呼ぶ事が目に見えている】


【少し鈴音を追い詰めるのが楽しくなったらしい小春はニヤニヤして鈴音を見つめている】
【声にならない声を上げる鈴音は初心で自分にはない純情さがあるように感じれた】
【だから少し鹹かった、それだけだったのに_________】

___なになに!? どうしたのっ!
【突然立ち上がる鈴音にビックリして心臓が止まりそうだ】


え…

うん__________



ぷっ……あははははっ
鈴音ちゃん、それって私に言う事じゃないよ! 好きな人に対する告白を何で私なんかにしちゃうのさっ

【感情が破裂した鈴音に驚きを覚えながら、鈴音の真剣さにどう反応すればいいのか分からず笑ってしまう小春】
【自分が火付け役とも知らずに、能天気な奴である】

でもその調子だよ! いまの鈴音ちゃんすっごい素直だったし! すっごい女の子っぽかった!
きっと鈴音ちゃんが好きになる人だから、凄い素敵な人なんだと思う
だから______頑張って!!

【一通り笑い終わった後、小春は真剣な眼差しで鈴音を見つめた】
【小春は鈴音の背中を限界まで押したのだ、後何をするかを決めるのは全て鈴音自身である】
207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 19:22:12.77 ID:uUuSIMCu0
>>206

【空を背景に、立ち上がったその身体はきっとびっくりするぐらいに細い】
【顔どころか耳まで赤く染めて、言い放ってしまったあとは――唇をぎゅっと噛んで、】
【じりじり湧いてくる気恥ずかしさとか、そういったものに、耐えていた】

――なんっ、で、わら……ッ、

【その恥ずかしさ。言葉の内容に対するものも十分にあったけれど】
【初対面の小春にいきなり言ってしまった申し訳なさとかもあって、――笑われて、大きく肩が跳ねた】

【何か、変なこと/おかしなこと言っただろうか、なんて、考えて、】

だってっ……、だって、だってッ、!

【真っ赤な顔。瞳を潤ませて、ふるふると首を振ってみても意味なんて生まれない】
【ぎりぎりと締め上げる指先――「ばきゃっ」――缶、ご臨終です】


――――っ、かえ、るっ!

【やがて。恥ずかしさに耐え切れなくなって、必要以上の大声で宣言するのだろう】
【別に、べつに。告白しに帰るわけじゃない、そのはずなのに、――その言葉すら、恥ずかしくって、】

【さくり踏み出す脚。揺れるミニスカートは中を見せてしまいそうで、そのくせぎりぎりをいつも死守する】
【小春に並んで追い越そうとする逃走経路、速度は少しだけ早く、小走り程度――】

【――地面に転がる編み上げのブーツ。思い切り、忘れ物だ】
208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 19:46:57.62 ID:VtQ0mNSOo
>>207

【急に立ち上がられたので、唖然とした顔で見上げるしか出来ない】
【今は夜のはずなのに、見上げた少女の顔は夕日に照らされたかのように真っ赤だった】
【そしてそれは鈴音それほどが必死だと示していた】

だ・・・だって鈴音ちゃんすっごい必死なんだもん
そんなに好きなんだったら早く告白でもしちゃえばいいのに

【目の前で聞いているこっちまで恥ずかしくなるような言葉を言われれば笑ってしまう】
【しかも凄い必死な顔だったのが今になっても思い出せる】

だって? どうしたの?
あ、えっと…それ以上の愛の告白はそのお相手にしてあげた方がいいと思うな

【流石にからかい過ぎたかなと思ったが着火してしまった火を消せる事も無く】

あ…うん、じゃあ気をつけて頑張ってねー!
また今度どっかで会おうねー

【絶賛爆発中の鈴音は真っ赤になりながら去って言った】

鈴音ちゃん頑張れるかな………って靴忘れちゃってるし…

【鈴音が去って言った後に残っていたブーツを見つける小春】

ま、また会った時に返せばいいかな
どうせチョコレート一緒に作るんだしね

【鈴音が残したブーツを片手に、恋の行方が上手くいく事を天に願う小春なのであった】

/絡み乙です!楽しかったです!
209 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 19:48:47.66 ID:qPZ/aadQo
>>203
/まだいらっしゃいますかー?
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/27(日) 19:49:16.86 ID:/KsVdnRR0
>>209
//いますよー
211 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 20:01:04.10 ID:qPZ/aadQo
>>203
【大通り――そこそこ人が行き交っている】
【街灯の列の下を、一人の青年が歩いていた】
【腕にバゲットの入った紙袋を抱えている】


 いやぁ、ちょうどタイムセールに間に合ってよかった
 夕飯は、ローストチキンサンドにでもしようかな


【ベーカリー帰りの青年は、満足げな笑みをこぼす】
【片眼鏡をかけた優男であった】
【紅色の長い髪を、金のリボンで三つ編みにしている】
【白いコートの下には、薄緑色のカーディガンとワイシャツを着ており、】
【ダークブラウンのスラックスを履いている】

【と、その目がふと上を向き、】


 ――おや?


【廃ビルの上の人影に気付く】


 ……あんなところで何をしているのかな
 飛び降り自殺とかじゃなきゃいいんだけど……


【言ってしまった後に、自分の発言に恐怖を覚え、軽く身震いする】
【下手に刺激するのもあれかもしれないと思い、青年のとった行動は、】


 (……こっち気づくかな?)


【とりあえず、片腕を大きく振って相手に存在を知らせることだった】


/ではよろしくお願いしますー
212 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 20:03:17.89 ID:qPZ/aadQo
>>203
/投下直後にすみません……、飯落ちしてきます
213 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 20:03:33.59 ID:uUuSIMCu0
>>208

【芝生広場、自然公園、寂れた裏道――】
【溢れそうなぐらいに湛えた感情も、熱い顔も、速い鼓動も息も、いくら走ったって、落ち着いてくれなくて】
【駆けるたび、長い髪がふわり揺れて、その軌跡に桜色のきらめきを落としていく】

あ――――……、

【強い強い風が一条、その黒髪を蹂躙して、抜けていく】
【バランスを崩して足を止めてみれば、ようやく、その冷たさに気がついた】

……忘れて、きちゃ、った

【コートも靴も無い、その姿。“お父さん”にどう説明すれば、いいんだろう――】

【投げ込まれた缶の残骸が、ゴミ箱の中でかこり鳴いて】
【躊躇うような視線を夜に流して――魔力の残滓ひとつぶ。それだけ残して、結局その姿は掻き消えた】

/おつかれさまでした!
214 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/01/27(日) 20:05:48.84 ID:5IdMQ4Ic0
>>987

別にあっしはたのしくはないけどねェ……。


【口調も表情も変わらない────うすら笑いを浮かべて上記を言い返した。】
【余裕そうに見えるが、軽く自身の殴られた箇所を撫でている───ダメージが大きいのだろう。】

【─────サングラスを整えチノパンに両手を突っ込む。】
【自身の能力値─────下半身の力と技術に多く振り分ける。】
【その分上半身は紙同等の耐久力だが─────】


【間をつめる女性、振りかかる拳─────】
【男は、上体を後ろへとそらしつつ─────】


【男の爪先が勢いよく上がる─────狙いは女性の伸びる左腕】
【その細い標的を"ピンポイント"で狙おうとするだろう。】

【外れた場合、女性の拳が遅れて男の胸部にヒッティングする。】
【ダメージは軽減するとはいえ────耐久は紙ど以前だ。】


【せめてもの救いは、彼が不安定で相手の力が100%入る前に倒れることができるということ。】
215 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 20:10:39.21 ID:8+LR9BHUo
>>202

…………それこそ、添い遂げるよな仲にでもならんと教えられんなぁ

【其処に有るのは己の「心臓」、故に、仲間とはいえ教える訳には行かない】
【軽口めいて言った言葉だって、既に添い遂げる道がある相手には無理なこと】
【つまり、教えるつもりなど全く無いと、そう暗に示していた――けれど】

【ならば微かなあのノックは、果たして何だったというのだろう】
【まるで小さな希望じみて、確かに「此処に居る」とでも言うようなあの返答は?】
【――扉を開く「鍵」。開けるにはまだ見えない距離があり、踏み込んでいく時間も要る】

……さて、そッちの体力ならそろそろ動けるやろ?
嗚呼でも病み上がりには違いないな、何ならまた姫抱きして運んでったろうか?

【其処に泥濘のように滞留していた空気を払うよう、また常通りの軽口が飛んで】
【歪んだ笑みは、矢張り彼女の言うところの「変態」そのままに澱んでいて】

/お待たせしました!
216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/27(日) 20:13:29.02 ID:/KsVdnRR0
>>211

―――………あ?

【視線の端に自分へと手を振っている者がいるのが映り、視線をそちらへと落とす】
【そして眼に映るのはぶんぶんと人目も憚らず、こちらへと手を振っている青年の姿だった】
【………一度、振り返る―――やはり自分だ。】

………ったく、やっと動く気になったのになんだっつーの………まぁいいや
             もしかしたらアイツも―――いや、そんな風には全ッ然見えねぇなぁ………。

【はぁとため息をついた次の瞬間には―――少年がいたフェンスには足型の窪みしか残っていない】
【そして少年は、大通り、それも青年のすぐ前の位置へと着地している、一足でここまで跳んできたのだろうか】
【街行く人々は、一瞬どよめきと共に足を止めるが、すぐさま「面倒事は御免だぜ」とばかりに視線を逸らして離れていく】
【青年と少年のいる地点だけ、不自然に人の波が歪んでいる。】

で?テメーはどこのどいつで、そしてこの俺に何のようだ?

【少年は、周囲には目もくれず腰に手を当てて、ため息交じりにそう青年へそう問いかける】
217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/27(日) 20:14:59.37 ID:F38d+6LDo
【水の国――孤児院】

「お姉ちゃん、また絶対遊びに来てね、絶対!」

【すっかり暗くなった路地を照らすのは、かわいらしい見かけの建物から漏れる光】
【そこから顔を覗かせる者たちも、かわいらしいもので。年齢も人種も様々な笑顔が手を振っている】
【送られる側であろう水色の髪の少女は、それに答えようとして、不意に割り込んだ音に声を詰まらせた】

『現在も風の国では復興活動が続き……や物資の不足を補う支援物資が……』
「? お姉ちゃん、どうしたの」

う、ん。なんでもないよ。また遊ぼうね

【ニュースから流れる音声に気を取られながらも手を振り返し、玄関が閉まるまで笑顔を向けて】
【夜の道に投げかけられる光が半分以上減ってから、そっと帰路へと足を進める】
【誰も見ていない今表情に浮かぶのは、どうにも沈んだ哀しいもので。俯く顔には影が落とされる】

……今日もクッキー、もらっちゃったな

【気持ちを切り替えるように呟いた独り言は、手元の籠の中身に関して】
【そっと清潔な白い布をかぶせられたクッキーは、どれも形がいびつで一つ一つが不ぞろいなもの】
【けれどそこに込められた感情はひどく明るくて、あたたかくて】
【真っ暗な路地に、少女が歩く道筋を表すように香ばしい焼き菓子の匂いが漂う】
218 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/01/27(日) 20:16:18.30 ID:PDvg7SlFo
【公園】

……痛ちちち。 流石に張り切り過ぎたか……? 

【ベンチに座りながら、右足首のテーピングを再度キツく固める。今度は、激しい動きに対応できるように】
【痺れるような痛みに顔を歪ませるのは、白シャツ×灰色のジレ×ジーンズのシンプルな格好に身を包んだ男。隣には青のソフト帽と二丁の銃がちょこんと置かれている】
【男は時折吹く風に焦げ茶の髪を靡かせながら、慎重に包帯を何重にも巻きつけて右足首を縛り付けた】

はぁ……。やっぱり幾ら想定しても厳しい部分が多いなぁ、クソ……
ガンマンが動けねぇってどうよ……?―――ま、それをどうにかするしかないし、してみせるんだけど……な!

【銃を手に取り、自身を鼓舞しながら勢い良く立ち上がる。確かに、現実は厳しい。遠距離戦で戦うべきガンマンが動けない、距離を離せないのは致命的過ぎる】
【しかし嘆いたとしてもどうにもならず、打破するしか無い。右足に奔る痛みに何苦楚と思いつつ、前に進むしかないのである】

っ痛ゥッ……!! やっぱり張り切り過ぎだろ俺……。

【勢い良く立ち上がり過ぎて、患部に響いた。眉をひくつかせて苦笑いを浮かべながらも、二丁拳銃を突き出して構える】
【半身になり構える姿は、ボクシングの其れに近い。グローブ代わりに拳銃が握られているようで―――撃つ姿勢にしては、やや変則か。】
【……まぁ、それもそのはずだ】

フッ!! ハッ!! せやっ……!! 

【―――ジャブジャブ、ストレート。そう、銃弾を撃つ姿勢では無いのだから】
【撃ったのは弾ではなく、パンチ。拳銃を握ったままの奇妙なシャドーボクシングに、通りすがりの見物人は何を思うか―――】


【一方、別の公園】

                   ―――ッフーーッ……。

【長く、静かに息を吐いた。イメージは水、今だけは身体は液体とみなす。頭の中を、其の意識だけで満たすのだ―――】
【周りから見れば、異端扱いだろう。しんしんと雪が降る中、公園の中心で目を瞑ったまま立っているのだから】

【袴は雪の水分を軽く吸い、羽織っている薄藍のインバネスの肩には、早くも白のヴェールがかかっている】
【本当は真っ黒な髪も、遠目からは白髪に見えるほどだ。冷えきっているにも関わらず、身体を震わせること無く唯深く呼吸をする男】

                     ―――ッッ……
                  (放つは……最速の居合……!!)

【両手はだらりと垂れ下がるだけで、左腰に佩かれた刀、その茜色の鞘にも柄にも手はかかっていない】
【足を肩幅まで開いて立っているだけである。しかし彼を包むは――熟練の老兵の、いや其れに勝る程の雰囲気】
【言うなれば恐ろしく静かで―――そして鋭く。全く底を感じさせない、覇気。其れが―――短く強く、息を吐き出すと同時に拡散して】

                   
                  ――――――――疾ッッッ!!!!

            
          【―――居合、抜刀。それは、『居合の常識』を覆す一振りで】
          【……何もかも、私達の知っている『居合』とは別物なのだ】
 【左腰に刀を佩くのなら、右手で抜くのが当たり前だ。居合を知らない人でも、自然と其の形になるだろう】
         【しかし、この男は―――『左手で』抜いた。しかも―――『逆手で』】

                       ………。

 【剣速を求めるのなら、勿論従来のやり方が一番だろう。しかし彼は利き手ではない方の、逆手で抜いた】
   【理由は、彼に問うしか無いだろう。その居合を見ていたのなら、違和感は少なくとも感じる筈だ】
    【振り切った形で、男は静止する。左の逆手で抜いた剣の背を、もう片方の手で押し込んでいた】

/どちらかお好きな方に……
                       
219 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/01/27(日) 20:27:42.31 ID:tEtPQ36wo
>>215

ヘェ……じゃ、今のところは一生“引きこもり”の予定ってわけだ
OKオーケー別にいいさ、私の人生プランにとっちゃ興味の一つでしか無ぇし―――

―――あー、まだ経って歩くのは不安だし運んでもらおうか。

【『速くしろよ』、なんて煽ったりもして動かないのは、本当にそうしてもらおうという事なのだろう】
【実際歩けないわけではないが、どうせなら楽をしようという魂胆は丸見えで】
【やり方次第では無理やり追い出すことだって出来るけど、それはそれでゴネるのも分かる】

【にやりと笑いながらそうするのは、なにかしらこう――気にしていない、そんな様子】
【深く考えない、気に病まない、楽観的、馬鹿。表現は多いが、重い空気なんてなんのそのと、そう言いたそうだった】


【――さて。もし運んでもらえるのなら、今度はその片腕を彼の肩にかけ】
【もう一方の手で道を指示し、ベイゼの部屋へと案内する形になるだろうか】
【場所は上階、空の見える場所。やはりバカと煙はなんとやら、ということなのか。】

/おかえりなさいませ〜!
220 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/27(日) 20:28:32.88 ID:xrE//RdDO
>>214
【勢いに任せて弾丸の様に突き出した拳は、ただ真っ直ぐ打つ事しか知らず】
【だとすれば予測やずらしも簡単だ、重い力で蹴り付けられた左腕は浮き、男を打てずに体制を崩す】

うおっとと!?

【子供があしらわれるように、男の横をバランスを崩し通り抜けた女は、体制を立て直すと振り向いて】
【左腕を襲った攻撃は重いが、左腕を覆う鎧は堅牢なようで、動かぬ程のダメージにはならない】
【とはいえ、少し左腕が痺れている、すぐに軽く振り回すという訳にもいかない】

にひひひひ、まだまだ!!
もっと来いよ!もっと攻めてこい!アタイに痛みをくれ!!

【反撃をくらって起きながら、それが愉快だというように、女は笑う】
【目を輝かせ、戦いの痛みを求め、闘争を求める】
【戦いを求める獣の心は、戦いによる痛みを以て高ぶる】

なあニーチャン!もっと殴り合おうぜ!!

【振りかぶった左腕に巻き付いた鎖が、ジャラリと解けて、男に向かって腕を振るうと、鎖が男に襲い掛かる】
【鎖を巻き付け、男を引き寄せようとしている】
【引き寄せられた場合、彼女の攻撃範囲に入った瞬間に、彼女の右拳が顔面に襲い掛かるだろう】
【右腕は鎧に覆われてない生身だというのに、その力は女性の物とは思えない怪力だ】
221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 20:33:05.11 ID:sVsQIC3r0
>>218

【奇妙なシャドーボクシングをしている男のいる公園を、小柄な少女が一人で歩いていた】
【冬だというのに、胸元と腰回りだけを隠すような布のような服を着ており】
【緑色の髪の毛に全く手入れをしていないためにボサボサになっているロングヘアー】
【頭から背中にかけてすっぽりとかぶるような熊の毛皮を羽織っている】

【ボクシングをしている男を見てしまった少女は、その場で足を止め、男の元に近づいて行った】
【男の近くに近づくも何をするわけでもなく、灰色のくりくりとした瞳で音kの練習姿を見つめ始めた】
【何一つ言わず、ジーっとただ見つめているだけである】

【奇妙な姿の少女と奇妙な行動をしている男のその二人の組み合わせは、より一層奇妙に見えているのだろう】
222 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 20:35:03.85 ID:qPZ/aadQo
>>216
【相手は、ビルの屋上から――飛び降りた】


 え……、わっ!?
 やっぱり飛び降――!?


【叫んだ直後、咄嗟に両手で目を覆うが、人体がアスファルトに叩きつけられる音はしなかった】
【少年は優男の目前に着地。自殺、ではなかったらしい】
【銀髪の少年は、嘆息と共に、誰何する】
【一瞬、呆けた後に、優男は名乗った】


 あ、ぼくはリディアル・ロードって言います
 いまちょうど仕事帰りだったんですけど、屋上にいる貴方を見て、
 何してるのかなーと気になって……


【とどのつまり、気になったから呼んでみたということになる】
【おそるおそる、片眼鏡の優男も尋ねてみた】


 あの、そういう貴方はあんなところで何をしてたんですか?


【ざわつく群衆の中で、青年はマイペースに聞くのであった】


/お待たせしました!
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 20:47:27.56 ID:8+LR9BHUo
>>219

【飛ばしておいて難だが、まさか本当に頼まれるとは思わなかったらしい】
【青筋が浮かぶとまでは行かないが、こう、イラッとした様子があからさまに出て】

ほんに、厚かましい女やわぁ……
そういう所直さへんと絶対行き遅れるで、今幾つなんか知らんけれど
まあ男を顎で使うところは素質あるやろうけれどなぁ、そこだけは認めたるわ

【ため息一つ。結局はまた彼女を横抱きにして、勿論「嗚呼重い」と余計な一言もサービスし】
【此処は地下の薄暗い階層であり、空の見える場所までというと結構遠い】
【言われるままに進んで行く程に、折角色男と言われた顔にも、流石に青筋が浮かび始め】
【やがては小言混じりの不機嫌面になるのだろう、それでいて下ろさないのだから、面白いが】

【余談。途中の道で、勿論他の機関員ともすれ違う】
【ナンバーズ、それも上位のNo.2とNo.3ときては一般兵にとっては雲の上のような存在で】
【そんな二人が並んで(もいないが)歩いているとなれば、彼らは慌てて敬礼するのだが】
【きっと、その背を追うように、声を潜めた噂話が聞こえてくるのだろう】
224 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/01/27(日) 20:51:48.66 ID:PDvg7SlFo
>>221

……フッ、せっ……ん?

【男の視界にちらつくは、風に靡く緑。それに気付くと同時に、その緑から飛んでくる視線が男の脳内に意識されて】
【気になったのか、身体はシャドーボクシングをしたまま、目線だけをその緑へと送る】

―――うおっ……や、野生児?

【思わず、声が出る。自分も今の季節を考えれば薄着な方だ。それを自覚もしている】
【しかしこの少女の格好は―――なんというか、今の時代には合っていないというか。彼が零した野生児、という言葉が似合う姿というか】
【熊の毛皮は暖かそうではあるが、その布は……寒いを通り越して、死にかけはしないだろうかと思わせる程であった】

―――えーっとだな……何か用か、お嬢ちゃん?
そんなに見てても、面白くはないと思うが……

【どう切り出すか、一瞬迷った素振りを見せてから、男は先に奇妙な動きを止めて、公園の静寂を破った】
225 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/27(日) 20:53:56.17 ID:/KsVdnRR0
>>222

ッチ―――やっぱりそんな事じゃねぇかと思ってたんだよなぁー
あー………一応、聞いておくが、お前がやってる仕事はなんだ?普通のサラリーマンて奴か?

【頭をわしわしと掻きながらどこか面倒そうに、どこか気恥ずかしそうに舌打ちをする】
【それから腰に手を当てて、ため息交じりに、相手の仕事について伺う、どうやら考えるのが苦手なようだ】
【そして相手が名乗ると、「あー」と再び覇気のない声で天を仰ぐ。】

別に名前は大して気にしてねぇよ『片眼鏡のヒョロ野郎』………。

俺はジェイ・ヴラド・ヴァルコラキ=\――何のことはねェ、ただ黄昏てただけだ
んで仕事が入ったから移動しようとしてたらテメーが手を振りやがるから来てみたんだよ………。

【名乗られたにも関わらず、相手の容姿や印象による渾名のようなモノを勝手につけ、呼ぶ】
【だがきちんと名乗りかえしているので、そこまで捻くれ者ではないのかもしれない、尤も】
【―――ただの馬鹿=\――という可能性も捨てきれないが。】
226 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/27(日) 21:01:29.92 ID:PogBKTtko
【雨の滴る音、それは夕焼けに解けた夜の名残の音のように――――】
【銀幕を下ろして無為になった路地裏、宵闇を伸ばして零すと、仄かな明かりがともる】
【雲が晴れて宵月が綺麗な形を見せる頃、お天気なのに降る雨の音が一つ】


……寒いですね……早く、次の仕事に移らないと……


【幼い幼いソプラノ色の旋律、掠めた音は耳元で囁かれる耽美な音】
【背伸びした艶やかさは、ミルクのように粘っこくて舌先で弾ける泡沫の声】
【夜を靡かせたなら、纏に染みこんだ夜明けの香りがきらめくよう】

【花の髪飾りに瑠璃色の長髪の華奢な体躯の少女】
【紫陽花色の浴衣のような着物に紅い帯をぎゅっと締めている】
【瑠璃色の瞳は今にも消えてしまいそうで、着物の裾からは小さな裸足が露になって】

【その手には三節槍――――三節棍の両端に大小一つずつ刃がついた形をしている――――】
【一方の穂先から鮮血を滴らせ、足元の死体を濡らしていた】
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/27(日) 21:03:46.04 ID:ifp2r+4fo
【路地裏】
【突如、ばさっ、と道の真ん中で新聞を広げて歩きはじめる小柄な影がある】
【その少女は、口をとがらせて今日の一面記事とにらめっこしながら歩いていた】


――――匂うッスね〜……こりゃあマジに妙だ
まずどこのどいつが事件を起こしたのかと言う点も奇妙ッスけど……それ以上に
この事件を解決したUNITED TRIGGER側の勢力に置いてもちょっと疑問が残るッス


【茶色の長い髪を左右でお団子状に丸め、もみあげを鎖骨の辺りまで伸ばした形の髪型】
【濁った鳶色の瞳にレンズがやや大きい丸型の眼鏡をかけ、首の所には赤に黒のチェック柄のマフラー】
【前の開いたダッフルコートの下から、灰色の生地に赤、黒、黄とややカラフルで大き目なボタンのシャツが覗き込んでいる】
【黒いスカートに、白地に黒の菱形のマークが縦に並んだソックスに茶色のローファーの少女だ】

【――ただ、その少女のコートの襟には、まるで学生証のように逆五芒星の紋章が象られているが】


まあいいや、そのあたりはその辺の機関員と打ち合わせするから別に後回しでも構わないッス
そんな事より……レオの奴どこ行ったッスか?ブレンもさっきみかん買いに行ってから戻らねーし

渡すモンがあるって言ってんじゃねーッスか……あの馬鹿共……


【ぶつぶつ、とそう呟きながら彼女が手の中に握りこんでいるその『1』と書かれた四角い紋章を睨み】
【同時に持っていた新聞をくしゃ、と丸めてポケットに突っ込んでその場からまた歩きはじめる】
228 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 21:04:06.48 ID:sVsQIC3r0
>>224

あのなぁ、ベアコの動きと違うの

【ベアコと言うのは彼女自身のことであろう】
【くりくりとした瞳を男に向け、色々足りな過ぎて意味がわからない言葉を言った】
【よく少女の向けている視線を見ると、男の顔ではなく、手と身体の動きを見つめている】

ベアコもなぁ、似たようなオーギ持ってるけど、動きが違うの

【男のボクシングしている姿をさし、自分の知っている動きと違うことを観察していたようだ】
【自分と似ているけど違う動きをしている人を見て、好奇心で見つめていたのだろう】

おじさんもオーギを覚えたのか?

【自分より上の男性は全員おじさんにもみえるのだろうか、大分失礼なことを言う】
【彼女の言う奥義とは、男のその動きをさしている】
【彼女にとってはその動きが奥義なのであろう】
229 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/01/27(日) 21:07:27.52 ID:tEtPQ36wo
>>223

他人の“厚意”はお受けしないと失礼かと思いまして……あ、ダメだこの口調気持ち悪ィ
まぁ良いじゃねぇか、21の美人をお姫様扱いできるんだぜ?
やり方によっちゃ金取れるのをよー、わざわざやらせてやってるんだから感謝だ感謝

そら、とっとと上れっての。あと五階層くらいじゃねぇかよ色男っ!

【明らかに立場は逆のはずなのだが、この態度をとれるのは彼女くらいだろうか】
【まして相手は上位のナンバーズ。当然、それらしい噂話が通った端から聞こえるのも分かっている】

【――が。ベイゼは全くもって気にしておらず、むしろ面白くてしかたがないらしい】
【不機嫌そうな月彗に指示を飛ばし、青白いくせににやりと笑う顔のまま、何時までも降りようとしない】
【ようやく部屋の前に着いても自ら扉を開けて、『中までな』なんて言うのだから質が悪い】


【ちなみに、部屋はなんとも形容しがたい。入ってすぐリビングがあり、とりあえず、バカに大きなベッドと整った本棚が目に付くが】
【最も目立つのは窓――壁の一面を全て、採光もバッチリのガラス張りにしてあるのである】
【おまけに言うなら、部屋の中央に置かれたテーブルには酒の空き缶が転がっていたりもして】
【几帳面なのか、景色を大事にする乙女なのか、ただのズボラなのかは―――兎に角、本当に多重人格者か何かに思える、そんな所だ。】
230 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/01/27(日) 21:11:56.71 ID:5IdMQ4Ic0
>>220


とんでもねーどMだねェ

バトルマニアのおまいさんの性癖に付き合えるほどあっしは屈強じゃないよォ─────ぬォ!


【チノパンに両手を突っ込み、足は天へと振り上げたまま】
【不安定なその腰に巻き付く鎖────力も入れられぬ状況で楽々と女性に引き寄せられる────】
【────そう、まるっきり抵抗はせずに女性の攻撃圏内に入っていくのだ。】


………まぁ安心してくんなァ
それでもおまいさんを[ピーーー]ことはできるからねェ────!


【引かれながらも男は余裕の表情を崩さない。】
【振り上げた片足は、その踵を女性の頭部へと振り下ろす────!】

【────そのタイミングは、女性の拳が男性の顔面を歪ませるのとほぼ同時。】
【サングラスが割れて砕ける────。】
231 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 21:13:49.19 ID:qPZ/aadQo
>>225

 ああ、僕の仕事は、とある施設での案内役だよ
 事務仕事も接客もするから、サラリーマンと言っても差支えはないかな


【バゲット入りの紙袋を抱え直し、微笑んだ】
【と、なかなか的を得ている、言い換えれば図星な渾名をつけられ、】


 ヒョロ……!?
 僕はべつにもやしっ子ではないですから!


【ついつい異論を唱えるが、体型はそこまで良い方ではない】
【筋肉の付き方も中の下程度、ヒョロいと言われても仕方ない】
【と、相手が名乗り返したのを聞いて、軽く咳払いをしつつ、気を静める】


 ジェイ君って言うんだね
 すごいなぁ、まだ若そうなのに、もう仕事してるんだ
 何の仕事? 移動ってこれからどこへいくんだい?


【優男は小首を傾げながら尋ねた】
232 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/27(日) 21:22:11.98 ID:xrE//RdDO
>>230
【引き寄せた鎖は、男と女の距離が近付くと解け、元の様に鎧に巻き付く】
【突き出す拳と、落とされる踵―――形は歪だが、クロスカウンターとなった攻撃の交差は双方が成功を収めた】
【鈍い音が二つ、同時に重なって一つと鳴る】

…ぐ……う……!

【頭頂部に重い踵をくらった女は、流石に耐え切れない為にその場にうずくまった】
【痛そうに頭を抑え、ぐらぐらと揺れる脳は、素早い復帰を不可能とする】

【男の方はどうだろうか―――?】
【もし健在ならば…トドメを刺すのにこれ程おあつらえむきな隙は無い】
233 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/01/27(日) 21:23:47.97 ID:PDvg7SlFo
>>228

……お、おう。 お嬢ちゃんがベアコ……って言う名前なのは分かった

【逆に言えば、それ以外は殆ど理解できていないと言うことだ。自分のシャドーを見て言っていることは解るのだが】
【男は取り敢えず、銃を手から消す。二丁拳銃を握った男と、純粋そうな少女。絵面は、男が彼女を襲っているようにも見える】
【周りから誤解されることを恐れる故に取った、この行動である。そして手から瞬時に消える拳銃を目撃したのなら、男が能力者だと判るだろう】

……オーギ、かい? だったら、少しお手本を見せてほしいな
俺は接近戦……殴り合いは、得意じゃないからさ

【柔和な笑顔を浮かべつつ、少女にご教授を願う男。気分は娘を持った父親の様で】
【……ああ、そろそろ身を固めてもおかしくない頃だと思いながら、腕を組んだ】

……おじっ、おじさんは駄目、ダメだ!
まだ25だし、見た目も年より若いって言われるんだぜ……? 精神年齢は、間違いなく子供だけどな

まぁ呼ぶなら「お兄ちゃん」か「ロウさん」か、そこらへんにしなさい。
……とにかくおじさんはよくない。混ぜて「ロウにぃ」とかでもいいぞ?

【軽い自虐を交えつつも、純粋さ故の突き刺さるような一言に苦笑いを浮かべて、呼び方を正そうとするだろう】
【どうやらこの男、「ロウ」と言う名だそうで。2年前程に一時期知れ渡った名前であるが……それも水の国限定だ。恐らく、いやかなりの確率で初めて聞く名前だろう】
234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/27(日) 21:24:57.16 ID:/KsVdnRR0
>>231

とある施設ってのは―――?悪いが線引き≠ェ必要なんでな、特に俺の中ではな
つーわけでその辺もきっちり吐き出せや、な?

【何故あって数分の相手にこれほど上からの態度が取れるのだろうか―――】
【しかも年齢的には青年の方が年上だ、にも関わらず、この厚かましい態度】
【睨みつけるように鋭い瞳で、青年を見て、問いただす。】

うるせーな、俺の価値観に基づいて決めた事だ、異論は認めねぇ―――

そうかぁ?俺ぐらいの歳の奴は結構いるがな―――、俺よりもっと下の歳の女もいるしな
あぁ、ちっとばかし物を取りにな、中央市街の方だ………まー適当にぶらつきながら行くけどな

【またも横暴かつ口悪く、返答する】
【そして仕事の事を聞かれ、都市の中心部辺りのビル街を指さして、そう答える】
【十代の少年少女がいて、しかもかなり自由という随分と特殊な仕事もあるものである】
235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 21:25:48.35 ID:8+LR9BHUo
>>229

21なんかそッち……まあ予想通りか、もっと小娘かとも思っとったけど
その年で10歳上の男を顎で使うんやから、流石やわ
褒めてももう何も出ん、出さん。 いい加減喧しいわ阿呆

【No.2・月彗、31歳。とうに三十路で御座います】
【扉の前でも下りない相手に辟易したのか、ジト目で睥睨するも矢張り折れるのは此方で】
【部屋に踏み入れば採光の良さ故の明るさに眉を顰めて、転がる缶にも溜息ひとつ】
【(一応)女子の部屋だが、気にする素振りもなくずんずん入っていき、向かう先は大きなベッド】
【病み上がりの体だというに、其処に彼女をほいと放り投げようとし】
【――まあ、ダメージは少ないのだろうが】

……何や小奇麗なとこやこと、可笑しいような気もするけれど
まあ、可愛らしゅうもないのがそッちらしいか?
そんじゃあッちは帰るえ、此処やと居心地悪いわ。明るいし酒臭くてかなわん

【じとりと部屋を見回して、掴みようのない感覚にむず痒さすら覚えて】
【殆ど自室に篭もりっぱなしの身としては、あれだけ廊下を歩いたのすら初めてかも知れない】
【機関員たちの噂は、二人の関係についてもあるが、彼が部屋から出て歩いていることにもあったのだろう】

【兎も角、いい年の男が若い女子の部屋に長居する訳にも行かない】
【早々とお暇しようと、踵を返して――その際に思いがけず缶を蹴ったりするのだろうが、お構いなしだ】
236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/27(日) 21:30:47.25 ID:ACyFXRPn0
>>226
/まだおりますか?
237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/27(日) 21:31:22.25 ID:PogBKTtko
>>236
/いますですよー
238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/27(日) 21:32:50.42 ID:ACyFXRPn0
>>237
/では、失礼しますー

>>226

【――――その路地裏のさらに奥。何かを砕くような音が、立て続けに響き、そして再び静かになる】
【微かな空白を置いて、そこから人の気配が近づいてくる】

…………くそ……………………イライラするねぇ……!
今回ばかりは……ちょっと気が収まらない…………!

【悪態をつきながら、幽鬼の如き足取りでそこから現われたのは】
【銀色のウェーブがかったロングヘアーに、黒のライダースーツで全身を固めた、目元をサングラスで隠す、毒々しい赤い口紅が印象的な女性】

【その細い首筋には、『Canossa 616』と刻み込まれたプレートのついた、金属製の首輪がはめ込まれている】

【暗くて視認しづらいかもしれないが、ライダースーツには、派手に返り血を浴びている】

……………………あぁ?
こんな所まで、血が飛び散ったのかい…………?

【女性は、足元が嫌に濡れている事を訝しがり、やがてそれが血液である事に気づく】
【だが――――女性の行っていた殺戮は、少し距離を離したところで行われていたのだ】
【すぐそばで別な死が待っている事は、思い至らなかったのだろう】
【足元のそれに気を取られて、瑠璃色の髪の少女には、気付いていない様だった】
239 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 21:34:33.22 ID:qPZ/aadQo
>>234

 う……、そこまで言わなきゃダメ?
 まいったな、あまり口外するなって言われてるんだけど……

【頬を掻きつつ、気まずそうにする青年】
【横柄な態度の少年に、完全に圧倒されているようだ】
【少し唸ってから、青年は「じゃあ」と提案する】


 君の職場を先に教えてもらおうかな
 それを聞いてから、僕の勤め先も言える範囲で教えるから

 なんていうか、ジェイ君くらいの子とか、もっと下の子もいる仕事場って、
 どんなとこか気になるから……


【そういう青年の目は、少し曇る】
【彼らが法から外れたところで労働を課せられているのでは、と懸念したからだ】
【この青年、いわずもがな真人間らしいことがわかる】
240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/01/27(日) 21:36:33.26 ID:5IdMQ4Ic0
>>232


【ぐしゃり────形容するならそんな音】
【先述の通り、彼の上半身は今のところ紙耐久であり、】
【その状態で引き寄せられ勢いがつき、相対的に威力があがったストレートをくらってしまえば────】
【威力が頭部を突き抜けるように────男はぶっとぶだろう。】


────サングラス、新調しねェといけないねェ………。


【大の字に倒れたまま、立ち上がることもせず────】
【立ち上がれない────のが正しいかもしれない。】

【ただいつもの調子、ゆるい口調で、男は上記を呟くのだった。】
【青い双眸で真っ暗な空を見上げた。】
241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/27(日) 21:38:33.77 ID:PogBKTtko
>>238

【爆ぜる、空気が裂ける爆音のような旋律、遂げるには少し絡みついたような音】
【貴方の足元へと飛び散っている鮮血、その上に塗り重ねるような鮮血の海】
【視線を足元へと向けていたなら、惨劇の一部始終をうかがえるだろう】

【銀色の線が蠢く、それこそまるで、銀幕の上を飛び交うスポットライトのよう、夜を重ねるいくつもの拍手】
【地面を擦る三節槍≠フ火花、彼女が何度も地面へと擦らせる度に、足元の死体が切り裂かれていく】
【そして彼女の腕が真っ直ぐ上空へと伸びて、その手に握った三節槍もその身を伸ばした】


……――――貴女様は……っ……


【上空で一端、ほんの刹那静止する刃、その月光に反射する光に、貴女の姿を写して】
【彼女は気づく、貴女の存在に、それは多分、名前だけは知っている間柄みたい】
【しかし動作は止められない、彼女の腕が重力にひかれるように振り下ろされる】

【叩きつけられる三節槍の先端、足元の死体へと落ちると、炸裂音が響き渡った】
【地面へとたたきつけれれた衝撃が響きあって、死体が大きな音を断てて爆ぜるのだろう】
【立っている場所が悪ければ、貴女へと鮮血が飛び散るかもしれない】
242 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 21:40:13.85 ID:sVsQIC3r0
>>233

ロウサン…?
わかった!ロウサーね!
よろしくね!ロウサー!

【明らかに聞き間違いと言った感じに、ニュアンスの違う名前の覚え方をした少女】
【紙に文字でも書いてあげれば間違えることはないのだろう】
【彼の名前を聞いても、笑顔のまま少女の表情は変わらなかった】
【こんななりでもあるためか、彼女は世間に疎いため彼の名前を聞いたことは今までになかったのだろう】

オーギ?いいよ!できるよ!

【そう言って少女は両手をグーの字にして、左足を軸に腰を浅く落とした】
【その瞬間右足を強く蹴りだし、男との間合いを顔が着いてしまうほど近くまで寄せ】
【そして何故か、その密着した状態からフリーになっている左足を男の脇腹に向けて蹴り放つ】

【見せてくれと言われたためだろうか、奥義のポーズだけでなく使用用途まで見せようとしたのだ】
【別段悪意があってやってわけではなかろうが、相手の言っていることが理解しきれていない馬鹿なだけである】
243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/01/27(日) 21:45:23.08 ID:tEtPQ36wo
>>235

んだよ月彗、お前……いい歳じゃねぇか、やっぱ金とってやろうか?
10コ下の女を抱きかかえて部屋にまで入れるなんて特別待遇もいいとこだぜ
やっぱりそういう店っぽく金で罪悪感をごまかs―――― ッッ〜〜!!!

【放り投げられれば、まあまだ痛い。しかもスプリングが効いているのか再度悶絶し】
【ぶつぶつと恨み節をボヤきながらも、うつ伏せの状態で顔だけ上げて】

21にもなって可愛らしいも何もあるかよ、メイド服とか着てる奴探して言えっつーの
大体この部屋に熊のぬいぐるみとかピンクのリボンとか在っても気持ちわりーだろ?

……あぁ?ンだよ根暗色男、ツれね〜ヤツ。

【ベッドの端から右手だけを下ろし、そこいらに落ちている缶の一つを拾い上げ】
【まだ痛い、とは先ほど記したばかりだが――それにも構わず、彼に向かって遊びの積もりで放り投げる】
【当たろうと当たるまいと一文の得にもならない行為だし、やがて扉が開くのだろうが】

――――おい月彗、ありがとよ。お陰で助かったぜ。

【と、そういう声がかかり、きっと聞こえるハズ。恐らくはそれを最後として、別れとなるのだろうか。】
244 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/27(日) 21:50:14.43 ID:ACyFXRPn0
>>241

…………ッ!?

【流れる血に気を取られ、その場に人――――下手人が居る事に、珍しく気づいていなかった】
【更なる破壊の音に、ようやく女性は顔を上げる】

お前は――――――――ッ!?

【顔を上げ、姿を捉える】
【思わず声を上げるが、それよりも早く武器は振り下ろされる】
【思わず飛び退く女性だが、最後に爆ぜる血しぶきまでを避ける事は叶わず】
【元よりドロドロに汚れていたライダースーツが、更に鮮血を被る事になってしまった】

……………………っ、はぁ…………ん。面白い事をしてるじゃないのさ…………!
随分と、派手な殺しさねぇ…………思わず、燃えてしまうじゃないか…………!

【振り下ろされた武器に、飛び散る血しぶき――――その光景は、女性の興味を強くひいたらしい】
【鋼鉄の義手となっている右腕を口元へとやり――――嫌に真新しい、新品のような光沢を放っている――――ニヤリと笑んで見せる】
【眼前の少女――――女性に見覚えはないが、相当に危ない人間である事は一目瞭然だ】

…………?
なんだい…………あたしがどうかしたかい?

【自分の姿を認めての、少女のリアクション――――それをふと思い返すと、ささやかな疑問が浮かんだ】
【単に、不意に現れた人物に驚愕していたと言うのとは、趣が違う反応に思えたのだ】
245 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/27(日) 21:51:54.42 ID:/KsVdnRR0
>>239

ッチ―――どこまでも青くせぇ野郎だな………。

―――ククッ………そうか、俺の職場が知りたい訳か、………いいんだな=H

【一度面倒そうに舌打ちをしたが、相手がそういった提案をした直後―――】
【空気が凍りつく様な、全身から血が抜け出るような、そんな感覚、それが青年を襲うだろう】
【眼の前の少年を見れば、鋭い眼光で青年を射抜くように見ており、その口元にはうっすらと笑みが】

カノッサ機関=\――『片眼鏡のヒョロ野郎』でも名前ぐらいは知ってんだろ?
俺はそこのナンバーズNO.5血界霧≠フジェイだ………わかったか?

さて―――お前の立場も教えて貰おうか?

【そっと………右手の爪を突きつけるような形で青年の腹部に当て、名乗る】
【もはや先ほどまでの年相応の気配は消え失せ、怪物≠ニしての側面が露わになる】
【もし中途半端な対応をすればこのまま[ピーーー]腹積もりだろう―――。】
【大きなアクションはしていないため、周囲の大衆が気が付く様子はない】
246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/27(日) 21:55:21.81 ID:xrE//RdDO
>>240
あー…くっそ……やっぱいてー…

【左腕の鎧が元の形に戻り、戦闘装備が解かれると、頭を抑えたまま立ち上がって】
【足を引きずるように男に近寄ると、男の体を跨いで顔を覗き込み、笑顔を向ける】

にひひひひ…あーいてぇ…
…テメー、中々楽しかったぜ…

アタイの名シルバー、シルバー=グレイだ
…にっひっひ、また戦り合いてーなら歓迎するぜ、今度はボッコボコにしてやるからよ

【ニィ、と笑いながら、名前を言って、満足げに続けると】
【倒れた男の上を跨ぎ、路地の奥へと歩いて行った―――】

/お疲れ様でした
247 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/01/27(日) 22:00:03.29 ID:PDvg7SlFo
>>242

……ああ、もう。 それでいいよ……はいはい、よろしくベアコちゃん

【開いた右手で頭を掻きながら、呆れたように溜息を吐く。彼女の純粋そうな笑顔に釣られて、思わず口角が上がる】
【先程の苦笑いとは少し性質の異なったものだ。ほっこり、と言う表現が似合う笑顔である】

うんうん、じゃあ見せて……っとぉ!?

【―――速い、と言うか突然過ぎる。そして放たれた左ミドルは、脇腹へ。運悪くか狙ったのか、その位置は……】
【頭を掻いているために右手が上がりがら空きになった部分で】

―――ぐほぉぉぁああっ!!!

【……直・撃。 凄惨な断末魔と共に、しゃがみ込んで悶絶する男。脇腹を押さえプルプルと震えている―――】
248 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/27(日) 22:00:53.11 ID:PogBKTtko
>>244

【彼女がふわり、と右手を持ち上げると、その手に握られた三節槍が蠢いた】
【長さはおよそ3mほど、普通に動かすことすら困難であるそれを、彼女はまるで手足のように扱う】
【全ての節を一本に纏めると、両手で握って、おなかの下辺りで重ねた】


……お初にお目にかかります……カノッサ機関No.八§a泉 瑠璃です
No.616の……ブラックハート様で、いらっしゃいますよね……
お召し物を、汚してしまったみたいで……まことに申し訳ありません


【立場上では、恐らく彼女の方が上なのであろう、それすらも感じられないほどにへりくだった態度】
【深々と頭が下げられると華奢な体躯が揺れて、身に纏う着物が危うく飛んでいきそうにもなる】
【風に拭かれたなら消えてしまいそうな蝋燭の炎のような体つき】

【着物の裾から零れる両手は白雪よりも繊細で、それでいて白くて】
【日の下に出たなら解けて消えて無くなってしまいそうな職人芸の氷細工みたいかもしれない】
【顔をあげたなら、少し哀しげな表情が貴女へと注がれるだろう】


です……ので――――その仕置き≠セけは……お許し下さい
お仕事が、まだ残っておりまして……そちらを済ませる必要があります……


【ぎゅぅ、と三節槍を握る両手に力が入るのを確認できるだろう、華奢な指先が蕩けた】
【冷たい冷たい夜風に揺らされる素足、靴を履いていない両脚は寒さで凍えているみたいに】
【着物は薄手でもあって、冬場に居ていい服装ではないのだろう】

【白い白い、靄のような声――――喋るたびに落ちていく霜のような声の破片】
【そのタイミングは存外短く、少なからず彼女が疲労していることを示していて】
【膨らんだ胸が上下に揺れるたびに着物胸元がはだけて、病的なまでに細い首筋を露にした】
249 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 22:01:52.70 ID:zHVc4ryBo
>>227
/まだいらっしゃったりしますか?
250 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 22:02:38.58 ID:8+LR9BHUo
>>243

【去り際、彼女の投げた缶は見事に月彗の頭に当たって】
【恐ろしく不機嫌なジト目が相手を捉えて――けれど、まあ年相応の言葉も拾った】

……ふん、精々お大事にしぃや
死なれたらまあ、それなりに困るし……それなりに、な

【そうしてやっと息苦しさから解放されれば、溜息ひとつ】
【今宵何度目か分からないそれ、初めから最後まで全て己のらしくなさへだった】

/っと発見遅れました申し訳無い
/そしてお疲れ様でしたー!
251 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 22:04:26.59 ID:qPZ/aadQo
>>245
【その時、何に対して"いいのか"と確認をとられたのか、青年には分からなかった】
【だが、】


 ――!?


【少年が機関の名を口にした途端、青年の顔がこわばる】

【まるでバケツ一杯の氷水を、真正面から浴びせられたような心地だった】
【それほど世界が変わった】
【殺気、と呼ぶには生ぬるい】
【思わず、右足が一歩後ずさっていた】


 機関、だって?
 なんだって、そんな――


【機関がどういうところなのか、青年もある程度は知っている】
【だからこそ、驚いていた】
【どうして、こんな少年が、】
【なぜか泣き叫びたい衝動にすらかられたが、ぎ、と歯を食いしばり、】


 ……君の職場のことはわかったよ
 そのうえで、君の質問に答えさせてもらおうか


【と、青年がバックステップで、相手と距離をとる】
【空いた間隔は4メートル程度】
【地面に片膝をつけて、しゃがみこむ青年は、片眼鏡が逆光で反射する】
【口を、開いた】


 ――ごめん、“君”には教えられない


【青年は、無回答を選んだ】
【一歩間違えれば、命をとられるかもしれない回答】
【だが、青年は判断した】
【機関員に教えるわけにはいかない、と】
252 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/01/27(日) 22:06:42.84 ID:PwWZugnto
【喧騒と人の波を掻き分けて、青年は戦場を駆ける。残された時間は、残り僅か】
【一刻も早く、誰よりも先に、標的を奪取する。それが彼に下された任務(ミッション)──】

(……そう。俺は何としても、あれを手に入れなければならない)
(手段は問わないと、依頼人は言った。ならば、ここは!)

【標的までの間合いは残り数mほど。四脚獣めいて低く体を沈めて、跳躍の予備動作を取る】
【黒いスーツに包まれた鋼の肉体は、幾度となく繰り返された強化処置によって軍用サイボーグにすら匹敵するポテンシャルを獲得している】
【彼は「それ」を、今この場で解き放つ心算なのだ】

(リミッターを外させてもらう────!)

【縄のように盛り上がった筋肉。常識外れの膂力に、踏みしめられた石畳が軋む】
【地を蹴って目標に飛び掛かる青年の勢いは、砲弾のそれにすら匹敵するほどだ。だが、しかし】

「ちょっとアータ、邪魔なのよ!」

えッ、ちょっ待っそれは流石に予想外……うわらばっ!?

【その勢いを以てしても、「彼女ら」には遠く及ばない】
【突撃する彼は腕の一振りで呆気なく叩き伏せられ、立ち上がる事すらできずに踏んだり蹴ったり】
【それは戦闘ではなく、一方的な蹂躙。さながら彼は、大波に向けて投じられた一つの小石のようだ】

──あー、……国産特選霜降り牛500gが……俺のすき焼きが……。

【遍く世の特売会場(せんじょう)を支配する聖戦士──主婦の大群は、彼に目もくれず特売品を買い尽くし、そして去ってゆく】
【後に残されたのは空っぽの売り場と、さんざん蹂躙し尽くされた黒ずくめの青年、ただ一人】

主婦、TUEEEE……がくっ。

【ここ新世界、水の国のショッピングモールにおいては、割とよく見られる光景であった】
253 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/01/27(日) 22:07:42.71 ID:5IdMQ4Ic0
>>246


あっしはおまいさんに名乗る名前はないよォ……
だけど次見た時ァおまいさん[ピーーー]からねェ。


【そちらを向くことはなく、名乗ることもなくそう返した。】

//お疲れさまでした!
254 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 22:07:43.77 ID:sVsQIC3r0
>>247

お?おわぁ!!ロウサー大丈夫か!?

【しゃがみこんだロウの顔が見える位置に少女もしゃがみこみ、困った表情を見せる】

あたったなー

【自分が蹴りを放った原因の癖に、何故か他人事のように言う少女】
【しかし、その表情は困った表情のままであった】

痛いのか?ここ痛いのか?
痛いの飛んでけー、か?

【そう言ってロウの押えている脇腹あたりを振れて撫でようとしている】
255 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 22:08:53.90 ID:dzqAHiFoo
>>249
/一息遅かったようですね、ここです
256 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 22:10:29.24 ID:zHVc4ryBo
>>255
/この静寂 遅かったというのか……絡んじゃいますよ!
257 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 22:11:21.16 ID:dzqAHiFoo
>>256
/来いよアグネス!銃なんて捨ててかかってこい!
258 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/27(日) 22:17:28.38 ID:ACyFXRPn0
>>248

(随分と…………器用な武器だねぇ
……グラトン辺りが知ったら、Fの何かを嬉々として押しつけそうな…………)

【最初の衝撃も薄れ、少女の持つ武器を観察する余裕が生まれていた】
【扱いが難しい武器である事は、一目で分かる。それを使うと言う事は、それ相応の技量を備えた戦士であろうと言う事も】
【――――ふと、こうした人間を見ると狂喜を滲ませそうな人間の顔を思い出し、振り切るように軽く頭を振る】

え…………あ、お仲間だったのかい…………!?
しかも…………っは、あ…………かなりの上位ナンバー…………

【少女――――瑠璃の名乗りを受けて、驚きを露わにする女性――――ブラックハート】
【ならば、自分の事を知っていても無理からぬ事ではある。首元のナンバーが、すぐに結びついたのだろう】

え、あ……着物? …………あぁ、気にしないで良いさ…………元から、あたしも「そんな感じ」で、汚れまくってたんだ…………同じ事さぁ

【上位ナンバーとは思えない、腰の低い言葉を受けて、調子が狂うと言った様子のブラックハート】
【――――恐らくは、瑠璃もまたそうした所作のために気づいていないだろうが、ブラックハートも、目と鼻の先で似た様な事をしていたのだ】
【ただ、違いがあるとすれば、ブラックハートのそれは仕事ではなく、己の娯楽――――余暇と言った趣である事だが】

――――――――おい、『仕置き』ってなんだよ…………なんで、あんたみたいな上位ナンバーが…………?
……てか、あたしも「仕置かれて」、気晴らしに来てんだよ…………なんでそんなあたしが、人を仕置けるんだい…………

【――――先ほどから、あまりにも思いもよらない情報が多すぎる】
【ナンバーの、底辺も更に底辺――――今や唯一のアンダーナンバーとなってしまい、その立場も「特例の実験サンプル」でしかないブラックハート】
【それとは違う、文字通りの「精鋭の一人」であるはずの瑠璃が、ペナルティに怯えている――――どう考えても、理解しがたい話だった】

…………ま、まぁ…………アレさ。あたしゃ、偶然ここに居ただけで、仕置きとやらとは関係ないさ…………
てか…………その『仕事』が『殺し』だってんなら、ちょっと付き合わせてもらっても良いですかねぇ…………?
あたしも、気晴らししたいのさ…………無様を晒したって言って、水責めの真似事なんか喰らった…………気晴らしをねぇ…………!

【己の実益と、瑠璃の実益がかみ合うなら――――ブラックハートは、そんな発案をする】
【この分では、ここら辺の獲物は既に、自分と瑠璃とで狩りつくしてしまった後だろう。だから、自由の身である自分がついて行きたいと口にして】
【――――相当に陰険なペナルティを喰らったのだろう。微かに引き攣る口元に、その苛立ちが表われていて】
259 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/01/27(日) 22:22:26.61 ID:PDvg7SlFo
>>254

……だ、大丈夫じゃねぇ〜〜……!!
と、とんだお転婆娘だぜ……

【冬なのに冷や汗を流しながら、掠れた声を震わせて答える。……大丈夫じゃない、と】
【出会って直ぐにミドルを叩きこむ様な少女は、勿論初めてだ。―――逆ならガードが間に合ったのに、自分の運の悪さも同時に悔やんで】

―――おう……直撃だぞ……奥義、恐るべし……というかコレが奥義なのか?

【痛みに肝を冷やしながらも、その他人事の少女に尋ねる。「あれ、これ唯のダッシュからミドルじゃね?」と言うことを聞きたいのだろう】
【……まあ、恐るべき速さではあったが】

―――なんで疑問なんだよ……せめて飛んでけーで止めろよ……いや、どうせ効かないけどさ

【もう彼女のする行為全てが恐ろしい。触れようとする彼女に一瞬身体がビクついたが、受け入れる。いや、受け入れざるを得ないのだが】
260 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 22:23:22.63 ID:uUuSIMCu0
>>252

【迫り来るバレンタイン。三週間近くあったって、容赦の無い品揃え】
【あちら、こちら、ハート、ピンク、チョコレート】
【空気すら甘たるくなる幻想の中、ヒールの音を鳴らして歩くのは、一人の少女だ】

【家に居るのが気まずくって、お散歩と称して外出してきたのが十数分前】
【お買い物とまで行かなくても、何か見ようかなと立ち寄ってみたのが、数分前】

【――おばちゃんたちに蹂躙された、見覚えのある誰かを発見したのが、たった今】


【――――こつり、そちらへ向かうヒールの音は察知するに容易くって、】
【気配だって別に隠さない。ふらり、ふらり、悩むような躊躇うようなテンポで続く足音は、】
【阻止の類がなければ彼の傍でそっと立ち止まって――】

……――カイ、だよ、ね?

【そうして紡がれるのは、鈴の音のよう。金属質に響く不思議な声色――】
【おおよそ二年ぐらい前か。何度か聞いた事のある声のはずなのに、きっと違和感がある】
【――彼女に追随していた無数の鈴の音。それが、ひとつたりとも、なかった】

【膝丈で揺れる黒髪。二房混ぜた三つ編みは、ぺたんの胸の前に垂らして】
【長い前髪の隙間から覗くのは、左が血色、右が深淵の底のような黒のオッドアイ】
【黒の姫袖ブラウスに合わせるのも、また黒いジャンパースカート。全体的にフリルとレース過多】
【羽織っているのは薄手のワンピースコートで。倒れ伏す彼の前、こんと下ろされるのは編み上げのヒール高めなブーツ】

なに、……してるの? だいじょうぶ?

【すとん。膝を抱えるようしゃがみ込んで、じぃと見つめる瞳。ひっくり返った亀を見つめるようなものだったというけれど】
【きちんと膝を揃えても隠しきれないスカートの中。楽園? いいえ、あるのはペチコートとパニエとタイツです】
261 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/01/27(日) 22:24:05.57 ID:tEtPQ36wo
>>250

【月彗が部屋を出て行ってから、ジャケットを脱ぎ捨て、ブーツもニーソも放り投げ】
【マインドを使って暖房を最高の温度設定で点けてから窓を開けさせて換気をする】
【そんな、素敵なまでに堕落した状態でふと、ベイゼは黒い指輪を取り出して】

……あー楽しかった。他の連中よりからかい甲斐の有る奴だわな
中々悪くねぇ腕も貰ったし……一眠りしたら、試運転でもしに行くか。

しっかしなァ、まさか『戦闘と自分を永遠に結べ』―なんて言われてた指輪が
こんな抜け道であっさり外れちまうとは……アンタも思ってねぇだろうよ
なあそうだろベギー、一度しか会ったことなくても分かる気がするぜ――スペルビオの野郎め。

『……、…………――――どうかな。』

【左手の薬指に、ざくりと指輪をはめ込んで。マインドに全てを任せてから、大きすぎるベッドに身を預け】
【とっぷりと日が暮れて、また高い位置までその明かりが上るまで。戦人はゆっくりと、泥のように眠り続けた。】

/お疲れ様でしたー!
262 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/27(日) 22:24:42.15 ID:ey+KnCzPo
/>>193で再募集しつつ


【ここは、とある街の路地裏の袋小路】
【そこに、何やら不穏な会議をしている者共が居た――】


「……最近悪が活発なおかげで、臨時収入がザクザク入ってきた、良いこった」
{そうっすね、順調っすね兄貴ィ!} 『でも宝石は足が付きやすいっす、まだ油断は出来ないっす』 「……そうだな」
「だがよォ……まだまだ、まァーだまだ足りねェ……もっと稼ぐぞお前ら」
『わかってるっす、兄貴』 {さっさと稼ぎに行くっすよ、兄貴ィ!}

【それは三人の男だった】
【ボサボサした短い茶髪で茶色い眼、一重で強面で、黒基調の派手な服にいかついサングラスの30代前半に見える195cm程の男と】
【氷のように刺々しい青緑色の短髪で青緑色の眼、二重で弱気そうなタレ目で、上下長袖青ジャージの20代半ばに見える170cm程の男と】
【髪型は燃え盛る炎の様な紫色の短髪で紫色の眼、二重で自信溢れる目付きで、上下長袖赤ジャージの20代半ばに見える170cm程の男だ】

「……ここの近くに、金――Auを保管している倉庫がある」
「勿論、一度に全部持っていくのは無理だが……」 『こっそり、少しずつっすか?』
「正解、そうだ」 {どうやって少しずつ持って行くんすかァ?} 「……倉庫の近くには下水道がある、それを利用すっぞ」
「…………まずは、下準備からになっがな」 {早速準備するっすよ、兄貴ィ!}

【――どうやら、金を盗もうという不届きな事を考えているようである】
【そして過去には、宝石店から様々盗んだり――銀行強盗したり――後者については目撃者も複数名いて――】
263 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 22:25:54.43 ID:zHVc4ryBo
>>227

――――――その口ぶり、機関員か

【かつかつとヒールの音が近づいて、そして不意に言葉を掛けられる】
【声色は女性の物で本来は凛としているのだろうけど今はどこか気怠げな物】
【少女が振り返ればそこには1人……】

まあ正義組織だろうと構わないが……
久方ぶりに外に出てみれば何やらお祭り事だ、それももう終わってしまっていたが……。

【酸化した血液のように濁った赤色の腰まで伸びた長髪】
【同じく濁った赤色の瞳は半開きでどこかぼうっとした印象さえある】
【求める限りで最上の部類だろう体型を最上の品質の白ブラウスや黒のスーツに身を包み】
【更にその上から襟に機関の紋章を刻んだ深い橙色のロングコートを肩から羽織った女性は少女の襟の紋章を見て、ほんの少し微笑む】

初見だろうか、当方は機関員だが……
同業者の誰かをお探しであったか、話しかけるには悪いことをしたかな

【少女の「打ち合わせ〜」という言葉を聞いていたのだろう】
【その小言が気になってか外で他の機関員に出会う偶然もあって話しかけたのだった】
【女性の名前はココノエ・クチハ、ナンバーを持たない技術屋の機関員であった】

/宜しくお願いします!
264 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/27(日) 22:28:12.69 ID:PogBKTtko
>>258

【貴女へとぼぅ、と視線を傾けて、交錯したなら、慌てて視線を逸らすだろう】
【小さな肩が余計に小さくなるように、強張った表情が、どこか不安げな色を濡らして】
【貴女の言葉を聴きながら、一つ一つ振り絞るように吐き出す】


……私は、他の皆様と違って……自分から、機関に入ったのではないので……
――――それだけ……地位も、役割も……低い、と言われてます……
ナンバーズの肩書きも……ぇっと……その……


【口ごもる、きゅぅ、と頬の端辺りが赤くなった気がした】
【掌に落ちた雪よりも白くて、それでいて小さなほっぺた、表情を映しても短編のような色合いで】
【貴女を見上げるような瑠璃色の視線が、まるで涙みたいに夜露を孕んでいた】

【口ごもる、言いたくない――――多分、その言葉が近い、声にならない音が漏れて】
【肩書きだけで地位も権力もなければ、特権も存在せず、下部の構成員として扱われる】
【そうなれば、貴女のような地位にあるような人でも、こんな態度で接するしかないのだろう】


……で、でも……悪い、ですよ……与えられた仕事は、自分で果たさないと……
ブラックハート様も、苦労なさってるんでしたら……お休みになった方が、良いかと
水責め……――――っ……こんな時期、ですものね……とても、辛かったでしょう……?


【貴女の提案に、恐れ多いと傾けた視線の色を濃くした】
【瑠璃色の瞳が、長い睫に滴るとふわりと少し、柔らかい表情になったかもしれない】
【儚い呼吸の耽美な残り香に、貴女の色を少し加えるのだろう】

【つい、と彼女の身が揺れた、風に吹かれたすずらんの花みたいに、小さな音色が響いて】
【貴女の下へと近寄ると、そのほっぺたへ、彼女の左手を添えようとする】
【水責めの辛さは分かっているのだろう、その言葉を聴いて、びくっ、と怯えたように表情を乱したから】

【――――だから、少しは温まって欲しいと思って、自分の手を差し出した】
【けれどもそれは、外界の気温よりも低い、彼女の体温を伝えるだけで】
【氷みたい、と思われるかもしれない、ごめんなさい、って言うかもしれない――――】
265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/27(日) 22:31:48.30 ID:/KsVdnRR0
>>251

テメェ―――いいだろう、ならばここで朽ち果てろや―――
―――と、言いたいところだがテメェが何なのか、どういう立場なのかも分からねェ

そうなりゃここで事≠起こすのはナンセンスだ、こっちとしてのメリットはゼロだな

【スッとあげていた手を降ろして、ゴキゴキと首を鳴らしながらそう言い、踵を返す】
【この少年が言っていた線引き=\――それは敵か味方か無関係の区別≠ナあり】
【所属も分からない、少なくとも味方ではない相手は、戦うに値しないと、判断したのだった】

こっちは仕事があるんでな―――まぁもし次に敵≠ニして俺の前に現れるんなら

そうしたら――――――――構わずぶッ殺してやんよ

             そんじゃーな『片眼鏡ヒョロ野郎』

【ダンッ!再び大きな音が鳴ったかと思えば、既にそこに少年の姿はなく】
【アスファルトには、足型の窪みが刻まれているのみである―――】

//お疲れ様でした!
266 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 22:37:06.30 ID:sVsQIC3r0
>>259

ナデナデ、ナデナデ!

【ロウが蹴られた脇腹に触れ、撫でる少女】
【何故か撫でているときの表情はニコやかであった】
【何も考えていないだけなのだろうが、いきなり蹴りをしてきた少女のその表情は何とも不吉に感じるであろう】

ん?うん!オーギ!オーギって言ったらこれやるの!

【誰のことをさしているか定かではないが、誰かとの合言葉的なものである】

本当はね、倒れたり逃げたりしてもね、ずっとくっついて相手のお腹に攻撃するんだよー
相手がふらふらしたら顔にパーンチ!して吹っ飛ばすの!

【などと笑顔で説明をするが、その笑顔が怖く見える】
【彼女の説明からするに、様は足技を主体とした超絶なインファイトな動きのことなのだろう】
【見た目はただの野生児少女だが、そのすさまじさは身をもって体験したらわかるほどの運動神経を持っている】
【奥義でもなんでも行為が、彼女の性質とマッチしているためか奥義と言ってよいものへと変わった行為になった】

でもね!スモーキーはもっと綺麗に動くんだよ!
サ・・・サ・・・サバノミソニ?とか言う体術って言ってた!

【なんの体術なのかさっぱりだが、少なくとも彼女にこの動きを教えた人物がいることは彼女の言葉から確かである】
【勘が良い人なら、彼女の表情からその人物のことを尊敬とも、それ以上に信頼していることがわかるだろう】
267 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 22:41:28.94 ID:qPZ/aadQo
>>265
【青年は緊張していた】
【だが、結果は――、少年は大きく跳んで、その場から消える】


 ……見逃してもらえた


【残された足のくぼみを見つめていた】
【無論、安堵の息が漏れる】
【最悪の場合、戦ってなんとか逃げるつもりでいた】
【幸運だった、と青年は一気に肩の力が抜けて、】


 あ、


【思わず、バゲットの入った紙袋も、どしゃりと落としてしまい】


 あああ! 今日の晩御飯!!


【慌てて、砂のついた部分を手ではたく】
【未だに、向けられた殺気が全身に残っている】
【パンをはたきつつ、身震いする青年は、】
【嗚呼、まさしく身も心も、ヒョロ野郎なのかもしれない】


/お疲れ様でしたー! 絡みありがとうございましたー!
268 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/27(日) 22:42:26.16 ID:ACyFXRPn0
>>264

(……………………)

【視線が合う――――すぐさま逸らされてしまったが、どこか虚しさを感じた】
【夕闇の中で掛けているサングラス。その奥には、自分の目は既にない。その事を思い出して】

――――――――自分から、機関に入った訳じゃ…………ない……………………だって………………?

【ブラックハートの言葉が、突如としてぎこちない響きになる。何か、ショックを受けている様な】
【地位や権限が、飾りのものである事は分かった。だが、何よりもブラックハートは、望んだ立場じゃないと言う事に、強く意識を向けているようだ】

…………なあ……………………なあ、教えてくれ!
あんた、だったらどうして…………なんで、機関に従ってるんだ……!?
……何か弱みでも、握られてるのか…………!?

【どこか、堰を切った様な勢いで詰め寄るブラックハート】
【意志に関わらず従っている――――なら、恐らくは何らかの強制を受けていると言う事なのだろう】
【――――自分以外にそうした人間がいるとは、思いもしなかったのだろう。それだけに、ブラックハートはショックだったようだ】

…………無粋な事、言わないでくれよ…………あたしゃ、人間の返り血を浴びて、人間を殺す事が、何よりの慰めさ…………
今は身体より、心の方をなんとかしたいのさ…………!

【臆面も無く「殺したい」と口にする、そこからはどこか、おぞましいまでの憎しみが、滲んでいる事を感じられるだろう】
【同時に、ブラックハート自身の言う「気晴らし」――――人にあたる事で、自分を慰めようと言うのだろう】

…………確かに、今回やけに入念だったからね…………辛いっちゃ辛かった…………でも、もう慣れたさ、多少の事には…………
嵐が過ぎてしまえば、同じ事…………
――――…………? …………冷たくて、気持ち良い、ねぇ…………

【振り返る、自分へと行われた処置。そうした事は、決して珍しい事ではなかった】
【そんな境遇に甘んじている自分に、今さらながら自嘲の念を覚えながら、されるがままに頬を触れさせる】
【――――そのひんやりとした感触は、どこか心の荒熱を冷ましてくれるようで、不思議と心地が良かった】
269 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 22:42:47.93 ID:dzqAHiFoo
>>263


―――あら?……ああおたくも機関員だったんスか
あっはっは、奇遇ッスねこんな所で、いやこんな暗くて陰気な所の方がアタシらには
お似合いっちゃあお似合いッスけどね


【ぎろっ、と女性の方を睨んでいる割に……なんか遊びを含んだ感じのなめらかなアニメ声で】
【態度は一応知り合いに対して決して悪くない感情、そんなイメージだがじゃあなぜ睨んでいるのだろうか】
【単に、目つきが悪いだけなのだろうか、この少女は】

【かり、と左のお団子の下あたりがムズ痒いのかぽり、と左手で掻くと】


水の国の列車騒動ッスよね、そのお祭り事って……確かあれはアタシらは
ノータッチだったのは間違いないッスよ、なんかすぐ近くにいたお祭り野郎たちは
目ざとく見逃さず派手に暴れてたみたいッスけどね〜、血の気が多いのも困り者ッス

あーっと、アンタの顔に見覚えないッスね、名前なんて言ったっけ?


【機関員であることはロングコートの紋章を見れば分かる】
【だがそれ以前に自分たちは初対面だ、どこの誰だかを一応問いただしておいた方がいいかと思って聞く】
270 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 22:52:57.00 ID:8+LR9BHUo
【夜の国・霧深い墓地】

【静かに並び立つ墓標の群れの中、誰かの墓前に佇む若い男が一人】

【長身痩躯、紅茶色の長い髪を後頭部で緩く纏めて、黒のリボンで留め】
【瞳孔が不揃いなオリーブ色の目を隠すように、色付きのグラスを掛けて】
【漆黒のローブはさながら死神のようにも見えて、この不穏な場に寧ろ馴染むかのよう】
【掛けられた金鎖に吊られた呪具が、墓場の夜風にさらさらと音を立てた】

【彼は墓標に祈るでも無く、其処に供えられていた三色のバラを見据えていた】
【白いバラを塗料で染めたそれ。赤と青藍、そして何かに踏み躙られた黄緑色――】

矢張りあの「義父」が踏んだとも、思い難い……

【――意図の掴み難い独言は、虫の音すらない静寂の中に良く響いて】
【静謐の墓標に刻まれた名は「Lacie」、その黒色の墓石に、三色のバラが一層彩度を際立たせる】

/予約で御座います
271 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/01/27(日) 22:53:53.87 ID:PDvg7SlFo
>>266

……あーもう大丈夫、治ったから。
―――というか、こんな重い蹴りを放つなんて、只者じゃねーだろベアコちゃんよ……

【大の男が少女にナデナデされるシーンを周りに見られたくは無い。本当はまだ衝撃が重く残っているが、治ったと嘘をついて彼女のナデナデを止めさせようとした】
【ここまで痛みが響くのは、単に彼女の蹴りが凄いからもあるが、油断していたのも原因の一つだろう。普通の少女なら、「ペシッ」と軽い音がして終わりだ】

【しかし、大の男を悶絶させるほどの一撃だ。見た目通りの野生児と言うべきか。……師匠に熊でもいるのかと言いたくもなるほどの、説得力が蹴りにあった】

怖すぎんだろそれ。完全にケンカ殺法じゃねーか、殺す気かよ……
―――ま、その奥義も俺には真似できねーや

【屈託の無い笑みとギャップのある話に、血の気を引かせながら。ロウは彼女の「オーギ」を自分には出来ないものと零す】
【紺碧の双眸は、彼の右足首に。入念にテーピングを巻いていた部位だ。彼女に「察する」と言う行為を求めて良いか解らないが―――】
【この足首故に、彼女の様な素早く力強い動きが出来ないのであろう】

スモーキー? ……ベアコちゃんの師匠みたいな? ……取り敢えずその怪しい体術は解らないけどな

【教えた人物らしきスモーキーとやらのイメージは、今のところ熊のような大男だ。野山から降りてきたかのような彼女を見て、そう考えることは不思議ではない】
272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/27(日) 22:54:28.80 ID:PogBKTtko
>>268

【ビックリした、目の前の貴女がその表情を崩したから】
【強い人に思った、かっこいいとも思っていた――――その感情が帰結する先は憧れに近くて】
【そんな貴女が覗かせる生の表情、それは彼女にとっては、少しだけ親しみを感じれるものだった】


……っ――――内臓の一部を……担保として握られています……
私のたくさんの借金を……機関に、肩代わりしてもらってるので……
でも、これ以外――――生きる方法なんて、ないですから


【ためらい、それは死刑執行の階段を上る脚が止まるのに似ていた】
【自分の弱みを曝け出すということは、自分の恥部を見られるのと同義】
【躊躇した理由はそれで、それでも隠さなかったのは、隠し事すら許されない立場だから】

【貴女と同じく、彼女もまた機関という存在がなければ生きていけないのだろう】
【いくら強く花が咲いても、育つ前に、或いは美しく種を残す前に、花弁だけ残して切られるから】
【触れた表情の欠片が、花火のように瞬いて、やがて消えた】


……でしたら……っ……の……私の身体でも、お使いください……
鬱憤を溜めると、他の業務に支障がでるでしょう――――それはきっと、貴女様のマイナスになるはずです
……私でしたら……私でも、それくらいなら……できっ……ます……


【貴女から手を離して、生の感情をむき出しにした貴方に少しだけ怯えるよう】
【彼女といえば、不安げで儚い小さな顔にいつも哀しげな表情を浮かべているだけだから】
【一歩下がって、貴女との距離を開けると、不意に背中を向ける】

【着物の襟を緩める、まるでカーテンが下りるように、彼女の着物が擦り落ちていく】
【絹から零れ落ちる素肌、華奢な肩のラインがするりとひかれると、背中の半分程度まで露出するだろう】
【露になった肩の付け根、そこから伸びる二の腕は未発達の柔らかいままの肉=\―――】

【白い素肌は糸のように滑らかで、月光を浴びてキラキラと輝いて】
【まるで解けたクリームみたい、真っ白でもあって、乳白色でもあって】
【寒空の下にありながら、一厘の花のように気高く咲いていた】
273 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 22:54:58.76 ID:zHVc4ryBo
>>269

ええ、表に見えない場所で内部から腐敗させる方が我々には似合っている
尤もそれは我々だけの話でもないですがね……。

【睨まれても女性はどこ吹く風とばかりに表情を変えない】
【それは戦闘員としては優秀なのだろうけど所詮はデスクの住人である】

数日はニュースに流れたそうで、生憎と俗世から離れていましたので存じていませんでしたが
世に混乱を……というのは我々の目的ですから放っては置けなかったのでしょう、実に機関員らしい。

【部屋から出ていない証明か、その瞳の下には黒いクマができていた】
【しかし視線が虚ろなのは寝不足の為かといえばそうではない元からだ】

ああ、これは失礼を……名はココノエ・クチハと申します、技術屋なのでナンバーはありません
見覚えの無いのも至極当然の事、基本的には研究室におりますので。

勿論逆のパターンも、私も外に出ないのであまり機関員の顔を覚えておりません
貴方の、そちらのお名前は?

【聞かれれば返す、幾ら世に合わない機関員であろうとそれは道理のようで】
274 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 23:05:05.75 ID:sVsQIC3r0
>>271

えへへ!

【褒められているわけではないはずなのに、何故か嬉しそうに笑う少女】

師匠?違うよ、スモーキーはすっごいの!

【彼女の答えは、どこかずれている答えになった】
【その人物のことを話す少女は、とてもうれしそうに話している】

おろ?どうしたんだ?そこ?今ので痛くなったのか?

【ロウが向けたその瞳の先にある足首のテーピング】
【少女のその表情は再び困ったような表情になった】
【自分がやった攻撃で受けたものとでも思ってしまったのだろうか】

足も痛くなったのか…

【そう言って、そのテーピングが巻かれた部分に手を差出て触れようとした】
275 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/01/27(日) 23:07:40.68 ID:PwWZugnto
>>260

(仰向けに倒れなかったのだけが幸いだね。いくら腹筋を固めたって、これだけ踏まれりゃやっぱり痛い)
(最悪、人事不省でお昼ごはんが、なんて事にも……うわぁ、想像してたらなんか気持ち悪くなって)

……あー、うん?

【満身創痍の体は、動かす事さえ億劫で】
【このまま冷たい石畳と同化してしまいたい、だなんて後ろ向きな思考に浸りながら】
【こちらに近付く足音に、遅々とした所作で顔を上げれば──霞む視界に、少女の姿】
【大丈夫?と問う澄んだ声にも容姿にも、どことなく覚えはあったけれども】

あれ。……ああ、そうだけど。そういう君はひょっとして、鈴音ちゃんだったり?
いやー、まあ、ちょっとお買い物に来てたんだけどね。欲を出して特売品を狙ってみたら、この通り。

主婦は強し、って事なのかなあ。下手な機関員より怖かったよ、あれ……

【それが歳の離れた友人である事に気付くまでは、大分掛かった】
【何故だと更に自問して、あの鈴の音が無いからだ、と合点したように頷くと】
【よっこいしょ。と年寄りじみた掛け声一つ、立ち上がってから何時かのようにへらへら微笑って】
【拾い上げたソフト帽をかぶり直すと、お道化るように肩を竦めてため息をこぼす】

【ちなみに際どい角度のスカートについては、立ち上がるまで露骨に目を背けていたらしい】
//あわわ、遅ればせながらよろしくです
276 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/27(日) 23:07:56.13 ID:F38d+6LDo
>>270

……おや

【ざり、と石畳を踏む音が響いて、近付く人間の声が続く】
【それは耳触りのいいくせに鼻にかかってかすかな、そのくせよく通るバリトン】
【そして、それに続くように抑揚の無い女の声が紡がれる】

「旦那様、申し訳ありません。人払いは済んだと思ったのですが」

いや、いいよ。浸蝕の具合は、あとで確かめても、問題ない
それとジョゼ、おまえは下がっておきなさい

【ジョゼと呼ばれたのは、両肩から先、腕無い侍女服姿の女】
【その前には、手首だけが宙に浮いて、蝋燭の刺さった燭台を掲げていた】
【男の方に言いつけられると、そのまま今来たであろう道を戻っていく】

……やあ、久しいね
君に頼んだセイレーンの子供たちは、今ちょうど器具に取り付けているところだよ

【声の主は、ふわふわと揺れる、目に刺さりそうな微妙な長さの銀髪を持つ男】
【薄青色の目と、青白いと形容されそうな肌の色をして、背は高く体躯は細長い】
【お貴族様みたいな真黒のマントに白のドレスシャツ、アスコットタイを締めて】
【黒のスラックスに同じく黒のオペラパンプス、右の手には白のステッキを持ち】
【いかさまの似合いそうな指は白い手袋に包まれ、貴族的風貌の時代錯誤の男だ】
【ものに例えるならば、そう、ふわふわと海をたゆたうくらげのような】

【浮かべる表情は微笑めいた、ひどく冷たく凍りついたそれで】
【相手を見下げるように、髪を揺らして小首を傾げた】
277 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/27(日) 23:12:30.96 ID:ACyFXRPn0
>>272

……………………ッ!?
なんだ…………なんだよそれ!?
金で人を使い潰そうってのか…………おい、ふざけんなよ……おい…………!

【知った事実は、あまりに重いだろう――――己のそれと、状況はほとんど同じである】
【4日ごとに処置を受けなければ、限界をきたして壊れる身体――――自分のそれと、話はとてもよく似ていた】
【――――兵卒であっても、見捨てる様な事はしたくない――――かつて、そんな事を旧≪No.42≫と話していた事を思い出す】
【今の機関には――――そんな人間が、本当にいなくなってしまったのだろうか。思わず怒りが胸の内からこみ上げて来て】

…………あんたも…………あんたまで、機関に命、握られてんのかよ…………なんだよそれ…………

【呆然と、そんな事を口にするブラックハート。心ここに非ずと言った様で】
【そんな人間をナンバーズ――――精鋭扱いして最前線に立たせる。それが非道である事は、言うまでも無いだろう】
【味方に、自分以外にそんな目にあわされている者がいるとは――――思いもしなかった】
【己の境遇が特殊なものゆえに、その劣悪さも、特殊なものだと思い込んでいたのである】

お、おい…………!?

【気晴らしに、自分を使って欲しい。そんな言葉がまた、ブラックハートの心を驚愕で揺さぶる】
【――――どこまで卑屈なのだろう。何故そこまで卑屈なのだろう――――いくら自分でも、そこまでへりくだった事はない】
【あるいは、内向きには、瑠璃は自分以上にひどい扱いを受けているのかもしれず】

――――――――――――――――ッ、馬鹿言ってんじゃねぇよッッ!!

【背を向け、身に纏うものをほどいた瑠璃に、思わずブラックハートは叫ぶ】
【こんな形で他人を――――味方を――――いや、もしかしたら、自分と鏡移しの様な生き方をしている相手を、戮して心が晴れる訳が無い】
【怒りか、あるいは痛みか。それを発しながら、早足で瑠璃の元へ、空いた距離を詰める】

あたしゃなぁ……弱い者いじめをしたい訳じゃねぇんだよ!!
クズども…………あたしを売り飛ばして、あたしをこんなサイボーグの身体にして、あたしの生きてる事を笑いやがった連中を殺し尽くしたいだけなんだよッ!!
あんた…………あたしらの仲間だろう…………ッ、そんな仲間を、サンドバック扱い出来るかよッッ!!

【叫ぶ――――要領を得なくても、言葉が最適でなくても、今のブラックハートにはそれが理解できない】
【自分をこんな所に追い詰めた人間に、復讐をする事で自分を肯定してきた。瑠璃は、どうしてもそんな自分に重なる】
【――――共感、それを感じた。その相手を甚振れる訳がない】

それにあんた、言ってたろう!?
やらなきゃならない事があるって…………『仕置き』を受けるかも…………って!!
だったら尚更、出来るかよそんな事をッッ!! それじゃ、あたしをこんなにしやがった連中と、同じになっちまうだけだッッ!!

【瑠璃の境遇を考えて、追い詰める真似ができる訳が無い――――そうブラックハートは吼える】
【普段からして、ブラックハートは、身内の事を慮るところがあった。機関が唯一の、帰るところだったからである】
【しかし、この時のブラックハートは、明らかにそれらとは趣を異にした感情に根ざしていた】
278 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/01/27(日) 23:21:38.63 ID:PDvg7SlFo
>>274

……おう、凄いんだろうなぁ。こんな重い蹴りを教えるくらいだ

【皮肉を込めて、そのスモーキーとやらを称賛する。皮肉が伝わるとは思っていない】
【……少なくともロウの頭の中のその大男は、悪いやつでは無さそうだ】
【こんなに彼女が嬉しそうにしているのだから、そのスモーキーは優しい人間……人間?なのだろう】

―――っ、そこは止めてくれ……!!

【右足首に伸びた手を、咄嗟に左手で掴んだ。決して強く握ったつもりはないが、少し力が篭っていたかも知れない】
【怒鳴ったつもりはないが、悲痛に溢れた声は少し周りに響く程だったかも知れない】
【―――2つの意味で、触れるべきでは無かった部分なのか】

……さっきの蹴りと、関係無い……からさ。

【段々と声を縮こませながら言葉を零す。ロウは掴んだ彼女の手を、力無く離した】
279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 23:21:53.13 ID:dzqAHiFoo
>>273


まーな、腐った連中呼ばわりされるのももうずいぶんと慣れちまったッス
つか、アンタ、機関が世に混乱をもたらす事を目的にしている理由ってなんだか聞かされてるッスか?
アタシ実は知らないんスよね、混沌のために機関入った覚えもないし……嫌いじゃあないッスけど


【うーん?と頭を傾げてそもそものカノッサ機関の掲げる理念が言うほど理解できていないという発言】
【そんな事をよくもまあ恥ずかしげもなく言えるものだが……結構大らかな性格の機関員だ】
【ココノエ・クチハ、名前を聞いたコマチはぱあっと、満面の笑みを浮かべながら……やや気だるそうな口調で】


ん?そりゃー知らない訳だわ、めったにあの辺はいかねーッスからね
いや全く行かない訳じゃあないのよ?アタシもたまにおもしれえモン作ってもらうために
あの辺たまに行くときはあるッス……そーなんだ、アンタ研究員ッスか、んじゃこちらも


――――この度今月付で"六罪王"になった、音無 小町って言うモンッス
……若輩者だが今後ともよろしくッス、クチハ



【名乗った少女、コマチ―――『音無小町』】

【なんとまあ、今路地裏をうろついていたこの少女は……偉く年若く見えるのに"六罪王"だと言うのか】
【本当にそうには見えない……他の六罪王より遥かに年若く、加えて幹部の名を背負うほどの覇気を纏っているようにも見えない】
【この時点では、ちょっとしたのジョークの様にしか聞こえない、だがそのコマチは右手を広げて堂々と、クチハにそう名乗った】
280 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 23:21:56.61 ID:8+LR9BHUo
>>276

【赤と青のバラ。綺麗に対になったその二輪から阻害されるような黄緑が、散って】
【其処に現れた影を全く予期などしていなかったから、僅かにオリーブ色が戸惑いを映す】
【連れている歪な躰の侍女すら彼らしいと思えるのは、酷く可笑しい思考だけれど】

……今晩は、雲母
まさか、此処に貴方が来るとは思いませんでした

【あの黒ずくめの女と相手との邂逅は、彼の知るところでは無いようで】
【その時に交わされた言葉も無論知らない、故に今更に墓の主を警戒する素振りが道化のようで】
【あわよくば師匠の墓である事さえ隠そうとしているのだから――可笑しい】

あれが孵ったのですか、それは良かった
器具と言うのは……伺っても良いことならば、知りたいですね

【引き渡した物に後悔をすることなど無いけれど、矢張り、その意図は気になる】
【まるで墓へ話題を向けないように、墓標を背にそちらへ向き直って】
【小首を傾げたその動作。想起する愛しき娘の癖に重なって、故に眉が顰められた】
281 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/27(日) 23:25:18.86 ID:PogBKTtko
>>277

【きっと彼女の語ったことは事実の一部にしか過ぎない、もしかしたら非は彼女にあるかもしれない】
【それでもそのことに激昂してくれる貴女が、何だかとても――――嬉しくて】
【大丈夫です、大丈夫ですから――――落ち着いてと語る声が強さを増した】


……でも、私のこんな――――ちっぽけな身体に、それだけの価値があるんでしたら……
それは、それはとっても、嬉しくて……誇りに思っても良いことだと……思います
――――元々が無価値でしたから、生きていることすら、おかしいことでしたから――――

だから、今私は……こんな自分に――――満足してます


【貴女の抱いた感情の答え、恐らくはこのことに示されるのだろう】
【今生きて、貴女と会話することすらも、本当は無かったのかもしれないから】
【その可能性を与えられただけで、彼女が機関に尽くす理由にはなるのだろう】

【宵闇の空、その中で浮かぶ小さな花弁、色あせない永遠の花】
【灯火は燃える、吹き消される寸前がもっとも――――残り少ないわが身を燃やし尽くして】
【きっと先は長くないから、と薄い笑みが、風に濡れた】


っ……仲間――――ホントに仲間、と思ってくださるんですか……
有難うございます、とても――――とても嬉しいです、機関の方とは、思えないぐらいに
でも、それじゃ……駄目なんではないでしょうか

組織には階級があって、下の者、下のモノへと……当たっていく事で、現状に満足するんです
……でしたら、どうしても必要となること、って――――私は思うんです

そしてソレが高い名前を持つほどに昂ぶるの、だと――――


【優しいと思ったのは事実、貴女の口ぶりとは違うようにも思えた】
【人を憎み、人を憎悪する貴女の感情の奥底の綺麗な色に触れたような気がして】
【だからこそ、くしゃ――――っと音をたてて表情が乱れた、映った笑みは今にも消えそうな夜月のよう】

【瞼が頬の湖に溶ける、そして移りこむ水面の月みたいに静と動のコントラストが鮮やかに彩られる】
【強い感情の灯火を滾らせる貴女の姿は、まるで情熱的なバラに例えられるほどに、一人艶やかに咲き誇って】
【彼女はそれを見守る、小さな夜露――――やがて落ちて、砕けて、しぼむ】
282 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 23:25:29.48 ID:uUuSIMCu0
>>275

うん、そう、久しぶり――元気、……じゃ、ない?
……――怪我とか、してない? だいじょうぶ?

【こくり、肯定ひとつ――頷くのは、確かにあのときの少女とおんなじ彼女だ】
【髪が伸びた。左目が抉ったような血色に替わった、鈴の音が、ない】
【それだけでずっと違うようで、けれど。その幼い顔つきは、最後に会ったあの日と一ミリの成長すらない】

【昔の友達に会えたことが嬉しいのだろうか。にこにこ笑えば、きっと彼が立ち上がるのを手伝おうとするのだろう】
【――かつて瞳や表情を濁らせて曇らせていたモノ。吹っ切れたのだろうか、そこには欠片も窺えない】
【左右どちらもどこかつくりものめいた瞳が彼を見上げて、そこには心配げな色が浮かぶ】

お買い物……そっかぁ。
私はね、チョコ――見に来たの、

【まあ。ここに居るのだから、十中八九そうなのだろうけれど――】
【改めて辺りを見渡してみて、納得したような声をひとつ、洩らせば】
【自らがここに居る理由――どこか照れたように笑んで、口に出す】

…………――あ、ねえ、カイって大人だよね、大人の男のひとだよねっ。

【――それから、ふと。何かを思いついたよう、異色の一対が煌くのだろう】
【そして彼をじぃと見上げて――その瞳には、希望や期待が散りばめられて、さながら宝石箱を覗いたよう】

あのね、甘いもの苦手な男のひとにあげるの、あげたいの――。
……私甘いもの好きで、よく分からないから、……教えて欲しいな、って、

【かつてと比べたなら、憑き物が堕ちたようなテンションの違いがそこにある】
【ほんのりと頬を赤らめて、「だめかな」なんて風、首をかしげるのだろう】
283 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 23:28:43.76 ID:sVsQIC3r0
>>278

うっ、お、おぅ、そうなのか…
【驚いた表情をし、困惑した表情へと変えながら少女はロウを見つめた】
【何か話そうとも、かける言葉は思いつかず、沈黙が続いく】

あ、あのな…その、ごめんな…
【先ほどまでとは違い、力がこもっていない声をだし、この沈黙を破った】
【何に対して謝っている言葉なのか、きっと彼女自身もわかっていない】
【だが、何故か謝らないといけない気がして謝った】

【少女はその灰色な瞳をロウに向け続けた】
284 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/27(日) 23:34:13.43 ID:F38d+6LDo
>>280

以前来た時も、ここに、人が居てね
土壌の具合を、しっかりデータに、出来なかったから

【だから、もう一度来たと。敢えてどんな人物にであったかはまだ言明せず】
【トン、トン、と墓の一つ一つの頭を指先で叩いて、彼が隠したがっている墓の一つ前で止まる】
【もっとも、本当はその「一つ前の墓」が目当てであるのだが。果たして彼の目にはどう映るか】
【薄らいつも以上に血色が悪い以外は、何ら普段と変わらぬ様相】
【ただ、表情だけが前よりもずっと作り物めいている】

まだ秘密、と言いたいところだけど、少しだけ教えてあげようか
音響と、その効果。それらを増幅するための、特別なスピーカーだよ
……セイレーンは、何をもたらす、生き物だったかな?

【いたずらっ子のように唇に人差し指を当てて、薄い唇がわずかに持ちあがる】
【――セイレーンは嵐と災いを呼び、船を沈める災厄の象徴】
【その歌声の効果を増幅すると言う事は、どういう意味であるか】
285 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/27(日) 23:37:24.76 ID:ey+KnCzPo
/>>193,262で再募集!
286 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 23:40:10.54 ID:zHVc4ryBo
>>279

人は全てソレを、混沌を求めるモノですから理由としては「人であるから」でいいのではないですか?
或いは平穏な世の中をどこかの誰かが思ったのでしょう「面白くない」……と、人としてはごく自然の事

【人は人ゆえに争いを求めそしてそれは当たり前である】
【機関員としてはこの上ない答えか】

尤も私とて機関の起こりなど知らないですがねデータでも探せばあるのかもしれませんが
一介の技術屋に見つけられる筈もありません……でしょう?

【しかしながら彼女の弁はイコール機関の本意ではないのだろう】
【機関を上り詰めればそれも分かるのかもしれないが生憎とココノエには興味の無い事であった】
【目の前の彼女はどうだろうか?六罪王の音無小町は】

あそこは存外閉鎖的ですからね加えて言うならば人を人と思わず同業者も同じようにしか思わない者が多いですし
良い意味でも悪い意味でも特色が出やすい、危険を顧みなければ研究員には最高の環境でしょう。

【機関の研究施設、それだけで恐ろしい物を感じるのは気の所為ではないだろう】
【謂わば巨悪の腹わたでそこでは日夜目を覆うような研究が進んでいるのだから】

――――――……意外、ですね……いや

【大振りに自らの所属を伝える音無小町という少女】
【それを受けてしかしその言葉こそ驚いているがココノエは数瞬黙り】

であるからこそ相応しい、か……失礼やり直しましょう
私はココノエ・クチハと申します以後お見知り置きを『音無小町』……様

【何か頷いて少女の前に跪く】
【戴冠式でもあるまいに、それ自体が本気か遊び半分とさえ思えるような動作で】
【そのままの姿勢で顔を上げて、不健康な顔で微笑む】
287 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/01/27(日) 23:42:42.16 ID:PDvg7SlFo
>>283

あ―――……悪い、少し強く言っちゃったな

【何かに気付いた様な素振りを見せて、更に眼を伏せる。言葉では謝罪を告げているが、瞳の紺碧には光が灯っていなかった】
【―――自分に、嫌気が差した。この傷と向き合うと決めたのに、こんな態度を取ってしまう】
【深い深いコンプレックスとなってしまった傷を、受け入れて吹っ切ろうとしても、やはりまだ其れは遠い。……嗚呼、まだ心が整理できていないのか】

……悪いのはこっちだって。 ごめんな、ベアコちゃん。
―――右足首のそれは……うん、関係ないからな!

【強く言い切って立ち上がる。先程の怒鳴り気味の声ではなく、前向きな明るい声が、公園の禿げた木に染み入って消えて】
【んッ、と一旦背伸びをして―――大きく息を吐き、彼女の灰色の瞳に向けるは、笑顔。背いっぱい闇を振り切って、白い歯を見せた】

―――というか謝る位なら蹴るなよな……

【その後付け加えるように、一言漏らして】
288 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/27(日) 23:43:48.53 ID:ACyFXRPn0
>>281

――――――――ッ、内蔵抜かれたって言っても…………少なくとも五体満足で、この世に生まれてこれたんだろう…………ッ?
なのに…………それなのに、そんな卑屈な事に、自分の幸せを、求めてんじゃねぇよ…………っ
それじゃ、障害者だったせいで……ぇっ、親に売られたあたしは、ぁ……どうしろってんだよ…………ぉッ!

【――――ブラックハートの抱えた過去が、その言葉を肯定する事を、どうしても許さなかった】
【まともな人間としてすら、生きる可能性は最初から閉ざされていた――――そんな己を知っているからこそ】
【こんな所に落ちても、まともな生き方を望めていたはずの自分まで否定して、満足してもらいたくない――――と】
【まるで、泣いているように言葉が乱れる。否、実際に泣いていたのかもしれない】
【ただ、涙が流れていないだけだ】

……当たり前だろッ?
…………こんな、っ、同じ目的に戦う…………それが仲間じゃなくて…………なんなんだよぉっ……

【ブラックハート自身も、自分の部下である一般兵に当たった事はある。だが、それが仲間である以上、己の胸先の気分だけで殺したり後遺症が残る程の虐待を与えた事は、決してなかった】
【自分たちが、世にはばかる存在である事を、ブラックハートはハッキリと理解していた。だからこそ、『同志』が貴重である事も、知っていた】
【だから、自分より下の人間であっても、ブラックハートは仲間として見ていた。上の人間を相応に見る事はあっても――――】

…………だから、馬鹿言ってんじゃねぇ……って…………ぇ
上意下達と…………奴隷扱いは…………全く、別の話だろ……ぉうが…………!

【それは、本来あるべき形ではないと、ブラックハートは声を潤ませたままで、精一杯に怒号として張り上げる】
【上の人間の命令・意志に、下の人間が淀みなく従う――――機関に限らず、暴力装置としての組織がそれが無ければ成立しない】
【だがそれは、立場の低い人間は全て奴隷である、と言うのとは違うのだ】
【――――瑠璃にそれを「訴えたくて」――――つまり、個人的な感情をそこに孕みながら、ブラックハートはそれを説く】

だから…………だからさ、頼むよ…………今の仕事、あたしにも手伝わせてくれ、よ…………!
あたしみたいなのを何人も…………見たくねぇ、からよ…………ぉ!

【こうしている時間をすら、瑠璃の生殺与奪権を握っている人間には不愉快なのだろう】
【これ以上、瑠璃に不幸を見てほしくない――――『人間』と言う普遍のカテゴリーを憎むブラックハートは、瑠璃と言う固有の存在を、完全に特別視していた】
【己が身を削っても、そこに降りかかる火の粉を減らしたい――――殺戮マシーンである事を求められるブラックハートには似合わない、そんな言動だろう】
289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 23:49:56.71 ID:8+LR9BHUo
>>284

…………そう、ですか

【此処に現れるような人物、己に関わるところでは二色のバラを供えた2人と】
【愛しい娘のもう一人の父、そして――】
【相手の墓を指す指が一番危惧していたモノを指す前に停まると、】
【ほっとしたようにあからさまに伏せた視線が、何処までも愚かしい】

【(それに精一杯で、故に相手の表情の変化にすら、気付いていないのだから)】

……最近は、情勢も不穏でテロの類がやけに増えましたが
貴方もそのような事を画策しているのですか、セイレーンの歌声で……
どうやら其方は、カノッサとも関わりがあるようですからね

【愛しき船乗りを深海へ引きずり込む唄。美貌で、輝く黄金で、災厄に誘う声】
【不穏であることこの上ないその言葉、それを提供したのも己となれば言葉は詰まるが】
【けれど、己と娘に火の粉が掛からないならば、全て瑣末でしか無いのだけど】

【――愚かしいついでが、もう一つ】
【余程その話題で話を止めたかったのだろうが、最後の言葉は、明らかな失策だった】
290 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/27(日) 23:54:40.32 ID:sVsQIC3r0
>>287

あ、あい!大丈夫そうなんだな!

【ロウにつられるように、再び笑顔を取り戻し元気な声で返事をした】
【しかし、一言余計と言うか、態度がでかい】

蹴るなって、ロウサーがオーギ教えてって言ったからー!

【困った表情、ではなく少しばかし頬を膨らまして生意気な口調で答える】
【純粋、と言うよりもただ単純にバカなだけである】
【見たままのこと、言葉そのままには受け取るが、その裏あるものを理解しようとはしていない】

あ、あとね、ベアコ足とか手にぐるぐる巻く意味知ってるよ!
チューニビョーとか、ジャキガン!って言うだよね!

【ロウが少し先ほどまで暗い顔をしていたからか必死に励まそうとでもしているのだろうかと】
【自分が知っている(?)ことを話して得意げになる】
【どこで覚えた意味なのか、分かる人なら逆に精神的ダメージを受けてしまいそうな言葉だ】
291 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/27(日) 23:57:23.73 ID:PogBKTtko
>>288

【親に売られた=\―――その言葉の示す重みは十分に分かっていた筈であった】
【その重みを感じる立場であればあるほど、その言葉を使うことは耐え難いはずであるのに】
【それでも零した貴女の言葉、紡がれたその音律にただひたすら思いを馳せた】


……ホントの機関員でしたら、こんな時――――どんな反応をなさるのでしょう……
私には分かりません、少なくとも私は、そのような立場にはないのですから
でも……ブラックハート様の反応は、機関の方のソレ、とは違うと思います

――――私が述べる言葉など、朝焼けに溶ける雪のようなもの……後に残るのは
水よりも無為な、ただ音があったという名残だけです――――

ごめんなさい……だから、分からないです……今の私が、貴女様にかけられる言葉、なんて
とってもお辛い体験、なさってきたのでしょう、そして今も、とっても苦しい状況におられるのですから
私はそんな貴女様を、肯定すること――――それだけです、それだけで……一杯です


【一つ、歩みを寄せた、彼女の身が貴女へと一つ近づいた】
【150cmあるかないかの小さな身長、一歩動くたびに小さな身が風に揺らされる】
【それでもしっかりと足元は地面を掴む、素足が瞬いた陽炎の名残のよう】

【貴女へと向ける言葉、少し紡ぐスピードは遅くて、一つ一つ確かめるみたい】
【両手一杯にすくった言葉の砂粒指先の隙間から落ちる音だけが確かな言葉になって】
【――――微笑んだ、その表情が、今にも砕けそうな硝子細工みたいに――――】


……元々私には、決定権などありませんよ――――ブラックハート様が、頼まずとも、お好きなようにできるのですから
ブラックハート様は、他人の……他人の痛みとか、そういうの、分かってあげられる方です
貴女様の言葉でしたら、私は何でも、受け入れることができます

――――えっと……次は水の国、ですね、直ぐそこですから、歩きましょう……


【貴女の言葉を聴いて、静かに答える――――感情は希薄、それでも確かに感じるだろう】
【感情を表に出さないのでなくて、磨り減ったのなら、彼女にはこれで精一杯、貴女への感謝を伝えているのだろう】
【薄く浮かんだ笑みは、哀しげに笑う彼女をほんの少しだけ軸をずらさせただけなのだから】

【そう言うとくるり、と背を向けて歩みだすだろう、路地裏の奥、ひたひた、と素足が地面を撫でる】
【付いていくなら、また別の路地裏へ、そこには一人の身なりの良い男性が居るのだろう】
【恐らくは彼女の獲物=\―――行動はなるべく、早いほうがいい】
292 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 00:05:18.40 ID:B349KsR7o
>>286


アタシも自分がはた迷惑な生き物であることはバッチリ理解してんスよ?
ただまあアレだ、どっちにしろ正義の味方共からすれば大差ないモンに見られてんだろーよ
アタシだってそうだ、この世界に、まあ不満があったからこんな立場にいるわけッスから


【機関の起こりにに、もしかすると興味あるのか?】
【そんな疑問をコマチは持ったが、探る感じではそんな風には見えなかった】
【それ自体にはあまり興味がなかったのか……自分とは違って】


まー心配すんな、丁度いい所まで上り詰めた所だし、アタシは興味あるのよいろいろと
次顔合わせる時になんかわかったら教えてやるッスよ、機関の創設時の話とか
研究施設は、コミュニケーションめんどくせー、とかそういう連中の集まるイメージはあるッスねーアタシとしても

【はー、とため息を突いて明確に驚いているクチハにニタニタした顔で呆れた様子を見せながら】
【己の右頬をつん、と指でつきながら、クチハに近付いて言う】


――意外と思ったのはアレか、アタシの背の話か?年の話か?別にいちいち
掘り返すつもりはまあねーッスからいいけど……後、別に下の名前でいいッスよ、でも一応『様』はつけとけ気分いいから
コマチ様で統一するわ今後まーよろしくな、クチハ


【だからあんまし仰々しくするなッス、と右手をくい、くい、と空中で上へと掬う動作を見せながら】
【コマチはひょい、とクチハの前に跳ねて、見上げてくる】
293 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/01/28(月) 00:10:45.35 ID:A0J1Jpy+o
>>290

いや、蹴られることを覚悟して言ってないしさ……
せめて「けるよー」くらい言っておいて貰えれば良かったんだが

【……冷静に考えると、振り回されてばかりだ。でもこういうことも悪くはないな、と思う】
【―――前の自分が、彼女の側だったから。振り回す方だったから―――ある意味、新鮮な体験なのだ】

……違ぇよ。―――クククッ、ホントベアコちゃんはバカなんだなぁ

【何故だか笑いが込みあげてくる。空回りする彼女が、どこかおかしく、滑稽で―――可愛らしく思えて】
【とにかく、彼女なりの励ましは、結果的には彼に効いたようで。彼の零した「バカだなぁ」という言葉が、また彼女の頬を膨らませるかもしれないが】
【……彼女には、少しだけ感謝しなければならない。なんとなくだが、心に余裕が戻ってきた気がするから―――】

……あ、ところでさっきさ。あの怖い話してただろ?
 「倒れたり逃げたりしてもね、ずっとくっついて相手のお腹に攻撃する」……とかいう

……ベアコちゃんには、そこまでして戦う理由があんの?

【余裕が戻ってきたせいか、他人の話にも微かな疑問を抱いて】
【口にした言葉は、「こんな少女まで、戦わなければならないのか」と言うもので―――】
294 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/28(月) 00:13:18.36 ID:Bi6DRrc70
>>291

……そ、それは…………っ、多分…………本当にあたしゃ、普通の機関の人間とは、違うからだろうな…………
――――入って行けてないんだ。だから、気を回すんだ…………多分な…………

【機関員としての普通の反応とは違う。そう指摘されて、ブラックハートはようやく溢れ出る嗚咽をかみ殺しながら、答える】
【――――どこまでも自分は、単に実戦テスト用の実験台に過ぎない。ただ、実験台以上の功績を残しているから、処分されてないだけ】
【恐らく、それを恐れているのだろう――――単なる恐怖とは、また少し違うのかもしれないが、結局ブラックハートも、死にたくはないのだ】
【そんな生き方をしているから、普通とは違った視線や立場を、持っているのかもしれない】

…………無理するなよ、瑠璃…………あんたこそ、ひどい状況にあるんだろ…………?
多分、あたしとどっこいどっこいぐらいの…………実験材料でもねぇのに……!

【166cmの、女性としてはやや長身の部類に入るブラックハートが、どこか小さく見えた】
【――――感情を吐きだす、そんな場が、おそらくは殺戮以外になかったのだろう。そして、久方ぶりに言葉で吐き出したからこそ】
【内にたまり、膨張していたそれを失い、ブラックハートは等身大の己に近付いたのかもしれない】

…………あたしが、他人の痛みを…………?
…………まぁ、それはともかくだ…………分かった、行こう…………

【瑠璃について行く――――その動作は淀みなかった。だが、ブラックハートは少し引っ掛かるものを覚えていた】
【――――自分に、他人の痛みなど分かるのだろうか?】
【人間は、みんな恨みを晴らす対象にしか見えなかった。そしてそれは、今もそうだ】
【瑠璃の痛みを、我が事の様に感じたのは、単純に境遇の故を以って共感したからだ】
【そう――――人間である事を失ったあの時から、自分は人間に共感する事を失ったのだから】
【そんな自分に――――他人の痛みが分かるのだろうか?】

【そんな事を考えながら、進んでいく――――そこに獲物が現われた】
【どこかしぼんでいた様なブラックハートに、再びエンジンの火がともる。口元に、キリッとした力が戻っていた】

(……………………声を出される事。それが厄介だねぇ…………なら、まず喉を掻き切る…………!)

【そっと、左腕の義手を男性へと向けるブラックハート。そこには、手首に当たる部分に、矢尻状の刃が繋がっていて】
【それで狙いを定めると、発射――――刃が、アンカーに繋がったまま、男性へと飛び出す】
【――――何らかのハプニングが無ければ、刃は狙い違わず男性の喉笛を掻き切り、悲鳴を上げさせずにその場に倒れ伏させるだろう】
【もっとも、いくら凡人とは言え、気孔を掻き切る事を優先して狙った以上、それだけでは即死には至らないだろうが】
295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/28(月) 00:14:56.51 ID:eU4NepAqo
>>289

ここには、“東”と繋がっている人間が、眠っている
“東”が動きださぬよう、しっかり、結んでおく必要があるから

【つるりと布に包まれた指先が刻まれた名をなぞる】
【その人物が亡くなった年は10年ほど前、しかし日時は夏で墓参りとも程遠い時期】
【そしてそんな穏当な理由ではないことは、そもそもその言葉が物語っている】
【いつも通り核心をつかぬようにぼかされた言い様では、答えに辿りつきようが無いのだが】

ほう、どうしてそれを知っている?
君に話したことは、あったかな。もっとも、今はまだ、末端の末端でしかないけれど

【最初の文。続く言葉では抑えられるも、隠しきれない威圧が混じる】
【そして今更隠しだてするでも無いのだろう、銀塗りのステッキを相手に向ける】
【まるで言葉の意味を暴くように、その先は胸元にぐいと押し出され、刺すようですらある】

誰に聞いたんだい、いや、見たのかな
あまり広められると、私の行動範囲にも支障が出る

【まるでどこにも属さぬように行動する彼、彼ら】
【実際に傘下ではなく関わり程度であるところは、確かに正義とも悪ともつかぬのだろうが】
【押し問答にも近い様な言い方は、いっそ命令じみてすらいる】
296 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 00:17:47.54 ID:nPfbaA0D0
>>293

バカ?バカなのか、えへへ

【バカと言われて何故か喜ぶ少女】
【本当にバカだから、と言うよりもこういったただ単純にほんわかとした雰囲気が好きなのだろう】
【そもそも自分のことを言われていないと思っている可能性もあるが】

うっ?戦う理由…?んー…


【人差し指を口につけて何かを感がるようなしぐさをした後に】

スモーキーがそうしろって言うから!

【不吉な、そしてそれは過酷な意味を持った事を、明るいそのままの笑顔で言った】
【その言葉の意味するは、彼女は何も考えていない】
【ただ忠実に、その人物の出した命令に答えて動いているだけである】
297 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 00:21:17.29 ID:YC7haRlMo
>>292

敵は所詮敵でしかないですからね戦いでは尚更です、言葉など無意味でしょう。
その不満を内で昇華するか外に発散するか、彼らとの違いはそれくらい……ですか?

【手がかりがあって手段があるならばココノエは興味を持つだろう】
【研究者という者はその根本に「探究心」がある、その先にあるのが何であれ】
【パズルがあるならば解かずにはいられないそういう人種だ】

【実際コマチの言葉を聞いて僅かに芽吹いたか】
【次の言葉に少し思案する顔を見せる】

……それは面白い、では期待しておきましょう
しかし、それがパンドラの類かもしれない貴方はそれでも探すのですか?その答えを……。

【そう見せて尚、問う】
【機関創設時というブラックボックスの危険性を六罪王たる彼女はどうするのか】
【不見の脅威への対処、それさえも自身の興味にして】

フフフ……さあ、貴方の好きなように解釈していただければ。
心得ましたコマチ様……お互い「今後」を知れない身ですが、まあ良いでしょう。

そういえば貴方は櫻の国の出身なのですか?
名前からはそう思わせるのですが、でしたら私と同郷ですね

【ココノエは女性にしては背が高い170cmである】
【立ち上がればその容姿も相まって威圧感も受ける事だろう】
298 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/28(月) 00:24:00.45 ID:rXKgtx/No
>>294

【その通りだと思った、心の中で小さくそれでいて大きく、うなずいて見せた】
【心に広がった波紋は、ふんわりとしたシャボン玉みたい、大きくなるたびに失った時の衝撃は大きい】
【それでもまた、大きいのを作ろうと苦心して、僅かな楽しみにその身をゆだねる】


他の……機関の方とお話してる時は……ビクビクして、すっごく怖かったけど――――
ブラックハート様は、全然違って……お話していて、とても落ち着きます
きっと私に――――本当の姉がいたなら、このような感じだと、思ってしまいます


【そう言って彼女は身を翻すのだろう、素足で削る地面の端】
【駆ける速度は速くて、地面を蹴る度に着物の裾が捲れる】
【そこから覗かせる白い両足、太股は傷一つ無い陶磁器のように滑らかで】

【夜を駆ける二つの影は、さながら形の無い流れ星のようでもあって】
【途切れることの無い影の後先に、様々な音を流していく】
【やがて底に残る綺麗な人影を、どこか楽しそうに浚うのだろう】


――――流石ですね、悲鳴一つ、漏れてはいません……
今日のトコロは、これで終わりみたいで……とりあえず、一度……帰ろう、かと


【とん、と彼女の身体が落ちる≠サの場に倒れる男性の背中に彼女の身が現れた】
【音も立てずに宙へと飛んで、そして背中へと降り立つ――――右の手に三節槍を握って】
【握るのは三節に分かれた節の真ん中の節、その最後尾を軽く握ると、右手を降った】

【地面に大きな弧を描く三節槍の穂先、地面へとコンパスで描いたような絵を描いたなら】
【そのままその軌道上にある、男の首を、一刀の下に切り裂くだろう】
【軽く右の手を引くと、三節槍の先端の節だけが空中へと浮かび上がる】

【伸びた刃と側面から鎌のように生えたもう一本の短い刃、その短い刃が男の頭へと縦に突き刺さる】
【どうやらこの死体は首が必要だったようで、彼女はそれを手元に引き寄せると、胸元から取り出した布に包んだ】
【そして左手で布を胸元に抱えたまま、右手を下ろして、三節槍の穂先を地面へと座らせた】

【僅かに月を仰ぎ見る、少女の横顔、それはまるで――――天から突き落とされた天使のよう】
【背中に生えた大きな白い翼、それでも地面に打ち付けられた鉄製の首輪は変わらず、その身を緊縛して】
【帰りましょうか、と覗かせた横顔に僅かな笑みを浮かべさせた】
299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/01/28(月) 00:26:08.42 ID:n7jlZZGLo
>>282
【久し振りに会った少女にどんな言葉をかけるべきか、青年は少し迷っている様子だったが──結局、何も言わなかった】
【以前とは打って変わって元気そうな仕種と澄んだ瞳とを見れば、ここ二年で彼女の状態が快方に向かった事は容易に分かる】
【そんなところに自分が下手に立ち入って、引っ掻き回すのはいかにも無粋だと考えての事らしい】

うん、元気だよ。だから安心して?今も昔も、頑丈なのだけが取り柄だからねー。
……ほら、その証拠にこんな事も……痛ったぁ!?ごめんやっぱ無理だった!

【差し出されるだろう手を取って立ち上がり、軽くスーツやシャツを叩いて埃を払うと】
【心配無用と言わんばかりに、ふざけ半分で軽く飛び跳ねてみせる──捻りを加えて一つ、二つ、三つ】
【無駄にレベルの高いアクロバットは、しかし最後の最後で失敗。着地で足を挫いた青年は、浮かべた笑みを苦くしながらも】
【とにかく大丈夫なのだと強引に押し切って、間髪入れず話を反らしにかかった】

……チョコ、かー。そういやそんな時期だったね?言われるまでちっとも気付かなかったよ。
どことなーく皆受かれてるように見えたけど、うん。……そうか、それでかぁ。

【そう。バレンタインデーなのだ。辺りの甘ったるい様子をじろじろと眺め回して、今になって自覚する】
【わらしべ長者狙いだの食品会社のプロパガンダだのと揶揄る事はあっても内心ちょっと期待してしまう、世の男性方の心を惑わす忌々しき年間行事──】
【俄かに青年の笑みが怨念めいた不気味な雰囲気を帯びはじめるも、鈴音の呼び掛けに我に返って】

……ああ、うん。そりゃあ女の子ではないけれども。

え、チョコを?そっか、あげたい人ができたんだね……うん、重畳重畳。
もちろん、喜んでお手伝いするよ。友達の悩み一つ聞けないようじゃ、何でも屋さん失格だからね。
俺も甘党だし、ついでに割と子供舌だけれども……まあほら、そこは勢いでなんとかなるさ。

【プレゼント選びに付き合って欲しいと請われれば、もうそこまで良くなったのか、と】
【えもいわれぬ感慨の混じった安堵の溜息を一つ。自分なんかでよければと、彼女の頼みを快く引き受ける】
【そうと決まれば善は急げ。青年は片足を引き摺りながら、お菓子売り場へ足を運ぼうと──】
300 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/01/28(月) 00:30:44.14 ID:A0J1Jpy+o
>>296

……? おう、いきなり人にミドルかます奴はバカか危険人物扱いだろ……?

【ダメだ、何時になってもこの少女の性格が掴めない】
【……まぁ、笑っているならそれでいいか。何時かは直さないといけないだろうが】

……―――駄目だろ、ソレ。

【笑顔で呟かれたことが、余計に彼に深刻な不安を与えた。思い描いたスモーキーの人物像が、少し歪む】
【ロウは諫めるように、低く険しい様子でベアコに言葉を投げかける。紺碧の視線が、彼女の瞳を刺した】

―――其れはベアコの意志じゃあ……ベアコがしたいからやってるんじゃあないんだよな?
……嫌じゃないのか? 痛いし、辛いし、怖くはないか? ホントはしたくない……そんな気持ちはないか?

【彼女の瞳に視線を合わせたまま、数々の疑問を飛ばす。「ベアコ」と呼び捨てになったことからも真剣さが伺えて】
【……彼女の中の自立の心を、目覚めさせんと。何も考えてないなら、考えさせてやると言わんばかりに真意を尋ねた】
301 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/28(月) 00:36:21.30 ID:UKqRc0L1o
>>295

……東、ですか?
相変わらずですね。何の物語を追っているのか、まるで掴めない語りです

【嗚呼、零した間違いさえ無ければ、その先を聞けたのだろうが】
【明確な威圧を乗せたステッキを向けられて始めて、男は小さく息を飲んだ】
【ぴたり心臓の上で押し当てられるのだろうそれに、相手の威圧に、言葉が消え】

…………それ、は

【そう、三度の邂逅の内に、知れる要素など無いのだ】
【ならば何処で。そうなれば相手にも、先日のあの戦いが浮かぶだろうか】
【中央放送局の占拠、あれにこの男が襲撃側として加わってでもいなければ、本当に知りようがない】

【報道に出た名前には、相手に伝えた名(ギムレット)は入っていない】
【だが黒づくめの女が相手に伝えた名前(セシル)ならば、確かにそこにあった筈で】
【機関員では無く、気の向くままにかつて幾度か破壊的活動に加わった者だと記されてもいただろう】

【その名が目の前の彼と同一人であるか、その証左足り得るのはひとつだけ】
【特徴として「奇妙な双眸」が挙げられていた位か。今、グラスで隠されている目のような】
【命令じみた問に泳がせる視線は、今宵出会った時から妙に相手と合わせられない】

【そこからもしも答えに辿りつけたとして、相手に知れることは一つだけだろう】
【この男は大仰な目的もなく、カノッサ機関に便乗して戦いの場を弄んだに過ぎない】
【けれどそれは、今まで相手の前で取り繕ってきた善人面とは明らかに離反していて】

【セイレーンの歌声で災厄を招こうとしている相手に、一体何を言えるというのか】
【詐称、虚構。しかもそれでいて、あの夜にあんな言葉を言ったということ――】
302 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 00:38:49.69 ID:nPfbaA0D0
>>300

ベアコの意志…?

【少女首を傾げ、そのあとに続く言葉は】

ベアコはスモーキーのためなら何でもするよっ!

【笑顔で答える、恐ろしいほどの忠誠の意味をさす言葉】

痛くても、苦しくても、やれと言われたらベアコはなんでもするの
スモーキーが好きだから!

【純粋すぎる心、考えようとしても、すでに頭が染まってしまっている】
【彼女の言う好きはラブではなく、飼い主に対して注がれる犬の忠誠みたいなものだろう】
【彼女がその人物のことを話すたびに、きっとその人物に対する姿は歪んでいくものとなる】

【彼女の背後には、黒い感情が渦巻いているように】
303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 00:40:02.41 ID:B349KsR7o
>>297


殴られたら殴り返すくらいアタシの価値観ではふつーの事だし、あいつらだって
そりゃ殴り返してくんだろ……それが本ッ気で!うっとおしくて仕方ないんスけどねー


【理解は出来てもなおムカつくわ、とやや重そうなお団子頭をぐ、と両手で下からズレを直すように持ちながら】
【一応相手の事を全く理解できない訳でもないが、それでも構わん、というスタンスがコマチなのだろうか】
【そんなコマチは、機関創設時のブラックボックスを解こうとしている事の危険性をどう考えてるのか?という件に関して】


アタシがやりてーって言ってんだからそれでいんだよ、細かいことを気にするなッス
そりゃーリスクが全くないとは思えないッスけど、むしろ知ったら六罪王のアタシだろうと罰するほどの秘密って
普通に考えれば相当恥ずかしい『恥部』以外ありえないッスよ?よくも知りやがったな俺の恥ずかしい秘密を的な


【ドス黒い物程度だったら逆に想像しやすいからな、と腕を組みながら、背を向けて歩きはじめると】
【とりあえず部下との戯れ交じりの交流をしながら少女はクチハの問いに対して】


――どーでもいーだろそんな事……まあ、一応は櫻の国の生まれだったとは思うッスよ?たしか
その辺はいろいろ混み入った事情があるんスよ、聞いてくれるな


【ぷい、とそっぽを向くとコマチはそっけなくそれだけ言ってその辺の話題はすぐ終わらせようとする】
【いまいち人間性がよくわからない少女だが、知られたくない事も一応あるにはあるようだ】
304 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/28(月) 00:41:24.60 ID:Bi6DRrc70
>>298

…………あたしだって、結局は似た様なものだと思うぞ…………?
それがあんたを『使ってる』上司って言うならともかく…………気の良い奴は、機関の中にもそれなりに、居るはずだからねぇ…………

【普段、瑠璃がどのような人間関係の中に居るのかは分からない】
【だが、ブラックハートは知っていた――――個人個人として取り上げてみれば、相応の仲間がいると言う事を】
【――――もっとも、組織再編の中で、低い立場の割に歴の長い身となってしまったブラックハートは、そんな仲間がどれほど残っているのか分からなかったが】

…………っ、姉…………か……………………ハハ……過ぎた言葉だよ、瑠璃

【何気ない言葉だったのだろう。しかし、ブラックハートは、ドキリと胸を高鳴らせる】
【――――過去に、特に繋がりの深かった仲間を失って以降、そんな関係は二度と望めないと思っていた】
【てらいなく表現してしまえば――――ブラックハートはそう言われて、嬉しかったのだ】

(…………やめろ、やめろよッ……!
今さら…………この生き方を止める事なんて、出来ないんだ…………っ、考えるな、期待するな…………
真っ当な身体になって、瑠璃と…………なんて……………………考えるなよッ…………出来もしない事を…………悲しくなるだろッ……!?)

【その言葉が生む葛藤を、必死に噛み殺す】
【どの道、機関に――――そして、自分を擁する『人工強化プロジェクト』に従っていなければ、自分は死を免れない】
【だからこそ――――今さら普通の人間らしい未来を望んでも、それは心を痛めるだけだと、浮かんでくる憧憬を必死にかき消そうとして】
【――――いつもなら訳ないそれが、今日は上手く行かなかった】



…………瑠璃、あんたこそやるじゃないか…………

【飛翔して、一気に止めを刺す――――その様は実に鮮やかで。ブラックハートも知れず称賛の言葉を口にした】
【サンプルを持ち帰る事には、それほど何かを言う気にもならなかったのだろう】
【それを残酷だと言う感性など、もう何年も前に死んでいるし、実際に自分も、似た様な事をした事は何度もあるのだ】

…………あ、あのさ…………瑠璃……………………悪いんだけど…………迷惑じゃ、なかったらさ……………………今晩、付き合わせてくれないか、な…………?
…………せっかくこうして会ったのが、次にいつになるのか、分からねぇし…………もう少し、色々話したい、んだよ……………………
寝床が足りないとか、今後に差しつかえるとか……! …………そう言う事なら、無理はいわねぇ…………

【帰ろうと、そう口にした瑠璃に、いつものキレの良いブラックハートらしからぬ、たどたどしい言葉でそう頼む】
【――――その出会いを、ブラックハートは『絆』と感じたのだろう。それを易々と切ってしまいたくなかったのだ】
【もっとも、瑠璃の立場が悪い事は、もう痛いほどに理解した。だから、断っても構わないと付け加えながら、それでもブラックハートは、その繋がりを大事にしたいと考えた】
305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/28(月) 00:50:26.66 ID:eU4NepAqo
>>301

まるで知っている、いや見ているかのような言い方だったね
なぜ、と言っているけれど、正直知ってはいるんだ
否。今確信したと言うべきかな

【ぐ、と徐々に徐々に力を加えられていくステッキは肉に食い込んでいくのか】
【そこには容赦も無く慈悲も無く、いつぞや相手の頬を撫でた手とは程遠い】
【相手がどれほど視線を逸らそうとも、意に介さないように薄水色がその目元へと刺さる】
【口ごもる相手とは対照的に、つらつらと述べられる言葉は焦らし追い詰めているようで】
【手に掛けられる力にも突っ立ったままでは限界がある、その動きに合わせてゆっくりと長身が距離を詰めて】
【近い、というには十分な程度、一度途切れた言葉に続くように、再び唇が開く】

……ねえ、“セシル”。私は君の母親に遭ったよ

【ステッキを間に囁かれる一言は、死刑宣告にも似たそれで】
【押し出す先は、彼が先程から隠したがっている墓石の方向】
【このままいけば、相手の背にはその冷たい石の感触が伝わるだろうか】
【“再び”、まるで狙ったかのように革靴の底が黄緑色の薔薇を踏みつけた】
306 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/28(月) 00:51:26.09 ID:PQgj8dQK0
>>299

そう、なら、……――だいじょう、ぶ?

【「元気」だと、彼の言葉に、きっと表情が綻ぶのだ、すぐに失せてしまうけれど】
【どう控えめに見ても足を捻ったその挙動。右手がぎゅっと三つ編みを握って、左手がまた伸ばされる】
【困ったような、心配するような、どこか呆れるような色すら混ぜ込んで、笑っていたという】

……――まだちょっと早いんだけど、チョコ作るってことしか、決めてないから。
だから早めにいろいろ調べたりした方がいいかなって――……。

【――けれど、話を反らされれば。心配げな色の残滓は残しながらも、意識はそちらに向いたよう】
【何がネックって、嗜好の差異だ。きっと、自分が美味しいような甘さでは、彼は駄目だろうから――】
【悩むよう、僅かに顰める眉。視線が少しだけ、落ちて――】

……うん、あのね、お父さんにあげるの。
いつも珈琲飲んでるから、そう言うののほうがいいのかなって、おもったんだけど、

……――やっぱり、自分の作ったもの。美味しいって、褒めてもらいたいから。

【チョコレートを贈りたい相手。にこり笑って口にする、それ】
【さながら平和な家族の一ページのよう、右の指先がそっと、垂らした三つ編みをなぞって――】

【――その薬指。白肌にいやなぐらい映えるのは、まるで指輪のように浮かぶ黒蛇を模った痣】
【どこか不吉めいたそれに、彼女は寧ろ愛おしげな視線を落として――幸せそうに、笑むのだから】

【薄らと赤らんだ頬。その表情はどこまでも初々しい生娘のようで、それが余計におかしさを際立たせる】
【彼女は、そう、“お父さん”。父親だと言ったはずなのに、浮かべるのは恋した乙女のそれだ】
【一般的に父親に向ける表情じゃない。――照れを隠すよう、笑んだ唇をそっと噛んで、】

――ありがとうっ。

【了承がおりれば、寧ろその手を引く勢いで先導しようとするのだろう】
【それでも一応足を気遣うような素振りを、時折見せて――】

【――姫袖の中、ちらり覗く白肌に浮かぶ噛み痕だとか、ハイネックに隠れた首元に浮かぶ手型の鬱血痕だとか、】
【気づかなければ、ただの平和の一ピースなのに。気づいてしまったなら、きっと、もっと些細なものにだって気づくのだろう】
【治りかけのような小さな瘡蓋、薄れた痣――本当に、いい方に、向かっている?】

/わぁ、申し訳無いです……眠気さんがちょっと本気出してます
/開始早々なのですが、よろしければ明日に引き継いでいただくことって出来ますでしょうか……
/一応明日は夕方から、明後日は一日空いておりますです
307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/28(月) 00:53:08.41 ID:rXKgtx/No
>>304

【彼女の肩書きは、決して一部の人間の自己満足のためにあるものではない】
【少なくとも彼女は、実力に関しては、そうであっても遜色ない人間であるとも言えよう】
【だからこそ、下の者の不評を買う、有り体に言えば――――面白くないのだろう】


……貴女様のアシストのお陰ですよ、私のはどうしても手数がかかります……
それに、無駄な動きも多くて――――直ぐに息も、切れてしまいますので――――
でも私には、これしか……これしかないんです


【右手に握った三節槍を握る手が強くなる、細い指先が、意志の力で強く濡れた】
【きらめくような冷たい色合い、その冷たさは貴女も承知の上だろう】
【掌に感じるその冷たさ、それを補って余りあるほどに、彼女の中の思いは強く】

【愛しいな、と感じた――――貴女という存在を強く、それでいて淡く感じた】
【褒めてもらって、嬉しい、手伝ってくれて、嬉しい――――そんな当たり前の感情】
【彼女にとってはそれは少し気取った愛の言葉で、特別な言葉】


……ご、ごめんなさい……今は、少しでも早く――――届け、ないと……
そうしないと……今度は、もう――――ブラックハート様、と会えなくなっちゃうかもしれない、から……
だから、ごめんなさい……でも、良かったら……また会いに来て下さい

機関の中で、貴女様という存在と出会えて――――とても、とても元気付けられたから
貴女様がいてくれたら、そうしたら……もう少しだけ、生きていてもいいかな――――って


【普段と違う貴女を見てとくん、と胸が高鳴った、彼女を見ていたなら、小さな顔がきゅぅーっと真っ赤に染まった】
【嬉しさやそれに順ずる感情がいっぱいにあふれ出て、わわわ、と声が漏れそうになって】
【ごめんなさい、と大きく頭を下げると、少しして顔を上げるのあろう】

【彼女の命令はそれだけ厳格なものなのだろう、少しでも破ったなら、ソレ相応の罰があって】
【――――嬉しいから、貴女のお願いがとても、とても嬉しいから、だから、死にたくなかった】
【零れた微笑、瞼が沈んで、ほっぺたの湖に睫が流れ込んだ――――】

【それは賛美歌を歌うような、それでいて、タペストリーの前で座り込むような】
【オーバーラップする幾重もの感情、その中でただ一つ、貴女の脳裏に浮かぶとすれば】
【――――今生の別れ、それに近いような、そんな後が無い者の笑み、なのだろう】

【身を翻し夜の中に消えていく背中、それはとても小さいよう】
【残った彼女の残り香はその形すらもおぼろげで、なくなってしまったら、気づけない】
【儚さがただひとしおに強く埋まっていくのだろう――――】


/すいません!明日の朝早いのでこの辺りで……
308 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/01/28(月) 00:53:10.18 ID:A0J1Jpy+o
>>302

……違ぇだろ、バカ。

【彼女の晴れやかな笑顔を、眉一つ動かさない、冷酷さすら感じさせるほどの真顔でロウは突っぱねる】
【―――今の彼女は、兵と似ている。それも、カノッサ機関の、beyond2に汚染された兵と】
【彼らは、薬欲しさに如何なる任務でも平然と取り掛かる。そこに自我が入り込む隙間は無い】

テメェの好きな奴は、痛くて苦しいことをこんな少女にさせる奴かい? 
スモーキーの方は、お前をどう見てるんだろうな。 もしかしたら―――唯の道具(コマ)かも知れないぜ?

【―――おかしいだろ、と。純粋過ぎる彼女には、決して伝わらないかも知れないが、男は否定する】
【彼女の生き方を。そして、彼女の飼い主―――スモーキーを】

【言い切ったと同時に、少し口角が上がった。その笑みは、どういった意味を持っているのか。嘲笑の笑みだったのだろうか―――】
309 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/28(月) 01:02:46.35 ID:Bi6DRrc70
>>307

【その事情を差し図れるほど、ブラックハートは聡明ではなかった】
【だが、もしそれを知ったなら――――内の融和を重視する彼女であっても、怒りを発した事だろう】

…………まぁ、得手不得手はどうしても出てくるよなぁ…………
ま、あたしで良ければ言ってくれよ。こう言う事には慣れてるからよ?

【一瞬、なら一般兵でも伴ってくれば――――と言いだしそうになったブラックハートだが】
【自分とは、根本的に立場が違う――――その点に限れば、自分以下の劣悪な有様である瑠璃に、そんな事を出来る筈がないと思い至り】
【どうにか当たり障りのない句を継ぐのが、精一杯だった】

――――――――ぁ……あぁ、分かった。気にしなくて良いさ…………
元からある、そっちの予定の方が…………大事だしよ?
けど――――――――頼むから、まだ生きててくれよ…………?

【断る言葉の、そこからにじみ出る焦りが――――ブラックハートにも容易に感じ取れる】
【だからこそ、急ぐ瑠璃を呼びとめる事無く、そのままその背中を見送った】
【――――そこに残った、ひたすらに儚い印象に、じくじくと胸を痛めながら】

(…………まぁ、あたしが手を貸した分、浪費させちまった時間はチャラになるはず…………
――――もし「他人の手を借りて――――」とか、当てつけであいつに罰でもあったりしたら……………………その時は……………………!)

【自分の介入を『上』が知る可能性は――――五分五分と言ったところか】
【その上で、虐待を受ける事も――――瑠璃のあの卑屈な様子は、それに根ざしているとしか、思えない――――有りうる】
【その時には、もう自分の怒りは、自分の心を食ってしまうかもしれない】
【――――義手になってなお、腰に用意している、禁断の武器――――無意識に、右腕でそれを撫ぜた】

/遅くまで乙でしたー!
310 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 01:02:58.64 ID:YC7haRlMo
>>303

頬を差し出すような人間は機関にはいないでしょうね
正義など大義名分にしては丁度良い、そして鬱陶しいと……。
彼らがいてこそという所もありますが、機関員は概ねそのような気持ちなのでしょうね。

【ココノエは敵対組織に対しては憎悪はそこまではないのかそんな言葉を残す】
【研究畑の人間はそういうものなのか、しかしそれ故にコマチのその考えも興味深いらしい】
【自分の殻に篭りすぎるとこうなるのだろう】

そこばかりはお好きなようにどうぞ私は所詮は研究員ですからね、六罪王の方に忠告などとてもとても。

しかし組織というのは長く続けば続く程その歴史の多さに比例して「隠し事」も増える物ですから
貴方の言う「恥部」も1つや2つではないのかも……知れないです、ええ実に面白そうです。

【ともすれば危険分子とも捉えられかねない発言】
【だがしかし目の前のコマチとて同じ事、ここには敵などいない】
【それを知っているのだろうココノエの表情は嗜虐的な色を僅かに帯びていた】

(……なるほど浅はかならぬ生い立ちですか)
了解しました、今後は聞かないように善処します……。
しかし残念だ同郷の話に花を咲かせられると思いましたが……、仕方なし……か。

【ココノエは若干何か言いたげだが、まあ触れない方が良いだろう】

―――――……と時間ですね、そろそろ私は戻ります
コマチ様はまだ市街を散策するのですか?

【腕に着けた時計を見やり小さく頷く】
【研究途中の息抜きにしては良い収穫であった、かの六罪王との会話など早々出来るものではないだろうし】
【加えて面白い話も幾つかそれも将来的な暇つぶしにするには丁度良い】

【こつ、とヒールを鳴らしどうやら帰るらしいココノエは】
【お世辞が一応かコマチに対してそう問うのだった】
311 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 01:05:57.56 ID:nPfbaA0D0
>>308

違うの?ベアコよくわかんない…

【困惑した表情をし、何が違うのかを考える】
【ロウの真顔が、何かそれはきっと深刻なこと伝えようとしてるのだろうとそれだけは感じ取れた】
【感じ取れた理由は、きっと彼女の言う人物―スモーキーのせいなのかも知れない】

うぅ…?コマ…?
あぁ!それな!スモーキーがベアコにいつも言ってるよ!
お前はコマなんだからあんまり余計な事するなーって!

【コマの意味を彼女は単純に理解はしていない】

あ、でもねでもね、ベアコは不満があるの!
上手にやっつけたりできてもね、スモーキーいっつも悲しそうな顔するの!
褒めてたり喜んだりしてくれないんだよ!

【頬を再度ふくらました顔で、ロウとの会話で見せるその人物への不満】
【彼女が話すことで段々と輪郭が表れてくるその人物象】
【なぜそこまで信頼するのか、信頼してしまっているのか、彼女自身も理解はできていないのだ】
312 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/28(月) 01:09:18.68 ID:UKqRc0L1o
>>305

【ローブの奥、軽装のような感触はあるだろうが、それでも掛けられる力は重く】
【足が怯えるように蹈鞴を踏んで、けれど詰められる距離を離すことなど出来ない】
【相手の呼んだ「名」で、押し黙る死色の沈黙と静寂が一度場を包んで】
【苛むようなその言葉に耐え兼ねた感情が、堰を切るように溢れ出す】

……っ、あれが、あの人が、何を言ったかは知りませんが
ワタシは貴方に嘘を付いた訳では無くて、だから、……
其方のことも、広めるつもりも妨げるつもりも、無いですから、っ

【――嗚呼、何処までも無様で、酷く愚かしい】
【追い詰められるよう後退しても、背に触れる墓標の所為で最早逃げ場は無く】
【遣りようもなくて伏せた視線の先では、己の魂と同色のバラが、先に宿命を示すよう踏み躙られ】
【それが二度目の蹂躙だったなんて知らないのだけれど、心根を抉られるような感覚に、声が震えた】
313 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/01/28(月) 01:23:13.11 ID:A0J1Jpy+o
>>311

……ああ、違うね。解んなくてもいい、取り敢えず頭使え。
―――ま、自分で気付くべきだから、深くは言えねぇが……ソイツの行動に、疑問を持て。最初はそっからだ……

【純粋過ぎるが故に、彼女に入り込んだ根は深い。そう彼は推測する】
【故に自分がどんなに説得しようとも、彼女の首に繋がれた見えないリードを引きちぎることは難しい。彼女を変えるキッカケを、与えることで背いっぱいだ】
【彼女自身がそれから放たれようと動かない限り―――結局リードはずっと彼女の首に巻き付いたままだから】

―――チッ……とんだ糞野郎だぜ
テメェの好きなヤツは、スモーキーは、テメェをどうにも思っちゃいねぇ……そういうことかよッ……!!

【一瞬でも、スモーキーを良い奴と思ってしまった自分にも腹が立つ。勿論、スモーキーにはもっと腹が立つ】
【少女の心を利用するとは許せん、と。短い舌打ちが、冷たい空気を更に冷やして】

……自分が頑張っても、喜んでくれない。じゃあ何でお前は戦うんだ?
……そうしろっていうから?

【質問が、一周した。 男は腕を組みながら、グレーの瞳を凝視している。紺碧の双眸には、爛々とした光があった】
314 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 01:24:43.47 ID:B349KsR7o
>>310


だろーな、アタシだって嫌だっつーの
ただまあ、気に入らないからアタシらを殴る、って奴の方がアタシのやってる事は間違ってるって
言いながら殴る奴よりも若干ムカつきは減る、という印象はあるッスけどねー

だがお前はそうでもないっぽい?だからこそ面白いとかそういう伊達者気取っちゃうタイプ?
イカシちゃあいるけど適度に長生きできる程度に抑えとくッスよ、まーアタシよりは大人だからわかると思うけど


【殻にこもり過ぎると感情が鬱屈でもしてヘンな価値観が生まれてしまうのだろうか?という点は前々からコマチも疑問に思っていたが】
【今の所このココノエ・クチハという人間の事を気に入らない、とは思わない】
【技術の腕がどのレベルかは知らないが、機関が誇る優秀な研究員としてここにいるなら今後も期待しよう、と思いながら】


テキトーな所でやめとくっちゃーやめとくッスよ、アタシだって必要な分だけわかりゃあいいんス
どこのどいつが何のために機関を作っただとか、どういう理由があってこの制度が生まれたのかだとか
そういう事が知りたいんじゃあない、んなこたアタシの人生に関係ねーし。必要なのはほんの数か所なんスから


【同郷の話に関してのココノエ・クチハの残念だ、という答えに対して】
【一応答えになる答えは出来うる限り言っておくか、とでも思ったのかややうっとりした感じの顔で】


故郷の件も、まあぶっちゃけアレだ、アタシが欲しいのは今このときアタシが欲しがっている『国』であって
昔のアタシが生まれた故郷が欲しいんじゃあないスよねー……昔のルーツが分かれば何か利益でも
手に入るなら今からでも調べるつもりではあるッスけど

――アタシの帰る場所は、アタシがこれから手に入れる『国』があればそれでいい
故郷なんて知った事か、って気分なんスよねー、だからまあ、同郷の話をしたところで話が弾むかどうかもわかんねーんスよ
……ああ、そういやもう真夜中だったんスか、アタシはレオとブレンを探してから帰るッス、心配はいらねーッスよ


【ガリ、と後ろ頭をうっとりした顔のまま、めんどくさそうに掻きむしって】
【こんなガキに付き合ってくれてありがとよ、と頭を下げながらこれから去ろうとしている女性に道を譲ってくれた】
【――先ほどから、顔と気持ちが一致していない奇妙なその少女、決して"六罪王"なんてやっているようにも見えないその少女】
【ファ〜、と大欠伸を隠しもしないそのややだらしない姿は、最後まで、本当に一件ただの年相応な少女にしか見えなかった】
315 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/28(月) 01:31:28.30 ID:eU4NepAqo
>>312

だから? その続きは、なんだって言うんだい

【ほとんど即答のような言葉が、薄い笑顔のままに紡がれる】
【既にステッキの長さより距離が詰められても、握る柄を体の横にずらしてさらに近付く】
【相手より多少低い背が、グラスの無効、一向にこちらを見ようとしない目を見つめる】
【そろそろ気付くだろうか、その瞳になんの感情もうかばない事に】
【そしてその一切表さぬ感情こそが二度と戻らぬ心のありようである事に】

確かにね、彼女は信用には足らない、ああこの会話も聞いているのか、まあ良い、どうだって、
もうね、私は君を信じることなんて、出来ないよ、別に構わないのだろう、騙した相手の信用なんて、
最初から、等価の取引でしかないと、知っていた、結局君は、恨んでいるのだろう、消滅した彼女について、
ああ、そうか、復讐か、そうだろう、説明がつく、そうなんだろう、手ひどく裏切るつもりだったのだろう、
愛などと、軽薄な言葉を吐いて、それが最初から望みか、ああ成程、いいよ、仕方が無い、分かっていたはずだ、
それに望みをもって、勝手に期待したのは、僕だから、君が気に病む必要なんて、いいんだよ、必要ない、
墓の中の彼女と、君のどちらが、信用できるかなんて、本来君なのだろう、当たり前だ、嫉妬狂いの女なんて、
仕方ない、君が私を利用するメリットはあっても、仲良くするそれはない、いいんだ、分かってはいたから、
でも君を許さない

【滔々と。不意に嵩を増した水のように、ゆっくりと謳うような、だが間に言葉を挟ませぬ口調】
【相手に訴えるとも自身に言い聞かせるともはたまた今は姿を現さぬ第三者に聞かせるような】
【言葉が終わると同時に、相手の胸元からはステッキが離され】
【吐息がかかるほど近かった距離も、ふ、とそれが無かったかのように大幅に開く】

卵の、実行に至らないのには、理由が有ってね
生体と無機を繋ぐには、どうしても生体の部品がいる
産まれたばかりの、彼らを繋ぐには、少年少女の神経束がどうしても必要でね
それも、良質のものに限られる

【そしてそれに続くのは、いつぞやの依頼に似たような遠回しの説明】
【まるで当たり前のように、今初めて会話が始まったかのように投げかけられたのは】
【ただの、意図を含まぬ依頼でしか無く】
316 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 01:33:36.47 ID:nPfbaA0D0
>>313

ん…んー…?なんで?

【自分でも理解していなかった、考えていなかったことに、疑問を持った】
【今まで、ただ忠実に命令をこなしていた彼女にとって、それは言われるまで気付かなかったこと】
【そして、今初めて”気づいてしまった”こと】

スモーキー喜んでくれない、でもやれっていうからやる…でも喜んでくれない…

【彼女の中で困惑がループする】
【ロウと別れた後、きっと彼女はその人物にストレート聞くのだろう「なんで喜んでくれないの?」と】
【その答えの返事は煙に巻いてごまかすように適当に流されてしまう】
【今まで考えるという行為をしなかったツケが来たかのように】
【誰かにその答えを出してもらえなければ、もしくは答えとなるきっかけが来なければ彼女は理解も納得することもない】

【うーうーと唸りながら頭を抱え、一周回った質問が少女の頭を悩ませている】

でも!スモーキーは悪くない!

【今、この場で出た結論は、ものすごく単純で何一つ解決していない言葉だった】
317 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/01/28(月) 01:42:46.03 ID:n7jlZZGLo
>>306

うーん、どうなんだろうね。嗜好が違うのなら、やっぱりその道のプロに任せるべきかとも思うけど──。

【ちらり。青年は売り場の近くにある、喫茶店の併設されたパティスリーに目を向ける】
【貰う側を経験した事も、あげる側にアドバイスを送った事も、人並み程度にはあるけれど──】
【それでもやっぱり、こういう事にはいつまで経っても慣れないものだから】
【無難な選択肢だが、既製品で済ませられるならそれも手だよと口にしかけるも】

……そういうワケにも、行かないか。こういうのは気持ちが大事だものね。それが本命なら尚のこと。

珈琲以外にも、なにか好きなものや嫌いなものってある?その、……「お父さん」の事だけれども。
ほら。甘味がこれっぽっちもないチョコを単体で渡すってのも味気ないし、さ。
言い方は悪いけど、そういうのを押さえとけばもしもの時にもある程度誤魔化しが利くし。

【不安げに俯く少女の姿を見れば、そんな弱気な事は言っていられないと気を引き締める】

【頼まれ事をなかなか断れないのは性分かなと微かに苦笑しつつ、つらつらと案を挙げて】
【──ふと目にした薬指の「それ」に、転瞬、思わず言葉に詰まった】
【一旦考え出すと、疑念は止めようがない。表情といい仕種といい、違和感ばかりが目に留まる】

(父親に向ける親愛というよりは、この顔は、そうだ)
(けど……「違う」。俺が立ち入るべき問題じゃない。愛だの恋だのなんてのは、当人同士の問題だろう)
(頭を冷やせよ、なあ。とんだピエロだぞ、今のお前──)

────どう、いたしましてー。

【青年は、伊達や酔狂で何でも屋の看板を掲げている訳ではないのだ】
【ホームドラマみたいに暖かな家族愛にはいかにも似つかわしくないような痕跡にだって、すぐ気付く】
【虐待──ではない。きっと、所有痕だ。そう判断したところで、後の思考は纏めて放棄した】

(爛れていたって、情は情。当人が幸せと感じられる方向へと進んでいるなら)
(それは紛れもない「快復」だ。俺が首突っ込むような話じゃ……、……)

【─────でも、行き着く先は?】
【不吉な考えを払いのけようとするよう、顰めた眉間をつまんで首を振り】
【深呼吸でもしようとして、不意に喉のひりつきに気付く。……緊張すると、いつもこうだ】
//あわわ、了解いたしましたっ。それでは今日はこの辺りで、ですかね
//明日の夕方なら自分も大丈夫そうなので、都合がつきましたら雑談で声かけて頂ければ対応します
318 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 01:47:05.85 ID:YC7haRlMo
>>314

それでも殴るんでしょう?

【冗談交じりのそんな返し、そして】

私はやるならばとことんやる人種ですので研究にしても戦闘にしても……
そう、壊すなら相手もそして自分も……そちらの方が楽しいでしょうから。

ああでも破滅主義者ではありませんよ、そこまでは鬱屈しておりませんのでご安心を
仰る通り面白い事は好きですがね、肝に銘じておきます死ぬのだけは御免ですので。

【危うい人間性はやはり機関員たる証明だろう】
【しかし完全に狂っている訳でもない絶妙のバランスで】
【或いはそれが研究へn成果に繋がっているのかもしれない】

全てを白日の下に晒すつもりは……ない、と……。
存外理性的なのですね六罪王というのだからもっと至りきった人種かと思いました
(それともまだ腹の中を隠しているのか?……いや、それはこちらも同じといえば同じか)

【必要な物を必要な分だけ】
【この少女もある程度のラインは理解しているように思えた】

ルーツ……根源ですか……
しかし分かりすぎているというのも面白くないものではありますよね。

それにしても国崩しとは大仰な、もし実行するのであれば参加したいところです
それによって何が起きるのか是非この目で見てみたいものです。

【少女の言葉から漏れる「国」】
【どれほどの力があればそれを取れるのだろうか】
【そのワードは最近で一番好奇心をそそるものであった】

そうですか、では私は元へ帰ります……またいつか機会がありましたら。

【歳相応でありながら六罪王という奇妙は興味深い】
【少女めいた動作に僅かに微笑んだのは何が理由か、譲られた道を進んで軽く会釈をし】
【ココノエは自らの殻へと戻るのだろう、何をしているかも知れない研究所へと……】

/遅くまでお付き合いありがとうございました!
319 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/28(月) 01:51:30.45 ID:PQgj8dQK0
>>317
/ありがとうございます、今日のところはおつかれさまでした
/夕方〜夜の間にはお呼びできるかと思います、おやすみなさいです
320 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/01/28(月) 01:52:52.82 ID:A0J1Jpy+o
>>316

―――そう、それでいいんだ……悩んとけや、若いんだしよ。
……俺もまだ若いけどな

【ロウ自身も、沢山悩んだ。悩むことしか出来ない時期があったから。永遠と続くのかと思うほど、長い迷路を走っている気分になった】
【しかし、ある程度納得の行く結論は出た。いや、結論はとっくの昔に出ていたかもしれないが、其の答えに、現実に向きあうまでに長く時間がかかるものだ】
【―――彼は、困惑する彼女を見て深く頷いた。見守るような笑顔が、一瞬そこにはあった】

……焦らなくて良い。そんな簡単に、出る答えじゃあないからな。
考えることは苦しいさ。でも、それから逃げちゃあいけないぜ? 
……そうすりゃいずれ、納得の行く答えが出るだろうし、霧なんて最初から無かったかのように晴れる。

―――俺は元々喋り過ぎなほうだから、この辺にしとくわ……

【口にした言葉を、ロウ自身は彼女の結論とは思ってはいない。きっと、まだこんがらがっているのだろう。そう信じたい】
【今は、ただ疑問に、不満に思ってくれるだけで良い。そうすれば、いつのまにかリードがなくなっているから】
【―――ロウは諭すような、優しい口調で彼女に言葉を送る。それを彼女が真摯に受け止めてくれれば、と心から願う】

【男はゆっくりと身を翻し、ベンチにぽつんと置かれていた青のソフト帽を深く被って。そして最後に、彼女の方にちらりと視線を送り―――】

……今度あった時には、結論聞かせてもらうぜ? じゃーなベアコちゃん。
マーシャル・T・ロウの名前は、今度あった時までは忘れんなよ…? 
―――それとさっき言ったことも覚えておくように。

【最後の最後に先生のような口調で彼女に言い聞かすと、ロウの背中は段々と小さくなっていく】
【住宅街へと消えていく男の歩みは、どこか右足を庇う様であった】

/長い時間お疲れ様でしたー!
321 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/28(月) 01:53:38.27 ID:UKqRc0L1o
>>315

【一向に、彼の目が相手と合わせられないこと】
【それは「呪い」に魂を預けた際に、目自体に呪いを受けた故に】
【今の彼の目に視線を合わせれば、相手には三日三晩続く悪夢のような呪いが掛かる】
【呪いを掛けようと意図するかしないかに関わらず、それは行われてしまう】

【だから何だというのだろう。此れだけ敵意を向けられているのだから】
【何よりも即効性のあるその武器を使ってしまえば良い、それだけの話なのに】
【それが出来ずにいるのが、矢張り、彼の何処までも生ぬるい性格故】

………………

【返せる言葉など、有るものだろうか】
【全てが全て状況的にも間違いなど無い、模範解答だ】
【震える口が一言二言何か言いかけて、結局は閉じられるのみ】
【何処から、何から可笑しくなったのだろう。もうその元凶など、手繰れないのだ】

【「許さない」、それは一体何に?】
【決まりきっている、己にだけれど。けれど、けれど】
【此れだけ明確な感情を向けられていて、それでも良く分からない】
【こんなに「違う」と叫びたいのに。不思議だ、相手の言う言葉は全てその通りにも思える】

【(誠の精神病患者は、己の症状に欠片も気づかないと言うけれど)】
【(この男の、理解できないとでも言いたげな表情は、明らかにそれだ)】

【だから。先までの言葉が幻聴だったと思えそうな程の、常通りの言葉】
【蜘蛛の糸のように掛けられれば、勿論縋る。自分は何も悪くないのだから、当然のこと】

……それを、ワタシに頼むという事は
今度は、何も貸し借りも無いのですから
だから遂げれば貸しになるのでしょうね、貴方への

それを渡したら、キミは何を呉れますか。ワタシに

【見え透いた懇意の色に染まる言葉は、酷く抑揚が失せていて】
322 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 01:58:39.69 ID:nPfbaA0D0
>>320

う、うん…結論…覚えておく

【首を縦に振ってうなずき、街へと消えていくロウの背中を眺めていた】
【ポツンと公園に一人たたずむ少女】

マーシャル・ティー・ロウ…誰のことだ?

【名前を憶え間違えた弊害だろうか、言い直されても名前を間違えたままであった】

/お疲れ様でしたー!
323 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/01/28(月) 02:17:32.80 ID:n7jlZZGLo
>>319
//はい、お疲れさまでした。また明日宜しくお願いしますね
//久々に絡んでいただけて嬉しかったですー。では、お休みなさいまし
324 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/28(月) 02:19:34.92 ID:eU4NepAqo
>>321

【きっとその呪いをかけてしまえば、相手の狂気の出所も分かるかもしれない】
【そもそも数度の邂逅、貴方にこれほどの執着を掛けられる謂れは無い、勘違いも甚だしい男の感情は】
【貴方の事など結局欠片も考えていない、理解していない、分かってなどいないのだ】
【まるで憎悪を呼び起こすかのような逆恨みじみた怨嗟の声、望み通りに憎悪を叩きつけてやるのが良い】
【――そう囁きかけるのは一体だれの意志か?】

【先程のような一言物申す暇すら無い語り口調では無いにしろ】
【相手を凝視する張り付いた笑みが、言葉を聞き入れるかは定かではない】
【思えば、あの日の無貌の動揺の方がどれほど素直であったか】
【これはステッキは再び石畳に足を下ろし、相手を拘束するものは無い】

金でも物でも、君の望むものはあげるよ
それとも、君の娘の望むものの方が、君にはしあわせかな

【やんわりと告げた言葉は、私事に関わるものは一切差し出さないと暗に示して】
【まるで相手の神経を逆撫でするように、見た事も無い相手の娘の事を引き合いに出す】
【触れない、手も肩も何もかも、相手に与えられるのは拒絶じみた無機ばかり】

レイシーには、色々と聞いたよ
面白い事、たとえば娘さんの事も事こまかにね
……差し出すかい、と言えば、君は自らを投げ打ってでも否定するのだろう

【一片の嘘、本当はさして情報など仕入れてもおらず、戯れじみたブラフに過ぎないのだが】
【あえて相手の師の事を引き合いに出すのは、脅しの意味と動揺を引き出すためののふたつ】
【それでも最後の一言は、相手の激昂を足るだろうか】
325 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 02:34:27.50 ID:B349KsR7o
>>318

【こくり、とクチハの言葉に即座に頷いた】


ああもちろん、どんな理由だろうとアタシ殴られてんスよグーで
そりゃムカつくし、当然アタシも殴る、出来うる限り二度とアタシを殴れないように
重点的に拳を破壊したいかな、うん

伊達者はアタシも好きッスから、今後を期待して待っておくッスよー


【ひらひら、と手を振りながらコマチは長身の研究者の言葉に答える】
【――流石は機関員、いい塩梅に愉快なハートを持ってやがる、この先顔合わせる連中みんなこんな感じか?】
【もしかすると比較的マシな部類の人間なんじゃないだろうな、などと少々気苦労も感じながら】


そりゃー、お前……みんなして頭のゲージ振り切れてる奴ばっかじゃイカンだろ
あいつらにもアタシにも野望があるッス、だがあいつらはアタシじゃないしアタシはあいつらじゃないんだし?
自分の個性にあったやり方ってモンがあるんスよ、アタシの場合は自分の手札の完璧な管理とか?

まあ、アタシのやり方でさっくりとやりとげてやるよ、ワクワクしながら待ってるッスよ
こう見えてアタシはこの若さで"六罪王"になった女なわけだし、有望株と思ってくれていいんスよ
このとーりアタシは野望に燃えちゃってるわけッスから――ほら、アタシ、そういう顔してるだろ?ッス


【んじゃな、と分かれ道で分かれた少女は】
【また己のやや頼りない二人の側近たちを探してまた闇の中へと消えていくのだった】

【←To Be Continued...】

/乙でしたー
/今日はところどころ遅れ気味で申し訳ありません…
326 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/28(月) 02:44:21.86 ID:UKqRc0L1o
>>324

【邂逅は三度。貸しも借りも、確かにあった】
【けれどこの男が相手に抱く執着は、相当なものだ】
【先ず一度目の後に直ぐに縋った時点で、明らかに、可笑しかった】
【取引先でしか無い相手に友人を救ってくれなどと、あの切迫した電話だって】
【もっと他に頼れる仲間が居なかったのか?】
【初めに会ったあの喫茶店で、過去の仲間の話もしたはずだのに】

【――全て虚構だとしたら、恐ろしいまでに説明が付く】

【(己に近付いて来てくれたのは、目の前の相手しかいないのだから)】
【(手放したくない。友でいい。それ以上など望まない)】
【(モノなんか要らない、いつか壊れて無くなるものなんて、要らない)】

【(けれど。今の幸せを壊すものなら、もっと「要らない」)】

……差し出す?
10歳の妹を孕ませるようなキミに?
やっと8つになる、ワタシの愛しい愛しい愛しい娘を?

【静かな声は、その実恐ろしいまでの激昂を孕んで】
【彼は不意に、ついとその視線を、漸く相手に合わせようとする】
【合わせてしまったなら、相手を襲うのは精神に干渉する類の呪術だ】
【その効能は人に依るのだが、酷い場合で三日三晩続くというそれ】

…………有り得ないだろう、そんなの

【術に掛けられても、掛けられなくても、低く紡ぐ呪詛は変わらない】
【目の呪い。ある人には過去のトラウマを、別のある人には暗闇を】
【相手にはどのような効果が及ぶか。それは、術者にすら分からない】
【そして、分からない術を掛けるのだから、この場では解くことさえも出来ない】
327 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/28(月) 03:22:18.32 ID:UKqRc0L1o
>>326
/申し訳無いですが、一旦落ちます
/明日の夜あたりに声を掛けて頂ければ参上します
/それでは、お先に失礼します
328 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/28(月) 03:29:01.61 ID:eU4NepAqo
>>326

【深く静かな憤怒の声に、予兆に呼応するように、喉の奥で低く笑う】
【薄ら、わずか、嬉しそうに歪んだ口元は白い手に隠されて、相手の目に触れることは無いだろう】

【きん、と金属質の音が響いて鋭く息を吸い込むような悲鳴が聞こえて】
【精神の奥底に、呪いの手が伸ばされる】

【――それは僅か一瞬の間の出来事、視線を介して微かな記憶が相手に漏れ伝う】
【山の奥の村、白い狩衣、橋の上を渡る人々、湖の向こうへ渡る船、白木の櫂】
【笛の音、琴の音、審神者、ミコトモチ、神主の姿】
【和造りの屋敷、小さな少女、壮年の男の背、微笑む妙齢の女、真白く細い手】
【木刀を振るう妹、教える父、見つめる母】
【祝詞を唱える妹、叱る父、見つめる母】
【妹、父、母、妹、父、母、妹、父、嘆く母、妹、父、母、】
【血の色、血の色、血、両親、血、血、血、涙、血、血、血、血、血】
【金の瞳と女の指】
【「これより奥はまだ見せてあげないわ」】
【妙に鮮明な女の声、映像の反転、ノイズ】
【それは、僅か一瞬の間の出来事】
【場面は現実へと移り変わり】

……ッは、は、はははは!
そう、それでいい、僕を憎め、憎んで、憎んで、二度と許さなければ良い!

【“望み”は“憎悪”】
【執着など、よく見てみれば、相手と同じほど、ひょっとすると相手以上に存在している】
【あの日向けられた愛に対する困惑は形を歪め答えを経て変質し裏返しの答えを得る】
【何がおかしい事か、ここに、理由はあった】

二度と僕を許すな、セシル、何があっても、永劫、僕を許すんじゃない
深く、暗く、底なしの憎悪を持って、殺したいくらい憎め、どちらかが死ぬまで決して許すな
忘れるな――……yくそqだ

【どういう影響をもたらしたか、その形を表すように、手を離した口元から血が溢れ、ただの一言を濁らせる】
【急激に十歳ほど老けた、否、目の前の相手のごとく、本来あるべき年齢へ戻っていく】
【彼の能力は、地形を変形させるもの。では血を喰らい容貌を若々しくとどまらせ細腕に似つかわしくない力を与えたのは?】
【完治していない胸元の傷が開き、ゆっくりとしかし異常な速さでその身から血液を垂れ流していく】
【口や傷だけでは無い、眼窩や鼻、耳、否その指先からすらも】
【鮮血がじわじわと流れ出て、石畳を赤く染めていく――“血”の力が、失われて行く】


/時間かかって申し訳ない、どういう影響が出るか考えてたら遅れてしましました
329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/28(月) 03:30:00.97 ID:eU4NepAqo
>>327
/Oh了解です……
/遅れっぱなしで申し訳ないです、それではまた明日
330 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/28(月) 16:16:36.75 ID:fYH3glpwo
【夜の国――とある遺跡の近く】

ヒャハハッハッハァァーーッ! こいつは豪快な性格でほんと気に入ったぜェェーーッ!
どれ、その煙の鏡に未来を映してみろ……なァーにィ?
んなこと出来るかってェ? 何だ出来ねェのか、まあ良い!
とにかく、"宵闇と鏡の豪蛇"――テメェーは今日から俺様の部下だ!

【それは黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】

ふむ、カノッサ機関――この世界の調査の過程で知ったが……
"世界を混沌に導く"事を目的にしているそうじゃあないか――
――素晴らしい、良い組織だ、さあ……もっと俺様に人間共が混沌に怯える姿を献上しろ! カノッサ機関!

【そして、その者が乗っている生き物は――】
【ジャガーの様な形状で、鏡の様な銀色の鎧的存在を頭部に纏った、20m程の長さのとぐろ巻く大蛇だった】
【鎧は頭部下にも伸び、端が3つにわかれていて、黄色の身体に茶色のジャガーの模様を持っており、それは頭部にもあり】
【眼は銀色で、牙や爪は黒く、下から半分は真っ黒な体をしており、そして尻尾にはやはり鎧的存在があって】
【その先端はまるで千切れたようになっていて、その断面はまるで鏡のようになっていた】

【その者は、その大蛇の巻いたとぐろを椅子のようにして座っている】
331 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 16:46:12.40 ID:dS3GC5gno
>>330
/居ますでしょうか?
332 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/28(月) 16:51:50.93 ID:fYH3glpwo
>>331
/いますんです
333 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 16:53:51.87 ID:dS3GC5gno
>>330

/10時前には落ちまするが、良ければよろしくです


【遺跡の近くの茂みがガサガサと音を立てて激しく揺れる】
【暫くするとその音は止み、茂みの中から一つの影が飛び出した】

い……今すぐその蛇を野性に返してくださいっ!

【茂みの中から飛び出してきたのは土や葉っぱに塗れた巫女服の少女】
【そんな滑稽な格好を気にも留めず男を指差して蛇を破棄するように呼びかけた】

カノッサとか混沌とか言ってますけどそんなのダメです
世界は平和と笑顔でいっぱいにならなきゃダメなんです!
考えを改めてその危険そうな蛇を野性に戻してください!!

【どうやら男の独り言を全部聞いていたのらしく、少女は男に考えを改めるように呼びかける】
【急に現れてそんなことを言うなんておかしいと思われてしまうかもしれないが、今回は状況が状況だ】
【混沌を望む男にビックリするほど大きな蛇、それを目の前にしてちょっとしたパニックになっているせいもあるかも知れないが】

【巫女服を着た少女は依然として男に指をさしている】
【その表情は真剣その物で、今までの台詞全てが本気だと言う事を物語っていた】



334 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/28(月) 17:09:07.90 ID:fYH3glpwo
>>333

ヒャハハハ、……さて最後に"剥離と纏の鎧蛇"を捕まえりゃ4蛇が揃うぞォォオオ
しかし奴は一番厄介だからな、慎重にいかねば……んゥ?

【そろそろ退却しようと思っていた矢先、近くの茂みが揺れて】
【そこから現る影――少女】 【その者は、彼女の呼びかけに応じて――】

今すぐ返せだァー? ヒャハハッハッハァァーーッ!
人間め、俺様がそう言ってすぐに返すような輩に見えるのかァァアアーー?
俺様がせェっかく苦労して使役に成功した、この蛇をそォんな一言で返すわけにはいかんなァ〜

【――浴びせるのは、"嘲笑"の言葉】
【スタッ、と大蛇より降りて、地面へ脚をつけると】

平和に笑顔、……おお、なんてつまんねェー世界だ
世界が混沌に満ち溢れる……それこそ俺様が望む最高の世界!
そう、俺様の趣味は、テメェーみてェにお花畑の頭を持ってるよォーな人間共が、混沌で恐怖することよ!

【少女の言葉が本心だということは、この者にも十分理解出来たようだが】
【……この蛇を野生に返すつもりはさらさらないようで】
【その者は、魔法陣を目の前に生成すると――大蛇は闇となって、それに吸い込まれて】

……しかたがねェェエエーーなァァアアーー
ほォーれ、野生に返してやったぞォ――これで満足かァ?

【しかしこれでは――明らかに、野生に返してはいない事が誰にでもわかる】
335 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 17:29:41.41 ID:dS3GC5gno
>>334

そんな事言ってないで早く蛇さんを返してあげてください!
一言でダメなら私は何度でも言いますっ
蛇さんを元居た野生の場所に返してあげてください!

【大蛇から降り立った男を未だ指さして蛇を返すように説得する】
【何度も何度も耳にタコが出来てしまいそうな程に同じ言葉を繰り返す少女】

世界が混沌に満ち溢れるなんて絶対にダメですっ
皆が笑って楽しく生きていける世界こそが一番なんです!
だから、貴方が言っている混沌の世界になんて絶対にさせませんからっ!

【男をキッと睨みつけながら、男の吐いた言葉を尽く否定する】
【蛇も危険で危ないがその男もそれと同じ…いや、それ以上と判断したらしく_____】

ま…魔法陣!?
そんなところに閉じ込めるなんて最低です! 早く開放して一刻も早く野性に返してください!

【魔法陣の登場、そして男の取った行動に若干の驚きを隠せていない少女】
【だが、流石に言葉だけでは通じないと思ったらしく____】

もう一度言います! 蛇さんを一刻も早く野性に返しなさいっ!!

【そう言い終ると少女は、男を指差していた手をそのままの状態で天高く挙げる】
【その指先には小さいながらも魔翌力を帯びた魔弾が生成されており】

【狙いは男を牽制する事にあるので実際に当てはしないのだろうが…男の取る行動によっては内容が変わってくるかも知れない】
336 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/28(月) 17:48:18.64 ID:fYH3glpwo
>>335

だァーれが返すかよ!
俺様が丹精込めて作った"宵闇と鏡の豪蛇"をよォ〜
まずな、あの遺跡にあったミイラに生命を吹き込んだのはこの俺様なんだぜェェエエ
ちょいとばかし、この国の"宵闇"を混ぜ込んでやったがなァ

【――あの遺跡、とは今この近くにある遺跡のことだ】
【その遺跡はまだ調査がよく進んでいないものの――"蛇"を祀っていた、ということは判明していて】
【判明した理由は、"蛇のミイラ"が棺の中に収められていたからである】


 【この者――まさか、"生命"を――――】


ヒャハハッハッハァァーーッ! そォんな甘い世界が成長するものかッ
笑って! 楽しく! ――そんな、今の自分達の為の感情が……現状維持が何になる?
混沌の世界にさせたくないと言うのは勝手だァァアア、だが……

――人間め、出来るものならしてみろってんだァァアアーーッ!!
まァー、俺様が居る限り到底無理な話だがな、ヒャハハッハッハァァーーッ!

【この国を包む、暗い暗い闇よりも"黒い心"――それはまるで"悪魔"の様で】

閉じ込めたとはまた酷ェ言い掛かりだな、この中は快適なんだぞォ?
良いぜ、出してやる――おっと、"うっかり"間違えた、こいつは……"太陽"が武器欲しいとか言い出したから作った奴か

【魔法陣を再び生成すると闇が吹き出て――それは、ターコイズブルーをした2m程の蛇となる】
【なお――本当に、魔法陣の中が快適なのかを、少女が確かめる術は殆ど無い――】

【――そして、少女の指先に生成された魔弾に対しては……"撃ちたかったら撃てよ"、とばかりに挑発的に指を曲げて】
337 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 18:09:58.22 ID:dS3GC5gno
>>336

”宵闇と鏡の豪蛇”を……作った…?
何を言っているんですかっ? あの蛇は…遥か昔に死んでいるはずで……
今ここに存在するのはそれのミイラしか……

【職業柄少女もここにミイラが祀られていたのは知っていたらしい】
【だが、少女が知っているのはミイラが見つかったという事だけ】
【もしソレが生きている状態で見つかれば国中は大騒ぎになるはずだし、況してやそんな昔の蛇が生きているはずがない】


も……もしかして貴方……______

【「作った」「命を吹き込んだ」この言葉が真実だとすれば、目の前に居る人物は途轍もなく恐ろしい人物】
【圧倒的な悪の存在に言い様のない重圧感と恐ろしさを覚える少女であった】


成長しなければ皆で力を合わせればいいんですっ!
皆が幸せで何が悪いんですっ! 混沌で後退するよりかは現状維持の方が遥かにマシです!

貴方がいる限り幸せになれない? だったら貴方も幸せになればいいんですよっ

【周りの暗闇と男が持つ大きな漆黒、それに囲まれても少女は小さい光を放っていた】

檻の中に入れられた動物が幸せなはずありませんよっ
先ほどの蛇を元居た場所に返してあげてくださいっっ!

【男が「出してやる」と言い魔法陣を生成する、そこはかとなく嫌な予感がしたのは間違いではなかったらしく____】
【出てきたのは蛇、だが先ほどとは違う種類の大きな蛇】

ふざけるのも大概にして下さいっっ!!!

【どうやら少女の堪忍袋の緒が切れたらしい、怒った少女は指先の魔弾を男の近く目掛けて射出した】
【わざと外したのは『私は撃てる』と言う意思表示のつもりだろう、だが着弾した地面を見ればこの魔弾にそこまで威力が無いのがバレてしまうかもしれない】
338 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/28(月) 18:13:36.52 ID:PQgj8dQK0
>>317

――やだ、そんなの。私が、作るんだもん。

【彼が提案しかけたその言葉。聞き逃さなかったままに、不機嫌色が声に乗るのだろう】
【じとり伏せた瞳が彼を見上げて――ふるふると、首を振る】
【出来る限りのことは自分でしたい。それはそのまま、彼への想いの強さであると同時、】

【――他人がべたべた触れたもの。贈り物にするだなんて――“お父さん”は私だけの、ものなのに】
【私以外が触れたものになんて触れなくていいとすら思うこともあるそれは、異常なほどの独占欲】
【 快方なんて、程遠い――それなのに、なまじ表面の傷だけが治ってしまったから、厄介だ】

…………――わかんない。
ご飯食べてる時とか見てるけど、……あんまり、分からなくって、

【きっとそれなりに居るのだろうひとたちを、ふらふらと上手に避けながら】
【話題が嗜好のことへと向かったなら。言葉に詰まるような間が少し、それから――どこかしょんぼりしたまま紡ぐ、それ】
【いい終えたあとだって、思い出そうと、思い当たろうと頑張って――上手に出来なくて、首を傾げる】
【――「あ、サプリメント」とか言ってみたって、それは嗜好の問題じゃないと、既に自分で理解していた】

男のひとって、チョコ貰えたら、うれしいのかな。

【かつん。高いヒールが最後にひとつ石畳を打って、目的地にたどり着けば、立ち止まる】
【とにかくピンク。ピンクでハートで、くどくって甘ったるくって】
【視界を埋め尽くすほとんどが――既製品か材料か程度の差はあれど――チョコレート】
【まるで呟くよう尋ねれば、ちろりと窺うような視線が彼を撫でて、ふと、 違和感が、】

……――どうしたの?

【――彼の様子に、どこかおかしさを感じた】
【「じゃあどこが?」なんて、尋ねられたって分からないけれど、ただ、漠然と】
【そのすぐ傍をはしゃぐ女子が二人通り過ぎていく。ぶつかりそうになって、避けて――改めて彼を見上げて、首を傾げた】

/今日もよろしくおねがいしますーです
339 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/28(月) 18:33:11.16 ID:fYH3glpwo
>>337

ヒャハハハ……ヒャァァアアーーーハッハッハッハァァアアーーッ!
よォォオオやく俺様の素晴らしさに気が付いたようだなァァアア
俺様は"邪禍"! そして俺様の種族は"ベテアドット"――個体差はあるが、大体が召喚士だ
そして――俺様はその中でも、特に強ォォいッ! "生命"を作ることなど容易い事なのだよォォオオーーーーッ!!

【――間違いない、こいつは"作った"のだ、"生命"を】
【過去に同じような手口で、風の国の遺跡や昼の国の遺跡が荒らされていて――】
【そのどちらもから、祀られていた"蛇"の身体に関わる何かしらのモノが"消えていた"――その場に立ち会わせたものも居る】
【――その犯人が、今眼の前に居るのだ!】

ヒャハハッハッハァァーーッ! この世界には"燃凍山"という山があるそうじゃあないか

【"燃凍山"――半分が燃え盛り、半分が凍て付き、その境目のみに大地が見える不思議な山――珍しい資源が取れるらしい】

現状維持――つまり保守を司るのは"凍て付く翼"、一方革新は"燃え盛る翼"が司っていると聞く
混沌は世界を燃やし! 力を合わせる等という"無駄な事"をせずとも、世界は"躍進"するのだよ
その燃え盛る世界で苦しむ姿を、俺様は見たいのだがなァァアアーーッ!

そして、人間共が――混沌に苦しみ悶え、恐怖し怯える姿を拝む事が俺様の趣味であり、"幸せ"でもある
残念ながら、テメェーとは相容れねェーみてェーだぜ?

おいおい、俺の"部下"は旅行にも行けるほど"悠々自適"な生活を営んでいるんだぜ?
そう……俺様の魔法陣の中は"檻"じゃあねェー……"家"だ! そこんところ勘違いされちゃあ困るぞ

【無論、この言葉が本当という確証はない――】
【そして、堪忍袋の緒が切れて放たれるは"魔弾"】 【"おっと、ちゃんと狙いな"と言いつつ着弾点を見てニヤリと口元を歪めて】

[シューダ]! ――あいつに炎でも浴びせてやれ、俺様に喧嘩売ったことを後悔するんだな
そして、愚かな人間よ! 後悔の面を俺様に捧げるんだなァーッ!

【ターコイズブルーの色をした蛇――[シューダ]と呼ばれたそれは、少女の方へ顔を向け口を開けると――】
【吐かれるは、"炎の弾"】 【大きさは"野球ボール"程度、狙いは胸部、そこまで速くなく――当たっても、炎上するほどではない】

【そして、この者は再び魔法陣を生成し――また、何かを"召喚"するつもりだッ!】
340 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/28(月) 18:35:24.28 ID:UKqRc0L1o
>>328

【覗きみる記憶の断片、遮ったのは誰だろうか】
【曖昧な懐かしさが在りながら、その金の瞳は明らかに異質で】
【別人。分かってはいるけれど、ノイズに尋ねたとて答えは知れない】

【現実に引き戻されれば、其処に有るのは酷い頭痛と、友だと信じた相手の嘲笑】
【求められていたものなど端から間違っていたのに。嗚呼愚かしい】
【呪いの反動が来て、ぐらりと躰を揺らして遂に墓標に寄り掛かる】

……何だ、「それ」が欲しかったんですね
分かりました、やっと分かりました

【ついと向けた睥睨の視線、もう交わることは無いのだろうが】
【やっと意を得たというように口元ばかり薄ら哂うのが、師に良く似ていた】
【ぎりと奥歯を噛み締める音、握り締められた手の長い爪で、ぶつりと皮膚が裂ける音】
【見れば相手も酷い姿だ、どうしてやろうかと彷徨う思考は、常通りぬるいが】

ならば、恨んで憎んで赦さない。二度と
…………「約束」しましょう

【(嗚呼、だから、あれでは戸惑ってしまったのか)】
【理解してしまうことが、そも可笑しいはずなのに】

【――望んでもらえれば、何だって出来る】
【理由なく愛する事も、理由なく憎むことも】

【何てことはない、お互いただの気狂いだ】
341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 19:02:23.44 ID:dS3GC5gno
>>339

え……本当に全部貴方がやったの!?
召喚師が生命を作るなんて……そんな事聞いたこと…
もしかして最近起きてる遺跡荒らしも全部貴方が!?

【男の名前と”ベテアドット”と言う種族名、流石にそこまで深くは分からないが一つだけ言える事がある】
【この男はかなりヤバイ、こんな貧相な言葉では表せないほど危険な人物だ】
【そしてそんな窮地の中で少女の中でもう一つ男が危険な奴だと示す線が繋がる】
【それは最近各国で頻繁に起きている遺跡荒らし事件、盗られた物までは公表されていないがそれが全て”ミイラ”だとしたら説明が付く】

”燃凍山”……?
その話が一体何に関係するんですかっ!?

【名前だけは聞いたことのある不思議な山の名前を口にする邪悪な男】

…確かに……確かに氷は炎で溶かされちゃいます
ですけど…ですけど炎だって水をかければ消えます!
皆の笑顔や幸せは炎なんかで焼き尽くされちゃうようなちっぽけな物じゃありませんっ!

決めました……今私は決意しました…
私は貴方を…貴方を________改心させて見せますっ!!

【もう一度ビシッと男に指を差して、決意に満ちた眼差しを真っ直ぐに向ける】
【「改心してみせる」なんて言ってみたが実際はアテなんてない、ただ今出来る事はがむしゃらに戦う事……それだけは理解している】

この戦闘を通じて私は貴方を変えて見せます!
だから今の私にはそんな技効きませんからっっ!

【[シューダ]と呼ばれた蛇から炎弾が発射される、だが少女はその弾をじっと見据えたまま動く事はなかった】
【そして弾が自分に当たりそうになった時に、少女は両掌を突き出して桃色のシールドを展開した】
【炎弾が当たると同時にシールドは風に舞う花びらのように霧消して消えた、だが何とか蛇の攻撃もガード出来たらしく】

もう召喚なんてさせませんからっ!!

【男が魔法陣から何かを呼び出そうとしているのを察知した少女は、シールドを張った体勢のままで男目掛けて魔弾を連射した】
【狙いを定めず魔弾を連射しているので多分当たる確立は少ない、しかも魔弾自体の攻撃翌力が弱いので当たってもそこまでの脅威にはならないだろう】



342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 19:24:42.25 ID:oX2Nj6EJo
>>339
/すみません!次かその次遅れてしまいそうです!
/もし10時までに帰ってこなければ明日に持ち越させてください!
343 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/28(月) 19:25:43.11 ID:fYH3glpwo
>>341

そォォオオーーーーッ、"豊穣と風の翼蛇"に"太陽と光の輝蛇"!
ちょいと予定通りとまでは行かなかったがよォ〜、確かに"作って"、"手に入れた"ッ!

そう、俺様の能力は"召喚"の一言じゃあ収まらねェーッ! 生命の生成もその一つに過ぎねェんだ
"邪悪なる災禍と闇黒たる混沌"――俺様の能力はまさに無限大の可能性を秘めているッ!!
――収めるなら"最強"の一言で収めるんだなァァーーッ!

【生命の生成もこの者の能力の一つに過ぎないと、邪悪な笑みで言う――】
【召喚に、生命の生成に――この者の能力はそれだけでは無いのだろうかッ!?】

おっと、説明が足らなかったか――"燃凍山"の主がその対なる"翼"だって聞いたんでなァ、俺様も詳しくは知らんよ
――中和しても無ゥ駄だァ、所詮人間の"うわ言"は混沌に焼き尽くされるよォーな"ちっぽけ"な存在よ
いや、焼き尽くされても困るなァー、……俺様の趣味が無ァくなっちまうからなァァアアーッ!

――――どこまでも甘っちょろい奴め! 人間如きにィィ、俺様が改心する訳は……ねェェエエーーのだよォォーーッ!

【邪悪で、底なしの闇を感じるその者の表情――】
【"悪魔"――そう、比喩せざるを――いや、ベテアドットという種族は"邪悪な悪魔"!】
【つまり、この者は紛れもない――"悪魔"なのだッ!】
【どこまでも、自分勝手で傲慢なその者は、カノッサ機関の様に混沌を運ぶに違いない】

ヒャハハッハッハァァーーッ! シューダ! もっとだ、もっと吐けェェーーッ!

【シューダは再び炎の弾を吐く――今度は二発、その分先程より一回り小さい】
【狙いは――少女の両手にそれぞれ一発ずつだ】 【どうやら、掌が少女の能力に関係しているのでは――と推測したようだ】

……げぇっ!

【しかし、召喚士の良くある弱点――本体狙い】 【幾ら悪魔と言えども、召喚中に攻撃されるのは厳しいようで】
【ベシィッ、とその者の胴体へ二発の魔弾が命中し――そして"意図せぬ"ものを召喚してしまった】

テメェーのせいで変なもん召喚しちまったじゃあねェーかァーッ! もォーいい、[餌蜘蛛]共、やれェェーーッ!

【召喚されたのは――小さく、丸々と太った蜘蛛が二匹】
【戦闘能力など殆ど無さそうなそれは、少女へ向けて飛びついてくる――が、"精神面"以外では無害である】
344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/28(月) 19:29:33.71 ID:fYH3glpwo
>>342
/おっと、了解しましたー
345 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/01/28(月) 19:33:05.07 ID:n7jlZZGLo
>>338
【ややトーンの落ちた少女の声色から窺えるのは、ともすれば偏愛とすら呼べる、強い強い思慕の情と】
【子供じみた、可愛らしい独占欲。そのどちらもを恋する乙女にはありがちなものと、断じてしまうのは簡単だが】
【彼女の心の傷の一端に触れてしまった経験が、それは楽観視が過ぎるのではないかと己自身に問うていた、が】

うん、悪かったよ。……この通り反省してるから、あんまり苛々しないで。ね?

【考えないように努めて、青年は平謝りを繰り返す。両手を合わせて頭を下げて、いかにも済まなさそうな上目遣いで少女の瞳を覗き込んで】
【──なんて滑稽な道化芝居だ、と。へらへらと貼り付けた笑顔の隙間に、知らず、微かな自嘲の色が浮かぶ】

分からないなら、それはそれでいいさ。
お酒を呑んでたりとか、珈琲と一緒に果物なんか摘まんでたりとか、そういう些細な事で構わないよ。
君の見たままを話してくれれば、後は俺が何とかするから。

──そうだね。一般的には、嬉しいものだと思うよ?好きな娘から貰うのなら尚更だ。

【それでも、話がチョコレートの──少女の頼み事の件に移れば、彼は驚くべき切り替えの早さを見せた】
【あちらこちらに揺れる彼女に足取りを合わせて先導しながら、あまり難しく考えなくても良いのだと】
【彼女の不安を解きほぐすべく穏やかな物腰と諭すような口調を使って、少しでも有為な言葉を引き出そうとする】

【職業柄なのだろう。「サプリメントか、中々斬新だね──」なんて軽く冗談めかしつつ、てきぱきと品物の物色を始めた】
【手を動かし思考を重ねつつ、モテない男にはアウェイだの空気からして甘いだの、やや愚痴めいた毒にも薬にもならない冗句を並べて】

……いや、恥ずかしい話なんだけど、こういう事とは長らく無縁だったからさ。
自分の事そっちのけでキューピッドの真似事してると、時々ちょっとだけ虚しくなるんだ。
お前、他人のチョコレートの心配なんかしてる場合かよ──とね。独り身の哀しいサガってやつかな?

【肩を竦めて、深い溜め息。声のトーンを意識して少し落とす。本職ほどでは無いにしろ、腹芸はそれなりに得意な質だ】
【青年はさりげなく人の波から少女を庇うよう移動しながら、作り笑いの綻びを苦笑いと自虐で繕った】
【空気をあまり重くしないように、言葉尻には下手っぴなウインクを添えて】
//ただいま戻りました、本日はよろしくですー!
346 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/28(月) 19:33:39.18 ID:eU4NepAqo
>>340

【呪いの効果が三日三晩であるのなら、力が失われるのもまた三日三晩】
【一瞬の景色の中に映った壮年の男の面影を残すこの姿であるのも、……が……であるのも】
【常人より鈍い自然治癒を補っていた他人の血が流れ出し、彼の血だけが残る】
【頭も手先も何もかも、十分な血の廻らない体はやがてふらふらとその背を揺らし始める】

……yかった
僕n我侭を、kいてくれるのk

【嗚呼、誰が気付けるものか。未だその間に大きすぎる勘違いとすれ違いがあることに】
【最初から愛を望んでいるのであれば、裏切られたなんて、切り捨てられようだなんて】
【なぜこの答えに至ったのか、背中合わせの愛憎の違いは?】
【反転の末にある本質の違いは何であるか?】

【言葉通りの意味で血の気の失せた頭を、支え切れずに首が傾いて俯く】
【その反動を受けたように、体全体がそれに遅れて大きく傾き】
【尋常ならぬ血溜まりの中に、崩れ落ちるように膝をつく】

ずっt、許すな。許sんじゃnい、頼む

【その言葉の中に潜む真実を、その言葉が表す正気の色を】
【約束という言葉の意味が、その言葉の価値が、どれだけ稀有な言霊だったか】
【――どちらの方が懇願で縋り付きであることか】
【己の傷口を見下げるように俯いた……の瞳が、安堵に滲むように笑んだ】
347 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/28(月) 20:08:15.80 ID:PQgj8dQK0
>>345

……別に、いい、よ。

【それはほんの一瞬。通り縋っただけの不機嫌でしかない】
【そもそも、彼はその言葉を直後に撤回したのだから。引き摺るべきでないし、引き摺るほどでもない】
【だから――あまりにも謝られてしまえば、逆に。申し訳なさが湧いてくるものだ】

【――困ったよう、その視線から逃れるよう、瞳が伏せられて、数度気まずそうに瞬くのだろう】
【たとえほんの刹那の視線の交わりでも、気にしたなら気づくことは容易いそれ】
【血色に飽和した悪意――哲学者の卵――の気配。ずっと昔に孵ったそれは、或いは最初から彼女の一部だったというように、そこに在った】

【彼の嗜好のこと。考えれば考えるだけ、ぼやけて分からなくなっていくかのよう】
【ずっと一緒なのに、ずっと見ているのに、どうしてだろう――長い前髪の下、そっと眉を顰める】

いつも美味しいって食べてくれるから。残したのも、……覚えてないぐらい、なくって、

【プレゼントするもの。喜んでくれるものじゃないと、いけないのに (だって、そうじゃないと、また――)】
【それだと断定できるものが浮かばなくって、ぎりと噛み締めた唇が白くなる】
【右手のひらがぐしと目元を擦って――浮かんだ気のした涙を、散らす】

……――カイだったら、うれしい?

【そう、大体の父親ならば、喜ぶのだろう。愛おしい愛娘が自分のためにチョコを作ってくれるなんて――】
【「一般的に」。彼の言葉に、どこか不安になってしまうのが、いやだった】

【(喜んでくれるのだろう、くっきり思い浮かぶぐらいに、想像できる)】
【(けれど、それが、虚偽で無いという確証は?】
【(あの昼下がり。迷い込んだ神殿。黒白の世界が彩を思い出したあの日、あの時――)】
【(そう、あの時。あの時のように、また、嘯いて――?)】

【好きなのに、大好きなのに、世界で一番信用しているのに、なのに、】
【 こんな風に思うだなんて、なんて、“悪い子”なんだろう――いやになる】

【どうしてだろう、彼のことが少し分からなかっただけで、こんなにも気持ちが揺らぐ】
【好きなものも、嫌いなものも、どうでもいいものも、全部知っていないといけない錯覚】
【そうでないと、あの時みたいに、起きたら独りぼっちで、誰も、いなくて、】

そっ、か、――――っ、

【ぎりぎりと握り締めた右手。長い爪が皮膚を傷つけて、それでは足りずに肉まで抉る】
【その痛みも、意味も分からず叫びたくなる衝動も、つんと熱く傷む眼の奥も、噛み潰して】
【彼よりもずっとへたくそな“なんにもないふり”。左手が手近なチョコレートを一箱取って、】
【赤く膨れる水玉で穢さないよう、両手で持って。原材料を見るのを装って、見つめているのは右手の薬指だった】
348 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/28(月) 20:09:02.71 ID:UKqRc0L1o
>>346

【相手の姿を見ているうちに、何かがすっと醒めていく】
【目の前の相手はまるで唯の人みたいで、いや、元よりそうなのだろうけど】
【手前勝手に抱く感覚は、それこそ「裏切られた」ような、そんなもの】

【(憎まれることを求めるなんて、まるで「離れてくれ」と言っているようで)】

……随分、哀れな姿だ
キミらしくもない、いや、それがキミなのですね
なら、ワタシは望まれた通りにするだけ

もう「要らない」。これ以上は面白くない
キミのような下らない人間に関わった事を恨むし、
キミが期待はずれに無様な姿を晒した事も憎む、
そんなキミのせいで面白みも無い時間を無駄に過ごした事だって、赦さない

【「友」からの完全なる離別の言葉、呪詛の篭るような一瞥を送って、それぎりだ】
【墓標から背を外し、眼前にいる相手を見る事すら無く、その隣を通り過ぎようとして】
【不意に、足を止める。少し開いた口が何か言いかけて、けれど閉じられて】
【遮られなければ、再び歩み出すだろう――血溜りに沈んだその姿など、気にも留めずに】

【語気を荒げなかった言葉の羅列。言い掛けて止めたものの意味】
【「望まれた通りにするだけ」。ならば彼は相手の「望み」を、何だと取ったのか】
【すべてが全て相手の言葉通りに、だれかが囁き掛けた通りに】
【綺麗にそれをこなして、去り際まできちんとそれらしく、上手にやり遂げようとするのだから】

【言葉通り、「期待はずれ」だと言いたげな憮然な表情、けれどぎりぎり噛み締める音】
【少しでも早く去ろうとする足、履きなれたそれでも、呪詛の反動があっても、そんなに蹈鞴を踏むだろうか】
【そして握り絞められたままの拳だけが、馬鹿みたいに震えていた】
349 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/01/28(月) 20:29:36.24 ID:yZHrw3Yio

【──日没】

【眼下に広がるのは、人々の営み。彼らへ祈るように眼を閉じてから、少女は手にした笛を口元に宛がい、唇を噤む】
【薄く朱を塗った艶のあるそれを啄むようにして、それから、歌口へ触れさせて。しっとりと息を、吹き込む】

【奏でられるのは、世の無常を謡っているように儚げで】【それでいて、滔々と流れる大河のように確固たる“芯”を持った旋律】


「……〜♪」

【若葉を思わせる、深緑の髪をかんざしで留めた彼女の身を覆うのは、飾り気の無い黒一色の振袖】
【その切れ目から覗くスパッツと、足を護る安っぽい運動靴は、ともすればちぐはぐな印象を他人に与え得る】


【ここは風の国──とある村落を一望できる山道の半ばで、件の少女は小休止だろうか、脚を休めていた】
【傍らの平地に赤いきれを敷き、その上に団子と、まだ湯気を残す湯呑が並べられていた事からも、それが伺える】

【木々を揺らす清冽な気流とは対照的に、赤く灼けた空へ、響く笛の音は、彼女自身が思っている以上に遠くまで届いていて──】
【──その雅やかな音色に引き寄せられる者が、あるいは居るかもしれない】
350 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/28(月) 20:32:39.60 ID:eU4NepAqo
>>348

【相手の眼前に現れるのは、誰でも何でも無く、先程ジョゼと呼ばれた侍女】
【蜂蜜にも似た金髪をマーガレットにきっちり結ったその姿は、人形のように曇りなく】
【そしてその瞳にもまた、幾許の感情も見透かせないものだった】

【す、と一礼し、責める事も語る事も無く無言のまま相手の横を通り過ぎていく】
【見ていたのか、否何一つとして目も耳も塞いでくれただろう。その上で目の前の結果に何も咎めない】
【まるでからくり人形のようにそっと歩く姿は、それでも血塗れの彼よりずっとひとらしい体温を持っているのだ】

……だkら、……さないでくれ

【その願いを全て叶えてくれるのならば、それは幸せの一つの形なんだろう】
【抜け落ちたただひとつの言葉がどれほどその正気を補完したか、それすらも後の祭りでは定かでは無く】
【相手を見送りさえしない/出来ない姿は、幾分皺のよった顔は、その中に笑い皺を足して】
【それはいっそ、満足そうですらあった】
【「許すな」「許さない」それは確かに等価なのだから】

【相手が去ってからようやく、侍女は彼を連れて墓所を離れるだろう】
【遠くで、時計台の鐘の低い音がする】
351 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/28(月) 20:33:41.02 ID:eU4NepAqo
>>348
/おっと記載抜け。ひとまずこれでお疲れさまでしたー
/二日間判然としない要望に付き合っていただきありがとうございました
352 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/28(月) 20:47:07.09 ID:UKqRc0L1o
>>350 >>351
/判然としない要望に付き合わせたのは此方です、二日も引っ張ってしまい申し訳なかったです
/お疲れ様でした、有難う御座いましたー!
353 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/28(月) 21:07:50.07 ID:5QHKp2JDO
>>349
/まだ募集してますか?
354 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/01/28(月) 21:08:55.96 ID:yZHrw3Yio
>>353
/おります!最初だけ少しばかり遅れる、かもしれませんが……!
355 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/01/28(月) 21:13:02.58 ID:n7jlZZGLo
>>347
【揺れるオッドアイを覗き込めば、そこにあるのは忌まわしい悪意の色彩──確認しなおす迄もない、卵≠セ】
【容易く人の人格を、ひいてはその願望をねじ曲げる、機関謹製の即席悲劇製造機】
【その穢らわしい魔翌力の波長が、全てが無駄だと。どう足掻いてもこの少女の心が快復する事はないのだと、自分を嘲笑っているような気がして】

(──……カノッサの糞っ垂れ。縁があったら覚えていろ、あの畜生どもが)
(俺の目の前で卵≠ネんか見せやがったら、それがお前達の最後の仕業だ。喚かせてやる、「生まれてこなければ良かった」って)

【どうしようもない激情が、腹の底からこみ上げてくる。喉奥まで出かかった悪罵を、無理矢理飲み下して心に留める】
【深く静かに呼吸して、煮えくり返った頭を冷やしながら。青年は血の滲んだ相手の右掌に、手袋を外した左手を伸ばす】
【出来ることならばその握り拳をほどいて、この手に爪を立てられたかった。──責めを負うべきは、自分だ】

(ああ、まただ……。小さい子が相手だと、どうしても仕事の領域を逸脱してしまうのは、悪い癖だね)
(──重ねているんだろうか。昔の自分と、それからあの娘≠ノ。だとしたら、とんだ感傷だ)

あのね、鈴音ちゃん。……大丈夫だよ。俺だったら、きっと嬉しいって思うから。
好きな人が自分に何かを作ってくれるっていうのは、とっても嬉しい事なんだ。

……ほら。例えばだけど、子供の作る料理って、お世辞にも綺麗だとは言えないじゃない?
切り方はでたらめ、盛り付けもちぐはぐ、ひょっとすると味付けもどこかおかしいかも知れない。
だけどね、不思議と美味しいんだ。どこか引き締まった、やさしい味がするんだよ。

どうしてだと思う?それは、ね……──

【懸命に感情を圧し殺そうとする少女の姿に、募るのは無力感と、等量の使命感】
【どうにかして、彼女の不安を払いたい。それが出来なくて、何が何でも屋≠セ】
【強迫観念じみた想いに突き動かされるまま、屈みこんで目線を合わせる】
【問い掛けだとか、具体的な提案だとか──そういった物は、今は要らない】

【ただ、耳に心地好い気休めの言葉を処方するべきだと彼は思った。そうするより他に手がないのだ】
【根拠のない漠然とした不安は、理屈を並べたって拭えない。抱きしめようにも、それをするべき人は自分ではない】
356 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 21:18:59.34 ID:oX2Nj6EJo
>>343

嘘…でしょ?
確かにその二対荒らされた遺跡に置いてあった物だって聞いたけど……
まさかそんな…一人だけでそんな事しちゃうなんて………

【実際には見た事がないが、男が挙げた二匹の蛇のことが本当だとすると男はとんでもない実力者と言うことになる】

【そして男が次に言い放った言葉も少女に大きな驚きを植え付けた】

召喚と生命の生成…そんなことが出来ちゃうなんて……
_____最……強…

【召喚と生命の生成、もしこれがあの男の能力の一角だとすれば少女に勝ち目はない】
【現に今現在少女の心は折れてしまいそうになっているのだから】

人はそんなに弱くないっ!
皆で協力したら楽しくて笑顔で幸せになれるんだからっ!

人間だって______凄いんだからっ!!_____

【目の前の男はきっと人ではないと、ようやく少女は把握出来た】
【だからと言って戦闘が有利になるうわけでもない。寧ろ相手が人ならざる者だと知って心が大きく揺れている】
【そんな時だからこそ少女は目の前の相手に大きく虚勢を張ってみせたのだ】

無駄だよっ! そんな攻撃当たらないんだからっ!!

【そんな見栄を張ってみるが炎弾は二つに分かれて自分の掌を狙っている】
【シールドを展開しようにも片手ずつだと明らかに効力は落ちる】

【そんな絶対絶命な自体を目の前に少女が取った行動とは_______】

____春一番っっっ!!!!


【少女が取った行動、それは炎弾に自分の攻撃を当て相殺しようと試みたのだ】
【もちろんそんなタイミング良く技が展開できるはずもなく、炎弾は掌に直撃してしまう】
【ただ、とっさに取った策で威力を少し削げたのだろう、何とか片手だけは動かせるようだ】

蜘蛛……気持ち悪いっ……

【動かない片手を庇いながら、肉体的には害の無い蜘蛛目掛けて桃色の魔弾を連射している】

/遅れて申し訳ございません!
357 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/28(月) 21:21:54.60 ID:5QHKp2JDO
>>349
【少女の見下ろす街の光、そこから生まれた小さな光が空へ浮かび、高く飛び上がる】
【ふわふわと飛びながらそれは、音に釣られて明確に、確かに少女の方向へ―――】

―――〜♪

【やがて聞こえてくるのは鼻唄、少女が奏でる曲と同じメロディ】
【近付く鼻唄は、光の正体は、背中に光の翼を生やした青年】

やあ、こんばんは
いい曲だね

【金のジッパーをきっちり閉じた白い長袖の服に白いスラックスといった出で立ちの、金髪蒼眼の柔和な表情の青年】
【透明な宝石が埋め込まれた小さな十字架が幾つも鎖で繋がったブレスレットを両手に嵌めている】
【少女の目の前に、ふわりと浮かびながら話し掛けるのは、そんな青年】

【一度声をかけると、彼はまた鼻唄を唄い始めた】
358 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/01/28(月) 21:24:03.50 ID:A0J1Jpy+o
【公園】

                   ―――ッフーーッ……。

【長く、静かに息を吐いた。イメージは水、今だけは身体は液体とみなす。頭の中を、其の意識だけで満たすのだ―――】
【周りから見れば、異端扱いだろう。しんしんと雪が降る中、公園の中心で目を瞑ったまま立っているのだから】

【袴は雪の水分を軽く吸い、羽織っている薄藍のインバネスの肩には、早くも白のヴェールがかかっている】
【本当は真っ黒な髪も、遠目からは白髪に見えるほどだ。冷えきっているにも関わらず、身体を震わせること無く唯深く呼吸をする男】

                     ―――ッッ……
                  (放つは……最速の居合……!!)

【両手はだらりと垂れ下がるだけで、左腰に佩かれた刀、その茜色の鞘にも柄にも手はかかっていない】
【足を肩幅まで開いて立っているだけである。しかし彼を包むは――熟練の老兵の、いや其れに勝る程の雰囲気】
【言うなれば恐ろしく静かで―――そして鋭く。全く底を感じさせない、覇気。其れが―――短く強く、息を吐き出すと同時に拡散して】

                   
                  ――――――――疾ッッッ!!!!

            
          【―――居合、抜刀。それは、『居合の常識』を覆す一振りで】
          【……何もかも、私達の知っている『居合』とは別物なのだ】
 【左腰に刀を佩くのなら、右手で抜くのが当たり前だ。居合を知らない人でも、自然と其の形になるだろう】
         【しかし、この男は―――『左手で』抜いた。しかも―――『逆手で』】

                       ………。

 【剣速を求めるのなら、勿論従来のやり方が一番だろう。しかし彼は利き手ではない方の、逆手で抜いた】
   【理由は、彼に問うしか無いだろう。その居合を見ていたのなら、違和感は少なくとも感じる筈だ】
    【振り切った形で、男は静止する。左の逆手で抜いた剣の背を、もう片方の手で押し込んでいた】
359 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/28(月) 21:38:16.65 ID:PQgj8dQK0
>>355

【子どもは、他者の気持ちを、場の空気を、本能的に察知することに優れているという】
【――ああ、それとも。嗅ぎ取ったのは、その心を食んで丸々と肥えた蛇の形をした悪意だろうか】

【身体が強張る、眉が顰められる、瞳孔が小さく縮む、そのどれも僅かずつの変化だけれど】
【彼が飲み下したそれ。表情に、怯えの色が差す――】

【――薄暗い部屋。目張りされた窓、鍵だらけの扉、薄汚れた地面、】
【怒鳴り散らす男のひとの声、呻く誰か少女の声、蹴って開けられた扉、】
【玩具みたいに投げ込まれた身体。弱ったグリーンアップル色と、目が、合って――】


【視界の隅から、色の抜け落ちていくような感覚。総てが黒白に堕ちるような錯覚】
【他者が抱く怒りの感情が怖い。こわくって、こわくて、たまらない――】
【縋るよう見つめる指の痣。ぐちゃぐちゃに絡まった思考、もしかしたら逆流させてしまうほどに】
【総てを拒絶しそうになって、いやだと叫びたくって、ぎゅっと瞳を閉じた、刹那】

【彼の伸ばした左手が。自らの右だろうか、手に触れて。大袈裟みたいに跳ねた肩が、滑稽なほど】
【――けれど、その体温が、暖かさが、喪われかけた世界の彩を思い出させて、くれて、】

――――っ、

【強張った喉は、一度では息を吸い込んでくれなくて。引きつるような呼吸音、数度の後にやっとまともに酸素をくれる】
【ようやく周りに向ける視線を取り戻せば、それは真っ直ぐに彼の瞳へ向かうはずだ、たすけてと縋るように】

本当、に? 本当にっ、嬉しいって、思って、くれる?
嫌いなもの、選んじゃったら、どうしようっ……、甘いって、おいしくないって、いわれたら、……っ

【――間違いを侵してしまうことが、どうしようもないくらいに怖い】
【ああ、間違えた。間違いを侵すことで、嫌われてしまうことが、どうしようもなく怖くて、不安で、恐ろしい】
【独りぼっちの時間が、総ての彩を忘れた世界が、悪い子の自分が、どうしようもなく、嫌いで、】

【――二年前、海で会ったあの日】
【どんな言葉も、彼女には届かなくって、聞き取ることが出来なくって】
【それなのに、それだからこそ、たった一度抱きしめただけで、ずっとずっと落ち着いた】

【かつてと同じよう、その体温を求めるよう。叶うなら、その左手を、右手が強く求めるのだろう】
【許したなら、薄い掌が、細い指が、三十六度五分の温かさが、ぎゅっと握って――】
360 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/28(月) 21:42:48.46 ID:fYH3glpwo
>>356

嘘だァと思うなら、蛇を見せてやっても良いんだぜェェエエーー?
まァー、テメェーは"宵闇と鏡の豪蛇"を見ただろう、それで十分だな

【見せてやっても良い、そう言っておきながら――捕獲した"蛇"を出そうとはしない】
【――何か、"理由"でもあるのだろうか?】 【それとも、ただ単に――"勝ち誇っている"だけなのだろうか?】

そう、"最強"の力――俺様がッ! "ベテアドット"でも随一の力の持ち主である所為はそういう事だッ!
さァー、人間よ"絶望"しろォォオオ、その絶望は俺様の心を満たすからなァァアア
人間は俺様達、"悪魔"に敵うような存在では無いと言う事を――ましてや、楽しいだとか笑顔だとか――
そんな"戯言"が通用する世界ではないということを、"次元"が違うことを――その身で思い知れェェエエッ!

【あくまで"自称"最強、"自称"随一だ――しかし、その実力は少なくとも低くは無い】
【悪魔は、笑う】 【それはまだ、自分の方が上だと――余裕があるからと言う、"慢心"より来るもの】

ヒャァアアッハッハッハッ! 当たってるぞォ、当たってるぞォォオオ
さァー、シューダ―― 一発でかいのでも喰らわせてやれ

【シューダは、少女へと接近し始める】
【もし、1m以内へ接近出来たならば炎を口から数秒間吐き出すだろう】
【炎は、何の変哲もない炎――だからこそ、危険ッ!】
【シューダは人が走る速度程度の速度でしか近づかない、防ぐことは幾らでも出来るだろう】

[フリゾール]追加ァ! ――ちくしょう、餌蜘蛛速く戻さねェと……"枠"がきついな

【そして、また魔法陣を生成し召喚するのは――】
【大きさや体型は標準的なふくろうだが、水色と白の体、灰紺色の足、目は美しいスカイブルーをしていて】
【立派な青いとさかを持っていて、白い爪は鋭い――そんな、ふくろうだ】

あだッ、……"雑魚"で良かった

【餌蜘蛛と呼ばれたその蜘蛛は全て、いともたやすく桃色の魔弾に撃ち落される】
【そして撃ち落とされた蜘蛛はバラバラになり、地面へその破片が落ちていった】

【――少女には見えただろうか】
【餌蜘蛛に命中した魔弾――それによるダメージを、悪魔も少し受けていることを】
【流石にバラバラになるわけでは無いが――軽い出血が所々に現れているッ!】

/おかえりなさいませ
361 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/01/28(月) 21:50:25.41 ID:yZHrw3Yio
>>357

【────奏で始めて、どれほどの時が経ったろうか】
【少女はふと、自らの調べに混ざってひとつ、真似たような旋律が紛れ込んでいるのに気づく】
【少しばかり離れてしまえば、誰が誰ともつかぬ程に、暮れの森の中は、ひどく暗い】


『こんばんは、曲……ああ、ごめんなさいっ…──煩わしかった、ですか──
え?良い……だなんて、そんな、お世辞は止してくださいよぉ……!じゃなくて、けほん』


【彼女はその、生ある者を拒ばんとばかりの夕闇の中、正しく誰そ彼(たそがれ)とばかりに声の主を凝視する】
【驚き気味にぱちくりと眼を見開いた後、自然に翼の方へ、隠し切れない好奇を抱えた、視線が向いた】

【彼女の“声”は、肉声とは明らかに趣の異なるどこか──そう、聞き入る者の胸中へ、直接浸み込むような間隔を与えるもので】
【応答し、それと同時に投じられた咳払いは、紛れも無く少女が放ったもの──なのだけれど】


『あなたの鼻歌も、とっても素敵でしたよっ?とってもお上手で、自然に、私の曲に溶け込んできていて』

『それで、つかぬ事をお聞きするんですがえと……その、どちらさまでしょうか……っ?』

【二の句三の句と継いで尚、彼女の唇は、依然として笛の歌口に添えられたまま】
【それと同様に、夢想するような音色も未だ、乱れる事も途切れる事も無く、流れ続けているのだった】
362 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/01/28(月) 21:51:40.79 ID:yZHrw3Yio
/あっと、遅れて申し訳ございません!
363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/01/28(月) 21:51:41.32 ID:fX9p/PYE0
【水の国 ー中央公園】

みっずのくにー♪みっずのくにー♪おさかないっぱいみっずのくにー♪

【不思議な鼻歌を歌いながら歩く少女と、その後をチラシと地図を束で持った男が歩いていた】
【少女はボサボサの緑髪をしており、小柄な体とその褐色の肌には胸と腰だけを隠す布の様な服を着ている】
【冬の寒さをしのぐ為か、頭から腰まですっぽりとはいる様な熊の毛皮をはおっている】
【見るからに野生児といった姿だ】
【対象的に男の格好は上から下まで黒い服で身を包み、口には3本のタバコを一度に咥えている】
【その風貌、表情から熱血とはかけ離れた、冷静沈着と言った様な雰囲気を漂わせている】

電車楽しかったねー!
「あぁ、そうだな…しかし、風の国での襲撃から早々と列車が復旧するとは…」

【たわいも無い話の様な相づちの様な喋りながら公園通り過ぎる】

「ベアコ、俺はこれから目標について調べてくる」
「また、俺が連絡するまで適当に過ごしとけ」
あいっ!

【元気な返事と共に少女は再び公園へと逆戻り】
【走って行く少女の姿を見つながら、男は正反対の街中へと歩いていった】
364 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/28(月) 21:57:50.48 ID:kO+FdYQZ0
>>358
/未だいらっしゃいますかー?
365 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/01/28(月) 22:01:03.68 ID:A0J1Jpy+o
>>364
/いますよー
366 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 22:02:23.53 ID:oX2Nj6EJo
>>360

た…確かにあの蛇は普通じゃなかったけど……
アレが本当に本物の”宵闇と鏡の豪蛇”だなんて…

【確かに少女は一度だけその蛇を見た事がある】
【最初に見た時はあれが遺跡に祀られていた蛇だなんて想像するはずも無く____】
【と言うより、気付いていたらもっと良い方向に進むように策を考えただろう】

”ベアテドット”で最強の力の持ち主……
そんなの…そんなのって……

【心が大きな音を立てて崩れて__________】

でもっ…でもっ…私は”ベアテドット”なんかじゃない
だから! 貴方が最強でも”人間”の私のほうが強いかもしれないじゃん!

【____崩れる瞬間に心は何とか持ちこたえたようで】

片手が動かなくても…片手があるから大丈夫!
あんまり私の事を見縊らないでっ!!

【シューダと呼ばれる蛇はシュルシュルと少女に接近を始める】
【だが、少女はそれを静かに見つめてその場を動こうとはしなかった】


【目を瞑った少女は大きく息を吸い、まだ使える方の手を掲げ、息を吐き出した】

ごめんなさい……でもこうするしかないの…

【掲げた掌には、いつの間にか空気がボール状になって渦を巻いていた】
【そしてその弾は向かってくる蛇に狙いを定めて射出される】

自分の仲間を雑魚って呼ぶなんて……
そんなのって…そんなのせっかく戦ってくれたのに可哀そうだよ!

【蜘蛛を殺したのは確かに自分だ、でもその死さえ悔やまれないなんていくらなんでも不憫すぎる】
【魔翌力の消費と火傷でボロボロになった少女は目の前の悪魔の非情さを大きく糾弾した】

【唯、感情が高ぶり冷静な判断力が鈍っているのだろう、男の出血にはまったく気が付いていないようだ】

/戻ってきて早々ですが、お時間が来たので明日に持ち越させてくださいっ!
/明日も16時から10時前までは居られると思いますので
/真に申し訳ないです
367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/28(月) 22:03:35.24 ID:BoqTzpRso
>>363

【公園の中とはいえ、水の国はかなりの都会だ、必然的にそこで遊ぶ貴女の様子は注目を浴びるのだろう】
【雑踏が瞬く、ノイズのような音、雑音と呼ぶには中々に疎ましく、それでいて流れていく】
【そんな中で一つ、その姿を見て、ぱたぱた、と歩み寄る足音が揺れた】


……あっ……と――――ねえ、お父さんとかお母さんとか、近くにいるかな?
もう夜も襲いし、一人で出歩くのは危ないから、お家に帰ったらどう?
良かったらお姉さんが連れて帰ってあげるけど……


【薄くピンク色のかかった桃色の長髪が腰の辺りまで伸びて】
【淡紫色の瞳と同じ色のフレームをしたメガネをかけている】
【真っ平らな胸のスレンダーな体躯を黒地の高級そうなスーツに身を包ませて】
【黒いストッキングでその美脚を整えた幼い雰囲気の女性】

【160cmに満たない身長を、膝を曲げる形で視線を合わせながら、そんなことを言った】
【整った顔たちに不安げな色を浮かべ、貴女を心配するこえっを震わせた】
【傍から見れば、誘拐犯にも間違えかねない台詞、本人は素で言ってるみたいだが】
368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/28(月) 22:10:22.80 ID:5QHKp2JDO
>>361
【ふわふわ飛んで、蝶の様に空中を揺れながら、少女の音に酔いしれるかのように】
【静かな鼻唄を奏でれば、いつしか足は空へ、頭は下へ、逆さまに浮翌遊して】

僕は僕だよ、レイ=レフィクル…ちゃんとした材料と作り方で出来た人間さ
そういう君は一体何≠ゥな?

【逆さまの笑顔を少女に向けて、パッとするようなしないような返答を返し】
【蒼い眼を少女の目に向け、聞き返す】

歌はいいよ、凄くいい
ただの音の高さの並びで、人の心が色々と変わるんだ
僕はそれがよくわからないけど、なんとなくわかる気がする、だから好きなんだ

【そしてまた、話の間を埋めるように、鼻唄を唄いだす】
【少女の奏でる曲を聴くのは始めてだ、それなのにその鼻唄は、まるで元々曲を知っているかのように、流れも高さもピッタリで】
369 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/01/28(月) 22:17:18.95 ID:fX9p/PYE0
>>367

ふぇ?
【公園で一人の遊んでいる少女の元にかけられた声の方を振り向いた】

お父さん?お母さん??んにゅ???

【彼女が言った言葉の意味を理解していないのか頭の上にクエスチョンマークを浮かべている】
【言われた言葉が何なのか、両手を組んで考えている様な格好をした】
【最初聞かれた瞬間は言葉の意味を考えだろう】
【しかし、すぐさま明らかに別の事を頭の中で考えだし】

お前ちっちゃいな!

【少女の140cmほどの身長のせいか、目線が彼女の胸元当たりを見ながら言い放った】
【悪意もなければわざとでも無い、視線を合わせた少女の高さを見て何と無く言ったのだろう】

ベアコは一人でも大丈夫だよ!
スモーキーが連絡してるまで一人で過ごすの!

【などと笑顔で言っているが、彼女の言うその人物がいつ来るのかはわからない】
【小柄な少女が一人で遊んでいる現状は、彼女がどう言おうが普通の人なら危なそうに感じるだろう】
【もしくは関わりたく無い状況であるかのどちらかである】
370 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/28(月) 22:24:45.57 ID:kO+FdYQZ0
>>358

………貴方とは、いつ以来になるかしら?
それは別に良いか―――……大切なのはこの夜なのだし。

【クスリと零れた声がひとつ。微笑めいて、どこか煌めく。】

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

【その雪景色に姿現わすのは、そんな形容のできる人影だった。新雪に跡を残しながら、夜闇のなかを悠然とゆく。】
【空間に満ちる覇気を感じ取っていない訳でもないだろう。剣士として、先ずありえまい。
 ならばその “近付く” 足取りの自然さの意味は、彼への、ある種の 『信』 にあるのかも知れず―――】


……なにか技を磨きたくなる理由が、あの後貴方にあったのかしら?
それともただ純粋に剣の道を求め、究める事に勤しんでいるのか―――――

……邪魔でないなら訊かせてほしいわ。あくまで、一人の剣士として……――−。



【そして ―― 1メートル半。その距離で彼女は足を停めると、興味めいたそんな言葉を彼に向けるだろうか。】
【双眸には“そんな色”を含んだ、それでいてひどく真摯な/真剣な思索の色。】

 【初めて遭ったかつての夜に、少女は、瑛月の普段の“技”を観た。ゆえに、今宵の鍛錬にある「革新」に気づく。】
 【そして最後に共に過ごした夜に、彼女は、彼の“決意”を聴いた。一人でも自警団を変えるという……強く輝いた決断の言葉を。】

【それゆえのこの問いかけは、剣士同士の交流ともいえるのだろうか。
 互いにプラスになるのだろうと、そう、相互利益的な/不器用な善意を含むような。】

/では、よろしくお願いしますー
371 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/28(月) 22:27:18.22 ID:BoqTzpRso
>>369

【それはまるで雷が落ちたかのよう、彼女の優しげな表情が固まった】
【メガネ越しの瞳に真っ白な色が浮かぶと、あいた口をぱくぱく、と何度か揺らして】
【きゅーっと真っ赤になるほっぺた、純白の素肌に愛するような紅潮が滲んだ】


なっなっ!!何を言うんですかっ!貴女は一体……っ!!
私がどれだけ苦労して……苦労して……はぅうー……!!
いいですもん!いいですもん……みんな、可愛らしいって言ってくれるからぁ……


【その場でいじける、膝をかかえて、いじいじ指で地面をなぞってるみたい】
【どうやら中々胸にはコンプレックスをいだいてるよう、淡紫色の瞳に一杯の涙を溜めて】
【その分スレンダーな体格ではあるが、やはり女性的な魅力に欠ける、と思っているのだろう】

【スラリと伸びた両足は黒のストッキングに包まれて、その奥の柔らかそうな素肌を惜しげもなく披露する】
【野性的な貴女のワイルドな可愛らしさとはまた違った、洗練されたそのスタイルはエリートとも言えるだろう】
【それでも貴女の言葉を聴いて、我に返ると、その瞳を貴女へと溶かした】


えっと……お父さんと、お母さん……もしかしたら、分からないのかな……?
そのスモーキーって人が保護者なのかな……ベアコちゃん、だよね
このまま一人で過ごすのは危ないから、良かったらお姉さんと一緒に、少しだけ過ごしてくれない?


【彼女もまた、そんな女の子を見捨ててはおけないと思える人物で】
【視線を合わせて、語りかけるよう、甘い甘いソプラノボイスが子供用に染められる】
【下味をつけて、優しい音律を作ったなら、あなたへと解けて、優しく響き渡るのだろう】

【くしゃっとほころばせる彼女の表情、少女らしい淡い笑みが浮かんで】
【メガネ越し映るパッチリとした大きな瞳の真ん中に、貴女の全身を浮かべさせるのだろう】
【そうして手を差し出して、握ってくれたなら、近くのベンチへと行こうとするだろう】
372 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/28(月) 22:30:48.85 ID:fYH3glpwo
>>366

気付くのが遅ェーぞ、人間め――
だが、奴は"この国の宵闇"と"俺様の魔翌力"を混ぜた、俺様仕立てだからな、――本来の姿とは些か違ェー
しかし――あいつは紛れもない、"宵闇と鏡の豪蛇"って奴さ!
おおっと、"俺様の部下になった"って付け忘れたぜェェエエ

――ほォ〜、まだ俺様に立ち向かうのか! 人間なんぞ、俺様の敵ではないと何度言わせるつもりだァ?
強いかもしれない、……その僅かな希望が粉々に砕けた時の顔が速く見てぇーなァァアア

【悪魔は、少女をただただ――嘲笑い、そして煽る】 【自分の方が上だ、人間ごときに負けるはずがない――】
【前に負けそうになっていた、負けた――そんな事がもしあったとしても、そういう場合は――】
【"あの時は調子が悪かった"、"手加減していた"】 【――頑なに、自分が下だと認めることは無い】

さァー、シューダ! トルコ石の如きその身体から吐かれる炎を見せてやれェェエエ――
もう片方の腕をやっちまえばこっちのもん――ッ! 避けろッ!

【シューダは、暗闇に青緑色の残影を残しつつ、少女へとぐんぐん近づいて行く】
【だが、その少女の掲げた掌には空気の球――】
【2mというのはあくまでも長さだ、その太さが人に及ぶわけがなく、――これは、あまり喰らいたく無い攻撃だ】
【シューダは、少女に吐こうとしていた炎を空気の球へと吐き出した】
【何とかその勢いを弱めたものの、頭部へそれを受けてしまい、裂傷を受けて頭を大きく逸らした】

――グッ、ハァーッ! 何、頭に受けてんだこの野郎ッ! 揺れるッ!
ええい、フリゾール! やれッ! あの糞野郎が望む保守の味をたっぷり味あわせてやれェェエエッ!

【それと時を同じくして、頭を軽く揺らす者が一名】
【――それは悪魔だ、こちらは軽い頭の逸らしと出血を受けている】
【"動き"や"出血量"は先程より大きい、感情の高ぶった少女が気付けるのには十分な動きだろうか】

【そして、悪魔が叫びつつ使役するのは"フリゾール"――ふくろうだ】
【フリゾールは冷気を身体に纏うと、少女へ向かって突進してくるッ!】
【真っ直ぐな軌道な上、悪魔の頭へのダメージがある分初動が遅い――その書道の遅さは、未然に防ぐ事も可能な程】

仲間だァ? 元々あいつらは"餌"なんだよ、餌が減った程度で騒いでいたら幾ら騒いでも騒ぎたりねェェんだよッ

【たとえ"餌"の運命を辿るとしても、それは部下――"仲間"へと"還元"されるはずの"餌蜘蛛"】
【その存在を、重んじることもなく――考えを幾ら"糾弾"されようとお構いなしに、自らが従えていた"生命"を扱う】
【それが、もっと"大きく強い存在"ならば、その"生命"をもっと重んじてもらえていただろうが――】
【……もっとも、重んじられる理由は"自分の利益"の為なのだが】

/了解しましたー、こちらは五時〜六時以降に現れると思います
373 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/01/28(月) 22:34:42.96 ID:n7jlZZGLo
>>359
【大丈夫。大丈夫。呪文のように繰り返し少女に囁きかけながら、束の間目を閉じる】
【揺らいではならない。望まれた役割を演じ切るのが自分の務めなのだから】
【よき友人であれ。頼れる兄であれ。より完全な保護者であれと、幾度となく重ねられた自己暗示】

【目を開けば──瞳の奥にあった剣呑な色はすっかり消え失せて、代わりに浮かぶのは少女を気遣うような表情】
【掌をやんわりと握り返して、青年は穏やかに苦笑した。食い込む爪の痛みでさえ、今となっては微笑ましく感じる】

……必死になって作るから、だよ。食べてくれる人に、少しでも喜んでほしいって。
自分なりに考えて、工夫して、一生懸命作るから、その気持ちが料理にもこもるんだ。

だから、大丈夫。それを君が望むなら=A君の気持ちはきっと伝わるよ。
難しく考えなくたっていいんだ。……ほら。そんな泣きそうな顔しないで、笑って?
その方がきっと可愛いし、君のお父さん≠セって、君が悲しんでたらきっと悲しいよ。

────彼のこと、好きなんでしょう?≠ネら、何も気に病む必要はないさ。

【少しぐらい間違いを犯しても良い。重要なのはそこに込められた想いだから、きっとお父さん≠ヘ喜んでくれる】
【青年は、求められれば決して拒まない。ただ縋られるままに気休めを並べ立てて、さりげなく話題をすり替える】
【そこに愛があれば全てが解決するだなんて、とんだ出鱈目だ。けれどもそれは或る意味では、この上ない殺し文句かも知れなかった】
【愛は全てに優先するという壊れたロジックは、愛の深さゆえに我を失っている今の少女には、しっくりと馴染むはずだ】

ね?……大丈夫、大丈夫。

【硬質の右手で、壊れ物を扱うように、そっと彼女の髪を撫でながら。彼はぼんやりと、そんな事を考える】
374 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/01/28(月) 22:35:13.61 ID:yZHrw3Yio
>>368

『“何”、って──おかしな事を仰いますねぇ!私はれっきとした人間、人間ですよーっ
 申し遅れって程でもありませんケド……夜久 月音、櫻の国の、しがない宿屋の生まれです!』

【何──その言葉と彼の背中に根を張る翼を、知らず知らずのうちに、重ね合せて推しはかる】
【人外か、とも思ったけれど、その口ぶりと翼の発光する様を見るに、それはどうやら、見当違いのようで】

【明朗な調子で“紡ぎ”つつ、月音と名乗った少女は、次いで上下の流転した青年の顔を見遣る】
【口元は演奏の為に強張っていたが、その眼は糸のように細く、親しげに、優しい弧を描いていた】


『そう、ですね……私もそれは、良く思いますっ!変わるだけじゃなくて、わーっと増幅させたりする事も出来たりしますし!』
『感受性……って言うんですかね、人間のそれってすごくて、ただの音なのに……人の数だけ、反応が違ってて!』

【『お兄さんは音楽家なんですかっ?』と素朴な疑問で継いでから、少女は今一度、演奏の方へと精神を注ぐ】
【出来るだけ優美に、それでいて脆く、崩れ落ちるようなイメージで、高音から低音へ】
【──最後の一節を吹き終えてから、少女は『ぷぅ』と、歌口から唇を離す】
375 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/01/28(月) 22:37:42.21 ID:fX9p/PYE0
>>371

なんだー?遊んでくれるのかー?
いいぞー!いいぞー!

【知らない人について行ってはいけません】
【そんな言葉も教わらなかったのか、無警戒にも笑顔を向けて少女の手を掴む】

【彼女に連れられ、公園内にあるベンチへと辿り着いた二人】
【少女はベンチに向かって、逆向きにぴょこんと座った】

おぉー

【ベンチの向こう側に何かあったのか、手を伸ばし体を伸ばし、そしてー】
【ドスンと音と共にベンチの向こう側に転げ落ちた】

えへへ

【ボサボサの髪を掻きながら、笑顔を彼女に向けた】
【この少女はジッとしていると言う事が出来ないのであろう】
376 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/28(月) 22:45:01.03 ID:BoqTzpRso
>>375

【存外に乗ってくれる様子に、彼女は少しだけ驚いた】
【同年代――――というよりかは自分より下の年齢の子供と接する機会があまり無かったのか】
【貴女の無邪気な様子に、ふっと頬が緩んだ――――けど】


わわわ……っ!!大丈夫ですか!?
もぅ……大人しくしていてください、とは言いませんが危ないことはなさらないでください
もし貴女が怪我でもしてしまいましたら、私はその――――スモーキーさんに示しが付きません


【そう言ってベンチの上に膝を乗せて、ぐいっと上半身をのぞかせる】
【向けられる邪気の無い笑顔、まるでお日様みたい、と小さく思って】
【大丈夫ですか、と両手を伸ばして、えいっと抱え上げようとするだろう】

【流れるピンク色の髪の毛、ふわりと落ちて、素肌の色を強調する】
【お人形さんみたいに整った彼女は、貴女の褐色の肌を見て、とても興味深そうに】
【身に纏う毛皮が、暖かそうだな――――と思っていたから、か知らずか】


わっ……わわわ……!!ひゃっ――――んぅ!


【バランスを崩して、ベンチごと前へとどっしゃん、大きな音を立てて前へと倒れるだろう】
【恐らく彼女は両手で貴女を抱え上げて、地面へ倒れこむときに、その両手を上へと上げた】
【文字通り貴女を死守する――――その代償は、彼女の身体へのダメージ】

【地面へとまん前から倒れこんで、ぴんくぴく、と少し崩れた髪の毛のアホ毛が揺れる】
【かんなり痛かったみたいで、しばらくそのまま、倒れこんでいるだろう】
377 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/01/28(月) 22:52:25.26 ID:A0J1Jpy+o
>>370

……フフ、この技をまさかお前に見られるとはな
―――八攫 柊……。

【瞳を閉じたまま、こちらも微笑んで。男は、彼女の名前を紡ぎながら―――濡羽色の双眸を、見開く】
【その二つの黒に映るは、彼女。そして潜むは静かながらに輝く、意志】

―――俺が君を見たのは……確か、大会の時だな
もう大分過ぎた話だが、優勝おめでとう。―――あと、ウチのミリアが世話になったな

【逆手で抜いた其れを元の位置に仕舞いながら、肩や頭にかかった白を払い落とす】
【彼女の独特の雰囲気が、やや懐かしく感じる。元々雰囲気は自分と共鳴している部分も多いと、彼が感じていたからだろうか】
【何月遅れの祝福の声と共に、彼女の腰元に瞳が下がった。……「覚悟の脇差」。彼女の受け取った優勝賞品は、どこにあるのだろうか】

―――……前と同じだ。 ……迷ったときは、剣に聞く。
『御代櫻』が空を裂く音色が、その迷いを何時も断ち切ってくれる……

―――君は、変わらないな。 ……いや、少しだけ固さが抜けたか? 

【悴んだ手をコートに避難させながら、白い息を大きく吐いた。相変わらず悩んでいるようで―――そういった意味では、彼女と対照的だ】
【―――彼女の意志程、真っ直ぐで強靭な刀は無い。其れだけの思いの強さを、今迄の彼女に男は感じている。……自分と違って、悩む姿は未だ知らない】

【彼女の変化を彼が感じた理由は、最初に零れた彼女の声で。少しその微笑みが、意外だった】
378 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/28(月) 22:55:16.77 ID:5QHKp2JDO
>>374
―――いやだなぁ、僕は音楽家なんかじゃないよ

僕は僕―――さっきもそう言ったよ

【『音楽家か』と問われた青年は、静かに首を振って否定する】
【続けた補足はどうにも要領を得ない回答、何か雰囲気が、通常の物とは変わっている】

ただの音≠音楽≠ノした人は、凄いね
僕の心も、音楽を聴けば心らしく≠ネれるんだから

【「それと、音楽を作る君も」―――と、小さな拍手と一緒に、逆さまの青年は語る】
【すると、ふと―――拍手を止めると、思い付いたように、呟くだろう】

―――綺麗な音楽を途中で壊したら、どうなるかな?
ピアノの鍵盤をいきなり全部叩くみたいに、バイオリンの弦を切るみたいに
きっとそれも、味があっていいと思わないかい?

【―――何と無く、きっと何と無く、感じ取れるかもしれない】
【この青年の眼は、海のように不気味な程に澄んでいて深く】
【この青年の笑顔は、元々そうやって作られた人形の様に、無機質なのが】
379 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/01/28(月) 22:55:42.55 ID:fX9p/PYE0
>>376

おぉ…おっ?おわぁぁ!

【二人一緒にベンチに奥に倒れこむ】
【彼女が、庇ってくれたおかげで少女にダメージは無かった】

あははは!大丈夫だよ!いつものことだからー!

【笑っていつもの事と言う少女の言葉を倒れこんだ彼女はすぐ答えられないだろう】
【倒れてしまった彼女を、返事がないせいか少し不安そうな表情をして見つめる】

大丈夫か?大丈夫なのか?

【ペチペチと彼女の頬を叩いてー少女は力を込めたつもりは無いが、普通の人よりかは強い力で頬を叩かれる】
【早めに起きて気づかなければ、きっと頬はリンゴの様に紅くなってしまうだろう】
380 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/28(月) 23:04:09.97 ID:BoqTzpRso
>>379

【しばらく寝込んでいたが、やがてふるふる震えながら起き上がるだろう】
【脚をMの字にまげて、座り込むように地面に居ると、けほけほ、と何度か咳き込んだ】
【整った桃色の髪には、いくらか汚れがついていて、彼女の姿を褪せさせた】


なっ……なんとか……って、メガネのフレーム歪んでませんよね……っ
あ、あとベアコちゃん、叩かないで……痛いよぅ、そんなに叩かれたら
それにしても、ベアコちゃん力、強いんだね――――ビックリしちゃった


【ぱたぱた、と髪の毛を梳いて、そこについた汚れとか乱れとかを落としていく】
【桃色の髪に絡みつく、純白の素肌――――しなやかな指先は、まるで生き物のように揺らめく】
【硝子細工よりも繊細なその指先が黒鍵を叩くようにその髪を紡いだ】

【ほっぺたがじんじんに腫れて、ただでさえ素肌が白いから余計に目立つのだろう】
【痛そうにむぅ、と表情を傾けながら、片方の手でじんわり、とそこを抑えていた】
【素肌に混じる紅潮のような紅花、それは一種、アクセントのように彩りを添えるのだろうか】


それにしても、です――――スモーキーさんは、少々放任主義すぎやしませんか
ベアコちゃん元気一杯で、それに運動できるから良いかもしれませんが、やっぱり心配ですよ……
まあ……ベアコちゃんでしたら、こんなドジなマネしないんでしょうけど……


【少し怒ったみたい、ソレはまだ見ぬ貴女の保護者代わりの人へと】
【やっぱり心配なのだろう、貴女がいくら楽しそうにしていても、危険なことに代わりは無くて】
【もしかしたら、と感じてしまう心は妹の心配をする姉のソレ】

【メガネを元の位置に戻して、指先で少しフレームを調整する】
【細いフレームは彼女の腕みたい、今にも砕けそうな腕はきっと力なんて全然無くて】
【貴女と見比べて、自分の運動おんちっぷりに、少し恥ずかしそう】
381 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/01/28(月) 23:04:32.29 ID:A0J1Jpy+o
>>377
/最初の「お前に見られるとは」を「君に見られるとは」に修正です……
/呼び方安定しねぇ……
382 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/28(月) 23:08:12.94 ID:PQgj8dQK0
>>373

【呪文のようだなんて、間違いだ。――だって、彼女にとってそれは、間違いなく呪文で、おくすりなのだから】
【囁くたび、認めるたび、彼女の抱く恐れや不安や恐怖や、いろいろなものが少しずつ融けていく。分かるだろうか?】
【ぎゅっと握った手が暖かくて、血で汚してしまうことがいやだったけれど。今更手放せなんて、できるわけがない】
【(たとえそれが猛毒だって、何もなく痛みに毀れるより、きっと、いい――)】

【一番近くにあった。たったそれだけの理由で手に取ったチョコレートの一箱、左手で持ったまま】
【今にもあふれ出しそうなほどに浮かんだ涙を、甲でぐしぐしと拭って、ただ、涸れるにはまだ早い】

……ほんとうに、だいじょうぶ?

【ぱちり、瞬きのたび、溢れそうになる涙色。そのたびに拭うのは、彼の言葉を守ろうとするから】
【泣かないように、泣かないように。ぎゅっと唇を噛んで、何度も何度も目元を拭って――】
【一生懸命頑張りながら、しばしの時間。経過すれば、弱く尋ねるのだろう】

【眼は彼の眼をじっと見つめていて、それはともすれば穴なんて開けてしまいそうなほど】
【左。血色の最奥では相も変わらず悪意が嗤う。右。瞳孔すら窺えぬような漆黒が、ぎっしり詰まっている】
【そのどちらもが硝子玉のようで、白い肌も相まって、まるでお人形のよう――】

――――すき。だいすき、だよ、“あいしてる”

【――涙を堪える震えた声。けれど、それを紡ぐのは、ひどくしっかりした声音】
【涙も、不安も、全部塗り替えてしまうぐらい。それぐらいに、彼の存在は大きくて重いのだから】
【愛があれば大丈夫だと、彼は言う。世界なんて要らないぐらい愛してると、断言できる】

【だから、そう、きっと――大丈夫なのだ、そう、大丈夫】
【僅かに伏せた瞳の奥、自らにそう強く強く、言い聞かせて、】

……――おとうさんとおんなじこと、するのね
お父さんも、“はじめて”会った時、――そう、だった、いまも、そう

【頭を撫でる硬い右手。それだってどうしようもなく嬉しくて、幸せで、心がふわり暖かくなる】
【その優しさの向こう側。閉じた瞼の裏側に映すのは、誰の姿なのか――ようやく、安堵したように笑ってくれた】

【――彼女を篭絡する方法。なんてことはない、とっても簡単なのだから】
【抱きしめて、頭を撫でて、ひたすらに都合よく囁いてやる。たったのそれだけで、世界の総て擲つまでに愛してくれる】
【そこに愛なんてなくったって、総てが嘘だって、彼女に気づかれさえしなければ、紛い物の命だって擲ってくれるのだから、滑稽だ】

【――それにしたって、“父親と始めて会う”だなんて。少しだけ、おかしい話】
383 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 23:17:37.68 ID:nPfbaA0D0
>>380

ベアコは強いからなー!

【自画自賛の言葉を先ほどから変わらずの笑顔で言う少女】
【自分自身でも力が強いことは自覚しているようだが、それを制御しようとはしていない様子】
【見方によっては、少女のその力は制御しきれていないとの見方もできるだろう】

ほうにんしゅぎ?ほうにんってなんだ?わからん!
しゅぎはよくスモーキーが言ってるからわかるぞ!せいぎしゅぎとか言うやつだな!

【ケラケラと笑う少女が言っている言葉は、意味の分からないことである】
【少女自身も意味は分かっていないが、少女の言うその人物がよく使っている言葉であろう】
【どういった場合で使われているかはわからないが、少なくとも少女が近くにいる時によく言っている言葉であるとは推測できる】

【そんな笑顔を振りまいている少女の表情が急におとなしくなった】
【髪を紡ぐ彼女のしぐさを追いかけるかのようにジーっと見つめていた】

【そして、気になることでもあったのか、少女は彼女の顔に手を触れようとした】

すごく白い…

【かなり近くに来て初めて気が付いたのか、彼女の肌の白さ】
【初めて見るほどの白い肌に、自分とは違う何かを感じ取ったのだ】
【それはただ単純な好奇心である】
384 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/01/28(月) 23:17:56.38 ID:yZHrw3Yio
>>378

【僕は僕──青年の意味深な言に、少女は顎に手を当てて、唸るように思考を始めた】
【我思う故に我あり、誰の言葉だったろうかなんて、脱線気味に言葉の真意を探ってゆく】

「……やっぱりお兄さん……お、…もしろい人ですね──っ!」
「お兄さんは人間なんだから、心は心に決まってるじゃあないですかぁっ!」
「人間を人間たらしめるのはですね、やっぱりココな訳ですよ──“コーコ”っ!」

───“おかしな人”
【と、喉を出かけたのをすんでの所で上書きしつつ、握った笛の先端で、漂う青年の胸を指差してみせる】
【そこで少女は、自ら手が汗ばんでいるのに初めて気付いた──胸に生じる疑念、一抹の不安】

【それから男の張り付けたような笑顔が淡々と紡ぐ言葉に聞き入って、月音は暫し、沈黙を呈するのだった】


「……あはっ、途中でなんて…そんな怖い事言わないでくださいよぉ!」
「楽しい音で音楽なんですから、それを崩しちゃったら悲しいに決まってるじゃあないですかぁー!」
「やだなぁー、そんな事、絶対あっちゃあいけませんって!」

【矢張り──自らに芽吹いた猜疑がより一層大きく育つのを把握して、彼女は何度目かの笑みを零す】

【その顔筋は明らかに引き攣っていた、疑心が恐怖を招きこむのを自覚すると、自然と額から水滴が垂れた】
【恐怖から生じた、冷たい汗。肌も、背筋も、こんなにも冷えているのに、それを凌ぐ程に冷たい──ぞくりと、オカン】

「……まっ、さか」「わ、私で試してみようだなんてぇ──思って、ませんよねぇ……?」

【随所で声を裏返させつつ、月音は、まるで安堵を求めるかのようにして、青年へ問うのだった──】
385 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/28(月) 23:30:31.48 ID:ux5GgzAfo
ゆるさん
386 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/28(月) 23:35:31.28 ID:kO+FdYQZ0
>>377

……いけなかった?

【冗談めかしてそう返答。やはり、彼女は変わったのだろうか?】

………それと、ありがとう。あの大会で私は――――……いえ、この話はまた別ね。

(確か結構深く斬ったのだけど………あの娘は今、元気かしらね。)

【そうして続けた祝福への謝辞。一瞬瞳に浮かんだ憂いは、準決勝で切り裂いたミリアの事でも考えていたのだろうか。】
【その後で話題は「優勝賞品」、覚悟の脇差へと移る。】
【腰への視線を感じたのだろう。……たぶん、剣士として。】

……必要な時に、確実に――――……絶対に敗けられない戦いで、自分の限界を越えるための、“力”。
あの脇差は私にはそういうものよ。

だから普段は使えない―――― ……今この腰が空いている理由(わけ)は、これで納得してくれるかしら?

【――――“魔剣”は“秘剣”。
 ひけらかす事無く内に秘め、敗北の赦されぬ局面に於いて……必勝を期するため抜き放つもの。】
【そう、彼女は考えている。形は違えどあの深紅の脇差もまた、そうした切り札のひとつであり……ゆえに、常日頃から帯びはしない。】

【そして何より三度という制約があった。軽々しく使えるものでもない。】
【――――…… 「自分の戦いは、あの“力”の欲しくなる局面だらけ」。
 「普段は帯びない」と語った彼女の言葉には、そんな含みのある様でもあって。】

【けれど、そんな“重み”を/重さを隠す様に。】

……そうだと良いけど。

【……「固さが抜けた」。】
【淀みない彼の言葉なら、きっとそうなのだろうとばかりに。また、知らず微笑が零れていた。】
【そんな雰囲気のままで切り出す話題。ごく自然な声と目のまま。】

それで貴方の悩みの方は、切り裂けたと見て良いのかしら?

いい剣だし、見せてくれるなら嬉しいけれど―――……
……たとえ無敵なのだしても、全能ではないでしょうから。

【……彼の“悩み”。】
【助けが要らないのならそれもいいし、「御代櫻」への興味も尽きない―――】
【そんな意味を言葉に含めて、やはり“重さ”はない口調で。】
387 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/28(月) 23:38:17.12 ID:BoqTzpRso
>>383

【自分自身を強いという――――その姿はとても明るく、それでいて強く見えた】
【ある意味憧れとも言える感情、自分より年下の女の子にあこがれてしまうのは】
【何だか少し、気恥ずかしいように思えて、頬に僅かな赤みが差した】


あっと、放任主義というのはですね……うーん、難しいなぁ……
簡単に言えば、あんまり面倒を見ないで、放って……ひゃっ!!
わっ……ぁっ……なっ、なにをぅ……?


【頬を触れる貴女の指先、びっくりして、声が裏返るよう】
【ソプラノの音が一際強く跳ねると、それはまるで旋律にならない音の戯れ】
【顔を紅くして、きゅーっと染める様子は、彼女の姿を美しく添えるのだろう】

【嫌な気分ではない、むしろ――――こんなに可愛い子に触ってもらえて、嬉しい】
【貴女の言葉、それが流れ込んできて、頬が緩んだ、頬を触れてくれる、貴女の手へ、彼女の手を重ねる】
【初雪を踏み荒らす足跡の上に重なる新しい雪、溶けるように貴女を包み込もうとする】


あんまり外でお仕事しませんので……文化系の唯一の特権です
ただ病人みたい、とか言われたりもするんですけどねー……
ベアコちゃんの健康的な褐色の肌、羨ましいです


【綺麗な白色は混じりけの無い処女雪の色、ソレはある意味、忘却の色でもあって】
【汚さもやらしさも隠してしまう白は、ある意味無為の色ともいえよう】
【そこには嘘しかなくて、真実など無い、仮面の裏はいつだって真っ赤に染まっているから】

【貴女の健康的な肌、太陽を一杯に浴びて育ったことを思い起こさせる】
【太陽の名を冠す彼女は、自分がそんな存在に無いことに、むしろ月に近いことをふと感じて】
【それも仕方ないことかな、と心の中で結論付けた】
388 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/28(月) 23:40:10.96 ID:5QHKp2JDO
>>384



はは、はははは、は。は、はははははははははは

【青年の歪を感じだし、慌てる少女に向け、口を開いたかと思えば、漏れるのは笑い声】
【それもただの笑い声というより、機械に録音したような、音声合成ソフトで作ったような、今までの滑らかな話し声からは予想も出来ない棒読みな笑い声】
【―――ひとしきり笑うと笑い声はピタリと止み、さっきまでのような静かな笑顔に戻る】

悲しいって気持ち、それはどんな物だろう
君はきっと知っている、言葉でも説明出来る、でも僕は―――感じてみないとわからないんだ
君にそうして悲しい≠ェわかるなら、そうしてみようかな

【夜久が彼に感じた感情は、大体が正解だ】
【彼は何処かが…何かがおかしくて、何かが抜け落ちていて、無機的な】

【刹那、青年の手に光が―――両手のブレスレットから光の粒子が漏れだし、手首から先を覆っていく】
【やがて光は手先を覆い、紋様的な形状をもつ剣となって、両手と一体化して装備される】

―――あ、でも
今の君、音楽を奏でてないよね
それじゃ僕のやりたい事にならないかなあ?

【逆さまの青年は、夜久にふわりと近寄り、体を反転させて、夜久の目の前に着地した】
【着地しながら、何かが違う≠ニ考え始めた】
【あしらうのも応戦するのも、起点にするには十分な隙だ】
389 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/28(月) 23:46:49.83 ID:nPfbaA0D0
>>387

え?羨ましい?ベアコが?ニヒヒ、ありがとうな!
ベアコ、そんなこと一度も言われたことないからうれしいぞ!
おまえも綺麗だぞ!

【屈託のない笑顔を彼女に向けて答える少女】
【だが、彼女の言葉の裏に意味することに気付いてしまえばきっと悲しくなるだろう】
【一度もない―少女の保護者ともいう人物ですら言ってくれたことがないという事に】

面倒見てない…?うーん…そうなのかぁ〜?

【両手を組み、首を傾げて悩む少女】
【うーんと唸りながら考えるが、いまいち思いつかなのだろう】

あのなぁ、ベアコこの前も似たようなこと言われた気がするんだがなぁ
理由も答えもまったくわからないだ

【言われた中身は正確には違うのだろうが、彼女にとっては同じことを聞かれたのも同等なのだろう】
【その内容の答えがいまだに見つかっていない様子だ】
390 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/28(月) 23:56:25.95 ID:BoqTzpRso
>>389

【貴女の言葉の裏までは分からない、それを探るにはその奥のもう一人の人物を知らなきゃいけなくて】
【それでも――――不意にオーバーラップする貴女の笑顔、その奥の網膜の裏の彼女の虚像と】
【屈託の無い笑みは、曇りの無い最高級のダイヤモンドみたいに、その美しさを奏でるのだろう】


有難うございます、そう言っていただけたら……自分に自信がつきます
ベアコちゃんはとても可愛くて、元気で――――私も、こんな女の子だったらな、って
でも、きっと私がベアコちゃんみたいだったら、一人でなんて過ごせませんよ

寂しがりやの私は、一人じゃ生きてけない、弱い人間だから
――――だから、ベアコちゃんはとても偉くて、凄いと思います


【ふわり、と彼女の手が揺らめいた、貴女の頭へと軽くのせられるよう】
【できるなら、髪を撫でるだろう、貴女のボサボサの髪の毛を櫛でもかけるみたいに】
【美しい緑色の髪は、幻想的で、それでいてエネルギッシュな貴女の象徴】

【指先で解けて、それはまるで大自然のように、爽やかな風をはためかせる】
【白い指先だつづる、貴女という証を、そこに止めておきたくて――――】
【零れた笑みに、混じる表情は、憂いと羨望の半分ずつ分けた感情】


分かりませんか……だったら、それで良いのかもしれません……
でも、ホントはベアコちゃんぐらいの年齢だったら、お父さんがいて、お母さんがいて
遊ぶときもどこか行く時も、いつも誰かが一緒にいてくれるのが普通≠ネんです

――――ベアコちゃんはどうでしょう、そんな普通=\―――欲しいんでしょうか


【分からない、と思った、きっと貴女は孤独という言葉すら知らないのだろう】
【それならば孤独という定義を与える行為にどんな意味があるのかを】
【けれども、そのまま大きくなって、現れるあなたはきっと、とても可哀想な人になるのだから】

【――――彼女が、そうであったように、心にどこか穴の開いた、悲しい少女に】
【気づくことは残酷で、気づかせることは、他人の身を傷つけるよりも危うい行為】
【それでも彼女は剥ぐ、貴女の召し物を丁寧に剥いで、その奥の裸体へとまどろみかけた】
391 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/01/29(火) 00:06:56.75 ID:DbnLNNIBo
>>388

【壊れかけのラジオさながらにひどく、抑揚の無い青年の笑声に月音は一歩、足を引く】
【───なるほど、本当の“恐怖”を教えてよ、という訳か───】
【抱いた怖れを濁すように適当な冗談を頭に過らせて、彼女はこの日初めて、眉を顰めた】


「お兄さん……いえ、レイさん──あなたは本当に、人間なんですか……?」
「少なくとも、私には……その、…とても、人間には見えなくて」「申し訳ないんです、けど……だって──」

【言葉遣いは自然と神妙なものへ移ろい、敵意ともつかぬ鋭い視線で刺すようにして、注視】
【畏怖と警戒と、そこに交わる断片的に窺い知れる情報が、一層の錯綜を呼ぶ】

【混線する思考の中で、“感情の無い人間”なのでは、と仮説を立てたのだけれど──】
【──居てたまるか、そんなもの──そんな、情緒の欠片も無い存在を、認めなくなくて】
【少女は続く言葉を切り出せないまま、意固地にかぶりを振って、視線を地に落とすのだった】


「───へ?」 
「そりゃあ、まあ……奏でてはいませんけど…そんなもので、良いんですか?」

「てっきり、月並みですが──“美しいモノを壊すカタルシス、コレ超気持ち良いィッ!”な感じカナ──……」
「って、思っていたんですけども……そう言われてみれば、確かに夜の森というのは、悲しげなものかもしれませんね!」

【それから暫くして、青年が漏らした言葉に少女ははっと顔を上げ、彼の方へと視線を移ろわせた】
【間の抜けた、素っ頓狂な表情をしていた。眼前に着地、しようとするのに反応して、無意識的に体を半歩引く】

【交戦する事も出来た、けれど、月音自身は敵と判るまでは爪を隠す立ち位置を貫く所存で】
【専守防衛とばかりに、とにかく考えも無く口先から止め処なく、言葉を並べ立ててみる──】
【言われてみれば、陽の落ちた森というのは動体も音源も殆ど無く──どこか、悲しげな印象を与える。感性によりけり、だが】
392 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/29(火) 00:11:16.48 ID:pFgWuYCb0
>>390

わ、っふぅ!

【ボサボサの緑髪を撫でられ、嬉しそうな表情と声を上げてしまう】
【彼女の優しい手付きが、髪を風にはためかせるほど少女は嬉しそうにした】
【今まで、こんなに優しく髪を撫でられたことはなかったのだろう】
【その手入れのされていないボサボサの緑髪が物語っているかのようである】

普通…いつも誰かが一緒に…

【そう言われ、少女の心の浮かんだのは一人の人物像】
【少女は笑顔を彼女に向け】

ベアコは―普通だよ!!とーっても普通だよ!

【元気な声で力強く答えた】
【彼女にとっての普通、それは今の状況なのであった】
【改善しようとは思っていないし、改善するという方法すら頭には浮かんでいない】

【もし彼女が本当に一人であるならば、きっとその意味に何かが引っかかっただろう】
【だが、残酷なことにそれを気づかせるための要素はある人物が脳裏によぎったことで閉ざされてしまった】
【自分が孤独であるということに気付けないままでいることになる】
393 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/01/29(火) 00:14:59.18 ID:rAupUSx8o
>>386

―――……特に君にはな。
だがしかし、俺も君の太刀筋を大会で見たからコレで五分、だ。

【同じ剣士として、彼女の存在は意識せざるを得なかった。故に、この発言―――この感覚は、初めて会ったあの頃から抱いている】
【……お互いの在り方を、ぶつけあったあの夜から。……ライバルと言われれば、少し違う。……同士と言われても、どうなのだろう】

……そう、其れが正しい。 あの脇差を一度握らせてもらったが……指先にその重みが、刃に篭った覇気が奔ってきた。
簡単に使って良い代物じゃない―――が、君なら……きっとその覚悟を全て背負える筈だ

【―――兎に角、彼の中で彼女は「特別な存在」ではあった。はっきりとした思いは、一つ。―――「いつか剣を交えてみたい」】
【だが、その場は今度の大会でと彼は決めている。自分にも自警団という立場が有るために、悪でもない彼女に剣先を向けるわけにもいかないからだ】
【……発言からは、彼女に対する評価が見えた。小さく頷いて語る彼も、彼女を『信頼』しているのだろう】

―――フフ……うむ。 そのように顔を綻ばせている方が、歳相応だし美人に見えるぞ?
―――というか、今までが大人ぶり過ぎだ。 君のような雰囲気を醸し出せる同年代の女子を、俺は見たことがない

【柔和な笑みを零しつつ、そんなことを口にしてみせる。―――そういえば、八攫はいくつなのだろうか? 見た目は若いが、思想は其れを感じさせない程の重みを抱いている】
【……などと疑問を浮かべたが、流石に女性に年齢を尋ねるのは失礼だろうと。出かけた言葉を、喉で抑えた。……話題は、自分の事へと】

……近道が、できたのだ。……カノッサを潰す為の。 「UNITED TRIGGER」―――聞いた事があるだろう? 
自警団が、その近道だと思っていたが、其れよりも此方のほうが近い。だが……カノッサをいずれ葬ることが出来たとしても、ぬるま湯に浸かる我が自警団では……

またいずれ現れる巨悪に、臆してしまう。―――だから自分がどうあるべきかを悩んでいたが……自警団と「UNITED TRIGGER」。……両立させていこうかと思う。
自警団員だからこそ、その新組織のためにもなれるかも知れない。 ……近くにでも、其処のアジトを訪ねてみるよ

【―――結論。それは「両立」という二文字。カノッサを潰すべく、自警団を止めて新組織に入るかを悩んでいたようだが、刃が迷いを断ち切ったようで】
【……瞳の黒は、澄み切っていた。同時に、左腰に佩いた刀を鞘ごと抜いて、差し出す。茜色の鞘に入った、彼の牙、『御代櫻』】

―――最近で言う、「聖遺物」というモノに近いのか? ……我が家の家宝にして、陰陽師に「減魔」の力を付与された刀。其れが我が剣……

【伝統的な櫻の手法で作られたこの剣だが、扱いとしては難しい部類に入るであろう。重心が、剣先に寄っているからだ。その代わり、振り抜きやすくなっている】
【美しい波紋と、爛々と光を反射して輝く刀身。―――牙としては、中々に優れた一品】
394 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/29(火) 00:18:48.58 ID:fet4SUgjo
>>392

【それはある意味触れることの出来ない聖なる園のようでもあった】
【一厘咲き誇る花弁、貴女というそれは美しい色と素材ではあるが、手入れはされてないみたい】
【指先を一度通すたびに、その本来の美しさがまるで万遍の花弁のように美しくなっていく】


でしたら……私からは何も言えません、ベアコちゃんがそれが普通で、それが幸せなら
でも、ちょっぴり残念です――――貴女という存在の中に、私がいれなくて
――――それでも、多分ベアコちゃんは幸せですよ、その方がいらっしゃるのなら


【少し含んだ言い方、貴女が全てを理解してくれる、とは思えないけど】
【言葉に見えることが全てではなくて、その奥の真意ですら、きっと彼女自身も分かっていない】
【でも、その奥にいえる、貴女の思いを一心に受け取る、その人物へと】

【ただ果てない羨望と嫉妬を向けるのはきっと、間違っては居ないのだろう】
【微笑みかけて、優しい言葉を向けて、やがて紡ぐ髪の毛の糸】
【手繰り寄せて縫って、纏うように歌うのだろうか】


さて、と……そろそろ私は時間ですので、帰らせていただきますね
私はソレイユ、ソレイユ=ナイトシェイド、良かったらまた、会ってもいいですか
その時は、スモーキーさんも一緒に――――ね


【そう言って彼女は名残惜しそうに貴女の頭から手を離すだろう】
【残った指先の感触は、ラフなカットをされたダイヤモンドのようでもあって】
【指先に残った破片は研磨されたダイヤの欠片、月に透かしたならとても美しく光るのだろう】

【宵月の形が響く、紡がれた一片の歌が、その身を震わせるかのよう】
【尊い命の断片の、やがて消えていく一瞬の歌、そこに果てない思いを重ねる】
【貴女と交わした言葉すらも、きっとその音律すら、破片も匂わされないのだろう】

【彼女の残り香が一葉、貴女の前で揺れて、消えた――――】


/お疲れ様でしたー!
395 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/01/29(火) 00:22:02.01 ID:Bq32sCzso
>>382

【強く握り返す掌から、少しずつ震えが抜けてゆく。それが素直に、嬉しいと感じられる】
【自分の言葉が、行為が、処方箋めいて少女に齎す効果を、青年は概ね好意的に受け止めていた】
【──単なる安い気休めだけで、幸せになってくれるのならば。きっと、これ以上に楽な友人(おきゃくさま)はいない】

【理由のない善意。ただ、誰かの為になりたい──裏を返せば相手は別に、少女でなくとも構わない】
【ただ戯れに捨て猫に餌をやるような、無責任で、無差別で、無思慮で、ゆえにある意味、何よりも残酷な奉仕】
【それこそが、彼の本質だった。君が望むなら≠ニいう口説き文句の裏には、常に、だけど、俺は望んでいない≠ニいうエクスキューズが存在している】

────ああ、きっと大丈夫。

【青年がそれでもこんなに柔らかく笑えるのは、きっと、全くの善意から行動しているからだろう】
【悪意は、これっぽっちも無いのだ。──低く落ち着いた声音も、人懐こい笑みも、握った掌も、掛け値なしに暖かいのだ】
【言い付け通りに涙を堪える少女を、いとおしげに見守る昏い瞳。問いも、視線も、笑顔も、余す事なく受け止めて】

【しかし、それでも。彼の胸の奥は、冷え切っていた。意識して被った保護者の仮面が、一切の情動を殺していた】

そう。幸せだね──君のお父さん≠焉A君も。
誰かを思うことができるのは幸せな事だ。だから、その気持ちを大事にね?

俺でよければ、いつでも相談に乗るからさ。だって俺は君のお友達≠ナ、おまけに何でも屋さん≠セもの。

【もう、大丈夫。他人事めいて冷静に判断を下せば、髪を梳く右手で彼女の頭を一度、抱き寄せてから】
【友達≠セから──予防線としての意味合いを内に孕んだ、曖昧な励ましの言葉を投げて】

可愛い娘の頭を撫でたいと思うのは、男の性さっ!

【腰を上げ、買い物を再開しようとするだろう。──チョコにしろ、買い出しにしろ、急がなければ店が閉まってしまう】
【青年はいつものように軽薄な笑みを浮かべつつ、冗談ともつかない戯れ言を並べながら足を早めて──】

【ただし、握り締めた少女の右手だけは、決して離そうとはしなかった。少なくとも、彼女がそれを望むまでは】
396 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/29(火) 00:26:30.37 ID:pFgWuYCb0
>>394

うん、またな!

【そう言って、消え去る彼女に手を振る少女】

【ポツンと一人残された公園で少女はベンチに座る】

【周りを見ても誰もおらず、夜の静寂のみが響くのみ】

【ベンチに座り、足をパタパタと動かしながら小さく呟いた】

早くスモーキー戻ってこないかなぁ…

【夜の静けさ共に、感じる孤独と寂しさと言う感情】

【彼女の心も、世界と同じように少しずつ変わっていた】

/お疲れ様でしたー!
/機会がありましたらまた絡みましょう
397 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/29(火) 00:27:31.59 ID:UyXOWBkDO
>>391
いやだなぁ、言ったじゃないか―――
僕はちゃんとした材料≠ニ作り方≠ナ出来た、人間≠セって

きっと分解したって、君と同じ臓器があるし、君と同じ数の骨がある
肉も骨も血も…人間の君と同じだよ
…でも最近思ったんだ、僕はきっとある所が未完成だって
君がさっき示した場所が、上面だけの空っぽなんだ

【『人間なのか』の問いに、返す答えはYES】
【しかし、その答え方はどうにも不自然だ、普通に生まれた人間が材料≠セとか作り方≠ネんて言うだろうか?】
【それに続ける言葉はやはり何かがおかしくて、剣の根本を自分の胸に宛てながら紡ぎ終えると、手を降ろす】

…そうだね

【降ろした手を、ふと挙げて、前習えの様に挙げた両手を、夜久に向ける】
【すると次の瞬間、光の剣が手から離れ、銃弾のように撃ち出された】
【―――が、それは夜久の両脇を摺り抜け、森の木に突き刺さり、やがて粒子となって溶けて消える】

うん、やっぱり、演奏もしてないのに音楽を壊せる訳ないものね
やめておくよ、また今度にするね

【挙げていた両手を降ろしながら、子供のように無邪気な笑い顔でそう言った】
【音楽を壊して悲しみを感じるには、壊す音楽がなければいけない、今の彼女は音楽を奏でてはいないが故に】
【また今度、今度は演奏している時に―――】

―――そうかぁ、こういう感じが、悲しい≠チて事かな
…何と無くわかるけど、やっぱりわからないかな

【夜久の言う夜の森を眺め、理解したいが感じ取れない旨を語り】
【地面を蹴ると、光の翼でふわりと浮いた】
398 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/29(火) 00:43:09.91 ID:Oj2XeB4Wo
【少し時間を遡って=B田園地帯は『夕映えの下』】
【橙色に輝く空から、一羽の鳥が墜ちていく】
【あまりに広い翼と細長い身体の芯は、来る年を待ちきれぬ凧のようで】
【地面を睨む顔は人間にそっくりな。そんな怪鳥が墜ちていく――】

【――その軌跡を追うのは、少女の蒼い瞳】

『影が大きいから簡単であることだなあ。……さて、決着を付けよう』

【脳裏に響く声に促されるようにして、彼女は予測落下地点へ駆けた】
【空を滑り落散る鳥は羽ばたくことすらできず、土煙を上げながら大地に激突し】
【それでも勢いが殺せず、何歩分も骨身を擦って漸く止まる】

『あれは暫く立てん。私が助けるから、首を糸でねじ切るのだ』
「…………はぁっ。いまいち気が進みませんが」

【少女の首には、マフラーのように紫色の煙が巻き付いていた。それとは言葉を交わす事ができる】
【息を切らす宿主と違って、煙にはからからと笑うぐらいの余裕があった】

『ヒトの顔をしているからか? なら気にするな。あれは慈悲の一撃を望む怨念の一形態よ』
『くー・ど・ぐらーす≠ニいうものだな。さあ行け!』

【そういうわけでは無いですけど、と小さく言って】
【もがきながらイツマデイツマデと泣く鳥の首に、彼女は焦点を絞った】

【右手に握った異形の剣・蛇腹剣を、手首をしならせて振るえば】
【幾つものセグメントに分割された刃付きのワイヤーが巨鳥の首めがけて伸び、巻き付いていく】

「……頼みました」

【頸部を完全に絡め取った時、文字通り彼女の眼の色が変わった!】
【ヴァイオレットの怪光! 思いもよらぬ怪力を発揮して剣を持ち上げ、鳥の首を締め上げ。 ……イツマデイツマデ、悲嘆じみた鳴き声はじきに絶えた。】


【言ってみれば、それは妖怪退治の光景なのだけど】
【閑静な土地で、一人の――――――――――少女によって行われたそれは、なにかと波乱を起こすかもしれない】

/持ち越し確実ですが投下してみます
399 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/01/29(火) 00:46:58.14 ID:DbnLNNIBo
>>397

【びりびりと、空気が振動するのを知覚した瞬間だった、自らの肩先を、光の刃が掠める】
【撓り始めていた背筋をしゃんとさせて】


【「やっぱりそれは人間じゃ」、数瞬前の男の言に、反証しようとして止めた、口を噤んで渋々、頭を俯かせる】
【堂々巡りになりかねなかったし、何より、自らを人間であると豪語する彼を、信じたかった】
【今は無情でもいずれ、何かをきっかけにして芽生える事が、あるかもしれない──ならば】

「──お手伝い、しましょうか?」「あなたの、空っぽの心を埋める、お手伝い……です」
「人間なんですから、“人間らしい事”をすればいい…そうすればきっと、あなたのそこも」

【──ならば、それを介添えるのが自らの役割ではないかと、月音は考える】
【未知との遭遇、自らの思う正義の成就、それこそが月音が故郷を出立した理由であり──】
【目の前の、いささか“非日常的”な青年は、そんな彼女の願望を満たすのに、うってつけの存在だった】


「お気を悪くされるかもしれませんケド、赤ちゃんが性格を作っていくのに似てますね」
「……その作り方に、心のそれが入っていなかったっていうのは……少し、不思議に思いますけど」

【言った所で、月音はもう一つ、新たな疑念が胸中に生じていた事に気付く】
───彼は真っ当な成長をして、今に至っているのだろうか───
【材料と製法だなんて、いかにも“物然”とした語らい方が、やけに引っ掛かるのだ】

───ともすれば、養殖の人間なのかも───
【と、推論を導き出すのと同時にシュールな情景が頭に浮かんで、思わず『プッ』と噴出すのだった】
400 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/01/29(火) 00:48:31.96 ID:DbnLNNIBo
>>399
/うへえ、えらい途中送信…… 端折り気味ですが、これで補完をお願いします!

【びりびりと、空気が振動するのを知覚した瞬間だった、自らの肩先を、光の刃が掠める】
【撓り始めていた背筋をしゃんとさせて、「……そうですか」、と】
【どこか“悲しげ”に、それでいて、安堵するような溜息を吐き、胸を撫で下ろす】
401 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/29(火) 00:52:08.51 ID:mGQsSXtK0
>>395

【――海べりのあの日みたいに、抱きしめて欲しいと、ふと思った】

【彩を失くした世界。何もかもが黒白で、つまらなくて、くるしくて、きえてしまいたくて、】
【真っ黒に口を開ける海。飛び込んだなら楽になれるかと心の底から考えた、あの夜】
【抱きしめてくれたその暖かさを、今でも、よく覚えていたから】

――――……。

【何かを紡ごうとした口元。けれど、結局言葉にはならなくて】
【――それを強請るべきはきっと彼じゃないから】

【そのかわりのよう、繋いだ手にぎゅっと力を、篭めてみる】
【今は、今だけは、間違えても離れないように――】

【――――結局、彼の裏側なんて、気づかない、気づけないままだ】

……う、ん、……ありが、とう――――っ、

【“お友達”“なんでも屋さん”――張られる予防線。立ち入り禁止の黒黄のテープ、】
【気づいているのか、居ないのか。彼女が返すのはちいさな笑顔で――】
【信用しきって、ほぼ脱力した身体。抱き寄せられれば、そのまま、その身体は動く】

【――或いはバランスを崩して彼の身体に体重を一時でも預けることになるのだろうか】
【それだとしたら気づくはずだ。その身体。おかしなぐらいに軽くって、まるでひとじゃないみたい】


【そうして、お買い物の再開。切り出されれば、そういえばと思いだしたよな表情をするのだろう、忘れていたらしいけれど】
【見下ろすのは左手の中、僅かに凹んだ箱のチョコレート。オレンジピールたっぷりらしいそれ――胸に抱いて】
【それから、他のチョコレートにも手を伸ばす。少し迷った後手に取るのは、可愛らしく柄で飾った詰め合わせ】
【――右手は彼の手を今は意地でも離さないから。少しばかし、苦心したりもしたのだが――まあ、余談か】

【かん、かん、かこん、彼が急ぐなら、必然的にこちらの足音だって、早くなる】
【背の違いから来る歩幅のズレ。一生懸命ついていきながら、お買い物。付き合うのだろう】

【――当然ながら、チョコレートの二つは自分でお買い上げ、だ】
【一つはラッピングしてもらっていたようだけれど――父親に、だろうか? ――そんな、まさか】
402 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/29(火) 01:10:51.44 ID:UyXOWBkDO
>>399
手伝う?
―――うぅん、どうかな、出来るだろうか
人が必要な物は、その本人にしかある場所がわからないよ

【空中を後ろに滑りながら、手伝い≠フ申し出に返すのは軟らかい否定】
【『自分の欲しい物は自分で探す』ある意味男らしい答えではあるが】
【きっと、『自分にもわからない物が他人にわかる訳がない』というのもあるのだろう】

そうだね、君達は、赤子として生まれ、体が大きくなるのと同じく心が出来る
でも僕は違うから、体が大きくなる為の時間はないし、心を作るのは後回しにされていたんだ
…うん、僕が君達と同じくらいの心を手に入れるには、単純計算でももう数年はかかっちゃうな

【自分の情報を語る度、不確かな部分が増えていく】
【おそらく彼は、別段自分を特殊だとも思っていないのかもしれない、自覚していないからこそ、さもよくある事かのようにこうして語る】

…そうだね、僕はそろそろ行くよ
また会おう、その時もあの音楽、聴かせてほしいな

【ふわふわと浮いていた体が、急にスピードを上げて、空へと昇る】
【まるでそれは流星のように、光を散らしながら夜が近付く空を飛び去っていった】

/お疲れ様でした
403 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/29(火) 01:21:10.56 ID:2mF9HUI40
>>393

……あら、あれで凡てを見せたつもりはないわよ?
まあ………貴方が五分だと言うのなら、私もそれで良いけれど。

【多少勝気な声でそう語るのは、自信の表われの様でもあり―――
 剣士としての敬意ゆえに、“対等”を望む様でもある。僅かな情報量の差に、明暗を分ける可能性を。】

【彼の神速にして変幻自在の居合。そしてそこから派生する数多の、熟練の剣技。 
 対する己は超速度からの“即応”と、その熾烈なる剣技を以て相対し―――――】

 (……確かに読めない勝負になるわ。)
 (敗けるつもりは、ないけれど――――)

【その結果がどうなるのかは、今の彼女には分からない。
 それは彼とて同じだろうか。……同じゆえに、剣を交えるのだろう。】

【確信めいてそう思考、そして次は彼の“迷い”の答えに話題が移る。】

  【……やはり、再び“答え”に一人到った。】

【そこでそんな思考が浮かんだのは……きっと彼女が、彼を高く買っているからなのだろう。】
【だから紡ぐ言葉は同意のそれ。目を瞑りながら。】

……良いんじゃないかしら? 貴方に関してなら私は賛成。
私には、ありえない事ではあるけれど―――

貴方の戦いの形がそれなら、「向いてる」事だと思う。

それじゃ、少しだけ失礼するわね………

【作法通りに構え、ゆっくりと鞘から抜き放ち“鑑賞”。
 ……「一礼」を彼の居ない方向を向いてやったのは、彼女らしいのかもしれず。】

(―――――――…………!)


【…………そして。】

【重心のバランス、刀身の容、地鉄、etc……あらゆる情報がその一振りの重みを示す。】
【貴(たか)く強く迷いなく―――― 研ぎ澄まされた一つの存在(ちから)を、さらなる高みへと押し上げる。
 始点に到るに先ず熟練を求め、その後もたゆまぬ修練をその主に望む――――】
【この一振りは “そういうもの” だと、手に取る瞬間に伝わってきた。】

【それは彼にはこの上もなく似合いだ、と。彼を認めるようにふと、そう心に浮かべながら……、】


………ありがとう。今は、観るのはこれで終わりにさせて。
そうしようと思えば、私は、それこそずっと“観て”しまいそうだし――――

……それに、これだけは言いたくなったわ。
貴方たちはお似合いで、相応しいもの同士役立ち、お互いの良さを引き出しあってる――――

……少なくとも私はそう感じてる。あながち間違ってないとも思うわね。

【そんな風に再び口を開くだろう。隠しきれない目の輝きを、橡色の双眸に湛えて。】

【相変わらず取り澄ました表情ではあるものの、彼の知る彼女には珍しく(?)、はしゃぎ気味の様子が垣間見えるだろうか。】
【いつの間にか口数も増えて、声色もどこか年相応。】
【「刀に関わる者」としての彼女の原点も、そこに、見出せるのかも知れず――――】

/物凄く遅れて済みませんっ……orz
404 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/01/29(火) 01:22:31.57 ID:DbnLNNIBo
>>402

「です、よね……ごめんなさい」「でも、考えが変わったら、いつでも言ってくださいねっ?」

【少し、独善的な考えに過ぎるだろうか──しゅん、と首を萎れさせて、溜息】
【先程まで感じていた恐怖は、既に無かった。と言うよりも、“隠れた”とするべきだろうか】

【推論が恐らく、的を得ていた事に内心拳を握り締めつつ「では、また」と手を振り見送って】

「……あ」

【───お茶、冷めちゃいました───】【──気付いたのは良いけれど、時既に遅し】
【深夜、冷え切った茶を飲み干し、寒さに凍えながら山を降る月音の姿があったとか、無かったとか】


/お疲れ様でしたー!
405 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/29(火) 01:25:58.70 ID:2mF9HUI40
>>393
/>>403のラストに、

【言葉を紡ぎ終えると「御代桜」を再び鞘に納めて、彼に手渡そうともするだろう。慈しむような丁寧さ。】

を追加お願いしますっ…
406 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/01/29(火) 02:02:00.70 ID:rAupUSx8o
>>403

―――いや。まだ俺が有利過ぎるな……
ふむ、では……先程の剣技、軽くだが解説しよう。聞きたくなければ耳を塞げば良いさ

【勝気な声には、不敵な笑みを。 ―――神速の剣技を繰り出す彼女の怒涛の攻めを、彼の熟練が凌ぎ切れるのかも解らない】
【此方が「静」の剣なら、彼女は「動」。此方にはない韋駄天の如き速度は、脅威。……しかし、技術なら、引き出しの多さなら――】
【……負けない自信が、あった。彼女が耳を塞いでも、聞こえるように大きな声で言うだけだ】

―――あれは我が流派……一刀正伝唯刃流でも「最速」の居合。
「最速」と言っても、其れは剣速の事を指してはいない……我が唯刃流の「最速」とは、即ち「最短工程」……
剣を抜くまでの動作が最も短く少ない……それだけを突き詰めた結果―――腰の捻りを無くし、軌道に無駄を省くなどの結果……

                 ―――居合の常識を、覆した。其れが……「裏居合・逆抜」

だが……弱点は多い。全てを「最短工程」に注ぎ込んだ結果、打ち合いには力負けし、逆手で利き手ではない為にその後の攻撃に繋がらない……
故に外すと、大きな痛手を喰らう羽目になる……が。―――――「最速」の代償……その程度のリスクは嫌がることもなく背負ってみせよう

【軽いメカニズムから、弱点まで。洗い晒しに口にしてみせる。―――言い終われば、笑みを再度浮かべて】
【「コレで奥の手が一つばれたな」と、溜息を吐きながら、橡色の瞳に言葉を投げた】

……そうだな。俺の道と君の道は、在り方は違う―――鍔競り合った刀のように、交差している筈だ。 
だから、俺は行く。戦う。カノッサを、巨悪を滅し……水の国の、いや俺の瞳が捉える範囲全ての人々を、可能な限り―――護ってみせる

―――それが俺の、闘う理由になったから。 

【持たざるもの、持つもの。そんなことに拘泥するのは、もう止めた。―――いや、まだ身体にこびりついてはいるが、少なくとも自らが戦う第一の理由ではなくなった】
【出会った夜に、確か言われた。―――お互いの道は違うと。今度は、自分の方から、そう告げた】

―――フフ、俺も好きだぞ……? 
……ぼーっとすることも稀にあるのだが……その時は、刃紋を良く眺めている。名刀というのは、何時見ても飽きない。
其処に関しては、君と同じ人種と言うことだな……

【初めて見る彼女の「幼い」部分に、思わず笑みが零れた。……ギャップというのは、こうも面白いのか、と思わせて】
【もし巨悪が退き、世の中が落ち着けば……名刀、妖刀巡りでもしてみたい程、彼は刀に惹かれるものがある】
【邪悪が宿った、血を吸って伸びる黒刀―――そんな危ないものも、剣ならば手を出してしまいそうになる。……まぁ、其れも何処かに消えてしまった代物と聞くが】

/大丈夫ですよ!レポートしながらやってるのでー!
407 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/01/29(火) 02:03:56.59 ID:rAupUSx8o
>>406
/早速訂正……>>405見るの忘れてた……
/【彼女のお墨付きを貰った自身の牙を、元の位置に収めた】
/を追加でお願いします!
408 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/01/29(火) 02:24:11.33 ID:Bq32sCzso
>>401
【何もかもが、少女の望んだまま。常日頃から冷静に、一歩引いた視点から青年を観察するものがあれば】
【きっと、間違いなくこう言うだろう──「鏡とでも話しているようだ」と。彼は、どこまでも受動的なのだ】
【仮に能動的に見えても、それはきっと独りでに人の願いを汲み上げたから。少女とは異なる意味で、青年もまた人形めいていた】

(……軽い。何を食べて育ったら、こうも軽くなるんだろう)
(本当に──人形、みたいだな)

【ふと頭の中に浮かぶ、小さな疑問。引き寄せられるがままに傾ぐ少女の身体は、あまりにも軽すぎる】
【食事の問題ではないのだろうな、と、適当に当てを付ける。拒食症やら虐待やらの線は考えられない】
【では、どうして?──そこに思考が及んだところで、今更になって気付く】

(ああ、そうだ。……そういえば俺って、この娘の事、あんまりよく知らなかったっけ)
(──まあ、いいや。誰の心にだって、踏み込まれたくない場所はあるさ。俺は当たり障りなくやった。だからこの娘は、笑ってくれた)

(それで、いいんだ)

────どう、致しまして。

【自分は、そういう事をとやかく言える立ち位置にはいないのだ──だって、ただのお友達≠セから】
【静かに、胸に去来する虚しさを押し[ピーーー]。青年にとっては、慣れたものだった】
【自分から予防線を張っておいて何を今更と、くつり、喉奥で一つ自分を嘲笑って】

【そこから先は、驚くほどなにもなかった。少女が無理をしている事に気づけば、いつかのように歩調を合わせて】
【特筆するには及ばぬような当たり障りない会話を並べつつ、淡々と買い物籠に品物を放り込む】
【片腕の塞がった状態での買い物にも、慣れているのだろう。難儀するような事もなく、野菜やら肉やら魚やらを買い進めていった】
【購入した品物は至って平凡な食材ばかり。凝った調味料と酒類がやたらと多いのが特徴ではあったが、男の自炊生活にはよくある事だ】

そのチョコレート──お父さんに、だよね?喜んでくれるといいね、鈴音ちゃん。

【ああ、そうそう。先程のパティスリーに閉店間際に駆け込んで、チョコケーキを1ホール購入したのも、忘れてはいけない】
【──最近流行りの逆チョコか何かだろうか。あるいはまさか、自分で自分に?だとしたら、寂しいことだ】
//ぐわあ、時間が……重ね重ね大変申し訳ありません
//もうそろそろ〆る感じでしょうかー?
409 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/29(火) 02:58:57.99 ID:mGQsSXtK0
>>408

【例えば、路地裏で寝転んでた猫がかわいかった、】
【例えば、風が強くって髪がぐしゃぐしゃになった、】
【例えば、例えば――】

【どうでもいいようなお話。その結果の利なんて凄く薄いはずなのに、きっと彼女は嬉しそうにしていたはずだ】
【何も怖くない、辛くない、それでいて寂しくもない。――何の利もないような雑談を、彼女は好む傾向にあるから】

【それでも。時折、話題の流れで口に出すことだってあるのだろう、だいすきな父親のこと】
【曰く、この三つ編みはお父さんに編んでもらったとか、いつも編んであげるの、とか、おそろいだとか、】
【この前ぬいぐるみを買ってもらったとか、いっぱいいっぱい抱っこしてくれるとか、一緒に寝てるとか――】
【――しあわせのかけらたち。その表情を見たなら、きっと、幸せそうにきらきらしていたのだろう】

【お買い物。かつかつと後ろをついて回って、じぃと眺める】
【自炊するんだなんて思いながら――見知らぬ調味料には、これなぁに、なんて。尋ねたりもするはずだ】
【魚醤とかカピとか、地味に知っていたりもするけれど――臭いのキツいものには触れたことがない、らしい】

【そうして、お買い物を済ませて。お会計も済ませれば、】

……――あげる、

【彼のその言葉。一瞬だけきょとんとして、すぐに緩く首を振って、否定する】
【言葉の通り差し出すのは、小さな紙袋――中には、淡い桜色で包まれた、小箱】

ちょっと早いけど、――お礼、だから。

【「だめかな」なんて風、小首を傾げて――受け取ったなら、嬉しそうに笑ってくれる】
【断ったなら。そう、なんて。何もないふりをして、けれど刹那に視線が泳ぐのだろう――押しつけなんて、しないけれど】

【――大好きな父親には、一から作るそれ。大好きな友人には、出来合いのそれ】
【青年のこと、好きだと思う。大事だとも思う。けれど、父親に抱くものには、ずっとずっと、足りなくて】
【少しでも他人が関わった部分を減らしたい。私が、私ばかりが関わって、総て、全部、わたしのものにしたい。わたしだけをあげたい、なんて】

【自分ですら、その独占欲を理解しきっていないのだから――ああ、もう、どうしようもない】

【その後。帰ると告げるのはどちらにせよ同じで、変わらない】
【「またね」。鈴の音の声が最後に告げて、ふらり、その姿は闇に融けて消えた】


【――そうして帰る自宅。その空気がいつもとどこか違うと気づけば、結局子どもみたいに泣いてしまうのだから】
【快方も、快復も、成長も、程遠い。――二年経ったって一ミリも育たないなら、さて、何年待てば育つのやら――】

/そう、ですねー。おつかれさまでした、ありがとうございましたー!
410 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/29(火) 03:17:24.42 ID:2mF9HUI40
>>406

(……な……!?)

【驚愕に目を丸くする。秘剣を、切り札を彼自らが明かしていた。】

【……「左手で、左腰の刃を、繰り手から見て左側へと抜き放つ」――――】

【斯様な居合の業があると、又聞きではあるが聞きかじった事はある。
 剣士として抜刀術への警戒は必須。
 ゆえに 「左側に廻り込むという、ある種短絡的な策」への戒めも―――……意識には、剣士と見(まみ)える際には確かにあった。】

(………けれど、これはそれとも違う。寧ろ、これなら―――――)

【……だが、それらは純粋に最短行程を求めたものだっただろうか? 恐らくは否。
 多くは“死角を補う”ものであろうし、ならば重きを置くのは最速ではなく精度だろう。
 つまりは「速度を求め、敢えて急所となる“左側”に誘い込む」 という発想自体が、彼女には驚くべきものだった。】

【この情動を表わそうとするなら………頓悟か、或いは目から鱗か。】
【どんな形容をするにせよ、彼の「裏居合・逆抜」 が、彼女にさえ想像の外だった事は間違いない。】

………本当に……信じられないほど大した自信ね。
技と同じくらいに驚ける――――

【そんな秘剣に純粋に感動しつつも、零した言葉は相変わらず“素直じゃない”。
 けれどその楽しげな、柔らかな表情は、あどけなくさえも見えるだろうか。】


……けれどそれじゃ私の気が済まない。
だから少しだけ明かさせてもらうわ―――――……貴方風にいう “隠し札”を、ね。

【そうして元の表情になって、再び口を開くだろうか。橡色の双眸に光を増して。】
【彼女なりに“燃えて”いるのだろう。だからこそ、どこか張り合うようにフェアであろうとする。】

――――………… 「比翼」。
この言葉を鍵とした魔剣が、今の私にある理の斬撃。それも―――……貴方には見出せるのかしら?


【――― 「次に会う時まで、楽しみね」。】

【そう続けて明かした“切り札”のひとつ。正確には、その片鱗なのだが。】

 【……“魔剣”に対しての彼女の価値観は、先に述べた通りのもので――――……】
 【その上で選ぶこの行動は、彼を、それだけ信頼しているという事なのだろう。】
【“その技”への自信と意固地さも、少なからずあるのだろうけど。】
【そしてそこまでいい終えて、彼への別れを告げようとする。ふっと、どこか名残惜しむ様に。】

それじゃお休みなさい、“唯刃流”の正義の味方。
今の貴方となら……いい立ち合いができそうに思うわ。

【それは最大級の賛辞なのかもしれない。日常を想うがゆえに戦い続ける、“孤剣”としての彼女には。】

【そして始めた、踵を返す足取りは、どこかぎこちなく/深い手傷を負っている様で。】
【今宵、これまで、それを感じさせなかったのは、きっと彼女の意固地さと―――― それに、矜持によるのだろう。】

【……自分とは違う、確かな“道”を歩むひとりの剣士。】
【気遣われたり、“傷”に失望されたりじゃなく ―――― 彼とは、競い合うに足る好敵手でありたい。】
【きっと失望などしないのだろうけど、剣士として“そうしたい”、と……知らずのうちに微笑を浮かべて、そう、少女は強く想った。】



/遅くまで本当にお疲れ様でした! ありがとうございましたー!
/剣士同士の刀談義とか、いろいろ話せて楽しかったです…!w 改めて、ありがとうございましたー!
411 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/01/29(火) 03:33:01.80 ID:Bq32sCzso
>>409
//ぐぬぬ意識が……長時間お疲れさまでした、ありがとうございました。
//それでは、おやすみなさいませー!
412 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/01/29(火) 04:05:15.49 ID:rAupUSx8o
>>410

【確かに彼女が思う様に、逆抜は「死角を補い、弱点を狙う所を逆に狙い撃つ」という役割を持っている】
【だが彼女の予想に反して―――「純粋な最短工程」から生まれたのは、事実。あくまでこの技の最も秀でている部分は、その速度に有り】
【……捻りも無く、居合の初めが―――何処からその居合の動きが始まっているのかが、非常に見えづらく、感覚で言うと、剣が瞬間移動しているようなのだ】

……奥の手の、一つに過ぎないがな。 「裏」は居合だけはない……
それを引き出すかどうかは、八攫……君次第だが

【―――やはりこの眼前の少女は、彼の心に炎を宿してくれる。 瞳の刃をより一層鋭く研いでくれる。其れが愉しくて、嬉しい】
【燃えているのは、彼女だけではない。―――彼が剣を振るう理由は、彼女と戦う為……彼女の期待を裏切らない為でもあるのだと、気付く】

―――フフ、俺と君の刃はまるで違う。……俺の刃(在り方)は君には真似できないし、君の刃(在り方)は俺には真似できない。
……戦った時に、是非驚かせてくれよ

【明かした「隠し札」、比翼と言う言葉……考えようともしない男。考えたって無駄だ、どうせならその場で味わったほうが楽しめる……】
【そう言いたげな笑みには、余裕が見え隠れしていて。―――そして、楽しそうな感情が溢れ出していた】

―――言っておくが、負ける気はしない……なあに、年季の違いと言うものを魅せつけて進ぜよう
………戦う場は、大会が相応しいな。 ではその時に。 いい夜を……チャンピオンの、八攫 柊。

【―――好敵手。 やはり、そうなのだろう。 まさか、この少女が自分の心をここまで熱くする存在になるとは、夢にも思わなかった】
【若くとも、女でも……彼女は、強い。―――「心・技・体」。どれも揃っている。だからこそ……彼女と刃を交え、勝利したい。そしてその先に、何が得られるのか―――】
【何があるのかを、知りたい。きっと彼女が、俺の刃を更に鋭く、強固に叩き上げてくれる筈だ。―――これは、中邑 瑛月の良き好敵手、八攫 柊に送る賛辞】

―――我が好敵手よ……その時の為にも、俺は牙を研いておく。 ―――決して失望させるなよ?

【乾いた風が身体を冷やし、彼の黒髪を靡かせる。風がその言葉を遮ったかもしれないが、確かに彼は良き好敵手の背中にそう告げていた】

/ありがとうございましたー!
413 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/29(火) 17:03:59.59 ID:LIQVznh5o
>>372

”この国の宵闇”と”貴方の魔翌力”を混ぜた!?
唯でさえ遺跡に祀られている様な蛇さんなのに……そんなことしたら…

でも…でも貴方の部下になったわけじゃないかもしれない! 自分の意思で逆らうかもしれないじゃない!

【男が言い放った言葉はこれまた衝撃的な物だった】
【この国を包む闇の様な宵闇に今対峙している男の強い魔翌力が、遺跡に祀られていた蛇に注入されてしまえば蛇は大きすぎる脅威になる】

人間……ううん、人の心ってそんなに弱いものじゃないんだからっ
だから____希望だってそんな簡単には砕けないんだからぁっ!!

【男にどれだけ侮辱されても嘲笑われても決して少女は折れない】
【少女にとっての希望は少女自信が砕けない事、だから少女は絶対に絶望なんてしない】
【いや、今絶望してしまえば本当に男に負けてしまうことになるから絶望なんて出来ないのだ】

______………当たって!

【今少女ができる事と言えば、近づく蛇に空気弾が当たることを祈るしかない】
【どうやらその願いは天に歪んで伝えられたらしく、蛇は炎を吐いて空気の弾を迎撃した】
【まだ天は少女を見放したわけでは無いらしく、空気の弾は蛇の頭部に何とか直撃してくれた】

当たった!? 蛇さんには悪いけど…よかったぁ…
__________あれ?

【蛇の攻撃を防げた事に対し安堵の息を漏らす少女】
【そしてそのときに気付いてしまった、男の体に見た事の無い傷が付いている事を】

もしかして……もしかするかもっ!

【「フリゾール」と呼ばれたフクロウは少女に向かって一直線に進んできた】
【悪魔の傷は男の傷と連動する、その仮説が立った今少女が取る行動は一つ】

フリ何とかさんごめんなさいっ!

【飛んでくるフクロウに向かって片手を突き出して走り出す少女】
【少女の片手からは絶え間なく魔弾が発射されていた】
【そしてフクロウが手の届く範囲に来れば、容赦なく掌で魔弾を炸裂させて当てようとするだろう】

でも…でも自分の為に働いてくれてる物にそんな事言えないよ!
皆が力を合わせてるから強くなれるのに……そんなのに気づけないなんてバカだよ!!

【部下であっても餌であっても自分の為に働いてくれている事には変わりない】
【そしてその犠牲の上に自分が成り立っていると言う事にもきっと変わりは無いはずだ】
【それを卑下するなど、今までの犠牲を冒涜する行為であり、死んで行った者達を侮辱している行為】
【「そんなのは違う」と唇を噛み締め、男の心に響く事を願いながら伝えるのであった】

/遅れてしまって大変申し訳ございません!
414 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/29(火) 17:43:08.84 ID:Q42qTTfGo
>>413

そんな事したら……? 更に強くなりッ、俺様の力となるんだよォォオオ
そして、一度俺様の部下になれば、もう俺様のモノ――逆らえるはずがないのさァァアア

【もう逆らえないという、強い断定の言葉――本当かどうかはともかくとして】
【こんな、心身ともに悪魔なこいつを野放しにしていては……危険ッ】

だったらそれを見せてみなァァアア
テメェーら人間共が思っている程、人間共の心は強くねェって事を証明してやるからな


【――さて、頭部に裂傷を負い、そこから血を流す悪魔】
【最初の"餌蜘蛛"の時は気づかれなかった――"フィードバックダメージ"ッ!】
【本来よりも少ないダメージ量とは言え、効果がないわけではなく】
【"直情的"な性格の持ち主であるこの悪魔に対しては――精神的な面でも、効果を発揮する】

シュゥゥウウーーダァァアアーーッ、今のはかわせって言ィっただろォォーーがァァアア
人間共に似せた"この姿"じゃあ、テメェーのダメージもこっちに少し来るんだぞォォオオ
おい、まだ動けんだろ? さっさとあの糞野郎に返してやれッ!

【今までの、余裕と自信に溢れた表情から一変、怒りをあらわにし始める】
【――ぺきり、どこで拾ったのかは知れぬ小枝を握りつぶして】

フゥリゾォォオオーーーールゥゥウウ、テメェーも当たったら許さ……なァッ!?

【その怒りは、使役を阻害して――フリゾールに回避の命令をするのが遅れた】
【容赦無い、魔弾の炸裂――突進のフォームは、頭部が前】
【ガァッ!】 【魔弾の炸裂で墜ちるふくろう、そして――】
【脳天より鮮血を溢れさせるのは、悪魔の方】 【だらりと流れるそれは、顔に赤い線を引いて】

……ちィッ、俺様が作り、俺様が部下とした奴らが俺様の為に働くのは当ォ然の事ッ!
そして、餌蜘蛛はあくまでも餌――、テメェーらが"小魚"を食うのと一緒で――奴らは餌でしかねェェエエんだッ
良いか、強さの踏み台に――ツマミに情なんて要らねェんだ、この糞野郎がッ!!

餌蜘蛛も手を加えりゃあ強くはなるがなァァ、それに餌蜘蛛が餌である事の文句は産み親の"コモスダ"の野郎に言え! ――まァ、この世界にはいねェがな!

【そして魔法陣を生成し、そこよりいずるのは――羽毛に覆われ、鳥の顔を正面に持ち体の大きさに見合った翼をシートのやや後ろに持ち】
【タイヤはバイクのそれと同じで、脚は無く、普通のバイクより軽いだろう鳥バイク――あれ、こいつ逃げるつもりじゃあ……】
415 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/29(火) 18:16:37.31 ID:LIQVznh5o
>>414

自分の力で強制的に屈服させるのは部下なんかじゃないよっ! そんなの奴隷だよ!
そんなの可哀想だよ! 貴方も!捕まった物達も!!

【男の言葉通り、意思を持たずに動かされているのだとすればソレは部下ではなく人形】
【そしてその事に対して両方が可哀想だと声を荒げて批判する少女】

今すぐには見せれないかもしれないけど…いつか絶対気付く日が来るからっ!
貴方が思うようになんて絶対に絶対にさせないんだからぁっ!!

【この世が本当の混沌に塗り替えられる事なんてない、それをもう一度大きな声で断言した】

【男の体にダメージがフィードバックすると言う仮説が通るのだとすれば、先程から行っていた本体攻撃はあまり意味が無いわけで――――】
【だとすれば話は簡単、蛇に魔弾をぶつけ続ければ良い話】
【男と違い体の大きな蛇には攻撃も当たりやすく、男に損害を与える良い的になる】

やっぱり! やっぱり蛇たちが受けたダメージは返還されるんだねっ!
だったら蛇さんたちには悪いけど――――――

【直情的な男はあっさりとダメージがフィードバックする事を口にした】
【勿論、そんな有用な情報を少女が聞き逃すわけも無く】

【男が怒ってくれたおかげでフクロウに数発の魔弾が命中し炸裂した】
【フクロウに対して物凄く罪悪感が沸き上がったが、今そんな事で気を取られるわけにはいかない】

やっぱり…やっぱりダメージは返還されるんだねっ
それだったら………あ、でもそんな事……

【男にダメージを与えるには召喚獣を攻撃すれば手っ取り早い】
【そして自分の目の前には攻撃が直撃したフクロウが墜ちて倒れていた】
【このフクロウを殺せば――― 一瞬だけそんな考えが頭に浮かんでしまう】
【だが寸での所で思い留まり、魔弾を発射するまでには至らなかった】

強くなる為に弱者を踏み躙るなんて間違ってるよ!
そんな事して手に入れた強さなんて本物じゃない! 脆くて壊れやすい偽物なんだよ!
それに気付けない間は絶対に強くなんてなれないんだから!

【自分のために散っていた獣達を踏み台としか思っていない男を、少女は間接的に弱いと言い放った】
【”コスモダ”と言う名前が耳に付いたが、今はこの男の事の方が先である】

だから!だから考えを改めなおして――――

【その次の言葉を紡ぎだそうとした瞬間、男が新たに何かを召喚した】
【ソレはバイクのようで、どこからどう見ても生きている物には見えなかった】
【そして男がそれを使って男が行おうとしている事に気付いたが、少女には追撃する魔翌力など残っておらず】

【この場から去ろうとする男を疲れた瞳で見つめる事しかできなかった】
416 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/29(火) 18:46:29.38 ID:Q42qTTfGo
>>415

ヒャァアアッハッッハッハッ! "奴隷"呼ばわりとはまた面白い!
――ちゃアんと傷も治してやり、飯も食わせてやって、散歩や旅行も許可している奴らが奴隷なのかァ!
利用出来るだけ利用し尽くすがなァァアア、――可哀想とは微塵にも思わねェーなァァアア
それに、奴らに"意思"がない訳じゃあねェー、……ただ、俺様に"従う事"が"絶対条件"になるだけだ!

【傷を治すのは、傷があったら自分が使役する時の不利益となるから】
【飯を食わせるのは、腹が減った魔物は力が衰えるし餓死したら使役できないから】
【旅行させるのは、ストレスが溜まったら動きが悪くなりかねないから】
【――魔物を養う理由は、どこまでも自分の為のモノ】

【魔法陣の中は一体どうなっているのだろうか、旅行に行かせられるならばどこかの世界に出す必要があるはずだ】
【――そして、魔物が堂々と闊歩出来る様なその世界は一体――――】

曖昧な野郎だ、……そんな"いつか絶対"なんて言葉が信用ならねェェエエのは人間共はよォくと知ってるだろォォオオ
テメェーら人間如きに俺様は止められねェェエエ! 止められねェェーーんだァァアア!

ええい、役立たず共め――シューダにフリゾール! 戻れ! こんな奴より"剥離と纏の鎧蛇"だ

【二匹の生き物は、闇となり魔法陣の中へと消えていった】

弱肉強食! 延々と受け継がれてきたこの摂理は、人間共がほざく友情だとか愛だとか、そんなモノよりよっぽど堅ェー!
そして俺様達ベテアドットは強者だァァアア、――テメェーみてェな甘っちょろい野郎の何百倍もな!
間違っているのは、テメェーらの方なんだよ! 強さの為には弱者の犠牲が必要だってことだ! わかったか、わかれよアホッ!

……ただ、今日はちょっと調子が悪ィ――人間共の世界の空気は不味くてしょうがねェェエエんだ、糞が!
俺様がもっと混沌を運んでやらねェーとなァァアア、今度会った時は"命"を捧げてもらうぞォォオオ、この糞野郎がッ!

【――けして、自分の負けは認めないのがこの、傲慢な悪魔】
【悪魔は、召喚したバイクに跨ると――少女にぶつかるか否か、スレスレの所を通りぬけ】
【そして、宵闇に包まれたこの世界の空へと羽ばたいていった――】

【残された餌蜘蛛の亡骸からは、彼の持っていた"生命と変化の、混沌の魔翌力"が漏れだしていて】
【そしてそれは、いつの間にか周りの魔翌力によってかき消されていた】

/お疲れ様でしたー
417 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/29(火) 18:48:48.31 ID:LIQVznh5o
>>416
/絡み乙ありでした!
/遅レス+雑文でごめんなさい! 楽しかったです!
418 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/29(火) 20:01:54.53 ID:oYtMXo6Oo
【商店街】

えと……お店の物で買うのはこれで全部だよね……
多分、他には足りないものはなかったはずだし……

【普通よりもは身長の低めな人影が歩いている】
【頭を見ると青い短髪で、肩にすら届かない】
【そこから少し視線を下げるとフリルの大量についた、いわゆるゴスロリ服】
【形はワンピース型で長袖、スカートは少し膨らんだ形状、色は薄い黄色だ】
【その下はスカートが長く確認し辛いが、服と同じ黄色のブーツを履いている】
【そして何より目立つのは、頭より少し高い位置に浮いている、人形だ】
【正確に言えば、人形というよりはぬいぐるみに近い】
【デフォルメされており、美しいというよりは可愛いと思わせ、しかし柔らかさよりは硬さがある】
【そんな人形が8つほど、頭上に浮いており、そのうちいくつかは小さめの荷物を持っている】
【そんな、少女……いや、少女というにもまだ幼い子供だ】

あとは……家のものは、確か牛乳がきれかかってたよね……
それとカレー粉もなかったはず……

【手元のメモに視線を落としながら歩いており、非常に危なっかしい】
【今はまだ通行人がよけているが、それがこれからも続くとは限らない】
419 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/29(火) 20:25:06.15 ID:WdaumS8l0

【風の国・エルジオ中央病院前公園】


 破壊された発電所も、渓谷からの有り余る風力発電から分電され、
 首都は元の活気を取り戻しつつある。

 元々、自然エネルギーに溢れた風の国では発電所を一基破壊されてもそこまで痛手ではなかったようだ。

 そんなエルジオの病院の前の公園に、
 座り込む青年が一人いた。

「・・・」

 目には覇気がなく、呆然自失といった様子だ。
 何より彼の左腕の袖は・・・肘から上が空っぽだった。
420 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/29(火) 21:58:55.68 ID:tbjzwEtb0

【静けさに包まれる街の一角――暖かな光を漏らす店が其処にあって】
【外から見る限りでは魔術に用いる様々な用具が飾っており、その殆どが普通の店では置かない――呪われた品や取り扱いに注意が必要な毒物等】
【この店の主もある程度裏に通じている為、その道の者が訪れる事も多く】
【――看板こそ掲げていないが、謂わば何でも屋とでも言うのだろうか】
【狩りから窃盗。護衛や家事等実に何でも請け負うのだが、其れも気紛れなこの女次第で。まともな仕事を断って可笑しな依頼を受けたりと変人としての評判であったり】


「この頃雪続きねぇ……面倒な依頼が来ないのは助かるのだけれど
――――人が全然来ないのも退屈よね」

【頬杖を付きながら、カウンターから外を眺めていればその言葉の通り雪が降り続いていて】
【雪を除ける物を持たずに外を歩いていたならば、ゆっくりと身体を冷やしていきそうな程の量】
【店の前を行き交う人々も白い息を吐き出しながら、早く家で暖まらんと歩を早めて】


「新しい本を買いに行くのも面倒だし……かといって、倉庫の中の本を読み返すのも詰まらないわね
……面白い事でも、転がってくれば良いのだけれど」


【果たしてこの店に訪れるのは、暖を求める者か依頼をする者か、或いはまた別な何かか――――】



【慌ただしく人が行き来する街の小さな喫茶】
【狼の耳と尾を生やした少女が店内の一角。入口寄りの椅子に座っていて】
【――手にしているのは、熱いコーヒーか】
【カップに口を付けて、飲もうとするも――――】


「あちちちち……まだ熱かったんだ……
もうそろそろ流石に冷めたと思ったんだけどなぁ……」

【熱さに思わず目を瞑って、早々にカップから唇を離してしまった】
【一体この動作も何度目だろうか。余程冷めにくいコーヒーなのか、極端に猫舌なのか】
【――未だにもうもうと湯気が立っている所を見れば、前者なのかもしれないが】
【一緒に買ったケーキだけがチビチビと無くなっていって】


「……冷めないのが謳い文句なのはいいけどさ、ここまで冷めないのは流石に不味いと思うよ」

【最近オープンしたばかりのそのお店。興味を惹かれて来店する客は後を絶たず】
【丁度、少女の隣の席のみが空いている状況――果たして、どの様な客が座るのだろうか】
421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/29(火) 22:04:17.17 ID:UyXOWBkDO
【街中】

【ドスンドスンと、重たい振動が街を移動する】
【人々は皆その震源に視線を奪われ、見られたそいつはウザったそうに頭の刺青を撫でるのであった】

あ〜!腹減ったな〜おい!!
ラーメンでも食いに行くか…確かここら辺に美味い店が…

【2mを越す身長でありながら肥満体形の体、赤茶の髪をモヒカンに尖らせ、頭皮には<No.29>の刺青が右側に、髪を挟んで左側には逆五芒星の刺青が彫られ、顔に減り込む色付きゴーグルを掛けている】
【素肌にオーバーオールだけを着て、骨で出来た手斧を幾つもぶら下げ、背中には牛の頭を模した赤い二股槍を背負った男】

…あーん?移転しただぁ〜!?
糞が!俺様に800mも歩かせる気かよ!?本部に支店開かせっぞ!!

【野太い声で不満を叫び、閉じたシャッターから目を離した男は、再びドスドスと歩き出す】
【その見た目と頭の刺青に刺さる視線を、ウザったそうに舌打ちしながら】
422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/01/29(火) 22:10:26.85 ID:Bq32sCzso
>>419
//まだいらっしゃいますか?
423 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/29(火) 22:15:17.44 ID:WdaumS8l0
>>422
エクセルでレポートに悩みながら待機中です!
424 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/29(火) 22:29:29.68 ID:5hQUuRgTo
【風の国――交易都市レナール】

【首都に負けず劣らず多大な打撃を受けたこの街も、徐々に回復の色を見せてきて】
【本来の働きであった交易の流れを汲み、小暗い雰囲気を振り切りつつある】
【それでも人や建物と失われたものは多く、日々再び積み上げんがための支援が果たされていた】

ン、これヲ運ベばいいノ? ああいいヨ、街ノ外側に向かう途中だったから
まだ塀の石ノ切り出しも途中なんだロう?

【物資の需給も釣り合わぬ今、自身の手で賄わねばならぬ物・事も多い】
【故、猫の手も借りたい最中。旅人の声を一度は断りながらも、結局石屋はそれを承諾する】

【一目見て砂漠の遊牧民だろうと分かるほど民族色の濃い異装をした、長身の旅人】
【黒い髪はツーブロックのベリーショート、目は金色のどんぐり眼】
【色黒で口が大きく、目鼻立ちのしっかりした彫りの深い顔をして】
【服装はややくすんだ赤のベストと裾を絞ったゆったりとしたズボン】
【大きな濃い灰色のポンチョを黄色のショールで斜めにしぼっている】
【各所には濃い緑の布製・石製のアクセサリーがちりばめられ、派手な装いだ】

【切り出した石を乗せた荷車は重く、石畳を走る車輪は大きな音を立てる】
【再構築の終わった建物、壊れたままの建物など、流れる風景は総じて哀しいものでもある】
425 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/01/29(火) 22:38:49.49 ID:Bq32sCzso
>>423
//レポート書いてるなら仕方ありませんね。それでは私はこれにて失礼……
//嘘です。よろしくお願いいたしますー

【エルジオの夜風に揺れる空っぽの袖と、そのただならぬ表情を見兼ねてか】
【あるいは、ただの気まぐれか。公園の入り口の辺りから、青年に声を投げ掛けるものがある】

こんな時間にこんな場所で、一体何をしてるんだ?
機関の襲撃から一月も経ってないんだ。いくら復興が進んでるからって、夜の街が物騒なのには変わりないぞ。
……余計なお世話かも知れないけどさ。流石にその怪我で病院を抜け出そうってのは、一寸ばかし無謀だろう。

【黒い地の質素ながら手の掛かったつくりの紬を着流し、その上から鳶コートを引っ掛けた和装の女だ】
【塗れ烏の髪に、墨色の瞳。からり、素足履きの下駄の歯が澄んだ音を立てる】

まあ、気持ちは分からんでもないけれどな。あすこは飯も不味いし暇だし──

【病院が近い事もあって、女はきっと青年を脱走者──新世界ではままある事だ。この言い様によれば、彼女も常習犯らしい──か何かと勘違いしたのだろう】
【それでこうして親近感も露に、切れ長の目を淡い笑みに細めて、彼に気安く話しかけているのだ】
426 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/29(火) 22:58:37.00 ID:WdaumS8l0
>>425

「おお、しゅ・・・いや、どこかでお会いしましたっけ? 俺、大空順風ですけど」

 青年は虚ろな目でその女を見返し、幽霊のような声で聴き返した。
 どうやら知り合いの顔すら思い出せないほど重症らしい。
 青年を大空順風と知る者ならば、見間違えるほどその雰囲気は弱弱しく、変わり果てていた。

「いやね、俺もわけわかんない内に病院居たんすよ。
 ・・・何があったかは薄々わかってるんですけどね」

 青年はトン、と。
 胸を親指で叩いた。

「哲学者の卵・・・って知ってます?
 どうやら俺に埋め込まれたソレが孵化したらしくてね」

 ククク、と青年は顔を手の平で覆って笑った。

「笑えますよ、無能力者でお人好しのつもりだった俺が。
 狂気に心食われてあっという間にカノッサの奴等と同類ですよ。
 ・・・あんなにも憧れていた"能力者"に、まさかこんな形でなれるなんてね」

 順風は女の顔を見て、呟いた。

「そう言うアンタこそなぜこんなところに?
 襲撃にあったばかりの首都に女が身一つで夜に出歩くのは危険でしょ?」 


/よろしくお願いします!
427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/29(火) 23:21:54.96 ID:n5sUz4Qi0
>>424

【ふと―――荷車の背後からコッコと革靴が石畳を叩く音が聞こえてくる】
【それは次第に接近しており、視線を背後に巡らせれば、その音の主も分かるだろう】

ううむ―――いくら学者でも建築工学とかは全く専門外なんですがね………とほほ
市場に興味深い品がないか調べに来たのになぜこんな事に、まぁしかし無視もできません、か

【透き通るような金色の髪に、薄い碧の瞳に牛乳瓶の蓋のような丸眼鏡】
【襟や袖先にファーをあしらい、肩布を垂らした白銀の高級そうな長い外套を着て】
【下は黒いストライプが入った紺のスラックスを履いており、それに複数のベルトが巻かれていて】
【そのベルトで一冊の古ぼけた、だが美しい装飾のなされた黒光りする書物を括り付けている】
【如何にも学者か研究者、と言った風貌の、長身で細身の青年】

【何かのリストと破壊された建物を照らし合わせるように見ながら、ぶつぶつと呟いている】
【熱中しているのか、まるで前が見えておらず、恐らくこのままでは荷車に激突してしまうだろう―――】

//まだイマスカ?
428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/29(火) 23:38:34.05 ID:5hQUuRgTo
>>427

【行き交う人の波はうすらまばらに存在しており、ただ歩く人自体は珍しくない】
【そのため、結構なところまで接近するまで相手の不注意さに気付かなかった様子】

わ、わ、わ!?

【一時の斜陽から抜けだし元に戻ろうとする景色を見ていたのは、こちらも同じ】
【ふと気付けば、避けて通るには相手の位置は余りにも近すぎて】
【石を積んだ荷車はどれほど速度がゆっくりでも、その重さは凶器に変わりない】
【急ぎぎゅるる、と土を抉って90度向きを変え、風を切る様に荷車の頭が振り回される】

……エエト。ぶつかッテ、無い? 大丈夫?

【激突を必死に避けたとはいえ、とっさの出来事を見ないようにするように瞑った目を】
【事故未遂から数秒経って、ようやく片目だけ開いて結果を見定めようとする】
【土煙、砂のにおい。果たして相手は無事だろうか】


/まだいますヨ
429 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/01/29(火) 23:39:10.56 ID:Bq32sCzso
>>426

いや、はじめましてだよ。……順風か、確かに覚えた。響きからして櫻の生まれか?

【否。口調こそ知己に向けられるそれのように軽かったが、紛れもなく女と彼は初対面だ】
【それでも、彼の反応からその容態を推し量る事は容易ではある。心身ともに、酷く耗弱しているように見受けられた】

そうか。意識不明で病院に担ぎ込まれて、目が覚めたら片腕がなかった──なんて。
昨今じゃよくある話とはいえ、洒落にならないよな。それでこうして、途方にくれてた訳……

【あの時の戦いで、流れ弾を浴びるか何かしたのかも知れないと、勝手に当たりを付けて話を進める彼女だが】
【彼が自嘲するように溢した聞き覚えのある単語──哲学者の卵>氛氓耳にして、驚いたように目を見開く】

……脱走もする筈だな、そりゃ。済まない。酷な事を言った。

【それが負の感情を糧に芽吹く、狂気の魔導具の名である事を知らぬものはない。いるとしたら、余程の世間知らずだ】
【だからこそ、彼女が次に取った行動は謝罪だった。目を伏せ、腰を折って深々と頭を下げる】

【「病院に戻って、ゆっくり安め」という気休めは、今の彼にとって「病院にいる人々を、自らの手で惨殺しろ」と言うのにも等しい無神経な言葉だった】

ああ。それは私が、その危険≠ニやらを捜しているからだよ。平たく言えば、夜警だな。
430 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/29(火) 23:52:40.23 ID:n5sUz4Qi0
>>428

【土煙が晴れた先には―――なんとも情けなく、高級そうなコートを地面にべったりつけて】
【唖然とした表情で尻餅をついた青年の姿があった、手に持っていた書類も、地面に散乱している】
【青年はハッと我に返ると、勢いよく起立し、そのまま90度頭を下げる】

ももも、申し訳ありませんッ!!ついついよそ見をしてしまっていました!
こちらこそ何か………その荷車が破損したりなどとはしませんでしたでしょうか―――?

お忙しい所をご迷惑をかけてしまって………なんと謝ればよいか………

【へこへこと頭を下げながら、荷車に傷などがついていないか、慎重に視線を巡らせる】
【そして申し訳なさそうに視線を落とすと、その下には自分が使用していた重要な書類が散乱している】
【驚いた様子で地に這いつくばると、わさわさと書類をかき集め、苦笑する。】
【高級そうな白いコートは、またも砂や埃で見るも無残な姿へと変貌していくのだった】

は、はは………いやはや風の国には研究調査で来たのですが、何やら事件があった様子
そんなこんなで何故か私が建設現場へ派遣される事になってしまいまして………とほほ

ええと、貴方も建設関係のボランティアか何かをされてらっしゃるんですか?

【眼鏡を整えながら自分の素性や経緯をかいつまんで語り、書類を集め終わると立ち上がる】
【そして相手が押している荷車の中身などから相手の素性を予想して、問いかける―――】
431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/30(水) 00:02:17.08 ID:iVOwzYab0
>>429

「ああ、やっぱり初対面か。
 いやね、似てたんですよ。アンタのその雰囲気が八攫 柊って奴にね。
 そうか、よく考えりゃ柊は俺よりだいぶ年下だもんな、違うわけだ」

 順風はククク、と肩を揺らして笑うと、
 相変わらず空っぽな瞳で女を見据えた。

「いーや、俺は生まれも育ちも風の国ですよ。
 お袋が櫻の方の人だからこんな名前ですけどね。
 そういうアンタは・・・見りゃわかるか、櫻みたいっすね」

 女が同情するような口調になった時、
 順風は慌てて言い直した。

「やめてくださいよ、今のところは落ち着いてるみたいだし!
 それに・・・皮肉なことに俺はこいつのおかげで命があるようなもんなんだ。
 悲観こそすれ、後悔も悔いもありません」

 夜警、という言葉に。
 順風は苦々しく笑った。

「お疲れ様ですね、俺も一応この国の自警団なんですよ。
 こんなザマだからとにかく休暇で、場合によっちゃクビになるかもわかりませんけどね」

 順風はふぅ、とため息を吐く。
 白く染まった息が鼻先まで登って消えた。

「・・・参りましたね、どーも。
 "能力者から見た世界"って、もっと華々しい物だと思ってたけど。
 なかなかどうして最悪な気分です。
 ちょっと前の俺だったら・・・カッとなっても喧嘩になっても。
 殺されることはあっても、最悪殺すことなんて絶対になかった。
 でも今なら、一般人相手ならその気になればやれちゃうでしょうね。
 能力者っていうのは爆弾抱えて毎日を過ごしてるような物なんですね」
432 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/30(水) 00:12:46.05 ID:+YAM08LCo
>>430

あーあー……怪我はしテないみたいだケド、色々……

【さながら暴れ馬のように顎を上げた荷車が大音を立てて地面へ降ろされる】
【石同士も浅く跳ねて擦りあう音を立て、もしぶつかっていたらどうなっていたかを石が語るようだ】
【荷車は問題ないと軽く頷いて答えながら、目にするのは見る見る汚れていく相手のコート】
【遠くに飛んだ書類を拾いながら、なんとも言いにくそうに眉を八の字に下げる】

ううン、俺は外回りついデにオ仕事借りうけただケだヨ

建設ッテことは、うーンと、建物についての研究ヲ?
そういうノ、エエト建築じゃなくテ研究全般、詳しくないから分からないンだ

【ボランティアのために派遣されたわけでは無く、相手と同じく偶然街に居合わせたといったところか】
【腰に提げた曲刀や額に巻いた包帯を見ると、どちらかというと護衛や傭兵の方が近い】
【それにしては、表情や言動にあまりに屈託が無さすぎるが】

【推測、あまり学が有る方ではないのかあまりピンと来ない様子で】
【ずっしりと地面に沈んだ荷車に腕を凭れながら、首を捻って問いかける】
433 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/30(水) 00:23:32.31 ID:GIzOKgtp0
>>432

は、はい?何かまずい事でもありますでしょうか………?

っとそういえばまだ自己紹介がまだでした、申し訳ありません―――。
私はフリードリヒ・ザラスシュトラ≠ニ申します、考古学や錬金術などを研究しております。

【相手が自分のコートの汚れを気にしているのが分かっておらず、首を傾げて苦笑する】
【そして思い出したように自己紹介をしてお辞儀をする、どうやら研究分野は考古学系のようだ】
【考古学―――建築関係とは何も関係のないような気がするが…】

そうなんです………私、建築なんて大学で一回授業で履修した程度なのに………とほほ
学者=\――というのは学問全てに精通しているのではないのですが、どうもその辺りが…

おや、そうなんですか、その格好を見るに、結構荒事系の仕事でしょうか?

【なんとも虚しそうな顔で項垂れながら、事情を説明する】
【だがまぁこの猫の手も借りたい状況ではかじった程度でも重要なのかもしれないが】

【相手の風貌を一通り眺めながら、率直な感想を述べる、学者と傭兵では二人は真逆の存在と言えるだろう】
434 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/30(水) 00:46:39.71 ID:+YAM08LCo
>>433

フリードリヒさン? すゴいなァ、じゃあ頭が良いンだ
俺の群にも学者さンから手紙が来た事はあったケド、本人は砂海を渡れなくテ音沙汰なかッたなあ
ア、俺はナウファルって言うンだ。砂ノ国から来ててネ

【――相手の後述の通り、どうにも学問全てに精通しているイメージなのだろう、無知とは大衆に由るものか】
【外見、共通語と異なる発音からなる訛り、骨格から異なる程に築かれた土地文化の違い】
【どうも青年は生まれ国の、それも近代文化に沿った中心ともかなりかけ離れた場所の人間の様で】
【からからと笑いながら述べる内容は相手にとっては笑えなさそうなものだ】

ン、何でも分かるッテわけではないのか……
今はそうかナ、旅費ヲ稼ぐためにそういう仕事デ生活しテるンだ
コノ街に来たのもその過程だッたんだケド、なンだか離れ難くてサ

【荒涼とした街、未だ血と争いの残滓すら路地の奥底には残るほどの状態】
【特別に必要とされているわけではなくとも、まるで救いを求めるような寂しい景色は】
【ひとひとりを少々長く引きとめるには、十分なのだろう】
【浮かべる名残惜しむような表情は、鍛えられた体の武骨さからは程遠い】
435 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/01/30(水) 00:47:10.17 ID:hSlU0UISo
>>431

成る程。……まあ、世の中には自分に似た顔の人間が三人はいる、って言うしな。
にしても、私とよく似た雰囲気≠ゥ────一体どんな奴なのか、気にならないでもない。縁があれば会ってみたいものだよ。

【苦笑を返して、ちらと虚ろな目を見つめ返す女。墨色の虹彩の奥に、顔を覗かせる好奇心を隠しもしない】
【さておき。彼女は青年の察しの通り、己が櫻の出である事を告げると、ひょいと足取りも軽く車止めを飛び越えて】

……ふぅん、お前の御母堂が。順風≠ネんて名前を付けるぐらいだから、きっとさぞ達観した人なんだろうな。

ああ、分かったよ。落ち着いているのなら何よりだ。だが……ああ、それもそうだろう。
卵≠フ治療法は、まだ確立されていないから。なんというか、その──取り敢えず、あまり落ち込むな、としか言えない。
症状が極めて軽い例とか、除去に成功した例とか──何件かは知ってるけど、どれもレアなケースだしな。

【遊具の間をすり抜け、昼間に子供が作りっ放しにでもしたのだろう、砂のお城を一跨ぎ】
【彼の座り込む場所──遊具かベンチか、あるいは芝生かなにかか──の隣にまで近寄れば】
【同じくその場に腰を降ろして、何かをそちらに放って寄越す。受け取ってみれば、それはなんて事はない、温かいお茶の入ったペットボトル】

【卵≠ヘ、人の負の感情に呼応する。彼女の言葉は一見単なる気休めのようだが、成る程、確かに的を射てはいた】

そんなものだよ。私は生まれつきの能力者だったから、無能力者の気持ちなんてこれっぽっちも分からない。

……自分の身に降りかかって、初めて分かる事もあるのさ。この間の戦いだってそうだ。
何も難しく考える事はない。考えれば考えるだけどつぼに嵌まる。下手の考え何とやらって奴だよ。
くよくよするな。それ飲んで、どっかで適当に旨いもんでも食って、嫌な事は一旦忘れちまえ。
436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/30(水) 00:57:52.55 ID:nrXnGOJno
【水の国、首都の繁華街】
【店先の雰囲気は年始の物から次のイベントの物へと変わり始めていた】
【つまりはバレンタインであるが……】

…………手作りで無残な物を渡すより、既成品を渡したほうが幾らか良いと思うのですが
悲しいかな込めた心は計れませんし伝わり難いでしょうからね。

【華やかなムードの店先に並べられた様々な商品をぼうっと見つめながら】
【なんとも面白く無いというか営業妨害でしかない台詞を吐く人影が1つあった】

【最上の絹糸にも似た艶やかな色合いの長い白髪】
【一点の曇りもない白磁のような肢体、肌色それらは人間離れしていて】
【横顔たるや彼女を見た者が絵画の世界から抜け出したのかと疑いが浮かぶ程の物】
【しかしそれらは作り物めいていて、見た者によっては或いは怪しく感じるか】

【躯を包む衣服は薄い桃色の混じった白色で統一されている】
【胸にちょこんと小さなフリルを乗せたブラウス、その上にはフード付きのダッフルコート】
【ぴっちりと纏わり付くズボンはその脚の造形美をこれでもかと晒している】

……商戦に貪りつく浅ましさともうしますかいっそ清々しくもありますね
それに年末にもこのような光景を見た気がします、なんというかよくも飽きないものですね……いえ褒めているのですよ?

【彼女の言葉に悪意はない、多分……思った事をただ純粋に声に出しているに過ぎない】
【でなければ本当に嫌悪しているならばこんな所にはいないだろうし】
【その柔い指先で板チョコを掴んで興味深そうにじーっと見つめたりはしないのだ】

寒い地域での非常食には丁度良さそうですね……はい

【的外れな事を呟きながら】
【そんな素っ頓狂な光景は暫くの間続いていく】
【自分の世界に入っている訳ではないので話しかければ反応はするが】
【それが即ち「良いこと」に直結するかどうかは神のみぞ知る、というヤツである】
437 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/30(水) 00:58:48.38 ID:GIzOKgtp0
>>434

ナウファルさんですね、どうぞよろしくお願いいたします…。
―――成程、先ほどから気になっていたのですが、まさか砂の国≠フ出身とは
あそこの民はあまり外界に出ないと聞いたことがありましたが、そんな事はないのですね

しかし砂上船がないとあそこの砂海≠ヘ越えられませんからね、イマイチ調査も及んでいないようです

【砂の国≠フ名前を聞くと、関心したように頷いて、声を上げる】
【先ほどから、言葉使いや、その風貌から、この辺りの人々とは違う印象を受けていたが】
【これで合点がいった―――】

旅をしてらっしゃるんですか、私も調査で色々な国を回っていますが、ナウファルさんはどのような目的で?
―――確かに、私も成り行きですが、この地の復興のめどがつくまでは、滞在しようかと考えています。

まぁ遺跡は逃げませんからね!

【ははは、と頭に手を回しながら苦笑する、街は酷い有様であるが―――】
【この地における人の温かさ≠ヘ失われてはいないのだ。】
438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/30(水) 01:14:33.89 ID:iVOwzYab0
>>435

「会ってもわからないかもしれないですよ、話してみてわかるけど柊はアンタと違って危なっかしいから。
 ああ、櫻の国の人はみんな同じに見えるだけかもわかりませんしね」

 御母堂、などという古めかしい言い方に少し笑いを漏らしながら。
 順風は故郷の母親に思いを馳せた。

「いやいや、おっとりした人ですよ。
 ・・・俺が左腕無くしたなんて知ったら泣いちゃうかもしれませんしね」

 砂のお城を踏まないようにする動きに、
 僅かばかり心が温かくなった。

 温かいペットボトルを右手と肘から上の無い左手で、抱きかかえるように受け取ると。
 順風はニッコリ笑って言葉を続ける。

「どーも、まぁ何とかなりますよ。アンタに言われるとそんな気がしてきます。
 これまでだって無能力者だった頃に能力者と正面から戦ってきて、
 今生きてるだけで奇跡みたいなもんなんだ。運と体力には自信があります。
 なんとかなりますね、ええ。なんとかなりそうだ」

 左腕で抱きつく様にペットボトルを固定して右手でキャップを回す。
 キャップを手の内に隠すように握り、右手でペットボトルの飲み口を持って口を付けた。

「ああ温かい。そーですね、俺は馬鹿だから考えてもどうせまともな答えなんて出ないだろうし。
 都合の良い方に考えるとしますよ、うん。
 ・・・ふぅ、よっしゃ! やったぜ、念願の能力を手に入れたぞ! これでもう無力で無価値な無能力者なんて言せねぇ!」

 狂気も能力もこれから長い付き合いになりそうだな、などと笑いながら順風はペットボトルのお茶を二口で飲み干した。

「生まれつき能力者、ね。俺から見たら羨ましい限りですよ。
 "卵"から孵化した俺の能力なんかよりずっとカッコイイ能力なんでしょ?」

 まぁ、と。
 一息ついて、遠くを見るような目になる。

「能力者は数奇な運命を辿ることが多いと聞きます。
 アンタの事は何も知らないけど、やっぱり苦労してきたんでしょうね。
 その点俺は、まぁ良い親父と優しいお袋にも恵まれたし。
 平凡で幸せで、なんのドラマも無い無能力者だ。それが今となっては誇らしいです」
439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/30(水) 01:17:30.80 ID:+YAM08LCo
>>437

ン、と、俺の群は大河ノすぐ傍にあってサ
そのおかげデ、他の部族よりチョットだけ豊かだッたり、塩性植物、だっけ? も多いンだケド
……最近、色々あッテ、ソトに探しモノをしに来てて……

【語らないのも不自然だろう、いくらか話の切り口を模索してみるも】
【どうも何か隠したいところがあるのか、言いづらいのか、その語り口はたどたどしい】
【目は泳ぎ、ジェスチャーは増え、はきはきとした生来の声もどこか曇り気味になる】
【相手が砂の国の小部族文化に詳しければ、“ミルドラ”という名が思い当るかもしれない】
【もっとも相手の言うとおり外界に人も情報も出にくい土地、専門でも文献(wiki)に出ている程度が精々か】

ああエエト、フリードリヒさんは何ヲ目的に?
やっぱり、遺跡なノ。この辺りは多いッテ街の人からも聞いたケレど

【己の事から話題を逸らすように、聞き返すは同じ事】
【とはいえ先に言ったように情報統治もなされておらず、識字も低い土地・地方の出】
【経歴をなぞる程度であっても、納得はするだろう】
440 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/30(水) 01:31:00.82 ID:GIzOKgtp0
>>439

ほー非常に興味深いお話ですッ!うん、やっぱり未知≠ニいうのはいいですね!
私もいつかは砂の国≠ヨと調査に赴きたいところです………まずは砂上船を買わなきゃですが…。

おや、そうだったんですか、その探し物というのは一体なにを…

【年甲斐もなく、眼を少年のように輝かせて、楽しげに相手の話を聞いている】
【民俗学にはそれほど詳しくないようで、ミルドラ族≠ノ思い当たる事はなかった】
【そしてまだ見ぬ砂の国の遺跡に思いを馳せるが、砂上船の費用を脳内で計算し、がっくりとうなだれる】
【相手の探し物=\――それに対して興味を示して問いかけようとしたが】

え?ああええそうですね、この辺りは遺跡群が多くありまして、もっと山の方に行けば
まだ発見されていない遺跡も多くあると言われています、ですから調査に参った次第でありますが…

どうやらもう少しの間はお預け≠ノなりそうですね。

【―――相手が話題を逸らしたがっていたのを察してか、ただ単に天然なのか】
【前の話題は忘れたように、風の国の遺跡に関して、熱弁を開始し始める、なんだか長続きしそうである】
441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/30(水) 01:58:04.79 ID:+YAM08LCo
>>440

……実は俺ト群側に行こうトすると、砂上船だケじゃ大河を渡るノに適さないから
遠洋航行に適した船モ必要なンだけれどね

【困ったように薄く口を開いて笑うも、ぽそりと言った言葉はまさに追いうちに近い】
【その実、観光には適さない土地だということでもあるのだろうか】
【意図を汲んでくれた相手に従うように、それを区切りに自然と話も流れていく】

まだ発見されていない? へえェ、こンなに首都の方は発達しテたのに
ルクシャトリスだったッケ。あそこが一番有名らしいネ、学者さンの居住区もあるトかッテ
爺ちゃん達カラ沢山話を聞かセテもらったからサ

【紙芝居を聞く子供のように、群長の話を聞く子供のように】
【相手に感化させるように、陽光じみた色の目を輝かせて、自らとは遠い世界の話をじっと聞く】
【老いた者たちの話だけが教育である身にとっては、条件反射であり、素直な興味でもあった】
【が、乗り出しかけた身が荷車から離れ、がたんと大きな音を立てる】

……ットそうだ、石を運ぶノを頼まれてたンだった!
ごめンな、色々話してもらッたけど、そろそろ荷車返さなくチャ

【はたと今更に気付いたように、慌てて山と積まれた切り出した石を振り返る】
【決して相手の熱弁に気圧されたでなく、むしろ逆のようではあったけれど】
【目の前の仕事について一度思い出してしまえば、それを脇に置いて教義再開とも行かぬ】
【少しばかり迷ったように唸るも、結局ぱちんと両の手を合わせて謝罪し、話の中断とすることにした】

もう少し、コノ国には居るつモりだから
今度はさっきノ続き聞かせてくれヨな!

【思わぬ邂逅に気を取られはしたが、決して無駄な邂逅では無く】
【名残惜しげにひらひらと手を振って、街の外壁の修理現場へと荷車を進めて行った】


/この辺りでしょうか
/お相手いただきありがとうございました、お疲れさまでした!
442 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/30(水) 02:08:32.18 ID:GIzOKgtp0
>>441

そ、そうなんですか………はぁ、道のりは遠いですね………
ルクシャトリス、あそこは素晴らしい場所ですよッ!ですが、一度賊に狙われた事もあったとか
未だに新しい遺跡が見つかるのは、やはりそれなりに険しい、人の入らない場所が未だあるからでしょうね

伝え聞かせる者=\――やはりそういった方々がいるからこそ、ロマンが広がりますね!

【うんうんと、相手に同調するように頷きながらジェスチャーを加えて力説する】
【先ほどは二人の立場や職業は真逆と語ったが、その実、根柢の部分では、どこか似た所があるのかもしれない】

おっとこれは失礼しました―――私の方も土地のチェックを続けなければ………
ではまた機会がありましたら…よろしければ貴方のお話も聞かせて下さいね、それではまた!

【一度お辞儀をすると、晴れやかな笑顔を浮かべたまま、書類に目を通し、作業を再開する】
【復興もあと少し、こうした善意の元で、きっと再び街は活気を取り戻すことだろう。】

//お疲れ様でした!
443 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/01/30(水) 02:27:10.64 ID:hSlU0UISo
>>438
【何が可笑しいのだか。柊なる人物の人となりの事に話が及べば、くすくすと終始肩を震わせていた女だったが】

……なるほど、やっぱり危なっかしいんだな。道理で……ふふっ。うん、頷けるよ。

あ──済まない。キャップ、外してから渡すべきだったか。

【青年が抱き抱えるようにしてボトルに手を掛けるのを見ると、自らの至らなさを恥じるように、浮かべた笑みを苦くする】
【鷹揚な振る舞いといい、先程何も考えずにボトル入りのお茶を放りなげた事といい】
【彼女はどこか世間離れしている──というか、若干抜けている節があるようだった】

ああ。……ついでに言うと、度胸の方も大分据わっているみたいだな。うん、いい眼になった。
狂気だなんだって言うけどさ。それを自覚して、自虐したり悲観したりできるなら、実際お前はマシな部類だよ。
大丈夫。真っ当に前を向いて、無理のない程度に進むんだ。お前の名前の通り、ただ風に順うように。

しかし不便だろ、それ。早いところ義手の都合を付けるべきだな。
医者に頼んで、紹介状でも書いて貰ったらどうだ。今はそこそこの値段でいいのが買えるから。

【また、物事に動じたり、頓着したりしにくい性質でもあるのだろう】
【彼の内にある卵≠恐れたり、腕の事を過剰に気にして、同情するそぶりを見せたりする事も、一切ない】
【こちらもボトル入りの緑茶を取り出して口に運びながら、風邪を引いた子供に接するような気楽さで】
【淡々と、これから青年の取るべき行動を指し示す】

お言葉だが。私に言わせると、無能力者は無力≠ナも無価値≠ナもない。
こと戦闘行為においては大概の一般人は微力≠セが、武力だけで人間の価値を推し量ろうだなんて──そんなものは、獣以下の理屈だ。
コーネリアス、だったか。あれも戦えないものには価値がないなんてほざいてやがったが、大間違いだね。

さておきだ。その力、精々有意義に使えよ。感情任せで闇雲に振り回すんじゃあ、駄目だ。
私にとって能力は、自分の在り方を映す鏡だ。……お前のはどうだか知らないが、格好よく使えば、見た目だってその通りになるさ。

────何だ、聞きたいのか?今はそこそこ気分がいいから、どうしてもって言うなら考えないでもないけれど。
444 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/30(水) 02:45:18.15 ID:iVOwzYab0
>>443

「ははは、話せば話すほど似てねぇや」

 順風はカラカラと笑い、空になったペットボトルを振る。

「風の順うように、ね。そういう意味にも取れるのか。
 全くお袋もずいぶんな名前を付けてくれたもんだ。
 ・・・義手、ねぇ。どうせなら丈夫なのがいいですね。今度は斬りおとされない様に」

 順風は肘から先の無い左腕を見て、
 ポツリと呟いた。

「それもそうですね、コーネリアス・・・俺もアイツは嫌いだ。カノッサの人間やテロリストであることを差し引いても、ね」

 コーネリアスの話題になると、少し俯き苛立ちを含んだような響きで答える。
 結果として順風自身もコーネリアスと似たような考えに至っていたことに若干自己嫌悪しているようだった。

「ええ、アンタの能力、是非聞いてみたいですね。
 ちなみに俺のはアートマン系の能力みたいです。名前は狂気の俺曰く【黒い追い風-ゲイル-】。
 発現している間は俺自身の"限界"と"理性"を破壊して『できないことをできる』ようにする能力らしいですよ。
 ・・・意味わかんないですよね」

 順風は苦笑いすると、目を上げた。


/すいません、眠気が限界なので今日はこの辺でオチさせていただきます!

445 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/01/30(水) 03:02:23.60 ID:hSlU0UISo
>>444
//了解しました。亀ですみませぬ……!返レスしておきますのでどうぞごゆるりとお休みください
//今日のところはお疲れさまでした、ありがとうございましたー!
446 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/30(水) 18:48:46.18 ID:Yqq0FTtio
【森】

「ヘケヒャハァーッ!」 「アウゥゥーッ、飯はまだかァーッ!」

【森の木に、深緑色の棘が生えた拳を振るう一つの影があった】
【それはガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】

【ドガァッ!】 【ドガァッ!】 【メキメキィッ!】 【何度か殴れば、森の木はへし折れ倒れて――そうなったら、彼は別の木に移動して】

『…………元気ですね』

【そしてその男を見守るのは、20代前後に見える女性で身長約155cm、黒い短髪で、白いローブに身を包み、木製に見える杖を右手に持っていて】
【桃色の右目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は清々しさを感じる空色をした左目で、桃色のシャツとジーパンに青いブーツ】

『ご飯はもう少しで出来ますよ、ヘケメト』

【彼女が作っている美味しい香りの漂う鍋の中には、川魚や冬が旬の植物等が入っていた】
【鍋の下には、カセットコンロ――しかし、ガスをセットする場所は無いように見える】

/8時頃まで募集してみるテスト
447 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/30(水) 18:54:15.38 ID:cut9E6bBo
【水の国 喫茶店『フルメタルジャケット』】
【従業員の服装が侍女服であるにも関わらず、どうも分類としては通常の喫茶店に位置するらしいその喫茶店】
【基本的に8時から22時半まで営業している、その喫茶店のカウンター席で紅茶を飲んでいる客がいた】


はー、この間の事件ジャンクちゃん大活躍で、ゴウさんファインプレー……
一方俺は謹慎で出撃禁止……この扱いの差はなんなんスか全くよォォォ〜〜ッ


【愚痴りながらちびりちびりと紅茶を飲むその青年、しかしその風貌は優雅に紅茶を飲むというガラには見えない】

【灰の髪がはみ出る頭のタオルは今まさに仕事から帰ってきたかのように薄汚れており、その下に雄々しく、鋭さを感じさせる目が覗きこむ】
【首には柄の悪さを引き立てるような金のチェーンを下げ、腕には紅白のリストバンドを巻いていた】
【鍛え抜かれた上半身を包む、白かったのが同じく泥で汚れたタンクトップの上に、背中に『不退転』と描かれた赤色の真新しいジャンパーを着て】
【膝が白く色あせた青のジーンズ、そして便所サンダルという奇妙なガテン系スタイル、そんな外見の青年だった】

【先日の放送局の一件でほぼ裸一貫の状態で飛び出したことを咎められ謹慎処分を受けて以降】
【風の国の襲撃や、水の国の列車事件に置いても前線に出る事を許されず、ずっとくすぶっていたようだ】


イラついてても仕方がねー、とりあえず頼まれていたスカウトの仕事を全うするとして、だ
まずはこの紅茶を飲んで英気を養って、後はその辺で体を鍛えっとするかよ……今日は仕事もねーしな

だが今日は客入りは少なめだな、どいつもこいつも忙しいんスかね……


【喫茶店は今この時もバッチリ営業中、カウンター席にはまだ席に余裕があるようだ】
【気軽に立ち寄って、他愛ない世間話を交わす事も自由に出来そうだ】
448 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/30(水) 19:43:25.91 ID:9qfuSTSLo
>>447

【鈴の音を転がすような、淡い旋律、細い喉がしなやかに揺れるよう】
【迷い込んだ足音が、しばし立ち止まっていると、やがて思い出したかのように近づいてくる】
【同時に零れる鼻腔を擽る香り、少女らしい可憐で、それでいて小柄な香り】


……すいません、お隣お邪魔しても宜しいでしょうか
人を待っていたのですが、遅れて来る、と言われたもので……
その間暇を潰すお手伝いでもしていただければ嬉しいです


【漏れた声、ソプラノ色の優しい旋律が喫茶店という独特の空間の中に流れ込んだ】
【重層的と呼ぶには真新しい女の子の言葉、声変わりもしていないような歌でも歌う優しげな音】
【貴方を傾けて、そうして飽和していく、胸いっぱいのシロップみたいに――――】

【薄くピンク色のかかった桃色の長髪が腰の辺りまで伸びて】
【淡紫色の瞳と同じ色のフレームをしたメガネをかけている】
【真っ平らな胸のスレンダーな体躯を黒地の高級そうなスーツに身を包ませて】
【黒いストッキングでその美脚を整えた幼い雰囲気の女性】

【了承をもらえたなら、貴方の側にそっと腰掛けるだろう】
【160cmに届かない程度の身長は、貴方を見上げるような形にでも染まる】

【それはまさしく溶け落ちて消えていく夕焼けの残照のよう】
【太陽とは似ても似つかぬ純白の素肌が、照明色に解かされて淡く彩られるのだろう】
449 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/30(水) 20:03:06.31 ID:cut9E6bBo
>>448

【三つ編みの侍女が喫茶店に入ってきた女性に、、『いらっしゃいませ!お嬢様!』と恭しくお辞儀で迎える】
【案内する席はずず、と静かに紅茶を飲むその青年の傍であれば、彼がその次に、次は集中系で、と紅茶のお代りをしているのが分かる】
【しばらくして、きょろ、と後ろを向いてスーツの女性の方向に向き直ると】


……ん?ああいいッスよ、奇遇ッスね、俺も人を待ってる間の暇つぶしだったんス
まああの人いっつも忙しくって俺の方が待つことが多いんスけどね

つか、あんま見ない顔だけどよ、この店は初めて来た感じッスか?


【見た目こそガラの悪く、丁寧口調もややちぐはぐな青年】
【おそらくは年上なのか、年下なのかすら掴めてない感じなのなのだろう、しかし失礼のないように振る舞おうとしているらしい】
【空いているのは左隣、座りやすいように彼はす、とその席を引いてくれるだろう】
450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/30(水) 20:11:30.64 ID:9qfuSTSLo
>>449

【立ち振る舞いや口調こそ大人びてはいるものの、あどけない表情や】
【――――頬を崩して笑う仕種、整った表情の上に浮かぶ微笑の色】
【きっと16歳ぐらいの、まだ若い少女であって、貴方の態度に好感を覚えた】


ふふ、待たされる者同士ってやつでしょうか
お互い苦労をかけられる者同士、仲良くなれたら良いですね――――
あっ私、ソレイユです――――ソレイユ=ナイトシェイド

ご丁寧に有難うございます、では失礼して……っと


【貴方の言葉を聴いて表情が綻んだ、口元に手が泳ぐ】
【白絹のように繊細な指先、純白の素肌がまるで細い糸のように】
【指先が頬に沈むと、ミルクの中で溺れるよう、確かな爪先を唇の上に乗せて】

【声を出して笑うのではなく、自然に声が漏れたよう、そんな貴方の様子が自分と重なって見えて】
【貴方の服装をしばし興味深そうに眺めていたけど、椅子を引かれて頭を下げる】
【きっちりとした礼は彼女の教育のよさを感じさせて、すっと、その腰を下ろすのだろう】


そうですね、ぶらりと立ち寄った次第です
店名こそ不思議なものでしたが、中の雰囲気はとても落ち着いていて良いお店ですね
貴方様は此方に何度も?とても慣れた雰囲気でいらっしゃいますが……


【腰掛けると彼女の顔が貴方の近くへと流れる、埃一つ無い美しいスーツ】
【それに纏われる華奢な肩、掴んだなら直ぐに砕けてしまいそうなほど】
【ブラウスの奥のまったいらな胸元、そして伸びるラインが一本の線のようで】

【スレンダーな体躯はそのスーツを身に溶かして、一つの形にするよう】
【短いスカートの丈から零れた一杯の両脚は細くて長くて、黒いストッキングと調和している】
【ぎゅっと膝の辺りで曲げられて、一端椅子の中に隠れて、まるで捕まえて見て、と言いたげに】

【ふわりと伸びて、カウンターの下で一回、その畳まれた両の羽を広げた】
451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/30(水) 20:30:02.53 ID:cut9E6bBo
>>450

【ちら、と自分に比べてやや小柄な体躯、何よりも幼い顔立ちとしぐさを観察し】
【もしかするとこの女性は自分よりも年下なのか?と首を傾げる】


(……こいつガキか?にしては偉くきちっとした身なりだしよォォォ……
あるいはそう見えるだけか?まあ失礼がないように振る舞わねーとな)

ああまあ、俺だっていろんな人間に苦労をかけてんだ、お互い様ッスよ
あんたの場合は真面目すぎて他人の苦労ばっかり背中に背負っちまってるイメージがあるッスけどね
俺は涼宮 善太郎ってモンだ、ゼンでもいいぞ。ここで会ったも何かの縁、今後ともよろしくッス


【こくり、とソレイユと名乗った少女にややぎこちなくお辞儀をする】
【隣に迎えてしばらく観察していたが、自分と違い育ちがいい境遇らしい事を身のこなしからなんとなく察すると】
【あまり学のない自分と比べてしまうとほんの少々遠慮がちな態度をとってしまいそうな自分に気が付いた】

【しばらく、少女の年はいくつだ、などと聞くのも失礼かなと悩んでいるうちに少女から質問を投げかけられ】


あ、ああ……ヘンな名前ッスよね、メイド喫茶のくせに『フルメタルジャケット』って
いや実際は服装がメイド服で、常連限定で『おかえりなさいませご主人様』とか言って迎える割に
この店普通の喫茶店として扱われてるんスよ、ケチャップでオムライスに文字書かないからか?

俺は……まあ、店入ったら『おかえりなさいませ』で迎えてもらうくらいには常連ッスね
ゴウさん、ああ俺の兄貴分みたいな人に紹介してもらってからもうそろそろ1年経つし


【別にメイド趣味があるわけじゃないという事もあり、言うのもためらったが】
【一応正直に答える事にした……やや顔が赤い】

【そういえば、さっきの侍女はソレイユを『いらっしゃいませ』で迎えていたのを思い出すかもしれない】
452 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/30(水) 20:39:10.73 ID:9qfuSTSLo
>>451

【図星であった、貴方の言葉にそうかもしれませんね、と引きつった笑みを浮かべて】
【少しだけ視線を外して、夜空を覗き見るよう、窓際から零れる月光の形】
【鼻を擽る淡いコーヒーの香りに、日ごろの疲れも解けていくのだろうか】


へぇ、おかしな店ですね……おかしい、と言うよりかは奇妙なという感じです
そういえば先ほども可愛らしいメイド服の女の方が挨拶してくれましたね
こういうお店で丁寧におもてなししていただけるのも、それは楽しいことかもしれませんね


【事実そういう風に思えた、店の雰囲気はアットホームで、それでいて干渉し過ぎないよう】
【それはメイド喫茶とも、普通の喫茶店ともどこか違った、新しい色を孕んでいて】
【真新しく見えるのと、それと――――不思議なもの、だからこそ、色濃く輝く】

【貴方の言葉に彼女の頬が緩んだ、含んで口元から零れる笑みをそっと手で覆った】
【瞼が落ちる形の良い、パッチリとした睫が、風に濡れて彼女の形を強くする】
【大きな淡紫色の瞳がまた光を得たなら、眼鏡越しにその視線を貴方へと注ぐのだろう】


ああ、でも分かりますよ、メイド服ってとても可愛らしいですし、興味もございます
……尤も、人前でなると気恥ずかしさが勝ってしまい、このように色気の無い服装になってしまいますけど
ゼン様もそう思われるでしょう、仕事柄とは言え、スーツばかりでは気が滅入ってしまいます


【顔の赤い貴方の表情を、すっと指先でなぞるよう――――彼女の声は、親しみを感じてるみたい】
【濡れた指先が貴方の頬に触れたなら、その体温すらも救ってしまうのだろう、そう錯覚させることがあるかもしれない】
【柔和な甘い彼女のといきみたいな声が、店内のBGMの中から零れていった】

【そんなことを言って、スーツの襟を持ったりして、どうでしょう、と貴方へと全身を向けるだろう】
【椅子の上から半身を傾ける、丁度貴方の側で前へと向くように、貴方に全身を、見られるように】
【恐らくその大きな原因――――色気の無い大きな原因は、ぺったんこのお胸】
453 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/30(水) 21:11:55.39 ID:cut9E6bBo
>>452

【おかしな、と言う点はゼンとしても否定できない】
【この店の名前を考えたのは責任者かオーナーのはず、じゃあ侍女長じゃなくて"WILD"のセンスだろうな】
【なんて邪推を前にしたっけな、と過去の事を思いだし】


ここに店立てるって決めたおっさんが奇妙な男ッスからね、いやおっさんって言ったら怒るんスよ
まだ27だー、とかいちいちうるせーんスよ……俺より8つも上だから正直おっさん扱いでいい気がするんだが

まあサービスは申し分ねーッス、そっちはむしろここの店長が極めて真面目で実直な女の子だからかもしれねーけど


【ちなみに彼によるとこの店は1年とちょっと前ほどに開店したお店との事なので、彼は比較的初期からの客という事になる】
【割と頻繁に来ているので、従業員の大半とは今では顔なじみになるくらいに慣れてしまっているそうだ】
【ここに頻繁に来る客も把握しているらしい、だからソレイユが新規の客か、とすぐに気が付いたのだろう】

【そしてソレイユのメイド服への仄かな憧れの言葉、そして仕事がらほとんどスーツらしいその少女の言葉に対し】


……ん、そいつぁ勿体ねえッスね、俺としては、あんたにはそういう可愛い恰好似合うと思うんスけどね
あんた真面目で仕事熱心そうだしな……まあ初対面の印象だけど、女の子ならもっと着飾った方がいいと思うッスよ
年頃の女の子とお見受けするッスけど、そんな年でスーツ着てあくせく働くってのは偉く大変なんじゃ……ッ!?


【ごほん!とゼンが咽たのは、ソレイユがわざわざ自分に半身を傾けて、襟を持って見せてるのに気が付いたからだ】
【ゼンの視点からでは、みごとに胸元を強調される姿勢に見えている】
【平坦だが、そこに何か柔らかい物があると分かるその視点に、ほんの少々動揺したが】


……ま、まああんたは色気って言うより……可愛らしさが売りってイメージッスね、確かに……


【しばらく頭の中で必死に言葉を探し、そう言葉にするのがゼンには精いっぱいだった】
454 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/30(水) 21:33:28.77 ID:9qfuSTSLo
>>453

【逆算して求める貴方の年齢、高いのか低いのか、よくは分からない】
【けれども、話しやすい貴方の雰囲気は、年の近い兄のそれのよう――――】
【お兄ちゃんがいたら、こんな感じなのかな、と心の中で思案した】


なるほど、その辺りは分かりませんが、サービスが良いというのは嬉しいですね
私、結構人見知りするほうなので、あんまり新しいお店開拓するって苦手で……
いつもは一回行っておしまい、ってことが多いんですよ

そういう意味ではこのお店はもう一度来たくなるお店ですね
でしたら、ほら――――ゼン様と、もう一度会えるやもしれませんし


【綻ぶ彼女の頬、漏れた微笑は、雪景色の中、煌々と輝く宵の月】
【ほっぺたが緩んだなら、そこに淡い香りが解けて、彼女の表情全体に彩を添える】
【桃色の髪の毛が解ける、透けて、その奥の素肌が見えたなら、その色合いを美しくするのだろう】

【冗談めいた言葉、また訪れるかもしれない、その理由が貴方にある、と直接伝えてみせた】
【意図せずか知らずか、整った微笑みは揺らぐことなく、その心音の形を伝えてるみたい】
【意外と天然なとこ、とかあるのかもしれない】


……むーゼン様、なんですかその言葉は
そりゃぁ私だってバカではありませんから、そういう言葉の意味するところ知ってますけど……

――――でもぅ、その態度はあまりにも≠ネんじゃないでしょうか
せめてお世辞の一つや二つぐらい……あぅ、言われても傷つくだけですよねー……


【ぷっくり、頬が膨れた、貴方を見つめる視線が、微かに揺らめいた】
【細く長い眉が傾いて、大きな睫が、その表情を修飾させる、少しにらむような色合い】
【それでも美しい瞳は細くなったなら、その焦点を貴方へと注ぐかのようにも見える】

【眼鏡越しに揺れる表情、頬を膨らませたなら、少しだけ苦言を呈する】
【非難する気持ちではなくて、どちらかというと、自分の言葉に強さをもたせるために】
【一瞬だけ下に落ちた視線、ソレの意味するところは知っているのだろう】

【膝にちょこん、とおかれる両手、重なって解けて、透けて消えていく】
【はぁ、とため息一つ、零れたなら貴方へと届くのだろうか】
455 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/01/30(水) 22:01:53.00 ID:Rkk+GirVo
【UNITED TRIGGER ―― その店舗部分、カウンター席】
【正義組織として立ち上がったかの組織の拠点、その表向きの施設である】

【マント付きの白い将校服を着た、ピンクのロングツインテールが特徴的な少女がそこに居た】
【背筋はしゃんと伸びていて、腰元に下がるは妖刀らしき一振りと、何やら異様だが】
【その手元のグラスに入っているのは並々と注がれた牛乳であり、なんともミスマッチで】

お店、よね……なんというかこう、組織の拠点って知らなかったらこれ飲んで帰らされそうだわ
思えばなんだかんだでマトモに挨拶もできてないし、来ては見たものの

……構成員価格とか、特典で飲み物無料とかあるのかしら?

【そんなことを呟きながら、くいっとグラスを傾けて、一息吐き】
【店内に誰か居ないかとか、ほんの好奇心から周囲をくるりと見回して。】
456 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/30(水) 22:10:35.78 ID:cut9E6bBo
>>454

【ぽっ、と灯がともるように、固めな表情が多かったゼンが目に見えて嬉しそうに】
【おそらくはまた会いたい、と言う言葉も、この店を気に入った、という言葉も、両方がとても嬉しかったのだろう】
【明確に笑顔と分かる表情を浮かべるゼンは、ぽり、と頬を人差し指で掻くと】


そいつは良かった……ジャンクちゃんも喜ぶッスよ
地の国から越してから俺の一番気に入った店って事もあってよ、俺もスゲー好きなんス、この店
基本バイトの日以外はいつもここにいるんじゃねーか?ってくらいで……もう俺の拠点だな

俺も、あんたの事を気に行ったッスねー……お会いできりゃあご喝采、だ


【実の所、そもそも可愛い女の子と知り合う機会なんて物自体が極めて珍しい青年としては】
【ひょんなことから、知り合うことが出来た少女、年若いのにスーツに身を包んで仕事をしているという珍しい境遇】
【おそらくは学のない自分よりは給料のいい仕事だろうな、なんて事を考える】
【普通ならば接点などない人物との触れあい、そんな他愛ない時間が流れるのがどういう訳か楽しかった】

【怒らせてしまったか、とやや反省もした物の、可愛らしくむくれる年若い少女がどういう訳か心を躍らせて】


はは、お世辞や腹芸なんざ俺には最も縁のねえ言葉ッスねー、やや言葉が過ぎたかな
決してけなしたつもりはなかったんスけど、でもよ、俺は割と大真面目にあんたのメイド服姿は見てみてえモンだ
機会があったらぜひ見せてもらいたいもんッスね!きっと、あんたに似合うと思うんだ、ああいう服装!

どんな仕事なのか知らねえが、もしかしたら俺の工事現場のバイトよりもハードなのかもしんねえけどよ
休みの日くらいそんな風に羽を伸ばしてみたらどうだよ、えっと……ソレイユだったッスね、ちゃんと覚えたぜ


【本当にいつか見てみてえな!と、ややテンションが高めな様子でゼンは隠しもせずそう言う】
【やがて先ほど注文したお代りの紅茶を受け取ると、ふー、と二息ほど息を吹き込んで】
【ゆっくりと飲みながら、一杯くらいおごろうか?とソレイユにも勧めて来る――妙に機嫌がいいようだ】
457 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/30(水) 22:17:08.73 ID:B24YbBcDO
>>455
【その男は店の扉を開き、扉に手をかけたまま、ぐるりと店内を一望】
【正義を志す組織とは思えない様相に、創始者の顔を思い浮かべて笑みを零す】
【そのまま、扉を後ろ手に閉めて入店した】

…オーナーは不在か?
…参ったな、出来れば直接渡したかったんだが…

【ビジネススーツに骨模様のネクタイ、後ろに黒髪を撫で付けた、夢も希望も無いような表情をした男】
【スポーツサングラス型のバイザーをかけていて、折り畳まれた大きなバタフライナイフのような機具をベルトに吊っている】

【右手に持った花束を肩にかけ、左手で頭を掻きながら店内を一望】
【目立つ髪色が視界に入り、近付いていく】

よう、元気してたか?
つかこんな店のナリでミルクかよ

【ニィと苦笑った顔を少女に向ければ、目の前に立ち止まってそう話し掛けた】
458 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/30(水) 22:22:51.71 ID:9qfuSTSLo
>>456

【貴方の言葉を聴いて、もう一度店内を見渡して見た】
【可愛らしい格好の従者が徘徊する店内、そしてその落ち着いた雰囲気】
【美しくもあり、また高貴でもある、その雰囲気は中々に良いものなのだろう】


有難うございます、そう言っていただけるのは何よりの幸せですよ
これだけの会話でも、ゼン様がとても――――良い人であることを伺えます
そのゼン様がそんなにお気に入りになさるくらいですし、やはり良いお店なのでしょうね

今日ばかりは、時間にルーズなあの方にお礼を言わねばなりませんね


【冗談交じりの言葉の旋律、彼女の思いを写し取ったかのように柔らかい音】
【とくん、とくん、と心臓の音みたい、はっきりとしたテンポで、それでいて聞き取りやすい音色で】
【歌うよう、或いは――――まるで紡ぐかのよう、その思いの果てを感じたままで】

【時が過ぎていくのなんて忘れてしまうぐらい】
【熱中と呼ぶには互いに目が覚めすぎていた】
【夢見たいな時間とも言えて、また、どうしようもなく楽しい時間でも有った】


ぅー……それはそれで、恥ずかしいですね……
ああいうフリフリの服装、着た事無いので、楽しみ半分怖さ半分というところでしょう
……だってゼン様、想像できます?――――私が、ああいう服着て

お帰りなさいませっ御主人様っ!

――――って挨拶している様子だとか、えーっとその辺りのこと……


【貴方にそういわれて、少し気分が浮かれたのか、そんな事を言う】
【勿論ふりであっても、手は抜かない、満面の笑みと前かがみの姿勢をつけて】
【嬉しいかな哀しいかな、真っ白な胸は形にはならず、音の破片と消える】

【やった後で恥ずかしさが来た模様、ぷしゅーっと小さく音をたてて座り込む】
【少しおどおどした様子で、貴方の頼みを受けるだろう、お願いします――――と】
459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/30(水) 22:24:34.66 ID:nrXnGOJno
【水の国、首都の繁華街】
【店先の雰囲気は年始の物から次のイベントの物へと変わり始めていた】
【つまりはバレンタインであるが……】

…………手作りで無残な物を渡すより、既成品を渡したほうが幾らか良いと思うのですが
悲しいかな込めた心は計れませんし伝わり難いでしょうからね。

【華やかなムードの店先に並べられた様々な商品をぼうっと見つめながら】
【なんとも面白く無いというか営業妨害でしかない台詞を吐く人影が1つあった】

【最上の絹糸にも似た艶やかな色合いの長い白髪】
【一点の曇りもない白磁のような肢体、肌色それらは人間離れしていて】
【横顔たるや彼女を見た者が絵画の世界から抜け出したのかと疑いが浮かぶ程の物】
【しかしそれらは作り物めいていて、見た者によっては或いは怪しく感じるか】

【躯を包む衣服は薄い桃色の混じった白色で統一されている】
【胸にちょこんと小さなフリルを乗せたブラウス、その上にはフード付きのダッフルコート】
【ぴっちりと纏わり付くズボンはその脚の造形美をこれでもかと晒している】

……商戦に貪りつく浅ましさともうしますかいっそ清々しくもありますね
それに年末にもこのような光景を見た気がします、なんというかよくも飽きないものですね……いえ褒めているのですよ?

【彼女の言葉に悪意はない、多分……思った事をただ純粋に声に出しているに過ぎない】
【でなければ本当に嫌悪しているならばこんな所にはいないだろうし】
【その柔い指先で板チョコを掴んで興味深そうにじーっと見つめたりはしないのだ】

寒い地域での非常食には丁度良さそうですね……はい

【的外れな事を呟きながら】
【そんな素っ頓狂な光景は暫くの間続いていく】
【自分の世界に入っている訳ではないので話しかければ反応はするが】
【それが即ち「良いこと」に直結するかどうかは神のみぞ知る、というヤツである】
460 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/01/30(水) 22:32:44.31 ID:Rkk+GirVo
>>457

【ふと空色の瞳で捉えるのは件の男性、当然ながら少女は見覚えがある】
【殺しあったり、共闘したりというイヤに深い経験もあった分、なんだかその視線は優しくて】
【カウンターの下でぎりぎり地面に届かない両足がふらりと揺れ】

みたいね、私もセリーナに会いたいところなんだけど、忙しいんじゃないかしら
組織を立ちあげて、この間も人質取って立てこもりなんてことがあったばかりだし。

……それにしても花束なんか持って、告白でもしに来たの?

【なんて冗談をいいながら、カウンターに背中を向ける形で彼に向き合い】
【返されるように言われた言葉に手元のグラスを見てから、子供っぽく頬を仄かに染め】

未成年にアルコール勧めると、自警団に電話するわよ。
私、これでもルールは守る人間だもの、なんと言われても飲むのはせいぜい炭酸水……
……ま、とりあえず座りなさいよ。こんな時間に急ぎの用ってわけでもないでしょ?
461 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/30(水) 22:53:22.04 ID:B24YbBcDO
>>460
…あの事件か…創立早々にご苦労なこったな
しかし、あんな軽いノリの奴がまー立派に作った事だ…若干趣味が入っているように見えるが

【話題に出て、思い起こすは昨日の列車占拠事件】
【自分は野暮用で参戦はしていないが、話には聞いている】
【組織を立ち上げてすぐに大仕事とは忙しいな、と呟きつつ、再び内装を見回して感想を漏らす】
【何と言うか…『正義を志す組織』とか言われても中々信じられないというか、逆にそれっぽいというか】

…止めてくれ、洒落にもならねぇ
それに、お前なんかを酔わせたらろくな事にならなさそうだしよ

【「よっこいしょ」とアンジェルの隣に腰掛けると、店員に注文を一つ】
【「隣の奴と同じ奴」と告げると、やけにでかい花束を空いた手に置いたり上げたり】

…個人で花輪送ってやる程金はねぇしな
つっても何だな、いざ突っ込まれるとこっ恥ずかしいじゃねぇか…

…やろうか?

【彼なりのお祝いの印だろうか、それにしては似合わないが】
【つい、と花束をアンジェルの方向に傾けると、視線だけ向けて言った】
462 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/30(水) 22:54:19.57 ID:cut9E6bBo
>>458

【なお、この店の内部の模様はどうもこの店の責任者であり侍女長である人物が考えたらしい】
【美しく、格式高いようでいて、善太郎のような若干チンピラ寄りな人間も気負いせず立ち寄れるアットホームな空間】
【不思議と心を安らがせるこの空間を、彼は心の故郷のように考えているらしい】


あ、はは……そう言ってくれて嬉しいッスよ、この通り昔は荒れてた時期もあったんスけどねー……
ゴウさんとつるむようになってから気が付いたらすっかり丸くなっちまって……俺も遅くまで忙しいゴウさんに礼を言わねえとな
いや遅くまで警備員やらされる本人にしてみればたまったもんじゃねえかもしれねえが


【メガネにスーツ姿のソレイユの第一印象をメイド服で飾るのは確かに善太郎にしても最初は難しかったが】
【ソレイユが"お帰りなさいませっご主人様!"と善太郎の至近距離でそう挨拶している所で】
【かっちりと、メガネの上、桃色の長髪にヘッドドレスを付け、黒と白の侍女服に身を包むソレイユのイメージが明確に浮かび上がり】


―――――いい……!

ソレイユ!なんかわからねえが、俺はリアルに想像できたわ……!
あんた素材がいいっつーんスかぁー、後物腰も丁寧で教養溢れた
どこに出しても恥ずかしくない真面目さがにじみ出てるっつーんスかぁー……

いやいずれ見てみてぇわーマジ……俺の中でかっちりイメージハマるもんマジで!


【舞い上がるあまり、やはりソレイユはメイド服をいずれ来てみるべきだと太鼓判を押してくる】
【うん、うん、と大きくうなずく善太郎はいずれお会いするときにでも頼んますよ、となぜか手を合わせて頼み込んできた】


いやいやいや、少し落ち着かねーとな……なにテンション上げていい空気吸ってんだ俺はよォォ……
とりあえず、疲れが取れるようにリラックス系なにか頼んますよ、カモミールとかオレガノとか


【もしかするとお疲れかもしれねーから、と善太郎がおすすめのブレンドを、と注文すると
【畏まりました、ご主人様、と今傍にいたショートボブの侍女が、善太郎に頭を下げて引っ込んで行った】
463 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/30(水) 23:05:09.30 ID:9qfuSTSLo
>>462

【店内はお洒落な店ではあったが、それでもその中に流れる雰囲気は通いなれたお店のよう】
【自分でも驚いた、初めて出会った相手なのに、こんなに上手く話せるなんて思っていなかったから】
【多分きっと、それはお店の雰囲気だけのお陰なんかじゃなくて――――】


そ、そこまで仰っていただけると……嬉しいやら、恥ずかしいやら、複雑ですね……
でも、悪い気はいたしません、ゼン様のように男らしいカッコいい方に言っていただけると

――――ぁっ、でも、やっぱり恥ずかしいです、見せません、ぜったい


【手を合わせて頼み込んでくる貴方、その情熱的な台詞に、彼女の胸が高鳴る】
【頬に混じる新たな紅潮の色、素肌の白を染める暁の形みたいに】
【やがてそれは流転する紅葉のよう、ぽかぽかと暖められる頬の感触】

【滲む微笑み、弛むほっぺた、その姿は咲き誇る一厘の花みたいでもあって】
【貴方の言葉を聴いて、少ししてから、やがてそんな言葉を返した】
【取り繕った言葉じゃなくて、彼女の生の言葉みたいに――――】

【そんな、ホントの自分を、貴方だけにのぞかせた】


凄いですね、ゼン様……私の心、お見通しなんじゃないでしょうか
配慮のできる男の方って、とっても素敵だと思います――――さぞかし、モテるんでしょう?


【やっぱり、年相応らしい、言葉はそれでも、心はこれで】
【頬が緩んだ、悪戯っ子の様に淡い色を咲かして、貴方へとぐいっと近寄った】
【呼吸が絡み合いそうなくらいに顔が接近するだろう、彼女の顔が貴方を見上げる】

【それはまるで添うよう、口付けを擦るために、背伸びをするみたいに――――】
【小さな形の良い潤んだ唇が、口元が、貴方という存在を確かめて、形にしていく】
【目じりに光る夜露、瑞々しい瞳の奥底に、眼鏡越しのレンズが零れた】
464 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/01/30(水) 23:10:27.35 ID:Rkk+GirVo
>>461

本当にね。私は今回は見るだけに留まったけど、なんとか解決出来たみたいで良かったわ
実力とやる気だけ見れば英雄なのに、と思うのは私だけじゃないみたいだけど。

……あら、私が酒乱だって言うの?これでも健全一筋で飲んだことないのに
しかも、そういうラッシュだってミルクだし。そこはウォッカとかカッコイイ感じのもの頼むところでしょ

【「大人って酷いわ」なんて適当を言って、改めて店内に視線を走らせる】
【確かに、如何に正義と金銭の重さを標榜してるからといって、どちらかと言うとアウトローの集会場らしくも思うが】
【案外、雰囲気も出ているし――これはこれでいいのだろう。正義に型枠なんて無いのが常だ】

意外に律儀なのね、もうちょっと面倒くさがりなのかと思ってたけど、見直したわ

でも、私に花を送るなら108本の薔薇か、でなきゃ夏におっきな向日葵でも頂戴。
私自身は花を送られるようなこともないし、なんだかむず痒いもの
……勿論、後でセリーナに渡してくれってことなら預かるわよ?

【ちなみに、薔薇の花言葉は本数によって違う。もし知っているなら、108本の意は中々強烈だ】
【それはさて置いておき――大きな花束をなんとなく色のある瞳で見ながら簡素な提案というか、質問をして。】
465 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/30(水) 23:28:05.47 ID:6VegDYMIO
【水の国の外れ、森。】

【ーーそいつは何をするでも無く、ただ歩いていた。】
【黒いレインコート、パッツンにした毒々しい緑の髪、林檎のように大きい赤い眼。】
【そして蛙を模した、やけに可愛らしいニット帽。】

けろ。けろ。

【然し、何もせずに歩いているのは『奇妙』である。】
【こんな時間、こんな森、こんな幼い童女が? これは、奇妙だ。】

【……そんな彼女は、正義漢からも悪漢からも良い『的』であった。】
466 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/30(水) 23:34:58.90 ID:B24YbBcDO
>>464
その実力とやる気が一番重要なんだよ
やる気があるなら十全、実力もあるなら万全じゃねぇか

いや…酔ったら怖そう
酒にカッコイイも何もあるかよ、ウォッカなんてお前、値が張るし
それに、俺だけ酔っ払うのは不公平だろ?

【カウンターに置かれたミルクを飲んで、別に味なんて解りやしないが】
【グラスを置くと、一口なのに中身は全て消えていた】

こう見えて真面目だぜ、俺は
女遊びとかしねぇしな

…薔薇は高ぇんだよな…
ま、その気にでもなったら送ってやるさ
代わりに、俺の墓には花添えてくれよ?

【冗談めかして言いながら、椅子をくるりと回してアンジェルに体を向けると、花束をばさりと差し出した】

…そんじゃ頼むわ、礼はいらねぇって言っといてくれ
…あと、珍しい花≠ェ一つ混ざってるが…『取るんじゃねぇぞ?』

【差し出した花束の中、色とりどりの花が雑多に散りばめられた中に紛れて、不自然な物体が一つだけ】
【花に紛れるように一枚のメモ翌用紙が挟まっていた】
【そして、アンジェルに向ける真剣な視線と強調した物言い…暗に『気付いたなら読んでくれ』と伝えようとしている】
467 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/30(水) 23:44:24.06 ID:cut9E6bBo
>>463

へっ、あんがとよ……お世辞でも嬉しいッス
まだまだ発展途上、伸び悩んだ身だが、少しでも男らしさが成長してるなら
俺としても万々歳よ、だから……いじわるしないでほしいッスね〜……


【ちぇー、と見かけによらずコミカルな仕草で、口を尖らせながら割と真面目に悔しがった】
【なんだかんだで本気でソレイユの事を気に行ったらしい善太郎だからか、ソレイユの問いかけにはやや焦った】
【ギリギリで紅茶を噴出さなかったものの、なんと返すべきか?迷いで頭がぐるぐると回りそうになる】

【至近距離まで近づかれメガネのレンズの奥から覗きこむ淡紫色の瞳に映る自分が明確に狼狽えているのが分かる】
【潤んだ形のいい唇が目に入る、決してそんなつもりはないが思わず気が動転して飛び込んでしまいそうな形を見て】
【まずは落ち着いて答えを言わなければならない、なんとかしてふがいない自分に鞭打って】


(う、お、近い近い近い!ガード薄くねーかァ!?この御嬢さんはよォォ〜!?)

い、いやー今の所はまだまだッスよ、今月19になったッスけど今の所それらしい兆候は
まだまだ見られねえな、今後があればいいんスけどねー、一応占ったんスよ自分の事
未来の恋愛運は『運命の輪(ホウィール・オブ・フォーチュン)』の正位置が出たッス

意味は『好転・転機・必然性』だったハズだから……多分その、こっから先であってね、今は、まだ……


【何をうろたえてるんだ、いくらなんでもこんな反応では女性経験が足りないのがバレバレではないか】
【包み隠せない自分の態度に、本当に少しくらい腹芸覚えろよと少し自分に呆れながらソレイユから少し離れた】
468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/01/30(水) 23:50:52.63 ID:Rkk+GirVo
>>466

そこに変人気質が加わって、いい具合に完璧超人じゃなくなってるわよね
自分たちのリーダーをこういうと何だけど、そんなちょっと抜けてる所が良いと思うの

こ、怖そうって……アナタの中での私って、一体どんなイメージなわけ?
あらカッコイイじゃない。カルーアミルクよりビシっとしてる感じね
琥珀色の液体をショットグラスだかでグイッといける男の人は素敵だし。……飲むの早いわね、不公平だわ

【先のだろうと後のだろうと、中々イメージというものが大事だと思わせる一言ばかり】
【ふと空っぽになったラッシュのグラスを見ると、妙な対抗意識を燃やして自らも杯を乾かして】

……そうかしら。仕事にかまけて逃げてるだけだったりして。

あら、花言葉通りの意味に比べればとってもお安いと思うわよ?
気を長くして待っててあげるから、お墓だなんて言うのはやめなさいよ
私もラッシュも割と洒落にならない世界じゃない……、…………―――?

【グラスを置いた時、花束が差し出される。当然アンジェルは受け取るわけだが、妙だ】
【ラッシュの言葉、ふと見た花の中に紛れたメモ――受け取る際に、それをすっ、と右手で抜いて】
【一体何ごとかと訝しみながら、ラッシュから紙切れへと視線を移し――。】
469 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/01/30(水) 23:54:14.55 ID:9qfuSTSLo
>>467

【それはまるで蕩けるよう、練乳のかかったイチゴのようでもあった】
【女性らしい肉感的なそれ、或いは――――少女らしい華奢な形のそれ】
【いかようにも映り行く色合いの中で、貴方を辿る一つの道しるべにした】


ふふ、応えずとも分かっておりますよ、それぐらい推し量れます
ともなると、ライバルは中々に多いのかもしれませんね――――

……転機ですか、良い言葉です、新たな始まりの一歩のよう
ゼン様にとっての好転が私にとっての好機になるよう、祈っておくばかりです


【そう言うと彼女は椅子から降りるだろう、華奢な足先が地面へと付く】
【すらりと伸びた足、ストッキングが絡みつく細長いそれは、スーツにピッタリとあっていることであろう】
【硝子細工のように繊細で、それでいて絶妙なバランスで絡みつくそれ】

【触れて見たならば、絹糸のような肌触りと確かな肉感を感じさせて】
【一つ彼女が脚を動かすたびに、溢れんばかりの躍動感で周囲を満開にするのだろう】
【地面へと落ちて、更に一歩、歩みを寄せた】


さて、と……そろそろお迎えが来たようですね、この辺りで失礼いたします
ゼン様、今日はとても楽しかったですよ――――願わくば、また此処で合えますように、と
その時は、何かお土産話の一つや二つ、期待してても宜しいでしょうか


【傾く彼女の表情、貴方へと背を向けたまま、振り向き加減に横顔を覗かせるだろう】
【桃色の髪が絡みつく、それはまるで指先にまとわり付く靄のようにも】
【一瞬遠くなる彼女の表情、久遠を辿るにはそれすらも甘い】

【溶けるような笑みが素肌の海に流れて、後に残る淡い香りだけ】
【その場を後にする軽やかな足取りが遅れて音色を響かせた】
【残った残照だけが、たがひたすらに、貴方の元へと名残を届けたならいいと思う】


/お疲れ様でしたー!

470 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/01/31(木) 00:17:18.90 ID:gJL/AZkKo
>>469


…?お、おう……喫茶店の相席ってのは面白ぇモンだ
隣の席に座った奴と結んだ縁が後々大きく活きてくるって、一種のロマンを感じるっつーか
ノスタルジックな気分になるっつーか……きっともうすでに、俺にとっては好機になってるんじゃねえかと思うッス


【す、と隣の席から離れるソレイユを目で追うと同時、ゼンも見た】
【背後の窓から赤いマフラーを巻いた茶髪の青年を見つけ、ようやく自分の待ち人も来たことを知る】
【先に離れたソレイユに手を振って見送りながら】


おう、俺も楽しかったッスよ、この場所でまた会えればいいッスね
土産話だけと言わず、次は武勇伝でもがっちり語れれば儲けモンだ……俺も待ち人が来た
この辺で失礼するぜ、そんじゃあなソレイユ


【こうして善太郎もレジで会計を済ませた所で店から離れ、後ろから『行ってらっしゃいませ!ご主人様!』と背中から声をかけられると】
【待っていたその青年と合流して、そのまま二人でその場から去って行ったのだった】

【←To Be Continued...】

/はい、度々ありがとうございましたー!ではお疲れ様です!
471 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/31(木) 00:22:07.32 ID:g9yF16GDO
>>468
…ま、自分の金でこんなもん立ち上げるくらいだし、悪い奴じゃねぇのは確かだよ
何かあったら支えてやれよ…?

【カウンターに体を向け直すと、もう一杯ミルクを注文してから煙草をくわえ】
【灰皿を引き寄せながら火を点ける】

怒ったら怖そうなイメージしかねぇ
…酒ってのはカッコつけて呑むもんじゃねぇんだよ、こう…嫌な事を忘れる為とかにあるんだ

【何か気の利いた事でも言おうかと、ミルクのグラスを回しながら考える】
【結局、よく解らない言葉が出て、グラスを置いて紫煙を吐いた】

―――……

『多分、これを読んでいるのはセリーナか、そうでなければUNITED TRIGGERの誰かのはずだ』
『俺、ラッシュ・ワンスドッグはある会社というか組織に属している…大神研究所≠ニいう会社だ』
『その会社は裏世界に兵器や傭兵を調達する会社だが…その裏でふざけた社長が意味のないテロ行為を行っている』
『最近あった壱夜での事件もそうだ、情けないが俺は訳あって逆らえず、命令に従うしか出来ない』
『俺はそういう男だ、軽蔑はしてくれて構わない』
『…その内、近い内に水の国を標的に定めた、あいつは遊び感覚でテロを行っている』
『出来ればでいい、警戒しておいてくれ…それと、もし当日に俺がいたら、容赦せずに止めてくれ』
『最後に…詳しい位置まではわからないが、研究所がある場所を書いておく、何かの助けになると思いたい』
『魔海の中に研究所が、俺の主人がいる、チャンスがあればまた』

―――…なぁ、アンジェル
花のセンス、悪いか?

【煙草の灰を落としながら、『俺は間違ってるか』と問い掛ける】
【―――彼の動きは逐一主人が監視していると、彼自身が一番知っている】
【それでも、こういう形でも、主人の目論見と居場所を伝える事は彼なりの勇気を出した行動だ】
472 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/01/31(木) 00:41:25.02 ID:vUA8eoKBo
>>471

任せなさい、あなたが私にどんなイメージを持ってようと、私の正義は曲がらない
それに仲間を助けるのは至極当然だし、セリーナには助けてもらった恩もあるから……ぁ

……そういえばその、前はありがとう。言い忘れてたわ
目を覚まさせてくれたし、一緒に戦ってくれたし、纏衣をぶん殴ってくれたし……
俺と言ったらなんだけど……うん、ミルク代は私が払っておくわねっ!

【ふふっ、と笑ってから――いや、それを皮切りにとでも言おうか、メモに視線を引き寄せられる】

【大神研究所―社長―テロ行為。水の国、当日もし出会ったら、そして研究所の位置】
【仮に、これが嘘であるという可能性は有るだろうか。彼が洗脳でもされていれば、話は別だが】
【少なくともアンジェルにはそうは思えなかった、何故なら――何故なら、理由はないが】
【ここまで具体的な内容を、わざわざ回りくどく“布告”とするような相手もそうはいないと、そう感じたから】

【メモを二つに折って、手の内にしまう。ちょっとした沈黙を置いてから花へ、そしてラッシュに視線を向け】

いえ……、……―――いいえラッシュ、きっとセリーナも喜ぶと思う。

……あなた、なんて言うか意外と素敵ね
「ちょっと見直した」なんて言わなきゃよかった、言葉が足りなさすぎて――。

【「大丈夫なの?」と、最後に小さく彼女は呟く。自らを犠牲にすることも考えてはいるようだが】
【いわゆる正義の、その力は自らがよく知っている。最悪の場合だってなくはないのだ】
【彼に向けられる視線には、どこかそれを心配するような色が篭っていて。】
473 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/31(木) 00:54:52.02 ID:g9yF16GDO
>>472
…あー、そうだな…
まあいいよ、俺もお前の顔蹴っちまったしな、女の顔蹴るなんて男らしくもねぇ…
それに、纏衣の奴は俺もムカついてたから殴っただけだ

【礼を言われると、一度視線を向けてから照れ臭そうに逸らして、首を振る】
【でも代金は黙って払ってもらう事にする、金欠だから】

……そうかい、少しカッコ付けすぎたと思ったんだが…お前が言うならそれでいい

よせよ、その言葉はもっと相応しい奴に取っておきな
…俺はただの犬だからよ

【ふぅ、と紫煙を吐くと、まだ長い煙草を灰皿に押し付けて揉み消し、グラスをアンジェル側に押し寄せながら「ごっそさん」と立ち上がる】

―――それに言ったろ?
代わりに墓にでも花添えてくれってよ

【自分にかかるリスクを考えても笑えない、そんな事はわかっているのに】
【何処までも自分の思う男らしく≠りたい彼は、苦笑いを最後に浮かべて】
【来た時と同じような足取りで、店を後にしたのだった】

/お疲れ様でした
474 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/01/31(木) 01:20:02.27 ID:vUA8eoKBo
>>473

……もう、十分格好付いてるわよ。
ねえラッシュ、今このタイミングで、こんな事言うのもどうかとは思うんだけどね

もしまたこうして会えたら、二人で一緒にお酒でも飲みましょ?
嫌なことを忘れるために飲む……楽しくやるのだって、同じだと思うの
酔っても怒らないから、付き合ってくれるわよね?

【ルールだなんだと言っていたのが、周りには秘密だと言うような密かな笑みを送り】
【花束と、それからメモを双方の手に持って席を立ち、彼の背を見て】

病院の花瓶に生ける程度で済むように、祈っておくわ
……月並みだけど気をつけてね、ラッシュ―――。

【ぱたん、と閉じる店のドアと見えなくなる彼の姿に、少女は些か悲しげな表情を見せた】
【そこにどういった想いが篭っているかは分からない。だが――手の内の紙切れが、異様に重く感じられ】
【やがて夜の見回りに出かけるまで、彼女はじいっとグラスを眺め続けていた。】

/お疲れ様でしたー!
475 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga sage]:2013/01/31(木) 03:12:50.45 ID:ZKnzPr1ro
>>444

……丈夫な義手、か。当てができたら、その時は連絡でも入れようか。

【女は自分の顎に手を宛がって、やおら思案するように目を細め。首を傾げて訊ねつつ】
【「よりにもよってこの私が、危なっかしくない、と来たもんだ──あいつらが聞いたらどんな顔するだろう」】
【と、何やら物騒な独り言をぽつり。こちらも大層愉快げに破顔しつつ、しきりに頷く】

全くだ。──縁と言っても精々あの演説をTVで聞かされた程度だが、私も奴は大嫌いだ。相容れないと言って良い。
然るに人にはそれぞれの分≠ニか適性ってものがある。ある者は君主、ある者は兵士、ある者は商人、ある者は農夫のそれを持つ。
奴はそれを弁えずに、殺し合いになんざとんと縁のない堅気の奴らまで、夜の底に叩き落とそうとしてやがる。
日陰に生きる奴らにだってな、通さなきゃならない筋≠チて物があるんだ。それをトチ狂って、無関係の奴らまで巻き込んで──

【或いは彼女も順風と同じく、戦いを続けている内に、知らず知らずかの六罪王に同調してしまうような節があったのかも知れない】
【表情こそ笑っていたものの、彼女の声もまた、自戒の念と静かなる怒りを秘めていた】

……ああ、失礼。少し熱くなりすぎたよ。それはさておき、成る程……アートマンね。
理性を失うのは厄介だが、限界を越える──単なる火事場の馬鹿力ってのとはまた違った意味合いのようだが、どうなんだろうな。

拒絶≠キる能力。私の意志にそぐわない物を阻み、撥ね退け、抹消する力だよ。
それがたとえ何であれ、だ。カタチの有る無しに関わらず、私の刃はあらゆる事象を逃さない。
生ける者もそうでない物も、魔術も物理法則も異能力も概念も。

ひとたび間合いに捉えたなら、神様だって斬ってやる……まあ、それと勝てるか、勝てないか≠ヘ別問題だが。
『概念操作』だなんて、人間が持つには過ぎた力ではあるけれど、流石にそう大それた真似はできない。
一寸ばかし面倒くさい制約もあるしな。だから単純な出力や規模なら、私のを上回る能力は幾らでもある。戦闘能力においても然りだ。

【順風の説明に、やや不安げに耳を傾ける女だったが──聞き終えれば、す、とおもむろに右手の人差し指を立てる】
【その指先に点るのは、人魂めいた蒼い燐光。これをボトルに押し当てて、撫でるように滑らせると】
【抵抗感なく、指がボトルを横真っ二つに両断した。宙を舞う上半分は切り口から光に浸食され、地面に落ちる間もなく微細な塵と化す】
【丁度湯呑みのような形となった下半分に口を付け、女は残りの緑茶を一息に煽った】

//只今帰りましたので置いておきますね(焼き土下座)
//ようやくレスできる状況になったと思ったら三時過ぎ……申し訳なさが凄いです
476 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/31(木) 16:50:14.41 ID:ez35WWblo
【繁華街、雨の降る路地】

【表通りの華やかなネオンが煩わしくて、喧騒が脳に響いて嫌気が差す】
【辟易しそうな横殴りの雨など黙殺し、情けなくふらつく足で探すのは雨宿りの場所などでも無くて】
【先までいた場所よりも少しは閑静な路地の地べた、そこに座り込んだのは、今から半刻ほど前の事】

【――何処か高い場所から落ちてきたらしき水滴が、ぴちゃり、と】
【側頭部に咲かせた漆黒の彼岸花を揺らして、そうして漸く沈んでいた頭が上がった】

【若い男。肩口で切り揃えた白髪と、身奇麗だったのだろう黒のスーツはすっかり濡れ鼠で】
【葡萄色の目が暫し何も無い周囲を睥睨してすぐ、群発的に襲う頭痛の所為で顰められる】

…………阿呆らし

【側の通りを歩く人を眺めて酷く不機嫌そうに漏らした言葉は、静かな雨音に溶けていく】
477 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/01/31(木) 17:45:53.18 ID:ez35WWblo
【人通りの多い街中】

【車の音、人の声、そんなBGMの中に異物のようにピリリリ、と断続的に続く音が妙に目立つ】
【それに気づいた周囲の人が不可思議げに視線を彷徨わせる中で、】
【まるで気が付いていないように、俯き加減で足早に歩く、長身の若い男が一人】

(ワタシが無意識下でワタシの意識を壊して、それで結論から演算を遠ざけている?)
(命題はそも何だ?求められるべきはxかyか?幾何学上で語られるべきは既に確立した法則では無いのか?)
(一見不条理に見えて実は確かな整合性を持ったパラドックス……嗚呼、纏まらない)

【腰まで伸びた紅茶色の髪、オリーブ色の目は右と左で瞳孔の大きさが奇妙に違う】
【その目をブラウンの眼鏡で隠し、黒いシャツにオレンジのタイを締め、紺色のパーカーを羽織って】
【赤いベルトを通した灰色のジーンズ、靴底が妙に厚い迷彩柄のスニーカーを履いている】

【雑踏に紛れそうな容姿でありながら、往来の人々の視線は何故かこの男に集中している】
【理由は先程から喧しく鳴り響いている甲高い着信音、それが明らかに、彼の懐から発されているためで】
【聾唖なのかはたまた思考に集中しているせいか、当人は全くもって気付いていない様子だ】
478 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/01/31(木) 19:06:49.33 ID:blsl5VbMo
【商店街】

世間一般ではもう結婚適齢期に入るんだっけ、そういえば

【いまだ人で賑わうそこを、普通よりもは身長の低めな人影が歩いている】
【頭を見ると青い短髪で、肩にすら届かない】
【そこから少し視線を下げるとフリルの大量についた、いわゆるゴスロリ服】
【形はワンピース型で長袖、スカートは少し膨らんだ形状、色は薄い黄色だ】
【その下はスカートが長く確認し辛いが、服と同じ黄色のブーツを履いている】
【そして何より目立つのは、頭より少し高い位置に浮いている、人形だ】
【正確に言えば、人形というよりはぬいぐるみに近い】
【デフォルメされており、美しいというよりは可愛いと思わせ、しかし柔らかさよりは硬さがある】
【そんな人形が8つほど、頭上に浮いており、そのうちいくつかはバッグ等の小さめの荷物を持っている】
【そんな、少女……いや、少女というにもまだ幼い子供だ】

もうそんな年になったんだな……私

【その見た目には似合わない呟きを口から漏らしながら、店先を眺めている】
【見た目と時間を考えれば、十分補導も考えられる状態だ】
【また、周囲には人も少なくなっており、襲うにも格好の対象だ】
【どうするかは、通りかかる者しだいといった所だろう】
479 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/31(木) 19:14:50.33 ID:NJuMATDN0
>>475
/おかえりなさいませ

「ええ、お願いしますよ」

 取り柄と言えば体力と根性だけの無能力者が、
 あの一日で隻腕の能力者になったり、丈夫な義手を付けたりずいぶん様変わりしたものだ。
 と、順風は心の中でため息を吐く。

「それぞれの分、ね。・・・俺は戦闘や戦争ではもっぱら役立たずで、
 ずっと能力者のサポートに回ってる側だと思いましたが、随分持分が変わりましたよ。
 ・・・アンタがなんで日陰の人間の筋に拘るか、それは聞かないでおきましょう。自警団の仕事はお休み中ですしね」

 順風は苦笑いを浮かべながら、肩を揺らした。

「ええ、厄介な能力ですよ。
 2つの意味で"できない"ことが"できる"ようになってしまうんだから。
 発動さえすれば多分、アサルトライフルの弾丸だって見切れるでしょうし、壁だって垂直に走れるでしょう。
 ・・・もし泣いてる女の子が居たら、その子の目を抉る事だって迷い無くできちゃうかもしれませんね」

 それは卵の魔力なのか、能力の作用なのかはわからない。
 しかしこの能力は発動したが最後、完全に制御不能になるのだ。

 少なくとも、敵とはいえ女の腕を千切り取るなんてことは、正気の順風なら絶対に躊躇うだろう。

 そして目の前の女の能力を目の当たりにし、
 順風は目を丸くする。

「なんですかそりゃ・・・メチャクチャだ。本当に神様みたいな能力じゃないですか」

 順風はその能力は、"拒絶"というよりも"抹消"のように思えた。
 あらゆるものを消してしまうなんて、下手なカノッサの・・・ともすれば幹部以上に恐ろしく危険な能力だろう。

「上には上が居る、ね。少なくとも俺にはアンタがその能力を使って負けるところなんて想像がつかねえぜ」

 能力への羨望と劣等感に黒い感情が芽生えそうになるも、
 順風はグッとそれを胸の内で押し殺した。

(やめとけ、嫉妬しても羨ましがっても。
 どうせまた後悔する結果が残るだけだ・・・)

 順風は目を瞑ると、ふぅと1つ息を吐いた。
480 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/31(木) 20:46:04.92 ID:jQUOu1ng0
【水の国 森】

……やっと機嫌を直してくれて、よかったよ……
「……まだすっかり整理がついた訳でもないんだけどねー……でも、いつまでもむくれててもしょうがないし?」

【燃えるような赤い短髪に黄金色の瞳を持ち、首には緑色のスカーフを巻いた】
【長旅用の生地の厚い服の上から、胸部を覆うブレストアーマーとショルダーパッド、焦げ茶のマントを羽織り】
【腰に歩兵用の両手剣を佩いた、身長170cm前後の青年と】

【白い体毛に赤い瞳が光り、表皮の下の筋肉の盛り上がりが見てとれる体格をした】
【額に角を生やし、口元に2本の触手を生やした、白いライオンの様な獣が】

【人気のない暗い道を、何気ない会話を交わしながら歩いていた】

【青年は、獣の背にまたがり、馬に乗る様にして揺られていた】
【馬に比べれば獣の背が低いため、どこかしっくりこない光景だったが、それでも獣の力強さは青年をものともせず、人を乗せて歩く姿に説得力を与えていた】

「……で、今度はどうするつもり?
この国で大瀑布でも探す? それとも風の国の山にでも登ってみる? ……いっそ、紀行文でも書いてのんびりする?」
そうだね……少し悩んでる、かな……

【獣が人の言葉を喋るのも、傍目には珍しい光景だろうが】
【青年は、まるで当たり前の様子で、獣と何気ない会話を楽しんでいた】
481 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/31(木) 21:13:41.67 ID:Dy3hsgwA0
【水の国、郊外 ――― 路地裏からそう遠くはない場所。】

【敷き詰められた白のブロックが人目を引く、安らいだ雰囲気の公園がある。】
【規模としては小さいのだろう。ところどころに樹が植えられており、中心にはやや大きめの噴水があった。】
【そして噴水を背にベンチが1基、表通りを向く方向で設置されている。】


【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

【そのベンチに座っているのは、そんな形容の出来る人影だった。】
【手には小さめの四つ折りの地図。恐らくはこの街についてだろうか、どこか熱心に目を通している。】

 【それも、やがては終わった様で―――】

(…… 今夜はかなり楽だったわ。この街の治安がいいのもあるでしょうけど―――) 

【そんな空気でふと、安堵めいた吐息をひとつ零して。
 地図を折り畳んで懐に仕舞うと、少女は、街灯りのほうへと目を向ける。】


(そういえば、あの勝負もまだ続いてるわね……。)

…… いつまでも続けているというのも、それはそれで楽しそうだけど。

【“彼女”は今、どうしているんだろう? そんな疑問が浮かぶとともに、知らずのうちに紡いだ言葉。】
【楽しげな想像でもするみたいに、なぜだか、勝手に声は弾んで―――。】

/約束絡みだったりするのです…!
482 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/31(木) 21:21:34.93 ID:7X/dz155o
>>480

「――――――――」

「――――うおおおおォォォーーッ!」

【おや、……あなた達の正面から何やら不吉な雄叫びが聞こえてくる】
【……多分、多分人間のものと思わしきそれが聞こえてくる――多分、……えっと、恐らく人間のものだと……思います】

【そして、正面から現れる影――どどどどどっ、と足音を立てながらそれは勢い良く迫り来るッ!】

「ヘケヒャハァーッ!」 「今日の夜飯ィーッ!」 「見つけたぞォーッ!!」
「おい、そこのあんた――そいつは俺の"獲物"だァァーーッ!!」

【それはガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪は天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】

【……その言葉から察するに、そちらの"獣"が目的のようだが】
【それは、売っ払うとか見世物にするとかそういう類のものではなく、"自身の腹を満たすため"という目的であって――】
【彼のその眼は獲物を見つけた"肉食獣"そのものであり、そして獣に負けない程それは爛々と輝いていた】
483 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/01/31(木) 21:35:16.74 ID:jQUOu1ng0
>>482

…………ん?
「あ…………?」

【夜の静寂を無残に引き裂く、その咆哮を認知してか、青年と獣は揃って顔を上げる】
【それがなんなのか――――それを認識するまでには、一瞬の時間が必要だった】

なんだ……あれは…………?
「……なんでも良いけど、穏やかじゃないよアレ……」

【迫り来るのが、とりあえず人間の男であると言う事は分かった】
【だが、まるで狂人――――そう思わせる様な、理知的なものを全く感じさせない態度に、2人の表情は険しくなる】

「……サリー君、降りて」
あ、あぁ……

【思いきり顔を顰めた獣は、上に乗っていた青年に降りる様に告げ】
【青年は言葉に従い、獣の横へと立つ】

「……よくも言えたものね、あたしを喰らうなんて…………」

【呆れ――――どちらかと言うと怒りに近いのだろう。そんなつぶやきをこぼしながら、獣は全身から光をほとばしらせる】
【一瞬、目を眩ませるような光芒を放ち、その光が退くと、そこに居たのは獣ではなかった】

【白いストレートの長髪に赤く緩やかな光を纏った瞳をしている】
【白いタンクトップの上から白いジャケットを羽織り、白いハンドグローブに白いスカートを履いた】
【肌の色白さも相まって、眩いほどに白さが際立っている、身長160cm前後の少女】

【思いきりジトリとした眼で男を見据えながら、青年のそばに立っていた】
【色合い以外に、かつての獣の姿の名残を感じさせない、人間そのものの姿である】

「……一体誰が晩飯だって言うの? 本気であたしを喰らうつもり?」
悪いけど……彼女は僕の大事なパートナーだ。危害は加えさせないよ……

【苛立ちを隠さずに男へと言葉を投げかける少女。その横では青年も、そっと右手を腰の剣へと移しながら、やはり警戒したような視線を男へと送っていた】
484 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/31(木) 21:46:00.22 ID:oAkaN4Nb0
>>481
【そんな少女の背後――――噴水を挟んで向こう側に、また一つの影が現れて】
【明るみを帯びた金色の髪。頭に生えた二つの耳は、純粋な人間で無い事を示して】
【ローブの裾からはみ出た尾がゆらゆらと揺らされて居る所を見れば、何となく心情を読み取れるだろうか】


「んー……やっと終わったー……
色々と大変だったけど……壊れてなければいいなぁ――――あれ?」

【噴水を迂回して帰路へ着こうとするその最中、前に見えるのは見知った姿】
【毛並みの良い尾が一度大きく揺らされて、耳がピョコピョコと動かされれば、思わず駆け出しそうになるも――――ふと、約束が頭を過ぎって】
【幸いにも少女はこちらの存在に気付いていない。ともなれば、絶好の機会だろうか】
【慎重に進める足取りは砂を一粒も擦らせる音を立てること無く。流石は亜人――――狩る側に居た者と言うべきか】


「えへへ……油断大敵ー……」

【耳を通ったのは、少女が最後に紡いだ言葉】
【思わず口元を緩めて――――また数歩。確実に攻撃範囲へと近づいていって】
【少女の――――友人の弱点は、把握しているつもりであった。所謂スキンシップ。このまま背後から急に抱きつけば、勝利は確定だろう】
【もう頭の中では、少女の反応が分かるようで――――人懐っこい笑みを浮かべて、抱きつこうとしたその瞬間であった】
【足下に転がっていた空き缶。つま先が当たれば、カラン――――やけに響くであろう、その音】


「ヒャッ……?!」

【距離にして目と鼻の先。研ぎ澄ませば互いの香り、体温をも感じ取れるであろう距離での驚きの声】
【――――勝利を確信していただけに、ピンと立たせた尾と耳共にその驚き様も滑稽で】
【僅かな時間。しかし、その間は少女が“約束”に対して圧倒的に有利に進められる瞬間でもあって】
【――――果たしてその時間を、どの様に活用するのは、少女に委ねられて】
485 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/01/31(木) 21:51:56.23 ID:ZKnzPr1ro
>>479
//只今戻りましたっ

後天的に能力を得るなんて事は然程珍しくもないさ。人間は幾らでも変わるものだ。

【人は変わる。当たり前の事ではあるが、それにしても順風に訪れた変化は急激すぎる】
【なのにこの女といったら、随分と気楽な物だった。他人事だと思っている──と言うより、達観し過ぎているのだ】
【腕を失おうが卵が孵化しようが能力を得ようが、それまでの己が消えてなくなる事はない。ならば何一つ問題はない、と】

……それは重畳。物分かりの良い奴は嫌いじゃないよ。

ああ、危険な能力だ。ただいたずらに発動を控えるんじゃなく、制御する努力をすべきだろうな。
恐れて力を抑え込むばかりでは、寧ろ最悪の結果を呼び兼ねない。抑えに抑えていたものが何かの拍子に暴発でもしてみろ。
まず間違いなく、泣いている女の子の目を抉る、抉らない≠ヌころの話じゃなくなる。

【くすり。女は順風に応じて、悪戯っぽく微笑した。相も変わらず涼しげな目許からは、揺らがぬ自信が窺える】
【ガス抜きがてら人の居ない所なり何なりで積極的に能力を使って、制御するコツ≠掴むべきだ、という無謀な意見も、また】
【何物も怖れずただ我が道を行く、傲岸不遜な彼女の性分の顕れだ】

対象を選ばず全てを[ピーーー]力とだけ言えば、なるほど、死神めいているな。
ただ、全てを殺しうる≠ニいう事は同時に全てに殺されうる≠ニいう事でもある。
例えば、私が目の前のお前に能力を使ったとする。私の力の総量を1000として、人間大の物体を消し去るのに要する力は50ほどだ。
ただ、私が仮に力を50使っても、恐らくそれがお前の元に届く頃には、力はざっと1/5以下。大体10か、5か……或いはもっと衰える。

空間。そこに満ちる大気、熱、魔翌力やごく微小な塵。物理法則、時間の流れ。
相手の持つ生命力、魔翌力、魂、消滅する事を拒む当たり前の欲求、その他諸々。影響される要素が多すぎるんだ。
対象を選べない分、どうしたって力の行き先は分散する。だから極端に能力の作用効率が悪い。
もちろん物を消滅させるだけが能じゃないし、やろうと思えばある程度能力の作用対象を絞る事も出来なくはない。
そもそも元が概念なんていう曖昧な物であるからして、応用の幅も膨大だ。ただ、無敵とは程遠い。

一見どんなに化物じみていても、完璧な能力なんて物はあり得ない。私の力がいい例だ。
それに、能力はただ持っていればいいという訳じゃない。刀は手入れを怠れば錆び、体は鍛えなければ衰える。それと同じだ。
能力の強さに胡座をかいて、素人同然の相手に殺される奴は決して少なくない。
逆に無能力者だろうが、機転や技術を活かして能力者と互角以上に渡り合うようになる奴もいる。

【さして面白くも無さそうな口調で、時に小さな欠伸など交えつつ、女は己の能力の欠点を晒す】
【能力者が自ら手の内を明かすなど、おおよそ常識外れの行動だ。だが、彼女の思想を考えれば合点がいく】
【能力は己の在り方を映す鏡であるが故に、一見弱そうな能力も、磨き方や活かし方によっては必殺の切り札に変わりうる】
【逆も然り。どんなに強い能力も、使い手がそれに見合う実力を持ち、使いこなす努力をしていなければ恐るるに足らない】
【重要なのは能力の強さではなく、戦う者の意志と行動──彼女はそれを、順風に伝えんとしていた】
486 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/31(木) 21:54:16.53 ID:7X/dz155o
>>483

「ヘケケケ、毎日クマやらイノシシやらでも良いんだけどよォ〜」
「やっぱり!」 「色んなモノが食いてェーんだァーッ!」

【彼らへ接近し、今まさに襲い掛かろうとしていたその時――】
【獣の全身よりほとばしる光、思わず眼を瞑ってしまって】
【――気が付くと、獣は居なくなっており代わりに少女がいて】

「……あれェー?」 「さっきの獣はどこいった?」 「――――」

【頭部より浮かぶ、沢山の疑問符】
【暫しの間、何がどうなってこうなったのか――よく、理解できなかった様子】

「おいあんた達――さっきの歯応え有りそうで美味しそォーな奴はどこいったんだよォ〜」
「俺は人間の肉は好きじゃあねェーんだ、早く出せェーッ!」

【……ああ、結局理解していない、少女と獣が同一だと察するのには十分な材料が揃っていたのに】
【はたして、それは空腹の為なのか、素なのか――】
【相手の警戒も苛立ちも意に介せず、繰り出すはタックル――何の変哲もない、ショルダータックルだ】
【狙うは、青年の方――もしかして、獣と少女を彼がすり替えたのだと思ったのだろうか……それともただ単に、気分なのか】
【ともかく――真っ直ぐな軌道だ、対策は幾らでも出来るだろう】

「よォーし、俺が勝ったらさっきの獣を出してくれェェーーッ!」 「腹減ったんだよォーッ」

【だが、2対1のこの状況――こちらが不利なのは、明確であって――――】
487 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/31(木) 22:04:27.98 ID:jQUOu1ng0
>>486

「サリー君、こいつ…………魔海から迷い出た亜人、なんて事無いよね……?」
……ごめん。僕に聞かれても答えられないや……ちょっとばかり、自信が無い…………

【獣を狩り、それを食料としている――――普通に考えれば、狩人などの人物像を思い浮かべ、それほどの奇矯な話ではないだろう】
【しかし、眼前の男の口にするそれは――――そうした尋常な人間の範疇を感じさせない、悪い意味での粗雑さに満ちており】

……どこにいったも何も、ここに居るじゃないか……っ
「……これ、言っても無駄って奴なんじゃないかな? …………本当に、分かってないのかね……」

【これほど分かりやすい『変身』の光景を目の当たりにしてなお、それを理解できていないと言う事実が、そうした認識に拍車をかける】
【思わずため息をつきかける青年と少女だが――――タックルを仕掛けてくるとなると、そうしたのんきな反応は返しておけない】

「――――――――サリー君、こっちは一端下がるよ!」
あぁ! …………少し、頭を冷やしてくれッ…………『地霊』!!

【仕掛けてくると見るや否や、脱力しかけていたその表情を引き締め、バックステップで一歩下がる少女】
【そしてその場で仁王立ちした青年は、剣に掛けていた右手を離して構え】
【――――左腕から、黄色い光を放ってそれを右腕に纏わせると、タックルを仕掛けてくる男目掛けて拳を放った】
【その光は、インパクトの瞬間に衝撃波を放つ――――筋骨隆々の男であっても、それ相応に『重い打撃』を見舞う事が出来るはずだ】

「(…………このあたしを喰らうなんて、100年早い…………!)」

【バックステップした少女は、微かにその身から魔力を滲ませながら、前方での両者のぶつかり合いをじっと見つめていた】
488 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/31(木) 22:24:19.70 ID:7X/dz155o
>>487

「魔海ィ?」 「あァー、聞いたことはあるなァー」
「そォーいや、行ったことなかったなァー、その内行ってみるかァーッ」
「"元いた世界"みてェーに魔物がいっぱいいるらしいしなァー」

【ヘケケケと喉の奥で笑いながらそう言って――こんな奴が魔海に迷い込まれても困るのだが】
【――そもそも、彼はこの世界に迷い込んできた異世界の者、その事実はさらっと流されて】

「……えェー?」 「――――…………すまん、ちょっとよくわからねェーや」
「ここに居るって言うなら……んゥー、飯食わないとわからねェーやッ!」

【幾ら空腹とはいえ、ここまで来るともはや――アホを通り越した頭脳の持ち主、としか言い様が無い】
【そして、電車でもどこでもとにかく会いたくない人種に近い――そんな人種と同じ雰囲気】

「喰らえェーッ!」

【さて、――彼の行った動きのタックル】 【猪突猛進のそれに対して放たれるは拳――モロに受けてしまった】
【それに纏われた黄色い光の衝撃波と共に、その拳は彼の肩や腕――右のそれらを中心としたダメージを与えて】
【みしり、と嫌な音を立てた後に、後退――近くの木を背後にして】

「……ヘケケケ、中々やるじゃあねェーかァー」 「だったらこいつを喰らいなァーッ!!」

【左手で、近くに落ちていた石――掌サイズにしては、大きめか】
【その石を、男目掛けておもいっきりぶん投げるッ!】

【――この石には、彼の髪の毛と同じ"深緑色の棘"が無数に生えていて】
【その棘は、"打撃"の他に"刺す"や"削る"と行ったダメージの要素を与えている】
489 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/31(木) 22:31:33.26 ID:7X/dz155o
>>488
/ちょっと勘違いされそうなので付け足し
/髪の毛と同じ新緑色の棘、というのは色のことだけです、髪の毛はもう少し柔らかいです
490 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/31(木) 22:39:36.36 ID:jQUOu1ng0
>>488

……っ、異世界の存在か……!
「……もう少し、常識的な存在だった方が嬉しかったよねッ、異世界に変な先入観出来そうだし!」
……まぁ、あそこには容易に入れるはずもないさ…………!

【異世界の住人であると言う事に、2人は何とも言えない嫌な表情を見せる】
【普通だったら、好奇心をかきたてられるところなのだろうが――――友好的とは言い難いこの様を見ては、そんな感情も湧いてこない】
【――――人ならざる者の地。人間を苦しめる魔力に覆われているかの大樹海に、この男がそう簡単に踏み入って行けるとも思えないが】

…………やっぱり、話は通じそうにないか…………ッ
「……まともに応対してたら無駄に疲れるタイプよね……!」

【只でさえ謂われなく襲撃されている上に、理解と言う語そのものを理解しているのか――――そんな疑問をすら抱かせる、知性の無い返答を受けて】
【2人は、揃って忌々しげな表情を見せる。こうなった以上、殺すまではしないだろうが――――力づくで振り払うしかないと】

っ、よし……今のうちに!

【右の拳を叩きつけ、青年は男が後ろにたたらを踏む隙に、腰の剣を抜き放つ】
【本来、青年は拳打よりもこちらの方が得意である。その剣を正眼に構えて――――そこに、男が石を投擲してくる】

くっ…………ぅ、な……ッ!?

【素早いとは言え、こちらも構えていた。その石を剣で以って弾き飛ばす事は、出来ない事も無い――――はずだった】
【しかし、剣で弾こうとした時に、石の刺が剣を削り、逆に剣を弾かれる形となって】
【握り締めた剣を吹き飛ばされる事こそなかったが――――青年の身体に石は命中】
【ブレストアーマーを切り裂き、胸元にいくつかの切り傷を与えていた】

「――――こっちを忘れてないかな、異世界の亜人……!」

【そんな青年の様子を見ていた少女は、下がった位置から男へと怒号を飛ばす】
【同時に――――右手を男に伸ばすと、そこから魔力弾を2発発射する】
【わざわざ叫んで注意を引いたのは、こちらへと意識を向けることで、青年への狙いを外す意図があったのだろう】
【それはさておき――――術式を練る事無く魔力弾を発射した少女。その赤の瞳は、冷たい怒りを孕んでいた】
491 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/31(木) 23:01:26.12 ID:7X/dz155o
>>490

「ヘェーケッケッケッケッケッケェーッ!」 「そォーだ、俺はここの世界に迷い込んできたんだぜェー」
「まァー、慣れてるからなァー、異世界旅させられるのはよォー」
「……簡単に入れねェーのかあそこ、まァー良いや、"アウ"にサポートしてもらえば行けるだろォ〜」

【異世界よりやってきた者であり、それを"渡り歩かされている"者でもある彼】
【常識の"じ"の字すらないようなそれは、……"魔海"に入る気満々で】
【――どうやら、彼には"仲間"が居るようだ、今は姿が見えないが――――】

「ヘケケケ、どォーだその石は!」 「俺の能力――"ドルニィ・シリーズ"の能力の結晶――」
「そいつに、それを使って棘を生やしたんだぜェー」

【――投げられた石に生えた棘は、いつの間にか消えていて】
【"棘"――それが、彼の能力と見て間違いなさそうだ】

「亜人?」 「亜人どころか俺は人じゃあねェーらしいんだよなァー」
「人じゃあなかったら何かってェ〜?」 「……知るかァァーーッ!」

【見た目はほぼ人間、しかし――本人曰く、人ではないらしい】
【――もっとも、本人すら自分が何かを分かっていないため、もしかすると結局は人間の可能性も……ありうるだろう】

「んゥー……ッ!」 「痛ェーッ!」 「……ヘケケケ、[ニードルアーム]を封じるつもりだなァ?」

【飛ばされた怒号、それに反応して振り向く彼】 【――そして飛来するは魔翌力弾】
【二発――素早く、振り向く前は背後に有った木を盾にしてそれを防ごうと試みるも】
【案外細かったその木に身体を隠しきれず、一発は右腕に受けてしまい裂傷を負う――近接を得意とする彼には、向かい風になるだろうか】

「――[ニードルライナ]ァーッ!」

【そして地面を右脚でおもいっきり蹴ると、そこから幾らかの棘が生えて、その棘は少女に向けて駆けて来るッ!】
【その軌道は真っ直ぐで、性質上脚部狙いとなっていて、速度は人が駆ける速度より速いがびっくりするほど速くはない】
【もし当たったら、棘が数センチ刺さるだろうが――致命傷にはなりにくいはずだ】
492 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/31(木) 23:02:48.53 ID:Dy3hsgwA0
>>484

【――― カラン、と鳴り響く軽い音。】

(………何 ?)

【殺気は感じないし、風も穏やかなままだった。だから、何の気なしに振り向いて―――――】

――――――………っ、ヨハン!?

  【聞こえてきた声があった。そして見えたのは友人の姿。】
 【………完全に予想外の出来事だった。嬉しさもあってか、思わず上げる驚いた声。】
【けれどこの状況への理解は一瞬。これは紛れもない好機で、ヨハンとの勝負の分かれる場面で――――】

(……油断したわね。今日こそ貴女に、私が“攻め込む”――――――!)

 【………言葉にせずとも目で伝わるほどの、“分かりやすい” その思考。】
【そして素早く立ち上がりながら、彼女は微笑をにやりと浮かべた。双の橡色にはふふ、とばかりの強気な輝きを湛えて。】

【そのままヨハンを受け入れる様に、或いはもっと引き寄せながら、彼女を抱き止めようとする様に。
 両手を広げて、伸ばし、暖かい背中へと両腕を回し、そのままぎゅ、と抱きしめようと―――――】

(え、ちょっ……――――――)

【―――― した、瞬間の事だった。少女は全身を硬直させて、信じられないほどバランスを崩す。】
【……体勢としてはもう“抱きしめて”いる。だからその転倒は、連座でヨハンを巻き添えにするのだろう。】

  【結果として出来上がる体勢は、ヨハンを上に、彼女を下に―――】
【巴投げにも近い弧で、宙を舞うヨハンを“抱き止め、引き寄せる”ものとなっていた。このまま行けば、二人一緒に倒れ込む。】

【けれど思わず目を瞑る。彼女を投げ出してしまわない様に、ぎゅ、とより強く抱きしめながら。】

【幸い勢いは大したものじゃなく、どちらも怪我はしなさそうで――――】
【どんがらがっしゃーん、なんて喜劇的な擬音が似合いそうな、派手な転び方で、彼女たちは転倒する。】
【……そして。】

……痛、たっ…………大丈夫、ヨハン?
私の方には怪我はないけど………。

 【――――― …… 思いっきり油断していた。というか、“反撃”に夢中になりすぎた。】
【そんな風に思考しながら、自分の上に倒れている―――】
【……というか自分の上に引き寄せて転ばせてしまったヨハンへと、そんな言葉を紡ぐだろうか。】

【…………。】
【彼女は未だ、「押し倒された様な」 この体勢を理解していない。】
【だからだろうか、その言葉は“未だ”、羞恥心とは無縁の/ごく自然なもので。】
【ようやく開ける目で送る見上げる視線は、単に友人を気遣うそれ。“今は”、だが。】

/遅れてすみません、改めてよろしくお願いします!
493 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/01/31(木) 23:20:11.45 ID:jQUOu1ng0
>>491

……迷惑極まりない……!
「全くだね……!」

【異世界からの来訪者――――しかし、この来訪者は何か良からぬ事態を引き起こすのが、容易に想像できる】
【何故、こうした存在がこの世界にやってきてしまったのか。『世界』と言うものを、ある意味で愛していた青年としては、災難以外の何物でもない】
【そんな思いが、悪態として漏れ出た】

……しかし、よその世界にも能力者と言うものはいると言う事か……!
「(…………なんてまぁ、ペラペラと…………本当に、『大男 総身に知恵が 回りかね』ねぇ……自慢できる状況じゃないでしょうに……!)」

【明らかに頭を使っていない様に取れる男だったが、それでも、一種の異能である能力を使いこなしているところを見ると、馬鹿でもないのかもしれない】
【青年はそう考え、警戒心を強めたが――――少女の方は、自らの手の内を明かす様なその喋りに、内心で呆れていた】

「……確かに人間じゃない方がありがたいわね。こんな奴が人間だなんて、悪い冗談よ……!」

【それは、別に尋常ではない肉体や、異世界の人間と言う事実に対する反応と言う訳ではない】
【どちらかと言うと、粗暴で野蛮なその有様に対する、侮蔑に近い感情から吐き出された言葉だった】
【人の姿を取る獣の少女は、男がどこか自分に近いカテゴリに入るのでは、と考え、嫌悪感を覚えたようだった】

「チィッ…………!!」

【この男、単なる接近馬鹿だと判断していた】
【しかし、実際には刺を飛ばすと言う形で、開いた距離からの攻撃を仕掛けてくる】
【思わず舌打ちをする少女だったが、それだけではむざむざとやられてしまう】
【咄嗟に両手を前方に突き出すと、魔力を用いてバリアを展開する。そのバリアが、飛来した刺を弾いて、寄せ付けない】
【それでも――――全てを防ぐと言うのは流石に限度がある。2発の刺がバリアを突き抜け、少女の太ももに突き刺さる】

「(…………サリー君、今!)」
(……ッ、分かった…………!)

【本来、少女がもっとも取るべき選択肢は、回避だっただろう。決して回避が不可能な一撃ではなかったのだから】
【しかし、敢えて少女が受けに回った理由――――それは、先ほどの魔力弾と同じような理由だった】
【つまり、『敵の目を自らに引き寄せる』ため――――敢えて防御と言う、目立つリアクションをして見せたのだ】
【この瞬間、男の目は青年から、いくらかとは言え離れるだろう。そこを突いて、青年に一撃を放たせようと言うのである】

【少女の意図を読み取った青年は――――そこは流石のパートナーシップである――――、手に持つ剣を大上段に構え】

……………………『天霊』!!

【左腕から、今度は緑色の光を剣へと纏わせ――――その剣を思いきり振り下ろした】
【緑色をした巨大な光の刃が、剣から放たれてまっすぐに男へと向かう。そのまま切り裂いてしまおうと言う魂胆の様だった】
494 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/01/31(木) 23:37:32.02 ID:oAkaN4Nb0
【少女の行動に気付いた時には既に遅く】
【抱きしめられれば、意外――――驚いた様に、目を見開いて】
【少女の温もりと自分の体温が交わるその瞬間を感じて、ただ嬉しそうに笑った。のも束の間の出来事】

「柊――――?わぁッ?!ち、ちょっと?!」

【自分を抱きしめてくれている存在が、折れる様な感覚。当然、全く拒む様子を見せなかった故に抵抗する力も無く】
【次に感じるのは浮遊感。身体が投げ出されるのを感じて、とっさに受け身を取ろうと身体が動くも、放り出されないように抱きしめて貰えばそんな考えも無くなって】
【きっと、猫と同じ様に身体は自然と受け身を取れるのだろう。しかしながら――――そんな友人の気遣いを楽しむかのように、理性がその反射を抑えて】
【こうしてくれるなら、このまま怪我をしてもいいや。何て考えが脳裏を過ぎるも――――】


「いつつつ……うーん……ボクも大丈夫みたい。柊が守ってくれたから当然なのかな
ふふ、有り難うね」

【この少女も、未だ状況を理解して居ないのだろう。笑みを浮かべながら礼を述べてみて】
【少女と身体が重なってしまわない様、丁度顔を間に入れる様にして自身の身体を支える両腕】
【――――素直に重なっていた方が良かったのだろうか。まだ、ただ一緒に転んだだけという場面を辺りの者にも伝えるとしたならば】
【やっと状況に気付いたのは、近くを通った人物が何とも言えぬ表情で足早にこの場を去って行った辺りだろうか】


「……で、さ。この状況……どうしようね
まるでボクが感情的になりすぎてキミを倒しちゃったみたいな事になってるんだけど……
いや、うん。柊の事は大好きだよ?でも、これはあんまりにも乱暴すぎるっていうか……いや、好きだけどさ……」

【話す度に、きっと微かに吐息が掛かるだろうか】
【直ぐに退ければ良いものの、きっと本人も混乱しているのだろう。何よりも、珍しく顔を紅く染めている所を見れば一目瞭然か】
【えっと……なんて言葉を沢山用いて、辿々しく言葉を紡いでみるけれど】
【腕を落とせば、唇同士が重なるような距離感。そしてこんな状況。色々な意味で誤解を招きそうな場面ではある】
【――――気恥ずかしいのか、視線を合わせないままでいたが。言葉を紡ぎ終えれば其れを交じり合わせて】
【「……ど、どうしよっか」はにかみながら、その言葉を最後に取り敢えずは少女の手を掴んで、立ち上がらせようとするだろうか】
495 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/01/31(木) 23:48:45.65 ID:7X/dz155o
>>493

「ヘケヒャハァーッ!」

【――迷惑だと言われようが、彼が止まることはない】
【立場は中庸、思想も中庸――けれどその"自分に身を任せた"行動は】
【今まで、数多くの者に"迷惑"をかけてきただろう事が容易に想像できる、というか自警団にもマークされている】
【近くの街で聞けば、もしかすると噂が聞けるかもしれない――"緑髪のアホに気をつけろ"と】

「ヘケケケ、どォーせ能力なんて戦ってりゃバレるだろォ〜」
「能力者はこの世界以外にもいっぱい居るぜェー、おかげで暇はしなかったなァーッ」

【彼の能力である"棘"―― 一文字で表せるほど単純だが、だからこそ様々なことが出来るというもの】
【故に、手の内を明かしても問題はない……という訳は無いだろうが】
【その能力を明かした行為には、どこか"自身への自信"が含まれていたように感じられた】

「悪い冗談ってどういうことだァー?」 「……まァー、いいか!」
「……まァー、どっかで調べればわかると思うぜェ?」 「俺が人間かどうか、何者か…………って奴はなァー」

【一瞬、彼の顔が強張ったように見えたが――それは、少女の言葉に含まれていた侮蔑に近い感情によるものではない】
【――自分自身が、何者なのかわからないというそれに対する、モノ】 【今回は何とか、精神を乱さずに済んだようだが――】

「どォーだ、ニードルライナーは!」 「こいつはもっと発展できそうなんだよなァー、例えば軌道に棘が残るとかごっつくなるとか」
「んゥー、でも飛ばすのも良いがよォ〜、やっぱりぶん殴るのが一番好きだなァー」

【[ニードルライナー]の命中は、木の影からでも確認出来た――あえて避けなかった、そこまでは分かっていないのだが】
【追撃――それを試みようと、木の影から姿を表そうとしたその時】

「――はッ!」

【男が、緑色の光を纏った剣を振り下ろしていて――そして巨大な光の刃が迫ってくるではないか!】
【このまま斬り裂かれる事を良しとするはずもなく、彼が取った行動は――】

「……ッ、くゥッ!」 「なるほど……中々良いコンビネーションだぜェ、俺とアウのコンビも見せたかったなァー」

【――左へ跳躍して、今近くにある細い木より太い木へと掴まる事だった】
【しかし、回避は間に合わず彼の右半身に多大なダメージを与えて】
【右腕は、いつ取れてもおかしくなく――右脚は、大地を踏みしめる事が出来るか怪しく――】

「ニードルゥゥウウ……ハイジャンプタックォォオオーーッ!」

【左腕の力のみで木の枝を捕えた彼は、無事な左脚をその木の幹に付ける】
【そして、その二点の力をもっておもいっきり男へと飛びかかるッ!】
【――全身に"棘"を生やし繰り出されるそれは、左肩による空中ショルダータックル】
【重量のある彼の体重を活かしたそれは、威力も隙も大きい――その上、脚部へのダメージがある】
【受け身はしっかりと取るだろうが、立ち上がる前に攻撃することは容易である】
496 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/01(金) 00:13:07.45 ID:MycnTUao0
>>495

……何人も、相手取ってきたと言う事か……!

【この世界ならざる世界――――既に、その話は何度か耳にしている】
【そうした世界にも、闘争の種は尽きない様で――――やはり青年の好奇心が疼く一方で、どこか虚しさを感じていた】
【――――もっとも、戦闘中と言う事もあり、それを深く己の心に確かめる様な余裕などないのだが】

「――――――――『人間』と言うのはな…………貴様の様な愚かな存在ではないと言う事だ…………それを覚えておけ、Wanderer……!」

【――――少女の声が、突如轟くような重い声音へと変化する】
【まるで悪魔の様な――――否、身から溢れさせる魔力を更に昂ぶらせ、ギラギラと目を怒らせているその様子は、本当に悪魔の様なものだった】
【どうしても、眼前の男を『人間』として、認めたくなかったのだろう。そんな信条が垣間見える】

「…………」
「(……向こうはまだまだ余裕綽綽か…………サリー君は……そろそろヤバい…………)」

【能天気に己の能力について語る男を尻目に、さっと青年の様子を窺う少女】
【このまま戦闘を続けていては、無駄に消耗が大きくなる――――そうした判断が働いた】

くっ…………捉えきれなかった……!

【刃は確かに男の右半身を切り裂いた、だが、必殺を期して放った一撃が相手を倒し切れなければ、それは失敗も同然なのだ】
【すぐに振り下ろした剣を構え直し、次の一撃に備えようとするが】

――――――――ッ!?
『地霊』っ…………っがあぁッッ!!

【そのまま、流れる様な動きで身体の勢いを転換させ、タックルを仕掛けてきた男に、青年は動作が追いつかず】
【咄嗟に剣を鞘へと差し込むと、最初の一撃をいなした様に、再び黄色の光を以って男を迎撃しようとする】
【しかし、光が炸裂する一瞬のインパクトの瞬間を捉えきる事が、出来なかったのである】
【――――前面の、特に肩の部分の、致命的な刺はへし折った。だが、男の体当たりのベクトルを殺し切る事は叶わなかった】
【減じたとはいえ相応の勢いの打撃を喰らい、青年は吹き飛ばされる――――胸元から流れる血が、空中に赤いアーチを描いた】

「――――――――サリー君、行くよ…………!」
れ、レミー!?
「飛ぶから掴まって!!」

【そうして吹き飛んだ青年の元へ、少女は駆けだして腕を掴む】
【瞬間、少女の身体から魔力が迸り、掴んでいる青年もろとも、その身体を飛翔させる】
【男が倒れている隙に――――そこで少女が選んだのは、攻撃ではなく撤退だった】
【――――白と赤の人影が、夜空へと消えていく。事情さえ知らなければ、それはとても幻想的な光景に映っただろう】

/すみません、そろそろ眠気が限界の様です
/おかしくならないうちに、〆に入ろうと思います。乙でしたー!
497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/01(金) 00:14:09.54 ID:MycnTUao0
>>495

……何人も、相手取ってきたと言う事か……!

【この世界ならざる世界――――既に、その話は何度か耳にしている】
【そうした世界にも、闘争の種は尽きない様で――――やはり青年の好奇心が疼く一方で、どこか虚しさを感じていた】
【――――もっとも、戦闘中と言う事もあり、それを深く己の心に確かめる様な余裕などないのだが】

「――――――――『人間』と言うのはな…………貴様の様な愚かな存在ではないと言う事だ…………それを覚えておけ、Wanderer……!」

【――――少女の声が、突如轟くような重い声音へと変化する】
【まるで悪魔の様な――――否、身から溢れさせる魔力を更に昂ぶらせ、ギラギラと目を怒らせているその様子は、本当に悪魔の様なものだった】
【どうしても、眼前の男を『人間』として、認めたくなかったのだろう。そんな信条が垣間見える】

「…………」
「(……向こうはまだまだ余裕綽綽か…………サリー君は……そろそろヤバい…………)」

【能天気に己の能力について語る男を尻目に、さっと青年の様子を窺う少女】
【このまま戦闘を続けていては、無駄に消耗が大きくなる――――そうした判断が働いた】

くっ…………捉えきれなかった……!

【刃は確かに男の右半身を切り裂いた、だが、必殺を期して放った一撃が相手を倒し切れなければ、それは失敗も同然なのだ】
【すぐに振り下ろした剣を構え直し、次の一撃に備えようとするが】

――――――――ッ!?
『地霊』っ…………っがあぁッッ!!

【そのまま、流れる様な動きで身体の勢いを転換させ、タックルを仕掛けてきた男に、青年は動作が追いつかず】
【咄嗟に剣を鞘へと差し込むと、最初の一撃をいなした様に、再び黄色の光を以って男を迎撃しようとする】
【しかし、光が炸裂する一瞬のインパクトの瞬間を捉えきる事が、出来なかったのである】
【――――前面の、特に肩の部分の、致命的な刺はへし折った。だが、男の体当たりのベクトルを殺し切る事は叶わなかった】
【減じたとはいえ相応の勢いの打撃を喰らい、青年は吹き飛ばされる――――胸元から流れる血が、空中に赤いアーチを描いた】

「――――――――サリー君、行くよ…………!」
れ、レミー!?
「飛ぶから掴まって!!」

【そうして吹き飛んだ青年の元へ、少女は駆けだして腕を掴む】
【瞬間、少女の身体から魔力が迸り、掴んでいる青年もろとも、その身体を飛翔させる】
【男が倒れている隙に――――そこで少女が選んだのは、攻撃ではなく撤退だった】
【――――白と赤の人影が、夜空へと消えていく。事情さえ知らなければ、それはとても幻想的な光景に映っただろう】

/すみません、そろそろ眠気が限界の様です
/おかしくならないうちに、〆に入ろうと思います。乙でしたー!
498 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [saga]:2013/02/01(金) 00:30:14.34 ID:WYJpMTX+o
>>496

「ヘケケケ、大丈夫だ、戦ったやつを殺してはいねェーからなァー」
「……うっかりしてたら別だがなァーッ!」

【その笑みは、悪人にも負けない――いや、顔付きの問題なのだが】
【殺してはいないとは言っているものの、彼と戦った結果命を落としたものが居る――それは事実】
【彼は、戦いが好きだ】 【故に、熱が入りすぎて――――】

「お、おおう、そう怒るなってェ〜」 「ヘケケケ、……」

【重く蠢くような声音に、一瞬怯んだように見える彼――】
【だが、それはすぐに――"闘争心"へと変換された】
【――彼の右半身は、戦いにおいてはほぼ使用不能であって、出血が無いわけがない】
【それでもまだ戦おうという意志を持っている彼は――戦闘狂、としか言い様がない】

「ヘケヒャハァーッ、どォーだ俺のタックル!」

【数回転がり受け身を取りつつ男の方へと顔を向けて、そして、頭に響く煩い声が辺りへと響き渡る】
【――その転がった軌道上には赤い線が引かれていて】

「――あれェ?」

【相手は二人居る、故にタックル後の攻撃は想定済みだった――かわせなくとも、わかっていれば防御くらい出来たかも知れないので】
【だが、その予想に反して何も攻撃が飛んでこない】

【――自分のタックルで吹き飛んだ青年、それを掴む少女】
【飛翔して夜の闇へと消えていく彼らへ追撃を行うことは――】

「まてェー、逃げる前に獣だせェーッ!」 「ニードルバレット!」

【……していたようだが、元々遠距離攻撃に優れている訳でもなく】
【その棘の弾は届くこと無く、近くの木に身を寄せて】

『……時既に遅し、ですね』 「ちくしょォー、腹減ったァァーーッ!!」

【ようやく追いついた"彼の支援者"は、彼の傷を癒しつつ、叱っていたそうだ――】

/お疲れ様でしたー
499 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/01(金) 00:39:30.13 ID:PbQY5rem0
>>494

(―――― あ、この声意外かも。もう一回聞きたいかな――――)

【忘我の一瞬。“抱きしめられた”友の声に、入り込む思考はちょっとした幸せを感じとる。】
【そして二人で倒れ、訊いて―――】

……それなら良かったわ。思ったより勢いがつきすぎたから―――

【“怪我はない”事をヨハンから聞けば、ふっと笑って安堵の微笑。落ち着いたとばかりに浮かべるそれ。】
【……そして漸く目を開け終えて、】


 (――――――――――――――――――!!………――――っ!)


【この体勢の意味に気付けば、この少女もあっという間に真っ赤になって。】
【息を呑み、言葉も失くして“爆発”/真っ白な意識で“固まる”。】
【そして吐息が届く度に、蕩けたように力が抜けて。すぐ傍にある彼女の温もりを、いっそう意識せざるを得なくなって――――】

(……あ、え、あ………っ……うぅ、何もかも想定外すぎるのよ………)
(………というか、完全に自滅じゃないのこれ………!?)

【ショートした思考のまま、支離滅裂に浮かべる思考。】
【聞こえてくるヨハンの言葉も、その焦りを加速させるばかりだった。】
【……自分でやった事なのだが、彼女には全く免疫がなかったのだ。これを想像すらしていなかった、という理由もあるが。】
【そして助け起こされるまでずっと、沸騰する羞恥心と、感じる温もりが意識を埋めて―――――】


………あ、ありがとう。

(―――――ってそうじゃない、“ごめんなさい”でしょう……!? )

【ようやく立ち上がって礼を述べつつ……一度少女はガクっとよろけて、それでもどうにか立ち止まる。】
【未だ、身体から力が抜けていたのだ。】
【けれど自分に活を入れつつ。気を取り直して、俯く顔を漸く上げて。】

【そして先程の“照れた”友の、初めて見る顔を思い返して……。】


(……こんな顔をしてくれるなら、まあ――――……失敗ではなかったのかしらね。)
(……………恥ずかしさで焼死するかと思ったけれど。)

【面白いというか、可愛いというか。―――― 微笑む櫻の少女の表情に浮かぶのは、そんなあまりにも幸せな感覚だった。】

……そ、それで…………これはどっちの“勝ち”なのかしら。
判断は貴女に任せるけれど………「罰ゲーム」って、どんなものを貴女は考えていたの?

【そして取り澄まそうとした表情――――顔色は紅かったけれど――――で、勝負の判断をヨハンに任せようとした。】
【続けた言葉は、「罰ゲーム」について。】
【自分が勝っていても「敗け」でも、興味自体はあるようで。やっぱりどこか照れを残して、ふと、そんな風に問いを投げる。】
500 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/01(金) 01:18:16.31 ID:v9qAOtyS0
>>499
「どーいたしまして。んと……うん。どういたしまして」

【未だ抜けない感情。心臓の激しい鼓動が、少女にも聞こえていないか不安になってしまう程で】
【――スキンシップには馴れていると言えど、される事には馴れていない】
【更には、押し倒す何て当然初めての事で――――故に、顔に上った血が下るには時間を要して】
【繋いでいた手をぎゅっと握れば、それを誤魔化すかのようにして笑うのだろう】

【少女がよろければ、再び倒れてしまわないようにと支えるのだろう】
【尤も――――今度もまた、自分が倒れてしまわないように注意を払いながらであるが】


「……ふふ、やっぱり柊はあったかいや
暖かいし、優しい匂いがする……って、何笑ってるのさ
ぼ、ボクだって恥ずかしがる時くらいあるもん……」

【抱きしめられて沸いた感情は羞恥も大きいけれど、何よりも嬉しさが大きくて】
【心地よい暖かさ。ずっとこうしていたいと思えるような感情。紛れもない友達に向けた笑み】
【匂い、なんて実に狼らしい例えだが――――決して偽りを吐いてはいないのだろう】
【その微笑みの意味を言葉で伝えられずとも、何となく察する事は出来ようか】
【じとーとした視線を送れば、お返しと言わんばかりに抱きしめるのだろう】
【仕返し。駄目押し。様々な意味にも取れるが――――ただ、純粋な気持ちの表れ】
【好きな友人と戯れたい。ただ、その気持ちが込められただけの仕返し】


「当然、ボクの勝ち!……の筈だったんだけどなぁ。今回は誤魔化せ無い位の事しちゃったし……
んー?ボクが考えてた罰ゲームは柊がボクとデートしてくれる事かな
今みたいに手を繋いで色々なお店行ったり、お話ししたり!後……さっきとは逆に今度はボクが柊に倒されちゃったり
――――なんてね。何時か、一緒に何処かに泊まる約束でもしたかったんだ
海でも山でも、何処でもいいから……柊と一緒に、何処かお泊まりに行く約束」

【つまるところ、自分の負けを宣言した様なもの】
【今度は自ら――――当初の予定通り、少女の優しい暖かさを味わって】
【からかうかの様に言った後、少しの間を空けて――――自分の考えて居た罰ゲームを述べる事だろう】
【罰ゲームというには、あまりにも平和な事。ただの遊ぶ約束とでも表そうか】
【他愛も無い事だが……きっと、この狼の少女には初めての事で】


「柊の行きたい所なら、何処でもいーよ?
森の中で野宿だって楽しそうだもんね
ただ、今回はボクの負けだから……柊は、何考えてたのかな?」

【続いて問うのは、少女の考えて居た罰ゲームについて】
【――――素直に負けを認めているという事は、どの罰ゲームも受ける覚悟があるのだろう】
【しかしながら、少女が考える罰ゲームには同じ様に興味はあったのだろう。ちょっと顔を離せば、表情を覗えるようにして首を傾げ】
【――――カサリ。丁度その動作と共に、ローブの中で袋が擦れるような音が鳴って】
501 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/01(金) 02:08:27.26 ID:PbQY5rem0
>>500

………私は、あなたの方がずっと暖かいと思うけど――――
……まあ、その話は別にしましょうか。

(今は、それより、もっと貴女を見ていたいし――――――)

【きっと、否定しても聞いてくれないだろうし。……そんな信頼にも似た想いが浮かんで、頬が緩むのを止められなかった。】


………え、あ、ちょ、ちょっと―――――――………
……………っ、恥ずかしがるのは私も同じ、よ……?

【そして反撃されてしまえば、やっぱりそんな表情も崩れて。】
【嬉しいけれど慣れはせず。抱きしめられれば、全く本気に見えない――――
 というか表情を保とうとしただけに見える、困った様な目でヨハンをにらもうとした。】

【そうして少女は肩で息をしつつ、「罰ゲーム」に話が移るのを聞く。】
【意外といえば意外で、けれど当然、悪い気は全くしなくて―――――】

【ちょっと目を丸くしながらも、嬉しそうにまた微笑んだ。……それはたぶん、言葉より雄弁なのだろう。】

………聞きたい? それは―――――――

 【答えを言葉にするより早く、】

【ぽふ、と頭に右手を乗せて。梳くように、穏やかな手付きでヨハンの頭を撫で始める。】
【……たまに狼耳の付け根近くを、マッサージするみたいに指先で撫でた。】
【……犬は喜ぶことだけど、彼女はどうなのだろうか? そんな想像自体も本当に楽しくて。】

……こういうの、貴女は実は好きなんでしょう?
でなければ私にしたりはしないでしょうし、私も……するのは、別に苦手じゃない―――

… だからこれが「罰ゲーム」。誰のでもなく私のための、ね。

【なんて普段の口調で言いながらも、そうして浮かべるのは間違いなく満面の笑みだった。】

【……彼女自身がこの上もなく楽しんでいる。】
【どんな反応をしてくれるのかな、だとか。いろいろな表情が見たいな、だとか―――
 きっとそんな思惑から、こうしようと決めたのだろう。】

【だからこそ、出来るだけ優しい指先で撫でたかった。そう、穏やかな表情には表われていて。】


………いつか一緒に、か―――――……また楽しみにしてて良いのかしら?
いろんな約束をしてみたり、こんな風に過ごしてみたり………あなたとは、初めての事が多いのかもね。

【袋の音は聞こえるも、ふっと笑ってそれだけ言った。】
【『記憶石』を忘れた訳でもないが――― 自分から求める事は、相手が親しい彼女だからこそ―――なんだか気がひけて。】
502 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/01(金) 02:55:52.18 ID:v9qAOtyS0
【色々と変わる表情が見れるのが嬉しくて、楽しくて】
【――――初めて会ったのは此処よりももっと暗い場所だったか】
【もう、ずっと昔の事にも思えてしまって……ただ、そんな時の事と、今の時の事が重なって】
【きっと、少女の視線にには気付いているのだろう】
【「そーだねー」何て言葉で適当に流すのは、困った顔を見たいから】
【つい、意地悪したくなってしまうのは――――その生真面目さをからかいたくもあって、同時に気を許せる友人でもあって】
【様々な感情が湧いてくるも、態と言葉にして表すことは無く】


「ん。だって、柊が言うとしたら――――例えば次はもっと私を驚かせてみなさいとか、私を――――」

【頭に伝わる、柔らかな衝撃。無意識に尻尾が上を向くが、続く心地よい感覚に徐々にそれも垂れていき】
【思わず目を細くすれば、きっと今以上に幼く見えるだろうか】
【まるで子犬のようで――――ただ、何処か気恥ずかしそうで】
【茶化すための言葉も途切れてしまい、手を払う気にもなれず】


「好き……だけど、さ
ん……ただ、何か恥ずかしいや」

【耳の付け根の辺りを撫でられれば、「わぅ」なんて犬さながら擽ったそうに声を漏らすのだろう】
【――――嫌がらないのは、それだけ親しみを感じている証。きっと耳ごと撫でようとも嫌がる事は無いだろう】
【尻尾や耳を触らせる事を嫌う亜人が拒むこと無く触れさせるとなれば、その程度が分かるだろうか】
【無意識の内に尾は左右に揺れて――――顔は赤らんで、視線を交える事は出来ないものの、心情はあまりにも分かりやすく】
【まるで、懐いている犬が身体を使って喜びを表している其れと同じか】

【ちらりと顔を伺えば、その笑顔が見えて】
【――――思わず、更に顔赤らめ、俯いて為されるがままの状態となる事だろう】


「――――うん。何時か一緒に、ね
ここよりもずっと遠い所とか……沢山、色々な場所を見たりとか
っと、そうだ……。コレ、前に渡そうと思ってたものと……
あと、ちょっと早いけど、コレも」

【暫くの間。きっと、その心地よい感触を味わっていたのだろう】
【決して嫌では無い――――寧ろ、その真逆。恥ずかしくも、長らく味わっていたいと思う感覚】
【ふと思い出した様にローブの中から取りだしたのは――――以前渡そうとしていた記憶石】
【そして、もう一つは可愛らしく包装された菓子】


「出来れば、渡せる内に渡しておきたくてさ
何かさっきの事もあって恥ずかしいけど……あ、甘い物大丈夫だったかな?」

【バレンタインデー。所謂、友チョコ。恐らく手作りであろう其れは形良く作られていて】
【まるで押し倒したかの様な、先程の出来事。それを思い出せば、何処か気まずそうに】
【――――石と菓子。両方差し出せば首を傾げ】
【「この石の行方を尋ねる」「甘い菓子が平気かの問い」その二つの意味が含まれて居るのだろうか】
/申し訳ないです……!
/そろそろ就寝時間になってしまいました……!
/明日、といいますか今日の夜に持ち越しの方は可能でしょうか……?!
503 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/01(金) 03:04:33.94 ID:PbQY5rem0
>>502
/了解ですー!こちらもそろそろ眠気が…だったので、ありがたかったりもしてます…!w
/本当、長時間ありがとうございますっ……!
/こちらは21〜22時前後には来られると思います。それではお休みなさいっ、では、一旦お疲れ様でしたー!
504 : 【中吉】 [sage]:2013/02/01(金) 13:30:11.54 ID:WYJpMTX+o
【下水道】

【不自然に開いたマンホールより下水道に入ると、その数十メートル先の所に三つの影が見えるだろう】

【それはボサボサした短い茶髪で茶色い眼、一重で強面で、黒基調の派手な服にいかついサングラスの30代前半に見える195cm程の男と】
【氷のように刺々しい青緑色の短髪で青緑色の眼、二重で弱気そうなタレ目で、上下長袖青ジャージの20代半ばに見える170cm程の男と】
【髪型は燃え盛る炎の様な紫色の短髪で紫色の眼、二重で自信溢れる目付きで、上下長袖赤ジャージの20代半ばに見える170cm程の男だ】

「……この辺を幾らか掘りゃ行けっはずだ」 『どんな感じで掘り進めるっすか、兄貴』
「俺の能力がありゃ穴の表面を塞げっから―― 一度に掘るよりゃア、何回かに分けたほォーが良いだろうな」 {そうっすね、兄貴ィ!}

【3人は、一枚の地図を囲むようにして会議をしていた】
【――この近くには、金属の金を保管している倉庫がある、もしかすると彼らは――――】

{そうだ、兄貴にブリザイス!} {おみくじなんてものを買ってきたんすよ、この金盗り作戦が上手くいくかの願掛けにでもするっすよ!}
「…………いつの間に買ってきたかは知らねェーが……せっかくだし、開けっか」 『おみくじなんてあてにならないっすよ』

【さて、赤ジャージが何か紙切れを――おみくじをポケットから取り出して】

{さァーて、スタリミットの今回の運勢はァー……?}

【そして、そのおみくじを一気に開封した――はたして、そこには何が書かれているのだろうか】
【それは、この文を書き込んだ時に判明するだろう】
505 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/01(金) 17:04:43.69 ID:xQ7f0Z8C0
>>485

「・・・」

 突如、順風は俯いた。
 顔の半分に暗い影が落ち、纏う空気が豹変した。

「アンタに何がわかるんだ、生まれついての能力者のアンタに」


 彼女は大きな過ちを犯してしまった。


 そもそも順風が卵を孵化させた感情は、能力者への劣等感と無力感なのだ。
 能力など絶対に見せびらかすべきではなかった、
 ましてや"無能力者でも頑張れば能力者に勝てる"などという説教は尚更だ。

「アンタにわかるのかよ、持たざる者の辛さが。
 アンタは感じたことがあるのかよ、無能力者故に能力者に蹂躪されていく理不尽が。
 無能力者が能力者に勝てないのはそいつ自身のせいだって言いてぇのか、ああん!?」

 ゆらり、と順風は立ち上がる。
 「やめろ」「そいつは悪い能力者じゃない」と心の中では叫び、制止する。
 しかし、一度火の着いてしまった"哲学者"の思考は止まらない。

「そもそもアンタはなんなんだ?
 アンタのそれはまるで"殺す為"、"壊す為"だけの能力じゃねぇか。
 その力で今まで一体何人の無能力者を殺してきたんだ?
 何度自分の能力に溺れ、自分に酔ってきた?
 さぞ楽しかったろうなぁ! 力のある奴が力の無い奴を踏み潰すのはよぉ!」

 いつの間にか順風の隣に"鳥"が浮遊していた。
 青い石に、夜闇のような黒い翼の生えた異形の鳥が。

「俺はもう違う、俺はもう無力な無能力者なんかじゃない。
 俺には"力"がある。俺はこの力で・・・」

 順風は自分の座っていたベンチを右手一本で持ち上げると、

「お前等能力者を断罪する!!」

 まるでバットでも振るかのように、
 巨大な鈍器となったベンチを振りかぶり、彼女を叩き潰そうとした。


/すいません、昨日は返信してすぐ寝てしまいました。
 そして今から出かけてきます、帰ってくるのは10時くらいになりそうです。 
506 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2013/02/01(金) 19:45:11.40 ID:oKx41U9ho
【水の国――孤児院】

「お姉ちゃん、また絶対遊びに来てね、絶対!」

【すっかり暗くなった路地を照らすのは、かわいらしい見かけの建物から漏れる光】
【そこから顔を覗かせる者たちも、かわいらしいもので。年齢も人種も様々な笑顔が手を振っている】
【送られる側であろう水色の髪の少女は、それに答えようとして、不意に割り込んだ音に声を詰まらせた】

『現在も風の国では復興活動が続き……や物資の不足を補う支援物資が……』
「? お姉ちゃん、どうしたの」

う、ん。なんでもないよ。また遊ぼうね

【ニュースから流れる音声に気を取られながらも手を振り返し、玄関が閉まるまで笑顔を向けて】
【夜の道に投げかけられる光が半分以上減ってから、そっと帰路へと足を進める】
【誰も見ていない今表情に浮かぶのは、どうにも沈んだ哀しいもので。俯く顔には影が落とされる】

……今日もクッキー、もらっちゃったな

【気持ちを切り替えるように呟いた独り言は、手元の籠の中身に関して】
【そっと清潔な白い布をかぶせられたクッキーは、どれも形がいびつで一つ一つが不ぞろいなもの】
【けれどそこに込められた感情はひどく明るくて、あたたかくて】
【真っ暗な路地に、少女が歩く道筋を表すように香ばしい焼き菓子の匂いが漂う】
507 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/01(金) 20:09:14.09 ID:skkwlWoB0
【街中――路地裏】
【蜘蛛の巣のように廻った道々のそのどこか、かつんと足音がひとつ響いて】
【次いで聞こえてくるのは、袋に入った何かを放るような――ぼしゅ、がしゅ、そんな音】

……あーあ、落としちゃった。

【わざとらしい演技めいた声ひとつ、首を傾げていたのは、ひとりの少女】

【三つ編みを混ぜ込んで垂らす膝丈の黒髪、長い前髪から覗かすのは血色と深淵色のオッドアイ】
【細い首を隠すようなチョーカーに、白のドレスブラウスと、深紅のアシンメトリースカート、】
【下着の心配をしたくなるような前面のミニと、引き摺りそうな後面のロング、そのどちらもフリル過多】
【ヒールの高いロングブーツで見下ろすのだから、ひどく怯えた瞳と目が合った】

【――視線の先。ビニルの身体から腸を溢れさせる白い袋と、蹲る小さな女の子】
【汚れた服に髪に身体に、疲れたような瞳。なんとなく、気に食わなかったから、】

――落ちたものなんて穢いから要らない、欲しかったらあげる、お菓子しかないけど。
ごみよりずっと美味しいと思うんだけ――――、ど、

【しゃがみ込んで、同じ高さで視線を合わせて、自ら落としたものをわざわざ拾い直してから、差し出せば】
【手に伝わるのは軽い衝撃、袋越しに強く引っ張る力に転びそうにもなって、】

……――チョコばっかだけど大丈夫かなぁ……。

【溜息ひとつ、視線を向ける先には遠ざかるばかりの背中】
【手慰みのように三つ編みを手繰る右手の、その薬指。まるで指輪のよう、黒蛇の痣が、いやに目立っていた】
508 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/01(金) 20:25:44.88 ID:kzP4sxOIO
【あまり人がいない図書館】

【机のど真ん中に陣取って、調べ物をしているらしい人影があった】

【黒い瞳、ポニーテールにした茶色の長髪】
【白地に青の装飾がついたセーラー服と黒のプリーツスカートを身につけた、ここまでならよくいる少女】
【しかし、両腕には無骨な黒いガントレットをつけ、腰のベルトには同じ金属で出来ている金属棒が2本括りつけられている】
【そんな妙な風貌の少女だった】

ふむふむ、なるほど……
そういう武器もあるのか……
そうだ、メモしとこう!

【ポケットから小さなメモ帳を取り出し、さらさらと何かをメモする】

【少女が読んでいる本には、『武器図鑑』と書かれている】
【傍に積まれた本にも、『Weapons index』だとか『世界の戦争』『神話の武器の伝説』だとか物騒な本が積まれている】

【目を輝かせて本に見入る姿は、少々異様に見えるかもしれない】
509 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/02/01(金) 20:27:37.31 ID:MS8FDXvDO
>>506
/まだ募集してますか?
510 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/01(金) 20:33:50.87 ID:oKx41U9ho
>>509
/ここにー
511 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/01(金) 20:37:23.04 ID:+9HoXEQto
>>508

―――――――――――あの、ちょっといいですか?

【と、不意に少女の背後から声がかかる。近付く足音は重かった】
【もし振り向けば、そこには圧倒的な違和感――図書館と言うより、路地裏のほうが似合いの人が居て】

【その服装はゴム長靴に、ひどく重そうな(これまたゴム製の)レインコート】
【フードをかぶっているせいで顔が見えないが、背の巨大なバックパックといい、男性だろうか?】
【声をかけるだけでなく、少女の肩を叩こうと右手を伸ばす姿は――やや、恐ろしいものがあるかも知れない。】
512 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/01(金) 20:41:05.14 ID:ml+2+63Yo
【UNITED TRIGGERの店前にて――――】

【宵闇が満ち始めた頃から降りだした雪は徐々に勢いを増して、足場を少しずつ消していくよう】
【純白に染まった地面を踏みしめる雑踏の音、シュークリームでも食べるようなふわふわとした音】
【そんな現から隔離されたように一つの人影が、その店の前へと歩み寄るのだろう】


……ОБЪЕДИНЕННЫЙ(UNITED)――――СПУСКОВОЙ КРЮЧОК(TRIGGER)
此処で、あってる――――です……?


【零れた音律は、まるで呪文のよう、ソプラノの糖衣に包まれた異国の言葉】
【聞き取るには小さすぎて、掠れたような音が、まるで瞬く閃光の中へと溶けるみたいに】
【肌に滴り落ちた雪の欠片がその結晶を耳元で花咲かせた】

【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【透き通るような素肌に女性としてはやや小柄で華奢な体躯、それでいて膨らんだ大きな胸】
【暖かそうなキャスケット帽子にコート、踏んでしまいそうなくらい長いチェックのマフラー】
【編み上げブーツに黒いオーバーニーソックスの雪のように儚い印象の少女】

【コートから零れる手袋に包まれた小さな掌、その両手で握るように大きな大きなバイオリンケースを膝元で揺らす】
【もう一度視線を上げる、上へと傾いた横顔に、しみこんでいくプラチナブロンド】
【髪の色より淡い素肌は今まさに降り注ぐ処女雪すらも霞むほどに――――】
513 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/01(金) 20:53:53.81 ID:kzP4sxOIO
<<511

……ふむふむ 、なるほど、そういうアイデアもあるな……

【一度声を掛けられても、反応はなく 】
【とんとんと肩を叩かれ、ようやくレインコートの人物に気づく】

……ん?
何か、用?

【本の今読んでいたページにしおりを挟み、顔をあげる】
514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/02/01(金) 20:55:41.69 ID:MS8FDXvDO
>>506
【ズシン、ズシンと重い振動、足音がする、それは少女に明確に近付いていて】
【やがて、暗闇の中から、少女の目の前に巨大な姿を現すだろう】

…あん?なんか匂いがすっと思ったら…
なんだガキじゃねえか…

【2mを越す身長でありながら肥満体形の体、赤茶の髪をモヒカンに尖らせ、頭皮には<No.29>の刺青が右側に、髪を挟んで左側には逆五芒星の刺青が彫られ、顔に減り込む色付きゴーグルを掛けている】
【素肌にオーバーオールだけを着て、骨で出来た手斧を幾つもぶら下げ、背中には牛の頭を模した赤い二股槍を背負った男】

【匂いに釣られてやって来たのは、肉肉しい体型の、いかにもといった感じの男だ】
【小腹を空かせているその男は、少女のもつ籠を見て何やら考える】
【子供から食い物を奪うだなんて、そんな山賊紛いの事を、仮にも機関員の自分がしていいのか、だ】
515 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/01(金) 20:59:54.08 ID:+9HoXEQto
>>513

……いえその、ちょっと本をお借りできないかと思って
どうも図書館には一冊しか無いみたいなので、“それ”。

【と、言いながら肩をたたいた手で指し示すのは傍に積まれた『神話の武器の伝説』】
【確かに貴重な本かも知れないが―――やはり、彼は少々奇妙だ】
【肩をたたき、本を指したその手にもまた手袋がはめられていて、当然のごとくゴム製だから】

――実は僕、色々と『物づくり』をしていて、アイデアがほしいんです
アクセサリーや義手なんかはいいんですが、どうも武器となると発想がなくて

……、…………やっぱりダメでしょうか?

【しかもこの言葉が本当なら、奇妙な格好にも納得がいくか】
【得てして、工匠なんて言うのは奇人変人が多い。だとすると、背のバックパックには仕事道具でも入っているのか。】
516 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res saga]:2013/02/01(金) 20:59:54.99 ID:+2w8wzdz0
>>512

【店の明かりは酒場のそれによく似ていた、落ち着きがあって長居できそうな空間――】
【窓から零れた明かりが、既に白くなってきた路地に暖かな跡を残す】
【看板に記載された文字は『UNITED TRIGGER』】

――う〜っ!寒っ!
結構本降りになってきたなぁ、こりゃ明日は積もるかね〜、っと・・・

【突然、扉が開くと、中から一人の女性が出てくる。】
【彼女が頭に被った特徴的なテンガロン・ハットは使い古されてボロボロになり、妙な味を出していた。】
【そこから僅かに覗くクセのあるショートヘアのブロンドと、翡翠ともブルーともとれる神秘的な輝きの瞳】
【雪とは違い薄汚れて、かすかに濁った色の白いシャツ、その上には土気色のベストを着込み】
【ダメージ加工が施されたのか、それとも本当に破けているのか不鮮明なブーツカットのジーンズに、年季の入ったウェスタン・ブーツ】
【――酒場のような外見の店に相応しい、どこか古めかしい格好のガンマンを髣髴とさせる女だ。】
【その証拠に、腰元には一挺のガンベルト――過去幾度か、テレビの映像でも映されたことのある"彼女"の"愛銃"だ。】

いまのうちに外に出してたモノとか中に入れないと・・・って、うん?
――ふふ、そこのおじょーさん。ボーッと立ってたら風邪引いちゃうよ。
中に入って珈琲でも飲んでかない?

【――そう、先日の水の国と風の国で起きた事件でも"能力者"として防衛側に参加した女性】
【彼女の名はもう、電波を受け取っていない人間でさえなければ多くの者が知っているだろう。】
【――セリーナ・ザ・"キッド"、UNITED TRIGGER創設者だ。】
【外に出していたバケツやらなにやらを、彼女は店内へと移動させようとしていた過程で貴女を見つけるだろう】
【そうして店の前で立っているのも不思議だと思ったのか、店内へ入らないかと声をかけた――】
517 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/01(金) 21:02:50.75 ID:CcTyAjDEo
【ある国の街中】
【商店街のど真ん中をずる、ずる、と何か重い荷物を引きずるような音が響く】
【同時に二人の人物が会話する声がするが、喋っているのは一人の青年と、子犬だ】


『今日はいつになく仕事が終わるのが早かったのう、いつも夜遅くまで働いていたイメージがあったが』

休日は明日からだからね、今日行くくらいなら明日行く方がいいって人の方が多いでしょ
もう今日は帰っていいよって言われてたし、いいんだよたまには!


【さらっとした柑橘系の整髪料の匂いが漂うさらっとした茶の短髪にきりっとした目に真っ赤な瞳に整った鼻筋】
【水色の質素なシャツを白い柄シャツの上から羽織り、ひざ下まで伸びた黒よりの灰と黒のストライプのハーフパンツに赤のスニーカーの青年】
【肩にはリュックサック風のバックを持ち、首には赤いマフラーを巻いている】
【その青年は全長2mほどの上から見ると細長い六角形のような形をした重厚な箱…人一人が入れそうな高級感の溢れる箱を引いていた】
【安定感のあるのっぺりしたフォルムを紺色で彩っており、蓋の表面に真っ黒な三日月を象った模様が塗られている……棺桶の形をした物だ】

【その青年の前を歩くのは、垂れた耳に丸い目、ソフトモヒカンのように中央の頭の毛がこんもり盛り上がった、首輪に複数の鍵をぶら下げている】
【茶色い体毛に覆われ小さな子犬、いや…レッドカラーのトイ・プードル、ただし人の言葉を話し、青年の言葉に受け答えしていたが】


『おまえの武の腕を買って王立図書館の警備員に推薦してからもう2年になるか……
すっかり仕事が板についたみたいじゃのう、なかなか男らしい顔つきになったわい』

お褒めの言葉ありがとうムク、今後ともよろしく……
少なくとも日本に帰るまではこの仕事を続けていくつもりだからさ
警備の仕事と、あともう一つの方もね!


【任せといてよ、と太鼓判を押すように彼は喋る子犬に頼もしげに豪語するが】
【傍から見ていると犬と一人でしゃべっている棺桶引きずった怪しい青年にしか見えない】
518 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/01(金) 21:04:57.52 ID:oKx41U9ho
>>514

【地震かなとばかりに呑気に辺りを見渡していた少女も、やがて相手が姿を現せばそれに目を向け】
【そして、過剰なまでに肩をびくつかせ首をひっこめ、相手を凝視する】
【といっても、目元をすっかり隠すような大きいサングラスの向こう側から、だが】

え……は……の……

【ぱくぱくと言葉も出ないように小さな口が開閉し、どうにも意味の繋がらない声が漏れる】
【青いビスチェに薄桃色のフレアスカート、白のロングコートを着て】
【翼のチャームのついたペンダントと、弦薔薇に紅い羽のあしらわれたブレスレット】
【相手の3分の2ほどの小さな姿は、まさに無力な一般人といったところだ】

……な、何か、ご用でしょうか……

【世が世ならバギーで荒野を掛け抜け水や食料を略奪しかねない相手の姿】
【すっかり気圧され震える足は前進も後退も出来ず、その場に留まったまま】
【それでもとりあえず声を掛けてみるのは、一種のお約束なのだろうか】
519 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/02/01(金) 21:07:26.32 ID:zlXmQNbdo
>>507
/まだ、いらっしゃいますでしょうか……?
520 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/01(金) 21:09:16.34 ID:ml+2+63Yo
>>516

【ぱちくり、彼女の瞼が一度、その素肌の中に沈んで落ちて】
【形の良い綺麗な睫、夜風に揺れたならふんわりと彼女の香りを靡かせるように、と】
【小さな口元が揺れた、紡いだ言葉は貴女に届いたなら小さくはじけて流れ込むだろう】


……Прекрасный(綺麗)……
ぁ――――……ぇ……と、とと……


【声をかけられた事に驚いた、あなたのことを知っていたから――――】
【巷ではかなりの知名度をほこっていた、曰く――――救いのガンマン≠ニも】
【だからこそ、だそんな貴女にこう声をかけてもらえると、思っていなかったから】

【純白の素肌に紅潮の色が滲んだ、あたふたと、小さな両手が揺れ動くよう】
【大きなバイオリンケースに翻弄されるよう、華奢な身体が貴女の前で風に梳かされるのだろう】
【口から零れた旋律は言葉にはならなくて、ただひたすらに白い雪の上をなぞる様】


Спасибо(有難う)……じゃなぃ……ぁりがっ、ぁりがとぅ……です
私、見て……見てて、来た……の


【言葉はたどたどしい、苦手とかそういうのじゃなくて、馴れていないみたいで】
【見上げる視線、150cm程度の体躯は、貴女から見て、下のほうにあるのだろう】
【しばらく、困ったように表情を濡らしていたけど、吐く息の白さに彼女自身も不安になったよう】

【踏み出す一歩、揺らめくマフラーが彼女の身体を隠してしまいそうなほど】
【少し目を離したなら、解けてしまいそうなぐらい、真っ白な素肌は雪すらもその前では有色の景色】
【憂色を纏った儚い体躯が、貴女の元へと近寄っていくのだろう】
521 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/01(金) 21:09:34.46 ID:skkwlWoB0
>>519
/私メリーさん、あなたの後ろでチョコパイ食べてるの!
/いますようー
522 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/01(金) 21:11:37.50 ID:i0lYSQQRo
【大通り沿いのカフェ・テラス席】

【夜の穏やかな雰囲気を醸す落ち着いた店内に、黒服の若い男が二人】
【仕事の打ち合わせのようにも見えるが、その実、会話の様子から見るに知己の関係らしい】
【片方は肩までの白髪に黒い彼岸花を挿し、銀縁の細身の眼鏡を掛けていて】
【もう片方は腰までの紅茶色の髪を緩く纏め、目を隠すようなダークブラウン色の眼鏡を掛けている】

【前者が先日の風の国首都襲撃犯の一人で、後者が中央放送局占拠犯の一員であるのだが】
【どちらにも言えるのが姿をハッキリ見た人間がごく少数に限られることで、】
【故に周囲の人間の目は全くと言っていい程この二人に対して向けられることは無く】

……人目を憚るとか、考えたことは無いんですか

「無いわぁ、勝手に憚ってればええやろ。そもあッちはそないに目立ってへんし……
 嗚呼、目立ったことはしたかも知れへんけれど、あの吹雪やったしねぇ?」

【交わされる言葉だって、キーワードを孕んではいるが、それだけだ】
【人の多く混み合う店内は席の空きが少なく、6人掛けのテーブル席もそう長くは二人で占領していられず】
【すぐ隣は人通りがそれなりにある街道、何か起こればすぐに気付くだろうし、逆に此方も目に付きやすい】
【万が一の可能性、要所に散らばるものに気付けた人間が、声を掛けることだって無くはない】
523 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/01(金) 21:21:32.51 ID:kzP4sxOIO
>>515

えっ?

うーん、どうしようかな……
まだ読んでないから……

【ふーむと腕組みをし、考えるが】
【その時、「ものづくり」という単語が耳に入った】

――えっ、もしかして、同業者?

なら、いいよ。どうぞ!

【その単語に反応し、急に目を輝かせ】
【「終わったら、ちゃんと返してね!」と、少々せっかちな台詞を呟きながら、『神話の武器の伝説』を差し出す】

【ちなみにその本には、デュランダルやグングニルやゲイボルグなど、割とメジャーな武器が描かれている】
524 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/02/01(金) 21:23:50.39 ID:MS8FDXvDO
>>518
あぁ〜ん!?

【恐る恐る声をかけた少女の話を遮るように、野太い声が響き渡る】
【腹が減っては悪さも出来ぬ…いや、腹が減ったら悪さをするのか】
【とにかく、腹の減っているこの男は、少々機嫌がよろしくないようで】

おい、貴様、その持ってる物を俺様に寄越しな
大人しく寄越しゃあ見逃してやる、これ≠ェ何か解らないってこたぁねぇよな?

【なんにしろ、やっぱり腹減りは抑えられない、しかもこんないい匂いを放っておける訳はなく】
【自分でも『何か違う』と思いながら、男は頭の逆五芒星を指差しながら、少女にカツアゲを行う事にした】
525 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/01(金) 21:30:03.19 ID:+9HoXEQto
>>523

っ……ぁ、本当ですか?有難うございます!
以前に珍しい素材で剣を作った時、とても困ったもので――?

あん、同業者っていうと、アナタも何か作る職業で?……その、工房とかは

【『持っているのか』と訪ねてから、差し出された本を受け取って】
【机に座るでもなく本を開き、読んでいるとは思えない速度でページをめくっていく】
【その際、カシャ、かしゃ、という音が小さく響いていて――やはり少し、奇妙】

うーん……やっぱり伝説の武器となると、特に槍は豪快な作りが多いですよね
逆に剣なんかは、能力が強い割に見た目は案外普通だったりして、バランスが難しい、かな……

……『竜宮』で作れるか?

【しかし、そんな風にページをめくりながら呟く姿はやはりものを作る職人然としていて】
【もしかすると『竜宮』というワードが、少女の耳に留まるかもしれない。】
526 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/02/01(金) 21:31:02.65 ID:zlXmQNbdo
>>507

【──“こつん”】【二人の間を遮るようにして、金属音】
【内容物の存在を思わせる、曇った音色。その発信源は、斜面を経て通じる表通りの方】

【直後、それを裏付けるかのように傾斜に押され、一本の缶コーヒーが二人の足元へ転がってきて──】


「わ、わ、わ───それ、私の缶k──ぉぉッ!?」

【叫びながら件の缶を追う“三人目”が現れたのは、丁度“施した方”の足元で、缶がその勢いを失った時の事だった】

【黒一色の振袖に、簪で留めた萌葱の髪。撫子──そう呼んで差支えない貞淑さを備えている、にも関わらず】
【間の抜けた声や、少々個性的に過ぎる表情を惜しげも無く見せびらかす、良く言えば個性的な少女だった】

【大股に、足を踏み出し傾斜を降るその都度、横一文字の前髪と、長い袂を上下に揺らして】
【挙げ句足をもつれさせ、坂の半ばですてんっ、と転び、傾斜の残りを丁度先程の缶と同じ具合に転がる始末】


「痛たたた……たた……た?」
「……っ!……え、えと……チョコ!」

「チョコですかっ!記念日か何かなんでしょうかね?随分と仲睦まじいご様子でっ!」
「えへへっ、あははははは───っ……」「あは……は…、はは…………」

【暫くして我を取り戻した時、少女──“夜久月音”は尻餅を付いて、二人の先人を見上げる形で、位置していて】
【彼女は失態に頬を染めつつ、恥隠しとばかりに目の前の状況から、連想した言葉を適当に並べ立てるのだった】


/はい!それではよろしくお願いします!
527 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/01(金) 21:33:54.56 ID:oKx41U9ho
>>524

【さすがに明らかな威圧をされては体が竦む足が反応する、一歩あとずさりかけて】
【予後の動作に保障が無い分、体が揺れて籠は大きく動き、ぽろりとクッキーが一つ地面に落ちて砕けた】

ひっ!
あ、こ、これですか?
……お腹、すいてらっしゃるんです?

【緊張のあまりかどうにも状況と相手の言葉の内容の把握が出来ない、声は震えて】
【両手を前に出すように差し出されたクッキーの籠から、殊更焼き菓子の薫りが流れていく】
【しかし段々とこの状況の奇妙さに頭が向くようになってきたのか、ふと、もう一つ質問を投げかけてみて】

カノッ……サ、機関
あの、く、クッキーで足りるんです、か

【聞いてはいる。知ってもいる。しかし直接の被害の無い身は、助けを呼ぶなど危険回避の行動に至るに遠く】
【逃げ出す隙を窺いながらも、相手の機嫌を損ねぬよう沈黙を恐れるようにぽつぽつと話しかける】
528 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/01(金) 21:45:13.75 ID:kzP4sxOIO
>>525

うん、そう。
武器屋というか、鍛冶屋というか。
うーん、工房は、まだ持ってないな……
修行中の身だから、しょうがないけど。

【残念そうに肩を竦め、『武器図鑑』の続きを読み始める】

【ぱらぱらとページをめくり、メモを取るその時、相手の『
竜宮』なる単語が耳に入った】

――竜宮?
なに、それ?

【本を開きっぱなしのまま、身を乗り出す。如何にも興味津津といった雰囲気】
529 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/01(金) 21:47:48.15 ID:skkwlWoB0
>>526

【――恩を売ってやろうだとか、なんだとか。そんなのまるでない、気紛れだった】
【白い袋をぎゅっと抱きしめて暗闇を駆け抜けていく背中、転ばないか気にするようにじぃと見送って】
【やがて見えなくなれば、立ち上がろうと――したところで、足に触れる軽い感触】

…………、

【缶コーヒー。自分は買わないし、そこらへんに転がっているとも思いづらいそれ】
【白い指先がそっと拾い上げようと伸ばされて――拾ったとしても、拾えなかったとしても、変わらない】
【赤と黒のオッドアイがついと視線を上げて、転がってきた方へ、向いて、】

【何か言葉を吐こうと緩く開かれた口が、噤まれる】
【いっそのこと清清しいぐらい転んで転げた少女をじっと見つめるのはどこかきょとんとしたような――】

……――だいじょうぶ?

【――結局、彼女が動いたのはだいぶ後。並べ立てられる少女の言葉、その後に尋ねるのだろう】
【どこか心配げに下がる眉。先の行動といい、どこか良心的、或いは優しくも見えるけれど】
【夜の路地裏なんて、好むのは全うに表通りを歩けないようなヒトがきっとほとんど、なのだから、】
【どことなく人外めいた彼女の気配――敵意こそ無いけど、全うの範疇には、きっと入らない】

バレンタインだから、チョコの研究しようと思って、……あげちゃったけど。

【かつり、こつり、ヒール特有の高い足音。暗闇に響かせて、少女へと距離を詰めようとするはずだ】
【許したなら、ひどく頼りげのなさそうな白く細い右腕を差し出して――そっと、首を傾げるのだろう】
530 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/01(金) 21:51:46.86 ID:+2w8wzdz0
>>520

【その少女の印象は言うならば絵画――】
【著名な芸術家がその人生を捧げ完成させたであろう"作品"――】
【いや、そうとでも表現しないと、言葉では言い表せないような透明感、ただただそれは美しくて。】
【しかし驚くべきことに彼女は架空の存在ではなく、人間としてここに、世界に存在している】
【儚すぎる口元が小さく動き、そこから漏れる柔らかな響きは―――そう、ロシア語。】

【・・・ロシア語?】

(――――――ゴ、ゴルルコビッチ!じゃなくてロシアン!?ロシア人!?)
(オーノー!銃は握れてもロシア語はわからないんだぜ、っていうかなるほどだからこの白い肌――納得してる場合か!)
(知ってる言葉といえば、ええと、ええと――あ!)

あ、あ、・・・アブトマット・カラシニコフ!!

【ブロンドはバカ――というのはアメリカン・ジョークのお決まりであるが。】
【あながちそれは間違いではないのかもしれない、いやほんとに。】
【セリーナは貴女の事を完全に異国の人間だと判断しているようだ、自分にかけられた"綺麗"という褒め言葉も――】
【このアホには勿体無さ過ぎるその麗句も、彼女には届かなかった―・・・バカだから。】

(だ、だめだ通じてないぞ・・・ならば!)
マカロフ!トカレフ!スチェッキン!

【銃の名前は呪文じゃねぇんだ。そんなツッコミも恐らく聞こえはしないだろう。】
【知りうる限りのロシア銃の名前を口にするアホ女だったが――少女の途切れてしまいそうな言葉を、なんとか聞き取れたようだ。】

えーと、えーと・・・あと何があったっけ・・・!スペツナズ!いや・・・これじゃラチが・・・
って、「ありがとう」・・・?そんなロシア語は――んんん!?

なぁんだ、ロシア語以外もわかるんじゃん!よかったぁ〜。アタシ一瞬言葉が通じないのかと――・・・

【どうやら、少女は普通に喋れるらしい、がその様子はたどたどしい。まだ慣れていないのか――】
【なんとか紡がれたその言葉を、やかましすぎるセリーナがこれまたなんとか、聞き取った。】

「みて、きた」・・・ってぇ、ことは。うん、おじょーさんもしかして・・・参加希望者!?きた!きたよこれ!
ちょっと言葉は覚束ないけど、まあ大丈夫!さ、入った入った!
【セリーナも彼女の意図をようやく理解したのか、店の中へと招き入れる。】
【――店内は暖房が無い、代わりに暖炉が置かれているようだ、かなり暖かい。】
【見てくれはそのまま酒場というしかない、確かに事務所らしくテーブルや書類、棚も置かれているが――】
【ビリヤードやダーツ、カウンター席まで備えられていればそれはもう酒場だろう、あまり"正義の組織"という感じは――しないかも、しれない。】
531 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/01(金) 21:54:53.03 ID:+9HoXEQto
>>528

なるほど……武器専門の職人、とでも言ったところでしょうか
まだ学生さんくらいに見えますが、修行中といっても、凄いじゃないですか。

ぁ……竜宮っていうのはその、僕の工房の名前です
といっても自力で開いたんじゃなくて、ある方々に援助してもらってるんですが
最近、水の国に移転しまして――――そうだ。良ければ、なんですけど

【こう、専門的な分野で話が合うと流暢になるのもまた職人、なのだろうか】
【未だに顔も見せないのはどうかと思ったのか、彼はフードを後ろに退ける】

【彼は見るに――二十代程度か。紺色の髪と瞳をしていて、どこか精悍な顔つき】

僕、ザクセンっていいます。ザクセン・シェルナです。
アクセサリーから義手義足まで、色々と作りながら自力で工房を、と思ってるんですが

……もし良ければ、提携しませんか?アナタは武器を、僕はその加工を、という形で。

【ふと提案するのはそんなこと。同業者として気になったから持ちかける話にしては、少し展開が早いが】
【彼をそうさせる程度には、この世界にはものを作る人間が少ない。聞いてみる価値はあるかも知れず――。】
532 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/02/01(金) 21:56:34.74 ID:MS8FDXvDO
>>527
【少女が恐怖に震え、落としたクッキーを視線に入れ、苛立った舌打ちを一つ】

あぁ?腹も減ってねぇのに俺様がこんな事する訳ねぇだろうが!
そうじゃなけりゃ取引なんてしねぇでぶっ殺してんよ!!

【怒り声を上げながら、ぶっきらぼうに籠を少女の手からぶん取る】
【これだけ近付けば、殺そうと思えば出来ただろう、しかしそれをしないというのなら、現在の目的はあくまでクッキーと言う事か】

ふん!なんだこりゃ?ガキが作ったみてぇな形だな!
味も…ああ、やっぱりガキ臭ぇ!!

【籠の中に豪快に手を突っ込み、大きな掌一杯にクッキーを掴むと、バリバリと口に頬張って食べる】
【味や形に文句を垂れながら、汚い食べ方で、一つも残さず全て食べてしまうのにそんな時間はかからなかった】

ケッ!腹の足しにもなりゃしねぇな!!
大した質でもねぇし、腹の虫が収まっただけマシか!

【食べ終えると、空になった籠をポイと少女に放り投げる】
【少女が子供達に貰った想いの結晶を一瞬にして貪り尽くし、揚句に文句まで垂れる始末】
【こういう態度はやはり機関員という事か、それにしてもこんな行動をする機関員はこいつくらいしかいないだろうが】
533 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/01(金) 22:00:44.20 ID:yuRD+zIoo
>>530

【貴女の言葉に彼女の眉がピクリと動いた、細い眉は彼女の輪郭を美しく強調して】
【表情に混じる、おおっといった感じの表情、純白の素肌に僅かな体温を感じさせた】
【小さく何度か頷いてみせた、貴女の呼ぶ――――祖国の銃の名に】


Драгуноваドラグノフ=\―――
Соня Екатери?на Драгуноваソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ
ソニア……だよ――――名前、私の……


【SVDの名を冠す、彼女の名前、異国のアクセントが貴女の耳元を撫でるよう】
【そういってくしゃっと、彼女の頬が綻んだ、表情に混じる笑みは、微笑みと呼ぶには勿体無いぐらい】
【整った顔たちが僅かに歪んでみせたなら、それは大きな旋律となって、また新しい淡を生む】

【貴女の招き入れる様子に少し困惑した、どう表現したらいいか分からないのか少し困った様子で】
【ゆっくりと歩く、手元のバイオリンケースが重たいようで、ふらふら、と危なっかしい足つき】
【ふわぁ、と声が漏れた周囲を見渡す視線が、マリンブルーの世界の中に溶けていったから】


Испытание(テスト)……いらない……です?
入るの、私の――――Испытание……ぇっと……見るの、見るやつ


【少し不安げにそう尋ねるのだろう、入るのに何か、テストが必要なのか、と】
【最初にロシア語で説いてから、少し考えて、言葉を付け足す、自分の知ってる単語で言い換えれるよう】
【たどたどしい言葉は、どこかおぼつかない指先のよう、彼女の身を淡く添える】

【たくさん着込んだ彼女の服装、寒い場所の出身なのだろう、彼女の素肌に凄くぴったりで】
【とても活発で、それでいて美しい――――貴女とはまた、違った味わい】
【同姓であるだけの事柄が、とても親しい憂いの形にも終える】
534 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/01(金) 22:06:09.64 ID:oKx41U9ho
>>532

【籠を取り上げられれば一瞬引っ張られ、弾かれるように相手から更に一歩離れ】
【開いた距離は4mほどだろうか、反動で後退する体は数歩跳ねて立ち止まる】
【相手の咀嚼音混じりの声を聞くに、不思議といつしか怯えの目がはっきりと相手を睨みつけ】
【放り投げられた籠を、慌ててキャッチし抱き締める】

……謝って、ください
これは、子供たちが、一所懸命つくったもの、だったんです
だ、から

【舌は震え、頼りなさげに籠にしがみ付き、掠れた声はとぎれとぎれ】
【明らかに自身より強いであろう相手に向けた言葉は、確かな敵対で】
535 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/02/01(金) 22:10:00.34 ID:O4x+H4X0o
【山奥にて】


【発展した街からはそう遠くない場所。まだ開発が届いておらず草木が広がる此処なら、何があろうと人には迷惑をかけない】
【……例え銃声が聞こえようとも、決して波風は立たない。枯れ木がその音を吸い込んで、また静寂を作り出すから】

【―――此処に響くは、2発の銃声】

少しズレるかぁ……やっぱ柔らかい地面だと幾らか厳しいなぁオイ。
石とか転がってる分何とかなるが、これだけで戦わなくちゃなんねぇからなぁ……

【2つの音を奏でた犯人は、二丁拳銃を構えたまま苦い表情を浮かべ、言葉を漏らした】
【放たれた銃弾はどちらも地面の小石に跳ね返り、禿げかけた木に跡を残す。所謂、跳弾というモノである】
【其の一本の木にだけ、蜂の巣のように深い穴が密集している。根元に落ちた数々の銃弾が深い穴を造り上げたことは、明白だった】

……こんな実力じゃ、コレだけじゃ正義は語れねぇ。ハンデ抱えてる分、射撃技術で埋めなきゃいけねぇんだ……よッッ!!

【右手に握られた蒼い拳銃から銃弾を飛ばす。先程の弾丸と異なり、其れは蒼く輝きながら空を裂いて木に命中し―――命中部の周りが、凍結する】
【其れを見届けて、男は鼻から大きく息を吐きながら両手の拳銃を消した。……凍りつかせる弾丸、手から消滅した拳銃。要するにこの男、能力者である】

……昔みてぇに下がって銃ぶっぱなす事はもう無理なんだ、新しい俺のスタイルを……モノにするしかねぇ

【被った青のソフト帽を、再度深く被り直して。白シャツ×灰色のジレ×ジーンズのシンプルな格好に身を包んだその男は、再度両手に拳銃を具現化させた】
536 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/02/01(金) 22:12:44.49 ID:zlXmQNbdo
>>529

【掠れた笑い声は、間延びに間延びを重ねて。結局収まったのは接近を許し、手を差し伸べられたのと、同時】
【彼女の細腕をしっかりと握る辺り、月音の開放的な人柄が滲み出ていた】
【どこか、柔軟な印象を与える──事実、芸術家的に細く、柔らかい手をしていた】

【傍らの缶を拾い上げ、幾らかの力を込めて腰を浮かせる】
【それから、握手を解いたその手で「やだなぁー、もう」なんて独り言を交え、砂利の付いた臀部を軽く払って】


「大丈夫、です……っとと、助かりましたぁー」
「という事は、お相手は他に居る訳ですね!?私ったら、とんだ早とちりしちゃいましたっ?」

【感謝から来る人懐こい笑みを浮かべながら、月音は、互いの顔を付き合せる形で会釈する】
【人ならざる気配はきっと、察知しているのだけれど、彼女はそれに、触れようともせず】
【鼻先を近付けながらいつも通り、初対面の度に見せるその笑顔を、より一層深めるのだった】

「と、い、う、こ、と、は……そちらの女の子は、もしや」
「申し上げにくいのですけど──その、その──」

【ならば、傍らに居るもう一人の少女はと、相手の口ぶりから察して改めて、視線を移ろわせる】
【そうして初めて、ぼろぼろの衣服にくず肉を抱えている様に気付く──】
【問わんとしている事は一目瞭然だったけれど、本人の手前口に出すのが憚かられるらしく、言葉を詰まらせて】
537 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/01(金) 22:13:06.96 ID:kzP4sxOIO
>>588

いやぁ、そんな、私は見習いの見習いみたいな感じだから……
えへへ。

【謙遜するが、褒められて嬉しくない人間などおらず、照れ隠しに頭を掻く】

ほほー、工房『竜宮』か……
かっこいいね。うん!

ザクセン。うん、覚えた。
私は叢雲 茜。よろしく。

――提携?
つまり、私が武器を作って、あなたがそれをさらに加工する、って事?

ふーむ……

【腕組みをし、しばし考える】
【彼を信用出来るか、そもそも提携して良い物かどうか】

【そして、数分後】

――うん。いいよ。

【いい返事が返ってくる】
538 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/01(金) 22:18:34.32 ID:kzP4sxOIO
/なぜこんな間違いを……
/>>531です、すみません
539 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/01(金) 22:20:41.22 ID:ew3hxKJn0
>>502

【緩む表情と擽ったそうな声。思わずつられて、橡色の双眸が緩む。】
【そして………。】

……伝わった? 貴女にやられてる時の私の気分。
………逆の立場は初めてだけれど――――― ……やっぱり、私が“こうする”のも楽しいのよね。

【少しだけ強気で、けれど楽しげに弾んだ声。】

【ヨハンのひとつひとつの反応が、やっぱり彼女には心躍るもので。】
【……心が溶かされているのを感じて。時を重ねるこの瞬間が、どうしようもなく愛しくて。】
【そんな暖かな想いに満たされるゆえに、未だ普段は 「固い」 はずの表情が――― また穏やかさを増して綻んだ。】

【その後はもう暫くだけ、望むがままにスキンシップを楽しむのだろう。
恐るおそる耳を撫でてみたり、頭全体をくしゃっと撫でて、撫でて、逸らした視線の先に廻り込む顔で、また二人で目を合わせてみたり――】

【抱きつきそうな勢いで、彼女は思いっきりはしゃいでいた。】
【それでも踏み止まったのは、たぶん単に“恥ずかしいから”。】
【慣れてはいないが、やはり決して嫌いではなく―――― そう言う意味で、きっと今のヨハンと似た想いなのだろう。】

(…………!)

普段はあまり食べないけれど、………甘いものは私も好き。
………大事にするわ。ずっと、取っておきたいくらい――――

【そして高鳴る胸――――】
【バレンタインの贈り物、それも友達からのそれは初めてだった。】
【どんな形をしているのだろう? 今すぐ開けたかったけれど、後での楽しみにもして置きたくて。】

【そんな中、「さっきの出来事」が話題に上って。】

(…………っ――――――!)

……あ、あれだけは忘れてもらうとして……、
……石に記憶 『させる』 にはどうしたら良いの?

私がずっと考えてたのは、身に着ける形のものなのだけど――――

【自分にも、彼女にも想定外だった“あの体勢”。思い返せば、これ以上ないくらいの気恥ずかしさで―――】
【………頬が熱くなるのは否定のしようがなかった。それを誤魔化すように問いを投げつつ、記憶石を受け取ろうとする。】

【それを受け取れば、月明かりに翳してみるのだろうか。夜闇のようなその漆黒も、なぜだか暖かく感じられて――――】
540 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/01(金) 22:22:08.85 ID:+2w8wzdz0
>>533

【ドラグノフ――確かそれも、銃の名だったか。セリーナは聞き覚えのある単語だからだろう、しっかりと聞き取った。】
【まさか、自分が言う銃の名に応じて貴女も応えてくれたのか、などと一瞬血迷った発想をしたことは置いておいて――】

"ドラグノフ"――って、ああ、貴女のお名前ね!
ソニアちゃん、か。うふふ、アタシはセリーナ!セリーナ・ザ・"キッド"だよ。
そしてここはそう、UNITED TRIGGERの事務所で間違いないよ!いらっしゃいませ、小さなお客さん♪
――っとと、お荷物は預かろうか?

【見るからに重そうな、少女の――ソニアの持つバイオリンケース。】
【楽器と美少女の組み合わせはなんとも絵になって、少々店の雰囲気が緩和されたような気がしてしまうほど。】
【しかしどうにも、このソニアという小柄な少女には少し重そうだ。セリーナはそれに気付き、ケースを預かろうとする。】

―――むむむ、「いらない」・・・?「見るの」、「入る」、「見るのヤツ」――
んー、もしかして履歴書、とか?あー、ウチはそういうの、いらないよ!
――っていうか、過去にいろいろあってとれない人とかもいそうだし、ね。
そういうとこ、緩くしてるから!誰でもウェルカムだよ!

【少し勘違いしているようだ、恐らく"テスト"とは思ってもいないだろう――】
【恐らくは意気込みさえあれば誰でも組織には加入できそうであるが】

うーん、でもそうだなー
仕事も色々あるし、一応能力者かそうでないのか、ってところくらいは把握しておきたいしー・・・うん、よし!
ソニアちゃん、簡単な面接をしよう!
【――唐突に、そんな提案。とりあえず席へと案内し。】
【椅子を引いて、少女が座るのをサポートする。】
541 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/01(金) 22:23:37.01 ID:+9HoXEQto
>>537

またご謙遜を、ここまで熱心に勉強されていれば見習いなんて関係ないですよ
ましてただの剣や槍じゃなく、モチーフは伝説にまで登るとなれば
……少なくともその創作意欲は、褒められてしかるべきかと。

有難うございます、茜さん。店はいつでも開いていますので、良ければいつでも。

【なんて言って、本をぱたんと閉じてから少女の答えを待つ】
【一分、二分―――妙に長くも思えたが、ザクセンは直立のまま全く動かず】

【やがて答えが出ると、嬉しそうに顔をパッと綻ばせ】

―――よかった。僕、もの作りといっても素材を何かに足していくのが得意分野でして
さっき言ったように、発想もどうも貧困というか……その改めて、ありがとうございます。

それで早速なんですが、提携の内容は―――――、――――どうでしょうか?

【『―――』という間に話すのは、少女の作った武器をザクセンが加工すること】
【それが売れた場合は少女へ金額の6割を渡し、またもし素材が必要であればお互い強力する】
【概ねそんな内容で、おかしな所は見当たらない。口約束ではあるが、信用は出来るだろう。】
542 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/01(金) 22:26:19.46 ID:skkwlWoB0
>>536

【そうして握られる手は、きっとそれだけで折れてしまいそうに細く、危うく思えるほど】
【けれど握られたなら存外きちんと握り返して、少女が起き上がる手伝いを――】

なら、よかった。

【「大丈夫」少女がそう口にしたなら、彼女が浮かべるのは安堵したような微笑だ】
【まるでお人形のようなその顔つき。白い吐息と一緒に夜に蕩けるのは、鈴の音のような不思議な声色】
【意味もなく首を傾げれば、黒髪から零れるのはふんわり甘いシャンプーの香り】

……――さっきの子? なんにもないよ、初対面。
寒そうにしてたし、おなか。空いてるみたいだったから、あげたの。

【もう既に立ち去った幼子。その姿を思い返そうとしたって、ろくに覚えてすらいないのだから】
【髪は黒かった気がする。あれ、茶髪だったっけ? 瞳の色は――?】
【――そうして緩く思考を廻らせながら返す言葉は、ほんの少しだけ間延びしていて、】

冬に野宿なんて大変なのにね――。

【まるで知っているような、同情するような、そんな風に紡ぐのだろう】

【――尚。少女が未だに彼女の手を握るなら、適当に見計らって手を離そうとするのだろう】
543 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/01(金) 22:26:34.47 ID:CcTyAjDEo
>>535

【その背後から、静寂を破るように、どこか飴玉を転がしたような甘ったるい声が聞こえてくる】


……うーん?夜更けにこんな山奥で誰が発砲しているデスヨー?
戦闘の音じゃないデスヨー、どちらかと言うと武器の試し撃ちの音、いるのは誰かひとりだけ
で、間違いなさそうデスヨー……そこに誰かいるのデスヨー?


【男の背後に現れた少女は純金の三日月の髪飾りで長くつややかな黒髪をポニーテールにして整えていた】
【耳をアンテナヘッドホンのような機械で覆い隠した、銀色のカフスボタンが袖に付いた黒を基調とした丈がくるぶし部分まであるロングドレス】
【その上にフリルだらけの常に汚れ一つない真っ白なポケット付きエプロンを着用して、メタリックカラーの小さなブーツを履いた…俗に言う侍女服の少女】

【こんな山奥にメイドが何をしに来たのだろうか】
【判断材料としては、彼女の左手に持たれているバスケット―――その中にいくつかの草やキノコがある】
【おそらくは山菜を採集している最中だったのだろう、その途中で銃声に気が付いてきたようだ】
544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/02/01(金) 22:28:50.18 ID:MS8FDXvDO
>>534
…ったく…少し食ったら余計に腹減ったじゃねぇか!

【籠を投げ捨てると、頭を掻きながら更に文句を垂れて】
【本格的に腹を満たそうかと、何処かへ行こうとした時、少女の声がかかってピクリと体を止める】

…あぁん!?
貴様、誰に向かってそんな口利いてんだ?あぁ!?
誰がどう作ろうと腹に入りゃ一緒だろうがよ!残さず全部食ってやってんだから謝る道理もねぇな!!

【ゴーグルの下から少女を睨みつけ、不機嫌とはまた違う怒り声で威圧する】
【当然ながら、素直に謝るつもりもない所か、悪いとも思ってすらいない】
【とは言え、少女と違い敵対心を持っていないのは、少女が脅威になるともすら思わない油断からである】
【不意打ちをするならば、成功しそうだ】
545 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/02/01(金) 22:30:06.21 ID:LSXYS9eqo
>>505
【くしゃり。握り潰したペットボトルをくず籠に投げ捨てて、女は無感慨に溜め息を吐いた】
【──彼女は言葉を飾ったり、意志をオブラートに包んで、婉曲に伝えるような真似をしない】
【ただどこまでも直截に、ありのままの本心を突き付ける。そんな不器用な生き方ゆえに、無用な敵を作ってしまう事は少なくなかった】

何が解るって?──事実≠セよ、順風。
強い意志のもと、適切な鍛練を積み上げてゆけば、無能力者にだって能力者は打倒しうる。
これは紛れもない事実だ。……ただ、それを実現しうる者は決して多くない≠ニいうだけで。

誰も、弱い事が悪だ≠ネんて言ってはいないさ。それは獣以下の理屈だと、つい先刻言ったばかりだろう。

【だから舌禍は慣れっこだし、付け加えれば目の前の青年は卵≠フ保持者だ】
【その精神は、いつ爆発するとも知れない不発弾のような危うさを秘めている。遅かれ早かれこうなる事は自明の理】
【なんの事はない。今なお涼しげな顔をして喋り続ける彼女は、元からその気だったのだ=z

【不発弾を助走を付けて蹴り飛ばすようなやり方で、不安定な彼の心を揺さぶるという──あまりにも無謀な行動に及ぶ、覚悟≠ェあったのだ】

【では、その理由は──?】

ああ、そうだよ。その通りだ。私の能力は一から十まで、私と私の領域を侵す無粋な輩を悉く排撃する為にある。

ただし、弱い者苛め≠セなんて下らない理由の為にあるわけじゃない。
私の力は、この私が敵≠ニ認める価値のある相手を。この私をして理不尽≠ニ言わしめる、規格外の強敵を。
この世に星の数あるありとあらゆる理不尽≠、二度と私に牙を剥けぬよう、
有無を言わさず完膚なきまでに切り刻み、抹殺する為に手ずから研ぎ澄ました理不尽≠フ塊だ。

あまり嘗めてくれるなよ=A順風──人でなし(わたし)≠ニ、人でなし(わたし)≠ニ戦った奴らの事を。

【もし順風が完全に卵≠フ意志に飲まれず、抗い続けていたのなら】
【たとえ身体の支配権が卵≠ノ奪われていても、物事を考える事が僅かなりとも行えるなら】
【それは、容易に分かる事だ。──先刻、彼女はこう言ったばかりなのだから】
【「力を制御する努力をすべきだ」「力を怖れて抑え込むばかりでは、何れ最悪の結果を生む」】

【つまり、だ。彼女はその機会を、自ら身体を張って作ろうとしたのだ】

さて。これから私は、二つ三つ昔話をしようと思う。
だが、その前に大事な事を忘れていたな。
相手ばかりに名乗らせておいて、自分の名前は教えずじまいというのは如何にも無礼だ。

【音もなく立ち上がれば、周囲がしんと、耳鳴りのするような沈黙に包まれる】
【空気が、凍る。女もまた順風に応じて、その雰囲気を豹変させた。細い身体から立ち上る闘気は、どこまでも鋭い】
【それは宛ら無軌道に研ぎ上げられ、果てには鞘すら断ち切る鋭さを帯びた凶刃だ】

(下手な気遣いは要らない。どのみち私の性格じゃ、どんなに取り繕おうがこうなるんだ)
(ならばいっそ、派手にやれ。火に油を注ぎ尽くして、酸素も、火種も、注いだ油も、奴の怒りの何もかもが燃え尽きるまで戦い抜け)
(そうとも、私の────)

手短に済ませよう。生まれ出づるは櫻の月ヶ瀬、姓(かばね)は識槻、名を朔夜。
並ぶ者なき闇の果て、正義の道を切り拓く──justice≠フ末席にして、不撓不屈、無二の鋭剣。それが私だ。

能力者の根絶≠ェお前の求める正義だと言うならば……私はただそれを拒み、絶つまでだ!来い、大空順風ッ!

【大股に、一歩。半ば跳躍するような勢いで後退し、ベンチの間合いから逃れると】
【女は振り抜かれたベンチが巻き起こす砂煙に紛れて、前を開いたコートの内から、何かを逆手に引き抜いた】
【見れば、それは刀身の重ね厚く、身幅は広く刃渡りも小脇差と呼べる程に長い、武骨な造りの短刀だ】

(私の刃はこれからの時代を戦い抜く正義の味方≠ノ、進むべき道を指し示す為にある)

(……どうか、卵≠フ悪意なんぞに負けてくれるなよ。順風)
(能力なんざ使えずとも、お前は今まで戦い抜いてきたんだ。断じて無力であるものか)

【justice=B確か、昔そんな名前の組織があった。掲げる理念は力なき民衆の為の正義=z
【水の国に本拠地を構えた彼らは、時に民の盾として、時に機関を筆頭とする大悪を討つ剣として、見返りも求めずに能く戦った】
【しかし二年前ほどから表立った活動がぱたりと途絶え、今ではとんと名前も聞かなくなったらしいが──】
//いえいえ、お気になさらず……
546 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/01(金) 22:33:01.89 ID:yuRD+zIoo
>>540

【貴女が伸ばす手、彼女はそれに反応するだろう】
【マリンブルーの瞳に意志が宿る、鋭く――――彼女の視線が揺れた】
【抱きかかえるよう、バイオリンケースを、両手で抱きかかえるように、彼女は持つだろう】

【じぃ、と視線で訴えかける、大丈夫です、と――――言葉にしようとして、やめた】
【貴女ならきっと、分かってくれると思ったから、上目がちに覗く視線が、蕩けるような意図を孕んで】
【恐らくその中身は楽器≠ナはないこと――――貴女なら十分に理解できるだろう】


るぅ……れ……れーきしょ……?れーきしょって……何、です?
ぁ、はぃ――――分かりました……


【履歴書って何だろう、と頭の中で色んなことを逡巡させて、その意図を汲み取ろうとした】
【でも、そんなことは徒労、貴女の態度で、有難うって言いたくもなって――――】
【安心した表情、滲む滲む頬の色が、とても明るくて綺麗な色に染まった】

【貴女に示されて、ぺこっと座るだろう、小柄な視線が、少し下の辺りに落ちた】
【マフラーを脱いで、コートを脱いで、畳んでキャスケット帽をその上におく】
【小さなお膝の上に畳んだコートとマフラー、帽子を置いて見せた】

【バイオリンケースは自分の側に立てかける、座った彼女とほぼ同じくらいの高さ】
【コートの下は薄い桃色のカットソーの上に細いリボンを纏った黒いキャミソール】
【紅いチェックの柄のミニスカートに黒いオーバーニーソックスが揺らめいた】


面接……ぅん、面接――――分かるよ、面接
自分の得意なこと、とか……好きなもの、とか……応えるの

私……淫乱だから、色々……知って、ね……?


【なにやら不穏な単語が一片、彼女の口元から零れて広がるのだろう】
【恐らく本人はその意味を分かっていない、きょとん、と暖房で解けてしまいそうな素肌を浮かして】
【頑張るよ、って微笑んだ、瞼に閉じる素肌の形】

【睫がそうと彼女を修飾する、雪の上に広がる冷たい月の影】
【そうして再び姿を現すマリンブルーの瞳と、その頬に絡むプラチナブロンド】
【貴女のブロンドには少し劣っているかもしれないけど、その髪の中には】

【――――貴女にも似た、ブロンドを仄かに香らせる】
547 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/01(金) 22:34:14.11 ID:kzP4sxOIO
>>541

えへへ、そうかな?
ありがとう。

【頬を赤らめ、ぺこりと頭を下げる】

【そして、肝心の提携の内容だが――】

……うん、構わないよ。
特に不公平そうなところもないし。
私は、それでオッケー。

【交渉、成立】
548 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/01(金) 22:43:28.07 ID:oKx41U9ho
>>544

与えられる事も、甘受できなかった子供たちが、やっと
……自分でそれらを作って、理解出来たんです
それが、どんなに尊い事かっ……!

【震える指は恐れを保ったまま、両腕を相手の方へと伸ばす】
【サングラスの向こうで金の瞳がその色を潤ませながら、必死に相手を睨みつける】
【寒がるかのように震え続けるその様子、本来はそうして相手を見遣る事すら難しいのだろうが】

それがどんなに大切か、分からないんですか!

【腕や手の甲に無数に刻まれた傷、否瞼が、皆一斉にその目を見開いて相手を睨みつける】
【どれもが強い意思を持って相手を見据え、その瞳の中に光を吸い込み】
【その光が力が大きな固まりとなって収縮し、相手の胴に向けてビームのように相手に放射される】
【――戦略も無く後手も無く、ただ真っ直ぐなその攻撃】
【未熟にして脆弱、たとえ当たっても反撃に対する備えなど無い】
549 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/02/01(金) 22:47:15.54 ID:zlXmQNbdo
>>542

【解いていた両手を組むように重ねて、掌で缶を包み込めば──ぷし、と空気の漏れる音が】
【へたり込んでいた件の少女が居た位置に視線を落としつつ、缶の口に、唇を添えた】

「──施し、ですか」

【本人にその意思が無くとも、月音はその行為に対して一定以上の好感を抱いていた】
【そんな彼女は憐憫とも共感ともつかぬ相手の感情に、同調するように一瞬、目を閉じる】


「……そういった経験が、おあり……なのですか?」「それで…、そういった事をなされている、とか」
「そう、なのでしたら──それはとても、素晴らしい事だと思いますけどっ」

【暫し間を置いてから、いくらか調子を落として問う】【良くも悪くも、独善的──それが、月音という人間だ】
【善意や好意を以て、人の心に土足で踏み込む。まだ青いが故に引き際も妥協も、世界も知らなかった】

【今までは、その行動総てが功を奏してきたけれど──さて、今回はどう転ぶやら】
550 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/02/01(金) 22:47:16.43 ID:HDlMTb/W0
【公園】

……ふう、久しぶりにこっちを歩いたからかな、ちょっと疲れたよ。
でもこの街もあんまり変わってないみたいで、うん、何よりだ。

ボクが最後にここをこんな風にうろついたのなんて、いったいいつの事だっけ。

【公園の片隅のベンチに、夜空を見上げてそう呟く人影が一つ】
【横に無造作に置かれた大き目の鞄から考えるに、旅人のようだ】

【漆黒のキャスケット帽と黒いコート、そしてタイトなジーンズ】
【真っ暗な夜闇の中では、あまり目を引きそうにないいでたちだ】
【目立つとすれば白めの肌と、帽子から出ている金髪くらいだろう】

しばらくここにいる間に、何かしらできたらいいんだけど――。
って、うわ、コーヒー冷めちゃってる。あちゃあ、さっさと飲めば良かったよ。

【ごそごそと鞄から取り出した缶を手に、げんなりとした表情を見せる】
【もっとも、外からうかがい知れるのは口元程度くらいなのだが】


/投下自体が久しぶりなのですが、もし宜しければ。
551 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/01(金) 22:47:26.32 ID:+9HoXEQto
>>547

【交渉の内容、そして答えが出るとにこりと笑い、良かったと呟いて】

では、それで。なんというか、唐突なのに承諾していただいて、助かります
中々同業の人というのは会わないものですから、その……。

……この本、お返ししますね。“大体の内容は覚えられた”ので
さっきも言いましたが、竜宮は水の国に――そこに住んでるので、いつでも開いてます
もしよければ今度いらして下さい。似合いのアクセサリーでもお作りしますから。

――――では、茜さん。読書中に失礼しました。

【そう言って本を元の位置にそっと戻すと、一つ礼をしてから彼は穏やかに立ち去っていく】
【フードをかぶって、ゴムの靴をギュッ、と鳴らしながら歩く音は、やがて館内には聞こえなくなることだろう。】

/お疲れ様でしたー!
552 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/01(金) 22:52:40.20 ID:+2w8wzdz0
>>546

【意思が灯る瞬間、というのは何度も見てきていた。】
【何も言わない者でも、ある行動には反応を示す――静かだった者が怒り狂う瞬間のスイッチ、機微。】
【空気を読むこと、またはあえて読まないこと、それはセリーナが生きてきた環境で数少ない、身につけられた常識の一つ。】
【バイオリンケースを大事そうに抱えるソニアと、その瞳に宿る意思――ああ、なるほど。とセリーナは手を引く。】

(――すっげぇ高いバイオリンなんだ・・・あれだ、すと・・・すど・・・らで・・・バウス!きっとそうにちがいない。)
ごめん、今のは無粋だったねぇ。おねいさん、世話焼きだからついつい、ね♪

【――あ、武器であるということは多分わかってないみたい。やっぱブロンドはブロンドか。】
【そんなところはともかく、なんとか頑張って言葉を紡ぐソニアの姿はなんとも、愛らしい。】

れーきしょ、ってのは――じぶんのなまえ、とか、むかしなにやってたかー、とか
そういうのを書く、まあ「じこしょーかいの紙」だよっ!
紙が無くてもじこしょーかいはできるから、今は気にしなくてOK、OK♪

【しかし、なんとか面接のことは分かっていただけたようで、セリーナも貴女と同じように安堵した。】
【どうやら言葉は通じなくとも常識は通じるようだ、椅子に座る姿すらもどこか気品があって、可愛らしい――。】
【と、思いきや。なにかとんでもない一言が聞こえて。】

うんうん、めんせつは知ってるんだね!えらいえらい♪
いんらんだもんねー、ソニアちゃんはいんらん・・・いんら・・・は!?
(な、なんかすごいコト言ってないこの娘!?いや、たぶん何かの言葉と間違えてるんだろうけど――・・・うう。)
(戦闘中とか、意思疎通できるかな・・・唐突に18禁な単語とか飛んできたら噴出す自信がある・・・。)

えー、こほん。それでは面接開始!
まーてきとーにやるからそんなに、肩に血から入れなくていいからね。
【ブロンドが二人、なかなか絵になる光景だ。セリーナは書類を用意して自身もソニアの目の前に座り】

そうだね、じゃあまず・・・ソニアちゃんは、所謂・・・えっと、能力者、であってるかな?
不思議な力とか、普通の人間とは違うところ、もってますか?

【普通の女の子と比べるととんでもなく愛らしい――というのはまた別の話で。】
【なんとか簡単な言葉に砕きながら、セリーナはゆっくりと言葉を紡いだ。】
553 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/02/01(金) 22:57:10.66 ID:O4x+H4X0o
>>543

……うぉおおッ!? ……何でこんな所に人がいるんだ―――って、俺もだけどよ……
あー……ま、射撃訓練を公園でするのも迷惑かかるから、ってので此処を使ってるんだが―――

【誰もいない、此処には俺独り―――そう決めつけていただけに、男は背後からの声に大きく身体をびくつかせた】
【その後振り返り彼女を姿を確認すると同時に、具現化した拳銃をまた消した。拳銃を握ったまま女性と話すのは、些かマナー不足か―――などと思ったからで】
【取り敢えず、怪しまれないように正直にここに居る理由を説明する。―――と言っても、見たままなのだが。彼女も恐らく見たままの……山菜採りであろう】

……ま、銃弾が変に跳ね返ったりしてそっちに行くことはねぇからさ。
―――そっちは山菜採り……と見ていいのか? 夜の山は危険だぜ? アンタ独りで大丈夫なのかよ……?

【……銃の腕前には、いや腕前だけには自信がある。その自信による裏付けの安全性を伝えながら、紺碧の眼で彼女の姿を再度確認して、不安そうに呟く男】
【―――やはり、メイドだ。……メイドがこんな所に来る事自体が、彼に多くの違和感を与えたのだろう。理由は言ったように……『一人では危険過ぎる』から】
【少なくとも彼には、森林に潜む猛獣を蹴散らすメイドの姿は想像できなくて。 季節を考えれば可能性は少ないが、其れでも心配なものは心配なのだ】
554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/01(金) 23:01:31.24 ID:eTVsACrb0
>>545

「ふっざけんなぁ! そんなもん結局は強者の理屈じゃねぇか!!」

 振りかぶったベンチを今度は槍の様に構える。
 黒い追い風が、呼応するように輝く。

(砂塵に紛れようと無駄だ! "見えない"ものも"見える"ッ!)

 そのまま大きく振りかぶり、
 狙いをつけてまるでブーメランのようにベンチを放り投げる。

「何がjusticeだ、何が正義だ!
 お前等能力者の存在そのものが理不尽じゃねぇかぁ!!
 その正義の組織ですら結局能力を持ってる奴でしか活躍できねぇんだろ!?
 無能力者は正義を語ることすら許されねぇ!!」

 卵に飲まれているのか、はたまた破壊された理性の殻の中から覗いた本心なのか。
 順風は悪意の咆哮を止めどなく吐き出していく。

「能力者が俺達無能力者に何をしてくれた?
 能力を持った人間達が何をもたらした!?
 エルジオの時もレナールの時も路地裏の時も放送局ジャックの時もけっ・・・きょく!!」

「自分勝手な殺戮に拍車をかけただけじゃねぇかぁああああああああああ!!
 俺は憎む、この世の全ての能力者を! 俺は妬む! 俺達無能力者の"できない"ことを涼しい顔でやってのける能力者をッ!!」

 順風は砂塵の中に飛び込み、朔夜の居る場所に足刀を打ち込む。
 "破壊できない"人体を容易に"破壊できる"性質を持った攻撃、当たればただでは済まされない。


/ただいま帰りました!
555 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/01(金) 23:01:44.46 ID:skkwlWoB0
>>549

……さあ。地面に落ちたものなんて穢いからくれてやったの。
誰が死んだ誰が腐ったも分からない場所に堕ちたなんて――いや、でしょう。

【――施しか、と、少女の言葉】
【どこか褪めた声色が返すのは否定だ。それにしたって、首を傾げるのは癖なのだろうか――ほら、また、】
【同情、確かにある、心配だって、確かに。でも、それ以上を占めるのは「どうでもいい」「なんとなく」】
【ただの気分でしかない、本当に―― 子どもは好きだから、手を出そうと思う割合は多いのだろうけれど】

ちっちゃい頃にちょっとだけ。
夏はいいけど冬はいやね、ああ、食べ物が腐らないのはよかったけど――。

【踏み込まれて、少女へと向けるのは褪めた瞳。どこか訝しげな色を乗せて】
【軽く思い出すようにしながら、ぽつぽつと言葉を連ねてみるのだろう】

正義騙るやつらってこういう子たちは放置するよね。
どうしようもなくなって悪いこと始めちゃったりするのに――それとも悪いやつの製造ルートは取っておかないといけないのかな。

――だって正義ぶってドヤ顔できないものね、ふふ、

【かつり、コンクリの地面を叩く高い足音。少女から僅かに距離を取って、】
【冗談めいて口に出す。浮かべたのはにっこり笑顔で、それが逆に不自然とも取れて――】
【――或いは。助けてくれなかった過去に怨みでも抱いているのだろうか】
【右の人差し指が撫でるように頬へ触れる。黒蛇の痣は変わらずそこにあって、白肌によく映えた】
556 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/01(金) 23:02:51.78 ID:yuRD+zIoo
>>552

【貴女の株が彼女の中では上昇する、賢い人だな、と尊敬のまなざし】
【ブロンド=バカならその血を引くプラチナブロンドもまた、ある種そうなのだろう】
【一息ついたなら、口元で溶ける淡い耽美の旋律に耳を寄せる】

【昔何をやっていた、その貴女の言葉に、彼女の身がピクリと揺れた】
【デフォルメの猫耳がぴょこん、尻尾までおまけに生えて、瞼をパッチリと開いて】
【直ぐ引っ込むそれら、でも少し戸惑った表情は代わらない】


能力……能力って……よく分からない……の
此処に来たのも、あんまり長くなく……て――――
でも、Удивительная власть (超能力)……に近いもの、だったら


【彼女の言葉を辿っていけば、彼女がこの世界の出身でないことに気づくだろう】
【それこそまさに、本当のロシア≠ゥら来たのだ、雪国から、その身一つで】
【見上げるマリンブルー、その中に溶ける貴女の姿は、頼り甲斐のある姉のようでもあって】

【頬に絡みつくプラチナブロンドの片鱗が、さながら絹糸のようにキラキラと輝いて】
【その反射の中に貴女の色をもまた、すかすようにトレースしていくのだろう】
【交じり合う二つの旋律は、さながら桃源郷のよう、麗しくも美しい、儚い形】


Делиться(砕けて)……Broken Glass Syndrome


【テーブルの上に出現する鏡、ふわふわと空中に浮かんで、彼女の方へとその身を向けていた】
【その鏡を覗いたなら、普通の鏡と代わらず、そこには貴女の姿が映っているだろう】
【――――寸刻、そこに刻まれる様々な色の線、貴女の上にラインをいくつも引いたかのよう】

【そして、貴女が周囲を見渡してみれば、そこにもまた、いくつものラインが出現しているだろう】
【それは直ぐに消えて、見てみれば、鏡もまた消えているのだろう――――】
【ちょこん、と座り込んだまま、貴女の反応を待つ】
557 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/01(金) 23:04:04.14 ID:kzP4sxOIO
>>551

いやいや、私も同業者と会うのは初めてだったし。
一人より二人、二人より三人って言うでしょ?

水の国の、工房『竜宮』。
うん、覚えた。

じゃあね、ザクセンくん。
手土産でも持って、遊びに行くよ。

【本を受け取り、軽く頭を下げる】

【立ち去っていく青年の背中を見送り、青年が視界に入らなくなった頃】
【本を開き、情報収集を再開した】

/お疲れ様でした、ありがとうございました!
558 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/01(金) 23:08:08.00 ID:WYJpMTX+o
>>550

「(……中吉って微妙だよなァ)」 『(悪くは無いっすけど……)』 {(何か一歩足りないっすよねェ、兄貴ィ)} ヒソヒソ
「(さて……地面堀は疲れっから、休憩を兼ねて――)」 『(盗るつもりっすか、兄貴)』 「(そうだ)」 ヒソヒソ
「(あのでけェカバン――金目の物があっかもしんねェ)」 {(早速、行くっすよ!)} ヒソヒソ

【――何者か達が、あなたの横にある鞄を奪おうと画策している】
【相手は単独犯ではない――】


【まず、一人の男は――物陰からビーチボールをあなたの足許へと投げてきた】

『すみませェーんっす、夜の一人バレーを楽しんでたら手が狂っちゃったっす』
『良ければそれ、こっちに投げてくれないっすか?』

【その人物は――】
【氷のように刺々しい青緑色の短髪で青緑色の眼、二重で弱気そうなタレ目で、上下長袖青ジャージの20代半ばに見える170cm程の男だ】

「(……行くぞ、しくるなよブラゼイム)」 {(わかってるっす、兄貴ィ!)}

【彼が気を引いている間に、残りの2人――】
【ボサボサした短い茶髪で茶色い眼、一重で強面で、黒基調の派手な服にいかついサングラスの30代前半に見える195cm程の男と】
【髪型は燃え盛る炎の様な紫色の短髪で紫色の眼、二重で自信溢れる目付きで、上下長袖赤ジャージの20代半ばに見える170cm程の男が】
【あなたのカバンを持って行こうと、背後より忍び寄り――】
【そして、――二人がかりで、素早くかっさらっていこうとしているッ!】

【――もっとも、一人バレーの時点で怪しいため――あなたが気付く可能性は十二分にある】
559 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/02/01(金) 23:09:46.89 ID:MS8FDXvDO
>>548
【男には少女が何故怒るのかが理解出来ない】
【当然だ、作った人間の想いや気持ちなんかを考えず、ただ物を貪るだけの人間にそれがどう理解できようか】

ちっ!何怒ってやがんだよ!!
めんどくせぇな!さっさと飯食いに―――

【頭を掻いて、怒る少女を怒鳴り、軽くあしらって仕舞おうとも考えた】
【こんな小さな少女、一ひねりで黙らせようと―――そう考えだした瞬間】
【閃光が目に焼き付き、急いで背中の槍を取り―――】

―――…貴様ァ…!
いい度胸じゃねえか…!俺様に不意打ちかますなんてよぉ!!

【手に取った槍を両手に持ち、柄で光線を二つに分かって直撃を防いだ】
【しかし不幸だったのは彼が肥満体だった事、普通体型ならば難を逃れられていただろうが、横に広い体の両脇を掠めた光線が体を焼いていた】
【肉厚な眉間にに深いシワを寄せて少女を睨みつけ、槍を構え直して振り上げる】

ぅおらぁ!!潰れやがれ!!

【少女に接近しながら長く持った槍を振り下ろし、少し離れた位置からたたき付けようとする】
【槍は非常に大きくて重い、牛頭を模した穂先はさながら鈍器のようで、怪力と遠心力から振り下ろされるそれは大振りながら強力だ】
560 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/01(金) 23:13:44.40 ID:WYJpMTX+o
>>558
/もし戦闘駄目でしたら引きます
561 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/01(金) 23:18:48.54 ID:v9qAOtyS0
>>539
【撫でられて、耳に触れられて――――くすぐったい筈なのに、それでも求めてしまう自分が確かに居て】
【嘘つき狼になる事すら出来ない少女は、精一杯の抵抗として視線を逸らしても、その先なは又友達の顔があって】
【――――むず痒く、逸らしたいような、もっと見ていたいような……複雑な感情】
【もう一人の自分であれば、きっと素直に喜ぶのだろう――――でも、自分は常に有利に居たつもりだったから、そんな事をするのも気恥ずかしく】


「……ボクは恥ずかしいだけだよ
――――そりゃ、少しは……心地良いけどさ……
今日だけだよ?本当に今日だけだからね!次からはまたボクが柊の事を真っ赤にさせるんだから!」

【――――本当は、とても心地良い。暖かい友人の手が、直に頭を撫でてくれているこの感覚が】
【耳に触れれば、柔らかな感触と共にその毛並みの良さを実感できただろうか】
【神経の集まる場所。思わず目を瞑っても、拒むことは無く】

【茶化す余裕も無い。だから、語るのは“次”の事】
【きっとまた会えると確信しているから。約束ともまた異なった、復讐の決心】
【絶対……なんて言葉を繰り返すが、思わず惚けてしまう様な――――】


「それなら良かった。もしも甘い物が苦手だったらどうしようかなーって思ってたんだー……
ふふふ、そう言ってくれるのは嬉しいけど、そう思うなら尚更ちゃんと食べてね
ずっと取っておいてくれる事よりも、キミがずっと覚えていてくれた方がボクとしても嬉しいんだ」

【――――ね?  手を後ろで組めばクスクスと笑って】
【安堵の表情と、照れ隠しの笑い。年相応の表情を浮かべる二人の少女が、その場に居る事だろう】
【ひっそりと、ずっと記憶に残しておこうと思う少女の笑み】
【優しくて、愛おしくて――――視線が交われば、にこりと笑んで】
【この時期にも関わらず、きっと暖かな雰囲気が辺りを包んでいることか】

【……少女が上気した事を察すれば、にやりとした表情を浮かべるのだろう】
【即ち、この狼少女の平常運転、か――――】


「忘れさせるなんて酷いや……ボクとしては本気だったのに、キミは遊びだったの?
こんなに柊の事が大好きなのに……何か、悲しいなぁ……」

【ぐいっと身体を合わせ、密着させれば真剣な眼差しが覗き込むのだろう】
【凛々しいと言うのか、大人びたと言うのか――――並べた言葉は、少女が返答に窮すると考えたもの】
【保護者があんな女となれば、それを見て育つ子も子か】
【ペタリと寝かせた耳は、本当に残念そうにしていた――――が】


「強く考えれば良いんだよ。其れが元々の石の本質だった。って考える位にね
……きっと、柊なら簡単な事だよ。ただ、強く念じるだけ
身につけるものかぁ。うーん……柊が身につけるとしたら、なんだろ?」

【念じる――――意思が強ければ、それだけ形がはっきりと現れるのも性質の一つ】
【くっつけていた身体を離せば、そんな事を述べるのだろう】
【アドバイスも何も無い。否、しようが無いのか。――――全て、本人次第なのだから】
【ただただ黒い其れ。少女の体温と、狼の体温が石で交じりて】
【念じれば、きっと姿を現す。言葉で答えを言わずとも――――少女が念じれば、必然的に】
562 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/02/01(金) 23:21:59.62 ID:HDlMTb/W0
>>558

……ん?

【人影は、てんてんと転がるボールを空いた手で受け止めると】
【声のする方向へと振り返り、口元に小さく微笑みを浮かべて】

なーんだ、先客がいたんだ?
水くさいなあ、言ってくれたらどいたのにさ。

ほいっ、じゃあこれは返すね。

【手に持ったボールを、青緑色の青年へと片手で投げ渡す】
【きれいな放物線を描いて、コントロール良く飛んでいくボール】
【ふわりとした飛び方のため、万一当たっても痛みは無いはずだ】

【だが、そうこうしているうちに残りの二人が鞄へと近づいてきている】
【持ち主である黒いコートの人物が、振り返ってどうこうする様子は無い】
【そして、二人が今にも鞄を手に持とうかという、その瞬間に――】

あ、後その鞄の中ってすっごい爆弾だから気を付けた方がいいよ?
いやあボールが当たらなくてよかったよかった、命拾いしたよ。

【――なんか物凄く物騒なことを笑顔で呟き始めた!】
563 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/01(金) 23:25:45.98 ID:+2w8wzdz0
>>556
【ゆれる猫耳、生える尻尾、まるでそれは獣人の特徴のようで】
【なるほど確かに、貴女は普通の人間ではないようだ、コスプレにしてはクオリティが高すぎる。】
【潤んだ瞳で見つめられれば、猫耳と尻尾の相乗効果でなんとも――】

(ぬいぐるみ・・・いやそれ以上・・・ああ、同姓とは思えないおしとやかな娘・・・)
――この仕事、たまーに癒やし系の娘が来るのが役得だねぇ♪

【セリーナはふふふ、と微笑んだ。】
【なんとなく、戸惑う表情などもどこか魅惑的で情感をそそる。】
【同姓から見ても圧倒的に可愛いソニア・・・こんな子を、危ない組織にいれてしまって良い物だろうか。】

あー、そっか、よくわかんないかー。
――ながく、ない・・・Hmm?ということは、やっぱり別の世界、から。
なるほどね、どうりで言葉が覚束ないわけだ・・・。

でもだいじょーぶ!言葉なんて慣れだから!アタシよく喋るし、すぐ覚えるよ、ソニア!

【姉のようだ、という表現はあながち間違ってはいないのかもしれない】
【歳ももう20台半ばであったし、彼女はこれまで一人で生きてきた期間も長い――】
【どこか言葉が覚束ない様子の、それこそ触れたら壊れてしまいそうな繊細なソニアは、なんだか妹のように思えたのだ。】

――お、でも『能力』はあるんだね、これは―――・・・

【現れた鏡、映し出されるは自身の姿。――クセっ毛がハットからはみ出している。まったく。】
【それにあまり寝てない所為かちょっと表情が暗いような気も――おや?】
【唐突に、線が引かれた自身の鏡像。そしてそれは、周囲に現実となって現れ――】

すっごい・・・鏡に起きた事が、現実に『反射』されて――・・・
わああ・・・っ、なんて幻想的な――・・・おお!
ソニアちゃんすっごいねー!これ、れっきとした能力だよ!うん、戦闘で使えるかはまだわからないけど――
【投影できるものが選べるのであれば、技巧的にかなり面白い力である――便利だ。】
【セリーナは驚きながら周囲を見渡し、ソニアのその力を称えた。】
564 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/01(金) 23:29:54.07 ID:oKx41U9ho
>>559

【腕中に開いた百眼鬼のような金眼は数度瞬きをすると、再び瞳孔を収縮させて光を取り入れる】
【先は相手が油断していた分時間を稼げはしたものの、本来すぐに攻撃に足る光量が溜まるわけではなく】
【銃のように手でリロードする必要があるわけではないものの、攻撃へのラグは大きい】

(私にだって、出来る……戦える……!)

【それでも己にも出来ると、僅かこわばった表情に自信の色が灯る】
【が、それも、力に伴わない虚栄に過ぎない】

【元より強靭では全くない脚は、相手の攻撃を回避するには少々足らず】
【後方に跳びかけたものの、その体は兇悪な鈍器によって右足を捉えられ引っ掛かる様に地面に倒れ伏す】
【がくりと傾ぐ体は相手に攻撃の次手を向ける事も出来ない】
【そもそも、後ろへの回避自体が槍のリーチを踏まえれば間違いであるのだが】
【その体に再び槍を向けるには、十分な隙だろう】
565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/01(金) 23:30:02.84 ID:CcTyAjDEo
>>553

【一部始終を聞いた後、少女はこくん、と縦に頷いた後】


なるほど……ですが、私有地でないならば地主の許可はとりましたデスヨー?
何年か前にもノビタさんが無許可で山奥で射撃訓練してた事を違法だとマリア・ブラッドレイと言う方に指摘されて
後日謝りに行く羽目になったというお話をお聞きしまして……

勤勉なのは素晴らしい事です、ですがワタシとしましては素直に射撃場で行った方がよろしいかと思うのデスヨー……


【やや遠慮がちな態度で、念のため気になった事を男に問いただしてみる】
【サイレンサーでも使わない限り、やはりどこで行っても迷惑をかけてしまう物なのだろうか――世の中は世知辛い】

【ちらり、と今手の中から消えた拳銃をめざとく見逃さなかった侍女の少女は】
【ソフト帽の男の説明を聞いた後、今銃を消したその手を左の平手で差して――指を指すのはマナー違反だから避けたのだろう】
【失礼のないように丁寧に振る舞いながら彼女は言う】


しかし、その様子だと貴方はガンマンで間違いないようデスヨー
この間のセリーナさんと言い……ワタシたちの運命結構ガンマンと縁があるのデスヨー…
貴方の場合は能力で出現させたり消したりできる銃とお見受けしますが……


【奇妙な物デスヨー、と目を細めて、両掌を合わせながらさっきまで銃の合った手をじっと見る】
【彼も戦いの為に鍛錬をしている者なのだろうか、少し話をしていてもよさそうだ】
【そう判断した後に、男が銃弾や夜の山の危険性などを気遣ってくれるのに対して少女は】


関節にでも当たらない限りはただの銃弾くらいなら装甲で弾き返してみせるのデスヨー
……けどまあそちらの氷結弾でも放ったらしい銃痕を見る限り、やはり当たるのは勘弁かもしれませんデスヨー

真夜中でもワタシは問題なく行動できますからご心配する必要はありません、猛獣のお話をしているのならば
遅れを取るつもりはありませんし―――そもそも、食べられないと言う事が分かるのか、襲って来ようともしないのデスヨー


【猛獣にはやはり鋭い感覚が備わっているのでしょうか、などと首をかくん、と傾げて思案しながら】
【とりあえずこの山にはよく薬草などを取りに度々来ているから問題ない、と男に心配する必要はない、と断言する】

【ただそれでも、心配をかけてくれたことにスカートをつまんで礼儀正しくお辞儀しながらその事に礼を言ってくる】
566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/02/01(金) 23:31:24.37 ID:zlXmQNbdo
>>555

【くれてやった。気紛れでやったとばかりのその言に、月音は僅かながら眉根をひくつかせて少女を注視する】
【同類だろうか──なんて、自分勝手な期待。それを裏切られたせいか、その視線は僅かばかり棘を含んでいて】


「確かに、下手を打つと死にかねませんから──」
「──ですですっ、冬なら虫も沸きませんからねっ、不便なだけでは、なかったりして──」

【相手に対する認識を改める必要が、あるやも──相槌を打ちながら顎に手を当てて、思考する】
【視線──自らの“正義”に対する、冷笑じみたそれに気づいたのは、そんな折の事だった】
【名前、呼ぼうとして初めて、聞きそびれた事に気付く。「あの?」なんて問い返しで代用して、彼女の言葉に聞き入る】


「えっ……え、えと…それ、ひょっとして私に、言ってますか……?」

「……私は、その……まだ、駆け出しですから」「仕方……ないんですよ、その、えーと……」
「……そう!まだ、まだ自分の生活費だけで精いっぱいですから──宿を取るのも、一苦労で──」

「と、ところでですね、あなたは一体──その、どういう経験をされてきたんですかね──ッ!?」

【第一声は、吃音──喉を震わそうとする度、ちびりと含んでいたコーヒーが、口いっぱいにこもるような苦みを醸す】
【肯定できない程度には傲慢で、かといって相手に嫌われたくなく真っ向から相対する事も出来ず】

【その結果、紡がれるのは当たり障りのない、言い訳同然の言葉】
【話題を逸らした挙げ句、無意識的に視線は逸れて、缶コーヒーのラベルの方へ】
【私は違う──そう言いたげに、逃げるようにして否定するけれど、現に月音は、立ち去った子を救おうとしていなかった】
567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/01(金) 23:31:58.66 ID:WYJpMTX+o
>>562

『おーっす、どうもっす』

【わざと相手に投げたボールが返されて、それを自然な動きで捕らえると】
【背後に周った2人をちらりと見て――よし、もう少しで――――】

「(……!?)」 {えっ、爆弾なんっすかこれ!} 「(こら、てめッ……!)」

【いきなり呟かれた、物騒な言葉――たとえそれが真実かどうかが分からなくとも】
【2人を怯ませるのには、効果があったようで――動きが一瞬で固まった】
【そして、思わず声を出してしまったのは、赤ジャージの男である】
【がっつり、はっきりとした声で話されたその言葉は、よく聞こえるはずだ】

「…………」 {…………} 『…………えっと、まァ……ボール、どうもっす』

【3人の動きが、シンクロしたかのように止まっていて――】
【このままでは、カバンをくすねようとした事がばれるのではと危惧している様だ】
【また、ここからどうしようかと、冷や汗を垂らしながら考え中である】
568 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/02/01(金) 23:41:00.47 ID:HDlMTb/W0
>>567

そうそう、爆弾爆弾。いやあこれ、マジで凄い破壊力なんだよ?
ボクの知り合いが使ったところ建て物一軒こっぱみじんって噂でさ。
いやー、キミ『達』に何かされてたらボクが死んでたところだよ。

【黒コートはてくてくとカバンに近づいていき、開いていた口を締めて】
【片手でひょいとそれを持ち上げると、口元だけの軽薄な笑みを浮かべる】

ところでさ、もしかしたらだけどこんな噂話って聞いたことないかな?
『ここ最近この街にとある爆弾魔が潜伏してる』って。

なんでも前科ウン犯罪状多数、殺した人は数知れず。
どんな場所でも間違いなく爆破してしまうこわーい爆弾魔。

ねえ、そんな人の噂聞いたことあるかな――?

【ゆっくり、ゆっくりと歩きながら、黒コートはそんなことを呟く】
【真偽のほどは定かではないが、雰囲気だけを見るなら明らかに異様だ】
【――いったいコイツは、何をしようとしているのだろうか】
569 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/01(金) 23:42:23.12 ID:yuRD+zIoo
>>563

【指先で辿るよう、と表現しても差し支えない、一つ一つの言葉がついていけない位のスピードで】
【それでも何度も、頭の中で反芻して、知っている言葉に置き換えていく】
【だからこそ、優しい言葉を使ってくれる貴女が、とても嬉しくて、愛しかった】


――――Невидимыи=i見えないもの)……鏡に映すの
セリーナのねВзгляд(視界)……今、映ってるの――――


【消える、彼女の姿、それこそまるで、最初から居なかったかのよう】
【彼女の儚い雰囲気ともあって、その場から消えてしまったなら、朝を迎えて溶けた雪の残り香のようでもあって】
【――――泡沫のような彼女の香りが、ただひたすらに指先に保ったまま――――】

【響く、彼女の足音、視線を傾けてみれば、直ぐ側に、その表情があって】
【そしてその視界は捉えるだろう、細く、長い鉄の砲口を――――】
【視界の端に映る、バイオリンケースの抜け殻、その内部に潜んでいた悪意が姿を現した】


RaumKrankheit=\―――私の……Товарищ(相棒)
――――ЯКатюша(私は、カチューシャ)

今までも、これからも、ずっと――――


【その手に握られる狙撃銃ヾVDを元に様々な改良をなされたソレ】
【ロングバレルは銃全体の大きさを彼女の身長ほどにまでにして、そのボディは黒に染まって】
【RaumKrankheit≠ニ呼ばれたソレを、彼女は右手でトリガーに指をかけ、左手でその機関部を支えていた】

【左足を伸ばして右足を曲げる、地面に姿勢をぐっと近づけて、なるべく安定したように】
【銃口は貴女の直ぐ側へ喉元へ刃を突きつけるが如く接近しているのだろう――――】
【コードネームはКатюша¥eを持っている時の彼女は、超一流の狙撃手であった】

【Broken Glass Syndorome≠ヘ鏡の能力で、同時に――――見えないものをも写す能力と言う】
【彼女はそれで、鏡を経由する形で、貴女の視界≠写した、そして現実に出現させ視界≠可視化≠オたのだ】
【後はその死角にもぐりこむ、よう、身を翻して、その中へともぐりこみ、銃を向けたのだ】

【長いプラチナブロンドの髪が歌う、旋律はさながらノクターンよりも静かな旋律】
【夜を想う少女の旋律が、果てない慟哭のようにも響いたのなら、キャミソール越しの胸がひらりと揺れた】
【銃越しに映る彼女のマリンブルーが、少し揺らめくよう】
570 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/01(金) 23:48:32.06 ID:skkwlWoB0
>>566

暖かいところ探して彷徨つくのだって、楽じゃないし――。
下手に縄張り侵して攻撃されること考えたら、ねえ、

……なあに、こういうお話は嫌い?

【ぽつりぽつり、自分の過去のことだろうに興味も薄く連なっていく言葉たち】
【――そのうちに、少女の視線に含まれる棘に気がついて。ぱちり瞬き、首を傾げるのだろう】
【「じゃあ猫の話でもする?」なんて、挙げてみた別の話題。くすり笑って、尋ねる】

ちがうよ、みんなに。

たまに気紛れみたいに助けるのだって、ひと掬い。
足りないし、間に合わないし、手遅れになるばっかり――でしょう?

【――そしてまた、彼女は少女と距離を取ろうとするのだろう。邪魔しないならばかつり、足音が響く】

……――まあ自分の食費も生活費も宿代も投げ出せなんて言わないけど。

野良猫とおんなじ。気が向いたら餌付けするの――連れて帰るのは絶対いや、どうして他人なんか。

【それはまるで少女を肯定するよう、金属めいた声が夜を揺らして、吐息が蕩けながら昇っていく】
【「連れて帰るなら本当の猫がいい」なんて――ひと扱いすら、しないのだから】
【――心底嫌そうに表情を歪める、その様。それこそ縄張りを侵されることを嫌悪するかのようだった】
571 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/02/01(金) 23:48:56.55 ID:MS8FDXvDO
>>564
【振り下ろした槍の頭が少女の脚を巻き込み、アスファルトを揺らす】
【ニヤリと手応えを感じると、槍を持ち上げて少女に近付いていく】

ったくよお!馬鹿なガキだぜ!!
黙ってりゃ痛い目見ないで済んだってのによお!!なあ!!

【少女の近くまで来て、見下ろして言いながら、槍の先を少女の顔に近付ける】

糞ガキが!今すぐあの世へ送ってやるぜ!
ついでに火葬もしてやる!親切だろ!?

【少女の目の前で、槍の牛頭の眼が輝き、穂先の間で火が起きて、槍の穂先を包んでゆく】
【燃え上がる槍で少女を貫こうと言うのだ、しかし十分に炎が燃え上がるまでの僅かなラグがあり、またそれを律儀に男は待っている】
【やはりこれも油断だ、自分が優位にいるから、『いつでもやれる』という考えがあるから、危険性を考えたりはしない】
572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/01(金) 23:55:30.34 ID:WYJpMTX+o
>>568

『建物一見が木っ端微塵になるなんて……そりゃ凄いっす』
『でも、なんでそんなのあんたが持ってるんすか?』

「(お前なに声出してんだ、バレたじゃあねェーかッ!)」
{(す、すまないっす、兄貴ィ!)}

【強張った表情でそう尋ねるのは、青ジャージの男】
【その強張った表情の原因は、爆弾に対する恐怖というよりは――作戦を失敗したことに対する焦り】
【一方、2人はキミ"達"と呼ばれた事で、自分達が見つかっているということを認識して】
【――そして、青ジャージが尋ねた事に対する答えになりうる言葉が相手より放たれて】

「……ちィッ、どうせ見つかってんだろ、だったら出てきてやる」
「あいにくだが、……俺達は金目の物に対する噂以外には興味がねェーからな」
「爆弾魔云々は今、テメェーから聞いたんで初めてだ」

【相手が何を考えているのかは分からないが――もし事実だとすれば】
【それは、――彼らが窃盗のターゲットを間違えたということであり】
【早急に退散しなければ、逆にこちらが危ないのでは――という考えを生む】

{――ところで、本当にそれ爆弾なのか試していいっすかァー?} 『ちょッ』

【……一方で、命知らずなのか単純な興味なのか、赤ジャージがそう言い放つ】
【彼の右掌は、カバンの方に向けられていて――】
573 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/01(金) 23:56:19.96 ID:WYJpMTX+o
>>568

『建物一見が木っ端微塵になるなんて……そりゃ凄いっす』
『でも、なんでそんなのあんたが持ってるんすか?』

「(お前なに声出してんだ、バレたじゃあねェーかッ!)」
{(す、すまないっす、兄貴ィ!)}

【強張った表情でそう尋ねるのは、青ジャージの男】
【その強張った表情の原因は、爆弾に対する恐怖というよりは――作戦を失敗したことに対する焦り】
【一方、2人はキミ"達"と呼ばれた事で、自分達が見つかっているということを認識して】
【――そして、青ジャージが尋ねた事に対する答えになりうる言葉が相手より放たれて】

「……ちィッ、どうせ見つかってんだろ、だったら出てきてやる」
「あいにくだが、……俺達は金目の物に対する噂以外には興味がねェーからな」
「爆弾魔云々は今、テメェーから聞いたんで初めてだ」

【相手が何を考えているのかは分からないが――もし事実だとすれば】
【それは、――彼らが窃盗のターゲットを間違えたということであり】
【早急に退散しなければ、逆にこちらが危ないのでは――という考えを生む】

{――ところで、本当にそれ爆弾なのか試していいっすかァー?} 『ちょッ』

【……一方で、命知らずなのか単純な興味なのか、赤ジャージがそう言い放つ】
【彼の右掌は、カバンの方に向けられていて――】
574 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/02(土) 00:00:11.47 ID:WYJpMTX+o
/二重カキコすみません
575 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/02(土) 00:02:47.04 ID:WjsrKP13o
>>571

ッ……!

【痛みに声は出ず、息はひきつり、まともに呼吸は出来もしない】
【元来少女の能力は防衛反応に近く、まともに戦闘をした経験も少ない】
【カノッサの名の下に百戦錬磨であろう相手に勝てようはずもなく】
【相手のような奥の手とて、また、持ちえない】

【故、相手の油断のみが頼りだった】
【ようやくにして攻撃に足る、否、先より高威力の光量が体の中を血流のように巡る】
【収縮した光に呼応するように、ブレスレットについた紅い羽の装飾が光る】
【『ささやかですが火の粒くらいは撃ち出せるはずです』――それは、ブレスレットを改造してくれた者の言葉】

【先と同じく合わせた掌の間から放出された光のレーザーは、相手の手元に向けて発射される】
【太さは人の頭ほど、そしてその光の中には点々と炎が散り、直線的な光の周囲を焼き焦がすようにぱらぱらと散る】
【これ以上の攻撃は出来ない、それは意気込みであるか悲劇であるか】
576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/02/02(土) 00:04:25.46 ID:Bkruwzi1o
>>565

地主……? いや、それはもう知らねぇ。 そんな面倒臭い手続きとかやるなら怒られたほうがマシってね。
―――バレなきゃ大丈夫……だろ。

【……知らなかった。しかし知ったこっちゃない、と。苦笑いを浮かべながらも男は開き直って】
【―――おかしな話だ、とも男は思った。また世の中が荒れ始めた今、路地裏での戦闘や事件は多発している。常日頃銃弾が響く程の治安が悪い所も存在している】
【それなのに許可や面倒臭い手続きがいるのかなどと一瞬思ったが、文句を言っても仕方がないしどうせ自分はそのルールを守る気はないのだから直ぐに思考を止めた】

……射撃場なんか棒立ちで止まった的に当てるだけだろ? 実戦レベルになると、そんな行為に価値は見い出せなくなる。
―――動きながら、地形を利用しながら。 言うなれば、実際の戦闘を想定しなきゃならねぇのさ

【―――敵は脚を止めない。特に剣などを振り回してくる接近戦タイプを敵に回せば、どうにかして近づかせないようにしなければならない】
【故に、鍛錬の時は常に迫ってくる敵を想定し―――放つ。 狭いボックスの中で構えて撃つと言った射撃場では、決して出来ないのだ】

あ、やっぱ見られてたか……確かに銃は能力だ、でも大したものじゃないし―――俺はまだコレを使いこなせてねぇ
というか……ちょっと待った。 今、セリーナ……って言ったよな? 確か……―――『UNITED TRIGGER』の創立者。

アンタも―――其処の一員なのか? 

【唾を飲み込んで、問いかける。 彼が口にした組織は、最近話題の新正義組織だ。―――新しい正義組織が生まれたこと自体が、久しかった筈だ】
【前は確か、2年前くらいに……お騒がせな組織が、ぽっと出てきてフッと消えた気がする】

装甲、かい……。 その言い様、フルアーマーでもつけてるのか、機械の身体でも持っているのか……ハハハ

【此処で冗談は言わないだろうし、言い方を見る限り嘘を言っている雰囲気も無い。 男はソフト帽を軽く上げ、双眸を潜める】
【―――確かに耳についたそれはロボットらしいデザインに見えたが、彼の眼には彼女がロボットに見えることは無かった】
577 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/02(土) 00:04:45.52 ID:SmoEy0mK0
>>569

【ちゃんとついてこれているのか、と少し不安になるが】
【どうやら、全ては伝わらずともニュアンスは理解していただけているようで】
【ふわりとした羽のような印象のソニアを、その視界の隅に捉えようとして――】

きえ、た――って、おお!?

【――すぐそこに、ソニアの儚げな表情が。】
【と同時に、職業病かセリーナはもう一つ、異物を素早く発見した】
【――バイオリン・ケースの中身、人を楽しませる楽器ではない、殺めるための装備】
【ようやくそこで、彼女が大事そうに抱えていた物の正体を掴む。】
【『相棒』と呼ばれるソレは紛れもないSVD――ドラグノフ。ロシア製のスナイパー・ライフル。】
【カスタマイズが施された長距離射撃用のロング・バレル――もはやソニアが持つには巨大過ぎると言っても過言ではない。】
【太く、黒い銃身と力強いグリップ、ソニアの肩にフィットするよう作られたであろうストック、セリーナは触った事も無いようなスコープ――】

――――!?

【――が、突きつけられていた。見間違いではない、見失った一瞬の隙に――】
【なるほど、どうやら先ほど"写して"いたのはセリーナ自身の"視界"――】
【その視線をたどる事で視覚の死角を見つけ出し、もぐりこむ――さながらそれは隠密行動】
【暖炉の熱に溶けてしまいそうな柔らかな雰囲気を纏う、静かな少女であるソニアであればこその"技"――そして】
【視界を辿り死角を発見する技術と、ケースから音も無く銃を抜き去るテクニック――ソレは彼女が】
【狙撃手として、また一人の銃使いとして非常に、優秀であることを如実に物語っていた。】
【セリーナ自身が、敵の視線を常に確認しながら戦う技術を持ちえていたからこそ、彼女のこの動きには目を見張った。】
【銃を使う人間であるからこそわかってしまう、才能――この歳で、この能力。頭が上がらない。】

――SVD、か。なーるほど、それでケースを触って欲しくなかったんだね・・・。
それもそうか、楽器にしちゃちょいと、重そうだなーとは思ってたんだけど・・・でも。
―――あ、ははは・・・はははは!

【唐突に、セリーナは喉元につきつけられた銃口を見ながら、笑った。】
【そうして、両手を挙げて観念する。"ホールドアップ"だ。】

はぁ〜あ、心配なんてするもんじゃないね・・・ソニアちゃん、貴女アタシよかよっぽどガンマンとしての才能、あるよ!
びっくりしたぁ、そしてアタシの負け。降参するから、引き金は引かないでね?うふふ。

【セリーナは心底楽しそうに笑う――素晴らしい仲間を得る事が出来そうだからだ。】
578 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/02/02(土) 00:05:59.48 ID:Mxop0t5U0
>>572

アッハハハ、なあに、それは簡単だよ。
もう友達が用済みって言ってくれたからね、もらったんだ。
うん、彼はいい人だ。いい人だったよ……。

【……どうして過去形なのだろうか、突っ込んだら負けなのだろうか】
【それに、彼ら三人の内部でのいざこざに黒コートが口出しする様子はない】
【ひたすらに飄々とした余裕の態度を貫くつもりなのか、それとも】

ああ、金目のものかあ。うーん、それだったらボクはお門違いだなあ。
だってコレ、多分売っ払ったところで一銭にもなりはしないだろうしさ。
まあ今日のところは運が悪かった、っていうことで一つ?

【けたけたと笑うと、鞄を手に持ったまま公園の外へ出て行こうとする】
【――が、赤ジャージの男が放った一言で、ぴたりと動きを止めて】
【ゆらりと振り向くと、自らの体の後ろへと鞄を隠しながら、重い声で】

……駄目だ。理由は説明する必要があるかい?
キミがその確かめ方をすれば、ボクは愚か君たちまで命を落とす。
そうなりたくないんだったら、今すぐ止まるのをお勧めするけど。

【これまでとは明らかに違うトーンで、鋭く切り込むように言葉を放つ】
【――はたしてこの一言、彼らはどう受け止め、どう返すのだろうか】
579 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/02(土) 00:16:17.35 ID:fL0w3273o
>>577

【彼女としては――――貴女の心配を払拭したかった、貴女が戦闘で使えるか≠ニ言った事に関して】
【これだけの腕前だ、並大抵のことで身に付いたわけじゃない、それなりの場数を踏んできたと見ても良い】
【だからこそ、貴女の反応は、銃を突きつけられても尚笑う貴女の反応が――――】

【恐ろしいとも、凄いとも、或いはまた、その両方にも思えるようであった】
【もしくは、本能的に彼女が撃てない=\―――或いは殺められない≠アとに気づいていたのかもしれない】
【銃口を引く、天井にぶつかるのじゃないか、というぐらいにその銃身が揺れた】


……いらない……スナイパー……少しは、力に……なれるかな
これで、守ること――――Важный(大切なもの)、守ること


【RaumKrankheit≠机にそっと立てかけるだろう、貴女は信用できると思っているから】
【自分の相棒とも言える得物を手放して、それでも安心していられるのは貴女という存在が大きくて】
【ふと気づいた、自分のその、胸の、心の変容に】

【どういうことなんだろう、と心の中で自問した、答えが出るには少し足りない】
【でも、暖かいな――――って、思えた、頬の端が緩んだら、零れ落ちた笑みは滴のよう】
【頬の湖に広がって、それは純白の雪に溶けた名残のよう、ただひたすらにその香りだけを広げさせる】


……セリーナ、だめ?――――ソニアが、入るの……だめ?


【それでも雇い主に銃を突きつけた事実は代わらない、今になって不安になったよう】
【少し身を乗り出した、彼女の顔が貴女へと近づくだろう、マリンブルーの網膜に大きく写しこんだ】
【膨らんだ胸はカットソーとキャミソールに包まれてもなお、その大きさを誇示していて】

【薄手の服装から零れ落ちる首筋、陶器のようにきめ細かく、それでいて涼しげ】
【とくん、と胸が高鳴って息を呑むたびに震える姿が、今にも泣き出しそうな小さな花のよう】
【貴女へと向けた視線の先、貴女が説いてくれるであろう、優しさの後】
580 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/02/02(土) 00:19:38.98 ID:jRsXpMW3o
>>570

【徐々に、しかし、確実に距離を置かれるのを、月音は黙って見詰めていた】
【「……みんなに」鸚鵡返しに呟き、俯くその様は、心なしか安堵しているようにも見えた】

「……はい、気紛れでも助けた事は、確かですからねー……」
「事情がある……とはいえ、気紛れすら起こしていない、何も出来ていない私には耳の痛い話です…ぅぅ」

【安堵──して良いのだろうか、月音は一先ず顔色に血色を戻して、後頭部を軽く掻き毟る】
【相手の後退が、いやに気にかかる。癇に障る訳ではなかったけれど、どこか本心を示されているように思える】
【ばつの悪そうな表情をして俯いて、それはきっと、相手と自分の両方に向けたもの──なのだろう】


「ははっ……面目ない」「私財を全部投げ打っちゃうと、移動すらできなくなっちゃいますからね…っ」
「餌付け、ですかー……確かに、私もそれは御免被るかもしれません」「実家、店やってますし」

「でもでも、私も猫ちゃんなら大歓迎───ああ、いえ、勿論、無理にとは言っていませんから……っ」

【本日二度目の、乾いた笑声。今までよりもいくらかは明るい調子で、含み笑いをしてみせる】
【それ以降も苦笑を浮かべたりはするけれど、調子は同様に、明朗であろうとしていた】

【最後に相手が示した嫌悪の色に、つくろう様に「さっきのは、その、ただの方便ですから」と注釈を添えて】

581 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/02/02(土) 00:22:05.53 ID:9rD1Gm0DO
>>575
【燃え広がる炎が、槍の穂先を真っ赤に燃やす】
【それを近付けられている少女も炎の熱さを感じるだろう、偽物なんかではない、単純にして凶悪な炎】

残念だったな!俺様以外の奴だったらまだ生かしておいて貰えたかもしれなかったのによ!!
[ピーーー]!糞ガ―――!

【炎を纏った槍を引き上げ、勢いをつけるスペースを空ける】
【そのまま真っ直ぐ突いて、少女の頭を貫き砕こうとした】
【―――刹那、焼け付く閃光が走り、男の頭の横を通り抜ける】
【持っていた槍を手から取り落として、違和感に両手を見た瞬間、男は驚愕に表情を支配された】

…な…何ぃぃ〜〜!!?
手…手がっ…!俺様の手がぁ〜っ!!

【油断をついた少女の光線は、男の両手を貫き、肉厚なそれをこんがりと焼き上げていた】
【そんな両手を見て歎いていたのも束の間、ギッと少女を睨んだ男は】

このガキィ!!

【槍は持てなくとも足があると、右足を上げて少女を踏み付けようとした】
【これ程の体型だ、重量も酷く高いために踏み付けだろうと少女の命は奪えるだろう】

【―――だが、こちらに足音が近付いて来た、それに気付いた男は振り上げた足をピタリと止めて、周りを見遣る】
【近付いて来たのは数名の自警団員達、おそらくは騒ぎを聞き付けてやってきたのだろう】

…ちぃ!!

【流石に両手をうまく使えない状態で数を相手には出来ない、振り上げた足で槍を踏み付け、跳ね上がった槍を掴むと、背中に戻す】

命拾いしたな、だが次顔見せたら潰すぞ!!

【最後に、少女にそう怒鳴り付けると、自警団員の制止も聞かずに走って逃げて行った】
【残された少女に自警団員達が駆け寄る、足の容態を見て、直ぐに救急車両を呼び付けた】
【追い掛けた一人の自警団を除いて、駆け付けた車両で少女は搬送されるだろう】

/お疲れ様でした
582 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/02(土) 00:22:59.02 ID:7hcD152Ho
>>578

「……テメェーの友人も物騒な野郎だな」 「(……まァ、俺も人の事は、言えねェが)」
「用済みだっつって爆弾あげるなんてよォ」 「(……そもそもありゃ本当に爆弾なんか)」
「まァー、人の歩みなんて風より不安定だ、昔の姿なんて忘れろ」 「(……しかし、確かめたら最悪死にかねんな)」

【裏で様々な考えを巡らせつつ、淡々と言葉を発して】
【――仏頂面のその表情に潜むのは、何か遠い昔を思い描いているようなモノ】

『やっぱりターゲット選択失敗じゃあないっすか、兄貴……あっ』 「…………」

『っと、本当にそれが爆弾なら、その筋の奴らに渡せば売れそうっすけどね』
「……例えば、カノッサ機関――あァー言う所だな」
『でも、俺っちは爆弾苦手なんであんまり触りたくないっす、俺っちは遠慮するっす』

【熱いのは苦手だと付け足しつつ、強い拒否の意思を示す青ジャージ――いや、そもそもその爆弾(仮)はこちらの物では無いのだが】

{俺っちは熱いの好きっすよ、爆弾位じゃあ死なないっす!――皆離れれば良いだけっす!}

【熱いのが好きだからと言う理由で、はたして爆弾が耐えられるとでも言うのだろうか】
【――今まさに、赤ジャージのその掌から炎が放たれようとしていたが】

「……俺達を巻き込むな!」 『そうっすよ!』 『本当だったら黄金盗むどころじゃあないっすよ!』

【幸い、茶髪の男がその赤ジャージにバックドロップを決めて阻止したようだ――】
【しかし赤ジャージのその眼には、――まだ、確かめたいという意思が宿っていて――――】
583 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/02(土) 00:32:33.63 ID:WjsrKP13o
>>581

【自身も驚いたのは、光を包むように散っていた真紅の炎】
【早まる鼓動に合わせるように弾む体は、茫然と己の手を見つめたまま硬直している】
【全身が影になるほどに振り上げられた足、これまでかと言うようにぎゅっと目をつぶり】
【相手が去ってようやく後に、自警団の助けに気付いたようにそっと上体を起こした】

……今、の

【ぱちぱちと目を瞬かせながら見遣るは見事な装飾の施されたブレスレット】
【それから、はっと気付いたように全身の瞼が固く閉じて傷のように薄くなる】
【折れた足を立てる間もなく、小さな少女は自警団の手によって運ばれていった】

/お疲れさまでした
584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/02/02(土) 00:33:00.23 ID:Mxop0t5U0
>>582

まあ、必要としてくれる人が使うのが一番。何でもそうでしょ?
そうそう。今と昔は違うんだ。彼は……もう……。

【黒コートは顔を伏せ、小さくか細い声でそうつぶやいた】
【キャスケット帽のつばのせいで、表情を見ることはできない】

あ、カノッサ機関ってまだあるんだ。へえ……やっぱり。
いやあでもボクあそこ嫌いだからそれはご遠慮願いたいなあ。
だってあそこ、話が通じなさそうなんだもん。てか通じない。

【はて、この世界のどこにいたら、カノッサの名を聞かない事があるのだろう】
【彼の懐かしむような口調は、長い間それを耳にしていなかったという類の物だ】
【――それに、彼が爆弾魔だとしたら、『悪』の同業者くらいは知っている筈】

そうそう、それが正しいよ。二人が正解だ。
さ、て。ボクはもう帰ろうかな……っと、自己紹介がまだだったね?

ボクは――。

【ニヤリ、口許をゆがめると、黒コートは出口へと一歩踏み出して】

善良な旅人のエリオット=メルヴィルでーす!
騙してゴメンねー、それじゃあグッバイ!!

【――不意を突いて、全速力で公園の外の夜闇に向かって駆け出した!】
【足は速いもののまだ追いつける距離だ、三人に意思があれば追撃も可能だろう】
585 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/02(土) 00:40:15.17 ID:SmoEy0mK0
>>579

【その"心配"に対しソニアが披露した"技術"によって、確かにセリーナの中の不安は全て、払拭された。】
【いや、それどころか間逆の発想が浮かぶ――"戦闘で凄く、助けられそうだ"と。】
【ガンマンであり、後方支援を担当するセリーナは確かに中距離担当の戦闘要員ではあるが】
【どの火器も射程に関してはそこまで広くは無い。攻撃力と制圧力のみに長けた武器が多すぎるのだ。】
【組織の中で遠距離攻撃を、それも相手に見つからずに行えるという"狙撃"の強み――これはセリーナが求めていたものだ。】

【そしてセリーナは、だからこそ笑ってしまった。】
【自分自身への呆れ――相手を過小評価していたことの、自身へ向けた嘲笑。】
【圧倒的な技術の前にはただ、笑うしかないのだ。】
【ガンマンとして、すごく良いモノが見れた気がしていた――同時に。】

【たしかに、セリーナは銃に触れてきた期間の分だけ、"悪意"の込め方もよく知っていた。】
【それは時に、弾丸よりも恐ろしい武器となり銃に命を宿らせることを。】
【――このSVDには。ソニアには。】

(――そういう怖いの、感じられないもん。)
うっふふふ・・・いらなくなんて、そんなことないよソニア。

【逆に不安がらせてしまっただろうか、セリーナはやさしく、少女の両手を自身のそれで包み込んだ。】
【銃ばかりを握ってきたそれは柔らかさを失って、温かみを失ってかなり経つが――それでも、温もりは0ではない。】

約束するよ。ソニアはちゃんと、守れる。ソニアの大切なものを。

【やさしく、あやす様に――ソニアにも伝わるように、ゆっくりと言葉をつなぐ。】
【そして――「入っても良いか」という、今更過ぎる疑問に、セリーナは改めて愛しさを覚えて】
【――まったく、なんて純粋で、良い子なんだろう。】
【だから―――】


ねえ――さっきもいったでしょう、ソニア。

『ようこそ』って。

【とびきりの笑顔で、そう応える。】

【この組織に、「入るのダメ」な存在など――実はいないのかもしれない。】
【セリーナは彼女を、UNITED TRIGGERの一員として迎えた。】

面接なんてもういいや、十分熱意は伝わったよ!
それじゃ――施設案内といこうかな。
こっちへついてきて、ソニア!
【席を立ち、裏口のある方へと歩いていくセリーナ――何か、見せたいものがあるらしい。】
586 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/02(土) 00:41:14.88 ID:Vts/U2t/o
>>576

【まあ!、両の手を上品に口に当てて動揺する物の――すぐに男のすぐ傍まで近づいてくる】
【身長推定130cmの極めて小柄な少女は両手を腰に当てて下からきっ、と真っ直ぐ男の目を射抜くように見てくる】

【――だが、本人は睨んでいるつもりなのだろうが、つぶらな瞳にはあまり迫力が


なんと、アウトローな事を!"WILD"とどっこいどっこいですけど!
――いっつも思うんですけど自分の主がああなせいで何か悪い点があっても許してしまう度
これ寛容さじゃなくて自分の主のダメさ加減に慣れ過ぎて毒されてるだけなのデスヨー……


【しかしすぐに呆れ果てるように右手で額に手を当ててがっくし、とうなだれてしまう――なんとも感情表現が豊かな少女だ】
【だが棒立ちで止まった的に当てる、あまり実戦的でない射撃場に対する不満に対してはふむふむ、と相槌を打つ】
【実戦に役に立つか、その点に関しては確かに少女としても大事な物だと考える、しかしそれに対して少女の答えは】


――なくはないのデスヨー?そういったニーズに答えられる射撃場も……場所だけお教えしましょうか?デスヨー
視点360度、不規則に移動する的、オプションで反撃を返してくる場合もございますデスヨー……実戦を想定して
訓練したい方のニーズにお応えするために風の国と地の国でオープンしましたので――後々水の国でもオープンするかと思いますが


【そしてその後で質問してきた内容、かの組織の所属なのか?そして機械の体でも持っているのか、と】
【少女はにっこり、と笑ってやや距離を取り、両手で自分の頭を押さえ――そのままぐ、と上に持ち上げる】
【すると、ガチャン、と音を立てて―――そのまま少女の首が取れた】


ええ、ご覧の通り全身機械ですから大丈夫なのデスヨー!
申し遅れました、ワタシは対能力者戦闘用に設計されました自動人形、ジャンクちゃんと申します
"WILD"の側近と、水の国にある喫茶店『フルメタルジャケット』の責任者をやっております、今後ともよろしくデスヨー


【と、にこやかに胴体から頭部を切り離したまま、少女はなんの問題もなく口を動かして男に喋りかけて来る】
【切り離された断面からは、なるほど確かに首の結合部からえらく複雑な機械が覗き込んでいる】
【どうもこのジャンクちゃんは本当に『自動人形』――人の姿をしたロボットであることは間違いないようだ】

【がちゃん、と再び首と胴体を重ね直しながらジャンクちゃんはさらに続ける】


そして、ワタシは『UNITED TRIGGER』の所属ではありません……"WILD"が考案した、全く別の
名前すら付いていない――そもそもまだ設立したとすら言えない正義組織の所属デスヨー
セリーナさんには『同盟』と『技術提供』の持ちかけをしに行った際に面識が出来まして

……ええ、そしたら途中で水の国の列車事件が起きてしまったのでその足であの方々と共闘してしまったのデスヨー
思わぬ初陣になってしまいましたデスヨー……いえ、ワタシたち自身は何年も前から戦っておりますけど


【もう一つの、『UNITED TRIGGER』への所属か、という問いに対してはノーという答えが返ってきた】
【なんでもジャンクちゃんは全く別の正義組織の所属だと言うのだ……あの事件をその自分に備わる武装で切り抜けてきたと言うのか】
【『UNITED TRIGGER』とは同盟関係で、技術提供を行っている関係ではあると言う……彼女の主、"WILD"とは技術者なのか?】
587 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/02/02(土) 00:42:39.00 ID:as2HNPy7o
>>554

……なら、お前のは甘ちゃんの理屈だ。正義を語る事も許されない=H活躍できない=H笑わせるなよ、糞っ垂れが。
「いた」よ、justiceにも無能力者が数人。のちに能力者になったのもいるがな。

奴らは皆どうしようもない馬鹿だったが、必死に自分のできる事を探していた。
無能力者が何だ、やりゃあ出来るんだぞと息巻いていた。好き勝手に自分の思う正義を語った。
そして何よりお前のように、自分に能力が無い事を言い訳にはしなかった。

【吐き出される咆哮に重なる、凛と澄んだアルトの声。声量こそけっして大きくはないが、不思議と耳によく通る】
【反論はどこまでも厳しく、相手を叩き伏せんとするかの如く攻撃的だ】
【──もちろん、攻撃的なのは言葉ばかりではない。喋りながらも、身体の重心を極端に前傾させて】

順風。本音を言うと、私はお前に出会った時から頭に来てた。
黙って聞いてりゃ、無力だ無価値だ俺の能力は醜いだなんだ、うじうじと後ろ向きな事しか言わないからだ!
俺は弱い、能力者には及ばない。戦場になんざ縁のない一般人が言うなら、まだ分かる!

だが、お前は仮にも自警団員。誰かを守って戦う立場にいる人間だ!
それがどうしてそんな風に、縮こまってばかりいる!泣きを抜かすな、黙って動け!
そんな情けない奴に誰が守られたいと思う!自分に力が足りないと思うなら、それを補おうとするのは当然の事だ!
さっき弱い事は悪くない≠ニ言ったが、こと戦士≠ノ限っては例外だ。お前は弱い。力じゃなく、心が──戦士としての在り方が!
だから、悪い。質も格好も何もかもだ。だいたい誰かを守れない事を人のせいにして、妬んで恨んでお前ら死ねって、何だよそれ。馬鹿なのか!?

【また一つ、踏み込む。地を這うような低い体勢の突進で、回避と接近を同時にこなす】
【その体勢から、すぐさま復帰。足刀に対し右に半歩分ステップを踏み、左足を引いて半身を切ると】
【これによって足刀を避けながら、蹴り足の側面に左手の短刀を添わせるようにして振るい】
【相手の脹脛から太股にかけてを、撫で斬りにせんと試みる】

じゃあ聞くが。お前たち無能力者が、能力者に一体何をしてくれたってんだ?
そりゃあお前は泣き抜かしながらも戦っているがな、大概の一般人は酷いもんだぞ。
戦いの事なんかてんで他人事、悪くすりゃ人殺し、悪人にも人権があるだろだのどうしてあいつを助けなかっただのと責めを食う。
正義の味方がどんなに命を賭けたって、能力者の例に挙がるのはいつも悪人ばかり。
お前だって一度は見た事あるだろう。能力者は皆害虫だ、殺せ、殺せ、なんて過激な団体どもが街頭演説やってるトコ。

……その癖、何かあると都合よく媚び売りやがる。
確かに能力者はお前らに出来ない事ができるかも知れないがな、神様じゃないんだよ。
都合よく何でもぽんぽん解決できる訳じゃない!

【正否を問わず、様子見をするように──或いは挑発するように、また一歩バックステップを踏んで】
【ぺらぺらと良くもまあ舌の回る事だ。或いはこちらも、不満を溜め込んでいたのかも知れない】
【この世界には、理不尽が多い。そしてそれは何も、弱い者にのみ振りかかる訳ではない】
【コミュニティから外れた者、特殊な能力を持つ者、他より優れた者にもまた、同様に振りかかるのだ】
588 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/02(土) 00:43:40.38 ID:UB1Tgjt40
>>580

【距離にして数歩分。歩数を数えたなら、片手で足りるくらいの空間】
【最初は手を伸ばしたのに。今少女が転んだとして、その手は伸ばされるのだろうか】
【――敵対にはずっと足りない。だからと言って友好かと言えば。それも違う】
【警戒するような、その距離感。気にするのは過去に触れられたことか、少女が正義の側に立つということか】

……――助けてないよ、あれ食べ終わったら元通りだもの。

【ぽつり、呟くのは僅かにトーンの落ちた一言】
【安堵する表情をオッドアイがじっと見つめて、しばし、】

“まともな”孤児院でも作ってあげればいいの。
おうちとごはんとおやがわり。嫌がって逃げたって、最後の最後に縋れる場所があるなら、ずっとマシでしょう。

【細い身体。薄ぺらの身体。ひんやり冷たい壁に預けて、寄りかかる】
【「まともな」――ひどく強調して、そんなことを紡ぐのだろう、】
【けれどその態度は「私はしないよ」という意思表示そのもので、――なんというか、不真面目だ】

縄張り(わたしたちのおうち)に他の人間なんか要らない。……なんなら、ねこもいらない。

だからしーらない。物好きなひとが動くまで、気紛れにごはんあげるだけなの。

【居るとも、連れて帰るとも決まっていない邪魔者。存在しないそれに向けるのはひどく嫉妬に塗れた小さな呟き】
【太陽注ぐ昼間なら、暖かなひとびとの中なら、気にならないような声量だって。冷たくて二人きりの今は、よく響く】
【――まるでスイッチを切り替えよう。次の刹那にはその声色はがらり、明るめなものへと切り替わるのだろう】
【にっこり笑ってみせて、それから、】

何のお店?

【なんて。興味を示したように尋ねるのだろう】
589 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/02(土) 00:50:16.25 ID:cqqFTfEz0
>>561

………ふーん、そう。楽しみにしてるわよ、ねぇ、ヨハン―――?
もう私はやられっ放しじゃないのだし、油断だけはしない事ね。

【親しげにその名前を呼びつつ、微笑ましい想いで彼女の様子を眺めて。】
【この状況を最大限に楽しんでおきたいとでも言う様に、余裕の表情で微笑ってみせる。】

 (……それに私は、もっと貴女の反応が見たい。私じゃなくて、あなたのいろんな顔が知りたい―――。)

【けれど心のなかではやっぱり好意が、くるりくるりと渦を巻いて。】
【だからだろうか、“贈りもの”と一緒に紡がれる言葉に対して………。】


………ええ、約束する。形も、味も、きっとずっと忘れはしない――――
……相変わらず大袈裟だって、貴女は笑うかも知れないけれど。

【ただ自分の想うままを、クスリと笑ってそう続けた。】
【寧ろ忘れようにも、忘れられないのかも知れない―――。】
【そんな風に考える自分を自覚して。けれどそれでいいんだ、と……この穏やかな夜を、二人で過ごす事を楽しむ様に。】

【けれど余裕めいたその表情は、きっと、彼女相手なら簡単に崩れ去るもの。】
【“さっきの出来事”に赤面して/ハッとした時にはもう遅く、ヨハンはすぐ傍に居る状態で――――】

【そして向けられる言葉に再び、少女は/窮地に/追いつめられる。】

………ぁ……あ、遊びって、それは、つまり、そういう、意味、で―――――……
……う、……、………私があなたに持ってる感情は、…………。
………っ、……あ、ぅ………。

【あれは偶然の出来事の筈で、だから本気もなにもなかったハズで―――― 】
【……だというのに、湧き上がるこの想いは何だろう? 理屈とは別次元での “落ち着かない” 感覚だった。】

【色々な意味で落ち着かないというか、恥じらいで表情がころころ変わるというか。
 紅くなったり、申し訳なさそうに眉が垂れ下がったり―― 】
【………想いを上手く言葉にできない事が、ひどくもどかしそうな “照れた” 顔。俯きがちに、ちらりとヨハンを見上げた。】

【暫くすればも収まるのだろうか。】
【そして彼女は記憶石についての説明を、理解し/想って/確信に変える。】


………そうかしら?
……まぁ……やるだけやってみるわ。

【口調とは裏腹に双眸は本気で。絶対に失敗は出来ないと、強く、強く想っている様でもあり。】

/すみません、改行制限で書き込めてませんでした…orz
/なので二回に分けて書き込みます…っ
590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/02(土) 00:50:29.43 ID:7hcD152Ho
>>584

「……まァ、な」 「宝の持ち腐れになるよりゃあ……マシだ」
「(――こいつらには俺が必要か、俺が居ねェと……また延々と喧嘩でも始めるんだろうなァ)」

【その言葉を発する茶髪の男は、どこか上の空で】
【相手の表情――顔も殆ど見ておらず、ぼんやりと何かを考えていた】

『カノッサ機関はまだ居るっすね、手伝ってもらったことも――』 「…………」
「……ふん、テメェーが嫌いだろォーと、俺達が儲かりゃ良いんだ」
「その中身が本当に爆弾か否かはさておき――そいつをこっちに譲って――――」

【意識をそちらに戻した茶髪の男は、そのカバンを寄越せと催促するが――】
【――遅かった、既にあなたは公園の外へと駆け出していた】

「……テメェー、いい度胸してんじゃあねェーか」 「俺達を騙すとはなァー?」 『……俺っち達もう少し精進しないとっすね』
「中身はテメェーの荷物だったんじゃあねェーか」 「――追うぞ、お前らッ!」 {行くっすよ、兄貴ィッ!}

【彼らは、あなたを追おうと駆け出すが――運とは非情なものであって】

【ドンッ!】 【3人は、偶然通りかかった同窓会の帰りの集団に衝突してしまった――】

【"うわっ、何なんですか!"】 【"ちょっと、何この奇抜な頭!"】 【"キャハハハ、マジウケルー"】
【ちょっとあんた達、クリーニング代くらいだしてくれるんでしょうね?"】
【"お前も相変わらずどんくさいなー"】 【"余計なお世話よ!"】

「ちィッ、……どこが"中吉"だ!」

【体勢を立て直した時には、もう既にそちらは夜の闇へと消えていた――】

/お疲れ様でしたー
591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/02(土) 00:50:53.38 ID:fL0w3273o
>>585

【彼女の手は、ふわふわとしていて、それでいて体温をあんまり感じさせなくて】
【あまりに強くぎゅっとしたら壊れてしまいそうなぐらい、それだけ繊細な指先であったことだろう】
【それは同時に、武器がなかったなら、あまりにも無力で、それでいて、あまりにも華奢で】

【だからこそ、その手にやさしく触れてくれる貴女の指先を、辿るには十分すぎるほど】
【もっと触れていたい、って思った、それは口に出すことも憚れるけど】
【何ていえばいいんだろう、何て答えるのが良いのだろう、考えることは、いつも一緒】


ぁ……ありがとぅ……рад(嬉しい)……とっても……
ふ、不束者だけど――――……宜しく、です


【顔を上げた、交錯する貴女の包み込むような優しい笑顔】
【それは一つの帰結、貴女という存在が奏でる一つの演目の終わりを告げるよう】
【銀幕が落ちて拍手が鳴り響く、その劇場の中、一人取り残されたかのよう】

【もう一度見上げる、観客席から、スポットの当たる貴女の元へと】
【舞台の上でただひたすらに美しく在る貴女は、尊敬と憧れと羨望と、その他もろもろの思いを馳せさせて】
【零れた言葉を、彼女本来の母国の言葉に彩らせた】

【――――そして何より、嬉しかった、自分のことを、肯定してくれる貴女に】
【マリンブルーの瞳の中に浮かぶ宵月のような淡い光、旋律と呼ぶには少々散文詩のよう】
【一杯に溜めた夜露が、落ちるその瞬間すらも、悟られぬよう】


っ……!!……うん、ついてく――――ソニア、ついてく


【少々怪しい日本語と、危うい日本語、ぱたっと立ち上がって少し歩き出す】
【一端とまって、チラリ、と立てっぱなしの自分の銃を見たけれども】
【――――ぎゅって、出来たなら、貴女の片方の手を両手で握ろうとする】

【おぼつかない指先が、頼りない矛先が、貴女へと向けられるのだろう】
【引き金にかけた指先とはまた違う感触で、貴女を頼ろうとする】
【自分を支えてくれた相棒≠ニ離れ離れになること、それを補ってあまりあるほどに、貴女に魅せられていた】
592 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/02(土) 00:51:26.92 ID:cqqFTfEz0
>>561 (続き)

(……さて、と――――――――)

【記憶石を右手に、思い描くそのイメージは『装甲』。】
【何度も、何度も、考えて―――― 確信に変えたひとつのかたち。それは、刹那に顕現して―――――】

(―――――――…………!)

【右腕の前腕を覆うように、そしてその手の甲を護るように。】
【一体成型型のアームガードが、彼女の右腕に“装着されて” 存在していた。】

 【一体成型/可動部はゼロ。】
 【それは極限近くまで強度を求め、かつ動きを阻害しないように意図された形状だ。】

【――――“彼女から贈られたその品は、決して壊れない様にしたい”――――】
【……ずっと傍に置ける様に、役立てながら大事にしたい。そんな想いの顕れの様だった。】

………成功ね。
改めてありがとう、ヨハン―――――………ずっと、大事に使っていきたい。

………それと……ちょっと試したい事があるから、少し向こうを向いててくれる?
これには、あまり時間はかからないと思うから。

【そう言って悪戯っぽく微笑んで、“試したい事”の存在を告げた。】
【……それは何か、企み事のある様でもあって。】
【そして、それにはヨハンが必要な様で―――――。】

/改めて、物凄く遅くなってすみません……orz
593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/02/02(土) 00:53:04.14 ID:Mxop0t5U0
>>590
/お疲れ様でしたー。
594 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/02/02(土) 01:07:13.99 ID:jRsXpMW3o
>>588

「元通り……確かに、そうですね」「根っこを変えないと……堂々巡りの繰り返し、ですから」

【しゅん、と顔を萎れさせるけれど、続く言葉に一転はっと、目を見開いて】
【「あなた、まさか──」言い掛けた所で被りを振る。「あ、いえ」とはぐらかす】

【鈍い彼女でも言葉の真意を察する事が出来たけれど──この状況でこれ以上、踏み込む気にはなれず】
【けれどその、“まともな孤児院”を望むようなアクセントを付けた言い回し──】
【──そして、彼女が時折見せる排斥するような言動が、月音は気になるらしかった──】


「え?あ?い、家──ですかっ?」「家、家は…………えと、宿屋です、田舎のですし、跡は継いでいませんが」
「櫻の国の、田舎の方なんですけど──」「──って、ごめんなさいっ!名前、まだでしたよね……っ?」

「夜久月音、生まれは先程の通りで──その、あなたがどう思われているのかは、」

【──相手が180度、その雰囲気を展開させた後も、それは尾を引いているらしく】
【最初、いたく言葉を詰まらせながら応対する辺りに、思索に耽っていた事が見て取れた】

【思い出したように簡潔に自己紹介をする間、視線は相手の足、その動作を注視していた】
【今更味に溢れるそれは、ひょっとすると相手の事を知りたいが故のもの──なのかもしれない。】
595 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/02(土) 01:11:42.07 ID:SmoEy0mK0
>>591

【最初に感じたのは、"驚き"であった。】
【――これが人の手か。アタシが握っているものは一体なんだろう。綿アメ?雲――いや、もっと柔らかくて、静かだ。】
【何も知らない者が見たならば、およそ銃など握っているとは思えないほどに細く、白く、そしてしなやかな指――】
【だがセリーナは知っていた、その小さな動きを可能にする繊細さが、マクロの世界を支配する精密さだけが】
【超・長距離の狙撃をピンポイントでこなすスナイパーに求められる手のあり方である事を――】

(国宝級、っていうかオリンピックとか出たらメダル総なめ出来そうな気がする・・・これはもしやお金の匂いっ!?)
(はっ、いけないいけない、こんな小さな子を――そんな汚い大人の世界に巻き込んでは――!)

【――・・・若干、ノイズがまじった気がするが、気にしないで欲しい。この女はそういうやつだ。】
【不束者、という言葉は、ソニアの小さな口から出てくるには少々難しいような気がして】
【またセリーナは笑ってしまう――なんだか、背伸びしている娘が可愛く見えるのだ。】
【UNITED TRIGGERの事務所は静けさに包まれている――盛大な拍手こそ聞こえないが】
【まるでそれは荘厳な舞台が幕を下ろした跡の余韻を醸し出すように、暖かであった。】

――ふふっ!おいでソニア、こっちこっち。

【彼女は裏口へとソニアを連れて行く】
【暗く薄い明かりしかない裏口へと続く道は、事務所の奥のドアを開けると見えてくる。】
【そしてその通路のど真ん中、廊下にある凹凸のようなものをセリーナがガコン、と踏み込めば――】

【――唐突に、落下の浮遊感が味わえるだろう。】
【それは通路自体がエレベーターとして機能していることの証。そう、事務所の地下は"拠点"となっていた】
【やがてエレベーターは地下数十メートルの位置で停止し、目の前には"基地"の光景が広がる――】

【並んだコンピュータ、資料室に大きな作戦テーブル、そしてその奥に見えるのは食堂――更には射撃場・訓練場まで備えている。】

じゃじゃーん!これがこのUNITED TRIGGERが誇る秘密基地でーす!
どう!?すごいっしょ、すごいっしょー!
射撃訓練場もあるし、寝泊りできる部屋もたっくさんあるから、もし住んでる場所がなかったらここを利用してくれて構わないよ!
596 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/02(土) 01:19:19.49 ID:sSzKMdYp0
>>587

「ぐっ!?」

 なで斬りにされた足から血が噴き出す。
 それでも重症にならないのは、朔夜の技量故か順風の天恵の頑丈さゆえか。

「黙れよ、クソビッチが! 泣き言抜かして何が悪いんだよぉ!
 ああん!? こっちだってなぁ、こっちだって必死で戦ってたんだよ!!」

 順風の言葉から徐々に狂気と悪意が抜け、
 代わりに怒りが入ってくる。

「ビビる心に自分で叱咤激励して! 上に無理言って前線に出してもらって!
 松葉杖付きながら避難民誘導してぇ! サーベル一本で震えながら能力者と相対したよ! だが結果はどうだ!?」

 青い石の輝きが強くなる。
 順風の怒りに呼応して更に出力を上げる。

「路地裏でも! 放送局でも! 俺は殺された人間を誰一人守れず! 誰一人救えず!
 挙句カノッサの能力者には指先1つで笑いながら全身大火傷負わされて!
 半人前のマインド使いの女の子を止めることすら出来ずに逆にいたぶられて!!」

 もはや卵は関係ない。
 順風の怒りは卵の魔力を超越した。

「それでも俺が悪いのか!? そんなに強くなれなかった俺は無様なのか!?
 こっちはとっくに限界突破して、必死に砂噛む思いでやってんじゃボケェ!!
 成功した奴の目線でばっかり語りやがって、負けたことも無い奴の理屈でばっかり語りやがって!」

「じゃあお前はあるのか!? 必死の思いも決死の覚悟も何一つ通じず!
 能力者に虫けらみたいに捻りつぶされたことはあんのかよ!!
 無様に! 何もできずに! 何度も何度も! "負けたこと"も無い奴が寝言言ってんじゃねぇ!!
 この世にはなぁ、テメエが強い分だけテメエより弱い奴がいるんだよぉおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 黒い追い風は大きく輝く。
 悪意も狂気も超越した、感情の爆発だ。

("当らない"攻撃も"当る"! "破壊できない"攻撃で"破壊できる"! 一撃で再起不能に"できないことをできる"!!)

 人間の動きを遥かに超越した動き。
 繰り出される"一撃必殺"の性質を持った神速の手刀。
 順風はもはや迷いも抵抗も無かった。

 心の闇に飲まれるどころか全てさらけ出し、身を任せた。

 どうしてこうなった。
597 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/02/02(土) 01:24:49.12 ID:jRsXpMW3o
>>594
/超今更ながら……

〜その、あなたがどう思われているのかは存じ上げませんが、正義の味方を志しています」

/何でしたら端折ってくださって結構ですので……!申し訳ございません
598 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/02(土) 01:25:17.04 ID:fL0w3273o
>>595

【きっと彼女は貴女にべったり、で傍から見たならば優しい姉に迷惑をかける妹のよう】
【それでも、中々彼女は離れようとはしないのだろう、自立のできないダメな子みたいに】
【チェックのミニスカから零れる両脚は黒いオーバーニーソックスに包まれて、その肉感を示した】

【笑われる、その感触は、何だかくすぐったくて――――恥ずかしさと心地よさが同時に来る】
【どう表現するんだろう、と思った、それを推し量るには彼女の言葉じゃ足りなくて】
【きゅぅ、と頬に混じる紅潮の色、言葉の代わりに、表情で示す、よう】

【それでも、貴女へと続くこの距離を、とても大切に思っているのだろう】


わわ……っ……エレベーター、です……
セリーナ、お金持ち――――ソニアも、お金持ち……かな?


【マリンブルーの瞳が貴女へと語りかける、紡ぐ旋律は尊くもまた優しいもの】
【冗談交じりの言葉、そんなこともいえるんだよ、と言いたげな彼女の言葉】
【背伸びするその視線はまた違った景色、いつもと違う風景に少し近づいた貴女の背中】

【だからずっと、できればもっと、貴女との距離を――――このままでいさせて欲しかった】
【密着しようとするだろう、甘えるように――――そのたくましくも美しい、失われたヴィーナスの腕を】
【身体を寄せたなら、柔らかい頬の感触が、貴女へと触れるかもしれない】


わっ……たっ――――とぅ……Велико(広い)……
射撃場、あるんだ……いつも、森の中……だったから

Кролик(ウサギ)Лиса(キツネ)Волк(狼)、一杯食べたよ


【落下の浮翌遊感、片方の手をぱたぱたとさせて、もう一方の手でずっと、貴女に触れていようとしながら】
【ビックリしたようで、扉が開いた頃には、その両手で貴女の腕を抱きしめているのだろう】
【そうして開口一番、広いなんて言葉が出てきたりして】

【少し自分のことを話すのだろう、彼女にとっては森が射撃の場だったのだ】
【森を行く様々な動物達を狩って、それを食べていた、とも言う】
【狙撃銃で小動物を狩りする辺り、彼女の能力をうかがえるかも知れない】
599 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/02(土) 01:27:36.48 ID:PYaQt4As0
>>592

【余裕を含んだ言葉の返しに、文字通りむっとした表情を見せて】
【普通ならば、屈託の無い笑いで流すのだろう。ただ――――相手が相手だからこそ、ムキになってしまって】
【掛け替えのない友達。全てをさらけ出すのも厭わない程の好意】
【その様はまるで犬。誇り高い狼なんて言うけれど、ただじゃれて、懐く一匹の子犬】


「そこまで言われると恥ずかしいなー……だけど、ずっと柊の中に残ってくれているなら、それで良いのかも知れないね
えへへ……忘れちゃ、嫌だよ?」

【そんな言葉が、純粋に嬉しかったのだろう】
【――やっぱり、大袈裟だなぁ。少女が予想していた通りのそんな言葉】
【だけど、それに含まれて居るものは言葉とは全く異なったもので】
【――――有り難うだとか、色々な感情が湧いて来るけれど言葉なんかには表せない】
【だから、「大袈裟」。自分を知ってくれている少女に、ありのままの自分で答えて】


「どんな意味かボクには分からないや
ボクはただ柊が好き。大好き――――だから、ボクも柊の口からその感情を聞きたいな
――――隙あり」

【主導権を奪った事の確信。更に踏み込み、体勢を崩す事の目的】
【コツンと額と額同士をぶつける――――大好きな友達の吐息、香りに繕っていた表情の頬が緩んで】
【見上げられた顔。復讐の一歩目。嘗ての様に、少女を無理矢理笑わせる手法】
【唇の両側へと指を添えて、持ち上げる事。――――三度目、だろうか】
【囁きも容易く聞き取れる零距離にも近い距離で、友人のその変化を見ようとしたのだろう】
【優しく、指先が添えられて――――】


【成功しようとしまいと、どちらにしても石に念じ始めた頃には少し距離を空けるのだろう】
【――――数瞬と掛からない時間。その出来に、思わず間の抜けたような感心の声を漏らす】
【刀を扱う、少女らしい選択】
【――――その思いに気付いているのかは定かでは無いが、こくりと頷いて】

「その石も、柊に使って貰えてきっと嬉しいと思うよ
勿論、ボクだってすっごく嬉しいけどさ
……ん?別に良いけど……どうかしたの?」

【頭に浮かぶのは一つの疑問符】
【然れど、言われれば素直に背を向けて】
【――――少女の顔に浮かべられた笑み。不安よりも、期待感だろうか】
【ゆらりゆらりと揺れる尻尾は、“待て”と言われた犬の如く】
/お気に為さらずとも……!
600 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/02/02(土) 01:28:58.20 ID:Bkruwzi1o
>>586

―――……少しくらいアウトローな方が、男らしいってものよ
その「WILD」……?ってのに苦労してるっぽいが、女は其れを笑顔で受け入れられる程寛容であるべきだぜ?
好き勝手させときな、ソイツも……―――いや、コレ少し古臭い考えかもなぁ……

【呆れ果てる彼女には、開き直ったような笑顔をぶつける。 男は―――、女は―――と言う理論は、現代では廃ったモノかも知れないが】
【彼女はきっとその「WILD」に振り回されているのだろうが―――「いいじゃん、振り回されとけよ」と言わんばかりに下から刺す彼女の視線を、紺碧の瞳で受け止める】
【その豊かな感情表現を楽しんでいるかのような、笑みをやや口元から零しながら】

……うーん、やっぱり止めとくわ。 こうやって自然の中でいろいろ考えてやってた方が、俺には向いてるし。 確かめながら動くってことが、大事だからさ

【親切な彼女により射撃場の紹介を受けるも、男は一瞬考えたような素振りを浮かべてからゆっくりと首を横に振った。自分のペースでやりたい、と言う事なのだろう】
【彼女は続けて、男の疑問に答える。―――その場で証明をしながら彼女は話を進めるが、男の口は開くことを忘れたかのようで】

―――は……マジか……? うわ、なんか怖い!  よ、よよよろしく……はいいから早くくっつけてくれよォ!

【胴体と分離した頭部が、笑ったまま饒舌に話している。―――その光景を見ていると、何だか精神が削られるような気がして。 焦った口調で、直ぐに戻すようにと上ずった声で言う】
【ロボットであるという事実も驚きものだが、目の前のショッキングな光景がよりインパクトを持っていて。 なんだか夢に出そうな程に、網膜に焼きついてしまった】

お、おう……それにしても、正義組織も随分と変わったな。justiceや対機関連合は今や名前も聞かないしな……アイツらは、織守は双葉は……何処行っちまったんだ?
居なくなった奴の代わりに出てきたのが、セリーナ……そして、そのWILDか。 はぁ……俺も怪我さえなければなぁ………

【他にも正義組織はあるようで。そのことに若干意外な顔を浮かべながら、男は昔を思い出していた。零れた2人の名は、かの正義組織を仕切っていた者】
【カノッサも変わって、正義も入れ替わったみたいだ。進んでいく時代に遅れた自分が、妙に滑稽に見える。「怪我」の事を気にする彼の視線は、自身の右足首に】
【其れは―――痛々しい程のテーピングで固められていた】

まだアンタらの、WILDの正義が何かは良く解んねぇが……なんとなく、安心したぜ。 色々、頑張ってるみたいだしな

【憂いに満ちた右足首への視線を振り切るかのように、顔を上げて。少し寂しげにだが、安心したような笑みと共に言葉を添えた】
601 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/02(土) 01:38:02.31 ID:UB1Tgjt40
>>594

【――むかしのこと。今でも夢に見ることがあるぐらいに、思い出せる】
【薄暗い部屋の中、外側に鍵のついた扉、飛び交う罵声、罵倒、泣き声、呻き声――】
【思い出しそうになって、僅か眉を顰める。首を傾げて、じっと地面を見つめる、数秒】

【まともさを求めた理由。なんてことはない、自分が怖かったから、だ】

櫻の、宿屋さん。……ふうん、そう、
お客さんは? たくさん、来るの?

【まるであふれ出しそうな記憶を抑えるよう、先ほどまでより僅かに早く唇が紡いで、】
【短い息継ぎ。また何かを言い出そうとしたところで、少女の名乗りを聞けば】

……鈴の音って書いて、りんね。

【ほんの少しの間。そう答えるのだろう――壁に預けた背中、つめたくなったのか身体を起こして、】

……――正義とか悪とか、どうでもいいの。
私の世界が穢れなかったら、月が堕ちたって太陽が燃え尽きたって、“べつに”

【自分の世界。ひどく曖昧なそれを真ん中に置いた、中立(どっちつかず)】
【明かした立ち位置に何の感慨も思いもない、ほとんど興味すら持っていないのだから】
【邪魔をするならなんだって敵になる――下手な悪なんかより、ずっと面倒な、】

――でも、子ども。助けるなら、気が向いたら手伝ってあげる
それ以外は知らない、やったげない、好きにすればいいよ。

【正義めいたことをするのだってジャンル限定――】
【注視する先、蹴飛ばせば折れてしまいそうなその足――離した距離を埋めるよう、一歩、踏み出そうとするのだろう】
602 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/02(土) 01:43:55.00 ID:SmoEy0mK0
>>598

【なんとなく、そんな予感はしていたのだが。】
【ガンマンであって、小さな女の子で、それでいて美しく、愛らしく――】
【――セリーナにとっては、なんだか心の通い合える相手であったのかもしれない。】
【嗚呼、銃さえ握っていなければ――もしかしたら、彼女を深く抱きしめる事も叶ったろうに。】
【今のセリーナは、抱き着かれても抱き返せない――。】
【小柄なのにどこか肉感的で、柔らかいソニアの体温を感じながら】
【女性としては少し高身長で、それでいてグラマーな肉付きの良い体格をしたセリーナは】
【――すこし、その幼さとギャップがうらやましいな、と感じていたりした。】

(そう――そうなんだよね。)
(アタシは今まで、けっこう一人で行動する事が多くて――もちろん、仲間がいた期間もながいけど――)
(こうして組織を作って、色んな子と触れてみてやっと、わかった気がする――)
(――多分、どこかで――アタシは――――)

【ふと、色々考えていたが。】
【その思考はソニアの一言で途切れる。】

ん?ああ――ふふふっ!そうだね、ソニアもお金持ち!
――まあ、ここを建てるのにものすごーーーーく、奮発したから・・・その・・・
おねいさんは今、実はあんまりお金持ちじゃないんだけどねー・・・。
(ああもう!元気が出てきたのか冗談まで言えるようになっちゃって!もう!もう!)
(本当に・・・ふふっ。妹、っていたらこんなかんじなのかなー。)

――森、かあ。

【本物の狙撃手は、森で育つ――森を知り尽くし、自然を利用し】
【誰にも気付かれることなく、静かにただ獲物を"狩る"――ハンティングのプロ。】
【フィールドを味方につけるこの出来るスナイパーは、無敵ともいえるだろう――彼女の鋭敏な感覚器官は】
【きっと故郷の広い、森で鍛えられたのかと、セリーナは納得していた】

偉いね、ソニアは色んな獲物を――どうぶつさんを、狩ったんだね。
ここには命を持った標的はないけど――射撃場なら動く的を狙えるから、きっと練習できると思うよ。
【しかし森で育つというのは過酷なことだ――】
【生半可な覚悟では出来るものではない。彼女は、壮絶な日々を送ってきたのかもしれない。】
――そうだ!ソニア、お風呂もあるんだよ!
あんまりおっきくないけど――おふろ、しってる?
603 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/02(土) 01:51:15.57 ID:Vts/U2t/o
>>600

【男の意見に対して、ジャンクちゃんはす、と気まずそうに目をそらして】


――貴方のおっしゃりたい事も、ええ、分かると言えば分かるのデスヨー……
ですが"WILD"だけはもう、本当に例外にしないといけませんデスヨー、好き勝手などとんでもありません……
ちょっと目を離したが最後何をやらかすか分からない人間サイクロン……女の子にエッチな悪戯をする程度は当たり前
他人の住む家を勝手に改造するわ、パーティ会場に爆発物片手で現れて派手な花火を打ち上げるわ

……酷い時は宝が眠る遺跡一つを崩壊させる始末……幼少時代からあの方はもう、破天荒とかそんなレベルじゃ……


【そんな奴がよく正義の味方なんか始めたな!というツッコミが四方から飛んできそうな"WILD"なる人物の悪行三昧】
【それに過去からジャンクちゃんは付き合わされているのだから、予想もつかない苦労をしている】
【それでも離反しないのは彼がオーナーだから、と言うよりも彼自身の身が心配だから付いていなければ、というちょっとおせっかい焼きな様子なのだが】


織守さんと双葉さんをご存じなのデスヨー?はて、妙なのデスヨー……
ワタシ、justiceと対機関連合の方々とは皆、面識がございますが……ワタシ、貴方とお会いした覚えがございません
戦うために鍛錬を行うほどの方がなぜあそこに所属をしていな……


【そこで、ん?とジャンクちゃんが首をかしげる……なにか他に思い当たる事でもあったのだろうか】

……いえ、いえちょっと待ってくださいデスヨー、失礼ですが、貴方のお名前を
お聞かせしていただいてもよろしいデスヨー?今ちょっと、何かを思い出しそうになりまして

――おや?そのお怪我は……申し訳ありませんが、少々見せていただいても?


【がちがちのテーピングに覆われたその重い怪我に目が行ったジャンクちゃんは】
【少しづつ男の側に寄って、ちょこんとしゃがんで男の怪我を見ようとする】
604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/02(土) 01:57:19.55 ID:fL0w3273o
>>602

【貴女の逡巡など彼女には届かない、それほどまでに難しくてソレでいて密やか】
【大人になるということはそういうこと、二度と手に入らない過去を馳せて馳せて、そして朽ちるよう】
【そのことすらもきっと、まだまだ彼女は気づけないのだろうか】

【――――そうであるなら、貴女はきっと、とても優しくて、それでいて知性的であったのだろう】


……そっか、残念……でも、セリーナが居たら……どっちでもいいや……
お金は大切だけど――――セリーナはもっと大切だから
Важный(大切な人)……だから


【彼女の守りたいВажный≠サの中に貴女はきっと入っているのだろう】
【しかもその中で紅い玉座に座って踏ん反り返っているよう、想像したら彼女ならちょっと笑っちゃう】
【お金は大切、そんな言葉を言う辺り、子供子供しすぎてはいないらしい】

【知ってか知らずか、貴女の彼女に対する接し方がもっと幼い子≠ノ対するそれのよう】
【彼女は気づけない、むしろ――――耳障りの良い言葉に、浮かれている様子】
【マリンブルーの瞳がハッキリと、その意志を写すよう】


……偉くないよ――――生きるため、だから……
だからね、殺さないの……ソニア、もう、誰も、何も――――

Ванна(お風呂)……?Любит(好き)!Любит!
ソニアお風呂好き、大好き!


【僅かに掠れる彼女の声、純白の素肌に淡い灰色の煙が映りこんだ】
【それは夜に溶かした吐息、白い狭霧は形と呼ぶにはやや歪であるのだろう】
【貴女を見つめる視線の端っこには思いを馳せるアテがあるのだろうか】

【小さな掌がぎゅぅと握り締められる、それだけに彼女の決意は固い】
【そんな少し意気込みすぎた表情が昇華する、瞳にきらきらと色とりどりの輝きが混じった】
【両手を口元で合わせて、くしゃくしゃって、綻んだ笑みが、えへへ、と小さく濡れた】
605 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/02/02(土) 02:04:13.23 ID:jRsXpMW3o
>>601

「──そこそこ、でしたかねーっ!」「街道沿いに構えていたんで、旅人さんが多かったんです」

「小さい頃から旅先の話なんかを聞いて、それがきっかけで世界に興味を持った──
──っていうのが、私が今こうして海を越えている理由だったりします……!」

【小さく伸びをして、それまでの調子を覆すような明朗な声色。明らかに、相手が顔を伏せるのに呼応していた】
【“孤児院”について、全ては推論だったけれど、現に彼女が俯いている以上は、出来る限り盛り立てようと】

【それは偽善、余計なお世話なのかもしれないけれど。矢張り、黙りを決めて何もしないよりはマシ、と考えて】
【月音は能力者の物差しで測ればきっと、普通と言える少女なのだろう。それ故に考えも陳腐で、愚直だった】


「あ、ちなみにちなみに、私は月の音でつくねと読みまして──」
「鈴音さん、似ていると思いませんかっ?」「これは運命ですよ、う・ん・め・い!」

「……って、月が堕ちるだなんて、ひどくないですかぁっ!?」

【偶然──否、運命だなんて、“素”の彼女はたった一文字の共通点だけで夢想してしまう程の、ロマンチストらしい】
【その矢先に飛び出た相手の言葉に、なんとも大仰に身動ぎさせ、冗談めかして、笑い声混じりに】


「子ども……ええ、勿論です」「私が他の方全員を救いきれば万事解決ですからねっ!」
「勿論子供だって助けます、鈴音さんだって、窮地に陥れば助けてあげようじゃないですかぁっ!」

【徐々に、いつもの調子を取り戻しつつあった】【こちらからも一歩、確かめ合うようにして踏み出す】
【子ども──やっぱり、推論は正しいのだろうか】
【考えつつ、月音は今日一番の自分らしい、自信に満ちた馬鹿らしい言動と、充足した笑みを湛えた】
606 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/02(土) 02:13:23.69 ID:SmoEy0mK0
>>604

う、ううん、ごめんね?でも、みんなには貧乏な想いなんてさせないから安心して!
食料も完備!電気・水道代も当分はOK!弾丸とか武器の貯蓄も――
【あまりにも恥ずかしくて。】
【ずっと言葉を聴いていられなくて。】
【気を紛らわそうと、色々言葉を並べ立てていたが――限界。】
【お金は大切だが――それよりも、セリーナが大切だというその一言。】
【まったく、お金が大好きでそれ以上に大切なものなんてありゃしないぜ!と言い切っていたセリーナが、随分と変わったものだ。】

【――セリーナは、本当に珍しく―――多分、めったに見せないであろう―――】
【赤面。】

あ、あうういえ?ああ、うん?・・・た、い、たいせつ、ねはははははあははは。

(――大人のペースを崩すのが美味いな、この子・・・いや、アタシが大人になりきれてないだけか。)
(たぶん本気で強請られたら色々買ってしまいそうな気がする――この子には気をつけないと、いけ、ない・・・うぐっ!)

【――しかし、まあお金が大切であることをしっかりと理解できている辺り、やはり彼女はただの天才スナイパーではないようだ。】
【森で過ごしていたとはいえ、そういう事も知識として身についているのだろう、儚くもあり、強くもあるのだろう。】

ほんとに!?よかったぁ〜、お風呂はこっちでね、ほら!
【その単語を聞くと同時に、セリーナはソニアを風呂場へと案内する】
【複数のシャワーと大き目の浴槽、同時に2,3人は入れそうな具合だろうか――十分温まることが出来そうなお風呂である。】
脱衣所はここだから、服はこっちで脱いで、バスタオルなんかはここに入ってるから――まあ、その辺はわかるよね。
さて、今日はもう遅いし、お風呂入って寝ようか!

――あ、そうそう。お部屋は・・・どうしよっか。一人のお部屋がいい?
607 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/02/02(土) 02:20:51.35 ID:Bkruwzi1o
>>603

―――そいつは酷ぇな……。で、でもな? いずれ人は過去の過ちを反省するモノだ
俺も昔は……2年程前まではやんちゃしてたんだが今ではもう思い出したくもない過去よ

【アウトローは少々ではない様子だ。名前の通りWILDなのだろうが、如何せんやり過ぎ感が否めない】
【話を聞いて彼の脳内に形成されたWILDと言う人物のイメージは、唯の悪戯好きの男で】

あ――……俺の名前か? ……言わなきゃ、駄目だよな。 でも俺だけが悪いって訳じゃ……あ、うん。取り敢えず名前言うわ
―――……マーシャル・T・ロウ。

織守には、一度世話になった。―――曲がりかけた自分の芯を、矯正してくれたっていうか
双葉は―――なんか殴られた。 理由は解らなくもないが、色々考えてみると納得はしてない……ま、ケジメをつけるいい機会になったとも言えるな

【申し訳なさそうに、自らの名を呟く。―――マーシャル・T・ロウと。 さて、彼女には思い出すことがあっただろうか】
【消沈したような顔つきで、青のソフト帽を被り直す。その「青」も、何かを思い出す良いヒントになりそうだ―――】

―――怪我と言うよりかは、古傷だ。 怪我して問題なく軽く走れるようになるまでに、リハビリ込みで1年半だ……。カーネルにやられた傷だよ
それだけ時間がかかっても完全に治らないし、なによりカーネルだぞ、カーネル。 そんな簡単に治る代物じゃねーし、俺はコレを受け入れて戦っていくしかねぇ

―――良いけど、結構敏感だからな。 気をつけてくれよ……?

【その古傷を見たなら、右足首の大きなメスの跡が彼女の瞳に飛び込んでくる筈だ。―――痛々しい、手術跡が其処にはあった】
608 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/02(土) 02:25:37.13 ID:fL0w3273o
>>606

【強い人が見せる弱み、気高い人が見せる脆さ――――きっとその赤面は表面以上に多くの意味を持つ】
【幾重にも思いは込められよう、また同時に、いくつでもその形は変化しよう】
【けれどもたった一つ、それが彼女にとって、とても美しいものであることは変わらない】

【夕陽を見送る微かな思い、空と地面が一つになっていく瞬間】
【綺麗だな、ってただそれだけ馳せて想う貴女への仕種】
【見ほれるとはまさにこのことだろう、貴女のブロンドが美しく煌いた】


ん……セリーナ、顔赤い……お熱でも、あるの
熱かったら……ソニアの手、使って……きっと、冷たいよ――――


【背伸びする彼女の身長、貴女のおでこと自分のおでこを当てようとする】
【熱を測ろうとする、原始的で、それでいて直接的な方法、貴女の直ぐ側で彼女の表情が揺れるだろう】
【大きな瞳と、形の良い睫、彼女の顔を美しく添えて彩らせる】

【前髪が濡れる素肌の色、吹雪よりも冷たい、細氷のような尊い素肌】
【できることなら、貴女のほっぺたへと、彼女の両手を、そっと触れさせようとするのだろう】
【露になった両手、すらりと伸びて、それでいて小さくて、ちまっこい掌が貴女を辿る】


……おっきいね……ソニア、こういうお風呂――――大好き……
うん入る、セリーナも一緒に……ね

ぁ……ぅん、銃の……Ремонт(メンテナンス)とかで、汚しちゃう……し
でも……一人で寂しかったら……セリーヌのとこ、いく


【確かめるような言葉、多分ソレは言うまでもない音律】
【でも口に出してしっかりと自分の耳で噛み締める、その言葉の幸せな響きに】
【なくなったときのことなんて考えない、ただ在るそれを確かめて幸せに】

【貴女の質問に少し考えて、そう答えるだろう、なるほど一人部屋の方が好都合そうだ】
【そうして少し推し量って、両手でまくらを空中に描いた――――描くように両手を動かした】
【小首を傾げたならプラチナブロンドの髪が頬を撫でる、小動物のようにその視線を向けた】
609 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/02(土) 02:34:12.83 ID:UB1Tgjt40
>>605

【「立地がいいならいいね」とか、「それなら困らないでしょう?」とか、】
【彼女の家のこと。聞けばまた、尋ねて、きっとしばらくそんなことを繰り返すのだろう】
【泊まりに行くだとかは言わないけれど――興味自体は持ってくれたよう】

……――運命じゃない、と思う、けど、
だって。一文字ぐらいならよくあること――、でしょう、

…………じゃあ月が割れ砕けるとか。

【運命。唐突にまくし立てられて、元より丸い瞳がもっとずっと丸くなる】
【困り果てたような色で視線を逸らして、そんなこと――言っていたけれど】
【ひどいだなんて言われれば。変わりの案を持ち出してみたけれど、どっこいどっこいだったりする】
【――どこか冗談めいたその響き。表情を見たなら、きっと、笑っていて、】

そう、頑張って、ね。

【踏み出した先。自分の意思以上に近づく距離を見やって、手遊びのよう、指先が長く垂れた三つ編みを捕まえる】
【ぎゅっと握って――投げるのは、どこか優しげにも聞こえるその言葉】
【――かつり、もう一歩、二歩、重ねて。そのうち、少女を追い越すのだろうか】

――でもね、ヒトの手って二本だけ。
欲張ったら、大事なものから取り落とすの――そういうものでしょ、宇宙の悪意って。

【路地裏の出口、表通りへの入り口。狭間に立って、振り返れば――そんな、置き土産をひとつ】

ばいばい、またね。

【最後。細い身体はひとかげに隠れて、そのままどこかへ紛れて消えた】

/おつかれさまでした!
610 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/02/02(土) 02:42:02.44 ID:as2HNPy7o
>>596
【撫で斬りは確かに順風の足を捉えたが、然しやや浅い。カウンターのリスクを軽減すべく、そういう斬り方をしたのだから当然の事だが】
【朔夜は、可能ならばもう少し深く──それこそ、筋繊維や腱を断ち切って、相手の足を潰すつもりで切り込んでいた】
【近くに病院もあるのだから、殺す気こそないとは言えど手加減は全くしていない。順風が無事なのは、偏にそのタフさ故だ】

(成る程、頑丈だな──持って生まれた物だけじゃない。良い鍛え方してやがる)

はっ!痛い所を突かれたからって人を売女呼ばわりたあ、流石に卵≠フ保持者サマは根性が違うね!
元がヘタレだから尚の事だ!そうかそうか、必死に戦ったのか!それは偉いな良かったな!

【内心で舌を巻きつつ、挑発を繰り返す。もっと怒れ、もっと感情を剥き出しにしろとばかり、心ない言葉を重ねる】
【不器用な彼女は、卵に飲まれず、逆にこれを凌駕する程の強い意志を引き出す方法をこれしか知らない】
【順風を卑屈にさせる、能力者へのコンプレックス。その奥底に秘めた、強烈な反骨心に望みを賭ける。イチバチの危ない勝負だったが──】

【果たして、掛かった。朔夜は内心でほくそ笑みながら】

それでも全力を出し切った結果、お前はこうして生きている!
情けを掛けられたとか、遊ばれたとか、そこら辺は私の知る所じゃないが……それならそれで、だ!
次はもっと強くなる!守れなかったやつらの分まで!魔術だろうが科学技術だろうが、何だって利用して意地でも食らいつく!
あいつの鼻を明かしてやる、意地でも守り抜いてやる!そういう気概をどうして持てない!

【膨れ上がる怒りの炎に、次々と燃料を注ぐ。まだ足りない、まだ足りない】
【この世の理不尽を憎む気骨と、よく鍛えられた身体。順風には更に強くなれる素質があると、朔夜は見ていた】
【卵≠フ影響を脱し、この激情をよりよい方向に昇華した彼が、能力者∞無能力者≠ノ拘泥せず、もっと広い視野を持てたなら、或いはと】

【そしてその予測は、この一合で確信に変わる────】

ああそうさ、負ければ悪だ!戦場じゃそれが全てだ!あそここそが地獄の底だ!
あそこじゃ一般常識なんか、何もかも通用しない!だからお前も常識を捨てろ!
限界なんざあると思うな!常識外れの連中を殺るんだったら、それぐらいの事をしなきゃ駄目だ!
確かに私は強い。だがそれは常にそういう覚悟≠ナやってきたからだ!
自分の限界なんざ当に十も百も踏み越えた!能力だけが私の全てと思うな!

【急激に跳ね上がる速度。朔夜は初動を読んで手刀の軌道上から身体をずらしつつ至近距離にまで迫る】
【しかし、不可解な事が起こった。避けた筈の手刀が蛇の如く軌道を変えたのだ】
【正しく人外の動きだった。咄嗟に盾にした短刀が弾け飛び、左手首が灼熱の痛みを発する。衝撃で骨が砕けたのだと、一瞬遅れて理解した】

──負けはあるが、そんな情けないやられ方は生まれてこの方一度だってしていない!
そんなものが自慢になるか、同情が買いたいんなら他所でやれ!私はそういう不幸面した奴がことのほか嫌いなんだ!
だいたい、雑魚の事なんざむざむざ気にしていられるかよ!この糞餓鬼が────っ!

【無理矢理にサイドステップを重ねて、再びの回避。際どい。掠めただけでも左脇腹と左二の腕の肉が、ごっそりと抉られる】
【息苦しさから肋にヒビが入った事を悟りつつ、必殺の一撃をどうにかやり過ごし──】
【カウンター。朔夜は死角から繰り出す右フックでもって順風の顎を狙い打ちにせんとする。脳を揺らし、あわよくば意識を刈り取るのが目的だ】
611 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/02/02(土) 02:47:18.36 ID:jRsXpMW3o
>>609

「……そう、ですかねぇ」

【縮瞳させて、こちらを見遣る鈴音に対してさも不可思議そうに首を傾げた】
【──かと思えば、彼女の提示した代案に「何も変わってないじゃないですかァーッ!」と突っ込みを入れて】

【その後も忙しなく表情を二転三転、移ろわせて──最後にくすりと笑む鈴音を見て「あははっ!」】
【声を立て、腹を抱える──初めて心が通じたような、そんな気がした】

「───えへへっ、肝に命じておきますよーぅ!」

【それからこちらに歩み寄り、やがては交差して表通りへ向かう鈴音の方へ、体を向けて】
【彼女の言に手を応じて、雑踏に消えゆくのを見送るのだった───】


/お疲れ様でしたー!



612 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/02(土) 02:53:43.83 ID:XMaQXj4Q0
>>599

/また二回に分けて書き込みます…orz

【余裕が崩れた後の彼女は、それまで以上に押されるのに弱くて。】

……わ、私は………っ、………、……――――――――――っ!?

【――――― “大好き”。】
【真っ直ぐ向けられる好意。少女はまた一段と頬を染めて、落ち着かなそうに慌てふためいて……。】

【――――― 追撃。コツン、と優しい衝撃が、甘く額を突き抜ける。
  “受けた” 少女は目を丸くして、いつになくあどけない顔を驚愕に染めた。】

【目の前にはヨハンの顔/目を逸らす事もできない距離だ。朱は、より濃く紅く、染まってしまって。】
【そんな状況でかかる吐息は、意識を蕩けさせるには十分すぎて―――――】


………っ……!?
……ヨハン……、――――――――……〜〜っ!

【だから無理矢理笑顔にされるのにも、彼女は反応できなかった。】
【両手で両手を引きはがし、悔しそうな顔でちょっと睨んだ。】
【“今に見てなさい”だとか、“絶対反撃してやる”だとか―――― 好意交じりのそんな感情。】

【そしてヨハンが背を向けたなら。】
【タン、と軽い音を立てながら――――――――】

…………、……“私も”。
私も、あなたは大好きで――――――……ずっと、こうしていたいと、思、う…………。

【瞬時に一歩で間合いを詰めて、ヨハンの体に腕を廻した。】

………うん、身体の動きに問題はないわね。
速さも、加減の仕方も……全く、落ちては、いな、……、……っ――――――――

【抱きしめながら紡いだ言葉。】
【徐々に切れ切れになるその声を伴って、俯き加減に頬は紅潮――――……火照りが、秒刻みに増していく。】
【……本当に、物理的に火が出そうだった。こうしようと考えたのも、そうしたのも自分だというのに。】

【けれど抱えた想いは変わらずに、真っ直ぐ伝えた言葉のままで――――】
【名残惜しむようにぎゅ、と温もりを抱きしめる。強く、全身で味わおうとでもする様に。】

(問題は、これで私の身体が固まってしまった事なのだけれど………)
(……どうしよう? 舞い上がり過ぎた――――――……この手も、離れてはくれないし――――)
(………まあ、いいか。)

……これがさっきの私の答えで、それと……今夜の楽しみ方よ。
攻め込んでいいって言ったのは貴女だか、ら………。

【―――“今夜だけ”、その言葉をわざと曲解して。今夜は、思いっきり“攻め込まれる”ヨハンを見るのだ、と。】
【そんな言葉を紡ぎながらも、“攻め込んだ”彼女が硬直していた。気恥ずかしさからか、やはり顔を真っ赤にしながら。】

【その金縛りが解けるのには数十秒、数分、或いはもっとかかるのだろうか。】
【時間感覚はもうなくて、だから、彼女にはこの瞬間が永遠にも等しくて―――――― けれどそうあってほしいと、そう、想った。】
【そしていつかは腕もほどけて。】
613 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/02(土) 02:53:57.14 ID:SmoEy0mK0
>>608

【先ほどはソニアの事を溶けてしまいそうだ、などと比喩していたが――】
【今のセリーナは萌えてしまいそうだ、いや燃えてしまいそうだ、という例えがしっくり来る状況】
【顔から火が出るとはこの事か。】

【もはやソニアの方を面と向かって向けない――なんだか、見つめていたらそれこそ】
【とんでもなく恥ずかしいところを見られてしまうんではないか、とそう思って――】
【金色に輝くブロンドは基地内の明かりに照らされ、静かにゆれる】

・・・へ?かお?あ、あつくないよ!?ねつななんあんあなな!!?
【動く事も出来ぬままに、おでこ同士がぴたり、とくっついた。】
【熱いだろう。間違いない。熱があるだろう、そうに違いない。】
【だからそれを感じ取ったソニアはすぐに、手を伸ばして――セリーナはその手のひらに、顔を包まれて。】

―――ぁ。

【小さく、言葉を発しようとして、失敗。もう、何もいえなくてもいいかもしれない。】
【なんだか幸せだった。こんなこと、したことあっただろうか――。】

う、ううううん!大丈夫!ねつない!ねつない!

【メルトダウンの直前でセリーナはソニアの手をとり、引き剥がす――そしてそのまま】
【洗面台に顔をつっこみ、冷水を凄まじい勢いで流しだす――ぶはぁっ!と十数秒後にびしょ濡れの顔をセリーナはあげて】

(――冷却完了。お風呂は――・・・気合で乗り切れ!)

【もはや抵抗する事も出来ない――お風呂には一緒に入るしかないだろう。】
【たじたじになったセリーナは言葉を発することなく、ベストを脱ぎ捨て、シャツのボタンを外し――】
【締まった腰元のライン、痛々しく残る背中の銃痕、切り傷――豊満なバストを曝け出し】
【――生まれたままの姿になって、シャワールームへと入っていく。】

お部屋の件、了解したよ。
寂しかったらいつでもおいで、アタシの部屋は1号室だから。
SVDの手入れがしたかったら、武器庫に行って見るとなにかいいことがあるかも、ね。なーんて。
まあでも今は――

背中、流すよ。にひひ。

【勤めて、冷静に。いつものセリーナらしく、飄々としている事を心がけ。】
【そんな中でも、いつでも部屋に来てくれ、という言葉はきちんと残して】
【彼女はシャワーノズルを手に取り、貴女の背中にかけ始める――】

【――男子禁制。まあ、覗くような男などいないが――。夜は更けていく。セリーナを悶々とさせながら――。】

【ふと、セリーナは思う。】
【仲間が次々と増えていく――大切なものが増えていく。】
【きっと、それはとても良いことだし、心強い味方が増えるのはセリーナにとって安心できる事でもあったが】
【――同時に、絶対に失えない宝を抱え続ける事でもあった。】
【――負けられない。と。】

【―――ラッシュ・ワンスドッグからの"花"を思い出し――セリーナはそう、呟いた。】
【大きな事件がおきる。明日。】
【――世界はセリーナを、UNITED TRIGGERを待ってはくれない・・・】


/こんなところでしょうか、おつかれさまでしたー!
614 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/02(土) 02:54:47.47 ID:XMaQXj4Q0
>>599(続き)

それじゃあお休みなさい、ヨハン――――……今夜のいろんな約束、楽しみにしてるわ。
………次は、一体どうなるのかしら?

【……押すか/押されるかだとか、一緒に泊まる約束だとか……今夜交わした幾つもの言葉を、思い返す様に口を開いて。】
【―――――「ありがとう」。】
【最後にそんな言葉を残しながら、きっと少女は立ち去るのだろう。】

【自分にとっては最高の夜で、それは、彼女が相手だから、という事も本当に大きくて――――】
【だから、“一緒に過ごせて良かった”。】
【勿論それだけじゃないけれど――――……本当に今夜は楽しかった。】

【そんな想いを籠めた言葉が、彼女に、ヨハンに届くのかもしれない。微笑む様な響きを残して。】

/二日間、遅くまで本当にありがとうございました! お疲れ様でしたー!
/レスが遅すぎてすみません、コレは改善が必要でしょうね……っ。
/攻め込んだりやられたり、バレンタインチョコを貰ったり……本当にいろいろと楽しかったです!ありがとうございましたー!
615 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/02(土) 03:01:00.30 ID:fL0w3273o
>>613

【とくとくと流れ込む貴女の体温、確かめたならそれは確かな音律ともなる】
【彼女の身体をあっためるだけじゃなくて、その先の色んなことをも考えさせるのだろう】
【目の前で二転三転する貴女の動きに、クスリと笑みを零した】


――――……うん……!!


【落ちる着物、中から零れ落ちる彼女の身体は、誰にも淘汰さりえない処女雪のよう】
【指先に残った名残雪の破片が、その結晶を容易く掻き消さない霙の形に推し止めるみたいに】
【透明にして繊細優美にして華麗、生じる素肌は、紡がれたままの絹糸のよう】

【貴女へと任せる彼女の身体、指先から髪の先まで、その全てを貴女にゆだねるのだろう】
【ゆりかごの中で拘泥する熱さましの風、吹き上がる旋風に、その身を揺らしながら】
【果てる溶ける、或いは零れる、いくつもの思いを重ねていた】


/お疲れ様でしたー!
616 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/02(土) 03:13:15.81 ID:Vts/U2t/o
>>607

【思案する、今聞かされた名前に聞き覚えは―――ある、以前に聞いた名前だ】
【一体どこで知った名前だ?その本人に会ったのはまぎれもなく今日、なのになぜ自分は彼の事を知らなかった?】


マーシャル・T・ロウ……やはり、その名前どこかで……―――ああ!思い出しました!
貴方あの2年前のチラシの……!blue justiceの方デスヨー!
面識がないのになぜか印象に残っていたはずデスヨー……ええ、その……思いだしましたデスヨー

――ええ、その、当時ノビタさんたちが珍しく滅茶苦茶怒っていたのを思い出したのデスヨー


【非常に言い辛そうだった……ジャンクちゃんは全て思い出したのだろう】
【そしてその後の言葉が詰まる理由も……次の言葉が詰まるほどに、両者のファーストコンタクトが良い物でなかった事も】
【同じ正義組織でなぜこうも仲が悪いのだ、と当時はjusticeコンビの二人も愚痴を溢していた事をジャンクちゃんも覚えていた】

【ジャンクちゃんはしばらく、マーシャル・T・ロウと名乗った男の古傷を至近距離でじっと見ていた】
【かなり痛々しく、そして深く残っていた手術跡、彼に傷を負わせたのは……カーネル?カーネル・フェンダンスの事か?】
【やはり実際に前線に出ていた当時の彼だ……だがこの傷の深さでは、おそらく運動機能にも支障が出ていたのではないか?】


――これは、なるほど相当に深い……リハビリ込みで動けるようになるのに1年半もかかるなんて相当デスヨー……

≪R.I.P.≫のカーネル・フェンダンスの事デスヨー?ワタシもあの組織は覚えています
"WILD"とワタシが会ったのはあの伝説のチャンピオン『ウェルダス』と、オネェ系の『ベリアルローズ』
そして『ヴュネルド・ダーンヒュライン』……ワタシたちもかつてあの組織とは結構な関わり方をしましたので……


【だがそれ以上に気になったことがある……す、とその場から立ち上がる――そして後ろを向いて辺りを見回した】
【目線の先はまず何発もの銃弾で穴の開いた木、続いて先ほどちらりと見た、氷の弾丸が命中し氷結した攻撃跡】
【そしてジャンクちゃんは最後に足元を見た、足元にあるのは、何度も跳弾してやや欠けた小石と、その最中に柔らかい地面に付いたロウの足跡】

【――傷を見れば納得が行くほどに足跡は妙に少ない、だがそれとは裏腹に弾丸が木に飛び込んできた軌道が動き回って撃ったように不規則であることに気が付く】
【同時に小石が必要以上に欠けているのは……これに跳弾させてこの木目がけて精密に発射したと言うのか?】
【拳銃で的を射る、この技術に関しては自分のよく知るあの青年以上の物で間違いないだろう――すさまじいがそれ以上に気になった事、それを彼女は問う】


マーシャルさん、この射撃の訓練場の様子……やけに少ない足跡から察しましたが
やはりその足、機動力が落ちているとお見受けします……だがこの小石の欠け方と木への複数の不規則な弾道で貫かれた木
機動力が欠けているのを貴方の技術で補った後があるのデスヨー

……ですがそれ以上に気になったのは、そもそもに置いて射撃場を避けてまで自然の中で
より実戦的な訓練をつけようとしている所からある事にワタシは気が付きました


――――再び戦う意思があるという事デスヨー?その足のハンデを負ってもなお、貴方は戦うつもり……そう考えていいのデスヨー?


【―――見逃してはいけない、ジャンクちゃんはそう悟った】
【この男、ずっと姿を見なかったのはリハビリで前線から退いていたからで間違いない、足跡が少ないことから機動力を失っているとみて間違いない】
【だがこのマーシャル・T・ロウは、それでもなおあの戦いの中へと飛び込む意志があると言うのか?彼女は今問わなければならない、そう悟る】
617 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/02(土) 03:14:03.08 ID:sSzKMdYp0
>>610

(捉えた!!)

 手刀は確かな手応えを以て順風をニヤリとさせた。
 振り抜いた手刀は骨を砕き、それでもなお勢いを持って肋骨へと直撃する。

「ああそうかい、そうかい! じゃあそのまま勝ち誇っていろクソビッチ!!
 負ければ悪だ? 上等じゃボケ! じゃあテメェは今この場で惨めで無様で最高に格好悪い"悪"に引きずり降ろしてやるよ!!」

 相手の攻撃を視認すると、順風は大きく口角を吊り上げた。

「ヒャハハハハハ! 遅ぇ、遅ぇ!! 俺はその程度の"避けられない"なんて簡単に避けられるんだよぉ!!」

 余裕の反応で回避しようとするが、
 突如順風は手を上げて鳥を掴んだ。

 一瞬だけ。
 しかし確実に。

「これ以上・・・」

 順風は能力と卵を超越してみせた。
 鳥を睨みつけると。
 息の上がった、しかし地の底から響くような声で凄んで見せた。

「これ以上俺に恥じかかせるんじゃねぇよ・・・! こんな無様な勝利、俺はいらな――

 鈍い音が響き、朔夜の右フックが順風の顎を捉えた。
 順風は目を白に反転させると、意識を失い、膝から崩れ落ちた。

 右手に握られていたアートマンは、しばらく暴れる様に翼をばたつかせていたが。
 順風が倒れると煙の様に消え失せた。


 順風はまたも能力者相手に敗北した。

 だがそれは勝利以上に、得る物がある敗北だったのかもしれない。


/三日間お疲れ様でした! & ありがとうございましたー!
618 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/02/02(土) 03:43:07.61 ID:Bkruwzi1o
>>616

―――……そう、今は亡き青義同盟のリーダーだった男さ
ま、過去の話はこれくらいにしてくれや……組織が無くなった理由も、その傷のせいだよ

【右足首に一本入った太い線を険しい表情で見つめて、自嘲的な笑いを浮かべた】
【仲間を失い、力を失い、時間を失い、自信を失った。おまけに仕事まで失う羽目だ。―――この傷が、彼から多くの物を奪ってしまったのだ】
【得るものもあった。長い時間が、自分を見つめ直してくれた。それでも、失ったものは多すぎた】

……その≪R.I.P.≫も、何時の間にか消え失せてさ。 ―――いや、悪が滅びることは良い事だぜ?
けどよ……俺だけ時間の流れに取り残されているような気がしたんだ。

【彼を停滞させるきっかけとなったカーネルはもう既にいない。リベンジを果たそうとも、其れは不可能な話】
【病院から出た時の世界は、既に彼が知っている世界とは全く別のモノだったのだ】

おっ、足跡から見抜くとは ジャンクちゃんできるな……。 ま、その傷みりゃ察してくれるとは思うがよ、もう満足に走れねぇんだわ
ガンマンが走れねぇんだぜ? 距離を開けれないガンマンなんて初めて聞くだろ? ……でも、やるしかねぇんだよ。 やらざるを得ないんだよ

―――-俺は、護られる側の人間では居られないんでね……!! 

【戦う意志は、紺碧の瞳に灯っている。 「もう、護られるのは御免だ」と】
【連続して起こるカノッサのテロにも、何も出来ない自分が。悪が好き勝手しているのに、指を咥えて見ることしか出来ない自分が―――無力な自分が】
【……嫌で嫌で、堪らないのだ。元々あの組織を立てたのも、行き過ぎた正義感からだ。悪を滅ぼし、人を護りたいという想いは人一倍強い故に】

ハンデを背負おうとも、この躰が朽ちようとも……俺は護る側に居続ける。 俺は誰かを護っていたい……!!

【傷だらけの躰で、マーシャル・T・ロウは再度立ち上がったのだ】

 
619 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/02(土) 04:00:14.49 ID:PYaQt4As0
【やっと触れた。何て言葉】
【三度目の正直。初めて会った時と、その次と――――そして今】
【添えた指をグリグリと優しく動かして、固かった少女の名残を楽しむのだろう】
【――――その指が離された頃、睨まれても何処吹く風で】
【さっきのお返し。言葉には出さない。しかし、その表情は明らかにその事を述べている様】
【「やっぱり柊はそうじゃなくちゃね」 ただ、言葉として表すのはそれだけで】


「……っと。そっか。それなら良かった
ただ、まぁ……ボクもずっとこうしていられたら嬉しいけどさ
柊の顔、真っ赤っかで目立っちゃうよ」

【――――団長。翁の面を付けた女の真似事じゃなくて、自分の言葉】
【苦笑とも微笑みとも取れるその表情も、直ぐに安らいだ様な表情になって】
【目を瞑れば、自分の手もその腕の上に重ねるのだろう】
【抱きしめられる温もり。更に広い面積で味わおうとでもするかの様に】
【少女が紡いだ言葉。慣れないことをした故に言葉も辿々しくて】
【新鮮――――ともまた違うだろうか。表しがたい感情】


「最初の方は確かにボクの劣勢だったかもしれないけど……
ふふ、何だか今は柊が自爆しちゃったみたいに思っちゃうな
――――でも、柊が攻める事が出来るのは今日までだからね
今度からはずっと防戦一方にしちゃうからさ」

【少女の硬直が解けるまで、ずっとそのままの体勢で居たのだろう】
【余裕の現れ。朱に染まる少女の顔を観察する娘の顔も、何処か上気していて】
【引き分けなのか、柊の勝利なのか――――それはきっと、個々が心の内でこっそりと答えを出すのだろう】
【今は余計な事を考えず、ただその温もりを楽しむだけに時間を費やして】


【少女の硬直が解けた頃、ゆっくりと自身も離れていって】

「ボクは予定なんてあんまり立てないからー……その時にならなきゃ、多分分からないんじゃないかな
だから、それまで元気でね。柊」

【思い返せば、とても新鮮な夜で】
【初めて会った時と大分変わったかな。言葉にすれば、もしかしたら否定するのかもしれない。だから――――心の中で笑って】
【少女に抱きしめて貰った名残を感じながら見送って、やがては自分も商店街の方向へと脚を向けるのだろう】


「団長はお豆腐と……みつきは油揚げでいいのかな?」

【恥ずかしがったり、今夜は本当に色々とあったけれど、決してどれも嫌な事では無く】
【亜人の象徴――――毛並みの良い尻尾をゆらゆらと揺らしながら、この少女も闇の中へと紛れていくのだろう】

/こちらこそ本当に有り難う御座いました!
/何分、初めてな感じのロールでしたので手探り状態で遅くなってしまって申し訳ないです……orz
/こういうロールって難しい……!
/お付き合い頂けて本当に感謝感謝です!こちらもとても楽しかったでありますよ!
/改めて有り難う御座いました!お休みなさいませー!
620 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/02/02(土) 04:26:20.87 ID:as2HNPy7o
>>617

言ってろ、直に吠え面かく羽目になる。

(……流石に不味い傷だな。能力を応急処置に回せば、当座はあれ≠ニ右手一本で凌げるか?)
(いや、それでもこの身体能力の相手は……厳しいか。あの速さに目が慣れても、この有り様じゃ身体が追い付かない)

【身体を捻って受け流しても尚、損傷は甚大だ。骨が軋む厭な感触が、腹の底に響く】
【あまりの痛みに、感覚は半ば麻痺していた。出血も酷く、先程から視界は不安定に揺れ続けている】
【相手の反応も、思っていたより大分速い。放った拳が避けられる事を視野に入れて、改めて策を──】

【練り直そうとした、瞬間。拳に伝わる予想外の感触に、驚いたように目を見開く】
【鼓膜を震わす順風の声。その手に掴んだ、異形のアートマン。抑え込まれた、禍々しい卵≠フ魔力】
【そして、決着。──顎先を掠めるように打ち据えた拳が、脳を揺らして彼の意識を根こそぎに奪い去る】

【戦いが終わった。そう理解した瞬間、身体が急激に脱力した。それほどまでのダメージだったのか──順風同様、その場に崩れ落ちる女】

……あ、もしもし。急患二名。場所は目の前の公園です。受け入れは可能で?はい、……はい。っと。

しかし……やればできるじゃないか、順風。甘ちゃん≠ニ雑魚′トばわりは撤回するよ。
ついでに餓鬼≠チてのもな。お前は中々どうして、ガッツのある奴だ……うん。一端の男だと言っていい。

精々励めよ。能力者なんざどうでもいい、って言えるくらいに力を付ければ、お前の目に見える景色も大分変わってくる筈だ。
きっと面白いぞ。……強くなったらなったで、色々と辛い事もあるけれどさ。
そうしたら今度は、こんな馬鹿みたいな罵り合いじゃなくて、真っ当な真剣勝負をしよう。
卵≠フ邪魔も入らなければお互い能力を使う事もない、正真正銘の真剣勝負をだ。
……まあ、今言っても聞こえてないだろうけどさ。

【すぐに懐から携帯端末を取り出して、掛けるのはすぐ近くの病院。お迎えがやって来るのも、そう遠くはない】
【卵≠ノ抗って見せた強い意志への賞賛の意を露に、倒れ伏す順風に一言二言非礼を詫びて】
【終には満足そうな笑みを浮かべたまま、意識を手放してその場に伏した。──全く、傍迷惑な奴である】

//お疲れさまでした、ありがとうございました!
//長時間拘束してしまうやらPCの暴言が酷いやらで、本当に申し訳ありません……もういっそ土下座の体勢で眠りに付きたい勢いです。永久に。
//それでは、おやすみなさいまし
621 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/02(土) 04:54:07.71 ID:1v/tQ84go
>>618

【――目を閉じて、しばらくロウの言葉をずっと聞いていた、聞かなければならなかった】
【白状すれば、当時自分だって聞かされた時は彼に対して怒りを感じた物だった……】
【彼女たちは技術提供者として長い事justiceのサポートを行っていた、ゆえに彼らがどういった戦いをしてきたかを知っていた】

【かつて感じたのはまぎれもなく『怒り』だ――だが同時にこうして話してジャンクちゃんは確信する】
【仲違いしたこともあった、彼らが現れたとき戦場の外で何度も衝突した――だがそれでも、彼の抱いている想いは本物だ】
【護られる立場でいる事の苦しみを吐露した、目の前で起きている悪を己の鍛えた技で戦うことが出来ない自分を責めた彼の気持ちは】
【理不尽に屈したくない、悪と戦いたい正義の気持ちは本物だと気が付いてしまった】

【――だからこそジャンクちゃんはしばらくしてから目を開き、その男に対してまっすぐ視線を向けながら言った】


―――マーシャルさん、一つだけ……justiceの方々のためにもどうしてもこれだけは
貴方に言わなければなりません……かつて織守さんに付いて行き、戦う事を誓った
justiceの人たちが特に貴方のやった事の何に対して怒っていたか、それだけはお伝えさせていただきますデスヨー

貴方はかつてあのポスターで確かに掲げましたね?青義同盟は『不殺』の組織だと
『justiceのように即、悪を排除すると判断してしまう』よりも、更正させたい、戦って殺さずに済ませたい
甘いとわかっててもても、それでも一人でも多くの人の命を救いたい、と貴方は言ったはずデスヨー


【ですが、とここでジャンクちゃんは言葉を切る】
【彼女が伝えたい意志はなんなのか?その次の言葉にあるのか】


ええ、例えば……そう、貴方と同じガンマンで揃えるとして、ノビタさんを例に上げるならば

かつて彼も拳銃を主力の武器に使用していましたが、彼が両の拳銃にいつも込めていたのは、大会などの競技用や
後、今の時代では自警団でも正式に使用が認められるようにもなった、人体を貫かない制圧用のゴム弾や
当たったと同時に電気ショックで相手をしびれさせる弾丸など、常に極力人を死なせない配慮をしていましたデスヨー

ドラさんなどはどんな戦場でも強化外装に徒手空拳を好んでいましたし、ネル・ナハト時代から末期までの記録を
見返しても当時の所属メンバーたちは皆、ほとんどが再起不能で留め、戦闘の際に死なせてしまったのは
それこそ、更正不可能でなおかつここで仕留めなければ自分はおろか背後の仲間や一般人に危害が及ぶのは
間違いない、何が何でもここで討たなければならないと判断した者たちだけデスヨー……『貴方達と同じ』ようにね


【もう、ここで何が言いたいのか分かるかもしれない】
【ジャンクちゃんは何を言いたがっているのか、かつてのjusticeたちはどうして彼らに怒りを覚えていたのか】

/マジで遅れてすいません!続きあります
622 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/02(土) 04:56:45.99 ID:1v/tQ84go
>>621続き

【言葉を切って、しばらくジャンクちゃんは言葉を口にしなかった】
【相手に時間をある程度与えてから、あの日からどうしても伝えたかった結論を言う】


貴方はもうすでに、言わなくてもずっと前に気が付いてしまっているのかもしれない、ですが言います
あの時から気持ちは皆、同じだったんデスヨー、マーシャルさん、justiceの方々も同じだったのデスヨー

ただただ暴力を振るって排除するよりも、生かして倒し今後の更正を願う事ができればそれが一番いいとみんな思っていました
でも敵は強かった、だが殺してでも止めなければならない敵ばかりだった、ここで相手を[ピーーー]事を迷ってしまえば
死ぬのは仲間と守るべき人々だという現実が目の前にあった、だから、殺害数も目立ってしまったかもしれない……

それでもワタシはずっと傍で見て来ましたから知ってます……あの人たちも皆、貴方と同じ願いを持っていたデスヨー
ええそうデスヨー、貴方達とjusticeは、あの日からずっと!同じ願いを胸に抱いた『仲間同士』だったデスヨー!


ですがポスターに書いた言葉を信じるならば、貴方は皆を信じてくれなかった。
『自分たちもお前と同じだ、どうして自分たちを信じてくれなかった?』――そう思っていた、だから怒っていたのデスヨー!
どうか、その事だけは知っていてください、それだけは、伝えさせてくださいデスヨー


【同じ願いを持った仲間同士だった、肩を並べて戦えるはずだった】
【だが味方であるはずのその者たちは皆、自分たちが悪を好き好んで討っていると言った】
【自分たちだってそれを願っている、なぜ信じてくれない、それが皆の気持ちだったとジャンクちゃんは言う】

【とどのつまり、かつての不仲は『不理解』が招いた出来事だった、理解し合えば自分たちは戦って行けるのだと】
【彼女はその事だけはわかってほしい、とロウに言った】


―――そして分かりあえたならば、ワタシたちには先があります……貴方には意志がある!戦う意思がッ!
ならばこれからは同じ願いを胸に肩を並べて貴方と共に戦って行くことは出来るはずだ、と思うのデスヨー
――マーシャルさんの足のことだって、案外ちょっと強引な手段を使えば、どうにかできないとも限らないと思いますしデスヨー


【そしてその後にジャンクちゃんが告げたのは、戦う意思を見せたロウに対して彼女はその意志を支持すると言った】
【しかも……『足だってどうにかできない事もない』と聞き捨てならない事も口走った……?】
623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/02/02(土) 05:09:11.16 ID:Bkruwzi1o
>>622
/すみません、明日のお昼以降にでも返信しておきますので明日かあさっての夜にでも……
624 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/02(土) 05:16:24.93 ID:1v/tQ84go
>>623
/ではお昼以降に!おやすみなさいです……
625 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/02(土) 13:42:47.07 ID:qLgv2fwzo
【夜の国――漆黒の館】

【清々しい目覚めからは遠くかけ離れた、床も天井も壁も家具も真っ黒色の一室】
【窓から見える世界も夜色で、浮かぶ月は永遠に待っても太陽にバトンを渡さない】
【時計だけが律儀に昼過ぎを告げている室内、二人用よりやや大きな寝台が小さく軋む音を立てて、】
【そうして男がのそりと半身を起き上がらせれば、遅れてばさりと紅茶色が黒い寝具の上に散らばった】

……鈴音、起きているかい

【見遣る先は隣で膨らむ掛布、恐らくそこにいる相手は静かな寝息を立てているのだろうか】
【もし此方を抱きしめる形で眠っていたのなら、腕をそっと外す際に気が付けたかも知れない】
【起こそうと声を掛ける際の表情、或いは腕をそっと外す際の表情】
【どちらであっても、愛しさ混じりのすまなそうな顔だけは変わらない】

/予約で御座います
626 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/02/02(土) 14:13:57.82 ID:Bkruwzi1o
>>621

【テーピングを再度右足首に巻きながらも、男は無言で彼女の話に耳を傾けていた】
【―――自分は勘違いをしていた。そのことに気が付いたのは、いつからだっただろうか】

【あのポスターを公衆に晒してから、justiceや対機関連合のメンバーと話す機会が何回かあった。皆、芯の通った人物だった】
【其の度に抱いていた感情。其れは「自分が否定、批判したいのは、コイツ等じゃない」というモノで】
【彼ら全体にレッテルと貼りつけた自分が浅かったのだ、と今でも猛省する。―――しかし辿ってみると、何故彼らを『即、悪を排除する組織』とみなしたのだろうか】

【……彼女が作ってくれた束の間の静寂に感謝しながら、思い出したくもない過去を伝っていくと、一人の人物の姿が見えた】

―――思い出した。……ミストドラゴンだ。 アイツの正義が、其れだったんだ……
そこからjusticeを、対機関連合を決めつけて……

【彼と相反した正義を持つ人物―――ミストドラゴン。 ラインヴァイスに所属する彼は、対機関連合ともjusticeとも深い関係にある筈だ】
【その彼と出会ってしまい、口論にまでなった。……そこから、彼の『不理解』が始まったのだ。其れが、組織を生む原因にもなったのだから】

―――そうだよな。正義を望む者の殆どは……誰もが最初俺のような感情を抱いた筈だ。……『殺さずに、何とかしたい』ってな
其れを忘れて、勘違いしてさ……俺は奴等を馬鹿にした。 ―――怒る理由も、解るぜ

【巻き終わるとロウは、ソフト帽の鍔を少し下げて俯く。紺碧の双眸が陰に隠れる。―――若さ故の、行動だったのだろうか。浅い理解で相手の本質を知らずに批判した、当時の自分は】
【勘違いのお騒がせ野郎に振り回された人々への申し訳ない気持ちが、溢れんばかりに募った】

―――おう。 未だに『蒼い思想』は健在だ……!! その信念を護って、人も護る。 ……俺も、セリーナの組織に入ってみようかと思っているんだ

【そうだ、自分には戦う意志がある。過去の過ちに消沈したり、右足首の傷に悩んでいる暇は―――いや】
【……今、このメイドは何と言ったのだろうか。 脚が―――あのカーネルにつけられた傷が、なんとか、なるだって?】

……どうにかできないとも―――限らない? おい、其れはどういう事だ? その強引な手段で、治せなくも無い……ってか?

【瞳を隠していたソフト帽を、ぱっと取って。眼を見開きながら、彼女の方に顔を向ける。 焦げ茶の髪の毛が、冷たい風に靡いて揺れる】
【一瞬、傷に眼が行く。―――もしかして、コレが治る手立てがあるのか? 淡い期待は、少なからず心の中にあった】
627 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/02(土) 14:25:34.24 ID:UB1Tgjt40
>>625

【月ばっかりが照らす大地と、黒ばっかりが犇く室内と、】
【幸せと暖かさをいっぱい詰め込んだようなお布団の中、或いは彼の腕の中】
【離さないように、失くさないように、見失わないように、ぎゅっと抱きしめたまま、なんてことのない夢を見ていた】

【――来たばかりの頃。夢に独りに過去に怯えて毎夜のように泣いていたことを思えば、きっとずっとの進歩、なのだ】
【(何が問題って、泣かなくなった変わりにびっくりするぐらい甘えるようになったことだけれど)】

【――抱きしめた腕の中。だいすきなひとが起き上がる気配があって、かつては起きたって、今はもう起きもしないのだから】
【ほんの僅かに覚醒しかけた意識が再び夢に沈みそうになった刹那。かけられる声が、外される腕が、やっと意識を覚醒に導いて、】

…………――、――――、

【それでも起き上がるまでには時間がかかる。いつも通りの、寝起きの悪さが、そこに】

【薄らと開けられたオッドアイ、眠気に何度だって瞬きを繰り返して、外された右手がぐしぐしと目を擦る】
【それだって放っておけば再び眠ってしまいそうな――あふとあくびを一つ洩らして、】

……なぁ、に、……――、

【紡ぐ声はきっとふらりふら揺れていて、いつもよりずっと曖昧なトーンで響く】
【いつものよう、首を僅かに傾げれば。ざりと髪の擦れる音がして――右手を再びそちらへ伸ばすのだろう】
【意味なんて特に考えない。何もなかったなら弱く彼の服を握る、その程度】

【――縛りもせず好き勝手にぶちまけられた長たらしい黒髪。寝台に零して溢れさせて、或いはそちらが本体のように見えた、なんて。余談】
628 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/02(土) 14:42:13.34 ID:qLgv2fwzo
>>627

【眠たげな様子も愛おしくて、微かに起こしてしまった罪悪感もありつつ僅かに目を細める】
【伸ばされた手を拒むことなど勿論無く、黒衣の端を掴む感覚が甘えられているようで一層愛らしい】
【此方も伸ばした右手が、紫の爪先で艶やかな黒髪を一束掬い上げようとし】
【黒猫の尾にも似たそれを好き勝手に弄る薬指には、揃いの黒蛇の痣がくっきりと浮かび上がっていた】

……ふふ、本当に良く眠る子だね

【彼女とは正反対に酷くはっきりした意識、数刻前から目は覚めてはいたのだろう】
【問い掛けようか止めようか迷っていたのもあったし、何より可愛らしい寝顔をずっと見ていたくて】
【けれどどうしても、今胸中で蟠る感覚を一人で抱えてるのは苦しくて仕方がなかった】

キミがぼんやりしている内に聞いてみたくて、大したことでは無いけれど
…………鈴音に、「お友達」は沢山居るのかい?

【たっぷりの間があって漸く尋ねたのは、然程深刻味も無いような事柄】
【相手の意識が曖昧なうちにと言うことは記憶に残して欲しくないのか、不安定に指先が揺れた】
629 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/02(土) 14:48:42.30 ID:Vts/U2t/o
>>626


わかっていただけたなら何よりデスヨー、もしよければかつてのjusticeのメンバーと
和解していただければ助かります、と言っても当時のメンバーで消息が掴めているのは
公然猥褻罪でアルカトラズ刑務所に服役中のドラさんを除いては朔夜さんしかいませんけど……

セリーナさんがUTの客分としてワタシの『招待状』を受け取ったように、朔夜さんも城に織守さんたちが
戻るまでの間、justiceからの客分として共に戦ってくれるといっておりました、もしかしたらまた会いまみえるかもしれません


【一発殴られるかもしれませんが、とジャンクちゃんがその後に不穏な一言を付け足した物の】
【いずれにせよここを乗り越える事で、この男はまた立ち上がり正義と戦う勇猛な戦士となるはずだ】
【やはりここで言っておいてよかった、そうジャンクちゃんがいった後には】


うーん、セリーナさんの組織に入る予定なのですかデスヨー、ワタシは出来る事ならば
"WILD"の組織にスカウトしたかったのデスヨー、なにせまだ正規メンバーがほとんどいなくって……
『招待状』も先ほど上げた客分の二人以外には、来れるかどうかまだちょっとわからない二人組にしか渡せていないのデスヨー

マーシャルさんの足の事もあるし、できればワタシの招待状を受け取ってほしい、というのが正直な気持ちなのデスヨー


【そう言いながら彼女は右手でエプロンのポケットから白いカードを取り出して、左の下手をロウの足に向けながら】
【彼女はできればここで招待したい、と個人的な気持ちを明かす】
【そして肝心の彼の右足首の傷に対しての答えにジャンクちゃんはやや慌てながら】


あ、えーっとデスヨー?傷のせいで機動力が落ちているのを悩んでいらっしゃったようですが
その傷を克服して機動力を取り戻す方法を"WILD"なら多分いくらでも思いつけると思うのデスヨー
例えばワタシが今すぐに思いつくのは……その右足に『改造手術』を施すとか


【改造手術とはなかなかデンジャラスな響きだが、先ほどから聞いていると"WILD"とは技術者で間違いないらしい】
【正義の為に戦うのであれば、技術の提供は惜しまない、それは例えばセリーナの例ですでに証言している】
【もしどうしても、と言うのであればその右足に走る力を取り戻す事は可能かもしれない、と言う事である】
630 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/02(土) 14:57:12.06 ID:UB1Tgjt40
>>628

【黒衣の裾。きゅっと握って、安堵するように喜ぶように、僅かに眼を細めるのだろう】
【掬われる長髪はたとえ太陽に翳したって黒く透けるよう、どこまでも黒くって】
【きちんと手入れされているらしいそれ。こんなにも好き勝手にしているのに、きっとろくに絡んですらいないのだろう】
【――三つ編みなんて癖のつきやすい髪形。ずっとしていたってうねりすらしないのだから、それはもう】

…………、

【再び眠りに沈んでしまいそうな意識の中、その言葉を分かるまでに時間を要して、】
【けれど分かったならば。少しだけ拗ねたような目をするのだろう――「だめ?」なんて、尋ねるように】
【――だって、眠いから、お外はずっと夜だし――なんて、そんな言い訳は、心の中でだけ響いて消える】

……――おとも、だち、?
――……、……え、っと、……

【尋ねられた事柄。あまりに突飛で、眠気も相まって、さっきよりももっとずっと時間がかかる】
【彼が空けた間とあるいは同じぐらい。黙り込んでから、疑問系の響きを洩らして、】
【それでもじっと押し黙って――思い出すような、間を空けるのだろう】

――もうずっと、会ってない、けど――……。

【――たっぷり数十秒。やがて返すのは、一応肯定のような言葉】
【もう一年以上も会ってないひとばかり思い出して、――ほんの少し。寂しくなる】
【黒衣の裾から手を離して。叶うなら、その腰へ抱きつこうとするのだろう、その感情を誤魔化すかのように】
631 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/02(土) 15:15:28.17 ID:qLgv2fwzo
>>630

【不機嫌めいて拗ねる表情さえも愛おしくて、問い掛けのような視線に視線で返せないのが僅かに痛い】
【返答代わりに、髪を梳いていた右手がそのままそっと頭を撫でて、有耶無耶にしてしまおうと】
【彼女の良く好むそれは、する方だって心穏やかになる。ゆるゆると撫でる手はそのままにして】
【丁度距離を詰めたいと思った矢先に抱きつかれて、矢張り心で通じ合っているのだと自惚れた思考が巡った】
【空いた手を腰に回して、落ち着かせるよう軽くとんとんと背を叩いて、合わせられない目線が無意味に壁を伝い】

……そうか、それは寂しいだろうね
けれどずっと会わなくたって、本当の友というのは変わらず接してくれるものだから
不安に思うことは無いよ、その代わりに信じてあげなさい

【幼子を諭すような声色は低く生温く、あやすような手つきもそれそのもの】
【どれだけ愛おしいのか分からない。それは「娘」として?否、此れは明らかに――】

…………例えば、の話だけれど
友に「恨んでくれ」と言われたら。鈴音はそう出来るかい

【眠気に混ぜ込むには難しい問い掛け、けれどそれは少しずつ本題に近付きかけている】
【沈んだ不揃いな視線が、寝具の黒に交じり合う黒髪を曖昧に見つめて伏せられた】
632 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/02/02(土) 15:15:36.98 ID:Bkruwzi1o
>>629

―――あれだけいたjusticeも、2人か……というかドラってのは何してんだよ
まぁjusticeが復活してくれれば、調子づいたカノッサも止めてくれるかもな

【既に拳は双葉の重い一撃を受けている。……正直な所殴るまでは無いんじゃないかとは思うが】
【……あれほどの組織なら、ぽっと出の組織の戯言にカッとせずに、どっしりと受け止めるくらいの器量を―――いや、もう済んだ話は止めておこう】

―――いや、今の所俺が知ってて入れそうな正義組織が其処しかなかったからさ
……アンタの、「WILD」の正義を教えてくれないか? スカウトは、その後に聞こうや……足の事も気になるし

【まだ決めたわけではない。セリーナとも話をしていないし、ただチラシを見て勝手に男が思っているに過ぎない話だ】
【―――彼処なら、経歴は問われない。こんな過去と古傷と、青臭い思想を抱いていても受け入れてくれるのかもしれない、と】
【しかしジャンクちゃんがそんあ訳あり男をスカウトしてくれるのなら……納得できる「正義」なら。そちらにお世話になることもあるだろう】

【―――青臭い思想、『不殺』はあくまで彼の中の信念。 他人に押し付けることは無いが、決して自身は曲げない。その『不殺』が、脚を引っ張ることにもなりかねない】
【不殺は言うなれば、甘さ。それを解っていてもなお、スカウトをするのだろうか】

―――機動力だけじゃねぇ。 踏ん張れねぇし力も落ちる……銃の反動も右足首に染みる。 
……でも、その『WILD』なら、なんとかなるかも知れない……のか? 改造手術でも何でも良い。少しでも多くの人を護れるようになるのなら、何でも……

【右手に握られたソフト帽の鍔をギュッと握り締める。 ようやく動けるようになっても、スピードは当時の半分以下】
【急な動きには耐えられそうもない身体は、カノッサと戦うには心細すぎる。しかし、治るなら―――身体を機械にすることも、構わない】
633 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/02(土) 15:49:30.77 ID:UB1Tgjt40
>>631

【頭を撫でてくれるその手。自分のものよりもきっと大きくて、暖かくて――】
【優しくて、幸せで、嬉しくて。眠気のせいもあるのだろうか、心はいつもよりずっと蕩けてしまいそうで】

【――こんなに、しあわせで、いいの?】

【思考のどこか。ふとそんな思考が過ぎって、けれど、そう思う意味すら分からない】
【“誰も信じちゃ駄目なのに”――誰かがそっと、囁いた気がした】

会えたら、いいな――……。

【誰とも会わなかったのは、自分のせい――路地裏の暗がりに紛れて、誰とも、視線すら交わさなかった空白期間】
【世界に彩なんてなくて、なにもかもが黒白で、この鳥篭の世界を、足枷の境遇を怨んで呪って祟ったのに】
【どうしてそんなことになったのか、そうしていたのか、――思い出せないのだから、おかしな話】

【抱きしめた腰に、まるで猫のするよう。こつと頭を当てて、そう呟くのだろう】
【視線はかつてを視るようなもの。少なくともその刹那、彼女はこんなに近い彼のことを、見ていなかった】

……――、

【はじめと比べればだいぶ覚醒した意識。それでも、すぐに飲み込むには遠くって、】
【結局また黙りこむような間を横たえるのだろう、或いはぼーっとしたような、空白を】

――おともだちと喧嘩、したの?

【途切れて眠たげに揺れる瞳を持ち上げれば、彼の首の辺りで視線を止める、のだろう】
【――あの日。聞かされてからはそれなりに“こう”だ】
【彼に気を使わせないようにと逸らす視線――けれど、隙を見てはその瞳を、交わさぬように見つめていた】

【喧嘩。思い浮かぶのは、女ぽい少年と何度かしたそれだったけれど】
【果たしてあれは喧嘩と呼べたのだろうか。最終的に殺めてまでしまったのに】
【だって、そうしないと**が殺されるから、そんなの絶対、いやだから――】

【――――**って、だれだっけ?】
【(確かにそこに誰か、関わっていたはずなのに、)】

【――――まるで白昼夢のよう、刹那にすら満たない思考の断片、】
【ほんの一瞬、抱きしめる腕に力が篭る――甘えているだけにも見えるそれは、違和感にしても程遠い】
【だって、思い返そうとしたって出来ないのだから。彼の施したフィルターがなければこの幸せだって、恐怖でしかない】
634 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/02(土) 16:02:55.24 ID:qLgv2fwzo
>>633

…………したかも、知れない

【曖昧なのはそも友だったのかと不安げに彷徨う感情ゆえか、声が僅かに掠れた】
【あの時一発殴ってやれば良かったと思うのは、きっとそうすればその場で解消できたような気がしたからだ】
【そうすればこんな、蛇行していようと続くはずだった道が永遠に絶たれたような事にはならなかったように思えて】

……正しく怒れないというのは、何よりも重い罪だ
つまり偽っていると言う事なのだから。誠実じゃないのだろう
思うに任せて怒鳴りつけたり、そんな事が出来てしまえば良いのだけどね

【相手が目の前の彼女だからこそ溢れる言葉だろう、懺悔めいたそれは少し不明瞭ではあるが】
【眠気を誘ってしまいそうな内容、相手の背を規則的にとんとん揺する手も、それに拍車を掛けている様だ】
【此処まで語ってまた途切れた言葉、間の長さはまた言おうか言わまいか迷うような、そんな色合いだった】
635 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/02(土) 16:22:48.95 ID:Vts/U2t/o
>>632

【ロウの問いに対しては、ジャンクちゃんも大真面目に答えようと少し時間を置いた、そして】


―――"WILD"が求めるのは、立ち向かう"勇気"を持つ者である事……
そのための強さを得たいと"飢え"ている者である事……後は、ほんの少々"遊び心"があると望ましい、との事デスヨー
経歴はUT同様に問わない、誰かの助けになれれば、という心とそのために困難に立ち向かう心があればいい

―――最悪、能力者でなくても一向に構わない、戦う意思がそれでも折れないならば、とすら言っているのデスヨー


【この"WILD"の組織も経歴不問、脛に傷があろうと構わないとまで言っているが、それ以上に無能力者ですら構わないとまで言う】
【理由はおそらく彼自身がこのジャンクちゃんを従えているように、能力者と戦う為の術は自分の手で作り上げる事ができるという事だろう】

敵は強いデスヨー、だがそんな力を悪の者たちは容赦なく無力な者たちに振り下ろしてくるのデスヨー
無力な者たちは皆、一生能力者に勝つことは出来ないと絶望している者たちばかり、"WILD"がその名前を名乗る前
ワタシと二人で旅をしていた頃、これまでいろんな方がそう言っているのを見て来ました

――ですがそれは、心の弱さが見せたまやかしデスヨー、『力なんてクソガキでも手に入れられる、ナイフでも銃でもミサイルでも』と
言ったのは誰だったでしょうか……でもそれは事実。幸せな未来を作り上げたいと言う"欲望"があるのならば
そのためであれば困難にだって立ち向かう"勇気"があるのならば人はどんな試練だって乗り越えていける

――そして、あんな強い相手になど敵わない、その弱さにさえ勝ってしまえば、自分たちは決して無力ではないと皆気付くことが出来ます
護られるだけではない、能力がない身でも、ハンデを背負っていても、能力者と戦う事ができる、護られる事しかできない無力な人間のままで居続ける必要はない
自分たちもまた、前線で戦って来たあの戦士たちの力として前に進むことが出来るのだ、という"希望"を持つ事が出来る

―――そして"遊び心"があれば、治安が悪く、悪の組織に怯え続けてばかりだったこの世界でも
面白おかしく、愉快な平穏な、でもかけがえのない日常へと変える事ができるのデスヨー、戦い、戦いと辛いことばかりだと
人ってどうしても心が苦しみで壊れてしまいますから、そんな戦いの中でも心に活力を取り戻すべく、遊び心がある奴だととてもいいと言ってました

【ただ守られ続けるだけの存在だった力のない一般の人間も、安心して暮らせる楽しい日々をために前に進む"希望"を持てるように】
【その"希望"を振りまくために"遊び心"を持って人々を鼓舞し、活力を与える者たちである事を望む】
【そして、それを叶えるためであればどんな困難も飲み干して立ち向かう"勇気"と気高き"飢え"を持つ者であり続ける、それが"WILD"の正義なのだそうだ】

【気分屋で悪戯好き、混沌寄りなアライメント、でも周りの皆でそんな楽しい人生を送る世界にするために戦う決意をした男、"WILD"】
【はたしてロウのお眼鏡にかかっただろうか?それはロウ次第であるが】


まあ、それでもセリーナさんの方に行く、と決めたとしても、先ほど"WILD"の技術を提供した、と言った通り
どちらの道を行くとしても貴方は"W-Phone"を手にする定め、柄はタロットの小アルカナの4パターンになってますので
今のうちに『ソード』『ワンド』『カップ』『コイン』のどの柄を選ぶか決めて置いて損はないと思いますデスヨー

力が欠けた者でも再び立ち上がれるよう力を貸すのもまた"WILD"の正義デスヨー
貴方が望むのであれば、必ずや。"WILD"は人間サイクロンのような人間ですが、その腕は確かなのデスヨー

【必ず、と、ジャンクちゃんは、あの男を最も信用する"相棒"として、その男なら必ずやってみせると断言した】
636 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/02(土) 16:40:30.14 ID:UB1Tgjt40
>>634

……そう、

【小さく洩らすのはただの相槌、首を傾げるようにすると、結局お布団が邪魔をして出来ないけれど】
【ざりとまた髪が鳴って、ふと起きようかなんて思うけれど――背中を優しく叩いてくれるのが、抱きしめた暖かさが、手放しがたくって】
【同時に思うのは、その両手。優しく抱き上げて、抱きしめて欲しい――なんて。その暖かさで全部包んで欲しいだなんて、――我侭、だろうか】

【いまだ七つの自分より、ずっと年上な彼なのだから。下らないことを言ってしまうのも気が引けて、だから】
【じっと静かにして、その言葉を聞いているのだろう。違う色の一対がじぃと彼を見上げたまま、】

……――怒るのと怒鳴るの、……たぶん、違うんだと、思うの、

【――ぽつり、そのうちに零すのは、ともすれば聞き逃してしまいそうな小さな声】
【僅かに顰めた眉、視線が彼から逸れて――】

私たちのこと、たくさん怒鳴ったあのひとたちは、
……私たちのことなんか、見てなかった、もの、

【――思い出すのは過去のこと。外から鍵のかかった薄暗い部屋】
【聞こえてくるのは怒鳴り散らす罵倒と罵声ばかりだった、こわいところ】

【他人の怒りの感情が怖い。怒鳴りたてる声が怖い。或いは、暮らしてきた中で気づくこともあったかもしれないけれど】
【ぽつぽつと言葉を漏らしたくせ、そのうちに視線は寝台まで落ちて、】

……――わかんない。

【思考がよく纏まらなかったらしい、ちいさく首を振った】

637 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/02/02(土) 17:00:45.08 ID:Bkruwzi1o
>>635

―――……話を聞く限りは、文句なしだ。 
でもまだ、決めることは出来ねぇな―――その本人に、『WILD』に……会ってからだ

【好印象ではあるが、百聞は一見に如かずと言うように、決断を下すのは本人に会ってから。―――強い意志は、身体から滲み出るモノだ】
【故に其れを感じることで、話を聞くことよりも深い理解を得られる筈だ。……お互いに】

……"W-Phone"? なんだそりゃ。でもその4つなら、『ソード』一択だな
―――小アルカナの56枚のタロットの中で、ソードのキング……つまりスペードのキングが示すは『正義』。
……俺にピッタリだ。

脚の方も、きっとお世話になる。―――可能性があるなら、やるぜ
完全回復は、厳しいだろうが……少しでも当時のスピードまで近づければ、嬉しい限りだ……ん?

【木々の隙間から、光が射してきた。―――すっかり夜も明けてしまい、太陽が顔を出し始めてきた様で】
【ロウはソフト帽を被り、眩しい光を遮る。彼にとっては、其れが始まりの朝日だったのかもしれない】

―――いいのかジャンクちゃん? もう大分経ってるぜ? 俺は現在無職生活満喫中だから問題ねーけどよ

【眩しそうに光の射す方を眺めながら、彼女を心配するように話しかけた。賞金稼ぎの仕事を引退した彼には、時間の経過などどうでも良いのだが】
【―――彼女はそういう訳にはいかないのでは、と思って】
638 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/02(土) 17:10:57.77 ID:qLgv2fwzo
>>636

…………

【声のトーンが下がったように思えて、まだ眠いのだろうかなんて何処か抜けた思考をするけれど】
【ようやく思い当たったこと、彼女の恐れるそれを引き合いに出してしまったのは酷い失策だった】
【どちらも自分は決してやらない事なのだけれど、と言葉を駆使して伝えたところで、足りない気がするから】
【だから横たわる躰を引き寄せたのは、きっと偶然なんかじゃない】

……おいで、鈴音

【そうして優しく抱き上げて、抱きしめて】
【言葉にしなかった我侭を汲み上げたのだって、きっと我侭と言えるだろう】
【ぎゅっと抱き締める腕の力はいつもより強く、ちゃんと彼女の細い体を思いやっているのか不安になる程】
【顔の距離が近づけられて、逸らされれば触れない程度の軽さで、口付けを頬にひとつ落とそうと】

ワタシは、キミだけを見ているから
この腕の中にいてくれるのなら。もう怖い思いなんてさせない
……そうだね、キミ以外は要らないか。必要無いな

それだけ分かっていてくれれば良いんだよ、鈴音

【常通り。何処までも甘く甘く、蜜の海に溺れさせるように囁いて、口角が僅かに吊られる】
【一人納得した内容だけが妙に不鮮明だったけれど、そんなもの些細な違和感で】
【直視すらも出来ない癖に掛ける言葉だけが誠実ぶって可笑しいけれど、その声色は真剣で、本気で】
639 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/02(土) 17:27:53.56 ID:Vts/U2t/o
>>637


ふむー、確かにそれはワタシとしても思うのデスヨー、ですが"WILD"は今や多忙な方
お会いできるかどうかは今の所まだわかりませんが……とりあえず貴方に『招待状』だけでも渡しておくのデスヨー
時が来ればその白紙に集合の日時が表示されますので、その時にでも『フルメタルジャケット』にお越しくださいデスヨー


【そう言ってジャンクちゃんが渡すのは手のひらサイズの白いカードだ】
【それに表示される日時に彼女の喫茶店に足を運べば、"WILD"に実際に会うチャンスができるかもしれない】
【一応、受け取る価値だけはありそうだ】


ソードすごい人気なのデスヨー、格組織の正規メンバーでは今ゴウさんと、朔夜さんと、悦那さんが所有してますから
貴方で今四人目デスヨー、コインはセリーナさん、ワンドはゼンさんが一人づつ、カップはまだ誰も所有していないのデスヨー……
戦うための組織ですから、そういう偏りになるのも頷けると言えば頷けますが、了解しましたデスヨー

記録によると青義同盟は末期に『情報統合ネットワーク』の閲覧申請を行っているとの事でしたね?
だからマーシャルさんはアレの事を知っているはず……ならば話は早いデスヨー、言ってしまうと実はあれは
"WILD"が開発された物なのデスヨー、"WILD"はその名前を名乗る前から、justiceや対機関連合に技術提供を行っていましたからデスヨー

"W-Phone"とは"WILD"がその後開発した新型の携帯端末、ネットワークの閲覧、書き込みは今後これで行う事になると思うのデスヨー


【要するに新しい組織の間で今後広まっていくであろう情報ツール、正義組織に所属する物は皆、これを手にすることになるとの事だ】
【……そしてそれ以上に聞き捨てならない事を彼は言った……彼は当時からすでに正義組織の味方で、技術を提供する立場にいた人間だったと】
【彼もまた、あのころからすでに正義を掲げる者たちの味方だったと言うのか?】


まあいずれにせよ足の手術を希望するならどの道この招待状を持ってお越しいただけると助かります
……おっと!もうすぐ朝なのデスヨー!そろそろ戻らないとワタシもお店のお仕事が残っているのデスヨー!
ではマーシャルさん、ワタシはこの辺で失礼いたしますデスヨー!


【そういうとジャンクちゃんは背中に収納していた『ジェットパック』を出して、そのままジェット噴射で空へと跳ね上がると】
【そのまま水の国の方角までキィィィィィン、と音を立てて飛び立って行ってしまったのだった】

【←To Be Continued...】

/乙でしたー!日をまたがせてまでお付き合いいただきありがとうございます!
/次にお会いするのは改造手術の時か……ではお疲れ様です
640 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/02(土) 17:40:17.53 ID:UB1Tgjt40
>>638

【蹴っ飛ばされて転がって、悪態吐いてもう一度蹴り飛ばされたグリーンアップルの瞳の子、】
【食事も何もかも総て拒絶して壁の隅で体育座りしていた紺色の瞳の子、】
【怖くて、怖くて、ひたすらに泣いて。「不良在庫共め」と罵られた昔を、思い出して、】
【――でも、そんなもの。どれだけ怖かった思い出だって、その腕の中では子猫の威嚇程度でしかない】

【抱き上げられた身体。叶った我侭にぱぁと表情が明るくなって、】
【ぎゅっと抱きしめ返す両腕――力を篭めていたって、所詮細身のそれだ】
【痛いのだって苦しいのだって、彼がくれるなら甘露以外の何物でもない。いつの日からか、それは怖いぐらい】

【その細い首を握り締めたって、真っ白の肌に歯を立てたって、本当に嬉しそうに幸せそうにわらうのだから】
【毀れたのか、染まったのか、元からなのか。そんなの分からないけれど――普通からはきっと、程遠い】

【落とされた口付け。仄かに頬を赤くするのだろう、まるで生娘のよう】
【そうして返す、お返しのようなそれ。首筋にそっと歯を立てようとするのは、じゃれ付くような甘噛み――】

――うん、わたしも。

【ずっと傍で囁かれる声、ぎゅっと抱きしめて伝わってくる暖かさ、鼓動、】
【ぜんぶぜんぶが嬉しくて、幸せで、だいすきで、――怖いぐらいにだいすきが溢れて、どうしようもなくって、】
【いろいろ言いたかったくせ返せたのはたったのそれだけ、彼の言葉を全て肯定して、そのまま彼へと返す】
【思考がふわふわして、落ち着かなくって、なぜか泣きそうにすらなってくるのに、いやじゃない】
【――もっと近くで囁いて欲しい、もっと体温に触れたい、もっと鼓動を聞いていたい、呼吸の間隔すら一緒にしたくて、】

だいすき、だいすきっ……、――愛してる

【クリスマスのあの日。そう言ったのは反射的な鸚鵡返しに近かったけれど、】
【今紡ぐそれ。どうしようもないぐらいの感情を湛えて、抱きしめる手にいっそうの力が篭る】
【――こんなにひとを好きになったの“はじめて”だから。どうしたらいいのか分からなくて――】
641 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/02/02(土) 18:00:25.16 ID:Bkruwzi1o
>>639

―――OK、貰っておくぜ。フルメタルジャケットってのは、さっき言ってた喫茶店だな

【カードを受け取り、胸ポケットに仕舞う。この紙が、正義と正義を繋いでくれる架け橋になるだろう】
【そして止まっていた自分の時計を、動かしてくれるきっかけになる事を信じて。―――何も書かれていない白を一瞬見つめて、男は何を描いたのだろうか】

申請……そういえば、そうだったか。 とにかくその"W-Phone"で情報交換をするってことだろ?
―――あと……てっきりWILDってのは後から出てきた人物だと思ってたんだが、昔から居たってことか……

……サンキューな、お世話になるかも知れねぇ。 その時は、よろしく頼む。あと……justiceや対機関連合の奴にあったら、俺が謝ってたって言っといてくれ

【自分が思っていたより、WILDは凄い人物なのだろう。当時から正義組織に貢献しており、あの情報交換システムを造り上げたのだから】
【―――そのような人物とあれば、もしかすれば脚も……などと、ある程度の期待は抑えられない。 ―――紺碧の瞳の奥に、僅かな明りが灯った】

……こりゃ、ツイてるぜ。 フッ、蒼い風はまだ―――吹いているってか? 
―――というかアイツすげぇな、アレ……

【飛び去る彼女に驚きを隠せずにいながらも、男は小さくガッツポーズをして―――後の蒼の嵐を、見据えているのであった】

/お疲れ様です! 長い間付きあわせちゃってすみません、ありがとうございました!
642 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/02(土) 18:06:55.07 ID:qLgv2fwzo
>>640

【二本の腕で壊してしまいそうなくらい彼女を抱き締め力を込めていく程に、】
【反比例して掴んでいた力を緩める見えない手に持っていたものは何だろう?】

【(手放したく無かったのに、この幸せを「壊す」なんて言ったから、恨めと言ったのだから)】

【妄想性の症状。彼女の前でも時折見せる健忘は良くある事だけれど、「これ」は目立たない故に恐ろしい】
【思考の中で湧き上がり思考の内に帰依するそれは癌細胞にも酷似していて、相手が気付ける余地は未だ無く】
【少なくとも「彼」は前者の内容は明言していなかった。ならば言われた通りに浮かぶ「憎悪」の根源は何処に?】

愛してる……ずっと、「二人だけで」いよう
「邪魔」になるなら。「友」なんて、殺してしまえばいいだろうね

【迷いが消え去ったよう屈託のない微笑みは、けれど正常範囲内から明らかに逸脱していて】
【首筋の甘い痛みに齎される愛される感覚だけでは物足りなくて、とんと肩を叩いて「顔を上げて」と囁けば】
【距離を詰めた先は相手の唇。それに、己のそれを重ねようと】

【かつてこうして重ねたものには、きっと何も。始めから無かったのだろう】
643 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/02(土) 18:48:21.22 ID:UB1Tgjt40
>>642

【ぎりぎりと抱きしめられて、骨がまるで悲鳴のように軋む音をあげたけれど、】
【そんなの些細でどうでもいいことに分類されて、それどころか折れてしまえと願いすらする】
【骨の弾ける刹那はきっとどうしようもなく痛いだろうけれど、それと同じくらい、しあわせなはずだから、】
【抱きしめられて囁かれるたび、全うな思考回路なんて蕩けて深淵の底まで滴って堕ちていく】
【彼の何もかもが自らの何もかもを毀していく。――それなのに、浮かべていたのは笑顔だった】

……――うん。

邪魔するなら、こんな世界だって、要らない

【正常から遠く離れたはずのその言葉。なのに湛えるのは嬉しそうなそれで、】
【鈴の音のような声は眠気とは違った感情に支配されて、ふらり揺れる】
【――なんてことはない。彼女だって、同じように毀れた思考の持ち主――だからこそ、今こうしているのだろうけれど】

【(失ったかつてだって、この思考から齎された必然だったのだから)】

【首筋に残した薄い痕、抱きしめたままの腕を持ち上げて、指先でつぅとなぞってみる】
【いつもよりずっとずっと薄く、足りない気すらするそれが、なぜだかとっても愛おしくって】

【世界に比べたらびっくりするぐらいに狭いこの黒い部屋。ここと彼だけあれば十分だと、心の底から思えた】

……、っ

【――いつもそうだ。言われたことは、よっぽどを超えない限りは素直に聞く】
【飽きられる棄てられる嫌われる、それらを極端に恐れた結果のような行動パターンはそれこそどこかお人形めいていて】
【けれど、玩具屋で売っているソフビ人形だって、何百年も存在しているようなビスクドールだって、きっとこんな顔はしないのだろう】

【ショートとフリーズと水没を一度に体験させた機械のよう、思考はぴったり停止して、驚いた瞳が彼を見つめるばかり】
【そのくせ顔はその辺りを司るどこかがイったように赤くて、逆に心配になるぐらいで】
【驚いて跳ねたきり強張った身体。抵抗なんてあるはずもなく、きっと、されるがままだ】
644 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/02(土) 19:03:30.57 ID:qLgv2fwzo
>>643

【触れ合わせた唇は、本当にただ優しく重ねただけですぐについと離れていく】
【愛しいのならば。もっと激しく求めても良いはずなのに、まるでその扱いは壊れ物を触るようだ】
【離れた唇の端を舐めた舌、右端に銀のピアスがちらと覗いて、歯列に触れてからから音を立てた】

……キミに話して良かった
迷っていたんだ。けれどもう良い
「彼」は切り捨ててしまおう。どうせ恨めと言われていたんだから構わないだろうね
ワタシはキミの為だけに、生きよう

【寝台に横たわったまま、目の前の彼女とこつりと額を合わせようとし】
【近い距離ゆえに視線が合わないよう静かに目を閉じて、己で零した最後の一言にくすりと笑った】
【紅茶色の長い睫毛に縁どられたその双眸は、暫しの間の後に、ふと何かを思い出したように薄く開かれる】

嗚呼、あともう一つだけ
キミの右腕を駄目にした男は長い金髪で、カノッサの関係者だったと聞いたけれど、間違いは無いかな
…………頚を傷付けたのも、その男かい

【戦いの結果に固執などしなかった筈の性格、故に今まで問わなかった事だのに】
【穏やかな時間にそぐわない不穏色を乗せて尋ねた声色、押し殺すような憎悪が滲むのは何故だろうか】
645 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/02(土) 19:37:47.09 ID:UB1Tgjt40
>>644

――――はっ、

【触れたのはほんの少しのはずだったのに、まるで永遠そうだったかのような錯覚】
【びっくりするぐらい息苦しくて、なぜかと思い返せば呼吸のことを忘れていた】
【急に吸い込んだものだから存外に大きな呼吸音がして、けれど、それだって気にならない】
【どこを見ていいのかすら分からないような視線がふわふわ辺りを彷徨ついて、】
【抱きしめていた右手。するり解いて指先でなぞる先は唇だ】
【まるで確かめるように、触れて、なぞって――笑う】

【――身体が熱くて、ふわふわして、おかしいのに。普段と全然違うのに、やっぱり、いやじゃない】

【それにしたって、自分はこんなにもこうなのに。彼のその普段に近い素振りが少しだけ気に食わなくて、悪戯したくて、】

【――彼が誰かを殺すとか、別にどうだっていい】
【それがたとえ自分の友人だったとしても、彼が要らないと判断したなら、要らない】
【だから。その決意だってどうでもよくって、こつんと触れた額――目を閉じた彼に、】
【少しだけ戸惑うような間がひとつ。やがてそっと唇に落とそうとするのは、子どものままごとのように拙いそれ】
【それ以上なんて知りもしない、手加減なんかじゃなくって、本気の。――恥ずかしがって一瞬で離してしまうのだろうけれど】

……そう、“シェン・ロンド”。それに、……ううん、

首は、……違うひと、だけど、
口に布した、神父服の、へんなひと。――私のこと、私の蛇のこと、馬鹿にして、っ……。

【そうして次げる名前。或いは新聞やらで見かけたこともあるのかもしれないけれど】
【何かを言いかけて、ふと途切れる言葉。左目だけをそっと閉じて、考えるような間が一瞬だけ】
【(左目。哲学者の卵の棲みつく――)】

【ゆるゆると首を振ってからの白状は存外に素直で、それは馬鹿にされたという怒りのせいもあるのかもしれないけれど】
【思い返す、それだけで少しだけ苛立ちが湧くほど。――あんなこと言っても、結局この程度には好きなのだから】
646 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/02(土) 19:39:01.42 ID:qLgv2fwzo
>>644
/【寝台に横たわったまま→【彼女を抱きしめたまま に訂正お願いします
647 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/02(土) 19:58:22.77 ID:qLgv2fwzo
>>645

【一方的な感情だったと思う節があって、故に触れた感触がそれだと気付くには時間が要った】
【らしくもなく動揺したようにぱちぱちと瞬きして、彼女と同じように自分の唇に触れて確認する姿が、酷く可笑しい】
【嬉しさを隠した結果相手の方をジト目で見たのがちょっと以外な表情ではあったのだが、】
【すぐに驚きの色に戻るそれ。彼女の言う名は間違いなく、近頃耳にし報道でも見たそれと同じもの】

…………「金獅子」が……?

【血の繋がらない兄が、悦那が嬉々として語っていた名。曰く器の大きな男だとか、尊敬出来る奴だとか】
【風の国の騒ぎの際には、最近ぽっと出の正義組織とやらに参入すると報道機関を通じて言っていたか】
【此処にある幸せを壊しておいて?嗚呼、自分以上に笑えない男もいたものだ】
【頚。彼女の命を奪ったその犯人が明確でない故に、一層「金獅子」の方への恨みばかりが募っていく】
【そも「金獅子」が右手を駄目にしたせいで、神父服の男に彼女が負けたのだと思えば、怨恨は当然だ】

……そう、分かった
嗚呼あと、「左目の事」をね。キョウゾウから聞いたよ

まさか彼が、私の編んだ花冠をキミに渡すとまでは予想がつかなかったけど
大丈夫、キョウゾウにはちゃんと呪いを掛けてあげたからね
視界が暗闇になっていたようだけれど、キミに関わろうとした罰だ。仕方ないだろう?

【聞くことも、話すことも今更だ。仕方がない、それまではどうでも良かったのだから】
【抱き締める腕に依然として力を込めたまま、くつくつと肩を揺らすその姿が、嫌に揺らいでいた】
648 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/02(土) 20:24:10.81 ID:UB1Tgjt40
>>647

【子どものおままごとのような、それでも精一杯だったそれ、】
【ジト目が見るのは恥ずかしくって直視なんて出来なくて、どこか拗ねたようにそっぽ向く表情だろうか】
【からかってやろうなんて、根源はそこなのに。確認しないのだから、つめが甘い――】

……――昔、ね。
あのひとと、別の機関のひとと。会って、それで、……“これ”。

【言おうとしてやめたこと。昔のこと、初めて遭った日のこと】
【少しだけ悩んだのに、ぽつり。やがて洩らすのだろう】
【示すのは血色に透ける左の瞳。――本当は、その奥に居座る悪意を指していたのだけれど】
【――或いは火に油を注ぐようなその一言。彼の心中には気づいているのか、居ないのか】

…………、――ぇ、

【そして彼が挙げた名前。その結果よりも気にしたのは、】

……あれ、お父さんの、だったの、

【――まるで気になんてしていなかった。この国に住むひとなんてそれこそたくさん居るのだから、】
【それなのにどうして思い当たらなかったんだろうという思考ばかりが廻って、ほんの僅かに眉が顰められる】

【(そうだと知っていたら、腐ったって枯れたって手放さなかったのに)】

【知らなかった。今更知ったって、手放してしまった事実には変わりなく、】
【「ごめんなさい」と紡ぐ微かな声。変わらぬ力で抱き締め上げられる苦しさが痛さが、お仕置きのように、甘かった】
649 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/02(土) 20:52:06.19 ID:qLgv2fwzo
>>648

……哲学者の卵も、その「金獅子」に?
嗚呼どうしようも無いな、それは。それで「正義」などと言うのだから愚かしい
あれも殺してしまおう。キミのために、必ず

【彼女の右手、そして左目も。思考はどうしようもない下種のイメージをただ其処に描いていく】
【機関には一度関わったけれど、その時に知れていれば協力の見返り代わりに情報でも聞き出したのに】
【尤もあのコーネリアスが満足するような戦果など残せなかったのだけれど、とはまた別の話で】

【(兄の尊敬する人間だろうとどうでも良い、それより機関にいる弟から何か聞き出せないだろうか)】
【(いや、兄の関わる正義組織に金獅子が参入するのならば、兄から手繰った方が早いだろうか)】

【「友」の妹にかつての知己を殺されたとしても、此処まで恨みを抱くことは無かった】
【否、そもそも当人同士のぶつかり合いである戦いの結果として残った生き死にを、どうこう言いはしないはずだったのだ】
【この男はそれを正当な結果であると捉えて、寧ろ尊重する人間だったのだから】

【彼女が傷ついたから。それ以外に理由なんてないのだろう】
【けれど今更言うには遅いそれを持ち出した切っ掛けは、一体何だというのか】
【それまで聞かなかった事には確かな理由があったのではないか?】

…………?

【先程言いかけて、止めたこと。止めた故に捻じ曲がっていったこと】
【彼女の「ごめんなさい」にも、何を指すのか理解できないように傾げられる頚】
【大切な事を次から次へ忘れていく。記憶ではない感情論を】
【彼を構成していた要素が、気づかない間に手放されていく。最後に亡失するものは――?】
650 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/02(土) 21:15:50.63 ID:UB1Tgjt40
>>649

【――ぎちり抱きしめられた両腕の拘束の中、見上げて、ほんの僅かに違和感が、】
【他者の命をあっさり斬り捨てる様。その気持ちはよく分かるし、その理由もよく分かるし、分かるけれど、分かるのに、】
【どこか、なにかがおかしい気がして。じっと見上げる瞳――不安な瞳は答えを見つけ出せなかったらしい、やがて視線は落ちて】
【もふ、と。彼の身体に顔を埋めようとするのだろうか。――まあ元より、抱きしめる力によってこれ以上ないぐらいに密着はしていたけれど】

……だって、他のひとに渡しちゃった、から。
知ってたら――そんなこと、しなかったのに、……。

【そもそも最初、別のひとに渡っているのだから自分のためのものではない】
【そうだとしても、それだとしても、彼が作ったもの。手元にあったのに、失くしてしまったこと、ひどく惜しく申し訳なく思えた】

【落ちたまま、うろうろと彷徨う視線。やがて窺うよう、彼をちらと見上げて、】

……おとう、さん?

【――やっぱり、どこか、不安になる】
【そっと首を傾げれば長い前髪が流れて瞳を隠す。ちいさな首の動きだけで振り払って――】

どうしたの、

【尋ねる瞳はきっとどこまでも真摯で、そう、彼のためならひとだって殺すような純粋さが確かにあった】
651 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/02(土) 21:26:41.03 ID:GB3KGrnpo
【水の国、街の中の小さめの公園の中】
【週末のこの時間だからだろう人の気配は殆ど無い時折街灯が忙しく明滅するくらいだ】
【街中では珍しく喧騒から離れ1人きりになって何かを考えるには調度良い場所だ】

【だから今ベンチに座っている彼もそんな人間の1人なのだろう】

負傷さえしてなきゃもうちょっと上手く探せるだろうに
どうしてこう間が悪いのか、やる気のある役立たず程情けないモンはないよなあ……

【ため息混じりの声で肩を落とし空を仰ぐ彼】
【新雪のような短めの白髪、後ろ側だけ伸ばしで三つ編みにしている。右目は赤色で左目は眼帯で覆って】
【その容姿を見るに年齢にして20歳くらいだろうか青年ではあるがしかしその顔はどこかあどけなさが見て取れるだろう】
【またその服装は髪色とは対照的な黒のジャケット、ズボンなど身を包んでいる】

【そんな彼はどうやら怪我をしているようで】
【肩に掛けられた包帯にギプス巻きの左腕を乗せて】
【襟からも左肩中心にぐるぐると巻かれた包帯の端も見られるのだった】
【まあこの戦いの多い世界で怪我など当たり前と言えば当たり前か】

「眼」が使えなくて地道に人に聞いて回って収穫ゼロ
運が悪いのか……それならいいんだけど、と……幾ら成果が出なくても腹だけは減るか

鳴るな腹よ今日は我慢しよう……

【最後に大きく息を吐くと同時に小さく「ぐう」と鳴る腹】
【しかしながら運悪く金欠になってしまった彼に夕食などなく】
【腹をさすって膨れる訳ではないのは知っているがしかしそれくらいしか出来ないのであった】
652 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/02(土) 21:36:32.53 ID:qLgv2fwzo
>>650

【愛しい人に此れだけ抱きしめられていながら、面倒そうに遠くを見た目は、何なのだろう】
【埋められた頭をぽんぽんとあやす様な手つきは、始めのゆうるりとした優しい手つきともどこか違う】

別にどうもしないけれど、あんなもの。
……今頃何処かで枯れているんじゃないかな
元々……何の理由で作ったかな、まあ兎も角、ワタシの手から貰ったって嬉しくもないだろう?
花の類は直ぐに枯れる。嫌いなんだ、どうせゴミになるだけだし……
それより、何だか酷く眠い……、昼は要らないから、ワタシはもう少し寝るよ

【そう言うならば、彼女から貰った四葉の冠は、果たして何処に遣ったのだろう】
【信仰心の塊だって、あろうことかその信仰対象に喰って掛かってしまったし】
【それらを一切語ることなく、くあと欠伸を噛み殺して目を閉じてしまう】

【絶対に、可笑しいのに。まず彼女以上に眠ろうとだって今まではしなかったのだから】
【揺られたとしても死んだよに押し黙って眠り、起きた頃には最後のこの言葉なんて覚えていない】
【そう、いつもと変わらないように「愛してる」と言うのだろう、ただそれだけだ】
【どれだけの数添い寝しても伸びない手のように、まるで明確な線を持つような】

【(気持ちに偽りはない。なのに、何かが音を立てて崩れていく)】

/この辺で〆させて頂きます、お疲れ様でしたー
/長らくお付き合い頂いて有難う御座いました、予約絡み失礼しました
653 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/02(土) 21:59:57.55 ID:UB1Tgjt40
>>652

…………――、

【結局、何の言葉も挟めやしなかった。ほんの一言だって、或いは吐息すら】
【撫でる手の、その確かなズレだって気づいたのに。何かを言うまたは振り払うなんて出来るわけがなくって、】
【――もしも誰かがその表情を覗き込んだなら。きっと、ひどく怯えたものを見たはずだ】

【怒らせただろうか、何が? どれが?】
【お花が嫌い。だったらあれについて怒っていたのだろうか、あの日から、ずっと?】
【寝入ってしまう姿に、ひとり取り残されて。どうしようもなくて、しばらく、見つめていた】

【――そうしてふと気づくこと。もう二週間を切ったその日】
【甘いものが苦手なのは知っている。だったら、何か、別のものの方が、――何にも思いつかなくて、】
【ごちゃごちゃの思考がひたすらに絡まっていくばかり。どうしてだろう、さっきまであんなに幸せだった、はずなのに、】

――ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい――……。

【独りぼっちにはなりたくなくて、でも一緒に居るのも怖くて、もしかしたら嫌われたんじゃないかと思うだけでおかしくなりそうになる】
【同じ部屋。なるべく寝台から遠い部屋の隅、まるで誰かがいつもいつだってそうして総て拒絶していたように、膝を抱えて蹲る】
【視覚も聴覚も否定して、小さく小さく身体を強張らせたまま、微かな泣き声を響かせながら、きっと彼が起きるまでそのままで、】

【――彼が目を覚ましたなら。きっと、ひどく怯えた表情を向けてから、自室へ篭ってしまうのだろう】
【たとえ呼んだって返事すらしない個室の中、何をしているのかなんてちっとも分からなくて、それでも】
【一日ほど放っておけば出てくるのはそれなりのいつも通りで、――ただ、少しだけ、気まずいような距離感が、】

/おつかれさまでした!
654 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/02(土) 22:06:53.35 ID:0KDbsq/Vo
【降り積もる雪の形が依然として蜜のように蕩ける頃、溶けるのを待つ若雪を踏みしめる音】
【取り残されたような時間の中、雑踏の歩みを妨げる宿木の待つ枝のような広がり】
【流麗と流れていく人並みを遮る少しのわだかまり、見逃すには少し鬱陶しいかもしれない】


「へへ……悪いようにしねぇからよ、少し付き合ってくれよ」


【響き渡る声は中々に雑音交じりの少しため息が出てしまいそうな音】
【数人の青年が、一つの人影を取り囲むよう――――どうやら、ナンパかそれに順ずるもの】
【視線の先は少し落ちて、頭一つ、二つ分ほど下げた辺りに、その矛先となる人影があった】

【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【透き通るような素肌に女性としてはやや小柄で華奢な体躯、それでいて膨らんだ大きな胸】
【暖かそうなキャスケット帽にコート、踏んでしまいそうなくらい長いチェックのマフラー】
【編み上げブーツに黒いオーバーニーソックスの雪のように儚い印象の少女で】

сожалею(ごめんなさい)――――忙しい、の、ソニア――――……


【蕩けるような魔法の旋律両手で握った大きい大きいバイオリンケースが揺れた】
【その動きに翻弄されるよう、華奢な体躯をおっとっとと濡らして、倒れそうにもなるだろう】
【そんな彼女の行く先を遮るように男が取り囲む、困ったような表情が、彼女の水面に浮かんだ】
655 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/02(土) 22:07:44.43 ID:RFGuJ2L70
【水の国―――近代都市部―――大通り=z

【水の国技術力は他国を圧倒している―――そんな事は周知の事実だが、実際に訪れてみればやはり度肝を抜かれる】
【近代的な構造をした建物、乗り物、ベンチ一つにしたって何やら凄そうな素材で出来ているのだから】
【街中の頭上をを貫くようにリニアトレインの線路が走っており、街中に広がるそれはまるで血管≠フようにも思える】

【さて―――ここはそんな近代都市部の大通り、帰路に着く人々で溢れかえっている】
【ガヤガヤとした喧騒がスクランブル交差点の中心から発せられて、この街の活気を直に感じることが出来る】
【―――そんな喧騒から逃れるように、大通りに面したビルに付いている街頭モニター、その上に立っている人物がいる】

ッチ―――めんどくせぇな全く、色々あってすげー遠回りしちまった………さっさと終わらせなきゃなぁ
とはいえなんだって俺があんなガスマスク野郎≠フ言う事なんざ聞かなきゃならねぇんだよ

まぁ引き受けちまったもんはしょうがねェ―――ある程度人間が掃けたら行くとするか。

【ウェーブのかかった透き通るような銀色の長髪を結って一本にして垂らし】
【黒い太めのストライプが入った紫のスーツに黒いドレスシャツを着こんでおり】
【腰にはバックルがシルバーのベルトを二本、交差させるようにして装着していて】
【朱い瞳と、犬歯が目立つ、首元に五つの蝙蝠≠フ刺青がある、17歳程の少年】

【鬱陶しそうに雑踏を見下ろし、独り言を吐き捨てると共に舌打ちを一度放つ】
【どうやらこの少年はこれからどこかに向かうようだが…さて、眼下を行きかう人々の中に少年の興味を引く様なモノはあるだろうか】
【それとも―――普通じゃない場所=cにいる少年に対して、逆に接触してくるような普通じゃない℃メが現れるのだろうか】
656 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/02(土) 22:24:41.50 ID:SmoEy0mK0

【店内は静かだった。】
【客もおらず、流れるBGMは安物のスピーカーから流れてくるラジオの音声のみ】

『―――風の国首都襲撃、水の国列車襲撃、最近はちょっとアブない事件がつづくねー』
『その前にはたしか放送局がやられた事もあったっけ?いやー、うちのラジオもやばかったりしてね、はは!』
『みんなも夜歩くときはなるべく一人を避けて、気をつけてね!それじゃ今週のヒットチャートいってみよう――!』

【CMかどこかで聞いた事があっただろうか、知っているフレーズのイントロが流れ出す】
【激しい電子音とキンキンした拙い歌声――流行のアイドル・ソングが物静かな店内を少しだけ華麗に、彩る】
【なるほど、今の流行はこんな音楽なのか――ついていけてないなあ、と"女"はひとりごち、手に握った"何か"を壁へ向かって投げつける。】

―――命中♪

【女が投擲したのは一本のダーツ、そして壁には円形のボード――矢はど真ん中、Bullを正確に撃ち抜いていた。】
【しかし女は飽きてしまったのか、既に何本もの矢が真ん中を貫いているのを見て、つまらなそうに椅子へと腰掛けた。】
【――金髪のクセがあるショートヘア、よれた白のシャツに土気色のベスト、そしてブーツ・カットのダメージジーンズにウェスタンブーツ】
【女は西部劇のガンマン風の、時代錯誤な格好をしていた。】

【名はセリーナ・ザ・"キッド"、そしてここはUNITED TRIGGER店内】
【新しく出来た正義の組織にして店、そして"能力者"達が集まる酒場―――】
【暖炉の火が広い事務所内を暖める――。】

/投下が遅れましたー!よろしくおねがいします
657 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/02(土) 22:27:26.01 ID:K7K5bJ2K0
【水の国 繁華街】

……俺の前で、んなふざけた事をやろうってなぁ……良い度胸じゃねぇか?
それとも……頭足らずかぁ、オイ?

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫が】
【ガラの悪い数人の若者を前にして、目を怒らせながら仁王立ちしている】

【庇う様なその背中には、小さな女の子が、怯えた様子で震えて蹲っている】
【更にその足元には、3人の若者が打ち倒され、うめき声を上げながら蹲っている】

……もう一度だけ言うぜ?
悪ふざけで済む内に、さっさと消えな…………じゃなきゃ、怪我じゃすまねぇぞ……!!

【魔術師が身構えると、気圧された様子を見せる若者たち】
【その様子を見ようと言う野次馬の数が、少しづつ増えていた】
658 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/02(土) 22:39:11.50 ID:+UqCS3Uno
>>656

―――あぁ居たいた、また会えなかったどうしようかと思ったわ

お邪魔するわね、セリーナ。それともリーダー、かしら?
エルジオ以来まともに会えてなかったから、挨拶しに来ちゃった。

【ぎぃ、と扉の開く音と共に、女性へとかかるのは大人になりかけの少女の声】
【ふと振り向けば、マントも将校服も真っ白い、ピンクのロングツインテールが特徴的な彼女が見えて】
【その格好が冗談ではないのは、腰元の刀で解る――少女は、アンジェル・ベルジュロンに相違ない】

【ただ今夜は、彼女だけが挨拶に来たのではないらしい。続けざまに入り口から姿を見せるのは、男性】

『へぇ……なるほど、噂には聞いてたがこりゃ正義を名乗る組織の拠点って感じじゃないな』
『個人邸には、Justiceの城なんかよりは気楽でいいが。邪魔させてもらうよ、お嬢さん』

【背は190cm超、黒のロングコートと灰色のスラックス。こちらも腰に刀が一振り、剣が一振り】
【背の中ほどまである金髪が見事な偉丈夫は、かつてカノッサ機関で散々に暴れまわっていた人物に違いなく】
【その名はシェン・ロンド。誰が呼んだか“金獅子”と渾名される彼だが、件のエルジオではその機関に宣戦布告なんて真似をした】

【―――どちらも、生粋の戦士には違いない。特別アンジェルに関しては、セリーナもその力は知っている筈だ】
【二人は軽く挨拶をすると、話があるというような事を言って――どこか、落ち着いてそうできる席にでも、座るだろう。】

/よろしくなのですー!
659 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/02(土) 22:39:30.23 ID:Uk0g/fseo
>>657

おーおー、うら若き乙女を守る勇者か!
ガハハハハ!いいじゃねえか!最近の漢も捨てたモンじゃねえわな!

【野次馬の中、一際大きなモノより中年男性であろう声が張り上げられる】
【声の主は野次馬を押しのけるようにしてのっそりとその姿を現した】

【2mを超える立派な体躯に、僧衣を思わせる紺色の民族衣装に身を包み】
【露出した肌に生やすは黄褐色と黒の縞を描く体毛】
【肩に立てかけるようにして螺旋の金属飾りのついた長い木杖を携えたその者は】

【虎の頭部をし、ふらりと尻尾を揺らす獣人であった】
【二足歩行の虎が服を着たような姿を言えばわかり易いであろうか】

【虎人(ワータイガー)と呼ばれる亜人の一種である】

おう!兄ちゃんよ、助太刀は必要かい?
もし手に余るってんなら、ここは一つお前さんの男気に乗らせてもらうぜ?

【豪快な声を上げながら、虎人は魔術師にそう聞いた】
【虎の顔であるため表情は読みづらいが、おそらく男臭い笑顔を浮かべているのだろう】
【杖の先端でコツコツと地面を叩きながら、魔術師と若者達とを見やっていた】
660 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/02(土) 22:49:03.88 ID:K7K5bJ2K0
>>659

…………、あン?

【棍を構え、若者グループを威圧していた居丈夫だったが、その場に良く響く胴間声に、チラリと視線を移す】
【恐らくは、居丈夫だけに留まらず、その場に居合わせた多くの人間が、その声に視線を向けただろう】

ッ、おぅ……!?
こりゃ何とも、心強すぎる応援って奴か……?

【それが、身長2mを超えるワータイガーによるものであると気付いた居丈夫は、自身も威圧的な顔つきながらも、微かに気圧された様子を見せ】
【それどころか、対峙しているグループに至っては、そのメンバーの大半が、青ざめた表情を見せた】

いや……こう言うのはある程度得意でな? 俺一人でも十分……って言うより、『もう十分』なんじゃねぇか?
――――おら、さっさとこいつら連れてって、散りやがれ!!

【若者グループの士気がどん底になったのを見てとって、居丈夫は苦笑を見せる】
【その目論見は正しく、更に畳みかけるよううな怒号を飛ばすと、若者たちはあたふたと倒れている仲間に肩を貸しながら、野次馬の輪を押しのけて去っていくだろう】

はぁ…………やれやれ…………っと、さぁおチビちゃん、もう大丈夫だ……
子供はこんな時間まで外をうろついてないで、大人しく家に帰んなよ?

【散っていくグループを、蔑みの混じった苦笑で見送ると、自分の背中で震えている女の子に声を掛ける居丈夫】
【それを受けてか、怯えた様子を残しながらも、2人に頭を下げ、女の子も雑踏の中へと消えていった】

……いやしかし、実際助かったぜ……まぁ、一人でやってやれない事も無かったけどよ?
あまり沙汰を派手にするのも良くねぇだろ……子供の前だったしよ?

【騒ぎが収まり、野次馬も徐々に散り始める】
【その中で居丈夫は、ワータイガーに強気な笑みを覗かせながら、礼の言葉を口にした】
661 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/02(土) 22:58:27.56 ID:Uk0g/fseo
>>660

おっと、余計なお世話だったかい?
いやはや、どうにも歳をとると余計なお節介ってやつが出ちまうもんでな!
すまねえすまねえ!

【目を細めて豪快に笑いながら、自身のふさふさの頬を掻く仕草を見せる】
【見た目では年齢が分かりにくいが、言葉や声からするとそれなりの歳を重ねているのだろうか】

おお?嬉しいこと言ってくれるじゃねえか
そんならわざわざ出張った甲斐もあったってもんだわな!

【礼の言葉を受けると、虎人は愉快そうに杖で地面をなぞりながら】
【魔術師のソレに応え】

……それにしてもこんな街中で物騒なもんだなあおい
この辺じゃいつもこんな感じなのか?
俺はどうにも田舎モンでよ、こう、世界情勢?やらもよくわかんねーんだが

【魔術師の方へと一歩踏み出し】
【去っていく少女の方へとチラリと視線をやりながらもそ問うた】
662 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/02(土) 23:01:59.22 ID:SmoEy0mK0
>>658

【そろそろダーツにも飽きてきた、珈琲か紅茶でも淹れようかな、なんて考えていたところへ――来客。】
【使い古された木の扉がぎぃ、と唸り、その上に備えられたベルがからん、ころん、と軽快な音を立てた】
【暖められた店内の暖気と、若干の酒の匂い、そして――銃の手入れなどに使うのだろうか、"油"の匂い等が「二人」を出迎えた。】

―――おおぉっと、いらっしゃいませ!
ご用件は・・・って、アンジェルちゃ〜ん!やっと会えたねぇ、なかなかタイミング合わなくてごめんよぅ。
そっかぁ、そういえばあの時以来だからもう二週間近く合ってなかったんだなぁ。
せっかくだし珈琲か紅茶でも―――・・・おろ?

【首都襲撃以来、加入の件は聞いていたが顔は合わせていなかった"アンジェル"の来訪。】
【いや、もうメンバーの一員なのだから帰宅、とでも表現した方がしっくりくるだろう。】
【ともかく、白い服装に身を包んだ少女は間違いなく彼女で――驚いたのはその、後に連なる人物の方だった。】

あーっと、えーっと、確か――シェンロン!シェンロンさんだ!はじめまして!
【――「ド」が抜けてなんだかどこぞのバトル漫画に出てくるドラゴンの名前になってしまっているが――どうやら】
【どこか抜けているセリーナでも彼の名は知っていたようだ、当然その経歴と、今現在の状況も。】

いやあ、あのときの宣戦布告、すっごく格好よかったですよ!
色々あったみたいですけど、今は志を共にする同士です、ささ、どうぞ座って座って!

【特に警戒したり、怪しんだりということはないようだ。恐らくはアンジェルが一緒に来ている事もあって、信頼しているのだろう。】
【なにより、彼のあのときの宣戦布告は紛れもない本音であったと、セリーナ自身がそう強く感じていたのだ】

一度お会いしたいなー、って思ってたんですけど、まさかアンちゃんと一緒に会えるなんて!
今日はもう、誰もお客さん来ないしほんと暇だったんで良かった〜。
【『アンちゃん』――なんだか、微妙な略称だが、セリーナはあだ名をつけるのが好きなのだろう。】
【シェンも気をつけないとなんと呼ばれるか分かったものではない――。】
【まあともかく、二人が座るのを見てセリーナは自分も一緒に座った。何か――恐らく、大切な話かもしれない、と。】
【そんな気がしたので、若干気を引き締めて。】
663 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/02(土) 23:08:33.21 ID:yCf/6WNno
>>651
/まだいらっしゃいますでしょうか?
664 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/02(土) 23:13:36.38 ID:K7K5bJ2K0
>>661

いや、構わねぇんじゃねぇか?
実際、俺としても助かったぜ……それに、そうやって困ってる奴を助けるってのは……実際大事な事だろ?

【外見から年を計りにくいが、それでも相手がそれ相応の年上だと言う事は分かるだろう】
【しかしこの居丈夫、大して敬う様な様子を見せていない。元からそうなのか、まだ先ほどの節くれだった精神状態を引きずっているのか】

まぁ、あんなザコ連中が相手ってんなら、魔術を使うまでもねぇ……
ヤバくなったらそりゃ分からねぇけどよ?

【手にした棍棒――――六角柱型の金属棒を肩に担ぎながら、そうこぼす居丈夫】
【実際、単なる魔力の増幅装置と考えるには、かなり豪快な武器であり、恐らくはそれだけで先ほどの連中と渡り合ったのだろう】

……まぁ、な……酒に飲まれたアホが、何をしでかすとも分からねぇ……まぁ、よくある事だ…………
それでも、俺みたいなお節介野郎も相応にいるのか、割と平和なもんさ…………そりゃ、今世界で起こってる事に比べりゃあな……

【左手で顎をなぞりながら、そう答える居丈夫】
【居丈夫としても、酒に酔うのは良いとして、ああいう手合いは快く思っていないのだろう】
【――――もっとも、こんな小競り合いなど、てらいなく「可愛い」と言ってしまえるほどに、世界情勢は不安定なものだと言う事を考えれば】
【しみじみとした居丈夫の姿も、それほど不謹慎とは言えないだろうが】
665 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/02(土) 23:19:51.89 ID:+UqCS3Uno
>>662

【如何に芯の強い少女でも、平時まで気を張っているわけではない――というのも】
【まあ、この怒涛の勢いに飲まれかけている様子からして解るだろう】
【気づけば、来訪者二人は顔を合わせて肩をすくめていて。勿論、呆れたわけでもなんでもない】

……あー、じゃあその、とりあえずふたりとも紅茶ってことで、うん。
それとセリーナ、“アンちゃん”って何とかならない?何かこう、ほら、違和感が。ねっ?

【それ以外だったらなんでもいいわよ、とか、そんな危ないことを少女が口にする一方で】
【体躯の大きな彼はというと腰の刀、そして剣を大事そうに外して、傍に置き】

―――あと、中々会えなかったのはしょうがないわよ。お互い、ずっと暇なわけでもないし
この間も人質事件があったりして……あ、話は聞いたわよ?大活躍だったらしいじゃない?
私も行けたら良かったんだけど、ちょっと色々と事情があって――ごめん。

【ふと口にするのは謝罪の言葉、それは当然というか、先の列車での事件に手を貸せなかったことだろうか】
【意外、なんて言葉以上に律儀な少女だ。少しばかり、過度な思考のようにも思えるが】

【さて、今度は彼の番。両肘をついて、手を顔のあたりに。如何にも大事な話の前置きというふうに息を吐いてから】

『――シェン・ロン“ド”な、俺はレアそうな宝玉7つ揃えても願いは叶えられないぜ。』
『それと、お褒めの言葉をどうも。しかし言葉は言葉でしかないさ、こうして組織を立ち上げるほうが余程素敵だ』

『……、…………で、まあ今日来た理由だが。あの時にUNITED TRIGGERに便乗した事もあるし、挨拶と』
『それからアンジェルは正式に加入したいっていう意志の確認、加えて俺のことだが』
『俺は、“シェン・ロンドはUNITED TRIGGERには加入しない”、っていうことを伝えたくてね。』

【そう、冗談でもなんでもない口調で言った。理由はこれから語るのだろうが、長すぎても冗長なだけ】
【人は話を区切るほうが聴きやすく話しやすいと知っているのだろう、言葉を一度、彼は切った。】
666 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/02(土) 23:23:09.76 ID:j0sfsxnFo
>>654
//レスを見た時点で結構時間が経ってましたが、文章考えてたらこの時間に。
//ご都合が悪ければ無視なさって頂いても構いませんので…


【――さくり、さくり、と小気味良く雪を踏みしめる音。】
【周りの音よりもやや“早足”で刻まれるその音の主は、着実にその距離を詰めていた。】

【“人影”が纏うのは、堅いスーツを思わせるような、肌の露出面積の少ない薄桜を散らした鉄黒の魔法衣。】
【大人びた風貌をしてはいるものの、その顔はやや幼さを感じさせる。“女性”、と言うよりは“少女”と言う形容が正しいだろうか。】


【眉間に皺を寄せて、深緋の瞳にも呆れに近い色を浮かべて、その少女は早い歩みで青年達へと近付いていた。】
【もしかすれば、青年の一人が此方を振り向くかもしれないが、】



あの、すみません――――すみませんッ!……宜しいですか?


―――。突然申し訳ありませんが、貴方達は、この方に何を……?


【なんて、表情を見れば明らかに不機嫌さを感じさせる様相で、表面上だけ丁寧な言葉を投げ掛ける。】
【尤も、怒って声を出してみた所で、少女の真剣さが青年達に伝わる保証は無いのだが。】
667 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/02(土) 23:27:13.05 ID:Uk0g/fseo
>>664

ほう!随分と腕に覚えがあるんだなぁ?

魔術師が杖術やら体術やらを学ぶってのは珍しくねえが
荒くれモンをそれ一本で片付けたとなりゃ大したもんだわな

術師ってえのはこう、研究熱心でなよなよしたのが多いもんだからよ

【虎人は物珍しげに居丈夫と、金属棒を眺める】
【武器や闘法にある程度の興味を持ったのだろうか】

当たり前の風景、って割り切るにゃあちょいと物騒な気もするがなぁ
……いつの世も悪い輩とお節介な輩の比率ってのはどうにも吊り合わないもんだ
あのお嬢さんは幸運だったわなぁ……

【先ほどの騒動と、彼の言葉に思うところがあったのだろうか】
【指を自身の顎に当てて少しだけ考えるような仕草を取って】

……ん?おおっと、そうだ忘れていた!忘れていた!
何かの縁があったならよ、名前の一つも聞いておかなきゃ寂しいってえもんだ!

俺はグー・ゲルギル!
まあ、グッさんでもおっさんでも好きな名前で呼んでくれや!
そんで、俺の名前を覚えるついでにお前さんの名前もついでに教えてもらえるとありがてえところだ!

【すぐに、話題を切り替え自己紹介を始める】
【何らかの縁があった人物には名を交換する。「田舎者」を自称する虎人は】
【こういった関係を作ることに関しては積極的だった】
668 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/02(土) 23:28:02.53 ID:PYaQt4As0



【賑やかな喧噪に包まれる街道――――】
【その街のシンボルとも言える大樹の前に、一人の女性が居て】
【纏っているのは所謂巫女装束。しんしんと雪が降る中、空を見上げるその姿は絵となっていただろうか】
【――――袋一杯に詰められた中華まんを手にしていなければ、だが】


「思ったよりも売っていませんでしたね……
溜まりそうにありませんが、今日はこれで妥協しましょう」


【頭にうっすらと積もる雪を気にする事も無く、袋の中を見つめれば溜息を吐いて】
【数にしておよそ十数個。それでも足りないというのだから……果たして、どの様な胃袋になっているのやら】
【中華まんの底に張り付いている紙をペリと剥がせば、そのまま口に運んで】


「トロピカルまん……何とも、甲乙の付け難い味ですね
何故、あんなに投げ売りされていたのか気になる程です」

【どう考えても不味そう。少なくとも、常人が食らえば】
【更には投げ売りされていたとなれば……その人気の程を覗えよう】
【それを平気で食らうこの女の味覚は、果たしてどれ程のものなのだろう】
【――――辺りを包む、甘ったるい香り。それに誘われてくる者はいるのだろうか】
669 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/02(土) 23:31:30.94 ID:0KDbsq/Vo
>>666

【迷い込んだ華奢な旋律、舌先でとろんとその色を零した】
【画のような弛んだ音にふわりと移ろう視線が三つ、貴女の方へと流るのだろう】
【男達は視線を向けて、その声の正体に気づいて、その表情を崩した】


「おいおい、こりゃまた可愛いコがもう一人来たじゃないか」
「ついでに嬢ちゃんも一緒に、俺達と遊ぼうぜ――――!!」


【笑う歪むそれらの表情、口角を吊り上げて下品な笑い声を上げる】
【そうして伸ばした手、貴女のその華奢な指先を手繰ろうと伸ばされた手】
【無骨でそれでいて大きなソレ、力の加減など知らないよう――――】

【寸刻、風が吹きぬけるだろう、貴女へと伸ばされた男の手が揺れた】
【視線を上へと傾けたなら、空中を駆けるバイオリンケースが一片】
【そうして、ふわり、まるで雪が落ちたかのよう――――貴女の手を握ろうとする小さな掌】


Бегство из здесь.(逃げよう)――――


【空を撫でる、貴女へと流れ込む華奢な旋律、異国の音楽のようなまるで呪文のような言葉】
【浮かび上がったなら溶けて、そしてやがて、ふんわりと濡れて滴り落ちるのだろう】
【左手で貴女の手を握ろうとして、右手で空中へと放ったバイオリンケースをキャッチするのだろう】

【できるのなら、そのまま――――路地裏へとかけていこうとする】
670 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/02(土) 23:36:43.54 ID:K7K5bJ2K0
>>667

ハッ、まぁな!
なにせ、こちとら魔術に手を出す前は、むしろこっちのが本業だったもんでなぁ!

【棍棒で肩をタンタンとノックしながら、ニヤリと笑みを浮かべてみせる居丈夫】
【確かに、居丈夫は魔術師としてはかなり良い体格をしている。しかも、相応の期間を掛けて練り上げてきた様な身体である】
【――――恐らく、元は武闘派だったのだろうと言う事が、その言葉から読みとれるだろうか】

…………まぁな
ああいう連中を上手く守ってやるのは、お上の仕事だろってのによ…………この世界の権力は、碌な事をしやがらねぇ……機関だのなんだのに、怯えてばっかだぜ…………
何のために『国』って言う共同体があると思ってやがるんだよ…………!

【世を憂う様なワータイガーの言葉に、同じように顔を顰めながら俯く居丈夫】
【――――本来なら、国家がそうした夜警を担うべきなのに、そうした役割を果たしているのは自警団――――公的な力で無いのだ】
【この状況そのものが、もはや一種の『歪み』だろう。そうした中で何人の人間が涙を飲んでいるのか】
【――――居丈夫の言葉には、微かな怒りすら、混じっているようだった】

……あぁ、悪い! そういや、流れに飲まれてその事をすっかり忘れてたぜ!
……俺はレグルス=バーナルド。ま、見ての通り、チンケな流れの魔術師さ、よろしくな、グーのおっさんよ!

【名を名乗るワータイガー――――グーに、ようやく自分たちが自己紹介すらしていない事を思い出した】
【それを受けて、自らも名をを名乗る居丈夫――――レグルス】
【旅の魔術師――――その名乗りを受けて、改めて姿を見れば――――その人となりは、ある程度は容易に察せられるだろう】
671 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/02(土) 23:38:39.73 ID:CoK3m6zIO
>>663
/おりますよー
672 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/02(土) 23:39:07.55 ID:7hcD152Ho
>>668

【何者かによって静かに降る雪が斬り裂かれ――】
【そして、あなたへとその者……いや、その者"達"は向かい来る】

「ヘケケケ、何だか美味しそォーな匂いがするじゃあねェーかァー」
「どこからだァー?」 『……確かに、甘い匂いはかすかにしますが……よくわかりましたね』

【1人はガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】
【もう1人は、20代前後に見える女性で身長約155cm、黒い短髪で、白いローブに身を包み、木製に見える杖を右手に持っていて】
【桃色の右目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は清々しさを感じる空色をした左目で、桃色のシャツとジーパンに青いブーツ】

【男が、女性を"肩車"する形で歩いていたが――】
【"甘い匂い"が男の鼻に入ると、その歩みは速さを増して】

「――――おォー?」 「……ヘケケケ、匂いはどうやらこいつからか」

【そして気が付けば、男はホイホイに寄せられるあれの如く、あなたにへと接近しているだろう】
【彼がじぃーっと見つめるのは、……"中華まんの袋"】 【凄く……狙ってます…………】
673 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/02(土) 23:39:53.03 ID:SmoEy0mK0
>>665

紅茶ね!紅茶はいりまーす!
あ、砂糖とミルクは一つずつで良いかな?

【ファストフードの店員か、この女は。テンガロンハットを被っていない時はガンマンというよりただの騒がしい女――、】
【まあ、そういう飛んだ思考をもっていなければ、こんなわけのわからない店など開こうとも思わないかもしれない。】

えー、アンちゃん、ダメかな?でも「ジェルちゃん」ってなんかおかしくない?
なんか、ドロドロしてそうだもん。かといってアンジュとかもあれだし――あ、じゃあ「ベル」ってどうかな!
【普通にアンジェル、って呼べよ――そんな理屈はこのハイテンションには通用しないのだ。というか・・・若干、酔ってる・・・?】
【長時間客が来ないとこうなるのだ――セリーナのデスクの上は冷めたピザと半分ほど空いたターキーの瓶が鎮座している――。】
【そうしていると、なんだからしくない言葉が――いや、本当のところはそれくらい生真面目なのだろう、アンジェルの謝罪が聞こえてきて。】

あーいいのいいの、そんな!なかなか会えないのも、作戦に参加できないのも、色々個々人に事情があるっていうのはわかってるからさ。
もし気に入らない依頼とか、「こんなのアタシが目指してる正義とは違う!」っていう任務が舞い込んできたら
その時は遠慮なく断ってくれていいし、意見してくれていいんだよ?
参加するのも、しないのも。加入するのも、脱退するのも。自由にやって貰いたいが為の、UNITED TRIGGERだから。
気にしなくていいんだよ、ベル。

【なんとなく、ではあるが――このアンジェルという少女は、自分の中に確固たる「正義」を持っていると、そういう気がしていたのは確かだ。】
【だからセリーナはそれを大事にしたいし、事情があったならば作戦には参加しなくても構わない――】
【少々、硬すぎるかもしれないアンジェルにセリーナがいえるのは、今はこれだけだ。】

――あ、すいません。
【素直に謝罪。名前を間違うという事は失礼に値する――なぜならば、あだ名が上手くつけられないからだ!】

ええっと、ロンドさん!こっちが正しい名前だね。
いやいや、組織だなんてそんなそんな・・・見かけ通りの寂れたお店ですよ、ウチなんて。
ま、これから稼いでどんどん大きくしていく予定ですけどね!最終的にはビルとかおったててみたいなーなんて

【――なんて呟いていると、彼の口からははっきりとした、UTには参加しないという意思の言葉が紡がれて。】
【一瞬、動揺しながらもセリーナはすぐに、笑顔を取り戻す。】

――はい、実はなんとなくなんですけど――そんな予感もしてて。
やっぱり、貴方は貴方の考えで動くんですね。
【紅茶を淹れながら、セリーナはシェンの言葉に頷く。どこか予想は出来ていたのかもしれない】
【UNITED TRIGGERとは別に、しかしそれでいてカノッサを敵とし、動く。】
【――あのときの強い言葉からは、そんな意思が確かに感じられた。】
674 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/02(土) 23:46:29.21 ID:yCf/6WNno
>>651

はぁ、今日はあまり振るわなかったな……
まあ、繁盛する日のほうが珍しいけど……

【公園に一人の男がはいってきた】
【白いシャツの上に青いジャケットを羽織り、深緑のカーゴパンツに黒いスニーカー】
【丸い目に青い瞳の面長なその男は、小さなカバンを下げた肩を少し落として歩いている】


ただでさえ、最近は物騒だし……?
うわっ!?

【ぶつぶつと独り言をつぶやいていた男は、ベンチに座る彼に接近するまで気付かなかったらしい】
【その存在に思わず驚きの声を上げてしまう】


す、すみません、てっきり誰もいないかと思って……
失礼なことを……

【あわてて、頭を下げる。彼の発していた言葉は耳に入ってはいなかったらしい】
【気付いてすぐに頭を下げたために、相手の怪我もまだはっきり認識してはいないようだ】


/>>671
/遅い時間ですが、よろしければおねがいいたします
675 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/02(土) 23:50:34.88 ID:j0sfsxnFo
>>669

――あのですね、私は―――ッ!

【男の反応に対してその深緋の目だけが笑っていない笑みを浮かべて、更なる言葉を紡ごうとした刹那。】
【見惚れていた、とでも言うべきだろうか。空を駆ける彼女の姿を、呆気に取られたかのように目で追って――――】

あ――ッ!ちょ……ッ!

【――予測の出来なかった彼女の行動に、やや華奢な身体が抗える筈も無く。】
【不意に手を取られて、そのまま流されるように彼女の手に引き寄せられる。】


【但し、一旦“走り出す”、といった行動に移ってからの少女の切り替えは迅速だったと言える。】
【道を知っているであろう――と少女は信じている――彼女に行き先を任せながら、障害物を作り出す。】
【少女は何らかの経験を感じさせる、素早い身のこなしで彼女に追従するだろう。】
【だから、彼女が迷わない限り。逃走以外の何らかの意図を持っていない限りは、恐らく逃走は成功する。】
676 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/02(土) 23:51:09.62 ID:PYaQt4As0
>>672

【もぐもぐとただ無心に、まるで作業の如く消化していって】
【一つ、また一つと袋が軽くなっていくのだろう】
【そんな中聞こえた声。感じる視線――――ごくり、と飲み込めば、ただ有るだけの様な瞳を向けて】


「毎日お風呂は二回入っているので臭っていない筈ですが
――――それでも、やしり臭いますか?」

【“匂い”を“臭い”と聞き間違えて】
【自分の髪の匂いを嗅いでみたり、服を嗅いでみたりするも別段変な匂いはしない……筈で】
【そのまま、また黙々と食べ始めるのだろう】
【二分も経たない内に二つ目を食べ終え、三つ目を食らおうとした所で――――その視線の先に気付き】


「あげませんよ。私の貴重な食べ物なのですから
欲しければあそこのお店に行って下さい。と言いたい所ですが、そのお店の品は全て私が持って居ます」

【慈悲も無い情けも無い。なにより寛容が無い】
【袋の口を握りしめれば、取り出せないようにしてしまって】
【……もしもそのまま袋に熱い視線を送っていたならば、視線が重なり合ってバチバチと火花が飛び散る事だろう】
677 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/02(土) 23:51:23.56 ID:Uk0g/fseo
>>670

ガハハハハ!まあよ、術使うよりゃぶん殴ったほうが早いってのには同意だな!
俺も若い頃はぶんぶん振り回してたもんよ!

【杖を軽く振り回しながら応えるこのおっさん、基本脳筋である】
【虎人の身体も衣服の上から分かるほどに筋肉が盛り上がり主張しており】
【同士を見つけたと言わんばかりに楽しげに魔術師の体付きを眺めていた】

「能力者」ってのが生まれる限りは変わらんのだろうさ。
生まれついて他に勝る力を持ったとなりゃ、人間は善い事より好き放題やりたがるもんだ
そういう警察組織?やら政府を責めんのはよくねえな
実際現状で留まってるんなら、それ以上は手が出ないんだろうよ

全く……力の使い方ってえのを学ばねえ、無秩序な力ってのは過ぎたオモチャだわな

【多くを学び体得する術と違い、能力は基本先天的に身につく特異なものである】
【それゆえに教師もなく振るうものの裁量に委ねられる】
【それらが力を振るうがとなれば、手に負えないのも仕方ないのではないかというのが虎人の考えであった】

おう!レグナスか!
まあ、洒落たあだ名も思いつかねえし呼び捨てにさせてもらうぜ!
早速後でめもしておかねえとなあ、気ィぬくと忘れちまうしよ!

【豪快に笑いながら魔術師――レグナスの名前を頭に刻んだ】
678 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/02(土) 23:55:04.45 ID:GB3KGrnpo
>>674

(空腹程度は耐えようと思えば耐えられるし……なんとか)

【のっぴきならない状況ではあるけれど我慢出来るなら乗りきれる】
【そんなどうでも良い事をぼうっとしながら考えていた】

おっ……?おう……

【両者とも自分の思考に浸っていたか的を射ていない台詞を零す】
【唐突に謝られて何事だろうと目を白黒させながら適当に頷いて】

ああ、こんな時間だからあんま人もいないしな
そんな謝らなくてもいいけど、うん……なんか逆にこっちが悪いみたいな気がするし
失礼でもないから気にしないでいいってば、頭なんか下げんでいいよ。

【数秒して状況に思考が追いついて】
【人懐っこいともとれる微笑みを浮かべながら礼儀正しく頭を下げる彼に声を掛ける】

/よろしくどーぞ
679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/02(土) 23:58:30.86 ID:Uk0g/fseo
>>677
/名前間違えてたorz
/レグナス× レグルス○
680 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/02/02(土) 23:59:46.76 ID:OUSjPrI40
【風の国、United trigger事務所前】
【人も疎らな夜の時間帯にて】


────なんかしらねー間にドンパチやってたみてーで


【黒い髪、白い肌、黒いコート。両手には箒を握る。】
【さっさっ、と音をたてて落ち葉も何もない歩道を掃く。】
【それでも一応は埃が舞い、砂がかき集められもする。】


せめてものけじめだ。
ここら辺一帯きれいにしてやるぜ。


【歩道を箒で掃くなどなんとも無意味な気もするが、】
【それでも彼はその発言通りの理由で砂ぼこり舞わせて辺りを掃いて。】
681 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/02/03(日) 00:00:27.94 ID:H2Vgx52l0
【風の国、United trigger事務所前】
【人も疎らな夜の時間帯にて】


────なんかしらねー間にドンパチやってたみてーで


【黒い髪、白い肌、黒いコート。両手には箒を握る。】
【さっさっ、と音をたてて落ち葉も何もない歩道を掃く。】
【それでも一応は埃が舞い、砂がかき集められもする。】


せめてものけじめだ。
ここら辺一帯きれいにしてやるぜ。


【歩道を箒で掃くなどなんとも無意味な気もするが、】
【それでも彼はその発言通りの理由で砂ぼこり舞わせて辺りを掃いて。】
682 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/03(日) 00:01:30.97 ID:HSH6+12zo
>>675

【街角を曲がる足元は鋭く、音すらも遅れて聞こえるぐらいに】
【路地裏へと入り込んだなら、貴女の手を離して、少しだけ距離を置くだろう】
【片手に握っていたバイオリンケースを両手で握りなおすと、マリンブルーの瞳を貴女へと溶かす】


Спасибо за вашу помощь.(助けてくれて、有難う)


【紡いだ言葉は、きっと貴女に届かない、汲み取るには少々質が違うのだろう】
【それでも、少しだけ緊張の緩んだ純白の頬、綻んだなら、その瞳に淡い思いが浮かんで】
【微笑んだ、整った顔たちが貴女へと向けるように、優しく緩んで溶けてみせた】

【首元に巻かれた大きなマフラーそこへと口元を沈めたなら、擽ったそうに微笑む】
【大きな睫が彼女を修飾する、素肌と混ざると、夜明け前の優月みたいに淡い旋律を浮かべて】
【次にマリンブルーの瞳を開いたなら、あなたへと縦に傾いた視線が滞る】


……でも――――……ソニア、心配なの……お姉ちゃん、危ない、です
Человек(男の人)、一杯、怖くなぃ、の?


【ソニアとは多分、彼女の名前なのだろう、少しだけ聞き取りやすい旋律で】
【言葉の意味は分からずとも、雰囲気でなんとなくつかめるはずだ、小さな表情が仄かにコロコロと変化していく様】
【万華鏡の用でもありながら、一定のパターンを持たず変化していくのは、プリズムに移った光の束】

【もう一度マリンブルーが揺らめいた、貴女へと向ける視線の形が濃くなる】
【目じりに混じった微かな歪み、怖いという感情は、彼女はまさしく感じていた】
【故に、それだけ強く相対できた貴女の強さが知りたかった】
683 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/03(日) 00:02:38.72 ID:mJD9W4lc0
>>677

それに、魔力の無駄遣いも出来ねぇしな!
ま、あの程度の連中『のす』ぐらいなら、大した手間でもねぇ……

【実際には、魔術を行使した方がもっと早く決着を見るのだろうが――――術を使うとなると、それ相応に失うものもある】
【そうした意味でも、術に頼る事を躊躇したのだろう】

へぇ……おっさんも、結構やるんだなぁ……まぁそりゃ、だからこその、あの名乗りって訳だ……!

【グーの言葉を受けて、興味深げに手にする杖や、体つきなどを目にする】
【そうした形で腕に覚えがあるからこその、助太刀の名乗りだったのだろうと理解して】
【やはり、相通じるものが有るという顔で、したりと頷いていた】

……まぁ、そりゃそうなるわな…………けどよ、能力者の誰もが誰もアナーキストって訳でもねぇだろ?
染まり切ってない奴ってのも、相応にいる…………そう言うのを、さっさとお上が束ねちまえば良かったんじゃ無ぇのか?
それに、こういう場所の小競り合いは、そもそもそういう次元ですらねぇ…………単なる怠慢さ

【語る内容を考えれば――――まだ、やり様はあったはず。そう言いたげな物で】
【実際、能力者の誰もが好き勝手をやるかと言えば――――そこここで、機関に対する反抗運動などが起こっている現状を見れば、否と言えるだろう】
【そこに対して、ほとんどノーリアクションなのはおかしいと言う主張だ】
【そして、こうした小さな諍いの場面ですら、力を発揮できない政府や権力に――――はたして意味はあるのかと、重ねて問いかける】

あぁ、俺自身、あだ名だなんてぞっとしねぇよ……好きに呼んでくれや……!

【レグルス自身、あまりあだ名と言うものには馴染んでいない】
【単純に、親しみを込めた短縮形と言うのが作りにくい名前だからと言う事なのだろう】
【グーからの呼び捨てには、何も文句を言う様なう様子もない】
684 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/03(日) 00:06:53.65 ID:9ORDOwwgo
>>678

いや、ほんとすみません……そういっていただけるとありがたいです

【彼の言葉にほっとしたような声を出して、頭を上げる】
【そこでようやく、彼の姿をはっきりと視認した】
【左腕に巻かれたギプスと、肩から見える包帯。そして、左目の眼帯】


あの、さしでがましいようですが、ずいぶんとひどい怪我を……
最近は物騒ですし、そんな状態であまり夜に出歩かれると危ないんじゃないですか?

あ、いや、私にも言えることですけど……
私、旅の物なんですよ。行商人をやってまして、手作りのおもちゃを売ってるんです
決して怪しいものじゃないんですよ! このカバンの中身も、売り物でして

【思わず相手の怪我に言及してしまう。言った直後にしまった、と思う】
【たった今、自分で物騒だと言ったところだ。人気のない公園にいきなり踏み込んできた自分こそ、怪しい人間に見えるのではないか】
【そう考えて、自分の職業をまずは明かし、商品が入っている、と説明して、肩に下げたカバンを叩いて見せる】
【相手は、特にまだ何も言っていないというのに、ずいぶんな空回りだ】
685 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/03(日) 00:07:23.82 ID:lfzW+hH1o
>>676

「ヘケケケ、あんたが臭うんじゃあねェー、……袋の中身が匂うんだァー」
「その中からよォー、美味しそォーな匂いがするんだ」
「ちょォーど腹減っててよォー、それで、……ここに寄せられたって訳だぜェーッ!」
「たまには獣以外も食べてェーしなァーッ!」 『……また始まりましたね』

【そちらの声に反応して、そちらに視線を向けつつ右手の人差し指で袋を指差す男】
【その肩の上では、"またか"と頭を抱える女性の姿があった】

「……えェー、くれねェーのォー?」

【明らかにがっかりとした表情を浮かべて、同じく声を発して】
【その声量は大きく、近くで聞いていたら頭に響き渡りそうなほどである】

【袋の口を握り締められると、再び袋へと男の目線は移る】
【バチバチと、雪を溶かしかねない火花が視線のぶつかりによって生まれていて】
【――数十秒ほど経った後に、男の口が開いた】

「――――良いぜェー、だったらここは……力尽くでも貰ってやるぜェーッ!」

『やめなさい』 「ヘッキャァーッ」

【殺してでも奪い取る……までは過激で無いものの、強奪しようと右手を袋へと伸ばして】
【しかしその行為は、肩の上に乗った女性が触角状の髪を両方握り引っ張った事で阻止された】
686 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/03(日) 00:09:51.79 ID:FN8Aw6rdo
>>673

(アレってお酒よね、ってことはこのハイテンションはそのせい……)
(……普段からあんな感じだったような気もするけど、それは気のせいかしら)

『俺はそうだな、砂糖とミルク1つずつで。あとベルちゃんは二つずつだ、子供だから』
『あと彼女の呼び名、エンジェルちゃんは不評だったから注意な、セリーナ。後、名前は気にしないでくれ』

私、綴りは一緒だから気分の問題だけどね……まあ、呼び名なんて伝わればいいのよ
……それと、うん。そうね、UNITED TRIGGERはそういうところだって確認できて、良かった
自警団に居た期間が長かったから、なんだか不安で。ありがと、セリーナ。

【自らの信じるものがある、それが何にせよ――少なくとも、この懐の広い組織とは、一緒に行ける】
【ほんの些細なやり取りだが、アンジェルはそれを強く感じた。同時に、セリーナという女性の】
【どこか奔放で、らしくないところにも納得する。“それが良い”のだ、と――そして、話はシェンへと移り】

『――俺はさ、セリーナ。今までカノッサ機関で、殺しも、壊しも、盗みも、世に言う悪行は大概やったんだ』
『世界の国ってのを相手にして散々喧嘩ふっかけて、直接じゃなくても、俺のせいで死んで傷ついた奴は無数にいる』
『今も、俺に何かしらの因縁を持ってる奴は居るんだ。だが、俺は謝罪なんてのはしたいとは思わない』

『わけは、かつての同僚を裏切ることになるからさ。たとえ悪でも、当時は命を預け合った仲……』
『彼らとの行動を、間違いだったという一言で捨ててしまうのは冒涜だと思うんでね』

『……だからさ、要は元大悪党が正義に居ちゃ示しが付かないってことだ。君が良くても、世間はそうじゃない』

【機関の議員、という位がかつてあった。今でいうと六罪王に当たるのだろうか――兎に角、彼はそれだった】
【喧嘩という名の戦争をし、今でこそ機関を見限っているが、その罪は消えることはない、と】

『とまあ、そういうわけさ。だから外部協力員――情報を流す、ってくらいはするよ』
『他に、君が気にしないのならだが。俺が機関に居た時に稼いだ金をいくらか、寄付したっていい。余ってるから。』

『……悪いね、わざわざこんな話に付き合わせて。アンジェルの方は君の部下だ、好きに使ってやって構わないからさ』

【ニッ、と口角を上げて笑い、話を締める。言いたいことは一先ずそれだけ、ということなのだろう】
【協力はする、しかしメンバーにはならない。正義を名乗る組織に、かつての悪党は居てはならないと】
【あくまで外側からの目線で、彼は言ったのだった。神妙な空気がそれきりで解けたのは、きっとセリーナにも伝わるはずで。】
687 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/03(日) 00:11:28.31 ID:egofyzUAo
【路地裏】

【滞留していた重い空気が巻き上げられるように、黒い霞がヒトガタを形成していく】
【やがて形どられるのは女性のシルエット。黒髪、黒いハット、黒いドレス、ルージュまでもが黒色で】
【目元が見えない角度で被られたハットから覗く口元は、いやに気味悪く吊り上げられている】

カノッサ、UNITED TRIGGER、どちらつかず
……さて、どの物語を読み進めようかしらね?
ふふふ、ふふ、ふふふふ、ふふふふふふ

【その姿は向こうの壁が微かに透けて見えて、この世のものではないとハッキリ気付ける程に昏い】
【深夜の亡霊。足音も無く歩くその後方には、残骸のように黒い燐光が舞った】
688 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/03(日) 00:14:26.09 ID:mJD9W4lc0
>>873
サリード「と、とっかえひっかえ…………」
レメゲドン「ま、てぃーたんらしいっちゃらしいかな?
      多分、てぃーたんなら『老い』なんかに負ける事も無いと思うし……」
レグルス「……そりゃお前もじゃねぇか、レメゲドンよぉ?」
レメゲドン「ちょ……ちょっと止めてよね! あたしはもう少し落ちついた生き方をするって!」
アルク「今のままが、か……それも、平穏なあり方だね……」

toティナ

レグルス「……おぉう、辛いらしいなぁ…………」
アルク「……全てをなげうって逃亡など、出来そうもないからね…………でも、本に余生を生きるのは、まだ望みがあるとは思う……」
サリード「もしも、僕と君の余生が揃うなら……僕の書いた本を、君が読んだりしてくれるのかな?」
レメゲドン「……まぁ、うちのブラックハートとかグラトンとか、迷惑かけるかもしれないけど、その時はごめんね?」

toソレイユ

サリード「お、お墓……?」
レメゲドン「弔いの余生、か…………でも、花に囲まれての余生って言うのは、それも良いわよねぇ……」
レグルス「……ま、いずれ自分も弔われる身だ……あまり重く背負い込むなよ?」

toソニア

天寿を全うできなさそうって言えば……俺のキャラ、全員そうだよ^^;
シャッテンとか、裏賭博のディーラーとか考えたけど、どこかであの思想を捨てなきゃいけないんだよなぁ……

曲名とかバンド名がカッコイイ曲……!?
うー……早速難題が来た…………EDまでに考えます……!

to中身
689 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/03(日) 00:16:07.18 ID:mJD9W4lc0
>>688
/誤爆
690 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/03(日) 00:17:23.18 ID:u+R4wyomo
>>683

ん?あー、まあ俺はアレだ!恥ずかしい話だが昔やんちゃしすぎてなあ
若い頃ならともかくよ、今は派手に戦ろうとすっと腰がグキッとなっちまうんだわなこれが!
全く、歳は取りたくねえもんだ!

術は衰えてねえつもりだが、身体だけはどうにもなんねえ
レグルスはちゃんと健康ににゃあ気をつけるんだぞ?老後に絶対後悔するぜ?

【ククク、と怪しげな笑い声を上げながら】
【やたらに実感の篭った助言を一つかけた】
【若かりし頃の自身のスタイルに似ているであろうと思ったからこそのものであった】

まあ、それも一理あるわな
俺は今の世間がどうなってるかってのはよくわかんねえ
街に出てくるようになったのも最近になってからだしなぁ

……正義を冠する能力者ってのは俺が若い頃も相応にいた
だがそれを押しつぶすほど悪意が強すぎた。
それはずっと何十年も前。下手すりゃ何百年も前からだ

その力関係は変わらないことを知って――諦観しちまっているのかもしれねえやな

【曖昧な知識の中から言葉を選び、レグルスの言葉に応える】
【ふぅむ、と現状を再認識し頭の中で幾つかの考えを巡らせた】

そうか?俺もよくグーにゃんとかねこちゃんとかよ
可愛らしい名前で呼ばれるもんだが悪くねえもんだぜ?
レグにゃんとか、俺じゃなくて可愛いヒト族のメスにでも言われりゃ意外とアリって思えるかもしれねえぞ?

【モフモフのしっぽを揺らしながらグーはそう告げる】
【当然だが冗談めいた声の調子ではあるが】

【】
691 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/03(日) 00:22:11.77 ID:3JjL9jPzo
>>684

ん、いや気にしないで大丈夫
どっちかっていうとこの怪我もその物騒な事に首を突っ込んだ結果だしね。
ほらこないだの列車占拠?の事件あったじゃんか、アレでちょっとだけ失敗してさ……。

【彼の言葉を聞けば彼が戦う側の人間だと分かるだろう】
【しかし怪我を武勇と語らない所を見るに戦いそのものを心酔している訳でもなく】
【むしろその言葉の端には僅かばかりの自虐を含んでいるのが行商人の彼が敏いならば分かるか】

あ、でも違うぞ襲う側じゃないから安心しろよ唐突に人が変わって襲ったりなんかしないからさ
尤もアンタが相当なやり手なら話は別だけど……いやこの状態じゃそれも意味ないか。

【怪我だらけで達人と相対してもどうせ手加減されるだけ】
【技術を盗む以前のお話である、というのはまあどうでも良い話か】

行商人かそういう知り合いは少ないなー……
へーおもちゃ売りなんだ、というと子供相手の商売なんだなんか大変そうだなあそれも

【どことなく誇らしげな彼の姿が何やら見るに眩しい】
【どうやら悪い人間ではなさそうな雰囲気だし、案外好きになれそうな人物だと思った】

子供ってさホラ、何するか分からないじゃん?次の行動が予測出来ないから結構苦手なんだよね……。

【子供を割れ物の類とでも思っているのだろう】
【確かに青年が子供と遊んでいる姿というのも想像出来ないか】
【「嫌い」ではなく「苦手」というのは自分のペースを乱されるからだった】

だからそれを相手するって素直に尊敬するよ、アンタ名前は?
ああ、オレの名前はエルフェスだよろしくな

【それに比べて目の前の彼はきっと上手く相手にするのだろう】
【驕りもなさそうだしきっと子供に好かれるタイプなのかな、などと思って】
【どうせここで出会ったのも何かの縁だろうと名を名乗りそして名を問う】

【戦いとは離れた会話が、どことなく心地よくも感じた】
692 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/03(日) 00:22:45.53 ID:RpeEaX8G0
>>685

「空腹なのはお互い同じ事です
ならば、この所有者である私が決める権利を持っています
……だから、一つもあげません。譲れるのは、この紙に付いている皮までです」

【人によっては美味しそう。人によっては不味そう】
【この両者から少なからず分かる事は、味音痴か】
【――――尤も、男は匂いしか嗅ぐことの出来ない為、それが真か定かでは無いが】
【ほら。と言わんばかりに差し出したペラペラの紙。確かに、皮がこびり付いている……が、あんまりではないだろうか】


「面白い、良いでしょう。世の中は弱肉強食と言います。貴方はこのトロピカルまんを絶対に食せ無い事を身を以て知ればいいでしょう」

【ざわり――――気配が、少し変わって】
【ただの食い意地の張った巫女、とは思えない程の身体捌き】
【男の手の長さを目測で測れば、ギリギリ届かないところまで脚を運んだが……そんな心配も無かったようで】
【……しかし、何故だろうか。先程まで無表情だった顔に、何処か勝ち誇ったような表情が張り付いているのは】


「味方の妨害によって、貴方の負けは確定ですね
指を咥えて見ていると良いですよ。何も、匂いを嗅ぐことを拒む様な事はしませんから」

【袋に入った、最後の一つ。全て消化するのに掛かった時間は、十数分足らず】
【嗚呼、無情――――其れへと手を伸ばすが――――】
693 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/03(日) 00:27:42.45 ID:mJD9W4lc0
>>690

はっ……恥ずかしい事なんかねぇよ。俺も似たようなもんだ……
――――って、おいおい……それじゃ、割と危ない橋だったんじゃねぇか?
あ、でも……人間の3人や4人ぐらいなら、軽いもんなのか?

【『やんちゃ』――――それを言えば、レグルスもまた大したものである】
【しかし、それは軽く流して。グーの身体の事を考える】
【ワータイガーの『衰え』と、人間の『衰え』では、桁が違う可能性もあるのだ】
【あるいは、まだ人間相手なら余裕と言う事なのかもしれないと、レグルスは考えて】

ま、絶対的な答えってやつは、探しても無駄なんだろうけどよ…………でも、はたして『公』の果たしてる役割が、どれぐらいあるのかって考えるとよ……

【レグルスの言う通り、この問題に関しては、答えの無い類の問題である】
【必ずしも、絶対に正しいとは言えないのだろう。それは同時に、どの答えも『絶対に間違っている』とも言えないのだろうが】

――――力、ね…………ま、てめぇらで出来る事をしていくしかねぇだろ?
俺はとりあえず、力を持たない弱い連中ってののために、力を振るうつもりだぜ?

【――――自分よりも長い人生を生きてきたグーの言葉には、それ相応の実感が込められているのだろう】
【なら、所詮若造に過ぎない自分に言える事は多くない。ただ、力の振るい方を考える。それだけだ】

ぐ、グーにゃんかよ…………ったく、女の感性ってのは、どうも分からねぇや…………
それにレグにゃんって……収まり悪くねぇか?

【グー自身の呼び名を聞いて、思いきり顔を顰めるレグルス】
【――――この豪快なワータイガーに『グーにゃん』と呼び名をつけるのは、レグルスにはどうしても理解できなかった】
【ましてや、自分の身となると――――勘弁してくれ、と、表情で言っている様なものである】
694 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/03(日) 00:38:18.34 ID:lfzW+hH1o
>>692

「くゥゥウウーーッ、だが俺はその権利とやらを物ともせずに!」
「その美味しそうな匂いの奴を頂いてやるゥッ!」

【相手には、こちらにあげる意思は全くないということは、彼にも分かった】
【一瞬、握り拳を作った後に、そちらを指差し強く言い放つ】

「それに……皮だけじゃあ腹は膨れねェーし、紙はなァー」
「紙って、こう……もそもそするし美味しくねェーんだよなァー」

【……強く言い放った後は、このように嫌だなあという感情の表れが見えるのだが】
【そもそも、紙を食べたことがあるらしい時点で……こちらも、食い意地は負けていない……のか?】


「アウゥゥーッ、何邪魔してんだァーッ!」 「……くッ、もう最後の一個にッ!」
『……前回は、人の獣を狙い、今回は人の中華饅頭を狙い……食い逃げは私も共犯ですが、また、自警団等のマークが増えますよ?』

【*おおっと仲間割れ*】 【なんやかんやと騒いでいる内に、もう最後の一個になっているではないか】
【勝ち誇る相手の表情と対比して、こちらは負けて悔しそうな表情】
【一方女性の方は、あまりにも無表情過ぎて――淡々と論すが、……】

「……ヘケケケ、だったら無理矢理こうしてやるぜェーッ!」 『……はあ…………』

【男は、なんと女性を軽々と右側へと投げたではないか】 【……慣れたと言わんばかりに、杖から少しだけ魔翌力を発しつつ着地する女性も女性だが】
【そして、男は最後の一つであるトロピカルまんを強奪しようと――】

「こいつは俺の物だァーッ!」 「匂いだけじゃあ腹は膨れねェーッ!!」

【勢い良く手を伸ばし、そして中華まんへと伸ばされた手を弾こうとするッ!】
695 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/03(日) 00:39:11.50 ID:0yXZQz2wo
>>682

【――軽く滲んだ汗を手拭で拭って、念入りに背後の道を睨み付けるように見てから再び彼女の元へと向き直る。】
【ふ、と溜息を吐きはするものの、体力的にはまだまだ余裕がある様子。】

【相手を安心させる為か、一応少女の持ち前である微笑を浮かべて、】
【聞き慣れない言葉にん?ん?と時折頭を傾げながらも、取り敢えず聴き取れる所は聴き取ろうとした。】

―――ん、と、先程のあの方々の事でしょう…か…?

【ですよね?と一応確認らしき物を入れてから――あははは、ははは、と乾いた笑み。】

少し“苛々していた”ものですから、少し無謀な事をしてしまったかもしれませんね…。
【あーいうのって許せませんし、と続けて、その事を思い出したのか少しむ、とした表情をする。】

と…話が少し逸れました。
あのような方々――しかも集団で、となると、“怖い”ですよ?何よりも、何をされるか分かったものでもありませんし。
一応ですが、私に対して手を出して来た時の、“対抗手段”的な物は存在していましたが――――まあ、最終手段でもあります。

――“もの凄く怖かった”ですけど。…でも、可愛い貴方の事を見過ごせませんでしたから。

【慈愛を感じさせるような表情で、助け出せた結果を喜ぶかのように、うん、と自分の言葉に対して相槌。】

まあ、でも、何と言いますか、最初から襲わせないという事が大事だと思います。

【月並みな言葉ですけどねー、と冗談めかして少女は続ける。】
696 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/03(日) 00:40:08.61 ID:lfzW+hH1o
>>694
/勢い良く手を伸ばす前の所にこれを追記
/【そちらに猛ダッシュして近づこうとし、成功したならば――】
697 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/03(日) 00:41:51.82 ID:XPQ9rvTY0
>>686

【ああ、そうだった――酔ってても酔ってなくてもハイテンションだった――】
【しかしまあ、勢い余って二人にも「飲め飲め!」と言ってこない辺り、まだ泥酔レベルではないようだ。】
【なんとか話も通じているし、晩酌にも一応の制限は設けているのだろう。】
【もっとも、それが今後も約束されるかは微妙なところだ、アンジェルもいつかは「今日は暇だ!飲むぞ!飲め!」――なんて】
【強引に誘われるような日がくるかもしれない・・・。】

砂糖とミルクひとつずつはいりまーす!
・・・え・・・そんな・・・ベルちゃん・・・砂糖、二つ・・・!?
【二つ、と聞いて大げさに驚く、そしてその後頭を撫で始め】
か・・・かわいい・・・もしかして珈琲もブラックで飲めない感じ!?きゃー純粋!
【――前言撤回、やはり泥酔レベルか。】

あっははは!エンジェルちゃんは不評なのかー、そっかー。
でもでも、なーんか二人ってすっごく仲が良いよね、息が合ってるっていうか・・・あ!もしかしてそういう・・・!?
そうなの!?やっぱりそうなの!?これふじゅんいせいこーゆーじゃん!あっははははははー♪

【ほんの数十秒前、マトモな事を言っていたかと思えばこのザマ。まったく、どうしようもない。】
【アンジェルが心配していた事なんてもう、どうでもいいんだとでも言うかのように笑い飛ばすセリーナ。】
【大事なのはハートだ。】
【アンジェルも「行けたら良かったんだけど」――と、言っているのに、それ以上の詮索などする筈もない。】
【彼女強く正義を信じ、それを行おうという覚悟を持つ紛うことなき戦士なのだから。】
【セリーナはバカな女ではあるが、彼女なりに、気にするなというメッセージを込めての態度なのかもしれない。】
【そうして、セリーナはシェンの言葉へと耳を傾ける】

――そう、ですか。――話してくださって、ありがとうございます。

貴方の言うとおり、罪は消えません。
「償う」事って、罪を「失くす」事と同義では、ないですからね。
けど――そこまでわかっているのに。
どんなに貴方が今後、機関と戦おうとも、貴方を罵倒する人がいると、知っているのに。

――それでも戦う事を辞めない貴方は、気高い。

だから貴方のその覚悟を、アタシのちっぽけな組織の為に汚すことなんて出来ません。
協力していただける、っていうだけでも、本当に有難い。

でも忘れないでください。

本当の本当に、一人で戦っている人間なんて、実はいないんですから。
誰が否定しようとしたって、アタシは貴方を仲間だ、って思ってますからね!

【――いつもどおりの、バカっぽい笑顔でそんな事を言った。】
【彼には彼の、戦いがある。かつての機関員との絆を汚す事はできない――だから】
【このままでは組織に参加することは、確かに不味かった。セリーナが何を言うとも、世間はそれを批判するだろう。】
【しかしそれでも、きっとセリーナは「彼はUNITED TRIGGERの一員なのか」と、聞かれる事があれば――】
【「正しい事の為に戦おうとする者は、みんな仲間みたいなもんでしょ!」――なんて、応えるのだろう。】
【正式なメンバーとして迎え入れる事は出来ない。だが、それも良いのだ。】

【名を連ねる必要など無い。】
【大事なのは、同じ方向を向く人間が、手を取り合える事なのだから。】
【――寄付、という単語が聞こえて目を輝かせているのはほうっておいて。】

【ともかく、外部協力者、セリーナは快く受け入れるだろう。】
【これでまた、一人仲間が増えた。】
698 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/03(日) 00:43:18.75 ID:Srv1Onmt0
テスト
699 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/03(日) 00:44:24.86 ID:u+R4wyomo
>>693

おう?まあチンピラの一人や二人程度にゃ遅れは取らんぜ?多分な
っていうかよ、んな深くも考えちゃいねえぜ俺は

最初に言っただろ?俺はレグルスの男気に乗ったんだ!
その場のノリさ、野生の血が騒いだっていうのか?
年甲斐もなく身体を動かしたくなっちまってよお!まあ、なるようにゃなっただろ!

【ガハハハハ!と大きな声で笑いながらグーは言う】
【本当に深く考えずに乗り込んだようであった】
【勝てる勝てない、ではなくやるかやらないかの差であった】

力を振るう……か、それはレグルス一人でか?それとも仲間がいるのか?
個人で出来ることはよ、きっと目の届く極々小さな範囲でしかねえんだ

世の中に不満があって変えたいと願うなら
お前さんの言ったとおり、多くの能力者を束ねる何かが必要になるだろうよ

――丁度今、正義を掲げてるっつう組織、あのチラシに載ってた、なんだったっけか?
うな、うなぎ……ウナ……なんとかってのがあるらしいじゃねえか

【恐らく某組織のことを言いたいのだろうが】
【チラシで少し見ただけのようで名前を全然覚えていなかった】

俺はよ、意外とヒト族の女子供にゃあ好かれるんだぜ?
公園にいきゃガキどもが俺の身体によじ登ってきやがるんだ

どうにも猫ってえのが好きな人種らしいな、ヒト族はよ
レグルスの場合はちょいと方向性を変える必要はありそうだがね

【レグルスの全身を眺めながらうーむ、と何かを考え始める】
【似合うあだ名でも考えているのだろうか】
700 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/03(日) 00:47:00.46 ID:9ORDOwwgo
>>691

列車占拠、っていうと、あの水の国の……
あの事件の時に、その場にいらっしゃったんですか!?
危険な能力者たちが起こした事件だって聞いてます。よくご無事で……

【驚きの表情を見せる男、同時にその怪我は戦闘によるものであることを悟る】
【同時に、彼はそのことを多く語ろうとはしていないようだ、とも】
【怪我のことも併せて考えると、彼にとっては苦い経験なのではないか】
【最も、テロの現場に居合わせて、それに戦闘者として関わったなどということが、いい思い出であることはまずないだろうが】


(あまり、このことには触れてほしくないのかもしれないな)

いえ、そんな、襲う側だなんて思ってませんよ。貴方がその気なら、とっくにそうしているでしょうし

いやいや、僕は本当にただの行商人です。旅をしてる以上、荒事に全く経験がないわけではないですけど
それだって、その場しのぎみたいなもので、戦いは正直、苦手です

【怪我に対する思考は中断する。自分は、戦士ではないのだ、とそこにだけ返事をして】
【同時に、彼が悪い人間ではなさそうだ、という思いを確かなものにする】


ははは、わかります。純粋なだけに、結構突拍子もないことをすることもあるんですよね、子供って
でも、それだけに僕のおもちゃで喜んでくれる時は、本当にきれいな笑顔を見せてくれますよ
確かに大変なことも多いですけど、あの笑顔を見られれば、それも報われるってものです

【彼の言葉に同調しつつ、少し胸を張って答える。自分の仕事に、誇りは持っているのだろう】
【そのあとに続く彼の言葉に、少し顔を赤くし、うれしそうにする】


そんな風にいってもらえるとうれしいですよ、行商人と言えば聞こえはいいですが、根なし草と見られることのほうが多いですからね
僕はギア、ギア・ボックスです。よろしくお願いします、エルフェスさん

【笑顔を浮かべて、彼に名乗り返す】



こうして会ったのも何かの縁でしょう、よかったらご一緒にどうです?
ちょうど、この公園で夜食にでもしようと思っていたんですよ

【彼が空腹であることを知ってか知らずか、男は下げていたカバンに手を入れると】
【ビニール袋を取り出す。そこからパックされたおにぎりと、温かいお茶の入ったペットボトルを手にとって】
【彼の座るベンチに歩み寄り、手渡そうとする】
【彼が拒否しなければ、男もベンチに座り、自分の分のおにぎりを食べ始めるだろう】
701 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/03(日) 00:51:07.27 ID:HSH6+12zo
>>695

【優しい人だな、と思った、聞きなれない筈の彼女の言葉を、聞き逃すのではなく聞き取ってくれるから】
【確認してくれる貴女の言葉、少し遅れて、うんうん、と何度か頭を頷かせるのだろう】
【リスニングもオーラルもイマイチだけれども、伝えたいことは一緒なのだから】


……お姉ちゃん、強いんだね、ソニア、分かるよ
強い人、Власть(力が)――――Нет(じゃなくて……)Душа(心が)
セレーナみたい、ソニアの、大好きな人


【怖いって気持ちは良く分かる、だからこそ、それでいて立ち向かえる貴女が凄いと思った】
【心が強い人、その形容は間違ってなんていなくて、彼女の中の誰か≠思い浮かばせる】
【表情豊かな貴女の姿に、惚れるようにその頬を緩ませた】

【舌足らずとも言えそうな彼女の言葉、まだ慣れていないのか文法的にも可笑しいかもしれない】
【両手ですくう言葉の水、湖は広くて、彼女の小さな両手ではその一部しか汲み取れない=z
【ぽろぽろと指の隙間から零れていく言の葉の上に揺らめく雫、それでも、貴女へと差し出すのだろう】


……お姉ちゃん、怒ってた、の?
苛々って……ダメって、言われたよ、ソニア……色んな人に

どんな時も――――Уладьте.(落ち着いて、って)


【苛々してたとの貴女の言葉に彼女はそんな反応をするのだろう】
【両手で握ったバイオリンケース、一歩貴女へと近づくとスカートの丈みたいにふわりと揺れる】
【コートから零れ落ちる細身の両脚がソックス越しに貴女へと訴えかけるよう】

【落ち着いて、との言葉の代わりに左手をそっと差し出すだろう】
【できるのなら、もう一回貴女の手を握って、彼女の冷たさで冷やしてあげよう、と】
【片方の手だけで握る大きなバイオリンケースは、少し苦しそう】
702 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/03(日) 00:57:11.51 ID:RpeEaX8G0
>>694


「この権利は譲る事は出来ません。このトロピカルまんは私に食べられる義務があります」

【少し前までは在庫処分品となっていた品。この女が全て手に入れたが故、プレミアとなるなんて皮肉な話である】
【袋から香る甘い匂い。最早中華まんであって中華まんで無い】
【……そんな物を巡って良い歳をしているであろう二人が静かに争っているのも、また奇妙な話か】


「既に自警団に目を付けられているのですか?
かく言う私も、その自警団の一人なのですが」

【女性の言葉が耳を通って、怪訝な表情を浮かべることも無く言い放つ】
【――――自分も自警団だ。と明かすこの女を、二人はどう思うのだろうか】
【すく無くとも、この女自体は自警団として、では無く個人的な理由で渡したくないだけに思えるが】


「完全な仲間割れですね
――――敗北でお腹を満たして下さい」

【パクリと咥えると、半身の体勢を取って】
【避けるでも、止めるでも無く――――いなす。謂わば、合気の術】
【相手の力が強ければ強いだけ、その分の威力を返すのだろうか】
【当然、身体の使い方を知っている者にはあまり効果の無い技だが――――何よりも大事なのは、咥えたこと】
【しかしながらそんな動きをしてしまえば、中華まんは落ちてしまうわけで】
【ボトリ。虚しい音が、二人の間に響くことだろうか】
703 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/03(日) 01:01:49.98 ID:mJD9W4lc0
>>699

……まぁ、分からなくはねぇぜ。血が騒ぐってのはさ……
それに、あんたなら本当にどうにかしちまうだろうしよ……ま、そんときゃそん時だ!

【レグルスとしても、そうした『ノリ』の行動と言うのは感覚が合うのだろう】
【無論、全てを無視してノリで――――と言うと、それも違うのだが、感覚的な好悪なら、それに正直になるのだろう】

仲間、か……ま、1人だけ、頼れるやつはいるな…………あいつは、そう言う事に力を振るうのは本意じゃなさそうだが……
でも、俺が頼むとよ……嫌な顔はしても、絶対に断りやがらねぇんだ……そこのところ、ハッキリした性格なのによ……
憎からず思ってくれるんだろうな……俺の事をよ

【仲間――――そこに話題が及んで、レグルスは1人の人間の姿を脳裏に思い描いた】
【それが、必ずしも道を同じくする存在ではないが――――それでも、背中を安心して預けられる存在】
【なら、それを仲間と捉えるに不都合は無いだろう】

あぁ…………なんだっけ、何とかTRIGGERか?
…………目標は同じかもしれねぇが、気心は知れねぇ……あまりいい気はしねぇな…………それによ、俺は結局一匹狼だ……
俺の道は、俺が踏破する…………そうだろ、グーのおっさん……

【レグルスも、組織名はうろ覚えなのだろう。『UNITED TRIGGER』の後半分しか出てこない】
【それに、かの組織は気心が知れないと、あまり良い印象を持っていないようだ】
【なにより、レグルスの豪放さは、組織などの中では上手く行かない類のものだと言う事もあるだろう】

確かにな……猫は人間好きする動物だぜ…………でも、ワータイガーともなれば、子供は怖がるもんだと思ってたけどなぁ…………

【レグルスとしても、愛玩動物と言う概念は分かっている。しかし、グーの姿はそれにあてはめられないのだろう】
【――――なまじ『自分の同類』と言う感覚があって、中々猫のイメージに結び付かないのかもしれないが】

…………さて、俺はそろそろ休みますかね…………グー、あんたはどうする?

【ふと時間を気にし出したレグルス】
【そろそろ、夜も更けてきた。宿へと戻ろうと言うのだろう】
【グーへと、そう切り出すレグルス。特段に用事が無ければ、レグルスはこの場を後にするだろう】
704 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/03(日) 01:05:02.65 ID:FN8Aw6rdo
>>697

【子供だとか、コーヒーのブラックダメなのかという問に沈黙だとか、あと平たい胸だとか】
【その辺り、抵抗もせずにむすっとしながら頭を撫でられるのはきっと自覚があるからなんだろう】

『おっとお嬢さん、残念ながら俺には既に大事な人がいるんだ』
『というわけでこんなちんちくりんと一緒にするのは止めてもらえるかな、うん。』
くっ……何時かふたりともしばいてやるわ、この……っ!

【アットホームとでも言おうか、こういう温かさが正義、なんていう重い立場には必要なのだ】
【見る人によっては面倒そうな事だろうと、特に独りで戦ってきたアンジェルには大きな事】
【此処でエネルギーを補給して、悪に立ち向かう。簡単な話だ、シェンの立場よりも、余程楽】

『ん……ありがとう、セリーナ。君が良い理解者で助かったよ、こりゃ組織は安泰かな』

『実はさ、君が最初に“同志”って言葉を使ってくれたのが嬉しかったんだ』
『なんというか、自分の居場所を見つけたみたいで。以前に同じ事を思ったのが機関、ってのは皮肉だが』
『そんな過去の経験でも、役には立つと思うから―――力が必要なら、言ってくれよ。』

『……後は結構現実的な話、金に困ったときは言ってくれ』
『持ち合わせがあっても俺は浪費するタイプでもないんだ、必要な所に有るべきものだからね、金は。』

【――と。ふと手の内に何かを作り、シェンはセリーナへとそれを差し出す。能力による生成物だ】
【物体の正体は、小さな金塊。売れば数十万程度の臨時収入になるだろう】
【それの示す所は、卑しいが現実的な“余裕”だ。ある種、小粒のスポンサーとしても協力するということだろうか】

【セリーナが受け取るにしても、受け取らず金塊が置かれるにしても、彼の話はそれで終わりだ】
【伝えたいこと、聞きたかった答え、確かめたかった女性の志――いずれも完全に達成したのだから】

【故に、彼の話は終わり。紅茶が出ればそっ、と取って、静かにそれを頂くだけだ。】
705 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/03(日) 01:08:27.28 ID:3JjL9jPzo
>>700

これを無事っていうなら、いや生きてるだけで儲けものかな
それに何を求めてる訳でも……ああ、なんでもない

【生きているだけで十分だろう】
【でも最上を求めるならば怪我をする時点で論外だ】
【敵を倒すならまだしも自分は敵を取り逃がしている、これでは意味が無い】

【伏せるような視線は自分の左腕を見て】
【その瞳は弱い自分自身への苛立ちが混じっていた】

その場しのぎ、か……でもその方がいいよ
戦いってさ「沼」みたいなモノでさ、いや言う程戦いについて知っている訳でもないけども
戦って戦い続けて気づいたらどうしようもないくらいにズブズブ埋まっている、そんな感じがあるんだ。

【戦場に生きて剣で銃で敵を殺して何度も何度も勝って、そして最期には負ける】
【その未来は決まっているのにしかし戦いを営みとする彼らはそれ故に戦いしか出来ない】
【破滅を決定付けているそれから逃れる術を知らず、今もどこかで誰かが死んでいるに違いない】

そんなふうになるくらいならその場しのぎでいいから……
そうだなあ、アンタみたいに子供相手に日常を過ごしている方が遥かに高尚だと思うな。

まあでも根無し草なら案外同じかな、なんてな

【だから彼は言う「日常は尊い」と】
【からかうような笑みの裏で営みを楽しげに語るギアの姿が羨ましく思った】

あ……はい、ご相伴に預ります
というか助かるよちょっと財布が心もとなくてさ……うん、頂きます

【少し前ならば断っていたけれど即ち素直じゃなかったけど】
【年月とあと空腹はダイレクトに響くのである、頭を下げながらついでに腹を小さく鳴らしながら】
【ギアからおにぎりとお茶を受け取ってそれはそれは嬉しそうにまぐまぐと咀嚼を始めるのだった】
706 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/03(日) 01:16:05.12 ID:u+R4wyomo
>>703

雄ってのはよ、どうにも理屈だけじゃ動けない生き物だからな
この血の滾りを抑えろなんざ健康に悪いって話だ!

ま、そのせいで嫁さんにゃもっとよく考えろとよく愚痴を零されたもんだがな!
きっと雌にゃあ理解しがたい浪曼ってやつなんだろうぜ!ガハハハハ!

【ジョーク調の響きを織り交ぜながら、虎のおっさんは男の浪曼を語る】
【脳筋の雄というのは、実にわかりやすい生き物である】

仲間がいるってのはいいことだよな、憎からず思ってくれているなら余計にな
ニンゲンってのは俺も含めて群れなきゃ生きられねえ弱い生き物だ
どんだけ一人で出来ると意地張っても絶対に壁にぶち当たっちまう……

頼れる仲間がいるなってなら、絶対無理はすんじゃねぞ?
折角出会った相手に何かあったらよ、グーのおっさんも夢見が悪いってもんだからな

【レグルスに仲間がいると聞いて、どこか安心した空気を持ちながら言う】
【一人の無力さを何らかの形で知っているのだろうか】

俺のことをちょっとでかい猫だとしか思ってねえみたいでよお
髭引っ張ったり毛ぇ毟ったり大騒ぎだぜ?
本能的に危害を加えない生き物ってのが分かってんのかね?俺にも詳しくは分かんねえけど

――おっと、もうそんな時間か
そんじゃあまあ、俺も変えるとするかね
あんまり待たせるわけにも行かねえしなあ……

【背骨をポキポキと鳴らして軽い柔軟をしながら、どこか遠くを見るような視線を街の外へと向けたあと】

……じゃあな、レグルス!縁があったら何でも頼ってくれや!
俺はお節介焼きだからよ!「ダチ」の頼みにゃできる限り真摯に答えるぜ!

【姿勢を正して、別れの挨拶をしようとする】
707 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/03(日) 01:18:57.40 ID:0yXZQz2wo
>>701

――そのセレーナさん…って方に、私が似ているんでしょうか?
大好きって事は――――多分良い人、なんでしょうね。…嬉しいです。

【果たしてセレーナさんとはどんな方なんでしょうか、と思考を巡らせて、とりあえず“優しそうな人”をイメージ。】
【自分の対外的なイメージを考えるなら、とりあえず優しそうと言われた方がいいな、という願望が反映している。】

【所々言葉は分からないが、分からない部分は分からないままに、前後の言葉と、彼女の表情から単語を類推。】
【こうあって欲しいな、という少女の願望が含まれている為、恐らく唐突に“分からない言葉”で罵られれば困惑すると思われる。】

【相手の仕草を読み取って、何をするかは分からないものの、右の手――左手を差し出す彼女と同じ側の手を、前に差し出した。】
【表面上ではどれだけ明るく振舞っていても、心底には警戒が存在する。それは、少女の経験則に依る物。相手が少女にとって危険となったなら、直ぐ様手を引っ込めるつもりだった。】

【手に触れられて、何もされない事を確認した気を緩めた刹那、】

冷―ッ―はぅ、う……

【先程は全く意識していなかったが、ここまで彼女の手は冷たかっただろうか、と思い返す。】
【彼女にとっては、外気に常に晒されてはいない少女の手――少女の体温は暖かく感じるだろうか。その分だけ少女は冷たいと感じているのだが。】

――――心を静めて、という事ですかね?

…まずこの状況だと、平常になるどころか結構寒いのですが――

【彼女の手から逃れる方向に右手を動かして、代わりに両の手で、差し出されていた左手を包もうと試みる。】
【それは相手を“冷たく”しようとしている彼女を、逆に少女の体温で温めようとしているような光景だった。】
708 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/03(日) 01:20:05.58 ID:lfzW+hH1o
>>702

「ヘケヒャハァーッ、そんな権利も義務も俺がぶっ壊してやるぜェーッ!」
「俺はよォー、腹は減ったしその甘ァーい物が好きなんだ」
「良いからその饅頭を俺に寄越せェーッ!」

【好物である甘い物の匂い、それは彼の食欲を更に刺激し彼を動かしていて】
【しかし、彼からは知性的な雰囲気は殆ど感じられず】
【それはともかく、このトロピカルまんを巡る戦い――端から見たら何やってんだこいつらと言われかねないが、彼は真剣である】

『あなたも自警団なのですか……ええ、私達は自警団に目を付けられています』 『その原因は、主に彼のせいです』
『…………行く先々でこの様に他人に迷惑をかけていますので』 『……あなたにも、迷惑をかけてしまって本当にすみません』

【実際自警団にマークされているのかは、その方々に聞かなければ分からないが――まあ、彼のあの行動を見ていれば納得は容易だろう】

「なッ、このやろォォーッ!」 「くゥッ、このままでは最後の一個まで食われてしまう……ッ!」

【男の伸ばした手は、容易にいなされて――確かに身体能力は高いようだが、数刻の隙を晒して】
【――ふと、振り向けば、地面に落ちて雪と砂の調味料がかかった中華まんがあって、僅かな沈黙はしたものの】

「…………ヘケケケ、俺は落ちたものだろうと食べられるッ!」 「それが3秒以上落ちていたとしてもなァ〜ッ」
「この勝負、俺の勝ちだァァーーッ!」

【落ちたという事実があっても、その中華まんへ対する食欲は衰えていないッ!】
【――そう叫ぶ彼の手は、既に中華まんへと伸ばされていて――まだ、捕らえてはいないが】
709 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/03(日) 01:24:10.07 ID:mJD9W4lc0
>>706

ハハッ、全くだぜ! 抑えるにもエネルギーが要るんだ! そんな事に無駄遣いできるかよ!
そんな事にエネルギー使うくらいなら、いっぺんにぶっぱなすってよ!

【――――レグルスも、大概なレベルでグーに同調する】
【恐らくこの2人、どこか波が合うのだろう】

まぁな…………むしろ、あいつの方も俺を頼りにしてくれてる感があるからよ……
だからこそ、だな…………あいつとの仲は、そう簡単に切れねぇし、切っちゃいけねぇんだ…………
……ま、互いに良いライバルって奴さ…………
(そう考えると…………本当に、あいつと言う友がいる俺は……幸せなのかもな)

【仲間の事を、グーへと語るレグルス】
【どうも、言葉から感じられるのは、相当に深い絆があるのだろうと言う事である】
【それを口にしながらレグルス自身、自分にとってのその仲間とはどういうものなのかと、自問していた】

……子供は、そう言うところをちゃんと見るって言うしな?
確かに、あんたはそういう意味じゃ、カッコいい猫のおっさんだぜ…………

【子供の無邪気さは、グーの人柄を正確に理解しているのかもしれない】
【なら、そうした子供の無邪気さも分からないではないと、レグルスは苦笑をわずかに晴れやかにさせて】

あぁ、そっちも気をつけてな、グーのおっさん!
…………レル・フェン・ゼル・ビン…………『ウィングウィンド』!!

【別れの挨拶を済ませると、レグルスは棍を『杖』の様に構え、何らかの言葉を口にする】
【瞬間――――レグルスの身体は、夜空へと飛び上がった。恐らく、それが彼の魔術だったのだろう】
【――――自分の道を突き進む。レグルスの飛ぶ姿は、正にそれを体現しているようだった】

/遅くまで乙でしたー!
710 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/03(日) 01:25:11.11 ID:XPQ9rvTY0
>>704

【正義を体現するかのような白い服――真っ直ぐな意思を表す剣】
【アンジェルはセリーナの目から見ても、口調や態度のしっかりした印象から随分大人びて見えていたが】
【なるほど確かに、どうやら歳相応の部分もまだ散見されるようだ。】
【にひひ、とセリーナは悪戯ぽく笑いながらよーしよーしと頭を撫で】

え、シェンさんはもう心に決めた人が!そっかー・・・
ベル、残念だったね・・・どうやらシェンさんはベルより一歩か二歩、大人の階段を駆けていったみたいだよ・・・。
でもちんちくりんじゃないよねー?こんなにキレイな顔立ちなのに、子ども扱いしちゃだめですよー!
・・・まあ、それに・・・大丈夫!まだ大きくなるよ!!これからこれから!あ、ミルクもっと入れる?アップ効果あるって聞いたよ!

【――余談ではあるが。】
【セリーナのバストは豊満であった。】
【余談ではある、が。】
【多分、セリーナが何を言っても皮肉にしか聞こえないだろう――・・・。】
【マイペースで滅茶苦茶なリーダー、そして集まった個性豊かな能力者たち――】
【まるで家族のようで。セリーナもそれを、きっと良い事だと思っているだろう。】
【戦いの日々が始まれば、すぐにこんな平和な時間なんて、消え去ってしまうのだから。】

いやいやー、安泰とは程遠いんですよ・・・リーダーがこんなですしね、はは!
黒字に持っていけるかまだまだ不安材料だらけで。まあ、依頼はちょこちょこ入ってきてはいるんで、頑張らないとって感じです。

・・・"同志"、ですね。
この言葉、アタシに銃を教えてくれた――まあ、父親代わりの人が言ってたんです。
いつかそういうヤツを見つけろ、って。だから、アタシも実は好きな言葉なんですよ。
仲間、とか友達、っていうのとはまた違って――ふふ。
シェンさんの経験なら、もう役に立つこと間違いナシですよ!アタシ、とくに頭のほうがダメなんでほんっと、ありがたいです〜!

【――なんて、平和な話もここまでだった。】
【セリーナは彼の手のひらから現れた物を見て、―――涎が出た。いや、マジで。】
【慌ててふき取る。しかし素早くそれに飛び掛らんばかりの勢いで、噛み付く―――!!】

金だ!金金金!金だ!ハッハーァーァッ!!マニー!ゴールド!!
すっごいすっごいよこれうわーこの能力ほしーーーッ!

【シェンの手を掴み、頬をすりすりと擦り付ける――犬か。】
【目が完全にハートになっている】

スポンサー契約結びます!いやもう、何か困った事があったら全力でサポートしますよシェンさん!
UNITED TRIGGERは貴方の手足と思ってくださいなんでもしますなんなら脱ぎますあははははぁん!

【――――引き剥がさないと、いつまでも続きそうだ・・・。】
711 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/03(日) 01:29:35.19 ID:3Ahbk78fo
【教会跡地】

【扉の上にレリーフを掲げ、壁の化粧が剥がれても尚建物としての威厳は保ち続ける】
【森の中にひそりと立ち竦むその建物は、時折鈍く鐘を鳴らしてその存在を象徴し】
【信徒が立ち去った今も、雨に濡れる旅人をかくまう程度の役割は果たしている】
【人が神を見放しても、神が人を見放しはしないように】

曲りなりに、神の家としての役目を果たしていたとしても……
それにしては気配が無い、ここには何も残っていない
……何故だ?

【その有り様に、その中に侵入した上で文句とも取られかねない毒を吐く】
【ただの気狂いか、はたまた人に限らずあらゆる事物は見かけでは判断できぬということか】

【白髪混じりの黒髪長髪を、前髪のみオールバックにした男が瓦礫の上に立っている】
【暗い色調の緑のタキシードに同色のシルクハット、紫のスカーフタイを身につけ】
【赤い目、右目には銀縁のモノクルをかけていて、どこか古めかしい雰囲気を漂わせ】
【白い手袋を嵌めた右手には黒いパイプを、左手には杖をもっている】
712 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/03(日) 01:31:02.92 ID:9ORDOwwgo
>>705


あ、いや失礼、死人も出たって聞いたもので……

【相手の怪我を前にして失言だった。あわてて取り繕う。どうも、動揺しやすい性分らしい】
【エルフェスの後半のセリフにも、彼が左腕に落とす、苛立ちを含んだ視線にも、何も言わずにおいた】
【きっと、自分には理解の及ばない思いがあるのだ。そう思った】


「沼」……ですか

【続くエルフェスの言葉を、ゆっくりと自分の中に落とす】
【今はまだ、日常の中にいられる自分と、目の前の彼は、違うのだろうか】
【きっと、エルフェスは戦場でそう感じるだけのものを見て、そう感じるだけの経験をしてきたのだろう】
【目の前にいて、こうして会話もできるというのに。そんなにも離れているのだろうか】


エルフェスさんが、どんな思いで戦ってきたのか、その中で何を見てきたのか、僕にはわからないですが
こうして誰かと出会って、話して、一緒にご飯を食べて。今この時間も、確かに存在するものだと思います。戦いの「沼」がどうしようもなく存在するように

【戦いを知らぬ彼なりの、精一杯の言葉であった。どうしようもなく、沈んでいく。それだけでは、あまりにも悲しいではないか】
【エルフェスに向ける視線は、少し揺らいではいたが、はっきりと彼を見据えていた】


はは、そうですね、根なし草では、あまり変わらないかもしれません。その場しのぎなのは、荒事に限ったことじゃないですからね
まあ、僕にはこれが性に合ってます。

【からかうようなエルフェスの笑いに、ともすれば悲しげに歪んでしまいそうだった表情を、また笑顔に戻して】
【おなかを鳴らしながらおにぎりを食べるエルフェスに、こちらもうれしそうに見つめる】


おなかが空いてたんですね、僕も久々に誰かと一緒に食事ができてよかったです
食事は、空腹な時と人と食べる時が一番おいしいんですよ

【彼も、自分のおにぎりにかぶりつく。ビニール袋には、まだいくつか入っているようだ。彼が望めば、それらのおにぎりも快く渡されることだろう】
713 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/03(日) 01:32:22.41 ID:RpeEaX8G0
>>708
「……このまま、捕まえてしまえば門下生も集いやすくなるのでしょうか?」
「確かに迷惑です。私が大枚叩いて買った物を奪おうとしているのですから」

【仮に捕まえたところで、何と説明しようか】
【逆に、恥を搔いてしまいそうだが……元より、この女は恥という概念があまりないのかもしれない】
【街のシンボルとも呼べるこの場で、不味い不味い――――いや、人によってだがそんな物を奪い合っているのだから】


「―――――させませんッ!」

【――――ぐちゃ。咄嗟に脚を伸ばして払おうとするも】
【最悪のタイミングで双方の攻防が重なって、女の脚が払われる形となって】
【結果的には、その音。無残にも草履の裏に潰されて、平べったくなってしまった其れ】


「……気が変わりました。食べたいのならばあげます
私の心は広いのですから、その事に感謝しながら食して欲しいですね」

【脚を引けば、その通り】
【もし踏まれた物も食べられるのだとしたら――――きっと、とてつもなく不思議な味が口いっぱいに広がることだろう】
【今まで食べた中で一番不味かった物ランキング堂々一位。一番嫌いな人に食べさせたい物ランキング一位】
【――――数々の不明よなランキング一位を総なめにした、ある意味伝説である】
714 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/03(日) 01:32:48.92 ID:HSH6+12zo
>>707

【見た目そのものであろう、足元で溶けた霙のような素顔をした雪】
【それすらも何か人工色のよう、色をつけられた真っ白なキャンパスの上に広がる白のチューブ】
【――――そう思わせてしまうかもしれないぐらい、彼女の素肌は限りなく透明に近い白色】


……ソニアは、冷たくないよ……?……わぁっ!……ぁ……はぅぅ……
Тепло.(暖かい……)お姉ちゃんの手……


【小首をかしげた、その動作に比例するように長いプラチナブロンドの髪が彼女へと纏わり付く】
【白銀とも形容できるその髪の色は、月光すらも裸足で逃げ出すような幻想的な色合いで、貴女に少しでも、及べばと】
【最初、貴女の言葉が理解できなかった、自分を心配してくれてるのかな、と自分勝手な勘違い】

【数秒してそれに気づいたのか、赤面する、顔を真っ赤にして、声にならない声で悶絶しようとする】
【その動作がピタリ、と止まる――――スイッチを切られた操り人形のよう、貴女の両手に触れられて】
【二つの温もりに包まれた彼女の静寂が、ぽかぽかと感情を持ち始めたみたいに感じた】


お姉ちゃん……名前、なんていいます……です?
ソニアはソニア――――Соня Екатерnна Драгуноваソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ
宜しく、お願い、いたします……


【長い時間喋ってるのは苦手なのかもしれない、ろれつが回らないようになって、困ってしまいそうになる】
【難しいなと言いたげな口元、マフラーにふんわりと隠れて、その身を濡らす】
【それでも母国語の発音は完璧で、歌うようにその語句を諳んじてみせる】

【マリンブルーの網膜に貴女の姿を移しこむ、とても美しくて、それでいてどこか安心感を感じさせる】
【その姿はあこがれにもたよりにも、そのどちらにも傾くそれでいて、どちらとも兼ね備えている】
715 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/02/03(日) 01:36:29.71 ID:mkYSKTL6o
>>687
//いらっしゃるようなので、一応
//まだ大丈夫でしたらー
【現代建築に切り取られた空に浮かぶ、青白い月を仰ぎながら】
【遅々とした足取りで、家路に就く背高のっぽの青年が一人】
【ソフトハットに草臥れたスーツ、手袋、レザースニーカー。上から下まで黒尽くめ】
【葬儀屋めいた格好とは裏腹に、人懐っこい顔立ちに笑みを浮かべつ】

……いやあ。葉巻って喫み慣れないし、いざ貰ったら貰ったで困るよなあ。
一度点けたら何十分と燃えてるし、薫りはきついし、取っとくにしても今度は保存がめんどくさい。
アル・パチーノじゃあるまいし、俺がこんなもんのんびり楽しむ柄かって……。

【独り言などぼやきながら、路地裏ならば誰に気兼ねする事もあるまいと、堂々歩き煙草を燻らせている】
【そんな中。迷路のように入り組んだ路地、ふと差し掛かる十字路の右手から】
【ふわふわと音もなく滑るように歩み出る、ドレスの女を目の当たりにして、彼は暫時言葉を失った】

(……あれ、透けてる=H)

【ぽとり。銜えていた葉巻を取り落とせば、それは緩く傾斜した地面を転がって。行き着く先は、女の足許】
716 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/03(日) 01:40:40.19 ID:u+R4wyomo
>>709

理性は持ってなきゃならねえが
だが理性だけじゃどうにもならんこともあるからなあ

これだ!ってぇときにゃ派手にぶっ飛ばさなねえと男が廃るって話だ!
鬱憤貯めるとストレスで禿げちまうわな!

【脳筋志向が二人集まれば、そこには異質な漢空間が形成される】
【非常に汗苦しい会話に周囲の人々は自然と避けて通っていた】

単純な損得じゃねえ、コイツのために何かしてやりたい
コイツのためなら俺は動けるって関係は何者よりも得難いもんだ……

大切にするんだぜ?後悔する生き方だけはしちゃいけねえさ
ニンゲンの縁ってもんは太いようで細い
たった一度のつまんねえ口論で、その縁が切れちまうことだってあるんだから難しいもんだがよ

【うむうむ、と一人で納得したように頷きながら】
【虎人はレグルスの声に応える】

猫のおっさん……うーむ、ご先祖様と同一視されて悪い気はしねえが
少しはこう、トラ族としての威厳とかな、そういうものも欲しいものなんだがねえ

【表情は非常にわかりにくいが、浮かべているのは苦笑に近い顔だろうか】
【グーはグーなりに色々と苦労はしているようだ】

――おう、せいぜい長生きするぜ!じゃあな、魔術師さんよ!

【魔術で飛び立つレグルスの背を見送り】
【グーも踵を返し街の雑踏へと少しずつ消えていく】
【彼の巨体も人ごみに紛れれば目立つものではなく、一人のちっぽけな人間であることを証明しているようでもあった】

ふぅむ……菓子、ねえ?よくわかんねえがこれで喜んでくれるのだろうかな?
ヒト族の味覚ってのはいまいち理解できん

【どこかで買った袋を手元でぷらぷらと揺らしながら】
【彼も家路につくのだった】

/お疲れ様でしたー!
717 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/03(日) 01:45:16.17 ID:3JjL9jPzo
>>712

うん、確かに死んだ人もいた……

【見ず知らずの人間の「死」それにどれだけ想いを傾けられるのか】
【所詮感傷にしか過ぎない、結論はそうなのだけどそれだけでは零れてしまった命はあまりにも救われないじゃないか】
【救われた人と救われなかった人、その間にどれだけの差異があったのだろうか】

そうなんだけどさ……でも、いやなんでもない

【ギアの言葉もその通りなのだろう】
【だけど分かってはいるのだけどそれでも……】

身一つなら案外どこへでも行けるモノだしね
辛くなったら逃げ出す場所なんか沢山あるし視野を広げたいなら同じく

深く考え過ぎなのかもな……

【空腹だから余裕もなくなっていたのかもしれない】
【おにぎりは素朴だけど腹に落ちればそれだけで十分で、それに美味しいモノなのだ】
【まるまる一個を味を確かめるように食べきって「ありがとう」と感謝を示す】

だな最近1人ばっかだったから幾らか美味しいし嬉しいよ
お金さえあれば奢ったりも出来るのに……まあ今度会った時にもで、な?

【一食の恩である、それくらいには誠実な人間である】
【これで財布も詰まっていれば行動も伴うのだろうけど】
【無い袖は振れないのである】

ああ、さすがに2つも貰うのは悪いし大丈夫だよ
欠食児童ってわけでもねーし、うん大丈夫……

【謙虚か遠慮か、にっこり笑って】
718 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/03(日) 01:45:35.64 ID:FN8Aw6rdo
>>710

【服――そうだ、将校服なんていうコスプレじみた格好には、毅然とした正義の意味合いがある】
【見てそれと分かる。一般人からすれば絶対的な正義、いわゆる悪からすれば絶対的な敵】

【極端に過ぎるというのは良くも悪くも、意思表示としては優れた手段だ】
【平原と山岳も極たn――いや、これは別の話か。とにかく、アンジェルという一個の正義は、此処に至って一つの大きな流れに合流した】
【きっとこれから、色々なことがある。騒ぎも出会いも、平和な時だって今限りなんて、寂しいことは無いはずで】

【どこか浮かない表情のアンジェルにも、喜色とでもいおうか。満面ではないが、それが滲んでいた】


『……あぁうん、まあ、いい話だね。“だった”、か。手を離してもらえるかなお嬢さん』
『黄金だろうが白金だろうが、経済に問題でなさそうな範囲までなら……いや止めとこう、良くない気がする』

『とりあえず、だ……協力関係は築けたらしいし、俺は今日の所は失礼しようかな』
『金銭面については俺に連絡してれればいつでも手を回すし、武器でも頭でも同様だよ』
『どうせ定職にはついてないし、まあいつでもとは言わないが通じるさ――――ま、そういうわけで。』

……そういえば、スポンサーっていうと『ラインアーク財団』はどうかしら?
この間ちょっと、その……知り合いに、お金で困ってそうなら勧めてみればって、言われたんだけど……?

【話の半ばで渡すのは例の金塊と、シェンの連絡先が書かれた名刺。これも、能力によって作ったものだ】
【普通の名刺と比べると小さいが、そのサイズの限界が能力の限界ということだろうか】
【なんとも便利な、そして危険な能力か。そしてふとした拍子、アンジェルが話しだすのはとある財団の話】

【知り合い―――それが誰かはともかくとして、シェンという個人よりは安定性の有りそうな話ではあるが】
【ラインアーク財団といえば近年はテロなどへの武力介入も目立つトコロ。あくまで提案の一つ、として聞くのが正解だろう。】
719 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/03(日) 01:47:24.68 ID:egofyzUAo
>>715

……あら、若い癖に葉巻だなんて。生意気ね?

【くすりと溢れる笑み、足許に落ちたそれは幽体ゆえに拾い上げられないのだけれど】
【矢張り目元が見えない顔、それでも黒いルージュの口角が吊り上がっているのは良く見えるだろう】
【煙でさえも彼女の躰を通過して、黒を写しつつふうわりと風に乗せられ流れていく】
【それでも透けた足で葉巻を踏みつければ、そこに灯っていたはずの火は忽然と消えてしまい】

生意気だけれど……可愛らしくもある、かしら
素敵な格好ね、貴方も黒が好きなの?
まあそんな事どうでも良いわ、それよりちょっと遊んで下さらないこと?

【口紅の色に黒を選ぶ女なんてそうはいない、爪まで罪人の証のような黒色なのだから】
【己で出した言葉を己で蹴って、そうして小首を傾げて問うのは一体何の遊びだというのか】
【亡霊が持ち掛ける事柄。乗るには余りにも不穏だが、さて】
720 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/03(日) 01:55:56.58 ID:0yXZQz2wo
>>714

【赤面する相手の様子を困ったように見て、動揺させてしまったかな、なんて和やかな思考。】
【す、と手で作った小さな蕾を開くような緩やかな動作で少女の手を話すと、一歩距離を開けて軽く一礼。緩やかに揺れる彼女の桔梗の色。】

【少女はふわ、と花が咲いたかのような笑みを浮かべて、】

――――りょう、です。私の名前は“涼”と言います、ソニアさん。

【深緋の瞳に彼女の姿を真っ直ぐに捉えると、自らの名を名乗る。】
【少女には別に“真名”という物が存在するのだが、それがこの場で語られる事は無いか。】

【ふと周囲の様子を確認すると、少し瞳に憂鬱な色を浮かべて、】

もう少しお喋りを続けたくはあるのですが、用事の方がありますし。
…そろそろ、私は此処で失礼させて頂こうかと思います。

【苦笑いと共に、此処を立ち去る事を彼女に宣言する。】


――――ソニアさん、また何処かでお会い出来ますか?

【彼女に投げ掛けた言葉、それに対する返答がたとえどんな物であっても、足早に彼女は此処から立ち去るのだろう。】
【ただ、その答えが彼女にとって良い物であったならば、少女は先程のような嬉しそうな笑みを浮かべるだろうか。】
721 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/03(日) 01:56:50.38 ID:lfzW+hH1o
>>713

「ヘケケケ、俺は捕まらねェーぜェーッ!」
「――逆に返り討ちにしてやるぜェーッ!!」 『……すみません』

【この女性の力でこの男――アホを封じるのは、それはそれは大変な事】
【一応出来なくもないらしいし、彼自身もこの女性が居ると暴れ辛いとは思っている】
【……抑止力がいても、結局はこうなるのだが】

「うおおおォォーーッ!」

【手を伸ばし、手を伸ばしッ!】 【さあ、あと少しで――!】
【……という所で、虚しく響きわたるのは何かが潰れた音――】
【その潰れた物が、不名誉なランキングを総ナメした物であって、そして彼がとろうとしていた物で――】

「…………」 『……はたして、この様な場合に[オブジェクト・リペアー]は効くのでしょうか…………する気はありませんが』

【この結果に対して、暫し動きをフリーズさせたのは男の方】
【一方女性の方は、何やら考え中の様で――】

「……くゥッ、あんたやりやがったなッ」 「良いぜェーッ、――この挑戦状ッ!」 「受けてやるぜェーッ!!」

【甘い物なら何でも良いのかこいつは、と思わせるその食い意地――】
【どこのローグライクゲームの主人公だよと言わんばかりに、その潰れた中華まんを口に運んで】

「んゥー、土っぽいし独特な味がするなァ〜ッ」 「まァー、俺って甘い物も好きだが肉も好きだからなァ〜ッ」

【――土っぽいのはともかくとして、その味によって口から戻さないのははたして彼の味覚がおかしいのか】
【それとも、……好きな食べ物をアバウトに言うと「三大栄養素が多い物」と表現出来るものなせいなのか】
722 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/03(日) 02:03:53.83 ID:HSH6+12zo
>>720

【とくん、と胸が高鳴るよう、射止められたと言っても過言ではないくらい】
【綺麗だな、なんて感想と持って帰りたい、だなんて物騒な発想】
【花盗み人が許されない理由と、それでも犯したい過ちの香りに、少し酔ったみたい】


り……りぁ……りぉ……涼――――難しいね……でも、綺麗な音……
うん、会えるよきっと、私も、涼にまた、会いたいから……
だから、またどこかで――――会えるから


【貴方の切り出す分かれの言葉、彼女の表情に、ハッキリと落胆の色が刻まれるだろう】
【残念だとか名残惜しいだとか、言葉を尽くしても表せられないうやむやとした気持ち】
【言葉が足りなくて、それでも、辿るように紡いだ言葉が、貴方に届けば良いと思う】

【嬉しそうな貴方の微笑み、それはいとも容易く浄化させてしまう魔性の炎のよう】
【溶ける、溶ける、彼女の白色、純白の素肌と、未だそれにまみえないプラチナの髪の色】
【そうして残った跡には、貴方という存在を逡巡する、彼女の姿だけが残されるのだろう】


/お疲れ様でしたー!
723 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/03(日) 02:08:36.84 ID:XPQ9rvTY0
>>718

はぁ〜〜〜!お金、金塊、黄金の塊、それは即ち浪漫の結晶―――!
ゴールドラッシュも夢じゃない、こんなステキな能力が身近に・・・ああ、アタシの一生は安泰だ・・・
あっ、でもそういえばシェンさんにはもう心に決めた人が――いや、一夫多妻制の国まで逃げれば――
【コイツなんかとんでもないこと言い始めてる。】
【が、シェンの一言でやっと我に返り】

―――はっ、ああ、いや!あはははは・・・その、そういうお金とか見ちゃうと――あの・・・あははは!
い、いまの忘れてくださいね!
ベルもダメだよ!忘れてね!アタシの痴態忘れてよね!

【先行き不安ではあるが、新たな協力者を得て、UNITEDE TRIGGERは加速する。】
【セリーナもふざけてばかりはいられない――きっとまた、大きな唸りが時代を揺るがすときが来るのだから。】

ん、そうですかー、まあ時間も時間ですしそろそろ解散、ですかね。
わざわざこうして会いにきてくださって、ありがとうございますシェンさん。また必ず連絡しますね!
――金銭面は――その・・・甘え始めたら大変なことになりそうなので・・・ッ!!
きょ、極力・・・自力で、なん、とか・・・します・・・ッ!!
【言葉を紡ぐのにも一苦労。本音で言えばべったり甘えてがっぽり稼ぎたい!というところか・・・。震える手で連絡先を受け取り。】
【だがそこは組織の長、出来る部分は自分達でやらねばなるまい。本当に大変なときは、きっと頼りにするかもしれないが】
【――しかし、別れの時間が近づいてきた時、ふとした話がアンジェルから持ち上がった。】

ライン、アーク・・・え、ベルはあんなすごい所の人がお友達にいるの・・・!?
知らなかったなあ、アタシじゃコンタクトも取れ無そうだよ・・・。
ううん、でも――そうだね、それは完全にビジネスの話になりそうかな。
技術提供とか、依頼とか色々話し合わなきゃ行けない事も多いだろうし――まあ、少なくとも。

心配しなくていいよ、ベル。仮にスポンサーになってもらうとしても
なんか悪い方に話が傾きそうだったら、すぐに契約切るくらいの関係にとどめると思うから。
【――10年近く、賞金稼ぎとして数多くの依頼を受けてきたセリーナ。】
【パトロンを見る目はきっと、そんなに濁っていないはずだ。】
【あくまで、提携する事もある「かもしれない」というレベル――話し合いをしてみてからだ。】

でもありがと〜!そうやって組織のこと心配してくれるだけでも嬉しいな、アタシ。
でも当分はお金には困らないよう立ち回ってるから、安心してくれぃ!おねいさんにまっかせなさい!
【えっへん、と胸を張り】

さて、それじゃあ夜も遅いし、ここらでお開きとしましょうか!
ああそうだ、これどうぞ!
【シェンに一つの紙袋を渡す――中に入っているのは――酒瓶か。】
【セリーナなりの、歓迎の挨拶、だろう。】

また会いましょうね、シェンさん。今日は、ありがとう。
【最後に少し、照れたような――ほっとしたかのような笑顔を浮かべ、彼を見送る。】

724 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/03(日) 02:09:32.05 ID:9ORDOwwgo
>>717

【エルフェスの沈痛に聞こえる言葉には、もう返答はしなかった。ただ、少し表情を引き締めて、彼の言葉をかみしめた】
【自分と同じように日常を送っていた人たちが、命を奪われたのだ。そんなことが、今自分たちがいる同じ空の下で起こっている】
【たとえ感傷に過ぎなかったとしても、それを想うことは、無意味だとは思いたくなかった】

【自分のような人間の言葉が、戦場を知るエルフェスの心に簡単に届くとは思っていなかった】
【しかし、それでも悲しく思う。なぜ、世界はこんなにも……】
【やめよう。それでも、今自分は、彼は生きているのだ】



ええ、身が軽いっていうのは、この仕事最大の長所の一つですね
行けっこないと思っていたところに、その気になったら案外大丈夫だったりね
世界は、広いですよ

深く考えることも大事だと思いますけど、そればかりだと持たなくなってしまう時だって、あると思います


【エルフェスに言葉を返しながら、こちらもおにぎりを胃に落とす】
【彼のお礼ににっこりとほほ笑み、やっぱり誰かとの食事はいいものだな、と】

ええ、次に会った時にはぜひ。今回はお近づきのしるしということで


【懐が暖かいとは言えないのは、こちらも同じである。無い袖が振れないことは、よく理解している】
【最初の言葉で少し暗くなりかかっていた気分も、幾分薄らいだ気がする】


遠慮なさらなくても大丈夫ですよ、まだありますし
いや、押しつけになっても悪いですね

【そう言って、ペットボトルのお茶をあおるものの、ビニールはまだ手つかずで置いておく】
【飲み終わると、立ち上がって体を伸ばし、カバンを手に取る】

さて、ご飯も終わったことですし……僕は、今晩は取ってる宿で明かそうと思います
エルフェスさんは、どうされます?
725 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2013/02/03(日) 02:13:05.92 ID:4ATUcPH70
>>711

「あーっ、全く失敗だわっ!
 この街の地図って、とんだ不良品じゃない!!」

【一人の少女が、地図を片手に不満を漏らしている】
【背は低く、黒髪黒目。体つきはやや豊満であり、胴着に似た民族衣装を身にまとっている】
【どうやら彼女は不良品の地図をつかまされて迷っているようだ】
【たどりついたのは、教会跡地――】

「まいったわね。もう夜なのに……集落もないから宿も借りれないわ。
 ……今日はこの不気味な場所で一晩って感じかしら」

【とはいえ、野宿には慣れているつもりだが……】
【大きい荷物をもって、その跡地に入ろうとすると、そこには先客がいたようだ】

「あ……あの……」

【だが紳士は何やら呟いている。】

(……なにか神職の方かしら。身につけている物も上品ぽいけど……)

【警戒しながら、少女は紳士に近づく】

「……私道に迷ってしまって。
 こちらで一晩過ごさせてもらってもかまわなくって?」

/まだいらしたらぜひ……
726 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/03(日) 02:19:05.81 ID:RpeEaX8G0
>>721
「別に無理に捕まえようという気はありません
貴方の首に焼き肉の食べ放題が掛かっているならば別ですが」

【普通は賞金が掛かっているのではないだろうか】
【何故、物を求めるのだろうか。それはきっと、例え賞金であっても直ぐに食べ尽くしてしまうから】
【しかし、仮にも二十歳の女。こんな事を口走るのは正直どうだろうか】


「……正直、ドン引きです。落ちた物まで食べるなんて貴方は雀ですか
貴方の能力はよく分かりませんが、せめて人間の子供くらいにまで戻してあげて下さい」

【……他人に対してドン引き出来ない筈の言動。でも、ドン引きしてみせる。それがこの女】
【味覚性格全てにおいて色々とずれている女がドン引きする何て言ったら……多分、色々な意味で屈辱なのかも知れない】
【主に、本能的に】


「私もお肉が好きです。ですから、今度会った時には何か肉料理を奢って下さい
出来れば、焼き肉が良いです」

【別な意味で肉食系巫女。こんな女と店に入ったら、どれだけお金が入っていてもスッカラカンになってしまう危機】
【袋をグルグルと丸めると、男の腕に無理矢理抱かせて】


「そうしてくれれば、別に捕まえる気も起きません
焼き肉の方が良いです。私は」

【女性に対しては、宜しく御願いしますね。何て自分勝手に紡いで】
【男に負けない程の自由奔放な女は、直ぐに背中を向けてその場から去ってしまうのだろう】
【――――袋に甘ったるい匂いがずっと籠もっているのは、また別のお話】

/時間も良い感じですのでこれにて……!
/色々なカオス具合でとても楽しむ事が出来ましたww
/しかし、キャラの発言が時折失礼だったりしたのが申し訳ないです……気を悪くしてしまったらごめんなさい
/また何時か絡んでやってくださいまし!おやすみなさいませ!
727 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/03(日) 02:22:56.62 ID:3Ahbk78fo
>>725

……む?
ああお嬢さんすまないね、先にお邪魔してしまったようだ

【振り向いた顔は皺が刻まれ、50代絡みかという程度には年をとっている】
【いくらかのステップを踏んで振り向く様はかなり洗練されてはいるものの】
【教会そのものに関わる身というよりは、貴族か役者といった風貌だ】

私は元々長居するつもりでは無いのでね、勿論ここで夜を明かすのは構わないが……
あまり詮索すべきではないと理解しているが、女性一人でというのはいささか不用心ではないかね?
この辺りに何かご用でも?

【ハットのつばに手を掛け一礼、目尻の皺が笑い皺によって更に深くなる】
【相手が入口付近であるのに対してこちらは聖卓に近い場所と距離は遠く】
【それでも、閉ざされた教会の中は不思議とよくお互いの声が通った】

【さて気になる点はこちらも相手の身形、一般的な衣装で無いにしろ仕立ては決して貧しいものではない】
【それが野宿というのだから、と顎に手を当て首を傾いだ】


/こちらに!
/夜遅くにございますが、よろしくしていただければー
728 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/02/03(日) 02:24:06.34 ID:mkYSKTL6o
>>719
【コンクリートの壁にスプレーで書き残された下卑た言葉が、彼女の向こうにぼやけて見える】
【目の前の女はそりゃもう、文句なしに透けていた。青年は幽霊だとかオカルトだとか、そういった物が苦手な性分らしく】
【僅かに顔を引き攣らせ、生唾を飲み込みつつ、失礼と知りつつも悪夢であればいいと祈って、自らの左頬をつねって──当然、痛い──から】

(……櫻の国ではああいうの、何って言うんだったっけ。ボタンドーロー?サラヤシキ?)

い、いやあ今晩は。貰い物でね。自分でも不似合いだなって、丁度考えていた所なんだ。
でもまさか、「可愛らしい」だなんて。
そんな風に思って貰えるのなら……たまには背伸びしてみるのも、悪くはないかな?

【喉の調子を確認するよう二、三度咳払いをしてから、肩を竦め唇に笑みを乗せ、帽子を脱いで軽い会釈で女に応じた】
【未練ありげにちらりと吸い差しの葉巻に目を遣りつつ、へらへらと軽薄な態度と口調でそちらに歩み寄り】

好きと言うより、惰性だね。他にも理由はあるけれど──遊ぶって、何をどうやって?

【それとなく、目深帽子の下に隠れた女の表情を目で探りながら、掛けられた問いに問いを重ねる】
729 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2013/02/03(日) 02:29:30.77 ID:4ATUcPH70
>>727

「ご用っていうか……道に迷ってしまって……」

【警戒しながら目を伏せがちにし、初老の男性と話す少女】
【ただ……彼女の育ちのせいなのか、その警戒が露骨に表情に出てしまったようだ】

「本当は街の方面に行こうとしてたんだけれど……
 電車賃をケチって歩こうとしたのが間違いだったわ。
 ……ところで、その……
 あなたは、何者?」

【失礼な事を口走ってしまう少女】
【彼女は、とある国の王女を自称する旅の者なのだが、
 街に出たのがつい最近だったため、どうも人に対しては失礼な言動をとりがちだ】

「見た所、こんな場所で一人で来るような衣装じゃないし……
 ここでコンサートでもあるのかしら?
 それとも、誰かと待ち合わせとか? んん?」

【世間知らずである事は自分でも理解しているつもりであるが……】
【このような廃墟で、上下をピッシリ決めている紳士は、少し怪しい】
【警戒し、入口のあたりで荷物を降ろさず、紳士と対峙している少女】
730 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/03(日) 02:29:32.27 ID:3JjL9jPzo
>>724

【少しだけ続いた沈黙の中、彼は話す事をしなかった】
【言葉を幾ら連ねようとも伝えられない気がした】
【不器用だからではない気持ちを完全に伝えるなど初めから無理だと知っていたから】

【或いはそれも諦めか】

渡り鳥は生きづらいけどでもどこでも生きていける
しがらみを嫌うならそういう生き方もいいかな、でもアンタみたいな商売は店を持った方がいいんじゃないか?

――――――――あ……お金か……

【店舗があれば固定客もつきそうだし何より腰を据えて開発出来そうだと思ったのだろう】
【しかしよく考えれば店を持つには先立つものが必要か、悟ったように小さく最後につぶやいたという】

ん、それくらいの方が初対面では丁度いいかな
じゃあ次があったらその時には期待しとけよ!

【見た目とは違い存外「義」を重んじるのか】
【まあその次の機会の時にお金があれば……のお話であるのを忘れないでいただきたい】
【悲しいかな彼の通帳は、そのがま口は本人以外が握っているのである】

うんオレも家に……というか部屋に帰ろうかなと思う

【ギアに出会う前、さっきまで沈んでいた気分も楽になっていた】
【1人考えてもやはり埋まっていくだけなのだろう、戦うだけしか知らない彼でも所詮は人間だった】
【1人より2人であるならば緊張も辛さも和らぐものだそしてそれは弱さではない筈だ】

――――――いややっぱもう少しだけ街を歩いて探しものでもしようかな
ギアと話せたからかな、案外楽だよ今……ありがとうなんとかやっていけそうだ。

あ、帰るなら早く帰れよなホラ危ないのは変わらないからさ
家に帰って暖かい布団で寝るのが義務ってヤツだ、それじゃあな。

【今の気分のままでまた夜の街を歩くのも悪くない】
【柔らかな笑顔を向けて「ふふ」と鼻を鳴らして去ってゆくのだろう彼へと手を振りその姿を見送るだろう】
731 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/03(日) 02:38:44.18 ID:lfzW+hH1o
>>726

『残念ながら、私達の首に何かは……恐らくかかっていませんね』 『……確認していませんけれど』
「焼肉食べ放題だってェー!?」 「どこでやってんのそれェーッ!」

【焼肉食べ放題という言葉のみを聞き取るとは、なんと都合の良い耳だろうか】
【……もごもごと、口に土付き潰れ中華まんを頬張りながら、そう言い放った】
【もし彼が、その様な店に行ったならば――即座に、出入り禁止令が敷かれること間違いなし】

「ヘケケケ、引くなよォ〜、俺達は伊達にサバイバルしてる訳じゃあねェーんだぜェー」
「俺の能力は棘ッ!」 「後は気合ッ!」 「ヘェーケッケッケッケッケッケェーッ!」
『その割には意外と好き嫌い多いですよね、ヘケメト』

【彼らの住まいは……ない】 【あえて言うならば、森や山と言った獣が多く自然のある場所】
【ちなみに……彼の知能は大人の物には到底及ばず、小学校低学年生レベルや、電車で会いたくない人種レベルとまで称される程だ】
【何故か戦闘時は知能が上がっているように見えるのだが……そんな事もあり、さして引かれた事に気にしてはいなさそうだ】

「ヘケケケ、肉料理は良いなァ〜、食い逃げで良いなら一緒に食おうぜェー」
『えっと……その、……捕まえられるのは嫌ですが、食事関係だけは勘弁して下さい……本当に…………』

【肉料理を奢って欲しいと言うその言葉に、表情や口調こそ平坦だが強い拒否を示す彼女】
【……男も、店で食事をさせたら幾らお金があっても無くなる危険性を持つ人種であり】
【2人が揃ったら、それはそれは大変な事態になりそうである】 【……財布事情が】
【しかも、食い逃げしようなどという不届きなことまで口走っており、……そんな事されたら店側は堪ったもんじゃあない】

「じゃあァーなァー」 『……さようなら』

【男が袋を腕に抱いた状態のまま、彼らはあなたを見送るのであった――】

/お疲れ様でしたー、全然気を悪くなんてしていません、むしろ好物です
/こちらも楽しかったです、ありがとうございました!
732 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/03(日) 02:43:03.81 ID:egofyzUAo
>>728

やだ、そういうご機嫌取りめいた言葉と態度が良く似合うのねぇ
何度も何度も繰り返して、余程言い慣れているのかしら?
可愛くないところが可愛い、これって不思議な事よね。余程穏便なことが好きなの?

【笑顔らしい口元から発せられる言葉は、全てが全て研がれた剃刀をそのまま投げつけるよう】
【表情を探ってしまったのなら、帽子の下で黒い瞳が恐ろしい程に相手を睥睨しているのが伺えるだろう】
【口は微笑んでいるのに目ばかりが睨み据えるその表情、この女にばかりは、彼の愛想の良さも通じていないのか】
【口調ばかりがご機嫌な色合いで、違和感のような言葉が静寂色の路地裏に僅かに響いて染みていく】

私もね、黒が好きなの。同じ嗜好の持ち主に会うと苛々して不思議ね
そんな思わせぶりに言われちゃったら聞きたくなるわ、貴方が黒を好む理由……

……遊び方?
簡単よ、黙ってそこに立っていれば良いだけ。すぐに終わるわ

【すと左手を持ち上げて青年に向ける、すると酷く重たげな黒の燐光が手から溢れて】
【地面に沈み蛇に似た緩慢な動作でそちらへと進んでいく、それは2m程の靄のようでもある】
【途中で黒い燐光に触れた空き缶が一気に10年の時を経たように錆び付いてしまったり、】
【這いずったあとの、ガムの吐き捨てられて黒く薄汚れたコンクリートが10年前のような新しさを取り戻したりと、】
【この燐光が物体の「時間」を前後させる事に関係しているのが伺えるだろうか】

【触れてしまえば相手に影響するのは、10年の若返りか、10年の加齢かのどちらか】
【もっともこの緩慢さからして回避は容易いだろうし、】
【そちらに進むにつれ燐光が薄れていくそれは、一度躱してしまえば再び襲う程の力も無いだろう】
733 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/03(日) 02:45:18.58 ID:3Ahbk78fo
>>729

ははは、市街周りは交通網がひどく複雑だからな
正しい情報を嗅ぎ分けられないうちは、案内に従っておくのが賢明だ

【聖卓にきっちり机面と直角に置かれた聖書は、大事に置かれた割にあまりに風化している】
【それをそっと持ちあげ表面の埃を払うと、ステンドグラスから薄ら漏れるカラフルな月光にそれを透かす】
【くつろいでいるにも似た様子で教会内の物を探る紳士には、少女への警戒は欠片も無く】
【むしろ無害な人間だと信じ切っているような言動で、毒気を抜かれるほどですらある】

なあに、ただの酔狂者だよ
ちょっとした私用で心当たりのある建物などを調査していてね
今の君のように少々怪訝な目を向けられもするが……まあ、慣れだ

【先程彼は長居するつもりは無いと言った、それが本当なら少女が追い払えばそのまま去るだろう】
【――少女が紳士を観察していたならば、いくつかの不思議な点に気付くかもしれない】
【本の上にすら積もるほど埃が落ち、または舞っているのに、タキシードには少しの汚れも無く】
【そして市街から離れたこの場所を訪れているにしては軽装、否、ステッキとパイプ以外には荷物は一つももっていない】
【さて、それを相手がどう受け取るか】
734 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/03(日) 02:45:30.97 ID:FN8Aw6rdo
>>723

『……なんだろうね、今まで能力でコインやらを作ったことは何度も有るんだが』
『今日今この時ほど“能力悪用は良くない”って思ったのは初めてだ』
『ま、安心してくれ。俺は女性には優しくする主義だ、言いふらしたりはしないよ多分』

……I don't forget this time. なんかこう、機会があったらこう、なんだろう……

【セリーナが時折張る胸に恨みでもあるのか、アンジェルの言葉は冷たかった】
【が、なにはともあれ、だ。全ては順調、結果良ければなんとやら――大したことではない】

知り合いっていうか、友達っていうか、敵っていうか……悪、友……?
いやその、彼は直接の関係はないんだけどね?あの財団、色々と出資してるらしいし
もし本当に経営が大変ならって思って言ってみたの。大丈夫そうなら、それで……

『ラインアーク財団ね……確かにスポンサーになればデカイだろうが……』
『確かに最近は不穏な感じもする。……セリーナ、もし検討するならじっくりと、だぜ?』

【とまあ、この話に関してはあっさりと。どちらにしたって、アンジェル達の立ち入る話ではない】
【するのは提案であって決めるのはセリーナなのだから、こう言うしか無いのだろう】
【それから―――情報端末について。少々の説明と柄の選択をされると、紅茶を啜りながら暫し考え】

『以前、カノッサ機関で使っていたようなのと同じモノか……?それ、便利だけどさ』
『個人的に、使い過ぎについちゃ忠告しとくぜ。人数の少ない組織なら尚更だ、顔を合わせる方が良い。』

……まあ、重要な情報とか敵に関しては共有するほうが、ってわけでしょ。
それにしても柄……コインとワンドはなんか違うし、ソードってこう、乙女的に……
んー、紅茶、紅茶――――あ、じゃあカップで。青色って素敵じゃない?

【そういう安直な答え。大方紅茶の杯を見て決めたに違いないが、まあそこは自由だ】
【シェンも立ち上がり、紙袋を受け取ってにこりとしてから出口へ向かって歩き出し】

『あぁ、素敵な女性にまたと言われたら、そりゃ会わないわけにはいかないさ』
『お互い無理し過ぎない程度にさ、頑張っていこうぜ。じゃあなセリーナ。』

……さ、私も寝ようかしら。紅茶も頂いたし、歯磨きして着替えて――――。

【シェンは戸外へ、そして恐らくはバイクだろうか、低いエンジン音を響かせてから姿を消し】
【残ったアンジェルはというと―きっと酔った彼女から逃げる為に―こっそり、姿をくらまそうとする】
【もっともこの小娘が逃げきれるかは―――神のみぞ知る、というところか。】

/遅くなっちゃいましたが、こんな感じでっ!
/お疲れ様でしたー!
735 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/03(日) 02:47:50.95 ID:9ORDOwwgo
>>730

【こちらもまた、言葉を返さない。人は、常にすべてをわかりあえるわけではないのだ】
【あきらめではあるかもしれない。しかし、それだけでは終わりにしたくはない、とも思う】
【自分にできることなんて、とても限られてはいるけれど】


ははは……先立つもの、とはよく言ったものですよね……
こればっかりは、どうにも……でも、もし店を持てるような機会がめぐってきたら、そうしたいです
一生、旅をし続ける、というのも難しそうですからね

【苦笑する。お金の問題だけは、いつだってついて回る】
【でも、こうやって悩めることは、それはそれで生きているということなのかもしれない】


ええ、期待しておきます。また一緒に食べましょう!

【エルフェスの言葉に、声を弾ませる】
【お金の問題は……まあ、今は置いておこう、と頭から締めだす】
【エルフェスもあまり羽振りがいいとはいえない状態であるらしいことは、察している】


そろそろ良い時間になってきましたしね
っと、探し物の最中だったんですか。まあ、夜の街も悪くはないでしょうし
でもあまり無理はなさらないでくださいね。体は資本です

僕の方こそ、商売以外で、誰かとこうやって話すの、久しぶりでした
いい時間が過ごせましたよ、ありがとうございます

【怪我を押してまで、探さねばならないものがあるなら、止めるのも悪いか】
【そう判断しつつも、エルフェスにせめて気づかいの言葉だけはかけておく】
【続いて、彼の言葉にまたうれしそうに顔をほころばせて、礼を返す】
【今宵過ごした時間が、エルフェスにとって悪いものでなかったなら、何よりだ】

ですね、なるべく人通りの多いところを通って帰ります
今夜は、暖かくしてぐっすり寝て、また商売に精を出すことにしますよ
では、また。次会う時を楽しみにしてますね


【おにぎりの入ったビニール袋を取り直し、彼に笑顔と別れを向けて】
【手を振り返しながら、ゆっくりと公園を去っていく】
【今夜は、よく眠れそうだな。そう思いながら】


/こんなところでよろしいでしょうか?
/遅くまでお付き合いいただき、ありがとうございました!
736 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2013/02/03(日) 02:54:58.23 ID:4ATUcPH70
>>733

「でも、はっきり目的地がある旅じゃなくて……
 ていうか、目的地を探す旅と言うか……」

【少女は口ごもる。彼女はある場所を探して旅をしているのだが、
 はたして目の前の紳士が真実を言うに信頼ににたる人物が、今一つ確証を持てなかったからだ】

「建物? そういえばここ、ただのボロ屋だと思ったけれど、教会みたいね……」

【少女もあらためてこの中を見まわす】
【壁は重厚な石造りであるし、うらぶれたこの場所にしては、ずいぶんと立派な建物であった事が推測されるが……】
【少女が少し警戒を緩め、建物の中に入る】
【月光に照らされた紳士をよく見るが、やはりしかし不審なのは、その荷物の少なさだ】

(前に、「身体の中に何でも物を入れられる」能力者と出逢ったけれど……
 このおじさんもそんな感じなのかしら?
 でも、そんなによく見かける能力じゃないし、そもそも、能力者にそう立て続けに出うわけないわよね……)

【意を決して、少女は尋ねる】

「あのー、見た所荷物も何もないようなのだけど、
 お家が近いのかしら?
 もしよかったら、集落のある所まで案内してほしいんですけど……」

【さすがに、野宿よりは民家の軒先を借りる方がいい】
【それ以上に、やはり少女にはこの男性が不審にみえて気が休まらないのだ】
737 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/03(日) 02:58:53.64 ID:3JjL9jPzo
>>735

もし店を持ったら遊びに行くよ、おもちゃにはあんまり縁がないけれどそれはそれで楽しそうだし
まあ…………冷やかしだな、なんてな!

【渡り鳥にあこがれても人には羽根は無い】
【いつか根付き家とする樹木が必要だ、それが見つけられなければ堕ちるしかない】
【自分を騙して飛び続けるにも現界がある】

【だからこそギアもいつかはそれを得るだろう】
【ひたむきに今の生活を続けていればいつか手に入り残る物も出来るはずだ】
【さして話した訳ではないがしかしそんな考えはどこか確信めいていた】

あいあい怪我だらけじゃ見つけられるものも見つからなさそうだしな
適当に切り上げるよ、だいじょぶだいじょぶ

それじゃあ元気でな風邪にかからないようにな!

【お互い得たものはあった、ということだろう】
【住む世界が違うとしても彼らはやはり根本的には人間だったのだ】
【根が同じならば同じとする物もある】

【手を振って別れを告げて、背中が見えなくなってからクスリと笑い】
【ややしてからベンチから立って背を伸ばし彼は夜の街へと消えてゆく】
【そうして去る時に彼の背中はどこか嬉しそうにも見えたという】

/お疲れ様でした!
738 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/03(日) 03:12:37.65 ID:XPQ9rvTY0
>>734

【シェンの方は、恐らくこのどうしようもない痴態を言いふらす事は無いだろう。】
【どうかそのまま、心のメモリーに保存して奥底にそっと閉まって置いて欲しい・・・。】
【だがどうにも、アンジェルのほうはそうともいかないようで――】

えええ〜っ!ベルちゃん、いやアンジェルさん!見なかった事にしてよ、ね?
だってほら、一応リーダー(仮)じゃん、アタシ!今のは他の人に見られたら結構やばいって、絶対!
―――ああ、もう、なんならアタシが"大きくするコツ"でも教えてあげるから黙っててぇ〜・・・

【一度ついた炎はもう消えないだろう――セリーナが胸に関して何か言うたび、それはただの嫌味に・・・。】
【まあでもきっと、こんなフレンドリーな関係が築けてよかった、とセリーナは本音では思っているだろう。】
【そしてもっと、仲良くなっていきたい、とも。】

悪友、かあ・・・ま、そこら辺に関しては任せるさ!
危ない関係だと思ったら相談してくれてもいいし、仲間になってくれそうだったら誘ってくれてもいいよ!
そういう人脈に長けた人も、一人か二人は必要だろうしね。

・・・うん、忠告ありがとう、シェンさん。アタシもよく考えてみるよ、本当に提携の話が持ち込まれたら、の場合だけどさ。

【こんな小さな組織に用があるかどうかは不鮮明だが――まあ、セリーナには考える事がまた一つ増えた。】
【ラインアークの事を頭の片隅にいれつつ、セリーナは一通りの"W-Pjone"についての説明をして】

まあね、たしかにこれだけの人数なら情報は口で共有した方が安全かな、とも思うんだけど
でもやっぱり便利なんだよー!こないだの列車事件でも通信機として役に立ったし、戦力の一つとしては貴重だからさ。
もちろん、シェンさんの言うとおり使いすぎには注意するけど、信頼できる筋からの提供品だからとりあえずは安心して使ってくれていいよ。

――お、カップ!たしかね、コインとカップはまだ誰も使ってなくて
アタシがコインの第一号、んでもってカップの第一号がベルだ!柄に関しては後でアタシからジャンクちゃんに伝えておくね。
――でも、乙女的に・・・?
あれ、ベルって武器剣じゃ――あれ?
【・・・どこまでも、デリカシーのない女だ・・・。】
【いや、もしくはアンジェルの口から出てきた「乙女」という響きにおどろいてからかっているのか】
【どちらにしても、良い性格をしているものだ。】

さよなら、シェンさん!まったねー!
――バイクかあ、アタシは馬があるけどそろそろこの組織にも「足」が必要だよねぇ。
その辺も、ちょっとジャンクちゃんに話してみよっかなあ。

―――と、その前に。

ど〜こににげるつもりかな〜・・・ベルちゃんッ!
【ガンマンは一瞬の隙も見逃さない――素早く振り返り、酒瓶を手に走り出すッ!】
まてまて〜い、子猫ちゃん!話も終わったし晩酌するぞ〜!
今日君が見た事を全て脳内から忘れてしまうようにベロンベロンに酔わせてあげるからねぇ、ひひひー!

【お酒はニューラライザーさ――そんな事を口走りながら、セリーナは少女を追いかけていった――・・・・。】
【賑やかに、夜が更けていく――。】


/おつかれさまでした!おそくなってしまいすみません。
739 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/03(日) 03:13:46.01 ID:3Ahbk78fo
>>736

ふむ?
……恐らく君の持っている地図はでたらめではなく、かなり古いものだったのではないか?
この辺りは自然に発生した森ではなくてね、前は小さな宿場町だったそうだ
それが、その名残も無い。少しもだ。まるで地図の上から消されるかのようにね

【引っ掛かるところはあったものの、相手が言うつもりが無ければそれを問いただしたりはしない】
【相手の身の上から話を逸らすかのように口にするのは、この場所と相手の片手の地図を関連付けるもの】
【とはいえ遠目には地図の内容は読み取れない、その部分においては全くの推測に過ぎない】
【一部椅子も壊れ、まさに廃墟といった風情の教会。それでもかつては、村人たちでにぎわっていたのだろうか】

いいや、旅の身だ。昼の間に宿を取って、それを拠点に動きまわっているのさ
このような、何者かの手によって忘れ去られ“させられた”場所をね
……連れていっても良いが、君、見知らぬ男についていく気かね?

【無理も無様さもなくふわりと、ほんのわずか地を蹴っただけで聖卓へ座れる高さへその体は浮き】
【咥えたパイプの煙が、幻のように月光を纏って割れた窓の隙へと流れていく】
【そして、先に連れ立って行動する行為を咎めたのは、こちらからだった】
【先程から相手が思案しているように、どれほどこちらの態度が親切であるにしろ、相手から見れば夜盗とそう変わりない】
【相手の言葉に不可思議なものを感じたのか、モノクルの向こうで真紅の瞳が薄ら見開かれる】
740 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/02/03(日) 03:18:19.31 ID:mkYSKTL6o
>>732

嫌だな、そんな怖い顔しないでよ。……ひょっとしなくても怒ってる?
嫌いなのは葉巻の煙か、馴れ馴れしくて生意気な若造か、どちらにしても謝るからさ。
ああ、当然だよ。無用に誰かと事を構えるのは、誰だって嫌でしょう?

【蛇に睨まれた、蛙だ。探る視線が睥睨する相手のそれとカチ合った瞬間に、そんな思考が青年の脳裡を過ぎる】
【下は立て板に水とばかりよく回る。肩を竦めて、頭を下げて、しかし足だけが、その場に釘付けのまま動かない】
【糠に釘、柳に風、豆腐にかすがい。そんな言葉を想起させるのらりくらりとした物腰で、言葉の剃刀を受け流しながらも】
【その実、青年には余裕がなかった。背中と首筋に滲む嫌な汗は、乾くどころか次第に量を増すばかり】

そうかな、俺は何とも思わないけれど。ほらさ、黒って優しい色じゃない?
だからというかなんというか、うん、そう。ええっと────

【舌が縺れる。空気がひどく重い。女が言葉を重ねる度に、夜の闇が一段と深まってゆくように感じた】
【息苦しさを深呼吸でごまかす。黒が好きな理由を洗いざらい吐いてしまえば、この不吉な亡霊から逃げ仰せる事は叶うだろうか】
【どうしてだか視線を反らせない。黒が好きな理由を思い出そうにも、頭が回らない】

…………っ!?

【どれ程の時間惚けていたのだろうか。気が付いた時には、目の前に黒い燐光の靄】
【とっさに左側に飛び退くも、右腕に掠めて。そして──】

「ねえ、カイ?時々思うのだけれどもね、君は──」

【ほどける衣服の袖の生地。その奥に在るのは、肌色ではなく黒い装甲に包まれた異形の右腕、その筈が】
【ぬらり。風に晒された水面のよう揺らぐ装甲の内側から、小さな、小さな、白い手が伸びて】

【黒い右掌を、いとおしげに握りしめた】
741 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2013/02/03(日) 03:24:36.02 ID:4ATUcPH70
>>739

「地図の上から……"消された"!?」

【その言葉は、少女を揺るがす】
【彼女が探しているのも、まさにそんな場所……】
【まるで地図の上から消され、人々の記憶の中からすらも、ぽっかりと消えてしまった国――】

「そんな事って、本当にできるの?
 かつて栄えていた場所とか……く、「国」とかを、
 "最初からなかったかのように"消し去ってしまう事とか!!」

【紳士の語るその言葉は、大いに少女を刺激する】

「この"場所"もそうなの……?
 何者かによって忘れ去られた場所――
 ねぇ、そんな場所って、他にもまだあるの?
 ……はっ!?」

【驚くのも無理はなかった】
【紳士の身体はまるで煙のようにふわりと浮くと、ガラスの割れた隙間を縫って
 窓の外へ去っていったからだ!】

「――! 能力者!?
 ちょ、ちょっと待って!!」

【少女もまた、腕をクロスさせると……両手と両足に炎を宿らせる!】
【溜めた力を、足に集中させ、石畳の床に強く踏みこむ!】

【バリーンと、強引にガラス窓に突撃し、紳士の後を追う】
【ガラス片は両手の炎で溶かし避け、踏みこんだ足は足裏で小さく炎の爆発を起こして
 急激に突進したのだ】

「その話、もっと聞かせて!
 ……あなたが見知らぬ男なら、今知ればいいだけの事っ!
 私の名はマリィ・バーンゲート……!
 いまや地図から消え去った「炎の国」を探し求める者ッ!」

【身体に炎をたゆらせながら、紳士の前に対峙しようとする……】
742 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/03(日) 03:29:35.33 ID:3Ahbk78fo
>>741
/おっと分かりづらくて申し訳ない
/ぷかぷか流れていったのはあくまでパイプの煙であってドワイト本人ではないのです
743 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/03(日) 03:35:11.81 ID:egofyzUAo
>>740

【微笑んでいる癖睨み据えている不可解さ、言葉ばかりがご機嫌なのだから、何処までも掴めない】
【それこそ霞のように捉えようのない亡霊は、極論誰でも愛おしかったし、憎らしかったし、どうでも良かった】

…………ふぅん?
貴方、人ではないの?不思議な腕ね、お化けみたいで怖いわ
けれど不思議ね、そっちの「それ」は誰の手かしら?

【自分で仕掛けたことながら、相手に起こしたその反応が気になるようで小首を傾げる】
【少女のもののようにも見えるその白さ、効果が「退行」だったにしては疑問に思えたのか】
【お化けみたいだなんて、お化けが言うのだから、笑えないだろうか】

【彼の右手を掠めていった燐光は、後方の落書きだらけの壁に当たってふわりと散る】
【当たった部分だけが綺麗に落書きを削ぎ取られたようなその壁も、矢張り10年前の質感を取り戻していて】
【葉巻の火を止めたのとはまた違っているようだが、葉巻に起きたことも時間停止だと捉えれば同質だと見抜けるだろう】

【支配するのは静かな沈黙。相手の手の変化から起こりうる何かを期待するような、そんな間】
【そして能力行使の反動か、亡霊の足元が少しずつ、少しづつ薄れて消えていく】
744 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2013/02/03(日) 03:39:18.49 ID:4ATUcPH70
>>742
/おっと失礼しました修正します!

>>739

「地図の上から……"消された"!?」

【その言葉は、少女を揺るがす】
【彼女が探しているのも、まさにそんな場所……】
【まるで地図の上から消され、人々の記憶の中からすらも、ぽっかりと消えてしまった国――】

「そんな事って、本当にできるの?
 かつて栄えていた場所とか……く、「国」とかを、
 "最初からなかったかのように"消し去ってしまう事とか!!」

【紳士の語るその言葉は、大いに少女を刺激する】

「この"場所"もそうなの……?
 何者かによって忘れ去られた場所――
 ねぇ、そんな場所って、他にもまだあるの?
 ……はっ!?」

【驚くのも無理はなかった】
【紳士の身体はまるで煙のようにふわりと浮くと、聖卓までに身体を浮かせる】

「――! 能力者!?」

【少女はさらに警戒する。異常な跳躍力……そして謎めいた紳士の言葉に、
 少女は荷物を置き、身構える】

「その話、もっと聞かせて!
 ……あなたが見知らぬ男なら、今知ればいいだけの事っ!
 私の名はマリィ・バーンゲート……!
 いまや地図から消え去った「炎の国」を探し求める者ッ!」

【目に輝くのは意志の炎。】
【まっすぐな感情で紳士の前に対峙しようとする……】
745 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/03(日) 03:57:39.33 ID:3Ahbk78fo
>>744

国? ……国か、そこまで大規模だと逆に記録に残りづらいかも知れんな
何せその所在を現す書面は大半が国と共に消えてしまうだろう、あって精々他国の交易記録か史書の端だ
可能性は大いにあるだろう、だが見つけるのは困難だろうね

【たとえばこの場所のように現存する権力の一下であるならば、統治の為の記録が残る】
【忘却の彼方に押し流されても、文字は正直に語る、だが、記録ごと消し去られてしまえば?】
【相手の言うケースは紳士としても聞き及ぶところでは無いのだろう、眉間に少々皺が寄る】
【一種、それは淡々とした語りだったが――】

私は前知の者では無く、実体無き足にて求める旅人だ
だが君がそれほどまでに求めるならば、いくらか質問というかたちで辿って行こう
その場所は主に誰と何と繋がりがあったと思う?
その場所は誰を味方にし、誰を敵としていた?
交流は消えた理由を示し、消えた場所を示し、ひょっとすると他者の目という形で存在を遺しているかもしれない
闇雲に探すだけでは、君自身に危険が及ぶだけだからな

【――必死に求め手を伸ばす少女の姿は、多少なりとも男の心を打った】
【ゆらゆらとくゆる煙は立ち上りながらもある程度の範囲の中で凝縮し、男の周りに沿うように巡る】
【それはまるで煙で出来た、翼を広げ相手に手を延べる天使――この教会には、ぴったりだろう】

私の名前はドワイト・アンドリューホプキンス
そうだな、強いて言うならば、不当に埋葬されたものを掘り起こす墓荒らしだ

【に、と口角が粋に引き上った】
746 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2013/02/03(日) 04:09:49.74 ID:4ATUcPH70
>>745

「……そう。やはり困難なのね……」

【いつぞやの聖女にも、「貴方がそれを求めれば、道は困難である」という言葉を思い出した】
【紳士はなおもぶつぶつと自問のような言葉を呟いている】
【それが、マリィ自身への質問だと気づくのは、少々時間がかかった】

「えっと……考えた事もなかったわ。
 その場所に誰が繋がっていたのか、とか……。敵、味方……わからない。
 私ですら、その国が本当にあったかどうかさえ、疑う時もあるもの。
 ……信じているのは、乳母を通じて父の――その国の王であったという父のいくばくかの言葉と、
 この形見のペンダントだけ……父が、王家の紋章だと残したペンダント……」

【少女は胸に付けている赤石のペンダントを見せようとする】
【だが……】

「墓荒らし……?」

【その一言で、マリィは不安になる】
【よく考えれば、相手の紳士はこの場所で何をしていたのだろう】
【失われた場所をめぐって感慨にふけっていたのか】
【あるいは――最悪逆のパターンも考えられる】
【――すなわち、"ある場所を人々の忘却の彼方へといざなう者"というパターンだ】
【世間知らずの少女には、諧謔が分からないようである】
【粋に笑う笑顔も、逆効果だったようだ……】

「……墓荒らしさんは、こんな場所で何を?
 ここもまた、あなたの探している何かが、ここにあるのかしら?」

【ペンダントを手で握り、また警戒の目を光らせて紳士に対峙している】
747 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/02/03(日) 04:23:08.65 ID:mkYSKTL6o
>>743
【歯の根が合わない。自らの掌に合わさって、放すまいとするように指を絡めた、小さな紅葉の手】
【その懐かしい感触を、青年が忘れた事は一度とてない。転瞬、心を奪われて、漸く視線が亡霊の縛めを逃れた】

「カイ?カイ?君、聞いているのかい?私はいつも言っているだろう、人の話は──……」

ああ、聞こえているよ。また話ができるなんて、こんな、まさか。
ああ、ああ、俺は元気でやっているよ、ちゃんと君をひきついでいるよ、沢山の人を幸せにしようって頑張ってるよ。

【ぐるりぐるり、回る眼球。桃色の唇が、少女の声で彼に抗議する。細い足が何かを蹴飛ばそうと空を掻けば、ばさり、それに釣られて髪が靡く】
【人体のあらゆる部品が、狂ったように彼の右腕、黒い水面に浮かんでは沈み、また浮かんでは沈みを繰り返す】
【あの女、亡霊の能力がどういう類いの物か。周囲の変化にちらり目を向ければ直ぐに気付いたが、そんな事は最早彼にとってどうでも良かった】

「カイ?君、どうしたんだね。……悪い夢でも見たのかい?大丈夫だよ、ほら、おいで」
「少し深呼吸でもして落ち着くといい。手を握っていてあげるから、ね?それとも頭を撫でて──」

ねえ。どうして顔を見せてくれないんだよ。写真じゃ足りない、夢でも足りない、この目でもう一度君の顔が見たい、
だってもうあんなに経つんだよ、このままじゃ君の事を忘れてしまうよ、顔を見せて笑ってよ、夢が叶ったんだよ?だから、だから、ねえ。

────────ねえ。

ああ、失礼。この腕はちょっとね。こんなんなってるのは右だけだから、気にしないでよ。
こっちの娘は、ええっと、うん。……それは君が知り及ぶべき事じゃあ、ないな=B

【豹変、だった。彼の黒い瞳から窺い知れる感情は、親愛と呼ぶには狂おしすぎて、恋慕と呼ぶには幼すぎた】
【信仰と呼ぶには汚れていて、慾と呼ぶには純粋すぎた。妄執と呼ぶには、少しばかり優しすぎた】
【人が人に抱き得る、おおよそあらゆる正の感情が詰まった眼は、いまにもはち切れんばかりの涙を溜めて揺れていた】

【それとは真逆に、女への対応は──失礼にも、おざなりという他ないものだった】
【一応目を見て、答えはするが。語調も挙措も酷く冷淡で、瞳は煮詰まった敵意だの憎悪だのの負の感情に満ち満ちていた】
【その視線は丁度狂信者が、自らの神を穢し冒涜する不届き物に向けるものに似ていた。断罪を、求めていた】

【ぎちり。黒い腕が夜に哭く蟲どもの声めいて、俄かに軋む】
748 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/03(日) 04:27:54.50 ID:3Ahbk78fo
>>746

君が信じず、誰が信じるのかね?
真に求めるならばまずは足元からだよ、であればいつか辿りつくし、手繰り寄せた方がずっと早い
……ふむ、王であるならばやはり他国の重鎮か国を超えて情報を集められる集団が鍵か
紋章の図面などがどこかに残っていれば、かなり近付けるのではないかな?

【先んじて炎の国の事を知っていればもう少し具体的なアドバイスが出来たのだが】
【わずかばかり下がる眉尻は、どこか申し訳なさを孕む】
【空気の流れに揺れる煙は、いつしか周囲に混じる様に掻き消えていく】

ものの喩えだよ、君は正直者だが素直すぎる傾向が有るな?
不用意に人を信じろとは言わないが、多少腹芸を覚えておかないと後々苦労するぞ

【微笑みながらも呈するのは苦言、どうにも元気な子犬のような相手の様子に困った様子】
【相手の動きに合わせるように多少傾けた上体はまた元のようにしゃんと背筋を伸ばし】
【まるで遠ざかるかのように聖卓から降りると、その背後の像へゆっくりと歩く】

私が探しているのは、この場所を“こう”した人物の痕跡だ
奴は他の者が生きた足跡だけでなく、己がその場にいた事すら消し去ってしまう
私の目的は、その人物の打倒なのだよ

【ひょいと、聖卓の上から拾い上げた聖書を相手の手元へ放り投げる】
【ぼろぼろの表紙は心許ないが、この程度で崩れ落ちたりはしないはずだ】
【けれども大事な聖典というにはあまりに今の姿はみすぼらしく汚れ、まるでこの教会そのものの姿のよう】
【そして、彼の言が真実であるならば、“こう”された場所は一つや二つではないのだ】
749 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2013/02/03(日) 04:39:29.27 ID:4ATUcPH70
>>748

「紋章の、図面……」

【そう指摘され、マリィはペンダントの宝石を覗きこみ、月明かりに透かす】
【マリィの目に紋章の図面が映る――たしかに、この図面から調べると言う方法がありそうだ】
【しかし……紳士の反応では、炎の国についてそれ以上の情報を知らないようだ】

「腹芸?
 ……わっ、私が素直なのと、腹踊りを覚えるのの
 何の関係があるっ!」

【顔を赤らめ怒りだすマリィ】
【腹芸、という言葉すら言葉通り受け取ってしまう、こまった世間知らずである】
【そうこうしているうちに、紳士は朽ち果てた像へ向かって行く】

「……"こう"した人物って……なんのためにこんな事をするの?
 ただの略奪? それとも……」

【放り投げられる聖書】
【彼女の体温の高い手にふれ、聖書の紙片は揺らぐように波立つ】

「……旅の道中、"カノッサ"という非情の組織があると聞いたわ。
 もしかして、その連中ってカノッサと何か関係があるのかしら?」

【少女は風の街の襲撃事件をラジオで知った】
【その時人々の口から上がった言葉が、カノッサ機関である】

「だったら……わたしも"こう"した人物を許せないわ。
 そういう連中を片っ端から倒していけば……
 炎の国について知っている人もいるって事かしらね」

【少女は思案している……】
750 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/03(日) 04:40:43.55 ID:egofyzUAo
>>747

【挟める栞が手元にあれば良かったのに。遠い昔に何処かに遣ってしまった】
【眼前でぱらぱら捲られていく物語は酷く興味を惹かれるのに、手にとって読めるほど軽くは無さそうで】
【嗚呼手に取ることすらもう叶わないのだった。だから声に出して読み上げて貰った断片から、想像するだけだ】

そう。ならそっちを切り落としてあげれば、面白味も無い普通の男の子になってしまうのね
それにしても生意気だこと、「その子」には私のお陰で会えたんでしょう?
お礼のひとつくらいあったって良いわ。まあ別に要らないんだけどね、他人行儀で嫌だもの

【くすり哂う声は癪に触るもので、軋む音もそのままにして口元に手を当てるだけ】
【けれどその手も徐々に薄れていく、自身でも漸くそれに気づいたのか名残惜しげに消えていく末端を見つめ】
【涙色と深淵でも収めきれない感情色を浮かべる目に、最後に合わせた睥睨の色は含む刺が微かに弱まっていて】

……レイシー。夜の国の深い森、黒の墓標で待っているわ
また逢いましょう、嗚呼でも花は要らないわ、どうせ枯らしてしまうから
その時に気が変わっていたなら、答えをそっと私の墓標に囁いてね――

【静かに夜闇に溶ける姿、完全なフェードアウトまでには僅かに時間が残る】
【揺らぐ黒の燐光がのたうつように冷たい空気に混じりこんで、きらきら宝石めいて輝いた】
751 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/03(日) 04:57:48.37 ID:3Ahbk78fo
>>749

ははは、君は婉曲の表現に弱いのかも知れんな
詩集でも読んでみると、少なくとも言葉の字面に騙される事は無くなるのではないかな

略奪も無くはないだろうが、大抵はその存在を悪く思う者たちだ
正しいものであれば正しいものであるほど、目に障ると言うのはよくあることだからね

【頬を朱にして怒る様子も、少女の表情となればかわいらしいものだ】
【軽く笑い飛ばして流したのは、変に説明すれば余計にこじれそうだと見たかもしれないが】
【秘密裏に消されたのであれば、むしろ彼女の故郷が至極真っ当で正しき道を歩いていたからだろう】
【邪悪であれば、大義名分を持って叩きつぶされる……放られた聖書もまた、ただただ敬虔な教えの元にあったはずのものだ】

……カノッサか。彼らなら、国そのものを邪魔と見る事もあり得るだろうな
危険だが、探ってみる価値はあるだろう
UNITED TRIGGERだったか、カノッサと敵対する組織であればその情報も得やすいのではないかな?

【成程といったふうの返事、先程自身が言ったばかりの事例にも当てはまると頷く】
【不意に思い出されるは最近ちまたを騒がす正義の味方、相手も聞きおぼえがあるかとパイプを軽く閃かせ】

さて、少々長居し過ぎた。私はこれで失礼するよ
君の寝顔を見守ると言うのは、少々悪趣味に過ぎるからね
またいつか会えたなら、その時は経過報告でも聞かせてくれたまえ

【今己に語れる事は語り尽くしたか、くるりと踵を返して相手の方を向く】
【ステッキとパイプを手に礼する様子はこの邂逅の最初の様子と同じ、冗談を口に肩を竦める】
【別れの挨拶と共に一陣の風が吹き、相手が瞬きをした次の瞬間には】
【紳士の姿は、煙の匂いだけを残して消え去ってしまっているだろう】


/こんな感じでしょうか、お疲れさまでした
/出鱈目じみた助言ですがマリィちゃんの旅に有益になれば幸いです……!
752 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2013/02/03(日) 05:06:09.61 ID:4ATUcPH70
>>751

「詩集なんてしゃらくさい物、読んだことないわっ
 あんなの、キザな男がこれみよがしに読む物でしょっ」

【口をとがらせて詩集に対する偏見を口にするマリィ】

「……正しいものが、正しいものであるほど……」

【その言葉はマリィの心をうつ】
【その正しさが、疎まれるのもまたこの世界の摂理なのだ】

「UNITED TRIGGER? カノッサに敵対する組織なんてのもあるのね!」

【これは知らなかった。この組織に潜り込めば、情報が手に入るかもしれない……】
【最近噂の正義の組織と聞いて、マリィは少しわくわくする】

「ところで、貴方は……」

【だがマリィが振り向くと、もう紳士は煙となって消えていた】
【まるで夢のような邂逅……相手の正体はつかめなかったが、悪い人間ではなさそうだった】

「腹芸、ねぇ……」

【マリィは自分の腹の肉をつまむ】
【ぼろぼろになった紙片の聖書を抱いて、今夜はここに野宿する事に決めた――】

/こちらこそ夜遅くまですみません! ありがとうございました!
753 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/02/03(日) 05:34:25.48 ID:mkYSKTL6o
>>750

「こら、ちょっとカイ、いい加減にしたまえよ!あまりふざけてばかりいると、私だって怒る時は怒るのだからね!?」

────ああ、ごめんね。……ごめんね。

【そっと右腕を胸に抱えて、左手でおずおずと包み込む。こわれものにそうするように、そっと柔らかく】
【右腕の内に蠢く、未分化なパーツの塊たちを、大切そうに抱き締める】
【口許に浮かぶ安らいだ笑みは正しく、目の前に最愛の家族を認めた迷い子のそれだ】

俺がみすみす切り落とさせると、本気で?馬鹿な。

貴女は彼女を穢した。犯した。俺の中にいる彼女を切り刻んで無理矢理に引き摺り出した。
貴女は彼女をまた俺に殺させようとでもいうのか。ふざけるな、ふざけるな。穢らわしい亡霊、呪われろ。

…………だが、それでもこうして逢えた事には違いないね。礼が要らないと言うのなら、代わりに贈り物を。

【ずるり。ずるり。少女の断片を内に孕んだまま、右腕は冒涜的に引き延ばされ、嵩を増やし、その形状を変えてゆく】
【無数の砲塔。鉤爪。鋭い牙をびっしりと生やした何かのあぎと。その隙間に愛しいものを守るよう配置された、鱗のような夥しい数の装甲板】
【青年は白い手をしっかり握り締めた右手を、狙い定めるようにして女へと向ける】

カイ。姓はない。何故ならば、ああ、とうとう世界≠ェ俺に追い付いたからさ。
夜の国の深い森、黒の墓標。……覚えておくよ、レイシー。その時は、さて。どうしようか。

────とりあえず今日の所は、さようなら。

【瞬間。恒星を地に叩き落としたが如き灼熱の白い閃光が、砲塔内部を一斉に満たす。この上なく暴力的な贈り物だった】
【一発は一発だとばかりにぎちぎちと哭き喚く右腕≠ヘ、今か今かと自らが練り上げた破壊の奔流が、解き放たれる時を待っている】
【それが幽体に効果的かはさておいて、今の青年が、何故だか激している事だけは確かだ──】

【轟=z
754 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/03(日) 11:06:55.08 ID:FN8Aw6rdo
【何処の国ともしれない、ただ表すならそう――僻地】
【そこには建物の残骸があって、錆びつき、地に落ちた看板からようやくなにかの『研究所』だと分かる】

はぁ……結局来ちまったな、夢見たのがそんなに気になるかよ俺は……
こんな完全に崩れた研究所なんぞ、今更来てもどうにもなんねーってのに

【地上2階建て、ただし天井は崩落していて、床も崩れているが瓦礫で埋まり】
【だから、複雑だけども“1階部分”に人が居た。赤髪の、深紅のジャケットの女性である】
【下は白いホットパンツとオーバーニー、加えて焦げ茶のブーツと露出が目立つが】

【彼女は何か、ここに来たことが有るような。そんなふうに思わせるうろつき方をしていたのだった】
【時折瓦礫の小さなものを蹴り飛ばし、なにか思わせぶりに退けたりしている、と―――】

…………No.3、か。

【そんな姿は、もう扉もないから外からでも見えるだろう。もしかしたら、廃墟好きにはたまらないかもしれない】
【といってもこの崩落、周囲の煤からして経年によるものではなく、明らかに爆発等によるもの】
【或いはこの場所は奇妙奇天烈な都市伝説化何かになっていても、そう不思議はないかもしれず―――。】
755 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/03(日) 11:19:12.65 ID:3FeHXckho
>>754

【燃えるような真紅の貴女、その姿は激情のようにも焔のようにも見えて】
【燻るみたいに廃墟の中に佇む形が神話の中に出てくる一ページみたい】
【そうしてそこから零れ落ちる素肌の色は、思わずため息混じりに貴女へ馳させるのだろう】

【――――そんなミステリアスで、どこか背徳的で、どこか耽美的な御姿】
【鮮やかな光に惑わされる孤独な雪の結晶が流れていくことだろう】


Кто здесь(誰か、いるの)……?


【旋律が零れたなら、後付のように人影が広がる、口どけの良い甘味の後はその真の姿が見えてくるよう】
【糖衣のような木漏れ日が晴れて、裸体にも似たその姿が露になることであろう】
【暑さを感じさせない日差しの下で溶ける人影の輪郭が、化粧のようにも瞬く】


【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【透き通るような素肌に女性としてはやや小柄で華奢な体躯、それでいて膨らんだ大きな胸】
【暖かそうなキャスケット帽にコート、踏んでしまいそうなくらい長いチェックのマフラー】
【編み上げブーツに黒いオーバーニーソックスの雪のように儚い印象の少女】

【ブーツが刻む足音、両手に握った大きな大きなバイオリンケースがひらひらと揺れて】
【彼女はそれを膝の辺りに垂らして、そのパッチリとした大きなマリンブルーを貴女へと注ぐのだろう】
【廃墟に在る美しい女性の姿、貴女のそれはきっと、絵画のモチーフにもなりうる程に素晴らしい】

【他方彼女にしてみれば、ミスマッチ甚だしいとも言えよう、コンクリートの上に落ちた雪のよう】
【溶けた跡は単なる夜露とも同義にしかならず、やがて浄化し流転していく】
【裁断を待つ華奢な絹糸のような素肌が、陽光にさらされていた】


/若干ペース遅めですがそれでもよろしければー
756 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/03(日) 11:35:43.53 ID:FN8Aw6rdo
>>755

―――――Я здесь. (ここに居る)

【ふとそんな言葉が帰ってくる。ひどく流暢で、ともすればチンピラにも似た格好からは想像もつかない】
【返事とともに彼女は来客――とでも言おうか、廃墟にはミスマッチな少女へ視線を向けた】

【よく見ると首にはクロスチョーカーを、左手の薬指には真っ黒な指輪をはめている、この深紅の女性は】
【その胸元に“逆五芒星”のマークなんていう物騒なアクセサリーもまた、着けており】
【見た目だけで判断するなら明らかにカノッサ機関の、しかも独りとなると上位のメンバーだろうか】

……で、なんだテメェ。こんなトコロに来ても、技術も金も拾えやしないぜ
“既に終わってる”からな―――それとも、廃墟趣味の捻くれ者か?

(バイオリンケース、ね……どっかいいとこのお嬢ちゃんって感じだが)

【普通の言葉はひどく荒々しく、腰に手をやって、女性にしては高い位置から話す彼女は】
【何かここについて知っているようでもあり、同時にここについての興味が薄いようにも、どちらにも思えるが――。】

/ふふっ、よろしくお願いしますです〜
757 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/03(日) 11:45:00.34 ID:3FeHXckho
>>756

【久しく聞いた祖国の香り、思わず頬が緩んでしまうのも仕方ないよう】
【むしろそれは開花を待つ小さな蕾が小春日和に浮かれて見せた華奢な表情】
【泡沫のように弾ける淡い微笑が、貴女へと注がれるのだろう】


Я сожалею(ごめんなさい……)
Но я не знаю где .(けど、道に迷ってしまったんです)


【言葉の通りであろう、言葉が通じずとも、少し沈んだ表情にそれが浮かんでいる】
【貴女へと注がれる視線は、無垢であって、それでいて何かしらの強さを感じさせるよう】
【その強い貴女のまなざしを見つめて、それに映る自分の姿を感じていた】

【身長は150cm前後、女性としては小柄で華奢な体躯、必然的に貴女を見つめる姿勢で】
【両腕が下方向に絡まって、問う視線はやや上向き加減、豊満な胸がコートの上からでも伺えるだろう】
【少し止まって、貴女の様子を見ながら、気づいた事を口にした】


お姉ちゃん……わ、どうして、ここに……?
ソニア、見える、の――――お姉ちゃん、此処……好きじゃない、って、見えるの
それとも、お姉ちゃんも、ひぇくれ……ひぇ、捻くれもりょ……?


【流暢なもう一方の言葉と違って少したどたどしい旋律、指先で示すには少し脆い】
【噛みそうになりながらも、貴女の言葉に合わせる辺り、それなりに気遣いは出来るのだろう】
【きちんとした身なりで、垂れた前髪に隠れる表情は、令嬢のそれといっても良い】

【揺らめくバイオリンケースに持っていかれそうな華奢な体躯は、それこそ病弱なようにも】
【頬を照らす淡い太陽の光を、擽ったそうに感じて、少し表情をしかめる】
【――――あんまり暑いの慣れてないの、って言いたげで】
758 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/03(日) 12:02:21.19 ID:FN8Aw6rdo
>>757

【如何にも少女らしい微笑みに対して、赤髪の女性はなんともやりづらそう】
【どことなくスれた様子からして、スラムの子供が貴族と会ってむず痒く思うようなモノか】
【それでも口を開けば出てくるのは同じ言語だから、中々笑えるが】

Я не забочусь(構わないよ)

Вы должны быть осторожность
из следующего раза (次からは気をつけな――。)

【溜息一つ吐いてから、そのシャギーのかかった髪をかきあげるようにこめかみの辺りを掻き】
【168cm+ブーツという高い位置から少女を見て、にわかに歩いて近づこうとし】

……勘の良い奴だな、お前。まあその通りだよ、私はここが好きじゃないし、捻くれ者だ
八年以上も居たところだが愛着はないし、懐かしくはあっても戻りたいとは思わなかった
けどな、こないだ“夢に見ちまった”んだよ。で、暇だし此処に来たって訳だ

……とりあえず日陰か、どっか近くの街に行くか?

【と、もし近付ければ分かる、ジャケット越しの―こちらもふくよかな胸元を、背筋を伸ばして張りながら】
【仕方ないとでもいうようにそんな提案をする。そう思わせる程度には、少女が可憐に見えたのだろう】
【だからといって気遣いが出来るような女性にも思えないが、そこもやはり捻くれ者ということか。】
759 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/03(日) 12:15:14.24 ID:3FeHXckho
>>758

【かき上げられる髪の毛、素肌から零れる貴女の赤色は情熱的な色】
【それでいて潤んだ首筋がその輪郭を強く表現したなら、とても色鮮やかな色気をかもし出すのだろう】
【リキュールにも似た貴女の香り、くらくら、と彼女の胸を打つには十分なくらいには芳醇であって】

【溜息が形になるのだろう――――白い白い、靄と呼ぶには少し可憐な残片】
【そこに映るのは吐息の結晶、移し身のようなそんな淡い色合いを染めていた】


八年……長いね、此処――――何か、あったの……

Мечта(夢)……夢って、どんな……?どんな夢?
怖い、楽しい、辛い、面白い……Нет(それとも)……哀しい


【彼女は見たところ15歳ぐらいであろう、その人生の半分よりも、貴女の此処で過ごした年数は長い】
【わぁ、と小さく声を上げたのはそんな理由、凄いね、と少し目を伏せて、マフラーに口元を隠した】
【ふわふわのマフラーとコート、それとキャスケット帽は、寒い寒い雪国で育った証なのだろう】

【貴女の言葉にうん、とうなずいた、目が細くなって、大きな睫がしん、と表情の上に落ちた】
【マリンブルーの大きな瞳が溶けて、雪すらも裸足で逃げ出す純白の素肌へと降り立つのだろう】
【白鳥よりも可憐な柔肌、太陽に触れているだけで犯されているかのような憂いに沈む】

【貴女の言葉を聴いて、返す旋律、形になっているとは言いがたいけれども、一定の音律は保っていた】


!!うん……ソニア、暑いの……苦手――――
お姉ちゃん、優しいの……ひぇくれものだけど、良い人


【うんうん、と大きく二回ほど頷いて、貴女の誘いにのるだろう】
【細く長い形の良い眉毛がくしゃっと傾いたなら、この程度の日差しにも溶けてしまいそうな彼女の色を伝えた】
【灯火のように肌を照りつける日差しは、少しの怠惰をも許さないようで】

【できるのなら、廃墟の少し奥の辺りへと、ゆっくりと歩いていくのだろう】
【そんなに弱いのなら、街中を出歩く必要をも、ないかもしれないのだが……】
760 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/03(日) 12:32:39.85 ID:egofyzUAo
>>753

【正常なそれに失敗した女の胎からは、完成できなかった髪や歯だけが出てくるというけれど】
【パーツの寄せ集め、それが織り成す地獄絵図めいた光景は、まともな人間ならば肩でも震わせただろうか】
【目の前のこの女くらいだ、これを目の当たりにして、呪詛を掛けられて、それで尚哂うのは】

ふふふ、ふふ、ふふふふふふ
大事に仕舞って置いてある物って。引っ張り出して泥まみれにしたくならない?
嗚呼一度殺してしまったのね、なら呪われるべきは私じゃなくて貴方よねぇ、ふふ
それか一緒に死ねば良かったのにね?そうすればずっと二人でいられるじゃない、愚かしいわ、

【右腕の冒涜的な変遷、豹変した青年の放つ言葉、死刑宣告のよう向けられる砲塔】
【彼女の語気を僅か荒げさせたのはそのどれでもない。彼が「彼女」に向けた愛おしげな笑みだった】

【(愛なんて。まして男が語るそれなんて。いずれ終わるまやかしだ)】
【(どいつもこいつも平気でそういう顔をする。そうして嘲笑いながら裏切るものだ)】

…………素敵な流れ星ね、心無い男によく似合うわ。「さようなら」

【暴力的な恒星が放たれる間際。矢張り、この女は笑っていた】
【閃光が薄れかけていた黒い霞に止めを刺して、それで彼女のシルエットは完全に消え去る】
【足許に残されていた葉巻は、まるで今しがた目が覚めたとでも言うように、またぽつりと火が点って】
【路地裏の静寂。耳を澄ませば遠くの電車の音がするくらいで、後は恐ろしい程に「何も無い」】

/補完も兼ねて最後のレスをば
/有難う御座いましたー!
761 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/03(日) 12:33:03.89 ID:FN8Aw6rdo
>>759

なに、別に……寝てただけだよ。大体八年、グッスリとな
理由まで言うのは野暮だ。が、とにかく楽しくはなかったさ

――――воспоминание(思い出)

【あまり語ることでもない、不愉快ではないが良いとも思えない、そんな八年】
【それを研究所なんていう場所で過ごしたというのは些か以上に、不穏でならない】
【ましてそれが世に名高いカノッサ機関の人物であれば――推察出来るのは、人体実験だが】

【そんなことをよそに、女性は少女を導くように指をクイ、としながら奥へ進む】
【其処は天井が崩れていない小部屋で、事務的な事をしていた場所なのか、書類が散在している】

【もし今の会話と同じ言語を“読める”のであれば、『APO研究所』というのが目に付くはずで】

……にしてもお前、日に弱いくせにこんなトコまで迷子になるなよ
次は俺が居るわけでも、あっちの言葉が分かる奴が居るって保証も無いんだぜ?

……優しいなんてよせよ、ガラじゃねェ。ところで、お前名前は?

【女性は近くの事務机からまだ機能する椅子を少女の方へ動かして、自身は机にそのまま腰掛け】
【腕を組みながら、不可解とまでは言わないが気になったこと―――それをぽつりと、訪ね始めて。】
762 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/03(日) 12:45:45.52 ID:3FeHXckho
>>761

【恐らく彼女は貴女が機関員≠ニいうことは分かっていない、だからこそ簡単には逡巡できないのだろう】
【貴女が受けたであろう過去を、推し量ることすら――――きっと】
【それでも、貴女が言いたくないであろうことは分かった、だから、追求なんてできなかった】


APO……研究所……かな、これは……
うぅ……だって、朝は――――降ってた、Снег(雪)……
この国、暖かいけど、冷たい……暑いけど、寒い

――――だから、嬉しい、ソニア……とっても嬉しかったよ
優しいお姉ちゃん、会えたから


【椅子を差し出されて、ちょこんと腰掛けるだろう、両膝を揃えて、自分の横にバイオリンケースを立てかける】
【キャスケット帽を脱いで、コートも脱ぐのだろう、やっぱり暑かった様子】
【それでも冬場である、決して普通の人間には暑いとは感じられないだろう】

【コートの下は薄い桃色のカットソーの上に細いリボンを纏った黒いキャミソール】
【紅いチェックの柄のミニスカートから零れる両脚が、黒いオーバーニーソックスに包まれていて】
【貴女へと向けた表情が、今にも蕩けそうな糖衣から零れた】

【曝け出された細い首筋、微かに汗がそこには浮かんでいて、今にも溶けそうな彼女の表情】
【それでも、どこか嬉しそう、ふふ、と淡い微笑をそこに見せた】
【暖かいけど冷たい、暑いけど寒い――――それはきっと、この国の人々のことを言っているのだろう】


Соня Екатерnна Драгуноваソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ
お姉ちゃんは……お姉ちゃんの、名前……

それと……その、マーク……珍しいね――――


【流麗な言葉、長い名前だけど、彼女の言うソニアとの言葉ははっきりと聞き取れるだろう】
【本場の発音から少し崩しているのは、他人に呼びやすいようにとの配慮であろうか】
【ちょこんと座って膝を合わせて、脚は少しだけ開いているよう】

【畳んだコートを膝元に載せて、マフラーと一緒にキャスケット帽をその上に添えて】
【貴女を尋ねるマリンブルーの瞳が、擽ったそうに揺らめいた】
763 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/03(日) 13:10:36.66 ID:FN8Aw6rdo
>>762

Apotheker―――つまり、薬剤師の頭文字をとってAPOだ
薬剤師の研究所ってことさ。そういう部門を好きな様に研究してたんだ、ここは

……にしてもなぁ、朝に雪が降ってたとしたってお前の故郷ほど寒くも無かったろ
そのまま出かけて今に至るっていうと、まあ――(……結構ドジなヤツってことか)。
しかし、その格好はいくら寒さに慣れてても風邪引くんじゃねェか?

【実を言えば、この女性もかなりの薄着だ。ジャケットの首元からは素肌が覗いているし】
【大体、ホットパンツというのはこの時期に切るには少々薄着すぎるところもある】

【というのも、彼女の体温が常人より余程高いからというのもあって、理由はしっかりしている】
【その点、相手はただの少女に見えて。だからさすがに、心配にも似た言葉をかけ】

(―――“ドラグノフ”?そりゃ人につける名前かよ、まるで俺みたいな名前してやがる)
(まあ、まさかこんなガキがとは思うが……まさか、コードネームなんかじゃあるまいし)

……ベイゼって呼べ。ベイゼ・べケンプフェンだ、ソニア。

マーク……マーク、ね。そう珍しいもんでもないさ、ブランドみたいなもんだ
この辺りに友達とか知り合いがいるなら、聞けば大概の奴は詳しく教えてくれると思うぜ?
多分、世界的に有名だからな―――良くも悪くも、何時かお前も関わるかもしれない『ブランド』さ

【マーク――胸元のそれだろうか、逆五芒星というのは確かにそうそう見かけるものではない】
【語る口調は何処か楽しげで、その様子は物を知らない子供に大人が暈して伝えるような、そんな感じ】

【ふと正面から交わる視線は、そんな彼女の語りをどう思うのだろうか】
【黄土色という珍しい瞳の色は力強さをたたえていて、儚くも美しい少女とは対極に有るように感じられる。】

/ではいい所ですが、ここで一度凍結ということでっ!
/戻るのは夜か、場合によっては明日になってしまうかも……詳しくは舞台裏で。

/というわけで、一旦お疲れ様でしたー!
764 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/03(日) 14:50:41.06 ID:egofyzUAo
【大通り沿いのカフェ・テラス席】

【昼下がりの穏やかな雰囲気を醸す落ち着いた店内に、黒服の若い男が二人】
【仕事の打ち合わせのようにも見えるが、その実、会話の様子から見るに知己の関係らしい】
【片方は肩までの白髪に黒い彼岸花を挿し、銀縁の細身の眼鏡を掛けていて】
【もう片方は腰までの紅茶色の髪を緩く纏め、目を隠すようなダークブラウン色の眼鏡を掛けている】

【前者が先日の風の国首都襲撃犯の一人で、後者が中央放送局占拠犯の一員であるのだが】
【どちらにも言えるのが姿をハッキリ見た人間がごく少数に限られることで、】
【故に周囲の人間の目は全くと言っていい程この二人に対して向けられることは無く】

……人目を憚るとか、考えたことは無いんですか

「無いわぁ、勝手に憚ってればええやろ。そもあッちはそないに目立ってへんし……
 嗚呼、目立ったことはしたかも知れへんけれど、あの吹雪やったしねぇ?」

【交わされる言葉だって、キーワードを孕んではいるが、それだけだ】
【人の多く混み合う店内は席の空きが少なく、6人掛けのテーブル席もそう長くは二人で占領していられず】
【すぐ隣は人通りがそれなりにある街道、何か起こればすぐに気付くだろうし、逆に此方も目に付きやすい】
【万が一の可能性、要所に散らばるものに気付けた人間が、声を掛けることだって無くはない】
765 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/03(日) 15:06:22.57 ID:3FeHXckho
>>763

【Apotheker……口元から零れた旋律が、ふわりと空を跳ねて鮮やかな形に彩る】
【露出の多い貴女の姿は、貴女の肉感的な身体つきをとても激しく主張するのだろう】
【それは夜明け前に見える闇のよう、宵闇すらも飲み込むほどにその色は深く鮮やかで】

【彼女にかけられる心配の言葉、それはとても心地よいシャワーのようにも思えた】


寒いのは……ソニア、慣れてるよ、いつも、寒かったから
雪が降っても、お家には暖炉もないの、だからねМать(お母さん)抱きしめてくれるの
ポカポカしてたよ、とても……その中でいつも、寝てたの

だからソニア、寒いの得意――――風邪なんて、へっちゃらっ


【仄かに辿る過去の情景、胸元に転がった二つの手がくしゃっと絡みついた】
【視線を足元へとおろしながら紡ぐのは彼女の昔、きっとその頭の中にはいくつもの情景が浮かんでいて】
【百合の花が日差しを浴びるかのよう、ふわりと上げた顔が貴女と交錯するのだろう】

【マリンブルーの瞳が強く照り輝く、その奥には深い悲しみと慈しみを兼ね備えるよう】
【心配してくれて、ありがとう――――だなんて、当たり前の気持ちを、表情に止めて】
【微笑むと、表情の水面に刻まれる淡い形が彼女の素肌の白を強調した】

【上向き加減に捉える貴女の黄土色の瞳、そこに孕んだ力強さは、自分で道を切り開く者の強さ】
【悲しみも切なさも過去すらも、全て飲み込んで、それでいて前へと向ける姿のよう】
【凄いな、とか――――カッコイイな、とか感じる感情は感じうるべく刻まれた旋律】

【無愛想な廃墟の中にあって、目の前の貴女は知性と理性と力を生き生きと発するよう】
【彼女は溶ける、壁のシミと一体化しそうなぐらいに、僅かに残った壁の白い部分へと吸い込まれそうなぐらいに】
【存在感が希薄か、或いは儚くか――――貴女の手をぎゅっと握り締めて、初い雪は留まることを願った】


ベ、イ、ゼ……ベイゼ、うん、覚えたよ

ぅー……でも、ソニア、こっちに来て……あんまり長くないから……
友達とか、知り合いとか、少ないよ……少ないの

だからベイゼ教えて、ソニア、気になる


【覚えたよなんて言ってる割には人の名前よく間違えるこの娘】
【ロシア語以外は全部一緒とでも思ってるんでしょうか、全くという感じでしょう】
【確かめるように指折り数えて、貴女へと視線を傾けた】

【楽しく語る貴女へと少し困ったような表情を見せる彼女、ほんのりと頬に赤みがました】
【それはまるで、夕陽が雪原に染み込むよう、形を問わない沫にも似たようなもの】
【ほんのりと浮かんだ感情は、彼女の色を薄くそれでいてハッキリと伝えるのか】

【恥ずかしげに、くしゅくしゅって指と指を合わせて、顔の直ぐ下あたりで揺らしていた】
【彼女の言うこっち≠ェ何を示しているかは不明瞭ではあるが――――もしかしたら、この世界≠ニいう意味かもしれない】
【ロシア語――――彼女の語るそれは、彼女の祖国そのものなのであろうか】

【友達が居ないって言葉はそれ相応に恥ずかしいのだろう、彼女もまだ15歳程度の若い身空】
【答えをせびる娘のよう、或いは、意地悪な問いにお手上げな妹のよう、少しだけ顔を乗り出した】
【マリンブルーの網膜に浮かんだ貴女の虚像は、とても力強い憧憬のようでもあった】
766 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/03(日) 15:33:09.85 ID:xQzH2ql10
>>764

「はぁい、トップナンバーの月彗様ー、あとそちらの誰だかわからない人ー?」

 そこに現れるスーツの上に白衣を着たなんかピキッてる女性と、
 髪の長いタンクトップに半ズボンの少女。

「トップナンバーがさぁ、なんでこんな安い店で食事してるわけ?
 こっちのまた昇格試験落ちた野槌ならともかく」

「黙りなさい、まがわ」

「ああん? なんで私に命令してんだ?」

「親だからよ、悪い?」

 野槌と呼ばれた女性と、まがわと呼ばれた偉そうな少女は意見も聞かず2人の席の隣に座る。
 テーブル越しに睨みあう少女と女性は、近くに来た店員に注文する。

「・・・イタリアンエスプレッソ」

「私は・・・ここからここまで全部、あとドリンクバー」

 女性はともかく、少女はとんでもない注文をしてきた。
 その小柄な体に入るのだろうか? 
767 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/03(日) 15:53:17.06 ID:egofyzUAo
>>766

【名前を呼ばれて其方を睥睨したジト目が、暫し「誰だこいつ」なんて色で彷徨って】
【それから二人の会話を追って嗚呼と納得したように、ただ面倒そうな表情を浮かべる】
【一方の誰だかわからない人の方は愛想良く会釈をしたが、不思議と二人に視線を合わせることは無く】

おや。引きこもりだと聞いていましたが、もうお友達が出来たのですね?
それも子持ちの女性なんて羨ましいですね、ワタシにも紹介して頂きたいものですが
……嗚呼、私はセシルと申します、中央放送局の際に微力ながら協力させて頂いた者ですよ

「黙らし、同僚と友達はちゃうわ。兄やみたいにすぐ勘違いせえへんのん
 ……で、野槌やったか。そッちこそ何や良く食いはる娘はん連れて、何しに来はったん?
 こっちはただ兄弟で仲良くお話しとっただけやけれど。たまには俗っぽいんもええやろ?」

【席順。さして拘るでもない些細な事だけれど、過程として記すならば】
【セシルの隣に野槌が座ったのならば、ニコニコとしたまま其方に気遣いのひとつふたつ見せるのだが】
【もしまがわの方が座ったのならば、一切視線も遣ることはなく、斜め前の野槌に微笑み掛けるだけだ】
【まるで「少女」を嫌悪しているような、そんな露骨な態度】
【勿論此処で語られるべきは機関の動きなのだろう、故に、重点を置くことでも無いのだが】
768 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/03(日) 16:10:19.00 ID:xQzH2ql10
>>767

 セシルの隣に座ったまがわはジーッと眼鏡越しに、
 どんぐりのような目で見つめている。

 野槌は月彗の問いに相変わらずピキりながら答える。

「はぁ? 別に? 普通に休暇で親子揃ってお出かけですけど?
 別に予算が下りなくてやることないわけじゃ全然ありませんけど?」

 どうやら予算が下りなくてやることが無いらしい。
 「はぁー、グラトンのじじい早く死なないかしら」などと上司への敬意の欠片も無い事を口にしている。

「・・・」

 まがわは隣に座ったセシルに視線を送り続けるが、やがて――

「よしなさい! まがわ!!」

 野槌が声を張り上げる。
 まがわは不服そうに眉を顰めた。

「だってコイツ、私の事無視するんだけど」

「こんな所で騒ぎを起こしてみなさい、死んだ事になってるアナタを今度こそ隠しきれなくなるわよ」

 まがわは渋々といった感じで手を下すと、
 店員の運んできたハンバーグ定食に視線を下した。

「ごめんなさいねぇ、血の気の多い子で・・・。
 ああそうそう、近々行われる"会合"についてですけど」

 野槌はコーヒーを啜りながら言葉をつづけた。

「何かご存じ? いつ行われるのかとか、何のための会合なのかとか。
 生憎一般構成員でおまけに研究者なんていう立場な為にそういうことには疎くて」
769 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/03(日) 16:32:20.92 ID:egofyzUAo
>>768

【可愛らしい目で見つめられているというのに、露骨に机を小突く指があからさまに苛立ちを浮かべて】
【そんなセシルを、月彗は眉を潜めて一瞥するが、こういう人となりを知っている以上掛けようと思う言葉も無い】
【これで「娘」なんて良く出来たものだ、とは相手の知りうることろでは無いのだが】

「アハハッ、倖せそうでええことやな?
 やる事無いんはこっちも一緒やわ、まだ駒を動かしとる最中でなぁ
 ……会合?そない話あったんやろか、あッちも部屋に居っぱなしで何にも聞いてへん」

【紅茶のカップを傾けつ語る言葉は、引きこもりと揶揄されるだけあって何も知らない様子で】
【No.2を頂く立場とは思えないだろうか、そもこんなところで茶を啜っていること自体が異常に近い】

【これまた余談だが、一般構成員なら耳にしたかも知れない噂】
【No.2がNo.3をお姫様抱っこして廊下を歩いていたとか、そのままNo.3の部屋に入っていったとか】
【あの風の国の襲撃に加わったのが本当に異例と言える程表に出ない人間、故に興味は引かれるらしい】

…………自分の娘だと可愛らしくも見えるのに、不思議な物だ
失敬、「貴方の」大事な娘さんならば、ワタシも尊重しない訳にはいかないでしょう
若く見えますが意外ですね?この歳の娘さんがいるなんて
ワタシの娘はまだ8つでね、まあ見た目には20歳近いのですが……

【一方のセシルは漸く露骨な態度こそ収めたものの、野槌の方だけに向ける愛想の良い笑みは変わらない】
【世間話程度、弟との機関の話の方に重要性があると思うために、返答を求めてはいないような独言じみた言葉】
【けれど聞いていたならば違和感があるような、そんな内容。だのに素知らぬ顔で、静かに珈琲を傾け】
770 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/03(日) 16:52:59.59 ID:xQzH2ql10
>>769

「ふふふ、そちらこそ御兄弟で仲良さそうで結構ね」

 野槌はニコニコと不敵な笑みを浮かべているが、
 内心では相手の間合いを測っているように警戒していた。

「ふふふ、噂に違わぬ引き籠りね。
 なにやら最近は浮いた噂も聞くけど、デマなのかしら?」

 まがわの方は既にハンバーグ定食を食べ終えて、
 次のカツ丼に箸をつけていた。
 どうやらセシルの方を気にしても不愉快になるだけなので食べることに集中しているようだ。

「まぁ、No2ともなろうお方ならそういう下世話な話はどうでもいいようね」

 しかしまがわもセシルの棘のある言い方にはどうも我慢ならないようで。

「あ゛? まるで私が可愛くないみたいな言い方じゃねぇか?」

「アナタは色気より食い気ですものね。
 ふふふ、四十路のおばさんに嬉しいこと言ってくれるじゃないの。
 まぁ、まがわは私の遺伝子は継いでるけど腹を痛めて産んだわけじゃないわ。所謂クローンって奴ね。
 そういうセシルさんこそ・・・その歳で娘なんてずいぶんいかがわしい響きね。
 真っ当な親子じゃないのはお互い様でしょう?」

 ふふふ、と野槌は笑ったが。
 その目は油断なく光っていた。
 どうやら月彗同様セシルも油断ならない人物だと思い始めたようだ。

「じゃあ知らないようだから私の方から知っていることだけ。
 "会合"はどうやら"予定上"では六罪王の皆様も集まるみたいね。
 まぁカノッサの中でも特に気分屋だらけの方々だから全員は来ないでしょうけど。
 どうやら噂では今や崩壊した最高議会の大物も来るらしいじゃない?」
771 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/03(日) 16:55:01.31 ID:lfzW+hH1o
【UNITED TRIGGER――店舗前】

……研究所の近くに生えていたこの植物……多分"スパイダー・プラント"の一種、なのかなァ……
もしそうだとしたら、あの辺には生えていないはずなんだけれど、種でも持ってきたか飛んできたのかなァ……
わらわら生えていたから一本だけ持ってきてみたけれど、……まあ、……飾りにはなるよね

【サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代半ばの男が、窓を雑巾で拭いている】
【ハーフ顔で優しげな目付きをしていて、左頬には猫と思われる引っかき傷の痕がある】
【服装は、ほんのり青いタンクトップに、紺色のジーパン(ストレッチタイプ)、そして茶色いコートを上から羽織っていて】
【両手足には指が出るタイプのグレーのグローブ的なものがはめられており】
【紐タイプの無難な黒ベースの運動靴を履いており、頭部と両腕には赤色の鉢巻が巻かれていた】

【店の前に置かれた奇妙な鉢植え――彼が持ってきた物の様なのだが】
【その鉢植えに生えた植物の種類は書かれておらず、見た目も奇抜だ】

【青味を帯びた葉は綺麗なのだが、全体的に蜘蛛みたいな形をしているのはどうかと思う】
【そして、異世界から意図せずとも持ち込まれた物だとすれば、外来種ってレベルじゃない】
772 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/03(日) 17:16:42.15 ID:egofyzUAo
>>770

【野槌の言葉。月彗はすました顔で啜っていた紅茶を盛大に吹いて、面白い位に噎せる】
【幸いなことに前にいるのはセシルで、被害を被るのも彼だけで済んだのだけれど】
【暫くけほこほと息を荒げて、漸く落ち着いた頃に野槌を思い切りジト目で睨み据えた】

「……っ、阿呆ちゃうんかそッち、何で10も下の小娘と噂にならんとあかんのやっ
 別に変な事もなし、ただ義手を作ってやっただけやわ!勘違いされても、困るし」

…………言い訳の前に、まず何かワタシに言うべきことがありますよね?

【怒りを押し殺して顔や眼鏡を静かに拭くセシル、まがわから見れば「ざまあみろ」とも思えるだろうか】
【その際に顕になった目。右と左で瞳孔の開幅が大きく異なるオリーブ色は薄気味悪くもあり】
【少し格好がつかないように伏せがちにされたそれは、矢張り誰とも視線を合わせなかった】

矢張り年上でしたか、相応に色気のある方だ
……嗚呼私ももう36ですが、娘というのは自分の子では無いです
血縁というのが余り好きではなくて。でもクローンとなれば最早別物でしょうか
いっそいかがわしい仲にでもなれば面白いのでしょうが、その辺は意外と全うでね

【此方は月彗とは対照的に落ち着きが見えて、相手の言葉にも動じる素振りはまるで無く】
【だが、まがわと話せば良いものを野槌の方だけに言葉を掛けているのだから、そこだけは大人気ないか】
【そして一方の月彗は漸く落ち着いたか、野槌の話に相槌を打ちつつ、けれど何処か面倒げに机に肘をついて】

「へえ、六罪王まで来るんやったらあッちも出ない訳にはいかんやろうなぁ
 誰が来るかはどうでもええんやけれど行かんで何か言われるんは鬱陶しいし……
 ……そッちも何か動いとるらしいけれど、その関係の話を其処でしたいっちゅう思惑もあるんやろか?」

【銀縁の眼鏡越し。葡萄色の鋭い視線が、相手を伺うように見据えられていた】
773 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/03(日) 17:40:20.24 ID:xQzH2ql10
>>771

 噴出された紅茶をヒョイと避けると、
 月彗の反応に野槌はニヤニヤと笑って。

「あらあら、意外と初心なのねぇ。結構達観した人かと思っていたけど?」

 やはりこちらもおばさんらしく、そういう下世話な話に興味があるのだろうか。

「ザマーみろロリコン」

 まがわに関しては8歳という単語だけ聞いていたのか。
 セシルに聞かれない様にボソッと呟いた。

 眼鏡を外したセシルに野槌はツイ、と目を細める。

「へぇ、兄弟・・・というには随分似てないわねぇ。
 なにやらセシルさんが危ないことを言ったようだけど聞かなかったことにするわ」

「まあ、それはともかく私にまでお呼びにかかるくらいだからトップナンバーのアナタが出ない道理はないわね。
 ええ、アナタ同様秘密だらけの六罪王全員の顔を拝めるチャンスかもしれないし、出てみたらいいんじゃないかしら?」

 そして、月彗の言葉に目を閉じる。

「ええ、とっても重要なプロジェクトが始動しているわ・・・いや、始動させようとしているのだけれど」

 バンと野槌は机を叩いた。


「予算が下りないのよッ!!」


 野槌はガリガリと頭を掻きながら、ブツブツと呟く。
 なにやらスイッチが入っちゃったようだ。

「なんで? 馬鹿じゃないの!? これが成功すれば、組織が急成長どころか大国1つ買える金が入るのよ?
 それになんでグラトンのクソじじいには予算が下りて私には下りないのよ! 絶対私の方が頭いいし天才だし、
 絶対もっと素晴らしい物を創り出せるのよ! 男女差別だわ! 上が私の才能に嫉妬しているのよ!!」

 まがわは「あーあ」とも言いたげに野槌の方を見ている。

 野槌とグラトンの研究の最大の違い、それは実用性だろう。まがわがいい例だ。
 確かに強化細胞という発明自体は素晴らしい、だが実用性がないのだ。
 成長するのに人間並みに時間がかかるのではあまりに遅すぎるし、
 なにより六罪王に噛みつくという制御不可能っぷりは戦力としては完全な失敗作であることを実証してしまったのだ。

 野槌の『予算が下りない』という研究も、
 おそらく強化細胞同様、直接機関の利益には繋がらないのだろう。
774 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/03(日) 17:59:34.78 ID:egofyzUAo
>>773

……ロリコンではありません。ワタシは熟女趣味ですのでご安心を

【安心出来る要素が何処にも無いのだが、まがわをじとりと睨んで眼鏡を押し上げて】
【似ていない兄弟。それは血の繋がらない親子と同じ理由からだろうが、語られる事はなく】

【一方の月彗はのんびり机に肘をついて角砂糖を積み上げたりしていたのだが、】
【野槌がばあんと机を叩いたお陰でそれが崩れ、しかも驚きでもしたのか肩が僅かに跳ね上がり】
【何か理解出来ないものを見るような目でただ彼女の言葉を聞いていたが、暫しの間の後に一考して】

「…………何や、あれならあッちの研究開発費でもそッちに回したろか?
 今のところ死体拾ってきてリサイクルするだけやし、実質殆ど使っとらんからなぁ
 歳出更生してそッちの予算科目に計上してまえばええやろ、あんま差っ引きの事は詳しくないねんけど
 ええと……50,000,000辺りで足りるんやったらすぐ回せるけれど、どうやろか」

【彼女の詳しい研究を月彗は聞きかじった程度でしかないが、仲間の研究なのだから支援しない理由もなく】
【彼女にとっては嬉しい提案になるのだろうか、ナンバーズからの援助となれば権限の及ばない部分にも触れられるだろう】
【相手の様子にやや気圧されたように曖昧に問い掛けて小首を傾げる、切り揃えられた白髪がさらさらと揺れた】
775 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/03(日) 18:03:36.65 ID:egofyzUAo
/次遅れますー
776 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/03(日) 18:13:04.04 ID:xQzH2ql10
>>774

「げぇ、趣味悪っ。じゃー私の可愛さわからなくても仕方ないわ」

 まがわは挑発的にセシルの方を睨みつけると。
 やれやれと手を広げてポーズをとった。

「5・・・千万・・・っ! う、嬉しい話だけど・・・!」

 野槌はまん丸く見開いた目で、月彗の方を見るが・・・。
 チラリと、うどんを啜ってるまがわを見て、ふぅとため息を吐く。

「・・・遠慮しておくわ、予算だけ勝手に頂いてもどうせ別方向から圧力かけられるだけでしょうし」

 もし多額の援助が入ったとなれば、研究について隅々まで調べられることは必至だ。
 そうなれば処刑命令まで出ているまがわの存在を隠しきれなくなる。

 そんな懸念が頭をよぎって、どうしても踏み切れなかった。

「さっきコマを動かしていると聞こえたけど、そういう月彗さんこそ一体何を企んでるのかしら?」

 さっきまでの迷う目とは打って変わって、
 チラリと計算高い視線を月彗へ向けた。
777 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/03(日) 18:14:20.75 ID:xQzH2ql10
/了解です
778 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/03(日) 19:21:51.09 ID:egofyzUAo
>>776

【生体研究に必要な元手や機材を鑑みるに、出した額では下準備程度が精一杯かと踏んでいて】
【故に相手の驚き自体が意外ではあったのだが、遠慮するとなれば無理に押し付ける道理もなく】
【何より彼女の言うことにも一理ある、この額を動かすのは目立つし、不正経理とも取られかねない】

「ならええけど。まあその子に触れられでもしたら面倒なんやろうしなぁ
 ……嗚呼、駒な。最近ぽっと出の正義組織があるやろ?UNITED TRIGGERゆうヤツ
 あれにあッちの作った人形を潜伏させとる、よう出来ててなぁ、人形自体は操られてるなんて気付いてへんのや

 だから下手なスパイより上手く立ち回ってくれとる、まだ対した動きも出来てないみたいやけれど
 何せ本部が「唯の仕掛けも何もない酒場」なんやから、取り敢えず人だけ集めるんで精一杯なんやろなぁ」

【くつくつ笑いながら、己の企みも相手に伝えて。矢張りただ引きこもっている訳では無いらしい】
【ただし本部について触れた言葉の「違和感」には、きっと相手も気付けないはずだ】
【何せ本当にごく最近出た新組織、まだどの程度のものかハッキリ調べられる人間は、現段階では少ない筈で】

【そして月彗と野槌が「人形」の話をしている間、セシルは視線を逸らしたまま妙に黙りこくっている】
【そこに気付けるのは隣にいるまがわ位だろうか、もっとも食べる事に集中していれば、分かりはしないだろうが】

/お待たせしましたーっ
779 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/03(日) 19:58:09.72 ID:Sj1jY4cy0
【表通り――路地裏へ続く暗がりの細道】
【店と店の間、ひっそりと口を開けるその場所、まだほど若い男性が立ち入ったのがつい十数分前】
【ひとが倒れるような音、くぐもった声、金属めいた甲高い声、聞こえて来たのがつい数分前】
【低くくぐもった声が聞こえなくなったのがつい先ほど。そのくせ、後者の声ばかりは何度も何度も同じ単語ばかりが聞こえて――】

……なんで? どうして? 教えてくれるだけでいいって言ってるでしょう、
なのにどうして、どうして? なんで教えてくれないの、

ねえ、もう、時間が無いの、無いんだから、早く教え、――――……あれ?

【覗き込んだなら、その根源の姿を辿るのは存外に容易く、というより、表通りに程近く立っている】
【細道に満ちる暗闇より黒い髪が膝丈で揺れて、長い前髪がぞろりと瞳を覆うけれど】
【苛立ったよう首を振った仕草で覗く瞳は左が血色、右が冥い洞の色】
【フリルとレースとリボンを溢れんばかりに施した膝下までの黒基調のワンピース、点々と彩る赤色は、】
【――底の厚い編み上げのブーツ。べったり付着するのはやっぱり、赤色で、】

…………――なんで死んでるの?

【童顔めいた顔つきに浮かべるのはひたすらに驚きと呆然と、理解不能の色】
【口元にそっと添えた右手、薬指にはまるで指輪みたいな黒蛇の痣がくっきりと浮いていて――】

【――その足元。ごろと転がっているのは、さも当然のように人間だった“モノ”】
【踏み抜いたようにあいた風穴、靴の赤、何も考えるまでもないけれど】

……自爆?

【なんて、糞真面目に呟く様は、きっとどこまでもおかしかった】
780 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/03(日) 20:04:01.02 ID:xQzH2ql10
>>778

「言うまでも無いと思うけれど、まがわの事はできるだけ内緒にしてもらえるとありがたいわね」

 野槌が苦い表情をしながらポツリと呟いた。
 真室川 まがわの名前を聞いた事があるのなら、その理由は自ずと察せるだろう。
 よりによって機関の秩序を司る六罪王に反逆したのだから。

「へえ、なかなか面白そうね・・・。
 ああ、UNITED TRIGGER・・・正直な話、あんな寄せ集めの急ごしらえ、まだ大した脅威には思えないけれど」

 野槌は不敵に笑う。
 そう現段階ではJusticeなどに比べれば大したことではないのだろう。
 列車ハイジャック事件との活躍だって、研究者の目から言わせれば
 あんなのはどこまでいけるかの試験運転のようなものなのだ。

 とはいえ油断は禁物だろう。

 慢心したカノッサは一時期、支部を全て落されるという背水の事態にまで追い込まれたのだから。

「人形、ね。アナタの響きからどんなモノかは想像したくないわね」

「・・・」

 モグモグとパフェを頬張るまがわはセシルの表情に何か思う所もあったようだが、
 特に口には出さずまたパフェの方に視線を戻した。

「さて、愚痴も吐けたし。それ食べたら帰るわよ、まがわ」

「はいよー」

 そう言ってスプーンを舐めるまがわの手を引いて野槌は席を立った。
781 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/03(日) 20:22:50.25 ID:egofyzUAo
>>780

「嗚呼分かっとる、言ったところで利も無いし。匿う場所が無いなら言いや?
 死体を寝かせるスペースがまだぎょうさん余っとるからなぁ
 何せ六罪王怒らすやんちゃ娘やから、そないなところには収まってられんだろうけど」

【冗談めかしてそう言ってくつくつ肩を揺らす、相手の苦い表情が面白かったのだろうか】
【約束は守ると答えて。寧ろまがわの度胸を気に入ったのか、好意的に受け止めているらしく】
【「もっとやったりい」なんて嗾けるようなことを言うのだから、この男も大概だ】
【それからちらと見遣るのはセシルの方、じいと見据える葡萄色には何かしら探るような色合いがあった】

【そしてその黙りこくっていたセシルは、一度目を閉じて何かしら一考してから】
【まるで今まで悩んでいたことを思い切ったよう、不意に手近な紙に手を伸ばし】
【連絡先をさらさらと記して、席を立って去ろうとする野槌に声を掛ける】

…………あの。よろしければ此方を
迷惑ならば良いのですが、貴方にはまたお会いしたいので

「……なあ、娘に告げ口するで?」

【どうやら彼女に連絡先を渡すか否か迷っていたよう――にしか、見えないのだが】
【見た感じではそうとしか取れない。それには流石の月彗も先程の視線が一転して、呆れたように肩を竦め】
【受け取る受け取らないに関わらず、二人が店から去れば、それを見送るのだろう】
782 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/03(日) 20:26:18.12 ID:Srv1Onmt0
>>779

おーおーお盛んなこって、ったくなんで路地裏ってのはこう、毎秒のように人が死んでるんかね
まぁそれがここでの平常≠ネらば、それはそれで良いんだけどなぁ―――。

【不意に少女に向けてだろうか、そんな友人にでも話しかけるような呑気な声が路地裏の方から聞こえてくる】
【面倒そうな口調とは裏腹に、その声色はどこか愉しそうに、嬉しそうに弾んでいるようにも感じる】
【コッカッという一定のリズムで刻まれる足音は、路地裏の壁に反響しそして次第に近く、大きくなっていく】
【やがて月光に照らされるように、その声の主が姿を現すだろう―――。】

さぁて質問だ―――お前さんは何者だ?あぁ何気にするな、この質問は毎回やる俺の儀式みたいなもんだ
勿論、興味を引かれなくちゃこんな事は聞かないがなぁ、―――で?

無邪気な破壊者さんは、何をお探しで?

【声の主、それは―――】
【ウェーブのかかった透き通るような銀色の長髪を結って一本にして垂らし】
【黒い太めのストライプが入った紫のスーツに黒いドレスシャツを着こんでおり】
【腰にはバックルがシルバーのベルトを二本、交差させるようにして装着していて】
【朱い瞳と、犬歯が目立つ、首元に五つの蝙蝠≠フ刺青がある、17歳程の少年】

【朱い瞳をギラギラと滾らせながら足下の死体に目をやり陽気に一度口笛を高らかに鳴らす】
【この路地裏において、否、この世界において異常≠アそ平常≠ネのかもしれない―――。】
783 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/02/03(日) 20:30:08.80 ID:VSoy8s2Bo
【水の国・路地裏】

【何時でも人が溢れかえる、水の国の大通り。其れを光と喩えるならば、こちらは影】
【此処は何時でも無法地帯であり、溢れかえっているのは人ではなく、暴力である】

―――ぐっ……!! っ痛ゥ……!!

【ガタガタのコンクリートに、這いつくばる小柄な青年。着込んでいる2回りほど大きな黒のジャンパーは所々が破けて、綿が露わになっており】
【その少年を囲むように出来た、大きなクレーター。まるで鉄球がぶつかって出来たかのような円形の凹みがそこら中にあって】

……やべ。 結構立てねぇぞ、こりゃ……野郎、派手に……痛ゥッ! 
―――食らわせやがって……!!

【コンクリの細かな破片が、彼の頭に降りかかって銀の短髪を汚している。その汚れを払いのけんと右手を上げようとするが、上がらない】
【立ち上がろうと脚を動かすも、痺れて体勢を整えるまでに行かない。声を出して力を入れるも、筋肉が意識に着いて行かないのだ】

っッ……! ―――く……フッ……!

【段々、口数も減って。その状態で黙っていれば、もう唯の死体にしか見えない程になってしまう。今此処で追い剥ぎにでも会えば、財布から上着まで全て奪われる】
【だが、見た目は「死体」になりかけた青年が身につけた金目の物は、首輪位だろう。GBと書かれている其れは、シンプルながらも重量感に溢れている】
【GBなどというマークのブランドは聞いたこともないが、売ればそこそこのモノになりそうだ。―――その金目のモノから、一瞬蒼い電光が散って】



【―――同時刻・別の路地裏】

……フン。貴様等如きではスプーン一口分の感動すら満たせない
―――忠告しておこう。俺が斬る時は大まかに3通り……「自衛」「食事」「制裁」

……歯向かえば「自衛」で斬る。背を向ければ……逃げようとすれば「制裁」で斬る。
助かる方法は一つ……さぁ、例のブツを渡して貰おうか……!!

【コツ、コツ。路地裏を我が庭とばかりの堂々とした振る舞いで歩き、獲物を追い詰める。喪服の男が右手に握るは、禍々しき黒刀】
【―――獲物の男が羽織るコートには逆五芒星が縫い込まれている。つまり、喪服の男が敵に……餌にしているのは、カノッサ】


死の足音が、聞こえるか……? フフフ……様子を見ると、聞き慣れていないようだが……? 怖いのか? ……あぁん?


【迫る喪服の男は、死神が命を刈り取るが如く。獲物の男には、その黒刀が大鎌にでも見えたのだろう】
【死神に屈服した獲物の右手が力無く開き……中に隠されていたのは、白の錠剤】
【つまり―――beyond2。ヒトをヒトでなくす、邪悪。歪んだ進化の種。其れを奪い取って、喪服の男は闇に満ちた笑みを零した】

―――ククク……!! 恐怖に心を曲げた屑が……殺されたくなければ今直ぐ往ね……!!

【真紅の瞳をひん剥いて、屈服した男に刃を向ける。―――屈服したカノッサの男は直ぐに、彼の支配する重苦しい空間から逃げ出して姿を眩ませた】
【小石を踏む音がこの狭苦しい空間に染み入り、だんだん小さくなって……そして訪れる、静寂】

―――フン、他愛のない……

【陽の当たらない此処でようやく孤独になった彼は、目に掛かりそうな程の黒髪に手櫛をかけてつまらなそうに息を漏らす】
【その手の中に、とんでもない爆弾……beyond2を抱えながら】

/どちらかお好みの方で……
784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/03(日) 20:32:37.37 ID:BWfZDNZHo
【路地裏――スラムの開けた某所】

【路地裏には表の法は通用しない――最初にそんな事を言ったのは誰だったか?】
【薄暗く、人目に付きにくいこの場所には法に触れた行いをして逃げ込んでくるならず者がいつも寄ってくる】

【だがある場所に、そんなならず者たちですらなかなか立ち寄らない妙に開けたスペースが路地裏の中には存在している】
【そこにはさびれた一件の小屋があり、その前で】


――――あー、考古学もちっとくらい勉強しといたほうがよかったッスね〜
儲けにならないからさっさと切っちまったけどもったいない事しちまったッス
この文字なんて読むんスか?手元の解読書にこの文字乗ってねーんスけど


【頭をひねって手元の本と格闘してるのは、小柄な少女だった】

【茶色の長い髪を左右でお団子状に丸め、もみあげを鎖骨の辺りまで伸ばした形の髪型】
【濁った鳶色の瞳にレンズがやや大きい丸型の眼鏡をかけ、首の所には赤に黒のチェック柄のマフラー】
【前の開いたダッフルコートの下から、灰色の生地に赤、黒、黄とややカラフルで大き目なボタンのシャツが覗き込んでいる】
【黒いスカートに、白地に黒の菱形のマークが縦に並んだソックスに茶色のローファーの少女】

【――ただ、その少女のコートの襟には、まるで学生証のように逆五芒星の紋章が象られているが】

【この路地裏の一角の小屋、おそらくはこの小屋は彼女の隠れ家か何かなのだろう】
【自宅でくつろぐかのようにしばらく小屋の前でイスに座って作業していた】


――ブレン!ブレーン!ちょっと新約のほう持ってくるッス!何って解読書だよ解読書!
この文字全然読めないんスよォ〜!あーもう!レオの奴もあの怪しいチンピラ共の尻尾も掴んで来ないし!
あのUNITED TRIGGERって奴らが現れてからなんか物事何もかも行き詰ってないッスかァ!?あの疫病神共めッ!!

――やっぱ、アイツラなのか?あの列車ハイジャックの時といい……なんか腑に落ちないッス、何かが……


【前半の問題、手元の古文書と解読書を並べて頭を捻っていたのは彼女自身の問題、完全な八つ当たりだが】
【後半の方は、なにか腑に落ちない事でもあるのか?顔から急に表情を消し、ぎょろ、と目を見開きながら空を仰ぎぽつりと呟いた】

【ちなみにこの場所は特に封鎖もされていない、ならず者が立ち寄る事は難しくない――】
785 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/03(日) 20:36:41.82 ID:xQzH2ql10
>>781

「ふふふ、いざとなったらお願いするわねNo2様?」

 野槌も愉快そうに笑い返した。
 そして渡された連絡先。

 野槌は一瞬あっけに取られたが、軽く笑って。

「あら、こんなおばさんをナンパ? 嬉しいことしてるじゃないの。
 でも生憎、根暗な男に興味は――

「貰っとけよ、野槌」

「?」

「・・・」

 まがわと野槌は一瞬アイコンタクトを交わすと、野槌は肩をすくめて紙を受け取る。
 そしてこちらも懐から名刺を取り出して差し出した。

「了解、会いたくなったらいつでも連絡頂戴ね。
 予算が下りて忙しくなったら会えなくなると思うけど、当面は私も暇だから。
 ふふふ、娘さんには私も内緒にしておくわ」

 それじゃあね、と手をひらひら振って背を向けると。
 野槌とまがわはカウンターで会計を済ませて、店から出て行った。


/お疲れ様でした!
 &ありがとうございました!
786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/03(日) 20:41:33.11 ID:Sj1jY4cy0
>>782

【確かに自らが毀してしまったはずのひとがたを、それでも理解できないという風に見下ろして何秒経っただろうか】
【眼前のモノが今どんな状況にあるのかは分かる。自分が確かに何度だって蹴り飛ばしたことだって覚えている、それなのに、】
【その二つがいつまでも繋がらなくて、しきりに首を傾げて浮かべるのはどこか子どもめいた疑問と満たされない不満の色】

【――不意に、声がした。ぴくりと肩が跳ねて、口元に手をやったまま。そうっと振り返るのだろう】
【それは或いは怒られる前の子どものようにも見えて――現れた少年を見やるのは、ひどく虚ろなオッドアイ】
【ぱちくり瞬くたび、硝子玉みたいな瞳を覆う真っ白の瞼と多く長い睫毛】

……――あなただれ、だれなの
わたし、私は――   。

【口の手が胸元へ移される、まるで怯えるよう、警戒するよう、ぎゅっと胸元で揺れる蝶のリボンを握り締めて、】
【血みどろの靴底が後退してこつんと一度だけ、軽く鳴る】
【――口の動きだけで返された答え。読唇の類が出来るならば、きっと「お人形」と読めたはずだ】

……お父さんが

お父さんがお花嫌いなのに、知らなくって、甘いもの苦手だから、知ってたのに、
間違えたら、嫌われたら、棄てられたら、やだから、間違えちゃ、いけないから、
だから、聞いたのに、教えてくれなくて、――ねえ、なんで、このひと、

【「死んでるの?」】
【ぶつぶつ途切れる言葉の、その声は震えては不協和音めいた響きを零すばかり】
【金属めいた余韻はどこか鈴の音のようにも聞こえるけれど――妙に無機質で、先の言葉を余計に彩る】

【――彼へと向ける視線はきっと何度も何度も逸れては戻されて、まるで安定しない精神を示すかのよう】
【虚ろな瞳にそれでも湛えるのは馬鹿みたいに真っ直ぐな心なのに、どこまでも捩れて曲がって歪んでいた】
787 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/03(日) 20:49:54.41 ID:egofyzUAo
>>785

【名刺を受け取れば嬉しそうににっこり笑って、大事そうに懐に仕舞う】
【その刹那、まるで何かを確認するように月彗に向けた視線。それは相手に気取られず、そこで終わる】
【去っていく二人にひらひら手を振って、それから珈琲の残りに口を付け】

……存外、利口な子供だ

「あ?何やて?」

いえ。今後とも野槌さんとは良いお付き合いをしたいなと

「ホンマにどうしようもないな、そッち……」

【水面下。交錯する思惑は、果たしてどう結末を実らせるのか】
【最後に哂うのは、誰だろう?】

/有難う御座いましたー!
788 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/03(日) 20:51:06.91 ID:3FeHXckho
>>783

【幽玄の月は遥かな遠月を連想させ、絶え間なく彩る彼岸花のよう】
【大きく揺らめいたなら、その顔をまるで蹄のように強く響かせるのだろう】
【落ちる月、地面へと落下してくる一つの人影】

【――――音が響いた、断末魔の音、貴方から逃げだしたカノッサの男≠フ命絶える音】
【コツコツ、と足音がなるだろう、やがて姿を表した足音の主は】
【路地裏の奥から、現れると、貴方へと視線を傾けた】


機関≠ニもあろう者が、この程度の腕前の者に怖気づくとは情けない
挙句の果てにbeyond≠ワで奪われるとは――――最早忠誠を超えて、裏切りとも言えるでしょう
散るのは必然、それならば朽ちるのもまた必然なのでしょう

下の尻拭いは上がするというもの、そして後味すらも、飲み込むよう
――――貴方を処刑≠オて漸く今宵の安寧は訪れるのでしょうね


【長い長い銀髪に、大柄な身体を包み込む黒の神父服】
【銀のロザリオを首にかけ、白のナローマフラーをなびかせている】
【そして顔の左半分を覆う白を基調としたピエロの半仮面】

【大きな体躯を揺らめかしながら歩いてくると、5m辺り前方で立ち止まるだろう】
【右手で放る死体=\―――首の骨を折られた、貴方に薬を奪われた機関員】
【片方の目が貴方を穿つ、そうして視線を向けたまま、静かに佇むのだろう】
789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/03(日) 21:03:05.55 ID:Srv1Onmt0
>>786

【少女からぽつり。ぽつり。と零れてくる言葉を腰に片手を置きながら鋭い視線のまま聞いていく】
【「人形」―――まるで少女の言葉を復唱するようにそう呟くと、ため息と共に肩を竦める】
【こりゃまた線引き*ハ倒な相手だな―――少年は自らのルールに対してそう言うと、顔を上げる】
【朱い瞳はまるで月のように少女のオッドアイを映し出す】

俺か?俺はジェイ・ヴラド・ヴァルコラキ≠チつーもんだ、分かったか人形=H
おめーはなんだ?人形≠ネんて品名を聞いてんじゃあねぇ、その賞品についたラベルを聞いてんだよ

どこぞの貴族の愛玩奴隷というやつか―――あんまりそういうのは詳しくねーが。

【少女の言葉から適当な予想を立てて、それを自身の名と共に相手に返答する】
【こういった相手は苦手なのか、ガリガリと頭を掻きながら怪訝な顔をして一歩少女に近づく】

ナンデって―――そりゃあお前が壊しちまった≠ゥらじゃねーの?
聞きたい事があったらもっと丁寧に弄るんだな、人間≠チてのは存外壊れ易いからなぁ。

ま、そもそもだ―――父親ってのは娘≠ゥら貰うもんはなんでも嬉しいんじゃねーの?
つーかそうやって人間♂しちまう方が嫌いになりそうだがな、カッカッカッ………。

【少年にとってはこの少女―――人形≠ェ話す父親≠ェどんな人物なのかは分からない】
【―――そもそも本当に父親なのかすら怪しい、なので少年は至って普通≠ネ回答をすることにした】
【この無難な回答が、逆に少女を刺激するかもしれない…とも思ったが、それならそれで面白い=c少年はそう考えた】
790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/02/03(日) 21:17:29.58 ID:mJD9W4lc0
【――――時は絶えず流れ続け、その流れの中に人間たちは生きている】
【そして、その『物語』もまた、同じ時の中で紡がれてゆく物である――――】



【――――水の国 繁華街】

「この野郎、調子に乗って人の女に手を出しやがって!!」
<くはっ…………わ、悪かった…………すまねぇ!>
「うるっせぇ!!」

【――――ガラの悪い酒場から飛び出してくる、2人の男たち】
【片方の優男が、もう片方の優男に良い様に殴り倒され、踏みつけられている】

…………ふん

【その様子を、白けた様子で見ている姿があった】

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年】

【店の入り口で繰り広げられる、一方的な蹂躙を、ただじっと見つけている】

「おら!! 腕の一本も折らせてもらうぞ!」
<や、やめてくれ! やめ――――――――ウァァァァァァァァッッ!!>
…………全く、どっちもどっちで見苦しいな…………

【その騒動に、肩をすくめながら背を向ける青年。なおも恋人にちょっかいを掛けられた男の、一方的な制裁は続いていく――――】



【――――所変わって、風の国 草原】

…………寒いけど、身も心も、引き締まる…………!

【ラベンダー色の肩ほどまで伸びた髪で、赤と青のどこか虚ろなオッドアイを持ち】
【白いワンピースの上から、明らかに身の丈に合っていないボロボロのコートを着込んだ、10歳くらいの少女が】
【身体を振るわせながらも、寒風の中で風に逆らい仁王立ちをしている】

【その身からは、尋常ならざる量の魔翌力が感じ取れるかもしれない】

…………もう、昔のみんなは誰もいない…………お父さんの意志も、途切れちゃった…………だったら、私にすべき事はなに…………?
…………何を見据えて、戦えば良いの…………?

【風の中に目を細めて、誰にともなく呟く少女】
【そんなつぶやきを、強い風はかき消して吹き流して行く――――】



【――――同じ時間に、異なる場所で時を過ごしている2人の戦士】
【果たして彼らのうち、どちらの『物語』に変化が訪れるのだろうか?】
791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/03(日) 21:24:22.55 ID:Sj1jY4cy0
>>789

【常ならばそんな名乗り絶対にしないのに、してしまったのはどうしてだろう】
【自分の行動も理解出来ないで、分からないことばっかりが積み重なって増えていく】
【きょろきょろとせわしなく動く瞳だけが理解すらしていない思考を綺麗に映して彼へ伝えるのだろうか】
【強迫観念めいたものから生まれ出るいろいろな負の感情。もしかしたら、理解していないことが救いとなるぐらいに】

らべる、

【――なぞるのは、まるで初めて聞いた単語をなぞる幼子のよう】
【ぱちぱちと何度か瞬きを繰り返して、咀嚼して、やっと理解するのにかけた時間は十数秒ほど】
【やっと薄ら開いた唇は、けれど一度で音を吐き出せなくて、数度無意味に開閉を繰り返した後、】

鈴音(りんね)、

【やっと。自らの名前らしきものを返すのだろう――詰められる距離には、また一歩、後ろに下がる】
【表通りにほど近い、覗いただけで姿を見ることが出来る、けれど】
【怯えたような彼女の一歩二歩で明るみに紛れることなんて出来なくて――】

――愛玩、奴隷?

【胸元のリボンを握る細い手元、ぐぅと力が篭められる】
【奴隷という単語に特に反応を示した彼女、その指に在るのは、或いは所有痕の類なのか】
【その意味を思い出すよう、眉を顰めたままきっと数秒の間が空く。ひとによってはいらつくぐらいにそのレスポンスは遅くて、】

……だって、お花は嫌いだって、ごみになるからいやだって、
甘い物だって、苦手そうだから、嫌いそうだから、だから、違うものにしなきゃいけないのに、

間違えちゃ駄目なのに、一個だって、じゃないと、また――――……え、

【そうして零すのは先ほどと同じような意味合いの言葉ばかり】
【思考のほぼ総てを埋めつくすこの場に居ない誰かの存在。――何かプレゼントでも、するつもりなのか】
【ああそういえば二週間もしないうちにバレンタインなんてイベントがあるけれど――】

…………どう、しよう、“お洋服汚したの”、怒るかな、
嫌いに、なる、かな――――

【その言葉はまるで自らの考えに怯えるよう、だんだんと細くか細く最後なんて蚊のほうがマシなほど】
【――気にする点は正常からは程遠く、この行為自体はさながら当然のように振舞って】
【見下ろすのは足元だ。元人間からあふれ出した赤は辺りにたっぷり広がって、今だって靴底を浸して、】
【まるで赤から逃れるよう。せめて少ない壁際に逃れようとするのだろう】
792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/02/03(日) 21:25:48.03 ID:VSoy8s2Bo
>>788

―――フン……所詮狂気に折れる程の忠誠だったんだろ?
カノッサ機関もその程度だと言う事……下の指導がなってない証拠とも言える

【断末魔の直後に、現れた人物。―――恐らく、カノッサ機関員にして彼の敵。新たな刺客に真紅の双眸を向けると、男は微かに嗤った】
【同時に、beyond2が手から零れ落ちる。微笑を浮かべたまま、無機質なコンクリの床に落ちた其れを乱暴に―――踏み潰した】

【其れはまるで煙草の吸殻を踏み消すかのようで……そして、カノッサの紋章の刻まれた其れを踏み潰すことは、一種の愚弄であり】

……安寧? 良く言えたものだそんな事は……
クククッ、貴様だけじゃなく、今度コーネリアスにも会った時に言っておかねば……「下の指導がなってない」とな

―――さぁ、食事の時間だ……! ―――お前は俺にどんな「感動」を喰わせてくれるんだ……?

【大きく口を開いて、右手で握った黒刀の切っ先を眼前の人物に向ける。―――飢えた獅子の様な瞳を持った男は、ガチンと一度歯を噛み鳴らした】
793 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/03(日) 21:32:31.63 ID:3FeHXckho
>>792

【誇りを穢すかのよう、そんな貴方の行為を、彼は黙って見逃すだろう】
【彼にとって組織への帰属意識など無いに等しい――――在るのはただただ一方的な理由付け】
【正当性を持つということはつまり、自身の行いをどこまでも肯定できるということ】

【誰にも否定はさせない自己はソレを貫くに値する力があればこそ】


感動≠ナございますか、そのようなもの、貴方へと感じさせるワケにはいきませんね
私は執行人=\―――断罪を為す者、ただひたすらに、命を狩る者
奪うことしか出来ぬ私が、与えられるのは一つも無いのでしょう


Holy Wars The Punishment Due


【彼の右手に出現する、巨大な十字架、白銀のソレは190cmはあろうかという彼の身長よりも大きく】
【十字架の中心に開いた穴へ、彼はその右手を落とし込んだ】
【長い銀髪が風に濡れる、傾く視線が貴方を捉えるのだろう】

【揺れる、巨大な身体、地面を蹴って、貴方へとの距離を一気に詰めようと為すだろう】
【大きく弧を描くように、外側から振り下ろす右手の十字架≠サれ自体が鋭い刃であり、かなりの重量を持っている】
【叩きつけられれば、それこそ抉るかのように、貴方の身を削り取るのだろう】

【しかし、大きな質量を持つ分動きは若干遅い、一般人と比べれば十分に早いが、それでも達人とは思えない、ほど】
【同時に左手でこぶしを作った、それが気になるが……】
794 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/03(日) 21:45:29.30 ID:Srv1Onmt0
>>791

あぁそうかい―――鈴音≠チつーのがお前のラベルか………良い名前だな。
おっと………気を悪くしたんなら謝るぜ、単にお前が主≠ノ逆らえない奴隷に見えただけだからなぁ

とはいえ、奴隷にしては随分と凶暴だがな―――。

【相手の名前を聞くと満足げに一度頷いて、それから先ほどの発言について両手を上げながら謝罪する】
【もしかしたら本当に奴隷なのか―――なんて思ったが、これ以上それを弄るのは流石にこの少年でも憚られた】
【足下の人だったモノに視線を落とすと、うっすらと笑みを浮かべながらそれを軽く蹴る。】

そうかそうか―――そいつは大変だなぁ………あぁ、バレンタイン≠ゥ?
止めとけ止めとけ、あんな食品会社と小売業者に操られるだけのイベント、不毛なだけだって。

それに、もし嫌われる≠チつーリスクがあるなら、何も渡さない≠チて選択肢の方が無難じゃねぇ?

【屈みこんで穴の空いた死体を触りながら、やれやれと言った表情でそう告げる】
【広がり続ける血だまりから血を掌ほどに掬い上げると、少女に見せつけるように掲げ、口を開く】

どうだろうな―――もしかしたら逆に好きになる≠ゥもしれねぇなぁ…。
見てろよ、この澄み切った血の赤≠よ………花なんかよりよっぽど綺麗じゃねぇか?

それに―――ンッ………ハァ………こいつはどんなものより、美味い≠コ。

【少年は掬った血を口元に持っていくと、それを一気に喉を鳴らして飲み干した】
【「お前もどうだ?」と勧める少年の瞳のぎらつきは増し、口元からは犬歯が覗いている―――。】
795 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/03(日) 21:53:48.62 ID:xQzH2ql10
>>790

 そんな草原を歩いてくる人影が1つ。

「はぁ、案の定お袋には泣かれて、親父には引退を勧められた。
 なんだってんだよチクショー・・・」

 とぼとぼという感じで歩いてくる青年。
 どうやらこの近くに実家があり、そこから帰って来ているようだった。

「ん? あれは・・・女の子?」

 向かい風の中をボロボロの服で立っている孤影を見止める。

「どうしよう、普通の子・・・じゃないよなぁ。
 もし能力者だったら・・・」

 頭をよぎる、朔夜への突発的な殺意と狂気。
 襲われるだけならまだいい、逆に相手を殺してしまうようなことになったら・・・。

「・・・ええい、何を卑屈になってんだ情けねぇ! 哲学者の卵がなんだってんだチクショー!」

「お、おーい! そこの嬢ちゃん! そんなとこでなにやってんだよ!」

 青年は声をかけながら走り寄る。
 若干おっかなびっくりしながら。

「あ、怪しい者じゃないぞ! だからもし反撃するとしても能力を使わないでくれるとありがたい!」
796 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/03(日) 22:02:21.57 ID:Sj1jY4cy0
>>794

……ち、がうの、私は、わたしは、奴隷なんかじゃ、
違う、よ。違うもん、ちがう――

【ふるふるふると、何度も何度も否定して、首を振る】
【どこまでも悲痛に真面目なその表情。奴隷というものに嫌悪か何か抱いているかのよう】
【――けれど、彼が彼女の身体をよく見たならば、気づくことだってあるかもしれない】
【例えば首に手の形でごく薄く刻んだ痣や、微かに露出する肌に残る小さな瘡蓋、歯型みたいな痕、そんな、いろいろに】

――だって、好きだから、渡さなきゃいけないのに、
好きなのに、だいすきなのに、何がいいのかとか、何が好きなのかって、ぜんぜん、わからなくって、

好きなもの、渡さないと、いけないのに、ねえ、そうでしょう、だって、嫌いなもの――要らない、でしょう、
だから、嫌われないように、しないと、――――。

【どうやら、渡すことは彼女の中での決定事項であるらしい。それだけはきっと深く根付いて、揺らぎすらしない】
【ただ、それとこれとはまるで別問題。浮かばない選択肢は彼女を恐慌に導くばかりで、その結果がこれか】
【尋ねるような言葉はどこか肯定を求めるようにも聞こえて、次ぐのは呟くような声量のそれ】
【ぐと噛み締めた薄い唇。薄い肌はそれを突き破るに足りなくて、】

――――――要らない、そんなの、そんな、他人なんて。気持ち悪い、穢い、いや、

【また後退しようとした、その背が壁へとんと当たる】
【壁際への退避、無意識のうちに壁へ寄ったことすらも忘れていたのか、びっくりした瞳が後ろを振り返るのだろう】
【そのうちに再び彼のほうへと視線を戻せば、また、首を振る】

――お父さん以外たべたくない

【――食人を拒むのだって、他人がいやだと言うそれだけだ。人道的にだなんてまるで口にもしない】
【硝子玉みたいな瞳は吸いつけられたように彼の犬歯を見つめて、ひどく狂気で彩ったことを口走る】
797 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/02/03(日) 22:07:44.85 ID:VSoy8s2Bo
>>793

……ククク、冷えた野郎だな……
良質の闘いは……感動は「狂熱(ヒート)」があってこそ成り立つ……!!
済ました顔をしている暇は無い その仮面を剥がしてやるよ

―――妖刀「蛭」が……貴様を食い散らかすッ……!!

【威圧感のある体躯が地を駆けて迫って来る―――が、十分に回避できる速度・攻撃の軌道】
【体格で劣る彼だ、取る選択肢として正しいのは恐らく回避―――なのだが】

……さぁ、まずは味見と行こうかッッ!!

【迎撃せんと、弧を描く十字架に―――両手で握った黒刀を合わせる。彼の辞書には後退の字が無いらしく、そして―――】

……グゥッ……!!

【呆気無い程の馬力の差を見せ付けられながら、男は斜め後方に吹き飛び―――身体が壁に衝突して跳ねた】
【背中と頭を強く打った為にか、痺れるような痛みが全身に回り、視界は軽く歪む。……その行為は、やはり無謀過ぎたのだ】

―――フフ……ククククッ……良い……!! 痛みは感動をより良いものにするスパイス……そして素材も良いと来た……!!
きっと濃密な感動が―――見込めるぜ……!!

【ふらふらと立ち上がりながら、男は目を細めて嬉しそうに声を荒げる。 身体は痛いが―――その痛みを歓迎しているかのようで】
【そして「次は此方の番だ」と言わんばかりに、激しく地を蹴った。 痛みのせいも有り不安定な走りだが、その突進には彼の狂気が、覇気が詰まっていて】

―――シャラァァァアアァァッッ!!!!

【―――愚直なまでの疾走からの、右薙ぎ。振りが大きく、決して「武」を感じさせるモノではない。然しながら、其れは達人の一振りに匹敵する】
【その差を埋めるものは、唯一つ。―――狂気。 狂った程の戦闘への、感動への執念が、その一撃のレベルを急激に引き上げるのだ―――】
798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/03(日) 22:11:29.89 ID:lfzW+hH1o
【今より時は遡り、とある街】

【その街に、三頭の鬼が襲撃してきたそうだ】
【今日は節分ということもあり、最初は皆がコスプレかと思って豆を投げたり等をしていたが】
【それがコスプレなどでは無く、本物の鬼だと知れると街は一気にパニック状態に】

【幸い、能力者等の活躍もあり、大きな被害は受けなかったものの――】
【インフラや店舗、家等に多くの爪痕を残していった】
【その鬼が切り裂いた後には紅や白、あるいは両方の特殊なインクが残されることもあり】
【そのインクを落とす作業も、地味に大変だったそうだ】

【そして、その上空では――漆黒の悪魔がその様子を眺めていて】
【鬼達が能力者に敗北したのを見ると、ブチ切れて何処かへ飛び去ったという――】



【そして、ここはその襲撃のあった街の外れの丘――泉の近く】

[ドゥルビーガー]共……テメェーらもう少し頑張れってんだァァアア
なァァアアーーんの為に、お前らを作ったと思ってんだァァアア!

「邪禍殿……すまぬでござるです……」 『ごめんなさい……邪禍様』 {すまねェ〜ッス……ボス}

【そこであぐらをかいて怒りをあらわにしているのは、全身真っ黒な毛に覆われている奥二重でコワモテ、エルフ耳で2mの身長の悪魔だ】
【頭部には二本の鋭く禍々しい赤い角を持っている】
【黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、首にはマフラーの様な長い紫色の毛を持ち、他にも所々に紫色や赤の模様や毛を持っている】
【鋭く赤い牙と同じく爪を持ち、手足や尻尾の先の方は紫色で、いかにも悪魔だと思わせる尻尾の先端には赤い棘がある】
【赤い棘は肩や手の甲、アキレス腱の位置にもあり、先端に赤い爪を持ち紫色の翼膜な黒い悪魔の翼を背から生やしていた】

【そして、その悪魔の近くに3体の影――しょんぼりと体育座りをしているそれら】
【頭部は豆のような形状をしている鬼で、身長は140cm〜160cm程度、豆色の身体に、虎縞模様で虎カラーなプロテクターを体に纏い】
【赤灰色の爪や牙、そしてその色と黒の縞模様な鬼の角や刃を持っている。背にはプロテクターで出来た飾りの翼があって】
【また、手にはブレードが付いており、それにあわせて中指が長く太く変化していた】
799 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/03(日) 22:12:29.97 ID:7algjrwQo
【何処かの国の街中で】
【男が一人、自販機の前に佇んでいた】

…さて、と
ーーーま た か よ !

【ビジネススーツに骨模様のネクタイ、後ろに黒髪を撫で付けた、夢も希望もないような表情をした男】
【スポーツサングラス型のバイザーをかけていて、折り畳まれた大きなバタフライナイフのような機具をベルトに吊っている】
【そんな男が、何やら自販機に頭と両手を叩きつけて唸っていた】

おいおい何なんだよ一体…俺はこういう星の下の生まれか…?
自販機に嫌われる星って何だよ…?

…優しくやってみるか

【どうやら、金を入れたのに自販機が反応しないようだ】
【嘆くべきはそれがよくある事らしく、これから何が起こるのかも大体予想がつく事だ】
【なるべく優しく、軽く自販機に蹴りを入れると、『待ってました』とばかりにけたたましい警報が鳴り出した】

ーーーやっぱりかい!!

【警報の中で、ついてない男の叫ぶ声一つーーー】

800 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/03(日) 22:13:43.99 ID:lfzW+hH1o
>>798
/飛び去る前に、鬼達が闇になり、悪魔が作り出した魔法陣に吸い込まれたという描写を追加
801 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/03(日) 22:19:47.98 ID:3FeHXckho
>>797

【降りぬく十字架、夜空を駆ける白銀の後塵のような風が舞う】
【そして回転したなら、それこそまるで巨大な一筋の楯のようにも姿を変えるのだろう】
【再び右手に握った十字架へと力を込めたのなら、貴方の姿を真っ直ぐに捉える】


なるほど……貴方は激昂し、力を高める、と――――そう仰りたいのですね
でしたら、それは無意味と切り捨てさせていただきましょう
人の力は、それが人である限り――――自身の持つ本来の力以上にはなりません

故に人は力を求めるのでしょう、それこそ、そうbeyond2≠ネどに


【足元に転がっているであろう、貴方が穢した誇りの欠片、ソレを彼は脚で吹き飛ばす】
【その動きですら風圧が起きるほど、圧倒的なスケールから繰り出す一挙手一投足が致命傷なほどに激しい】
【だからこそ、だ、その一撃に真っ向から向かってくる貴方へ、かすかな興味を覚えた】

【嘆声を上げよう、吼えるような貴方の声、それすらまさに意志の具現のよう】
【口角が僅かに釣りあがる形とも似つかぬ無表情、それでもそのおくには従前たる意志を持って】
【右手の十字架に力を込める、彼の巨大な体躯が、今にもはじけ飛びそうなくらいに】


……言っても分からぬバカではないでしょう、ならば示すまで……
教えてさしあげましょう、覆ることなき力の差を、足掻くことすらできぬ敗北を
そしてそのまま、絶望を抱き召されましょう――――

Avenged Sevenfold=\―――!!


【ぐっと上半身を後方へと引いた、コンマ数ミリのズレも許さぬタイミング、貴方の右なぎが、鼻先を掠めるほどに】
【上半身だけではない、その瞬間に、右足を下げ、左足を僅かに外側へと開き、これ以上無い角度で、膝をかくん、と落とした】
【ふわりと流れる彼の白銀の髪の毛、その残照しか、貴方の拳は触れ得ないのだろう】

【――――このような芸当、常人には不可能である、恐らく、何かしらの能力なのであろう】
【貴方が狂気で、彼との力の差を埋めようとするのならば、彼は正気のまま、それを上回ろうと為すのだろう】
【ふっ、と息を吐いた、その吐息が冷たい風の中に掻き消えていくよう――――】

【破裂する爆音、貴方が拳を振り切った瞬間を狙い、左膝を爆発させた】
【彼の頭の位置にまで吹き上がる、マグマのような膝蹴り、左手を神父服のポケットに突っ込みバランスをとっている】
【貴方の顎へと深く蹴りこもうとし、成功したなら、膝から下の脚の部分で、遠くへと蹴り飛ばそうとするだろう】
802 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/03(日) 22:24:15.82 ID:Srv1Onmt0
>>796

知らねーよんな事は、まぁお前が違うって言うなら違うんじゃねぇの?
ただ俺にはそう見えた≠チてだけの事だ、気にすんな。

【立ち上がり、手に残った血を舐めとりながら肩を竦めて困った調子でそう言い放つ】
【それから「あー」と面倒そうに首に手を当てながら少女を見る】

見るにたえねぇな―――そこまで真っ黒な、腐敗した依存=c……。
そうだな、嫌いな物を渡されて喜ぶ奴はいないな………お前の父親は随分と大した奴≠セ。

俺には理解できねぇ事だ、だがまぁ―――そうやって駄々をこねて壊し続ける≠チてのも面白いな
だからお前の答え≠ェ出るまで壊し続ける≠ニいい、それがもっともお前にとって良いことだ。

【少年からいつしか軽い調子は消えており、冷徹な狩人のような眼光のみが少女を射抜くように見ている】
【むせあがる様な、吐き気を催すような―――そんな感覚を、闇で生きてきたこの少年ですら感じ取っていた】
【「俺は降りるぜ」そう言い放つと少女の脇を通り過ぎて表通りの方へとゆっくりと歩いていく】

あのガスマスクとかはこういう奴は好き好みそうだが、俺は無理だな線引き≠ニかそういう次元の話じゃあない
あばよ人形の駄々っ子娘=\――親父に喜んでもらえるようにもっと色んな奴に相談するこったな。

父を想い、行動するお前は―――何も悪くない≠だからな………。

【最後に少女の行動を肯定すると、少年はそのまま表通りに消えていった―――。】

//お疲れ様でした!
803 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/02/03(日) 22:48:16.03 ID:VSoy8s2Bo
>>801

【右手の黒刀による一閃が、空を切った―――刹那彼が感じたのは、「見切られている」と言う屈辱】
【しかし其れに唇を噛み締める暇も無く、頭蓋を砕かんと膝が彼に襲いかかる―――】

―――ッッ〜〜〜!!

【無理な体勢から強引に右に捻りながら後方に身体を反らし、槍の如き膝は虚空を突き刺す】
【―――耳に感じる突風が、その威力を示して。当たれば脳は激しく揺れ、意識を奪っていく程のものだろうか】

【その回避行動が背骨に大きく負担を与えて、激痛が彼の躰を駆け巡るが―――そんなモノは関係ないと、歯軋りで押さえつけて】

―――狂熱無くして開放のカタルシスは有り得ない……!!
……「狂熱」無き者が俺に敗れるのは、必然ッ……

―――貴様がそう決めつけている限り、勝利の朝日は拝めんッ!!……っラァァアアアァァッッ!!!

【ブリッジに近い様な姿勢で躱したことを確認すると、左手で地面を押上げて元の姿勢に戻りながら―――】
【繰り出すは、刺突。敵の腹に黒刀を突き立てんと―――咆哮と共に牙が襲う】
804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/03(日) 22:49:22.95 ID:Sj1jY4cy0
>>802

そう、だよ、そう、違うの。

【震えて揺れる声が、初めてまともな音を紡ぐのだろう、自らの立場の否定として】
【――ここまで必死になるのはどうしてだろう。或いは、自分だって心のどこかでそう思っているのか――】
【こくこくと頷くのはやっぱり子どもみたいで、見てくれは高校生ぐらい、だろうか。彼と同じぐらいなはずなのに】

依存――……、依存、なんて、してない、
お父さんのこと、“すきなだけ”だもん、そんなの――違う、でしょ、

…………――だめって、言わないの? だって、みんな、“だめ”だって。

【なぞった言葉。一度では意味をよく理解できなくて、繰り返す】
【顰めた眉はどんな感情を篭めたのか――狩人のような瞳。虚ろなまま見つめ返す、その洗脳は存外に深い】
【――毀すこと。駄目だとは知っていても理解していないよう、洩らす疑問はきっと純粋に心の底から湧いていて、】
【いろいろなことが自分に繋がらないのは何かしらの異常だろうか、まるで意識と世界が乖離してしまっているような】

【通り過ぎる彼。ぶつかる軌道ですらないのに、避けるような動作がおかしくて、】
【彼の言葉にぴたり止まる数秒間、やがて、振り返るのは、】

【まるで、頑張ったことを褒めてもらった小さな女の子のような笑顔】
【肯定されること、彼女にはどうしようもないご褒美で――だから、】


【そこから少し離れた路地裏のどこか、可哀想に、選ばれたのは溜まっていた不良のうちのひとり】
【まるで玩具のようがたがた震える姿を見下ろすのは虚ろな硝子玉。なのに湛えたのは笑顔で、】

――お父さんに、なに、あげたらいいと思う?

【与えるチャンスは一度だけ。唐突に尋ねたって、彼女の望む答え、手に入るわけもないのに】
【――またひとつ、真っ赤なお花が、】

/おつかれさまでした!
805 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/03(日) 22:59:48.93 ID:3FeHXckho
>>803

【回避されるとは思っていなかった、常人であったなら、今の一撃で軽く砕けるものと】
【無表情な彼の面の上に、僅かな色が見えた、それは満月を隠す雲のよう】
【ほう、と口元で膨らんだ言葉は音にならず、僅かに頬に溜め込まれただけなのだろう】


……素晴らしい覚悟、と言っておきましょう、或いは激情……貴方の言葉を借りるのなら狂熱
ですが、その狂熱に何が倒せましょう、矜持も意地も何もかも突き立てるには――――難過ぎます

貴方の刃≠ヘ私には届きません――――


【突き刺さる貴方の黒刀、深く、それでいて堅く、突き刺されるのだろう】
【彼の背中からその先端が飛び出す、べっとりとついた鮮血が月光にキラキラと輝く】
【噛み付かれた牙、その傷跡は傍から見ればかなりのものであろう、肉薄する刃に表情が映る】

【けれども、月光から落ちる影の破片、その彼の輪郭を照らしたなら、その表情は】
【依然として換わらぬ無表情、ピエロの仮面が、まるで泣き顔のようにきらめいた】
【寸刻、突き上げていた左膝が地面へと落ちて、ほぼ同時に、彼は左手で貴方へと突きを放つ】

【それはまるで抜き身の刀のよう、速度はあまり速くは無いが、これほど接近していたなら、あまり関係は無い】
【直撃したなら、そこを中心に波紋のように衝撃が広がって、刀ごと、貴方を突き飛ばそうとするだろう】
【そうして映る、彼の表情、ただ静かに――――冷静であろう】


我がAvenged Sevenfold≠ヘあらゆるものを七倍≠烽オくは七分割≠ナきます
動体視力を七倍≠ノすることも、剣で貫かれたダメージを七分割≠キることも、私にとっては造作も無いこと
それでもまだ、貴方は狂ったままでいられるのでしょうか


【挑発に近い、淡々と落ちる言葉は、ただ事実を伝えるだけの音に過ぎない】
【右手の十字架が地面へと付く、その先端を地面へと落としながら、静かに貴方へと視線を注ぐのだろう】
【此処であきらめるのなら、これまで、と小さく思っているのかもしれない】

【月光の色が強くなる、染まる白銀の長髪が、彼という存在を確かにする】
【高い身体は崩れない要塞のよう、しっかりとした肩幅がその一撃の強固さを伝える】
【一つ、また一つと尋ねるように脚を運ぶのだろう】
806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/03(日) 23:08:56.11 ID:RpeEaX8G0
>>799
【少し前、その側を通りかかっていた男が居て】
【明るい茶髪に、所々穴の空いたラフな革のジャケット】
【背に掛けているのは――――果たして、何だろうか。その男と同じほどの丈のある代物】


「こんな時間になりゃ、まぁ、殆どの奴らは寝てるわな
ナンパをしようにも、変な奴しか連れそうにない魔の時間帯ってか
大先生様も帰ってくるまで時間掛かりそうだしよォ……どーしたもんかね
――――あー……暇d――――うぉい?!」


【ポケットから煙草を一本取り出せば、風に煽られて消えないように手で凌ぎを作って】
【――――肺一杯に吸い込んだ紫煙。空に解ける頃、響いた音】
【異常事態を知らせる其れと思考が至るのは容易な事】
【普通であれば、その場から離れるのかもしれないが……生憎、この男は普通じゃ無くて】


「何だ何だ?!喧嘩かオイ?!それなら俺も混ぜ――――
おう。おまわりさんこっちだ
しっかし、みみっちいなァ……お前さん。何だよ、飲みモン買う金もねぇなら恵んでやるぜ?」

【不穏な事を言いつつ、カラカラと笑いながら音を辿り――――着いた先は、自販機】
【――――そんな表情も、少しの間だけ続いて】
【やがては頬をポリポリと搔きながら男を指して言うのだろう】
【たっぷりと哀れみが籠もった目で】
807 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/02/03(日) 23:11:13.10 ID:mJD9W4lc0
>>795
/申し訳ありません、今更気がつきました……orz
/また機会があったら、その時によろしくお願いします……
808 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/03(日) 23:20:32.61 ID:xQzH2ql10
>>807
/了解です
またの機会にー
809 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/02/03(日) 23:28:13.19 ID:VSoy8s2Bo
>>805

【仮面の男を貫き、少し飛び出した黒刀「蛭」の先端がジュルジュルと啜るような音を鳴らしながら】
【―――刀が血を吸って、成長しているのだ。刀身が伸びて、切れ味を上げ、そして能力を進化させているのだ】

……ククク、ようやく血を吸えたか

【血を吸って成長する以外に剣が持つ能力―――其れは魔力を微量ながら削り、そして「蛭」が如く切った部分から血が止まらなくなると言う事】
【ゆっくりとだが、仮面の男の体力を奪っていくはずだ。―――いや、貫かれても生きている男には無意味かもしれないが】

……グゥゥゥッ!!!!

【刺突は決まったが、刀をロックされた。故に避ける手段は無く―――】
【心臓を中心に広がる、衝撃。 一瞬、世界が止まったかのような感覚が広がって―――吹き飛ぶ、体躯】

ッグ……フン、能力者か。―――だろうな。
七分割されたのなら……カハッ、七回切り込めば良い……貴様の能力など、狂気が……喰らい、尽くすッ……!!

【具体的な対抗策など無い。男は唯、狂気のままに、感じるがままに剣を振るうだけだ】
【故に取る行動も、変わらない。―――起き上がって、駆けて、攻める。其れだけだ】

………行くぞッ……!!

【先程より、速度は落ちている。ダメージが広がっている証拠だが、其れを埋めるかのように感情は、狂熱が溢れて―――】
【そして、黒刀蛭は先程より進化を遂げている。切れ味、リーチ、能力を格段と上昇させた其れから繰り出されるは、連突】

オラオラオラオラオラオラァアァッ!!!

【闇雲な突きが最後まで決まれば、7発だ。しかし突きと突きの間には、隙が大きく存在する。其処に攻撃を入れ込むことも造作ないだろう―――】


/遅くなりました……! すみません……!
810 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/03(日) 23:28:39.16 ID:7algjrwQo
>>806
…ちっくしょう、馬鹿にしやがって…
いやまてよ、このパターンはわかってる、この次に起こるのは…

【終わりの無いのが終わりーーーそんな気分になるくらいに繰り返したこの流れ】
【ならば次に何が起こるか最早予想がつくーーーああ、ほらやっぱりだ】

…あのな、誤解すんなよ?違うぞ?違うからな?
俺は別に無銭じゃなくてだな、なんつーんだ、その…
金が吸われただけ、だからな?別に違うぞ、俺はただいつもいつも金だけ吸ってコーヒーを出さないこいつにムカついたというかな…
よくある事だというか、今回は優しく殴ったというか…

【振り向き、後ろにいた男に向けて「誤解だ」と慌てながら訴える】
【誤解を解こうとする間も鳴り続ける警報にイラっときて、後ろ蹴りで自販機を蹴ると、警報の元気が段々無くなり、やがて消えた】
811 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/03(日) 23:39:03.85 ID:RpeEaX8G0
>>810
「あー……オーケイオーケイ
確かに金が無いっつう事を相手に知られるのは辛いからな
大丈夫だ。ああ、お前さんは何も悪くねぇ。物に当たりたくなる気持ちもよく分かるぞ俺は」

【誤解は誤解のまま、話を進めてしまって】
【世の中が悪いだの何だのと、カラカラと笑いながら励ましの言葉を並び立てて】
【何というか……軽い。あまりにも軽い性格】


「物に当たりたくなる気持ちもよく分かるけどよ、壊しちまったら結構面倒になるぜ?
まあ何だ、此処で会ったのも何かの縁だ。一緒にどっかにずらかるか
――――の前に。面倒だから一番右側の奴でいいよな?」

【誤解は更なる誤解を招いて】
【さっきの音を聞きつけてくる者が自分以外にも居るだろう。ならば早くこの場から去ることを促すが――――】
【男もとい自販機の前へ近寄れば、しゃがんで取り出し口に手を突っ込み】
【……数秒後、取り出し口から出されたその手には缶コーヒーが2本捕まれている事だろう。これでは万引きである】


「お前さんが本当に金を払ってるのか払っていないのか分からねェけど、取り敢えず取っておけよ
さってと、本物のお巡りさんが来る前に何処かいきましょうかねェ」

【一缶放り投げれば、自分の分のプルタブを開けて】
【自販機から離れるべく、歩み出すだろう。当然、男も着いてくるものと考えて】
812 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/03(日) 23:42:39.90 ID:3FeHXckho
>>809

【事実余裕であった、勝負のペースを握っているのは此方だと、自負していた】
【けれども、次の攻撃に移ろうと地面を踏んだ右ひざがかくり、と崩れそうになった】
【小さく漏れた声、無表情に浮かぶのは苦悶の表情】

【なるほど――――ただの剣じゃないらしい、同時に、貴方のしたたかさを評価した】
【直情なだけではないと、ただ怒りに任せて剣を振るう愚者ではないと】
【激情の中に狂奔しながらも、そこに一律の意思≠孕んでいる者と――――】


……良いお言葉です、それでこそ――――私が本気にてお相手するに値する≠ニいうもの
我が名はダンテ=シュタインベルグ、カノッサ機関処刑人
今宵貴方の首を落とし、神へと手向ける者……


【肉薄しそうな彼と貴方の距離、ほぼ同時に来る貴方の幾つもの突き】
【速度こそ落ちているものの、その孕む圧迫感は、最早常人の者とは比べ物にはならない】
【月光越しに映る彼の表情をも焦がしそうな狂気、それは溢れるなどという言葉ではあらわせない】

【爆ぜる感情は、掌で覆いつくせない幾重もの思いの成れの果て】
【刻む旋律は音律を促し、挙句の果てに凄まじいまでの奔流となるのだろう】
【――――嵐のようだ、と思う、その心すらも留めることに必死になるべくしてなるもの】


思いのままに振るう刃は、確かに強い――――そのことは認めましょう
けれども、そのような刃で一体何が切れると仰るのでしょうか


【彼は自身の前方へと右手を翳す、そして同時に、その右手を手首で回転させる】
【右手に握った巨大な十字架が回転、確かな質量を持ったそれを、彼は片手で動かして見せた】
【それは先ほどまでの彼の筋力とは段違いであるのだろう、受けたなら、ただではすまない】

【そうして、作り出すのは回転による楯、それで貴方の突きを全て、打ち落とそうと為すだろう】
【隙を責めるということはしない、ただ正面から、正攻法を持って叩き潰そうとする】


思いだけでは人は斬れません、それならば狂うことになど意味は無いのでしょう
何故なら人は生来から狂っているもの、ただ神だけが正常に、それでいて純真に在りましょう

貴方の感情など狂気≠ニは程遠い、ちゃちな常軌でしかないのですよ――――

Avenged Sevenfold=I!


【砕け散る十字架、貴方の眼前で、バラバラに砕け散るのだろう】
【そうして生じる、その奥に居た彼の姿、月光を背中に、その白銀をきらめかした】
【右の手が強く、拳を握っている、自身の武器であった十字架を、握り潰したソレが】

【十字架の中心に開けられた穴、そこに手を通す形で握っていた彼が、その部分を握りつぶしたのだ】
【必然、十字架は砕け、その破片は貴方へと飛び散り、残るのは彼の右手の拳のみ】
【踏み出す左足、強く地面を踏んだのなら、その拳を一閃、貴方の顔面へと叩き込もうとするのだろう】
813 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/02/03(日) 23:50:32.06 ID:H2Vgx52l0
【とある公園】


─────慣れてきたわ


【黒い髪、白い肌、中肉中背の身を黒いコートに包んだ青年。】
【ポケットに片手を突っ込み、空いた手を鉄砲の形にして────木に吊るした細い木の枝へ向ける。】
【夜風に吹かれて、的である木の枝は揺れて────。】


ばーん。


【彼の手首が、反動を受けるように上がる。】
【手の先から、暗黒の球体が放たれ────】
【木の枝─────を吊るす紐を貫き、枝をおとした。】
814 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/03(日) 23:57:13.21 ID:3Ahbk78fo
【水の国――病院】

【時刻は昼、陽光を受けて輝く緑はまだ見ぬ春に向けて準備を始め】
【病院の中庭にぽつぽつと見える、散歩やリハビリに臨む人々もまた希望を目に持ち活き活きとして】
【そんな中、茂みの影に隠れるようにして、背を丸めてベンチに座る影が一つ】

こんなふうに、怪我するなんて
……私、どうしてあそこで立ち向かったんだろう

【それは他と同じく入院着のガウンに身を包んだ、水色の髪をした少女だった】
【翼のチャームのついたペンダントと、弦薔薇に紅い羽のあしらわれたブレスレット】
【なぜか目元をすっかり隠すような大きいサングラスをかけている】
【右足にはぐるぐると包帯が巻かれ、傍には木の杖が立てかけられていた】

ばかだな、勝てるはずなんて無いのに
それも、カノッサのひとに……

【指先が震えるのは、寒さだけのせいではなく。その理由は独り言が表しているか】
【己の行動に後悔する様子は戦士のそれではなく、正義に燃えるそれでもない】
【ただ、一人ごちるのみに終始してうつむいていた】
815 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/04(月) 00:00:46.21 ID:g0MRCqayo
>>811
おい、話聞けよ
あのな、だから言ってんだろ?俺はちゃんと金入れてんだっての
そもそも金が無いには無いけどな、たかがコーヒー代をケチる程金欠じゃねぇんだよ

【勘違いしたまま笑って話を進める男にイラっときたが、流石に自販機にした様に蹴り付けたりはしない】
【眉をしかめ、半ば諦め気味だ、こういう奴に説明は逆効果なのを知っているから】

いや、俺自販機壊した事ねぇし
ていうか勝手に同族にすんなよ、行かねぇからな、俺は悪くねぇからな
ーーーあ、ああ、それそれ

【けたたましい警報を聞き付け、やってくる者は少なからずいるだろう、だがしかしそれがどうした、『俺は悪くない』の精神で乗り切る】
【…きっと、どうせ誤解されるのは眼に見えているが】
【何事もないかのように自販機に近付く男に釣られ、ついつい目当てのコーヒーの場所をゲロってしまう】
【数秒後、取り出された缶を見て「おいコラ」と突っ込んだ】

ちょっと待てよ、何ナチュラルに俺を悪者にしてんだ?
おい、待て…って、あっぶな!ーーーいや、違うだろ!

【何か腑に落ちない、金は入れたからコーヒーを貰うのは当然の権利な筈だ】
【しかしこの男はどうだ?たった今手を突っ込み、しれっと自分の分も取り出したこいつは?】
【当然犯罪だ、自分でもそう思うし、“一部始終を見ていた一般人”にもそう見えている】
【そんな奴から物を貰えば、否が応でも同族に見られてしまう】

おい待てよ!待てって!

【結局、成り行き上男に着いて行くしかないのである】


816 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/04(月) 00:03:57.14 ID:BigZUCRmo
/>>814は取り消します
817 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/02/04(月) 00:14:19.00 ID:dQmWNgiwo
>>812

―――俺、黒澤 我信が信じる神は一つ、勝利の女神だけだ……!!
そして彼女が味方するのは……熱狂する者ッ……!! リスクを背負いながらも、前に進んだ者の背中を……優しく押すんだよォッ!!!

【状況を冷静に把握してはいけない。狂熱で、その絶望的な状況を誤魔化せ―――熱くなった心が、冷えてしまうから】
【獣の様に自分は吠えながら牙を剥くことしか出来ないのだから―――本能だけで、立ち向かうくらいが丁度いい】

……なッ―――!? 

【突きが鋭ければ鋭いほど、別方向からの力に弱い。放った突きの初撃が、叩き落されて―――危うく、刀を手放しそうになる程の衝撃が右手に襲いかかる】
【―――ならば、更に刀を強化するしか無い】

「蛭」ッ……!!―――俺の血を吸えッ!!!

【自らの左手で、思い切り刀身を握りこむ。勿論左手からは血が溢れ出すが、その朱を素早く啜り取る蛭】
【ゴキュゴキュ、という咀嚼音とともに、刀身は更に伸び、不穏な雰囲気を黒刀は纏い始めて―――】
【今の蛭ならば、鉄板程度ならバターを斬るのと変わらない程であろうか。血を吸う速度も、魔力を削る能力も更に増し】

【さぁ準備は整った、と言わんばかりに身体を捻り黒刀を振ろうとするが、既に視界には白銀の雨が散らばっており―――】
【視界を覆う其れの奥から、圧力が顔目掛けて飛んでくるのを本能が感じていた】

……グォッ、ッッ〜〜〜!!

【間一髪、剣の腹で顔面をガードするも―――その圧力は彼の体躯では抑えきれない。 吹き飛ばされるのは、3度目になって―――】
【またしても、全身を打ち付ける。 3度にもなれば、身体に影響が大きく現れるもの。左肩を強く打ったためか、既に左腕は水平より上にはいかなかった】

【―――男はまだ立ち上がる。握力は尽きかけて、脚はふらつき視界は歪む。しかし「狂熱」だけは―――未だ強くなるばかりで】
【真紅の双眸には爛々と煌く光が―――闘志が其処にはあった。男の口角が、微かに上がった】
818 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/04(月) 00:17:41.56 ID:U5kFR7K+0
>>815
「大丈夫だ。こう見えても俺もそれなりに色々と経験してるからな
金は金だもんな。一だろうが十だろうが、入れたもんは入れてんだ……ンな真剣になんなくたって大丈夫だろ
捕まらなねェ訳じゃ無いが、殺される訳でもねェんだから」

【きっと、誤解は解けないのだろう】
【眉間に皺が寄ろうとも気にした様子は無くて】
【コイツはもっと真剣になるべきだが――――“色々な経験”】
【こんな雰囲気からは、そんなモノを微塵も感じ取れるはずも無い。唯一、長物だけが違和感を醸していて】


「男はある程度悪い方が格好いいって言うだろ?まっ、お前さんは全うに生きてた方が格好いい感じだけどな
……それにしてもよ、何時も何時もっつうのは本当かよ
昔は俺も何度か救護係の奴のケツやら胸やら触ってたら麻酔無しで縫われたりしたモンだけど
……お前さんは感情も無い機会に嫌われるなんてよっぽどだな」

【後ろから聞こえてくる足音。振り向かずとも、しっかりと着いてきている事が伝わって】
【煙草を吸い終えれば携帯灰皿の中へと突っ込んで、また口を開くのだろう】
【……しかし、麻酔無しで縫われるなんてよっぽどでは無いだろうか】
【多分、機会に嫌われていた方がまだマシなのかもしれない】
【一口飲めば、「なァ?」なんて相づちを求めて】
819 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/04(月) 00:31:23.49 ID:QybDwFdLo
>>817

【カウンター気味に入った一撃、完全に殺った、と確信していた】
【けれども、立ち上がる――――貴方の姿、その目にはまだ強い力を宿していて】
【頬を伝う一陣の汗、一体どれほどの力を、貴方は秘めているのか、と】

【――――そして、その原動力となるのは、本当にその狂熱なのであろうか、と】


なるほど……大した信仰です、身体は軋み、視界は白濁、意識はあるのかすらも分からないでしょうに
そこまでして立ち上がる覚悟、そしてその意思は――――敵ながら見事とでも言えましょう
けれども、それまでです、それは賞賛されるべき事でありますが、決して賛美されるべきものではありません

このまま戦いを続ければ、いえ――――最早、戦いとは言えません、一方的な虐殺ともなるでしょう
それでも尚、貴方は笑えるのでしょうか――――


Holy Wars


【掌に収束する光の束、それは今にも砕け散る蝋燭の灯火の最後の光のよう】
【月光が落ちて、路地裏が深く染まる、滲んだ影に、その身を落として――――】
【やがて溶けた、最後の囁きも、ただただ消える水しぶきの破片のよう】

【彼から放たれる殺気が、貴方を圧迫しようと包み込む、純然たる殺意は息苦しさをも感じさせるほど】
【白銀の髪が揺らめく、覗かせる片方だけの視線が、その先に貴方を捕らえるのだろう】
【そうして結る、二つの思想の果ての臨界点を】


The Punishment Due


【出現する、巨大な一本の刀、彼はそれを、右の手に握った】
【そうして、一つ、また一つと歩みを進めていく、互いの距離が一歩ごとに縮まるのだろう】
【黒い神父服がさながら喪服のよう、貴方の色と交じり合って消えていく】

【貴方への距離を詰めるたびに、身を張る緊張感が強い色となる】
【常人であればそれだけで飲み込まれてしまいそうなほど、処刑人の放つ圧倒的なオーラ】
【それを受けても尚、そこに笑みを浮かべられる貴方は、一体どれほどまでに自身を信じれるのだろう】


狂熱*「だ覚めやらぬ、貴方を突き動かすのが、その煌々とした狂熱≠ナあるのならば
その身体をも、その熱に焼かれてしまいなさい、驕りではなく思いこそが、貴方の身を滅ぼすのです

狂った想いなど、幼子ですら馳せることが出来ましょう!それに如何なる価値があると言うのです
もし、そうであるのなら、そしてその身で、証明してみせてください――――!!

――――Avenged Sevenfold=I!


【駆け抜ける風、ゆっくりと近づいていた彼の姿が消えうせるだろう】
【――――否、貴方の直ぐ胸元にまで、肉薄しそうな距離にまで、一気に接近している】
【まるで、彼と貴方の隙間が無くなったかのよう、とん、と彼の踏み出す左足の音が軽く響いた】

【振り上げる右の腕、その手に握られた刃が、月光を受け強く照らされる】
【やがて落とすギロチンにも似たその一閃、ただ力任せに貴方へと叩きつけられるのだろう】
【速度は先ほどまでとは比べ物にならない速さ、彼の本気が、伺える】
820 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/04(月) 00:34:39.64 ID:g0MRCqayo
>>818
何が大丈夫なんだよ、色々な経験が役立つのが自販機からの万引きか
…ったく、もういい、逃げちまったら一緒か

【歩きながら溜息を一つ、もうなにもかも諦めたらしい】
【駆け付けた者達から逃げてしまえばいくら正当性を謳っても有罪は免れない、たかがコーヒー一つでどうとなるとは思えないが】

ある程度は…そうかもな
ある一線超えちまえば皆一緒のただの悪人さ

…俺だって、なんで機械なんかに嫌われんのか知りてぇよ
お前のは理由がわかる分まだマシだな、ていうか麻酔無しってお前、よっぽどだな

【また溜息をついて、機械に嫌われる事を嘆いたり、男のやらかした事に呆れたり】
【缶コーヒーを片手で開けて、口をつけてから、「なァ、じゃねぇよ」と返したり】
【麻酔無しで縫われるなんて拷問紛いな事をされてよく笑い話に出来るものだ、と内心感心したりもする】
【とはいえ、相手の男に対する考えは“胡散臭い”の一言が大半を占めるが】
821 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/04(月) 00:49:05.89 ID:U5kFR7K+0
>>820
「ん?ああ、コレはガキの頃に身につけた技なんだわ
カカカ!まぁ、それもそうだな。捕まる時は仲よく捕まろうや」

【一体どれ程の前科持ちなのか】
【或いは、常に捕まる前に逃げていたのか――――それは分からないが】


「まあな。それこそ、本当の善人なんて生まれて直ぐに死んだ奴くらいしか居ねェよ
生きてりゃ勝手に悪人になるからな。引いてるラインは違うのかもしれねェけどよ
ああ、因みにさっきのは俺の中ではセーフな

元々麻酔が少なかったから俺だけ外れを引いたってのもあるが
何つうの、どうせ痛い目みるのが分かってるなら少しは得しねェとな
あれじゃねェの?お前さん、人より纏ってる電磁波でも多いんじゃねェか?
偶に居るだろ、近づいただけで機械が不調になる奴」

【先程の行為がセーフラインならば、一体何処からアウトなのだろうか】
【救護係が居たり、麻酔が足りなかったり――――色々と不思議な所ではあるが】
【こんな性格だから乗り切れたのか、それともそのせいでこんな性格になってしまったのか】
【飲み終えた缶を後方へ投げれば、ガラン――――と見事入って】
【ヨッシャ!とか言ってガッツポーズを決めた後、緩い笑いを浮かべながら見当外れな答えを紡ぐのだろう】
822 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/04(月) 00:56:35.01 ID:AEk2dRXko
>>765

(お母さん、ね……過酷ながら幸せな環境で過ごしたってわけ、か)
(貧しくも卑しくはないってことだ。道理でお嬢様然としてやがる―――。)

なるほど、ンじゃ良いや。でもよォ、薄着の格好なんてのをこの時期、ほかの場所でやるんじゃねェぜ?
女子供が見るならともかく、男――特に路地裏の連中なんか、獣だからな
ましてお前見てぇなガk……子供、はな。何かと狙われやすいから、気をつけとけ。

【“いいなソニア”―――そう語りかける姿は、どこか不器用な『お姉さん』か何かのよう】
【口ぶりや格好はともかく、内容だけは大人らしい。しかし純真な少女の瞳を受け切れないのか、ふと室内に視線は動く】
【そういう素振りは、初対面のソニアでもなにか“新鮮だ”と思わせるような動作であり】

【ふと、後の少女の言葉に視線が戻る。恥ずかしさと気まずさの交わった、あの初々しさはそこには無い】
【有るのはどこか肝の座った女性の姿、格好に見合ったアウトローの心意気とでも言うような、ソレで】

……気になるか?ならいいぜ、俺は物事をオブラートに包み隠すのが嫌いなんだ

逆五芒星はな、“カノッサ機関”の象徴だ。機関は……所謂、この世界の“悪”全てを担う存在で
俺はそこに存在する、1から100までの数字を与えられた存在の一人。

  ――――― 『No.3 ベイゼ・べケンプフェン』だよ、ソニア

簡単に言えば、世界の敵。一般人、自警団、UNITED TRIGGERなんかは、全て俺達の獲物であり天敵
もっと簡単に言おうか? ―――бандит(悪党) なのさ、私は。

【そうやって、ベイゼはただ淡々と事実だけを少女に告げた。そこに凡人の見せる“優しさ”は無い】
【机に腰掛け、チンピラか娼婦のような格好で、あまつさえ口調まであんな様子で――機関の、百人からなる軍隊の第三位】
【悪い冗談にも思えるけども、それを打ち壊すのは流暢なロシア語。外界のそれと大差のない、完璧な言葉】

【日が陰る。先ほど居た部屋から漏れ入る太陽光がベイゼを照らして、その顔を影で暗くする】
【うっすらと見える表情は無感情?或いは悪人?どちらにしたって、とても善人のソレではなくて―――憧憬なんて、勿体無い。】

/誠に遅くなりましたが、レスをお返しいたしますっ!
/明日なら一日空いておりますので、時間の有るときにでも続けられれば〜
823 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/02/04(月) 00:57:12.27 ID:dQmWNgiwo
>>819

―――……借りるぞ、「卵」……!! ―――-目覚めろォォォォァァああァァァァッッ!!!!!

【静かながら、力強く呟く。―――満身創痍の彼を支えるのは、もはや狂熱(ヒート)だけだ。ならば其れをもっと高めてやれば良い】
【―――黒い魔力が、身体から漏れ出す。 いや、漏れだしたのは魔力だけでなく、その昂った心でもあった】
【……月光に向かって、獅子が吼えた。 鼓動は激しいビートを刻み、溢れ出すは―――-赤黒の狂気】

             [ドッドッドッドッ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨]

     ―――唸れ狂気ィィィィィ……!! 溢れろ狂熱(ヒート)ォォオオォオオォォッッ!!!!!!
  
       【―――今から、彼は証明しようとする。 ……狂気の、狂熱の、感動の力を】
【全身を包むは、鮮血の色をしたオーラ。先程よりも段違いな圧力を抱えるも、それでも何処まで通用するかは解らない。相手は間違いなく格上なのだから】

―――命を燃やせ……狂火ィィィイィッッ!!!!

【狂熱が、彼を強くする。速さを―――力を、気迫を。 先程を凌駕する敵の一閃を、朱のオーラの纏う「蛭」で受け止める】
【傷だらけの身体を忘れたかのような、力強い動きで。……そして】

                  ―――焼かれるのは……テメェだよッッ!!!! 

【彼の紅いオーラが、一部身体から離れて―――形を変える。 其れは、喩えるなら朱雀のような形で】
【そして其れは意志を持つ―――無論、その意志は……狂気。 標的は「処刑人」。 朱雀を象ったオーラは、超高熱。 焼き尽くさんと、火の鳥が彼に襲いかかった】
824 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/04(月) 01:09:30.29 ID:g0MRCqayo
>>821
ガキの頃の悪行を大人になってまで使ってんなよ…
笑ってんじゃねぇよ、俺は嫌だからな、捕まるならお前一人で捕まってくれ、頼むから

【豪快に笑う男とは対象的に、引き気味な苦笑いを浮かべる】
【「勘弁してくれ」と呟いた、こんな奴と同じ牢屋は御免だ】

お前の中ではセーフでも俺の中ではアウトだ、ついでに一般的にもアウトだったぞ

…麻酔が少なかった…って、なんだよ、戦争でもあったのか?
まあなんだ、お前が逞しい奴なのはわかったが
電磁波なんて纏ってねぇよ…多分な
大体アレだ、電磁波で自販機が駄目になるなら電気系能力者は機械に触れれられもしなくなるじゃねぇか

【得したいというのはいいとして、麻酔が足りなくなる程に使用していた、となれば、思いつくのは大きな戦闘行為でもあったのかという事だ】
【だとすれば、それ程の大きな戦いに赴きながらこんなにも軽い軽い性格をしているこの男は、もしかして大物なのではなかろうか】
【…そんな訳ないか、と、缶を投げ入れる男を見て思った】

/すみません、風呂はいって来るので次のレス少し遅れます
825 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/04(月) 01:13:42.20 ID:QybDwFdLo
>>823

【燃え上がる幾千もの狂気、それはまるでファンファーレのようでもあった】
【彼へと襲い掛かるその炎すらも、地獄の業火とも呼べる代物であるのだろう】
【真っ向から襲いくる貴方の力に、彼の表情もまた、ある色を見せる】


……一体このような小火で何を焼こうと仰ってるのでしょう
貴方の狂気≠ネど私にとっては児戯、貴方の命≠ネど私にとっては取るに足りないもの
そのような焔に焼かれるほど、我が命は容易くなどないわ!!

撃ちつくせ……Avenged Sevenfold=I!!


【巻かれる、貴方の焔に、直撃する朱雀が、彼の身体を飲み込んだ】
【煌々ときらめくその色が、月光に照らされたのなら、危うくもあり、それでいて挫けぬ闘気のように燃え盛る】
【吼える、灼熱の歌、皮膚が焼け、肉が解ける音すらも、さながら挽歌には程遠い】

【身体の強度を七倍にする、それだけで十分、と彼は思っていた、その程度の焔などに焼かれまい、と】
【しかし、その表情が固まった、予想のいく倍にもその焔は強かったから】
【裂く乱れる、或いは溶かす、抉るその焔は、間違いない狂熱≠フ形】


ぐっ……くぅう――――おぉおおおお!!!
まだだ……まだだ!!この程度!!この程度の焔など……!!

その程度か、黒澤 我信!貴様の焔は、この私を焼き尽くすには程遠い!!
あの日!私と、私の全てを焼いた火は!このような痛みでは無かった筈だ!!

所詮!貴様の狂熱≠ネど、まやかしに過ぎん!!粋がっているだけの戯言なのだ!
あぁっ!!っぐぅうう!!!ハァ……ハァ……!!


【身悶えする、彼の身体、断末魔のような叫びが、その表情から零れてくる】
【焔は尚も勢いを増す、その身体の芯まで焼き尽くすような業火が】
【顔を抑える巨大な両手、それはまるで、ピエロの仮面の下の素顔を見られたくないかのよう】

【蠢く歪む或いは――――噛み締めた唇の奥の歯から零れた息が、憤怒の音を刻んだ】


おぉおおおおおおお!!!!!

忘れません……っ!!黒澤 我信――――貴方は必ず、私が……!!

【弾ける、破れる、爆音の破片、パラパラと飛び散って、そして潰える】
【貴方の焔が消え去るのだろう、彼の身を焦がす業火が、彼の身から消えていく】
【けれども、そこに残った体は、満身創痍といっていい、ハァハァ、と強く息を吐く】

【剣が砕ける、飛び散る破片が、夜空へとばらまかれたなら、既に彼の姿は消えているだろう】
【夜に溶ける白銀の断末魔、そこに残るのは、達成感か、それとも――――】
【処刑人≠ヘ狂熱≠ノ破れ、そのプライドすらも挫けさせられたのだろう】


/この辺りでしょうか……お疲れ様でしたー!
826 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/04(月) 01:28:52.62 ID:U5kFR7K+0
>>824
「おいおい、三つ子の魂何とかって言うだろ?ほら、お前さんにも教えてやるからよ
何も次からは蹴らなくて済むぜ?
――――ンな事言わずに一緒に仲よくカツ丼でも食おうぜ
中々旨いらしいぜ?そこで食うカツ丼」

【笑いの意味に気付いているのだろう――――だからこそ、肩を組んで】
【尾行している者が見たら、完全に共犯である】
【肩を組んでフラフラと歩いているのだから……言い逃れは難しいか】


「余所は余所、俺は俺。世間に流されねェのがモットーだ

戦争ねェ……もっと陰湿なモンだよ。戦争なんて、堂々としたモンじゃねェ
誰も消された事や消した事に気付きはしねェようなモンさ。ま、時には戦争屋にもなったと言えば――――
おお、確かにそうだよな
なら何だ、天性のモンかよ。こりゃ……なんつうか、ドンマイだな
アレだよ。コンビニかどっかで人の温かみを感じろっつう神様仏さんの伝言だろ」

【流されるというよりか、自己中心的】
【戦争屋。穏やかでは無い言葉】
【――――ラッシュであれば、そっち稼業の者であると容易に気付くであろう】
【とても、そんな風体には見えないのだが】

【言いかけた言葉、途中で区切ればポンと手を叩いて納得した様子を見せて】
【――――コンビニに暖かみはあまり無い、と突っ込むのは野暮か】
/把握ですよー
827 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/04(月) 01:31:48.97 ID:QybDwFdLo
>>822

【くすり、表情を溶かす擽ったそうな笑み、貴女の仕種を見て自然に零れた微笑】
【柔和な素肌をとろかすほどに、貴女のそれは新鮮味に溢れていて、そして、どこか暖かくて】
【暑いんじゃなくて暖かい、心地よい貴女に包まれたいな、なんて思ったりした】


うん……分かった、ベイゼの言うこと……聞くの
ベイゼ、優しい……とっても、だから、言うこと、聞く
そしたら、きっと――――間違えない、の


【それは迷い道を行く少女の、道しるべのない思いの果て】
【立ち止まることすらできない宵月の下、すがるような思いでその指先を伸ばす】
【ジェラートよりも尊いソレを掴む貴女の指先を、そっと辿るように】

【告げられる貴女の言葉、それだけで彼女は貴女の本当の意味を逡巡できた】
【むしろ、もっと早くに気づくべきだったのであろう、この場所に、貴女が居る意味をも】
【くしゃくしゃに纏められる小さな両手がふわり、と揺れた】


бандит……ほんと、ベイゼ――――ほんとにベイゼは……бандит?
ソニア、信じないよ、信じたくないよ、だって……ベイゼは、優しいもん

――――でもね、ソニア、ベイゼがбандитだったら、ダメなの


【風が吹いた、貴女を照らす、太陽光の破片が、吹き抜ける嵐のように塗る】
【整った輪郭の零れる砂の破片、問うには少し重たすぎるようで】
【それでもその横顔はきっと、美しいと言えるものなのであろうか】

【彼女の髪の香りが弾ける、プラチナブロンドの髪は、太陽に溶ける雪景色よりも儚くて】
【零れ落ちた甘い香りは少女だけの持つ、幸せの欠片、澄んだ色合いをその目に浮かべて】
【――――かちゃり、彼女には似つかわしくない金属音が響いた】


Я справедливость(私は違うよ)
Я(私は) ОБЪЕДИНЕННЫЙ(UNITED) СПУСКОВОЙ КРЮЧОК(TRIGGER)

ダメ、ベイゼ……悪いこと、絶対――――撃ちたくないよ、私


【それは瞬きするよりも早く、彼女の手に一丁の銃が握られているのだろう】
【SVDと呼ばれるスナイパーライフル、それの改造されたバージョンが、その手にあった】
【右手で後方部分にある引き金を、左手で機関部の前辺りを押さえて、長い銃身を支える】

【普通のソレより長い銃身は、その銃口を貴女の顎下へと付着させるかさせないかの距離にあるだろう】
【机に腰掛けた貴女を、地面から見上げるよう、脚を折り曲げて、地面へと膝付く形で、銃を突きつけようとする】
【バイオリンケースが開いているのが見えるだろう、あの一瞬で、組み立て、貴女へと突きつけようとまでするのだ】

【マリンブルーの視線が、蕩けるよう――――そこにはただひたすらに深い悲しみが溶けているみたいに】
【そんな事を述べる彼女の口元が、陽光に照らされて、映し出されるのだろうか】
【そこに浮かんだ表情の破片をも、貴女に届けばよいと思う】


/把握ですー!
828 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage saga]:2013/02/04(月) 01:35:22.93 ID:dQmWNgiwo
>>825

【―――その炎は彼が先程言った通り、命を燃やしている。更にこの技に至っては、消費するオーラが多すぎる】
【故に身体を包む朱のオーラ、狂気は次第に薄れ、彼の身体に痛みを思い出させて……彼の膝が、無機質なコンクリの上に崩れる】

―――ッハァ、ハァ……くゥ……ッ!! 流石……に……もたない……かッ……!!
だが……俺の「闇朱雀・弐式」が―――俺の狂熱(ヒート)がッ!!

―――貴様と俺の力量を埋め……俺に感動を齎したッ!! 俺が貴様の感動を……喰らったのだァァッッ!!!

【ガタついたコンクリに突っ伏す形になりながらも、俺は証明してみせたぞと、ギラついた真紅の双眸を焼かれるピエロに向けた】
【同時に、再度確信する―――自分は間違っていないと。 狂熱する者が、女神の恩恵を受けられるという事を】

処刑人……感動はまだ、喰らい尽くしてはいない……貴様を殺すことで、俺は最も美味い感動を食せる……
だから、其れまで――――――

【処刑人が去った後の虚空を見つめて、言葉を零す。 全身の痛みが、そこで彼の意識にストップをかけ始める】
【黒の魔力も、朱のオーラも消え去って。路地裏にはズタボロになった男は一人、力尽きるように意識を失った】

/ありがとうございました! 遅レススミマセン……!! お疲れ様でした!
829 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/04(月) 01:55:27.93 ID:g0MRCqayo
>>826
そんな奥義伝達なんかいらねぇよ
…だーかーら!俺はそういう意味で蹴ってたんじゃ…おい!何肩組んでんだよ!いよいよ同類に見られんだろうが!
カツ丼は惹かれるがあそこでは食わん!絶対食わねぇぞ!!

【いきなり肩を組まれると、猛烈な勢いでそれを拒否】
【いっそ自販機強盗と見られるのはいいが、同類と見られるのは嫌だという風に】


最低なモットーだな

ーーーは、何だよお前、そんな軽そうな性格しながらやってる事は物騒じゃねえか
…いや、やってる事がやってる事だから、そんな性格でもなきゃやってらんねぇか

…人の暖かみねぇ、残念ながら変人ばっかり近付いてくる達でな

【男の話した戦いの形を聞いて、すぐにそれがどういう意味か気付いたらしく、納得したように呟きながら、苦笑いを浮かべる】
【…彼の言う、“近付いてくる変人”の中には、きっとこの男も含まれている】

/ただいま帰りました
830 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/04(月) 02:07:58.98 ID:nnl2zuwFo
【水の国、通りに面したカフェテラス】
【時間も時間なので普段の喧騒は無いがしかし今も2,3人の姿はあった】
【寒い中で外置きのストーブの暖かさを求め、そして僅かな人の温もりを求める者もいるのだろう】

【テラスの中の1つの席、通りからも見えるその場所で】
【静かにコーヒーの味を楽しみながら夜の空を見る者がいた】

このくらい静かな方が好みですね
人はあれど少なくしかし足りないわけではない……、丁度良い加減です。

【最上の絹糸にも似た艶やかな色合いの長い白髪】
【一点の曇りもない白磁のような肢体、肌色それらは人間離れしていて】
【横顔たるや彼女を見た者が絵画の世界から抜け出したのかと疑いが浮かぶ程の物】
【しかしそれらは作り物めいていて、見た者によっては或いは怪しく感じるか】

【躯を包む衣服は薄い桃色の混じった白色で統一されている】
【胸にちょこんと小さなフリルを乗せたブラウス、その上にはフード付きのダッフルコート】
【ぴっちりと纏わり付くズボンはその脚の造形美をこれでもかと晒している】

コーヒーも良い味ですしまたこの時間にでも来ましょうか
……暇つぶしが夜空だけというのも寂しいですし、そうですね……本か適当な人でも見繕って

【本と人とを同じ暇つぶしとして扱うその台詞は隠すつもりもないらしく外に歩いている者にも聞こえるだろう】
【その発言とは対照的にカップを持ちコーヒーを啜るその姿は見目麗しい映画のワンシーンを切り出したような場面でさえある】


―――――誰か調度良い人でも通りかかれば重畳なのですけど……

【喉に落とし一息吐いて、瞳を細めながら通りを見やる】
【薄暗い街灯の下で誰かが歩いていないだろうか……と】
【その姿はどこか得物を狙う猛禽のようにも見えるかも、しれない】

/時間もアレですが暇な人がいらしたら是非
831 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/04(月) 02:13:25.90 ID:U5kFR7K+0
>>829
「たった一つで免許皆伝だぜ?こんな美味しい話に釣らない訳にはいかねェだろうが
貴様と俺は同期の桜ってな。まぁ、ムショに行く友だ。それまでは仲よくしようぜ
ばーか。場所が場所だから旨いモンがもっと旨くなるんだろうが
……まぁ、場所が場所だからな」

【山の頂きで食べる握り飯とは天と地の差ほどあるスケールではないだろうか】
【チッ。小さく舌打ちをすれば、渋々と離れて】
【二回同じ事を言った理由。言わずもがな】
【元々旨いカツ丼を其処で食べればどれ程美味しいことか……】


「否定はしねェよ。ただまあ、俺達みたいなのが居るから表沙汰にならないやばいことも消えてるとでも思っててくれ
今はフリーの傭兵で“大先生”とえっちらほっちらそこら辺をほっつき回ってるけどな

お、なら良かったな!久しぶりにまともな奴に会えたんじゃねェのかお前さん」

【“大先生”。何処か皮肉がたっぷり含まれたような言葉】
【この男、自分が含まれて居る事に気付いていない】
【パンパンと肩を叩けば、しんみりとした様子で頷いて】

【――――何処からかパタパタと走り寄ってくる足音】
【そちらへと視線を移せば、狐の耳と尾を生やした娘が走り寄ってくる頃で】
【手にしているのは数珠……だろうか。ジャラジャラと喧しく】
/おかえりなさいましー!
832 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/04(月) 02:33:27.91 ID:g0MRCqayo
>>831
おい勝手にムショ行きに決めんな!俺は無罪を叫び続けるからな!逆転無罪を勝ち取るまで負けねぇからな!
大体あんな場所でカツ丼なんか食ったらしょっぱいだけだろうが!
……場所が場所だからな

【男が離れると、「ったく…」と呟き、コーヒーを飲む】
【何だかもう捕まるのが前提のようだがそれはよくない、非常によくない】
【一緒に捕まってしょっぱいカツ丼を食うのは絶対に嫌だ、旨い訳がない】

…表に出ない事だけでもかなりの量…か
だがまあ、俺は感謝もしねぇし誇りもしねぇけどな、裏仕事ってのはそう言うもんだろ?

…つまんねぇギャグだな、笑えねぇぞ
で、その大先生とやらはーーーん?

【その手の仕事は彼自身も携わっている分、考えもある】
【感謝されてはいけないし、誇りにしてはならない、あくまで“裏方”として密かに行うーーーそういうものだ、と】

【そう呟いてから、件の大先生とやらに聞こうとした瞬間、聞こえてくる足音に気付く】

ーーーなあ、俺たち、なんか憑いてんのか?
なんか、数珠持った奴がこっちに来てるんだが

【近付いてくる少女の様相に、ふとそんな事を呟けば、表情は引き攣るのであった】
833 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/04(月) 02:38:27.44 ID:HPlYYDMxo
>>830
/まだいらっしゃいますか?
/こちらは、遅くまででも大丈夫だと思います
834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/04(月) 02:41:42.77 ID:nnl2zuwFo
>>833
/おります
/こちらは5時くらいに落ちる予定ではありますが場合により、です
835 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/04(月) 02:50:39.65 ID:HPlYYDMxo
>>830

【テラスから見えるであろう街灯の下を、一つの人影が通りかかった】
【闇に浮かびあがるその姿は、2メートルは超えているであろう体躯の大男だ】
【短めの黒髪に、薄汚れた灰色の作業着、その上に黒いラバー地のエプロン】
【黒いゴム長靴が、深夜の静寂を踏みにじるような足音をたてている】


(赤字、赤字、赤字だ……全く忌々しい)

【苛立ちを隠そうともしていない、不機嫌な表情だ。テラスで優雅に夜空とコーヒーを楽しむ女性とは対照的な】
【野蛮で汚らしい雰囲気が、にじみ出ている】
【ふと、何かを感じたように大男は街灯の明かりから外れる直前に立ち止まり、首を捻じ曲げて、テラスの女性に視線を注いだ】


(なんだ、あれは……人形か? 気味の悪い女だな……しかし、いい値がつきそうだ)

【怪しいほどに整った、女性の姿に、値踏みするかのような無遠慮な視線を注ぎ】
【頭の中で、身勝手な皮算用を始める】
【その姿は、この静まり返った街の中では、あまりに不審に見えるだろう】
【不機嫌だった表情は消え、猛禽のようにも見える女性の姿に】
【離れた距離からでもわかりそうな、粘つく獣のような雰囲気で、相対する】


/了解です
/お時間の許す限りで、よろしければお付き合い願います
836 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/04(月) 02:52:19.67 ID:U5kFR7K+0
>>832
「ケツ拭いに誇りなんざ持ってたらまだ犬の糞拾ってる奴の方が偉いわな
感謝も金だ。心なんざ滅多に貰えねェから、言いたい事も分かる
……なぁ、同業者。……ともまた違うだろうけどな、お前さんは

おいおい、そりゃねェだろ?
大まじめだぜ俺は」

【フ――――と、又異なった笑い方、何処か誤魔化すような、そんな笑み】
【恐らくは大体似た考え方を持って居るのだろうが、きっと、繊細な部分が異なっていて】
【同業者。直ぐに察した相手、更にはその続きを聞けば大体絞れること】


「……まぁ、あのちみっこいのが大先生だ
安心しろ。お前さんは幽霊とやらじゃ無いみたいだし、除霊なんてされないだろ……多分」

【あー……そんな言葉を零しながら、頬を搔いて】
【対して、二人を視界に収めた娘は一瞬毛を逆立てた後、男の背後に隠れるのだろう】
【顔を半分だけ出して様子を伺う様は、何処か小動物を思い起こさせるだろうか】


『な、何じゃ汝は……
何じゃその顔は?ひいっ?!もしや今から妾を食おうとでも言うのか?!』

【じーっと見つめていたが、引き攣っている様子に気付けば、落ち着き始めていた毛並みも再び逆立って】
【極度の人見知り……であろうか。男もろとも、ズリズリと数歩引き下がって】


「……早々出来そうもないんだけどな。コイツじゃ
おう、良かったらコイツも一緒にカツ丼食わせるか?」

【ヘイヘイ……なんてぼやいて同じく数歩引き下げられるのだろう】
【ボロボロのジャケットが不自然に重力に逆らっているのは、きっと娘が握っているから】
【ちょいちょいと視線で合図するのは、後ろに回り込んでみろとでも言っているのだろうか】
【しょうも無い悪戯に荷担するか否かは、相手次第で――――】
837 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/04(月) 03:04:03.63 ID:nnl2zuwFo
>>835

おや、まあ……

【視線を辿る必要もないその纏わり付くような感覚は直ぐに理解る】
【探す動作さえなく男の姿を見止め、そして「にい」と微笑む】

やはりこの街は素晴らしい――――――
人にあるべきあらゆるモノを内包していると言っていいのかもしれません。

【そう続ける言葉は周りの客達にも聞こえていて】
【視界の端で捉えて訝しげな表情を浮かべていた】


…………それで、貴方は何者でしょう?

【彼女のその舐めるような声色は遠くに離れている彼の耳にも届くだろう】
【どこか楽しんでいるような嘲笑っているような、そんな感覚も同時に……】
838 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/04(月) 03:06:26.18 ID:g0MRCqayo
>>836
…言ってんだろ、同類にすんなってよ
…もしかしたら、お前よりもよっぽど悪どいかもな、俺は

【謙遜というか、捻くれというか、ただの裏仕事よりもよっぽど汚い事をやっているのは、自分でも分かっていて】
【だからこそ、同じ様な奴なんかいて欲しくはないからこそ、突っぱねた言い方をする】

…え?あれ?
…嘘だろ、ガキじゃねぇか

【大先生とはこの少女の事だったと聞くと、どうにも信じられないといった風に呟いて】
【人見知りのテンプレ的な行動で隠れた少女を見下ろす】

どうしてそんな結論に至る?食うわけねぇだろ

【何故、よりにもよって“食われる”なんて懸念したのか、そんなに変な顔していたかと、呆れた溜息をついて】
【男の合図を見ると、眼で合図を返してから、すぅっと後ろに回り込んだ】
839 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/04(月) 03:18:21.13 ID:HPlYYDMxo
>>837

【自分の足を止めたものがなんだったのか。最初に女が発した言葉】
【人間を、読書と同じ暇つぶしにしか見ないような、不穏なセリフを意識のどこかで捉えたからだったのか】
【いや、それ以上に、目の前の相手が孕む何かを感じ取ったためではなかったか】
【舐めるような、楽しむような、いや、もしかしたら嘲るような、彼女の声音を耳にして、そう感じる】


人にあるべきあらゆるモノ――か。さて、私が人に本来あるべきものを
まともに持ち合わせているかは、少々自身がないな

【今度ははっきりと、耳に届いた女性の言葉に返答しつつ、彼女のほうへと歩み寄ろうとする】
【相手が何らかのアクションを起こさない限りは、テラスの入り口付近にまで近づいてくるだろう】
【彼女の発する嘲笑うような感覚をその身に受けながら、なお大男は彼女の目を暗い瞳で見据えた】


何者か、と問われれば、見ての通りだ。表通りを堂々と歩けるような身分ではない者だよ
強いていうなら、そうだな、『肉屋』だ

深夜に、テラスで優雅にコーヒーとは、いい趣味じゃあないか
私も御相伴に預かれないかね?

【話しながら、口角を吊り上げる。粘つく空気が、一層濃くなる】
【大男の太い右腕が、一瞬ピクリと動く。獲物につかみかかろうとしているかのように】
【一般の客もいる前で、事を起こすつもりか。実際、やりかねない雰囲気だ】
840 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/04(月) 03:26:39.37 ID:U5kFR7K+0
>>838
「俺ァ悪とか正義とか、そんなん考えた事もねェからお前さんよか善人だろうと、どうでも良いんだよ
ただ、そうだな……俺のやってた仕事よりも汚い、何て簡単にゃ言わせねェぜ?」

【考えた事が無い、それ故にボーダーラインなんて無い】
【嘘か真か、答えはこの男のみが知っている事だが】
【そんな捻くれた言葉も笑って――――誇りを持っていない、しかし、恥も感じていない】
【だから、悠々と言ってみせて】


『ガ、ガキとな?!妾は魂狐(ごんぎつね)の末裔!14歳じゃぞ?!
言葉を直せ!早く言い直――――ヒャァ?!』

「ああ、数え年でな。まぁ、お前さんの言うとおりガキだ」

【背中の後ろから尊大に振る舞っていたが、回り込まれたことに気付けば飛び跳ねて】
【あわあわと辺りを見回せば、今度は緩い男の前へと回るのだろう】
【ビクビクとしながら、又口を開けば】


『うううう、嘘じゃ!男は皆狐をうどんにして食べるとこの馬鹿が言っておったのじゃ!
汝、もしや油断させて妾の事を食べるつもりじゃろ?!
く、食っても旨くないぞ?!狸の方がよっぽど旨いのじゃッ!』

「こんな奴だが……一応は腕は確かなんだな、不思議と
主に幽霊やら何やらにだけどな」

【娘が震える指先で示すのはチャラ男。やっぱりコイツが原因か】
【しかし、煩い十四歳である。お淑やかの欠片も無い】
【男を挟むようにして向かい合えば、またジリジリと下がって】
【よっぽどの馬鹿なのだろう。すっかり信じ込んでいる様で、目尻にうっすらと溜まる涙】
841 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/04(月) 03:30:40.55 ID:nnl2zuwFo
>>839

さあ、自分の事は案外分からないものですし
案外――――――――いや、他人がそれを語るというのもつまらない話ですね。

【彼女は多くを語らないただ囃し立てるだけしかしない】
【箱庭の世界を上から望むかのように、そうそれはまるで遊びのように】
【そんな遠大な眺望を感じさせるのは彼女の持つ雰囲気故だろう】

そうですか「肉屋」ですかそれはまた大変なお仕事ですね……

【近づく彼を止める事などない】
【ただあるままそのままで、それどころかこの先に何が起きるか楽しみでさえある】
【その微笑みに含まれるのはそういった意味に違いない】

ご相伴、別段構いませんが……そうですね貴方は喧騒と閑静、どちらがお好きですか?
わたしは貴方に合わせましょう、元来わたしはそういう「モノ」ですので

【獲物?いや恐らく彼女は違う】
【そのつま先にその歯にその皮膚に、考え得る限りの猛毒を仕込んだそういう「モノだ」】
【希望を持つ者には相応の絶望を絶望の縁にいる者には相応の希望を、それらをチラつかせ】
【しかしただ与えもせず傍観する者だ】

【故に彼女は動かない】
【纏わり付くような空気は生まれてより慣れ親しんだ物と言わんばかりにどこ吹く風で】
【彼の動作を待つのみだ】

【幸いにも彼女のテーブルを挟んだ向こう側の席は空いている】
【座るのならば止めはしない、そしてそれ以外でも同じだ】
842 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/04(月) 03:43:16.52 ID:g0MRCqayo
>>840
…そうだな、そう考えるのが一番いいのかもしんねぇな
正義だとか、悪だとか、小難しい事考えねぇでよ

【軽い口調だが、確かにそれを言って見せる、そんな男にあてられ、自分も皮肉の無い笑みを浮かべて】

…あのな、14じゃまだまだガキだろ、もっと出るとこ出てから言いな
いやだから食わねぇって、誰がそんな…お前かい!

【14なんて、彼からしてみればまだまだ子供だ、子供かどうかは、歳だけでは決まらないのだが】
【狐をうどんにして食う習慣なんて勿論ない、大方誰かに嘘を吹き込まれたのだろうと呆れて言ったが、案外すぐ近くに犯人はいた】
【男の顔を無表情で見て、無言で頷くと、少女に向き直り】

…そういや、狐の肉をいれたうどんってのがあったな

【少女に聞こえるようにわざと呟いた】
【何だか、変な所が似ているのかもしれない】

…全くいきなり賑やかになったな、五月蝿くてたまんねぇぜ
俺はこっちに行くぜ、まだ自販機でのアレが追い掛けて来てるかもしれねぇし、分かれた方が良いだろ?
じゃあな、大先生とその弟子、捕まんなよ

【飲み干したコーヒーの空缶をゴミ箱に投げ入れると、路地裏に入る細い道に向かいながらそう告げて】
【からかうように、しかし気を使った言葉をかけると、路地の奥の暗がりに消えて行った】

/お疲れ様でした
843 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/04(月) 03:49:17.46 ID:HPlYYDMxo
>>841

ああ、他人に語られるだけ、というのはいかにも面白くないな

【多くを語らぬ彼女に、こちらも簡潔に返答する】
【同時に、目の前にいながらにして、まるで上から見下ろされているかのような感覚】
【彼女の放つそんな気配に、瞬間、眉をひそめる。相手は、この状況を遊びとしてしかとらえていないようだ】


ああ、楽ではないよ。重労働の割に、必ずしも実入りがあるとは限らない
この仕事に限ったことではあるまいが

【大男の視線は、未だ女性を眺めまわしていた】
【先ほどから感じる得体のしれない空気、眼前の相手はただものではあるまい】
【強烈な「毒」を有した怪物……そんなイメージが脳内に交錯する】
【しかし、リスクを恐れては、実入りを得ることはできない。彼女がただ傍観するというのなら】
【毒も含めて、飲み下してやる。そう考えて】


それはありがたい。お言葉に甘えよう

【大男は、音を立てて席に着く】
【巨躯の上から、彼女の顔を覗き込む。自身の空気、いやもはや殺気というべきかもしれない】
【それを日常のもののように受け流す彼女に、ますます瞳を暗く濁らせる】


ふむ、そうだな、私は……喧騒が好みだ

【言うが早いか、大男が顎が外れるかと思えるような勢いで、大きく口を空けた】
【その奥から、赤黒い何かが伸びてくる。大男の舌だ。人間のものとは思えぬ、太く長い舌】
【それが、まるで生き物のように脈打ちながら、正面に座る女性の首へと伸びていく】
【何の邪魔も入らなければ、舌は女性の首に巻きつき、締め上げようとするだろう】
844 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/04(月) 03:57:44.16 ID:U5kFR7K+0
>>842
「俺は俺でお前さんはお前さんで
どうせ俺達はそこらの奴らと比べりゃ大抵は長くねェ命なんだ
難しい事考えてるだけ損だぜ」

【カカカとよく聞こえる笑い方】
【実際はどの様に考えて居るのか――――不明では有るけれど】


『ガキで無いと言っておろうスカポンタン!
妾がガキなら汝は……うぅ……そ、そうじゃ!犬じゃ犬!』

「おう、俺だ
コイツは疑わねェから吹き込んでて楽しいんだ。ほれ、現に――――」

『ややややややっぱり食らうのではないか!
鬼畜!鬼!悪魔!なな、汝なんぞ妾が本気を出せば……!』

【本気を出しても、敵いません】
【ビクビクと震える身体を抑える事も無く、半分だけ見せる顔が睨み付けるのだろうか】


「ああ、お前さんも捕まるんじゃねェぞ
自販機に限らず、色んな奴らにな。ってコレは俺も同じか
まァ、縁があったらまた適当にぶらつこうや」

『何を悠長に話している!
さ、さっさとあの鬼畜から離れるのじゃ!』

「へいへい……」

【陣を描けば、大型のバイクが現れて】
【二人で其れに跨がった後、直ぐに辺りを爆音が包むことだろう】
【――――直ぐに遠くなれば、もう犯人達を追うことも湖南何なっている筈で】
/お疲れ様でした―!
845 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/04(月) 04:01:50.91 ID:AEk2dRXko
>>827

【この一時はきっと今後、二度と見られず、味わえない。ふと、ベイゼはソレを感じる】
【何故ならこの時から既に自分と彼女との決定的な違いと、違和感に気付いたから】
【単に悪と善の違い?否だ。違いというのは、そうそう言葉には出来ないものである】

【だから、少女が目にも留まらぬ挙動で銃を組み立て、その銃口が我が身を捉えても】
【ベイゼ・べケンプフェンはさほど驚くでもなく、元のままの表情で居て】


 Да. Я злодей. (あぁ、俺は悪人だとも)
 Я не вид и――― (私は優しくないし―――)
 Я вооружение организации. (私は機関の“兵器”でしかない。)

 Даже если я живой и Я мертвый, я убиваю.
                    .(生きていても、たとえ死んでいても、殺すだけ。)


……ソニア、狙うのなら骨で狙いのブレる可能性が有る脳幹よりも、此処だ。


【SVD――きっと少女の名の由来か何かなのだろうその銃口を、右手でゆっくりと押し上げる】
【引き金を引くだけで火を噴く口が捉えるのは女性の額。撃てば、バケモノだろうと即死する位置】


私はな、ここで八年と少し、カノッサ機関の兵器として育てられたんだ
機関のために殺し、壊し、盗み、そして戦う。私の生きる理由はそれ以上でもそれ以下でもない
それが“悪”だなんて分かってる。だがお前は、“親”が“悪”だと言われたら、素直に縁を切るか?


Я и вы конфликт друг с другом.(お前と私は相容れない)
Девушка белого снега――― (白雪の少女―――)

 ――――Натяните спусковой крючок.(引き金を引け。)


【言葉を契機に、女性の身体から分離するかのごとく、黒金を基調とした“マインド”が出現し】
【その刺々しいフォルムを踊らせて、少女の腹部へと右の拳を深く叩きこもうとする】
【一撃は近距離故に恐ろしく重く、速い。しかしながら、もし引き金を引くのならソレよりは遅い】

【不器用にも優しくなどし、撃てと言い。それでいて攻撃をするのは、彼女が“兵器”だからに相違ない】
【故に寸前で拳を止めることなど絶対にないし、手加減だって可能性は微塵も無いことは、聡い少女なら気付けるはずで―――。】
846 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/04(月) 04:08:34.33 ID:nnl2zuwFo
>>843

どんな肉屋かは……いえ、問うまでもないですか
自分に回ってこないよう祈るばかりですええ……。

【張り詰めるような空気を悟ってか周りの客は足早に去ってゆく】
【店員までも厨房へと引っ込んでもはや店としての体を成していない】

(――――――さて、ならば相応の手段で)

【あくまで優雅にカップのコーヒを飲み干して】
【長い睫毛を揺らして対面の男を見据える】

【その伸びる舌は人の物とは思えないが】
【ならば化生か、しかしながらこの状況で探求も何も無い】
【迫る舌先に対してもその瞳は恐れを抱かない】

――――――……っ!……ゲホっ……

【首に纏わり付く「ぬめり」とした感覚】
【空気を求めようにも塞がれて彼女はその場で悶えて苦しむ】
【凛とした表情など見る影もない、男にとってそれは甘美な物として映るだろうか?】

【耳鳴りのような「きぃん」という高い音が唐突に響く】
【そうまるで、彼女の危機に合わせたかのように……】
847 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/04(月) 04:18:51.88 ID:HPlYYDMxo
>>846

ああ、お察しのとおりだろうな
需要がある限り、なくなりはしない

残念ながら、今まさに、回ってきたところだよ

【舌を伸ばした状態で、平然と声を発する】
【消えていく客や、隠れる店員には、目もくれない】
【元より目を離せば、彼女がどんな反応をしてくるかわからない】
【この後に及んでコーヒーを最後まで飲める人間が、目をそらせる相手であるはずはない】


(少しも恐怖の色を見せない。やはり、ただものではあるまいな。それでこそ、高く売れるというものだ)

【微塵も揺らがない彼女の瞳に、ますます警戒心と利己心を強める】
【まずは、締め付けには成功したが、ここで止まらず、一気にたたみかけようとする】
【先ほどまでの、絵画のごとき優雅さが、自身によって失われていくことに、暗い愉悦を抱きつつ――】


……!?

【突如、なり日歩く甲高い音】
【周囲に、こんな音を立てるようなものは見当たらない】
【ならば、眼前の彼女が何かしらのアクションを起こしたと考えるべきか】
【能力の発動か、武器の起動か、別の何かか】


【大男は、椅子を倒して立ち上がり、舌を巻きつけたまま、通りに向かって飛ぼうとする】
【勢いのまま、女性を地面へ引き倒し、次の行動を制限しようという狙いだ】
848 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/04(月) 04:21:10.13 ID:HPlYYDMxo
>>847
/すみません、ミスです
/なり日歩く→鳴り響く
/に訂正でお願いします
849 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/04(月) 04:38:25.36 ID:nnl2zuwFo
>>847

――――――――っ……!

【唐突に視界は変わる】
【首が繋がった状態でジャンプなどされれば必然】
【一度宙に舞いそして地面に堕ちる】

【白亜の髪も土で煤け輝きは汚れ】
【未だ纏わり付く舌は首輪のように繋がったまま】
【息苦しさも変わらない、確実に命を縛りそして壊す】

…………っ……

【蹲るままの彼女はまるで空気を求めるようにその掌を宙に躍らせる】
【ひらひらと舞うそれは蝶のようで、繊細にしかしそれもやがて終わるのだろう……】


【変わらず耳鳴りに似た音】
【次に響くのは空気が収束するような、吸気音にも似たソレ】
【彼女を中心にして円状に現れる「陣」は同色の「白」】

【思えば「白」とは原初的な色である】
【何色にも混じりその物の色を変える、あらゆる物へと影響を及ぼす】
【「黒」とは違うがしかし塗りつぶすという意味では同じく】
【前者を「否定」とするならば「白」は「肯定」か、しかし相反するそれらの意味は入れ替わる事もあるだろう】

【即ち「否定」は「肯定」となり、「肯定」は「否定」となる】
【それならば―――――――】



――――――なるほど、それなりの力はあるようで

【嗚呼、その声色はやはり「塗りつぶす」為にある】

【高音は止み、同時に現れるのは白い幅広の「剣」】
【厳密には剣のように切っ先は研がれていないが見た目としてはそれが最も的確な表現だ】
【空を裂くように現れたそれは彼女の背後から自身を縛る舌へと放たれその接続を絶とうとするだろう】
850 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/04(月) 04:57:40.27 ID:HPlYYDMxo
>>849

【大男の巨躯による跳躍は、予想以上の効力を発揮したようだ】
【空を駆けるかのように、女性を浮かび上がらせ、そのまま地面に倒すことに成功】
【さらに汚されていく女性の純白、しかし先ほどのような愉悦はもう浮かんではこない】
【大男の耳に今も聞こえてくる、正体不明の音がそれを許さない】


(このまま、あっさり締め落とす、とはいかんだろう。何を仕掛けてくるつもりか……)

【うずくまって、手を宙にかざす、まさに絞殺される寸前に見える光景だが】
【深夜の街の空気を裂くように、響く呼吸音のような何か】
【そして、何もかも浸食し、塗りつぶさんばかりに展開していく「陣」】
【ともすれば、すべてを食らいつくさんとする「黒」よりも、よほど恐ろしいものに見える】


(また魔術師の類か何かか? こういう使い手には、縁があるらしいな)

【愚痴っぽい独白を、心中で漏らす。以前、己の右半身を焼き抉った女が使った技が、一瞬想起される】
【次の瞬間、現れる「剣」。空間を裂いたとしか見えない突然の登場。大男の舌に、なすすべはなかった】


ぐっ!

【短く漏れた声と共に、舌はあっけなく切断される。鮮血を散らして短くなった舌が、大男の口中に戻っていく】


そちらこそ、それなり以上の力がありそうじゃあないか
その芸があれば、きっと稼げるぞ

【口にする言葉は、相も変わらず己の利益】
【口元を血で染めながら、大男が次の攻撃を放つ】
【右足を横に回すように、身体を回転させての回し蹴り】
【本来なら、攻撃範囲から女性は外れた位置にいるが】
【大男の右足は、振るわれると同時に、ボコボコッ、と音を立てて膨れ上がり、先ほどの舌のように伸びた】
【作業着からはみ出した生身の足は、今や先端にゴム長靴の付いた異形の肉塊と化し】
【ムチのように、女性の左わき腹を狙って向かっていく】
851 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/04(月) 05:16:55.20 ID:nnl2zuwFo
>>850

……けほっ……もう少し弄ばれても良かったのですけどね
わたし1人の身体でもないのでさすがに抵抗させていただきました。

【締められた首まわりを撫でる、赤い痕】
【柔肌に残る感触はだけどもう無い、繋がれた首輪は自ら断った】

纏めて1つ、散らして2つ……ですか――――――――

【立ち上がり土を払い「剣」を振るう】
【残光を2つ、「剣」は2つに増えて彼女の周りで舞い踊る】

…………おやまあ随分とおかしな身体ですね

【純粋に驚嘆したのだろうが彼女は警戒して構えもしない】
【ただ周囲に「剣」を浮かせて男の変化を視るだけだ】

――――まあ真新しくはありますが、それでわたしを飼えるとは思っていないですよね?

【ピアノを弾くような小さな指の動き】
【合わせるように「剣」は動いて迫る足へと立ちふさがる】
【「剣」の腹は見た目の通り硬質で盾として用いても十分な程】

【その間に彼女は走り右掌に「剣」を掴みとり男に接近し】
【軽く袈裟に、左首筋から斜め下に切り倒そうとする】
【無論先述した通り「剣」は刃を持たない、ので切るというよりは叩き飛ばすという意味合いの方が強い】
852 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/04(月) 05:33:10.36 ID:HPlYYDMxo
>>851

お前一人の身体ではない、だと?
なんだ、同居人でもいるのかね。それは、あいさつもなしに失礼なことをしたな

【首をなでる女性に向けて、この状況とはずれた返答をする】
【続いて、飛び込んでくる光景。女性の言葉と共に、二つに増えて】
【意思を持っているかのように宙を舞い踊る「剣」】


おかしな、というなら、そちらもそうだろう
まったく、愉快な「剣」もあったものだ

【こちらの蹴りに、なんの対応も示さないことに、訝しがりつつも、肉の一撃は止めはしない】
【しかし、女性を守る従者のように舞う「剣」に、見事に蹴りを封殺された】
【勢いを乗せた蹴りも、堅牢な盾には通用しなかった】


(仕損じたか。まずいな、接近は止められそうもないっ……!)

【女性が接近してくる間に、伸びた右足を元の長さに収縮していく】
【どうにか、右足を元に戻すことはできたが、女性の袈裟がけの一閃には対処できない】
【少しでもダメージを減らそうと、こちらも盾を使う】


【大男の左首筋が、足と同じく音を立てて盛り上がり、厚い肉壁となった】
【振り下ろされる一撃、首へのダメージはどうにか軽減するが、その威力を殺しきることはかなわない】
【そのまま叩き飛ばされ、バランスを崩して後ろへと吹き飛ぶ】


うぐっ……!
ああ、この程度では無理だろうさ
なら、道具を用いてみるとするか!

【大男がうめきつつエプロンの内側に手を突っ込むと、引き出されたのは一本の肉切り包丁】
【女性の足を狙ってそれを投げつける。しかし、バランスを崩しながらの投擲だ】
【狙いは的から少しそれていた。これをしのげば、大男の隙を見いだせるだろう】
【もはや、朝も近い。この小競り合いも、終わりが見える頃合いか】
853 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/04(月) 05:52:39.38 ID:nnl2zuwFo
>>852

ええまあ似たような物ですね……
しかし生きているならば誰しも同じ事でしょう、あなた方は忘れてしまったのですか?
或いは1人きりだと思いたいのでしょうか……それはなんとも―――――――

【彼女の言葉それ自体に深い意味は無い】
【ただ問いかけるだけ、彼女自身はその問いかけの答えなど用意していない】
【例えるならば「鏡」だそれは人の姿をありのまま見せてしかし何も告げない】

【映る姿を見て何を思うかその全ては本人に委ねられている】

悲しくも……嬉しくも……なし……

【「剣」を翻し切先を揺らし】
【柔らかな口先から零す、想い】

――――だから今宵も終わらせましょう

【指揮者のように指先を踊らせ「剣」を眼前の地面に突き立てる】

……っ、この程度は「痛み」に入らない……でしょう?

【数歩で加速して、しかしその隙を射抜くように包丁が掠って血飛沫が舞う】
【白無垢には似合わない赤色は不自然に鮮やか過ぎて作り物のよう】

【「剣」の縁に足を掛けて跳ぶ、夜の黒に残す白い跡が示すのは朝焼けか】
【瞳は男へと決して逸らさないまま問いかけるのは何故か】
【解釈は全てあなたへと……】

…………っ!

【両手で握った「剣」の腹をただ力任せに振り下ろす】
【男の頭を右横から薙ぐように、意識を刈り取るように】
【存外彼女は甘い性格なのかそれとも生き死にに関わりたくないだけか】

【問うだけの彼女は答えない】
854 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/04(月) 06:10:45.17 ID:HPlYYDMxo
>>853

ハハッ、それはその通りだ
私とて、犠牲になってくれる肉の持ち主がいてこそ、この商売ができるわけだからな
一人きりと思いたい者もいるだろうが、少なくとも私は違う
一人きりでは、奪うこともできなくなるからな

【彼女の問いかけに、大男もまた、それほど深い意味などない言葉を返す】
【まるで、鏡に向かって話しているような感覚に襲われるが、それは無視する】
【期待するのは、答えよりも、自分の利益だ。鏡に映る姿がどれほど醜くとも、大した問題とは思わない】


【そして、揺らめく切っ先、こぼれおちる、宣告にも似た言葉】
【肉切り包丁は、どうにか先の一撃の意趣返しをしてくれたようだが】
【不自然なほど、白に映える鮮血の色を、目に焼き付けるほどのひまもない】
【地面に突き立てられる「剣」、さらなる攻撃に備えねばならない】


終わらせる、か
いいだろう、来るがいい。その程度では済まない痛みを刻んでやる!


【正直なところ、はったりだ。女性の変幻自在の「剣」、これ以上渡り合うには分が悪い。そう感じ始めていた】
【女性の跳躍、朝焼けを背景に、それもまた、最初に遭遇した時のような、絵画にも似た美しさ】
【なおも自分を射抜く瞳を、こちらもにらみ返す。女性の問いかけるようなまなざしに相対する暗い瞳】
【……解釈をするのは、もう少し後の話になりそうだ】


ぐがっ!!

【「剣」の堅い腹が、大男の頭を捉える。頭が揺れる。意識が飛びかかる】
【しかし、大男の濁った瞳は、まだ死んではいない。女性の問う瞳のように】
【頭をなぎ払った一撃の勢いのまま、通りの端まで走るように移動する】
【その先には、朝日も差さない闇の入り口が、路地裏へ通ずる道があった】


ク……言葉をひるがえすようで申し訳ないが、そろそろ明るくなるころだ
表通りは、やはり私には合わないな
今回は、退散させてもらうとしようか。機会があれば、いずれまた

【頭を抑えながら、大男は路地裏へ向かって駆けた】
【今回も、赤字を背負い込んだか。いや、そればかりではない】
【あの問うような瞳、あの舞い踊る「剣」……しっかりと目に焼き付けた】
【いずれ、皮算用を、しっかりと精算してやる】
【執念深い、粘つく視線を後に残し、大男は闇のなかへと消え去った】


/すみません、こちらからお願いしておいて申し訳ないですが
/そろそろ時間の限界が来そうです。強引ながら、締めとさせていただきたく
/遅くまでお付き合いいただいてありがとうございました! お疲れ様でした!
855 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/04(月) 06:24:29.64 ID:nnl2zuwFo
>>854

(相応に頑丈……やはり肉体は「普通」ではないようですね)

【手応えはあったがしかし意外にも男は耐えてみせた】
【その強さは肉体の操作によるものか、後方へと宙返り下がり「剣」を背後に備える】
【しかしその必要はなかったようだ】

……そちらは仄暗いというのに、いやだからこそ住みやすいのでしょうか
住むべき所がそこならば引き止める事もしません

【陽光はあと少しで訪れる】
【嫌うか忌むか、男は路地裏へと戻る】
【その場所が今生の住居ならば誰も咎めることはない】

それではまた、縁が合えばその時に――――――――

【「剣」は空を裂く音を残し消える】
【去りゆく彼へ宛てど無い言葉を残し】

はあ……取り零しましたか……いえ、元より掌には何もない……か

【変わらない瞳のままで小さくつぶやく】

【「鏡」はただ相対するモノを映すのみ】
【求められてただ映して誰ひとりとして「鏡」その物を見ようとはしない】
【道具からと言われればそれまでだけど、ただそればかりを繰り返して最後に朽ちるならば】

【「鏡」に何の意味があったのだろうか】

/お疲れ様でした!
856 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/04(月) 08:47:43.32 ID:IY+GH7URo
>>845

【マリンブルーの瞳が重なる、澄んだ色合いに広がるのは果てない郷愁の色】
【貴女の言葉を聴いて思った、貴女はつまり、それが普通であると教え込まれたのだと】
【それならばもう、彼女の言葉に意味は無い、ただひたすらに意識の上辺だけを撫でるのだろう】

【熱を持つ機関部、SVD――――彼女のRaumKrankheit≠ェその身を震わせる】
【貴女に銃口を押し上げられて、僅かに躊躇う、一撃で人を殺せる∴ハ置に恐怖する】
【――――そうであるのならば正義を語るなど、ただのまやかしに過ぎないのだろう】


Пуля для моего Валентина
――――Bullet for my Valentine

Моя пуля не может убить(私の銃弾は兵器なんかじゃない)


【右手の指が跳ねた、まるで黒鍵を叩くピアニストの指先、雪の中に溶けるトリガーの残照】
【火を噴く銃口――――衝撃と共に、瞬間的にものすごい風が吹くのであろう】
【銃声と共に吐き出されるのは風¥e弾ではない、暴風と言ってもよい風が吹き荒れた】

【同時に衝撃波が発生、貴女の額へ拳一つよりやや重いぐらいの衝撃が奔るだろう】
【それと同時に彼女の身体が後方へと飛ばされる、それによってマインド≠回避しようとするのだろう】
【成功したなら部屋の壁へと背中をつけて、銃口を再び、貴女へと向ける】


Я Не знаю но(分からない、けど)――――
Неправильный  неправильный(間違ってるのは間違ってる)
兵器だなんて、言わないで……ベイゼ

ベイゼが、兵器だったら
――――ソニアも、兵器になっちゃうよ


【右ひざをついた状態、スカートから零れ落ちた両脚が、肉感的なフォルムを揺らめかすと】
【琥珀色の吐息が儚い思いを添えて、やがてそれは水面に映る月のよう、しなやかに啼くのだろう】
【そうして息を整えたのなら、彼女は左手でRaumKrankheit≠フボディを触った】

【機械的な音を立てて排出される空の薬莢、地面を撫でて、コロコロと貴女の足元にまで転がっていくだろうか】
【通常の銃弾よりも数倍ほど縦に長いソレは、彼女が手を加えたものと見ても良い】
【慣れた手つきで胸元から取り出した替えの銃弾を、素早く込めなおそうとするだろう】

【いくら早いと言っても、所詮少女の早さ、攻撃する隙としては十分すぎる】
【――――でも、彼女は自分のことをも、兵器だと言った】
【卓越した銃の扱いも、躊躇なく人を撃てる精神も、そしてДрагунова=iドラグノフ)の名前も】

【きっと、貴女と同じよう、人として大切なものを失った少女達の儚い涙】
857 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/04(月) 11:08:01.69 ID:g6wPacXNo
>>856

【強い衝撃が頭部を襲う。それでも身動ぎすらしないのは、兵器としての個の強さか】
【つぅ、と裂けた額から血が溢れ、髪と同じ色が女性の顔を染めていくが、構わない】
【どこか気の強そうな顔も、やり辛そうな苦悩とも恥じらいとも付かない顔も、そこにはない】

【有るのは只々“無”―――機関員よりも冷徹な、指令一つで赤子すらも縊り殺す様な顔】


……あぁ、やっぱりお前の名前は『そういう名前』か、ソニア。
私もだ。普通のとも、お前のとも違う言語で、私の名前は“悪”と“闘い”を意味している

どうして、私がそんな偽名をお前に使ったか……本名を知らないからさ
10までの記憶が無い。10からは此処での記憶しかない。帰る場所なんてないんだ
兵器でなかったら、私は何もない10歳の童女なんだよ。だから、私から存在意義を奪わないでくれ、ソニア

――――あぁクソ、柄でもないのに、こんなセリフ。


【腹部への一撃を回避されたマインドは、しかし尚も少女を追って進んでゆく】
【そもそも事務で使われていたような部屋だ、そう広くない。自ら壁に背を預けるともなれば、尚更で】


兵器なのなら、ソニア。私を撃つのがお前の使命のはずだ。
お前の存在意義として、UNITED TRIGGERの……正義の一員として、撃たねばならない。
私はどうしようもないくらい―――Совершенная ошибка.(“完全なまでの間違い”だから。)


【黒金のマインドが、リロードという隙を晒した少女へと左の拳を下方から叩きこもうと迫る】
【僅かばかりの加減も見えない一撃だけれども、操作の主――ベイゼは一歩たりとも、机の上から動かない】

【額からの血も拭わず、少女に向けた視線も動かさず、マインドを自身と少女との遮蔽物にもせず】
【撃てば当たるような位置でじぃっとしているのは、彼女なりの何かの表現なのかもしれない】
【なにか――何なのか?それは当人にもわからないのだろう。“あんな表情”をしているのに、頬を水滴が伝っているのだから、分かっているはずもない。】
858 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/04(月) 11:38:32.91 ID:0I4Z2iNwo
邪気眼、厨二系なりきりの考察スレ
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/net/1359198993/
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/02/04(月) 17:51:11.75 ID:UKbDrhCIo
>>857

【背筋を撫でる感触、それはとても冷たい意志のようでもあった】
【呼吸をするのも躊躇うほどに、貴女のその視線が射抜くような刃に満ちていて】
【口元を静かに押し留めた、咲かない花の微かな残片のよう――――】

【僅かに表情に混じるのは間違いない恐れ≠フ色】
【それなりに死線を越えてきた彼女ですら畏怖する貴女の表情は】
【それこそ、千変万化、人を容易く殺すことができるのだろう】


ソニアだって……ソニアだって、分かんないよ――――
存在意義も、何も……ベイゼと同じ、悲しいことしか、無いから……


【彼女が次の銃弾を装填したのとほぼ同じタイミング、貴女の加減なしの一撃が襲い掛かった】
【早い、彼女の淡い表情の波に、刻まれた一閃の色が、弾ける寸前の蕾みたいにふわりと揺れた】
【間に合わない、とん、と背中に触れる壁の感触、退路を断たれた敗残兵のよう】

【銃口を下に向けたRaumKrankheit≠フ長い銃身が、つんのめるように直ぐ側の地面へと触れる】
【左手で銃身を支えて、右手を後方の引き金へとかけたまま、強く地面を蹴る】
【棒高跳びの要領、右の斜め前へと逃げる形で、マインドの攻撃を慌てて回避しようとするだろう】

【成功したなら、大きく外回りにそのスナイパーライフルをまわす、丁度、右回りの回転でその銃口を回す】
【再び右手側に構えたなら、その銃口は、貴女へと向けられているのだろう】
【本来ならば、撃つべきだ、躊躇なく――――それでも漏れるのは確かな言葉】


……うん、ベイゼは……正しいよ、ベイゼを撃たなきゃ、ソニアがソニアじゃなくなっちゃう
でもね、ベイゼ――――ソニアは、ソニアはね、帰る場所……見つけたんだ


【銃口が傾いた、地面へと落ちる砂粒のよう、一杯に孕んだ涙のよう】
【零れる傾く或いは沈む、砂漠に落ちた夜露の行方など、誰も知らないし語らない】
【右手から落ちたRaumKrankheit@獅ソて静かに音色を灯した】


酷いВысший(上官)も、意地悪なСолдат(仲間)も居ない、暖かい場所
変な人も多いけど、みんな優しい、陽だまりのような場所
――――ようやく、見つけられたんだ

間違いなんて無い、私達が生きてきた事に、間違いなんて――――
だからベイゼも……


【見つかるよ――――って、零れた】
【溢れる思いの破片が、つたない旋律にのって、胸いっぱいの思いを遂げる】
【形になんてならない、不恰好な化粧、涙に乗ってそれすらも崩れるみたいに】

【たとえ今まで生きてきたことが間違いでも、今生きてることが間違いってワケじゃないから】
【それは都合の良い言葉かもしれない、彼女は見つけたから、その帰る場所を――――】
【所詮安寧の中からかける言葉など安全地帯からみおろすかのような言葉であって】

【実際に瀕している人物でなければ、その意味など、その意味すら、分からない】
【でもそれは、分かれないと同義ではない――――少なくとも彼女は、貴女の頬を伝う雫の意味を分かっていると思うから】

【――――マリンブルーの瞳に浮かぶ頬一杯の涙を、じっと目じりに溜めていた】
860 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/04(月) 18:34:29.71 ID:g6wPacXNo
>>859

【相手が武器を取り落とし、そしておそらくは戦意まで喪失している――そんな状況】

【兵器であれば、此処は見逃さない。すぐさまマインド背後から、背骨を砕くべきのはず】
【だというのにそうはせず、まして此方まで“武器”を収めてしまうのは何故なのか】
【明らかに近接戦闘タイプのマインドが、何故二度も敵を捉えそこねた後、即座の連撃に出なかったのか】

【かつん、と机から降りたベイゼの焦げ茶のブーツが音を立てる】
【マインドを消した彼女は陽光の陰りで表情を隠しながら、やがて少女へと近づいていって】


……ソニアお前、若いな。もし今度私のような人間と会ったら、容赦はするな。

世の中には、どうにもならないことが有る。私が機関でしか生きていけないように
お前が幸運にも良い環境に恵まれて、だが尚も武器を手放すことはしないように
人間ってのは時々運命のガッチリ定められた奴が居るのさ、養殖の魚が食われる以外の結末を知らないようにな。


【そして、もし手の届く位置まで無事に行けたのなら。右手を伸ばして、少女の頭を軽く撫でようとするだろう】
【僅かばかり腰をかがめて目線を合わせ、自らの落涙に気付いても居ないように、奇怪なほど優しい笑みで】


罪神スペルビオ――カノッサ機関の総帥から、私は自分を縛る“枷”を貰ってる。
左手の薬指にはめている指輪さ。これは外れないし、仮に外れても、身体が勝手に元に戻そうとする品だ

……、…………本当ならここまで近付いて、“ベギーアデン”で終わらせるのが常なんだが
なんでだろうな、マインドが出ないや。……ソニア、帰り道は一人で行けそうか?


【ふと、ベイゼは開いた左手――黒い指輪が嫌でも目立つ左手で、首のクロスチョーカーを掴み】
【その十字架だけを取って、少女へと差し出した。金銭的価値なんてない、ありふれた十字架だ】
【けれどそれを手渡して、しかも攻撃の手を止めた上、『帰れるか』など――らしくもない】

【きっと、彼女だって少女の言わんとする事、思う所は分かるのだろう。その上で、どうにもならないと言った】
【希望や夢を語るには、ベイゼは少しだけ大人過ぎた。不器用に差し出された十字架は、僅かばかり、震えていて。】
861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/04(月) 18:57:09.85 ID:UKbDrhCIo
>>860

【ああ、ダメだ――――ってそう思った、もう、って心の中で紡いだ】
【そんな事≠言われたらそんな事≠されたら――――】

【瞳に満ちたマリンブルーが水飛沫のような波紋を浮かべたなら】
【それは辿られる翡翠のような色、零れ落ちる姿すらも知らない忘却の中に消えていきそうなぐらい】
【ぎゅって強く結んだ口元が、こじ開けられるよう、小さく震えたなら、砕け散る、彼女の枷】

【――――泣く以外、できなくなっちゃうから――――】


ソニア……えっぐ……っ……ソニア……分かんないよ……っ……
なんで……っぁ……なんで、こんな風にしか、出会えないの……っ……
寂しいよ……悔しいよ……ゃだ、ベイゼぇ……


【ぐちゃぐちゃになぞられる彼女の表情、素肌を通る大粒の涙は、零れた端から雪へと昇華しそうなほど】
【雪国に降る雨は雪にしかならなくて、雨が降った跡すらも掻き消されてしまうよう】
【けれども、今紡いでる思いは、深雪の底に沈んだって、きっと――――残って欲しいの】

【髪を撫でる貴女の手、くしゃくしゃって、くしゃくしゃって……その感覚を忘れたくなかった】
【交錯する視線が、眩しかった、貴女の優しい笑みがとっても素敵な女性のそれであったから】
【それは強かったそれは美しかった、それはそれは――――運命を受け入れても尚、それに埋没せんとする華】

【マリンブルーが苦しそうに、何度も何度も、ごしごしって涙を拭いても、拭いても消えなくて】
【溢れる思いの破片すら、辿れないぐらいに、ばって両手で顔を覆っても、指先から零れ落ちていく】
【散っていく涙の一片一片が、届かなかった思いの、言の葉の成れの果てみたいに】


……ゃだぁ……ソニア、良い、一緒が……ベイゼと、一緒が……良いの……っ
もぅ、もぅ……武器なんて、捨てるよ……戦うことも……忘れるよ
だから、お願ぃ……いさせて、側に――――怖いよ、ベイゼ……

ужасно страшно(とっても)――――……


【差し出された十字架を、彼女は拒否する、その代わりに、貴女の手を両手で握り締めようとした】
【そしてできるのなら、ぎゅって、胸元まで引き寄せて、そのまま強く、抱きしめようとするのだろう】
【そうなったのなら、貴女の肌へと、触れる、貴女の腕へと落ちる、彼女のマリンブルーの瞳の剥がれた跡】

【十字架を貰ったなら、そこで離れ離れになってしまうのだから、それならば、一生貰わなくて良い】
【貴女という存在と共にいれるのならば、漸く手に入れた帰る場所≠キらも投げ出して良い】
【身勝手で、わがままで、自分よがりな、子供の理論――――それが通じるほど、貴女は楽な立場ではないだろう】

【貴女と比べたなら、彼女は、彼女も、彼女さえ――――初雪のように淡いままなのであろう】
【指先に溶ける今年最初の雪の色、霙交じりの出来損ないの雪が、しんしんと細く、それでいて儚く、降り積もっていく】
【残雪すらも跡を残さない、在るのはただ、降ったという記憶だけの、そんな幼い幻みたいに】

【だからこそ貴女は、彼女に――――教える&K要があるのだろう】
862 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/04(月) 19:24:00.64 ID:tUJ+7+Ldo
【夜の国――霧深い墓地】

【ひとり黒色の墓標の前に立つのは、体格の良い壮年の男】
【背の中ほどまで伸びた赤毛、顎に残る無精ひげ、長い前髪で目は伺えない】
【漆黒のロングコートに黒の手袋、同色のスラックスとブーツを着用し】
【片手に煙草を、別の手に黒いバラの花束を抱えていた】

亡霊が目覚めちまったぁ、か
さぁーてぇ……俺ぁ知らねえぞい
もうあんたの物語に俺はいねえさ。好き勝手やらせろよぉ

【ばさり。花束を墓標の前に落として、紫煙をくゆらせつ踵を返し】
【その後を追うように、灰色の燐光が五線譜を型どって流れていく】
【重く響く靴音、背にした墓標の主はLacie。それは離別のような一つのシーンで】
863 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/04(月) 19:30:38.63 ID:g6wPacXNo
>>861

【返す言葉が見つからない――異邦の言葉が如何に流暢で、知能指数が高くとも】
【どこまでも計算ずくかもしれない、凶悪なまでの戦闘能力や、マインドがあっても】
【少女の情緒、感情なんて言うものは学問じゃない。それになにより、こんな事は初めてだったから】
【自分と同じような境遇で、しかも自分を気遣うなど―――頭の何処かで有り得ないと思っていたから】

【だから、遂に決壊した少女の涙はベイゼの心を直接打つ。防衛手段など持っていない】
【何とか作った笑顔だっていつしか流されてしまって、手を取られれば胸が張り裂けそうで息が詰まる】


っ……ソニ、ア?……何やってるんだ、まったく――困ったやつだな。

……なあ、私と一緒なんて言うのは、機関みたいな世界の嫌われ者になるってことだ
気持ちは……気持ちは嬉しいよ。けどな、折角手に入れた“優しい場所”なんだろう?
UNITED TRIGGERは敵さ、けど仲間っていうのがどれだけあたたかくて、大事なモノかは私も知ってる

……お前がソレを捨てるのは、絶対に駄目だ。


【手に落ちる温かくも冷たい水滴を感じながら、頭を撫でていた右手を少女の背にやる】
【わずかばかり近付いて、不器用だけれども少女を抱きしめるように。自らの、常人とは違う高い体温を知らせるように】
【寒さに慣れた少女には熱いくらいかもしれないそれは、嫌でもベイゼの存在を強調し】


ソニア、“これ”を私の代わりだと思って受け取って、そしてそのまま何も言わないで、帰ってくれないか。
もう逢えないなんてことはない―――たとえ戦場でも、また会う事はできる

……そうしてくれないと、何かが折れそうなんだ。折れたら、それはきっと“私”じゃない。


【『ソニア』――――少女の耳をくすぐるように、もう一度だけ彼女の名を呼ぶ。言葉で全て納得させられるわけもない】
【それでも別れなければいけない。それは苦しい。だから、ベイゼは少女が自分から動くのを静かに待つ】
【彼女が自らの意志で自分から離れられるように、十字架だけは持って行ってもらえるようにと願いながら】

【――――ベイゼ・べケンプフェンというのは、何処までも不器用な“兵器”だから。】
864 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/04(月) 19:53:43.92 ID:tUJ+7+Ldo
【夜の国――霧深い墓地】

【ひとり黒色の墓標の前に立つのは、体格の良い壮年の男】
【背の中ほどまで伸びた赤毛、顎に残る無精ひげ、長い前髪で目は伺えない】
【黒のトレンチコートに同色の革手袋、スラックス、革靴を着用し】
【片手に煙草を、別の手に黒いバラの花束を抱えていた】

亡霊が目覚めちまったぁ、か
さぁーてぇ……俺ぁ知らねえぞい
もうあんたの物語に俺はいねえさ。好き勝手やらせろよぉ

【ばさり。花束を墓標の前に落として、紫煙をくゆらせつ踵を返し】
【その後を追うように、灰色の燐光が五線譜を型どって流れていく】
【重く響く靴音、背にした墓標の主はLacie。それは離別のような一つのシーンで】

/>>862の修正的なサムシング
865 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/04(月) 20:02:29.13 ID:UKbDrhCIo
>>863

【分かると理解るは違う、聡明な貴女であれば、その理由さえも分かるのだろう】
【あふれ出る言葉は、そのまま奏でたならきっと、きっと貴女を困らせてしまう】
【それでも良いって思ってしまったなら、硝子の上に立てた儚い思いはわがままへと褪せる】

【紡ぐ繋ぐ言葉のその先を、見つめていたくて】

【嫌われても良い、貴女と一緒なら、世界を敵に回しても構わない】
【そんな言葉が口から零れそうになって、喉を通って音を作り上げた刹那、気づくのだろう】
【背中に沿う、貴女の手――――それはとても、熱を持った心みたいに温かくて】

【心に赤色が染まっていく、夕焼け空に染まる明日を待つ雪景色のよう、溶けながらも混ざり合う】
【それは貴女の色、尊くも気高くも美しくも儚い、貴女の燃える、情熱の色】
【いつしかソレが去って、夜が来たとしても、暁にはまた会える】


じゃぁ……しよう、約束……ベイゼ、ソニアと、約束するの……
ソニア、捨てないから、絶対に、もう――――捨てないから
だから、待ってる、ずっと……ずっと、ずっと!!


【声をあげて泣く、仮面なんて投げ捨てて、降り積もるスコールのような涙の束】
【キラキラと流れ込んでいた陽光は茜色を経て、やがて夜月へと代わっていく】
【宵月の冷たい光ですらも、貴女の温もりを消すには小さすぎた】

【いつかきっと、彼女の手に入れた優しい場所≠ノ貴女が来るように、貴女と出会えるように】
【待ち続けるなんて言葉は気休めで、明日になれば消えてしまうかもしれない、この世界は人には辛過ぎるから】
【それでも願いは口に出したなら約束へと代わって、交わしたならば誓いともなるのだろう】

【もう一度、貴女を見上げた、幼いとても、幼く可憐なマリンブルーが、溶けたみたいに】
【そこに映る貴女は例えようもなく美しくて、ずっと抱きしめられていたいって思ってしまうから】
【この一瞬すらも永遠へと果てる頃、さよならを告げる朝が来る】


любит(好き)、ソニア、今のままのベイゼが……大好き
……わがまま、ダメ、ベイゼに二度と会えなくなる……

ソニア、良い子、良い子だから……わがまま、言わないの――――

До Свидания(バイバイ)――――……ベイゼ


【自分に言い聞かせるような言葉は、そうしないと身体が動かなくなってしまうから】
【耳元に零れた彼女の名前、だから彼女はそれに答えるように貴女の名前を辿った】
【握る、十字架、握ったなら後は、掌の上で溶ける雪みたいに貴女から離れていくのだろう】

【さよならに返事はいらない、答える言葉すら、聴いてしまってはいけないのだから】
【バイオリンケースとRaumKrankheit≠サれと貴女の十字架を小さな両手に握り締めて、その場から去っていく】
【コートを纏ってマフラーを首に巻いてキャスケット帽を被って、その背中が今にも砕け散りそうなほど】

【後に残るのは冬に紛れた小春の残照、温もりと呼ぶにはあまりにも冷たい】
【零れ落ちた涙の破片が、月へと還ったなら、大粒の雪が、降り注ぎ始めるのだろう】
【悲しみも苦しみも辛さも痛みも全て、その白に塗れさせるために――――】


/お疲れ様でしたー!
866 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/02/04(月) 20:33:48.20 ID:mn38JsTN0
【UNITED TRIGGER店内────】
【一人の青年がカウンター席に腰を下ろして珈琲をすすっている。】
【黒髪に白い肌、黒いコートに身を包んだ中肉中背の青年────】
【────名は、比々野村雨と言ったか。】


事件の発生率は言っても───日本とかわんねーな。
ただ、ウヤムヤにされてるのを含めると、こっちの世界のほうがダンチなんだろうな。
大きなテロみてーなのも多いしよぉ……。
能力がある奴同士がどんぱちやってて、他の人たちがびくびくしてる………。

そんな印象。


【ずず、と珈琲啜りながらリモコン片手に、流れるニュースをじっと見ている。】
【独り言をこぼしながら、平穏なひとときを過ごす。】
867 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/04(月) 20:34:59.28 ID:g6wPacXNo
>>865

Было очень приятно.

Я был очень грустный.

Мы собираемся в какое-то
          .время если мы враги друг друга.


【彼女が――ベイゼが言葉を発したのは、涙の果ての別れ際】
【どちらも流したくて涙を流すのではない。どちらも嫌いあって別れるのではない】
【それでも譲れないものがあるという矛盾のせいで、言葉は微風に飲まれそうな掠れ声】
【けれどきっと聞こえるだろうその言葉は、無理矢理に押し通した女性の意志である】


(カノッサ機関からは、自分自身が束縛されていると分かっていても逃れられない)

(それを不幸だとか、卑屈に思ったことは一度も無い。それが全てで、人並み以上に幸せなのは確かだったからだ)
(かつてのNo.3……私をこんなふうにした奴にだって、感謝してる。)
(マインド能力も、この身体も、ああしてソニアと話せる自分の頭脳も、全部貰い物―――)


       ……あぁ、まだ涙が流せるんだな、俺は。

【ただ一人の足音が、廃墟と化した研究所に響く。ここが自らの故郷だから、だろうか】
【今日の自分はおかしいなとぼやく声の後に、瓦礫の崩れる大きな音が周囲へと木霊した】


【『―――とても楽しかった。とても悲しかった。』】
         【『もし私達が敵同士でも、いつかきっと、また会おう―――。』】


/お疲れ様でしたっ!
868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/04(月) 21:12:02.64 ID:HOZfvJY/o
【 水の国/メンゲレ小料理店・テラス 】



「…、…それにしてもアナタ、よく食べるわねェ。
 店主としたら大助かり、ダケド。…、…太っちゃうわよォ?」


…、…大丈夫。太らないし、少し太っても困らない。


【――平然として答えたのは、大凡、女性としては平均的な身長をした、十代後半の女性だ】
【ショートの黒い髪に、黒い瞳。黒のプリーツスカートに、黒のコートの黒ずくめ】
【銀色のアタッシェケースを足元に置き、胸ポケットからは菓子の箱が覗いていた】

【一方、その手に皿を持つのは――店主だろうか、細身の男≠ナある】
【中性的な見た目に、長い金髪。…、口調と仕草から察するに、『そっち系』の方だろうか】
【テーブルに山積みとされた、かつては料理を載せていた皿を見て、溜息をつき】



「――、普通、オンナは気にする…、…あぁ、デザートね。」



【――、目線で女性に、無言の要求をされた店主】
【『オンナ』としてのアドバイスの試行も虚しく、「ミー、クー、デザートよ」と店員の名を呼びながら、店の奥へ】



――、 。



【一方、残された女性は、山積みとなった料理を、黙々と食べ続ける】
【……テラス上のその様子は、通りからも『異様』な物として見受けられる事だろう】


/途中でお風呂行きますが、宜しければ
869 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/04(月) 21:22:50.64 ID:gpTSTsGO0
【路地裏】

【深い霧と闇のなか、その場には一人の男が佇んでいた。】

【やや短く切り揃えた黒髪、禍々しい光を宿す深緋色の双眸。】
【縁取るように整えられた顎髭は、峻厳な顔つきに一定の品性を与えてもいる。】
【服装は黒と紫黒色を基調とした陣羽織。両腕には同色のやや軽装の籠手。】
【そして左腰には櫻風の佩剣。薄灰色に塗り上げられたその鞘尻には、“機関” の紋章があしらわれていた。】

【地面に目を落としながらの足取りで、思案気にゆらりと口を開けば……。】


……ふむ、それなりに興は乗ったのだが……惜しむらくは脆すぎた事か。
語らう間もなくこうなってしまうとは―――――

【視線の先には消し炭の骸。恐らくはこの男の犠牲者か。】

…………実に、実に残念だよ。

埋め合わせならば幾らでも在ろうが――――― さて、一体どうしたものかな……。

【言葉とは裏腹にどこか愉しげに、男は口角を僅かに歪める。】
【そして指先から何らかの“力”を、その残骸に向けて解き放った。迸る一条の漆黒の閃光。】
【着弾点に上がる爆炎もまた、黒く―――― 黒が黒を呑み込んで、跡形もなく骸は消えた。】

 【あとに残るのは一握の灰。それすらも、風に吹かれては夜闇に溶けて……、】

【その流れゆくさまを瞳に映し、男は何を思うのか。不穏な気配を宿す双眸は、ゆるりと街の光へと向けられていた。】
870 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/04(月) 21:24:00.03 ID:hQt0SKGY0
【夜の国 廃墟】

…………くそ、何だってんだ…………
本当に、あたしゃ何をするべきなんだよ…………こうもままならないなんて、久しぶりじゃないかねぇ……!

【銀色のウェーブがかったロングヘアーに、黒のライダースーツで全身を固めた、目元をサングラスで隠す、毒々しい赤い口紅が印象的な女性が】
【人気のない、ボロボロの廃屋の中にある、生活感のない部屋のベッドに腰掛けながら、頭を抱えて考え込んでいる】

【その細い首筋には、『Canossa 616』と刻み込まれたプレートのついた、金属製の首輪がはめ込まれている】

…………このまま、駒のまんまで良いのかい……?
…………でも、それ以外に生きる道なんて…………くそ……何も、手につかないなんて、本当に久しぶりだ…………!

【いらだち紛れに、鋼鉄の義手となっているその腕を、ベッドへと叩きつける】
【ボグッと籠った音がして、マットが思いきり凹んだ】

……………………所詮、あたしに道なんて、ないのか…………?

【冷たい壁をじっと見つめながら、憔悴したように呟いた】
871 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/04(月) 21:44:23.95 ID:tUJ+7+Ldo
>>869

【ゆらりゆら振れるその歩みは、既にもう気が触れていたのかも知れなかった】
【かつ、かつ、踵の高い靴が冷えた路地の地面を小突いて、サパテアードには程遠い音階】
【躍る紅茶色の長髪。歪な相貌はブラウンのグラスに隠されていても、悍ましいまでの殺気を湛えていて】

…………機関員。ひとつふたつ、質問を良いかな
嗚呼、けれど答えはね、聞かないよ
ただ馬鹿みたいに「ハイ」か「イイエ」を言えば良い

【相手の前方より現れる、長身痩躯の若い男。体の線は服の内に軽装でも仕込んでいるのかやや確りしていて】
【留め具がわりに金鎖の輪を肩から掛けた黒いローブ姿、覗く素肌は包帯だらけで】
【右手首には櫻風の腕輪、薬指には黒蛇の痣。懐にも魔具の類を持つのか、白青の燐光が溢れていて】

【消された命の灯火、消し炭のあったその場所を、鋭いスティレットヒールで踏み付けて】
【その右手に顕現するのは一風変わった西洋風の「刀」、澄んだ「水」を既に刀身に纏い】
【魔石の多くあしらわれたそれは中世の騎士が持つ剣のような、そんな印象を抱かせる】

……「金獅子」を。キミは知っているかい

【ついと向けられる視線は、何故か相手と視線を交錯させることは無く】
872 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/04(月) 22:02:13.83 ID:t029dcpuo
>>870
【女性がマットを殴った瞬間から、ズシン、ズシンと振動が続き出した】
【それは明らかに女性の出した振動ではなく、小さな地震かの様に連続した振動は、女性の元に震源が段々と近付くにつれて大きくなっていく】

ーーーあぁ〜ん!?何処まで行きやがったんだ!!

【振動が止まると代わりに聞こえてくるのは、野太い大声】
【壁一つ挟んで向こう側から聞こえる声は、男性のそれではあるが、地響きの様に低い】

【2mを越す身長でありながら肥満体の体、赤茶の髪をモヒカンに尖らせ、頭皮には〈NO.29〉の刺青が右側に、髪を挟んで左側には逆五芒星の刺青が彫られ、顔に減り込む色付きゴーグルを掛けている】
【素肌にオーバーオールだけを着て、骨で出来た手斧を幾つもぶら下げ、背中には牛の頭を模した赤い二又槍を背負った男】
【声と振動の犯人は、そういう威圧感満載な姿をしていた】

…ったくよお!だから見張っとけっつったのによぉ!

【男は周りをキョロキョロと、ボンレスハムの様な首を捻って何かを探している、そこにいる女性には気付いていないようだ】
873 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/04(月) 22:10:16.48 ID:hQt0SKGY0
>>872

…………あぁ?

【ぼうっと壁を見つめていた女性だったが、そこに他者の存在を感じ取る】
【気の抜けた様子だった女性だが、それでもこの事態には流石に動かざるを得ない。ベッドから立ち上がる】

【――――音が響いてくる壁の前まで歩み寄ると、義手の右腕で壁をドン、ドン、と重くノックする】

…………おい、あんたナニモンだ?
……ちょっとばかり、うるさいぞ……?

【壁を隔てた相手に、そう声を掛ける女性】
【聞こえる声から、相手が男であるとは分かったが――――それでも、この場所で誰かに遭うとは想像もしていなかった】
874 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/04(月) 22:11:43.56 ID:g6wPacXNo
【水の国――大通りでも、路地裏でもない小さな通りに面したある店舗】
【その名を『竜宮』といい、なんでも先ごろ移転した工房らしい】

     『義手義足からアクセサリーまで!』
            
            『機械の精密さと人間の柔軟さで!』

【そういう広告を打ち出しているこの店はまだ営業中らしく、店内からは明かりが漏れ】
【時折、鉄か石を打つような高い音が響いていて。なんだかとても、珍しい雰囲気】
【もし誰かが扉を開ければ、暖かな空気と鈴の音が貴方を迎え入れることだろう―――。】
875 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/04(月) 22:11:55.84 ID:gpTSTsGO0
>>871

……おやおや、随分と苛烈な事だ。この善い夜には無粋とも思うが――――  
…………だが、それも悪くなかろう。歓迎するよ、見知らぬ君よ。

【有無を言わせぬ言動と殺気。身を刺すそれに目を細めて。】
【寧ろ好ましく想ったかの様に、愉しげに男は嗤っていた。】
【―――――――― “金獅子”。】
【その者への如何なる感情が、眼前の男をかくも狂わせるのか―――――】
【深まる笑みはその興味ゆえか。男は再び口を開く。】


……その者に何を望むのかね?
ともすれば、私に差し伸べられる手もあるやも知れぬが―――――

…………はてさて、何を成したものやら。

【問いかけへの直接的な返答はない。代わりに紡ぐのは別の“問い”だ。】
【――――― “何が、彼の目的なのか”。】
【どこか享楽的な態度で向けたそれは、彼と、“金獅子”との関係を問う様でもあって。】
【……「その答え次第で、協力するか否かを決める」―――― 恐らくはそういった意味なのだろう。】

【すう、とグラス越しの瞳を探る深緋色。悪辣に心を躍らせながら。】
876 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/04(月) 22:24:33.34 ID:t029dcpuo
>>873
あぁ!?

【壁を向こうから叩く音と、聞こえる声に反応して、機嫌の悪そうな声を出して、女性が向こうにいる壁に顔を向けた】
【のそりと壁に近寄り、太い指を纏めた拳で壁を叩きながら】

人に名前を聞く時はテメェから名乗るのが礼儀だろうがよ!
貴様、俺様が誰か分かってんのか!?この紋章が見えてねぇみてぇだな!

【顔を顰めて壁に怒鳴り、向こうにいる女性を同業とも知らずに威圧する】
【頭の逆五芒星を指差しながら、立場を利用した威嚇をした】

ーーーって、見えてる訳がねぇか!!バッファッファッファッファ!!

【壁を隔てているために紋章が見えないなんて事は知っていての発言だったようで、冗談めかして大笑い】
【体がでかければ声もでかい、笑い声で壁が僅かに振動しているようである】
877 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/04(月) 22:28:04.77 ID:tUJ+7+Ldo
>>875

【かくりと綺麗に傾げられた頚、舞う紅茶色は重たく重力に従って下がる】
【抜き身の刀をキツく握り締める手の紫色の爪先が、己の掌を裂いているのにも気がつかないようだ】
【相手を直視しない故に虚ろにも見える視線はその顎鬚の辺りを彷徨って、揺らぐ】

知っているかいないか。求めているのはそれだけだ
…………此方から教えることなど、何も無い
嗚呼、余裕そうで何よりだ。願わくば死ぬまでそうしていてくれ

【たたと足が縺れるかのように前方に進んでから、たんと地を蹴る音】
【長駆に似合わぬ軽やかな跳躍は地をなぞる様でいて、意外と思える程度には素早い】
【術士風の容姿。故に、こうして「間合いを詰める」というのは可笑しな事だが】

……「車軸」

【そのまま相手の胴を狙って右から左へ薙ぐ動き、先ずは刃自体の物理攻撃が襲うだろう】
【続いて「水飛沫の矢」が一つ、斬撃に追随するように右側から相手の脇腹を狙って飛来する】
【斬撃自体は小手調べ程度に軽く見切りやすいが、わざとワンテンポずらした水飛沫の矢は、相手のリズムを崩させるよう】

【刃に纏わりつく「水」の力は、腕輪と懐中のナニカから影響を受けている】
【刀身自体に含まれた魔石も、その水の力を増幅させているように見えるが】
【ならば水の力自体は魔具によって構成されたもの。「彼自身の能力」はまた、別にあるのか】
878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/04(月) 22:32:28.19 ID:hQt0SKGY0
>>876

…………そうかい
人の馴染みの家に踏み込んできて、礼儀も何もあったもんじゃないけどねぇ……!

【――――どうやらこの女性、この廃墟に縁のある人物だったらしい】
【無論、それでも女性にとっても不法侵入なのは変わらないのだが、ぞんざいな言葉で『礼儀』を詰められた事が、癇に障ったようだった】

――――――――良いじゃないか。見てやるよ……………………怪我したくなかったら、ちょっと下がってなよ…………!

【壁を隔てての会話と言うのも、まどろこしい――――女性は、そう考えた様で】
【壁の向こうの男に『下がれ』と口にすると、背中から、機械触手に繋がれた緑色の箱を持ち出した】

…………こんな壁、簡単に吹っ飛ぶだろうさ…………!

【その箱は、ランチャー――――そこから発射された小型ミサイルが、壁を吹き飛ばした】
【結果、壁には大穴が空く事となり――――問題さえなければ、そのまま互いの姿が見えるようになるだろう】
879 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/04(月) 22:35:10.70 ID:aAwxklg50
>>870

 ノックもせずに扉が開いた。
 そこに居たのはスーツの上に白衣を着た中年の女性と、タンクトップに半ズボンの棒付き飴を咥えた少女。
 女性の方は猫を撫でるような明るく、上ずった声で語りかける。

「はぁい、御機嫌よう。夜の国なんて嫌ねぇ。暗いし、寒いし、湿っぽいし。
 こんな所に住んでたら、どんな乙女でもどんどん暗くなっちゃうわよー」

「ふーん、これが『強化人間』ねー。私より断然弱そうじゃん」

 大胆不敵な少女は口から大きな丸い飴を出すとペロペロと舐めはじめた。

「初めまして、No616様?
 私は真室川野槌、カノッサの生体工学者及び能力者開発研究者よ」
880 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/04(月) 22:50:58.39 ID:t029dcpuo
>>878
モッヒヒヒヒヒ!!家ェ!?ここがか!?
いや悪い悪い!まさかここが家だとは思わなくてよ!!

【女性の口から“家”と聞き、笑いを堪えきれないとばかりに笑い出す】
【「悪い」とは言う物の、完全に馬鹿にした口調で言っていて、平手でバンバンと壁を叩いている】

【下がれと言われれば、「あぁん?」と言いながら後ろに離れて】
【次の瞬間、向こうから爆発と共に壁が砕けて、肉厚な腕を交差させて頭を守る】
【小さな破片が体に当たるが、弾力化に富んだ腹がそれをすべて弾いてしまい、ダメージは殆ど無い】

ーーーあぁん?なんだ貴様…どんな命知らずがいるかと思えば…!
貴様も機関の人間か!

【瓦礫の向こうに見える女性、彼女の首元にある所属を表す文字を見て、ゴーグルの下で目を見開き、大口を開けて叫んだ】
【双方がそうだと知らなかった、とはいえ、この男の方は女性に怒りの感情を持っているようだ】
881 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/04(月) 22:51:43.49 ID:hQt0SKGY0
/>>879
/すみません、もうロールが成立したので……またの機会と言う事で
882 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/04(月) 22:54:40.85 ID:aAwxklg50
/すいません。見落としてました!
またの機会に・・・
883 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/04(月) 22:57:17.96 ID:gpTSTsGO0
>>877


……その殺意、その愛憎。惜しい事だ――――――
…………君をならば愉しめそうだと、久方ぶりに心躍ったのだがね………。

【双眸が光を一段落として、昏い殺意を湛えだす。】
【……“惜しい事だ”と語った心情には、嘘偽りはないのだろう。尤も、其れで何が変わる訳でなく―――――】

【左腰へと落ちる男の右手が、鈍色の兇剣を抜き放つ。】
【――――――“剣”だ。櫻風の拵えではあるが、諸刃であり反りはない。】
【男は片手で居合の要領、左から右へとその刃を振り抜く。それを以て敵の刃を、上向きに弾くようにして受け流した。】

【次いで襲い来る水の矢に、男は――――】

…………フンッ!

【瞬息の斬り返しを以て迎撃を図った。所謂燕返しと呼ばれる技法。】
【同時、その剣は“黒”の、禍々しい力を纏い――――― 呪力とでも呼ぶべきそれが、触れた水飛沫の矢を蒸発させる。】
【そのまま男は剣を斬り進ませ、敵手の右の肩口へ、斜めに刃を到らせんとした。】
【だが、その一撃は如何にも“浅い”。彼は一歩強下がるだけで、その圏外に逃れ得るだろう。】

【……男の凌いだ初撃同様、恐らくはそれは“小手調べ”。】
【威力こそあるものの、防ぐも、躱すも容易な筈で――――】
884 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/04(月) 22:58:37.30 ID:hQt0SKGY0
>>880

…………まぁ、別に住んでる訳じゃないから良いけどさ…………!

【そう言いながらも、女性の眉間には微かに皺が寄っている】
【その馬鹿にした口調が、少なからず彼女の癇に障ったらしい】
【さりとて、この状況ではどうしようもないのだ――――すぐに壁をぶち抜く事になるが】

……………………ッ!?
…………なんだい、どこの馬の骨とも知らない奴かと思ったら、同じ機関の人間だったとはね…………
新しく就任したナンバーズかい?

【双方の姿を確認できるようになり、そこで女性は男の≪No.29≫の刺青に気づく】
【最初は、どこかの浮浪者かチンピラの類が入り込んできたものと思っていたが、それが同業者であるとは思っていなかった】
【相手の顔に覚えはなかった。直接会話を交わしたナンバーズなど、組織再編の後には数える程度しかない】
【――――≪No.616≫のまま、古参になった彼女独特の事情だった】
885 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/04(月) 23:01:51.53 ID:aAwxklg50
>>874

 扉を押して青年が入ってきた。
 工房の明るい雰囲気とは対照的に表情は暗い。

 そして、青年の左の袖の中は空っぽだった。

「すいませーん、義手を一つ作って欲しいんだが・・・」

 青年はどこか警戒するような声色で語りかける。

「あの・・・1つ最初に確認したいんですけど・・・。
 ここって能力で創作したりしませんよね?」
886 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/04(月) 23:09:15.42 ID:g6wPacXNo
>>885

――――はーい、いらっしゃいませ。

義手というと、左腕のですね?予算とか、形状の希望なんかはありますか?
ご要望次第ですが、店にあるものを弄ってすぐにお渡しすることもできますが……

【声と共にカウンター越しに顔を見せるのは、髪も瞳も紺か黒に近い青年だ】
【精悍な顔つきだが店主らしく、客の様子を確かめてから注文をとり】
【とりあえず座って下さいと、店の片隅にあるソファへと席を勧めて】

……一応、私の技能一つで作っていますよ。
何か理由でも?聞いたこともありませんが、能力アレルギーとか……?

【周囲には売り物――見事なアクセサリーだとか、少々の武器だとかがあり】
【全体的に蒼と白で統一された室内のデザインはモデルルームのようで、店主の対応もまた、色のごとくあっさりと。】
887 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/04(月) 23:16:36.78 ID:aAwxklg50
>>886

「ええーと、予算は・・・一応ラインアーク財団から出たボーナスが残ってから・・・。
 100万前後かねー。注文(オプション)は・・・一応日常生活に不便がない程度によく動いて、
 あとできるなら爆撃にも斬撃にも耐えられるくらい丈夫なヤツを」

 ソファにはまだ腰かけることは無く、
 ポツリポツリと注文をかけていくが。

 技能の1つ、という言葉を聞いた瞬間、
 顔色を青くしてクルリと踵を返す。

「おじゃましましたー!」
888 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/04(月) 23:17:08.53 ID:t029dcpuo
>>884
おーそうだぜ、割と新しいナンバーズ、バッファ・ロースカルビだ!覚えておきな、『616番』!
…けっ!アンダーナンバーの癖に俺様によくそんな口が利けるもんだな!
ぶっ殺されないだけ有難く思いやがれ!

【自分のナンバーは29、対して女性は616、番号が低いどころかアンダーナンバーだ】
【自分の方が位が高いと見たバッファは、相も変わらぬぞんざいな態度で、口汚く女性を罵る】

しかしアンダーナンバーは大変だなぁ!こんな汚ぇ所が家たぁな!!
どうだ?態度によっちゃ小屋の一つでも用意してやってもいいんだぜ!?バッファッファッファ!!

【元々悪い口が更に悪く、女性の事を馬鹿にして大笑い、ある意味わかりやすい悪人な性格だ】
【ーーー別に、同じ機関員だからといって仲良くしなければならない決まりはない】
【それはバッファもよくわかっているが、女性はどうだろうか】
【例えば、気に入らないという理由で攻撃しても、何ら構わないのである】
889 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/04(月) 23:17:31.80 ID:tUJ+7+Ldo
>>883

【上向きに弾かれる刀、本来ならばその力強さ故に体勢が崩れるのだろう】
【だがインパクトの瞬間に煌めいた黄緑色の燐光、水の力とは違うそれは「反発」の性質を持ち】
【上方に流される筈だった刃を、勢いを相殺させる形で空中にぴたりと止めさせ体勢は崩れず】

【そのまま数歩後退、右の肩を掠めた相手の刃に軽装備の硬さが、鋒を僅かに弾く間隔を伝えただろう】
【勿論退き続ける訳では無い、回避してすぐにまた一歩進むと同時、紅茶色の髪が上から下に残像のように舞った】
【それは、踏み込みと同時に長駆を素早く屈めたために。低い位置から放たれるのは「脚」を狙った斬撃】

【狙いは相手の機動性を削ぐことか、今度は水が追随して襲うことは無いけれど】
【屈んだ体勢。次手は後方にでも飛ぼうとするのか、また距離を詰めようとするのだろうか】
【だがそれはこの素早い男が「一時停止」している意でもある、相手の素早い居合で捉えられない間ではない】

……愛憎。全く、疲れてしまうよ

【ぽつりと囁かれる言葉。それは息もつかせぬような斬り合いの最中に零された】
【悲劇のラストシーンに希望を幻視する感覚にも似た、切り伏せれば消えてしまいそうな色】
【捨て置くも拾い上げるも相手次第、こんな狂人の言葉、間に受けることも無いのだろうが】
890 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/04(月) 23:22:28.07 ID:g6wPacXNo
>>887

100万……それだけあれば、結構いいものが作れますね
そこそこ動いて頑丈。口ぶりからすると、戦闘向けかな……?
となると―――ちょっと待って下さいね、資料にそういう素材が載ってたはず―――。

【というと、店主の青年はカウンターから店内側に出てきて、手元には数枚の紙】
【恐らくは素材などのまとめられたものなのだろう。それを読みながらソファへ向かっていたが――】

……ん?あ、ちょ―――待った!待ってくださいよお客さんっ!
“技能”ったって能力じゃなくて、僕のテクニック、技巧ですって!
道具と経験でこう、トンテンカンと……、…………――――逃がすかッ!

【踵を返し、今にも駆け出しそうな客へと走り寄って――ピッタリと肌に張り付く特殊な手袋をはめた手で】
【客の青年の肩を掴もうとし、逃がさんとする。仮にも店だ、大事な商売相手ということもあるのだろうが――。】
891 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/04(月) 23:26:38.31 ID:hQt0SKGY0
>>888

……………………ッ!

【そんな言葉は慣れていたはずだった。むしろ、昔はそんな言葉を掛けられる事が日常だったはずだ】
【しかし、今の彼女には――――その言葉は耐えがたい痛罵に感じられた】

…………ブラックハート、だ…………覚えておけ『新参者』…………

【ただ、自分の名前――――ブラックハートと、機関員としての歴の長さを仄めかすだけに止めて】

……………………今もって住んでるって言うなら、わざわざ壁をぶちぬいたり、しないさ…………!
――――お前こそ、態度に気をつけな…………あたしの上司……≪No.6≫が人体実験の材料を欲しがってるんだからねぇ…………!

【軽く皮肉で返すだけで十分――――自分の過去を思い出して、必死に自制心を働かせて】
【ブラックハートは、普段は反目し合っているはずの、直属の上司の名前を出して、男――――バッファを牽制する】
【ナンバーによってそうした態度に出るのなら、同じくナンバーによって恫喝してやれば良い。それだけの話だ】
【他力本願と、更に嘲笑が飛んでくる可能性もあるが、その時はその時だ】
【――――普段、内部の融和には意識を砕くタイプのブラックハートだったが、今回はそうした態度を見せない】
【バッファに関しては、「対等に」「穏便に」と言った態度は、付け上がられるだけだろうと判断したのかもしれない】
892 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/04(月) 23:33:40.77 ID:aAwxklg50
>>890

 ピッタリと肩を掴まれても青年はダッシュで、店を出ようとする。
 青年は涙声で叫ぶ。

「離してつかぁさい! 俺は能力者を見ると嫉妬と羨望でキチガイになるんだよ!
 それこそ便利でなんでもアリな能力なんて見せられた日には・・・え? 能力じゃない?」

 能力ではなくて技術、それを聞いた瞬間青年の表情に安堵の色が出て。
 ほぅ、とため息を吐くと青年はゆっくりと振り向く。

「ああ、技能ってそういう・・・。うん、そうか。なら良かった・・・。
 悪いね、取り乱しちまって。ちょっとめんどくさい理由でその通り能力アレルギーなんだよ」

 不自然な敬語が抜けて、弱気な色が消えると。
 青年はようやくほほ笑んだ。

「ああ、一応戦闘向けの物で頼む。
 これでも割と危ない仕事やってるからよ。
 あ、これにサインすればいいのか?」

 青年はソファに腰かけた。
893 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/04(月) 23:40:52.65 ID:g6wPacXNo
>>892

えっ、嫉妬と羨望でキチ……なにそれ怖い。あぁいや、怖いですね。
で、でもほら、ね?大丈夫ですから。僕はきちんと一から作る“技術士”ですから!
その分少しばかり作るのに時間と手間がかかりますけど――腕一本、しっかりしたものがいいですよね?

【なんて言いながら、とりあえずは逃走を阻止できたと見て一息吐き】
【室内なのに着ている不思議なレインコートからメジャーを取り出すと、右腕から大まかにサイズを計測し】

ふむ……戦闘向けとなると、何か仕込み武器のような物もつけますか?
やろうと思えば多少の属性を付与したり、刃とか短銃とか……そういうこともできますよ

勿論値段は張りますけど、属性をつければパンチ一つでも威力は上がります
武器を仕込むのは言わずもがな。他に形状とか、希望があれば今のうちに
……っと、ええそうです。『私は工匠ザクセン・シェルナと売買契約を結びます』って内容なので、サインを。

【見ていた紙の一枚をソファ前に設置されているテーブルに置き、ついでにペンも置いて】
【ザクセンは素材の一覧にチェックをつけたりしながら、対面のソファに腰掛ける。】
894 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/04(月) 23:40:53.93 ID:U5kFR7K+0

【住民も眠りはじめ、ひっそりとした街中――――】
【布に包まれた長物を肩に掛けながら歩く青年と、その後ろを着いて歩く少女が居て】


「んで、お前さんは此処で良いのか?
……何時に迎えに来いっつったっけ?」

『翌朝じゃ馬鹿者。時間何ぞ決まっておらん。妾は多忙じゃからな』


【着物を纏い、はみ出るのは狐の尾と耳。】
【馬鹿者。なんて言われれば、苦笑いを浮かべながら明るい茶色の髪を掻いて】
【如何にも軽い調子の男。ヒラヒラと手を振って少女の後ろ姿を見送るのだろう】
【――――暫くすれば、革のジャケットから一本の煙草を取り出し】


「なーにが多忙だか……。まぁ、良いけどよ
傭兵やってた時には考えもしなかったけどなァ……ンな所まで自分の脚で来るなんて事は」

【長物――――布の隙間から垣間見える中身は、恐らく槍だろうか】
【鋭い光沢。布を解けば、業物が姿を現すのだろうか】
【肺一杯に吸い込んだ紫煙を吐き出して、其れが消えゆく様を眺め】


「さってと、大先生が帰ってくるまでどうしてますかねぇ
ナンパをしようにも此処の奴らは全員寝てるみてェだしな
楽しく魔物でも狩ってるか、俺も適当に寝てるか……久しぶりにバイクでも走らせるか」

【浮かんでは消えていく、暇潰しの案】
【朝日が昇るまでまだ時間はたっぷりあって】
【ベンチに座って煙草を吹かす青年の姿。きっと、偶々通りかかった者には嘸かし暇な様に見えた事だろう】


【場所が異なり】
【ただ静寂だけが包む夜の草原――冷たい風に髪を弄らせているのは、一人の少女】
【地味ながらも上品な色合いに染められた着物を纏い、その腰には二振りの太刀。鋭い銀色の髪が不規則に月明かりを反射させていて】
【――白い吐息をすれば、静寂を破る言葉を初めて呟いた】


「次の街まではまだある程度距離があるかや
ともなれば、此処で野宿をするのが善策じゃろうか
――これだけ人気が無いところであれば、不審な輩も早々訪れんじゃろうて」

【誰に聞かせる訳でも無く、自分を納得させる為にそっと呟き】
【辺りを見渡せば、うっすらと薄化粧された草原。そして永遠と続く少女の足跡や、もっと前に通ったのであろう誰かの足跡が在るだけで】
【この寒さ。人間が野宿するには、少しばかり寒いであろうが――纏う雰囲気が告げる様に、少女は人とは異なった存在】
【近場に在った石を椅子代わりに、一振りの太刀を支えとして】


「然れど……少し歩けばもう少しマシな処があるとも聞く
さて、どうしたものかの」

【――暫しの、思考。此処で野宿する分には構わないのだが、足跡が多いことを見れば万が一と言う事もある】
【念を入れてもう少し進んだ場所にするべきか否か……】
【小難しい表情で石に座るその姿は、通行人に不信感を抱かせるであろうか】
【もしもこの場を通る者が居れば――ではあるが】
895 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/04(月) 23:50:37.06 ID:t029dcpuo
>>891
おーおー!多分覚えておいてやるぜ!
人を新参者扱いする割にアンダーナンバー留まりの奴がいるってなぁ!

【機関にいる時間が長いというのは、彼に対しては牽制にすらならない、ただばかにする材料が増えただけだ】
【その性格が体にも出ているような男は、ブラックハートにたいしてこれっぽっちも態度を改める気はなく】

No.6ぅ!?バッファッファ!そりゃすげえなぁ!
だが、貴様がNo.616なのは変わらねぇだろうが!!モヒヒヒヒ…こりゃ傑作だなあ!アンダーナンバーが上司を盾に俺様に吠えるなんてよぉ!!

【ブラックハートが更に数字の若い上司をほのめかそうと、『それとこれは別だ』と一笑に付す】
【きっとこの男は、数字の若いナンバーズ相手にも言い掛かりをつけて態度を崩さないのだろう】

ーーーまあいい、貴様、俺様の可愛いペットを見なかったか?
厚毛の可愛らしい奴なんだが…

【一しきりブラックハートを馬鹿にすると、当初の目的を思い出して問い掛ける】
【ペットとは言うが、動物らしい動物は通り掛かってはいない】
896 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/04(月) 23:52:54.65 ID:aAwxklg50
>>893

「冗談みたいに聞こえるけどマジなんだよ・・・。うん、俺もなんでこうなったかはわからねぇ」

 はぁー、と深いため息を吐く。
 そして契約書に大空 順風と記した。

「ところでアンタ・・・ザクセンっていうのか?
 珍しいな、こういう店やってるところはどこもそれっぽい能力で作ってるモンだと思ってたぜ」

 順風はすっかり落ち着きを取り戻し、
 ザクセンの持ってきた数枚の紙の資料を眺めてむむむ、と唸る。

「へぇ・・・色んなのがあるんだな。攻撃力アップの改造は・・・やめとくよ。
 それより守る力の方が欲しいな、バリアみたいな。
 無理なら・・・そうだな、ボタン一つで薬品を体にぶち込める注射器みたいなギミックつけてもらえるか?」

 順風はどうやら紙を見てもさっぱりだったようで、
 口頭で注文を付けることにしたようだ。
897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 00:01:36.71 ID:+YymwAdK0
>>889

【男の笑みが絶える事はない。殺意にぎらつく双眸は、術師風の男を見定めんとしているかの様でもある。】
【だが――――その視界から敵影が消える。】
【高低の急変化から放たれる刃は、一瞬、男の対処を遅らせて――――】

【……間に合わない。】

(………成程、確かに、好い殺意だ――――)

【左側の低空から斬られ、左脚から血が噴き出す。】
【しかしその瞬間、男は右へと半歩だけ左脚をずらしていた。】

【……その意味は、“芯を外す”程度の回避だ。脚を断割される結果だけは避けつつ、浅からぬ手傷を男は負った。】
【その代償に得られるのは、ごく僅かなラグの減少――――――】

ならば“終える”か死にたまえ、違いは今の君にも判ろう?
どちらでも私は歓迎するが…………さて、さて。

……惜しいと言ったが、嘘ではないよ。

【…………其れを過たず捉えて、垂直に剣を突き下ろす。狙いは右腕。】
【そして直後に閃光のように、迫る剣先から“黒”の劫火が延びる。】
【刀身の先触れのような其れは、一撃の炸裂するタイミングを早めていて――】
【男がただ回避せんとしたならば、その計算を狂わせる事だろう。】

【受けてしまったなら、貫かれ、そのまま地面に縫いとめられる可能性がある。】
【……それだけの殺傷力の一撃だ。攻撃後には、隙を生むのも当然か。】
898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/05(火) 00:01:45.79 ID:X+nm3jiao
>>896

ふぅん……まあ、人はそれぞれですしね。工房経営者だって十人十色ですよ?
僕の場合は偶然パトロンが見つかりまして、『竜宮』を持てるのも幸運のお陰ですからね
元はただの一技術士、能力だけで作れたら苦労ないですって。……羨ましくはありますが

……ええと、順風さんですね。改めて、ザクセンといいます。
バリアはやれないことも無いですし、注射器程度なら……任せて下さい。

【さっ、さっ、と手元の紙にいくつかのメモを取って、自分で勝手に頷くザクセン】
【少しばかりビジネスライクだが、好青年という言葉が似合いそうで】

【――黒いラジオからながれる静かな音楽が、暫しの時を紡ぐ】
【やがてザクセンは材料などを割り出したらしく、手書きながら見積もり書を出して】
【そこに書いてある数字は「¥800,000」というもの。少々高額だが――】


【さて、もし青年がそれでいいと言うのなら、舞台は二週間後の店内に移るだろう】
【その日は義手の受け渡しの日。Noであれば、また別だが―――?】
899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 00:04:03.31 ID:7XrTwfxD0
>>895

……………………ッ
(この野郎…………なんでこんなのがナンバーズなんだ…………ぁ!
なぁ、パッション・プレイ支部長…………あんたの言葉が、虚しくなるようじゃないですかい…………)

【更なる失礼な言葉の連続に、思わず口元が引き攣るブラックハート】
【そんな中思い出すのは――――今は無くなった権力である『支部長』の、その座にアンダーナンバーでありながら就任し】
【そしてナンバーズを従えて見せた、かつての上司の言葉だった】
【「ナンバーをたてに自分が偉いなどと言う奴は、始めから自分がザコだと言っている様なものです」――――――――】

…………空いたスペースに、空手で収まった分際でのたまうんじゃないよ…………まともに手柄も上げてない、ナンバー無くせばただのザコがさぁ……!

【売り言葉に買い言葉――――ここまで来たからには、そうした形で応じても良いだろう】
【――――かれこれ5年間、ブラックハートは機関の一員として戦い続けてきたのだ】
【単にナンバーを獲得した頃から逆算しても、もう2年になる。その間、戦い続けて踏破した戦場は少なくない】
【――――組織の貢献度では、確実に上だと、ブラックハートは冷笑する】 

…………さぁねぇ…………!
動物なんざ、あたしゃ見てないよ…………少なくともこの部屋には、ねぇ……?

【ともあれ、まともな問いにはまともに答えねばならないだろう】
【『ペット』と言うだけで、それが犬なのか猫なのか、聞いてはいないが……しかしともあれ、ブラックハートは何の姿も見ていなかった】
900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 00:10:55.58 ID:r6N9ISg70
>>898

「ははは、そりゃそうか。ザクセンは職人気質だな」

 順風はカラカラと笑う。
 無能力者でもノーマルでも、その方面の才能(能力)を持った奴に対抗しうる。
 少なくともザクセンは頑張っている。

 そんな事実が順風には嬉しかった。

「ああ、頼むぜ。バリアってのは別に削ってもいいから、丈夫で、よく動いて、注射器付きの奴を頼む」

 80万という、額に一瞬躊躇いながらも。
 順風はサラサラと契約書に自分の名前と口座番号を記した。
901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/05(火) 00:17:26.18 ID:X+nm3jiao
>>900

えぇ、まあ。物づくりに関しては、そうそう負けてやりはしませんよ
これでも世界一を目指してるんです――ま、夢はどうにも遠そうですけどね

【それでは――というと、契約書を受け取って、約束の期日を伝える】
【作るのには暫しの時間がかかるということだろう。そして、二週間の時が流れ―――】


――で、つまりですね、コレを動かしてるのは微弱な火属性というわけです
人肌並みの温かさや柔らかさ、機動も保証しますし、メンテナンスは壊れた時だけで半永久的に動くはずでして

ただし、あまり酷使すると爆発します。火属性ですから。……気をつけてくださいね?

【なんて、面倒な説明の途中だった。ザクセンが作り上げ、取り付けた腕の説明はというと、こうだ】


【ザクセンが作り上げた義手は、見たところでは至って普通の腕なのだが】
【手首に赤、白、黒の三つのボタンがあり、それによって機能が変わるという】

【赤は、希望していた“バリア”の機能。手の甲、腕の外側とでもいう場所が変形、白銀の盾に変わるのである】
【これは物理的な硬度もあって攻撃を受け流したり、少々であれば爆発なども防げる便利なもので】
【義手であるため自分自身に強い負担がかかるという事を除けば、概ね使いやすいものだろう】

【次に白。コレを押すと掌から注射の針が暗殺者のナイフのように出現する、という機能】
【最後の黒は点検用の“全機能開放モード”であり、盾も注射器も全て開く機能を持つ】
【注射器の中身が切れるだとかした場合は、この状態で補充すれば良い―――そんな説明を、技術士は最後にして】

【しっかりと動くかどうか、順風へ試して見るようにと言ってみる。】
902 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 00:26:15.79 ID:aat4zGUJo
>>897

【跳ね飛んだ血潮をぼんやり見ている様が、心ここに有らずとも言えるよう】
【だから、相手が敢えて肉を切らせた意味、それを解するにも少し時間が要った】
【色濃いグラスの奥の不揃いな瞳孔が揺らぐ、不意をつかれたとはこの事だろう】

【鋒より早いその黒い劫火、それに「反発」の能力を使うタイミングが明らかに狂わされた】
【右腕。肩先の辺りから思い切り貫かれて、痛みよりも焼け付く感覚に押し殺した悲鳴が上がり】
【地に縫い止められて動けない、その咄嗟の瞬間に男の取った行動は、矢張り正常のそれではなかった】

【攻撃後の相手のラグ。それが救いでもあり生殺しの結果を呼ぶとも言えた、どちらでも艱難に変わりはないが】
【左手で貫かれた先の辛うじて刀を持つ手首を握りしめて思い切り後方に引く、そう、余りにも無理矢理に】
【当然、記すにも曖昧な程度に抑えたい音が上がり、相手の刃には確かに腕を断裂した感触が残るだろう】

……ッ!! 

(よりにも、よって……此方の腕、とは……!!)

【焼け付くような痛みとそれ以上に痛覚を揺さぶる感覚に、真っ赤なシグナルが視界で明滅する】
【ぐらぐらと揺れる躰、それでも後退する間際に思い切り相手の鳩尾目掛け鋭い蹴りを放つ】
【重さで言えばそうでもない、問題はその踵。鋭いヒールが、服の下の防御が緩ければ肉を抉るだろうか】

【蹴りを放った反動で後方に倒れかける躰、それも無理やり黄緑の燐光を炸裂させて相殺し】
【辛うじて立つ姿。右肩から先はぼたぼたと血を零し、左手には刀を握ったまま硬直した右腕を持って】
【追撃も簡単だろう、だが彼の躰全体を包み始める黄緑の燐光、その性質は何であったか――?】
903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/05(火) 00:28:27.19 ID:A06+SidCo
>>899
言うねぇ、アンダーナンバーが!
貴様はどうあれ、アンダーナンバーはアンダーナンバーだろうが!口を慎めよクソアマ!
…その小さな頭で考えてみろ、何故俺様は貴様より新参でありながら上の数字だ!?

【ブラックハートにとって、ナンバーズの数字には何らかの誇りのような物があるのかもしれない、だがこの男は違う】
【自身の持つ数字に誇りや想いなどはない、数字はただ権力を表すだけの道具に過ぎない、自分の力をわかりやすく表現する手段に過ぎない】
【手頃な瓦礫の欠片ーーーといっても掌サイズはあるーーーを右手で拾い上げ、顔の高さに持ってくる】

ーーーそれに値する力が認められてるって事なんだよ…!!
それが理解出来ねぇんじゃ、その立場も納得だな!

貴様がいくら戦ってこようと、その数字が表してんじゃねえのか!?
俺様がただ、空いた数字の埋め合わせだけでいるとでも!?寝言は寝て言うもんだぜ!!

【手に持った瓦礫を握り潰し、砕けた欠片を落としながら、バッファは言い返す】
【貢献の違いは確かにあるが、そんな物は関係ないと、自分の力に絶対の自信を持つバッファは言う】
【『29の数字を持つのは相応しい力が自分にあるからだ』と、自惚れに近い感情が心を巡る】

…ちぃ!アンダーナンバーは役にたたねぇなぁ!

【…完全な言い掛かりだ、ただの問い掛けに正直に答えただけのブラックハートに、言われの無い暴言すら吐く】
【ふと、バッファは背後を振り向いた、首が太く回らない為、体も回して、ほぼ体そのものを後ろに向ける形となる】
904 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 00:32:52.75 ID:r6N9ISg70
>>901

【二週間後】

「ほー」

 順風はザクセンの説明を受けながら、
 指を握ったり開いたりしていた。

「これが、盾・・・うおう!」

 パシュン、と義手が変形し、扇状の盾に変形した腕をまじまじと見つめていた。

「んでこれ・・・もう一回押すと元に戻るのか。
 なるほどね、体温まで再現できるとはスゲーな」

 押し込むタイプだから寝てる間に暴発とかもしなさそうだな、と順風は笑った。

「なるほど、注射器の中身はこうやっていれるのか」

 全機能解放ボタンを押して、露わになった空のガラス管を外し、まじまじと見つめる。

「ああ、いい感じだ。これなら箸もフォークも持てそうだな。
 ザクセンはいい仕事してるな」

 手首を手招きするように前後に動かしながら。
 順風は満足したように笑った。
905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/05(火) 00:39:49.11 ID:X+nm3jiao
>>904

【新たな腕――その機能を確かめる順風の姿を、ザクセンは少し楽しそうに見つめる】
【自らの作品が認められる感覚というのは、子供が親や教師にほめられるのに似ているが】
【彼はそういうことから次の活力を得ていくタイプなのだろう。順風の笑顔に、頷いて】

多分、普通に暮らす分には全く問題がないはずです
気をつけるべきは……なんどでも言いますが、壊して爆発したら終わりってことですからね?

……御代金分の仕事はします。信頼第一、技術は第二ですからね
あ、ところでその、もし知り合いとかでアクセサリーだとかを欲しがってる人がいたら、その……
いや、僕もやっぱり工房が有るとはいえ場末の人間でして―――ねぇ?

【なんて、最後には宣伝もしてくれないかと歳相応らしいこともひっそりお願いして。】
906 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 00:47:24.66 ID:7XrTwfxD0
>>903

…………っ、何故だって?
そうすりゃ喜んで『尻尾振ってくれる』って、上も分かってるからじゃねぇか……!?
数字の上下しか見てないお前なら、適当にそれっぽく言ってやれば満足だろうからねぇ……!

【――――殺意に似た何かが、ブラックハートの内に目覚める】
【そう、あの時の感覚だ――――狂熱と冷酷。それが同時に目覚めて、冷たく燃える】
【「所詮、お前は数字だけ。だからそうやって一々ナンバーを持ち出す」と、ブラックハートは吐き出す】

(――――――――っ、所詮…………その程度…………?)

【そうやって、熱い視線と冷たい視線を同時に持ち合わせた時、その冷たさが、不意に気に掛かる】
【『その程度』で済ませられる相手――――確かに自分はそう判断した】
【本当にそうなら――――――――】

…………あぁ、そうかい…………!
そいつはあたしの見誤りだったねぇ…………どうぞ実力で示して下さいな……!
(…………早晩、こんな奴は落ちてくだろうねぇ…………)

【――――適当にあしらってしまった方が、得策だ】
【こう言う相手は、それこそ正面からぶつかるより、腹に一物を抱えるくらいの態度で接した方が伍し易い】
【それに、この調子で機関内でトラブルを起こして行くなら、いずれ自分以外の誰かの怒りも買うだろう】
【――――只でさえ危ない立場の自分が、率先してトリガーの役割を担う事も無い】

(…………ちょいとその器、試してやろうじゃないか……!)

【それでも――――背を向けるバッファに、ブラックハートの悪戯心が疼いた】
【右手で、ライダースーツをまさぐりながら】

――――役に立たない『雌豚』で、申し訳ありませんでしたねぇ…………!

【慇懃無礼に、吐き捨てるような言葉】
【無論、『雌豚』などと――――わざと『豚』と言うワードを使ったのは、誘い文句だ】
【これで怒りを発するようなら、後はどうとでもなる。「先に突っかかってきたのは向こうだ」と言う、口実すら生まれる】
【――――そこら辺を見越して、敢えて無視をしてくるなら、それも良し――――口先だけではないと言う、その証明にもなるだろう】
907 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 00:50:43.12 ID:r6N9ISg70
>>905

「・・・爆発は、どうなんだろうな。
 正直またお世話になるかもしれねーな」

 自分の身体同様荒っぽい使い方をするのだろう。
 この新しい左腕も、なかなか受難が続きそうである。

 そして最後のさっきまでとは打って変わった願いに、順風はプッと噴き出して。

「ああ、わかってるよ。
 そういうのが欲しそうな奴が居たら、水の国に腕のいい職人が居るって伝えるさ」

 順風はさてと、と立ち上がり。
 扉を開けた。

「じゃーな、ありがとうよザクセン。足が吹っ飛んだらまた来るよ」

 カランカランと、扉を開けて順風は店を出る。


「にしても」

 順風は新しい自分の腕を見て、ポツリと呟く。

「ギミックの仕込まれた義手に、キチガイ能力・・・最近の俺はどんどん人間離れしてくな」

 晩冬の青く澄んだ大空に、
 一筋の白い飛行機雲が走っていた。


/これにて〆させていただきます、乙でした&ありがとうございました!
908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [saga]:2013/02/05(火) 00:56:55.80 ID:X+nm3jiao
>>907

うーん……まあ、仕事を請け負う側としては嬉しいですが
命だけはどうぞお大事に。それをなくしちゃ、元も子もないですからね?
それに義手って言ったって腕なんですから―――おねがいしますよっ。

【ふふっ、と笑い返してから、青年の了承の言葉に念押しして】
【やがて去っていく彼を見送ったザクセンは、店内に戻り】

……無茶する人だ、本当に脚も作ることになったりして。

(それよりも……能力、やっぱり言わなくてよかった)
(嘘じゃないとはいえ、僕は無能力者というわけじゃない……ああいう人も居る)
(カノッサ機関が全て悪の人員じゃないのと同じように―――難しいな。)

【またトン、テン、カン。という小気味よい音が、静かに街へと響いていった―――。】

/お疲れ様でしたー!
909 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/05(火) 01:13:12.92 ID:A06+SidCo
>>906
ーーーああ、そうだそうだ、確かアンダーナンバーになる条件はいくつかあったな
その一つが機関への反抗精神、命令に従う事も出来ない出来損ないだ

【後方確認が終わったバッファは、腹を揺らしながら振り向いて、わざとらしく思い出したように言う】

機関にいるくせに命令には従わない、そんなチンピラ崩れはアンダーナンバーにしかなれねぇんだった、なぁ!?
ナンバーを持ち出したのは貴様も同じだろ?頼みの上司はもういいのか!?

【バッファは、ブラックハートがアンダーナンバーでいる理由を適当に予測して、そこをついた嫌味を言う事にした】
【続く別の嫌味も、確かにブラックハートが言った言葉を嫌らしく武器にして】

…モヒヒヒヒ!そうだよ!その態度だ!そんなんだから貴様はアンダーナンバー留まりなんだよ!
それにな、それすら貴様は中途半端じゃねぇか!今貴様は俺様に対してキレてる筈だ、そうなるように言ってんだからな!!

…なのに、わざわざ背中を見せてまでやったのに、それでも攻撃の一つねぇなんてな!とんだヘタレだぜ!
自分から吹っ掛けてとやかく言われんのが怖ぇか!?今更!?
ケッ!犬みてぇに吠えてんじゃねぇよアンダーナンバーが!やってらんねぇぜ!!

【顔に減り込むゴーグルに、更に眉間の肉が乗っかるまでシワをよせて、まるで今まで試していたかのような口ぶりで言い放つと】
【ブラックハートに背中を向け、ノシノシと歩いていく】


【ーーー当然、大人しく帰ったわけでは無い】
【ある程度距離が開くと、いきなり振り向きながら右手に手斧を取り、ブラックハートに向けて投げ付けるだろう】
【手斧は生物の骨で出来た物だが、その硬度は鉄のそれに負けない硬度があり、バッファ自身の贅力もあって、かなりの威力がある】
910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 01:15:37.77 ID:+YymwAdK0
>>902

【刃が肉を貫く感触。そして地に縫い止める硬質な手応え――――】

(―――――――…………何…………!)

【……それに対しての異常な挙動は、地に刃をとられた男にとっても意外なものだった。】
【その状況が災いする。自らの肉を引き裂いて逃れる腕から、引き抜いて切り返す刃も構えきれない。】


【男は反射的に左脚で一歩後退するも、右脚が文字通りに足を引く。結果、男は斜めに、反時計回りに身体を傾け―――】
【衝撃が鋭いヒールをめり込ませ、抉り取るように肉を穿った。陣羽織の下は生身の身体。】
【……だが、如何に急所を狙おうとも。 それは、未だ致命的なものでなく――――】

…………洗練か、いや…………君は寧ろ獣のそれだな。
刹那とて生かしておけぬのだろう?

その律動が、“金獅子”とやらに抱く憎悪が、何処から来るものであるのか―――――

【口の端から血を零しながらも、爛々と深緋色の瞳に耀く殺意。】
【……深手を負ったのは確かだった。だが、それがどうしたというのだろう?】
【眼前にはかくも素晴らしき歌がある。ならば、それを味あわずには居られなかった。】


…………その断末魔(うた)で教えてくれたまえ。骸とて、残りはしないのだろうから―――――

【ぎちり、と右手が軋みをあげる。振り上げた刃を中心に、今一度集い渦を巻く“黒”――――――これまでにない規模の発動。】
【……同時に、男は、自らの背後に、斜めに、気取られぬ様に左手を構える。】
【その掌にもまた、黒き呪力が渦を巻いて。】
【容易く視える巨大な力の陰で、それは、“二段目”を紡ぐ様で―――――】

【…………だが、未だ攻撃には移らない。ゆえに、あらゆる権利は術師風の男にあった。】

【この状況でどうするのかを、男は、敵手の判断に求める。】
【それはさながら敵の殺意を、問いかけ、確かめている様でもあって――――――】
911 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟・東北) [sage]:2013/02/05(火) 01:22:22.18 ID:YRI6dByAO
>>910
/「…………その断末魔で」以下のセリフの前に、以下の一文を補完お願いします。

【男は、地より引き抜いた刃を高く、真上に、垂直に掲げる。さながら死を宣告する処刑刀のように。】
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 01:31:15.06 ID:7XrTwfxD0
>>909

(…………馬鹿が、とんだ事実誤認…………あたしがアンダーなのは『そうじゃねぇ』んだよ……!)

【嗤ってやれ――――それが出来る内は余裕が残る――――】
【あからさまな嫌味を返されたが、ブラックハートは己を制御する。ただ間違った事を好きに言いふらす滑稽な相手を、心のなかで嘲笑する事によって】

…………クッ、フフフッ……あぁ、誰がいつ命令に逆らったって?
そもそもそんな奴が、機関の中に居られる訳ねぇだろ…………少しは考えて喋りな…………!
……お前の頭には、汚物でも詰まってんのか……?

【――――命を握られているブラックハートが、機関に対してそうそう命令無視など、出来る筈がない】
【そもそも、命令無視をするような人間なら、ナンバーを与えられる事も無く、粛清されるだけだろう】
【その蒙昧な言葉を、ブラックハートは哂う。内心の煮えたぎりを覆い隠す様に】

――――――――――あぁ、なんだ…………お前死にたいのか…………そいつは済まなかったねぇ…………!!

【――――この期に及んで、結局口にするはナンバー】
【向けた水を看過したのは少々意外だったが、それでもそうした態度の中には、重さなど見えるはずもない】
【むしろ、向こうが攻撃してこない事を理由に嗤うなら、攻撃しても構わないだろう】
【――――もっとも、それに足る理由が無ければ、こちらから手を出す訳にはいかないのだが――――】

――――――――――――――――ッ!!

【水を向けた事さえ無駄だったか――――そう思った矢先の事だった。投擲された斧が飛びかかってきたのは】
【ブラックハートの口元に、微かな笑みが浮かんだ。これなら、多少のやり過ぎも言い訳が効くと言うものだ】
【――――鋼鉄の義手である右腕が、その斧を弾き飛ばす】
【いつの間にか、その右腕は赤く赤熱しており――――強烈な熱を纏っている事が分かるだろう】

…………なんだ、所詮正面切って何もできないゴミか…………おまけにこんな私事で、武器を飛ばしてくるとはねぇ…………!
――――恥を知りな、ブタ野郎…………口だけのお飾りナンバーが……! ナンバー無くせばただのザコって言ったが、お前はザコですらないな……!
ナンバーが無くても、あたしは精鋭だ…………ナンバーの無いお前に、何ができるんだ…………この程度しか出来なくてさぁ……!

【――――まだだ。まだこの程度では、この場で始末するに足る理由にはならない】
【だが――――ブラックハートのサングラス、そこに隠されているはずの目が、赤く光を放つ】
【――――サイボーグであるブラックハートの目は、カメラになっている――――自分に不意打ちで武器を放ってきたその姿は、既に撮影済みだ】
【リンチでは済まないのなら、正当な手続きによって、バッファを苦しめてやる――――陰険な手に出る事も、ブラックハートは辞さなかった】
913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/05(火) 01:32:08.23 ID:aat4zGUJo
>>910

……生温いのは。お互い様か

【一言。ただそれだけでくつりと哂う表情は、何を見ているとも知れない】
【問い掛ける時間など要らないのに、こんなイカれた男に確かめる腹の中など、ありもしないだろうに】

【(関わりを問わず斬りかかった理由。「金獅子」狙いで辻斬りをする男がいるとでも騒ぎになればいい、その程度)】
【(世の中には自分よりも周囲の人間が苦しめられることを厭う者もいる、例えばこういう生温い男もそうだといえるが)】

【そして、この状況でどうするか。簡単だ、「わざと」格好の的のまま動かないでいる】
【放たれるだろう相手の攻撃が強大であればある程、この「反発」の魔力が手痛いしっぺ返しを食らわせる】
【それでも此方のダメージがゼロになる訳では無い、後方に跳ね飛ばされるのだろう刹那、哂う口元だけが奇妙で】

【攻撃がなければ相手の言葉なりを聞くだけで、荒げた息は返答もなく。結果としては同じだ】
【切り落とされた右腕、そこにのたうつ黒蛇の痣が煌いて。数瞬の後に男の姿は掻き消える】
【夜に濁点を落とすような邂逅。相手にはただ不穏さだけを残すそれは、雲の狭間に隠れてしまう流星とも似ていた】

/この辺りで失礼します、有難う御座いました!
914 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/05(火) 01:56:09.86 ID:A06+SidCo
>>912
【不意をついて投げた筈だったが、不意打ちにすらなっていなかった攻撃、弾かれた斧は回転しながら上にホップし、ブラックハートを飛び越えていく】
【意外にも、にやりとした笑みを浮かべたバッファは、しっかりとブラックハートに向き直る】

…それで?貴様はその豚野郎に吠える事しか出来ないのか?折角やりやすいようにこっちから手を出してやったのによ!
まさか、この後に及んで『私は手を出してない』なんて言い訳を作るつもりか?バッファッファッファ!まさかな!そこまで貴様も馬鹿じゃあねえよなぁ!!

…なあブラックハート、貴様が何を考えているかわからねぇがな、大きな勘違いをしてるのはお互い様だぜ
貴様はカノッサ機関を民間企業かなんかと取り違えてんじゃねぇのか!?
『皆並んで仲良しこよし』じゃねぇ!『食うか食われるか』なんだぜ機関ってえのはよ!!
『私は抵抗して無いのに相手から』なんて甘っちょろい考えが通用するとでも本気で思ってんのか!?もしそうならとんだ大馬鹿物だぜ!機関にそんな人間がいたなんてな!!

【ーーーバッファは、彼自身もブラックハートと同じように、相手が気に入らないのだ】
【ただ、ブラックハートはそんな感情を押し[ピーーー]のに対してバッファはそうしてないだけ、それくらいの違いだ】

【ブラックハートの目論見はバッファに知られていない、しかしそれを見透かしたように、バッファの機関論≠ヘ続く】
【極悪人がそろう組織に協調性や正当性など、求める方が間違い、気に入らなければ力でねじ伏せろーーー】
【友情、信頼、愛情…そんなものはあり得ない、ある筈がない、ただ欲望のままに、混沌をーーーそれがカノッサ機関だと】
【ある意味非常にカノッサ機関らしい考えのバッファは、確かにその通りに行動する】

貴様が抵抗したくねぇってんならそれでもいいぜ!俺様は続けるだけだ!!
それともこりゃ的宛ゲームか!?

【今度は両手で、手斧を持つと、次々にブラックハートに投げ付ける】
【大量に投げ付ける斧は、しかし狙いはそれほど正確ではない、ただ、沢山の斧のいくつかに、ぬるりとした液体≠滴らせる物があるが】

/すみません、お風呂入ってくるので次レス遅れます
915 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 02:10:38.57 ID:+YymwAdK0
>>913

【術師風の男の行動。殺意を向けるでなく、ただ、「反射」の力を纏い続ける――――】
【……理知的であり、同時に男には最も都合が悪い行動。】

【…………戦術として。そして何より、楽しめぬという意味で。後者はひどく個人的で、卑小ともいえるものだったが……。】

………………。

【男の顔からは笑みが抜け落ちた。その顔は今や幽鬼の如く、峻厳な印象ばかりが残るだろうか。】
【そして興醒めとばかりに剣を下ろして、血塗れの刃を軽く振るった。】
【……敵手が去ろうとも追撃はない。黒の呪力は霧散する。何を砕く事もなく、軽く。】



……無駄を嫌うのが、であろうよ。
まあいい―――――……踊らせるのか、踊るのか。いずれもまた一興だ……。


【不機嫌な声。己の欲を満たせず、手掛りすら得られなかった事が不満なような。】
【……「二重の策をも越えたのならば、この命を渡そうとも良かったのだが」―――――】
【今となっては詮無い事だ。そう語る内心の思考は、どこか拗ねた様でもあって。】

【後日、男の配下が噂を流すのかもしれない。】
【……「術師風の男が、“金獅子”を求めて辻斬りを行っている」―――――】
【恐らくは繰り返されるその凶行。相手が機関員とはいえ、民の警戒を引くには十分だろう。】

【水面に投げたひとつの小石。それは、それが、今宵斬り合ったあの男へと……いつか、到らせる事を願う様でもあった。】

/お疲れ様でした。ありがとうございましたー!
916 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 02:29:21.91 ID:7XrTwfxD0
>>914

――――勘違いしてるのは貴様だ豚野郎!!
やっぱりお前に、ナンバーなんざ過ぎた身分だったようだねぇ!!

【とうとう、感情を押し殺す事もせず、ブラックハートは吼える】
【同時に、顔に掛けていたサングラスを、右腕で弾き飛ばす――――そこには、1対のカメラが鎮座していた】

「『皆並んで仲良しこよし』じゃねぇ!」か…………馬鹿が!
『協調性なし』『独断の暴力』いやそれどころか『反逆の恐れあり』…………!!
こいつは上に、いや機関全体に報告させてもらうよ、チンピラが…………!!
確かに民間企業じゃないけどねぇ……!! けど、『組織体』が仲間内で足並みを乱す人間を、放っておく訳が無いだろ!?
誰でも良いから力でねじ伏せたいって言うなら、始めから機関なんかに阿ってんじゃないよ!!

【――――バッファの言う事は、大きく間違っている】
【確かに正当性や良心の様なものを謳うのは、『カノッサ機関と言う組織』においては、筋違いとも言えるだろう】
【だが――――そもそも「他者と集まり同じ目的を共有する事」が『組織』なのだ。そして組織にあっては、異物は排除されるのが道理】
【いや、それ以前に『機関』と言う集まりそのものが、粛清や抹殺を行う組織である以上、そこにはルールが存在する】
【そうした中にあって、仲間を意味も無く攻撃する様な人間が――――その無法を許されるはずもない】
【カノッサ機関にも、階級や命令系統――――そして罰則と、れっきとしたルールは存在するのだ】

――――こいつを持ち帰れば、誰もお前の命令なんざに従わないし、上はお前を確実に処罰するだろうさ……!!
それがお前の行く末さ…………お前のした事は、必ず償わせてやるさ…………『カノッサ機関』の名の下になぁ!!!

【それだけ言うと、ブラックハートは背中に残していたランチャーを、窓へと放って周囲の枠ごと吹き飛ばす】
【それを終えると、もはやバッファの方を顧みようともせずに、外へと飛び出す】
【背中のランチャーは格納し、そこから飛び出すのは4本の機械鎌。これを用いて自分に向かってくる斧を弾く】
【――――この場での決着に、ブラックハートが拘るつもりは、無くなったようだ】
【むしろ――――『機関』の足を引っ張りかねない愚物を、全体に伝えて排除する事――――内部の和や士気を重んじるブラックハートは、それを第一と考えた】

/了解です
/が……そろそろ時間的にヤバいです
917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/05(火) 02:47:03.09 ID:A06+SidCo
>>916
…く、くっくっく……

【自分の攻撃が弾かれるのを見て、ブラックハートから自分の立場を怪しくさせる警告を告げられてまで】
【だというのに、バッファは、この男は、それがおかしくてならないとでもいうかのように、笑い出す】

バーーッファッファッファッファッファッファッファ!!
貴様、何を言い出すかと思えばよりにもよってそんな馬鹿な事を!!
よりにもよって機関が何なのかわかってないようだな!それとも貴様が入った当時はそうだったのか!?だとしたら老害甚だしいわ!
よくもまあ、アンダーナンバーの分際で俺様に説教を垂れる気になった物だ、そこは褒めてやろう

やってみるがいいさアンダーナンバー、だがどうだ?こう考える事も出来ないか?
『No.616はナンバーズとアンダーナンバーの意見の食い違いから産まれたいざこざ程度を自分では解決出来ない』と
こんなもんはただの喧嘩だ!違うか?貴様は違うと言っても他からはそう見られるだろうよ!
精々味方増やしに精を出せよアンダーナンバー!力が無いならそれも仕方ねぇからな!!

【去り行くブラックハートに、いつまでもそれらしい罵声を浴びせ続けて、その姿が見えなくなると舌打ちをする】

…ちっ!余計な時間を喰っちまったぜ
『カノッサ機関の名の下に』…よく言うぜ、モヒヒヒヒ!

【もういなくなってもなおブラックハートに暴言を吐きながら、何処かへと歩いていった】

/ただいま帰りました、そしてお疲れ様でした
918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 02:57:57.62 ID:7XrTwfxD0
>>917

…………結局はチンピラ野郎か……!!
…………お前の勝手が通る程、機関は薄っぺらい組織じゃねぇんだよ…………!!

【背中の罵声に、ブラックハートは歯噛みする】
【――――――――こんな馬鹿が大手を振ってまかり通るようでは、機関の勇躍は難しいだろう】
【まして、そこに文字通り『命が掛かっている』ブラックハートとしては――――看過できない問題である】
【足並み乱れた組織に、結束の力などあり得ない――――そして、そんな組織に世界を相手取って戦う力など得られない】
【――――それは、道理というものだ】

――――――――――――――――それにお前は間違えてるさ、馬鹿め…………!!
……流石にグラトンも、首を縦に振るだろうさ…………あたしの勝手じゃ、済まないんだからねぇ…………!

【――――アンダーナンバーとしてのブラックハートとしても、恐らくは行けるだろうと、ブラックハートは踏んでいる】
【それ相応の功績を以って、機関に貢献してきたのは伊達ではない。本来なら、その役目上既に処分されていたはずの身なのだ】
【それを延命させてもらっているのは――――結果を出しているから。その発言力も決して軽くは無いと、考えていた】

【だがそれ以上に――――ブラックハートの上司である≪No.6≫を籠絡してしまえば――――その発言力は更に重くなる】
【あの様な、単なるアナーキストに比して、≪No.6≫と≪No.616≫との連名は、相応の力を発揮するはずだ】
【アンダーナンバー故に自分を見くびったのなら――――ナンバーが全てではない事を思い知らせてやる】

【――――その思いを秘めながら、ブラックハートは闇に消えていく】
【機関の内に心を砕き、その士気を重視する故に、バッファの言葉を捉え、絶対に野放しにはしないと、何度も胸中に繰り返しながら】
【――――あるいはそれが、機関の内部に亀裂を生む事になるかもしれない事に、気付く事のないまま】

/遅くまで乙でしたー!
919 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/05(火) 10:55:46.45 ID:qGIwnB0Ao
【朝焼けの香りの残る頃、街中から零れる珈琲の残照】
【慌しい朝の景色が過ぎれば、後に残るのは凪のような静かな木漏れ日】
【彼女が好きな時間、街中を歩く足取りもまた、ふわふわと雲の上を歩くよう】


(Борщ(ボルシチ)作るの、セリーナ、喜ぶ……?)


【夢見心地の少女の歩く、足取りはどこか夢うつつのよう】
【前を見ながらも視線は空を飛び、移ろう姿は甘い蜜みたいに】
【やがてそれは溶ける名残すらも気づかず漂うままで】

【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【透き通るような素肌に女性としてはやや小柄で華奢な体躯、それでいて膨らんだ大きな胸】
【暖かそうなキャスケット帽にコート、踏んでしまいそうなくらい長いチェックのマフラー】
【編み上げブーツに黒いオーバーニーソックスの雪のように儚い印象の少女】

【人通りは少ないといえ、このまま歩いていったならば、誰かにぶつかるやもしれない】
920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 11:05:46.54 ID:7XrTwfxD0
【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫が】
921 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 11:06:41.45 ID:7XrTwfxD0
/>>920ミス

>>919

――――う…………くぅぉぉ……っ…………ったく、昨夜は飲みすぎたかぁ…………?
…………いや、二日酔いになってないなら、許容範囲だよなぁ……?
……これは気持ちよく宵っぴきしちまっただけだろ…………

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫が】
【大きな欠伸をこぼしたりしながら、眠そうな様子でゆっくりとした足取りで歩いている】

【眩しいのか、あるいは眠気によるものか、その眼は頼りなく半眼になっており】
【本来なら、もっと眼光鋭いと思わせるその表情も、どこかぼやけた印象だ】

……まぁ、良いか…………――――――――――――――――っと……!?

【そうして、半分夢うつつな様子で歩いていたため、前方からやってくる人物に気づかず、ぶつかってしまう】
【幸いだったのは、居丈夫の方もゆっくりとした足取りだったため、派手にぶつからずに済んだ事だろう】
【もしこの体格差で走ってぶつかろうものなら、洒落にならない事になっていたのは、想像に難くない】

あ、おぅ……すまねぇ…………大丈夫か?

【明らかに前方不注意だった――――居丈夫は詫びの言葉を口にしながら、相手の反応を待つ】
922 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/05(火) 11:14:42.58 ID:qGIwnB0Ao
>>921

【彼女の体躯は150cm程度で、貴方からしてみれば頭二つ半ほど低いのだろう】
【貴方の丈夫な胸板へと飛び込む形でぼんっとぶつかったなら、とて、と後方から倒れこむ】
【少し表情を崩して、ややしかめ面、お尻をついて、むぅ、と声をあげた】

【パッチリ、マリンブルーの瞳が貴方を捉えたなら、少し興味深そうにゆらいで】

Запах(臭い)……お酒、飲んだ、でしょ……一杯
とっても、お酒臭い、お兄ちゃん……


【小さな鼻を摘む華奢な指先、むぅとしかめた面が貴方を覗く】
【少し責めるような口調ではあるが、あまり怒っているというワケではない、どうやらお尻をついたダメージは少ないよう】
【地面についたもう一方の手の、直ぐ側には大きな大きなバイオリンケースがあって】

【零れる旋律は儚い洋楽のよう、言葉の意味は分からずとも、言いたいことは理解できるだろう】
【細かすぎる雪のように紡がれたソプラノの音律は直ぐに溶けて、やがて満ちて】
【紡いだ言葉の一片に、貴方への思いを浸らせた】


ソニア……苦手、お酒――――……
だから、うがい、するの、いこっ


【そう言ったなら、指差すのだろう、近くの公園を――――冷水機の置いてあるそこへ】
【コートの袂から零れた小さな掌が、ぐいっとそこを指し示した】
【お尻をついたままで、貴方へと視線を傾ける】
923 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 11:26:34.68 ID:7XrTwfxD0
>>922

(あぁ……やっちまった…………!)

【尻餅をついてしまう少女を見て、居丈夫は心の中で己の愚を責める】
【これでは、酒に飲まれていると言っても良い――――まだ酔いを引きずっているつもりは無かったのだが、どうもそうとも言い切れないらしい】
【ともあれ、その事で相手を転ばせてしまった事で、苦い思いをしていたのだ】

……え…………あ、うあぁ…………悪い、すまねぇな…………
確かに、昨日しこたまやったよ…………

【酒臭いと指摘され、左手で後頭部をガリガリと掻く居丈夫】
【――――酒を飲むのが楽しみみたいなこの男、相当な量を過ごしたようで】
【確かにその吐息には、時間が経ったとは言え酒気が残っているだろう】
【そうした息は、酒が苦手な人なら確かに気になるレベルである】

え…………あぁ、確かにな…………悪い、ちょっと行ってくるわ…………

【水道を指さされ、最初は何事かと面食らった居丈夫だが】
【会話している事で、段々頭も目が覚めてきたのだろう。足取りも、先ほどよりはしっかりしながら、蛇口の前へと立つ】

――――これでただ口をゆすいで顔を洗って…………だと、ちょっと効率が悪いよなぁ…………
…………えーと…………『スー・エル・ビン』…………だったか?

【蛇口をひねって水を出すと、居丈夫は何事か、奇妙な言葉の羅列を紡ぐ】
【すると――――流れ出るはずの水が、空中でゆるゆると浮かびながらまとまり、水球を形成していく】
【やがて、まるで水晶玉の様な水の塊が、空中に出来あがった】

【そこから水をすくい取り、口をゆすいでうがいをし、更に顔を洗う居丈夫】
【陽光に光る水のイメージも相まって、それなりに爽やかな――――あるいは、不思議な光景と言えるかもしれない】
924 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/05(火) 11:34:54.19 ID:qGIwnB0Ao
>>923

【貴方の事を気にしてか、蛇口の前に立つ貴方の後ろをとことこ付いていって】
【覗き込むように見る貴方の手元、そして紡がれるのは何やら聞いたことのない言葉】
【彼女の祖国の言葉とも、此処で使われているものとも違うソレは、何やらとても、温かくて】


Прекрасный(綺麗)……夢みてるの、かな……まだ


【小さな唇から漏れた言葉は、ふっくらとしていてそれで穏やかなもので】
【感嘆と言っても良いほどに、その旋律は甘く深く、それでいてどこか儚いよう】
【眼前に映る景色にマリンブルーの網膜に映る姿を妖しく見つめた】

【キラキラと輝く空中に浮かぶ水の塊、淡い日差しを溶かして、まるでプリズムみたいに】
【結晶が浮かぶのだろう、水の中、きっと冷たくて、とても心地よい様子であって】
【夢みたいと彼女が言うのもうなずけるほどに、その光景は神秘的で美しかった】


……うん、大丈夫……もう、臭くないよ、お兄ちゃん
良い香り、とっても――――ソニア、この香り、好き


【近づく彼女の小さな表情、顔を洗ったであろう貴方の側で表情を向けた】
【雪のように白い素肌は朝靄よりも薄くて透けていて、空中に浮かぶ雲すらも裸足で逃げ出すほど】
【そこに浮かぶ表情が綻んだなら、微笑む旋律がとても強く形を作り上げる】

【コートのポケットからハンカチを取り出すだろう、刺繍の入ったレースの女の子らしいハンカチ】
【ついっと背伸びをする、それでようやく貴方の顎に届くか届かないか、程度】
【拭きたいのだろう、彼女なりの誠意とでも言おうか】

【――――また同時に、くんくん、と貴方の香りを嗅ごうとする、そうして満足してもう一回微笑んだ】
925 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 11:44:43.96 ID:7XrTwfxD0
>>924

(…………時々、妙な言葉が混ざるな…………一体どこの言葉だ…………?
それなりにあっちこっちフラフラしてきたが…………風の国とも、水の国とも違う言葉だぞ、これ…………?)

【顔を洗いながら、居丈夫は少女――――ソニアの口から時々聞こえてくる、耳馴染みのない言葉を気にしていた】
【居丈夫も、この世界をそれなりに渡り歩いてきた口である。しかし、この言葉は地方の言葉としても、聞いた覚えが無い】
【――――不思議に思いながらも、とりあえず顔をばしゃばしゃと洗い切る】

おぅ、そうか…………こっちもお陰でハッキリと目が覚めたわ…………さっきは、悪かったな?

【ギュッと目をつぶりながらも、側にソニアが来た事が分かったのだろう。顔だけをそちらに向けて】
【冷水で顔を洗えば、意識も目覚めてくる。どこか寝ぼけていた様な言葉もハッキリとしてきて】
【顔の水をぬぐおうと言うのだろう。左手で着込んでいるコートをまさぐろうとして】

あ…………!?
……拭いてくれるのか? 悪いな、何から何まで…………

【そっと目を開けると、そこにはハンカチを手に、顔へと手を伸ばしてくるソニアの姿があった】
【フッと軽く笑みをこぼしながら、居丈夫は膝を折って姿勢を下げる】
【恐らく、おとなしく顔を拭われるだろう】
926 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/05(火) 11:55:33.89 ID:qGIwnB0Ao
>>925

【姿勢を下げてくれて、拭きやすくなったのだろう、少し拭くペースが上がった】
【手馴れているようで、優しく、それでいて早く貴方の顔を撫でていく――――】
【肌に沈み込むであろう絹糸の感触、香りを嗅いだなら、彼女の甘い香りがふんだんに感じられるだろう】


いいよ、ソニアも、ぼーっと……してた
でも、お兄ちゃん、ソニア、お酒飲む人、あんまり好きじゃないの


【ハンカチをしまいこんだなら、一歩下がって、直ぐ側に置いていたバイオリンケースを持ち上げる】
【両手でぎゅっと握ったのなら、ふわふわと浮かびそうなように、膝下で持っていた】
【貴方を見つめるマリンブルーの瞳、その形はとても丸く大きかった】

【悪い人じゃないように思えた、お酒臭かったけど、言葉遣いが優しいから】
【不思議な服装と手に持った棍、恐らくは目の前の貴方も、何かの異能の持ち主なのだろう】
【でも、信じられると思った、彫りの深いたくましい視線に、彼女が映ってたなら良いと思う】


お酒飲んだら、皆、直ぐ怒る、直ぐ叩く……の
だからね、お兄ちゃんも……あんまりお酒飲まない、の、飲むの、ダメ

Кисель(キセリ)、良いと思う、飲むの、とても


【表情をふわふわと溶かしながら、そんな事を言ってきた】
【キセリ、とは何やら聞きなれないだろうが、恐らくは飲み物の一種なのだろう】
【彼女の表情が、とろん、と蕩けるよう、瞼が閉じて形の良い睫が滑らかに彩る】

【よっぽどそれが好きなのだろう、とても楽しそう】
927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 12:07:50.14 ID:7XrTwfxD0
>>926

(……う…………や、やべ…………
……酔い醒めの朝で良かったぜ…………酒に飲まれるつもりはねぇが…………変な気を起こしてたかもしれねぇしな…………)

【ふと鼻孔に掛け込んでくるのは、ソニアのものと思しき香り】
【――――香りと言うのは、人の精神状態に馬鹿に出来ない影響を及ぼす】
【微かに顔が強張って、居丈夫は自制心を働かせ始める。舞い上がってしまわぬように、気をつけなければ――――】

…………いやぁ、済まなかったぜ、何から何までよ…………
――――俺はレグルス=バーナルド。流れの魔術師さ……何か困った事があったら、言ってくれよ。世話になっちまったからな……!

【顔を拭われ終えると、居丈夫――――レグルスは自らの名を名乗りながら、ソニアに対してそう口にする】
【威圧感のある眼光も、浮かべた笑みで丸くなって、最初とは違った意味で、その凄みは息を潜めるだろう】
【恐らく、身だしなみを整えるための水を空中に『集積』させたのも、魔術によるものなのだろう】

あ…………!?
…………まぁ、ソニアは酒を飲んでも、良くない……って事じゃねぇか?
身体が大きい奴じゃないと、すぐに酒は毒にもなるからよ…………怒られるって、そう言う事じゃねぇか……?
…………これ聞くのもぶしつけだけど、ソニア、20歳は越えてるのか?

【自分が飲兵衛なのは自覚している。しかし、ソニアが飲酒すると折檻を受ける――――と言う言葉を、いささか怪訝そうに聞いて】
【しかし、外見上からはソニアが成人しているのか、その判断が微妙になる】
【もし成人していないのなら、飲酒は叱られて当然とも言えるだろう。それをレグルスは確かめようとした】

……? キセ、リ…………? …………それって、どんな飲み物なんだ?

【相変わらず、聞こえてくるのは耳馴染みのない言葉】
【それでもレグルスはどうにかそれを聞き分け、ソニアに問いかける】
【――――何か、自分の知らない事を色々と知っていそうなソニアに、興味を抱いたのである】
928 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/05(火) 12:16:30.41 ID:qGIwnB0Ao
>>927

【柔らかい、と思った、たくましい体つきと精悍な顔つきの貴方の表情が】
【それはまるで温かい太陽のよう、気持ちいいな、なんて思ったりもした】
【普段の視線が強いからこそ、それが和らいだときは、とても綺麗で】


Соня Екатерnна Драгуноваソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ
Волшебник(魔術師)……ソニア、聞いたことあるよ、魔法を使う人
ねね、さっきのも、魔法?水が浮かんだの


【彼女の表情が瞬いた、わぁ、なんて超えも上げたりして、貴方の正体に心を躍らせる】
【その様子は少女そのもの、とても明るい眩い雪の結晶みたいで】
【冷たい日差しの中から溶ける淡い表情が、貴方へと注ぐのだろう】


……超えてないよ、だからソニア、あんまり飲まない、もん
でも、他の人……大人の人、お酒のむと、変わっちゃう、から
優しい人も、静かな人も……ソニア――――ちょっと怖い

キセリはね、甘いの、とろとろしてて、すっごく甘いの
ソニア任務の前に、良く飲んでたの、暖めても、美味しいんだよ


【言葉の端々からうかがえる、単なる事実ではない真実】
【その意味を尋ねるのもまた、彼女という存在を知る上で必要なのだろう】
【舌足らずな言葉は誤解を生みかねない、一つ一つ確かめるように、と】

【キセリのことを話す彼女、小さな表情をいっぱいに動かす】
【微笑んだなら、水飛沫がはじけるみたいに、潤いに満ちた素肌が心地よく漣を生む】
【貴方へと重ねるマリンブルーに無数の世界が浮かんでいるのだろう】
929 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 12:31:43.66 ID:7XrTwfxD0
>>928

……あぁ、ちゃんと名前を聞かないで呼ぶって言うのも、ぶしつけだよな……悪い!
……改めて、よろしくな……ソニア

【レグルスは、自分の名を口にしていたソニアに、何気なくその名前で呼んでいたが】
【考えてみれば、ちゃんと自己紹介せずに相手の名前を口にするのは、あまり良い礼儀ではない】
【やはり苦笑しながら、左手で自分の頭をポンと小突く】

あぁ…………俺の勉強してた魔術…………『アルベルト流魔術』って、1つの流派……っていうのかなんと言うか……まぁ、そんな感じの奴だ
他にも、こんな事も出来るんだぜ? …………バル・ジン・ルー…………『ヒートアディッション』!!

【魔術に関して、興味深げに聞いてくるソニアに気を良くしたのか、レグルスは更に魔術を披露する】
【右手に持っている、六角柱型の金属の棍棒を構えると、先ほどの様に魔術の術式を口にし――――その棍棒が、突如として燃えあがる】
【炎を纏った棍棒――――それで打撃すれば、かなりの痛手を敵に喰らわせる事も出来るだろう】
【しかし、これはあくまで『披露』でしかないと言う事なのか、10秒ほどで効果は消えた】

……あぁ、飲むと怒るって、そう言う事か…………
……そりゃ、他の連中が、酒を飲んでるんじゃなくて『酒に飲まれてる』んだよ…………ちゃんとした飲み方が出来てないだけさ
でも、酒乱の気がある連中に囲まれてたんなら、酒が嫌になってもしょうがないか…………

【言葉の意味を取り違えていた事に気づき、レグルスはもう一度考え直す】
【それは酒が悪いのではなく、酒を飲んでる人間が悪いからだと、そう口にして】
【だが、もしそれで何らかのトラウマをソニアが抱えていたのなら、酒を嫌悪するのもやむなしと、レグルスは考えた】

(……酒を飲まなきゃやってやれねぇって事も、あるしな…………)

【ふと、胸中にそんな言葉がこぼれる】
【――――自分自身、こうも酒におぼれる様になったのは、『あの時』以降――――きっかけとなる、嫌な事があってからだ】

へぇ……そいつを景気づけに飲んでるって事か…………――――――――ん、『任務』?
ソニア、何かやってるのか?

【はつらつと『キセリ』の事を話すソニアを微笑ましく思うレグルスだったが】
【ふと、そこに付属していた言葉に引っ掛かるものを覚えて、思わず問い返した】
930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/05(火) 12:40:11.56 ID:qGIwnB0Ao
>>929

【気にしなくてもいいのに、と思った――――律儀、多分そうなのであろう】
【目の前の貴方はとても律儀、それは信用することもできる、アイデンティティの一つ】
【朝の欠片が溶けて、お昼を迎える頃、心地よい日差しの下、こんな出会いを感謝した】


わっ!凄いねっ!凄い!とーっても凄い!
レグルス居たらЗима(冬)も大丈夫なの!ソニア、レグルス欲しい!


【はしゃぐ、マフラーが揺れたなら、そこに溶けた表情の片鱗をも導かせる】
【ぱしゃぱしゃと跳ねる水溜りに落ちた雪の跡、ソコに残った淡い彩】
【表情が昇華する、素肌の白が、貴方を眺めて、とても美しい形へと変化する】


……うー……ソニア、分かんないよ、でも、お酒……怖いな
でも、レグルス、怖くない……レグルス、飲み方、分かってる、から?

ううんやってた≠フ――――Армия(軍隊)


【貴方のお酒に対する思い、その事を汲み取るには彼女は少々幼すぎるみたい】
【わかんない、零れた言葉はまだまだ甘い果実の片鱗のため】
【それでも、感情には素直に、貴方へと問いだ】

【零れた単語の意味は分からずとも、その雰囲気は掴み取れるだろう】
【英語のArmyに近い発音、そこから察することも可能であろう】
【虫も殺せないような小さな表情をした彼女、その笑顔がどこか震えるよう】
931 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 12:55:45.44 ID:7XrTwfxD0
>>930

おぅ! どうだすげぇだろ!?
……魔力さえあれば、お前も同じような事が出来るんだぜ!

(…………ってか、『アルベルト流魔術』じゃ、それほどいばれる程に凄い魔術って訳でもねぇしな……)

【炎を纏った棍棒を見てはしゃぐソニアを、微笑ましく見やりながら、ニヤリと笑んで見せるレグルス】
【魔術と言うものは、それだけの力があるのだ――――自分の修めてきた術に、この時ばかりは誇りをもって】
【ただ――――どちらかと言うと複雑な術式ではなく、簡易化された体系である事に、内心では相変わらずの苦笑を封じ込めて】

(レグルス欲しい…………か。なんとまぁ、無邪気ってのは…………いいもんなんだかなんなんだか…………)

【同時に、何気ない言葉にひっかかり自分にも、心の中で苦笑いしていた】

……無理する事はねぇよ。確かに、飲まない奴には良い感じは無いだろうからな…………
それに…………酒に酔う事は決して良い事ばかりじゃねぇ。嫌な事を忘れたいって、そう言うの味方をする奴もいるからな…………

【日頃から、やはり自分の飲酒の気を戒める相棒の顔を思い出しながら、レグルスは噛んで含める様な言葉をソニアに掛ける】
【酔いで自らが制御できなくなるのは、決して良い事ではない。それはレグルスも分かっている】

…………まぁ、多分……な…………少なくとも、酒に酔って喧嘩とか、そういう馬鹿な事はしないよ俺は…………

【基本的に、レグルスは笑い上戸である。怒り上戸や絡み酒と言った、迷惑な飲み方はしないと】
【――――もっとも、件の『相棒』には、酔うたびに世話になったりするのだが】

……………………そっか。そりゃ、悪い事を思い出させちまったな…………すまねぇ

【――――人には誰しも、思い出したくない過去と言うものがある】
【それを想起させたのは、流石に良くないだろう。レグルスは、先ほどとはまた違った、神妙な様子で謝罪の言葉を口にする】
932 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 12:57:33.78 ID:7XrTwfxD0
/>>931ミス
/そう言うの味方をする奴もいるからな…………
/↓
/そういう飲み方をする奴もいるからな…………
933 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/02/05(火) 13:06:28.97 ID:qGIwnB0Ao
>>931

【魔力との言葉に彼女は頭の上に疑問符が出た、そんなに深くは分かっていないから】
【貴方が魔術師であるならば、彼女の身体にも魔力が流れていることが分かるだろう】
【それはまるで木漏れ日のよう、風の色に染まりきった魔力であって――――】

【応用性が利かない、そんな魔力でもあった】


うん、分かった――――ソニア、レグルス信じる
だから、レグルスがお酒飲んでも、怒らないよ、臭いのはやだけど……

でもね、レグルス、もしかしたらレグルスも、忘れたいから、飲むの
Кошмар(嫌なこと)――――忘れるために


【貴方の言葉の奥底に沈んだ思いを掠め取ろうと、伸ばして指先が貴方へと触れたなら良いと思う】
【それが感情か、或いは表皮か、もしかしたら琴線へと届くかもしれない】
【たどたどしい指先が伸びたのなら、その先に光る絹糸のような瞬きを捨てないで】

【彼女の表情にはあまり感情が映っていない、ただ大きなマリンブルーが、貴方を見つめる】
【網膜のスクリーン映る貴方の精悍な顔つきが、どこか深い色合いを染めているよう】
【そんな貴方を見つめていたら、なんだかこっちまで、悲しくなっちゃうから】


……?悪いこと、じゃないよ、痛くて、苦しかったけど、大切なことだもん
生きてるの、今、私が生きてるの、皆のお陰、その時の、皆のお陰
だからね、ソニア――――忘れないよ、多分、お酒飲んだって、きっと……


【それは彼女にとって、辛い記憶であって、また同時に楽しい記憶でもあった】
【そしてまた大切なもの、捨てようと思っても捨てられない、古いオルゴールみたい】
【たまに取り出して指で弾いたならば、郷愁の旋律が、胸を擽るよう】

【マフラーに沈める口元、吹雪く昼下がりの風が勢いを増す頃、小さな身体が今にも砕けそうに】
【両手でぎゅぅと握るバイオリンケース、ずっと腕を伸ばしっぱなしで、少し辛そう】
【――――そのバイオリンケースの中からも、魔力を感じるだろう】
934 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 13:22:37.31 ID:7XrTwfxD0
>>933

(…………待てよ、これってひょっとして…………)

【ソニアから漏れ出る魔力。それを感じ取ったレグルスは、ふと思いつく】
【風を思わせるこの魔力――――それなら、あるいは上手く行くのではないかと考え】

――――なぁソニア、『風』になりたくねぇか?

【唐突に、そんな問いをぶつけるレグルス】
【どこか、悪戯小僧の様な笑みを浮かべるその顔は「良い事思いついた」と言う様な顔である】

……まぁ、確かに…………酒臭い臭いって奴は、どうしようもねぇな…………
とりあえず、酒乱にはならねぇよ……そこは、信じてもらって良いってよ……

【身を持ち崩すほどに飲む事は、流石にない――――と、レグルス自身は思っている】
【しかし、酒と言うだけで嫌悪感を感じてしまうソニアには、それだけでは不十分だろう】
【もう少し、節操のある飲み方を心得た方が良いのかもしれない――――そんな事を思いながら、レグルスは約束する】

――――――――ッ!!
…………まぁ、そうなるのかもな……………………

【忘れたい事があって、酒に溺れる――――それは、レグルスも例外ではない】
【ソニアの問いに、答えを詰まらせたレグルス。観念したように、しみじみと首を振りながら、その言葉を肯定する】

――――――――昔よぉ、家族も友達も…………故郷のみんなが死んでしまった事があってな…………そのせいで、しばらくは風の国で『山賊』生活してた事もあるんだ…………
……今でこそ、単なる馬鹿騒ぎみたいになっちまったけどよ……俺が酒を覚えたのは、みんなが死んだ事が、辛くて、悲しくて……やりきれなかったからなんだよな……

【己の過去を、その一部を明かす。かつては官憲に反抗する立場であった事まで】
【故郷の仲間を、一人残らず失った――――その事は、まだ若かっただろう過去のレグルスには、耐えきれなかったのだろう】
【だからこそ、酒の味を覚え、酔いの快楽に身を任せ――――その心の傷を、癒そうとしたのだろう】

……なるほどな。良い思い出だったのか……そりゃ、それこそ早とちりで『悪い事』扱いしちまって、二重に悪かったな…………

(…………でも、そうした中で居たんだろうなぁ…………酒乱の気を持ってたやつが…………)

【軍隊にいた事は、大事な過去――――そう話すソニアに、レグルスは複雑な思いを抱いていた】
【恐らく、その過去があったから、ソニアの今があるのだろうと考えて。しかし、軍とは人を育む場ではない】
【そんな中で『育つ』事は、本当に幸せなのかと、そんな事を考えて】

――――――――?
そのバイオリン…………どこかで演奏でもしてくるのか?

【じっと保持しているバイオリンケースが気に掛かり、レグルスはそれを聞く】
【辛そうな腕の様子を見てとって――――やがて、そこにもまた魔力が感じ取れる事に気づいて】
【やはり、不思議な雰囲気のソニアへの、興味が向いたと言う事だろうか】
935 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/02/05(火) 13:36:39.81 ID:qGIwnB0Ao
>>934

【予想外の言葉、頭の上に疑問符が湧いた】
【もしも出来るのなら、貴方へと近づいて、貴方の額へと手を当てようとするだろう】
【熱でもあるのかな、と言葉にせずに伝えてくる、心配そうな表情が注がれるだろう】

【――――彼女の指先は冷たい、それこそ氷のように】


Ветер(風)……?なりたいな、ソニア……なりたいけど……
でも、レグルス……できるの、そんなの……?


【半信半疑といった様子、貴方の魔術の力は知っているけれども、自分にその才能があるかは分からない】
【疑いとはまた違い恐れ、もし自分にそんな才能が無いってばれたら――――ばれたらきっと、嫌われる、から】

【そうして耳元へと流れ込んでくる、貴方の言葉、それは飲み込むには重い貴方の過去】
【きっと彼女よりも深く、重く、それでいて悲痛な思い出なのであろうのだろう】
【辿ることすら躊躇われるようなそれに、彼女は思わず、言葉を失った】


……ごめんね、今度は……ソニアが謝らなくちゃ……思い出させちゃったから、辛いこと
でも、でもね……ソニア思うんだ、辛いことだから、覚えておかなきゃいけないって……


【紡ぐ言葉は貴方へと向けた言葉、それと同時に自分にも向けた言葉】
【差し出した指先は彼女へと繋がるレールの破片、硝子細工のように華奢な指先】
【声にて差し伸べられるその先が貴方へと繋がれば良いと思った】


忘れることは、もう一回、殺すこと……大切な人、殺すこと
だからね、覚えておかないと、いけないの――――そしたら、きっと
Поживите на памяти(記憶の中で、生きていけるから)


【どう表現したら良いか分からなかった、だから、言葉は少しわかりにくくなったかもしれない】
【でもきっと、伝わるはずだ、伝わったなら、それでいいって思えたから――――】
【貴方へと伝えた言葉はきっと、彼女にもまた、通じる言葉】


……ぅん、違うよ、これはね、仕事道具、とっても大切な私のТоварищ(友達)
あげないよ、レグルスがいくら頼んだって、あげないんだから


【ばっと胸に抱きしめるだろう、本気ではないけれども、その仕種は微かに強い】
【貴方を見つめるマリンブルーの瞳、そこに浮かぶ意志は単なる戯れなんかじゃない】
【それほどまでに、大切なものなのだろう】
936 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 13:56:58.53 ID:7XrTwfxD0
>>935

……お?

【額の熱を計ろうと触れてくるソニアに、レグルスはぽかんとした表情を見せる】
【――――そうしたリアクションは、流石に想像していなかったのだろう】
【ちなみに、レグルスの身体は筋肉質な事もあってか、相応の放熱量を持っていて、わりと火照った感じを与えるだろう】

なぁに、この魔術師レグルス様を信じろって!
(…………この保有量なら…………魔術レベルは、大体…………分からねぇ! でも、アルベルト流に換算して、1も無いって事は無いだろ……)

【半信半疑といった様子のソニアに、断言して見せるレグルス。そもそもが、畑違いのレグルスもここまでこれたのだ】
【それだけ――――アルベルト流魔術は、魔力さえあれば問題のない、簡略化された魔術体系なのである】

…………良いんだ。酒だけじゃねぇ……時間って奴も、薬になるんだぜ?
流石に、整理はついたさ…………

【全てが変わるきっかけになった出来事である。そして、そこから遠くまでやってきた】
【流石に、その痛みは薄れた。今はもう、昔の様に取り乱す事も無くなって】

…………ぁ……………………!
――――忘れることは、もう一回、殺すこと…………か…………確かにな…………
…………なんか、大事な事を教わっちまったな…………

【ソニアの言葉は、冷水の様にレグルスの身体に――――そして心に染み渡る】
【もう故郷はない。そこにあるのは、ただの名残だろう。あるいは、今は全く違う人間たちが、何も知らずに住んでいるのかもしれない】
【しかし――――自分が生きている限り、彼らが存在していた、その証明は出来る】
【その証明を――――記憶を、消してはいけないと、その言葉に目が醒まされた】

お、おいおい…………流石に欲しいとまでは、いわねぇよ…………
多分、俺が貰ったって、上手く扱えやしないだろうし…………

【ソニアがバイオリンケースを庇う仕草が、いささかオーバーに映って、レグルスは慌てた様子で釈明する】
【どこか必死な様子が伝わってくる。それほどまでにそれを保持する事に腐心しているとは思わずに】
【――――向いた興味が、その釈明に薄められてしまう事に、レグルス自身気付かなかった】

……ま、まぁともかく…………んんっ……!!
――――ソニア、今から俺の言う言葉を、そっくりそのまま復唱してみろ……そうすれば、お前は風になって、凄いものが見れるぜ…………!
…………レル(風)・フェン(飛翔)・ラー(心)・ビン(レベル1)…………『ホークアイ』!!

【空気を一新するためか、レグルスはわざとらしい咳払いをして】
【ソニアにそう言いながら、自らの左手を天へと翳し、スペルを口にする】
【瞬間――――レグルスの左手から、緑色の光の球が天へと向けて放たれ、レグルスの瞳も緑色に光り出す】
【――――この時、レグルスが見ているのは、光の球から見る光景。レグルスの視点そのものが、光の球へと移っているのだ】
【ソニアが同じ事をすれば――――やはり彼女も、視点のみを空へと打ち出す事が出来るだろう】

/次ちょっと遅れるかもしれません。遅れないかもしれませんが……
937 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/05(火) 14:05:30.34 ID:qGIwnB0Ao
>>936

【ホント?とジト目になった、マリンブルーに浮かぶのは僅かな猜疑の心】
【彼女はけして頭が良いというわけではないが、それなりバカではないのだろう】
【しばし、貴方をじぃ、と見つめて、そして零す】


うん、信じるよ……嘘だったら、ソニア、怒るけど……


【溶けた、解けた、表情が崩れて、瞼が沈んで、まぶしいような微笑を浮かべた】
【それは満ちる青い色、純白の素肌に満ちる様子は、湖に落ちた儚い呼吸のよう】
【貴方を信じる、その言葉はどこまでも純粋で――――】

【貴方の心へと、届いたかは分からない、けれども彼女もまた、自分の心に整理を付ける】
【――――こんな世界だから、多かれ少なかれ、皆が皆、悲しい記憶を背負っている】
【そこに溶けてしまうのは、すごく、もったいないことだから】

【バイオリンケースを抱いたまま、貴方の言葉を耳に入れた、そうすると、貴方の瞳が光った】
【何事かはわからない、でも、それを辿る術が目の前にあるのなら】
【――――辿るしか、ないから】


レル・フェン・ラー・ビン――――ホークアイ=I
わっわわわ……浮いてる、空、わぁ……綺麗――――


【世界に広がる新たな景色、今まで見ていた視界を絵の具でくしゃくしゃにしたみたい】
【天地がひっくりかえって、わわっなんてビックリした声を上げて、眼前に開けた色に驚いた】
【それはとても幻想的で神秘的、それでいてどこか確かなリアリティを持っていて】

【表情に映る驚きと嬉しさの感情、心に沈んでいた鬱憤すらも晴れてしまうかのよう】
938 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 14:28:16.22 ID:7XrTwfxD0
>>937

……こんな事で嘘ついても、しょうがねぇだろ?

【受け止める様に、ニヤリと笑みを浮かべてみせるレグルス】
【恐らく、行けるはずなのだ――――むしろ、単に『風』に限って言えば、相応の、あるいは自分以上の力を発揮するかもしれない。そんな確信を抱いて】

(……これが、奴の言う『絶望の深海』って奴なのかもな……だからこそ、そんな中で生きてかなきゃならない……
それに飲まれねぇで済むには……やっはり『受け入れる事』…………か…………)

【己の心に、もう一度問いかけるレグルス。そんな時に思い出すのは、やはり『相棒』の言葉だった】
【彼が常々言っていた、人間は本質的に幸福になれないと言う趣旨の言葉――――それがこの時ばかりは、正しい気がして】

――――へへっ、どうだ、すげぇだろ!?
……その身一つで空に、本当に飛び出す術ってのもあるんだが……アレはそれ相応に訓練積まねぇと危ないからな…………
でも、これならどうよ!? 本当に『風』になれただろうが!!

【やはり、ソニアの喜びを帯びた驚嘆の言葉を受けて、レグルスは我が意を得たりと得意げな顔だった】
【――――本当ならば、危険な個所で視覚を見る。もしくは周囲の危険を察知するための力なのだが、こうした形で行使しても悪い事ではないだろう】
【それが、喜びを生み出すものならば――――】

――――どうだ?
最高だったろ!

【やがて術式が解除され、瞳の輝きを元に戻したレグルスは、そうソニアに問いかける】
【確かに、素晴らしい体験なのだ――――自分がかつて、同じように驚きに満ちた喜びを覚えた事を、思い出しながら、レグルスは問うた】

/ただ今戻りましたー
/あと、ビン(レベル1)は、ビン(レベル2)の間違いでしたorz
939 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/05(火) 14:37:49.13 ID:qGIwnB0Ao
>>938

【やがて落ちてくる視界、元に戻っても興奮冷めやらぬ、よう】
【彼女へと耳を傾けて見れば、ロシア語で感嘆の声を漏らしていて――――】
【静まったなら、貴方へと視線を向けて、微笑みの形を浮かべた】


Наивысший(最高)!レグルス凄い、ほんとに凄い!
わぁ……ふふ、あはは……ソニア、風になっちゃった……


【両手が重なる、頬の直ぐ前で一つになった両手とソレ越しに映る甘い微笑み】
【満面の笑み、そこには憂いも辛いも無くて、ただひたすらに喜ぶ少女の甘い笑顔が浮かんでいた】
【刻んだならば共に捨て、やがて散っていく雪代の花】

【雪の結晶にも似た形の良い瞳が、瞼の中に沈んでいく頃、灯火みたいに仄かな嬉しさを感じた】
【感じた魔法は気づかずにいた景色の尊さをも伝えるみたいに】
【そうして昼下がりが終わりを告げ始めたなら、彼女の口もやがて沈んでいく】


そろそろ、ソニア……お家、帰るね、Ужин(ご飯)作らなきゃ……
До Свидания(バイバイ)レグルス――――


【抱きかかえるバイオリンケース、両手で握って、最初みたいに膝の前辺りでふわふわさせる】
【くしゃっと綻ぶ表情、頬に溶けたプラチナブロンドが、小春日和に映る雪のように浮かび上がる】
【頬を傾けたなら、風に靡いて、彼女の小さな顔をも修飾するのだろう】

【その場を跡にする彼女の香り、かぐわしい芳香は、いなくなったら最後、直ぐまた雪のしたに隠れる】
【存在すらも知覚できないぐらいに、彼女の存在はとても、儚い景色のよう】
【硝子細工の壊れた破片が、光を浴びてキラキラと輝いていた】


/お帰りなさい!あとお疲れ様でしたー!
940 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 14:47:40.81 ID:7XrTwfxD0
>>939

っはは…………それだけ喜んでくれると、教えた甲斐もあったってもんだな!!

【全身で喜びを表現する様な、ソニアのリアクションは、レグルスにとっても嬉しいものだった】
【こうした『知る喜び』と言うのは、やはり他には代えがたいものがある】
【それを感じて、こうして驚きと喜びを伝えられるのは――――例え正道ではないとはいえ、嬉しい事には変わりない】

……あぁ、気をつけて帰れよ!
じゃあな、ソニア!!

【バイオリンケースを抱えて、背を向けるソニアに、レグルスもまた別れの挨拶を口にする】
【――――酒で羽目を外した翌日とは思えない程に、爽やかな時間を過ごす事が出来た】
【己の過去の、ほんの少しの重みも思い出しながら、レグルスはこんな時間が過ごせた事を、嬉しく思い】

…………さて…………俺もそろそろ、少し遅めの昼飯にしますかね…………
……レル・フェン・ゼル・ザン…………『ウィングウィンド』!!

【先ほど、ソニアには教えなかった『自らの身を風と化す』術を用いて、レグルスは飛翔する】
【風を纏って空へと飛び去るレグルスの身体は、力強さに満ちていて】
【何か、大事なものを手に入れた様な――――そんな充足感にも満ち溢れていた】

/乙でしたー!
941 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/02/05(火) 14:54:20.81 ID:j0N7SZYQ0
【路地裏】


【黒い髪、色白の肌、中肉中背の体を黒いコートに包んだ青年が歩いている。】
【規則も秩序もない無法の地────むき出しの人間の本性は、喧騒となって聞こえてくる。】


────……相変わらずだな


【ただ歩くだけで、命の危機に関わる裏の世界。】
【────青年は肩を掴まれた、振り払うこともなく、絡んできた男の目を暗黒で覆った。】


────まずはこの場所を、変えてーな。


【驚きふためく人間を尻目に青年は路地裏の奥へと歩みを進めるのだった。】
942 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/05(火) 18:58:51.50 ID:IQPKKW3j0
//次スレを先に作っておきましたhttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1360058232/
943 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/02/05(火) 20:01:34.86 ID:IQPKKW3j0
【水の国―――近代都市・ミールシュタイン=z

【ここは水の国でも有数の発展を誇る近代都市だ、その発展度は星の国≠ノ匹敵するほど】
【内部は飛行艇のエア・ポートや街中を走るリニア・トレインなど交通手段にも事欠かない】
【その反面、カノッサ機関などの武装勢力に数回襲撃されたという過去も存在する】
【いずれも能力者の活躍によって撃退されたが、依然として襲撃の爪痕が残る場所も多い】

【そして今宵―――再びこの都市は戦場≠ニなる】

【始まりは数日前―――自警団の情報処理部隊が宝玉の反応をミール・シュタインで感知した事から始まる】
【その情報は瞬く間に広がり、カノッサや創世戦団といった武装勢力にまで及んだ】
【そしてまるで戦乱を望むかのように四散する宝玉=\――】
【各地に散らばった宝玉の欠片を求めて様々な組織、思惑が交差し―――異能者達が激突する!】



             【アクエリアス・ブリッジ=z

【埋め立てされた娯楽地域と陸地を結んでいる巨大な大橋、それがアクエリアス・ブリッジである】
【片側四車線という広さがあり、長さは役5kmにも及ぶ巨大な鉄の塊である―――。】
【歩道も広く取られており、夜景を見に来るカップルや家族連れで賑わう観光名所でもある】

【―――だが、今宵は人気も見えず、入り口にはKEEPOUT≠フ立て看板が立てられている】
【大規模な戦闘を予想した自警団が混乱を避けるために一時的に封鎖をしたのだ―――】
【だが、その閑散とした大橋に莫大な水の魔翌力が集まっているのを、能力者であれば感じ取れるだろう】


            【ミールシュタイン・旧市街地=z

【繁栄には必ず影がつきものだ、この旧市街地もまた、ミール・シュタインの発展の影だ】
【近代化につれて人も集まり次第に効率化を図っていく街、そうすれば不要な部分は切り落とされる】
【沿岸から遠く、交通の便もイマイチであった旧市街地からは、次第に人が減っていき、そして】
【何時の間にやら、人々は近代化が進んだ沿岸部に市街地を移し、此処はゴーストタウンと化した】

【―――今では浮浪者や不良、ギャングや怪しげな宗教組織が出入りする程度であり】
【薬物取引や人身売買の場としても使われていたりと不穏な噂が絶えない―――。】
【未だ管理の為か、最低限の電力は供給されており、ぽつぽつと明かりがついているのが確認できる】
【とはいえそれが逆に哀愁を漂わせているのだが―――。】
【さて、ここにも莫大な魔翌力反応≠ェ感じられる、それに引き寄せられるモノはいるだろうか】


           【ミールシュタイン・海上施設=z

【沿岸部からほど近い場所にある大規模な人口浮島の上に作られたのがこの海上施設だ】
【近代化に進み、多くのエネルギーを必要とされた都市は、陸地ではなく新しく浮島を造り】
【そこに電力施設や資源採掘施設を造りだすという方法を取った。】

【何のエネルギーかは不明だが、ドーム状の装置が無数に立ち並んでいたり巨大な電塔があったりと】
【まるで悪の結社の秘密基地のような光景だ―――。】
【当然、警備も厳重だが………この都市全体を覆う混乱によって些か浮足立っているのが分かる】
【そしてここにもまた―――莫大な水の魔翌力≠ェ充満していた………。】

//イベント開始文です
//VS???の方は指定のフィールドへ、セレーネの方は投下をお願いします。
944 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/05(火) 20:16:39.00 ID:I/OUDxiuo
>>943

"宝玉"……そして"四散"……自警団から情報を得たけれど、欠片はどこにあるんだろうなァ
この辺だとは思うけれど……"悪い奴ら"に渡る前に、回収しないと……

【――旧市街地へ、ゆっくりと足を踏み入れてきたのは】
【サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代半ばの男――ユウトだ】
【ハーフ顔で優しげな目付きをしていて、左頬には猫と思われる引っかき傷の痕がある】
【服装は、ほんのり青いタンクトップに、紺色のジーパン(ストレッチタイプ)、そして茶色いコート】
【両手足には指が出るタイプのグレーのグローブ的なものがはめられており】
【紐タイプの無難な黒ベースの運動靴を履いており、頭部と両腕には赤色の鉢巻が巻かれていた】

――ん? 何か強い力を感じる……もしかしてこの辺りかなァ、でもしらみ潰しに探すのはちょっと辛いかな

【足を踏み入れたこの場所より感じるのは、莫大な魔翌力――】
【宝玉その物を見たことはない彼でも、それが宝玉による物だとはすぐに理解できた】
【しかし――正確な場所までは分からず、少しの間考えを巡らせた内、彼は分身を左腕から出現させた】

そうだ……[ヴォルヴ]! ――僕の"変身用ポッド"が探せるなら、きっと"宝玉"だって……!

【分身の姿は、上半身は人間で下半身は蛇の様な姿で、下半身は左手首から生えていてそれは白と橙色の縞模様、背に金色の線】
【本体と同じ金色の眼で、金色のマスクの様なものを装備していて、また、全体的に白色で、金色の模様を全身に持っている】
【頭部に本体と同じようなサメのヒレの様な角を持っていて、後頭部には恐竜の背の様なギザギザが2つあり、それらは橙色だ】
【手は本体と同じように指の出るグローブ的なものを装備していて、それは橙色、掌と指先は金色だった】

【そしてその分身は、白いボディに、オレンジ色のパーツ、金色の模様をしたPCの様な形となった】
【モニターはまるで本物のPCの画面の様で、その裏面には金色の眼があった】

【――その"画面"に映されている情報、彼はそれと"睨めっこ"をしている】
【その画面に"宝玉の欠片の位置"が記されているのかは分からないが――とりあえず、"凄く目立つ"とだけは言える】
945 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/05(火) 20:25:33.71 ID:wzlWeolO0
>>943

 厳重な警備体制の中、ゲートの前で話し合う2人の男女が居た。
 1人は中年の女性、スーツの上に白衣を羽織った姿だ。
 そのニヤリとほほ笑むその表情はどこか狡猾、とも言うに相応しかった。

 もう1人は青年と少年の中間の歳の様な男性。
 白い生地に黒のストライプが入った長袖シャツにジーンズと、季節を考えれば薄着な格好だ。
 腰まで届く長く青い髪は後ろ結にされ、さらに三叉に分かれる様に赤と黄と青の三原色の布で分けて結われていた。

「ヒルコ君、その位置で間違いないのかしら? 生憎魔術は専門外なのよねぇ」

「はい、真室川博士。莫大な魔翌力の波長を感じ取れます、ああでも僕の言うことなんて何の信憑性もないので真に受けなくてもいいです」

「OK、それじゃあ警備が厳重だけどアナタは突破できるかしら?」

「ははは、ゴカイより弱い僕なんかにできるわけないじゃないですか。
 できるとしたら、そう・・・僕の中に宿っている」


「"マトイ様"の力ですよ」


「ええ、それじゃあいってらっしゃい」

 真室川博士と呼ばれた中年の女性がニッコリと促すと、
 ヒルコと呼ばれた男は高いコンクリートの壁に触れる。

 その瞬間、コンクリートの壁は砂の様に崩れ、人一人が通れるほどの穴が開いた。

「それでは行ってきます」

 そう言うと、ヒルコはその穴を通り海上施設地帯へ侵入した。
 それを見送る女性はニタリとほくそ笑む。


「さぁ、実験開始よ・・・!」
946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/02/05(火) 20:28:55.06 ID:IQPKKW3j0
>>944(ユウト)

【コッコッコ―――規則正しく地面をノックする音が人気のない旧市街地に広がっていく】
【それは次第にユウトへと、ゆったりとした歩調で…だが確実に接近してくることが分かるだろう】
【ズザ………ザザザザザ………加えて何か―――まるで大きく詰まった砂袋を引きずっているような音も聞こえてくる】
【コッコッコ】【ズザザザザ】【コッコッコッコ】【ズザザザザ】【―――そして】

おーおーいやがったいやがった………宝玉≠ノ釣られてやってきた哀れな子羊ちゃんがなぁ
さてさて…………決まり文句といこうかね―――てめぇは何もんだ?

俺か?あぁ俺はなぁ―――カノッサ機関ナンバーズNO.5―――血界霧の狩人=cジェイ・ヴラド・ヴァルコラキだ
覚えなくていい―――テメェはここで死ぬ定めだからなぁ。

【ウェーブのかかった透き通るような銀色の長髪を結って一本にして垂らし】
【黒い太めのストライプが入った紫のスーツに黒いドレスシャツを着こんでおり】
【腰にはバックルがシルバーのベルトを二本、交差させるようにして装着していて】
【朱い瞳と、犬歯が目立つ、首元に五つの蝙蝠≠フ刺青がある、17歳程の少年】

【ズルズルと引きずっていたのは―――探索に加わっていた自警団員の一人の………亡骸だ。】
【少年は手にべっとりとついた血を舐めとりながら、赤く充血した瞳を滾らせ口元を大きく歪めた】
【魔翌力の反応を覆い尽くすような濃厚なその気配が、充満していく―――。】
947 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/05(火) 20:31:34.85 ID:AWVuOABZo
【近代的な光が街を包む、夜の高層建築は黒いモノリスじみていて、点在する光は星に負けないくらいにキラキラ輝く】
【血管のように張り巡らされたレールの隙間を埋めるように、無機質な物体と無機質な人間達がひしめき合う、そんな区域が今宵戦場と変わる】
【とはいえ、まだそれは始まってないらしく、殺戮や謀略なんかも起きていない、街は表向きはいつもと変わりはしない】
【だが、濁り水はゆっくりと流れ出していたーーー】

ーーーまったく!なんでワタクシが行かなきゃならないのよ!!
こーゆーのは黒犬の仕事でしょ!?

【彼女の叫び声を聞く人間は、誰もいない】
【当然だ、彼女が今いるのは、物見櫓の頂上、区域全体を見渡せるような高度から、冷たい風にフリルと金髪をたなびかせながら、街を見下ろして】

大体なによ!ただの欠片を取りにいけですって!?ふざけてんの主人様は!!それだけの為にワタクシがこんな所に来なきゃいけないのかしら!!
もームカつくわ!さっさと取って帰るわよ!家帰ってお風呂入る!!

【腕組み仁王立ち、ツンとした表情と縦ロールの輝く金髪と黄金の瞳】
【膝まである縞々ニーソックスにミニスカメイド服という、わざとらしくあざとい格好に身を包んだ小柄な少女だ】
【服装に似合わぬ剣幕で一人愚痴を叫ぶ彼女の背中には、身の丈を遥かに越す巨大ライフルが背負われていて】
【ライフルの長い銃身の先に着いた青白く輝く斧の刃が、三日月の様に夜空に映り込んでいた】

《聞こえているぞ、出来損ない》
うっさいわね!聞かせてんのよ!!
《…もっとこう、言うべき事はないのか…まあいい》

【少女が頭に付けた、カチューシャ型の通信機から聞こえてくるのは、また違う声】
【大人を気取る少女のようなその声は、金髪の少女の主人の物だ】
【…そんな主人にも、構わず怒りをぶつけているが】

《場所はこちらで検索している、指示があれば向かえ》
《…ついでに、邪魔になりそうな物は撃っておけ、遠慮はいらん》

最初から遠慮なんかする気はないわ…よっ!!

【真上を飛んで行ったヘリを見上げ、少女はニヤリと悪どい笑みを浮かべ、背負っていたライフルを手に取った】
【遥かに巨大なそのライフルを、右手で簡単に持ち上げて重さを支え、左手でストックを掴んで狙いを済ます】
【スコープなんて彼女には必要ない、備わったその目が、正しい距離と座標と狙いをつける】

ーーー落ちろ!!

【恐らく欠片を探す組織だろうかーーー飛び去ろうとするヘリに、サイトも見ずに狙いをつけ、引鉄を引く】
【爆音と、花弁の様なマズルフラッシュと同時に、銃口が吐き出したのは黄金の弾丸、生物の様に光を尾に引く弾丸は、機械の様に正確にヘリを貫いた】

はーっ!少しすっきりしたわ!!

【落ちるヘリを視界に入れながら、ライフルをドヤ顔で持って叫ぶ少女ーーー彼女の名はセレーネといった】
【煙を上げながら落ちるヘリ、それを撃ち落とした黄金を見た人間は、しかもそこから発車地点を計算した人間はどれくらいいるだろうか】
【ーーー宝玉の欠片は、未だ姿を現さず】

/遅れましたが、大神研究所勢力セレーネです
/ソニアの方、宜しくお願いします
948 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 20:35:24.84 ID:0EVkM+3n0
>>943

【巨大連結橋アクエリアス・ブリッジ。】
【普段はその空間を満たす賑わいはぽっかりと消えて、その空漠を、今宵はただ沈黙と闇が埋めている。】

【その静寂を不意に破る、規則的に響く硬質な足音―――。】

(魔力反応の一つ……その中心は此処か。)
(……今は未だ“敵”も、宝玉の欠片も見当たらないけれど――――)

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

【足音の主はそんな形容の出来る人影だった。】

(…………油断は禁物か。故より、その心算ではあるにしても。)

【内心の思考は、冷静さを保ちながらも、危険性を敏感に感じ取っていた。】

【―――― 近付くだけでもひしひしと感じていたが……この場を満たす莫大な魔力は、只人が持つには剣呑すぎる。】
【そしてそれを狙うのは、常人でも善人でもなく“機関”と創世戦団。】
【それ以外の勢力も可能性としては有るのだろうが――――……何れ、最大級の警戒を要する事態には変わりなかった。】

【嵐の前の静けさのなか、闇を見据え、覚悟と決意を迸らす双眸。】
【それは疾走の如く、この宵闇へと戦意を解き放っていて――――】
949 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/02/05(火) 20:41:12.69 ID:IQPKKW3j0
>>945(ヒルコ)

【ヒルコと呼ばれた青年が海上施設に入れば真っ先に飛び込んでくる光景、それは―――。】
【そう、既に破壊されている電力施設の数々、そして無造作に転がっている警備員の死体である】
【死体はまるで鮫にでも食われたかのように所々欠けており、辺り一帯を血の臭いで満たしていた】
【鮫がこの海上施設に上ってきて、そして警備員を食い荒らしたのだろうか―――否、そんな訳はない】
【あるとすればそう―――ヒルコと同じ目的を持った人物だろう。】

――――………………。

【反応はない、ヒルコが侵入した事は未だもう一人の侵入者≠ノは感知されていないのだろうか?】
【宝玉の反応は施設の奥だ―――邪魔翌立てがないのなら進んでしまっても問題ないかもしれない】
【―――――ヒルコは気が付くだろうか、建物が造りだす影=c……それに紛れるようにして】
【一本の長い蛇のような鮫のような影≠ェ接近してきているのを………それは一定距離まで接近すると】
【ドッ!!と影から無数の鋭利な触手を放ち、ヒルコを背後から串刺しにしようとするだろう―――】
【どうやら先客はとっくにご存じのようであった。】
950 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/05(火) 20:44:08.33 ID:qGIwnB0Ao
>>947

【弾ける閃光はまるで、水飛沫のよう、夜に咲く一輪の鳳仙花】
【袂を揺らす夜風すらも知らない、泡の景色の中へとそれを溶かし込むのだろう】
【やがて尽きる躯の様な夜の街、点在するビルの街へと、零れ落ちていった】


Разбитый Стеклянный Синдром
――――――――Broken Glass Syndrome


【割れる風の音、穿つ槍にも似た、鋭い旋律が、貴方の耳元で響き渡るだろう】
【風を切るその旋律は、貴女ならば十分に理解できる、音の破片】
【音律が重なっていく幾重もの風の層を切り裂き、地面へと落ちる、遥かな残光――――】

【それが砕けたならば、夜風に溶ける花火のように眩いよう】
【落雷の如き旋律が奏でられたなら、貴女の上空から、貴女の一歩前の地面へと銃弾が落ちてきた事に気づくだろう】
【そして直ぐに、天井を見上げたなら、貴女の数mほど上に、一つの鏡が浮かんでいることを、理解できるだろうか】


Здравствуйте, старшая сестра (はじめまして、お姉様)

Я Соня (私はソニア)――――Соня Екатерnна Драгунова(ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ)
Ранняя победа предмета старшая сестра (早いもの勝ちよ、お姉様)


【鏡から漏れる声、そして同時に鏡が砕け、貴女の元へと雪のように降り注ぐだろう】
【それは宣戦布告、貴女へと攻撃と同時に勝負を挑む、少女の儚い声】
【鏡が地面へと落ちたなら、ソレは消えて、やがて一陣の静寂が包み込むのだろう】

【――――耳を澄ませば聞こえる、薬莢が落ちる音、それが奏でる旋律は貴女なら容易に辿れる】
【200m近く先の、少し小さなビル、その屋上に一つの姿があった】
【月光が照らす、その輪郭、スコープすらも凌駕するあなたの視力なら、見えるだろう】

【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【透き通るような素肌に女性としてはやや小柄で華奢な体躯、それでいて膨らんだ大きな胸】
【ゴシック調の紅い身にシルクハットと同じくゴシック調の白いブラウス、首元には紅のリボンタイ】
【紅いチェックのミニスカートの上から黒いコルセットで細いウェストを締め上げ】
【編み上げブーツに黒いニーソックスの雪のように儚い印象の少女】

【右手に持ったSVD――――スナイパーライフルを、地面へと立て、貴女へと静かに視線を注いでいた】
【僅かに伏せるような表情はどこか落ち着いていて、それでいてハッキリと意志を感じさせるだろう】
【ロングバレルの銃口は彼女の身長ほどもあるが、所詮は旧世界の遺物=z

【性能でいえば、貴女が圧倒しているだろう――――】


/よろしくですー
951 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/05(火) 20:48:25.84 ID:I/OUDxiuo
>>946

……むむむ……これをこうしてこうすればどうだろう…………

【険しい表情を浮かべながら、ヴォルヴの画面と格闘していた彼だったが】
【――音?】 【不良の発する音とも、浮浪者が寝床を確保する音とも違う――】
【これは、確実に――確実に、自分の元へと近づいてくる"音"ッ!】
【そうだ、自分以外に宝玉の欠片を求めて来る者は居るはずだ――間違いない】

【彼は、その音の方、ジェイへと身体を向けた――それを発している者がまだ、敵か味方か判らない】
【けれど――その手に持っているものを見れば――判断など、容易だった】

……カノッサ機関ッ! ――なあに、僕はただのUNITED TRIGGER所属のユウトだよ
ここは穏便に云々……なんて、言わないからね? その手に持っている自警団――君が殺ったんだろう?

【彼の表情も声の色も、明らかな怒りを見せていて――】
【その怒りの原因が、そちらが自警団の亡骸を運んできた事だと言う事は、火を見るより明らかだ】


――[ヴォルヴ]! カノッサ機関なんか、……君みたいな人なんかに欠片は渡さないッ!

【分身の画面に映るものが変わり、そしてその画面から現れるのは――】
【機械的な円錐が両端についていて、その間に透明な筒があり、その中に何か剥製的ものがあるものだ】
【円錐の底面はやはり機械的で、その周りの部分はイカリングの様になっていて、それの内側に筒がはまっている形となっている】

【彼がそれを画面に押しこむと、黄色の身体に硬めの紫色や白色の毛を持っていて、蛍光白色の模様が全身にある、全長80cm程の蜘蛛となる】
【眼は金色で、紫色の牙、紫色の鋏角は雷の様に見える形状で先端は白く、背に生える毛はギザギザとしている】
【頭部には雷の様な形状の角が一本、左右の眼の上には雷の様な形状の毛】
【足は紫色で先端は白色で雷の様にギザギザしていて、尻にもギザギザした紫色の毛がある】

――[サンダー・バレット]!

【問答無用、彼はそちらに向けて電気の弾を吐き出した】 【狙いは胴体】
【大きさは、野球ボールを一回り大きくした程度で、速いが回避が出来ないほどではなく、当たれば数秒ほど痺れるだろう】
952 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/05(火) 20:52:24.63 ID:wzlWeolO0
>>949

 潜入した場所の凄惨な光景に目を丸くするヒルコ。
 キョロキョロと辺りを見回し、そして。

「あはっ」


 笑った。


 ヒルコは笑みを湛えながら、人間離れした脚力でピョンピョンと死体の中を跳んでいく。
 目指す場所は宝玉のある浮島の施設。

 しかし背後から忍び寄る無数の鋭利な影が、ヒルコを貫く。

「ぐ、げ・・・ふっ! は、ははは・・・酷いなぁ」

 ヒルコは自分を貫いた影を掴んで、焼き払おうとするが。
 それを察せられたのか影は引込められてしまう。

 ヒルコは体中を、それこそ内臓や首を貫かれたというのに、平然としていた。

「これをやったのは先方かな?
 どうやら陰に隠れて不意打ちするのが得意みたいだけれど・・・それならまず出てきてもらわないとね」

 ヒルコは再びピョンピョンと跳躍し、
 人工島の多く浮かぶ海上地帯の方へと移動しようとする。

 隠れる場所の多いここよりも、浮島の方がまだ相手になるという算段だ。
953 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/02/05(火) 20:54:44.53 ID:IQPKKW3j0
>>948

【カツン―――カツン―――夜の闇に紛れながら、柊の前方から何者かが歩いてくる】
【それは柊の足音にあえて合わせるかのように一歩、また一歩と互いは引き寄せあうかのように接近する】
【20mほどだろうか―――お互いの姿が、橋の明かりに照らされ、スポットライトのように映し出される】
【その姿は―――。】

久しいな、八攫 柊―――フ、活躍は私の耳にも及んでいるぞ………どうやら少しはマシになったようだな
どれ………いい機会だ、少し稽古をつけてやろう

【そう、それは―――】

【黒。そう言い表すしかない漆黒の膝まで伸びるロングコート型の軍服を着込んでおり】
【その軍服の肩、腕、膝などにに西洋鎧から取り外したような漆黒の装甲をあてがっている】
【下も軍用の黒いボトムに、膝から下には漆黒の脚鎧を装着し、腰には一本の鞘が差されている】
【頭部は口元以外を全て漆黒のヘルムで覆っており、髪や瞳は伺う事は出来ない】


【そんな容貌をした身長170cm後半程度の中性的な声を放つ人物】
【ゲトリクス―――創世戦団十二使徒の1st………聖天剣<Qトリクス―――ッ!】


            創世戦団―――十二使徒が一人、聖天剣≠フゲトリクス………参る

【あっさりと…それ以上の言葉はなかった―――否、不要だった】
【まるでもとより示し合わせたかのように、白く輝く刀身を持つ聖剣を抜き去り、ゆらりと歩を進める】
【木の枝でも持つかのように自然に、ゆったりと剣を持ったまま、1m、2mと距離が縮んでいくだろう】
【さて、相対する柊はどう立ち会う…?】
954 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/02/05(火) 21:15:31.40 ID:IQPKKW3j0
>>951(ユウト)

ったく何をつまんねェ事を聞いてるんだよテメェは………そうに決まってんだろうがッ!
それにUNITED TRIGGER………あぁ…こいつは間違いないね………テメェはそう、この俺の………

                   ≪敵=竄セッ!!

【嬉しくてたまらないと言った様子で口元の歪みをさらに深めると引きずっていた自警団員の亡骸を宙へと投げる】
【それが開戦の合図のようだった―――直後にジェイと名乗った少年も疾駆―――ユウト目がけて弾丸のように駆ける!】
【直後に放たれる電撃弾、ジェイはそれを回避する事はなく、突進したまま両手で弾き飛ばす、随分と強引な戦い方だ】
【そのまま次の妨害がなく肉薄を許したのであれば―――】

おいおいどうしたよッ!!そんなんじゃあ全然足らないぜッ!!もっと派手に行こうぜッ!!!
―――ッラァ!!!

【そのまま痺れている両手を使わず、右脚でのハイキックを相手の首元目がけて放つだろう】
【まるで稲妻のような速く、鋭いハイキック、仮にガードしても衝撃が貫通するほどの重さがあるだろう】
【この少年NO.5を冠する通り、そうとうな戦闘経験を積んでいるのが分かる。】

>>952(ヒルコ)

【触手を引っ込めた後、影は闇に解けこむようにスウッ―――と薄くなって消えていくだろう】
【そして、再び静寂が海上施設を包み込んでいく、常人なら緊張で発狂してしまう程の嫌な空気】
【そのまま浮島の奥へと進んでいく際は、特に妨害もなくスムーズに行けるだろう】
【ヒルコが小さな浮島が乱雑に並ぶ海上地帯へと到達した瞬間、次なる攻撃が始まる】

―――――ッッッ!!

【海面に映る建物の影、そこから巨大な生物が姿を顕わし、ヒルコへ襲い掛かるッ!!】

【まず目に付くのは頭部、エイリアンのように後方に伸びており】
【無数の複眼、鮫のような鋭い牙と強靭な顎、光沢を放つ装甲のような肌】
【そして胴体は蛇のように長く、紫に染まっており、そこからまた装甲に覆われた腕が伸びている】
【背中からは数えきれないほどの触手が生えており、全身から瘴気を放っている】
【そんなまさしく異形の魔物と言った風貌の、2mほどの異形】

【異形は巨大な身体をもって、ヒルコの身体を吹き飛ばそうと体当たりを放つだろう】
955 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/05(火) 21:16:56.31 ID:AWVuOABZo
>>950
ふふん!どうよワタクシの腕前は!
《流石私の作った…いや、流石私だな》

【欠片が補足されるまでの暇潰しーーー所詮その程度にしか考えていないセレーネは、呑気にも主人と会話を交わして】
【刹那、すぐ真横を風切り音ーーーピタリと固まって銃痕を確認、それから弾丸が来たと思しき空≠に視線を移す】

ーーー鏡?

【そこにあったのは空中に浮かぶ鏡、街の輝きを映し出す、あきらかな異物】
【その鏡から声が聞こえた瞬間、懸念は確信に変わる】
【ヒビ割れ砕ける鏡の破片を飛び退いて躱し、シャラシャラと落ちる煌めきが消える頃、セレーネはもうとっくに静かになっていた】

【耳を澄ませば、聞こえて来たのは小さな金属音】
【ーーー音のした方向に体を向ければ、ライフルを片手に仁王立ちして、背後をヘリが落下する背景が占める】
【相手がそうだ≠ニ分かっているのにこんな立ち方をするのは、彼女の多大なる自信とプライドからだ】

…なに言ってるかわかんないのよ、バカ!
でもいい度胸ね!この距離でワタクシに勝負を挑むなんて!

【狙撃のスコープ処か、機械ですら凌駕するその眼がソニアの姿を、武装を確りと捉え、重々しい音を立ててライフルを構える】
【威嚇射撃なんてしない、最初からソニアを倒す気で、警告もなく引鉄を引いた】
【そして放たれる黄金の弾丸、その威力はさっき見ての通り、もし生身に食らえばひとたまりもない】

【だが、狙いはソニアよりも少し下、ソニア自身を狙ってはいない】
【セレーネの狙いはソニアの足場、ソニアがいるビルだーーービルの上のフロアを撃ち抜き、足場を崩壊させようとしている】
956 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/02/05(火) 21:29:50.99 ID:qGIwnB0Ao
>>955

【持っている得物の性能が違う上に、相手の持っている身体能力に彼女は驚嘆した】
【彼女はこの距離の貴女を確認するのにSVD――――RaumKrankheit≠フスコープを覗く必要がある】
【――――貴女はその過程すらも吹き飛ばして、圧倒的な力を持って、此方へと責め立てるのだ】


Опасно(危ない)……!!


【揺らめく貴女の銃口、その形を見て、数瞬ほど早く、貴女の狙いを察知した】
【それならば、うかうかとしてはいられない、思うよりも早く、彼女の身体が跳ねた】
【RaumKrankheit≠片手に握りながら、ビルの淵から飛び降りる、落ちる、彼女の身体】

【――――同時に爆ぜる、彼女の右手RaumKrankheit≠ェ唸りを上げて銃弾を吐き出すのだろう】
【吹き上がる彼女の身体、スカートの裾がふわりとまるで羽ばたくかのように、瞬いた】
【夜の中に浮かび上がる彼女の姿、それはまるで天使のよう、巨大な一対の翼が、背中に見える、よう】


Пуля для моего Валентина
――――Bullet for my Valentine=c…っ


【彼女の持つ銃弾の能力、ビルから落ちた際RaumKrankheit≠フ銃口を自身のビルの側に向けた】
【同時に発射することによって発生する風の魔力、暴風にも似たそれと、コンマ数秒遅れて、貴女に崩落させられるビルの衝撃】
【その二つを推進にして、彼女は飛ぶのだろう、前方の、少し低いビルの元へと】

【飛び込むような形で着地するのだろう、自身の身体が付く寸前、右手のRaumKrankheit≠フ銃口を置く】
【彼女の身長ほどもある銃身、衝撃を殺し、そのままビルの屋上へと流れ込む】
【左手で頭のミニシルクハッとを抑えながら、月を望むその姿を貴女に曝け出すのだろう】

【数mほど貴女へと近づいた寸法、地面に座り込みつつ、右手に持ったRaumKrankheit≠構えた】

【まるで舞の一連の動作、右手で引き金へと指をかけながら、左手で銃身を支える】
【銃口がまるで頭を上げるように、月を見上げる儚い月見草のように仰いだなら】
【既に彼女のマリンブルーの瞳は、そのスコープの中へと落とし込まれている】


Выгрузка――――!!


【号令と共に打ち上げられる一筋の軌跡、彼女がビルの屋上へと移動してから十秒もたっていない】
【まさに速射、風を切って向かうその一滴の雫は、貴女のカチューシャを撃ち落そうとするのだろう】
【――――理由は別のところ、彼女としての、ある一定のポリシー≠ゥらの攻撃であって】

【銃弾を放った後に、彼女は再び立ち上がろうとするだろう、そして同時に銃弾を二発¢蕪Uしようとする】
【しかして、その動作は確実に時間を食う、先ほどのような回避はもう、無理だろう】
957 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 21:32:45.83 ID:0EVkM+3n0
>>953

【向けられる声と視えた姿が、瞬時に意識を埋め尽くす。】

(――――――――――…………!)

【――――1st、聖天剣<Qトリクス。前回の邂逅で、自分が、ほとんど太刀打ち出来なかった相手――――】
【……突きつけられた敗北と言葉を、片時も忘れた事はなかった。】
【ゆえに、抑え難い情動を言葉と変えて、己の心を研ぎ澄ます様に。彼女にとっての“大事な”問いは、むしろ静謐な声で紡がれる。】


…………ひとつだけ聞かせて。
……今の私は、剣を抜くに値すると―――― 私は、ただの空虚な剣ではないのだと。

…………貴方は、そう考えているのかしら?

【……返る答えがどんなものであれ、今宵、彼女が此処にある理由は変わらない。ゆえに、この後選ぶ道もまたひとつなのだろう。】

   【――――――――――――― 真実、求める“今”を為す。】
   【護りたいもの総て護るため、翠瀑の宝玉≠魔の手から守る。今宵、眼前の宿敵を撃滅する――――――――!】

【その覚悟を言葉に変えて。紡がれるのは、彼女の誇りたる一振りの銘。】

――――――――――― 金翅鳥……ッ!

【構えるように振り抜く右手。その前腕に顕れるのは、継ぎ目のない漆黒の前腕鎧だ。手の甲にまで張り出した先端部と、その鈍い光。】
【―――― 同時、もう一つの変化が訪れる。】

【霊鳥の形をした炎が虚空より生じ、その内より赤熱の如き光が浅い孤を描きながら伸びる。少女が其れを両手に取り、】
【その光が纏う、黄金の火の粉が音無く爆ぜ散って。現われたのは―――何処までも清冽に美しい、白銀の太刀だった】
【冷たく澄んだ刃の輝きは無謬。極限域の鋭利さを持つ刀身には金象嵌が施されて、その切先を、“敵” の首元へと少女は向ける。】


――――――――――――――――……ふっ!

【刹那総身が加速する。全身の勢いを活かした一歩で、踏み抜く様に剣士は跳躍。】

【右斜め前方へと撃ち出したその身体は、瞬時に彼我の距離の半分を詰めた。】
【最高速を維持しながらの着地、間髪入れず二度目の跳躍に身を委ねる。】
【剣士の総身は再び加速。斜め上へと跳ね上げる様に、ゲトリクスへと、急角度で飛翔/急襲――――――!】

【可能ならばそのまま斬り込み、突進の勢いを乗せた袈裟掛けの一閃を放つ。】
【狙うのは左の肩口だ。だが、対応される/或いはそもそも近づけないのも、可能性として考慮済みで―――――】

【いわばそれは小手調べの一撃だ。斬りかかる者にも、そう大きな隙は生まれない。】
958 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/05(火) 21:36:41.22 ID:wzlWeolO0
>>954

「さて、ここまで来ればライフル銃でも持ってない限り奇襲はできないだろうけど」

 ドーム状の浮島にトンと着地したヒルコ。
 服は海側からの風にはためいてパタパタと音を立て、
 三叉に分かれた長い髪はサラサラと揺れている。

「・・・うん?」

 突如、海面から浮き上がる巨大な影。
 エイリアンの様な異形のそれはヒルコの居る場所に猛然と迫ってくる。

「流石にその巨体で正面から奇襲ってのは無理があるね」

 ヒルコは海面へと跳躍する。
 怪物の突進が浮島の施設を粉砕した。

 ヒルコはまるでアメンボウの様に水面にト、と着地する。

「四色廻召、水虎」

 突如怪物の周囲の海水が、まるで海中で爆薬でも炸裂させたように湧き上がり。
 そして怪物の身体に異様な粘り気を持ってへばり付く。
 まるで接着剤の海に飛び込んだように動きを固定されるだろう。

「ねぇ、これ・・・マインドだよね? そろそろ出てきてもらえないかな?」

 ヒルコの立っている海面に波紋が一定間隔で広がっていく。
 ヒルコは声を上げながらキョロキョロと辺りを見回した。

「あっ、でもそんな自分が不利になるようなことして貰えるわけないよね。
 僕ってば何を思い上がっていたんだろう? ふふふ、あはは。
 そうだよね、僕なんかの前に出てきて面と向かって会ってくれるわけないよね・・・それじゃあ」

 ヒルコの周囲に突如として数多の"燃え上がる車輪"が出現した。

「あのマインドを破壊して、宝玉だけを先に回収させてもらおう。四色廻召、火車」

 燃え上がる車輪は怪物の方へ飛んでいく。
 もしそれに直撃したならば、紅蓮の焔を吹き出し爆裂するだろう。
959 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/05(火) 21:38:34.57 ID:I/OUDxiuo
>>954

――だよね、君が他人の亡骸を回収する様には見えないしさ……ッ!

【今、目の前に居るこの少年は敵――その認識は、より強く固まって】
【投げられた自警団の亡骸へ、何かを語りかける様な眼差しを向けた後】

サンダー・バレットを強引に……ッ!
(くゥッ、……No.5を名乗るだけあって実力は"本物"ッ!) (小技で攻めても……厳しいかッ)

【避けるか、防ぐかするかと思った電気の弾――それを、両手で弾き飛ばされた】
【流石、ナンバーズの上位だけある――だが、それに怯んではいられない】
【相手が弾丸のように駆けて来る、そして繰り出されるは蹴り――稲妻の様に速く、そして鋭いそれ】
【この"蜘蛛の姿"で受けてしまえば、それこそ蜘蛛嫌いの家に迷い込んでしまった蜘蛛の末路になりかねない】


 ――[エレクトリック・ウェブ]ッ!

【――そちらが"稲妻"のように速いなら、こちらは"電撃"の如く迸って見せようッ!】
【素早い後方宙返りによって蹴りを回避、そして尻から吐き出されるは静電気を帯びた太さ1cm程の蜘蛛の糸】
【粘性のあるそれをくっ付けるのは、近くにあった道路標識の鉄の部分】
【その接合部分からは、少しの間バチバチと"青白い火花"が弾けて散って――それは、夜空に輝く"小さな花火"の様にも見えた】

【そして糸を手繰り寄せ"道路標識"へ移動、そのてっぺんにへと登ると吐き出すは――】

君が望むなら、"派手"に行ってあげるよ――大丈夫、"君は"僕を[ピーーー]つもりだろうけれど、"僕は"君を[ピーーー]つもりはないから


――[ヴェノム・サンダー・シェル]ッ!

【――"紫電"ッ!】 【"ビーチボール"程度の大きさの紫電の"砲弾"は、ジェイへ向けて飛んで行く】
【先程の弾より若干遅いが、威力は向上していて――そしてそれは、"体力をじわじわと奪う毒"を持っている】
【その毒は、すぐには効果を成さないだろうが――"確実"に、あなたの体力を奪うだろう】
960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/02/05(火) 22:01:21.10 ID:IQPKKW3j0
>>957(柊)

さて、それはこれから剣を交えれば分かる事だ―――このまま斬り伏せられるか、それとも。
ただ、今宵は幼き剣とじゃれ合うのも良い=c……そう思っただけの事だ。

【表情を感じさせないそのヘルムの奥からはどのような視線が送られているのか、分かりはしない】
【だが依然と変らぬ余裕で、一層研ぎ澄まされた柊の剣の前に立ちふさがっている、絶対的な脅威だ】
【故に弾丸のように跳ねた柊の姿を前にしても、変わらぬ歩調で交差する時を向かえる―――。】
【そして、左の肩口目がけて柊の刀が、振り落とされるッ!】

戯けが―――…一瞬の迷いが死と生を分かつ剣戟の場で失敗≠想定したな…?
様子見≠フ一手など、それこそ力が上の者が図るモノ、私より圧倒的に劣る貴様がそのような一手

【ゲトリクスは道を譲るように体を横に動かし、寸前の所で紙一重の回避を行う】
【回避しきれなかった斬撃により、肩から浅く鮮血が迸るが、それも既に織り込み済みだ、ゲトリクスの剣閃が迫る】
【砲丸投げのように、大きく体を捻りながら回転し、その勢いをもって柊の胴へと斬撃を叩きこもうとするだろう】
【だがそれは柊も想定済みの一撃だ、数mは後退させらえるが、防御は間に合うだろう―――だが】

                 片腹痛いぞッッ!!!

【ゲトリクスは連続性を感じさせない動作で、すぐさま次の攻撃へと移る―――】
【攻撃の成否に関わらず、柊に追従するように接近し、そのまま左腰から右肩にかけての切り上がりを放つ】
【洗練された動きによる剣閃、―――一種の美しさすら感じさせる、恐ろしい連撃。】
【さらに空いた左手には、光が集約し始めている―――既に魔術の工程が構築されようとしているのか】
961 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/05(火) 22:05:04.49 ID:AWVuOABZo
>>956
【先端に膨らみを持った光の帯ーーーとでも形容できよう、そんな攻撃は、いとも簡単にビルの壁を、床を、中身を貫き、開いた空洞に吸い込まれるように自重にて倒壊していく】
【砕けたビルから逃れるソニアの姿を、セレーネは逃さなかったーーーが、それだけだった】
【これほど強力な弾丸を撃てば、その反動も半端ではない、いくら力があったとしても、体重の問題から耐えきれない物がある】

【狙い動作無しに破壊力の高い弾丸を撃てるセレーネは、その反動から後隙が大きい】
【対するソニアは逆ーーーだろうか、狙いをつける動作が必要な代わりに、セレーネ程反動は大きくないであろう、それに繊細な狙いをつける技術もある】

ーーー!

【頭上を掠める弾丸の音一つ、動けなかったーーー】
【打ち上げられ、落ちるカチューシャの横で、眼を見開くセレーネは、驚愕をこれでもかと表していて】

ーーーふ…ふざけんじゃ、ふざけんじゃないわよ!!
狙いをわざと…いいえ、しっかりと狙った…ワタクシの頭じゃなく、カチューシャに!
…馬鹿にして!馬鹿にして馬鹿にして馬鹿にしてぇ!!何よ!ワタクシなんかいつでも撃てるっていうつもり!!?
ナメるのも対外にーーー

《セレーネ、対象の反応をキャッチした、そこから目視出来る筈だ》

【頭ではなく、カチューシャを狙われたーーーその事実がーーー思い違いはあるかもしれないがーーーセレーネのプライドを傷付けて】
【高い声で吠えるセレーネの声を遮って、撃ち落とされたカチューシャから通信が響く】

《そこから三時の方向、高層ビルの屋上だ、急げよ》

〜〜〜〜〜ッッ!!わかってるわよッ!!

【ソニアからも見えるだろう、何も特殊な視力は必要ない、それ程に存在感のある物体だ】
【強い光を放つ、小さな小さな欠片が、遠方にある高層ビルの屋上にある、まるで今生まれ出たかのように、今まではそんな物は見えてなかったのに】
【取りにいくには、安定を取って地面を走るか、それとも危険を冒して建物を飛び次ぐかーーー】

【セレーネはすぐさま行動に出る、カチューシャを拾いながら助走をつけると、今いる物見櫓からジャンプして飛び降りた】
【空中に体を自ら放り出しながら、頭にカチューシャを付け直し、体を振り向かせ、ライフルを構えるーーー】
【次の瞬間、発砲ーーー空中で放たれた弾丸は、ソニアとは全く違う方向を穿ちながらも、空中にいるセレーネの体を吹き飛ばしてーーー】
【反動を利用して空中を移動したセレーネは、近くの建物の屋上に着地する】

【ーーーこの戦いは争奪戦≠セ、何も相手を戦闘不能にするのが目的ではない】
【狙いはあくまでも宝玉の欠片、それを取りに急ぐのは当然の事】
【…それを邪魔するのもまた然り、であるーーー】
962 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/02/05(火) 22:11:26.67 ID:IQPKKW3j0
>>958(ヒルコ)

【突進攻撃を回避され、そして放たれるヒルコの攻撃―――それによって異形の行動は停止する】
【そして紅蓮の歯車が、異形の元へと殺到し―――】
【だが、歯車は異形の身体を捉える事はなく、そのまま素通りするだろう、何故ならば…異形が消えたからだ】
【やはりマインドだ、マインドであれば好きなタイミングで出だしする事も可能だろう。】
【再びの静寂、そして―――】

――――ッ!!!

【再びマインドが陰からクジラのように姿を顕わし、そのままヒルコを押しつぶそうと、迫ってくる】
【先ほどと同じ、単調な攻撃―――そう思えるが………何かが違う。】
【何かマインドの巨体の陰で光るモノがある―――あれは………刃だッ!細長く鋭い刃、つまりそれは】

馬鹿が………私が姿を見せたという事は貴様の最期という事だ。

【そのままマインドの攻撃を回避したならば、そのタイミングを狙って、鋭いレイピアの刃がヒルコの喉を貫こうと放たれるだろう】
【もし感づければ―――回避はなんとか可能なタイミングだが、はたして…?】
963 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/05(火) 22:12:44.47 ID:KJeEtdGAo

【 水の国/街中 】


「――、あらあらぁ。今日はやけに、苛ついてる様子ねェ。」


【――通りの脇、小料理屋の二階から、話しけかる声】
【見れば、『店主』だろうか。…、…線の細い、中性的な男だ】
【『彼』が話しかける、その先。通りに立つ人物の方を見遣れば――】



…、…別に。


【――、大凡、女性としては平均的な身長をした、十代後半の女性だ】
【ショートの黒い髪に、黒い瞳。黒のプリーツスカートに、黒のコートの黒ずくめ】
【銀色のアタッシェケースを提げ、胸ポケットからは菓子の箱が覗いていた】


【どうも、見るからに、不機嫌そうでは有るのだが――】
【さて、意地っ張りなのだろうか。無表情を一層凍らせて、通りの壁に背を預け】



「あァ、分かったわぁ――森島京≠ェ、『ミール・シュタイン』に来てるかもしれないものねェ。
 でも、残念。…、…ニュースじゃ何にも言ってないし、ハズレよハズレ。
 アナタの『兄さん』捜すのなら、其処らの機関員、問い詰めた方が早いんじゃなァい?」



――、分かってる。五月蝿い。



【幾分、苛立ちを露わにして、女性が言葉を言い放つ】
【…、…肩をすくめて、店主が店の奥へと戻り――残されたのは、路上の女性だけ】
【苛立ち紛れに、足元の石を勢い良く蹴飛ばすと、思ったよりもよく、前方へと飛んでいった】
964 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 22:21:36.87 ID:wzlWeolO0
>>962

 影より突如現れる鯨影。
 突き出された白刃。

 そのレイピアは確かにヒルコの喉元に突き刺さるが。


「あはっ」


 ヒルコは喉を貫かれてなお笑っていた。
 そのままヒルコは"水面の固定化"を解除し、異形のマインドと共に海に沈みこむ。

 「四色廻召、水虎」、そう口が動いたかと思うと。
 周囲の水が突如粘り気を持って、再び縛り付ける。

 ヒルコ自身と、レイピアを伝い、安易に姿を現してしまった"本体"を鎖の様に繋いで。

 ヒルコはこのまま海中へ共に引きずり込もうとする。
965 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/05(火) 22:23:35.06 ID:qGIwnB0Ao
>>961

【綺麗だと思った、溶けていくビルの欠片を、そしてそれを飲み込んだ光の奔流をも】
【それは美しき破壊の翼、触れたものを破滅へと導く、悪意の光――――】
【とくん、と細く白い喉を濡らしたのは、恐らく、恐怖と、ソレに似た感情】


Катюша=c…ソニアの、ソニアの、大切な名前だから
ごめん、でも――――どうしても、どうしても……


【カチューシャ、その名前は彼女にとって大事なものでカチューシャ自体もそうであろう】
【だからこその矜持、ただ一つ残った、小さく思い果てないかすかな願いのよう】
【それをせめて貫くことだけ、許してくださいと誰かに問うた】

【早い動きだ、スコープから目を離して、彼女はRaumKrankheit≠フ銃口を下げる】
【彼女とまた同じように反動を利用した動き、違うのは貴女のソレは彼女と違い一々のリロードを必要としない】
【それでも、反動が大きい分、条件は同じ、ならば、と再びスコープへと視線を落とそうと、した】


Свет(光)――――あれがЮвелирные изделия(宝玉)


【宝玉を狙いその身を近くへと飛ばした貴女と違い、リロードにかけた時間分、彼女は遅れる】
【加えて最初から距離にハンデがあった、正攻法では追いつけない――――】
【それならば、狙う術は一つだRaumKrankheit≠フ長い銃身がその身を揺らめかせた】

【ドレスコードに縛られないその漆黒の腕が羽ばたいたなら、咆哮にも似た銃声がとどろくのだろう】
【それを受ける彼女の耳、ひょっとすれば少なからず影響を受けているのかもしれない】
【夜風に蕩ける小さな白い雪のよう、ぴくり、と貴女の音を耳で辿った】


ВниманиеAttention
Расстояние距離=\―――Спецификация特定


【彼女の身体が屋上へと溶ける、よう、その小柄な体躯を地面へとうつぶせにした】
【RaumKrankheit≠フ引き金に右手の指をかけたまま、左手でその銃身を支える】
【スコープ越しに見える視界、それはまだ薄靄のかかった朝焼けみたいであって】

【何度か調整する、彼女の狙いは、出現した、小さな小さな、宝玉の欠片】
【髪の毛一本、混じってはならない精密な動作、必然的に心臓の音が激しく鼓動する】
【加えてこの気温だ、並みの人間であればその寒さで指先は震えてしまう】

【手元が僅かにぶれただけで遠くの銃弾は別の軌道を描く】
【それは望まれぬ子供のよう、何も掠めることなく、ただただ虚空へと飲み込まれてしまう】
【けれども、雪国育ちの彼女には、この程度の気温など、単なる風に過ぎない】


――――Выгрузка


【唸りを上げる銃口、放たれる銃弾が風を穿ち、夜に風穴を開けていくのだろう】
【響き渡るその軌跡が、まるで季節外れの彗星のよう、尾を伸ばしたなら、重なり合い美しく燃え上がる】
【弾頭は逃さない、その牙を得物へと突き立てるまで、その身を、果てるまで】

【――――完全に、いけたと思った、しかし、現実はそこまで簡単ではない】
【彼女の弾丸は高い位置に吹く強い風に揺られ、大きく高度を落とすのだろう】
【ずれた銃弾はビルの直ぐ下、屋上の下の階の窓ガラスを激しく叩き割った】
966 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/02/05(火) 22:24:01.69 ID:IQPKKW3j0
>>959

ったくチョコマカと逃げ足だけは一級品だなッ!!流石正義の味方は違うぜッ!!
気持ちわりーそのなりを全部引っぺがして引き裂いて殺してやんよ………カカカッ!!

【蹴りが回避され、舌打ちをするがすぐさま体勢を変えて標識にくっついた相手の姿を追う】
【その眼はまさに得物を狙う狩人だ―――もはや宝玉など関係なく、ユウトを狩る事だけを考えているように見える】
【そして放たれる――ヴェノム・サンダー・シェルに対してもどうように、拳をぶつけて弾き飛ばすが………】
【右手にはじんわりとした血液が垂れ、そして身体全体を何とも言えぬ気だるさが襲っていく。】

あ………?ッチ毒≠ゥ………全く正義の味方はやる事が流石って感じだなァおい………!
まぁいい、なら俺も………じわじわと嬲ってやるとするかなッ!!

【突如、ジェイはその身体を後方へと捻る―――すると右手から流れる血液………それがまるで生き物のように蠢きだす】
【ギュルギュルと練り上げられるそれは、三つのパチンコ玉程度の球体となり、ジェイはそれを―――。】
【そのまま勢いよく捻りだすようにユウトの方へと放つッ!!その速度は弾丸のようで、威力も本物の拳銃から放たれたように強烈である】
967 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/02/05(火) 22:34:55.59 ID:IQPKKW3j0
>>964

【マインドの術者の正体は、少女だった】
【肩ほどまで伸びたクセのある外に跳ねた焦げ茶色の髪を、一本に結んで】
【黒色のカーディガンに、その下にドレスシャツ、それを肘辺りまで袖まくりしてあり】
【グレーのチャック柄のスカートにニーソックス、黒のパンプスを履いた】
【黒と金が半々に彩られた瞳を持った、160cm程の女子高生と思われる少女】
【少女はのど元を突きさした事で勝利を確信したのかほくそ笑んだが、直ぐさまそれは驚愕の色に染まる】


なッ―――貴様ッ一体なんだと………グッ!?

【確かに喉元を突き刺した―――だが、眼の前の青年は、否青年であるかもこの際は怪しいが】
【それはまるで意にせず、平然としているではないか………それにあっけらかんと気を取られていると強烈な重みが腕に伝わる】
【そのままマインドの操作者は、ヒルコ、そして自身が出したマインドと共に冷たい海面に引きずり込まれた】
【だが―――少女はぶくぶくと肺の空気を出しながら嗤う。】

(馬鹿が―――海中こそ闇だらけ≠セ………逃げ場をうしなったのは貴様の方という訳だ
 このまま………どうやらただの人間ではないようだが、動かなくなるまでグシャグシャにしてやろう)

【スッとマインドが消えると、次に現れるのはヒルコの下からだッ!】
【背にある無数の触手をとがらせて、そのままヒルコを胴を蜂の巣にしようというのが狙いだろう】
968 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/05(火) 22:47:39.29 ID:I/OUDxiuo
>>966

ふふふ、君達の方がよっぽど……ね?
僕は、君みたいな悪い奴が嫌いなんだ――平穏をぶち破る事を良しとする君達がねッ!
"私怨"だと思って貰っても構わないさ、僕が"正義の味方"をしている"理由の一つ"はそれなんだから

【ギロリ、怒りと憎悪をふんだんに含んだ8つの眼はジェイを睨んで離さない】
【善き者には優しく、悪しき者には厳しく――それは"勧善懲悪"の精神ッ!】
【半ば自嘲的な口調が交じるのは、それに囚われ過ぎている事を自覚しているからなのだろう】

(宝玉の欠片はどこにある……ッ?) (その前に……眼の前の敵を打ち砕かなければ……探すのもままならないッ!)


――"紫電"……確かに右手に当たったッ! けれど……流れる"血液"……何か、変だぞッ
まるで"生き物"のように蠢いて……はッ!

【確かに当たった攻撃、しかしその傷より流れる血液は弾丸として三発撃ちだされたではないか!】
【素早い動きで、糸を出したままバックジャンプ】
【だがその弾丸は、彼の右から一番目の脚を、腹部を捉えていて――回避できたのは、一発のみ】
【空より落ちる、雷の様な形の脚部――降る血が赤いのは、元が人間だからなのだろう】
【糸は、地面へと落ちるが未だ静電気を帯びていて――もっとも、動きがないため意図的に踏まなければ害はないのだが】

【半ば落ちるような形で着地した彼――】
【一旦、尻の糸を切り地面へとくっつけると、今度は電線へ向けて吐き出しそれに糸をくっつける】
【電線の上へと登るつもりなのだろうか?】 【それとも、何か別の思惑があるのだろうか?】
【――彼は、電線へくっつけた糸を、地面にくっつけた糸と繋げた】 【血溜まりが、辺りに生まれていて】

【それと同時に吐かれるのは、[サンダー・バレット]――】
【最初のものと比べると、威力も速度も遅く、更に狙いが甘い――回避は容易だろう】
969 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 22:49:35.04 ID:0EVkM+3n0
>>960

【斬りかかった勢いをさらに加速させて、抉りこむように全身を廻す。それに伴い一回転した刃を以て、胴を狙った斬撃を受けた。】
【……衝撃を逃す事も忘れない。“受けた” 瞬間に自ら跳躍、隙を封じつつ後方に退避―――――】

(――――――――…………ッ!)

【―――――― それに追従するゲトリクス。軽やかに再び振り抜かれる刃――――――】


【―――――それが鳴り響かせたのは、二度の金属音だった。】
【先ず剣戟を迎撃したのは、左手を放し、斜めに振り下ろす太刀での一閃。】
【聖剣の根元付近を叩き、僅かに勢いを削ぎつつ太刀筋を変える。】
【そして、同じ腕の“記憶石”の前腕鎧―――――その漆黒の装甲を以て、剣の腹を叩くように “斜めに逸らす”。】

 【そうして紡ぐ言葉には、瞳とともに澄んだものがあった。】

…………前回、私は確かに敗けた。それは、その過去は変えられない………。
けれどどちらが勝るのか、劣るのか―――――― その一点を譲るつもりは、“敗けられない”今の私にはない……!

【――――――――“護りきる”己の剣こそが、最強であると強く信じる。】
【この手にあるのは“誓い”の孤剣。そして、その右腕を守るのは、譲り受けた絆の装甲――――――】
【……如何に強大な敵であっても、たとえ勝率かどれだけのものでも。】

 【“己は、切り裂ける刃であらねばならない”。そう、自分自身を奮い立てて柊は反撃に移る。】

――――――――――…………はぁァッ!

【両手で太刀を構えなおす。】
【直後放つのは、全身の勢いを乗せた一歩で、真横に振り抜く強烈な一閃―――――。】
【確実に手傷を与えるために、深く踏み込みながらゲトリクスの“左手”を狙う。】

【魔術の封殺。それが、この一撃の狙いだろう。】

【当然、ゲトリクスの右手の剣はノーマークになる。】
【……それは、聖剣の一撃を誘っている様でもあった。】
【それだけのリスクを冒さねば、今宵、勝利は望めない―――――】
【そう理解した上で選ぶ一手。結末は如何に。】
970 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟・東北) [sage]:2013/02/05(火) 22:52:50.21 ID:YRI6dByAO
/>>969

”己は、切り裂ける刃であらねばならない”

”己は、勝利する刃であらねばならない”

に修正願います。
971 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/05(火) 22:57:45.72 ID:AWVuOABZo
>>965
【反動を利用した無理矢理な移動を以て飛び付いた足場で、背中向きに床を吸ってブレーキをかける】
【止まった瞬間から、セレーネはすばやくソニアを見た、着地を狙った攻撃を警戒してだ】
【しかし、ソニアの取っていた行動は、予想とは全く違っていて】

ーーーあいつ…何をーーー!

【寝そべるソニアの体制は、物を正確に狙う為の狙撃体制だと理解するのにそれ程時間はいらなかった】
【ソニアが銃口を向けているのは自分ではなくーーーハッとして、振り向いた先は宝玉の欠片、次の瞬間弾けた音が空に響く】
【ーーー宝玉を狙ったーーー!?まさか、何を考えている!?】
【砕けたガラスの音を遠くに聞きながら、憎々しげにソニアに表情を向けたセレーネは、ライフルをソニアに向けて構えた】

ーーー無視して取りに行けばいいと思ったけど、気が変わったわ!
アンタにアレを壊されたら、ワタクシが怒られるのよ!!

【ソニアを放っておけば、その間にまた宝玉を狙うかもしれないーーー今のは外したが、何度も外す事もそうないだろう】
【もしそうなれば欠片の回収という任務は失敗、主人にお叱りをもらってしまう】
【それはよくない、ならばこういう不安要素は取り除いておくに限る】

【ライフルを構えるセレーネの身体から、緑色の光が浮かび上がり、ライフルに吸い込まれていくーーー】
【やがてライフルの銃口には、緑色の魔法陣が敷かれ、幾何学模様が回り出す】

吹き飛びなさい!!

【引鉄を引いた瞬間、弾丸の代わりに魔法陣から放たれるのは渦巻く風、それは広がりながら、突風となってソニアに襲い掛かる】
【弾丸のような物理的なダメージは無いが、かなりの範囲を持つ強風だ、それを以てソニアを吹き飛ばそうとした】
972 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/05(火) 23:03:58.79 ID:6oB6KD1K0
>>963
/まだいらっしゃいますか?
973 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/05(火) 23:05:27.20 ID:KJeEtdGAo
>>972
/居ますよー、時間的に持ち越しになるかもですがー
974 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/02/05(火) 23:06:06.70 ID:IQPKKW3j0
>>968

平穏だぁ………テメェは一体何を以って平穏と位置づける…?
俺か?俺の平穏はなぁ………闘争≠セッッ!!血と肉が飛び散り、人がゴミみてーに消えていくッ!
血が煮えたぎる様なッ!!そんな闘争≠フ場においてのみ俺の精神は安らぎを得られるんだよォ!!!

だからよ―――お前の平穏が他人の平穏と…思わないこったな。

【この少年は―――破綻している、そもそもまだ青春を謳歌してしている年齢で戦場にいる時点で不自然だ】
【そして戦いに生きる事こそ平穏だと、自分の平穏はそれだと少年は言う………根源からの戦闘狂/バトルジャンキー≠セ】
【だがそのような、道徳の、倫理の通用しない相手………それがカノッサ機関、それがナンバーズだ】
【少年は、ユウトの表情を見ると、楽しげに笑いスーツのポケットから何かを取り出す、それは―――】

            お探しの物はこれかな………正義の味方さんよ?

【その左手にあるのは―――まさしく宝玉の欠片=c……このカノッサの刺客は、既に手に入れていたのだ】
【では何故わざわざユウトの前に姿を現した、何故直ぐに持ち帰らない…?疑問は尽きないが、考える余裕はなさそうだ】
【続くサンダーバレット、すれを再び拳で、今度はキャッチし、なんとそのまま握りつぶす】
【当然掌は裂け、先ほどよりさらに傷は広がったが―――少年は未だ哂っている。】
【ふと、少年は戦闘態勢を解いて、左手の宝玉を手の中で転がしていく………そして】

よぉ………正義の味方さんよ………コレ=c欲しいよな?
                              じぁあさぁ―――やるよ

ほれ、受け取れよ―――ついでにオマケつきでなッ!!!

【なんと自分からユウトに向けてそれを投げつけたのだ、放物線を描くようにゆっくりとした速度で】
【それにユウトが喰らい付けば………その瞬間に、右手を伝っていた血液が再び動き出し、ジェイの爪へと纏われていく】
【そして出来るのは―――爪から伸びる1m程の長さもある、五本の刃だ―――それを】
【宝玉を受け取ろうとしたユウトへと、無慈悲に振り降ろすだろう血液はウォーターカッターのように回転しており、凄まじい切れ味だ】
975 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/05(火) 23:13:30.45 ID:6oB6KD1K0
>>973
/時間的に持越しになりそうでしたか。
/持越しになった場合次の日もこの時間くらいからになってしまいますが、それでももしよろしければお願いします。
976 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/05(火) 23:15:04.59 ID:qGIwnB0Ao
>>971

【狙いを外した、本当ならば責められるべきことではあるが、状況が状況ともいえよう】
【いくら腕の良いスナイパーであれど、このような高層ビル間、高さの違いもあれば、風も吹いている】
【――――しかし、本当に彼女は宝玉≠狙ったのであろうか】


Ветер(風)!?……ダメ、飛ばされ……っ!!


【屋上へと寝そべっている状態、必然的に飛ばされる可能性を下げるのであろうが】
【彼女の体重が問題であった、武器を持つ人間に相応しくない軽すぎる体重は、容易に風に吹かれる】
【舞い上がる、まるで翼が生えているかのよう、羽ばたくその手に、スナイパーライフルを持ったまま】

【風に吹かれたなら、その場から吹き飛ばされ、ふっと、足元から世界が消える】
【ビルの屋上から突き落とされる、足場は既に無く、ただひたすらに虚空を掴むだけ】
【その姿の一部始終を、貴女からは見ることができるだろう、それはとても、幻想的な光景】

【背中から落ち行く彼女、空中で両手を広げた、その間もぐんぐん、と速度はましていく】
【重力が引く、彼女の背中≠サの身が地面へと瞬く間に近づいていくのだろう――――】
【それは朽ちる前の羽のよう、砂時計の中に閉じ込められた時間が、今消えていく】


сожалею(ごめん)――――ソニアは、まだ――――いけないの、みんなの、とこ
――――Broken Glass Syndrome=\―――……っ


【彼女の背中に出現する、彼女サイズの大きな鏡、そして彼女の身が、鏡へと叩きつけられる】
【寸刻、彼女の身体が溶けた――――否、沈んだ、その鏡≠フ中へと】
【雪が水に溶けていくように、海原へと人が帰っていくように、その身がするり、と溶けたならば】

【貴女の――――セレーネの前方から、音が聞こえるだろう、地面へと触れる、薬莢の音】
【視線を向けてみれば、宝玉の在るビルの屋上のフロア――――彼女が砕いた窓ガラスの、在るフロアへ】
【その華奢な体躯が、瞬間移動していることに気づくだろう】

【右手に持ったRaumKrankheit@れ落ちる空の薬莢、足元には、先ほど撃ち室内へと散乱した幾重ものガラス片】
【その中に一際、大きい光を見つけたならば、それが真新しい鏡≠ナあることに気づけるだろうか】
【彼女の狙いは最初から一つ、宝玉ではなく、その下のフロアの窓ガラスを砕くこと】

【そうすればそこに鏡≠作ってもばれないと踏んだのだろう、直接宝玉の側に作ったなら、直ぐに悟られるであろうから】
【散乱する硝子の中へと紛れ込ませる作戦、それは彼女が選んだ、苦肉の策】
【圧倒的性能の違いを覆そうと、その身は飛んだのだ】


――――Здравствуйте, старшая сестра (はじめまして、お姉様)
UNITED TRIGGER≠フ、ソニア―――ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ

勝負の時間は、もう、おしまい……?


【左手には新たな銃弾、右手のRaumKrankheit≠ヨと装填する、次の銃弾】
【リロードには早くても五秒ほどかかる、そうなれば、貴女には十分反撃の術が残っているだろう】
【ぐっと距離の縮まった彼女と貴女、雌雄を決するのならば、最早この瞬間しかないのだろうか】
977 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 23:15:48.77 ID:wzlWeolO0
>>962

(マインドを消したってことは・・・、また奇襲をする気か。
 となると奇襲をするなら死角になる僕の背後だろうね)

 ヒルコは漠然と、しかし冷静にその戦いから相手の戦術を見極めていた。
 そして迫り来る下からの異形のマインド。

 しかし、その"さらに下"から。
 ヒルコは本命の術を仕掛けた。

 「四色廻召、砂男」、泡を吐く口がその様に動いた。

 マインドの更に更に下、海底から。
 マインドよりもさらに巨大なモノがせり上がってくる!

 それは砂でできた男の顔だった。
 海面から差し込む光に照らされたソレは、大きく口を開き。

 マインドもろとも、ヒルコと少女を飲み込もうとする。

(ああ、君は死ぬんだよ。ゴメンね、道連れがフナムシ以下の価値の命しかない僕で。
 でもまぁ、この世には無駄に死んでしまう人や殺されてしまう可哀そうな人だっているし。
 僕なんかと一緒に死ぬことになっても、仕方ないよね?)
978 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/05(火) 23:16:26.63 ID:KJeEtdGAo
>>975
/多分、明日は夜更かし大丈夫だと思うのでお願いしますー
979 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/05(火) 23:17:29.45 ID:6oB6KD1K0
>>978
/それではよろしくお願いします!

>>963

【女性が蹴り飛ばした石は、弧を描きながら飛び跳ね】
【両手をコートのポケットに手を突っ込みながら前方を歩いていた男の背中に当たった】

【男の姿は黒髪短髪、黒のカラーシャツと黒いジーンズ、その上に黒いコートを着ており】
【口には3本のタバコを一度に咥えている】

…チッ

【紅色に染まった瞳を石が飛んできた方向にいる女性の方へ向け】
【不機嫌そうな顔を向けながら舌打ちをした】
【元々不機嫌な顔をしていたが、石が背中に当たったことでより一層険しい表情になっている】

980 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/05(火) 23:22:58.48 ID:KJeEtdGAo
>>979

【――、不機嫌そうな顔を向ければ、そこにも不機嫌そうな顔】
【女性の方はといえば、もう、とんでもない仏頂面である】


……、 ――。


【「当たった方が悪いんでしょ」――そう、黒の眼で返す】
【舌打ちまでは行かないものの、こうなっては、同じようなものだ】


【どうにも―― 、 面倒臭い事になりそうだった】


/お願いしますー
981 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/02/05(火) 23:26:21.49 ID:IQPKKW3j0
>>969

―――どうやら少しは澄んだ≠謔、だな………その剣閃、面白い。

【パンッ!という音と共に聖剣は腹を叩かれ、弾かれるようにその切先を虚空へと向ける】
【自身の剣閃の速度に反応し、返しの手すら放つ柊を………ゲトリクスは素直に称賛の意を述べる】
【たった一言、だがそれでいい―――この闘いにおいては言葉よりも剣閃が意味を成すのだから―――。】
【そして開いた胴目がけて放たれる柊の横一閃、だがゲトリクスは逆に迎え入れるように左手で刃へと向かう】
【直後―――眩い光が左手より放たれる。】

ブラフだ―――《光壁陣/プロテクト・ライト=t

【―――防護魔術<b!!】
【そう、普通防護魔術とは相手の攻撃の後に短いアクションで対応すると言うものだがゲトリクスは】
【あえて先出の形で魔術を組むことによって相手の攻撃を防壁へ引き寄せた≠フだ―――当然光の障壁は剣撃で砕かれる】
【だが、ゲトリクスへのダメージは著しく軽減され―――左手に一筋の傷が出来るのみだ。】

             聖剣技=\――ツヴァイ・シュトリヒ

【そして―――聖剣がゲトリクスの呟きと共に発光―――刀身を光のオーラが覆い尽くす】
【ゲトリクスはそのまま懐へ踏み込むと、まずは剣を逆手に持ち替え頭上への切り上げを放ち―――】
【切り上げた後にすぐさま手首を翻し、そのまま振り降ろす―――高速の二段剣撃。】
【恐らく防護魔術のブラフによって柊の予想より深く―――そして素早い速度で攻撃が繰り出されるだろう】
【加えて光属性を纏った刀身は、例え刀身越しに触れたとしても、肉体にスタン効果を齎すだろう】
【さて柊は―――この窮地をどう乗り切るか…?】
982 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/05(火) 23:30:25.02 ID:6oB6KD1K0
>>980

【不機嫌な表情で睨み合う二人】
【沈黙が続くこの何とも居心地の悪い空間で先に男は言葉を発した】

なんだあんた…俺に用か?
石まで使って、呼びとめて俺に用か?

【不機嫌な声にのせて、石の部分を強調して言った】
【用があるわけではないのは分かっているが、明らかにわざと聞いてくる】

十後半と言ったとこか?
見た目も頭も子供なら、やる行動まで子供くさいな。

【そして挑発】
【男も仏頂面のままは変わらず、馬鹿にした言葉を言ってはいるが馬鹿にしている様には聞こえない】
【女性の行動に呆れた様な言い方で言い放った】
983 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [saga]:2013/02/05(火) 23:30:46.55 ID:I/OUDxiuo
>>974

君みたいに――そうやって、人の命を踏みにじる悪い奴が居なくなったらかな?
――"更正"させられれば一番良いんだけれど、……――

【本来その後に続く言葉は、ほんの一瞬だけ見せたどこか哀しげな眼と共に途切れて】
【……それは、彼の甘さの現れなのだろう】 【"更正不可能な奴は殺す"なんて、彼には出来ない】
【"魂は可能性――肉体を活かすも殺すも、どう生きるかも魂次第だ"――何故、今、父より聞いたこの言葉を思い出したのだろうか】


ディルム……はッ! それは宝玉の欠片ッ! ……そうか、もう君が手に入れていて―――― 

【不意に漏れる呟きをかき消すかのように投げられたのは――】
【彼が、カノッサ機関の者に渡さまいと思い、眼の前の敵と戦っていた"目的の物"】
【わざわざ、無意味に投げる理由なんてないはずだ――これは、"罠"に違いない】

【けれど、解っていても――――】

ッ! ぐ……ガハァッ!

【取らざるを、得なかった】 【身体が、勝手に動いた】
【気がつくと、7本の脚は跳躍という行為をしていて――欠片に口部で文字通り"喰らいついていた"】
【――そして、無慈悲に振り下ろされた"血液の刃"は、"この姿"の彼には重すぎる一撃だった】

【軽く吹き飛ばされながら地面に落ちたのは、彼と宝玉の欠片だけではない】
【脚――右二本、左一本】 【左鋏角及び頬、角――ついでに毛】 【そして――真っ赤な鮮血は、頭部や腹部へのダメージの重さを物語る】

まだだッ……君に渡すわけには……

【それでも彼は、宝玉の欠片を取ろうと電気の帯びていない糸を伸ばして――はたしてそれは届くのだろうか】
【彼が吐き、地面に落ちた糸は彼の腹部に密接していて】

【血液の刃と彼の身体が触れ合った時、一瞬バチィッと火花が散り――焦げ臭さを残した】
【どうやらそれのおかげで、威力を弱めることが出来ていたようだ】
984 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/02/05(火) 23:35:46.61 ID:IQPKKW3j0
>>977

―――ヒッ…!

【恐怖―――少女を襲ったのは根源的な、尤も単純な感情だ………自身の手の内を読まれ】
【さらに視覚的にも恐ろしい技を、自身のマインドを上回る存在を見せられ少女の心のダムは決壊した】
【恐怖=\――恐らくヒルコには理解の出来ない感情。】
【―――戦う前から勝負は決していたのかもしれない、戦闘能力ではない、存在としての根源から器が違ったのだ】

い、嫌だッッ!!私は、私は―――私を捨てた親と、世界を変えるためにここまで…ここまで…
ここまで自分の手を汚してきたのに………こんなッ!!こんな終わり方はッ!!!!

あ――――ああッ!!

【半狂乱になり、マインドすら無意識に消して、レイピアすら手放して―――少女は海面へと手を伸ばす】
【無防備な背中―――もはや逃げる事の出来ない、常闇―――まるで彼女の生そのものを描いたような光景だ。】
【ぷかッ】

【手放したレイピアだけが、ゆったりと海面へと浮いてきたのだった―――】
985 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/05(火) 23:37:45.59 ID:KJeEtdGAo
>>982

【――、風に舞うショートの髪を、手で軽く撫でて】
【こちらも、同じように「呆れた」と云った感じで、口を開く】


…、…煙たいのよ。口、開かないでくれるかしら。
馬鹿みたいに歩きタバコしてる方が、よっぽど「背伸びした子供」臭いと思うけど。


【――うわー。喧嘩する気満々だー。】


【客観的に見れば、どう考えても女性の方が悪いし、大人げないのだが――】
【どうにも、苛ついているらしい。…、…黒の二人は、そのまま対峙を続けるだろう】
986 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/05(火) 23:46:05.59 ID:6oB6KD1K0
>>985

……チッ

【男は不機嫌な表情のまま、しかし先ほどよりもさらに険しく表情がなった】
【見える人には見えるであろうが、男の額には青筋が一つ立っている】
【女性の言葉に苛立ちを感じたゆえであろう】

「背伸びしたガキ」はあんただろ。ガキが。

【今度はガキと言う言葉をわざと強調して、不機嫌な声に乗せて言う】
【この男は、見た目と雰囲気に反して怒りっぽくキレやすい性格をしている】

何にイラついてるがしらねぇが…
こっちも大分イラついてる事情があってな

【男の周囲を空に向かって漂っていた煙が、不自然な方向へと曲がり、男の周囲に停滞するように漂い始めた】

やるってんなら…遊んでやるぜ

【濃く、色濃く、灰色の煙が男と女性の間の視界を遮るように集まりだす】
987 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/05(火) 23:48:44.64 ID:wzlWeolO0
>>984

(おや?)

 ヒルコから見れば不自然な光景だった。
 眼前の少女はいきなり表情を変えて、
 自分の喉に突き刺したレイピアすら手放し、海面へと必死になって逃げるのだ。

(ああ、そうだよねぇ。汚物同然の僕と死ぬのはやっぱり嫌だよねぇ)

 ヒルコは少女が海面から顔を出したのちに、
 砂でできた男の頭に乗って、海面から出てくる。

 濡れた三叉の長髪がペッタリと背中に張り付いていた。

「ねぇ、まだやる? 僕としてはどちらでも構わないし、
 むしろ僕みたいなシデ虫でも君みたいな綺麗な人のサンドバック代わりになるなら大歓迎なんだけれど」

 ニコニコと不気味なまでに張り付いた笑顔で。
 ヒルコは海面で泳ぐ少女に問いかけた。
988 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/05(火) 23:51:03.90 ID:AWVuOABZo
>>976
【メチャクチャな力を無理矢理吐き出す、それがセレーネのやり方だ】
【容赦や躊躇を入れる隙がない、入れる意味がない】
【尋常ではない強風でソニアを吹き飛ばしたのを確認したセレーネは、風が止んだ後のライフルを持ち直し、ソニアの姿を再度探す】
【忌々しい少女の姿はもう見えない、これでようやくゆっくりと回収に迎えるーーーと、振り向こうとした刹那】

【耳を付く音、聞き慣れた音】
【ハッと眼を見開いて、視線を向ける時間がやたらと長く感じられた】

ーーー…なんでよ…?

なんでアンタが!そこにいるのよォーーッッ!!!?

【見上げる少女の叫び声は、遥か高みにいる少女に虚しく響くーーー】
【何故だ、何が何だか分からない、一体どんなトリックを使った?】
【ソニアの背後に鏡を見付けた、最初にあったのも鏡、そうだ、鏡、これがそうか、これがーーー】

ーーーワタクシは…ワタクシの名前は、セレーネ…
…ッ!!!!

【呆気に取られている隙をつかれ、ソニアに釣られて名前を名乗ったセレーネ】
【その事が、それだけではないが、とにかく彼女のプライドは、諸々の理由により烈火の如く急速に燃え盛った】

【ーーー眼に影を落とし、無言でライフルを構えると、今までとは違い、片脚を開いてしゃがんだような姿勢となって、反動を抑える為の体制となる】
【狙いはまっすぐ、ソニアが狙う銃口に、怒りの矛先と一緒に向ける】

ーーーワタクシが…ワタクシがァッ!!
こんな風に出し抜かれるなんて…やられるなんてーーーッ!!

【得意とする筈のレンジで軽くあしらわれたーーー単なる見落としで、相手に絶対の有利を与えたーーー】
【自分のミスだから、落ち度だからこそ、どうしても認められなくて、認めたくなくてーーー湧き上がる怒りの先を、ソニアに無理矢理向ける】

ーーーう、あああああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!

【月夜に響く、断末魔の様な、怒りと悔しさが混ざった叫び声を上げ、引鉄を強く強く、引いた】
【撃ち出されるのは黄金の弾丸、巨大な弾丸が、流星のように光を尾に引きながらソニアに襲い掛かる】
【ーーー銃の弾丸は、感情で力は左右されないーーーこれ程吠えても、威力自体は変わらない】
989 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/02/05(火) 23:57:09.09 ID:IQPKKW3j0
>>983(ユウト)

更生だぁ?生きるか死ぬかの戦場で何を甘い事抜かしてやがるんだお前は―――?
お前みたいな奴が早死にするんだよ…馬鹿が。

【血で構成された爪を切り払った後、吐き捨てるようにユウトに向けてそう言い放つ】
【弱肉強食の世界でのし上がっていったジェイにとってはその言葉は聞き捨てならないものであった】
【様々な部位がバラバラになったユウトを眺めながら「うへぇ」と気味が悪そうな表情を浮かべ、近づく】
【自身の右手を眺めれば―――血で出来た爪は僅かにボロボロと崩れている。】

ッチ僅かにダメージを逸らしたか―――最期までみみっちいマネだなぁおい………。
まぁそれも終わりだ………お目当ての宝玉を抱いて、そのままあの世に落ちちまえよ―――。

【糸を伸ばして宝玉を取ろうとするのを無視してユウトに接近していき、そのまま腹部を踏みつけようとするだろう】
【勝利を確信した余裕、―――これは即ち大きな隙でもあるが………果たしてユウトに起死回生の一手はあるのだろうか】
990 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/06(水) 00:00:52.65 ID:WLsXXIgEo
>>986

【――、無言で手に持ったケースを地に置き、足で開く】
【其処から取り出したのは…、…二丁の着剣拳銃=z


……、オウム返しした時点で、口喧嘩は負けよ。


【「遊んでやる」――、その言葉に、乗ってきたという訳か】
【手触りを確かめるように、二丁拳銃を握りしめ、そして、上へ放り投げる】
【…、…回転の終結、重力法則。落下する拳銃を両手に掴み、――紫電が、夜闇に走り】


―、―アンタと戦ってる時間自体、無駄だから早く終わらせる。
今なら逃げてもいいわ。――死なれても、面d 



    「――ちょっとチョットちょっとォぉぉぉーーーー〜〜〜!!
     やめてくれるかしらァ!! こんな時間からこんな場所でェッ!!?」




【――。 通りの脇、二階。テラス。】
【脇の小料理屋の店主らしい、女言葉の男≠ェ――必死で、×印を作っていた】
991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/06(水) 00:02:54.44 ID:tfPLhu5B0
【住民も眠りはじめ、ひっそりとした街中――――】
【布に包まれた長物を肩に掛けながら歩く青年と、その後ろを着いて歩く少女が居て】


「んで、お前さんは此処で良いのか?
……何時に迎えに来いっつったっけ?」

『翌朝じゃ馬鹿者。時間何ぞ決まっておらん。妾は多忙じゃからな』


【着物を纏い、はみ出るのは狐の尾と耳。】
【馬鹿者。なんて言われれば、苦笑いを浮かべながら明るい茶色の髪を掻いて】
【如何にも軽い調子の男。ヒラヒラと手を振って少女の後ろ姿を見送るのだろう】
【――――暫くすれば、革のジャケットから一本の煙草を取り出し】


「なーにが多忙だか……。まぁ、良いけどよ
傭兵やってた時には考えもしなかったけどなァ……ンな所まで自分の脚で来るなんて事は」

【長物――――布の隙間から垣間見える中身は、恐らく槍だろうか】
【鋭い光沢。布を解けば、業物が姿を現すのだろうか】
【肺一杯に吸い込んだ紫煙を吐き出して、其れが消えゆく様を眺め】


「さってと、大先生が帰ってくるまでどうしてますかねぇ
ナンパをしようにも此処の奴らは全員寝てるみてェだしな
楽しく魔物でも狩ってるか、俺も適当に寝てるか……久しぶりにバイクでも走らせるか」

【浮かんでは消えていく、暇潰しの案】
【朝日が昇るまでまだ時間はたっぷりあって】
【ベンチに座って煙草を吹かす青年の姿。きっと、偶々通りかかった者には嘸かし暇な様に見えた事だろう】




【静けさに包まれる街の一角――暖かな光を漏らす店が其処にあって】
【外から見る限りでは魔術に用いる様々な用具が飾っており、その殆どが普通の店では置かない――呪われた品や取り扱いに注意が必要な毒物等】
【この店の主もある程度裏に通じている為、その道の者が訪れる事も多く】
【――看板こそ掲げていないが、謂わば何でも屋とでも言うのだろうか】
【狩りから窃盗。護衛や家事等実に何でも請け負うのだが、其れも気紛れなこの女次第で。まともな仕事を断って可笑しな依頼を受けたりと変人としての評判であったり】


「この頃雪続きねぇ……面倒な依頼が来ないのは助かるのだけれど
――――人が全然来ないのも退屈よね」

【頬杖を付きながら、カウンターから外を眺めていればその言葉の通り雪が降り続いていて】
【雪を除ける物を持たずに外を歩いていたならば、ゆっくりと身体を冷やしていきそうな程の量】
【店の前を行き交う人々も白い息を吐き出しながら、早く家で暖まらんと歩を早めて】


「新しい本を買いに行くのも面倒だし……かといって、倉庫の中の本を読み返すのも詰まらないわね
……面白い事でも、転がってくれば良いのだけれど」


【果たしてこの店に訪れるのは、暖を求める者か依頼をする者か、或いはまた別な何かか――――】
992 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [!蒼_res]:2013/02/06(水) 00:05:29.66 ID:W0KpGK/q0
>>987

―――な、………?

【気がつけば―――いつの間にか海面から顔を出していた、息が吸える………あの男はどうした?】
【振り向けばそこには砂の顔に乗ったヒルコが、少女を見下すように立っている。】
【遊ばれている―――否、あの男にとっては遊んでいる感覚すらないのだろう、沸々と、湧き上がる怒り】
【少女は海面に浮かぶレイピアを手に取ると再び足元にマインドを召喚―――それを足場にヒルコへと迫るッ!】
【表情は羞恥とも怒りともつかないモノとなっており、もはや冷静さはない】

              消えろッ!!≪死葬連突≫ッッッ!!!

【そしてヒルコの胴体目がけて、否ヒルコの全身を目がけてレイピアの刺突の連打―――もはや怒りに任せた攻撃だ】
【マインドはと言うと―――胴体から影≠切りはなし、それを鴉のような形状に見立てて、ヒルコの眼を啄もうとするだろう】
【だがこの全ての攻撃が―――隙だらけだ。】
993 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/06(水) 00:07:23.73 ID:tfPLhu5B0
【住民も眠りはじめ、ひっそりとした街中――――】
【布に包まれた長物を肩に掛けながら歩く青年と、その後ろを着いて歩く少女が居て】


「んで、お前さんは此処で良いのか?
……何時に迎えに来いっつったっけ?」

『翌朝じゃ馬鹿者。時間何ぞ決まっておらん。妾は多忙じゃからな』


【着物を纏い、はみ出るのは狐の尾と耳。】
【馬鹿者。なんて言われれば、苦笑いを浮かべながら明るい茶色の髪を掻いて】
【如何にも軽い調子の男。ヒラヒラと手を振って少女の後ろ姿を見送るのだろう】
【――――暫くすれば、革のジャケットから一本の煙草を取り出し】


「なーにが多忙だか……。まぁ、良いけどよ
傭兵やってた時には考えもしなかったけどなァ……ンな所まで自分の脚で来るなんて事は」

【長物――――布の隙間から垣間見える中身は、恐らく槍だろうか】
【鋭い光沢。布を解けば、業物が姿を現すのだろうか】
【肺一杯に吸い込んだ紫煙を吐き出して、其れが消えゆく様を眺め】


「さってと、大先生が帰ってくるまでどうしてますかねぇ
ナンパをしようにも此処の奴らは全員寝てるみてェだしな
楽しく魔物でも狩ってるか、俺も適当に寝てるか……久しぶりにバイクでも走らせるか」

【浮かんでは消えていく、暇潰しの案】
【朝日が昇るまでまだ時間はたっぷりあって】
【ベンチに座って煙草を吹かす青年の姿。きっと、偶々通りかかった者には嘸かし暇な様に見えた事だろう】




【静けさに包まれる街の一角――暖かな光を漏らす店が其処にあって】
【外から見る限りでは魔術に用いる様々な用具が飾っており、その殆どが普通の店では置かない――呪われた品や取り扱いに注意が必要な毒物等】
【この店の主もある程度裏に通じている為、その道の者が訪れる事も多く】
【――看板こそ掲げていないが、謂わば何でも屋とでも言うのだろうか】
【狩りから窃盗。護衛や家事等実に何でも請け負うのだが、其れも気紛れなこの女次第で。まともな仕事を断って可笑しな依頼を受けたりと変人としての評判であったり】


「この頃雪続きねぇ……面倒な依頼が来ないのは助かるのだけれど
――――人が全然来ないのも退屈よね」

【頬杖を付きながら、カウンターから外を眺めていればその言葉の通り雪が降り続いていて】
【雪を除ける物を持たずに外を歩いていたならば、ゆっくりと身体を冷やしていきそうな程の量】
【店の前を行き交う人々も白い息を吐き出しながら、早く家で暖まらんと歩を早めて】


「新しい本を買いに行くのも面倒だし……かといって、倉庫の中の本を読み返すのも詰まらないわね
……面白い事でも、転がってくれば良いのだけれど」


【果たしてこの店に訪れるのは、暖を求める者か依頼をする者か、或いはまた別な何かか――――】
994 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/06(水) 00:09:39.08 ID:6Rx8cgV7o
>>988

【爆発する感情の波間、そこに沈み込むには彼女はまだ若すぎた】
【激昂=\―――その高ぶる感情に身を任せる貴女は、さながら修羅の如く】
【揺れるメイド服の断片が、微かな戦慄を思わせると、同時に彼女の身を震わせた】

【――――怖い、そう思う感情はきっと、間違いなんかじゃなくて】
【RaumKrankheit≠ノかけた右手の人差し指が、今にも溶けてしまいそう】
【でも、ここまで来たのだ、ならば、後はただ、その身を果てるだけ――――】


セレーネ……私も、負けるわけには……いかないから……っ!!
とられるの、だめ、とられたら……色んな人、傷つく……
だから、護るの、ソニアが、ソニアが――――護るの……

Пуля для моего Валентина
――――Bullet for my Valentine=\―――!!


【右の腹部辺りにぎゅっとRaumKrankheit≠添えた、右手は依然として引き金に指をかけたまま】
【左手で支える銃身、その間も、刻一刻と貴女の銃弾が迫るのだろう――――】
【雄々しく感情をたたきつけたその一撃は、問うことすら、できないほどに】

【RaumKrankheit≠腰の辺りで構えたまま、その銃口を僅かに調節するだろう】
【スコープを覗いてる時間は無い、ならば、肉眼で捉えるしかないのだろう】
【彼女の銃弾Bullet for my Valentine≠ェその手の中で強く意志を持つかのように】

【――――三度吼える銃口、吹き上げた弾丸の行く先は掌よりも程遠い】

【風を切り裂く閃光、夜空に奔る一閃は、貴女の放つ満開の花と比べれば非常に淡いもの】
【それでも、と思いを乗せた弾丸は、例え威力が代わらなくとも、その芯は強く照り輝く】
【撃ち落そう≠ニ為す、発射した銃弾で、貴女の放つ黄金の弾丸≠砕こうとするのだ】

【無謀とも言えよう、それこそ無茶と呼ぶに相応しい攻撃】
【銃弾で銃弾を撃ち落すなど、並大抵の腕前ではできない、たとえ彼女にしても……その成功確率は0に限りなく近い】
【それでも他の手段が無いのなら、それに賭けるしかないのだろう】


(強い……とっても……っ今まで会った、人の中でも……ずっと……
でもっ……でも、勝ちたい――――セレーネに……)

хочу выиграть.(勝ちたい)!!


【もし、彼女の銃弾が貴女の弾丸を捕らえることができたなら、そこには一厘の花が咲くだろう】
【光を放ち、光と共に煌き瞬く、貴女の、星空のような弾丸と、彼女の彗星のような銃弾】
【触れあう瞬間は、さながら取り留めの無い涙みたいに、砕けて消える、凪を残すぐらいの一瞬】

【静寂は全てを包み込み、後には、ただ響く無音だけが残るのだろう】

【――――その中で、彼女の薬莢が地面に落ちる音が響き渡るのだろうか】
995 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/06(水) 00:11:52.50 ID:FeWWbUk90
>>990

あぁ?

【男と女性に向けて発される制止の声】
【その声のする方向に男は顔を向け、腕で×を作っている人の姿を視認する】
【そして、なぜか周囲を見回し、他に人が居ないかを確認した】

【確認した後、再びその人物に目を向けて―何故か女性の方へと目をそらした】

…今の声、男声みたいなのはお前が出したのか?

【俄かに現実逃避】
【声の主は分かっていてもわからないふりをして女性に問いただした】

【男の今の表情は、先ほどまでの不機嫌な表情に似ているようで違った、怪訝な顔をしている】
996 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/06(水) 00:17:08.46 ID:g4e4xodoo
>>989

――それでも……それでも僕は護るんだ……
君が言う、"戦場で死ぬ立場"の人達を……――

【既に半分しかない脚部に、落ちた特徴的な角に――】
【息絶え絶えのその姿はみずほらしく、それでもまだ眼には強い意思が宿っていて】
【それが、"虚勢"に近いものであることは彼にも解っていた、けれど諦めたくはなかった】

【――糸で"宝玉の欠片"を捕らえるか否かのその時に、迫ってくるジェイ】
【80cmあるとはいえ、人より小さなその体――もし、踏みつけられれば内蔵に"多大なダメージ"を受けかねない】
【彼はこのまま、無残にも踏み潰されてしまうのだろうか――】


      . . . . . . .
  ――僕に近づいたね?


【その足が触れるほんの少し前に、周囲の電灯が急にちらつき始めた】
【彼は、己を踏み潰そうとするその足に掴まろうとし――成功するか否かを問わず】

【――バリバリィッ!】

【急に、"多量の電気"を放出し始めたではないかッ!】 【一体、彼の何処にそんな力が……?】
【――それは、周囲の灯りが"不安定"になっている様子を見れば瞬時に理解できるはずだ】
【あの時"電線と地面を繋いだ糸"、それと繋がる"地面に落ちている糸"は、"送電線"の役割を果たしていて】
【その電気を彼が"放出"しているということに】 【――彼の流した血液は焦げ臭さとともに蒸発して行く】

【だが、幾ら"電気の蜘蛛"とはいえ、その身体にかかる"負担はけして小さくない"はずだ――】

【……近づく前に街灯のちらつきから危険を察知し、素早く脚を引けばこの電撃は回避出来るだろうか】
997 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/06(水) 00:17:41.58 ID:Z/BjCvuA0
>>992

 ヒルコは既に喉には二つの穴が開き、
 体にも初撃の奇襲で幾つも穴が開いていた。

 それでも平然としていたヒルコが初めて焦りの表情を浮かべた。

 全身への攻撃、それだけは不味い。
 食らうわけにはいかない。

「く、砂男!」

 砂でできた巨掌が少女とヒルコを遮る様に、海面から競り上がってきた。
 レイピアの連撃と影の攻撃を受け止めたそれはゆっくりと。

「あはっ、そうか」

 少女とマインドを握り潰す様に動いていく。



「君、死にたいんだね」



 ヒルコはニッコリと優しく笑った。
998 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/06(水) 00:23:52.67 ID:EbsD2COu0
>>981

【……呆ける事こそなかったが、“認められた”事実は伝わった様で。】

…………失望させる心算はないわ。そしてこの手で揮う刃を、今宵、躊躇う理由もない…………!

【其処に、より烈しい戦意を以て剣士は応えた。】
【だが……。】

(…………!)

【――――“ブラフ”。陥った状況と言葉が、否応なくその意味を理解させる。】
【そして攻撃を放った直後の隙に、すかさず繰り出される高速の反撃―――――】


【そこへの反応はやはり、右手で揮う太刀だった。やや強引に動かすそれで、再び斜めに流そうとする。】
【だが……必要以上の接触による、“聖剣”のスタン効果の浸透。それは、僅かながらも右手の切り返しを遅らせて――――】

(…………ッ!!)

【――――“防ぎきれない”。そう理解するや否や、柊は身体を倒すようにして右側に逃れる。】
【それにより太刀の刃を相対的に左側に流し、同時に刀身の角度を微調整。】
【今まさに襲い来る斬撃に備え、横向きにした刀身で斬り下ろしを受けた。だが―――――】


………く………ぅっ……!

【……“受けた”太刀を押し込み、圧して、そのまま左肩に斬り込む聖剣。血飛沫が舞う。】
【だが柊は未だ力の入らない右腕を強引に駆り立て、太刀で聖剣を僅かに “押し返す”。】
【その反発力は、結果的に、後方への彼女の退避を助け――――】

――――――……ふっ……!

【踵で橋を蹴り抜いて、再び柊は跳躍する。真後ろ方向への瞬時の移動。】

【そして間合いを空けつつ着地。同時に、この身体の状態を推察する。】
【……左腕は今は使えないだろう。斬撃自体のダメージもあるが、スタン効果が持続している。】
【………ならば、と―――――――】

―――――――――ハァ……ッ!!

【――――――――― ……筋肉の収縮。腱の弾性。呼吸一つすらも利用して、全身をこれまで以上の速度に乗せる。】
【それにより可能になる事は、尋常ならざる速度域の“動き”の連携。】
【……その実例を、彼女の剣は見せようとしていた。】

【横一文字に切り裂くように、背後に大きく太刀を構える。】
【そして再び踏み込むと同時に、そのまま刃を右から左へと振り抜いて――――― 】

 【刹那、そこに“刺突”の動きが加わった。“横薙ぎ”の動きに加わる“前進”。】
【突き出しきればまた引き戻し、そして再び刺突を加え―――――】
【都合五発の刺突を、ゲトリクスの左肩から右肩へ、連続して放とうとした。】

(…………く……ッ!)

【……だが、この行動による身体への負荷は、見た目以上に著しい。】
【ゆえに攻撃後に生じる隙は、自ずと大きなものとなり――――】
999 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/06(水) 00:23:59.84 ID:4868N8Heo
>>994
【長距離での狙撃勝負で大切な物は何だろうかーーー】
【腕前?経験?銃の性能?】
【ーーー違う、何よりも重要なのは、冷静に見極める事】
【もしこの時セレーネが、ソニアを狙わずにビルの破壊を狙ったなら、もう少しいい方向に傾いたかもしれない】
【冷静さを欠き、感情のままに引鉄を引いた時点で、半ば彼女の負けは確定していた】

【ーーー冬の夜空に咲くは、大輪の花火】
【黄金が砕かれ、弾けた光が、国の空を綺麗に彩る】
【終焉とは、こうも綺麗なものなのか】

ーーー〜〜〜〜〜〜……

【黄金の花火に照らされて、ライフルを取り落とした少女は、その場に崩れ落ちた】
【力の差を悟ったのだろう、込み上げる雫を落とさないようにするだけで精一杯なようだ】

【ーーー敗北を認め、諦めたような物だ】
【ソニアは、何の妨害もなく欠片を手にする事が出来るだろう】
【押し黙ったような静寂で、よく響く金属音が、かわりに零れたーーー】
1000 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/06(水) 00:26:16.50 ID:WLsXXIgEo
>>995


【「ちょっと待ってなさいよッ!」と言って、店の中へ消え――】
【…、…恐らく、下へと降りて来るつもりなのだろう。逃げた方が良いかも知れない】

【一方、女性はといえば――気を削がれたのか、拳銃を下ろして】


――、巫山戯たこと言ってると、撃つわよ。現実を見なさい。


【――、軽く瞳を閉じて、溜息の代わりとすると】
【足元のケースに銃を放り込み、足で蓋を閉め、乱れた髪を軽く直して――】


「―― あァ、もう、ホント有り得ないわアナタ達ッ!!」


【 バタン<b!!  ――店の扉が開き、中性的な男が飛び出して来る】


「戦うのは勝手だけど、するのなら他所でやってくれるかしらァッ!?
 五月蝿いのよ!! 迷惑なのよッ!! 夜更かしはお肌の的なのよォォッ!!
 ――、大体ねェ、初ちゃんッ!! さっきから聞いてたらアナタのほうが悪いじゃないのォッ!!
 人に悪いことをしたら謝るってのが常識なの!! アタシが美しいってぐらいの常識なのヨッ!!
 そっちのタバコ臭いアンタもアンタよッ!! 女の子に手ェ挙げようとするなんて、なにシャバいことやってんのよッ!!
 そもそも、――  (以下略)」


 【 す げ ぇ う る さ い 】



【――どう考えても、一番迷惑なのはこの女男である】
【まず、初≠ニ呼ばれた女性に近づき、説教をしながら肩を掴んでブンブン前後に振り】
【…、…女性の方がどこか、死んだような目をしているのは気のせいではないだろう】

【そして――、それが終われば男の方にも近づき、同様に説教を行うに違いない】
1001 :1001 :Over 1000 Thread
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上条「不幸…なのか?」 @ 2013/02/06(水) 00:19:19.20 ID:Czdevp430
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向かいのマンションのスナイパーをスナイプする @ 2013/02/06(水) 00:18:42.66 ID:2MC94yla0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1360077503/

マミ「アポカリプス・ブラスト!!」 @ 2013/02/06(水) 00:10:00.13 ID:QN3/ay6S0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1360076978/

同性の友達に私を意識させたい @ 2013/02/05(火) 23:59:51.41 ID:N9dZeHqIO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1360076391/

【安価】京太郎「救われぬ愛に救いの手を」 菫「11本場だな」 @ 2013/02/05(火) 23:58:53.52 ID:6QeWacwy0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1360076310/

jFzKudlTuUZCxEEvHVI @ 2013/02/05(火) 23:45:55.42 ID:ILBE5z4U0
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上条当麻「安価で人生が決まる」 結標淡希「その4」 @ 2013/02/05(火) 23:23:54.58 ID:BMwy62QK0
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【咲】京太郎「コピペとかを使って女の子と仲良くする」ゆみ「その4」【安価】 @ 2013/02/05(火) 23:11:56.65 ID:rzZXc+ofo
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