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【力を持ち過ぎた者】能力者スレ【プログラムには不要だ】 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/22(金) 22:32:06.91 ID:NdGE7lgOo
ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。


無限大の大きさのこの世界。
多くのことが語られたこの世界だが、まだまだ多くの空白がある。
先人たちの戦い、絆、そして因縁。これらが絡み合い、この世界は混沌としている。
もしかすると、初めて見た貴方はとっつきづらいと思うかも知れない。
――だが、この世界の住人は新しい来訪者にことのほか優しい。
恐れず、以下に示す雑談所や、場合によってはこのスレでも質問をしてみてくれ。
すぐにスレへの溶け込み方を教えてくれるだろう。


【雑談所。質問や現状、雑談などはこちらでどうぞ】
PC【http://jbbs.livedoor.jp/internet/14029/】 


【はじめに】
このスレの元ネタはVIPで行われていた邪気眼スレです。
長く続けるに際して、いくつかのルールを設けています。以下にそれを記します。

・この世界は「多様性のある世界」です。
・完全無敵の能力は戦闘の楽しみがなくなり、またスレの雰囲気も壊れますので『禁止』です。 
・弱点などがあると戦闘の駆け引きが楽しめます。
・戦闘では自分の行動結果に対する確定的な描写を避けること。【例:○○に刀で斬り付ける。○○の首が斬れる】など。
・基本の心構えですが、「自分が楽しむのと同じくらい相手が楽しむことも考える」ことが大事です。
・書きこむ前にリロードを。場の状況をしっかり把握するのは生き残る秘訣です。
・描写はできるだけ丁寧に。読ませる楽しみと、しっかりと状況を共有することになります。
・他のキャラクターにも絡んでみると新たな世界が広がるかも。自分の世界を滔々と語ってもついてきてもらえません。
・「コテハン」は禁止の方向で!
・基本的に次スレは>>950が責任を持って立ててください。無理なら他の能力者に代行してもらってください。また、950を超えても次スレが立たない場合は減速を。
・スレチなネタは程々に。
・スレの性質上『煽り文句』や『暴言』が数多く使用されますが過剰な表現は抑えてください。
・基本的に演じるキャラクターはオリキャラで。マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラの使用は禁じます。(設定はその限りでない)

【インフレについて】
過去、特に能力に制限を設けていなかったのでインフレが起きました。
下記の事について自重してください。

・国など、大規模を一瞬で破壊できるような能力を使用。
・他の人に断り無しに勝手に絶対神などを名乗る。
・時空を自由に操る能力、道具などを使用する。時空を消し飛ばして敵の攻撃を回避、などが該当します。
・特定の物しか効かないなどの、相手にとって絶対に倒せないような防御を使う。
・あくまで能力者であり、サイヤ人ではありません。【一瞬で相手の後ろに回り込む】などは、それが可能な能力かどうか自分でもう一度確認を。
・全世界に影響を及ぼしたり、一国まるごとに影響が及ぶような大きなイベントは一度雑談所でみんなの意見を聞いてみてください。

勝手に世界を氷河期などにはしないように。

・能力上回避手段が思いついても、たまには空気を読んで攻撃を受けたりするのも大事。
・エロ描写について

 確かに愛を確かめ合う描写は、キャラの関係のあるひとつの結末ではあります。
 なので、全面的な禁止はしていません。
 ですが、ここは不特定多数の人が閲覧する『掲示板』です。そういった行為に対して不快感も持つ人も確実に存在します
 やる前には、本当にキャラにとって必要なことなのか。自分の欲望だけで望んでいないか考えましょう。
 カップル、夫婦など生活の一部として日常的に行う場合には、一緒のベッドに入り、【禁則事項です】だけでも十分事足ります。
 あまり細部まで描写するのはお勧めしません。脳内補完という選択も存在しますよ。


前スレ【http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1360771671/
wiki【http://www53.atwiki.jp/nrks/
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/22(金) 22:33:48.06 ID:c8S2h2Wn0
>>1
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/22(金) 22:33:48.72 ID:+3MHzxVko
神速の>>1
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福島県) :2013/02/22(金) 22:34:28.89 ID:J1KJrrZao
>>1乙◆
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/22(金) 22:35:42.48 ID:+uNJH6qzo
>>1乙!
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/22(金) 22:36:52.50 ID:L92T8sLko
>>1乙と感謝を!
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/22(金) 22:47:22.63 ID:rlbpF2se0
>>1乙だと言う事なのだよ
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/02/22(金) 22:51:21.90 ID:9Ecb9qEso
>>1乙ですっ!
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/22(金) 23:40:01.69 ID:Ft0LbIBGo
>>1乙なんですよ
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/22(金) 23:44:22.83 ID:GDPYDdMKo
>>1乙なのであります
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/22(金) 23:45:27.76 ID:dBd4Vlxjo
>>1乙だと!?馬鹿な、この私が…
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/22(金) 23:46:49.79 ID:jjRuHucmo
>>1
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) :2013/02/22(金) 23:47:22.44 ID:fvK6Zz2D0
>>1
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/22(金) 23:47:25.37 ID:NdGE7lgOo
>>988

ああ、もうっ!余計な事に手を出すんじゃなかった!
……逃げる事が第一だけど……どうしよう壁画は収集したにしてもよこの宝石ばっかりは……

【マグマを呼んだのはこの宝石なのだろうけどしかしそれを置いて逃げれば宝石がマグマに飲まれて燃え尽きてしまうかもしれない】
【遺すべきものは遺さなければ意味が無い、だとすれば自分はどうするべきか】

――――――あ、そういえばアンタ……炎を……いや、それは……

【目の前の少女のその特性、それに直ぐに気がついて声をあげるが】
【所詮彼女とて敵でここでマグマを食わせて相手に栄養を与えてはこちらにとって分が悪い】
【そんな考えを巡らせている内にもマグマは関係なく迫って来ていて】

……ええいっ!迷うなっ!!
アンタこのマグマ、熱量吸収出来るんでしょ!だったら早くしなさい!やらないなら撃つわよ!
やった上でアタシに抵抗するなら更に撃つわよ、助かりたいなら早くなさい!!

【魔弾を6つ直列に繋げれば響く「ガチャン!」という音】
【6つ分を纏めて放つ魔弾は人が受ければひとたまりもない】
【その銃口をふわふら浮いたままのリリアへと向ける、暴力的な交渉】

【決裂すれば共倒れ】
【だとすれば余りにもいい加減だがしかし】
【その一方でカズネは視界の端で宝石を見て、もしリリアが抵抗するようならば宝石を掴み取り】
【そのままハシゴへと駆け上がるプランも考えている】

【だからこそ全てはこの少女、リリア次第だが……】
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/22(金) 23:47:26.40 ID:pc3celVDo
>>1
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/02/22(金) 23:48:22.49 ID:HOPie8fN0
>>1乙!
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2013/02/22(金) 23:49:40.80 ID:nNFb/r+wo
>>1乙です

>>991
お世辞か。私には要らぬ言葉だな。

【拍手に何と言う事もなく、ただ彼に対して、先ほどのように言葉を掛ける】
【そういっても、彼の目からは明らかだろう。表情を出していなかったにせよ、剣舞の時間だけ女は確実に喜んでいたことが】
【要らぬ言葉と女は言うが、それは女にとって、言われすぎた言葉だったから。もう不必要なくらい言われ続けた言葉だったから】
【……それも、そのままの意味では無いのだが、それはさておいて】


―――ハ、答える気はない、と。

【手の内に握った小柄を手首でクルクルと回しながら、口で息を大きく吐いて呆れるように】
【秘密主義者―――試作品を渡してくるあたり、そうには見えないのだが。ただからかっているだけなのだろうか】
【女にはどうでも良かった。……詳しく聞く必要は、女には無い】

半分正解だ。
私も人間。――――そして刃だ。貴様の言う、"一振りの刃≠ナも語弊は無いだろう。

【女から返されるのは、彼にとっては意外な言葉、だろうか】
【それは自分を形容しているものではない。純粋に、女が言う『私』は、人間であり、刀】
【そして、女が持つ刀は――――――あの、3mほどの刀だ】

【さて、女は小柄を持っているが、それを懐に隠すつもりも、渡す様子も無い。―――彼の行動しだい、といったところか】
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/22(金) 23:52:29.59 ID:d7mRjkI/o
>>1乙です

>>993
【ゾンビが離れた後、すすり泣きながらぼっこぼこに腫れた顔面をさするモヒカン】
【それを見れば普通は考えてしまう――ああはなりたくない、と】

「――……ッ!い、いくぞマイケェル!」
『―――あ、ああいあいいあぁっ……!(訳:わかりやしたぁっ…!)』

【そそくさと、背後の霊体からにげるようにして走り去っていくスキンヘッド】
【「これは肉塊ですか?」と言わんばかりの前後も分からない顔面をしたモヒカンがそれを追っていく】

【そんあこんな逃げ去った二人を尻目に、少女はぼそり】

――……人を呪わばなんとやら、ってね。
ん、けど死んでた方がこの後会うこともないだろうし安全だったのかもな、まあいいけど。

【聞こえるかどうか程度の小さい呟きだが、恐らく聞こえるのだろう】
【「さてと」――続けてそう紡いだら、少し自分の喉に手を当てて】
【喉の調子を整えて、ほんの少し目をこするなどしてから、くるりとそちらへと振り向いて】


ど、何方か存じませんけど、ありがとうございましたっ…!このご恩は一生忘れません!


【眼を潤ませ、声を震わせてという素晴らしいまでの演技っぷりを披露して、ぺこぺこと頭を下げる】
【今このタイミングだったら詐欺師だとかいう単語が演技らしさを更に助長していて】
【少女本人も頭を垂れている間は「何時まで覚えてるかな」「さっきのモヒカンざまぁ」だとか】
【更には「耳いいらしいけど『褒美が弾む』辺りも聞こえてるのかな」とかいろいろ考えていた】
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/22(金) 23:53:30.83 ID:GDPYDdMKo
>>1000

はっ、俺を"珍獣"扱いってか?
まあその認識は間違っちゃあいねえがなぁ

【ふぅむ、と虎人は手を自身の顎に添え】
【体毛をさらりと撫でるような仕草を取りながら、男の声にそう返す】

いやいや……お前さんの煙草の臭いにゃあ勝てやしねえよ
こう見えても毎日風呂に入ってるんでなぁ

分かんねえか?最近ウチのガキが好きなシャンプーの匂いだぜ?
まあ――そう言う意味じゃあねえってえのは判ってるがよ

【冗談めかした色を混ぜながら、男へ対して言葉を投げる】
【怒る、傷つく、襲いかかるといった反応ではない】
【分類するならば"観察"が正しいであろうか】
【男が"害を齎す"存在であるかどうかを、瞳孔を狭めながら軽く探ろうとしている】
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/23(土) 00:00:50.99 ID:g3t/sSkeo
>>1乙です

>>17
答えて欲しいのならば、もっと答えの幅が狭い問いを投げるべきだ。
私は君の様に自己を単純に規定できるほど、達観していないのでね。

【その答えは本心か、真実秘密主義者ゆえの秘匿か】
【どちらにせよ、彼は進んで自己の事を語りたがる質でないことだけは、確かだ】

瑣末なことだ、私が何者であるかなど。
……君が何者であるかなど。

【ふん、と鼻を鳴らして、彼は再び彼女が手にしている小柄へと目を落とす】

……さて、君のような達人に試用してもらったのだ。

実際に手に取ってみた感想を、聞かせてはくれないか。
なんでも構わんよ、気付いた欠点、あるいは利点でも良い。

【女性の纏わせる硬い拒絶の雰囲気を見てなお、堂々と正面からそう問いかける彼は】
【どこか、人間に接する能力が欠けているようにも、見えた】

……どうかね?

【さて、刀の簡単な印象としては】

【重量は軽い。伸ばせば力点――手元に伝わる重量感は増すものの】
【見た目の印象と違うその軽さに、違和感を感じずには入られないだろう】

【また、業物の刀に比べれば、手に伝わる衝撃が危うく、脆く感じられるはずだ】

【即座に縮む訳ではないのも、使いづらさに拍車をかけるかもしれない】
【だが、長さを使い手の意志で、ある程度は調節ができるメリットとも考えられるか】

【あるいは、達人の視点として、何か他に欠点が見えてくる、かもしれない】

【だが、それを馬鹿正直に伝える必要がないのも確かだ】
【彼は言った。余興≠セと】
【余興にどこまで付き合うのかなどと、そんな事を決めるのは、彼女なのだ】
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [!red_res]:2013/02/23(土) 00:04:42.60 ID:Z1RMVJt4o
>>990>>997

―――――――――――――――――――ッッッ!!!!

【金切り声、というのがこれなのだろう。蜘蛛の瞳が潰れ、フレイルによって足がまたへし折れた】
【或いは痛みからの咆哮ではないのかもしれない。単に怒りが沸点に達しただけなのかもしれない】
【が、だ。二人の攻撃は確実に効いている―――しかも、上手くすれば倒すことだって難しくはない】

【足は残る所五本。瞳の一つも奥深くまでを抉られ、今、それが脳へと達しかけた】

【―――徐々に、動きが弱まっていく。それと同時に、何か不穏な赤い色が蜘蛛の口内に発生し】
【チリチリという音と共に、その色は濃くなっていって―――やがて、凄まじい勢いの火炎となって二人に襲い掛かるだろう】
【きっと、本来はこれで相手を焦がしてから食べていたに違いない。その特殊な器官が、死に際に機能した】
【避ける手段は上手く岩に隠れるか、それとも奥の左側に通じる穴へ逃げるか――これを凌げば、勝利の二文字は好きに出来るっ!】

>>998

【ミノタウロスが吠える。敵に致命的な一撃を食らわせてやったと、そう思ったのだろう】
【だから色を増した赤の光線には目もくれず、倒れ伏したセシルへと向き直って棍棒を両手で振り上げ】
【そして相手の周囲に舞う燐光など気にもとめず振り下ろそうとした―――その時、肉の強く焦げる臭いがした】

【時間はやや巻き戻る。コモンが四隅に火をつけると同時に、石で出来ていたはずの建屋がプリズムへと変貌するのである】
【それは周囲のマグマから発せられる光を集約し、乱反射させ、最終的にサーチライトの水晶へと集まって】
【ガコンッ!≠ニライトが下を向く。向かう先は中央広場の巨大な燭台であり、そして―――】

――――モ゛っ、オゴ、ウゥゥゥゥゥゥ。ッ、ヒッ―――。

【進路上にあった邪魔な頭部≠焼き焦がし、脳幹までを溶かして、ミノタウロスは力尽きるのである】

【だから、棍棒は振り下ろされはしない。落ちてくるだけだ。避けることもできるし、跳ね返せば魔牛の死体も避けられる】
【それから、門の内部――プリズムの内側はとてつもない高温となるのだが、サラマンダーであれば、無事だろうか。】
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/02/23(土) 00:06:30.21 ID:yh0KWRFf0
>>19

文字通り、そうだ、あんたはまるで珍獣だな
その言い方ではもしかして純粋な獣人では無いのか?

【男の瞳の色は相変わらず、淡々と思った事を機械のように話している】
【彼に興味がないわけでもない、だが何かを知りたいと深いところまでは入ろうとは思っていない】
【彼が自分の事をじっと見ている事が気に入らないのか、そっぽを向きタバコの煙で表情を隠した】

あんたの素の匂いなんかどうでもいい
だが、獣が発する独特な雰囲気ー匂いと言うべきか…
それが気に食わないだけだ

【冗談もわからないのか、それともわざと真面目に返答をしているのか】
【彼の冗談には一切の相槌も笑いもせずに、ただ素直に思った事を返した】

あんたが何を考えて居るか知らんが…
こんな夜更けにあんたみたいな奴がいる事に驚いた…
いや、違うなこんな夜更けだからいるのか…?

【自分で言った事に疑問を感じたのか、なぜか自問自答する男】
【そんな事をしたところで正解は見え無いだろうが】
【他人から見れば余計な、無駄な事を深く考えるような姿は、まるで道化だろうか】
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/23(土) 00:07:53.41 ID:7SPXNCe60
>>1乙!

>>前996

乾パンか、けろけろ。悪くは無いが、いらんな。
……………………ああ。

【我儘、という口調ではなく、何か考えるように、天井の一点を見つめる。】
【そして、暫くして、貴女に向き直った。】

……教えは結構、お前の信心の強さも、結構だ。
けろけろ、人外と知りゃ狩りに来る与太者も、世間にゃごまんといる……それよりゃ良い。

【悲哀的な、芝居がかった口調
で、童女は大袈裟に語る。】
【そして、それは、まだ続くらしい。一呼吸か、ふた呼吸程、間を開けてから。】

だが……この教会。

【辺りを見渡す。侮蔑的な、あるいは、懐疑めいた赤い瞳がその内装を舐める。】
【そして、長椅子の埃を指で掬い取り、息で払って。】

げこっ……私ゃ、お前が……その、主とやらの寵愛を受けてるようには見えん。
これなら私んちの方が良いぞ?

エ? そういうものか……神とか、宗教ってのは? けろん。

【素朴な疑問、なのだ。】
【寂れた教会、薄汚れた内装、設備すら不十分。】
【ーー『牢獄』だ。信心という檻で隔てられた、牢獄。】

【童女は露骨に怪訝そうな顔で、貴女の答えを待っている。】

【この人外は神の存在を認める。だからこそ、その在り方に敏感であった。】
【救う神もいれば、捨てる神もいるのだ。目の前の修道女が『すくわれている』ようには、とても見えなかった。】
24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/23(土) 00:10:27.26 ID:iKezfsDdo
>>18
ーーー……

「フハハハハ!」
いや、もういいから
「アッハイ」

【女々しく尻尾を巻いて逃げて行くチンピラ二人を眺めながら、彼女はシャベルを右肩に担いだ】
【それから、死霊に冷たい声をかけると、死霊は大人しくなり、姿がくっきりと見えるようになる】

【鮮血のように赤い長髪、赤い目、青褪めた肌色】
【貴族的な礼服に身を包んだ上に、闇の帳そのものの様な黒いマントを身につけた、なんか半透明の男】
【やっぱり半透明なのをみれば、死霊の類なのには変わらなさそうだが】

…………

【素晴らしい演技っぷりを披露する少女に、男が「さっきまでと全然違う」と呟こうとしたーーーが、彼女はそれを制して】

ーーーふえぇ…わたしもすごくこわかったよぉ…
でも、女の子にどなるひとはわるいから、ゆるせなかったの…

【ーーー対抗した!演技で対抗し始めた!】
【しかし、選んだキャラは見た目に似合わぬ幼女キャラ!こんな眼が死んで掠れた声の幼女がいるか!】

うぅん…でもね、わたしがんばったよ…わるいひとはわるいから…
わたし、おれいが弾むって聞いたから助けてやったんだけどそこんとこどうなん?え?詐欺師さんよ?

【途中で演技にも飽きたようだ、音楽のトーンが上がって行くように演技から元の雰囲気に戻ると、歯に衣着せぬ物言いでずばり問い掛けた】
【シャベルで肩をトントンと叩き、汗を拭ったゾンビが脇から覗いていたりして】

なんだっけ、諺で言うだろ、情けは人の為ならずってな
「なんか意味違わないか!?」
あってんだよカス、情けやったら自分に帰ってくるもんだろ?なあ?

【ーーーさっきまでの威圧感はどこへやら、すっかり気弱な感じになった男を人睨みで制し、ギョロリとした眼を少女に向ける】
【これではあまり状況が変わっていないのではないか…?】
25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/23(土) 00:10:40.88 ID:X3ZZK5fC0
前スレ>>995

【差し出された残光剣をまじまじと確認し、それが偽物ではないと確信すると】
【ヒルコは満足そうな笑みを浮かべてそれを受け取った】

「あはっ、ありがとうございます!」

【残光剣を左手に持つと、ヒルコはパチンと指を鳴らす】
【拘束されていた人々が解放され、ワッと散り散りに逃げていった】

「さて、残光剣のお礼と言えば本当に申し訳ない位のお返しですがあなたの質問に全てお答えします。
 まずマトイ様についてですが・・・」

【ヒルコは残光剣を手にしすっかり気分を良くしたのか】
【青年の疑問に丁寧に説明していった】

【纏衣は風の国の祟り神であり、人に寄生することで精神と肉体を乗っ取るということ】
【最初の纏衣は風の国の小さな村々、次に交易都市レナール、首都エルジオを襲撃したこと】
【首都エルジオで能力者達の激しい抵抗に合い、肉体と本体を破壊されたこと】
【しかし破壊されても絶命したわけではなく、カノッサ機関の真室川に回収・再生され新たな入れ物として自分が選ばれたこと】

【事情を知らない者にもわかる様に、ヒルコは掻い摘んで、丁寧に説明していく】

「さて、次になぜこの残光剣を求めるかということですが。
 これは聖遺物と呼ばれる古の魔道具の1つでしてね。宝玉程ではありませんが不思議な力を持っているのです。
 本来なら我々カノッサ機関も躍起になって集めるべき物ではないのですが、
 カノッサ機関の幹部であるガイスト様がこの残光剣を初めとする聖遺物にご執心でしてね。
 僕やベイゼ様が必死になって回収しようとしていたわけです」

【「他にご質問は?」と、ヒルコはニッコリと笑いながら語りかける】
【そこには先ほどの粘り付くようなどす黒いオーラは無い】
26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [!red_res]:2013/02/23(土) 00:10:54.76 ID:Z1RMVJt4o
>>999

ぬおおッ!?ちょ、待てやオイコラァ!!アタシの出口が無くなってるじゃあねーか!
クソッ、野郎!顔は覚えたからなッ!外で会ったらミンチにしてやるよこのクソ野郎がッ!!!

【口汚く罵る声も、通路の崩壊もやがては収まる。そして、そうだ――最後にたどり着いた部屋は、宝物庫】
【神殿の最も深い場所に位置するそこには、まさしき金銀財宝が唸るほどに置いてあった】
【金貨、様々な宝飾品、延べ棒、珊瑚、宝珠―――財産的な価値は、どれも驚くほど高いだろう】

【しかし、その全てはもっていけない。卵を置いていくのならまた別とはいえ――】
【―――と、そんな中で一つのアイテムに目が行くだろう。大きなルビーを四角く削り、黄金で他を造り上げたネックレスだ】
【バカに大きく、それでいて――ルビーの内部には、竜の牙が入っている。力強い魔翌力さえ感じ取れるはずだ】
【取るべきとしたらやはりソレ。そして、少しばかりの財宝といったところか。部屋の向こう側にはダストシュートのような坂道――出口が見える。】

>>14

【知ったことじゃないなーとでもいうように漂っていたリリアに、魔弾の用意される音が響く】
【ほぼ曲芸といってもいいような速度で手を上げると、ちらちらとマグマに目をやり――】

【――ドぽん、と諦めたように使い魔はその中に消えた。すると、これまた驚くほどの速度でマグマが引き】
【いや、実際は吸収されているのか――噴水の根元辺りまで、一気に熱量が消えていった】
【しかしながら、宝石の部屋からは噴水も見えないだろう。リリアもそちらに居るらしく、影は見えるが―――】

【とにかく、今は逃げる事が大事だろう。仕切り≠ヘ尚も存在せず、マグマはやがてまた迫り来るのだ】
【今更戻って外に行くわけにも行かない―――宝石を取るか否か、そしていつ梯子に登るか、問題はその程度だ】

【そして、仮にハシゴを登って外へ出ればそこに有るのは巨大な鐘である】
【上部には歯車が見え、その歯車を辿ってみれば――銅鑼が有る。とすれば、銅鑼を鳴らせば鐘もなるということか――?】
27 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/23(土) 00:11:35.94 ID:X3ZZK5fC0
>>1乙です!
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2013/02/23(土) 00:15:15.54 ID:zBDBDmC8o
>>20
……フン、まぁいい。それでは名を聞こうか。

【女と同じような、半ば挑発的に投げかけられた質問に、女は面白くないとでも感じたのか】
【鼻を鳴らして、もっと単純な質問を口に出す】
【彼がその問いに答えようと答えまいと、女が彼の事を聞くのはコレで最後になるだろう。返される問いに、嫌気が差したらしく】

実益、だったな。余興に付き合ったんだ、答えぬわけにも行くまい。

【彼が求めた益のための余興に、自ら参加した女】
【ならば最後まで付き合うのが筋だと、それは女の信念――『結果』を求める相手を、蔑ろにはしないのがこの女だ】
【見た目に反する重量からの違和感、手に伝わる脆さ、伸縮の微かな不自由さ……そんな言葉を投げかけて】
【まだ、女は言い足りないらしい】


――――最後に。この刀は面白いが、人を選ぶ。


【それだけ言って、鞘に収めた小柄を投げ渡す】
【言われる前に返したということは、女には向かない物だった、ということだろう】

【コレがあれば、意外性のある斬撃を繰り出せる。だが、女のような正面切って刀を振るものには不要なものなのだろう】
【欠点、とまでにはいかないだろう。だが、確かにそれは意見だった】
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/23(土) 00:16:44.35 ID:e1Qw/rUQo
>>21

【――偶然の産物ではあったのだが】
【あの苛烈な一撃を受け止めるよりはマシな形で、死体ごと棍棒を弾き飛ばす】
【反射とはいえ一切反動が来ないわけではない。流れに救われた形と言えただろう】

……これ、は……っ、……コモン!

【強烈な光線に目が眩んで、負傷を引きずる躰が揺れかけた矢先】
【熱を食らって巨大化したコモンが5m程の大きさとなっていて、門からつっかえつも脱出する】
【飼い主の傍に寄り添うことで身を支えとしながらも、爬虫類の目は光に眩まず中央広場の邦楽を見据えていた】
【結果として、二人は無事だ。次なる目的地は燭台となるのだろう】

【――まだ門にナニカが潜んでいないのなら、だが】
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/02/23(土) 00:19:54.70 ID:LHL4yG6so
前スレ>>987さんへ

 そこまで褒められちゃあ困っちゃうねぇ……私なんてまだまだ半人前さ
 上には上が居るって事でね、まぁ……なんつ―か……むず痒い気分にさせられるよ

【偽りの無い純粋な笑みの言葉に女の方はと言えば言われ慣れていないのか――】
【何処か引き攣るような不自然な笑を面に染め、――「まぁ悪い気はしないけどさ」と向けた言葉】
【それは自身の態度が不自然で在るのだろうと思っているからこそ、勘違いさせまいと向けた言葉であったのだが】

【騎士である彼女に伝わるものであるのかは分からない事であり】

っと斬艦刀……そりゃまた大層な名前をしてんだねぇ、間(ま)を斬る刀って事かい?
それともあれかい、艦≠斬る刀って事かい?そのなりじゃぁ……何方かと言えば艦≠斬るって方が合ってそうだけどさ

いやいや――そんな事を聞いちゃあ、ますますやってみたくなるよ、その斬斬艦刀の実力とやらを見せて―――

【しかし、そんな自身のらしくない¢ヤ度を見せていた彼女も煙に巻くかの様に、あなたの口にした武器の名と共に消え去って】
【それに示した興味の表情も察する事は容易いだろう】

身長より遥かに大きい大剣……ねぇ……どうやって扱うのかも興味がある……うん、いいねぇ……こんな出会いがあるなんて……

【視線が向けられるのは、その大剣、柄頭から舐めるように下ろされる視線が下へ下へと下ろされれば見えてくるのはやはりその武器との身長差】
【どちらかと言えば独り言に近い呟きめいた言葉を零しながらも、その視線が行き着く先に見たものは――】


うん、うん道に迷って……そりゃあ凄い……道に迷いながらもこんな重そうなものを担いで…………? ん……?
道に迷った……?

……そりゃ……まぁ……模擬戦…なんてしてる暇じゃないって感じだねぇ……ふふ……
安心しなよ、帰り道くらいは私もわかってるからさ、寒かったらいいなよ、そんな薄着じゃあ、体に障るよ


【その表情を覆い、騎士たる姿が霞にかかる少女≠ナある者の姿】
【なりは騎士であろうとやはりその少女である事には変わりは無いのか――、女性がその瞳の表情に気づいていたかは解らぬが】
【きっと、貴方の瞳にはその琥珀の色が映り込み――女の方もまた、その琥珀の中に麗しい水色を映していて】

【故に、その視界に写した少女≠フ頭に向けて、女は手を伸ばす、もし抵抗しなければそれは光を纏った、白銀を軽く擦る事になるのだろう】
【彼女としての優しさ――騎士である貴方にどう受け取られるかは分かった事では無いのだが】
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 00:21:44.67 ID:m4pxQ0klo
>>22

"俺みてえな"獣人は珍しいんじゃねえか?

俺がヒト族の街で見てきた獣人ってえのは大抵
ヒト族に耳や尻尾のついた、人族寄りの亜人だからよ

【獣に近い肉体をした亜人は、人の街ではそれなりに珍しがられやすい】
【この虎人などの場合は、毛が散るなどの理由で働き手や入店できる場所が限定されたり】
【手先の器用さがヒト族に比べ大きく劣るため、ヒト族に合わせた街では意外と不便も多く】
【この虎人の知る仲間の殆どは、森などで集落を作り暮らしている】

それなら仕方ねえな、単純な好き嫌いなら俺はとやかく言えねえよ
ピーマン嫌いだってえ餓鬼の口に、無理やり突っ込むような悪趣味でもねえしな

【クク……と口元を少し釣り上げながら小さな笑みを浮かべる】
【表情は、慣れていないと非常に判別し難いものではあったが】

別に何も考えちゃいねえよ
……いや、正確にゃあ考えていたが、まあ夜の散歩みてえなもんだわな

つうかよ、夜行性の虎よりもヒト族のお前さんの方が変わってるんじゃねえか?
最近どこも物騒らしいからよ、気をつけなよ兄ちゃん

【視線を男から逸らさずに、そう返事をした】
【観察するような色は、若干ながら収まっている】
【今までの会話の中に"琴線に触れる"ようなものが、無かったからである】
【単純な好き嫌いの領域に留まる限りは、虎人も過剰な反応は示さない】
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 00:23:33.46 ID:5Z+P9l8IO
>>21

――よし、よし!もう少し!

【耳を劈く金切り声が洞窟に響く。鋭い殺気を振り撒くが、蜘蛛は脚を三本と瞳一つを失っている】

【とどめとばかりにフレイルを振り上げ、金属球を振り回す、が】

……何、これ?

【蜘蛛の口元から紅が漏れ出す。ちりちりと何かが焦げるような音もこぼれる】

――まさか、やばい!

【嫌な予感が全身を駆け抜ける、このままでは危険だ、そう直感した】

【辺りを見回し、隠れられそうな所を探す。一番に目に入ったのは、奥へ通じる横穴】

……あそこだ!

【そうと決まれば、急ぐしかない。横穴へ走り、大きく飛び込む!】
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 00:24:38.51 ID:5Tz014yKo
>>26

――――――よし、ひとまず切り抜けたか……

【使い魔の働きでなんとか一時凌ぎは出来た】
【しかしどうやら未だ「終わった」訳ではないらしい】
【如何な技術か、現時点で言えば迷惑なトラップを用意してくれたものだと溜息を零すしかない】

……ちょっと早く戻って来なさいよ、アンタこっから壁抜きしてぶっ飛ばされたいの?

【とは言うがこの場にリリアがいないのを良い事に件の宝石を取ってローブにい突っ込もうとして】
【その間に返答がなければ溶岩の噴水のある部屋をちらりと覗き見る】
【もし逃げられているなら仕方ないと切り上げて、奥の部屋のハシゴから上へと逃げるだろう】
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/23(土) 00:25:04.81 ID:qZzAvqw/o
>>21

「……ったく、手間取らせやがってッ」

【眼を潰した杭、鈴をもう一度鳴らせばそれは――鈴の中へと戻る】
【後に残るのは、潰れた眼のみ】

「後はここから脳味噌をぶっ刺してやりゃアー……!」

【追撃をかけようとすれば――蜘蛛の口に何か不穏な色が発生している】
【――己の直感が告げている、"危険"の二文字をッ!】
【しかし今、彼がいる場所は蜘蛛の真正面――つまり】
【この攻撃を回避するための岩も、穴も、――ここからでは遠すぎるッ!】


「……灯台下暗し、一か八かだッ!」


【このまま丸焼きに調理されてしまえば、救助どころの話ではない――炎が吐かれる寸前に彼は動く】
【取った行動は、――蜘蛛から見て右方向の頭部脇へ飛び込むこと】
【口部からの攻撃、だったら本体の頭の横に移動すれば凌げると考えたのだろう――しかし、脚に幾らか受けてしまった】

『熱イイイイイーーーーーッ!』
「ッ、……焼ける感覚が……だが、実際に受けたのはヒレの分と防ぎきれんかった分だけか、……そんでも痛手には……変わりねェ」

【相棒を纏っていたおかげで、そこまで酷い火傷にはならずに済んだようだが……】
【代わりに、纏っていたゲル状のモノは蒸発して無くなってしまい――焼けたヒレの分のダメージは、しっかり受けていて】

【もし攻撃が届いても良い様に、相棒の口から"守護"の力を宿した海水を吐かせて】
【それを、炎が来るかもしれない方へと吐き――来なくとも炎にそれは当たり、蜘蛛の吐く炎自体を少し弱めることが出来るかもしれない】

【――攻撃の終了時を狙って、彼は動きをとる】
【再び蜘蛛の眼――先ほど潰したそれに、ダメージを受けた脚で接近を試みる】

【そして木刀を一振りすれば、生成されるのは一つの種】
【大きさは握り拳程度だろうか――それを、杭によって開いた蜘蛛の眼にねじこもうとし、成功すれば――】


「――突貫の刺根ッ!」

【相棒がその種に海水を吐くだろう】
【すると、その種から3cm程の太さの一本の"根"が、蜘蛛の内側に向けて急速に生え始め、成長し――】
【先端の鋭いそれは、蜘蛛の"頭胸部"の内部に――"脳"に大きな損傷を与えようと成長するッ!】

【――どんなに大きな生き物にも弱点はあるはずだ、彼はその弱点を狙って一気に蹴りを付けるつもりなのだろう】
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/23(土) 00:27:21.30 ID:g3t/sSkeo
>>28
名もまた、意味のないモノだ。
……キリル・ヴェルバ。今はそう名乗っている。

【偽名、と明確に口にしたようなものだが、彼はそれでも名を答えはした】

一応、聞いておくとしよう。君の名もな。

【そして、社交辞令のように、名を問い返す】

【投げられた小柄を、上手く空中でキャッチして、また白衣の裏側へと収納する】
【ポケットに手を突っ込み、顎に生えた無精髭を撫でながら】

そうか。
……まだ脆弱性の問題を払拭できないとなると……。
だが…………いや、やはり437番をベースに……。

【彼女の口から出てくる感想を聞くと、ぶつぶつと、小さな声で呟き出す】
【他の事など、まるで全て忘れてしまったかのような、没頭具合だったが、また不意に顔を上げ、女性の方へと視線を戻す】

感謝する。
……偶然の邂逅ではあったが、有意義なモノだったよ。

では。

【そして、それだけを告げると】
【何事も無かったかのように踵を返すと、もう振り返ることはなく行ってしまうだろう】
36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [!red_res]:2013/02/23(土) 00:30:24.53 ID:Z1RMVJt4o
>>29

【幸いにも、と言うべきか。コモンの人より優れているだろう感覚を持ってしても、他の敵は見つからない】
【少なくとも此処にいれば来ない、と言うべきか。階下に何が居るかは分かったものではない】

【それから、ミノタウロスの首元より小さな珠がこぼれ落ちる】
【強い魔翌力を放ちつつもどこか機械的な黄色をしたソレは、従わせる力≠持っていて】
【或いは誰かがソレを利用して、魔牛を番人のように仕立てあげていたのかも知れず――無論、拾っていって良いのだが】
【他にも、ミノタウロスの肉体で必要な物があれば持って行っても良いだろう。棍棒の鉱石も良い素材となる】

―――おっ、もしかしてこのクソ熱い状況作り出したのアンタだったりする?
ったくさーただでさえ気温高いのにでっかい焚き火とか……動かないわけにも行かねーし死にそうだよホント

【―――さて、巨大な燭台が在る広場へと戻れば、そこにはレセップスが団扇を仰ぎながらボンネットに横になっていて】
【中央の台座には煌々と明かりが灯っている。その内部に黒い石が有るのは、運転手の彼が暇つぶしでもしていたのだろうか。】
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/23(土) 00:30:43.43 ID:boaUi7LYo
>>30

【月が夜を裂くように、剥いたばかりの光が柔らかく降り注ぐのだろう】
【広がる芝生が優しく照らされて、その毛並みを、子犬のように整えたのなら】
【あとはいっとう美しく照らされる、二つの背中を導き出す】

【夜に紛れそうなぐらいに黒い貴女の髪は、雅やかな服装とも合っていて】
【そこにあるのは一つの完成品、研ぎ澄まされた芸術品のよう】
【――――その手に持つ、美しい刃と同じ、研磨され尽くした宝石の如く】

【白銀の髪が夜に弄ばれて、白い柔肌へと流れ込んでいく】
【ハーフトップから零れる両肩と、ビスチェから漏れるお腹、無防備に晒している姿は、少女そのもので】
【横顔が月に浮かんだなら、その素肌の色合いを深く、煌かせるのだろうか】


謙遜は美徳ではございません、それにですね、貴女様が半人前≠ナしたら
私など素人≠ノなりましょう――――それは色々な方への侮辱にもなります

ですのでっ、ご自身の力に自信をお持ちください、それだけの腕前でしたのですから


【貴女の心の揺れ動く形を見ぬけない、彼女は何処までも愚直な騎士であるのだから】
【乱れる頬の形、ぴしりと伸びた人差し指が、彼女の頬の直ぐ側でふわふわと揺れた】
【くしゃっと右の目の下のタトゥーが、涙のように揺れた】

【黒いレースの手袋は、ぺったりとその華奢な両腕を肘の辺りまで包み込んで】
【細い肩幅に両脚、少しでも力を入れたなら、砕けてしまいそうなぐらいに】
【背に持つ得物はきっと、彼女という存在には合わない位に大きいように見えるだろう】


そこまで仰られると……くすぐったいですよ、私の身体など、見ても面白みも無いでしょう
模擬戦が云々ではなく……今の私には、物理的に不可能なのです……申し訳ありません

……っ……わぁ……そ、その……こう見えてましても……騎士の端くれ、でしてぇ……
有り難いお言葉ですが……あまり筋力には自信が無いので、それにこれだけ得物が大きければ、迂闊に動く事もできません

少しでも軽く、少しでも多く、少しでも早く、動くたびにはこの服装が一番良いのですよ


【頬に混じる赤い色、貴女に見つめられて少々恥ずかしさが零れるのだろう】
【同性であれど、女性的な魅力に溢れたあなたと比べれば、彼女はまだ少女の色を濃く残していて】
【香りを嗅いだなら漏れるのはフェロモンなんかじゃなくて、甘い甘い少女の色】

【――――貴女の言葉、戦ってみたいとの言葉に答えたかった、騎士として、或いは一人の人間として】
【期待のような言葉をかけられたら答えたくなるのが道理、それも、尊敬したくなるぐらい魅力的な人であれば】
【それでもできないのは物理的≠ネ理由があると、少し含んでいった】

【頬に浮かぶのは微笑みの色、白銀の髪を撫でる、貴女の柔らかい手先】
【白銀の髪の毛は生糸ですらも霞むほどに、月光に透かしたなら、まるでプリズムのように輝く】
【少しだけ恥ずかしそうに、もぅ、なんて漏れる吐息が、ふわりと夜に透けて見えた】
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/23(土) 00:32:11.29 ID:P1TsudIro
>>25

【先までの相手の態度はどうにも信用ならぬところが多かった、多少の懸念もあったのだろう】
【約束通りに乗客や商人たちが自由を再び得たのを見ると、傍目に見て分かるほどに肩の力を抜いて安堵する】
【直接に攻撃をされたとしても問題ないように、右手に曲刀は握られたままであるが】
【用の済んだ背嚢を背負い直し、相手の説明を聞く程度の余裕は出来た様だ】

……そういうノって、ペラペラ部外者に話していいノか
ソレらの話に出テきた人間にとって、致命的になりかネないと思うノだけど

【率直な感想は、まずそれ。例え礼だとしても、相手は非常に口の軽い人物だと捉えるのが適切か】
【でなくば自己の為なら敵でも味方でも、区別なく構いやしないのだろうか】
【何か渋いものでも食ったような青年の表情は、そういう訝しみを孕んでいる】
【勿論、その話の中に嘘が混じっていれば相手の頭は相当働くという事になるだろう】

他に、というなら……ソウだね
放送演説ヲした、コーネリアスという人物。あれは、一体どういう立場デ、どういう人間なンだ?

【ついでのように重ねられた質問は、しかしながら投げやりな言い方とは裏腹に】
【瞳の奥深くに眠る色は、ひどく強い真剣みをひそめていて】
【青年個人にとっては何より聞きたかった事なのかもしれない、さて、どう答えるか】
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/23(土) 00:34:08.55 ID:Q781BEsUo
>>24
【すっかり綺麗に全体が見えるようになった男を視界に入れて再度彼女の能力らしきものを確認する】
【幽霊だとかゾンビだとか……そういうネクロマンサー的なアレなのだろうと推測】

(声掠れてんじゃん、いやまあ新ジャンル「ロリババア(声的な意味で)」となるとアリ…いやナシだわ)

【ナシらしい、彼女的には】
【どうでもいい新境地開拓を試みたが脳内会議による議決は「却下」だったそうな】


――チッ……ああ大丈夫です勿論お礼は出しますよぉハイ。
あーここに積み上がってるダンボール箱から好きなの一箱持ってっていいですよ。
中身はなんと使用者に莫大な力を与える「宝玉」――そのカケラです、カケラでも十分効果発揮しますんで。


【舌打ちした挙句、あろうことかさっきのチンピラ二人にやったのと同じ詐欺をしようとしている……】
【ダンボールの中身は絶賛「無農薬ジャガイモ」の山である。一部腐ってたりしてる】

【流石に冗談だったのか、ファーコートのポケットをまさぐり、何か取り出した】

まあこれ僕が頑張って働いた結果の「十万」なんですけどぉ命あってのなんちゃらって言うかね。
謝礼っつーことでお願いしますよホント、あーサヨウナラ僕のお金、僕の努力の結晶。
まーこれでプラマイゼロ、むしろマーイみたいな感じで勘弁してくれませんかね。
ねえ幽霊さん貴方からもお願いしますよぉ。

【右手でぴらぴらとはためいている十万のキャッシュ――チンピラから騙し取った金だろうか】
【きっと彼女はチンピラ二人にもこういった態度をとっていたのだろう、結果が先ほどの状況だ】
【勘弁とか言ってるあたり感謝なんて物は一ミリも無いのだろう。あろうことか男に助けを求めた】
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 00:34:59.32 ID:54IJPm2to
>>26


へっ、顔覚えられちまったかよ……じゃあついでに涼宮 善太郎って俺の名も覚えるこったな!
その俺にまんまとしてやられた悔しさに歯噛みしながらよォォォ〜〜!!


【まあ、行き当たりばったりがうまくいっただけだがな、と苦笑しながら改めて前を見る】
【やはり見抜いた通り宝物庫だ、狙った通りの金銀財宝、売ればどれほどの金が手に入るだろうか】
【一度卵を傍にいるリョクオオカミの傍に置きながら、目を輝かせて金貨をすくい取ってジャラジャラと音を立てる】


―――ハハハッ!!やったぜオイ!大当たりじゃねーかッ!!お宝を見つけちまったぜオイ!!ヒャッホー!
お宝探し大成功だぜ!後は生きて帰れば"WILD"も俺をトレジャーハンターとして認めるだろうなあ、さぞかし悔しがりながらな!
とはいえ、莫大過ぎて持ちかえるのはポケットやリュックの空きに収まる程度が限界だろうが……それでも1年は食うのに困らねえんじゃねえか?


【まあとりあえず持ち帰れるところまでは持ち帰っておくか!などと言いながら、リュックの空きに一応詰められるだけ詰めておく】
【じゃらじゃらと、極力値打ちのある物を品定めしながら拾い集めていると目に留まった、その大きなルビーに竜の牙のネックレス】
【きょとん、と目を見開きながら、とりあえず今持っていた宝をズボンの両ポケットにしまいながらその落ちているルビーのネックレスを拾った】


―――おお、このネックレスは、特に値打ちがあるんじゃあねーか?なんつーか、このルビーだけ妙なパワーを放ってるしよ……
へへ、少なくともここで一番とびっきりのお宝なのは間違いねえ、と俺の感が言ってるッスねえ〜

で、あの向こう側にあるのは出口か?とりあえずこれで欲しいもんは欲しいだけ手に入った……後はさっさとトンズラすっかよ


【ネックレスを手に取ったら彼はそれを首に下げ、一通り宝を詰め終わった事を確認したなら、彼は再び卵を拾い上げると】
【ほんのわずかに財宝の部屋を名残惜しそうに見回したのち、その坂道から滑り落ちていこうとするだろう】
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 00:35:52.37 ID:M/ETw4Av0
おついちー!

>>23
「出来れば貴重な食料ですので食べないで貰えると……
ああ、それならば良かったです。献金も何も無い此処では食料を手に入れるのも一苦労ですから……」

【ほう、と安堵の吐息を漏らす辺り、残りの食料は僅かと見えるか】
【――――見つめていた其処。蜘蛛の巣が張ってあるか、或いは隙間風が入ってくるほどにひび割れているか】
【少なくとも、何事も無く張られている事は無いであろう】


「異教徒狩りの様なものでしょうか
私には理解しがたいことではありますが、確かにその様な方達は存在するようですね
生憎、街まで降りたことが無いので、書物で入れた知識ですが
……別に、あなたは害を為そうとする訳でも無いのですよね?」

【街まで降りたことが無い――――となれば、行商等から仕入れを行っているのだろう】
【紡がれた言葉は、一種の確認だろうか】
【自分の身の安全を確かめる――――それと同時に、自分の抱く考えが間違っていないことを確かめたくて】
【自分と異なるからと言って、排除しようとするのは可笑しい。その考えが過ちで無い事を確かめたくて】
【何処か柔らかい口調で紡がれた言葉は、そんな心情を表すのだろうか】


「確かに、私は主から嫌われる立場にあるのかもしれません。強いて言うならば光とは対極の位置に居たのですから
――――それでも、良いでは無いですか
私は救われるために信仰している訳で無く、救うために信仰したいのです」

【態々この様な場所まで救いを求めてくる者が居るのかは不明――――否、恐らくは皆無に等しいだろうか】
【それでも尚信仰を行うのは、“もしかしたら、万が一”救いの手を求めている人が居る可能性も捨てきれないため】
【――――パン。と聖書の埃を払えば、身近な場所へと其れを静かに置いて】


「あなたに信仰する神が居るのか、それともあなた自身が神なのかは分かりません
ただ――――あなたは、神を信じますか?」

【明るい瞳。細くすれば、その視線が向けられて】
【言葉で否定しようと、否定しまいときっと非難することは無いのだろう】
【人外が神の存在をどの様に考えて居るのか――――それ以前に、神の存在を信じているのか】
【其れが、聞きたくて】
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 00:37:22.02 ID:PItjwX1B0
>>31

あぁ、そうだな・・・確かに珍しい

【そう軽く呟くと、表情を隠していた煙の隙間から彼を覗くように瞳を向けた】
【それは先ほどまでの蔑みでも憐みでもない―"観察"した瞳】
【彼のことを観察するその瞳は、まるで値踏みでもしているかのような瞳であった】
【人によっては、その鋭い目つきが攻撃的な瞳に捉えられるかもしれない】

そうだな、人が夜中に歩くって言うのは…そういう事だな…
何をするかわからないってことだな…

【ゆっくりと、彼の方に身体と頭を向け、まるで身に纏うかの様に煙が周囲を漂う】

人でも夜行性の奴はいるんだよ…
闇行性とも言うか…

【ふぅと一息、煙を吐き出せばさらに増える煙の量】
【ただ漂うだけではない、彼の周りを不自然に、集まるように漂いだす煙】

まぁ、言うならば…その物騒な奴はすぐそばにいるかもしれない…
明日の大会とかに出る奴とか、そう言う奴は狙われたら溜まったものじゃないな…

【何かの比喩なのか、遠まわしに危険があることを再確認しているのか】
【どことなく、違和感を感じる言い方をする男】
【まるで自分がその物騒な人間でもあるかのように―人を遠ざけるような雰囲気を出している】
43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2013/02/23(土) 00:37:32.37 ID:zBDBDmC8o
>>35
キリル、か。偽名でも、ある1人を指し示すのには十分すぎるな。
私は梔子 冴。……ただの剣士だ。

【彼の名が偽名か真名かは当然女には興味がなく、彼の名前を聞けただけで、今はそれで良いらしい】
【そして女も名乗る。嘘はついていない。一介の剣士であり、偶然何処かの組織に所属しているだけだ】
【それは、彼がそんな物に興味が無いことを見越しての発言だった。言わないほうが良い物も、この世には数多有る】

私にとっても、有意義なものだったのかもしれない。
……どちらにせよ、ただ月見をしているだけとは格段に面白かったよ。

……あぁ、それでは、な。

【男の小言には、耳を貸さない。女には分かりようがないということが、分かっていたからだ】
【ふっと女は笑い、女にとって、それが本当に興味深いものであったことを窺わせる】

【彼が歩いていけば、女も体を反転させて、反対方向へと歩き去っていく】
【今この場では、もう顔を合わせることはないだろう。合わせる理由もない】


【不思議な、興味深い男と出会った。女が付けている日記には、そういった旨の書き込みがなされる】


/絡み乙でしたー!
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/23(土) 00:40:47.74 ID:e1Qw/rUQo
>>36

【黄珠を拾い上げ、先程の匙と合わせそっと懐中に仕舞い込む】
【それからその角を一片切り出し、それも合わせて収穫とした】
【あとは黒トカゲの背に乗って、変化の起こった中央広場へと向かい――】

……ええ。これが一体何を示すのかは、まだ掴めていませんが
取り合えず私の方は収穫も得られましたし――、っ……

【既に負っていた傷が此処での戦闘で開きかけたのだろう、足が僅かに蹈鞴を踏んで】
【丁度コモンの方も、走りきったことで熱エネルギーを使い果たし、元の大トカゲ程度のサイズに戻る】
【ここから更に動きを見せる、というのは難しい状況だろう】
【後は、燭台の動向を見守るだけになるだろうか――何かの鍵を開いた身である以上は、見守る義務もあるだろう】
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/23(土) 00:46:13.14 ID:X3ZZK5fC0
>>38

【青年の率直な意見にヒルコは目を見開き】
【ああ〜、と唸りながら頭を抱える】

「ああ、ああ! その通りです! まさに僕の思考能力は単細胞生物以下だ!
 しかし薄汚い汚物の様な僕がアナタにお礼としてできることなんてこれぐらいしか・・・!」

【そろそろ気付くだろうか】
【このヒルコは人格が破綻している】

【異常なまでの自虐をしたかと思えば、無関係な人間を人質に取り】
【先ほどまで殺意すら向けていた人物に、ペラペラと友好的に語りかけている】

【一端の機関員に過ぎないヒルコは大した情報は持ってないとはいえ、それを無防備にさらけ出す】
【狡猾で、馬鹿で、歪んだ精神だ】

【しかし、コーネリアスという単語を聞くと】
【狂気こそあれ、恐怖は無かったヒルコの目に初めて恐れの色が浮かぶ】
【そして「あはは」と困ったように笑いながら、引き攣った表情で語りかける】

「・・・これは喋ってもいいかな? コーネリアス様は目立ちたがりで自分から演説をなさるし。
 居場所や活動範囲は聞かないでくださいよ、僕だって知らないんですから。
 えーと、そうですね。コーネリアス様はガイスト様と同じくカノッサ機関の幹部です。そして・・・」

【ヒルコは無理に笑顔を作って、こう告げた】

「僕が知る限りでは、カノッサ機関で一番恐ろしい方ですよ・・・!」
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 00:48:17.76 ID:m4pxQ0klo
>>42

(――……その眼はちょいと、気に喰わねえなぁ)

【返事はしない。珍獣云々の話題は此処で途切れる】
【虎人はただ、値踏みする視線に対し微かに不快感を抱いた】

【この虎は"あるモノ"に対して良い感情を抱いていない】

ああ、知ってるぜ。夜が好きだってヒト族は意外にも多いらしいな
夜目も利かねえのに、随分と物好きなモンだと思うがな

そんでよぉ、俺の経験上そういうヒト族の大半は――ロクなもんじゃねえんだわなぁこれが

【集まり始める煙、そして――男の放った言葉を認識すると】
【トン、と軽く杖の先端で地面を叩く動作を見せ言葉を放ち】

……妙なこと考えるんじゃねえぜ、兄ちゃんよ
今夜はちょいと――血を見てえ気分じゃねえんだわ

【両の眼に淡い金色の光を灯しながら、射抜くような視線で睨みつけ】
【いつでも"動ける"ようにと男の一挙手一投足を観察する】
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [!red_res]:2013/02/23(土) 00:48:57.94 ID:Z1RMVJt4o
>>32>>34

【それぞれがどうにかして炎を避ければ―――最早勝負は決まったようなものだ】
【既に動きが相当鈍っている蜘蛛の頭部に、スズキの生成した巨大な種がねじ込まれ、海水によって発芽――】
【少々、形容の難しいグロテスクな音を立てて蜘蛛の頭胸部に最後の一撃が打ち込まれた】

【その結果、静かに蜘蛛は足を投げ出して、倒れ伏した。ジワジワと感じるだろうか――勝った≠ニ】

【さて、ここで面白い事態が起こる。残った蜘蛛の7つの瞳と、無数の鋭く短い牙が地面に落ちるのである】
【といっても然程衝撃的な光景でもない。よく見れば、その瞳だったものは真っ赤な宝玉≠ヨと変化しているからだ】

【宝玉―――あの、宝玉だ。7つになっていた欠片が纏まって、今、一部が足りない真っ赤な珠に成った】
【炎鉄の宝玉≠ニでも呼ぶべきだろうソレは、欠けてこそいるが絶大な力を感じさせ】
【同時に、蜘蛛の身を纏っていた鋼鉄が剥がれ落ちる。どうやら、この宝玉は炎と鉄の――つまり鍛冶などに役立つらしい】

【それから牙はそれだけでも武器となるが、強力な麻痺毒がにじみ出る機構となっていて】
【どちらを拾っていくかは二人次第。そしてソレを終えると、奥から――ぉーぃ≠ニいう声も消えてくる】
【先ほど茜の逃げ込んだ横穴の奥、崩れた地面の底から聞こえる声はー、恐らく要救助者ザクセンのモノか。】

>>33

【ふと覗き見れば―――そこには小さな妖精の如き少女ではなく、腹部を不気味に膨らませた童女が居た】
【その腹部はまるでポンプのように萎みつつあって、ひどく気味が悪い。】
【そしてなにより、しぼむに連れてリリアの肉体が大きくなっていき――今や、10歳程度の人間の少女と、外見は変わらず】
【パクパクと口を動かしているのは喋ろうとしているのだろうか。ふと、じろりとその瞳がカズネを見て、笑い―――】


【―――速めに此処を立ち去るほうが良いかも知れなかった。嫌な予感が強くする】
【或いははしごも落として燃やしたほうが良いのだろうか、そんな事を自然に思わせるほどの危機感とでも言おうか】

【かのガイストに敵対した時も似たような気配があったような。記憶の底に、そんなこそばゆい何かを感じるだろう。】
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/23(土) 00:49:01.21 ID:iKezfsDdo
>>39
……クズだなお前
「塁は人の事言えないと思うよ」

【遂に(?)本性を表した少女に対して、一言呟けば、男から一言で突っ込みが入った】
【どっちもどっちである】

いや、宝玉とか金とかよりもっといいもんはないのかよ、私信者が欲しいんだけど
私が何か話したりやるだけで持ち上げてくれる信者共とか売ってねーの?

【箱の中が宝玉な訳がないのは明らかだが、そんなものはどうでもいい、金もまあ魅力的だがーーーまだ、いいや】
【欲しい物はと口にすればーーーこれまたとんでもない無茶振り、どんな自己顕示欲があればこんな事を言えるのか】

「信者は買う物じゃなくてついて来る物だよ…塁」
「それに、礼をくれるというんだから素直に貰っておけばいいじゃないか」
んー……ん?

【やれやれ、といった呆れ顔で諭す男、彼はまだまともな考えを持っているようだ、半透明だけど】
【どうせ信者なんて売ってる訳がないと知ってたし、仕方ないから金で勘弁してやるかと彼女が思い始めた時ーーーゾンビが、彼女に何かを訴え始めた】

ーーーあ、何?お前らあれ欲しいの?…あっそ
…オーダー、そこにある宝玉(仮)一箱

【どうやらゾンビは中身を知ってか知らずか…段ボールが欲しいようで、必死に訴えるそれに答え、少女は段ボールを選んだ】

まあ、私お前と違って金持ってるし

【ーーー一言多い】
49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/23(土) 00:58:13.40 ID:7SPXNCe60
>>41

……けろ。
魂消た聖職者だよ、お前さん。疲れないか? ……疲れてでも、救いたいのか? 阿呆らしい。

【童女の表情は、呆れた、としか形容出来ない。】
【価値観が、違い過ぎる。童女は揺らがないが、興味を持つ。】

……私ゃ、害を成す者だ。
金さえもらえりゃカノッサにだって付くし、正義の徒にもなる。

【だから、貴女の、一種の興味には応えようとする。】
【椅子の背に凭れかかり、背が無いならそのまま身体を後ろに逸らして。】

この雨読川カエロウは浅ましい妖だ。けろけろ、退治されようが文句は無い。死にたくは無いがね、けろ。
ただ、連中は、分別が無い……無害な小童らと、私みたいなのを、『人外』っていうデカイ区分で考える。愚かしいコトだ。

【ここまで、殆ど一息に、その大きな口から紡がれた。それは、教会の、懺悔室めいてもいた。】
【目に、哀愁めいた感情を、ぼんやりと燈す。童女の知人なら、珍しい、らしくない。ーーと、とれる光景だった。】

……神を信じて、このザマだ。

ま、悪いもんでも無い。 くわっくわっくわっ……

【目を閉じる。眠っている訳ではあるまい。】
【言うならば、浸っていた。それには、この教会は、ちょうど良い場所であった。】

50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 00:59:01.19 ID:5Tz014yKo
>>47

(ち、愚策だったか……!)

【奇妙な姿、元より分かっていたがやはりアレは人ではない】
【となれば少しでも頼ろうとした時点で間違っていた、自身を咎める】
【今はコレを始末してしまいたい……そんな欲求と同じくらいに感じる嫌な予感】

フルバーストっ!!

【結果として去る事を選んだカズネだが去り際に魔弾を全弾お見舞いしてから直ぐ様ハシゴに昇る】
【登り切ったらば再装填した魔弾でハシゴを吹き飛ばし頂上へ至る】

ほんっともう!イレギュラーばっかじゃないのよ!!
……?鐘かしら……何の意味があるのか……

【鐘に歯車、そして銅鑼】
【何の為にあるのか分からないが兎に角この場には居たくはない】
【件のトラップに使い魔、些か長居するには危う過ぎる条件が揃っている】

【周囲を見回して降りる箇所を探しつつ】
【銅鑼の回りも情報収集の為に探索する、ついでに何となくその銅鑼を拳で軽く叩いて】
【痛かったのか直ぐに手を引いたりと……そんな感じである】
51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 01:00:54.94 ID:PItjwX1B0
>>46

―――・・・・・・

【二人の間に流れる沈黙―ゆらゆらと揺れる煙―地面をたたく杖の音―】
【今にでも何かが起こりそうな雰囲気を醸し出すこの場所】
【男は鋭い目つきをそのままにただ彼を見つめる】

・・・はぁ

【そんな沈黙に先に痺れを切らしたのか、男は瞳を閉じ、彼から顔をそむけて煙で表情を隠した】

明日の大会…もしお前さんがあるなら一つ言っておきたいことがある…

【煙で表情を隠したまま、静かに開いた口からは忠告のように聞こえるお願い】

褐色肌で獣っぽい娘が大会に出る…
見た目通り馬鹿で阿呆なやつだ・・・
そいつに会ったらそいつに―

【途中まで何かを言いかけたところで、一旦男は口を閉じ】

いや、やはり何でもない―

【中途半端なところまで言いかけたが、何を思ったのかすべてを言う前に止めてしまった】
【何か頼み事でもしようと思ったのだろうが、合って間もない人に、出るかもわからない人に言っても意味ないと考えたのだ】

まぁ、おまえさんも気をつけろよ…夜はまだ長そうだがな…

【煙の隙間からもう一度男を見つめて言い、その場から歩き出そうとする】
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/23(土) 01:06:13.17 ID:Q781BEsUo
>>48
【彼女の最初のオーダーに、作り笑いを零す。柔和で可愛らしい「作り笑い」だ】

クズだなんてそんなねぇ、酷いですよ?
信者なんてありませんよそんなものぉ、売り物ってのは基本需要があるから売れるんじゃないですか。
それに信者だって言いかえれば「お客さん」じゃないですか。それを売るなんてとんでもない。

【思っても無いことを言う、お客さん騙してたくせによく言える口である】
【途中ぼそっと「そんなもんあったらこっちが欲しいよ」とか呟いた。ちゃんと聞こえるだろう】

【ゾンビとのやり取りを見て、そいつじゃ不満かとも思った少女であった】

はいどうぞー、価格は十万でs…ああ間違えた、ハイ無料ですとも。
持つのだるいんだよなよいしょっと……

さ、どうぞお受け取りくださいー。

【普段の癖か、普通に金を取ろうとした。すぐに訂正して商品の元へ】
【両手でダンボール箱を持ち挙げて、そのまま彼女たちの前にそれを差し出すだろう】
【途中、中でジャガイモの転がる音が聞こえたが気にしてはいけない】

じゃあ分けてくださいませんこと?この貧乏人に。

【プライドなんて、この子には存在しなかったらしい】
【恐らくは冗談なのだろう、たぶん、きっと】
53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/23(土) 01:06:39.15 ID:P1TsudIro
>>45

……アンタ、ヘンだ
まるデ、自分自身が淀ンだ水みたいに、実体ノ判別無く濁ってる

【これまで、周囲の人間の人格に恵まれて育ってきた、一般的な“ヒト”としての身】
【相手のような揺らぎの底に沈んだような狂人に触れた経験など無く】
【ただただ感じるのは、正常な思考判断を著しく傷めるような異常性だ】

さすがに、能力や力ノ源なんてノは知らないか……
分かった、もう良いだロう。最後に、この作戦ヲ命じたガイストってヤツに伝エテくれ

【謳うような口調で語られる“コーネリアス”という人物像】
【そこに何かしら感じるところはあったか、ぎ、と唇を引き結ぶも、やはり口伝ではそれまでだ】

【――最後に。そう口にすると共に、右手の曲刀を握りしめる】
【相手の鼻先を掠めるような一撃は、しかし能力で強化する事も無く、殺気も無く】
【そして相手が気を張っていたならば、回避するのもまったくもって難しい事ではないだろう】
【意図的に手を抜いたような一振りののちに、相手から遠ざかるように大きく後ろへ跳び退る】


残光剣ヲ奪ったナウファル・ディヤー・アル=ミルドリーは見テノ通りノ卑怯者だ!
捕えらレたベイゼ機関員も、卑怯な手にヨって陥れられたに違いないト!


【その伝言は、声高に。やがてくる朝日を裏切って、太陽の輝きが相手を見据える】
【言葉の真意は本来青年の持ち合わせた甘さでは無く、対峙した敵に対しての敬意】
【必ず伝えよともう一度叫ぶと、曲刀を革製の鞘へ差し込んで相手に背を向ける】
【万一相手が追って来てもいいようにだろうか、その姿は人気の無い方へ人気の無い方へと】
【夜の闇の中に、その後ろ姿は融けて行った】


/お疲れさまでした、お相手いただきありがとうございました
/諸処気になる点はありましたが、カノッサらしいロールだと感じました!
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [!red_res]:2013/02/23(土) 01:08:44.06 ID:Z1RMVJt4o
>>40

【実際の所、たった少しの宝であっても暮らし方次第で五年は持つだろう】
【というのもこの時代、この都市で独自に作られた貴金属は驚くほどに純度が高く――】
【加えて、僅かながら魔翌力も含んだ良質なモノ。相場の数倍という値段がつくからである】

【そしてペンダントを手にしてダストシュートへ進めば、滑り台のように降りて行き】
【やがて着地するのは神殿の前、左右2つの入口の間にある盛土の部分で】


【出てきた時と違う変化といえば、頂上付近の入口からマグマがゆっくりとあふれ始めている事】
【それから遠くに見える中央広場の燭台に火が灯り、且つ西部の石門がプリズムとなって輝いている事が挙げられるだろう】
【なにも青年だって一人だったわけではないと感じさせる、そんな光景が広がっていて。】

>>44

おいおいアンちゃん大丈夫かよ?俺の親父が風邪引いて出勤しようとした時みたいだぜ?

いや実を言うと車内じゃクーラーも使えるし、水もあるから中に入って休んでたらどうさ
何も軍隊や公務じゃねぇんだ、座って休む位ありだろうぜ……随分と疲れてるみたいだしな?
まっ、俺は何もしてねーしお前らが全員戻るまでは此処で暑さと闘うことにするけどよっ

【なんて、この軽口がどこか日常的な世界へと彼を引き戻す。少なくとも、広場には敵も居ない】
【或いはレセップスの言うとおりにして休んでもいいだろう――寝てしまっても、気付けば街だ】

【ふと扉を開ければ漂う冷気。もっとも、レセップスは入るわけではなく拡声器を取り出して―――】

/っともし眠気等キツイようでしたら離脱しちゃってもOKですよ!
/一応帰投は自由とあるように決まりきった終わりはございませんので〜

>>50

【ハシゴの落ちた2つの部屋は、魔弾の余波でも受けたのか――或いは噴水が壊れたか、直ぐにマグマがせり上がる】
【この屋上も何時かは穴から溢れるマグマによって焼かれると考えると、坑道は速いほうが良いのだろう】
【―――と、そんな時に広場を見れば燭台に火が灯っていて、レセップスの声が響き】

おーい嬢ちゃん、早く戻ってこないとそこ多分危ないと思うのよね!
こっちとしてはさー死亡者ゼロの安全運転でしたって報告しないとマジで仕事ヤバイわけ!ねっ!

だからーとっとと……あなにそれ、鐘?丁度いいや、そろそろ帰るから鳴らしてくれよついでにー!
よく考えたら拡声器で笛の音響かせてもよく聞こえないと思うんだよね!よろしくカズネちゃーん!!

【なんて内容の事が聞こえるだろう。拡声器でこれなら、都市全体に伝わりそうなものだが】
【どっちにしても、迅速に。他の仲間のことを考えるなら、鐘は恐らく慣らすべきなのだろう。】
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 01:13:29.99 ID:m4pxQ0klo
>>51

おいおい兄ちゃん、話を途中で切るもんじゃねえよ
続きが気になって夜も眠れねえかもしれねえじゃねえか?

……大会にゃあ出る予定だよ
つうかよ、知っててあんな口叩いていたのかと思ったぜ?
何にせよ伝言の一つや二つ、縁がありゃ伝えられるかもしれねえな

【言葉を途中で止めた男に対し、虎人はそう声を返した】
【どこか"煙"のように掴み所の無い態度の男に対して】
【気を抜いているわけではないことは――杖を地面に触れさせたままのところから察せられるだろうが】

ああ、気をつけるさ。生憎とまだくたばる訳にゃあ行かねえ身でな
あとそうだ――最後に一つだけ聞いておくぜ兄ちゃん

俺の名前はグー・ゲルギル。見ての通りの虎のおっさんだ
お前さんの名前も、よけりゃあ聞かせてくれや

気は進まねえだろうが、縁ってぇのは当人も想像のつかねえ場所と繋がるもんでよ
石ころ一つ避けただけでくたばる運命を回避したってえ話も世界にゃある

まあつまらん保険の一つとでも思って――教えてくれりゃあありがてえわな

【少なくとも表面上は友好的に】
【虎人……グーは男に視線を留めたままそう問うた】
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 01:13:36.24 ID:5Z+P9l8IO
>>34 >>47

【ぶわっ、と激しい熱風が辺り一面に吹き込む】
【炎から逃れきれなかったのかと錯覚するような強さだったが、すぐに風は収まり】

――大丈夫?
焦げてない?

【ひょっこりと横穴から顔を出し、男に問いかける】

【――ふと、蜘蛛の死骸に目をやると、奇妙な事が起こっていた】
【蜘蛛の目玉と牙が抜け落ち、鋼鉄の鎧が剥がれて行く】
【そして目玉が合わさって、なんと、赤く輝く宝玉となったではないか】

えーと……
これ、もらっていいのかな?

【そう言いながら、牙と、剥がれた鎧と、残っていれば蜘蛛の脚と、男が拾わなければ宝玉を、入るだけナップサックに詰め込むだろう】

【一気に重くなったナップサックを背負った時、どこからかか細い声が響く】

――ん?
これ、まさか……ザクセン?

待ってて、今助けにいくよ!

【声は先程隠れた横穴の方角から聞こえてくる。横穴を覗き込んで声をかける】
57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/23(土) 01:14:37.79 ID:qZzAvqw/o
>>47

「――ッ、ふゥゥウウ〜〜」

【蜘蛛の頭部を根が貫く音、それが聞こえればバックステップを一つとり】
【最後のあがき、――炎のそれ以外が来ないかと警戒し】
【――何も来ないようだと一安心、勝利を確信、しかしその7つの眼と無数の牙が地面に落ちれば】

「おいおい、……中からこれが俺の本体だッ!」 「……なァーんて出てくるのは勘弁だぞ?」
「――――?」 「……眼が真っ赤な球になりやがった、……俺が潰した分少々足りねェ様だが」

【傷を負った右脇腹を左手で押さえ、木刀を腰に差し】
【その、少し欠けた宝玉を拾い上げると――聞こえてくる、小さな声】
【――潰した眼を回収すれば欠けた分が戻るのだろうか、いやそうだとしたら元からなっているか】
【そんな事を考えつつ、焼けて痛む脚を無理矢理動かして――ザクセンの声が聞こえる方へと歩んで】

「……お前がザクセンか?」 「まァ、少々遠回りしたが……さっさと帰っぞ、ミイラになる前にな」

【鈴を鳴らせば、出てくるのは鉄製のスコップ】
【それで崩れた地面を掘り返し、ザクセンを見つけようとし――脇腹から血が流れて痛むが、それを堪えて】

【見つければ、――そして、もし怪我をしていれば】
【相棒の口から吐かれるのは、"治癒"の力の篭った海水だ】
【それはザクセンに向けて放たれ、――しかし、けっして沁みることは無く】
【むしろ、傷を癒す力を持ち……更に、少しの間防御力を上げてくれる】

/どうぞどうぞしてたら遅れましたすみません!
58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 01:16:13.31 ID:5Tz014yKo
>>54

うーわ……なんかまずいことしちゃったかしら?
確かに狙いは適当だったけど……

【足元から赤色が段々と迫ってくる】
【これであの壁画はお陀仏だろう、なんと勿体無い事をしてしまったのか……】
【後悔ばかりが残るが一応は情報として杖に存在しているのを良しとするしかない】

【ただ気になるあの使い魔】
【熱量を糧とするならばこれだけの溶岩だ、それら全てを食らった日には一体どれだけ成長するのか】
【仮に限界があるとしてもぞっとする話には違いなかった】

………?……あそこっ、何よ鐘鳴らせっての?
そんな事よりここからどう逃げろってのよ!!ああ、もう分かったわよやればいいんでしょ!!

【どこぞで聞いた声はそういえば運転手のものだった】
【どうやら鐘を鳴らせと言っているらしく、早く逃げ出したいがやるべきことはやらなければなるまい】
【右手、魔弾を銅鑼に合わせ】

この……これでも喰らいなさいっ!!

【誰に対してでもないただの苛立ちをぶつけながら】
【魔弾を放つのだった】
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/02/23(土) 01:19:24.38 ID:LHL4yG6so
>>37

そうかい……?そう言われたら、そうだね、あんたの言葉をそのまま受け取っておくよ
私が半人前って言うことで誰かが侮辱されるってならさ、それはあっちゃ成らない事だしね


【自信を持てない半人前と言った言葉を告ぐ女は、自身をそう思わせる理由があった】
【だがそれは決して崩れぬ師弟の関係が云わせる事、故に彼女の中では自分は何時まで経っても半人前――】
【そう思っていたから、貴方の言葉には意外な、と思わせるような表情を作って】

素直に受け取っとくもんだよ、なんて、私が言うのもなんなんだけどさ、まぁ、大男が大剣を扱うってのは話がわかるんだけど
アンタが体験を扱うってんなら、そりゃ興味をもつさ、自分の戦術ばかりに囚われてちゃ成長しない
だからアンタがどう戦うのか、そりゃもう気になって仕方がないって事さ


【恥じる少女を目前にしてはそれにも構いもせずに、言葉を続けるばかりであったのだが――】

へぇ……アンタも色々と工夫してんだね……
でも、今が駄目ってなら……仕方がないさね、ほら―――


【不可能と言われれば、ソレ以上押し付けるわけにも行かない、それに万全では無いのであれば、仕方がない】
【擦った指先は銀糸を撫でて、纏った光を宙へと舞わせるだろう】

【そして――、ふとその空より降り注ぐ蒼光が一層に強く煌めいたかと思えば、その場で立っていた女性は少女の前えと屈み】
【ほら――、その言葉と共に差し出されたのは、衣服の袖より出された一つの布で】


拭きなよ

【何を拭うか、それは彼女の口から告げられなかったが、きっとその少女の表情を見て言葉に出した事であり】
【次に向けられたソレも、貴方の態度がそうさせるものであったのかも知れなくて】


でも――物理的にって、どこか怪我でもしてるのかい?騎士である前にアンタも一人の人間だ、無理は良くないよ?
60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 01:21:13.53 ID:M/ETw4Av0
>>49

「救われた身であれば――――多少の疲れなど、気にも留めません
本来であれば今頃冷たい土の下で朽ちていた筈のこの身体、こうして動くことが出来るのも主のお陰ですから
――――疲れを感じることも、喜びの一つだと思えます」

【この場で住まうのはこの女性一人。訪れる者は殆ど居らず】
【故にまた異なった疲れも感じようが――――それも喜びとするのだろう】
【どの様な神を信仰しているのかは分からないけれど】


「――――害を為すにしては、とても気さくなのですね
カノッサ……様々な方面で悪事を働く方々ですか……
実際に会った事も、見たこともありませんが――――中々酷い事になっている様ですね」

【時折仕入れる情報。風の国の襲撃など――――体験した事は無くとも、どの様な惨劇が起きたのかは大方予想できよう】
【害を為す、何て答えたのに構えも逃げもしないのは、きっと理由も無く襲ってこない故と考えて居るからか】
【甘い、世間知らず。なんて言われてしまえばそれまでなのだが――――】


「――――理解して居ない故、仕方の無い事なのかもしれません
ですが、中にはきっと分かってくれる方も居るはずです
私だってまだ分かっていませんが――――それでもきっと、何時か理解者となってみせましょう」

【修道女が妖を知ろう、とするのも可笑しな話だが】
【生真面目な性格。向ける言葉は真っ直ぐで】
【時間は掛かるかも知れませんけど―――――そんな言葉を紡いで、暗い天井を見上げるのだろう】


「信じているからこそ、この程度で済んでいるのかも知れません
――――私程度では、きっと分からない事ですが
ただ――――悪いものでも無い。そう言って下さるだけで多少は心が軽くなる気がします
…………痛ッ!!」

【目を瞑っていれば、見る事は出来ない】
【然れど、小さな衝撃を感じる事は出来ようか】
【女性が隣へと座って、同じ様に目を瞑る――――妖と人間。異なる存在とは言え、同じ様な事をする事はあまり無いだろうか】
【しかし――――コクリと船を漕げば、自分の膝に額がぶつかって】
61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/23(土) 01:21:17.14 ID:iKezfsDdo
>>52
はぁ…まったくだ…どっかに信者落ちてねーかなー…
私が歌えば褒める、踊れば褒める、悪い事しても無実を謳ってくれる信者がさー

【…とんでもない奴だ、まだ表に出さないだけ、相手の少女の方がマシなのではないだろうか】
【溜息と共に呟いた言葉を、男は苦笑いで聞いていて】

…ほら、欲しかったんだろ?

【差し出された段ボールを、ゾンビが嬉しそうに受け取ってーーー逆さまにすれば、中身を全部ぶちまける】
【無表情な少女の横で繰り広げられる芋の滝ーーー空っぽになった段ボールを頭に被って、何故かゾンビは楽しそう】

ーーー片付けて買えれよ

【あからさまにムカついた表情で、そちらを見ずにゾンビに告げると、段ボールをかぶったままゾンビは芋を拾っては食べ拾っては食べで片付けだした】

…しゃーねーな
「…塁、あまりそういうのはーーー」

【プライドも糞もない少女の物乞いを見て、一言呟き、ポケットに手を入れる】
【「良くないよ」、と男が言おうとしたが、少女はお金を取り出してーーー】

【ーーーチャリン、コロコロ…】

ーーーおら、拾えよ

【少女の目の前に落とし、転がしたのは小さな硬貨一つ、日本円にして百円=[ーー!】
【しかもめっちゃくちゃ嬉しそうな表情で拾うのを待ってる、下衆の極みな表情だ】
62 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 01:23:19.26 ID:PItjwX1B0
>>55

【もう一度立ち止まり、グーの方に顔を向け鋭い目つきで見つめる】
【問われた二つのこと―表情から推測するのは難しいだろうが、伝えるかどうかを悩んでいるようだ】

ならば一言言っておく…
そいつに会ったらコテンパンにしてやっといてくれ、
馬鹿で一人では何もできない癖に、行動力だけは一人前のクズをな…

【そして、一呼吸置いた後にもう一つ】

カノプス・スモーキー…

【そう小さく呟くと、夜の闇の中へと歩き出した】
【ゆらゆらと揺れながら周囲を漂うタバコの煙を纏いながら】
【闇にまぎれる黒いその背中に、どこか哀愁を漂わせながら】

/少し早かったかもしれないですが、お疲れ様でしたー!
63 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 01:24:37.07 ID:54IJPm2to
>>54

【見積もった以上の値であることは未だ気が付いていない】
【その事にも気が付かずリュック一杯の宝と竜の卵を必死に抱え込みながら、彼はスタッ、と出口の所で華麗に着地する】
【こきり、と首を鳴らすと、本日の戦利品を改めて見つめる】


とりあえず、換金終わったらおふくろにもいくらか送って楽させてやらねえとな
後、姉貴には触らせないようにも言っておかねえと、それはそうと結局ザクセンって野郎は見つからなかったな……
他の連中が見つけていればいいんスけど……さっきのケンタウロスの女も気になるしよ……


【石門のプリズムの輝きを見たとき、途中で別れた自分と同じ依頼を受けた者たちがどうなったかが少し気になった】
【彼らはあの後ザクセンを発見することが出来たのだろうか、皆無事に戻ってきているだろうか】
【中央広場目がけて足を運び、火のともる燭台をちょろちょろ見つめているうちに、頂上付近のマグマに気が付いた】


――つか、なんかあのマグマやばくねえか……?俺らウカウカしてたら飲み込まれちまうんじゃあねえだろうな……!
おい!今戻ったぞガイド!レセップスっつったか!?どこ行った!今戻ったぞ!他の連中は帰ってきてるんスか!?


【先ほど話をしたガイドや途中で別れた者たちの行方を探し当てるように中央広場で辺りを見回す】
【この時点で自分が出来うる限りの行動はすでに完了した、とりあえずはここで合流を狙った方がいいだろう】
64 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/23(土) 01:29:30.00 ID:X3ZZK5fC0
>>53

「あははははは! 変ですか、ええそうでしょう。
 アナタ方のような上等な人間から見たら確かに変でしょうね。
 濁った水も何も初めから汚水の様な人間ですよ、僕は!」

【ヒルコはカラカラと笑いながら、まるで挨拶の様に自虐の言葉を口にする】
【ヒルコから見れば、この異国然としとした青年も周りの人間と等しく】
【優しくて、まともで、正常で、自分よりも圧倒的に上等な人間なのだから】

「ええ、申し訳ありません。カノッサ機関の幹部の能力なんて、機関の中でも一握りの人間しか知りませんので」

【「ガイストという奴に伝えておいてくれ」その言葉を聞き届けたと同時に】
【湾曲した白刃がヒルコの鼻先を掠め、一筋の血を流す】

【先ほどまでの柔和な雰囲気とは一変したその表情に、ヒルコは萎縮する】
【しばしの間、その言葉に秘められた意味を飲み込めず目を丸くしていたが】
【やがてその真意を察すると、初めてヒルコは柔らかい笑みを浮かべた】

「・・・ええ、確かに伝えておきますよナウファルさん」

【朝の陽ざしが海岸線から差し込み、残光剣を持って立ちすくんだヒルコを照らす】
【誇り高き異国の青年は、狡猾な祟り神の入れ物とは対照的に、残った夜の闇へと消えていく】

【しばしただそこに立ちすくんでいたヒルコに声がかかった】

「おーい、終わったー?」

「ええ、首尾よく渡してくださいましたよ」

「へっへーん、まー私が出るまでも無かったかな?」

【ヒルコの元に駆け寄った長髪の少女】
【それに対してヒルコは思う】

(ベイゼ様を倒したほどの相手・・・、人質を失った僕では、まがわ様を加勢に加えても勝てた相手だったのだろうか?)

【もし相手が義憤に駆られて、残光剣を取り返そうと戦いを挑んだら・・・】

(まぁ、仮定の話をしていても仕方がないですね。現に残光剣は僕の手にある)

【ヒルコと少女はそのまま朝日の中を歩き、連絡船へと乗り込んだ】


/お疲れ様でした! ありがとうございました!
/せっかくの残光剣を強奪して申し訳ありません!
/こちらも悪役悪役できて楽しかったです!
65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/23(土) 01:32:25.29 ID:boaUi7LYo
>>59
【水面に浮かんだ水泡が誰にも見られずに消えるように】
【弾けた声の破片が、何処へ消えていくかなんてきっと、誰も知らないから】
【宵闇が姿を消したなら、深い夜を告げる音がする】

【琥珀色の瞳、その瞳に見つめられたなら、背伸びして立つ自分が、やけに小さく思えて】
【雰囲気こそ大人びてはいるが、その見た目は10代の中盤といったところで、余計に大剣が巨大に見えるだろうか】
【それでも落ち着いて返す言葉、柔らかな物腰は乗り越えてきた人生の道のりを感じさせるだろうか】

【小さな唇が揺れたなら、細い喉がその姿を露にする】
【風が吹くたびに、彼女の柔らかい二の腕が、蹂躙されるかのよう、薄い脂肪を感じさせて】
【筋肉など欠片も無い様、剣士にしては、騎士にしては鍛えて居なさすぎると、貴女から見れば分かるだろう】


実力を卑下する……その事がいけない事と、ついさっき教えられたばかりですので
ホントは、偉そうに言ってる私こそ、その言葉がピッタリなんですけどね

そう言っていただけると……とても有り難いのですが
私の剣術は、私の能力によって、支えられているものにございます

言ってしまえば……ズルです、他の皆様と違って、純粋な剣術で戦っているワケではないのです
だから、貴女様に興味を向けていただくほど……少し……申し訳なくなります


【ロングスカートのように纏ったフォールドと、そこに帯刀された四本の刀】
【背の得物もそうではあるが、彼女の持つ刃は、全部で五つもある】
【――――その華奢な身で、華奢な腕で、どうやって振るうというのであろうか】

【僅かに曇る頬の色、乳白色の素肌へと影を落として、少しだけ暗い色を見せた】
【彼女はズルだという、自身の力を、本当の力に頼ったものではないから】
【だからこそ、貴女の、まるで手足の一部のように得物を扱う手はずに感激した】

【白銀の髪が揺らされたなら、そこに咲いた一輪の花の髪飾りが震えた】
【大切な人から貰った髪飾り、白銀の水面に落ちた、空からの贈り物】
【水面に漣が混じるたびに揺れて、淡い香りを零して、貴女を愉しませようとする

【柔らかな横顔、夜風に溶けて、その肌の色を滲ませていくのだろう】
【長い睫は幼すぎるその顔たちを引き締めて、パッチリとした大きな瞳を修飾する】
【水色の瞳の中には貴女という存在を一杯に浮かべて、それを一杯に引き伸ばす】


わっ……あ、有難う御座います……私などに気を使っていただいて
さっき、少し……悲しいことがあって、それで……まだ、気持ちの整理が付かなくって……
……す、すいません!……何だか、ぐちってしまいましたね――――……


【布を渡されたなら、少し驚いたような色を滲ませて、慌てて頭を下げるだろう】
【拭う目元、右目の下のタトゥーがキラキラと輝いてみえるのは、まだ拭いきれて居ないから】
【もう一度素肌へと滴らせたなら、その跡すらも消えているのだろう】

【ソプラノの旋律が夜を濡らすたびに、彼女の口が魔法を奏でる】
【黒い手袋で包まれた両手で奏でる一音一音ハッキリとした旋律は、相手を不快にさせないよう調教されたもの】
【従者として主に恥をかかせない、振る舞いは一級品であろうか】

……ケガ……そうでございますね……ケガ、です
ただ……そのように生易しいものでは、ございません――――

【少し、躊躇った、暗闇へと落ちる、その一歩を拒むかのように】
【貴女に撫でられた後味が、まだ残っていた、その幸福な気持ちを、まだ孕んだままで】
【小さな唇が右手の手袋の先端を噛んだなら、そのままスーッと、手袋を剥いだ】

【隠し事はできなかった、模擬戦のできない正当な理由を示すべきだと、思ったから】
【月光の下に露になる右手、それはもう――――人の手の形をしてはいなかった】

【手首から先は、黒く、それでいて赤く滲んだ、単なる肉塊のよう、元の手が細いからこそ、手と認識できるのであって】
【爪は無く、指はどれも、中の骨が粉々になっていることを伺わせて、ソレを覆う皮膚は焼かれ、溶かされたかのように】
【――――人の爪は皮膚の一部である、爪が無い手は、何も、つかめないのだ】
66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/23(土) 01:33:32.54 ID:7SPXNCe60


【ふいに、カエロウは立ち上がった。貴女が隣に腰掛けてから、数秒後である。】
【手拭いと風呂敷包みを、手に持って。どうやら、去るらしい。】

外は穢れてる。お前の信仰の聖域より、ずっと。
……甘過ぎるぞ、お前は。けろ。

【そう言って、貴女が呼び止めても、振り返る事は無い。】
【甘過ぎるーーそれは、カエロウが強く、純粋に、貴女に対し抱いた感情であった。】

あゝ清すぎるお前にゃあ、私は理解出来んさ。……私がさせん。
……じゃあな、聖職者。

【ーーそうして、来た時と同じで、カエロウは無遠慮に教会を後にした。】
【……その後、カエロウは時折、この教会を訪れるだろう。貴女が拒むかは、別にして。】

話相手にゃ、悪くない。けろり。

【そうして、まるっきり悪びれず、気さくに笑うのだ。】

/お疲れ様でした、ありがとうございました!
67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 01:36:09.40 ID:m4pxQ0klo
>>62

おう、出来るかどうかは知らんが心にゃ留めておくぜ
全ては"縁"の気紛れ次第だが
それでもこの世界は意外と何とかなるように出来ているもんだからよ

【フッ、と小さな笑みを浮かべながらその言葉に応えた】
【実際出来るかどうか、会うかどうかも分かりはしないが】
【この世界は奇縁に溢れていることもまた、虎の老人は知っていた】

カノプス・スモーキー……スモーキー、ねぇ
名は体を表すってえのはこの事か
頭の片隅に留めておくからよ、忘れる前に手土産でも持って会いに来な

年寄りは寂しがりだからよ――どんな縁だろうが、それなりに繋げておきてえんだわな

【最後の言葉は誰に聞かせるためのモノであったか】
【恐らくは、自分に言い聞かせるためのもの】
【何にせよ、グーが男の去る行動を妨害することはない】

【周囲にいた猫の内一匹を軽く撫で】
【空になった缶詰を回収して、杖を手元でくるりと回すと】

……さてさて、ジイちゃん頑張るとするかねぇ
たまにゃ若い衆と遊ぶのも、長生きの秘訣だわな

【足音も立てずに歩き出し、夜の闇へと消えていった】
【大会はまもなく始まる。大会の、そして今宵の出会いの結果がどう転ぶかは――未だ神のみぞ知るである】

/夜中までお疲れ様でしたー!
68 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/23(土) 01:37:19.09 ID:Q781BEsUo
>>61

ふぅん、成程成程、誰かに褒めて貰いたいわけですねぇ?
まあ僕も分かりますけどその気持ち。ええとっても。

【冗談混じり、笑うことはなく同意の意見を立てておく】
【ダンボール箱から流れていくジャガイモを見て、まあいっかという表情でゾンビの戯れを観察する】
【食べ始めの時、何かを思い出したように声を少し上げて】

ああ、もしかしたら一部腐ってるかもしれませんから……ゾンビに言っても意味がないか。

【面倒だったのもあるが、注意するメリットが見つからなかったので中断】
【ジャガイモを咀嚼するゾンビをじっと見ていた】

――――あらら。

【―――刹那、風が吹いた】
【小銭が落ちた数秒後だ、空を裂くようにして過ぎていく風。気付けば少女が地面へとしゃがみ小銭を拾い上げていた】
【たかが百円されど百円――その時の少女の眼光は獣のそれと大差なかっただろう。逆に引く】


―――――お金は大切にしないといけないよ、一円玉を笑うものは百円で百倍笑えるっていうですしぃ。


【ええ言いません、言いませんとも】
【ほんのちょっとだが、口調が素の状態が見えたようだった】

【無論のこと、百円はポケットに入れられることだろう】
69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [!red_res]:2013/02/23(土) 01:42:01.12 ID:Z1RMVJt4o
>>56>>57

【崩れかけた穴の奥、かなり深い位置に彼は居た。紺の髪と瞳をした青年だ】
【ゴム製のレインコート、ゴム長靴、ゴム手袋と、見るからに暑苦しい格好だが――汗一つかいておらず】
【まあ、なんとか助けだされれば息をついて馬鹿でかいバックパックを背負い直し】

―――いや、本当に助かりました。ちょうど貴方方の倒した蜘蛛に追いかけられて
逃げる拍子に地面が崩れましてね?多分、坑道が地下にも有るんだと思うんですが……

はぁ……なんにせよ助かりました、ありがとうございます
お礼と言ってはなんですが、後で何でもお作りしますので帰りにでもぜひ商談……あ、いや
作るのは無料で、でしたね。なんにせよ此処にこれ以上居るのも良くないですし、戻りましょう――?

【なんて、いかにも好青年らしい口調で礼を述べてから死んだ蜘蛛に視線をやり】
【二人の手にした素材を少しばかり羨ましそうに見たところで――――ゴォ―ン――――。=z

>>58

【鈍くも気高い音がなる。錆びついた鐘であっても、元が良ければ劣化だって大したことはないのだろう】
【きっとカズネには五月蝿い事この上ないだろうが―――さて、マグマがせり上がってくる】
【ここは素直に屋上から頂上付近へと数mほど飛び降りて大通りを広場まで駆け抜けるか、可能なら飛ぶか】

【どっちをとっても、やがてマグマは神殿を覆うようにゆっくりと広がっていく】
【次第にいずれの入口も埋め尽くされ、街と神殿をつないでいた橋も焼け落ちて―――】


【やがて、誰もその神殿には近づけなくなるだろう。宝物庫も、卵の部屋ももう入れない】
【あのケンタウロスはどうなったのか、使い魔のリリアは?全ては分からないが、音≠セ――集合、帰還の音がヘルクラネウムに響き渡る】

>>63

おうそうそうレセップスさんだよ?いやぁ凄いよな、まるで神殿が噴火してるみたいだぜ
つって呑気なことも言ってられないんだが―――っとチョイ待ち、アンタ速めに車に乗ってくれるか?
なにやら異変だぜ……?こりゃ燭台が――いや、燭台の周囲かッ!この広場そのものが――――っ!

【なんて、最初は軽々しかったレセップスにいささかの動揺。それもそのはずだ、広場そのものが変形を始めたのだから】
【咄嗟に車を動かして大通りまで後退すると、全貌がわかる。西の石門によって火の点いた燭台が、神殿の鐘によって作動したのだ】

【それはぐるりと回りながら階段のように段差を作りつつ、下へ下へと降りて行って―――果ては見えない】
【いずれ調査するにしても今回は負傷者も居る。それ故にレセップスは退避の言葉を青年に告げたのだ】
【まだ戻ってきているのは彼を入れて二人だが―――直ぐに全員が戻る。鐘の音は、最初に告げた帰還の音なのだから。】
70 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 01:53:17.95 ID:5Tz014yKo
>>69

ああ、もうっ!なんでアタシの探索する遺跡は大体こんな感じになるのかしら!

【もう後は脱兎の如くだ】
【半ば落ちるように神殿から降りる、背中から迫る熱気がより気持ちを焦らせる】
【一歩一歩確実に行きたいがのんびりしてはいられない決死の脱出劇】

橋っ!やばいっやばいっ!!

【そういえばあの橋は木製だったか視界に入った途端思い出されより焦る】
【ローブも所々焼け焦げて穴が空いたりで髪の毛も煤けて灰かぶり】

――――――っはあ、はあ……なんとか……
ひろ……広場じゃないし……もーなんなのよコレー!!

【なんとか広場についたと思えば】
【既に原型が無かったどうすればいいのかと呆然としていれば】
【向こう側にあの運転手がいて、可能ならば広場の端っこを通ってそちらに行くだろう】
71 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/23(土) 01:55:19.61 ID:qZzAvqw/o
>>69

「……まァ、オダブツになってねェようで良かった」
「俺はただの代理だ礼なんて要らねェ、さっさと帰っぞ――――ああそうだ、この球が欲しいならくれてやる」
「鉱石なんかは帰りに取れば良いだろ――」

【何とか助けだせば、そうぶっきらぼうに告げて――確かに宝玉を拾った彼、しかし今なら"くれ"といえば譲ってくれそうだ】
【――鳴るのは鐘の音、帰りの合図】

「……鐘が鳴ったから、長居は出来ねェが」 『ア……熱イ……アアアア…………』
「相棒、……大丈夫だ今外に出る」 『違ウ、脚ダ脚!』 「ああそっちか、――これでも巻いときゃ治るだろ」

【脚部のゲル状の部分が殆どなくなり、ヒレは焦げていて――相棒を彼が肩車して】
【その部分に、彼が持っていた蒼いタオルを巻けば、少し楽そうな表情になって】

「(……もうちょい色々見たかったが、しゃあない)」

【少女と青年がしっかりついてくることを確認しつつ、ちゃっかり鉱石等を入手しつつ】
【鉱山の外へと向かい、――最初の橋を下げて、広場に戻ろうとする】
【少々、足取りは不確かだが……やがては辿り着くだろう】
72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 01:55:25.66 ID:M/ETw4Av0
>>66
【赤くなった額を抑えていれば、少女が立ち上がって】
【涙ぐむ瞳。不思議そうな表情を浮かべると、合点が行ったように頷いて己も立ち上がるのだろう】


「――――人を救うには、救った人に殺される覚悟で居ろとある方から教わりました
確かに私は甘いのかもしれません。でも、それでも、誰かを助ける事が出来るなら……」

【一体何が其処まで思わせるのか――――この先、何度訪れようと、きっと適当に誤魔化すのだろう】
【ただその小さな背を見送るだけで、呼び止めることは無い】
【しかし、自分の思い。抱く心情を吐き出すと、再び祈りを捧げるべく奥へ向かおうとして――――】


「又何時かお会いすることがあれば、其れも又お導きでしょう


――――どうでしょう。少しは格好良く見えましたでしょうか、私」

【別れの言葉――――後、自身への呟き】
【色々と失態を見せたが、自分なりには格好良く振る舞ったつもりらしく】
【軽い足取りで定位置へと戻ると、再び祈りを捧げるのだろう】

【――――時折訪れる少女を渋々と迎え入れるも、決して無下には扱わず】
【この女性が少女をどの様に思っているか、とも取れるか】
【相変わらず寂れているが――――きっと、それも平常運転】


「はぁ……また来たのですか
丁度、先程行商の方からよーかんと呼ばれる物を頂いたので一緒にどうでしょう?」

【もしかしたら、そのお話しの中の一つでそんな会話もあったのかもしれない】
【――――それは二人のみが知る事か】
/こちらこそお疲れ様でした!
/有り難う御座いましたですよー!
73 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/23(土) 01:58:58.61 ID:e1Qw/rUQo
>>54
/それではお先に失礼します。ありがとう御座いました!
74 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/23(土) 01:58:59.25 ID:iKezfsDdo
>>68
【まあ、もとより腐った体と脳味噌の生きる屍に腐ったジャガイモなんて、泥水に泥だんごを投げ入れるようなものだ】
【というより聞いてないし、もりもりジャガイモを食べている】

ーーー塵も積もれば山となる…いい言葉だよなあ

山≠ノなれなきゃ塵は塵≠セって事を、教えてくれる

【少女の人睨みを受けても何とも反応せず、捻くれた諺の解釈を返して、答えた】
【きっとこいつは死んだら一瞬で地獄行きだろうーーー死後の世界なんて信じていないのか、または自覚しているからこそそうなのかーーー】

「…塁、そろそろ遊ぶのはやめにしよう、大会はもう今日だ」
…もう日にち変わってたのか、早いな、朝なんて永遠に来なくていいのに…

【すると、男が口を開き、そろそろ御開きの空気が流れ出した】
【何やらネガティヴな事を呟くと、ジャガイモを片付けたゾンビを魔法陣の中に戻し、シャベルを黒い瘴気として消し去る】

ドブに落ちた金で人を喜ばせる事が出来た、今夜はなんていい夜なんだー

【白々しく、あんまりにも酷い真実を独り言ちて、少女に背中を向けると、ふと振り返り】

ーーー死屍 累…大会で、もしその名前を見たら
応援してよねっ!きゃぴっ!

【…酷い捨て台詞だ】
【その後、「あー眠っ」とか呟きながら歩いていった…】

/お疲れ様でした
75 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 02:01:05.19 ID:54IJPm2to
>>69


【無事生きて帰って来た、その事に安堵して力が抜けたような顔を見せると】
【やがて善太郎は得意げな顔で鉄パイプの突き刺さったリュックや卵を見せながら】


あー、全くよ……だが大儲けだったな、宝は手に入れられるだけ手に入れることは出来た
後、途中でなんかよ、竜の卵っぽいのを見つけたぜー、この宝を売れば当分は飯に困らねえな……
全部持って帰れなかったのが残念だぜ……

それと気になることがもうひとつ……この神殿だがよ、確か依頼を受けてこの場所に来たのは
アンタを入れて6人だったはずだよな?だがあの場所には俺らに隠れてコソコソやってたケンタウロスがいやがったぜ
アイツは一体―――!?


【抱えて来た二つの竜の卵、それをレセップスに見せながら一部始終を説明する】
【生きて帰って来たし、宝も手に入れた、ザクセンを自分で見つけることは出来なかったものの、おおむね成功できた】
【そこまで説明して、気になったケンタウロスの話をしようとして、善太郎も異変に気が付いた】


やっぱあのマグマやべぇよな!あのままじゃあマグマに飲み込まれちまうぜ!
やべぇ、神殿が崩れていくぜ……他の連中は何人戻ってきてんだ!?まだ戻ってない奴は!?


【彼も後から車に乗り込みながら、今の時点で戻ってきている者たちの姿を確認しながら】
【今まさに迫りくる危機を、煮え立つマグマを睨みながら彼は声を上げて撤退用意を始める】
76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 02:01:39.55 ID:5Z+P9l8IO
>>69

あー、良かった。ほら、行くよ?

【横穴の奥底に閉じ込められたザクセンに手を伸ばし、助け出し】
【一息ついたところで、大きな鐘の音が響く】

ぅん、これって……
「あれ」?

【レセップスの言っていた「集合の合図」だろう。ならばもうここから脱出しなければならない】

【鍛冶屋見習いの少女にとって、ここは比喩でなく宝の山であった。大量の希少な鉱石や、強力な甲殻や牙を持った生き物が生息しているからだ】
【ここから立ち去るのは残念だったが、そろそろ体力も限界】
【ザクセンを連れて、名残惜しそうに洞窟を後にした】

/お疲れ様でした、ありがとうございました!
77 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [!red_res]:2013/02/23(土) 02:18:50.24 ID:Z1RMVJt4o
>>70

【広場は徐々に螺旋階段となっていくが、まだ端は通れる。何とか戻れば、レセップスが待っていて】
【ぽい、と水の入った冷たいペットボトルを放り渡し、車に乗れと催促する】

――いやさぁ、どうも鐘をならすのがスイッチだったみたいで広場こんなんになっちった
まあ大丈夫だろ多分!どうやら、あの神殿も橋が落ちたことでマグマはこっちまでこないっぽいし
階段が出来たってことは降りられるって事だ。良かったじゃないの、また探索できるぜカズネちゃん

【なんて軽口を叩く。そうこうするうちに残りの二人が戻ってきて―――】

>>71>>76

――いや、実際あれ以上放置されてたら割と危なかったです。
本当に助かりました。もう勝手に人里離れた火山の奥底とか行かないようにします――っと。

【『帰還の合図なんですか?』と言ってから、ザクセンは二人とともに鉱山をあとにするだろう】
【今回は子蜘蛛も出てこないために直ぐ様広場へ戻ることがきでて、やはりレセップスにクルマに乗るよう進められる】
【――ちなみに、ザクセンは宝玉をくれとは言わなかった。何か矜持でもあるのか――どちらにせよ、宝玉はスズキの物だ】

【さて、これで全てのメンバーが車へと戻ってきたことになる。全員に乗りこむよう促すと、彼も運転席に付き】

>>75

まぁまぁ落ち着けよアンちゃん。どうやら、ラッキーな事にマグマは橋で止まったようだ
となるとこの街が壊滅するようなこともそうそう無い……まあ、神殿には戻れないみてーだが

……それと、そのケンタウロスの話は後でゆっくり聞かせてもらうぜ?
こんな辺鄙な土地にそんな種族が居るわけねー。まして、自分から入ってくる理由も無いはずだ
隠れてコソコソってーのも気になるが……おい、そりゃ龍の卵か?とんでもねーモノまであるなぁ、此処……。

【そう対応しつつ、インスタントカメラでマグマに飲まれた神殿と、地下に続く広場の螺旋階段を撮り】
【『待たせたなっ!』と言うと、レセップスはジープのアクセルを踏み込んで――――】

>>ALL

よーっし全員集まったな?忘れもん無い?ハンカチ持った?あとお宝はオッケー?
あぁそういえば君が要救助者のザクセンくんね、ハイ宜しくよろしく、後でネックレス作ってね!
『へ?あ、はあ、わかりましたけd』―――よっしゃー脱出するぜ野郎どもォー!!

【グオンッ!=\―ジープのエンジンが一気に回転し、参加者と要救助者を含めた全員を乗せ、発車する】
【行きと違って様々なモノを乗せた車体は、大型とはいえヘルクラネウムの入口≠乗り越える頃にはひどくゆっくりで】
【その分、些か様変わりした都市の姿を眺めることが出来るだろうか。次に来るとしたら―――更に深い場所を目指すことになる】

【―――やがて、ジープは一時間ほどのドライブを経てから街へと着いて、報酬の100万は此処で支払われ】
【その後、各員にはちょっとした聞き取り調査と拾得物の調査が行われることとなる】

【ただし、だ。その一切は拾った者に権利があり、どれひとつとして奪われるような事はなく――】
【かくして、古代都市ヘルクラネウムの調査とザクセン・シェルナの救出という任務は、大きな成功を収めたのであった―――!】


/これで本イベントは終了となります、皆様大変お疲れ様でしたー!
/またこの後に後日談的なモノを投下するので、重要そうなモノを拾った方は後日にでもそちらを見ていただけるとっ。
/それでは、ご参加ありがとうございました〜!!
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/23(土) 02:21:07.68 ID:Q781BEsUo
>>74
山になっても塵は塵ですよぉ?大事なのは塵かどうかなんてものじゃない。
塵を『どれだけ積むことが出来るか』ですからぁ。

【たったそれだけ、彼女の解釈に自分なりの考え・意見を重ねた】
【もう帰るという肌も発言も白い彼女を何か遠いものを見るように眺めて、何かを思った】

【ドブに落ちていた金を拾うのは、初めてのことなんかじゃないから、大したこともないのかもしれない】

累さん、累さん…覚えましたねハイ。んでもって大会、なかなか面白そうなんで暇つぶしには見ますよぉ。
それじゃあまたご縁があれば――次はなんか買ってくださいよ、ふふ。『雑貨屋』の『エルディ』をよろしくぅ〜。

【絶対に来ないであろうと自覚しながら、念のため仕事はやっておく】
【歩いていく彼女をそのまま、小さくなるまで見届けていた】



【彼女が立ち去ってから数分後、彼女は在庫の処分をしていた】

――……へぇ、今日の収穫は『八十万』……ま、今のところはどんな手使ってでも力を欲しがるもんねぇ。
くっくく、特に無知で力のない奴は騙しやすいよ……っとと、いっけない忘れてた僕としたことが……。

『八十万百』……だったね。

【さっきまで作っていたキャラを捨て、素のまま独り言を呟く少女】
【すると突如携帯電話のアラームが響く。この夜中でも、必要とするクライアントはいるものだ】

おっと、『お祓い』のほうの依頼かなっと、だったらキャラは二番だよなぁー。
いやぁ一人で何人持ってのは辛いねぇ……儲かってるしいいけどさ。

【電話口のからもしもしの声。瞬時に気分と声色、口調を用意して言葉を紡ぐ】

――――はぁーい!お祓い屋の『エルディ』でーす♪

【―――最近この辺りでよく、霊感商法詐欺があるのだとか】

/お疲れさまでしたーありがとうございました!
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/02/23(土) 02:21:23.80 ID:LHL4yG6so
>>65

そうだね、でも自分に足りないモノを分かっているならソレを求める事が出来るじゃないか
それに、さっきアンタに言われた事で私は一つ勉強できたんだ、知らなきゃ言えない、そんな言葉程面白くないものは無いよ

【水泡浮かべば波紋が靡く、そこに存在したのだと、そこに居たのだと】
【全てが闇へと消え行こうとも、照らせばきっと、そこに在る、探せばそれはそこに在る】

【同じ目線に立てば少女≠フ姿を認識出来る、流れ行く紡がれた言葉を染めた生きた証】
【見ようとしなければ見れないモノ――姿こそ少女≠ナあってもその肌、躯体こそ少女≠ナあっても】

【内に纏いし等身≠ェ見えてくる】

変な能力、いんちきをしているから、私もそう言われて来た、だからそれが悔しくて今もこうやって技術を磨いている
力を持つことがズルなんて事はないさ、騎士様なんだろ?それを使って何かを守れるならそれ程立派な事は無いよ

使うべき力は使うべき所に……ってね気兼ねなんてする事はない、それでも誰かに申し訳ないと思ったなら、
技術を磨けばいい、その時まで私は待ってるよ、やろうと思えば出来ないなんて事はないさ


【咲ク彩リハ――その色を曇らせる、乳白肌に纏わり付いた暗雲は昔の自分を思い立たせるものだった】
【その言葉には彼女も異能の類を持っているかのような言葉を匂わせていて】
【きっとその言葉に偽りはない、只の慰めにも聞こえるかもしれないが――彼女もそんな想いを抱いていた事があったのは事実であり】

【震える花弁に、銀面が踊り、それを見れば、彼女は一笑、声を零した】

ちょっとしんみりしちゃったねぇ……でも、私にも出来るんだ、きっとアンタにも出来るさ
何なら能力を使って戦っても良いよ、文句をいうなら自分の技術だけでぶっ飛ばせばいいさ

【そして言葉の後の冗談めいた笑いは、今その持つ力を恨んでいないと言った証明か】

懐かしいねぇ……私もアンタみたいに思っていた事がそういえば……あったかねぇ
――――ッ!!?

【愉しみながらも、奥に見えるのは強く有ろうとする少女≠フ影、それを見て彼女が何を思ったかは口に出すことも無く】
【――少女の見せた――そんな肢体の一部を見たなら――その様な想い等、到底告げる事も出来ない――否、愚考なもので】


これは………何が……あったんだい? こんな事になるなんて普通では考えられないよ………
ねぇ……これは――― 一体何がどうなってるんだい?
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 02:25:37.89 ID:5Tz014yKo
>>77

その場のノリでこんな事になちゃったのね……うう広場も探索したかったのに
しかも神殿まで溶岩の中、最悪じゃないのよう……

【ペットボトルを受け取って胸に抱き寄せるようにしてプルプル震える】
【まあ大体はカズネの所為なのだろうけど、というか殆どか】

……ま、次の探索場所が出来たってポジティブに考えるようにしましょうか
――――――――うー……でもやっぱり悔しい……

【螺旋状に続く階段、深淵を思わせるその穴はまるで大口のようでもある】
【或いは探索者を糧としてその魂を食らう化け物か】
【過去の遺物にはそういうモノもある】

【ジープに乗り込み、その窓から都市を見つめる】
【あの使い魔……溶岩の中でアレは果たして生きているのだろうか】
【全ては熱の奔流の内に隠されて……】

/お疲れ様でした!
81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/23(土) 02:28:43.74 ID:qZzAvqw/o
>>77

「……ちょっと見ねェ間に変わってやがる」

【さて、脇道にそれつつ戻ってくれば広場は変形を始めていた】
【その様子に目を丸くするもすぐに車に乗り込み、そして火傷した脚に蒼いタオルを巻いて】

「ったく、相棒が完全にのびてやがる――"癒護の海水シャワー"はお預けだな」

【その火傷の痛みを和らげつつ、行きと同じようにジープの後ろのほうで態度悪く座れば】
【背負ってきた袋――その中の素材に混じり入る宝玉を取り出し、適当に眺めれば】

「(……どうすっかな、これ)」

【再びそれを袋にしまって、その眼を閉じた】


/お疲れ様でしたー
82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 02:30:39.66 ID:54IJPm2to
>>77

【後ろを振り返って、マグマがその景色を飲み込んでいく風景をじっと見つめながら善太郎は呟いた】
【おそらくは宝の山や竜の骸もろとも飲み込んだであろうそのマグマを遠い目で見つめながら】


――助かったみてーだが……あーあ、まだいっぱい宝は眠ってたのによ……あれじゃあ取りに行けねえぜ
いや、商魂たくましい奴はマグマが静まってから劣化してねえ宝物を掘り出したりするのかな……
いずれにせよ、このネックレスは劣化する前に取り出すことが出来て本当によかったッスねー……

しかしこいつは一体なんなんだろうな?そのうちどこかに鑑定に出した方がいいか?


【それまでは自分が肌身離さず持っていた方がいい気がする、なんとなく魔翌力の痕跡も感じるし】
【そう考えながら善太郎は手に入れた竜の卵を座席で撫でながら、話の続きを聞く】


魔海から来た、っつってたぜ、行った事はねえがモンスターだらけの地方って話だったか
そこの奴に金を貸したっきりだったのを覚えてたしな、後で詳しい話はさせてもらうッス


【ともあれこれにて無事ザクセンの命も助かり、宝に加えて成功報酬の100万を手に入れた善太郎】
【命を危険にさらしはしたものの、一夜にして大量に手に入れた大金、"WILD"がこういった冒険を好む理由がなんとなく理解できた】
【自分もいっそトレジャーハンターとしての名乗りを上げてもいいかもしれない、などと考えながら無事帰還するのだった】

【←To Be Continued...】

/イベント多人数対応大変お疲れ様でした!
/では私はそろそろ寝ます!おやすみなさい!
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/23(土) 02:32:50.42 ID:boaUi7LYo
>>79

【月下に晒される傷だらけの手、最早治るとかそういう次元にはなくて】
【透かしてみたなら、キラキラと、その手越しに光る月の色が浮かぶのだろう】
【掌に開けられてた幾つかの空洞、太い釘を突き刺さられた跡】

【貴女を見つめる水色の瞳は、じぃと琥珀色の中に溶ける瞬間を待っているみたいに】
【責めるつもりはない、むしろ……彼女の方が、申し訳ない、と思っているようで】
【貴女が折角望んでくれた事に、答えられない自分が、ひどく、もどかしくて】

【白銀の髪が頬を撫でた、冷たく滴り落ちた、風の断片みたいに】
【心地よかった、その感触――――もう一度撫でて欲しいな、なんて思ってしまうぐらいに】
【その羨望の行く先を、どうか貴女には気づいて欲しかった】


……お優しい方、とても、お優しい……方――――
申し訳ございません、貴女様と刃を交わすことの出来ない理由も、貴女様の演舞に答えられない理由も

――――この右手が、代弁してくれる事でしょう


【貴女の慰めの言葉、彼女が能力≠ナ戦う事への僅かな戸惑いを見せて、それを肯定してくれる言葉】
【とても嬉しかった、胸の奥にしみこんで、優しい音を奏でてくれるみたいで】
【拭ってなければ、また涙が溢れてきたかもしれない、それぐらいに】

【でも、彼女にとっては技術を磨く事も、或いは力をつける事も、きっとそれだけで難しい事】
【生きるのに必死な花は、どこで咲くということも考えられないように、どこで枯れるかも考えられない】
【ただひたすらに、その花弁が褪せるのを待ち続けるだけだから】

【月が再び強い光を照らす、浮かび上がる更なる輪郭】
【きっと焼かれたのだろう、焦げた跡が所々に見えて――――】
【また溶けた跡も、所々にある、何かの酸を、かけられたかのように】


私は騎士≠ナす、騎士は必ず、主に仕える者です
その主が、処罰を受ける際は、騎士はその身をもって、その処罰を受けます

……本当は、見せたくありませんでした……見せたらきっと、不愉快な思いをさせるかと
けれども、私はもう……剣を握れない、と知って欲しかったのです

――――貴女様のその、素晴らしい剣捌きを目の当たりにして、どうしようもなく、惹かれたから
知ってもらえないときっと、我慢、できなくなっちゃうから……


【手袋を再び口で加えたら、その右手へとかぶせるのだろう】
【きっと左手も同じ、何も掴めない、無様な形をしているのだから】
【彼女の手は手ではなく、ただひたすらに、その脚を引っ張るだけの存在】

【口元で器用に手袋を嵌めようにも、それが上手くいくはずが無く、四苦八苦して】
【言葉は饒舌だ、あきらめる、そんな言葉もきっと、容易く使えても】
【――――でもその横顔は、未練がましく、今にも泣き出しそうな少女の色】

【貴女の質問には多くを返さなかった、でもきっと、その処罰とは、課せられたもの】
【現在も尚、ではないのが救いか……少なくとも過去に、誰かによって為されたもの】
【尤も、それでも今剣を抱えているということは、扱う手段はあるというわけだ】
84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/02/23(土) 03:21:45.41 ID:LHL4yG6so
>>83

【騎士とは何処までも騎士――騎士で居なければ成らない者であるのだろうか】
【紡いだ言葉に耳を傾ける女性はその騎士≠ナある少女に何を見ていたのだろうか――】


【その様を見せても尚饒舌なる立ち振舞、その奥にドレだけのモノを背負っていて、背負って来たのだろうか】
【騎士の命は主と共に――― 分かっている、理解はしている、だけどもソレを目前にすると否定の想いが生まれてしまう】

【だがそれこそ、その騎士℃け止めた咎め≠サれに口出せる理由は何処にもないから】

不愉快なんて思うわけないじゃないか………私は騎士なんてどんなものかも分からない、でもきっと、アンタは立派な騎士なんだ

【でも少しだけ、その儚い命に触れたくて、その横顔に何か言いたくて、出せない言葉の代わりに貴方に触れたのは】
【抱擁―――】


【緑の大地に靡く命に足が触れれば、その冷たさが身肌へ伝わる――そして手を延ばし躰を寄せれば――先に望むのは少女∫[】
【抵抗はあるのだろうか、それは分からない、だがそのまま身を任せるならば、肌を露出された少女≠フ躰に絹の布面、女性の腕、その在るとも言えない胸が触れる事だろう】


今でも騎士として剣を担ぎ、その鎧を身に纏う、戦ってるあんたが謝る必要は一つもないさ
可哀想だ、なんて言わないよ、その咎めに今も向きあうアンタ立派だよ
それを知ってしまえば、もっと、その剣を交えたくもなるもんさ、だけどこれは私の想いであって
私がそう思いたいだけの事さ………剣を握れぬアンタにも知っておいてほしい事……だからあえて今でもそう言っておくよ


【すまないね――その一言も無に等しい、様々な想いが込められた抱擁は騎士には届くのか】
【甘える事さえ許されない――だから、彼女が出来る事は、それを認めて、それを抱擁する事】
【出来ればその剣に託した意思を、己の剣と交えてみたかった、受け止めて見たかった】



【そして何故騎士に何故そこまで思うのか―――それは今は誰もわからぬ、彼女にしかわからない事であり】

【ソノ花ハ色褪セドモ花デアル事ハ忘レナイ――己ノ存在ガ花デ在ルカラ、只咲キ誇リ美ヲ香ラセル――故二花ハ美シイモノ】
85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/23(土) 03:33:01.03 ID:boaUi7LYo
【風の音が低くなる、やがて朝焼けを待つ時間へとなっていくのだろう】
【綺麗な綺麗な琥珀の世界、貴女の瞳の中で、ずっと溶けていられたなら、どんなに良いのだろうか】
【思うのは楽で、とても、その中に安住したくなる気持ちも、分からなくは無い】

【ボロボロの両手、刀を握る事も剣を翳す事もできないその両手】
【それでも騎士≠ニしての矜持は消えず、剣に宿す誇りは褪せず】
【ただひたすらに、もがくように彼女は生きているのだろうか――――】

【貴女の腕の中で抱きしめられる感触、ただ健気な溶ける前の雪のよう】
【それはとても淡くて儚い、枯れた花のようではあったけれども】
【貴女の温もりを、ただその腕の中で感じ取れた気がした】


……ごめんなさい、一つ……嘘ついてました……
確かに私はもう、剣を握れません――――けれども、私はまだ、剣を握る事は出来ます

でも、それは……誰かを護る為に、使うべき能力で御座います
私は騎士=\―――それならばきっと、使うべき時は分かっている筈なのです

ですから今は、ただ……ただ――――抱きしめて……


【貴女の胸へと、その顔を埋める、端正な言葉の仮面が剥がれた】
【痛くて苦しくて辛くて惨めで、きっと、無数の思いがそこに至るまでにあったのだろう】
【でも必死で耐えてきた、自分の、自分で、自分を――――何とか、支えてきた】

【頼る術のない孤独な行軍は、雪の中をただひたすらに歩き続ける事であって】
【最早足の踏み場も無いような泥沼の中、見えない目で、前を探し続けるみたいに】
【――――だからこそ、貴女の温もりが、彼女にとってはありがたかった】

【饒舌なんかじゃない、貴女に、褒められる事なんて、どこにもない】
【胸元でただ、華奢な体躯を抱きしめられる彼女は、そんな、どこにでも居る一つの少女で】
【貴女の胸元を濡らしたその夜露は、今まさに、零れ落ちたもの】


ジャンヌ、ジャンヌ=アンジェリカ=イージス……私の名前です
……いつか、一年後か数年後か分かりませんが、きっと、この手を直します
その時はまた、貴女様と剣を、交えることができたなら……それ以上何も、望みません――――


【貴女の腕から抜け落ちていく、それは指先から零れていく一杯の水のよう】
【掬うには最早足りない、いくつもの破片が、指先から抜け落ちたなら】
【後はもう、彼女の背中だけが、地面を揺らしているのだろう】

【振り向き加減に覗く横顔、有難うって言っているようにも見えて】
【さよならと共に去っていく姿は、どこか小さな彼女のままであった】


/すいません!そろそろ時間がキツイのでこの辺りで……
/お疲れ様でしたー
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/23(土) 03:33:19.01 ID:boaUi7LYo
>>85
/>>84に安価忘れです、すいません
87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 03:49:46.30 ID:LHL4yG6so
>>85

【力は使うべき者の為に時の為に――】
【紡いだ言葉に返事は返すこ事は無い、ただその少女の温もりを肌に感じる今があれば良い】
【その想いが伝わるかは分からないが―― ただ胸中に少女を抱く今があればそれで良い】





――――碧喬嬋(ヘキ キョウセン) 何時でもいいさ


【その花を見つけることが出来たから、どれだけ霞もうとも、闇えと溶けようとも】
【きっと掴むことが出来るから――】


【温もりの中に滴るその雫すら――】
【その花を感じる因子である】



【夜空に暁染るまで―――】

【きっとその場には風切る音が響くのだろう】

/お疲れ様でした!
88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [!red_res]:2013/02/23(土) 06:16:42.60 ID:Z1RMVJt4o
【火山地帯の古代都市、ヘルクラネウムにおける捜索任務は終了した】
【要救助者であるザクセン・シェルナは救出され、都市の構造も深く解析され】
【その参加者である五名には報酬百万が手渡された他、人によって幾つかの宝も入手できたろう】


【まず心臓型の宝石。これは非常に強力な龍の魔翌力が込められており、遺物や宝玉にも近いアイテムだ】
【魔術用品に加工すれば凄まじい威力の術を使えるようになるだろうし、仮に売れば相当な額になるだろう】

【続いて炎鉄の宝玉。その力は呼んで字のごとく、炎と鉄を結合させることに特化しており】
【それが戦闘ともなると役には立たないが、工房などにあるとすれば鉱石を武具にするのが恐ろしく容易くなり】
【加えてこれを用いて作られた品には何かしらの微弱な能力までもが付与される――特殊な宝玉である】

【更に続いて龍牙のペンダント。巨大なルビーの中に竜の牙が封じられたソレは、正しく旧遺物≠ナあった】
【黄金の使用された量も半端ではなく、鉱石と龍の持つパワーがそのままに封じられていると言って良い】
【問題はソレがどのような力なのかだが―――使用するものの真の力を引き出す∴ラ、一概にどうとは言えないか】

【最後に傀儡の黄珠。セシルの拾ったそれは内部構造が高度な機械によるものとなっていて】
【これを埋め込むか、指輪やネックレスにして誰かに着けさせる≠ニそのものの意志を自らの思うように歪めることが可能となる】
【ただし全てを左右できるわけではなく、大まかな方向性を変える程度。殺させる事はできても、その方法は指定できないようなものだ】

【その他、鉱物や生き物の死骸から何かを手に入れた物も入るだろうが、その力や用途は選り取り見取りだ】
【なにせ火山の地下という厳しい環境下で生成されたものばかり。どれも地上のそれよりは強力と考えていい】
【また、描写は省くが希望者はザクセンによる『一品限りの無償製造』も受けられる。武器やアクセサリーを作ってもらうのも良いだろう】



【そして―――古代都市ヘルクラネウム、捜索隊が去って数時間後】
【神殿から広場への大通りを二人の人外が進んでいた。一方はケンタウロス、もう一方は悪魔である】


キルフェったらバカなの〜?自分の斧で床壊して逃げられないとか冗談でしょ?
アレってやっぱり、ワタシが居なかったら諦めて丸焼きになってたワケぇ〜?
ふふッ、ケンタウロスの丸焼き……!あんまり美味しそうじゃないなわねぇ?

『ぐッ……!因縁のある女に出会った挙句、無理やりマグマ食わされて変身するお前には言われたくねェ!』
『しかも結局、宝も旧遺物も宝玉も!大事なもん何も手に入れてねーじゃねーか!このバーカ!』


【ケンタウロスの身は蒼の鎧に包まれ、大斧を持ち、青い肌と紫の髪、そして額からの一角が特徴的だ】
【攻撃的で粗野なイメージではあるが、その歩く動作は王族のような気品を感じさせ―――】
【一方、悪魔は革製のボンテージとチェーンの目立つ露出の多い姿で、夢魔のサキュバスにも似る】
【こちらは角が二本であり、カールした長髪は毒々しいまでのオレンジ色。翼を動かしもせず、飛んでいて】


別に〜、奪われたら奪い返せばいいし?その分カノッサも動いてくれるし良いんじゃな〜い?
アタシたちの目的は今のところ、裏で力を着けて邪魔な存在を排除する事……焦ることないわよ
なにせ世を混沌に陥れようっていうこわぁ〜い人たちはたくさん居るもの。撹乱の為にもお仕事は増やさないと♪

『うわぁ……俺が人間ならお前の下には就かねぇわ。だって性格悪いもんなぁ―――ガイスト≠チて。』


【やがて二者は螺旋階段へと変貌した広場にたどり着き、延々と続くようなソレを下っていく】
【周囲には壁といっても柵程度しか無く、外に見えるのはただ黒々とした岩壁とマグマばかり】
【赤い光が照らす二人の化生は妖艶とも凄惨とも取れる表情を纏って――やがて、下層へと姿を消した。】

/こちらは先日のイベントのアイテム解説&後日談となります、絡み不要です。
89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/23(土) 13:34:12.69 ID:zXXCsIhw0
【水の国、首都フルーソ】
【町の中心から少し離れた閑散としている広場に、奇妙な少女がいた】

さて、今日はいよいよ武道会の開催日よ!準備は万端、勝ち進んでやるわッ!

【喜色満面で話す彼女だが、まず格好が混沌としている。黒を基調とし、所々に金のラインが入った、ゴスロリと巫女服を掛け合わせたような奇妙な服だ】
【特に目を引くのが、彼女の腰まである長髪。油の浮いた水面の様なサイケデリックなその色は、目に毒極まりない】

「とか言ってる割にはヨォ、緊張が抜けて無ェナァ?」

うるさいわね!そんなの気のせいよ、気のせいッ!!
そう、アタシが緊張なんてするはずが……

【次に特徴的なのは、彼女の脇に浮翌遊しているカンテラだ。人の頭ほどあるそれは、髪と同色の不気味な炎を灯している】
【声の出所を考えてみると、どうやら驚くべきことに少女とカンテラが喋っている様だ】
【腰には刃が潰された、刃渡り70cm程のククリナイフを吊っているこの少女。どうやら緊張している様子だ―――傍目から見ても不安そうに見える】
90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/23(土) 13:42:32.28 ID:e1Qw/rUQo
>>89

……緊張たぁ可愛いもんだねぃ?
だが意気込みは十分なようで、何よりだよぃ

【間延びした中年らしき声の先は、少女とカンテラに向けられていた】
【かつん。地を踏んだ黒い靴に追随するように、灰色の五線譜が舞う】
【前髪で目元が隠れた背中までの赤毛と、顎に残る無精髭が特徴的な男】
【聖職者然した黒の祭服を纏い、頚から掛けた銀鎖の先に逆十字を下げている】

不安ってえのは、戦闘の事かぁ?
……殺しは禁止、どんだけやったって死にぁしねえから心配すんなよい
ちゃんとした場でやるちゃぁんとした遊び程度さぁ。気負いなさんな

【――ルールを把握している辺り、関係者とも思えそうなものだが】
【相対する彼我の距離はまだ幾分か余裕がある。警戒も会話も、自由だろう】
91 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/23(土) 13:54:43.04 ID:zXXCsIhw0
>>90

どうもコンニチワッ!?
な、何奴!?

「落ち着きなァ」

【声を掛けられ、軽く跳び上がるほど驚いた様子の少女。周りに注意を向けていなかったようだ】
【ふよふよ浮いているカンテラらしきものになだめられて、落ち着きを取り戻した彼女は赤面しながら咳払い】

―――コホン。どうもこんにちは、お恥ずかしい所をお見せしました
何か用かしら、神父さん?

「用がある、というよりは……お前があまりにも見てられなかったから声を掛けたンじゃぁねえカァ?ケケケケケ」

ふん、うっさいわよエニグマ
この完全無欠たりゅアタシが、そんな醜態を晒すはずが無いじゃない

【平静を取り繕ったつもりだろうが、まだ少女の動きはどこかぎこちない】
92 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/23(土) 14:04:13.67 ID:e1Qw/rUQo
>>91

……おぅい、噛んだだろ今

【完全無欠とは微妙に言い難い彼女を悪戯めいて揶揄する様は】
【その隣にいるエニグマと呼ばれたカンテラとも似通っていて、意地悪くにやついていた】

俺ぁ神父なんてもんじゃあ無えよい、ただのレヴィだぁ
若社長の代理を頼まれちまってねぇ。俺も武闘会に出るのさぁ
ええと、そっちのオバケがエニグマでぇ……巫女メイドのお嬢ちゃんは何てぇんだよぃ

【正体を明かしても、別段こちらから何かをしようという動きはない】
【しいて言えば二人の近くにあるベンチに腰掛けて、「座ったらどうだぁ」なんて声を掛ける位のものだ】
【2m近い躰は巨躯という程では無いが、相手のように目に見えた武器を持たない辺り、肉弾戦を得意とするのだろう】
【長い赤毛の髪に隠れて見えない目は酷く興味深げに、少女とカンテラを見据えたままだ】
93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [!red_res]:2013/02/23(土) 14:09:11.01 ID:5PpP9oJ8o
【深夜の高台・水の国の町並みを見下ろせる公園】

【ぺら、という本のページが捲れる音がした。見れば、ベンチには書物を抱えた老人が座っていて】
【整えられた灰色のひげといい、髪といい、なんとなしに知的な印象を与える外見なのだが】
【なにせ時間も時間――街灯と月明かりだけで読むのも疲れたか、ふと息を吐いて顔を上げ】

……ふむ、歳を取ると時の過ぎる感覚が早くていけませんな
先ほどは夕飯時だったというのに、まこと恐ろしいものだ……リリアも、飽きて何処かへ行ってしまったか。

しかし、そろそろ……お仲間の一人か二人、しっかりと顔を合わせて話しておきたい事も有る
こうしてゆっくりとした時間を過ごすのもまた貴重な機会と考えれば惜しくも思うもの
まして世を混沌に導く≠ニいう大事業が控えているともなれば、尚更なのですが……うゥむ、どうしたものかな。

【そんな、長い独り言をしながら街を見て。それから本を見て、街を見て――読書を続けるか、悩んでいるのだろう】
【どっちの選択肢を取るにしたって席を立たないのだから、これまた気長なご老人だ】

【――――なんて、思えればいいのだが。薄汚れた外套と革長靴という格好の彼は、随分と危険な事を言っていて。】
94 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/23(土) 14:18:33.49 ID:zXXCsIhw0
>>92

か、噛んでなんか―――え、名前?
アタシはアイリス。アイリス・E・レジストルよ。レヴィさん、ヨロシクね

「ククク……巫女メイド……ケケケ……」

うっさい!

【勧められるがままに、男の隣に座る少女―――アイリス】
【抱きかかえた、口の悪いカンテラをばしんと引っ叩くと男のほうに顔を向ける】

へぇ、アナタも出場するの。
若社長の代理、ね……代理を頼まれるなんて、アンタ実はお偉いさんなの?
そうは見えないわ

【口が悪いのは彼女も変わらなかった】
95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/23(土) 14:25:20.97 ID:g8dfS1zIo
>>93

【舞い込む足音の旋律に確かな金属音が混じったなら】
【揺れ動く花弁のような音便が、微かな音色と共に刻まれるのだろう】
【姿を見せた夜月の仄かな明かりだけが、吐息のように紡がれていた】


こんな夜更けにご老体がお一人で……何をなさっていらっしゃるのでしょうか
この時期は底冷えも酷くございます、思っている以上に、寒さというのは身に堪えましょう

……何か温かいものでも、用意しましょうか?


【黒のハーフトップに黒の肘までの長さの肌にぺったりと付く長手袋】
【お腹を開いたゴシック調で白のビスチェドレス、短いスカート丈の部分は黒】
【長いスカートのような白銀のフォールドを揺らしながらも前部分は開いて】
【大きく開いたそこからグリーヴを履いた脚を覗かせている白銀の髪に水色の瞳の少女が声をかける】

【やや膨らんだ胸元と女性にしてはやや小柄で華奢な体躯と落ち着いた雰囲気を身に纏って】
【背中には巨大な柄と刃の大剣、両方の腰に二本ずつ鞘に包まれた刀をフォールドに隠す形で帯刀している】
【右の目下には月と星を象った小さなタトゥーシールがしみこんでいて、髪を彩る可憐な白い花を模した髪飾り】

【危険な言葉の破片は聞き取れなかったよう、真っ直ぐに揺れる水色の瞳】
【澄んだその色合いが、貴方という存在を確かめるのだろう】
【ベンチに座る貴方の背後からかけた言葉、手袋に包まれた手を、そのベンチへと置いた】
96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/23(土) 14:27:36.67 ID:e1Qw/rUQo
>>94

アイリスかぁ、覚えとくよぃ
もし闘うとしても遠慮は無しってコトで頼んどくかねぇ?

【とばっちりを受けるカンテラに向けるのも、年相応の意地悪めいた哂いで】
【身分を問われれば上の空を見るように見えない視線が持ち上げられ、暫し虚空を彷徨った】

……いやぁ。アイリス嬢の思う通りだよぃ、俺ぁ大した身でもねえさぁ
なぁんも高尚な目的なんざねえよい。もう“役目”は終わったしよう
定職もねえのさぁ、強いて言うならふらふらほっつき歩く仕事かねぃ

そういう嬢ちゃんこそ、妙竹林な見た目だがぁ……
どっかの屋敷の侍女かい?それとも社の巫女なのかねぃ?

【零されたワードに不穏な響きを残しつつ、語る内容は酷く薄いものだ】
【神父でもないのに聖職者姿である理由。頚から下げた祈るためのそれが逆を向く理由】
【それらは一つとして語ることもなく。逆に問い掛けたのは、相手の素性についてだった】
97 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/23(土) 14:40:43.89 ID:5PpP9oJ8o
>>95

――おや、これはどうも。見目麗しいお嬢さんに心配して頂けるとは良いこともあったものだ

いやなに、実は読書に没頭しすぎてしまいまして、気付けばこんな時間というわけです
帰ろうにもまた夜景が随分と良いものですから、どうも引き止められてしまいましてね?

【少し気だるげに振り向いて、例の好々爺然とした柔和な笑顔を浮かべつつ、老人はそう答えた】
【其の手の中にあるのはハードカバーの分厚い本であり、なにか難解な題名がついていて】
【恐らくは―――学術書だろうか。それも六芒星が印字されているのをみると、魔術関係】

【まずこの時点で、勘が良ければ老人が魔術師だと気づけるだろう。本も、彼の纏う雰囲気もそれらしかったからだ】

さて、そうですな……言われてみれば些か堪える。風邪を引いてはいけませんし
……では申し訳ないですが、お言葉に甘えて温かいものを頂けますかな?
私は紅茶、緑茶、或いはコーヒーでも白湯でも特別好みは有りませんので、ある物を頂ければ、と。

【一先ず振り返る格好のまま、老人は少女の言葉に頷いて、同意の言葉を告げた】
【この状況で温かいものというと自動販売機だろうかなんて考えて、なにかしらこれ≠ニいう注文はしなかったが。】
98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/23(土) 14:44:41.93 ID:zXXCsIhw0
>>96
//ごめんなさい、ちょっと用事が……
次のレスだいぶ遅れます
99 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/23(土) 14:47:34.23 ID:g8dfS1zIo
>>97

【夜の町並みに燦燦と輝くいくつもの光、繁栄している水の国をハッキリと示して】
【濡れたその視界の中に映るのは、辿る事すら躊躇われるほどに美しい景色】
【それを見つめる瞳は、郷愁でも憧憬でも、またそれに順ずる何か】

【頬の水面に混じる白い吐息の片鱗、重ねた両手の冷たさにも似て】
【彼女の乳白色の素肌、黒いハーフトップから零れる、両肩と、その二の腕に緩やかな曲線が混じって】
【柔らかい輪郭が夜に浮かぶ姿が、まるで小動物のように紡がれるのだろう】

【露出の多い上半身と重装備な下半身、その姿は、瀟洒たる騎士にも似て】
【それでも小柄な体躯は、老体たる貴方より少し低い程度の視線を与えるのだろう】
【知的な雰囲気を零す貴方の雰囲気に、そっと、寄り添うように】


ふふ……そうでしたか、意外とお元気なご老体ですね
ですがそのお気持ちも分かります、これだけの景色ですから、留めてしまうのも無理はないことでしょう

――――けれども、もしかしたら、この夜景をも、途切れてしまうかもしれません
機関や或いはその他の……暗躍する組織は、きっと、これらを消してしまうのでしょうね


【瑞々しい柔肌がふわりと揺れた、白百合のように華奢な素肌が水飛沫のように跳ねて】
【乳白色の素肌は、取り繕った化粧ではもう太刀打ちできないぐらいに、少女らしい色合いを染めて】
【或いはまた、瞬くシャボンのようなゆったりとした彩を、添えているのだろう】

【感傷に浸るような言葉は、どこか遠くをみるようで、水色の瞳が視界を揺らした】
【言うまでもありませんでしたね、と出すぎたまねを反省したなら、貴方の手元の本へと視線を落とした】
【魔術書でしょうか、と声になったような旋律の断片を、辿れるだろうか】


かしこまりました……少々お待ちを……
コーヒーで、宜しかったでしょうか、銘柄や好みなどは分からないのですが……


【言葉を説いたなら、そのまま直ぐに踵を返して自動販売機へといって】
【少ししたら戻ってくるだろう、両手で抱きしめるように小さな缶コーヒーを抱いて】
【その銘柄は良くある普通の缶コーヒー、胸元でぎゅっと、抱きしめながら、戻ってくるだろう】

【そうして、両手で挟み込むように缶コーヒーを持って、貴方へと差し出すだろう】
【黒いレースの手袋の形、素肌にすぅっと吸い込まれるみたいに】
【肘まで伸びたその手袋の行く先が、地平線のように滲んでいた】

【すっかりと染まりきった貴方の髪、歴史という塵が積み重なった証】
【きっとそこには確かな知性と、重みが深々と溜まっているのだろうか】
【やがて溶けた氷山から満ちる水のような甘さがふんわりと漂ってくる】
100 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/23(土) 14:48:35.26 ID:e1Qw/rUQo
>>98
/大丈夫ですよー、ごゆるりとどうぞ!
101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/23(土) 15:03:56.06 ID:5PpP9oJ8o
>>99

機関ですか……近年ではまた騒がしいようですな。風の国など、特に大変だとか
他には確か、創世戦団。あれもまた、先日夜の国で巨大な要塞を飛ばしたと聞きました。
無用な争いや混沌を生み出すような事は、やはり忌むべきなのでしょうなァ……

……時に、お嬢さんは機関やその他の……所謂、社会的な悪≠ノついてどうお考えですかな?
いや、深く考えなくて結構なのですよ?ただ、なにせ老体ともなると語る相手も少ないものでして

【少し近付いてみると、老人の体躯は以外に大柄。その肩幅といい、若き日はさぞ元気だったのだろう】
【こうして寒い中でも平然と読書などを続けるのはその片鱗、とでもいったところだろうか】

【それから缶コーヒーを差し出されれば、一度魔術書を膝の上に置いてから、礼を先に行って受け取った】
【女性の絹の如き素肌に比べると、老人のそれは最早くしゃくしゃの紙切れのようでこそあったが――】
【容易にかこッ、とプルタブを開ける様子からすれば、まだまだ現役らしく、味がある】

【一口。その温かみに息を吐けば、先ほど少女が零した呟きには気付いていたらしく】

この本……実のところ、私が手ずから作った実用書でして。時折、術式を手直ししているのですよ
お嬢さんは一見すると騎士か、それに準ずる職に思えますが―――魔術には、興味がお有りで?

【缶コーヒーをベンチに置いてから、その手に手品のごとく羽ペンを出現させ】
【ふと開いたその本は、落書きのようにびっしりと難解な文字が刻まれており――確かに、手作り感が強い】
【とはいえ、もし魔術の薫陶を受けているのなら簡単な火球の魔術くらいはそのページから読み解けるかも知れないが。】
102 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/23(土) 15:13:34.00 ID:g8dfS1zIo
>>101

【最初に会ったときから不思議な雰囲気の老人だと思っていた】
【嫌な感じではなく、もっとこう、言葉に出来ない曖昧な旋律の持ち主のようで】
【二倍か三倍か、或いはもっと長く、自分より沢山の喜びと悲しみを体験したのだろうから】

【風に揺れる灰色の髪と髭、その一音一句がとても爽やかで涼しげ】
【大人の余裕と呼ぶべきその雰囲気に魅せられるのはきっと、無理も無い事】
【果てた年の数は重なった掌の集まったその先、ぬくもりがその分だけ、感じ取れるように】

【貴方のしっかりとした体躯、老いても尚枯れない大木を思わせた】
【大きく花咲かせた櫻の花は、その先にいくつもの蕾をつけて】
【――――そしてそこから、また大輪の花を咲かせるのだろう】


……難しいご質問ですね……なんと答えればよいのか……
そもそも、私には正義≠熈悪≠焉Aきっと無いのでしょう
私は騎士≠ナすから……主が赤といえば赤、白といえば白、と辿るだけでして

極端な話、街中で脱げと言われても、この裸体を、晒す自信はございます

――――けれども……機関に関しては、あまり好ましい感情はありません


【少し長い言葉、騎士としての言葉と、少女としての言葉】
【交じり合うその臨界点は見えず、くっきりと分かれているようでもあって】
【それは永久に交わらない平行線上の思考、ある意味プライベートとパブリックが混じらないのだろう】

【表情に滲む、僅かな曇り――――ぴかぴかに吹いた窓に、吹きかけた呼吸の色】
【白く曇って、それは、乳白色の素肌を、手で覆い隠すかのように滲ませる】
【影のようにそれが落ちたなら、そこに刻まれる表情は決して好ましいものではない】


……っ!!……魔術……は……そのですねぇ……とーっても、苦手でして……
お恥ずかしい話ですが、剣術を指南して頂いた際、魔術の手ほどきも受けたのですが……
お察しの通り、ボロボロでした……才能が無いと、キッパリ言われました

ご老体は……その、魔術に精通していられるのでしょうか
拝見したところ、とてもしっかりとした体つきで、若い頃はさぞかしお暴れになったと、察しますが


【うーんと苦々しい顔をして、少し緩んだ微笑を見せるだろう】
【言葉はハッキリとしているも、そこに浮かぶ曖昧な色合いは、少女だけが見せる色合い】
【幼げな微笑が、形になったなら、孫娘のような愛らしさも、少しは零れてきて】

【少し意外だったのだろう、素晴らしい体格を今も尚残している貴方】
【若い頃へと思いを馳せたなら、今より三倍増しの筋肉の筋骨隆々な貴方を想像して】
【おぉー……と思わず漏れた声、変な人に思えなくも無い】

【貴方の開いたページに視線を落としても、頭の上にはてなが浮かぶぐらい】
103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/23(土) 15:18:44.37 ID:zXXCsIhw0
>>96

役目、か。
まあ……色々あるんでしょうね……

【男の曖昧な返事から、何らかの事情があるのだろうと思った彼女は話題を変えようとするが―――】

「オイ、ついにお前の服に言及する人物が現れたゾォ?これを期にまともな格好に変えたらどうだァ、ケケケケケ」

【―――男の台詞を受けた相棒の一言に狼狽し、いきなりつらつらと語り始めた】

みょ、妙竹林……
こ、これには事情があるのよ、事情が。

私の家は少し特殊な事を昔から続けててね、何かって言うと……異能の収集よ。
このポンコツカンテラの中に、アタシが見た様々な能力者たちの力を複製して収納するの。
先祖代々集められた異能が、アタシの故郷にあるコイツの本体に納められてるから、ある程度溜まったらぜーんぶ本体のほうに移しに帰るわ。

―――逆に、一定量収集し終えるまでは帰ってくるな、って言われてるのよ。おかげで、かれこれ三年は放浪中!
異能が混ざり合ったものを仕舞い込んでるエニグマがずっとそばにいるせいで、髪も眼も変な色だし……父さんめ……!

なのに、最終的な目的すら教えてくれないのよ。アタシだって、こう、青春的なことしてみたいのに!

「……で、だァ。結局その格好をしてる理由には触れてないなァ」

〜〜〜ッ!
趣味よ、趣味!元々はただの巫女服だったけど、それじゃあ面白みが無いから、改良したの!

「改良?改悪の間違いダロ、悪趣味巫女がァ。ケケケケケ」

【言い合いをする一人と一個。なんとも奇妙な光景である】
【ひとしきり罵り合った後、エニグマがふとレヴィのほうを向いて口を―――人間で言う所のそれに当たる器官は見えないが―――開いた】

「まったく、ウルセエ女だァ。しかし、そんな精神状態で武道会に出るって言うのも危なっかしいしナァ。
―――そうだナ、レヴィの兄サン。ここは一つ手合わせをお願いしても良いかァ?
軽く体を動かしたほうが、緊張も和らぐってモンだァ」

き、緊張なんか……

「さっきまで、ガッチガチにしてたじゃぁねェかァ」

わかった、確かにアタシは緊張してる。認めるわ。
だって、衆人環視の中で戦うだなんて初めてだもの! 緊張の一つや二つ、してたって良いじゃない!
まあでも、アンタにしては良い案だわ―――よし、レヴィさん!ちょっと手合わせしてもらっても良いかしら?

【立ち上がったアイリスは、体を反転させてレヴィの方に向き直り、指を突きつけた】
【唐突に提案されたこの試合。受けるも拒むも、自由だ】

//戻ってまいりました!時間が掛かってしまい申し訳ない
104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/23(土) 15:29:26.34 ID:e1Qw/rUQo
>>103

……異能の収集、ねぇ
そいつぁ面白い家業だよい。格好はまあ、俺だって言えたもんじゃねえさぁ

【レヴィはそれから、一人と一匹(?)のやりとりを面白そうに見遣っていたのだが】
【アイリスの発案にほうと一声溢しはしたものの、拒む意図も勿論無く】

いいねぃ、肩慣らしって奴かぁ?
俺も動かしたりてなかったからなぁ。丁度良いってもんだよぃ
そんじゃそうと決まればぁ、早速……

【此方もベンチを立ち、広場の中央、開けた場所に立って二人の出方を伺う】
【初手は譲る積もりのようだ。見た目からして妙な余裕を醸す男、遠慮などは要らないだろう】
【武器は持たない徒手だが――その戦法はまだ、伺えないだろう】

/次此方が少々遅れます。申し訳ない
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/23(土) 15:31:23.65 ID:zXXCsIhw0
>>104
了解しましたー!ごゆっくりー
106 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/23(土) 15:33:52.74 ID:5PpP9oJ8o
>>102

成程……騎士としては恐らく、100点を頂けるような良い答えだと思いますな。
主を第一としつつもその意見に流されるだけでなく、自らの意志も持ち合わせる
歴史上なのある騎士というのも皆そうでしょう?栄えある忠節と、確固とした意志を持っている

と、なれば……或いは、お嬢さんも将来は歴史に名を残すやも知れませんな
なに、魔術が使えない者などごまんと居ますよ。どんな偉人も、完全な超人というわけでもないのですし

【少女の受け答えが、その凛とした佇まいと違って可笑しかったのだろうか】
【老人は何処か若くも見える様子で静かに笑いながら、その言葉を紡いでいて】

――それに、私も同じようなものです。剣術や槍術を志したこともあるのですがね?
走ったり、重りを上げたり、様々に身体を作って……まあ、スポーツは良かったのですが
どうにも様々な流派の方を覚えるだとか、咄嗟の判断を付けるなどというのが苦手でして

ですから、私などは見た目だけです。きっと素手でもお嬢さんには勝てんでしょうな

加えて言うなら魔術も我流―――本を読み、独自に続けて今に至るような程度です
自信がないとは言いませんが、精通というほどでもない。それでも存外、人生は楽しいものでして――。

【今度の笑いは、どちらかというと苦笑だろう。『お恥ずかしい』なんて言いながら、羽ペンを魔術書に挟み】
【その本も閉じると、外套に隠れて見えなかった肩掛けの荷物入れに仕舞おうとした】

【この老人は、見たところでは70歳を超えている―――が、それでも人生は楽しいと良い】
【且つ、少女に向ける言葉は賞賛が多い。卑屈というより、そういう性格≠ネのだろうか】
【騎士というと、やはり資質が大事だ。精神性も気高いのだろうし、人材を愛でるのが好きなのか】

【―――やがて、ふと気になったらしく『今の主殿はどなたかな?』と、聞いてみて。】
107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/23(土) 15:43:45.63 ID:g8dfS1zIo
>>106

【磨き抜かれた刀剣のよう、背に背負う大剣は、彼女の身より大きくて】
【一歩動くたびに、触れる金属質な音、グリーヴが地面を撫でる音――――】
【鋭い剣閃の如き雰囲気とは違って、柔らかい頬に歪む色合いは、とても艶やか】

【月が一片、その灯りを強く落とす、隠していた雲が、その身を消したようで】
【ふんわりとした月光は、貴方のたたずまいを、まぁるく閉じ込めるよう】
【作られたカレイドスコープの、その中に留まった貴方の姿を、とても落ち着いて感じ取れた】

【頬に溶けた甘い表情が薄く伸びたクリームのように滴り落ちた】
【舌先で零れる蜜のように、香りも含めても、それを褪せさせないような】
【仄かな彩りに染まった頬の欠片でさえも、愉しんでもらえたら良いと思った】


……っ……くすぐったいです、そこまで褒めていただけると……
それに、私は騎士としても、まだまだ半端者ですので、そのような言葉、受け取るに相応しくありません
きーっと、ご老体の頭の中には、私より優れた騎士を、幾重も思いついていらっしゃるでしょうし

良い形で名を残せたら良いのですがね……悪名を残してしまったなら、主への冒涜にしかなりません
……そう言っていただけると、幾分か楽にはなりますが……やっぱり色々と、へこんでしまいます


【白いビスチェの薄布から、零れる彼女の引き締まったウエスト】
【陶器のような滑らかな質感と、一筆書きで描かれたその輪郭と】
【夜からハッキリ浮かび上がった無駄な肉の無いその形とが、混ぜ合わされるみたいに】

【貴方の言葉はとても優しくて、それでいてとても、嬉しかった】
【良かった、と思った――――今日が、こんな、とても美しい月夜で】
【赤くなったその肌を、真っ直ぐに見られないですむから】

【白銀の髪が瞬いた、髪につけた花の髪飾りの香りですら霞むかのよう】
【また或いは、二つを重ねあわせて、新たな香りを楽しめるぐらいに、髪の裏の香りが澄んだ色を靡かせる】
【ピアノの旋律よりも甘く柔らかいその音を、辿って欲しくて】


もう、そんな事ありませんよ、ご老体の身体と私の身体、どちらが優れているかは明らかでしょう
筋肉も、身長も、私には殆どありませんので……そういう意味では、少し嫉妬しちゃいますよ、立派なお体に
ですから、無理しないでくださいませ、ご老体のその素晴らしい身体は、私の憧れなのですから

凄いじゃないですか、何事も、我流というのが一番難しいのですから……尊敬します


【貴方の膝の上で、寝転がる小さな少女のよう】
【言葉へと集中して、その大きな瞳を真っ直ぐに向けて、問うような言葉は、べったりとすがりつくみたいに】
【長く形の良い睫に溶かしてもらえたなら、それで良いと思った】

【褒められてくすぐったくて、でもとっても嬉しくて、頬が緩んだなら少女そのままの笑みが浮かんだ】
【騎士として育てるには少し、間違いだろう、素の表情が出てしまうのだから】
【――――まあでも、悪くない、なんて彼女はきっと思っている】


……今の……ですか――――……その……もう、おりません……
件の機関≠ノ、滅ぼされました、主も祖国も……私の国Anberlin≠ヘ、もう


【声が詰まった、声に僅かな濡れた音が染み入るのは、つまりそういうこと】
【それでもただ冷静に務めて、その奥底を探られないように――――けれどもきっと、貴方にはお見通し】
【水色の瞳が夜露を溜め込んだなら、朝焼けに向けて、萌芽する準備をしていた】
108 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/23(土) 15:45:10.74 ID:zXXCsIhw0
>>104

へぇ、レディーファーストってワケ。余裕じゃない
行くわよ、エニグマ―――〈泥沼の理〉!!

「了解だァ、ケケケケケ」


【手を突き上げた彼女がそう叫ぶと同時に、彼女の肩の上で浮翌遊しているカンテラが宿す炎の色が、茶色に変化する】
【同様に、アイリスの髪の色も、毒々しい虹色から茶色っぽく変わっていく】
【そして……レヴィは気が付いただろうか。アイリスの周りの地面、1.5mほどの範囲の土が泥のような性質に変化した事に】

まずは小手調べよッ―――行けッ!

【髪と、炎と、同じ色に染まった瞳でレヴィを見据えた彼女は、上げた手を振り下ろす】
【すると、彼女の足元から泥の塊が三つ射出された】
【本気で投げたボール程度の速度で飛来する、一抱えほどのサイズの泥の砲弾。威力には乏しいが、進んで受けるものではないだろう】
109 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/23(土) 16:08:47.92 ID:5PpP9oJ8o
>>107

それはまあ、確かにお嬢さんは未だ少女=\―未完の存在です故、それで良いのですよ
早くに大成しては、私のような歳に至った時が悲惨でならないとは思いませんか
と、考えれば―――そもそも、騎士公というだけでも大変な名誉。これから名を上げていけばよろしい。

ふ、ふっ……もしよろしければ、栄えある未来の女性騎士の、そのお名前を伺ってもよろしいかな?
その時まで生きながらえていればこの老骨も、死後に良い土産話を持って行けますから

【冗談めかして名を尋ねるその姿、どうやらまだまだ死にそうもない】
【きっと少女の気遣う声もくすぐったいくらいにしか聞こえないに違いなく】
【一方で自らに向けられた『尊敬』なんて言葉には苦笑のままに首を横に振る、というのは――】

【これもまた、恐らく少女にはもどかしいのだろうか。老人ともあれば、それくらい分かりそうなものだが】
【少し、意地が悪いのだ。分かっていて、騎士たる少女の困った顔でも見たいのだろう】

【ただその反面、最後の問いに対しての答えを聞くと、少年のようないたずらな表情は鳴りを潜め】
【少女の瞳を見やってからゆっくりと立ち上がり―その大柄な、180cmはあろうかという身体を起こして】
【格好としてはベンチを挟んでの対面だろうか。やがて老人の口から発せられるのは、些かばかり衝撃的】

Anberlin=\――聞き覚えがございませんが、そうでしたか。国を、機関に。
これは失礼を致しましたな。騎士たればこそ、尚更気に障られたでしょう……

……ふむ。確かに機関は、世界という土壌に根を張り、無作為に栄養を吸い取る大樹
『私の預かりしらぬ所』で幾つかの国が途絶えていても、不思議ではないのかもしれませんが
―――今度、何人かに貴女の国の事を尋ねてみましょうか。何も雲を掴むでもなし―――。
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/23(土) 16:11:14.91 ID:e1Qw/rUQo
>>108
/うぎゃあ申し訳ない……外出が予定より早まってしまいました
/続きはそちらがよろしければですが、置きレススレでさせて頂きたく
/絡み自体なかったことにする方向でも大丈夫です。本当に申し訳ないです……
111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/23(土) 16:18:28.18 ID:g8dfS1zIo
>>109

【染まる前の夕暮れにも似た、頬に滲む温度】
【それはどこまでも広がる朱色であって、またどこまでも柔らかな桃色でもあって】
【原色と呼ぶには少し淡すぎて、光にかきけされそうなぐらいに】

【優しい貴方の言葉、そのまま受け止めてたら、ダメだって思うんだけど】
【まるでまたたびに騙される子猫のよう、その一言一句にコロコロと表情を変える】
【その言葉にずっと、抱かれていたいなんて思うのは、当然のことなのだろう】

【夜風がそっと肌を撫でる頃、彼女はもう慣れているけど、薄着なのは少し辛い】
【でもきっと、彼女より貴方の方が、厳しい温度には弱いかもしれない、なんて思って】
【ベンチの後ろに立ったまま、その身を案じた】


……ずるいです、そう仰られたら、はいとしか言えません
そうですね……お言葉どおり、少しは形になる、騎士になりたいものです

ご冗談を、まだまだこの世から旅立つにはお早いでしょう
ご老体と言えど、そこまで饒舌に、そして溌剌と過ごしていらっしゃるのですから

私は――――ジャンヌ、ジャンヌ=アンジェリカ=イージス
もし宜しければ、ご老体、貴方様のお名前を辿らせてはいただけませんか


【肌の温度はきっと、夜風と変わらないぐらいの温度】
【ロングスカートのように足元まで覆うフォールドと、前面だけは短いスカートを履いて】
【大きく零れた太股と、その脚を膝まで包むグリーヴが彼女の身を彩る】

【ずるい、と僅かに頬を膨らませるよう、声が微かに丸まって、聞こえるだろう】
【それ故に、貴方にもきっと、その奥の彼女の表情が辿れるはずだ】
【交錯する貴方との視線、見下ろされる感覚に、少し戸惑った】


――――ご老体、今、なんと仰られましたか……
ご冗談なら、少々趣味が悪いですよ……!!

そんな、まるで……機関≠フ人間のようなお言葉……


【表情が分からなかった、月を背に立つ貴方の姿が、やけに神々しく思えたから】
【灰色の髪が月に溶けたなら、果てしないその色合いを、その闇間に浮かべるよう】
【圧迫感、胸を押すその感覚に、右手をその胸において】

【声が少し震えた、取り繕うように、微笑もうとしても、頬が揺れなくて】
【しゅん、と微かに彩りが落ちた、少女らしい、それはそれは、整理のつかない感触で】
【貴方のその言葉が、まるで信じられないと言いたげに】


112 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/23(土) 16:21:08.22 ID:zXXCsIhw0
>>110
/おおっと、それはドンマイです
/ならば、適当に手合わせして別れたということにしておきましょう、今夜のイベントまたぐと続け難いですし
/またの機会にお願いします、ありがとうございましたー!
113 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/23(土) 16:35:12.28 ID:Q781BEsUo
【――水の国、とある市街地でのこと】

――さーてどうしましょうかねぇ、こっから先。一番金儲けできるだろうからここに来たけれども……。
実際の処まずクライアントが見つからないからどうしようもない……とりあえず情報収集か。

【赤いボブヘア、赤のハイネックセーター。黒いファーコートと黒い厚底ブーツ】
【頭髪と同色、燃えるように輝く瞳――という、赤と黒の集合体のような少女】
【ブーツ補正を持ってしても150センチ前半程度の背丈しかない小さな女性は独り言、そして考え事をしながら歩いていた】

【今時、独り言ぶつぶつぼやきながら歩く少女も珍しくはない。だが今日、彼女は妙に目立ってしまっていた】

(……今宵始まる大会とやらも、上手く入り込めばビジネス出来るかもとは思うんだけれど。
 けど選手としては入りたくないのだよね、僕の能力はああいう表向きなイベントには向いちゃいないし。
 あぁあ……詐欺師も楽じゃないねホント、金ズルが見つかるまではさぁ)

―――……ってなんだよもう、追ってくるなったら!しっしっ!

『ぐが?』

【何故ならそんな彼女の後ろを、妙な生き物が追いかけていたから】
【薄い毛の生えた肌色の見える細身の体、大きい耳、猫に似た顔。前足を上げ二本足で立つ姿はさながら小さい恐竜のようで】
114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/23(土) 16:43:40.64 ID:5PpP9oJ8o
>>111

【時間軸としては老人が立ち上がり、少女が名乗ってその手を胸に置いた時】
【そこに至るまで彼は無言を貫き、意思表示と言えばただ奇妙なまでに柔和な笑顔のみであり】

―――ほう、ジャンヌとはこれまた。やはり良い名前をしていらっしゃる
その気高き騎士道の精神、そして名――努々大事になさると良いでしょうな。
そうすれば、歴史に名を……いや、もしかすると既にその道を歩み始めているのかもしれないですが

何にせよ、そうですな。申し遅れましたが私の名はガイスト・ウォレン――
かの機関に於いて、恐れながら六罪王の位を授かっておりまして……二つ名は、化生の求道者≠ニ申します

【高所故に吹く寒風にその灰の髪を靡かせ、外套をはためかせながら老人は恭しく礼をした】
【右手を前に、左足を後ろへ。しっかりとしたその動作には、全くもって悪人らしいところがない】
【だが、ガイスト―――その名は正しく、彼の話した風の国の件に関して広く報道されている者と同じ】

【―――ひらりと、その方に何処から現れたのか、手乗りサイズの妖精の如き少女が乗った】
【しかしよく見れば少女には先の尖った尻尾があって、放つオレンジの光は毒々しくもある―――化生≠ニはこれか】

さて、ジャンヌ殿。私はそろそろ失礼致しますぞ、なにせ遊ぶ時間も中々無いのです
機関は今、動乱の時を迎えようとしている―――どうぞ、お気をつけて。『触らぬ神に』とは、真に的を得た言葉ですからな
私も、何も個人を徹底的に嬲るような下種な行動はしたくないものですから―――

――――それではごきげんよう。この一時、実に楽しませて頂きました。

【礼をした格好から背をまっすぐにして立ち、指を鳴らすと黒い突風が吹き荒れて、少女の瞳を塞ぐだろう】
【やがてその瞼を開けば、既に老人の姿は無く―――いや、ついでというように、缶コーヒーも消えていて】
【ただ、まるで落とし物のように先ほど彼が手にしていた羽ペンばかりが落ちていた。】

/っと少し早いですが、大会もあるのでこの辺りでっ!
/お疲れ様でした〜!
115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/23(土) 16:51:04.72 ID:g8dfS1zIo
>>114

【風の雰囲気が変わったようであった、ピリピリと素肌を焼かれるように】
【そこにはもう穏健な老人の姿は無く、百戦錬磨の鋭き眼光だけが】
【射抜くような視線をば、ただひたすらに紡ぐかの如く】

【呼吸をするリズムが、必然的に勢いを増した、加速するスピードに押さえつけられて】
【大丈夫、なんて言葉は似合わなかった、ただひたすらに、乗り越えようとして】
【端音すらも聞き取れてしまうかのよう、その音律が強く揺らめいた】

【白銀の髪が靡いた、夜風に溶けて、その色が明星のように膨らむ】
【月光が溶けたなら、それはまるで結晶のよう、宝石よりも高貴な光】
【頬を濡らすには十分すぎるくらいに、眩かった】


六罪王=\―――貴方様も……っ!!
お、お待ちなさい!まだ話は終わって……は――――!!


【吹きすさぶ突風に、その姿をとられていった】
【掻き消された閃光のような姿、後に残るのは、天使の落とした残り香のような羽ペン】
【六罪王=\―――二人目の、六罪王】

【羽ペンを、両手で掬いあげるように拾うだろう、そこに残るのは、確かな残り香】
【貴方の残り香は、一体どのような深い香りと、或いは魔術の残光を残すのであろうか】
【そして辿るには少し、遠すぎるようにも思えた】


ガイスト・ウォレン……っ……敵は、まだまだ多いのですね……
……負けては、なりません――――ただ、ただ……戦うしか、ないのですから


【見上げた空は今にも溶けてしまいそうな暗闇で、その色ですら、感じられないぐらいに】
【一体いくつもの困難があるのだろう、そして、一体いくつもの壁を越えたら良いのだろう】
【分からなかった、それは同時に、どうしようもない不安をも呼び込んだ】

【触らぬ神=\―――その通りだ、機関という林檎は触れる事すら常人には許されない】
【黒い手袋が僅かに揺れた、その温もりを、確かめたくて――――】
【髪飾りに触れる、その指先が、酷く尊いものに思えた】


/お疲れ様でしたー!
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [!red_res sage]:2013/02/23(土) 18:30:29.05 ID:sP3JfgL/o
【EVENT―――第2回水の国天下一武道会】

【昨年よりも遥かに多い熱狂が、フルーソスタジアムを、街を、この水の国を―――包んでいた】
【前大会の成功。多くの利益を生み出した其れは、最早ビジネスとして成り立っており】

【スポンサーは増え、大規模で様々な宣伝が広がり、前よりも多くの猛者が此処に集った】

『えー、本日は第2回水の国天下一武道会にお越し頂き、誠にありがとうございます』
『フルーソスタジアム、本日満員御礼で御座います!! ……さて只今より、今大会の賞品の発表をさせて頂きます』

【―――熱気の渦が巻くこのスタジアム内に響き渡る声と共に、会場中央のリングに運ばれる、大会賞品】
【どよめきと共に、賞金1000万に勝るとも劣らない賞品が、観衆の眼前に晒された】

【―――今回の賞品も以前にも増して、8つ。特に前回には無かった4つの賞品に、観客の眼が向いており】

【金の小瓶が煌く、女神の滴。中身の滴は、どんな傷も癒すと言われている】
【淡く輝く、記憶の欠片。一見唯のピンクの水晶の欠片に見えるが、人の記憶を一部甦らせるらしい】
【中央に置かれたボウリング玉に見えるモノがマギタイト。それも最高品質。魔術師にしてみれば、喉から手が出る程の物かもしれない】
【眩しいほどの光をちらつかせるは、守護ペンダント。凄い勢いで今時の女子達がスマートフォンで写真を撮っていることから人気が窺える】

【怪訝な視線を送られている、一枚のオブラート。コレは忘却オブラートといい、過去を消去するモノらしい】
【漆が塗られているためか、照明に反射して輝くは、酔いどれ神の瓢箪と呼ばれるモノ。何でも中に水を入れると絶品の酒に変わるらしい】
【これまた女子に写真を取られているのは、もふもふの尻尾が揺れ動くキーホルダー。正義のしっぽは、悪事を見抜くと言われる】
【次に出てきた重厚な常磐色の籠手は、通称「暴風の籠手」。風を起こすこの籠手には、多くの魔翌力が込められているのだろう】

【最後に遅れて現れるは、どでかいボード。そこには大きく「10,000,000」と描かれたそれは、前回と同じ1000万の賞金】
【全ての賞品が中央に並べられると、アナウンスが熱気の中に響いて―――】

『―――では第2回水の国天下一武道会……開会式を行います』

【賞品が舞台裏に引っ込むと共に、大歓声がスタジアム内に沸き起こって―――そして、遂に始まる】
【テレビを、ラジオを通して、この熱狂が全世界に伝わる。全世界から集結した猛者達の、熱き魂の衝突】
【―――それを世界が、今か今かと待ち望んでいるのだ……!!】

/プロローグですが先に書いておきます。開始可能時刻は7時です。
/7時になったら勝手に始めちゃっても大丈夫です。自分は少し用事で外れます……!
/あ、あとできれば実況なんか空いているヒトしてもらえれば……
117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/23(土) 19:01:07.40 ID:zXXCsIhw0
【水の国、首都フルーソ。武道会の舞台に挑戦者達が姿を現し始める】

各地の猛者が集うこの武道会―――アタシ達からすれば渡りに船!
大量の異能を収集しまくってやるわ!

「それを実現するにはよォ、まず勝ち抜かないと駄目なんだがなァ?それはどうなんだァ、ケケケケケ」

エニグマ、アンタは少し遠慮という言葉を覚えたほうが良いわ……

【戦いの舞台の端で仁王立ちしているのは、大会の参加者アイリス・E・レジストル】
【脇に浮いているカンテラと罵り合っている姿は、何と言うか微笑ましく見えなくも無い】
【だが、その微笑ましさも台無しにするのが彼女の異様なルックスである】
【黒を基調とし、所々に金のラインが入った、ゴスロリと巫女服を掛け合わせたような奇妙な服はまだ良いとしよう。まあ、和洋折衷と言えなくも無い】
【問題は、彼女の腰まである長髪だ。油の浮いた水面のようなその色は、目に毒極まりない】
【浮翌遊しているカンテラの灯す炎も、同じ色。目を覆いたくなるような一人と一個のコンビだ】

さて、対戦相手は、っと……?

「お前が勝てる相手だと良いなァ、アイリス?」

だから、遠慮をさ……

【そう呟きながら、対戦相手がいるであろう向こう側へ目をやる彼女。戦いの準備は万全のようだ】

/涼さんの方、よろしくお願いします!
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/23(土) 19:19:37.86 ID:5PpP9oJ8o
【水の国・フルーソでいま最も熱く盛り上がる闘技場に一人の少女が現れた】

【外套までが真っ白な将校服を身にまとい、腰元には一本ばかりの刀を下げ】
【特徴的な桃色の髪は、ロングのツインテールにして括っている――その名は、アンジェル・ベルジュロン】
【かつては風の国の貿易都市レナールでの虐殺を行った、ある意味当時の時の人≠ナある】

【もっとも―――今は違う。自警団を脱退し、UNITED TRIGGERの一員として活動し】
【その動機すらも分からない自己の正義を貫く為、早18歳になろうかという彼女は此処に居た】

(腕の骨折もひとまず完治したし、大会だからって妙に力むこと無いわよね……)
(リラックスしてやれることをやる……!行けるところまでいってみる……!!)

――――絶対に、『負けました=xなんて言ってやらないんだからっ!

【外套のうちに伺える将校服の胸元には、煌めく幾つかのバッヂが見え】
【その中の白と茶で構成されたものを手に取ると、少女は深呼吸をして相手を見据えた】
【どんな相手だろうと向かっていく―――そんな意志が、空色の瞳には篭っていて。】

/アンジェルです。レグルスの方、本日はよろしくお願いしますねっ!
119 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/23(土) 19:28:30.28 ID:iYtKeEoO0
>>118

――――さって、行けるとこまで行ってやるかよ!
……10000000もありゃ、2年くらいは生活に困らねぇだろうしな……!

【のそり――――と、ゆっくりと、だが力強く、会場へと足を踏み入れる1つの影があった】

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫】

【諸国を流浪する生活を続けている、魔術師――――レグルス=バーナルドである】
【間違い様も無く、その目的は賞金――――自分の腕で掴み取ってやろうと、虎視眈々と狙っていたのである】

(…………いきなり魔術をぶっ放すか? いや、無駄撃ちもできねぇだろうしな……
それとも、肉弾戦はからっきしってフリでもするか? ……この図体で?)

【本来、肉体的に虚弱な――――だからこそ、その道を志す者が多い――――魔術師ではあるのだが】
【どっしりとした体格に、携えるは金属製の棍棒である。肉体にも覚えのある男である事は、容易に見てとれるだろう】

……ま、せめて治療費で持ちだし、って事態ぐらいは避けたいもんだぜ……
もし負けた時には、仕事にありつくための宣伝タイムだったとでも、考えるとするか……

【パシ――――と、両手で棍を構える。魔術師然とした格好に照らせばミスマッチにも感ぜられるが、その体格は相当な説得力を表し】
【まるで武術の達人による演武でも始まるのかと思わせる様な緊張感が、徐々にその身体からにじみ出ていく――――】

/こちらこそ、よろしくお願いしますー!
120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/23(土) 19:29:43.79 ID:iFecvurHo
>>117

【――――“彼女”が目にするのは、恐らく少女の微かな苦笑いだろう。】
【宜しいですか?なんて素振りで咳払い。その後に彼女に瞳を――“深緋の双眸”を向けて、“対峙する”。】


【“少女”が纏うのは、堅いスーツを思わせるような、肌の露出面積の少ない薄桜を散らした鉄黒の魔法衣。】
【衝撃に対する耐性に加えて、魔術属性防御が備わった、魔術師の戦闘衣。】
【同色の手袋を嵌めた上で手にするのは、真っ白な細剣。“刃の鋭さを以って突く事”を目的とした片手剣だ。】
【――――少女の戦闘は恐らく近接特化。試合が始まれば、距離を詰める事を先ず選択するだろう。】


  ――――初めまして、でしょうか?私の名前は“涼”と言います。


【まずはにこやかに、少女は笑顔を浮かべて自らの名前を名乗った。】
【彼女がそれに対して自己紹介を返したなら、恐らくぺこ、と頭を下げて、宜しくお願いします、なんて言葉を返すだろうか――】


  初対面の方ですが、このような場所ですし、手加減をするのは失礼かと思われますし――――


  …そうですね。

【少女の瞳、その奥が流転すると同時。少女の能力が無音にて効果を表す。】
【向き合う相手――――彼女に対して、一切の物理的効果は発生しない。】


                 《Do nothing whatever》
  ――――――――  “何もしないで頂けませんか”

【少女が所有するのは精神操作系固有能力。】
【やや華奢な身体を持つ少女が持つ唯一の力であり、少女が能力者である証左。】
【そして、その効果は“発動者の瞳を見た存在”を催眠状態にする、といった物。】


  ――――これが私の能力です。

  “記憶なさいましたか”――――?


【“何もするな”、と下す命令。それに付属する効果は“身体の硬直”。】
【少女が命令を下したその瞬間、少女の顔を――その双眸を視ていたのならば、恐らくその“影響”がこの場に現れる事だろう。】

【そして、その効果はこの先少女の瞳を見る度に発動する――――“相手の視線を追う”という行為は、自らの隙を生み出すという行為に繋がる。】
【“反抗”する事で解除――硬直を解くことが出来る“一時的な強制力”ではあるが、恐らく一瞬での解除は出来ない。】


【――その間に、少女は彼女――アイリスの下へと細剣を握り締めて、駆けて行くだろう。】
【不意打ち的に発動された能力。だが、少女は既に動き始めている。彼女が何も身動きが出来なかったのならば、彼女の身体を“掠める”軌道で突きが放たれる事だろう。】



【既に、この戦いは始まっている――――――!】
121 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 19:33:20.87 ID:LHL4yG6so
【宵に舞い散る歓喜の調―――武に魅せられし猛者の矜持、その飛び交う歓声の中で何を想い、何と出会う宴であるか――】


――――……………


【敷き詰められた石畳の中央に望むは170cm程の身丈の女性であろうか―――】
【外套羽織り、その和服にも似た藍紫の装束姿】
【黒髪の狭間に白い額を覗かせて、結い上げた長髪は背、肩をすべり身に寄り添う様に流れ行く】
【閉じられた瞼に面に彩なすソレは无の面相―――抱く想いは武闘の歓喜】

【そして彼女の右腕、その指に握られたのは薙刀にも似たソレ、刀身に彫られた昇り龍、長柄の得物―――――偃月刀がその石突を地に天へと仰いでいて】

【瞼を開けば琥珀の彩り――それが今宵の相見る者へ向けられる事だろう】


/碧喬嬋です!グーゲルギルの方、本日はよろしくお願いします!
122 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/23(土) 19:41:47.13 ID:8HP/Zr5so
【水の国 ―― 『第2回水の国天下一武道会』会場】

【広さ30平方メートルの、石畳の正方形フィールドに、参加者の一人である能力者が、姿を現そうとしていた】


……命を賭けた戦いとは別の、いわば「お戯れ」――
しかし、人は時に「戯れ」に命を賭けることで、そんな因果逆転の世界に、この憂き世の「価値」を見いだすのでしょう


【それは、白を基調としたセーラー服と紺色のスカートに身を包んだ、身長160cm程度の少女だ】
【その表情に感動はなく、縁無し眼鏡の奥に湛えられた碧眼は深海のように深く、暗く、かつ冷たい】
【また服装に合わせるように被っているのは、長い青色リボンの巻かれた、白い水兵帽】
【そして真っ直ぐ伸びる彼女の長髪は黄金色に煌めきながら、風と戯れるように虚空に揺れていた】

優勝を狙い、賞品を得るのも、わたくしの野望に一役買うかも知れません――――が…………

【フィールドに上がれば、ゆっくりと辺りを見回しながら、その滑らかな長髪をかき上げ、】

……それより何より、何を置いてもまずは、拝見させていただきましょうか

【誰に語るでもなく、台本を音読するかのようにつらつらと続く、その澄んだ響きがフィールドに染み渡り、】



「武」の頂に立たんとする勇者猛者強者の……その、「魂」を――



【最後に、眼鏡にそっと触れて、待つは自身の対戦者――――】



/ウェル子です、フリッツ・オストワルド様の方、よろしくお願い申しあげます
123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 19:46:03.70 ID:m4pxQ0klo
>>121

おうおう!活気があって大変よろしいってな!
ロートルの暴れる舞台としちゃあちょいと派手すぎる気もするがなぁ

【女性の立つ正面から、中年から老年ほどであろう男性の声がした】
【そちらの方へと視線を向けたならば、その主を視界に入れることができるだろう】

【2mを超えるであろう大柄な身体を僧衣のような紺色の民族衣装で身を包み】
【露出した肌に生やすは黄褐色と黒の縞を描く体毛】
【螺旋の金属飾りのついた長い木杖をフィールドに突き立てるようにしているその者は】

【虎の頭部をし、ふらりと尻尾を揺らす獣人であった】
【二足歩行の虎が服を着たような姿を言えばわかり易いであろうか】

嬢ちゃんが俺の相手……確か碧 喬嬋、だったかい?
爺さんが相手でちょいと不満かもしれねえが、まあお手柔らかに頼むぜ!
こっちも退屈はさせねえよう張り切らせてもらうからよ!ガハハハハ!

【虎人――グー・ゲルギルは豪快な笑い声を上げながら喬嬋へと告げる】
【それと同時に、杖の先端でコツコツ……と地面を叩く仕草を見せた】

(地形は石……か。多少加工はされているが、強度に不足はねえ)
(だが相手は武器術使い。今の俺でどれほど"受け止められるか"?)

【グーの位置は舞台の端付近】
【中央に位置する喬嬋とはそれなりの距離がある】
【その距離と、相手の得物。そして地質を確認しながら、老人は静かに思考した】

【グーが声をかけて数瞬後、試合開始を告げるアナウンスが流れる】
【かくして能力者達の戦いは始まる――!】

/よろしくお願いしマース!
124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/23(土) 19:48:18.55 ID:g3t/sSkeo
>>122
【ウェル子の対面から、一人の人物がゆっくりと歩み出てくる】
【彼は対戦相手の女性を目にすると、右手を胸元に当て、腰を折って礼をする】

こんばんは、ミズ。良い夜ですね。

【上下とも黒のフォーマルスーツに身を包む青年だ。左耳に、銀の十字架のピアスを着けている】
【身長は170の半ばと言ったところだろう。金髪碧眼の端正な容貌に、今は微笑を浮かべている】

【一見すると、どこにでもいるビジネスマン風の好青年で、荒事に向くような手合いには見えないが】

いえいえ、武の頂に立てるほど大仰な身ではないと自負しております。
ですのでどうぞ、お手柔らかにお願いしますよ。

【言いながら、彼は苦笑を浮かべて、両手をゆるく広げて立つ】
【――フリッツから仕掛けてくる気配はないようだが、果たして】

/フリッツ・オストワルドです。ウェル子の方、よろしくお願いします。
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/23(土) 19:56:48.31 ID:5PpP9oJ8o
>>119

(―――って、意気込んだのはいいけどまた随分と厄介そうな人が相手なのね)
(見た目だと魔術師だけど、あの体格にあの武器……近付いても問題有り、かな)

まっ、考えても始まらないわよね。当たって砕けろ、相手も砕ければ儲けもの……!
小手調べってわけじゃないけど、先手はこっちから行かせてもらうわ―――ッ!

【相対する男の様相に最初こそたじろぐが、アンジェルは直ぐに手元のバッジを天高く放り上げた】
【それこそ攻撃開始、戦闘の始まりの合図―――瞬時の光の後に、高い鳥の鳴き声がステージへと響き渡る】
【見れば、バッジは立派なオオワシへと姿を変えていて。その鋭い鉤爪や瞳は男へ向き】

【グオッ=\――羽撃いて空に上ったかと思うと、そのオオワシは一気に急降下、青年の顔を目掛けて飛んでいく】
【まずは相手を試そうというのだろう。オオワシの狙いは青年の目を足の爪で傷付けることだった】
【が、その対処は難しく無い。撃ち落としてもいいし、屈んで避ける事だって出来る。下手なひねりは無い一撃だ】

【その結果によって多少変わるが――少女は最初の立ち位置から動かない】
【いや、その手には新たに2つのバッジが握られている。召喚系の能力、と考えて良いだろう。】
126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/23(土) 19:57:51.72 ID:zXXCsIhw0
>>120

【対戦相手が現れる。名乗る彼女を見て「丁寧そうな人だ」などと考えていたアイリスは、髪と同色の瞳で少女―――涼をちらりと見る】
【紅い視線と目が合う。そして、涼が「命令」を下した瞬間、アイリスは異変に気が付く】

ハァ?
何を―――ッッッ!?

(体が……動かない……!?)

【驚いたのもつかの間、距離を詰めてくる涼を見て恐慌状態に陥りそうになる】
【―――が、しかし】

「目ェ覚ませェ」

【脇に浮いていたカンテラ―――エニグマに小突かれ、正気に戻った】

サンキュー。たまには役に立つじゃない

「礼は良い。それよりも、相手が迫ってくるぞォ?ケケケケケ」

わかってる!行くわよエニグマ―――〈可変鋼片〉!!

【アイリスが叫ぶと同時に、カンテラ―――エニグマの炎の色が、目に毒な虹色から鉄色へと変わってゆく】
【鉄色の炎というのもおかしな話だが、事実としてそこに存在する以上認めざるを得ない】
【それだけではない。見れば、エニグマの炎だけでなくアイリスの長髪も鉄の色に変化していた。なんというびっくり人間であろうか】
【そして、能力によるものだろう。周りの空間からリモコンほどのサイズの鋼片らしきものが染み出るように出現した。それも、大量に】

「了解だァ。落ち着いて攻めろよアイリス、お前の敗因は大体詰めの甘さだしなァ、ケケケケケ」

言われなくても―――っと!

【涼の突きをサイドステップで回避すると、アイリスは涼を指差す】

いきなりとは良い度胸ね……!
こっちからも行くわよ!

【指の動きに誘われる様に、彼女の周囲を浮翌遊していた鋼片たちが合体し、1m程の槍の形に変化した】
【そして、攻撃を終えたであろう涼に向かって飛来する。しかしその三本の槍の速度はそれほど速くない上に、狙いも大雑把だ。回避した直後だったからだろう】
【避けることは難しくないはずだ。それに、攻撃によってだいぶ減った鋼片はアイリスを完璧に守護できるほど彼女の周りには残っていない】

127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/23(土) 19:59:22.58 ID:8HP/Zr5so
>>124

……『こんばんは』――

【相手の挨拶に返すは、慇懃なる会釈】
【その佇まいだけを見れば、実に礼儀正しい空気を纏うが――】


対戦相手の……『フリッツ・オストワルド』様、ですね
……武の頂に立つ身ではない――と、なるほど


【パチンッ――と、唐突に鳴り響いたのは、ウェル子の「指パッチン」】
【すると、それを合図にしたように、ウェル子の身体から「黒い羽根」が、何枚も何枚も湧き出してきて、】


では、お尋ねしましょう


【ふわりふわりと、まるでオーラの如く纏う黒羽根の中、一枚の羽根を右手の人差し指と中指で挟み取り、】


――――貴方様は、なぜ、この大会に、出場なさったのでしょう…………か――――


【言葉が終わるか早いか、その羽根を「投げた」】

【普通ならばその場ですぐに空気抵抗に負けて落下するはずの「羽根」は、】
【ウェル子の魔力の「空気流」の後押しを受け、鋭く、真正面から真っ直ぐに、フリッツへ迫る】

【この「羽根」は、ウェル子の能力の産物であり、性質は刃物に似ている】
【先端は刺さるし、羽毛はよく切れる】
【まさしく「ナイフの投合」と同種の攻撃が、今、フリッツへの牽制として、向かったのだ】



【――ルールは単純明快】
【相手を、打ち倒せば、それでいい】
【ただし相手を殺すことは禁止、即失格】
【フィールド外で脚をつくとリングアウト負けとなる】



【――さあ、試合開始だ】
128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 20:04:47.47 ID:5Tz014yKo
【―――第2回水の国天下一武道会】

【割れんばかりの歓声はある種狂気的なものさえある】
【だがそもそも人間という生き物は「戦い」と寄り添い生きてきたものである】
【ならばその狂気こそ揺り籠か……自己が埋没する程の奔流、飲まれるのも悪くはないか】


うっひゃー……どこからこんだけ湧いてきたんだろうな……
ひいふう……数える気にもならねーや……

【観客席から闘技場へと視点が変わる】
【30平方メートルのこの石畳が今宵の舞台、その一方に立つの青年は】
【歓声に慣れていないのかなんとも名状しがたい苦い顔を浮かべていた】

ふー……ふう、でも駄目だなちゃんと意識を変えないと

【短めの白髪だが後ろの髪だけは腰まで伸びていて尻尾のような三つ編みにしている】
【紅い左目に右は眼帯、その顔はどこか幼さを残しているが腰のナイフは間違いなく切り裂く為にある】
【防刃防弾使用の黒のジャケットと同じく黒のズボンに身を包んだ彼は集中の為にナイフの柄に手を伸ばし引き抜く】

やるなら徹底的に、だっけ?――――――よし、じゃあ行こうか

【輝く銀のそれは僅かに自ら光を放っていた】
【魔術か錬金術の類に詳しい者ならばそのナイフが特異な性質を持っている事が分かるだろう】
【内包する魔翌力は静かな波を思わせるしかし侮る無かれ、時に海は文明を飲み込む猛威と化す】

【或いはそれを御する青年こそが真の猛威か】
【全てはこの後行われる戦いで分かることだろう――――――――】

/エルフェスです
/ナウファルさんの方よろしくお願い致します!
129 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/23(土) 20:09:05.52 ID:g3t/sSkeo
>>127

参加理由ですか……。
……そうですね、リハビリ≠ニ宣伝=Aあとは生存報告≠ニ言ったところでしょうか。

【ウェル子の問いかけに、どこか困ったような表情を浮かべて、その三つを列挙する】
【背後に浮き始めた、黒い羽根には、こちらも両手を向けながらさらに言葉を続ける】

勝ち進む意欲はございますよ。
でなければ、宣伝も上手く果たせませんし、ね。

【掲げたスーツの袖口から覗く白い両手が、ぐにゃり、と歪んで】

では、参ります。
……あまり酷い怪我をさせぬよう、努めますが。

【まるでそこには最初から手などなかったかのように、異形が出現した】

【ウェル子の腿ほどもある太い胴回りに、黒い鱗がぎらつく表皮】
【その先端には巨大な牙のならぶアギトを開き、粘液質なよだれを滴らせる】

【例えるのなら、それは目を失った黒蛇】

【右手の蛇が、投擲された羽根に齧り付く】
【魔力に後押しされた羽根に押し負けることなく、それを受け止めて】

【逆方向、左手の蛇が、ウェル子の右肩を喰らわんと、伸張し、飛び掛ってくる!】
130 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/23(土) 20:13:30.65 ID:iYtKeEoO0
>>125

(背中の傷も、もう気にならねぇからな……この勝負、頂くぜ……!)

【ゆっくり、気取られない様に足の間隔を広げ、スタンスをやや下げる】
【最初の重心は低く。やはり、身のこなしにも覚えのありそうな立ち振る舞いである】

……随分剛毅な事を言うじゃねぇか……!
遊びで力を振るうつもりはねぇが……今日は特別だ。10000000……頂くぜ!

【ギリ――――只でさえ眼光鋭い目が、闘志を伴って敵対するアンジェルの姿を見やる】
【始めから賞金の存在を念頭に置いてはいるが、欲に囚われた、と言うよりも、眼前の獲物を品定めしている様な、そんな目に感ぜられるだろう】

……来やがったな! おぅら!!

【放たれたオオワシを認めると、レグルスの眼光が一層厳しくなり、そのオオワシへと向けられる】
【――――次の動作でアンジェルは確信するかもしれない。眼前の男が、ただの魔術師では終わらない男だと言う事を】

【上空から、爪での一撃を狙って降下してくるオオワシを、レグルスは下から棒を掬い上げる様に振るい、打ち上げる様に叩きつける】
【そしてそのまま、振り上げた勢いを殺さず棒を背後へと振るい、そして後ろへと構え直す――――淀みの無いその仕草は、確かに棒を武器として使いこなしている事を証明している】

――――こっちも様子見させてもらうぜ!!
…………バル(火)・フェン(飛翔)・イム(怒り)・ルー(レベル1)……『マジックボム』!!

【後ろ手に構えた棒を右手だけで保持し、左手を前方へと向けるレグルス】
【そして何事かを口にすると――――左手に炎が灯り、火球を形成し、そして放たれる】
【狙いはやや下向きで、アンジェルの足元を狙う辺りだが、この火球、何かに着弾すると爆発してその付近を薙ぎ払う性質がある】
【込めた魔力の量が多くはないので、威力もそれほどの脅威ではないが――――防御し切るよりは、回避の方が推奨されるだろう】

【残存魔力 16/17】
131 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/23(土) 20:19:03.36 ID:iYtKeEoO0
>>125
/>>130に追記。風呂行ってきますー
132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 20:19:50.41 ID:5Z+P9l8IO
【『第二回 水の国天下一武道会』会場】

【観客たちが試合を見守る中、石畳の端に立つ人影があった】

今回は、せめて二回戦まで進みたいなー……
今回はあの子、来てないのか。まぁいいや、今の試合に集中、集中!

【黒い瞳、ポニーテールにした茶色の長髪】
【白地に青の装飾がついたセーラー服と黒のプリーツスカートを身につけた、ここまでならよくいる少女】
【しかし、両腕には無骨な黒いガントレットをつけ、腰のベルトには同じ金属で出来ている金属棒が2本括りつけられている】
【そんな妙な風貌の少女だった】

【観客の中には、彼女を覚えている者もいるかもしれない。前回の大会で、アンドロイドの少女と激戦を繰り広げた少女だ】

【石畳の奥を睨み、腰の金属棒を構え】
【彼女に挑む対戦相手を待つ】

/カログリアの方、よろしくお願いします!
133 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/23(土) 20:21:36.69 ID:iFecvurHo
>>126

【鋼片の槍を視認すると同時姿勢を低くしたまま立ち止まり、少女は相手の攻撃のタイミングを見計らう。】
【槍が飛来すると同時、バックステップを連続して着実に回避。体重が軽い分、身のこなしも早いようだ。】

【――――基本的に、少女は細剣を振り回す事は出来ても相手の攻撃を“弾いたり”と言った事が出来ない。】
【その代わりに受けて“弾き飛ばされる”なんて事は出来るが、戦える面積は制限されている――つまり、フィールドの外に足を着く結果となってしまう。】
【普段であればバックステップを連続したりと突撃したりと距離を急激に離したり狭めたりするのだが――――この試合のルールは少女にとっては不利な物となっていた。】

  ――――“二人”、と言う所ですか?中々に厄介ですね……

  カンテラの方は、“エニグマ”さんで宜しいでしょうか?

【バックステップを繰り返した後の状態。槍の“行方”を確認しながら、冗談混じりの口調で少女は話し掛ける。】
【この“会話中”でも彼女が少女の瞳を見てしまえば、彼女の足は縫い止められる結果となる――】
【――戦闘に慣れている程相手の動向を“覗いやすい”為に、この能力で発生する状況は、やや“卑怯”か。】

【彼女に隙が生じようと生じまいと、再度少女は接近するだろう。今度はやや回り込むような足取りだが、それを果たして掴む事が出来るだろうか。】
【相手の迎撃のタイミングを見計らって、その隙を突くように回り込んでからの再びの刺突。この攻撃は、相手の鋼片の力を見極める為の物――――何かに命中すれば、恐らく少女は直ぐ様後ろに下がるだろう。】
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/23(土) 20:23:02.69 ID:8HP/Zr5so
>>129

へえ……「奇遇」ですね……

【出現した二対の蛇と、受け止められた羽根を、しかとその眼に焼き付け、】


……わたくしも、半分は、貴方様の理由と、「同じ」ですよ


【ウェル子は、低めの姿勢で、前に駆け出す】
【バックステップでは、早々にリングアウトしてしまうだろうし、】
【正体不明の蛇をまともに受け止めるのは、リスクが大きすぎる】

【ならば、と、彼女は前進したのだ】


ではもう半分は――と、そちらの質問を待たずにお答えしてしまいますと――


【そうやって、ひとまず左蛇を回避しながら、彼女は両手の人差し指と中指を立てる】


――「価値ある」出会いを、求めているからです


【――走りながら、ウェル子は、両手を前に突き出し、】


――――――ばーん


【なんて、気の抜けるような擬音語を合図に、その「銃を真似た両手」からそれぞれ「黒い閃光」が発せられ、】
【立てた二本の指の先端から、右手から一枚、左手から一枚、計二枚の「黒羽根」が、高速で発射される】

【それの羽根は、いわば「弾丸」――】
【先の「羽根投擲」と、同じ性質の攻撃だが、弾速は更に速い】

【この攻撃は、一枚はフリッツの胸元と、もう一枚は右足付け根あたりを狙って放たれている】


【走り迫るウェル子と、二枚の羽根弾丸――】
【羽根のオーラもあり、様々な展開が考えられるが、フリッツはどうする――】
135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/23(土) 20:24:23.40 ID:5PpP9oJ8o
>>130

【爪と金属のぶつかる耳障りな音がした後に、確かにオオワシの肉を捉える重い感触があるだろう】
【そして、落ちる音。足を砕かれたオオワシはその場でもがくが―――少なくとも、今は全く敵とはならない】

(……やっぱりあの人、接近戦も相当得意みたいね。しかも金属の棍なんて、食らいたくも無いわ)
(でも想像が当たってことはきちんと対処すれば行けるってこと……パワーにはテクニックで勝つ!)
(まずはあの火球を避けてから――――この『コバルトブルー』――)――――ッう!

【相手に向かって駆け出そうとした所で火球が発生し、左斜め前に転がることで回避】
【その瞬間、地面に触れていた手元のバッジが輝くが何も怒らず――外套の隅に、爆発によって火が点いた】

【それを起き上がるやいなや抜いた刀で布ごと切り落とし、真っ直ぐに男に向かって走っていく】
【少女といっても大人に近い。戦い慣れた様子の接近は男の思うより、少しばかりは速いだろうか】
【そして接近戦という間合いに入れたならば、正面から切ってかかろうとするのだが―――】


【―――この時、レグルスが周囲に気を巡らしていれば気づける事が1つ】
【それは彼の背後、左右の位置の石畳が盛り上がっているということ。地中に何か、潜んでいるのか――?】

/風呂了解致しましたー、こちらも入ってきますっ。
136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 20:27:55.16 ID:M/ETw4Av0
>>132
【人々による熱い熱気に包まれる首都フルーソ。一際熱が籠もるのは、この会場であろうか】
【――――争い事ととは無縁とも思える修道女が、その舞台に上がって】
【凛とした表情。アリアを紡ぐために在るのであろうその喉が、今は己の心の内を紡ぎ出すか】


「……社会勉強――――として初めてこの様な人混みの中へ来ましたが
どうも慣れないですね。何時もの場所と雰囲気が異なりすぎるのも酷なものです」

【腰に提げていた銀製の一振りの長剣。其れを手に取れば、切っ先をゆっくりと相手へと向ける様にして構えるのだろうか】
【修道女が持つのは、悪魔が苦手とする銀――――なる程、最もらしい様ではあるが、きっと自分と同じ人間相手であれば、何の効力も持たない剣と化すか】
【何処か落ち着かないのは、きっとこの様な場に慣れていないため】
【隠している緊張だけでも、相手に物事を有利に運ばせてしまっている事だろう】


「――――戦闘も実戦経験が少ないため、満足させることが出来るか分かりませんが……
私なりに最善を尽くすよう頑張ってみたいと思うので宜しく御願いします」

【姿勢を正せば、ペコリ。と一度だけお辞儀をして――――】
【少しの間。互いが互いの準備を整えることが出来るであろう、僅かな時間を設けた後】
【明るい黄色の瞳が、少女へと向けられ――――】


「大会では殺めるのは禁止――――と書かれていますが、ご安心下さい
元より私は殺める事が禁じられていますし――――何よりも、そんな力も得ていません故」

【最後の紡ぎを終えれば、その足が少女へと向かってかけ出すのだろう】
【先手。しかし技を使う事は無く】
【所謂小手調べの様な物だろうか。常人に等しい速さ、そして胴を狙った長剣の一振り】
【戦慣れしていれば避けるのは容易いことは勿論――――反撃だって簡単だろうか】
/こちらこそよろしくです!
137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/23(土) 20:29:40.01 ID:P1TsudIro
>>128

【入場口から姿を現すのは、相手よりもずっと長身で、いかにも戦い慣れした体躯の持ち主】
【されど熱を持て余して尚湧き立つ会場を見ての反応は、相手と似通っていた】

アー……首都に似たヨうなモノはあったケド、コンなに立派じゃなかったな
俺、こんなトンでもないオ祭りだなんて思ッテも無かったヨ……

【ヒトと怒号の山に気圧されるように斜め上を見上げながらも、相手の待つリングへと到達したのは】
【一目見て砂漠の遊牧民だろうと分かるほど民族色の濃い異装をした青年】
【黒い髪はツーブロックのベリーショート、目は金色のどんぐり眼】
【色黒で口が大きく、目鼻立ちのしっかりした彫りの深い顔をして】
【服装はややくすんだ赤のベストと裾を絞ったゆったりとしたズボン】
【各所には濃い緑の布製・石製のアクセサリーがちりばめられ、派手な装いだ】

一回戦は兄ちゃンか、強ソうだネ
お手柔らかに、デモ悔いの残らないように頼むヨ

【異国訛りの発音が紡ぐのは、真剣味は残しつつもどこか力の抜いた挨拶】
【命の取りあいでも無く望んで手合わせする舞台への安堵か、大きな口は高翌揚に薄く笑んでいる】
【腰から提げたこれまた装飾の多い革鞘から取り出すのは、薄く光を反射してきらめく曲刀だ】
【二の腕くらいの長さを持つそれを相手に向けると、ゆらゆらとその輪郭に合わせて蜃気楼が波立つように】
【刃の表面を滑る様に、水が刃を重ね合わせた】

天に居ります孤独ノ星、大河ノ蛇ミルドラよ、わが手に護りノ剣ヲ
正しき者ノ身に力は宿りたり。偉大なる大河は、いついかなる時も我らヲ見守りたり!


/ナウファルです
/よろしくおねがいしまー!
138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 20:30:52.23 ID:LHL4yG6so
>>123



【瞳を開ければ琥珀に写る男の姿―――それを視界にいれるや女性の面、その口角が笑み作り出し】
【ゲルギルへと瞳を向けたならば、言葉は紡がれ】


碧喬嬋――覚えてもらえちゃ光栄だね
東西、猛者が集うこの場、フフ―――私の相手はアンタって訳だ

グー・ゲルギル………たっ――――ぷりと楽しく行こうじゃないか………


よろしく頼むよッ!!

【そして開幕を告げるアナウンスと同時――面を彩でた无が喜悦に染り、女の声が放たれたと同時――】
【偃月刀の柄先、その石突を石畳の面へと激しく衝突させれば、僅かな岩粉舞い散り風≠ェその砕けた接点より舞い吹いた】

【波紋の様に広がる風の陣、女の髪は大きく靡き弧を描く、そしてその反動により向けられ刃先には天より光が注ぎ、刻まれた青龍に閃光走って】
【異能の類か――? 不自然な風の息吹にゲルギルが何を思うか分からぬが―――】


【空けられた間合いの踏み込む女性――、一歩、二歩―――その足袋が強く大地を踏みしめれば刀身が迫る薙≠ェ男の方へと向けられるであろう】
【右腕は体の正面に交差され、左から振り切る横一文字、狙うは胴体、長柄の長さに遠心力、見ればそれ程力は入ってはおらず、速度としても速いものでは無いであろう】

【様子見――そう捉えても良いかもしれないが、その一閃を振り切る程の速度で打たないのは連撃――と言う可能性も考えられるかもしれなくて】
【何方にせよ、元々距離はある、その初動からの動きを認識するのは容易いことだろう、そして長柄と言えど全長2m弱、長柄にしては短い事も女性の戦術を読む材料になるか】
139 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 20:35:01.17 ID:PItjwX1B0
【水の国―首都フルーソ】

【異常なまでの熱狂と歓声が包み込んだ武道会会場】
【広さ30平方メートルのフィールドを何百もの人々が囲んでいる】
【その舞台の端から勢いよく舞台に上がる少女が一人】

【約140p程の小柄な体格に褐色の肌】
【緑色のボサボサなロングヘアーに、頭から腰まですっぽりと被るような熊の毛皮】
【体には胸元と腰回りだけを隠すような布製の服を着ている】
【彼女の名前はウルスス・ベアー、通称ベアコ】

うにゃー!!!
頑張ってお金手に入れるぞー!

【かわいらしい雄たけびを上げつつ、自身の目的を再確認する少女ベアコ】
【老若男女様々な猛者出場しているこの大会に出た理由はお金であった】
【だが、それとは別にもう一つの目的―目標もあった】

【灰色のくりくりした瞳を輝かせ、逆側から現れる対戦者を待ちわびている】
【今にでも体を動かしてくて仕方がない―そんな気持ちでいっぱいになっていた】

/ベアコ中身です。
/レイニーの方今日もよろしくお願いいたします!
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/23(土) 20:35:44.91 ID:g3t/sSkeo
>>134
おっと、思い切りの良い……!

【がちん、と上顎と下顎を噛み鳴らす音が、虚しく鳴り響いた】

【身体の重心を後ろへ移動させながら、フリッツはウェル子の迎撃に動く】

なるほどっ、出会いは大事です。
僕もあの方に出会ったからこそ、っく!

こうして似合わぬことをしているわけです、し!

【言いながら、彼の胸元――ネクタイの下、白いシャツのさらに裏側が、謎の隆起を見せた】
【無論、筋肉ではない。人体の構造は、こんな小山のようには盛り上がらない――】

【布を裂く音と共に、彼の胸元から、両手から伸びているモノと同じ、めくらの蛇が、飛び出す】
【両手のソレよりも、一回りも二回りも巨大なアギトを開き――飛来する弾丸を噛み止めてみせる】

【右足に飛来する弾丸は、さしたる抵抗も見せずに、目標に着弾し、スーツと肉の破片を弾き散らすが――】

ッその体勢で、受け切れますか!?

【肉斬骨断――】

【防御行動に飛び出ていた右手の蛇が、口にしていた羽根をまずそうに吐き捨てて】
【走り込んでくるウェル子の側頭部に目掛けて、横合いから体当たりを仕掛けてくる】
141 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 20:41:19.77 ID:q8hR5Mys0
【路地裏――袋小路のその奥】
【違法建築の成れの果て、毛細血管めいて広がる道たちの、その行き止まり】
【無造作に積み上げられた木箱、麻袋、地面に転がる注射器、空き缶、その他様々なごみなど】
【不良の溜まり場、なんて言葉がきっとよく似合うけれど、今そこに在るのはひとかげがたったひとつ】

…………っ、う――。

【穢い壁に書かれたスプレー缶の落書き、子どもみたいに下品なものばかり連ねた、その壁の麓】
【寄りかかって、蹲って、呻くのは。少女――だろうか】

【ともすれば夜よりも冥く見えるような長髪。地面に垂らして、とぐろを巻いて】
【俯いて前髪が隠すその向こうに覗くのは、左が血色、右が深淵色のオッドアイ――そっと伏せられていた】
【丈の長い黒のケープと、紅色を基調としたアシンメトリースカートなワンピース。地を撫でる裾のレースも薄汚れて、】
【サイハイ丈の靴下と、ヒールの高いショートブーツ。抱く両手にも、首にも、足にも、包帯を巻いて】
【右手の薬指の付け根。そこだけは意図したように露出されていて――そこには、黒蛇を模った指輪めいた痣が】

きもち、わる、……、

【――金属めいて響く、零す声。微かに震えていて、指先だってそうだ。それに、顔色だって良くないし――】

【こんな場所で、そんな少女が蹲って。好都合の餌に見えるのに、いまだ健全な理由】
【強いてあげるならば。ここに来た頃からずぅっと垂れ流す、哲学者の卵の気配と、桜吹雪めいて舞う魔力――のおかげ、だろうか】
【ある程度離れていたって気づけるほどの濃度が、狭い突き当たりに満ちていた】
142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/02/23(土) 20:44:22.26 ID:P/1UDRdw0
【水の国首都フルーソ。】
【熱気包む大会会場に一人の男が歩みを進める。】

   ・・ ・・・・・
―――さぁ、楽しもうか。


【石畳のフィールド上で佇む黒い呉服に身を包む巨躯な男。】
【腰に携えた無銘の刀と脇差し。】

【――大会出場者――櫛灘自斎。】
【生やした無精髭を撫でながら、対戦相手の入場を待つ。】

       
―――ふふふ。早く来い。
準備はできてるぞー。

      
【――――嗚呼
       ・・
     ――昂るなぁ――。】
 ・・・・・・・・
【震え上がるほどに――――。】


//ヘケメトさんの方お願いしまーす。
143 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 20:45:37.59 ID:5Tz014yKo
>>137

なんか慣れそうにないよなこの感じは―――――――

【ナウファルに同調するように軽く笑い飛ばす】
【しかしそんな表情を浮かべながらも掌にあるのは銀のナイフに変わりない】
【ここにはお喋りに来た訳ではないのはお互いに】

……でも所詮かぼちゃみたいなもんさ
外野は外野、内は内……何が言いたいかっていうと……とにかく今日は宜しくな

【礼儀としての一礼】
【面を上げれば戦いは始まる】

……3つ、で取り敢えず様子見かな

【掌のナイフ、その柄を握り潰すようにすればガラス細工のようにそれは霧散する】
【しかし壊れた訳ではないのは当然の事、確かに漂う魔翌力の流れからもそれは分かるだろう】
【銀の粒子と化したそれらはエルフェスの掌に再び集まって、その姿を再編する――――――――】

【刃先から現れ峰、そして柄……現れるモノは銀一色の刀である】
【稀代の刀匠の作品を思わせるそれはしかし今正に構成された物に他ならない】
【切っ先が揺れる度に銀の軌跡が淡く景色を彩る】

あー……このナイフはなんというかー……全部で9つあってだ
んでもって組み合わせるとこうやって強化出来るんだ……一応フェアなように、教えておく

【野良の戦場ではない、どうせバレる物だこの程度の手の内を晒すくらいは良いだろう】
【どことなく浮ついたような口調、だけどそれもここでおしまい】

――――――じゃ、行くぞ……っ!

【「ぎいん!」と切っ先を地面に打ち付けて走る!】
【滑るような、とでも表現するべき速さで白と銀はナウファルの前へと現れて】
【腕試しとばかりにナウファルの右肩から袈裟に切り裂こうとするだろう】

【無論であるがエルフェスの攻撃は全て非殺傷設定である】
【多少血は出ても死んだりはしないので大丈夫だろう、多分】
144 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/23(土) 20:46:06.84 ID:zXXCsIhw0
>>133

(さて、あの能力は―――催眠の邪眼とでも名付けるかしら―――厄介ね)

【思考を巡らせるアイリス。腰の後ろに隠すように吊ってある、ククリナイフを抜けば近接戦闘になっても問題ないだろう】
【しかし間近で戦うとなれば、視線が交差することは必須。そうなってしまえば敗北は免れない】

(なんとかこっちのペースに持って行きたい所ね。能力を切り替えるのにも時間が必要だし、また「アレ」を受けた時にエニグマが起こしてくれるとは限らないわ。
でも、そんな隙があるかしら……?焦って〈可変鋼片〉にしたのは間違いだったかも)

【それに、あまりにも彼我の距離が近いと、自分を巻き込む恐れのある〈可変鋼片〉は真価を発揮できないのだ】
【彼女は複数の能力をとっかえひっかえ使用することが可能だが、アイリスの得意な戦い方は中距離戦が主である】
【幸い、現在の戦況は近距離戦というほどではない。会話をしながらも先手を打つべく、再び接近してきた涼に攻撃を試みる】

「ケケケ、その通りィ。俺はエニグマ」

そして、アタシはアイリス・E・レジストル!覚えておきなさい!
さあ―――行けッ!

【アイリスは手を振り、まだ少し残っていた自らの周囲の鋼片を、あえてばらけた状態のまま散弾のように射出した】
【槍に使わなかった「余り」の鋼片たちだ。量は少ないが、攻撃範囲は広い。投げナイフ程度の威力も有している】
【しかし、アイリスは能力を警戒して涼の足元を見ていた。そのせいで、反応は一歩遅れている。上手く避けることも不可能ではないだろう】
【だが突破するのに手間取ってしまえば、アイリスのもとにたどり着く頃には「槍状態」から解除された鋼片たちに阻まれることとなる】
【素早く攻撃を加えることが出来るか否か。それが重要である】
145 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [saga]:2013/02/23(土) 20:49:39.03 ID:qZzAvqw/o
>>142

【きっと、この大会には堅い信念を持った者達が大勢集まっているのだろう】
【――では、彼はどうだろうか?】

「ヘェーケッケッケッケッケェェエエーーーーッ!!」

【今入場してきたのは――】
【ガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】

【彼がこの大会に参加した理由は単純明快だ、"戦いたい"からである】
【子供がブランコで遊ぶ事を楽しむ様に、彼は戦いをすることが楽しく、そして好きだ】
【――生半可な思いで勝ち上がれるほど、この大会は甘くない】 【それは、彼のパートナーから散々と言われている】

【――彼がこの大会に参加する理由は、実はもうひとつある】
【それは、優勝者及びそれに準ずるものが貰える商品の一つである"記憶の欠片"だ】
【彼には"失われた記憶"がある、――パートナーからは"思い出さないほうが良い"と言われているが】
【それでも彼は知りたいのだ、パートナーと出会う前の"記憶の全て"をッ!】

「色んな強ェー奴らと"戦える"上に、"記憶が取り戻せる"かもしれねェーって言われたらよォ〜……」
「何が何でも"参加する"しかねェェーーよなァァーー〜〜ッ!」

【フィールドのある側面よりおよそ5mの位置まで入ってきただろうか】
【ばさり、彼は着ていた"ウィンドブレーカー"を脱ぎ、フィールドの隅の方へ投げ捨てると】

「――時々よォ、"俺には特別な能力がないから駄目なんだ、弱いんだ"なァーんて言う奴が居るんだよなァ〜」
「だが、俺は思うんだ――"戦う技術も才能も、全部立派な能力の一つ"なんじゃあないかなァーって――――」
「"魂"が自分の"才能"を諦めたらよォー、駄目だと思うぜ俺は――だってよォー、一人でも多く戦える奴が居たら楽しいだろォ〜ッ!」

「……ヘケケケ、俺はとにかく戦いてェーんだ、……そこのあんたはもう準備万端のようだなァァ〜〜、良いぜ良いぜェー」
「手加減は一ミリも要らねェ、腕を何本飛ばされよォーと構わねェ、さァ……"殺す気"で来ォォーーいッ!」

【"闘争本能"をむき出しにして、大根より太い腕をさらけ出して、へんてこな準備運動によって全身の強靭な"筋肉"を暖めて】
【真っ赤な右目が、文字通り一瞬強く輝けば――その者は今、前かがみとなり両手を大きく広げ――あなたへと立ち向かうッ!】

/殆ど書き溜めていたものですがヘケメトです、よろしくお願いします
146 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 20:50:19.52 ID:m4pxQ0klo
>>138

――頼むぜ、我が最愛の盟友"ボ・ポル"よ
今日も俺と一緒に戦ってくれや

【グーが語りかけるは手に携えた大杖】
【2mを超えるグーと並ぶほどの長さを持つ霊樹の杖を】
【手でそっと撫でるようにし――行動を開始した】


               ――《壳[コ]》――


【喬嬋の初動とほぼ同時か、トン……と杖の先端で地面を突き言葉を呟く】

【場に浸透するは"魔翌力"と"言霊"】
【"大地の意思"へと懇願と信仰を届ける古き交信術】
【其れは今、石畳のフィールドへ変化を齎した】

【グーと喬嬋の丁度中間ほどであろうか】
【その周辺の石畳が小さく震えたと思うと、突如として大きく"隆起"した】
【其れは石によって作られた壁。高さは3m、横幅は同じく3mほどであろうか】
【厚みはそれ程ではないが、障害物としては決して無視出来るものではないだろう】

【《壳[コ]》……コウラの言霊。亀の甲羅のごとく攻撃を阻む障壁を造る】
【しかし特別な強化もされていない、ただの石で出来た壁である】
【突破力を有すれば破壊することも難しくはなく】
【また、サイドに回り込み通過するという選択肢も存在する】

(さぁて、相手の手の内を一つでも見れりゃあ僥倖だわな)
(横から回ってくるなら――それも悪くはねえがな)

【グーは思考する】
【"後方支援型"に属する術師であるグーは、近接タイプとの相性は悪い】
【そのため"妨害"し、"攪乱"することで優位を掴まなくてはならない】

【※《壳[コ]》の障壁は、確定描写で破壊することが可能である】
147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/23(土) 20:51:07.29 ID:8HP/Zr5so
>>140

…………こ、れ、は…………

【――なるほど、体中から飛び出る異形は、攻防一体】
【中々に厄介な存在だ】

【果たしてフリッツの思惑通り、ウェル子は咄嗟の回避や防御が難しい状態にあった】
【走っているのに加え、攻撃を行った直後というタイミング――】


「見た目」の良さと、それに反した「中身」についても……中々…………


【――ウェル子は、苦肉の策として、左腕を、側頭部の盾にした】
【右腕で支えるように構えられた左腕は、蛇の突撃をもろにくらい、】


…………ッ…………!


【衝撃で、ウェル子は右側――フリッツから見て左側に吹っ飛ぶ】
【――が、決して倒れ伏したりはせず、きっちりとその足で地を踏みしめ、ブレーキを掛けた】


………………わたくしと同じく…………「えぐい」ご様子で――――――


【辺りに散らされては、虚空に溶けるように消えていく黒羽根】
【一方で、つきることなく、ウェル子の身体から湧き出てくる黒羽根】

【無論、まだこの程度で戦意が尽きるほど、ウェル子は甘くない】


【――――一見受け身しか摂らなかったウェル子だが、そう見えるのも束の間】

【フリッツの右脚付け根に突き刺さった羽根が、突如「淡く黒く」瞬き、】
【光がやむ頃には、一羽の「カラス」が、そこに出現し、宙へ飛び出そうとするのが確認できるだろう】

【ここでカラスに矛先を向けるか、ウェル子へ追撃を出すか――】
【複雑にわかれゆく選択肢を提示しながら、しかしウェル子は、冷たく、刺すような、碧眼を、フリッツへ向けていた】
148 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [saga]:2013/02/23(土) 21:01:41.81 ID:Q781BEsUo
>>141
【突如聞こえる足音、人間による靴音と獣らしき何かの爪音】
【それと同時、甲高い少女の声が「なんてシュミの悪い」と、不良アーティストによるスプレーの芸術を評した】

……あーららぁ、こんな処で妙なものに遭遇してしまったよ全く。
まあ今日の僕は気分もいいし、構いやしないけどさ。

『ぐるるるぅ……ぐがぁ?』

おやお前まだついてきてたのか……餌上げたのに、物足りないのかぁ?

【赤いボブヘア、赤のハイネックセーター。黒いファーコートと黒い厚底ブーツ】
【頭髪と同色、燃えるように輝く瞳――という、赤と黒の集合体のような少女】
【ブーツ補正を持ってしても150センチ前半程度の背丈しかない小さな女性は、後ろをちらり確認】

【後ろにはもう一頭、妙な生き物が居たのだ】
【薄い毛の生えた肌色の見える細身の体、大きい耳、猫に似た顔。前足を上げ二本足で立つ姿はさながら小さい恐竜のようで】

はいはいお嬢さん?こんな処で寝てちゃ風邪ひきますよぉ?
それともどこか、具合悪いのかな?

(――……おぉう、何だこれ、魔力か何か……それともう一個、嫌な予感もするけれどさ……!)

【生き物に一声を飛ばした後、壁に寄り掛かっている少女へと声をかけた】
【仕事上使っている「黄色い声」は、もしかしたら頭に響いてうるさいかも知れないが】
【そんな声とは裏腹、至極警戒しながら少女へと労りの態度をとっているのだった】
149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/23(土) 21:04:10.41 ID:iYtKeEoO0
>>135

(召喚系か……厄介な話だぜ……! これじゃ本体に迫る前に、遊ばれちまうかもしれねぇ……な!)

【一難去って。今しがた振り払ったオオワシを思い返しながら、レグルスは微かに顔を顰める】
【直接攻撃を当てるのが、難しいのではないかと懸念したのだ】
【無論、自分も魔術師である以上、広範囲の魔術を用いれば巻き込む事は出来るだろうが、決定打を打ちこむのは難しいかもしれない】
【――――魔力に余裕のあるうちに、勝負を仕掛けた方が良いかもしれないと、チラリと纏まらないままの考えが頭をよぎる】

(……だがま、いかなる事態にも対応できる様に、だな!)
……バル(火)・ジン(固着)・ザン(レベル3)……『ヒートアディッション』!!

【火球を回避するアンジェルを見ながら、その時間すら有効に用いんと、レグルスは更に術を行使する】
【レグルスの構える棍が、燃えあがる様に炎を帯びる――――火の力を付加したのである】

(――――おっと、物騒なもんを使ってくるじゃねぇか、人の事は言えねぇがなッ!!)
ッッ……来やがれ!!

【そうして炎を纏った棍を構え直し、刀を振るってくるアンジェルを迎え撃つ】
【正面に振るわれる刃を、避けるのではなく受け止め――――押し返しに掛かった】
【立ち回りの実力は未知数だが、少なくとも鍔迫り合いならば、体力に利があるだろうと踏んだのである】
【相手が何かを仕掛けてくるかもしれないが、それは立ち回りでカバーできると踏んで】

【――――背後の何かには、この時にはまだ気づいていなかった】

【残存魔力 13/17】
【ヒートアディッション効果時間 残り2レス】

/ただ今戻りました&了解しましたー
150 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/23(土) 21:07:01.07 ID:g3t/sSkeo
>>147
……えぐい、とはまた。
それなりにこちらも気になっているところなのですよ。

【苦笑する彼の元へ、両手の蛇が縮んでいき、胸元の蛇が身体の中へと戻っていく】
【胸元の蛇は溶ける様に消えて、後に残るのは破れたシャツと、その下に覗く白い胸板のみ】

さすがに、腕に覚えのあるご様子。

【右足の付け根辺りに空いたスーツの穴と、傷跡】
【そして、そこから光を伴い顕現した、カラスへと視線が遷移する】

……怪我をさせずに、などと傲慢な言い草でしたね。
前言は撤回させていただきましょう。

【碧眼が、決意を内にし、ウェル子を見据える】

……多少の怪我は覚悟していただきますよ、ミズ・ウェル子。

【右手の蛇が、右足の付け根から飛び出したカラスへと伸び上がり、その牙の餌食にせんと迫る】
【――同時、左手も高速で飛び出し、ウェル子の腹部へと突進を仕掛ける】

【噛み付くような無駄の多い動作は、ウェル子には当てられない、と判断したのだろう】
【ウェル子に向かう動作は、単純だが早く】
【カラスに向かう動作は、複雑ゆえに攻撃力が高い】

【双方向への複雑な動作を行うその姿は、よだれをたらす蛇の模造からは想像もできないほど、高度な技術だ】
151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/23(土) 21:07:06.43 ID:7SPXNCe60
>>139

実に残念だがーーその願いは、叶わない。
否、私が叶えさせない。

【澄んだ声は、熱烈な歓声を切り裂いて、貴女に届く。】
【聞き覚えは、ある筈だ。忘れていなければ。】

奇妙な縁だ、ベアコ。

【長く、赤いマフラーを、たなびかせて。】
【灰色の髪、空色の瞳、130有るか無いかの小柄な身体。】

【何より、ふさふさとした、大きな尻尾。】
【ーー猟犬、レイニーエッジ。】

手加減ーーなんて出来るタチじゃないだろ、君。
私も手加減はしない。ま、当たり前だ。

【その両手に、インクでも吸ったように、真っ黒に染め上げた大振りのナイフを顕現。】
【研ぎ澄ました悪意の刃、鉄よりも幾らか、斬れる。】

……うずうずしてるね?
ふふっ、『桜園の血盟』ーーその次兄の刃、お見せしよう。

【ーー構える。ベアコの身体能力相手に、自らは仕掛けない。】
【両手のナイフを逆手に持ち、自然体で、ベアコの高速接近を待ち受けよう。】

【かくして、対戦開始。】

/よろしくです
152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/23(土) 21:07:28.05 ID:P1TsudIro
>>143

へぇえ、そういうチカラなノ? チョットかっコいいなぁ……
ケレド、俺の能力モ女神から借りたチカラだからネ。ソう簡単に負けるつもりはないゼ

【対してこちらの曲刀は秀でた鍛冶の技術の元に作られた、しかし結局は汎用武器の範囲の中での秀作】
【よく切れる剣以上の力を持たぬ以上、そのステータスは相手の銀刀より劣る】

【金属音を合図に迎えうつか、一歩左足を後ろに下げのけぞるような体勢に】
【右肘を内に曲げ手首を返して曲刀の腹で刀を受け、始の一手を受け止める】
【一瞬の停滞の後に巻き取る様に押し返し、相手の胸元へと切っ先を滑り込ませんとする】
【決まれば相手の胸元を抉るか、しかし突くような手先の形は同時に右肩を晒す事を意味する】
【外れれば右半身はがら空きになり、相手の次手に対処するのが難しくなるという事】

近接か、俺モ近場での切り合いの方が得意でね!

【攻撃の際前に出たのは左足、その勢いは止めず攻撃の成否に関わらず回転の動きを重心に溜める】
【相手に観察の余裕があるならば、左肘か右足か、格闘への警戒もしておくべきかもしれない】
153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 21:13:44.31 ID:q8hR5Mys0
>>148

【この場にあるもの、少女の微かに荒い呼吸音。呻く声――故に、その足音や爪音はよく響くのに】
【ひとつ、ふたつ、みっつ、スルーを重ねて、よっつめでやっと気づいたらしい、気だるげな瞬きひとつ挟んで】
【やがて重たげに頭を持ち上げたなら。来訪者を認めて――拒絶しない代わり、歓迎もしない。じぃと見つめるのだろう】

…………――だれ、おまえ、

【たっぷりの間を置いたなら、投げる誰何だってひどくやる気のなさそうなそれ】
【女性を見上げて、理解するまでのような間がしばし。やがて、恐竜めいた生き物に視線を向けて】

……おまえも、

【――なんて。そちらにも誰何を打つのだから。或いは、よほど衰弱してるとも取られかねないけれど】
【その実。結構動物とか石ころとかに話し掛けちゃう性質のひとだったりする――だけ】

わたしになにか、するの? ……やめてよね、触らないで
医者になんかも行かない、行ったって、意味、ないでしょう――……。

【体調の悪さゆえだろうか、女性を見上げる瞳は(常に増して)鋭くて、睨みつけるかのよう】
【燐光を零しながら舞い踊る無数の魔力片。桜色に煌いたなら、辺りを照らして――困らない程度には明るいはずだ】
【敵意も、殺意も、今はまだなく。踊り狂うそれらだって、今はまだ何の性質も示さない】
【地面に落ちたなら蕩けて消える。ただそれだけの、闇を彩る飾りでしかないのだから】
154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/02/23(土) 21:15:52.95 ID:yveoxs5d0
>>145
        ・・
【彼の刃には所謂思いというものは乗っていない。】
【純粋に楽しむための刃――、何の色も写さない。】

【善悪、想い、譲れぬ信念――――。】
    ・・・・・・・
【そんなくだらないものが一切入り込まない純粋な戦いを。】


――――そうだな。戦う技術も才能も。
戦いを楽しめる魂も。
ひとつの能力だわな――――。



【思わず笑みが溢れてしまう。】
【相手がどうだかは分からない――――だが、】
   ・・
【同じ人種のようだ――――。】
 ・・・・・・
【戦いそのものを、楽しめる――――。】


――――始めようや。
楽しい楽しい戦いを。


【彼はフィールドの中央に歩みを進める。】
【タン、と地を蹴り、相手へと接近を試みる。】
【軽やかな足の進み――――、しかしその目に敵愾心はない。】

【大方――――。相手の動きを見るために適当にアクションを起こした、という所か。】


/ID変わります!
155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 21:16:04.82 ID:PItjwX1B0
>>151

うにゃ!レイニーだ!
レイニーが相手だ!!

【見知った顔を見るやベアコは嬉しそうな表情を見せる】
【驚きや躊躇など無く、純粋に戦いを楽しもうとしているのだろう】

うにゃ!それじゃーいーくぞーー!!!

【ベアコは地面を行き良いよく蹴り、獣にも似た脚力でレイニーとの距離を一気につめようとする】
【迂回などせず真っすぐに、相手が何をしようとも、構えていようともお構いなしに】
【その直線的な軌道、直線的な攻撃―ロケット頭突きとでも言うべきか、レイニーに対して頭から突っ込んでいった】
156 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/23(土) 21:22:17.20 ID:8HP/Zr5so
>>150

【ミシリ――と、左腕が軋むのを、ウェル子は感じ取っていた】
【今の体当たりで、大分痛手を負ったようだ】
【……これ以降、左手で殴ったり、防御したりは、厳しいか】

…………ああ、言われて思い出しました

【かくして迫り来るは、またもや蛇】

【蛇と烏――よろしいでしょう、捕食者同士、食い合おうではありませんか】
【ウェル子は、心中で呟きながら、薄い薄い、微笑を口の端に浮かべた】


――わたくしの名は、そう…………


【カラスを見逃さず出した攻撃は、見事カラスを捕らえる】
【刹那、カラスは「黒い羽根」に分解され、そのまま消滅してしまうだろう】
【ウェル子の魔力より作り上げられたカラスは、見た名以上にもろい】
【「気絶する程度」のダメージで、消え失せてしまう存在だ】



――――『ウェル子』、です――――



【忘れていた自己紹介を挟みつつ、体勢を整えた彼女は、小さくバックステップを踏むと、】
【ステップ終わり際、スカートをはいていることなどお構いなしで、右脚を大きく振り上げ、】


――――シッ…………!


【――――叩き落とすッ!】

【それはすなわち、「かかと落とし」】
【迫り来る蛇の脳天に、手厳しい一撃を見舞うことを目的とした、蹴り技だ】
【非力なウェル子でも、それなりの威力が見込める、重力の力を借りた一手】
【蛇が方向を変えずに迫ってくれば当てられる、と見込んでの攻撃だが、どうなる――】


【一方、フリッツは気づけるか】
【ウェル子の両手に、「黒羽根」と「魔力」が凝縮され始めていることに――】
157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/23(土) 21:23:25.10 ID:5PpP9oJ8o
>>149

【刀の刃と金属の―それも炎を纏った―棍が正面からぶつかり合って、ギギッ、と音を立てる】
【刃こぼれもせず、どうにも魔翌力を感じるこの刀は妖刀だろうか。とすれば、斬られるのは避けたほうが良さそうだ】

【しかし、レグルスであれば気付けるかもしれない。この少女、接近戦が得意では無いらしい】
【というのも刀の持ち方や足の位置、力の入れ方が雑なのだ。我流、と言えば聞こえはいいが】
【せめて技量で優っているのなら対策もとれようものの、体格でも負けているが故に、じりじりと鍔迫り合いでは押されていく】

【そして炎が少女の顔を照らしだし、その均衡が崩れようかという時に―――にやり、その表情は好転した】

――――コバルトブルータランチュラ≠チていう蜘蛛を知っているかしら?

とても綺麗で蒼い彼らは地中に棲む――そして、私の能力で召喚した生き物は元来のものとはかけ離れたサイズにも出来る
手乗りサイズの蜘蛛ですら、お化けかぼちゃみたいな大きさで呼び出せる。
……ところでもう一つ。蜘蛛の糸って、極端に太くすると飛行機ですら絡め取れるのって知ってる?

【アンジェルは、自らその身を背後に退いた。押されるがままに、レグルスから離れるのである】

【そしてそのタイミングで、彼の背後で盛り上がっていた石畳が一気に膨れ上がり、内部から蒼い蜘蛛が姿を見せた】
【大きい――化け蜘蛛と形容出来るそれは、腹部を持ち上げて、背後の左右より、尋常な太さではない真白な糸をレグルスへと吐き出した】
【その糸の粘着性と言ったら凄まじいものがあり、マトモに受けてしまうと動きがかなり制限されることになるだろう】

【もっとも、アンジェルの狙いはそれなのだが―――さて、糸は糸。青年の得意な魔術であれば焼ききる事も出来るだろう】
【それに少女が交代した際には隙もある。後を追うか、蜘蛛の対処をするかは自由だが―――?】

/こちらも戻りましたっ、おまたせしたしました〜
158 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 21:27:12.12 ID:LHL4yG6so

(杖術―――? いや――何か別のものかねぇ……まぁ、何方でも良い、まずは―――自分の間合いにってとこだね)

【石畳を駆け、琥珀に写すのは男の姿であり、杖に何をを語りかける仕草を見ても猶、その進行を、駆ける直線から退く事は無かった】
【だが、その杖が地表に触れた瞬間引き起こされた異変≠見てしまったならその攻めの手に静止が訪れる】

な――にっ?

【視界に写す男の姿を阻む巨擘、中央に出現したソレを見ればその足を止める事しかできず、相手が見え無い今不用意に回り込むのも危険】
【ならば選択として残るのは、先ずその障壁を破壊する事】


ッ―――ハァッッッ!!!!


【大地を踏み込んだのはその壁の一歩手前、左えと向けられた切先が天を仰げば、威喝が如い声を上げ、ソレが振り下ろされた】
【耳を済ましていたならば、その振り切った事での風切の音を聞き取れる事ふが出来るだろう、鉄刃が振り下ろされる音はその場に鳴るが――】


【――――外したのか? 振り下ろし、空を裂く音は在った、だがその巨擘には何の変化も有りはしない】
【会場の、その事象を見た者がいたならば確実に空振り≠セと認識できるものであっただろう】

【そして巨擘の向こうの男も、そう感じる事があるかもしれないが―――――】

【刹那の悲鳴――、その空を切った音が鳴った数秒程後、それは突如に叫びを上げる】
【それは貴方の方向からも確認できるかも知れない、まるで空間が裂かれるかの様な一閃が悲鳴を上げるかの様に叫びを上げて
 巨擘の頂点、3mのソコから下方に蒼線――斬撃≠描き、真二つに隔てた視界を開けるのだった】


【斬撃が走れば、壁はそのバランスを崩し石畳へと轟音挙げて崩れ行き、その白粉舞い散る奥に立つのはその事象を引き起こした女性の姿】
【琥珀の瞳が男を見遣り――、大地へと向けた切先、それを上げれば長柄は肩に載せられて】


面白い事をやってくれるねぇ……術師……ってとこかい?
こりゃあ………苦労しそうな相手だねぇ……ふふ―――

【告ぐ言葉は矢張り喜悦―――その相手の手の内に胸を高鳴らせ、戦を好む者の面】
【だがその言葉の通り、この女のとて、後方型との相性は良いとは言えなくて】

【兎に角、今、その女の足取りは止まり、そこに佇むのみで】
159 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 21:27:28.14 ID:5Z+P9l8IO
>>136

【観客たちが、わずかにどよめく。当然だ、こんな物騒な大会で女が登場したのだから】
【しかし、それは裏を返せば男にも勝るとも劣らない、ということだ】
【それを分かっていないごく一部の――先程どよめいた――観客は皮肉混じりの野次を飛ばし、その他わかっている人々は二人を応援するだろう】

あらら、君はこういうの、初めて?
ま、それもそっか。如何にも非戦闘員って感じだもんね。

うん。こっちこそ、よろしく。

【金属棒を持った手を下ろし、ぺこりと一礼】

長剣か……
だったらこっちは、これで行くよ!

【再び両腕を持ち上げ、金属棒を構え直す】
【すると、金属棒とガントレットがゆっくりと溶け出し、流れ――】

【――出来上がったのは、二振りの剣】
【右手には刃が波打った細身の長剣――フランベルジュと、左手には刃の峰に櫛のように無数の切り欠きが入った短剣――ソードブレイカーを持ち、相手を迎え討つ】

――悪いけど、見え見えだよっ!

【左腕を構え、振り下ろされる長剣をソードブレイカーの峰で受け止める】
【先程述べた櫛のような峰で、である。切り欠きの隙間に、しっかりとはまってしまうだろう】

それっ、食らえ!

【右手に持ったフランベルジュの柄の部分で、女性の顔面を殴る。刃を使わなかったのは、せめてもの良心か】

【それと同時に、左腕のソードブレイカーを捻る】
【ソードブレイカーとは、その名のとおり「相手の武器を無力感するための武器である。このままでは、銀の長剣は折れるか欠けるか、それとも弾き飛ばされるか、である】
【しかし、受け止めてから捻るまでにはわずかに時間がある。その隙に刃を引き抜く事は十分に可能だろう】

/すみません、飯に行ってました
160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/23(土) 21:28:08.93 ID:qZzAvqw/o
>>154

「ヘケケケ、……良い眼だぜあんた、今日は凄ェー良く楽しめそうだぜェ〜」

【――相手も、戦いを楽しめる存在――彼の眼はより一層輝く】
【彼には賞品の目的があれど……同じタイプ、それは彼の精神へ強く感じられる】


「――行くぜェェーーッ!!」

【接近を試みる相手、――あちらには刀、リーチはこちらの方が不利かもしれないし、そうでもないかもしれないし】
【彼は、その接近する相手に対して自ら突っ込むようにして……小ジャンプ】
【そして、その着地と同時に地面を強く蹴れば】

「ニードォォオオゥゥーー……テンタクゥゥオオオオーーッッ!」

【そのすぐ手前から生える、無数の小さな棘で構成された一本の"触手"――長さはおよそ"2m"だろうか】
【それが、接近する相手を薙ごうと、自分から見て右から左へと振るわれるッ!】
【無数の棘はまるで"目の粗すぎるヤスリ"のような効果を持っていて――】
【薙がれる触手はまるで"鞭"の様で――"遠心力"を力に変えているッ!】

【もっとも、刀を一振りすれば両断できるだろう強度であり、薙がれる速度は速すぎず】
【そして生える前に――ヘケメト自体を斬る事も出来なくはないだろう】

【地面から生えているという特性上、その攻撃は下方向への判定が強い】


【一方観客席では……】

『――ヘケメト、頑張ってください』 『しかし、賞品は記憶の欠片以外にしてくださいね』
{それにしても便利だね、その"眼"――ある程度離れていても会話が出来るなんて}
『"自動翻訳機"も付いていますよ』
[お前ら……始まったぞ] 〈ヒャハハ、奴トハ色々アッタシナ、"昔ノ姿"モ確リ見テオコウ〉

【何やら彼の知り合い達がそこでわいわいしていたのであった】
【――『』でくくられた人物、女性――それは彼に様々な指示を与える】
【直接的には相手に干渉しない為、主催からはOKが貰えているらしい】
161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 21:28:10.16 ID:LHL4yG6so
>>158>>146の方へ宛てたものですアンカ忘れ……申し訳ありません……
162 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 21:30:40.67 ID:5Tz014yKo
>>152

(――――――へえ、なかなか!)

【手応えは金属のそれ】
【こちらの攻撃に合わせる程度の技術はあるらしい】
【少し驚きつつも楽しめる相手だと分かってか表情をほころばせ】

…………っと!

【相手と肉薄するこの距離ならば更に踏み出し刃の内に入る事も出来る】
【右足を相手の内に、重心を下げつつナウファルの右脇から抜け出るような動き】
【同時に左手の甲を用いて突き出される曲刀、その腹を外側へと押し出す】

なら、とことんっ!やろうかっ!!

【近接戦でかつ技術特化】
【エルフェスという人物は言葉にするならばそういった戦士である】

【ナウファルの脇を抜けて更に数歩進み、数mの所でくるりと回る】
【そして正眼に刀を構え、待つ】

……さてファースト・コンタクトはこんな感じでいいだろ?

【浮かべるいたずらな笑み】
【銀の切っ先は陽炎のように揺らめく】
【次の瞬間には刀は銀の粒子へと姿を変えて】

2つと2つ……近接ならこっちのが好みかもなっ―――――――

【粒子は彼の両手へと姿を現すのは刃渡り30cm程の短刀】
【これも刀と同じく頭から爪先まで銀色、その双刃を見せびらかすようにくるりと回し】
【右手を順手に左手を逆手に構え直し】

【再度の突撃】
【右手の切っ先にてみぞおち辺りへの突き】
【しかしそれはフェイントで、ナウファルがそれに対応する素振りを見せれば今度は左手が舞い】
【膝を曲げての低い状態からの右から左への横に薙ぐような一撃を加えようとするだろう】

【無論だが初手のフェイントを強引に崩せばその次の本命も崩れる】
【手数は多いがそれを操る身体は一つ、自明の理だった】
163 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/23(土) 21:35:17.75 ID:g3t/sSkeo
>>156
……?

【右手に感じる脆い手応えに、フリッツが疑念の目を向ける】
【もう少し何かがある、と考えていたのだろうか。だがそれも一瞬で、右手を縮ませると、ウェル子に目を戻す】

【そこには――】

……はしたないですよ。

【苦笑のような、たしなめるような面持ちで、ウェル子の迎撃を見る】
【ずどん、と蛇の脳天へと、吸い込まれるように吸い込まれる】

【ウェル子の脚に残る感触は、人体の腕、というよりはやはり蛇のような、芯のない軟体を殴りつける感触だろう】

くぁ……!

【だが、それでも彼の身体の一部であることは、間違いないようで】
【踵が突き刺さった瞬間、石畳を砕いてたたき付けられる瞬間】

【それらの時々に、フリッツの表情からはやせ我慢するような苦悶の色が読み取れるだろう】

っく……そう易々と、魔術の類を許すとお思いですか!

【石畳に叩きつけられた蛇のアギトが開き、砕かれた石畳に、さらにその牙を突き立てる】
【同時、フリッツが地面を蹴る】

【蛇が縮む=\―即ち、フリッツの身体が、地面に噛み付く蛇の元へと引き寄せられていく】
【フリーになった、右手の蛇を、空中で振りかぶり】

【ウェル子へと接近しながら、ハンマーの様に、蛇の右手を振り下ろす!】
164 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/23(土) 21:37:14.24 ID:Q781BEsUo
>>153

【鋭い視線に、ほんの少したじろいで】

誰だお前と聞かれたらぁ、応えてやるのが世の情け…って言いますけど生憎名乗る名前持ち合わせてなくてね。
偽名というか源氏名というか、お仕事上の名前でなら『エルディ』って言いますんで参考までに。

『ぐるぁ?……がうっ、がうがうっ!』

【回りくどい自己紹介の後に、右手を顎にあてて考える仕草、何故この子はここに居るんだろう、と】
【おや、という声とともに、妙な動物の方へと視線を向けて】

――――……ああ、コイツね。こう見えてドラゴンの小型種でして、鱗がないのはそういう特徴なんだとか。
ピーターボールドという猫に似てるってことで、ついた名前が『ピーターリザード』だったかな?
ペットじゃあないですからね、コイツ。なんかさっきから僕についてくるんで……放置プレイ。

『がが……ぐぎゅるるるるるるるぅ……』

……お前の鳴き声はホント多種多様だな。

【奇妙な鳴き声を上げるその動物――『ピーターリザード』と呼ぶらしい】
【どうやらとても人懐こい種らしく、常にエルディという少女のそばにいる】

どういう状況か分からない限り、何かするとか出来ませんよ僕は……無論、こいつも。
その言葉。医者の手ですら治せない、と取っていいのならつまりは病気とは違う類ですか?他には不治の病とか?
それとも何です、機関の連中に薬やなんやらでも打たれましたか?ついでに、お嬢さんお名前は?

(……前者だろうな。なんとなくだけどこれは病気我慢してるって言うのじゃない。
 最近の情報からだと恐らくは……名前忘れたなんだっけ、なんか「カノッサ機関」あたり関係してそうな……)

【それ以上近づかず、少女の行動を観察するように】
【次いで頭の中で、ただただ単語を組み合わせてはばらして、情報の整理をするのみだった】
【整理の合間、軽い質問を吹っかけてみることとする】
165 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/23(土) 21:41:46.79 ID:7SPXNCe60
>>155

なるほど、相変わらずおそろしく速い……が。
速いだけ、強いだけでは……

【向かって来るベアコ。その身体能力は間近で体験している。恐らく完全に格上だ。】
【それなら、反撃手段はその『粗雑』を突いたカウンターだ。】

【ーー容赦はしない。】
【例え知人でも、子供でも、何であっても。】

ーーーー『此処』かッ!

【ベアコが射程範囲に入る瞬間、レイニーは弾かれたように前に飛び出す。】
【そして、両手でベアコの両肩を『叩き伏せ』ようとするッ!】

【レイニーには、ベアコのような極度に恵まれた身体能力は無い。】
【然し、このナイフ捌き。洗練された動きだ。殆ど無駄は無く、速い。】

【ーーさて、レイニーは今、逆手でナイフを持っている。】
【その状態で『叩く』ーーつまり、つまりだ。当たれば、『ナイフは両の肩を切り開く』ーー!】

【つまりこれは、初っ端から!】
【ベアコを引き裂き、地に叩き伏せようという、鮮血の残虐ファイトだッ!!】

/分かりにくいかもなので補足
/レイニーの行動を単純に言えば、逆手持ちのナイフでベアコの両肩を上から下に斬りつけようとしている。
166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/23(土) 21:43:10.25 ID:iYtKeEoO0
>>157

(切り傷ってのは……簡単に動きを封じられやがるからな……簡単に喰らっちまう訳にはいかねぇ……!)

【真っ向から克ち合ったにもかかわらず、刃毀れする様子を見せないアンジェルの刀に、嫌なものを感じる】
【妖刀であると感づいた訳ではないが、それだけで只の剣で無い事はすぐに分かった】
【何とかこの状況から、有効打を打ちつけておきたいところだが――――】

……なんだ、いきなりよぉ……!?

【均衡を押し崩せるかと言う時に。アンジェルからの問いの言葉に、レグルスは顔を顰める】
【――――こうした会話は、それ単体に意味がある。警戒が生まれるのも当然と言えるだろう】

――――蜘蛛だァ?
……………………ッ、まさか――――!

【蜘蛛の糸。その話はレグルスでも知っている、有名な雑学に当たるものだろう】
【飛行機を絡め取れる――――そう言われているのは、蜘蛛の糸を鉛筆程度の太さにした場合】
【無論、そんな糸を吐きだす蜘蛛など、この世に存在しないのだが、アンジェルの言葉が事実ならば――――】

のわっ…………く、この野郎……!!

【背後から、対応が遅れたためにまともに糸を浴びてしまうレグルス】
【ただ身体に張りつくだけならば、糸も然程の脅威にはならないだろうが――――蜘蛛の糸は『絡め取る』事に機能が特化しているのだ】
【糸の先が、べちゃりと地面にも張りついて――――このままでは、地面もろとも縫い付けられてしまう】
【今は身動きそのものは封じられてはいないが、糸に気を取られ、再びアンジェルに距離を開ける事を許してしまった】

へっ…………こうなったら魔術師らしく、こすい手段を使わせてもらうぜ……!
…………バルオー(命)・ドグ(招来)・リク(反転)・ザン(レベル3)…………『デスレイン』!!

【糸を、火を纏った棍で振り払い、なんとか自由は確保したが、前後を挟まれる格好になったレグルス】
【それに対して――――ほんの一瞬苦笑を浮かべると、レグルスは新たな術を発動させる】
【――――この様な状況での最適解。それは広範囲を攻撃の対象にして、一網打尽にしてしまう事だ】

【――――突如、フィールドに雨が降り始める。それも普通の雨ではない、空に雲も掛からぬままに降る雨で】
【降ってくる水は、嫌な汚れたピンク色をした水――――魔術による、人為的な技だ】

……じわじわじわじわ、身体を蝕んでいくぜ…………根競べだ、先に参るのはどっちだ……!?

【いつの間にか、歯を食いしばる様な表情になっているレグルスが、アンジェルに挑む様な口調で告げる】
【――――この水、浴びていると体力――――正確には生命力――――を削られていくのである】
【前方の本丸と、背後の身動きを封じてくる蜘蛛。それを同時に対処するべく、戦場全体にこの雨を降らせたのである】
【己の体力を信じて、自滅上等の背水の陣を引いたのだ】

【残存魔力 10/17】
【ヒートアディッション効果時間 残り1レス】
【デスレイン効果時間 残り2レス】
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 21:44:00.98 ID:M/ETw4Av0
>>159
「ええ、お察しの通り戦闘自体余り行わないので……
それでも、精一杯楽しませる様頑張ってみますッ!!」

【ガキン!!と高い金属音。耳を走り抜ければ、それだけで身震いしてしまうような物で】
【抜けた感覚は無い。止められた、と分かるのは数瞬後の事――――抜こうにも抜けず、かといって逸らす程の技術も無く】
【恐らくは、柄を握る腕には殴ったときのそれ相応の衝撃が伝わり、その攻撃が成功したことを伝えるか】
【軽い体重。飛ばされてしまうが――――それが幸いしたか、意図した訳でも無く、ソードブレイカーに嵌まっていた其れは抜けて】


「くぅ…………随分……優しいのですね
斬り付けるのでは無く、持ち手の部分を使って殴るなんて
――――だけれど、情けは無用です。怪我の覚悟をして、私はここに立っているのですから」

【真っ赤になった頬。手を添えれば、頬骨が折れていないことを確認して】
【――――その纏い物の袖で唇の端から流れる血を拭えば、再び立ち上がるのだろう】
【銀の長剣よりも耀きを持つような、白銀の髪】
【其れを風に遊ばせながら目を細めれば、唇が詠唱を紡いで】


「賞金に興味が無いと言えば嘘になってしまいますが……其れよりも、あなたを楽しませることが私の――――――
――――“Idolum”」

【その刃は、虚空に振るわれる】
【軌跡に沿って現れたのは、3本の矢だろうか】
【雷の魔力を用いて作られた其れは刺さればダメージを負うのは勿論の事――――】
【その電撃を以て、僅かの間身体の動きを制限させる事になるのかもしれない】

【――――しかし、相手に向かって飛んでいく様は単調】
【軌道が変化する事も無く、ただ一直線に飛んでいく故に冷静に対処すれば避ける事は可能だろう】
【唯一厄介な事と言えば――――それぞれが時間差で飛来してくることか】
168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 21:45:06.45 ID:m4pxQ0klo
>>158

うげっ――!こりゃあまた結構なお手前だな……!

("砕く"、ではなく"斬る"方に特化した使い手か!)
(下手に間合いに入りゃあ"防御ごと"持って行かれちまうな……!)

【グーは、喬嬋が防壁を真っ二つに両断した光景を認識し】
【体毛の下でたらりと冷や汗を垂らす】
【破壊力任せに砕くのであれば、まだ対処の方法はある】
【しかして防御ごと"斬り裂く"という神業が相手となれば話は違う】

【間合いの内であの技を使われれば、恐らく避ける以外に手段はない】
【グーは頭の中で警戒の段階を一つ引き上げた】

悪ぃが俺は見ての通りの爺なモンでなぁ!
あんまり身体使っちまうと腰にキチまうんだわなこれが!

――つうわけでよ、精々掻き回させて貰うぜ喬嬋の嬢ちゃん!


               ――《苍蝇[ツアンイン]》―― 


【グーは杖の螺旋飾りをシャラン……と鳴らしながら地面を突く】
【紡ぐは遠き異国の言霊。大地の意思は信徒たる虎人の声に応え現象を発現した】

【《苍蝇[ツアンイン]》。ハエの意を持つ言霊】
【グーの目の前の地面が"炸裂"し、"多量の石礫"が喬嬋へと襲いかかる】
【一撃一撃の威力は低いが、散弾のように放たれるそれは命中率と攪乱を重視した術法】
【狙いは多少なりともダメージを与えることと】

(……強引に"突破しながら"向かってくるなら思惑通りだがな)
(そう、上手くはいきゃあしねぇかね)

【攪乱、攻撃動作を乱すことを目的としていた】
【払いながら距離を詰めようとするならば、多くの場合石礫に"対処する"アクションが必要となる】
【その微かな隙が生じる状況が、グーの一番狙うモノであった】

【両者は踏み込み二足程の間合いであろうか】
【――断ち切る剣士と、大地の術師の戦いは、未だ始まったばかりであった】
169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 21:49:44.26 ID:PItjwX1B0
>>165

うにゃ!

【レイニーから振り下ろされたナイフ、ベアコは避ける間もなく肩を切り裂かれた】
【両肩から血が噴き出て、そのまま地面へと倒れこむ―はずだった】

うーにゃっん!!

【地面に倒れる瞬間、両腕を地面へと向け力強く地面を掴み、そのまま両足を地面から蹴り上げた】
【ベアコの下半身は宙へと上がり、逆立ちの状態になるが―そのまま止まらず】

うーーなーーー!!!

【レイニーに向けて両足を使ったかかと落としを仕掛けた】
【だが不安定な体勢、例えうまく当たったとしても地面には綺麗に着地することはできない】
【きっと尻餅をつくような体勢で地面に落ちることになる】
170 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2013/02/23(土) 21:51:08.26 ID:gGAfrQlqo
【路地裏】

【この場所は、この時間からが本番なのだろうか】
【やはり、まだまだ人は多い】

「や、やめ!」

【響き渡る男の叫び声】
【途中で遮られ、最後までは届かない】
【遮った音は、何か堅いものが砕け散る音】

お兄さんが悪いんだよ
せっかく、いっぱい遊んであげようと思ったのに
お兄さんがすぐに手を出そうとするから……

【一瞬静かになったそこに響き渡る、小さな声】
【追加で響く声は 「てめえ!よくも兄貴を!」「ぶっ殺してやる!」 なんてもの】
【いかにもチンピラらしい内容、言った本人達もチンピラらしく特攻服】

……君たちも一緒に遊びたいの?

【チンピラ達の中心に少女が一人】
【紅いロングコートを羽織り、中に黒いシャツを着ている】
【下は濃赤のミニスカートをはいて、さらにその下はサイハイソックス】
【そして、黒いストレートヘアーに灰色のカチューシャ】
【カチューシャには紅い花が付けてある】
【だが、一番目立つのはそれらではなく右手に持っている長杖だろう】
【杖の長さは180cmほど、少女の身長は140cmほどだから目立つ長さだ】
【杖は全体が黒く、だが時々紅の斑点がある】

【外側からは少女の身長が低いのもあり、チンピラが壁になって見えづらいかもしれない】
【ぱっと見ただけではむしろ少女の方が危険に見えるが】
171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 21:51:17.63 ID:q8hR5Mys0
>>164

……男が、ひとり、足りないでしょう……。

……――あっ、そう、

【――褪めた目。視線を上げることすら疲れたように、すいと落ちて、少女の胸の辺りで留まるのだろうか】
【それにしたって、軽い冗談を返すぐらいには余裕があるようで――今すぐぶっ倒れます、なんて、最悪さではないらしい】
【回りくどい自己紹介には、鈍い思考回路で考えた結果、しばしの間が開いて――返すこと。少しだけ、素っ気無い】
【そして、自分の名は名乗るつもりがないらしい。そっと口を噤んだなら、鳴く動物に視線をやって、】

飼っちゃえばいいのに。そうでないなら、殺しちゃえば?
誰も気にしないでしょ、……ああ、ちがう、ちがうの、

【ペットじゃない、ついてくる、その二つの単語。興味を示したよう、そっと右手を伸ばしてみて】
【触れるわけじゃない。ただ、気が向いた、と。見せる仕草は、動物好きそうなそれなのに】
【口を突いて出るのは、まるで真逆めいたそれ。――数秒置いたなら、自分ですら驚いたように、首を振るのだろう】
【伸ばした手を引っ込めたなら。後悔するよう、頭痛を堪えるよう、頭を抱えて】

……、……病気じゃないし、病院でどうかしたなんて、聞いたこともない
哲学者の卵って、しらない? ……ああ、知らないならいいよ

【軽い自己嫌悪だって、カノッサ謹製の兵器を“ふたつ”貰った今、思ったよりも苦しくて、】
【苦虫を噛み潰したような表情しばし。やっと再びエルディのほうへと視線を戻したなら、紡ぐ声はさっきよりも重たい】
【薄ぺらの身体を冷たい壁に寄りかからせて、ちいさく吐息。固有名詞を出して尋ねるのだから、“そう”なのだろうか】

……鈴音(りんね)。

【――尋ねられたなら、やっとこ名乗り返した】
172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/23(土) 21:54:21.40 ID:8HP/Zr5so
>>163

……あら、あまりないですよ、わたくしのかかと落としを「味わえる」ことなんて……ね――


【「堪能しておくとよいですよ」などと、おどけたような台詞を付け加えながらも、足を収める】
【だが表情は張り付いたような無表情で、戦いに挑む態度も真摯そのもの】

【言葉・行動・視線・表情――すべては、勝利を手繰り寄せるための手段に過ぎない】
【ウェル子は、そういう人間だ】


…………あまり、物理防御に向いてはいないのですが――――


【そして、フリッツが急激に接近しながら次なる攻撃を繰り出すのを見れば、】


…………ハッ…………!


【右手を突き出し、更にその掌へ刹那的に展開されるのは、「黒羽根の円盤」】
【あの金属のような「黒い羽根」の塊で作られた直径1メートル弱程度の「円盤」は、盾の役割を果たし、ウェル子を護らんとする】

【――が、威力は殺せても、衝撃まではそうはいかない】
【勢いを付けたフリッツの一撃に、ウェル子の右腕には痺れるような痛みが走る】
【されど、押し負けそうになりつつも今はまだ踏ん張り、いわば鍔迫り合いのような状態だ】
【それでもフリッツが振り払おうとすれば、盾を展開する手を弾くことも可能そうに見えるが――】


……次で、行きますよ


【――そんな中、ポツリと告げられたのは、まさしく攻撃予告】
【左手には、右手と同じ「黒羽根の円盤」が構成されていて、ぎちぎちと、金属の擦れるような嫌な音を奏でていた】

【……「嘘」か、「真」か】
【誘惑の攻撃予告の裏で、ウェル子は、ただ、爪を研ぐ】
173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/23(土) 21:56:09.90 ID:P1TsudIro
>>162

【ひゅる、と傍を通り抜け曲刀を押し返す動きは本来の希望の方向と反対】
【木製のサンダルはつま先で石の上を回転し、相手の避けた先へとすぐに向き直るも、右手だけがわずかに遅れる】
【相手がこちらの背後で止まっていれば、すぐに反撃をしていたら。回避は危うかったかもしれない】

ソう来なくッちャ、オ互い務まらないヨな

【刃に返すは刃、笑みに返すは笑み】
【そこに負の存在せぬ“戦い”に対する感情は純粋な愉しさか、緊張は保ちつつも自然と口角が緩く動いた】
【曲刀をひらめかせ宙を切る様に振るうと、僅かばかり水が揺らいだ気がした】

《尾》(ザイル)、飛ベ!

【近距離、フェイントに対してギリギリの距離で曲刀を打ち上げる】
【しかしながら右手の短刀にぶつかったのは刃に非ず、細く形を成して伸びた水の残滓】
【まるで絡め取る様にワンテンポ遅れて切っ先を吊り上げ、その動きに合わせるように左の膝が動く】
【足の甲を守るように外側にのみ他と同じ木製の当てがついたサンダルが、同じく相手の左手の短刀を打ち上げんとする】
【ただしこちらは打ち上げる質量も大きい、おそらくは相手の顎を巻き込むのが狙いか】

【打ち上げた曲刀は上空で捻り、手首の腹を外側にして相手の肩に襲い掛かる】
【時間軸は先になるが、蹴りが伸び切ると長身を屈めるように、曲刀は体勢ごと低く落ちるだろう】
【ヒット&アウェイの形になるのを防ぐためか、短刀に絡みつかんとする水は物理的に断ち切るか勢いよく引っ張らないと離れないかもしれない】
174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/23(土) 21:58:01.62 ID:iFecvurHo
>>144


  (――鋼片は先程のように変形させる事が出来るようですが、常時展開が能力では無さそうですね…)
  (もし“そうであるならば”、残りを捨てて、もしくは残りごと鋼片を“再生成”して、私の攻撃に備える為に防壁の為に設置した筈――)

【――――走行中の思考。】
【先程少女の後方に放った槍、そこからの背後へ“不意打ち”の可能性を考慮しつつ、少女は彼女の出方を待った。】

  …ええ、アイリスさん。

  ――――涼、“瞳の下に断じましょう”――――ッ!!

【笑みと同時に口上、“此方を見ない”相手の瞳を見据える。】


【ギィン――――!】

【“鋼片”を抜ける経路を探し――――少女の身体、それの唯一の障害となる鋼片を的確に弾き――――“損ねた”。】
【―――― 一つの“鋼片”は少女の腕の横を抜けて、少女が纏う魔法衣を切り裂いた。】
【だが、恐らく“切り傷”程度だろう。“衣類”であっても少女の物は立派な“装甲”。この程度で障害にはならない。】

【――――鋼片による散弾を少女は“抜けた”。】
【だが、少女が先程立ち止まり掛けたことで、彼女は既に先程の“槍の鋼片”を装備している。】

  (後何度使えるかは分かりませんが、ここで“踏み込む価値” はあるッ!)

【再びの接近。果たして“彼女”は再び同じ攻撃を繰り出すだろうか――――?】

【だが、先程と一つ違った事は、接近する前に少女が地面を“鋭い音と共に蹴った事”。】


【――――少女が、“飛び跳ねた”事だ。】


【――――“必然的に”。】
【少女の足元を視る彼女の視線は、恐らく斜め上を向く事になるだろう。】

【だが、見上げる際に“少女の足元”だけを見る事は果たして適うだろうか。それを“警戒”したのならば、少女の位置を確認する事は適わないだろう。】
【そして、空中に居る彼女の身体を見ただけで彼女の次の動きを見切る事が出来るだろうか――?】

【――――重力に引かれて急降下。彼女の真正面への着地――少女の武器の射程距離へ着地するだろう。】
【彼女が少女の動きを見る事が出来たならば、恐らくそこに攻撃を加える事は容易い。】
【しかし、一瞬でも彼女が“隙を作る”事があれば、恐らく少女の接近を許してしまう事となる――――】


【次なる動きは、彼女と“距離があれば”、その場で立ち止まり相手の出方を伺う。“距離が無ければ”、狙いを定めての高速の突きが、彼女に向かって繰り出される事だろう――!】
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/23(土) 22:01:18.89 ID:5PpP9oJ8o
>>166

【掛かった=\――アンジェル第二の笑みはその成功を見たことによる】

【蜘蛛の糸が彼を絡めとる。そこに隙ができる。糸を彼が焼き払う。そこに隙ができる――】
【仮に追い打ちを掛けられても糸が有り、糸が払われても自分が在り。二段構えの作戦だ】
【アンジェル個人には魔術に対する有効な遠距離攻撃や、男の膂力に対向する術は無い】

【ならば――として撃った策なのだが、それに対する反撃は意外や意外、雨≠ナあり】

(根競べ……何?いま、雨を触った手から力が抜けたような―――ッ!!)
(成程そういうわけね!そりゃ確かに、体力で言ったらアナタのほうがあるでしょうけど―――)

―――お忘れかしら、私が召喚したのは何も彼ら/コバルトブルータランチュラ≠セけじゃないのよ!
そして、私の能力は単純な召喚には収まらないッ!来なさい――ッッ!

【バサッ≠ニいう羽撃きの音はレグルスの背後からだった。そう、足を砕かれた大鷲だ】
【必死にもがいて、折れかけた翼をはためかせ。雨に打たれてほぼ墜落するように、その捕食者はアンジェルの元へと戻り】
【そこで一度、また強い光が生まれた。後に居るのは、白い外套を翼として同化≠オた少女の姿】

【この少女の能力は、使役下の生物を鎧のように身に纏えるという特性がある、ということか】
【そして、最早翼は折れて翔べこそしないものの――ひゅう≠ニ吹く風は、明らかに彼女の周囲を回るようにしていて】

彼ら≠ヘ地下に潜らせる……私はオオワシから手に入れた風≠ナ雨を凌ぐ……!
根競べをするのは結構だけど、土砂降りでもない限り乗ってあげないわ。ソソらないものねッ――!

【――つまり、オオワシと同化することで風の能力を手に入れたということか。流石に微弱だが、普通の雨であれば凌げると】

【更に、蒼い蜘蛛はどちらも地中へ潜ってしまう。無論まったく雨を浴びないわけではないが、尚もそこに居るのは確かであり】
【現状維持≠ニいうような展開ではあったが―――歯を食いしばるレグルスに比べて、アンジェルはどこか余裕を見せていた。】
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/02/23(土) 22:06:47.89 ID:/wtwRYmb0
>>160


触手ね――――!


【前方に踏み出す隻脚。それで地を蹴り、】
 ・・・・・・・・・・・・
【後方へ自身を動かしながら、腰の刀を居合い抜く。】

【地を蹴り腕を振ることで剣は素早さを増す。】
【走りながらの剣撃は得てして腕の力だけになりやすい。】
【上記のようにすることで力強い剣撃を放てる。】


【しなるように襲いかかる触手を切断し――――。】

【流れるように――――。】

【振り抜いた刃を鞘に戻しながら――。】

【後方へ動く体、再度もう一方の隻脚で後方の地を蹴り前方へ駆ける。】


【ほんの一瞬の出来事だった。】
【相手の切断された触手が弧を描くように相手のほうへ戻っていくのを、】
【その後を追うように――――。】


【今度は先程よりも疾く相手へと接近を試みる。】


【だが――――、相手の触手の特性上、彼の刃の切れ味はいささか落ちることになる。】



177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/23(土) 22:06:58.45 ID:g3t/sSkeo
>>172
【慣性の乗った身体を、右手の着弾と同時に地面に下ろし、競り合う】
【互いの肉と骨が軋む音さえ聞こえてきそうな距離】

……挑発ですか? ……予告ですか?
どちらにせよ……。

【右手の蛇を押し込むように力を込めながら――】
【するん、と左手の蛇が縮んで、彼の元の左手へと戻る】

……阻止する以外の選択肢は、ありません、ね!

【左手の蛇が消失すると同時、大腿部を怪我をしているはずの右足が、持ち上げられる】
【破れたスーツの合間から覗いていた血を浮かせる肌が、黒い鱗に覆われて】

【彼の履く黒い革靴が、内側からの圧力に耐えられず破砕】
【右足袖から飛び出した蛇が、ウェル子が新たに出現させた『円盤』を支える左腕へと、真下から突進する!】
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 22:08:27.96 ID:5Z+P9l8IO
>>167

【まず第一撃目は成功、しかしタイミングの問題で相手の長剣を破壊する事は叶わず】

――あらら、思いっきり斬った方が良かった?

【何とも呑気な発言、人によっては舐めているように聞こえるかもしれない】

【吹っ飛ばされた相手に追撃するため走るが、途中で足が止まる。相手が能力を行使したからだ】

……へーぇ、じゃあ全力で楽しまなきゃ!

【走る方向を変える。女性から見て左手の方角】
【女性を中心として円を描くように、いわゆるサテライト軌道】

【一発目は少女の遥か後方、二発目は少女の足元に着弾】
【三発目は少女を捉えていたが】

――そぉれっ!

【思いっきり飛び込み、でんぐり返しをするように回避】

【そのまま女性の背後に回り込み、女性の腰の辺りを狙い右手のフランベルジュで横一文字に切り裂く!】

【しかし一瞬で回り込んだ訳ではない。十分対象する余裕はある】
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/23(土) 22:09:30.65 ID:g8dfS1zIo
>>170

【声を上げる男達、今にも飛び掛らんとするその勢い】
【宵月が揺れた、そこから零れる月光の形すらも知らされずに】
【零れ落ちるその光の後先も、誰も知らない】

【人通りの少ない路地裏で、響く声を聞く者もおらず】
【きっと――――その光景を見ているのは】
【月の下、ただひたすらに足音を響かせる、使途しかいないのだろう】


――――Holy Wars

The Punishment Due=\―――


【風が吹くだろう、それもただ冷たい夜の風の一片】
【吹き終えたなら、そこに残るのは感傷にも似た冷たい風】
【月光が歪んだ、その先に浮かぶ、新たな月を求めて】

【チンピラ達がそのままであれば、光の線が一本走り、彼らの首が全て、一刀の元に落とされるだろう】
【成功したなら、首を失ったからだは、力を失い、そのまま倒れこむだろう】
【その後方に立っている、男の姿を、映し出して】

【長い長い銀髪に、大柄な身体を包み込む黒の神父服】
【銀のロザリオを首にかけ、白のナローマフラーをなびかせている】
【そして顔の左半分を覆う白を基調としたピエロの半仮面】

【――――右手に握った、巨大な十字架でチンピラの首を、切り落とそうとした】
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/23(土) 22:17:08.92 ID:iYtKeEoO0
>>175

(……長引くのは不味い。短期決戦で行くぜ……!)

【雨は、平等に降り注ぐ。無論、自分にも――――】
【この勝負、余力のあるうちに仕掛けなければ、もう勝機は遠ざかってしまう。レグルスは今一度、手の中の棍を握り締めて】

――――――――チッ、特性を取りだして自分に使わせる事も出来るのかよ……!

【しかし、相手の凌ぎ方は予想を超えていた】
【こうもしっかりした形で、雨をほぼシャットされてしまうとは思わなかったのだ】

――――乗って来ないんじゃ仕方ねぇ!! さっさと終わらせるぜ!!

【今のままでは、消耗のペースは明らかにこちらの方が上である】
【それでは、フィールド全体に雨を降らせている意味が無い――――潰えた作戦には早々に見切りをつけ、『余力のあるうちに』の行動方針に立ち返る】

――――オー(土)・サン(拡散)・イム(怒り)・ザン(レベル3)……『メテオストーム』!!

【となれば、とにかく攻勢を崩さない事だ。レグルスは術を発動させる。奇しくも、格闘よりも術を主体にした戦い方に、いつの間にかなっているが――――閑話休題】
【術を発動させるや否や、そばの地面が抉れ、巨大な岩塊が3つ、宙へと浮かびあがる】
【そしてそれが突如砕け、いくつもの礫を形成して出鱈目に降り注ぐ】
【――――岩の塊による無差別爆撃。単純防御のしようもない、ごり押しの手に出たのである】

(さぁ、今度はどう出やがる…………それ次第でぶち込むぜ……最後の最後のとっておき……!)

【少なくとも相手に隙を作るはず――――レグルスは、そこに賭けた】
【もう、魔力も多くは残っていない。この次の攻勢辺りで決めなければ、敗北が現実味を帯びてくる】
【身体に脱力感を感じる中、その見極めは外さない――――と、レグルスの目が更に爛々と輝きを増して――――】

【残存魔力 7/17】
【ヒートアディッション 時間切れ】
【デスレイン効果時間 残り1レス】
181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 22:17:35.58 ID:5Tz014yKo
>>173

…………なっ、クソっ!

【不慮、意識の外からのその攻撃に舌を鳴らす】
【水はナウファル自身の能力と見るべきか……いずれにせよこの状況は拙い】
【右手は囮であるから良い、問題は左】

―――――――ちい!

【咄嗟に右手の短刀を粒子に戻す、絡まる水とてその対象がなければ凌げる筈】
【膝を曲げた前傾の低い姿勢のままで自由になった右手を用い地面を渾身の力で押す】
【無論地面は動かず自分が逆に押されるのだがそれが狙いだ】

【右肩を支点に込められた力は背骨を中心に回転させつつ左へとズラす、回る景色の中でナウファルの足が僅かに肩に掠り……】
【やがて地面へと身体が落ちる頃に今度は左手で地面を押し反作用を得ながら脚力も用いて後方へ跳躍、ナウファルから離れ攻撃を避け】
【その僅かな間に粒子と変えた短刀を2本のナイフへと変えナウファルの左腿へと投げつける】

(……ヤバイヤバイっ、相手にも能力ぐらいあるわなそりゃ)
(既のところ、マジに紙一重だぞ……)

【体勢を立て直した頃に思い出したように吹き出す汗】
【能力に蹴り、そしてあの曲刀……どれをとっても恐ろしい相手だと再認識させられた】


なんだ随分おかしな能力使うじゃねーか……
言葉遣いも変だなーとは思ってたけど、アンタ一体どこの出身だよ?

【左の短刀を順手に構えつつ浮かんだ疑問を投げつける】
【ナウファルという人物そのルーツ、戦闘の間にやはりどこか気になっていたらしく】
【一方で自分の心身を落ち着ける為の少し卑怯な時間の取り方であったがナウファルとてそれは同じく作用するだろう】
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/23(土) 22:20:30.54 ID:Q781BEsUo
>>171
ああ、探してこなければいけないかな。お金持ちのボンボンをさ。

【ジョークにノリ良く返すのが流儀なのか、至極楽しそうで】

『ぐぎゃ…?』

こういうのを殺めるというのはなんだか出来ない、というかやりたくないね。
とっても骨が折れるだろう、小さくてもドラゴンらしいですし。

ああ、別に殺そうなんざ考えてないよ。だからそんな目で見るな。

【ドラゴンとやらは、手を近付けられると、首を少し傾げる。その後の言葉には意味を理解して、少し体を強張らせたが】
【そんな様子のドラゴンに、エルディは微笑みを浮かべながら優しく声をかけた】

―――はぁ……成程哲学者の卵ね、合点いった。今の発言もね。
全く機関の奴らもシュミが悪い……ここらの壁にスプレーアートしてる巨匠たちとなんら変わんないね。
貴女もそう思わないですかね、子供たちとまあ大して相違無し。

(―――うわぁビンゴっちまった。コイツは面倒だなぁ……しゃーないかな、治せはしない。
 けどま、手を貸すことは出来るでしょうねぇ……条件次第だけど)

【とりあえずはその状態を察してか、和ませるように機関の悪態をつく――減らず口が役に立てばいいが】
【一方で、思考の海、哲学者の卵という存在の「効能」を思い出していた】

【突如、エルディがゆっくりと近づいていく。何か思いついたように、鈴音の二歩ほど前でしゃがみこんで】

鈴音……うん、いい名前。じゃあ鈴音ちゃん、ここで質問したいことがもう一個出来たんだ。
僕は多分、貴女を治すことは出来ない。―――その代わりに、だ。気分を誤魔化すようなおまじないは出来るかもしれない。
その代わり時間制限が数時間、ってところかな。今だけはその苦しみから逃げれる、その後は……じわじわ感覚が戻る感じ。

まあ要するに聞きたいのはその『おまじない』を受けるかどうかってこと。嫌なら断ってね。
ああ、薬だとか催眠術とかじゃない、とっても安全なものだからその辺りは安心してくれていいよ。

さぁ、鈴音ちゃん―――……貴女はどうしたい?

【鈴音の前で一本、右手の人差指を立てると、彼女はそう言った提案をした】
【患者の任意しない治療はしない――医者と似たスタンスで、落ち着いた物腰のまま言葉を連ねる】

【方法というのは実際、至極簡単で――能力を使う、というもの】
183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/23(土) 22:20:38.63 ID:qZzAvqw/o
>>176

「良い感じだぜェェ、触手が真っ二つ!」 「……速い!」

「――ヘケケケ、隠す必要なんて全然ねェから言うぜ、俺の能力は"棘"と"気合"だ」
「どっちも一言で言えるんだけどよォ〜、……今みたいに、色々出来るんだぜェェエエーーッ」

【棘の触手は刀で切断されれば――弧を描き自分の方に戻るそれも、地面に残されたものも、どちらも】
【それらを構成している無数の棘は――まるで崩されたジェンガの様にばらばらになり、そして消滅した】

【さて、彼は見た目通りの"近距離パワーファイター"だ】
【もし、相手が距離を取るタイプならば自ら近づくか、もしくは遠距離を嫌がらせて近づけるか――等をしていたのだろうが】
【今日、彼が相手にするのは"刀を持つ"者――故に無理に近づく必要が生まれず、こちらとしても"好都合"だった】

『ヘケメト――相手は"刀"を持っています、リーチだけを見ればあなたが不利でしょうが、逆に"懐に潜り込め"ば有利になるかもしれません』
『ただ、見たところ"脇差"もあるようですので……そうは言い切れませんが』
「ヘケケケ、どっちにしろ"近距離"は俺の得意分野だ、刀も脇差も関係ねェー、"どっちが来ても"殴ってやるからなァーッ!」

 「――行くぜッ!」

【観客席から発せられる声、それは相手にはけっして聞こえないが――ヘケメトには、しっかりと聞こえている】
【彼の右腕に、彼の髪の色と同じ深緑色の棘――所々に赤や白の混じるそれが纏われると】

『ヘケメト――跳躍による回避も考慮してくださいね』 「ヘケケケ、……つまりこォーすれば良いんだろォー?」


「ニィィイイーードォォウウウ……アァァアアーーム……アッパァァアアーーーッ!!」

【接近する相手に合わせて繰り出すのは、右腕による前方へのアッパーカット――ただし、棘の纏われたそれだが】
【狙いは相手の胸部から頭部にかけてだ】 【それは、勢い良く振るわるッ!】

【威力はかね彼の見た目通りであり、そして纏われている棘は――その先端は拳の軌道と同一で】
【大根おろし器よりも目が粗いそれは、拳に"抉る"効果や"刺す"効果を与えている】

『……もう少し、小振りの方が後々良いのでは……もう遅いですが』

【大ぶりのアッパーだ、故にその隙は大きく――かわせばチャンスが見えてくるはず】
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2013/02/23(土) 22:22:25.92 ID:XS4ngmze0
「うーん、この街もダメかなぁ……」

【人込みの中、途方に暮れている少女が一人……】
【旅装の装いで白のコートを羽織っているが、中には民族衣装風の胴着を着こんでいる。】
【肌はよく日に焼けていて、小柄ではあるものの、格闘技者として女性にしては筋力がついている事が分かる】

「やはり、誰も知らないのかしら。私の故郷だったという国――「炎の国」。
 それとも……本当は、初めから存在しなかったのかしら……」

【少女は、この街の繁華街の中心で何やら聞きこみをしている】
【だが、思ったような情報は得られていない】
【彼女は自分のルーツだったという国と、その国の王であった父を探して旅をしているのだ】

【交差点付近に併設してあるベンチに、少女は一人腰を落とす】
【路銀も、もう残り少ない】
【旅を続けるには、どこかでお金を稼ぐ必要もありそうだ】
【ぐぅ、とお腹が減るが――】

「……むむむ、我慢、我慢……」

【田舎で、亡国の姫として育てられた彼女にとって、街で仕事をしながら暮らす自信は、あまりない】
【少しだけ憂鬱な顔を浮かべて、空腹がまぎれるのを待っている】
185 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 22:22:32.19 ID:M/ETw4Av0
>>178
「ええ、私の身体を赤く染められようとも厭いません
――――何よりも、その様な事を行う為に儲けられた場らしいですから……」

【狙いが当たるかと思ったその刹那――――】
【追撃を行おうとしていた意思を止め、今度は防ぐことに徹しようとするだろうか】
【冷たい色の瞳が細められれば、長剣の柄に両手が添えられて】
【その斬撃を防ごうと、刃の腹を以て振り払う――――!!】


「なッ……?!」

【然れど経験の差の表れか、その目論見が叶うことは無く】
【――――咄嗟に身を退けば、脇腹に赤く深い線が一筋走って】
【苦痛に歪む顔。漏れた吐息は苦しげではあるけれど】
【――――“ScullCrusher”の紡ぎ】
【長剣が纏うのは、紫電とは又異なった別な異能か】

【咄嗟に反撃の如く振るわれた其れではあるが】
【当たれば、外見から見るに肉体的ダメージは無いであろう】
【しかし――――斬り付けられた部位。その骨部位は、まるで砕かれた様な痛みを味わう事になるだろうか】
【勿論、本当に砕かれる訳では無い故に動かそうと思えば動かすことは出来るが――――精神に直接作用するようなその異能】
【果たして――――?】
186 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/23(土) 22:22:52.43 ID:qZzAvqw/o
>>183
/〜その先端は拳の軌道と同一で】だけだとわかりにくいので
/〜その先端が向いている方向は拳の軌道と同一で】に差し替えます
187 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/23(土) 22:23:32.62 ID:8HP/Zr5so
>>177

…………あ、そうそう…………

【――――ガキィンッ――――!!】


【フリッツにとってそれは「予想通り」だったか、「想定外」だったか】
【ウェル子が左手に展開した円盤は、右手と同じく「盾」として真下からの蛇を受け止めた】


…………「行く」とは申しましたが…………


【――フリッツを見つめる双眸が、僅かに細められて】


――「左手」で行くとは、申しておりませんよ


【なんとウェル子は、右脚で、フリッツの腹部へ、思い切り前蹴りを放つ】
【両腕を防御に回しつつも、まだ使える部位は、そう、脚だ】

【鍛えた武闘家などには到底及ぶべくもないキックだが、相手を怯ませる程度には十分か――?】
188 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/23(土) 22:25:05.85 ID:xck/q1Ero
【水の国スタジアムーーー大会観客席】

…うわー、やっべーわマジやべーわ、あいつら目がマジだわ、死人出るんじゃね?

【熱狂する観客席の中にいながら、やけに落ち着いたーーーというより、無気力そうな呟きが、応援に飲まれた】
【もぐもぐとポップコーンを食べながら、試合を眺める少女が一人、テンションの差が異常なまでに低く座っていた】

あー、共倒れとかスタジアム爆発とか起きないかなー
強い死体が増えるし、いいと思わないか?死霊術師

【深い隈のある生気のない目、長い前髪が鼻の上で交差する長い黒髪、死人のような白い肌】
【女学生然と言ったセーラー服に、袖の余ったカーディガンを着て、ボロボロの長い黒いマフラーを巻いた少女】
【ーーー大会参加者、死屍 累=[ーーであった】

「…この場でそういう発言は控えた方がいいよ、塁」
「もし管理者に聞かれていたら、失格にされてしまう」

【そして、その背後に現れた異質な存在ーーー】
【鮮血のように赤い長髪、赤い目、青褪めた肌色】
【貴族的な礼服に身を包んだ上に、闇の帳そのものの様な黒いマントを身につけた、なんか半透明の男】
【明らかに霊体であるーーーそんな男がいても余り気にされていないのは、大会の熱狂ぶり故か】
189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(静岡県) [sagesaga]:2013/02/23(土) 22:27:04.49 ID:82rTXavZ0
>>184
お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ(とりっく・おあ・とりーと)!
【魔女の帽子と服を身に付け】
【カボチャのおめんをつけた幼女が話しかけてきた】
【いわゆるハロウィンのコスチュームである】
【しかも手には大きな飴の付いたステッキ】
【背中には巨大なバスケットを背負っている】
190 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/23(土) 22:32:56.95 ID:gGAfrQlqo
>>179
【まだ動かない体】
【その後、首が飛んだ】
【……まだ、なんて言葉はもう遅く 既に、と置き換わる】

聖戦……?
お遊びにまで宗教を持ち込むの?
……宗教家の考えることは分からないよ

【新たに現れた男の言葉を聴いて、少女が疑問を漏らす】
【まだ棒立ちのままだ、男がこの少女も敵と見なすなら大きな隙となる】

【壁となっていたチンピラがみな倒れ、新たに見えた追加の一つ】
【スーツ姿の倒れた男の姿だ】
【見た目には口から泡を吐いている以外おかしいところはない】
【だが、見慣れていれば分かるかもしれない】
【倒れている男の骨はもう既に粉々で、背骨は既に跡形もない】
【それに命が残っている様には、まず見えない】
191 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/23(土) 22:34:11.68 ID:g3t/sSkeo
>>187
な……?

【真正面から蛇の攻撃を受けている最中、真下から迫る攻撃を、なんなく捌く】
【そこにあるのは予測に裏打ちされた自信か、あるいは常軌を逸した視野の広さか】

【あっさりと受け止められた右足に、狼狽するような声を上げて、こちらを見上げているウェル子に視線を戻せば】
【冷笑のようなものを浮かべる彼女と――視線が合う】

っく!?

【ウェル子が蹴り上げた脚は、何者にも阻まれることなく、その衝撃をフリッツの腹腔に伝える】
【鍛えられた筋肉は、この一撃で破損するほど柔なものではないが――片足で立っているフリッツの体幹を揺らがせる】

【咄嗟に右足の蛇を元に戻し、数歩ほどたたらを踏むようにして後退する】

まだです……!

【辛うじてウェル子の近くに残った、右手の蛇】
【足掻くように、搾り出されたフリッツの声に応じ、その大顎が最大限に開かれて】

【ウェル子の右手を盾ごと飲み込み、噛み付こうとしてくる】
192 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2013/02/23(土) 22:34:30.82 ID:XS4ngmze0
>>189

「ん……お、お菓子?」

【往来の真中で、突然異様な風体の幼女に話しかけられた】
【見れば、巨大なバスケットを背負い、カボチャの面をしている】

「あの……お菓子っていうか、その、持っていないのだけれど……
 え、なんなの?」

【田舎暮らしが長いこの少女は、ハロウィンの風習を知らなかったようだ】
【周囲の人間は、この幼女の恰好をスルーしている】
【とりたてて珍しくない光景なのか、あるいは、関わり合いを持ちたくないだけなのか――】

「……おうちの人は、近くにいるのかしら。
 私、お菓子とか持ってないから、その――」

【少女は、幼女がなにかお遊戯かおふざけのつもりで絡んできたのだろうと錯覚する】
【少女は、自分より年上の人間ばかり関わって来たせいもあり、
 年下の扱いが苦手だ。どう話しかけていいか、わからないようだ……】
193 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/23(土) 22:35:29.20 ID:5PpP9oJ8o
>>180

【水の雨に引き続いての岩の雨、といったところだろうか。これは非常に厄介だった】
【相手の魔術に対して能力で答える、つまり1:1であればアンジェルに優勢なのだ】
【が、しかし――それが2:1ならば話は別。既に少女は能力を3つ並行させて発動している】

【故に、なんとか風を強めて急所こそ外させようとするも――石礫は容赦なく、少女へと降り注いだ】
【額を撃ち、腕を撃ち、腹部を撃って。やがて凶悪な一撃が終了すると、彼女はバタリと倒れ込んだのである】


(――――大丈夫、まだ。まだ気絶してない……!身体もっ、痛むけど動く――!)
(でも、ここからどうする?新しいバッジを使うにしても、相手の手は変幻自在……)
(なら……なら現状で使えるものを、上手く使うほかないわよねッ―――『コバルト―――』)


【ボゴっ≠ニいう、石畳を吹き飛ばす音と共に、レグルスの左斜め後ろに位置する蜘蛛が地中より飛び出した】
【そしてそのまま、麻痺毒を持つ牙をむき出しにしながら彼へと襲い掛かる――もっとも、これはオオワシ同様に対処が容易だ】

【この隙に、もう一匹の蜘蛛がアンジェルに向かって℃を吐いた。それは倒れた少女を絡めとり】
【蜘蛛の居る場所――否、その腹部へ乗せるように引っ張って、結果的に少女はその身を巨大な蜘蛛の上へと躍らせる】
【風の力で糸を切り落とし、更にそこからは跳躍だ。蜘蛛が飛ぶのに任せて、少女は高々と空へ昇った】

【――おそらく、此処から何か大きなものを仕掛けてくる。なぜならその手にはバッジがあったからである】
【もっとも雨に混じって滴る赤は少女の血。石礫のダメージは安くなく、余裕のある一撃でも無いと見え――警戒を怠るのは、先ず宜しくない。】
194 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/23(土) 22:36:34.32 ID:zXXCsIhw0
>>174

(当たった―――でも、効果は薄い。ある程度の防御力は備えてるみたいね)


【飛ばした鋼片を潜り抜けて迫ってくる涼を分析する。幸い最初に槍として射出した鋼片は、ばらけた状態ですでに手元に戻ってきている】
【再び散弾のようにばら撒き、涼のこれ以上の接近を阻むつもりだったが―――どうするべきか。彼女は思索を巡らせる】


(彼女をろくに視認できないこの状況でばら撒いても、大したダメージは与えられない。でも、広範囲に飛ばさないとそもそも当てられない!)

ならばいっそのこと―――〈可変鋼片〉解除。エニグマ、次の能力を用意しなさい!

「了解だァ、ケケケケケ」


【そう叫び、彼女は背後に吊っていた獲物を抜く。武道会のルールに則ったつもりなのか刃が潰されているそれは、刃渡り70cm程の刃物】
【ククリナイフという、大きく湾曲した刀身と、内側に付いている刃が特徴的なナイフだ。先端が重いことを利用して、遠心力で水牛の首すら落とすと言われている】
【そう、「重い」のだ。十六歳かそこらの少女が振るには、全身のバネを利用しなければならない】


(でも、この場合―――この重さが利点になる。「身のこなしが軽い」ってことは、攻撃を「受け止める」よりも「回避する」ことに重きを置いてるってこと。
つまり、力に力で対抗するのは苦手なはず!リングの外に弾き飛ばしてやるわッ)


【また、エニグマの返事と同時に、鉄色に変化していた髪が、瞳が、炎が、元の色―――といっても、てらてら輝く気味の悪い虹色だが―――に戻ってゆく】
【出現していた鋼片も、出て来た時と同じように消えて行った】
【そして新たな能力を発動しようと試みるアイリス。だが―――涼が跳んだことに釣られて彼女は「上」を見てしまう】


(しまった……ッ)


【そして、紅と虹の視線が交錯する】
【一瞬とはいえ、アイリスの身体が硬直してしまう】
【それと同時に涼が着地、好機と見たのだろう再び接近してくる。そして放たれる細剣の突き】


―――ッ!!

「チッ、この間抜けがァ」

うっさい……!


【辛うじて回避したアイリスだが、攻撃はその脇腹を掠めたようで、彼女は思わず顔を顰める。】
【しかし、涼の急接近により彼我の距離はゼロ。涼が攻撃の後に少しでも動きを止めれば、強烈なククリナイフの一撃が彼女を襲うだろう】
【反対に、連続で攻撃してくるならば、アイリスはそれを避けようと後ろに下がるはずだ】
【涼が距離を離そうと試みるならば、それを止める事も出来ないと思われる】
195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 22:40:21.32 ID:q8hR5Mys0
>>182

……うそだよ、ころさないで

【落ちた自然。俯くのは、まるで頭の重さにすら耐えられないと言うかのよう】
【垂れた前髪越し、身体を強張らせたドラゴンを見て――呟く声量のそれは、言い訳めいた】
【先ほどに過ぎった撫でたい、なんて欲求は飲み下して我慢する。……なんというか、もう、だめなきがして、】

“二個目”だよ、……もういやだ
なんでだろう、ただ幸せに生きたいだけなのに

【立てた膝に頭を預けて、細い指。立てて示すのは、言葉どおりの数】
【視線は地を這って、石ころ、ごみ、注射器、空き缶、ごみ――順番に、なぞったなら】

クスリにでも手出せば楽かなぁ、ふふふ、

【浮かべるのは曖昧な笑みの形――すぐに真顔になるぐらいには、冗談だけれど】
【また腕を伸ばす。今度は、エルディにも、ドラゴンにも向けずに】
【向かう先に転がるのは空っぽで罅割れた注射器――だけど、手は届かずに、ぽて、地に落ちる】

…………――おまじない?

……いやだ。いらない。また苦しむなら、そんなの、いらない

【近くに寄られたって、反応は最低限。畳んだ足を余計に身体に押し付けて、ゆっくりと見上げる、だけ】
【たくさんの間を開けて、瞬きひとつ。(どこか期待めいた色を示したけれど)】
【制限時間のこと――聞いたなら、首を振って拒絶を返すのだろう】

もういや。苦しいのも怖いのも全部いや
どうしてなの、普通に生きたいだけなのに――……。

【そうしたなら、顔を伏せて――ぼそぼそと洩らす声は、ひどく聞き取りづらいけれど。きっと、どこまでも本音の色】
196 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/23(土) 22:40:27.61 ID:g8dfS1zIo
>>190

【――――空気の色が変わる、路地裏の淀んだ空気ですら逃げだすほどに】
【その男の存在一つで、全てひっくり返ってしまったかのよう、それほどまでに圧倒的な存在感】
【巨大な体躯は月光をその身に梳かして、白銀の長髪を宵闇の色に染める】

【一つ踏み出せば地面ですらも小さく感じれるほどに、身に纏う神父服が震える】
【ピエロの仮面が笑ったなら、笑顔の片鱗すらないもう一方の瞳が貴女を見つめる】
【口元には最早表情すらなく、紡ぐ言葉も、ただ感情の無い真っ白な言葉】

【十字架に刻まれる、まだ生温かい鮮血の色】
【白銀を濡らす、その音律ですら、その身には十分すぎるほど残っていて】
【2m近い彼の身長と同じ大きさの十字架を、そっと地面に、たてかけるように】


……お言葉を返すようですが、私は宗教家≠ナはございません
私が信じるのは私の神、私が奉げるのは私自身の信仰でございます
衆生への言葉も、教えも――――私にはございません

ただ在るのは、衆生を救うという手段だけ
その首を切り落とし、そして、あるべきところへと返すのです

――――ソレが私、カノッサ機関処刑人<_ンテ=シュタインベルグ


【耳元に流れる髪の毛を、そっと左手でかき上げた】
【風が悲鳴を上げるよう、一陣駆け抜けた夜風が、吹雪のように滴り落ちて】
【胸元のロザリオに溶けた月光の、その片鱗すらも気づかれないように】

【首筋を一つ鳴らした、鳴り響く音律は、まるでスイッチを押したかのよう】
【その瞳に淡い色が混じった、他者に対して向ける殺意の色】
【そこには最早、言葉も意志もなく、ただひたすらに、その首を落とすことしか考えていなくて】


私にとって死人は、既に救われた者、それならばその身体は最早、ただの抜け殻にすぎません
意志も思想も心も無く、ただ在るだけの者が、私の前に立ちますか――――

神への冒涜は、命一つでは足りませんよ


【命を既に落としたであろう死体が彼の前に立つ、それは彼に対する侮辱】
【声のトーンも視線も表情も変わらない、ただひたすらに左手を伸ばして】
【そこに刻まれた筋肉の筋が、彼の怒りを示していた】

【泡を気になどせず、2m近い長身が、まるで見下ろすようにその死体の顔面をわしづかみにしようとする】
【成功したなら、そのまま力をこめ、そのまま頭蓋骨ごと、握りつぶそうとするだろう】
【――――そして可能ならば、そのまま死体を、目の前の少女へと叩きつけようと投げつける】
197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/23(土) 22:43:11.69 ID:P1TsudIro
>>181

【相手の思惑通り、行き場を無くした水の《尾》はただ垂れ下がるのみとなる】
【自動で元の水の刃の形に戻る気配は無い、恐らく性質や形態の変化はその都度対応する必要があるのだろう】
【持ち得る武器が変化するのは相手だけではないものの、そのバリエーションは相手に比べ非常に乏しい】

【振り上げた脚は空を切り振り下ろした曲刀は石畳の間の隙間に割ち入り】
【膝をついて動きの止まった左上腿に狙いを済ましたように、数センチ肉をこそいで短刀が横切る】
【神経には至らずではあるものの、闘い続けるハンディキャップとしては十分以上の成果であるか】
【遠目にも、どろりと噴き出す血液が相手に手ごたえを示すだろう】

俺? 砂の国だヨ、砂海ト大河を越エテ田舎の方ではあるケレド
ま、チョット探しものがテら外の世界にサ

【明確なダメージに表情を歪めながらも、質問には答える――律儀だ】
【わずかばかり左足を引きずりながら飛び上がる様に立ちあがり、数度小さく跳ねて具合を確かめて】
【ようやくと言わんばかりに、鞭のような水が曲刀の周囲に舞い戻った】

あんまりチョコマカ動かれると、連続して攻撃するのが難しいなッ!

【今度はこちらから、とばかりに、跳ねる方向を真上から前方に変えて一気に駆けだす】
【長身の割に体勢は低く深く、頭の位置は相手の胸元より下ほど】
【相手の左肩から脇腹へと向けて振り下ろされる曲刀は、その軌道の途中で手首を固め】
【一番下の肋骨辺りを狙うように、切り払いの終わりと共に突き出される】

【右腕がお互いの身体の間に入る形、恐らく突きのストロークは短く】
【何らかの手段で連続攻撃の流れを止めねば、畳み掛けるように次手次手が押し寄せるかもしれない】
198 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(静岡県) [sagesaga]:2013/02/23(土) 22:43:52.51 ID:82rTXavZ0
>>192
そっか、お菓子持ってないんだ。くれないんだ…
【幼女は残念そうなポーズと表情をする】
じゃ、私がお菓子をあげるね、お姉ちゃん!
【そう言うと、幼女はどこからともなく取り出したお菓子を差し出す】
【ガム――それも昔ながらの球状のタイプである】
199 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 22:46:26.91 ID:LHL4yG6so
>>168

ハハッ――面白い事を言ってくれる爺さんだねぇ……その言葉……期待しちゃって良いって訳だね――――
(厄介だねぇ……爺さんがの手の内が読めないんじゃぁ……不用意に突っ込むのも危険って感じだ……どうするか……ぁ……… ――!?)

【その会話も一つの興とでも言うべきだろうか、男に向かい笑い飛ばしながらも告げた言葉であったが、胸中は焦り―】
【遠距離戦での対処の構想でも浮かべているのだろう――しかしそんな余裕も与えてくれる訳は無く】

【2の撃、絶え間なく紡がれた術式にその偃月刀を正面へと構えるも、視界に入れたのは――】


――まずっ……!!

【大量の石礫――、薙ぐにしてもその量を全て撃ち落とすのは難しい―、しかし今のこの距離を保たせてる方が――危険であるか】
【様々な思考が巡る中女の取った行動――それは――】

チィ――仕方が無いねぇ……行くよッ!!

超弩級の風≠見せてやろうじゃないか――ッ!!


【   前進=@ その偃月刀を後方へと下げ、その石に向かい駆けて行くのだ】
【そしてそれと同時に起こるは異変=@その偃月刀を眺めれば見て取れる―――― 風=z

【その刀に集まる風が旋律≠サの場に散らばる、石の粉を舞い散らせ、取り込む様はまるで台風の様であり】
【その形状は、女が走れば、その歩を進めればさらに勢いを増すもので―――】


グッ………面倒くせぇッ……全部まとめて………吹っ飛びなァ―――!!!!!!!!



【駆ける中幾らかの石はその身に打ち付けられる、躰に感じる衝撃がその表情を歪ませる――】
【確実なダメ―ジの蓄積――だが近づかなければ話にならない――故に――彼女はその歯を食いしばり】

【打ち付ける石礫の中、そ場で偃月刀を振りぬいた―――】

【―――何が起こる、その旋風は石礫を巻き込み、渦の一部とかし、それが貴方の方へと振りぬかれれば幾つかの石礫が石の粉塵にまじり襲い来る】
【量としてはそれ程多いものではない、貴方が炸裂させ飛ばした石礫の半分程だろうか、それが貴方に向かい、風の勢いと共に弾き出す――】

【狙いはきっと、正確ではない、その石礫浴びる中で放たれたものであるから、それが正確に男の方へと向かっていく確証ががないのだ】

【だが、その石の幕は消え去った――故に女は貴方に接近しようと大地を駆ける――天に掲げた偃月刀―それを両手に――】
200 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/23(土) 22:47:10.51 ID:iYtKeEoO0
>>193

(……お、よし……! 意外とこの手が効いてやがる……!)

【流石に、動き回る余裕はなかったのかと考えながら、レグルスは被弾していくアンジェルを見やる】
【下手に動けば、術者の自分まで被弾してしまうから、今すぐ飛びかかったりは出来ないものの】
【それが済むと、地面に倒れ込んでしまう姿を見て、微かに安堵の息が漏れた】

…………いや、まだだな…………!

【しかし――――レグルスはそこで、一時前の思考に立ち返る事ができた】
【即ち――――相手は『召喚』を使える。まだその対象者が側にいるはずだ、と】
【アンジェルが気絶しているか、傍目からは分からないが、それでも戦闘体が側にいる限り、まだ勝負は決していない】

――――――――ッ、そこだッ!!

【そうして神経を研ぎ澄ましていたレグルスの耳に、地面を抉る音が聞こえたのは必然とも言えるだろう】
【持っていた棍を、牙を振るう口へと突き出し、頭部を粉砕せんとする】
【それが叶わなくても、少なくとも牙を打ちこまれる心配はないだろう】

…………ッ、なに!?

【そうして、蜘蛛を倒したかどうかは確認せず、後ろへと下がったレグルスは、そこで宙へと飛び出したアンジェルの姿に気づく】
【目に入った『デスレイン』の雫で、視界がぼやけるも、見失う事はしてはならないと視線を外さず】
【更なる土の術を打ち込もうとしていた――――『とっておき』の1つだった――――自分を抑え込み、待ちに徹する】
【何を仕掛けてくるのか。それが分からなければ、この場面での最適な一撃は叩きこめないだろうと】
【予定が狂った事もあり、レグルスは追撃に至れなかったのだ】

【残存魔力 7/17】
【デスレイン 時間切れ】
201 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/02/23(土) 22:47:38.98 ID:/wtwRYmb0
>>183


気合いが武器とは面白いやつだ。
・・・・・・・・・・・・・
勝負どこで一歩踏み込む勇気! ってんなら、

俺も似たような武器をもってんぜ。


【迫り来る対手の刺を纏う腕。】
【大振りのそれに合わせるように――――。】

【まず、左の腰にある無銘の刀を右手で握る。】
【その右腕に被せるように、左手で左の腰にある脇差しを逆手に握る。】

【先に脇差しを抜刀。アッパーカットの拳に刃を当て、力を若干でも弱めながら、】
【左腕の真下にある、刀を握る右手で抜刀しつつ、手の甲を左手の前腕の下部を滑らすようにして、】
 ・・・・・
【刀の柄の先で、相手の拳の側面を叩き、アッパーの矛先をずらそうとする。】


【成功すれば、右手首をくいと動かし、刃で相手の腕を真横から斬り込もうとするだろう。】



202 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 22:49:24.83 ID:5Z+P9l8IO
>>185

【反撃は確かに当たった、肉を裂いた感覚が伝わった】
【しかし、カウンターとなった攻撃を受け止める暇はなく】

――っぁ!?

【腹部を横一文字に切り裂かれる。傷にはなっていないが、まるで肋骨を砕かれたような痛みが全身を襲う】

【数歩後ずさり、膝をつく。剣を突きたてそれに縋り付く】

――何、これ。
ぜ、全然、痛くも痒くも、ない、よ……

【何とか立ち上がり強がるが、息があがり、涙が数滴零れ、口の端から涎が垂れている】
【傷がないことから一種の能力だということは分かった。痛くない、痛い筈がないと自分に言い聞かせ、袖で涙や涎を拭う】
【それでも痛みを完全に消し去る事はできなかった】

――えぇい……っ!

【石畳を蹴り、走る。方向はもちろん対戦相手の女性】
【頭上で剣を交差させ、バツ印を描くように振り下ろす!】

【しかし速さは先程より遅い、十分に対処できるだろう】
203 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2013/02/23(土) 22:51:11.69 ID:XS4ngmze0
>>198

「や、くれないというか、持ってないっていうか……」

【少女は困惑する。】
【周囲にはかの幼女の保護者らしき人物は見当たらない】

「こういう時、どうしたらいいのかしら。
 "自警団"に言えばいいのか――」

【そう思案していると、幼女は突然お菓子を差し出す】

「……」

【差し出されたそれは、昔ながらのガムだ】
【だが――】

「残念だけど、受け取れないわ。
 ――人から施しを受けない主義なの。」

【やや目をキリッと吊りあげつつ、強い調子でガムを拒否する少女】
【彼女は、自身が王族であるという誇りがある】
【たとえそれが、まやかしかも知れなくても……】

「あなたにも、お父様とお母様がいるのでしょう?
 こんな風に知らない人に話しかけてはいけないわ。
 ――街は、恐ろしい所だもの」

【都会の恐ろしさを、身を持って体験している少女である】
【少女は諭すように、カボチャ姿の幼女にいい放つ】
204 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/23(土) 22:54:19.67 ID:8HP/Zr5so
>>191

【――内心、余裕をかましていられないのも事実だ】
【左腕は、既に痛手を負っている】
【ゆえに、そんな腕で負荷のかかる防御を再度行った今、「腕を上げる」のも辛い状態で――】


――――しかたありませんね…………


【左腕をかばうため、遂にウェル子は、フリッツの後退に合わせ、大きくバックステップを踏んだ】
【ウェル子は、苦痛で眉間に軽く皺を寄せている】
【ポーカーフェイスであるからこそ、この程度の反応だが、普通ならばもっと大袈裟に痛がっても良いだろう】


…………文字通り、「食い合う」ことにしましょうか…………


【――――ウェル子は、右腕をも、捨てた】
【ウェル子と、フリッツの瞳には、蛇にバックリと噛みつかれた、ウェル子の右腕が、映り込むことだろう】


……ッ……痛い…………です、ねえ…………


【一筋の脂汗が、ウェル子の頬を伝う】
【無論、彼女とて一介の人間――暖かい血の通う、生身の生物だ】
【きっと、蛇の口からは、赤い液体が、こぼれ落ちてくるだろう】

【また、右手に展開してあった円盤は、瓦解】
【蛇の口腔内でただの黒羽根に離散し、その後は溶けるように消えていった】



【――――では、左手の円盤は…………】



【……なんと、左手の円盤は、ウェル子の右腕が犠牲になるのとほぼ同時に、手を離れ、宙へと躍り出ていた】

【チェーンソーが回転するような甲高い金属音を纏い、円盤は、ウェル子の頭上で緩慢に浮遊し、回転していた】


【そして、数秒の時を刻めば、円盤の回転は一層激しくなり、そのままウェル子の腕を飲み込んでいる蛇の中央あたりへ、突撃してくるだろう】
【高速回転する、「あの羽根の塊」――と考えれば、その切れ味は推して知るべしか】

【特に誘導性はなく「真っ直ぐ」にしか進めない円盤だが、最大の問題点は、「蛇が腕をくわえている」ことだろう】
【――噛み付きを解除しない限り、回避する方法はほとんどないはず――ウェル子はそう企み、実行に移した】

【絶望的な捨て身――果たしてこの思考は、功を奏すか否か――……】
205 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 22:59:53.42 ID:5Tz014yKo
>>197

――――――――?

【砂、であるのに用いる能力は水】
【それがどこかちぐはぐに思えてエルフェスは首を傾げていた】
【他人が思いを巡らせるには遠い、それだけの経験がナウファルにはあるのだろう】

【しかしそれならばこちらも負けてはいられまい】

――――あんまり力が強い方じゃないんでね!
ちょこまか動いて手数を増やさないと勝てないのさっ!

【「来る!」声には出さずに構える、瞳を鋭く心を細く】
【自分を切り裂こうと迫る切っ先に意識を寄せ相手と呼吸を合一し身体を操る】

(――――――……そこ!)

【右足を軽くしかし靭やかに踏み出す】
【それと同時に左半身を寄せて半身の形に身体を動かす】
【風を斬る音と衣服を削ぐ音、僅かに攻撃を貰ったか血が溢れるが致命的な物ではない】

…………貰うっ!

【ならばもう一歩踏み出せる】
【右膝を曲げて前傾に加えて腕を折りたたみ右肘を付き出し】
【その先をナウファルの左鎖骨へと打ち込む】

【エルフェスの体重は軽いがそれを一点につまり肘に集中させてしまえば十分な攻撃となる】
【狙いは鎖骨の破壊、人体の内で折れやすい部類のそれを狙っての専心は果たして届くか……】
206 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/23(土) 23:02:21.25 ID:iFecvurHo
>>194



  (――――〈可変鋼片〉…?それが先程の能力の名称でしょうか)
  (ただどちらにせよ、この状態で“鋼”を使って来ない事は確かであると考えても良いでしょう――――ッ!)

【――相手の言葉に対して耳を傾けるのは、少女が主に“魔術師”に対して取る戦法の一つ。】
【詠唱の一片を捉える事によってその術の正体を予測し、対策を取ったり妨害を加えたりするというものだ。】
【情報収集を行いながらも少女が歩みを止める事は無い――少女は、止まる事は致命的であると捉えている。】


  (“ここ”――――――ッ!)

  ――――行きますッ!!


【――相手に一撃を加えてから、少女が取る戦法は接近。接近に次ぐ接近だ。】

【細剣という特性を生かした鋭い突きの連続。敢えて一撃一撃に込める力を少なくし、その代わりに“連撃”という部分に重点を置いている。】
【相手の剣先を見据える事が適えば、一撃一撃を回避、または防御する事は容易い。だが、アイリスが後ろに“下がり続ける”ならば、少女は追い詰めるように“前に進み続ける”だろう。】


【――走った事で少し疲労しているものの、行動に支障が出るレベルでは無い。また、少女が受けている傷は浅い。】
【もし彼女がこの時点で“手加減”をしているのならば、恐らくそれは誤りであろう。少女は初手の時点で自らの能力を明かし、その上でこの場で使える全てを行使しているのだから。】

【余りある機動力と、細剣と瞳による攻撃。彼女は果たしてこれにどう立ち向かうか――――!】
207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(静岡県) [sagesaga]:2013/02/23(土) 23:02:34.85 ID:82rTXavZ0
>>203
…………うう
【幼女の目に涙が浮かぶ】
そっか、そうだよね。私みたいな怪しい奴から物なんて受け取れないよね…
わた、し、お父さんも、お母さんも、いなくなっちゃって…
だか、ら、お姉ちゃんに、遊んでほしかった、だけなのに…
【幼女は涙をぽろぽろと流し、泣き出してしまう】
【周囲の人々がこちらを若干ちらちら気にするようになった】
208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/23(土) 23:02:57.72 ID:Q781BEsUo
>>195
【「うん、そうするよ」―――鈴音の苦しそうな声にほんの少し情が移ったのか】
【心の中でちょっとだけ、こいつを飼おうか悩んでいる自分が居ることに、エルディは気付いた】
【二個目の「卵」――その苦しみ、エルディというヤワな人間には到底、理解できない苦痛なのだろう】

―――……そうか、わかったよ。その方がいいのかもしれない。
けどクスリは……やめておきなさい、今は。

『ぐるるるるる……』

【ドラゴンはぽつんと、その場で鈴音を見つめるだろう。心なしか、心配そうに】
【立ちあがるとエルディは優しく、ドラゴンの頭を撫でることとした】

【断る予感はしていた、というより、自分だって断る。制限時間なんて聞いたら特に】

(とはいえ、哲学者の卵か……他に大したことは出来ないしな。能力は制限時間があるし。
 だとしたらホント、おまじないか何かに頼るか……?プラシーボ効果なんて、この状況で当てになるのか知らないけど)

苦しい怖い……そうだね、僕もそれらは嫌だ。
僕じゃあ、その問いに応えることはとても、出来ないけれど。無力で、ごめんね。

……じゃあ、好きなものはあるかい?食べ物、曲やお金、何だっていいから思い浮かべて。
それを想いながら寝るなりなんなりすれば、気分はちょっとでも、楽になってくれると思う。

【苦しみを忘れるなら寝るに限る。夢に逃げるに限る。そういった素人じみた考えであった】
【せめてもの救いとして、おまじない染みたことも添えて】
209 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 23:03:32.56 ID:M/ETw4Av0
>>202

【脇腹には止める事の出来ない痛み。体幹に近いからこそ、無視する事が出来ず――――】
【相手が少しの間を空けてくれたことに心の内で吐息を漏らし】
【どちらにせよ、斬られてしまえば余り長く動くことは出来ない――――ならば、次の一撃で勝敗を分かつ】
【勝てなくても、得る物はあったのだから其れで良い――――そんな考えを抱けば、脇腹に掌を当て、対戦相手へと向き直り】


「その割には……涙を流していますが……
言葉では嘘を吐くことが出来ても、身体では誤魔化せませんからね……ッ!」

【無傷の状態であれば、止めるなり避けるなりが出来たのかもしれない――――】
【然れど、今の状況では迎え撃つことが精一杯で】
【右手に集うのは、半分以上の魔力を費やした紫電】
【――――顔に、頭に当てることが出来るならば、意識を奪うことも出来るであろう電圧で】


「この先の結果も全て、神にお任せ致しましょう――――
負けても悔いはありません。あなたが、少しでも楽しんで下さったならば――――!!」

【その刃の間を縫って、触れようとするのだろうか】
【少女の刃が先に到達するのか、或いはこの女の紫電が触れるのが先か】
【しかし、リーチの差は一目瞭然でもあって――――】
【何よりも経験の差。避けようと思えば、避ける事が出来るし、或いは咄嗟に別な攻撃へと変える事も可能だろう】
【果たしてこのし合いの結果は――――】
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/23(土) 23:04:06.12 ID:5PpP9oJ8o
>>200

【強力な棍の一撃は、蜘蛛の牙を食い止めるよりも奥――その頭部をぐしゃりと潰す】
【これでタランチュラの一角は消えた。とすれば、注目するのはただ一箇所のみであろう】
【上空へと飛んだアンジェルの行方―――先ず最初に、空中から投網のごとく、蜘蛛の糸が降ってきた】

【回避しなければ、というのは言うまでもないか。やがて、タランチュラ自身が落ちてきた】
【注意点はこれに気を取られるか否か。なにせ、アンジェルはレグルスの頭上≠ゥら来るのだから】


【ゾウカブト≠ニいう種類が在る。カブトムシの中でも一際重く、特にエレファスゾウカブトというのは一等だ】

【アンジェルが身に纏った鎧は、その性質をフルに引き出したものだった】
【金属のように煌めく茶色は外骨格の鎧であり、その重量たるや一歩進むだけで石畳が悲鳴を上げるほど】
【そう、防御に全てをかけたのだ。相手が魔術師とすれば限界は在る――ならば耐えるまで、というわけか】
【妖刀ばかりは元のままであったが、その切れ味は刃の煌めきが物語っており】

【――型として取るなら兜割≠ゥ。上空から、そんな恐るべき重量を伴って少女は落ちてきた】
【相手を殺してはならないから、真っ直ぐに落ちる刃の狙いは男の右肩である】

【加えて、攻撃の成否を問わず少女は落下する訳だが―――その際にも、石畳が小さな破片となって砕け散り】
【それは―コバルトブルータランチュラを含めて―全方位へと、細かくも恐ろしい攻撃≠ニして振りかかるだろう】
【この鎧を纏った少女は、的といえば的である。しかし、生半可な攻撃では決して貫けない――金城鉄壁=z


【―――ちなみに、そんな特殊な生き物を何故この少女が、とも思えるが。理由は単純、彼女の唯一の趣味は蒐集≠セったのだ。】
211 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/23(土) 23:05:26.55 ID:qZzAvqw/o
>>201

「ヘケケケ、―― 一歩踏み込むのも大事だが、ただの気合じゃあねェーぜ、俺の気合はなッ!」

『ああ、そうです――跳躍以外の回避手段も考慮したほうが良いかと、後は攻撃後の隙はなるべく控えて……』
「もう遅ェーぜアウゥゥーーッ!」 「くゥゥッ!」

【振りぬかれる拳、それは――脇差の刃に捉えられていた】
【バキリと音を立ててて折れる棘、滲む血――しかし大振りだったそれは勢いが衰えず、否――止められず】
【刀の柄が拳の側面を捉えれば、ずらされた拳は虚空を斬り裂く】

「グゥゥウウオオオオーーーッ!」 「気ィ合だァァアアーーッ!」

【そして振るわれる刀、拳を振るった自身の右腕を斬り裂かんとするそれ】
【彼は右腕へ気合を籠めると――"気合"の帯びたそれで、刃を受ける!】
【"棘"は斬られ、バキバキと音を立てて地へ落ちそして消えて――――】

【――彼の気合の能力は精神的なモノだけではなく――実際に効果をなす、いわば"気"の様なモノなのだ】
【無論、棘と気合で斬撃を全て防ぎきる……なんて事は出来ない、ダメージは"確実に"受けている――!】
【彼のその右腕からは鮮血が流れ出していて、地面に彩りを与える】 【纏われていた棘は地へ落ち消えて】


「――ヘケケケ、中々良い攻撃だったぜ――だが、これくらいでぶっ倒れちゃァ……つまんねェーだろォー?」

【刀で一度斬られた位では衰えることのない闘争心、それはむしろ更に強く燃え上がる】
【しかし、己の肉体を武器にする近距離タイプの彼には、結構な痛手となるはずだ――】

「例え右腕が斬り落とされたとしてもよォォ〜〜、――左腕がある!」
「――ヘケケケ、だいぶざっくりいっちまったが……まだ無理すれば右腕も使えるしな」

【斬られた腕、その断面から見えるのは筋肉の繊維――太く、強靭なそれ】
【彼自身の筋肉もまた、ちょっとした鎧のようなモノなのである】
【先ほどの攻撃によって右腕による攻撃の威力は結構下がったのだが――まだ、"武器"は残っているッ!】


「――喰らえェッ!」

【右脚を強く踏みしめ、振るうは左脚――】
【棘こそ生えていないものの、自分から見て左から右に薙がれるそれはいわゆるローキックであり】
【相手の"脚"を狙っていて、それでバランスを崩させて隙を作ろうという魂胆だ】

【もしローキックがかわされれば、彼は自分から見て左方向へサイドステップをするだろう】
【逆に当たればステップはとらず、次の攻撃の体勢に入りつつ、防御体制も取るはずだ】

/すみません、予定通り今日は落ちます、おやすみなさい!
/明日以降の大体7時15分過ぎ頃になれば顔を出せると思いますので、その時間帯に適当に呼びかけていただければ出てくると思います
212 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [saga]:2013/02/23(土) 23:07:16.54 ID:GsgdSWQAO
【大通り――今しがた行われている催し物のお陰か、いつも以上に熱気に溢れていた】
【そこから路地に入って、すぐの場所。通りの喧騒から、さほど離れていないところ】
【表が騒がしければ、裏だって賑わいを見せる。今日とて、その例外ではない】

「――ひっ、……ひいぃぃっ! た、たす、助け……っ!!」

【情けない悲鳴を上げるのは、真っ赤なハンチング帽を被るサラリーマン然とした男だ】
【後退りしながら、尻餅をつきながら、それでも必死に何かから逃げようとしている】
【手足をばたつかせて、怯える男が涙の向こうに見るものとは――】

…………“名乗れ”。
それからだ。“助けてやる”のはな。

【五指を鉄爪で覆い、腰に小さな革袋を携えた、般若の能面の黒装束】
【背の中央には大きく、“カノッサの逆五芒星”が金糸で刺繍されている】
【語り掛ける声色はボイスチェンジャーを通してのものか、不自然に高い】

【じりじりと距離を詰めながら、黒装束は無慈悲な鉄の切っ先を男へ向ける】
【黒装束の爪先が迫る、男の口から悲鳴が上がる、路地裏に短く響き渡る】
【或いは、第三者がその声に、気配に、感付くことも有り得るだろう】
213 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 23:08:37.71 ID:m4pxQ0klo
>>199

風使い……だとぉ……!?

(こいつは、やべぇな……!)

【グーのプランは、石礫による攪乱から"近接攻撃"を与える流れ】
【しかしそのプランは、石礫を"打ち返す"という対処により不可能となる】
【如何にグーが頑強な獣人とはいえ、無視できるような攻撃ではない】

【多少のダメージは与えたとはいえ、とても優位と言える程のものではなく】
【逆に相手が接近する状況が出来上がることとなってしまった】

ちぃ……っ!この程度でよぉ……!

【術は使わない。恐らく、喬嬋が間合いに入り斬撃を繰り出すまでに二度行使する暇はない】
【石に向かう動きと、更に風で打ち返した後の踏み込み】
【それは両者の距離を埋めるには十分すぎるほどであったからだ】

【幾つかの石礫がグーの身体を抉り、毛皮を切り裂き血が滲む】
【だがグーはその場から不動。歯を噛み締め痛みに耐え】
【ただ一言、杖を伝い大地に魔翌力を込めながら言霊を紡いだ】


              ――《蜈蚣[ウゴン]》――
                  

【紡がれるは遠き異国の言葉】
【《蜈蚣[ウゴン]》……ムカデの意を持つ言霊であった】
【グーの目の前の地面が、前方に向かいアーチを描くようにして勢いよく隆起し】
【横幅1.5m程度であろう石の地面は、喬嬋に向かい叩きつけるようにして襲いかかった】

【だが、隆起という攻撃は何度も見せており】
【これだけ間合いが詰められていれば発生する場所や、反撃のタイミングも読みやすい】
【また、《蜈蚣[ウゴン]》はその軌道や形状から】
【攻撃翌力や命中率にはそれなりに長けているが、反面縦幅が薄く強度は大したことがない】
【ある程度の威力を持つ攻撃ならば、叩き壊すことも可能であろう】

(どうしたもんかね、こりゃあ……!)

【これを突破されれば、グーは確実に喬嬋の攻撃を受けることとなる】
【風使いという想定外によってズレたプランは、想像以上の窮地となってグーを襲っていた】
214 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2013/02/23(土) 23:12:23.58 ID:XS4ngmze0
>>207

「……」

【突然涙する幼女】
【周囲の人々が集まりだし、少しずつ輪になっていくが……】

「馬鹿者っ! 
 父、母がないことごときで、泣くんじゃあないッ!」

【少女は不意に凛とした声で、幼女を叱りつける】

「いい?
 あなたも街で暮らす住人なら、学ぶことよ。
 怪しい人間と、関わり合いになってはいけない、と。
 もしこの私が幼女を攫う誘拐犯だったら、どうするつもり?
 ……知らなかったら学びなさい、今、この場で。
 知らない人間に、不用意に近づいて気ならぬ、と!」

【場違いなほどの大喝に、周囲の人間もどよめいているようだ】
【なにもあんな幼女に……という小さな声が聞こえる】

「それに、父母がいないと嘆く暇があったなら、
 泣くよりも先に強くなりなさいッ!
 父母がいない事は、決してマイナスではないわ。
 心の中に、あなたの父母はいる。
 ならばその心の中の父母に恥じぬよう――強くなるのよ!
 私は乳母に、そう教わったわ」

【ぐっ、と、手に力を込める】
【心の炎が、手に宿る。これが少女が努力の末扱えるようになった能力――】
【炎を身体に宿らせる能力――『ハートヒートナックルス』だ】

「私の名は、マリィ・バーンゲート。
 父母は生まれながら、いない。顔も知らない。
 それでも私は、そのことで泣いた事は一度もないッ
 ……あなたも、強くありなさい。」

【マリィはそう告げると、手の炎をかき消し、輪になっている人込みをかき分け、この場を去ろうとする……】
【だがその背中は隙だらけで――とても幼女が、強力な能力者である事に気がついてはいない……】
215 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/23(土) 23:13:02.92 ID:P1TsudIro
>>205
/ひょっとすると自分の見落としor読解力不足かもなのですが、一応
/突きに関して避けたのか、とすると大体曲刀がどの位置に来るか教えていただけるとありがたいです……
/返すのに小さな御脳がパンクしてしまった
216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 23:15:14.70 ID:5Z+P9l8IO
>>209

【刃を振り上げ、振り下ろそうとしたその瞬間】

(――これは! 危ない!!)

【女性の右手に雷が集まって行き、それを差し出される】
【まともに受ければ気絶は免れないだろう、これを受ける訳にはいかない】

【――ならば】

――うん。痛かったけど、楽しかった、よっ!

【がくん、と膝が折れる。力尽きたわけではない。体制を低くすることが目的だ】
【女性の右手は空を掴むだろう。そして少女の刃は女性の腹部を捉えるだろう】
217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/23(土) 23:16:23.15 ID:g3t/sSkeo
>>204
捕まえました、よ……!

【打たれた腹部から失われた酸素を求めるように、ぜいぜいと喘ぎながら、フリッツはそれでも喜色を浮かべた】
【打てば払われ、かわされ。魔術師をその掌中に捉えた、そう思ったのだろう】

【喰らい突いた蛇をそのままに、蛇を縮ませようとする】
【捕獲した獲物を、引き寄せる。常道の手段とも言える――】

……! しまっ……!?

【――が、その視界の端に映る、黒い丸鋸】
【それが彼我の中央を繋ぐ右の蛇めがけて落下してくるのを見て、失策を悟る】

――ッ!

【ゴムが弾けるような独特の音と、フリッツの苦鳴を反響させ、蛇の身体が千切れ飛ぶ】
【フリッツと繋がっている部分が縮んでいくと、ズタズタに引き裂かれ、おびただしい裂傷を刻まれたフリッツの右手が現われる】

【ウェル子の右手に残った頭部とでも呼ぶべき部分は、まるで腐食するように徐々に溶け出し、黒い液状へと変化していく】

……っぐぅ、コイツを、殺されるのは……久しぶりです……!

【痛みに呼吸を引きつらせ、それでもフリッツは笑う】

ですが、まだ……そこに残っていますよ!

【動かなくなったのか、血を滴らせる右手をだらんと垂らしたまま、彼が叫べば】

【ウェル子の右手に残った液状化した蛇の残骸から】
【まるで草むらから飛び出すように――ウェル子の額に向けて、黒い蛇が突進する!】

【硬度も、速度も、フリッツの右腕と繋がっていた時とは比較にならないほど、遅く、脆いが――】
【絶命間際の一撃、届くだろうか】

【命中の成否に関わらず、その蛇は、攻撃を終えれば、液状化がさらに進行、無害なモノへと転じるだろう】
218 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 23:16:23.89 ID:5Tz014yKo
>>215
/すいませんすいません描写不足です!
/左肩から脇腹への振り下ろしを避けたつもりでございます!なので曲刀は多分エルフェスの腰のあたりにあるのではないでしょうか!
/なにか問題があるようでしたら書き直しますので!
219 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 23:17:39.95 ID:q8hR5Mys0
>>208

……だって。全部、分からなくなるんでしょう
だったら、そのほうがいいなって、……思うことも、だめなの?

……――じゃあ、どうすればいいの、もういやなの、なにもかも

【おまじないを断った理由。それは制限時間の有無で】
【クスリだって。単体ではすぐに切れてしまうけれど――重ねたなら、きっと、いつまでも】
【それが露骨に破滅へ誘う道だって。この苦しみが終わるならば、手を伸ばしてしまう――のだろうか】
【地面に落ちた手が表面を撫でて。ぐ、と握ったなら、爪がかりとちいさく鳴いた】

【「ごめんね」と投げる声は、誰に向けてなのだろう――】

……“前もね”。前も、いっぱいいっぱい、寝たの。お薬まで、飲んで
でも、楽しい夢が終わったら、起きるのは現世(ここ)なんだよ

苦しいのも、辛いのも、怖いのも、全然消えないまま、そこにあるの

【――前、とは。“一つ目”の時のこと、だろうか?】
【ふらとあげた視線がエルディへと向いて、曖昧に笑ったなら、そっと首を傾げる】
【唇を緩く噛んで。また、視線が落ちたなら――】

…………――だっこ。してほしいの だめかな

【ちいさく紡ぐ声。そんなちいさなお願いごとは、彼女のほうを見ずに紡がれる】
【――行儀が悪いと一蹴してしまったって、いいのだろう。それに、具合が悪いのにこんなところに来るのだって、馬鹿げている】
【今までが全部罠だっていう可能性だってあって、ただ。ぎゅっと身体を縮めた姿は、迷ってしまった子どものようにも見えて】
220 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/23(土) 23:18:26.90 ID:gGAfrQlqo
>>196
そう、宗教家ではない、ね
……僕には分からない
僕は神って言う存在自体を一切信じていないから
存在を否定する気はないけど

……貴方が名乗ったのなら僕も名乗らなきゃ、ね
僕は、クラウ
クラウ=B,K

【死体は、既に動き出すことはない】
【握りつぶすことも、投げつけることも、阻むものは何もない】
【そのまま飛んでくる死体】
【まだ、少女は一歩も動かず】

"Schleimvorladung"

【落ち着いたまま、死体が飛んでくる前に早口で呟く】
【途端、死体と少女の間に半透明のスライムが現れる】
【スライムは死体を飲み込み、そして消化する】

【その後、スライムはゆっくりとダンテへと向かっていく】
【向かうだけで他に何もしてはいない】
221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/23(土) 23:21:31.35 ID:P1TsudIro
>>218
/ええとなんか言葉足らずで本当に申し訳ないですすみません細かくて……
/切り払いの後に突きに移行してるので、その辺りの描写をお聞かせ願いたく
/出来るだけ公平に戦いたいので、せっかく回避してくれた結果とこちらの不利を無駄にしたくないのです
222 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/23(土) 23:22:43.50 ID:xck/q1Ero
>>212
ーーー名前が欲しいのか?
…なら、俺の名を代わりにくれてやるよ

【逆五芒星が向く方向ーーー面に顔を隠した者の背後から、声が発せられる】
【硬いコンクリートを革靴で歩く足音が近付いて…止まるーーー不穏な動きをすればすぐに飛び掛かられる距離に】

ラッシュ・ワンスドッグーーーこれでいいか?
代理の名乗りだ、そいつを離してやってくれよ

【黒いビジネススーツ、黒い革靴、骨が散りばめられた模様のネクタイ】
【疲れた目をした、無精髭面、黒い髪を後ろに撫で付けた髪型】
【その右目には眼帯をーーー『紅い剣を咥えた黒い狼』の紋章が刻まれた黒い眼帯を掛けていて】
【剣の柄だけのような機械的な機具と、銃身の長い銃をベルトに吊り下げた男】

【ーーーラッシュ≠ニ名乗ったその男は、大会で賑わうこの国にあっても、まるで温度の違う低い声色で】
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/23(土) 23:26:01.54 ID:iYtKeEoO0
>>210

――――くっ、またかよ…………!

【ようやく効果が切れたデスレイン――――自分の身を蝕んだ悪手の切れ間から覗いたのは、強力な粘着糸】
【さりとて今回避は出来ないと、レグルスは棍で受けながら、視線をアンジェルから外さない】

……落下して真っ向来る気か!?

【そして――――レグルスはアンジェルの狙いを悟った】
【何か、その身に再び別な何かを纏っている事は分かった。それが身を守る役を果たしているのだろうとも】
【後は、落下のエネルギーを使って攻撃を放つだけで良い――――なるほど、周到かつ強力な一撃だ】
【まして、蜘蛛の糸に巻かれてしまえば、こちらは回避もできず、防御も疎かなものになる】

(なら……最後の一撃で勝負だ……!)

【ならば、出来る手段はただ1つ――――迎撃だけである】
【それも、ただの迎撃では不味い。落下の勢いを殺ぐような一撃を叩きこまなければ、いずれにせよ自分に勝ちの目は無いのだ】

…………レル(風)・ジャン(放射)・ギル(レベル4)……『ジャイアントブレス』!!

【蜘蛛の糸まみれでまともに身動きの取れない中、なんとかレグルスは左手を上空のアンジェルに向けて突き出し、最後の術を発動させた】
【巨人の息吹――――正にそう形容するのがふさわしい、強烈な風が上空へと吹き上げる】
【込めた魔力は、いままでの魔術の中で最大である。それ単体だけで相手を打ちすえ『揺さぶる』ダメージが期待できるが】
【何より、押し返す力が働く事が幸いした――――鎧の重さ次第ではあるが、少なくとも勢いの減退は出来るだろうと】
【しかし――――上と下との力比べ。不利なのは明らかに下である】
【重力に逆らう力が、重力に従う力に敵う筈も無く――――只でさえ、重厚な装甲を纏っているのだ――――5秒ほどの均衡の後、ついにアンジェルの刃がレグルスに至る】

ぐぉ……ぁ、ぐぅ……ッが……ぁぁぁ…………ごふ、ッ……!!

【ゾブ――――と、肉を切り裂く音が響く】
【石畳の炸裂こそ風の力で押しとどめたが、刃はそうもいかない。鎖骨を割り、棍を掴んでいる事も出来なくなり、ベタリと蜘蛛の糸の中に沈む】
【肩から、腕がちぎれるのでは、と思わせるほどに、その刃は深く沈んでいた】
【――――強烈な痛みが走り、その瞬間、強烈な眩暈と吐き気が同時に身体を揺さぶる】

【明らかに戦闘不能に陥った。決着を左右するのは、後はアンジェルのダメージ次第だろうか】
224 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/23(土) 23:27:02.98 ID:g8dfS1zIo
>>220

【幽鬼のよう、圧倒的な存在感を放ちながらも、ただ立ち尽くして】
【白い息が空気を染めていく、まるで靄のように、その視界を覆っていくのだろう】
【長い影が揺らめいたなら、その奥にある強い誓いさえも届かないみたいで】

【左手が眼前へと伸びている、投げつけた後のフォロースルーはしっかりと】
【太く大きな掌を鳴らした、骨と骨がぶつかりあって、関節が悲鳴を上げる音】
【強靭すぎる筋肉は、使う場所を間違えたなら、容易くその身を焼きちぎる】

【表情は一片の変化も無く、ただの一つも感動はなく】
【それが定めだと言いたげに、それが当然だと言いたげに】
【立ち尽くす姿は、神に仕える者とは言えない、ただの殺人鬼】


……私は信仰を他者に強制する気持ちはございません
ただそれは知りえる事≠ネのですから――――

同じ死ぬにしても、理解して死ぬのと、理解せずに死ぬのと、どちらが良いか
はっきりと考えるべきかと、クラウ=B,K


【暗澹とした夜に溶けるようなその身体、けれども輪郭だけははっきりと浮かんで】
【殺気を隠そうともせず、ただひたすらに垂れ流して、或いは、ぶちまける時を待つ】
【響き渡る足音の音色が、それを掴むように握り締めた】

【死体を消化するそのスライム、なるほど、そのまま向かうのは危険そうだ】
【彼が最初に首を落とした死体――――視界の片隅でそれを発見したなら】
【次の瞬間、その死体が、彼とスライムの間に出現するだろう】

【何のことは無い、ただ蹴り上げただけである、その鍛えこまれた脚を持って】
【死体がスライムへと向かうだろう、そのまま倒れこむように――――】


――――Avenged Sevenfold≠サれが私の能力です
死体の体温を7倍≠ノ引き上げました、その温度は、およそ200℃

浄化されるべき貴女方には、少々過ぎた刃です


【死体はスライムへとぶつかる瞬間に、ばらばらに砕け散る、蹴り上げた瞬間に凄まじい力が加えられたのだろう】
【200℃の熱さとなった死体は、掴むことすらできないほど、ある種炎のようなものなのであろう】
【それがバラバラになったなら、無数の小さな火の玉を、ぶつけるがごとく】

【彼の狙いは、スライムにそれを処理させること――――水ですら沸騰してしまう温度であれば、動きを止められるだろうと】
【そしてバラバラにしたことで、スライムで処理できなかった分を、貴女へとぶつけようとしている】
225 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 23:27:07.10 ID:M/ETw4Av0
>>216
【掴むのは虚空。視界の下に映るのは、対戦相手の姿で】
【――――避ける術を得ていない。ただ、掛けられた言葉にうっすらと笑みを作って】


「そうですか――――それならば、私としてもこの場を訪れてみた意味があったというものです
戦いに疎い私ではありましたが――――お相手、有り難う御座いました」

【その刃は、女性の鮮血で赤く染まる事だろう】
【切り裂いた感覚。崩れた身体は、起き上がることが無くて】
【――――今、勝敗が決まったのは明確な事】
【辺りを包むのは一際大きな歓声と、勝者を讃える声】


「えへへ……闘うのも、中々難しいものですね……
やはり書物だけの知識では、どうにもちゃんと動けないものです
また何時か――――お相手する時があれば、今よりは動けるようにしてみせますよ」

【救護係が駆けつければ、女性を担架に乗せて退場させようとするのだろうか】
【――――ちょっと待って下さい。何て声を掛ければ、少女の側まで移動して貰って】


「私では身体慣らしにもならなかったかもしれませんが――――
私の分まで、勝ち進んで下さいね。御願いしましたよ」

【くすっ、と小さく笑えば、弱々しい力で僅かの時間手を繋ぐのだろう】
【今宵の戦い。紛うこと無く、叢雲の勝利で幕を閉じて――――】

/っとこんな感じでしょうか……?!
/有り難う御座いました―!
226 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 23:29:46.97 ID:5Tz014yKo
>>221
/まず左肩辺りをなぞるように斬られその後の突きで脇腹を浅く裂かれるといった感じです
/その後多少よろけながらも前に身を乗り出しての肘打ち、と解釈していただけると幸いであります……
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/23(土) 23:32:26.67 ID:8HP/Zr5so
>>217

【――フリッツの右腕を切り裂いた円盤は、その後床に激突し、黒い羽根に分解され、散る】


…………『Who Dares Wins(危険を冒す者が勝利する)』…………


【右腕は何とか解放されたとはいえ、この戦闘中はもうろくに使えなさそうだ】
【出来るだけ苦痛を表面に出さぬよう、ゆっくりと呼吸をすることを意識し、ウェル子は己をコントロールする】

【――――が、】



…………すなわち、何度も、何度でも、何度だろうと、策謀渦巻くカラスの巣に飛び込む貴方様も「同じ」で…………



【次にウェル子が眼にしたのは、黒い蛇だった】
【――ああ、困りました、ねえ……】


【いや、よく見れば、円盤が分解された場所から、2羽のカラスが、黒い光と共に出現し、】
【ウェル子のもとへ向かっているではないか】


【そう、ウェル子は「羽根」からカラスを作り出せる】
【で、あるならば、円盤とてその素材として不足はないわけで――――】



――――――っ………………



【…………速かったのは、「蛇」だった】

【頭部に蛇を喰らったウェル子は、倒れまいとしながらも、遂に、片膝を、地についた】
【顔を伏せ、押し黙ったウェル子は、無害にも、不気味にも見えるかもしれない】


【しかして蛇は溶け、対象を失ったカラスは、ウェル子を護衛するように彼女の周囲を飛び回り始めるも、攻撃にうつる気配はない】
【気付けば、黒羽根のオーラも弱まっており、ウェル子の体力の低下を示しているようにも見える】

【フリッツに余力があるならば……チャンス――か……?】
228 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(静岡県) [sagesaga]:2013/02/23(土) 23:35:40.08 ID:82rTXavZ0
>>214
………!!
【幼女の肩がびくりと震える】
………!
【がたがた震え、怯えているように見える】
…そっか、そうだよね…!
【女性の叱咤激励を聞き、涙を拭く】
こんなことで、泣いてちゃだめだよね。
うん、わたし、強くなる! お父さんとお母さんが喜ぶように、強くなる!
ありがとう、お姉ちゃん。私の名前は森長 清花(もりなが せいか)。よろしくね! マリィおねえちゃん!
【まだ顔に涙は残るが、しかし】
【幼女は力強く笑っていた】
………
【にやり】
【マリィが背を向け去ろうとすると、その背後でまた笑う清花】
【しかしそれは先ほどの笑いとは異なるものに見えるだろう…背後ゆえに見ようがないが】
【清花は去ろうとするマリィの足元目掛けて先ほどのガムを投げつける――勿論ただのガムではない】
【『強粘ガム』。当たれば広がり強く粘り、接着剤のようにあらゆるものをくっつけるガム】
【並の能力者では、脱出は困難を極めるガムである】
【不思議なお菓子を生み出す能力、『菓子憑き(トリックオントリート)』。そう、幼女は既に能力を発動していたのだ】
229 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/23(土) 23:38:50.84 ID:Q781BEsUo
>>219
【そりゃあそうだ……エルディは思う。しかしそれでは治ったとしても、とも思う。薬の種類によるが】
【だがしかし、何もかもハッピーエンドなんて状況を夢見ている時点で、自分は甘かったのかもしれない】
【故に、未だ答えることは出来なかった。ボキャブラリの少なさの所為とは思いたくないが】

―――……

【ただ黙って、話を聞いていた。最初の提案となんら変わらない『デメリット』を垣間見て】
【ああなんてとんちんかんなことを言ってるんだろう僕は、と自己嫌悪もした】
【どうしてか舌の回りが悪い。こんなに喋らないのは久しぶりなのかもしれない】

【耳に届く、小さな声】
【彼女の提案に、いつもとは違う自分に、少し戸惑いながらも】

(状況の整理と行こうじゃあないかエルディ――哲学者の卵とやらを打たれ、路地裏なんかで苦しそうにしてる。
 不用意に近づいて、彼女の要求に応えて、さてどうするべきか?もっと怪しむべきなのか僕は?
 実は機関の連中だとか、詐欺だとか、僕の『詐欺』にあった人の罠だとかも考えたらキリがない……。
 そもそも僕は何でこんなことしてるんだろうね……いや――『まあ、どうでもいいか』)

【思考なんて物は書いて見れば多いかもしれないが、ほんの数秒のものでしかなくて】
【エルディはまたしゃがみこんで、鈴音の背中へと、手を回して抱きしめようとするだろう】
【少女エルディ、本名不明、本職『詐欺師』。人を騙す人間が何で、人の為に動くのか】


(――……「人」の「為」と書いて「偽り」と読む。しばらくは、そういうこととしておこうかな)


【結局は彼女も、真意なんてものはなくて】
230 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 23:44:45.94 ID:5Z+P9l8IO
>>225

【先程よりも深く肉を切り裂いた、返り血が少女の顔を濡らす】

【女性は倒れ、最後まで立っていたのは少女の方】

【観客たちの歓声が辺りに轟く。その声を聞いて、やっと勝った事の実感が湧いてくる】

――や……
やった……

【力が抜け、膝が折れ、その場にへたり込む】

――うん、その時は、また戦おうね。
負けないように、頑張らないと。

うん、勝つ。
絶対、優勝する。

【担架で運ばれて行く女性に声をかけ、約束だと言わんばかりに手をつなぐ】

【その後少女も、救護班に連れていかれ、検査や治療を受けるのだろう】

【勝者――叢雲 茜】

/ありがとうございました、楽しかったです!
231 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/23(土) 23:44:56.57 ID:zXXCsIhw0
>>206

涼の苛烈な連撃。それを避けながら、あるいは受け流しながらも、アイリスは後退を余儀なくされる。見れないのでは反撃のし様が無い】
【直撃は避けるが、いくつかの突きはその身を掠める。しかし、ただ単にされるがままにしている訳ではない。後ずさりながら、彼女は闘技場の端へと移動してゆく】
【位置関係としては、涼とアイリスを直線で結んだとしたら、その直線が四角い闘技場の一辺とちょうど並行になるようなイメージか】
【また、その直線と闘技場の一辺の距離はかなり近い。二人ともがギリギリの位置にいるというわけだ】
【そこから、アイリスは連撃の隙間を縫うように不意に斜めに直進。つまり、闘技場の一辺とアイリス自身で涼を挟むような位置を取った。そして彼女は口を開く】


その能力、確かに厄介だわ。目を合わせられないなんて、近距離での鍔迫り合いを封じるも同然だしね。
アンタ自身の身のこなしも相当のものだし、近接戦じゃ敵わないかもしれない―――でもッ!その程度で怖気付くアタシじゃないわッ!
行くわよエニグマ―――〈フーファイター〉!!

「おう、まかせろォ!そろそろ反撃の時間だぜェ、ケケケケケ!」


【彼女の叫びに呼応するように、エニグマが黄色い炎を吹き上げる。その炎から飛び出したのは、人の頭の半分程度の大きさの光の球が五個】
【その五つの光球は、ちょっと信じられないような速度で涼に向かって殺到する。人知を超えたその速さに反応することは、不可能に近いだろう】
【しかし、痛みは感じないはずだ―――実はこの光球、殺傷能力ゼロなのである。目を眩ませるだけの虚仮威し、というわけだ】
【普段ならば、この能力はあまり使いようが無い。なぜなら、光量に目が慣れるまでの間しか目眩ましにならない上に、発動中は他の能力を使えないからだ】
【―――だが、しかし。この場合に限っては、「虚仮威し」である事が肝要なのである】
【先ほど述べたとおり、涼を囲んでぐるぐる回るこの五つの邪魔者は「光の球」だ。それはすなわち、涼の十八番であろう「瞳」を多少なりとも一時的に封じる事となるだろう】


完全に能力頼み、という訳じゃ無くても―――普段使い慣れた能力をいきなり封じられたら隙が出来る。
それに、予想外の攻撃を受けたときにも隙が出来るでしょ。試合開始直後のアタシみたいにね。
―――さあ、覚悟しなさいッ!


【黄色く染まった髪をたなびかせ、彼女が駆け出す】
【両手で握ったククリナイフは、間合いに入った瞬間に振り抜かれるだろう】
【それを軽量な細剣で迎え撃つ―――あるいは下手に防御してしまえば、フィールドの外に吹っ飛ばされる事は確実である】
【しかし、この短い時間に冷静を取り戻し、アイリスの攻撃を回避する事が出来たならば、大振りの攻撃を放って隙だらけの彼女に一矢報いる事が出来るかもしれない】
【だが、その場合も光球の視界妨害に耐える必要がある】

232 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 23:45:24.67 ID:LHL4yG6so
213

【放った石礫に歪む男の表情を望む女の琥珀は、目前に居る闘者の存在のみを捉えるもの】
【如何に間合いを取るかーー剣士の相手であれば此方が引く立場であるが、今は違う、自身が詰めなければ成らないのだ】
【故にこの試合に於いて、彼女に後退≠ニ言った選択肢は无に等しくて】

【踏み込めばそれは正面、頭上から振り下ろされるのは弧刃―――】
【しかし――その刃の矛先も男の次の行動により別の対象へ向けられる事になるのだろう】

(くっ―――ここまで来たと言うのに、また術の類かい―――)

だが――ッ!!!そう何度も見せられちゃあネェ――ッ!!


【アーチを描く蜈蚣の偶像――、それが天へと唸りを上げその躰を撓らせたならば、女は大地を踏みしめて】
【狙いはその正面、その遠心力が最も乗る″ェの部位、掲げる腕を右へと引けば、それを蜈蚣の下腹目掛けて振り抜くだろう――】
【言えば薙、只の薙である異能でも何でもない、その偃月刀の遠心力に技術を利用したもの――人体であれば威力は見込めるだろうが、この石の蜈蚣にはどうなのだろうか】

【そして僅かでも反応が遅れたならば、その右上からの一閃の威力が不足していたならば女はその強打を正面から受ける事に――なる】
【もし砕けたならば、その偃月刀は左へ流れる――重い一撃であるため次の攻撃は連撃とは行かず、僅かな間が生まれるものにもなるのだろうが】

【兎に角今は――その目の前の脅威を取り除かなければ次は無いのだから】
233 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/23(土) 23:46:14.63 ID:5PpP9oJ8o
>>223

【ともすれば竜巻に匹敵するような強烈な風が、鎧を着込んだアンジェルを襲う】
【もしそれが本当に竜巻であれば――まず彼女は攻勢に出ることも叶わなかっただろうか】
【おおよそ小型車両程もある鎧の重量は、そういうものであったのだ】

【―――刃が食い込み。瞬時、時が止まったように周囲が静まり返る中で蜘蛛の倒れる音がした】
【カシャ≠ニいうのは甲虫の顔をそのまま形にしたような兜が、背後へと上がって行く動作音】

ハッ……1つ、言っとくけど…、ッ……!仕切りなおそう≠ニか、言わないでよねっ。
アンタみたいな体力バカと、か弱い乙女は違うんだから、っ……くゥ…!

【少女の頭部だけが露出すると、鎧の異様さが際立った。恐ろしく大きいのだ、この塊は】
【四つの能力を並行して使用したからか、彼女の息は切れていて、風で揺れた際に打ったのか、鼻からは血を流し】
【おそらくは石礫で切ったのだろう額から流れた赤いそれは、彼女の左目を塞ぐには十分だった】

【ぐらり。男から妖刀を引き抜くと同時に、鎧の重さにバランスを崩して膝をつく】
【それでも解除をしないのは意地なのだろうか。刀を地面に突き立てて何とか立ち上がれば、深く息を整えて】

―――さァ、アナタの意志を聞いてあげるわッ。言いたいことがあるんじゃないかしら―――?

【全精力を込めたような口調で、そう言った。刀を持つ手は、鎧越しだが震えていて】
【その息の粗さといい、恐らく相当に無理をしているのだろう。もし―――レグルスのスタミナがこれ以上に続くのならば】
【やがて鎧ごと少女は背後へと倒れ伏して、気絶してしまうのは必定。それこそ最後の根競べ≠セった。】
234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2013/02/23(土) 23:46:44.76 ID:XS4ngmze0
>>228

【幼女が震え、泣いているのを、背中で感じているマリィ】
【だが、どうやら幼女は元気になったようだ。快活な声と名前が告げられる】
【少女が立ち去ったのは、なんとなくいたたまれない気持ちになったからだ】

(私の中にも……父母がいない事で、心細くなってしまう夜がある。
 あの娘は、私の心が弱かった、昔の自分を見ているよう……)

【と、歩いているが……】

「……えっ……」

【地面に、不意に足を取られる】
【まるで粘り気のある沼に突然足を取られたようで……動けない】

『う、うわぁっ!』『なんだなんだ!』『あ、足がぁっ!』

【幼女と少女を囲んでいた周囲の人間が騒ぎ出す。】
【地面は、ガムの緑色に広がっている……】
【マリィを中心に、周囲の人々も一緒に森長の能力にかかってしまったようだ!】

「ま……まさか!」

【マリィが振り向く。そして信じられないという表情を浮かべる】
【森長の顔が、にやりと凶悪な笑顔を見せる】

「あなたも……"能力者"なの!?」

【マリィは戸惑うものの、両足はガムで固定され、身体をねじるのが精一杯である】
【マリィの周囲には2、3人、この術の巻き添えになっている大人たちがいる】
【各々手や足をくっつけられ、もがいているようだ】

『の、の、能力者だぁっ!』

【くっついた周囲の人々以外の人は、皆逃げ出してしまったようだ】

『た、たすけてくれぇっ』『なんで能力者がこんな街の中心で!』
『ひぃぃぃっ!』

「……くっ、そぉっ」

【マリィは力づくでこのガムを取ろうと足を上げようとするが、脱出は出来ない……まるでスキだらけだ!】
【大ピンチである!】
235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 23:48:44.42 ID:LHL4yG6so
>>232
/>>安価ミスです……>>213
/訂正として付け加えておきます!
236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 23:48:55.02 ID:M/ETw4Av0
【正義組織として知られるUTのお店付近。花壇に腰を落ち着けて、夜空を見上げる小さな影が一つあって】
【その形から見て、純粋な人間で無い事は直ぐに分かるだろうか】
【狼の耳と尾。人間の中には忌み嫌う者も居る何て噂されるライカンスロープ。所謂亜人――――か】


「セリーナもソニアもアンジェルもみんな大会に出てるのか〜……
あれ、もしかして女の子陣で出てないのボクだけ?」

【ローブを纏い、金色の髪を持つ少女――――だろうか】
【ほぇ。何て間の抜けた声を漏らせば、ピコピコと耳を動かして】
【その後、眉間に皺を寄せて何かを考え込むかのように俯くのだろう】


「うーん……ボクも出てればみんなと戦えたのかな
それは其れで面白そうだったけど……
でも人が多すぎる所は余り好きじゃ無いし……何より、ボクじゃなくて“私”だったら何か混乱させちゃいそうだし……」

【ゆらゆらと尻尾を揺らしながら紡がれる独り言は、何処か可笑しな光景だろうか】
【手に持っていたジュースの缶をゴミ箱へと放り投げれば、長い長い溜息を吐いて】
237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/23(土) 23:49:07.34 ID:g3t/sSkeo
>>227
くはっ、はァ……。

【フリッツもまた、左手を膝につき、その震えを抑えるようにして、肩を震わせて呼吸を整える】

……我が身惜しさに退くならば、既に敗北と同じ。
振るわれる刃の向こうにこそ、生くる道があろうというもの。

【あなたも同じでしょう、と小さく口にして】
【左手を再び蛇へと転じさせて、胸を張るように身体を起こす】

生きるも死ぬも……いえ、勝つも負けるも、僕達は進むのみ。
……参ります。

【地を蹴って、フリッツがウェル子に向かって駆け出す】
【右手はだらんと垂れ提げられたまま、左腕を、まるで投げつけるように振りかぶる】

行けェ!!

【左手の蛇が伸びる】
【伸ばして切断されたから、もう伸ばさない――という選択肢はないようで】

【閉じられた大顎が、砲弾のようにウェル子の腹部目掛け、ぶつけられる!】
238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/23(土) 23:51:32.16 ID:5Tz014yKo
>>215

――――――――?

【砂、であるのに用いる能力は水】
【それがどこかちぐはぐに思えてエルフェスは首を傾げていた】
【他人が思いを巡らせるには遠い、それだけの経験がナウファルにはあるのだろう】

【しかしそれならばこちらも負けてはいられまい】

――――あんまり力が強い方じゃないんでね!
ちょこまか動いて手数を増やさないと勝てないのさっ!

【「来る!」声には出さずに構える、瞳を鋭く心を細く】
【自分を切り裂こうと迫る切っ先に意識を寄せ相手と呼吸を合一し身体を操る】

(――――――……そこっ)

【右足を軽くしかし靭やかに踏み出す】
【それと同時に左半身を寄せて半身の形に身体を動かす】
【風を斬る音と衣服を削ぐ音、振り下ろされた曲刀により僅かに攻撃を貰ったか血が溢れるがダイレクトな一撃は避ける】

【だが次の突きが残っている】
【半身の状態でもその切っ先は肋骨の下をなぞるように入り、溢れる血】
【痛みに顔を顰め歯を食い縛るようにして耐える、瞳は一点を見つめそれに淀みは無く】

…………貰うっ!

【ならば例えよろけながらでももう一歩踏み出せる、曲刀の刃と触れている傷口が擦れて痛むが堪え攻撃へと転じる】
【右膝を曲げて前傾に、加えて腕を折りたたみ右肘を付き出しその先をナウファルの左鎖骨へと打ち込む】

【エルフェスの体重は軽いがそれを一点につまり肘に集中させてしまえば十分な攻撃となる】
【狙いは鎖骨の破壊、人体の内で折れやすい部類のそれを狙っての専心は果たして届くか……】

/こんな感じで大丈夫でしょうか?
239 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/23(土) 23:52:25.71 ID:q8hR5Mys0
>>229

【薄ぺらで起伏のない身体、そこにぺったりと押し当てていた細い両足】
【抱きしめてくれたなら、邪魔にならないように、だろうか。そうっと地面に伸ばして、横たえる】
【回される両腕。安堵したような吐息は、気配は、きっと気のせいではなくって――】
【ぎゅっと抱きしめ返す強さに、嘘は微塵も窺えないから、きっと、嘘ではないのだろう】

っ……、たすけて、ほしかったの、
こわかったから、いやだったから、たすけて……ほしくてっ、
大丈夫だよって、もう大丈夫だよって、言って、ほしかったのに……っ!

【――このまま思い切り力を篭めたなら、エルディの力ですら折れてしまいそうな、その細身】
【精一杯に抱きしめる力は思ったよりも少し強いけれど――声が、すこしずつ、涙色に震えていく】

……助けてあげるって、いろんなひとが言ってくれたけどっ、
だれも、だぁれも――!

【ぱた、と。落ちる涙の音、或いは聞こえるかもしれなくって】
【抱きしめられたまま、抱きついたまま、泣いているから。服を濡らしてしまうかも――】

おとうさんに、ひどいこと、言っちゃったのっ、その子にだってっ……。
ぜんぶぜんぶ殺しちゃえって思ったの、街の中、居られなくて!

なんでなの、ねえ、なんでわたしなの――

【一滴零したなら、あとはもう、ひたすらに落としていくだけ】
【金属質な響きを持つその声が涙色に染まったなら、少しだけ、聞き取りづらいけれど――】
240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/24(日) 00:02:18.68 ID:7Lo7xpeZ0
>>233

【――――状況を確認する余裕はない】
【降りてきた相手が、自分を切り裂いてのちどうなったか。それを瞬時には判断できない程に、レグルスも消耗していた】

ゴッふ…………!!
ぅ…………安心…………しやがれ…………もう、仕切り直す、余裕なんか…………ねぇ、よ…………

【じくじくと血の溢れ出る肩の傷。それをどうする事も出来ずにレグルスは息を吐きだす】
【――――空回りする吐き気だけがこみ上げているのだろう。空気の塊を吐きだすような、そんな息継ぎが漏れ出る】
【肩の靭でも切ってしまったのだろうか。握力を失うだけに留まらず、右腕全体がだらりと投げ出される】

…………言いたい事…………ッぅ、か…………
……っは…………負けたよ…………まぁ、行けるとこまで…………行ってみろ、や…………

【糸に巻かれた姿のまま、顔を上げてそう告げるレグルス】
【激戦の故だろうか、いつの間にか帽子が吹き飛び、スキンヘッドの頭を晒していた】
【それすらも、実戦の凄みに見せるレグルスの姿だが、この時ばかりは体力の限界で目に力も無く】
【やがて、身体ごと糸の中に倒れ込み、意識を失う】

【――――失血量が既に危険域に達している事から、早急にレグルスの身柄は運び出されるだろう】
【賞金どころか、治療費の持ち出し――――正に、レグルスの憂いていたこの事態が、彼の決着になった】
【――――魔術と武術を同時に修めた男、レグルス=バーナルドの挑戦は、ここに一先ずの幕を引く事になる】

【アンジェル・ベルジュロン 対 レグルス=バーナルド】
【勝者 アンジェル・ベルジュロン】

/乙でしたー!
/ところどころ遅くなってしまって済みませんでした!
241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 00:04:57.12 ID:l683WAuKo
>>232

【《蜈蚣[ウゴン]》は一刀を以て砕かれ四散し、瓦礫となって周囲に転がった】
【術は破られ、間合いは近距離】
【その間合いは既に一歩二歩のステップで開けるものではなく】
【生じた僅かな間では、術を行使し発生させるまではとても間に合わない】

【故に――グーからは選択肢が消えた】
【今現在生じた微かな隙、これだけが細い勝機であった】
【術を使えないならばどうするか……その答えは簡単だ――】

こりゃあよぉ……ちょいとばかりヤンチャするしかねえなぁ!
我が愛すべき盟友ボ・ポルよ!久しぶりに暴れるぜぇぇぇぇええ!!

【――"杖でぶん殴る"。つまりは術に頼らぬ近接戦闘であった】
【豪快な雄叫びとともに、グーは手に持った木杖を喬嬋の右肩めがけて振り下ろす!】

【お互いに届く間合い】
【2mを超えるグーと同等の長さを持つ、霊樹の杖もまた相応のリーチを持つ武器であった】

【軌道は非常に単純。ここに来て初めての近接攻撃であるが】
【勢いはあれど高翌齢のためか然程鋭い動きではない】
【虎と人間の中間である獣人なだけあって威力は相応にあるものの】
【近接の専門家に通用するものであるかどうかは――喬嬋の技量次第であろうか】

【また、グー・ゲルギルは人間に換算すれば70に近い高翌齢である】
【過去に負った古傷などの影響もあり、連続で近接戦闘を出来る時間は約2レス程度】
【それ以降は身体を故障し、大幅な下方修正を受けることとなる】
242 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/24(日) 00:05:05.91 ID:v4vhqIZdo
>>237

……やれやれ……見上げた戦意です……ね……

【――ウェル子は、ゆらりと立ち上がり、顔を上げると、ずれた眼鏡と帽子を、痛む手で整えた】
【痺れきった左腕に、血に塗れた右腕――もったいぶった戦いをする余力は、もう無い】


なるほど……大会というものは……中々どうして厄介なことで……
「殺せ」というわけでもなく……「護れ」というわけでもなく……「奪え」ということでもない……


嗚呼……ただ「勝て」というのは……わたくしは……どうも苦手なようです――……


【口を動かす一方で、伸びてきた蛇への対応は――やはりというべきか、脚だ】
【ウェル子は、右脚で前へ蹴りを放つようにしながら、蛇をはじき返そうと試みる】

…………くッ…………!

【しかしそれは半分失敗に終わり、彼女は逆に後方へ押され、そのまま仰向けに倒れてしまうだろう】



【だが、それと時同じくして、ウェル子の周囲にいた二羽のカラスが、急上昇】
【ある程度の高さまであがったところで、フリッツの胴体目掛けて急降下してくる】
【その鋭いクチバシを突き立てようと、カラスは脇目もふらず、飛来する――!】
243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [saga]:2013/02/24(日) 00:06:50.54 ID:RwjJ0fqAO
>>222

【背後から掛けられる声に黒装束は腕を下ろすと、踵を返して向き直る】
【醜悪に歪む般若面が、スーツの男――ラッシュを睨み付けるだろう】
【敵意。或いは、殺意。快くない冷めた感情が、そこには確かにある】

……貴様の名前ならば、とうに知っているぞ――“ラッシュ・ワンスドッグ”。
欲しいのは貴様のモノではないのだがな……まあ、良い。行きたければ、行け

【背後の男へ肩越しに吐き捨てるようにそう言うと、もう振り返りはしない】
【素直に聞き入れたワケではなさそうだが、とりあえずは解放してやることにしたのか】
【ハンチング帽の男は躊躇いながらもフラフラ立ち上がり、路地裏の奥へと逃げていく】
【「……畜生、面倒ごとに巻き込んでくれるんじゃねーよ……!」と、捨て台詞を残して】

【一方で、黒装束がラッシュの顔を見ながら、フッと鼻で嘲笑う声をこぼした】
【右手で指さすのは、相手の右目の眼帯。何やら思うところでもあったらしい】

……久方ぶりに会えば、その『目』はどうした、哀れな“犬”よ。
餌と間違われて鳥にでも啄まれたか――

それとも、目玉好きの再演者≠ノでも、抉られたか?

【黒装束は、挑発とも言える愚弄の言葉を、ためらいもなく言い放つ】

【再演者=\― 一度の邂逅ではあったが、その名を彼は覚えているだろうか】
【男の記憶に残っていれば、こいつが“ヒナ”と呼ばれていたことも判るハズだ】

【やろうと思えば互いの歯牙を突き立てることも難しくない、絶妙な距離感の中】
【黒装束――“ヒナ”は、静かに左足を一歩前へと踏み出すことだろう】
244 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(静岡県) [sagesaga]:2013/02/24(日) 00:07:43.05 ID:j4Ry8c7T0
>>234
きゃはは、かかったかかった♪
【子供のように無邪気にはしゃぐ森長】
貴女が誘拐犯かもしれないことは予想できても、私が能力者かも知れないことは
予想できなかったみたいだね…お姉ちゃん!
【幼女はにこにこしながら言う】
それじゃあ、そーんな隙だらけなお姉ちゃんには、止めを刺しちゃおうかな!
【そういって今度は飴を出す少女】
『爆弾キャンディ』。その名のとおり爆発する飴だよ? すごいでしょ?
じゃ、ばいばい。お姉ちゃん――
【そう言って少女は強粘ガムに苦しんでいるマリィに飴玉を投げつける】
【脱出できればギリギリかわせるだろうが】
【避けようとも避けなくとも、その飴は、派手な音と共に爆発した】
【――が、周囲は一切無傷】
【その代わり、爆発した飴から紙吹雪が舞い、文字のかかれた紙が飛び出す】
【『悪戯大成功☆』と――】
【威力を完全になくし、派手さだけを追求した『クラッカータイプ』と】
【爆発と共に紙吹雪が舞い、絵や字のかかれた紙が飛び出す、『くす玉タイプ』を合成したものである】
245 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/24(日) 00:14:51.18 ID:f3NHPAsno
>>240

【レグルスが倒れこむと、数秒置いて蜘蛛の糸やその死骸、巨大な重鎧が消え去った】
【尚も立っているアンジェルの真っ白な服装は朱に汚れ、激しい戦いの跡を刻んでいたが】

―――いまっ、なんて……?ごめんなさいね、ちょっとよく聞こえないから、もういち――ど、っ―――。

【無論――と言い切れないのが惜しいところだが、これは煽りや挑発ではなく、事実≠ノよる発言だった】
【言葉を発した時点でアンジェルは瞳を閉じて、息は肩でするほどに消耗しきり】
【そして、聴覚までも一時的に機能しなかった。それだけの話―――そしてどさっ、と彼女も倒れ伏す】

【なんとか一回戦は勝ち上がったが、此処から先がどうなるのかは分からない】
【けれど、少女の手にしていた妖刀は血を吸って、次の戦いを待ち望むかのごとく、夜露に濡れていたという―――。】

/お疲れ様でしたー!こちらも十分に遅かったので気にしないでくださいませっ
246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2013/02/24(日) 00:16:19.39 ID:cZoMNMtN0
>>244

「キッ! 
 ……この私がっ、罠にかかるなどっ!」

【こんな幼い女の子でも、"能力者"であるという事……】
【マリィは、そういう者もいる、と言う事を嫌と言うほど思い知らされた】

「……私、学んだわ。
 どんな外見の者でも"能力者"はいる――
 今、学んだッ!」

【マリィは両手に炎を宿らせる】
【時を同じくして投げ込まれる――爆弾!!】

「私は、負けない!
 幼女の風体で油断させて、不意打ちを仕掛ける卑怯者に、
 私は――負けない!!」

【マリィは体をねじりつつ、その爆弾に炎を宿した正拳突きを見まわせる!】

「≪ハート・ヒート・ナックル!!!≫」

【爆弾が爆発する!】
【マリィは爆弾の爆風を自分の拳の炎圧でかき消そうと試みたのだ!】
【だが……】

「へっ……?!」

【爆弾の中から飛びだしたのは、大量の紙吹雪と――】
【『悪戯大成功』の巻物である……】
【マリィの放った炎により、紙吹雪は散ると同時に燃え、周囲に綺麗にふりそそいでいる……】

「どういう事よ……これは……」

【と、思わず尻もちをつく。】
【尻もちをついたせいで、ガムに尻からまとわりついてしまった】
【能力を解除してくれない以上、動きはかなり制限されるようだ】
247 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/24(日) 00:19:15.53 ID:1eHgdHeOo
>>239
【彼女の独白を聞いて、自分は何が出来ると言うのか】
【ただ考えて、考えて――思いつくはずがない。そんな優秀な脳があればもう、卵の効果すら消せている】
【今は、弱弱しくもちゃんとそこにある吐息を、耳元で確かめるのみだ】

―――……っ
そう……苦しかったろうに、辛かったろうに。もう、疲れたでしょう。

(―――思ったよりも、細い。割れ物のよう……間違えたら折れてしまいそうだ)

【助けると言って、それでも助けてもらえなかったのだろうか?】
【だがしかし、その人たちに非をつけたとて、自分とどう違うのか。だってただの嘘つきじゃないか】

苦しい分、今は泣きなさい。辛い分、今は涙を流しなさい―――。
僕は誰かの代わりになることしか出来ないけれど、ならばそれを今日全うするよ。

(―――ああ、やっぱり僕は嘘つきだな?ホントはそんなこと思ってないくせにさぁ)

【鈴音の頬に、自分の頬を寄せて。35度、ほんの少しぬるい体温を感じさせて】
【嫌でも思う、適当なことをいうのはとっても得意だ。ただ吐くだけの詭弁こそ特技だ】
【しかし何でか、そちらへとかけてあげるべき言葉は見つからない】

【言ってほしい言葉を並べられて、それを復唱することすら叶わない】

僕のじゃ足りないかもしれないとは思うけど―――せめて、今日は温もりを感じて……。

【こんなときに大丈夫とすら言えない自分はきっと、無力以外の何物でもないのだろう】
【ただ鈴音に偽善らしき言葉を吐いて、時間が経過するのを感じるだけ】
【それでも尚、この鈴音という少女が必要としてくれるというのなら――この偽善はきっと、最善】
248 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 00:19:22.15 ID:wi+YBq0to
>>238

【彼の能力は信仰によってもたらされるもので、程度や種別は違えど部族の者なら訓練によって用いることのできるもの】
【砂漠の者が崇め讃えるものから借りた力であるからにこそ、その対象は水なのだ】
【もっとも、それを戦闘中に説明することは流石に無理であるのだが】

【一撃目は相手の体をなぞるのみ、二撃目は狙いを外しながらも相手の体に食い込む】
【前述の通り、右腕がお互いの身体の間に入り込むような体勢】
【相手の攻撃と合わされば、すれ違いあうような形になるか】

ッ、かはッ……!

【右腕を相手の肋へと差し出す形、すなわち真正面に相手に向かっているわけでは無く】
【それでも前に傾いだ体勢は、それなりに相手に肩を見せる体勢となる】
【総じて、結果のみを言えば、骨を折り砕くまでは至らなかった】
【それでも弱い部位への攻撃は周囲や左腕、半身への衝撃となり、こちらの反撃も思うようには至らない】

【胴への攻撃へのガード――もっとも予期していた胴体への攻撃はなかったため、無意味に終わったが――として置いていた右腕は】
【肘を自分の方へと引き寄せるようにして、すれ違う相手の腹周りを掠めるように動かす】
【相手に傷を増やすのが成功するかどうかに関わらず、骨への衝撃は文字通りかなり響いたのだろう】
【態勢を立て直すためか、この戦いの中で初めて自分から距離を取ろうと試みた】
249 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/24(日) 00:23:33.64 ID:pwaoyZRPo
>>242
そのお言葉、そのままあなたにお返ししますよ……!

【左の蛇に伝わる、まだそれを押し返すような余力を残す蹴撃】
【強い抵抗力に、突進するフリッツ本体もまた、同様に押し留められながら、顔を上に上げる】

【中途半端に成功した攻撃――だが、倒れたウェル子を気にする余裕はない】
【空の捕食者、黒い猛禽が、主の恨みを果たすように降りてくる】

――喰え

【頭部――あるいは手足などの末梢部を狙えば、成功足りえたかもしれないカラスの攻撃】

【だがそこには、主を守るように胸元から顕現した蛇がアギトを開いていた――天上向けて大口を開ける黒い奈落に、一羽が飲み込まれる】
【もう一羽も、胸元に盛り上がった蛇の鱗に突き刺さるに止まった】

……。

【傷つけられた黒い鱗の奥からは、黒い粘液が滴り落ちる】
【ダメージがないわけではない――フリッツは瞑目し、歯を食い縛って悲鳴を噛み殺すと】

【仰向けに倒れ付したウェル子のほうへと、おぼつかない足取りで近付いて行く】

……まだ、何か、策が?

【呆れとも感心ともつかぬような、そんな問いかけを投げて】
【左手に残った蛇を、ウェル子からも見えるように掲げ、誇示してみせる】

……僕はもう、限界です。

【そう、苦笑交じりに呟いて】
【掲げた蛇の頭を、ウェル子の腹部に、落とした】

【もはや、振るうというほどの速度も威力もない】
【ただ質量に任せ、落とす、という程度の加撃だ】
250 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 00:24:05.49 ID:hnOgdlVXo
>>224
【圧倒的な存在感】
【放たれているクラウは、怯むどころか感じてすらいない】
【なにか、欠如している】

理解なんて、ない
僕には、なにも

【既に、見ていない】
【視界なんてもうなかった】
【スライムを信用しているのか、はたまた興味もないのか】

能力、か
僕は持ってない
僕の知る限りでは僕には能力なんてない
ごめんね、教えることも出来なくて

……それにしても、浄化されるべき、ね
その前に貴方が堕ちたらどう?
貴方も、本質がどうかは知らないけど人の姿を使っている以上は同じでしょ
どうせ、人間なんて本質からして汚いんだから
仮に人間じゃなくても、そんな姿を使う時点でもう同類だね

【もう、話が散らばっている】
【会話に意味を求めていないのか】
【線は、繋がらない】

【飛んできた死体の散弾】
【スライムはそれを受けた】
【ゆっくりとした速度のそれだ、避けることなど出来るわけもない】
【だが、出来るのは移動だけではなかった】
【スライムは突如巨大化し、散らばった死体による攻撃範囲をカバーしきった】

【だが無論弊害はある】
【巨大化したところで全体量は変わらない】
【全体的に薄くなり、防御能力は下がる】
【散らばった死体のうち、幾つかはスライムを貫通しクラウへと向かう、直撃だ】
【だが、当たったにしては傷もなく、様子に変わりはない】
【そのまま、クラウの反撃が始まる】

"Acht gleichzeitige Kugeln"
スライム、いる以上は仕事して

【突如、スライムの量が増える】
【そしてスライムの体から小さな弾丸が8つ生成される】
【弾丸が、いっせいに跳びだす】
【4つはダンテの足を狙う】
【そして残り4つはダンテの頭上をタイミングをずらし狙う】
【1発でも当てるためだ、頭上を狙うことで跳躍による回避を抑制する】
【だが横に行けば回避も容易だ】

【弾丸は当たっても肉体的なダメージは薄い】
【だが粘着性が高く、簡単には振りほどけない】
【感触としてはひんやりしており、多少気持ち悪い】
251 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(静岡県) [sagesaga]:2013/02/24(日) 00:24:39.26 ID:j4Ry8c7T0
>>246
きゃははは! ナイスリアクションだよ! お姉ちゃん
【尻餅をついたマリィに、うれしそうに言う清花】
どういうことって…もう、とぼけちゃって!
私はちゃんと最初に言ったよ?
【やれやれ、というポーズをとりながら】
『お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ(とりっく・おあ・とりーと)!』って!
【清花は笑顔で言い放った】
きゃはは、それじゃあ、お姉ちゃんのナイスなリアクションに免じて、開放してあげるね!
【そう言って清花は手からチョコをだし、強粘ガムにかける】
いくら強く粘ろうとガムはガム! チョコレートで溶けちゃうんだよ!
【その言葉の通り、『強粘ガム』は見る見るうちに溶けていき】
【もう全員が脱出可能な状態になった】
252 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/24(日) 00:25:54.91 ID:hRlWVACro
>>243
【ーーー黒装束が振り向くと、そこにあるのは醜悪な般若の面ーーー鋭い爪と般若面、それに黒装束ーーーそこで、ラッシュは気が付いた】
【こいつは見た事があるーーーあの日、自分の体に哲学者の卵を埋めようとしてきたーーー】

ーーーお前、喋れたのか
相変わらず君悪い格好してんな…

【苦笑いを浮かべて軽口を叩けば、愚痴りながら逃げて行く男をヒナの肩越しに見て】
【逃げ出したのを確認して、ヒナを見やる】

人の事を犬って言える立場かよ、テメェだってその再演者に使われてたじゃねぇか

【犬≠ニ言われると、やはり気に入らないのか不機嫌そうに「フン」と鼻で笑って】

鳥にもテメェの主人にもくれてやんねぇよ、こいつは名誉の負傷だ…いや、名誉でもねぇが
ーーーまあいい、テメェ、今日はあの主人がいねぇみたいだな、いたらいたで面倒な事になりそうだったが…

【右目の事に触れられれば、僅かに目線を伏せるーーーが、すぐにそれを戻し、ヒナを呼び寄せた再演者が今回はいないと確認】
【接近しようとしたヒナに反応し、同じだけ引いて、左手を銃のグリップにかけるーーー】

…所で、話は変わるがーーー
テメェ、今何をしようとしてた?

【問いかけるのは、立った今の出来事ーーーヒナが、あの男に何をしようとしていたか、警戒しながら口に出す】
【隻眼であっても、睨みを利かす眼に弱りはない】
253 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2013/02/24(日) 00:31:05.86 ID:cZoMNMtN0
>>251

「……は、」

【いまだ状況が今一つ飲みこめてはいないが――】
【幼女はガムの能力を解除した。周囲の人々も解放され、ホッと一息ついている】

「あ、あなたねぇ……」

【冗談の類が通用しないこの少女。つい怒りがこみ上げるが――】
【ふと、悲しみが襲ってきた】

(もしこれが冗談ではなく、実戦だったら……
 幼い外見に騙され、私は爆弾で粉々に砕けていた――
 こんな事にも対応できなくて、
 何が、強くなれ、よ――)

「くっ……」

【マリィは唇をかむ】
【自分は、弱い。まるで弱い――】

「どいてくれっ!」

【マリィはポカンとしている解放された大人を避けて、この場を去ろうと駈けだした】
【ふがいない自分が、悔しくてならなかったのだ……】
254 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/24(日) 00:32:28.94 ID:dR73/PaTo
>>231


【――突然生まれた光球。太陽の如く現れた輝きに、少女は咄嗟に目を瞑った――!】

  ――く、これは――――ッ!!

【目を細めて“目潰し”となる事は避けているものの、回転する目眩ましに対して苛立ちを隠せない。】
【追従能力は現在の時点で全く不明。だが、自分に付随している事は受けた時点で予測出来る。】

【彼女の指摘は少女――涼に対しては“図星”だった。】
【涼は自分の身体能力の甘さ――剣士としての“筋力の足りなさ”を能力というモノで無理矢理補強している。】


【“光”という攻撃手段は、少女にとってはまさに相性は“最悪”。
【新たに繰り出された攻撃に対して、少女は対応する事など不可能だった――――】

  (――――この光量ですが、彼女はこの光の影響を受けないのでしょうか…?)


【それは、悪足掻きに近い行動。自らの細剣――“研ぎ澄まされた銀色”を縦に構えると。】
【――自らに向けて照射される光量の一部を、細剣を“鏡”のようにして“彼女”に対して“反射”する事を試みた。】


【それが成功しても成功せずとも、少女は肺に残る息を吐き出し、精神を研ぎ澄ます。】
【武器を握る手を強く握り締め、深緋の双眸を完全に“閉じた”。】

【――――少女が動き出す瞬間少女が構える細剣の切っ先が、“閃光の如く閃いた”。】





  ―――――――――――― <   “閃”   >


【少女は唯一持つ“技”の名を短く口にして。】

【――――少女が繰り出す次の行動は、体を引き絞ってのこの場で繰り出せる最大威力の突き。】
【幾度と無く繰り返されて来た“突き”という攻撃だが、そのシンプルさ故に隙が少なく、場所が悪ければ致命傷に成り得る。】



【――――だが、それは恐らく“命中しない”。】
【相手の一撃を食らえば、吹っ飛ばずとも確実に致命傷を負うであろう事――――敗北する事は予測出来る。】


【――――“だから”。】

【これは、少女の――涼から彼女に対する、“嫌がらせ”だ。】



【相手から攻撃を受ける刹那、その深緋の双眸を見開いて、】

【笑顔で一言。】



               《Kneel down》
  ――――――――   “跪け”。



【――――“膝を着く”事の強制。】

【それと同時に攻撃を受けるであろう少女は、恐らく“その場に崩れ落ちるだろう”。】
255 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 00:33:41.34 ID:9lhBcOaWo
【風の国。 貿易都市ウィルトール”跡”】
【数十年前、地域経済の中心として知名度の高かったこの都市は、原因不明の疫病の流行により】
【数万人近い住民を近隣都市への逃避や、その疫病の犠牲者として失ったらしい】
【らしい、というのは、廃墟になる現在まで、調査隊がよりつくことも少なく、故郷にしていた人間が復興に出ることも無かったここの崩壊については】
【これ以上の情報は一切残されておらず、上記の物ですらかなり曖昧なものとして世間には認識されているから】
【視界も霞むほど深く濃い霧を鬱陶しそうにして払い歩く余所者の青年が、それ以上の知識を手に入れることなどやはりできず】
【でたらめに魔翌力属性を配合した霧の出所や、そもそもどんな魔物が住み着いているか、なんて詳細は彼の頭には現状皆無であった】

うん、ここでいいか。いや、いい場所だなこれ本当に。
これでそこら辺に足音がしてなければ最高なんだけどなぁ。

【まるで身震いを誤魔化すように独り言を呟くと、聞き耳を立てていた青年は嘆息し、欠けたチョークを崩れた廃屋に滑らせ始め、壁一面に大きく円を描く】
【霧はじんわりと暖かく、赤、青、緑、再び青、黄色、と、不規則に色を滲ませ、円のある辺り、特に強い紫色に発光していて】
【青年はそれに満足したように頷くと、円の中身を何かに追われているかのように焦りを滲ませながら奇怪な文字で埋めていく】
【周囲の足音は大きいものから小さいものまでさまざま。 ネズミとも取れそうな甲高い鳴き声も聞こえる】

こーこーにーはーだれぇもー。
いぃまぁせーんーよーっと。

【心にわずかでも余裕を確保するため、小声でリズムを取る】
【チョークを握る手が震え始めるのを感じて、青年は舌打ちした。 この過程に齟齬が出るのは非常に不味いのだ】

「ねぇまだー? わたしひまー」
「わたしもー」

うるさいな、俺の歌でも聴いてろよ。 今大事なトコなの。 ミスったらやばいの。 おっけー?

「えー退屈ー。 魔翌力注ぐの止めちゃ」マテ、落ち着け分かった。 頼む終わったら相手してやるから。
「ほんとー?」「やったー?」

あぁ、うん、主にこいつが。

【霧から現れた丸い光。 片方は赤く、片方は蒼いそれらは落ち着き無く、徐々に隙間の少なくなった円をなでる青年の周りをふらふら飛び】
【年若い少女の声と、上下運動で遊び相手を得た喜びを表現する】
【光の色や雰囲気は霧の放つものと酷似している。その道をわずかでも齧っていれば魔翌力の一種だと分かるだろう】

だから静かにな。 ばれたらやばい。 
「なににばれるの?」
そりゃあれだよ。 うん。 とにかく今戦闘に入るのは不味いの。 あー、どこかに都合よく用心棒でもいないかな。
「わたしたちがいるじゃん」「むてきだし」
よし、お前らまず自己イメージを把握することから勉強しようか。

【丸い光に注意している青年の方が、無自覚に声のトーンが大きくなっている】
【さて、ある程度接近していれば十分聞き取れてしまうほど音は漏れてしまっているのだが】

【―――通称 捨てられた都市―――】

【この辺鄙な場所を訪れているものは果たしているのだろうか】
256 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/24(日) 00:38:25.81 ID:MVa7BVoE0
>>247

【ぐす、ぐすと。最初は抑えるようだったそれも、時間を追うごとに強くなっていく】
【涙と一緒に洩らしていく声だって、どんどん聞き取りづらくなって、――そのうちに、分からなくなる】
【それでも。すぐ傍にある三十五度の体温がどうしようもなく暖かくって。もっとを望むように身体を寄せるのだろう】
【いつからこんなところに居たのか、冷え切った身体。三十六度五分、元の体温なんて、分からないほど】

【――そうして、どれぐらい経ったのだろう。時間にしたらほんの少しのことかもしれないけれど】
【ずっと泣き続けること、存外に疲れたらしい――だんだんと声が収まりだして、しゃくりあげるだけになったのが今】

…………ご、めんね、ごめん、なさい

【抱きしめた腕を離さないまま――ぽそりと紡ぐのは、久方ぶりに聞き取りやすいそれ】
【ほんの少しだけ顎を引いて。エルディのことをじぃと――ひどく近い距離で見つめようとするのだろう】

【泣いたせいか赤い瞳。もっとずっと深く血色で煌く左の瞳――覗き込むまでもない】
【溢れ出すのは、哲学者の卵の気配。強く、濃く、すべてを嘲笑うかのように】
【全身からぼんやり溢れるものと、左瞳から溢れさせるものと、その身体の中に二つ埋められていることを露骨に示して】

――少し、ね。楽になった、の。……ありがとう

【それでも、浮かべたのは、ようやくまともめいた笑み】
【――拒む素振りがないならしようとするのは、額と額を軽くこつと合わせようとすること】
【ただの個人的嗜好。自分が好き――という、だけのこと】

ごめんね、いっぱい借りちゃった

【声をかける先。ちいさなドラゴン――未だにくっついたまま、言うのだから】
257 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/24(日) 00:39:34.06 ID:v4vhqIZdo
>>249

………………ふ…………ふふ………………

【――それは笑う、というよりは、ただ息を吐き出すだけの、胸を上下させるだけの行為】
【ぼんやりと闇夜を落とし込む両の眼には、疲労が間違いなく滲んでいて――】


【カラスが、致命的な一撃になり得ないことは、ウェル子も承知していた】
【そして、これ以上、削りあうだけの体力が残っていないことも、分かりきっていた】
【だが、だからといって、澄まし顔で「降参です」などと、彼女は言えなかった】

……………………

【なぜなら】

…………………………………………

【そんなことをしてしまえば】


……………………わたくしに勝ったのですから、中途半端な敗退は、困りますよ……………………


【なんて、捨て台詞に、「重み」がなくなってしまうではないか】



わたくしは……『見てます』から……ね…………



【ウェル子「最大の得意技」がカラスなら、「最大の必殺技」は……捨て台詞だ】


…………ま、悪くない…………試合だった……と、申しておきますよ…………


【そうして彼女は、ただ、最後、「区切り」をつけてもらえる一撃を待ち、】




…………フリッツ……オストワルド……様…………



【蛇が落とされる間際、彼女の視線は、きっとフリッツと目を合わせるように推移したはずだ】
【――フリッツがウェル子の目を見たかまでは彼女にはわからないが、間違いなくウェル子の瞳は、全てを吸い込まんとする碧の深海だった】



【――――どすん】



【そんな鈍い音が、ウェル子が今宵、最後に聞いた音だった】




【第2回水の国天下一武道会・1回戦第9試合】
【 フリッツ・オストワルド vs ウェル子  ……  勝者:フリッツ・オストワルド 】


/それではこれにて! お疲れ様&ありがとうございました!
258 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/24(日) 00:41:04.13 ID:AvJSdleAo
>>250

【攻撃の行方を見届けた後、彼はその両脚を持って、足元に転がる死体の頭を踏み潰す】
【彼の取った攻撃は、次はもう使わないと、無言で伝えているが如く――――】
【鋭い瞳が貴女へと向けられたなら、三日月のようにその色合いを強めた】

【なるほど、魔術師のような存在かと逡巡する、そして恐らくはその考えは間違っていない】
【彼と貴女の距離はおよそ5mほど、この距離では貴女の方が有利であろう】
【右手に握った巨大な十字架が、揺れる矛先を選びあぐねているよう】

【不思議だと思った、目の前の貴女の纏う雰囲気は、彼が今まで戦ってきた誰とも違うようであったから】
【異質――――そう認める事は、異端を受け入れることにつながり】
【それはまた同時に、彼の持つ矜持を酷く歪めることともなる】


……そうでしょう、私もまた浄化されるべき$l間です
ダンテ=シュタインベルグがダンテ=シュタインベルグであるために
私という存在は、汚泥よりも暗澹とした、汚れた人間になったのでしょう

――――だからこそ、私はこの世で唯一、全ての人間を裁く権利を与えられるのです
私が彼らと同類であるのならば、貴女もまた私と同類なのでしょう

救われようとなど思っておりません、ただ迎え入れられることを信じて
私は殺し、私は救い、やがて私は召されるのです


【彼もまた貴女と同じよう、言葉は意味のある音律であっても、意味のあるつながりをなさない】
【紡ぐ言葉の断片が伝えるのは、ただひたすらに塗りたくったような音】
【そこに一片繋がるのは、彼の持つ、死生観、他者に対する、彼の倫理観】

【スライムが放つ八つの弾丸、タイミングを計算されて放たれた攻撃は、貴女のロジックを感じさせる】
【単なる狂人≠ナはない、むしろ――――天才的と言っても良かった、その攻撃のセンスに】
【僅かな感服すらも、感じる事は間違いではないのだろう】


逆に貴女に問いましょう、人間は何故――――本質的に汚いのか、と
私達は利己的で、それでいて、どうしようもなく残忍です
弱者をいたぶり、弱者を蹂躙し、そうして生きているのです

――――それならば生きている価値など、無いのではないでしょうか


【彼の身体を汚す、八つの弾丸、いくらダメージが薄いといえど、数が多ければダメージは蓄積する】
【真っ直ぐと避けようともせず歩く彼の、歩みを止めるには十分すぎるほどで】
【けれども、スライムの粘着性は、通常の七分の一≠ノなっているだろう】

【恐らくは彼の能力Avenged Sevenfold≠ヘ、あらゆるものを七倍≠烽オくは七分の一≠ノできるのだ】
【粘着度を七分の一≠ノし、落とす事など、彼にとっては、大した労苦ではなくて】
【貴女との距離を詰める、その一歩を、僅かに躊躇うぐらいに】


……認めなさい、我らは皆――――裁かれるべきものであると、その身を以って知りなさい
さすれば天国の扉はその重き門を開き、我らを招き入れるのですから――――!!

Avenged Sevenfold=\―――!!


【撒き散らす粉塵、彼の脚が地面を蹴ったなら、その巨体が風となる】
【疾走、弾丸のような速度で、貴女との距離をつめようとするのだろう】
【長い長い銀色の髪が、僅かな軌跡を残したなら、それはまるで、星屑のように消えていく】

【貴女の視界の端に居た彼が、その中心に躍り出る頃、彼は再びその左手を向ける】
【左手を振り下ろすかのよう50cm以上ある身長差をものともせず、その手で貴女の頭を握ろうとし】
【可能であるなら、そのまま壁へと叩きつけようと投げ捨てようするだろう――――】

【彼が地面を蹴る力を七倍≠ノし接近する瞬間、貴女の攻撃によって、隙ができる】
【その一瞬を狙えば、回避手段を作り出す事も十分に可能である】
259 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 00:46:42.67 ID:/cOUvfHmo
>>248

(……浅いかっ!?……でもっ!)

【肘先からは破砕の音は響かない】
【しかし手応えはありそれを示すように相手は苦痛に喘いでいるようだった】

っつ……っ!――――――――

【だが相手もただでは転ばない、こちらの傷口を更に傷めるような相手の腕の動き】
【より広がる傷に耐えかねてかエルフェスは右へと少し跳んでその腕の範囲から逃れようと……したが】
【距離を取ろうとする相手の姿を視認した瞳はそれを許さなかった】

【この瞬間こそ好機】
【更に攻撃を繋げるには容易な状況、相手を追い詰めるチャンスと見るには十分だ】
【痛みに叫びをあげる神経を押し黙らせ傷口が広がるのも構わずに左足を前に出す】
【赤い斑点は服にとどまらずステージにも描かれる】

【だけどまだ、――――――――】

(―――――――まだっ、いけるっ!!)

【左の短刀を地面に平行に構え、前傾に駆ける】
【元より倒れかけていた身体だその勢いを利用しようというのだろう】
【それは一瞬だが相手に肉薄するにはこの距離ならば足りる、そう踏んでか右足を出し更に踏み込む!】

脇腹……っ、貰うっ!!

【先程と同じナウファルの左脇をすり抜けるような動き】
【それに加えて今回は左手の短刀、その刃を奇しくも自分の怪我の箇所と同じ場所へと】
【つまり左脇腹、肋骨の下へと通り過ぎ様に斬りつけようと振り抜く】

【その後は自身の勢いを殺せずに3m程余計に走ってからよろけて転がり】
【前転……からなんとか立ち上がり向き直る】

【勿論こちらの攻撃に対してナウファルが抵抗すればその限りではない】
260 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/24(日) 00:47:08.30 ID:pwaoyZRPo
>>257
……は。

【掲げた蛇の下、憔悴した面持ちながら、未だ不敵に笑うことのできるウェル子に】
【負けを覚悟しながらも落とした、最後の一撃は、あっけなくその意識を刈り取った】

……困った人、ですね……。

【こちらも足が崩れて、膝立ちになりながらも、最後まで強さを違えることのなかったウェル子に、笑いかけた】

保証はできませんが、行けるところまでは行く、と。
その程度であれば、お約束します……ウェル子さん。

【胸元と左手の蛇が、人体の形を取り戻し、フリッツは石畳の上に座り込む】

……なかなか、前途多難、と言ったところですね。

【碧の深海を映したフリッツの碧眼は――月夜を見上げて】
【そう、小さく呟いた】

【第2回水の国天下一武道会・1回戦第9試合】
【フリッツ・オストワルド vs ウェル子  ……  勝者:フリッツ・オストワルド】
261 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [ saga sage ]:2013/02/24(日) 00:50:44.66 ID:pfhZtLnB0
【街中の道路で電柱に隠れている少女】
【闇に溶け込む黒のコート、髪、スカート。それと夜のかすかな光をよく映す白肌が目立つ】

【道に迷っているときに助けて?くれた巫女がつれてきてくれたこの街】
【建物も、空気も、人も、知っているものは一つも無い】
【それでも少女は何も気にしていなかった。友人なんて誰もいなかったし、家族も居ない。】
【そんな場所に戻りたいなど思わない。戻る理由があるとすれば、家においてきたお金を取りに行くぐらいしかない】
【もっとも、食べ物に困らない程度には巫女からお金を貰ったので、この戻る理由も今は無いが】
【だからここに来てもいつもどおりにするだけだ。】
【電柱から身を出して、いつもどおりに目の前の男性に銃を向けた】

//こんな時間ですが、絡める方はよろしくお願いします
262 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(静岡県) [sagesaga]:2013/02/24(日) 00:50:47.80 ID:j4Ry8c7T0
>>253
?
【マリィのこみ上げる怒りに気づかず、無邪気に微笑む清花】
!? ど、どうしたの、お姉ちゃん…
キャンディの音、大きすぎた…?
【くっ、と悔しそうに唇をかむマリィを見て、わけがわからないというようにおろおろする清花】
【結局のところ、彼女には分からないのだ】
【『強い人間』『強くあろうとする人間』『強くなろうとする人間』の気持ちというものが】
【幼い外見、涙といった『弱さ』を武器に、本気の面白半分な悪戯心で】
【遊んでほしいという無邪気な心で】
【8歳児とは思えないほど良く回る頭で、勝利や矜持などには目もくれず】
【お菓子と悪戯と温もりだけを求めてきた清花には】
【高みを目指す気高き人間の気持ちは分からなかった】
あ、待ってお姉ちゃん!
楽しかったよ、また遊んでね! マリィお姉ちゃん!
【その場を去ろうとするマリィに、無邪気にそう叫んだ】
263 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2013/02/24(日) 00:56:00.92 ID:cZoMNMtN0
>>262

【後ろの方で、マリィの名前を呼ぶ幼女の声が響くが――】
【マリィは振り返ることなく、でたらめに走りつづけた】

(もっと……強くなりたい。
 お父様の名に恥じないくらい、強く、強く……!)

【森長には泣くなと言ったのに、涙がこみ上げる】
【それでも三粒ほど涙を流せば、マリィはもう立ち直っていた】

(学んだわっ。
 世の中には、殺気や闘争心とは全く無縁のまま、
 強力な能力を使う能力者も――
 私は、そんな能力者を相手にしても、生き延びなきゃいけないわ。
 お父様に、出会うまでは――っ!)

【マリィはまた、決意を新たにする】
【気がつけば、夕刻である】
【マリィの耳には、無邪気の幼女の声が、いつまでも耳に残っていた……】

/こんな感じでシメはいかがでしょう?
/ありがとうございました!
264 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/24(日) 00:57:17.86 ID:1eHgdHeOo
>>256
【大きく聞こえてくる泣き声を聞いて、ほんの少し安堵したように息を漏らす】
【我慢されれば心配で仕方がなかった、その分ちゃんと泣いてくれた方が良かったのだと思う】
【それは今までずっと耐えていただろう鈴音と、そして自分に対しても】

―――……謝らなくていいさ、貴女何にも悪くないんだから。

【今回ばかりは、ホントのことを言ったつもりだ】
【事実彼女に非なんてないだろう。むしろ謝る理由が分からないと、言わんばかりに】
【見つめられ、彼女の一言で更に安心する。まだ解決したわけではないのだろうけど、今回は仕方ないか】
【何も言わずにお礼を聞き遂げるだろう。何か出来たような試はなくて、少し照れくさい】

【反対に、その卵の存在に少し無力感を感じる。何で無くなってくれないんだとか、少しだけ考えてしまった】
【そればっかりは本当に、どうしようもない現実で】

そう、そっか……どういたしまして。楽になったなら、良かった。本当に―――?

【こつり、会わせられた額に少し、きょとんと表情を変えた。眼をちょっと見開いたまま、鈴音を見つめ】
【ほんの数秒、間を置いてから―――少しばかり、笑ってしまう】

『ぐがっがががっ』

【まあ気にすんなと言いたげの瞳。鱗のないちっぽけなドラゴンにも、楽になったというのは伝わったらしく】
【元気に今まで鳴らしていた、カエルにも似た珍妙な鳴き声を聞かせることだろう】
【とっとっと、という音を鳴らして、ドラゴンが近づいていくと、小さく鈴音の頬を舐めようとする】
265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/24(日) 01:05:32.90 ID:GU2biPh70
>>254

間合いを詰めるアイリスに、涼の機転を利かせた抵抗、すなわち光の反射は、しかし上手く決まらなかった】
【彼女の武器が、例えば横幅の広いブロードソードだったら、その行動は功を成しただろう】
【だが、彼女の獲物は細剣「研ぎ澄まされた銀色」。十分な光を反射するには至らなかった。それに、アイリスの能力がアイリス自身に牙を剥く事は少ない。彼女は常に身体を慣らしておいているからだ】
【―――そして放たれた神速の突きも、僅かに狙いが甘かった。その一撃はアイリスの腕を掠めるにとどまる】
【結果として。アイリスのククリナイフは涼の身体を打ち据える―――しかしながらその刃は潰されているので、身体を切り裂かれる訳ではない。強烈な衝撃ではあるが】

【―――その瞬間。「目が合った」】


―――ッ!!


【涼を切り伏せたアイリスは、彼女の置き土産をまともに受てしまう】
【崩れ落ちた涼の真横に強制的に膝を着かされる彼女。気分としては「試合に勝って勝負に負けた」と言った所であろうか。警戒していたつもりが、最後の最後で思惑に嵌ってしまったのだから】
【その体勢のまま、どこか驚いたような表情でしばらく動かないアイリス】


ハアハア……や、やるじゃない……


【そして立ち上がった彼女は、涼に手を伸ばす】
266 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 01:06:20.76 ID:PtyCIRgSo
267 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [saga]:2013/02/24(日) 01:13:31.58 ID:RwjJ0fqAO
>>252

勘違いするな……所詮“お義理”の付き合いだ、それは奴も理解しているとも。
何せ哀れな首輪付きの『飼い犬』とは違うのでな、自由は保証されている。
……とまあ、一応互いに納得しての関係だ。そういう認識で良い。

【伸ばす人差し指を数回揺り動かして、飼い犬とはお前のことだと指先口先で嘲る】
【分かっているだろうからこその挑発だろう、性根の悪さは機関員らしいか】

【しかしこの口数の多さ、以前の様子と比べれば確かに意外だったかもしれない】
【言葉は皮肉や嘲弄の念に溢れていたが、どうやら会話自体は楽しんでいるようだ】
【「名誉の負傷」――その言葉を聞けば、相槌代わりとフフ、と含み笑いをする】

そうか、名誉の負傷か。災難だったな。
奴に会いたいならば、……“呼ぶ”か?

【「……冗談だがな」】
【最後に付け加えるのはそんな言葉、抑揚は薄く中々冗談にも思えないだろうか】
【銃のグリップに掛けられるその手を目敏く見つけて、踏み込んだままの体勢で止まり】
【閑話休題、投げ掛けられた問いに少々の思考時間すら挟まず即座に答えるだろう】

…………“愚問”、だな。
あの男の命を、“摘もう”としていた。

 そうだ。殺そうとしたんだよ。

【逡巡など元より、ない。ただ、率直に答えを言ってやるだけ】
【分かったか、と確かめるように、ヒナは首を傾げてみせる】
268 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(静岡県) [sagesaga]:2013/02/24(日) 01:15:09.65 ID:j4Ry8c7T0
>>263
またね、お姉ちゃん!
【走り去るマリィを見送り続ける清花】
あ、そうだお姉ちゃん、最後にお土産!
【くっつけたものを視界内の対象にとどけるお菓子『デリバリーゼリー』で】
【炎をくっつけるお菓子『フレアピーナッツ』を届ける清花】
【これを使えば火力を保ったまま炎を遠くに飛ばせるだろう】
【もっとも、清花は『炎と相性が良い』という理由だけでこれを選んだわけだが】
//はい、こちらこそ遅くまでありがとうございました!
269 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 01:16:11.48 ID:wi+YBq0to
>>259

【意識は最早、もっと戦ってみたいという歓喜に近く】
【故郷を離れて以来、悲惨な破壊を止めるばかりが力を使う理由となっていた青年にとって】
【今の時間は、語らいにも近い気持ちにあった】

【背後より聞こえる地を蹴る音に、踏み止まるようにこちらは真下へと左足を下ろす】
【留めた勢いは、ぎゅる、と踵を右へ回転させて相手の方へと振り返るも】
【その動作は、相手の攻撃よりも遅い】

ッはは、楽しいな!

【刃は真横というにはやや背中寄りを通り、深さは相手の目論見どおりに傷を作る】
【そして、過ぎ去らんとする相手を止めようとするように。浮いた右足が、靴底が相手の肩ほどまで上がって】
【回転を乗せた蹴りが、上体を右肩から左肩へ向かって流れる】

【避けられてしまえば、そのまま一回転して相手へと向き直り】
【当たったとしても、蹴りが地面に落ちるまで次手は出せない】
【自身より、きっと場馴れしているのだろう相手を追いかける事しか出来ないけれど】
【言葉の響きとは裏腹に、相手をがつりと振り返る瞳はあまりにきらきらと輝いて――】
270 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/24(日) 01:21:37.64 ID:MVa7BVoE0
>>264

……はじめてなのに。

【抱きしめてもらって、好きに泣いて、少しでも楽になったなら、冷静になれたなら】
【思い返してみてふと湧き上がるのは、羞恥心――だろうか。紡ぐのは、少しだけ歯切れの悪い言葉】
【でも。いやなわけがなくって――もう少し甘えたくなるのは、わがままだろうか】

【――彼女が抱く、心の欠点。最大のものは、愛情の欠落から来る歪み】
【ちいさい頃に両親とも亡くして、そのあとは。生きた時間に対する注がれた愛は少なすぎて】
【いつも、いつも。酸欠の金魚のよう、求めて――魚と違うのは、そのうちに恐慌に駆られることか】
【だから、ほんの少し抱きしめられただけだって、こんなにも、普通めいた顔をする】
【――――そんなこと。エルディが知り得るわけも、ないのだけれど】

――お父さんに、ひどいこと言ったの。だから、居づらくて、出てきたの
街のほうに居なかったのはね、ぜんぶ、殺して毀したくなったからなの
こんなところに居たのは、犯されたりしてもいいやって、そうしたら今度こそ誰かたすけてくれるかなって

【零距離にほど近い、その距離感。じぃとエルディの瞳を覗き込んだなら、その考え事を察することなんて出来やしない】
【血色の瞳の奥では悪意が嗤う。深淵色の瞳の奥は、見えすらしない。つくりものめいた瞳が、ぱちりと瞬いたなら】
【つらつらと口に出して並べていく言葉たち。――ああ、まともじゃない】

…………さっきはごめんね。

【ぺろりと舐められる頬、すこしだけ擽ったそうにして――】
【躊躇うような間が刹那。けれど、もう一度右手を伸ばしてみるのだろう】
【届くなら、触れられたなら、壊れ物を扱うかのよう、そうっと頭を撫でてみようと――】
271 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2013/02/24(日) 01:22:20.35 ID:f8/tXtwoo
>>255




わぁ、たしぃが居ーま〜っすよぉ。




【その声の主は唐突に現れた。音も、前兆も無く、まるでいきなりそこに出現したかの様に、亡霊の様に】
【位置は、青年の後方。一人の男が、半壊したオブジェの様なものを椅子に見立てて腰を掛けていた】


残念ながら、バレてしまいました。


【黒髪を野暮ったく肩まで伸ばし、深々とシルクハットを被るサングラスを掛けている男】
【漆黒のスーツを身に纏い、星柄のモノクロマントを羽織る。黒尽くめ、故に両手の手に】
【付けられた白い革手袋は良く映えた。肩には奇妙な鋼色の翼を持つ雀が止まっている】

【男は、両手を広げた戯けた様なポーズと声色でフフフ……。と、微笑しながら不敵に語りかけてくるのだった】


──そう、この私に、バレてしまったのです。


【もしも青年が振り向いたのならば、サングラスを外してその鋭い眼光をニコリと微笑ませるだろう】

            シュ ウ ケ ゙キ シャ
しかしながら、私が招かれざる客か、都合よく現れた用心棒なのかは、貴方が決める事なのです。


【訳:こんにちは!(ニコリ)こんな所で何をしているのでしょうか?】
【貴方が決める。男が誰彼かまわず襲い掛かる無法者でない事を意味し、青年の目的次第で対応が変わってくるという事】
【詰まる所、何もかもを分かっている様な口調の割りには、ただ不敵に座っているだけで何をしているのかは何も分かっちゃいないのだった】

//ま、まだいらっしゃるだろうか……!

272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 01:27:04.48 ID:vD0QPb+wo
>>241

【岩身を喰らうは龍の印――龍が昇りし偃月刀、刃に砕かれ瓦礫と化した偶像に――左へ流す、その切先】
【女が覗く姿は――男の姿――――その言葉、僅かに女の面に咲いた喜悦の相は、彼の男気に惚れてのモノか――】

そうこなくちゃねぇ!!受けてたとうか、グーゲルギルッ――――!!


【僅かな隙、その最中に振り下ろされた杖の軌道、切先が左へと流れると同時――女はその流れる勢いのまま、左方向へと躰を開け】
【背に流そうとするも―――】

クッ―――ッ―――アッ!

【その鋭さが無かったのがせめてもの救いか、流石にその体重移動の中その柄で防御等は出来やしない】
【故にその回避行動ではあったのが、その態勢のままでは完全に避けきる事は出来なかった様で背を擦る杖の側面に苦痛の声を零す】

【そしてその回避行動の中、女性が一つ行なってた事が在った、それは偃月刀の回転―――】
【相手の方へと石突を向けた状態で平行に柄は伸び、そのまま女の取った行動は―――石突による?=z
【体ごとその平行に向けた柄の先を相手の方へと打つ打撃である】



【窮地こそ役に立つのは小手先の技術等では無く、単純で、出の早い攻撃】
【体重をかけたその突≠ェ狙うのは丁度男の胸の中心―――】
【女こそ、その攻撃の蓄積は徐々に体力を奪うものであり、故の長柄での超近接の体当たり≠ニ言った所であろうか】

【今は兎に角――その力を使う余裕も無かったから――その単純で率直でもあるその突きの行方はどうなるものか、今は誰も分からない】
273 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/24(日) 01:27:40.67 ID:dR73/PaTo
>>265

――――“申し訳ありません”。

【此方に手を伸ばす彼女に、苦笑交じりに謝罪の一言。】
【そして、下される“行動不能”の判定に、あーあ、なんて少し悔しそうに呟いた。】

【――彼女に対する“対抗手段”は幾つか頭に浮かぶものの、それを口にはしない。】
【この場で少女は負けた、その事実に変わりは無いから――――】

【能力の連続使用に加えて、特攻に近い長時間の走行。】
【地面に転がった瞬間に、それらは一気に疲労感として押し寄せる。】

【“私、悪い子なんです”、なんて微かな声で呟いて――――少女は瞳を閉じた。】
【恐らく、このまま放っておいても“救護班”が此方に来るだろう。だから、彼女が少女に対してするべき事は、恐らく無い。】
【もし彼女が少女に対して何らかの“会話”を望むのならば、それは“後日”にした方が良いのだろう――――】

//此方締めのレスとなります。挨拶等はあちらで。
274 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2013/02/24(日) 01:29:08.95 ID:hnOgdlVXo
>>258
うん、同類
僕は汚いよ
兄を探すため、一週間ここのゴミを掃除してきた
結果、僕もゴミに塗れた

救われようなんて、思うほうが間違い
神が人間を救うことなんて滅多にない
神話を見てれば分かること

【まるで詩のように、音を奏でていく】
【意味は、ある】
【線にはならず、点でとまる】
【結ばれなかった言葉同士は、残らずに消えていく】

何故本質的に汚いか
理由は幾つかある

まず、人間は本質的に戦いを求める
これは古代史を見れば分かることだね

次に、人間は自分のために他を犠牲にすることを厭わない
善を歌う人間でも、余程の偽善者かトラウマ持ちでもなければ自分の命のために他の人間を踏み台にする
……そうでなくても他の生物を犠牲にして、土地、または食料を得ている

ちゃんと考えれば他にもあるだろうね
でも、上げるのはこの二つだけでも十分
この二つの性質をまとめ、人間は本質的に汚いと結論付けた

長々と語ったけど、人間は生きている価値なんてない
その一点で十分じゃない?

【簡単に落とされていくスライム】
【少しは時間が稼げるかと思っていたが、それも当てが外れた】
【まだ、隠し手はある、戦えなくはない】
【だが、そこまで使うと脱出が困難になる】
【どちらを優先するか―――】

ごめんね、お兄ちゃん
また、だよ
"Blutmagie wird eroffnet."
"Muskulose Machtzunahme"

【クラウは、戦士であった】
【優先したのは戦闘の続行】

【短めの魔術を二連続で発動】
【その直後、クラウに魔力が集まる】
【魔力源は長杖だ】
【黒かったはずの杖が、赤く、紅く染まっている】

【そして、妨害には至らなかったダンテのその行動】
【杖を勢いよく突き出す】
【狙いは腹】
【近づききる前に、妨害をしてしまおうと言う、遅すぎる対処】
【その力は、強い】
【獅子の突撃にも劣らぬその威力】

【だが、威力だけだ】
【少し身をずらせば簡単に避けることが出来る】
【避けきったあとは、腕を伸ばしきった大きな隙があるだけだ】
【避け切れたのなら、元の攻撃が当たることは間違いない】
275 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/24(日) 01:36:22.34 ID:hRlWVACro
>>267
ーーーは、羨ましいこったな、俺もあやかりたいもんだぜ
…テメェの趣味かあいつの趣味か知らねぇが、そんな格好以外はな

【またも呼ばれる犬≠フ呼び名に、眉毛をぴくりと反応させるも、一々噛みつくのも逆効果だ】
【挑発には挑発で返して、飄々と接する、機関員相手にペースを握られてはいけないと】

呼ばなくていいよ、面倒だーーーうちの主人が喜々として首を突っ込みかねねぇからな
…テメェらから貰ったアレ=A楽しそうに作り替えてたぜ、おかげでとんでもねぇとばっちりをくったーーー

【表情は見えない、だがそれを抜きにしても感情の読めない相手だーーー一応釘を刺して、ふとつぶやいた】
【以前邂逅した時に受け取った哲学者の卵≠ニbeyond2=[ーーその両方を主人は思う形に改良を成したーーーその成果を楽しそうに主人は見せびらかすかもしれない、そうなったらまた面倒な事になる】
【それに、また≠ニばっちりをくらいたくもないーーー右目が、嫌に疼く感じがした】

悪い、確かに愚問だったな…テメェらがやる事っつったらそれしかねぇかーーー

ーーー今夜の遊びは終わりだ、お開きにして大人しく帰りな
…そうしたら、ここは見逃してやるよーーー俺のキャラでもねぇがな

【帰って来る返答に、呆れた溜息をついて、瞬時に表情を引き締めてヒナを睨むーーー】
【素早い動きで銃を抜けば、まっすぐ左腕を伸ばして、銃口をヒナの顔面に向けた】
【まだ、引鉄は引かないーーー指に力は込めているが】
276 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 01:39:35.42 ID:Ir3p6YIDo
【公園】

【水の国で開かれた武道大会】
【大規模に行なわれるそれらは能力者だけでない一般の者まで熱狂させ】
【その熱狂の渦は世界中を巻き込んだように世界中が注目した】

【その中、とある街の酒場もこの大会に漏れ無く熱狂していた】
【ここはそこらの店と違ってスポーツバーのように幾つもテレビが有る】
【皆々、酒を飲み、テレビに齧り付き、戦いの行く末に一喜一憂する】
【なぜならば―――】

【続々と、決まる一回戦の決着】
【直ぐに壁のコルクボードに張られたトーナメント表に勝敗が刻まれる】
【同時にオッズから配当金の額が発表されると】
【男どもはワアっと、賭けの券を持ってカウンタに集まる】

ほらな、言ったろ?こっちのほうがこの場合アドヴァンテージがあるんだよ

【負け券が宙舞う中、がらがらになったテーブル席でとある男が頭を抱える男に言った】
【細いスーツ姿、サングラス…缶ビールを手に持って目の前の男に色々と説明する】
【男は缶ビールを持って席から立ち上がった やたらと背が高い(ついでに痩せた)男だ】

じゃ、次は頑張れよ

【うなだれる男の背中を叩いて、男は店を出た】

あー…あっついなあーあの店

【今だ賑わう店、街を背に公園に足を向ける男】
【適当なベンチにどっかり座って、涼むことにした】
277 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/24(日) 01:39:59.78 ID:GU2biPh70
>>273

【手を取らないままの彼女に剣士としての矜持を感じつつ、アイリスはニカッと笑う】


アンタの軽やかな身のこなしと細やかな剣捌き……アタシもそれに追いつけるように頑張るんだからッ!

「良い勝負だったぜェ、お嬢さン!ケケケケケ」


【その後、救護班に運ばれていった涼を遠目で眺めながら息を吐く彼女】
【やっと勝利を認識したのか、片手で握っていたナイフを思い出したように仕舞い込み、飛び上がらんばかりに喜びつつ脇に浮いている相棒に抱きつく】
【―――とは言っても相手は空飛ぶカンテラなので、抱擁と言うよりは抱きかかえるような格好になるが】


よし……勝った!勝ったわッ!!
これでひとまず第一回戦突破よッ!!

「ハッ、最後の切り込みは悪くなかったぜェ、アイリス。
―――だがよォ、とりあえずは離してくれェ!」


【喜色満面のアイリスをなだめるエニグマ。しかし、その声色はどこか嬉しそうだ―――無機物といえども一丁前に喜んだりするものなのだろうか】
【喜びを分かち合うかのようなやり取りをしながら彼女たちは、闘技場の外へと歩いていったのだった】

【勝者―――アイリス・E・レジストル】

/了解です、ありがとうございました!
278 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/24(日) 01:42:58.85 ID:1eHgdHeOo
>>270
【事実、初対面にここまでするのはこちらとて初めてだった―――どこか気でも触れたのかと思う】
【けどまあたまにはこんな風なのも悪くはないか、そう思考にピリオドを打って】
【鈴音の言葉を耳にして少し、苦い笑いを零すのだった】

【彼女がどんな風で、どんな人間なのか知る由もないが、】
【ぽんぽん、と背中を軽くたたくようにして、エルディは理由らしい言葉を聞いていた】

―――……そう、お父さんと仲直り出来るといいね。
けど、犯されたりなんて考えても駄目だよ、あれ苦しいだけだから。

(哲学者の卵……っての効能は確か、そんな感じだったっけ。ほんと厄介なブツだな……)

【聞いていれば思い浮かぶのはその埋まっている二つの凶器、カノッサの置き土産のことで】
【視界に映る瞳の悪意を、何とした表現で紡げばいいのか。許せない?可哀想?当てはまりそうもない】
【最後の方、何か匂わせる発言をしたが、軽く流されることだろう】

『ぐが、ぐるるるるるぅ……』

―――おいこら、僕の耳も唾液まみれじゃないか。

【本当に薄い毛のようなものが少量、皮膚を覆っているのが分かるだろう。少しだけふさふさした手触り】
【撫でられれば細い首で、小さく喉を鳴らしてはご機嫌そうに瞳を細く閉じて見せる。エルディの言い分などしったこっちゃない】

―――……そろそろ、時間かな。日も変わってる。あと少ししたら、僕たちは行くよ。

【そう、切なく小さい言葉をぼやくと同時、もう少しだけ鈴音の体を抱きしめるだろう】
【もし許されるならばほんの数秒そうしてから、ゆっくりその手を離すはずだ】
279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 01:43:46.62 ID:/cOUvfHmo
>>269

【半ば転がるような状態での移動では正確に身体の制御も出来ない】
【ナウファルの蹴りは右肩から左肩へと撫でるように入り、結果】

くうっ……!?

【前転というにはあまりにも無様に受け身も取れないまま地面に転がって】
【ステージに赤いラインを描く、伏せる数瞬の間零れる吐息は苦悶のそれ】
【痛みに耐えるように右手は何かを掴むように握られて……】

(右肩……ちょっと拙い……)
(あのタイミングで返すとは思わなかったな、やっぱり強い――――――――)

【呪うのは自分の甘さ】
【如何なる瞳があろうともそれを認識する自分が弱ければ意味が無い】
【打倒すべきは己の惰弱さ、戦いにおいて弱い自分などいらない】

(だからこそ……勝つ意味があるッ)

【握り締めた拳を叩きつけ、エルフェスは立ち上がる】
【出血量も相当で誰が見ても満身創痍の状態……しかし心は折れてはいない】

(ナイフじゃ足りない、短刀でも届かない……やっぱ手馴れてる刀が一番動きやすいかな)

【再装填、短刀を溶かしそこに1つ加えて合計3本組み上げて構成するのは「刀」】
【残光を纏うその切っ先を向けて、赤い瞳はナウファルへと向けられる。瞳は次の攻撃が最後だと無言ながらに語っていた】

――――――――行くぞ……!

【両手で構えた刀を左に垂らし切っ先を地面に擦り付ける】
【地面は鞘の……力を留めて放つ為……代わりだ、初速はゆっくりと「がりがり」と地面を鳴らして
【次からは持てる限りの全てを動員して最速へ、切っ先から赤い火花を散らしながらエルフェスはナウファルへと迫る】

…………これで、最後っ!!

【全身に力を込めれば血が吹き出す、構うものかと筋肉をより緊張させて腕を刀を溜めた力を刀から放つ】
【銀の軌跡はナウファルから見て右下、右腿から左脇への斜めの切り上げられる】
【一閃は実に分かり易い、今更搦め手を用いる余裕もなかったのだろう】

【しかしその斬撃は持てる限りでの最速だ、立ちはだかるならば相応の物でなければ容易に裂き立つだけの力を持つ】
【ただやはり彼が述べる通りそれが最後で、その剣戟が終われば限界を迎え地面に膝を落とし……試合は終るだろう】
280 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/02/24(日) 01:44:03.84 ID:AvJSdleAo
>>274

【彼にとって全ての言葉は雑音に過ぎず、はいて捨てる前の塵芥のよう】
【そしてそれが形になるのであれば、纏めてそのまま消してしまえば良いと思った】
【――――けれども貴女の言葉は、むちゃくちゃな中にも正当性があって】

【歪むノイズの音、受け入れるには少々足りない】
【歩みを止めるには欠けていて、刃を掴むには短すぎて】
【それでも尚、求め続けるという行為に意味があるのだろうか】


……その一点に関しては同意いたしましょう、だから私は他者を殺めるのです
その正当性は、今貴女が示してくださりました――――

ならばその、貴女の証明を以って私の行動の証明とし
私の力を以って、貴女の証明を完遂いたしましょう――――!!


【言葉は饒舌に、それでいてその攻撃は凄絶に】
【コンマ数秒のタイミングで放たれる貴女の突き、何のことはないと思った】
【この程度の障害など、恐れるまでもない、と結論付けた】

【――――けれども、その手が止まりそうになった、その杖から放たれる、躊躇いに似た硬直を】
【殺意とも違う、敵意とも違う、純粋な感情の、その正体を】
【畏怖≠ナあるということに気づいたのは、それが腹部へと直撃してからであった】

【彼の巨体が夜に舞った、長身の鍛え抜かれた肉体が、貴女の杖を以って倒された】
【何が起きたか、理解するには少々の時間が要るほどに、彼にとっては、その事実が衝撃的で】
【――――能力、貴女の言葉を借りるのであれば、能力でない別の力=Aそれによって吹き飛ばされたのだ】

【地面へと背中から倒れこみ、大きく息を吐いた、肺の中の空気が全て出てしまいそうなほど】
【強く打ち付けられ、肩や腰、背中、全身へと奔る鈍痛の感触が、その身を蝕んで】
【次に立ち上がったなら、その腕から、滴る血液が夜風に舞った】


っ……ぐぅ……ハァ――――!!
……ハッキリ言いましょう……甘く見ておりました、貴女を屠るなど、他愛も無いこと、と……
しかし……!!今、理解しました、貴女は必ず殺しておかなければならない人間です……!!


【仮面の半分から見せる、彼の表情、無表情が途切れたなら、そこに浮かぶのはただただ凄絶な色】
【左腕を押さえながら、貴女へと向ける視線が、三日月のように歪んで、そこに確かな力を見せて】
【吐く息に血が混じり始める頃、もう一度大きく、咳き込むような音をたてた】


……ですが、油断しておりました、今の私には……少々荷が重いでしょう……
この借りは必ず……返させていただきます、その日までどうか、誰にも殺される事がないよう……!!


【闇へと溶けるように、その身を翻す彼、気づいたならもう、その姿はそこには無いのだろう】
【後に残るのは鮮血の生々しい香りと、勝利に導かれた余韻であろうか】
【貴女の指先に残るであろう、堅い腹部を押した感触は、今も尚ハッキリと浮かび上がっているのだろう】


/この辺りで、お疲れ様でしたー!
281 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 01:45:16.68 ID:9lhBcOaWo
>>271
「あー、ばれたー」「ばれたばれたー。 へんなやつー」

【抑揚を表現できないのか、淡々とした年若い少女の声は霧だらけの空間に小さく響き】
【突如気配を現した男に気づき、一度視線を向けたものの即座に背を向けた青年はがっくりと頭を垂れた】
【あれだけ世話しなく作業に動いていた手は、壁から地面へと対象をかえ、既に別の何かを描きはじめている】
【壁のものほどの大きさではないが、これもまた円状の印】

あぁ、えっと、とりあえず、あんた、言葉は分かるみたいだけど人間か?
いや悪い。
俺にとっての人間の定義ってのは、こんな奇妙な場所に、余裕をかましながら変な椅子に座ってる存在から大きく外れてるんだ。

【自分で決められると言うなら、できれば後者であって欲しい】
【人間の言葉を話せて、なおかつこの霧の廃墟で平然と姿を現す】
【異形を形にしたような彼が、例え魔物や亡霊の類でなかろうと大人しくこの場から逃がしてくれるような態にはとても見えない】
【青年は自分の運命に自信をなくし、そして単独でこの地に踏み込んだことを後悔した】

よかったら見逃してくれ。別に悪いことしてるんじゃない。
あぁ、間違いなくそうだ。嘘じゃない。俺、意外と正直者なんだ。あんたとは会ったばっかだけどな。

「よろしくー」「ねー」

【折角の好環境をわざわざ手放して溜まるものか、と】
【内心の焦りに反して思ったより口は回る。饒舌なのは弱点でもある取り得だった】
【二つの丸い光は青年の動揺を理解できていないのか、男から距離を取ろうともせずふらふら漂っている】

【青年の描く円状の印は、壁のものと同様に、紫色の光をぼんやりと放ち始めた】

/います。 そして宜しくお願いします
282 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 01:51:25.09 ID:l683WAuKo
>>272

グ、ハ――ッ!?

【回避行動から流れるように繰り出された高速の一打】
【杖を引き戻し、防御行動をとるには間に合わない】
【グーが取れた行動は、微かに身体を斜にし】
【打撃の威力を多少軽減させる事だけだった】

【老いてなお、厚い毛皮と強靭な筋肉に守られたグーの身体】
【打突による衝撃で肺の空気が押し出され、身体が後退するも】
【杖を引き戻し、素早く反撃を行おうとする……が――】

おぉ!?ちょ、ちょいと待て!
この位置取りでそりゃあ、洒落にならね――

【グラリ、とグーの身体が後ろの方へと傾く】
【何故か?それはグーの立ち位置に関係している】

【最初に描写した通りグーの立ち位置は……フィールドの端付近であった】
【そんな場所で胸を突かれ"後ろに押し出されれば"どうなるか】
【無論待ち受ける運命は――"リングアウト"であった】

【何分、状況が悪い】
【距離や時間があれば術でフィールドを動かし保護は出来た】
【喬嬋の攻撃が"正面からの突き"で無ければ、まだ対処は可能であった】
【術師としての優位を優先し、リング端に陣取った結果、それが逆に敗北を引き寄せる結果に繋がった】

【ヒュウ……ドシン!】
【大柄な虎人が、フィールドから消え何か大きなものが落ちる音がした】

――お、おいおい……こりゃあ格好悪いってぇレベルじゃねーぞ……
なんかすまねえな、喬嬋嬢ちゃんよぉ

【リング外で腰をつけながら】
【虎の老人は恥ずかしげに唸りながら頭をポリポリと掻いていた】

【今ここで、第一回戦の勝敗が決する】
【グー・ゲルギル……"リングアウト"により敗北】
283 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/24(日) 02:03:57.80 ID:MVa7BVoE0
>>278

【優しく抱きしめてくれる優しさが、まるであやしてくれるような手の動きが、ふわふわと心を満たして――】
【あふと。噛み殺すように零した欠伸は、少々リラックスしすぎじゃないか、と――そんな気もするけれど】

……だいじょうぶ、かな、できる、かな
ごめんなさいって言えたら、ちゃんと、ゆるしてくれる、かな――……大丈夫、だよね。

…………そう、なの? “じゃあ”やだ

【――考えたなら、表情も声もふらりふらりと落ちて。心配そうなそれへと変わる】
【けれど、最後の最後。まるで気紛れのよう、持ち直せたのは――或いは、エルディが彼女に与えた影響なのか】
【咲き誇る二株の悪意の花。一時だって、その影響下から逃れられたなら――悪いことでは、ないはずだ】

【……じゃあ、なんて。ひどく不安な答えも、聞きなおしたってもう興味なんてなく、適当に返すだけ】

……――。

【おっかなびっくりに触れた右手。微かな毛の感覚に、微かに鳴る音に、細めた瞳に、嬉しそうな顔をする】
【恐々と撫でていた手は、いつの間にやら普通に撫でていて。表情だって、自然に笑う明るい色合いで、】
【――アニマルセラピーなんて言葉、或いは思い出せるだろうか。この分では、彼女にとっても合いそうだけれど】

【受けた愛情の不足。それはそのまま、他者を愛することの不足にも繋がって】
【だからこそ、ひとつを強く追い求めた結果、大事に大事に握り締めた結果、握りつぶしてしまうことだって】
【動物だって、ひとだって、少しずつでも愛することが出来たなら。それは彼女を間違いなくいい方向に導くのだろう】
【(何か問題があるとしたら、少しずつ、なんて加減が出来ないこと、だろうか――)】

そう、……そっか、

【告げられる別れの時間。十二時の鐘なんてとっくに通り越して、丑三つ時】
【最後にぎゅっと抱き締められたなら。こちらからだって、そっと力を篭めて――】

……また、会えるよね?

【離された手。離れた身体。それでもまだ近いはずなのに、ひどく遠い気がしてしまって】
【ふと不安になったなら、見上げて問うのは、再会を望む意味合い】
284 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/24(日) 02:07:07.37 ID:f8/tXtwoo
>>281

嬉しい事を言ってくれますねぇ。残念ながら、私は人間ですが────……。
それ以上の事は出来る存在だとは自負しておりますがね。


【つまり、能力者。或いはソレに準ずる何か】

【サングラスを外した彼はニコやかに微笑みながら青年と少女の声がする方向に手を振って見せる】
【変な奴とか人外扱いされて嬉しいのだろうか。軽く伸びをすると、男は軽く跳躍するかのように】
【スタイリッシュに椅子(オブジェ)から飛び降りると華麗な感じに着地してみせる】


やだなぁ、後ろめたい事があるなら見逃すとかどうとかじゃなくて、
何をやってるか話してくれてもいいんじゃあないですか?


【ねえ。と同意を求めるかの様に男は笑う。先程から取り繕う様に笑ってばかりで逆に本性を男は見えせていない】
【胡乱な男は、マントをはためかせ(映える様にわざと)、すたすたと青年に向かって歩いて行く】


こう見えても私……善人極まり無い人間でして。かつては機関を相手にあっちへ行ったりこっちへ言ったりいていたもんです。
悪いことをしてる訳でもなければ面白全部でぶち壊したりはしませんよ────。

何、それに貴方が古の魔獣を蘇らしたり?廃墟となった都市から無数のアンデッドを作り出し軍団を作ろうとしていたとしても邪魔したりは、しません。
舞台をぶち壊すのは全ての準備が終わってから────。だって、未完成の物を破壊しても目立た無い、面白く無い、カタルシスが無い。でしょう?それが私の流儀であるからしましてね。


【必要以上には近づかず一定の距離でピタリと止まった。自称はしているが、善人ではない。──かもしれない】
【だが、奇妙な男は奇妙なりにも自分のルールで動いている。それは確かな事である】
【つまり、彼が陣を組むこと“自体”は邪魔される事はない……という事だ】
285 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [saga]:2013/02/24(日) 02:19:54.13 ID:RwjJ0fqAO
>>275

主人……名をオオカミ、と言ったか。
首を突っ込むと言うより、直接噛み付いてきそうだが。
“アレ”と言えば……例の「beyond2」と「哲学者の卵」だな?

ははは、ひょっとしてその目か、アレの“とばっちり”と言うのは――?
ことさら奴を呼びたくなってきたが、……ああ、やはり面倒だな。
なるほど、「名誉」と言えない名誉の負傷というワケだ――くくく……。

【ヒナは肩を震わせて愉快そうに笑う。件のモノが実際どうなったかなど知る由もないが、】
【「とばっちり」と言うからには、男にとってそれがあまり宜しくないモノらしいことは判った】
【男の目の負傷の、凡その見当を付けながら、正誤の判断はロクに下さないまま、嗤う】
【怒りを滲ませる般若面が笑い声を上げる様は、滑稽か、不気味にも思えたことだろう】

【……だが、遊びだとか見逃すなどと聞いて、さすがに笑ってはいられない】
【気味の悪い笑声がひたりと止んで、向けられた銃口へと面の奥から視線を注ぐ】

……馬鹿を言え、大人しく帰れだと? 戯言を抜かすな、犬風情が。
眼前の獲物を、そう易々と逃がしておくワケにはいくまい……。

――とは言え、主人同士のこともあるからな。
どれ、一先ず手並み拝見と行こうか

【――“一先ず”、開戦の合図と言ったところ】

【言うが早いか上体を倒しつつ姿勢を低くしながら、踏み出した左足に力を込めて】
【とん――――広い歩幅をもって跳躍するように、真正面から接近を試みる】
【腰の辺りに添えられた手は、五指が真っ直ぐに揃えられている貫手の形だ】

【男に接近することが叶えば、右の貫手を相手の左脇腹へ抉り込もうと放つのだが、】
【ヒナが銃口を向けられてから行う動作は、少なく見積もっても決して一回には留まらない】
【挙動の一つ一つは確かに『速い』――とは言えしかし、引金を引く時間なら充分にある】
286 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 02:20:45.24 ID:hnOgdlVXo
>>280
僕は、何も出来ない
僕の証明なんて、正当性はない
……それでもいいなら、貴方も自由に使うといいと思うよ

【それで、最後】
【当たった攻撃、無理をした代償に得た力】
【杖の色が元の黒に戻り、一瞬紅く光った】

【もう、敵意はなかった】
【一度吹き飛ばし、自分にも余力はない】
【それどころか、力を得た代償によりもう意識すら飛びそうだった】
【黒いシャツから血が流れる】
【血が足りない、もう倒れそう、そんなことを思っても無理やり立ち続ける】
【既に執念だ】

……元気で暇なときならいつでも待ってるよ
僕も、まだ修練を続けなきゃね

【最後まで聞き続けて、返事を一つ】
【ダンテの姿は既に見ていない】
【これだけのことを言っており、今のところ奇策らしい奇策も使っていない相手だ】
【不意打ちもないだろう】

【再び視線を戻したとき、そこにはもう姿は見えなかった】
【気が緩んだのか、その場に倒れこんだ】

僕は、僕であり続けなければならない
私には、まだなれない……
お兄ちゃんが、僕を弟と認識してくれたから

……会うまでは、まだ僕でいなければならない

【場に残った独り言】
【眠るように、クラウは意識を閉ざした】

/お疲れ様でした!
287 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 02:22:20.03 ID:wi+YBq0to
>>279

【命中した右足は、出血する左足を庇うように落ちるようにして地面に叩きつけられる】
【てらてらとゆっくり脚絆を濡らす出血が徐々に利いてきたか、足の動きが鈍くなりつつはあるものの】
【いっそ両足がそうであったら、危うかったか。いくらかステップを踏み、その場で体勢を整える】

あァ、来い!

【遮る物の無い砂漠の空に浮かぶ、眩しい太陽のような色の金が赤を迎えうつ】
【いっそ回避に専念すれば難なく終わったかもしれないし】
【素の状態で速さでは勝る相手、その最速の斬撃であるとなれば避け切れなかったかもしれない】

【されど今は何より、強い者と後顧の憂い無く立ち合える事が楽しく、嬉しく、前記を良しとしなかった】
【迎えるのは、相手の左肩から右下へ至る曲刀。奇しくも、二つの軌道は方向を違えて一致する】
【こちらの右足の表を裂いて血を浴びた刀とこちらの曲刀が、真ん中でかちあって鈍い金属音を立てる】
【曲刀がどのような色を纏って刀と合わさるかは、未だ分からず】
288 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 02:25:02.85 ID:vD0QPb+wo
>>282

【確実に捉えた――だが、獣人と言った存在の前には人である者の一撃は余りにも儚きモノであるのだろうか】
【しかし――男が反撃しようとその強靭なる肉体を軋ませる様は女に取っても憂いなき歓喜】

【まだ戦える、この強者と技を交えることが出来る――その表情には純粋なる喜悦が溢れるものだったのだけど――】


ん――……?

いや――ちょい待なよッ!これからって時に ッッ――――!!!!


【後方へと仰け反り、今その石畳より外へと足を踏み入れようとする男に、その表情も唖然としたものへと変わり】
【思わず出した声に、その背が傷んだか――面には苦痛の表情を浮かばせるも――遅し】


【重圧たる音が響けば――視界から男は消えていて】


………いや……

【偃月刀がその指を滑り石畳の上へと音を鳴らせば、その外に腰掛けた男の方へと視線を向けて】

グー・ゲルギル………フフ――まぁ仕方がないさ、ルールってもんは面倒だねぇ……
今回はこんな感じで終わったけれど――アンタとはまたやり合って見たいモンだ、アンタもこんな結果じゃあ――……納得行かないだろ?

私は納得行かないよ、アンタみたいな強者は久しぶりだったよ、楽しい時間もこれで終わりとは……少し残念だけど……

【そしてその男の表情へと瞳を移せば、一つ――笑を零して貴方に言葉を投げかけ、女も、その外へと飛び降り、その側へと歩み寄り、貴方に向かい手を差し出して】


楽しかったよ、またいつか――今日の続きをしようじゃないか
ッ――それにしても……最後の攻撃かい、ありゃ効いたよ、少し恥ずかしい格好になっちまったねぇ――

【握手と、言うことであろうか、そしてその女の背を見れば見事に敗れた服に晒された白肌、刻まれた傷が赤くその色を主張しているものであり】
【その言葉の後、その自身の格好に可笑しくなったか、自然と笑を零すものであり――】


【結果しては勝利を得たが勝負は未だについてはいない】
【その想いは言葉にのせて――その向けられた手に乗せて、琥珀の瞳に彩り、貴方へと―――――】





【グ―・ゲルギルvs碧喬嬋   ―――――   勝者 碧喬嬋】
289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 02:27:11.13 ID:9lhBcOaWo
>>284
/ごめんなさい返信が途中で消えてしまいました…
しばらく時間が掛かってしまいますので、都合が悪ければ延期か中断と言うことでお願いします…
290 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/24(日) 02:28:01.46 ID:1eHgdHeOo
>>283

―――大丈夫、出来るよ。自分を、お父さんを信じなさい。

【励ますような声と口調、雰囲気。出来ることなら少女を後押しできるように】
【見た感じ、彼女もちゃんと出来るだろうと、そう判断する】

【――「ほう貴様」と、断りの意を示す少女に、軽い含み笑いをして見せた】

――――――――――……、……。

【「また、会えるか」】
【深く、考えた。時間的には大したことも無かっただろうが、もしかしたら今日一番、考え込んだかもしれない】
【イエスか、ノーか。その二つしか、答えはないというのに】

―――……会えるさ、いつか。いつになるかは分からないけど、明日かもしれないし、何カ月も後かもしれないし。
けれど絶対、会えるよ――――約束だ、うん。

【せめて、これだけは嘘にならぬよう、若い詐欺師は一人、心の中で祈った。また会えるように】
【神なんてものは信じてない、なら何に祈ったのか。きっと自分か、その辺りの偉い人だろうか】

さあ行くぞ、『ピーター』!ほら、何やってる、お前の名前だよ。
『ピーターリザード』だから『ピーター』、それでいいだろ?

『ぐるるるる……ぐるるるっ』

【撫でられていたドラゴン―――『ピーター』は、不思議そうな眼をしたがすぐに、嬉しそうに鳴くだろう】
【その後、くるりと鈴音に顔を向けると、『ピーター』はぺこりと頭を下げてみせた】

じゃあ、お気をつけて―――おやすみなさい。よい夢を。

『ぐぅ、ぐぎゃぎゃっ』

【立ち上がったなら、そのまま踵を返し、手を振りながらで去っていくことだろう】
【ピーターもまた、その後を必死に追っていくのだった】

【夜の闇に、一人と一頭の姿が眩んで、消えていった】

/遅くまでお疲れさまでした、ありがとうございました!
291 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 02:33:38.19 ID:/cOUvfHmo
>>287

―――――――

【刃は交わる、金属が触れて擦れる音は小さく歓声に消えそうだが確かにそこに在る】
【力と力のぶつかり合いはやがて小さく火花を飛ばすだろう、でもそれもいつか終わる】
【惑星さえその生命をいつか終えるのだから人の営みなど言うに及ばず】

【全ての物には終わりが内包されているものだ】


―――――……くっ……

【だからこの戦いも終わる】
【というよりナウファルが合わせるように曲刀を振り下ろした時点で決まっていたのだ】
【エルフェスの剣技は速度あっての物でだからその速度が一度殺されてしまえばそれまで】
【更に言うならば下から上への力よりも上から下の力、つまりナウファルの力が強くなるのは摂理】

【故に銀の刃は段々と沈み目の前で堪えるだけの盾となり】
【膝を折りそしてやがて刀の力は弱まって……】
【そのままナウファルが刃を進めれば小気味良いずぶずぶという音を立てながらエルフェスの身体を斜めに切り裂き始めるだろう】
292 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/24(日) 02:35:08.08 ID:f8/tXtwoo
>>289
/了解しました!なぁに、都合が悪ければこんな時間に絡んだりしないさ……。
/延期・中断が必要な様でも大丈夫ですのでー
293 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/24(日) 02:37:17.45 ID:hRlWVACro
>>285
ーーーあいつはな、直接噛み付くなんて事は中々しねぇよ
煽って煽って、焼け上がるのを見て楽しんでんだ、いい性格だろ?

笑ってんなよ、気持ち悪い声でよ
人のハンデを笑う奴は嫌われるぜ?

【「ま、テメェは構わねぇだろうがなーーー」そう続けて、笑うヒナとは対象的に、あくまで落ち着いた雰囲気で語る】
【その実、見た目に反してよく喋るヒナに一抹の気味悪さを感じているのだがーーー】

【ーーー笑い声が止む、同時に空気がしんと研ぎ澄まされるのを感じ、銃だけでなく、右手をすぐにもう一つの武器が取れるようにして】

ーーーけっ、だろうと思ってたぜ!

【ヒナが動き出すーーーと、同時に反射的に引鉄を引いた】
【しかし、ヒナが頭を下げたのと、そのスピードもあって、放たれた紅い魔翌力弾は向こうの地面を穿ち、焼けた地面が煙を上げる】
【瞬時に迫り来るヒナの攻撃を、身をよじって回避ーーー僅かに皮膚を裂くだけに留め、すれ違うように脇を抜けながら、反転してヒナに向き直る】

気持ち悪い面つけていきなりくんじゃねぇよ!怖ぇんだよ!

【振り向いた直前から銃をヒナに向け、引鉄を引いて魔翌力弾を連射するーーー魔翌力弾の威力は銃弾並であるが、狙いが甘く制度は良くない、おまけに連射が始まったころにはヒナは振り向いて十分暇が出来ているだろう】
【銃を連射しながら、ラッシュは右手に剣の柄を取って電源を入れると、そこから紅い魔翌力光子ブレードが伸びたーーーこちらがもう片方の武装だ】
294 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 02:38:14.84 ID:l683WAuKo
>>288

ルールはルールだからなぁ……
それを知った上で負けちまったんじゃあ言い訳のしようもねえわな

いやはや、納得いってるか?
ってえ聞かれりゃ言葉は濁させて貰うがよぉ?
ちょいと不完全燃焼ってえ気持ちもないことはねえ

【虎人は尻尾でたしたしと地面を叩くような仕草を見せながら】
【耳を軽く畳み、「うぅむ」と小さな唸り声を上げながらそう言った】

【リングアウトの原因は飽くまでも自分が立ち位置を調整できなかったせいだ】
【自己責任だと分かっている……いや、分かっているからこそ何とも言えない気分であった】

おう!喧嘩したけりゃまた声でもかけてくれや嬢ちゃん!
今日の雪辱を、存分に果たしてやらぁな!

【だが、喬嬋から手を差し出されれば】
【イマイチ表情の分かりづらい顔でそう応え、ネコ科の大きな手で握手を返す】
【ヒト族のように複雑な指は持っていないが】
【ふさふさとした毛に包まれ、肉球のついた手だ】

そんじゃあまあ、何はともあれ今日はここまでだな

まあ、何だ。俺に勝ったんだからよ
折角なら俺に勝った女は大会優勝者だったんだぜ?
ってえ自慢でもさせてくれや!次の試合もよ、応援してるぜぇ!

【口元を軽く吊り上げて笑みを見せると、グーは杖をついて立ち上がり】
【手と尻尾を振りながら、会場から去っていった】

/お疲れ様でしたー!
295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/24(日) 02:44:10.29 ID:MVa7BVoE0
>>290

――うん。

【「がんばるね」と、そう言葉が続いていくのだろう】
【それがどんな結果を招くのかなんて、誰も分からないけれど――そう、きっと、がんばれる】
【ひとりぼっちで蹲っていた、そんな少し前だったら出来なかったことだって、いまなら、】


【地面の石ころを蹴飛ばすようにひとの命が散る。今だって、どこかで、だれかが】
【自らだって、いくつも散らしたことがある。そんな世界だって分かっていても、そんな世界だからこそ、】
【絶対を約束して欲しいだなんて、或いは、わがままなのだろうか】

【考え込むような間に、ふつと不安げな色を沸かせて、じぃと見上げたけれど】
【次いだ言葉。安堵したかのよう、嬉しそうに笑って――】

……――約束。ぜったい、絶対だよ
そうしたら、今日よりもいっぱいいっぱいお話するの。だから

【「元気でいて」と、その言葉は続かなくたって、通じてほしくって】

またね

【闇に霞んでいく二つの影。見えなくなるまで見送って――その姿も、瞬きの間にふつと消える】

【「……ひどいこと、いって、ごめんね?」】
【永遠の夜の中、見渡す限りの黒の中、――ようやく、口に出せた】

/おつかれさまでした!
296 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 02:49:33.07 ID:wi+YBq0to
>>291

【こちらの曲刀が相手の肩を裂いたかどうか、それは分からずではあるが】
【金属音ののち、一度かち合う刃と刃とが止まってしまえば、それ以上こちらも力を加えることは無い】
【代わりのように、相手の体に薄く入った左肩から脇腹にかけての傷の上から合わせるように】
【手首を返した曲刀の柄を、殴りつけるように押し込まんとする】

……エルフェスだッケ、トーナメントで見た限りノ記憶だケド
強いな、初戦デすぐに出逢えたノが惜しいくらい
アンタの戦ッテる姿、客席から見たいくらいだ

【相手がこれ以上立ちあがるかどうかを見定めるように、膝に固めた緊張は解くことなく】
【それでも次手を振るわないのは、傷つける事を楽しんでいるわけでは無いことからか】
【相手が強いからにこそ、立ちあがる可能性があるからにこそ、己から剣を収めることは出来ない】
297 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 02:55:13.56 ID:9lhBcOaWo
>>284
あぁ、普通の人間以上の事ができるってことな。
確かにあんた出来そうだもん。むしろ出来ないって言ったら逆に疑うぜ。本当。

【微笑みながらこちらに手を振る男に、愛想いっぱいに手を振り返すことが出来るほど】
【青年の肝は据わっておらず、若干声が上擦る程度にはむしろ臆病の部類だった】
【演技めいた動作も、フランクな口調も、状況に飲まれて疑心暗鬼になっている青年の警戒を解くのには十分でないらしい】
【動いているのは口と手だけ。頭はいまだ男に出会った時点ですぐさま逃走を選択できなかった自分に萎えている】

ん、何してるのか知りたかったのか。別に、そんなに珍しいものじゃない。
おい、やるぞ。
「あーい」「なにをー?」
発動だ発動。

【直接問われて、ようやく男の意図を理解したらしく、描き終えた円状の印に手の平を軽く置くと、目を閉じる】
【二つの丸い光が大きく、激しく点滅し、それに呼応するように、印の紫色が強烈に瞬き、いくつかは霧に飲まれ、いくつかは反射してまた別の霧に飲まれる】
【印を元として、眼に残る赤黒い火花が煩く音を立てて数秒、眼を開いて頷いた男は、手を上に引いた】

いわゆる召喚魔法だよ。これはゴーレム。

【床から勢い良く伸びた二つの太い腕が、円状の印外部の地面を掴み】
【苔とカビに覆われた、顔の部位が全て欠け落ちた人型の胴をゆっくりと引き吊り出す】

「ボルトル」「ボルトル!」
ボルトルってのは、こいつの個体名。あんたが襲ってくるんなら、こいつと戦わせる気だったんだが。
必要ないみたいでよかった。即興で呼べる代わりにあんまり強くないんだよ。

【全身を表面に出し終えたゴーレム―――ボルトルは足で体を支えきれていないのかぐらぐらと落ち着き無くゆれている】
【石と言うより泥で出来た人形、というイメージ。臭いはそれなりにきつい】

まぁ、あんたの美学を否定する気はまったく無い。生憎俺に破壊衝動は無いから共感はできねぇけど。
その機関ってのは是非聞かなかったことにしたいんだが。

「きかんってー?」「あぶないとこー」

……ともかく、俺はこれよりちょっと…かなりか、レベルの高い術の習得をしようとしてたわけ。
ここ魔翌力濃いだろ?だから発動に成功しやすいんだ。
使役段階は面倒くさいことになるけ……あっと、もう興味ないよなこれ以上は別に。あるなら喋るけど。喋りたいんだ実際。
最近人と喋ってないしなぁ。
あんたも見ていくか?

【敵意をあまり持たない相手だと知ってさらに口の回転に拍車が掛かったようで】
【とはいえ、相手を誘うこの言葉が本心からのものではないのも確か。実際はできるだけ安全に一人で】
【集中してやるべきものだと青年は踏んでいた。単なる気の入り方の違いではあるのだが】

//遅れました申し訳ない…。メモ帳なんか嫌いだぁ!
298 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 02:57:10.92 ID:vD0QPb+wo
>>294

【リングアウトによる強制終了、まだ戦って居たかったと言うのは我儘なのだろうか】
【だが、その言葉を聞けば、ああ、――いい出会いをしたのと、その腕を競える者と出会えたのだと】
【また喧嘩をしようかと――笑を零して告ぐ女性がいて】


【漢に望むソレは何も縛りのない純粋な衝突で、そんな立ち位置等も考える事の無い真剣勝負と云われるモノ】




ハッーーそりゃいいねぇ、ああ、行けるところまで、いや、出たなら狙うは頂点さ!
これからが楽しみってもんだよ!存分に暴れさせてもらうとするさ



【そして、その背に瞳を向ければ――何を思うか】
【女性もまた、その視線を外して、その場を後にするものだった】


【今宵出会いし獣の民――この一戦はその記憶の中に刻まれる、そんなモノであったのだろう――】
299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 02:57:15.87 ID:/cOUvfHmo
>>296

(まだまだか……あれだけ修行しても初戦敗退か……)

【刀は手から離れ落ちて霧となって還る】
【脇腹に鈍い痛みが入ればそれを契機にエルフェスは完全に地面に伏し】
【「はあ」と息を吐いて瞳を閉じる】

まあ、そのなんだ……一応オレに勝ったんだからいけるとこまで行けよな
……送る言葉はそれくらいだ、ちょっとばかり血が流れすぎた……

【掌をひらひらと踊らせながら】
【その言葉は自身の敗北を認める物だった】
【どことなく悔しそうな納得のいかないような表情だけど、今日の負けは明日の糧になるだろう】
【そう考えればこの姿も悪くはないと思えて、最後にはそんな自分に困ったように微笑んで】

(情けない限りだけど、仕方なし……か)

【そっと意識を手放すのだった……】


【武闘大会初戦、勝者――――ナウファル】

/お疲れ様でした!
300 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 02:58:40.92 ID:Ir3p6YIDo
【公園】

【水の国で開かれた武道大会】
【大規模に行なわれるそれらは能力者だけでない一般の者まで熱狂させ】
【その熱狂の渦は世界中を巻き込んだように世界中が注目した】

【その中、とある街の酒場もこの大会に漏れ無く熱狂していた】
【ここはそこらの店と違ってスポーツバーのように幾つもテレビが有る】
【皆々、酒を飲み、テレビに齧り付き、戦いの行く末に一喜一憂する】
【なぜならば―――】

【続々と、決まる一回戦の決着】
【直ぐに壁のコルクボードに張られたトーナメント表に勝敗が刻まれる】
【同時にオッズから配当金の額が発表されると】
【男どもはワアっと、賭けの券を持ってカウンタに集まる】

ほらな、言ったろ?こっちのほうがこの場合アドヴァンテージがあるんだよ

【負け券が宙舞う中、がらがらになったテーブル席でとある男が頭を抱える男に言った】
【細いスーツ姿、サングラス…缶ビールを手に持って目の前の男に色々と説明する】
【男は缶ビールを持って席から立ち上がった やたらと背が高い(ついでに痩せた)男だ】

じゃ、次は頑張れよ

【うなだれる男の背中を叩いて、男は店を出た】

あー…あっついなあーあの店

【今だ賑わう店、街を背に公園に足を向ける男】
【そして暫くてぷてぷ歩いて、適当なベンチにどっかり座った】
301 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 03:09:05.84 ID:wi+YBq0to
>>299

【息を吐くように張りつめた力を抜いて、曲刀の柄を引くと一歩退く】
【一瞬ののちに刃の周りに纏った水が弾け、元あった湿気の中へと徐々に消えていった】
【水と共に血も流れ去った曲刀を鞘へ押し込むと相手の言葉に頷いて返す】

あァ、ソウしてみせるヨ
じゃないと、アンタに合わす顔が無さソうだ

【頬を落ちる汗をぬぐって、担架がやってくるのを見届けてから入場口へ足を向ける】
【ほどなくして、こちらも大会スタッフの治療を受けることになるだろう】

/お疲れさまでしたー
302 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 03:09:11.93 ID:l683WAuKo
【大会会場 観客席】

おう、待たせたな!
いやぁ……やっぱり若ぇモンにゃ敵わねえわな!強ぇ強ぇ!

だが、いい運動にゃあなったぜ!ガハハハハ!

【先程試合を終えたばかりの選手、グー・ゲルギルは観客席へと足を運んでいた】
【周囲の者達は、大柄な虎人へとちらりと視線を向けたが】
【大会の熱狂の中ではあまりに薄い存在であり、すぐに興味は失われていった】

【グーが話しかける先には、二つの人影があった】
【一つは、純白のローブを目深に被った小柄な人物】
【手にはキャラメルポップコーンが握られており、先程までそれを食べながら観戦でもしていたのだろう】
【もう一つはグーと同じデザインの、しかしこちらが真っ黒な民族衣装を着た人物】
【口元をマスクで隠しており土色の肌と生気に欠ける瞳をした、どこか不気味な者であった】

【グーの存在を見つけた二人の内】
【ローブを着た小柄な方の人物はポップコーンを座席に置くと】
【豪快に笑う虎人の元へとトコトコと駆け寄り】

「――――」

【観客の声にかき消されるような小さな声で、グーに何かを語りかけると】
【グーの腹の辺りをか弱い力でポカポカと叩き始めた】

おぉ、痛ぇ痛ぇ!悪かったって!
だが仕方ねえだろ?勝負ってえのは先が読めねえもんだ
相手があれほどの使い手なら
むしろ善戦したほうだと思うぜ?おっちゃん的にはよぉ

【小柄な人物――微かに漏れる声から察するに童女であろうか】
【彼女に対して笑いかけながら言い訳をする】
【今日の相手は掛け値なしの強敵であった】
【全盛期であっても危なかったであろう鋭い斬撃の冴えは、今でも背筋に氷を入れられた気分になる】

「――」

あ?……まあ、いいか。今日は珍しいお祭りの日だ
今日くらいは、お姫様のご機嫌取るのも悪かねえかもしれねえなぁ

【ローブの少女に何かしらの声を掛けられると、グーは笑いながらその身体を担ぎ上げ】
【肩の上に乗せて歩き出す。それに続くようにして、無言で黒い装束の者も背を追い始めた】

俺にゃよく分かんねえが、"ぱふぇ"ってえのが美味いんだったか?
今日はそれを好きなだけ食わせてやるよ
格好悪いところをみせちまった詫びだ……それで許してくれや――"シーナ"

【童女――シーナと呼ばれた者は、それで機嫌をよくしたのか】
【グーの首の辺りに手を置いて、体重を乗せる】
【虎の老人は、大きく陽気な笑い声で彼女に何事かを話しかけながら
【ふらり、ふらりと尻尾を揺らしつつ会場から姿を消していった】

/絡み不要です!
303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [saga]:2013/02/24(日) 03:19:36.91 ID:RwjJ0fqAO
>>293

【足を止めぬまま駆け抜けた先で、やや無理にブレーキを掛けつつヒナは振り返る】
【改めてこちらへと向けられる銃口は目で捉えられない、面が視界を狭めているから】

【振り返りざま、伸ばした右手と腰に据えた左手、それぞれ握り締めて拳を作る】
【当然のことながら硬い鉄爪は柔らかい手のひらに食い込んでいき、鮮血を滲ませる】
【四つの爪が刺さった箇所から次第に溢れてくる血液――少々、量が多すぎやしないか】

…………それで、良い!
そういう目的も少なからず、あるからな……!

だからもっと“怖がれ”、“ラッシュ・ワンスドッグ”――!

【振り返って拳を構え、ようやく銃口を認めた頃には、連射が始まってしまっていた】
【射撃の精度が悪くても数打てば必ず当たる、それは昔から言われてきたことだ】
【魔力弾の数発は脇腹や腿などを掠めて、血の薄ら滲む程度に体を傷付けていく】
【それからは軽快な身のこなしであちらこちらと回避をしながら、試みるのは再び接近】

【たん、と地面を蹴り飛び上がって、とん、と壁を蹴り前方へ跳ねる】
【握り締めたその両手を開けば、溜まっているのは両手一掬い分の血だ】
【ラッシュの剣を持つ右手側を目指しながら、空中に舞いつつ――】
【まるで水の掛け合いをする時のように腕を振り、その血を顔へ目掛けて放るだろう】

【恐らくは、目潰しが目的か。挙動は大きく解りやすいし血の量もさほど多くない、何らかの対策を取るのは容易いハズだ】
【問題は“液体”という点だろう。放ったことによって血の範囲が広まっているのは、少々厄介かもしれなかった】
304 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/02/24(日) 03:21:04.28 ID:RbqxRQPLo
>>300

「……ひっどいです……ホント、どこに行ってもあんなのばかりで」

【勝負は往々にして賭博を招くもので、そこかしこが狂喜の渦巻く鉄火場へと変貌した、ここ、水の国──】
【奇しくも男の眼前に、視線を落として一人、うんざりだとばかりにごちる少女の姿があった】

【気取らない、簡素な黒い振袖の袂を揺らしながら、手に横笛を握ったその風貌は──きっと、櫻の国の出身だろう】
【雅やかな雰囲気を醸していて、地面へ伏せられた眼は遠慮がちに垂れ、自然な微笑を象っていた】


「……こんばんはぁっ……すごい騒ぎですねぇ……街」
「どこのご飯屋さんも混み込みですし、」

【おもむろに男の隣にあったベンチへ腰かけて、同意を求めるように漏らすと】
【彼もまた、街の熱気狂乱にあてられた人間だとあたりをつけたのか、返答を待たぬまま、呆れた調子で言葉を継ぐ】
【「あ、いきなりごめんなさい」と苦笑しつつ男の方へ顔を向ければ、横一文字に整った萌葱色の前髪が、ふわりと揺れた】
305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/24(日) 03:23:19.74 ID:f8/tXtwoo
>>297


へぇ、召喚魔法。ゴーレムですか……懐かしいものです、
昔はよく倒したものですバーチャルの世界で。


【召喚魔法、それもゴーレム。魔術師の下僕としてはオーソドックスだが思えば見た事は無かった】
【召喚された“ボルトル”を見て口笛を吹くと、関心した様な、懐かしむような表情を男は見せた】
【この男は異世界人……バーチャルの世界で相手をしていた相手が目の前に現れて感慨深い気持ちになっていた】


“ボルトル”君ですか。ちなみに彼はシルバー・ウィング


【鋼色の翼を持つ雀が、チュン!と胸を張った。ネーミングで張り合ってるつもりなのだろうか】
【鋼は英語でスチールって言うんですけどねぇ】


おー、大したものですね────でも、かなり不安定な見たいなんですが。


【グラグラと揺れる不安定な土人形を見て「これは戦えるのだろうか……」という疑いの眼を見せるが】
【さらなる上の術を試すと聞き、なるほど。と、頷いた。そして、おもむろに宙を相手にジャブを始める】


なるほど、さらなる上位の召喚があるという事でしょうか。それは是非拝見させていただきたいですね。
私も大したモノの見つからない自分探しの旅に飽々していたところでして────。


【シュ!シュ!と男の拳が宙を撃つ。……この男、戦う気】
【まあ、こういった動きを見せると言う事は出てきた奴と戦って良いですかとアピールしているもので】
【損傷して困るというのなら、言えばやめてくれるだろう。多分、ものによっては。おそらく。きっと】


あ、そうそう────。魔力を使うんですよね。必要でしたらご支援しますよ。
と言っても、私の、じゃないんですけどね。


【そう言うと、彼が懐から取り出したのは、何かの破片の様な魔石。魔力感知能力がある者ならすぐに分かる】
【その破片には宝玉を思わせる様な大量の“光の魔力”が収まっているという事を────】


以前、ある場所で入手した、王の欠片……だったか、破片だったかというらしんですがね。
まあ、私には使い道の少ない物だったので。必要なら言ってくださいな。

306 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/02/24(日) 03:30:37.54 ID:RbqxRQPLo
>>304
/
うぐぐぐ……いきなり記入漏れがぁ……台詞三行目の読点は忘れてやってください
307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/24(日) 03:31:36.02 ID:hRlWVACro
>>303
【紅い魔弾に、紅い血液ーーー黒い二人の中で飛び交うのはどちらも紅だ】
【先に止むのは魔弾の連射、ヒナが接近してくれば、銃撃を止めてブレードを構え、接近に備える】

【軽快な動きだが、目で追えなくもないーーーヒナが壁を蹴る、接近する瞬間を狙ってーーー!】

ーーー!?

【刹那、飛び散るのは紅い鮮血ーーー攻撃による物ではない、まだ自分は攻撃していない】
【ヒナが自ら出して、撒き散らした鮮血を、右腕で咄嗟に防ぐーーー顔に血はかからなかったが、僅かに隙が出来た】
【だがしかし、紅く染まった右腕をそのまま振り抜き、見えずとも当たる筈だと無理矢理攻撃に繋げた】

【その攻撃がもし放てたならーーーブレードは横薙ぎに、大雑把なまでに振り抜かれるーーーかわされれば、隙だらけだ】
308 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 03:41:36.57 ID:Ir3p6YIDo
>>304

そんなもんだよ、あーいうの なかなか無いしね

【突然、話しかけられても動じずに飄々と返答した】
【特に、そちらを見たり、サングラスを取ったりもしなかったが】
【サングラスと黒いスーツあと身長でかなり厳ついが声は柔らかい】

【缶ビールをグビリと飲む】
【気だるそうに伸ばした足を足首のあたりで組んでいる】

でも、いつもはこの時間、閉まってるような店とかもやってるしさ
競技場?…とかから、帰ってくる人も居るし お祭りなんだね やっぱ
いいんじゃない?楽しくて…楽しそうで?かな     …俺は人混み苦手だから行かないけど

【缶ビールを地面にそっとおいて】
【グイーっと、腕をおもいっきり伸ばし、背伸びをした】

【酒が入っているのか熱そうだ】
309 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 03:42:14.38 ID:9lhBcOaWo
>>305
バーチャル…ねぇ。

【並行世界。ここでは無い何処か。異世界】
【かなり制限が薄く、常識など覆されっぱなしの青年ではあるが、いまだに視野を強制的に広げられる感覚には慣れない】
【この男にとっては昔。ボルトルと似たような姿のゴーレムは彼によって倒されたらしいのだが】
【会話する頭脳、というかそもそも口を持たないため、ボルトル自身に異世界に同種が生息する可能性を問うことは不可能】
【胡散臭い。嘘と決め付けることができない不甲斐なさを抱きながら、しぶしぶ相槌を打つしかなかった】

シルバー・ウィング……やばい強そうだ。

「ほら、ボルトル、よろしくいえよー」

【名前負けは確実。図体では勝っているものの、この男の付き添いである雀】
【何故か敗北感を味わっている青年の様子も、辺りをくるくる回りながらちょっかいをかける丸い光も】
【ボルトルには見えていない。そして悔しさも、相手への張り合いも無い。所詮は人形である】

あんたの期待に沿える自信は無いけどな。
自分は自分で見つけるのが一番だようん。俺にはまず今のあんたもよく分からないし。

――――って……

【その場に居座ることを決めたらしい男が取り出した欠片に、青年は目を丸くする】
【彼の生涯では稀にも見ない良質な魔翌力石】
【しかも名前は王の破片】
【初対面の人間にほいほい渡してしまっていいものか、騙されていないか疑うほどの品】

使わせてくれるならありがたい。
ボルトル召喚に使っちまったこいつらの魔翌力減少を含めても。成功は確実。
しかも下手すれば大当たりが引けるぜこれ。
本当にいいなら、この壁の近くにでも置いてくれ。
このレベルの魔翌力なら、俺が注がなくても魔法陣から喜んで吸い取ってくれる。

【そうと決まればやる気も出たようで】
【円状の中身を白い石灰で描いた、奇怪な文字で埋め尽くしていく】
【その量が増えるほど、ボルトル。簡易ゴーレム種とは比べ物にならないほど大きな光が円から発せられて】
【もはや警戒心など忘れ去ったかのように、円から一切眼を離さず青年は腕を走らせ始めた】
310 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/02/24(日) 04:03:13.12 ID:RbqxRQPLo
>>308

「どこもかしこも、らんちき騒ぎですからねぇっ……中々、田舎者には厳しい環境です」
「私も苦手なんですよねぇー……ああいうの、鈍いのもあって……って、何言ってるんですかね、私ッ」

【男の強面と素っ気ない態度に一瞬、体を強張らせこそしたけれど】
【人当たりの良い声色と気さくな返答を見れば、少女は表情を和らげ、首を傾げて応じてみせる】

【どこからともつかぬ程、街一杯に広がった喧騒は──初な印象を与える少女にとっては、不慣れなものらしく】
【ふと、ざわめきに混じって酒場の方から上がった怒声を前に、彼女は“こういうの”と言わんばかりに首を傾いだ】

「……大会、ですもんねぇー」「私の友人も一人出場していたりして、大会自体は結構、身近に感じられるんですけど」
「殆どの人はこう、何と言いますか……大会よりもお祭りの方を楽しんでいるような、そんな気風ですよね」
「……何も今日、この大会に限った話じゃあありませんけどっ」

【───初対面】
【それにしては馴れ馴れしい態度をあらためながら、椅子へちょこんと乗せた尻をずらして、そちらの方へと向き直れば】
【「私も出れば良かったかな」なんて、柄にもない一言をぽつりと漏らす】
【戦いなんて、到底無縁そうな容貌をしていたのだけれど、その語意は、どうやら半ば真意じみたもののようで】
311 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/24(日) 04:03:19.88 ID:f8/tXtwoo
>>309


魔導師じゃない私には価値の薄い者です。
基本的に物は使い捨てる主義なので一品物の貴重品はちょっと、ね。


【ほい、っと“王の欠片”を放り投げる。それは壁にぶつかってカタン、と地に落ちた】
【ぞんざいな扱いに一部の人間からすると卒倒してしまうかもしれない。物に執着が無いというのは本当の様だ】
【欠片は陣に対して反応を見せたのか、一層周囲に放つ魔力を濃くし淡い光を放ち出すのだった────】

【そして、手品師の様な格好に似合わないインファイトなスパーリングを見せつけながら不敵に笑う】


いいんですかぁ?賽は投げられちゃいましたよぉ。フフフ……。


【煽る、煽る。私ごときでは破壊出来ないほど、強い奴を呼んでこい、と】
【実際に“大当たりが引ける”かはともかく、これによって成功の確率は凄まじく高まったはず】

【自分探しなどというつまらない事をしている男は、自分にとっての強大な壁を求めていた】
【それは困難であったり、時に、凄まじく強い“敵”であったりするものである────】


貴方は“力ある者”として、自身を持つべきですね。故に貴方が次に言うべき言葉はこうです。
──フッ、後悔するなよ?お前ごとき、俺のスーパーボルトル(仮)の指先一つでダウンだぜ!ヒャッハァ!!。です

ねぇ、そう思うでしょう?貴方達も。


【ヘラヘラと笑いながら、語りかけるのは集中する青年ではなく、その周りを浮遊する光達にである】
312 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 04:20:15.66 ID:Ir3p6YIDo
サーカスみたいな夜だな…ホント 明るくていいよ…うん、ホントホント 
夜だってたまには明るくても悪気はないと思うよ

やっぱりさ、普段は理由がないんだよ、盛り上がったり楽しんだりの
仕事したりしてる人の横でさ、ワーワー出来ないわけじゃん? うるせーって言われたり
でも今日は大会あるし日常を抜け出す理由になるから…
…まあ、大半の人は出てるわけじゃないから酒のツマミだよ うん、そんなもん

【何か余計なことが頭のなかに泡のように浮かんできたのだが】
【男はそれを突いて割って、なかったコトにした】
【自分の髪の毛をワシャワシャ掻いて気分をごまかす】

へー出てるんだ、友達  すごいね、よくわからないけどさ
…今のうちにサイン貰ったらいいんじゃないの?

【男は歯を見せてニカッと笑った】

ふうん……出りゃよかったじゃん  うん、別に駄目じゃないんでしょ?身長制限とかある?
ほら、あのあれ…賞金とか出るじゃん…他にも何かあったけど何だったっけ…

【相手の言ったことを小さくてもちゃんと聞き逃さなかった】
【男はそれまでの雑談と同じようにサラッと言い放つ】
【うーん…と唸りながら、足元の缶ビールをまた手にとってぐびぐびと飲む】
313 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [saga]:2013/02/24(日) 04:20:20.79 ID:RwjJ0fqAO
>>307

【パタパタ、パタリ、こぼれた僅かな血液が足元や壁に散る】
【……フッ、と鼻で嗤う声が、男の耳にしかと届くことだろう】

――――“かかったな”。

【合成された不気味な声音で呟くのは、酷く意味深長な言葉――】
【――しかし男に血を浴びせたことで、ヒナは油断を見せてしまった】

【相手に生まれた僅かな隙の間に、こいつは次の行動へと移らなかったのだ】
【地面へと降り立とうとした瞬間、振り抜かれたブレードが胸を横一文字に切り裂いた】

しまっ――……あッ、!!

【首を仰け反らせて一瞬苦悶の声を上げ、一気に血の溢れだす胸を両腕で抑えながら】
【着地に失敗し、殆どうつ伏せの状態でうずくまるようにしてその場に倒れ込むだろう】
【暫くして呼吸を整えつつも顔を上げると、地面には小さな血溜りが出来ているのが見える】
【この出血量の多さは恐らくヒナの体質なのだろう、要するに弱点であるということ】


…………ぐぅ、……痛ッ……!
くそ、腕試しとはいえ、少々油断してしまったようだ、な……!
やはり“アレら”の片鱗を早々見せては、くれまいか……!

……そういえば、名乗り忘れていたな……

【独言の声は幾らか憎々しげだ。相手の強さに対してものか、それとも自己へのものか】
【無様にも伏せるみたく蹲ったままの状態で、ひとつ、思い出したように呟きを重ねる】
【そうしながら、そっと差し出すのは左手。爪先で、地面に何やら彫り込んでゆき】

我が二つ名は爪紅の怨鬼=c…呼ぶならば、“つまぐれ”と、呼べ。
再演者のように“ヒナ”とは決して呼ぶな……へどが出る。

【ヒナ――いや、“つまぐれ”は、名乗りと忠告を一つずつ伝えると】
【ちょうど、左手で描いていた“逆五芒星”の紋章を書き終える】
【これは以前にも見たことがあるだろう、魔法陣と全く同一のものだ】

……恥ずかしい話だが。貴様より私の方が“犬”のようだったな、情けない……。
されど今宵はこれにて終演、次こそは必ず見せてもらうぞ……“ラッシュ・ワンスドッグ”。

 ―――― 炸 

【締めの言葉もそこそこに。炸≠ニ一言だけ唱えれば、】
【周囲に散ったものも含め、ラッシュの右腕に付着した血液が、ごく小さな爆発を生じるだろう】
【生体に触れている血液の、爆発の威力は低い。精々が熱傷を与えられる程度に過ぎない】
【――自分の血液を爆発させる。それが、黒装束の能力だった】
314 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 04:21:12.52 ID:Ir3p6YIDo
>>312 >>310
こんな夜は安価を忘れがち
315 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 04:35:22.46 ID:9lhBcOaWo
>>311
投げっ……!? こ、壊れては……ないな。

【この量の魔翌力が暴発して漏れでてしまえば、魔法陣まで誘発しかねない】
【貴重品をぞんざいに扱う依然に、始める前から失敗に終わるところだった】
【やはり油断は良くない。不具合は思わず所から起きる。なんて思い知らされた青年である】

まぁ召喚には成功しても、術として呼び出すよう使役するには相手の条件を呑むか、ひれ伏させるかの二択だしな。
あんたが戦うのなら、後者の選択を取るわけだ。
殺さない程度に頼むぜ。
勿論殺されるのも止めてくれ。あんたが死ぬような相手じゃたぶん俺も死ぬ。

「おまえしぬのー?」

まだ死なん。………きっと。たのむぜーボルトル。

【欠片の魔翌力を吸収し、膨れ上がる壁の光の度を越えた量に青年は若干たじろぎつつ】
【今更後には引けまい、と、盾にされようとしていることに気づかずのんきにふらつくゴーレムに身を託して、自らの背中を押し、壁の魔法陣に手を置く】
【二つの丸い光は、この環境に影響されたのか、青年が命令するまでも無く自己的に輝きだした】
【これもまた、ボルトルの際の数倍大きく、距離を開けた二つが重なり合うほど、広い範囲に光の靄を作り出している】

ちなみに、呼ぶのはゴーレムじゃないぞ。
俺はどっちかっていえば悪魔系、闇属性の召喚術の方が得意なんだ。ボルトルもどっちかと言えばその類。
だから召喚に紫色……の……ん?

【眼を開いてみれば、紫色に輝くはずの円状の光は、意識まで眩むような、一面の白】
【もとより赤と青の光を放っていた、彼女達の放つ光も、白】
【周囲の霧ですら、不規則に多色変化していたのが嘘のように、白】
【そして、王の欠片が放つ光は、もとより白】




―――――あ、やばい、呑まれ…




【そう呟いた瞬間。魔法陣から弾き飛ばされるように、彼の体は宙に浮いた】
【青年がとばされてから数秒と待たず、ボルトルは溶岩にでも触れたかのように泥へと溶け、二つの光は、何かに押しつぶされたかのように、萎んで消えた】
【魔法陣の描かれた位置には】

【四枚の羽を生やした、白装束の、人間―――膨らんだ胸から察するにおそらくは女型】

【その上半身が、整った顔と、染み一つ無い肌に合わない、ムカデのような動きで身を乗り出し、かくり、と首を曲げ】
【光の無い、張り付いたような、頬を引きつらせた笑みを、男の方を向けた】

【掠れるように響くノイズは、耳を澄ませばこう聞き取れるだろう】




われ  を  よんだ   のは  お   まえか




【どうやら青年が引いたのは当たりでも大当たりでもなく】
【外れだ】
316 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/02/24(日) 04:43:51.86 ID:RbqxRQPLo
>>312


「酒のツマミ、ですかー……」「……確かに、仰る通りかもしれませんね…と」
「“非日常”、って……やっぱり、誰しもが憧れるものだと思いますから」


「……?」

【男の言葉に一応の納得を見たらしく、うんうんと首を縦に振って、それから】
【何か、思考を掻き消すような仕草をした男の方を、怪訝そうな眼で見つめた】

【踏み込みはしない、けれども一抹の興味を垣間見せる表情。それは、どうかしたのですかと言わんばかりのよう】


「……一儲け、できるかもしれませんね、一攫千金」

【男の提案を冗談交じりに返せば、やんわりと緩んだ頬に出来る、小さな笑窪】


「無い、とは思うんですけど──実は」
「……その、恥ずかしながら……締め切られるまで、大会自体を知らなくて」
「有名なものだって知ったのも、つい先程の事で……これだから、田舎者はってヤツですね……」


「……あはは……」


【節々で言葉を切りながら、恥ずかしげに話を繋いで】
【顔を俯かせて照れ隠しに終止するけれど、そうして尚判る程、彼女の頬は赤く染まっていた】

【苦し紛れの笑いを零しながら、下を向いたまま──間が持たない、助け舟を求めるように、そちらを横目に見遣ってみる】

317 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/24(日) 04:44:31.18 ID:hRlWVACro
>>313
【適当に、無理矢理なまでに振り抜いたブレードは、予想外にも功を奏して、ヒナの胸を切り裂けば、噴き出したのは大量の血液ーーー】
【手応えーーー傷の深さに比べて出血が不自然なまでに多いーーーもしかして血液とは別物か、とも考えたが】

ーーーその様子じゃ、偽物や演技じゃねぇな

【顔にかかった血をぬぐいーーー血液は付着しないのだがーーーブレードを軽く振るって、構え直す】
【銃を肩に担ぐようにして立つ姿は、何処か悪人じみていて、憎々しげに紡がれる、合成音声に耳を傾ける】

かっこいいねぇ、二つ名ってのーーーつまぐれ≠セかきまぐれ≠セか知らねぇが、顔も声も見せねぇ奴の名前を覚える自信はねぇな

【ーーー『最早、ろくに戦えはしまい』ーーー甘い見積もりだが、そう考えて、銃をホルダーにしまうと、左手をそのままポケットに】
【取り出したのは、何らかの液体が入ったアンプル】

どっちが犬≠セか、やめにしようぜ、そういうのーーー
どっちも主人の無茶振りに付き合ってやってるだけのお人好し、それでいいだろ
…俺も一緒さ、主人の命令には従う、それが俺の友達を裏切る事になってもよ

【ーーー取り出したそれを、ヒナ…いや、つまぐれに放る】
【軽く弧を描いて落ちるそれは、機関の悪魔の発明を、ラッシュの主人が作り替えた、その一端ーーー】
【結局の所、ラッシュはこうするのが釈然とはしなかったが、主人の命令だけに逆らう事は出来なかった】
【材料を提供した代わりに、成果を見せるーーーその中継だ】

【beyond2を作り替えた、能力強化薬=[ーー既に馬鹿なナンバーズに使われ、人知れず人体実験は済んでいた】
【それをつまぐれが受け取るか、はたまた地面に落ちて砕けるかは別としてーーー】

ーーーやだね。どうしてもってんなら、面外して顔見せな

【苦笑いを浮かべながら、答えた瞬間ーーー】
【ラッシュの体はーーー体に付着したつまぐれの血液は爆発、避けようのない爆炎に、飲み込まれた】
318 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 04:47:59.95 ID:9lhBcOaWo
>>311
//何度も申し訳ない…そろそろ限界が来てしまいました…
展開が発展したばかりなので個人的には延期がありがたいのですが、
こちらでミスがあって遅れているので中止でも一向に構いません。

319 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/24(日) 04:53:27.00 ID:f8/tXtwoo
>>318
/おきにならさず。では延期でお願いします!
/これに対する返レスだけしておきますねー。
320 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 05:07:21.75 ID:Ir3p6YIDo
>>316

へえ、そうなんだ…じゃあ、出なくて良かったんだよ そういう月廻りなんだよ
ほら、あれだよ 怪我するよ うん、そりゃ良くないな…よくないよくない

【男は缶ビールを持ったまま、うんうんと一人納得したように頷いた】

俺はまあ、興味がないから何ともなんだけど…メチャメチャ強かったとしても出たいと思わないね
ハングリー精神が無いからさ…あー、…飲み屋のオッサンとかに怒られるだろうなー…オマエのせいで掛け金がパーだ!ってね

ほら、大きい大会なんでしょ? 儲かってるんならまたあるだろうさ
あー…ほらほら、そろそろ、別の国とかもパクりだす頃じゃないの?したらアレだ、出放題だ

【男はそちらの方を不意に向いて ニッと笑う】
【酒気帯びのこの男には恥ずかしさとか気まずさとかを感知する機能は麻痺していた】
【当人は思った通りの事を言っているだけなのでフォローとかの技量もないがどうなんだろう】
321 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [saga]:2013/02/24(日) 05:12:53.93 ID:RwjJ0fqAO
>>317

…………ふん、お人好し、だと?
お人好しなら貴様は……近年まれに見るお人好し馬鹿だな。
顔も声も名前も、こればかりは譲れんのだ。勘弁しろ。

――……礼だけは、言っておいてやる。

【差し出していた左手で、放り投げられた発明品を受け取ると】
【間近で物珍しそうにしげしげと眺めてから、腰の革袋に収める】
【その直後に起こる血液の炸裂、威力の程度は自分が一番よく知っている】
【あくまでも低威力の代物だ、彼の身を深く案ずる必要もあるまいか――】


次会う時は“お義理”の“お人好し”同士だ……その時まで、覚えているが良い。
ただし、貴様への“犬”呼ばわりは辞めんがな。

【――去り際に紡いだその言葉がラッシュに聞こえているか、定かではない】
【けれどきっと伝わっているだろうと確信して、つまぐれは転移魔術で消え失せる】
【彫り込んだ魔法陣はもちろんのこと、傷から流した血液の一滴すらも残さなかった】

/ありがとうございました、早朝までお疲れ様でした……!!
322 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/24(日) 05:17:24.16 ID:f8/tXtwoo
>>315


なるほどね、ゴーレムのイメージから“創る”って感じですけど。
あくまで“召喚”な訳ですか。呼び出すのと、使役するのはまた別の話──というわけですね。

【つまり、大量に魔力を注ぎ込んでも過剰に自分の力を超えた存在は使役できない訳か。と少しがっくりとする】
【専門知識は無いが、それくらいは簡単に飲み込める。異世界でファンタジーな雰囲気は様々な媒体で経験している】

何、私に任せれば神でも悪魔でも貴方の下僕にしてみせま────。

【膨れ上がる光に対して胸を踊らせ、シルクハットを上機嫌にくるくると回し出す】
【だが、常にヘラヘラと笑っている男だったが、次の瞬間起きた出来事に対してはさすがに目を向いた】

(あれあれ、話が違うじゃないですか。この姿、人間────?いや、似ているが、違う……羽。悪魔、魔人ですか……?)

【弾き飛ばされる青年ッ!溶解するゴーレム、消えた愛らしき光達ッ!!──そして現れし 悪 魔 の 様 な 女 】
【後に彼の肩に止まる“銀の翼”が語る……。男の表情に浮かんでいたものは、僅かな恐怖。そしてそれに対する歓喜!】

どうも、こんばんは。ちなみに、貴女を呼んだのは飛んでいった彼です。

【目の前に現れた女に対して、舌なめずりをしながら、両手を交差し、それを解き放つ様に大きく両手を外側に伸ばす!】
【まるで一陣の風がここに生まれたかのように、この周囲を覆っている霧がこの場だけ──── 一気に晴れる】


────だが。


【伸ばした両手には右手に四本、左手に四本。どこからともなく、一瞬にしてナイフが指の間に挟まっていた】


貴女を望んだのは、私です。故に。


【能力『リロード&リリース』ッ!!物質の中に物質を格納する能力!!】
【手品に対する本物は“魔法”であるが。種と仕掛けに対して発展させた、】
【種も仕掛けの無い、もう一種の"本物の手品"それが、彼の能力であるッ!!】



 ひ れ 伏 し て も ら う ッ ッ ! ! !



【四筋の銀の閃光が女に向かって伸びていく。左手に構えた四本のナイフを女に向け、一気に投擲した】
323 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/24(日) 05:23:24.88 ID:hRlWVACro
>>321
ーーーケッ、やりやがる…

【ーーーつまぐれが消えた後で、自分から上がる煙をうざったそうに払いながら、座り込む男が一人】
【ブレードの刃を納め、ホルダーに吊るすと、周りを見回して】

…命令には従ったぜ、後はもう知らん

ーーーあーあ…またあいつらに申し訳なくなっちまうよ…

【主人への呟きを一言、現在の自分を省みて一言ーーー】
【犬らしく、主人の命令に従った結果、敵に塩を送る結果となってしまったーーー機関を敵とは、自分自身はさほど思ってはいないが】
【『きっと、他の奴らに迷惑が行く』ーーーそう思えば、愚痴が出るのも当然で】

はぁ…帰って寝るか…

【ーーー疲れたので、もう休む事を選択した】

/お疲れ様でした
324 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/24(日) 05:26:58.17 ID:RbqxRQPLo
>>320

【男の芝居がかった頷きに、「うぅ」なんて恨めし気なうめき声を漏らしながら首をもたげれば】
【いくらか心持を取り戻した少女は、再び彼の方を向いて、「厄日とかですか」と同意を示す】


「まあでも……確かに、この騒ぎを見れば自分の国でも起こしたい──なんて人、絶対居るでしょうしね」
「櫻の国でも開いてくれれば万々歳なんですけど……!あ、でもでも、ありがたみがなくなりそうな……」

【出放題、なんて冗談めかした言い回しを真に受けて、一喜一憂、表情を移ろわせて】


「……ところで、その、……お強いんですか?実際、そこの所はちょっと気になったりします」

「まっさか、私より弱いなんて事は無いと思いますけど……っ、ほら、恰好的に」

【厳つくありながらも剽軽な男は、これまで少女があまり接したことの無い人間の型に当て嵌まっていた】
【よって、その実力の程は全くもって読む事が出来ずに、年功序列の精神で男を上に置いてみたり】
325 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 18:12:53.86 ID:Ir3p6YIDo
>>324

厄日だね、仏滅で神滅も合わさったんじゃないかな

【男はニコリと笑いながら返答する】

沢山でやるとほら…大会自体も競うから賞金とかあがるかも
そしたら初心者は『なんとか村主催の〜』とかから出てさ…この方がいいんじゃない 賞品はミカン一箱とかで
ほら、初陣であの客入りのハコはやっぱキツイって 

【ポンポンとアイデアを口から出まかせで言い続ける】
【少し考えるように黙った後、軽妙に話し出すのは特徴的である】

オレ?俺は……強いとかそんなじゃないよ うん、格好だけだね
うーん、難しいな  一対一とか酒場のオヤジと腕相撲でぐらいしか経験が無いなあ
…やっぱ、強い人しか出れないね あー言うのは
力だけじゃなくて、もっとこう…精神的な何だろ…波動? 

【波動 でまさかの同意を求めるような仕草】

【相手の返答を待たずに続ける】

それも強い人だね…出てる人は  波動とかわかんないけど

【こんがらがった頭を修正するように髪の毛を掻く】


/時計一回り後の返答です 申し訳ありません…!
326 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/24(日) 18:25:58.75 ID:wsjlZYqd0
>>169

なっ……何ぃッ!?

【想定外。単純に、それが原因である。】
【根性で『耐える』までは十二分に想定出来たがーーこれは。】

(この身体能力……想定以上じゃないか。)
(まずい、防げーー!)

【ナイフを振り上げ、踵に合わせる事で防御を試みるーーが、間に合わない。】
【何とか刃を割り込ませ、身体に直撃する事は避けられたが。】

うくっ……馬鹿力め。

【ナイフは弾かれて地に落ち、消滅する。】
【そしてレイニーも踵落としの衝撃を受け切れず、毒づきながら後方へ弾き飛ばされた。】

【表面上、ダメージは無いように見える。】
【然し実際には、ベアコの踵落としは強力だ。それは受けた両腕は密かに痛む。】

(肩を切った以上、向こうも全力は出せまい。)
(だが、こちらも……万全ではなくなった。接近戦は出来ない。)

【ならば、と。】
【思い立った策は、得意とする中距離戦闘。】
【痛みが齎す悪意を刃に研ぎ澄し、顕現する。形状は、所謂撒き菱、非人道的罠。】

【不幸中の幸い、弾かれた事で、間合いは在る。体勢はすぐに立て直す。】
【レイニーは前方の地面に、大量の鋭利なイガグリ状トラップを撒き散らす。】
327 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 18:40:04.18 ID:CNx4e4gY0
>>326

うにゃん!

【ドスン―と響きわたる、倒れる音】
【レイニーを吹き飛ばせたものの、彼女も攻撃の勢いでそのまま尻餅をついてしまった】
【ゴロンと横に半回転、両腕を素早く地面に立てその場から立ち上がる】
【両腕よりもついた尻餅の方が痛かったのか、腰を抑えるベアコ】

【立ち上がった時、両腕に妙な違和感があったが彼女はその理由に気づいていない】
【肩を切られたことによりうまく力を出すことができないだろうが、彼女は平然と腕による攻撃をしてくるだろう】
【それは明らかに今までよりも威力の落ちた攻撃―言うならばレイニーの腕っぷしでも彼女のパンチを受け流せるほどに】

うーーー!なーー!

【気合を入れなおして、離れたレイニーに向けて再び突撃】
【地面にばら撒かれたトラップには気づかない、もう熊と言うよりも猪状態である】

なっ、ぎゃあああああ!!!

【ブスリッ―】
【地面撒かれたトラップに見事までに引っかかり、足を抑えるように飛び上がる】
【全く持って隙だらけな状態の彼女】
【足に刺さったトラップを手で取ろうとして、手にまで刺さり叫んでいる】

ぐぅ!い、痛いじゃないかー!えいっ!

【なんとか引き抜いたトラップをレイニーの元へと勢いよくぶん投げた】
【素直に手で持つと刺さってしまうためか、針の先だけを持つような不自然な持ち方】
【そのため、綺麗な直線に投げることはかなわず、軌道を微かにずらしながらトラップは飛んでいく】
【レイニーがその場から一歩も動かなければ当たることはないであろう】
328 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 18:50:38.13 ID:9lhBcOaWo
>>322
【吹き飛ばされた際、付近の塀に背中を強く打ち、意識を失っているらしい青年は】
【可能であれば、男が戦闘を始めようとするのを止める気であった】
【意図せぬ事態が起こったとはいえ、魔法陣から出現した彼女はあくまでこの場所に”召喚”されている】
【つまり聖属性の魔翌力過多により魔法陣自体の内容が大きく書き換えられてしまっただけで、事実成功はしているのだ】
【条件を呑むか、戦うか】
【そうであるのなら、いくら相手が未知の存在であろうと選択の余地はこちらにある】
【攻撃さえしなければ、実力で相手をひれ伏させる後者をわざわざ選ぶ必要は無かったのだ】
【攻撃さえしなければ。の話】

よんだ 

      のは 
 
 あ   れ

の ぞ         ん
だ      の          は


【男によって投擲されたナイフは、四つの閃光となり”何か”の皮膚を容赦なく抉り取る】
【腕、頬、片足。 欠け落ちたそれらの部位から零れ落ちた青白く濁った液体が、下部の地面に垂れ落ちて、染み込んで】
【その場に繁殖していた苔や、小虫を一瞬で腐らせ、飴の様に、跡形も残らずに溶かしていく】


     お  


【半分ほど削り落ちた顔は、いまだ男に向かい微笑んだまま固まっている】
【ずるり、と、這い出した、本来腰があるべき箇所には、もう一つ、黒装束の胴が、強引に溶接されたかのように不自然に繋がっていた】
【どうやら彼女には下半身が無い】

  
 マ


【黒装束から伸びた、三、四本目の腕が地面をつかみ、濁りの無い黒い皮膚を魔法陣から引きづり出され】
【男の視界に映るのは、何かとてつもない恐怖に怯えているみたいに、涙でぐしゃぐしゃになった、もう一つの女の顔】
【二つ目の頭】


   ”え        エ”

【声が重なり合った途端、男にかかる周囲からの圧力が、負担が、万力にかけられたように拡大する】
【先に姿を現した一つ目の上半身は、這うように男へ接近し、白い腕を、ゆっくりと伸ばして――――】
【おそらく、彼を抱きしめようとしている】
【生命をことごとく腐らせる体液を全身に滴らせたまま】

//お返ししておきます
今日は余りいられませんが……
329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/24(日) 19:01:27.05 ID:wsjlZYqd0
>>328

強い・速い・しぶとい……君は実際、私より強い。
……だが、知恵が足りない。

【ーーレイニーは、人外にしてそれ程恵まれた戦闘能力を有している訳ではない。】
【その力の殆どは、宝玉の力とイコールだ。】

【故に彼女は、『知恵』を戦闘に用いる。】
【ベアコは知人で、嫌いな相手では無い。だが、手は緩めない。容赦しては勝てない。】

……避けれる攻撃を、トラップを、何故避けない?
頭に血を上らせた君になら、私でも勝てる。

【当たらない攻撃に自ら首を突っ込むほど、愚かでは無い。】
【トラップをやり過ごし、両手にチャクラムを発現。】

猛撃は終わりか? ……次は、私の激情を受けて貰う番だね。

【指先で回転させ、その勢いで投擲する、暗黒色の殺人刃。】
【投げナイフより、慣れた武器でもある。何より、腕への負担に影響されにくい投擲法。】

……はッ! はぁッ!!

【投擲、投擲!】
【狙いは両足だ。指先での回転を活かした、掬い上げるような軌道で機動力を更に断つ!】

【とはいえーーベアコの身体能力なら、回避は可能だ。】
330 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 19:15:52.75 ID:CNx4e4gY0
>>329

うにゅ!やぁ!

【見たことのない、武器―その危険性は彼女は知らない】
【知らない、見たことない―だから彼女がとった行動は"回避"であった】
【見知った攻撃ならばきっと突撃していただろう、だがベアコにとって初めて見る謎の武器】
【その知らないが逆に彼女の危機察知に反応して回避と言う行動を選ばせたのだ】
【チャクラムを避けつつ前方へ―だが、避けた位置悪いかった】
【先ほどばら撒かれたトラップ、それを再度足で踏みつけてしまったのだ】

ふっ!!!ぎゃぁああああああ!!

【猫のような雄たけびをあげて、涙目になるベアコ】
【再びトラップを引き抜き、レイニーの元へと分投げる】
【先ほどよりも投げ方を覚えたのか、今度はレイニーの元へとしっかりと飛んでいく】

くっっそぉ!!!くらえー!

【そして、やられっぱなしではかなわないと思ったのか、レイニーの元へと再度突撃】
【今度は頭突きではなく両腕によるラッシュ攻撃】
【だが、ベアコは肩に負っている傷の意味を理解していない】
【自身の攻撃翌力に確かなものがあっただけに、それに過信しているとも理解できる】

【彼女の攻撃は腕による受け流しをすることが可能であろう】
【例え当たったとしても、今までの攻撃翌力はなく、年相応の少女に叩かれるくらいの威力しかないであろう】
331 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 19:23:21.73 ID:vD0QPb+wo
【――――交えし武≠ノ互いの矜持、初戦の強者に労すも下し、今――歓声の中、今宵の舞台に佇む一つの影】

――――………
(グー・ゲルギル、あの爺さんは――またぁ……強かったよ、また、やりあいたいもんだ……
 だけど今はその干渉に浸ってる暇は無いねぇ……さぁ次の相手はどんな奴か―――ふふ、楽しみさね)

【頬に掠めた紅線は先の武痕――】
【外套羽織り、その和服にも似た藍紫の装束には龍の印】
【黒髪の狭間に白い額を覗かせて、結い上げた長髪は背、肩をすべり身に寄り添う様に流れ行く】
【その対照的な色調の中で琥珀の色を彩でた瞳が凛と光を燈し、見据える先に在るのは今は見えぬ強者の姿か――】


【風≠操り、その武器を操り、先の闘武を見せた者、その戦闘を見ていたならば、遠距離に完封もあり得ただろう】
【まさに紙一重の勝敗分からぬ試合を経て――今その場に立つのは一人の女性】


【そして、右手に添えられ刀身より昇り龍刻む長柄の偃月刀は、天より光を注がれ鋭くその弦光を――――疾走らせて。】

【………―――――碧喬嬋(ヘキ キョウセン)、見えぬ相手を待つ彼女の表情が染めるのは喜悦の面か――】
【その石畳に一つの影法師がその身を伸ばし、其処に―――。】


/レヴィの方へ、こちら碧喬嬋の中身です、今日はよろしくお願いします!
332 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/24(日) 19:38:38.96 ID:5nqS/ym/o
>>331

【ざりと地を踏む踵は紛い物のサパテアードを踏んで、コンスエグラの風車へと赴く道化の騎士と化す】
【今の己の胸中に闘牛士足り得る矜持は無く。動作に追随する灰色の燐光がなす五線譜にも、意味は無い】
【長い赤毛で目が伺えなくとも、歯の見える哂いを浮かべたこの中年男の表情は、比較的容易に察せられた】

……さぁて、一流には程遠いがねぇ。やれるだけやってみようかねぃ
アンタは、ええと、碧娘娘ちゃんだったかぁ?二戦連続おっさんとはまぁ、引きが悪いもんだよい
何にせよ当たっちまったもんはしゃあねぇさぁ。よろしく頼んだよぃ

【のらりと舞台に上がる、2m近い長身は武を誇りそうな巨躯という程でこそ無いが】
【床の具合を確かめるよう踏んだ踵の音はその声のテノールに似通って低く、重い】
【チェシャ猫じみたイヤったらしいニヤニヤ笑いは年相応に意地悪めいて、顎の無精髭もそれに拍車を掛けるよう】

【身に纏う聖職者然した黒の祭服も、頚から掛けた銀鎖の先の逆十字も】
【堕落一直線な印象を抱かせるこの男の醸す雰囲気には、妙にそぐわない】
【清廉な身からは程遠いその外見には、相手のように目立つ武器こそ持ってはいないのだが】

……――――そんじゃあ、初手は年功序列で。俺からだよぃ

【――親指を弾くと同時、鳴らした音に重なるように灰色の魔力が乗って】
【指弾のように其方の脚へと飛来するのは、銃弾めいた大きさの衝撃波だ】
【貫通性能など無く、当たれば殴打程度の威力の小手調べ。同時に、手の内も見せる格好で】

/レヴィ中身です。よろしくお願いします!
333 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/24(日) 19:43:54.17 ID:wsjlZYqd0
>>330

(投擲、とーー接近戦!)
(どうする? ……考えている時間は無い、か!)

【ベアコの身体能力ーーレイニーは、負傷させて尚、それを過大評価している。】
【故に、過剰に警戒する。】

くっ……

【撒き菱は右腕で受けた……然し本来なら撒く為の武器。軽く刺さり、落ちる。】

【レイニーは自分の弱点を、耐久性の無さであると考える。】
【それを補う為の策は、有る。大会は自らの技量を、練度を高める為の出場! 賞品はおまけだ。】

……接近戦のタクティクス……ベアコ、君でそれを試す。
それをもって、この戦に終止符を打つッ!

【痛み、緊張。感情を刃として研ぎ澄ますのが宝玉の力。】
【故にレイニーは、怒りや焦りに囚われ勝負を急くような愚行に走らない。】

【ーーアートマン、『メメント・モリ』】
【ベアコも見た事が有るであろう、それを発現する。】

ーー行くよ、メメント。

【両手にナイフを発現、その刀身の『腹』でベアコの拳を受け、力任せにあらぬ方向に打ち払うのが狙い!】
【そうして隙を作り、メメント・モリの牙をベアコの脇腹に襲い掛からせるーーそれがレイニーの理想だ。】

……『空瘡(カラカサ)討ち』!

【実際、ナイフで拳を受ける事までは成功した。】
【つまり、拳を払えるかーーメメント・モリの牙が届くかは、ベアコ次第。】

【メメント・モリが齎す『死の体感』は、『爆死』】
【身体が爆裂し、消し飛ぶ。痛みも出血も無く、ただそれを体感するだけだ。ベアコにとって、それは『未知』!】
334 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/02/24(日) 19:47:18.70 ID:RbqxRQPLo
>>325


「……スケール、一気に小さくなりましたねぇ……それ」「でもでも、良い案だとは思いますよっ?」

「普通の人なら間違いなく委縮しちゃうでしょうからねぇー……私、出ない方が良かったかも」

【よもや出まかせだとは露ほども察せずに、けろけろと、鈴の音のような笑い声を零して】
【それから少女は相手の、サングラスの奥にあるはずだろう目をじっと見つめようとして──えへ、とまた、首を傾ぐ】

【何の事は無い、無意識のうちに出た、ごく自然な動作。それは、相手の心中を見透かそうとしているように、見えなくも無かった】


「──波動、ですか」「言い換えれば、オーラみたいなものでしょうかねっ」
「確かに、特別な人にはそういう言い知れぬ気配が伴うとは聞きますが──見た事は、ありませんけどね……──」


「──……っ!って、その、大丈夫……ですか?」

【少女が腰を浮かしたのは、波動なんて、唐突に過ぎる伺いに一通りの返答をした、その後の事】
【先程から見せていた不可解な仕草に、少女はもう一度表情で訝りながら、生じていた疑問を投げかけてみるのだった】

/はい、今帰宅しました……!改めてよろしくお願いしますね!
335 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 20:04:41.24 ID:CNx4e4gY0
>>333

うにゅ!?

【バシンッ―】
【ベアコの放った攻撃は発現された刀身によってそらされた】
【レイニーは攻撃が届かず、代わりにメメント・モリの牙がベアコへと届く】
【なぜ攻撃をそらされたのか、なぜ力が入らなかったのか困惑するベアコ】
【だが、それを考える前に襲いくる死の体感―】

――――――ッ!!!!!!!

【感じたことのない恐怖、死への体感】
【それは未知な世界へ彼女を転落させるには充分だった】
【千切れる身体、消し炭となる身体、痛みは共わなくても体感する】
【声にならない叫びをあげ、瞳を閉じた】

【たった数秒―それだけの時間のはずが、この一瞬が、彼女にとってはとても長く感じた】
【理由は二つ、一つ目は死の体感によるもの】
【二つ目は、それによる生への執着、野生の本能が目覚めた】
【レイニーの、メメント・モリの攻撃のよって、とある男が求めていた少女の本来の性が引き出された】

【目を見開いベアコの瞳は、今までの温和な瞳ではなく―まさに野獣】
【勝ち負けを決める勝負ではなく、生か死かを決める野生のサバイバルとなった】

―――ッが!!!

【両腕は動かない―ならば、と彼女がとった行動は"蹴り"】
【異常なまでの脚力、それによる攻撃は両腕の攻撃と比べて高い威力】
【メメント・モリの力任せに蹴りつける―蹴り飛ばすのではなく蹴りつけようとする】
【蹴りつけられたならば、その蹴りを放ち、足にメメント・モリをくっつけたままレイニーにまで蹴りを届かせようとする】
336 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 20:12:48.82 ID:vD0QPb+wo
>>332

【重く、這うように尾を退いた低音がその旋律を奏でたなら、琥珀に写したのは不気味とも取れる口元で】
【聳える躯体は170cm程の女性にとっては巨躯≠ニ言うべくものであって】

いや――二線連続こんな大男と武を交える事が出来るんだ………ふふ――そうだねぇ……
恵まれてると、言っておくよ。

【その様相に、身震い、いや武者震いとも言うべきか、其の身が微かに揺れたならば、石畳に触れた偃月刀の石突きはユラリ―と地を離れ】
【左腕を前に差し出せば、その龍の矛先は対者へと向けられ、その光を散らす】

ハッ、レディ―ファ―ストって言葉もあるんだよ、まぁ何方でもいいんだけどね――

(武器……は持ってないようだねぇ……あの図体をみるに……接近って奴かい……いや……前の爺さんの事もあったんだ………
 術者――って感じかねぇ………―――まぁ……どちらでも楽しめれば………)

――――ッ!?

【年功序列と言葉と共に弾かれた親指、それにより引き起こされた衝撃波≠ヘ目を疑うものだった】
【視界に入るその灰色、それが琥珀に移り、その色を染め上げたならば―――】

ッ――ッとォ!!

【体の正面、その手中で長柄が滑り偃月刀を回転させる、切先は右上へから右下へと回りこみ――】
【一歩、その足を踏み込めば蒼色の風を纏って、それと共に薙ぎ払われた】


【予想としては物理不可侵、故にその衝撃を風の圧により相殺しようかと言った考えだ】
【高らかな声を上げ薙ぎ払われた偃月刀は、その衝撃波へと向かって――】

  ――――

【その刀身が天を旋回し、風の音を立てたならば左方へと流れ、再び旋回、そして――その女へ当たる間近に蒼き風圧がそれに混じって弾けるものだった】
【そして――その旋回した偃月刀は自ずと元の貴方へと突きつけられた形へと戻り、女性はその間合いへと飛び込み突≠繰り出そうとするだろう】

―――おかしな事をしてくるねぇ!次は私の番ばよ、喰らいナッ―――!!!

【切先を見ていたならば軌道は予想に容易く、そしてこれも只の突∴ル能も何も交えないそれは同じく小手調べと言ったところか】
337 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 20:19:39.96 ID:Ir3p6YIDo
>>334

波動がねえ…こう、グワーって来ると良いのかもしれないけど…

【男は身振りで説明するがわかりづらいというかわからない】

…ん 何?  大丈夫って…まあ、お酒は入ってるけど
別に特に何にも………無いね どした?

【考えては見たが、人に心配されるようなことは何一つ思い当たらなかった】
338 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 20:20:23.21 ID:vD0QPb+wo
>>336
/すいません……最後に狙った箇所を書き忘れていました……
/現在左腕を前に構えていると言った状態で、狙いは左肩、だと受け取っていただければと……
/もし既に書いていらしたら、そちらの補完された内容で問題はありませんのでっ……申し訳ありません
339 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 20:27:01.64 ID:wi+YBq0to
【開催より一日を経て、会場の熱気は今だ治まらず】
【むしろ日に日に増しているようですらあるそれは、歓声と怒号を持って闘技場を囲んでいた】

【昨日と同じく闘技場に入るのは、砂の国の僻地より来たる青年】
【いくらか、この世の話題の渦中の大会の雰囲気にも慣れてきたか。表情は昨日よりは固くない】
【試合に向けて気を引き締めるかのように、大きな口が窄んで細く息を吸う】

……不思議な気分だな……戦うために武器を振るうってのは、経験の少ない事だから
ケレド、怖気づいちゃあいられないよな!

【一目見て砂漠の遊牧民だろうと分かるほど民族色の濃い異装をした、長身の青年――ナウファル】
【黒い髪はツーブロックのベリーショート、目は金色のどんぐり眼】
【色黒で口が大きく、目鼻立ちのしっかりした彫りの深い顔をして】
【服装はややくすんだ赤のベストと裾を絞ったゆったりとしたズボン】
【各所には濃い緑の布製・石製のアクセサリーがちりばめられ、派手な装いだ】

【屈託のない、鋭い顔つきに比べて年相応の深緑じみた笑顔】
【本日は既に月の名を冠した曲刀を抜き、祈りの言葉を念じながら対戦相手の来訪を待っている】
【締まらず歓喜に緩む口元は、待ちかねているようですらある】

/ナウファルです
/累さんの方、本日はよろしくお願いします
340 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/24(日) 20:27:13.86 ID:5nqS/ym/o
>>336

【直線的な攻撃に対するには余りに大げさに、強く音を立てて地を踏み後方へと回避行動を取るが】
【矢張りそこでも狙いは“生じさせた音”――音波の形を具現化するように、衝撃波が再び相手へ向かう】
【今度は強く踏み込んだ分威力も大きい、灰色の燐光を纏って可視化した振動の狙いは、相手の胴】

何にも可笑しなことなんざねえさぁ、ただし気をつけた方がいいだろうねぃ
俺の奏でる音はみぃんなそのまま“攻撃”に変えれるのさぁ
――こういう風にねぃ、

【すうと胸を膨らませ息を吸い込む……そして一声、「破ァ!」と放たれる咆哮じみたボイスは】
【大砲の一発のような重さを持った衝撃となり、相手へ真っ直ぐ飛来する】
【ただし後方へ飛びながらの一発ゆえに、その狙いは曖昧なものであった】

【――先程の小手調べの一発を弾いた相手にならば、きっと分かるだろう】
【同程度の攻撃でもってすれば、この灰色の衝撃波は容易く弾ける】
【音の振動を媒介にしてはいるが、魔力の色がついているために可視状態。速度も音速とは似ても似つかない】

【故に、初行で胴へ向かった衝撃波を弾くこと位、武器を持つ相手には容易いことだろうが】
【後述した大砲めいた一発は酷く重い――殺傷力こそないが、その威力には注意すべきか】
341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/24(日) 20:27:33.67 ID:f8/tXtwoo
>>328


【言葉は通じている。つまり、話が分かる相手かもしれなかった。だが、時既に遅し】
【戦う以外の選択肢は男には無かった。少なくとも、男は話の通じる相手ではあった】
【しかし、彼はこうも言った、全てを破壊するのは準備が終わってから。そう、舞台は整ってしまったのだった】

【この女を呼び出す原因になった王の欠片といい】
【男に出会ったのが本当に青年の運の尽きだったのかもしれない…………】


【その力はあまりにも、恐ろしく、醜く、危うい。あまりの光景に口元をひく付かせた】
【2つ目の顔。女の体液を受けて溶けていく生物達の光景を見てさすがの彼も絶句する】

【ぞわり。と寒気がする。まるでいきなり暗闇に一人、閉じ込められたかのような感覚を身が感じる】

──!? くッ……。

【思わず、一歩、足を後退させてしまっていた。しかし、それを恥に思うか無理やり前のめりに構え直す】


この力、人が望むにしては危うすぎますがね…………。


【迫り来る怪物ではなく、気絶した青年に向けて語りかけ、右手に残った四本のナイフを爪に見立てて持ち直し】


(……遅い!足が無いからか、万全じゃないからですか?この私は、恐怖を歓喜に替えられるはずでしょう────)


この私が、撃滅して差し上げましょう。そう、正義を持ってして。──舞台は、整ったのです。


【天高く振り上げると】

────寄るな! “ エ ア ロ ・ ブ レ イ ク ”ッッ!!

【抱きしめようとしてくる女に対してナイフの爪を一気に振り下ろす。しかし、僅かに距離は足りておらず、女に刃が刺さる事はないだろう、──が】
【男が振るったナイフは“風の刃”を纏わせており、そのリーチは見た目の二倍以上!さらに振るえば斬撃、いや、四本のカマイタチが発生し、直線上に居る物を切り裂くだろう!】


342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/24(日) 20:36:03.56 ID:5nqS/ym/o
>>338
/おっと見逃し。了解です
/>>340でレスした内容に問題があった場合は遠慮なく指摘お願いします!
343 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/02/24(日) 20:42:29.42 ID:RbqxRQPLo
>>337

「──いえ、さっきから……こう、考え込む仕草をされていましたから、つい」
「私の思い違いですかねっ!何言ってるんだろ、……私も場酔い、しちゃいましたかね」

【的を外した自分の意見を、隠すように後頭部を掻いて、「あはは」と気まずげに笑ってみせる】


「……っと、そろそろ行かなくちゃ──その、さっき言った知り合いを、探してまして!」
「“夜久月音”、私の名前です……覚えていたら、またお会いしましょうね1」

【それから、思い出したように腰を浮かせて──いくらか慌てた様子で、夜の街へと、消えていこうとするのだった】


/すいません、家事で不安定になりそう……もとい現に遅くなるようなので、ここいらで〆させてください……!
344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/24(日) 20:45:11.43 ID:HMdjBmHt0
【水の国、首都フルーソ ――――― 第二回天下一武道会、会場】

【開幕の宣言と共に歓声が爆発した。】
【それは時を経ても止まる事を知らず、熱気の瀑布として夜を消し飛ばす。】
【幾つもの戦い。幾つもの決意。その先にある栄冠を求め、強者たちの競り合う宴の始動だった。】
【―――――――― そして、ここにまたひとつの幕が上がる。
 すなわち “彼ら” 二人の舞台、一回戦第一試合、開幕―――――――― 】


―――――――――――……ふっ!

【タン、と地を蹴り抜いて瞬息で跳躍/最低限の所作を以てリングに降り立ち、そして所定の位置まで歩む。】

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか。】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

【―――――― 八攫 柊。前大会覇者。如何なる流派にも属さざる “孤剣”。】
【先にリング・インを終えたそれは、そんな形容の出来る人影だった。】


……たとえ相手が何者であれ、全霊の剣を以て応え斬り越える―――――

―――――――― 宣戦布告はこれで終わりよ。始めましょう……。

【寸鉄一つ帯びぬこの状況ですら、渦巻く剣気は解放の時を待つかの様に虚空を焦がす。
 それは彼女の戦意と “生” を、高らかに謳い上げる様でもあり。】

(……そして、その果てに――――――――)

【同時に、ひとつの “決戦” を想う様でもあった。絢爛豪華なるこの宴にて、斬り合い斬り越えると誓い合った “誰か” との。】

/では、よろしくお願いします瑛月の方……!
345 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/24(日) 20:46:47.58 ID:hRlWVACro
>>339
【熱気は今日も最高潮、まだ春前の冬の空気も、真夏のように熱く煮えたぎるスタジアム】
【まず先に入場したのはナウファルだ、第一試合では見事な勝負を見せたナウファルに、歓声が一層大きくなる】
【さて、その相手はーーーおや、相手選手はまだ入場していないようだ】

【ーーーと、向こうの入場口から煙が上がる、地面を滑る重たい煙が、もくもくと湧いて来る】
【煙の中から、歩いて来る影一つ】

ーーーみんなぁーーーっ!!お・ま・た・せーーーーっ!!

【大きくかかる第一声は、掠れた大声ーーー可愛らしさを演出しようにも、しきれていない】
【深い隈のある生気のない目、長い前髪が鼻の上で交差する長い黒髪、死人のような白い肌】
【女学生然と言ったセーラー服に、袖の余ったカーディガンを着て、ボロボロの長い黒いマフラーを巻いた少女】
【ーーーナウファルの相手選手、死屍 累=[ーーである】

今日はー、私の戦いを皆の心に刻み付けて帰ってねー!!
でもでもーぅ、相手は一回戦を勝ち抜いた猛者!負けちゃっても、文句はなしよー!!

【くるくると回りながら、掠れ声で観客にアピールしながらステージに上がる死屍、しかしーーー】
【なんというか、目が笑ってない上にこの声だ、演技にスペックが追い付いておらず、観客はドン引き】
【それを流石に感じ取ったのか、いきなり演技をやめれば、息を付いてナウファルに向き直り】

ーーーよろしく、まずは握手だ、戦いの前には握手だろ?

【いきなり態度が変わったーーーが、右手を差し出しながら、礼儀正しく戦い前の握手を求めて近付いていく】
【勿論、ナウファルがどうするかは自由だ、答えても断っても、斬りかかってもいい】

【だが、もし、この眼が死んだ少女の握手に答えたならーーー】
【彼女が右手の指の間に挟んだ画鋲の針が刺さるだろう】
【ーーー卑劣ーーーというか中学生並の小さな卑怯行為だーーーそれをこの場でやる彼女も彼女だが】
【勿論、注意すれば画鋲の針も見えるだろう、一応】

/よろしくお願いします
346 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 20:51:26.13 ID:Ir3p6YIDo
>>343

あー、うん 別になんてこと無いさ 癖だよクセ

【ニカッ笑う男 歯並びが良い】
【クセの自覚は合ったが他人が違和感を感じるほどとは思っても居なかった】
【まあ、人にいうことでもあるまい そう判断した】

うん、じゃあ…気をつけてね  …オッケー、また会おう
俺はヒライ………それじゃ

【男は缶ビールを持った手を持ち上げて去っていく背中に声をかける】

君にロックンロールを

【男は缶ビールを飲み干した】


/了解です シメましょう 長いお付き合いありがとうございました
347 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/24(日) 20:51:54.48 ID:pav2tCllo
>>344

【―――控え室からフィールドまで伸びる、長く細い通路。眼前のドアから射す光と熱気】
【……其れに近づいている自分が、居る。一歩一歩足を進める毎に、心の奥底から、沸々と沸き上がってくる其れは】
【久しく抱いていない、少年のような感情。緊張と期待が1:1で交じり合い生み出すは、最高の熱】

【男はふと、開いたドアの前で立ち止まる。袴と薄藍に染まったインバネスコートを正し、一度散切りの黒髪に手櫛をかけて―――吼えた】

                  ―――……っっしゃぁぁッ!!!

【声を張り上げて気合を入れるという行為は、彼を知る人間からは意外な行動に見えなくもないが―――】
【本当は、高いプライドを持った熱い人間だ。冷静な振る舞いの奥には、何時も静かに炎を揺るがせている】
【―――……今、その熱い魂を輝かせて。 ドアを抜けて観衆の前に姿を現したのは、中邑 瑛月】


      『闘う場は、大会が相応しい』―――……そう俺は言ったよな、八攫。
        そして―――『年季の違いを魅せつける』とも言った筈だ。

    こんなにも負けたくないと思うのは初めてだよ。―――…‥良い試合をしよう


【燃える濡羽色の両瞳に、映し出される好敵手。その炎は、唯煩く燃え滾っているのでは無い】
【―――静かながらに強く、強く。―――冷静ながらに、熱く、熱く。闘う者が抱く精神状態としては、理想に近い程のモノ】
【その彼が放つは、決して若者らしく力に溢れた覇気ではない。しかし其れは静かで穏やかで―――】
【老兵の醸しだす闘気が如く熟練されており、そして―――深く奥に、爛々たる魂を隠しているのだ】

【其の彼が取るは、構え―――とも言えぬ程の、棒立ち。左腰に佩いた刀に手も置かず、唯肩幅に足を開いて】
【そして両手をだらりと下げただけの、脱力。―――戦闘態勢なのは瞳だけかと言わんばかりだが、彼女は覚えているだろうか】


     ―――……ではまず、ちゃんと宿題は済ませてきたのかどうか……『コレ』への回答を訊こう


【あの日見せた秘剣。メカニズムに弱点まで―――洗い晒しに口にした切り札。其れを繰り出した時に取られていた『構え』を―――!!】

/お願いします。ここだけは書き溜めしてました!
348 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/24(日) 20:56:33.82 ID:wsjlZYqd0
>>335

なっ、これは……!!?

【想定外。本日にして、二度目の大きな誤算。】
【蹴りが来るのは、ある程度予想していた。ベアコが幾ら単純であろうと。】

【然し、この身体能力はーー!?】

なんと野蛮な……! だが、まだまだ知恵が足りないなっ!

【メメント・モリは生物ではない、アートマンだ。】
【だが、レイニーとのダメージのリンクは『存在しない』】

【故にメメント・モリが蹴られた瞬間も、レイニーは正しく思考出来たのである。】
【ーー咎堕の宝玉が彼女の『焦り』や『恐怖』を取り払って
いるのも、大きな理由。】


【メメント・モリという手札を今まで切らなかったのは、ベアコに知識を与えない為だ。】
【蹴られた直後に、解除する。これにより、『空振り』を誘う。】

【アートマンとて『感触』はある。故に突然消えれば『違和感』を覚える。】

【その隙を突き、防ぐ。】

お ぉぉっ!

【両手のナイフをクロスさせ、蹴りを『受ける』】
【宝玉の力とて、所詮はナイフである。蹴りによりひび割れ、砕け散る。】

く ぁっ …………! カハッ…

【そして勢い良く、後方へ吹き飛んだ。】
【地面に背中から落ち、肺の中の空気が抜ける。】

【だが、受けたダメージの総量はベアコの方が上だろう。】
【つまりまだ、やれる。】

【両手にチャクラムを顕現ーーベアコの姿を見る。】

/只今帰りました
349 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 20:57:47.21 ID:vD0QPb+wo
>>340


【突≠ゥら繋げる舞いは再度の旋回、己の正面に狙いを付けさせない為の2段攻撃を攻撃を兼ねた防御手段、】
【長柄故にその間合いより中に食い込まれると大きく動きを制限されるが故の行動であり一種の癖≠ニ言っても良い行動であろう】
【故に彼女の攻撃は全てその連携に繋がるもので、一つ言えば、最速の一閃、それ以外ではこの防御の旋回が在ると考えるべきで】
【逆を言えば、その行動をするために普段の攻撃は最速より下に押さえられている、と言った事だ】

【間合いを詰めつ者に対しては、防御の効果、間合いを離すものに対しては2段の攻撃】
【とは言え、後者であればその2段の攻撃は術者に対しては何も気にする必要もない、無駄な動きでもあるのかもしれない】


―――――何ッ!

【そして、その言葉と共にとられた余りにも大袈裟な動き、その瞬間はそれの意味を知る理由も無かったが】
【男の言葉に、その表情に緊張が走り―――――】


グッ――!!

【小手調べ出会った故その偃月刀を回転させる余裕はあった、しかし踏み込んだ攻撃であった為、その場から移動する事は出来ず】
【その衝撃に対して正確≠ノ対応する事は難しかった】

【長柄は旋回し、その灰色の蒼が包むが―――僅かに軌道がずれたのだ】
【幾らかの威力の相殺は出来た、だがその咆哮の音は強く、重かったのだ】
【故に殺しきれなかった威力は、その長柄を伝い、女の体へと触れるもので――――】
【勢いに飛ばされるも、直撃では無かった事が唯一の救いか、その躰の力を入れ地を踏みしめその場で耐える事は出来たのだが】


こいつはまた厄介な相手だねぇ……2連続で苦手な奴に当たるとは、日頃の行いが悪いってことかい……
いや―――でもこれはこれで楽しめるって事………さね―――

(音を衝撃に変えるって事かい……下手に近付くのは危険って事かい……
 強引に突破―――……いや、あの威力は侮れない…………まて……先の攻撃も軌道は一直線だったはず、曲がるかもしれないけど……
 試してみる……価値はある……ってところかね……)

【耐え忍びその上げた表情は、僅かに、苦痛と言った色が見えていて――ダメ―ジが無かった、とは言えないものであったのだろう】

【そして――、女の行動、その表情を見せたのも束の間、偃月刀を片手に握れば、一直線に貴方の方へと走りこむ】
【狙いは所謂カウンタ―と言った所か、その接近は次の攻撃の為の囮ともいえるだろうが――】
350 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/02/24(日) 21:06:51.61 ID:LRR8BkRH0
>>211


右腕も使えなくさせてもらうぜ……?


【相手の右腕に斬り込んだ刃。】
          ・・・・・・・
【彼は刀を握る右手を引くようにして――。】
           ・・
【即ち、刃で相手の腕を削るように動かした。】

【こするという行為は、モノを切断する上で重要な運動だ。】
【誰しも、切断に艱難するモノは、削るようにして切るだろう――――?】

【この時も、相手の強靭な筋組織を切断するべく、彼は刃を相手の右腕にこすらせた――――!!】

【――――しかし、その分身体は開き、重心も浮わついている。】


ッつ――――!!


【相手の左足が右腕を弾き、横に倒れるだろう。】
【倒れながら、脇差しと刀を鞘に戻す。】
       ・・・・・・・・・
【純粋に、彼の一番自信のある剣撃は、】
【鞘に納められている方が出しやすい――――。】

/ヘケメトさんお願いします!
351 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/24(日) 21:09:32.97 ID:5nqS/ym/o
>>349

【相手の急接近に対して、こちらのこれ以上の後退はリングアウトの危険性を孕む】
【故に今度は回避の手を選ばなかった。軽やかに踏んだ踵のサパテアード、その後には灰色の五線譜が躍って】

いいねぃ、素直で実直で若さがあって!
けれどそんじゃあ風車に弾き飛ばされるだけさあ、その得物でもっと出来ることがあるだろうよぃ!

【――相手の回避の際に伺えた能力は“風”を示していた】
【ならばこの突きだって、レヴィが言うような単純な突きではないのだろう】
【そこまでだって把握くらいしているだろうに――まるで煽るような言葉は、】
【或いはそのカウンターを見極めようとしてのもの、なのだろうか】
【ニヤつく笑みからは、その真意は隠された目のように伺えなかった】

【向かってくる相手に対して此方もまっ直線に駆け出す、勿論無防備にではなく】
【相手の鳩尾目掛け握り締める拳には、“風を切る音”を纏わせた】
【それにより見た目以上の衝撃を持つ灰色の一発は、実に真っ直ぐな軌道で鳩尾を狙う】
【勿論――すれ違いざま相手が偃月刀をどう振るうかによって、命中の可否は決まるのだが】
352 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 21:10:28.03 ID:wi+YBq0to
>>345

【近付いてくる相手に、何度かぱちぱちと目を瞬かせて不思議そうに首を傾げる】
【相手の冗談じみた態度の意図を理解出来なかったのだろう、握手、と口に出して言われるまで茫然とした様子で】

ア、うン、握手か……昨日、ソういえばしてなかッたなァ
……っと、その指ノ間、なんだい?
もしかして、だケレド、それは……ソレは、俺トいうより、俺が昨日戦ッたエルフェスに対してノ侮辱になるト感じるヨ
君に俺の意見を聞き入れてくレるキモチがあれば、真剣にやッテくれるかい?

【戦いの前に礼を、というのは相手の言の方が真っ当に正しい。こちらも手を差し出しかけたところで】
【自身の方が目線が高いのが災いしたか、ライトに照らされ一瞬光った画鋲の針に再びあっけにとられる】
【そして――どうにも、真面目な気性の持ち主なのだろう。相手のユーモアは残念ながら通用しなかった様子】
【飛礫を警戒してか、後方へ跳ねて相手から距離を取り表情は哀しそうに薄ら眉をひそめている】
【その場で一礼を返したのは、相手の気持ちを汲めなかった事への謝罪もあるか】

【相手が戦闘準備に入るのを十分待ってから、左手に水の気を徐々に集め固める】
【一瞬遅れて形を成して行く水の刃は、右手に持った曲刀に似た形とサイズだ】

それじャア、行かせテもらうヨ……楽しい試合をさセテくれ!

【気を取り直して表情に薄ら喜色を混じらせ、石畳を高く蹴る】
【僅かばかり上方へ跳躍した体は、相手の顔の位置くらいに足が来るだろうか】
【まるで正面から肩を叩くように、手首と垂直に構えた両の刃が肩と腕の骨とを繋ぐ間に振り下ろされんとする】
【攻撃は宣戦の宣言より後、多少ではあるが間に距離もある】
【何らかの手段を講じる余裕はあるだろう】
353 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 21:12:38.78 ID:CNx4e4gY0
>>348

う!?

【メメント・モリが突然消えたため、空振りを誘われたベアコの蹴り】
【だが、その勢いのまま、レイニーを後方へと吹き飛ばした】

うがぁあああ!!!

【地面に落ち、倒れ伏すレイニーに目がけて、文字通り飛び掛かるベアコ】
【レイニーの両手に顕現されているチャクラム、その姿を瞳でとらえているだろうが彼女は気にしない】
【例え攻撃を受けても―すでに地を蹴り宙に浮いた体で避けるすべはないためか―そのままレイニーの元へ】

【彼女たちの激戦は、ベアコの攻撃によりフィールドの中心よりも端の方へ移動していた】
【少女の突撃をまともに受けてしまえばダメージだけではなく外に落ちる可能性もあるだろうか】
【だが、ベアコ自身リングアウトのことなど考えてはいない―】
【逆に言えば突撃を避けられたことにより、起きるであろう勝敗の一つのことなど欠片も残ってはいない】
【勝負は一瞬、そんな単純なことで決まりそうでもある―】
354 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/24(日) 21:23:49.44 ID:+WBgrDFpo
>>350

「グ、ウウウウッ!」

【彼の腕で擦られるは彼の腕に確かな傷を与えている】
【小さく音を立てて斬られる筋繊維、確かな手応えを感じるはずだ】
【その奥深くに眠る彼の白い骨――】 【例え気合で防御力を高めていても、そこまで刃は達していた】
【――筋肉が強靭ならば、また骨も太く硬い】

【さて、骨へと達した刃――それは彼の放ったローキックにより、その腕を離れる】


「ヘケケケ、俺のこの右腕を斬り落としてェーなら……もう一発入れてきなッ」
「――……ウゥゥオオオオーーーーッ!!」

【深く傷つけられた右腕を動かすのは至難の業だ、それでも彼の表情は崩れない】
【一瞬強く血が吹き出したと思えば、その傷口から流れる血の量が半減する】
【"気合"――どちらにせよ、失血による気絶を長引かせただけだろう】

『ヘケメト――潰すのは良いですが、反撃も考えてくださいね』

「ヘケケケ、わかってるぜェ〜――行くぞォーッ!」
「――ウゥゥオラァッ!」 「ニードォゥーショオゥダァーー……タックゥオーッ!」  「潰れろォーッ!!」

【彼の全身に棘が生えると――繰り出すのは、左肩による"ショルダータックル"】
【低いが力のこもった跳躍の後、そちらに降ってくる】
【それは相手を押しつぶそうと、串刺しにしようと、――彼の体重を乗せて繰り出されたッ!】

【左肩で行った理由は、何かしらの方法ででタックルを回避された時のためだ】
【左が下になるということは、右が上だ――回避された時、上から斬られるのを想定したのだろう】
【既に"ダメージを負った右腕"にダメージが来る方が、"無傷の左腕"を痛めるより痛手ではないのである】
【しかし、攻撃の最中に反撃をされれば――!】

【成功失敗問わず、彼はその勢いで二回転して受け身を取り、そしてそちらの方へと向く】

./よろしくお願いします!
355 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/24(日) 21:32:26.06 ID:wsjlZYqd0
>>353

【突進して来るベアコの姿が、視界に映った。】
【瞬間、判断する。】

【ーーレイニーエッジ・ピカレッジは、戦いにおいて、まず甘さを見せない。】
【この戦いでも、例外は無い。】

悪いがーーベアコ。
君のマスターに金が入るのは、癪なんでね。

【空中のベアコに向け、チャクラムを放つ。】
【下から掬い上げ、両肩に更に深い斬撃を与える軌道。】

【そして、可能な限り背中を地面に密着させた現在の姿勢。】
【これを利用するーー勝利する為に、だ。】

……私が勝つ。桜園の血盟が、君に勝つ。

【ベアコが射程に入った瞬間、脚を振り上げる。】
【そして、脚裏をベアコに当て、そのまま、振るう。】

【つまり足をリフトとして、ベアコを場外に『運ぶ』のだ。】
【徹底的に、冷徹に。勝ちを狙う、面白みの無いやり方だ。】
356 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/24(日) 21:38:43.27 ID:hRlWVACro
>>352
ーーーちっ

【舌打ちしたーーー小さくだが、舌打ちしやがったこいつ】

あー、うん…あ、あれー?なんだろーこれ?いつの間にこんな…
あ、あー!そういやさっき図画工作してたからなー!その時挟まったかなー?

【簡単にばれた卑劣な手口ーーー一応運営にばれないように考えたので、公になっては困る】
【その点では、ハッキリと口に出したナウファルの行動は彼女に動揺を産んだ、眼を泳がせながら右手を振るい、画鋲を投げ捨てた】

「ーーーだから言ったじゃないか、すぐバレるって…」
は?はぁあぁあぁあ!?し、知らんし!バレる?バレるって何が?私何も知らんし?逆に知らんし!
「…落ち着いて」

【動揺する彼女の背後に、言葉を発しながらぼんやりと、もう一人現れる】
【鮮血のように赤い長髪、赤い目、青褪めた肌色】
【貴族的な礼服に身を包んだ上に、闇の帳そのものの様な黒いマントを身につけた、なんか半透明の男】
【ーーー明らかに幽霊、であるーーー一応これは能力の一部扱いか、普通に公に出している】

「ほら、来るよ」
…あーはいはい、いっちょやりますか

【ーーーふわ、と…生温い空気が、彼女の周囲に流れ出した】
【マフラーが独りでに揺れ、うねうねと動き、纏うのは嫌な感じがする死≠フ空気】
【闇の瘴気が広げた右手に集まり、握られるのは骨の意匠のシャベル、それを両手に握ってーーー】

ーーーうおっほう!?

【ナウファルの攻撃を見れば、奇声を上げて躱しーーーというより、逃げ出した】
【戦闘相手が目の前にいるというのに背中を向けた全力ダッシュ、ある程度距離を取ると、地面にシャベルを刺してそれを軸に反転、ナウファルに向き直る】

…ぜっ…はっ……おえ…

【立てたシャベルにのしかかり、なにやら凄く疲れているようだが、これは別に鬼ごっこを所望な訳ではない】
【彼女の戦闘スタイルに距離は重要なファクター、それを第一に考えて、一番素早く、大きく距離をとる方法を取ったまで】

…い、いけ…ゾンビ…!

【疲れた声で呼び出せば、シャベルが刺さった周囲の地面に魔法陣が敷かれーーーそこから這い出てくるのは、一体のゾンビ】
【腐った体から臓物を垂らす醜悪な生ける屍だ、彼は地面から這い出ると、原始的なまでに真っ直ぐナウファルに駆け出し、飛び掛かった】
【後先考えずただ飛び掛かるだけ、狙いは単純に読めるしスピードはそれ程でもない、ただの体当たりだ】
357 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 21:39:37.91 ID:/cOUvfHmo
【水の国、裏通りに面した小さめの廃ビル】
【人の手が入っていない場所は朽ちるのも早くコンクリートは剥げ鉄骨がむき出しの箇所もある】
【電灯は割れて床に転がり足元の非常灯の薄い緑の明かりだけが点々と辺りを照らす、闇を染めるには足りない明かりがより暗さを強調させ】
【暗闇は伸びる廊下が遥かに続いているとさえ錯覚させるだろう】

【もしそんな辺鄙な建物に入ろうなんて者がいれば入り口の進入禁止」のプラカードが吊り下げられた鎖が断ち切られている事に気がつくだろう】
【その鎖の切り口は新しくつい今さっき作られた物だと分かる筈だ、更に月明かりを頼りに地面を見れば男物の靴跡が真新しく残っていて】
【それは階段へと続いて屋上へと至る。外への錆びついた鉄のドアは数センチだけ開いて冷たい風が垂れている、どうやら外の風は強いらしい】

(…………寒いなあ、上から探せば確かに効率いいんだけどもう少し厚着するべきだった)
(しかし微妙に耐えられる寒さっていうのが始末に負えないよな……)

【ドアを越えて屋上に出れば柵に腕を掛けてその上に頭を乗っけてぼうっと外を見ている人影と出会う筈だ】
【大きさは170cm程だろうか?伸びた後ろ髪三つ編みのそれが風に揺れて犬の尻尾のようで】
【髪の先、つまり腰辺りにはナイフケース。眩しい銀色の柄が月明かりに負けじと輝いて目を引く】
【「くしゅん」とくしゃみをする彼の身体は黒いジャケットに包まれているがそれでも寒さに震えていて】

【しかしここから去らない事を考えるに目的でもあるのだろう】
【動く素振りは見せず寒空の下で主人を待つ忠犬のようにずっと佇んでいる】


【外から見ればそのビルに一切の明かりはない】
【背の低いビルには航空障害灯など無く、ただ唯一あるのは手すり付近の紫と赤の光だけ】
【それは佇む彼の右目と左目なのだけど外から見る分には奇妙に感じられるか】
【その瞳に起因する「誰かがこちらを見ている」そんな感覚はビルに近づく程に強くなる】
【無視しても構わないがもし誰かがビルへと来たならば前述した通りの人の痕跡が見つかる】

【だから昇って屋上へと行けばその無防備な背中と出会うことだろう】
358 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/02/24(日) 21:41:53.22 ID:LRR8BkRH0
>>354



【横倒れになりつつ、上体だけでも身体を上げる。】
【上方から襲いかかる、針の身体。】
【それは巨大な鉄球のように重い――。】


【直ぐ様抜刀。輝く鋼を、】
【針と針の間に入れるようにして当てる。】
【当てるだけでなく、さらに刀の背を足でぐぃと押し込み――――。】

【――――それでも。】
【相手の重みを完全に防ぎきることもできず。】
【相手の長い針はいくつも彼の身体に到達している。】
【彼の身体に、いくつもの、深い刺し傷を与えていく――――。】
【血が溢れ、その地面を赤く濡らし――――。】


ッつああァッ!!!


【――――所謂、巴投げの要領。】
【相手の力を利用し、相手に当てた刀をうまく使い―――。】
 ・・・・・・・
【自身の真後ろへと――――、投げ飛ばそうとするだろう。】

【成功すれば、直ぐ様身体を起こす。】
【与えられたダメージはとてつもなく大きい―――。】

【次のコンタクトで全てが決まる――――。】
359 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 21:46:11.99 ID:CNx4e4gY0
>>355

ぐぁ!

【チャクラムの攻撃により、両肩にさらに傷を負うベアコ】
【そして、チャクラムによる攻撃はベアコの飛び掛かる軌道を変え、より高く、より長く宙に停滞させた】
【私が勝つ―そんな言葉が耳に入り、暴走していたベアコの思考が消え去り我に返った】

レイニ―ッ!?

【レイニーにかける言葉、しかし気づくのには遅く、彼女の足はベアコの体にあたり、そのまま後ろへと運んだ】
【一瞬の駆け引き、そう言ったものがまだまだベアコには足りない、そう言った結末だろうか】

【宙を移動し、レイニーの体を超えベアコが向かう先はフィールドの縁―さらにその先の外堀】
【重力に任せて落ちていく体、リングの縁に手を伸ばすが掴むことはかなわず、手がリングを掠めるだけ】
【ベアコの体は前に一回転をし、背中から―リングの外へと―落ちて行った】

【ドシンーッ!】
【響き渡る音、そしてそれは、この勝負の結果が着いたことを示す音でもあった】

【レイニーエッジ・ピカレッジVSベアコ】
【リングアウトにより―勝者 レイニーエッジ・ピカレッジ】

【湧き上がる歓声とともに決する勝敗の瞬間】

うぐぅ〜・・・

【痛めつけられた背中を抑えつつ立ち上がり、ベアコはリングの端に手を乗せてひょっこりと顔を出した】
【頬を少し膨らませて、レイニーのことを見つめた】
360 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/24(日) 21:52:32.54 ID:HMdjBmHt0
>>347

(…………!)

【舞台に上がった“もう一人”を映し、一瞬瞳に浮かんだ驚きは消えた。】

(……成程――――――――――)

―――――――――――――――……金翅鳥!

【代わって顕れたその感情は、きっと歓喜に耀いていた。】

【構えるように振り抜く右手。その前腕に顕れるのは、継ぎ目のない漆黒の鎧だ。手の甲にまで張り出した先端部が鈍く光る。】
【―――― 同時、もう一つの変化が訪れる。】

【霊鳥の形をした炎が虚空より生じ、その内より赤熱の如き光が浅い孤を描きながら伸びる。少女が其れを両手に取り、】
【その光が纏う、黄金の火の粉が音無く爆ぜ散って。現われたのは―――何処までも清冽に美しい、白銀の太刀だった】
【冷たく澄んだ刃の輝きは無謬。極限域の鋭利さを持つ刀身には金象嵌が施されていた。】


……そうね、そう、“私達” は常にそうだった――――――

研ぎ澄まし続けた刃(ありかた)と刃、触れる事無く競った二刀――――――
…………その決着をつけるのならば、こんな舞台こそが相応しい。

決着をつけましょう唯刃流£邑瑛月―――――――……この一刀を以て私は、貴方の技総てを越えてゆく!


【凄絶なる剣気を纏ったまま、自信に満ちた言葉を柊は叩きつけた。研ぎ澄まされた戦意の微笑。】
【……剣と剣。何れが勝るのかは未だ分からず――――】
【…………だからこそ。】

―――――――――――――― …………ハァッ!

       【触れるもの総てを斬り裂かんばかりの灼熱。どこまでも冷徹な判断を下す明鏡止水の戦意。】

【それら彼女を意味する総てが―――――――――――“望んでいる” のだ、彼との今宵の決着を。】

【爆発的な加速から瞬時に柊は間合いを詰め、一挙一足の距離を越える。】
【位置的には彼から見て “右側” ―――――すなわち通常の居合いであれば、彼が必殺を期すことの出来る位置関係だ。】

【………だが、“逆抜” にはそうではない。けれど、それすらも彼女の真の狙いではなく―――――】
【ゆえに瞬時に彼女は位置を変える。】

――――――――――――――……ふっ!

     【先触れとして太刀を中断から斜め下へと斬り込ませ、後を追うように “逆抜” の刃圏に飛び込んだ。】

【彼女が “逆抜” の殺傷圏内に現われるとき、そこには、
 予測される “逆抜” の軌道と交差するように彼女の太刀が疾り、斜めに彼の左脚を狙っている。】

【必然、“逆抜” を放てば両手持ちの斬撃に阻まれ、弾かれ――――― 】
【悪くすればそのまま、彼は左脚を深く切り裂かれるだろう。“両手” と “片手” の差だ。】

【だがこの一挙動には、弱点がひとつ存在していた。】
【すなわち、“逆抜” 以外での柊の斬撃の相殺。】
【限りなくイーブンに近い状況が、或いは瑛月に有利な状況が、生じる可能性が其処にはあって―――――】
361 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 21:53:36.57 ID:wi+YBq0to
>>356

【空を切る攻撃、二つの曲刀は地面すれすれを掠め、横一文字に切っ先を向ける】
【わずかに遅れて木のサンダルが地面を叩き、反動をバネにぴんと立ちあがる】
【近接を得意としたこちらに対し、相手はどちらかというと自分の手を扱うのは得意ではないのだろうか】
【遠くに逃れた姿に目を向け、すぐに次へと体勢を整える】

へェ……ジンを操るノかな、いや俺たちの定義トは全然違うかモだケド
ソレに亡霊(シャバハ)か、コレはなかなか厳しいかナ!

【口にした言葉は、普段新世界上にて使われる共通語とは全く違った発音と音の並びをして】
【意思無きヒトで無きならば、屠る事にそこまでの抵抗は無い】
【ゾンビと真っ正面に打ち合うように再び駆け出す長躯、耳元で装飾具がちゃらちゃらと音を立てて揺れる】

【ゾンビの身体へと叩きつけられるのは、左手の水の刃の方】
【駆ける歩みのいくつかでゾンビとすれ違う位置になるように調節すると、飛びかかる胴に打ち当てんと振るった】
【漂う生ごみのような臭いに、うえ、と舌を出しながらも、攻撃の成否に関わらずそのまま累本人へと突出する】
【見た目で正体は知れても実際に何をするかは知れぬ、まともにゾンビを相手にするより本体を攻撃する事を選んだのだろう】
【もしなんらかの手段をもって足を止められることが無ければ、そのまま進行を】
【もっとも相手が先程全力で開き切らせた距離は、1ターンで縮めるには届かないようだ】
362 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/24(日) 21:56:03.17 ID:HMdjBmHt0
>>361
/
 【先触れとして太刀を中断から斜め下へと斬り込ませ、後を追うように “逆抜” の刃圏に飛び込んだ。】
→【先触れとして太刀を中断から斜め下へと斬り込ませ、後を追うように “逆抜” の刃圏、彼から見た左側に飛び込んだ。】

…でした。分かり辛いかな、と…orz
363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟・東北) [sage]:2013/02/24(日) 21:58:58.53 ID:9Lkb8XtAO
/>>362
>>361
×>>360

でした…
364 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/24(日) 21:59:33.67 ID:5+VN2jHo0
>>357

【――――ふわり、風に揺らす髪は長く長く、高い視界からでは特に、その細いシルエットを狂わせる】
【揺れる毛束は、好き勝手に躍る毛先は、まるでその一本一本が蛇か何かのように見えて――】

【どろりと湛えて零すのは、その高さからだって分かるほどに、哲学者の卵と人外の気配だった】
【見上げる瞳、血色と深淵色のオッドアイは明確に彼を捉えて――にこり、笑うのはどうしてだろう】

【最初からそうと決めていたよう、廃ビルに踏み入る影は、少なくとも縁起のいいものには見えなくって、】
【かつ、こつ、ゆっくりゆっくりと屋上へ向かう足音は、ともすれば死刑宣告のカウントダウンのようにも、聞こえるか】


……――ごきげんよう

【古錆びた鉄扉、ぎぃと軋ませて姿を現すのは、やはり、それだ】
【首を傾げてはにかんで、それなのに声ばかりはどこまでも無表情のまま――鈴のよう、夜に震えて蕩けて消える】

【闇よりも冥い髪、膝の長さは風に煽られて暴力的にはためいて、】
【長い前髪越し――じぃと彼を見つめるのは、左が血色、右が深淵色の硝子球めいたオッドアイ】
【胸を少しだけ通り過ぎて覆うフード付きのケープだって、膝上で揺れるワンピースだって、どちらも黒で】
【レースとリボンをふんだんにあしらって――足元、ヒールの高い、編み上げブーツ】
【風を孕んで膨らむスカートを抑える右手。ぼんやりと下ろした左手、首元、至る場所に巻いた包帯は、けれど】
【右手の薬指、その付け根だけを不自然に露出させて――そこに、指輪めいた黒蛇の痣を刻んでいた】

わたしのこと、みてたでしょ

【かつん。踊り場から屋上へ踏み出したなら、月光が白すぎるぐらいの肌を照らす】
【「どうして?」――笑ってみせるのに、どこか抜き身の刃めいた、鋭さが、】
365 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 21:59:37.88 ID:xbbD8b63o
【――"店"の前に止まっていたロールスロイスが、静かに走り去る】
【大きな黒の車体が路地を突っ切り、その影が見えなくなるまで、"女"はそれを見送った】

―――ふぅ。なんていうか・・・お金持ちさんってのはいつ見ても緊張するなぁ。
とりあえず今回は仕事の依頼だけだったけど――これから打ち合わせとかで顔もしょっちゅうあわせるんだろうね・・・。
・・・苦手、かな。

【そんな事をぼやきつつ、女は寒気に身体を震わせ、「うぅ、寒い寒い」等と言いながら"店内"へと戻っていく】
【店の内装は事務所――というよりも、酒場を兼ねた開放感のあるスペースといったところか】
【蝋燭や照明の柔らかな光が弾痕の残った壁と、そこに飾られた二桁にも上ろう刀剣類、銃器類を照らし出す】
【暖炉の炎は店内を柔和に包み込み、ぼうっとしていたら眠ってしまいそうな暖かさを保つ】

――しっかし、大会間近だっていうのにまた大きな仕事着ちゃったもんだねぇ。
っと、そろそろ時間だった。

【"女"は奥の机にある椅子へと腰掛け、ブーツカットのダメージ加工・ジーンズに包まれた長い足を組む】
【足の先に装着された年代モノのウェスタン・ブーツは踵に取り付けられていたであろう"星"の装飾が壊れ、哀愁を漂わせる】
【首もとの赤いスカーフを取り去り、頭に被った特徴的な、古びたテンガロン・ハットを机に置くと】
【テレビの電源を入れ、そこに映し出される"激戦"の模様を、ブルーとも翡翠とも取れる神秘的な瞳の中に灯して】

この戦いの勝ったほうが、アタシとの対戦相手――っていうか、片方はお仲間さんなんだよね。
柊ちゃん・・・それに相手方も剣士、か。

・・・初戦敗退かね、こりゃ。いやいやいや!
【――苦手とする接近戦を、まさに必殺の距離とする対戦相手――どちらが勝っても、上がって来るのは天敵。】
【シードであるという事は相手の手の内を事前に知れるという有利な点もあったが】
【この女としては、試合前から焦りに身を焦がされるという結果のみが残った。】
【――無論、何の対策も立てていない訳ではない。それに――】

――こんな豪華な賞品が懸かってるんじゃ、簡単に諦められない、よね。
【女の目の前には一枚の紙――優勝商品の一覧が記載されたそれを見つめる女の表情は、】
【――・・・なんとも、先ほどまでの美しい輝きを失った瞳が完全に「金」の文字になっている状況だ――。】
【―――1000万。この金の亡者には、大きすぎる金額――】

【UNITED TRIGGER店内で、女は試合の行方を見守る――】
366 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/24(日) 22:00:07.08 ID:+WBgrDFpo

「――うおおおおーーーーッ!」

【先程全身に棘を生やしたのは、"反撃"を想定してのことだ】
【それは、観客席に居るパートナーからのアドバイスに基づく】
【棘の鎧は、消費が大きいものの攻守が揃っていて使い易い】
【――しかし密集する棘、その僅かな隙間は生身に違いない】

【刃に押されても、大した傷にはならないが――】
【更に押し込まれれば、少しは負担になっていて】
【その後の反撃は、棘の鎧なんて関係なかった】

【――押しつぶす要領のタックルだ、隙が少ないわけがない】
【その重い身体は、そちらの真後ろへと赤い線を描いて飛ぶ】
【ドサリ、――なんとか受け身は取ったものの、落下の衝撃は彼の身に確かに響く】
【その時、運悪く右腕から落ちてしまった為その傷口が広がっていて】

「いってェェー、――中々あんたもパワーあるじゃあねェーかァー」

【自分の力を利用されたことには、あんまり気がついていないようなのだが……】

「――結構魔翌力を消費した気がするぜェ〜ッ」
「やっぱり棘の鎧は便利だけどよォー、乱用するもんでもねェーなァー」

【彼の全身に生えていた棘は、抜け落ちれば消滅して】
【中途半端な受け身から身体を起こせば、すぐにそちらへと身体を向ける】

「ヘケケケ、だいぶ血の気が減ってきた、――行くぜェェエエーーーッ!!」

【殆ど動かせない右腕は、彼の歩みに揺らされて血を振りまく】
【さて、彼がそちらに接近することに成功すれば】 【――いや、接近する数歩前に】

【その姿勢は、地面を踏み切るそれとなる】
【そして、両膝に棘を生やしつつ――左脚で踏み切れば】


「ライジングニードォォウウウウ……ニィィイイーーーーーッ!」

【飛び膝蹴り、右膝によるそれをそちらの胴体目掛けて繰り出した】
【もし命中すれば、脚を空中で動かし――左膝でそちらを追加で蹴るだろう】

【――その技の発生は、けして速いとはいえない】
367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/24(日) 22:01:07.09 ID:+WBgrDFpo
>>366
/安価忘れた……>>358宛です
368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 22:03:14.63 ID:vD0QPb+wo
>>351

【視線に望むは此方の接近に交える様に駆ける男の姿であって、奏でられれば姿を表わす灰の旋律も見とる余裕も十分だった】
【そしてその行動を見たならば、女の片手に握られた偃月刀、それを握った手を返し、正面へとその切先を正面その下方へと向ければ】
【その刀身、刃は男を食らうがごとく光を舐め、閃光散らし】

取り柄ってもんが若さと元気って事しかないもんでねぇッ―――!
そこまで見たいなら見せてやるよッ!吹き抜ける暴風―――否――――青龍≠ェ風の叫びをねェッ!!


【風≠ヘ風車をよぎり、その動を作る、その突#ロ――全てに風を造る事も出来るのだろう】
【男の言う様に、その長柄の長さを利用した故での風の旋風を通す事も出来るはず―――】
【否―――出来るのだ、その衝撃波が風の風圧で壊れるならば――その風車を奥へと突き進みその景色を望む事が出来るのだ】

【女は更に、その大地を蹴り上げ、加速する―――偃月刀の刀身からは蒼旋渦巻き、軈てその長柄全てを包み込み】
【蒼渦纏う其の様はまるで空を舞う龍にも見えて――――】

【そして灰色の衝撃波を間合い――否、その奥の男すら間合いに入れたならば右腕を引き、そこから繰り出されるそれは周囲に暴風が如き圧を生み出す】
【その衝撃波、その奥の男を喰らわんと突≠「や――龍の牙が、その切先が一直線に放たれる】

【だが風≠ナあるゆえそのモノ自体に物理的な衝撃は無い、しかしその圧、そしてそれを纏った中心に存在する偃月刀の刃は風に乗り速度を増す】
【そしてその突≠フ軸は引かれた右腕、柄先に近い場所を持つそこから放たれる故にリ―チと言えば長いものである】

【片手である故最速までとは行かないが、その速度は遅くは無いものなのだろう】
【口車に載せられ、繰り出された単純な攻撃の行方は今はだれも分からない――――】
369 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 22:11:10.62 ID:/cOUvfHmo
>>364

―――――――!!

【一瞬だけ冷たい空気が生暖かく感じた】
【ナニかが来る、正確には分からないがそれは近づいて来ている】
【しかし自分の捜しているものとはどこか違うようなちぐはぐな感覚】

【焦燥か恐怖か……】
【それさえも分からないまま気付けば自分の右手はナイフへと伸ばされて】
【手に伝わる冷たさでようやく正気へ戻る】

……何がどうなってんのか。

【扉の方へと身体を向けて、待つ】
【やがて錆びた扉は揺れてそして現れる彼女は】
【人の身でありながら幽鬼にさえ見えて、一歩遠ざかるが背に柵が当たるだけ】


(気圧される……?……なんだアレ……)

【きちんと対面してそうして分かる自分が無意識の内にナイフを握った理由】
【生き物ならば当たり前の事自分の生存に関わる状況で防衛手段を探しただけ】
【そう思わせる程に目の前の彼女は危うく思えた】

鈴音……で、いいんだよな?
アンタを探してる人がいるんだ……だから探してたんだけど……

【内から湧き上がる迷い、あの少女と彼女とを出会わせて良いものかと】
【或いはここで始末してしまった方が……などと考える自分を疑う】
【自分は正気ではないいつもならばそんな考えには至らない、何が自分を狂わせているのか】
【原因など既にわかっているというのに……】
370 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/24(日) 22:12:26.30 ID:hRlWVACro
>>361
【飛び掛かったゾンビの動きは簡単にやり過ごせる物で、腐った体は容易く真っ二つに切り裂かれる】
【テレビ放送じゃ事故ってるような、スプラッターな散りざまで、下半身と上半身が別々に着地し、トボけた顔のまま魔法陣に包まれて消えた】

うおわっふ!?本体狙いは勘弁して!
「いや、基本だよ。私も昔はーーー…」

【過去の教訓を語り出す半透明の男を無視して、尚も接近して来るナウファルを見て更に奇声をあげると、シャベルの切っ先で地面を引っ掻き線を刻む】
【刻まれた線から、せり上がる物ーーー円状に並んだ歯と醜い顔の肉塊の様な壁は、1m強程度の高さだ】

デモンズウォール!こっから先は通行止めだァ!!

【肉壁を呼び出した塁は、その後ろに隠れてナウファルの接近を妨害しようとする】
【だが、壁は簡単に周り込める程の幅しかない、おまけにナウファルならば簡単に飛び越せるだろう】

【ーーーだから、自分と肉壁の間の地面にシャベルを突き刺して、召喚準備をしておく】
371 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 22:17:26.33 ID:9lhBcOaWo
>>341
【ナイフを鉤爪に見立て、振り下ろした男の放った真空刃は】
【避けようともしていないのか、避けられないのか、ただ目の前の男を抱きとめようと手を伸ばす双頭の異形を持つ彼女を、いとも容易に分断した】
【届くことのなかった右腕は、胸の辺りで胴と切り分けられ、べちゃり、と、地に落ちる】
【腐食した土がいくつかのくぼみを造りだし、そこに彼女の洋酒のように不気味に輝く体液が溜まっていく】


い         た             
                イ


【写真を貼り付けたように笑ったままの彼女が、いつまでも泣ているもう一人の彼女が発したのは、身を削られ、自らを襲う苦痛を表した言葉】
【真空刃を食らうも、わずかな部位でかろうじて繋がっている二つの胴は、しかし腕を動かすことを止めない】
【どろどろと身を溶かしながら、片腕を伸ばして、身を捩り、這うように男に迫る。ゆっくりと】

お                            マ
 
    え
の         ぞ                              ンだ

【途切れ途切れに、空気を通して男の脳に響くノイズは、徐々に弱弱しく】
【静かに朽ちていくこの空間と同調するかのように、彼女の体は傷口から崩れ落ち、溶け始める】
【先ほど切り落とした腕は、固体として存在しておらず、もうすでにその原型をとどめていなかった】

【窪みから溢れ出した液体は、徐々にその範囲を広げ、あわゆる生物を腐らせながら男の足元へと届こうとしている】
【だが、空気が彼にかける負担は、まるで彼の逃避を妨げるように、いまだに大きなまま】
【これも彼女の力の一部なのかもしれない】


……うげぇっ!? って、夢じゃないのかなぁ、これ。


【幸い液体がたどり着く前に眼を覚ました青年は、危険を察知したのかその場から必死に後ずさると】
【数秒ほど状況整理と理解に時間を使い、大きく深呼吸をした】
【彼はあくまで召喚した立場。今更格好付かなくても、対象の前では常に冷静を気取っていなければならない】
【ボルトルや、彼女を呼び出す魔法陣に使用したものと別のチョークを懐から取り出し、距離をとったところの壁に、円を描きはじめる】


あんた、もうちょっとその子の”話し相手”になってやってくれ。
このままじゃ…………いやもう遅いか。ともかく、その子も含めて結構な被害がでちまう。俺も死にたくねぇ。
協力してもらって悪いが、こいつの使役はちょっときつい。

【潰された二つの丸い光。崩れ落ちたゴーレム】
【彼らが視界にいない意味を悟った青年は、軽く舌打ちして、表情を一瞬曇らせる】
【描かれた円は、召喚したときと同じ。大きなもの】
【利用方法は、また新たな存在を呼び出すため――――ではなく】

勝手に読んどいて悪いが、お帰り願うとするよ。
即効で作業は終わらせる。簡単じゃぁないんだけど。
まぁ、その子には合わない空間みたいだからな。すぐ帰ってくれるだろ。形が残ってれば。



【背を男に預けて作業を進める青年が、印を書き終えるまでの時間は、おおよそ3分】

//明日の用事がきつくて、今日はここまでです…
明日は今日に比べて夕方から自由だと思いますので、できれば宜しくお願いします。
372 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/24(日) 22:19:44.67 ID:5nqS/ym/o
>>368

【――真っ向から向かったのだから】
【相手の偃月刀の暴力的な風を真っ当に喰らうのもまた、至極当然と言えた】
【けれどその末期のような一瞬でさえ哂うのだから。つくづく嫌味な男と言える】

ぐうっ……! か、はっ……

【巨体が後方へ弾き飛ばされ、一度フィールドの床に叩きつけられるも、即座に受身を取り】
【だが口許に手を当て僅かばかり咳き込んだ様子を見れば、そのダメージは想像がつく】
【すぐにゆらりと立ち上がる長躰に赤毛が揺らぎ、一瞬だけ蒼穹の青さを持つ鋭い目が覗いた】

っちィ、予想以上だねぃ!だがそれでこそ、闘いってもんだよい!!
さあまだ続きがあるんだろい、その程度じゃ俺ぁまだ崩れねえさぁ――!!!

【離れた距離を取り戻すよう駆け出す、踏みつける地面に五線譜が浮かび上がっては揺らぎ】
【「破ァ!!」と叫んだ一声は矢張り大砲めいた衝撃弾となって、相手の腹部を狙いながら】
【重ねてレヴィ自体が、地を踏みつけて発生した衝撃と共に強烈なタックルを仕掛けようとする】

【衝撃弾自体も重いが、後続の巨躯での突撃だって油断ならない】
【だがそれは相手の得意な間合いに入ることも意味する。驚異的な二連撃は、同時にリスクも高く――】
373 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/24(日) 22:22:31.23 ID:wsjlZYqd0
>>356

【ーー脚を降ろし、リングアウトしたベアコを見る。】
【感情の薄い表情だが、明らかにしたり顔である。レイニーとて充足感はある。】

……思い掛けず、勝ち上がりだ。

【ゆっくりと立ち上がり、ベアコに向き直る。】
【背中を払い、余裕ぶった表情を見せる。】

【ーーこれは言わば、優越感を得る為の行動である。レイニーは性格が悪い。】

悪いね、ベアコ。
今回は私の勝ち……知恵の勝利という訳だ。

【必要以上の減らず口は、秘めた喜びと、身体に渦巻く痛み、苦しみに起因する。】
【倒れそうだが、倒れない。これは、意地だ。】

では、また会おう……ベア……

【そして、リングから出ようとして、ばたりと倒れる。】

/お疲れ様でした。長期間ありがとうございました。
374 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/24(日) 22:23:10.95 ID:SzdYsZ6IO
【水の国 第二回天下一武道会 二回戦第四試合 会場】

【今、ここの観客席は大いに盛り上がっていた。何しろ一回戦を勝ち抜いた猛者が集まるのだ、激しい試合を期待するのは当然だろう】

【会場の中心に敷かれた石畳の端に、今まさに喝采を浴びている少女がいた】

【黒い瞳、ポニーテールにした茶色の長髪】
【白地に青の装飾がついたセーラー服と黒のプリーツスカートを身につけた、ここまでならよくいる少女】
【しかし、両腕には無骨な黒いガントレットをつけ、腰のベルトには同じ金属で出来ている金属棒が2本括りつけられている】
【そんな妙な風貌の少女だった】

ふー、集中、集中……
落ち着け、私……平常心……

【腕を広げ、深く息を吸い、吐く】

【今日は、先日のように少女をからかうような声は聞こえない。先日の試合で、ある程度の力を持っている事が分かっているからだ】

――よし、来い!

【腰に下げた金属棒を取り、構える】
【見据える先は、石畳の向こう側、今日の対戦相手がいるであろうところ】

【叢雲 茜――入場】

/アイリスさんの方、よろしくお願いします!
375 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 22:24:04.78 ID:wi+YBq0to
>>370

【切り捨てたゾンビは振り返らない、というか、振り返るとえぐいので振りかえれない様子】
【幅の短い眉と眉の間に皺を寄せている様子からみると、地獄絵図じみた風景が平気という訳ではないようで】
【精神に訴えるような攻撃は利きはするだろうが、それで相手が有利になるかは別の問題か】

さッきから、女ノ子が扱うにしちャあチョットえぐいなァ……
ドうせならもっと、可愛いモノを呼べばいいノにさ!

【前方に姿を現す悪趣味な真実の口には、思わず苦言が漏れる】
【そして、様子の見えぬ壁の向こう側に飛びだすのは危険であると見たか】
【肉の壁の前方、出発点から距離をつないで半ばほどで急ブレーキをかけた】

《牙》(ナーブ)――ッ!

【踵を石畳に叩きつけて止めた勢いは、振りかぶった左腕に、手にした水の刃に】
【肉の壁の真ん中あたりに向かって、推進を加えてそれを投げつける】
【どれほどの耐久力であるかは分からないため、貫くか半ばで押しとどめるかは、さて】
376 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 22:26:31.86 ID:CNx4e4gY0
>>373

むぅ・・・頭がいいとかあんまり関係ないぞ―!?
レイニー!?

【バタリと倒れるレイニーを見て驚きの表情と言葉を上げたベアコ】
【すぐさま運営による救急隊がレイニーの元に来て治療所にでも運ぶのだろう】

/お疲れ様でしたー!こちらこそありがとうございますー!
377 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 22:27:18.14 ID:SRmgEbK/o
【水の国首都フルーソ、そのスタジアム上にて】
【一歩、一歩と固く踏みしめながらその戦場へと上がってくる一人の青年がいた】


――――――――――――――――……水の国スタジアム、ここに上がるのも2年ぶり、か


【さらっとした柑橘系の整髪料の匂いが漂う茶の短髪、きりっとした目の中に真っ赤な瞳に整った鼻筋】
【いつもと違うのはその服装が、格闘家のごとき道着を身にまとっている事だ、黒いズボンに白い和装の上着】
【左の胸元には黒い糸で『葉隠』と刺繍されており――そしてなぜかいつものように赤いマフラーを首に巻いている】

【剛田 剛太郎、どうやら彼がこの大会用にわざわざ用意した道着に着替えてここに現れたらしい】


あれから2年と、もうすぐ半年になるのか、あの日はあいつの誕生日だったからな、よく覚えてる
エキシビジョンで初めてこのスタジアムに立って、ぶつかって、押し負けて、すっげぇ悔しくって……


【ふと、後ろを向けば、セコンドにつかせている垂れた耳に丸い目、ソフトモヒカンのように中央の頭の毛がこんもり盛り上がった】
【首輪に複数の鍵をぶら下げた茶色い体毛に覆われ小さな子犬、いや…レッドカラーのトイ・プードルがいつものように棺桶の上にちょこんと座っている】

【あの日、『鬼』と戦った時もこの相棒が傍にいてくれたのを覚えている】
【日本を離れたばかりの頃、右も左もわからない異世界で力試しのために初めてこのスタジアムに上がって大柄な鬼の女と戦った記憶】
【持てる全ての技を出して、全力でぶつかりあい、それでも力及ばず破れたあの日の記憶、ずっと胸に突き刺さっていたあの記憶】

【ダンッ!と、スタジアムの中央で右足を勢いよく踏み出しながら、張り詰める空気を身にまとう青年は自分を鼓舞するように叫ぶ】


――でも俺だって……もうあの時の俺じゃない―――――!!


【あの日とはもう違う、かつてよりさらに実戦経験を詰み直して挑んだこの戦場、そしてこの大会】
【狙うはもちろん優勝、それでまずはかつての敗北を洗い流す、それが彼の目的だ】


/剛田 剛太郎です、ではリコリスの人、お願いします!
378 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/24(日) 22:29:37.58 ID:5+VN2jHo0
>>369

【天の上で微笑むよう、しんと光ばかり積もらせる月は、いまだ完全には足りないけれど】
【古来より言い伝えられてきた月の狂気、それすらも黒白の身体に浴びたなら、余計に危うさが増したよう】

【(元は、どこかより向かう視線を気にしただけだった。探って追いかけて、彼をここに認めただけだったのに)】

…………――おまえ、だれ?

【愛想のいい“ふり”をした表情がほどけたなら、そこに残るのは温度を喪った無機質の表情】
【つんと褪めた瞳は、訝るように彼を見つめて――かつ、踏み出す足音が、いやによく響く】

【唐突に名前を呼ばれたこと。黙りこくった間は、記憶の箱を探すようにも見えて――】

どこかで会ったこと、あったっけ? あったならごめんね 思い出させてみせて

【感情なんて篭めない、上面だけの言葉。零したなら、次に浮かべるのは申し訳なさそうな、うそ】

だれが探してるって? わたし、そんなわるいこと、したかしら。

【包帯だらけの右腕、すぅと持ち上げたなら、掌を見せて、保持をする】
【水中で踊る魚のよう、きらと桜色の魔力が煌いたなら――警戒を示すには、十分だろうか】

【じぃと見据えるのは確かに彼のはずなのに。血色はどこか遠くを見ているようにも見えたし、深淵はそもそも視線すら窺えない】
【ぱちりと瞬いたなら、首を傾げて――「心当たり、ないな」なんて、ひどく棒読みだ】
379 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2013/02/24(日) 22:33:05.84 ID:OLHjJ5y3o
>>377
/申し訳ありません、早速になってしまいましたが飯落ちです……。
/出来ればお返ししてから落ちたかったのですが、何分力が及ばず……。
/急いで食べてきますので暫しお待ちを!
380 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/24(日) 22:33:18.64 ID:pav2tCllo
>>360

【弧を描く其の光から飛散る火の粉が、決して動かぬ濡羽色の双眸に映り込んで輝く】
【白銀の太刀を握り締め、剣気に言葉、そして微笑を飛ばす彼女に対し―――此方も、意味深な微笑みを浮かべて】

                   ―――……お前には、まだ早い

【自信に満ちた彼女の言葉を、真っ向から否定した。 「まだ早い」―――そうポツリと、一言だけ放って】
【―――思えば、二人の刃は交差していた。 似ているようで異なる二人、故に強く意識して、だからこそ負けたくない】
【……呼吸を小さく静かに行い、韋駄天の如く地を駆け出す彼女を、待つ。 ―――この技への回答に、期待を寄せながら】

                        ―――……ッッ!!

【右側に鋭く駆けこむ其れは、「逆抜」を意識し、封じる走り―――だが、あまりにも単純な策。……それだけ、ならば】
【―――まだ其の走りを見ても尚、手を刀の柄にもかけない。……居合は、得意分野。練りこまれた短い工程からの斬撃ならば、まだ抜くのは早い】

                   ―――……成程、其れがお前の回答か

【やはり、その奥に更なる刃を隠している。―――右に寄り、「逆抜」そのものを抜かせない策に見せかけ】
【実際は「逆抜」そのものに真っ向から挑み、潰す―――……彼が彼女に告げた弱点、片手による力負けを見事に突く、両手の斬撃。だが―――】

                      悪くはないが、満点とは言えないなッ……!!
                          ―――「逆 抜 」 ッッ!!

       【彼が柄を掴んだ手は、左の逆手。「秘剣」はその策に立ち向かわんと、放たれる―――!!】
      【―――……彼女の策に、大きな誤算は無い。瑛月自身が、弱点を克服したのだから……!!】

[ ギ ィ ィ ィ ィ ィ ン ッ ッ ! !]

【弾ける様な、金属音。 互いの在り方が衝突して奏でる、闘いの音色。 ―――打ち負けしている彼はいない。 鍔競り合っている二人が、其処には居る筈だ】
  【―――左の逆手で抜いた刀、その刀の背を支える……「右手」。 両腕を交差する変則な形ながらも、両手持ち】

【観客からは、一瞬何が起きたのかが解っていないような静寂。 見えた光景は、彼女の斬撃が、無抵抗な彼に振り下ろされるもの】
【しかし最短工程の秘剣が、彼女の在り方を受け止める。―――……固唾を飲んでいた観客は、大きな間を開けた後……歓声を爆発させた】
381 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [saga]:2013/02/24(日) 22:37:55.95 ID:RwjJ0fqAO
>>365

【――あらためて扉の開閉する音が、店内に響くことだろう】
【そうしてせっかちな足音を踏み鳴らしながら入ってきたのは、一人の少女だ】
【彼女は、右目の下にある、涙の跡を辿るような縦に並んだ三つの泣きぼくろが特徴的だった】

くうぅ、さむっ……!
すみません、体が温まるまでしばらくお邪魔しますー!

【腰までの長さの茶髪をハーフアップに纏めた、あどけない顔立ちに精悍さを帯びる青い瞳の少女】
【ハンチング帽を斜めに被り、黒縁の伊達眼鏡を掛けて、両手にはフィンガーレスタイプの手袋を填め】
【ネルシャツにオーバーオール、ロングカーディガンを重ねて着るなど、活動的な恰好をしている】
【ショルダーポーチを携え、小洒落た靴を履く姿は、何となく“今時の若者”を装っているようにも見えた】

【寒そうに両腕をこすりながら、ぱたぱた、とせわしなく店内へと入ってくる】
【呼吸を落ち着かせつつ周囲を見渡すと、少女はウェスタン風の女を見つけて】

……こんばんは、もしかして、大会観戦中でした?

【テレビの画面と女とに、それぞれ視線を遣れば――】
【ちょっぴり申し訳なさそうな顔をしながら、近付いて彼女に声を掛けるだろう】
382 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/02/24(日) 22:37:56.62 ID:LRR8BkRH0
>>366
【手に持つ刃を鞘に納める。】


カハッ……、

( ――こちとらダメージが大きすぎて声も出ねぇよ。
気合いってやつか――――、すげぇな。 )


【頭の中では相手への称賛で溢れる。】
【身体中の傷から血が溢れて―――、意識がぼんやりとしてきた。】


【重心を低くし、腰の刀の柄に手を当てる。】
【闘気のない瞳―――。その奥に、揺らめく炎が浮かぶ。】


【相手の飛び膝蹴り、その動きに合わせるのではなく――――。】
 ・・・・・・ ・・・・・・・
【右足を基点に、左足で弧を描くように背後を向く。】
【相手の目の前には、彼が消えたように見えるだろう。】
【簡単な話だ――――。】

【彼は、上記のように身体回転させ背後を向き――、】
 ・・・・・・・・・・
【相手の軌道から外れた。そして――――。】

【彼は相手に背を向けて居合い抜き。】
【刃は誰もいない空間を切り裂く。】

【その振るわれた刀を握る手、拳は、柄の先は――。】

【空中を走る相手の顔面へ、
     ・・・・・・・・
     裏拳のように襲うだろう――。】





383 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 22:41:05.79 ID:/cOUvfHmo
>>378

そっちが知らないならオレも知らない、他人同士だろう

【少女の言葉に乗せられた想いは全てが嘘のように感じられた】
【月明かりの下に微笑むその表情もまるで冗談のよう】
【それに飲まれてか返す言葉は簡潔な物になってしまった】

でも確かにアンタを探してるヤツがいるんだ
「ファラエナ」ってヤツなんだけど……それは知ってるだろう?

【漂うその魔翌力、危ういなと思って右手をナイフに掛ける】
【約束を反故したくは無いが殺されたくもない、そんな天秤の間に自分はいる】
【ただ自分のそんな想いなど関係ないように銀色の閃きは絶える事なく】

ソイツはアンタを「お姉ちゃん」って呼んでたよ
家族なんだろう?だったら会うべきだ、ファラエナの連絡先も……知ってる。
出来れば会って欲しいけど……どうなんだ?

【出会わせた所でどうなる、そこに何の意味がある?】
【心の奥から問うそんな声……それを黙殺して鈴音へと言葉を続ける】
【そんな彼は鈴音から見ればなんとも分かり易い「悩んでいる」人間に見える事だろう】
384 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/24(日) 22:50:58.98 ID:hRlWVACro
>>375
【壁の後ろ、ナウファルには見えない所で召喚したーーー小柄な影】
【それを使うタイミングは今ではない、もう少しナウファルが近付いてからーーー】

うるせー、私だって好きでこいつら使ってる訳じゃねーんだよ
趣味の悪さならこの死霊術師に言え
「えぇー…」

【召喚する物の趣味を問われたが、それは彼女も疑問なようで、背後でふわふわしている半透明の男を親指で指して返答】
【水の刃が眉間ーーーというのかはわからないが、目と目の間に突き刺さった肉壁は、途端に脂汗を噴き出して震え、白目を向いて地面に沈んで行く】
【ーーー肉壁が沈んだ瞬間、隠れていた小柄な影がナウファル目掛けて飛び出した】

可愛い奴といったら、こいつか?猫好きだろ?猫
私は大っ嫌いだがなあ!!

【飛び出したのは猫ーーーの、ゾンビだ、猫らしい小ささだが、かなりすばしっこい】
【その小さな体にダメージを叩き出す力は無い、故に猫ゾンビは、ナウファルの顔面に飛び掛かり、張り付いて視界を塞ごうとする】

おまけの駄目押しだ!こい!デッドストーカー!

【調子に乗って来た死屍は、更に地面にシャベルを突き刺し魔法陣を敷いて、そこから新たな屍を呼び出す】
【出てきたのは、人型だが小柄の屍ーーー爪が長い、特殊なゾンビだ】

やれ!切り裂いてしまえ!

【デッドストーカーを呼び出した瞬間、死屍は指令を下してナウファルを指差すーーーが】

…ん?何だ?『嫌だ』?は?『返り討ちに合うから』?
いやお前何言ってーーーおいこら!逃げんな!

【ーーー何やら、デッドストーカーが首を振って拒否したかと思えば、地面にモグラのように潜って行ってしまった】
【ジムバッチでも足りなかったのだろうかーーー?とはいえ、これはナウファルにとってはチャンスである】
【死屍がデッドストーカーを呼び出したのは、猫ゾンビが撹乱の成果を上げ、大い余裕があったと想定しての行動】
【ナウファルが猫ゾンビの撹乱を掻い潜れば、まもりの無い死屍に一撃を入れる隙が大いに出来上がる】
385 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/24(日) 22:53:13.27 ID:urMB4E3h0

【寂れた教会――――人が訪れる事の無さそうな外装であっても、中からはよく澄んだ詠唱の紡ぎが聞こえて】
【静寂に包まれるこの一体に流れるそのアリアは何処か神聖的な物とも聞こえるだろうか】
【――――もし、辺りを通りかかった者が居るならば其れはきっと興味を惹くような物で】

【その歌声に誘われて教会の扉を開いたならば、黄色い双眸が向けられるだろう】
【歳にして十七の女性。或いは少女】
【紡ぐ声を止めれば、銀の長剣に手を伸ばして近づき】


「――――旅の方でしょうか。それとも、祈りを捧げるために訪れた方でしょうか
休憩する場所が欲しいならばご提供しますが……それ以外の事が目的ならば、申し訳ありませんが――――
――――ギャン!!」

【警戒を露わにしている双眸。少し前で止まろう取れば、窪みにでも足を取られたのかそのまま綺麗に前のめりになって】
【それからは一瞬の出来事。折角凛とした雰囲気を纏っていたのも台無しで、そのままビタン!なんて派手な音を立てて転ぶことだろう】
【――――そんな修道女を見て、訪れた人は一体何を想うだろうか】
【或いは、大会に出場した――――なんて噂を聞いて訪れる奇特な者も、僅かに居るのだろうか】





【静けさに包まれる街の一角――暗闇が支配する中、光を漏らす店が其処にあって】
【外から見る限りでは魔術に用いる様々な用具が飾っており、その殆どが普通の店では置かない――呪われた品や取り扱いに注意が必要な毒物等】
【この店の主もある程度裏に通じている為、その道の者が訪れる事も多く】
【――看板こそ掲げていないが、謂わば何でも屋とでも言うのだろうか】
【狩りから窃盗。護衛や家事等実に何でも請け負うのだが、其れも気紛れなこの女次第で。まともな仕事を断って可笑しな依頼を受けたりと変人としての評判であったり】


「さて……また面倒な依頼が着たわね
これは別に受けなくても良いかしら」

【手元に広げているのは、とある富豪の娘を誘拐する旨が書かれた紙】
【溜息一つ吐けば、丸めて燃やし始めるのだろうか】
【――――灰が風に吹かれてゴミ箱へと入った後、再び溜息を吐いて】


「それにしても、今日は暇ねぇ……
また面倒な依頼がくるのも嫌だけれど、だからといってずっと暇なのも嫌なものよね」

【クルクルと指を回せば、それに応えるかのように小さな小瓶が宙を舞ったり】
【そんな遊びにも飽きたのだろう。静かに元の棚へと落とせば、その双眸を扉へと向けて――――】
386 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 22:54:11.38 ID:vD0QPb+wo
>>372

【龍牙が喰らった者の感触は女自身の右腕より伝い確かな感覚を覚えさせた】


これを食らってまだ動けるとは大した根性だぁ!!アンタみたいな奴は嫌いじゃないねェ―――ッ!!

【巨体が押し出される、その間は次の攻撃態勢へと移るための行動を取るには十分過ぎる程の時間があった】
【空へと弧を張る赤色、冷たさ、空の温情すらその覗いた瞳に感じ取れるものが在ったのだろうか、その景色の中、女が男に何を思ったのかは分からないが――】
【今、血肉を得た青龍はその銀色の身に紅を彩るが、それも女が引き戻した右腕に、旋回する長柄の中で宙へと色を散らして再びその牙を向けようと銀を走らせる】

アァ!まだまだ私を愉しませておくれよッ!!前の爺さんも最高だったけどねェ!アンタも最高に素敵さねェ―――!!!!

【だが―――、その偃月刀の旋回に一つ鈍さ≠感じ取る事は出来ただろうか】
【それはその女の喜悦の面に覗く僅かな苦笑いにも見える通り――――先程、あの衝撃波が堪えていると女自身もそれを感じ取っている様であり】

(チィ………流石にあれが引きずってるねぇ……中々簡単には行きそうに……―――――――ッ!?)

【其の間が今の窮地を向かえる事になろうとは予想にもしていなかったのかも知れなくて】
【――――――刹那の旋律へ交じる雑音はその衝撃弾の対処への遅れとなる、走りだせば直ぐ様目前に覗く一色】
【女の表情が歪むも、防御を取らない訳には行かなくて――構えた偃月刀をその衝撃弾に向けなぎ払ってしまったのだ】

【音を操り、その音の大きさにより威力が変わる、今咆哮として叫ばれた男の声からしてその威力は侮れない】
【故にその危機を察知でもしたか大振り♂。一文字に大気を切り裂きその速度に比例し風が舞い散る】

【相殺――――否、それも出来なかった、出来たのはその威力を抑える事、その散らばった衝撃が女の躯を襲うのは免れない】
【その右へと直線を描く切先の軌跡、そして少しでも致命打を避けようとした女の行動は躯をその肩を前方に正面を庇う事】

ウッ――――っ

【今は―――――それしか出来なかった、そして次の攻撃、弐の当身には対処できるはずもなくて――――】
387 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/24(日) 22:58:26.10 ID:GU2biPh70
>>374

さて、やって来たわね第二回戦。気合入れていくわよ、エニグマ!

「入れすぎて空回りしないと良いなァ、ケケケケケ」

余計なお世話よッ……


【反対側から現れたのは、ゴスロリと巫女服を混ぜたような格好をしている少女】
【黒を基調とし、所々に金色のラインが入ったその服は―――なんというべきか、混沌としている】
【さらに異彩を放つのが、彼女の両の瞳と腰まである長髪。油の浮いた水面のようなその色は、目に毒極まりない】
【だが、最も特徴的なのは―――少女の脇に浮いているカンテラのような物体だろう。一般的に、無機物は浮きもしなければ喋りもしない】
【しかしながら、確かにそこに存在する以上、幻覚などではないのだろう。そのカンテラが宿す、少女の髪と、瞳と、同じ色の炎は、幻覚だと思いたくなるような不気味さだが】
【しかもこの謎物体、少女の発言から察するに名前まであるらしい。エニグマ、と言ったか】


「とは言ってもよォ、先日の試合は終始押されてたじゃねえかァ。あそこから勝てたのは奇跡だァ、奇跡ィ」

うっ、確かに……分かったわよ……
冷静に戦えば良いんでしょ、冷静に戦えば!


【そんなやり取りをする少女とカンテラ。一見すると愉快な凸凹コンビだが―――この場にいるということは、それなりに腕に覚えがあるのだろう】
【慣れていないのか、周りからの視線に恥ずかしそうに身をよじる姿を見ると少々不安になるが】


―――アタシの名前はアイリス・E・レジストル!今日はヨロシクお願いするわ!!

「俺はエニグマだァ。せいぜい良い試合にしようぜェ、ケケケケケ」


【端的な挨拶を終えると、少女は腰のククリナイフを抜く。刃渡り70cmほどのそれは、見るからに威力がありそうだ―――とは言え、刃は潰されている】
【そのままゆっくりと距離を詰める彼女。どうやらじっくり腰を据えて戦いに挑む算段のようだ】


/叢雲さんの方、よろしくお願いします!
/テキスト消失のせいで、時間が掛かってしまい申し訳ないです……
388 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/24(日) 22:59:36.05 ID:+WBgrDFpo
>>382

「ヘッキャァァアアーーーーッ!」

【1,2,3!】 【強い力で踏み切った地面、そしてぶち当てようとするその膝!】
【――しかし、手応えは感じなかった】
【さっきまで目の前にいた相手は、いつの間にやら姿を消していた】

「――ちィッ、どこ行ったァーッ!」

【飛び膝蹴りが当たらなければ、次に取る行為は着地しかない】
【――彼が地面に再び脚をつけようとしていた時、何かが空気を切り裂く】
【それが刀によるものだと気がつくのに、時間は必要なかった】


「――――後ろかァッ!」

【気がついた所で、空中という場所での回避は難しい】
【その柄の先は、既に彼の顔を捉えていたッ!】
【危うく左眼に当たりそうになったか、まるで撃ち落されたかのように地面へ落ちる彼】

【――石畳をかち割らんばかりの着地音は、その衝撃を"尻や背に"強く受けた証】
【柄に突っ込むような形で当たったのだ、"鼻も口も"切ってしまう】
【その上半身のみを起こせば、ダメージを受けた部位より"真っ先に"――左手で"左眼の無事"を確認する】

「――けッ、あんたは運が良いぜ……"左眼"を潰さずに済んだからなァァー」

【ふらり、ゆっくりと彼は立ち上がろうと――まだ消えぬ"闘志"に身を委ねて、立ち上がろうと】
【しかし、腰を打った為か中々立ち上がれず】 【フィールドに一つ、歯の混じった血を吐き出せば】


  「――――まだ、俺は止まらねェーぞ、止まらねェーッ!」


【赫きその眼光は、己がまだ"負け"を認めていない証拠】

【その右眼から発射されるのは、彼の魔翌力――狂気的なほどに真っ赤なそれ、狙いはそちらの頭部】
【太さ1cm程度の光線であり、当たれば――"物理的"で"刺々しく"、そして"暑苦しい"ダメージを受けるはずだ】
【光線なのに打撃的で――しかしそれに殺傷能力は殆ど無い、立ち上がるまでに"負け"扱いされたくなかったのだ】
389 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 23:01:04.92 ID:xbbD8b63o
>>381

【カラン、コロン――と、扉に取り付けられたベルが鳴る。来訪者の合図だ。】
【テレビから視線を移し、手に持っていた大会詳細用紙とビールの瓶を置き】
【女は「おろ」と意外そうな声をあげ、店内へ入ってきた少女を出迎えた】

――こんばんわ、ステキなお嬢さん。
今晩は寒いからね、好きなだけゆっくりしていってくれてOK,OK!
ここは事務所兼酒場みたいなもんだし、ね♪

【椅子から立ち上がると、洒落た格好の少女を一瞥し、すぐにカウンターへと移る。】
【コップをひとつ取り出すと真新しい布巾で水滴を拭い、棚からいくつか酒瓶を取り出しつつ――】

ん?大会――ああ、そうそう!スゴイ試合になりそうだよね、どれもこれも!
アタシが見てるのは――"八攫 柊"ちゃんと"中邑 瑛月"さんの一戦だね。
サムライ!って感じでカッコ良いよねぇ、アタシにはとても真似できそうにないや。
【少女の質問に答えつつ、テレビへと視線を送る――】
【其処には一瞬に距離を詰め刀で打合う二人の"剣士"の姿――鍔迫り合いが起きれば、観衆からはワッ!と声が上がる。】
【セリーナも口笛を吹き、目を丸くした。――速い。とても。】

【逆に、少女の目に映るのは――今にも"酒"を出してきそうな雰囲気の女と】
【テーブルに置かれた大会参加者用の用紙、だろうか。】
【それに気付いたならば、どうやらこの女もまた、参加者の一人であることに気付くかもしれない――】
【――と、本当にカクテルを造る準備などしている。止めなければ見青年に堂々と酒を出す勢いだ。】

/発見が遅れてしまい申し訳ない!!よろしくおねがいします!
390 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 23:03:33.14 ID:wi+YBq0to
>>384

【本来の戦闘スタイルは二刀ではない、空いた左手はぶらりと、何にも使えるように垂れさがる】
【一度止まってしまったライムラグは、相手にとって幸であるか。再度接近戦に持ち込まんと駆けだす】

う、しろの人に?
エェート……女のコにそういうノを扱わせるノは、教育上良くないんじゃないかなーァ

【相手の最初の画鋲について口に出してしまった事も含め、本当に素直というか、愚直なのだろう】
【死霊術師に言え、という相手の言葉を受けて、一瞬の迷いの内に本当にそちらに訴える】

【顔に張り付いた猫に対しての反応は、うわぁといった感じの上向きの悲鳴】
【すぐに左手でひっぺがしはするものの、どうしても距離を詰める動きは当初の希望より遅れてしまう】
【相手の目論見は、これについては成功と言ったところか】

可愛いじゃなくテッ、可哀想だロ!?

【言いながらも、行動の内容は相手に猫のゾンビを投げ返す事】
【成功したならば、先の相手の行動ほどはっきりした成果ではないが、多少のラグを作れるだろうか】
【結果、一撃を入れる隙というには相手にも対処のしようがあるくらいの若干のタイムロスが生まれる】
【突出した体勢は、今度は一転して低く、相手の脛の表を掠めるように】
【透けるように輝く曲刀の刃が、相手の動きを封じんと細い足を襲う】
391 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/24(日) 23:04:26.58 ID:5+VN2jHo0
>>383

そうね、なら、自己紹介からどうぞ?

わたしだけが知られているなんて、きもちわるいわ――耐えられないぐらい。

【――傾げた首。鈴を地面に落としたよう、零すのは微かな笑い声】
【からかうよう、ふざけるよう、浮かべる表情はすぐに途切れて、続く誇張交じりの言葉だって本気に見せる】
【本当はそこまで気にしていないけれど――ざぁと吹いた風が、その髪を我武者羅に躍らせる】

…………ああ、あの子。まだわたしのこと、わすれてないの?
三日も放っておいたら、わすれると、思ってたのに。

【舞い上がった髪がふわり落ちたなら、嫌がるように顰める眉が、ひどくひとらしく見えるのだろうか】
【初めて彼から逸らした視線は、罅割れた足元を撫でて――数秒、悩むように彷徨つく】

もう会わないって決めたの、だから要らない。

……――それに、もう、“新しい家族”は、見つけたし。

【まるで桜の花弁が風舞うよう、ふらふらと曖昧に揺れる視界は、ほんとうに彼と同じものを映しているのか】
【やがて、月を見上げたなら――紡ぐのは、あの幼子も、彼の言葉も、拒絶する言葉】
【子どもが飽いた玩具を投げ捨てるような気楽さで洩らす言葉、それはきっと、どこまでも本音を示して】

おまえはわたしに会わなかった。……それとも、路地裏かどこかで死んでたことにする? その右手で?

【ようやく彼へと戻る視線は、明確に右手の所在を捉えて――銀色が煌いたなら、地面から見上げた時のように、嗤う】
【未だに差し向けたままの掌で、また桜色が煌いたなら――ふわり零れたのは、ひとひらの魔力片】
【風を受けたなら、まるで花弁のように舞い上がって、虚空で躍って、ほどけて消えた】
392 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/24(日) 23:05:49.64 ID:5nqS/ym/o
>>386

【当身を成功させ、そのまますれ違う形で地に付けた足は矢張り蹈鞴を踏んだ】
【相手が衝撃波を切り裂いた際の斬撃が掠めていたのだろう――脇腹を抑え、蹌踉めき】
【その前に受けた一撃だってある、長駆はそれでも意固地に直立の姿勢を保とうとしたが】

……――――くっ、やっぱり、キツいかよぃ……!

【――自重を支えきれず、地に片膝をついた】
【明らかな隙。対する相手の状況や如何にと、赤毛の隙間から覗く目が鋭くその様子を伺う】

【勿論、襲いかかられたとて即座には動けない】
【しゃがんだままに荒く上下する肩は、何よりその消耗を物語っており】
【背後に浮かぶ飾り物めいた意味をなさない五線譜は、ぼろぼろと音符を取り零して酷く乱れた】
393 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/02/24(日) 23:11:23.56 ID:LRR8BkRH0
>>388


【――――。】

【自身の拳が相手の顔面を捉えた。】

【撃ち落とした――、そういった表現が正しい。】
【じんわりと自身の拳に残る、相手の固い骨格の感触。】


――――ふふ。楽しかったぜ。


【すぐ横目に映る相手の倒れた姿――――。】
 
【それを見て彼は――――】
    ・・・・・・・・
【―――安心してしまった】
         ・・・・・・・
【気持ちが――――緩んでしまった。】


【相手の光線が彼の頭部を撃ち抜くよりも先に、】
【彼の身体が地に伏すだろう――――。】
【明らかに出血多量。どくどくと地面にたまっていく。】

【――――意識はほとんどない。後は相手が立ち上がれば、勝敗が決まる。】
394 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/24(日) 23:16:28.32 ID:SzdYsZ6IO
>>387

(なんだありゃ、浮いてる)
(エニグマ? まぁ、注意するに越した事はないね)

【現れた対戦相手、まず目に止まったのは傍に浮かんだ奇妙な物体】
【魔法のような物かな、と考えながら、一歩進む】

私は叢雲 茜。よろしく。
それじゃ――

【持っている金属棒が形を崩し、ガントレットとの境界をなくし、流れ――】

【現れたのは、大きな得物】
【長さ2m程度の柄の先に、長さ50cm程の刃がついた西洋風の薙刀――グレイヴと呼ばれる武器だ】

――行くよっ!

【グレイヴを構え、走る】
【先端がちょうど相手に届く辺りで、まっすぐに振り下ろす】
【まだ相手の手の内は分かっていない、まずは小手調べといったところか】
【一歩後ずされば、回避は容易だ】
395 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/24(日) 23:18:21.57 ID:hRlWVACro
>>390
「い、いや…そう言われても私ほら、死霊術師だし…」
「死体を使うのは仕方ないというか何というか…」

【素直に忠告されて、困ったように返答する半透明の男】
【『死霊術師に言え』と死屍が言う辺り、グロテスクな存在を呼び出す死屍の異能は彼由来の物らしい】
【とはいえ、彼を狙った所で効果は認められないだろうーーー霊体だから】

うわキモッ!キモい物投げ返すなよ!?

【何処かへ行ったデッドストーカーから目を離し、ナウファルに顔を向ければ、投げ返された猫ゾンビが迫っていた】
【それをシャベルで叩いて弾き飛ばすーーーいくらゾンビでも扱いがあんまり過ぎやしないか】
【弾かれた猫ゾンビは、場外に華麗に着地、案外平気そうに欠伸をすると、魔法陣の中に消えて行った】

【ーーー猫ゾンビを咄嗟に弾いたのは彼女の愚策と言えよう、おかげで隙は更に大きくなる】
【足に迫る攻撃を防ぐ暇が無くなったーーー当然、戦いに生きる人間でない彼女に、傷を浅くする術は頭に無い】
【煌めく、鋭い曲刀が両方の脛を撫でるーーー綺麗にすっぱり皮膚が割かれた、傷口が綺麗すぎる故に盛大に血を吹くなんて事はないが】

いってえぇ!!?

【掠れた声で少女らしくもない悲鳴を上げた彼女は、思わず尻餅をついた】
396 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/24(日) 23:24:40.15 ID:f8/tXtwoo
>>371


────ッ……! ああ、望みましたよ。なので、もっと楽しませてほしいんですがねぇ……。


【腐食体液が彼の足元に迫るに合わせ、ジリジリと後退していこうとするが、体が上手く動かない】
【短時間にも関わらず、ストレス、この空間と異形は彼の精神と肉体を確実に疲弊させていた】
【効いているかも分からない彼の攻撃は確実に、彼女による空間の支配を加速させる事にしかなっていない気がする】


おや、お目覚めですか。まさしく夢にまで見た光景で、既にお楽しみ中ですよ。と、言う予定だったのですがね……。
イマイチ、手応えを感じずに悩もうとしていた所ですよ。えらく、不確かな存在の様ですが。

どうやら“コレ”は貴女の望んだ“大当たり”では無かった様ですね。
乗りかかった船と行きたい所でしたが、貴女にその気が無いなら従うとしましょうか。


【以外にも、お帰り願うという彼の言葉に素直に従うようだ】
【というよりは、この二手ほどの攻防で“この子”は男が望んだ様なモノではない、つまり当たりでは無く、“外れ”だったのだと至ったのだろう】
【極めて有害かつ、強烈な存在ではるのだが、心躍るものがいまいちこない。彼の言うように彼女が空間適応できていないのも理由の一つだろう】


“ピュロボロス”……。


【ぐっ。と左手を握りしめてから開くと、パラパラとトランプカードが手の平から溢れだし地にばら撒かれる】
【それらは全てクローバーのカードであり、1から13までの数字が横並びに地にならんでいき────】

【男は息を吸い込むと、口から竜の如く火を吐き出し。なぎ払う様に並べたカードに着火していく】
【すると、13枚のカードは炸裂し、印を書き動けな彼を守るため、体液の進行を遮る“溝”を創りだすと共に】
【外側に向けて弾き飛ばす様な衝撃波が彼女にのみ向かって飛んでいくだろう】


/了解しましたー。
397 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 23:25:56.29 ID:vD0QPb+wo
【致命打――は耐える事が出来た――だが散りゆく咆哮の残骸にすら、その防御、女の躯は脆すぎたのかもしれない】
【いくら威力を分散出来たと言ってもその総量は酷く多く、それに加え、2mも近い男の当身を何も反応できずに食らってしまった】

グゥ………ゥ………

【前体重に押し込まれた女の躯は儚くて――
 いくらその身の丈の超えた偃月刀を振り回そうとも、武に鍛えていようとも――その男からしてみれば華奢も同義】
【身の流されるままに躯は後方へと飛ばされて、今その躯を震わせ起き上がろうと、石突に身を寄せる女の姿がそこには在って―――】


まだ……っ……まだやれる………ッ! !!

【衝撃は内部よりその身を蝕み、長柄に寄せる身その女の口より零れたそれが石畳を紅く染め上げて】
【男と同じく、女とて即座に攻撃に身を写す事は出来ない――――】


【だがそれでも女は立とうとするのだ、それは賞金の為なんかじゃない、目の前の好敵手へと立ち向かおうと、そしてもう一つの理由を胸に――その身を上げようとする】
【そしてそれが男より早かったか――遅かったのかは今は分からない、意識が朦朧とする中、もし女が立ったならば――】

【得物を構え―――最後の一撃にもなるかもしれない――――その牙を向けようともするだろうが―――】
【両者の態勢から見れば―――分があるのは躯を大地に垂らす女よりも――その男の方に在るのかもしれない】
398 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 23:26:49.39 ID:vD0QPb+wo
>>397
/安価を付け忘れていました……>>397>>392の方へ……
399 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/24(日) 23:27:15.18 ID:HMdjBmHt0
>>380

(………!―――――――――――)

【一瞬の拮抗。“撃ち込んだ” のは彼女。“応じた” 瑛月。】
【そして、それを終わらせるのは再び彼女だった。刃を逸らし、キン、と硬質な音。爆発する歓声を背に柊は鍔迫り合いの芯を外し跳躍――
 彼我の距離を一度越えた一足一刀の其れに戻し、無造作に下段に構えて好敵手を見遣る。】


………“技の引き出しなら敗けない” か――――― 裏の無い自信でもなかった様ね、正直感心させられる―――――

【未だ彼女の自信は潰えず、むしろ瞳にはこれまで以上に加速する戦意があった。その声は相手を賞賛している様で。】

   (……それでこそ。私が、“望んだ” 意味がある―――――――……)

  【………“彼” が、想像以上の対応力を秘めていた。】

【それが、その事実が更なる高みへと彼女を引き上げた。研ぎ澄まされた闘志。律動に熱を帯びる鼓動。】
【彼の武器が磨き抜かれ究められた数々の型とするなら、彼女の武器は瞬間的に構築される “最善” の一手。】
【数限りない死地を越え、編み出し続けた神速の剣技――――――それを状況に合わせ即時的に改変し続ける。】

 【“その剣” が、】

………貴方の答えも聞きたいわ。猶予はあまり長くない―――――――……切り崩すのなら今の内よ。

【彼女に肉体の一時停止を選択させた。】
【まるで誘い込もうとする様に、太刀は下段近くの右脚側に、無形の位を取って瑛月を待ち構える。】

(…………さて、彼はこれをどう判断するか…………。)

【―――――― だが、それは単なる “待ち” の姿勢ではなかった。一瞬、一秒ごとに高められ、軋みあげる左腕の力―――――】
【その音色を耳にしたなら、彼女から見て左側に斬り込む事は、限りなく危険だと推測できるだろうか。】

【だが、彼女が攻め込んでいない事で、瑛月には無限にも等しい選択肢が生まれていて―――――】
【………この状況で彼の “技” は、如何なる決断を下すのか。】
400 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/02/24(日) 23:27:22.45 ID:/PuGZd9qo
>>385
/まだいらっしゃいますかー?
401 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 23:28:33.61 ID:wi+YBq0to
>>395

【あえて足元を狙ったのは、相手が距離を取る事に執心したのが頭の片隅にあったからだろう】
【間合いを取ることが危うくあれば、戦闘の続行が難しくなるのではないか。そんな、有る種あまい考え】

【相手の足元を掠めた曲刀は、切っ先を返して真っ直ぐ突き出され、相手の胸元へと向けられる】
【しかし、その鋭く冷たい光が相手をそれ以上傷つけることは無く】
【ただ、布一枚のギリギリの距離でひたりと止まる】

……モし、まだ戦うつりデなけレば、コレ以上傷つきたくなけレば
ここで降参してくれると、有り難いのだけれど

【ここで足に続いて手先を攻撃していれば、確実に戦意は削げていたのだろうけれど】
【あくまで相手は少女であることは、若干の良心の呵責を孕む】
【こちらから攻撃することが出来ないとはいえ、死霊術師の姿は自由のままにそこにある】
【お願い、といったふうな、弱気の申し出】
【ライトを背中に、それでもあくまで相手を戦う相手と見る真剣な瞳がそこにあった】
402 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [saga]:2013/02/24(日) 23:30:10.33 ID:RwjJ0fqAO
>>389

【女の明朗快活な様子に少女の顔にも微笑が咲いて、ぽんと両手を合わせる】
【年相応の少女らしい可憐な笑みを向けながら、自然と気持ちも華やいでいく】

ふふふ……素敵なお出迎え、ありがとうございます!
ひょっとして、店員さん? それとも店長さんかしら?

【とても嬉しそうな色を浮かべる少女は、ぽつりと素朴な疑問を呟きつつ】
【大会参加者用の紙面を覗き込んで、頷きをひとつ、ふたつと示したあと】
【女の後ろを雛鳥のように着いていきながら、カウンター席へと腰かける】

【彼女が酒を出してきそうな雰囲気――は確かに感じ取ってはいたのだが、】
【止める様子はなく、大会の中継が映し出されているテレビ画面に釘付けとなっている】
【青い目は純粋な好奇心に輝いていて、酒に関しては最早そっちのけと言ったところか】
【会場が沸き上がると共に、少女も無意識に、わぁと感嘆の声をこぼす】

ええ! えっと、サムライって言ったら、いわゆる剣士ってやつですよね
凄いですよねえ、あんなに近くで……緊張感もより一層! って感じですから
まぁ、戦えるっていう、それだけでもとっても凄いことなんですけど……

【にこにこ、楽しそうに笑いながら頷いて、女に肯定を示してみせた】
【そうしながらポケットから取り出すのは、意匠の凝らされた万年筆とメモ帳だ】
【左手で握り込むように万年筆を持ち、メモ帳の頁を捲って何かを書き込んでいる】【覗き込めば、「ヤツカ シュウ」「ナカムラ エイゲツ」と、今しがた聞いた名を記したことが判るだろう】

あなたも、大会に参加されるんですか?

【瞳を興味と好奇心に輝かせながら、少女はまた問いを投げ掛ける】

/はーい、こちらこそよろしくお願いします!
403 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/24(日) 23:31:37.31 ID:urMB4E3h0
>>400
/ここにゆったりと居りまするよー
404 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/24(日) 23:32:21.32 ID:/cOUvfHmo
>>391

……エルフェス

【眉を顰ませ答える】
【不機嫌な声色は、その原因は何時まで経っても考えがまとまらない自分が原因】
【何か言おうとしてもただ白い息になるだけで、どうすればいいのか……】


要らない?おまえっ……!どういうつもりで

【真に迫る鈴音を糾弾するような声色はしかし、その言葉が返ってくる予想はしていた】
【感覚的な話だけれどきっと目の前の少女はそういう類の生き物だ】
【人を人と思わないだから自分も人間を捨てられる、そういう理論の元に生きている……と】

――――――――……

【そう理性では予想はしていたけれど】
【でも気持ちの上では納得など出来る筈がなかった、叫ぶようにしかし絞りだすように言葉を続ける】
【そんな彼の様はどうにも愚かしい】

【いっその事彼女が言うように右手の銀色で始末してしまえばいいと、心が囁く】
【鈴音がファラエナの元に戻る方法がある筈だと、理性が叫ぶ】

【天秤はぐらぐら揺れて……だけどそのどっちを選んでも、最初から自分に選択権はない】
【だから気持ちは一気に冷えて……】


―――――……どうせ、殺しても何にもならない
お前なんか……[ピーーー]価値も無い……。

【所詮自分など物語の端役に過ぎない主人公の足りないこの場面で端役が何を選べというのか?】
【「何も出来ない」のが自分にある唯一の選択だ】

もういい……邪魔だよお前、そこをどけ

【双眼は睨み異色のそれはどけと言う】
【向けられた掌など知ったことではないもうここにいる意味も見いだせない】
【ナイフをケースに戻して足を動かす向かう先は地上へのドア、こんな所には一秒たりとも居たくない】
405 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/24(日) 23:34:59.99 ID:+WBgrDFpo
>>393

【相手が血に伏した為に――光線が空を赫き色に斬り裂けば、彼は小さな呻き声を上げて】

「ッ――おい、まだ戦いは終わっちゃあいねェーぞあんた」


「おいッ!」

【そう叫んだ直後、血が喉を刺激してしまい――数回咳こめば】
【左手で鼻や口等からから流れる血を拭い、石畳に振り落とし】

「――――最後まで立っていた奴が、勝ちで良いよなァ、なァー?」
「ヘケケケ、あんた……中々良かったぜ、楽しい戦いをありがとうよ」

【痛めた背を左手で押さえながら、ゆっくりと彼は立ち上がった】
【いつの間にか出来ていた足許の血溜まりは、右腕や頭部に由来する】
【勝敗のアナウンスがフィールドに轟けば、そのフィールドを後にするだろう】
【足取りは最初に比べれば頼りないが、その表情はとても良い笑顔だった】

【――血溜まりに座っていたため、その尻は血だらけで、鼻血に口からの流血、――少々締まらないのはきっと気のせいだろう】


「…………名前、聞きそびれたなァ」 『アナウンス、聞いてなかったんですか?』
「疲れててよォー……」 『最初にも言われていると思うのですが……』 「あの時は戦いたくてそれでいっぱいでよォー」 『……』
『まったく……その傷治しますよ、速く戻ってきてください』 「痛ェーよォー、アウが来てくれよォー」 『……仕方が無いですね』

{…………良いなァ} [相変わらずだな、あの野郎は] 〈昔カラアンナ感ジダッタンダナ〉

【櫛灘 自斎 VS ヘケメト ――――勝者"ヘケメト"】

/こんな感じでしょうか、二日間お疲れ様でしたー
406 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/02/24(日) 23:36:03.71 ID:/PuGZd9qo
>>385

【教会の中へと、ゆったりとした足取りで入っていく少女の姿がある】

…………

【背丈や顔つきからして恐らく高校生ぐらいだろう。白い肌とうっすら紅に染まった頬、長い睫毛が特徴的な美少女だ】
【やや長めの前髪、顎までで揃えられたもみ上げ、胸までの長さの後ろ髪と、そのすべてが一直線に切り揃えられた髪型。その艶めく黒髪は、よく見ると日焼けで少しだけ赤紫色をしていて】
【黒い帯と黄色い帯紐で留めた、暗い紅色の布地に百合の花の刺繍の入った着物は、少ない装飾ながら見る者に雅やかな風情を与えるだろう】
【靴は茶色いムートンブーツ、首には白いマフラー、上着として黒いダウンジャケットと、何故だか中途半端に洋風が混じってはいるが、それも不思議と着こなしているようで】

【白い息を宵闇に溶かしながら歩く、その凛とした姿からは――――教会という場所に相応しい、そこに居るだけで場の空気を塗り変えるような"神聖さ"が、滲み出ているようだった】

…………あなたは……っ!?

【彼女がここを通ったのは偶然、ただ当て所なく散歩をしていただけ】
【それで見つけたのがこの教会だ。鳴り響く荘厳な歌に引かれ、警戒しつつも中へ入っていったのだが……】
【中にいた黄色い瞳の少女の警戒心と、彼女の警戒が真っ向からぶつかり合って――――次の瞬間、倒れ込む少女】

……大丈夫…………?

【心配はしつつも手を差し伸べたりはせず。心の内に浮上する何とも言えない感情に従って、彼女は一歩下がった】
【……ごく簡単に言えば、引いた】
407 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/02/24(日) 23:37:22.02 ID:LRR8BkRH0
>>405
/お疲れさまでした!
408 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/24(日) 23:38:27.41 ID:5nqS/ym/o
>>397

……――はっ、あんたも相当な、っ……好きもんだよい……!

【何処までも食らいつこうとするその意思に、此方も最大限を持って返そうと】
【向けられる牙に対するは深い呼吸、レヴィの周囲に灰色の燐光が舞い――“溜め”だ】
【恐らくは最後になるのだろう此方の渾身の攻撃準備。同時に、有り余る程の隙を残し】

―― …… “ 破 ァ ! ! ”

【そうして放たれるのは灰色の衝撃弾、今までの数発の大砲を凌駕する一撃】
【勿論其処に至るまでの間を上手く利用していれば、単純な回避など容易い】
【そこから一撃を当てることだって、偃月刀の長いリーチならば無論出来るのだが】

【――その必要も無いだろうか】
【この一発を放った直後、巨躯は地に倒れ伏すのだった】
【辛うじて意識は残っているだろうが……攻撃の行く先を見届けた後は、もう動く余力も無い】
409 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/24(日) 23:38:27.68 ID:GU2biPh70
>>394

おおう、面白いことするわね。何そのでっかいカミソリ

(でも、軌道は単純。落ち着いて避けて、話はそれからね)


【平静を保つよう自分に言い聞かせながら、彼女は相手の攻撃を横に跳ぶ事で回避する。】
【まだ戦いが始まった直後だからか―――その表情に焦りは無いように見える】
【とは言え、対戦相手ははおそらく近接戦を得意とするタイプ。このままでは防戦一方になると思われる】


(今の所は問題ない―――けど、いずれは一撃貰っちゃうでしょうね。いきなり接近したのは間違いだったかも……
とりあえずは、予想外のアクションを起こされる前に―――能力を発動して、こっちから攻める!)

【心の中でそう結論付けると、彼女は横でふよふよ浮いている相棒に声を掛ける】


エニグマ、攻めるわよ―――〈レイド・ハンド〉!!

「了解だァ、ケケケケケ」


【アイリスへの返事と同時に、エニグマの宿す炎の色が毒々しい虹色から真っ白に変化してゆく】
【さらに、アイリスの髪の色、瞳の色も白くなっていった―――能力が発動した、と言う事なのだろう】
【警戒して目を凝らせば、気が付くかもしれない。彼女の両手首に白い腕輪のような物が現れた事に】


こっちからも行くわよ、喰らいなさい!


【しかし、その事実に気が付いていなければ、続いて繰り出される攻撃に少々慌てる事となるかもしれない】
【―――何せ、ククリナイフを握っていた彼女の右手が―――腕輪を境に手首から分離し、獲物を振りかぶりながら茜へと文字通り「飛んで」行ったのだから】
【とは言え、軌道自体は直線的だ。冷静に対処すれば弾くなり避けるなり出来るはずである】
410 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/24(日) 23:45:41.51 ID:urMB4E3h0
>>406
【少しの間、答えの代わりとして呻き声が漏らされていたのは――――恐らく、そういう事】
【ペタペタと手を着くに丁度良い場所を探るその動きは、何処か奇っ怪か】
【起き上がれば、何事も無かったかのように取り澄ました態度を取るのだが……】
【今にも零れそうな、大粒の涙がその事を誤魔化し切れていないだろう】


「ええ――――特に異常はありません。傷口が開いたわけでも無いようですし
そんな事よりも――――です」

【その外装からして、恐らくはその声質はピッタリなのであろう】
【しかしながら――――器に反して、中身がそれ相応に満たされていないようで】
【眉間に皺を寄せれば、距離を保つ相手に向かって口を開く】


「元より此処は私の住まう場所であり、勤めるべき場所でもあるのです
――――あなたが先程口にした言葉。本来であれば私の口から漏らされるべきでは無いでしょうか」

【ゴシゴシと目を擦れば、涙を拭い去って】
【睨む様な目つき――――先程の失態を見せてしまった八つ当たりでもあるのだろうか】
【厳しいその口調は、何故この場所を訪れたのか訊ねるようでもあって】
411 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/24(日) 23:46:36.65 ID:xbbD8b63o
>>402

【例えるならば、少女は"花"か――女の子らしい表情と、微笑ましい声】
【酒場のような、大人の雰囲気があるこの場所に咲いたそれはとても、可憐で。】
【店員、店長――そんな質問を投げかけられれば、ううん、と考えつつ】

どっちも、かな。
店員でもあるし、店長でもある!みたいな?
なんていうか――・・・うん、そんな感じ!

【煮え切らない言葉だが、女もどう応えていいのか迷っていた。】
【UNITED TRIGGERは"組織"であり"集合所"のような場所でもあった――同時に、酒場でもある。】
【そして自分はメンバーの一人であり、創設者であり、カウンターにおいては店員でもあって――】
【それにどうやら、この少女は此処が"UNITED TRIGGER"である事も】
【そもそもそれがどういった物なのかも知らないかもしれない、と判断した上で――伝わりやすい言葉を探した。】
【しかしそんな女を余所に、少女はテレビに釘付けだ――メモまで取っている。】
【とても勤勉で、真面目なその姿に少々の驚きを覚えつつ】

そそ、剣士さん!すごい反応速度だよねぇ、間近で見たらもっと迫力あるんだろうなあ。
・・・ふふ。メモ、取ってるの?なんだかとっても良い万年筆だけど――
貴女は大会に興味、あるのかな。

【感じた疑問を述べつつ、女はカクテルを注ぎ、コップを差し出す。】
【そして少女の質問を受けると――】

――まあね♪こう見えてアタシ、賞金稼ぎなんてやってるの。
あの大会もすっごいお金が出るから、腕試しに参加、ってワケ!

――紹介が遅れたね、アタシはセリーナ!セリーナ・ザ・"キッド"、この店――というか、組織の
「UNITED TRIGGER」創設者。ま、分かりづらかったら店長でいいよん♪
これはお近づきの印、アルコールは薄めに作ってあるから――と、お酒は飲めるかな?
【薄い桃色のカクテルを差し出しつつ、女は一礼し自己紹介。】
【どうやら、この店――"組織"の長であるようだ。】
412 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/24(日) 23:58:08.22 ID:5+VN2jHo0
>>404

……おぼえててあげる

【不機嫌な色だって、顰められる眉だって、どちらも分かっているのに、どちらも上手く繋がらない】
【首を傾げるのは彼女の癖だけれど、ともすれば神経を逆撫でするのにも似ているのだろうか】
【名乗られたなら存外にあっさりと飲み込んで、わらってみせるのは、そう仕組まれたかのよう】

だって……、何にもなければごみだって食べるでしょう
でも、ちゃんとしたごはんがあるのに、ごみを、たべる?

あの子って、妥協案(そういうものよ)――。

【あの子のこと。だいすきだった。思い返して、いやな気持ちなんて浮かばないのに】
【可愛らしく鳴いて擦り寄ってくるのは子猫にも似ていたし、ふわふわした癖毛だって、撫でるのは楽しかった】
【ちっちゃな胸にちっちゃな両手で抱いて持って来る本を読んでやるのだって、好きだったはずなのに】

【(棄てたのだって、自分都合。あの子のこと、微塵も嫌いになったことは、ないはずなのに)】
【すらすらと連なる言葉は、確かに彼女のものなのに、どこまでも気持ちは追随しなくって、風の音のほうが感情を篭めていたぐらい】

【ふらりと右手が揺れて、指先が自らの首筋をつ――と撫でる】
【それは、やがて包帯の端を見つけ出して。するりとほどいていくのは、どうしてなのか】

――でも、あの子のわがままに付き合ってくれたの? それなら、そうね、“ありがとう”“ごめんなさい”

でもね、やっぱり、帰らない

【――する、する、ほどいていくたび、その肌は露になって――ただ、綺麗な白は、そこにない】
【いくつも重なるのは、手の形で嵌まる鬱血色の首輪。数えるのがいやになるぐらい刻まれるのは、歯の形で並ぶ傷痕】
【お手本をなぞるような声、無機質に紡ぐのに。晒したなら、浮かべるのは、ひどくしあわせそうな――】

“妹”なんかより、“お父さん”のほうがずっといいもの

【――彼女が狂ったこと。湛えて零す哲学者の卵のせいなのだろうか】

…………――あの子、元気だった?

【彼女の立つのは、ドアより一歩進んだところ。どうしようもなく近づく必要はあるけれど、ドアの開閉の邪魔にはならないはずだ】
【僅かだって彼のため、道をあけようとなんてしないが――すれ違うなら、それにあわせて尋ねるのは、】
413 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/24(日) 23:58:09.19 ID:hRlWVACro
>>401
ーーーっ痛…ん?

【尻餅をついて、痛む尻を撫でながら、ヒヤリとした感覚に目を上げればーーー薄い胸に向けられた、鋭利な刃】
【冷汗をたらり、死んだ目をナウファルに向ければ、頬を引き攣らせ】

【ふぅ、とついた溜息は、決して諦めなんかではないーーー】

ーーー馬鹿め、私の異名を知っているか?
その名も後退りクイーン≠セ!

【ニヤリ、と嫌な笑みを浮かべたかと思えば、突然死屍は尻餅のまま後退りを始めたーーーそれが早いこと早いこと】
【不意をついたゴキブリ逆ダッシュで、曲刀のリーチから逃げ出した】

…死霊術師、アレ≠やれ、やらなきゃ舌噛み切って死ぬ
「冗談だよね?まあ、やるけどーーー」

【背後の男に話し掛けると、彼は『やれやれ』といった感じで姿を小さな人魂に変えるとーーー死屍の体に吸い込まれていく】
【その瞬間、死屍から漂う死≠フ雰囲気は一層濃くなって、マフラーは形を変え、男が着けていたような黒いマントに変化する】
【そして、ふわりと死屍の体が浮くーーーまるで吊られた人形の様に、脚を地面スレスレの位置で、空中に浮翌遊しーーー】

ーーーフハハハハハアハ!!」

【ーーー突如、目を見開いて笑い出すーーー死屍と半透明の男、二人の声がダブった声だ】
【憑依ーーーである、どうやら、まだ奥の手がある様だ】

我が依代相手によく健闘したな!心優しき戦士よ!」
だが!その優しさが命取りよ!」

【しかし、これがあの半透明の男の性格だとすれば、余りにも違い過ぎる本性である、あの気弱さの影もない】
【右手に持ったシャベルを前に差し出すと、シャベルは禍々しい杖に形を変えて、彼女の目の前の地面に巨大な魔法陣が敷かれた】

耐える準備をした方が身のためぞ戦士よ」!!
私に牙を向けた背中から刺されたくはあるまいて」!!

【何か強力な物を呼び出そうとしているのは確かなようだ、だがすぐに召喚ともいかないのもまた感じ取れるだろう】
【言われた通り耐える準備をするか、またはスピードに賭けて攻撃するかは、自由である】
414 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/25(月) 00:02:40.16 ID:Zxfm8tGVo
>>408

【石畳にその足が触れたならば――――瞳に写すは男の姿】
【全力で迎え撃ちたい、この男の全力に―――――自身も全力で答えたい】

――――ふふ、今目の前に………私の目の前に立っているあん……た……も、同じって事だろうさ……

【立てば同時――だったのだろうか、叫んだ咆哮は同時で在ったのだろうか――――燐光舞い散る男の姿
 それを見れば面に彩出る喜悦の相、痛いはず、苦しいはず―――でも――――――それ以上に―――】

楽しいねェ――――ッ!!!! ハァ―――ッ!!!!!!!


【偃月刀、その龍は天を仰ぎ、そこから全力、自身の最速で振り下ろせば――牙≠ェ向く】
【刀に纏うは蒼なる燐光、それは軈て体を作り、見えるものは風の嘆き、聞こえるものは風の音――否――― 風≠ェ裂ける叫び=z


  ―――――――

【その振り下ろした切先は男には届かない、だが――――その延長線――切先が描いた延長線に僅かな間を置き現れたのは風が裂け目】
【まるで鎌鼬―――蒼閃の斬撃は空間を切り裂きその延長線に轟音散らし疾走るだろう】

【だが――咆哮と共に刻まれしその蒼閃も―――男の倒れる位置、その立つ位置からは逸れ、当たる事は無いだろう
 そしてその刹那に襲い来る灰色の衝撃は見事に女を場外へと叩きつけ、その石畳残るは一人の勝者と】

【その深く刻まれた爪痕だった――――】

【宵夜の闘舞は散りゆく花が如き、その花をいっそう煌めかせ、煌く舞台より姿を消して――――】



【レヴィ vs 碧喬嬋   ―――――――   勝者:レヴィ   戦闘不能 リングアウト】
415 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/02/25(月) 00:02:51.11 ID:zK4aSCcao
>>410

【とりあえず、いきなりぶっ倒れた少女は自分に害をなすものではない】
【不意打ちを食らって空白となった頭の中を整理し、とりあえずそれだけは確認すると】
【少女の意に沿って、動機の方へ話題を変えた】

…………別に、特に用事があったわけではないのだけれど。
ただ、教会とか修道士とか、そういったものに前々から少し興味があっただけよ…………。

……私も、似たようなものだったから。

【ささやくにように漏らした最後の言葉は、果たして少女の耳に届いたかどうか】
【それが届いていて、そしてある程度の知識があれば――――】
【彼女が身に纏う和装や雰囲気から、彼女が『巫女』と呼ばれるものだったことが、もしかすると推察できるかもしれない】
【だった…………というのは、何らかの事情で辞めてしまったのだろうか】

…………。

【何か思いに耽るように、過ぎ去った昔に浸るように、しばし目を伏せていた彼女だったが】
【……ふと、先ほど少女が言っていた言葉を思い出し、その意味を考え始める】
【「傷口が開いた」――――とか。事故にでも遭ったか、それとも戦ってでもいたのか?】
【そうして考えを巡らせると、目の前の少女と同じ容姿をした人物を、最近見たような気が――――】

…………あなた、もしかして大会に出てた…………?

【画面で見るより遙かに頼りない印象だが、それでも画面の中で戦っていた修道女とまったく同じ容姿の少女】
【それを思い出すと、若干自信なさげに、そう問いかけるだろう】

/すいません、次ちょっと遅れるかも……
416 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/25(月) 00:09:18.31 ID:GfGxDHRxo
>>399

【再度距離が開いたのを見届けると、瑛月はくるりと刀を回し順手に持ち替え、両手で柄を握り締める】
【初太刀は引き分け。「逆抜」に臆すこと無く真っ向から挑んだ彼女と、「逆抜」に拘り彼女の刃に応じた彼】

【一度刀を交えて手に残るは、其の感触。 妙なまでにしっくりときて、そして何故か心地よくも感じて。―――表に出すは、またもや不敵な笑み】

      フ……秘剣に臆さず挑んだ君のその度胸にも、十分に感心させられる―――-
 ……では、此方も。だが―――猶予が有るかどうかは、君の対応次第だ。がっかりさせるなよッッ……!!
                (一刀正伝唯刃流……朱雀の構え……!!)

【正面を向いたその状態から、右足を引き体を右斜めに向け、刀を右脇に取り―――剣先を後ろに下げる】
【彼女の視界からだと、丁度刀が彼の半身で隠れて見えない様になっており、その為に刀の間合いが判り難くなっている。此れが唯刃流、朱雀の構え】
【その構えを維持したまま―――地を駆け出す。彼女に比べれば、速度は数段劣る。しかし其の動きは、洗練に洗練を重ねた唯刃流独特の技法】

【最初の踏み出しで、ほぼ加速を済ませ―――そして、駆けるというより、滑るという言葉が似合う、奇妙な接近。正中線を微動だにさせず、地を滑る】
【相手の太刀の位置を見れば、右に回りこむのがセオリー。勿論その「理」もあったが、彼女の左側に感じた恐ろしい量の闘気を身体が感じていた】
【―――此方は危険だ。斬られる。そう本能が告げる。「理」と本能により、こちらも彼女から見て右側に、其の足を滑らせて近づき―――】

                      ――――――――…・・……「飛 燕」 ッ ッ ッ ! !

【身体を大きく前傾させて、半身に隠した刀を下から抜き上げる。―――低い位置から伸び上がる其れは、珍しい軌道であり、初めて見た者がこう口にしたらしい】
【―――-「視界の外から、刃が飛んでくる」と。 ……繰り出した技はあの走りとこの飛燕だけではない。細かな部分にまで唯刃流は洗練を重ねている】
【それは、手。刀を振ると同時に、手を刀の鍔元から柄尻まで滑らせることで間合いを更に伸ばすと言うモノ】

【リーチを活かし、同じ接近戦を制するための工夫を凝らした一撃。―――狙いは神速を生み出す右太腿】
【さぁ、この「回答」に対し彼女はどう応じるのか―――!!】
417 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/25(月) 00:09:30.78 ID:qOwC3KOso
>>413

【こちらはと言えば、相手が逃げ出すのを防ぎは出来なかったものの】
【曲刀の下から相手が離れた時から、話半分に駆けだしていた】
【そうする必要があったのは、長身巨躯故スピードにそこまで長けたスタイルではないために】

【時折横方向にステップを踏んだ動きは、魔法陣の上を避けているらしく】
【おそらく、相手から見ればそれはすぐにそうと知れるだろう】
【相手が口撃によって時間を稼いでいる間に、徐々に曲刀の周囲に水の気配が集まる】
【本人よりも先に牙をむいたのは、先程肉壁に向かって穿たれたのと同じ水の刃だ】
【それに遅れて続くであろう曲刀での攻撃は、恐らく相手の言葉通り累本体と召喚されるであろう何かの挟み打ちには間に合わない】
418 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/25(月) 00:09:57.00 ID:1jB1DwHIO
>>409

カミソリじゃない、グレイヴ!

【少しむっとした表情で頬を膨らませる。知る由もないだろうが、彼女は鍛冶屋見習いであり、カミソリという例えが気に食わなかったのだ――今は関係ないが】

【グレイヴの一撃は外れ、しかしこれは想定内】

そこ――ぅえ!?

【そのまま薙ぎ払いに繋げようと足を運ぶが、攻撃が繰り出される事はない】

ロケットパンチ!?何それ!?

【気づけば、相手の髪は真っ白に染まり、ククリナイフを持った手が飛んで来たではないか】
【とにかく、今は回避だ。そう思い、石畳を薙ぎ払いその反動を使う事で横に回避】

――くぅっ

【――しかし動揺がタイミングをほんの少し遅らせた】
【右肩に刃が食い込み、薄く肌を切り裂く】

【戦闘自体には影響しないだろうが、焦りを生むには十分だろうか】

面白いね、それ。
でも、まだまだ!もっと楽しもう!

【にやりと口角を吊り上げるが、少女の頬には一筋冷や汗が垂れる】

【しかし、今相手の少女は丸腰だ、ここで一気に畳み掛ける】

それっ、これはどう!?

【再度石畳を蹴り、接近】
【勢いがついたまま、鋭い突きを繰り出す!】
【回避されたなら、薙ぎ払いに繋げるだろう。しかし後ろに避ければ回避できる】

【――そして、今の少女は、飛んでいった手が視界に入っていない】
419 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [saga]:2013/02/25(月) 00:12:29.13 ID:aF7m2E3AO
>>411

…………なるほど、分かりました!
一言では表せないけど、要するに“大切なひと”ってことですねっ

【どうやら合点が行ったようである、至極簡潔に纏めて、それで納得したらしい】
【会話をしながらもテレビ、メモ帳、相手の女と、視線はめくるめく移されてゆく】
【一見すれば少々落ち着きが足りないようにも見えるかもしれない、けれど】
【それは確かに、少女の好奇心の強さをも表しているのだろう】

【女から疑問とコップを受け取れば、少女はメモを書き込む手を止める】

はい、メモをしておけば後にずうっと残せておけますから、ね!
うふふ、もちろん大会には興味津々ですよ、だってこんなに大きな催しごとですもの
ほら、最近悪いニュースばかりじゃないですか、風の国だって……

【そう言い掛けると、はっとしたように口を噤み、言葉を息と一緒に飲み込んで】
【首を軽く振りながら「すいません、暗い話題は良くないですね」と申し訳なさそうな顔をする】
【とまあ今日では珍しく明るい催し物だ、少女もこの愉快な熱気を楽しみたいのだろう】

へぇ、賞金稼ぎの……セリーナ! 良いお名前ですね!
そうでしたか、こちらが巷で噂の"UNITED TRIGGER"でしたか
……ええと、こちらこそ申し遅れました。

【驚きに目を丸くしながら、少女はメモ帳に『日生 咲奇』と書き記し、そのページを破って相手に差し出す】
【因みに、万年筆のインクの色は、血のような鮮烈な赤だ。遠目に見てもいやに目立つ、そんな彩りである】

「日に生きて奇麗に咲く」、と書いて、「ひなせ さき」です
よろしくお願いします、お酒は飲めますよ! いただきます!

【そう名乗って、今一度笑顔の花を咲かせる少女――『咲奇』】
【セリーナがくれた桃色のカクテルに、そっと口を付けることだろう】
420 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/25(月) 00:18:32.50 ID:1V7Bb9juo
>>412

どうせもう会うつもりもない、忘れて欲しいくらいだ……

【冷めた瞳で見て醒めた頭で答える】
【嬉しくもなければ不快ですらある、そう言わんとするような】

ああ、それがお前の答えならそれでいいよ
……でも聞く側としては耳障りでしかたないんだ、喉元裂かれたくなければ黙ってろ。

【じわりと腐食が進んでいく】
【誰かに殺意を抱いたのは本当に久しぶりの事だった】
【だから首輪を繋ぎ止めている鎖を今にも離してしまいそうで】

【嫌いな物は消してしまえばいい好きなものだけ手の中にあればいい】
【あちらがその理論でいくならばこちらがそうしたっていい筈だ、そう本能は嗤う】
【でもその行為に意味を見いだせないならば……】

心地良い物が良いのは分かるよ、誰だってそうだろうさ
でも、お前のは気にらない……なんで気に入らないか言葉に出来ないけど……ただ気に入らない。

傷に依存して……耳障りの良い言葉に寄り添って……
何も失わないで得た物に何の意味があるってんだ……そんなものどうせ直ぐ無くなる。

【立ち止まりその傷跡を見て、瞳は卵の存在を悟る】
【脳の血管に針金を通されるような不快感は恐らくそれを視てしまったからか】
【右目をそっと閉じて視界を遮断すればそれも消えるが……残る疑念と僅かな希望】

【或いは彼女をこんなにしているのは「卵」の所為なのでは?と】
【だとすればそれを取り除けば……ファラエナの願いは叶うのでは、そんな淡い……】


お前さえ居ればもっと元気になれるだろうに
くすんだような笑顔もきっと元に戻る、傷を引き摺るような面影も……。

【ファラエナに笑顔を与えられるのは自分ではなく彼女しかあり得ない】
【自分にはその少しの希望に縋るしかない、だから問う―――――――】

お前、本当に……それでいいのか?

【開かれた瞳はどこまでも紫色】
【心の奥を照らすような柔らかいが同時に危うくさえ感じる輝き】
【それを向けながら零す言葉はきっと自分が差し出せる最期の掌】

【同時に決別を叩きつけるモノか……】
421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/25(月) 00:19:34.35 ID:16ADTrTPo
>>414

【――勝者の見る景色にしては、無様な這い蹲りようで】
【奔る轟音はきっと己の響かせたどんな音より強靭で、この戦いの結果を見誤る程】
【明らかに、己の負けが順当だった。それを覆したのは無慈悲にも定められたルールで】

…………悔しいねぃ。この舞台で……もっとあんたと、踊れなかったのが
だがぁ……楽しかったよい、碧娘(碧お嬢)

【巫山戯た愛称から確かな敬意を持つ呼び名に変えて、その一言を届ければ】
【後は待機していた大会関係者らが二人の許へ駆け寄るのだろうが】
【余力の限りを尽くし、レヴィは自力で立ち上がって、ふらふらと舞台奥へ姿を消していく】
【その途中で向かい岸の見えない相手を一瞥して――低音が、何事かを紡ぐ】

"el que no sabe gozar de la ventura cuando le viene, que no se debe quejar si se le pasa"
……あんたが手放した幸運が、俺の勝利、だったのかねぃ

【背後に残像のように残る灰色の五線譜が不協和音を残し、騒擾を背に、静寂へと霞んだ】

/お疲れ様でした。ありがとう御座いましたー!
422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/25(月) 00:23:50.63 ID:Qm2J7YUh0
>>415
【悲しいほどに無き胸――――その下に存在する、傷口】
【自ら触れて具合を確かめれば、顔を顰める様な痛みは走っても、濡れている感触は無くて】
【相手の言葉。即ちその動機に耳を傾けていれば――――何処か、引っ掛かるような言葉】


「なる程、それでついこの様な場に訪れてしまったのならば納得です
――――が、“だった”とはどの様な事でしょう
何分、人里に出るのは昨日が初めての事で――――」

【謂わば、世間知らずとでも言うのだろうか】
【人を導くはずの職。誰にでも慈悲を向ける筈――――なのに、この少女は怪訝な表情を浮かべて居て】
【己の考えを纏めている間にも、マジマジとその服装を見つめているのだろうか】
【“似たようなもの”――――だが、確実に自分とは異なった何かを感じていて】


「それでも、様々な書物を読んで人並みの知識は得ているつもりはあります
あなたのその姿――――確か、櫻の国の……
巫女でしたか、僧でしたか……どちらかまではハッキリと分かりませんが
さて――――だった。という事はつまり――――――」

【凛とした表情で、自身の頭の中の本棚を捲って】
【櫻の国という事は間違いないであろう。そして、其処で自分と同じ様なモノだったとなれば――――答えは絞れてくるのだろうか】
【何処か自信ありげに言い放って、その答えを述べようとすれば、遮るのは一つの問い掛け】
【――――石の様に固まれば、徐々にその顔は赤くなって。やがては真っ赤に染まるのだろう】


「……出ていましたよ。ええ。それもついついごく最近の話です
……どうせ一回戦で負けましたよ私は。とんだ弱い神の僕も居たものです
何ですか……笑いに来たのですか……ふふ、別に良いのです。“似たようなものだった人”に笑われたって……私は……」

【大会に出場したことを認め、結果は――――一回戦敗退】
【己の実力不足を酷く思い知らされた結果でもあって、その場に座り込んでしまえばいじいじと指先が床を撫でて遊ぶのだろう】
【まるで呪詛の如く繋げられる言葉。じとーっとした雰囲気がその場を包んでいて――――】
【言い終われば、やっぱり涙の溜まった瞳でキッと睨み付けて】
/お気に為さらずとも!
/ごゆるりとどうぞーなのですよ!
423 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(兵庫県) :2013/02/25(月) 00:25:34.60 ID:T2aTPQK30
424 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2013/02/25(月) 00:27:04.03 ID:bpDo/QZGo
>>377
フィールドの上。金の長髪を翻し、リコリス・S・ハルバーシュタットはそこにいた。
女性としては高めの身長の彼女が纏うのは、この場に似つかわしくない真紅のドレス。
ウエディングドレスで言うAラインの、肩紐がないビスチェドレスのタイプだ。
彼女の豊満な胸部がこれでもかというくらいに強調され、妖艶な雰囲気は周りの男性を魅了する。
如何にもな淑女といった彼女だが、それでいてもキツイ印象は薄い。
柔和な微笑みを浮かべた口元が、それを和らげているのかもしれない。
髪と同色の眉は大きな弧を描いていたが、空と同色の蒼の瞳は面前の男性をしっかりと見据えていた。

リコリスが大会に参加したのは、賞金が欲しいから、という至極簡素なものだった。
風の国の郊外の草原で喫茶店を営む彼女の夢は、自らの店を風の国、いや、全世界で展開させることだ。
資金は幾らあっても困ることはない。元来争い事は好まない彼女ではあるが、誰も死なず誰も殺されない競い合いであるなら、と参加に踏み切ったのだった。

リコリスは頭を下げてから、目の前の男性に自己紹介をする。
首にぶら下げていた皮のネックレスが揺れる。トップは星形で、材質は何かの動物の骨だろうか?

「初めまして、リコリス・ハルバーシュタットと申します。今日はよろしくお願いしますね?」

流れるように会釈を済ませると、彼女は男性に笑顔を向けた後、所定の位置まで下がっていった。
彼が何を求めてこの大会に出場したか、先の大会で何があったのか。先ほどの言葉からは推測しか出来ないが――、悪い人ではないのだろう。
リコリスはそんなことを思いながら、審判の試合開始の合図を待つのだった。
425 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/25(月) 00:33:32.22 ID:Zxfm8tGVo
>>421

【霞む景色に望む先は今は儚き夢の舞台、散り行く花が思うのは後悔なのであろうか】
【否―――それは決して後悔等ではなく、その朦朧とした意識の中に緩やかに弧を描いたその紅唇を見れば分かるだろう】


【全て出し尽くした――ソレでも負けた――――完膚無き敗北】
【だが、ソレでも彼女は楽―――――その敗北にさえ充実したモノを抱いていたのだろう】

――――――私……に勝ったん……だ…………―――――………な……いよ――――


【何を言いたかったのかのかは分からない、そこで彼女の意識は途絶え、気付けば白い天上がその瞳を染めるものなのだろう】
【全力を尽くしたのだ、それで負けたのだから後悔は――――無い】


/お疲れ様でした!
426 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/25(月) 00:39:45.37 ID:e9EBSmR5o
>>419

【――テレビでは盛り上がっている試合を放映しているし、会話もこなしつつ】
【メモを取る事も忘れない――慌しいがそれを同時にこなす少女はなんとも】
【セリーナの目にはとても器用で、そして世間一般の子供とは違う何かを持っているように見えた】
【そうして語られるのは"メモ"の重要性、そして大会への興味。】
【一瞬、風の国の件がその口から語られそうになった時、セリーナの目が泳ぎつつも】
【それに関して気遣う少女を見て、あわわ、と慌てて補足しようとする】

風の国の件は――ふふ、良いんだよ気なんか遣わなくて。
アタシも戦闘には参加してたし・・・まあ、確かに色々と大変な事になっちゃったけど
でも大丈夫!カノッサの――連中の好きには、させないから。アタシ達が、ね。

でもそうだねぇ、確かにおっきい催し物だ!今は国中が涌いてるもん。
アタシもこれから参加になるけど――・・・実はね、この・・・今見てる試合の勝ったほうと
アタシが戦うんだ。

【――テレビに映っているのは、今まさに、瑛月が柊へと接近し、その剣を下から――猛速で突き上げる場面】
【独特な移動とそのフォルム、相手の視界から刀身を隠し、その上で柄尻にスライドした手の動きが、延長する刃を生み出す】
【――待ち構える柊の一閃がどのようなものになるか、緊張の一瞬――なるほど】
【どちらが勝っても可笑しくないような刃と刃のぶつかり合いだ】
【セリーナはシードであり、この勝負の勝者こそが対戦相手となる――らしい。】

――ふふ♪褒め上手だねぇ、日生――咲奇ちゃん。
・・・うん、良い響きの名前だ。あったかくて、やさしくて――お花みたい。
アタシみたいなガサツなのとは違って、女の子らしい雰囲気だ!

でもお酒、飲める娘でよかったぁ〜、寒いからそれで、身体温めてちょうだいな!

【名前と、漢字の書き方――メモ帳に書かれた文字は、視覚にも美しい。】
【赤のインクが映し出す文字の流れは、名前の印象よりも濃く、頭に刻み込まれるような物】
【――少し変わった子かな、と思いながらもセリーナはカクテルに口付ける少女を見て、微笑んだ。】

そういえば、咲奇ちゃんはこの辺で何してたの?あ、なんていうかその――
夜だし、女の子が一人で入ってくるのは珍しいからつい、気になってね。
【怪しんでいるわけではない、純粋に知りたい、と思ったから再び質問をなげかけつつ】
【セリーナはカウンターにひじをつき、少女の様子を眺めた】

【――その間も、試合は進行していく――・・・】
427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/25(月) 00:40:56.10 ID:HHh4OXBo0
>>420

【ぱちり、瞬いた瞳は、まるでその言葉を理解できなかったよう】
【それでも数秒したなら、納得したような色をその表情に宿すのだろう】
【――だって、そう、彼女は。“会わなかったこと”にしたいようなのだから】
【(死体を見つけたことにしてもらうより、きっと、あの子にたって、彼にだって、いいはずだ、と、おもうから)】

……そう、駄目よ。触らないで――この身体の全部、お父さんの所有物(もの)だから。

【抱かれる殺意。気づいているのか、居ないのか――僅かに逡巡するよう、瞳を伏せたなら、】
【それ以上のことは少しだって口に出さない。黙ることを、選択した】

【右手でぎゅっと握った包帯が、風に躍って、はためいた】
【飛んでしまわぬように、失くしてしまわぬように、大事に握りこむ様も、どこか歪に見えるのか】

ふつうに、しあわせに、生きたいだけなの
なにが駄目なの? どうして? ――これ以上、なにかを失えって、言うの?

【彼女が望むもの、“ふつう”なんて、言わずもがな。或いは、“しあわせ”すら遠いかもしれないのに】
【これが普通だと、これが幸せだと、思い込むのは。確かにおかしいのに、気付けすらしない】
【――じわと滲む不機嫌は、それを否定されたことによるものだろうか。これ以上を示すラインなんて、見えるわけもないのに】

【――血色の瞳に湛える悪意。身体から零す悪意。どちらも、その種はおんなじはずなのに】
【咲き誇る色はどちらも違っていて、そう、まるで、卵を二つ抱いているかのよう】

……そう、“もっと”ならいいや。元気なのね

……――どうして?

【――――どうしようもなく元気が無いと、そう伝えたなら、どんな風な言葉を選んだのだろう】
【失ったものは僅かな後悔と、憂いと、心配。大丈夫だと、判断してしまった】
【ゆえに、だろうか。続く言葉、尋ねられる意味すら理解できないよう、首を傾げたなら】
【紫色に注ぐもの。そのどちらもが硝子球めいて、不思議そうに瞬いた】

【差し伸べられた手に、彼女が返したのは。疑う余地なく、拒絶だった】
428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/25(月) 00:41:26.74 ID:BrkCIDZ/o
>>417
ーーーフン!先手必勝という訳か…だがな…」

甘 い ! !」

【召喚に魔翌力を費やしている間は無防備、それはよくある召喚能力の弱点だ】
【彼女らもーーー強力な死霊術師を憑依させても、その弱点は拭えない】
【自身を守る存在がいなければ、それは覆す事の出来ない弱点だ】

【守るべき存在がいなければ=[ーー】

【ここで、死屍が呼び出したアンデッド達を思い返してみよう】
【最初のゾンビは断ち切られ、魔法陣へと消えたーーー続いてデモンズウォールは、水の刃が突き刺さり地面に消えたーーー猫ゾンビは、死屍に弾き飛ばされて、場外にて魔法陣に消えるーーー】
【では、最後に呼び出した奴≠ヘ?地面に潜りはしたが、ゾンビや猫ゾンビの様に魔法陣へと消えていない、デッドストーカーはーーー?】

ーーー来い!私を守れ!」

【ーーーナウファルが水の刃を飛ばした瞬間、死屍が一声叫べば、目の前の地面から、奴が飛び出す】
【逃げたと見せ掛け、地面に潜っていたデッドストーカーが水の刃の目の前に飛び出て、身代わりとなった】
【頭に水の刃が突き立ったデッドストーカーは、地面に落ちると、魔法陣へと消えていきーーー】

ーーー我、ネクロマンの名において命ずる!
墜ちた王、死者の門より現世に再び君臨し、我が為に闇の力を振るえ!!」

【巨大な魔法陣から呼び出されたのは、巨大な骸骨ーーー下半身が千切れたように消失し、空中に浮翌遊する黄金の骨ーーー】
【王族のローブと王冠を被り、貴金属で着飾ったアンデッドは、その両手に闇の力を蓄えていて】

【アンデッドの両手より放たれる闇の魔翌力は、様々に拡散しながら、再びナウファルに集まる様に、細かな闇の飛沫が襲い掛かる】
【石がぶつかるようなその飛沫は、一発一発はそれ程でもないが、数が多く、雨の様に襲い掛かる攻撃だ】

【それがーーー闇の魔法がナウファルに放たれるのと、曲刀の攻撃が死屍の体に触れたのはほぼ同時】
【恐らくは、曲刀が体を斜めに裂くと同時期に魔法が到達するだろうか】

【闇の魔法はすぐに止んで、黄金のアンデッドも魔法陣に消えて行く】
【後は、脚を横に、体を斜めに切られた死屍が、再び地面に尻餅をついているだろう】
【首のマントもマフラーに戻り、血に染まってはいるが、相手の様子を確かめるまでは倒れきれないようで】
429 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/25(月) 00:44:29.97 ID:8UyXzPGE0
>>418

【右手が飛んでいって攻撃をしているなら、左手は何をしているのか―――その答えは、行動により示されるはずであった】
【が、しかし。相手が急接近してきた事で彼女はその対処を余儀なくされる】


(しめしめ、驚いてるわね……まあ、今までこれを見て驚かない奴なんて居なかったけど。
と、言うわけで投げナイフでも―――って、こっち来ちゃったわよ!)

「近付いて来たぜェ、相手さんがよォ。気ィ付けろォ、ケケケケケ」

……言われなくても!


【若干浮いている左手を使って、彼女が懐から取り出していたのは一本の小さなナイフ。これを投げナイフのように投擲するつもりだったのだが、それは叶わなかった】


(グレイヴっていったかしら、あの武器……リーチの長さが厄介ね。
でも、懐に潜り込めば振り回す事は難しいはず。若干無理やりだけど、まずは突きを回避してから胴体をブッ刺してやる―――)

「冷静さを失うなよォ?」

(―――おっと、いけない。安定した守りが肝要ね)


【繰り出された相手の突き。とっさの判断でバックステップを行った事により、続く薙ぎ払いも回避する事に成功したアイリスは左手の刃物を見せて相手を牽制する】
【そして、相手の背後、若干遠く離れた位置には―――少女の肩を浅く切り裂きながら通り過ぎた右手があった。反撃の本命はそちらである】
【遠心力に任せるまま一回転して、今度はブーメランのようにククリナイフを投擲する。軌道は、地面と直角に真っ直ぐ飛ぶようなイメージか】
【遠心力が乗っているという事は、威力が低くは無いという事でもある―――しかし、狙いは大雑把だ。少し身体をずらせば容易く回避できる】
【手だけが独立して浮翌遊しているからこそ可能な背後からの攻撃。不意をうたれる形になるかもしれないが、ククリナイフの発する風切り音は大きい。察知も難しくないだろう】
【それに、首尾よく回避できたならば―――慌ててナイフを仕舞い、ククリナイフを左手でキャッチするアイリスに一矢報いる事が可能かもしれない】

430 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/25(月) 00:45:33.97 ID:qOwC3KOso
>>428
/言葉が足りず申し訳ありませんが、曲刀での攻撃はまだ描写しておりません
/差し支え無ければ、その部分を削っていただければ幸いです
431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/25(月) 00:50:42.12 ID:BrkCIDZ/o
>>430
/おっと、申し訳ありません
/訂正してもう一度書き込みます、少々お待ちを
432 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/25(月) 00:52:33.56 ID:OlyXHz7Fo
>>424

【第一の対戦相手、リコリス・S・ハルバーシュタット―――最初から女性が対戦相手】
【初めて上がった時もそうだったが、戦いの始まりは女性が相手になるジンクスでもあるのか、なんだかおかしい気分でもある】
【こくん、と頷いて相手の自己紹介に対して頷いて了解を示した後に】


よろしく、君が一回戦の対戦相手だね――――で、戦闘装束はそのドレスでいいのかな……?
いや、とりあえずこちらこそよろしくね、じゃあ俺からも名乗りを

葉隠流 剛田 剛太郎!推して参るッ!!


『――さあ剛の字!見せてもらうぞ、お前の成長ぶりを!』


【お供のトイプードル、ムクがリングより離れたセコンド席よりそう呟くのが聞こえた後】
【審判が手で両者に合図して注目させた後、カァン!と言うゴングの音を鳴らして合図する】
【――今ここに、決戦の火蓋が切って落とされたのだ!】

【試合開始の合図と同時、まず最初に飛び出したのは剛太郎だった】
【真っ先に彼が行ったのは接近、距離を詰めて体術での戦闘を持ちかけて来るつもりらしい】
【手は拳を握らずまっすぐ指を伸ばした状態、左手は腰のあたりまで引き、右手が前に出ている】

【近付く軌道は直線的な突撃、間合いに入ったと同時彼は先制をしかける】


―――せ い や ぁ ッ!!


【最初の攻撃、まずは右足から放たれる上段回し蹴り!狙いはいきなりリコリスの左側頭部!】
【初手より手を抜くつもりはないようだ!】
433 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/25(月) 00:54:55.53 ID:BrkCIDZ/o
>>417
ーーーフン!先手必勝という訳か…だがな…」

甘 い ! !」

【召喚に魔翌翌翌力を費やしている間は無防備、それはよくある召喚能力の弱点だ】
【彼女らもーーー強力な死霊術師を憑依させても、その弱点は拭えない】
【自身を守る存在がいなければ、それは覆す事の出来ない弱点だ】

【守るべき存在がいなければ=[ーー】

【ここで、死屍が呼び出したアンデッド達を思い返してみよう】
【最初のゾンビは断ち切られ、魔法陣へと消えたーーー続いてデモンズウォールは、水の刃が突き刺さり地面に消えたーーー猫ゾンビは、死屍に弾き飛ばされて、場外にて魔法陣に消えるーーー】
【では、最後に呼び出した奴≠ヘ?地面に潜りはしたが、ゾンビや猫ゾンビの様に魔法陣へと消えていない、デッドストーカーはーーー?】

ーーー来い!私を守れ!」

【ーーーナウファルが水の刃を飛ばした瞬間、死屍が一声叫べば、目の前の地面から、奴が飛び出す】
【逃げたと見せ掛け、地面に潜っていたデッドストーカーが水の刃の目の前に飛び出て、身代わりとなった】
【頭に水の刃が突き立ったデッドストーカーは、地面に落ちると、魔法陣へと消えていきーーー】

ーーー我、ネクロマンの名において命ずる!
墜ちた王、死者の門より現世に再び君臨し、我が為に闇の力を振るえ!!」

【巨大な魔法陣から呼び出されたのは、巨大な骸骨ーーー下半身が千切れたように消失し、空中に浮翌翌翌遊する黄金の骨ーーー】
【王族のローブと王冠を被り、貴金属で着飾ったアンデッドは、その両手に闇の力を蓄えていて】

【アンデッドの両手より放たれる闇の魔翌翌翌力は、様々に拡散しながら、再びナウファルに集まる様に、細かな闇の飛沫が襲い掛かる】
【石がぶつかるようなその飛沫は、一発一発はそれ程でもないが、数が多く、雨の様に襲い掛かる攻撃だ】

【それがーーー闇の魔法がナウファルの背中に放たれるのは、ナウファルが続け様に放つ曲刀の攻撃よりも早かった】
【しかし、魔法に耐えながらも攻撃を続ける事も十分可能、闇の飛礫はそれ程長くも続かない】
【切り替えせば、防御だって難しくもないはずだ】

/訂正
434 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/02/25(月) 00:57:03.34 ID:zK4aSCcao
>>422

…………そうね。善戦はしていたようだけど、結局は無様に負けていたわね。

【自虐に沈んで再び涙を浮かべる少女へ――――あろうことか、追い打ちを掛けるようにそう言い放った】
【それは彼女の反発心を煽り、自己嫌悪から奮起させんとする気遣い】
【……も、含まれているが。残りは、元来の高飛車な性格故に小動物のような少女を見て嗜虐心をそそられてのことである】
【黒い双眸には、なんとも幼稚な優越感のようなものが点っていて。元聖職者を名乗る割に、彼女もまた少女とは逆方向の意味で言動が幼いようだ】

私もあなたと同じ、神に仕える者…………巫女、だったのよ。
もっとも私の仕事は、願いを捧げたり懺悔を聞いたりとかじゃなく、妖怪退治だったけれど。

【――と。いきなり話を変えて、しかもまたも煽るような調子で、自らの身元を晒す彼女】
【少女の思っているとおり、彼女は櫻の国のとある山村で神に仕える仕事をしていたことがある】
【その実体は、神に仕え、そして直接的に神を守るもの…………武力を以て悪たる妖魔を排する、討魔の巫女である】

【しかしこのタイミングでそれを明かしたのは、『妖怪退治をやってたから、あなたと違って私は強いわよ』、という誇示にも聞こえるが…………】
【彼女は腕を組むと、こちらを睨みつける少女を真っ向から見据えた】

だから、もしあなたじゃなく私が出ていれば、もっと勝ち進めたでしょうけど…………ね。

【…………非常に、非常にわかりずらいが】
【それは、「私のように普段から戦闘を仕事にしているわけじゃないのなら、仕方ないわよ」という、なんとも不器用で上から目線な励ましのようだった】

【――――蛇足極まりないが、腕を組んだことにより、着物を押し上げる豊満な胸部がより強調されている】
435 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/25(月) 01:08:37.89 ID:1V7Bb9juo
>>427

―――――――、そう

【宿す2つの悪意の卵】
【それを見つめるのは色を消した瞳、それももう閉じて】

ああ、いいんだもう幸せは誰もが求める事だろうさ
ただファラエナはもう「お姉ちゃん」といられる幸せは得られないって事だけだから。
お前はそれでいいんだろ?好きにしてそれでおしまい、そりゃあ良い食べ物があったらそっちに飛びつくのは道理だ。

【大きく息を飲んで】

……何にせよお前が好きにするならオレもそうするだけ、やりたい事をやるだけだ
例えばお前がファラエナを拒絶した事を伝えるのも良いだろうし
いっそ現実なんか教えないで出会い頭に殺しちまうのもいいかもしれない……。今更文句はないだろ?

【バッドエンディングへの片道切符】
【戻る事などもう許さない途中下車などもっての外】
【回りきった車輪は止まる事を忘れ狂ったように進み続ける】

――――――――いや……正直言えば、卵さえ無くなれば姉妹で仲良く……なんて思ってた

分かるか?ファラエナのお前を失った喪失感はお前でしか埋められないんだ……。
どうしてなんて言って欲しくない、なあ……なんとかならないか……お前しかいなんだよ……。

【未練がましい甘い考え、でも踏み止まるならここ以外に他はない】
【こんな終わりは認めたくなんかない、でも強制する力もないから彼の言葉は「願い」の範疇でしかない】
【それでも手を伸ばそうとするのが人間だから】

それともここに直接ファラエナを呼んで、お前の口からきちんと伝えるか
オレから伝えてもきっと意味ないから……

【取り出すのは携帯電話、ボタンを押せば即ファラエナに繋がる状態で】
【縋るような瞳のままでその画面を鈴音に向けて……】
436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/25(月) 01:09:37.78 ID:1jB1DwHIO
>>429

うっ、外れた!

【突きと薙ぎ払いの連携が破られた、体制を立て直す時間はない】

【相手の左手には小さなナイフが握られている】

(あんなに小さなナイフ、そのまま斬りつける武器じゃないな)
(投擲用かな?だったら目の前から突っ込むのはあんまり良くないね)

【流石鍛冶屋見習い、武器に関しては詳しい】

(――でも、すぐに投げないのはちょっと妙だ)

【受けるか攻めるか逡巡している、その時】
【後方から風切り音が響く】

――やるねっ!

【風切り音の発生源は、おそらく先程避けたククリナイフ】
【先程の回避と同じように、石畳を薙ぎ払うように右に飛び退く!】

一応言っとくけど、ククリナイフは断ち切るための武器。
投げるなら手裏剣か、さっきのナイフにしてね!

【そして刃を返すように、逆袈裟に切り払うッ!!】
437 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/25(月) 01:09:55.00 ID:qOwC3KOso
>>431>>433
/ありがとうございます


【きゅ、と徐々に近付きつつある中、召喚を遅らせようと放った水の刃】
【しかし思わぬ伏兵に阻まれてしまった事を目の端にとらえれば、さすがに多少は歯噛みする】
【その額に突き立った水は、本来の狙いから外れるや否や、デッドストーカーの頭に刺さったまま霧散していく】

ッ、ソう来るとは思ッテいなかッたな……!

【背中に叩きつける闇の魔翌力を受け、わずかに移動速度に遅れを生じさせながらも】
【突進じみた接近を途中で止めたりはしない。否、止めれば勝機は見込めないかもしれない】
【鱗のように背の皮膚を剥がれ落としながらも、累に向かって突っ込んでいく】

【流れ落ちる血は腕を伝って、曲刀の表面にも一筋二筋たれおちながら】
【相手の目前へ到達すると、相手の左肩の付け根に叩きつけるように曲刀の腹が迫る】
【そして空手の左手は、相手の持つ杖を奪い取らんとするかのように、相手の右手に喰らいつこうと】
【左右囲むような二撃、どちらを避けてどちらを受けるか】

438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/25(月) 01:21:49.27 ID:Qm2J7YUh0
>>434
【一層重くなる雰囲気――――は、この少女の周りだけ】
【まるで漬け物石でも背負っているのかと問いたくなるほどの沈みよう】
【先程まで警戒心を露わにしていたその黄色の双眸は何処へかな。ただただ涙を生み出すだけの物になっていて】
【――――怖くも無い、精一杯の睨み。それだけが唯一褒められる所か】


「べ、別に良いんです……私だって勝つために出たわけじゃ……
少しは勝ちたかったと言わなければ嘘になりますが……でも……私とあの人じゃ実力が違いすぎていたし……」

【言葉にすれば、更に自分が惨めに思えて】
【ズズっと鼻を啜る音が聞こえたかと思えば、そのままの姿勢で首を傾げるのだろう】
【確かに常人とはまた異なった気配。信仰する神は異なれど、それを感ずる事は出来る】
【だから――――その言葉に疑問を持つのだろう】


「戦巫女とやらでしょうか?私にはよく分かりませんが、確かにあなたが普通の人とは異なる何らかを持つことは分かります
それでも、過去形という事はもう今は巫女では無いという事ですよね?
一体……何故でしょう
それに、私だって懺悔を聞くだけじゃ無いのですよ?尤も、こんな所を訪れる人はあまり居ませんから……
お掃除とか、お洗濯とか……後はカンパンを食べたり、その……魔物を退治してみたり……」

【そんな彼女が、巫女を止めた――――であろうその理由を聞こうとして紡がれるのは、アリアを綴るための声】
【グスグスと鼻を鳴らしながら、自慢げに自分の仕事を述べつつ指を折っていくが――――きっとどれであろうと彼女には叶わない】
【だから、その指が折れる毎に再び雰囲気は暗くなって。思い出したかのように魔物退治を取って付けるが……こんな少女が退治出来るのであれば、然程脅威では無い相手】
【しかし――――掃除していると言ってもこのボロボロの内装。そして、食料がカンパン。所謂貧乏人という事を察するのは容易か】


「……態々興味があった場所に訪れて、その主に言う事がそれですか――――
大体ですねッ!武力もあって!綺麗で!おまけに何ですかッ!成長の兆しが無い私への当てつけですか?!
異教徒狩りですか?!徹底的に精神も痛めつけてやろうということですか?!あなたに慈悲は無いのですか?!
……言ってて悲しくなってきました。忘れて下さい
取り敢えず……立っているのも疲れるでしょうし、何処か適当な場所に腰を降ろしてみてはどうでしょう」

【その言葉に反抗しようと視線を上げれば――――その位置からみれば、さぞかし高き岳と見えたのだろう】
【最早その涙で溺れた瞳を隠すことも無く、急に立ち上がればその両肩を掴み、ガクンガンと揺らして吠えるのだろう】
【嗚呼――――少女自体は揺れないのだが】
【暫く続けていれば、やがては虚無感が心を支配して。其処にどうぞと適当な場所を示すのだろう】
439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2013/02/25(月) 01:21:56.29 ID:bpDo/QZGo
>>432
【彼の自己紹介中も、リコリスは笑顔を絶やさない。 】
【その後の彼のセコンドから聞こえた声には目を丸くしたのだが。】

(――――い、犬が喋りましたわよね!?)

【小ぢんまりとした可愛らしい犬だ。確かトイ・プードルと言っただろうか。】
【しかしそれには似つかわしくない言葉遣い。というか先ずは何故喋っているか。】
【色々と疑問は尽きず、驚愕のあまりあたふたと手を動かしていたのだが。】
【審判の試合開始の合図が聞こえた。

【瞬間、リコリスは笑顔を消す。相手がそんな余裕を持って倒せる相手ではないことは、雰囲気から感じ取っていたからだ。】

(今は犬のことは忘れて。目の前の男性の動きにだけ集中よ!)

【リコリスは動かない。】
【出来れば相手の動きを見てから行動したい、というのは彼女の能力がこの距離では不利だからなのだろうか。】
【所謂サイコキネシスの使い手である彼女だが、その性質は一般的なそれ系の能力者としては劣る部分と得意とする部分がある。】
【範囲が狭いのだ。一度操ってしまえば自分から半径3m以内であれば自由に動かせるが、最初能力を掛けることが出来る範囲は彼女の手のひらから1m程だけだ。】
【ちなみに、自分以外の人間には使用出来ない。これは割りといるようだが。】
【しかし、力には目を瞠るものがある。銃弾を銃から発射された時と遜色ない速度で射出することだって可能だ。】
【故に、彼女は近距離か遠距離での戦闘を得意とする……。だが、今リコリスと男性の合間は見事に中距離。】
【何かを操って攻撃、は届かない。何かを射出して攻撃、は近すぎて精度に不安が大きい。】
【だから、彼女は男性が近づくか遠のくかを待ったのだ。男性は――――】

「―――せ い や ぁ ッ!!」

(――――疾い……っ!)

【リコリスが男性の動きを認識出来た時、彼は既に目の前にいた。】
【後ろに飛び退く。男性の回し蹴りはリコリスの鼻先を掠めていった。】

(凄い身体能力……。肉弾戦オンリーになったら着いていける自身がありませんわ……。)

【彼女は握っていた両の手を開いた。パラパラと手のひらから零れたそれは――――】

「ビー玉ですわ。当たるとちょっと痛いですわよ?」

【十個ほどのそれは、地面に落ちること無く、キラキラと輝きながら彼女の周りを旋回し始めたのだった】
【今度はリコリスの番だ。男性の拳が届かないギリギリの距離まで近づき、ビー玉を五つ、男性にぶつけようと操作する】
【多種多様の動きで男性にそれは近づくが……、狙いは右足のみだった。】
【威力、スピード共に男性の回し蹴りに優るとも劣らずだ。男性の戦闘経験なら避けれない訳でもなさろうだが……。】
440 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [saga]:2013/02/25(月) 01:24:29.00 ID:aF7m2E3AO
>>426

【気っ風の良いセリーナの力強い言葉、咲奇は僅かに伏せたその目を上げて】
【快活さのなかに秘められた神秘的な彼女の瞳を、コバルトブルーの瞳で見詰めると】

ふふ……ごめんなさい、ありがとう、セリーナは頼もしいですね
それでこそ頼りがいがあるってものです、てんちょーさん

【隙間からこぼれ落ちてしまいそうなほど、繊細で仄かな微笑を浮かべてみせた】
【花。その喩えはきっと正しい、大輪を咲かせるような派手なものではないけれど】

……あ、そうだ、UNITED TRIGGERにカノッサと言えば、ですね。

【咲奇はメモ帳へ新たにセリーナの名前を書き込んだら、】
【ふと、何かを思い出したようにページを捲っていく】

ナウファル、という方が何だかカノッサに御用か目的があるらしくって。
UNITED TRIGGERのお名前を伝えておきましたから、いずれ会うことになるんじゃないかな
民族衣装をまとったエキゾチックな感じの、優しい雰囲気を持った青年の方です、
それだけお伝えしておこうかと……

【セリーナへ伝達したのは先ほどの話題に、組織に、少しばかり絡んだこと】
【今回の大会にも出場している選手の名前だ、もしかしたら既に知っているかもしれないだろうか】

【そうして彼女から、対戦相手のことを聞かされると……】
【咲奇はテレビを見て、それからセリーナに視線を遣り】
【「――頑張ってください!」と一言、声援を贈るだろう】


うふふ、ありがとう、お気に入りの名前だからとっても嬉しいです
……ああ、でもでも、ちゃん付けはだめです。私、呼び捨てがいい、な

【カクテルを飲んでほろ酔い気分か、すっかり気を良くして咲奇は笑う】
【ちょっとしたワガママも交えながら、コップを空にしつつ――】
【セリーナにそう尋ねられると、動揺したみたく少しだけ目が泳いだ】
【その一瞬の揺らめきは、眺めていれば、よく分かるハズだろう】

…………ええと、お恥ずかしい話ですが、単にお散歩をしてたんです
たまにあるんですよね、一人ぼっちで真夜中に出歩きたくなること!
ええ、……危ないのは分かってるんですけどなかなか辞められなくって

【――なるほど、彼女が言うには、意外と宵っ張りの夜型人間ということらしい】
【「思いのほか風が冷たかったから、つい駆け込んじゃいまして」とも語る】
【苦笑する様から見て嘘とは思えないだろうが、しかし泳いだ視線は引っ掛かるか】
441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/25(月) 01:31:19.64 ID:BrkCIDZ/o
>>437
ーーーぐぅっ…」

【密かに待たせていた伏兵を使っても尚、アンデッドの王たるリッチ≠フ魔翌力を以てして尚、ナウファルは止まらない】
【リッチの攻撃が途切れた、再び攻撃させるにも隙ができる、これはーーー】
【杖を取られれば召喚は不可能に、体を斬られれば死屍がーーー】

…ああ」

「ーーーごめんね、塁」

【刹那、呟いた声は男だけのーーー死霊術師、ネクロマンだけの声で】
【ナウファルに杖をくれてやり、そちら側に体を傾けて曲刀を躱す】
【ナウファルの背後でリッチは魔法陣に消えて、ナウファルの手の中で杖が瘴気として消え去れば、マントはマフラーへと形を戻す】

【途端、浮翌遊していた死屍の体が、また地面に尻餅をついた】
【背後には、例の死霊術師が、申し訳なさそうにーーー】

ーーー糞が

【そして、掠れた声で死屍は呟く、重ならない、彼女だけの声で】
【憎憎しげに呟く理由は明白ーーー自分に憑依した死霊術師が、あろう事か攻撃を続行するのを諦め、攻撃を避ける事を選んだから】
【自身を強化していられる時間を、無駄にしたのだーーーこれではもう、勝機は見込めない】
【脚が痛くてろくに動き回れないし、召喚器具は無くしたしーーーなにより、策を無くしたーーー卑怯な作戦が不発となれば、もう彼女は手も足も出ない】

あーあ!もっと行けると思ったんだけどなー!いい所行ってたんだけどなー!穴掘り野郎の使い方とかさー!
どっかの馬鹿が馬鹿な事するからさー!あーあ!もう終わりだわ!私の大会!あーあ!

【ーーー突如、大声でみっともなく、駄々をこねる子供のように、不満を叫び散らし始めた彼女】
【それは背後の死霊術師を攻めているようでもあってーーー…ここまで言うという事は、負けを認めているという事でもある】

ーーーもーいーや、脚痛いしさ
もっと他の事して目立つわ!そのうちな!!

【最後には、不貞腐れたように大の字に寝転んで、諦めの言葉を言い放つ】

「…降参だ、と言っているみたいだ」
「ーーーすまなかったな」

【背後の死霊術師がそれに意図を付け加えて、戦いは終わるーーー】
【最後の謝罪は、死屍にだけ向けた物ではなくーーー】
442 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/25(月) 01:36:42.10 ID:Yk0GfLYJ0
>>416

…………同じ言葉が貴方には要るの?
私はそうは思わない――――― 妥協はしないし貴方にもさせない、全霊でだけ戦い抜ける―――――
………その程度には、今の私にはプライドがある。

   【失望などさせる筈が無い。何より、自分自身がそれを許せない―――――】
   【そんな意志と宣誓の篭もった、橡色の微笑む瞳。何処までも強い戦意を湛えて。】

【そして状況が進行する。瑛月は新たな構えを取り疾走した。】

(………これは、……――――――――)

【通常の居合い同様、“朱雀” の構えに対する視覚からの先読みは困難。】
【ゆえに選択するのは “即応”―――――……すなわち高速の状況判断による迎撃だった。】

【“左脚側へ” 振るために溜めた力を、手首の返しで方向転換。】
【そして視えた鋼色の飛翔に対し―――――― 一歩後退。放つはずだった斜め下への斬撃とは真逆の、右上方向への斬り上げを放った。】

…………ッ!

【そしてぱっ、と血の紅が散った。斬り裂かれたのは彼女だった。】
【振り上げた刃は刃を迎え撃った。鳴り響いた金属音。
 だがそれは僅かに軌道を変えるだけで、彼女の傷を、「深く斬り込まれた」 ものから、「走れる程度」――――】

【本来の其れには遠い速度での、彼女らしからぬ移動を可能にするだけのものだった。傷は決して浅くなかった。】
【だが、ここで柊は自らの “最善手” を確信する。】

(―――――――……これで、良い…………!!)

  【―――― 瑛月が柄尻まで滑らせた握り。追撃や急激な方向転換には、おそらく向かないであろう其れ。】
  【そして柊から見て右側には二本の刀。柊の刀には、未だ勢いが残っている。】
 
(………問題はないか。この一撃で決着をつければ良い――――――)

【―――――――― “この状況で刀身をこの位置に置く事こそが、彼女の真の狙いだった”。】

【瑛月の一閃を観て……もはや完全な回避も防御も狙えず、被斬は避けられないと理解した瞬間。】
【ならば次の一手へと繋げようと、即時的な判断を連続させ――――――実行。速やかに反撃に移ろうとしたのだった。】


―――――――――――――――――――――― はぁあッッ!!

【空中に振り上げた太刀を一瞬の弛緩――――― さらなる加速を生むための空隙の後、螺旋を描くように再び反転。
 鞭打つような加速を以て、瑛月の左の肩口を狙い、激烈な斬り下ろしの一撃を放つ。】

【幾つもの過程を経る必要があった分、時間はかかったが……“受ける” 事は容易くない。そう、彼女は確信していた。】

【だが彼女には右脚の負傷があった。寸分の狂いなく生む筈だった回転も、ミリ単位以下のズレを生じていた。】
【それでも本来なら必殺となる筈だった一撃だが、それは、“彼ならば”、凌ぎ得るものとなるのかも知れず―――】

/すみません、眠気が結構キツいので、いったん中断をお願いできないでしょうか…!?
/明日ならこちらは大丈夫ですがっ……
443 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/25(月) 01:39:10.49 ID:GfGxDHRxo
>>442
/おkです! 明日も多分大丈夫ですので、声をかけて貰えれば……
/自分は返信だけしておきます、おやすみですー
444 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/02/25(月) 01:42:04.62 ID:zK4aSCcao
>>438
【少女に両肩を捕まれる、その寸前――――】

――――ッ!!

【バッ、と黒髪と着物の裾が翻される】
【まるで人に近寄られた野生動物のように、ケモノじみた不自然な程の速さで、彼女が勢いよく後ろへ飛び退いたのだ】
【その表情には、それまでの傲岸不遜な態度が嘘だったかのように、驚愕と焦り、そして恐怖のようなものが浮かんでいて――――】
【やがて自分の取った行動に気づくと、バツの悪さを誤魔化すかのように、ボソリと呟いた】

…………ふん、日頃からの鍛錬の成果よ。

【それは今の行動のことを言っているのか、武人としての技量のことを言っているのか、それとも胸のことを言っているのか、どうにも判然としない言い訳】
【そうして少女に促されるまま、長椅子の一つに座る。それでも変わらず、少女と一定の距離を保ったままで】
【警戒している、のだろうか? それとも…………】

…………そういえば、自己紹介がまだだったわね。
私は、幸徳井佳乃よ。

【彼女はそこで、唐突な自己紹介を始めた。気まずい雰囲気を払拭するために、何かしら話題を探しているらしい】
【彼女こと佳乃は少女の名乗りを待ってから、何か話題はないものかと周囲を見渡し――――】

…………そういえばこの教会、なんでこんなに寂れているのかしら。
信者が少ないの?

【なんていう、気遣いもデリカシーもないド直球の質問をするのだった】
445 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/25(月) 01:42:32.88 ID:Yk0GfLYJ0
>>443
/ありがとうございます……!
/遅レスですみません……明日はもう少し早く返せるように、今日はしっかり寝ておきます……orz
/それでは今夜はお疲れ様でした。一旦ありがとうございましたー!
446 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/25(月) 01:45:12.78 ID:HHh4OXBo0
>>435

……あの子にはご主人様(ははおや)が居るもの、わたしなんて、“いたらいいな”程度なの
わたしにだって、そう、お父さんが居るの。あの子は、“いたらいいな”――

――でも、もう、要らない。一緒になんて、居られないし、居たくない。

【ゆっくり、ゆっくりと。紡いでいく言葉は、或いは言い訳めいて聞こえるのだろうか】
【顰めた眉。少しだけ、言葉を強くして――かつて、誰にも告げずに決め込んだ決別は、あまりに時間を置きすぎた】
【ヒールを地面で擦る音がする。最低限で彼のほうに振り向いたなら】

………………――。

【告げられて、嫌われるなら、それは別にいいやと思う。寧ろ、手間が省けるじゃない、とも】
【(それでも、どこかに嫌われたくない気持ちはあって。わがままだと思ったなら、鈍い頭痛がする)】
【言葉を詰まらせたのは、そのせいじゃない。「殺してしまっても――」睨みつけるのは、どうしてだろう】
【(とっくに手放して、早くわたしのことなんて忘れてしまえと思っていたぐらいなのに)】

……やめて

【よく冷えた冬の夜。見上げたなら、いやになるぐらいの満点の星が煌びやかで、パーティ会場のよう】
【ち、と。長いドレスの尾を引くように堕ちる流れ星は、まるで彼のために流れたかに思えたのに】
【硬質の高い音は、彼女の足元から。いやがるように足を引いたなら、ほんの少しだけ、彼から距離を離す】

っ、もういいの、やめたの、わたしから棄てたんだよ
ねえ、どんな顔して帰れって言うの、どんな顔して会えって言うの、こんなに穢い手で、撫でてやれって言うの?
いやなんだよ、もう、だから棄てたのに、どうしてわたしのことを探すの? ……ねえ、どうして、

【上手く出せなかった声が、詰まった吐息のままで夜に蕩けて――消えるより早く、零していく】
【卵の悪意だって、今だけは、どこか遠くのもののように思えるような、錯覚】
【白い吐息の向こう、ひどく感情を湛える瞳はじっと彼を睨みつけるぐらいに見つめて】

……さよなら。もう探さないで

【――あの幼子のこと、好いているか、嫌っているか、どちらかを選ぶなら、きっと前者だ】
【ぎりと握り締めた手。包帯の向こう側で色を失って――告げたなら、振るうのは包帯の尾を引く右手だ】
【明確に携帯電話を弾き飛ばそうと狙うのは、どうしようもない思考の放棄のよう、結果に関わらず、かんとヒールが床を叩いて】
【向かうのは、先ほどまで彼が居た辺り――さび付いた柵に向かうのは、疑うまでもなく逃げの手で、】
447 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/02/25(月) 01:47:52.30 ID:8UyXzPGE0
>>436

【死角からの一撃は―――上手く回避された。自分に向かって回転しながら飛来する凶器を何とか左手でキャッチしたアイリス】
【そこまでは良かったのだが、やはり生じた隙を見逃してくれるような相手ではなかった。繰り出された鋭い一撃。それをを回避しようと左後ろに下がった彼女だが―――】


ぐッ……やるじゃない


【―――しかし。完全に回避するには至らず、右腕を浅く切り裂かれた。痛みに思わず顔をしかめる】
【とはいえ、その程度で怖気付く彼女ではない。リングアウトに気を付けつつ、そのまま左に移動しながら口を開いた】


むむっ、知ってるわよそのくらい。
ただ、このククリナイフは武道会用に大半の部分の刃を潰してあるから、主に鈍器として使ってるってワケ。
遠心力を利用すれば牛の首すら落とせる代物なんだから、刃があろうと無かろうと―――この重さをまともに受けたら大ダメージって寸法よ!

「ケケケ、その重さを振り回せてるんだから驚きだぜェ」

(それにしても、弱ったわね―――ククリナイフ投げちゃったから右手が完全に遊んでる状態じゃない……
右手をこっちに戻すまでの間、左手一本で攻撃を凌げるかしら―――いや、無理でしょうね。彼女、完全に近接戦タイプみたいだし
と、なると……どうするべきなのよ……?)


【軽口を叩きながらも思考を巡らせるアイリス。冷静に冷静に、と自らに言い聞かせ続けていた彼女は何とか素早く答えらしきものを導き出す事に成功する。その答えとは―――】


(とりあえずは能力を解除して、手を呼び戻すのが得策ね。そうした後に、別の能力を使ってまた攻め始めれば良い……のかしら?まあ、やってみれば判る事よ)


【―――能力を解除して、攻め方を変えるという事である】
【右手と左手による同時攻撃は、まるで二人を同時に相手にしているかのような錯覚を感じさせたかもしれない】
【しかしどちらの手も操っているのは一人の人間―――右手の操作に意識を傾けながら左手だけで戦い続ける事は不可能だと判断したのだろう】


仕方ないわね―――〈レイド・ハンド〉解除。エニグマ、次の能力を用意しなさい

「おうよォ、了解だァ」


【彼女の指示をエニグマが聞き届けると、炎の色は元の気味が悪い虹色へ変化して行った。同時に、アイリスの髪と瞳の色もどぎついカラーに戻る】
【純白の腕輪も消滅し、そこにあるのはただの手首。現在の彼女は、茜の右手側―――少し離れた位置でククリナイフを両手で構えている】
【おそらく、能力を切り替えるには、一旦完全に解除しなければならないのだろう。これを好機と見るか、小休止と見るかは自由だ】
448 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/25(月) 01:52:22.46 ID:e9EBSmR5o
>>400

【「てんちょーさん」と、呼ばれると――なんだかくすぐったいような、そんな気がして。】
【力強い瞳の中に、一重の優しさが浮かぶ――コバルトの眼に覗き込まれ、セリーナは笑みを零す】
【疲れることも多い世の中だが、こうしてゆったりとした時間を過ごせるのはとても、ありがたくて。】
【咲奇の儚さは確かに花の其れである――日輪を浴びた向日葵のような、大きく咲くものでなくとも】
【小さな花が枯れることなく、路地に咲いているのを見つけたような感覚に近い】
【とても静かに――されど力強く。】

・・・ふふ、"頼もしい"なんてあんまり言われないから、おねーさんちょっぴり照れちゃったよ。
よかったらお代わりどーぞ♪

――おろ?ナウ、ファル――っていうのは、確か――
ああ、やっぱりそうだ!大会に出てた男の子!
そう、風の国で一緒に戦ったあの"エルフェス"君を撃破したんだっけ――
あんな強くて真面目な子が、うちに用かぁ。なんだろうね?依頼とかだったらあり難いんだけど――
けどカノッサ関連じゃ、あまり"良い話"ではないのかも、ね。

・・・咲奇ちゃんも、彼と話をしたの?

【「頑張ってください」の一言に――ほんの少しだけ顔を赤くしたセリーナが、「お代わりだよ」とカクテルを再び注ぐ。】
【次は自分の分も入れ、チン、とグラスを合わせる。】
【そうしてナウファルの名を耳にすれば、大会参加者の一覧表を取り出し、確認――】
【一戦を勝ち進んでいる事を思い出し、嬉しそうな表情をした。】

――と、「ちゃん」はダメか、ごめんごめん。
アタシってば会う人会う人みんなにあだ名とかつけちゃうクセがあってね、つい。
じゃあ――咲奇。うん、この方が自然で良いかも。

・・・お散歩、かあ。
(――ん、、一瞬、眼が――まあ、気にしすぎかな。)
(嘘って感じじゃないし――気にするほどでもないけど)
(――やっぱり、咲奇って不思議な雰囲気だね。)
・・・ふふっ、でもわかるなぁその気持ち。
アタシもさ、よく眠れない時とか馬走らせてぴゅー!っとドライブするんだ。
星が綺麗な日なんか、外でお酒飲むとすっごく楽しいもんね。
――まあ、今は寒いから中のほうが良いけど。ふふ!

ただ、・・・そうだね。やっぱり最近は危ないし――正義の組織がいながら、本当に力不足で申し訳ないけど・・・
夜は特に、殺人とかに巻き込まれたら怖いから――UTのリーダーとして、気をつけて欲しいな、って忠告しとくよ!

【なんとなく、引っかかるものはあるが――深く突っ込みすぎるのも、良くないと感じたのだろう。】
【なにより、悪い事をしているようにはあまり見えない、というのがセリーナの印象だ。】
【ナウファルの件をしっかりと伝えてくれた事からも、それは伺えた。】
【ただそれだけでは流石に寂しいとも思ったのだろう、最後に「咲奇は可愛いから余計に、注意だよ!」なんて忠告して。】

――ところでさ、素朴な疑問なんだけど・・・
大会に出る人、ってみんなお金目当てなのかな?いや、アタシなんかはまあ――・・・その通りなんだけど・・・。
他の人って賞品欲しさに参加してるのかな?みんなすごい真剣じゃない、不思議に思ってさ。
449 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/25(月) 01:53:04.59 ID:Zxfm8tGVo


当分動くなって言われてもねぇ………暇でしょうが無いよ……
――――まぁ、久しぶりに休憩……ってのも悪か無いかぁ………ハァ……

ったく……流石にあれをまともに食らっちゃ……こうもなるか………あーあっ……もっと戦いたかったよ


【吐息と共に零れた女声はその部屋に垂れ流されるテレビの音源によりかき消され、その画面を飾るのは今、行われているであろう天下一武道会の映像であるのだろう】
【そしてその画面へと横目を流す一人の女声と言えば――ベットに寝転がり、その姿はまるで重度の怪我人と言わんばかりのものだった】
【白いシーツに流れる黒髪、そのベットの側に立てかけられた偃月刀、誰かは解らぬがその様子、言葉を聞くに大会の参加者の一人であったのだろうか】

―――見事な………完敗……ってやつかねぇ………


【そして一つの溜息に瞳はその天井へと移されて、行く宛も無い言葉は軈てその騒々しくも流れる音の中へと再び消えて】


…………あ――……大口叩いちまったけどあの爺さんとも戦わなきゃ行けないねぇ
レヴィ――グー―――………またやりあいたいもんだ………









【白天見つめる琥珀が望む先―――それには何があるのだろうか―――】
【強者との出会い、そして―――もう一つ、その理由は今は明かされる事は無いのであろう】



………寝るか


/絡み不要の後日談という事で、レス消費失礼致します!
450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/25(月) 01:53:13.19 ID:e9EBSmR5o
/ぐはぁ・・・ッ!>>448の安価は>>440の間違いです!センセンシャル!
451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/25(月) 01:58:30.87 ID:OlyXHz7Fo
>>439

【当のトイプードルはリコリスの疑問などそっちのけで耳の裏を後ろ足でかいて、ぽてんと伏せてしまっている】
【どういうしくみで犬が喋るのか、そのタネを知らなければ当然教学を招くだろうが、そんなことなど慣れっこのようだ】

【後ろに飛びのいてかわされたにも関わらず剛太郎に動揺はない……これくらいは様子見、想定の範囲内か】
【同時、彼女が開いた手から零れるのは、ビー玉か?自分にぶつけずに落とした、足元を狙ったと言うよりもこれは】


(―――飛ばしてくる!ビー玉を操る能力か何かか?)


【この距離で殴りかからず距離を取り、ビー玉を直接投げつけもせず落とす、となるとおそらくは操作系の能力と判断】
【テレキネシスのような力で飛んでくることを即座に察知、身構えたと同時に五つこちらに飛んでくるのを見る】

【多種多様の動きでかく乱を狙っている、だがその動きのほとんどがダミー、本命はどれか一つと見る】
【同時、再び後ろのトイプードルが伏せたまま剛太郎を叱咤するように声を張り上げて叫ぶ】


『――臆するな剛の字!見極めぃッ!!』

葉隠流、『紅葉』!


【――同時、柔和でさわやかな印象を与える剛太郎の目つきから急激に温度が消えていく】
【その赤い瞳と合わさって血濡れた抜き身の刃のごとき、敵対者を威する目つきへ】
【腰を落とし飛んでくるビー玉ではなく、相手の注意がどこへと向いているかから察知――狙いは右足か!】

【命中するよりも早く右足を早く跳ね上げて回避、同時、ドォン!と音を立てて上げた右足を踏み込む】
【震脚だ、地面を揺るがすほどの振るえを生むその踏み込みと同時、彼は開いた右手を前へと向けながら前進!】
【そして再び間合いを詰めたと同時放たれた分旋回するビー玉の幕が薄くなったその瞬間を狙い、同じく開いた左手を後ろに引き】


葉隠流、『桜花』ッ!!


【至近距離に達した瞬間、引き絞った左手を前へと突き出す、だが左の五指は閉じず真っ直ぐ伸びたまま―――貫手か?】
【狙いはリコリスの右肩、弾丸の如く放たれた左手が真っ直ぐ『突き』を放ってくる!―――――そしてもしもこの突きを右肩にまともに食らったならば】

【ズブゥッ!と音を立てて……素手のまま皮膚を破り肉を貫いてくるだろう!】
452 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/25(月) 02:01:19.83 ID:Qm2J7YUh0
>>444
【肩を掴むべく伸ばされたその腕は宙を掴んで――――】
【武術に長けているわけでも無く、行動を読むことに長けているわけでも無い。故に追撃の術は無くて】
【尤も、それ以外の理由。その表情を見れば、自然とその気は無くなってくるようなもの】
【拒絶――――ともまた異なる様な、或いはその言葉が正しいのか】
【開けた距離。今度は詰めること無く】


「それにしては又――――いえ、“其れ”が巫女“だった”あなたの理由ならば私から繋ぐのは無礼でしょうか」

【先程までと打って変わったかのような、刹那の表情を見て、声が漏れるが――――】
【言葉を切ったのは、己の理性】
【恐らくは、その身と同じ様に触れて欲しく無い様な話】
【だからこそ、その話題に乗って】


カログリア。さっきも言ったように、この教会を管理――――と言うよりも、守っていると言った方が正しいでしょうか

【少し離れた位置。それでも、互いの声が十分に聞こえる位置に同じ様に腰を掛けて】
【無言の中、その視線は何かを考えるかのように割れたステンドグラスへと向けられていて――――】


「うぅ……先程から全く遠慮の無い事を言うのですね佳乃は
元よりこんな所に訪れる人が居ない為、献金も無いので此処まで寂れて居るのですよ
人が来ないせいで、私もお友達が妖のカエルさんしか居ませんし……あ、後は行商の人はお友達と思ってくれているのでしょうか……」

【凛としていた表情が、苦笑とも取れるような顔に歪められて】
【外装は勿論の事――――内装までも此処まで古びている。もといボロボロの理由を語るのだろうか】
【余り外に出ることが無い旨も告げて――――】
【教会を一人の少女が管理している。というのも些か疑問が生じる話ではあるが……】
453 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/25(月) 02:03:46.27 ID:1V7Bb9juo
>>446

……やっぱりそうだ、この嘘つき

【鈴音はまだファラエナの事を想っている】
【そうだでなければこんな長々と話などする筈がない】
【ここにいてまだ自分と話しているという時点で……まだ戻れる】

人間の縁はそう簡単に捨てられるものじゃないよ
……アンタの手が穢れてたとしてもその手は間違いなくアンタだけの手だ。
それにアンタがどうなろうとどれ程堕ちようときっとファラエナはアンタに会いたがってる、これだけは絶対だ。

【希望はある、流れる星が示すならきっと大丈夫】
【自分が持てる限りの言葉を必死に絞って、伝える】

「卵」が邪魔っていうのなら跡形もなく消してやるその為に、誰かの為に、遠くで修行して来たんだ……
失敗したら失敗したで責任くらいはきちんと払ってやる、だから―――――――

【例え吹きとばそうとも握った手は離さない】
【離してしまえばそれが最期、彼女たちの縁が切れてしまいそうで】
【それをつなぎとめる為なら傷くらいは喜んで受けてやろう】

【逃げる彼女をしっかりと見つめる】
【逃がすつもりはない、泣いて謝ったってもう遅い】
【どんなに時間がかかろうと彼女とファラエナはきちんと出会わせる、心にそう決めて】
454 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/25(月) 02:08:59.22 ID:1jB1DwHIO
>>447

へぇー、それ鈍器なんだ。
だったらなおさら、投げるのはいただけないなー……
鈍器っていうのは、体重をかけて叩き潰す武器だよ?
棍棒を投げる人っていると思う?

【相手の弁解にぐいぐいと食い込んでいく。鍛冶屋として武器の使い方を間違えるのはいただけないようだ】

【そのほんの少し後、相手の髪の色が変わっていく】
【炎の色も変わった。戦法が変わった事は容易に想像できる】

【しかし、今は無防備だ。こんな絶好の隙、見逃す手はない】

――今だっ!

【グレイヴを短く持ち、走る】
【狙いは相手の腹部、短く持ったまま突き刺す】
【――と見せかけて、半ば投げるようにグレイヴを突き出す!】
【相手にとっては、武器が伸びたように見えるかもしれない。しかし、先程とは違って、横に避ければ回避は容易、両腕が無防備に伸びる】
455 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/25(月) 02:12:41.64 ID:qOwC3KOso
>>441

【一瞬の沈黙、空を切った攻撃に“次”を続けかけたところで】
【左手に飛び込む杖の、否、今はシャベルだろうか? 柄を握り締めて引きよせた】
【不意にわめき散らし始めた姿にはいささか気圧されつつも】
【呆れを表には出さず、寝転んだ手元に、そっと握りを差し出す】
【とはいえ再び先程のように不意打ちを食らっては敵わない、振り切った曲刀の切っ先を引きもどして相手に向けたままだ】

……ン、大会の医療班ッテ、すごい技術だから
傷跡の残らないうちに、手当てしてもらった方がいいヨ

【死霊術師の謝罪に応じなかったのは、おそらく自分がその範疇に入っていると考えていなかったからだろう】
【結局のところ、気持ちがどうあれ少女すら操っているように見える彼については】
【何を考えているのかからして、読めなかったというのが近いのだろう】



/すみません遅れました、次で締めさせていただきます
456 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/25(月) 02:25:03.58 ID:BrkCIDZ/o
>>455
ーーー情けをかけんなよ、惨めになんだろ

つけあがるぞ、私みたいなのに優しくしたら

【ナウファルの優しさ、差し出されたシャベルを見ても、動きはしない、倒れたまま空を見上げて突っぱねる言葉を吐いて】
【刺々しい言葉はその実、自らの心を保つ盾でもあるのかもしれない】
【ーーーすると、シャベルが黒い瘴気となって消えて行き】

…あーあ、やっぱり藁人形使えば良かった

【最後に呟いた言葉は嫌に不穏な言葉であって、実際に使われなくて良かったと言うべきか】
【降参だとわかれば、すぐに救護班が来て、死屍を担架に乗せて連れて行くーーー】
【実際、歩けない程の傷でもないのだが】

【ーーーいつの間にか死霊術師は消えていて、死屍だけが退場していく】
【この場に残った勝者は、ナウファル一人】

/先に失礼します、お疲れ様でした
457 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/02/25(月) 02:25:43.49 ID:zK4aSCcao
>>452

妖の友達…………?

【妖という言葉に、佳乃の武人の部分がピクリと反応するが】
【少女――――カログリアの表情を見て、少なくとも喫緊に人に害をなす類の者ではないと判断したのだろう。それ以上追求することはなかった】
【妖怪退治が仕事、とはいうが、妖怪ならなんでもかんでも退治して回る、といったわけでもないようだ】

【……それにしても――――】

守っている…………か。

【その前のカログリアの台詞が、意図せず佳乃の胸を抉った】
【自分も前はそうだった。自分の家と故郷、遙か昔より伝わる使命に誇りを持ち、村を守ってきた】
【――――それが、どうしてあんなことになってしまったのか。何をどうすれば、家族とあんな別れをせずに済んだのか】
【今更考えたところで何も変わらない、どうしようもない心の傷に指を這わせて、少しだけ顔を俯かせる】

ねぇ…………カログリア。
あなたはどうして、こんな貧しい暮らしをしながらここを守っているの?

【しばらく考えたあと、おそるおそる、彼女はそう訪ねた。触れてもいいところなのかどうか、確かめるように】

【さっきの行動が示すように――――佳乃の中には、他人は警戒すべきものであり、信じるべきでない、という無意識的な考えが根付いていて】
【それでも、頼りないようでいて他人の触れてほしくない場所はしっかり避けてくれる、そんなカログリアの態度に、少しは心を開いたのだろうか】
【少しでもカログリアの話を聞けたら、自分の話もカログリアにしよう。……と、そこにはそんな漠然とした決意があった】
458 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2013/02/25(月) 02:29:14.09 ID:bpDo/QZGo
>>451
【またも叫ぶ犬。声色は完全に男性の師匠だ。】
【だがリコリスはそれを意識の外に追いやっていた。彼女とて能力者。戦闘に集中するくらいなら出来る。】
【男性が何かを叫んだ。こうよう、だろうか。字面は窺い知ることが出来ないが。】
【男性の方を見ていたリコリスは、次の瞬間、心の底からぞっとするような視線を受けることになる。】

(――――うあ、あぁ……。)

【明確な『敵意』。】
【先程までの好青年な雰囲気は潜め、自らを敵としてしか認識していない男性が自らを倒さんと向かってくる。】
【リコリスとて女性。楽観主義者とはいえ、恐怖心というのは勿論人並みにある。】
【すくみ上がる足に危機感を強めつつも、しかし、足は地に根を下ろしたように動かない。】
【男性が右足を上げる。見ぬかれた――――。目的を達成できず所在無さげにしているビー玉も、リコリスは引き戻せずにいた。】
【腹の底に響くような轟音に感じる振動……。男性は右足を踏み込んでいた。】

(逃げなくては――。)

【脳が警告を続ける。だがしかし、体は言うことを聞いてくれない。】
【男性が目の前に。何かを叫んで、掲げていた右腕を引くのを認識。リコリスの体は動かない。】
【男性の左手がリコリスを射抜かんと向かってきた。手の形は見えないが……、どんな形であろうと只では済まないのだろう。】

(動いて、動いて動いて―――――動きなさいよッ!!)

【リコリスが自らの体に叱咤激励を続ける事数瞬、男性の左手が発射される一瞬前。】
【彼女は無傷で回避することを放棄。彼女が行ったこととは――――】

(リングアウトの可能性もありますけど……。当たるよりは……っ)

【リコリスは右方向に『吹っ飛んだ』のだ。操作しているビー玉諸共、である。】
【彼女は10mちょっと吹っ飛んだ後、リングギリギリで背中からリングに叩きつけられた。】

「かっ、はぁっ…………。……おぇっ。」

【リコリスの肺が強制的に排出された空気を求め、彼女は喘ぐことになる。】
【視界が歪むが男性から視線は外さない。余所見は即、敗北に繋がるからだろう。】
【彼女はビー玉を射出しようとするが……、こんな状況で撃った所でビー玉を浪費するだけだ、と止めた。】
【完全な受け身の体制。男性の攻撃は外れてはいるが、ダメージの入り具合は歴然としていた。】

【男性とリコリスの距離は15m程。男性は、どのようにこの距離を詰めてくるのだろうか。】
459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/25(月) 02:32:16.41 ID:HHh4OXBo0
>>453

【かつ、かつ、こつ、ごつ、鋭く高い足音が反響しては、山彦のように戻ってくる】
【やがて鉄柵へとたどり着いたなら、包帯だらけの指先が握り締めて――なぜか、そこで、止まる】

あの子もわたしも人間じゃない、ヒトなんかじゃない、それじゃだめなの
……だめなんでしょうね

【無防備に晒す背中、警戒なんて、きっともうなくって――窺うように覗くのは、血色の瞳だけ】
【口に出すのは屁理屈だけで構成されたよな言葉。この少女はともかくとして、あの幼子もヒトではないという】
【信じるかどうかなんて気にせずに吐き棄てるのは、或いは。彼の心中の決意を察してしまったからなのか】

何年も経ったものをどうするって言うの、呑まされたものをどうするって言うの、
それともこの身体をばらばらにしてしらみつぶしに探す? ばかげてる、そんなのお父さんが赦さない。わたしだって。

【血色だけでは足りないという風、振り返ると同時、吹いた風がざぁと黒髪を乱す】
【刹那に隠れた表情――それでも、声で分かる。彼女だって、当然のように、体内のそれらを嫌っている】
【出来ることならば。失くしてしまいたいと思う、どこかへ放り投げてしまいたいと思う、でも、もう、】
【諦めているし、それ以上に、どこか依存している部分も、確かにあって――】

――わたしの全部、お父さんの所有物(もの)なのよ
お前にも、あの子にも、少しだってあげやしない。……それとも、許可でも取ってみる?

【顔にかかる邪魔な髪。右手がざっとかきあげて整えたなら、甲を見せるように再び差し出すのだろう】
【不自然に露出させる、薬指の黒蛇の痣。それを見せるように示したなら、首を傾げて尋ねるのは】
【(あの子に会いたいと言っているとも取れて。彼女はまだ気づいていないようだけれど――まごうことなく、彼が彼女を、動かした)】

……探してごらん、だめだって言うから
そうしたら、わたしはもう、戻らないから。二度と探さないで、あの子に引き合わせようとなんてしないで。

【――右手の薬指に刻んだ黒蛇の痣。彼女の父親だって、まるで同じ場所に同じものがある】
【口には出さなくたって、それが目印だときっと分かるだろう。それ以外のことは口に出そうとすらしないけれど】

【引き戻した手。再び鉄柵を掴んだなら、振り向き様にひょいと跳び越える】
【柵の向こう側、ひどく狭いスペースに足を置いて――強風に、風が、スカートが、ばさりと膨らむ】

じゃあね

【――なんにもない虚空に足を踏み出すのは、自殺めいて、ひやりとさせるには十分すぎるほど】
【一秒、二秒、三秒――響かない足音は、何を意味するのだろう】
【不思議に思って見下ろしたって、彼女が居るわけでなければ、真っ赤に咲いた彼女が転がっているわけでもない】
【宙に身体を投げた後、ふわり零れた微かな魔力――なんてことない、転移の魔術がその答え】

/おつかれさまでしたー!
460 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/25(月) 02:37:51.96 ID:qOwC3KOso
>>456

俺は君の事情ヲ知らないから、戦うな、トは言えないけれどネ

【きっと相手から見てもこちらは異文化で、だからこそ意見が固く食い違うのだろう】
【青年の言葉は全くのお節介以上のものにはならず、ただ空回りするのみ】
【実を伴わぬ優しさや情けなど。そう、褒められたものでも無い】

……ワラニンギョー……?

【相手の姿が退場したのちに、曲刀を腰に提げた皮鞘へとしまう】
【去りゆく彼の頭の中には、とりとめのない疑問が一つ残されたという】

/お疲れさまでした
461 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/02/25(月) 02:40:06.37 ID:8UyXzPGE0
>>454

むむむむむっ、言ってくれるじゃない
―――さっきはああやって使うのがベストだったのよ!
弾かれても右手で拾えば良いし、避けられたら左手でキャッチ。命中したなら、怯んだ隙に小さいナイフで斬りかかるってゆー狙いがあったのよッ

「判ったぜアイリスゥ、お前の言い分は判ったからよォ……戦いに集中しやがれェ。簡単に挑発に乗ってんじゃねえぞォ……冷静になれェ。
あァ、それに挑発だとは限らんかァ。あのお嬢さンは鍛冶屋か武器屋かの職人だったりするのかねェ?
―――まあそんな事は良いィ。話してる間に来たぞォ、ケケケケケ」


【そんな緩いやり取りも、茜の突撃によって中断させられる】
【突き出されたグレイヴの一撃。急激に長さを増したかのような伸びのある突きを、アイリスは身をよじる事ですんでの所で回避する事に成功する】
【しかし、完璧にとはいかなかった。その脇腹には切り傷が刻まれる】
【だが、重要なのは茜が腕を伸ばしきっていると言う事だ】


くっ、トリッキーねッ
―――だけど、色々とがら空きよ!そのご自慢のグレイヴちゃんをへし折ってやるわッ!!


【そう叫び、全身のバネを使った渾身の一撃を―――茜にではなく、グレイヴ自体に真上から潰すような軌道で叩き込もうと試みる】
【ひん曲がる事はあっても、宣言通りに武器を折られる事はあるまい。だが、振り抜かれるククリナイフを受ければ、武器を握る手にも衝撃が与えられる事となる】

462 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [saga]:2013/02/25(月) 02:42:56.99 ID:aF7m2E3AO
>>448

【注がれるカクテルを視線の端で追いながら、メモを取る手が再び進む】
【人名をひたすら書き連ねるページに、また新たな一人の名前が増えていく】
【“チン”――グラス同士がぶつかる音を聞けば、咲奇はそっとメモ帳を閉じた】
【集中して会話を楽しむことに決めたのだろう、万年筆とメモ帳をポケットに収める】

はい、一度だけですけれど、風の国で。
興味深い色々なお話、聞かせてくれましたよ
それにしても大会に出ていらっしゃったんですねえ……

【ナウファルとの邂逅を思い出しながら、私も出れば良かったかなぁ、などと呟きつつ】
【注がれたカクテルにまた口を付けてグラスを傾け、意外と速く飲み干していく……】
【幼げな見た目に相反して、アルコールに強い性質なのだろうか?】

馬でドライブですか。 カッコいいなぁ、本当にカウボーイ……カウガール?みたい
忠告ありがとぉございます、……でも大丈夫です、見習いとはいえ魔術師、ですから!
私、負けん気だけは人一倍強いんですよぉ……

【いや、ちょっと口調がふわふわし始めている、やっぱり酒には弱いみたいだ】
【さらっと見習い魔術師を自称すればセリーナの素朴な疑問が耳に入って、首を傾げる】

それは、えっと――どうなんでしょう。
もちろん賞品や賞金を目当てとされる方はいると思います、けれど……
武闘大会って言うくらいだから、単純に戦いたい!って人もいるんじゃないかな

……それに、大会を通じて新たな“繋がり”だって出来ますからねっ
自信が持てたり、発見したり……まぁ色々と目的はあると思いますが……

何よりみんな“楽しい”んじゃないですか、……ね!

【明確な答えを出せない代わりに、咲奇は、つらつらと自身の想像や思いを語り】
【最終的には、「きっと楽しいのだろう」という結論に落ち着く】
【戦うことが楽しいことに結び付くとは。セリーナの思う通り、やはり咲奇は不思議な娘のようだ】

【――――と、ここでおもむろに立ち上がる咲奇】
【目の前のセリーナをしっかりと見据えて、】

……さて、お陰さまでだいぶ温まってきたので、そろそろお暇しようかな、と
セリーナ、今日はありがとうございました。とっても楽しかったですよ

【今一度、その花の綻ぶような笑みを向けることだろう】
463 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/25(月) 02:43:12.24 ID:Qm2J7YUh0
>>457

「はい、あなたと似たような――――佳乃と似たように無遠慮に色々言う人ですが、とても面白い方ですよ
見かけは私よりもずっと幼いのに、私よりもとても多くの事を知っているような、そんなお友達です」

【ペラリ。埃を被った聖書の一頁を捲る音が響くだろうか】
【いつの間にか視線は自身の大腿。其処に広げられた物へと移されていたが――――】
【その耳は、しっかりと佳乃へ向けられていて】
【ただ――――その返答を聞いて、何処か安心した様に思えるのも確か】
【今すぐにでも退治するから教えろ――――何て言われれば、きっと自分でも抵抗していたのかもしれないのだから】


「佳乃。確かに貧しいのかもしれませんが――――それでも、私にとってはとても楽しい事なのです
裕福だから幸せだとは限りませんし、何よりも私は強いられて行っている事でも無いのです
それに、ですね。人の訪れない場に救いが広げられていても良いではありませんか
誰の目で見られなくとも、褒められる事が無く、讃えられる事が無くとも誰か一人を救えるならば、私は其処へ行きます
――――例え異なる信仰をしている方でも、手を伸ばされるのならば掴んで離しませんよ」

【チラリと視界の隅に映るのは、先程までの性格から考えれば“らしくない”姿】
【ペラリ――――その指はまた一頁進めて】
【言葉を紡ぎ終えれば、「先程私を小馬鹿にしていた佳乃でも」なんて、クスリと笑って冗談めかして答えるのだろう】
【然れど――――その言葉は嘘では無いのだろう。悪人であっても、つい手を伸ばしてしまいそうな――――それが、この少女の甘さでもあって】
464 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/25(月) 02:50:37.50 ID:OlyXHz7Fo
>>458


(―――臆している、戦闘経験は浅いのかな、こうして見ると懐かしさすら感じるよ)


【頭の片隅でわずかに浮かんだ思考、それだけ考えると彼はこの攻撃に対してのリコリスの反応を見る】
【なんと、自らを吹っ飛ばして『桜花』の一撃を無理やり回避する事を選ぶとは……顔に似合わずクレイジーな事をする】
【若干感心しながらも動きは止めない、もうすでに動いていた】


―――逃がさないッ!!構えは今一度『紅葉』、急かずに……確実に詰める!


【再び腰を下ろし左手を腰のあたりまで引いた後彼は再びリコリスを追って走り始める】
【今度はそのフットワークを生かして、右、左、とジグザグの軌道を描く足さばきでリコリスまで距離を詰める事を試みた】
【狙いをうまく定められないように、かく乱する足さばきを使って近付くつもりなのだろう、相手のビー玉への警戒しての動きだ】
465 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/25(月) 02:51:18.92 ID:1V7Bb9juo
>>459

下らない事に拘るなホントこうして話が出来るんだから
人であるかそうでないかなんか大した問題じゃないだろうに、中身は変わらない……だろう?

【彼女が自分を人でないと言うならば……】
【そんな事など些細だと彼は返す、何かを想えるならそれだけで十分じゃないか……と】
【それが人の証明かは分からないけれど、人たらしめる要素であるのは間違いない】

後付の異質なんて引き剥がそうと思えばやれるさ
生まれてから今まで養った「自己」がそう簡単に塗り潰されてたまるか……だから大丈夫。

【方法は幾らか考えた上で彼は頷く】
【しっかりと力強く、それは不安を感じさせない】
【痛みが伴うにしてもそれは彼にとっても同じ事、払うべきは払う】


相手が誰だろうとやってみせるさ
どこにいようと見つけて逃げるなら追い詰めてやる。
だから安心して覚悟してろ、悪いようになんかしてやらない……絶対に

【黒蛇、瞳に刻んで覚える】
【モノ探しならば慣れているならば後は見つけてやるだけだ】
【吹きすさぶ風に負けじと身体を強ばらせるのはこれからの出来事への意思の現れか】

【鉄柵を乗り越える彼女に一瞬冷や汗が漏れ身を乗り出す、冗談ではないと眼を見張って
【しかしその瞳は安心しろとばかりに魔翌力の流れを彼に伝える】
【伸ばす掌、その先に彼女の姿は無く……どこかへ消えた】

――――――……大丈夫、やれるさ……その為にいるんだから。

【掌を胸の前で握りしめて1人呟くのは少し恐いからか】
【でももう戻るつもりはないから、きっとそれは決意になる】

【拳を解いて彼はその場を後にする、出会いを見ていたのは月と……】
【静かな夜に染み入る事なく……お話は次に進むだろう】

/お疲れ様でした!
466 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2013/02/25(月) 03:04:26.80 ID:bpDo/QZGo
>>464
【男性が近づいてくるのが見える。彼が遠距離での攻撃方法を持っていなかったのは救いか。】
【反撃しなくては接近を許してしまう。接近戦では身体能力の分、リコリスにとっては不利だ。】
【呼吸は落ち着いてきた。だがしかし、男性に対する恐怖心は拭えない。恐怖からか手の指先が震える。】

「こ……こっちに、来ないでぇ――――ッ!!」

【リコリスの余裕のない叫び。ビー玉を乱れ撃つ。】
【キラキラと日差しを反射しながらそれは音速を超えて射出されるが、男性の思惑通り、一つとして男性を射抜けるものは無かった。】
【男性が目の前に来たのを感じる。】
【また能力で逃げようか。そんなことも思ったが、リングアウトの危険性が強いし、何より体のほうが保つか怪しかった。】
【尻餅をついたままリコリスは、焦点の合わない目で男性を見つめることしか出来なかった。】
467 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/02/25(月) 03:07:53.31 ID:zK4aSCcao
>>463

【カログリアの告白――――】
【何か止むに止まれぬ特別な理由があって、この教会の維持を続けているのかと、そう彼女は思っていたが】
【なんてことはない、それはカログリア自身の信念に依るものだ――――と、そのことを知って、佳乃は、】

…………あなた、薄々思ってはいたけどとんでもないお人好しね。
それでこの荒廃っぷりじゃなければ、もう少し説得力があったでしょうけど。

【……すべてをぶち壊しにするような、人を小馬鹿にした上から目線の態度で、カログリアにそう言うだろう】
【相手の意見を真っ向から切り捨てる、身も蓋もない慇懃無礼な態度――――言われる方はたまったものではないが、あるいはそれが「彼女らしい」と言えるのかもしれなかった】
【そして――――佳乃は、壊れたステンドグラスを漠然と見上げたまま、声を中空に投げ出すようにして話し出す】

私の故郷の村は…………櫻の国の奥の方にある、辰羽山っていう山の中にあるんだけど。
白座村って名前の、すごく綺麗なところよ。田舎だったけど活気があって、自然に囲まれてて…………。
私の家はそこの村長の家柄だったから、村の中央にある大きな神社に住んでたわ。
そこは探検しきれないぐらい広くて大きくて、いつも暖かい臭いがしてた。……ここと違ってね。

【いちいちカログリアに当てつけるような言い方をしているが……きっと、それは彼女なりの照れ隠しなのだろう】
【そうしてしばらく、愚にも付かない故郷自慢が続き――――最後に家族の話題になったところで、その口が唐突に止まった】
【伏せられた黒い瞳には、擦り切れたような荒んだ感情が浮かんでいる】
468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/25(月) 03:11:47.92 ID:1jB1DwHIO
>>461

くっ、掠っただけか!

【一撃で仕留めるつもりで思いっきり突いたが、それは見事に躱され】

え、へし折れ――?

【無防備に伸びたグレイヴに、重いククリナイフの一撃が入る】
【甲高い金属の悲鳴、衝撃は持ち手にも伝わり】

――〜〜〜〜っっ……!!

【宣言通りとはいかなかったが、グレイヴは曲がってしまい】
【右腕がしびれ、力が入らなくなる。グレイヴを落としそうになったが、なんとか左手で持ち堪える】

【利き腕を封じられれば、武器は持てなくなる。しかも武器も破壊されている】
【勝負あったか――――】

――まだまだ、だよ!

【――――否だ!】

【少女がにっこりと不敵な笑みを浮かべる。「計画通り」とでも言いたげに】
【グレイヴの形が崩れていく。試合直後のあの時のように】
【金属が流れ、形を作り――】

【右腕に、盾がついたガントレットが現れる。盾からは、腕に沿って刃が伸びる――――ラテルン・シールドという武器だ】
【手に持っていないから、握力は関係ない。腕力で振るうことができる】

そぉれっ、食らいなっ!!

【相手の腹部を、真横に引き裂く――!!】
469 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/25(月) 03:12:57.28 ID:e9EBSmR5o
>>462

――風の国で、か。ナウファル君もこの辺に住んでるのかなあ。
見た感じは旅の青年!って印象だったけど、それも来た時に聞いておかないとね。
でもすごいよね、大会にも出てるし、一回戦勝ち抜いてるし――お!?

【そこで、土気色のベストのポケットに入っていた"何か"が振動する】
【慌ててグラスを起き、服の中に手を突っ込み――取り出したのは"携帯端末"】
【恐らくは通信用の機械か何かだろう、"コイン"の柄が描かれたその装置の画面を覗き込むセリーナ】

――スゴイ!件のナウファル君、どうやら二戦目も勝ったみたいだよ!いやあ、こりゃ強豪揃いなのは間違いないね!
もしかしたら当たるかもしれないし――戦闘方法を予習しておこうかなぁ。

【――どうやら、端末には適時、大会での速報が入ってくるよう設定が成されているようだ。】
【たどたどしい手つきで機械を弄繰り回しつつ、グラスを煽り一気に空にするセリーナ。】
【ふと見てみれば、咲奇のグラスもまた、かなり速い速度で消えていく――セリーナはそれをみて、「おお!」と感嘆した。】
【お酒が飲める相手は好きなのだ。】

いいねぇ、い〜い飲みっぷりだよ咲奇!可愛い顔して結構強いんだ♪
アタシは好きだよ、そういう娘!
――と、負けん気が強いのは良いけど、魔術師さんなんだ、咲奇?
知り合いに何人か魔法使いがいるけど、そっかぁ〜咲奇もなんだ。
でも――見習いさん、か。ふふ、じゃあ今度魔法見せて欲しいな、なんて。

【少し顔が赤くなり、口調がふわっ、としてきた咲奇――見ているうちに自然と、セリーナは彼女の眼をじーっと見つめる。】
【負けん気が強かったり、お酒が飲めたり、魔術師だったり――なんとも、やはり不思議な雰囲気の子である。】
【掴み所のない様子はなんだか、花の香りにも良く似ていて。】
【――可愛いなぁ、なんて言葉が口から漏れた。】

【しかしその後の質問に対して返ってきた答えは、そんな「花」を思わせる彼女の雰囲気とはまた違った】
【魔術師としての風格を、静かに漂わせるようなものであって――。】

――単純に、戦いたい、か。
そうだね、咲奇の言う通り――みんな、戦う事で繋がりたい、って思ってるのかもね。
(思えば、アタシのこの組織だって――そういう感じ、なのかも。)

・・・ふふ。けど最終的には"楽しい"か。やっぱりそうなんだろーね!
戦いたくてウズウズしてる人、きっと一杯いるんだろうなあ。まあ、それが悪いほうに傾くと――色々面倒なんだけど。
こんな世界じゃ、自分だけが頼りだし――その力でどこまで行けるのか、自分を試す事は
とってもスリルが合って、楽しいんだろうね。

【――相槌を打ちながら、立ち上がる咲奇を見ると、セリーナは自分もカウンターから出て】
【扉のほうへと先を見送っていく】

温まったなら良かった!また寒くなったらいつでもおいでよ、咲奇。
散歩の途中に寄ってくれても全然、構わないからさ!そしたらその時は、もっと強いアルコールのを出すよ。ふふ!
アタシも楽しかったよ!それじゃ、ありがとね!――遅いから気をつけるんだよ?

【そういいながら、一礼し、扉を開け――彼女が見えなくなるまで、その背を見守った。】

【――後に店に戻り、彼女は大会参加要項を、再び覗き込む。】

(基地に泊めても良かったんだけど――んん、"散歩"の途中だったみたいだし。)
(また着てくれたら、その時話してみようかな。それにしても――"戦うのが楽しいから"、か。)

――景品目当てで参加してるのって、案外少数派なのかな。
お金、も、そうだし―――――

【ふと、その眼に留まるのは"記憶の欠片"――失った記憶を取り戻すための、"アイテム"】
【今までなら目が行くのは賞金のみ、だったのだが――――】

――・・・記憶、ね。
【ふと、セリーナは呟き。花のなくなった店内で、また一人酒を煽った――。】

/遅くまですみません、ありがとうございましたー!
470 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/25(月) 03:16:33.61 ID:GfGxDHRxo
>>442

                      ―――……言葉にする必要も無かったか
                   お互い剣の道に生きる者―――……語るなら、刃か

【剣戟の響きから、熱き思念を感じ取る。―――其れこそが今の二人に最も相応しい対話方法であり】
【―――もう此れ以上の言葉は無粋だと言うことだ。 いや、言葉なんぞ無くとも伝わってくるではないか】
【刃から、瞳から、その雰囲気から。―――お互いの感情を理解することは、其処まで難しくないのかも知れないと思わせる程だった】

                              ―――-ッッ……!!
               (直撃とはならぬが十分ッ……!! 一気に畳み掛けるか……? )

【―――繰り出した切り上げ「飛燕」に対し彼女は1歩退くも、逃がすことはない。研がれた牙が彼女の肉を裂くも―――】
【彼女は虎視眈々と機会を狙っているに違いない、と。覇気からか、本人の勘からかは解らないが、ゾクリとするものが一瞬頭に過ぎって】

                      ―――……成程、肉を切らせて骨を断つか
                        ミリアの時もそうだったなッッ……!!

【―――彼女の取った策は、「最善手」と言って間違い無かっただろう。極端な前傾姿勢から切り返して受け止めたとしても、体制的に不利を被るのは此方】
【無理な体制で受けて身体を痛めた挙句、更に追撃が降ってくる可能性が高い。しかし唯刃流の身体操作ならば、防ぐこともギリギリ間に合う】

【身体を斬られる、そして決定打に成り得る一撃。その一撃を防げそうというのに防がないのは、瑛月の「最善手」とは言い難い。リスクの大きさが、違いすぎるから】
【―――恐らく最善手は、流れを悪くしても「守り」に徹すること。少しでも其処で負けるリスクを減らすこと。だが彼は彼女とは在り方が違う】

            【取るのは、「最善」を無視した、賭けに近い行動。―――熱き魂が、「理」を拒んだ瞬間だった】

                   ―――――――――――うぉぉおおおおっっッッッッ!!!!! 

【今あるは極端な前傾姿勢。思い切り踏み出した左足、限界まで前に伸ばした左腕一本に、左肩甲骨。 彼女の狙いはその左肩―――確かに、最善の一手】
【加速を得た神速の振り下ろしに対し、此方は取るは回避―――唯刃流の基本にして真髄、最大効率身体操作をしての】

【―――意識するは、勿論最短工程。 膝の抜き、重心移動、呼吸法―――より速く、無駄のない動きへと向かって】
【短く鋭い呼吸と共に、全身の筋肉が躍動する。しかしその筋肉すらも、その身体操作にすれば脇役。主役は、唯刃流が積み重ねた技術】
【そして彼の成すこの回避行動の詳細に、この一瞬に一刀正伝唯刃流の全歴史が凝縮されていた】

/長過ぎますが続きます……
471 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/25(月) 03:17:36.81 ID:GfGxDHRxo
>>442 (>>470の続き)

【今の体勢から考えられる行動。―――まずは左半身を下げる? いや違う。瑛月はまず、「右半身を前に出そうとした」】
【そしてその動きに流れるように、身体が反時計回りに回転する形で動く。その中で左足を下げると、自然に左半身は後ろに下がる】
【同時に左肩甲骨を引き、腕も自然と後ろに引かれる。此れでも、本人が瞬時に判断して直撃を躱せる確率は5分。やはり「最善」とは言い難い】

                             クッ……―――-痛ゥッッッ………!!!!

                              【―――茜色の鮮血が、飛散する】
【其れが骨まで達した感触はない。―――-直撃では、無い。 確かに手痛い。此れ程だと、恐らく強い斬撃を受け止められるかが怪しい】
【然しながら、賭けには勝った―――「最善手」を超える結果を見出したと言う実感が、息を吐くことも許されぬこの激戦の中で芽生えた感情だった】
【鮮血が石畳にべちょりと触れると同時に、男は後ろに滑る。―――彼女と違い、両足は健在。もう一度仕切り直すつもりで、距離を開けた】

【しかし、彼女と違い此方は片腕は手負い。距離を開けた時に奔った痺れで、一瞬刀を落としそうになるくらいだ。男は刀を右に持ち替えて―――】

                 ―――ック、フフフ……流石だな。 我が好敵手に相応しいぞ、八攫ッ……!!
        ………覚えているか? 「裏」は、逆抜だけではないと言ったのを……―――-次に見せるは、唯刃流の技ではない

                              ―――-これは、俺だけの牙―――

【―――またも、棒立ち。否、脱力の構えと表現しよう。膝はやや曲がり、肩幅に広げられて―――今度は抜き身の「御代櫻」を右手に握り、だらりと両手を下げる】
【……彼だけの「秘剣」。唯刃流の名は、この技には一切関わることはない。 そして誰にも伝承する気も一切無く。―――其れは一代で終焉を告げる、幻の剣】
472 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/25(月) 03:20:00.26 ID:OlyXHz7Fo
>>466


『ふむ、剛の字優勢か……あの小娘剛の字に飲まれておるじゃあないか
相性の面もあって近距離戦を挑んでくる相手を苦手としているのもなんとなくわかるが……さて』

―――ォォォオオオオオオオッ!!!


【冷静にこの局面を図るセコンドのムク、ぽつりと呟きながら距離を詰めていく両者を見つめる】
【一方の剛太郎は冷静かつ的確に、相手が放ってくる呼吸に合わせ動く事でビー玉が逸れていくことに気が付く】
【一秒ごとに尻餅をついているリコリスとの距離がどんどん詰められていく、そしてビー玉の攻撃が御留守になっているのを見てもなお】

【剛太郎はまだ止まるつもりはない、降参にせよ、リングアウトにせよ、KOにせよ、勝負が決まるまでは止まる理由はない】
【間合いが5mまで縮まった瞬間に、がくん、と前傾姿勢の剛太郎が姿勢をさらに低くし、尻餅を突いているリコリスに狙いを定め】


くらえッ!!葉隠流  『山茶花』ッ!!


【下から上へアッパーの軌道を描くように、右足を振るい、リコリスの胸元に狙いを定め】
【スナップの聞いた下段蹴りを弾けるように容赦なく放つ―――!!】
473 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/25(月) 03:25:05.47 ID:Qm2J7YUh0
>>467
「い、一々五月蠅いですね佳乃は
住めば都という言葉もあるらしいでは無いですか。それを身を以て体験しているのですよ
――――それに、お人好しと呼ばれるのにも慣れました。救うならば救った人に殺される覚悟で、です」

【荒廃と言われれば、むっとしたように顔を顰めて】
【最後の言葉は、きっと自身の信条とでも表せるのだろうか】
【救った人に殺される、だなんてとんでもない状況だが――――それを良し、とする様は何処か抜けているのか】


「それで――――何故、そんな暖かな香りのする場所から、こんな冷たい場所へと訪れる様な事になったのでしょう
無理には聞きませんし、話したいことで無ければ口を噤んでいても構いません
もし――――その話の内に“先程の避け様”が原因の事が述べられるならば、そしてそれを述べて再び傷口が開かれるならば……口を閉じるのが佳乃自身の為です
何よりも――――“会ったばかりの”私に聞かせて良い事なのかも、分かりかねる事です」

【自慢話の間、適当な相づちと共にじとー……とした視線が送られていたのかも知れないが――――】
【不意に、閉ざされた唇。さて、思い出すだけで荒む様であるならば……】
【きっと、その言葉は佳乃自身の為に掛けられたのだろう】
【見ず知らずの自分に聞かせても良い話なのか――――と】
474 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [saga]:2013/02/25(月) 03:34:10.16 ID:aF7m2E3AO
>>469

【取り出された“携帯端末”。そこに描かれた“コイン”の柄に目を遣りながら】
【試合の速報を聞いて、おぉ、と溜息まじりに小さく歓声を上げる】
【知り合いの勝利なのだ、もちろん喜ばずにはいられない――】

【律儀に見送ってくれるセリーナに対して、咲奇も深く一礼を返す】
【ほろ酔い機嫌で頬を薄らと赤らめながら、終始笑顔を絶やさぬまま】


…………それじゃあ、“また”ね。


【別れの言葉は、ごくシンプルに。再会を願う、たった一言を告げたなら】
【扉を抜けて歩き去り、やがてその姿は店から離れた場所の路地裏に消える。】


/夜遅くまでありがとうございました、お疲れ様でしたー!!
475 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/25(月) 03:48:21.50 ID:8UyXzPGE0
>>468

(よし……このまま押し切る―――って―――と、溶けた!?)

(―――ああ、そういえば最初に、似たような事をしてたわね)


【勝負が決まったかと思ったその瞬間、予想外の出来事を目にして硬直するアイリス】
【しかし、数瞬後には平静を取り戻す】

【だが―――その隙が致命的だった】
【瞬時に構築された茜の新たな武器、ラテルン・シールド。それの一撃は、アイリスの腹部に深く食い込んだ】


―――ああッ、ああああぁぁぁッッッ!!?


【どう見ても致命傷。そんな傷を受けながらも、その場に倒れる事は彼女のプライドが許さなかった】
【無理やり大幅に後ずさり、痛みに堪えながら口の端を吊り上げて茜を見据え、アイリスは最後の攻勢に出た】


―――ずいぶん面白いことをしてくれたじゃない……武器を自由自在に生み出すその能力、確かに強力ッ!

―――でも、お生憎様!アタシの武器だってこのククリナイフだけじゃ無いのよねッ!―――世界を旅して収集した様々な能力……その一端を目に焼き付けるが良いわッ!!

さあ、行くわよエニグマ―――〈 くすぶる混沌 〉!!

「まかせろアイリスゥ、準備は万端だぜェ!最後に華を咲かせて散るとするかァ!」


【彼女の叫びに呼応するように、エニグマの炎の色がダークイエローへと変化。アイリスの髪と瞳も、同じ色に染まる】
【とはいえ、今度は色が変わるだけではない。エニグマから、沈んだ黄色の煙が大量に吐き出され始めた】
【その怪しげな煙は、アイリスの周囲をぐるぐる旋回しながら濃さを増してゆく。それも尋常でないペースで、である】
【そして数秒後、エニグマによる煙の放出が収まる―――その頃には、アイリスを取り囲む煙は相当な量となっていた。一応、茜からアイリスを視認する事は可能だろう。表情は伺えないだろうが】


―――蝕めッ、喰らい尽くせえッ!!


【アイリスの絶叫が響き渡る。彼女が手を振り上げると、彼女を取り巻いていた暗い黄色の不気味な煙が勢い良く放出される】
【地面から1mほど上を扇形に広がりながら突き進み、最終的にはアイリスの正面90度あたりの範囲をを覆い尽くすことになるだろうこの煙】
【その効果は、「劣化」―――人体には影響を及ぼさないが、あらゆる無機物を大幅に劣化させるのだ】
【少なくとも、闘技場のアスファルトはボロボロになるだろう。特別な加護が施されて無いならば、茜の武器も蝕まれる事となる。ついでに、衣類も】
【もちろん、それは煙に長時間触れた場合の話である。ちょっと当たる程度なら、劣化は最小限に抑えられる。その場合は、せいぜい「うわ、この剣なまくらじゃん……」と言いたくなる程度の劣化具合になるか】
【―――つまり、最短距離で煙を突っ切り、アイリスに攻撃を加えればOKなのである。茜がここから敗北する事はほぼ無いだろう】
【―――そもそも、茜が辿り着く頃には、アイリスは既に大の字に倒れているだろうから】

【アイリスとエニグマの、最後の足掻きが放たれた―――】

476 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2013/02/25(月) 03:51:36.56 ID:bpDo/QZGo
>>472
(やだ。怖い、恐い……っ!!)

【頭を抱えて塞ぎ込まなかっただけでも褒めてやるべきだろう。リコリスは完全に恐怖に飲まれていた。】
【目の前なら当たるんじゃないか、とビー玉を当てようと試みるが――――。】
【リコリスは、この時になってやっと、手持ちのビー玉が尽きていることを知った。】

【万事休すだ。】
【リコリスに出来る事などもう何もない。肉弾戦を行った時の結果など、火を見るよりも明らかだ。】

【男性が咆哮と共に沈む。また目があってしまった。】

(あぁ、うあ、あぁぁあぁぁぁぁぁぁあ……!)

【パニックに陥った彼女は、あろうことか『真後ろ』に自らの体を飛ばした。】
【リングが無いのに、である。それだけ男性が怖かったのだろう。】
【だがしかし、平常心でないリコリスに能力はしっかりと扱えず、男性の右足は、リコリスのダイナマイトな胸部にめり込んだ。】
【戦闘する人間にとってはただの脂肪の塊でしか無いそれは、今回に限っては戦闘に役立った。】
【ただ単純にエアバッグの役割を担ってくれたのだ。衝撃は幾分か和らいだろう。】

【空中で回る視界に酔いながら、リコリスは最後に一矢報えないかと考える。】
【男性から離れたことと、敗北を確信したことによって、心情的な重荷から開放され、彼女は多少冷静になっていた。】

(全力でやったとはいえ、相手に攻撃されっぱ内では、ある意味相手に失礼ですわよね……)

【自らを浮かすことは出来るが、そんな細かい作業は今の心理状態じゃ厳しい。】
【大雑把でもよくて、尚且つ相手に出来る攻撃――――。】

【リコリスは無意識に、ある物を動かしていた】

【リコリスの体が、無情にもリングの外に落ちたその時。】
【男性は感じるだろう。空気の流れを、そして、次の瞬間には、風の国の突風にも負けないくらいの風を。】
【彼女は『空気』を、念動力で動かすことに成功したのだ。】

【かと言って、勝敗は明らかだった。突風を男性が受けたのか、それとも察知して避けたのか。】
【男性が万が一にも突風を受けて、体制を立て直せずリングアウトしたかもしれないが、それでも尚、間違いなくリコリスの体は男性よりも先にリングの外に落ちただろう。】
【剛田剛太郎vsリコリス・S・ハルバーシュタット。対決は、リコリスのリングアウトという形で、決着したのだった。】

/こんな感じで締めでよろしいでしょうか〜?
477 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/02/25(月) 03:56:31.43 ID:zK4aSCcao
>>473
【確かにこの先は、自身の過去に深く踏み入る話。出会ったばかりの人間に話すことではない】
【何より、殆ど身内の恥をさらすような話でもある。彼女とてすべてを詳らかにする気はないが…………それでも】
【カログリアは、佳乃にとってただ初対面の人間というわけではなかった。ドジなところはあるが、それでも"修道女"だと、ここまでの会話で佳乃はそう認めていた】
【故に、この独白は――――他人に話して一方的に気持ちに整理をつけるだけの勝手なものだが、それは確かに迷える子羊が修道女に送る、懺悔だった】

…………、そんな大仰な話じゃないわ。
家族と喧嘩して家出してきたというだけの…………ありがちな話よ。

妖怪に取り憑かれた子を"処分"しようとした家族から、私はその子を守って逃げた。
実は家族は元々私のことをよく思ってなくて、村を出る私を追おうともしなかった。
…………たった、それだけ。

【要点だけをかいつまんだ、抽象的な話――――それだけ話し終えると、佳乃は口を噤んだ】
【家族に裏切られて、人間不信になって、何もかも捨てて逃げ出した。たったそれだけの、ありがちな話】
【心の傷を少しだけ晒し、その形を確認して、何の手当をするでもなく元に戻す、それだけの作業を終えて】
【佳乃はそのまま、すっと目を伏せて……しばらくすると、元の上から目線な調子に戻る】

全く、馬鹿な連中よ。
守ってる神様自身が「妖怪すべてが悪ではない」って言ってるのに、聞きもしないんだから…………。

【その調子は、あながち無理をしている、というわけでもなさそうだ】
【思いを吐き出したら、少しは胸が透いたのだろうか――――悪巧みをするような悪戯めいた顔で、愚痴るようにそう言い放つ】
【神の声を聴く――――というのは、修道女からすると特異な話かもしれないが】
478 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/25(月) 04:10:08.00 ID:OlyXHz7Fo
>>476


―――――――――ッ!!!


【激突と同時、リコリスの方向から放たれる猛烈な突風、ビー玉限定ではない、テレキネシスそのものが彼女の能力か】
【至近距離で放たれる空気の爆発によって剛太郎も後ろ方向に弾かれ、地面に勢いよく叩きつけられた】
【運が良かったとすれば、リコリスの方向から放たれた攻撃でなんとか反対側のリング外まで飛ばされず、リングの中央で叩きつけられた事か】
【最後の最後に一矢報いる一撃、それでもムクはこくり、と満足気味に頷いて決着を見る】


『―――うむ、終始落ち着いた試合の運び方見事じゃったのう剛の字……どんな相手にも手を抜かなかったのは褒めてやる』


【そう呟いてしばらくすると、リング外に落ちたリコリスに向けて、差し伸べられる手がリコリスにも見えるだろう】
【手の主は――対戦相手、剛太郎だ。だが彼はつい先ほどまでの一振りの刀のごとき気迫はすでに消えている】
【日ごろの温厚でやや天然気味な柔らかい雰囲気の青年に戻っている剛太郎は、にっこりと暖かい笑みを向けながら手を差し伸べる】


お疲れ様、――駄目だよ?戦いの最中に冷静さを失ったら……
もしかして実戦に出たのはこれが初めてかな?でもやっぱ戦い慣れしてないと怖いよね
俺も昔このスタジアムで敗色濃厚な戦いを強いられた時、冷静さを結構失っちゃってさ

けど、今日の俺は昔の俺よりもきちんと戦えたな!……それじゃあ次は君の番だ、背筋伸ばしてがんばれよ


【やや無邪気な喜びの表情も浮かべつつも、どこか暖かく気高さを感じさせる優しき青年】
【最後の足掻きはなかなか堪えたよ、なんて言いながらリコリスを再びリングに引き上げ、固い握手を交わそうと言うのだろう】
【剛田 剛太郎、普段はなかなかフェアプレーを重んじる好青年であるようだ―――】

【剛田剛太郎―――第一試合、勝ち残り】

【←To Be Continued...】

/そうですね、お疲れ様でしたー!
/遅くまでご苦労様です、バイトの方もがんばってください、私もがんばりますので
479 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/25(月) 04:16:58.72 ID:1jB1DwHIO
>>475

【一撃が入った、深々と肉を切り裂いた感覚がガントレット越しに伝わって来た】

【しかし、彼女は倒れない。腹を切り裂かれたのに、まだ立ちつくす】

――まだ、立つの……?

【そろそろこちらも体力の限界だ、息が上がっている】

【しかし、それは向こうも同じこと。あと一撃食らわせれば、多分勝てる】

【そう思った時だ、黄色い不気味な煙が辺りを覆ったのは】

……何、これ?
きゃっ、やだ、何これ!

【煙を吸っても、特に気分が悪くなったりはしない。だがふと服を見てみると、かさかさと服がボロボロになっていくではないか】
【足元の石畳もボロボロに風化していく。もちろん今持っている武器も例外ではなく、所々にヒビが入って行く】

――最後まで諦めない、か。
ありがとう、楽しかったよ。

最後の一発、

【黄色い煙を掻き分け、奥の少女の元に走る】
【そのまま立ち止まる事なく、】

くらえっ――――!

【劣化した刃で、少女の頭を叩く。「斬る」ではない、刃の腹の部分で「叩い」た】
【当たれば、おそらく刃の方が砕けるだろう。ダメージも、ほとんど無いに等しい】

【それでも、最後の駄目押しには十分か】
480 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/25(月) 04:20:12.97 ID:Qm2J7YUh0
>>477
【視線こそは向けられて居なくとも――――そして、相づちが打たれずとも】
【その言葉を一つ一つ聞き逃すことの無いよう、耳に通している事が分かるだろうか――――】
【終われば、少しの沈黙が支配して】
【やがては、その口が静かに開かれることだろう】


「私には、妖怪といった事がよく分かりませんが――――佳乃、あなたの行った事が間違いで無いこと位ならば分かります
処分。だなんて可笑しな話です。人間だって、その妖怪だって生きているでしょうに

――――事情も深く知らない私がとやかく言うのは、きっと間違いなのでしょう
その子の事だって分からず、妖怪の事も知らないのですから
ですが……家族に反してでも行う佳乃は、決して間違っていなかったと思いますよ」

【――――同情の声でも無く、諭す声でも無く】
【その独白を聞いての、己の考え】
【自分の考え。命を尊んだ事を貫いたのは褒められるべきでは無いだろうか、と】
【その語らいと同時に、脳裏ではまた別の事が考えられていて】
【それならば――――先程の様な反応も、無理は無いか】


「ええ、本当に――――――
ですが、失礼かもしれませんが――――少しだけ、佳乃を羨ましく思うのも確かですね
神がそんな身近に居る存在は勿論の事ですが……」

【例え其れであっても家族が居るのだから――――そんな呟きは、口から漏れることが無く】
【家族に不信感を抱いている者を相手に、きっとこの言葉は不親切だろう】
【だから、笑って誤魔化すように小さく笑えば、一度咳払いをして】


「――――妖怪全てが悪では無い。ですか……
確かに私のお友達だって悪い人には見えませんし……何よりも、神自身が言っている事を否定してしまうような真似をするのは愚かというものです」

【信仰対象が語る言葉を意識しないのは、愚かなことだと。その口で述べて】
481 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/02/25(月) 04:23:20.86 ID:8UyXzPGE0
>>479

【剣の腹による、少女の一撃。それは、すでに虫の息だったアイリスを倒すには十分すぎるほどだった】
【どさっ、と背中から倒れこみ―――アイリスは悔しそうに口を開く】


……ぐっ……負け、た……負けたわ……完膚なきまでに……ッ!

「二回戦で敗退、かよォ。不本意だぜェ、ケケケ」

……だけど……良い物を、見せて、くれたから、まあ、いっか……―――茜さん、アンタのその能力……「収集」させて貰ったわよ……?
……これで、また、一つ―――ガハッ!!

「ケケケケケ、無理すんなァ。傷に響くぜェ?」

……分かって、る……これで最後よ。

―――茜さん。アタシに……勝ったん、だったら…………………………――――――――――――これからの試合、負けるなんて許さないんだから……ッ!


【息も絶え絶えにそう言うと、目を閉じるアイリス。しばらくすれば、医療班に回収されるだろう】
【その横では、どこか精彩を欠いた様子のエニグマが浮かんでいる。無機物も一丁前に落ち込んだりするものなのだろうか】
【アイリスが運ばれれば、エニグマもそれに付いて行くだろう】


【―――ともかく、である】
【第二回戦は、叢雲茜の勝利で幕を閉じた訳だ―――この結果を存分に喜び、噛み締めるが良いだろう!】

【叢雲 茜 VS アイリス・E・レジストル】【勝者―――叢雲 茜】

/遅くまで付き合っていただき、申し訳ないやら有難いやら……
/とにかく、ありがとうございました&お疲れ様でした!!
/酒場にコメント投下しておきますー
482 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/25(月) 04:37:10.21 ID:1jB1DwHIO
>>481

【少女が倒れた、武器は砕けたが、相手はもう起き上がらない】

――勝った……?

【相手の少女の敗北宣言、そして目を閉じる】
【流石にこの状況で追い打ちをかけようとは思わない。かけられないの方が近いか】

――うん。勝つ。
勝って、優勝する。

ありがとう。

【運ばれていく彼女に、掠れた声で頭を下げ】
【糸が切れたように、その場に崩れ落ちるだろう】

【二回戦 第四試合】
【勝者:叢雲 茜】

/遅くまでありがとうございました、お疲れ様でした!
483 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/02/25(月) 04:51:35.93 ID:zK4aSCcao
>>480

【全てを話し終えて――――カログリアの言葉を、ただ静かに体の中へ沈めていく】
【そうして自分の過去を初めて他人に晒したところで、今更気恥ずかしくなったのだろうか】
【カログリアから不自然に目を背けると、そのまま愚痴を重ねる】

…………まあ、その神様の言葉を聞けるのが私だけだったから、仕方ないと言えば仕方ないけれど。
ほんと、頭の固い連中よ。

【そんな類い希な力を持っていたからこそ、彼女は疎まれたのかもしれなかったが――――それももう終わった話で】
【カログリアが何かしら言葉を飲み込んだのを見て、彼女なりに何か察したのかもしれない】
【黒髪を翻して、もう一度カログリアへ向き直った。胸を強調するように腕を組んでいるのはご愛敬だが】

「佳乃には家族や友人が沢山いて羨ましい」、って…………昔、その神様が言っていたわ。
子供の頃は神様のくせにと思ったけど、神ゆえの孤独、ということなんでしょう。
私も…………『反射的に』人を拒絶するようになってからは、少しはわかるようになったもの。

…………まあ、あなたほどのお人好しなら、これからイヤでもいろんな人がたかりに来るでしょうから、そんな悩みとも無縁でしょうけどね。

【………一言どころか二言以上多くて、やはり非常にわかりずらいが】
【おそらくは、あなたは一人ではないとか、これから友達が沢山できるよとか、そういう意味のことを言っているのだろう、多分】
【相変わらず他人を見下すような目をしたその表情は、少しだけ口元が緩んでいるように見えなくもない】
【そして――――彼女も気づかぬ内に、カログリアと置いていた距離が、少しだけ縮んでいた】

さて……じゃあ、私はそろそろ帰るするわ。
今日のこと、少しは感謝しているから…………次に来たときは、胸が大きくなる方法でも教えてあげましょうか?

【やがて。瞳の中に優越感と意地の悪い色を浮かべてそう言い放つと、佳乃は立ち上がるだろう】
484 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/25(月) 05:20:50.33 ID:Qm2J7YUh0
>>483
「出る杭が打たれる世の中ですか――――自ら損失を生み出すなんて、変な世の中
なのですね
それでも佳乃は佳乃として一つも二つも出た杭として存在するのでしょうし――――そうなっていて欲しいものです」

【恐らくは杞憂――――こんな事を言わずとも、佳乃は強く生きれるのだろう】
【ただ、少しでもその心の中に残るならば……と】


「何れ佳乃も、また沢山の方々に囲まれる日々が来るのでしょう
――――その時も拒絶し続けていたら、きっと今以上に武術の達人になってしまうのでしょうね

そう……ならば良いのですが……
いえ、そうですよね。少なくとも、佳乃よりは良い性格のつもりです
佳乃何かよりもずっとずっと沢山お友達を作って見せますから」

【憎まれ口を返す様な、冗談でも言うかの様な言葉】
【もしも、また同じ様な日々が訪れてもその反射が無くならなければ――――だなんて、“もし”の話】
【自分へと言葉を向けられれば澄ました表情で言い退けるが……】


「ええ、お気を付けて。気が向いたら何時でも訪れて下さい
閉まっている。なんて事は――――べ、別に良いですよ胸は!何時か勝手に大きくなります!ほっといて下さいッ!」

【凛とした表情を崩す事無く見送ろうとすれば――――】
【気にしている胸の話。じわりと涙を浮かべてキッ――――と睨み付ければ、ギャンギャンと吠えるのだろう】
【佳乃が其れをどの様に受け取るのかは分からないが、しっかりとその背は見送って――――】



「家族――――ですか。元より母の温もりも父の優しさも知ら無い私は……きっと、いきなり孤児となった方達よりも恵まれているのでしょうね
救いを求めている方々を救うだなんて――――フフ、もしかしたらそうやって私自身が救われようとしていたのかもしれません
今更肉親が存在するなんて思いませんが……これからお友達、沢山作ること位ならば……主、その程度の些細な願いくらいならば許して下さいますよね?」

【その視線は虚空へと向けられて。やがては何かを描いていたのであろうステンドグラスへと移されるのだろう】
【小さく紡がれる、今宵最後の小さなアリア―――――「佳乃と家族との隔たりが無くなりますように」なんて、今日会った人……或いは友人の幸を願って】
【小さな小さな祈りが終われば、教会内も完全な静寂が包むのだろう――――】
/っと、一足お先に……お疲れ様でした!
485 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/02/25(月) 05:42:34.71 ID:zK4aSCcao
>>484

…………勘違いしないで。私がそう軽々と友達なんて作る訳ないでしょう?
友人はまで行かないまでも、善意で接してくれる人まで拒絶してしまうのが、少し嫌なだけ。
もし、私が誰かと親しくするとしたら…………それは私が認めた人だけよ。

【自分が沢山の人に囲まれる……なんて佳乃には想像も付かないし、プライドの高い彼女にとって友人は増やせばいいと言うものではない】
【では佳乃にとってカログリアは、ただの「善意で接してくれる人」なのか、それとも「私の認めた人」なのか――――それを、プライドの高い彼女が口にする筈もなく】
【しかし、次に来たときは、なんて発言をするからには、少なくとも佳乃はここを気に入ったようで】

それじゃあ、まがりなりにも大会出場者として、いつかあなたの実力も見せて頂戴。
ついでに…………次に会うときまでに、あなたの胸に抱える悩みが少しは解決していることを祈ってあげましょう。

じゃ…………またね、カログリア。

【教会を出る前に、一人の武人としての興味を述べて。一見まともなようでいて、実は本人が気にしている場所を的確に抉る余計な言葉を置き土産に】
【「またね」――――なんて、らしくもない言葉を背に、ゆったりと家路につくのだった】
【今日一日の自分の多弁さに、少しだけ驚きながら――――】


【…………余談だが、カログリアの願いもむなしく、散歩に出たきり何時間も帰ってこなかった彼女は『今の家族』にさんざん絞られることになった】

/遅くまでお疲れさまでした〜!
486 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/25(月) 19:14:34.15 ID:C1qwJi8Go
>>396
【二つ頭の女はついに表情が読み取れなくなるまで液化し、黒と白に色づいたヘドロの塊とも取れる姿は】
【彼女によって溶かされたゴーレム―――ボルトルの苔の生えたボディと、もはや大差もない】
【ただ、それでも彼女はどこまでも有害で】
【何かを求めて飢える男を満足させることもなく、青年の新たな力となることもなく】
【痛みに喘ぎ苦しむような呻き声を上げながら、周囲の空間ごと蕩けていく】

あ     

      ア

【紡ぎだす言葉に、意味は加えられない】
【彼が放った衝撃波は、再び避けようともしなかった彼女にたどり着く前に、”溶けた”】
【この段階に入った彼女の腐食能力は、単なる物体だけでは無く、現象にも働くようになったらしい】
【正しくは、能力の効果範囲のエリアに入った衝撃波は、エリア内の朽ちた空間の、その一部になることを強制された】

【印を描く青年に体液が届かないよう作り出した溝も、だんだんと、青白い液体で埋まっていく】
【鈍足だった彼女は、形を失い、液体となり、エリアの拡大速度を増していく】
【それに理由はあるのか。口を失った今意味を問うことは出来ない】


どのみち、この子を従えられたところでどうせ上手く扱えねぇし。
外れだったんだ。この子にとっても俺にとっても。
だからさっさとかえし……っ!?

あんた、下下っ!!!!


【状況確認のためか、背中が不安になったらしく振り返った青年が煩く声を荒げた】
【男の足元まで迫っていた体液から、不意を付くように四つ、か細い腕が伸び】
【彼の足を掴みかかろうとする。今度は抱擁をしかけた時に比べてかなりの速さ】

【伸びた腕の根元には】


【やんわりと浮かびあがってきていた、真っ白な顔が一つ】


【張り付いたように、頬を引きつらせて微笑んだ、女の顔】

//お返ししておきますー
487 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/25(月) 20:29:01.46 ID:GcyRI+GZo
【水の国、首都フルーソの闘技場 ――時は既に、第二回戦のある試合が始まる直前】

【カツン、という履きなれた革製の靴が音を立てて彼女≠フ入場を周囲に知らせた】
【真っ白な外套と将校服、腰元には刀。その胸元には幾多のバッジを光らせる、少女―――】
【――アンジェル・ベルジュロン。本日、その特徴的なピンクの髪はツインではなくポニーテール】

【第一回戦において、彼女の戦い方は他の面々と比べると些かトリッキーな部分が多かった】
【動物、昆虫の召喚と使役。或いはそれらを鎧として同化≠オ、決め手は超重量の鎧を纏っての兜割=z

【そこから察せられたのは、少女の近接、遠距離どちらにおいても未熟な一面であり――】
【また今回の相手にとっては同じ戦法がそうそう通用しないだろう、ということだ】
【もっとも、相手が試合の様子を見ていたならだが―――アンジェルが場内に足を踏み入れて考えていたのは、ソレだった】

……おまけに、私の場合は大会で勝ってコレが欲しいアレがしたい、っていうのも無いしね。
いっそセリーナみたいに遠距離特化!お金第一!とかいう方が戦う理由には相応しいのかも

(―――それでも、行けるところまで行くっていう気持ちは変わらないけどね)
(いいじゃない。一人くらいなーんにも考えないで意地張ってるのが居たって、さ――)

【場内のボルテージが、数秒という時間の経過ごとに増していく。人の熱気で酔いそうなほどに】
【だが、何処か吹っ切れたような笑みを浮かべる彼女にとってはそれは――或いは、心地よいものなのだろうか】
【ピンっ≠ニいう音と共に、アンジェルの手元に一つのバッジが握られた】

――――さあ、次の対戦相手は何処のどなただったかしら?

【準備は万端。後は今宵、この場で相対する相手の姿を確かめるだけ―――。】

/こちらアンジェルです。シルバーキャットの方、本日はよろしくお願いしますねっ!
488 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/25(月) 20:32:15.17 ID:qZ4x8ingo
>>486


(物理攻撃も効かず、間接攻撃も溶解される……もはや土俵が違いますね……いや、最初からか……)
(ならばコイツ、を使って焼き払って蒸発────?)

【ちらり、と自分の右手を覗きみるが、ため息を吐き出す】

(いや……こんなもの、蒸発させて吸い込んだ日には死にますよね。私達……)

【吹き飛ばす事はできなかったが溝を掘り、進行は遅めた。時間は稼げるはず】
【今宵のミッションは背後の青年を守る事であり、下がる事は許されず、故に考える。対策を】
【しかし、溝を掘り約束されたはずの安全は、その一瞬の安堵を気の緩みを、油断を生んだ────】

──はい?

【カラン、カランと彼の持っていたナイフが手から零れ、地にばら撒かれた】

【荒げる青年の声に反応した次の瞬間。液状化し、加速した女は男の想定を超えて彼の両足を見事に掴んで見せたのだ!】
【体勢が崩れる。持ち直そうとした男を先程から襲いかかるプレッシャーがたたみかける様に押し倒し、完全に崩れ落ちさせる】

ぉぉォォォォおおおおおおおおオオオオオオオオオオオオオオッッ!!?──ッ!!

【だが、女の腕は男の足を瞬時に溶かす事も握りつぶす事もすぐには叶わぬだろう。掴んだ衣服は、まるで鋼の如く“硬質化”していた】

【“属性”の解放ッ!それは彼の能力の一つ!彼の力は物質をただの四次元ポケットに変えるだけでない】
【物質の中に物質を取り込み。それを消費する事によってその“特性”を付与する事ができるのだ】
【彼の衣服には無数の“ナイフ”が仕込まれており、その“鉄”の特性を衣服に付与したのだ!】

【だが、これも根本的な解決にならず。時間稼ぎにしかならないだろう。さらに硬質化した衣服は自身の身動きをも制限する諸刃の盾!!】
【倒れた男は。かはッと息を漏らし、浮かび上がる女の顔を恐怖と激しい怒りの表情で睨みつけると、震える右手の手袋の先端を強く握り】

【 ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨  ┣¨ ┣¨ ...】

【ズズ...と少しずつ開かれていく清浄なる白き革手袋からじわりと溢れ出すのはこの場に潜むもう一つの邪悪な気配────】
【追い詰められた男は、使うことを拒んだ危険な一手を仕掛けようとしていた。その遅さは、躊躇いからか】

【印を書き終わるのに必要な時間は3分。時を刻む余裕など男には無い。後、何分。後、何秒……】

489 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/25(月) 20:36:34.00 ID:vdde57B/0
真面目に彼女募集中です。
14〜31までの女の子メールください
写メ送ってくれたらこっちも顔写真つきで返信します

osakaanticamera@gmail.com
490 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/25(月) 20:54:33.17 ID:FMFD87huo
>>487

【闘技場の熱気、観客達が盛り上がるにつれて、自分の闘志も膨れ上がってゆく】
【そいつは出入り口をくぐる前に、ぐるんと肩を回した。準備万端、絶好調。身体に不備は無し】


しーどってのは普通なら喜ぶべきものなのかにゃ?
あたい的には闘いたかったけど――まあこの試合で闘ってない分を闘えばいいことにゃ


【対戦相手は確か――アンジェル・ベルジュロンだったな、と思い出す】
【闘い方は一回戦を見ればわかっていたのだが……外で展開される屋台に夢中で見逃したなんて、言えない】
【だがあれこれ考えるよりも当たって砕ける方が自分らしいと、そこで結論付ける】

【まもなくして扉は開かれる。そして、にい、とそいつは口元を緩ませると――】


にゃは!


【前回と同じく、跳躍=Bひとの背丈の何倍もの高さに跳び上がると】
【くるくると回転を決めて、やがてリング端に着地するだろう】

【下はデニム生地のホットパンツ、上は薄い緑のシャツ、足には運動靴という服装に】
【嘘か真か、背中に伸びる黒猫のしっぽ。そして頭には黒い猫耳がちょこんと生えていて】
【銀色の短髪にアーモンド型の大きな黒い瞳を持った、そんな少女だ】


あたいがシルバーキャット――銀猫だ!!
アンジェルさんだったかにゃ? 今日は愉しもうにゃ!


【身体を伸ばすとともに、拳を天へと突きあげて名乗りを上げる】
【周囲から歓声が起こり――彼女は腰を低く落としてファイティングポーズを取る】

【まもなくゴングがなるだろう。お互い、ほとんど同時に動き出すだろうが――アンジェルが若干、早く動くことになるだろう】


/ちょいと遅れました…シルバーキャットです
/こちらこそよろしくお願いします!
491 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/25(月) 21:11:14.23 ID:C1qwJi8Go
>>488
【掴まれた男の足にかかる圧力は決して、相手を押しつぶそうとするような、強いものではない】
【能力付与はされていないのか、それこそ見た目同様少女のような、握力だけなら可愛げのあるもの】
【だが、縋りつくように足を掴んだ四つの腕は、明らかに、男を引きずり込もうとしている】
【彼女の体液が作り出した、死の池へ】

待ってろ、もうすぐ、もうちょっと、もう終わる!

【耳に響いた男の叫び声に、いかに事態が迫っているかを察した青年は、なけなしの慰めに根拠の無い言葉を連呼した】
【実際のところ、三分、とはかなり鯖を読んだ制限時間】
【召喚にかける魔法陣よりは簡易であるとはいえ、彼女ほどのレベルの存在を、正しい場所に返すには】
【その入り口になる円は、本来焦らず十分、丁寧に作り上げるべきなのだ】

【しかし、青年はそこまで几帳面ではなく、命知らずではない】
【現状何をすべきか、彼なりに必死に頭を捻っていた】

できたっ! もうこれでいい。 勘弁してくれ。無理、限界だ!

【誰に許しを請うかといえば、男をいまにも取り込もうとしている彼女】
【未完成の入り口は、それすなわち、特定の場所へ転送させるまでの空間が曖昧であること】
【異形な存在に対峙し、異様に見えた男すら悲鳴を上げる今に追い詰められた青年は、自分を優先した】
【躊躇する余裕も無い】

おい!

【青年はチョークを放り出すと振り返り】
【男がジョーカーを引こうとするその直前、恐怖に情けなく震える足で、勢い良く水溜りに指を指した】


逃げ場はつくった、帰ってくれ。今すぐに! 俺もこの人ももうお前の相手はできん!


【……ずるり】
【男を掴んでいた腕の力が、緩む】
【溝を溢れかえらせるほどあった体液が、引いていく】


お前ももう、痛いの嫌だろう?


【壁の魔法陣が、きえる】
【何事もなかったかのように。あっさりと。あっけなく】
【後数秒遅ければ、男や青年も一部になっていたのかもしれない。 腐り落ちた辺りの痕跡だけが、ぽつん、と、取り残される】
【青年は尻餅をついた】


ごめん。幸運を祈るよ。
でもせめて、直してってくれよなぁ。


【異世界に永遠に漂うことの無い様、彼女の無事を祈りながら】



//申し訳ない反応に遅れました……。シーンももう終盤ですが改めてよろしくです


492 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/25(月) 21:11:41.04 ID:GcyRI+GZo
>>490

へぇ……名は体を表す≠チてやつね。素敵じゃない、その名前-シルバーキャット-。
それに、変に意気込まなくて済みそうで良かったわ――乗るわ、愉しみましょ?

【少しばかり意表を突かれたというところか――なんせ、第一回戦の相手は大男だった】
【それに比べれば、どうやら格好からして接近戦でも仕掛けてきそうな、性格も素直そうな少女が相手】
【アンジェルの笑みがそれに合わせて、真っ当なものに変化する。――――そして、ゴングが高らかに鳴り響いた】

【まず、僅かに先手をとるのはこちら。といっても刀を抜くのでも、接近を図るのでもない】
【行動は手元のバッジを前方へ放る=\―刹那の後に閃光が走って、アンジェルの前には巨大なムカデが出現する】

【胴の太さは若木ほど、全長は5mもあるだろうか。所々が赤い外骨格は鎧となると同時に、非常な嫌悪感を醸し出す】
【小手調べというように―――そのムカデが、強力な顎をぐワりと開いて猛進し、少女に噛み付こうとするだろう】
【その牙には毒があり、出血を増大させる効果がある。――些か凶悪な相手だが、ただ、大きいがゆえに挙動も分かりやすくはあるだろう】

【加えて、アンジェルは元居た位置で片膝を着いて動かずに居た。強力な使役物を操作する場合、動けない≠フだろうか】
【空色の視線はムカデと少女に向けられていて、左手は刀の鞘にかかり、右手は地面へ。相手を見極めようとする体勢は、隙が少ない。】
493 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/02/25(月) 21:23:39.78 ID:dssUkmT50
【風の国ー路地裏】
【悪も正義も全てが混沌として存在する場所】
【そんな場所にひっそりと営業している店が一件、バー&レストラン"CNS"】
【OPENと書かれた看板が出ている店の中からは、盛大な熱気と歓声が聞こえてくる】
【それもそのはず、今は水の国で大きな大会が開催中である】
【店の中に取り付けられたテレビで大会の実況を見ながら、客面々の手には券が握られていた】
【表が己の信条を元に戦うならば、裏ではそれを肴にギャンブルが行われている】
【そう、まさにどちらの選手が勝つかと言うとても単純なギャンブルだ】
【だが、単純が故に人々は熱狂している】

ほ〜んと、みんな好きよね〜ギャンブル♪

【店内のレジカウンターに頬杖をたて、テレビとそれを見て熱狂する人々見ながら答える美女が一人】
【誰もが見惚れ、羨ましがる程豊満でスレンダーな身体をしており】
【紫色のロングヘアには蝙蝠の羽を生やし】
【身体のラインを強調させるような白い縦縞セーターと青いジーンズを着ており】
【首から白い布で下げギプスで固定された左腕を吊っている】

「別にギャンブルだけではなかろう」
「己の信念と信念がぶつかり合う戦いとは心が踊るものだ」
「悪だろうと、正義だろうと関係無くな」

【美女の台詞を聞いてか、店の奥から両手に大量のビールを持って現れた男】
【斑色のバンダナと立体マスクをつけ、No14と逆五芒星の描かれたスポーツサングラスを掛けており】
【ラフそうな赤色の服と、その上からは羊柄のエプロンを着ている】

そういうものかしら?♪
「そういうものだ」

【何時もよりも大騒ぎな店内】
【正義であろうと、悪であろうと、誰でも受け入れるこの店】
【店の扉を開けて入って来る、新たな来客は果たして来るだろうか】
494 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/25(月) 21:27:12.83 ID:qZ4x8ingo
>>491

【足に感じる嫌な感触が消え、女が引き下がって行くと、男は開こうとした“禁断の扉”に掛けていた震える手を離した】


……。


【能力によってガチガチに硬質化していた衣服は、ふわりと元の柔らかさを取り戻し】
【固まった衣服という支えを失った男は、力が抜けて完全に体を地に投げ出した】


…………。一言言っておきます……。


【そして、倒れたまま血の気の引いた顔を青年に向けると、彼はこう言った────】


マジすいませんでした、反省してます。


【文句の一言でも出てくると思えば。……めっちゃ怖かったんだろうね。物凄い勢いで素が出た様だ】
【倒れた彼の下敷きになっていた鋼色の翼を持つ雀がムギュっと彼と地面の隙間から這い出る】

495 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/25(月) 21:27:15.65 ID:16ADTrTPo
【夕刻のカフェ・店内】

【樫の木戸を開いた先、静かなジャズとオレンジの照明が醸す穏やかさは】
【窓の外を覆い出すのっぺりとした夜の黒さに良く馴染んで、心かろく温かい】
【語らうための場所。嬌声でも悲鳴でもないゆうるりとした雑談の声にだけ満ちた其処に】
【濁点をひとつ落とすような黒服に身を包んだ男が、ひとりテーブル席を独占していた】

【肩まで伸びた癖っぽい黒髪に灰色の目。無愛想かつ血色が悪い、着崩したスーツ姿の男】
【右頬には「牛の生首が乗った皿」の刺青があり、何処か不穏な印象を与えるのだろう】

【お勤めの後とも思われそうなその容姿ゆえか、近くの客がいそいそと帰る支度を始めたり】
【この男自体が珈琲一杯で数刻の間粘っているせいで店側も困り果てているのは、余談だが】

…………そろそろ働かねえと、セリーナにどやされちまうか

【――誰宛でもなく呟かれたそれ。知るものならば気付く、そんな程度】
496 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/25(月) 21:29:57.42 ID:FMFD87huo
>>492

にゃは、ありがとうにゃ。でもあたいがいくら細いからって気を抜かないことにゃ
油断してると一瞬で砕いちゃうよ!

【ゴングが鳴る――アンジェルがバッジを放った、までを確認すると】
【その後何が起こるかも予想しないままに地を蹴って疾走する】

【見た目通り軽い身体は羽根が風に吹かれるように、ふわりと浮きあがり――】
【閃光の如き速さをもって、距離を詰めようとするだろう】


――と、ム、ムカデかにゃ!?


【しかし迸る光に一瞬視界が奪われると、現れたのは見たこともない大きなムカデ】
【これは喰ってもうまくはなさそうだ、なんて思考がほんの少しだけ流れるが――動き始めた身体は止まらない】
【ムカデの突進に合わせて、彼女は無意識的に次のどちらかの動きを取る】

【ムカデが這っているならば跳躍し、踵落とし】
【鎌首をもたげているならば跳躍と共に、蹴りあげる】
【何れもムカデの首元を狙い放たれるだろう】
497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/02/25(月) 21:39:44.23 ID:pqrT9gdlo
>>493
【――血の匂いを引き連れて、一つの人間が入り込んだ】
【がらん、と戸を荒っぽく開けて、がんがんと足を地面に叩きつけるようにして店の中に入りこむのは女】
【レザージャケットに、レザーのライダースパンツと、全身革ずくめの格好で、首には重厚な作りの首輪じみたチョーカーが目立つ】
【鮮やかな金髪はベリーショートどころかもはや坊主といっても良い位のショートヘア】
【透けて見える頭皮にはトライバルパターンの十字架のタトゥーが目立つ】
【目元を隠すように色の濃いサングラスを掛け、両手両足にはまるで拘束具のような、所々に穴の空いた金属のアンクレットとブレスレットが見える】
【右腕のブレスレットには、なにか刃物で刻み込んだかのような荒々しい字体で、No.99と書かれていた】

――ちィ。

【店の中に入ると同時に、一斉に視線を浴びる女は、舌打ちを響かせる】
【サングラスを僅かにずらし、チェレンコフ光を思わせるほどに澄んだ蒼い瞳をギラつかせ、客を睨みつけた】
【暫く客を睨めつけるように見回せば、相手達の方から目線を逃し初めて、見なかったことにし始めて】
【また舌打ちを響かせると、無言でカウンターまで歩いて行き、乱暴に座り込む】

一番安い酒と一番安い飯。
あと、客うるせェんだけど、どーにかならねェの?

【サングラスを外し、畳んでポケットにしまい込み、貧乏臭い注文をする女】
【案外整った、というよりかは気品のある顔立ちを神経質そうに歪めて、騒ぐ客達に視線をちらりと動かす】
【はぁ、と溜息を着くと、さっさと出せよと言わんばかりに店員だろうナンバーズの男に視線を向けた】

/*もしかしたら明日に持ち越しになるかもしれませんが、よろしいでしょうかー?*/
498 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/25(月) 21:40:58.83 ID:c58Wple+o
【水の国――首都フルーソ、フルーソスタジアム】

【小さな石造りの会場の上にまた一人、選手がゆっくりと進み出てくる】
【一回戦を突破した両者が、再びリングの上で激突しようとしていた――】

……どうも、この雰囲気には慣れませんね。

【金髪碧眼の、黒のフォーマルスーツに身を固めた青年が、リングの上から観客席を見回してぼやく】
【黒のネクタイをきっちりと締めたその姿は、一見するとビジネスマン風の好青年と言っても差し支えない】
【左耳に飾られる銀の十字架型ピアスだけが、唯一の遊びと言った風体だ】

【荒事に向くような雰囲気ではないが――ここに立つ以上は、一回戦を勝ち抜いている、ということで】

……失礼、ミスタ。

【観客席に向けていた目を、対戦相手のほうへと向ける】

僕はフリッツ・オストワルド。あなたの次の対戦相手となります。
……それではどうか、お手柔らかにお願いいたしますよ。

【彼はそちらへ人当たりの良い微笑を向けると、右手を胸に当て、腰を折って礼をする】
【これから拳を交えようという相手に向けるには、少々気障ったらしいその仕草】

【だが、気障ではあっても、そこに嫌味さが感じられないのは、彼の才覚が為せる業か】

/フリッツ・オストワルドです。ヘケメトの方、よろしくお願いします。
499 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/25(月) 21:42:31.49 ID:GcyRI+GZo
>>469

【ムカデは鎌首をもたげて、まさに噛みつかんとする瞬間――強い衝撃が、その頭部を蹴り上げることとなるだろう】
【重い=\――昆虫とは、巨大化するとひどく恐ろしいものとなる。そして、それはこのムカデも同様だ】

【少女の蹴撃によってムカデは自らの口腔を自らの牙で貫いたが、抗体でもあるのか動きは止まらず】
【むしろ無数に存在する足を石畳に叩きつけるように荒々しく暴れ始めると、尾にあたる部分を少女へと振るった】
【その挙動、自然界であれば有り得ない動きだ。ムカデは体当たりなどする生き物ではないのだから】

【と、するとアンジェルの策か―――ふと見れば、その術者の右手は地面ではなく、胸元の新たなバッジに向かっている】

(やっぱり獣人かしら、確実に体術は私より出来る……!そして、蟲の単純な動きでは捉えきれないっ!)
(なら、拳には刀。完全勝利なんて最初から有り得ないんだから打って出るしか無いでしょうね―――。)

【さて、問題はシルバーキャットがここをどう凌ぐかだ。もしムカデを迎え撃つなら、またそれも良し】
【使役している生き物が撃破されればアンジェルにも何かしらのダメージはあるだろうし、強力な百足なら尚更だろう】

【また一方で、ムカデを無視してアンジェルの隙を突くというのも有効ではある】
【まだまだ程は知れないが、シルバーキャットがかの凶虫を飛び越えて行けるのなら、膝を付いた少女に一手食らわせられるだろう】
【無論、他にも選択肢はある。今は眼前に迫るムカデの、固く重い体当たりをどう捌くかを考えれば良い。】
500 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/25(月) 21:43:07.68 ID:GcyRI+GZo
//>>499>>496の方宛なのです
501 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/25(月) 21:48:26.54 ID:C1qwJi8Go
>>494
こちらこそすいませんした本当。二度と出すぎたまねしませんです。

【そもそも王の欠片の魔翌力自体、青年が持て余すほど莫大な物であるのは】
【彼自身、内心では大いに把握していたことであり】
【それでも行動に移したのは、最近成功が続いたことと、余りに好環境なこの場所に、自身の力を過信したから】
【つまり調子に乗ったのである】

【整える余力もない敬語は、後半になるほどぼそぼそと消え入るように】
【男の様に倒れることもなければ、すっかり腰が抜けているため立ち上がることも出来ず】
【女座りになっていることすら気が付いていない】

ま、まぁ、生きていればいいってことさ。
死んだら墓参りもできないしなうん。きっと運が良かったんだ。
深くは聞かないで、もう考えたくないよ俺。

【事が終わって気が緩んだのか半泣きである】
【召喚中は気を張っていたものの、終わってしまえばこんなものだ】

突然で悪いけど。
あのさ、あんた。
名前、なんていうの?


【亡骸を捜しているのか、朽ちた地に視線を走らせながら】
【魂まで抜け出たような呆けきった顔で、青年は問いかける】


あ、別に答えなくっていいよ。
でも、一応危機を乗り切った仲だし、聞いておこうって思ってさ。


俺の名前はクラノ。  改めてよろしくな。


【彼女がそこにいたのが決して夢でないことを証明するように】
【すっかり空っぽになった王の欠片が、召喚に使用した壁のあったらしい位置付近に、無造作に転がっていた】


//では、これにて〆でよろしいでしょうか?
502 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/25(月) 21:50:12.37 ID:AiMJRAmg0
>>470‐471

(…………やはり答えは同じになる、か……。あの夜交わした言葉と意味は、間違ってなどいなかった―――――!)

【彼の返した言葉に対して、彼女は無言で、何処か満足気に戦意の笑みを深めた。】

【そして致命的に機動力を削ぐ一撃を乗り越えて、凄まじい勢いで撃ち放った左肩口への斬撃―――――】
【対する彼は低い体勢で、完全な回避も十分な防御も恐らく図れまい。】
【………獲った、と確信していた。だが――――――】

(…………! ッ―――――――)

【その確信を覆したのは唯刃流≠ナなく、彼自身≠フ答えだった。】
【再び間合いは離れ、追撃は不可能になり………。】

【………五分か、若干程度にこちらの不利か。気付けばそんな状況に持ち込まれていた。】
【感嘆の念を禁じ得なかった。中邑瑛月≠ニいう一振りの刃の境地とは、果たして此れほどまでのものなのかと。】

(…………だからこそ越えきりたい、か。剣士の性は私に、こんなにも強く息づいていたのか……―――――――!)

【折れぬ戦意。研ぎ澄まされ続ける彼女の意識。限りなく澄み渡る心のままに、柊は剣の笑みを以て彼に応えた。】

――――……それはこちらの台詞よ中邑瑛月=B
見事と言うほかない技の冴え、其れにすら勝る明鏡止水の覚悟と心………
貴方こそ私の好敵手に相応しい、誰でなく他ならぬ貴方こそが……ッ!

だからこそ雌雄を決してみせる――――――――― 私自身の答えを以て、貴方の秘剣 (こたえ) を打倒する……!!


【後ろ手に右手だけで太刀を横向きに構え、左腕は抜刀の直前の様に、やや肘を突き出しながら曲げて構える。】
【そうして彼女は踏み込んだ。狙いは唯一つ――――――― 間違いなく彼にも確信できるだろう。】

【――――――― “比翼” の魔剣。かつてその存在だけを仄めかし、この決戦へと持ち越したその発動。】
【彼女が無敵と自負する剣技ではあるが、それを撃てるのは特定の――――― 彼女自身の生み出す状況下だけでの事だった。】

【――――――― 通常の刃圏の更に内側。どちらにも致命的な、その距離こそが “その間合い” 。】
【ゆえにここで必要となるのは、瑛月の秘剣を越えて踏み込む事だ。】
【そのために今、彼女の下す決断があった。】

(…………ッ、―――――――!)

【腱の弾性。筋肉の収縮。関節の回転。体重の移動。鼓動すらも運動に加えて、全身を一個の加速機構と変える。】
【それは彼女の切り札のひとつ、幾度も彼女を窮地から救ってきた無銘の業だ。】
【…………だが、常の其れとは違いがある。求めるものは、瞬間的な超速度でも、絶大な威力の一撃でもなく――――――】

【―――――――――――― ただ、前へ。必要なだけ血を流し、それでもなお突き進むための力を彼女は自らに求めた。】


【その狙いに彼が気付き、迎撃しつつ距離を離せるのなら………其処で彼女の可能性は潰えるだろう。】
【右脚の傷口から血が噴き出す。後戻りなど出来はしない。だからこそ貫き通さねばならない。】

………――――――――――――――――――――――――――――――ッ!

【自らの身体を顧みない、ただ一夜のみの勝利を求め閃く生命の閃光。】
【その答えは、今宵に何を導くのか―――――――――……総ての答えはこの先にある。】
503 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [saga]:2013/02/25(月) 21:57:25.37 ID:k+afX7c3o
>>498

【ズドドドドドド…………――――!】
【地面を叩き割らんばかりの足音とともに、大会会場へやってくる一つの影】

「ヘッキャァァアアーーーーッ!」

【それはガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】

【フィールドの中央辺りまで走ってくれば、その着ていた"ウィンドブレーカー"を脱ぎ、そして"投げ捨てる"】


「――ヘケケケ、あんた……雰囲気は少しおとなしいがよォ〜」
「ここに居るって言う事はよォー、……強いからだろォーーッ?」

【相手とは対称的に、暑苦しく闘争心むき出しのその男――――】

「俺の手は柔らかくねェーッ、とにかく全力で、首根っこ抉るつもりでかかってきなァァアアーーッ!!」
「あんたの能力は一応教えてもらったぜェー、……ヘケケケ、蛇の肉って結構美味しいんだよなァー」

【"お手柔らかに"、の意味を字面通りに受け取る程その頭はアホ丸出しだが――】
【彼もまた、この場にいるということは―― 一回戦を勝ち抜いてきたということッ!】
【彼のその眼は、――猛獣の様に鋭く、――そして、子供のように爛々としていた 】

「――行くぜェーッ!」 「"ニードルシェル"ッ!」

【そう言うが早いか否か、彼が右手を空気を払うように右から左へと薙ぐ】
【すると、"無数の小さな棘"で構成された"一つの弾"が生成され、飛ぶ】
【狙いはそちらの胴体部だ、――当たれば"棘"が刺さるだろうが、急所に当たらなければ致命傷にはなりにくい】
【速度も大したことはなく、普通に適当に攻撃すれば破壊できるほどの強度である】
【もし破壊されれば、弾はバラバラになり地面へ落ちそして"消滅"する】

【その弾が飛ばされてから数刻後、彼は接近をするべく――】
【地面を強く蹴り、そして駆け始めた】 【幾らでも止める手段はあるはずだ】

/よろしくお願いしますー
504 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/02/25(月) 21:58:28.80 ID:dssUkmT50
>>497

あら、いらっしゃ〜い♪

【入って来た異様な雰囲気の女性】
【彼女の出す鋭い眼光は、店内にいた客を怯えさせるのには充分だったろう】
【しかし、彼らはそんな事では黙らなかった】
【それよりも、今は水の国で行われている大会の実況に夢中だからであろう】

【レジカウンターに座っている彼女も特に女性を気にした様子も無い】
【むしろいつも通りとばかりに笑顔で来客を向い入れた】

店長〜、オーダーでたわ♪…ってあれ?

【彼女が隣にいた男声をかけようとすると、既にその場から忽然と姿を消した】
【実際は女性の注文を聞いて返事もせずに厨房に移動したのだが】

なんかもう料理しに行っちゃったわ♪

【そういう間に、厨房からは料理のする音が聞こえてくる】
【注文が来るまでの間も外野は勝った負けただのと騒いでいる】

全くもう、本当にうるさいわよね〜♪
何時もの事だけど♪

【などと頬杖をつきながら、笑顔で話している】

/問題ありませんよー!
505 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/25(月) 22:03:17.33 ID:qZ4x8ingo
>>501


【男は立ち上がろうとする。圧力から抜けだした開放感からから勢い余り転びそうになるも】
【パンパンとスーツとマントに付着した汚れを払いつつ、同時に拾い上げたシルクハットを深々とかぶり直す】


フフ……。お互い、簡単には死ねない人生の様ですね。そうですね、悪くはない。


【あれだけの恐怖の乗り切ったのは。もはや簡単には怯える事も無ければ死にはしない。そう思えて】
【僅かな笑いが溢れる。硬直したせいで凄い、苦笑いにしかならないのだが、何とか調子を取り戻し、】

私はそんなに愛想の無い男ではないですよ。
クラノさんですか、よろしくお願いしますね。私は……リロード。


リロード・ザ・マジシャン。


【そう、名乗ると。くるりと踵を返し。戦闘中、なくしてしまったであろう、最初に付けていたサングラスを探す事もなく】
【ポケットから新たなサングラスを取り出すと気取った感じで“クルクル”と回し、死にそうな表情の顔に再び付けた】


貴方が今後手に入れるであろう。本当の力が素晴らしいものであり、次はそれが私の味方である事を祈っておりますよ。
──それではさようなら、また逢う日まで。ね…………。


【そう言うと。彼は戦闘が過ぎさり、再び周囲を囲い出したの中に消えていくのだった────……】


/三日間ありがとうございます。お疲れ様でしたー!
506 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/25(月) 22:06:50.15 ID:FMFD87huo
>>499

【たかが虫だと、蹴りあげる瞬間まではそう思っていた】
【彼女の蹴りは、ムカデの首を確実に捉えたのだろう。しかし手ごたえは感じても、ダメージが入っていない】


案外強いにゃ。こりゃ苦戦しそうだにゃ


【彼女の真髄はそのスピードと、スピードを活かした高速での一撃にある】
【だがこうもタフな相手はイマイチ相性が悪い。鈍重な動きに当たらない自信はあるが、手間がかかる】

【たん、と着地すると暴れはじめる巨大ムカデ】
【もしかして思ったより効いたのかと考えるが――すぐに勘違いだと思い知らされる】
【驚異的な動きだ――まともに受ければ敗北がすぐ目の前までやってくるだろう】

【普通に考えるのなら、ムカデは諦めて術者を討つのが道理だろう】


【 しかし――彼女は違った 】


【短く息を吐きだすと振るわれた尾に視点が定まる】
【眼光鋭く、その時ばかりはアンジェルが視野から外れ、リラックスした全身に闘志が漲ってゆく】
【例えるなら銃だ。闘志は火薬、拳は弾丸。今、リロードは済まされた】


虫ごときに負ける――あたいじゃないにゃっ!!


【もちろん、真っ向からぶつかればこちらが折れることは必至】
【ならば攻撃の軌道から退避し、いなしやすい方向から――彼女はムカデの攻撃に合わせて拳を放つだろう】
【助走がない代わりに全身のバネを使って繰り出されるそれは、先程の蹴りよりも重い=z

【ムカデを無視するという選択肢は彼女の頭にはなかった】
【なぜなら彼女は――典型的な負けず嫌いだからである。虫が猫に勝つなど、ありえない】
【だが馬鹿では……たぶん、ない。倒せないと悟るかして諦める可能性も、ないとは言えない】
507 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/02/25(月) 22:09:39.58 ID:pqrT9gdlo
>>504
【眉間に皺を寄せながらお冷をくいくいと飲んでいる女】
【コップに満載された水を一気に飲み干して、がん、とテーブルにコップを置いた】
【逐一所作が荒っぽいが、これが平常的な姿である為、特段問題はない】

何がそんなに面白いんだか。
幸せそうでいいな。苛ついてくる。

【騒ぐ客の方に目線を向けて、また舌打ちを響かせて】
【胡乱な瞳をテレビの方へと向けると、興味無さげに視線をずらして】
【下らない、と小さく口の中でこぼすと同時に、女にコップを差し出す】

水。もう一杯。
……表舞台に出ない奴らとの戦いのほうが血が踊るけどねェ。
どうせあんなに頑張って戦おうが死人すら出ないんだし。
命掛けずの戦いで本気なんか見れるか、っての。あー、くっだらねェ。

【水を相手に催促しつつ、女は苛立たしげにそう声を漏らす】
【割りと大きな声であった為、客の内でも大柄で体格の良い男がその声を聞きつけて立ち上がって】
【女の胸ぐらを掴んで、喧嘩を売り始めた】

「おい姉ちゃんよ。さっきからちょっとおとなしくしとけばアレだな、喧嘩売ってんのか?
うだうだうだうだ、そんなにデカイこと吹くんならアンタも強いんだろうな!
こんな木っ端みたいな腕した女がデカイこと言ったって、説得力ないんだっての!」

【大分酔っ払っているようで、大柄の男は女の胸ぐらを掴んで持ち上げていた】
【女は持ち上げられた状態でぶら下がっていたが、はん、と鼻で笑って唾を顔に吐きつけて】
【直後、女は壁に向かって投げつけ、叩きつけられて。そのまま男は女に向かって拳を振り上げて飛びかかっていくだろう】
【一瞬。女の周囲に黒い霞がちらついた。壁に背を預け尻餅をついた女は、嘲笑する様に男に笑みを向けていた】

/*ではよろしくおねがいしますねー!*/
508 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/25(月) 22:16:32.71 ID:PPSBciRno
【街中】

じゃあ、宜しく頼むよ

【この男は、そう言ってドアを閉めた】
【この雑居ビルのテナントに入っている税理士事務所の戸だ】
【出てきた男は薄暗い通路を歩いて、階段を降り、外へと繋がる戸を押し開く】

【通りに出た人物、背の高いサングラスの男である】
【スーツに、黒いネクタイ 一見するとその事務所の人間にも見える】

【ポケットから煙草の紙箱を取り出して、一本滑らせて取り出して、くわえる】

……。

【最近は、煙草の居場所も少なくなった ここで火をつけることは】
【更に居場所を縮小することとなるだろう】
【酒場か何か探して、そこで吸おう】

【男は火のついていない煙草をくわえながら ワシャワシャ髪を掻いて】
【適当な店を探しに歩き出した】
509 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/25(月) 22:17:37.72 ID:c58Wple+o
>>503
……なるほど。

【フリッツは、ヘケメトの口から出てきた蛇、という単語にうなずいて見せると】
【両手をゆっくりとそちらへと掲げて見せた】

情報収集は抜かりなし、といったところですか。
……手加減手心もどうやら無用のご様子。

【掲げた両手を握ると、そこにある手の輪郭がぐにゃりと歪む】
【五指を供えた白い手が、黒い鱗形に侵食され、同時に人間の形を失っていく】

ああ、これは性格には蛇ではありませんし、煮ても焼いても食用には向きませんよ。
……参ります。

【相手を眼光するどく見つめるフリッツ】
【今やスーツの袖口からその顔を除かせているのは、目を失った黒蛇とでも呼ぶべき異形】

【その左手の蛇は伸び上がりながら大顎を開き、迫る棘つきの弾を迎え撃つ】
【牙の並んだそのアギトで、躊躇うことなく弾に喰らい付き、噛み砕いて見せる】

つっ……!

【蛇と痛覚が連動しているのか、フリッツはやや顔をしかめて見せる】

そうそう……ミスタ・ヘケメト。
あなたは……接近戦がお得意のご様子でしたね。

【痛みを堪えるような、やや掠れた声でそう呟くと】
【空いた右手の蛇を、接近するヘケメトの胸元へと伸ばす】

【顎を閉じて突進してくる蛇のような頭部は、さながら砲弾】
【直進する相手に対抗するように、蛇も直進、その進路を妨げつつの攻撃だ】
510 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/02/25(月) 22:22:50.91 ID:dssUkmT50
>>507

【店内で今にでも喧嘩に発展しそうな、大柄の男と女性の争いごと】
【頬杖をついていた彼女は目の前で起きている喧嘩が起きようとしているのにも関わらず笑顔】
【むしろ、その笑顔はその喧嘩を推奨でもして居るかのように楽しそうな表情になっている】

【周囲でテレビに夢中だった客達も二人の争いに目が行く】
【だが、またしてもーと言うよりもこの店が異常なのだろうか】
【常連と思わしき客達は女性と大柄の男達の周りに集まり野次馬のごとし】
【「喧嘩だ!」「姉ちゃんやっちまえ!」「おっさんが勝つに1000!」】
【大会を観戦するかのように、こんな些細な事でもお祭り騒ぎになった】

「なんだ…またか?」

【厨房からは先程の男が無名の酒瓶と、炒め物の様な食事を持って現れた】
【サングラスで見え無いがその奥の表情はきっとため息をついて居るだろう】

そう、またよ♪

【それとは対象的に彼女はなんとも嬉しそうである】
【テレビで見る戦いよりも、身近で起きる小さな争いの方が好きなのであろう】
【なんとも歪んだ性格である】

【二人とも、争いを止める気は無く、その行く末を見守る姿勢である】
511 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/25(月) 22:26:52.02 ID:GcyRI+GZo
>>506

【少女の拳がムカデを捉えるゴォ――ン、ッ≠ニいう音は、鉄のパイプか鐘を打ったようなひどく爽快なそれであった】
【もっとも、視覚的にはおどろおどろしくて表現できないが、ムカデはあっけなく2つ≠ノなったのである】
【外骨格という鎧は強力だが、音が響いたようにこの使役物は中身が薄い。それが、少女の一撃に耐え切れなかっただけである】

【やがて、なんとも言えない呻き声を発しながらムカデは消える。アンジェルの頬には、つぅ、と汗が伝った】
【まだ動いてもいないのにその発汗というのは、召喚物を破壊するのはやはり効果がある、ということであり―――】

損耗は多少あるけど……まだ行ける。そして、アナタの戦い方がなんとなく分かったわ
スピードとパワーを主とした接近戦、喧嘩を売られたら取り敢えず買っておきそうなトコロ
……虫でダメなら、同じようなやり方≠ナ行かせてもらうわよッ、シルバーキャット!

【手が掴んだバッジから光が放たれ、気付けばアンジェルの纏った外套は白い毛皮となっていた】
【刀を引き抜く左手には長く鋭い爪が光り、口元を見れば牙があり、瞳を見ればイヤに煌めき――】

【――まさに人狼、とでもいうような姿がそこにあった。アンジェルは召喚物、つまり狼と同化≠オたのである】
【そして、おそらく少女と同じか少し劣る程度の速さで真っ直ぐに駆け出していき】
【やがて相手を射程範囲に捕らえられれば、鋭利な輝きを放つ左手の刀で真っ直ぐにその胴を突こうとするだろう】

【真っ向勝負、とはこの事か。アンジェル・ベルジュロン――中々に戦いを好む、その性格が見て取れた。】
512 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/25(月) 22:30:16.35 ID:k+afX7c3o
>>509

「ヘケケケ、アウに教えてもらったんだぜェー」 『…………』

【『』で括られた人物――それがアウ、観客席で応援している】
【あなたには"けっして"声が届くことはないその存在、しかし彼にだけは届く】

「……えェー、それ喰えねェーのォー、ちェッ」 『……食べるつもり、だったんですか…………薄々気がついていましたが』

【食欲旺盛、それが食べられないと知ればあからさまに残念そうな顔をする】

「――ヘケケケ、そォーだぜェ、俺は近づいた方がやりやすいからなァー」
「だってよォ〜、なァーッ、――遠くに居たらぶん殴れねェーだろォーッ!」

【自分が情報を手に入れていれば、"相手も"情報を手に入れている】
【しかし、元々自分から手の内を明かすような彼はあまり気にしていないようだ】

【彼の肉体は見掛け倒しなどではなく本物だ、逞しい筋肉と太く硬い骨は、彼の武器である】
【それと、棘の能力や気合の能力を合わせて戦うのだ】

【喰らわれた"棘の弾"は噛み砕かれると、細く硬い物が折れる痛快な音がして――そして消える】
【そして、接近する自分へ対向するかのごとく突進してくる"蛇"】
【――――"迷いはない"、考えるより先に体が動く】


「喰えなくてもぶん殴ることは出来るゥーッ!」 「喰らえッ!」

【――なんてことはない、ただの右ストレートだ――する者が"ごっつい"だけである】
【"蛇の頭部"とそれを"激突"させようと、それは駆ける勢いを乗せて振るわれた】
【もしそれが当たれば、彼の拳にも衝撃が響き――"裂傷と強い打撲"が発生する、開始早々"右拳"を痛める事となる】

【蛇が直進するならば、この拳も"直進"だ】
【身をそらせば、"直撃や命中を回避"することが出来るはずである】


【彼の脚に、――暑苦しく刺々しい彼の"魔翌力の気配"が漂う――――何かを仕掛けるつもりなのだろうか?】
513 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/25(月) 22:35:12.96 ID:k+afX7c3o
>>512
/蛇攻撃命中時書き忘れ
/【拳をかわすか、あるいは直撃しなかった場合は――それは彼の胸部を叩き、駆ける勢いを止めると共に小さな呻き声を上げる】
514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/02/25(月) 22:36:31.50 ID:pqrT9gdlo
>>510
【お祭り騒ぎの中で、女ははん、と笑う】
【小さく口元で、いいぜ、と呟いて飛びかかってくる男の鼻面に靴底を叩きこむ】
【無人のテーブルの上に叩きつけられて吹き飛んだ男に対して、ベッタリと壁に血痕を残しながら女は立ち上がった】
【後ろから見れば分かるが、坊主頭がガラスにぶつかって血塗れになっていたが、気にする様子は無い】

――賭けは好きにしな。だが、オレが勝ったら半分よこせ。
オーケィ?

【観客たちに向けてパフォーマンスのように、強欲ぶりを魅せつけて】
【もはや最初から勝つつもりで居るのか、女のその強気さに観客は湧く】
【「よーっしオレはあの姉ちゃんに2000!」「500!」「男に3000!」】
【その女の態度が気に入らないのか、大柄の男は一気に女に詰め寄って大きな肉体を駆動させて拳を振るう】
【顔面へと伸びるゴツゴツした拳は、女の顔面に命中した】

……ッ、ぐ。

【ごつん。骨と骨がぶつかり合う鈍い音】
【女は口の中を切ったのか、つぅ、と口の端から血を垂らして】
【男と女は、拳を顔面に突き混んだままなぜか硬直】

【直後】 【ザ ざ ザザ ざ ザザ ざ ザザザ】

【ノイズのような音が、響いた】
【そして、その音が響いた瞬間に。男は絶叫を上げて女から飛び退いた】

「ぎィぇ……ッぐ……ッ、があああああああああああ!!」
おいおい、どーした? さっきまでの威勢の良さはよぉ……?

【男の右腕は、何か鋭利な刃物で刻まれたかのように無数の傷跡にまみれていた】
【ヤスリで削られたかのように皮膚の所々は剥がれ、一部の部位からは骨が見える】
【腕を抑えて泣き叫ぶ男の胸ぐらを掴んで女は相手を持ち上げて、獰猛に笑う】

おいおっさんよ。さっきからちょっとおとなしくしとけばアレだな、喧嘩売ってんのかぁ?
うだうだうだうだ、そんなにデカイこと吹くんならてめェも強いんだろうな!
こんな細切れみたいな腕したおっさんがデカイこと言ったって、説得力ないんだっての!

死ねや、さっさと。

【そう言うと同時に、女は右腕を振りぬいて、向かいの壁に男を叩きつける】
【観客たちのいる方向のテーブルにぶつけられて、グラスや皿の割れる音を響かせながら昏倒する男】
【腕の傷は比較的深く、出来るだけ早い処置が必要と言えただろう】
【当の女はぐるんぐるんと腕を回して、あふぅ、とあくびを漏らして、カウンターへと歩いて行き、椅子に座り】
【店員であろう男に青い瞳を向けて、僅かに苦笑を浮かべ】

悪ぃ、暴れちまったわ。
……今金ちょっとしかねェから後で下ろしてくるからよ。
弁償代出しといてくれる?……あと、それ食うからさっさとくれよ。

【後ろの観客の叫び声や、血塗れの店内を見てからからと楽しそうに笑って】
【グラスの水をもう一度空にするのだった】
515 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/25(月) 22:37:12.63 ID:GfGxDHRxo
>>502

―――……初めてだな。 ―――八攫 柊……お前が俺の名を呼ぶのは―――-!!

【傍から見れば、唯の棒立ち。しかし彼女からはこの体制、どう見えていたのだろうか】
【濡羽色の双眸の奥に潜む、鋭利な刃の爛々たる輝きを失うことはなく。闘志滾った眼を光らせながらも、彼の口元がやや上がった】

【―――求めるは、真っ向勝負。彼女が初太刀の「秘剣」に挑んだ様に、此方も彼女の「魔剣」に挑む】
【其れが武士の礼儀だから―――否、違う。―――……単純に、彼女の技を正面から打ち破って勝ちたいから、打ち合うのだ】

―――――……………来るか
(イメージは水……全ての力を活かす。己の身体だけでなく、「地」すらも―――)

【八攫が地を力強く蹴りこむ。 瑛月は右脚を下げ、体重を右脚に乗せて―――右手に握られた「御代櫻」を引き、構える】
【剣鋒が相手に向けられた其れは、明らかに突きの構え。弓を引いているかのような動きで、相手に狙いを定める】

【―――-漂うは、静かながらも鋭い剣気。 狙いは、八攫自身ではなく、その剣。―――打ち合って勝つという意志が、強く灯っていたから】
                        【―――瑛月は、静かにその技の名を呟く】

                             ―――-……「裏」崩山……。

                               【そして吼える―――】

                       ――――――――うおおおオォォォォォッッ!!!!

    【右膝を抜き体重を左膝に乗せ、腰を回す。足で強く、地を掴む。―――こちらも勿論全身の筋肉を躍動させて】
  【其れに唯刃流の動きを融合させ、重力すらも味方に付ける。そして此処からが、「裏」の真骨頂―――体内での、超加速】
【背骨を含む全身27箇所の関節の回転を、連結加速させる。加速に加速が繋がり、肩が回り、真っ直ぐと突き出される右手、その速さは―――】

                             【―――-「音」をも超える―――】

【―――……唯刃流最速の居合が、「裏」逆抜。その最速が指すは、「最短工程」。―――ならば本物の最速の技が、この「裏崩山」。―――唯刃流の技では、無いのだが】
【しかし最速の代償は大きい。全身の力で加速し、伝えたその右手。音速を超えて衝撃波すら生むこの技―――ならば繰り出した右手も、衝撃波により切り刻まれる】
【当たっても当たらなくても、彼の右手からは血が吹き出してボロボロになるだろう。そして何より―――】

【―――彼女の魔剣を、上回ることが出来るのか。 躱されて終わるか、当たって撃ち負けるか。此方は相手の魔剣を躱す気はない】
                   【つまり勝つには、魔剣を正面から突破しなければならない―――-】

[ギ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ン ッ ッ ッ ! ! !]

                      【―――――-会場中に、2つの魂の衝突音が残響する】
516 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/25(月) 22:40:42.80 ID:0I+J6zzAo
【水の国/フルーソ/路地裏】


【――、大会の開催に合わせ、盛り上がる水の国】
【俗に言われる『チンピラ』達も、それに連れてボルテージが上昇するのだろうか】
【ここ数日、少なくとも此処の路地裏では、刃傷沙汰が毎日の様に発生していた】


『――、 オイオイ嬢ちゃん、此処がどういうトコか分かってんのォ?
 女のコが独りで来るもんじゃないぜェ〜、俺ら、“紳士”だから殺しゃあしねぇけどさァ〜。』



 …、… 。



【そんな状況下――『女性』が足を踏み入れれば、どの様な事に成るかは想像に難くない】


【――、大凡、女性としては平均的な身長をした、十代後半の女性だ】
【ショートの黒い髪に、黒い瞳。黒のプリーツスカートに、黒のコートの黒ずくめ】
【銀色のアタッシェケースを提げ、胸ポケットからは菓子の箱が覗いていた】


【状況から言えば、“女性が囲まれている”と言えるだろう】
【五人の男達は下卑た笑みを浮かべており、一方、女性は人形のように無表情】
【…、…彼女の薄い眉の稜線は、白い肌の上で、何の感情を表すこともしていなかった】


【す、と、女性は双眸を、眼前の一人へと向けて――】



――、…… “森島 京” 、知ってる?



『――あァ〜? ナニナニ、人探しぃ?
 そんなコトよりさァ、もっと“愉しいコト”しようぜェ〜ッ!?』



…、…知らないのならいい。退いて。 『…、…何だよ連れねェなぁ〜っ。』



【――女性は男達から離れようとするが、男の一人は、その肩を掴み】
【笑みを一層大きくして、彼女を引き止める。周囲の男達も同様に、笑みを浮かべるのみだ】


【一見すれば、厄介な状況では有るが―― さて】


/25時前には落ちますが、それでも宜しければ
517 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/25(月) 22:43:02.85 ID:c58Wple+o
>>512
……ご期待に副えず、申し訳ありませんが。

【本気で食べるつもりだったのか、と言わんばかりに苦笑を浮かべながら】
【その感情を隠すところのない無垢さに、少しばかり笑みの苦味が緩む】

……おっ、と!

【右拳を振りかぶり、どうやら蛇を殴り返そうという魂胆らしいと悟ったフリッツは、目をわずかに見開いて驚きの色を見せるが】
【彼のその一言で、蛇の頭部が、開いた】

申し訳ありませんが……真正面から打ち合う気は、ございません。

【ニードルシェル砕いたのと同じ】
【この蛇は、噛み付く≠アとができるのだ】

【ヘケメトの拳は、確かに蛇と衝突したが、その拳に裂傷と打撲が発生することはない】
【ただしその代償として、黒蛇の鋭い牙が、その腕に突き刺さることになるだろう】

【蛇の口腔に突っ込んだ拳に伝わる感触は――ぬるりとした粘性の泥に、拳を突き込むのと似ているだろう】
【それは生物と呼ぶには余りにもおぞましく、その蛇の正体がそのまま蛇≠ナないことを如実に伝えるだろう】

……そこ!

【ヘケメトの右拳に噛み付くと同時、フリッツは集う魔力を感知してか】
【素早く反応した左の蛇が、ヘケメトの右足の腿に目掛けて、体当たりを仕掛けてくる!】
518 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/25(月) 22:45:44.01 ID:Qm2J7YUh0
【静けさに包まれる街の一角――暖かな光を漏らす店が其処にあって】
【外から見る限りでは魔術に用いる様々な用具が飾っており、その殆どが普通の店では置かない――呪われた品や取り扱いに注意が必要な毒物等】
【この店の主もある程度裏に通じている為、その道の者が訪れる事も多く】
【――看板こそ掲げていないが、謂わば何でも屋とでも言うのだろうか】
【狩りから窃盗。護衛や家事等実に何でも請け負うのだが、其れも気紛れなこの女次第で。まともな仕事を断って可笑しな依頼を受けたりと変人としての評判であったり】


「さて……また面倒な依頼が着たわね
これは別に受けなくても良いかしら」

【手元に広げているのは、とある富豪の娘を誘拐する旨が書かれた紙】
【溜息一つ吐けば、丸めて燃やし始めるのだろうか】
【――――灰が風に吹かれてゴミ箱へと入った後、再び溜息を吐いて】


「それにしても、今日は暇ねぇ……
また面倒な依頼がくるのも嫌だけれど、だからといってずっと暇なのも嫌なものよね」

【クルクルと指を回せば、それに応えるかのように小さな小瓶が宙を舞ったり】
【そんな遊びにも飽きたのだろう。静かに元の棚へと落とせば、その双眸を扉へと向けて――――】



【正義組織として知られるUTのお店付近。花壇に腰を落ち着けて、夜空を見上げる小さな影が一つあって】
【その形から見て、純粋な人間で無い事は直ぐに分かるだろうか】
【狼の耳と尾。人間の中には忌み嫌う者も居る何て噂される亜人――――か】


「セリーナもソニアもアンジェルもみんな大会に出てるのか〜……
あれ、もしかして女の子陣で出てないのボクだけ?」

【ローブを纏い、金色の髪を持つ少女――――だろうか】
【ほぇ。何て間の抜けた声を漏らせば、ピコピコと耳を動かして】
【その後、眉間に皺を寄せて何かを考え込むかのように俯くのだろう】


「うーん……ボクも出てればみんなと戦えたのかな
それは其れで面白そうだったけど……
でも人が多すぎる所は余り好きじゃ無いし……何より、ボクじゃなくて“私”だったら何か混乱させちゃいそうだし……」

【ゆらゆらと尻尾を揺らしながら紡がれる独り言は、何処か可笑しな光景だろうか】
【手に持っていたジュースの缶をゴミ箱へと放り投げれば、長い長い溜息を吐いて】
519 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/25(月) 22:48:47.96 ID:sBkJHQXjo

【──路地裏】


「──……なぁんや兄(あん)さん、それで仕舞いかいな」
「降参せぇへんの?」「……あぁ、すまん、出来へんわなぁ」

   「────せやったら、しゃあないんとちゃう?」

【僅かなギャラリーに見守られる中、煤けた舗装路の上へ仰向けになった男の腹部を、硬い靴底で踏みにじった】
【「えらい弱いなぁ」女はその蔑むような一言と共に、木の長棒を“対戦相手”の喉笛へあてがい、強く押し付けて呼吸を遮る】

【───それから】

【閉じたように細く、長い眼を弧状に歪めて──笑う。下卑ない、けれど自分の力量に陶酔しきった、満面の笑み】


「ほな───まいど、“おおきに”」

「……挑戦者は……居らん、これで、賭け金は全部ワシのもんやね?」「親の総取りっちゅー奴や」

【最期の一言を添えたのと同時、棒へ込められた力は最高潮へと達し、やがて惨たらしく絶命する男を事も無げに見届けて】

【女──黒により一層黒い染みを滲ませたスーツ姿の彼女は、顎までの長さで整えた黒の短髪を靡かせながら、ギャラリーへと問う】
【ギャラリーの中に、前へ出る者は居なかった。何人かが踵を返した所で、勝ち誇ったような表情をして愛飲している細巻煙草へ火を付ける】

【それは公の下、規則に則って執り行われる武闘会とは趣を異にする──裏の世界の、闘技だった】
520 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/02/25(月) 22:52:05.93 ID:dssUkmT50
>>514

「弁償?んなもん問題ない、金は上から降りて来るからな」

【女性の座る席に食事と酒を置く男】
【その間、目の前の女性はニヤニヤと嬉しそうな笑みを浮かべていた】

うふ、良いショーだったわよ♪ドキドキしちゃった♪

【本当か嘘か、どちらとも取れるニュアンスで話す】
【そんな女性二人を見て、ため息を一つつきながら男は厨房へと戻って行く】

「アッシュ、後で片付けとけよ」
えー、私怪我してるのに〜

【店の奥へと入って行く男に不満を言いつつ、序の方へと顔を向けた】

全くもう、下に持ってくのは面倒なのに…
それにしてもあなた、とってよ強いわね♪
とってもワイルドな雰囲気だし♪
私好きよ♪そういうの♪

【少しばかり人が傷つく様な事を言っただろうが、彼女に悪気は無い】
【むしろ彼女からして見たら褒め言葉なんだろう】

【そんな店内、後ろでは変わらず騒ぐ人々】
【喧嘩も過ぎたのか次第に興味は再びテレビへと移っていく】
521 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/25(月) 22:52:28.51 ID:FMFD87huo
>>511

【真っ二つになったムカデ――それを前にして銀猫は静かにほくそ笑んだ】
【びり、と拳を包む痺れは、そのまま達成感となって心に染み込んでゆく】
【……いや、まだ闘いは始まったばかりで、勝利の目途すらまだ見えていないのだが】

さあ次は何かにゃ? 片っ端からぼっこぼこにしてやるにゃ

【……このままアンジェルが虫やらなんやらを召喚していたなら長期戦になったかもしれない】
【だが彼女自身、闘いを楽しんでこそいるが勝てる確証などなかった】
【さっきのムカデだって強力だ。拳の痺れはまだ取れないし、間接や骨もイカれそうだ】

【視線をアンジェルへと戻す。閃光が瞬く直前バッジが見えたのでまた召喚かと身構えるが――】
【そこに立っていたのはさっきまでのアンジェルではなく、武装した彼女で】


……アンジェルさんも亜人だったのかにゃ?


【まあぱっと見そうかもしれないが――やはり、馬鹿だった】
【変身に見とれていると、彼女は動き出した。その速度は油断ならない】
【銀猫の瞳の奥に、再び鋭利な光が宿る】


――望むところだにゃ!!


【拳と拳をかち合わせると、あらゆる攻撃に対応できるように低く構える】
【突きだ、と本能が叫んだなら左へとバックステップを取る】
【しかし、僅かに間に合わない。刃が彼女の細い身体を捉え、鮮血が舞った】

にゃは、

【ひとつのミスが命取りになる――その緊張感で彼女もまた額に汗をにじませた】
【きゅ、と靴を鳴らしたなら、前進。拳の範囲まで来れたならば、アンジェルの腹を狙い澄まし右ストレートをお見舞いしようとする】
【切り返しこそ素早いが、そこに重点が置かれているために威力は多少低いか】
522 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/02/25(月) 23:00:21.96 ID:pqrT9gdlo
>>520
いいねェ、上のナンバーズは。
オレなんか下っ端だからよ、略奪とか色々しねえと豪遊も出来やしない。

【へ、と何かをばかにするように鼻を鳴らして、出てきた料理に目線を動かし】
【チャーハンの様な食事にスプーンを伸ばして、一口口にして、咀嚼】
【ゆっくりと口を動かし、こくんと飲み込んだ。一連の動作は、妙に品がある】
【先程までの乱暴さとは異質なそれは、女の雰囲気とは全くそぐわない食べ方だったろう】

アンタ、なんか機嫌良さそうだな。アッシュ、だったか。
……飯時は、あんまり喋らないもんだ。米が飛ぶ。

【一言そう女に答えると、本人は無言でチャーハンを平らげていく】
【速くもなく遅くもないペースで、しかし品は失わないままに、しっかりと平らげて】
【紙ナプキンで口を軽く拭いた後に、横へと皿をずらして】

オレより強いやつなんかそれこそ五萬と居るだろう。
――そいつら全員ブチ殺せる位には強くなりたいけどね。
金は足りねぇ、力も足りねぇ、権力も足りねぇ。無い無い尽くしで嫌になってくる。

【ため息を付きつつ、女は酒瓶に手を伸ばす】
【栓抜きが無いのを理解すると、僅かに目を細めて酒瓶を見据える】
【また、ざざざ、とテレビのノイズのような耳障りな音が小さく響き、次の瞬間には瓶の頭が切り落とされていた】
【こぼれ落ちる瓶の頭を手で受け止めてテーブルに置き、瓶から直接安酒をらっぱ飲みした】
523 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/25(月) 23:04:09.62 ID:k+afX7c3o
>>517

「んゥー、これ……確かに喰っても独特な味がしそうで……う、うおおおッ!」

【右拳と蛇、それが触れ合えば裂傷が発生するはずだった】
【しかし、拳が命中する前に開かれる口、急停止など出来ずそのまま口部へと拳を突っ込んでしまう】
【その蛇の口内より伝わる感触に、少々気持ち悪そうにするも――結局は食べる方向へ向かうのだが】
【突き立てられる牙は、彼の拳に深々と突き刺さり――おぞましいその口内へ、赤くたぎる血を提供する】

「右の拳が喰われちまったか――だが俺は右寄りの両利き、って奴らしいからなァーッ」
「ヘケケケ、腕が喰われようと脚が喰われようと、――意識がある限り俺は戦うぜェー!」

【――拳を喰われたままでもなお、戦闘へ対する精神は衰えず、むしろ燃え上がる】
【しかし、幾ら両利きでも武器を一つ痛めたのだ――さて、これはどのような結果となるか】

「……ちィッ、読まれたかァーッ!」 『ヘケメト、……魔翌力の用意は出来ているのでしょう? でしたら反撃は簡単です』

【脚を使った技を繰り出そうと用意していた時に、襲い来る蛇】
【――少々溜めは足りないが、反撃の手に出るしかないッ!】

【彼が右脚で地面を思いっきり叩くと、その前方から無数の棘で構成された棘が――少々白が多いか】
【まるで"雨後の筍"の様に、"噴水"の様に、勢い良く生えてくるッ!】 【棘は飛ばないが、刺す勢いはある】
【蛇を棘で突き刺そうという考えのようだ――緑色の棘は先ほどのニードルシェルのものと同質】
【そして白い棘は、それより弱い棘である】 【棘が刺さる量は、少々抑えられるだろうか】

「ところでよォー、……これ痛ェーッ!」 「うゥーおらァッ!」

【その脚による反撃と同時に、彼は拳を喰らう蛇への攻撃も仕掛けた】
【といっても、ただ単に"喰い付かれたまま引き寄せようとする"だけなのだが】
【無論、拳の傷は広がるが――】
524 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/25(月) 23:06:44.28 ID:k+afX7c3o
>>523
/すみません、今日は落ちます
525 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/25(月) 23:12:50.10 ID:GcyRI+GZo
>>521

【刀が相手を捉える感覚、そしてその直ぐ後に凄まじい息苦しさが襲い掛かる】
【シルバーキャットの拳が届いたのだ。しかしながら、狼と同化したアンジェルは止まらない】

【まず、わずかに震えるその右手で、自らの腹部を殴りつけた彼女の腕を掴もうとするのである】
【そしてその成否に関わらず、左手の刀を横に振るって相手を近距離から切りつけようとも試みる】
【刀――妖刀なのだが。それは少量ながら血を吸って、先ほどよりもすらりと鋭く】

やっぱり速いわねっ、猫さんっ?拳と拳の戦いなら負けてたかも……ッ!
まっ、刀を使ったって派手さは無いけど―――燃えるでしょ?こういう≠フも――!!

【同化≠フメリットは、その生物の特徴を容易に得ることが出来るという点である】
【鷲と同化すれば空を飛べ、フクロウと同化すれば夜目が利き、狼であれば戦闘のセンスを手に出来る】
【どうやら、好戦性も随分と増すようだが―――ここで1つ、アンジェルの攻撃に関して隙があることを記しておく】

【それは『震える』と記したように、シルバーキャットの腕を掴もうとする右手のか弱さである】
【如何に高い戦闘センスを得たとしても、肉体が伴わないのでは意味が無い。そして、これはチャンスでもあるだろう】
【つまり、やろうと思えば、それを振りほどくことも可能なのだ。上手くすれば刀の軌道も逸らせるかもしれない】

【―――確実に、効いている。ムカデを失した消耗、そして腹部への一撃。アンジェルのダメージも、確かに溜まっている。】
526 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/25(月) 23:13:54.82 ID:O3wTfBXv0
>>522

うふふ♪私好きだからね♪こういうの♪

【確かに妙に上機嫌、そもそも普通の女性ならこういう事はむしろ嫌う方向性が強いはずだが彼女は違った】
【それもそのはず、女性と話すために前かがみの姿勢になった彼女のチラリと見える胸元からはNo32と逆五芒星が見えるであろう】
【彼女もまた、女性や男と同じ悪の組織の一員なのである】

あらあら♪本当に豪快ね♪
でも、無い、無いってそんなことは無いわよ♪

【まるで諭すかのように優しく問いかけ】

お金も力も権力も無くたって、あなたが"ある"じゃない♪
あなたを示すためのとっても大事なものが♪

【不可思議な、遠まわしに何かを案じているのかそのままの意味なのか】
【どちらにせよ彼女の中だけで理解がいっていることであり、意味がわからないであろう】

私にはお金は―店長が持ってくれてるし♪

【何とも嬉しそうに、彼が聞いたら苦虫を潰した表情にでもなろうことを軽々と言ってのけ】

力は―まぁ、そこそこあるし♪
この前負けたけど…

【小さな声でボソリと付け足すように言い】

権力は―"愛"があるからなんでも解決できるわ♪

【などとさらに意味の分からないことを言ってのける】
527 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/25(月) 23:19:56.87 ID:c58Wple+o
>>523
驚くべき戦意ですね。
……とはいえ、僕もそう簡単には負ける気はありませんよ。

【黒蛇と繋がる右腕で、ヘケメトと綱引きの様に力を入れあいながら】
【――噛み付かれているヘケメトには、蛇の顎の力は、ヘケメトの身体を噛み切ることが出来るほどのものではない、と確信できるはずだ――】
【左手の蛇が向かう先、魔力の発動を阻止しに向かった蛇へと注意を向ける】

これ、は!

【蠢動する魔力の変容、下方から迫り来る魔力】
【気付くが、伸びきっている蛇の胴体部分だけを、正確に操作するようなことはできないらしい】

……っぐ、ぅ!

【下から幾本もの棘に突き上げられ、貫かれる事こそはないものの】
【黒蛇の鱗のひょうな表皮を食い破り、その肉からは黒い液状のモノが滴り落ちる】

っ……真正面から打ち合う気はない、と申し上げたはずです!

【左の蛇が、突き刺さった棘から逃れるようにのたうつ間】
【フリッツは、蛇ごと自分を引き寄せようとする力の伝播を感じ取って、あっさりと右の蛇に口を開かせる】

もう少しばかり、離れていただきましょう!

【右の蛇は、口を開くと、またすぐに閉じて――その肩口へと、突進を試みる】

【とは言え、蛇とヘケメトの相対距離は大したものではなく】
【その攻撃に、最初の砲弾のような勢いはない。単にヘケメトを後ろへ押し出すような、突き飛ばしの一撃】

【棘に囚われた左の蛇のための時間稼ぎ、と言ったところだろうか】
528 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) :2013/02/25(月) 23:24:27.15 ID:3SfTAwyP0
【路地裏…底は深き海の底のごとき闇のゾーン。】
【夜目に慣れた闇の住民の巣窟】
【そこで今、赤い花が地に咲き、鉄くさい『芳香』を放っていた】

ああー食った食った。
【その中心で欠伸をしながら大男が立っている】
【中年位だろうか?】
【腹は多少出てるが太い腕や胸板が肥満ではないことを示している】
【黒く長く延びた髪やひげはぼさぼさで野暮ったい印象を与える半面】
【ぎらぎらとした肉食獣の目】
【大型の自動拳銃と弾装を入れたホルスターと多数の装飾品の形を隠れ蓑とした魔具を装備し】
【肌にじかに来た黒革のコートの背には、最悪の組織を意味するごぼう製のマークの旗をはためかした塔の絵】

だが…なんかものたんねーな。
【手に持った長大な山刀を眺めながら男は呟く】

【この赤い花――周囲にぶちまけられた血液を作ったのはこの男だ】
【しかし奇妙…周りには死体がない!】

【男はまだ山刀とそれに着いた返り血を見ながら何か考えている】
529 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/02/25(月) 23:25:46.84 ID:pqrT9gdlo
>>526
テメエもナンバーズ、か。
……どうにも此処は魔窟の類らしいな。
オレと違ってぱっと見そうは見えないあんたらこそ、本当の獣、なのかもな。

【相手の胸元に、特段様子を変えることもなく普通に目線をずらして】
【普通に社会生活を営んでいる様子の彼らが己より上にいるという事を考える】
【むき出しの刃で居るよりも、こうして爪を隠せる者の方がより手練なのだろう、と思った】
【だからと言って、女が周囲に牙を剥くことをやめるはずは無いし、やめるつもりもないのだが】

オレには何も無ぇよ。
何もないから、それを補うために片っ端から奪って喰って牙を剥くのさ。
――狂犬だからよ。気に食わねぇもんを見ると暴れたくて仕方がなくなる。
羨ましいのさ。あんたらみたいに何かを持ってる奴が、な。

【カウンターに両肘を付いて、ちびちびと酒瓶を口に含んでいき】
【まともな髪型と格好にすれば見違えるであろう顔立ちを僅かに歪めて、アルコールを喉に流し込んだ】
【安酒特有の嫌な酔い方も、今の女には相応しいと己自身がそう思っていて】
【先ほどの戦いの時とは打って変わって、異様に低いテンションに成り下がっていた】
【精神の上がり下がりが比較的激しいタイプなのか、澄み切った瞳を半眼にして、もくもくと酒瓶の中身を減らしていた】

金は奪う、力は身に付ける、愛よりも恐怖政治。
……そこそこで満足してちゃ、意味ねぇだろ。
そこそこ以上の奴らを見たら羨ましくなってくる。
オレより富んでる奴も、強い奴も、偉い奴も全員気に喰わねぇんだよ、結局。
全員死んじまえばいいのにな。オレより上のナンバーズも六罪王も、正義組織もその他全部も。

【ぶつぶつと死ね死ね呟きながら、女は酒瓶を空にして】
【がん、とテーブルに酒瓶を叩きつけると、カウンターの向こうに体を乗り出して】

今の。もう一本。
あと、つまみに、塩な。

【と、限界まで倹約した注文をするのであった】
530 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/25(月) 23:33:12.50 ID:Ar6HCwo9o
>>519

へいへいへい、どこに挑戦者が居ないですって?

【群衆の後背から響くのは、威勢のいい――そして、些かばかり能天気な音色だった】
【屈強な男や陰険そうな雇い主らは顔を見合わせて、その声の主を探すが……一見して、いない?】

【いや、当然いる=Bそれからも幾つか、煽るような声が聞こえてきて】

【まごつく男どもの間をすり抜け、凄惨な死亡遊戯のリングへと飛び出して来たのは】
【なんと――――石竹色のロングヘアをツーサイドアップに結んだ、推定身長150cmの、非力そうな少女であった】
【目深に被っていたキャスケット棒を脱ぎ捨てると、その幼い顔が実際露となる】

【相手の出方を覗うように腕を組む少女は、腰に小さな円盾と長剣を吊っていて】
【それだけ見れば戦闘準備万端ではあるのだけれども、服装はメルヘンなエプロンドレス、極めつけにこの容姿】

【だが冷やかしに来たにしては場馴れした空気と、火花の如き魔翌力の光をその背に纏っている事が】
【笑うに笑えない奇妙な雰囲気を醸成し、ギャラリーを圧している】
【彼らは今正に、女にプライドや皮算用を滅茶苦茶にされ、異能者の恐怖を思い知った。死んでいった者とは違う。そして、この少女をも平等に警戒し始めているのだ――】

【ゆえに今のここは、少女と女、二人の世界】
【自信ありげな眼をしたこの矮躯を、女はどう評価するのだろうか?】
531 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/25(月) 23:40:23.98 ID:O3wTfBXv0
>>529

あらあら♪いい感じに酔ってるわね♪
店長〜また同じの一つだって〜♪あとなんか塩だって♪

【テンションが下がり、不満を漏らす彼女を優しい瞳―そう感じてしまうほど妖艶な瞳で見つめた】

そんなに上ばっかり見てたら、落とし穴にはまっちゃうわよ♪
それに上なんて見れば見るほど高くて、手が届きそうなのに誰も届かない♪
みんな一緒よ♪同じ同じ♪

【ロマンチスト、まるど詩でも読んでいるのか様に乙女なことを言う彼女】

だからこそ、他人を出し抜くには、蹴落とすには横をみなくっちゃ、下を見なくっちゃ♪

【フフッと甘い吐息を出しながら、妖艶な瞳で彼女を見つめる】

「俺は半分賛成だが半分反対だな」

【手には酒とつまみを持って彼女の元へとやってきた】
【手に持つ酒は先ほどの無名の酒とは違い、なかなか名の知れた名酒であり】
【つまみも塩などではなく渇いた肉、ビーフジャーキーのようなものを持ってきた】

「上ばかり見ては意味がないのは賛成だが、他人を出し抜く必要なんかない」
「自分の腕の身を磨いていれば、自分のやりたいことだけを突き通せばいい」
「そうすれば勝手に周りの奴らが落ちていく」
「むしろお前がそうならないように何か考えた方がいいかもな」

【酒をドンと女性の目の前に置き、再び厨房へと戻ろうとする】

「あと、その酒とつまみは残飯だから金は要らん」
残飯って…これ私が夜に食べよと思ってたやつじゃんー!!!

【彼女の声は聞こえただろうがそのまま振り返らずに奥へと戻る】
【一方彼女は、はぁと溜息をつきテーブルの上に突っ伏した】
532 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/02/25(月) 23:48:31.07 ID:pqrT9gdlo
>>531
【二人の言葉を茫洋とした様子で聞いて、はん、と鼻を鳴らす】
【口元には獣のような笑みで、蒼い瞳もまた獣性を宿してギラついていた】

要するに上も下も横も全員ブチ殺してけばいいって事だろ?
――オレのやりたいことは、全部全部奪い尽くして全部ぶっ壊すことさ。
一回奪われたんだ。次は、オレが――奪う番だからよ。

【目の前に差し出された銘酒を見て、僅かに目を見開いて】
【微妙に卑しいが、何処と無く硬さの無い笑顔を浮かべて、その酒瓶を受け取った】
【またざざざ、とノイズを漏らしながら女は少し集中して。気がつけば黒い霞に包まれて2つのグラスがやってきた】
【テーブルにごとん、と2つのグラスが置かれると、霞は女の四肢と腰に向かって移動し、消えていった】

……サンキュ、マスター。

【慣れない礼は、ほんとうに小さくて。絶対に厨房には聞こえなかったことだろう】
【そして、指先に黒い筋を纏わせて指先をつい、と滑らせれば瓶の首が落ちる】
【瓶を傾けて、ふたつのグラスに琥珀色の液体を注ぐと、一つのグラスを女の側へとすべらせた】

良い物食い過ぎると腹壊すからな。
片付けるのちょっと協力しな。要らねえならオレが全部飲むし食うけどよ。

【自分と相手の間にビーフジャーキーの皿を置いて】
【ジャーキーを食いちぎりつつ、グラスをくい、と傾けて味わうように酒を飲んでいった】
【先程までの自棄になった様な飲み方ではなく、ある程度作法というものを知っているたしなみ方だった】
533 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/25(月) 23:50:40.49 ID:FMFD87huo
>>525

にゃ――

【腕が掴まれると同時に目に入ったのは、アンジェルが刀を振りかぶる瞬間だった】
【至近距離の刃の軌道は腹を裂こうと迫る。そして飛び退こうにも、一瞬引き戻されれば受けてしまう】

【それでダメージを少しでも軽減できるなら、そうしていた方が賢かっただろうか】
【だが銀猫はそれでも、攻勢に出ようとする。掴まれた腕を引き、解放されようがされまいが】
【右肩を刀の軌道に合わせ力を込める。そして、できるだけ深く斬りこまれないように斜めから突撃する!】


いっ、つ……っ


【成功すれば再び鮮血が舞い、銀猫は右肩に刀を喰い込ませたまま硬直するだろうか】
【痛みで足が震えて崩れそうになるが、空いた左の拳を思いっきり振りかぶれば――】


――ッ、りゃぁ!


【ぶわ、と上体を起こす力を加えて、アンジェルの顔面へと叩きこむだろう】
【しかし、ダメージで怯んだためにそこには一瞬の隙がある】
【避けようとするなら、それは容易いはずだ】


/ごめんなさい、帰って来たものの結局考え込んで遅くなりました…っ
534 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/26(火) 00:02:58.45 ID:1IRr6qqM0
>>532

あら♪ありがとう〜♪
うれしいわぁ〜♪

【滑ってくるグラスを受け取り、右手で受け取りグラスの中に漂う酒を揺らしながら見つめた】
【そして、くいっと小さくグラスを傾けて飲むと、女性の表情がさらにゆるいものになった】

おいしぃ〜♪店長いつもけち臭いのに今日は珍しいわ―

【彼女が厨房にいる男に対しての文句を言った瞬間、彼女と女性の二人の間に一本の包丁が通り過ぎて行った】
【壁に刺さり、ブラブラと揺れそのまま地面に落ちる包丁】
【包丁が飛んできた方向を見れば、厨房の奥で包丁を拭いている男の姿が見えるであろう】
【彼女はと言うと引きつった笑顔をして女性の方に顔を近づけ小声で話した】

店長地獄耳だから、文句言うとすーぐ包丁飛ばすのよ。

【ふふっ、と何故か笑顔で話した】

まぁ、受け取り方は人それぞれと言う事よね♪
それもまた正解だと思うわよ♪
真実なんて誰ひとり、何ひとつわか〜〜んないの♪

【嬉しそうに語る彼女】
【自分の考えは強要しない、だが他人に流されないと言った雰囲気だろう】
【そもそも、彼女の何か軸となる一つの考えがあるかと聞かれれば、それも疑問である】

でもよかったわね♪奪われたものが奪い返せる程度のもので♪

【フフンっと鼻を鳴らして笑う】
【彼女が言う奪い返せる程度の物とはどれほどのことを指すのか】
【少なくとも、彼女がカノッサの一員であることを考えると、人の命ですらその程度と言ってしまいそうなほどである】
535 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/26(火) 00:03:10.23 ID:3zCByqd6o
>>530

「……あーあぁ──お嬢ちゃん、こんなトコに居って大丈夫かいな」
「よーここまで来れたなぁ……この金目当てか?安心しぃ、帰りはワシが送ったるさかいに」

「まあ無論、ホトケでっちゅう事になりそうやけどな」

【女は、今まさに自らと相対せんとしている少女の方を見据える──凡その予想通り、その顔に冷笑を湛えて】
【──第一声は、嘲るような猫撫で声】
【手中にあった革袋を適当な道端へ投げ捨てると、金貨が詰まっているのだろう、鈍い音な鳴って】
【吐き気を催すほどに甘ったるい紫煙の香りを吹き掛けながら、一つ、そちらへ歩を詰める】

【けれども、拒む様子は無い。愉しげに目じりを吊り上げる様は女はむしろ、予想外の乱入者を歓迎するようにも見えた】
【──武装し、戦意を示す以上、目の前の少女が女にとっての敵、あるいは獲物である事に変わりは無かった】


「その覚悟はぁ、出来とるんかいな」「そこら辺にごまんと居る、浅いガキの遊びとはちゃうんよ」

「───まぁ、……それが嫌ぁ言うんやったら、逃げてもええんやで?」

【右手に取った長棒を翻して、握り手を背の後ろへと遣る。初手の動向を隠す、そんな意図を込めた動作】
【じんわり濡れた唇の隙間へ尖った舌先を差し入れて、舐め取るように一文字に動かした後──】
【彼女は、来いと言わんばかりに左の半身を、少女の方へ突き出してみせる】


/すいません、気付くのに遅れました……ごめんなさい!
536 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/26(火) 00:09:25.70 ID:R53no8XAo
>>533

【シルバーキャットの肩に食い込んだ妖刀が、その血を啜って静かに、そして不気味に共鳴する】
【徐々に刀身が夜露に濡れたかの如く変化し、また切れ味は天井を知らぬかの如く上がっていって―――】

【ゴっ=\――アンジェルの『額』に拳が鈍い音を立ててブチ当たり、皮膚が勢いで避けて、血が流れた】
【しかしこれは回避の結果だ。鼻っ柱や顎ではなく、骨の厚い額で受けることによってなんとか堪えたのである】
【やがて刀は相手の右肩から引かれ―――同じようなタイミングで、今度はアンジェルが右の拳を引き】


       だらぁァァァァァアアアアアアアアアアアアア――――ッッ!!!


【雄叫びのようなソレと共に、下方からのアッパーカットを少女の顎目掛けて叩きこまんとした】

【―――しかしながら、その精度は少々低い。完全に決まれば大きなダメージとはなるのだろう】
【が、だ。額に貰った一撃で揺れる頭部では、そうそう狙いをつけて確実に当てるというのは難しいものであり】
【またこの一撃が届こうと届くまいと、ふらりと揺れつつ、アンジェルは数歩さがって蹈鞴を踏むようにして止まるだろう】

【もっとも、その蒼い瞳にはまだまだ戦いを続ける意志が在る。きゅっ、と刀の柄を握る音がした。】

/いえいえ、無事で何より!おかえりなさいませ〜
537 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/02/26(火) 00:09:40.85 ID:HS5m8Lzio
>>534
気にすんなよ、そもそもオレの金で飲んでる酒でもねえし。
……タダ酒程美味いものは無いな。

【くい、とグラスを傾けつつ、ジャーキーを一口齧り】
【静かに女は酒の味わいを楽しみ、ジャーキーをつまみとしていた】
【外見こそ荒々しいが、案外まともな人格の持ち主、なのかもしれない】
【文句を行った直後に飛んできた包丁については、僅かに目線で追うのみで、酒を飲む作業に戻っていく】

成る程。
この店の客共が荒事に慣れてる理由が何となく分かった。

【なんとも言えない表情で、淡々と酒を味わい続けている女】
【人に絡むわけでもなく、暴れるわけでもなく。ただ、酒の味と酔いに溺れることを楽しんでいた】

……返せねぇさ。
だからずっと奪い続けるしかねぇ。満たされねぇからな。

【指先に霞を集めて、ざざざ、と渦巻きを作り】
【それをぼんやりと眺めて、徐々にその渦巻きを散らしていった】
【店の窓から寂れた裏路地が見えて、目を細めて、外に気をやった】

あんたらはよ。
なんで、この世界の敵やってんだ?
……カノッサなんざ、伊達や酔狂や変人か狂人くらいしか入ろうとする奴、居ねえだろ?

【と、珍しく相手に踏み込むような発言を、女は投げかけた】
【掴みどころのない相手の本質が、わずかにでも気になったのだろう】
538 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/26(火) 00:10:24.56 ID:mXfQsyCB0
>>515

…………こんなにも “私” が昂ぶっているもの。珍しい事の一つもしてみたくなる―――――

【――――――――――――――――勝負だった。】
【闘志と闘志がぶつかり合い、剣戟の火花のように神経を焦がす。それすらも今は心地良かった。】

【其処で見えた “彼” の技法は、全身の総ての力を用いた加速――――――】

(――――――……剣士か。彼の技法は、おそらく私の普段のそれと同種――――……いや、幾つか違いのある “近縁” ね)

【其れは剣士たるものの何れ辿り着く、幾つもの “道” にある答えなのだろう。此方もまた笑みを深める。】

【彼女が揮う魔剣は二種。すなわち最大の威力と剣速を誇る焔翅剣葬=A及び絶殺の極致たる “比翼” の魔剣。】
【この場で彼女が放ち得るのは後者――――――― 】


――――――――比翼、閃刃……ッ――――――――

【“それ” のために鋭く息を吐く。推進力の総てを太刀と、それを揮う自分自身に載せて加速――――――】
【右手で逆手に構えた太刀と共に左回転で旋回、踏み込みと同時に胸元狙いの一閃を先ず放つ。】

【切り裂かれる大気の轟音すら置き去りに、激突する白銀と鋼色。】

 …………、…ッ―――――――――――――!

【―――――――――――― 金属音が響き渡った。】
【“斬った”手応えがあればそれで良かった。
 だが片手とは思えぬ超重の剣戟は、瑛月の刀に凌がれ、強大な圧を加えながらも直後、黄金の焔を纏い虚空に消えて―――】

………ぁっ、ぐ……ぅぅ―――――――――っ!

【舞い散る鮮血。食いしばる奥歯、苦悶の声。】
 【柊は背中を深く切り裂かれていた。全身の力を籠めたといえど、同種の技法で“両手で”放たれた剣戟には打ち克てなかった。】

【だがその躰の回転は停まらない。その意思は未だ圧し折れていない。】

【“凌がれた” ゆえに陽炎のように、初撃の勢いもろともに、金の焔を纏いながら太刀は “虚空に還っていた” ―――】
【その場に残留した黄金の焔。“それ” が、上記の事実を覆い隠した。
 ……未だ残る身体の旋回の勢いからもう一度。彼女は、虚空より顕現する一刀を、初撃とほぼ同時に左手で抜き放つ。】

――――――――――――――――――――― …………無空ッッ!!

―――――――――――――― はぁアァァァァァァァァァァァッ――――――――――!!

【この二撃目こそ “比翼” が本質。初撃の生む隙、黄金の劫火。
 それらを受け継ぎ、その上の高みへ昇り………瑛月の右胴を狙う、最速域の “飛翔” の一閃――――――――――――――!】

【一刀でありながら二刀の如く。因果の軛すら切り裂き越えて、一撃一撃に籠めた “二つの” 全霊――――――】
【…………それを、彼は堪えきれるのか。】
【彼女には既にほぼ力は残っていない――――― この魔剣に費やした力と、彼から受けた秘剣ゆえに。】
【彼が勝利するのに要るのは、あとは “越えきる” ための力だけだった。】
539 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/26(火) 00:18:41.61 ID:1IRr6qqM0
>>537

なんでって?うふふ♪それはね…

【目をうっすらと細め、女性を見つめながら紅い唇を静かに開き―】

暇だからよ♪

【正義も悪もない、信念も悪意もない、だからこそたちの悪い言葉】
【何者にも縛られず自由に生きている彼女だからこそ言えてしまう言葉であろう】

まぁ、しいて言うなら私の趣味が、普通の人達にとっては迷惑みたいだったからね。
こっちの方が生きやすいのよ♪

【自分の居場所と言う物を、居心地の良い場所を求めた結果悪へとたどり着いた】
【その異常とも言える考えはまさに彼女ならではであろう】

店長は〜…自分の好きな料理を作れるのがこっち側ってのが理由だっけな♪
表の世界だとね、非合法なことはできないからねぇ〜♪

【彼女の見せる瞳は妖艶に、色っぽさよりも恐怖を与えるような瞳であった】
540 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/02/26(火) 00:25:09.08 ID:HS5m8Lzio
>>539
――へぇ、いいんじゃねぇの、それでも。
むしろその方がアンタはそれっぽい。

【女の不気味な気配を前にしても、無機質な蒼さを持つ女の瞳は揺らがない】
【肝が座っているのか、それとも勘が鈍いのか、その両方か】
【何方にしろ、女の妖艶な流し目を前にしても、女はガンを付けるだけだった】

やりたい放題するために、か。
あんたら揃いも揃って良い空気吸ってやがんな、羨ましい。

【吐き捨てるようにそう呟くと、女はゆっくりと席を立つ】
【革パンの尻ポケットから財布を取り出すと、くしゃくしゃの紙幣を一枚テーブルに放り投げ】
【踵を返すとひらひらと手を振って歩き出す】

また来る。マスターに酒と飯美味かった、次はもっと美味いの安く食わせろって伝えといて。
んじゃ、ファッキンシスター&ブラザーズ。次は死んでオレの席空けておいてくれるのを祈っとく。

【そう言葉を垂れ流すと、荒っぽい動作で扉を開けて、店を後にしていく女】
【下に降りれば、先ほど切り刻んだ男の仲間たちが待ち構えていて】
【数秒後。数人分の絶叫と水音が響いた後に、女の高笑いが響いて、上機嫌に女の足音は遠ざかっていくのであった】

/*そろそろ時間が……!お疲れ様でした、とても楽しかったです!*/
541 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/26(火) 00:30:44.36 ID:owJQmsgHo
>>535

【濃く燻る煙を弾くように、蜜の薫りをはらんだ風がびゅう、と一筋起きた】
【もしも女に生体魔翌力を測る感覚がちょっとでもあるのなら、この少女は常人とは比較にならない量のそれを宿していると分かるだろう】
【――すなわちそれは、男達が危惧している通り、彼女も何らかの異能を持つ存在であるということの証左で】

「名前を売って金を買えるたぁ、こんな話はなかなか無い」
「だけどそこらでご用心、甘い香りのサラセニア、絡んで離さぬ逆刺の床!」

【大きく身を乗り出しながら、ぐいッ、首を傾けて】
【ギャラリーを含めた全員に向けてこぶしの回った啖呵を切り始める――逃げるか、という問には、答えもしない】

「それでも逃げてなるものか、胸に誓った矜持が叫ぶ!」
「蜘蛛の巣があるなら突き抜ける! そこが悪魔の腹の底なら、臍をつついて切り抜ける!」

【風を斬って剣と盾を構えると、背にわだかまっていた魔翌力の光が形象を無し、蝶の翅の形を作る】
【黒真珠色の地に輝く鱗粉がまとわりついて、幻想的な蒼と漆黒の翼が現出する――!!】

「さあさあ、耳かっぽじって聞けぃ輩共」
「星の片隅でバラバラに生まれ、星のどまんなかで死を共にする、異体同心にして唯我独尊の妖精義姉妹ッ!」
「エインセル三姉妹が次女――――イライザ・エインセルとは、よっ……あたしの事よ!」

【名乗りとともに振り上げた切っ先に、集まる光の色は薄紅】
【瞳と相似したそのカラーは、温かくもどこか鋭利な風合いを纏って】

「あたしに賭けるなら今のうち、チャンピオン(覇者、或いは代理闘士≠フ意)は一人だけだよ」
「……ってな訳で、行きましょうかぁッ!!」

【謎めいた構えを取る女に対して、イライザは翼を使って大きく跳躍、路地の壁に渡されているいくつかのパイプ≠フ一本に飛び移ろうとする】
【だが、さほど高い位置にそれはない。棒を振りあげれば、膝あたりまで叩くこともできるだろう】
【もちろん――まだ待つというのも、戦略の一つだが】
542 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/26(火) 00:32:36.13 ID:Fjcc2l12o
>>536

にゃ――!?

【嫌な予感がした。銀猫はアンジェルの持つ刀がただの刀ではないことを体感した】
【血を吸って切れ味を増す妖刀――さっきは運よく腕が斬り落とされなかったからよかったものの】
【次に喰らえばおしまいだ。ルール上試合には勝てるだろうが――死んでしまう!】

に゛ゃ――!!

【妖刀に気が取られた次の瞬間、突如として視界が暗転した――いや違う、空を見ているのだ】
【つまりアッパーが直撃したと理解するにはそう時間はかからなかった】

【同じく、蹈鞴を踏みながら数歩後退】
【回る視界の中、景色がよくわからず、しかし追撃が来ては困るとさらに後退し】
【――ぐ、と地に足をひっつけて踏ん張る。乱れに乱れた息を、深呼吸して落ち着かせれば】

【 両者の距離は、開始直後とほとんど変わらないものになっていて 】


……そろそろ限界にゃ。アンジェルさんはどうかにゃ?
ここまで楽しかったにゃ。次で最後にするよ。前は出さなかった取って置きにゃ


   ―――受けて立ってくれるかにゃ?


【にい、と笑ってそう宣言する。こちらはもう体力的に限界だ】
【動けば腹も肩も頭も痛いし、血が止まらない】

【ぐっ、と左の拳に力を込めた――まだ銀猫は動かない】
【今はただ、アンジェルの答えを待つのだろう】
543 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/26(火) 00:33:44.16 ID:1IRr6qqM0
>>540

またお越しくださいませ〜♪

【店を出ていく彼女を見送り、手元に残ったグラスを傾けて口に運ぶ】
【店の外で聞こえる絶叫を音楽代わりに彼女は上機嫌に厨房の男へと言葉を投げた】

ねぇ、店長?
劣った者の気持ちってわかる?

【投げかけた言葉に、厨房にいる男は淡白に】

「さぁ?俺は産まれてこの方、何においても優秀だったからなぁ」
うふ♪ひどい人♪

【店は今日も闇の静寂を騒がしくしていった】

/おつかれさまでしたー!ところどころ遅れてしまって申し訳ない!
544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/26(火) 00:43:39.91 ID:QE/DN5Ufo
【公園】

うう〜……
この地図細かすぎてよくわかんないよ

【もう人気もないはずのこの場所に、明かりが一つ】
【ベンチから来る、その明かり】

【紅いロングコートを羽織り、中に黒いシャツを着ている】
【下は濃赤のミニスカートをはいて、さらにその下はサイハイソックス】
【そして、黒いストレートヘアーに灰色のカチューシャ】
【カチューシャには紅い花が付けてある】
【そんな格好の少女だ】
【だが、一番目立つのはそれらではなく膝においてある長杖だろう】
【杖の長さは180cmほど、少女の身長は140cmほどだから目立つ長さだ】
【杖は全体が黒く、だが時々紅の斑点がある】

【また、手には新しげな携帯電話を持ってなにやら奮闘している】
【前述の明かりはこの携帯から出ているものである】

サイズの変え方もよくわかんないし……
うー、うー……

【結局、自分の知りたい情報も分からず唸っている】
【夜の公園で唸る少女】
【十分以上に怪しい姿ではあるが本人は至って真面目な顔で唸りを上げている】
545 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/26(火) 00:51:46.01 ID:R53no8XAo
>>542

【頭が揺れる、息が切れる。そして体力の喪失を感じる――短い戦いのようで、お互い消耗は激しかった】
【ステージが熱気に包まれているといってもまだ冬。だというのに、額の汗は止む所を知らない】
【それはきっと疲労のせいでもあるし、僅かな隙が命取りとなる接近戦の緊張のせいでもあるのだろうか】

……ふ、ふっ。私も、普段はこういう事ってそれほど好きでもないんだけど……場酔いかしら?

そう、私も楽しかった。そして、これ以上あまり長々とは続ける余裕が無い……。
受けて立つわ、シルバーキャット!二人でひとつ、会場に華を咲かせてやろうじゃない?

【スッ、と刀を両手で、正眼――つまりは身体の正面で真っ直ぐに構える。刀身はやはり、しっとりと濡れている】
【相手を殺せば即失格というルールのもとでこの刀を尚も構え続けるということは、何かあるのだろう】
【つまりのトコロとっておき≠セ。どちらの少女も、奥の手を隠し持っていたということ】


【―――そして、それを先に披露するのはアンジェルだった。ゆらり、刃が酔いどれの足のごとくふらついて】
【それはまるで催眠術のようだった。妖刀は、少しでも気を抜けばその刃の動きで相手の視線を絡めとってしまうだろう】

【続けてタンっ=\―と地面を蹴って前進し、後は刀を相手の左肩から右の脇腹へと切り落とそうとするだけ】
【あまりに単純だが裏がある。先ず、この刀に斬られてもミミズ腫れが出来るだけで、血は全く流れないのである】
【ただし、代わりに体力を切り落とされる。吸う≠ニいう方が良いか――相手の視線を誘惑する術といい、ひどく恐ろしい刀だ】

【更にこの一撃、単調に書いたが実に疾い。狼としての特性、速度の全てを賭けていたからだ】
【逆を言えば、疾いだけ。さらに言えば防御なんて考えていないから―――全てを終えて駆け抜けた後、どうなっているかは分からなくて。】
546 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/26(火) 00:55:34.21 ID:3zCByqd6o
>>541

「……こりゃあまた、えらい阿呆が来たね」
「そんな喋って、息切らせへんか……言うか、無駄なんが解らんのやろか」

【冷めている訳では無かった、暑苦しいものは好まなかったが、生気に溢れているのはむしろ好ましい】
【揚々と掲げる口上を聞き届けながら鼻を鳴らせば──懐かしい、故郷の匂い≠ェ鼻をついた気がして】
【彼女はくつくつと喉を鳴らしながら、鱗粉を撒き散らして飛翔する少女を目で追った】


  「───まぁ、…ええわ」

【半ば呆れ気味に一笑して、女も、イライザの軌跡に追従するように──“飛び跳ねる”】
【跳躍よりも、爆ぜたと形容する方が相応しい、地面の“弾性を操作”する事による、勢いを伴った飛翔】
【壁面を蹴り、二度目の不可解な跳躍を以て軌道を修正すれば──女の行く先は、パイプの上に乗った少女の目前に定まって】


「リズ・ゲッコウイン、カノッサ機関の末席が一人や、どうもよろしゅう」
「……こんなんが、お好みなんや───ろッ!?」

【にちゃり、と嫌悪感を掻き立てる生々しい音を伴って、女──リズは、彼女の目前に、立ちはだかるように着地する】
【足元に着眼すれば、とパイプの間で何か、粘りけのある物体が糸を引いているのが見えるだろうか】
【粘性と弾性の操作、それがリズの能力───物体に干渉するそれは、比較的看破の容易い異能だろうか】

【初手、手にした棒を振るい、叩き落とすように横合いから相手の腹部へ打撃を見舞わんとする───】


/件のパイプは壁と壁に渡されている認識で大丈夫、ですよね……?
547 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/26(火) 00:57:05.82 ID:4ns5G5vlo
>>538

                       ―――-……っぐ……ッッ………!! 

           【自身が繰り出した技の代償が襲い掛かり、風の刃が腕に無数の切り傷を生む】
           【突き出した右手一本に、全衝撃が伝わり―――-骨が軋み、握力を大きく奪う】

【白銀と白銀の衝突を制したのは―――彼。彼女の背に奔る一閃の紅が、それを指し示す】
【然しながら、彼女は倒れない。決して膝を折ることもなく、旋回を続けている。つまり―――まだ終わってはいない】

【―――繰り出されるは、「二の太刀」。否、此方が本命なのだろう。―――刃に込められた意志が、嫌という程に伝わってくる】
                【しかし、其れも。―――-其れまでも、「同じ」なのだ】

                    ――――――――………まだだッッッッ!!

【―――あの初撃で、「裏」崩山は終わりでない。其処からの派生―――刺突からの、横薙ぎ。其処まで含めての「秘剣」】
【前へ、前へと送り出された力を―――全技術を活かし、右薙ぎの威力に変換する。然し先程の一撃をモロに受けた右手では、握力が足りない―――ならば】
【―――「両手で」放てば良いだけだ。剣の軌道が真横に変わる瞬間、柄を握るもう一方の手。此れで、握力は補った。後は―――己の力を、信じるだけ】

           ――――――――-でやぁぁぁぁぁぁああああああああっ―――――-!!

                【―――-刹那に響き渡る剣戟に、誰しもが固唾を飲んだ】

                          ………―――――ッッ……。

【―――-宙に舞うは、瑛月の躰。左に大きく飛ばされて、ドサリと石畳に落ちる。……自身の牙は、「御代櫻」は落としていないが、握力はほぼ無い】
【……次に打ち合えば、簡単に刀が手から弾き出される程だ。両腕は激しく痺れ、特に右腕から紅い線が何本も走って、そして血を滴らせる】

  ……―――グ……まだ。 まだ、終わってはいないッ……っく……そうだろうッ……八攫ァァッッ!!!!

【左腕は肩より上に上がらない。握力もない―――然し、男はまだ「立ち上がれる」。 震えながらも、歯を食いしばり―――軋む躰を、心で支えている姿が、其処に有る】
【緩んだ握りで持つ刀を、茜色の鞘に仕舞う。……終わりではない。 取るのはまた、脱力の構え―――いや、見苦しい程にもう形は崩れていて】
【脱力どころではなく、立っているのがやっとなのだろう。―――激しい動悸に、満身創痍の躰。立ってはいるが、打ち合えないとなると―――限界は既に迎えていたらしい】

【剣を打ち合えない侍を見て、「力はまだ残っている」と言えるのだろうか? 然し―――中邑 瑛月は立つ。 意志の刃は、まだ打ち合えるから】
548 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/26(火) 01:20:08.83 ID:owJQmsgHo
>>546

【――お互いに、高低差の利用に長けた異能であるらしい】
【しかもリズは足裏の粘液でアスファルトをトランポリンの如く変えてしまう奇怪極まる異能の持ち主】
【一方のイライザの飛行は一見して更に自由に見えるが、細かい挙動は実は得意ではない】

「へぇ! カノッサ機関にしちゃみみっちぃ商売だね……」
「あたしも分かるけどさ、なかなか食ってかれないのは!」

【イライザは、斜め前方へとダイヴするように体を倒し――棒の下側をすり抜けていこうとする】
【そして落下の半ばで急上昇し、リズの横面を忌々しげに拝みながら再び同じ高度まで身を引き上げる】

「気持ち悪いったりゃありゃしない、宙を舞うときには美しさと気高さってのが――さ!」

【慣性を振り切る勢いで翔べば、密着に近い位置から左手の盾でリズの左膝を叩くことを試行するはずだ】
【パイプから相手を落としてしまうことを意識した攻撃。だが軸を大きくずらせば、回避は難しくない】

【本当なら、全力の斬撃で下からパイプごと足を衝く手法も考えられたのだが】
【あの汚泥のような#Sり気を目の当たりにした直後に、彼女の足元をブチ抜いてみようとする事は無茶で無鉄砲な彼女にもできなかった】

/はい、その通りです!

549 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/02/26(火) 01:38:24.11 ID:3zCByqd6o
>>548

「抜かせ、これはワシの趣味≠竄ウかいにの──……純粋に、愉しんどるだけや」
「まぁ、ああも℃濶桙ヲの無い奴ばっかやと、興醒めもええとこやけど──な───ッ!?」

【組織の一員として、リズはイライザの挑発するような言に眉を顰め、】
【彼女にとって金品は目的ではなく、餌≠セった──先程の男のような、戦意に溢れる輩を釣る為の、餌】

【至近距離、シールドバッシュの急襲を、リズは一度脚を蹴り上げ、強くパイプを踏みしめて≠ゥら受けた】
【その、妖精じみた風貌に違わぬ、翻弄するような軌道を見て、棒による対処は不可能と踏んだ、故の行動】

【制御を失った上体が、後方へ大きく揺らぐ。状況だけを見れば、転落は不可避と言えるだろうか】


「───そう易々と落とされてたまるか、っちゅうんよね……!」

【崩れ落ちる間際、イライザの下腹部へ、小柄な彼女に対し長身を以て、打ち下ろすような形で棒での一突きを繰り出す──】
【弾性を付与されたそれは、空中に居るイライザを文字通り打ち落とす結果になるかもしれなかった】
【程度はどれだけの衝撃を与えたかに依るが、少なくとも、直撃すれば体が下方へ弾かれる℃魔ヘ確実だろう】

【リズの言葉に反して、彼女の体は確実に、背中から宙へと投げ出されつつあったが──?】
550 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/26(火) 01:38:37.63 ID:Fjcc2l12o
>>545

【アンジェルの返答が耳に入ると――銀猫はこれ以上ない笑顔を作るのだろう】
【全身に浮かぶ汗なんかよりももっと輝き、どんな光にだって負けない笑顔を】


にゃは、そうこなっくちゃね!
そんでもって、派手に決着をつけようにゃ!


【――また深呼吸。そして思い返す、今宵の対決】
【ただただ楽しかった。次で決着がついてしまうのなら、それはもったいなくて、名残惜しい】
【しかし勝負は勝負、決着はつけるもの。息を吐ききったなら黒く大きな瞳が、刹那を壊す闘気を宿す】

ん――?

【だがアンジェルへと気を集中させていたが為に、術をまともに受けて灯った闘志に影がかかった】
【すぐにかぶりを振って我を取り戻すも、スタートは僅かに遅れてしまう】

【そして彼女は走りだす――ではなく跳んだ=z
【最初のような跳躍ではなく、低く低く、走るのと変わらないくらい、力を抜いて】

必殺―――

【みし、と思いきり着地点を踏み込んだなら、振りかぶった拳は最高の破壊力を纏う!】


     銀猫こめっとぱ―――んちッ!!!


【おそらく今大会で誰よりも頭がよろしくないことを曝け出すと、その拳をアンジェルへ突き立てようとするだろうか】
【前進すること≠ノおける破壊力の全てを乗せたその一撃は、拳を中心に衝撃波を纏うだろう】
【狙いはどこだっていい。この攻撃は、衝撃波による戦闘不能を狙った一撃――】

【防御など、もう捨てていた。というより、攻撃が防御と化していた】
【必殺技が決まったのなら、その衝撃波でアンジェルの剣閃が少なくとも鈍ると考えていたからである】
【真っ二つにはなんとかならないだろう――そう思って、銀猫は妖刀を甘んじて受ける】


――!!


【だが斬られなかった=B打撃的な痛みが走るだけで、何か別のもので打たれたかと錯覚して】
【そして交錯した直後に――彼女は膝を曲げて、前のめりに倒れるだろう】
【顔を地面にこすりつけて、妖刀に体力を取られたのだと理解した】


【――力は入らない。地に拳を突き立てて立ち上がろうとするが、おそらくそれは叶わないだろう】
【つまり、アンジェルが先に立ったならば、彼女に勝利は訪れる】
【だが銀猫に意識を奪われれば、銀猫の勝利が確定するだろう】

【勝負の分かれ目はアンジェルに残された体力と、気力。そして】
【銀猫が僅かに遅れたために、本来発揮されるはずだった威力よりも最後の一撃が弱まってしまった点にある】

【 勝利の女神は果たして――どちらに微笑みかけるのだろうか 】
551 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/26(火) 01:58:43.30 ID:owJQmsgHo
>>549

「(膝の皿に当てられてれば、なぁ……)」

【確かにリズの体は傾いていたが、打ち据えられた盾が堪えている印象は無い――それが、かの女の強さなのかも知れないが】
【間髪入れずに振られる棒、イライザは反射的に左手を構えて、その攻撃に応じた】

「んぐッ!」

【ずぅン、と鈍い音がして少女の体は吹き飛ぶ。支えを持たない身体は、ダメージこそ軽減したものの正面から見て分かるほど後退った】
【翻筋斗打つ影を覆うように翼は広がり、ばじばじと音を立てて羽撃くけれども】
【それは姿勢を整えるだけ、突撃へと転じることはできない】

「全く死合巧者だよ、好きこそ物の上手なれとは良く言ったこって!」

【打ち落とされて失った高度を少しずつ翅の力で稼ごうとしながら】
【右手に握らせた剣に魔翌力を込めて、薄紅色のオーラでその表面をフルコートしたイライザは、思い切り良く虚空へと剣を薙いだ】

【すると――その軌道に滞留したオーラが無数の花弁に似たる半実体を形成し、やがてパイプ周辺に降り注いでいく】
【斬撃の性質を持った花びらの群れは完全に少女の支配下にあり、触れれば切り口こそ小さいが鋭い切断の痛みと作用をもたらすだろう】

【相手がどこに行ったかは暗さもあって分からない。だが、あの言葉を残したならまだ「そこ」に違いない――】
【一種安直な発想のもとで、その攻撃は放たれた】
552 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/26(火) 02:07:29.31 ID:R53no8XAo
>>550

【交錯の後―――少女の倒れる音がした。拳が入らなかったわけではないのだ】
【それから刀が手から外れるかちゃン≠ニいうのが聞こえて、瞬時走る閃光は同化≠フ解けた証拠だろう】

【―――次にシルバーキャットの耳に入るのは、入場時と同じ革靴の音】
【寒風に揺られた外套がばさりと音を立て、短な呻き声の音源は徐々に上へ、上へと上がっていき】
【きっとその頃には倒れ伏した少女にも見えるだろう。アンジェル・ベルジュロンの立ち姿が】

――ッ、は……ぁ。流石に堪えるっ、ってレベルじゃ――無いわね……、……?
でも……っ!最後に立って、無いと……、分かり難い、っ、でしょ……?

ふ、ふっ……―――――楽しかったわよ、銀猫さん――。


【そして、倒れた。こちらも膝を追って、地面に顔を擦るように倒れこんでしまった】
【意味するところは、気絶。一度完全に立ち上がってから倒れるというのは、これはもう意識を手放したことが明白だった】
【シルバーキャットのように、倒れながらも意識があるのとは違う、決定的な行動―――】

【少女の拳は、ちょうどアンジェルの鳩尾を突いていたという。つまり、肺の中の酸素をほぼ追い出していて】
【それを把握した上で残り少ない呼吸を秒読みでもしていたのだろうか、最後の言葉ばかりはひどく聞きやすいものであり】
【―――しばらくすると、審査員がその意識がないのを正式に認め、1つのコールと喝采が沸き起こる事となる】


【それは正しく―――勝者:シルバーキャット≠ニいう、高らかな終幕の宣言であった。】

/うぉぉお疲れ様でしたー!近距離での熱戦、物凄く楽しかったですっ!
553 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/26(火) 02:27:24.53 ID:Fjcc2l12o
>>552

【地面に突き立てていた拳からも、間もなくして力は抜けてゆく】
【無理だな、と感じた。そして諦めた。せめて開放感を得るためにと寝返りをうって】

【それから、対戦相手であるアンジェルの声が聞こえた】
【なるほど負けたか――瞼は敗北を感じ取るとゆっくりと閉じられてゆく】
【夜風が心地いい。傷は痛むけれど、悔しさか、開放感か――何とも言い難い感覚でそれどころではなかった】



  【 ―――――!!!! 】



【ほどなくして歓声が湧きあがった。そのせいで意識が少しだけ覚醒に向かい、閉じかけた瞼が開く】
【次に耳にしたのは――信じられないものだった】


勝っ、た……?


【思わず口にした言葉と共に感情が溢れかえる。勝利を噛みしめるのは拳】
【残った力で握りしめられたそれを、高らかに天へと突き出して】


――にゃはっ


【勝利を誇らしげに掲げると、訪れる脱力感に身を委ねて、笑顔のまま意識を失うだろう】
【あたいも楽しかったにゃ、と届きはしない呟きを残して――】

/お疲れ様でしたー!超楽しかったですっ。ありがとうございましたッ!
554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2013/02/26(火) 02:28:21.80 ID:3zCByqd6o
>>551

「…っ……お褒めに預かり、どうもおおきに」

【暗がりの中に、リズの声が木霊する。剽軽ながら苦痛に歪んだ、攻撃の命中を予感させる声音】
【事実、落下の間際≠ノいくらかの花弁がリズの肩や頬を掠め、浅い傷を作るに至っていた──】


「けどな、巧者言われると、必ずしもそういう訳とちゃうんよ」
「ほら、巧みっちゅうと、どっちか言うたら技量に依る語感やん?嬢ちゃんも上手、て言うたよな?」

【仄かに血の滲む唇の上で舌を這わせながら、笑んでいるのだろう、不敵な声で問う──その震源は、イライザの“真下”だった】

【この状況で自らの位置を示唆するそれは、普段のリズならば到底取り得ない行動】
【それは、あるいは彼女を死合うに値すると認めた証──なのかもしれない】

【「本能なんよ」矢継ぎ早に自問自答するその声色はひどく冷たく、それと同時、眼を見開いてイライザの方を見詰めた】
【闇の中、金色に輝く綺羅の双眸──“縦一文字”を描く黒い瞳孔は、正しく獣の眼光と呼ぶのに相応しい野性を、備えていて】


「全部勘なんや、野生と言い換えても良いやんね」「獲物を狩る最適解は、全部それが弾き出してくれんの」
「気持ち悪≠、て結構、どんだけ取り繕うても、最後にモノ言うんはこれ──本能に尽きるんやから」

【見えるだろうか──宙に漂うリズの姿が】
【脚から件のパイプに伸びたゴム状の粘液と、手から手近なパイプの間へ伝う、棒を変化させたのだろう、茶色の粘液】
【二本のゴムひも≠フ狭間で揺れ動く彼女の姿はスリングショットさながらに、意図は───、一目で解るだろう、射出≠セ】


「さぁて、ワシが淘汰≠オたるさかいに」「まぁ、抗ってみぃ──ッ」

【力を込めれば原理は言うまでもなく、リズの体は上方へ射出され──それと同時に、能力を解除】

【そのままイライザの体目掛けて跳ね上がりながら、原型を取り戻した棒をまたも突き出し、下方からの突撃──】
【再度下腹部、もしくはアッパーの要領で顎を狙い、十全の勢いを伴うそれの威力は、もはや単なる木の棒の範疇を超えていた】
555 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/26(火) 02:32:43.48 ID:T9Hle7vu0
/二回に分けて書き込みますっ…!

>>547

【交錯。激突。そして予測を越えた二度目の衝撃―――――――】

…………ッ――――――――!!

【何処までも引き延ばされた一瞬、吹き飛ばされる彼と正反対の方向に彼女もまた吹き飛んでいた。】
【はためく黒髪、深紅に染まったコート。風ひとつで痛む全身だったが、それすら今は関係もない。】

【……吹き飛ばされた先で、跪くように彼女は着地――――――程無くして立ち上がる彼を見遣れば、】

………く、う……ぁ……ッ!!
はぁっ、はぁっ……――――――――――……っ、……!

……当、然よ………!

【柊もまた立ち上がる。再び太刀の柄に力を籠めて、最後の死力を振り絞った呼吸を続ける。】

(………っ、――――――)

【脳裏に浮かべるのは「先程」の魔剣と秘剣の激突。】
【超音速域の剣戟―――――― 否、その程度では断じてないだろう。】
【なぜなら彼女の剣戟は常に、総てそれを遥か越えた域にある。銃弾を刻み墜とせるのもそれゆえの事だ。】
【その一撃と相対してなおも……あの初太刀を制したのは彼だったのだ。】

(…………そして、あれは……ッ、…――――)

【…………“その先” での出来事はさらに衝撃が大きい。】
【黄金の焔による視界の封殺。そして初撃とほぼ同時に放たれる、確実に機を制する筈の二閃目―――――】
【絶対であった筈のそれらさえも、彼は、同じく “二撃目” で凌いで見せた。】

(………全、く………―――――――。)

【―――――― ……何処まで似通っているのだろう? 何処まで彼は足掻けるのだろう。】
【今にも落ちそうになる意識のなかで、刺すような痛みに白熱する視界の中で。】
【少女は、どこか当然ばかりに―――――― 彼ならば当然とばかりに一度微笑って―――――――】


556 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟・東北) [sage]:2013/02/26(火) 02:34:39.78 ID:B7GYfT8AO
/
557 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/26(火) 02:34:46.37 ID:T9Hle7vu0
/>>555の続きです…!

>>547

………そう……何一つとして未だ終わりじゃない。
最後まで付き合って貰うわ中邑瑛月=\――――――― ……私の唯一人の好敵手、無二の“道”行く最強の秘剣ッ!!


【――――――――――― 彼女は再び駆け出した。歓喜のような戦意の叫び。】

【…………頭は何処までも冷静に。生命と心は劫火に変えて。】
【意識の一片までも注ぎ込む――――――― 総て、彼との相応しい決着をつけるために。】

 (…………彼の実力は彼自身の想定を越えた域にある。あの状態で、私の刃を凌いでも不思議じゃない――――――)
 (………なら、選ぶのは唯一つ。限界以上の精度を以て――――――――)

【―――――――――――― 『比翼閃刃・無空』。その極点に総てを賭ける。】

【―――――――― “黄金の焔が敵手の視界を埋める”。】
【―――――――――――――――― “一撃目と二度目はほぼ同時”。】
【これらを以て無敵を謳う、八攫柊の再度の “比翼” なる魔剣―――――――】

【其処に更に加えられるのは、炎の揺らめきのような不定の、予測困難な疾走だった。】
【だが術理そのものは先程と同じ。“魔剣” そのものは、威力を大きく落とす代わりに、斬撃の精度を跳ね上げたに過ぎない。】

【そして体力の残量は、先程以上に激減している。紛れもなく瀕死の重体だった。】
【寸刻も待たずして彼女は意識を失うだろう。ただ耐え凌ぐだけで……彼は、今宵の決戦に勝利し得る。】
【だが、未だ互いに “終わっていない”―――― ならばこの最高の一夜の終わりまで、全霊で駆け抜ける以外に道はなかった。】

―――――――――――――――――――― ッ!!

【剣気が無限に研ぎ澄まされる。声ならぬ声が裂帛の気合いと化す。】

【正真正銘、最後の交錯。】
【接近から “魔剣” を再び放てるのなら……初撃、二撃目とも狙いは瑛月の胴体だ。】
【其処への彼の回答や、如何に――――――。】
558 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/26(火) 03:04:02.36 ID:owJQmsgHo
>>554

【花弁驟雨の便利さの一つは、当てずっぽうでもある程度機能してくれることだ】
【血の匂いが紫煙の残滓を掻き分け、血の明さが暗闇の中でわずかに見て取れる。さくりさくりと、音も聞こえて】

【だがそうして油断なく全神経を研ぎ澄ましていたイライザも、リズのこの奇行には驚いた】
【言ってみればそれは――先ほどの名乗り口上と似た質の、至極無意味な自己主張なのだから】

「くすっ……あたしだって、飛び方を考えた事なんかないんだよ。風が教えてくれたんだ」

 「花を渡り、鳥と踊り、風と戯れ、月と謡う――それはこの翼にこの胸に、生来宿った風雅な酔狂!」
  「強く、気清く、鮮やかに。地を這うヤモリよしかと見よ、これがあたしの妖精道ッ――!!」

【小さな拳を伝わって、長剣には光の粒子が集っていき、一際激しいオーラの光を放っていた】
【蝶の翼に走る翅脈に走る燐光は、鼓動と同期して加速していく。まなじりを決して、時を読む――】
【少女は……浮翌遊を維持できるぎりぎりの高さまで飛翔して】

【――――その瞬間、黒い弾丸は夜空へと射られた!!】

「……行くよ、リズ・ゲッコウイン!」「肉を切らせて、トドメを刺すッ!」

【一直線に吹き飛んでくるリズ自体を、彼女は避けようとしなかった。宣言通りに】
【それどころか逆に地面へ向けて――魔翌力の噴射=B自由落下の勢いを更に増そうとする無茶を謀るのだ】
【そして、リズとの交錯より少し早いタイミングで、右手の刃を振り下ろすだろう】
【狙いなど付けようもない。振りも浅いが、双方の加速は既に殺人的な領域に達していて】

【同時に、左手の盾で棒を叩いて逸らすことを試みる】
【もしこれが成功すれば、脅威的加速を受けた棒は、彼女の片翼を貫通して、勢いだけで引き裂いてしまうに違いない】
【胴体をえぐられるよりマシとはいえ――リズの行いに負けず劣らず、それは捨て身で、おかしな話だった】

559 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/26(火) 03:10:59.59 ID:4ns5G5vlo
>>557

               ……フフ、やはりお前は、凄い奴だ……―――-ッッ……!! 
――――――どうやら話すことも、俺の身体が許してくれないらしいな……だが、此れだけは言わせてくれ

           ―――-第参の秘剣、「裏居合・飛蜂」………最後の、技だ

【……死闘は未だ終わらない。―――ふらつき揺らぐ彼の視界に移りこむは、自身と同等に傷を背負った彼女】
【彼女のコートが染まっていれば、此方の羽織ったインバネスコートも、薄藍の名残を残してはおらず】

【血を吸い込んで重くなり、濡れた感触が肌に染み込んで。そして、立ち上がった彼女を見て―――激しい動悸の中で、笑みを零す】
【宣言するは、第参の秘剣。残された力を、全て振り絞って―――といっても、打ち合うほどの握力と筋力が残っていない】
【だから―――打ち合う気はない。この「飛蜂」は、唯刃流の中でも特殊な技。説明するよりは、見てもらったほうが速いだろう】

【―――彼女が必死に力を振り絞り、地を駆け出す。……瑛月が走ろうとすれば4、5歩目で地に倒れていた】
【まだその余力が有ることに、一種の称賛を覚えて。 ―――打ち合えはしない。―――避けられもしない。―――ならば、どうする?】

                        【―――-じゃあ、刺し違えようか―――-】

                        ―――………此れしか、無かったのだ

【―――「裏居合・飛蜂」。 此れは奥の手であり、「刺し違える」ことだけに特化した技。―――ろくに打ち合えない身体では、コレしか無かった】
【彼女の刀が、在り方が届きそうになった瞬間に、右手で柄を握る。しかし其の手は、逆手】
【―――そして、握ると同時に身体を後ろに倒し、左足で地を蹴り―――その力に流されるように、鞘から剣を引き抜く】

      【―――要は、後ろに跳躍しながら剣を抜いたのだ。そして剣を抜いたその形は―――投擲の構え】
【八攫の疾走は言うまでもなく前進。其れに対して此方は後退であり、助走も無い。―――勿論、追いつかれるが……此れは、「刺し違え」の技】

【向かってくる八攫に対し、瞬時に後ろに跳ね、投擲。其れも動きを極限にまで洗練した其れ。その動きに、相手の動きを躱すといった思惑は一切ない】

                         ―――-………飛……蜂ッッッ!!!!

      【―――そして、瑛月の右手、その指先から「御代櫻」が離れた。 同時に、彼女の刃が彼の胴体に触れる】
       【彼の身体から、紅が吹き出す。 ―――そして後方に跳躍した身体は、そのまま石畳に叩きつけられた】
 【―――今の彼が繰り出せる答えは、此れしか無かった。 ―――……本当は打ち合いたい。しかし軋んだ身体が、其れを許さなかった】
560 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/26(火) 03:45:23.47 ID:3zCByqd6o
>>558

「──妖精」「面白いなぁ、嬢ちゃんみたいなけったいなんが妖精て」

「これやから、アレは止められへんのよ、釣り=v

【小脇に抱えた棒の突端を、確りとイライザの痩躯へ定めながら、リズは口角を半月に、にんまりと笑んだ】
【愉悦──今宵、初めて心底楽しい≠ニ思える一刹那だった。月を背負って対峙するイライザとの、死力を尽くした討ち合い】

【一方的な屠殺など、路肩の虫を踏みつぶす程度の作業に過ぎず──こうでなければ娯楽の醍醐味は到底味わい得ない、とリズは思う】
【そして目の前のイライザこそ、久方ぶりに現れた、彼女の児戯めいた欲求を満たす格好の相手であり、獲物だった】



「だーれがヤモリじゃ、この────ボケェ───ッ!」
                                  【──交、錯────────】


【盾の曲面に棒の狙いは僅かに逸れて、それはともすれば、イライザの翅を突き破る結果に終わったかもしれない】
【彼女の剣には、確かな手応えが感じられた事だろう。交叉する軌跡をなぞるように、迸る血飛沫、そして、呻き声】

【それ以上の追撃は無かった。どこかでどしゃ、と重量物の落下する音がして───】


「───やっぱ楽しいのう、死合いっつうんは」
「悪いけど、勝負はお預けさせてもらうで、イライザ=v「雑魚の片手間に殺り合うにゃぁ、いささかもの惜しすぎるわ」

「金は駄賃でええよ、取っとき──元々興味あらへんねんから、くれてやって惜しゅうない」

【暫しの沈黙の後、火種の切れた煙草が落下するのを皮切りに、リズはどこからか、イライザへと語りかける】

【戦略的撤退、負け惜しみ──そう受け取るかはイライザの自由だったが、少なくともリズ自身には、敗北の自覚は無いようだった】
【これだけの相手ならば、より相応しい舞台で──と、強敵との対峙を娯楽と捉える彼女にとっては、最大の敬意と言えたかもしれない】


【もし空へ振り返れば──見えるだろうか、月光の下、陰影だった建物の上を掛ける──、一匹の、巨大な蜥蜴の姿が】


/すいません、眠気ががが……これで〆させてくださいな……!
561 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/26(火) 03:50:49.42 ID:owJQmsgHo
>>560
/おお、ちょうど私も眠りの足音を恐れていた所です
/今はうまいことレスできそうにないので、明日シメ入れますね!
/遅くまでありがとうございましたっ!
562 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/26(火) 04:02:10.40 ID:T9Hle7vu0
>>559

…………私の “魔剣” は私の “答え”。
如何なる秘剣の脅威があろうと、生≠ノ刻んだその意味こそが、最強なのだと私は信じる――――――――!!

【彼の宣戦―――――「第三の秘剣」に対して柊は戦意を以て再び返答。ただ、己の存在定義たる魔剣で挑む。】
【そして交錯―――――――――】
【彼を叩き斬った感触があった。血飛沫く彼の体温を感じた。】
【だがそれは終わりではなく、反撃が――――――鋼色をした血染めの桜が、彼女の胸の正中線へと解き放たれて―――――】


…………ッ!!

【刃の衝き立つ音がした。既に重傷を負っていた躰が、否応なくさらに血を失う。】
【だが咄嗟に柊は太刀をさらに加速させ、それにより身体の位置を調整した。
 急所は外したが……結果として、“御代桜” は彼女の右肩に深く突き立っていて―――――――】


(……まったく、腹立たしいくらいに……やってくれる……――――)

【………もう、力は残されていない。瞼が落ちかける。】
【数秒もすれば意識は途切れ、彼女は右肩からぱたりと倒れ臥すだろう。】
【だが、それまでは――――――】

…………ッ、……はぁっ…―――――――――……ッ…!!

【………この激闘の行く末を、終わりまで見届けていたい。最後まで何処までも誇り高く、己として今宵を戦い抜きたい。】
【感慨にも似たそんな想いを抱いて、彼女は――――― 傷だらけの細い躰で、未だ瞳に戦意を燃やし佇んでいた。】

【その右肩がリングに触れるのと、彼に起きるであろう次の変化――――
 立ち上がるのか、何を想うのか。或いは、また別の “何か” なのか―――――ではどちらが早い/或いは早かっただろうか。】

【…………或いはそれが、この激戦の結末を左右するのかも知れない。】
【何れ――――――― 彼女は総てをやりきろうとする。】
【数秒後に訪れる意識の崩落。それまでは、総てが、何一つ “終わりじゃない” のだと。】
563 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/26(火) 04:22:25.73 ID:4ns5G5vlo
>>562

               ………っく……聞……こえるかッ……!!―――や、ツカァっ……!!

【仰向けに成りながら、掠れた声を上げて。―――腹部に感じるは、生暖かい紅。 激しい鼓動に、感覚がなくなりつつある四肢】
【―――此方も、意識が落ちるのは時間の問題だった。既に剣は握れない。最高潮のボルテージを迎える会場の中で、彼女の息遣いが微かに耳に残る】
        【その声から、刺し違えることに成功したという事実を認識する―――-あとはどちらの意識が落ちるか】

         ―――-俺の身体は……ッ……もう動かないが……意識はまだ、あるぞ……!!
           俺の喉元に、お前の刃を……―――在り方をッ……っぐ…突き付けろッ……!!

                       ―――そうすれば、お前の勝ちだ……ッ!! 

   【言葉通りだ。腹部に力が入らず、起き上がれない。―――しかし意識はまだ残っている。 つまり、瞳の刃はまだ健在】
【彼女の姿を見ることは今の体勢では出来ないが、お互いに意識が崩落仕掛けていることは明白だ。しかし彼女が動くなら、彼の言う行動で決着が付く】
【―――完全に殺せる状況に持っていけば、そこで試合は終了。つまり動けない彼の首に、刀先を向けることが出来れば、彼女の勝ち】

【彼女が勝っても、彼が勝っても―――紙一重なんて例えでは表現できない。紙では、厚すぎてこの戦力の均衡を表現出来ないのだ】
                    【其れほどまでの死闘が―――遂に決着を迎えようとしていた】
564 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/26(火) 05:20:16.69 ID:T9Hle7vu0
>>563

【カラン、と御代桜が右肩からリングに落ちた。栓を抜かれたように溢れ出す鮮血。】

(………もう、一歩も、動く力もない、か……ッ――――――)

【女性としての出血の致死量。それすらも目の前にある事を自覚した。】
【………彼は、その総てが見事だった。一度ならず彼女の “魔剣” を迎撃し、その上でここまでの重傷に繋げた。】
【…… “打ち破られた” 悔しさはあったが、もう、立ち続ける力も彼女には無くて――――――】

(…………!)

【――――――― その甘えを彼の、唯一無二の好敵手の言葉が撃ち抜いた。】
【それが、彼女の意識を変えた。】
【……「動く力もない」 など知らない。勝利は、さらにその先に……彼の様に限界を越え、死すら見ず突き進んだ先にある。】
【………「冷静な判断」 ではない。ただその理性すらも越えた領域で、彼に、応えたいと――――――】
【その意志が彼女を衝き動かした。】


…………はっ、……ッ、…くぅッ………!
……ぐ………っ、……ぅ、……ぁ………っ!!

【一歩。一歩。千里にも思える道程を、鉛のような脚を動かし、まるで動かない両腕を錘のように感じながら―――― 歩む。】
【体力が激しく消耗している。息が……微塵に刻まれて一瞬たりとも続かない。】
【地獄のようなその苦行。精神と肉体の限界を遥かに越え、柊は―――― 】
【………遂に、瑛月の枕元にまで辿り着く。“最後まで戦う”、その意志の光を瞳に湛えて。】

………これで、私の……、…ッ………―――――――――!

【左腕で……太刀 “金翅鳥” を、仰向けに倒れる彼の首筋に、1センチ程度浮かせた距離にまで導いて――――――】

   (…………、ぁ……――――――――)

【…………だが、その時点で五感が完全に途切れた。苦悶の光を失い、穏やかに凪ぐ橡色の双眸。左腕からも力が抜けた。】
【生きているのか、死んでいるのか。自分ではそれすらも分からなかった。】

【だがその胸は、静かに、僅かに上下していて――――――。】

【………首筋に刃を向けた直後、立ち往生のように意識を失った彼女。】
【動く力を既に失い、彼女を見上げているであろう彼――――――】
【別の戦場では引分け(ドロウ)となるであろうこの結末。】
【今宵、勝敗の判断を下すのは観衆か、それとも今宵の法則(ルール)なのか――――】

【……何れ、彼女には分からなかった。意識は、疾うに途切れていたのだから。】
【どんな答えを受け取るのであれ、彼女はそれを甘受するだろう。】
【全霊を以て戦い抜いた。その一転に於いて、彼女は――――――紛れもなく、己を貫いたのだから。】
565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/26(火) 05:43:30.65 ID:4ns5G5vlo
>>564

        フフ―――……ククク。 八攫……―――其処まで……ガハッ……辿り着いておいて、気を失うなよ……ッ
               ―――-お前の勝ちだ、八攫 柊。 ―――-降参だ

   【彼の視界に映り込む、彼女。―――その彼女も、其処で力尽きる。しかし刃は、彼の首筋近くに】
【判定は―――……と、大会運営側は座る席へ観客全員の眼が向く。しかしその判定を下したのは、中邑瑛月本人であった】
       【困惑する観客、運営を尻目に彼も彼女の後を追う様に―――意識に、幕を下ろす】


                            ――――――――-……。


     【二人を医務室に運ばれて、結果がアナウンスされたのはその日の試合をすべて終えてからだった】

   「えー、第一試合の判定は、『先に気絶した方の負け』のルールを優先し、その結果中邑選手の勝利……となる筈ですが」
       「―――中邑選手の降参宣言が有りましたので、結果的に二回戦進出は八攫選手となります!!」

【―――-少しややこしいが、二回戦に進出したのは、八攫 柊。 ―――-判定すら困らせる死闘を制した「前大会覇者」は、何処まで突き進むのだろうか―――?】

/付き合ってもらってすみません! ありがとうございましたー!!
566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/26(火) 05:51:01.67 ID:T9Hle7vu0
>>565
/二日間、遅くまで本当にお疲れ様でしたー! ありがとうございましたっ!!
567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岡山県) :2013/02/26(火) 18:43:33.19 ID:hgiyfWo2o
【大通り】
【上下緑色のジャージで、リュックを背負った、中性的な顔立ちの金髪ロン毛が居た】

ここが街かぁ...お母様の故郷...馴染めるかなぁ...

【一歩ずつ、ゆっくり踏みしめて歩く】
568 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/26(火) 19:47:42.33 ID:gZR9InIu0
>>567

「おっと」

【黒い外套を羽織り、腰にサーベルを付けた青年とぶつかりそうになる】

「ワリーな、アンタ。大丈夫か?」
569 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岡山県) :2013/02/26(火) 20:03:08.14 ID:hgiyfWo2o
>>568

はい、大丈夫です...けど...

【腰に下げた物に目を移す】

なんでこんなに物騒な物を持ち歩いているのですか?
570 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岡山県) :2013/02/26(火) 20:03:54.73 ID:hgiyfWo2o
/食事をとってきます
571 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/26(火) 20:17:25.64 ID:gZR9InIu0
>>569

「そっか、よかった」

【相手の顔をまじまじと見て、ふぅと息を吐く】
【そして、相手の質問に困ったように顔を掻く】

「あー、うん。一応自警団っていう組織のモンだからさ。
 見たところ旅人みたいだけどアンタの国にはそういうの無かったのか?」
572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) :2013/02/26(火) 20:22:15.05 ID:fX7DLM1B0
【路地裏…底は深き海底のごとき闇のゾーン。】
【夜目に慣れた闇の住民の巣窟】
【そこで今、赤い花が地に咲き、鉄くさい『芳香』を放っていた】

 ああー食った食った。

【花の中心で欠伸をしながら大男が立っている】
【中年位だろうか?】
【腹は多少出てるが太い腕や胸板が肥満ではないことを示している】
【黒く長く延びた髪や髭はぼさぼさで野暮ったい印象を与える半面、目は鋭くギラギラと光っている】
【大型の自動拳銃と弾装を入れたホルスターと多数の装飾品の形を隠れ蓑とした魔具を装備し】
【タトゥーだらけの肌にじかに来た黒革のコートの背には、四つの国の国旗をかかげた塔の絵】

 だが…なんかものたんねーな。

【手に持った長大な山刀を眺めながら男は呟く】

【この赤い花――周囲にぶちまけられた血液を作ったのはこの男だ】
【しかし奇妙…周りには死体がない!】

【男はまだ山刀とそれに着いた返り血を見ながら何か考えている】
573 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岡山県) :2013/02/26(火) 20:28:08.00 ID:hgiyfWo2o
>>571
えっと...あったんですけど...剣は使わないんです...

【ちょっと右に目をそらしながら言う】
574 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/26(火) 20:39:09.84 ID:gZR9InIu0
>>573

「そうか、まぁ俺もこれを使わないで済むのが一番いいんだけどな」

【その言葉に苦笑いを零すと、青年は背を向ける】

「それじゃーな、お達者で・・・っつーのも変か。まぁ頑張れよ」

【そう言い残して青年は去ろうとするだろう】
575 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岡山県) :2013/02/26(火) 20:42:31.25 ID:hgiyfWo2o
>>574
あの...お名前と...その...恋人が居るかだけ伺っても宜しいですか?

【目は本気でそれを訪ねている】
576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/26(火) 20:48:43.42 ID:gZR9InIu0
>>575

【思わぬ言葉に青年は振り返り、目を丸くする】

「え? ・・・ああ、いや。
 名前は大空順風だけど・・・恋人・・・?」

【順風は目を泳がせながら頬を掻く】

「恋人は・・・まぁ居ないけど・・・ってなんで初対面のアンタにそんなこと言わなきゃならないんだよ!?」
577 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/26(火) 20:49:12.42 ID:OesXUXTIO
【水の国 第二回天下一武道会 三回戦第二試合 会場】
【大会が進むにつれて、会場の熱気も相応に高まって行く】
【熱狂した観客たちが見つめるのは、今日の試合で戦う選手たち】

【その選手の一人が、緊張した面持ちで石畳のフィールドに進んでいく】

【黒い瞳、ポニーテールにした茶色の長髪】
【白地に青の装飾がついたセーラー服と黒のプリーツスカートを身につけた、ここまでならよくいる少女】
【しかし、両腕には無骨な黒いガントレットをつけ、腰のベルトには同じ金属で出来ている金属棒が2本括りつけられている】
【そんな妙な風貌の少女だった】

ここまで来たら、もう負けたくないなー……
目指すは優勝!気合いれていこう!

【腰にぶら下げた金属棒を取り外し、構える】
【視線の先は、石畳の向こう。今日の対戦相手はそこにいる】

/叢雲 茜です、よろしくお願いします!
578 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/26(火) 20:52:33.44 ID:MZC9KTBGo
>>572

【鼻腔を擽るその香りは、路地裏へと進むその足並みを止められなくて】
【流れ込む金属音、弾いたかのようにその音を響かせたなら、そこへと流れ込む一つの人影】
【少々小柄なその影が、低く伸びていた】


……そちらの御仁に、少々お尋ねごとがございます……
一体此方で、何をなさっていたのでしょうか――――


【黒のハーフトップに黒の肘までの長さの肌にぺったりと付く長手袋】
【お腹を開いたゴシック調で白のビスチェドレス、短いスカート丈の部分は黒】
【長いスカートのような白銀のフォールドを揺らしながらも前部分は開いて】
【大きく開いたそこからグリーヴを履いた脚を覗かせている白銀の髪に水色の瞳の少女がいた】

【やや膨らんだ胸元と女性にしてはやや小柄で華奢な体躯と落ち着いた雰囲気を身に纏って】
【背中には巨大な柄と刃の大剣、両方の腰に二本ずつ鞘に包まれた刀をフォールドに隠す形で帯刀している】
【右の目下には月と星を象った小さなタトゥーシールがしみこんでいて、髪を彩る可憐な白い花を模した髪飾り】

【150cm程度の小柄な身長、それでも背に背負う大剣は2mほどの長さがあって】
【水色の瞳が貴方へと注がれる、強い意志を感じさせる双眸】
579 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/26(火) 20:53:10.39 ID:xeuNU3J8o
>>527

「――ヘケケケ、やっぱりバトルは楽しいからよォー」
「だから、楽しめるだけ楽しまなきゃアー……損って奴だぜェェッ!」

【確かに彼には――蛇による痛みが伝わっているはずだ】
【しかし、それをあまり表に出さない辺りは――"戦闘狂"、としか言い様がない】
【――真っ赤な"血潮"と真っ赤な"眼光"は、それを如実に示していた】

「今のはニードルゲイザー!」 「――どうだァー、良い感じだろォー」
「……串刺しには出来なかったかァー、残念だぜェ」

【注視する余裕があればわかるかもしれない、"白い棘"は鱗よりその強度がなく折れている事が】
【しかし――"緑色の棘"は蛇に突き刺さっている、それは変わらない】
【――どうやら、彼が棘を消すか否かを"制御"しているようで、その棘は未だ消えず】

【だが、のたうちまわる蛇により棘は次々とへし折れていき、それは開放を許すには十分な程だ】
【しかしその棘は地面に落ちてもなお消えず――もっとも、それは"意図的に"刺さろうと思わなければ刺さらないだろうが】

「……ちィッ」 「うゥゥおおォォーーオオーーッ!!」

【蛇ごとフリッツを引き寄せようと目論んでいたが、それがあっさり"看破"されれば】
【牙より開放された拳はその出血量を増加させて――】
【しかし、彼が一度叫べば、一瞬強く血が吹き出し――そして、次の瞬間には出血量が元の半分になっていた】
【その時、暑苦しい魔翌力がほのかに辺りに散ったのが、敏感ならばわかるかもしれない】

「――あんたが真正面から来ねェーならよォー、近づかねェーならよォー、俺から……――ッ!」

【次の言葉を紡ごうとした最中、再び突進してくる蛇――このままだと左肩に当たるだろうか】
【咄嗟に身を逸らそうとするが、その蛇は肩を捉えて――そして、彼は数歩後ろへ下がる――その所要時間は"数秒"だが、はたして――――】
【そして、血に塗れた右手で左肩を抑えつつ、しかし己のフィールドへ踏み込もうと――】

「ロージャンプタックゥゥオオオーーーーッ!」

【生身の身体で、数歩強く地面を蹴れば――跳躍、そしてその勢いのまま――空中での右肩によるタックルを繰り出す】
【ただし、その軌道は"地面スレスレ"――"異様に低い"ッ!】
【間に何もなければ、それはそちらの脚へ一直線に向かっていたのだろうが――今は"蛇"が間に居る、移動していれば別だが】
【もし当たるとすれば、その蛇が"最初"の可能性が高い――故に、そちらに向かう前に勢いは"弱まる"か、あるいは"止まる"か――――】

【己が生成した棘に突っ込む形でもあるのだが、そこはちゃんと"制御"している、……"まだ"だが】
【――棘が自身に触れる寸前で、例え"蛇に刺さっている"ものでも"地面に落ちている"モノでも、――全ての棘が"等しく"消え失せる】
580 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岡山県) :2013/02/26(火) 20:55:50.06 ID:hgiyfWo2o
>>576
【真剣にメモをとる】
いえ...その...もし又お会いできたらお話します
ですから...いまは...

【キョロキョロと目を動かす】
【男なのだろうか女なのだろうか...中性的な顔立ちのソレはそう言った】
581 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/26(火) 21:02:10.89 ID:Wy3/VJv9o
>>577

【衆目の視線を浴びる盤上に、立つ一人は女性である】
【最初こそ多少のからかいこそ合ったかもしれない観客の目も、今や男さながらに】
【いや、男をもこんにち凌ぐかもしれないその強さと戦いぶりに、まさしく魅了されていた】

【相手の向かい来るフィールドに立っていたのは、褐色の肌の印象的な長身の青年だった】
【黒い髪はツーブロックのベリーショート、目は金色のどんぐり眼】
【色黒で口が大きく、目鼻立ちのしっかりした彫りの深い顔をして】
【服装はややくすんだ赤のベストと裾を絞ったゆったりとしたズボン】
【各所には濃い緑の布製・石製のアクセサリーがちりばめられ、派手な装いだ】

初めましテ、君が今日ノ対戦相手か……
胸をお借りするヨ、力イッパイ戦り合オう!

【選手より先に白熱しきった声援や罵倒を投げつけられるこの空気にも、だいぶ慣れ】
【下膊ほどの長さをした曲刀を右手に握る表情は、ただただ楽しそうに口元に笑みを浮かべている】
【余裕や油断では無く、慢心でも無く。後顧の憂い無く力を見せつけ合う事への歓喜だ】

/ナウファルです
/よろしくお願いしますー
582 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/26(火) 21:03:49.51 ID:gZR9InIu0
>>580

「お、おう・・・。ワリーけどその手の通販とかあっち系の仕事に情報を流すのとかは勘弁だぞ・・・」

【順風はどうやら恋人商法や、売春業のリストにでも載せられることを警戒しているのだろう】
【本能的に2,3歩引き下がってしまう】

「あ、うん。じゃーな。また会えるかどうかはわからねーけど」

【そのまま去ろうとしたが】
【何か思ったのか首だけ振り返って聞いた】

「そういうアンタこそ何て名前なんだ?」
583 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岡山県) :2013/02/26(火) 21:08:17.86 ID:hgiyfWo2o
>>582
えっと...場流原 美還です!
恋人募集中で...人種とかを超えて愛してくれる人、探してます

【にこっとぎこちなく笑う】
584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) :2013/02/26(火) 21:12:47.63 ID:fX7DLM1B0
>>578

【少女の姿に魅せられる前に、男の眼はその大剣へと滑る】
【その剣を見た男の眼から獣性と殺気があふれ出す】

仕事さお嬢さん。
どうも最近忙しくてね。
疲れがたまって仕方ない・・・。

【聞かれてもないことまで述べる男の口元に残酷な笑みが浮かぶ】

まぁ、なんていうかだ…困ったもんだな。
もう少し若けりゃ…今夜じゃなくちゃ…楽しく語って踊れたかもしれねぇが。

【男は少女に歩を進める】
【月下に照らされた男の首元には最悪の組織を意味する五ぼう星のマークを抱えた悪魔のタトゥー】

目撃者は生かしちゃおけねぇよなぁ。

【男の眼がギラリと光る】

/すいません気づくのが遅れました
585 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/26(火) 21:17:51.77 ID:gZR9InIu0
>>583

「ああ、うん・・・」

【順風は少し頭を抱えた】

(やべぇ・・・、何言ってるのかさっぱりわからん・・・)

【順風は頭の中で整理しながら、言葉に出していく】

「えーっと、つまり・・・アンタ亜人か? 見たところそうには見えねーが。
 恋人の話は・・・まぁ、今度会った時に。
 アンタも街に来たばっかりだろ? 恋人になる相手なんてそう簡単に決めちゃダメだろ」

【「まぁ、それでも」と順風は続ける】

「探し続けてどうしても見つからなかったら風の国の自警団の詰所にでも来てくれ。
 まぁ、考えておくよ。冴えない俺なんかで良かったらな」

「じゃーな、美還」

【順風は手をひらひら振ると、そこから立ち去って行った】


/この辺で〆て良いですかね?
586 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/26(火) 21:18:23.77 ID:OesXUXTIO
>>581

――うん、もちろん。
全力を出し切って、悔いのない試合にしよう!

それじゃ、いくよ!

【自分にも言い聞かせるように、しっかりとした口調で叫ぶ】
【すると、手に持った金属棒が形を崩し、ガントレットと一体化し、流れ――】

【出来上がったのは、一振りの長い武器】
【長さ2m程度の柄の先に長さ50cm程の刃がついた、西洋風の薙刀――グレイヴと呼ばれるものだ】

それっ!

【石畳を蹴り、笑みを浮かべる青年に向かい刃を振り下ろす】
【反応を見るための小手調べの一撃だ、横か後ろに避ければ回避は容易だし、受け止める事もできるだろう】
587 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岡山県) :2013/02/26(火) 21:19:37.38 ID:hgiyfWo2o
>>585
あ、まぁ...そうです、亜人です

それでは、どうしても...となったら...

【目は光っている(比喩)】

/はい、お疲れ様でした...
588 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/26(火) 21:20:57.39 ID:E2cZqn5Ho
>>579
くっ……! この結果で残念≠ニはまた、手厳しい!

【苦痛からか、額に汗を滲ませたまま、フリッツはそう叫ぶ】
【右の蛇がヘケメトの進路を阻む間に】
【左の蛇が黒い体液をしぶかせながらも、どうにか棘の拘束から解き放たれる】

【棘から上方へ浮くように退避した左の蛇を、手元に引き寄せて】

(筋組織……いや、血管自体をを収縮させて血流を阻害しているのか……?)
(……何にせよ、止血能力とは少々厄介ですね)

【広がる魔力の残滓、その効力が果たされたヘケメトの右腕に視線を向け、フリッツは考察する】
【しながらも、役目を終えた右の蛇も手元に引き戻そうとするが】

……!

【叫びと共に地面を舐めるように突撃してくるヘケメトに、目を剥く】
【判断に要された時間は一瞬】

【左手の蛇の輪郭が歪み、白い手に戻る】
【近付いてくるヘケメトには、その手にある無数の傷と、そこから流れる赤い血が見て取れるだろう】

【左の蛇が消失するのとほぼ同時、右足に履いていた黒革の靴が爆ぜる】
【そこに現われるのは、やはり同じ目のない蛇】

【それは地面に牙を突きたてると――やはり伸び≠ト】
【フリッツの身体を、まるでジャックの豆の木の様に、上へと押し上げた】

ぐぁっ!

【だが、軌道上に右足の蛇が残されていることに違いはない】
【足を薙ぐように突撃したヘケメトの頭上から、フリッツの苦悶の声が落ちてくる】

っこれが、見え、ますか!?

【ヘケメトの頭上を取る形になったフリッツが、ようやく戻ってきた右手の蛇を、振り下ろす】
【人体の死角――真上から、重力の力をも借りて投げ下ろされる蛇は、低空を走るヘケメトの背中めがけ、猛然と突進する!】

【――さしたる高度ではないが、フリッツがいるのは身動きのとれぬ空中で】
【ヘケメトにとって頭上の彼は、見えざる敵であると同時、動かぬ的にもなりうるだろう】
589 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/02/26(火) 21:22:53.08 ID:MZC9KTBGo
>>584

【重装備な下半身、ロングスカートのようなフォールドは彼女の足元を囲むように守る】
【それでも前面はミニスカートと、そこから細く白い太股を覗かせてニーソックスの上からグリーヴを履いている】
【機能性と防御力を重視したその装備は、騎士とも剣士とも取れる可憐な格好】

【それと対照的に上半身は軽装で、ハーフトップから漏れる両肩は素肌と一緒の淡い色に染まっていて】
【そこから伸びる華奢な両腕は、肘の辺りからぺったりと肌にしみこむ黒いレースの長手袋に包まれている】
【おへその開いたビスチェがふわふわと揺れたなら、機動力の高さを、伝えてくるだろうか】

【肉襦袢を纏ったような貴方、けれどもその身に纏う雰囲気が、それが単なる脂肪でないと伝える】
【鋭い貴方の双眸、大きな身ではあるが、ソレ相応の鋭さをも兼ね備えているそれは――――】
【肉斬り包丁とも取れる、その山刀が、月光に沿うように色を滲ませていた】


……なるほど、予想通りでございます……
その首もとのマーク、そして、その発言、釈明の余地も無いのでしょう
お認めになるその態度は見事――――ですが、それで容赦をするほど、私も甘い人間ではございません

――――ジャンヌ、ジャンヌ=アンジェリカ……我が剣を持って、声無き躯の手向けとなしましょう
Lost Prophets=\―――!!

【夜風が白銀の髪を掬ったなら、靡くその色合いが強く揺らめく】
【纐纈模様の髪の色、月光が溶けたなら、素肌に混ざるその色が】
【乳白色の柔肌を潤んだ色で見つめて、小さな唇のアクセントを透かして見せた】

【黒い手袋に包まれた華奢な指先、貴方が握ったなら砕けてしまいそうなぐらい細くしなやかな指先】
【それが背中の大剣の柄を握ったなら、両手で握っても尚、半分以上、柄が余ってしまうほどに】
【まず左手で握り、天井へと切っ先を向けて、手首でクルクルと回転させて、胸元へと下ろしてくる】

【そうして右手でも柄を握り、身体の前で正眼に構える――――長い刀身で、ほとんど身体が隠れてしまいそう】

【非常に長い柄と、横に長い唾、大剣の太い刀身の根元は細く、分厚いながらもスリムな大剣】
【彼女の細いウエストほどもあるその幅と、白銀のその刃は、まるで雪のように白く、それでいて銀の色が光る】
【切っ先は鋭く、ただ叩き斬るだけでなく、突きによる威力もかなりのものであると想像できるだろうか】


さぁ、声をお聞かせ下さいませ!喚く声も、叫ぶ声も、償う声も、全て余すことなく聞き入れます!
――――そして、そのまま、我が貞潔の前に、ひざまずきなさいませ――――!!

参りますSkillet=I!


【Skillet≠ニ呼ばれた大剣を、振るう、正眼に構えたまま、強く地面を蹴った】
【華奢な体躯が風に溶けるよう、その速度は、貴方との距離を数秒も無く埋めるのだろう】
【風を掬うかのよう、胸元で真っ直ぐ構えたその剣を、両腕を上げる事で、高く構えなおした】

【両脚を肩幅に開いてブレーキをかける、巻き上がる粉塵が、彼女のスカートのようなフォールドを濡らす】
【僅かに横にスライドする大剣、貴方の右腕に対して垂直に交わるような軌道、振り下ろしたなら、そのまま交錯するのだろう】
【一瞬力をこめてもなお、柔らかそうな二の腕は、細いままで声も出さなかった】

【風が吹き込まれるよう、その大剣へと、引き寄せられるかのような――――衝撃】
【彼女の振り下ろしの一閃が放つ鋭さが、貴方の右腕の肩の近くへと振り下ろされるだろう】
【切り落とすまではいかない、けれども直撃したなら、皮膚の下の肉までは抉り取られるだろうか】


/いえいえーよろしくです!
590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/26(火) 21:34:12.00 ID:xeuNU3J8o
>>588

「ヘケケケ、だから最初に行っただろォー、……"首根っこ抉るつもりで来い"ってなァー」

【左の蛇が棘から開放されてもなお、その棘は残り続ける】
【――彼には棘の能力以外に、"気合"の能力もあると自称していたが】
【それは本当だ、ただし――それは実際に効果を成す"気"の様なモノッ!】
【今の出血量を半減させたそれも、気合の能力の一種ッ!】 【――ただし、具体的な仕組みは全くもってよくわからない】

【今のタックルは能力は能力でも――彼の"身体能力"に由来する】
【"超低空"で身体を浮かせたそれは、しかもそちらへ届かんとしていたそれは、――……色々と末恐ろしい】

「蛇が手になって……血?」 「……かわしたかァッ!」

【左の蛇が手に戻り、その手に傷が生まれていること――それは、タックルをしている彼にも見えていた】
【――それがどのような意味を成すのか、――蛇への攻撃は本体への攻撃にもなるということが、――】
【……それには、まだ気がついてはいないようだが】

【さて、右脚が爆ぜれば現れるのは蛇、そして上へとフリッツを押し上げるそれ】
【そして右足の蛇へ当たるタックル、――ここまでは彼の身に伝わっていた】

「これ?」 「――……ガハァッ!」

【しかし、タックルからの受け身へ移行する最中に――振り下ろされるのは右手の蛇】
【回避が間に合わず、それは直撃しタックルの軌道を下方向へと捻じ曲げる】
【つまり、彼は地面に叩きつけられたのだ】 【ずさささっと数メートル滑れば、ようやく勢いは止まる】

「中々良い攻撃だったぜェー、……ヘケケケ」

【身体をそちらの方へ向ければ、擦り傷だらけのそれはよく見えてくる】
【――彼はまだ、地面へ座ったままだ】 【今まさに、立ち上がろうとしているところだ――背中へのダメージの為かそれは遅いが】
591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/26(火) 21:36:46.29 ID:Wy3/VJv9o
>>586

天に居ります孤独ノ星、大河ノ蛇ミルドラよ、わが手に護りノ剣ヲ
正しき者ノ身に力は宿りたり。偉大なる大河は、いついかなる時も我らヲ見守りたり!

【口の中で小さく呟くような祈りの言葉は、とどろくような歓声に掻き消されて】
【しかし音はそこにあるかのように、掲げた曲刀の周囲に“大気から”水が集まっていく】
【薄らと刃を包む水もまた、鋭い刃の性質を持っている事が液体らしからぬ細さに尖った切っ先から分かるだろうか】

あァ、お互い全力デ行コう!

【迫りくる一撃目、前に出した左膝をぐっと曲げて深く腰を落とし】
【振り下ろされるグレイヴの柄に曲刀の腹をあてがうように、横に構えて突進する】

【うまくいったならば婉曲した鍔でグレイヴの柄を押しとどめ、手首を外回りに捻って絡め取ろうとするだろう】
【代わりに下がった刃側は、ワンテンポ遅れて相手の体のある方向へと回転させられる】
【お互いの体高を考えると、大体胸元よりやや上、鎖骨の真下くらいだろうか】
【同時に、成功したならばグレイヴを相手の左側に追いやることになるが】

【柄の長いグレイヴであれば、てこの原理で単純な膂力に差があってもひっくり返す事は不可能ではない】
【実質的な攻撃である曲刀の捻りも、数瞬遅れている事で相手は対策しやすいとも言える】
【反撃を考える時間は十二分にある】
【もっとも武器の扱いに長けた相手の事だ、敢えて言うべくもないかもしれない】
592 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/26(火) 21:45:50.05 ID:E2cZqn5Ho
>>590
【ヘケメトのタックルを真正面から受けた右足の蛇が、喰らいついてた石畳から弾かれる】
【すると蛇はすぐに空中にあるフリッツの方へと、その身体を縮めていき、足元に収まれば、再び右足の形を取り戻す】

【転がるヘケメトの後方で、どうにか両足で着地を取ったフリッツも】
【右足から崩れるようにして、地面に膝をつく】

く……。

【地面に倒れこんだヘケメトに、追撃に出たかったのだろう】
【だが、タックルをその一身で受け止めた右足へのダメージは、尋常の物ではない】

(……まずい、ですか)

【内心では焦りを感じながらも、フリッツはすぐにはその不利を悟らせまいとする】
【相手も手練れの猛者だ、いつまでも気付かれない、ということはないだろうが――回復する時間を少しでも稼ごうと】
【声を荒らげ、左手を振りかぶる】

……行け!

【フリッツは膝立ちの姿勢のまま、右手の蛇を引き戻しながら】
【同時に左手を再び蛇へと転化させ、戻ってくる右手の蛇と入れ替わるように、再び立ち上がろうとするヘケメトの額へと突撃させる】
593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) :2013/02/26(火) 22:00:52.72 ID:fX7DLM1B0
>>589の方、すいませんパソコンがフリーズして強制終了してしまって文が消えました。もうしばらくお待ちください。
594 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/26(火) 22:00:55.99 ID:xeuNU3J8o


「ヘケケケ、――なァーところでアウ、今のはどういうことなんだァー?」
『恐らく、"蛇=本体"、ですね』 「なるほどォー、多分わかったぜェー」

【あなたから見れば自己解決にしか見えないその問いかけの後】
【空より戻るフリッツ、地へ落ちたヘケメトの眼はそれを捉えれば】

「もう一発、あんたにぶち込んで……くゥッ!」

【立ち上がろうとする己へと突撃してくる左手の蛇、いかんせん不安定な姿勢だ】
【無理に回避するならば――】 【受けたほうが、得策だ】

【最初は右手で受けようとしたのだろう、しかし痛みからかすぐには動かせず】
【結果として、左手を盾にその攻撃を受けた】
【その時見えただろうか、――今まで恐怖の一つも見せなかった彼の顔に、初めて浮かんだそれを】
【ほんの一瞬だけだったが――額は"眼"に近く、それに当たるかと"恐怖"したのだ】

【左手を盾にしたとはいえ、その不安定な姿勢へ襲う蛇は】
【――彼に尻餅をつかせるのに、十分だった】

「――ヘケケケ、危ねェ危ねェ」

【しかし、再び地へ落ちたことより……眼の無事を確認するのは、――】
【頭部に衝撃を受けた事による、気の迷いなどではない】

【彼は再び立ち上がろうとせず、代わりに取った行動は】
【――両手で地面を強く叩くことだ、無論右手の形のスタンプを地面に押すことになり、その血の勢いを高める】

「ダブルニードルライナーッ!」

【そして迸るは、無数の棘の波だ――進行方向へその棘先を向けているそれは、両手で叩いたため――"二つ"ある】
【一本一本の長さはおよそ30cmだろうか】

【右手からのそれは、外側へのカーブを描いて】 【左手からのそれも同様で】
【フリッツへ、二手から襲いかかるッ!】 【――もし当たったとしても、急所に当たらなければ致命傷にはなり難いく】
【速度は一般人が走る速度の2倍程度だ】 【これは、……頭と背を痛めた彼が、体勢を整えるための攻撃である】

【右手からの棘は、白い棘の割合が多く――こちらの方が、威力が弱いはずだ】
595 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/26(火) 22:01:34.79 ID:xeuNU3J8o
>>594
/また抜けた……>>592宛です
596 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/26(火) 22:02:40.27 ID:MZC9KTBGo
>>593
/把握ですーごゆるりと!
597 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/26(火) 22:09:14.82 ID:OesXUXTIO
>>596

【青年の呪文のような言葉は、少女には届かない】
【しかし、何かをしたことだけはわかった。曲刀の刃が水を纏っていく】

【少女の一撃は、容易く受け止められる。甲高い金属音と、僅かな火花が散る】

【グレイヴに限らず、長い武器には弱点がある。それは、懐に入られると攻撃が難しくなること】
【青年の攻撃は、その弱点を突く形となった】

――うわっ!

【グレイヴが絡めとられる。不安定な角度になるが、後ろにステップしながら武器を引くことで何とか曲刀を引き剥がす】

なるほど、確かにそう来られると危ないな……
じゃあ、これならどう?

【グレイヴが二本に割れる。両手に一本ずつそれを持ち、グレイヴが変形していく】

【出来上がったのは、二振りの剣】
【右手に持つのは、刃が波打った細身の長剣――フランベルジュと呼ばれるもの】
【左手に持つのは、櫛のように無数の切り欠きが入った峰を持つ短剣――ソード・ブレイカーと呼ばれるもの】

――よし。
来い!

【ソード・ブレイカーを前に、フランベルジュを後ろに構え、叫ぶ】
【攻撃を誘っているのだろう。素直に攻めても、逢えて待ってもいい】
598 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/26(火) 22:11:50.60 ID:OesXUXTIO
/なんで間違えたんだろう…
/>>597>>591宛てです
599 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) :2013/02/26(火) 22:12:30.15 ID:fX7DLM1B0
>>589

【男は魅せられた――その美しき攻撃に】
【しかし男とて歴戦のつわもの…心までは奪われない】

【右肩を浅く斬られるも驚異的な身体能力で、後方に大きく跳び直撃は回避】
【それと同時に魔具が輝き始め――】

火焔蛇(エル・ナヴァロ)
【直線的な火炎放射が詠唱とともに放たれる】
【飛距離と温度は高いもののレーザービームのように直線的なそれは避け易いだろう】

【しかし少女は見るかもしれない】
【男の背後に潜む、捕食者の気配を…】
【高のように気高くない、獅子のように誇らしくないそれは…】
【まるで汚泥に潜む『魚』のような・・・】

/遅れて申し訳ありませんでした
600 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/26(火) 22:14:16.71 ID:KWuCRHBao
【水の国ーーー首都 フルーソ】
【街は大会特需で賑わい、土産の出店やら、観戦者達で賑わうレストランやバーなど、表通りはどこもかしこも人だらけ、まるで昼間のような賑やかさだ】
【だが、そんな表通りとは少し離れた場所ーーー人気のない、大きな河川の近く】
【流れる川の向こうにスタジアムが大きく見える、それを眺めながら、一人の男が柵に寄り掛かって煙草を吹かしていた】

…大会…かーーー出たかった訳じゃねぇが…ま、少し残念か
…出れない代わりに賭けでもしてくるかね

【黒いビジネススーツ、黒い革靴、骨が散りばめられた模様のネクタイ】
【疲れた目をした、無精髭面、黒い髪を後ろに撫で付けた髪型】
【その右目には眼帯をーーー『紅い剣を咥えた黒い狼』の紋章が刻まれた黒い眼帯を掛けていて】
【剣の柄だけのような機械的な機具と、銃身の長い銃をベルトに吊り下げた男】

【スタジアムの方を眺めて独り言を呟いていた男であったが、溜息を一つつくと反転し、柵に背中を預ける体制となる】
【辺りに人のいないそこは、街灯の光が寂しさを演出していた】
601 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/26(火) 22:22:48.97 ID:MZC9KTBGo
>>599

【刀身に映る彼女の横顔、小さくても華奢でもそこに映る表情は一つの騎士】
【グリーヴが地面を噛む、白銀のソレは、彼女の身体の安定感を高くしているのだろう】
【スカートであっても揺るがない、その信念のような両脚が鋭い刃のように震えた】

【まるで風と共に舞うかのよう、彼女の剣技は早く、それでいて華麗】
【大きな得物をまるで手足の如く、揺らめかせる度に、長い髪が足音を修飾していくよう】
【玉響のミスすらも許されない、僅かなバランスの上を爪先で歩くかのように】

【貴方とは違い彼女の両腕は細い、貴方の一撃が、彼女にとっての三撃ほどになるのだろう】
【対峙するだけで感じる圧迫感、筋肉に包まれた貴方の身体に、ひょっとしたら飲み込まれそう】
【――――だからこそ、その気持ちを強く持ち、貴方と相対する】


……見た目とは裏腹に、軽やかな身のこなしでいらっしゃいますね
一瞬の判断力、といいお見事にございます
ですが、私も少々、身のこなしには自信がございます

そのような直線的な攻撃など、避けるまでもありません――――


【足をならす、白銀のフォールドを接吻をする腰元の四つの刀】
【大剣を扱いながらも、残り四つの刃を、彼女は未だに残していて――――】
【その身に纏う雰囲気すらも、剣士と騎士と呼ぶには十分すぎるのだろう】

【振りぬいた大剣、くるりと手首を返して、その大きな刀身を、貴方へと見せるように】
【まるで鏡のように磨きぬかれた白銀の断面が、月光を浴びて、色濃く輝いたなら】
【そのままその切っ先を地面へと突き刺し、その影に隠れるだろう】

【膝をつき、大剣を楯にし、貴方の攻撃を回避するだろう】
【流石の威力と温度だ、僅かに押されるかのよう、地面を抉る足の音が響くだろう】
【それでも、彼女の玲瓏な素肌を焼くには温すぎるみたいに】


御仁、その身体は飾りでございましょうか
その腰の銃は、単なるお守りにございましょうか
その手の刀は、ただの護身にございましょうか

――――そうであるならば、御仁の纏うカノッサの名は、酷く凋落したものに、違いませんね


【大剣を両手で引っこ抜いたなら、切っ先を地面に向ける形で握りなおす】
【左手が下、右手が上で柄を握り、刀身は右斜め前へと、伸びていて】
【僅かに姿勢を低くして、呼吸を一つ薄い靄のような形が色となったなら】

【その欠片を踏襲するかのよう、彼女の身体が、揺らめきの中へと消えていく】
【一つ、二つ、再び間合いを詰めたなら、ぱっと右手を離し、左手だけで大剣を握る】
【貴方へと左半身を向ける形でブレーキをかけ、その華奢な肩を一瞬曝け出すだろう】

【貴方へと半身を向けたまま、左手で縦に大きく大剣を振り下ろす、大きく外側へ、左手を回しながらの一閃】
【直撃したなら、貴方の右腕へと多大なダメージを与えるだろう、それほどまでに彼女の扱う鋭鋒は重い】
【視界に咲く閃光のような剣閃、その一つ一つが万華鏡のように瞬くのだろう】
602 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/26(火) 22:25:32.73 ID:Wy3/VJv9o
>>597

【曲刀を捻りあげるよりも相手が離れる手ごたえを感じると、すぐに一歩飛びのいた】
【それ以上木靴の爪先が動く事が無かったのは、相手がすぐに反撃をしなかったからか】
【手首を楽にするように曲刀を半回転させると、再び斜めに構え直す】

凄いな、君ノ武器。ソノ場で武器を作る人は何度か見たケド……
ソンな複雑で面白いカタチの武器ヲ、いくつも扱えるだなンて

【恐らくは心からの純粋な称賛、形を変えるふたつの武器を遠くより見る目はわずかばかり見開いて】
【画家が己の憧るる絵画を目の当たりにしたような、感動の色を持った溜息が洩れる】
【気を抜くのも、相手が武器を変形させている間のみ。すぐに表情を引き締める】

【来いという雄叫びに答えるように、すぐに地面から両の足が浮いた】
【迎え撃つ相手に飛びこむように、やはり体勢は低く地を這うように、目線は同じくらいに】
【肘を外側に向けて自分の方へと向けていた刃を、互いの間合いに入ると同時に払う】
【フランベルジュを警戒してか、大振りの一撃はどちらかといえばソードブレイカーに向けて打つに近い】
【そして第二に、相手の目の前ぎりぎりまで突進の勢いは失われることなく】
【こちらも何らかの二手目を用意していると考えるべきか】
603 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/26(火) 22:26:06.42 ID:TihSjxzWo

【―――最初に聞こえるのは鼓膜を破らんとする程の大歓声だろうか。】
【スタジアムを囲んだ観客の盛り上がりは既に、先人達の激闘によりピークへと達していた】
【多種多様な人種が集まり、宗教間の確執を超え、善悪の迷いも断ち切って、今宵――この瞬間だけは】
【此処に集った全ての人間が、または人間でない存在も含めて――心を一様に通わせる。】
【"とんでもない戦いが見たい"―――という、この世界の歴史を象徴する"武"への挑戦。】
【傷つけあう史実の最果て、集いし戦士が紡ぐ死闘は"生存"をかけた戦いではなく】
【ただ―――ただ、一片の"勝利"の為に。】

・・・ふぅ。なんていうかさ、凶暴な賞金首を追い詰めるあの最後の瞬間、
あれってスッゴイ緊張するもんだけど――・・・

・・・足が震えるのは久しぶりだよ。始めて人を撃った時だって、こんなにビビらなかったさねぇ。

【フィールド――試合場へと侵入するゲートの片門、未だ火の灯らない入り口の奥】
【"女"は自身が跨った"ソレ"に対し、そんな事を呟いていた。】
【"ソレ"が問いかけに応える事はない、ただ蹄を打ち鳴らし、その瞬間を待つのみだ】
【やがてゲートが開き、会場からの強烈な歓声が聞こえてくると同時に――"彼女達"は走り出した。】

さて―――入場、しますかッ!!

【声援に負けじと、"白馬"が吠えた。天を貫く声を上げ、開いたゲートめがけ飛び出し――】
【――瞬間、爆炎。】
【ゲート脇にしかけてあった花火が勢いよく上がり、"彼女"と彼女が跨る"馬"が姿を現したその時、炸裂。】
【炎がボウッ!と上がり――その内側を貫くように、白馬とその背に跨る女がフィールドインした―――!】
【滾るような演出に観客達は更に沸き立つ。そして現れた女へと期待の声援がかけられる――】

みぃ〜んなぁ〜!おーえん!よっろしくぅ〜♪

【"女"は――馬に跨っても違和感のない、時代錯誤な格好をしていた。】
【身につける白いシャツは土埃で早速汚れ、首もとの赤いスカーフが疾風に靡く。】
【シャツの上に着た土気色のベストは彼女の豊満な肢体を優しく包み】
【ダメージ加工がなされたブーツカットのジーンズが、長い足を観客の目へと誘うだろう】
【足元は古びたウェスタン・ブーツで覆われ、頭に被った特徴的なテンガロンハット――年代モノのそれと】
【腰元に取り付けられた1挺のガン・ホルスターが"彼女"が"何者であるか"を指し示す―――】

【クセのあるブロンドのショートが風に煽られながら、観客席の方をぐるりと、馬と共に駆け回った】
【手を振り、声援に答え、そうして"女"――セリーナ・ザ・"キッド"は、フィールドへと舞い降りる。】
【馬を飛び降り、戦場へと脚を踏み入れたセリーナが"もう一人"の入場を待つ――。】

・・・ふふっ。武者じゃないけど、武者震いって奴だね。
まさかお相手が――彼女だなんて。こんなところで再会するとは、思わなかったよアタシ。
―――柊ちゃん。

【――今宵の対戦は"ガンマン"と、そしてもう一人――1回戦を勝ち抜いた"サムライ"によって成される。】
【その異種格闘技戦とも呼べる強烈なマッチングに、集まった観客達は息を呑み――"彼女"の入場を待ちわびる。】
【刀と、銃――相対する二つの武具、戦闘の歴史を象徴する究極の一戦が幕を開けようとしていた――。】



【水の国 第二回天下一武道会 二回戦】
【激戦の火蓋が今宵――――。】

/遅くなってしまいすみません。セリーナ・ザ・"キッド"、参りました。
柊さんの方、今夜はよろしくお願いします!
604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/26(火) 22:26:35.54 ID:E2cZqn5Ho
>>594
(……なんだ?)

【ヘケメトの体勢を崩した左の蛇を、手元へ引き戻しながら】
【一瞬弱まった彼の戦意に違和感を見出す】

(いえ、今は……とりあえず……出来る限り、不自然に見えぬように……)

【だが、その理由を解明するには至らない】
【やせ我慢と自覚しながらも、フリッツはようやく両足で立ち上がる】

【――やや重心が左側に傾いているのは、右足を庇おうという無意識の現われ】
【近接格闘をその主戦場とするヘケメトには、その異常を感知することもできるだろうか】

近接戦闘が得意と言っても……搦め手も豊富、少々、羨ましくもなりますね。

【そんな愚痴っぽい呟きと共に、迫り来る棘の波を見据えて】
【フリッツは後ろに一歩、左足だけで地を蹴ってステップを踏むと】

【棘が到達するのは、まだ戻りきらない左の蛇よりも速い】
【であれば、右の蛇で防御ができるのは、どちらかの波のみ――】

……ッぁあ!!

【右側から迫る波へは、その右手の蛇をたたきつけて、捨て身の防御と為す】
【だが、左側から迫る波へ抗う術はなく、左半身へと、棘が突き刺さるままとする】

ぐ、ぅ……!

【左の蛇が、波に遅れてようやく手元に戻る――】
【顔を上げられないのか――その視線を地面へと落としながら、荒い息を吐いて、フリッツは悲鳴を噛み殺した】

……は、っぁ!

【右の蛇からは、黒い体液が】
【左半身からは、赤い血液が】
【闘技場の白い石畳を汚して行く――】
605 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/26(火) 22:30:41.48 ID:G263YTqPo
【とある酒場】

【熱気を増す水の国の武道大会】
【観客らも熱気にやられて出来上がって、人々の話題はそればかりだ】
【お陰で皆、酒場に行き屋台で飴を買い、大していらないもんを買う】

【この店もそのノボセた客からお金をとるのは今のうちだと言わんばかりのフル回転】
【朝から晩まで大賑わいと言うんだから 経済効果とは末恐ろしい】

【ワーワーと試合やら賭けやらで盛り上がった酒の席で】
【そんな店の片隅で、呑気に寝ている男が居た】

【テーブルにはビールの小瓶と灰皿と煙草、折りたたまれたタブロイド紙】

【サングラスをしていてよくわからないが、腕組みをして座ったままの姿勢で器用に寝ているみたいだ】
【モッズスーツ、レザーのネクタイ、身なりのおかげか誰も起こそうとも財布を取ろうとも思わない】

【窓際の席でガラスに頭を預けたまま微動だにしない】
606 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) :2013/02/26(火) 22:40:07.73 ID:fX7DLM1B0
>>601
【振り下ろされた刃に対し山刀を右手で持ち、横に構え防御する】
【――反応は驚嘆に値する、まさしく獣のそれだ】
【しかし刃に対して山刀の刃で防御した結果――山刀は真っ二つになってしまう】
【ぎりぎりで上半身をそらしたために頭を割られることはなかったものの額が切れ血があふれる】

たくっ!厄介なのに絡まれちまったが…そこまで小娘に言われちゃなぁ…。

【そして更なる愚行】
【この距離で拳銃を抜こうとする】

収まりつかねぇぜ!

【だが少女なら気づくだろうか】
【これは誘い!露骨なまでの誘い!】
【瞬間、男の殺気が膨れて】
【分厚い装甲板に覆われた巨大な頭部をもつ巨魚型のマインドが男の体から飛び出すように現れ】
【そのままのスピードで少女に堅く思い頭から体当たりしようとする】

607 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/26(火) 22:42:33.75 ID:OesXUXTIO
>>602

えへへ、すごいでしょ。
もっと見せたいけど、今は試合に集中!

【賞賛の言葉に、少し照れたように頬を赤らめる】
【しかし、今は試合中。自慢もそこそこに、こちらもきりりと表情を引き締める】

【青年が迫る、青年の刃がソード・ブレイカーに食い込む】
【しかしこれは少女の思惑通りだった】

【ソード・ブレイカーは、その名のとおり、相手の剣を無力化させるための武器】

【曲刀をみればわかるだろう、その刃はソード・ブレイカーの無数の切り欠きに食い込んでいる】

さぁ、お返しだ!

【左手を捻り、青年の曲刀を締め上げる】
【無理に力を込めると、曲刀が弾き飛ばされるか、最悪の場合折れてしまうかもしれない】
【しかし、急いで引けば刃を破壊される事はないだろうし、力の差もある】
【力ずくで抑え込む事も、不可能ではない】
608 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/26(火) 22:46:41.31 ID:xeuNU3J8o
>>604

【彼は例え四足を斬り落とされようと、その闘争心を絶やすことはない】
【しかし、眼への攻撃は――彼自身にも理解出来ないが、何故か怖いのだ】
【"再び"光を失うものか、そんな思いが無意識の内に何故かこみ上げてきて――】

「ヘケケケ、……さっきのタックルはしっかり当たったようだなァー」
「――あんたの蛇も中々色々出来るじゃあねェーか、ヘケケケ」
「口の中はちょっと気持ちわるかったがなァー」

【右足の蛇へ当たったタックル、その直後に攻撃が降ってきたため――】
【その結果がよくわかるのは、今が初めてだった】
【――棘は、そちらに当たれば数刻後に消滅する】

「――しかしよォー、……毒が無くて良かったぜェー」
「まァー、もしあったとしても生半可な毒は俺には効かねェーがなァーッ!」

【右手から流れるその鮮血を、ぺろりと一舐めすれば】 【ふらっと、その身を起こして】
【左手に――禍々しくも神々しい、しかし確実に彼のモノである異質な魔翌力の気配が漂う】

「――まだ終わっちゃあいねェーぞッ!」 「行くぜェーッ!!」

【そちらに向けて、走り出し――しかし、思わず空気に躓いて】
【結果として、スライディングになったのだが】

【もしあなたに接近することに成功したら、その脚か――】
【もしくは、何かしらの攻撃を仕掛けてきたそれを左手で掴もうとし】 【成功すれば――――】


 「見せてやるぜ、これが俺の……いや、オレの必殺技だァァアアーーーーッ!!」


【眼が赫き色に輝けば、――その部位を、強く掴むだろう】 【――本番は、掴んだ後からだ】
【左手に集まっていた魔翌力が、フリッツの身体へ流れ込もうとし――はねのけられなければ】
【その身に宿す様々なエネルギー――魂以外のそれらを蝕み砕こうとするだろう】 
【――砕かれたエネルギーは床へ欠片として落ちて、その色はフリッツの身に宿していたエネルギーの色そのもの】

【砕くといっても、エネルギー全てを砕くわけではなく、少し砕くだけだ――能力が破壊されるわけでもない】
【また、この技は"心臓"に近いほど強力な効果を発揮するため――脚を掴んだとなれば、そこまで高い効果をなさないはずだ】

【成功失敗問わず、この技は隙だらけだ――発動中だって、フリッツの身体は掴まれている部位以外フリーだ】
609 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/26(火) 22:50:57.32 ID:MZC9KTBGo
>>606

【刃を振るうたびに感じる違和感にも似た何か、背筋を撫でる淡色の感触】
【それはきっと貴方の炯眼にあるのだろう、その鋭い獲物を狙う瞳に】
【――――勝てるだなんて、思えない、優勢だとすら、感じられない】

【振りぬく左手の感触、地面へと落ちるその刃が鏗鏘を響かせる前に】
【Skillet≠ヘ貴方の山刀を切り落としても尚、地面にはたどり着かないのだろう】
【手首を返したなら、地面すれすれで静止する大剣、ピタリとその動きを止めた】

【貴方の手首の動きが見えた、拳銃を抜くという無謀=\―――それでいて苛烈≠ネ行為】
【危ないと思った、彼女と、そして貴方の身が、地面で静止した刃を、再び左手一本で振り上げようとなすのだろう】
【肩越しに覗かせる彼女の瞳が、僅かな水色を滲ませるように】


……それでこそ、カノッサの使途でございましょう!
何よりも邪悪で、何よりも過激で、何よりも残忍で、何よりも強き不羈なる集団!
そしてそれこそが、私が断つに値する相手なのですから――――っ!!


【左手一本で握る大剣、華奢なその色合いが、酷く月の下に晒されたなら】
【何の苦も無いといった表情で、貴方の銃を、下からたたき上げようとして】
【――――そして、それがミスであった、と数刻の後に気づく】

【第六感が叫んだ、脳内のランプが色鮮やかに響いた】
【脳内の思想全てを焼燬するその音に、衝撃に――――備えよう、と】
【出現する、貴方のマインド、反応が数手、遅れた】


――――っ……!!ぐっ……あっ……ぅっ……
そっ……それ……ぇっ……わっ……!!あっ……!!


【曝け出された左肩に直撃する貴方のマインド、鈍い衝撃が、華奢な全身を駆け抜ける】
【弾き飛ばされ、大剣を持ったまま、数mほど先の地面へと叩きつけられるのだろう】
【右手をつく形で地面に尻餅を付いた彼女、金属のかき鳴らす旋律が響いた】

【月光が導く彼女の剥きだしの左肩、うっ血し、青い色が滲んでいるのが、まるで初雪を穢すかのように】
【右手で確かめるように少し触れたなら、彼女の口元から淡い息が漏れた、痛みに喘ぐ情感】
【口元がきっと締まった、油断していた、否――――それだけではなくて】

【すぐさま立ち上がろうにも、衝撃が深いのだろう、一端よろめいたなら、風が彼女の痛覚を刺激する】
【左手が痙攣していた、左手の大剣を、右手で握りなおして、よろよろと立ち上がった】
【上半身を前に投げ出すよう、たらんと垂れた左腕が痛々しく濡れていた】
610 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/26(火) 23:04:49.42 ID:Wy3/VJv9o
>>607

【不自然な形で動きの止められる曲刀、伝わる手応えからいやなものを感じた様子】
【一瞬息をのむ音がして、曲刀が捻られる方向に合わせるように引きぬかれる】
【自然な流れの元に存在する動線では無い動きの方向は、どうしても他の動きも鈍らせる】

そ、レはなるベく相手にしたくないな……!

【突進の勢いは踏み込みに乗り、右足の静止によって左足の下腿へと伝わる】
【相手の体にぶつけるように、左足が高く上がって速度と勢いの乗った蹴りになる】
【中心に近い脛は勿論として、足の甲は丈夫な木のサンダルに守られている】
【こちらはどうやら、純粋な剣士というわけでは無いらしい――】
【近くに姿があれば、無手の左手や足元にも注意を払う必要が有るという事か】

【上記のソード・ブレイカーへの対応が幸を成してか、本来の威力ではなく】
【また、事前動作も見抜きやすいかもしれないが、さて】

【そして、相手がソード・ブレイカーないし曲刀の方へも気を払っていれば】
【わずかばかり、その周囲の水の動きに変調が起こりつつある事に気付けるかもしれない】
【もしも相手がこちらの試合を見ていたならば、予見は難しくないか】
611 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/26(火) 23:08:17.63 ID:E2cZqn5Ho
>>608
……毒を……ば、……てし……かも…………ん……。

【ぼそり、と】
【顔を伏せたままのフリッツから、独り言のように小さくそんな言葉が飛び出す】
【途切れ途切れのごく小さなその独白を、果たして誰が聞き取りえるのか】

……。

【フリッツが顔を上げる】
【迫り来るヘケメトの繰り出す左手へ向けられる目は、敢然たる覚悟を宿した瞳】

【どのみち、高速で迫るヘケメトから逃れる機動力など、今のフリッツには既にない】
【ならば、迎え撃ち――抗うのみ】

……ようこそ、死地へ。

【その呟きは、接近したヘケメトの耳にも届くだろう】

【掴んだ左足――力を流し込もうとするヘケメトには、認識できるだろうか】
【フリッツの中に、もう一つ――黒い魔力を滾らせて、その中に眠る異形の存在を】
【おぞましき粘性の黒い液体が、フリッツの身体からエネルギーとして迸り、落ちる】
【石畳の上で、泡を弾けさせる、おどろおどろしいその液体の上から】

……喰らい付け

【やけに明瞭に、フリッツの声がスタジアムに響いた】

【フリッツの胸元、ネクタイの下。白いシャツの裏が、急激に盛り上がる】
【――その正体は探るまでもない。自ら、そのシャツを食い破り、その大顎を外気に晒してくれる】

【両手の蛇よりもさらに一回りも二回りも大きな、やはり盲いた蛇】
【声など持ちえてはいないであろうその蛇のアギトから、音なき咆哮が放たれる】

【それは苦悶の嘆きであり、そして――歓喜の雄叫び】
【エネルギーを流し込まれながらも、大蛇は――ヘケメトの首に、左右からその牙を突き立てんと、走る】

【食いつけば、それは頭を一振りして、ヘケメトを、フリッツの近くから投げ飛ばそうとするだろう】
612 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) :2013/02/26(火) 23:10:12.80 ID:fX7DLM1B0
>>609

【上へはじかれた拳銃を男は横眼で追うがすぐに少女に視線を戻す】

やりすぎたか?ベスティア・マリーノ――ディニクティス。
【そのマインドはある魚に似ていた】
【遥か昔、デボン紀の猛魚ダンクルオステウス】
【デボン紀の水中を支配した異世界の怪魚】
【その姿はまさに異端!神秘!】
【頭部から胸部、肩帯などは全て分厚い装甲板が覆い】
【一部は鋭い歯牙の代わりになっており】
【体長は5〜6mほどで肉厚で筋肉質だ】
【イタチウオに似た背びれと結合した尾ひれと細めの尾部】
【マインド特有の金属光沢は黒く鈍く、反面眼は男と同じように鋭く光っている】

【ただ装甲板の重みとフォルムゆえか瞬発力はあるものの遊泳力はないようで】
【また装甲板以外の装甲は薄く小さくうろこ状になっている】

大人をなめてちゃいけねぇーな嬢ちゃん!
一晩、大人に対する礼儀の授業してやろうか?
授業料は嬢ちゃんの貞操としとこう。

【男は少女に一歩近づきながら、大型拳銃を背面キャッチ】
【野卑多長髪も加えてくる】

まぁ、その前に…カノッサに恨みがあんのか知らんが…もう少し痛い目に会ってもらおう。

【そして少女に向けて発砲する】
【しかしどう見ても牽制】
【撃たれたの一発で、しかもその過程のアクションは大ぶりだ】
【同時に魔具も光るがこれも牽制】
【勝負はマインドの一撃でつける狙いのようだ】
613 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/26(火) 23:21:00.45 ID:MZC9KTBGo
>>612

【――――それこそまるで嵐のよう、彼女の剣技は凄絶であるが、それ故に打たれ弱い】
【細い腕と腰と、ガラス細工のような身体は、戦うという行為に全く適していなくて】
【小柄な身長と、青白い素肌と、懸河な動きで、漸く貴方と対等と言ったところ】

【右手で再び握りなおすSkillet¥ュし力を入れたなら、左肩の痛みが脳裏をよぎる】
【痛みが鮮烈なればなるほど、頭に響く音が、ひどくノイズのように掻き毟ってくるのだから】
【白い喉が揺れた、切り裂いたなら、そのまま展示できる喉元がとくん、と高鳴るかのように】

【そこから漏れる音は、一入可憐で、儚い涙の拭った跡のような声】
【それでも尚、振り絞った、眼前の――――機関の使途へと、翳す刃が】
【届かなくても良いから、ただ伝わって欲しかった】


……って、貞操……っ――――そんな……はしたない言葉、私に向けないでくださいませ……っ
私は騎士、高潔であり、瀟洒であり……そして、何よりも清楚でなくてはならないのです――――!!


【貞操との言葉に僅かに躊躇した、身のこなしが優れていようと、ただの少女に変わりないのだから】
【頬を赤らめる、とまではいかない、それでも、彼女の顔が微かに女の子の色に染まったのなら】
【貴方が放つ一撃、叩き落すのが間に合わない、それならば――――と】


っ……!!くっ……ぅ……んっ……ひゃっ……ぁ……!!


【左肩から地面へと倒れこみ、回避するのだろう、髪の残り香を辿るかのように、銃弾が駆け抜けていく】
【けれども、その代償は大きい、倒れこんだ瞬間に、左肩を彼女の体の下敷きにしてしまったから】
【喉元から零れそうになる悲鳴、彼女の端正な顔が歪むのは、まるで濡れた音が割れるかのよう】

【うずくまるかのような華奢な体躯、背中が小刻みに震えているのは、きっとそんな理由で】
【飲み込んだ、唇の端を噛み締めて、何とか耐えた、はしたない言葉が、これ以上漏れるのを】
【きっと漏らしてしまえば、楽だろうけど、彼女の矜持が、それを許さなかった】



いっ……痛い目など……っ……ぅ……浴びるほど見ております……
カノッサに楯突く事……ぁっ……が、どれだけ、きつい事か、をも……
けれども、それは決して……私が、あきらめる理由にはなりません――――

――――っ……この身砕けましょうとも、枯れましょうとも、果てましょうとも!!
我が刃未だ死なず!故にただ、突き進むだけです!


【右手の刃が地面を撫でた、振りぬかれた一閃が、彼女の目の前の地面を切り裂いた】
【大剣がその身を奏でたなら、そこに残るのは、巻き上がる粉塵にも似た土煙】
【彼女の身が再び立ち上がった、既に左腕は使い物にならないよう、風ですらも、彼女をいたぶる道具となるぐらいに】

【白い素肌も、今にも泣き出しそうなほど、顔についた汚れを拭う余裕すらもない】
【振りぬいた右手、地面と平行に伸びた右手を、再び腰の近くへと持ってきた】
【大剣を貴方に向けたまま、少しずつ縮まる距離を肌で感じていた】
614 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/26(火) 23:21:14.29 ID:OesXUXTIO
>>610

【青年の曲刀を逸らした、隙ができた】
【この隙を見逃す手はない、フランベルジュを振り上げ――】

そこ――危なッ!

【――振り下ろさない。不穏な動きをする左脚が見えたからだ】
【急いでバックステップし、蹴りを受け流す】
【それでも完全に避けきる事はできず、腹部を抉るように掠っていく】

面白いね、面白い!

【しかし、浮かんだのは苦悶の表情ではなく、笑みだ。冷や汗が垂れ、余裕ではなさそうだが】

【青年が蹴りを繰り出したということは、今の彼はとても不安定な姿勢となる。回避も遅れる筈だと考えた】
【お返しとばかりに、振り上げられたままのフランベルジュを袈裟斬りに振り下ろす!】

【――曲刀の纏う水の変化には、全く気づいていない】
615 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/26(火) 23:22:52.06 ID:nXG7cv/Z0
>>603

【凄まじい歓声が割れ響いた。セリーナの入場という転機を迎え、上限などなしに爆発的に、
【爆炎の上がったゲートの反対側で。】
【紅の焔が噴出した。壁のように分厚いそれは、入場者の姿を覆い隠して―――――】

(………ふふっ、あの女(ひと)らしい入場ね。)
(私のこれは――――――――……気後れはしない程度ではあるか。)

【―――――――――――― 両断。】
【切り裂かれた様に二つに分かれ、翼のように拡がりながら吹き抜ける焔の厚壁。
 ゲートを紅く彩りながら、もう一方の “戦士” の入場を会場に、そして他ならぬセリーナ・ザ・キッドに告げる。】

【―――――― そして、“彼女”は踏み出した。歓声が一段と音量を上げる。】

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

……久し振りねセリーナ―――――
私も此処まで上がって来た。貴女の待つこの戦場に、あの凄まじかった一戦を越えて―――――――

……良い勝負をしましょう? 私と貴女なら―――――― “それ” は、誇れる戦いが出来ると思うから。

【セリーナに続きリング・インを果たさんとするのは、そんな形容の出来る人影だった。宣戦布告。】
【右腕の前腕部を覆い、手の甲まで張り出した一体成型の黒い装甲。
 そして同じ手に携えた白銀の太刀 “金翅鳥”。一回戦同様の、一切の隙を感じさせない剣士の装い――――。】
【それは必要十分にして美観を兼ね備える、カタナの機能美の様でもあった。】 

(………この大会………本当に、珍しい事だらけね。)
(笑って、望んで、戦って――――――― 戦って競い合うその瞬間を、こんなにも私は待ち望んでいる。)

【その一歩ごとに陽炎のように、戦意と剣気が大気を揺らす。会場の熱気を高め、その内へと引き込む様に、密度と回転率を上げ続ける。】
【――――――――― “昂ぶっている” のだ、彼女もまたセリーナの様に。】
【繊細なつくりをした少女の表情。寧ろ穏やかにさえ見えるそれは、橡色の瞳に煌々と、この一戦への期待を煌めかせていた。】


――――――――――――― 始めましょう、セリーナ――――――――――

【そして遂に訪れる局面。リング・インの終わり。正対する両者。開戦のゴングは打ち鳴らされて――――――――】
【……それはクイック・ドロウの合図の様に。】

―――――――――――………ふっ!

【セリーナへと一直線に駆けだそうとする柊。】
【セリーナも同時に彼女に対して、何らかの行動を起こす事が十分に可能なのだろう。】


/遅れてすみません。では……よろしくお願いしますっ!
616 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [!red_res sage]:2013/02/26(火) 23:31:22.78 ID:4ns5G5vlo
>>603 >>615
/実況ですー!おじゃまします!

スウェン『さて大会第2回戦始まりました、只今から始まるのはセリーナ選手対八攫選手! 実況は前大会と同様、このスウェンでお送りいたします』
     『解説には、八攫選手と死闘を繰り広げあの方!! 「求道者」こと中邑 瑛月さんをお迎えしております! 瑛月さん、よろしくお願いします!』
     
瑛月『―――……お願いします。 』

スウェン『これから始まりますはセリーナ選手の入場、で……すが……?』
     『あれ、いいんですかね……? 瑛月選手は自警団であり、運営側にも回っていると聞きましたが』

瑛月『―――……ああいった行為は、確か禁止な……いや、まぁいいでしょう』
   『……彼女が、あの?UNITED TRIGGERの創始者ですか』

スウェン『そうなんですッ! 今白馬に乗って目立ちに目立っている彼女こそが、我々の希望……新正義組織?UNITED TRIGGERのリーダー!』
     『セリーナ・ザ・"キッド"なのです! 其れに対するは前大会覇者ァァッ!! 八攫 柊ッッ!! 』
     『隣に座る瑛月さんも認める、好敵手であります! 』

瑛月『―――まぁ、そうなりますね。 ……八攫で心配なのが、自分との戦闘で負った、傷……。 引きずっていなければいいのですが』
   『自分はまだ腹部に包帯を巻いていますので、少しその辺りが彼女の不安要素かと』

スウェン『そしてセリーナ選手は、所謂ガンマンですが……銃対剣となりますと、八攫選手が不利ではないのでしょうか?』
     
瑛月『……―――確かに、単純な相性を見ればそうなリますが、彼女のレベルにまで達すればその不利も其処まで絶望的では無いですね』
   『銃弾を弾く技術は彼女も持っているでしょうし、何より機動力が優れている。セリーナ選手が自分の間合いを維持できるかが、ポイントですね』

スウェン『なるほど……そして八攫選手の入場です……がこちらも。―――お金かけすぎじゃないですかね……?』

瑛月『自分もそう思います……―――決勝戦でやれ、と言いたいですね。此れで不甲斐ない試合見せられたなら説教してやりますよ』
   『……自分も、出来れば彼女と戦いたかったです。UNITED TRIGGERリーダーの彼女に、告げたい言葉もありますし』

スウェン『説教シーンはDVDに付けましょう!ではこの二人のバトルに期待して……レディ―――ゴーーーッッ!!』
617 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/26(火) 23:36:00.63 ID:xeuNU3J8o
>>611

「――良ィー眼だ、さて、……地獄への切符はちゃアんと持ったかァ?」

【フリッツの瞳に宿る覚悟は、――ヘケメトのその眼に更なる猛りを与えていて】
【しかし、――今までとは何かが違う、雰囲気――】 【――それを、宿していた】


「ディルムカプテスプ――テメェーのエネルギーを砕き尽くしてやるッ!」

【暴力的なその左手は、確かにフリッツを捉えていた】 【――フリッツの大蛇を、なのだが】
【それに物怖じすることもなく、悪魔の如き笑みを浮かべながら、左手に宿した魔翌力を流し込む】
【快感、――エネルギーを砕くその技は彼にそれを与えてくれる】


  【――"今はオレの時間だぜ"】


【――――迫るその大蛇の牙は、もはや……かわそうともしなかった】
【首に牙が食い込んでもなお――やや弱まったものの、攻撃を続けていた】
【まるで"何かに取り憑かれた"かのように――燃え盛るかの如き赫き色の輝きは、未だ憤怒の如く勢いが盛んである】

「て、テメェー……ヘェェエエーーーーックッ!」

【――左手の力のみで、大蛇の一振りを防げるわけがない】
【気づけばその身体は、最初に彼が入ってきた側の方へと投げ飛ばされていて――】
【ドサリ、石畳に重い音が響く】

【――ふと、彼が我に返った時は】 【首に風穴を開けられていて、フリッツの姿が遠く離れていた】
【左手でその穴を抑えながら、気合で出血量を半減させようとするが――"魔翌力が足りない"ッ!】
【ディルムカプテスプ――確かに"オレ"の必殺技だ、しかしその消費は馬鹿にならないのである】


「……ヘケケケ、……いつでけェー蛇を出したか……知らねェーが、そォーだ、……"それで良い"んだぜェ、"あんた"」

【時折むせ込みスタジアムへと血を吐き出しながら、言葉を放つ彼】
【こうなれば、後は"呼吸困難か出血多量"で倒れるのを待つだけだ――わざわざ手を下すまでもない】
【――それでもなお、あなたに近づこうと――ゆっくりと立ち上がり、そして歩みを進める】

【……万が一、万が一だが接近することに成功したら、彼はただの左手による"殴り"を繰り出す】
【何の変哲も無く、勢いも彼にしては弱い――】
618 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/02/26(火) 23:38:03.65 ID:QBON8d7v0
何で実況の方が目立ってんだよ
619 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/26(火) 23:39:20.16 ID:xeuNU3J8o
>>617
/おっと、捉えたのは大蛇ではなく左脚でした失礼しました
620 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/26(火) 23:47:43.44 ID:Wy3/VJv9o
>>614

【振り上げた脚は振り切ったところで止まり、真下やや現在位置より後ろに振り下ろされる】
【その力に伴うように右足は地面から離れ、一歩二歩後ろへとバックジャンプした】
【結果、フランベルジュの直撃から免れ、先の相手と同じように切っ先が胴をわずかに裂くのみとなる】

【とはいえ、獲物の違いによる傷の深さは同じであるとは言えない】
【留め具の無いベストの間、剥き出しの皮膚を削る様に刃は数センチ肉へ食い込み抜けていく】
【広範なその傷はさすがに堪えたようで、くぐもったうめき声めいた吐息がこぼれ落ちる】

まだ、まだァ!

【無理な動きをした反動か、上体は傾いで両腕は横一文字に開く】
【否、上体の動きを流体のような力に任せなければ避け切れなかったのだろう】
【現時点において、先の跳ねるような回避が精いっぱいだったということだ】

【右手に腕の延長線上のように握った曲刀の水が揺れ、切っ先が揺らぐ】
【――今までは、曲刀の周囲に揺れる水はわずかに波打つような動きでしかなかった】
【その水が尾のように伸び、鞭のようにしなり】
【回避の動きに遅れて、相手の左半身に向かって振り下ろされる】

【狙いは定かでは無く、またフランベルジュを振り下ろしてすぐに相手が追撃をした場合は】
【続く回避はやはりまだ難しく、回避にしろ攻撃にしろ満足に動けるのは鞭の攻撃の成果の成否が出てからか】
621 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) :2013/02/26(火) 23:50:13.41 ID:fX7DLM1B0
>>613

【不意に頬を赤らめた少女に怪訝そうな顔をするが】

――ほう、素晴らしい

【意外!無理をして立ちあがる少女に向けられたのは感嘆の言葉】
【その言葉には嘲笑が潜む影もない】

――いいね、すごくいいね。

【しかしこの男はやはり悪人】
【その瞳に映るのは嗜虐的な男の心】
【その瞳が語っているのだ、今まで何人も少女のような誇り高い人間をこの男は――】
【犯し、甚振り、殺し、汚し、食らっていたことを】
【少女にも二度と這いあがれない水底に落とすような体験をさせて】
【ヘドロとなった彼の過去の犠牲者の仲間入りさせることをしようとしている】

な!?
【そして剣だけを支えに立ちあがった少女――否、騎士の行動を見て】
ぁんだ眼つぶしか…


その程度かよっ!

【瞬間――マインドが巨体を回転させ尾びれを内輪のように使い風を起こす】
【猛風!砂塵を吹き飛ばすには十分!】

火焔蛇(エル・ナヴァロ)

【そのまま火炎放射を騎士に――その瞬間少女の割った額から流れた血がまゆ毛の堤防を破る】
【ふさがれた右目…狙いは彼女の上方にそれる】
【そのまま突っ込めば髪を少し焦がす程度で済むかもしれない】
【騎士は吹きすさぶ風が痛んだ屋は肌をなでるのを堪えて男に一撃を与えられるか?】
【男は早くも回避体制に反射的に入ろうとしている】

/すいません遅れました
622 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/26(火) 23:52:36.63 ID:owJQmsgHo
>>560

「――――――この、やる…………くぅあっ!!」

【右翅を貫かれて手綱の一本を失ったイライザの身体は、ピンボールめいた滅茶苦茶な軌道を描いて闇夜に踊る】
【筆舌に尽くしがたい呻き声は、彼女の身体が路地の壁に叩き付けられて静止した時、鈍い叫び声に置き換わった】

【それでも彼女はリズの声を耳にするや、土煙を立て、剣を支えにしながら身を起こす】
【拳を通せる程の大穴を開けられた翅の痛みを耐え抜き。彼女は闇をねめつけたけれども】
【――既に異形者はコンクリートの密林に消え、その背が遠い空を挑発的に跳ねまわる景色があるのみ】

【気合の力で轟く翅も、片翼を欠いてはイライザを天に誘うには至らない】
【激戦を恐れてかいつの間にか誰もいなくなった路地裏に、残される妖精はただ独り】


「……こんな形で命拾いなんて、情けないったらありゃしない」
「妹に見せられないな。お姉ちゃんのこういう背中は――!」

【ひょいひょいと撤退する余力を残した相手と戦い続けていたら、イライザはそのまま負けていたかもしれない】
【だが彼女が本意にあらずとするのはその結末自体よりも寧ろ、煮え切らない形で命を預けられたことで】

「倒すよ、リズ・ゲッコウイン! 最初の目的とはちょっと違うけど、善きにつけ悪しきにつけ、借りは返すのがあたしだからね」
「それにあんたはカノッサ機関。そいつはどうも、聞き捨てならない事なのさ……!」

【もちろん、死んで始まる話が無い事は理解っている。だから】
【今はどこに居るとも知れない義姉妹たちと、自分自身の誇りに懸けて】
【再選での完全勝利を、突き上げる拳に誓うのだった】
【その伸びゆく先には――――笑みを浮かべた死神のしゃれこうべにも似た、世界の影から見あげる月】

【決意も新たに立ち上がった少女は、決して綺麗ではないけれど刺激に満ちた未来へ、ゆっくりと歩みを進める――】


 「というわけで、明日のために今日できること」
 「――――その1、軍資金のちょ・う・た・つ……っと!!」


【――その第一歩は、ちょっとちゃっかりしていたというけれど。まあ、ご愛嬌】

/だいぶ遅れましたが……今一度、感謝の言葉を伝えさせて下さい
/このスレでのファースト絡みありがとうございました!これからも因縁を深めたり斬ったり斬られたりしてくれたら……ウルトラハッピーです!
623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/26(火) 23:59:28.80 ID:E2cZqn5Ho
>>617
【大蛇は首を振りぬいたままの姿勢で――ずるり、と溶け落ちるように消滅した】
【地面を濡らす黒い液体に混じり、その判別もつかなくなってしまう】

……ここまで痛い思いをしたのは……何年ぶりに、なるでしょうか……。

【足元に広がる黒い海の中へと、その両膝を沈めて、フリッツは感情のこもらない声でそう言った】

首を、抉るつもりで来いと、仰られたので……
ご助言に、ゴホッ、従ったまでです、よ。

【地面に落ちたヘケメトの声は、未だ意気軒昂】
【その戦意に底冷えのするものを感じながらも、フリッツは言葉を返す】

……。

【なお迫るヘケメトの姿に、溜息を一つ零し】
【フリッツは、左手の蛇を突き出した】

【その胴回りは心なしか細くなり、飛び出す勢いも随分と弱々しくなったが】
【――蛇は、ヘケメトの左腕にらせん状に巻きつこうと、伸びる】

【ヘケメトの腕を、拘束する程度の力で、その動きを阻害しようというものだ】

……それ以上は、命に関わりますよ。

【同時に、ヘケメトの首から滴る血量を見て】
【そう、静かに指摘する】

【そう指摘するフリッツの身体も、黒い液体に汚れているが――】
【肉体の損傷は、右足と両腕の裂傷と打撲程度のものだ、目の前のヘケメトほど、命の危機に晒されているわけではない】

【フリッツの怪我がその程度でさえあっても、フリッツはもう殆ど動ける余力を残せずにいる】
【ゆえに、目の前の男性の危うさに――忠告をせずには、いられないのだ】
624 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/27(水) 00:06:29.45 ID:wFMsg0Ago
【大通り】

うう〜……
この地図細かいよー……
もうちょっとマシなのないの?

【もう人気も少ないこの場所に、人影が一つ】

【紅いロングコートを羽織り、中に黒いシャツを着ている】
【下は濃赤のミニスカートをはいて、さらにその下はサイハイソックス】
【そして、黒いストレートヘアーに灰色のカチューシャ】
【カチューシャには紅い花が付けてある】
【そんな格好の少女だ】
【だが、一番目立つのはそれらではなく左手に持った長杖だろう】
【杖の長さは180cmほど、少女の身長は140cmほどだから目立つ長さだ】
【杖は全体が黒く、だが時々紅の斑点がある】

【また、右手には新しげな携帯電話を持ってなにやら奮闘している】
【明かりを発しており、もう暗いこの場所では非常に目立つ】

サイズの変え方もよくわかんないし……
別な地図も見つからないし……
うー、うー……

【結局、自分の知りたい情報も分からず唸っている】
【もう人気も少なくなってきているためセーフではあるが、十分に怪しい姿だ】
【また、画面に集中しているため他への注意は薄く、危険でもある】
625 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/27(水) 00:06:56.45 ID:ngycF+qIO
>>620

【切っ先が僅かに肉を裂いた感覚が伝わる】
【相手がよろめいた、攻めるなら今】

(……え?
何、あれ)

【しかし、視界に入った水の鞭が、それを躊躇わせる】

(受ける?攻める?)
(――両方だ!)

【少女のとった行動は、攻めであり、受け】
【左手のソード・ブレイカーで振り下ろされる水の鞭を受け止め、同時に右手のフランベルジュを突く!】
【狙いは青年の胴、先程の傷の辺り】

――っあ、いっだ……!

【鞭は左手首辺りを強かに打ち付ける。左腕全体が痺れるような感覚に襲われ、ソード・ブレイカーを取り落とす】
【フランベルジュの一撃、相打ちとなるか、それとも】
626 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/27(水) 00:08:49.02 ID:w9sr8/Xjo
>>621

【霞む視界、身体が悲鳴を上げる声、無茶な姿勢で大剣を振り回していたから】
【声は饒舌で、紡ぐ音は凄絶で、それでも、足元がふらついて、何をしているかも、分からない】
【その瞳に映る、貴方の炎=\―――ダメ、と思った、ゾクリ、背筋を撫でる冷たい感触】

【けれども彼女にもまだ運が残っていた、僅かにそれる、その炎】
【退路はもう無い、眼前には直ぐソコに火柱が、触れる事も躊躇われる――――けど】
【怖くなんかなかった、言った通りだから】

【――――ソコに何があろうと、ただ、突き進むだけ、と】


……っ……そうですね……この程度なら、最初から……戦う必要すらないのでしょうから……
この手に、力を持った時から、この手に、刀を握った時から
もう、逃げないって……決めたんですから……っ

だからSkillet≠ィ願い、もう少しだけ……私に力を、お貸しください……!!


【足が地面を踏みしめる、グリーヴがかき鳴らす鏗鏘の旋律がただ高鳴る】
【唾鳴る音すらも、ただの背景へと翳すぐらいに、踏み出したその足取りすらも、果ててしまいそうなほどに】
【全身が軋む、その感触すらも――――ただ溶ける前の雪の色に見えた】

【疾走、疾駆、その速度は最早、音すらも置き去りにしてしまうぐらいに】
【月光が照らす彼女の後ろ髪、白銀の残照だけが、ただひたすらに世界へ零れていく】
【白い素肌が濡れた、後方に伸びた右手で、しっかりとSkillet≠握っていた】

【右肩を焼く貴方の炎#窒「素肌が捲れ上がって、焦げ付いた色を見せるだろう】
【それでも尚立ち止まらない、ただ炸裂する前の、花火に似て】
【生まれた時から、死ぬまで――――そうあるだけ、と刻み込まれたみたいに】

【その間合いを詰める事ができたなら、左足を強く前方へと踏み出した】
【風が止まる、暴風が嵐が、貴方の眼前で、その歩みを止める】
【その勢いを依然として、左足に残したまま、頭を挙げ、月を見上げるかのように貴方へと視線を向けた】


砕けても良いです……!!壊れても、構いません……!!ですから――――ですから
あと少しだけ、届けぇぇえええええ!!!


【踏み出した左足、疾風のような勢いを残したまま、その力を全て腰に転嫁する】
【右足が土煙を巻き起こす、彼女の細いウエストが切り裂けそうなほど、酷くねじられる】
【頭上から見て、時計回りに捻る、みしり、内臓が損傷する音が響き渡る】

【吐血、その一瞬に漏れた血が、彼女の身体を濡らしていく】
【剥きだしの肩と腕へと落ちても尚、その動きを、止めようとはしなくて】
【弾けるその身体、大きく捻り、その勢いを保ったまま、右手の刃が大きく外回りで襲い掛かる】

【風が歪む、その衝撃で捲れ上がる地面と、路地裏の壁、いくつもの皹が両端の壁へと奔るのだろう】
【声が震えた、旋律を伴奏していくその音だけが玲瓏と刻まれていったなら】
【――――酷く鈍い音が、掻き消すように響いた、まだピアノを弾く指先があるにも関わらず、蓋を落とすかのように】

【地面に転がるSkillet#゙女のただ淡い手袋に包まれた指先が、貴方の頬を撫でるかのように触れようとするだろう】
【――――限界だったのだ、華奢な手一つで、大きな武器を操るのは、ただ無意味な攻撃だけが、放たれた】
627 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [saga]:2013/02/27(水) 00:22:18.81 ID:QPOXTq3Zo
>>623

「ヘケケケ、――なァ、良い、アドバイス、……だっただろォーッ?」
「そォーだ、俺に、勝ちたかったら、……"容赦"なんて、要らねェって事だ、……"殺す"つもりで、来いって事だ、ぜ」
「俺は、……死ぬのが凄ェ怖いけどよォ、……でも、その位じゃあ"絶対に"死なねェ、からな、……アウも居るしよォッ」
「それに、……俺は、そォーいう奴と、……戦うほうが、好きだからなァーッ、、、・・・・・・‥‥‥……。」

【その身体で戦うのは"無謀"というもの、けれど衰えぬ"闘志"がそれへと突き進めさせる】
【一歩一歩、本物の戦場ならばトドメを刺されかねないその歩み】
【――やや前屈みなその身体、右眼は"赤く輝き"左眼は"青く輝いているよう"に見えた】
【赤い血が、青いタンクトップを濡らす】 【淀んだ紫色にも見えるそれは、彼のダメージの重さを再認識させてくれる】

「――なァー、あんた、……最後に、もう一発、……"殴らせて"、欲しかったぜェーッ、、、、、、・・・・・・‥‥‥……――――」

【振るった左腕は、蛇に巻き付かれればその勢いを止める】
【左手からほのかに香る、"ディルムカプテスプ"を放った時の"残留魔力"】
【――それが、特に何をするわけでもない、少々煙たいかもしれないが】


【彼は、その腕に蛇を巻き付けられたまま――その身を地に伏した】
【意識を手放したのだ、"急所"に突き立てられた"牙"の傷によって】
【身体が地面とぶつかり合えば、彼の身体の重さをよく伝えてくれる】



   【彼のその表情は、とても良い"笑顔"だった】



【――フリッツ・オストワルド VS ヘケメト――勝者:フリッツ・オストワルド】

/くッ、本当は11時に落ちるつもりだったのですが気づいたらこんな時間! 二日間お疲れ様でした!
628 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/27(水) 00:22:26.77 ID:hRYJK91Do
>>624
おいこら、そこのチビ…
あぶねーだろ、そんな長いもん持って、オマケに携帯弄りながら歩くんじゃねぇよ

【周りを気にせず歩く少女に、注意の声と共に近付く姿がある】

【黒いビジネススーツ、黒い革靴、骨が散りばめられた模様のネクタイ】
【疲れた目をした、無精髭面、黒い髪を後ろに撫で付けた髪型】
【その右目には眼帯をーーー『紅い剣を咥えた黒い狼』の紋章が刻まれた黒い眼帯を掛けていて】
【剣の柄だけのような機械的な機具と、銃身の長い銃をベルトに吊り下げた男】

なんか探してるみたいだが、前は見て歩けよ

【気怠そうな雰囲気を持ったその男は、言っている事は真っ当だが、見た目は少しアレな感じ】
629 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/27(水) 00:26:02.71 ID:07jONBS4o
>>625

【鞭は相手の手首に命中すると、一度だけ中空へと跳ねて、蒸発するように大気へと融けた】
【再び曲刀を覆う事も無く、その姿はかき消える】

ッ……ァ、う

【本題、相手の攻撃の方はどうか?】
【それは、空気を掻くような苦悶に満ちた喘ぎの声が示しているか】
【脇腹に近い部分、内臓には影響が無さそうではあれど】
【技ありと言って良い程度には、波打つ刃は褐色の中へと食い込んでいた】

【わずかに抵抗を経て、しばし。その体は揺らぐように後ろに傾いて座りこむように倒れる】
【相手がフランベルジュを握ったままであれば、そのまま肉から抜けて相手の手の中に】
【うっかり離したならば、己の手で柄を握って引きぬいて、相手へと差し出すだろう】

コレは、さすがに。俺の負ケってトコロかな……

【その言葉は、相手の緊張を解くモノになるか】
【痛覚に響くような苦しみで多少表情は歪みつつも、参ったな、なんて言いだしそうな気の抜けた笑みを向ける】
【曲刀を大事そうに握りしめたままながら、両手を石畳の上に突いた姿】
【そして言葉の意味が指すのは、まぎれも無く相手の勝利だった】
630 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) :2013/02/27(水) 00:29:48.87 ID:lhlGzxz10
>>626

くそがぁああああああああああああああっっっ!

【男は自分の死を感じた】
【肉体は目に血液が入ったため一瞬の硬直――動けない】
【マインドの特性で、マインドが後ろに下がるのに追随して回避を図るが無駄なこと】
【巨体のマインドはスピードがあっても巨体の鈍さは殺せない】
【砂塵を払ったせいで行動が遅れる】

【死!なんと無意味!なんと突然!勝機はあったはずなのに流血をただ一度脱ぐわなかったために死ぬ】
【圧倒的絶望があっけない終わりによってもたらされる】
【泣く間もなく、後悔もなく、暗闇】
【ただただ暗闇】
【そして美しき騎士の華麗なる一撃により、一悪党の一生の終わり!劇は閉幕!】

【――そのはずだった】
【触れたのは冷たい検査機ではなく、繊細で温かい指先】

【死の覚悟を決めたものが偶然生き残ったらどう思うだろう?】
【神を呪う己が神の温情によって生かされた】
【男は怒った。ただしチンピラのように叫んだりせず静かに】

――………。
【そしてその怒りは一発の前蹴りとなって少女の腹部を襲うだろう】
【男の眼には殺意はない。ただどす黒い怒りだけ…】

【騒がしい声が男の背後から近づいてくる】
【治安維持部隊と野次馬だろう】

631 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/27(水) 00:33:02.99 ID:XdBze2aRo
>>627
……僕は。

【沈みゆく彼の身体から、蛇を引いて】
【ヘケメトの満足げな顔を見つめる】

ッ……。

【零れかけた言葉を飲み込んで、口を真一文字に引き結び、声を漏らさぬよう、堪えた】

【――こんな僕が相手で、満足でしたか≠ネんて】

【そんな言葉を投げて、どうしようというのか。相手にも――自分にも、礼を失するのみの言葉】
【ただの自己満足だ。そんなものを恥ずかしげもなく吐き散らすくらいなら――胸を張らなくては】

……もう、これ以上殴られるなんて、ごめんです。

【散る魔力を、どこか名残惜しげに見やり、弱々しく笑って、強がって】
【勝者として胸を張って――次に進む】

……救護班、早く来て下さい!

【そんな言葉が、スタジアムの熱狂にピリオドを打つ】

【第2回水の国天下一武道会・2回戦第8試合】
【ヘケメト vs フリッツ・オストワルド  ……  勝者:フリッツ・オストワルド 】
632 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/27(水) 00:37:14.89 ID:+gmnO2TQ0
【寂れた教会――――人が訪れる事の無さそうな外装であっても、中からはよく澄んだ詠唱の紡ぎが聞こえて】
【静寂に包まれるこの一体に流れるそのアリアは何処か神聖的な物とも聞こえるだろうか】
【――――もし、辺りを通りかかった者が居るならば其れはきっと興味を惹くような物で】

【その歌声に誘われて教会の扉を開いたならば、黄色い双眸が向けられるだろう】
【歳にして十七の女性。或いは少女】
【紡ぐ声を止めれば、銀の長剣に手を伸ばして近づき】


「――――旅のお方、でしょうか?
休憩や宿泊程度ならばご提供できますが……すみませんが、それ以外の事は何も――――ふぎゃっ!」

【凛とした表情を向ければ、この場を訪れた理由を問おうとするのだろう】
【旋律を紡ぐための澄んだ声は、非常に聞き取りやすいものであって――――】
【然れど悲しいかな。立ち止まろうと思えば自分の纏い物に引っ掛かり、そのまま目の前で転ぶという無様な姿を晒して】

【恐らくは訪れるのであろう、何とも言い難い雰囲気】
【果たして――――来客者はどの様に思うのだろうか】
633 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/27(水) 00:37:33.91 ID:w9sr8/Xjo
>>630

【言葉が出なかった、ただ負けたということを素肌でひしひしと感じていた】
【彼女もまた、殺されるのだと知った――――でも、貴方のようには思えなくて】
【怖かった、とても、恐ろしかった、ひどく、そして、震える小さな子猫のように】


――――っ!!……かっ……ぁ……


【貴方の爪先に感じるであろう感触、内臓を揺らして、彼女の身体を軋ませる感触】
【それは寒露のように甘くて、つま先に溶ける、ささやかな雪のような感覚で】
【剥き出しのお腹は、容易にひしゃげる、貴方の形に、調教されるが如く】

【声が漏れた、声にならない音、彼女の瀟洒な顔が、苦痛に歪んで】
【地面へと倒れこむだろう、糸の切れたマリオネットのよう、その華奢な体躯を地面へと零して】
【ボロボロの左肩が地面に付いても尚、声も上げれないぐらいに、疲弊しきって震えて】

【細い身体が、貴方の前に曝け出される、無防備で無垢な、生娘の色】
【服から零れる乳白色の素肌が爪を食い込ませたなら、容易に染み入りそうなほどに】
【その奥の柔らかい感触すらも、その手に浮かんできそうなぐらいに】

【嗚呼きっと、そのまま押し倒して、踏みつけたなら、ずっと、気も晴れるのであろうが】
【それを邪魔する雑踏の音、もう直ぐでココには一杯の人が溢れて――――】
【巻き込まれないためには、その場を後にするのが一番であろう】

【――――名前を聞きたかった、彼女の気絶した顔が、そう伝えるように】
【長い睫が落ちて、右の目元のタトゥーを映したなら、閉じられた口が風に濡れた】
【人形ですらも霞むくらいに、敗北して蹂躙される姿もまた、どこか気品が、漂っているのだろう】


/お疲れ様でしたー!
634 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/27(水) 00:41:08.62 ID:wFMsg0Ago
>>628
へ?
あ、はい、ごめんなさい

【少ししゅんとして注意に耳を傾ける】
【見た目はともかく言っていることは正しい】
【それに逆らう事なんてない】

はい……ごめんなさい

あ、このあたりで不動産屋ってどこか分かりますか?
この地図見てもよく分からなくて

【少し困ったように、しかし獲物を見つけたような雰囲気もある】
【そんな状態で男に質問をした】
【それと同時に画面を男に向ける】
【画面は至って普通の地図だが少し細かく見づらい】
635 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/27(水) 00:42:31.85 ID:ngycF+qIO
>>629

【鞭の痛みをこらえ、夢中で繰り出したフランベルジュの突き】
【切っ先は青年の脇腹に突き刺さり、傷口からは血が垂れる】

【刃を抜く。青年が倒れる。青年の口から漏れるのは、青年の敗北宣言】

――か……
勝った……

【緊張の反動か、フランベルジュを落とし、その場にへたり込む】

ありがとう。
楽しかった。

【ずるずると力の抜けた身体を引きずり、青年の元へ進めば】
【ふらりと右腕を差し出すだろう。好敵手としての尊敬の篭った「握手」だ】

【握手が交わされてもそうでなくても、じきに救護班が、二人を回収し治療に入るだろう】

【三回戦 第二試合】
【勝者:叢雲 茜】

/お疲れ様でした!
636 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/27(水) 00:48:36.57 ID:GsnUFiUro
>>615
【――引き裂かれた。爆炎が真っ二つに両断され、その奥に居るであろう"少女"の姿が陽炎に、揺らぐ】
【どよめく歓声、焔の中を貫くように、"戦士"――"侍"が入場すると、会場のボルテージはMAXとなる――!】
【前大会覇者、そして今大会一回戦を勝ち抜いたまさに歴戦の剣士――纏う風格には一切の隙が無い】
【まるで研ぎ澄ました刃――触れれば全てを切り裂かれてしまいそうなほどに、鋭く、気高い】

(――ふふっ。派手なのはお互い様、かな。)
うんっ!久しぶりだね柊ちゃん!待ってたよこの瞬間を!アタシは!
そうそう、一回戦、見させてもらったよ?とんでもない激戦だったねぇ、仕事が手につかないくらいだったよ。
お相手の剣士さんもスッゴイ"使い手"さんだったけど・・・

―――二回戦目の"アタシ"も、楽しませてあげるよッ!!

【剣気――刀身が帯びる気迫がセリーナの身体を離れていても、貫くように圧する】
【会場全体は熱気に包まれているが、まるでセリーナの身体は"首元"に剣を突きつけられたかのように】
【ヒヤリと――冷たい、戦慄を覚える】
【鋭敏になった感覚が裂かれる様な空気――太刀の輝きがセリーナの瞳に突き刺さった。】
【機能美――そう、人を斬る為の武具でありながら、どこか芸術品の様な外観を備えた刀という武器には】
【見るものを圧倒する美しさ、妖艶さ、力強さがあった――気を抜けば、呑まれてしまう程に】
【それを操る少女の表情は穏やかな中に一寸の戦意を感じさせる物で――】

(――あらゆる意味で、アタシとは正反対で――ちょっと、憧れちゃうよね。)
(ま、今はそんな事いってる場合じゃ――ないんだけど、ね!)

【ふふ、とセリーナは口元を歪ませ、"彼女"の瞳を見据える】
【そうして自身も腕をガン・ホルスターへと近づけて――"構え"る。】
【銃に居合いは存在しない――しかし、西部劇にはお決まりの"技"が存在している】
【そう、それはゴングと共に放たれる――あの"競技"に等しい。】

――――――来なよ、柊ちゃんッ!!

【――――打ち鳴らされたゴング、瞬間、駆け出す柊。】
【爆発的な反応速度、まさに神風と称するに相応しい"突撃"】
【この試合、"ガンマン"と"侍"による刀と銃の、互いの性能をぶつけ合う"誇り"をかけた一戦である事に間違いはない。】
【しかし一般的に見て、"銃"と"刀"ではそれぞれ得意とする"距離"――レンジが違う。】
【銃は遠距離を、剣は至近距離をメインに使用される武器である】
【この戦いの開始時、二人の間には".距離"が開かれている――つまり、定説で考えれば開始時点で"不利"であるのは、剣士。】
【"ガンマン"は遠距離から攻撃を届かせる事が、先手を撃つ事が可能となる――しかし】
【セリーナはそんな当たり前のコトなど頭からとうに放り出していた――この少女に、剣士に"常識"など通用しない。】
【過去一度の共闘・対ラッシュ戦で見せた機動力、そして一回戦での立ち回り――開始時の"距離"など、アテにならない。】

【――稼がなくてはいけない、距離を。離れなければいけない、柊から。】
【ガンマンがガンマン足りえるのは、中距離、そして遠距離だけなのだから。】

(接近されたら切り伏せられる――近接戦闘が苦手なアタシじゃ話にならないね。)
(ボーっとしてても、してなくても、この速度で移動されたら直ぐに距離は詰められる――だからッ!)

/続きます
637 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/27(水) 00:48:51.77 ID:GsnUFiUro

【―――銃声、ゴングが鳴るとほぼ同時、いや一瞬それに遅れてはいたが――】
【彼女が駆け出すのを視認した直後、神速の抜き撃ちによる超高速の射撃が行われ"た"】
【試合を見ていた会場の観客には、全ての情報が"過去形"で伝わるであろう、そういう速度での初撃】
【右腕で愛用の銃――"弾"末魔を引き抜きながら、それと平行し左腕を水平に動かす】
【銃身がガン・ホルスターから顔を出し、銃口が地面と平行に、柊の方をむくその前に左手がハンマーへと届き、ファニング――】
【撃鉄を叩きつけるように引き起こし、一瞬の隙もない内にトリガーが引き絞られた】
【ファスト・ドロウ――<速撃ち>の構えから放たれる"一撃"】
【ガンマンの基礎中の基礎にして最も技術を要求される、果ての見えないレースの世界――セリーナが駆けるはその最速を目指した一撃】
【無論、"一般人"から見ればの話ではある――超至近距離で相手の攻撃をかわし、見切り、一閃を叩き込む剣士の動体視力を以ってすれば】
【構えの時点で反応できないような速度ではない――彼女は素のままでは"能力者"ではないし、ガンマンとしての腕も】
【あくまで"人間"の限界を行くか、行かないかというレベル――避けられない攻撃ではないだろう。】

(――狙うは脚部。機動力を削いで、距離を稼ぎつつ鎧を召還――防御を高めて、まずはそれから・・・ッ!)
(普通なら一発目から"召還"使ってたんだけど――柊ちゃんの速度相手で、この距離しかないんじゃそれは自殺行為だ)
(鎧があろうと、接近されたら連撃で必ず破られる――距離だ、レンジを稼がないと絶対に――勝てないッ!)

【引き抜かれた銃身が煙を上げ、銃口から放たれるは弾丸ではなく"魔弾"――紫色の魔翌力塊が柊の右脚部めがけ殺到するッ!】
【見かけには古式なパーカション・リボルバー拳銃――Colt Navy 51等に代表される銃器にそっくりであったが】
【纏う邪気は確実に"魔銃"のそれであり――放たれた弾丸が妖艶に輝く事からもそれは想像に容易いだろう】
【初弾は脚部、柊の機動力を奪うために直線を描く―――!】
638 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/27(水) 00:51:55.45 ID:07jONBS4o
>>635

三回戦か……勝ち進メなかったノは残念だケど、楽しかッたな
俺はココで終わりだケド、君ノ試合は……エット、すくりーん? で、見させてもらうヨ

【差し出される手に返す手は、相手の手よりもずっと大きく無骨だろう】
【ぎゅ、と少しの間力を加えると、そっとへたり込むように離れていく】
【と、救護が来るまでの間だけ、そのまま後ろに倒れ込んで天上を仰いで深く息を吸った】

見テるかな、なんて、無理か。街に行っても観れるかなンて分からないし
……少しデモ、郷ヲ離れてから成長できてるかナ

【一人ごちるような言葉は、抑えきれぬ照れ笑いのような表情と共に】
【地面すれすれで吸い込んだ息は、少しだけ砂のにおいがした】


/お疲れさまでしたー
639 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/27(水) 00:56:31.55 ID:hRYJK91Do
>>634
…いや、まあ分かりゃいいんだけどよ

【ーーーなんか、普通に謝られると逆にやりにくいように感じてしまう】
【それはいい事なんだけど、変な風に慣れ過ぎてしまったかと思えば少し悲しい気もする】

…不動産屋?
あーどれどれ…ここか、ここなら知ってるぜ…ていうか地図見てなんで迷うんだよ…

【画面を向けられるも、身長差故にこちらは少し腰を折って、地図を見るまでもなく場所を知っていると答えた】
【それから、少女の苦労も知らず呆れたように呟く、細かい地図って土地勘ないとホントにわかりにくいのに】

まあいい、案内してやるよ、そう遠くもねぇからな
ついて来な

【小さな溜息一つつくと、そう言って】
【少女が了承すれば歩き出すだろう、一応気遣っているのか、歩き方はゆっくりだ】
640 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) :2013/02/27(水) 00:56:46.30 ID:lhlGzxz10
>>633

ラスラドーラ・デ・セルピエンテ。

【いきなりの名乗り】

カルニセロ(肉屋)だの母食いだのあだ名はあるが名前はこれだ。

【なぜ名乗った?一体なぜ?】

てめぇを殺したり踏みつけるだけじゃ気がすまねぇからなぁ…。

【クククと笑う男の笑顔はまるでいたずらを思いついた子供のよう】

俺を追って殺しに来るがいいさ…それがいい。

【くるりと体の向きを変えると声のするほうへ、あえて行く】

こんないい夜なんだ音楽が必要さ。

【しばらくしたら男の言葉の意味がわかるだろう】
【騎士の鼓膜をいたぶるように治安維持部隊の、野次馬の、男の女の子供の老人の――】
【断末魔と悲鳴が…】

【新たな花が咲く、騎士の近くの鉄くさい地面の赤い花はやがて黒ずんで枯れ、赤黒い塊になった】

/お疲れー

/遅レス申し訳ありませんでした
641 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/27(水) 01:15:21.11 ID:wFMsg0Ago
>>639
地図見ても目印とか見つけるの苦手で……

【少しだけ笑いながら、理由を答えた】
【本当に苦手なのだろう、苦笑い+「あはは」という口から出る笑い】
【そんな組み合わせを普通に出していた】

はい、ありがとうございます
これでようやく野宿生活からおさらばできそうです!

【一転、うれしそうに口元に笑みを浮かべついて行く】
【そして、とんでもないことを言い出した】
【少女は野宿していたという割には十分な清潔感を保っており、とても野宿をしていた見た目ではない】
642 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/27(水) 01:24:42.14 ID:PtJ/acyo0
>>632
/もしかして:まだいたりします?
643 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/27(水) 01:26:23.90 ID:hRYJK91Do
>>641
典型的な方向音痴の言い分じゃねーか
…まあ、わかんねぇもんはわかんねぇか

【少女には背中を向けているので見えないが、苦笑いを浮かべながら少女の笑い声に返す】

…あー、野宿…野宿から不動産屋ってまた凄いレベルアップだな、金持ってんのか?
それに、野宿してたにしちゃ随分と綺麗な格好じゃねぇか、もっとこう…汚れてないか?普通

【今まで野宿ーーーとなれば不動産屋が見つからなければ今夜も野宿していたのだろう、少女の話を聞いて呆れた声を出す】
【しかし、野宿してたにしては少女の姿は余りに綺麗すぎるのが気になって、問い掛けると共に確認も込めて、左目側から♀轤セけ振り向いた】

/すみません、次のレス少し遅れます
644 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/27(水) 01:31:57.85 ID:+gmnO2TQ0
>>642
/居りまするが途中で落ちなければいけなくなる可能性も高しなのです!
645 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/27(水) 01:35:58.71 ID:PtJ/acyo0
>>644
/了解でございます!
/なるべく短めに抑えます!ではいかせてもらいます!
646 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/27(水) 01:48:37.68 ID:3ItXrMyt0
>>636-637

………それは私も同じよセリーナ。
一回戦の後で知った事だけど――――――……実のところ、楽しみで仕方がなかった。

(……気を張りすぎないのはあの夜と一緒ね。)
(それが彼女の強さ、か―――――)

【セリーナの明るさにつられてか、知らず笑みを零しながら柊は返答。】
【そして戦意を双眸に宿しながら疾走―――――― だが次の瞬間に、その瞳は迫り来る魔力弾を映し込んでいた。】
【“見ればセリーナの魔銃の銃口は、既にこちらを向いていて”―――――――――】

(――――――……!)

【至近距離に、脚のすぐ傍にまで迫った魔力弾。柊の対応は回避でなく防御。】
【横に構えていた太刀をずらして射線上に置き、魔力弾が着弾した瞬間に刀身を加速。斜めの角度で弾いて流す。】
【そして照準を外すため、一瞬身を撓ませて跳躍――― 舞うように空中に身を閃かせ、柊自身から見て二メートル右の地点に着地する。】

【だが、その動作で接近は中断を余儀なくされていた。停滞する二者間の間合い。】


【常人ならば目にも映らぬ神速の挙動。それを正確に捕捉し、カウンターの銃撃で迎撃して見せたセリーナ――――――】
【剣士と銃士の妙技と妙技、拮抗する戦況の熱い緊迫感。歓声が爆発したのも当然だった。】
【……―――――― “踏み込む余裕が、存在しない”。】


………流石ね。腕が鈍っていないどころか、あの夜以上に冴え渡って見える―――――

(―――――― 本当に、この夜は楽しめそう。私も、あなたみたいに純粋に―――――)


【柊は確信と共に微笑を深めた。その戦意の赴くままに両腕に再び力を籠め、刃を下にした太刀を下段に構える。】
【その構えから、柊は、足元の床石を斜めに、斬り上げのような動きで一閃して―――――――】

――――――――――― …………ハァッ!

【浮き上がる “切り裂かれた” リングの床面。セリーナの距離感を狂わせようとする様に、或いは動揺を誘う様に。】
【長さとしては一メートル弱。それは、柊の前方で地表を斜めに奔り抜けていて―――――】

(―――――――――――― 楽しみましょうセリーナ。またとないこの宴の夜を、持ち得る限りの ――――――――)

【刹那、柊は真横に翔んだ。吹き抜ける風のように突然の瞬息で、セリーナの視界から掻き消えようとする。】
【だが彼女が “切り裂かれた” リングに気を取られなかったなら、その姿を見失う事はないだろう。】

【柊は、セリーナから見て約4メートル右に移動していて――――――】
【……可能であるのならばそのまま勢いを増しながら、右側から廻り込むようにセリーナへの接近を図る。】

【もしも間合いを詰められれば、最後の踏み込みと同時―――― 太刀を上段にやや大きく構え、右肩口への斬り下ろしの一閃を放つだろう】
【だが、それは不確定の未来での事。そして接近されようとされまいと、セリーナは戦力の増強を図れる筈だ】
647 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/27(水) 01:49:43.04 ID:wFMsg0Ago
>>643
う……
まあ本当に方向音痴なんでしょうがないです
分かんないものは分かんないんです

【もう既に開き直っているようだ】
【少し頬を膨らませて、どうしようもないと諦めている】

お金はありますよ、今まで野宿だったのは家をうまく探せなかったからっていうだけなんで
あと、髪とか服とかは森の中でちょうどいい湖を見つけたのでそこで洗ってました
血の跡とかも頑張れば落ちるんですよ

【今までの努力を示すように無い胸を少し張って】
【そんな子供らしさの中に一つ違和感が混ざる】

【ちなみに、振り向いても見えるのはいまだ清潔な少女の姿だけだろう】
【先ほどから変わった様子は無くしっかりと男の後ろをついて行っている】

/分かりました、どうぞごゆっくり
648 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/27(水) 02:00:49.81 ID:FoULW+FDo
>>636>>646

スウェン『開始の合図と同時に駆け出す八攫選手ッ!! そして其れを見て撃ったセリーナ選手ですが……!!』
     『―――セリーナ選手の発砲が私には全く見えませんでしたッ!! 瑛月さんの居合を、銃でやっているような感じであります!!』

瑛月『……―――確かに、速い……!! 早撃ちを得意とする方のガンマンですか……其れならば、八攫の神速にもついていける』
   『しかしながら、「試している」一撃ですね……。 初撃と言うこともありますし、様子見の選択は間違っていないでしょう』

スウェン『え……そ、そうなんですか。あれだけ速くても様子見とは、やはりレベルが高い証拠です……!!』

瑛月『しかし、速いだけでは通用しない……―――ガンマンに問われるのは、ゲームメイクの能力』

スウェン『……というと?』

瑛月『名前は隠しますが、跳弾を得意とするガンマンがいまして……彼は早撃ちは苦手というか、嫌っていたのですが』
   『周りは勿論その正確無比な跳弾に注目していましたが、自分は彼の戦略に驚かされました』
   『―――……銃弾のタイミングや、布石の一発の位置。地形の利用……其れ等により、相手を掌の上で踊らせていた』
   『そのゲームメイクの力こそが、ガンマンに最も問われるものではないかと、僕個人はそう思います。「頭」と「眼」が、ガンマンには必要です』

スウェン『……なるほど、としか言えませんッ! そして八攫は脚狙いの弾丸を―――弾いたァッ!! やはり銃を苦手にはしないのかぁッ!?』

瑛月『―――……珍しく彼女が八攫が引きましたね。 銃士相手には基本取る行動では無いですが……―――おそらく、隙が無い』
   『八攫が隙を見い出せない程の、人物……流石に正義組織を仕切っていないと言う訳か……』

スウェン『っとおッッ!? 八攫選手が切り裂いたのは……「床」ァ!? あんなことが可能なのでしょうかッ!? しかし現実に起きていますッッ!!』

瑛月『……あの刀の能力でしょう。しかし其れはブラフ……か。全体を見ているのなら、セリーナ選手は八攫の動きに対応できる―――が、厳しいか……?』

スウェン『八攫選手同時に回りこむように距離を詰めようとするが―――!?』
649 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/02/27(水) 02:08:18.66 ID:ym0xnoXIO
>>632

あの…宿泊したいんですけど

【少女の歌声に誘われて教会にやって来た客人は入ってくると少女にそう告げるだろう。】
【それは肩の辺りまで伸びた藍色の髪や円らな黄色の瞳が特徴的な幼い少年だった。】
【 病弱である事をイメージさせるであろう小柄で細身なその身体にはローブを纏っている。】


あ…あの…
大丈夫ですか?

【盛大に転けた少女に少年は心配そうに声をかけて近づくだろう】


/よろしくお願いします。

650 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/27(水) 02:12:44.64 ID:hRYJK91Do
>>647
家が見つからないから野宿ってのもまたすげぇ話だな…金があるなら宿だってあるだろうに

【金はあるが家がない&£ハは逆だろうと呟いて】
【続く少女の言葉に、表情や態度には出さないがーーー】

…そうかい
だが、いくらなんでもお前みたいなガキが湖で水浴びだの、野宿だの、よく無事で済んだもんだな
最近は物騒だしな…

【また、少女に後頭部を向けて、あえてそれには真っ向から突っ込まずに】
【ーーー物騒≠ネのは、どちらだろうか】

/お待たせしました
651 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/02/27(水) 02:19:42.12 ID:ym0xnoXIO
>>649
/訂正
/○詠唱 ×歌声
652 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/27(水) 02:21:07.32 ID:+gmnO2TQ0
>>649
【むくりと起き上がれば、向けられたのは冷めた双眸で】
【――――照れ隠し、と取っても間違いは無いのだろう】
【強かに打って赤くなった顔を隠すかのように数回擦れば、一度咳払いをして】


「ええ、何も問題はありません。何もです」

【二度同じ事を言うのは、きっとこの少女なりの意地】
【――――宿泊をしたい。なんて言葉を思い出せば、その言葉を放った少年へと視線が移されるが】
【疑問とも、いかがわしく思っているとも考えられる色】
【少しの間の後、頭の中で連ねるべき言葉を形成していって】


「――――宿泊、ですか
勿論大丈夫ですよ。ただ、何故この様な内装ですから……お察しの通り、あまり良い環境のご提供は出来ませんけれど
それよりも、です
――――何故、この様な場所まで?」

【浮かぶ疑問は、その様な形の少年が一人でこの寂れた教会を訪れたその事に対してか】
【誰にでも理由はあるもの。故に拒むことは無いのだろう】
【しかし――――凛とした言葉が紡ぐのは、そんな極単純な疑問であって】
【どうぞ、何て教会の中へ入ることを促せば、一つの問いを投げかけるだろうか】
653 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/27(水) 02:25:33.60 ID:GsnUFiUro
>>646
(――弾かれたッ!!いや、"やっぱり"だけど――ねッ!)
【予想はついていた、あの此方の銃撃も超速、であれば柊の反応速度は更にその上を行く物】
【迫る魔弾は揺れる刀身に吸い込まれ、白銀の太刀筋が紫の魔弾と交わり――流。】
【金属音が鼓膜を打つ、火花が散って――弾丸は柊から離れ、フィールド上を別方向に駆け巡っていった――!】
【そしてそれだけで終わらず、弾くと同時に"跳躍"による照準からの脱出――とっさのエイムが間に合わない、セリーナは柊を補足しきれず。】
【――ニ撃目を放つには至らない。】

―――ふ、ふッ・・・たま〜に見かけるんだ、スゴイ剣士さんと戦うと――銃弾、弾かれちゃうんだよね。
でも初めてだよ――こんなに綺麗に、"力"の方向を御し切る腕前の人は。
(ああ、つまりは――直線での射撃は通らない、ってワケだね――ははは・・・。)

なるほど――――おねぃさん、燃えて来たよッ!

【両者の距離は開いたまま、まだそこに"間合い"は存在している――】
【再び接近行動に移るのを確認すれば、セリーナはニ発目、三発目と射撃を重ね接近させないようにカウンターを投げ込むだろう】
【腰元に"弾"末魔を構え、ジリジリと後退していく――距離を、稼ぎつつの迎撃。】

(真っ直ぐ撃ったんじゃ絶対に攻撃は通らない――考えられるのは"方向"を使った曲射、それに――)
(また飛び込んできたところにカウンターを、ニ連続で叩き込む――ニ発同時の攻撃なら――いや、弾かれるかもしれない。)
(――賭けに出るにはまだ、早い。なら――よし。)

――ふふっ、それはこっちの台詞だよ柊ちゃん!
貴女の剣こそ――"ラッシュ"さんの時より、だ〜いぶおっかなく見えるけどね!!

(――今度はこっちから攻め――て!?)
――っと!?なる、ほ・・・ど・・・ッ!!
【切り裂かれたのは"床石"、そしてそのまま破片が浮かび上がり、オブジェクトとしてセリーナの視界を一瞬、封じた――!】
【しかしこれがよくなかった、その一瞬こそが命取り――セリーナは柊の姿を見失い、破片から慌てて視線をずらす――】
【――"いた" "見つけた" "距離は" "そう遠くない" "接近され――――"】

/続きます
654 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/27(水) 02:25:44.49 ID:GsnUFiUro
>>646
(―――やるしか、ないねッ!)

【覚悟、それは接近を許すという選択――銃を"向ける"のは間に合わない、ならば――】
【セリーナは柊が元いた場所にむいている"弾"末魔をそのままに、身体だけを柊の放つ刀身からギリギリ避けられるように開き――】
【最もそれは回避にまでは至らないであろう捻り、攻め込まれれば体躯は切り裂かれるのは間違いない、が――】
【―――再びの発砲音、"弾"末魔は矢張り、柊を向いていないのに―――?否】

【――この銃器の真価は、"召還"でこそ発揮される事を、柊は覚えているだろうか――】

―――騎士怪醒<ティターン・アーマー>!!

【放たれた銃弾は銃口の手前で停止、瞬時に召還陣を展開――!】
【半径1m以上のその青白い召還陣がセリーナの身体を貫くように透き通っていく――】
【恐らくは、刃が届くか、届かないかというギリギリのところ、一部は届く事もありえるであろうタイミングでの――迎撃を諦めた"装着"!!】
【刀がセリーナの肩口を切り裂く――と同時に鮮血が走り、更には"変化"が続く】
【切り裂かれた衝撃で身体が一瞬、後ろへ下がったセリーナの肉体のその上に、召還した"鎧"が素早く装着された!】
【アーマーは太古の巨人族"タイタン"の強固な表皮をモチーフに生み出された自動装着型の"魔導鎧"】
【背についた魔導機関が魔翌力を供給し、全身を覆う外骨格が関節部分に唸りを上げ、起動】
【見た目には機械と融合した悪魔――群青のボディに銀のラインが入った生体機械のパワードスーツといったところか】
【もはやセリーナの"笑顔"はそこにはない――もっとも、アーマーの奥では痛みに耐え悲痛な表情をしているのだが――・・・】

(――つうぅッ!深くはなかった、けど・・・ッ!!出欠がバカになんないよ、これ・・・!)
(ともかくこっから――!)

反撃、開始するよッ!!

【着込んだアーマーが駆動し、ウォン、と魔翌力の波動が広がる。】
【バックステップを決め素早く跳躍、その動きは素のセリーナよりも幾分かは"早く"なっているようだ】
【――常人に毛が生えた程度のもの、追撃しようと思えば接近は容易だろうが――】
【後方にステップを決めると同時、セリーナの身体がぐるん、と揺れて――転倒ッ!】
【否、むしろそれは"わざと"追撃を逃れるための体勢の転換――彼女は姿勢を地面と平行に倒し、転びながら銃を構え――発砲】
【狙うは今度こそ"脚部"――かと思いきや、弾道は上へとズレ、今度は"刀身"そのもの、もっと言えば"握り手"めがけ放たれていた!】
【――至近距離だからこその精密射撃、極端な体勢からの一撃は外れることも大いにありえるが――セリーナは本気だ】
655 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/27(水) 02:29:57.05 ID:wFMsg0Ago
>>650
その宿も見つからなくて、それで諦めたところで森を見つけました
なんか凄く感動しました、ちょうど諦めた時だったからだとは思うんですけど

【宿が見つからず、諦めたら森が見つかった】
【そんな高次元の方向音痴っぷりを見せ付ける】
【まあまったく自慢になることではないが】

物騒……ですか?
道を歩いてチンピラに会うまで3時間程度はかかったんで十分安全な町だと思いますよ
それに野宿のときも水浴びのときも野生の熊さんくらいしか見かけなかったですし

【チンピラに合うまでの時間が安全かどうかを判断する目印】
【そして野生の熊をくらいという扱い】
【そう言える程度には少女には余裕があるのだろう】
【少なくとも、安全に暮らせる程度には】
656 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/27(水) 02:42:25.98 ID:hRYJK91Do
>>655
いやまあ、森は結構アバウトな場所にあるからな?

【「見付かるとかそういう物じゃない」と続ける、宿の代わりに森は普通は選ばないだろうと】
【…まあ、この少女が色々と普通じゃないとは、なんとなく見えてきたが】

チンピラを物の単位みたいに数えんなよ、それにチンピラ以上に怖い物はいるぜ

ーーーで、だ
お前は出会ったチンピラと熊をどうしたってんだ?

【ーーーまさか、命からがら逃げたなんて訳はないだろう】
【まるで相手にならないとでも言う様に軽く宣う少女だ、きっと恐れはしていない】
【振り向きはしないのに、雰囲気は張り詰めていて】

【不動産屋が、見えて来た】
657 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/27(水) 02:54:38.30 ID:PtJ/acyo0
>>652

それは…良かった…です

【普通こう言う場面は手を貸して起き上がらせたりするものなのだろうが】
【少年はそれをしなかった】
【ーーー決して意地悪心が沸いたからとかではない。彼がそれをしなかったのは自分が非力なのを知っていたからだ。】
【手を貸したところで、少女に引っ張られて自分が倒れてしまうオチが見えていたからである。】

ありがとうございます……えっとなんていううか
僕は……えっと

【其処まで言いかけて言葉がつまる】
【ここに来た理由を何て言おうか迷ったあげく】

えっと僕寝られればいいですから

【別の質問の答えで誤魔化そうとした】
【しかし、下手くそに誤魔化したせいで露骨に怪しくなったことだろう】








658 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/27(水) 03:09:01.99 ID:+gmnO2TQ0
>>657

【――――そんな誤魔化し方にクスリと小さく笑えば承知したように頷いて】
【言いたくない事であるならば、無理に聞き出そうとするのも失礼な事】
【何よりも、良からぬ事を企む性にも見えず、寧ろその逆といった所か】
【それ故に、宿泊したいという願いを快く受け入れるのであろう】


「寝られれば良い。その言葉に嘘はありませんね?
――――本当に寝ること以外何も出来ないような所ですが、それでも宜しければ」

【軽い冗談でも言うかの様に告げれば、きっと教会の奥へと案内して――――】
【其処へ至るまでに通る道は、きっと中々に荒れていたであろう】
【タイルが無いならばまだ良い方。冷たい隙間風が差し込んでいたり、壁に大きな皹が入っているのもザラなのだから】
【やがてたどり着くのは一つの小部屋。ベットが一つと、申し訳程度に小さなテーブルが置かれている程度の部屋】


「――――こんなお部屋でありますが、それでも宜しければご自由にお使い下さい
出て行くときに言葉は必要有りませんよ。あなたが少しでも満足して下さったならば、それで十分です」

【その言葉だけ残せば、扉が静かに閉められて】
【テーブルに置かれた一つのランプ。恐らくは、コレが唯一の光源であって】

【――――朝、食事変わりとして固いパンが運ばれたのは、今から数時間後の話であろうか】
/早々に本当申し訳ないです……!
/三時故に本日はそろそろ落ちなければ……!
/お疲れ様でした、拾って頂き有り難う御座いました―!
659 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/27(水) 03:09:36.35 ID:wFMsg0Ago
>>656
チンピラ以上に怖いのですか……
よく分からないです、チンピラは怖さ感じないですし

【少し答えに迷って、その結果がこれだ】
【そもそも、チンピラに恐怖を感じていない】

チンピラは適当に気絶させてその辺に寝かしときました
で、熊さんは何もしてこなかったし大人だったのでそのままスルーでした

【さらっと、見た目とは程遠いことを言ってみせる】
【ハッタリということも考えられるが、男の出す空気にものまれず自分のペースを維持している】
【信憑性は十分か】

【目的地は見えてきた】
【そのはずなのに少女は気付いた風も無い】
【……いや、本当に気付いていないのだろう】
【方向音痴たる所以である】
660 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/27(水) 03:24:00.29 ID:hRYJK91Do
>>659
………
ま、その感じじゃ、大丈夫そうだな

【チンピラ以上に怖い物ーーー例えば能力者とかーーーが結構いたりするのだが、少女の様子からすると大丈夫そうだ】
【きっと、敵性能力者に会っても大丈夫だろうと、溜息をついてつぶやいた】

気絶って…その長い棒で殴ってか?
見た目に反するってのは、お前みたいな奴を言うんだな

【身長140cm程度の少女がいうには、少し似合わなさ過ぎる対処法だ、だがまあ有り得ない話ではない、意外なだけで】
【馬鹿にした様に笑って、不意に立ち止まる】

ーーーついたぜ、不動産屋
家選びまで面倒見ろとは言わねぇよな?

【目の前には不動産屋の店舗、流石にこの距離では迷い様が無いだろう…多分】
【冗談を言いながら、苦笑いを浮かべ、少女に振り向いた】
661 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/27(水) 03:40:41.54 ID:wFMsg0Ago
>>660
ちょうど鳩尾を突くとチンピラくらいなら一発なんで大丈夫です
み、見た目は……もう何年かこのままなんでダメかもしれないです……

【チンピラの対処よりもは自分の見た目のほうが気になるらしい】
【「身長伸びない……」と小さく呟いた】

はい、家選びは大丈夫です!
頑張って大通りに近い迷わなそうな家を探してみます

【男の冗談を素直に受け取り笑顔で返す】
【家選びとしては重要な立地】
【その選ぶ判断は迷わないかどうかが全てのようだ】

あ、お名前聞いてもいいですか?
恩人の名前も知らないのも嫌なので
僕はクラウ=B,Kっていいます
クラウとお呼びください

【付け加えて男の名前を聞こうとする】
【ついでとばかりに自分の名前も教えている】
662 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/27(水) 04:04:15.03 ID:A/Unmd7Y0
>>653-654

――――……此処まで私を “捉えきれる” 銃使いと会ったのも初めてね。
願わくば、今以上の速さで振り切りたいものだけど――――――

(………銃と刀と速さと速さ。)
(成程、確かに “燃えてくる” 勝負か―――――――。)

【称賛に返される賞賛の言葉。カウンターの二射をそれぞれ縦に横に受け流しながら、柊もまた闘志を燃やしていた。深まる微笑。】

【射程と攻撃手段の多彩さ、そしてその範囲では圧倒的にセリーナに優位がある。】
【容易には接近できない事も、共闘したあの夜の戦闘、そして開幕の攻防で理解していて――――――。】

【……だからこそ、柊はこの機を確実に捉えようとしていた。】
【――――――――銃声。顕現。魔導鎧の “力” を感じ取り、俄かに警鐘を鳴らす剣士の直感。】

(………あの夜と同じ武装ね。確かに強力ではあるけれど……――――――――)

【―――――――― 柊は意志力で攻撃を継続。騎士怪醒¥萩、に斬り付ける。
【そして肩口を斬りさいた感触の直後―――――― バックステップで遠ざかるセリーナが見えた。】
【“転ぶ” 彼女の姿にも、不用意に急な接近はせず、自分のリズムでタイミングを計りつつ踏み込もうとして―――――。】

(――――――――――………!)

【だが反撃。飛燕のように急激に “昇る” 弾道、予想外の射角での其れ―――― 】
【油断こそしてはいなかったが、半ば以上虚を突かれた形になる。
 それでも両手への直撃を避けるため、腕を引く形で刀身の位置を調整―――――。】

―――――――…………っ……く、ッ……!

【刃先で正確に受ける事で魔力弾を両断するも、勢いをそのまま保った “断片” の一つに、利き腕/右腕の二の腕を浅からず抉られる。】
【セリーナ同様、そこまで致命的な傷ではない。だが、それは時間が経てば経つほど剣呑さを増すもので――――――】

(…………ッ、!)

【その負傷の状況を認識すると同時に、柊は両手で太刀を右に振り抜いた。】
【その勢いのまま時計回りに全身を廻す。それにより太刀は魔力弾の “断片” を捉え、軌道を変えて回転の軌道に誘導――――】

――――――――――――――――――― ………ハァァッ!

(これにさらに反撃を返すか、それとも私の技が勝るのか――――――――……勝負と行かせてもらうわセリーナッ……!)

【その一回転を終えて前方を向くと同時、倒れ込んだセリーナ目掛けて、刀身から魔力弾の “断片” を撃ち放った。】

【彗星のような高速の反撃。だが、それは “攻撃” としての意味合いは弱い。】
【……“精密射撃” などは狙えない。並みの銃撃を返すなら兎も角、射手はかのセリーナ・ザ・キッド=B】
【完全には撃ち返せなかったその “断片” は、最良でも、彼女の頬を掠める程度にしかならない筈で――――――】

【―――――――――――― その生み出し得る隙こそが、柊の狙いだった。】
【時計回りの回転を終えると同時、撃ち出すように左脚で踏み込んだ。その左脚を軸に上体を捻り、斜め下への斬り下ろしを放つ。】
【狙いは右腕、肘か二の腕への “深い” 斬撃。それにより、セリーナの銃撃を封じるつもりなのだろう。】

【だが柊自身の負傷が僅かに刀身のブレを生み、それがほんの僅かにラグを―――― “腕を動かす” 余地を生み出していた。】
663 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/27(水) 04:04:59.73 ID:hRYJK91Do
>>661
何年も見た目が変わらねぇって?…そりゃ、残念だな
だがまあ、女なら喜ぶ所じゃねぇのか?見た目が若いままってのはいい事だろ?

【少女は残念に思っているが、一般的には見た目が若いままなのは寧ろプラスなのではないか、とまあ、この男は少女の苦労など知らない訳だが】

…うん、まあそうだな…自分の家に帰るのにすら迷ったらおしまいだからな…

恩人って程でもねぇよ、ただ道案内しただけだろ
俺はラッシュ・ワンスドッグだ、呼び方は何だっていい

【迷わない家ってなんだよ、とか思いつつ、彼女がそれでいいならいいのだろう、と苦笑い】
【恩人と言われるのは少し照れ臭いが、表情には出さず、呆れたような溜息で代わりに返して、名前を返す】

【それから、もう自分の役目は終わったとばかりに、「じゃあな」と一言言って踵を返す】
【夜の街に消えて行く男は、歩きながら煙草に火を点けて、紫煙を吐きながら歩いていった】

/お疲れ様でした
664 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/27(水) 04:17:36.09 ID:wFMsg0Ago
>>663
自分の家には迷ったらどうしようもなくなりますから
頑張ります、本当に

【もう、悲痛ですらある】
【自分の家すら忘れてしまったらもうどうしようもない】
【今から必死である】

僕にとっては恩人です
これで野宿生活から脱出ですから
文明的な生活への回帰でもあります
ありがとうございました、ラッシュさん

【最後まで恩人であるということを強調し、そのまま頭を下げる】
【そのまましばらく頭を下げ、姿が見えなくなったところで】

……やっぱりこの格好は女の子に間違われやすいのかな?
ま、いっか

【なんて、小さく呟いて店内へと入っていった】
【もしかしたらその呟きは風にも乗ったのかもしれない】

/お疲れ様でした!
665 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/27(水) 04:21:08.40 ID:A/Unmd7Y0
>>662
/ラストにちょっと追加です、申し訳ないっ…! これが今日最後のレスで良かった…。

【そして “倒れた相手への斬り下ろし” という攻撃の特性上、攻撃後には刃がリングに斬り込み、衝き立って、剣士自身に隙を生じる。】
【致命的な一撃を狙うその挙動は、そうしたリスクを抱えたものでもあった。】
666 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟・東北) [sage]:2013/02/27(水) 04:52:41.84 ID:mIDua6wAO
/また写し損ね…お風呂上がりに気付きました。重ね重ね申し訳ないです…

>>665

【そして“断片”に怯まなかったなら、本命の斬撃への対処は遥かに容易くなるだろう。】
【回避の可能性はさらに増す。柊の腕の負傷の生むラグと併せて、どれだけ状況を好転させられるか――。】
667 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/27(水) 14:39:32.82 ID:nyoBhK+Y0
――水の国 第二回天下一武道会 観客席


【大会の中でも特に盛り上がりを見せるセリーナ対八攫 柊戦】
【沸き立つ観衆の中、一人静かにほくそ笑む青年が居た】

【まず目に付くのは腰まで届く青い髪を茶色の布でポニーテールにし、それを更に赤黄青の三色の布で三叉に分けている】
【黒地に白の斑模様のTシャツを着て、下はジーンズと服装は特に代わり映えは無いが】

【左手に野球ボール大の水球を浮かべている様から魔術師の類と判断できる】


「ふ、ふふふ・・・UNITED TRIGGERのメンバーも多数参加するので今後の戦力分析に、と思いましたが・・・」

「思わぬ収穫でしたね」


【青年は手を返すと、シュルリと水球が消え失せる】


「"呼び水"が反応していた・・・、ミールシュタインの宝玉を持った者が戦っている・・・!
 普通に考えたらセリーナさんが持っているのでしょうね。UNITED TRIGGERの事務所でも反応がありました。
 リーダーであるセリーナさんが所持して大会に参加していると考えても不思議ではありません・・・しかし」


【青年は口の端を吊り上げて笑う】


「ミールシュタインの宝玉はあくまで突如四散した物、未だに自警団は懸賞金をかけて回収しようとしています。
 悪い言い方をすればそれは盗品です。それをまかりなりにも"正義の組織"を謳っている者がこんな場で使用するはずがありません」


「つまり」


【青年は目を見開く】


「四散した欠片の1つ、アナタが持っているんですね八攫 柊さん・・・!」


【勘の良い者、魔術に精通した者なら気付くだろう】
【青年の内から毀れ出す・・・どす黒い魔力に】
668 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/27(水) 15:05:12.24 ID:4XFwE2sqo
>>667

―――このような場所で、妙な気をおこなさぬほうがよろしいかと思いますぞマトイ%a。

【ペラ、というのは本のページが捲れる音。そして声のした方を振り向けば、居るのはただの老人だ】
【服装はといえばロングレザーブーツを覗かせる以外は薄汚れた外套でよく見えず、手にしているのは魔術書か】
【灰色の髪と、それから髭は綺麗に整ってこそいるが―――ただ一見しただけでは好々爺≠ニいうのが相応しい】

まあ、仕事熱心なのは大変結構ですが。しかしそれでも、会場内で事を荒立てるのは良くない
なにせ敗退した参加者を含め、仮想敵は多い……仮に貴方でも、少しばかり消滅の心配をしなければならなくなるでしょうから。

【ぱたん、と本が閉じられて、その瞳が青年へと向けられた。この老人――彼は見覚えがあるだろう】
【直接話したことこそ無いが、あの会合で就任した――――そう、あの人だ。】
669 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/27(水) 15:18:46.33 ID:nyoBhK+Y0
>>668

「!?」

【マトイ、という言葉に青年はビクリと反応し】
【その声の元を確認すると、目を見開いてペコリと頭を下げる】

「・・・あは、は。お会いできて光栄ですガイスト様。
 まさかこんなに早く謁見できるとは思いませんでした。
 おっしゃる通りです。ニワトリ以下の頭脳の僕でもこの場で争おうなど考えませんよ。
 それにせっかくのお祭りですし、ぶち壊してしまったら申し訳ないじゃないですか」

【青年は引き攣ったような笑みを浮かべ、ペラペラと口を回す】
【格上対してよく回る口は"野槌"譲りのようだ】

「・・・場所、変えませんか?
 ここではなかなかに騒がしいし、他の観客の方も居るので込み入った話はできないでしょう?」

【青年はバックヤードへの出口を指さし提案する】
670 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/27(水) 15:26:05.72 ID:4XFwE2sqo
>>669

ふ、ふっ……分かっているのなら結構、これ以上なにも言いますまい
とはいえ会場には他の能力者が居る可能性もある――魔翌力は、抑えられたほうが良いですな

【青年が頭を下げれば、特別気にした様子もなくにこりと笑って対応した】
【ガイスト・ウォレン―――あまりに六罪王らしくない、それでいてまた行動力の在る謎の老人】
【――と、言えば聞こえはいいのだが。実態はまったく知れておらず、その分マトイも曖昧な対応で問題無いだろう】

ふむ……そう致しましょう、場所はお任せいたしますよ。カフェでも、道端でもよろしい。
そういえば今日は他の方は居らっしゃらないのですかな?周囲には見当たりませんが―――。

【特に偉ぶることも無く、本をありきたりな肩掛けの荷物入れにねじ込めば立ち上がって】
【年の割に大きな身体を動かしながら、青年に付き添うようにして出口に向かうだろう。】
671 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/27(水) 15:36:40.82 ID:nyoBhK+Y0
>>670

【ガイストの指摘に青年は頬を引き攣らせる】

「そ、そうですね! 申し訳ありません、どうも興奮するとマトイ様との共鳴が強くなってしまって・・・!」

【上司を前にあせあせと対応するその様は実に小物らしい】
【それは青年の本来の性格故か、それとも内の"マトイ様"が本能的に底知れぬ相手を恐れているのか】

「あはっ、それでは・・・人の目も気になるので人気の無い場所へ行きましょう。
 薄汚い僕は全然平気ですが、ガイスト様はそんな陰気な場所へご案内など大変申し訳ないのですが」

【青年はそう言うと席を立ち、ガイストをスタジアムから少し離れた公園の林へと案内するだろう】

「あはっ、意地悪をおっしゃらないでくださいよ。僕はナンバーズですらない一般構成員故、部下は持つことができないのです。
 行動する時はほとんど一人、もしくは真室川博士かまがわ様が一緒に来てくださるぐらいですよ」
672 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/27(水) 15:50:22.44 ID:4XFwE2sqo
>>671

【林へと移動すれば、ガイストは案外楽しそうに太い樹木に背を預けた】
【彼の格好――いうなれば冒険者然としているのは、もしかしたら見た目だけではないのかも知れない】

ふむ、そうでしたな……いずれ、そのお二人にも会っておきたいものですが
どちらも面白い人物と聞いておりますし、同僚として互いを知っておかねばならない……
まさしく、今の機関に連帯感や勢いが欠けているのはそこに在ると、私は思っているもので。

……さて、会合よりしばらく経ちましたが、その後どうですかな?
コーネリアス殿の言った卵やbeyond2の拡散、宝玉の回収、あとは……ガルボ博士、でしたか

なにかしら成果があればお聞きしたいもの……なにせ、貴方は機関でも随分と働き者と聞いています
その全てを行うことは難しいでしょうが、何かしら手掛かりは掴めましたかな?

【なんて、あくまで柔和な言葉遣いで老人は尋ねた。勿論、彼が上げたこと以外でも発言は許されるだろう】
【それは例えば旧遺物≠ノついてでも良いし、逆に老人へ質問することだって構わない筈だ】
【なぜなら、そういう雰囲気を彼が出しているから。『存分に踏み込んで構わない』と、無言で伝えるかのような視線だったから。】
673 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/27(水) 16:09:31.53 ID:nyoBhK+Y0
>>672

【大木に背を預けるガイストに向かい青年は手を上げて語りかける】

「あはっ、真室川博士は現在哲学者の卵の改良研究の途中です。
 一応"完成品"はできたのですが、何故問題点や欠陥の多い物ゆえ、普及と実用化はほぼ不可能かと・・・。
 まがわ様は・・・はい、マイペースに期間に従事していらっしゃいますよ」

【青年はペラペラとしゃべり、申し訳無さそうに瞳を伏せる】

「えーと、申し訳ありません。beyond2と卵の普及はあまりできていない状態です。
 どちらも下手に力を与えてしまう品故、機関に反感を持つ能力者を作ってしまうと思うとどうしても躊躇してしまって。
 ガルボ博士についても真室川博士が必死で情報を洗っているのですが、今一つ尻尾を掴むことができない状態です・・・」

「あはっ、しかし! 宝玉と旧遺物については収穫がありましたよ!」

【青年は取り繕うように、顔を上げて表現する】

「4つに四散したミールシュタインの宝玉の欠片の内、1つは我々機関が所持しているのはご存知かと思われますが!
 欠片の少なくとも1つはUNITED TRIGGREの本拠地にあることは確定しました!
 僕も回収に向かいましたが、ミミズより弱い僕では返り討ちでしたが・・・。
 そしてもう1つの欠片は・・・これは確定ではありませんが先ほど大会で対戦を行っていた八攫 柊が所持していると思われます」

【そして、と】
【青年はどこからともなく白布に包まれた得物を取り出す】
【シュルリと布を取ると、そこには鉄塊から切り出したような一振りの剣があった】

「報告の通り、旧遺物の1つである残光剣の回収に成功しました。
 以前使っていたマトイ様が確認したので本物に間違いないかと、どうぞお納めください」
674 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/27(水) 16:26:34.56 ID:4XFwE2sqo
>>673

……成程。真室川殿の卵についてはそのままでよろしいでしょう、独自性は大事な物ですからな
量産はできずとも、あの方の切り札のようにしておけば……そはまた、重要なカード≠ニなる

また普通の卵や薬物の配布、これは気にしなくて良いと――私個人は、思いますよ
マトイ殿の言うとおり、確かにこれら2つは人格こそ破壊できるが力を与えてしまう
あの金獅子≠ノ打ち込んだ結果は芳しくないと報告にあるように……ですから、これは提案ですが――

【一度言葉を切って、息を整える。すらりと意見を言うのだが、こういうところは老人らしい】
【少しばかりしてから一息吐いて、それからまた口を開き――――】

――どうせ撃ちこむのなら、人間関係の豊富な相手を集中して狙うべきでしょうな
例えば先ほど姿の見えたUTのセリーナ嬢や、大会で優勝した人物を変貌させるのも一興――無作為に散らすのは勿体無い。

ミールシュタインの宝玉については……貴方の情報は、随分と大きな財産となりそうだ
既に3つまでの所在が分かっているとなれば後は奪い、最後の1つを探すのみですからな
この件は、貴方にお任せしましょうか。何なら、今話した情報をデータベース≠ノ流すのも良いかと。

【『そして最も大事なのが――』―――老人の意識、視線がここに来て最も強く、濃くなった】
【旧遺物、残光剣。旧く強いことは、特にマトイであれば昔から知っているだろうか】
【青年がそれを差し出すようであれば、老人はその手をゆっくりと伸ばして、剣を取ろうとし】

―――これを回収しようとしたベイゼ殿は、尚も行方知れずだったと記憶していますが。
これは、何処で?博物館側も紛失したと……どなたかが所持していたのですかな?
675 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/27(水) 16:54:14.91 ID:nyoBhK+Y0
>>674

【一定の好感を表す相手に青年は、ふぅと安堵したような息を吐く】

「ええ、尤もでございます。ただbeyond2に関しては機関の資金源ですからなんとも・・・」

【それに、と青年は指を立てる】

「真室川博士がなんでもまた別の物を開発中でして。
 もし使用するならばそちらの方になるかと思われます」

【軽口は叩いているものの、真室川野槌の機関内での立場は非常に危うかった】
【予算をかけた割にはあまりにも実用性の無い発明】
【そして問答無用で、いきなりそれを外部に流出させてしまったスタンドプレーからだ】

【故に、次の発明が本命にして起死回生の一手だった】

「ええ、この纏衣 ヒルコにお任せください。UT内の絆はどうやら非常に強い。
 1人でも拉致に成功すれば、宝玉の欠片の交換には必ず応じるでしょう」

【ヒルコはニタリと笑う】
【これは"実証済み"だ】
【少なくともリーダーのセリーナ、そしてソニアのどちらかなら確実!】

【ガイストの手が伸びるとき、ヒルコはほくそ笑む】

「ええ、上の方がどうやら監視をしていらっしゃったようで。
 ベイゼ様と交戦したナウファル・ディアー・アル=ミルドリーという異国風の青年を追跡していたのです。
 そちらの方の追跡を優先したため、ベイゼ様の身柄については不明のままですが・・・」

【ああ、それと。とヒルコは付け加える】

「ナウファル・ディアー・アル=ミルドリーは非常に狡猾で手段を選ばず、かつ強力な能力者でした。
 僕も追跡・闇討ち・不意打ち・人質・下準備の5つの段階を踏んででようやく奪取に成功した位ですからね。
 つまるところベイゼ様の実力と判断力には何も問題は無いかと思われます」

【残光剣を手渡すと、ヒルコの目が鋭く光った】

「それと・・・これは真室川博士からの質問でして・・・ふふふ、ゴミの様な僕の口から申し上げるのもまことに恐縮なのですが」

【油断ない面差しのヒルコがガイストに問いかけた】

「アナタは何が目的なのですか? なぜ宝玉ではなく旧遺物に興味を?」
676 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/27(水) 17:20:08.64 ID:4XFwE2sqo
>>675

【剣を手に取ると、その価値を確かめるように地面と平行に構え、刀身を指で静かに撫でる】
【やがて満足したのかそれを下ろして、ヒルコへと向き直り】

ほう、新たな発明品というわけですか。ではもし良ければ、お伝え願えますかな
『私も貴方の開発には興味が有る、完成の暁にはご一報を頂きたい』
『また援助は惜しまない。金銭、或いは被験体が必要であればその際も連絡を――』―――と。

それからナウファルという御仁……現在、大会に出ていたように思います
その様子を確認するようにも通達を出さねばならないらしい。いや、真に貴方の情報は宝ですな

【と、そこまでは良い。微笑みは好々爺のような人当たりのよいものであった】
【けれどもヒルコが質問をしてからその様子は一変する。見かけは変わらないのに、気迫が在る】
【その瞳は非常に深く、気付けば無感情そうな橙の光を放つ使い魔が彼の肩には乗っていて―――】

……お笑いにならないでいただけると助かるのですがね?

私の目的は、言うなれば『地獄の釜の蓋を開ける』とか『パンドラの匣を開く』――
或いは『この世をあの世にする』とでも言えばよいのでしょうか。
世界を支配だとか、これが欲しいだとかいう理由ではない、というのは分かって頂けるかと――。

――そして、旧遺物はその為の手段。旧遺物は一つ一つが能力≠フようなものであり、パズルのピースです
宝玉のようにただ絶大な魔翌力を誇るのとは違い、言うなればあれば結果の為の過程=\―まあ、そんなところですかな?
677 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/27(水) 17:40:22.14 ID:nyoBhK+Y0
>>676

【人当たりの良さそうな笑みにヒルコもにっこりとほほ笑み返す】

「ええ、お伝えしておきます。真室川博士もお喜びになるかと思いますよ」

【これでガイストはナウファルに注意が向くだろう】
【ベイゼの非の無さも伝えた】
【『約束は果たしましたよ』と、ヒルコは目を閉じる】

【しかし】
【直後に好々爺のような雰囲気から一変したガイストに慄き】
【ヒルコは引き攣った笑みを浮かべながら二三歩後ずさる】

「はぁ・・・それはまた、壮大な計画ですね。
 ええ、笑いませんよ。マトイ様も似たような計画を行おうとしたことがあるので。
 むしろガイスト様なら本当にやり遂げてしまいそうで恐ろしいですよ・・・!」

【恐怖に屈しながらもヒルコは思考を巡らせる】
【パズルのピースだというのならば、もしもその1つの目的の為の物であるとするならば】
【旧遺物は元々、一括りの物で、同じ場所や同じ人物からつくられた物なのか?】

【それとも】

【その1つの目的の為に必要な物を、このガイストという老人は旧遺物と呼んでいるのか?】

「いずれにしても・・・とんでもない事が起きそうですね・・・」

【ヒルコはそれだけ言うと長い髪を揺らし、手を上げてほほ笑む】
【どの道、下の立場の自分には関係ない事、命令のままに旧遺物と宝玉を集めるだけだ】

「さて、僕の方からの要件は以上です。宝玉の件は確かに了解しました。
 蛆虫以下の僕ですがご期待に添えて見せます。ガイスト様からは他に何かございますか?」
678 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/27(水) 18:01:21.94 ID:4XFwE2sqo
>>677

【果たして、旧遺物というものの正体と、イマイチ靄の掛かったガイストの目的は語られない】
【しかし集めるモノの全てが此処に強力な力を持つことばかりは確かであり―――】
【ここまで語ったガイストの――いや、何故かヒルコは彼の圧力を、その肩に乗った使い魔から感じるだろう】

【使い魔は見た目だけであれば、ひどく小さな童女にすぎない。が、その光はどうだろう】
【オレンジというのは本来暖色だ。人の心を温める―――なのに、使い魔から放たれるそれは、心を溶かしそうな色で】

――機関の皆様は、存外に大人しい。六罪王の方ですら用意周到なのか臆病なのか分からぬ有様と言っても良い

その点で、こうして大会で腕を磨き合う諸般の能力者の方が、よほど何かを求める力は大きいでしょう
故に局所での戦いでも負ける。カノッサ全体の印象は尚更落ちていくばかりとなる―――。
……当然、これは私の論ですから事実≠ナは無いのですが。それでも幾分か理はあるかと思うのです

そんな中で目立って活動的なヒルコ殿は、実に貴重な存在だ
ですから、残光剣≠ヘ一時ばかりお預けします。くれぐれも、誤用の無いようにお願いしますよ?

【す、とガイストは鉄の塊のような剣を差し出した。つまり、準備が整うまではヒルコに貸す――】
【――いや、マトイに返すと言えばいいのか。どちらにしても、彼は剣を返すのである】
【言葉はそれきり、つまり他にいうことはないのだろう―――既に、老人の雰囲気は元の柔らかなものへ戻っていた。】
679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/27(水) 18:17:44.01 ID:nyoBhK+Y0
>>678

「・・・」

【ヒルコは目はガイストの方を見ていながらも】
【注意は使い魔の方に向いていた】

(なぜだ、ガイスト様はただの使い魔・・・確か名前はリリアさんでしたか?)
(とにかくただならぬ圧力をそちらの方から感じる)

(もしかすると、ガイスト様は僕と"同じタイプ"なのか・・・?)

【そんなことを瞬時に考えながらヒルコはほほ笑むが】
【差し出された残光剣を意外そうに見返す】

【ガイストの旧遺物への執着は相当なものだとヒルコは考えていた】
【故に、一時的でも・・・預けるという行為には虚を突かれたのだ】

「ええ、ありがとうございます。正直な所、マトイ様もこれを欲していたものですからありがたいですよ」

【にっこりとほほ笑んで残光剣を受け取るヒルコ】
【しかしその目には油断無い光を覗かせて】

「それでは・・・虫けら以下の僕にどこまでやれるかわかりませんが。
 まかり間違えても残光剣を敵に奪われたりするような事は無いようにしますのでご安心ください」

【「それでは、僕は試合の観察に戻ります」、そう言い残して】
【ヒルコはスタジアムへと戻っていく】


/この辺で〆でしょうかー?
680 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/02/27(水) 18:31:28.70 ID:4XFwE2sqo
>>679

ええ、期待していますよヒルコ殿。どうぞ、残光剣は大事になさってください
それから大会では……いや、何度も言う事では無いのでしたな。失礼―――リリア。

【ガイストが言葉を切って大樹から背を話すと、使い魔がふわりと浮いて周囲を舞った】
【それは美しくも在り―――同時に、やはりヒルコの注意を引くこととなるだろう】
【特に一度ばかり、その使い魔が青年へと振り返って笑ったのは背筋を擽るかもしれなくて】

では私はこれにて。またお会いしましょうヒルコ殿、真室川博士にもよろしくお願い致しますね?

【その言葉を最後に、ガイストは木立の影へと消えていった】
【まるで闇に紛れるかのようでも在り、闇に飲まれるかのようでもあって――酷く不穏な後ろ姿だった。】

/ですねー、お疲れ様でしたっ!
681 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/27(水) 19:34:19.12 ID:QPOXTq3Zo
【風の国――とある森の中】

【そこには、一つの"泉"があった】 【――泉といっても、それはとても心地よい暖かさであり、深さも無難で……――】
【つまりは、……――天然の"温泉"である】

「ヘケケケ、だからよォー、首根っこかじられてなければ勝ってたんだってよォーッ」
『かじられたから負けたんでしょう、そもそも、自分から抉れと言っていましたよね』
『それに……まったく、"ディルムカプテスプ"は慎重に使いなさいとあれほど……』
「良いじゃねェーかよォー、負けは悔しいが楽しかったんだからよォ、それに……」

「次会ったらまた戦って、それで"勝ってやる"ぜェーッ!」『……いつも通りですね』

【その温泉には先客が2人いた】
【1人はガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目】
【もう1人は、20代前後に見える女性で身長約155cm、黒い短髪で、木製に見える杖を右手に持っていて】
【桃色の右目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は清々しさを感じる空色をした左目だ】

【――近くの岩の上には綺麗にたたまれた服がある、しかしそれは白いローブのみで……他はどこにあるのだろう?】


【あえて言おう、"鳩胸"と、"まな板"だと】
682 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/27(水) 19:41:09.68 ID:GsnUFiUro
>>662
【一発、カウンターの一撃。】
【二発、三発――続く迎撃。】
【四発目にして"ティターン・アーマー"の召還】
【そして五発目は"攻撃"――切り裂かれたものの魔弾は破片によるダメージを柊に与えるだろう】
【――しかしそれは持続的に戦闘を行う場合だ。既に接近を許したセリーナに、長期戦を考える暇など、ない。】

(――マズった・・・接近されたら確実に押し切られる――ッ)
(至近距離で機動力を持った相手にエイムし続けるのはアタシにだって難しい――!)
(アーマーのアビリティは高い、けど――多分、この娘の刃は防ぎきれない・・・!)

【――直感、それは倒れながらの思考。恐らく、ティターン・アーマーは裂かれる。】
【張り巡らせた魔生線維の防刃・防弾装甲も深く切り込まれれば"中身"<セリーナ>は無傷でいられない】
【そして精密な動作を要求されるガンマンにとって、攻撃を受け続けるのはかなり致命的――大きなミス。】
【身体が地面につき、肩口から倒れ、立ち上がろうとしたその瞬間、目に入ったのは"飛来する"――弾丸!?】

(――う、そぉ!?斬った弾丸を―――!)
(――夢でも見てんじゃないの、アタシ――くっ!!)

【だがしかし、その"技"に驚愕こそすれど――セリーナ自身は飛来する弾丸に対しての行動を"取らない"】
【撃った本人だからこそ分かる――距離減衰、弾かれた事による威力の低下、そして恐らく】
【"クリティカル・ヒット"はしないであろうという事――なにより、アーマーはこの程度の攻撃を、防ぎ切ると信じて】
【――セリーナは一つの、賭けに出た。】

(――どうせ、弾丸なんてこの状況じゃ回避は不可能――やるべきことがあるとすれば)
(このどうしようもない状態からの"緊急回避"――ひとつのみッ!!

【ともかく、転倒したままでは追撃をもらう事は確実だ――曲射が甚大なダメージを与えられなかった以上】
【この咄嗟の機転は失敗したといえる――ならば、次にする事はなによりもまず、回避。】
【弾片が次なる斬撃への"囮"である事はセリーナの反射神経では図りえないが、ともかく逃げろというその思考が、今回は良い方へ働いた】
【残る六発目、セリーナが倒れた姿勢から放った銃弾は銃声と共に青白い召還陣を描き、停止――】
【次の瞬間、柊は感じるだろうか――あの時に目撃していたであろう"魔翌力"の爆発的オーラを。】
683 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/27(水) 19:41:26.78 ID:GsnUFiUro

竜王咆哮――――<ドラグーン・キャノン>!!

【ティターン・アーマーを装着したセリーナの胸部、装甲の上から装着されるのは巨大な竜の頭部――召還によって現れるは"超火力砲"!】
【まるで彼女の胸を食い破るかのような歪なデザインで現れたドラゴンの生首が大きく開き、その内側から大口径の砲塔が覗くだろう】
【――そう、対ラッシュ・大神戦の最後に魅せたセリーナの誇る最大火力の一撃必殺武装・ドラグーン・キャノンだ。】
【魔導機械で出来たドラゴンの頭部を模したキャノンはゆっくりとエネルギーチャージを開始――】
【――と、そこまでは良い。だがこの必殺兵器――発射までの充填速度が異常なまでに、"長い"】
【とてもではないが迫る柊の大振りな一閃を事前に"撃ち抜く"事など不可能―――つまり、刃が届くほうが圧倒的に速い、ということだ】
【必然的にセリーナは弾片をアーマーの頭部――頬を掠るように"受け"、そこから更には――柊の渾身の一撃を―――――――――】

【――――受けた。】

【いや、違う―――"防いだ"!!】

――なにもさ、武器ってのは"撃つ"ばっかりじゃぁ、ないんだ――柊、ちゃんッ!!

【ニヤリ、とアーマーの奥で笑うセリーナの顔が浮かぶだろう――その声はこんなに攻め込まれた状況で尚――震えることが無い。】
【そしてその言葉と共に柊の目に入るであろう、光景――ドラグーンキャノンの巨大な"頭部"で、刃を受けきった姿―――!!】
【なんとせっかくの召還武装を"攻撃"ではなく"防御"に転用するという大胆すぎる戦法、そして更には――!】

(――アタシの計算が正しければ――ここでッ!!)

【――状況は二転,三転する――!!切り裂かれ、魔導機械が破損したドラグーン・キャノンはチャージ機能が停止】
【同時に蓄積していたエネルギーが回路を巡って逆流・暴発――焔が噴出した。】
【勢いをつけてドラグーンが破裂、その場で火炎が"吹き荒れる"――最も】
【この焔はただの炎だ。ドラグーンキャノン本来の収束させた火炎攻撃による強烈なインパクトなど到底生み出さない。】
【例えるならばただ、火炎が間近に噴出したのと同じ――仮にダメージを負うとしても、それは高温による火傷や副次的ダメージになるだろう。】
【勿論、剣が砲塔を切り裂いた時点で結果を予想し、脱出する事も可能――柊ほどの運動神経ならば、問題は無いだろう。】

【だがこちらの結果は予想できただろうか――】
【セリーナは爆破の衝撃で吹き飛ぶ――――――いや。】

【"逃げた"のだ。】
【距離を開くために。】
【再びレンジを設けるために。】
【――爆破による緊急回避、セリーナの身体は後方、リングアウトするギリギリのところまで6mほど弾かれた――!!】
【そこまで計算した上での、"召還" "防御" "回避"】
【――同時に全てをこなす、大胆な賭け――最も、炎に臆することなく追撃が来る事も考えられよう。】
【素早くドラグーンキャノンを空中でパージ、着地し六発目を打ち終えた"弾"末魔から空の薬莢を吐き出させる――】
【リロード。ここが大きな隙となるが――それを距離を稼ぐ事で行おうという判断。】
【セリーナの手は今、射撃ではなく弾丸の充填に傾注している――最も、銃を詳しい者が――特にリボルバーを知る者が見れば驚愕するほどの手際の良さ】
【しかし"撃てない"事に変わりはない――なにより、今のセリーナは自身のとった行動により"爆炎"のダメージを大きく負っている――】

(――結局、押されてる事に変わりはない――!!)
684 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/27(水) 20:12:26.79 ID:0sqtdFGr0
【水の国 噴水広場】

……また、随分と手酷い傷を負って負けたものだ……
確かに、良い勝負ではあったが……

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年が】
【1人ベンチに腰掛け、新聞を広げて街灯の明かりを頼りに、静かに読み耽っていた】
【どうやら水の国のローカル新聞であるらしく、内容は『天下一武道会』を大々的に扱うものらしい】

……まぁ、仕事を終えて金はあると言っていた……これも良い薬だと思っておけば良いかな……
……ともあれ、随分と勢いを増した催しらしいね……ほぼ「国丸ごと」レベルで、こうも熱狂するとは……

【ぱさり――――紙面を捲りながら、青年はじっとその内容に目を走らせる】
【どこかさびしい光景だが、当の本人は特に気にした様子でも無く、ただ読み耽っている】
685 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/27(水) 20:12:38.38 ID:sW0yq5Jno
【水の国 フルーソスタジアム】
【第二回戦を控えるこの会場にすでに上がっている者がいた】


次の対戦相手はソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ、だっけ
ジャンクちゃんが前に話してくれたUT所属のスナイパーって話だったよね、確か

『……聞き慣れない響きの名じゃのう、どこの国の出じゃろうか』


【さらっとした柑橘系の整髪料の匂いが漂う茶の短髪、きりっとした目の中に真っ赤な瞳に整った鼻筋】
【いつもと違うのはその服装が、格闘家のごとき道着を身にまとっている事だ、黒いズボンに白い和装の上着】
【左の胸元には黒い糸で『葉隠』と刺繍されており――そしてなぜかいつものように赤いマフラーを首に巻いている】

【セコンド席に置いておいた棺桶の上の、垂れた耳に丸い目、ソフトモヒカンのように中央の頭の毛がこんもり盛り上がった】
【首輪に複数の鍵をぶら下げた茶色い体毛に覆われ小さな子犬、いや…レッドカラーのトイ・プードルに顔を向けて彼は対戦相手の登場を待っていた】


『UT……もうひとつの正義組織じゃったか?この手の集まりに所属しちょると言う事はそれなりに
実戦経験があるっちゅう事じゃあ、前回の様なラッキーはそう起こらないと思う事じゃのう、剛の字』

そんな事もちろんわかってるよ、まあ心配しないで見ててよムク
……そういえばゼンとジャンクちゃんは見に来てるのかな、着いたら客席から手を振るとか言ってたけど


【まあいいや、と言いながら改めて剛太郎は柔軟を行ってコンディションの最終調整を行いながら】
【二回戦の対戦相手の登場を落ち着いた様子で待ち続ける】
686 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/27(水) 20:23:42.13 ID:7mdNOYneo
>>685

【ボルテージを増す会場は貴方の名がコールされただけで最高潮に達する】
【剛田 剛太郎、一回戦の戦いを見た観客は皆口々にその人物を伝える】
【――――曰く、その力はトップクラスである、とも】

【その身体を使い能力者を打ち破ったのだ、最早単なる参加者の一人なんてではなく】
【優勝候補の一人として、連日巷を、或いはネットを騒がせているのだろう】
【肌に感じるであろう期待の現われは、どこか心地よく、どこかきゅぅと貴方の胸を締めるかのよう】

【――――そうして漸く、その対戦相手がその身を表すのだろう】


【観客がざわついた、どこからともなく、鳥の羽ばたく音が響き渡ったから】
【不羈な白鳥がその翼を強く羽ばたかせるよう、迷い込んできたのかとひらひらと視界が揺れたなら】
【天空にいっとう、揺らめいたその光を、掴めるのだろう】


RaumKrankheit=\―――対剛田剛太郎用カスタム


【月光が揺らめいた、満月のその形すらも、歪むかのように】
【夜空を覆いつくすかのような、光――――その正体を、貴方ははっきりと見ることが出来るだろう】
【翼だ、巨大な、一対の翼、少女の可憐なその背中へと生えた翼=z

【ガラス細工の翼、その羽の一枚一枚が、ガラスで織られた翼=z
【透明色の巨大なそれは、月光を透かして、カレイドスコープの中の小鳥のように】
【羽ばたき風を、高く、高く舞わせるのだろう】

【――――やがて降り立つ、そうしたなら、枯れる花のように、羽が滴り落ちた】


Модель;Сверхзвуковая Быстрота
――――Model;Supersonic Speed


【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【透き通るような素肌に女性としてはやや小柄で華奢な体躯、それでいて膨らんだ大きな胸】
【ゴシック調の紅いミニシルクハットと同じくゴシック調の白いブラウス、首元には紅のリボンタイ】
【紅いチェックのミニスカートの上から黒いコルセットで細いウェストを締め上げ】
【編み上げブーツに黒いニーソックスの雪のように儚い印象の少女が地面へと着地するのだろう】

【翼は既にガラスの破片となって地面に落ちて、その足元を反芻するように煌かせて】
【お腹の前で交錯した細い両腕、それを開いたなら、その装備の全景が見えるだろう】

【左手に握るのはRaumKrankheit#゙女の扱うスナイパーライフル≠セ】
【普段のそれとは違い、全体的にスケールが小さくなっており、普通のスナイパーライフルより少し大きい程度】
【右手に握られているのはBAR≠ニ呼ばれる軽機関銃、その細長い銃身が、揺らめいた】

【両手を斜め下へと向けたなら、一対の銃口が地面へと頭を下ろして】
【彼女の小さな顔を上げたなら、その細い首筋と、プラチナブロンドの髪が靡いた】
【瞳が零れた、小さな首が揺れて、貴方へと流れるそのマリンブルーが、静かな色合いを滲ませる】

【――――戦いの幕が、やがて静かに上がるだろう】
687 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2013/02/27(水) 20:26:38.47 ID:ffpu9BHio
【男は、シードとなったことを普段全く崇拝しない神に感謝しながら、第一回戦を観戦していた】
【出来れば弱い相手と戦いたい……その願いは、全国から集結する猛者達の戦いにあっけなく崩れ去ったのだが】
【その中で、自分と当たる2人のそれ。1人は、あったことのある少女だった】

ベ、ベアコッ!? ……な、何であの野生児が……。

【彼女の強さにはたいそう驚いた。野生児らしいあの機動力、そして危険を顧みない行動力と、攻撃翌力】
【マルチレンジである男だが、近距離戦は苦手で。もし彼女が勝ちあがってきたら、自分は勝てるのだろうかと心配した】

【しかし、勝ち上がってきたのは知らないほうの少女だった】
【ナイフ捌き、撒き菱のトラップ……そして観客席にいても分かる―――「あの攻撃に当たってはいけない」という恐怖感】
【全てが未知。しかし、逃げるわけにも行かない】

【数十分後、男はそのフィールドに立とうとしていた】

【銀色の首に触れる髪は紫色の大きな三角帽子に隠され、首の横から少し見える程度】
【縁が金色で紫地のマントを羽織っているが、その下は現代風のジャケットとジーパンその下は動きやすそうなスニーカー】
【そして手に持った、先の丸まった所謂杖。だが宝玉などは埋め込まれておらず、ただのちょっと重量がある木の棒に等しい】
【そんな変な格好……もとい魔法使いセットを身に纏う男が、今入場する】


さぁて、―――――――行くぜッ!!!


【第2回水の国天下一武闘会、第2回戦】
【最早自分に掛けられてるのか他の参加者に掛けられているのか分からない声援を一身に受けて、男は今宵、初戦に挑む】


賞金1000万で、なんか美味いもんでも食ってやるぜぇっ!!!!


【欲望丸出しの叫びとともに】

/ライラです。レイニーエッジの方、今回はよろしくお願いいたしますっ
688 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2013/02/27(水) 20:43:44.17 ID:bcHVqJm00
>>687

金、金、金と。
ベアコといい君といい、ずいぶん金が好きらしいね。

【冷たいーーいや、意図的に冷ました声が、歓声を切り開いて貴方の耳に届く。】
【見れば、丁度貴方の対角、向かい側から入場する影一つ。】

……其れならば、裏の賭博場にでも行くといい。
で、レイニーエッジ・ピカレッジの優勝に全財産を賭けるといい。

【不遜、傲慢な態度は、挑発と自己暗示を兼ねる。】
【小柄な身体は、そうでもしないと、この見るも戦うも猛者揃いの会場では、酷く弱々しく映る。】

くくっ……予言しよう魔法使い。
君は私の『咎堕の宝玉』の刃に割かれ、斃れる。

【灰色の髪、空色の瞳。】
【血が跳ねた薄汚い黒コートに身を包み、大きくふさふさな尻尾を持つ、ベアコ並か、それより小柄な少女。】
【首には、赤いマフラー。】

【そしてその両手に、チャクラムという形で顕現される、研ぎ澄まされし悪意。】
【『宝玉』ーー態々口にしたその単語も、威圧の為。】

【紛れもなく一回戦突破者、レイニーエッジ・ピカレッジ。】

【役者は出揃いーー此れにて、待ちに待った開戦だ。】

/レイニーエッジです。本日は宜しくお願いします。
/そして飯です。すぐ戻ります
689 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/27(水) 20:50:52.57 ID:sW0yq5Jno
>>686

【次の対戦相手も、確か女の子との事だった……その話はすでに剛太郎も聞いていたが】
【やがて空より羽ばたく音を鳴らしながら、一対一の戦場に降り立ったガラスの羽の少女を彼は見る】
【背中にそびえる荘厳な翼と対照的に、絵本から飛び出してきたような華奢なお姫様の姿を】

【あるいは、その手のスナイパーライフルに真っ先に気が付かなければ、天使と見紛ったかもしれない】
【その手に握られた黒色の敵意の象徴を目にしたと同時に彼は我に返った―――否、精神を研ぎ澄まし始めていた】
【対剛田剛太郎用カスタム―――そんな物を用意してきたと言う意味、明確に自分を仕留める意志を彼女が見せた瞬間に】
【普段の温和な姿と違うその姿、その赤い瞳と並び一振りの血濡れの日本刀のような気迫を、彼は纏っていた】


【――まず最初に彼女にかける言葉、その口調だけはまだ日ごろの暖かくほわほわとした気質の彼の物だ】


――ソニア、だね?次の対戦相手の……話は聞いているよ
本当にスナイパーなんだね、どうやって戦えばいい物かな……今日はよろしく、いい試合にしよう

『ふむ、華奢な体格とは裏腹にずいぶんといかつい得物を振るう女子じゃのう、見るからに遠距離戦を得意とする戦士
さて、近距離を得意とするお前はどう戦うかの、剛の字』


【後ろの相棒に心配いらない、と一瞥しながら剛田 剛太郎は前へと出る】
【一歩、また一歩、もうじき開幕の声を審判が上げようとしているその最中、彼は既定の位置へと突いた】
【合図と共にゴングが鳴る直前、彼はソニア目がけて堂々と名乗りを上げる】


葉隠流 剛田 剛太郎!推して参るッ!!


【カァン!と甲高いゴングの音が鳴り響くと同時に、彼はソニア目がけて構えた】
【そう、構える――だがその構えは武道と言うよりも陸上競技の構え、前方へと駆け出す姿勢】
【いわゆるクラウチングスタートと言われる姿勢だ――つまり隠すつもりもない用だ、接近戦を持ちかけるつもりであることを】
690 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/02/27(水) 20:56:14.67 ID:7mdNOYneo
>>689

【一対の刃が頭を上げた、脇をしめて、肘で曲げるように両手を挙げる】
【右手と左手の二つの刃≠ェその鋭鋒をやや斜めに上空へと向けたなら】
【響き渡る鏗鏘の音がただ、濡れた髪を思うかのように震えた】

【首元にかかった銀の十字架のロザリオと、胸元へ落ちたその先が、彼女の華奢な体躯を示す】
【150cmに満たない小柄な体躯で扱うには、両手の得物は大きすぎるように】
【それでも、黒の銃身の陰に隠れるその顔色が、雪のように儚く彩られる】

【交錯する彼女のマリンブルーと、その中で燃える、ただひたすらに紅い貴方の瞳】
【美しいと思った、そして同時に、研ぎ澄まされたその雰囲気に、微かな圧迫感を感じた】
【鋭すぎる刃は、時として折れやすくて、そんな不安にも似た思いを、抱いて】


……ソニアも、いいな……優しくして、ね……
でもね、手加減、ゃなの、本気で……お願い――――

ごうたろう、好きに来て、いいよ、それでもきっと、負けないから
がんばったの、おととい、きのう、ついさっきまで……がんばって、作ったの、だからね

ソニアのRaumKrankheit≠ヘ、負けないよ


【左足が前へと伸びる、地面を噛んだなら、編み上げブーツがくしゃっと滲んだ】
【すらりと伸びた曲線はニーソックスに包まれて華奢な質感を強く響かせるのだろう】
【右足は後ろの辺りで曲げられて、軽く腰を落として、彼女の姿勢を安定させる】

【左腕は肘で曲げたままRaumKrankheit≠フ銃口は依然として、天を突いて】
【右腕を大きく横からスライド、自分の胸元で真っ直ぐ貴方へと銃口を向けて、一瞬静止するのだろう】
【締まった両腕で強く歪められるその膨らんだ胸元が、少しだけ窮屈そうにコルセットに喘いだ】


……お先、もらうね


【銃口が白い煙を上げる、まるで靄のよう、彼女の素肌と混ざって冷たい色を滲ませる】
【横顔の純白の色合いが深く、誰にも穢されないその玲瓏な彩りを、瀟洒な旋律を強く奏でた】
【銃声の音に掻き消される微かな振動を、誰かに辿って欲しかった】

【10.20を超える大量の銃弾――――否、普通の銃弾ではない、魔力によって作られた所謂魔弾≠セ】
【形こそ銃弾の形であるが、その色合いはとても鮮やかな萌黄色をしていて】
【風を裂くその旋律が、強く音色を響かせたなら】

【触れたなら分かるだろう、風の魔力で作られた魔弾=\―――彼女の右手のBAR≠ヘソレを使っているのだ】
【直撃してもダメージは無い、ただ着弾した箇所に強い風の衝撃がくるだけだ、弱いパンチのダメージ程度で】
【それを彼女はばら撒いた、貴方の眼前に広がる、緑色のカーペットのようで】

【狙いは単純だ、ダメージは小さいにせよ、その衝撃は、足止めを狙うには十分すぎて】
【少しでも躊躇ったなら、彼女の左手のRaumKrankheit≠ェ貴方の喉元を食いちぎるように狙ってくるのだろう】
【視界一杯に広がる魔弾=\―――単純な回避ではきっと、間に合わないだろう】
691 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2013/02/27(水) 21:08:14.70 ID:ffpu9BHio
>>688
【この声は―――顔を上げれば、やはりベアコと戦い、そして勝ち上がった尻尾の少女】
【尻尾……亜人か。そしてあの冷めた声は、自分への挑発行為と取って良いのか。頭の隅でそんな思案に暮れる】
【しかしながら、その挑発行為は何の役にも立っていない】

……は、生憎俺は金欠でな。金は有って困るもんじゃねぇ。
せっかく力が有るんだ、賭博場(そんなもん)に賭けるより、俺は自分で1000万を掴むぜ。

【彼女の言葉を一笑に伏したこの男は、この会場では致命的なほど単純だった】
【しかしその言葉にはなぜか、力がある。男の欲望に対する執着心からなのか】

【宝玉。そう彼女が笑い声を漏らし、その力にちょっとだけ圧倒される。男でさえ、宝玉という物にどんな力が秘められているのか知っていた】
【だが、男は怯まない。所々血が見えるそのコートにも、先ほどの対戦結果を思い出しても尚】

……何の宝玉だか知らねーが、だったらこっちも宣言してやる。
テメーは俺の魔法に負ける。ついでにその態度もちょっと叩き直してやるぜ。

【……やはり彼女のその態度は気に入っていなかったらしい。無理だろうそんな言葉も口にして】
【マントから、木製の杖を握った右腕を出した。手首に掛けられた、赤、青、木、緑、そして白の5つのブレスレットが鈍く光る】
【帽子だけは、戦闘の邪魔になるからとフィールド外へ放り捨てた】


さてと、そんなら行くか?

魔法使いにしてカノッサ機関ハンター、ライラ=フェルンストレーム! 勝負だ、レイニーエッジ・ピカレッジ!


【もともと男は、こういう時にどんな声を上げれば良いか分からない】
【なので、そんな捻りもクソもないような声を出しながら。男は杖を翻しながら彼女へと突進していく】
【明らかに体の横に構えた杖で彼女をぶっ叩く気だろう。その時、ブレスレットの白が、淡く光っているのが彼女に見えるだろうか】
【十分に近づくことが出来れば、そのまま脇腹を杖でぶん殴る。しかし、男の運動神経は並。回避など余裕のはずだ。当たれば痛いが】
692 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/27(水) 21:15:55.12 ID:D7WO5Kp60
>>682-683

【継続される斬撃が銃弾を捉え、ついでセリーナへと斬り込まんと虚空を閃いた。解き放たれる斬り下ろしの一閃。】
【そんななか柊が知覚した魔力反応は、威力特化型の、爆発的な “あの魔力” であり――――――】

(―――――――……これは、いいえ “これもまた” あの夜の……ッ?)

【 だが遅い、と。なぜチャージに時間のかかる竜王咆哮≠選んだのかは分からないが、問題はないと柊は判断して――――。】

……―――――――― なっ………!?

【今度こそ橡色が驚愕に染まる。超破壊力の竜王咆哮≠使い捨てる事で、強引に突破口を切り開く   の一手―――――!?】
【止める間もなく刃は砲塔に吸い込まれ、金属を断ち切る感触が柄越しに伝わり―――――――】


…………くっ、……―――――――――――!!

【魔力爆発。衝撃が全身を揺らし、衝き抜け、そして劫火が右腕に瞬時に燃え広がって――――――】
【その腕を柊は横ざまに、太刀を加速させて振り抜いた。その刃の生む風圧により右腕を消火、それ以上、胴まで燃やされる事だけは避ける。】

………成、程……あなたらしい、技、だった……心からそう想うわ。
だけどまだこれは終わりじゃない。

……“次” を――――――― この先を見たいのよ。剣と、銃と、私と、貴女―――――― またとないこの夜の行く先をっ……!

【追撃の余裕などある筈もなかった。肩で大きく息をしながら、遠く開いた距離の先、セリーナを見遣る柊。】
【その瞳は、依然として戦意を煌めかせる橡色をしていたが………戦況は大きく変わっていた。】

(………、っ――――――)

【“爆発” の強烈な余波に叩かれ、砲身より噴出した爆炎に焼かれ、柊の右腕は尋常ならざるダメージを受けた。】
【焦げたそれは力なく垂れ、太刀を保持していられるのが不思議なほどで ―――― “撃ち返す” 技ももはや狙えない。】
【そんな状況ではあるが、黒い前腕鎧だけが無傷だった。】

………っ、…くっ……、っ―――――

(………攻め返すにしろ護るにせよ、今は……息を整えないと。炎を吸い込みかけるなんて―――――)

【未だ緊迫した状況ではあるが、中・遠距離型のセリーナが攻め込む手は幾らでもあるだろう。天秤は大きく傾いている。】
【先程までとは対照的に、今度は柊が、護りに回らざるを得ない状況でもあり―――。】
693 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/27(水) 21:35:36.64 ID:sW0yq5Jno
>>690


もちろんだよ、手加減なんか間違ってもするもんか
そして絶対、俺が勝ってやるんだ――行くよ、葉隠流 『椿』


【呟いた言葉は己の構えの名称か、前方への突撃姿勢の構え、いきなり全身全霊の正面衝突を試みる気か】
【ソニアの出方を伺いながらこちらの意図を隠しもしない剛太郎、この行動自体避けろと言っている様な物なのに】
【自信があると言う事か、必ず逃がさない――当てて見せると言う意図の現れらしい】

【彼のその赤い瞳が捕える、こちらへと向いた銃口――だが彼が見るのはそこではなく引き金とそれにかかる指だ】
【指の筋肉の動きから引き金を引く意図、タイミングを伺うのが狙い――ある友を超える戦闘技能を身に付けるべく編み出した技だ】
【続いて何が飛び出してくるかを前もって予想、五感を研ぎ澄まして感じ取れるのは火薬の匂いが薄い事――無論実弾を放つ訳もないがゴム弾でも無さそうだ】
【剛太郎は切り替える、わが師にして相棒に教わった感嘆で大雑把な魔翌力の感知の技能、大雑把すぎてまだこの位置からは種類の区別が出来ないが】


(――わかる、何か飛び出してくる、通常の弾丸じゃない、これは――――?)


【そして、ソニアが引き金を引いた直前に彼は判断する――改めて、真正面からソニアにぶつかる事を】
【ダンッ!と音を立てて前に飛び出したのは引き金が引かれた直前、異様な低姿勢のまま勢いよく飛び出して行く】
【さながら突風の様な勢いと速度で前進していく――あろうことかソニアが放った弾幕に飛び込むように】

【命中したのは4発、低姿勢での突撃によりほとんどは剛太郎の頭上を通り過ぎて行った】
【それでもある程度は命中する――無論承知での行動だろう、接触したのは左肩、右腰、右鎖骨】
【そして最後に今まさにソニア目がけて突き出される彼の額、そこに正面からぶつかりながらも彼は足を止めない】


―――葉隠流 奥義!   『疾 風 迅 雷』 ッ!!


【戦闘の最初にていきなり放たれた彼の流派の奥義の一つ、速度を重点に置いた奥義】
【弾幕を突き抜けながら飛び出した彼は真っ直ぐとソニアの腹部に向けて真っ向からぶつかりに行く!】
【さながら特大の大砲を初手より放ったかのごとき大技―――まぎれもない本気!】
694 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/27(水) 21:41:30.86 ID:A23C62NMo
【街中】

【水の国の大会の熱気はこの街ももれなく巻き込んでいた】
【広告やらが街のあちこちに並び、新聞や雑誌にも特集を組まれる】
【街を歩けばオフィシャル、アンオフィシャルにかぎらず】
【いろんなグッズ(タオルとかわた飴とか)が大会にかこつけて売られたりしていた】

【黒いモッズスーツを着た背の高い男が酒場の前の張り紙を眺めていた】
【指に火の点いた紙巻の煙草を挟んでいる】
【サビだらけの縦長の吸殻入れがその横に鎮座していた】

【張り紙には大会のトーナメント表が書いてある】
【別に何処にも貼ってある取るに足らないものだが】
【男は喫煙中、特にやることもないのでそれを】
【その黒いサングラス越しに眺めていた】
695 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/27(水) 21:41:36.28 ID:bcHVqJm00
>>691

叩き直すだと? ふふ、笑わせてくれるな。
そのチャチな棒で……か?

【チャクラム二枚を、指先を使って回転させる。】
【此れは一回戦で見せた、ベアコを裂いた変態軌道のチャクラム投擲術の構え!】

それを……みすみす放っておく阿呆だとは思うな。
私は弱くないし、阿呆でもない。故に此処に立っている。

【ーー突っ込む、確かに悪くない選択肢である。】
【だが、それが素直に通る程呑気な亜人なら、レイニーはベアコに負けている。】
【貴方が観て知ったようにーーベアコは、相当な猛者だ! そして……それを打ち破ったのは、間違い無しに、此のレイニーなのだ。】

……ライラ・フェルストーム。
桜園の血盟の次兄……カノッサ狩の猟犬、レイニーエッジ・ピカレッジを、嘗めるな。

【元より冷えた声が、驚く程に冷える。そう、刃のように。】

【冷血めいた幼い顔に、冷たい殺意のランプが灯った。】
【そうーー試合と言えば聞こえは良いが、此れは半ば殺し合いだ。ベアコを幾度も切り裂き、血を浴びた表情は、まさに其れらしい。】

【ーー二枚のチャクラムを、立て続けに投擲。】
【軌道は、弧だ。弧を描いて左右から、ライラの横っ腹を深く切り裂きにかかる。】
【このまま接近を継続すれば、まず、当たる軌道! 初手の接近は許されなかったらしい。】

【ああ……尤も、貴方の遣り方次第では、別だが。】


【ーーチャクラムを投げたばかりの右手に、大振りのナイフを顕現。】
【戦闘において、悪意は無尽蔵に湧く物。弾切れならぬ、刃切れは起こらない。故に、危険。】
696 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/27(水) 21:43:57.32 ID:GsnUFiUro
>>692

【―――離脱、成功。】
【パージされた"ドラグーンキャノン"がフィールドの石へとめり込み、音を立てて砕けた】
【吹き上がる煙は激戦の行方をまさに、眩ませようとしているかのよう――】
【アーマーの胸部が大きく焼かれ、打ち砕かれたセリーナの喉元から呻き声が漏れる・・・ッ】

う、く――――ッ!はぁ、・・・っ、ん・・・ッ!
(――煙がスゴイ。炎が胸を焼く――嗚呼、苦しい―――ホントに。なんて。)
なんて・・・とんでもない試合、だろうね・・・ッ!

【弾丸が一発、二発、そして三発目まで装填されるのを確認すると――セリーナは膝立ちの状態から立ち上がり】
【――フラリ、と一瞬体勢を崩しながらも、視界の奥、負傷した状態の"柊"を捉える。】
【そして――この期に及び、ゆっくりと銃身を数回転させ――ガン・スピンを決めた】
【まるでそう――言葉は無くとも柊の"期待"に"応える"かのよう――!】
【ボロボロの二人、しかし尚向き合う両者に対し――戦意を失わない激しい決闘に、大きな歓声が沸いた。】
【回転させた銃をそのまま、今度は下へ向けて構え、鋭く発砲――魔弾はフィールド手前で停止】
【召還陣を形成――――そうして三度、そこに現れるはまた――"あの夜"の、"あの武装"】

番犬吠々――――<ケルベロス・マグナム>

【召還陣から聳える塔のように、それは浮かび上がってセリーナの手元へと収まる――持ち主を見つけ、興奮する"番犬"の姿は酷く――歪。】
【水平ニ連装の「ショットガン」――その上部にもう一本、銃身を付け足したかのような凶暴な外見】
【正面から覗く三つの大口径・バレル――そして銃口。まさにそれは三つ首の狂犬に等しい。】
【地獄の門を司るケルベロスをモチーフに作られた、三連魔導強装弾――マグナム・ピストル】
【ピストルと呼ぶには大きすぎるグリップ、銃身、そして中央のシリンダーはコレでもかと言う程に肥大化しているのに】
【その内部に装填可能な弾丸は"たったの"三発――ソレもそのはずだ、弾丸の直径は20mmを超える――】
【一撃一撃の重みに全てを置いた、重火力の拳銃――!】
【そしてその威力は、柊自身も確かめているはずだ――命中時に小規模といえ、"爆裂"する弾丸!】

――見たい、んだね。柊、ちゃん・・・っ・・・!
でも――安心してよ、それ―――貴女だけじゃない―――ッ!
【はぁ、はぁ、と――息が漏れる。肩からの出血、爆炎、そして消耗した体力がセリーナを痛めつける・・・!】
【しかしそれでも、言葉を紡ぎ――彼女はケルベロス・マグナムの銃身を、構えるッ!!】

――ここに、いる・・・ッ、、みん、なが・・・ッ!!全員が・・・ッ!!

"アタシ達"が―――望んでることなんだから・・・!!
【左手に構えたケルベロス・マグナムのハンマーが起こされる。】
【リボルバーが回転し、内部と連動して三つ並んだ銃身すらも、ダイナミックに転がる――!】
【バレルとシリンダーが連結し、発射準備が今、整った――!】
【番犬が吠えるか、それとも柊の刀身が――全てを切伏せるか】
【セリーナがトリガーを――――引いたッ!!】

【瞬間、放たれるは――"風"を纏いし炸裂弾ッ!!命中するか、刀で弾くかをすればそれは爆発を起こし――疾風による攻撃を行うッ!!】
697 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/27(水) 21:44:38.08 ID:7mdNOYneo
>>693

【銃弾を撃ちつくしたBAR≠ェその身を震わせた、息継ぎをする泳者が如く】
【夜風を凪ぐその姿すらも、ある種の幻想的な光景にも似た一瞬で】
【一入強く響いた旋律が奏でる音の限界すらも、知らなかった】

【右腕を開いた、外側へ横に一閃、振りぬくようにBAR≠フ銃口を外側へと向けたなら】
【振り下ろす刃のように、左手のRaumkrankheit≠ェ落ちてくる、左腕を、真っ直ぐと貴方へと向ける】
【地面へと根を張ったかのような足が、微かに浮いて、僅かなバランスで支える体重を脱いだ】

【瞳の色が零れたならRaumKrankheit≠フスコープに落とし込まれる彼女のマリンブルー】
【プラチナブロンドが絡みつく漆黒の銃身、その色合いすらも、ただひたすらに儚いままであろうか】
【真夏に降る雪が、その形すらも知りえないかのように、陽炎と呼ぶには、あまりにも冷たいままで】


……そういう言い方、好きだよ……ソニア
でもね、ごうたろう、ダメなの、ソニアの前で、ずっと、身体出すの
Убейте Меня Младенец(撃って下さい)言ってるの?


【白いブラウスから漏れる素肌、汚れ一つ無いその服が褪せて見えるほどにその色は透明で】
【純白と呼ぶには無垢すぎた、その柔肌が、細い指先が、銃口へと染み入ったなら】
【きっともう、誰にも止める事なんてできない、踏み出す一歩の歩みを、遮る事なんて、できない】

【貴方の五感なら寸前で察知できるだろう、彼女の放つ弾丸は、魔弾などという生ぬるいものではない】
【RaumKrankheit≠フ銃口が叫んだ、指先が歪んだなら、そのノイズが激しい轟音を書きたてた】
【直線、その動きは目の前へと突っ込んでくる貴方を、迎撃するかのように放たれる】

【7.62mmの弾丸は殺傷力は限りなく低く抑えられており、直撃しても瀕死には至らないだろう】
【彼女の狙いは貴方の腕、そうしてその銃弾を持って、貴方の動きを止めようとするのだろう】
【――――RaumKrankheit≠ゥら零れた空の薬莢が、彼女の足元から広がった大量のガラス片に零れていった】


……まだだよ、ごうたろう、これで倒そうなんて、思ってないの
ごうたろう、強いの、とっても……沢山見て、思ったよ……だからね
ソニアも、全力――――尽くすんだ


【彼女の身が揺れた、雪のように白い素肌が夜闇に溶けていった】
【観客からも声が漏れるだろう、重装備の彼女が、自分からしかけていくのだ】
【右手のBAR≠自分の足元に捨てたなら、大量のガラスの上に零れていって】

【空中へと置くようにRaumKrankheit≠捨てたなら、右手でその引き金を、引くように握り締めた】
【左手で銃身を握って、その長いボディを、彼女の身体へと密着させた】
【武道家へと接近戦を持って相対しようとする彼女、その瞳が、僅かに濡れた】
698 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/27(水) 21:54:07.08 ID:/h6f4Ejlo
【大会会場 観客席】

おぅおぅ、今日も盛り上がってやがるな!
見ているだけで10歳は若返りそうだぜ!ガハハハハ!

【今なお続く能力者同士の戦いを、生肉片手に眺める大きな人物がいた】

【2mを超えるであろう大柄な身体を僧衣のような紺色の民族衣装で身を包み】
【露出した肌に生やすは黄褐色と黒の縞を描く体毛】
【肩に立てかけるようにして螺旋の金属飾りのついた長い木杖を携えたその者は】

【虎の頭部をし、ふらりと尻尾を揺らす獣人であった】
【二足歩行の虎が服を着たような姿を言えばわかり易いであろうか】

やっぱりこいつは、老体にゃちょいと荷が重すぎる催しだったわなぁ

1000万ってえのは魅力的だったが、年寄りに冷水という言葉もある
身の丈にあった仕事で、地道に稼ぐのが一番っつうことかね…………むぐむぐ……

【虎人は、スライスされた牛肉を荷袋から出し】
【ブツブツと独り言を呟きながら】
【大口を開け、肉を口の中に放り込んで咀嚼し始めた】
【この亜人にとっては、肉がポップコーン代わりのようなものなのだろうか】

【一般人が大多数を占める観客席の中】
【筋骨隆々のワータイガーが肉を食べている姿は、多少だが浮いていたが】
【未だ熱狂する会場の中では、これも些細な一風景に過ぎないものであった】
699 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/27(水) 21:54:12.98 ID:x24uPGes0
>>681
まだいらっしゃったりしますかね……?
700 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/27(水) 21:55:29.71 ID:TxwUxiyIo
>>694

…… ―― 旦那さま 旦那さま

【とてとてと其方へ駆け寄る足音。ちりんとその足首の辺りで鈴の転がる音がした】
【13歳前後の少女だ。煤けた色の衣はボロ切れのようで、所々が破れて際どく肌が見えている】
【肩で揃えたボブカットの茶髪、まあるい橙色の目はゆれる炎影を映すようでもあった】

ひとつ おひとつ 如何ですか
おいしい おいしい オレンジです ひとつ600で 如何でしょう

【かく、と小首を傾げて差し出したバスケットには、瑞々しいオレンジが5こばかり詰められていて】
【祭りに乗じた物売りであるのはまず間違いないが――身なりからするに、貧しい民なのだろう】
【おふざけめいた笑顔であるのが、大人な雰囲気の男と並ぶには、少し似合わないだろうか】
701 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/27(水) 22:04:15.09 ID:QPOXTq3Zo
>>699
/実は居るかもしれないしいないかもしれないし……ただ、今からお風呂入ってくるので変レス遅れると思います
702 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2013/02/27(水) 22:07:49.05 ID:ffpu9BHio
>>695
【まずは―――――杖での打撃】
【遠距離攻撃が得意なこの男。近距離には滅法とはいかない物の、ラッシュをかけられたらかなり危ない】
【ので、先にすべきことは「近距離への対応と杖」を相手に見せ付けること……セコい手だが、仕方ない】

【のだが、今回の相手は一筋縄ではいかない様で】

アレはさっきの―――――っとぉ!!!

【冷めた声。相手は本当にこの武闘会のルールを分かっているのだろうか。――殺してはいけない。絶対のルール】
【ベアコ戦の時も、彼女は間違いなく、[ピーーー]気でやっていた……つまり、殺人の技術は段違いッ!!】

【弧を描くように両側から襲い来る2つの刃。見覚えがあった男はすぐに……脚に急ブレーキを掛ける】
【アレを見てみすみすバッサリやられるような馬鹿では此方もないらしく、右足を前に出しながら急停止。そのままの軌道を刃が描けば、そのまま素通りだろうか】

【―――そうだ、と男は思い出す。よくよく考えればこの戦法。相手も同じ遠近距離両方こなせるのならば意味がない】
【ならば作戦を変えるのみ。自分が一番自信を持つこの魔法。自分にしか使えないこの魔法で、相手を倒す!!】
【まだ相手の手に現れたナイフの射程範囲には入ってないはず……此方が先手を取る、と意気込む男は、杖を彼女のほうにかざしながら叫ぶ】


行くぜッ!!! 『   M  3    M  a  g  i  c   W  a  v  e  』  !  !  !


【杖から吐き出される魔翌力は、白く、薄く、そして円形となって全方位に放出される】
【丁度彼女の腰あたりの高さで放たれたそれは、当たれば衝撃を直に受け吹っ飛ばされることだろう】
【だがその速度は彼女が避けられないものではない。そして吹っ飛ばされるといっても、場外ほどではない】
【まずは先手を取るのが重要なのだ。この男にとっては】
703 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/27(水) 22:08:32.84 ID:x24uPGes0
>>701
了解です、こっちも今のうちに風呂入ってきますぜ
上がったらレス投下しておきます
704 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/27(水) 22:08:48.55 ID:x24uPGes0
>>701
了解です、こっちも今のうちに風呂入ってきますぜ
上がったらレス投下しておきます
705 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) :2013/02/27(水) 22:10:07.05 ID:lhlGzxz10
【会場近くの大会でにぎわう大通り】
【どこの町でも日ごろの暗いニュースを忘れて、この一大イベントに熱狂している】
【この大通りも例外ではなく人は次はどっちが勝つか、どっちが強いかなどと】
【子供のように目を輝かせながら騒いでいる】

騒々しいな…

【そんな中を男が一人仏頂面でで歩いている】
【男の身長は高く筋肉質、太い眉や強い目元に黒い瞳、癖のある黒髪をもっている】
【顔立ちは櫻の国の人に似てるが、高めの鼻やほりの深さから】
【両親の一方が櫻の国の人間でないことがうかがえるだろう】

【他に男の特徴をあげるならそれは着崩した学生服だ】
【どうやらこの男まだ学生らしい】

【男はおしゃべりに夢中な歩行者たちを避けながら歩を進める】
706 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/27(水) 22:14:02.02 ID:sW0yq5Jno
>>697


『この突撃……実弾だったら無謀としか思えんのう、奴の今の腕前ではな
青いのう、善の字が真似しかねんから控えてほしい物じゃが……』


【ふう、とため息を突きながら困ったようにトイプードルがぼやく】
【剛太郎の狙いは『疾風迅雷』、速度任せの正面衝突――それに対してソニアは冷静に照準を剛太郎に向ける】
【互いに未だ精神に乱れ一つ起こさない静と静の気のぶつかり合い】

【――最初に乱れたのは剛太郎の方だった】


―――まずいッ!!


【本命のスナイパーライフルが見えた瞬間に、直前で『疾風迅雷』をキャンセルする】
【急激に前方の地面を踏みぬいて強引にブレーキをかけた、だがやや遅い、『椿』は速度に振り切り過ぎて精密性に欠ける構え】
【判断ミスだ、もうこの一撃は避けられない、最善は今の様に受けながらも突撃を続けるべきだった】


―――ぐ……ああッ!やるね……!


【左腕に命中したと同時に呻き声が漏れる、同時に賞賛の声も】
【鋭い痛みが彼を襲う、だがまだ止まらない――すでにソニアは接近戦の構えに切り替えている】
【間合いは今やっと自分の得意とする距離まで縮まったのだ、今この時も攻撃を与えるチャンスが見えている】

【剛太郎は地味に遅れながらも両手を腰のあたりまで引きながらさらに接近、1mほどまで接近したところで】


まだまだ始まったばかりだ!葉隠流 『黒百合』!


【続いて放つ攻撃は左足での回し蹴り、一回転の捻りを加えて威力を生み、ソニアの左肩に狙いを定める】
【スナイパーライフルを持つその腕にダメージを少しでも与えれば有利に働くと踏んでの行動だろう】
【ひねりを生んだ回し蹴りが今まさにソニアを捉えようとしている―――!】
707 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/27(水) 22:19:58.58 ID:A23C62NMo
>>700

【男は煙草をくわえたところで、声をかけられたのでそのまま振り返る】
【そこには物売り、珍しいというほどのものでもない】
【街を歩けば声をかけられることもあるし、見たこともある】
【とは言え年端もいかぬ少女が薄衣1つというのは中々居ないのだろうか】

……じゃあ1つ

【男はジャケットのポケットを手で探る】
【よれた紙幣を一枚引っ掴んで取り出して】
【片方の手でバスケットからオレンジを取り、そこに紙幣を入れた】
【汚れてはいるが発行されている中で一番高額な紙幣だ】

小銭無いからさ、これで…あ、別にお釣りは要らない かさばるし

【気前がいい、優しさ、同情とかそういったものではなく】
【ポケットに適当にある内の適当なのを取り出してそれで支払うという】
【この男独特のスタンスでの行動である】
【それがまかり通るというのならこの男は少々金持ちなのかもしれない】
708 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/27(水) 22:25:31.23 ID:7mdNOYneo
>>706

【150cmに満たない小柄な体躯、細い両肩は抱きしめる事すらも困難そうで】
【その身より大きな銃を、彼女は両手でしっかりと握って――――】
【低く落ちていた腰がすっと上がったなら、スカートの丈が一筋伸びた】

【紅いチェックが修飾する、彼女の純白の太股、ニーソックスの隙間から漏れたその質感】
【肌と呼ぶには儚すぎて、追慕した記憶の中の残雪が如くその柔な色を滲ませて】
【編み上げブーツが踏みしめる地面、響いた音の重なりを、ただ感じたかった】

【胴衣を身につけ、機能性を重視した貴方の服装とは違い、ひらひらと動きづらそうな彼女の服】
【けれども彼女にとっては苦にならない――――彼女は、武道家ではなく、軍人であるのだから】
【例えどんな服装であろうと、どんな状況であろうと、相手を戦闘不能に追い込むのが、彼女の仕事なのだ】


……ねぇ、ごうたろう、ごうたろうは、考えてない、よね……
近づいたらいい、だなんて……そんな、単純なの――――
ソニアね、強くなりたい、の……何ものも、守れるぐらいに

……だから強くないと、ゃなの


【髪が揺れた、プラチナブロンドとそれを修飾する小さなシルクハットの音律が零れる】
【ゴシック調の服装が、彩る彼女の華奢な体躯は、真正面からぶつかるのを否定して】
【その一挙手一投足をただ強く飾り立てるだけなのだろう】

【かくん、と膝が落ちた、貴方の視界から、彼女の姿が消えるだろう】
【織り込まれる華奢な両脚、ぺたんと地面へと座り込んだなら、小柄な彼女の身体が一入小さくなって】
【左肩狙いの貴方の回し蹴りはきっと、彼女の髪を数枚、蹴り飛ばすだけに終わるだろう】

【貴方の蹴りを回避したなら、彼女の直ぐ上を、通過するであろう足を見届けようとする】
【かくんと姿勢を下げたと同時に、左手でぐいっと、下方向へと引っ張ったRaumKrankheit≠フ銃身】
【今密着しそうな距離で、その真価を発揮するのだろう】


いくよ、ごうたろう、死ぬほど痛いけど、死なないで


【銃口を上げた、左手でその頭を、まるでアゴをくいっと指先で引き寄せるみたいに上げた】
【蹴り抜いたであろう、貴方の腹部めがけて、その銃口を突き刺そうとなすだろう】
【鋭く細いその銃身は鋭鋒と呼ぶには十分すぎて、突きと呼んでも差し支えのないもの】

【もし貴方の腹部へと突き刺す事ができたなら、彼女は強く右手で引き金を引く】
【銃口から放たれるのは魔弾♀ム通するのではなく、零距離でぶつけようとする風の弾丸】
【直撃したなら、かなりの衝撃が、貴方の腹部を襲うだろう】

【――――だが、彼女は一つミスをした、貴方の武道家としての力量を、見誤っている】
【彼女がいくら接近戦もできる、とはいえ、それは戦場で、やむを得なく行うものであって】
【コンマ数秒の隙間かもしれない、けれども、彼女が突きを放つまでのラグは、確かに存在する】

【そしてソコを狙って攻撃する事も、貴方なら可能であろう】

709 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/27(水) 22:26:11.73 ID:kB9ijfWdo
>>698
まったくだな、まだ冬だってのにここは暑いくらいだ

【獣人の隣に、たった今腰掛けようとしている男が、その言葉に答える】
【男の落ち着いた声は、ともすれば熱狂する会場では異質でもあったかもしれない】

…金を稼ぐ目的もあるだろうが、きっとあいつらは他に勝ちたい理由があるんだろうよ
だから、あんな風に必死こいて戦えんだ、勝ちたいってのをスカして隠したりしねぇでな
別に金目的が悪いって訳じゃねぇがなーーー

【黒いビジネススーツ、黒い革靴、骨が散りばめられた模様のネクタイ】
【疲れた目をした、無精髭面、黒い髪を後ろに撫で付けた髪型】
【その右目には眼帯をーーー『紅い剣を咥えた黒い狼』の紋章が刻まれた黒い眼帯を掛けていて】
【剣の柄だけのような機械的な機具と、銃身の長い銃をベルトに吊り下げた男】
【歓声が湧き上がる会場において、気怠そうな声色で語る彼は、話しながらふと獣人の方を見てーーー】

ーーーって、虎かよ

【獣人の類だと認めるも、余り驚いた様子は見せずに、呟いた】
710 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/27(水) 22:28:06.34 ID:QPOXTq3Zo
>>704
/只今帰還いたしました、了解です
711 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/27(水) 22:30:56.98 ID:TxwUxiyIo
>>707

【その紙幣を見て少女はぱあと表情を綻ばせ、弾んだ声で感謝を告げて】
【よれていようと貴重なお金だ、嬉しそうに大事そうに、油汚れのある小さなポシェットにそれを仕舞って】
【そうしてようやく、男が見ていた大会のトーナメント表に視線が向いた】

旦那さまも 選手なのですか
戦うことは難しくて ニガテですが 戦える人を尊敬します
それとも お金持ちですから オーナーさんなのでしょうか

【気前のいい客だから、という様子の語り口調でもなく】
【無邪気な声はほんとうに素直に疑問を持っているようで、小さく頚を傾げた】

…… わたしのお仕事場は 大会のおかげで大忙し
一生懸命働いても まだまだ まだまだ 足りないのです
こんな機会 滅多にないから わたしがもっと働かないと

【ぽつりぽつり紡ぐのは、少女の“仕事”】
【――だが、これっぽっちの物売りがそれとは思い難い】
【時間は夜だ、仕事が終わったあとで、彼女は掛け持ちでこうして働いているのかも知れないが】
【機械めいた切れがちな言葉と合わせても、少しばかり妙だと言えた】
712 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/27(水) 22:36:10.94 ID:bcHVqJm00
>>702

……流石に、躱すか。

【チャクラムはそのまま、自然な軌道で飛びーーからん、と地に落ちて、消えた。】
【生み出せば後は只の武器、という事だろうーー宝玉としては温情な力。】

【そして、衝撃波。此れを見てレイニーもまた、一筋縄では行かないと、内心、舌打つ。】
【ベアコと違い、中距離以遠が本領と見た故だ。刃物という武器の都合上、遠距離は不味い。】

……つぅ ッ!

【ナイフで衝撃波を受け、数m後方に跳ね飛んだ。半分は、威力を逃がす為に『わざと』だ。】
【着地はほぼ完璧、受けたダメージは薄いらしい。】

……中々やるね。チャクラムで仕留めるは無理か。
……では、次だ。トライ、アンドエラー。

【ナイフには蜘蛛の巣のように罅が入り、砕け散る。】
【然し、此れは業物でも何でもない。再び同じ物を出す事も、容易なのだ。】

【だが、此処で選んだカードは違う物だ。】
【レイニーは刃物使いだ。刃物であれば問題無い。故に手札も尋常でなく多い。】

此れなら、どうだ?

【左手に顕現したのは、奇妙かつ希少な武器……蛇腹剣だ。】
【そして、レイニーは自らが使えない刃物を顕現する程、愚かではない。】

斬れるか、斬れないか。試してみよう……なに、殺しはしない。

【悪意を宝玉に食らわせ、無表情で、然し口元には歪んだ笑みが浮かびつつある。】
【悪意は、底抜けなのだ。】

【弾かれたかのように勢い良く地を蹴り、ライラへ接近。】
【そして、空いた左手には先程よりももう一回り程大振りなナイフを顕現する。】
713 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/27(水) 22:40:46.58 ID:/h6f4Ejlo
>>709

あぁん?虎で何か都合が悪ぃかい兄ちゃんよ?

別にガオー!だのにゃーん!だのしか喋れねえわけじゃねえしよ
俺は立派なニンゲン様だぜ?

【隣に座った男の放った言葉を聴いた獣人は】
【それが自身に向けられたものであると気づくと】
【いまいち表情の分かりづらい、虎の顔をそちらへと向け】
【多少冗談めかした語調を混ぜつつも応え】

そりゃあな……誰しも勝ちてえ理由はあるだろうさ
そうじゃなけりゃ、あそこまで必死こいて力は出せやしねえやな

俺だってよ、大会に出た理由は家族を養うためだぜ?
ウチの姫様にちょいとばかし、格好いいところを見せてえっつう欲もあったがよ
それでもまあ……若いモンの情熱にゃあ及ばなかったわなぁ。
情熱溢れる若者と試合えてよ、年甲斐もなく熱くなれたぜ全く!ガハハハハ!

【うむうむ、と一人納得したように頷く仕草を見せる】
【言葉からするにこの虎人も大会出場選手だったのであろうか】
714 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) :2013/02/27(水) 22:45:51.40 ID:lhlGzxz10
【大会会場近くの大通り】
【どこの町でも日ごろの暗いニュースを忘れて、この一大イベントに熱狂している】
【この大通りも例外ではなく人は次はどっちが勝つか、どっちが強いかなどと】
【子供のように目を輝かせながら騒いでいる】

 騒々しいな…

【そんな中を男が一人仏頂面でで歩いている】
【男の身長は高く筋肉質でがたいが良い】
【太い眉や強い目元をもった精悍な顔立ちは櫻の国の人に似てるが、】
【高めの鼻やほりの深さから他国人とのハーフであることがうかがえる】

【他に男の特徴をあげるならそれは着崩した学生服だ】
【どうやらこの男まだ学生らしい】

【男はおしゃべりに夢中な歩行者たちを避けながら歩を進める】
715 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/27(水) 22:47:54.06 ID:A23C62NMo
>>711

俺? いや、別に興味ないなあ こういうのは
賑やかだしさ………出資しても儲けは薄いし、広告ぐらいにしかならないと思うよ

【男は何の気もなしに答える】

【煙草をくわえて、ゆっくりとその煙を吐き出した】
【オレンジは片手の中で弄ばれている】
【サングラスの中の目はトーナメント表をちらりと見た】

へえ、そうなんだ…これが終わると暫くは皆んな財布の紐も硬くなりだろうから
儲け時は今だよ…ああ、決勝が一番山だろうけど そしたら今までどおりだ

【灰皿に、煙草の先の灰を 指先で軽く叩いて、落とす】
【男の声は柔らかな印象だが見た目と相まって何か機械的な冷たさも持っている】

【少女の仕事がどうだとか、境遇だとか問いかける気持ちはない】
【それは自分の仕事や境遇をあまり語りたくないのもある】
【そして、相手のを聞いたってどうすることもないし、不幸をつまみ食いするような気もして憚られた】
716 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/27(水) 22:50:43.05 ID:D7WO5Kp60
>>696

【呼吸を整えるなか見えたガン・スピン。応えるように、高らかに軽妙な音を立てて廻る、廻るセリーナの答え――――】

(………!―――――――)

【一瞬柊は目を丸くして、その後間を置かずして ――――――】

………っ、ふふっ。本当に、何処までも貴女らしいわ―――――
……貴女と、こんな形で戦えてよかった。

【子供のような純粋さで、満面の笑みをそこに零した。】
【刹那太刀を虚空に閃かせる。軽い動作で前後方向を逆転させ、投げ上げるようにして構えを完成――――】

【親指以外を並べた貫手のような構えで、鍔だけを挟み込んで太刀を支える。】
【見た目としては不安定で、指先にかかる負荷も並みではないが―――――】

【………これこそが今の柊の全身全霊。そして再びセリーナを見遣る。】


………征くわセリーナ。
征かせてもらう―――――――― 駆け抜けましょうこの夜の総てを、終わりの終わりを見るために。

何処までも、私は付き合えるから……!

【破顔。覇気。戦意が、新たな戦術を意識レベルで構築してゆく。】
【右手を鞘に。左手を抜刀の為のみに在る最速の機構に。】
【……意識のなかで変革する。求めるのは、神速の抜き撃ち(クイック・ドロウ)―――――】

―――――――――――――――――――― はぁあアッ!!

【実行――――――――――― 魔犬の顎門を迎撃するため、左手が右手の “握り” で力を増しつつ、右手から太刀を抜き放った。】
【そうでなければ撃ち負けただろう。だが迎撃した―――――――― “逸らし”、そして斬りさくために。
 迸る銀光が魔力弾の側面に激突し、射線を切断しながら二つに別ち、跳ねさせ、刃の表面角に添ってベクトルを変える。】

――――― く、ぅ…ぁっ…………!

【だが完全には防ぎきれない。撒き散らされる疾風が柊の肉体を表面から破壊し、夜気に鮮血を高く舞い上がらせる。】
【それでも柊は怯まなかった。疾風の余韻を貫く様に、さらに一歩をそこで踏み出すッ!】


―――――――――――――――― ッ、……―――――――――――――――――――――――ッ!

【そして超低空を滑るように疾走――――――― 前へ、前へ、前へ、前へ!】
【ランダムなタイミングで右に左に稲妻の如き跳躍を行い、照準をずらす事を図り続けて接近を狙う。】
【その過程でまた傷口が開き、少なからず血が撒き散らされるが―――――― 】

――――――――――― …………はァァッ!

【それすら彼女には問題でなかった。狙うのはただひたすらに前進、接近―――――――
 セリーナ・ザ・キッドとの、この戦いの結末だけを想い、“それ以外” の総てを置き去りにして。】
717 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/27(水) 22:56:43.09 ID:sW0yq5Jno
>>708

【体格差30cm以上ある少女、一瞬姿を消したと勘違いしそうになるが下方向へと回避された事を悟る】
【一瞬で避けられた蹴りがやや髪を撫でる感触がそれを剛太郎に伝えた】
【近付いてくる、彼女が至近距離まで―――完全に蹴りぬいたと同時にソニアがしかけて来る】


うん、俺だってそう思うよ――俺も強くないと嫌だ


【ソニアのその戦意を感じ取る、スナイパーと言っていたが見かけによらず勇猛な少女だ】
【自分から接近戦をしかけて来るとは結構予想外の行動だったのだ、だが挑んでくるのなら望むところだ】
【なんと剛太郎は自分から大きく前へと進む、ゼロ距離射撃を狙っている事を悟りながらあえてその行動に挑むのだ】
【左腕を引き絞り狙いを定める、ソニアの右腕、スナイパーライフルを取るその右腕めがけて】

【ガンッ!と腹への突きを受ける、そして引き金を引くわずかコンマ一秒前にその左手の開いた五指を真っ直ぐ伸ばし】


容赦なく行くぞ――――葉隠流 『桜花』 ッ!!


【貫手の形になったその手を、勢いよく右肩目がけて突きを叩き込むだろう!】
【――加えてわざわざ腹部ではなく右肩など胴体を避けて叩き込みたがったのかもし当たったならば理解する事になる】
【剛太郎は急所を避けたかったのだろう、その勢い良く放たれた貫手は、そのまま右肩に本当に突き刺さり皮膚を破り肉に達する事になるかもしれない】

【当たるか、ソニアがわずかに身をよじってでも回避するか、その結果を待つことなく同時に引き金を引かれ】
【ドォン!と爆発するような音を発しながら剛太郎は5mほど後ろへと吹っ飛んでいくだろう】
718 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/27(水) 22:59:20.80 ID:TxwUxiyIo
>>715

【相手の言葉をしっかり解するには難しい年頃だろうに、知ったようにふんふん頷く】
【儲け時はいま、その言葉にも力強く首肯すれば、真鍮色のアンクレットの鈴がもう一声鳴った】

みんなも 頑張って 働いているからね
わたしも 頑張って 働くの
ほんとは工場を出てはいけないし 夜に勝手に動いてもダメなんだけどね
みんな疲れて寝てるもの ちょっとくらい気付かないわ

【くすくす笑う声は年相応に幼いメロディであるのに、言葉は大人の女性めいて】
【零れた勤め先の名は意外ではあるだろうが相手の興味を引くまでもないだろう。そんな程度の違和感だ】
【機械的な印象の彼と、文字通り機械的な口調の彼女は、相反するようでその無機質さだけが共通している】

お金持ちの旦那さま お名前は何ていうの
あのね お名前を知っているとね また会えるんだって
むかし むかし 誰かに聞いたの わたしにココロをくれたひとに

【背の高い相手を上目で見上げながら、もう一度ちりんと鈴を鳴らして】
【別れにはまだ早い。急かす色もなく問うのだから、聞きたくて、という純な思いからだろう】
719 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/27(水) 22:59:45.18 ID:x24uPGes0
>>681

だからぁー、相手の武器がいきなり変形&再生なんかしなければ勝ってたんだってばッ!

「現に変形したんだから仕方ねェだろうがよォ、ケケケケケ」

分かってるわ、そんな事!
……でも、武器を壊して後一押しって思った瞬間に反撃されるとは予測してなかったのよッ

「試合開始直後に相手が発動してた能力の事を勘定に入れておくべきだったなァ?
お前の敗因は冷静さが足りない事だとよォ、いつも言ってるじゃねェかァ……」

良いじゃないのよ、負けは負けだけど接戦だったんだし。それに
―――新しい能力も収集できたことだしね!悪い事ばかりじゃ無いわ

「ケケケケケ……いくら接戦だろうがよォ、負けた事に変わりは無いンだぜェ?
残念ながら負け犬の遠吠えにしか聞こえねェなァ、アイリスゥ」

アンタはどっちの味方なのよ……


【先客と似たような会話をしながら現れたのは、少女と―――カンテラだった】
【そう、カンテラである。水面から一メートルほど上に、毒々しい虹色の炎を宿したカンテラがふよふよ浮いているのだ】
【しかも、その下にいる少女と会話している。通常、無機物は飛びもしなければ喋りもしないはずなのだが……】
【良く見れば、少女の方も少々奇妙だ。油の浮いた水面のような色の長髪と、それと同色の瞳】
【―――異彩を放つコンビであった】


あら?
……先客がいたわ、エニグマ

「そりゃ居るだろうがよォ。貸切じゃあるまいしなァ、ケケケケケ」


【身体を沈めて顔だけ出しながら、すーっと移動していた彼女はようやく先客に気が付く】
【二人の姿を視認すると、少女は驚いたような表情で口を開いた】


―――むむむ?
そっちのガタイが良いお兄さんは、見た事があるわね……
ああ、もしかして大会に出てなかった?そのアホ毛―――失礼、特徴的な髪型は見覚えがあるわ

/では、よろしくお願いしますー
720 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/27(水) 23:00:46.44 ID:kB9ijfWdo
>>713
あぁ、いや別に悪い意味で言ったんじゃねぇ
…最近、知り合いが虎に返り討ちにあってよ…虎の顔の見分けなんざつかねぇが、アンタじゃないならいいんだが

【獣人の冗談めかした言動に苦笑いを返して、顔を見て呟いた理由を静かに答える】
【獣人は知らないだろうが、彼自身は獣人に見覚えがあった、とはいえ虎の顔の違いは分からないので虎違いかもしれないが】

…羨ましい限りだぜ、いやーーーなんつーか、憧れちまうよ、そういうの
ーーー前に出た時は、思わず勝ちたがってた奴に勝ちを譲っちまったーーーって言うと、言い訳みてぇになっちまうな

【『誰しも勝ちたい理由がある』ーーー当然の事が、自分には足りないと思っている彼は、寂しそうに呟く】
【以前大会に出た時はそういえば、勝ちたい理由を持つ青年に、根負けしたのだったーーーと、思い返して】

アンタも出場者だったのか、悪ぃな、試合は録画して後でゆっくり見ようと思っててよ
…つーか、家族を養う為って案外のっぴきならねぇ理由だな、大丈夫なのか?

【出場者だと語る獣人の事を、大会の中継でも観ていれば少しは知っていたかもしれない、しかし録画派である彼は獣人がそうであったとは知らずにいて、軽く謝った】

年甲斐もねぇって一体何歳だよアンタ、虎と人間の歳の取り方って違うよな?

【苦笑いしながら、話し方からして大分歳のいってそうな獣人に顔を向けると、ポケットからタバコを取り出して「タバコいいか?」とも問い掛ける】
721 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2013/02/27(水) 23:04:47.53 ID:ffpu9BHio
>>712
【飛んできた刃が、もしも急激な方向転換で此方へと向かってきたら―――そんなことを一時考えた男だったが】
【さすがにそんなことはないらしい。そんなことをされたら、自分は杖や魔法の届かないところで永遠相手に踊らされることだろう】
【しかし今回そんなことがなければ、勝機は十分にある。殺気漂うこの少女でも、だ】

(ゲッ……全くダメージがねぇな、ありゃ……)

【内心で舌打つのも、この男にとっては無理もない。3つ分魔翌力を溜めたとなれば、怪我の1つ出来ればいいな、といったレベルではない】
【結構メインなのだ。数秒で出せる魔翌力2つ分の魔法に次ぐ使用回数の多さだが、その威力もバカには出来ない】
【それを彼女はほぼ無傷で乗り切った。身体能力は、明らかにあちらのほうが上】

変な剣出しやがって―――――ならこっちもッ!!

【ナイフに罅が入り、割れたかと思えばすぐに別の剣が現出する。そこで男は、彼女の手数の多さを直感する】
【此方も手数重視。しかし、接近されれば此方が入り込む隙は遠距離戦より格段に減る―――つまりこの状況、ピンチ】
【だが、こちらには魔法がある。――――男の手首のブレスレット。黄色が一回淡く光り、すぐにもう一回、少し強めに光った】


『  E  2     E  a  r  t  h     C  l  u  b  』  !  !  !


【杖の先端から黄色い魔翌力が流れ出し、杖の先端を覆い包む。それは徐々に伸びていき、最終的には2m近い杖が完成する】
【つまりは杖の長さを伸ばしたわけで、男はそんな杖を両手に―――右手を前に、左手を後ろに……丁度、槍で敵を突くかのように】

近づかせねーぜッ!! ―――おらぁっ!!!

【男が考えたのは、まず彼女を近づかせないこと。あの珍妙な剣然り、一回り大きくなったナイフ然り、近づかれればラッシュを掛けられる】
【ならばそれよりもリーチの長い武器で相手に打撃を与える。と、まぁそんな単純な理論から生み出された長杖】
【彼女が近づいてこれば、その杖を槍のように使って彼女の腹目掛けて一気に突きこむだろう。そうでもなければ彼女は止められそうにない】

【だが、まず男の身体能力は並。そして杖が長くなるまでのプロセスを、全て彼女に見せているためにやりたいことは筒抜けだろう】
【そしてこの杖―――木なので硬いには硬いが、剣ならば切れる程度のもの】
【そして男は、彼女が杖の突きを回避すれば、一瞬隙が生まれるだろう。その隙は、戦闘において致命的】
722 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/27(水) 23:07:07.88 ID:7mdNOYneo
>>717

【雪と呼ぶには白すぎて、白と呼ぶには淡すぎて】
【銃身越しに覗く彼女の柔肌、そしてソレを染めるマリンブルーの瞳】
【滴り落ちる露のような色合いが、深く瞬いて、やがて消えていくよう】

【一瞬のミスが命をとるその間合い、彼女の行動だって決して遅くは無い】
【むしろ見事と言っても良いだろう、長く重い得物を、ここまで扱えるのだから】
【ただただ単純に、貴方が彼女より早かった、だけなのだ】

【雪を染める貴方の指先、傷口は深く、彼女の服をも染めていくのだろう】
【溶けた後も残る、ただただ深い、その傷跡が――――】
【纐纈模様の鮮血をただひたすらに伝えていたよう】


っ……うっ……んぅ――――……!!
なるほど……強いね、ごうたろう、とっても……
……でもね、優しいの……ソニアのこと、考えてくれたの


【貴方が肩を狙ったから、彼女への傷が深くとも、決して致命傷ではなかった】
【肩を伝う鮮血、きっと、そこを覗いてみたなら、深淵の如き深い傷跡が覗くのだろう】
【けれども、それだけ、彼女の呼吸を揺らめかしながらも、殺しはしなかった】

【皮膚を突き破り、その中の肉を抉ったのなら、そこに埋没していた神経がむき出しとなる】
【そしてその切れ端を、まるで引きちぎったかのよう、ズタズタに染まった傷跡は、とても痛々しくて】
【苦悶の色が滲む、整った彼女の表情が、歪む音は、どこか初々しい音】

【純白の素肌へとその色が落ちたのなら、彼女の口が何度か呼吸を求めた】
【細い首筋、陶器と呼んでも差し支えの無いほど、貴方の両手なら、いぶり殺しても、足りないくらい】
【右肩をぎゅっと抑えたくなるのを、じっと我慢した】


――――起きて、ごうたろう……はやく、続きしなきゃ……
ソニアはね、戦いに、来たの、だから……最後まで、戦うの
休んでる暇なんて、無いんだよ……

Разбитый Стеклянный Синдром
――――Broken Glass Syndrome


【左手でRaumKrankheit≠握ったまま、彼女はミニシルクハットを、右手で取った】
【僅かに顔を歪めるのは、きっと、風に触れた傷跡が痛んだからなのだろう】
【シルクハットの中から、新しい銃弾を取り出したなら、再びそれを、被りなおした】

【次の銃弾をRaumKrankheit≠ノ装填して、かしゃんという音を響かせる】
【そして同時に、貴方の周囲を一枚の鏡が浮翌遊している事に気づけるだろうか】
【鏡に貴方の姿が映ったなら、貴方の周囲にいくつもの線≠ェ出現するだろう】

【貴方が動くたびに追従するように移動するそれ、貴方の少し前にあるようだ】
723 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/27(水) 23:15:47.58 ID:A23C62NMo
>>718

そうかい…働いたってお金ぐらいしか手にはいらないけどね
…まあ、いいさ夜だから、月以外は見ちゃいないさ

【長く吸っていたら煙草の味が舌を刺激する】
【紙巻でもそんなことが時たまある】
【先から漂う煙を見ながらおもむろに考えた】

…俺か、俺はヒライだよ  いや、コレは苗字か…名前はアキタケ
……どうも、この街は名前を聞く奴が多い  よくわかんないけど

【名乗るのはどうも苦手だ、男は頭を掻いて気分をごまかす】
724 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/27(水) 23:16:38.60 ID:/h6f4Ejlo
>>720

ふぅ〜む……兄ちゃんの知り合いかどうかは知らねえがよ
「虎殺しだー!」とか言ってよ、いきなりスープレックスかましてきた嬢ちゃんならいたな

もしそれが兄ちゃんの知り合いならあれだな、正当防衛だと思ってくれると有難いぜ

【最近戦った人物を頭の中で思い返し】
【心当たりにあるのはその人物くらいであったため】
【違うだろうなと思いつつも一応は口に出した】

別にそういうのもいいんじゃねえのか?
こういう催しじゃあよ、誰だって自分の事を第一に考えちまうもんだ
相手を認めて勝ちを譲るなんざ、簡単に出来ることじゃねえぜ

それに結果としては、自分を見つめ直す機会にもなったんだろうしよ
まあ、ただ勝ちゃあいいってもんじゃねえわな、こういうモンはよ

【持論を語りながら、袋から取り出した肉をまた口に放り込み】
【モグモグ咀嚼しながら】

ムグムグ……家族を養うっつっても今すぐ蓄えがなくなるわけじゃねえからなぁ
楽して儲けられるならいいが、無理なら無理で別の稼ぎを探すだけだぜ

――ん?……ふぅむ、俺は今年で56だがそうだなぁ
お前さんらで言うと70そこそこってえところじゃねえか?
最近は腰も痛めやすくなってなぁ

兄ちゃんも気をつけろよ?
若いうちから鍛えておかねぇとすぐ腰が曲がっちまうぜ?

【男からの質問に律儀に答え、タバコいいかという問いに対しては】
【「構わねえぜ」と短く返す。特別タバコの臭いに敏感というわけではないようだ】
725 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/27(水) 23:17:05.99 ID:QPOXTq3Zo
>>719

「あァー、強い奴らと戦えて満足だった……でも記憶の欠片欲しかったなァー」 『要りませんよ、あなたには』
「だからいい加減教えてくれよォー、俺がアウと会う前の記憶をよォー、……」
「過去に触れるたびにこォーなるのはのは嫌だから、嫌だからああああああッ!」 『……知らない方が良いこともあると何度言えばわかるんですか』

【ざばぁん、ざばぁん、湯船に顔を何度も打ち付ける男】 【――濡れる髪は、それでもなお天へと逆立っていた】

『……ん、どうやらこの場所に居るのは私達だけではないようですよ、ヘケメト』 「うわあああ……ん?」

【――複雑そうな表情でヘケメトを見つめていた彼女、ふと気がつくと、自分たち以外の声が聞こえる】
【辺りを見回せば、その眼に入ってくるのは――少女と、カンテラ】
【そのカンテラが、ただのそれではないことなど一目瞭然、そして彼女には見覚えがある存在でもあった】

『ああ、確か彼女達は……大会に出ていた方々ですよ、ヘケメト』 「へェー、そォーなんだァー」

【熊が入浴していてもうろたえることはない彼ら、最初に動いたのは男のほうだった】
【温泉の底を一蹴りすれば、その身体はお湯をかき分けて――そちらの方へと向かう】
【もしかすると、そちら側へお湯をぶちまける結果となるかもしれないが――彼は気にしない】

「ヘケケケ、――そうだぜェ、俺は大会に出ていたぜェ」 「この髪型は良いだろォー?」 「……天井に引っかかるけどなァ」
「あんた達も、大会に出ていたってアウが言ってたぜェー、……」
「――折角の機会だったんだ、あんた達とも戦いたかったが、蛇に首を噛まれてなァー、残念だぜェ」

【その眼は、純粋に戦いたいという気持ちの現れ――但し、この服装で戦うのは色々と危ない為、戦いになることは恐らくない……かも】
【まるで朝露の付いた"芝生"の様な、剣山の様なその硬い髪、そして"アホ毛"はよく見ると彼の感情に合わせて動いているような……?】
726 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/27(水) 23:22:06.15 ID:GsnUFiUro
>>716

(―――来る。)

【もはや見ずとも分かる程に――熱が、音が、そして呼吸の波動一つ一つが――セリーナへと伝導する】
【柊が、駆け出した――接近している――!!】
【この爆発的な銃撃と同時に、回避することなく、よもや、突撃してこようなど――ッ!!】
【もはや歓声など耳には入らない、今、ここにこの空間に存在しているのはただ二人だけになってしまったかのような一瞬の――静寂】
【そしてそれを突き破る破裂音――ゴウ、と風が唸った】

(――止まらないッ!!いや、止まるわけが、ないよねッ!!)
ああ――そうだよ柊ちゃん・・・ッ!!アタシはここだよ・・・ッ!!
そして貴女は――そこに、いるッ!!

【弾かれた炸裂弾が風を撒き散らし、柊の身体を傷つけた――しかし、止まらない。】
【突撃はなおも、限界を超える勢いで継続され、むしろその速度は一歩、一歩と足が地面を踏むたびに"加速"しているかのよう――】
【速い。捉えきれない――これが、これがこの少女の――剣士の―――】

(――――柊ちゃんの、本気・・・ッ!!)
く、ううう・・・ッ!!逃が、すかぁぁっぁッ!!

【滑る様に突風が吹き荒れた、今や風よりも風に近い、そして疾風よりも速度を増した柊の超高速の接近に、セリーナの銃撃は――】
【撃った、しかもそれは残り二発となった"弾"末魔による射撃――!ドウン、と銃口が唸り、紫の魔弾が直線を疾走するが――ッ!】
【照準が合わない、いや合わせられない――ッ!!弾丸は恐らく、柊を捕らえることなく後方へと飛んでいくだろう!!】

(――まただ、寄られるッ!!もう止められないッ!!弾丸は――クッ!!この状況で当てる、のは――ッ!!)
(――いいや、まだだ。)
(――全力を尽くす。もうそれに意味なんて考えてない――ただ、ただッ!)
(ぶつけたいッ!!アタシのッ・・・アタシの、全てをッ!!)

【接近する剣士――捉える事の出来ないガンマン――その距離はもう、1m前後という程にまで縮まり――】

【――ここで、ありえない事が起こる。】
【―――――まさかの、接近。セリーナが、前へ、出たッ!!】
【ぶつけるように――全てを放つようにッ!!】
【左に握るケルベロス・マグナムをまるで槍のように突き出し――発砲しようとするッ!!】
【しかし、その腕は僅かに"ずれた"――肩口を切られた出血によるダメージが、じわりと、彼女を苦しめていたのだ】
【接近してくる柊の身体を、セリーナから見て右側へ――銃身を握る手が、ずれる――弾丸は――遅れて、放たれたッ!!】
【柊の体から僅か右方向へと、"炸裂弾"は吹き飛んでいく―――――――――外れた。】



(――――なんて、ねっ・・・!!)

【瞬間。彼女は防御の全てを捨て。】
【振り下ろされるであろう刀をもはや避けようともせず。】

【――右に握った"弾"末魔の最後の一発――正真正銘ラスト・バレットを腰元で、撃ち抜いたッ!!】
【放たれた弾丸は超高速で加速、そしてその射撃はタイミングとして"ケルベロスマグナム発砲"の、刹那の後――】
【―――もしも、二つの弾丸の軌道を視線で追う事が出来たならば】
【それはまるで"カーチェイス"――しかしレースには必ず終わりがくる】
【―――魔弾が】
【―――爆裂弾に】
【―――素早く、喰らい突くッ!!】

【―――セリーナが利用したのは"弾速"の違い――ケルベロスマグナムは強力な火器だが、その弾丸の初速は意外にも、遅い。】
【炸裂弾はほぼ同時か、それより一瞬遅れてのタイミングで放たれた"魔弾"に速度で負け、なんと―――命中させられるッ!!】
【当たらない――避けられる。弾かれる。彼女には当たらない。ならば。】


無理矢理――――爆発させるまでさ。

【超越した技巧――接近する相手の脇を通り過ぎると思われた弾丸に、もう一つの弾丸をブチ当てるという、まさにガンマンの誇りをかけた"一撃"】
【至近距離での"爆破"――それによって生まれるは二度目の"炎"】
【ケルベロスと、"弾"末魔の二頭が―――最後の雄たけびを、上げるッ!!】
727 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/27(水) 23:27:20.35 ID:sW0yq5Jno
>>722

【接近からの手刀の突きと魔弾のクロスカウンター、右腕にみごと命中したが同時に腹部へのクリンヒット】
【吹っ飛ばされると同時、手ごたえはあった事を確認、5m先でむくりと起き上がりながらソニアを見る】
【日ごろの剛太郎を知っている者なら一瞬見間違いかと錯覚するほどに獰猛な笑み、左手で腹を押さえながら右の手首で口を拭いながら】


―――――…き、効いたァァァ〜〜〜……!!やって、くれるねえ
いよいよ面白くなってきたかな、それがジャンクちゃんから聞いていた移動の鏡だったっけ
ワンセットあるって聞いてたけどな、一枚の場合はどういう使い方をするのかな

じゃあこっちも手堅く挑むとするよ、―――葉隠流 『梅花』


【二発程度では未だ折れぬ剛太郎の戦意、クリンヒットし優勢に傾いたもののまだ彼から戦意は消えない】
【す、と両手を前に据えて両の五指で虚空を花弁で優しく包み込むような型を作り込む】
【その両手からは、ソニアの魔弾に比べれば微弱なほどに仄かにだが、魔力を感じさせる】

【間合い5m、彼はさっきまでの様にガンガンと真っ直ぐ突っ込んでくる先方から切り替えた】
【今度はむしろゆっくりと、だが視線は真っ直ぐとソニアを捉えながら歩むような速度で近付いてくる】
【今この時もソニアに狙いを定めながら、剛太郎は新たな構えを固めたまま接近を続ける】
728 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/27(水) 23:28:23.12 ID:TxwUxiyIo
>>723

お金と あとは うれしいもたのしいも 手に入るよ
それにお金があれば みんな幸せになれるもの

【金さえあれば、というのは年相応に安直な考えでもあるようで、年に似合わず夢がないとも言えた】
【くすくす笑う幼い声は通りの目を引きこそするだろうに、不思議とだれも少女には目を向けなかった】

ヒライ アキタケ 旦那さまの お名前ね
わたしは コウロ 櫻の国の ちっちゃな工場の コウロ
覚えていてね 忘れちゃやだよ

【此方は恥じる様子もなく、素直に教えられた名を繰り返してくるりと回る】
【服の汚れは錆や油や煤けたものが多く、工場住まいだとすれば納得もいく】
【りん、と鳴る真鍮色の鈴。やはり、誰も彼女を注視するものはいなかった】
729 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/27(水) 23:33:41.26 ID:7mdNOYneo
>>727

【彼女の出現させた鏡――――Broken Glass Syndrome≠ノよって出現した鏡にはいくつかの効果がある】
【その一つが鏡に映すことによって、本来見えないもの≠見える≠謔、にする能力】
【そして、その見えるようになった見えないものは触る事≠キらも可能になるのだ】

【――――RaumKrankheit≠持ち上げて、彼女の肩の高さへとそれを向ける】
【スコープへと視線を落としたなら、バランスがずれたのか、その頭が高く上がるだろう】
【揺れる視界、貴方だけでなくもっと上の方向まで見てしまって、慌てて元の高さへと戻した】

【そうしたなら一度RaumKrankheit≠フ銃口を地面へと向けるだろう、やはりその重さがネックなのだ】
【肩の傷口は深く、呼吸のたびに響く痛みは、彼女の体力を大幅に削り取っていく】
【華奢な体躯は、きっと、戦うという事を拒否しているほどなのだから】


知ってるの……お姉ちゃん、そうなんだ……だったらね、説明、いらないよね
気をつけてね、それ……ごうたろうの視覚=\―――なの
触れちゃったら、消えちゃう、からね


【夜風が肌に染み入るよう、立つことそれすらも、嫌になってくる】
【じくじくと傷口が傷んだなら、ふらりと足元すらも覚束なくなるぐらいに――――】
【でもきっと、それでもきっと、あきらめるなんてしたくなかった】

【彼女の紡ぐ言葉、その言葉が正しいと示すように、貴方が視線を動かすたびに線が動くだろう】
【なるほど、二本、右と左に延びているのは、それぞれ右の視界左の視界という事を示しているのだろうか】
【触れる事、恐らくそれを消してしまえば、一瞬視界が奪われるのだ】


……ねぇ、ごうたろう……ごうたろうは何のため、戦うの
何のために、大会――――出たの


【左手でもう一度RaumKankheit≠持ち上げて、震える右手でその引き金へと指をかける】
【左手はずっと、その機関部を支えたまま、そうしてとけた言葉が、ひらひらと舞った】
【この瞬間、彼女は攻撃をしない、一手貴方へと、差し出した】

【賞品が欲しいんじゃない、栄誉が欲しいわけでもない】
【ただただ証が欲しかった、自分の歩む道が、間違っていないってことの、証明が】
【それが例え消える前の一葉であっても、抱きしめるには十分すぎるから】

【貴方は強く、貴方は気高く――――そして貴方は正しかった】
【羨ましかった、その正しさが、どこまでも光差す明るい道を、歩いていけるその誠実さが】
【だからきっと、この戦いに勝てたなら、少しぐらいは、近づけるのだろうか】
730 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/27(水) 23:39:18.67 ID:x24uPGes0
>>725


……わーお


【湯船に頭を打ち付ける男を見て、若干引き攣った表情を浮かべる少女。カンテラは無言を貫いている】
【彼が水をぶちまけながら接近してくると、慌てて水しぶきを避けようと―――】


わっ、ぷぁッ!?
……こんにちは。アンタの戦いはテレビで観戦させてもらったわ、再放送の奴だけど。

「ケケケケケ、色々と刺々しかったのは覚えてるぜェ?
それに、中々イカス髪型じゃねェかァ」

む、無機物のアンタにも髪型の機微とか分かるものなのかしら……?まあ良いわ。
アナタはヘケメトさんで合ってるかしら?アタシはアイリスよ。

「俺はエニグマだァ、ケケケケケ」

確かにアタシも大会に出てたわ、覚えていてくれて光栄ね!
まあ、二回戦敗退だけどね―――アウ?
……ああ、そっちの女性ね。


【少女は温泉に浸かる女性のほうをちらりと見ると、視線を自分の胸元に移動させる】
【そして今度は女性の胸の辺りを見た彼女は、勝ち誇った笑みを―――】


「初対面の人になんて失礼な事をしてるんだよォ……?
そもそも、五十歩百歩という言葉があってだなァ……」

ぎゃんっ!?


【―――浮かべようとした瞬間、上空から急降下してきたカンテラもどきによって鉄槌を下された】
731 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/27(水) 23:42:09.85 ID:A23C62NMo
>>728

そうかい、それならよかった
でも、俺は別の幸せを探してるからさー…なんて

【そちらに向き直って、男ははにかんで笑う】
【無機質な男は大人びた少女と相反するような子供のような事を言った】
【ただ、これが本当の言葉なのか、場を和ませる一種の技なのかは知る由もなく…】

コウロ……コウロね オッケー、覚えたよ うん、覚えた
もし忘れても、また会ったら ちゃんと思い出すよ

【冗談交じりに笑いながら男は言った】

【コウロ…こうろ、香炉、航路、高炉といろいろな言葉が移り代わり流れていった】
【工場の高炉で引っかっかって、少し納得というか面白さも感じた】
732 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/27(水) 23:42:46.64 ID:bcHVqJm00
>>721

(一撃でナイフを砕く威力。よくないな。)
(直撃は不味い……が接近しなくては撃たせ放題だ。)

【故に、その『槍』を見て、意図を察してーーそれでなお、止まる気は無い。】
【実際には先程の魔法がそう連射出来る物では無いとしても、レイニーはそれを知らない。】

さて……斬られてくれよ?

【ベアコには及ばないが、十分なスピードで駆けつつ、蛇腹剣を振り被る。蛇めいた禍々しいシルエット!】
【そして、迎撃の為に突き出される貴方の刺突に対しては、大胆に振る舞う。】

か ハァッ ……!!!!

【そう、ナイフでそれを『受け止める』という選択だ。】
【ーー当然、パワー負けだ。文字通り大人と子供、男と女。ナイフは弾かれ、勢いが弱まった刺突を腹に受けて、レイニーはつんのめるように体勢を崩す。】

【そもそも受け方は『無理矢理』で、まるで他の何かが本題のようにーー】

【そう。】

【肉を斬らせてーー】

ッ……精々……死んでくれるなよッ!

【ーー骨を、断つッ!!!!】

【一撃貰ったら、より鋭い一撃で返せば良いーー肉斬骨断の心構えは、近距離まで持ち込めさえすれば実際効果的。】

【体勢を崩しながらーー寧ろ其れすら勢いに上乗せして、蛇腹剣を振り下ろす。】
【鞭めいてしなるそれは、通常の剣とは比較にならない『殺傷能力』を有する!】

【そしてーー蛇腹剣は振るわれた時にこそ真の姿を現す!】
【そう、『射程』だ。蛇が獲物を狩るように、蛇腹剣は振るう事で見た目より『伸びる』!】

【狙いは槍を突き出した右の腕だ。骨を断つ。大会の医療班は優秀だ、死にはしない。】
【……無論、防ぎも無理矢理ならば振るうのも無理矢理。対処は十分、いや十二分に可能だ。】

【どちらにせよ、レイニーは前につんのめり過ぎた為倒れる。】
733 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/27(水) 23:42:56.74 ID:kB9ijfWdo
>>724
ーーー……

【突如、溜息を一つついて頭を抱え出す】
【いくら虎とはいえ獣人相手に虎殺し≠謳って襲い掛かる奴なんてーーーいた】

…悪い、そいつ多分俺の知り合いだわ
…悪かった

【見ず知らずの獣人に迷惑をかける同僚に呆れつつ、申し訳なさそうに謝罪を呟く】
【正当防衛も何もない、大方同僚の方から襲い掛かったのだろうなんて予想は簡単につくから】

ーーーそういうもんかね、勝ちゃいいってもんじゃないのはわかってるけどよ
なんつーか…あの時はスカして負けを譲った癖に、今になっても俺は引き摺ってんだ
『勝ち負けに興味ねぇ』なんて顔してよ、本当は意地張るの恥ずかしがってる…

…こんな席で人生相談は野暮か、忘れてくれ

【ーーーいつの間にか、彼は自分の悩みを打ち明けていた】
【勝ちたいのに、格好付けて勝利から目を逸らしてしまうーーーなのに、いつまでも後悔を引き摺る】
【そんな女々しい自分が気に入らないで、それ自体をうじうじとする自分が嫌だ】
【負け犬″ェ性の染み付いてしまった自分に、今ステージで戦っている人間のようには戦えないと】

…楽して儲ける事程怖い物はねぇぜ、まぁなんだ…お疲れさん

ーーーって、爺さんじゃねーか、その歳になってまで家族養う為に頑張ってんのかよ!?
腰とかそういう問題じゃねぇよ!大会で大した怪我しなくて本当に良かったなアンタ、余り無茶すんなよ!

【大分歳はいっているだろうとは思っていたが、まさかの70歳、流石に驚きの表情と声を向ける】
【その歳になっても家族を養う事を考える獣人に尊敬の念を抱きつつ、吸おうとしたタバコをやっぱりやめた】
734 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/27(水) 23:50:12.36 ID:TxwUxiyIo
>>731

【――彼の思い当たった言葉に、きっと正解はあった】
【ただそれが余りにも現実離れしているせいで、濁点を落とすような違和感でもあり】
【交えられた言葉のひとつひとつから思い至りさえしなければ、】
【彼女という存在について知るのは、見た目だけでは不可能に近い】

ふふ 旦那さまもちゃんと見つけてね 別の幸せ
わたしも頑張って探すの 大好きな人達のために
じゃあね またね 会いましょう

【とたとたと走る音に合わせて、真鍮の鈴が鳴る】
【路地の方へとかけていく背は小さくすばしこく】
【たとえ追ったとして、入口から先にその姿は忽然として消えていた】

【ごぅん。旧い機械の作動するような重低音が響いて、それっきり】
【幼いメロディーは夜に乗って、寝静まった深夜にイタズラをする妖精めいて軽やかに響いて消えた】

/お疲れ様でしたー!
735 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/27(水) 23:54:44.00 ID:QPOXTq3Zo
>>730

【ああ、またやった……そんな雰囲気を醸し出しながら、女性も男の方へと――つまりは少女達の方へとゆっくり移動して】

「あの大会ってテレビにも映るのかァー」 『あなた達の試合はこちらも見ましたよ、――情報は大事ですので』

「そォーだ、俺はヘケメト!」 「"棘"と"気合"の能力で優勝をかっさらおうと思ったがよォー、俺も二回戦敗退しちまってなァ」
『ええ、私がアウです――テレビには全く映りませんでしたが、実はずっとヘケメトに色々なアドバイスをしていました』 「凄ェー助かったぜ」

『……ああ、私は元々"そのように作られて"いますので、全く気にしていませんよ』

【少女の視線に気がついたのだろう、しかし女性は淡々と無表情でそう言って――最初からそのような口調なのだが】
【駄目だ……彼女にはきょういの格差は効かないようだ……】

「ヘケケケ、俺の能力は"棘"だからなァ、だからこのイカした髪型はセットしなくてもこォーなる程硬ェ!」 「……にしてもよォー」

【ザバッ!】 【彼の両腕や上半身が勢い良く湯船より顔を出し、辺りに温水を散らしながら】
【カンテラを両脇からホールドしようと、開いた両掌で挟むべく動かす――笑顔で】

「――なァーんか知らねェーが、あんたも中々イカしてるぜェ〜ッ」 「うゥーん、ますます惜しいぜェ」

【――ホールドに成功するも失敗するも、その眼に映すのはカンテラの虹色の炎だ――それをじぃっと見ては離さない、変わらず笑顔で】
【それは"右眼"より発せられる赤く鋭い眼光に鮮やかな色を与え、青紫色の"左眼"にもしっかりと映っていて】
【はたして彼がそう思った理由は、"性格や口調"なのか"色"なのか、――それは本人自体も知らないのだ、故に周りにもよくわからない】
736 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/28(木) 00:04:47.60 ID:S9BIL4cUo
>>734

ああ、じゃあね また、会おう

【男は軽く、手を振って 少女を見送った】
【短くなった、煙草を灰皿にすてて、新しいタバコに火をつけた時】
【何か、機械の男が耳に響いて それがきっかけのように】

工場の高炉…

【それがまた、思い出された】
【何事も、無かったかのような平常 夜の夢のようでは合ったが】
【手にはガチャガチャした夜の夜景の中で凛とした色彩を放つ】
【暖かなオレンジが、ぽっと残されていた】

【ちょうど、酒場も目の前だしウオッカとともに頂くとしようか】
【スクリュードライバーってのもたまには悪くない】

【そう思って、酒場のドアをくぐっていった】

/返信が遅くてすみませんでした ありがとうございました! お疲れ様です
737 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/28(木) 00:05:34.13 ID:bZxa1y1Co
>>733

お!?本当に兄ちゃんの知り合いだったのかよ!!
いやはや、世界は狭ぇなぁおい!!

別に済んだ事だし構いやしねえけどよ、驚いたぜ
これも奇縁ってヤツかねえ……

【広い会場の中、偶然隣に座った人間が】
【以前戦った相手の知り合いだったという偶然に虎人は驚く】
【「こんなこともあるもんなんだなぁ」としみじみと語りながら、奥歯でおやつの肉を噛んで飲み込んだ】

ふぅむ……難問だなそりゃ
会ったばかりの爺がどうこう言ってすぐ立ち直れるようなら
そこまで引き摺りゃしねえだろうしな

俺から言えるのはそうだな――焦って変えていく必要はねえんじゃねえのか?
それに幸いなことにお前さんの"教師"になれる人間は、目の前で大勢大立ち回りしてやがる
戦う目的ってえ奴もよ、大会でも観戦しながらでもゆっくりと輪郭を掴んでいきゃあいいさ

兄ちゃんはまだ、何十年も未来が残ってんだ
無理して走っちゃあ転んで崖に落ちちまうぜってな

【口元を吊り上げながら、笑みのようなものを浮かべてそう語りかける】
【直接的な解決は出来ない】
【だから話を聞き、一般論のようなものを投げかけるのがこの老人出来る精一杯であった】

あぁん?まあ……ウチの姫さまはまだ働ける身体じゃねえしなあ
あと5年は身体に鞭打たねえといけねえわな

きっと兄ちゃんも、餓鬼の一人も作りゃ判るぜ?
"守るもの"ってえ奴のためなら、幾らでも頑張れるもんだ
幸い俺の身体はヒト族より随分と頑丈に出来てるからよ

【ニヤリと笑いながら、腕をまくり力瘤を作って見せる】
【虎の獣人であるその腕は、老いてなおボディビルダーのように立派な筋肉を保っていた】
738 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2013/02/28(木) 00:07:07.01 ID:39BuELppo
>>732

……何ッ!?

【男は、彼女が避けると思っていた。そう、見落としていた。蛇腹剣という圧倒的なメインウェポンを携えた彼女が】
【ナイフをどのように扱うのか=\―――ラッシュを繰り出すだけ? 違う、それは剣を振るための盾になりうる】

【拙い……そう思った時には既に、彼女の蛇腹剣は男の肩へと触れようとしていた】


―――――ッ!!? グっ、アアアァぁァァッ!!


【響く男の断末魔。下手な叫び声よりもリアルなそれは、実際に腕を切り裂かれたからだろう】
【実際より―――男の見積もりよりも長く伸びたそれは的確に男の肩を捉え―――……そのまま、縦一直線に腕を切られる】
【しかし、男の本能的な回避は蛇腹剣による骨の断裂を許さなかった。まさに間一髪、男の骨は斬撃から守られることとなる】

【とはいえ、腕の中央を縦に切られたそのダメージは大きい。血は吹き出して右腕やローブを染め、彼女の顔にも飛ぶかもしれない】
【痛み―――それは男がかつて経験したことのない、壮絶な刺激。男は直感する。この試合中は、もう右腕を使えないと】


ぐは……『  F  2     F  l  a  m  e     B  a  l  l  』  !  !  !


【左へとステップしたところで、思わず膝をついてしまう。コレでも、倒れる彼女よりはマシといったところか】

【膝をつき、想像を絶する痛みに耐えながら呪文を詠唱する男は、単に欲望に執着しているだけなのか】
【どうにせよ、男が左腕から放つ魔法は火球の魔法。1mほどの煌々と燃える火球は彼女に向かって一直線に飛んでいく】
【しかしその火球も避けられる速度。当たったとしても、軽〜中程度のやけどを負うだけだ】

【顔は依然厳しい。腕を斬られるだけで激痛を伴うほど、男は戦闘慣れしていない】
739 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/28(木) 00:07:58.30 ID:JqI8YoLp0
>>726

………いい夜ね。本当に、本当にいい夜だった………!

【セリーナ・ザ・キッドはそこにいる。八攫柊はここにいる。交錯するそれぞれの想いは、柊の言葉としてはほとんど紡がれない。】
【けれどセリーナの言葉はきっと届いている。証左は、なおも深まった戦意の微笑み。】
【ただこの戦いを、“今” を、夢のようなこの一瞬を――――――― 柊は全力で駆け抜けていた。】

【そんななか、魔力の弾丸が後方へと吹き抜けて行くのを感じた。】
【狙い通りに照準は躱され、疾走する濃藍は自らの鼓動を以て失血を続ける。】

(………体力的にも限界が近いか。ここで一気に勝負を賭ける――――――――全霊を以て “彼女” に斬り込むッ……!)

【無意識のその思考がさらに意識を研ぎ澄まし、疾走する柊は一瞬ごとに死力を振り絞った。】

(――――――――――――――……!?)

【だからこそセリーナの次の行動、ケルベロス・マグナムの銃口をこちらに向けての接近は強烈に意識に突き刺さる。】
【だがその銃口は柊を外れ、そのまま大口径弾は撃ち出されていて――――――】
【―――――――― 不発と判断しまさに斬り込まんとした刹那、炸裂する爆炎が白く視界を埋め尽くした。】

【衝撃。白熱する総身。】

――――――――――――― かは、ぁ……っ、ッ……!!


【漏れたのは苦悶の声。コートの端までを黒く焦がして、爆発の衝撃に全身を打ちのめされた様なそれ。】

【セリーナの魔技は完全に効を奏していた。激痛と熱に歪む視界。】
【覚悟と  この上ない賞賛を覚える。けれど、どれだけ小さな勝機しか残っていなくとも―――――――】
【――――――――――――― “未だ、勝負は終わっていない”。】

………っ―――――――――――――――― 、はァアアアッッ!!

【この戦いに懸けた全霊の想い。
 その赴くままに柊は、斜めに倒れ込みながら刀身を加速させ――――――― そのまま刹那的な “斬り下ろし” の回転に身を任せた。】

(………っ、ぁ―――――――――――)

 【ケルベロス・マグナムの最後の弾丸、地獄の業火の如く総てを焼き尽くす炎熱の世界。】
 【その力を至近距離で受け、さらに無理を押して全身を捻り、片手で斬撃を放った柊―――――】
【……もはや立ち続けることなど不可能だった。前のめりに身体が崩れ、斜めに視界がぐらりと傾く。】


(…………決着、は―――――――――?)

【なおも回転を続ける細身は、セリーナの姿を探すように、背後へと振り向く段になっていて―――――】
【そこで柊が視界に映すのは、どんな光景になるのだろうか。半ば無意識で放った斬撃は、その結果さえも分からない。】

【最後の斬撃をセリーナが凌げれば、それは彼女の勝利となるのだろう。柊は、そこで倒れる筈だ。】
740 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟・東北) [sage]:2013/02/28(木) 00:12:43.82 ID:Uj2+v6NAO
/
741 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/28(木) 00:15:07.62 ID:JqI8YoLp0
/見返してみて愕然。流石に分かりにくすぎました、すみません…orz

【この戦いに懸けた全霊の想い。
 その赴くままに柊は、斜めに倒れ込みながら刀身を加速させ――――――― そのまま刹那的な “斬り下ろし” の回転に身を任せた。】



【この戦いに懸けた全霊の想い。その赴くままに柊は、斜めに倒れ込みながら刀身を加速させ―――――――
そのまま刹那的な “斬り下ろし” の回転に身を任せた。正面に居る筈のセリーナ目掛け、斜めに太刀を振り下ろす。】
742 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/28(木) 00:27:28.37 ID:n9qlyk4N0
>>735

き、気合は能力に含まれるのかしら……?

「へェ、アドバイスゥ?羨ましいぜェ、相方が筋骨隆々な大男でよォ。
こちとら猪突猛進な貧弱少女だぜェ……」

買うわよ?喧嘩なら買うわよッ!?
アンタ、あの重いナイフ振るのがどんだけ大変か知らないでしょ!

「ハン……能力の発動は俺頼みの癖によォ、ケケケケケ」

ぐ、ぐぬぬ……

【相手の発言を受け、返事をする彼女たちだが―――いつの間にやらお互いに罵り合っていた】
【普段からこんな具合なのだろうか。傍から見れば愉快なコンビである】

【そして、相方の失言を女性が流してくれた事に人知れずホッとしていたエニグマだが―――】


へえ、棘の能力―――わぷッ!?

「ケケケケk―――オオウ!?」


【―――突如として立ち上がった男にがしりと掴まれ、狼狽したような声を上げた】
【とはいえ、すぐに平静を取り戻したようではある】
【ついでに、再び少女が頭からお湯を被った事については……いまさら言及する必要も無いだろう】


「ヘケメトの兄ちゃんよォ、気に入ってくれたのは何よりだァ―――しかしィ、あんまじっと見つめてると気分悪くなるぜェ?
まァ、その"目"が何なのかは分からんから何とも言えんがなァ、ケケケケケ」

ゲホゲホ……アウさんのほうも何だか秘密がありそうな"目"ね?
まあ、アタシも人のこと言えないけど。アナタたちのは何だかカッコイイわ!


【自分の目を指差しながら、そう言う少女。まあ、確かに彼女が人の目の色を指摘するのも変な話だ】
【なんせ彼女の瞳は、カンテラの宿す炎と同じような気味の悪い虹色なのだから。髪の色も正視に堪えない】

743 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/28(木) 00:27:47.12 ID:iB4R/9Xfo
>>737
…馬鹿だからなぁ、あいつ…馬鹿な上にしつけぇからなぁ…
奇遇なのはいいが、また襲い掛かるともわからねぇから、気を付けてくれよ

【大分呆れた様子で、溜息混じりに呟く男、この様子では彼も手を焼いているようである】
【まるで動物かなんかの事を語っているみたいだ、『気を付けろ』とは言うが、止めて置く程の抑止力はないらしい】

ーーーはっ、教師≠ヒ、確かにそうだ
あいつらは勝ちたい理由があって、それを上手く使う術を知っている…学ばせて、もとい影響させてもらうとするか

死に急ぐ理由もねぇ、時間はまだあるみてぇだしよ

【口元を吊り上げた獣人に笑みを返して、心のつっかえが取れたような、楽になった声色を出す】
【老人の語る一般論≠ヘ、それでもかけられた優しい語りは、確かに彼の胸を揺り動かす】

…大変なんだな、子持ちってのは
俺はまだガキ作るって歳でもねぇや、それにいい相手もいねぇしよ
ガキが出来るとしても、もう少し見成り整えねぇとな…

【家族の為に戦う獣人の姿を見ると、とても大きい存在に見えて、自分はまだまだ小さく思えた】
【昔はヤンチャして迷惑をかけた父親が、少しだけ凄い存在に思えたーーーハゲ頭以外】
【守る物≠ニいうのは、凄い物だーーー自分にはきっと、まだ早い】
744 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/28(木) 00:30:20.08 ID:1PwFn/hdo
>>729

【鋭い抜き身の刃、その気迫を纏ったまま響くのは声】
【優しく暖かさを感じさせる声を響かせる、その男の意志の込められた声】
【彼の戦う意思とは、なんなのか――ソニアに一歩ずつ近づきながら彼は告げた】


―――日本から来て二年、それまでずっと俺の心の友を探し続けて旅してたらここに来た
あいつらは生きていたんだ、だからもう7年も会ってない家族と合わせてやりたいんだけど、この世界を渡るには強さが必要だ
だから昨日より少しでも強くありたい、それが戦う一つ目の理由さ、ここにも……元はと言えば修行に来た


【かつてここに立った時は力及ばず敗れた自分、あの時の自分より強くあることを望む理由】
【それはこの世界で生きていた友人を元の世界に戻すまでその命を護る事を望むためだと言う】
【同時に彼が告げた言葉、もう一つの理由は彼が照れくさそうに言う】


だがそれ以上に、この世界を俺は好きになっちまってさ……でも昔はもっと多くの悪事働く組織がいっぱいいたって
でも俺の友達やそれを助けてくれた人たちが昔よりも世界を平和に近づけることが出来たってさ

けどまだ悪事を働く奴らは残っているし、あいつらは今はいない――だから俺がその意志を継いで代わりに戦いたいって思ったんだ!


【過去の戦いを切り抜け勝利を収めて来た者たちがいたから今の世はまだ絶望へと落ちていない、その中には自分の友もいた】
【だが今なお危機に見舞われるこの世界を今度は自分の手で守りたい、それが今の彼の望みだと言うのだ】
【彼がたどりついたこの世界を、そしてその世界を愛した親友たちの思いを護るために】

【再び、ソニアが己の拳の間合いに届く距離に戻る―――ここからならもう一度戦いを挑める】


ソニア、俺はお前を乗り越えてでもこの先に行かせてもらう、そのためなら出来る全てを出してやる
それが嫌なら、全力でかかって来い!受けて立ってやるッ!

行くぞッ!葉隠流 奥義……!


【間合いに入ったと同時、彼の両手の中の虚空に込められていくエネルギー、仄かな魔翌力や気力のエネルギーなど見えない何か】
【それが確かにその手の中に溜められていくことを感覚で感じ取ることが出来るかもしれない】
【両の手でその一点を守式の構えで護りつづけ、次の技へとつなげるその構えから、急激に剛太郎は動く】

【次の手の方は拳、先ほどの桜の打撃とは違い打撃技】
【それを己の手の瞬発力に任せて一度に拳に込めて同時に胴体の胸、腹、鎖骨など7か所目がけて瞬時に放とうとする!】
【力の溜めから7の打撃に繋げるその奥義の名は】


―――――『梅 花 七 星』 ッ!!


【梅花七星―――七星天道と梅花の合わせ技として彼が二年かけ編み出した新たな技である!】
745 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/28(木) 00:32:01.43 ID:3+7ipcwV0
>>738
/すいません、ちょっと電話来たんで、レス遅れてます。
/もう暫くお待ち頂ければ幸いです。
746 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2013/02/28(木) 00:35:43.85 ID:39BuELppo
>>745
/はい、了解しましたー
747 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/28(木) 00:39:00.56 ID:6CHspi+ko
>>739
――聞こえてるよ・・・柊ちゃんの・・・声・・・ッつぅ・・・!!
頭の中に――とくん、とくん、って――心臓の、音、まで・・・ッ!
(鼓動が聞こえる――まるで永久――ほんの一瞬の出来事が――まるで――)

【――永遠のように感じられる夜だった。】
【弾と刃は幾度と無く合い見え、互いの属する武具の領域を遥かに超え――】
【交わり、爆ぜ、そして――果てる】
【二つの魂のぶつかり合いが今、ここに一つの幕を下ろそうとしていた――。】

(―――あた、、った・・・ッ!!)

【全身全霊の一撃――いや、ニ撃。】
【二つの弾丸が織り成す覇想の交響曲は、今グランドフィナーレを迎える――爆風。】
【炎が弾け飛び、至近距離にいたセリーナにすらも――被弾。】
【裂けた胸の装甲から火が入り込み、炎が内部を侵食していく――熱によるダメージがまたも、セリーナを蝕むッ!!】
【しかし同時に、柊の肉体にも爆破が届いた――セリーナが炎に揺れる視界の隅で、終わったのだと思った瞬間】

【――悲しみが襲ってきた。】
【――終わってしまう、この激戦が。】
【――夜が明けてしまう、とうとう。】

【――そんなの、いやだ。】

【――まだだ。まだだ。まだだッ!!】

(まだ――終わりじゃない。)

【刹那、襲い来る斬撃は柊の全てが込められた至高の一閃―――矢張り、終わりではないッ!!】
【幾度のダメージにより動きも鈍り、自身としては最高の攻撃を放ったばかりのセリーナにそれが】
【避けられるハズも、ない―――――瞬間、鮮血。】
【ティターン・アーマーの装甲が切り裂かれ、縦に上から下へと――血が走った。】
【真っ二つに割れた装甲が弾け飛び、セリーナは斬撃の衝撃で斜めへと吹き飛ぶ――あわやリングアウトかと思われる程のところ】
【強烈なダメージにティターン・アーマーは魔力回路を切り裂かれ、動力の補給が切断――同時に、セリーナの体から"吹き飛んだ"】
【鎧が自動で弾け飛び、中からブロンドを真っ赤な色に染めた一人のガンスリンガーが現れた。】
【地面に倒れ付し、意識など残っていないのではないかと思われた―――――その時。】

――――。
――――――ガキリ。
【弾丸の残っていない筈の"弾"末魔のハンマーが、起こされる――"指"が、まず動いた。】
【次いで"血"が吐き出される――ごふ、という嫌な音と共に口内を満たしていた液体が、地面に散った。】
【更には"腕"が―――左腕が動き、地面に突き立てられ、そして―――】
【右手が連動した、"弾"末魔の銃身を支えに――――女は】

【セリーナ・ザ・"キッド"は――――立った。】
【――どの人間にも見えるだろう。胸元に受けた鋭い傷は、致命傷と言って良い程の最高の一撃だった。】
【だが――立った。意識などないに等しい中――彼女を振り立たせたのは紛れもない。】
【――――この夜を、勝者のいないまま終わらせる事など、全ての人間に対する――侮辱だという意思。】
【自分に対する――そしてなにより】

【立たなければ。それは――この夜を共に彩った柊へ、顔向けが出来ないのだという―――強い思い。】
【全身を震わせ、それでも尚、握った"弾"末魔を離さず―――彼女は笑顔で】

――あり、が――

                 と―――――・・・。

【柊に向け、言い放った――。】
【聞こえるだろうか。静寂は終わり。そこには観客の―――惜しみない拍手と、声援だけが残った。】
【二人を賞賛する全ての声が、柊にも――聞こえるだろうか――。】

(え、へへ・・・ぼろ、ぼろ・・・だ・・・。)
【立ち上がった彼女の足元に転がるのはアーマーの破片、そしてなにより――切り裂かれた、"ケルベロスマグナム"】
【長く肥大化した三つの銃身が最後の最後、壁として働き――セリーナの肉体が完全に切り裂かれるのを、防いだのだった。】
【まさに紙一重――銃と刀による熱闘に、ようやく――幕が下ろされた。】
748 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/28(木) 00:39:07.79 ID:y472dICho
>>744

【夜に零れた吐息は玉響に散って、そこには最早形すら残らない】
【彼女こそ、その結晶なのだ、存在している事が奇跡と言っても構わないほどに】
【細氷と呼ぶには淡すぎるその横顔が、くっきりと夜に浮かび上がった】

【言葉を交わすこと、或いは正しさを貫くのはやっぱり、強さなのだ】
【正しさは強さと同義で、それだけは神様にだって覆せないのだから】
【間違ってるなんて思いたくない、間違ってるって認めたくない、それならば、戦うしかないのだから】

【引き金へとかかる右の指先に熱がこもる、その熱であわや溶けてしまうと思うぐらいに】
【冷たい冷たい彼女と、彼女の身体、冬が作り出した、幻影のように――――】
【何かを知るには無垢で、純真で、ただひたすらに真っ白で】


うん……ソニアもね、好きだよ……この世界――――大好き
セリーナ、ユウト、お姉ちゃん……レグルス、ベイゼ……皆がいる、世界が……
だから、ソニアも戦うよ……ごうたろう――――


【銃弾が風を裂く音、弾けるその旋律は滅茶苦茶に書きなぐられたオペラの一節のよう】
【轟音とも言ってよい、むしろそう形容すべき音律が高く鳴り響いたなら、風をただひたすらに砕いていく】
【抉る切り裂くそしてめり込む、回転を続ける無限の弾丸が一筋その軌跡を響かせた】

【夜に一閃、まるでキャンパスに弾いたかのような綺麗な直線が、彼女の手元から零れたなら】
【その名残は未だ消えることなく、速度をあげ、貴方へと向かっていくだろう】
【正確には、能力によって可視化≠ウれた貴方の二つの視界を撃ち抜かんとする】

【彼女の辿る何をも殺さぬ銃弾――――砂糖菓子と呼ぶには血に塗れすぎていた】
【重なる射線、そしてその軌道上には、何をも存在を許さない、その力を込めて】
【打ち抜かれた銃弾は、きっと貴方を超えて、観客席の方へと飛んでいくのだろう】


……!!負けない……ょ……全力、だもん……ソニアのね、全力……
決めたの、諦めない、捨てない、逃げないって……
それが、戦う事、だから――――……


【視界を撃ち抜き、貴方から視力を奪ったとしても、貴方ほどの腕前であれば、攻撃を決める事は容易であろう】
【彼女にとってプラスに働いたのはRaumKrankheit≠放った事、貴方に当たらずとも、その衝撃は彼女の身を揺らす】
【一歩、とまではいかない、半歩後方に下がったならば、貴方の攻撃を僅かながら減少できるのだろう】

【――――けれども、ダメージは深かった、七箇所の内四発までが直撃し、彼女の軽い身体が飛ばされる】
【手から離れるRaumKrankheit£n面へ落ちたならば、手の届かない所まで飛んでいくのだろう】
【依然として貴方を映しつづける、その後方の鏡が、彼女の姿を映した】

【地面へと座り込む、彼女――――致命傷とまではいかないが、ダメージはかなり深いよう】
【空っぽになった両手で、腹部を押さえて、げほっごほっとその細い喉を引き裂くように震わせる】
【立とうとしても、震える両足に力が入らない、くしゃっとその表情が綻んだ】

【瞼が沈む、睫が揺らめく、その頬へと、色を零して】
【喘ぐように漏れる声、その声に僅かな血液の色が混じったなら、零れ落ちる鮮血】
【口元から零れた血が、滴り落ちて、その地面を濡らした】
749 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/28(木) 00:51:10.60 ID:bZxa1y1Co
>>743

なんつーか、兄ちゃんも苦労してんだなぁ……色々とよ

まあ――見ての通り鼻と耳は利く方なんでな
近くにいたらよ、せいぜいスタコラサッサと逃げさせてもらうさ
あそこまで元気だと爺ちゃんの身体が持たねえしなぁ

【戦闘時の事を思い出したのか、むむぅと小さく唸りながらそう言葉を漏らす】
【戦うこと自体は然程嫌いではないが】
【出会い頭の投げ技は虎人としてもかなり衝撃的な出来事ではあった】
【苦労してるんだろうなぁ、と心の中で男に合掌する】

せいぜい悩め若者よ、それもまた未来の糧となるってな
俺も若い頃は葛藤の連続だったぜ
今から考えりゃ下らねえ青臭い事でもよ、悩んで悩んで夜も眠れなくなったもんだ

何にせよ、意味を以て観るのとただ漠然と観るのとじゃあ違うもんさ
何か一つでも気づけることがあれば儲けもんだわな

【杖を脇に挟むようにして腕を組み】
【視線を試合の方へと向けながら、そう言葉を告げた】

なぁに、嫁さんの一人や二人気付いた時にゃ出来ているもんよ!
俺が最初の餓鬼を作った時なんざ、まだ12の鼻垂れ坊主の頃だったしなぁ

"家族"ってのは出来てみりゃ苦労ばかりにも思えるがよ
実際持ってみりゃあそうそう悪いもんじゃねえぜ
将来的には兄ちゃんもいい嫁さん貰ってよ、月並みだが温けぇ家庭ってのを築く未来も考えてみるのもいいかもしれねえなぁ

【自分の家族を、過去を思い返しながら】
【虎人はしみじみとそう語ってみせ】

……おっと、そういやまだ名前聞いてなかったな名前!
会う人間にゃあ大体聞くようにしてるんだわ!

俺の名前はグー・ゲルギル!見ての通りの虎の爺さんだ
よけりゃあ兄ちゃんの名前も教えちゃくれねえかい?

【ふと、思い出したように自己紹介をし】
【男に向けて名を聞いた】
750 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/02/28(木) 00:52:53.27 ID:WFv2eQEXo
>>742

「あァー、気合はちゃアんとした能力だ……だから見せてやるぜ、俺の気合の能力をよォ〜ッ!」

【気合は能力か否か、――それはこれを見れば一瞬でわかるだろう】
【彼が右足を湯船より出せば、一際大きく叫ぶ】
【すると――その右足から"気"の様な衝撃波が発生し炸裂、お湯を辺りに散らす――無論、3人(?)にそれが跳ねてくる】

「ヘケケケ、重いって100kgとかあんのかそのナイフ」 『……そんなナイフ誰が振るうんですか、あなたくらいでしょう』

【そちらがそちらなら、こちらもこちら――長年ずっと一緒にいた存在同士、互いの事はよく解っている】
【傍から見れば冗談を言っている様にしか聞こえない男の発言、しかしよく見ると素で言っていて――】

「――安心しなァ、少し奇妙なくれェで吐いてたら"元の世界"じゃあ生きていけねェからな」
「それに気合は"精神攻撃対策"にもなるからなァー、……ヘケケケ」

【がっしり、一度ホールドすればその彼のパワーがよく伝わってくる】 【有り余るそのパワーが】
【――目、その事について聞かれれば、カンテラを手放すのだが】

「秘密かァー、俺って目を凄ェー大事にしてるんだよなァ、だって怖いからなァ、テレビじゃああんまり分からなかったかもしれねェけどよ」

【――二度ほど、全く恐怖の色を見せなかった彼が見せたそれ】
【第一回戦で顔に迫る柄が危うく左眼を潰しそうになった時、第二回戦で額に迫る蛇が眼を潰さないかと肝を冷やした時】
【どちらも、カメラからは解りづらいのだが――】


「カッコイイ、かァ――良いぜ、見せてやるよ俺達の眼の秘密の"一部"をなァー……うおおおアアアッ!」
『……自分で抉る分には大丈夫なんですよね、彼』

【男は右手の指を――なんと、右眼の中へと突っ込んだッ!】 【――どうやら、空洞に見えるところは実際の空洞ッ!】
【お湯が入っていないのは眼の機能なのだろう、そして取り出されるのは彼の魔翌力がぎっしり詰まった、ビー玉の様なそれ】
【――そして、眼を失った彼の右眼の穴からは膨大な量の魔翌力が溢れ出していて】 【同時に、彼の全身から感じる魔翌力も急激に増加した】
751 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/28(木) 01:10:35.94 ID:JqI8YoLp0
>>747

【―――――― 金属音。斬撃の音。倒れ臥す躰の、感触―――――】

(…………―――――――。)

【爆炎が晴れて歓声が訪れた。それを耳にした柊は、先ずセリーナの姿を視界に探す。】
【どうなったのか。どう在れたのか。未だ、彼女には分からなかった。】
【けれど一人リングに立ち続け、歓声を一身に受けるセリーナを観て。】

(そっか、私、は…―――――――)

【―――――― 敗れたのだ、完全に。】
【彼女の……セリーナの、覚悟と妙技と刹那的判断と ――――― 何より、輝けるこの夜に燃やす情熱に。】

【そう理解して、視界が歪む。その理由は分からなかったが、それは彼女自身の誇りに起因する様でもあった。】

(………、っ―――――――)

【持てる総てを投じ続けた。多少の判断ミスこそあれど、大局的なそれではなかったと回想する。】
【それでもこの結末があるというのは、単に彼女が、セリーナ・ザ・キッドがそれだけ強かったという事。】
【……言い訳でなく心の底から、賛辞のようにそう想った。相応しい勝者に祝福を、と―――――――】
 
【そして程無く柊は、吹っ切るように微笑を浮かべて。】

……優勝してもわうわよ、セリーナ?

私はそれなりに自信があったし、勝たなきゃならない理由(わけ)もあった――――
其れに勝ったのだから胸を張って。

  【―――――― “貴女に敗北は許さない”。】

【そんな言葉を紡ぐ柊の表情は、どこか晴れやかなそれでもあった。】
【それは、彼女なりの祝福なのだろう。口下手ではあるがどこか直線的で、その勝者には敬意を表する/表したいと感じるような。】

【そしてセリーナに観衆の歓声を浴びせる様に、踵を返してその場を立ち去る。】
【自分の足で、力強く。痛む躰ではあれど、それ以上に輝かしい想いを抱える事の証明のように。】

【前大会覇者、八攫 柊――――― 彼女にとっての “大会” は、ここでひとつの終わりを迎える。】
【その場に残された勝者に遺す言葉は、歓声のなかを穏やかに閃いて。】
【きっと、何時までも余韻のように残るのだろう―――――。】

/この辺りでしょうかっ…!
/二日間、遅くまでありがとうございました!お疲れ様でしたー!
752 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟・東北) [sage]:2013/02/28(木) 01:12:05.56 ID:Uj2+v6NAO
/
753 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/28(木) 01:12:12.64 ID:3+7ipcwV0
>>738

(炎……!!)
(いや、これなら、まだマシだな……殺傷能力は低い筈だ。)

【此処で初手のように『衝撃波』が来たら、防げずダウンしていたかも知れぬ。】
【炎ならば、瞬間火力はマシだろう……そう考えた。】

【それが、失敗である。レイニーエッジは勝負を急いだ。】

うっ……!!? うあああああああっ!!!!

【確かに、マシではある。マシでは有るが、ダメージは無視できない。単純な痛みでなく、炎上なのだから。】
【ーー素早く右に転げて、火を揉み消した。】

【火傷こそあれ、戦いに其れ程大きな支障は無い。】
【然しーーレイニーはまだ、立ち上がれていない。つまり、隙である。】

【両手には小振りなナイフが顕現しているがーー精神面の乱れからか? 形は、歪だ。】
【然し、その表情。未だ、悪意の灯火は消えず。まだ、何か、有る。】

/お待たせ致しました。申し訳ないです
754 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/02/28(木) 01:12:54.02 ID:JqI8YoLp0
/さ、最後にミス…orz

【そして程無く柊は、吹っ切るように微笑を浮かべて。】

【そして程無く柊は、吹っ切るように微笑を浮かべて立ち上がり。】

…でした。改めてお疲れ様でしたー!
755 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/28(木) 01:15:56.97 ID:1PwFn/hdo
>>748

【手ごたえがあったのは最初の四発、確かに入った―――!】
【だが同時に己の視界が両方ともブラックアウトする、打ち抜かれて視界が消えてしまったのか】
【流石に急激に目が見えなくなったことにやや怯えを見せる】


(――――視界を奪われたか!マズイ、こうなったら逆に渾身の技で吹っ飛ばしてしまった事が仇になった
確かに真っ直ぐ吹っ飛ばしたはずだ、だからまだ後数歩までなら前に進める!最後に一撃だけ放てる!
だが歩数を勇み過ぎればリングアウト、よしんば歩数が正解しても外したら―――俺が感じ取れる距離よりも遠くから鴨撃ちを食らってKO負けだ)


【同時、背後で悲鳴が上がる―――観客席へと飛来する攻撃に最近来始めた観客が怯えを見せているらしい】
【その観客席の最前列にいた人物が後ろに括った黒髪を靡かせす、と立ち上がる、そして手元の端末をいじると】
【スタジアムに設置された防御フィールド発生システムが起動し、『障壁』と書かれたインターネットウィンドウ型のバリアが発生して観客を守った】
【このスタジアムは観客の安全を常に確保出来るようあらかじめこういうシステムが設置されているらしい、それを今操作されたのだろう】


【そしてその事を剛太郎は知っていたのか、悲鳴が上がっても全く精神が揺れる事はない】
【まだかすかに感じるソニアの微弱な戦意、目に頼らず確かに動けるのは未熟な身ではあとワンアクションのみ】
【ダンッ!と大きな音を立てて踏み込みかすかに感じるその一点に拳を握って駆け出して】


最後の一撃だッ!!葉隠流『石榴』 ッ!!


【本来手首の動きで捻りを加えて前方の敵をドリルの様に貫く技を、拳の型で放つ――要するにコークスクリューブロー】
【ほんの少しでも早く動けばもう剛太郎はソニアを探し当てることは出来ない、ここでいかにかわすか、防御するか、迎撃するかで勝負は分かれる】
【この最後の一撃が当たるか、それとも防がれるかでこの戦いの決着は左右されるだろう!】
756 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/02/28(木) 01:20:32.13 ID:iB4R/9Xfo
>>749
苦労は絶えねぇよ…って言ったら愚痴になっちまうか
一応、言ってはおくからよ

【何度目かの溜息ーーーこの会話中でも結構な幸せが逃げている事だろう】
【きっと苦労はしているが、それを自分で言ってはいけないと思っている】

そうだな、悩んで悩んで、人はその大きさを増すってな
…悩み過ぎてハゲるのは勘弁だが

【獣人と同じく、試合に目を向けながら、同意の念を頷く】
【ーーーが、直後に小さく呟いた、多分気にしている】

嫁が一人や二人出来たら不味いだろ、いやアンタの方じゃ普通なのか?
…まあ、独身貴族ってつもりでもねぇし、そのうちそれは考えるさ、そのうちな
俺はまだ家族を作るにゃ若過ぎる、まだまだやり足りない事もあるからな

ーーー俺はラッシュ・ワンスドッグだ、よろしくな、グーさんよ
アンタの話、いい勉強になったぜ、迷惑かけたウチの奴にもキツく言っておくから…

【とても嬉しそうに、名前を名乗り返したラッシュは、言った】
【見た目や種族は違えど、彼は確かに人生の先輩ーーー尊敬してしまうような考えやオーラ、年季がある】
【以前に迷惑をかけた知り合いにも、同じ事を繰り返さないようにさせねばなるまいとーーー】

【ーーー突然、ラッシュの携帯が鳴って、それを取り出すと耳にあてる】

ーーーはい…ああ、うん…いや、今よーーーあぁわかったよ…はいはい

【何やら嫌そうな顔で、短い通話を終えると、溜息をつきながら残念そうに携帯をしまい、立ち上がる】

…悪いなグーさん、一緒に観戦と行きたかったが…仕事が入っちまった
この試合は録画で見るとするか…しっかりと、な…

ーーーそれじゃ、悪いが俺はいかせてもらうぜ
観戦、楽しんでくれよ

【少し寂しそうに、グーに向けてそう言うと、彼にしては珍しく別れを惜しむ風にして、歩いていく】
【その姿は、すぐに観客の中へと消えて行った…】

/お疲れ様でした
757 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/28(木) 01:24:09.23 ID:n9qlyk4N0
>>750


【"見せてやる"と宣言した男が、文字通り"気合を込めた"】
【―――そして、弾ける衝撃波。同時にお湯が撒き散らされる】


へえ、自信があるのね。
是非見せて―――あ、いや、ちょっと待って……そんなことしたらまたお湯が……ぴゃっ!?


【……またもやお湯を被った少女については、描写を省略させていただく】
【一方カンテラは、ちゃっかりと上空に退避していた。その後に男が口にした"元の世界"という言葉の意味について考えている様子】


ぺっぺっ……まあ、目は大事よね、確かに。
アンタの場合は、少し意味合いが違いそうだけど

「ケケケケケ、秘密なァ。さらに面白いでも見せてくれるのかァ?
さっきの水しぶきはファインプレーだったぜェ」

アンタのその口の悪さは何とかできないの、エニグマ……?
やっぱりアタシに喧嘩を―――って、な、何をッ!?


【ヘケメトが自らの目に指を突っ込んだことに驚愕する彼女だが、アウのどこか冷静なコメントで動揺から脱した】
【そして感じるのは、膨大な魔翌力の迸り。突如として溢れ出したそれに、彼女たちは双方とも驚きを隠せない】


おおおおぉ、これは驚きね……
(武道会で使わなかったのには理由がありそうね。やっぱり、負担が大きいのかしら?)

「つまり"栓をしてた"って訳だァ。こいつはビックリ仰天だぜェ!」



/ごめんなさい、そろそろ眠気が……ッ
/明日続きをお願いします、申し訳ない
758 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/28(木) 01:26:18.68 ID:6CHspi+ko
>>751

(――終わった、アタシは――勝っ―――)

【遠のいていく柊の影。】
【自身の足で、ボロボロの状態でも歩き続けるその姿に――セリーナは笑む。】
【なんと強く――気高い背中だろうか。】

――うん。優勝、め、ざすよ・・・ッ!
アタ、シも――かたなきゃ――いけない――――りゆ、う――が――。

【ガクン、と膝が折れた。】
【地面に倒れる事だけは凌ぐものの、ダメージは深く、大きい。】
【去り行く彼女の背中に、声をかけつつ――セリーナは救護班によって保護された。】
【そうして、激闘に幕が閉じられると同時に、また大きな大きな拍手が起こるだろう。】

【――前大会の覇者と、新組織の設立者。】
【二人の実力者は限界を尽くし、戦った――焔の一夜がようやく終焉を迎えたとき】
【セリーナは思う】

(――絶対に、負けられないね。)
(柊ちゃんと、約束しちゃったもん・・・ふふ。それに―――)

(――取り戻す。必ず。記憶を。そして――"あの子"を。)

【強く、息を吐き出す――戦いは、大会はまだ、終わっていないのだから。】


【第二回戦 八攫 柊vsセリーナ・ザ・"キッド"】

【――――勝者、セリーナ・ザ・"キッド"】

/度々の遅レス、描写不足、大変申し訳ございませんでした。
こんなに熱く、楽しい戦いが出来たのは柊さんのおかげです。ありがとうございました!
759 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/28(木) 01:28:37.45 ID:y472dICho
>>755

【ジャンクちゃんからBroken Glass Syndrome≠フ能力について聞いていたなら、きっと分かるはずだ】
【Broken Glass Syndrome≠フ所持している、もう一つの能力の事を】
【――――そして、貴方の思考は正しい、何故それが一枚≠オかでていないのか】

【ただ単純に貴方の視界≠可視化するだけ、貴方の後方のそれは】
【貴方の後方の鏡は依然として消えず、ただひたすらに沈黙を保ったまま】
【月光がキラキラと反芻する、その色が深く響き渡るように――――】

【彼女には最早手は無く、ただひたすらに痛めつけられた体躯だけが揺らめいた】
【地面へとぺたりと座り込んだまま、貴方へとしん、とマリンブルーの双眸を注いで】
【それでも尚、その奥の闘志は依然として残っている、よう】


――――……おいでBroken Glass Syndrome


【彼女の手元に出現する、鏡、けれどもきっと、ソレを楯にすることなんてできない】
【貴方の攻撃はそれほどまでに高い貫通力を持っているのだ、鏡一枚の薄い壁など、相手にもならない】
【では何故、彼女は鏡≠この期に及んで出現させたのだろうか】

【鏡と鏡を行き来させる能力、それならば、必ず入り口となる鏡と出口となる鏡が必要となる】
【けれども彼女の鏡は今二つ≠オかない、一つは貴方の後方に、もう一つは彼女の手元に】
【なるほど、鏡を行き来し、回避すること――――彼女が立ち上がり、動く事ができたならそれも可能であったろう】

【けれども彼女にはもう、立ち上がり、動く力など残されていない】
【座り込んだまま、空っぽの両手を、ただひたすらに、震えさせるだけなのだから】
【――――沈み込む、彼女の左手、鏡の中へと、溶けていった】


……言ったよ、ソニア……Сверхзвуковая Быстрота≠ヘごうたろう用の武器って……
RaumKrankheit≠セけじゃないの、二つあって始めて、ごうたろう、倒せるように、なるの


【引き抜く彼女の左手、鏡の中から出現したのは最初に右手で握っていたBAR≠ニ呼ばれる軽機関銃】
【確かに彼女はそれを捨てていた、地面へと転がしたそれが、鏡を通って彼女の手元へとやってきたのだ】
【――――しかし、彼女が出現させた鏡は、二つだけである、では一体――――】

【貴方ならきっと気づくだろう、彼女が最初作っていた翼≠フことを】
【翼が地面へと落ちて、作り上げた、大量の残骸、そしてその上に転がったBAR=z
【彼女にとっては、それで十分すぎたのだ、剛田 剛太郎は刃を二つ以ってして、漸く対等に戦える相手なのだから】

【タイミングはギリギリ、左手に握ったBAR≠ナ魔弾をばら撒くのであろう】
【殺傷力は無い、ただひたすらに風の魔翌力≠保った弾丸であるのだから】
【この至近距離だ、貴方の攻撃をカウンターする形で放たれるその弾丸――――】

【直撃したならば、リングアウトの可能性も非常に高いだろう】
【彼女の――――文字通り最後の一撃、貴方へと届くのだろうか】
760 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2013/02/28(木) 01:30:43.65 ID:39BuELppo
>>753
【まともな考え方なんて、あの腕を切られたときにとっくに消失していた】
【今はただ、彼女を倒すことだけ、戦闘不能にすることだけを考える。考えなければ、負ける】

【未だ右腕の感覚を失わせ続ける激痛を伴いつつ、膝立ちから彼女より先に立ち上がった男の顔は、酷く歪んでいた】
【痛い、痛い痛い痛い……だけど、攻撃を止めることは、出来ない】


……行くぜ……ッ、レイニーエッジィッ!!!


【動かない右腕の代わりに杖を――先ほどの伸びた部分は消失している――持つ左手に力を込め、接近を試みる】
【右腕が使い物にならない影響は大きく、バランスが取れない分速度は落ちる。失血も大きいのでダッシュ、とは行かないだろう】

……ッうらぁぁぁぁぁぁあぁぁっ!!!

【それでも男は彼女に近づくことが出来たなら、最初のように杖を横に構え、思い切り右から左へと振る。再び、彼女の体をぶん殴ろうとするのだ】
【近づく間に彼女が立ち上がれなければ、それは的確に腹を捉えるだろう。威力もそこそこあるが、それらは全て仮定の話】

【彼女が立ち上がることが出来れば、幾らでも対策は取れるだろう。回避だって、反撃だって】
【……しかし、なぜ男がこれほどの危険を冒してまで、杖での打撃攻撃に走ろうとするのか】


【男のブレスレット、緑が二段階に分けて淡く光る】
761 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/28(木) 01:32:39.74 ID:bZxa1y1Co
>>756

ま、悩んでハゲるってえならいいんじゃねえのか?
何もせずに禿げちまうの大変だがな!

俺なんざもう、夏場に毛が抜ける度恐ろしくて仕方ねえやな!ガハハハハ!

【この虎人も虎人で、ハゲることに関しては意外と気にしている模様であった】
【ネコ科なので、夏場はごっそりと毛が抜けるのだ】
【それが原因で、服や部屋が毛だらけになるのも獣人特有の悩みである】

いやいや、物の例えだ物の例え!
うちの部族のメスは怖いからよぉ
浮気なんざしようもんなら喉笛ガリッと喰い千切られちまうぜ!

【身体を震わせて、怯えるような仕草を作って見せながらそう語る】

"守るべき者"ってのは……"家族"ってのはちょいと重いからなぁ
身が軽い内にやりてえことを済ませるのは正しい判断だと思うぜ
兄ちゃんがどんな素性で、どんな事を抱えてるかはよくは知らねえがよ
俺でよけりゃあ、また愚痴の一つや二つ聞いてやるぜ?

【ニィ、と再び雄臭い笑みを浮かべて】

おう、じゃあまたな"ラッシュ"の兄ちゃん!
仕事じゃあ仕方ねえやな!ラッシュの兄ちゃんの分も見ておくからよ、頑張って来てくれや!

【去っていく彼の姿に手と尻尾を振って見送っていた】

/遅くまでお疲れ様でしたー!
762 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/28(木) 01:40:50.72 ID:3+7ipcwV0
>>760

(く、来る……! この局面で、接近戦だと!?)
(だが……下手な魔法より厄介だ!)

【迷う、迷う。どう対処すべきか、立ち上がるべきか?】
【迷う。迷いは腕を、判断力を鈍らせ、重くする。だが、迷う事を止められ無い。】

【これはブラフか? なら、あのブレスレットは何だ?】
【白は衝撃波、黄色が棒、では緑色は何だ? 予想が付かない。だから、迷う。】

(……狙いは、其処か?)

【迷わせる事が狙いならば、対処は難しい。良い手だ、とレイニーは他人事のように思う。】
【だが、意地はある。負けられない、当たり前だ。】

【意地があれば、迷いは要らない。要らないなら宝玉の足しにすれば良い。】

人の名前を……気安く呼ぶな、ライラ・フェルストームッ!!

【選ばれた手段は、先手打ち。】
【倒れた姿勢から、両足足めがけて小さなナイフを投げる。】

【この場合、小ささは逆に、幸いであった。投げやすいなら。】
【これで、僅かでも足止め出来れば、その隙に体勢を立て直せるのだ。】

【つまりーーレイニーエッジは、ライラの『精神』に懸けた。】
763 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [saga]:2013/02/28(木) 01:42:34.55 ID:WFv2eQEXo
>>757

【お湯が辺りに散った時、見えただろうか――無邪気な悪戯っ子の様にドヤァとした表情の彼が】

【ブチブチィッ!】  【千切れるような音とともに取り出されたその眼は、輝きと共に少しずつ宿していた魔力を外へと手放す】
【――徐々にその赤い色は薄くなって行き、本来の"透明で内部に複雑な構造"を持つそれが少しずつわかりやすくなる】

「ヘケケケ、――、―、――――!」 『ああ、……すみません、私達はこの眼が無いと"言語の壁"に立ちはだかるのです――』
『適当に翻訳しますと……"「この眼の維持には多量の魔力を使いますので、取ればこの様に本来の魔力が出てくるのです」"』
『……他にも色々ありますが、それらを話す必要性はないですし、今回はヘケメトが勝手に晒しただけですので、省略しますね』

【眼を外した後のヘケメトから発せられる言葉は、異国どころか"異世界"の言葉――自慢気な顔で話すも、それを理解するのは難しい】
【視力2.0相当の視覚機能――自動言語翻訳機能――等、――非常に多機能なその眼は、維持するのに"多量な魔力"を消費していた】
【行き場を失い彼の身体を駆け巡るその、"暑苦しく刺々しい"大量の魔力は周囲の気温を数度上げたかのような感覚にしてくれる――】

「――ヘケケケ、"栓"と言うよりはよォー、……やっぱり眼ん玉は"二つ"ねェーと駄目だ、見辛ェーからなァ」
「なんというかよォ、"見えない"のは嫌だからよォ〜ッ、……光が届かないのはよォー、……なァーッ、……」

【取り出した右眼を元の位置へと戻せば、再び魔力が眼へと駆け巡り――そして彼から感じる魔力の量も、元に戻る】
【"眼がそこにある"ことに安堵するかのように右眼に右手を当てれば、苦笑いのようなモノを浮かべながらそう言って】

「――――と、言うわけでだ、……"俺も"あんたの眼ん玉の秘密についてを聞きてェぜ」
『髪の色や炎の色に関しては、使う力で変わる様ですが……』

【自ら目を外した理由はこの辺りにでもあったのだろうか、"人の事は言えない"に反応したのだろうか】
【――ともかく、好奇心旺盛な子供のようなその爛々とした眼の彼、――適当にはぐらかしても多分ふてくされるだけ】


/すみませんがそろそろ眠気が厳しいです、明日以降に持ち越すか次で切るかのどちらかにしたいのですが……
/と書いていたところでした、それでは明日もよろしくお願いします、ひとまずお疲れ様です!
764 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2013/02/28(木) 02:04:04.48 ID:39BuELppo
>>762

【男の作戦―――いや、戦術は、謀らずも彼女に迷いを生じさせたようだった】
【この杖はいわば囮……コレに注意を向けていれば、後は魔法をチャージ、発動するだけ】

【この戦法は自分が相手の攻撃を受け続けるといっているのと同義。チャージ中は、別の魔法を発動できないからだ】
【しかし、男の頭の中は既に一種の混乱状態に陥っている。相手を倒したい気持ちが頭1つ抜けているだけ】
【彼女を倒すためには、こうするしかない―――簡単に言えば、男の頭の中はこうなっていたのだった】


―――……クッ……っぁ……!?


【ダッシュとも小走りとも言えない様な速度で彼女に接近する男だったが、その脚に冷たい感覚が流れ込んだかと思うと】
【次は鋭い痛みが襲い掛かる。腕の傷ほどではないが、靭帯を切ったわけでもないが、痛み、ダメージは蓄積する】

【歯を食いしばり、その痛みに耐えながら彼女の元へと近づく。そうしようとしていたように杖で殴りかかるだろう】
【もし彼女が立ち上がれるならば―――その時と、男が杖を振りかぶる時間はほぼ同じ。いや、僅かに彼女のほうが早いか】


【そしてそのナイフは、間違いだったのかもしれない。腕の裂傷によって錯乱とも言える状態にあった男】
【その男の脳内を、痛みによって覚醒させたのだから。冷める頭で、物事を考える】

(そうだ、まだいける―――――――ッ!!!)

【状況的には、ダメージが小さい彼女が圧倒的に有利だろう。だが男は諦めちゃいない―――――緑のブレスレットは、さらに輝きを増した】

/火球の魔法で、赤のブレスレットが光る描写を忘れていました、すみません
/あ、あと此方の名前は「ライラ=フェルンストレーム」です。ややこしかったですね……
765 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/28(木) 02:06:35.15 ID:1PwFn/hdo
>>759

【前進し、拳を放とうとした瞬間にそれは来た】
【剛太郎の体中に無数の魔弾の雨が降り注ぐ、顔面、肩、胸部、腹部、と至近距離から雨あられにボコボコと殴りぬいてくる】
【混乱が剛太郎の頭によぎる、何故だ、どういう事だと】


――がっ、あがッ!うがあッ!!こ、これッ、はッ!!魔弾の、弾、幕ッ!?

(――――なんだこの質量―――機関銃!?もうスナイパーライフルしかもっていなかっただろ!?
機関銃はさっき足元に落として――――……あっ!?)


【ソニアがスナイパーライフルを落としたのは剛太郎が視界を奪われる後】
【ゆえに次にカウンターで来るのは強力な一撃と想定していた―――だから一発ならば魔翌力の迸りを感じ取った瞬間に体を沈め】
【潜り抜けてのから下段の攻撃、を考えていたが……実際に体に感じた雨あられの、想定外の質量】


(―――そうだ、しまった!最初の羽も鏡―――!ソニアはあの場所に機関銃を落としていた―――!
それを鏡の能力で取り出して―――!俺の視界を奪ったのは次にカウンターで放つ最後の攻撃はスナイパーライフルだと
誤認させる……ため!一撃避ければ安心だと誤認させたところを機関銃のラッシュでボコボコにするのが本命……!)

―――――ご、あ、ああああぁぁぁぁぁぁッ!!!!


【混乱と至近距離から勢いよく放たれる魔弾のラッシュ、それが剛太郎の足を止めた―――そして一時でも足を止めた事で】
【剛太郎は最初の様に雨の中を強引に切り抜ける事も叶わず、こらえる事も出来ず、直撃してリングのど真ん中まで吹っ飛ばされた】
【バタァン!と強く叩きつけられて、横たわったまま剛太郎は起き上がってこない】

【一時的に視界を奪われた事、それでわずかながら焦った事が敗因だろう】
【ムクは首を横に振りながら憂う、そこで焦らずまだ感じ取れるうちに攻撃しようと言う考え方がまずかったな、と】
【ここで焦らず単純な攻撃ではなく、『梅花』などの守式の構えを挟んでいればまだ勝機はあったかもしれなかったが】


『やれやれ――――まだまだ、修行が足らんかったのう』

ぐ……対剛太郎用カスタムって……そういう事かぁ〜〜〜ッ……
そして俺は、まんまと……して、やられちゃったわけ……ね……はは、まいったよ


【ひょい、と赤茶色の毛並みの子犬がリングへと飛び込んでくる、口に白いタオルを加えながら】
【それをぱさり、と地に伏せる剛太郎の顔にかぶせる――セコンド判断でのギブアップ宣告だ】


【ぱちぱちぱち、と小さな拍手が先ほどの観客席の最善席から聞こえてくる】
【勝者にどこか誇らしげな視線を向けながらソニアの勝利を讃える者がいた、その人物の拍手につられてやがてそれは伝播し】
【大量の拍手と歓声がソニアを讃えるだろう……】

【こうして、今二回戦は決着を迎えたのだった―――――!】

【第二試合 剛田 剛太郎 vs ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ】
【勝者 ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ】
766 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/28(木) 02:14:59.04 ID:y472dICho
>>765

【勝利の感触は薄く、ただ単純に終わったという安堵の思いが彼女の胸に飛来した】
【綱渡りとも言えないほどの無謀、幸運に幸運が重なった勝利は、味気ないものでもあって】
【――――けれども、胸にぎゅっと宿る達成感は、確かな形をしていた】

【彼女の考えはまだ浅い、最初の登場にしたって、もっと経験の豊富な戦士であったなら何かを感じ取った筈だ】
【その勝利は、ある種貴方が若かったからこその勝利であろう、また同時に――――】
【彼女が若かったからこそ、掴む事が出来た勝利ともいえようか】


――――…………


【ぱたんと倒れる彼女、そしてそのまま、まるで子猫のようにすやすやと眠るのだろう】
【傍から見たならば、どちらが勝ったかも分からないように、肩の傷は依然として深く、血は未だ止まらず】
【ただひたすらに甘い彼女が、少しでも自分に自信が持てる日が来るのだろうか、と】


/お疲れ様でしたー!ありがとでしたっ
767 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/28(木) 02:26:10.32 ID:3+7ipcwV0
>>764

【肉を斬らせて骨を断つ。まだだ、骨を断てていない。】
【つまり、勝利を、もぎ取れていないのだ。なら、もっと肉を斬らせてやる。】
【だから。】

棒は受けてやる……だが。

【その胴、斬らせてくれ。】

【言うが早いか、立ち上がりざまに、ライラの胸部目掛けて左手を振るう。】
【振るいながら、真っ黒いフランベルジュ、複雑な切り傷を創る西洋剣であるそれを、顕現。】

宝玉の真髄が『蛮傘開き(ばんがさびらき)』……

【これは言わば、不意打ちだ。剣士でなく宝玉使い、刃物使いであるからこそ可能な。】
【中身の分からないびっくり箱めいた、危険な一撃。間合いすら不明確であり、回避も一筋縄では行かない。】

だが……ちぃっ、これでは……仕留め切れないか!

【迷わず切断する気で放った一撃だが、やや浅い。】
【故に、骨までは断てないだろうが……肉をズタズタにするには十二分、刃も適役だ。】

【そして、右手には既に、大振りなナイフ。】
【『防御用』の其れだ。棒を防ぐ為の……ライラの『策』は、崩れていない。】

【問題は、この斬撃。如何に対処するか。】
【殺し合いの模擬は、最終局面に入りつつあった。】
768 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/28(木) 02:32:28.56 ID:HEWso2kr0
【路地裏――蜘蛛の巣めいた迷路の奥、ぽつんと建つ廃墟】
【違法建築のビルが立ち並び、成される道はまるで迷い込んだ獲物(ひと)を逃さぬために張り巡らされたよう】
【十六夜の月明かりだけが照らすのは、万全の視界だなんて言い難く、けれど、見えないほどの暗黒でもない】
【ひとりで通るだけならば特に不自由しない道筋をあちらこちら彷徨ったなら、ここにたどり着く可能性だって十分にある】

【まるで誰かが置き忘れたかのような違和感。暗がりに浮かぶのは、洋風造りの館】
【窓は割れ、扉も破られ、きっと中にも何にもない。金目のものなんて、それでも】
【壁には蔦が、ささやかな庭には薔薇が、それでも健気に生していて――】

……わぁ、へんなの。

【ふらり、迷い込むのはひとかげひとつ。見上げたならば、ひどく気の抜けた声を洩らすのだろうか】
【高く澄んだ鈴の音のような声は、きっと夜に良く響いて――】

【路地裏の闇に蕩けてしまいそうに黒い髪。長く長く、膝の辺りでふらりと揺れて】
【二房混ぜ込んだ三つ編みは、平らな胸の前に垂らして――長めの前髪から覗くのは、血色と深淵色のオッドアイ】
【腰の辺りまで隠すケープは黒、その下でふんわり膨らむプリンセスラインのエプロンドレスは、赤と生成り色】
【袖口から裾からたっぷりレースを零して。姫袖から覗く指先が、パニエたっぷりのスカートをきゅ、と握る】
【かつと地面を鳴らすのは、ヒールの高い編み込みのブーツ。それは躊躇いなく古い門扉を通り過ぎる】
【首筋、手元、露出することを嫌うように巻かれた包帯は少しだけ、おかしいだろうか】

【もしもこの場に誰か居たならば、その姿はあまりに無警戒な侵入者。その姿を察知するのはひどく容易い】
【――まるで水が湧き上がるよう、細い身体から零すのは、明確に人外と哲学者の卵の気配、だから】
【誰かがそれに気がついて、訪れたとしても何にもおかしいところなんてなく】

【――誰か居たなら、驚いたように右手を口元に当てる】
【――誰も居なかったなら、呑気に蕾もない薔薇に右手を伸ばしている】
【どちらにせよ白く覆われた指先、薬指の付け根に浮かぶのは、指輪めいた黒蛇の痣、だ】
769 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/02/28(木) 02:42:16.83 ID:1PwFn/hdo
>>766

【ソニアを讃える声が響く、それにより完全に自分の敗北を感じ取った剛太郎は】
【あっちゃー、と倒れ込んだまま右手で額をパチン、と叩きながら】


あ、はは……面目ないねムク、負けちゃったよ

『修業がたらんのう、帰ったら鍛え直す事じゃな剛の字……動けるか?治療をさっさと受けてこい』


【救護班の人に肩を貸してもらいながら剛太郎は退場する】
【一方で子猫のようにすやすやと眠るソニアにも救護班の人間が助けに行こうと近付いている】
【その様子を、先ほどからソニアと剛太郎の戦いを最前列で見守っていた二人が見守っていた】
【片方は小柄な、黒と白の侍女服に身を包んだ少女、先ほどの障壁システムを動かして観客を守る係りも担当していた者だ】


「あの剛太郎さんを倒しちゃうなんて、すごい子なのデスヨー、こうも勇敢に戦える子だったとはびっくりデスヨー!
……幼く見えるようでいてそれでいて結構したたか……ソニアさんには感心させられたのデスヨー!!――ほら、見えますか?」

「ああ見えているよ、はははなかなかやるもんだ……剛太郎君がマヌケだったとも言えるがね
まあ私やジャンクちゃんと比べ彼はまだイマイチ青いからね、ああいう絡め手にはパニくってまんまと引っかかってしまう事もあるだろうな

――しかし彼女、可憐で華やかなようで結構クールじゃないか、勝ってよかったな?"お姉ちゃん"?」

「……!も、もう!ちゃかさないで欲しいのデスヨー!」


【隣の白衣を纏った長身の男性の冷やかしにむくれた様子を見せて小言を言いながら彼女たちも去っていく】
【それに合わせて、フィールド上から両者は退場して、本日の戦闘は終了していく―――】

【←To Be Continued...】

/お疲れ様でしたー!途中遅れて申し訳なかったです!
770 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/28(木) 02:46:34.06 ID:giejbKMmo
>>768

【時の中に取り残されてしまったような、薔薇の園の中】
【相手が蝶のように歩いていればそのうち辿りつくであろう表からは影になった庭の奥】
【まるでそこが室内であるかのように、きぃきぃと小さくきしむ音を立てる揺り椅子が有り】
【そこにはこれまた時の中に取り残されたような、時代錯誤の男が寝そべっていた】

【人によっては強く感じるほどの、折り重なって存在を主張する薔薇の香りの中で】
【それこそばら色と称されるような、色とりどりの花びらの中に囲まれて】
【目元を隠すか否かぎりぎりの長さの前髪の下に、死んだように白い面を晒していた】

【薄青色の目と、青白いと形容されそうな肌の色をして、背は高く体躯は細長い】
【お貴族様みたいな白のドレスシャツ、アスコットタイを締めて、黒のスラックスに同じく黒のオペラパンプス】
【いかさまの似合いそうな指は白い手袋に包まれ、貴族的風貌の時代錯誤の男だ】
【ものに例えるならば、そう、ふわふわと海をたゆたうくらげのような】

……誰、だい
ああ、なんだ、ひと。けものが、紛れ込んできたのだと思った

【虚空を見つめるような瞳が、ゆっくりと相手に焦点を合わせる】
【椅子が白木の箱であったならば、西洋式の葬式ではないかというような状態】
【間延びした、低く沈んでそのくせよく通る声だけが、男が生きたものであると示していた】
771 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2013/02/28(木) 02:52:38.68 ID:39BuELppo
>>767

ぐあッ……ッッ!!!!


【何もない手から現れた、独特の形状をした西洋剣、フランベルジュ】
【まさにびっくり箱だ。対応できる時間が非常に短い。回避も―――仕切れないッ!!】

【その剣は本来の目的どおり胸を一文字に切り裂く。複雑な切り傷。当然、そのダメージは多大……普通ならば】
【しかし元々剣筋が甘かったのか、それとも男が後ろへと体を反らし、避けていたからか……傷は微量】
【取るに足りないものだった。だから当然、彼女が剣を振れば、その先に僅かでも、隙が出来ると男は思うことができた】

(魔法……ッ)

【緑のブレスレットはもう一段階輝度を増し、それは既に淡い光とは呼べなくなっていた】
【そしてこのブレスレットが何なのか、完全に見破られなかったのは不幸中の幸いと言えるだろう】


【反らした体を戻し、間髪入れずに――彼女が逃げないうちに――左手をかざす】
【ブレスレットの緑の輝きが消える。そして、男の周りに風が逆巻き始めた。それは、彼女に"コレは危険だ≠ニ伝えているようなものだ】
【だが構わない。コレで一気に、勝負を決めるのだから】
【そしてコレが避けられれば―――右腕に甚大な被害を負った自分にもう勝ち目はないと、そう確信したから】

【此処でニヤリと、やっと男が笑った】


……そういやこの試合、リングアウトでも負けだったよな――――――食らえ、レイニーエッジ。


『  S  4     D  r  a  g  o  n     S  t  o  r  m     S  h  o  o  t  e  r  』  !  !  !


【それはまるで、竜巻が横に進んでいるかのよう】
【まさにそう形容するのが正しいか、そんな風の奔流が、男の左手から溢れ出す。渦の直径は、およそ1.5mほどだろうか】
【竜巻は直進しながら彼女へと向かっていき、それに直撃すれば、暴風をモロに受けることになるだろう】

【その風の強さは台風をゆうに超える―――もしそれで足をすくわれたのならば、場外まで飛んで行ってしまう位の風量は有った】

【男は最初から、リングアウトが目的だった】
【そしてそれを完遂した今、男にやれることは何もない。その竜巻の行く末を見守ることすらも】

【竜巻で彼女がどうなったかに関わらず、男はその場で膝をつき、うつ伏せに倒れ伏す。失血多量……戦闘、不能】

/スイマセン、眠気が……かなり良いところですが、今日はここら辺で……
772 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2013/02/28(木) 02:56:34.74 ID:39BuELppo
>>771
/サーセン、最後付け足します。

【そう、彼女がどうなったかに関わらず。男は先にKOされるのだった】

/コレ、もう凍結って言っていいのか分かりませんけどね……
/とりあえず、明日レスします……お疲れ様でした
773 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/28(木) 03:06:26.09 ID:HEWso2kr0
>>770

【意識をどこかへやったよう、夢遊病めいた散歩は、きっと二度と同じ道を辿らせてなんてくれない】
【だからこそ、一期一会のその場所に強く興味を持ったなら、余計に深く潜り込む】
【好き勝手に彷徨つく足音は、足音は、ひどく不安定で。酒でも入っているんじゃないかと思うほどだと言うのは、余談だ】

【蔦を、薔薇を、罅割れた煉瓦を、ひとつひとつ確認していくのは、まるで子どものよう】
【月が表情を変えるより、蕾が花開くより、ころころと変わっていく表情は。少女の年齢をひどく曖昧に暈す】
【蔦、薔薇、罅割れた煉瓦、一通りに眺めた頃合に、ふと気がつく。屋敷に隠された庭の存在――当然のよう、興味が向いて】

【――さくりと、雑草を踏み潰す音がした。ヒールは地面を明確に抉って、ぽつぽつと足跡を綴って、】
【屋敷の半分を越す辺りからだろうか、軋む音に気づいてからは、そっと――していたって、卵の悪意は駄々漏れもいいところだけれど】

…………おまえ、だれ? なにしてるの?

【やがて、屋敷の陰に隠れるように姿を半分だけ見せたなら。覗き込んで尋ねるのは、彼と同じ類のもの】
【自分だって不法侵入者のくせ。何をしているのかなんて――ひどく真面目に、問うのだから】
【ぱちぱちと不思議がるよう瞬いて――濃厚な薔薇の香りに気づいたなら、むぅと疎むように眉を顰めるのだろう】

わたし、わたし……、鈴音(りんね)。

【それでも、彼がどこか弱っているように見えたなら、敵意が無さそうに見えたなら、やがて姿を現す】
【嫌がるよな表情は薄まったとてそのまま。胸元で揺れる大きな飾りリボンを右手がぎゅっと握ったなら、細い指が良く見える】
【姫袖の奥までも包帯で隠しているのに、薬指の付け根。そこだけを、きっと意図的に露出させていて、そこには件の痣――】
774 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/28(木) 03:10:17.00 ID:3+7ipcwV0
>>771

【ーーフランベルジュを振るったその腕は、既に完全に振り抜いていて。】
【ーーそもそも、振り抜いて無くても関係無い。魔法に対する対抗策など、躱すくらいだ。】

【いや、そもそも、魔法自体が予想外なのだ。】
【この二段構えーーあの土壇場でライラが纏め上げた『勝利手段』を、レイニーは賞賛する。】

(踏みとどまるーーなんて、無理じゃないか。)
(恐いやつだ。何より、その戦略を実行する精神が……)

【後はもう、なすがまま、なされるがまま。】
【風を防ぐような武器は無い。あったとしても、果たしてこの暴風が防げるか? 否。】

【レイニーエッジの小さな身体は、ドサ、と場外に落ちた。】
【そして倒れていたライラーー勝者はどちらだろうか?】

【実際、難しい判定である。観客席や、審判席がどよめく。】
【だがーー程なく、結果は世界に知れ渡る。】

/はい、了解っす。レス遅れさせて申し訳ないです
775 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/28(木) 03:26:57.14 ID:giejbKMmo
>>773

【ひどくひそやかで、ゆるやかで、相手のような鋭角な警戒はどこにもなく】
【揺り椅子に深く寝そべったままで相手への対応を決め込んだ男は、黒く淀むような卵の気配を咎めるようでもない】
【否、どうであれ、己の嗜好とか目的に触れない限りはひどく気まぐれで当たり障りのない対応しかしない人間なのだ】
【いっそ偉ぶっているような態度は相手の警戒を解くか、それとも機嫌を損ねるか】

りんね。私は、雲母(まいか)
この場所は、誰のものでも、ないのだけれどね
誰も寄りつかぬから、実験に使わせてもらったのだけれど

【未だ夜も明けぬというのに、花弁は夜露に濡れて酷く冷たく震えて】
【およそ花とは思えぬほど悲しんでいる表情の垣間見えるような、雰囲気というべきか?】
【奥まったこの場所は、何かおかしい。危険では無く、害も無いのに、妙に悲愴でそのくせ美しい】

……その指。なあに

【やはり、最初に目に留まったのは相手の指だった】
【白い手袋に包まれた右手が、それ、とばかりに人差し指を立てて指し示す】
【相手と同じくほとんど露出も無いような格好。椅子に肩幅を広げたマントを脱いで引っ掛けているためか】
【弱っているわけではないものの、尖った肩と華奢な体はおよそ健康体とはお世辞にも言えなかった】
776 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/28(木) 03:50:21.44 ID:HEWso2kr0
>>775

【気にするわけもなく容易く踏みつけていくたび、緑よりも色褪せた雑草が鳴いていく】
【そうして近づくのは、手も足も、持っていたとして一般的な剣の類も届かないような、その距離感】
【自ら選んだ行為のくせに、咽返るよな薔薇の香に余計に眉を顰めるのは、ともすればおかしくて】
【――ただ、その行為の中で。何かに気づいたような、驚いたような、訝るような色が見えた】

実験? ……こんなところで、実験なんてしてたの?

【冷え切った夜に、ふわと白が溢れては蕩けて消えていく】
【うそみたいに白い肌は人形めいて、ただ、温度があるなら、ひとだろうか】
【先に浮かべたものにいくらか足して、訝る色が増したなら。彼を見下ろすことになるのだろうか――じぃと、見つめた】

――おしえてあげない。

【――その表情が。容易いぐらいに不機嫌めいた色を映して、そっと左手で右手ごと覆い隠してしまうのだろう】
【子どもの秘め事のよう、じとと睨みつけるような視線は。あまり本気で嫌がっているようにも見えないけれど】
【冷えた指先を暖めるような間が数秒。横たわったなら、一度目は躊躇うように吐息だけが洩れる】

おまえ、わたしの、――わたしたちのおうちに来たでしょう。
お父さんになにしたの? 喧嘩したっていうのも、おまえ?

【それでも、吐息の白が融けるよりも次の言葉は早く、紡ぎだしたならすらすらと零していく】
【薔薇の香りの向こう。ここまで気がついて、初めて気付いた、あの日家に残っていたダレカの香り】
【ひとよりも少しだけ効く嗅覚――それでも躊躇ったのは、今も昔も、不確定だったから】
【それでも言い切ってしまうこと、少しだけずれたよう―― 一度言葉を切ったなら、微かに息継ぎの音がする】

教えてくれたら、これ、おしえてあげる

【覆う左手のベール、少しだけずらしたなら、右の薬指を示して】
【温度なく褪めた色、爬虫類めいたその瞳は、ひとによっては嫌悪を抱くかもしれないけれど】
【不機嫌、気に食わない、そんな色が、さっきよりもずっと増していた】
777 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/28(木) 04:15:22.78 ID:giejbKMmo
>>776

【武器は持たず、ステッキも洋館の壁にたてかけられて今は手元から遠い】
【腹の上で組み直される細い指は、もし相手を傷つけるつもりであっても事前動作で気付かれてしまうだろう】
【もし何かしらの要因によって相手が攻撃するつもりになったならば、間違いなく先制をとれるくらいに】

感じ取れるだろう、彼女たちが、悲しんでいるのを
今はほんの少しだけれど、この庭いっぱいも使えば、小規模の天災なら起こせるだろう
……まあ、有る程度ヒトの思念も、利用して、やっとだけれど

【風に揺れてだろうか、薄いざわめきが空気と音とに混ざる】
【男の空想じみた言葉を信じるならば、それは花のすすり泣く声とでもいったところだろうか】
【赤を見上げる水色は、ひどく無表情で作り物の様で、夜の光もましていつも以上に不気味だった】

お父さん? おうち?
……ああ、君が件の娘か。案外、彼も良い趣味をしているのだね
特に何もしていないよ、対話して、取引をして、ほんの少し誓いを“賭け”てみただけ

【事も無げに言う様子に、相手の薄ら滲む必死さのような真剣みのような感情はなく】
【本当にそう思っているのか、詳しく言うまでもないと思っているのか、全体について薄く述べるような返事をする】
【それが答えに果たしてなるものか、至ってマイペースだった言動の中で、ふ、と、】

……酸漿?

【ほおずき、と。相手の目をじっと見つめて呟く表情に、僅かに驚愕の色がにじむ】
【数秒、もう少し長い時間を経て、左手が腹の上から浮く】
【相手の了解を得るように中空で数秒止めてから、もし相手がそれを拒まなければ】
【そこに何か大切な、郷愁じみた感情を一欠片乗せて、相手の目元にそっと指先を伸ばす】

778 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/28(木) 04:47:14.61 ID:HEWso2kr0
>>777

【壁に立てかけられたステッキ。いつかの段階で視線は既に捉えていて、ただ興味は薄いよう】
【それが武器だなんて限らないし、この世界で、たったそれだけで信用するには、あまりにも】

薔薇……薔薇が? ――庭の花を毟ったのは、おまえ?

天災なんてどうでもいいよ、川でも零すの? でもね。わたしたちに害成すなら、今ここでおまえを殺す
……――だぁれも気付かないでしょうね、こんな奥深くだもの。だいじょうぶよ、その骨ごと蕩かしてあげるから

【彼女たち――考えるよりも早く、そう導き出す思考回路。口に出したなら、思い出すのは庭の花のない薔薇たちだ】
【冬だからと思っていた。思い込みによる曖昧な記憶は、覗き込んだはずの薔薇の葉の中、花を手折った形跡すらも思い出せない】

【続く言葉。天災と聞いて、真っ先に氾濫を思い浮かべるのは、稀な類だろうか】
【両手を重ねたまま、そっと口元を隠すけれど。その向こう側で浮かぶ三日月染みた嗤いは、隠し切れない】
【敵意、殺意、不快感、玩具箱をひっくり返したように感情をぶちまけたなら、それでもまだ動きはしない】
【たとえそうするつもりだったとしても、適当に嘯いてやるのがいいのだろう――向けた牙は、存外に気紛れだ】
【彼を覗き込むような仕草。ざらりと長い髪が流れて――】

――――っ、なに、するの、

【家に踏み入ってまで何を話したのか。取引とは何なのか、誓いとは、賭けとは、】
【聞いた言葉に湧いた疑問点は多すぎて、少しだけ遅れた反応は、それなりにあっさりと手を受け入れてしまう】
【驚きこそすれ――驚いたからだろうか――瞳は余計にまぁるくなって、意識は指先に囚われる】
【害意が見えないとあれば、それなりに大人しくはしているけれど――】

酸漿がなに、堕児でもするの? ばかみたい、自分のせいじゃない
それとも、なに? カガチって呼ぶ話とか、蛇の頭に似てるって言う話とか、するの?

……庭にいっぱい生えてたとか言う話なら知らないよ、知ってるわけないじゃない

【――口のほうは残念ながら大人しくない。特に前者にいたっては露骨にいやな顔をしてみせる――のは、彼女が彼女だからだろうか】
【爬虫類めいた瞳をぱちぱちと瞬かせたなら、視線は一度指先を舐めた後に彼へと戻される】
【郷愁を辿ったなら、少しの間の後に少しだけ冗談じみてそう返したというけれど】

【百六十センチにヒールを足した背の高さ。彼の身長ならば、低いぐらいだろうけれど、寝転んでいる今なら、どうだろう】
【覗き込むようなそれも、驚きと一緒に元に戻してしまった。もっと近くを求めるなら、彼女に頼むか、無理矢理に引き寄せるか】
【血色の奥に滲むのは哲学者の卵の色合いだろうか、燻る悪意が、まるで嗤うように】
779 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/28(木) 05:12:37.52 ID:giejbKMmo
>>778

それは、多分私では、ないよ
……その言葉、前にも聞いたことが有るよ。家族に手を出せば許さないとね
けれど脅しというのは、言葉に出してしまえばひどく滑稽になるものだよ

【向けられた明確な悪意も、この場所ではどこか遠い】
【御伽噺を映したような、薔薇園というには少々規模も小さく薄汚れた場所】
【ただただ、声を上げるのは、無粋なのだ。この庭の主役はふたりではなく、薔薇達なのだから】

……それが最初に浮かぶという事は、君は僕の事を聞いているのかな
けれど、蛇が、浮かぶという事は。ひょっとして、君も、“そう”なのか
そうだよ、保保豆木の、加我弥吾の事だ
君の生まれは、櫻かい

【どちらも、ほおずきの古語だ】
【薄らと、この場に居ない第三者の顔を浮かべたのか。なにとも言えず一瞬目が細まる】
【じぃと相手の目の奥底に曇る哲学者の卵の淀みの、もっと奥の奥を見定めるように】
【寸分違わず寸分動かず、手を添えたまま相手を見つめる表情は】
【確認を重ねるたびに、ひどく怯えるような、幼い表情が覆っていく】
【実年齢とも、見た目の年齢にもそぐわぬ、それはまるで子供のような、これは、誰なのか】
780 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/28(木) 05:42:12.74 ID:HEWso2kr0
>>779

……知らないより、知ってたほうが、やめるじゃない?

【「ねぇ」と零す吐息めいた声。同意を求めるようで、そうでない自己完結のかたち】
【そこに既にひとつあったなら、ふたつめを重ねたなら、だいじょうぶなのだろうかと逡巡は刹那で、】
【多分大丈夫だという思いが綴ってそこで終わる。それに、いつだって近くに居れば大丈夫なわけだし――そんなこと、出来るわけもないのに】

なにそれ、おまえのことなんか知らないよ、名前だってさっき知ったのに。
“友達”と“喧嘩”したとしか聞いてない。家に来たのだって、においがなかったら気付かないもの

【添えられる手。視線がもう一度その手を撫でて。彼へ向けるのは訝るような――「ほんとにしたの?」とでも、尋ねるような】
【父親は彼女にそんなこと言わなかったし、彼女だって、訪問者のことを特に尋ねなかった。だから、知るわけもない】
【それに、きっと、彼だって。簡単に教えてくれるようなひとではないはずだから】
【一番目が出てきたことだって――たまたまそんな本をいつかに読んでいた、程度のこと】

……わたしは違う。けど、そう、本当ならあっち。
ずっと昔に追われたの、ばかみたいでしょう―― おまえは、だれなの。

【奥の奥、眼窩までも突き刺さるような視線。真っ向から見つめてしまったなら、金縛りのよう、囚われる】
【深淵を覗き込んだような黒は瞳孔さえ窺えないほどでも、血色のほうならまん丸の瞳孔、最奥まで抉り取れるよう】
【一般に思い浮かべられるような縦スリットとは違った蛇ノ目。視線を振り切るように瞬きを一度挟んだなら、】
【彼の問いかけには、どちらつかずを返して。初めと同じ誰何を繰り返した】
781 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/28(木) 06:02:23.90 ID:giejbKMmo
>>780

聞いていないのならば、きっと、彼にとってその程度の事なのだろう
私が、賭けに負けたというだけの事だ

【諦観にも似た言葉。ゆっくりと瞼が閉じられて、長い睫毛が震える】
【その目が見開かれた頃には、擦りガラスを隔てたような鈍いフィルタが消えて】
【ふたつめの話題に集中するかのように、水色の目が生きた人間の輝きを湛える】

……僕は蛇巫だ。審神者だった
だから、“あれら”を知っているし、“あれら”の通じる元に居る
“あれら”に、飲まれてはいけない。“あれら”はたましいとからだをもってして、ゆっくりと取りこんでいく

【一体何に対しての警告であるのか、不明であるのだが】
【そも。男の言葉は全て相手の境遇に対して仮定のみで構成され、そこに確かなものなど無い】
【だのに、ひどく必死で。何かに重ねるように、足らない言葉と頭で何かを説こうとしている】
【頬に触れていた手は、肩へと下りて。何か大切な事を伝えようとしているようなのに、そこに確かさが存在しない】
【……相手が聞く耳を持つ意味も無い。相手を理解しての言葉では、まったくないのだから】
782 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/28(木) 06:28:29.38 ID:HEWso2kr0
>>781

【賭け。その単語は知っているし、意味だって分かるのに】
【眼前の彼が何を賭けたのか、ここに居ない彼も何かを賭けたのか、分からなくって、不安に駆られそうになる】
【お父さんはこのひとを要らないと言っていたから。排除してしまったもいいのだろうか――】
【零れた思考が溢れて形を成す前に。その水色の輝きに、すべて、奪われた気がする】

――何のこと?

【最初の一言。反射的に返したような言葉は、直後、肩に降りた手に跳ねる】
【手を払って逃げてしまったなら、きっと逃げ切れるはずなのに。そうしようとする気持ちが湧かないのは、どうしてか】

おまえ、何の話、してるの? ひとの家のことなんて知らない、おまえの家の神様なんて知らない
それとも、わたしの蛇神の話をしてるの? 知っているの? ならどうして?

【途切れがちに紡ぐ音色は不安定で、鈴を椿のようにぼとぼとと落としていくのと、きっとよく似た音で響く】
【不安がるようにぎゅっと握り締めた三つ編み。“わたしの”なんて零してしまうのは、不手際だろうか】
【彼女の傍に蛇神が存在すること、そしてそれは秘する必要性があるのか、忘れ去られたのか、どちらにせよ、知名度のないこと】
【動揺したような意識の外側、零してしまったなら、ようやく、足が引かれて、】
【肩でも掴んだなら止まるほど、逃げるように距離をあけたがるその動作は弱い】

“ここ”に居たら、いけないの?

【その結果に関わらず。まるでお守りのよう、三つ編みを握ったまま、指で触れて示す、リボンで飾った薄ぺらの胸】
【まるで自分が器だと言うような言葉は。彼の言葉がひどく心外だとばかり、疑るような色合い】
【ただ。それでも逃げ出さないこと、彼の必死さに或いは中てられたのか】

783 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2013/02/28(木) 17:42:23.10 ID:39BuELppo
>>774

【フィールド外へと落ちた彼女の耳には、「勝者 レイニーエッジ・ピカレッジ」の言葉と、爆発する歓声が聞こえることであろう】
【彼女が落ちる前に、男の体は地面へと倒れていた。先に戦闘不能になったほうが負け。男は、失血多量で気絶していた】

【男へと救護班が到着するとともに、彼女にも救護班の担架が近づき、助けが要るかどうかを聞かれるだろう】
【男はそのまま、救護所へと運ばれていく。2人の健闘を称える歓声が大きくなっていった】


……チクショー! 負けたー!――――――。


【その後。救護所にて目を覚ました男は負けたところまでは覚えていたのか、目覚めての第一声がそれだった】
【……駄々をこねる子供のようなその声。こんな単純さが、敗北の原因だったのかもしれない】
【全く持って彼女へ向ける言葉は無い。強かったとか、あの剣のせいで負けた、とか】
【だが、男は言う。ただ1つ、彼女に向けた健闘の言葉を誰知れずに】

……ま、強かったぜ。レイニーエッジ。

【回復すれば、決勝を見るなり何なりするだろう男は、同時に自分に勝った彼女に負けて欲しくないと思った】
【勿論そんな言葉を彼女に言うはずないのだけれども】

【そういえば、戦闘直前にその態度を叩きなおしてやると男は言った。その目的は、やはり果たせなかった】
【だが、結果的に良い試合が出来たから良いんじゃねと男は思う。やはり単純だった、この男】

【第2回戦、第2試合。 レイニーエッジ・ピカレッジVSライラ=フェルンストレーム】

/はい、凍結すみませんでした、。此処でしめさせていただきますね。
/絡みありがとうございました!
784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2013/02/28(木) 17:43:28.79 ID:39BuELppo
>>783
/あああ、最後の最後で脱文が……ッ

【勝者 レイニーエッジ・ピカレッジ】

/です、改めてありがとうございました!
785 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/02/28(木) 19:08:23.09 ID:Wg4uSxaS0
【――――水の国、大会会場の廊下――。】

【並ぶ自販機の前、がたん、がたん、と音が鳴る。】


――――あ゙ー、


【黒い呉服に身を包んだ巨躯な男。】
【無精髭を生やし、腰に刀を携えている。】
【――――、大会出場者、一回戦敗退という情けない結果に終わった―――】
【―――櫛灘自斎といったか……。】


まだまだ安静か。


【彼の手にはイチゴミルク。】
【呉服とは不似合いなモノを片手にぶきっちょに歩みを進める。】
786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/28(木) 20:02:05.07 ID:cpmKFxmxo
【――世界を旅した者に敵はいない。酒を交わし、笑い、情は血よりも濃い】
【ならば戦いを交わした仲は何と呼ぶのだろう。それこそ幾千幾万の言葉を交わしたように、想いは深い】
【深海魚だって潜れないその深み、今宵の壇上に登る三日月だって、その結末は知りえなかった】

……――いやぁ、あの日決着つかずで終わっちまったあの戦いに再び巡り逢えるたぁ
神様ってえのも信じてみなきゃなんねえかねぇ?俺ぁそんな柄じゃあないんだがよい
手始めにアイリス嬢とやり合ってぇ、お次が碧娘嬢、そんで今度がソニア嬢と来た。
俺ぁ随分恵まれてるようで……だがぁ、たァだ麗しきカルメンに誑かされる訳にゃあいかんのよぃ

【低く重く踏みしめた踵の奏でるサパテアードに追随して漂う五線譜は、彼女とのあの邂逅を再演するようなモノクローム】
【水の国で今一番の動員数と熱狂度を誇るその舞台に先に姿を現したのは、巨躯とまでは行かないも大柄な一人の男】
【先の試合もある。相対するソニア=エカチェリーナ=ドラグノフを知る人物ならば、】
【あの可憐な少女が闘牛めいたこの男とかつて互角以上に競い合ったことなど、まさか夢にも思うまい】

【体躯の差は視覚に強く訴え掛ける。賭けの比率はこの男に軍配が上がるのではないかと思えたとして――】
【それは唾棄すべき“第一印象“から成り立つ偶像に過ぎず、信ずるべきは彼女が第一試合で見せたその手腕こそだ】
【剛を制する柔、闘牛をいなすマタドール。彼女はまさに、それ自身と言えた】
【巨躯の男が奏でる“剛”、少女の銃砲の調べが魅せる“柔”――それは協和か、不協和か】

【――舞台に立つ男は、眼前に姿を現すその少女の幻視を見据えたかのように其処に静止して】
【彼の後方に追随する灰色の五線譜、それにアップトーンのサパテアードが乗れば】

【さあ、今宵の幕が開く。勝利なりとも、敗北なりとも】

/レヴィです。ソニアの方、よろしくお願いします
787 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/28(木) 20:07:01.46 ID:nU6sqmSro
>>786

【空を切る風の音、ざわめく場内がその音を響かせたなら】
【降り注ぐ雪=\―――貴方の目の前のフィールドへ、白い雪が零れ落ちて】
【貴方なら気づけるだろう、それは決して白い雪ではないという事が】

【月光を反射して、透明な色を滲ませる、それは鏡≠ナ出来た雪】
【空中で降り積もっていったなら、キラキラとその色を淡い色に滲ませて】
【雪が固まってそうして出現するのは一つの大きな姿見】

【姿見の表面の水面が揺れて、そこから現れる、雪よりも白いその素肌】
【華奢な体躯がふわりと滲んで、ちゃぽんと水面から零れる小さな編み上げブーツ】
【地面を叩くその軽い足音は、その主が誰であるかをハッキリと伝えるのだろう】


RaumKrankheit¢ホレヴィ用カスタム

Модель;Разбивая Обычай
――――Model;Breaking the Habit


【その両手に握られるのはBAR≠ニ呼ばれる軽機関銃】
【右手と左手に一挺ずつ、その細く長い銃身をしっかりと伸ばしていて】
【二つとも銃口は下へと向いて、頭を下げている】

【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【透き通るような素肌に女性としてはやや小柄で華奢な体躯、それでいて膨らんだ大きな胸】
【ゴシック調の紅いミニシルクハットと同じくゴシック調の白いブラウス、首元には紅のリボンタイ】
【紅いチェックのミニスカートの上から黒いコルセットで細いウェストを締め上げ】
【編み上げブーツに黒いニーソックスの雪のように儚い印象の少女がその場に上がったなら】

【首にかかった銀色のロザリオが、接吻をするように彼女の胸元へと染み入る】
【白銀よりも尊いその純白の素肌が月光の下に晒されたなら】
【漆黒の一対の刃が、その刀身をふわりと伸ばした】


Добрый вечер(こんばんは)……おじちゃん、久しぶりなの
でもね、あんまり、仲良くしないの、今から、戦うから――――

いくよ、おじちゃん……ソニア、成長、したんだよ


【肩幅に開く彼女の華奢な両脚、僅かにその姿勢が下方向へと落ちたなら】
【左手の銃口をそちらへと向けたBAR≠ェ突き刺す銃口が、貴方の顔を捉えるのだろう】
【僅かな逡巡、爆ぜる弾丸が、貴方の方向へと向かっていく】

【――――実弾≠セ、彼女のカスタムにより、破壊力はかなり抑えられている】
【直撃しても、皮膚を破る程度、骨まではいかない柔な弾丸であろう】
【それを彼女はまずばら撒いた、狙いは雑だが数は多めだ】

/よろしくですー
788 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/28(木) 20:18:44.65 ID:cpmKFxmxo
>>787

……“あの時”とはちょいと味の違う銃だねぃ?俺専用たあ嬉しい限りさぁ
だがぁ楽しみはとっとく方なんでなぁ、あんたの戦いは敢えて“見てなかった”んだよい
だから成長したってえんならこの場で確り見せとくれよい、俺ぁ目がすっかり隠れっちまってるもんでなぁ――!

【散蒔かれた散弾に対する跳躍は軽い。その重量感のある躰が跳ねるには余りにも軽やかな音だけを残して】
【第一試合では全ての跳躍に際し音を乗せて相手の牽制としていたのだが、今宵それを敢えてしない意味とは】
【まさか手加減などという無礼千万の行いゆえではなくて、半端な音など相手には響かないと知っているからこそであった】

【その赤毛が頚から掛けた逆十字と共に重力に逆らい、虚空に舞っても不可視の領域である双眼は揺るがない】
【目は口ほどに物を言うというが、その目が隠されていても口許だけでこれだけの感情を語れる面もそうはないだろう】
【無精髭が縁取る中年の顔はニヒルな笑みを色濃く浮かべて、嫌ったらしく弧を描く歯列と夜空に浮かぶ三日月が重なった】

【跳躍で頬を掠めつ銃弾を回避し、空中でぱぁん!と両手を叩き合わせると同時に】
【縦の真空波がソニアを襲う、実直ではあるが刃にも似た鋭さを持つ灰色の波動は】
【かつて相対した彼女ならば分かるだろう。レヴィの魔力により具現化し可視化した、“音”の衝撃波だ】
【致死性は無くとも、その衝撃をまともに喰らうのは危険と言えて】

【縦の波動はその足首を狙う、銃使いの要足りうる機動性を削ぐことを狙うように】
【受ければ打撃に似たダメージを負うだろうが、速度は音速とも彼女の弾速とも釣り合わない】
【回避は容易く――相手と同じく、それは小手調べの音色と言えた】
789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/28(木) 20:22:13.30 ID:fc8uKf02o
【水の国――フルーソ闘技場】


【まもなく時計の針は第三試合の開始時刻を告げようとしている】
【リング上にまだ両者は顔を出しておらず、観客達はその姿を今か今かと待ちわびていることだろう】

【やがて出入り口の扉が開かれると――彼女≠ヘ姿を現す】
【下はデニム生地のホットパンツ、上は薄い緑のシャツ、足には運動靴という服装に】
【背中に伸びる黒猫のしっぽ。そして銀色の髪の上に、黒い猫耳がちょこんと生えていて】
【アーモンド型の大きな黒い瞳を持った少女だ】


にゃは


【能力者なのかそうでないのか、彼女はこれまで能力らしきものを見せてはおらず】
【まさしく猫のようなやわらかい身体を駆使した接近戦で戦ってきている】
【特筆すべきはそのスピード――彼女の動きについて来れるかどうかが、勝負のカギか】

【たん、と地を蹴って駆けだし彼女はリングへ躍り出る】
【これまでと同じように拳を天へと突き出せば――】


あたいがシルバーキャット――銀猫だ!
さあさ、早く試合を始めようにゃ!


【今日も絶好調なようすで、名乗りを上げるだろう】


/シルバーキャットです
/フリッツの方よろしくお願いします
790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/28(木) 20:27:50.80 ID:nUb7ESP8o
>>789
【白亜の石版、矩形の闘技場の中央へと、少女に遅れて、もう一人の影が進み出る】

もう三回戦ですか……。
……これまで戦った方の名誉もこの肩にあるとなれば、重く感じるところです。

【黒のフォーマルスーツで上下を固め、黒いネクタイを首元まで締めた青年】
【金髪碧眼、左耳に光る銀十字のピアスだけが、彼の唯一の飾りと言ってもいい】

【シルバーキャットの正面、適度な距離を置いて立ち止まると、彼は右手を胸に当てて、腰を折る】

こんばんは、ミス。
どうぞ、お手柔らかにお願いします。

【洗練された所作で礼を終えると、微笑を少女へと向けて】
【両手をゆっくりと広げ、独特の構えを取る】

【ほぼ同時に、三回戦の開始が告げられて】
【スタジアム中の観客から歓声が沸き起こる――戦いの火蓋は、切って落とされた】

/フリッツ・オストワルドです。よろしくお願いします。
791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/28(木) 20:32:19.59 ID:giejbKMmo
>>782

【その目はまるで正気の様な、いや、何を正気とすべきなのか】
【男の精神はひどく不安定で不定型で、どこにその本心があるのかも定かではない】
【ただ、今この場においては、焦り言葉足らずではっきりとしない様子は】
【常の聞かれねば答えないような優位性は無く、相手より年下であるようにすら思える】

……ああ、まさか、君は神嫁なのか?
女の蛇巫は、神嫁だろう
きみの家と、僕の家のしきたりが違えば、きっとそれも、違うかもしれないけれど

【予想していたよりも、相手はずっと蛇神と近い位置に居た事を告げられると】
【よりいっそうその表情に必死さが滲んで、いっそ泣きそうにすら表情が歪む】
【――男の言うとおり、相手と男の倣う伝承が同じものであるとは限らない】
【いや、きっと違うもので、次に口にすることが相手にも適応されるとも言えぬのだけれど】
【そこに悪意は無く、だからこそ、性質が悪いのかもしれない】

きみは、彼を、しあわせにするんだろう
だったら、“あれら”から遠ざかった方がいい。神嫁になったら、きみも蛇を産む運命になる

【心中のどこからか。取りだされたのは、会ったばかりの相手に向けるにはあまりに重々しく】
【正解であるとも限らないのに、決定的すぎる言葉】
【一度肩に触れた手は、相手の後ずさる動きにすら負けるように項垂れて】
【言葉が途切れると共に、起き上がった上体もわずかに傾ぐ】

……この場所の実験は、命ある者を不安にさせて、哀しませるから
だから、僕は近しいきみがこんなに心配なのかな

【ぽつりと、地面に目を向けて呟いた言葉はひどく弱々しい】
【男がこうあるのは、この場所の所為でもあるのか】
792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/02/28(木) 20:32:31.29 ID:nU6sqmSro
>>788

【ふわりと濡れる貴方の赤毛、ときめきを隠せないぐらいにそれは美しかった】
【いつまでもその色に見せられているワケもいかなくて、重なったその音に自分を取り戻す】
【放たれた波動、ならばそれに対して、反応して返すのが礼儀というもの】


ソニアはね、見たよ……一杯、おじちゃんの戦い
ソニアね、あんまり自信ないの、自分の強さ……

だから、一杯しなきゃ、勉強、だから、おじちゃん専用、なの


【撃ち切った左手のBAR≠サうしたならば外側へ左手を振りぬいた】
【その軌跡にまだ、残照が残っている頃、それを追うように右手の銃口がその場へと流れてくる】
【真っ直ぐ彼女の前に落ちてくる右手のBAR≠サの銃口が真っ直ぐと波動を捉える】

【響き渡る銃声、轟音と呼ぶには微か過ぎるその音は、そこから放たれる弾丸が魔弾≠ナあることを伝える】
【風の魔力を孕んだ銃弾は、殺傷力は高くない、けれども、着弾した瞬間に強い風が吹き上がる】
【一度の掃射で放たれる銃弾の数は多い、一つ一つの威力は波動を止めるには不十分でも、数を当てれば意味はある】
【恐らく波動は真っ直ぐ押し返されて、風によって掻き消えるだろう――――そして】

【その残響が、ただひたすらに澄み渡るように響くのだろうか】
【風の魔弾がはじけた残響、貴方を前から押し返すように強い風が羽ばたいた】
【空中で奏でる貴方の旋律を邪魔するその風、もしかしたら、着地を失敗するかもしれない】


休んでる間、ないよ……一杯、責めなきゃ
くしゅくしゅって、揺らすの、一杯、響いて欲しいから


【肩幅に開いた両足、その位置はずらさず、掃射した後右手のBAR≠フ銃口を空へと向けた】
【再び構えなおすのは左手のBAR≠キーっと音も立てずに手元へと引き寄せて、その銃口を向ける】
【銃弾を放つ、狙いは貴方の着地、風によって乱れたなら、もしかしたら数が当たるかもしれない】
793 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/28(木) 20:41:01.75 ID:cpmKFxmxo
>>792

【一声目こそ軽やかに避けはしたが、元来この長駆はガンナーからすれば格好の的であり】
【暴力的な旋風は相手の読み通り正しい音程を踏みそこねた間抜けなサパテアードと化し、端的に言えば蹈鞴を踏んだ】
【そうすれば次弾を回避することが限りなく困難であるのは明らかであり、結果としてその風の魔弾は確実にレヴィを捉えた】
【数発の流れ星は打ち鳴らした残響を残す腕に一発、腰に一発、大腿に一発。散弾ゆえの低威力だとしても、油断ならない】

ぐう……ッ! 何だい、前よか派手に鳴らせるようになったねぃ!
まるで知らな間に大人の女になっちまったようで悲しいもんだがぁ、まさか俺との約束は忘れてねえだろうよい!!
もしも忘れたってんなら――こいつで一丁、思い出して貰うかねぇ!!!

【握り締めた両拳が弾き出す親指、それに乗るのは灰色の燐光が形作る“弾”だ】
【弾く音をそのまま銃弾に見立てて奏でた二発、貫通性は無くただ衝撃に特化したそれが狙う先は】
【一切の遠慮など無しに、ただ相手の女性足りうる柔らかな腹部を目掛けていて】
【それで外部というよりは内部臓器への痛烈なダメージを負わせようとすると同時、】
【相手を弾き飛ばすか回避させる事によって、中距離の位置を保とうとする狙いもあるのだろう】

【彼女の得手とする遠距離より一歩踏み入ったレンジ、それでいて銃を駆使したその近接に近寄り過ぎないヤード】
【男の得手とする中距離のフィールドを保とうと狙いながらも、ただ棒立ちに見せかけたその自然体の姿勢は“次”を見据えている】
【その引き金が引かれる意味。一刹那で全てが決定づけられる事実。一発の銃声でさえ全ての始まりとなり、全て終わりを意味する】
【――つまりは、逡巡という油断など持ち得ないという事。隠れた目と態勢はソニアの一挙一動を伺うよう、隙がない】
794 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/28(木) 20:45:20.81 ID:fc8uKf02o
>>790

【物静かな佇まいには猛る気迫とは違って吸い込まれるような恐ろしさがある】
【その正体は相手の感情の読み取り辛さ――そして独特な構えによる動きの予想のし辛さだろうか】


にゃっ、お手柔らかに頼むにゃ
でも手を抜くと怒るからね?


【だが相手がどんなスタイルだろうと、自分はここでは真っ直ぐ戦うしかない】
【着実に、確実に、相手の動きを止めて吹き飛ばす――】

【そして、開幕の鐘が告げられる】


にゃは、


【すぐに銀猫は動き始める。フリッツのもとへと一直線に駆けて行くだろう】
【そのスピードは目を見張るものがある。数mならすぐに詰められるだろう】

【接近できたならきゅっと靴を鳴らしてしっかりと踏み込み、フリッツの腹へと右ストレートを打ち込むだろう】
【馬鹿正直な攻撃――スピードに反応できたなら、容易く対処できるだろう】
795 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/28(木) 20:52:06.16 ID:nUb7ESP8o
>>794
無論、全力でお相手することはお約束いたしましょう。
……ここまで倒させて頂いた方の名誉にもかけて、ね。

【開幕と同時、愚直なまでに真っ直ぐに駆けて来るシルバーキャットに向け、フリッツの両の手が向けられる】

【すると、スーツの袖から覗いている、両手の輪郭が歪む】
【歪んだ輪郭はやがて黒い鱗形を整列させた、ざらりとした表皮を顕し】

【白い両手に変えて現われたのは、異形――大顎を開き、そこに並んだ牙から粘性のよだれを垂らす、目のない蛇】
【その凶悪なフォルムは、目の前の少女を獲物として定めたようだった】

……参ります。

【直線を描き走るシルバーキャットの真正面へ、右手の蛇が迎え撃つように伸び≠ス】
【顎を閉じ、その頭部を銃弾のようにして、シルバーキャットの頭部目がけ、飛ぶ】

【まずは正攻法に対して正攻法】
【その進路を妨害すると共に、攻撃を放つ一手】
796 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/28(木) 20:53:30.93 ID:nU6sqmSro
>>793

【風が奏でるいくつもの音、その刹那の交錯には単なる音の響きあいではない駆け引きがあった】
【一つの動きが様々な波状効果を生むのはきっと、互いが互いに考えを持っているからなのだろう】
【――――そういう駆け引きではきっと、貴方の方が彼女より一枚であろう】

【吹き上がる白煙、彼女の銃口から零れるその音律は、彼女の身を濡らしていく】
【頬に溶ける純白の色、それでも彼女の柔肌には遠く及ばない彩】
【梳いてもらえるなら、そのまま貴方の指先の上で溶かしてもらいたいと思うぐらいに】

【両手の指先の重なる音の示す先、引き金にかかった感触はとても柔らかい】
【少しでも力を入れたなら、そのまま混ざってとろけて、やがて歪んでいくように】
【その果てに届くような望郷を、重ねて欲しかった】


覚えてるよ……みんな、みんな――――忘れないに、決まってるじゃない


【上手いと感じた、彼女の得意な長距離と近距離、それに寄らない中距離の位置】
【スナイパーにとっては最も不利ともいえるその距離を、保つ貴方の行動に感服しそうにもなる】
【――――同時に思うのは、楽しいという事、戦いを愉しむ余裕なんて、無いはずなのに】

【貴方の掌の上、踊らされる姿とも、或いは擽られる姿ともとれる、その小柄な彼女】
【撫でられて媚びた声を響かせるように、けれどもそこには甘え上手な彼女のままで】
【その距離をずっと、近くでありたいとも思えるぐらいに】

【貴方の弾≠フ位置、ただ単純な回避では間に合わない、距離をとったなら、貴方の中に陥れられる】
【それならば――――取る手段は一つであった】

【彼女の身が揺れた、くるり、空中で翻る、その短いスカートの音律】
【真っ直ぐ立った状態から、空中で一度、宙返り、空中で後ろ回りをするかのようなその跳躍】
【地面に落ちる彼女のミニシルクハット、空中でさかさまになった髪の上をすれすれで飛んでいく貴方の弾=z


Разбитый Стеклянный Синдром
――――Broken Glass Syndrome


【空中で揺れる彼女の身体が、まるでアフターバーナーを吹かせたかのように浮き上がる】
【右手のBAR≠突き出したのだ、空中でさかさまになった状態で、右手を地面に向けて、地面を銃身で突いた】
【貴方へと背中を向けた状態でさらに高く跳躍した、そうしたなら、背中を向けたまま、彼女の銃口が貴方へと向くだろう】

【空中から1mほどの高さで、背中を向けたまま、脇から覗かせるように左手のBAR≠向ける】
【そうしたなら、あろうことか、空中で逆さで後ろ向きに、銃弾を掃射するのだろう】
【――――そして、狙いはある程度正確だ、銃弾が当たらなくとも貴方の接近を防ぎ、長距離のレンジを保つには十分なほどに】

【からくりは簡単だ、キラキラと輝く鏡、それが彼女の後方に出現していた】
【背中を向けた彼女の、目の前に出現した鏡は、彼女の奥に貴方の姿を映していた】
【鏡を見て、後方の相手へ、振り向くことなく銃弾を掃射できるのだ、単純ながら、効果的か】

【けれども銃弾を掃射する余裕を作ったために高く上がったのが仇となった】
【落ちてくるその間、彼女は姿勢を元に戻す事が出来ない、地面から落ちたなら受身を取るのだろうが】
【少なくともその間、彼女の身は無防備であろう】
797 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/28(木) 21:06:25.48 ID:cpmKFxmxo
>>796

【旋回するその軽やかなステップは華奢である故に成り立つもの、まさしく相手でなければ成し得ない技だ】
【対する巨躯は瞬時的な動きに際し酷く鈍い。まさかその体勢で放たれた弾の軌道が、】
【ここまで正確であったとは予想し得なかったからでもあったのだが――隠れた目がその鏡を捉えたのは、数瞬遅かった】

くっ――!!

【顎を掠めた強烈なアッパーにも似たそれがクリティカルヒットを免れたのは】
【ソニアの狙う通りに、レヴィが回避のために幾分か多めに距離を取ったためでもあった】
【つまり今の位置関係は“遠距離”。音の攻撃を届かすには距離が多く、弾丸を放つには最適な、そんな間隔】

【相手の隙を完璧に捉える余裕はないにせよ、回避と同じくして男は胸一杯に空気を溜め込んで】
【後方へ向かうベクトルに逆らわないよう、寧ろそれを加速させるためのように、空気砲めいた一発をソニアへ放つ】
【灰色の燐光が覆う可視のそれは大砲の弾に似た大きさではあるが、咄嗟の反撃であるゆえに狙いどころか威力さえ曖昧ではあるが】

……っと、少し離れすぎたねぃ――っ、ちィ

【遠距離の位置に着地してすぐ地を蹴ろうとして、ここに来て鎌首をもたげたのは最初の散弾のダメージだ】
【相手が虚空に晒した隙と同じ程度の時間。レヴィは即座の行動が取れず、その足を僅かに縺れさせる】
【聖職者然した黒衣、けれど神に祈る信心などとっくに消え失せているのが祟ったか】
【何にせよ――相手にとっては、確実な好機と言えた】
798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/28(木) 21:11:53.26 ID:fc8uKf02o
>>795

そうこなくっちゃ!

【に、と楽しそうな笑顔を作る。未知の相手に対する期待――能力も戦い方もひっくるめて】
【でも、勝利は易々と渡さない。真っ直ぐフリッツへと向けられた眼差しは研ぎ澄まされた爪のように鋭く】


――!!


【蛇に変化した腕、自分を咬みつかんと迫り来るが、疾走は止まらない】
【前回は虫で、今回は蛇か――こいつもあんまりうまそうじゃないな、と子供っぽい思考が一瞬だけよぎるが】
【左右に回避すれば左手から同じ攻撃が来る――そう読むや否や反射的に足が動いた】


よいしょ!


【だんっ、と進路は変えず、彼女は跳躍するだろう。フリッツが一瞬見ることになるのは彼女の背中だ】
【銀猫は宙で素早く縦回転すると、すかさず踵落としを頭へと叩きこもうとする】

【狙い澄まされた一撃――これも反応できたならば左の蛇で対処可能だろう】
【しかし重力を借りたそれはかなり重い=z
799 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/28(木) 21:13:07.31 ID:nU6sqmSro
>>797

【夜風がひどく高鳴るノイズのよう、吹雪くその音がやけに大きく聞こえた】
【観客が息を呑む音、それはただ単なる、感嘆という形容詞では足りないほどに】
【無数の目がただひたすらに果てた、その奥にいくつもの姿を重ねるかのように】

【プラチナブロンドの髪が風を撫でた、擽ったそうにその横顔が揺れる】
【マリンブルーの瞳が、鏡越しに貴方へとも伝わるのだろうか】
【パッチリとした大きな瞳は、澄んだ色をいくつもの影に伸ばさせていた】

【揺れるミニスカートの断片、紅いチェックの残響にひらひらと溶けるよう】
【そこから零れた純白の太股は細く、それでいて華奢な脚にフィットして】
【ニーソックスが絡みつくその脚の質感と、編み上げブーツの音がとても美しかった】


っ……!!んぅ……ぁっ……!!


【落ちる彼女の体、さかさま向けて背中を向けている状態で背中に貴方の攻撃が直撃した】
【背骨の軋む音、内臓が全て、弾けとぶのではないかという衝撃に、彼女の身が、彼女から見て前に】
【貴方から見て奥へと飛ばされるのだろう】

【空中で飛ばされている間にくるりと前回りに回転、そのまま地面にうつぶせに倒れた】
【ハァハァと荒い呼吸が示す、一瞬呼吸ができないほどに、その威力は大きかった】
【何度か立ち上がるも、彼女の白い頬が、僅かな土煙に濡れて】

【貴方の奏でる音律に、そしてそのまま眠りたかった】
【感想はただひたすらに情緒的、奏でる音にひどく淡く濡らされて】
【見えるその奥の儚い音の結晶が、彼女と重なるようにでも】

【彼女の奥の鏡、そこに映る貴方の姿は、とても気高い鷹のようでもあった】


まだっ……まだ、なの……負けるの……早すぎるの
……諦めるの、だめ、逃げるの、だめ……約束した、から


【立ち上がったなら、かくんと膝が曲がる、そしてそのまま倒れそうになる】
【何とか踏ん張って、その足元を耐えさせて、再び左手の銃口を真っ直ぐに向けるのだろう】
【僅かにふらつく銃口、放たれた弾丸は、全然別の方向を問うのだろう】

【数発撃って、軽い音がした、どうやら弾切れのようだ、微かに彼女の顔が歪む】
【リロードは素早い、弾切れを判断したなら直ぐに、右手で銃を握ったままカートリッジを取り替えるだろう】
【けれども、間合いを詰めるにはピッタリな隙≠ナあった】
800 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/28(木) 21:21:44.15 ID:hA7EvKuK0
>>791

【自衛するように僅か竦める首、訝しむように視線を向けたなら、重ねるのは後退もうひとつ】
【闇色の髪が刹那に置いていかれたなら、その細さのひとつひとつが慌てたように戻っていく】
【向けられ続ける盲目的な必死さに煽られて揺れる表情は曖昧で、きっとそれなりの混乱を如実に示していた】

なに、それ、しらない
しきたりなんてないよ、あるわけないじゃない、ずっと昔に棄てられた神様の血に
お婆ちゃんも、お母さんも、最後の女の子だって死んじゃった わたしが源流で、涸れ果てる場所なの

【それでも言葉を返してしまうこと。無為にするにはあまりにも、その必死な様が重過ぎて】
【一文字紡ぐごとに後悔するような気持ちが湧くのに、結局止まらなかった言葉は、鈴の音色で夜に響く】
【神嫁。聞いたこともないなら、当然その意味も分からなくって。漢字から考えたって、その程度でしかない】

【若い村娘の元へ毎夜毎夜訪れるのに、日の出前には消えてしまうという男の話】
【いろんなところにそんな伝承は残っていて、その結末だって様々に散っている】
【曰く、その衣に糸を仕込んで辿ったら蛇の穴にたどり着いたとか、孕んだのは蛇の子だったとか、】
【そんな話――ふと思い出したけれど、知っている程度の知識では考えるには到底足りなくて、思考から投げ捨てる】

……ねえ、わたし、こうじゃないと息も出来ないんだよ。少しだって動くことも出来なくって、考えるより先に消されちゃうの

お父さんと一緒に居るって決めたの、誓ったの。だから、そんな警告、聞かない
心配してくれたのかもしれないけど――息をするみたいに信じなきゃ、息すら出来ないのよ

【血の流れる先、本来の道筋は絶えたと彼女は言ったけれど。だったら、ここに居るのはだれなのか】
【身動ぎすら、呼吸すら、思考すらも本来出来ないモノ。触れられた頬は温かかったけれど、あれも紛い物だったのか】
【こう、とは。そのうちに蛇を宿すことを意味するなら。そうでなければ生きることすら叶わないと、視線を伏せたならそう紡ぐ】
【左の指先がそっと撫でる黒蛇の痣、誓いだと示すのは、先の約束事への返答なのだろうか。すぐに拒絶を返すけれど】

……――お父さん、気にしてたよ、友達と喧嘩したって。
でもね、もう、会わないほうがいい。わたしだって、お父さんがそうするなら、おまえと敵対するから。

【堕ちる視線。追いかけたなら、夜露を纏った赤を撫でて、すぐに彼へと戻される】
【思い出すのは少しだけ前のこと。それなり以上に気にしていたのは本当――だと、思うけれど】
【その後に紡いだ要らないの言葉、どこか警告めいて告げるのは、身を案じられたことへのお返しなのだろうか】

じゃあね

【あっさり背中を見せたなら、髪が覆い隠してそのシルエット全て黒く染めるよう】
【ぱたぱたと小走りで夜を駆けて、その姿は至極あっさりと屋敷の陰に吸い込まれていく】
【表の方で一度、魔力が煌いて。たとえ追いかけたって、それ以上は辿れない】

/おつかれさまでした!
801 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/28(木) 21:25:12.90 ID:nUb7ESP8o
>>798
おっと……!

【シルバーキャットの身のこなしは、フリッツの想像を超えて身軽で、素早い】
【宙に飛び上がった少女の軌跡を目で追いながら、フリッツは、胸を反らす】

【ぼこり、とフリッツが少女へと向ける胸部、ネクタイの下からシャツが盛り上がる――】
【不審を抱くまでもないだろう。白いシャツを食い破り、そこから現われるのは――両手の蛇に比べ、一際太い首を持つ、めくらの大蛇】

くっ……!

【頭突きをかますように、大蛇が迫る少女の踵を受け止める】
【蛇の頭部がぐにゃりとへこみ、その衝撃に押されて、フリッツの身体が後ろへと弾き飛ばされる】

【蛇を叩いたシルバーキャットの足に残る感触は、やはり人体のそれよりも柔らかく――芯のない軟体を蹴飛ばす感触に近い】

ゲホッ、この速さ、厄介ですね……!

【後ろへと弾かれながら、フリッツが咽せつつも右手を引き戻す】
【踵落としを放ったシルバーキャットの背後に残された蛇が、回頭して転進】

【シルバーキャットの矮躯を狙い、鞭の様にその黒い鱗の並ぶ胴を叩きつけようとする】
【背後からの攻撃――とは言え、蛇自体が見えずとも、腕を引くフリッツの動作は目に入るだろう】
802 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/28(木) 21:28:25.92 ID:cpmKFxmxo
>>799

【真剣勝負であるからこそ、間断なく攻撃を浴びせかけるのも必定と言える】
【縺れた闘牛士の踵が整うのは丁度彼女がカートリッジを変える瞬間、地を蹴るサパテアードの調べがその合図だった】
【大腿にも受けた散弾。それ故に速度こそ最高時並とは行かないが、大柄な男の印象を覆せる程度には早い】

まだってえんなら見せてくれよい、そっから“先”を――!!
俺と約束したあんたはぁ!!そんなもんじゃあ無かった筈だよい!!!

【ぐっと握り締める拳、其処に纏わせるのは風を切る嵐にも似た音】
【ソニアとの距離が限りなく近づけられたその刹那に轟いた銃声は、】
【まるで神の審判の槌めいて、その拳の軌道を大きく揺るがせた】

【意図せず明後日へと向けてしまったのだろう、その銃弾】
【けれど、丁度縺れた男の軸脚が知ってか知らずか、見事にその一直線上にあった】

【巨躯を支える役目の足、打ち抜かれたことにより揺らいだ正中線から放つ拳なんて】
【幾ら威力があったとて多寡が知れている――少なくとも、それが命中するとしても彼女のリロードより遅い】
【腹を狙う拳に纏う衝撃波は掠めただけでその華奢な体躯が弾かれそうではあるが、】
【上記の通り曖昧な一線をなぞっている。僅かな狂いに乗じるように銃弾を放てれば、目前に見えるのは――】
803 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/28(木) 21:37:40.02 ID:nU6sqmSro
>>802

【ずっしりと重量を増す彼女の銃、その重さに僅かに表情を曇らせたなら】
【溶けるようなその音の断片を、誰かに尋ねて欲しかったようにも思えた】
【きっとそのまま、きっとその先、戦うには少し物足りなかった】

【ぐっと狭まる彼女と貴方の距離、中距離よりもずっと近い距離】
【彼女にとっては不利な距離であった、貴方に埋められた、この距離】
【表情に刻まれる苦悶の色が、その事をハッキリと示した】

【彼女の柔肌は純白の色を滲ませて、零れた吐息の氷雨にも満たない】
【戦いの中で熱を灯しても、苺ミルクのような柔な色合いは、きっと、可愛らしいとだけしか映らない】
【その奥に、どれだけの苦痛を孕んでいても、なお】


……っ……分かってる……分かってる、けど……!!


【気持ち悪い、その感想で一杯、腹部に何度も、何度も踵を落とされたかのように】
【少し気を抜いたなら吐いてしまいそうになるのを、必死に堪えるのだろう】
【小さく震える太股の白さが、僅かに揺れた雪景色みたい】

【リロードを終えたその銃、撃ち抜こうにも貴方との距離が近すぎた】
【貴方の拳が彼女の腹部を捉える前に、すっと邪魔をする鉄色が一つ】
【右手のBAR≠すっと滑らせて落とした、拳をその銃で受けて、ダメージを減らすには十分であっただろう】

【玲瓏なその指先が微かな力を持ちたいと思えるほど、貴方は強く、それでいて気高かった】
【美しいその身と、巧みなその試合運びと、きっと、彼女が尊敬するには十分すぎて】
【憧れは遠い思いの見えないその先の架け橋にも思えた】


近いよ……おじちゃん、あんまり近すぎたら、抱きしめて、あげないよ
お願い――――Broken Glass Syndrome


【貴方の背後に出現する鏡、そうして映すのは貴方と、貴方の周囲】
【瞬間、貴方を中心に波紋のような線が、広がっていくように、沢山出現する】
【その正体がなんであるか、少しでも音を立てたなら、理解できるだろう】

【それは音=\―――この周囲の音≠可視化させたものである】
【何か音が立つたびに、沢山の線の内一本が、震えて、貴方にもそれが見えるだろう】
【音を可視化させた、それならば、彼女にも、触れる事が出来るだろうか】

【左手のBAR≠サの銃口を外側へと向けて、滅茶苦茶な方向に掃射した】
【彼女の狙いは可視化させた音=\―――直撃したらなら、一時的に貴方の周囲から音が消える】
【まるでミュートをかけたかのよう、貴方が動いても、音は全くならないだろう】

【長くは続かない、けれども、この攻防の間、貴方の音≠フ能力は使えなくなるだろう】
【けれども、近距離が逆に仇となる、能力に頼らずとも、攻撃する事は可能だ】
804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/28(木) 21:46:45.50 ID:fc8uKf02o
>>801

【反らされた胸、攻撃を受けるにしてもおかしな挙動だ】
【しかしもう止まれないし、止まるつもりもない】
【思いっきり振り下ろした足が捉えたのは――人のそれではなかった】


う、腕だけじゃないのかにゃ!?


【受け止められた衝撃でバランスを崩すが、すぐさま彼女は手をついて着地する】
【この調子ではもし背後を取ったとしても背中から蛇が出てくるだろう】
【となれば、やはり取るべき行動はひとつ】


【 ――攻撃あるのみ!】


【相手は後方へ弾かれた、ならば態勢を整わせる前に、こちらのペースに持ち込むのが吉】
【地を掴んだ手を、引き寄せるように思いきり引いて、飛ぶように駆ける】
【――だが前に進もうとしたために彼女は、背後へと迫る脅威に反応する術を失った】


くぅ、……っ


【身体に衝撃が迸る。彼女と蛇の進む方向が同じだったとはいえ、ダメージはある】
【なによりも問題なのは、この攻撃でフリッツの方へと押し出された≠アとだ】
【当然バランスは大きく崩れ、転ぶのはまずいと彼女は踏みとどまろうとするが――】

【その姿は確実な隙≠ニなる】
805 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/28(木) 21:48:03.60 ID:giejbKMmo
>>800

……基本的には、彼らは大げさに何かを統べるものではない
名や、血や、土地に。根づいて守るものだからこそ、彼らは強い引力を持つ
ヒトが手放したところで、彼らはその尾を伸ばしてくる

【ヌカヒメ、箸墓、拾遺雑話。蛇を主と置いた話はどこにでもある、形の変わり芯が何であったかも分からぬほどに】
【そして多くは、求めに従って参る話では無い】
【あまりに親身に何かを伝えようとするのは、相手を何かに重ねているのかもしれない】
【それが何であるかはひどく判然とせず、だからこそ伝えるのみで留まっているのかもしれないが】

難儀だね。どちらも、きみにしか為せないのなら
……けれど、私は、覆さなければいけない。私の望みの為に

【相手が去るにつれて、その水色は靄がかかるように表情が失せていって】
【足音すら聞こえなくなってしまえば、そのまま椅子へと倒れ伏す】
【もう少し、実験の経過を見守るまでその場に居て、次の日にはこの場所もただの庭へと戻っているのだろう】


/おつかれさまでしたー
806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/28(木) 21:56:25.44 ID:nUb7ESP8o
>>804
……情報収集を怠るのは、感心できません……ね!

【フリッツの試合は既に二度放映されている――そこには、三匹の大蛇を操るフリッツが、幾度となく映されたはずだ】
【その情報を得ていないシルバーキャットに、忠告じみた言葉を投げながら、フリッツはようやく体勢を立て直す】

女性に手を挙げるのは、いささか心苦しくもありますが……。

【右手の蛇が命中、バランスを崩してしまったシルバーキャットの方へと、右足を踏み出して】
【逆突きを打ち込むように、左手の蛇を突き出す――多少の距離があったとて、フリッツには関係がない】

これも戦場の習い、ご容赦を!

【左の蛇が伸びて、シルバーキャットの腹部へと突進】
【腹部を押さえつけるように打ち抜いて、再びフリッツから遠ざけるように弾き飛ばそうとする】
807 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/28(木) 22:00:25.46 ID:cpmKFxmxo
>>803

【コンスエグラの風車へと駆ける狂騎士の踵、その音が、琴線が、忽然と鳴り止んだ】
【幻覚めいた鏡とそこから成される線の意味を解せるほど、彼女との戦闘は数をこなしていない】
【故に不意打ちとしては十分すぎる効果を生んだ。たんたん、と焦ったように踵を打ち鳴らした衝動が軸足に来て眉を顰める】

これは……困ったねぃ、踏み鳴らす踵を無くすたぁ……!

【ちいと舌打ち一つ、其処にさえ付き従っただろう灰色の五線譜は、今ばかりは死んだように躍らない】
【引き戻した拳の先を振り返った先の鏡に惑わされてか、一体何処へ向けようかと視線が泳いだ】
【その状況自体がパノラマ島めいて空間感覚を狂わせており、】
【ましてそれに迂闊には触れたくない能力製だろう線が乗せられていては、厄介なものだが】

……だがぁ、ここで引いちゃあ闘牛士の名折れってぇもんだよい!!

【散りばめられた死への誘いの間際で幸運をひと握り掴むことが、己の役割だ】
【信ずる神などいない。故に、孤高の己だけを単純に実直に信じ切れる】
【拳にはもう先程のような威力は乗らないが――それでも、】
【脇腹めがけ湾曲した軌道を描く一発は、幾本かの“線”を巻き込む形になるのだろう】

【果たしてそれが幸と出るか不幸と出るか。明らかに後者の可能性が高いというのに、】
【それでもなお猛牛めいてその攻勢を止めようとしない姿は、古い物語の狂騎士と重なって危うさを孕む】
【そも攻撃の狙い自体が曖昧……彼自身、この一撃は外れる可能性が高いと見ている】

【ならば何を思って突っ込んだのか。それは行動をとった男自身にも、測りかねていた】
【勿論振り抜いたあとに瞬時の反応は出来ない、彼自身軸にする脚と腰に散弾のダメージが残っている】
【さて――その結末こそ、まさにカルメンたる彼女が握っている、と言えるだろうか】
808 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/28(木) 22:11:52.03 ID:nU6sqmSro
>>807

【攻撃を受けたBAR≠再び右手で握りなおした】
【距離は依然として零に近い、それでも、脚裁きは依然として死なないまま】
【右足を半歩後方へと下げて、そちらへと体重を乗せたなら、危うくも安定するバランス】

【右手のBAR≠ヘ魔弾を扱うためリロードは必要なく、それ故に重量も軽い】
【右手を背中の方向へ隠して、左手を貴方の前に揺らめかせて】
【そうしてそのまま保つ力の断片を、重ねるように響かせた】

【マリンブルーの瞳が見つめる貴方の姿、その姿へと、届けば良いと思って】
【それでも、貴方へと、思う心が委ねるのは、小さな両手の辿る果て】
【震えるその足元の旋律を辿られないようにするのは、辛い事なのでしょうか】


……もう、操られないの……おじちゃんの掌でなんか、踊ってあげないんだから


【身に纏うゴシック調の白いブラウスと、姫袖から零れる小さな掌】
【華奢な身体は戦う事を怯えさせて、それでも戦いへと向かわせる】
【零れ落ちた両脚が響かせるのはきっと、退路にも似た淡い心地】

【貴方の砕く音の線、周囲の風の音がぱったりと消えるよう、貴方の後方の風の音が】
【彼女の右手が揺れたなら、何故であろうか消えた風の音は再び元通りになるだろう、近い距離で音が重なる】
【苦しいと思った、回避しようにも距離が近すぎた】

【左手でその攻撃を受けた、軋む彼女の表情、響き渡る痛みが、彼女を捕らえた】
【零れる音の流れる果て、彼女の声が、歪んだ音色をかき鳴らすのを、貴方でもきっと聞こえるだろう】
【上空へと投擲した、彼女の左手のBAR=\―――くるくると、舞って、やがて落ちてくる】


……おじちゃん、言ったの、ソニア――――これはRaumKrankheit≠セって……
ソニアの友達、変わらないの、あの時とだって、変わってないんだよ――――!!


【右手を上空へと翳した、銃口から漏れる白煙に透けて、彼女の頬が揺れた】
【落ちてくる左手のBAR≠ニ右手のBAR≠ェ重ねついたなら、バラバラに砕けていって】
【左手が虚空を掴んだなら、ソコには一本の、細身の銃身が輝いた、よう】

【そこに出現し、両手で握られるRaumKrankheit=\―――元々二つの銃はRaumKrankheit≠二つに分解したものだったのだ】
【銃口を向けた、左手で銃身を握って、右手で引き金を指にかけたまま――――】
【放つ銃弾が響き渡ったなら、貴方の顔の直ぐ側を、すり抜けていくだろう】

【接近しすぎた結果だ、彼女のRaumKrankheit≠フ長い銃身は当てることのできる距離になかった】
【そして貴方の耳に音が聞こえるようになるだろう、雪の下、彼女の表情が、解けた】
809 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/28(木) 22:20:45.57 ID:fc8uKf02o
>>806

にゃは、そうかもにゃ

【情報は無いに越したことはない】
【というより仕入れておいた方が確実に有利に働く……のはわかっているのだろうか】

【よろり、と前に倒れそうになるのを必死で堪えるその視線は下にあって】
【やがて身体の痺れが取れると同時に前を向くが、視界に入ったのは――蛇だった】
【真っ直ぐに突進してくるそれは輪郭をあやふやにする速度をもって、膨張したかのように迫り】


かっ、は……、ぁ……


【細い銀猫の腹を打ち据えたなら、彼女の身体をくの字に曲げる】
【足が浮き、力の流れに身を任せるがままに吹き飛ばされ、やがて背中から落ちる】
【地面を滑ったその先で、彼女は低く呻きながら薄い胸を上下させて――荒い呼吸を零すのだろう】


……、ぅ……は、にゃは


【しばらく時間を置いて、彼女は立ちあがるだろう。震える足は、確かなダメージの証】
【だが闘志は――消えてない。それどころかより強く、鋭く】


まだ、終わらないにゃ
――本番は……ここからだよ


【ふっ、と息を吐くと思いきり地面を蹴る】
【わたげのように軽い身体は、ふわりと音が付きそうなくらいに浮き上がって】
【腹部に残る重い衝撃に歯を食いしばって耐えながら、フリッツへと接近するだろう】

【しかし距離を置かれた分、詰めるのに時間がかかる】
【フリッツの出方次第で、彼女の動きは決定されると言っていいだろうか】
810 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/28(木) 22:25:02.78 ID:cpmKFxmxo
>>808

【頬を掠めた一発。一番初めに掠めた頬と同じ箇所、二本目の線が滲んだ】
【取り戻した音の感覚、されどそれを操れる程に息を整える余裕もない】
【軸足を射抜かれた時点で大勢は決していた。自重を支えきれない巨躯が揺らぎ、地に片膝を付いた】

……は、ハハっ、そうかい、なら初めから見誤ってた俺の“負け”だねぃ
だがぁ――まぁだ終わらせたくは、無いんだよい!!

【無理切り地面を叩いた音、それに怪我のない方の足での跳躍を重ねて】
【歪に斜め方向に後退する躰。低い体制を持ち直そうとして、矢張り痛みに躰が軸を失う】
【降参したって良い頃合、それでもまだその声を上げなかったのは、】
【今もあの時も、まだ一度たりとも彼女の“本気”だと思える攻撃、それを見ていなかったからだ】

【RaumKrankheitが今度こそ、その真価を発揮させるのを何処かで期待する心】
【それは別段弄れている訳でも無いだろう、戦う相手の真髄を見極めたいのは、武人ならば誰でも抱く願い】
【すうと深く吸い込む息、放たれるには幾ばくの猶予があって、相手には好機が生まれる形か】

【――だが、逆に言えば】
【この機に決定打を与えない限り、次に大きな一撃が放たれるのは決定的でもあった】
811 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/02/28(木) 22:27:52.36 ID:6CHspi+ko

【――激闘が続くフィールド。】
【覚める事の無い夢のような夜。】
【弾丸が、拳が、剣が、意思が、一つの頂点めがけ火花を散らす。】

【―――"勝ちたい"】
【―――"戦いたい"】
【―――"限界を"】

【――――"限界を" "知りたい"】



【戦場は熱気に包まれている。】
【集う戦士に沸く観客、喝采が鳴り止まぬ中、ふと――照明が落ち、漆黒。】
【暗くなった場内に静寂が訪れ――そして、一発の銃声が轟いた】
【そしてその後に続くは力強い馬の鳴き声――蹄が大地を蹴り砕き】
【"彼女"を乗せ、白馬が戦場に舞い降りる】

【――フィールドの手前、土埃を上げて馬は急停止――その背に跨った"女"が、飛び降りた】
【着地と同時にスポットライトが場内を照らす――漆黒の中に浮かび上がるシルエット】
【特徴的なテンガロン・ハット、首もとの赤いスカーフ、そして腰に吊り下げた古びた革のガン・ベルト――】
【"ガンスリンガー"――西部劇にでも出てきそうな、時代錯誤な格好の女は】
【手に握った愛銃、Colt Navy 51に酷似したパーカッション・リボルバーを天へと掲げ――死闘へ名乗り出た。】

【スタジアムの片側、女が入場してきた門に設置された巨大なモニターに映るは女の名前――】

セリーナ・ザ・"キッド"!!再び参上!!

【―――SELINA THE "KID" 】
【二回戦を勝ち抜いた女にしてガンマン――そしてUNITED TRIGGER創立者】
【声援を受けながら、セリーナはこれから入場してくるであろう"相手"を待つ――!】

/セリーナです!レイニーエッジの方、今夜はよろしくおねがいします!
812 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/28(木) 22:31:36.61 ID:nU6sqmSro
>>810

【貴方なら知っているだろう、彼女のRaumKrankheit≠ヘ連射ができない代物であると】
【だからこそ、彼女の放った銃弾が虎の子≠ネのだ、これ以上の攻撃は、リロードせなばならない】
【嗚呼きっと、届かないと思った、このまま諦めていたなら、届かないって】


違うの、ソニアだって、終わらせたくなんて、ないよ……
嬉しいの、おじちゃんが、全力で、戦って、くれるの……とっても……

だからね、終わらせなきゃ……そうじゃないと、返せないよ、ソニア……おじちゃんの優しさに、答えられないの
おいでBroken Glass Syndrome


【溶ける音、銃弾が水面に染み入る音、消えたその音の残響が響き渡るだろう】
【音≠可視化させた鏡、貴方の後方に出現した鏡へと、貴方の頬を掠めた弾丸が溶けていった】
【けれどもそれではまだ足りない、彼女の鏡には、入り口と出口が必要だから】

【彼女の身がふわりと揺れた、右ひざがついて、その姿勢がぐらりとずれた】
【顔を出すのは、ずっと前から出していた、彼女の後方の鏡、その表面に波紋が訪れたなら】
【そこから放たれる銃弾=\―――きっと、この距離を、飛び越えてきた、銃弾】

【この一撃は偶然に近かった、最初から狙ったワケじゃなくて、最終的にこうなった、というだけ】
【それでも、届いて欲しかった――――貴方へと向けた羨望が、形になってくれたら、嬉しかった】
813 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/28(木) 22:34:59.66 ID:nUb7ESP8o
>>809
【吹き飛んでいくシルバーキャットを視界に収めながら、フリッツは両手の蛇を縮めて引き寄せる】
【油断無くそれを構えたまま、リングの縁から離れるように、中央へと歩いていく】

……ご無理はなされぬように。
あまり手酷い怪我ともなれば……。

【倒れたシルバーキャットに、説教じみた言葉を投げようとして】
【――起き上がる彼女の瞳と目が合い、その口を半ばで閉じる】

【爛々と燃える闘志が、己の弁を傲慢だと突きつけてくる】

……まったく、失言ばかりですね、僕は。

【その矮躯のどこに、それだけの気力を隠し持っているというのか】
【目の前の少女の認識を改め、フリッツは、決意を秘めた答えを返す】

ええ、最後まで……力尽くまで戦うとしましょう。

【跳び上がる少女に対しては、多少の攻撃でさえ大きな隙となりうる】
【ゆえにフリッツは、両手を蛇の形から、もとの白い手へと戻して】

【次の瞬間、フリッツが履いている両足の革靴が、内側からの圧力に耐え切れず、爆散する】
【リングの石畳に牙を突き立て、蛇と化したフリッツの両足が伸びる】

【まるでロイター板を踏み切る体操選手の様に、フリッツもまた空中へと踊り出て】

空中が、あなただけのフィールドとは限りませんよ!

【左拳のフックパンチを、交錯するシルバーキャットの右肩へと、叩きつけようとする】
814 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/28(木) 22:48:30.10 ID:3+7ipcwV0
>>811

【……登場は、大人しくて良い。】

【どうせ闘えば、あいつらは盛り上がるのだから。】
【そういう考え故に、『彼女』は溜息を吐く。だが然し、油断はしない。セリーナ。有名人じゃないか。】

【ーーざり。会場に、足を踏み入れる。暑い歓声は煩いが、嫌いでない。煩いと思えば、それも悪意だ。】
【灰色の髪、赤いマフラー、大きな尻尾を揺らして、空色の瞳を、鈍く、大人しく輝かせて。】

随分、派手好きらしいな、君は。

【この襤褸コートは、派手な舞台には似合わないか。】
【それでも、此処まで勝ち上がってしまったのは真実。なら、似合わないなりに戦おう。】

【両手に大輪のチャクラム、その心に悪意を満たして。】

お初にお目に掛かるね。
……私はレイニーエッジ・ピカレッジ。桜園の血盟が次兄、カノッサ狩りの猟犬。

【モニターに名前が映っているらしい、気にはしない。】
【意識は、目の前の敵にのみ向ける。それでいい、私に、パフォーマンスは要らない。】

いざ、尋常に……なんて、私はサムライじゃない。
ふふっ……サムライとガンスリンガーなんて、燃えるシチュエーションだろうけど。

【ただ、斬り結ぶ。】

【だって、観客共は、それこそを望んでいるのだから。】

/レイニーエッジです。宜しくお願いします。
815 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/02/28(木) 22:49:45.73 ID:cpmKFxmxo
>>812

【崩折れる、相手の華奢な体は末期に揺らぐ風音にも似て酷薄なものであったが】
【けれどその背後に控えていたモノを知れば、其処に抱くのは勝利の予感などではなかった】
【あの一発は矢張り――そこまで思い当たったところで浮かべた笑みの意味を問うのは、】
【無造作に散らばる星屑の中からただ一つの恒星を探すのにも似て、掴み難く捉え難く】
【ただ一つだけ言葉を当てはめるとしたら、きっと“嫌ったらしい”笑み方なのであった】

……――残念、だねぃ
けれど……愉しかったさぁ。有り難うよう、ソニア

【肩に一撃喰らったそれ。音を奏でる踵も軸足と大腿が演奏不能な状況下】
【持ち合わせれていた最後の一声は、終幕を告げる銃弾にかき消されて容易く止んだ】
【例え奇跡や偶然の類が呼んだとして、それさえも戦闘の中での実力の内と判断する男は】
【ただ一つだけ、此処で終わることを悔やむと同時に、此処で終われることを神の代わりに彼女へ感謝したのだった】

【――そうして、重い音を響かせて大きな躰が地に倒れ伏す】
【賭けの結果が外れた荒くれ共の野次る声などひとつもなく、その瞬間に会場を揺らす歓声は】
【紛う事なく、たおやかな彼女の勝利を祝う騒擾に満ちた音色であったのだった】

【勝者――ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ】

/この辺りで、ありがとう御座いました!
816 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/28(木) 22:53:29.37 ID:fc8uKf02o
>>813

【 ぱしんッ 】

【響く渇いた音、それはフリッツの拳を、銀猫が受け止めた音だろう】
【肩の前へ出したのは左手。伸びる腕の向こうで、にひ、と笑顔を浮かべる彼女が見えるだろうか】
【そして左手の下には固められた拳があり――交錯する瞬間に、正拳突きが繰りだされるだろう】


……く、


【成否に関わらず彼女はフリッツのすぐ隣へと着地する】
【足をついても痛みが走る――内臓にとげが生えたみたいだ】
【僅かばかり鈍った動きで振り向けばおそらく再び、両者の攻撃範囲内】


【ほんの少しだけ下がった頭、横目で相手を見据える抜け目なき眼はまさしく】

【――狩る者≠フ眼だ】
817 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/02/28(木) 22:54:23.02 ID:nU6sqmSro
>>815

【きっと、きっと――――結果と呼ぶにはあまりにも見られたものではない勝利】
【外れてもおかしくなかった一撃が、偶然に貴方を捉えただけと言っても良かった】
【だからこそ、実感として思うにはまだ時間がかかるのだろう】

【崩れるその身体、ぱたんと地面に倒れたなら、そのままドロのように眠りこける】
【貴方から受け取ったいくつもの感情、それをなくさないように、したかった】
【辿り続けるその先に、何かを得られたなら、ソレでよかった】


/お疲れ様でしたー!
818 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/28(木) 23:04:41.36 ID:nUb7ESP8o
>>816
(体重が乗り切らない……なるほど!)

【空中戦の舞台に上がってようやく、彼女がここを主戦場とする理由を理解する】
【地に足を付け、反作用を打ち消すことが出来ない状態では――速さだけが威力を決する】

ツァ……!

【今更そんなことを理解したところで、状況が好転するわけでもない】
【シルバーキャットの拳が、その威力を遺憾なくフリッツの腹腔に伝える】
【図らずも、お返し≠貰った形になるか】

【息を漏らしながら、フリッツもシルバーキャットに数瞬遅れて着地――と同時に、膝を付く】

く……!

【事ここに至って、隙が生まれる、などと言っていられない】
【なぜなら、膝を付いた今の状況こそが、既に隙なのだから】

【フリッツは右手を蛇へと変化させ、シルバーキャットの居る辺りを薙ぎ払うように、蛇の身体を振り回す】
【先に着地したシルバーキャットには、その動きを見て取ることは難しくはないだろう】
819 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/02/28(木) 23:11:52.60 ID:6CHspi+ko
>>814

――アタシは長生きする気でいるけど――実のところできるかどうかは不鮮明なんだ。
そういう"仕事"をしてるし、そういう"生き方"をしてるから、ね!

だからそう――派手に出来るところは、派手にやっておきたいのさ。ふふっ!

【"組織"として動き、弱い者の味方に立ち、巨悪を撃たんとする正義のガンマン――】
【しぶとい性格はしていても、自分が危険な立場にいることだけはよく、分かっているのだろう】
【"アピール"は出切る内にしておくべきだという考え――この国には、いや】
【今この世界には、明るい「気持ち」が必要だ。】

はじめましてっ!アタシはセリーナ――セリーナ・ザ・"キッド"!
よろしくね、"レイニー"!

【銃――手に握った"弾"末魔をガンベルトへと戻し、彼女はレイニーエッジと向かいあった。】
【その耳に入ってくる言葉のうち、引っかかったのは――"カノッサ狩り"という単語】
【ひょっとすると、彼女は同業者か――これは、今後のことを踏まえても】
【彼女の全力を、受け止め、よく見ておく事が必要になりそうだ――】

(――"桜園の血盟"――聞いたことが無い組織の名前だけど、もしかして同業者さん――?)
(――ふふっ!今後お世話になったりして。まあ、今はとにかく――)

確かに、見たところ侍!って感じじゃあないね!ただその両手の武器――それは中々手強そうだけどッ!
―――レイニー、安心して良いよ――絶対に、燃える試合にしてみせるから、さッ!

【観客と、そして目の前にいるレイニーエッジの期待に応えたい――セリーナは目を閉じ、静かに腕を、ガンベルトへと近づけていき――そして】
【ゴング。戦いの火蓋が切って落とされると同時、瞬速で瞳を開く――ブルーとも、翡翠ともとれるような神秘的な輝きのそれが】
【レイニーエッジを鋭く捉え、そして次の瞬間――響く、発砲音!】
【ドウゥン、と空気が唸る音と共に"居合い"の様な素早さで、神速の早撃ち<クイック・ドロウ>が行われたッ!!】
【腰元のガンベルトからはみ出たグリップを右手が掴むとほぼ同時、左手が水平に銃身へと滑っていき、ハンマーを叩き起こすッ!】
【そして銃口がホルスターから抜き出されたその刹那には、トリガーが引き絞られていた――僅か一秒にも満たない攻撃!】
【放たれた弾丸は紫色の魔力塊――"魔弾"となり、レイニーエッジの"胴"めがけ直進する――!!】


820 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/02/28(木) 23:18:40.86 ID:nW8PFdWuo
>>811>>814
/実況です。お邪魔になるようでしたら言っていただければ……

スウェン「さぁ始まるはベスト4をかけた試合!! セリーナ選手対レイニーエッジ選手の一戦です!」
     「実況は勿論スウェン、解説に瑛月さんの体勢でお送りいたします! 瑛月さん、よろしくお願いします」

瑛月「中邑瑛月です。―――……よろしくお願いします。 ―――……で、またド派手に来ましたね」

スウェン「しかし前よりかは控えめということで、少し注意されたのでしょうか!!」
     「セリーナ・ザ・"キッド"!! 前回覇者八攫選手を倒した彼女が今、白馬に揺られて参上ォォッ!!」

スウェン「そして一方のレイニーエッジ選手は対照的に静かにこのバトルフィールドに足を踏み入れましたァァッ」
     「小柄な彼女ですがここまで勝ち上がってきた猛者と言って間違いありませんっ!! 激闘を期待しましょう!」

瑛月「……―――良い雰囲気を持っていますね、レイニーエッジ選手。 雰囲気だけで、相手に戦いたくないと思わせるような」

スウェン「それでは3回戦第1試合……期待しましょうッッ!!」
821 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/02/28(木) 23:24:02.44 ID:siCixp9l0


【森の中程。余り人が訪れる事の無いような所に、その泉は存在していて】
【水面に映し出されたまん丸の月を見るのは、一人の少女】
【金色の髪を持ち、狼の尾と耳を生やした、そんな少女か】
【何かに思い耽るかの様にただ虚像の月だけを見つめて、やがては投げた小石がその月の存在を更に朧気とするのだろう】


「満月……かぁ……
お伽噺なら、本当に狼になっちゃうんだろうけど
――――うーん……そっちの方が苦労しないで済んだのかも知れないけどさ」

【傍らに転がっているのは、三匹の魔物】
【少女の身体。所々から流れる鮮血は先程まで交戦していた証か】
【苦笑しながら三角座りをすれば、再び小石を手にとって】


「まぁ、あの子を逃がせる事も出来たし、大怪我もしなかったから良いけど
ちょっと疲れたから休んでから戻ろうかな……」

【チャポン――――静かな空間に響く水音】
【予想外に響く其れは、近くを通る者の興味を引き付けるだろうか】
【音の元を辿ってみれば、亜人の少女が膝を抱えながら水面を眺めているはずで――――】
【新たな気配に気付けば、ピンと耳を立てて視線を送るのだろう】




【寂れた教会――――人が訪れる事の無さそうな外装であっても、中からはよく澄んだ詠唱の紡ぎが聞こえて】
【静寂に包まれるこの一体に流れるそのアリアは何処か神聖的な物とも聞こえるだろうか】
【――――もし、辺りを通りかかった者が居るならば其れはきっと興味を惹くような物で】

【その歌声に誘われて教会の扉を開いたならば、黄色い双眸が向けられるだろう】
【歳にして十七の女性。或いは少女】
【紡ぐ声を止めれば、銀の長剣に手を伸ばして近づき】


「――――旅のお方、でしょうか?
休憩や宿泊程度ならばご提供できますが……すみませんが、それ以外の事は何も――――ふぎゃっ!」

【凛とした表情を向ければ、この場を訪れた理由を問おうとするのだろう】
【旋律を紡ぐための澄んだ声は、非常に聞き取りやすいものであって――――】
【然れど悲しいかな。立ち止まろうと思えば自分の纏い物に引っ掛かり、そのまま目の前で転ぶという無様な姿を晒して】

【恐らくは訪れるのであろう、何とも言い難い雰囲気】
【果たして――――来客者はどの様に思うのだろうか】
822 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/02/28(木) 23:25:09.55 ID:fc8uKf02o
>>818

【この距離では必殺技は放てない】
【だが、この距離ならば蛇をいなしつつ反撃できるはずだ】
【――ここを死守すれば、あるいは勝機がある!】

【腕をたたみ、しなる蛇を受け止めるのはそう難しいことではなかった】
【ざり、と靴が音を鳴らして衝撃を吸収する。ほんの少しだけ身体が揺らいだけれど倒れはしない】


だあああああああああッ!


【チャンスだ、と脳が叫ぶ。ぎゅっと握りしめた拳を振りかぶって殴りつけようとするだろう】
【狙いはどこだっていい。これは狙いを気にしない連撃=z
【スイッチが入れば動き出すだけだ。暴走列車の如く、何度も】


 【 連打、連打、連打! 】


【ただひたすらにその文字だけを頭に浮かべて雨あられとパンチを繰りだすのだろう】
【当然ながら防御など考えていない。一撃ごとの隙は大きく、カウンターを決めようと思えばそれは容易いはずだ】
823 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/02/28(木) 23:36:53.48 ID:3+7ipcwV0
>>819

ふふ、成る程。流石に、伊達や酔狂だけじゃないね。
ガンスリンガーの癖に、サムライ染みている心意気。天晴れだ。

【難敵、だろう。少なくとも、弱敵なら此処まで上がれない。当たり前だ。負けるかもしれない。】
【何より、銃。厄介だ。相性としては、よくない。】

【ーーこのように、レイニーエッジの内心に『明るさ』は無い。】
【何故なら、彼女の原動力は悪意なのだ。明るさなど、犬の餌にもならない。】

宜しく、セリーナ君。これで今生の別れではあるまい……ふふ。

【身体を、僅かに捻る。奇妙な構えだ。】
【然しその目は、セリーナの姿を捉えている。侮れない敵。そして、今後は『仲間』か。】

【そういう意味では、ライラもそうだった。】
【この大会は、今後の仲間の力量を知る事に繋がる。悪くない。】

ふふ、そんな不安は無いさ。
あるとすれば、この刃が勢い余って君を殺してしまわないか……

【きりきりと、軋む程に身体を捻った。大輪は、指先で廻すには向かない。】
【そして、ゴング。弾かれたように、レイニーの身体が、動く。】

……『咎堕の宝玉』の研ぎ澄ます悪意の刃。
割くのは、カノッサ機関の連中だけじゃあ無い……それッ!

【投擲。驚くべき早撃ちに対する、レイニーの答え。】
【右手のチャクラムを投擲し、魔翌力弾を迎撃。其れで、その刃は地に転がり、消える。】

【そしてその投擲動作! 捻りの勢いを利用しその場で竜巻めいて一回転し、左手のチャクラムを力強く投擲!】
【独特の弧を描く軌道で、セリーナの胴体を切り裂こうと、大輪チャクラムが飛来する。】
【速く、危険な一撃だ! だが、此処まで来たセリーナ程の猛者なら、対処は十分可能。】

【だが、更に、その両手には抜け目無く新たな『刃』ーーこれは、大型の苦無!】
【レイニーエッジもまた、油断ならぬ使い手である! これは観客の期待に応え得る開幕!】
824 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/02/28(木) 23:37:10.84 ID:nUb7ESP8o
>>822
【蛇が目標に命中した手応えはあった。が】
【さすがに苦し紛れの攻撃でダウンを奪おうなどというのは、虫のよい話だったか】

【蛇を縮ませ、元の右手へと戻しながら】

こ……の!

【震える膝を叱咤して立ち上がった彼の目に飛び込んでくるのは、小さな拳】
【彼らしからぬ悪態のようなものが、その口をついて出る】

【飛んでくる拳の嵐を、流し、弾き、止める】
【フリッツの動きも、けして蛇だけに頼っている者には手に入らぬ、修練を積んだ身のこなし――】

【――なのだが、彼女の人智を超えた暴風のような連打に翻弄され、いくつものクリーンヒットを許してしまう】

【たたらを踏むように、シルバーキャットの拳打にあわせて後退しながら】
【何度目かの拳を腹に受け、歯を食い縛りながら、フリッツが右足を突き出す】

ァアッ!!

【悲鳴のような叫びと共に、突き出した右足が、蛇へと変化】
【フリッツの攻撃に、勢いは余り重要ではない――蛇自身を伸縮することが出来るのだから】

【当てて∞伸ばせば≠サれだけで敵を弾き飛ばせる】
【狙いは、彼女の腹部――点滴岩穿。距離を開けるための攻撃であると同時に、既にダメージを負った箇所への、追撃でもある】
825 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/02/28(木) 23:43:02.64 ID:jxpsLiRUo
>>821
血の匂い――、素敵なハミング。
悪く無いわ、むしろ好きな要素で溢れているもの。
こんな夜は、何か面白い事が起こりそうな、そんな予感……ね。

【澄み切った声は、どこか稚気を感じさせ、変に歪みを感じさせる美麗なアルト】
【森を歩く音がかさかさと続き、一人の影は月明かりも差さぬ森の中を進んでいく。一人で】
【シルエットが進む。影絵は光の当たり方によって膨らみ、伸び、縮んで】
【開けた場所に出てみればそこには泉が有る。そしてそこには亜人の少女が居た】

……あら?

【きょとん、とした表情を女が浮かべたのが見えたのは表情を変えてからから数秒後】
【風が吹いた。木々が揺れ、雲が動き。空から一筋の光が指してこの泉への闖入者を曝け出した】
【そこに居たのは膝程まで伸びた鮮やかなロングの金髪が目立つ、気品ある顔立ちの女だ】
【風にはためく長髪を手で抑えながら、そらに浮かぶ黄金の真円を見上げ、くすりと微笑む】
【亜人の少女に向けられる瞳の色は、サファイアよりもなお鮮やかな蒼。危うさを併せ持つような、吸い込まれそうな底のない瞳】
【赤い裾が揺れた。着ていた服は、仕立ては良いのだろうが所々に解れが目立つゴシック調の赤いドレスにコート】
【裾から見える四肢には、まるで拘束具かのようなアンクレットとブレスレット。目が良ければ右のブレスレットにはNo.99と刻まれていたのが分かるだろう】

御機嫌よう、お嬢さん?

【くすり、と穏やかに微笑んで】
【どこかずれた様子でスカートの裾をつまんで会釈をする女】
【雰囲気も格好も、この森に来るにはそぐわないような女だが、血の様なドレスの色彩はこの血の匂いを残す場には相応しかったろう】

……あ、警戒しなくてもいいのよ?
『今は』誰にも危害を加える気はないもの。
まあ――、お嬢さんが私に襲いかかってくるって言うなら別なのだけど、ね。

【くすくす、と楽しそうに笑い声を零しつつ、争う気は無いことを示す女】
【そして、なんとなしに女は転がる三匹の魔物に目線を動かした】
【女の観察眼ならば、魔物の傷口からある程度亜人の少女の実力を判断することも不可能ではないかもしれない】
826 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/02/28(木) 23:43:09.41 ID:n9qlyk4N0
>>763

えっ、何よ?
ちょっと何言ってるのか……分からない、と言うか聞き取れないわ


【"異世界の言語"を耳にして一瞬狼狽する少女】
【しかし、直後にアウの説明を聞いて得心がいったように頷いた】


へぇ、随分と便利な、かつ大食漢な眼ね……

「それの維持を放棄すればよォ、相当な強さを保つ事が出来るンじゃァ……無理な話かねェ。
さすがに無いと不便そうだァ」


【逆巻く魔翌力に圧倒されながらも、何やらコメントを行う彼女とその相棒】
【ヘケメトが右目を眼窩に戻せば、ホッとしたように息をついた】
【眼の所在を気にするような彼の姿にちょっとした愛嬌を感じつつ、彼らの質問に答えるべくアイリスは口を開く】


アタシの瞳、それに髪の色がこんな気味の悪い色になった理由はね―――遺伝が半分、環境がもう半分って所かしら?
アナタたちにも事情があるように、アタシにも"家庭の事情"ってやつがあるのよね。

―――アタシの家は少し特殊な事を昔から続けててね、何かって言うと……"異能の収集"よ。
理由は知らないわ。だって、まだ教えてくれないもの。実家にある"祭壇"には、"人が知っている全ての色を混ぜ合わせたような、しかし個々の色が認識できる炎"が常に灯されてるから、秘密があるとしたらアレだと思うけど。
ああ、色についての説明が意味不明だって?安心しなさい、アレはアタシにとっても意味不明だわ。あんなの説明できっこ無いわよ……
とりあえず、じっと見てると……何というか―――正気度がゴリゴリ削られていく感覚に陥るわね。

まあ、とにかく―――そんな事を先祖代々続けてるから、アタシの家族もみんな大体変な瞳や髪を持ってるわ。
例えば父さんの瞳は白黒の市松模様だし、姉さんは紫と金のオッドアイに青と赤が入り混じった髪。
やっぱり、色々な"力"が混ざり合ったモノが近くにあると、少しずつ影響を受けるんでしょうね……
生まれた頃に比べると色がぜんぜん違うらしいわ。まあ、最初からちょっと変な瞳やら髪やらだったっていう話も多いけど。
アタシの場合は、家族の中でも群を抜いて変な色の髪と瞳なのよ……嫌になっちゃうわ!


【自分の髪を指で弄りながら、そう語る彼女】


人によって"異能"の集め方は違うけどね、アタシの場合は、コイツ―――エニグマの中に、アタシが見た様々な能力者たちの"力"を複製して収納してるの。
エニグマの炎の色が変わるのは、能力を引き出す時に……何というか……その"力"を表層に出してる、というか……いったん露出させてる、というか……まあそんな感じよ。
それで、アタシはなぜか"能力の顕現"に精神が引きずられ易いから、本来一瞬じゃ変わるはずが無い髪やら瞳やらの色もエニグマの炎に合わせて変化するのよね……テレビのモニターじゃ瞳の変化は判り辛かったかもしれないけど。
そんな調子だから、さっき言ったみたいに、アタシの瞳と髪の色は歴代で一番気持ち悪いのよねッ!

「おかげでよォ、俺の炎もなかなか芸術的な色になっちまいやがったァ。
コイツの姉の色だったら俺も妥協できるンだがなァ、ケケケケケ」

ふん。まあ、それで―――先祖代々集められて来た異能が、アタシの故郷にある"祭壇"に納められてるから、ある程度溜まったらぜーんぶそっちに移しに帰って、
また収集の旅に出て……って言うのを繰り返すってワケ。最終的に"祭壇"がどうなるかぐらいは教えてほしいわ、ホント……


【一息に話し終えると、彼女はため息をつきながらぶくぶくとお湯の中へ沈んで行く。長い台詞で疲れたようだ】
【その一方、上で浮翌遊している相棒は……炎から火花を出してみたりして遊んでいた。それにしても―――火花までサイケデリックな色だとは、どんな理屈なのだろうか】


/戻ってまいりました。事情も把握しましたぜ
827 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/03/01(金) 00:00:53.44 ID:xp383TR/o
>>824

【――こういう時は嫌な予感がするものだ】
【攻撃範囲内で優勢にも関わらず、すぐ後ろに誰かが立っているような背筋に伝う感覚は】
【確かに連打は決まっている。しかし相手が倒れず時間が過ぎてゆくごとに募る不安は――】

【あるいは、すぐそこまで迫る二文字のためにある足音なのだろう】


―――――!!


【もはや声すらも出なかった、何が起こったかすらもわからなかった】
【目玉が飛び出してしまうのではないかと錯覚するほどの衝撃が小さな身体に走る】
【最後に伸ばした腕だけが、虚しく相手から離れて行くのだろう。その身は再び、吹き飛ばされる】


が、っ……ぐぅ……っ


【なんて様か。勝負を急ぎ過ぎたか。冷静に戦えばよかったところを連打に持ち込むとは】
【落ちた身体を折ったまま、餌をもとめる鯉のように口をぱくぱくさせて苦悶の表情を浮かべる】
【頭がどうにかなりそうだ。視界が揺れる。だが――意識はある】


にゃ、は……


【――おそらくもう戦えないであろう銀猫は、それでも立ちあがった】
【悪あがきしてみるのもたまには悪くはない。ボロボロの猫は、最後まで諦めていなかった】

【がくがくと笑う足が、静かに地を蹴った】
【見る影もないスピードで接近しようとしたならば、最後の力を振り絞ってぼやけたシルエットに拳を突き立てようとするのだろう】
【状態を鑑みるに、小突いただけで勝敗はつく】

【決着は、フリッツの手に委ねられた】
828 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/03/01(金) 00:00:59.14 ID:HtoeO/7to
>>819>>823

瑛月「―――チャクラムを使う体術は自分は知らないのですが、変わった構えをしますね……」
   「イメージは投げる武器ということですが、其れがガンマンの彼女に対して通じるのでしょうか」

スウェン「さぁてゴングが鳴ったと同時に、セリーナ選手は得意の早撃ちィィッ!!」

瑛月「前の試合でも見せた技ですが……もしレイニーエッジ選手が彼女の試合を見ていたなら、容易に想定できる一撃でしょう」
   「それにしても―――……速いですね。 あれだけ速いと、発射時の銃口の位置も角度も確認しにくい」
   「よって弾くのも困難になりますが……八攫は弾いてみせました。 レイニーエッジ選手はどういう選択を取るのか、注目です」

スウェン「レイニー選手は……チャクラム投擲ィィ!! 投げたチャクラムで銃弾を相殺!」

瑛月「なっ……!! そのようなことが可能なのか……流石、ここまで来ることはある」

スウェン「続けてもうひとつ!弧を描いて襲いかかるレイニー選手のチャクラム!それにセリーナ選手はどう反応するのかッ!」
829 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/03/01(金) 00:02:59.12 ID:NVqQmumz0
>>825
「ん――――奇遇だね。ボクも誰かに危害を加えるつもりは――――元々無いんだけどね
別に狂犬病持ちじゃ無いんだからいきなり襲うことはしないよ
それに――――ボクなんかじゃ直ぐに返り討ちにされちゃいそうだしさ」

【カラカラと笑いながら話す少女。一人泉を見つめながら――――魔物を打ち倒していたその姿は何処か異質か】
【無能力者であったならば手こずっていたであろう種類の魔物。其れを三体同時に相手にして居たとなれば、並の能力者程度の力量はあろうか】
【尤も、“亜人”。例え異能を持っていなくとも、その身体能力は只の人よりは優れていて】


「それで、さ。悪いけど此処には王子様も居ないし踊ってくれる人も居ないよ?
キミがそれを知っててこの場所に来たなら――――何も言わないけどさ」

【何処か場違いのようにも思えるその姿に、疑問の表情を浮かべて】
【ゆらり、ゆらりと揺らされるのは亜人の象徴】
【女性の語る言葉に向けられるのは、亜人の其れ】

【危害を加えるつもりは無い――――その言葉を信じているのか、警戒の色は消えていて】
【初めて会った人物の言葉を信じるお人好し。或いは世間知らずとでも言うだろうか】
【少なくとも、争いに発展することは無さそうであるが――――】
830 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/03/01(金) 00:05:04.47 ID:vGgjCwnro
>>823

【――チャクラムの投擲による、"魔弾"の迎撃――神速の抜き撃ちすらも捉え切るその反応速度】
【セリーナは舌を巻いた――なるほど、凄まじい反射神経と、そして"技"だ――!】
【止まることなく攻撃はなおも続く。回転は勢いを増し迎撃の後に放たれるは"追撃"ッ!!】
【左手のチャクラムはセリーナへと真っ直ぐに飛来する――ッ!】

(――柊ちゃんに引き続き、接近戦が得意なタイプ――両手のソレは、遠距離専用武器じゃあない。)
(けど――どうやら離れていても随分正確に攻撃出来るらしいねッ!!)
(迎撃には迎撃で挨拶――しないと、ねっ!)

ははッ――♪スゴイ勢いだね、レイニー・・・ッ!
確かにボーっとしてたら"狩られ"そうだ――けどアタシもそこまで、ノロマじゃないッ!!

【腰元に構えていた銃を両手で握り、飛来するチャクラムに照準を合わせ――発砲ッ!】
【弾丸は真っ直ぐに飛び、そこでチャクラムを迎撃――否】
【なんとその場で弾丸は停止し、"召還陣"を展開――そう、放たれた弾丸は「魔弾」ではなく「召還弾」ッ!!】
【開いた召還陣がチャクラムと激突、後方へと弾かれるが――それはセリーナの肉体へと"ぶつかり"――】

――騎士怪醒――<ティターン・アーマー>!!

【召還陣がセリーナの肉体をすり抜けると同時、彼女の肉体は強固な"魔道鎧"により覆われておいたッ!】
【全身を包む特殊装甲は古代の巨人族・タイタンをモティーフに精製された人造の――いや】
【魔界製の自動装着型魔道鎧――背中に取り付けられた魔翌力供給用の魔道機関が唸り、関節に動力が働く!】
【悪魔の技術によって生み出された一種の生体強化スーツとも呼べるであろうその鎧を身にまとい、セリーナは横へと跳躍――】
【召還陣では弾ききれなかったであろうチャクラムを回避しようとするッ!】
【機械と悪魔が融合したかのような、独特なシルエットの装甲が闇夜の中に怪しく浮かぶ――】
【頭部に被っていたテンガロン・ハットの影響で、装着後の頭部メットにその形状が反映されている辺りが――】
【この鎧が単純なメカニックではない、魔翌力によって精製される物である事を物語るだろう。】
831 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/03/01(金) 00:11:14.93 ID:s+7Glftuo
>>829
でも、お嬢さんみたいに愛らしい子にだったら噛まれてみるのも悪くないかもしれないわ。
魔物三体相手に勝って余裕の子を相手にするのは、ちょっとお断りしたいわね?

……まったく羨ましいな、糞が。

【女は笑顔を崩さないまま、相手の軽口に冗談を返す】
【亜人を見ることが珍しいのか、狼の耳と尻尾に目線は持っていかれて、ゆらゆらと尻尾を追っていた】
【最後につぶやかれた言葉は本当に小さくて。しかしながら、獣の聴覚を持つであろう相手ならば注意していれば聞けなくもないだろう】
【最後の言葉だけ、嫌に刺々しい色を含む、低い音律。錆びついた鉈を思わせる鬱屈した感情の入った声だ】

ちょっと散歩に歩いてみたら案外奥まで辿り着いちゃったのよね。
だから……正直言うと帰れそうにないの。だから、あなたに出会えたのはある意味僥倖と言えるかもしれないわ。
――私はヴィクトリア・キルシュネライト。
お願いできたらで良いのだけれど、貴方の傷の治療してあげるから代わりに私を森の外まで案内してくれない?

【苦笑を浮かべつつ、道に迷ったことを相手に伝える女】
【散歩でこんな所まで来る当たり、方向音痴は筋金入りだったろう】
【なんとなく相手ならば野生の勘的な何かで森の外までの道を教えてくれそうで】
【正直な所途方に暮れていた女は、相手のちょっとした負傷の治療と引き換えに、道案内を頼み込むのであった】
832 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/03/01(金) 00:14:10.61 ID:Yszx9zl3o
>>826

『やはり視覚情報は大事ですし、それに……制御の問題もありますから』
『いえ、垂れ流しもメリットが皆無な訳では無いのですが……』

【魔翌力の制御、確かに――アレだけの量の魔翌力を制御するというのは難しい話】
【――現に、彼は先程膨大な量の魔翌力を辺りにまき散らしていたわけなのだから】

「ヘケケケ、確かに眼を外せば"沢山の棘"も、"赤い棘"も、"赫き棘"も、"凄い気合"も簡単に作れるがよォー、……眼がねェと不安で駄目なんだ」

【本来の位置へと戻った眼は、再びその赤い光を宿していて――彼の表情も、安心に満ちていて】


「へェー、異能の収集かァ――こういう棘とかそォー言う奴集めてんだ」
「俺もよォ、何か情報を集めろって言われてた気ィするけれど忘れたんだよなァ〜」

『様々な能力を収集することで、魔翌力等の種類も豊富になり、そして……ううん、よくわかりませんね』
『テレビのモニターでは判りませんでしたが、瞳も変わっていたのですか』

「まァー、一番凄ェー色って言う事はよォ〜、それだけあんたが……その、何だっけ?」
「精神が引っ張られてるとはいえ、強ェーんじゃあねェーのかァ?」

【大体は飲み込めた様子のアウ、聞いておきながらよく解っていなさそうなヘケメト】

「ヘケケケ、でもよォ、色んな能力集めた祭壇がどうなるかわからねェッていってもよォー」
「なァーんか凄い何かが出来るんじゃあねェーのか?」 「面白そうだぜェーッ!」

【その面白そう、に含む意味が"戦い"なのは言うまでもない、彼の表情からも一目瞭然だからだ】

「まァー、俺の能力が消えたり弱ったりしねェーなら分けてやっても良いぜェ〜ッ」
「ただ、俺の能力は正確には"4つ"だからなァ、――棘の能力は3つに分けられるんだぜェ、アウなんてもっと沢山分けられる」 『ですね』

/舞台裏の通りあまり長居は出来ませんが、よろしくです
833 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/03/01(金) 00:16:53.45 ID:xTNwy2xco
>>827
はっ、はぁ……!

【右足の蛇を呼び戻し、元の足へと戻すと、それを地面へ下ろして――荒い息を吐く】
【酸素が足りない。あれだけの攻勢に耐える間、かかるプレッシャーは甚大だ】
【緊張感と、無呼吸運動で失われた酸素を求めて、肺が、心臓が、暴れている】

【視界がチカチカと瞬くような気さえする視界の中、それでも立ち上がるシルバーキャットの姿を捉えて】

……老若男女、武を競うモノの闘志は、変わりないものですね……!

【緒戦も。二回戦も。――この三回戦の舞台も】
【年齢。人種。性別。ばらつきのある中、その全員に見られる、その尽くことのない闘志!】
【自分もその中の一人なのだと思うと、乾いた笑いが浮かんできそうだ】

【思う間に、銀影が、近付いてくる――まだ足りない。同じような蛇の一撃では、未だ彼女は止まらぬだろう】

……おぉァあッ!!

【気合一喝。覚悟の咆哮と共に、身体の重心を落とす】
【全身の筋肉に力を込めて、硬直させると――直進するシルバーキャットの拳を、真正面から、その腹部で受け止めて】
【――フリッツは両手を組んで、前へと突き出す】

……穿て=I

【組んだ両手が蛇に変化】
【二匹の蛇が互いの身体を絡み合わせ、二重螺旋を織り成して――】

【質量を増加させた、螺旋を描く蛇の砲弾が、シルバーキャットの隻影を、場外まで吹き飛ばそうとするだろう】
834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/03/01(金) 00:28:31.55 ID:r22jy8Fc0
>>830

【躱されたチャクラムは後方へ飛んで行き、やがて落ちて、消える。だが、どうでもいい。初撃が綺麗に決まるとは、思っていない。】

……さて。これは…………

【魔法、銃撃。レイニーエッジには無いパーツ。】
【それを努めて妬み、悪意を高めつつ、セリーナの『怪醒』をじとりとした視線で射抜く。】

面妖だな……成る程、単なるガンスリンガーではない。
流石に君も、此処まで勝ち上がって……いや、生き残って、来ただけは有る。

【とはいえ、見た目に怯えて攻め手を緩めるのは、阿呆だ。私は阿呆ではないと考える。】
【苦無を握る手に、力が入る。この緊張もまた、餌。】

……だが、この世に破れない鎧は無いさ。ふふ、じゃないと鎧職人も商売上がったりだろ?

どおれ、この刃は……どうだ?

【両手の苦無を、投石機か何かのように、素早く投擲する。】
【狙いは『一般的な鎧』であれば隙間になり得る『口』である。まずは、頭の良くない方法を試す。試金石である。】

【そして、右手には肉切り包丁、左手には大振りのナイフを顕現。どちらも悪意で真っ黒だ。】
【地を蹴り、体勢を低くして、接近を試みる。銃士なら接近戦には弱いのでは? これも、試金石。】

【重ねて、重ねて、果てには斬れる筈だ。】
【トライアンドエラー。レイニーエッジの基本戦術である。】
835 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/03/01(金) 00:29:51.06 ID:NVqQmumz0
>>831
「む――――こう見えてもボクだって一応ライカンスロープの仲間だよ?
一応牙だってちゃんと……」

【褒められたと取ったのかは分からないが、その年相応に顔を綻ばせたことだろう】
【続いて、取り繕うに言ってみれば――――口の中の獲物へと注意を向けさせて】
【なる程、狼なだけあって、十分な凶器と成りうる物。何も知らない者が見れば、警戒すらも抱かせるであろうか】
【クスクスと小さく笑えば――――】


「余裕。と言う訳でも無かったけど……ん。まぁ、歩いて帰れる程度の体力なら残ってるかな
――――ん?何か言った?」

【きっと、その言葉は耳を通ったのであろう】
【しかし、通っただけで――――“何を語ったか”までは留める事が出来ず】
【故に小首を傾げて問うのはその語った内容であろう】
【勿論、誤魔化してしまってもこの亜人は真相を知ることも無く――――】


「――――別に良いよ。ボクも丁度そろそろ森から出ようとしてた所だしね
ふふ、それにしても……随分と活動的な散歩だねー……こんな所まで来ちゃうなんて
取り敢えず……森の外まで、で良いのかな?
――あ、ボクはヨハン。その前にも後にも、何も付かないけどね」

【まるで悪戯でもするかのように笑えば、遠回りに方向音痴である事をからかって】
【ゆっくりと立ち上がれば、彼女の元まで近づいてその袖を引っ張るのだろうか】
【こっちだよ。なんて促しながら先導するのだが――――森特有の湿気】
【地面は柔らかく、歩き慣れていなければ簡単に足を取られてしまうような所】
【それに対して、少女の進行は速くて――――果たして、女性は着いて来れるのだろうか】
836 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/03/01(金) 00:32:01.47 ID:r22jy8Fc0
/>>834追記

【苦無の飛来スピードは、チャクラム以上である。】
【とはいえ、十分対処は可能。直線の軌道は、寧ろ受けやすく、躱し易い。】

【レイニーエッジの接近は、中々に速い。とはいえ、これも常軌を逸した物では無い。】
837 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/03/01(金) 00:35:22.92 ID:xp383TR/o
>>833

【 ――― 】


【最後の力を振り絞った拳は当たったのだろうか。もはやそれすらわからなかった】
【いや、もう届いてなくてもいい。伸ばした腕は、そう―――】


……にゃ……は……っ


【 相手に勝利を<< くれて/届けて >>やるつもりの一撃 】


【刹那の後、またしても彼女の身体が浮く――】
【リングアウトするよりも先に、空中で彼女の意識は途切れ行く】
【ただ最後に――楽しかった≠ニでも言いたげに笑顔を作って】


【そうして、リング外へ吹き飛んで行くのだろう】


【  第三回戦 シルバーキャット V.S フリッツ・オストワルド
                         勝者 ―――― フリッツ・オストワルド  】


【どうでもいいことだけれど、試合終了後ベットの上で目を覚ました銀猫は】
【訪れた強烈な悔しさに枕を濡らした、そうな】


/これにて〆です
/お疲れ様でしたっ
838 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/03/01(金) 00:39:51.94 ID:s+7Glftuo
>>835
……いいえ、「何も」。
それにしても、元気そうねえ。私にも少し分けてほしい位。

【相手の問いかけには、曖昧な表情を浮かべてさらりと問を流すことにした】
【相手の割りと元気そうな様子を見て、羨ましい、と笑いながら言って】
【ん、っ、と声を漏らしながらぐぐ、と月宙に両手を伸ばして背を逸らして体をほぐした】
【ごきりごきりと色々と不健康そうな音がして、力を抜けば少々艶かしい吐息と同時に一気に脱力】
【首を鳴らすと気持ちいいあれの全身版だ。爽快感は抜群である。体には悪いが】

悪かったわね、まさか私もこんな所まで来るとは思わなかったんだもの。
でも、お嬢さんのような素敵な子に出会えたなら、道に迷っても良かったかもしれないわ。
……ありがと、ヨハン。じゃあ、道案内頼むわよ?

【一瞬ぶすぅ、としたむくれ顔を浮かべるヴィクトリア。袖を引く力に逆らわず、相手の導きに付いて行く】
【柔らかい地面や、森の湿気、相手の歩く速度。道案内をしてもらうには余りにも悪条件】
【だが、ついて行けるかの心配は無用だった。女は、相手の引っ張る速度に合わせて、涼しい顔で付いて行くのだ】
【汗ばむ様子も見られず、疲労の気配も微塵も感じられない。通常の人体ならばありえるであろう疲労、それが存在しないようだった】

道、悪いわね。
でもまあ、これでヨハンと散歩する時間が増えるなら、それも有りかしら。
尻尾と耳見てると暇つぶしには困りそうにないものね。

【道が悪いと呟きつつ、冗談めかして相手との時間が楽しいと言う】
【そろりそろりと手を伸ばして、こっそり相手の耳にふれてみようとするだろう】
839 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/03/01(金) 00:40:48.31 ID:Z0eRYoT30
>>832

あら、協力的なのね。他人とこんな平和的に能力の話をするなんて、ほんっと久しぶりよ……

「今までは戦って収集してたからなァ、ケケケケケ」


【今までの苦労を思い出したのか、天を仰ぐアイリス】
【そしてヘケメトの台詞に苦笑しながら返答した】


"一番凄い色"……いや、まあ、凄いっちゃあ凄いんだけど……アハハ、それが強さに繋がるかどうかは分からないわ。
祭壇がどうなるか、ね。父さんは『少なくとも、お前の代じゃあまだ何も起こらないはず』って言ってたからねぇ……
収集するメリットが分からないんじゃあやる気も起きないってもんよ、まあ役目はこなすけど


「……ほうゥ、一見すると一つの能力だがァ、実は棘の能力はもっと細分化されてたのかァ」

複製するだけだからね、別にアナタの能力を奪う訳じゃ無いわ。
そのかわり、"アタシが理解してる分"の能力しか再現できないけど……
例えば、アタシにとってはアナタの能力は"なんか棘を生やすこと"だから、再現しても髪の毛が刺々しくなるだけでしょうね。
テレビでチラッと見ただけじゃ限界があるってもんよ。

/また持ち越しになりそうですが、出来れば続けたいですね
/明日もお願いできますか……?
840 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/03/01(金) 00:40:51.92 ID:HtoeO/7to
>>830>>834

スウェン「迎撃には更に迎撃をッ!そう言わんばかりにセリーナ選手はチャクラムに発砲!弾丸が―――ッッ!?」
     「弾丸が止まってェッ!? 展開するは魔法陣らしきモノォ!チャクラムに当たってセリーナ選手を魔法陣らしきモノが包む!」

瑛月「防御と共に仕掛けてくる辺りに高い戦闘センスを感じます……が、完全には弾き切れていない」
   「……ッ、鎧ですかね……? 確かにチャクラムには抑止力にもなりそうな気がしますが、機動力が気になります」

スウェン「変身ヒーローの如く瞬時にアーマーを纏うはセリーナ選手ッ!!弾ききれなかったチャクラムを避けてみせ―――落ちたチャクラムが消えた!?」

瑛月「……―――先程も、不自然に両手に苦無が収まってました。つまり刃物を具現化する能力……と想定して問題ないのでは」
   「レイニー選手は近距離も遠距離もこなせるタイプと見ていいでしょう。ならば―――……セリーナ選手にはない近距離で闘う事が勝利への近道」

スウェン「……そうだったんですか? 失礼、見逃していました! 刃物を具現化する能力なのかレイニー選手!!苦無を投擲し―――」
     「両手には新たな武器が具現化ッ!! やはり能力は瑛月さんの言う通りと見てよいでしょうッ!」

瑛月「―――……そう、その方法をしつこく繰り返す。 忍耐力こそが勝利の鍵……水の張った桶に、どれだけ顔をつけていられるか。其れが、勝負というモノ」
   「つまり―――飛び道具で牽制しつつ、近づくチャンスを窺う。それがシンプルにして、相手の嫌がる行動。―――誰かの言う、「最善手」というヤツです」

スウェン「ナイフの狙いは―――口元ですかァッ!? 成程、鎧が通常覆わない部分ですが彼女の鎧はどうなんでしょうかセリーナ選手ッッ!!」
841 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/03/01(金) 00:47:57.84 ID:xTNwy2xco
>>837
は……

【吹き飛んでいくシルバーキャットと目が合った】

【こちらの表情が見えているのかは分からないが、苦笑を返して】

【彫像が崩れるように、フリッツはリングに倒れこんだ】
【絡み合った蛇が、巻き戻しの様にフリッツの元へと戻っていき――そして人の形を取り戻す】

はっ、はァ……。

【喘ぐように酸素を求めながら――勝利のコールを聞き届ける】
【震える両手を、顔の前へとかざして――握りこぶしを作る】

……獣人の方と戦うのは、初めてでしたが……。
できれば、戦場ではお会いしたくない、ですね……。

【小さく苦笑を零しながら、肘を突いてゆっくりと身体を起こす】
【――リングの外で気を失った少女へと、呆れと苦さの混じった笑みを向ける】

【最後に見せた、少女の満足げな顔――それに応えるために、まだフリッツは、前に進まねばならない】


【第2回水の国天下一武道会・3回戦第4試合】
【シルバーキャット vs フリッツ・オストワルド  ……  勝者:フリッツ・オストワルド 】
842 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/03/01(金) 00:52:00.67 ID:vGgjCwnro
>>834

(チャクラムは――弾けた、か・・・なんとか装着には成功したみたいだねぇ・・・ッ!)
(ただどうやら、むこうさんは攻撃の手を緩める気はないらしい――イイねぇ。)

そうこなくっちゃ・・・!!レイニー、貴女の攻撃は真っ直ぐでとても――良いッ!!

【ガンマンを相手に、攻撃の手を緩めたまま距離を開けて戦う――それは愚作だろう。】
【"出方を見る"という選択肢も確かにあろう、だがしかしその"隙"をセリーナならば逃がさない。】
【確実に狙い、落としにかかる――であれば、休まぬ追撃を加えるのが最良であるのは間違いない】
【突然のアーマーの召還にうろたえず、素早く攻撃を再開したレイニーの戦意――いや】
【"悪意"か、その真っ直ぐで毅然とした圧にセリーナは鎧の奥で、微笑む――!】

【――嗚呼、楽しい。】
【戦闘は――こうでなくてはッ!!】

―――仰るとおりさねぇ!ただナマクラばっかし売ってるような職人はその内客にも見捨てられるよ!
けど"アタシ"はコイツを見捨ててない――むしろ、信頼してるさッ!!

【両手の苦無が二対、セリーナの頭部めがけ飛来する――如何に全身鎧と言えど、吸気の為に"口部"の装甲は薄いであろうという】
【その判断は間違っていない――事実、セリーナはレイニーの選択に驚愕し、同時に――"矢張りか"とも、思った】
【彼女ほどの強敵は、装甲のど真ん中を苦無で打ち抜こうとする程、"考え無し"の攻撃はしてこない――むしろ熟考の攻撃を仕掛けてくるはず。】
【ならば狙うところも必然的に限られてくる――セリーナは関節を狙われるかと思っていたようだが、投擲に対しては素早く反応したッ!】
【跳躍からの着地、そして構えた"弾"末魔のハンマーを起こし、片手で発射――魔弾が放たれた】
【丁度それは苦無の一本を撃ち抜く様に放たれるも、同時二本の迎撃には至らず――!】
【弾けた一本の横を直進してくるもう「一撃」に、セリーナの装甲――"腕"が打ち抜かれた】

【――腕?そう――ガードだ。】
【銃を片手で撃った理由、それは苦無を両方撃ち落せなかった時の為の保険だった】
【ガードしなければ、脆い部分を正確に抜かれる――頭部へのダメージは避けたい。】
【余った腕で頭部をガード、腕の装甲が切り裂かれ、そこから生身が少し、露出した――!】

(――鋭いッ!こりゃ、沢山貰ったらティターン・アーマーといえど・・・ッ!)
(――くっ!それにやっぱり――"来たか"!!)
【予想はしていた物の、やはり本文は接近戦であろうレイニーエッジ――その接近を、苦無の迎撃に注意を裂いたセリーナは許す。】
【咄嗟に"身体を捻り"、なんとかレイニーエッジを補足しようとするも――どうやら、このアーマー機動力は余り無いようだ】
【ウォン、と魔翌力が関節欠け巡るも――反応が、間に合わないッ!!】
843 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/01(金) 00:54:44.59 ID:vGgjCwnro
/と失礼、>>842の最後は魔力が関節を駆け巡るも、の間違いです!
844 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/03/01(金) 00:59:43.56 ID:7164ajfwo
【公園】

【草木も眠る丑三つ時。わずかな街灯に照らされるばかりの薄暗い公園の中央に、ひとつの"光"があった】
【もしもそれに引かれる者がいれば、深夜にも関わらず、公園の遊具に座り込む一人の少女の姿が見えるだろうか】

…………――――。

【そこにいるのは、背丈は平均的だが、白い肌とうっすら紅に染まった頬、長い睫毛が特徴的な少女】
【やや長めの前髪、顎までで揃えられたもみ上げ、胸までの長さの後ろ髪と、そのすべてが一直線に切り揃えられた髪型。その艶めく黒髪は、よく見ると日焼けで少しだけ赤紫色をしていて】
【黒い帯と黄色い帯紐で留めた、暗い紅色の布地に百合の花の刺繍の入った着物は、少ない装飾ながら見る者に雅やかな風情を与えるだろう】
【その上には黒い羽織を着ていて、首元には白いマフラー、足元には何故かブーツ。完全な和装ではないが、かといって服装の調和を乱す程のものでもない】

【謎の"光"の発信源は、その少女の体――――彼女の体にまとわりつくように、真っ白に輝く流体が立ち上っている】
【魔翌力や気といった力を探知できるものであれば、その光もそれらと同じエネルギー体だとわかるだろうか】
【そして、その力は――――遠目に見てもわかるほどまばゆく、そして清い】
【純朴にして厳粛、潔白にして高雅。そんな圧倒的なまでの"聖"の属性が空気を蹂躙し、彼女を取り巻く空間をひとつの神域と呼べるまでに昇華していた】

【黒い瞳を瞼の下に封じ、祈るように瞑想する少女の姿は、さながら神の御許に仕える巫女。彼女の雰囲気もまた、人を越えた壮麗なものへと高められている】
845 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/03/01(金) 01:02:38.42 ID:Yszx9zl3o
>>839

「ヘケケケ、別に戦いてェーって言うなら戦って良いんだぜェー」
「まァー、するなら温泉でゆっくりしてからだなァー」 『……戦う気満々ですね、……治療するのは私なのですから、無茶させないでください』

【そう、とても軽い口調で話す彼だが――明らかに、その眼は戦う気に溢れている】
【……もっとも、アウの方は乗り気でないようで――首の傷と失血を治したのは彼女だ、致命傷だったそれを治すのは骨が折れる】
【故に、無表情で淡々としていながらも……その否定の雰囲気がヘケメトを突き刺していて】

「ヘケケケ、まァー色々能力使えるならそれだけ色々出来てよォー、……うーん、そういう事だァッ!」
「――メリットがわからねェーならよォー、楽しめりゃア良いんだぜェ〜」 『ヘケメトは本当に戦闘が好きですからね』

「ヘケケケ、俺の能力はざっくり言えばそォーなるからなァー、合ってる」 「でもこの髪は元からなんだよなァ」
『所謂模写の様なものですね、――彼の棘は本当に色々出来ますからね、生やして飛ばして動かして、……気合も同様です』
「分けられるというかよォー、まァー、……つまりはこういうことだぜェ〜ッ」

【彼が口の中に両手を突っ込み、そして取り出すのは――4つの結晶だ、彼の身体に取り込まれていたそれは――】
【今まで多数の異能を収集してきたアイリスにはわかるかもしれない、それらは彼の"能力の根幹"であることをッ!】
【――流石にそれを「資料だぜ」と渡すわけはなく、その結晶を数秒間少女に見せれば再びそれを飲み込んで――】

「――この結晶が無くてもよォー、"ちょっと"くらいは棘も生やせるけれどなァ、だから棘の能力の結晶"3つも"装備出来るんだと思うけれどよォ」
「でも、やっぱりあればこォーんな感じに良い感じに生やせるからなァーッ、――テレビじゃあなく"生"で見れば更に良い感じだろォー」

【そして右腕に生やすのは、――彼の髪の色と同じ緑色の棘だ、しかし白や薄緑、黒ずんだ黄色や彼の魔翌力の様な赤色の棘も少量混ざっている】
【その棘の向きは拳の方向、それで押せば刺さる向きだ】 【――その棘は、まるで湯煙をも突き刺せるかの如く鋭い】

/流石に卒業式に寝ていられませんので今日は落ちますすみません
/ですがぜひ続けたいです、3日にまたがってしまいますがこちらからもよろしくお願いします
846 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/03/01(金) 01:03:22.52 ID:NVqQmumz0
>>838
「本当――――?
まぁ、キミがそう言うなら信じるけどさ……
ボクとしてはヴィクトリアのお淑やかを分けて欲しいくらいだけどねー……」

【一瞬浮かべるのは、怪訝な表情】
【然れど深く問い詰める事が無いのは、少女のその性格を表しているようでもあって】
【紛う事なき大人と子供の図】
【大人の気品を持つ彼女を見れば、妬むのも仕方の無い話であろうか】
【身体から出る音を聞けば、うわぁ……だなんて一歩退くが】


「ふふ、次からは地図でも持ちながら散歩すると良いかもね
――――むぅ。褒めて貰ってるんだろうけど、キミに言われると皮肉に聞こえると言うか……
ん。任せてよ。――――あ、魔物が出たらお願いね」

【自分に足りない物を持って居る彼女に言われるからこそ、皮肉と取ってしまって】
【何だかんだでこの森が好きなのだろう。見せる小さな背中】
【その尻に付いている尻尾が揺らされれば、まるで犬の様に容易く心情を読み取れるはずで】
【――――思い出した様に紡がれた言葉。魔物が出たらお願いね。物騒】


「整備する人も居ないからねー。ボクとしては街とかよりこういう場所の方が好きだけどさ
――――ヴィクトリアも不思議だね。尻尾と耳を見てるだけで暇潰しになるなんて――――ひぎゃッ?!」

【リラックスして帰路へと着いている最中の出来事。――――手が耳に触れた瞬間にビクンと大きく反れれば、ヘナヘナと地面に座って】
【――――悪戯と理解したのは、一瞬の出来事】
【そこからはさあ大変といった具合で――――出るわ出るわ批難の嵐】
【反撃所か口を挟むことすらも赦さないんじゃ無いかという位の勢いの其れ】


「はぁー…………はぁー…………
分かったなら、もう急に触らないでよ……?」

【数分にも続く其れが終われば、やっと訪れる締めの言葉】
【――――果たして、女性はどの程度まで耳に通していたか分からないけれど】
【再び、先導するかのように歩くのだろう】
【先程と異なる点と言えば――――その袖を掴んでいないことか】
847 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/03/01(金) 01:08:09.55 ID:Z0eRYoT30
>>845

/了解です、やったー、ありがとうございますゥ
/というか、卒業式なんですか……実は私も土曜日にあるんですよね、卒業式が!
848 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/03/01(金) 01:14:39.64 ID:r22jy8Fc0
>>842

【ーー防いだ。腕で防いだ……つまり、間違いなく、『口には効く』のだ。それなら、間接部にも効くだろう。】
【そして、腕。多少だが……あれは、効いている。完全無欠の防御ではない。予想通りだ。】

ふふ、ガラにも無いが、私とて愉しんでいる。
尤もーー悪意は忘れないがッ!

【なら、雨を降らせ続けよう。刃の雨を。そして、セリーナという巨岩を穿つ。】
【それが、レイニーエッジだ。咎堕の宝玉だ。】

信頼か、それも良いがーーおっと、隙を見せたね……! ?いただく?よ!!

【素早く、セリーナの右側に回り込む。正面切って挑んだら、蜂の巣は確定。】
【疾さ。疾さでかき乱す。豪雨の一粒を全て捉えられる弾丸は、無い筈だ。】

ーーーー斬れろッ!

【鎧の反応の遅さ、明確な弱点を突く。情は要らない。セリーナにとっても自分にとっても観客にとっても。】
【素早く、更に身を沈めつつ、右脚の間接部を狙い、右手の包丁で斬りつける。】
【純粋なパワーには欠ける。中距離での投擲と近距離の疾さが、レイニーエッジの武器である。】

【左手は頭を庇うような姿勢。上からの叩き潰しに備える。抜け目無く戦わなくては、パワーで潰される。】
【そう、接近戦のリスクは、脆いレイニーエッジにも重くのしかかるのだ。】
849 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/03/01(金) 01:14:48.31 ID:s+7Glftuo
>>846
地図を持っていると進んでいると思った方向の逆方向に行ってしまうのよねえ……呪われているとしか思えないのだけど。
こんなか弱い子に戦わせようとするなんて、ヨハンも酷い子ねぇ?
……ま、よろしいでしょう。多少なら荒事の心得もありますしね。

【病的というか、魔術的というか、もはや世界の理としてヴィクトリアが道に迷う事は決定付けられているようだ】
【眉間に皺を寄せながらため息を付く当たり、冗談でもなんでもなく本当に何をしても道に迷う様だ】
【魔物が出るのは百も承知の上で、争う技能も覚悟も本当は持ち合わせていたが、頼まれたことに冗談を混ぜ込んだ】
【それでも、少しばかり両手を握って開いてとしている当たり、いざという時に動く気は無いわけではない様子】

確かに。なんというか――命の息吹と言うのかしらね、空気に味が有る感じがするもの。
この感覚は、街にいると中々感じられないものよねえ。
……ん、やっぱりふにふにしているわ。可愛い。

【にこにこと笑顔を浮かべつつ、ヨハンの耳をふにふにと触る女】
【細く白い女の手は、相手の耳を優しく柔らかくしばらくグニグニとして】
【途端に様子を変えて、此方に非難を大量に投げ込んでくるヨハンを前に、苦笑】

えーっと、分かったわ。
じゃあ今度から触るって言って触るようにすればいいのね? 同意は取らないけど。

【相手の注意を聞いた上で、意地悪そうな表情を浮かべつつ、言ってから触る、と言った】
【同意は取らないと言っている当たり、なんとも性格の悪い女だ。表面上は気品が有るが、所々の振る舞いに暴力性が見える】
【最初の内は普通の育ちのいい女にしか見えないだろうが、段々と本質は女の言動から溢れだしてきていた】

あらら、待ってちょうだい。全く、怒らせたのは謝るから。
そんなにへそ曲げないの。ほら、お菓子あげるわ。

【小走りで先導する相手に追いつくと、相手の手元に飴玉を押し付けた】
【もし包装を剥いて食べれば、甘くも酸っぱいオレンジの味がする事だろう】
850 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/03/01(金) 01:22:26.27 ID:HtoeO/7to
>>842>>848

瑛月「レイニー選手は流石と言いますか、きっちり薄い部位を狙って行きますね。自分なら関節部に剣を刺そうとするでしょうか」
   「―――……しかしセリーナ選手も、想定済みだと思われます。 しかし此処は厳しいですね」
   「撃ち落とし損ねれば、一気に敗北の二文字が見えて来ますよ……―――自分なら避けるか、何かしらの保険をかけたいですが……」

スウェン「セリーナ選手はしかし撃ち落さんと2発放つゥ!! ガンマンとしての意地なのかァ!?」

瑛月「―――……いえ、保険をかけているので有効な選択肢でしょう……!! やはり鎧の優位性を活かさねば意味が無い……」

スウェン「しかしレイニー選手の苦無は鋭いッ、撃ち落としあぐねたもう一発が腕の装甲を剥がす―――!!」

瑛月「―――……此処ですね。 一気に寄るチャンスが早くも来ましたよ……! やはり鎧を着ているからか、機動力はあまり見られない……」
   「鎧が裏目になるかは、まだ分かりません。接近戦を許しやすくなる代わりに、相手が接近戦をし難い上に……相手の狙いも分かりやすくなる」

スウェン「すかさず近づくレイニー選手!! 右側に回りこんで包丁で斬りつけるが―――!?」

瑛月「ガンマン相手に正面突破は強引ですからね……狙いもガンマンの命である機動力、其れを司る右脚……の関節部」
   「冷静な立ち回りがあってこそ勝ち上がってきたことが伝わってきます。レイニー選手、上手いです……!!」

スウェン「瑛月選手も絶賛の判断力!! さてセリーナ選手は逆にピンチなのかぁ!?」
851 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/03/01(金) 01:31:15.24 ID:NVqQmumz0
>>849

「え゛?それって……方向音痴何て言うレベルじゃ……
あ!じゃあ態と逆方向に進んでみたらどうかな?そうすれば多分、目的の場所に――――うん。着かなそうだね
だって、ボクが闘って傷が増えたらヴィクトリアの仕事が増えちゃうもんねー
ボクの傷を治してくれるって約束。だもんね」

【自分でも納得出来る解決方法――――のつもりだったのだが、話を聞いていればどうも自信を無くしてしまう】
【やっぱり無理だね。その言葉は、彼女の答えを聞くよりも速く発せられて】
【――――非常に失礼な気もするけれど】

【続く言葉は、約束を盾にした楽な道】
【それでも――――“万が一”魔物が襲ってきたならば、加勢するのだろうけれど】


「だーかーらぁー!ボクは同意しないし!予め触るなんて言っても触らせないよ!
触って良いのはボクの友達だけ!んと……うん、友達以外は尻尾も耳も触っちゃ駄目!」

【その言葉、聴き方によってはヴィクトリアは友達じゃ無いから触っちゃ駄目と言って居るようにも聞き取られ兼ねないが――――】
【先程までご機嫌に揺られていた尻尾は何処へやら】
【今は気が立った犬の如くピンと立って天へと向けられていて】

【友達ならば何をしても良い、何て聞こえる言葉】
【余程友達を大切にする性格なのかは分からないが――――】
【ふにふにと揉んでいる間、きっと猫の肉球よりも柔らかな感触を味わえただろうか】


「――――ふん。誰だっていきなり触られれば怒るよ
大体ボクだって其処まで子供じゃないんだからお菓子になんて……なんて……
うぅ……もうしちゃ駄目だよ?」

【ツンとした様子でその飴玉を拒んでいたが】
【鼻を擽るのは、爽やかなその香り。ぐうぅ……と唸っていたが、結局は誘惑に負けてしまって】
【頬張れば、不機嫌だった表情も消えているのだろうか】
【尚止まらぬ足。然れど、その歩みも心の内を伝えるように何処かゆっくりとなって】
852 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/01(金) 01:35:36.74 ID:vGgjCwnro
>>848

【――恐らく、読まれただろう。】
【防いだという事は、間違いなく"其処"を攻撃されるのは"良くない"という事実を意味しているのだから。】
【これで明らかになるのはセリーナの装着する強固な鎧の明確な"弱点"――】
【"移動速度"、そして"一部の薄い装甲"――!】

"悪意"――ね、レイニーはそれじゃ、"悪い事"でもしてる気分なのかい・・・っ!?
その割りに、顔はとっても愉しそうだけど――なるほど、確かにそれは悪意かもねしれない、ねッ!
(――接近される!!狙うは――くっ、"足の関節"か――!)

【ただでさえ、このティターン・アーマーは重い。】
【もっとも、装着前のセリーナに比べれば補助動力のおかげで幾分か速くなってはいたが――"常人"の範囲での話だ】
【接近戦を主とし、その中に生きるレイニーのような――身を擦り合わせる程の"距離"を得意とする者からすれば】
【確かに、彼女は今、鈍重だった。】

(う、ぐぅ――――つ、ぅ・・・・ッ!!)

【回避は間に合わない。迎撃の為の"弾"末魔による攻撃は――いや、こう接近されては当たらないだろう。】
【威嚇射撃ではこの包丁に拠る切断をとめることは出来ないと考え――セリーナが取ったのは、まさかの―――】

【――発砲。足は関節が切り裂かれ、鮮血と共に魔力が噴出すのをレイニーは感じるだろうか。】
【鎧に通っている魔導回路の一部が切り裂かれたのだ――循環している魔力がそこから放出された。】
【しかし、魔道機関による魔力供給はまだ止まらない――問題はこれで、セリーナが更に鈍くなった事、だろう。】

【しかし――あえて接近するレイニーに格闘での一撃を見舞う事は無い。代わりに響いたのは見当違いな方向への発砲音――】
【――いや。見当違いなど。そんな筈はなかった。】

【"弾"末魔から放たれた紫色の魔弾は確かに、接近してくるレイニーを捕らえる事は出来ない。直接弾丸を命中させるのは至難だ。】
【だからこそ、この状況でセリーナは包丁で"あえて"斬られた――そうする事による一瞬の動きの硬直を狙い】
【正確には、確実に攻め込んで来させる事でレイニーの"位置"が特定できるのを待ったのだ――何故か。】


【ガキュン、と"歪"な音が響き――レイニーの背後、フィールドの上で何かが"爆ぜた"】
【否――それは紛れもなく、"弾"末魔から放たれし紫の魔弾――そう、外れたと思ったそれはリングを絶妙な角度で抉り―――】


  【  跳  弾  】

【弾かれた弾丸は正確に、切り込んできたレイニーの後方から魔の手となり忍び寄る――狙いは背中、迎撃が厳しいであろう箇所――!】
【最も、彼女ほどの反射神経・身体能力を持ってすれば回避は不可能ではない筈だが――このタイミングでの背後からの「射撃」は】
【頭を庇う動作を取ったレイニーに届くのか――!!】
853 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/03/01(金) 01:40:46.26 ID:s+7Glftuo
>>851
……全く、確かにヨハンの言うとおり。
だったら出来るだけ魔物と出会わないように、気をつけながらさっさと行きましょう。
あまり私が闘う所、見せたくないんだもの。

【女にとって、闘うという事は己の本性を剥き出しにすることにほかならない】
【折角このような格好をして、普段とは異なる……否、こうであったはずの己≠ナ居られるのだから】
【だから、少しでも、この猫を被った己で居させてくれと。魔物が出ないように、心の中の魔物を沈めるように】
【手元で小さく十字を切って、女は口元で祈りの言葉をつぶやいた】

はいはい、分かったわ。
耳は触らないけれど――頭撫でてもいいかしら?
どうにもヨハン、無防備過ぎてついつい弄りたくなっちゃうのよね。
……これって恋かしらね、好きな子には意地悪したくなるっていうあれかも?……ま、冗談なのだけど。

【手をウズウズさせつつ、相手に赤らめた頬と照れた表情を見せるヴィクトリア】
【外見や格好、雰囲気などと相まってまるで恋する乙女そのものだったが、3秒後には何時ものすまし顔に】
【飴玉を自分も食べることにしたのか、包装を解いて自分の口にもレモン味の飴を放り込んだ】
【がらん、ころん。と口の中で硬質な物体がエナメル質と打つかる音が聞こえつつ、甘さは口に広がった】

それにしても、亜人を見るのは初めてじゃないのだけれど、ヨハンは私が見てきた中で多分いちばん幸せそうな亜人ね。
目がこんなにキラキラしてる子なんて、此処の所見て来なかったものだから。
なんというか……ちょっと眩しいわねぇ。

【感慨深げに、幸せそうだ、と言う女】
【どこか遠くを見る視線や雰囲気からは、女が只の育ちのいいだけの存在ではない事を感じさせるだろうか】
854 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/01(金) 01:53:51.52 ID:AGy6GURdo
>>844

―――――――…………

【光に惹かれる者がいるとすればそれは2つと1つ】
【純粋に崇める者か或いは忌み嫌い滅ぼそうとする者】
【例外としてただの純粋な好奇心として、彼はその光へと足を進めた】

……なんだここ

【公園という領域に入った時点でこの場所は「日常」に位置する物では無いと本能的に理解る】
【いや無理矢理に理解させたというニュアンスが正しいようにさえ思う、それほどまでに暴力的な清さで……】
【その根源に辿り着くまでの一歩一歩が、足が震えて】


(幽霊の正体見たり枯れ尾花……じゃないけど、なんだ……人?)

【ようやく辿り着けばそこにいるのは和装の少女】
【意外といえば意外だったがその姿形は神聖な物を宿すに相応しくさえ見えた】
【近寄り難いし話し掛けるのも躊躇われる、数歩の内に居るというのに遠くに感じられて彼は立ち止まり白髪を揺らす】

【後ろ髪だけ伸ばして三つ編みにしてある短めの白髪に】
【赤の左目に右目はガラス細工のような紫。黒いズボンにジャケットは防刃仕様の特別製
【そんな危なげな装備に似つかわしくない歳の割に幼く見える顔は畏れと好奇に染まっていた】

(なんだろコイツ、いやこの人……?本当に人だろうか……)
(気になる、けど……触らぬ神に祟りなしとも言うし……どうしたものかなあ)

【彼は少女の内に「神」を見出したらしくだからこそ関わる事を畏れていた】
【嫌い、という訳ではなく神聖かつ不可侵な領域としてそこに在るように思えてしまった故である】
【距離にして数メートル、ちらちらと見ている彼の視線は彼女にとっては鬱陶しいかもしれない】


【そんな中で彼が腰に装備している銀色のナイフが彼女の輝きに反応してか「かたかた」と鳴っていた】
【或いはそちら側、つまり神聖な物に属する者ならばそのナイフが「退魔」の性質を帯びている事が理解るだろう】
855 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/03/01(金) 02:00:02.66 ID:NVqQmumz0
>>853
「ふーん……ふふ、やっぱり戦えるのに襲わないって事はヴィクトリアは悪い人じゃないのかな
まー……何も知らないボクが気軽に言える事でも無いね
ただ、多分格好いいんじゃないかなぁ……」

【会ったばかり故に何も知らない自分が踏み入るべきで無い所】
【それを解すれば、その言葉を正して】
【その雰囲気。多分、闘う姿も格好良く照らし出されるのかな――――そんな言葉が、知らずと漏れて】


「別に頭を撫でるくらいなら……さ、触らないでよ?!
触ったらヴィクトリア置いてボク一人で帰っちゃうからね?!
それにしてもさ――――キミも忙しいね。道に迷ってみたり、照れる振りをしてみたり
見てるボクは楽しいから良いけどさ」

【脅すように放つ言葉。恐らく、極度の方向音痴であれば効果は抜群だろうか】
【更に歩を緩めれば丁度隣を歩むような形になって】
【少し手を挙げれば撫でる事が出来る、そんな距離】
【クスクスと笑いながら、その様が面白いだなんて言ってはいるが――――】
【耳をペタンと寝かせている辺り、警戒は怠っていないのだろう】


「幸せそう――――か
確かに大切な友達だっているし、昔と違って今は帰るところもあるし……
ふふ、部屋だって二つあるんだよ?
そういう意味ではずっとずっと幸せ――――なのかな」

【もし、頭を撫でているならば目を細くしながら答えるのだろう】
【心なしか、再び揺れる尻尾。幸せを実感しているからか、頭を撫でられているからか】
【でもさ、何で急に――――?】
【その言葉は、きっとその雰囲気を察したから】
【小首を傾げれば、女性を見上げるようにして問うのだろう】
856 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/03/01(金) 02:09:48.89 ID:s+7Glftuo
>>855
それでも。……闘う私は好きな私じゃないもの。
嫌なことはやりたくない。当然でしょ? ……それでも必要があればせざるを得ないのだけど。
……格好良くなんか無いわ。本当に、醜くて、最悪て、最低だもの。私の戦いは。

【吐き捨てるような声、刺々しい感情の発露】
【本当に闘う自分という者を嫌悪しているようで、瞼がストレスでぴくぴくと痙攣していた】
【一瞬。ヴィクトリアの周囲から、ざざざ、とラジオかテレビの砂嵐の様なノイズ音が聞こえただろうか】

猫被っていると、割りと節操ない振る舞いになってしまうのよ。
でも、ヨハンに悪戯したいのは本当の本当。だって、反応見てるだけでとっても面白いものね。
……まあ、置いて行かれると困ることだし、耳は触らないようにするわ。

【置いて行かれると言われれば、少しばかり口元を引き攣らせて】
【それでも、相手に手を伸ばして、優しい手つきで相手の髪を梳くように撫で始めた】
【柔らかい手つきは、壊れ物を扱うような感覚で触れている様だ】

なんでもないわ、本当に――なんでも、ね。
幸せな子を見てると、色々思うところがあるだけ。それだけだもの。

【上目遣いで此方に視線を向けて、女と目線を交錯させたのならば】
【澄み切った蒼い瞳の奥にある、澱の様な淀み切った何かを幻視できるだろうか】
【これが恐らく。ヴィクトリアが出したくないと言っている所、猫をかぶって隠している所だった】
857 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/03/01(金) 02:14:42.22 ID:7164ajfwo
>>854

【瞑想に沈む少女の耳に、好奇の侵入者の持ち物が立てたわずかな物音が届く】
【そして同時に、微細な電流を流されたような感覚。彼女の纏う"聖"の力と、別の系統を持つ"聖"の力が空気を伝わって反応しあって起きたそれは】
【しかし自分以外の『退魔』の力を持つ者と出会うのが初めてである少女にとっては、それがどういう類の感覚かなど、わかろうはずもなく――――】

――――ッ!

【ばっ、と過剰なまでの反応で身を翻し、少女は入ってきた男と向き合った】
【味わったことのない感覚に対し、彼女がまず想定したのは滅すべき妖魔の類だったが……そこに居たのは、一見人間らしき男】
【じろりと男を睨むその瞳からは、先ほどまでの泰然自若とした雰囲気は消え失せ、人間と遭遇した野生動物のような敵愾心に溢れている】

【……やがて、男から妖気や邪気が感じられないことを認めたのだろう】
【噴出させていた力を収めると、不機嫌そうにしかめられた顔を隠そうともせず、未だ警戒の残る瞳を向けて問いかけた】

………………誰だか知らないけれど。
私に、何か用かしら。

【男を呼び寄せたのが、自身が発していた聖なる力だとは思ってもいない様子で】
【どちらかといえばその口調は、不審者に対する女性としての反応に近いもののようだ】
【もっとも――――その表情には女子らしい怯えなどは全く見られないが】
858 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/03/01(金) 02:15:06.14 ID:r22jy8Fc0
>>852

【脚の筋肉、血管、そういった物を切り裂く、そして血と魔翌力を浴びる実感。それもまた、悪意である。】
【愉悦は要らない。餌にする。】

【必要なのは、違和感だ。すんなり通り過ぎだろう。】
【そして、見当違いの発砲……何が狙いだ? 焦りで混乱するような相手ではーー】

【ガキュン】

……何だ?

【思わず、声が出る。当然のように外れた弾が、後方の何かに当たったか。】
【何かに当たって……そして、どうなる? そして……】

まさか、まさか……狙いは『それ』なのか、セリーナ・ザ・?キッド?ッ!!

【跳弾ーー! 冗談では済まない射撃のセンス!】
【どうする、どうするーーこれは、どうする? ……どうしようも?】

(手は届かない! 直撃はまずい……!)
(此処まで来た。手札は……惜しまないべきだッ!)

【選んだ手札ーー或いは、其れしか残されて居なかった。】
【アートマン、《メメント・モリ》である。苔生した墓場を背負う、痩せこけた狼。】

【隠し球でもあるそれを、盾に用いるーー『一発限り』の!】
【背後に発現した?盾?に弾丸が直撃ーーいや、直撃ではない! 弾丸の着弾位置を見誤り、防ぎ切れていない!】

うっ!? くぁっ…………!!

【とはいえ、威力を減衰させるのは成功ーー無視出来るダメージでは無いが。】
【背中を魔弾が抉るのを、鮮明な意識が感じるーー痛い。苦しい、辛い、怖い!】

【要らない! そんな物! そんな悪意は、宝玉に喰らわせる!】

【ーーーークール、ダウン。】

……やるね。中々どうして、君の攻撃には驚かされる。
流石に、組織のリーダーたる存在はこうでなくては……ふふ。

【その冷静は、還って不気味。何故なら、冷静ではなく『枯渇』なのだ。意図的な!】
【精神は平衡を保つーー身体は違う。無理な動きをすれば、痛みで気を失いそうだ。】

【ーー両手の武器は、無意識に消えていた。】
【メメント・モリは一旦解除する。弾丸でほぼ崩壊した。回復させなくては。】

【素早くーー先程よりは一回り落ちたスピードで、若干の距離を取る。】
【そして、両手に奇妙なナイフを発現するーー真っ黒い、カラクリ仕掛けのナイフ。】
【所謂、スペツナズナイフ。】

……こいつは良い武器だ。[ピーーー]事しか考えていない……ナイフの到達点の一つかもね、ふふ。
……さて、これなら、斬れるか?

【そして、牽制とばかりに右手のそれを発射!】
【弾丸めいた直線軌道で刀身が高速飛来! 狙う部位は口元、そして狙いはガードを誘発し、立て直す隙を作る事!】

【更に刀身発射と同時に柄は消滅し……おお、見よ! 空いた右手に、新たな同型のナイフが既に顕現されている!】
【正しく『豪雨』のように、悪意の刃は止む事を知らぬのだ!!】

【とはいえ、負傷した今は実際隙が多い! ラッシュを掛けるチャンスでもある!】
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/03/01(金) 02:25:29.68 ID:HtoeO/7to
>>852>>858

スウェン「一閃ッッッ!!! セリーナ選手の脚を切り裂き機動力を奪う!!コレはガンマンには致命的かぁぁぁッ!?」
     「一発放つも彼方へと! 自棄糞の一撃か!?」

瑛月「―――違う、アレは……」

スウェン「―――跳弾だぁぁぁあッッ!!!! ガンマンの芸術といえる跳弾がッ!! 跳ね返りレイニー選手の背後を襲う!!」

瑛月「攻めの状況で、背後に気を配るのは難しいです……!! しかも1対1では想定していないでしょう!!」

スウェン「背後への一撃が―――!? ……ッ……!! な、なんだアレはぁぁぁぁーーーーッッ!?」

瑛月「……―――アレも能力なのか……? 盾として使うようだがやはり背後……着弾位置を完全把握しきれていない……!!」

スウェン「完全防御とはいかず!背中を抉る一撃に顔をしかめるレイニー選手だが……直ぐにクールな表情に戻るッ!! 精神面は強いのか!?」
     「だがセリーナ選手にとっては今がチャンス!!」

瑛月「しかしそのチャンスを簡単に渡すレイニー選手ではない……!! ナイフでの牽制は、やはり優秀かつ厄介……!!」

/すみません実況ここで終わります……!! お互い頑張ってください!
860 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/03/01(金) 02:32:49.99 ID:NVqQmumz0
>>856
「ボクも闘うことはあまり好きじゃないけど
何かごめんね。嫌な事を思い出させちゃったならさ
確かに誰にでも嫌な事はあるし、嫌な事はしたくないだろうし――――」

【刹那の音。女性の感情と共に表れたならば――――それが能力だろうか】
【闘う自分が嫌い。ならば、深く聞かない方が、女性自身の為にもなろう】
【攻撃を受けたわけでも無く、その前兆とも思えない】
【だから、今まで通り接し方が変わる事は無く】


「ボクとしては悪戯されたくないんだけど……
尻尾も駄目だよ?
別に、それ以外ならどうでも良いけどさ……
反応が面白いのはヴィクトリアも同じだと思うけどねー……」

【念には念を押すように、尻尾も駄目だと忠告して】
【ただ、髪を梳かれればやはり気持ちが良いのだろう】
【犬が頭を撫でられている時と変わらず、その優しい手を味わうかのように目が微睡みそうになって】
【揺れる尻尾の毛先が時折女性に当たって、僅かにくすぐったい思いをさせるだろうか】


「……あんまり溜め込み過ぎちゃ駄目だよ?
ボクじゃ力にはなれないと思うけどさ
それでも――――顔見知りが体調崩すのは嫌だし」

【その瞳の奥に眠るモノを見たのかは分からない】
【しかし、掛けた言葉は純粋な心配なのだろう】
【自分では力になれないが、適度に毒を抜かなければ身体を壊してしまう――――だなんて】
861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/01(金) 02:34:56.84 ID:AGy6GURdo
>>857

【ナイフの力を彼は理解してはいるが直接繋がっている訳ではない】
【その電流が流されたような感覚も少女のそれと比べればきっと大したことにはならなくて】
【彼女が慣れない感覚に対して驚いているのと同じく彼にとって彼女は慣れない存在なのでお相子といえばお相子かもだけど】


うわっ!……と、えーと……そのなんだろう、な?

【猫のように身を翻す彼女とその敵愾心、やはり触らぬ神に祟りなしだったかなんて思いながら】
【悪さをするつもりは無い事を示すように胸の前で腕をぶんぶんと揺らす】
【彼女の行動の唐突さもあってか行動に言葉が追いついていないのがなんともマヌケであった】


と、取り敢えず何か悪さしようとするつもりはないから恐い目で見ないでほし……頂きたいで、す。

【たどたどしい敬語で弁明をする彼の言葉に嘘はない】
【というかこの様を見て器用に嘘をつける人種ではないと十分に理解るだろう】
【どちらかと言えば騙される側で更に騙された事に気が付かない感じでさえある】

いや、なんか“清いもの”を感じて「神様でもいるのかなー」って純然たる好奇心で来てみたら
ところがどっこい居たのはアンタ……もとい貴方様でして……?

【身振り手振りで伝えるのは一般人めいた感想】
【その“清いもの”を感じる時点で一般人ではないのかもしれないが、と】
【ここで彼は漸く腰のナイフの異変に気が付いて説明もそのままに右手を伸ばしてそっと引き抜いた】


あー……同類?いやでもまた別の部類の力かな?
アンタ、じゃなくて貴方様はどう思う?というかどんな人種なんだそんなやたらめったら振り回してるけど……

【掌に持って何か理解したのか頭上に?を浮かべ首を傾げる】
【自分がここに寄せられたのも案外このナイフの所為なのかなと思って】
【なんとなく問うてみてからもう1つ、彼女のその膨大な「気」と人となりについて適当も適当に尋ねる彼】

【ナイフを持っている様は似合っているのだけどどことなく間の抜けた感じが否めない】
【なんせ今は戦闘中ではないから、普通の時ではこんな感じなのだろう】
862 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/03/01(金) 02:43:15.52 ID:s+7Glftuo
>>860
いや……、気にしないで。
これはただ、私が私に持っている思いだけが原因だもの。
貴方のせいじゃないわ、そう、私が原因。

【相手の謝罪に、気にするなと返す女。それは、思いやりからのものでも優しいからでもない】
【ただ単に、女は己の深い所に触れられるのを嫌っているだけだ】
【だからこそ、そこに話が来るのならば、露骨に女は話をずらそうとする、それだけだ】

ふぅーん、尻尾と耳以外なら……『どうでもいい』?
……良い事聞いたわね。これはちょっと本気だすしか無いかも?

【しっぽと耳以外ならばどうでも良い】
【その発言を耳聡く聞き取った女は、言質を取ったとばかりに復唱した】
【頭を優しく撫でつつも、何処と無く不穏な気配を感じさせていた。と言っても手は出さないが】
【手を出すかどうかは別として、こういった発言や態度を取ることに対する相手の反応が面白いと思った様だ】

心配してくれて、ありがとうね。
……そうね、これでもすごく丈夫だけど、確かに体調は大事。
暫く忘れてたわね、そういう考え。……あら、そろそろ外かしら?

【ありがとう、と礼を言う女。礼を言うだけで、溜め込んだものを吐き出すことはないが】
【相手の言葉を自分の思考で噛み砕きながら先に進んでいた所、視線の先には開けた空間が僅かに映る】
【あと暫く歩けば、森の外に出られることだろう】

/*大分眠いので、後数レス位で〆でもいいですかー?*/
863 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/03/01(金) 02:57:20.40 ID:7164ajfwo
>>861

【どうやら男の慌てっぷりに毒気を抜かれたようで……突き刺すような視線は、とりあえず立ち消える】
【それから男から自分への不自然な呼称に対して、少しだけその表情を動かして答えた】

…………変に気を遣わないでいいわ。私はただの人間だから。

【まあ、崇められるのは吝かじゃないけど――――なんていう心の中での高飛車な台詞は、もちろん男に聞こえるはずもなく】

【それから改めて、少女はやっと普通に男を見る。この場合の"普通"には、瞳の奥にまだ残る警戒心も含まれてはいるが……】
【とりあえず、妖魔でないことはわかった。種族以外に少女が気に留めたのは、特徴的なオッドアイと腰に下げたナイフ】
【と、そのナイフが引き抜かれて外気に晒され――――】

銀のナイフ…………退魔武器、かしら。
…………じゃあさっきの感覚は、私の"神気"と、あなたのそれが反応したもの……?

【男と空けた距離は詰めないままだが、そのナイフにじっと好奇の視線を向けた】
【"神"の"気"で"神気"。自身の扱う力とそれを見比べて、少女は自己完結的に合点のいったような顔をしていて】
【よほど物珍しいのだろうか? 男の問いには気づいていながらも、ナイフに視線を固定したまま微動だにしない】

【警戒心の強い彼女の性格上、自分からその"神気"について話してくれるかは微妙だが……】
【今彼女が強い興味を示しているそのナイフのことを話せば、その返礼として少女の話も聞けるかもしれない】
864 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/03/01(金) 02:58:35.02 ID:NVqQmumz0
>>862
「いや……うん。別に良いよ
別に耳と尻尾以外なら――――あー、ほら、速く歩かなきゃ魔物が出ちゃうかも知れないよ!
ね、怪我するのも嫌だしさ!あははは……」

【背筋を走る悪寒。何だか、とても不味い事を言った気がするのだが……】
【変に意地っ張りな性格が災いしてか、今更言葉を訂正するわけにもいかず】
【早まった歩み。若干出来る距離】
【言葉も表情も平然としているのだが、ビクビクと動く耳は誤魔化し切れて居らずに】


「――――やっと着いた。かな
多分、ここから先はボクが居なくても帰れる……よね?
まだちょっとだけ用事があるから、どちらにしても一緒に行くことは出来ないけど……」

【辿り着いたのは田舎町。それでも、最低限の施設がある事からもう道に迷うことは無い――――だろうか】
【寂れた魔術用品店から転移札を買うのも一つの手かもしれない。と一つの提案をすれば、そのまま走り去ろうとして】


「あ、言い忘れてた――――おやすみ
また、何処かで会えたら良いね」

【くるりと振り返れば、笑顔で別れの言葉を述べるのだろう】
【嫌味も無く、ただ純粋に――――】
【皮肉な事に、カノッサとそれに対する正義の組織に所属する者との出会い】
【何事も無く、今宵もまた平穏に過ぎていくことか――――】

/こちらも眠気が近づきつつあったので丁度良かったです……
/それではこれにて〆に致しましょう!
/お疲れ様でした、お相手有り難う御座いました―!
865 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/03/01(金) 03:08:18.50 ID:s+7Glftuo
>>864
……やっと出られたわねえ。
ありがと、ヨハン。私も行く所が有るから、ここでお別れ――ね、

【森の外に出てみれば、田舎町が広がっていて】
【距離を離して立ち去っていくヨハンに手を振ったが、振り返って此方に別れの言葉を投げてきた】
【相手の笑顔に、此方も笑顔を浮かべて、手をぱたぱたと振って】

ええ、また何時か。お休み、ヨハン。
――また会いましょう。

【去っていくヨハンを見送って、その姿が見えなくなってから】
【女の周囲でノイズ音が響いて、森の木々が次々に両断され始めた】
【足元に転がってきた枝を踏み砕いて、長い金髪をかき回して、胡乱な瞳を空に向けた】

……苛ついたぜ、あの野郎。
脳天気な顔で幸せに生きやがってよ。人のこと分かったような口聞きやがって……!
犬なら犬で人間様には尻尾振って遜ってれば良いってのに――ああ、ムカツク。
また会いましょうヨハン――ってな、次の出会いで殺すけど。

【口元に獣のような笑みを浮かべ、口汚い言葉を垂れ流す女が一人】
【人だというのに、獣よりも獣性を感じさせる荒々しさで、女は夜を歩いた】
【その日、とある民家で人が二人死んだ。現場では死体の転がるベッドルームで誰かが一晩過ごした形跡が有ったようだ】

/*調度良かったですん! お疲れ様でした!*/
866 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/01(金) 03:14:33.65 ID:AGy6GURdo
>>863

あ、そうなんだ……まあそうだと思ったけどさ、なんだよ嘘じゃないぞ

【彼女の正体が人間だと分かれば口調は幾らかフランクになる】
【どことなく乱暴だけどだからといって悪い奴ではない、言葉にすればそんな感じになるのだろう】
【少なくとも「神様」を敬うような気持ちは持っているらしい】


いや、そこまではオレは分かんないよ……アンタのがそういうの得意そうだけど?

【ガラスのように右目をそっと閉じてクスクスと笑う】
【どことなくイタズラな笑みだけど心底馬鹿にしているようには感じない筈だ】

ん?……なんだよ気になるの?
……というかオレは視界の外ですね、それはそれで癪に障るけどいいよ見せてやるよ。

【そう言い終わらない内にナイフの柄を潰すように握る彼】
【すると「ぱりん」とガラスが割れる音がしてナイフが砕けて銀色の粒子へと姿を変える】
【形あれどカタチの無い粒子は意思があるようにふわりと少女の周りに漂ってから再び彼の元に戻って】

なんだろう、やっぱ似たもの同士なんじゃないのかアンタ?
となると退魔家業をやってる人種と見た……と。

【触り程度に彼女の持つ何かは分かっているのかそんな事をこぼして】
【いつの間にやら左手に持っていたもう1つのナイフを同じように握りつぶして霧へと変え】
【2つを撚り合わせれば銀色はより濃くなって……】

どこぞの誰かが作ったのかは知らないけどさ、この道具はそういうモンなんだって
9つ分あるんだけど束ねた本数によって姿を変える……なんて面倒臭い武器、きっとコレを作ったヤツも面倒な性格なんだろうな。

【銀の霧に手を伸ばし何かを掴んで引き抜けば】
【現れる、銀色の短刀……短刀その物は櫻の国では珍しく無い】
【ただ先程よりもその身に有する「退魔」の力が増強されているというのが彼女にならば理解るだろう】

【若干得意げな表情の彼は「ふふん」と鼻を鳴らし】
【触ってみたいならどーぞ、なんて言葉を少女に投げかける】
【それに頷いて触れれば短刀の力をより近くに感じるか】
867 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/03/01(金) 03:37:46.27 ID:7164ajfwo
>>866

…………へぇ…………。

【霧として中空に溶けた二本のナイフが、力を増大させながら一本の短刀へと変貌する】
【表情を少しだけ年頃の少女らしいものへと変え、彼女は短刀へと触れるだろう】
【何故か、男との距離をほとんど詰めないまま、手だけを伸ばすという珍妙な格好だったが……】
【しばらくナイフを撫でるようにして、それに宿る自身と同質の力を体感すると、少女は感心するように呟き】
【――――そこで、男の得意げな顔に気づいた】


……………………私の扱う力は、"神気"。文字通りの神の力よ。
神の持つ"退魔の力"を借りる術を持っているだけで、私自身の力ではないけれどね。

【ナイフから手を離すや否や、少女は唐突に口火を切る】
【そうして"神気"に関する軽い説明を終えると、彼女はそこで着物の袖から一枚の札を取り出した】
【"木"という漢字と共に何かしらの文様が刻まれたそれを持ってその場にしゃがみ込むと、地面に生えていた雑草の近くに張り付け】

"発"

【口元に右手の人差し指と薬指を持ってきてそんな言葉を呟くや否や、彼女の体から現れた"神気"が札へと流れ込んでいき――――】
【やがて札が淡い光を発すると、突如早回しでもしたかのように雑草が成長し、白く可憐な花を咲かせるだろう】
【"神気"は退魔の力だが、滅する対象である妖魔以外の『生物』に使うと、治癒の効果をもたらす――――説明するより見せた方が早い、と思ったのだろうか】
【札が発する柔らかい光は、男にも暖かなものを感じさせるはずだ】

【そこまでであれば、良かったのだが】

…………ふっ。

【少女は思いきり、男に向かって鼻を鳴らした。まるで『自分の力の方が強い』とでも言いたげに】
【男の得意げな顔が、どうやら彼女の中の幼稚な部分に火をつけてしまったらしい…………】
868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/01(金) 03:53:46.92 ID:AGy6GURdo
>>867

(なんだろうコレ……あ、アレだ動物に恐る恐る餌をやる時の感じだ……)
(ん?ということはオレが動物ですか……)

【少女に警戒されているのは仕方ないけれど】
【なんだかやりきれない気持ちになるのも確かだったとか】
【彼女が短刀に触れて離してからそっと引き上げて】


へー……聞いた事はあるような気がするけど実際見るのは初めてだな

【彼の見た目は櫻の国の住人に反しているけど知識はそちら寄りらしく】
【それでも百聞は一見にしかず、やはり物珍しいのか瞳を見開いて少女の行動を見守って】

おおっ、凄いなー治癒効果の延長か……?なんか暖かいけど……
それにしても回復持ちとか戦闘継続能力高そうじゃん、となると結構な腕利きの退魔師だった……り?

【少女の業を手放しに褒め称賛しつつもその目は小さく咲いた花に向けられて】
【この時期の寒さ故か仄かに感じる暖かさに酔いしれるようでもあった】

【と、ややあって視線を上げれば……件の少女の得意げな顔】

お?おお?……つまりなんだ?おうそういう事かお前……
――――――じゃあこっちは3つ分使うもんね、それに後には4つ5つ……と控えてるぜオイ

【そして片手にもう1本のナイフを携えチラチラと見せて無駄に張り合う彼】
【余談だが彼の見た目は20歳前後、身長は170近くで】
【そこから考えるに一番大人気ないのは彼なのは間違いないだろう】

【神秘的な邂逅なんてなかったのだ!】
869 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/03/01(金) 04:18:36.50 ID:7164ajfwo
>>868

まあ、これは小さな植物に対して使ったからで、人間なんかの中身が複雑なものだともう少し時間が掛かるけれど。
でも、そうね…………家は代々退魔の家柄だから、今まで軽く百体は妖怪を退治してきたかしらね。

【警戒していた割に親切に回復能力の説明までしたが、それは前振りに過ぎず】
【『回復能力なんかに頼らず妖怪百体も退治しましたけど何か?』……という意味の余計すぎる台詞が、その後に追随する】
【他人に対して心を許さない態度に、あまつさえ挑発と喧嘩をふっかけるその態度。とんだ神の代行者もいたもので】

…………ふぅん、そういえば9本あるって話だったかしらね、そのナイフ。
でも――――武器なら私にもあるわ。

【そして、挑発に対する挑発に、さらに挑発を上塗りする泥沼な展開が続く……】
【彼女は着物の袖から新たに札を取り出した。紋様と共に、"顕"の漢字が刻まれている】
【右手を先程と同じようにし、今度は"招"という掛け声を発すると、また札が発光。左手付近の空間が陽炎のように揺らいだ】

――――『地幻』。

【その歪みから、彼女が手を抜き出すと――――そこには六尺ほどの薙刀が握られているだろう】
【浅い反りと波打つ刃紋、散りばめられた金剛石の破片が輝く玉鋼製の刀身に、赤い縄による意匠と金箔で描かれた紋様を持つ柄で構成される、美しい武器だ】

【ただ美しいだけではない。陰陽術によって神気の通りと操作性を向上させる効果を付与した、いわば指揮棒のような役割を果たすそれ】
【意地になった彼女が神気を通すことにより、感じられる退魔の力が増大するだけに留まらず、純白のエネルギーを纏った薙刀は更に美しさを増す――――】
【見目麗しい彼女の外見と、同じく美麗な薙刀の取り合わせは、見るものの視線を釘付けにするだけの力を持っている】

これが私の武器『地幻』よ。
まあ、あなたのシンプルなナイフも中々だけど、ねぇ…………。

【――――もちろん、黙っていれば、の話だが】
870 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/01(金) 04:39:20.38 ID:AGy6GURdo
>>869

ぐ、ぐぬぬ…………

【悔しいが専門職の人間に自分が敵う筈もない】
【しかし悔しい物は悔しいのである、その感情ばかりはどうしようもないものだ】
【尤もそれをどうにか出来るのが大人という物なのだけど】

(生意気なヤツめ……痛い目合わせて――――――――

【ふと脳裏に浮かぶよからぬ考え、でも空間を裂くように現れたその姿にそれも消え去る】
【彼女の持ちだした薙刀はそれだけの魅力があった、見た目も勿論その宿す神聖もだ】
【或いは彼が刃物を愛好しているというのもあるかもしれないがそれを差し引いても、目を奪うには十分過ぎて】

―――――――あ、いや驚いた綺麗でつい

【呆けた声だけれどだからこそその言葉は真実だ】
【張り合うにしても分野違いだと純粋に思った、これは何かと比べて良い物ではないだろうと】
【欲しいと思う事さえ許されない、あの薙刀を持つべきは彼女以外にはあり得ないと白い輝きはそれだけの説得力を有して】

【数秒か数分か彼は眼福とばかりにずっと薙刀を見つめているだろう】
871 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/03/01(金) 04:59:10.26 ID:7164ajfwo
>>870

【彼女の想定だと、目の前の男はこちらの挑発に乗ってきて、そのまま軽い戦闘ぐらいにはなるかと思っていた】
【少女ににとってはそれでいい。これだけ派手に意地の張り合いをしておいて、しかし男に一歩も近寄らないその態度…………彼女は、かなり根本的な部分での人間不信である】
【だからこそ、戦闘を通じて『拳で語る』ことが、不器用な少女の中で相手を理解するための重要なツールとして機能している、のだが】

――――…………。

【一転して『地幻』を褒め称えるその態度に、少女は出会い頭と同じく毒気を抜かれたような顔をした】
【少しの間、少女は男に見えないよう顔を伏せる――――】

【人間と見るや離れていくか衝突するかの二択しかなかった彼女にとって、誰かに自分や自分の物を褒められるのはかなり新鮮なことだったのだろう】
【俯いたその表情は、意地になっていたところを急に引かれて調子が狂ったのか、あるいは――――】
【やがて、彼女は顔を上げて】

…………そうでしょう。私の十年来の愛刀だもの、当然ね。
少しは見る目があるようで安心したわ。

【結局、人の神経を逆撫でするような非常に満足げな表情を浮かべて、そう告げるだろう】
【それは本当に喜んでいるのか、それとも照れ隠しだったのか。それはわからないが――――】
【自慢するように軽く薙刀を振るって、男の視線に応えた後】

…………あなた、名前は?

【唐突に、男の名前を問うだろう】
872 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/01(金) 05:15:33.92 ID:AGy6GURdo
>>871

うん、これを見れただけでもここに来た意味はあったなー……

【恍惚にも近い緩んだ表情は一歩間違えれば危険な人種と間違われかねない】
【しかし彼はそれすらどうでも良いとばかりに2,3満足そうに頷く】
【綺麗な物はなんであろうと綺麗と言えるくらいの素直さは少しはあるのだった】

ああ成る程それだけ付き合っていれば馴染むよな
そうかそうか綺麗だと思ったのはそういう所もあるんだな……。

【手に馴染むか否か親和性とでも呼ぼうか】
【武器の癖を知り己の癖を知り、昇華して武器と一つとなるそんな美しさ】
【戦いに身を置く人間ならば理解出来るだろう要素】

【彼が素直に綺麗だと思えたのは彼女と武器との相性の良さが見て取れたからだった】

そもそも10年なんて年季があるならオレとなんか張り合う必要もないだろうに
……ん、ああオレの名前はエルフェスだけど……そっちは?

【子供じみた張り合いは止めにして彼は銀色をナイフケースへと収める】
【僅かに周囲に乱れる粒子は月明かりを受けて薄い金色に、数瞬儚く舞って名残惜しそうに消える】
【そうして問われた物を答え、彼は彼女の名を問う】
873 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/03/01(金) 05:36:35.33 ID:7164ajfwo
>>872

幸徳井佳乃よ。
…………あなたの名前、一応覚えておいてあげる。

【男――――エルフェスの名乗りに対し、少女こと佳乃はぶっきらぼうにそう言った】
【意地の張り合いから一転、急に素直になったエルフェスを見て、佳乃も今更になって頭が冷えたようで、少しバツの悪そうな顔をする】
【冷静に考えれば、エルフェスの他愛ない仕草に難癖を付けて掛かったのも佳乃の方で、引いたのも向こうの方だ】
【佳乃の高慢ちきな性格上、こちらから引くことはできなかったかもしれない……】

【それを彼女なりに悪いと思い、義を通す意味での名前を覚えておくという発言だったが】
【それすら高圧的な意志にまみれていて、とてつもなく伝わりにくい。いや、伝わる方が奇跡だろう】

【――――それでも、ここに来て少しでも誠意を見せたという意味では、少しは関係が進展したのかもしれなかった】

じゃあ、私はそろそろ行くわ。
次会うときは…………もう少し、私の力を見せてあげてもいいわよ。
…………態度によっては。

【長年積み重ねたプライドの高さは、どうやら一朝一夕に変えられる物でもないようで】
【やはり最後に余計なことを付け加えながら別れの言葉を告げると、肩に薙刀を担いだまま、佳乃は公園から去っていくだろう】

【「少しは、楽しかったわ」という精一杯の呟きは、きっと宵闇に溶けて消えていく――――】


【……家に着いた後で、彼が水の国の大会出場者であったことに今更になって気づき】
【やっぱり戦っておけば良かった、なんて心底悔しそうな顔をするのは、また別の話だ】


/うおお気づいたら五時半だ……
/遅くまでありがとうございました!
874 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/01(金) 05:54:39.46 ID:AGy6GURdo
>>873

そりゃ嬉しいね、じゃあこっちも覚えておいてやるよ。

【下手に丁寧な人間よりは幾らか付き合い易そうだ、なんて感想】
【元より自分が真面目な人間ではないのというのもあるのだけどそれは言わないでおいて】
【彼女の捻くれたようなしかし憎めない言葉にくつくつと笑う】

【捻くれ者は捻くれ者を知る、という話だ】

ま、夜も深いしなここらでお別れしとこう
ふふ……そいつはなんともまあ、それも期待しておくよ。

【小さく、ただ小さく頷いて】
【彼も彼女とは反対側へと歩いて……ふと思い出したように振り返り】

ああそうだ!あんまり力を垂れ流しにすんなよー!
お前のソレ、結構目立つぜ今回はオレだったから良かったけど次は分かんねーからなー!

【彼女に出会った原因を戒める】
【変な所で甘いそんな彼はやはり同じように答えを待たず、夜に消えてゆくだろう】

/乙でした!
875 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/01(金) 16:59:51.58 ID:4N8+C/yLo
【いつもより騒がしいオフィス街にて】
【一般の警察と黒いスーツを着た人間達が忙しそうな顔をしてあるビルの中へ入っていく】
【顔を青くしている者や、ただならぬ剣幕の者、とにかく何か事件が起こっている事は一目で知れるだろう】

【そしてそんな光景を遠目から見つめている人物が一人】
【その人物は近くにあるベンチに腰を下ろし、涼しそうな表情で少し向こうの状況を眺めていた】

【周囲の目を自然と引いてしまう桃色のドレスと黄金色の髪を風に靡かせて】
【胸元で10と刻印されたペンダントがキラリと輝いていた】

【”10”と言う刻印は勿論カノッサ機関のナンバーな訳で】
【そしてそれから推測すると、今回の騒動の犯人が誰かは自然と察しが付いてくる】

お仕事完了………と言いたいところですが…
少しだけ騒がせ過ぎてしまったかしら…?

【どこからか取り出したか分からないUSBの様な物を眺めながら、向こう側の騒動に溜息をついた】


876 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/03/01(金) 17:12:16.35 ID:s+7Glftuo
>>875
【警察達が突入して数分後。叫び声と水音が数十秒ビルの中から響きわたって】
【ガラスの割れる音と、銃声が更に重なった。そして、一分と少しの間を置いて沈黙】
【べたり。赤い液体がビルの入り口にへばり付き、肉塊を引っ掛けつつ人影が現れた】

……ちィ、なんでまたこんな面倒なことになったんだか……。

【自動ドアを堂々と潜りながら現れたのは、一人の女だ】
【革パンツとレザージャケットを着こみ、四肢には拘束具のようなアンクレット】
【サングラスで目元を隠し、鮮やかな金髪は坊主と言って良い長さまで刈り込まれていた】
【首には首輪のような革のチョーカーが有り、異様な緊張感を印象づけさせる外見だった】
【血糊一つつかないままに、女はそのまま後頭部を掻きながらも、無軌道に歩いて行く】
【肩から下げるナップザックには、何やらゴツゴツしたものやらじゃらじゃらしたものやら、紙の束が入っているようで】

うっわ、目立つ……ってか、堅気じゃあないわね。

【視線の先の桃色のドレスの女を見て、僅かに引いた表情を浮かべる女】
【本人の外見も大概目立つ上に近づきがたいのだが、そんなものは当然ながら棚上げだ】
【目を凝らしてみれば、首元のペンダントにはNo.10と刻印されていて。成る程、と納得】
【女は無表情で相手に向かって一直線に進んでいき、サングラスを少しずらして蒼すぎるほどに蒼い瞳を眇めて口を開いた】

よォ、上位ナンバー殿、ってか?
……オレの仕事先に迷惑持ち込んでくれた様でよ、ちょーっと挨拶しにきた。

【ひらひらと手を振りつつ、己の手首のブレスレットを魅せる女】
【ブレスレットには、何かで引っ掻いたような筆跡で99と刻み込まれているのだった】
【そして、女の態度は粗暴で粗野そのもの。喧嘩を売る気が満々だった】
877 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/01(金) 17:34:26.34 ID:4N8+C/yLo
>>876

【面倒に巻き込まれるのはもう嫌なので帰ろうかとした瞬間の事】

【まるで中で化け物でも出たかのような叫び声と、水道から流れるような水の音】
【音からして警察や治安組織の介入ではない事が用意に理解できる】
【だとしても、今回の火付け役である自分は外にいるのだから中で叫ばれる理由も分からない】
【とすれば何か別のアクシデントが起こった可能性が高い】

【一体何故だろうと思考するリーネだったかが次の瞬間それを理解する】

【ビルの中から明らかに社員でも警察でもない人物が出てきたのだ】

【刈り込まれた極短の金髪と目元を隠すサングラス】
【遠目からでも首輪と色々入っているナップサックがが確認できた】

【そしてその人物が自分の姿を見て何かを言っているなという事も】

あら? 何か御用か―――

【「何か御用かしら?」そう言いたかったのだが相手の蒼すぎる瞳を見て黙りこくる】
【目立つ風貌に碧い瞳、頭の隅から一つの記憶が叩き起こされた】

御機嫌よう、99番……いえ、ヴィクトリア様といった方が宜しいのかしら?

【頭の隅から叩き起こされたのは彼女の名前だけであった】
【だが、機関内での振舞いや態度などはリーネも少しは知っているらしく】

お仕事場が一緒だったなんて物凄く偶然ですわね

【こちらは目の前の女と違って好意的な笑みを浮かべ挨拶を交わす】
【ただ少しだけ相手の粗暴さに負けない様な圧力を笑みの中に交えて】
878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/03/01(金) 17:45:04.60 ID:s+7Glftuo
>>877
【相手がこちらを知っていることを理解して、また舌打ち】
【きっと知らなくても舌打ちしただろうから、何方にしろこの女の機嫌が悪いのに違いはない】
【様付けで呼ばれるのに異様な寒気を感じたため、露骨に眉間に皺を寄せ、サングラス越しに睨みつけた】

好きに呼びな。
オレは呼び捨てにする。上のナンバーだろうが知ったこっちゃねぇからな。
とりあえずむかついたからてめぇに文句言いに来たわけだが……。

【どうやら、相手が同じ仕事場だったのは全く知らなかったようで】
【その不意打ちも有って、恐らくビルの中に居た時には本当に驚いたのだろう】
【平時は殆ど汗を掻かない女の肌は薄っすらと汗ばんで、肌は少し紅潮していた】

……何が面白い、やンのか?

【相手の笑顔が癪に障ったようで、また舌打ち】
【女の周囲ではざざざ、とノイズの様な砂嵐の音が聞こえていた】
【相手の圧力が隠すそれならば、女の圧力は曝け出すそれ】
【抜き身の刃のようなその振舞い方は、ある種危うくも有っただろうか】
879 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/01(金) 17:59:10.68 ID:4N8+C/yLo
>>678

あらあら…お機嫌が優れないみたいですわね?

【自分自身が女のイライラの元など露知らず】
【大丈夫ですか? と言った類の同情の視線を送っている】

それはそれはとってもとっても新鮮ですわ
だって、皆さん私の姿を見るたびに様付けで呼んでくるのですよ?
それもそれで敬われてる事が現れているのでいいと思うのですが、幾分窮屈で…

【即ち女が呼び捨てにされるという事がリーネにとっては嬉しい事なのだろう】
【もちろん相手が皮肉や嫌味の類を込めて言っているのだったとしても、リーネ自身は気が付いていない】

で? ムカツク事と仰ると?

【自分に向けられた敵意に気が付いたのか、リーネの視線も鷹のような鋭い物に変化した】

別に戦っても宜しいのですが…

急なハプニングに適応できない所と、それを隠しきれていない所
更にはそのせいで仕事が少しおざなりになっていると言うのが安易に予想できてしまいますわ

【相手の僅かな表情から推測できた情報を挑発がましく口にする】

なので貴方様が貧弱な私と戦ったところで勝率は五分五分と言ったところになるでしょうね

【ベンチから立ち上がって大きく溜息をつくリーネ】
【それは戦闘可能と言う意思表示なのか…はたまた相手の愚行に呆れているのだろうか?―――――】

880 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/03/01(金) 18:10:38.99 ID:s+7Glftuo
>>879
はーへーほー、そりゃあ好かったねぇ。
オレはもう、オレ以外の奴ら全員足元に跪かせてやりたいがね。
だっていうのに尊敬を勝ち取って要らねぇって言うてめェに苛ついちまう。

【相手がうれしそうにしていても、女は全く嬉しくない。耳をかっぽじりながらあさっての方向を見るだけだ】
【そして、相手がまるで聖人君子かの様に、信頼や尊敬を持っている上で窮屈と言っているのに苛立ちを覚える】
【持っている奴が持つ事を煩わしいという事が、ヴィクトリアには此方に喧嘩を売っているようにしか思えなかったのだ】
【まさに狂犬。噛み付く理由が有れば噛み付くどころか、何処かに噛み付く場所が無いか目ざとく探しているような在り方である】

――カマトトぶってんのかこのカスがァ!!
ムカツイてんのは! てめェが! オレの仕事先に! 面倒!
持ち込みやがったからに決まってんだろ!?

【相手が目線を鋭くしつつ、知らないふりをしたのを見て、ヴィクトリアは爆発する】
【立ち上がってため息を吐くリーネの、此方への挑発】
【それらを聞いた上で、ヴィクトリアが取った行動は――深呼吸。深く息を吸って、女は一瞬で心を沈めた】
【と言っても焼け石に水で、十秒もすればまた情動は沸き立って燃え上がるのだろうが】

……確かに。ハプニングに動じて、それをそのまんま出してるのはオレの落ち度よ。
だがな。――だからっててめェに舐められる筋合いは欠片もねェってんだ。
舐めてんだろ、オレを。オレよりナンバー上で、綺麗な顔して、人望も有るお方だもんなァ?
そりゃあアンダーじゃないにしろ? カスみたいなのは舐め腐るよなあ……?

【どろどろと口から吐き出されるのは、異様なほどに劣等感にまみれた言葉】
【ヴィクトリアの敵意も、他人に対する棘も。殆ど、自分が持たないものを相手が持っている事への妬みから来ている】
【相手が言うまでもなく、この女自身が自分が相手より劣っていると思い込んでいて。だからこそこうして上位に牙を剥くこととなっていた】
【激昂はしないものの、どろどろと吐き出されていく女の感情は、先ほどに比べ勢いは落ちても濃度は飛躍的に増す】
【むき出しの敵意、羨望、嫉妬。大凡ありえる人間が他人に対して抱く負の感情を、女は相手にまっすぐに向けていた】
881 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/01(金) 18:27:45.57 ID:4N8+C/yLo
>>880

あらあら…何か勘違いしていらっしゃらないかしら
尊敬される事と横暴を働く事は相反していますのよ?
そんなに横暴を振舞いたいのでしたらフリーで活動なされば宜しいのに

【その言葉は間違っているとやんわりと否定するリーネ】
【勿論ヴィクトリアの言っている事も理解できないではないが、横暴に振舞えばその分だけ反動が来る】
【亡者必衰の理、然り誰もが誰も絶対に下に落ちていくのだから】

はぁ…そこまで高らかに言われると溜息しか出ませんわ
まず第一に、ヴィクトリア様と私の行っている仕事はまったく違う物
それ故に何かそちらで不備が起こったのでしたら謝罪申し上げますわ
ですが、その事と仕事を雑に行う事は別の次元の事ではなくて?

【感情を爆発させるヴィクトリアに冷ややかな言葉を投げかける】
【落ち着けと言った意味合いも込めているのだが、勿論相手を咎めるための意味もある】
【先ほどと比べてヴィクトリアは少し落ち着いたようにも見えるが、それも一瞬の事なのだろう】

舐めているだなんて滅相もない事ですわ、だって私は咎めているだけなのですから
それにヴィクトリア様は下位ナンバーでもナンバー持ちである事には変わりありませんのよ?
という事はヴィクトリア様より下の人間が沢山いるという事です
それなのに上ばかり見上げて現状の不満ばかりを口にしているのなら、それは唯の我侭ですわ

【劣等感に塗れていた事のあるリーネはヴィクトリアの気持ちが良く分かる】
【だからこそリーネはヴィクトリアに対して厳しい言葉を投げかけるのだ】
【現状維持は後退にしか繋がらない、それに気付けなければ落ちるところまで落ちてしまう】
【ヴィクトリアが自分に向ける負の感情、それらを全て受け止めようとした上での言葉を紡ぐのだった】
882 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/03/01(金) 18:31:01.28 ID:s+7Glftuo
>>881
/*晩御飯作ってくるので大分遅れます申し訳ない!*/
883 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/01(金) 18:36:13.32 ID:4N8+C/yLo
>>882
/お気になさらずー
884 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/01(金) 18:41:48.13 ID:1+3/YVX00
――風の国・UNITED TRIGGER事務所前

【新設された正義の組織にして希望の象徴】
【物陰に隠れ、その事務所を伺うカノッサの手先が居た】

【腰まで届く青い長髪は、茶色の布でポニーテールにされ、更に赤黄青の三色の布で三叉に分けられている】
【黒地に白い斑模様のあるTシャツにジーンズ、腰に巻いた皮のベルトには鉄塊から切り出した様な剣を帯刀していた】

「ふ、ふふふ・・・。UTの皆様は大会に参加・・・。
 迂闊ですねぇ、数少ない戦力をそんな大会に裂くなんて・・・ふふふ。
 おかげで今、事務所は手薄なのではないですか?」

【そのまま青年は酒場の様な事務所の扉をくぐる】
【誰も居なければ忍び込み、家探しをするつもりだ】
885 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/01(金) 19:22:43.71 ID:oOpwmA0zo
>>884

「――――待ていっ!」

【不穏な言葉と共に青年が事務所内にエントリーしようとした時、背後から唐突に声が響く――】
【そして、風にのって何らかの薄い物体が、鋭い音と共に飛んでくるだろう】
【彼が店舗への侵入をとりやめすぐに横にステップでもすれば簡単に回避できるが、よく見ればそれは花で出来た手裏剣のようなもので】
【おおよそ、彼の首筋を狙ってくるはずだ】

「お天道さまが沈むとき、空には月と星が立つ」
「雲が夜空を隠すなら、みんなで大地に火を起こす!」
「故にこの天下、悪が栄えたためしは無し。今この時もそれは同じ!」

【―その声と攻撃の主を探すなら、酒場と斜向かいにある建物の屋根の上に】
【青い蝶の翅を背に広げた小柄な少女が、腕を組んで仁王立ちしているのが見えるだろう】
【腰にはロングソードと小さな盾を佩き、青い瞳に宿すは――燦燦と輝く義≠フ心で】
【ツーサイドアップに結ばれた石竹色の髪からは、ほんのりと花蜜の薫りが漂う――妖精じみた姿の少女だ】

「やあやあ悪党め、世相に疎いあたしがわざわざ乱入しやすくしてくれてありがとう!」

【注意を引くことに成功したら、独り言を皮肉って挑発しながら、武具を構えて青年の出方を覗う】
886 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/03/01(金) 19:31:57.45 ID:s+7Glftuo
>>881>>883
……はん、横暴を振るうにはでけー後ろ盾が有ったほうがいいだろうが。
ぶっちゃけて言えば、尊敬もいらねぇよ。暴君は尊敬されねぇものだしなぁ。
反逆されるってんなら、してくる奴ら全員押し潰せば良い話しだろ?

【ヴィクトリアの持論は、単純明快。力があれば何をしてもいい、それに尽きる】
【だからこそ、異様なまでに上だけを見ているし、下にあるものはなんてこと無しに踏み潰す】
【こんな人間が尊敬されるはずは無いし、それをヴィクトリアは理解していて。それでも権力という己の持たないものを求めるヴィクトリア】
【もし尊敬を得られぬものが権力を得るのならば、それは紛れもなく暴君に他ならないだろう】

……雑に行ったつもりはねェぞ。
きっちりかっちり中の奴らは始末してたしな。
オレを見た警察連中はいない=B足付けなきゃ十分だと思うがね。

【恐らく、仕事に対するスタンスが、ヴィクトリアとリーネでは根本的に違うのだろう】
【ヴィクトリアにとっての仕事は、目的を達成することそれだけ】
【だからこそ、最初に立てた目標を達成する為には何だってするが、達成さえすればその手順も手際も知ったことではない】
【そのやり方は、確かに仕事は全うしているのだが、傍から見れば雑に見えても仕方がなかったろう】
【とはいえ本人はしっかりとやっているつもりの為、憮然とした態度を決して崩すことはないのだが】

不満が無いと上にいけねぇだろ、それに妬みが無いと牙が鈍るだろうが。
餓えを失ったら獣は獣以下に成り下がるぜ? オレは狂犬でなきゃカスみたいなもんだからよ。
口にするだけじゃ当然無いだろうが、元にオレは今てめェ――リーネに牙を剥いてんだから。
飢えて飽いて、鬱屈しないと本気が出せねぇんだよ、悪いか。カスが。

【段々テンションを下向きにしていくヴィクトリアは、自己嫌悪にまみれた言葉を口にしていく】
【己の小ささ、己の劣等感を強く意識しているからこそ、女は攻撃的な外見を取り、牙を剥き出しにする】
【自覚はしていても、そのアンバランスな人格はそうそう治し用がなかった】
【ストレスでこめかみがぴくぴくと痙攣し始めたのを感じて、懐から錠剤を取り出して1錠口に放り込み、嚥下】
【暫く無言で俯き、おもむろに顔を上げれば僅かながらバツの悪そうな表情を浮かべていた】

……悪ぃな、ちょっと落ち着いた。
どーにも、人に喧嘩売らねぇと生きていけねぇ犬でよ、オレ。
まあ、なんだ。侘びだ。

【侘びだ、と言って差し出すのは、ナップザックから取り出した札束】
【お詫びを言葉と態度ではなく、金で示す当たりこの女の人格が伺って知れる】
【それでも、一応ながら申し訳ないという感情は抱いているようだ】
/*全力でオムライス作って来ました。ただいまです*/
887 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/01(金) 19:37:05.76 ID:1+3/YVX00
>>885

【花弁の刃はとっさに避けた青年の頬を掠めた】
【シュパッと手裏剣が扉に刺されば】
【青年はゆっくりと射線の方を向く】

【見れば建物の上に仁王立ちする"義"を体現したような少女】
【青年は額を抱えて嘆く様に頭を振る】

「ああ、駄目だなぁ・・・。下衆な僕は何をやっても上手く行かないモノなのですね。
 チャンスも好機も千載一遇も、いつもいつも上手く行かずに邪魔が入る」

【青年は月光を背にした少女の姿をジッと見据えると】
【しばらく思慮にふけった後、青年は薄ら笑いを浮かべる】

「・・・事務所内ではなく外からの攻撃。
 そしてアナタの台詞から考えて、アナタはUTのメンバーではない」

【ニタリと青年は目を細めて笑う】

「では、殺すつもりで戦っても問題ありませんね?」

【青年は腰のベルトから鉄塊から切り出した様な剣を取り出す】
【するとまるでサーチライトの様に、レーザーポインターの様に】

【光の線が少女の喉元へと延びる】

「さて、早速ですが。クビキリです・・・!」

【直後、その鉄塊の様な剣は音よりも、電速よりも速く!】
【光の線をなぞって少女の喉元へ飛来するだろう!】

【剣を掴む青年ごと、夜の街の空をスリップする!】

「あはぁっ!」
888 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/03/01(金) 19:40:30.02 ID:Z0eRYoT30
>>845


いやいや、流石に戦うつもりは無いわ。武道会も終わったばかりだし、疲れてるのよ。
ここに来たのだって、ゆっくり一息つきたかったからだしね

「ケケケ、珍しいなァ?お前が戦おうとしないなんてよォ」

まるでアタシが戦闘狂であるかの物言いは勘弁してよ……

「事実じゃねェかァ、半分くらいはよォ。ケケケケケ」


【ヘケメトの好戦的な視線を受けたアイリスだが、戦うつもりは無いようだ】
【さすがに、今はそんな気分ではないのだろう】
【そして、彼が口内から取り出した四つの結晶を目にした彼女は、驚きの声を漏らした】


へぇ、結晶!?面白いモノ見せてくれるじゃない……それ、"棘の能力"の基底―――根っこの部分に関わるようなモノに見えるわ

何と言うか、"棘"に関しては……アナタは"空きスロットが多い"と言うか、"親和性が高い"みたいね。
その分"強化の余地があった"って言うべきかしら?説明し辛いわね、もう!

「その辺の事は……お前は感覚で理解する派だからなァ、ケケケケケ」

"能力"の根幹は、人によって千差万別だからね、場合によっては―――きゃっ!?


【彼女の台詞は、途中で途切れた。なぜなら―――ヘケメトが棘を彼女に向けたからだ】
【一瞬動揺した彼女だが、別に害意は無いだろうと考えたのか目の前の棘を観察しながらエニグマに語りかけた】


うーん、なるほど。緑が"通常"で赤は"堅固"、白は"柔軟"……いや、"弱いだけ"かしら?黄色いのは良く分からないわ……
エニグマ、いけそう?

「ケケケ、ちょいと難しい……が……"根幹"も見た事だしよォ、いけるかァ?まあ、やってみるかァ。名称はどうすんだァ?」

待って、考える。


【何やら会話するアイリスとエニグマ。内容から察するに"棘の能力"を"模写"しようというのか】


/今日もよろしくお願いします!
/ですが、ちょっと外で食べてくるので次はだいぶ間隔空きます
889 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/01(金) 19:55:15.93 ID:4N8+C/yLo
>>886

あら…ヴィクトリア様は不思議な事を仰いますのね?
只でさえ嫌われ者の私達なのに、その中でも嫌われようとするなんて……
ええ、確かにそうすれば素敵な独裁者になれると思いますわ
でも、一人で何もかも決めて何かも自分でやるとなれば…それは耐え難い苦痛になるのですよ?

【只でさえ悪で嫌われ者のカノッサ内で嫌われてどうする? と疑問を口にする】
【加入した目的が少し特殊なリーネにとっては期間内の人間が家族のような物なのだ】
【だからこそ機関員になら本気で怒れるし本当の姿を現せる】
【なのでヴィクトリアの力が全てと言う考えには賛同出来なかった】

その事を私は咎めているのですよ?
何でも壊してばかりでは美がありませんわ、壊す事より利用する事を考えないと
足を付かなくするのではなく、足を消してしまいなさい

【基本工作活動が主なリーネにとヴィクトリアの仕事は多分違う物】
【きっとヴィクトリアの方が破壊活動を行っているのだろうから、リーネは利用すると言う考えを吹き込んだ】
【壊してばかりでは何れは足が付く、その前にどれ程の人間を利用し自分を消せるかが大事だ、と言いたいのだろう】

そうなのかもしれませんわね、確かに不満や飢えが無いと上に上がれないのかもしれない
でも常に飢えているだけでしたらそれは唯の野良犬ですわよ?
私達はあくまでもカノッサと言う場所に飼われているのですから…
常に飢えている事を表に出せばそれは機関に対しての失礼に当たるという事をお忘れなき用に

【それだったら不満と飢えを隠しなさいとリーネは口にする】
【感情を常に表に出しているようだったら本当の本当に小物になってしまうのだから】
【人一倍不安定で弱い自分がそんな事を口にするのは滑稽だ】
【だけどこれ以上滑稽な思いをする人が増えて欲しくない、それ故の言葉だったのかもしれない】

お詫び? ふふっ…・・・そんな物は私には必要ありませんわ
ヴィクトリア様にはそんな物を渡す事より価値のある事ができるのですから

【差し出した札束をやんわりと返し、口元にニッコリと笑みを浮かべるリーネ】

――――私と組んで仕事をしてみないかしら?

嫌だったら断ってもらっても結構ですわ――――

【リーネが要求した物は金でも体でも命でもない】
【要求したのは”ヴィクトリア・キルシュネライト”その者だった】

/気になさらないで!
/こっちはその間に寿司食べてたから!
890 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/01(金) 19:58:38.01 ID:oOpwmA0zo
>>887

「これは!?」

【少女は咄嗟に前方へと飛び込み、屋根の上から路地に向けて意図的に落っこちた】
【空に伸びる光軸そのものを攻撃と判断してほぼ反射的に行ったそれは、結果として彼女の命を救うことになる――】

【コンマ数秒後、さっきまで立っていた場所を巨剣が裂く】
【風圧によって看板が吹き飛び、電線が大きく揺れた。――直接は触れられていないというのに】

(なんてこと……これじゃあギリギリ避ける事は出来ても、迂闊に受けられないじゃない)
(あの早さでお互いにぶつかれば斃せるかもしれないけれど――お姉ちゃんとして、分の悪い賭けはっ!!)

【戦慄の冷や汗をかきながら、右手がうずうずと武者震いするアンビバレンスな感情を抱えて】
【空に投げ出した身体を羽撃きで持ち上げ、彼女は青年がブッ飛んでいった&に空中で向き直る】
【回避された場合、あれはどこで止まるのか――】
【――あのスピードで破壊をバラ撒かれる事を恐れるなら、どこまで追いかけてでも止めなければならない】

「ご明察、あたしはゆなとり≠ニは関係ない」
「異体同心にして唯我独尊の妖精義姉妹・エインセル三姉妹が次女、イライザ・エインセル!」

「……あんたも名乗りなさい、リズ・ゲッコウインはそうしたわよ!」

【名乗りを上げながら、イライザは神速の斬撃に対する策を探る】
【――――――技術や本人の資質が関係しない純粋な威力≠ノ対する有効な手を練るのは、中々に難しいものなのだ】
891 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/01(金) 20:12:23.63 ID:1+3/YVX00
>>890

【結果から言えば】
【剣に引っ張られた青年は、あのスピードからピタリと空中で静止し】
【ストン、と先ほどまで少女が立っていた墓所に立つ】

【クルリと青年は落下していく少女に向き直り】
【外れた肩の骨をはめ直しながらニタニタと笑う】

「あはっ、そうですかぁ・・・。エインセル三姉妹、聞いた事がありません。
 もっとも、イライザさんも僕達カノッサ機関に敵対する方々なのでしょうが・・・」

【青年の頭上に紫電が爆ぜる】
【稲妻の怪鳥がどこからともなく出現していた】

「僕はヒルコ、纏衣ヒルコです。あぁ、覚えなくてもいいですよ。
 アナタの脳の容量を塵や埃と同等の価値の僕なんかの情報で無駄使いするのは忍びないですから」

【怪鳥は1度羽ばたくと、イライザの方へ奔る!】
【先ほどの剣戟よりは遅いのかもしれないが、それでも電速、十分すぎる速度!】
【加えて大きい! もしも直撃すれば黒焦げとはいかなくとも、凄まじい電撃ショックによってしばし身動きが取れなくなるほどスタンするだろう】
892 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/03/01(金) 20:14:49.80 ID:s+7Glftuo
>>889
オレがオレ以外嫌いだから――誰に嫌われようが知ったことかっての。
尊敬だの好意だの、そんななまっちょろい感情は直ぐぶっ壊れてどっか行っちまう。
だったら全部力で引きずり回して自分のもんにしちまうのが一番安心できるだろ。

【相手の疑問に対して、ヴィクトリアは自分は自分以外が嫌いだから構わない、と答えた】
【だが。そも自分に対しても好意的な感情を持つことのないこの女は、きっと何も好きではない】
【それは、人間という生き物としては余りにも不健康すぎる精神醸成であり、歪な在り方だ】
【愛も友情も尊敬も何も信じられないという極度の人間不信。それもまた、彼女の攻撃性の一員だったろう】
【それでも、相手が此方を心配している事くらいは理解できるのか、少しばかり先ほどよりは勢いは強くない】

利用、ねえ。
……『あっち』の私なら腹芸はできる、かもなあ。
美とかぶっちゃけどうでもいいけどよ、頭の隅っこ位には入れといてやるよ。

【劣等感を抱えながらの上から目線で、相手の言葉を飲み込む女】
【なんだかんだ、相手の意見を一考する当たり、登った血も多少は降りてきたようだ】

……一回飼い主食い殺してるがね。
まあ良い、何時か飼われる側から飼う側に行くまでだがな。
精々、食いつく相手くらいは選べる狂犬で居てやるさ――、その方がオレに有利だし。

【あくまでも己のため、というスタンスは崩さないヴィクトリア】
【だが、小物らしいという事は気にしていたことだし、気をつけていたことだ】
【狂犬は僅かにむき出しにした牙を隠し、涎を垂らすのを止め始めた。と言ってもサングラスの奥の眼光は未だにギラついているが】
【そして、ヴィクトリアは相手に札束を差し出すのだが、押し返されて――変わりにとばかりに投げかけられた提案が耳朶を叩く】

……まずは案件を言え、案件を。
オレに不利過ぎるならオレは乗らねぇよ。多少位ならお詫びも兼ねて付き合ってやる。
荒事だけならある程度以上には得意、だしな。

【一気に乗ってくるかと思えば、そこで一時停止】
【案件の確認を求めると同時に、ある程度のこちらの不利は飲む意志を見せた】
【筋は通すのがこの女。余りにも無茶な仕事で無い限りは、乗ってくると見て良いだろう】
/*遅れましたすいませんっ!*/
893 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/01(金) 20:27:36.78 ID:oOpwmA0zo
>>891
/ごめんなさい、ご飯食べてきますので遅れます
894 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/01(金) 20:28:25.34 ID:1+3/YVX00
>>893
/了解です
895 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/01(金) 20:45:48.88 ID:4N8+C/yLo
>>892

あらまあ…そんなにきっぱりと言われてしまうと私も言う事がありませんわ。
でもそんなに割り切って生きているのなら別にいいと思います
生半可な覚悟だったらそんな生き方は到底無理だと思っていましたが

【『自分は自分以外が嫌い』その言葉を聞いて納得したような表情を浮かべる】
【相手がそこまで割り切っているのなら自分が干渉する事はない】
【いや、干渉なんて絶対にできないという事に気づいたのだろう】
【だからこそ相手のそう言う生き方に少し感動に近い何かを覚えた】

『あっち』? しかも腹芸?

頭の片隅に入れていただけるのならば光栄ですわ
あくまでもこれは私の考えであって、ヴィクトリア様に合った考えではないわけですし

【『あっち』という言葉に少し疑問を抱いたリーネ】
【自分らしさを尊重した自分自身が得できる生き方を探した方がいい、なんて涼しい顔をして口にする】

飼い主を噛むだなんて……
でもそんな諺がありましたわよね? 確か、窮鼠猫を噛むだったかしら?
そうそう、無闇やたらに噛み付いていたら狩られますわよ?

【だから噛む相手を選ぶのは賢い選択ですと、リーネはニッコリと微笑んだ】
【自分の意見を取り入れてもらった事を内心嬉しく思った】
【心なしかリーネも最初よりかは好意的な雰囲気を醸し出していた】

案件? 案件は単純明快一つだけですわ
私のために戦ってくれる事、即ち護衛や私の右腕的な存在になって欲しいのです
勿論お金も、貴方の出す条件も心良く飲ませていただきますわ

【意外と用心深いんだなとリーネは内心関心していた】
【先ほどから散々吼え散らしていたところも見ていたのでその感動は二倍である】
【ヴィクトリアにとっても悪くない条件だと思うのだが――――】

/気になさらないで!
/というよりこっちも遅レスでゴメンね
896 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/01(金) 20:52:34.78 ID:21v/tKiC0
【水の国、首都フルーソ】

【街路を行き交う人々はそれぞれに流れる時の中を行き、大洋を流れる幾つもの潮流のように、すれ違いながらお互いに干渉していた。】
【肩が触れ合う程度ではあったが、人々は人知れずそれぞれの流れを変えていた。】   
【けれど、この大都市でそれらが一つの “流れ” になるとしたら―――― それはこんな場所での事なのかもしれない。】

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

【街中の公園のベンチに座すのは、そんな形容の出来る人影だった。】
【レトロチックな街燈に照らされながら、むき出しの土に脚を下ろしていた。】
【少女の手には数日前の日付の新聞。それに思案気に目を通していたが、ふとハッとした様に面を上げて。】


………前に進まなきゃ、ね。

(―――――――――――――)

【吹き抜ける風の名残を感じるような、過ぎ去ったその一瞬の行く先を想う様な―――】
【……ひとつ肩の荷が降りはしたけれど、それがどこか物寂しくもある様な。】

【そんな雰囲気で口を開けば、それを振り払うように強く、紡いだ言葉が徹って聞こえた。】

【“誰か” がその場を訪れるのだろうか。紡がれる物語に変化が訪れるのは、きっと、そうした出来事によるもので―――。】
897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/01(金) 20:56:05.64 ID:oOpwmA0zo
【その怪鳥が本当に電撃の速度で翔ぶというのならば、考えている時間はない】
【イライザは大きく羽撃いて一瞬で高度を上げると、怪鳥の稲光する背の上をぎりぎりで飛び越えた】

「破壊力が高すぎて当たってやれない……」
「行け花弁達、あのエネルギーの塊をやるのよっ」

【次の瞬間、彼女の翅から桃色の魔力が溢れ、花弁の形に成形される――数にして4枚】
【先程ヒルコの顔を掠めたものと殆ど同様のそれは】
【左右に2枚ずつ背後に抜けていった怪鳥に飛んで行き、翼をズタズタにせんと襲いかかるだろう】
【ヒルコ本体とから挟撃されては、たまったものではない!】

「なら、その首貰い受ける!覚えなくっていいように!」

【そして翼から光の粒子を放ち加速、ヒルコの立ち位置へ。つまり、先程まで自分がいた場所へ飛んで行くだろう】
【近づく事が叶えば、すれ違いざまに右手の長剣を横に薙ぐはずだ】
【狙いは剣を握る手であり、成功すれば後ろ側へ一撃離脱するつもりだが――ヒルコはどう対処するか】
898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/01(金) 20:58:57.03 ID:oOpwmA0zo
/>>897>>891へのレスです、遅れて申し訳ない
899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/03/01(金) 21:01:34.54 ID:s+7Glftuo
>>895
【相手の疑問を受けて、ヴィクトリアは無言でサングラスを外し、胸ポケットにしまい込む】
【目を薄く閉じてゆっくりと開き。底知れない湖の底を思わせる蒼い瞳を柔らかく細めた】
【口元には朗らかな笑みで。案外上品な顔立ちの女は、まともな格好さえしていれば令嬢に見えても可笑しくはない】

――ええ、私が『あっち』のヴィクトリア・キルシュネライト。
本来有り得たはずの。何もなければそうであったはずの私を演じるオレ≠諱B
と言っても、口調と振る舞いが変わるだけで、本質は何も――変わらないのだけれどね?
リーネの意見は、嫌いな私とは真逆の意見。私からは出てこないそれは貴重なものよ。
だからこそ、参考にさせてもらうのよ。――心配してくれて、ありがとう。

……っと、まあこんな感じ?

【同一人物とは全く思えない、口調及び動作を相手に見せるヴィクトリア】
【本来ならそうであったはず、そうなりたかった、そうであればよかった理想の己】
【それを演じた結果が、今のヴィクトリアだ。深々と頭を下げて顔を上げれば、また攻撃的な印象を浮かべる雰囲気へ】
【二重人格などでは決して無いのだが、余りにもその変化は大きく見えたかもしれない】

窮鼠は窮鼠でも、猫じゃなくて虎とか獅子を穫れる鼠になりたい所だがね。
まあ良い。勇気と無謀は違うもの、だしな。

【相手の好意的な態度は感じているのだが、うざったい、と一言で切り捨てる】
【先ほどの『あっち』のヴィクトリアは好意的な態度を取って見せていたのだが――】
【どちらの言葉が本当のヴィクトリアの意見なのかは、定かではない】

……まあ、まだ前任のNo.99程性根は腐ってなさそうだ。
良いだろう、乗った。……だが、リーネ。覚えとけ。
てめぇを信頼できなくなったらオレはお前の喉笛食いちぎってその座はオレが奪い取る。
それでも良いなら、オレはてめェの依頼を受けてやる。――さて、どうする?

【一応の信用を相手に置いたヴィクトリアは、しかし条件を置いた】
【信用できなくなった時点で、自分はリーネを裏切るぞ、と公言したのだ】
【あまつさえ、今居るその席を奪ってみせるとさえ言ってみせた。だが、これは逆にとってみると良いかもしれない】
【信用を失わない限りは、裏切らないし座を奪うつもりも無い、とも言えるのだ】

/*合間でちょっと家事などをしていたら見逃していたもので……。
こっちも全く来にしていないので、お気にせず!*/
900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/01(金) 21:08:01.20 ID:1+3/YVX00
>>897

【電速で飛来した怪鳥はそのまま建物の壁に激突すると】
【轟音と共に辺りに火花を散らして爆ぜた】

【どうやら怪鳥は直進しかできないようだ】
【稲妻が激突して黒焦げた建物に手裏剣が刺さる】

「へぇ、飛べるんですか」

【光の軌跡を描きながら、剣を振うイライザに対して、ヒルコがとった行動は】

【防御】

「あはっ!」

【金属同士が激しくぶつかり合う音が響く】
【軋る金属の音を響かせ】
【イライザの長剣とヒルコの無骨な剣は鍔迫り合いをする】

【しかし】

「ふふふ、あはははははっ! 駄目ですねぇ、イライザさん」

【見覚えのある光の線が剣先から空間に引かれた】
【それは定規で引かれたように直線的で、三回ほど屈折し、最期の直線はイライザの喉元を掻き切らんと伸びている】

【鍔迫り合いがふっと軽くなり、ヒルコの剣が光の線に沿って振るわれた】
901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/03/01(金) 21:10:25.58 ID:HtoeO/7to
【公園】

……やぁッッ!! はぁぁっ!! せりゃぁぁぁッ!! 
―――ってなんでさっきから当たらないのですか!?

【甲高い懸命な少女の声色が、周りの禿げかけた木々に染み入って。 まだまだ寒く人も見られないこの公園には、2つの人影】
【激しく動く人影は、先程からパンチやらキックやらを繰り出している少女のもの】
【灰色のブレザーに身を包んだ彼女は、金の両目を光らせて攻撃を放つ。激しい動きに、銀の長髪を靡かせながら】

【どうやら攻撃が当たらないようだが、旗から見ていても其れは当たり前だった。攻撃が届いていないのだから】
【2つの人影は、ギリギリ彼女の攻撃が届かない程度に開いていた】

……―――ほら、手が緩み始めたぞ。 大会を見てモチベーションが上がったのだろう……? 
さて、なんで当たらないか考えてみろ。 「俺がお前の間合いに入ったら攻撃を繰り出せ」……そう言ったよな?

【もう一つの人影は、頭や肩を少しだけ動かしているが、決して脚は動いていない。 人影間の間合いは少しも変わっていないのだ】
【少女に話しかけるもう一つの人影の持ち主は、袴に薄藍のインバネスコートを羽織り左腰に刀を佩いた、如何にもサムライという男】
【散切りの黒髪を靡かせながら、頭と肩をやや揺らす。その動きに釣られて彼女が拳を前に出すが、彼の胸の前で肘は伸びきり、当たることはない】

―――これも唯刃流のテクニックだ。 ……というか、コレが効くアンドロイドというのも面白い話だが。 ………どれだけ人間らしいんだオマエは

【この奇妙な光景を生み出すのは、男のテクニックだと言う。そして其れよりも奇妙なのは、彼の発言】
【―――その言い様は、懸命に拳を振るう彼女がまるで人間ではないようであって】
902 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/01(金) 21:13:43.87 ID:HMHSO+wL0
>>896

……………………

【――――フラフラと、幽鬼の如くおぼつかない歩みで、公園へと足を踏み入れる1つの影があった】
【恐らく、周囲の何も意識していないのだろう。俯きながら歩くその姿は】

【華奢ながらも筋肉の浮き出た色白な上半身を晒す様に、ワイシャツだけをボタンも留めずに羽織り】
【下半身はジーンズとスニーカーで固め、腰回りに大量のチェーン装飾を巻き付けた】
【くすんだ水色の髪を前髪ばかり長くした、身長170cm前後の青年】

【公園に備えられている遊具――――ブランコに腰を下ろし、今度はまんじりともせずに動かなくなる】

…………忌々しい…………過ちを…………許してなんか…………おけない…………――――!

【わずかにキィ――――と、ブランコの鎖をきしませながら、青年は何事かを口中でブツブツとつぶやいている】
【その様子は、心ここに非ずと言った感じで、そこにいた少女の姿にも、気付いていない様だった】
903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/01(金) 21:16:06.98 ID:4N8+C/yLo
>>899

【サングラスを外すヴィクトリアを見てリーネは少し驚く】
【だって、そこにいたのは荒々しい狂犬などではなかったのだから―――】

【口元に浮かんだ笑み、と雰囲気で隠されていた上品な顔立ち】
【下手をすると自分よりも美しいかもしれないと思うのだった】

えっと……御機嫌ようヴィクトリア様
本質も何も変わらなくてもヴィクトリア様は違うヴィクトリア様ですわ
勿論どっちのヴィクトリア様が良いかなんて優劣は付けれません
ですが…まともすぎるのも流石に気味が悪いというか…

やっぱりその粗野で粗暴な方が私には見慣れてるので落ち着きますわ

【豹変したヴィクトリアを見て流石に唖然としてしまうリーネ】
【口調が変わったならまだしも、雰囲気も仕草も全てが全て変わっているのだ】
【いや、変わっているというよりかは別人が憑依したかのようである】
【しかも先ほどまで粗暴で粗野だったヴィクトリアを見ていたのでリーネは少し混乱してしまい】

きっとヴィクトリア様ならそれも可能な事ですわよ
ええ、勇気と無謀は違う物、それが分かっているのでしたら絶対に狩れますわ

【切り捨てられる事に少しショックを受けてしまうリーネ】
【でも、そっちの方がなんとなく落ち着くというか、納得がいくというか】
【とにかく急に人格が変わるのはリーネにとっては一大事なのだ】

前任の99を知らないので深くは言えません
ですが、私は貴方を裏切らないし貴方は私を裏切れない
私と契約を交わした時点でどんな物よりも強固な糸で拘束されてしまいましたのよ?

ええ、もちろん私は貴方の条件を喜んで飲みますわ
裏切ったらどんな風に殺して頂いても構いません

【貴方は私を裏切れない、と少し脅迫めいた言葉を口にする】
【依存ゆえにカノッサに入ったリーネは「繋がり」というものを誰よりも重視するのだろう】
【だからこそ今この場所で鉄の約束を交わした】
【もし上手くいくのなら互いに大きな利益が生じるのは言わずもがなである】
904 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/03/01(金) 21:28:34.09 ID:7o2PnnCWo
【水の国――森の泉】

【深く暗い夜の闇の中、薄く木漏れの星明かりが心許なく周囲を照らす】
【冬ではあるものの、青い葉を付けた比較的低い木々が形成した、さほど大きくない森だ】
【はやくも雪解けの水が小川の嵩を増して流れ込み】
【うすぼんやりと輝き泉を形成していた――一説には、傷の治癒を促す効果が有るとか】

……魚釣りデモしようかト思ったけれど
ココでそういうことをするノは、なンだか惜しいな

【そこに姿を現すのは、一目見て砂漠の遊牧民だろうと分かるほど民族色の濃い異装をした、長身の青年】
【黒い髪はツーブロックのベリーショート、目は金色のどんぐり眼】
【色黒で口が大きく、目鼻立ちのしっかりした彫りの深い顔をして】
【服装はややくすんだ赤のベストと裾を絞ったゆったりとしたズボン】
【大きな濃い灰色のポンチョを黄色のショールで斜めにしぼっている】
【各所には濃い緑の布製・石製のアクセサリーがちりばめられ、派手な装いだ】

夏だったら、蛍なンかも来るノかな
モう少し暖かくなッたら、もう一度来テみるか……

【泉に向けて尖った少し高い岩に、汚れるのも構わずあぐらをかいて座りこむ】
【ポンチョに包まる様にして眼下の泉を見つめ、じっと幻想的なその色に見とれていた】
905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/01(金) 21:29:17.12 ID:vGgjCwnro
>>858

【――弾丸は軌道を描く。それは背中へ向けて直角に床から跳ね上がり、そして――】
【命中、いや――クリティカル・ヒットとはいかないようだ。】
【こちらの狙い澄ました一撃をまさか――回避ではなく、"防御"するとは――!】
【しかもその時に見えたソレは、間違いなく彼女の操る能力により現れる"存在"――】
【その力の底は見えない、どんな能力なのかもわからないが――これでまた一つ、相手の情報が手に入った。】

(――足の怪我は――ギリギリ、動けるか、動けないかのレベル――!)
(今接近されたら回避行動を取るのはかなり厳しい――っと、言ってもまあ・・・)
・・・ハナから、避けるつもりなんかありゃしなかったね、"アタシの場合"は・・・ッ!!
――全部、撃ち落してあげるよッ!!

【相手の力は現時点で判明している物で二つ――】
【刃物を具現化し、それを操る力と――そして先ほど出現させた謎の"存在"】
【前者に関しては、どこまでの刃物が召還できるか確かに底が見えないが――刃物は刃物だ。】
【接近戦と、投擲による中距離攻撃がメインと考えて良い。純粋な戦闘の力だ。】
【一方で後者については何も情報がない――"危険"であると想定していいだろう。】
【現在、"弾"末魔に残った弾丸は六発目――つまりは一発のみ。優先すべきはリロード<再装填>。】
【傷を負った相手ではあるが、不確定要素が多すぎる。――焦りは禁物だ。】
【そうして矢張り、距離をとったは良いものの――今度はセリーナにも見覚えのある"あの"武器による攻撃――!】

(――自分から距離をとったのは、こういう事か――なるほどね・・・!)
スペツナズ・ナイフ――こう見えてアタシ、武器には結構詳しいんだ。確かにソイツは強烈な武器だよね、けど――

――この"距離"は、アタシの"距離"さッ!!

【瞬間、再び"弾"末魔による発砲、迎撃――!!魔力の弾丸はナイフの刃を正面から撃ち抜き、弾き飛ばす――ッ!】
【しかしこれで残弾数は"ゼロ"――もはや次の迎撃は不可能だ。しかし、セリーナはこの距離を利用しリロードするつもりでいたのだが――!!】

(―――ッ!!ニ発目――くっ、そうか、刃物は両手に一本ずつ召還可能なんだ・・・!!)
(迎撃は――できないかッ!なら――発射される前に――)
(――やるしか、ない・・・ッ!)

【恐らく、一発目に続いて放たれるであろう"連撃"――刃物の射出は止まらない筈だ。】
【負傷しているとはいえ底の見えない能力による牽制、そして刃物の止め処ない攻撃――】
【対して、セリーナはチャンスを逃す――弾切れだ。つまり、今はリロードをするしか選択肢は、ない!】
【迎撃のための弾丸を片手で放つと同時、もう片方の手に握った銃弾を素早く、再装填――!】
【一発、二発と弾丸が――込められていく。】

【―――銃使い。その攻撃範囲と手数の多さは圧倒的だ。】
【だがしかし、扱う武器には致命的な欠点がある――恐らく、今のセリーナはガードも何も、出来ない――!!】
906 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/03/01(金) 21:30:30.57 ID:s+7Glftuo
>>903
まあな……、こんな口調が普通だったのなんて何年も昔の話しさ。
今のオレはやっぱりこっちがお似合いだろうよ。誰だってそう思う。オレだってそう思うんだから。

【相手の混乱も、唖然とした様子も、全てヴィクトリアは笑い飛ばした】
【一本とってやったとばかりに清々し気な表情を浮かべつつ、女はサングラスを取り出してかけ直す】
【犬歯を剥き出しにする笑い方も、粗暴な雰囲気も。先ほどまでの女とは似ても似つかない】

……は、ん。
何時かは六罪王までのし上がってやらあよ。
No.99からの叩き上げ。……悪くねぇと思わねぇか?

【ショックを相手が受けていることを知っても、特段大きな反応を見せはしない】
【ただ鼻で笑って、いい気味だ、と呟くだけだ。それでも激高して恫喝しない分まだまともな態度であった】
【飽くなき餓えは、どこまでも高くを睨みつけ、その牙を食いつかせようとする】
【この女は、本気で狂犬として上を目指し、暴君になる事を目的としてこの組織――カノッサ機関に居るのである】

――吹くなァ、てめェ。
分かった。てめぇと約定を交わしてやる。
……今後、このオレ、ヴィクトリア・キルシュネライトはてめぇの右腕だ。
てめェが裏切らない限りは、オレはお前の求めに従って牙と爪を振るって、この足で獲物を追ってやる。
今は狂犬だが――これでも元猟犬だからな。期待しとけ、荒事だけには自信がある。

【絆というもの、繋がりというものを鼻であしらい、踏みにじりながら生きてきた】
【だからこそ、相手のその重視しているものは、ヴィクトリアにとっては『気持ち悪いもの』としか思えない】
【依存する事を許されず、前任を食い殺すまでは文字通りの犬であった女は、相手の在り方を理解する事は難しい】
【だから、理解できないままにヴィクトリアは首を縦に振り。一応の利益を得る道を選択したのだった】
907 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/01(金) 21:30:41.68 ID:oOpwmA0zo
>>900
/本当に申し訳ないのですが、舞台裏の>>288への返答をお願いします
/それと、もしコチラの「強敵相手の絶対的な負けイベント」なロールをなさりたいのでしたら、気兼ねなく言って頂ければ……
908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) :2013/03/01(金) 21:42:25.14 ID:oIv3Wy3q0
>>904
【ぱしゃり、と冷たい水音がする】
【音のするほうを見れば一人の男が山刀についた血のりを泉の水で洗っているのが見えるだろう】
【男が地を泉に流したため一部が赤黒く染まって景観を損ねてる】

【また男はどうも堅気じゃなさそうで…】
【腹は多少出てるが太い腕や胸板が肥満ではないことを示している】
【黒く長く延びた髪や髭はぼさぼさで野暮ったい印象を与える半面、目は鋭くギラギラと光っている】
【大型の自動拳銃と弾装を入れたホルスターと多数の装飾品の形を隠れ蓑とした魔具を装備し】
【タトゥーだらけの肌にじかに来た黒革のコートの背には、四つの国の国旗をかかげた塔の絵】
【額には剣でつけられたような痛々しい傷跡がのこっている】

【その山刀に着いた血も一体誰のものか…】
909 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/03/01(金) 21:43:32.32 ID:Yszx9zl3o
>>888

「ヘケケケ、……ゆっくりした後に温泉でのバトルもやりたかったが、まァー良いや」

【先ほどと変わらぬ軽い口調の彼、しかし明らかに残念がっているのは火を見るよりも明らかだ】
【アウが、『彼は100%戦闘狂ですね』と呟けば】

「そォーだ、これが俺の能力のおおもとだぜェー、んゥー、親和性が高いってよく分からねェーがスロットは他と変わんねェーと思うぜェ」
「"能力の結晶"――ヘケケケ、俺は元々棘が扱えるからなァー、だからそれ系の結晶のスロット消費が少ねェーんだろォーなァ」
『あなた方でしたら、恐らく気合の能力の結晶と合わせても2つ装備するのが限度でしょうね、身体の負荷を考えないのでしたら別ですが』

【彼は少々自慢げな表情で、自身の能力の根幹である結晶の事を語る】
【――アウの能力の根幹も、先ほどのような結晶の様だが、そこまでは語らないようである】

「ヘケケケ、どォーだ!」 「ゴリゴリっと削るこいつで一発ぶん殴れば中々良い感じになるゥッ!」
「――白はあんまり魔翌力が入ってない棘だからなァー、だから"弱い"の方だと思うぜェー」

『黄色……黒に近いですが、それは緑と赤が混ざり合った色ですね、つまりは薄緑と同じく中間の性質の棘です』
『緑色の棘は純粋な緑というよりは少々黄色寄りの為、純粋な黒にはならないのですよ』
『そうですね、絵の具等による混色で考えていただければ、わかりやすいでしょうか』

【真っ白なキャンパスを緑色に染めそれを強固にすれば、それに赤色を塗り重ねて次のステージへと進む】

【さて、アウが"棘の色"に関することを言っている間、ヘケメトは何をしていたのかというと……】
【……生やした棘の向きを、拳の向きから腕の向き――つまりは引けば刺さる方向へと変えていたり】
【また押せば刺さる方向へ向けたり、引けば刺さる方向へ向けたり、――まるでレバーの様にして遊んでいた】
【無論、温泉をバッシャバッシャと叩いている為……辺りにしぶきが飛散するのは言うまでもない】
【そして、更に生やした棘や新たに生成したそれを空へと飛ばしてみたり、――……とにかくやりたい放題である】

「"ヘクト"!」 「すなわち"ニードル"!」 「つまりは"棘"!」 「ヘケケケ、本当に便利だぜェー」
『……刺さらないとは思いますが、時々上から棘が降ってくると思います』
『すみません、能力を複製する際の邪魔になるかもしれませんが、……苦情はヘケメトにお願いします』
910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/01(金) 21:44:11.51 ID:4N8+C/yLo
>>906

何年も前に普通だった時期があったという事実にも驚きですわ
ええ、これからは急に変わる際には一言声をかけていただければ…と

このままだと心臓が持ちませんしね

【相手の豹変はリーネの蚤の心臓には耐え難い付加を与える】
【というより想定外の事実過ぎることで脳内の何かが壊れてしまいそうだ】
【それを隠すかのようにリーネはクスッと笑みを作って見せた】

あら、私を差し置いて六罪王になるのですか?
それとも私と仲良く手を繋いで史上初の二人で一つの六罪王に?
どっちにしろのし上がり劇は素敵な事ですわ

【相手の大きな野望に目を爛々と輝かせて感心している】
【人の意見を聞き入れ、それに心から感心するなんて機関員らしくないかもしれない】
【だけどそれがリーネという女の姿でもある】
【勿論その部分がリーネの莫大な闇を作り出しているのだが】

ええ、私とヴィクトリア様は今日からナンバーを超えた「仲間」です
今から、そしてこれからもずっと裏切る事は許されません
勿論私も貴方を裏切らないし、貴方も私を裏切らない
全てを共有し合い、全力で私の事を守り抜いて下さい

ヴィクトリア様程のお方が私についてくれるなんて怖い物なし鼻高々ですわ

【「裏切るな」と少し狂気染みた雰囲気を醸し出しながらリーネは約定を交わす】
【口にした「仲間」と言う言葉も、意味合いとしては「仲間」ではなく「依存対象」と言ったほうが良いかも知れない】
【約定が無事終わったのでリーネは少し嬉しそうに、ヴィクトリアのことを褒め称えるのだった】
911 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/01(金) 21:49:10.77 ID:21v/tKiC0
>>902

(……?―――――)
(―――――――…………!)

【不意に聞こえた剣呑な声。少女はその方向へと振り向いた。映り込む姿は―――――― 見覚えのある “あの夜の水色髪の青年”。】
【一瞬、見開かれる橡色。予想外の存在との遭遇への驚き。】
【それは次瞬には怪訝そうな、警戒と疑問の入り混じった瞳に変わるのだった。】


………過ち? 誰が、どんな過ちを犯したというの……――――
何が許せないのかは分からないけれど……それは、其処まで断罪を求めなきゃならないものだと言うの――――?


【その意識のままに立ち上がり、少女は青年の前方正面、約2メートル弱の位置まで自然体に近い足取りで進んで行った。】
【――――― 未だ彼と斬り結ぶための剣は抜かず、従って決定的な衝突も “未だ” 発生はせず――――――】
【けれど確かな、戦意にも似た警戒意識を瞳に宿して。】
【その果てに口を開いて向けた言葉は、疑問の色を隠しきれていなかった。】


【―――――― 「其処まで断罪を求めなくてはならないのか」。】

【或いはそれは、その罪業が如何なるものなのかを、彼に問いている様でもあった。】
【………客観的事実として、その 「過ち」 は如何なる所業であったのか。】
【そして、それが彼に如何なる意味を持っているのか―――――――】


【…………初邂逅の夜の問答からすれば、彼と彼女の関係は “敵対” である筈だった。】
【だが、それはそれぞれの “道” が、正義が異なっていたためだった。】
【少女は、青年を絶対的悪とまでは考えていない。】

【………ゆえに彼にとっての 「過ち/悪」 は、彼女にとっての 「悪」 でもあり得る、と――――】
【彼に如何なる対応をとるか選ぶのは、その後でも遅くはないのだと。】
【そうした判断からのそれは、如何なる答えを呼ぶのだろうか―――――】

【少女が左手に持ち替えた新聞が、くしゃりと小さな音をたてた。】
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/01(金) 21:49:25.39 ID:oOpwmA0zo
>>900

「あぁ戻れっ……」「ちぃ、無駄弾撃たされた!」

【花弁の刃は脳波コントロールできるが、手元に戻すには旋回半径が足りなくて】
【僅かに軌道を曲げた所で、それらは壁を斜めに抉りながらビルに突き刺さる】
【空き家なのか直接の被害は出なかったものの、まずい¥況――――】

【異形の刃に対して、よく鍛えられているが有り触れた鋼の長剣は無力】
【あっさり止められた挙句、鍔迫り合いを途中で一方的に脱され、いいように弄ばれるイライザ・エインセルという一人の少女】
【振り返ればレーザーが走り、死の影が未来を攫う……】

「ここで死ぬ……バカ、そんなわけあるかッ」

【ヒルコがモーションに入った途端、イライザは弾かれるように空を右へ跳んだ=z
【その時、照準光の先には――彼女が左手に携えていた「盾」が投げられいる】
【もちろんそれは手放されると同時に落下を始めるが、ヒルコの移動速度はあまりにも早すぎる】
【故に、一瞬でも空を漂ってくれれば十分――!】

【もし目論見通りに、ヒルコの空中斬撃の軌道がこの妨害で縮まったならば】
【回避行動を取った後のイライザの攻撃可能レンジに残っていてくれるだろう】
【飽くまで、完璧に上手く行けば――だが】

「――――――――――なむさぁぁーんっ!!」

【両手に持ち替えた剣に魔力を注ぐと、濃いピンクに波打つオーラが刀身を包む】
【そしてイライザはヒルコが絶好の位置に到来するかもしれない¥u間――それを逆袈裟に、一心不乱に振るおうとした!】
913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/03/01(金) 21:59:30.16 ID:s+7Glftuo
>>910
オレが誰かとおてて繋いでゴールインするタマに見えるか?
とーぜん置いてく、後ろを振り返るつもりもない。
置いてかれるのが嫌ならついてくるこったな。オレは勝手に上を目指すだけだ。

【気持ち悪い。心の底からそう思ってしまった。普通の感性なら嬉しいのだろう】
【だが、如何せん他人に肯定される事など無かったこの女にとっては、肯定は受け入れがたいものだ】
【何故目の前の女は、こんなに敵意を剥き出しにする粗暴な奴の言葉をまともに聞くのだろう?】
【少なくとも己ならばまともに取り合わないか首速攻で落として家に帰って酒盛りでもするだろう】
【方向性も思考回路も一から十まで違う相手に女が抱いている最大の感情は、嫌悪でもなんでもなく、困惑であった】
【敵意を向けてくるならば良い、敵意を向けて相手をみじん切りにしてしまえばそれで全てオーケーなのだから】
【同情してくるならば良い。見下してきている証拠だから迷いなく惨殺できる。ためらう必要もないから問題も無い】
【だが、どう見ても同情しているようにも敵意を向けてくるようでもなく、心の底から肯定して感心しているのだ】
【そんな相手とまず出会うことのなかった女は、殺害という行動に出ることができなくて――苛ついた】

……ち、ッ。

【手持ち無沙汰になった女は、舌打ちをしながら近くにあった石を蹴り飛ばす】
【一瞬テレビの砂嵐のようなノイズ音が響き、石は足に触れた瞬間に強く弾かれ吹き飛んでいった】
【それを見ても特段スカッとする事もなく、胡乱な瞳を夜の月に向け、サングラス越しに眺めることにした】

――気持ち悪っ。お前のことを守るのはやってやる、約束だから。
裏切りもしねぇよ。お前がオレを裏切らない限りは。
だけどな、オレはオレの何もお前にくれてやる気は――無いッ。
それだけ覚えとけ。……おら、連絡先だ。何か有ったら呼べ。飯喰ってるか酒飲んでる時か盗みしてる時以外は行ってやる。

【依存というものを許されなかった女は、己にへばりついてくる情念のような何かに不気味さを感じた】
【そして、女は言う。共有などして貯まるかと。オレのものはオレのもの、他の誰にもくれてやる気は無いと】
【相手の執拗なまでの依存的な態度と正反対、異様なまでに自立自活、孤独孤高を極めていた】
【ある意味、正反対であるからこそ。ちょうどいい所でバランスが取れるかもしれない】
914 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/03/01(金) 21:59:35.62 ID:7o2PnnCWo
>>908

【音を聞きつけぱちりと一つ瞬きをして、その方向へと目を向ける】
【光源の一つである泉が欠けているのに気付くと、岩辺から下りて岸沿いにそちらへと近付く】
【原生生物である場合を想定してか、足音は極力殺してひっそりと】

……ヒト?
モしかして、怪我しテいるのか?

【相手の輪郭がはっきりとしてくると、言葉が通じる人間であると安心してようやく呼びかける】
【距離としてはそれでもある程度開いた状態、剣呑な相手の様相から警戒を張っているだろうから】
【だいたい3〜5m程度離れたくらいだろうか】

軽傷じャ、無いヨうだけれど
何かあったノか?

【そこに悪意は無いようではあるものの、相手に警戒される事が無いとは言い切れない】
【ポンチョに隠れてはいるものの、腰には何かしらの武具を下げているらしきベルトが締められている】
【こちらは土の上、相手も同じか、それとも水の中か】
915 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/01(金) 22:02:50.85 ID:XkgErFZio
【森林公園】
【日がすっかり暮れ、木の葉の緑色の鮮やかさを照らす光のない、奇妙な不気味さに包まれたこの場所】
【天気は雨、それも木の葉にぶつかり豪快な水音がなるほどの土砂降りの中で苛立ったようにぼやく者がいた】


あーあ、くそったれ……本降りになって来てるじゃないッスか、天気予報は曇りだったのに
……レオ、傘差せ傘

「了解だ、もう少しオレの近くに寄ってくれるか」


【茶色の長い髪を左右でお団子状に丸め、もみあげを鎖骨の辺りまで伸ばした形の髪型】
【濁った鳶色の瞳にレンズがやや大きい丸型の眼鏡をかけ、首の所には赤に黒のチェック柄のマフラー】
【前の開いたダッフルコートの下から、灰色の生地に赤、黒、黄とややカラフルで大き目なボタンのシャツが覗き込んでいる】
【黒いスカートに、白地に黒の菱形のマークが縦に並んだソックスに茶色のローファーの少女】

【そのすぐ側で傘を差しているのは、全長2mほどの、全身を白と青の装甲で覆った金色のたてがみを靡かせ】
【右胸に"1"と刻印された六角形のプレートと、腰のベルト部分の場所にカノッサの逆五芒星のエンブレムを象った獅子の"怪人"だ】

【甘ったるいアニメ声やアンニュイな顔つきが似合う整った顔立ちが台無しなほどに、へらへらと気の抜けた面構えで少女は気だるそうに】


世間様はやれ大会だと騒いでるみたいッスね……正義組織の連中も何人も参加してるって?
アタシだったら間違ってもでねーけどな……コーネじゃないけど、殺し厳禁のお綺麗な闘技場に出て
自ら手の内世間様に晒すなんざ、不利益この上ねーと思わないッスか?……まあ、1000万貰えるってんならわからなくもないッスけど

「……余所は余所、ウチはウチだ。欲しい物がオレたちとは違うのだろう」


【そんなもんかね、などとぼやきながら彼女は獅子を従えて道の真ん中を歩く】
【人の気は少ないがその図は極めて異様な様子、割と目に付くかもしれない】
916 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/01(金) 22:04:38.78 ID:HMHSO+wL0
>>911

……っ、な……君は……!?

【ブランコに腰掛けたまま、近づいてくる存在へと視線を移し、青年は驚愕に目を見開く】
【かつて邂逅し刃を交え、その気高い生き様を見せつけられた少女が、こんな所にいるとは青年自身、思っていなかったのだろう】

……あれから、随分と時が流れた……僕もそうだが、君だって……恐らく、色々な事物を見てきただろう……ぅ?
……君の様な、命を輝かせた者たちもいた…………この世界には、確実にその命を輝かせる者達がいる……いるんだ……ぁ……!

【その驚愕も、それほどの時間を必要とせずに薄れ、やはり戦闘に至ったかつての経緯を思い出してか、わずかに警戒を滲ませながら】
【肩を落として、両肘を太ももにつき、上半身を支えるような姿勢で顔を突き出し、語り始める青年】
【生気を感じさせない顔色に、ぎらついた瞳――――亡者の如きその姿は、あの時とほとんど変わらずに】

……だのに、この世界には……単に『価値無き命』と言うだけじゃない……『命の尊厳を汚す』連中まで……平気で跋扈している……ぅ!
……僕は、それが許せないんだよ、ぉ…………!

【前置きから打って変わり、徐々に青年に怒りの形相が芽生えていく】
【――――青年の主張は、あの時から変わってはいなかった。『価値有る命』と『価値無き命』で、人間を二分するその信条】
【だが、それだけにとどまらない、青年をして怒りに狂わせる存在を、これまでに目の当たりにしてきたという】

……丁度良い。僕だけで完結させたくはない…………!
……君ならどう思うのか、聞かせて欲しいね……ぇ!?
――――コーネリアス・F・ラインハルトを、どう思うのか……ぁ!

【青年の口に出した名前。それはカノッサ機関の最高幹部の一人――――六罪王『コーネリアス・F・ラインハルト』だった】
【青年が、恐らくはコーネリアスに怒りを抱いているらしい事は、その言葉から分かるだろう】
【――――人の淘汰を平気で謳うこの青年が、かの人物に怒りを感じると言うのも、おかしな話ではあるのだろうが……】
917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/01(金) 22:14:06.47 ID:4N8+C/yLo
>>913

じゃあヴィクトリア様じゃない方のヴィクトリア様とゴールインします
断られたとしても、たぶんあっちの方の方が傷つかなくてすみそうです
こう見えてもヴィクトリア様の言葉には傷ついているんですからね

【相手が気持ち悪いなんて思っていることも露知れず】
【当のリーネは心のそこから喜びを感じていたのだった】

【だって目の前の相手はあんなに敵意を向けて来ていたのに、今はまともに話している】
【しかも相手は自分の声をちゃんと聞いてくれている】
【相手がどう思おうと良い、リーネは心の底から今の状況に狂喜していた】
【それこそがきっとリーネの長所で最悪の汚点】
【そしてこの機関に取り入られてしまった最大の要因】

そんなに不機嫌そうにしないでくださいよ
こういう時は喜びを分かち合う物らしいですよ?

【そんなに不機嫌にならないでと相手を静かに宥める】

気持ち悪いだなんて…酷いですわっ
でもそんな事を言われても私達はもう「仲間」なんですからね

いらないですよ? でもその分いっぱい受け取ってもらいますから
じゃあご飯食べてるときはその場所に私が行って――お酒のときも―――

【「仲間」が出来たことに嬉しくてついベタベタしてしまうリーネであった】
【後悔時既に遅し…という奴だろうか、とにかく一気に短所が露天してしまった】
【一見このままだと上手くいかないような気もするが、もしかすると最高の凸凹コンビになるかもしれない】
【リーネ自身は一緒に入れる相手が増えたという事だけで嬉しいから、そこまで考えていないのだが】


918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/01(金) 22:14:11.24 ID:1+3/YVX00
>>912

「む!?」

【光の斬撃は投げ出された盾によって僅かに軌道がずれた】
【あと少し、相手の喉を掻き切るには長さが足りない】

「な!?」

【そして忘れていた】
【自分はこの残光剣に"引っ張られる"ことはできるが、空は飛べないのだ】

【故に】

【投げ出された身体】
【身動きできない空中は】

【相手のテリトリー!】

「か・・・はぁっ!!」

【振り抜かれる魔力を纏った刃】
【ヒルコの身体は引き裂かれ、鮮血が噴き出す】
【建物の上に膝を付き、息を荒げながら忌々しげにイライザを睨むヒルコ】

【しかし、しばしの思慮の後】
【ふぅ、と小さくため息を漏らす】

「はぁ・・・いつもこうですね。やはり世界は廃棄物の様な僕には厳しくできているようです・・・」

「さて、イライザさん」

【ヒルコはヨロヨロと立ち上がると、イライザに向き直る】

「僕はこれから逃げますけど、アナタはどうしますか?
 もしアナタが僕を逃がさない、許さない、というのなら・・・」

【ヒルコは剣を掲げると、背後に燃え上がる車輪を5つ程出現させた】
【獣の様に見開かれた眼でイライザに問いかける】

「僕も周りの被害や、この辺に住んでいる方の生死を問わず全力で戦いますが」
919 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) :2013/03/01(金) 22:14:34.10 ID:oIv3Wy3q0
>>914

【声をかけられ山刀を洗う男の手が止まる】

たくっ、前回といいなんでこういうタイミングで……。

【大きなため息をついた後、小声で文句を言い…】

何でもねえから、とっとと失せな。

【首だけ振り返って、脅すような口調で少年を追い払おうとする】

【――少年は気づくだろうか?】
【男から漏れ出す殺気に…その瞳からあふれ出す獣性に】

【それは鷹のように気高くなく、獅子のように雄々しくもない】
【強いて言うなら汚泥に潜む魚のような…相手を丸呑みにするような殺気と獣性】

【踵を返して後ろを向いてはいけない】
【今さっき血を洗い落したばかりの山刀が再び振るわれ…血を吸うだろう】
920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/03/01(金) 22:24:51.60 ID:7o2PnnCWo
>>919

【鋭く大気を裂くような脅しの言葉、明確な敵意に一瞬びくりと身を震わせ】
【あ、とか、え、とか動揺した様な声が単語になるまえにこぼれて消える】
【じり、と一歩後ずさって。一度口の中の空気をのみこんでから、ようやく口を開く】

ゴ、ごめん。別に、気分ヲ害したかッた訳じゃ……
……ソノ、すみませンでした!

【罪と恨みの無いものに、向ける拳も、ましてや一片の敵意すら持ち合わせてはいない】
【今しがたあったばかりの相手に、何かしらの悪意を抱くわけもなく】
【であれば、声をかけてはいけないのにそうしてしまった罪悪感しかない】

【後ずさった一歩は、やがて次の一歩を呼び、相手の間合いの外に出るまで続く】
【十分に自身の安全を確保して、相手に背中を切り裂かれる事の無いように】
【そうしてから、もう二度三度謝る声を残してその場から去っていった】


/ええと……お疲れ様でした?
921 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/03/01(金) 22:26:00.07 ID:s+7Glftuo
>>917
だってオレ別に喜んでねえし?
それに分け合うくらいなら全部奪い取って独り占めするタイプだし。

【憮然とした態度と表情は崩すことはなく、宥める相手に舌打ちをもう一回】
【ここまで相手の色々なアプローチを叩き潰すあたり、徹底した孤高主義だ】

……飯は一人で食いたいから却下。
――――ま、なんだ。ひとり酒も嫌いじゃねぇがな。
十回に一回くらいなら酒に付きあわせてやる。但しお前の奢りでな。
飯とかも奢ってくれるなら一緒に喰ってやらなくもないぜ?

【ベタベタしてくるリーネを手で制しつつ、はぁ、と溜息】
【ここまでアレなタイプだと最初の提案の時点では全く想像していなかった】
【このまま依存されると一刀両断しそうだ、と思いつつも、酒くらいなら付きあわせてやると一歩引いた】
【一から十まで相手のアプローチを押しのけ続けるのに疲れてきたようだ】
【正直な所、人間関係の構築に全くと言って慣れていないため、人との距離感の測り方がヴィクトリアにはよく分かっていない】
【要するにこの女――――押しに弱かった】

で、だ。組むってんなら、互いに何が出来るか知っとくのが筋だと思うんだけどよ。
お前さん、何が出来るんだ?
オレは限定的な念動力的なあれだけどよ。

【互いにどんな力が使えるのか、情報交換をするのも悪くはないだろう】
【女は右腕のブレスレットから、黒い霞のようなもの――血で錆びついた合金粒子を吹き出させた】
【他の部位からもその血染めの金属粒子は吹き出していき、女の四肢に纏わりついていった】
【体の要所要所を守るように展開される金属粒子の集合した装甲は、獣を思わせる野性的なものだった】
922 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) :2013/03/01(金) 22:28:51.29 ID:oIv3Wy3q0
>>920
/すみません描写不足でした。
/後ろを見せたら、そのとたん不意打ちして目撃者排除しようとするっていう感じだったんですが・・・
/ともあれお疲れ様でした
923 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/01(金) 22:31:36.20 ID:oOpwmA0zo
>>918

【確かな手応えに拳が震える。少女は斬り上げの勢いそのままに舞い上がり、空中できりもみ回転して血を振り落とした】
【当然、更に追撃の構えだ。宣言した以上、その首は奪い取るつもりである】

「はっ、嘘だそんなの、纏衣流の強がりだ」
「このまま戦いを続けたら本当に死んじゃうんじゃないかって思ってるんでしょ」
「あたしも思ってるよ、だけど、廃棄物が死を恐れるなんてそれは筋違いじゃない?」

【野獣の形相となったヒルコの車輪に呼応するように、無数の花弁が羽ばたきに合わせて散る】
【脅しにも関わらずイライザは強気である。だが、十分な運動性を持ちながら行き成りは仕掛けてこない辺り――】
【ある程度は、彼の宣告が効いているのだろう】
【彼女は戦闘を楽しみさえするが、所詮は義理と情の女。弱みを握る事はたやすい】

「……、まあ、逃げるというのならそれは許したげる」
「ただし、1つだけ聞かせて欲しいことがあるよ」

「カノッサ機関の中でも地位のある奴らはさ、数字で他と区別されてるって言うじゃない」
「だけれどあんたにはそれが無いし、名乗りもしなかった。それに、部下もいない」

「纏衣ヒルコ、あんたに命令しているのは――――――誰?」

「あたしはなにもしないけど、答えるのが遅いとゆなとり≠フ人たちが帰ってきちゃうかもね!」

【それに駆け引きもそんなに得意ではないから――できる事はこれくらい】
【危うい空間的均衡を乱さぬよう注意しながら、身構えたまま尋ねるのだった】
924 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/03/01(金) 22:32:03.22 ID:7o2PnnCWo
>>922
/さすがに背中に斬りかかられるのは少々割に合わないような……
/せっかく膨らませられる部分があるので、首元のタトゥーがちらりと見えたとか
/戦闘回避したい場合は、何でもないとは言い難い傷とか、何かしらとっかかりがあると良いと思います!
/どちらにしろうまく拾えなかったのはこちらの落ち度ですね、申し訳ないです
925 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/03/01(金) 22:33:52.47 ID:Z0eRYoT30
>>909

なるほど、そんな理屈があったのね。
おもしろい原理だわ、アナタたちの能力!

「ケケケ、そろそろ準備できたかァ?」

【ヘケメトとアウの話を聞きながら、時折頷いたりするアイリス】
【エニグマに声を掛けられた所で本来の目的を思い出し、能力を顕現させようとするが―――】

ええ、ばっちりよ―――ぷわっ!?

【―――ヘケメトにより、本日何度目かの水しぶきを頭から被る羽目になった】
【しかしめげない。気を取り直した彼女は口を開く】

ま、またもや……やってくれたじゃないの……まあ良いわッ

さて、いくわよエニグマ。
複製異能―――〈荊の冠〉


【彼女がそう言った瞬間―――エニグマの宿す炎の色が、サイケデリックな虹色から深緑色へと変化した】
【同時に、彼女自身の髪の色、瞳の色も深い緑に染まってゆく】
【そして、数秒後。色の変化が終了しる。彼女は首をコキコキ鳴らしながら快哉を挙げた】


あら、上手く行ったわ!
……やっぱり、間近で色々見せてもらったからかしら?

「それに落ち着いて発動できたしなァ、ケケケケケ」

それもあるかもね。じゃあ、試しに―――


【アイリスは「ちょうど良い」とばかりに、上から降ってくる棘を見やる】
【そして、それらを打ち落とそうと能力を使用した】

―――はッ!

【迎撃を行ったのは―――"髪"】
【そう、深緑に染まった彼女の長髪が、まるで意思を持つかのように蠢いたのだ】
【髪の毛全体が、逆立つように上を向く。そしてそこから"棘が生えた"】
【ちょうどヘケメトが腕から棘を生やしたように、アイリスの逆立った髪から無数のメタリックグリーンの棘が勢い良く生えたのだ】
【髪が突然伸びたようにも見えるかもしれない】


ハッハ〜ン、これは使いやすいわね……
ただ、"棘を生やす"ことをイメージしすぎたから、射出するのは骨が折れそう。ま、そこは練習しだいってトコね
色を変えるのは無理そうかな……?

「なかなか汎用性が高そうじゃねぇかァ。これは当たりだなァ、アイリスゥ?」


【喜色満面で呟くアイリス。その上空では、上から落ちてきた棘が髪から生えてきた棘に串刺しにされていた】
【そうしてひとしきり喜んだ後、彼女はニヤニヤと笑いながらこう言った】


―――さて、ヘケメトさぁん?
さんざん水ぶっ掛けてくれたお礼をしなくちゃねえッ!?
確かに便利だわコレ……だって、こんな事もできるものッ!


【アイリスの髪が蠢く。上から下へ、水面に叩きつけられたそれにより、水が盛大に撒き散らされた。主にヘケメトの方向へと水しぶきが向かって行く】
【ついでに、アウも巻き込まれるかもしれない。何とも迷惑な話である】

/遅れて申し訳ない
926 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/01(金) 22:42:27.62 ID:1+3/YVX00
>>923

「・・・」

【燃え上がる車輪を浮かべながら、ヒルコは無表情にイライザの目を見返すが】

「ふぅ・・・」

【やがて剣を下げて、車輪を消してしまう】
【どうやら交渉は成立の様だ】

「そうですね、僕達・・・いえ、ゴミの様な僕と他の方々を一括りにするのも大変失礼ですけど。
 とにかく僕達ノーナンバーはカノッサ機関の中でも所謂下っ端ですからね」

【ヒルコはどこかそっぽを向きながら言葉を続ける】

「僕に直接命令なさっているのは同じくノーナンバーの真室川博士です。
 そして真室川博士は現在、カノッサ機関・六罪王のガイスト様の意向に従えと僕に指示を出しました。
 まぁ今回UNITED TRIGGERの事務所を襲ったのは別件ですけどね」

【さて、と】
【ヒルコは屈みこむ】

「他になければ僕は宣言通り逃げさせていただきますよ」
927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/01(金) 22:45:13.06 ID:4N8+C/yLo
>>921

あら…そこまで露骨に言われると流石にショックですわ…
そう言う考え方はダメなのですよ? 悪い人間になってしまうって誰かが言ってました

【もう既に悪に落ちているお前が何を言っているんだと思われてしまうかもしれない】
【だが本人は至って何も考えずに発言している】

ご飯は一緒に食べた方が美味しいと思いますわ
お酒は…残念ながら私呑めませんの
ですからご一緒した際は眺めさせて頂きますわね
あと、奢るのは却下です、こっちも毎日がピンチなんですから

【相手の却下を尽く却下していくリーネ】
【その中でも「奢る」と言った発言に物凄く過剰に嫌がった】
【前述した通り、リーネは毎日が毎日大ピンチなのだ、しかも原因は服代のせいだなんて口が裂けても言えない】
【自分のテンションが上がっていることには気付いているが相手が煙たがっていることには気付いていない】
【最初と違いどんどん粗が出てしまってきていた】

私ですか…
私が出来ることといえばこんな事しか…

【そう言いながらリーネはゆっくりと自分のスカートの両裾を持ち上げた】
【太もも辺りまで上げたところでスカートの中から何かが勢い良く飛び出す】

【それは二本の禍々しい色彩の「腕」であった】
【関節がないらしくウネウネとのた打ち回るそれは陸に揚げられた鰻の様であり、大分気持ちが悪い】
【一通りバタバタと暴れまわると腕はスカートの中へと戻っていくだろう】

私のはこれを召喚する能力です
コンクリートを砕く程度の力しかありませんが…

【コンクリートを砕く力の強さを分かっていないのでとりあえず謙遜している】

/スミマセンもうすぐ時間が……
/明日は9時から夕方の4時まで居れますのでよければ持ち越してください
928 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/01(金) 22:48:05.72 ID:21v/tKiC0
>>916

(……そうね――― 本当に色々な事があった。)
(貴方の言う “命を輝かせている” 人たちも、たくさん居て、出逢えて―――――)

【青年の言葉を受け、“あの夜” から “これまで” を回想するように一度瞬くと、少女は、その一瞬で思考の整理を終えた。】
【――――― コーネリアス・F・ラインハルト。カノッサ機関六罪王、彼女にとっての宿敵の一人―――――】
【そんな存在を想起してか鋭さを増す橡色。自分を抑えつつ、“整理して” 言葉を紡ぐその準備のように。】


…………私は……どれだけ強大な力を持っていたとしても、あの男を認める心算はない。
「既存の価値観と世界の破壊」、「あらゆる生命への “戦い” の強制」、反抗する命の総てを見下すあの眼―――――

……何一つとして相容れない、絶対に食い止めなきゃならない存在だと感じてる。
必要とあらばあの男とその部下全員を叩き斬ってでも、“そうする” 事を選ぶでしょうね―――――

【―――――――― 赫怒。静かな口調で語られたひとつの想いは、紛れもなく煮え滾るその灼熱だった。】
【言葉と共に握りしめられ、左手の新聞紙が、そして指の一本一本が悲鳴を上げる。】
【方向性として、青年の其れにも近いのだろう。抵抗勢力の有無など関係なしに、“止める” 、“許さない” のだと少女は語った。】

【そして………“もう一つ”、少女はここで言葉を紡ぐ。】

…………貴方の正義は前に聞いたし、あの男が “許せない” というのは私も同じ。

だからこそ………ひとつだけ聞かせてほしい。

なぜ……貴方は、「価値を持たない」 と断じたものを、貴方自身の手で殺し尽くそうとするの。
その想いが何処から来るのか、なぜ、糺すだけじゃ終われないのか――――

【――――――「………私には、それが理解できない」。】
【共感からどこか哀しみのように色合いを変えて、そんな言葉で結ばれる問い。】

【………青年の抱く熾烈なる怒り。】
【「価値なき生命」、「生命の尊厳を踏み躙るもの」、それら総てに振り下ろす鉄槌――――】
【“生” を重んじるその価値観になまじ共感できたからこそ、少女には、その或る種破滅的とすら言える殺意が理解らなかった。】

【それは、彼我の決定的な衝突を、彼女が疎んじている様でもあって――――】
929 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/03/01(金) 22:50:30.83 ID:Yszx9zl3o
>>925

「ヘケケケ、とにかく色々出来るのが俺の能力だからなァー、こォーやってバッシャバッシャするのも楽々だぜェー」
『……彼に任せっきりにするとすぐに接近したがるので、私が裏で色々言っていますけれどね』

【バッシャンバッシャン、しぶきが撒き散らされて――彼、とっても良い笑顔で何よりです】
【――今まで描写こそしてこなかったものの、アウにも勿論かかっている】
【慣れすぎて防ぐことすらせず、時々顔を拭くだけなのだが】

『成功したようですね、……ヘケメトの無意識な妨害はありましたが』
「――おォー、中々いい色だぜェー、ヘケケケ」

【アウの言葉でようやく落ち着いた彼、アイリスの髪などの変化に対して】
【己の髪や棘の色と同じそれ、――成功を認識し、それに感動するのだった】

【そして少女の髪が――己のように逆立ち、棘が生えたのを見れば】

「ヘケケケ、……髪が何か伸びたぜェー、良いぜェー」 『……あなたの能力由来ですよ?』 「……本当だ!」

【……いや、彼には急に髪の毛が伸びたようにしか見えていなかった】
【アウに指摘されればようやく気がついて――そして続く少女の言葉、それで確信】

「なるほどォー、さっきのは俺の能力のコピーの奴かァーッ!」
「ヘケケケ、どうだァー、使いやすいだろォー」 「棘は"攻撃にも防御にも"使えるからなァー」

【なんて呑気に言っている間に、アイリスの髪が蠢きそして盛大に撒き散らされる水】
【モロに被ってしまい――鼻に入ったようで、一つ大きなくしゃみをすれば鼻水が垂れて】

「……やったなァーッ!」 「ヘケケケ、"オリジナル"に勝てると思うなよォ〜ッ!!」 『…………』

【湯船に埋もれた脚でその底を蹴れば、彼とアイリスの間に現れるのは無数の棘で構成された……たけのこ的存在】
【勢い良く出てきたため、水しぶきが辺りに撒き散らされる!】
【しかし怒っているというよりは、じゃれあっている様な感覚のようである】

【一方そんな戦い(?)に巻き込まれたアウは、二者の棘により撒き散らされたお湯によりびしょ濡れになっていた】
【彼女の持つその杖は、ヘケメトの頭部に振り落とされて、そして撃沈――結果、彼の頭は湯船へ埋まる】
930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/01(金) 22:57:26.16 ID:oOpwmA0zo
>>926

【やはりノーナンバー。つまりカノッサ機関員は、下っ端とされる存在さえここまで危険だということ】
【できる事ならばここで片付けてしまうか、捕縛して尋問するのが最善だろうが】
【ぎりぎりで攻撃をかわし続けているだけのイライザ一人では、誘いに乗るのも拠ん所ない事だ……】

【告げられた幾つかの名前を、しっかりと胸に刻み込んで】

「そうかい。気に入らないけど、今日は聞き分けの良い女の子になってあげるよ」
「だから、これ以上は何もしないで帰って」

【対照的に、剣を構え、花弁を周囲に展開したまま、彼女はヒルコを見送るだろう】
【本当に目の届く範囲で何もせずに撤退するならば――だが】

931 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/03/01(金) 22:57:45.15 ID:s+7Glftuo
>>927

一人で食いてぇんだよ、それにお前みたいにキレイめな格好の奴連れてくような店行ったら破産しちまう。
酒飲めねぇのは人生損……って訳でもねぇか。
色々考えるの嫌になった時とかはいいけどな、酒。

あとオレだって金無いからな? ……だからさっきだってあのビルから金品かっぱらってきたんだし。

【もはや強盗と言う他ないこの女、生活資金の大半を窃盗と殺人による報酬で得ていた】
【そして、その金を何処に使っているかといえば――、相手が服だとすれば、此方は美術品だ】
【とある絵を買うためにも、ヴィクトリアはひたすらに己の生活を削ってでも金を稼ぐ必要があった】
【相手のテンションに対して、平時はダウナー系な女は、対応しきれないようで。気だるげにため息を一つ、吐いた】

――ほぉ。

【相手の生み出した腕を見て、そしてその実力を聞く】
【成る程、とつぶやいた上で。相手の謙遜には眉を眇めて】

自分の実力を正当に評価できねぇ奴は死ぬぜ?
言っておくがな。人間っていう生き物は、頭を潰されれば死ぬし、心臓に穴が開けば死ぬし、脊髄を両断されれば死ぬ。
んでもって、コンクリートを砕ける程度の力って事は簡単に人の頭が潰せるってことだ。わかるな?
必要十分を満たしているのならそれで十分だ。謙遜の必要もねぇな。

【と、戦闘者としての己の持論をヴィクトリアは語っていった】
【人を殺すには拳銃一つ、ナイフ一つ、能力一つ、極論体一つ有れば人を殺すことが出来る】
【だからこそ、人を殺せない破壊力や威力ならば問題かもしれないが、殺せるなら十分な力だと思う】
【そして、それらの事を踏まえた上で、自分の実力を謙遜すると客観的に自己の実力を判断できず死ぬ、と警告した】
【頭が悪そうに見えるが、コレでも武闘派のナンバーズだ。荒事には一家言以上持ち合わせていた。】
/*持ち越し了解しましたー! 一端乙でした!*/.
932 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/01(金) 23:05:02.81 ID:1+3/YVX00
>>930

「ええ、それでは」

【そう言うと、ヒルコはまるで怪我などないような跳躍で、建物の屋上や屋根を跳び移っていく】
【数秒もすればヒルコの姿は夜闇にまぎれ、完全に見失うだろう】


/お疲れ様でしたー! & ありがとうございましたー!
 途中でわかりにくい描写を入れてごめんなさい!
933 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/01(金) 23:16:07.43 ID:oOpwmA0zo
>>932

【当面の脅威が過ぎ去った所で、イライザは今日知った3つの名前を思い返していた】

「真室川、纏衣ヒルコ、ガイスト・ウォレン……」

【ガイスト・ウォレン――――名前は聞いたことがある。最近、風の国を襲撃した六罪王だ】
【だが、巷に流れている話では彼はUTメンバーと交戦、討ち死にしたという話になっている】
【ヒルコの言葉に偽りが無いなら、皆が知っている事のほうが欺瞞、という事だが……】

「……これ、伝えないと」

【大会が終わった時、参加者であるUT創設者――確かセリーナと言ったか――達がこの街に帰ってくる】
【その日までこのような襲撃に対処できるように、そしてすぐにUTに対してアクションを起こせるように】
【イライザ・エインセルの夜の後半は、事務所の近くでの宿探しに費やされるのだった】

/お疲れ様でした!
/早とちりしてしまって申し訳なかったです、因縁ができて楽しかったですよ
/ただ高火力で痺れみたいな付加効果まである攻撃ばかりだとちょっと受けにくいので、少し小技を増やすといいと思います!
/私が指摘できるほど上手かと言えば、間違いなくそうではないのですが……
934 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/01(金) 23:20:53.62 ID:HMHSO+wL0
>>928

……そうか、ぁ…………君の目にも、あの男は許されざる存在に、映ったのか…………ぁ
……やっぱり、この怒りは僕の内にのみ、完結されるものじゃ、なかったんだね……ぇ

【少女の返答を受けて。その怒りの形相を微かに緩める青年。想いは共有されているのだと、それを理解してほんの少しの安堵を覚える】
【かつての敵同士ではあるが――――今この瞬間は、敵意は同じく第三者へと、向いている】

――――あの男は、実に愚かで、浅はかだ…………ぁ!
『闘争しない命はクズ』だと…………ふざけるのも、大概にしろ……ッ!
奴は……人間にケダモノになれって言ってるんだ……ぁ、人間の知性と技能が、多くの人間に恵みをもたらして来たと言うのに……ぃ!
闘争などに依らずとも、人は命を輝かせられると言うのに…………ぃ、そうした命をすら、刈り取りかねないと言うのに……ぃッ!!

【突如、上半身を跳ね上げて天を仰ぎ、青年は怒りをぶちまけながら握り締めた拳を空へと突き出す】
【何故、青年が怒りを発したのか――――その理由を包み隠さずに述べて。さながら演説でもするように】
【――――青年は、コーネリアスの思想を『盲目的』だと断じたのだ。そして更に、自分の信条である『価値有る命』をすら、巻き込んで滅ぼしてしまうと】
【戦いの中に生きずとも、輝く命はある。それを巻き添えにしかねないやり方が、許せなかったのだろう】

――――なるほど……僕の、その理由が…………知りたいって事か、ぁ…………
それは簡単だよ……ぉ…………、僕自身、経験してきた事だから…………さ、ぁ…………僕の目の前で、みんな、踏みにじられていったからさ……ぁ……!

【始め、青年の表情によぎったのは、どこか自虐的で、寂しげな笑みだった】
【だが、やはり徐々にその表情は、憎しみの炎に毒されていき――――そして青年は、腰から己の武器――――黒の刃のパタを引き抜く】
【――――しかし、それを構える事は無く、また己が腕にはめるでもなく。じっと視線を注ぐと、愛おしげに撫で回す】

……僕の先生は、これの……『ルナトリウム』の研究者だった。これの波長を研究して無害化出来れば、夜の国にとって大いに役立つって……その研究に燃えていた……
僕の恋人もそうさ……。そんな先生に憧れて、一生を掛けるに値する自分の道を探そうって……探したいって、そう笑っていたんだ……
……僕は、そんな中で何ができるでもなく、蒙昧に生きてた……たったそれだけの、つまらない……価値の無い、人間だったんだ…………ぁ

【――――語られるのは、青年の過去。恐らくは、青年がこうして身をやつし、歪んだ正義の元に人知れず戮していく――――そんな人間になる前の、幸せだった頃の】

――――そんな先生たちが、恋人が、研究仲間が、ルナトリウムを狙った賊どもに、皆殺しにされたんだぁッ!!
自分たちの欲望の為だけで、みんなみんな殺して、サーシャが自分の身を犠牲にして道連れにして、みんな死んでいったんだぁッ!!
僕だけが、そんな中で僕だけが生き残ったぁッ!! 生きてさえいれば、僕なんかよりずっとこの世界に寄与してくれてたはずのみんなが死んで、僕だけぇッ!!
『生きる価値の無い』僕だけ生き残って、『生きるべきだった』みんなが、『生きる価値の無い』クズどもに、殺されたぁ…………ッ!!

【再び、青年は怒号の元にそれを吐きだす。だが、先ほどとは趣が違い――――まるで突然の家族の死を悼む様な、そんな悲壮感が滲んでいて】
【師と恋人の、賊による死――――そして、己に劣等感を覚えていた青年の生存。それが、青年にとって耐えがたいほどの現実だった事は、想像に難くないだろう】

そうだ……価値の無い人間なんかが生きてたら、みんなこうやって死んでいくんだ……この世界を、悲しみの天国にしてしまうんだ……ぁ……!
だから……僕は、それを変えなきゃいけない…………僕が、やらなきゃいけない…………!
人の世を、より良くするためには…………第二第三の、そんなみんなの二の舞を、産み出させちゃいけないんだ……ぁ!

【青年の言葉が、少女には受け止めきれただろうか?】
【恐らく、だからこそ全てを『闘争』に集約させようとするコーネリアスに、青年は反感を覚えたのだろう】
【自分の恩師が、科学者畑で、そうした世界に属せずとも、十分に世界に貢献しうる人間だったから、と】
【――――そこに、青年個人の復讐心や、ルナトリウムの狂気の混在すら、嗅ぎつけるのは難しくないかもしれないが】
935 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/03/01(金) 23:24:15.56 ID:NVqQmumz0
【寂れた教会――――人が訪れる事の無さそうな外装であっても、中からはよく澄んだ詠唱の紡ぎが聞こえて】
【静寂に包まれるこの一体に流れるそのアリアは何処か神聖的な物とも聞こえるだろうか】
【――――もし、辺りを通りかかった者が居るならば其れはきっと興味を惹くような物で】

【その歌声に誘われて教会の扉を開いたならば、黄色い双眸が向けられるだろう】
【歳にして十七の女性。或いは少女】
【紡ぐ声を止めれば、銀の長剣に手を伸ばして近づき】


「――――旅のお方、でしょうか?
休憩や宿泊程度ならばご提供できますが……すみませんが、それ以外の事は何も――――ふぎゃっ!」

【凛とした表情を向ければ、この場を訪れた理由を問おうとするのだろう】
【旋律を紡ぐための澄んだ声は、非常に聞き取りやすいものであって――――】
【然れど悲しいかな。立ち止まろうと思えば自分の纏い物に引っ掛かり、そのまま目の前で転ぶという無様な姿を晒して】

【恐らくは訪れるのであろう、何とも言い難い雰囲気】
【果たして――――来客者はどの様に思うのだろうか】
936 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/03/01(金) 23:42:10.53 ID:Z0eRYoT30

>>929

キャハハハハッ!!鼻水垂れてるわよ〜ッ!?
仕返しよっ、仕返し!

「ケケケケケ、やっちまえェ!」


【くしゃみをした後のヘケメトの顔を見て、爆笑しているアイリス】
【エニグマに囃し立てられて、更なる攻勢に移ろうとするが―――直後、たけのこモドキによる反撃を受ける】


おわっぷ!?
……ぐぬぬ、やったわね!?とは言え―――手数ではアタシの方が上よッ!アハハッ!


【しかし、水を拭って再び反撃を開始した】
【彼女―――完全に童心に帰っているようだ。普段はストッパーであるエニグマまで楽しんでいる】
【しかも、アイリスが無駄に応用力を発揮している様子も見て取れる】


髪の毛を半分"攻撃"に、もう半分を"防御"にッ!
棘を密集させて盾を作るッ!そして水面下から棘で水を跳ね上げて強襲ッ!
さらにさらに―――……

「ケケケ、良いぞアイリスゥ!だがよォ、そろそろ―――」


―――ひっ!?
「―――ッ!?」


【しかし、子供の遊びとは―――得てして、大人の襲来により中断されるものである】
【アウの痛烈な一撃で沈んだヘケメトを見て、震え上がるアイリスとエニグマ。冷静さを取り戻したようだ】


こ、これは失礼いたしました……とんだご無礼をば……


【前言撤回、冷静じゃなかった。なんか急に敬語使い始めてる】

【……ひとしきり狼狽し終えたところで、彼女は改めてアウたちに声を掛けた】


と、とにかく。アタシたちはそろそろ上がらせて貰うわ、のぼせちゃいそうだし。
―――ありがとね、話とかその他もろもろに付き合ってくれて。
それに、また一つ"収集"できたことだし―――良い事ずくめだったわよ!

「また会える事を願ってるぜェ、ケケケケケ!」

……それと……次会う時には―――勝負よッ、ヘケメト!
それまでに、〈荊の冠〉を使いこなせるようになっておくんだからッ
アウさんも、また面白い話を聞かせてねー!


【そう言って、彼女たちは湯船から上がる】
【アイリスの髪の毛が"バイバイ"の手を形作っているのは無意識だろうか……変な所で発揮される応用力である、本当に】

【このまま何も無ければ―――来た時と同じように、唐突に立ち去っていくのだろう】


/3日間にも渡って、ありがとうございました!
/とてもとても楽しかったです、遅レス本当に申し訳ない
/また今度絡みましょうッ!
937 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/03/01(金) 23:43:40.25 ID:r22jy8Fc0
>>905

【意識は冷え切る。宝玉が、熱という熱を喰らい尽くす。必要なのは、この冷たさ。】
【セリーナのリロードーー隙を確認する。そして、無視出来ぬ消耗を自覚する。】

【つまりーー『今』】

【この時間こそが、レイニーエッジに与えられた『道』! そう自覚するッ!】

セリーナ・ザ・?キッド?。これが今の私の……咎堕の宝玉に出来るーー『終着点』だ。

【宣言。同時、その悪意、殺意は澄み渡る!】
【新たに顕現されたナイフ、総数は、8本。スペツナズと合わせ、10本。】
【両手のスペツナズを素早く発射し、放棄。両手には四本ずつのナイフ。】
【放たれた刄の狙いは、隙を見せたセリーナの、両腕の関節部。腕の稼働すら封じる算段。】

【そした八本のナイフを、ジャグリングめいて次々宙に放る! 一本、二本、三本ーー!】
【そして、七、八! 八本ものナイフが、レイニーエッジの手で宙に舞い、躍る!】

【ーー今、レイニーエッジは極限の集中状態に有る。】
【冷え切った精神、外界からの不要な情報は遮断。暗殺者めいた静かでおどろおどろしい殺気を、内包する。】

……幻惑の雨、『雨悩雀』

【ジャグリングのスピードは加速度的に、尋常でなく、速く。次第に『混乱』を誘う。手品師めいた技術!】
【そして混乱が引き起こすのは誤認! おお、気付けるかーージャグリングの最中、ナイフは元より、一本増えている!】

【リロードが終わる時ーーそれが、幻惑の神業、殺人曲技の、最高潮。】
938 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) :2013/03/01(金) 23:58:17.46 ID:oIv3Wy3q0
【大会会場近くの大通り】
【どこの町でも日ごろの暗いニュースを忘れて、この一大イベントに熱狂している】
【この大通りも例外ではなく人は次はどっちが勝つか、どっちが強いかなどと】
【子供のように目を輝かせながら騒いでいる】

 騒がしぃーな…たくよぉー。

【そんな中を男が一人仏頂面でで歩いている】
【男の身長は高く筋肉質でがたいが良い】
【太い眉や強い目元をもった精悍な顔立ちは櫻の国の人に似てるが、】
【高めの鼻やほりの深さから他国人とのハーフであることがうかがえる】

【他に男の特徴をあげるならそれは着崩した学生服だ】
【どうやらこの男まだ学生らしい】
【その学生服の胸ポケットからは手のひらサイズの少女が顔を出していた】

『でもお祭りは楽しいです!』


【男は少女を無視して、おしゃべりに夢中な歩行者たちを避けながら歩を進める】
939 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/03/01(金) 23:59:20.18 ID:xp383TR/o
>>935

【――教会の前を、ひとつの人影が通り過ぎようとしていた】
【だけれど耳に溶け込むようにして入ってくる言の葉に、その人物は惹かれて】

(なんでしょうか……幽霊?)

【肝は座っていると思いこんではいても虫やホラーが苦手な彼女は】
【妙に好奇心を働かせて、教会へと足先を向ける】

【ゆっくり、恐る恐る、扉を開く。すぐには教会に踏み込もうとせず、彼女は月光に照らされてぼんやりと佇むことだろう】
【大きめのショルダーバッグを肩にかけ、パールブルーの長髪に同色の瞳】
【雪のように白くつばのないファーハットをかぶり白いコートと黒いロングブーツを着用している】
【そんな、温厚そうな顔つきの少女だ】

【こちらの存在に気付いた女性が問いを投げるが、すぐには答えようとしないだろう】
【代わりにバッグから、何かを取り出そうとして――それから、響く、カエルの潰れたような悲鳴】


【少女は転んだ女性に苦笑いを浮かべつつ、怪我がないかきこうと彼女に小走りで寄ろうとする】
【――だが、それは叶わなかった。なぜか、というと】


(わ、わ――)


【ばたん、なんと入口付近で両手を放りだして、彼女も転ぶからである】
【邂逅を果たした二人は存外――同じ雰囲気を持つ者かもしれなかった】


/まだいらっしゃったり…しますか?
940 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/03/02(土) 00:01:55.40 ID:bEFraPPxo
>>936

「くゥーッ、戦いで鼻水なんて気にしてられるかァーッ!」

【でろんとマヌケに垂れたその鼻水は、……温泉内へと落ちていった】
【……まあ、成分的には誤差の範囲内だろう、問題ない】

「ヘケケケ、――早速応用し始めたかァーッ!」 「ブワッとしたその髪の毛ッ!」 「うおおお!」 「負けねェーッ!」
「よォーし、……二重螺旋の棘の渦で……」 『…………』
「――――ブハァッ!」

【そして、早速自身の能力を模写したそれを応用し始めたアイリスを見れば】
【彼は、それに張り合うかのごとく……棘を生成しようとして】 【その時に、無表情でアウに殴られたのだ】

『……いえ、気にしてはいませんから、安心してください』

【そうは言っているものの、……明らかに、気にしていないなんて雰囲気ではない】
【表情も感情も殆ど感じられないその彼女、……しかし確かに感じられるその眼光はまるで突き刺すように輝いていた】

【思いっきり水面に顔をぶち当てられたヘケメトは、後頭部をさすりながらそれを起こして】

「痛ェーッ、……ヘケケケ、わかってるぜ、絶対戦うぞ」 「どの位使えるようになったかも気になるしなァーッ」
「まァー、俺達はいつこの世界から離れるかは知らねェーから、また会える保証はねェーがな」

『それでは、さようなら――面白い話は出来るかわかりませんが、とりあえずこちらに余波が来なければ良いですよ』

【二人共ぐしょ濡れのその顔を拭いながら、アイリス達を見送るのであった】
【――その少し後、アウがのぼせてふらついていたのはまた別のお話。】

/お疲れ様でしたー
941 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2013/03/02(土) 00:06:01.53 ID:RxonOqCD0
【もう夜も更けた頃だった】
【シンとした静寂と、ジメジメとした気味の悪い感覚が肌を撫でる】
【壁のそこかしこにはコケやカビが生えている】
【狭い道には野良猫や、烏が散らかしたのであろう。ポリバケツの中にあった生ゴミが散らかって、足の踏み場も無かった】
【其処は路地裏だった】
【狭くて、冷たい路地裏だった】
【華やかな街の汚い部分を全て詰め込んだかのような、人も物も全てが穢れた。そんな場所だ】

【そんな路地裏に転がったポリバケツの中から腕が出てきた】
【青白い、幽霊のような腕だった】
【血が通っているとは思えないような、青白い腕だ】
【青白いその腕は、地を掴むとバケツの中に入った身体を押し出すように力強くグッと引いた】

ふぅ、窮屈だ
良い寝床が見つかったと思ったけれど、そうでもなかったみたいだな
なにより少し生臭いのが難点だ
マイホームにするには少し厳しい

【バケツの中から、薄汚れた少年が姿を現す】
【顔色は、青白く幽霊のようでキャスケットあるいはハンチングのような帽子を被っている】
【煤汚れと卵の殻のついた酷く異臭を放つブラウンのコートと、硫黄の臭いを放つ黄色い泥状のものが付着したスラックスをはいている】
【少年は、軽くゴミを払うと別の荒らされた跡の無いバケツを見つけるとソレを開ける】
【身長160少しの低身長の身体を、突っ込んだような常態でバケツを探ると、中からブーツを見つけて取り出した】
【素足のままソレを履く】
【サイズが少し大きく、深いくらいで少々野暮ったく見える】

さて、よく寝たし
1,2ヶ月ほど引きこもっていたし、久々に外の様子を見ようか

【グググッと猫のように伸びをすると、バケツを蹴り飛ばす】
【蹴り飛ばされたバケツは、近くの野良猫にぶつかり、猫は怯えたような鳴き声を上げて走り去った】

【少年は、その生ゴミでべちゃべちゃの酷い悪臭を放つ格好で路地裏を出る】
【周りの華やかな人間たちと違う、その特異な姿は目立つことこの上ない】
【そして、その異臭も思わず鼻を押さえるほどには強烈なものだった】
942 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/03/02(土) 00:09:45.71 ID:4N96UTnr0
>>939
【――――その音、不審に思って倒れたまま視線を上げれば、同じ様に転んでいる少女が映って】
【ある意味お似合い同士のご対面とでも表すべきだろうか】
【絵面的には限りなく――――残念ではあるのだが】


「この状態のままでお聞きしてしまいますが……お怪我はありませんか?
骨折等は難しいですが……擦り傷程度ならば治癒致しますよ」

【そのまま立つことも無く問うのは、何処か間抜けに見えてしまうかも知れない】
【それでも、少女に向けられる黄色の双眸は真剣であって】
【――――転んだことに対する照れ隠し、とも取れるかも知れないが】
【やがて短く溜息を吐けば、立ち上がって少女に手を差し伸べるのであろう】


「お見苦しいところをお見せしてしまって――――と言いたいのですが、私の事を笑っていたあなたも転びましたよね
……おあいこ、でしょうか」

【向けられるのは、ジットリとした視線。恐らくは、自分が転んだときに向けられて居た苦笑の事を指しているのだろう】
【ただ――――小さく微笑めば、まるで冗談でも言うかの様で】
【少女が拒むことをしなければ、怪我の程度でも訊ねるのであろうか】
/居りますよー!
943 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/02(土) 00:15:58.15 ID:WRBknIF5o
>>937

【リロードは進む――更に一発、もう一発――四発が装填された時点で】
【指の感覚は新しい"何か"を掴む――弾丸ではない】
【飛来したのは両手に司った二対のスペツナズ――!!】
【防ぐ事は出来ない、回避も出来ない――セリーナの両腕の関節部分を貫き――】

(――させる、かァッ!!)
う、おおおおおッ!!

【――いや、片方だけだ!両腕の関節が同時に潰される事だけはなんとか避ける――そう】
【片手を前に突き出し――具体的には先ほど切り裂かれたガードに使用した左腕――"利き腕"ではない方――で】
【二つのスペツナズ・ナイフが突き刺さり、アーマーの腕部装甲を二箇所、同時に貫いた――!!】
【ギュゥ、と嫌な音が響き渡ると、再び魔力が漏れ出し――遅れて、血が弾けた・・・!】
【左腕が悲鳴を上げる刹那、セリーナの口からも苦しみに耐える吐息が漏れるも――歯を食いしばる。】
【情けない悲鳴を上げることだけはしたくない――リロードはそこで中断された。】
【激痛の走る左腕をそのままにし――セリーナはもう片方の手で"弾"末魔のハンマーを起こし、構える。】

【―――残段数。】
【4。】

(――どうする・・・ッ!召還するにしてもケルベロス・マグナムは――)
(三発しかない上、しかも片手で扱うのは――なにより、あの並んだ大量のナイフ――!!)
(全部撃ち落すのは不可能に近いよね、こりゃ――マズイ!)
(――賭け、か。結局アタシにはそれしか・・・ううん、待った。)

(――そうか。"アレ"を使えば――ぐっ、ううっ・・・!)

【痛む左腕を無理に動かしながら、機動力のそがれた足で踏ん張り――セリーナは】
【――――その場で、銃をクルリと回転させた――ガン・スピン。】

【それは覚悟を決めた際にセリーナが見せる一つの合図。】
【決闘の証拠。そして――ジャグリングに応えるよう、ガンスピンは激しさを増し――】

【会場の声が多きくなった、その時――回転しながらの、発砲――――ッ!!】
【しかし弾丸はレイニーエッジへと直進する事はない、その場で停止しまたも、召還陣を展開――ッ!】
【新たな"武装"を呼び出すために――魔力が、溢れ出す・・・ッ!!】
【まだその武装の全容は見えないが、聊か巨大な"何か"――まるでそれはセリーナの、アーマーの】
【"下半身"を覆うように装着されていく――この武装は、一体・・・!?】

【もっとも、これはリロードに次ぐ更なる"チャンス"――攻撃の瞬間は、今かもしれない。】
944 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/03/02(土) 00:27:15.91 ID:lSRfuUY2o
>>942

【こんなつもりではなかった……とかなんとか頭に浮かべていると、再び凛とした声が聞こえた】
【彼女はすぐに肩からショルダーバッグを外して、中からスケッチブックとペンを取り出す】
【小さな子が寝転びながらお絵描きするみたいに、肘を立てて何かを書きこんでゆくだろう】


『大丈夫です。……なんだかごめんなさい。』


【ちょっと、というかかなりの恥ずかしさがこみ上げてきて】
【うっすらりんごの色に染まった頬が見えないようにスケブを立てたのなら、そちらへと文字を示すのだろう】
【筆談――声を出せぬ者が使う、意思伝達の手段だ】

【スケブには、まだ続きが綴られている】


『う、気に障ったならごめんなさい。……でも決してばかになんかしてないですよ。
 ただその……かわいいなー、と思っただけで。
 ああでも、おあいこですねっ。』


【……何がだ】
【おそらく、向けられた視線が痛かったのだろうか。そこには謝罪する文があって】
【言い訳するように付け足された一文は、嘘でも何でもない、本心】
【それを裏付けるように、筆を動かしていた時の彼女の顔は、どんどんと赤みが増していっていたのだろう】

【怪我はどうやらないようで、スケブには大丈夫です、と短く付け足される】

/わーい。じゃっかん酔っぱらってますがよろしくお願いします!
945 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/02(土) 00:34:21.08 ID:+oa7SW540
>>934

(………その意味までも同じなのか――――――――――)

【――――――「戦わざる命の価値を否定し踏み躙る、コーネリアスの傲慢を彼は許さない」―――――】
【……「そうでない者たちにある価値を、彼は認めているのだから。」】

【やはりその怒りには―――――その激情の根源には、彼女に通じる所がある。そう、少女は実感する。】

(…………ッ!!、っ、……―――――――――――――)

【だからこそ、語られる彼の物語には、哀悼のような、彼への共感ゆえに堪え難い痛みを感じたような―――――】
【そんな光を瞳に揺らしていて、強く、それすらも堪えるように口元を結びながら、】


………喪うことの痛みは、私も少しなら知っている……。
だから貴方のその悲しみを、私は否定しないし決して出来ない……ッ……!

………けれど………けれど、だからこそ。

私は、その生き方を拒絶する…………ッ!

【――――――――― 否定の言葉を、振り切るように彼へと紡いだ。】

    (………そうだ、私は“失うこと”を知っている。)
    (けれどそれは “同じ” 悲しみじゃない―――――)

【―――――“理解る” などとは言えなかった。喪われたその大切な人たちを、彼が、どんなに想っていたのか彼女は知らない。】
【……けれどその断罪だけは。価値の有無を、“今、必死で生きているか” だけに集約し限定するその価値観だけは――――――】

【―――――認める事が出来なかったのだ。その激情が少女の言葉をさらに続かせる。】


誰を助けた訳じゃなくても、何を成し遂げた事がなくても。
……ただ、生きて傍にいてくれるだけでいい―――――― 誰が価値を認めなくても、“私には大切な意味がある”……!!

貴方の大切な人たちにとって、貴方はそういうものじゃなかったと思うの……!?
本気で生きていたのでしょう。自分の道を歩んだのでしょう――――――

………それなのに……… “どうでもいい誰か” に何かを教えて、“どうでもいい誰か” を恋人にして!
その誰かのために犠牲になるような、軽い生き方だと貴方は言うの…………!!

………貴方の選ぶその殺戮は、「かつての貴方」を殺すための、貴方の誓ったその否定は。
貴方と一緒に生きようとした、その人たちをも侮辱してる…………!!

――――――――――― 貴方の選んだその道は、“あの男” のそれと同じ、大切な意味の否定なのよ…………!!


【―――――― “戦うこと”。それは、何も直接的な戦闘に限った事ではない。】

【青年の師のように、自らの道たる研究によって世界への貢献を試みること。】
【そして “そんな誰か” と共にある事、或いは、ただ、生きていてくれる事―――――】
【…………たったそれだけで十分で、“それ以上” など求めはしない。それだけの事が、彼らには何よりの力に変わる。】

【或いはそんな関係が、当時の青年と彼の恋人、そしてその師の間柄ではなかったのか、と――――――】

【激情のように叩きつけた。その無価値を否定するためだけに、自らの言葉と想いをぶつけた。】

【それはただの綺麗事と片付けるには、あまりに強い実感が籠められていた。】
【けれどまだ十代であろう、年若い少女の言葉にしては、どこか違和を感じさせるものなのかもしれなかった。】

   【……或いはその根源こそが、彼女が、彼を認められない理由の様でもあって――――――】


/物凄く遅くなってすみません、つい考えすぎて……っ……orz
/次はもう少し早く書けると…思っては、いるのですが……
946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/03/02(土) 00:34:32.55 ID:d6OIeVXF0
>>943

【刺さる刄、だが半分防がれた攻撃、新たな『武装』、観客達の熱っぽい歓声。】

【等しく、餌。】

【咎堕の宝玉ーーは『以前の使用者』は、どうしようもなく深い悪意を以て、その刄を『操る』域にまで達した。】
【レイニーエッジに、其処までの悪意は無いーーだが、磨き上げた技がある。】

【『雨悩雀』】

【ジャグリングによるナイフの高速移動、其れによる幻惑。】
【そして、生まれた隙に対し、出処の分かり難い投擲で猛攻を仕掛ける、曲技。】

ーーーーーー!

【其れを、カノッサ以外に向けるのは初めてだった。】
【九本のナイフが、次々と投擲されるーー狙いは、バラバラだ。上半身を中心に、『刺されば良いだろう』と言わんばかりに!】

【此れが、レイニーエッジの出せる最大の技。】
【耐え切れば、打ち破れば、勝ちの目が見える。】
947 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/03/02(土) 00:41:39.90 ID:4N96UTnr0
>>944

【――――答えは声として返されるのでは無く、文字として返されて】
【少なからず、その事が意外だったのだろう。目を丸くすれば、視線は綴られた文字を走って】
【なる程、と一人納得すれば視線は再び少女に移され】


「いえ、別に気に障った訳ではありませんよ
転んだ所を見て可愛いと思うならば、あなたも十分に愛らしいではありませんか」

【自立しているであろう歳の女性が転ぶ様は――――何処か悲しくなるような光景なのかも知れない】
【無言で転んだり、女の子らしい悲鳴を出すならばまだしも――――咄嗟に出された声がアレなのだから、残念度は増し増しだろうか】
【しかし続けた言葉。転ぶ少女の姿が愛らしかったというのは嘘では無くて】
【知らず知らずの内に母性が導き出されてしまう。そんな印象を受けたのだろう】


「声。出す事が難しいのでしょうか――――?
……この言葉こそ、気に障ってしまったらすみません。人それぞれに事情があるのですから、野蛮に踏み居る事は駄目ですね
――――立ち話も疲れるでしょうから、あなたさえ良ければ適当な場所にでも座ってお話ししませんか?
丁度……人恋しいと思っていた所なんです」

【怪我が無い事に安堵すれば、言葉が続けられて】
【声では無く、文字を描いて思いを伝えるその理由を問おうとするも――――もしかしたら、不快にさせてしまうかもしれない】
【故に言葉を慎み、宜しければどうぞ。何て言葉と共に適当な長椅子に座る事を勧めるのだろう】

【教会内部――――お世辞にも、綺麗とは言えなくて】
【どことなく、教会特有の神聖さなる物を感じ取れるかも知れないが――――】
【もしも感じ取れなければ、お化け屋敷と表現した方が早いだろうか】
948 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/02(土) 00:58:07.29 ID:WRBknIF5o
>>946

ナイフが一本・・・ナイフが二本・・・ふふっ・・・!
レイニー、アタシもちょっとばかり指先は器用だけど――貴女ほどじゃない。
ジャグリングなんてボールを四つこなすのが精一杯だよ、ましてや――刃物で、同時にそれだけの数をなんて――。

――"嬉しい"んだ。こんなアタシに――そんな技を魅せてくれる貴女が、今、とっても――嬉しい。

【その表情は】
【アーマーの奥に隠れ、伺い覗く事は出来ないかもしれないが】
【想像に容易いであろうはこのセリーナ・ザ・"キッド"――間違いなく、"笑っていた"】
【追い詰められた自身の状況、追い詰めた"相手"の行動、その全てが灼熱の夜を彩る中】
【敗色濃い雰囲気を吹き飛ばすように、ガンマンは笑んでいた――次の瞬間。】

【まず最初のナイフが到達するか、しないか――あまりに奇妙で、複雑で、そしてその上で鮮烈なその攻撃が】
【セリーナのアーマーを貫くかと思われた間際―――"ブオン"という、"音"】
【まるでそれは――エンジン音――いや、車などない筈――ならば、なんだ?】

有限軌道――――<クラーケン・ウィール>ッ!!

【召還陣が消え去り、現れたセリーナの脚部、正確には腰から下の下半身全てを覆う形で――巨大な何かが装着されていた。】
【見た目には鋼鉄のスカート――?にしては、一本一本の隙間が大きすぎる。そう、それは"足"。】
【下半身を覆う形で装着されるは海の怪物・クラーケンの10本足を模した汎用移動モジュール!!】
【10の機械式の「足」の先にはそれぞれに単独の車輪が搭載され、急速回転――!!】
【セリーナは動かす事も厳しいであろう自身の足を折り畳み、装着した10の足を一斉に起動――瞬間、爆走!!】
【一撃目を回避、真横へと素早く移動した――!!】
【10本の足は腰から地面へと伸び、複雑な動きで急停止――次々に飛来するナイフを、回避しようとするッ!!】

――だから、アタシも貴女に魅せてあげるね・・・ッ!!アタシの持ってる、全力を・・・ッ!!
今できる、全てをッ!!

【クラーケンウィールは動けないセリーナの下半身の変わりに"脚"となり、フィールドの上を滑るように移動していく――!】
【しかし如何せん、アーマーを装着した状態のセリーナはとても、重い。】
【加速こそ――直進速度こそ爆発的なものの、"機動力"に関しては脅威となりえないレベルだろう。】
【動きが単純で直進的なのだ。そしてなにより、全てを回避し続ける事など出来ない――ナイフの一本が足のうち一本を打ち砕くッ!】
【貫かれた足は関節部分から砕け、機動力を失う――どうやら、機構部分は脆いらしい】
【機械ゆえの弱点――しかしセリーナはそれを物ともせずッ!!】

【    突     撃    】

【直進し、レイニーエッジへと爆進していく――ッ!片手には"弾"末魔を構え、ハンマーを起こし、発射準備をしながら――ッ!!】
【さあ、直接対決が始まる――!!】
949 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/03/02(土) 01:03:45.75 ID:lSRfuUY2o
>>947

【そういえば、自分も転んだということをすっかり忘れていた。自意識過剰にも取れるブーメランである】
【だから何も言い返すことができず、ただ苦笑を返すだけになってしまった】
【まあ、つまずいて転ぶことなんて誰だってあることだ。愛らしいとは思われても咎められることではない】


『はい、声を出すことはできません。
 慣れっこだから気にしなくてもいいですよっ。私にとっては話せないことが普通なんですから。

 そうだったんですか。それじゃあお言葉に甘えて。』


【ほこりっぽいにおいのする――よく言えば懐かしいにおいのする地面から顔を離すと】
【ちょこんと床に座って文字を連ねてゆく。素早く書ききったなら、それをあなたへと示すだろう】
【そして、勧められた椅子に移動するだろうか】


『教会なんて初めて入ったのですが、ちょっと、どきどきしますね。
 あなたはシスターさん、なのでしょうか。さっきのお祈りみたいなのも、習慣なのですか?

 あ、申し遅れました、私はホプス・ブライトといいます。ブライト、とお呼びくださいっ。』


【天井が落ちていたりしない限りは――彼女はありのままを受け入れるだろう】
【光が差し、浄化されたような雰囲気に満ちる場所というイメージがあったが――】

【ふわりと昇る塵が、眼に見えない妖精のようで】
【夜の教会というのも、悪くない】
950 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/02(土) 01:04:44.70 ID:BgcHHP/T0
>>945

……く、そぅ…………先生…………!!

【痛みに耐える様に、歯を食いしばる仕草を見せる青年】
【その過去と向き合う事は、狂気と殺意、そして憎しみに身を任せる様なこの青年にとってさえ、悲しみと痛みを伴うものなのだろう】

……………………!?

【真っ向から叩きつけられる否定の言葉に、青年はギクリとした視線を、真っすぐに少女に向ける】
【――――元より、簡単に賛同を得られるとは思っていなかった。なんだかんだと言っても、一度命のやり取りをした仲なのだ】
【理解は期待していたが、納得されるとは思えない。それでも――――少女の言葉には、そんな表層的なだけでは終わらない何かが籠っている様に感じて】

…………分からない…………分かりはしない…………死人に口無し、そうとしか言えないさ、ぁ…………

【『自分にとっての彼ら』ではなく、『彼らにとっての自分』――――その言葉を聞かされても、青年は答えられない】
【人の心の中を、そう簡単に覗けるはずはない。そしてその答えはもう――――二度と得られないのだ】

――――――――ッッ、あの男と、同じだと…………!?

【その言葉に、青年は鋭く反応する】
【意味の無い蹂躙、コーネリアスの様に――――そう言われて、青年が黙っていられるはずもない】
【自らの旗印を掲げ、その理想の為に行動を起こす人間である。盲目的で快楽主義的な殺人者の様な、思考を回さない――――相手を問わない殺しをしないのだ】
【だからこそ、自分が唾棄する人間と、同じ所業であると言う言葉は、容易に聞き捨てなるものではない】

――――なら……なら、君は分かると言うのかいぃッ!?
僕の存在が、みんなの重荷になってなかったって事がぁッ!? あの賊どもが、世界にとっての害毒じゃないと言う事がぁッ!?
そんな重荷を、世界は、人間は、容易く背負えるものじゃないんだぞぉッ!!
そうじゃない方法で、この世界を良くしていけるのかいぃッ!? サーシャ達の悲劇を、繰り返させないよう食い止める事が出来ると言うのかいぃッ!?
――――大量虐殺などしちゃいけない……あくまで『間引いて行く』しか、ないんだ…………人間の愚かさは、簡単に無くせるものじゃあないッ!!

【――――ある種の強迫観念、あるいは、ルナトリウムの齎した狂気と言おうか】
【青年は、少女に逆に食い下がっていく。コーネリアスと同じだと断じられた、それを否定するために】
【全ての命が輝き、そこに幸福を満たす――――そんな事、出来る筈がないと。なら、次善の策で妥協するしかないのだと】
【――――なまじ少女の言葉に力強さを感じ、そしてその中に説得力を無意識に感じているからこそ、青年も必死になる】
【――――かつての様な刃ではなく、互いの心のぶつけあいと言うべき言葉の応酬】

……なら、なら……教えるんだ、ぁ…………僕は話したんだから……ぁ……!
……君はなぜ、その道を往く…………? ……僕には、聞く権利があるはずだよ、ぉ……!?

【そして、青年は少女の『道に至る過去』を問い返す】
【――――理性で以って、自らの道を考える以上『何故に』と言うのは大事な事なのだ】
【向いている方向が異なりながら、根源的に非常に近しい青年と少女。だからこそ、その根源の正確な姿を知る必要がある、と――――】

/まだ余裕はあるので、お気になさらずー。てか、こっちも遅れ気味で……orz
951 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/02(土) 01:12:04.68 ID:BgcHHP/T0
/次スレです
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1362154281/
952 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/03/02(土) 01:17:43.29 ID:4N96UTnr0
>>949
「――――そうでしたか。それにしても……綺麗な文字を書くのですね
あなたの歳で早く綺麗な文字を書くのはとても凄いことだと思いますが……」

【もしかしたら、その背景にはとても大きなお話しがあるのかもしれない】
【自然と話すことが出来る自分からしたら、とても想像の付かないことだけれど――――だからこそ、感嘆の声を漏らすのだろう】
【正確に、尚且つその執筆速度を目の当たりにしたならば当然の事だろうか】


【少女の横へと腰を落ち着かせると、言葉――――示す文が綴られるのを待って】
【その間にも、視線は手にした聖書へと落とされるのだろうか】
【長い年月を経て、文字が擦れたのか読みにくくなってしまった其れ】
【何度も何度も繰り返して読んでいる――――そう想像するのは、きっと容易いこと】


「変に構える必要はありませんよ――――異教徒であろうと何であろうと、この場は拒みませんから
そうですね。シスター……修道女故に、先程の祈りは日課の様なものです
神への感謝。其れを詠唱として紡ぐこと――――」

【よく澄んだ声はきっと聞き取りやすい物】
【――――天井の隅へと視線を配ったならば蜘蛛の巣が見えるかも知れないが……】
【何とか天井は全て張られている、といった所か】


「カログリア。それが私の名ですよ――――ブライト
それにしても……ブライトは、何故この様な場所を歩いていたのですか?
魔物が出る事も希ですから、確かに危険な場所ではありませんが……」

【問うのは、少女がこの辺りを歩いていた理由――――】
【強いてはこの教会を訪れた理由だろうか】
【人気の無いこの場所である故に――――答えが、気になって】
953 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/03/02(土) 01:32:47.16 ID:d6OIeVXF0
>>948

……激しい悦びは要らない。ただ、切り裂くだけでいい。
その烏賊足も、同じように。

【対して、レイニーエッジは必要以上に冷えた頭で、冷えた声で、冷えた言葉を紡ぎ出す。】
【最大の技は出した。アートマンは損傷している。なら、直接切り裂くだけだ。】

【左手にボウイナイフ、右手にスペツナズを顕現し、身を沈める。】
【背中の痛みは、そろそろ誤魔化せない。激しい動きは、出来るなら、したくない。】

来るか、セリーナ。私の俎板の上に、自ら捌かれに。
……そうだ、それでいい。

【だから、来てくれたのは、幸いだった。】
【ーー表情は無い。それを覆い隠したセリーナよりも、或いは表情が見えない。】
【有るのは只、斬るという、目的のみ。その先は、無い。】

一撃ーー貰う。ちぇあァァっ!!

【痛みを堪え、身体を捻る。その反動で左のボウイナイフを脚の一本に叩きつけ、バランスを奪うのが狙い。】
【ーーまるで、痛みで精彩を欠いたような……身の入らない一撃故に、対処は容易い。】

【そして、右手ーー『本命』】

【無理矢理な姿勢で、無理矢理にスペツナズを発射。】
【狙いは顔面ーーのつもりらしいが、やや逸れている。】

【レイニーエッジは既に、勝利から離れつつあった。】

/申し訳ない、遅れました。
954 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/03/02(土) 01:47:59.57 ID:lSRfuUY2o
>>952

『これも、ちいさな頃からずっと、ですから。
 文字を書くスピードで私に叶う人なんて、たぶんいませんよ! ちょっとした自慢ですっ。』

【スケッチブックとペン――幼少の頃から使ってきたそれは、もはや身体の一部みたいなものだった】
【だけど、声のことについて話すブライトには、後ろ暗さは感じられないだろう】
【こういう話題でも彼女は、常に笑顔を絶やさない】

【と、スケブを少女に示したならば、今度はこちらが待つ番だ】
【顔から離れた目線は下がってゆき、やがて聖書を捉える】
【ボロボロになってしまったそれに、なんとなくシンパシーを感じて】


『わかってはいるのですが……ちょっと、緊張してしまいます。
 ほうほう、なんだかいかにもシスターって感じがします。』


【――その声はまるで静かに置かれた、水晶玉が放つ光のようで】
【足を踏み入れたのは詠唱だけではなく、この声にも惹かれたからだろう】
【物静かな佇まいと声は、神聖さを感じさせるには十分だった】


『カグロリアさん、ですね。ここに来たのはただの散歩ですよ。
 ぶらぶら歩いていると偶然見つけたのでお邪魔しちゃいました。
 ……魔物も出るんですか。……帰り道には気をつけます。』


【『もしお邪魔でしたらお祈りを続けてください』と続けてあるだろう】
【答えは案外、何の変哲もないものだった】
955 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/02(土) 01:53:39.58 ID:WRBknIF5o
>>953

烏賊足、けど・・・ッ!!タダの烏賊さんじゃあ、ないんだよね!
速い割りに脆くて、場所をとるから閉所じゃ使えないし、それに―――なにより――くっ!!

【――残るナイフが、クラーケンウィールの足を切り裂く――二本目が破壊された。】
【グラリ、とバランスを崩しセリーナと"クラーケン"は地面に火花を散らす――ッ!!】
【三本か、四本か――あと数本破壊されれば、この脚部は機能を停止する】
【否、正確には走る事が出来なくなるのだ――それほどまでにこの装備の足、一本一本は、脆い。】
【当然、上半身にも一本、ナイフが突き刺さる――セリーナの胴が穿たれ、苦悶の声が響くッ!】

――あ――ぁ――つ、ぅぅッ・・・!!なに、より・・・"コイツ"は―――・・・ッ!!

【しかし、それでも直進――このまま行けばまさに、俎板の上でクラーケン諸共バラバラに卸されるのは間違いない。】
【加速と言ってもこの装備を装着していては的は巨大すぎる――近距離攻撃が当たらない道理は、ない。】
【一撃――レイニーエッジの全力の攻撃が彼女を迎え撃つのだろう。】
【ボウイナイフの刃が、フィールド上空の刃に輝き、セリーナの瞳に映った、その時―――】

―――――移動用兵器のクセに、すっごい、"重い"んだ。

【ガコン、とセリーナの腰元で音がした――距離にしてあと数mという所で、起きた異変――】
【"クラーケンウィール"は――パージ、された・・・ッ!!】
【腰元から装着されていたはずのその足――大型装備をなんと、加速中に突然、解放――!!】
【当然、セリーナと言う重量を失った"クラーケン"は――足だけ残したまま、レイニーエッジに突撃していくッ!!】
【セリーナはと言えば――空中で移動脚を失い、地面に叩き付けられる――その衝撃はアーマーを通し、内部へとダメージを伝える――!】
【胴に刺さっていたナイフはより一層、セリーナの腹部を深く切り裂く――出血が止まらない。】
【だがしかし、セリーナが最後に口にした言葉の通り】
【"クラーケンウィール"はその重量を活かし御者を失ったままレイニーエッジに向かう――これ自体が、攻撃となるのだ。】

【そして――遅れて放たれた本命が――幸か不幸か、"狙いが逸れた"事もあり――なにより】
【セリーナ自身が地面へと吹き飛んだ事も重なり、頭の僅か――数センチ上を、通り過ぎた。】
【しかし切り傷による継続ダメージは酷く大きい――最初に切り裂かれた脚部は今や、痛みの感覚すら失われ――】
【正真正銘、これが――セリーナの最後の、足掻きとなるだろう。】

/いえいえ、大丈夫です!
956 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/02(土) 01:57:00.23 ID:WRBknIF5o
/っとすいません!>>955
【ボウイナイフの刃が、フィールド上空の刃に輝き、セリーナの瞳に映った、その時―――】

【ボウイナイフの刃が、フィールド上空の"照明"に輝き、セリーナの瞳に映った、その時―――】
のミスです。刃が刃に輝くてなんやねん・・・

957 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/03/02(土) 02:07:32.02 ID:4N96UTnr0
>>954
「――――確かに、それは誇って良い事ですね
私は余り得意では無い事ですし……憧れてしまうのも、事実です」

【全く気にした様子も無い――――そんな少女に、自然と笑みを浮かべることだろう】
【芯の強さを表すかのようなその表情。見ているだけで、元気を貰えそうで】
【きっと――――逆に、よそよそしく接してしまうのは失礼なのかも知れない、なんて考えが過ぎるのだろう】
【少女は自分何かよりも強い心を持っている。だから、不必要な心配もきっとする必要が無くて】


「如何にもシスター……ですか
まだまだ人を救うことに対して未熟な私ですが、そう言って頂けると何処か心が安らぐ気がしますね」

【銀色の髪。後ろへと纏めれば、ゴムで一本に束ねて】
【良くドジを踏んでしまう自分ではあるが、そう言って貰えるだけで心が軽くなり】
【――――聖書を見つめる視線に気付いたのだろう】
【宜しければどうぞ。と渡すけれど――――教会という場。やはり、所持する聖書の数は多いのだろうか】
【“宜しければどうぞ”即ち、良かったら持って帰って下さいと取っても良いはずで】


「散歩でしたか……佳乃と言いカエルさんと言い――――ブライトといい
フフ、もしかしたら意外と呼び寄せる場に建てられているのかもしれませんね
魔物が出ると言っても、野犬程度の力しか持っていませんよ
――――不安でしたら、家まで送り届けますよ?」

【連ねる名前は、この女性が勝手に“お友達”認定した名前】
【その中に少女の名が入っているのは――――友達とでも思っているのだろうか】

【口にしたのは、一つの提案】
【不安であれば、家まで同行する――――その言葉と共に、腰に提げていた銀の長剣が一度高い音を鳴らして】
【さて――――少女は気付くであろうか。この女性が大会に出場していたことを】
【――――そして、一回戦で敗退したことを】
958 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/03/02(土) 02:19:03.23 ID:d6OIeVXF0
>>955

【レイニーエッジの咎堕の宝玉は、悪意を無差別に喰らい、研ぎ澄ます。】
【其れでも、動揺を隠せなかった。冷やしても、いや、冷やす事にも間に合わず、目の前に、パージされた装甲が迫る。】

【優勢ゆえに、切り裂く事しか、考えていなかった。これは宝玉の作用もある。】
【然しーー視覚的にも、そして戦闘的にも強い衝撃を生んだ、パージという選択。】

……えっ? ちょっーーとッ!?

【唐突、過ぎた。】

【反応速度が足りない。或いは、警戒心が。】
【後は車に轢かれた小動物、と考えれば分かりやすい。支え切れない大質量は、レイニーの弱点であった。】

【鈍く、残酷な衝突音。】

【なす術無く吹き飛ばされ、強かに背中を打ち付ける。恐らく、それ以上に、肌の内では肉や骨が崩壊している。】
【激痛。宝玉が追いつかない程の、ネガティブな情報量。呼吸すら、ままならない。】

【スピード、小手先、そういった物を武器とするレイニーは、優勢でこそ、力を発揮する。】
【今は、ドン底の劣勢だ。ぱくぱくと口を開き、微量だが血を吐いて、天を仰ぐ。】

【地に転がった真っ黒なボウイナイフが、ヒビ割れ、砕ける。】
959 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/02(土) 02:28:03.03 ID:+oa7SW540
>>950

…………ッ、……―――――――ッ。

【青年の叫びに少女の表情が歪んだ。痛切な想いに、胸の張り裂けるような共感を憶えて。】
【「なぜ」と、「かつての青年が “彼ら” の重荷でなかったと、なぜ彼女に分かるのか」、と―――――】
【その問いかけに答えた言葉は、やはり何処か力ある、けれどひどく単純な其れだった。】

……… 「誰一人として死なせない」 道――――――。
―――― ……それが、私にとってのただ一つの “正義” だから。

始まりはただの夢だった。
男の子が正義の味方になりたかったり、子供がハッピーエンドに憧れてたり―――― そんな程度の、子供の見るただの夢物語。

子供のまま、私はそう生きようとしていて………
訳も理由も分からないまま、“なぜか” その生き方でひとりで戦っていた。


【……無自覚のまま突き進んだ道。苦笑のように、けれどその過去を堪える様に、崩れかけの表情を浮かべた。】
【彼女はその痛みの表情を深めながらも、無垢な笑みをそこに加える。】


………そんな中、同じ夢を見た女(ひと)に会ったの。
けれど“彼女”は、私と違って自覚があって、それを言葉にしながら戦っていて―――――……  

…………私は、心の何処かで憧れてた。
口では素直になれないまま、子供のまま、いつの間にか一緒に、同じ “道” を歩いていた………。


【ふと零れたその柔らかな笑みは、トーンを落として続く言葉と共に消える。】


………けれどそんな日々も、何時までも続く訳じゃなかった。
彼女じゃ決して勝てない相手―――――
……それでいて人を殺し続けるためだけに生きた様な、最悪の敵が居ることを私達は知った。

だから私は彼女を置いて、一人でその敵に挑んだのよ。
ボロボロになって、使えばどうやっても生き残れない“力” まで使って――――――
………それでも勝てたか分からないくらい、強すぎたその敵と滅しあい続けた。


【壮絶な潰し合い、死闘。下手をすれば十代の前半だっただろうに、自ら選んだという其れ。】
【……“護るために”。絶対に死なせたくなかった “その一人” を、命懸けでも救うために。】


………けれど私は、最後の最後で “護られて” しまった。
“彼女” の異能(ちから)で、命の尽きかけてた私が生き延びて―――――

…………その代わりに彼女ひとりが、私のために命を落とした。その道連れになって、“敵”は消えた――――――。
……これが、その戦いのあらましよ。……私は、ただの道化だった………!

【結果から見れば、悲劇でしかないであろう其れ。少女は自らを責める様に、こらえがたい感情を暴発させていた。】


/本当にすみません、長すぎますが続きます……
960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟・東北) :2013/03/02(土) 02:28:45.40 ID:sMloKQPAO
/
961 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/02(土) 02:29:47.27 ID:WRBknIF5o
>>958

【――装着していたティターンアーマーが、対衝撃の限界を超えパージされる――】
【そしてクラーケンウィールと同様、召還陣が現れい空間へと転送されていった――。】
【中から現れるセリーナは満身創痍――しかしそれでもなお、腹部のナイフを、手で、】

ぐ―――あ、ぁ・・・ッ!あ"・・・ああああッ!!

【―――引き抜く。ドロリとした血がフィールドへ流れていった。】
【しかし尚、彼女は動かない足に代わり、腕で這いずり、そして膝を地面につきたて――】

【握った"弾"末魔のハンマーを起こし、確かに――"立った。"】
【いや、これは膝立ちだ、もはや立ち上がってレイニーエッジを追撃するほどの体力も、戦力も残っていない。】
【それでも尚、彼女は夜空を仰ぐ――そして】

――はぁ、はぁ―――ッ・・・!
【フラフラの腕で――揺れる手で、振るえる指で―――"構えた"。】
【愛用の銃――"弾"末魔を握り締め、強く。】

―――悪意は、まだ・・・残ってる、かい?

【口元から血を垂らしながらも、セリーナはレイニーへと、声をかける。】
【――照準が定まらないながらも】
【最も信頼する武器を、構えて――。】
962 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/02(土) 02:30:19.33 ID:+oa7SW540
>>950

……その時、漸く分かったのよ。

…………ひとり零せば、私は軋む。
一番大事なものを失くして、堪えきれない痛みを感じて―――――――

……だけどだからこそ “彼女” が教えてくれたその真実を、背負って私は歩み続けたい……!

………同じ夢を見ていた “誰か” が居るんだって。
そしてその誰かは、最後までその夢を見続けて、貫き通してみせたんだ、って――――
………託されたこの生命に報いるためにも、私は……その生き方で示したい………!!

【――――――― ……「だから、誰も死なせたくない」。】
【それが彼女の価値観だった。それが、彼の正義を拒み、否んだ理由だった。】

………どうすればこの世界を変えられるのか、だったわね。
答えそのものは簡単よ――――――
…………私が総てを背負えればいい。

何処までも、何処までも――――――― ……無限に強さを求め続けて、切り拓くだけの “力” であればいい………!!

誰も死ななくていい、死なせなくていい優しい世界。
それを生み出すためになら、私は自分を使い潰したとしても、そんな“力” に変えられる………!!

【そして、だからこそそれが彼女の覚悟だった。今一度叩きつける想いの総て。】

………それに、ね。私には “大切なもの” がある。
何に代えても失いたくない、護るべきものが存在してる―――――

重荷でなんてありえないわ。彼女は……私には、一番の力をくれるものなのだから。

【――――――――― “ただ、傍に居てくれるだけでいい”。】
【 “或いは、何処かで生きていてくれるだけでも”――――。】
【そんな風に想える大切な存在が、今の彼女にはあるのだと。】

【………そして、「かつての彼」もきっと、“彼ら” にはそういうものだったのだと―――――】
【固く握りしめた拳とは不似合いに、青年に向けた揺れる瞳は……そう、青年に伝えようとしている様でもあった。】
963 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/03/02(土) 02:32:42.50 ID:lSRfuUY2o
>>957

『ええ、私からすれば立派なシスターさんです。』

【神父が持つような厳かな雰囲気を、最初は感じていた】
【聖書に落された視線は、何か別のものを見据えているようにも感じたから】
【根拠なんかないけれど、シスターというイメージが起こす、一種の心理現象だったのかもしれない】

【でもこうやって話してみると、やっぱり自分たちと同じ人間だ】
【かわいらしい一面も見ることができたし、いい経験になるなと、密かに思うのだった】

【渡された聖書――明らかに大切な物であろうそれを渡されて、慌てることだろう】
【落ちついて持ってみたならば重く感じた――でもきっと、自分にはよくわからないもの】
【表紙だけをまじまじと見つめて、がやて遠慮しておきますと言いたげに頭を振って、返すのだろう】


『パワースポットみたいなところなのかもしれませんね。
 カログリアさんのお祈りにつられて来てるのかもしれませんし。
 ほら、カログリアさん、とっても澄んだ声してますから。』


【今度は恥ずかしげもなく書くと、明るい笑顔と共に文字を示すのだろう】
【自分も声に惹かれた一人だ、なんてことは流石に言わなかったけれど】


『なら、大丈夫ですね。
 いえ、お手を煩わせるわけにはいきません。
 一応能力者なので魔物が出てもなんとかなるはずですっ。』


【スケブを示したなら、それを持つ腕をたたんで、小さくファイティングポーズを取って見せる】
【……様にはなっていない。むしろ不安さえ覚えるかもしれなかった】

【大会出場者ということは、どうやら気付いていないらしい】
【もしかするとあんまり興味がない、のだろうか】
964 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/03/02(土) 02:33:14.69 ID:lSRfuUY2o
>>957
/さっきまで名前勘違いしてました。ごめんなさい…っ
965 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/03/02(土) 02:47:39.78 ID:4N96UTnr0
>>963
「もし――――何時か、手に取りたくなった時には言って下さい
きっと、この聖書もブライトの様な方に読んで頂ければ幸せでしょう」

【押しつけることはせず、首を振られたならば返された聖書を手にして】
【――――黄色くなった紙。何度も捲られて削られたページ】
【どれもがどれも、歴史を感じさせるだろうか】

【少女の様な無垢な子に読んで貰えたならば――――多分、この聖書としても作られた意味が一層増すのか】
【何時か。その言葉は願いの様でもあって】


「私が澄んだ声……ですか?
ふふ、直に褒められるのはやはり恥ずかしいものですね
ブライトの様な子に言われたら、尚更の事ですが――――有り難う御座います」

【少し顔を赤くすれば、気恥ずかしそうに頬を搔いて】
【褒められる事が無かった訳では無い。それでも、真っ直ぐに伝えられるとやはり恥ずかしいのだろう】
【何処か視線が遊んでいたけれど、やがては少女の元へと戻ってきて】


「――――能力者でしたか……
それならば、無用の心配だったのかもしれませんね
逆に、私が付き添いでいけば迷惑を掛けていたかもしれません……なんて」

【能力者との言葉に、驚いた様子を見せて】
【少女の言葉を疑わないのは信頼もあるが……】
【――――何よりも自分がそう強くも無い事を知っているから】
【肩を竦めれば、まるで冗談でも吐くように言うのだろう】

/ややこしい名前ですし、お気になさらずに……!
966 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/03/02(土) 02:53:20.77 ID:d6OIeVXF0
>>961

【道楽気分の観客すら、息を呑んでいた。】
【うら若い女同士にして、この凄惨な戦ーー能力者の殺し合いが、遊びや、ショーでは無い事を、再確認していた。】

【レイニーエッジは立ち上がれず、然し。】

ま……だ…………尽きない……

【絞り出すように、そう言って、左手に、バタフライナイフを顕現する。】
【ーー体力という意味で、レイニーエッジはセリーナに劣る。】

【ぎり、とその柄を握り締め、視線だけは、セリーナを確かに、射抜いていた。】

……が…………降参、だ……私は大人だし、賢いから…ふふっ、無…理は、しないの……げほっ! ごっ……

【ーーからん、からん。】

【消え損なっていた刃物は、全て、消失する。】
【そして、レイニーエッジという、尤も大きな刃物もまた。】

……くく…………これで…今生の別れ…でも、あるまい?

【眼を、閉じる。】



【三回戦ーーセリーナ・ザ・?キッド?vsレイニーエッジ・ピカレッジ】
【勝者、セリーナ・ザ・?キッド?】

/長時間、お疲れ様でした。ありがとうございました。
967 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/02(土) 02:56:10.01 ID:BgcHHP/T0
>>959>>962

――――同じ夢を見て、先を往く…………?

【少女の語る『始まりの日』――――青年は、真剣な面持ちで耳を傾ける】

……………………!!

【語られたその『彼女』の顛末は――――青年に衝撃と動揺を与える】
【無理もない。その最期は――――自分のかつての恋人のそれに、そっくりだったから】
【賊たちに手篭めにされそうになり、自らの純潔を貫くために、もろとも自爆して果てた、恋人サーシャの最期に】

…………とても幸せな、巡り合いを…………君は、したんだな…………

【狂気の故にとも取れる、独特の間延びした口調もなりを潜め、真っすぐに少女を見据える青年】
【青年でなくてもそう言うだろう。そのパートナー――――先輩と表現すべきか――――との出会いは、有意義なものであったはずだ】

…………馬鹿な、ッ…………!
そんな事が……そんな事が、本当に出来ると…………思って…………――――――――ッ!

【そして、少女の口にした結論。思わず青年は絶句し、再び食ってかかろうとするが】
【その言葉は、最後まで言い切らぬうちにしぼんでいく。青年には、それを糾弾し切れないのだ】

(……同じじゃあないのか……僕も…………ぉ?)

【絵空事――――それを言うなら、自分のそれも似た様なものなのだ】
【世界中から、愚かな人間――――蒙昧な生き方をしている人間や、他者を害する人間を粛清する。そんな自分の行いも、決して実を結ぶ筈がない】
【ただ、それでも――――行きつく事はなくても、少しは世界が良くなるからと、そう信じているだけに過ぎない】
【それも十分に、絵空事と言えただろう】

――――――――なるほど、君の言うとおりだ…………僕らは、決して交わる事の無い道を……歩いているのかもしれない…………
……あまりに理想主義すぎるけど、間違っているとは、思わない…………それに、僕の両手は確かに、血に……許されざる汚れに、満ち過ぎている…………
――――君のその道を、君は確かに往く事が……出来ている…………だからこそ、だ…………それを失えば、君も大事なものを失うだろう……?
……それと同じさ。今の僕から、この生き方を除いてしまえば…………もう、何もかもが無意味だ…………今の命すら、この思いすら……生きてきた事、全て…………!

【――――何故、自分と少女はこうも近しく、それでいて決定的に異なっているのか。その一端が、ようやく垣間見れた】
【青年は、寂しげに苦笑を浮かべながら、少女の道が確かなものである事を再確認する】
【しかし――――それでも、自分のしてきた事を否定する事は、やはり出来ない。それをしてしまえば、あの時死んでいたのと、何も変わらない事になってしまうと】

――――ともあれ、僕と君は、同じ敵を憎んでいる…………それだけは、事実さ、ぁ…………
…………シャッテン=シュティンゲル。もし覚える気が君にあるのなら…………覚えておけばいいさ、ぁ…………それが、僕の名だ…………ぁ

【最終的には、やはり決着をつけるしかないのかもしれない。それでも、今は同じ敵を頂き、同じ方向を向いているのだ】
【青年――――シャッテンは、ただその事実を以って、少女と向き合う。その為に、自らの名を明かしたのかもしれない】

/すみません、そろそろ限界です……
/明日に続けるか、ここで切るか、判断をお任せします
968 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/02(土) 03:01:13.92 ID:wiuSyJ2Y0
>>967
/本当に遅レスですみません、こんな遅くまでお付き合い頂けて感謝です……!
/よろしければまた明日、この続きをさせて頂ければっ…
/こちらは20時前後に来られそうですが、出来るだけ早く返しておきます…!
969 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/02(土) 03:01:49.59 ID:WRBknIF5o
>>966

【ゴングが鳴ると同時に、待機していた救護班が猛烈な勢いで二人に駆け寄った。】
【素早く治癒魔法をかける術者、医療機器を使い応急手当をしつつ、担架が用意されていく――】
【セリーナはといえば、"降参"の、その二文字を耳にしたときようやっと、震える腕を下ろし――】

【がくり、と身体を地面に押し付ける。出血量が――多すぎた。】
【意識が朦朧としてくるが、それでも確かに聞こえた、言葉】

(――今生の、わか、れ――――ね――)
ふふ・・・っ、レイ、ニー・・・いう、とお、・・・り・・・

(そうだ――ステキな出会いがあった。)
(とんでもなくキツイ戦いだったけど――身体はすごく痛むけど――)
(――またこれで、一人、戦友が――増えたんだ。)

・・・また、かなら・・・ず・・・。

【――最後の言葉に答える。これが最後ではないよ、と。】
【閉じ行く瞼にあわせ、セリーナの瞳は軽く、レイニーエッジにむけてウィンクを放ち――】
【彼女もまた、意識を失った。】

【――しかし。それでも。眠る二人の意識の奥底に。届くであろうか。】
【広がる拍手の輪。大きくなり始めた歓声。】
【やがて二人を――激闘を賞賛する巨大な声援が、会場を包み込み】
【静かな二人と対照的に――最後まで、暖かな熱を失わずに――試合は終焉を迎えた。】

/お疲れ様でした!こちらこそ、長丁場でしたがありがとうございましたー!
970 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/02(土) 03:02:05.07 ID:BgcHHP/T0
>>968
/了解です。では一旦お疲れ様でしたー!
971 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/03/02(土) 03:15:36.64 ID:lSRfuUY2o
>>965

【カログリアの聖書をまた見つめて――】
【自分がそれを手に取る日が来るのだろうかと思う】
【ペンを取ったならば、またスケブに言葉を連ねてゆく。小気味良い音が、しばらく響いて】


『その日が訪れれば、また来ます。
 けれど今日触れたものはどれも初めてのものばかりですから……今はまだ、難しいです。』


【スケッチブックの向こう側にある彼女の表情に、一瞬だけ影が落ちた】
【どんな稚拙な理由だったとしても、神様を恨んだことがない人などそうそういないだろう】
【――彼女もまた、そのひとりだった】

【今でこそ恨みなんてないが、一瞬でも負の感情を抱いたことのある自分にはきっと、相応しくないものだと思って】


【恥ずかしそうな様子の彼女に、ブライトは柔らかい笑顔を向けるのだろう】
【その表情がとても可愛らしくて、もっと、色んな顔を見てみたいとも思った】


『といってもあまり使いこなせてないんですけどね……。
 そんなことないですよ。一人より隣に誰かがいてくださったほうが心強いに決まってますっ。』


【いくら能力者だからといって後ろに目がある訳ではない】
【急な事態に対処するという意味でもやはり誰かがいてくれた方が安心する】
【それをさせると迷惑だから、結局彼女は断るのだが】

【と、ここでブライトは思いついたようにスケブに向かうだろう】
【書き終えると、すぐにカログリアへとスケブを示すはずだ】


『そうだ、折角ですから、何かお祈りの言葉を教えて下さいませんか?
 日々の平和を祈るものでも、何でもいいです。』


【眼を通したならば、そんなことが書かれているはずだ】
972 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/03/02(土) 03:30:42.33 ID:4N96UTnr0
>971
「フフ――――別に、その日が訪れなくとも何時でも来てくれて良いのですよ
言ったではありませんか……異教徒であろうと何であろうと、私は歓迎します
……少しでも、多くの人が訪れて下さった方が嬉しいのですから」

【その陰を垣間見て、或いはその陰に潜む物も読み取ったのか】
【教会に何時でも遊びに来て良いなんて、修道女として疑われる言葉なのかも知れないが――――続ける言葉が、この女性の抱く考えであって】
【敵であろうと、手を差し伸べてしまう程の甘さ】

【完璧な人なんて何処にも居ないのだから気にしなくても良い――――そんな旨を含んだ事を告げるのだろう】
【それは諭しでもあって、慰めでもあって】


「人を褒めるのが上手いのですね、ブライトは
ただ、その言葉には同意します。一人よりも二人。二人よりも三人
共に多く居た方が、心も落ち着きますからね」

【あまり人が訪れる事が無いからこそ、その考えを強く抱くのだろう】
【人間関係が疲れるなんて贅沢な悩みで――――】
【この女性からすれば、孤独だから疲れるようなもの】
【ただ、そんな日々の疲れも少女の会話で解れつつあるのだろう】


「Πάτερ ἡμῶν ὁ ἐν τοῖς οὐρανοῖς·(天におられるわたしたちの父よ)――――
―――――――今述べたのは、一つの決まり文句です
ですが――――お祈りの言葉なんて、口にすれば其れがもうお祈りなのですよ
例えば……ブライトが皆が幸せでありますように、と言えばそれはもう一つの祈りなのです」

【応えるかのように異国の言葉を述べて――――】
【短い詠唱。ただ、そんな物を覚える必要は無い――――自分が心から祈った言葉こそが詠唱になる】
【穏やかな笑みを浮かべながら、そう述べて】
973 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/03/02(土) 04:01:54.77 ID:lSRfuUY2o
>>972

【やはり似ているのかもしれないな――と、心の片隅で考えた】
【誰であっても、それが例え、敵でも、悪でも、受け入れてみようという寛容さ】
【そしてそこからくる甘さ=z

【でもそれこそが強さでもあると、ブライトは思っていた】
【きっとその思いはこの先ずっと、揺らぐことはない】

『あはは、ありがとうございます。』

【そんな風に褒められるとは思ってもなくて、彼女もまた気恥かしそうにするのだろう】
【ぎゅっとスケッチブックを抱いたなら、お礼の言葉を紡いで示す】


『なるほど……そうですよね。
 でもそれをカログリアさんが言うと怒られそうで心配なのですが……。』


【自分は信奉者ではない。だからこそ願いが伴えばどんな言葉でも祈りに成り得るのだろう】
【けれどカログリアはどうなのだろうか。それは神の教えを否定することになっているような気がして、不安になった】

【カログリアが文字を読み終えた頃を見計らって、彼女はスケブをくるりと回す】
【ページを捲って、筆を落としたなら】


『さて、ではそろそろお暇します。お話しできて楽しかったです。
 あ、そうだ。私もひとつだけお祈りの言葉を知ってるのですが……。』


【祈るように手を合わせ、器用にスケブの上を指で挟んで、少しだけカログリアに寄るだろう】
【スケブには、まだ続きがあった】


『あなたの上に、豊かな恵みと祝福がありますように。』


【眼を閉じて祈ったなら恥ずかしくなったのか、照れたように笑って】
【最後にぺこりと頭を下げると、教会を後にしようとするだろう――】


/ちょいと強引ですが眠気がやばいのでここらへんで…
/お疲れ様でしたー!
974 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/03/02(土) 04:17:14.02 ID:4N96UTnr0
>>973

「もう、十分怒られていますよ
何よりも――――私を怒る方は此処には居ません
主も……ふふ、きっとこの場を見ている事は無いでしょう」

【司祭も神父も居ないのだから――――きっと、怒られることは無い】
【それに、既にそれ相応の罰は受けている】
【そう語った瞳は何処か寂しげではあったけれど、直ぐに先程までの表情へと戻るのだろう】
【心配事が無い訳でも無い。不安にならない訳でも無い】
【ただ、自分がそんな弱気になった所で何一つ解決なんてしないのだ――――そう、自らに言い聞かせて】


「左様ですか――――では、お気を付けて――――」

【そう言って、小さな背中を見送ろうとしたときの事】
【自分に向けられる、祝福を祈った言葉】
【――――ふと、頬を緩ませて】


「――――あなたの描く未来が実現されますように」

【きっと、その紡ぎは少女に聞こえる事が無かったであろう】
【その背中、見えなくなるまで見送ればやがては教会内にも完全な静寂が訪れて】
【――――ペラリ。僅かの間だけ、等間隔で紙を捲る音が聞こえたことだろう】
/了解ですよー
/お疲れ様でしたっ!
975 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/02(土) 10:42:49.80 ID:yMzPG9FVo
>>931

そんなに気を使って頂かなくて結構ですわよ? 少し派手目なコスプレだと思って頂ければ
お酒はどうも好きになれません、喉が焼けてしまいそうです
思考放棄は……あまりした事ないですけど、今度するときはお酒に頼ってみます

はぁ…やっぱり機関員って貧乏な人が多いのかしら?
結構な労働しているつもりなのに……これじゃあ丈に合わないわ

【相手もお金を持っていないと知ってリーネは大きく溜息を一つついた】
【服や美術品にお金を使ってすぐに無くなってしまう量の給料だなんて少し少なすぎる】
【もっと実力を高め、たくさん稼いでやると心に深く刻んだ瞬間だった】

正当な評価?
ごめんなさい、私戦闘経験が殆どありませんの

【つい最近も戦闘したと言えばしたが、結果は敗北しかも記憶まで消されている】

という事は私の「腕」は戦闘価値に十分値すると?
ヴィクトリア様のお陰で自分の力が改めて認識できて助かりましたわ

【大勢を蹴散らし、撹乱するだけの能力だと思っていたが少し違うことに気付かされた】
【この能力でも十分戦える、いや十分な脅威にさえなる】
【それを目の前のヴィクトリアは自分に教えてくれたのだ】
【相当場数を踏んで経験しているんだなと内心感心しながら相手の話に耳を傾ける】
【やっぱりこの人を仲間に引き入れてよかった、と静かに思いながら】

./昨日は本当にごめんなさい!
/今日もよろしくお願いします!



976 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/03/02(土) 12:57:26.97 ID:LQKYaOrCo
>>975
……安酒は安酒で味わいがあるんだがなあ。
あの焼ける感覚を楽しんでなんぼだろ。安いのって悪酔いしやすいんだがそれも一興だしな。

金が無いなら奪えばいいし、腹が減ったなら奪えばいい、服が欲しけりゃ奪えばいい。
……で、良いんじゃねーの?

【安酒には安酒の味わいがあり、安酒の楽しみ方も有る】
【そう持論を展開できる当たり、酒に関してはそこそここだわりがあるようだ】
【飲むのは専ら安酒だが、何時かは美術品に囲まれながら良い酒を飲みたいものだ、と思う】

おいおいおい……、上ナンバーって事はちょくちょく命ねらわれたりするんじゃねーの?
オレの場合はオレから喧嘩のバーゲンセールしてるから別かも知れねぇがよ。
お前に死なれるとオレに旨味が無くなるじゃねぇか、本気で大丈夫なのかよ。

【戦闘経験が殆ど無い、との事に驚いた様子を見せるヴィクトリア】
【今此処で己が全力を出して殺しに行けばNo.10になれるのではないかとの発想も思い浮かんだ】
【だが、唐突に一応ながらも同じ組織の者を殺して上にのし上がると何らかの反発が起きるだろうと踏みとどまる】
【舌打ちをして、サングラス越しにヴィクトリアは蒼い瞳を細めて口を開く】

殺し合いに置いて一番大切な武器は、経験だ。
幾らお前さんの力が必要十分条件を満たしているとしてもだ。
経験の有無だけで間が完全に埋まっちまうぜ? 出来るだけ経験は積んどくことだな。

【と、警告染みた言葉をリーネにたたきつけて、またため息】
【どうしてこんな奴と組むことになったのだろう、と改めて疑問に思った】
977 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/02(土) 13:14:18.68 ID:yMzPG9FVo
>>976

喉が焼ける感覚はどうも好きになれませんわ
酔っ払うまで飲む人の気が知れません、お酒と言う物は嗜む程度に飲む物であって…

どうしてそう短絡的な考えがポンポンと出てくるのか不思議ですわ
あくまで私達は組織に属している人間、組織に泥を塗る行為など言語道断です

【お酒はガブガブ飲む物ではないと静かに一括するリーネ】
【下戸の彼女が言うと負け惜しみに聞こえてしまうかもしれない】
【お酒より紅茶の方が好きな彼女にとってはお酒の良さがわからないのだろう】

命を狙われる事は多々ありますわ
でも、そう言うときは下請けの方々が身を挺して護って下さるの
誰も居ないときは私が直々に戦ったりする事もあるのだけれど

【命を狙われるたびに別の誰かが護ってくれるから大丈夫よ、と微笑むリーネ】
【あくまでも上位ナンバーなのだからきっと命を狙われる事は少なくないだろう】
【だが、その度に誰かが身を盾にして護ってくれる】
【この人脈の濃さと人身掌握の手管がリーネを10に押し上げたのかもしれない】

私は滅多にそう言う荒事に顔を出す事は無いと思いますが、その言葉はありがたく受け取っておきます
そこら辺の人間にあっさり負けていたようでは機関に申し訳が立ちませんしね

【ニコッと微笑んで相手の言葉をありがたく受け取った】
【相手の疑問などまったく気にも留めていないようで、もしかすると過去にリーネと組んだ人間もそう思っているのかもしれない】
978 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/03/02(土) 13:27:49.82 ID:LQKYaOrCo
>>977
お説教は結構結構。
人の趣味嗜好にケチつけんなよ、苛ついて来るだろ?

おいおい、カノッサ機関は世間で言う所の悪者だぜ?
むしろオレみたいなのが居たほうがそれっぽいだろうに。

【組織に泥を塗る、と言われてもそもそもこの組織が泥でできていると言う】
【そして、泥だらけの狂犬にはむしろお似合いな振る舞いだろう、と自嘲気味に笑ってみせた】
【自棄になっている様にも見えるが、これはいつも通りだ】

――ほぉ、要するにお前は他の誰かの命を犠牲にする事を厭わないと。
ま、良いがね。オレみたいな犬ころはそういう扱いには慣れてるさ。
だがな、お前が一人になった時。多分お前は死ぬぜ。例えば今、オレがお前の喉笛を食いちぎったとしたら。
お前の身を守るものは居ないんだから――――よッ。

【相手の微笑みに対して、此方は獰猛な笑みを以て返して】
【のんびりと話しているさなかに、唐突にヴィクトリアの体がブレる】
【次の瞬間には、錆びついた金属粒子を固めて作った剣の切っ先が、相手の喉元に付きつけられていたことだろう】
【殺意を込めていなかったため逆に察知しづらかったかもしれないが、もっと張り詰めておけとのヴィクトリアの警告である】

そういう訳よ。
少なくともオレはそういう方向性では機関に迷惑かける積りはねェからな。
つーか、それ以外でオレが上にのし上がれる方法が無い、とも言えるがな。
お前みたいに人望が有るわけでもねぇ、どこぞのナンバーズみたいに知識があるわけでもない。
オレはただ、錆だらけの牙と爪が有るだけだ。だがそれで十分。分かりやすいのは嫌いじゃないしな。

【金属粒子の刃を霧散させて、四肢のリングの中に戻していくヴィクトリア】
【身のこなしなど、どれも一級品。それでも下位である理由は、恐らくその振る舞いなどに原因が有っただろう】
【ふと空を見上げて、良い時間であると理解すると】

ちょいとオレは次の仕事。
……なんもないならここらで解散でいいか?
979 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/02(土) 13:45:05.72 ID:yMzPG9FVo
>>978

あら それもそうですわね、私とした事が少し出すぎた真似をしてしまいましたわ
気を悪くしたのなら謝ります、申し訳御座いません

先ほども言いましたが、秩序や規則の無い組織は小物になりますわ
貴方が小物で生きていくと言うのなら私は止めはしません、ですが貴方はそんなところで留まる人間ですか?

【確かに組織自体が泥で出来ていると、相手の言葉に納得を示す】
【だが、リーネは泥にも一応質ぐらいはあるだろうと言って見せた】
【上に行きたいなら常に上の物を纏っておきなさいという事だろう】

「仲間」の場合は少し別ですが……
でも、その人が私のために死んでくれると言うなら止めはしません
だって私はその人にそこまで思われていたと言う証明になるでしょう?

――――――――――――!?

【急に自分の喉元に何かの感触が伝わり、一瞬にして心が凍りつく】
【マズイななんて思う隙も無く、反射的に胸元から『腕』を一本飛び出させた】
【勿論これが実戦だったら自分は間違いなく死んでいた】
【最高で最狂な忠犬を手に入れ、少し浮かれすぎていたのかもしれない】

あら…そう言うことを急になさると心臓に悪いですわ
現に私は貴方に殺されていたかもしれないのに……
でも これで確信しましたわ、私はきっと類稀ない諸刃の剣を手に入れた

これからもよろしくお願いしますわね”ヴィクトリア”様

【相手が刃を戻すのを確認してからこちらも『腕』を消滅させる】
【下位ナンバーにも実力者が多いと聞いていたが、下手をすればそこら辺の上位より強いかもしれない】
【これはこれから警戒する必要があるな、と胸に強く留め置いたのであった】

ええ、もういいお時間ですしね
また今度、目ぼしい情報が入ればお呼びしますわね

それでは御機嫌よう
980 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2013/03/02(土) 13:52:57.37 ID:LQKYaOrCo
>>979
――おうよ。
使い方間違えるとてめぇでてめぇの首掻っ切っちまうからよ。
精々気をつけるこったな、――――ねえ? リーネ様=B

【ただ使われるだけでも、仲良くするだけでもないと相手に牽制しつつ】
【狂犬は気品ある笑みで、相手の言葉に答える】
【そして、相手が別れの言葉を此方に投げる間、おもむろにナップザックから取り出すのは金髪のウィッグ】
【ヴィクトリアの髪質と同じそれは、恐らく自分の髪で作ったウィッグだろう】
【それを頭にかぶせ、サングラスを外してみれば。服装以外はもはや別人と言っていいような印象となる】

ええ、リーネ。
またいつか、今度は『こちらの私』で会いましょう。
きっとこっちの方があなたとは気が合いそうだもの、ね?

では、ごきげんよう。及びにかかるのを楽しみにしているわ。

【金髪をさらりとながして、ヴィクトリアは颯爽とした足取りでその場を後にしていく】
【瀟洒な所作の女は、相手の見えない所で獣性をむき出しにした笑みを浮かべて】
【砂嵐の音を漏らしながら、次の仕事先へと向かうのであった】

/*乙でしたー! とても楽しかったのですよ、そしてリーネちゃん愛が重いかわいい!*/
981 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/03/02(土) 14:01:10.77 ID:yMzPG9FVo
>>980

精々気をつけて扱う事にしますわ
ここまで最高の武器を手に入れたのに、自滅だなんて笑い話にもなりませんし

――――――リーネ…様?

【相手が自分の事を様付けで呼んだ事に違和感を覚える】
【そして次の瞬間ヴィクトリアの笑みを見て状況を把握した】
【ナップザックから取り出したそれを頭につける彼女はもう既に別の人間】
【二回目なので流石に同様を表に出してはいないが、やはり動揺しているようで】

そう…そうですわね
やはり急に変わられると心臓に悪いですわ
だけど、私はどっちの貴方とも上手くやっていくつもりですわよ? それを忘れないでくださいね

それではヴィクトリア様のお仕事が上手く行く事を祈っていますわ

【スカートの裾を軽く持ち上げペコリとお辞儀するリーネ】
【去りゆくヴィクトリアを見つめ、見えなくなったらリーネもどこかへと去っていくだろう】
【相反する二人が組んだ結果が招くのは成功か、それとも―――――】

/こっちもすっごい楽しかったです! ヴィクトリア産マジかっけぇ!
/絡みお疲れ様です! また今度もお願いしますね
982 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/03/02(土) 16:22:05.32 ID:OBz98JYQo
【風の国】
【宗教観念が特殊で、国内での人種制限が緩いため能力者や亜人、はてには運搬に使われる巨大節足動物までもが徘徊するとある城下町】
【これほど自由度が高いにも関わらず人目には治安が崩れて見えない妙なバランスを保ったこの街の質素な酒場の中で】
【入り口から見て右奥、いわゆる淵に当たるテーブルに】
【椅子に長剣を二本掛けた、肩までは掛からない、質の柔らかそうな黒髪の女が、どこか不満そうに頬杖をつきながら、大きな溜息をついていた】

【片面でA3ほどある、しかも度を越えて分厚い本をテーブル一杯に開いた、彼女に相席している眼鏡の女は】
【絵に描いたような仏頂面で、開いた本へ彼女へと、視線を交互に行き来させている】

「いい加減機嫌を直したらどうですか? ゴーレムは作り直せば済みますし。 マジックフェアリーには十分代わりが効きます。
損失はほぼありません。 むしろ尊い犠牲であったと割り切るべきでは?」

【表情を変えないまま淡々と敬語で話す眼鏡の女は、腰掛けた椅子にまで届きそうなほど長い、まとまった薄橙色の髪】
【その頭には小さな突起が二つ。 髪に埋もれて見ずらいが、おそらく装飾品では無い角だ】

あのね、私は愛だの友情だの正義だので世の中がどうこうなるとも思ってないけどあなたほどドライじゃないの。 
ボルトルも、あの子達も、訓練生のころからずっと一緒にやってきた。
それが、こんなにあっさり消えちゃうんだ、って、今感傷に浸ってるとこ。分かって。

【どうやら言葉を掛けても効果が無いのを悟ったのか、眼鏡の女は軽く息を吐くと、控えめに音を立てて本を閉じる】

「しかし、どれだけ悔やもうと命は戻りませんよ?」
知ってる。
「……そうですか。 思わぬ援軍……リロード様がいたとはいえ、あれほどの相手に生存を成功させた貴方ですから、これ以上言う必要は無いでしょう」
なにそれ嫌味?

「違います、悔やむ立場にならなくて良かった。 という意味です」


【本来ライトブルーであるはずの瞳を腐った魚のように濁らせると、黒髪の女は、いかにもわざとらしく、つまらなそうに欠伸をした】
【まるで聞く耳持たず、いつまでも不貞腐れたまま。 この調子が随分と続いているのだが、本人に立ち直る気が無いようで】


あー、退屈。  ラシュは分かってくれないし。 
別に暇じゃぁないんだけどなぁ。 あれにもう一回魔翌力を注ぐれんしゅ……うでも……あれ?


………ん?   ………んん?   

【予期せぬ不都合が発生していることを理解した黒髪の女の顔が、徐々に、ゆっくりと青くなっていく】


な、ななな、な、な、なぁあああい!!


【がた、と大声を上げて立ち上がった女は周囲の目線を一斉に浴びることになり、真っ赤になると再び座り込む】
【そして、依然焦った様子でジャケットの両ポケットを手で探りながら、ついにはテーブルの下に頭を突っ込み】


うわぁ、うっそぉ…。
ね、ねぇラシュ、私のあれ知らない?
「知りません。 私の視界にはおそらく一度も入ってないので。 それに”あれ”では、対象を絞り込めませんよ」

おっかしぃなぁ。ちゃんとポケットに入れといたはずだったのに…
あ、そうだ、一緒に探「契約の条件に、物の捜索は含まれてませんよね?」
さっきまでの優しさは!? 慰めてくれた貴方はどこへ!?
「え、優しさ、ですか? 魔属に向かって中々面白いことをおっしゃるんですね。 うふふっ」

うふふっ、じゃねぇよちくしょう覚えてろこの薄情者ぉ!! 
うえぇ、最悪だぁ……

【ようやく起き上がったかと思えば、そしらぬ顔で紅茶をすする眼鏡の女にきゃいきゃい小声で怒鳴り】
【両手で髪を強く握って、顔を伏せながら消え入りそうな声を出す】
【なにやら大事なものを紛失してしまったらしいのだが……】
983 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/03/02(土) 18:24:23.55 ID:TT2KPilEo
>>982
//もう居ないかもしれませんが突撃だァーッ!都合が悪ければ返さなくて構いませんッ!


 ――――何か、お探し物ですか?

【――恐らく捜し物に集中しているであろう“彼女”に対して、不意打ち的に発せられた“少女”の問い掛け。】
【彼女らと少し離れた距離にいつの間にか立っていた、“桔梗色の髪の少女”の質問。】
【先程までの様子を何処か他の席で眺めていたのだろうか、彼女の顔に浮かぶ表情は“苦笑い”。】


 宜しければ、一緒に探しますが――――…

【なんて言葉を続けながら、彼女の視線の泳ぐ先――正確には彼女から見て右斜め前の床。】
【“ふと目に留まった”程度の物だが、“もしかすると”そこに落ちているかもしれなかった――――が、少女は彼女に視線を直ぐに戻した。】


【――――声を掛けた少女。】
【彼女がその身に纏うのは、堅いスーツを思わせるような、肌の露出面積の少ない薄桜を散らした鉄黒の魔法衣。】
【異能力戦闘特化装束”とでも言うべきそれを身に着ける少女を、恐らく“彼女ら”は“単なる一般人”とは認識しないだろう。】
【元より“こんな場所”に少女が一人で居る事すら、“異質”と感じさせる。最もそれを感じさせるのは少女の――――その“深緋の瞳”だろうか。】
984 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/03/02(土) 19:00:07.93 ID:OBz98JYQo
>>983

【どうにも、最近は不意を付かれがちだ】
【日常において周囲へ気を張る力が圧倒的に欠けているのは、常日頃から暗殺者に狙われている立場にいないとはいえ前々から気になっている弱点であり】
【それでいて、随分前から諦めていたことでもあるのだが。 意識外から声を掛けられるのはいまだにあまり慣れない】
【つまりはびっくりするのである】

お〜、ありがとう助かるよ。いや、貴方優しいね。親切に触れると気持ち暖かくなるよね。
どっかのケチとは大違い。
「聞き捨てなりませんね。 私は契約ないよ」あー、ごめん融通が利かないの間違いだった〜。

【感知魔法の才能が一切無いことの不便さをを改めて実感しつつ】
【自身の注意が散漫だったから突然表れたように思えただけだろう、それにこの街では能力者も珍しくない、と決め付けた黒髪の女は】
【桔梗色の彼女を疑う様子も無く、声を弾ませて返事をし微笑みかける】
【若干むくれた角ありの女は、黒髪とは対称に、目の前の存在の”異質さ”を、それなりには訝しんでいる様だ】
【じろり、と深緋の瞳を内部まで覗き込むような魔族の目には、明らかな不信と、その内を探ろうとする意志が混ざりまれている】


でも、私どこに落としたのか全然覚えて無いんだよなぁ…。
その、透明で、小さくて、丸くて、宝石じゃないんだけど綺麗なの。

【桔梗色の彼女へ向けて、手で小型の丸を描きながらの早口な説明はかなり曖昧なもの】
【しかし、その言葉が全て当てはまる物体が、黒髪の座った椅子の真下にぽつんと落ちているのを見つけるのは、おそらく難しくないだろう】
【椅子に座ったまま体を折り曲げると、瞳をゆっくり滑らせながら店内の床に眼を通しているようだが】
【黒髪の眼には一切その対象は映っていないらしい】

「宿に忘れてきたのでは?」
そんな訳無いって。 だって、ここに来るまでポケットにはしっかりとした感覚がだね。
「……気のせいだったんじゃ」

貴方はもう少し主を信頼するべきだと思うんだ。

【どうやら二人は主従の関係にあるようで】

//すいません発見に遅れました…
宜しくお願いしますね
985 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/02(土) 20:31:56.45 ID:PcYYxnlBo
【櫻の国・とある団子屋】

【こんな日も落ちた時分に、軒先に用意されたベンチに腰掛け、団子と茶を食す者が、二人あり】

「なあ、ウェル子ちゃん」

……なんでしょう

【しかし何より注目すべき……というか、注目せざるを得ないのは、団子屋の周囲にやたらと蔓延っている「カラス」の群れだろう】
【屋根の上には列を成して止まり、そこかしこを飛び回っては黒い羽根を散らすカラス達――あからさまに常軌を逸した光景であった】

「カラスは嫌いじゃないけど、流石にこれは、団子がまずくはならないかな」

【咀嚼していた団子を飲み込み、まず苦言を呈したのは、ブラウンの毛皮コートと毛皮帽子で身を固めた少女だ】
【帽子の上に上げられた防塵ゴーグルや、両手にはめた黒い手袋、毛皮ブーツなども着込む重装備ぶりで、】
【外気に晒されているのは、顔と、帽子からチラリとはみ出た銀髪くらいのものである】
【また手袋と一体化した金属製のナックルダスターも特徴的か】

いえ、全然

【対して、サラッとその文句をはねのけるのが、白を基調としたセーラー服と紺色のスカートに身を包んだ、「ウェル子」と呼ばれた少女である】
【その表情に感動はなく、縁無し眼鏡の奥に湛えられた碧眼は深海のように深く、暗く、かつ冷たい】
【また服装に合わせるように被っているのは、長い青色リボンの巻かれた、白い水兵帽】
【そして真っ直ぐ伸びる彼女の長髪は黄金色に煌めきながら、風と戯れるように虚空に揺れていた】

「っていうか、こんなことしたら営業妨害で怒られるんじゃ……」

わたくしにその類の注意を喚起しようというのが無駄なのは、申すまでもないと思うのですが、ねえ……
そもそもですね、貴方様が、こんな妙な時間に、お団子でも食べながら話をしよう、などとお誘いになられたのが悪いのですよ
しかも何をとち狂われたのか、店内ではなく、表で頂こうなどと、世迷い言を仰る始末
どうしてわたくしが、このように平和で曇りなき夜空の下、呑気にお団子を食さねばならないのですか
退廃的で殺伐とした絶望の淵にて渋いお茶を啜るのなら大歓迎ではありますが――

【どうやらカラスの発生原因らしいウェル子は、逆に不満を突きつける傍若無人ぶりで、】
【だが笑うでも怒るでもない淡々とした面持ちで、長台詞の息継ぎをするかのように湯飲みを口に運んだ】

「……キミはともかく、この国の自警団に協力してる身の僕としては、世間体を重んじていきたいんだけどなあ……」

【とりつく島もない相方に、コートの少女は呆れた様子で溜息を挟む】
【それでもウェル子はどこ吹く風で、虚空を見つめていたかと思えば、両手で行儀良く持った湯飲みに視線を落としたりしていた】

【――そうしてコートの少女はと言えば、半ばあきらめたように、再び団子を頬張るのであった】
986 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/02(土) 20:41:43.35 ID:/qkMyuU00
>>967

………そうね。私は、過去も、今も本当に幸せ―――――。

【大切なものに彼女は出会えた。それが何よりも幸せだと、そう紡ぐ様な柔らかな笑みの表情と声。】
【そして青年の“理解”と“拒絶”に、今一度彼女は表情を変える。】

(―――――――――…………!)

【――――― “存在の理由を其処に定めた”、そしてその意味を貫き通す。】
【“大切な誰か” 達の犠牲を、其処から見出せたその答えを、この世界で無為にしないため。】
【深い部分で重なっていた。通じる部分が、確かにあった。】

(…………ッ、――――――)

【けれど、その違いもまた決定的なものだった。】

【大切なものがもう無いのだから、抱き続けられるのは大切だった過去と、そこから生じる想いだけ。】
【そしてその想いゆえに “今”、この世界をより良い形に、自分の遣り方で変えようとする――――】
【……その在り方を理解したからこそ、少女はこれ以上否定の言葉を紡がなかったのだろう。】

【………紡げなかった、と言った方が正確かもしれない。】
【沈黙と共に表情が歪んで、その瞳に浮かぶのは、
 残酷すぎた “彼” と “彼ら” の物語への、変えられない過去への共感の痛みか――――】


………八攫 柊 (やつか しゅう)。
憶えるかどうかは任せるけれど、それが私の名前よシャッテン。

【名乗りを返したその言葉は、彼が “そうした” のと同じ意味――――】
【ある種の共闘の宣言を、突き付けるような其れを含んでいた。未来(さき)へと踏み出そうとする様な。】

【そして面を上げた少女は、強まる光を瞳に湛えて彼を見据え、新たな“意味”を突きつける。】

【―――――――― “自分は自分のやり方で、この世界を変えるために戦い続ける。”】
【―――――― “貴方は、どうする? 殺戮と断罪の生き方で、変わらず抗い、戦い、あの男にも立ち向かうのか”―――――】

【そんな言葉に代えるような、或る種 “彼女らしい” 瞳の光。】
【言葉ならぬその問いに対して、彼は―――――?】
987 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/03/02(土) 20:51:06.47 ID:TT2KPilEo
>>984

【――――“彼女”から発せられる気配は、少なくとも“敵意”やそういった類の物ではない。】
【異質の気配の煮凝りのような場所だ。むしろ“影が薄い”ような彼女に気付かなくても仕方は無い、とも解釈出来るかもしれない。】

【微笑と共に相手の言葉に同意するように頷き掛けて――――ん?と言った風に軽く頭を傾げた。】
【二人の様子――その関係が生み出す会話に可笑しさでも感じたのか、くすくすと少女は笑っていた。】
【“角あり”の彼女の視線には気付いたが、そこに“剣呑”の色でも読み取ったのか苦笑いと同時に目を逸らす。】

【“角あり”の彼女がもし“異能”の察知能力に長けているとするならば、少女が単なる人間では無い――その身に異能の気配が“流れている”事を感じられるだろう。】
【――――彼女が“能力者”であるとすれば、恐らく能力は瞳に関する物に違いない、が――あまり彼女の“瞳”を“見詰めない”方が良いのかもしれない。】


  ――――成る程、“魔石”の類でしたら――――…

  ……えっと、恐らくそちらの方の方が大分“見つけ易い”かと思いますけど――――“探してあげない”んですか?

【“角あり”の彼女に先程とは別の種類の苦笑を向けて、見つけたその物体を彼女だけに教えるかのように、指で小さく指差す。】
【恐らくそれで間違いは無いだろうとは思うが、“黒髪”の彼女に直接教えないのはちょっとした少女の“意地悪”か。】

【――契約、と言った会話内容と、“角あり”の彼女。】
【少女はその関係を“察する”事は出来るものの、安易にそれを口にしたりはしない。】
【ただ、話し掛ける前から少し興味は持っているようで時々じー、と特に意味もなく見つめたりはするのだけど――】
988 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) :2013/03/02(土) 21:00:07.90 ID:iQwsJIbX0
【大会会場近くの大通り】
【どこの町でも日ごろの暗いニュースを忘れて、この一大イベントに熱狂している】
【この大通りも例外ではなく人は次はどっちが勝つか、どっちが強いかなどと】
【子供のように目を輝かせながら騒いでいる】

 騒がしぃーな…たくよぉー。

【そんな中を男が一人仏頂面でで歩いている】
【男の身長は高く筋肉質でがたいが良い】
【太い眉や強い目元をもった精悍な顔立ちは櫻の国の人に似てるが、】
【高めの鼻やほりの深さから他国人とのハーフであることがうかがえる】

【他に男の特徴をあげるならそれは着崩した学生服だ】
【どうやらこの男まだ学生らしい】
【その学生服の胸ポケットからは手のひらサイズの少女が顔を出していた】

『でもお祭りは楽しいです!』


【男は少女を無視して、おしゃべりに夢中な歩行者たちを避けながら歩を進める】
989 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/03/02(土) 21:03:12.84 ID:jJn+Fzdzo
>>985
……なにこれー。

【団子屋からやや離れた場所から、間延びした少女の声が飛んでくる】
【道の先から歩いてくるその姿は、ベンチに座る二人にも見えるだろう。新しい客だろうか】

【マフラーを首に巻き、薄桃色のコートに身を包んで、防寒対策はばっちり、のはずなのに、太腿から下が露出しているホットパンツの少女】
【唇にはラメの入ったリップ、薄く塗られたアイシャドーに、染色された茶髪、耳にはピアス――いかにも遊んでいる≠ニいった風体で】
【長い睫毛をぱちぱちと瞬かせて、軒先のカラス達を不愉快そうに睨んでいる】

きもっ。死んでー。

【――余りにも軽い調子で、そんな物騒極まりない言葉を吐くと、少女が右腕を並み居るカラスに向ける】
【少女の右腕から、雷光が迸る】

【白く放射する雷は、威力自体は大したことはない。せいぜいが多少痺れる、といった程度で、カラスを散らそうというモノだろう】
【ただし、狙いの大雑把なその攻撃は、二人の少女にも被害を及ぼすかもしれない】
990 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2013/03/02(土) 21:04:59.02 ID:RxonOqCD0
/>>941で再投下します
991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/02(土) 21:06:05.47 ID:BgcHHP/T0
>>986

…………僕もさ、僕も……幸せだったさ……間違いなく……!

【失った過去を追憶しながら、シャッテンは答える】
【まだ自分が、ただの人間でいられた頃、それは鮮烈な輝きに囲まれながら、それでもそこに居心地の良さを感じていた】
【――――ありきたりで、当たり前の、幸せの形だった】

……でも、僕にとってのその幸せはもう…………どこにもないのさ…………ぁ
蝕み、貪る者達が…………全てを、奪っていった…………からね、ぇ…………

【自嘲気味な笑みを浮かべながら、シャッテンは顔を上げる】
【――――二度と、取り戻せない。それをまた、生み出さないために】
【その為の道を、シャッテンは歩んでいる。自らの定めた、その道を】

…………だからこそ、僕も…………もう不変だ、時は……既に凍りついた…………!
今僕が、この節を曲げてしまえば…………それは、それこそ本当に、死んだみんなを裏切る事になる…………からね、ぇ…………
――――少なくとも、それだけは分かる…………最期まで、意志を貫いたみんなへの…………!

【――――死んでいった彼らが、今の自分をどう見るだろう。それは、先ほど言った通りだ――――死者の事など、もう誰にも分からない】
【ただ分かる事は、彼等は自らの道に殉じて、決してそれを投げ出す事をせず――――『そうやって』あるいは『だからこそ』、死んでいったという事実】
【それを支えにして生きているのに、自らの意志を曲げるなどと言う事があれば、シャッテンはもう、自分を永遠に許せなくなるだろう】
【只でさえ、かつての自分を許せないのに、今の自分をも許せなくなってしまえば】
【そこ先に待つのは、全てが虚しいだけの、無限なる虚無だけである】

…………覚えない訳ないだろう、ぅ?
君の様な、気高き魂の持主を、さ……ぁ…………、柊…………

【少女――――八攫の名乗りを受けて、シャッテンはニヤリと笑んで見せる】
【元々、シャッテンは八攫を非常に高く買っている。そうした相手の名を覚えるのは、当然の事と言えた】

…………僕はただ、この地上を悲しみの天国にしたくないだけさ…………ぁ
……この世の全てが『生きるべき』だと、どうしても、僕にはそう思えないからね……ぇ…………
これからもサーシャが……僕の大切な人が、死に続けたりしない様に…………殺す事で、僕は守る…………!

【挑みかかってくるような八攫の瞳。そこに込められた言外の問いを、シャッテンは斟酌したのだろう】
【今一度、自らの誓いを口にする。いつの間にか2つとも引き抜いたパタの刃を、カチンと打ち合わせて】
【――――ルナトリウムに毒された、と一言で切り捨てるのは簡単だろう。しかし、その狂気を覚まさせたところで、何が残ると言うのか】
【――――断罪と粛清に、人間の幸福の未来を見るシャッテンは、狂態を晒す事無く、激しくも穏やかな瞳の輝きを見せていた】
992 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/03/02(土) 21:18:30.08 ID:OBz98JYQo
>>987
【桔梗色の彼女の瞳に何か異能を感じ取ったらしい角ありは、顎に手を当てて】
【まるで興味を失ったかのように、テーブルに陣取る本へと視線を落とすと、無造作にその表紙を撫でる】

【能力者の存在に対する察知能力は、どちらかといえば、魔属である角ありよりも、黒髪の方が幾分か高い】
【しかし、黒髪の理解は相手が”能力者である”ということ以上に進むことは無く】
【相手の能力の概要、にまで好奇心を抱いた角ありの方が、その深緋の瞳にたどり着いただけのこと】

うん、そうそう魔石魔石。 よく分かったね。さすが親切な子は一味違うようん。

「私ですか? 生憎私にはこの場合、彼女の探し物を見つけるのに有効な能力はありませんので。 それに」
また契約とか言うんでしょ?

「その通りです」

【だが異質な瞳について、角ありがその主に忠告することは無い】
【理由はいたって簡単で、聞かれていないから】
【ちなみに、ひんやりと冷めた視線は、きょろきょろと忙しない黒髪女の座る椅子の下へしっかりと向かっている】
【つまり気づいているのだ。 ”契約”というものに頑固なふりをした彼女なりの意地悪なのである】

うがぁああぁ、見つからない見つからない!
こうなったらお前を殺して私も死んでやるううう!

「ど、どうやったらそんな結論にな……、あ、ちょっと。 止めてくださいって」

【ついに痺れを切らした黒髪は何故か角ありの首を絞めようとし、とっさに反応した彼女にそれを防がれた】
【当人達はじゃれあっているだけのようだが、随分と面倒なことになってしまった】
【と、必死で抵抗しながら内心溜息をつく角あり】

「ど、どこまでも、人前で恥ずかしいですね。 あ、あのーよければ助けてもらえませんか」

【この場合の助けて、の意味は】
【おかしな暴走を始めた黒髪を物理的にではなく間接的に止めて欲しい、ということらしく】
【一見すると床に溶けてしまいそうなほど透明な魔石と、桔梗色の彼女と視線を行き来させる】

「興味があるのならお話しますので」

【さらりと交換条件を口に出しながら】

993 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/02(土) 21:19:55.23 ID:PcYYxnlBo
>>989

「……ふう……まあ、ともかく、今日キミを呼んだのは他でもない、例の海賊のことなんだけど――」

【団子を嚥下し、コートの少女は会話を続けようと試みる】
【少々離れた位置に現れた、新たな来客には、彼女はまだ気付いていないようで――】

……ああ、そのことでしたら――

【対して、ゆらり、と、下を向いていたウェル子の視線が上がり、】
【眼鏡のレンズの奥に潜む鋭い碧眼は、間違いなく、不自然な「雷光」を映し取った】

【瞬間、ウェル子がパチンッ――と、指を鳴らす】
【乾いた音が辺りに響き渡ったかと思えば、】


【――「カー!」――】


【大雑把であるが故にウェル子達に流れかねなかったその雷を、数羽のカラスが、その身で受け止めた】

【その他大勢のカラスは、果たして新たな来客の思惑通りか、バサバサと蜘蛛の子を散らすように飛び去っていく】


――あのお客様の対応を終えた後で、でもよろしいのではありませんか?


【――そうしてウェル子は、何でもなかったかのように、再びお茶をすすった】


「……こういうことになるから、変にカラスを蔓延らせるなと……」


【コートの少女は、「はあ」と深い溜息をつき、参ったように肩をすくめるのであった】


【雷光を受けたカラスは、或いは、「妙」だろうか】
【死ぬでも気絶するでも逃げるでもなく、ただ跡形もなく「消滅」していた】
994 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/03/02(土) 21:33:41.20 ID:jJn+Fzdzo
>>993
【雷から逃げるように飛び去るカラスを見、満足そうな笑みを浮かべた少女が】
【まるで空気に溶けるように消失したカラスの姿を見咎めて、首を傾げる】

……?

【掲げていた右手を下ろすと、ゆっくりと団子屋の方へと歩いてきて、セーラー服の少女の方へと顔を向ける】
【その顔にははっきりとした不審と、疑念が浮かんでいた】

……キミの顔ー。
どっかで……?

【なに憚ることなく、二人の少女の前に立つと、少女は開口一番、そんな疑問文を吐き出して】
【腕を組んで、首を傾げていたが――】

……そーだ。
キミ、フリッツと戦ってた子でしょー。

【戦ってた、というのはフルーソでの武道会のことだろうか】
【少女は得心がいった、といった風に疑念の色を消すと――今度は苛立ちのようなものを浮かべる】

もしかして……さっきのカラスも、キミのー?
食べ物屋さんの前でー、そーゆーのやめてくれるー?

【目を細め、糾弾するように、茶を啜るセーラー服に刺々しい言葉を投げる】
【――何もなかったことにして、茶を頼むという選択肢はなかったらしい】
995 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/03/02(土) 21:40:53.24 ID:TT2KPilEo
>>992

  ……。

【目の前で繰り広げられる“じゃれ合い”らしき何かに、少女はええー、と言う様子。】
【内心では本当に何故そうなったんでしょう、なんて冷静な分析をし掛けて、結局考えるのをやめた。】

  ――――
  (物理的に止める事は簡単でしょうけど、これって上手い事取り成して欲しいって事なんでしょうか…)

【――“混ざって”みようか、なんて思考はほぼ一瞬で破棄。】
【困った様子を表情にして、取り敢えずおろおろとして見たものの周囲の様子を見て溜め息一つ。】

  (――場所が場所だけになんか無駄に興味持たれてますね、ちょっとこれは本格的に“面倒”かな…)

【結局、彼女の“捜し物”であろう石を拾い上げて“わざとらしく”一言、】


  …“あ、こんな所に”。


【それが“暴走する彼女”の耳に届くかは分からないが、取り敢えず右の掌の上に置いて彼女に提示してみる少女。】
【もしそれが無視されたのであれば、恐らく少女は人差し指で黒髪の彼女の首筋でも撫でてみるだろうか。】
【少女の気持ちは、何でもいいからとりあえず“周り”に気付いて欲しい、と言ったところ。】
996 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/03/02(土) 21:50:31.62 ID:PcYYxnlBo
>>994

【さて、相手の少女がこちらへ来るに際し、未だベンチに座る二名は、これといったアクションを起こさない】
【警戒しているような空気は纏いつつも、ただ受け入れるように、茶でも飲みながら、待っていた】

【そしてその結果、不意に、「顔、どっかで」とか「フリッツ」とか、そんな「気にせざるを得ない台詞」が、両名の蝸牛に届いた】

……『フリッツ』……『戦った』――それはすなわち先の「大会」のことを仰っているのでしょうか……
後にも先にも、わたくしの、少なくとも一応脳内に記憶として残っている情報では、それ以外の合致はありませんので、
他の心当たりでしたら、「忘れました」あるいは「人違いです」と申すしかございませんが――

【目を細め、眼鏡の中央部をクイッと指で押し上げ、ゆっくりとじっくりと思い出すようにウェル子が語るは、】
【間違いなく、水の国で開催中の武道大会のことで、相違ない】

【ただし、ウェル子は「フリッツ」なる人物は対戦相手として記憶していても、この不穏な電光少女のことは、存じていない】
【それゆえに、ウェル子が送る視線には、言外に怪訝な感情を含んでいた】

「な、ウェル子ちゃん、僕も言っただろ、カラスはやめておけって」
「いやごめんねキミ、僕のツレがとんだ迷惑をかけちゃって」

【一方、ウェル子の相方の少女は、視線をあっちへこっちへと動かしながら、明るい口調で謝罪の意を告げる】
【その表情は苦笑、に近いもので、要するに彼女は、なんの他意もなく、純粋に「ばつが悪い」気持ちでいるのだろう】


……はいはい、申し訳ございませんでした、反省しております


【かくしてウェル子は、心がこもっていない空気満々の、無表情・無感動な反省を述べた】
【今、ウェル子は、申し訳ない気持ちどうこう以前に、眼前の少女が、敵なのか、そうでのないのかを、ただ判別しようと、直感を研ぎ澄ませていた】
997 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2013/03/02(土) 22:01:54.74 ID:jJn+Fzdzo
>>996
そうそれー。録画で見たけどー。

【――あの武道会は確かにテレビにも放映された。それを見た、というのはおかしいことでもないだろう】
【依然、フリッツ≠ニ軽く呼んだ理由は判明してはいないが――知り合い、ということか】

……実物もやっぱネクラな顔してるねー。

【初対面、その出会い頭にそんな悪罵じみた声を投げつけて、少女自身は笑う】
【その笑いは、どこか陰湿な――目の前の少女を見下すような響きがある】

……で。別にキミにはなーんにも言ってないんだからー、黙っててくれる?

【忙しく視線を泳がせている、毛皮コートの少女のとりなしに、目もくれずにそれだけを吐き捨てると】
【ベンチに座るウェル子の前に膝を畳んで、しゃがむ】
【ウェル子の目を下から覗き込んで、嗜虐的な笑みを浮かべ】

……それで謝ってるつもりー? アタシ、舐められちゃってるー?
ねね。……フリッツには止められてるんだけどー。
別にー、今ここでアンタやっちゃってもー。ばれないよねー?

【なんか言ってみろよ、とばかりに】
【口調こそ間延びして穏やかなモノに聞こえるかもしれないが――その内実は、酷く挑発的なソレで】
【屈みこんだ少女もまた、ウェル子の反応を待っている】
998 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/03/02(土) 22:02:42.92 ID:OBz98JYQo
>>995

―――――ぅえっ?

【桔梗色の彼女が、まさに定型句を述べてそれを拾い上げた途端、掴み合いをする二人の時が止まった】
【九割九分八つ当たりで暴走を始めた女が、予想だにしなかった言葉を聞いて我に帰ったのである】

えっ、と、あなた、今、私の椅子の下…あれ?

【血気盛って赤みを帯びていた顔が、茹で上がったかのようにさらに紅くなり】
【礼を言う代わりなのかぺこりと頭を下げた角ありは、解放されて2、3度咳き込むと】
【仕返しとばかりにおおげさに肩を竦めた】

「灯台下暗し、ですね。 全く私は襲われ損です。 ところでとっても優秀な主様。
呆然としてないで、何かこの方に言う事があるんじゃないです?」

あ、ありがとうございました…すいませんでした…

【嫌味にも言い返せず、風船が力なく萎むように、がっくりと頭を垂れる黒髪】
【自業自得もいいところだが、軽い騒ぎかと勘違いした周囲からの絶対零度の視線が余計に刺さったようで】
【石を受け取ることも忘れて、机に突っ伏している】
【その様子を見て、あまり動かない表情に心からの満足を浮かべながら、角ありは桔梗色の彼女のほうへ向き直ると】


「こちらからもお礼を。 私の主様はとっても優秀なのですが見てのとおりネジが数本抜けていまして」

も、もうやめてぇ…

「こうは言っておりますが普段は優秀で」

もう許してぇ…

【再び頭を下げる。 どちらかといえば感謝よりも、主の消え入りそうな涙声を堪能しているようだが】


あ、あの。 よかったら何かおごるよ…お世話になっちゃたし…ごめんねなんか。


【依然篭るような声のまま、初対面の割りになれなれしく席へ誘う】
【ちなみに角ありの隣に一つ、黒髪の隣に一つ席はあるのだが、どちらへ座るかはそちら次第】

【むしろ、これだけ目立っておいて仲間だと思われたくないのは勿論であろうが】
【断られたなら、黒髪がさらに沈み込んで角ありが喜ぶ、という結論である】


999 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/03/02(土) 22:05:49.65 ID:/qkMyuU00
>>991

………そう、か―――――……貴方ならそう言うと思っていたわ。
お互い、“あの男” を討てればいいとさえ思ってる―――――。

【そう紡いだ柊の言葉には、敵意も寂寥の感ももはやなかった。凪いだ微笑のようなそれを、瞬きと共に表情に浮かべる。】
【思わぬ形での共闘関係―――― 絶対的邪悪たる “あの男” の暴虐を挫くため、それぞれの遣り方で同じ敵へと到る其れ。】
【その実現を以て今宵を終えて、その余韻を残しながら別れて――――。】

(………、っ―――――――)

【………そう、折り合いをつけられたらどんなにか良かっただろう。】
【それが出来る取り合わせであったなら、どんなに優しい夢を見られるのだろう?】


…………それでも……私は――――― ……どんな理由が有ったとしても、貴方の殺戮を見過ごす事だけは出来ない。
……それは “彼女” に託された生命を捨てて、総て忘れ去る事だから。

私が “私” の誓いを失くせば、大事なものも総て失う――――――
………過去も、今も。護れる筈の生命も、総て―――。……貴方の言った通りなのでしょうね。

だから私は停まれない。
この道は最後まで貫き続ける。

たとえどんな痛みがあろうと、そうある事でしかいられない………!!

【だがその道は選べなかった。それが一つの答えを紡がせた。】
【互いの譲れない “道” のため、大きな喪失と引き替えにそれぞれの得た、唯一つ信じる “答え” のため……。】
【――――― 憎悪でなく敵意でなく、それぞれの正義ゆえにぶつかり合うのだと。】


…………征くわ。
手は抜かないし抜かせない――――――……その道こそを、私は望む……!

【余韻ごと断ち切る様な戦意は、静かに夜へと解き放たれた。柊が、“力” の発動を図る気配を漂わせる。】
【其れに応じるかどうかは、もはや彼次第なのだろう。彼女は、それを望んでいるのか―――――】
【………感情を押し殺したような声と、“強さ” を纏った無表情の仮面。】
1000 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟・東北) [sage]:2013/03/02(土) 22:08:42.39 ID:sMloKQPAO
/っと、
【 憎悪でなく敵意でなく … 】の一文は、ラストの台詞の後に場所を移して補完お願いします。
1001 :1001 :Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
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