双極性障害[編集] 境界性パーソナリティ障害では双極性障害との併存率が高い。特に双極 I 型障害に関しては約30%ほどと見られている[38][75]。双極性障害(躁うつ病)の軽躁ないし躁状態の時は行動化が激しく、衝動性、気分の易変性、自殺企図の繰り返し、対人障害など症状も類似する。双極 II 型障害の場合はさらに鑑別がつきにくい。双極性障害の研究者アキスカルは、双極性障害の患者がしばしば境界性パーソナリティ障害と誤診されていると指摘した[76]。近年境界性パーソナリティ障害との鑑別が困難な非定型の双極性障害が増加傾向にあり、それらの鑑別方法についても議論される処となっている[77][78]。併存している場合でも、現在の状態が双極性障害に傾いているか、パーソナリティ障害に傾いているのか十分認識しておく必要がある[65]。またアメリカの双極性障害研究者・臨床家達の間では、境界性パーソナリティ障害を人格の問題ととらえ精神療法のみを行うべきではなく、気分障害ととらえ、精神療法と合わせ気分安定薬を使うべきという意見が大半をしめている[79]。